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1993/02/23 第126回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第126回国会 厚生委員会 第3号
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1993/02/23 第126回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第126回国会 厚生委員会 第3号

#1
第126回国会 厚生委員会 第3号
平成五年二月二十三日(火曜日)
    午前十時一分開議
出席委員
   委員長 浦野 烋興君
   理事 粟屋 敏信君 理事 野呂 昭彦君
   理事 持永 和見君 理事 山口 俊一君
   理事 網岡  雄君 理事 池端 清一君
   理事 遠藤 和良君
      甘利  明君    伊吹 文明君
      岩屋  毅君    衛藤 晟一君
      小沢 辰男君    大石 正光君
      岡田 克也君    加藤 卓二君
      坂井 隆憲君    鈴木 俊一君
      住  博司君    近岡理一郎君
      戸井田三郎君    畑 英次郎君
      宮路 和明君    簗瀬  進君
      伊東 秀子君    沖田 正人君
      加藤 繁秋君    川俣健二郎君
      菅  直人君    小松 定男君
      五島 正規君    外口 玉子君
      土肥 隆一君    長谷百合子君
      森井 忠良君    草川 昭三君
      吉井 光照君    児玉 健次君
      柳田  稔君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 丹羽 雄哉君
 出席政府委員
        厚生大臣官房長 多田  宏君
        厚生大臣官房総 瀬田 公和君
        務審議
        厚生大臣官房審 佐々木典夫君
        議官
        厚生省健康政策 寺松  尚君
        局長
        厚生省保健医療 谷  修一君
        局長
        厚生省保健医療 田中 健次君
        局国立病院部長
        厚生省生活衛生 藤原 正弘君
        局水道環境部長
        厚生省社会・援 土井  豊君
        護局長
        厚生省老人保健 横尾 和子君
        福祉局長
        厚生省保険局長 古川貞二郎君
        厚生省年金局長 山口 剛彦君
 委員外の出席者
        人事院事務総局
        職員局職員課長 石橋伊都男君
        環境長水質保全
        局水質管理課長 柳下 正治君
        大蔵省主計局主
        計官      窪野 鎮治君
        文部省初等中等
        教育局高等学校 富岡 賢治君
        課長
        文部省体育局学
        校健康教育課長 近藤 信司君
        労働省労政局勤
        労者福祉部福祉 新島 良夫君
        課長
        自治省行政局公
        務員部公務員課 遠目塚昭三君
        能率安全推進室
        長
        厚生委員会調査
        室長      高峯 一世君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月十八日
 辞任         補欠選任
  甘利  明君     石原慎太郎君
  岩屋  毅君     倉成  正君
  衛藤 晟一君     中山 太郎君
  大石 正光君     浜田 幸一君
  岡田 克也君     綿貫 民輔君
同日
 辞任         補欠選任
  石原慎太郎君     甘利  明君
  倉成  正君     岩屋  毅君
  中山 太郎君     衛藤 晟一君
  浜田 幸一君     大石 正光君
  綿貫 民輔君     岡田 克也君
同月二十二日
 辞任         補欠選任
  柳田  稔君     中野 寛成君
同日
 辞任         補欠選任
  中野 寛成君     柳田  稔君
    ―――――――――――――
二月二十二日
 薬事法及び医薬品副作用被害救済・研究振興基
 金法の一部を改正する法律案(内閣提出第三六
 号)
 福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法
 律案(内閣提出第三七号)
 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正す
 る法律案(内閣提出第三八号)
同月十九日
 あん摩マッサージ指圧師の業務と異名同質のカ
 イロプラクティック及び整体術等無免許療術行
 為取り締まりに関する請願(尾身幸次君紹介)
 (第二二五号)
 退職後の生活の安定と生きがいに関する請願
 (遠藤登君紹介)(第二二六号)
 腎疾患総合対策の早期確立に関する請願(真鍋
 光広君紹介)(第三四一号)
 難病患者などの医療と生活の保障に関する請願
 (真鍋光広君紹介)(第三四二号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
二月十九日
 小児成人病対策の強化に関する陳情書外一件
 (名古屋市中区三の丸三の一の二愛知県議会内
 小田悦雄外一名)(第三〇号)
 リウマチ性疾患対策に関する陳情書(高知市丸
 ノ内一の二の二〇高知県議会内結城健輔)(第
 三一号)
 義歯の医療保険適用拡充等に関する陳情書外十
 一件(大阪府門真市中町一の一門真市議会内滝
 井隆外十一名)(第三二号)
 骨髄移植に対する支援の強化に関する陳情書外
 一件(大阪市中央区大手前二大阪府議会内田島
 尚治外十名)(第三三号)
 乳幼児医療費無料化等の早期実現に関する陳情
 書外三件(大阪府豊中市中桜塚三の一の一豊中
 市議会内上原清外三名)(第三四号)
 原爆被害者援護法の早期制定に関する陳情書外
 二件(埼玉県川越市元町一の三の一川越市議会
 内井上勇外二名)(第三五号)
 抜本的かつ早急なエイズ対策に関する陳情書外
 一件(東京都新宿区西新宿二の八の一東京都議
 会内小林莞爾外十八名)(第三六号)
 看護婦等の人材確保の促進に関する法律に基づ
 く実効ある基本指針の策定に関する陳情書(大
 阪府豊中市中桜塚三の一の一豊中市議会内上原
 清)(第三七号)
 老人病院における家政婦及び看護婦・家政婦紹
 介所の積極的活用に関する陳情書(北海道滝川
 市大町一の二の一五滝川市議会内居林幹生)
 (第三八号)
 男性の介護従事者の養成と介護従事者の待遇改
 善に関する陳情書(甲府市丸の内一の六の一山
 梨県議会内奥秋恵次)(第三九号)
 障害福祉施策の拡充に関する陳情書外六件(大
 津市御陵町三の一大津市議会内前阪良憲外六
 名)(第四〇号)
 精神病者保護及び精神保健ケア改善に関する陳
 情書(広島市中区上八丁堀二の六六河村康男)
 (第四一号)
 加工食品に対する栄養成分の表示の義務づけに
 関する陳情書(神戸市中央区下山手通五の一〇
 の一兵庫県議会内尾崎光雄)(第四二号)
 廃棄物処理対策の推進に関する陳情書(松山市
 一番町四の一の二菅省三外三名)(第四三号)
 廃自動車等の処理対策に関する陳情書(東京都
 新宿区西新宿二の八の一東京都議会内小林莞爾
 外九名)(第四四号)
 平成五年度以降廃棄物処理施設整備費国庫補助
 予算枠の拡大に関する陳情書(山口市亀山町二
 の一山口市議会内高田良雄)(第四五号)
 児童扶養手当などの子供に対する支給を高校卒
 業まで延長することに関する陳情書外九件(鳥
 取市東町一の二二〇鳥取県議会内花本美雄外九
 名)(第四六号)
 公立保育所にかかる国庫負担制度の堅持に関す
 る陳情書(甲府市丸の内一の六の一山梨県議会
 内奥秋恵次)(第四七号)
 保育所最低基準に示されている職員配置の改善
 等に関する陳情書外三件(大阪府泉南市樽井七
 三〇泉南市議会内大石恭史外三名)(第四八
 号)
 心身障害者小規模授産所への助成の拡充に関す
 る陳情書(名古屋市中区三の丸三の一の二愛知
 県議会内小田悦雄)(第四九号)
 高齢者保健福祉推進十か年戦略等に関する陳情
 書外五件(大阪府茨木市駅前三の八の一二茨木
 市議会内茂手木幹久外十一名)(第五〇号)
 福祉関係職場の人材確保対策の拡充に関する陳
 情書(大阪府高槻市桃園町二の一高槻市議会内
 伊川二郎)(第五一号)
 国民健康保険事業における東洋医学療法の活用
 に関する陳情書(神戸市中央区下山手通五の一
 〇の一兵庫県議会内尾崎光雄)(第五二号)
 火葬場建設事業に対する制度の充実に関する陳
 情書(札幌市中央区北一条西二の一の甲のイの
 一札幌市議会内見延順章)(第五三号)
 国民健康保険制度の改善に関する陳情書(佐賀
 県藤津郡嬉野町大字下宿乙一一八五の二嬉野町
 議会内松林章敏)(第五四号)
 被用者年金制度の支給開始年齢に関する陳情書
 外一件(大阪府豊中市中桜塚三の一の一豊中市
 議会内上原清外一名)(第五五号)
 在日外国人無年金者に対する救済措置に関する
 陳情書(大津市御陵町三の一大津市議会内前阪
 良憲)(第五六号)
 在日朝鮮人高齢者と障害者に対する国民年金適
 用の救済措置に関する陳情書(埼玉県秩父市熊
 木町八の一五秩父市議会内青葉英夫)(第五七
 号)
 健康文化都市の推進に関する陳情書(高知市丸
 ノ内一の二の二〇橋本大二郎外三名)(第五八
 号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 被用者年金制度間の費用負担の調整に関する特
 別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 一一号)
 厚生関係の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
#2
○浦野委員長 これより会議を開きます。
 厚生関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。住博司君。
#3
○住委員 丹羽厚生大臣、大臣の御就任を心からお祝いを申し上げます。丹羽先生は、かつて厚生政務次官もやられている、そして当院の社会労働委員長もやっておられますし、自民党におかれましても社会部会長等を歴任をなさって、いってみれば厚生行政のエキスパートでございますから、これからいわば丹羽カラーというものをお出しをいただいて厚生行政をお進めをいただけると思います。この前の所信表明のときにも、国民の立場に立ってぬくもりのある厚生行政を進めるという決意を披瀝されました。そういうことで、大いに期待できるものだと私どもは思っている次第でございます。どうか今後とも厚生省の先頭に立って御活躍をいただくことを、まず最初にお願いをしておく次第であります。
 きょうはいろいろとお尋ねしたいこともたくさんございますけれども、幾つかに的を絞って御質問させていただきたい、こう思います。
 その一つは、社会保障についてなんですけれども、つい最近公表されました社会保障制度審議会の将来像委員会の第一次報告の中で、社会保障はみんなのために、みんなでつくり、みんなで支えていく制度、こういうふうに書いてありました。私も日本に生まれてよかった、長生きしてよかった、安心して老後が暮らせる、いつでもどこでもだれでも医療福祉のサービスが受けられる、みんなが望むそういう社会をぜひこの国で実現をしていただきたい、こう思っておるところでございますけれども、その時点で社会保障については大変な負担がどうしても必要になってまいります。社会保障についての基本的な大臣の概念と、それに向かっての意欲というものをまず最初にお伺いをしておきたい、こう思います。
#4
○丹羽国務大臣 住委員から過剰なお褒めのお言葉をちょうだいいたしまして、まことに恐縮でございます。
 ただいま委員御指摘のように、これから我が国は高齢化社会を迎えていくわけでございます。この高齢化社会においては、医療の分野においてもあるいは年金の分野においても、いかにして給付と負担の公平化というものを図っていくかということが大切なことではないかと思います。そして、まさにお互いの支え合いの精神があってこそ、初めてこれからの社会保障というものは十分な長期的、安定的な揺るぎない体制というものを築き上げることができるのではないか、こういう観点に立ちまして、私どもが二十一世紀においても我が国の社会保障が世界に冠たる社会保障であるように、今例えば年金の問題につきましては、年金の六十五歳の支給問題あるいは年金の一元化、こういう問題について鋭意検討をしているところでございます。
#5
○住委員 今ほど、公的年金制度の話と医療保険制度を長期的に安定することが何よりも大切だというふうにおっしゃって、そして公的年金制度の支給開始年齢のことにも触れられました。国民健康保険の財政安定化と負担の平準化を目的とした法案が提案されておりますので、その点は直接触れませんけれども、やはり公的年金制度についてはどうしても少し伺っておきたい、こう思う次第であります。
 大臣も触れられましたけれども、公的の年金制度というのは、これなしては老後の生活設計というのは成り立たない大きな役割を担っていると私も思います。子の世代が親の世代を世話する形の世代間扶養の考え方というのももうすっかり定着をしている、こういうふうに思っています。しかし、公的年金は長期的に収支均衡を果たす仕組みでなければならないし、同時に、そのときどきの社会経済変動にも対応できなければならない、またさらに世代間、制度間を通じての給付と負担が著しく不公平であってはならない、こういうふうに思うわけです。
 さて、そうした観点に立って平成六年以降に予定されている年金制度改正を考えますと、先ほど大臣もおっしゃっておりましたように、従来から懸案となっている厚生年金の支給開始年齢の問題は避けて通れない。そこで、平成六年の財政再計算とそれに伴う制度改正、平成元年の改正の際に示されたスケジュールを視野に入れながらどのように対応されようとしておるのか、具体的に少し伺っておきたい、こう思います。
#6
○丹羽国務大臣 年金の分野では、現在一人の受給者に対しまして六人が保険を払っていらっしゃる。つまり、別な見方で申し上げますならば、一人のお年寄りを六人で支えておる、こういう図式でございますが、これが三十年後には一人のお年寄りを二人で支えなければならない、こういう大変な超高齢化社会というのがやってくるわけであります。
 委員御指摘のように、この年金制度というのはお互いの支え合いであります。私どもは現在のいわゆる給付水準、これは労働者の賃金の六九%程度を給付水準としておるわけでありますけれども、この給付水準を維持していくためには、問題は保険料率でありまして、現在保険料率は一四・五%であります。これは実は平成二年当時の推計でありますけれども、これを六十歳の支給のままでいきますると三一・五%まで引き上げざるを得ない。その一方で、六十五歳まで引き延ばせれば、私どもは二六%前後で抑制することを願っておるわけでございますが、これは当時、平成二年の推計でございますし、実はその後の出生率の低下というのも大変激しいものがございまして、今一・五三まで下がっておるわけでございます。こういうことを考えますと、やはり給付水準、保険料率、それから支給開始年齢、この三位というのは絡まって出てくるわけでございますので、私は基本的には、こういうような状況を考えますると、長期的な視野から見て六十五歳への引き上げというものは避けて通れないのではないか、このように考えているような次第であります。
#7
○住委員 そこで、その六十五歳の支給開始年齢を視野に入れていきますと、やはり具体的にそこからいきなりというわけにはいかない、こう思います。具体的なスケジュールについてはどんな考え方で御提案をされようとしているのか、細かく聞かしていただければありがたいと思います。
#8
○丹羽国務大臣 これはまさに、要するに前回の財政再計算期の年金法改正のときに、この問題だけについては、実は一番大切なことは雇用と年金の連動であるということがありまして、いろいろな御意見がございまして、最終的には削除した経緯がございます。そういうことを踏まえまして、私どもは、問題は特に最近六十歳の定年延長というのは大変ふえてきておりますけれども、まだまだ六十歳から六十五歳までの間というのが、ちょっと率直に申し上げて必ずしも十分に、いわゆる働きたくても働けないとか、そういう方が少なくないわけでございますので、その辺の救済策を含めて今年金審議会の方で御検討いただいておるわけでございますけれども、いずれにいたしましても国民の皆さん方にとって不安のないような年金制度の確立というものを実施していきたい、このように考えているような次第であります。
#9
○住委員 支給開始年齢の問題もありますけれども、もう一つは一元化の話がございます。今の雇用情勢もありますけれども、社会構造の変動、就労構造、こういったことの変化への対応というのはどうしても不可欠だ、こう思うのです。平成七年をめどに一元化を完了するという目標が示されて、基礎年金の導入や被用者年金制度間の負担調整措置も逐次行われてはいるんですけれども、一元化についてはどのような作業を進めていこうとしているのか、そのことについてもちょっと触れておきたいと思います。
#10
○丹羽国務大臣 まさに住委員の御指摘のとおり、この六十五歳の問題について平成六年をめどにして決着をつける、その後、公的年金の一元化の問題につきましては、平成七年度を目途にいたしまして現在鋭意検討中でございます。
 今お話がございましたように、年金の加入者はひとしく公平であるべきである。それから、先ほどから住委員が御指摘になっておりますように、いわゆる就業構造や産業構造の変化にたえ得るようなものをつくっていかなければならない、こういうような安定的な制度というものを進めていかなければならない。また、当面の問題といたしましては鉄道共済の救済問題というものがあります。こういった問題につきましても今年度も、いわゆる平成五年度、六年度におきましても、暫定的な措置として厚生年金や地方共済から九百七十億円に及ぶ支援をお願いをしておるわけでございまして、今制度間調整を進めておるわけでございますけれども、最終的には一元化をして、ひとつ先ほどから申し上げているような安定的な制度の確立を目指していきたい、このように考えているような次第であります。
#11
○住委員 もう本当にそういう形できちんとスケジュールを示して、そのことを説得をしながら、この社会保障制度のあり方についてきちんとお伝えをしていっていただきたい、そして、世代間がお互いに助け合うという観点というものをぜひ大切にしていただきたい、こう思う次第であります。
 大臣は所信の中で精神保健対策の充実についても一言触れられました。昭和六十二年七月の精神保健法の大改正、施行から既に四年半が経過いたしました。この改正の際、附則の検討規定というのがありまして、「政府は、この法律の施行後五年を目途として、新法の規定の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、新法の規定について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。」となっております。これを踏まえて精神保健対策の現状についてお聞きしたいと思います。
 精神保健法の第一条というのは、精神障害者の医療及び保護に加えて社会復帰を目的に掲げている。ほかの医療関係法に見られない特色だと私は思っているんです。つまり、人権を擁護して社会復帰、社会参加を促進することはまさに最も重要な課題の一つだという意味でもあろう、こう思うのです。しかし、平成四年十一月現在、この前厚生省から資料をいただきましたけれども、精神障害者の社会復帰施設は、援護寮が四十六カ所、福祉ホームが五十二カ所、授産施設が四十二カ所にすぎない。全くこういうものがないところが十一県ある。これまでこうした社会復帰施設に対しては、その運営費に対する設置者の自己負担が求められていまして、それが施設の整備促進を妨げてきたことは否めないと私は思うのです。今回、平成五年度から設置者の負担解消の措置がとられるわけで、評価すべきところだとは思いますけれども、それでもさらなる努力が必要だと思います。精神障害者の社会復帰対策をこれからどのように進めていくのか、その点をお伺いします。
#12
○丹羽国務大臣 精神障害者の社会復帰につきましては、私ども最重点課題として取り組んでいかなければならない、このように留意をいたしておるような次第でございます。
 今回、五年ということで、見直しの規定の中でこの問題についても十分に検討を進めておるわけでございますけれども、平成五年度の予算におきましては、先生から御指摘のございました社会復帰施設の運営費に係る設置者負担、これまではいわゆる設置者負担というものがあったわけでございますけれども、これが今度解消されました。それから、いわゆる社会復帰の要件には該当しておらない小規模作業所、あるいはグループで共同で行っていくグループホーム、こういうものに対して補助を出しておる。非常にきめの細かな対策を講じておるわけでございます。そのほか、精神障害者の方々で、まだ現場に復帰するには時間があるという方が賃金が得られるような福祉工場の整備、こういうものを手がけていきたいと思っています。
 いずれにいたしましても、私どもは人権というものを十分に配慮しながら、障害者の皆さん方の社会復帰、社会参加のために全力で頑張っていく決意でございます。
#13
○住委員 よく精神障害者が不幸にして引き起こしてしまう事件というのがあります。私どもの同僚、先輩の大変立派な方がお二人お亡くなりになられるということもございました。こういう事件は、わずかであっても非常に耳目を集めてしまうというところがあります。今大臣がおっしゃられた共同作業所やグループホームにいたしましても、それをつくろうとするだけで猛烈な反対運動が地元から起きる現実も、やはり私たちはしっかり見ておかなければならないのではないか、こう思うのです。
 障害者の雇用促進法の中でも、去年変わりまして、精神障害回復者の中で症状の安定している者というふうになりました。これは社会参加への大きな意味合いを持っているとは思うのですが、やはり病気のことを知られたくないとかいう障害者がかなりいる一方で、精神障害者に関する知識が地域社会の中にまだないということも、実を言うといろいろな意味での阻害要因になっているのではないか、こんなふうに感じます。一日も早く精神障害者に対する誤解、偏見をなくして、世間体を気にすることなく社会に受け入れ、みんなで面倒を見ようというコンセンサスというのができなければならない。社会参加を容易にするためには関係各省庁の一致した協力が必要だと思うのですけれども、この問題、誤解、偏見の対応というのでしょうか、解消の問題について御見解があればお伺いをしたいと思います。
#14
○谷政府委員 精神障害者の社会復帰あるいは社会参加を促進する上で、今先生お話ございましたように、国民の理解と協力を得ていくということが大変重要なことだというふうに認識をいたしております。
 これまで精神障害者の社会復帰等に関する知識の普及あるいは啓発広報活動といたしましては、国及び地方公共団体におきまして、いわゆる精神保健普及運動の実施ですとか、あるいは精神保健に関する全国大会の実施ですとか、また地方の保健所あるいは精神保健センターにおける知識の普及、そういうようなものをやってきたわけでございます。また、平成五年度におきましては、精神保健に関する知識の普及を図るという観点から、この夏に日本で世界精神保健連盟の世界会議を招致をして、開催をすることにいたしました。厚生省におきましても、この会議の開催についての支援を行いたいというふうに考えております。
 先ほど来お話がございましたような精神障害者の人権、あるいは正しい理解ということに対する知識の普及あるいは啓発活動について、今後とも努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#15
○住委員 まさにそういう観点がどうしても必要だし、これは時間がかかることかもしれませんけれども、遅滞することなく行っていかなければいけない分野である、こういうふうに思うのです。
 前回の法改正の際には、衆参両院とも幾つかの附帯決議というのを行っております。その中で「精神科ソーシャル・ワーカー等の専門家の養成とその制度化などマンパワーの充実に努めること。」というのがありました。私はこの精神障害の問題につきましては、医師、看護人を中心とした治療とか療養上の世話はもちろん、社会適応のための訓練だとかあるいは指導だとか心理面でのサポートとか、そういったものがどうしても必要だ。つまり、専門的知識や技術を持った人たちが一体となって、いわゆるチーム医療というのをやっていかなければならない、こういうふうに思うのです。
 例えば精神科ソーシャルワーカーや臨床心理技術者の国家資格制度というのはありません。その意味からすれば、専門性をそれぞれ発揮しながら患者のケアを行うチーム医療を支える体制というのは整っていないのではないか、体制としてはなっていないのではないか、そんなふうに思うのです。資格制度というのは、資質の一定のレベルを保つという意味で、同時に、信頼を得るという意味で大変重要なものだと思います。もちろん資格制度は、私自身が考えるところによれば、本来排他性というのを持っています。ですから、どんな職種によってどんなことをやってもらうのかということはよく考えておかなければいけないとは思いますけれども、どの範囲まで資格化をしようとするのか、あるいは名称独占なのか業務独占なのかとかいったところとか、そういったものも含めてPSW、CPの資格化とチーム医療の問題についてきょうはぜひ伺っておきたい、こう思う次第であります。
#16
○谷政府委員 御指摘ございましたマンパワーの問題でございますが、精神科ソーシャルワーカーあるいは臨床心理技術者、いずれの職種につきましても、国家資格化ということにつきましては関係する当事者間の理解を得る必要があるということで、現在当事者間の調整を行っているところでございますけれども、具体的には、精神科ソーシャルワーカーにつきましては、医療ソーシャルワーカー全体の問題として現在検討を行っているというところでございます。また一方、臨床心理技術者につきましては、業務指針の作成あるいは資格制度その他につきまして、検討会を設けまして詰めた議論を今やっていただいております。そういうようなことで、私どもとしてはできるだけこの問題について早く決着をつけて、マンパワー体制の充実ということをやっていきたいというふうに考えているわけでございます。
 また、今御指摘ございましたチーム医療ということにつきましては、もちろん精神科医療におきましても多くの職種が協力をして患者のケアに当たるということが重要だというふうに考えておりますが、具体的な問題について、特に精神科医療におけるチーム医療のあり方ということについては、別途研究班を設けまして研究をしたいというふうに考えております。
#17
○住委員 まさにチーム医療というのは、精神保健だけではないと思うのですけれども、精神保健については特に重要な観点だと思いますので、ぜひ積極的な取り組みをお願いしたい、こう思います。
 そして同時に、精神医療を支えているのは私は民間病院だ、こう思っています。いろいろな民間病院を見てきました。その中身にもいろいろな差がありましたけれども、そういう中で、病院の経営というのは社会保険診療報酬に大きく依存しているのは言うまでもないのです。しかし、去年の四月の改定につきましてはさまざまな声が出てきた。特に長期入院患者に対しての評価が十分でない。つまり、入院時医学管理料の逓減制というのは、現場実態とはかけ離れているという反発がありました。患者に望ましい精神医療を提供して、患者の早期退院であるとか早期社会復帰を目指すことはもちろん大切なことでありますけれども、一方で、入院が必要な患者には必要な入院加療ができるようにすることも大事だと思います。私は経営実態をよく調べた上で診療報酬の問題に対応してもらいたい、こういうふうに考えているところですけれども、この点について御見解を伺っておきたいと思います。
#18
○古川政府委員 先生御指摘の平成四年四月の診療報酬の改定におきましては、精神医療関係におきましては、適切な医学的判断のもとで患者の病状に応じまして患者さんの早期の退院あるいは社会復帰を促進し、患者さんの福祉の向上を図る、こういう観点から、看護料を初めとしまして入院関連の診療報酬を大幅に引き上げたほかに、通院精神療法等精神医療の専門性を評価した、こういうところでございます。
 今御指摘の点でございますが、これは、これまで一年を超える入院患者に対しまして一律に百二十九点という入院時医学管理料としていたものを、実情を踏まえましてさらにきめ細かく評価する、こういうことで、一年六カ月を超える特に長期の入院患者に対する区分を新しく設けまして、その入院時医学管理料を百十九点とした、こういうことを指すものではなかろうかと思うわけでございますが、これは先生もただいまお話ございましたように、患者さんの早期の退院やあるいは社会復帰を促進するという趣旨を踏まえまして、入院早期の重点的評価を行うとともに、特に長期の入院の適正化等の観点からこういった調整を行ったものでございます。しかし、全体としては、病院の経営安定の確保に十分配慮したものということを御理解願いたいと思うわけでございます。
 病院の経営安定の確保につきましては、これまでも診療報酬の改定等を通じまして適切な措置を講じてきたところでございますが、今後ともただいま申し上げましたような患者の早期の退院や社会復帰を促進するという観点を踏まえまして、ことしの六月に実施される医療経済実態調査の結果等を見きわめながら対応し、全体として医療経営の安定の確保が図られるように努めてまいりたい、かように考えている次第でございます。
#19
○住委員 要するに、そういう観点で見ることがきちんと現場の実態と合っているということが大事だと思いますので、少なくとも医療従事者の方々が不満を持って仕事をするというような状況にならぬように、じっくりと実態を見ていただきたい、こういうふうにお願いをする次第であります。
 私は、閉鎖から開放という精神保健法の大改正の趣旨というのは非常によく浸透してきている、こう思っているのです。しかし、良質な医療の提供だとか保護機能を高めるためには、やはり高度な専門性を持つ看護士、看護婦、それからPSW等、十分なマンパワーの確保とそれに見合う医療費というのが必要だと思うのです。患者にとっても家族にとっても医療従事者にとっても、納得できる体制づくりというものについてぜひ御努力をいただきたいということを強く要望しておきます。
 それから、入院時医学管理料の逓減制の問題でいいますと、実を言うと私のところに、ある先輩の議員からのお話だったのですけれども、治療困難な難病という問題が出てくる。例えば、私に例として挙げられたのは筋萎縮性側索硬化症という病気だそうでございますけれども、この病気は治療の方法がなかなか見つからない。しかし、気道を確保して人工呼吸という形で命は長らえることができる。しかし、そのときに長期入院になってしまうと、どうしても難しい問題が出てくるのではないか。その点についてもよく考えて、病気の実態というのはいろいろとさまざま変わってまいりますので、そのこともぜひお考えをいただきたいということも同時に御要望をしておきたい、こう思う次第であります。
 最近問題になっています院内感染も、同じような意味があると思うのです。院内感染で特に注目されていますのが、有効な抗生物質の少ないMRSAによるものだ。私は、病院は本来病気を治すところだ、病気の治療に当たっては医者、医療従事者と患者の間にきずなともいうべき信頼関係がなければならない、こう思います。ところが、院内感染は、本来病気を治すところに入ったのに、新たに病原菌に感染して違う病気になってしまうみたいなそういう見方をされてしまう。こういうことでは医者と患者の間の信頼関係も揺らぎかねない、こう思うのです。厚生省ではこういう問題に対して総合対策というのを打ち出されましたけれども、具体的にどのように取り組んでいかれるのか。同時に、民間病院については、その施設整備についてもそういう配慮が今のところ余りなされていない。どんなふうにそういうところについても対応されていこうとしているのか、その点についてお伺いしておきたいと思います。
#20
○寺松政府委員 今先生が御指摘になりましたように、病気を治しに行っておるにもかかわらず病院の中において他の疾患と申しますか感染症になる、これは非常に問題でございます。したがいまして、そのようなことを防止することがこれから国民に良質で適切な医療を提供するための前提条件だ、このように考えております。したがいまして、今先生の御指摘のように、省内におきまして関係各課集まりまして、この院内感染の防止のための総合対策というのを先般取りまとめたわけでございます。
 その柱をちょっと申し上げますと、一つは、今先生が特に注目して御指摘になりました抗生物質製剤の適切な使用方法の徹底、それから二番目に、施設内感染防止に関します教育、研修の充実、それから施設設備整備事業の推進、それから施設内感染対策の指導の徹底あるいは調査研究の推進、この五つを柱といたしております。
 特に今先生が御指摘のありました民間病院でございますけれども、御承知のように日本の医療は民間病院で支えられております。したがいまして、そこに対します適切な対応が必要だと思いますが、特に平成五年度におきまして院内感染対策講習会を実施して、いわゆる指導者であります医師、看護婦、その辺に講習を行いたいと思っております。それからまた、先ほども申し上げましたが、患者環境改善施設整備事業というのを予算にお願いをしてございますけれども、その中で院内感染対策に関する施設を整備してもらうということ、それから、医療機関が効果的な院内感染対策を行いますためにマニュアルを作成いたしたい、このように考えておりまして、それらによりまして民間病院の院内感染防止対策の支援をやってまいりたい、このように考えております。
 いずれにいたしましても、関係団体、医療団体、いろいろございますが、その辺と相協力いたしまして感染防止に努力をしてまいりたいと思います。
#21
○住委員 院内感染対策というのは、言ってみれば一つの病気をたたいたら次の病気が出てくる、これは病院の中におきましてはいろいろな問題が出てくると思うのですね。エイズもまさにそういうところの観点が必要かもしれない。さっきも言いましたように多種多様な病気あるいは治療困難性の問題、そんなことがいろいろと出てくる。まさにそれに対応できるシステムをぜひおつくりいただきたいということをお願いする次第であります。
 まださらにお伺いしたいことがたくさんございましたけれども、質疑時間が参りました。大臣には改めてお願いをしておきますけれども、ぜひ大臣の高い御見識と指導性を持って厚生行政を本当に前向きに進めていただいて、まさに国民の健康と保健を守る官庁としてのお役割をぜひ果たしていただきますように改めて御要望いたしまして、質問を終えさせていただきます。
 ありがとうございました。
#22
○浦野委員長 土肥隆一君。
#23
○土肥委員 土肥隆一でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 きょうは骨髄移植の問題に絞って、道筋をちょっと明らかにしておきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。骨髄移植というのはもう既に日本でも厚生省の指導のもとに始められておりまして、そろそろその成果もあらわれつつあるかと思いますが、どうもいろいろ疑問に思うことがございますので、まとめてきょうはお聞きしたいと思うのであります。
 何といっても毎年六千人ほどの新しい患者さんがあらわれる。そして彼らは生き続けたい。しかし、骨髄移植によってしか命が救われないという生と死のはざまの中で苦しんでいらっしゃるわけであります。そこで骨髄移植ということが行われるわけでありますけれども、既にもう六年も七年も前から患者さんの団体がボランティアでさまざまな移植の治療を始めておりましたが、いよいよ日本の国もこれに乗り出しまして、およそ一年と数カ月がだったのではないか、このように思っております。
 そうした中で最も問題になりますのは、ドナーと言われる骨髄を提供なさる方に大変な負担をかけるというのがこの骨髄移植の最大の問題点ではないかと思います。まずは安全でなければいけないということは当然であります。それから休暇をたくさんとらなければいけない、入院等もしなければならない、そのために時間が非常にかかる。単に血液の採取のみならず、入院の期間中も時間がずっととられるわけであります。しかしながら、ほとんどそれが補償されていない、休業補償がされていないという状況でございます。
 それからもう一つ私がつけ加えて申し上げたいのは、骨髄財団、日赤、あるいはコーディネーターをしていただきます血液の臨床の専門の先生、それから採取、この流れがどうもうまくいっていない。せっかくボランティアの皆さんが自分の骨髄を提供しようと決意なさっても、ある新聞社はこれを究極のボランティアと申しましたけれども、私もそのとおりだと思うのですが、どうもその流れがスムーズにいってないのではないかというわけでございます。
 そこで、まず御質問申し上げたいのですけれども、九〇年の十一月に都立駒込病院でドナーの事故がございましたが、その後この事故の証明はできたのでしょうか。その辺からお尋ねしたいと思います。
#24
○谷政府委員 骨髄移植の問題につきまして、今先生幾つかの点の御指摘がございました。
 まず、一九九〇年十一月の事故の件でございます。これにつきましては、都立駒込病院におきまして骨髄移植のために骨髄提供者、ドナーから骨髄を採取したところ、突然容体が悪化し、意識不明の状態になったということでございまして、このような状態になった例は日本では初めてだということでございますが、この医学的な原因につきましては、東京都が外部の専門家を含めまして病院に設置した医学的な究明委員会で調査をいたしました結果、何らかの原因による特異な神経原性ショック及びそれに続く高度の無酸素性脳症とみなすことが妥当であるという見解が出されております。
 なお、先ほど申し上げましたように、このようなことが我が国で初めてだったというようなこともございまして、これを契機として、さらに安全対策という観点からも、財団におきましてもパンフレットの改正を行いまして、麻酔に絡む事故というようなことについての説明をするということにもいたした次第でございます。
#25
○土肥委員 今の説明は新聞に出ている程度でございまして、要するにドナーは素人の普通の方でございますから、もう少しわかりやすく説明をしていただかなければならないし、またそういう啓蒙も必要ではなかろうかと思うのです。
 ちょっとお聞きしますけれども、腰椎麻酔だったから神経原性ショックが起きたのでしょうか。
#26
○谷政府委員 このドナーについてやられましたのは確かに腰椎麻酔でございますけれども、腰椎麻酔だからということでは必ずしもないのではないかというふうに私どもは専門家からは聞いております。現実に骨髄移植の専門学会が調べた調査結果によりますと、ドナーの場合には全身麻酔が約八〇%というようなことでございますが、一二%程度を腰椎麻酔でもやられていたというようなデータがございます。骨髄移植財団では原則として全身麻酔で行うということで、現在では全国の骨髄採取施設等に徹底を図っているところでございます。
#27
○土肥委員 やはりこれはわかりやすく、一般の人が骨髄移植をするときに起きる一般的な麻酔の事故なのか、それとも骨髄移植に際しての事故なのか、その辺もお聞きしておきたいと思いますが、どうでしょう。
#28
○谷政府委員 私どもの委員会では、これは一般的な麻酔事故、麻酔に伴うものである、決して骨髄移植だからということではないと理解しております。その点につきましてはぜひ関係の方々の御理解を賜りたいというふうに考えております。
#29
○土肥委員 わかりました。したがいまして、例えば神経原性ショックなどと言われましても何のことかわからないわけでありまして、解説をつけたり、あるいはこれは一般的な麻酔による事故である、骨髄移植特有の事故ではないなどと丁寧に説明していただきたい、このように要望しておきます。
 さて、骨髄バンク自体の状況について質問させていただきます。
 ここに疾病対策課からいただいております骨髄提供希望者、ドナーの登録人数一万六千九百二十五名、平成五年一月末現在の統計がございます。これをつらつらと見ておりますと、昨年の十月まではずっと一千人台、多いときには二千人台の希望者、登録人数が出てまいりましたが、十一月に入りまして突然七百、八百、六百と下がってくるわけです。事故が起きましたのは十一月でございますが、十一月から減ってきているということで、これは事故の起きたことが広まってきたのかどうか、あるいはなぜ突然十一月からこの登録人数が減ってくるのか。
 それからもう一つついでに申し上げますと、HLAのA、B座が八千五百人あったわけですが、この人たちが二次検査のDR座の検査に入りますと五千二百人と下がってくるわけです。一次検査を受けて二次検査までの間に三千三百人の方がまだ受けていらっしゃらない、こういう状況があるわけです。こういうふうに、まずドナー希望者、登録者が極端に減ってきた理由、それから一次検査から二次検査に三千三百人の差が出てくる理由など、厚生省で検討していらっしゃればお答えいただきたいと思います。
#30
○谷政府委員 ドナーの登録数が減少しているという御指摘、確かにそのとおりでございまして、ただいまお話ございましたように、この事業を財団として始めて以来、十一月から登録数が千を割ったというようなことでございます。
 この原因については、私どもの方はいろいろ分析をしますが、必ずしも明確にはわからないわけでございます。やはり一つは、先ほど冒頭に先生がおっしゃいましたように、従来ボランティアの方がいろいろやってこられた活動を通じて公的バンクの設立に至ったわけでございますが、その積極的なドナー希望者の登録が一通り終わったというようなことがあるのかな。それから一方、従来からございました民間バンクヘの登録者の公的バンクヘの移しかえと申しますか、そういうようなことがほぼ終わったということ。それから、先ほどお話にございました麻酔に絡む事故と申しますか、そういうようなことが影響があったというようなことも考えられます。それから、あとは最近いろいろ言われております休暇の問題、あるいはそういったようなドナー希望者に対する負担の問題等について、改善をすべき余地があるのかというようなことが関連をするんじゃないかというふうに考えております。
 いずれにしましても、私どもの当初の目標であります五年間で十万人という目標の達成のために、改めて関係団体あるいは報道機関の御協力を得て、登録数の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
 それから、検査に関係いたしまして、A、B座の検査、第一次の検査とDR座、いわゆる第二次の検査との間の乖離でございます。これは、一つは時間差がどうしてもあるということがあろうかと思います。もちろん途中で来られないというようなこと、あるいはまだ来ていないというようなこともあろうかと思います。ただ、御参考までに申しますと、発足当初から一次検査と二次検査への乖離というのはだんだん埋まってきておりまして、昨年の秋ごろ、十月ごろには五〇%ぐらいだったのですが、今先生お話にございました直近のデータでは六〇%にまで上がってきているというようなことで、徐々には改善をされておりますが、この点につきましてもさらに一次検査から二次検査に十分な数の方が来ていただくよう、ドナーの方に対する説明等を十分にしていくように努めたいと思っております。
#31
○土肥委員 今るる御説明なさった中に、いっぱい私は問題点があるんじゃないかなと思うのです。
 先ほど申し落としましたが、昨年、一九九二年の十二月末現在で、はがきの申込者が二万二千六百八十四通あった。そのうち一万六千九百二十五人が登録した。そして第一次が八千五百人あって、第二次が五千二百五十人あった。もちろん壮大な全国的な登録申し込みと、それからずっと一次検査、二次検査と進んでいくわけですから、どんどん減っていくのはわかります。しかし、私が危惧いたしますのは、せっかく二万二千人の方が自分も骨髄移植の提供者になりたいと決心をなさった。これが大変なことであるということはわかるわけですね。そうすると、だんだん時間がたって、ぐずぐずしておりますとだんだん決心も変わってくる。決心が変わって構わないのですけれども、しかし、意気込みが手続の間に喪失していく、そういうことが起こっているのではないかということを思うわけです。したがいまして、受け入れる側である財団にしろ各県の骨髄センターにいたしましても、あるいはコーディネーターの対応にいたしましても、やはりそこは究極のボランティアとして、五、六回通院し、かつ最後は三日か四日か入院しなければならないというようなボランタリーな活動を励ましていく意味で、細心の注意と、それから気持ちを持続していくような対応をしなければならないんではないかというように思うのであります。
 そういう意味で、少し先へ進ませてもらいますが、ちょっと数字だけ押さえておきたいのですが、いわゆる最終段階になりますMLC検査の被検者数、患者とドナーの適合致、それから最終同意ドナー数を教えていただけませんか。
#32
○谷政府委員 一月二十五日現在でございますけれども、最終のMLC検査の受検者数は七十二名でございます。このうちこの検査の適合者が十五名、なお審査をしておる者が五十七名でございますが、この十五名のうち最終的に同意をしたドナーの数は、現在のところ九名でございます。
#33
○土肥委員 ありがとうございました。もう二名移植が行われたやに聞いております。最終ドナーと合わせて九名しかまだ組み合わせができてないということですが、これからも鋭意努力しませんと、ここまで絞り切ってまいりますと非常に心もとない数字になるわけでありまして、これからひとつまず財団の方からお聞きしたいと思います。
 骨髄移植推進財団、これができまして、この予算書を見せていただきますと普及啓蒙事業に三千二百五十万円、これで全国の啓蒙をなさるわけでありますけれども、組織的に考えまして一体これで十分な啓蒙ができているのかどうか。あるいは啓蒙用のビデオなどは貸し出しがあるのか、あるいは地方に啓蒙普及のパンフレット等々十分に行き渡っているのでしょうか。ある患者さんの団体から聞きますと、回ってこないというようなところもあるやに聞いておりますが、その辺の状況をお知らせください。
#34
○谷政府委員 財団の普及啓発活動、これがこの事業の一番初めでございますので、大変重要なことだろうというふうに考えております。財団におきましては、国の補助金あるいは多くの方々の善意の御寄附をもとにしましてパンフレット、リーフレットあるいはポスター、ビデオ、そういうものを作成いたしまして、地方公共団体、ボランティア団体等の関係機関を通じまして配布をしているところでございます。
 具体的には、ビデオにつきましては平成四年度の事業として三本つくっておりまして、「生きた命の贈り物」あるいは「いのちの絆」、そういうような題でございますが、それぞれ二百本あるいは千五百本等を制作いたしまして、配布あるいは貸し出しもいたしております。また、パンフレット等につきましても、基本的なパンフレットについて五十万部というようなものを作成いたしまして、また昨年はシンポジウムを大阪と東京で開催いたしまして、そういうことも含めまして、この事業についての御理解をいただくということから普及啓発活動をやっているわけでございますが、冒頭に申しましたように、これが一番の基本でございますので、今後ともいろいろな方の御理解と御協力を得て、さらに充実をさせていきたいと考えております。
#35
○土肥委員 パンフレット五十万部とおっしゃいますけれども、全国に配れば瞬く間に消えてしまうような量ではないかとも思いますし、例えばビデオ等も、個人に貸し出すというようなことはなさっているのでしょうか、ちょっとお聞きしておきたいと思います。
#36
○谷政府委員 もしそういったようなお申し出があれば、一応財団としてはやるという考え方でございます。
#37
○土肥委員 私は、大勢の国民の皆さんに関心を持ってもらう意味で、最大限のPR活動をしていただかないと、骨髄移植の患者さんを救うのに十分な数は、そして十万人体制などというのはなかなか達成できないのではないかと思いますので、一応意見として申し上げておきます。
 さて、中央の東京にこの財団があるわけでありますが、地方の組織がございません。地方の事務所だとかあるいは地方組織というのはないと思いますが、その点はどうでしょうか。
#38
○谷政府委員 地区にいわゆる調整委員会というものをつくっておりますが、先生がおっしゃるような意味での組織というものはまだできておりません。
#39
○土肥委員 調整委員会というのは臨床のコーディネーターの先生たちの集まりでございますね。そうしますと、やはりこれはぐあいが悪いと思うのです。これはボランティア運動でございますから、地域を無視して東京からパンフレットを送る、あるいはビデオを送るなどぐらいで啓蒙普及が図られるはずはないわけでありまして、厚生省としても特別な予算を財団におろしまして、地方組織、そして地方のボランティアグループの皆さんも大いに参加していただく、そしてお互いに勉強し合って勇気づけられていくというふうな性質のものではないかと思いますので、地方組織をぜひともつくるべきだと思いますが、今のところどうでしょうか。お答えできますか。
#40
○谷政府委員 財団の組織強化、今先生おっしゃる地方レベルでの組織強化あるいは草の根レベルでの組織強化というのは大変大事だと考えております。骨髄バンク事業の広域的あるいは継続的な実施に不可欠な課題であると考えております。御指摘の点につきましては、地方自治体も含めましてどのような形にしたらいいのか、今後検討をしていきたいと考えております。
#41
○土肥委員 地方組織をつくってまいりたいということでございますけれども、この財団自身も、予算書を見ますと人件費が一千六百四十万円しかない。これで全国の骨髄移植事業をやろうというわけですから、これは大変な、大変なという意味は非常に少ない額、これではとても財団が活発化するとは思わないわけでありますが、今財団にはスタッフは何名いらして、千六百四十万円という人件費は間違いございませんでしょうか。
#42
○谷政府委員 財団事務局のスタッフは、現在正規の職員が五名、臨時の職員が一名でございます。このほかに医師が交代制でボランティアとして専門的な相談業務に応じているということでございます。
 なお、人件費といたしましては、今お話がございました千六百四十万円が計上されております。給与につきましては、公務員相当の給与として算定をしているということでございます。
#43
○土肥委員 千六百四十万円でよく頑張っていらっしゃる。しかし、こんな額では、私どももっとやれとか、もっと頑張れとか言いましても、ちょっと無理じゃないかと思うのです。
 基本財産は今幾ら蓄積されたのでしょうか。
#44
○谷政府委員 財団の基本財産額でございますが、財団設立時、つまり平成三年の十二月には一億一千万でございましたけれども、その後各方面からの御協力をいただいたということで、今のところ平成四年度末には一応二億円余りになるという見通してございます。なお、財団におきましては、関係方面に御協力をお願いしているところでございまして、この事業運営の安定化あるいは計画的に事業を実施していくということから、今後とも基本財産の増額ということに関係方面の御協力をいただいて努めてまいりたいと考えております。
#45
○土肥委員 どうやら目標額にもなかなか届かないということでございます。いずれにいたしましても、近い将来に財団のあり方あるいは運営主体としてのあり方、それから財政面も含めて根本的に考え直さないと、これではなかなか先へ進まないなという感想を申し上げます。
 さて、この骨髄移植事業は、財団と日本赤十字とそれから採取ないしは移植の医療機関、この三つの流れになっているわけですが、まず連絡調整業務と言われておりますいわゆるコーディネーターの方々でございます。これは臨床の血液専門の先生方だと思いますが、今何人委嘱していらっしゃるのでしょうか。調整員は何人いらっしゃるのでしょうか。
#46
○谷政府委員 コーディネーターにつきましては、お話ございましたように専門的な知識が必要であるということで、医師を中心にいたしまして現在二百七十名の方にお願いをいたしております。
#47
○土肥委員 この二百七十名のお医者さんが、自分の病院で診療もしながら、同時に骨髄移植を申し込んでこられた方々に面接をし、インフォームド・コンセントをしていらっしゃるということでございます。こういう言ってみれば自分の本来の業務を割いて、あるいはそのほかにボランティアとしてというふうにおっしゃいますけれども、コーディネーターであるお医者さんをボランティアとして使うということは、それはそれでお医者さんが納得なさればいいかもしれませんけれども、本当にこの骨髄移植事業を推進しようとするときに、全国でだった二百七十名の専門医でなければならないお医者さんに地区調整員を任せていいものかどうかというのが基本的な疑問です。
 まず予算を見ますと、コーディネーター関連の予算は六千三百二十六万円でありますが、このお医者さんにどういう金額がどういうときに払われているのでしょうか、教えてください。
#48
○谷政府委員 コーディネーターの方につきましては、現在財団といたしましては、旅費の実費相当並びに謝金でございますが、一日一万五千円の支払いをいたしております。
#49
○土肥委員 なるほど謝金だ、お礼のお金だといえば格好がいいわけですけれども、今コーディネーターの先生方を一万五千円で動かすというのは、恐らく骨髄移植財団だけだろうと思います。
 私が調べた範囲では、ドナーが求める場所でやるのだ、相談にあずかるのだということになれば、ドナーのところにも出かけていかなければいけない。あるいは自分の医療機関を使うこともございましょうし、しかも自分の臨床医としての仕事が終わった後にそれをなさるわけで、時間の調整から、そこへ車で行くとか電車に乗っていくとかいろいろあるでしょうし、そういうことを考えますと、片手間といっては語弊がありますけれども、こういう二百七十名のお医者さんを使ってやる事業としては極めて貧弱な、体制不備なやり方ではないかと思います。どうなんでしょうか、ドナーの希望の場所でということを第三段階、第五段階の同意書作成のときなんか言っておりますけれども、一体どういう場所で行われているのか、大体の説明をしていただきたいと思います。
#50
○谷政府委員 これはケースによっていろいろあるようでございますけれども、今先生おっしゃったような例えばコーディネーターが属する医療機関、病院でやる場合、あるいは地方のデータセンターでございます日赤の支部をお借りしてやるという場合等、いろいろな場合があるようでございます。ただ、考え方といたしましては、ドナーのプライバシーの保護、それからドナーの希望を最大限尊重するという考え方で、ドナーの指定する場所ヘコーディネーターが出向くということでやらしていただいております。
#51
○土肥委員 ここでも隘路があるわけです。つまり、お医者さんが二百七十名しかいない。しかも専門の仕事を病院で治療、臨床しながらやらなきゃいけない。そして、ゴーディネーターとしてドナーの皆さんと時間調整をしたり場所を決めたり、何だかんだと大変な手間暇がかかるわけでありまして、私は想像しただけでも、ドナーの皆さんが何度がお医者さんと調整しているうちに、もういいやというような気持ちになる方が当たり前だ、このように感じます。
 したがいまして、私は提案があるのですが、もう少しお医者さんの出る幕を遅くいたしまして、第一次、第二次の血液の段階までは、普通のちょっと医学的に知識がある、あるいは訓練を受けた素人のボランティアでいいのではないか。そして、第三次のいよいよ組織適合をするときに、初めて専門の医者が出てきてもいいのじゃないかというふうにも思ったりしているのですが、その辺の御感想はどうでしょうか。
#52
○谷政府委員 コーディネーターの役割というのは、申し上げるまでもないかと思うのですが、骨髄提供者に対して公正で客観的な立場から十分な説明を行う、あるいは患者側、受け入れの医療関係者との連絡調整業務などを行うわけでございまして、骨髄バンク事業にとって大変重要な役割を担っております。
 先ほど来お話ございますように、事業がスタートした段階では、骨髄移植に対する知識と経験の豊富な医師を中心としてコーディネーターをお願いしているわけでありますが、今後私どもとしては、患者登録数の増加ということを図っていかなければいけないわけでありますので、そういう意味で、保健婦、看護婦等の医療従事者に対する研修を今年度は行うことにいたしておりまして、また来年度につきましては、さらに一般のボランティアの方の養成ということからの研修も行っていきたい。そういう観点から、コーディネーターとしてやっていただける方の養成ということを図っていきたいというふうに考えております。
#53
○土肥委員 わかりました。やはりこれはもう少し大がかりな仕組みにしませんと、なかなか進まないというふうに思います。私は、看護婦さん、保健婦さんも構わないと思いますが、むしろもっと熱意のある一般の、一定の訓練を受けた素人のボランティアでも十分前段階での仕事はできるのじゃないかということを意見として申し上げておきます。
 さて、ゴーディネーターの先生がドナーと出会いまして、最終的には同意書を作成するわけですが、その同意書の作成のマニュアルは公開されておりますでしょうか。手に入れることができますでしょうか。それから、ここには第三者の立会人はおるのでしょうか、いないのでしょうか、お聞きしたいと思います。
#54
○谷政府委員 まず、マニュアルにつきましては公開をいたしております。それから、二点目の最終的な同意書作成の際の立会人でございますが、現時点では、一応このことに全く関係のないコーディネーターの方に立ち会っていただくということでお願いをしております。
#55
○土肥委員 そうすると、最終的には二名の医師が立ち会うということですか。
#56
○谷政府委員 そのとおりでございます。
#57
○土肥委員 これもまた一万五千円の対象になるかどうかわかりませんけれども、大変なことでございまして、例えばボランティアの弁護士であるとか、弁護士をボランティアでいいのかどうかということもまた考えなければいけませんが、もう少し法律的に問題のないような立会人の方がいいのではないかと思いますが、その辺はどうですか。
#58
○谷政府委員 このコーディネーターの問題も含めまして、発足したばかりというようなことで今申し上げているようなことでやっているわけでございますが、今後この第三者の立ち会いをどういうふうな形でやるかということにつきましては、先ほど先生がおっしゃったようなことも含めて、私ども財団内部でも検討をさせていただきたいと思います。
#59
○土肥委員 日本赤十字社の問題についてお聞きいたします。
 要するに、今年度の補助金が三億九千万円ということになっています。これは第一次、第二次の採血、血をとりましてコンピューターに打ち込むという仕事でございます。この各県の日赤の血液センターには骨髄移植の専門職は配置しているのでしょうか、いないのでしょうか。
#60
○谷政府委員 各県の血液センターにおきます業務でございますけれども、ドナー登録希望者の受け付け、それからHLA型の検査の実施、それからデータ管理、データ検索というようなことを日赤にはお願いをいたしております。骨髄移植の専門職という意味で、実際に現実の問題としてそういう方がおられる場合もあろうかと思いますが、専門職という形での配置はしていないのじゃないかと思います。
#61
○土肥委員 つまり、骨髄財団が払う賃金なり人件費なりのそういう職員は一切置いていないということですね。
#62
○谷政府委員 国の方から委託をしております業務内容の中には、そういったような職員の分は入っておりません。
#63
○土肥委員 ですから、一次、二次検査はすっかり日赤にお任せということになるわけです。そうなりますと、日本赤十字社の仕事、従来の本来の仕事と骨髄移植の仕事が、これもまた骨髄移植は片手間というふうな印象をどうしても受けてしまうわけです。
 厚生省と財団と日赤の関係についてお聞きしたいのですが、日本赤十字社に対して厚生省は業務を委託していらっしゃるのですか、それとも協力をしてもらっているのでしょうか。その辺の関係について、財団との関係についてもそのあり方をお教えいただきたいと思います。
#64
○谷政府委員 そもそもこの骨髄バンク事業をどのような形で進めるかということで、二年間ほどいろいろな専門委員会の中で検討をしていただきました。その骨髄バンクのあり方に関する研究班の報告あるいは公衆衛生審議会の専門委員会での報告を受けて、赤十字においては先ほど申しましたようなHLA型の検査等を行う、また骨髄財団におきましてはコーディネーター等あるいは知識の普及啓発というようなことを行うということでスタートをしたわけでございまして、お尋ねの日本赤十字社と厚生省の関係におきましては、そういったようなことで、骨髄バンク事業の重要性ということを踏まえて、赤十字社にこの事業についての協力をお願いしたということでございます。
#65
○土肥委員 協力方をお願いしていらっしゃるわけで、何か強い意思というようなものは日本赤十字社に反映することはできない、このように理解していいのですか。
#66
○谷政府委員 もちろんこれは何か法律に基づいた措置ということではございませんが、日本赤十字社においてもこの骨髄バンク事業の重要性ということを認識をされ、各センターを通じてこの事業に協力をいただくということで、私どもの理解は、決して片手間というようなことではないというふうに理解をしております。
#67
○土肥委員 ここでも骨髄移植事業のあいまいさが私は感ぜられるわけです。たった三億九千万円しか補助金が出ておりませんから、日赤の血液事業費のそれこそ何百分の一、何千分の一というような額かもしれません。いずれにしましても、では、日本赤十字社の血液センターというのは、骨髄移植に関しては、いわば採血して分析してコンピューターに入れるだけの、要するに一次検査、二次検査に限られた業務しかしない、それ以上はもう何もしない、そういうふうに理解していいんでしょうか。
#68
○谷政府委員 この骨髄バンク事業の中でのHLA型検査の重要性というのは、やはり非常に大きな柱でございます。また、現実問題として、このHLA型の検査を全国的にやれる機関ということから考えましても、血液事業に非常に経験のあります日本赤十字社をおいてないんじゃないかというのが、この財団あるいはこの事業の発足当初の専門家の御意見だったわけでございます。そういう意味で、私どもは、この骨髄バンク事業における日本赤十字社の役割というのは非常に重要であるというふうに認識をいたしております。
#69
○土肥委員 とはいいながら、要するに技術的な部分だけを協力いただく、それ以上の期待はしない、このように聞き取れるわけでございます。
 先へ行きます。
 さて、この骨髄バンクが始まりまして、厚生省は各都道府県知事及び人事院にあてまして、公務員がドナーになるときには格別な休暇を与えてほしいという要請をなさいました。依頼をなさったわけであります。人事院、その後どのような検討をなさったのでしょうか、お答えください。
#70
○石橋説明員 公務員の休暇といいますと、年次休暇、特別休暇、病気休暇がございますけれども、休暇を特別休暇で新しく認めるということになりますと、民間の状況をにらみながら考えるというのが一応の原則でございます。しかしながら、御要望のありました関係につきましては、関係の団体あるいは厚生省から非常に強い御要望をいただいております。また、骨髄移植療法が白血病の治療に非常に有効である、また、人命にかかわる重要なことでもあるというふうにも承知しておりますし、新聞報道その他を見ましても特別の配慮を望む声が非常に強いのではないかというふうに考えておりまして、現在鋭意検討中ではございますけれども、気持ちとしては、よい方向で結論が得られるようにということで今やっているところでございます。
#71
○土肥委員 いつごろまでに検討なさいますか。
#72
○石橋説明員 現在検討中でございますので、ちょっと時期の問題については確たることを申し上げられないという状況でございます。
#73
○土肥委員 自治省はどういうふうな結論を持っていらっしゃいますか。
#74
○遠目塚説明員 お答えいたします。
 私どもは、この問題が表に出ましたときに、現在の地方公務員が行っております特別休暇あるいは職務専念義務免除、こういった制度ではなかなかなじまないという判断をいたしましたけれども、特に大臣からも指示がございまして検討した結果、病気そのものではないにしても、一応病気休暇で相当部分は対応できるという判断をいたしまして、地方団体にそういった例示をいたしております。
 その後の検討状況といたしましては、私ども地方公務員法二十四条にいわゆる国家公務員等に準ずる規定がございますので、地方独自でこの問題を先行して行うということは大変難しい状況でございますけれども、国の方の検討状況等を参考にさせていただきながら並行して検討してまいりたい、このように思っております。
#75
○土肥委員 人事院はまだ決めてない。しかし、人事院の判断を待たなければ自治省もできない。とりあえず自治省は病気休暇。どうも私は、法改正も必要かと思いますが、もう少しこういうことについては弾力的な運用ができないものか、このように思うのです。
 労働省にお聞きいたしますが、介護休暇なども実現しそうな今日でございます。ボランティア休暇というのがいろいろ言われておりますが、今実態はどうなんでしょうか。民間企業でどのような取り組みがなされているのでしょうか、お答えください。
#76
○新島説明員 ボランティア活動について民間で行いました調査でございますが、千七百社を対象にした調査によりますと、そのうちの五・八%の企業がいわゆる特別休暇を与えているという結果が出ております。ボランティア休暇の具体的中身につきましては、例えば心身障害者あるいは高齢者の介護などの活動に参加する場合、あるいは青年海外協力隊に参加する場合などに休暇あるいは休職を認めるということが挙げられております。
#77
○土肥委員 大臣、最後にお尋ねいたします。
 究極のボランティアであるこの骨髄移植に国家公務員、地方公務員あるいは民間も含めて大いに参加していただかなければならない。そういうときに、まあ民間の場合は労使協定で結べるわけですけれども、厚生省がおっしゃっているようにまずは隗より始めよと申しますか、この意義を大きく取り上げるのはやはり国家公務員、地方公務員ではなかろうかと思うのです。こういう病気休暇などで逃げないで、本当に病気をしたときにとりにくくなりますから、余り骨髄移植で病気休暇をとられちゃうと、どうもうまくいかないというようなこともあろうかと思います。そういう意味で、ぜひともこれは政治的な決断をしなければならないんじゃないか、このように思います。
 したがって、まずは人事院などに関してきっちりと、この今の規則で逃げるのではなくて、新たな項目を挙げまして、言ってみればボランティア休暇というようなものを設置すべきだというふうに思いますが、大臣の所見をお聞きしたいと思います。
#78
○丹羽国務大臣 先ほどから先生の骨髄バンクに対する熱意を拝聴いたしておりまして、心から敬意と感謝を申し上げます。
 まず基本的なスタンスといたしましては、善意の第三者の好意が生かされなければならない、こういうようなことで、先ほどから先生からも御指摘がございましたし、また人事院、さらに自治省からもお話がございましたが、私どもはこれらの関係団体に対して特別休暇を整備してほしい、こういうことでお願いをしてまいっております。自治省におきましては、いわゆる手術時において病気休暇として認める、こういうような方向を打ち出しておりますけれども、私どもといたしましては、なお大変難しい問題もあると思いますけれども、手術時のみならず検査時においても、いわゆる病気休暇ではなくて、結婚などに適用される特別休暇として認めていただきたい、こういうような中でさらに国民の皆さん方の御理解を深めていただきたい、こういうことで今後とも関係団体に対していろいろお願いやらあるいは協議をしていきたい、このように考えております。
 いずれにいたしましても、白血病などに苦しむ患者に対する骨髄移植の機会を確保するということは大変重要なことでありまして、国民の皆さん方のこの問題に対する御理解と御協力を心からお願いをする次第であります。
#79
○土肥委員 よろしくお願いします。
 終わります。
#80
○浦野委員長 長谷百合子君。
#81
○長谷委員 きょうは、ごみの最終処分場の問題、これは全国的にもいろいろな問題が出てきておるかと思うのですが、この問題につきまして幾つか御質問をさせていただきます。
 初めに、私の選挙区にあります西多摩郡日の出町、ここにあります谷戸沢処分場、ここは昨年の三月ごろからどうも遮水シートに穴があいているのじゃないか、こういうようなことになりまして、いろいろ周辺を調べますと、どうも影響があるのじゃないかと思われる調査というものも出まして、町の皆さんは大変不安を感じていらっしゃるわけですね。日の出町といいますと、前の中曽根総理大臣の別荘の日の出山荘がおありになる非常に環境のいいところなのですけれども、この近くの美しい川、その上の日の出処分場あたりの方に行きますと川の水も汚れまして、どうも背びれの曲がったような魚がいるとか、いろいろ心配なことがいっぱい出てきておる。
 細かいことは去年の五月に一度質問させていただきましたので省きますけれども、いろいろなそういう不安があるにもかかわらず、日の出町、それからごみの処分場組合、それから東京都は、一貫してとにかく大丈夫なのだ、シートに穴なんかあいてないよ、大丈夫だということはかり言い続けるものですから、ますます住民の皆さんは不安が高まってくるわけですね。
 それで、きのうもそういった処分場の問題について徹底的な原因究明をやってくれというような署名というものを町民の皆さんは集められまして、署名をとって、これが何と町民全体の既に四割を超えるという数に上がってきておるわけです。六千七百四十九、これはもうちょっとふえて、途中でございますけれども、既に四割アップ、こういう状態です。場合によっては次に予定されている第二処分場、こういうことの建設も、このままいったのじゃとてもじゃないというような話が起こってきておるわけですね。こういう住民の行政への不信感ということをこのままにしておくわけにはもちろんいかないわけでございまして、やはりきちっとした究明をぜひ国としてもやっていかなければならないだろう、こういうふうに申し上げてきました。
 ここへ来まして、環境庁の方がこういった最終処分場につきましての検討会を設置するということが決まりまして、モニタリング計画の策定、あるいはもし異常値が出た場合の対応のオプションの検討、こういったことを決めて第一回が既に開かれたというふうに伺っておりますけれども、厚生省としてはこういう問題についてどういった対応をされていくおつもりなのか、お答えを願います。
#82
○藤原(正)政府委員 厚生省といたしましても、安全な最終処分場というのは大変重要なことであるという認識を持っておるわけでございますが、近年の技術の進展を踏まえつつ、より信頼性、安全性の高い廃棄物処分場の確保に資するため、来月にも学識経験者等から成る最終処分場のしゃ水工法等に関する検討会という名前の検討会を設置いたしまして、遮水工等の構造や維持管理上の事項について検討を開始する予定でございます。
#83
○長谷委員 それは非常に結構なことだと思います。
 ところで、そのメンバーとかどの程度の期間をやるとか、もう少しその目的というものについて御説明いただけますか。
#84
○藤原(正)政府委員 この検討会におきましては、最終処分場の安全性、信頼性の一層の向上を図ることを目的としまして、遮水シートの保護に配慮した遮水工法及び埋め立て作業、それから遮水シートの点検や補修等の保全措置、さらには万一埋め立て後に遮水シートが破損した場合であっても、環境への影響を最小限に抑えるような施設の構造などを検討していただくことを考えております。
 検討会は来月にも発足させたいと考えております。また、この検討会自身は、三年間程度継続させたいと思っております。また、メンバーにつきましては、現在学識経験者等を中心に人選を進めておるところでございます。
#85
○長谷委員 ただいまの御説明の中でも、今まで検討というふうに言いながらももう一つ徹底しなかったというのは、やはりこれが破れる可能性がある、このことを前提に置かないと、破れるはずがないとばかり言っているのじゃなかなかその検討ができない。つまり、今までの都や処分場組合のように、とにかくやったのだけれども、安全も前提、破れていないのも前提、こういう議論じゃなくなってきた、このことは私は大変評価したいと思っております。
 そして、こういう穴があいていた例、いろいろなことが考えられるわけですよ。これも私の選挙区にあります八王子の戸吹の方では、ダンプですか、どうも車が動く、それに引っ張られて破れたのじゃないか、こういうふうに言われているのですけれども、神奈川県の藤沢では、植物、タケノコが出てきて破れたとか、あるいは可能性としては、日がどんどん当たればやはり劣化するのは当たり前のことでありますので、こういうことを前提にしながらということでございます。つまり、そうするとこれからの検討課題の中で、ごみの遮水シート、それから埋めるときにどういう工法をとるのか、例えばクッションは要らないのだろうかという問題とか、幾つか検討をするに当たって重要な点があると思うのですね。私はその工法なんかも根本的に、抜本的にやり直していただきたいと思っているのですが、その辺のところはどんな基本方針ですか。
#86
○藤原(正)政府委員 委員御指摘のとおり、遮水工といいますと中心に遮水シートがございますが、その遮水シートばかりでなく工法の問題、それからその他維持管理をするソフト面の問題だとか、いろいろなものを含めて遮水工全体を考えていかなければいけないのではないかというふうに思っておりまして、先ほどの検討会におきましても、遮水シートの材質とか形状というのはもちろん、その他工法の問題、施工方法、それから維持管理等のソフトの問題、こういうふうなことも含めまして検討をしていただきたい、このように考えておるところでございます。
#87
○長谷委員 先ほど、環境庁の方も検討会を既に設置ということでございます。もちろん別々のものではないというふうに私は思うのですが、どのようにリンクさせていくのか。例えば環境庁の場合でも、もし異常値が出た場合そういった対応技術のオプションの検討をする、こういうふうに言っておられるわけですけれども、環境庁との関係というのはどんなふうですか。
#88
○藤原(正)政府委員 環境庁で検討会をやられるということも私どもよく知っておりますし、そしてまたこの環境庁の検討会は、主に地下水のモニタリング技術に関して検討をしているというふうに聞いておるわけでありまして、厚生省がこれからやろうとする検討会と役割を分担して、相互に補完し合いながらやっていきたい、このように考えております。したがいまして、検討会の運営に当たりましては、御指摘のように環境庁とも十分連絡をとり合ってまいりたい、このように考えております。
#89
○長谷委員 連絡を密にしてやっていただくということは大変結構だと思います。
 それから、いろいろな工法、私もいろいろ調べてみますと、例えば二重シートとか、アメリカなんかではそういう工法なんかもあるわけですね。そういうところで異常が発見されても、なおそれがフォローできるというところまでの技術的な開発はこれからしていかなければならないかと思うのですが、そういったときに二重工法とかライナー工法というのですか、そういった国際的なレベルということについても検討の対象に広げていっていただきたいと私は思うのですが、その辺についてはいかがでしょうか。
#90
○藤原(正)政府委員 検討会におきましては、現在開発されております技術及び新しい知見等につきまして、我が国だけでなく幅広く世界各国の状況もよく調べまして、そういう新しい知見、技術を集めまして幅広く検討を進めていきたい、このように考えております。
#91
○長谷委員 最終処分場の安全を確保して、信頼感、安心感を向上させることは大変重要だと思います。しかし、日の出町の処分場の問題で言いますと、ここは三百六十万人分のごみを一カ所で処分する大変な大規模になっておるわけです。この大規模であるということが、また管理とかそういったことにも非常に難しい問題を投げかけておるのではないかというふうに私は考えておるところでございます。
 いずれにいたしましても、廃棄物対策としては、幾らハードががっちりできたからといって、どんどんごみがふえて、幾つも幾つもそうしたごみの処分場をつくらなければいけないというふうなことになれば、これは環境保全上あるいは生活環境上非常に問題が大きいというふうに思うわけでございます。
 そのためには、やはりごみの減量化を圧倒的に進めなければいけないだろう、このように思うわけです。実際、処分場組合の方でも、各関連市町村に対してごみの減量についての通達というものを出されたようでございますが、こういったことについて厚生省としては、ごみの減量化は大切な視点だと思うのですが、どのようにこれから取り組んでいかれるのか、この辺を御説明願います。
#92
○藤原(正)政府委員 厚生省といたしましても、ごみの減量化というのは大変重要なポイントだというふうに考えまして、いろいろな施策を進めておるところでございますが、特に先般の廃棄物処理法の改正で、廃棄物の減量化・再生利用ということが大きく規定されたわけでございまして、そういう観点からの対策を進めております。
 具体的にどういうことをやっておるかということを申しますと、各市町村がリサイクルセンターの施設を整備したりする際に、国庫補助でこれを支援するというようなことを大幅に拡充をいたしております。また、市町村等における集団回収等の体制整備というふうなことに関しましても、国庫補助制度で大いにこれを支援していこうというようなことを進めておるわけでございます。また、ごみの減量化という観点からいたしますと、国民に対する普及啓発ということも大変重要でございますが、この点に関しましてはごみ減量化推進全国大会を実施するなど、こういうふうな普及啓発活動も熱心にやっておるところでございます。
 今後ともこれらの施策の充実強化を図り、国民の理解と協力を得ながら廃棄物の減量化・再生利用を積極的に推進していきたいと考えております。
#93
○長谷委員 ごみの減量化、これを積極的に進めていっていただくということとともに、もう一つ非常に重要な問題は、ごみの中に有害な物質がたくさん含まれてしまっている、こういう状況だと思うのですね。今の日本の中では、日進月歩じゃないですけれども、有害物もどんどんふえているというような状況の中で、これをできるだけごみの中に含まれないようにするということが非常に大切じゃないかと私は思うのです。
 その最たるものといいますか、例えばダイオキシンというものがありまして、このダイオキシンも焼却灰の中に含まれているのは常識でありまして、地元の方でもダイオキシンについてはどうなのかということを大変心配いたしまして、ごみの処分場組合の方が昨年の四月にとったものを調べまして、十一月に発表されました。それによりますと、ダイオキシンがないということはもちろんないわけでありまして、ダイオキシンが大変出てきたわけですが、それは非常に薄いからいいんじゃないか、結論的にいうとそのような結果になったわけです。しかし、このダイオキシンというのは毒性も大変強いわけですし、それから、いろいろな形、幾つかの種類がありまして、その毒が一体どこまで人体に影響を与えるのかということについて未知の部分もあるわけですよ。一体どれだけやればいいか。
 ここで言うと、一日に二リットルの水を飲み続けても大丈夫だなんて、こういう言い方をされておるんですけれども、これは住民の皆さんからしてみれば、ああそうですか、安心ですふというふうにはなかなかならないのは当然だと思うのです。そもそも日本の中でもダイオキシンの基準については、評価指針というか、そういうものが暫定的に定められているにすぎませんね。この暫定指針にしてもアメリカのEPAなんかの基準に比べましても非常に甘いんじゃないか、一万七千倍も緩い、こういう計算もあるわけですけれども、この指針自体を少し検討し直してみたらどうか、こういうふうに私は思っておるわけなんです。
 今申し上げた点でダイオキシンを、ダイオキシンだけじゃないのですけれども、いろいろな有害物質を廃棄物の中からできる限り取り除いていく、こういうことについては厚生省としてはどのような対策を講じられておるんでしょうか。
#94
○藤原(正)政府委員 ごみ処理におきましては、ごみの焼却に伴ってダイオキシンが発生する可能性があることにかんがみまして、その対策について平成二年十二月にダイオキシン類発生防止等ガイドラインというのを都道府県に通知しまして、対策の推進を図っておるところでございます。また、平成四年七月に施行しました改正廃棄物処理法の施行規則におきまして、ごみ焼却施設に係る技術上の基準というのを改正いたしまして、ダイオキシンの発生を抑制するため、燃焼管理の徹底を図るなどの対策を講じておるところでございます。
 今後ともこれらの対策を徹底するとともに、廃棄物処理に関するダイオキシン問題については十分な注意を払い、必要な対策を講じてまいりたいと考えております。
#95
○長谷委員 本当にこの問題は徹底してぜひ進めていただきたいと思います。
 それと同時に、今日本は技術的には非常にすぐれておりまして、物をどんどん新しくつくっていくわけですが、そういった製品を技術開発していきますと、やはり新しい化学物質も同様にどんどん生み出されてくる、こういう可能性があるわけです。住民の不安の一つは、そういったどんどんつくられた新しい製品はいずれ必ずごみになってくるということですから、この製品が廃棄物になったときにちゃんと処理できるかどうか。こういった点で、製品が廃棄物になったときに、その処理が困難ではないという製造者に対する製品のアセスメント、こういった責務があるということを廃棄物処理法の中でもうたっておられるのですけれども、具体的にあるいは実際的に厚生省はどのようにこれに取り組んでおられるのでしょうか。
#96
○藤原(正)政府委員 廃棄物処理法の三条二項にいわゆる適正処理困難物ということの規定がありまして、製品の廃棄物の処理困難性についての評価というようなことをやる必要があるということになっておるわけでありますが、厚生省では事業者による製品等の廃棄物の処理困難性についての評価のためのガイドラインを定めまして、関係者に対する周知を図ってきたところでございます。厚生省としましては、製品アセスメントの普及のため、その効果的な実施に資する支援体制の整備に努めるとともに、関係業界への働きかけを積極的に行ってまいりたいと考えております。
#97
○長谷委員 今、関係業界にもということですが、あと耐久消費財の大型のもの、こういったものについてはどのような対応をされていますか。
#98
○藤原(正)政府委員 現在全国調査を実施しておりまして、その実施の結果、これを集計、解析を行いまして、そして生活環境審議会の専門委員会に諮りましてその意見を聞いた後、適正処理困難物というものを指定したい、このように考えております。
#99
○長谷委員 こういった研究や技術開発に真剣に取り組む、適正処理困難物対策ですね、こういったものに対しての予算とか、これはどのようになっておりますか。
#100
○藤原(正)政府委員 委員御質問の趣旨は、廃棄物に関する研究とか技術開発に対する予算はいかがになっておるかというふうなことと思いますが、これにつきましては、厚生省の本省で行うもののほか、附属機関である国立公衆衛生院でありますとか外郭団体であります財団法人廃棄物研究財団、また財団法人日本産業廃棄物処理振興センターなどで行われておるわけでございます。厚生省では厚生科学研究費の中で何本かの研究を進めておりますが、平成五年度予算案では総計一億三千万円の研究費を計上いたしておりますし、また、そのほかに本省費といたしまして、廃棄物に関する各種技術開発費及び調査費としまして、約三億円を平成五年度の予算案に計上いたしておるところでございます。
#101
○長谷委員 ふえ続ける有害物質、それからごみもどんどんふえている、こういう状況でございますけれども、最近水道水の飲み水の安全基準、こういったものを見直していただきました。以前から、これが今までのままではよくないということでお願いしてきましたので、非常に評価をいたしておるところでございますが、しかし、先ほどから申し上げておりますように、幾ら検査項目をふやしていったとしても、次から次へ極端に言うとどんどん新しい物質が出てくるわけでございますので、これを追いかけて、一〇〇%この水は安全だというふうなことはなかなかできないのですね。理論的に言っても現実的に言ってもこれは無理だろう、こういうふうに思うわけです。
 そうしますと、言ってみれば水というのは、汚してから検査をして、そこに消事業を入れたりあるいは何かフィルターを通したりということではなくて、もともときれいなものは、そのままきれいに置いておきましょうというのが一番の基本だ、こういうふうに思うわけですね。
 そういった発想に立って、二月の五日に「水道水の汚染源 法規制」ということで、水源に近い上流の開発規制ということについて法律をつくっていこうじゃないか、こういう記事が出ておりました。これは非常にいいことだなと思って私は喜んでおるわけでございますけれども、ここの中に、この新聞で見ますと、開発規制の対象としては工場や農地、ゴルフ場、宅地など、こういうように書いてあります。こういう開発規制の対象として私が先ほどから申し上げております処分場、こういったものももちろん検討の中に入るわけですね。
#102
○藤原(正)政府委員 委員御指摘の水源保全のための対策でございますが、厚生省では昨年の十一月に、水道水源の水質保全に関する有識者懇談会という名前の学識経験者や水道事業の関係者等から成る研究会を設けまして検討していただいておりまして、その報告が去る二月四日に出たわけでございます。その中には、これから水道水源を守るためにはこういうことをやるべしという重要な提言が幾つか盛り込まれておるわけでございます。
 今後、厚生省といたしましては、この報告書の趣旨に沿った水道水源の水質保全対策について、関係省庁と相談しながら検討を進めることといたしております。当然、地方公共団体の取り組みの状況も踏まえまして総合的な対策のあり方を検討していきたい、このように考えております。
#103
○長谷委員 今お伺いしたのは、いろいろなものを開発規制の中に入れなきゃいけないのですが、別にそんな非常識なことを聞いたわけじゃございませんで、ごみの処分場なんかももちろん検討していかなきゃいけないのですねということをお伺いしたのです。
#104
○藤原(正)政府委員 廃棄物の処分場もその検討対象の一つであります。
#105
○長谷委員 ちょっと環境庁の方にもぜひひとつお伺いしたいのですが、今きれいな水はそのままにという開発規制にまで法律を及ぼしていこうというこの発想ですね。水というのは飲み水として安全である、これはもう大切な視点なのは当たり前ですが、それとともに、やはり周辺の環境とかそれから生物に及ぼす影響とか、もういろいろな視点があるかと思うのですね。この辺について環境庁として、水源の開発規制まで含むこうした対応についての御見解をぜひ伺いたいと思います。
#106
○柳下説明員 お答え申し上げます。
 水の環境資源は、飲み水としての人の生活、それから生産活動までに至るすべての人の活動の源泉だと思います。さらに、人も含めた生態系の維持という観点からも不可欠の資源だと思っております。これらの水の環境が量的にも質的にも健全な状態で維持されることが極めて重要で、何も現世代だけではなくて、次の世代も含めて、健全な環境が我々に享受してくれる恩恵というものを維持していくことをいかに達成するかということが基本であろうと思います。
 そういった観点にのっとって、現実問題といたしましては、水道水源の水質の保全も含めまして、公害対策基本法、水質汚濁防止法その他の法令等の規定によって、あるいは関連施策の総動員によりまして、環境基準の設定、排水規制等々の各般の対策をこれまで関係省庁と一体となって自治体とやってまいりました。今後も施策の現状のレビューあるいは環境の状況などを点検しながら、一層施策の推進に努めてまいりたいというふうに思っております。
#107
○長谷委員 そうした水源を守っていこうということをやっていかなければいけませんけれども、現在各地で水源の保全条例というのが制定されていると思うのです。これは、きれいな水をきれいなまま飲みたいという当たり前の住民の要求でございますけれども、今度のこの水道水源の開発規制法、こういったものについて、水源保全条例、これを大切にしていく、それとの関係といいますか、住民の気持ちが反映されたものとしていくべきだと思うのですが、いかがでしょうか。これは厚生省にお伺いいたします。
#108
○藤原(正)政府委員 現在国民の願っておりますのは、安全でおいしい水を飲みたいという希望だろうというふうに思います。それにできるだけ行政としてはこたえていくという努力が必要であろうというふうに思っておるわけであります。最近では全国の地方公共団体で水源の保全のための条例をつくるというふうな動きも多くなってきておりますし、そういうふうな動きもよく見きわめつつ、国としてどういう対応が現在一番適切かというようなことにつきまして、前向きに検討をしていきたいというふうに考えております。
#109
○長谷委員 ぜひ大臣にお伺いいたしたいのですが、今私申しましたように、私たち人間の体を保つもとでございますので、そうした水道水源をきちっと保全して、安全でおいしい水が飲めるために、やはりいろいろな施策が必要だと思うのですね。今度の新しい法律もそうですし、ごみの処分場の管理規定、こういったことに十分な安全な対策を講じるということを含めてでございますが、ぜひ大臣の御決意をお聞かせ願えますか。
#110
○丹羽国務大臣 先ほどから政府委員からも申し上げておりますけれども、安全でおいしい水を飲むというのは、ある意味でいいますと国民生活にとって最大の課題であります。先ほど先生からも御評価をいただいたわけでございますが、昨年の十二月に水質基準の拡充強化を行いました。そして今年度の、平成五年度の予算におきましては、高度浄水施設事業として三十四億円ほどを計上いたしております。
 しかし、やはりその根っこの部分がきちんとこれを取り締まっていかなければ、なかなか実際問題として、先ほどから御指摘がありました有害物質の問題であるとか、最近はまたゴルフ場の開発に伴います汚染問題とか、いろいろな問題が出てきておるわけでございますので、この間まとめさせていただきましたのは厚生省の内部で一つの方向づけをまとめさせていただいたわけでございますが、今後その方針につきまして、関係省庁の理解と御協力を得ながら、その実現ができますように最大限の努力をしていく決意でございます。よろしくお願いします。
#111
○長谷委員 どうもありがとうございました。質問を終わらせていただきます。
#112
○浦野委員長 午後一時より再開することとし、この際、休憩をいたします。
    午前十一時五十二分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
#113
○浦野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。外口玉子君。
#114
○外口委員 今、私たちは、時代の大きなうねりの中で価値の転換を迫られています。効率性と便利さのみを追求してきたこれまでの生活の仕方から、だれもが安心できる暮らしやすさを大切にする仕組みへの転換こそ、九〇年代の私たちにとって最大の政治課題と言ってよいのではないでしょうか。私は、この課題を実現していくキーワードとして、一つは、老いる人も病む人も安心して暮らせる公平性、いま一つは、それをみんなでつくり上げていくための情報公開によるお金と人の動きの透明性を強調したいと思います。
 さて、日本は今世界に類を見ないスピードで高齢社会に向かいつつあります。そうした中で、年金を公正に支払い続けていくためのシステムについても検討されています。そして、国民負担率の上昇をめぐる議論が盛んになっていくのも当然のことです。
 大蔵省にお願いします。そもそも大蔵省は、生産面で生じた所得の格差を再分配する調整役を担っている。そういう意味において、この公平性を実現するための所であるはずです。私たちのかけがえのない健康を守るためのサービス提供においても、所得、性、年齢等による不公平さが生じないようにすることは、その社会的使命でもあります。それはまた憲法の認める生存権を保障することでもあり、大蔵省は医療の財源を保障するために十分に公正な役割を果たすことを期待されているはずです。しかし、あなた方は国家財政の健全性、あなた方がおっしゃる意味と私の考えるそれとは異なるようですが、国家財政の健全性を掲げて、現実には老人や障害者の生活を切り詰める方向にばかり関心を向けられているのではないでしょうか。
 一方で、いわゆる生活大国を目指すと言いながら、医療という人間にとって基本的なサービスにおいて、年々持たざる者と持てる者との格差の拡大が生じていく傾向を私は大変に憂えております。対象者の数が増大していっているにもかかわらず、国民医療費が国民所得の伸びを下回るような抑制政策をとり続けてきているのも事実です。そして、定額制や保険外負担の導入によって、ただでさえ透明性が低い医療費の実態をさらに見えにくくしているのも確かです。こうしたことは国民に公平に医療サービスを提供していく国の義務の放棄につながることになるのではないでしょうか。まず大蔵省の御見解を伺います。
#115
○窪野説明員 御説明いたします。
 先生御指摘のように、私ども大蔵省は、社会保障関係費を初めといたします歳出面、それから税制、この歳入歳出の両面におきまして公平の確保、これに意を砕いているところでございます。
 社会保障関係費につきましては、もう先生十分御案内のとおり、二十一世紀における本格的な高齢化社会を控えまして、明るく活力ある長寿・福祉社会を実現するために、一方におきまして社会保障制度に対する国民の信頼を確保してまいるとともに、他方、国民の負担につきましては、経済の発展、社会の活力を損なわない程度にとどめていくことが必要だと考えております。こういう考え方から、御案内のように、いわゆるゴールドプラン、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」など真に必要な施策につきまして重点的な配慮を行うとともに、先生御指摘のございましたような年金あるいは医療保険、こういった制度を将来とも揺るぎなく安定したものとするため、運営の効率化とあわせ、給付と負担の公平化を図っていく必要があると考えております。
 以上のような考え方に基づきまして、この平成五年度予算の社会保障関係費についても意を用いておりまして、具体的には四年度当初予算に比べますと三・二%、四千七十九億円増の十三兆千四百五十七億円の財源の確保を図ったところでございます。
#116
○外口委員 今の御答弁は、大蔵省の姿勢を大変遠慮されて言われているように私には思えます。といいますのは、ことしの一月五日付の産経新聞の一面には、保険医療費の膨張に対し大蔵省は厚生省に対して適正化を要請し、医療費抑制に対し積極的な姿勢を見せているというふうに報じられています。
 また、大蔵省の医療費の抑制の姿勢がはっきり打ち出されている本がここにあります。これは、当時厚生省担当の主計官であった中島義雄元主計局総務課長の執筆によるものです。現在は総理大臣秘書官を務められている国家の中枢にある方の著書ですが、この「あなたの長寿社会読本 ’91〜92」において、活力ある長寿社会を築き上げるために何をなすべきか、財政面から詳しく説明しています。この中で、高齢社会に向かって大幅に増大し続ける医療費を縮小していくための受益者負担の必要性を一貫して説いているではありませんか。なおかつこの帯封には「社会保障政策立案の中枢にあった著者がまとめた、「日本型福祉社会」への案内書」と書かれてあります。著者の御経歴を考えれば、この姿勢は著者個人のというよりも、大蔵省の姿勢であると考えざるを得ません。
 この政策を促進する一環として考えられるのが、今医療現場において医療保険費以外にいろいろな名目で徴収されている患者の自己負担費です。この医療保険以外の徴収は、見かけ上の医療費を抑制する一方で、政府の示す統計上にはあらわれることのない隠れた医療費の増大をもたらすことになっています。すなわち、持つ者、持たざる者との間で受けられる医療サービスに差別が持ち込まれ、時には必要な医療さえもあきらめることを余儀なくさせるものとなっています。人の命をみとる医療における公平性をなし崩しにしていくものだと考えます。しかも、こうした医療保険以外の負担は、医療費の不透明性を一層強めていくものでもあります。
 このような重大な事態に対して、大蔵省は中島義雄氏が主張しているごとく医療費の抑制を最重要課題としているのですか、また、医療費の不透明性を強めるような現在の方針についていかがお考えなのでしょうか、大蔵省の御見解を伺います。
#117
○窪野説明員 先ほど一般論で申し上げましたような考え方に基づきまして、医療の分野におきましても、もちろん国民広く十分な医療サービスが受けられるということが基本でございますが、他方におきまして、いかにその医療サービスが効率的に供給されていくか、そのための国民の負担というものが社会あるいは個人の負担能力を超えるような過大なものにならないか、こういうまさに十分性と効率性、そしてその負担が公平であるということ、こういう基本的な考え方に立ちまして、私ども厚生省の方々といろいろな機会に、これからのあるべき医療保険の姿あるいは供給の姿についていろいろ御議論させていただきまして、これからの高齢化社会を支えるのにふさわしい医療の需要供給両面にわたるシステム、これを検討してまいり、逐次いろいろな改正をお願いしたりいたしまして、よりよい方向を目指して努力してきているつもりでございます。
 今、手元に元主計官をしておりました中島氏のその著書はございませんが、恐らく著者も同じような考え方に立ってそういう本をまとめたのではないかと思っております。
#118
○外口委員 もう一度この本を読んで、国民の健康を守るためのきちっとした大蔵省の施策づくりということを要求していきたいと思います。
 次に、今厚生省に質問申し上げ、またその段階で例える時間があったら伺いたいと思いますが、保険外負担についてです。
 この保険外負担については、一九九〇年の厚生省による老人病院保険外負担調査では、二万二千五百円となっています。これについては、患者や家族の実感、あるいはまたさきに報告された医療経済学者による実態調査などからは、少な過ぎるという声が上がっています。「九〇年代の医療と診療報酬」という著書の中で報告がされています。このような調査と実態とのギャップに対する批判が国民の中に根強くあることに対して、厚生省は再調査を行う必要性をこれまでにも認めてきているはずですが、そのような調査は行っているのでしょうか。また、行ったとすれば、いつ行い、その結果はどのようなものであったのでしょうか、お伺いしたいと思います。
#119
○横尾政府委員 医療機関に対しましていわゆる保険外負担の状況を尋ねた結果に対しまして、患者に直接に調査をすべきであるという御指摘が国会で行われました。そのことを踏まえまして、平成三年三月の入院患者について患者あるいはその家族から調査をする、こういう手法で行ったところでございます。その結果、保険外負担の全国平均額は二万四千六百二十円、内訳は、おむつ代六千八百十円、理髪代、消耗品費等の雑費が七千五百七十円、電気製品の使用代千五百六十円、洗濯代千七百円、エアマット等寝具代とその他のものが六千九百八十円という結果になっております。
#120
○外口委員 今の二万四千六百二十円というのは少ないとお思いですか。あるいはまた、患者にとっての負担について今回は調査したと思いますが、これについてどのようにお考えでしょうか。
#121
○横尾政府委員 例えば、おむつ代等につきましては前回調査に比べまして減少している、あるいは、かねてから言われておりましたお世話料のようなあいまいなものが減少してきているということで、一定の進展が見られるものというふうに考えております。
#122
○外口委員 そういたしますと、調査の中には差額ベッドなどは、またお世話料は入っていないというふうに考えますか。
#123
○横尾政府委員 差額ベッドあるいは付き添いの負担、あるいは診療報酬上の一部負担は含まれておりません。
#124
○外口委員 お世話料及び差額ベッド料、このことこそが大変に患者の負担になっているという実感を多くの者は持っております。
 私の手元に、プライバシー上ちょっと名前だけ伏せてありますが、ほぼ全介護の方が東京都内の特例許可外老人病院に一カ月間入院したときの請求書があります。それによりますと、病院からの保険外請求が一カ月で十九万九千三百二十円、さらに付き添いの家政婦の料金が一カ月で九万九百九円、合計二十九万二百二十九円。これは先ほどの調査結果の十倍を超えた額となっていますが、この点についてどのように説明されますでしょうか。
#125
○横尾政府委員 今お話のありました金額にどういうものがどれだけ含まれているかということが不明でございますので、判断ができないというのが正直なところでございます。
#126
○外口委員 そうすると請求がおかしい、あるいはあいまいであるというふうにお考えですか。
#127
○横尾政府委員 厚生省といたしましては、差額ヘッドについては一定の枠内で差額を求めることを認めておりますので、この中に差額ベッドの部分が含まれているとすれば、それは制度の枠内の対応であるというふうに考えております。
 また、付き添いの分につきましては、お支払いになっているものが後で償還をされる仕組みでありますので、その意味で、保険外負担の範囲がどのくらいかということは、ちょっとお話のありましたことでは判断がしかねることでございます。
 また、先ほどのお話の中で、厚生省の調査がお世話料が含まれていないという先生の御発言がありましたが、いわゆるあいまいな名目のお世話料につきましては、そういった形で徴してはならないということを指導しておりますので、そういう意味でお世話料ということが消えていくというか、実際取られないようになってきているものというふうに考えております。
#128
○外口委員 私は医療の仕事をしていた関係上、多くの仲間たちから報告が寄せられているのですが、そのような実態についていかがお考えでしょうか。例えば、今更されるという回答でしたけれども、一日一万二千五百円の付添料を払って四千円ぐらいしか返ってこないという方の報告を聞いております。そういった意味で、その分については大変不透明になっているのではないかと思いますが、そういうことに対して厚生省はどのように考え、指導されていくおつもりなのか、伺いたいと思います。
#129
○横尾政府委員 付添看護についての御指摘でございますが、この問題については基本的にその是正を図りたいというふうに考えております。そういたしまして、老人に対する看護が病院の責任ある管理のもとに提供されるという方向を目指しまして、第一には付添看護を必要としない入院医療管理病院の拡大をする、あるいは、直ちにこのような体制に移行できない老人病院につきましては、移行のための計画制度の創設等を通じまして、段階的な移行の促進を図るなどしているところでございます。
#130
○外口委員 先ほどの厚生省の調査では、保険外負担として付き添いの介護者や差額ベッド料は計算に入れないというふうに答えられていました。例えば差額の部屋ですけれども、広さが六畳以下で二人部屋、先ほどの方ですが、そこに二人をまとめて見る付添婦の小さなベッドが患者のベッドに重なるようにあって、ポータブル便器を置く場所すらないというような状態です。さらに、二人の間はカーテンで仕切られているだけで、姿は見えないまでも、音やにおいは筒抜けで、プライバシーの確保さえ疑問視されているような状態です。
 こういうことに対して、一九八四年の医療保険の抜本的改革により、先端医療、差額ベッド、歯科の金歯に対して保険外に患者から費用を徴収できる特定療養費制度が新設されました。その後、診療報酬の改定のたびごとに特別注文給食、時間外診療、予約診療などが次々と差額徴収されるようになってきています。さきの医療法改正による療養型病床群に対する診療報酬においても、療養環境に着目して病床を広くし、四人部屋までの病室で、しかも病床ごとにプライバシーの確保を図るための設備を有することを条件に、二〇%までの差額ベッドの徴収を認めておりますね。
 私も医療者でありますから、患者のプライバシーを守りたいと思うのは医療者でしたら当然です。カーテンは引けるところには引いてあるのが普通です。今回の医療法改正によって四人部屋でもカーテンのあることが差額ベッドの要件とされましたが、これは保険外負担徴収のつじつま合わせではないのでしょうか。それは、四人部屋で病床ごとのプライバシーを図る場合、たとえカーテンで病床を仕切ったとしても、それだけでは全く不十分であることは明らかです。
 このように、次々と適用が広げられていく特定療養費、すなわち保険外負担は、患者の療養環境に対し十分な担保のないままにいたずらに自己負担を増大させ、医療費抑制の施策の一環に使われているように思えてなりません。厚生省としてはこの実態についてどのようにお考えなのか、お伺いいたしたいと思います。
#131
○横尾政府委員 療養型病床群にかかわります特定療養費の問題でございますが、これは単にカーテンというだけではありませんで、一人当たりの病床面積が六・四平米以上である、また、そういったプライバシーの確保が図れるための設備を有することに加えまして、各病室にロッカー等必要な設備が整えられておりまして、日常生活の利便性が向上していること等の要件を満たすことを条件としているわけでございます。そういう意味で、一定程度以上の療養環境に対して特定療養費制度を認めるという趣旨であります。
#132
○外口委員 この特定療養費制度が非常に患者の保険外自己負担を容認した、そして、この傾向を助長する危険性というのを非常にはらんでいると思いますが、その点についての御見解を伺います。
#133
○横尾政府委員 特定療養費制度をどういうふうに運用するかにつきましては、それぞれ中医協の場で御論議をいただいて、その時代時代にふさわしいものを認める、こういう方向に行くものと考えております。
#134
○外口委員 その時代時代にふさわしい項目というのはどういうことでしょうか。
#135
○横尾政府委員 これからの高齢者の医療を考えていくためには、入院をされる方々のニーズというものもさまざまに変わってくるわけでございまして、全員が一律のサービスで十分満足がいくというわけではございません。それにこたえるには、さまざまな対応ということが必要になるわけでございまして、ある場面で一定の枠を超える部分については、その特定の療養費制度の活用ということがあってよいのではないかというふうに原則的には考えておりますけれども、具体的にどれがどうということについては、それぞれの時点ごとに御判断をいただくべきものと感じております。
#136
○外口委員 今の答弁、大変不満足なんです。先ほどの調査の中では五項目挙げておられましたけれども、その時期時期に応じてとおっしゃいますが、この調査は一九九一年ですね。そうしますと、今一九九三年ですが、これまでこの調査結果は一度も公表されていませんでしたね。
#137
○横尾政府委員 公表しておりません。
#138
○外口委員 なぜでしょうか。
#139
○横尾政府委員 先ほど申し上げましたように、これは平成三年三月の入院の患者さんについてその後調査をしたわけでございますので、その間大変時間がかかったことは申しわけありませんが、まとまりまして、お尋ねがありましたのでお話し申し上げた次第でございます。
#140
○外口委員 大変おくれて公表されていること、しかも実際の保険外負担で最も重いと患者が実感しているものが差し引かれていること、そしてまた、その調査に基づいて本来でしたら対応が敏速になされなければならないにもかかわらず、調査が一九九一年、すなわち平成三年に行われたまま、その後の対応、指導をされていないという点について、厚生省の姿勢として私は非常に問題ではないかと思います。
 特に、今回の特定療養費を設定するに当たっては、このような調査に基づいた上で考えていかなければならないのではないかという点で、この調査の結果を受けてこれから一体どのように取り組まれようとされているのか、この調査結果に基づく具体的な指導の方針についてお伺いいたします。
#141
○横尾政府委員 保険外負担、いろいろな項目がございます。先ほどの付き添いについては、先ほど御答弁を申し上げましたので省略をいたしますが、その他さまざまの費目については、あいまいな形で保険外負担を求めることがないようにきちんと項目を明らかにし、そして、例えばおむつ代であればおむつ代としての領収証の交付等を指導をしていきまして、患者さんの側で不透明感を持たないような徴収の仕方を指導してまいりたいというふうに思っております。
#142
○外口委員 前回の調査から二年がたとうとしております。そして、患者の側からのこのような調査というのは非常に重要だと思いますが、それを調整せずに、その実態を明らかにしていく作業を、これからそのような調査をなさる御計画はおありでしょうか。
#143
○横尾政府委員 当面ございません。
#144
○外口委員 ぜひともそのような実態調査をされて、これからの対応に当たっていただきたいということをお願いしたいと思います。
 次に、この保険外負担と同様に、もう一つ今回の医療法改正に当たってセットで出されております定額制の問題について質問いたします。
 老人保健施設、老人病院に続いて療養型病床群にも定額制が導入されましたね、今度の診療報酬改定で。定額制の導入により、薬づけや乱診乱療は確かに減り、人の手によるケアが見直され、患者も元気になるなどよい結果が生じているという報告も聞きます。定額制によるこのような望ましい変化を踏まえた上で、なお私は問題点を明らかにしながら、長期展望に立って、先ほどの公平性、透明性を高める上での質問をしたいと思います。
 医療費高騰の原因の一つは従来の出来高払い制にあり、費用面から見れば、確かに定額制は高齢者一人当たりの年間医療費を減少させることに見かけ上はなると思います。しかし、定額制により医療サービスの上限の価格が決定されていることによって、病院は市場原理に従って、よりコストの低い患者、つまり軽度の慢性疾患患者の入院を優先させ、医療介護サービスを必要としているゆえに最もコストが高くなるであろう重度の患者が受け入れられなくなることが予想されます。あるいは現にそういう事態が起きています。そのような結果、在宅に重度な患者がふえ、今厚生省が描いているような在宅医療は軽度の慢性疾患中心という予測をはるかに超えて、在宅医療の重装備化の方向へと転換を迫られることになりかねません。これは、ただでさえ不足している在宅サービスのますますの破綻を招く結果ともなりかねません。その点についてお伺いいたします。
 ここに、在宅でケアをしようとしても、なかなか負担が多く大変であるという具体的な請求書、領収証が手元にございます。在宅ケアの実態について触れてみたいと思います。これは民間の在宅ケアサービスを依頼した場合の領収証なのですが、一日八時間の介護者の料金が一万二千五百円、つまり月三十日ですと三十七万五千円、また訪問看護料一回三万七千円、月に八回受けると二十九万六千円、合計六十七万一千円の領収証。この場合でも家族の方々によって補完されている介護力というものは大変なもので、家族の負担は想像に余りあります。このように定額制の矛盾とそれを助長する在宅ケアの不備な現状、このことに対してどのようにお考えでございましょうか。
#145
○横尾政府委員 定額制の問題でございますが、先生もお発言いただきましたように、この定額制は、私ども承知している限り、非常にプラスの評価をしていただいております。
 お話の中にありましたように、検査や投薬が減少したというような医療行為の変容が指摘をされていることの結果がどうかは別としまして、具体的に例えば患者さんの移動能力では、七割の方に移動能力の向上が見られる、ADLの向上が見られるわけでございまして、先生おっしゃるようなマイナス面というのは承知をしていないわけでございます。仮に重い患者さんと軽い患者さんのかなり幅のある患者さんを抱えている病院につきましては、昨年四月の診療報酬の改定では、同一病院内で病棟ごとに入院医療管理病棟と基準看護病棟とあわせ持つことを認めるというような対応をとりましたので、重い患者さんは基準看護病棟、慢性的な患者さんは入院医療管理病棟というふうに分けて受け入れることを可能にしたわけでございます。こういった病棟間の機能分化が進められることによりまして、御指摘ありましたような重い患者さんが家に帰されるというような残念なことがないように対応ができるのではないかというふうに考えております。
 また、現実の在宅ケアの実態についてお話を承りましたが、ゴールドプランの現在の時点では、あるいは御説明にありましたように、民間のケアサービスを全部自費で受けなければならないという実態もあるのかなという気がいたしますけれども、ゴールドプランもいよいよ平成五年からは自治体ベースでの計画がはっきりしていく時期に差しかかりますので、大きな前進が図られるのではないかというふうに考えております。
#146
○外口委員 時間がありませんので、また次に進みます。
 今の答弁については、本日の朝日新聞「あなたの老後は」というので、「老人医療の現実」というシリーズ一が始まっております。ここでは、
  今、病気や障害の老人が落ち着いて療養できる病院が少なくなっている。増える老人医療費を少しでも抑えようと、厚生省が家庭の事情なとで退院できない「社会的入院」の解消を掲げて、政策を打ち出してきたことが大きな理由だ。
として
もう少し預かってもらいたかったが、もう良くも悪くもならないといわれた。特別養護老人ホームが空くのを待ちながら頑張ってみます
と言っている方が紹介されています。「「長期」許さず退院宣告」という見出してございますので、既にお目通しかと思います。こういうような実態を踏まえて今の答弁をされているとは私は受けとめかねますけれども、最後にもう少しこの点について意見を申し上げて、御答弁を再び伺いたいと思います。
 このような社会的入院の問題なのですが、一九九〇年度の社会保障給付費に占める老人保健給付費は五兆七千三百三十一億円であるのに対し、老人福祉サービス給付費は五千七百四十九億円という決算が出ています。この十倍にも及ぶ差は、明らかに医療が福祉をも取り込んできている現実を物語っています。この社会的入院によって病院が病院ではなくなり、福祉施設の役割を担わされてきていることも確かでございます。社会保障給付における老人医療のあり方をもう一度見直して、福祉を充実させることによって医療が取り込んできた部分を正常な形に戻していく、そのための改革こそが老人の保健福祉のサービスの統合と向上をもたらし、公平性と透明性を高めていくものと私は考えます。
 御存じかと思いますが、本年二月に社会保障将来像委員会第一次報告が発表されました。この報告書に示された社会保障の理念は、
 社会保障は、将来の不安への防波堤の形を決めることですべての人々の生活設計の確立に役立つ。同時に、万人に訪れる困難に対して助け合っていくという精神に基づいた社会に対する貢献でもある。
  すなわち、社会保障は、みんなのために、みんなでつくり、みんなで支えていくものとして二十一世紀に向けての新しい社会連帯のあかしでなければならない。
とあります。
 私は、信頼できる政治と公正な仕組みをつくり出すことによって、初めて国民がこのような社会連帯のあかしを実現していく力を持てるのだと考えます。そうした点で、先ほどから御答弁を伺っていますと、老人医療の現実を知らないでおっしゃっているかに聞こえる点が多々あるのですが、この点について、人の命を守る厚生行政は財政状況などに屈しない、そういう厚生省としての取り組む姿勢と意思をはっきりとお聞かせいただきたいと思います。
#147
○横尾政府委員 私ども担当者は、老人医療の現状を考えながら、先生おっしゃいましたような社会的入院であるとか、場合によっては医療がさまざまな医療以外の要素を抱えながらこれまで走ってきたことに対して、これは公平の観点からもあるいは高齢者自身の生活の質という面からも決していいものではない、そこを認識の出発点にしているつもりでございます。
 その上で、医療のサイドで入院を長く続けるよりは、思い切ってゴールドプランを活用して福祉サービスの充実を図り、医療が必要でなくなった方々は福祉のサービスの中で適切な老後を送る場所を見つける。それは特別養護老人ホームであり、老人保健施設であり、そして在宅であるというふうに考えておりまして、今私どもは老人医療費のほかにゴールドプランを中心とする福祉サービスの予算をしっかり確保し、それをもとに現実にサービスの供給体制を整え、高齢者の方々が自分の老後を選べるように、そういうシステムづくりに全力を挙げてまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。
#148
○外口委員 時間がありませんので、今おっしゃった福祉の問題に入っていきたいと思います。
 本年は、さきの老人福祉法の改正に伴って市区町村と都道府県に義務づけられた老人保健福祉計画の策定期限の年に当たります。この計画は、住民により身近な自治体の責任において老人の保健福祉サービスが主体的に提供される仕組みづくりとして期待され、各自治体の福祉への取り組みの姿勢が住民によって評価されていくという点でも注目されています。しかし、聞くところによると、幾つかの自治体では計画の策定を外部の業者に委託しているところが多いと聞いております。これは老人保健福祉計画の精神に反するものであると考えますが、この実態について簡単にまずお聞きいたします。
#149
○横尾政府委員 この計画の作成に関しましては、市町村が主体的に事に当たろうとしているところが約九七%でございます。しかしながら、約三%の市町村においては、調査から計画作成までの過程全部をシンクタンク等に委託していると報告を受けたところでございます。そういった自治体の取り組み等については、現在その事情を聞いているところであります。
#150
○外口委員 じゃ、今後また機会があるときに、その調査報告をお願いしたいと思います。
 では、今申した老人保健福祉計画の趣旨の徹底と、その実現のためのサポートが国の責任にあると考える立場から、私は国立療養所中野病院の移転に伴う中野区の老人福祉計画の推進をめぐる問題について質問したいと思います。
 その前に、一つだけ私の懸念を申し上げて、それから御答弁をいただきたいと思いますが、この移転に伴っては、中野療養所に現在療養されている方々、また働いている方々の処遇に対するきちっとした対応というものが望まれます。また、これまで国立療養所中野病院は、国立呼吸器疾患センターとして全国の中枢的な役割を担ってきた伝統ある場所でもあるという点で、この十月一日には移転計画が全面実施されるということですが、十月以降も、病院の一部の機能を継続しながら、緩やかな移転を図っていくようなことを考えていただきたいというふうにお願いして、時間の都合上、この中野区の老人保健福祉計画を実現していくために、中野療養所の広大な敷地、これは老人保健福祉計画を実施していく上で、都市部においては用地確保というのは極めて困難な状況に置かれているわけです。そういった点から、所在地の自治体である中野区の計画を国がバックアップしながら生かしていくということが大変大事だと思いますが、その点についてお答えいただきたいと思います。
 中野区は昨年、「警察大学校等敷地及び国立療養所中野病院施設用地の利用についての考え方」を厚生省に提出していますね。全国に先駆けて中野区は福祉オンブズマン制度を導入し、福祉の充実に積極的に取り組んでいます。国のゴールドプランなどの一連の福祉推進政策に呼応して、中野区地域福祉総合推進計画・素案の中に位置づけ発案しています。この問題について、地方自治体が主体的に計画を実現させていくのをサポートする国の責任、それを今後厚生省としてはどのように取り組んでいかれるか、この跡地の利用計画も含めてお答えいただきたいと思います。
#151
○田中(健)政府委員 厚生省といたしましては、従来から、国立病院・療養所の再編成計画の実施に当たりましては、地元自治体等関係者の理解を得ながら進めてきたところでございます。先生今お話がございましたように、中野病院と国立病院医療センターを統合してナショナルセンターの国際協力医療センターをつくるということは、十月一日に設置を予定しております。
 そこで、これに伴いまして中野病院の跡地利用計画についてでございますけれども、地元の中野区を初めとしていろいろの要望が私どもに寄せられておりまして、厚生省といたしましてはこれらの要望にできるだけおこたえするという形で、実は昨年十一月に一定の考え方をそれぞれの関係者に御提示をしたところでございます。その後、中野区から新たな跡地利用計画の要望が出し直されました。先生御指摘のように、中野病院の跡地につきましては、高齢者保健福祉対策に十分配慮し、それぞれ要望のあった関係者の御理解を得ながら、有効な活用が図られるようこれから鋭意調整を進めてまいりたい、こういうふうに思っております。
#152
○外口委員 国の責任は、あくまでも自治体の主体的な計画の実現のためのバックアップにあると考えますので、ぜひともそのようなお立場から、今後中野区の福祉計画の実現のためのお力添えをお願いしたいと思います。
 大変時間が押し追ってまいりましたので早口になっておりますが、もう一つだけどうしてもお聞きしたいことがございます。
 今まで申し上げたような保健、医療、福祉の中で一番問題になりますのがヒューマンパワーの確保でございます。この担い手としての保健士の資格取得の問題がございます。昨年、看護婦等人材確保に関する法律の成立により作成された看護婦等の確保を促進するための措置に関する基本的な指針というのが出されましたが、そこにおいてヒューマンパワーの確保のための方法として、男子学生の受け入れの促進等男性のマンパワーの積極的な吸収がうたわれています。
 しかし、学生を受け入れても、その資格取得が保証されていない現実があります。すなわち、地域看護の担い手である保健婦については、資格が女性に限られているという性差が存在しています。保健士になれるはずの男性が潜在保健士となってしまっているわけです。特に一九九〇年春より看護教育のカリキュラムが変わり、教育上の性差が撤廃されました。この新カリキュラムを学び、かつ女性であれば保健婦の受験資格を持つ看護大学卒業予定の学生が多くおります。男子学生の入学を促進する以上、教育の結果に対する性差別をなくすことは緊急の課題と考えます。
 同様なケースに助産士の問題がありますが、これは厚生省や各関係団体の間の合意がとれていないということがネックになり、なかなか実現されていないと伺っています。しかし、保健士については厚生省も各団体も合意ができており、その法制化には何ら問題はないと考えます。したがって、看護婦等人材確保に関する法律をより一層促進するためにも、厚生省の責任としても、保健士の早急な法制化が必要と考えます。
 そこで、保健士の制定に関し、厚生省としてはいつ、もしくはどのような条件が満たされたときに行おうとお考えなのか、お答えください。
#153
○寺松政府委員 今先生がお話しなさいましたように、保健婦及び助産婦につきましては、現在のところ男子がその資格を取得することは不可能でございます。これにつきましては、制度を改正するべきだという御意見がいろいろございます。また、その関係の団体等につきましては、まだその合意が成っていないというところもございますし、あるいは両職種を一緒に制度として法改正をしてほしいというようなお話もございます。まだ合意というところまでは達していないのではないかと思います。
 このような関係団体の御意見というものを尊重するということはどうしても必要だと考えておりますので、できるだけ早く合意に達していただくように、私からもお願いをしてございます。その辺の合意の状況を見まして的確に対応してまいりたい、このように考えております。
#154
○外口委員 では、保健士の実現に積極的に取り組まれていく、そういうふうに受けとめてよろしいでしょうか。ぜひともお願いしたいと思います。
#155
○寺松政府委員 私ども、先ほども申し上げておりますように、やはり関係団体の御意見というのは尊重しなければならぬと思っております。したがいまして、その辺の求めに応じまして対応していきたい、このように考えておるわけでございます。
#156
○外口委員 もう一つ、ヒューマンパワーの不足している現状の中で大変ゆゆしき問題があることを最後にお話しし、御答弁を願って私の質問を終わりたいと思います。
 中国の看護婦を日本の准看護婦学校に入学させ、資格取得後三年間その病院に就労を義務づけるという計画が進んでいると聞いております。これは、中国の国営の中国医療衛生対外技術合作公司と日本の民間の国際医療技術育成協会が窓口となっています。中国の公務員の身分を持つ現役の看護婦が、日本で働きたいが入国ビザを取得できないがために、まず二年間は就学ビザによる入国許可をとり、卒業後三年間は研修として受け入れ先の病院で働くという計画です。既に老人病院や精神病院の関係者が訪中し、人材の確保に当たっているとも聞いております。
 最も重大な問題は、一つは、准看護婦学校は、これまで安価な労働力の確保が優先され、就学に伴って過酷な労働条件を強いることになるなどにより、看護職能団体から長年にわたって廃止の要請がされてきているものであります。しかも、中国で既に看護を実践している女性たちが対象となっていることは、安価な労働力の導入を図ろうとする意図が明白であり、国際的道義にもかかわってまいります。この問題の底流には、関係者の看護婦確保のための処遇改善への努力の怠りと、国の看護婦養成への姿勢の甘さがあると私は考えます。
 また、中国ばかりか、アジア諸国にも今広がりつつあります。それぞれの発展途上国において、資格を持つ看護婦が充足しているような状況には決してありません。そうした中で、このような動きに国として適切な対処をしないで見過ごすことは、形を変えたアジアの国々からの収奪にもなりかねません。既に日本の病院で無資格の外国人が安価な労働力として働いている例も聞いております。国際交流が進む中で、外国の女性たちが安心して日本でより高度な教育を受け、適切な条件で働くことができるようにすることは、日本の私たちにとっての課題だと思います。このような医療の場への安価な外国人労働力導入に対して、厚生省が把握している実態と今後の具体的な対応等についてお聞かせください。
#157
○寺松政府委員 今先生がお話しなさいましたように、看護の問題につきましては、日本国民の傷病者あるいは老後の人たちに対して世話をするということでございますので、やはり言葉や生活習慣あるいは就労の環境が違う外国の方々を受け入れるということは、なかなか難しい問題だろうと思います。
 そこで、今先生御指摘の准看護婦についてでございますけれども、養成期間中に就労を伴う場合も多いというふうにも予測されますし、また、資格制度自体につきましてもいろいろと御議論があるところでございます。そのようなことから、技術移転というのでしょうか技術供与というのでしょうか、そういうふうなことを念頭に置いた国際交流ということであるならば、教育条件等がより充実した看護婦養成所への受け入れということが適切なのではないか、このように考えて、関係者に対しまして私ども指導いたしておるところでございます。今先生いろいろなケースをお述べになりましたけれども、このようなところにつきましては、今実態を調査するべく計画をしておるところでございます。
 いずれにいたしましても、申し上げたいことは、厚生省として必要な看護職員の確保が図られますように、昨年十二月に策定されました看護婦等の確保を促進するための措置に関する基本的な指針というものに沿いまして、地方公共団体や医療機関等の協力も得ながら必要な看護職員の確保に向けて努力をしてまいりたい、このように考えております。
#158
○外口委員 実態を調査なさると伺って、早急にその実現をお願いして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
#159
○浦野委員長 池端清一君。
#160
○池端委員 私は、北海道における国立病院・療養所に対する賃金職員を中心にした今回の大幅職員の削減、大幅賃金の引き下げ等々、一連の合理化問題に絞ってお尋ねをしたいと思います。
 今般、一月の二十一日、突如として厚生省国立病院部長名をもって北海道の十五の国立病院・療養所の施設長に対して改善計画なるものを発しました。その内容は、賃金職員五百三十一人の減、定員職員百九十六人の減、計七百二十七人の職員の削減という問題。もう一つは、これは後で詳細申し上げますが、処遇の適正化という名の賃金の大幅引き下げであります。こういうような内容のものを指示をしたわけでありますが、この改善計画が発せられるや、国立病院・療養所関係者の皆さんのみならず、患者の皆さん、そして多くの道民の皆さんに大変な不安と、そして今怒りが渦巻いている、こういう状況でございます。
 今日まで総定員法と八次にわたる定員削減、こういう状況の中で極めて厳しい中にもかかわらず、何としても三K職場と言われている病院に勤務する職員の皆さん方の労働条件の改善、そして患者の皆さんに対する行き届いたサービス、これを行うためにはどうしたらいいかということで現場が苦労して、労使で話し合いをして、労使が合意をして今日の到達点に至っておるというのが現状なのであります。この労使の合意を無視して、権力的に一片の文書をもってこういうような合理化を断行しようとすることは全く問題であり、我々は断じて容認できない、こういう立場からお尋ねをするわけであります。
 今日まで厚生省は、看護婦さんを初め医療職員の人材確保と処遇の改善、このために音頭をとってやっている最中であります。しかも患者さんのサービス向上にも努めなければならない、こういうことを強調している。このやさきにこのような通達を出すということは厚生省のあるいは厚生行政のとるべき姿ではない、私はこう思うのでありますが、この点についての所見を承りたいと思います。
#161
○田中(健)政府委員 お話しのように、北海道管内には国立病院・療養所が十五カ所あるわけでございます。それで、昨年の六月に会計検査院がそのうちの四カ所の実地検査をいたしました。そこで違法、不適切な運営が行われていた事実が発覚をしたわけでございまして、私ども厚生省に対しまして徹底的に事実を調査するように、こういう指示がございました。
 検査院が指摘しましたのは、賃金職員の定数の管理が不徹底であって、それに伴いまして賃金職員の経費を払う庁費というものが非常に圧迫された状態になってきている、こんな状況でございまして、それに伴いまして、本来庁費で支払うべき燃料費あるいは光熱水費等も支払えなくなって、異科目でございます医薬品等購入費からこれを支出をしておる、こういう違法な状態がありました。あるいはまた、やみ休暇、やみ手当等の存在が出ました。例えば夏季休暇の上乗せ、年末年始のもち代、こういうことが出てまいりました。
 一番問題なのは、やはり庁費が圧迫をされまして……
#162
○池端委員 質問に答えなさいよ、あなた。私は聞いてないよ、そういうことを。
#163
○田中(健)政府委員 そういう経緯がございまして、庁費が払底をいたしまして財政破綻を来すということで、私どもとしてはどうしてもこれは中を改善する必要があるということで、昨年の十月に各施設に改善命令を出しました。
 その内容でございますけれども、職員団体との交渉の問題あるいは定数の管理の問題、処遇の問題、会計経理の適正化の問題、こういうことで改善命令を出しまして、それに基づきます改善計画を私どもに出していただきたいということで、昨年の十月二十日以後いろいろと病院の責任者と話し合いをいたしまして、それに基づく改善計画ということで、ことしの一月二十一日にその改善計画というものを私どもの本省の計画として各施設に指示をいたした、こういう経緯でございます。
#164
○池端委員 違法な措置が行われておったと言いますけれども、厚生省設置法第九条、国立病院・療養所の所掌事務を担当する地方医務局というものがあり、北海道には北海道地方医務局というものがあるのです。この地方医務局はこの実情を承知し、承認していたはずである。それを何ですか、ある日突然、違法だからこれは改善しなければならない、こういうことがおかしいと私は言っているのだ。その点についてどうですか。
#165
○田中(健)政府委員 おっしゃるように、本来地方医務局は管内施設の指導に当たるべき立場でございますけれども、北海道につきましては従来の労使慣行などの事情から、これはまことに遺憾でございますけれども、十分その使命を果たしてこなかった、こういうことでございます。また、施設におきましても、地方医務局の承認を得ることなく賃金職員の増加を図ってきたということで、それが今日の事態を招いてしまったものと私どもは受けとめております。
 非常に遺憾なことでございますけれども、現実はこういうことでございまして、私どもとしてはそういう経緯を踏まえまして、昨年十月に地方医務局に対しましても業務の改善命令を指示してきたところでございます。そういうことで、本省としても引き続き地方医務局の業務の改善について指導に努めていきたいと思っております。
#166
○池端委員 丹羽厚生大臣、この十五の国立病院・療養所に四千七十三人の職員がいるのですよ。この四千七十三人の職員のうち、今度の計画では七百二十七人を削減しようとする。実に約二〇%の職員を削減する、こういうべらぼうな内容なんですね。
 御案内のように、国立医療機関というのは、結核や重度の障害児あるいは脳卒中リハビリ等の政策医療を担当するとともに、地域の一般医療にも大きく寄与、貢献しているわけです。特に北海道のような場合は辺地が非常に多いわけでありますから、僻地医療に重大な役割を果たしている。こういう重要な医療機関にこれほどの職員の大幅削減を図るということは、結果的には病棟閉鎖、患者さんを病院から追い出す、締め出すという結果になるのではないですか。そのことをあなた方は十分配慮したと言えるのですか。その点について大臣の見解を聞きたい。
#167
○丹羽国務大臣 ただいま田中国立病院部長からお話を申し上げたわけでございますけれども、今回の北海道内の施設の業務の改善は、国立の機関というのはそもそも定められた予算、定められた定員の枠の中で行っていかなければならない。この原則から大変著しく逸脱していた、こういう反省の上に立って適正化を行っていこうではないか、こういうことでございます。
 もう先生も御案内のように、国立病院・国立療養所のあり方につきましては、いろいろこれまで議論をしてまいりました。今後、高度専門医療であるとかお話しの難病など、こういった専門分野を中心にしてひとつ地域の医療のために役立っていこうではないか、こういう方針を打ち出しておるわけでございます。そういう中で、私どもは、とにかく年々国立病院に対する一般会計が増加し続けております。二千五百億円にも達しておるわけでございます。そして、しかも北海道における収支率というのは極めて悪いわけでございますので、国民の皆さん方の理解を得るためにも、ここは大変つらいところかもしれませんけれども、ひとつこの改善に従って一歩一歩実現をして、真の意味で再生を図ることが地域の医療のために役立つ、このように確信をいたしております。
#168
○池端委員 私ども社会党は、事の重大性にかんがみ、すべての医療機関ではありませんが、幾つかの病院・療養所に調査団を派遣いたしました。同僚議員にも行ってもらいました。
 その実態調査を行った結果、各病院・療養所の賃金職員の皆さんが異口同音に言われたことは、採用の際の賃金・労働条件は定員並み、一、二年待ってもらったら正式職員として、定員として採用をしたい、これが施設長の採用の際の条件であったわけであります。私の知人の娘さん、去年看護婦学校を卒業して、札幌の某病院に看護婦さんとして勤務をしております。二十一歳であります。その方なんかは、この間私に涙ながらに電話で訴えてきた。賃金職員であったことすらもわからなかった、そんな話は全然なかったというのです。ところが、今度文書が送られてきて初めて、ああ私は賃金職員というものであったのかということがわかったという、それくらい全くこの雇用の際の契約が無視されている、こういうことですよね。
 そして、ある日突然、賃金カットによって雇用を継続するか、それとも退職をするか、どれかを選びなさい、二者択一、イエスかノーか、これを迫ってきている。こんな不合理、不条理な常識外れの話がありますか。言語道断の措置だと私は思います。国立病院の経営の実態を私も知らないわけではありません。丹羽さんと同様に私も心配しております。しかし、それとこれとは別です。雇用がこういうことで契約されておったという実態は、いかんとも消しがたい事実であります。厳然たる事実でありますから、これはきちんと履行してもらわなければならない。こういう契約違反も甚だしいことを国がやるということは、私は信じられないのであります。その点についてどうですか。
#169
○田中(健)政府委員 北海道の賃金職員の採用に際しましては、賃金制度は日々雇用の職員でございまして、賃金職員を定員内に採用するのは、あきが生じないと……
#170
○池端委員 そんなことはもうわかっているんだ、私の持ち時間は四十分だから。
#171
○田中(健)政府委員 欠員が生じないと賃金職員から定員職員になれないわけでございまして、雇用の時期に説明が不十分で、定員があけば定員職員になれるということに対する説明で誤解があったのかもわかりませんが、そういうことで、説明に一部十分でない点があったことは御指摘のとおりであろうかと思います。しかし、雇用の実態は日々雇用の職員でございまして、あくまでも欠員が生じた場合に定員職員になれるという現実でございます。それから給与につきましても、給与法等の規定に基づいて支給されるものでございます。
 こういう実態を踏まえまして、私どもとしては、平成五年度における賃金職員の処遇につきましては、これまで各職員に十分説明しているところでございまして、今後賃金職員の採用あるいは任用更新につきまして、御指摘の点も踏まえましてより一層適切にやっていきたい、誤解を与えないように努めていきたい、こういうふうに思っております。
#172
○池端委員 それは誤解というものではないのでありまして、そういう説明があったからその採用に応じた、こういうことでございますから、誤解なんというものではありません。(田中(健)政府委員「委員長」と呼ぶ)発言中。
 ここに各病院長から送られてきた個人給与額というもののコピーがございます。これは賃金職員すべての人に送られてきたものであります。平成四年度の支給額はこう、五年度はこうなりますよ、六年度はこうなりますよ、こういう内容であります。
 この方は四十二歳、民間経歴二十年、国立一年、女性の看護婦さんであります。この人の平成四年度の給与の支給額は、基本給、諸手当、北海道ですから寒冷地手当も入ります、あるいは超過勤務手当、夜勤手当、すべて含めて年間五百四十九万五千円支給になっておった。ところが、この改善計画によりますと平成五年度は四百五十三万五千円にダウン、実に九十六万円のダウンであります。年間九十六万円、月額八万円になります。平成六年度はどうなるかというと、三百五十八万八千円、実に百九十万七千円の賃金ダウンでございます。もう月額十五万円以上、こういう状況でございます。これはほんの特殊な例ではございません。もう幾つもあるわけであります。
 時間がありませんので、もう一つの例だけ申し上げておきますが、これは五十三歳の民間経歴二十九年、国立七年勤務の准看護婦さん。この方は、平成四年度支給額はすべて合わせて年収五百七十四万五千円であった。ところが、平成六年度には三百九十八万九千円になる。この方も年収で実に百七十五万六千円のダウン、こういう状況です。
 こうやって月額十五万円も十三万円もダウンして、どうやって生活設計をせいということになるのですか。こういうことが一片の文書で、こうなる、したがって、これが嫌だったらやめなさい、退職しなさい、こういうようなことを厚生省がやるとは私は到底信じられないのでありますが、この点についてはどうですか。
#173
○田中(健)政府委員 私どもがこういう措置をとった背景は、先ほどから説明しておりますように、庁費財源の破綻ということでございます。それで、私どもといたしましては、賃金職員の給与の水準につきましては、毎年私ども厚生本省と全医労本部とでその賃金単価についてお話をいたしまして、その結果に基づきまして全国で運用していただく、こういうことでやっております。しかし、北海道につきましてはそれがかなり逸脱いたしておりまして、今申したようなことになっております。
 その背景を申し上げますと、先ほど先生が例に挙げられましたいろいろなケースでございますけれども、国立病院・療養所にお勤めになった期間というのはかなり短い期間でございまして、採用前の経験年数が非常に長い、そういう民間経歴でございます。この取り扱いでございますけれども、私どもは、賃金職員の運用に当たりましてはそうした採用前の経験年数は見ない、こういうシステムで運用しておるわけでございますけれども、北海道におきましてはそれがすべて過去の期間を加算するということで、最初の初任給の格付が非常に高くなっております。中高年の皆さんを雇用した場合、非常に高い給与で雇用しておる、こういうことでございまして、今回それを本来の方法に戻すということになりますと、今言ったような事情でかなりダウンする職員の方も出てくるという状況でございまして、私どもとしては、財政状況が大変逼迫しておるということで、やむを得ないというふうに判断いたしております。
#174
○池端委員 今の田中部長の答弁は従来の国会答弁にも反する。九一年十一月二十二日の当厚生委員会における同僚議員の質問に対して、当時の寺松保健医療局長は何と答弁しているか。賃金職員の給与については「おおむね定員内の職員並みに処遇している、こういうことでございます。」こう言っているのですよ。いいですか、「おおむね定員内の職員並みに処遇している、こういうことでございます。」というのが従来の国会答弁ではないですか。それをあなた、大きく逸脱しておるとかなんとか、まさに北海道が無法地帯のようなことを言われたら、私も遺民の一人として非常に心外ですよ。
 しかも丹羽厚生大臣、あなたが一昨年、当時厚生委員会の理事であったときに、我々与野党もみんなで汗を流して、マンパワー確保が大変だ、だから人材確保の決議をひとつ委員会で上げようということで、皆さんで苦労してあの決議を上げた。そして、その決議に基づいて昨年はあの看護婦等人材確保の法律というものが制定されたわけであります。そして、昨年の十二月二十五日に厚生大臣丹羽雄哉、文部大臣森山眞弓、労働大臣村上正邦、三人の連名による官報告示第一号がなされている。これは看護婦等の確保を促進するための措置に関する基本的な指針、基本指針です。看護婦さんを確保するのに大変な状況では、その処遇の改善についても大いに努力してください、こういうことを大臣が告示をしているにもかかわらず、その一方で部下の国立病院部長が処遇の切り下げ、これは下克上ではないでしょうか。大臣の言っていることを部長は守らないわけだ。この大臣告示、基本指針と今度の措置との整合性を私は問いたい。
#175
○丹羽国務大臣 私もこの委員会で長いこと政治活動をしてまいりまして、看護婦の確保というのは大変重要だということを認識いたしております。そういう角度で、委員会挙げて看護婦確保法というものを採決していただきまして、また基本指針というものを示していただいたわけでございます。
 あくまでも私は看護婦の量的なあるいは質的な充実を図っていかなければならない、こういうような認識は十分に心得ておるわけでございますけれども、今度の北海道の問題につきましては、ちょっと話が、次元が異なっておるわけでございます。と申しますのは、もし仮に今度の改善計画に従って今後適正化を図っていきましても、この看護婦の基本指針に基づきます複数の月八日以内の夜勤体制というのは十分に満たされるわけでございます。
 いずれにいたしましても、こういうことを基本的に十分に踏まえながら、ひとつ適正化、改善計画を進めていく決意でございますので、賢明なる先生の御理解を賜りたいと思っております。
#176
○池端委員 今大臣は私が聞いていないことを言われましたけれども、複数を主として月八回以内の夜勤体制は完全にやっていくのだ、こうおっしゃられました。それは間違いありませんか、本当に。各病院ごとにきちっと点検をしましたか。
 私は一例だけ申し上げます。札幌病院の場合、現在看護婦さんの定員職員は百四十七人、賃金職員は百四十一人で構成されております。現在の平均夜勤回数は、一応改善されて七・四回になっておる。しかし、今度の計画によれば、賃金職員は九十二名の削減、それから定員職員は十五名の削減であります。この賃金職員九十二名全部がもし仮に看護婦さんだったとします。労務職員その他もおりますから必ずしもそうはいかないけれども、仮に看護婦さんに全部集中したとすると、我々の計算では平均夜勤回数は十一・九回になる、こういう数字が出ている。これは札幌病院の場合だけでありますから、まだ子細に点検をすれば今大臣が言われたような状況には決してならない。複数、そして月八回以内の夜勤というものは決して守られない、そういう大変な状況が出てくるということを私どもは考えておりますが、その点はいかがですか。
#177
○田中(健)政府委員 私どもは、改善計画の実行に当たりましていろいろな前提を置きまして、夜勤回数も二・八が平均して守れるという前提を置いて各病院長と詳細に協議をいたしました。そういうことで、平均値ではございますけれども、四年間の期間で改善計画を進めれば平均で二・八は十分こなせる、こういう各病院長さんとの協議の末、このような計画を実行しているわけでございます。
#178
○池端委員 これも基本指針に明確に出ているのですよ。複数、月八回以内、これでやりなさいというのを官報で告示しているのでしょう、あなた、丹羽厚生大臣の名前で。そういう状況であるにもかかわらず、それに逆行するようなことが行われようとしているのです。その点どうですか。
#179
○丹羽国務大臣 ただいま申し上げましたことは、看護体制の問題につきましては中長期的な問題でございますし、個々の札幌の病院等につきましては、私どもがはっきり申し上げたことが守られるように今後十分努力していきたい、こういうふうに考えております。
 と同時に、私どもは昭和六十一年に国立病院の統廃合計画というものの方針を決めました。特に札幌を中心とする北海道内におきましては、現在十五カ所の国立病院それから療養所があるわけでございますけれども、これを十に絞っていってより適正化を図って、先ほどから申し上げておるように、これからの国立病院のあり方というものを十分に考えながら、要するに、高度の先端医療であるとか、がん、難病などであるとか、そういった分野について民間の病院と競合しないようなあり方というものを模索していきたい。そういう中で今後の業務改善計画というものも十分に練りに練ってまとめ上げたものでございますので、御理解を賜りたいと思っております。
#180
○池端委員 再編成計画のことを話し合われましたが、北海道では御案内のとおり全然話も行われておりませんで、全く絵にかいたもちになっておるという実態は、皆さん十分御承知だろうと思うのであります。そのことを申し上げておきます。
 このような職員の大幅な削減、処遇の切り下げという、私はすぐれて労働条件に関する問題だと思います。丹羽厚生大臣もかつては労働省担当の新聞記者として、いろいろな労使問題にかかわってきた。そういう状況からいって、これはもう常識だと思うのですよ。ところが、改善計画に伴う事項はすべて管理運営事項であって、交渉事項ではないと言って職員団体との交渉を一切拒否している。ここが私は問題だと言うのですよ。これだけ密接不可分に労働条件とかかわっている問題、率直に職員団体の皆さんと話し合ったらどうですか。そして自主的に解決したらどうですか。その交渉のテーブルにも着かないで文書でもってはあんとやる、こんなやり方が許されますか。
 しかも、あなた方が地方医務局に出しているこのマニュアルというものには何と書いてあるか。増員要求は「改善命令により施設長権限では実行不可能な事項であり、交渉できない。また、管理運営事項にも該当する。」だから交渉するな。いいですか。「看護婦の夜勤回数軽減に関する要求 増員が必要なため改善命令により権限外であり交渉しない。」これも交渉するな。「週休二日制実施に関する増員・連休による実施要求 増員は管理運営事項、改善命令事項であり交渉できない。」「賃金職員の定員化要求 権限外事項。改善命令事項であり交渉できない。」「外来患者の待ち時間短縮要求」これは患者さんの立場になって言っているのですよ。「患者サービスに関することは管理運営事項。」いいですか、患者さんの問題についてはおまえたち口出しするなということですよ、これは。驚くべきことですよ。これがマニュアルと称して地方医務局に配付され、各末端までこのことが通達されておる。大臣、知らないでしょう、こういうことまでは。私は内部でこの状況をきちっとよく聞いてもらって、本当にそれこそ違法、不当なことが白昼公然と行われている、こういう事実を厳粛に受けとめて、内部で再調整をしてもらいたい。
#181
○丹羽国務大臣 先生の御意見は十分に承っておきます。
#182
○池端委員 承っておきますということは、ただ聞きますということですか。はっきりしなさい。あなたは若い厚生大臣だから思い切って言いなさいよ。
#183
○丹羽国務大臣 今回の問題は単に北海道だけの問題ではなくて、国立病院全体のあり方が問われている問題だ、私どもはそう心得ております。
 そういう中で、率直に申し上げて、これまで医務局であるとか施設長などが大変野方図な、いわゆる逸脱した労使交渉を行っていたことにそもそもの過ちがあるのではないか、こういうことを襟を正すことが真に国民の皆さん方の信頼を得ることではないか、こういう観点に立ってこのマニュアルを出させていただいたのではないか。そこまでイロハの全部をマニュアルを出して、そしてこれを守ってくれ、こういうことであって、確かに私ども十分なる監督が行き届かなかったことにつきましては、率直に申し上げて反省をいたしておるわけでございますけれども、大変申しわけないという反省の上に立ってこういうマニュアルを出させていただいた、こういうことでございます。
 ただ、中身につきましては、実は私も詳細に見ておりませんものですから、それは十分にまた後で勉強させていただきたい、こういうことでございます。
#184
○池端委員 この問題は単に北海道の問題だけではなくて、国立医療全体の問題であるという認識は一致します。しかし、なぜこのような問題が出てきたかというのは、これは厚生省が定めた定数、定員や賃金職員含めて、定数が病院運営の実態に合っていないところからこういう問題が出てきているのだ。そこにあるのですよ。
 ここに平成二年度の厚生省統計情報部「医療施設調査・病院報告」という昨日厚生省からもらった資料があります。一般病院の入院患者百人当たり職員数、開設者別、平成二年度。公的医療機関に絞ってみますよ、時間がありませんから。国・大学病院、百人に対して看護婦さんは六十人、都道府県は六十九・九人、市町村は六十三・一人、日赤は六十三・八人、それに対して国立病院は四十九・七人、国立療養所はもっと低くて四十六・六人、こういう数字が厚生省のこの統計で出ているわけです。一目瞭然、他の公的医療機関に比べて極めて劣悪な配置基準である。こういうところに問題があるわけです。
 そして、医師その他医療技術職員、事務職員を含め、その他の賃金職員を含めても、国は百人に対して百四十三・八人、都道府県は百二十五・○人、市町村は百十九・五人に対して、国立病院は全体で九十三・二人、国立療養所は八十三・三人、こういう状況。この定数の非常に不十分な配置が今日こういう結果をもたらしている。だから定数改善に積極的に取り組むべきである。基本指針に示したように晩から始めよ、国自体が始めなければだめだ、民間に何ぼ言ったってだめだ、そこに問題があるということを指摘し、時間が来たということであるので、この問題については重ねていろいろな形で、あるいは予算委員会等もありますので、今後とも詰めてまいります。そのことを通告して、私の質問を終わりたいと思いますが、大臣、最後に所見の一端をお聞かせいただきたい。
#185
○丹羽国務大臣 この問題につきましての私の考え方は、先ほどから再三にわたって先生に御理解をいただいておるわけでございますが、率直に申し上げてどうも何か平行線である、こういうことでございます。
 私どもいろいろな機会に医療の現場で働いていらっしゃる方々からお話を聞きますけれども、民間の病院は最近六割から七割ぐらいが赤字だ、それに比べて国立病院・国立療養所というのはキャピタルコストがまず違うのだ、こういう点を鋭く予算委員会で私も指摘されました。そういう点で、率直に申し上げて私自身大変内心じくじたるものがあるわけでございます。いずれにいたしましても、大変厳しい医療行政でございますけれども、基本は国民のためにどうあるべきか、こういう観点に立ってこの問題について考えていきたい、このように考えております。
#186
○池端委員 質問を終わります。
#187
○浦野委員長 遠藤和良君。
#188
○遠藤(和)委員 私は、骨髄バンク事業についてお伺いしたいと思います。
 この問題は過日の予算委員会で我が党の市川書記長が取り上げた問題でございますが、きょうは人事院並びに自治省にも来ていただいておりますので、まず、あの予算委員会でも問題になりました特別休暇、これはいつから実現できますか。
#189
○石橋説明員 お尋ねの公務員の休暇の件でございますけれども、特別休暇にしろというお話がございまして、現在私どもにいろいろな要請がございます。それから、骨髄の移植療法が大変有効な治療方法である、人命にもかかわるというようなこと、国会でも何度もお尋ねをいただいておりますので、現在結論が得られるようにということで鋭意検討しておるわけでございますが、時期の問題につきましては、まだちょっと決定というところまでいっておりませんで、気持ちとしてはなるべく早く結論を得たいということでやっておる最中でございます。
#190
○遠藤(和)委員 八月の人事院勧告ですね、このときには当然できると理解していいんですか、それより早くなりますか。
#191
○石橋説明員 そのことも含めまして現在検討中でございまして、ちょっと時期の問題につきましては、現時点でお答えはまだできない状況でございます。
#192
○遠藤(和)委員 事は人命にかかわる問題ですよ。これは究極のボランティアと言われている問題でございまして、早く結論を出すべき問題です。やはり人事院がどう判断をするかということが自治省の判断にも影響を及ぼすわけでございまして、検討検討といっていつも検討で、これで終わったんじゃ何にもならないわけですから、少なくとも八月の人事院勧告のときに、その年度において検討し実現をする、こういう方向ではっきり答弁ができないんですか。
#193
○石橋説明員 気持ちとしては全く同じでございますけれども、現段階ではまだそこまでの検討が進んでおりませんものですから、今時点で時期の問題についてはまだお答えいたしかねる状況でございます。
#194
○遠藤(和)委員 自治省はどうですか。
#195
○遠目塚説明員 御案内のとおり、私ども地方公務員の勤務条件につきましては、いわゆる国家公務員に準ずるという基本原則がございますので、その線にのっとって、国で制度化される場合にこれにおくれることなく速やかに対処したいというふうに考えております。
#196
○遠藤(和)委員 先日新聞各紙で報道されましたけれども、入院期間は特別休暇にするということで、まず「人事院勧告のある八月までに制度の詳細を詰める」こういう報道があります。それから中身については三つ選択肢がある。一は特別休暇、二には職務専念義務免除、それからもう一つは何らかの新制度、この辺の間で検討をしておる。「自治省もこれに準じ、制度の適用期間なども含めて検討」に入った、こういう報道があるんですけれども、じゃ、この報道はうそですか。
#197
○遠目塚説明員 御指摘のように、数日前にたしか一、二の新聞に報道されまして、実は私どももいわゆるニュースソースについて確認をいたしましたけれども、私どもの職員が何らかの取材を受けたということは、今のところ判明いたしておりません。
 ただ、現実の問題といたしましては、いわゆる現在の公務員の定められた勤務条件の中で、骨髄バンクに登録する方々あるいは提供する方々への対応というのは大変難しい問題がございますので、私ども、とりあえず病気休暇ということで当面対処するということを地方団体にお願いしているわけでございますけれども、それ以上の問題につきましては、先ほど人事院からもお話がございましたように、まだ具体的にどの手法でという段階までは至っておりません。
#198
○遠藤(和)委員 この報道の中には、自治省の幹部は「職務専念義務免除は、公務に就かなくてもそれと同等の仕事をしている場合に認めるもの。(今回のケースは仕事ではなく)特別休暇扱いの方がなじむのではないか」、そこまで明言してインタビューに答えているではありませんか。
#199
○遠目塚説明員 確かにそういうふうに書いてございますが、実はその職務専念義務免除の書いてございますくだりの部分というのは、ちょっと私ども理解できない表現でございまして、現在の職務専念義務免除につきましては、私ども服務上の必要性がある場合にという判断をいたしておりますけれども、そこに書いてありますような定義ということになりますと、ちょっとどういう趣旨のコメントかよくわかりません。
 それにつきましてもどのような取材が行われたかということで確認をいたしましたけれども、だれがいつということについては答弁できない、説明できないということでございましたので、申しわけございませんが確認はいたしておりません。
#200
○遠藤(和)委員 厚生大臣、骨髄バンクというのは厚生省が一番役割のある役所でございまして、特別休暇についても、今のような人事院や自治省ののんべんだらりとした検討では本当に心配です。したがって、どうぞ厚生大臣から人事院や自治省により積極的に働きかけていただきたい。そして、まず厚生省の職員の皆さんから、もし人事院で特別休暇ということができれば真っ先に模範を示す、このような気持ちを鮮明にしていただきたいと思いますが、どうでしょうか。
#201
○丹羽国務大臣 この問題につきましては、私は一貫して、善意の第三者の好意に報いるためにも、ひとつ骨髄バンク事業を積極的に推進するという立場から、人事院、自治省など関係各団体に御協力をお願いいたしておるような次第であります。
 私の認識といたしましては、自治省の方で手術時においては病気休暇を認める、こういうことであるようでございますけれども、私どもといたしましては手術時のみならず検査時においても、病気休暇ということではなくて、結婚などに適用される特別休暇として認めていただきたいというようなことで、既に事務的に積極的にお願いをいたしておるわけでございます。ほかのいろいろなこういうような問題に対する難しい問題もあるようでございますけれども、今後とも粘り強くこの問題の実現に向けて頑張っていきたい、こういう決意でございますので、御理解賜りたいと思います。
 当然のことながら、人事院でそういう方針を出していただくならば、率先して特別休暇としてさせていただきたいというふうに考えております。
#202
○遠藤(和)委員 患者団体の皆さん、ドナーの皆さんは、既に八月実施は間違いないのではないかというふうに期待をいたしまして運動を展開していらっしゃいますから、それまでには何とか結論を出していただきたい、このように思うわけでございます。
 もう一点、休暇の問題と別に、骨髄データセンターの登録検査体制でございますけれども、今は日赤のそれぞれの血液センターが全国で展開をしているわけですが、これを見ておりますと水曜日の一日二時間だけ、しかも予約制であるということで、これは余りにもお役所仕事ではないのか。検査してあげるからいらっしゃいというふうな話でございまして、これは、そういうドナーになる人が自分の自由な時間で、勤務体制もありますから土曜日とか日曜日とか、あるいは平日ももっと検査日をふやすとか、そういうことは対応できるのではないかと思いますけれども、どうでしょう。
#203
○谷政府委員 先生お話しございましたように、骨髄バンク事業におきましては、現在、日本赤十字社の全国六十その骨髄データセンターにおきまして、ドナーの受け付けあるいはHLA検査等をやっていただいているわけでございますけれども、具体的に今お話しございましたように、受け付け曜日が限られているところがございます。それから、時間の問題で一部非常に限定されているというところがございます。こういったような受け付け体制の整備と申しますか、そういうようなことについて、もう少し限定されたものについては拡大ができないかということで、現在赤十字社の方と詰めているところでございまして、できるだけそういう拡大が図られるよう、私どもとしても努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#204
○遠藤(和)委員 どうも日赤というところは何かお上意識があるというのでしょうか、いわゆるボランティアでやっていただける皆さんに協力をしましょう、そういう姿勢というのが非常に弱くて、何か本来の血液事業の上に、厚生省が言うから仕方なく新しい仕事を引き受けたんだ、こんな姿勢がありありとあるんじゃないかと私は思うのです。日赤がこういう事業を展開することにもうちょっと積極的になるように、厚生省から指導していくべきではないのか、こう思いますが、どうでしょう。
#205
○谷政府委員 この骨髄バンク事業を始めるに当たりましては、御承知のように、専門委員会でどういうやり方がいいのかということでいろいろ検討していただいたわけでございまして、その際の結論としては、一つは啓蒙普及等を担当する財団をつくるということと、先ほど来お話のございますデータセンターというものについては、血液事業に今まで非常に大きな経験を持っておりますし、また全国的にこのHLA検査がやれるということで、日本赤十字社に分担をしていただくということで始めたものでございます。
 今お話しのような日赤の内部における体制の問題等もあろうかと思いますが、日本赤十字社におかれましても、この骨髄バンク事業の重要性ということについては十分御認識をいただいているというふうに考えておりますが、なおさらなる御協力をいただくよう私どもとしても積極的に働きかけをしていきたい、このように考えております。
#206
○遠藤(和)委員 それから、ドナーの方から骨髄を採取する際に全身麻酔をしてやるわけですけれども、このときに事故が起こる可能性があるわけですね。この場合にはいわゆる骨髄移植財団でその救済をする、こういうふうに理解してよろしいですか。
#207
○谷政府委員 ドナーに対する事故防止対策の点につきましては、いろいろ事前に十分な説明をするとかいうようなことはもちろんやっておるわけでございますが、ドナーに対する補償ということに対しましては、財団におきまして、民間のいわゆる損保を活用した事故補償制度を発足時から設けております。大変不幸なことでございましたけれども、一昨年でございましたか、麻酔に絡む事故があったというようなこともございましたので、そういったようなことを新たにパンフレットにも書くと同時に、補償額についても引き上げを図ったというようなことでございます。
#208
○遠藤(和)委員 これは厚生大臣にぜひ御検討願いたいのですけれども、この骨髄バンクだけにかかわらず、今後ボランティアの皆さんが安心をしてボランティア活動ができるように、公的な資金の入ったボランティア保険、要するに自動車で言うと損害賠償保険のようなものでしょうか、そういうふうな国庫負担が入った形での公的なボランティア保険というものをつくる必要があるのではないか、こう思いますけれども、いかがでしょう。
#209
○丹羽国務大臣 ボランティアの必要性というか、こういうものに対する認識は人一倍持っているつもりでございますが、ボランティアというのはそもそも自発的に行っていく活動でありますので、こういうものに自賠責保険のような公的な加入を強制するということは、ボランティア活動そのものになじみにくいのではないか、こういうふうに考えております。
#210
○遠藤(和)委員 強制加入とするかどうかはまた別の話でございまして、いわゆる企業保険ではなくてそういう公的な保険制度もあるよ、ボランティアに入ってもし事故を起こした場合には、掛金が少なくても十分な補償が得られる、こういうものがあれば安心でございますから、そういうのをつくったらどうかという提案でございます。
#211
○丹羽国務大臣 ボランティア保険の概要でございますけれども、現在全社協が中心となって各損保と提携をして行っておるわけでございますけれども、平成三年度から掛金がふえたのに伴いまして、保険額もかつてよりは倍近く最高保険額というのはふえておるわけでございますし、今後、今先生が御指摘のあったようなボランティア保険の充実というものはひとつ十分に考えていきたい、このように考えております。
#212
○遠藤(和)委員 ちょっと話が変わるのですが、水の話です。厚生省は長年の懸案でありました水道水源保全法、これをこの国会に提出したいと考えているようでございますが、提出てきますか。
#213
○丹羽国務大臣 まず、この水道水の問題につきまして、昨今遠藤先生を初め公明党の皆さん方から私のところに御陳情を賜りまして、この問題について大変御熱心に取り組んでいらっしゃることに対しまして敬意を表する次第であります。
 この間、新聞等で大きく取り上げました問題は、実はこれは厚生省内部の有識者懇談会で一つの見解をまとめたものでございます。今後、関係省庁とも十分に連絡をとり、理解と協力を求めながら、この水道水源の水質保全についてもできるだけきちんとした一つの方針というものを打ち出していきたい、このように考えている次第でございます。
#214
○遠藤(和)委員 私どもも大変関心を持っておりまして、今御紹介をしてくれたのですが、厚生大臣に申し入れをやりました。また今週は、できれば官房長官とかあるいは他省庁の建設省とか通産省、環境庁等にも申し入れをしたいと思っております。
 そこで、少なくともこの五点はこの新法の中に明らかに書いてもらいたいという気持ちがあるので申し上げたいのですが、一つは公共用水域への排出水の規制を強化するということ、それから二つ目が開発行為等各種立地に対して必要な規制の実施を可能とすること、三は農業の使用を制限すること、四は下水道の整備、合併処理浄化槽の整備等の生活排水対策を体系的かつ計画的に推進する、五は地下水の水質の保全でございますけれども、こういうことを念頭に置きますと、他省庁との調整というのが非常に大きい問題になるわけですね。例えば公共用水域への排出水の規制でいきますと、濃度の規制では、これは水増しにしちゃうと幾ら入ったかわからなくなっちゃうわけですから、総量規制というふうなことが念頭に入るわけですけれども、今申し上げた事柄が新しい法律の中に入っていく、このように理解してよろしいのでしょうか。
#215
○藤原(正)政府委員 お答えいたします。
 先ほど大臣が答弁されましたように、厚生省では、懇談会の報告を受けまして現在その方針をまとめ中でございます。二月四日に公明党から厚生大臣に申し入れをいただきました申し入れ書の中に、重要な五項目が盛られております。つまり、排水規制、開発行為等の規制、農業の制限、生活排水対策、地下水水質保全というふうなものがございます。これにつきましては、先ほど申しました有識者懇談会という報告の中でも同様のことが指摘されておるところでございます。厚生省では、この報告の趣旨に沿って現在施策を進めておるところでございます。
 委員御指摘のとおり、水道水源の水質保全対策が実効あるものとなるためには、関係省庁が各行政分野に応じてそれぞれの立場から積極的に取り組んでいただく必要があると考えておりまして、厚生省としましては、関係各省庁と連携をとりながら、その積極的な推進のために最大限の努力をしてまいりたい、このように考えておるところでございます。
#216
○遠藤(和)委員 この法律とは別に、いわゆる生活環境審議会の答申があって、水質基準の強化が図られたわけですけれども、この答申を受けて水道法の省令を改正をする作業がありますね。そして、この環境基準が新たに実施されるということになると思うのですけれども、これはいつから施行されますか。
#217
○藤原(正)政府委員 昨年の十二月に水道水質基準の見直しを行いました。これは約三十年ぶりに大幅に水道の水質基準を変えたものでございまして、水道水質基準の項目を大幅に拡大したのと、一部水質基準値を非常に厳しくいたしたわけでございます。この新しい水質基準の適用につきましては、先ほど申しましたように昨年の十二月に基準を改正したということでありますので、一年間の準備期間を設けるということで、ことしの十二月に実質的に施行ということを考えておるわけでございます。
#218
○遠藤(和)委員 これは安全性ということと、要するにおいしい水という品質の問題ですね。これは、この水質基準の強化によって蛇口でこういうふうな水道水になるぞ、こういうふうに理解してよろしいんですか。
#219
○藤原(正)政府委員 この水質基準は非常に網羅的、大幅な内容が盛られておりまして、人間の健康そのものを守るという観点からの項目もございます。これは基準項目というふうに呼んでおりまして、四十六項目決めておりますが、それ以外にも快適水質項目といいまして、味だとか、においだとか、おいしい、こういうふうな観点で決めておるものもございます。これは法律の基準そのものではなく、通知で示す基準ということでございますが、これも一緒に示しておりますので、これらの水質基準全体を守るようにこれから指導していくということでございますので、委員御指摘のように、これらが守られれば安全でおいしい水道が得られる、こういうことでございます。
#220
○遠藤(和)委員 シベリア抑留者に対する請願書が前の国会で採択されまして、これに対して厚生省は対応されると思いますけれども、この請願書の中身についてどう対応されますか。
#221
○佐々木(典)政府委員 ただいまのシベリア抑留中死亡者に関します請願につきましては、さきの国会で請願採択されてございます。手続に従いまして、ただいま内閣意見の取りまとめを行うということで、政府部内で意見の調整を行っているところでございます。外務省等関係省庁ともよく協議をいたしまして、誠実な対応をしてまいりたいというふうに考えております。
#222
○遠藤(和)委員 これは国会に報告をされるわけですね。いつごろになるんでしょう。
#223
○佐々木(典)政府委員 内閣の方からは、三月早々に厚生省としての意見を出すようにというふうな手続が来てございますので、それに沿いまして、私どもとしては内閣に厚生省としての考え方を出していくというような手順を踏んでまいる予定にいたしてございます。
#224
○遠藤(和)委員 そこで具体的な話をぜひ聞きたいのですけれども、墓参団をぜひ派遣をしてほしい、こういう請願の中身がありました。これはゴルバチョフさんが来られて協定書をつくりましたね。今ロシアにかわったわけですけれども、恐らくそれはずっと継承されているものと理解をすれば、あのときにたしか五百七十カ所ですか、あるというふうなことがはっきりしたわけですけれども、そこの地区全部のところに希望があれば墓参団は行くことが可能というふうに理解をしてよろしいですか。
#225
○佐々木(典)政府委員 シベリアの墓参の関係につきましては、今先生もお話しのとおりでございますが、若干経過を申し上げさせていただきますと、ゴルバチョフ大統領が来日されまして、日ソの間で抑留中収容されていた者に関します基本的な協定が平成三年四月に結ばれたわけでございます。それまでは、実は日ソの間におきまして、いろいろな機会に外交ルートを通じまして墓参あるいは遺骨収集、埋葬地調査等の申し入れを行ってまいりましたけれども、例えば平成二年までに全体を通しまして二十六の墓地に十二回墓参ができたというふうにとどまりまして、遺骨収集等については一切できなかったというふうな経過がありますことは御存じのとおりなのですけれども、その後ゴルバチョフ大統領来日の際に、今御指摘がございました埋葬地関係資料で五百四十九枚の提供がございました。具体的にその中で五百七十埋葬地がございます。それで死亡者の名簿登載も、三万八千名強ということでちょうだいをいたしてございます。
 実はこの協定が成りましてから、平成三年度に初めて墓参を実現し、平成四年度から本格的なシベリアの墓参を実施いたしたわけでございますが、実際やってみますると、実は、このちょうだいしております埋葬地情報のとおりに現地の埋葬状況がなっていないというような実情も出てきております。それから三万八千名の死亡者の名簿につきましても、精査いたしますると二千名強の重複があるといったようなことがございまして、埋葬地情報が必ずしも現地の実態に即してない面があるといったようなことがございます。したがいまして、私どもとしては、大変有力な資料でございますから、これによりながら四年度から本格的な遺骨収集、墓参を実施いたしてございますけれども、極力現地の関係者の協力も得ながら、把握できます埋葬地につきましては、関係遺族の気持ちも踏まえ、できるだけ関係者の協力を得ながら墓参の実現に努力してまいりたいと思っております。
 そういった意味合いで、現地は開発で現状が変わっておるとか、あるいは現地の関係者もかなり年をとっておる、あるいは関係者がいなくなっているとかいうことで、情報源が限られているといったような厳しさがございますけれども、今申しましたような基本に立ちまして積極的な対応をしてまいるつもりでございます。
#226
○遠藤(和)委員 ですから、五百七十カ所はいずれの地域も墓参は可能である、こう理解してよろしいかということです。
#227
○佐々木(典)政府委員 実は、五百七十の埋葬地につきまして全部が実現可能かという点につきましては、基本的に現実の対応は、州政府あるいは地方関係者の協力を得ながら、墓参のできるところ、協議の相調ったところに現実に日本の政府代表の墓参団が行っておるというような実情でございます。私どもとしましては誠実に話し合いを続けながら、できるだけ多くのところに、やはり墓参をしてよかったというふうなことで遺族の皆さん方が感慨を持たれるケースが現実に多いわけでございますので、できる限りお気持ちに沿って、関係者と協議をしながら努力をしたいというふうに思います。
#228
○遠藤(和)委員 それでは、ことしの計画ですけれども、政府が行う墓参団の規模だとか予定、それからまた、今まで政府が行う墓参団については、それに参加をする人は三分の一の旅費を国から支給する、こういうことになっておりますが、この増額は考えておりますか。
#229
○佐々木(典)政府委員 墓参に当たりまして具体的にどんなふうな形でやっておるかといいますと、シベリアの墓参につきましても、実は従来の南方の主要戦域におきます墓参団、政府派遣の墓参団と同様な形で、関係者の御希望に沿って参加をしていただくということでございますが、基本的にこの参加費用の算出に当たりましては、国家公務員の旅費等に準じまして内国旅費、外国旅費などを積み上げまして、所要の経費の計上をいたしてございます。したがいまして、この旅費の改善につきましては、国家公務員の旅費の改善に見合う改善というふうなことで参ってきておりますので、御理解を賜りたいと思います。
#230
○遠藤(和)委員 それから、請願書の中にもあったのですけれども、ナホトカ港とかあるいはハバロフスク等に鎮魂の碑を建立してもらいたい、こういう要請がありました。また、この請願書以外にも、多くの方々からそういうふうな期待が寄せられているわけですが、政府としては鎮魂の碑について具体的にどういう計画を持っておりますか。
#231
○佐々木(典)政府委員 お尋ねの戦没者慰霊碑につきましては、戦没者に対します慰霊事業の一つといたしまして、戦没者の慰霊と平和への思いを込めまして、主要戦域ごとにこれまで海外九カ所、それから硫黄島に建立をしてまいっているところでございますけれども、旧ソ連地域につきましても、五万三千人もの多くの方々が亡くなられている地域であることも踏まえまして、従来の地域と同様に抑留中死亡者のための慰霊碑を建立したいというふうに考えてございます。このため、平成五年度予算の案におきまして、慰霊碑建立のための調査、それから碑の設計の経費を計上いたしてございます。
 私どもといたしましては、慰霊碑の建立に当たりましては、従来の南方地域の慰霊碑と同様の趣旨から、亡くなった方が一番多い地域であり、あるいは交通の要衝であるような地域を念頭に置きまして、ロシア政府と協議をしながら建設を進めてまいりたいというふうに考えております。
#232
○遠藤(和)委員 新聞の報道を見ますとハバロフスク市が最有力である、こういうふうに書いてあるわけですが、私が接した方々は生きて帰られた方々でございまして、その方々はナホトカの港から舞鶴ですかにお帰りになった。この両港に大変な強い思い出を持っている。したがって、何とかそこにもというふうなことを言っていらっしゃいました。
 時間が来ましたから厚生大臣、最後に一言聞きたいのですが、私が接した方々はもう八十歳を過ぎていらっしゃる方々が多くて、わざわざ東京までお越しになりましておっしゃるわけですが、少なくとも記念碑といいますか鎮魂の碑といいますか、そういうものを建てない限り自分たちの戦後は終わらない。異国の地で土になった同僚や皆さんに申しわけがない、こういうことで、その碑を建てるために、病気の方もいらっしゃる、あるいは高齢で足元の弱い方もいらっしゃるのですけれども、徳島県にもそういう方がいらっしゃいまして、私のところに東京まではるばるお越しになりまして、厚生省の土井局長のところまで足を運ばれた、こんな経緯もございました。したがいまして、これは生きているうちに建ててあげないと、せっかく建てても意味がないわけでございまして、早く実現をするようにお願いを申し上げたいと思います。
#233
○丹羽国務大臣 旧ソ連地区につきましては、先生御案内のように、外交上の理由でこれまで墓参がままならなかったということで、御遺族の皆様方の心情をお酌み取りいたしますとき、本当に胸が痛む思いがいたします。
 ただいま先生が御指摘の鎮魂の碑につきましては、政府委員の方からお話があったわけでございますけれども、年老いた方々がそういうような一日千秋の思いでお待ちいただいておるわけでございますので、一刻も早くこれが実現するように最大限努力をいたしたいと思います。
#234
○遠藤(和)委員 終わります。
#235
○浦野委員長 吉井光照君。
#236
○吉井(光)委員 私は、まず院内感染対策についてお尋ねをしたいと思います。
 最近大きい課題になりつつありますいわゆるMRSAによる院内感染の総合対策に厚生省がようやく乗り出したわけです。特に私が指摘した問題点ですが、まず薬価の適正化ということでございます。
 抗生物質の効能書きの使用上の注意に使用抑制を求める文章がつけ加えられたわけでございますが、これで感染拡大を防ぐための抗生物質の流通抑制につながる実効性ある具体的施策と言えるかどうか、甚だ疑問でございます。感染症に対する抗生物質の効果、これはもうほかの医薬品に比べまして格段に大きいということに加えまして、薬価も当然ながら高額に設定をしているわけですが、そのために抗生物質の使用量というものが急増をいたしました。そして、医療機関は製薬メーカーから薬価より安くこれを仕入れる、そして診療報酬請求との差額、すなわち薬価差益を病院の利益にしておる。したがって、薬価が高いほど病院の薬価格差というものがふえてくる、もうかるといった仕組みがそもそも院内感染が蔓延する元凶である。こうした背景が抗生物質の過剰投与につながっているのである、このように言われているわけです。となりますと、この薬価を下げ、適正化することが流通量を抑制する最も効果的な対策と思うわけですが、いかがですか。
#237
○古川政府委員 御指摘の薬価についてでございますが、これは御案内のように、市場価格を適正に反映するようにおおむね二年に一度価格調査を行いまして、その結果を踏まえまして改正をされている、こういう状況でございます。
 昨年四月にも、市場価格をより適切に反映させるということで、新しい価格の算定方式に基づきまして、薬価全体で八・一%、それから御指摘の主要な抗生物質につきましては、内服薬で一八・四%、それから注射薬で一三・九%、こういった引き下げが行われたところでございまして、私どもとしてはこういった市場価格を適正に反映する、こういう趣旨で調査をいたしてございまして、現在の価格は適切なものであるというふうに考えておるわけでございまして、今後ともこの市場価格の状況を見て価格調査を行い、適正な改正をやってまいりたい、そういうふうに考えておる次第でございます。
#238
○吉井(光)委員 さっきお尋ねをしたのですが、流通量というものを抑制することが院内感染対策として必要なことであるという認識はどうですか。
#239
○古川政府委員 先生が冒頭にお話がございましたように、抗生物質は現在百五十種類ぐらいございますが、非常に大きな効果を治療に対して発揮している。問題はこれが適切に使用されるということであるわけでございますので、私どもはその流通につきましては、先ほど申し上げましたような薬価調査によって適切に対応する。
 問題は抗生物質の適切使用ということでございまして、私どもとしては、当然のこととして、医学的な判断に基づきまして適切に行われることが大変大事である、こういうふうなことで、今後とも不適切な使用が行われないようにいろいろな機会に指導を徹底してまいりたい、かように考えている次第でございます。
#240
○吉井(光)委員 この問題は最近特に大きく広がりつつあるわけですが、実効性ある実態調査、全国の感染状況を把握するためのサーベイランスの扱いについて、総合対策では触れられておりません。
 そこで、平成五年度に全国調査が行われるようでございますが、その際、病院のお手盛り防止のために、厚生省がもっと主体的、積極的にサーベイランス実施に踏み込むべきではないか、このように思うわけでございます。病院サイドとしては、できるだけ抑えよう抑えようという考え方になるのは当然だと思うのです。したがって、厚生省がうんとこれに積極性を示さないと真の実態がつかめない調査結果に終わるのではないか、このように危惧をするわけでございます。
 昨日ですか、毎日新聞による調査によりますと、七府県への聞き取り調査結果によりますと、保菌者、発症者を含む感染者が約千人に上っておる、しかしながら、実際の感染者は一万人を超すと見られるのではないか、そして現在裁判で係争中のものも十一件ある、こういう報道でございます。また、調査中あるいは調査予定自治体が十あったわけですが、病院内の対策委員会の設置状況調査にとどまる自治体もあるということで、全国レベルでの感染者数や被害実態の把握が大きく立ちおくれている、このように指摘をしております。また、現場の医師や看護婦からは、スタッフと予算不足で感染拡大を防げない、こういう声も多いようでございます。こうした極めて危険な状況から一刻も早く患者を救済するためには、院内感染対策として病院環境を整える十分な予算措置が急務であると思うのですが、果たして万全なのかどうか、この点についてはいかがですか。
#241
○寺松政府委員 今先生いろいろと御質問がございましたが、まずMRSAの院内のと申しますか、施設内の感染防止対策というものについてちょっと最初に申し上げたいと存じます。
 この重点につきましては、やはり施設内のMRSAの感染の実態というものを適切に把握するということが必要なのではないかと思っておりまして、各施設に対しまして、適切に実態を把握した上で、効果的な感染防止対策を行うように指導しているところでございます。先月、いわゆる総合対策の取りまとめをいたしました。それによって、いろいろと関係の各課を通じまして、都道府県あるいは病院等の医療関係団体等に対しまして、それぞれ指示をいたしたわけでございます。
 今先生がおっしゃっておりますように、全国的にどのくらい患者がいるのかということにつきましては、私どもも現在のところ正確な数字は持っておりませんけれども、いろいろな形でそれをパックデータとしてとっております。それは一つは、私どもの方で調査いたしましたいろいろな検査におきまして、検体検査をやっておるわけでございますが、その中の陽性の状況あるいはMRSAの含まれる状況等を把握しております。それからまた、これは業務局の方で実際担当しておるわけでございますが、年に二回、同様に分離しました菌株の中でMRSAのプラスのものがどのくらいあるか、あるいはブドウ状球菌の中でどのくらいMRSAのものがあるかというようなことの調査もやってございます。ちなみに昨年のデータでちょっと私が記憶しておりますのでは、全体の検体検査の中でMRSAが占める割合というのが一二%ぐらいでございます。しかし、ブドウ状球菌の中でMRSAの占める割合は六二%ぐらいというふうに、かなり高く見られるわけでございます。
 しかし、これも先生御承知でございますが、このMRSA自身がどうこうというよりも、ホストのサイドといいますか、患者さんの方が免疫が下がっている場合に非常に悪いことをするわけでございます。例えば肺炎だとか敗血症を起こすというようなわけでございまして、普通の健康な方々では大きな問題にならない、こういうふうなことでございます。
 今先生のおっしゃっております全国的なサーベイランスの話でございますけれども、これにつきましては私どもも専門家の意見をいろいろと聞いておるところでございます。中には、これはやはり全国的にネットを張った方がいいという御意見の方もございますし、また、それよりもむしろ院内の状況をきちっと把握して、防止対策をやるのが最も効率的だという御意見もございます。その辺を私ども、実はそういう専門委員会をつくってございますので、いろいろ専門家の意見を聞きながら、仮にそういうふうな事態になった場合には的確にそういうような対応をしたいと思っておりますが、今のところそういうように御意見が割れておるのが実情でございます。
 それから患者の把握でございますが、毎日新聞のお話が出ましたけれども、都道府県にどのくらい患者がいるのだろうかという話につきましては、私ども今電話で照会中でございます。ただ、細かい定義をきちっとしておりませんと、その数字が非常に信頼性の問題もございますので、その辺も含めて今調査を行っているという実態でございます。
#242
○吉井(光)委員 ひとつ積極的な取り組みをお願いしたいと思います。
 それでは次に、色覚異常への取り組みについてでございますが、この問題につきましては過去にも我が党の沼川元代議士、これは昭和六十三年、それから倉田代議士が昨年、それぞれ予算の分科会で取り上げているわけです。それらも踏まえてちょっとお尋ねをしておきたいと思うのです。
 色弱や色盲などの色覚異常は、御承知のように日本人男性の五%、二十人に一人、女性の○・二%、四百人に一人の割合、このように言われておりまして、これは推定ですが、全国で三百万人にも上るのではないかということでございます。そこで悩んでいるのは、これは本人だけではなくて、家族も含めますと膨大な数字になるわけでございます。特に色覚異常のお子さんを持っておられるお母さん方の悩み、育児というものにどのように接していけばよいか、これは非常に深刻な問題となっております。私も昨年四月末に、こうした切実な悩みを持っていらっしゃる父母の方々といろいろと意見を交換をいたしました。そうした中でしみじみ痛感することは、いわゆる行政と現場の声とのギャップであります。ここで具体例を列挙する時間はございませんので省略をいたしますが、多くの人が悩んでいることはやはり進学の問題、そして就職、結婚、出産等でございます。
 問題は、こうした悩みを相談するところがないに等しいというのが現実でございます。ただうちにこもっただけで、これをどのように解決し、どこに持っていって相談していいのかさっばりわからない。こうした現実を見かねて、ボランティア組織によるところの相談窓口として、色覚一一〇番というのが青森と東京に九一年十二月に設置をされました。そして、一日七、八件の相談があるようですが、じっくり話し合うので一件少なくとも三十分、長くなると二時間もかかるようでございます。
 進学や就職の際の制限、こういったものはなお残されているわけですが、この情報入手が非常に困難である。そういったために、学校、企業でも以前のような厳しい制限が大幅に解消されているということも御本人やお母さん方にはわからない。したがって、いまだに不利だと思い込んでいらっしゃるケース、また企業も、色覚異常についての無知から、職場上何ら支障がないのに頭から制限をしているというケースもございます。そしてもっと大切なことは、本人及び家族が前向きに強い心で問題を受けとめていくことだ、このようにも一一〇番を担当していらっしゃる方は言っていらっしゃいます。相談できることがどんなに不安を和らげて、そして勇気づけられるかはかり知れません。したがって、この際ぜひとも相談一一〇番を設置をしていただきたい、このように思うわけですが、文部省それから厚生省、両省のお考えをひとつお聞かせ願いたいと思います。
#243
○富岡説明員 文部省からお答えさせていただきます。
 先生の御指摘は大変大切な課題であると私どもも認識しておりまして、先生よく御案内かと思いますが、色覚に問題のある児童生徒の指導につきましては、学校ということを考えましたときに、まず教員が何よりもこの問題の正しい知識を持ちまして、色覚に問題のある児童生徒の実態を的確に把握し、学習指導とか進路相談とか生徒指導で十分に相談に乗る、あるいはそういうことを進めるということが大切だという認識を持っておるわけです。
 先生よく御案内かと思いますけれども、平成元年に文部省におきまして「色覚問題に関する指導の手引」というのを作成いたしまして、全小中学校に配付いたしたわけでございますが、この手引書におきましては、色覚に問題のある児童生徒への指導のいろいろな基本、特に学習指導面とか進路相談なんかについての配慮すべき点をいろいろ示しておるわけでございます。特に、先生今御指摘の校内における相談体制が大切ということを指摘しておりまして、子供がざっくばらんに相談できる窓口というのはいろいろあろうかと思いますが、特に学級担任とかホームルーム担任、そして養護教諭というのがよく連携をとって、窓口となってその相談にじっくり乗る、そして、児童生徒が自分の生活や進路に自信を持って前向きに考えることができるようにすべきであるということを特に指摘しております。また、必要に応じまして、学校医さんとの連携も十分とるようにする必要があるということなどを示しておるところでございます。
 私どもとしましては、先生今御指摘のように、現場ではそういうギャップがあるという御指摘でございます。こういういろいろな機会、例えばカウンセリングのいろいろな指導の講座等がございますので、そういう点を取り上げまして、特にまた指導の充実を今後とも進めてまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
#244
○寺松政府委員 厚生省の方からちょっとお話をしてみたいと思います。
 今先生が御指摘の件でございますけれども、色覚異常につきましては、その対応のあり方、特に医学的な対応のあり方ということにつきましては、必ずしも確立されていないというのが実情でございます。その背景にはどういうことがあるかと申しますと、色覚の認知や色覚異常の発生などのメカニズムというものが現在のところ十分解明されていないというようなことにあるわけでございます。そこで、そのような色覚及び色覚異常に関しまして基礎的な研究からまず始めるべきだということで、平成元年度から色覚についての基礎的研究というのを始めておるわけでございます。
 これに対しまして、適切な対応法については、やはりまず基礎的な研究というのが専門家のところのお話でございまして、この成果が得られた段階で、さらに臨床的な研究、治療法についても私ども研究を進めていくつもりでございます。平成五年度におきましても基礎的な研究を引き続きやっていきたい、このように考えております。
 今ちょっとお話ありました電話相談とか治療施設の整備でございますけれども、今私ども専門家の先生方といろいろお話をしておりますが、こういうふうな方法がいいのではないかというような的確なお話がまだないわけでございまして、ちょっと現在のところ研究の成果待ちといったようなところではないかと思っております。
#245
○吉井(光)委員 今、文部、厚生両省からいろいろ対応をお聞きしたわけです。文部省でも教育現場でさまざまな配慮をしていらっしゃるということでございますが、やはり現場の声というものほかなり違っているわけですね。例えば黒板の色、これは健常者には緑というものは目に優しいかもしれない。しかしながら、この緑の黒板に赤いチョークで書かれますというと、色覚異常者の人はほとんど見えない。ところが、こういったものも全くと言っていいほど改善もされておりません。また、ベテラン教師でも色覚異常の初歩的な知識、こういったものも全くご存じない。また知ろうともしない。これが皆さん方の話を聞けば現状だとおっしゃる。
 先ほどおっしゃった文部省が作成された「色覚問題に関する指導の手引」、これも十万冊印刷をされて、そしてそれぞれのところにお配りになったようですが、これは内容は非常に立派でございます。しかしながら、これが現場では全くと言っていいほど生かされておりません。さらに、医科大学でこの色覚についての授業が全くない、このようにも聞いておるわけでございます。
 また厚生省は、この基礎研究の一定の成果を踏まえて臨床・治療研究へと進めていく、こういったことはもう三、四年前ですか、私が以前質問したときにそういった答弁があったわけですが、私から言わせれば、逆に発生メカニズムの基礎がわからないからこそ、臨床・治療研究もできるものは一緒に進めていって、そして発生のメカニズムの解明に役立てていくべきではないか、このように思うわけでございます。
 時間がございませんので、文部省にもう一点聞きたいのですが、現時点では学校の定期健康診断の検査の実施時期及びその対象を軽減すべきかどうかについて意見が二分している、このように聞いているわけです。現在、日本学校保健会に健康診断調査研究委員会を設けて、定期健康診断項目となっているこの色覚検査を含めた見直しがされているようでございますが、医学・学校関係者だけではなくして、父兄の意見をも十分踏まえて検討をしていただきたい、このように思うわけでございます。と同時にまた、今後の見直しについてのお考えもあわせてお伺いをしておきたいと思います。
#246
○近藤説明員 お答えをいたします。
 先生御指摘になりましたとおり、この色覚異常の検査の問題でございますが、財団法人の日本学校保健会に健康診断調査研究委員会というものを設けまして、これはお医者さんあるいは眼科医の方等の専門家、あるいは小中高等学校の教諭あるいは養護教諭、あるいは教育委員会の関係者、幅広い学校教育関係者も含めまして、その検査実施の時期あるいは対象を軽減すべきかどうかということについて御議論をいただいておるわけでございます。これもまた今先生が御指摘になりましたように、これを軽減すべきであるというような御意見と、その検査の結果を踏まえて児童生徒の学習指導あるいは生徒指導、進路指導に生かすためにも、やはりそれは継続すべきではないか、このような意見があるわけでございます。
 いずれにいたしましても、私どもは、医学関係者あるいは学校関係者、また先生がおっしゃいましたような保護者の方々の御意見も十分に聞きながら、この問題につきまして引き続き検討を進めてまいりたい、かように考えておるところでございます。
#247
○吉井(光)委員 次に、治療施設の確保と保険適用及び色覚研究への取り組みでございますが、皆さん方がおっしゃるのは、非常に不便を感じておるところの数少ない治療施設が、医師の高齢化と後継者不足でこのままだとなくなるのではないか、このような心配が非常にございます。すなわち、山口、広島あたりから大阪あたりへ治療に行く、そういったケースも数多くあるわけでございまして、こうした三百万人のニーズにこたえるには、やはり自分の身近な距離に治療施設というものがどうしても必要である、かつ自己負担の軽減のためにも保険適用が必要である、こういった声が圧倒的でございます。
 さらには、同じ遺伝性の病気でもなぜ色覚だけが研究がおくれているのか、こういった指摘、この指摘につきましては先ほどちょっと御答弁があったわけですが、さきの二点、施設の問題と保険適用の問題についてのお考えをお聞かせ願いたいと思います。
#248
○古川政府委員 私の方から先に保険適用の問題についてお答えを申し上げた、いと思います。
 私も若いときに親友が色覚異常で大変悩んでいたことを思い出すわけでございますが、御指摘の保険適用の問題ですけれども、色覚異常に関する診断につきましては、現在初診料を算定するほか、色覚異常を訴える患者さんに対しましては、既に色神検査につきまして保険適用がなされているところでございます。しかしながら、御指摘の色覚異常の方々の治療でございますが、これに関しましては、眼科学会等で有効性が一般に認められている治療法はいまだ存在しないというようなことから、保険点数上、処置料等は評価されていないというのが現状でございます。
 今後、治療法としての有効性あるいは安全性、普及性及び保険診療としての効率性などの観点から、関係学会において治療法が確立されれば、その段階で中医協の御議論等も踏まえまして適切に対応してまいりたい、かように考えておるところでございます。
#249
○寺松政府委員 今、保険の方からお話がございましたけれども、私ども色覚異常等につきまして、あるいは色覚異常の発生メカニズムというものについていろいろと基礎的な研究をお願いしております。ただ、まだどうも基礎的なところが詰まっていないというようなところでございまして、結局今明確な、的確な治療法がないというようなことでございます。そこで、私ども研究班の中の分担研究者の方々に対しましていろいろとその辺の御意見も伺っているわけでございますが、今の段階では臨床研究に乗り出すのには基礎的なところが詰まっていない、こんなお話でございます。そういうことで、施設整備をやるという段階はまだ時期が早いのではないかと思っております。
#250
○吉井(光)委員 治療法云々とおっしゃいますけれども、実際に治療して、色覚異常者が健常者になったという例もたくさんあるわけでございます。私の知っておる人でも、異常者がそういう治療をすることによって治って、そして今飛行機の操縦士になっておる、こういった人もいるわけでございます。立派な会社に就職をした、そういった人もおるわけでございます。そういったケースもたくさんあるわけでございます。私が前回質問してもう相当年限もたつわけですから、ひとつ積極的にこの問題に対処していただきたい、このことを要望しておきたいと思います。
 では、時間が参りましたから、この辺で終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
#251
○浦野委員長 児玉健次君。
#252
○児玉委員 日本共産党の児玉健次です。
 国立病院・療養所が結核、筋ジストロフィー、重度心身障害等の分野で、また地域における医療の分野で大きな役割を果たしていることについては、多くを述べる必要がありません。今、北海道の国立病院・療養所で生じている問題、先ほども質問がありました。賃金職員、定員職員の大幅削減と到底容認できないものであり、かつ重大な性格を持つものです。これはローカルの問題ではありません。私は昨年の暮れからつい先日にかけて四つの国立病院・療養所を訪問し、いろいろお聞きをしました。そのとき施設の管理者の方から、非常に率直に求める資料についての提示もいただきました。熟読しました。
 そこで、一、二まず伺いたいのですが、二月十二日に訪問した国立療養所札幌南病院、ここでの夜勤の状態を昨年二月の資料をいただいて詳しく拝見したのですが、五病棟の二、そこでは賃金職員のみの準夜勤と深夜勤が合わせて十九回行われています。準夜と深夜をすべて賃金職員でなさっているという日もありました。そして、私がお邪魔しなどの病院でも、日勤のリーダーは定員職員、賃金職員の別なく担当されています。ある婦長さんは、勤務予定表の作成で特に区別して考えたことがありません、こうも明言されております。定員内職員も賃金職員も勤務の内容では基本的には同じではないか、そういう印象を私は持ったが、厚生省の判断を聞きます。
#253
○田中(健)政府委員 ただいまお話がございました定員職員と賃金職員の看護婦さんの仕事の内容、一般的に言いまして基本的に現在は同じような仕事をしております。
#254
○児玉委員 さて、簡潔に聞きますから簡潔にお答えいただきたい。
 多くの看護婦さん、そして放射線技師が採用されるときにどうだったか、先ほども御質問がありました。例えば私が会ったある放射線技師、北海道大学や札幌医科大学や弘前大学、そういうところの医療短大、その三つのうちの一つからお見えになった方ですが、大学に来ている求人票では公務員に準ずる、そういうふうに明記をされていた。そして、これは医療職日についての「看護婦募集のご案内」です。これもある病院でいただいたのですが、「国家公務員俸給表医療職(三)に格付けされます。」そう言って、例えば進学コース二年課程を卒業された方は二級二号俸、看護学校三年課程・医療技術短大三年を卒業された方云々、こういうふうに書いてありますね。先ほど田中部長は、説明が不十分だったというふうな趣旨のととをおっしゃったけれども、こういったものは説明じゃなくて、書面によって既に提示されていますね。
 皆さん方はそこに行こうか行くまいか、看護婦さんというのは引く手あまたなんです。放射線技師などについていえば、北海道では本当にそれを確保するために大変な苦労をしていますよ。そういう中で、何年か努力をすれば確実に定員職員になれるということで入職されている。この人たちがいらっしゃらなかったら、国立病院・療養所の医療は成り立ってきておりません。ですから、この際厚生省としては、そういう方々に対して、まさしく今まで皆さんが国会答弁でも言われていたように待遇をしっかり保障する、この点で努力をなさるべきだと思います。いかがですか。
#255
○田中(健)政府委員 賃金職員の処遇につきましては、やはり身分が日々雇用の非常勤職員ということで、これも給与法の規制があるわけでございます。常勤の職員との権衡を考慮して予算の範囲内で給与を支給する、こういうことになっておりまして、私どもは予算の範囲内という制約の中で給与を支給してきておるわけでございまして、その中でできる限り配慮ができるようにということで、最大限の努めをしてきたわけでございます。
#256
○児玉委員 最大限の努めをしなければなりませんね。私もどのような経過があったかということは多少は知っていますから、いわゆる日額制という形で格付けられているということももちろん承知をしております。
 そこで、昨年看護婦確保法が成立し、年末には基本指針が明らかにされました。その中で夜勤は複数、月八回以内の早期達成、こう言っていますね。厚生省のおひざ元である国立病院・療養所、北海道では個々の病院ではなくて全体の夜勤の回数は何回になっていますか。
#257
○田中(健)政府委員 配置人員をもとにいたしまして北海道管内の施設の夜勤回数を見てみますと、七・二回ということでございまして、全国に比べて非常に少ない状況でございます。
#258
○児玉委員 今あなたがおっしゃった配置人員という言い方、これは理論値でしょう。これだけ看護婦さんがいる、みんなが夜勤をするとすればという理論値であって、実態値とは違うでしょう。そうか違うか、そのことだけ答えなさい。
#259
○田中(健)政府委員 夜勤ができない、事情によってできない看護婦さんもおりますので、実態はこれとは若干違います。
#260
○児玉委員 まさにそのとおりですよ。全道的に言えば、先ほども議論があったけれども、今賃金職員の皆さん方が懸命に努力をされている結果、北海道では昨年の十月の段階で月七・六です。そして個々を見れば、帯広病院八・三回、小樽病院八・一回、美幌病院八・〇回、こういうふうに八を超しているんですね。
 さて、もう一つ言いたいのは、基本指針において院内保育施設の充実について強調しております。国立病院・療養所内にある保育所で看護婦さん、職員、子供さんたちのために一生懸命努力されている保母さんは、北海道にあっては全員が賃金職員です。道内の国立病院・療養所の院内保育所の充実を厚生省はどのように進めようとしていますか。
#261
○田中(健)政府委員 北海道には施設が十五ございますが、その中で十三カ所が保育所を設けておりまして、保育所の運営と申しますのは、厚生省の共済組合第二組合がこれを運営するということになっておりまして、共済組合の所属長、病院長、それから保育所の運営委員会というのがございまして、そこの代表者が保育事業の委託契約を行いまして実施をしているところでございます。
 それで、その運営でございますけれども、国は一定の基準に基づきます保母の雇い上げ経費の予算措置を行っております。それからあとは運営委員会の採用の職員と、両方であわせて保育所を運営いたしておるわけでございます。
#262
○児玉委員 今のは現状の説明であって、現実にそこで苦労されている賃金職員の中には、今回の措置で非常に大きな不安がわいていますね。子供さんがかわいいし、ここの病院で仕事ができることが私たちの誇りだ、そうも何人もの方がおっしゃる。そういう方たちが文字どおり院内保育所の充実の方向でさらに努力ができるように厚生省としては努力すべきです。それが皆さんがいろいろ苦労され、私たちも審議に参加した看護婦確保法の本旨だ、そう私は確信します。
 次に、札幌南病院の附属看護学校、ここは定員五十人ですが、この看護学校を卒業して、過去三年間国立療養所札幌南病院に入職された方の数は何人でしょうか、そして、ことしの入職の見込みはいかがでしょうか。
#263
○田中(健)政府委員 札幌南病院の附属看護婦養成所を卒業いたしまして同じ施設に就業いたしました看護婦は、平成元年が八名、二年が十二名、それから三年が十二名ということで、合わせて三十二名ということでございます、
#264
○児玉委員 病院でこういう資料をわざわざ準備をされたのですが、今おっしゃったことと一カ所違うのは、八九年度は十二人ということになっていますね。
 それで、これは丹羽大臣に私申し上げたいのですが、看護職の方々、もちろん男性の看護士も含めて、今どれほどそういう崇高な仕事に対して社会的な求めが強いか、これはもうあれこれ大臣に言わなくてもいいと思うのです。私がお会いした院長さんや婦長さん、そしてお話を伺った看護学校の教務主任の方々がこもごも言われていることは、自分たちで育て上げた生徒が自分の病院に来ることができない、非常に残念だ、こう言われていますね。そして別の婦長さんは、附属看護学校がある場合に、そこから入職される方々がすべての年代に安定した数がいるということが、その病院の看護婦の勤務にとって非常に重要な柱になっている。ところが、今の事態をもし皆さんが続けるとすれば、その病院の看護婦構成に重要な空白の何年間かができてしまいます。これはまずい。やはり私は、国民のための国立病院・療養所の医療という点で言えば、ここのところは改める必要がある。いかがでしょうか。
#265
○丹羽国務大臣 国立病院及び療養所の附属看護婦養成所は、単に国立病院・療養所に勤務する看護婦を確保するための養成施設にとどまることなく、広く我が国全体の看護婦養成の機関としての役割を持つもので、まさに今先生が御指摘したとおりではないかと思っております。当事者の皆さん方のことを十分に理解いたしまして、要は看護婦さんが医療機関において働くというとうとさ、こういうものを十分に認識していただく、そういうような観点から幅広くいろいろな地域において御活躍いただくようお願いいたします。
#266
○児玉委員 ここはやはり率直な気持ちを伺いたいのですが、私もある病院の附属看護学校の卒業生が漏れなくその病院に入ることを求めているわけではないのです。今まででも、例えば昨年ですが、札幌南看護学校は、他の国立病院十一名、公立病院十七名、民間病院六名、進学一名ですよ。今大臣がおっしゃったことを充足している。そこで、南病院に入る人が十二人いたのだけれども、それがゼロになっているのです。ここに問題の深刻さがある。どうですか。
#267
○丹羽国務大臣 個々のケースについていろいろなお考えをお持ちだと思いますけれども、看護婦さんが確かに自分が勉強した病院で、その場で働きたいというのは、気持ちとしては十分に理解もできるわけでございます。しかし、まさに先ほど児玉先生からも御指摘がありましたように、国立病院の看護学校というのは国民全体の医療のことを考えて勉強する、こういうように考えていただければ、立派に巣立っていくということは、まさにこれからたくましい看護婦さんを養成する意味において理にかなっているのではないか、このように理解をお願いしたいと思っております。
#268
○児玉委員 そのように理解しがたいですね。やはりその病院に入ろうと思って相当競争の激しい中で合格をされて、三年間頑張っているのですから、そこのところは厚生省は彼女たちの悔しさや願いを深く酌み取っていただきたい。これは強く求めておきます。
 さてそこで、厚生省は平成二年二月二十八日、各国立病院長、各国立療養所長殿、課長さん三人が連名で「賃金職員の適正な管理について」という通知を出していらっしゃるのです。この通知は当然今も有効ですね。いかがですか。
#269
○田中(健)政府委員 そのとおりでございます。
#270
○児玉委員 中身については非常に多くの問題を含んでおります。しかし、時間の関係で、それを今は論じません。
 この九〇年二月二十八日の通知の中でこういう部分があります。「賃金職員の減少は、任用中断賃金職員の再任用を意に反して拒否する方法により行うことのないよう配慮されたいこと。」こう書いてあります。もちろんこれも有効ですね。
#271
○田中(健)政府委員 有効と考えております。
#272
○児玉委員 それで、私はもう一歩踏み込んで議論したいと思います。
 何といっても医療を支えるのは人です。多数の賃金職員の献身によって、さっきも言いましたように国立病院・療養所の医療活動は支えられてきました。多くの国民がそれに信頼を寄せています。北海道にあっては差額ベッドのこともほとんどないし、そしてお礼をする必要もない。日本の医療の歴史の中で言えば、特に結核の化学療法で全国のネットワークを駆使して見事なシステムをつくったのは、ほかならない国立病院・療養所です。それを支えてきている。
 そこで私は言いたいのですが、先ほど部長も明言されたように、定員職員と基本的に同一の勤務をなさっている方々に対して、あなたたちはこのたび賃金、休暇その他労働条件についての重要な引き下げを提示されている。そして、もしそれに異議を唱えた者は継続雇用はしないという、全く私などの理解をはるかに超える言い方が職場ではどうも飛び回っている懸念がある。このやり方だと、先ほど確認した平成二年二月二十八日の通知にある、再任用を本人の意に反して拒否する方法により行うことのないように配慮すること、こことは違ってくるじゃないですか。やはり通知のとおりすべきですよ。いかがですか。
#273
○田中(健)政府委員 医療現場の賃金職員の方々には、今回の改善計画の内容、意味につきまして、施設長を初め病院の職員がいろいろと御説明をいたしました。それで、処遇の内容についても総論的な御説明は申し上げました。各論につきまして、個々の職員の処遇内容についても、いろいろ職員に御説明申し上げている過程でございますけれども、なかなかそれをお聞き願えないような職員もいらっしゃるというのが現実でございます。
 私どもとしては、先ほど先生が申されましたように、雇用継続の意思のある方々は必ずそれは再雇用するという方針で、先ほどの通知の趣旨そのものを踏まえまして、そういう方向でやっておるわけでございまして、ここで雇用を継続させないという趣旨で現場でやっておるわけではございませんので、誤解のないようにお願いをいたしたいと思います。
#274
○児玉委員 その誤解は誤解する方に責任があるのではなくて、別のやり方をやっているところに責任があるので、今部長が明言したように、本人が雇用継続の意思を表明すれば雇用を継続する。繰り返しませんが、そのようにすることが当然の道筋です。
 そこで、さらに触れたいのですが、先ほどの御質問にもございましたけれども、給与、手当、休暇等、これらは文字どおり勤務条件そのものですね。先ほどの部長の御回答の中では、厚生省本省と全医労の本部が手当の基準について交渉した、こうも言われている。それはもちろん労働条件だからでしょう。その交渉のとき医療職(二)表と行政職(二)表、そこの部分についての交渉はされていますか。
#275
○丹羽国務大臣 その前にちょっと、今の政府委員の答弁で御理解というか誤解を招くといけませんので。
 賃金職員というのは、もう先生御案内のように、あくまでも日給を建前といたしております。そして毎年毎年、三月三十一日とか四月一日に任用の更新を行う、こういうことを建前としております。原則はあくまでもそうであって、先ほどから池端先生であるとか児玉先生であるとかいろいろな先生方から、こういうような問題がある中において、今のような激変緩和の中で、再雇用の意思のある者についてはひとつ前向きに検討しよう、原則はあくまでも要するに毎年毎年の任用更新を行っていく、こういうことでございますので、重ねて御理解をいただきます。
#276
○児玉委員 通知の文言というのは、普通に読めば正確にわかります。そして、それは先ほども明言されたとおりですよ。いわゆる任用中断云々というのは多くの官庁でされてきていることです。しかし、厚生省にあってこの賃金職員についてなさってきたことについていえば、私もさっきも言ったけれども、この通知は非常に大きな問題を持っているけれども、ある部分は当然の部分もある。
 そこで言いたいのですが、一方ではさまざまな経過があると皆さんおっしゃるけれども、やはりこの際こそ誠意を持って団体交渉で話を進めるべきではないですか。そこのところはとめたまま個々人に意向の表明を迫るというやり方では、職場に不信と怒りしか残りませんよ。このやり方を速やかに改めてほしい。いかがですか。
#277
○丹羽国務大臣 これは反省を含めて申し上げるわけでございますけれども、もともと厚生省と職員組合の本部との交渉において行う。ところが地元、要するに現場での労使交渉の結果大変逸脱したものになった、こういうことでこのような改善計画を出したということでございますので、十分に御理解を賜りたいと思います。
#278
○児玉委員 その逸脱とかなんとかというのは、文字どおり労使交渉の何たるかということを御存じのはずの大臣の言葉とは私は伺えないですね。
 時間ですから、この点については私は引き続き論議を進めていきますが、要は医療を支えるのは人です。そして、その人たちが患者のために心の底から医療人として献身しようとするその意思を大切にしてほしいですね。そのことがあれば私は別のやり方があると思う。その点を述べて、終わります。
#279
○浦野委員長 柳田稔君。
#280
○柳田委員 きょうは年金問題について御質問をしたいと思います。また、質問すると同時に提案もさせていただければと思います。
 平成六年、来年には財政再計算が行われる。そのことで厚生年金の大幅な見直しが行われるというふうなことを新聞紙上で目で見たり、耳にするわけであります。地元に帰ってサラリーマンの皆さんといろいろ話をしますと、この厚生年金の大幅な改正というのが一番大きなテーマとして我々には話をしてくるわけですね。簡単に言いますと、六十から六十五歳になるのか、我々としてはその間仕事もできぬけれども、本当に食べていけるのかというふうな話を大分聞くような御時世に相なりました。
 ということで、この厚生年金の改正について、現在までどういう経過をたどっておるのか、それからまた今後どういうふうな予定で進めていくのか、まずお教えを願いたいと思います。
#281
○山口(剛)政府委員 先生御案内のとおり、年金制度につきましては、少なくとも五年ごとに財政再計算をして、その機会に制度全体の見直しをするということを行ってきております。前回の財政再計算は平成元年に行いましたので、五年後の平成六年に次の財政再計算を予定をしておるわけでございます。
 その機会に、国会からも宿題としていただいております厚生年金の支給開始年齢の問題、こればかりじゃありませんけれども、制度全般にわたって改善すべき点は改善をするということで、今検討を年金審議会というところで始めていただきまして、昨年の六月から検討していただいていますが、昨年の十二月には論点整理のメモを出していただきまして、いよいよこの春から本格的に制度改正の中身について議論をしようという段階でございます。私どもの心づもりといたしましては、少なくともこの秋ぐらいにその御意見をいただきまして、それに基づいて所要の制度改正法案を平成六年の通常国会に提出をしたいということで、鋭意努力をしている最中でございます。
#282
○柳田委員 平成四年九月十七日の社会保障制度審議会年金数理部会第三次報告書の中身を見ますと、今お答えいただいたわけですが、「わが国においても制度改正の前の段階で、改正の必要性と、考えられる複数の政策案の試算結果を国民の前に示し、国民の判断を求めることが今後必要となってくるであろう。」という報告がございます。今局長のお答えの中で、来年の通常国会には改正法案を出したいというお話がありましたけれども、正直言いまして大変大きな法案になるんじゃないかと思うのです。法案の重い軽いを言うわけじゃないのですが、大変重大な法案になるのではないかな。特に国民の合意というのが大変必要な法案であろうというふうに思うわけでありますけれども、この報告書の要するに「考えられる複数の政策案の試算結果を国民の前に示しこということについてはどのようにお考えになっているか、お聞かせ願いたいと思います。
#283
○山口(剛)政府委員 先生御指摘いただきましたように、年金制度は国民の連帯を基盤にいたしておりますので、その改正の方向について国民の皆さんの合意形成を図っていくということは極めて大事なことだと思います。そのためには、その報告書でももちろんですけれども、できるだけ年金制度にかかわる情報を広く国民の前に示して、そして、合意形成に資するようにすべきだという御意見が非常に多いわけでございます。
 今、年金審議会で御議論をいただいておりますけれども、その中でも、年金審議会として審議をしている部分もできるだけ外へ公表していって、外部の人にも何を議論しているのかというのがわかるようにしようじゃないかということで、先ほど申し上げましたような論点整理メモを提出するというようなこともしていただいたわけでございますけれども、今先生御提案のございますように、どういう前提を遣いてやれば将来の年金数理の見通しがどうなるかという点についても、そういう資料をぜひしかるべきときに出してもらいたいという御要請が非常に強いことは、私どもも承知をいたしております。
 ただ、現段階ではまだその具体的な中身、例えば六十五歳の問題にいたしましても、どういう計画で六十五歳にしていくか、あるいはしていくに当たってどういう経過的な措置をとるかということも含めて御議論をいただいている段階でございますので、ある時期になりましたら、そういうパターンごとにということも、年金審議会等と御相談もしまして工夫をしてまいりたいと思っております。
 当面、年金審議会でも御議論をいただく場合に、新しい人口推計が昨年の秋に出たわけでございます。したがって、その中で死亡率、出生率も前回の前提とは変わってきていますから、とりあえずそういう新しい人口推計というものをベースにして、今の制度がこのままいったらどういうことになるのか、せめてそれぐらいは早く審議会に出して、議論の出発点の資料にしようということでございますので、とりあえず私ども手始めに、そういう新しい人口推計に基づく将来の見通しというのがどんなものになるのかというあたりにつきましては、近々のうちに審議会に提出をしたいというようなことも考えております。
#284
○柳田委員 いろいろな情報をお聞かせ願えることは大変ありがたいことなのですが、多分それが出てきたときに我々が感じるのは、既に感じておるのですけれども、年金制度についても現状のままでは大変なことになるだろうな、だからいろいろなことで考えていかなければならないなという認識はあります。その裏づけとしていろいろな情報を提供いただける、これはありがたいことなのですが、ただ、先ほどの予定を聞いておりますと、もうあと一年しかないということなのですね。その間にいろいろな情報を出しながら国民の合意を形成していくということになりますと、時間的にそう余裕がないのではないかなという気もします。
 ということで、昨年ですか、一九九二年、ドイツで改正がされたという話も聞いたわけですが、ドイツではこの改正に先立ちまして、改革の必要性や目的、内容等に加えまして、改革の財政的影響をまとめた草案に対する情報が公表されました。これは今やろうとおっしゃることなのでしょうけれども、それをもとにして改革法案は与野党の共同提案となったということを聞いておるわけであります。
 となりますと、時間的な問題、そして大変大きななし遂げなければならない課題だということを考えますと、いろいろな場を設けて、いろいろな案を出しながら、この案が出たらどうなるのかというふうなことをいろいろ煮詰めていけば、国民の中にもそれなりの合意ができてくるのではないかなというふうに私は思うわけでありまして、提案と申しますのは、審議会でおやりになるのも結構でありますが、それ以外の場で、例えばこれは国会の場も含めて考えていただきたいと思うのです。与野党でいろいろなデータをもらって、いろいろな案を出し合いながら、この厚生年金をどうしていくのだという合意形成をつくるというのも一つの大きな手だてだと私は思うのですけれども、いかがでございましょうか。
#285
○山口(剛)政府委員 先生御指摘のように、年金改正に向けて国民の合意形成を図っていくことは極めて重要だと思いますし、また、平成六年に向けて余り時間が残されてないわけですけれども、先生の御趣旨を踏まえて、私どももその点は全く同感でございます。
 今メーンのところでは、審議会で議論をしていただいておりますし、またこれはかなり詰めて議論をしていきませんと、まだまだ意見が集約されてくるような段階でもございませんので、そういう意味では非常に時間的な制約もございますけれども、私どもも審議会あるいはその審議会の議論をできるだけオープンにしていく。それから、先ほど御提案のございましたようなできるだけ資料等を公開をしていくということ。それから、近々のうちには有識者調査、私どもの問題意識を問いかけるというようなこともいたしたいと思いますし、来年度の予算案の中では、そういうもののPRの経費として、シンポジウム等を開催するというような経費も組み込まれておりますので、先生御指摘の年金改正に向けての合意形成が極めて大事だ、おっしゃるとおりでございますので、私どもなりに精いっぱいの努力をさせていただきたいと思っております。
#286
○柳田委員 去年でしたか、丹羽大臣は当時筆頭理事ということで、老健法の改正を与野党で一生懸命になってやりました。やらなきゃならないことだ。ただし、各党意見が大分違って苦労したこともありました。今回の厚生年金の問題は、さらに厳しいことになるのではないかと思うのであります。ということで、我々厚生委員会のメンバーも前向きにこの問題に取り組まなければならない時期に来ているのではないかなということで、厚生の大先輩である丹羽大臣から、いろいろな場で議論をしていこう、要するに審議会だけじゃない、こういう場もつくろう、ああいう場もつくろう、同時に国会でもこういう場もつくってもらって議論をしてもらえればという御意見、御決意を承れればありがたいのですが、いかがでしょう。
#287
○丹羽国務大臣 私は、基本的にこういう問題は与野党で対立するものではなくて、やはりいろいろな考え方、意見がございますけれども、集約していって国民の皆さん方の合意を得なければならない、こういうふうに考えております。こういう観点から、いろいろな場において、この委員会等も含めまして、ひとつオープンにこの議論を進めていって国民の皆さん方の理解と合意を得たい、このように考えております。
#288
○柳田委員 我々は何か忙しい年になりそうなのですけれども、それ以上に年金財政はもっと大事でありますので、いろいろな協力を惜しみませんので、いろいろなことで御指導をお願いしたいと思います。
 次に、また年金問題なのですけれども、公的年金の一元化ということも言われております。昭和五十九年の閣議決定の中を見ますと、平成七年度がこの一元化の目標になる。としますと、来年が厚生年金、再来年が一元化、これはもう二年ぐらいしかないのですけれども、この一元化に向けての現在までの取り組みと今後の予定について、わかる範囲で御説明を願いたいと思います。
#289
○山口(剛)政府委員 御指摘をいただきましたように、五十九年に、平成七年を目途に公的年金の一元化を完了するという計画を閣議決定いたしております。政府といたしましては、その方針に従いまして、御承知のように六十年改正で基礎年金を導入する、それから元年改正では、当面急がなければならない被用者年金制度間の負担の調整の措置を講じてきております。また、今国会に、一元化が完了するまで当面その措置を延長するという法案をお願いいたしております。したがいまして、その五十九年の閣議決定の線に沿って手を打ってきているわけでございます。
 また、今後の年金制度を考えますと、制度を長期的に安定をさせる、あるいは負担と給付の両面にわたって公平なものにしていく、また国民の皆さんに対するサービス、業務処理を効率的にしていくという観点からすれば、一元化という方向に向けて努力をしていかなければならないと思っております。
 当面この制度間調整懇談会におきまして、それにしては政府の一元化に向けての努力がちょっと足りないのではないか、もっと精力的に議論をしろという御指摘もいただきました。それからまた、その前提として各制度の合意形成を図っていく必要がございますので、各制度でこの一元化の問題に一体どういうふうに対応していくのかということを十分議論した上で、その一元化問題を全体的に議論できる場も設けて、この一元化に向けての審議を促進するようにという御指摘もいただきましたので、関係各省とも相談をいたしまして、鋭意この一元化に向けての作業を平成六年の財政再計算の作業と並行して努力をしていきたいということでございます。
#290
○柳田委員 今局長御答弁になりましたように、審議される場を設けるべきだというふうな御報告もいただいた。また、社会保障制度審議会年金数理部会第三次報告書、先ほど申した平成四年九月十七日の分と同じでありますけれども、制度一元化へのいろいろな方策といいますか、方式を示した中身もありました。このことについてもいろいろなサラリーマン、企業に勤めるサラリーマンとか役所、市役所に勤める皆さんのお話を聞きますと、大変大きな垣根を越えなくちゃならないな。
 特に言われますのが、厚生年金はほかの仕事をするとカットをされる、共済年金はカットをされないじゃないか。また、JRに何で我々厚生年金から負担をせにゃいかぬのだ。今回法案が出ているわけでありますが、そういうことで、いろいろ話を聞いておりますとこれまた難しいな。これは厚生年金だけじゃなくて国民全員にかかわることですから、できるだけ早い段階からいろいろな意見を聴取しながら、いい方向を見つけていかなきゃならないのではないかなという気がします。
 ということで、これもできるだけ早い時期に、余りのんびり、のんびりされていないと思いますよ、精いっぱいやられているとは思うのですが、できるだけ早い段階から進めていかなければ、一元化するかしないかは別ですけれども、議論をしていく必要があるかと思うのです。もう時間が余りありませんので、大臣の御意見、御決意を賜れればと思います。
#291
○丹羽国務大臣 年金の専門家であります柳田先生に私から申し上げるまでもないわけでございますが、まず六年度の財政再計算時におきましてどうしても避けて通れない問題は、やはり給付水準と保険料率の関係、そして大変な高齢化社会が進んでおるという観点から、六十五歳支給の問題というのは避けて通れないわけでございます。
 ただ、私どもが率直に申し上げまして危惧いたしておりますことは、定年がだんだん延びてまいりまして、六十歳までは何とか雇用の機会というものが確保されるようになってまいりました。問題は六十歳から六十五歳の間、この問題をどうやっていくかということであります。いわゆる六十歳以上で勤労意欲がありながら職につけない方々、あるいは所得が以前に比べまして一段と減ってしまった方々、こういう方々に対する救済というものを、まさに先ほどから先生が御指摘のように、オープンな形で国民の皆さん方の合意を得られるようにしてひとつ議論を進めていきたい、これがまず第一点であります。
 それから第二点は、いわゆる一元化の問題でございますけれども、これも長期的、安定的な公的年金制度確立のためには避けて通れない問題であると思います。
 先ほどから御指摘のありました、厚生年金の方々が鉄道共済の方々に対して多大な支援をしていることに対しまして、いろいろな御意見のあることも十分に私どもは承知をいたしておりますけれども、やはり国民全体がひとしく安定的な給付をいただけるような体制ということを考えますならば、一元化というものは避けて通れない。私どもは平成七年を目途といたしましてこの一元化の準備を急いでおるわけでございますけれども、基本的に私個人といたしましては、官民の格差を残したままでは、要するに国民の皆さん方の支持を得ることができないのではないか、これがまず第一点であります。
 それから第二点は、何と申し上げましても各保険者において公平感というものがある、こういうことを念頭にしながら、ひとつわかりやすいすっきりとした一元化ができないかどうかということで、今鋭意年金審議会そのほかのところで検討中でございまして、何とか間に合わせて先生方に十分な御議論をしていただきまして、ひとつ日の目を見るようにしたい、頑張っていきたいと思います。
#292
○柳田委員 これも国民の御意見を一つにするというのは大変難しい問題なんですけれども、しかし、やらなきゃならないというのも認識をしておりますので、いろいろな場を設けでいろいろな人をお呼びして、いろいろな御意見を賜るということをやっていただきたい。それには我々も参加をさせていただきたいと思いますので、頑張っていただきたいと思います。保どうもありがとうございました。
#293
○浦野委員長 沖田正人君。
#294
○沖田委員 私は、かけがえのない命と健康を守る立場から、新しく就任されました丹羽厚生大臣には、ぜひとも国民の側に立つ医療行政を大胆に進めていただきたいと心から期待をいたしておるわけでございます。
 そこで私は、患者の人権という観点に立って質問を行いたいと思います。
 昨年八月二十五日、当時の自民党幹事長が北海道帯広市で講演した際に、腎臓病患者の人工透析治療に触れて、医療費は国が丸抱えの状態であり、人工透析をやらないだけでもお国のためになる、ゴルフでもやって体を鍛えていただくこと、それがお国のためじゃないだろうかと私は思っている、そのように語られたと多くの新聞が報じているわけでございます。人工透析によって延命と社会復帰を果たしておられる腎臓病患者に対して、政権与党の幹事長のこの発言は死をも強要したことに等しいと考えるところであり、患者本人はもとより、患者の社会復帰のために努力する医療関係者に対する侮辱的な発言以外の何物でもないのではないだろうか、このように考えるわけであります。国政のリーダーの一人としてこのような発言をされることは、患者や障害者に対する差別と人権侵害を助長するものであると考えておりますけれども、厚生大臣はどのようにお考えか、見解を明らかにしていただきたいと思います。
 あわせまして、腎臓病の人工透析患者がゴルフでもやって体を鍛えれば、腎臓病が治って人工透析を受けないでもよくなるものかどうか、大臣の見解をお聞かせいただきたいと思います。
#295
○丹羽国務大臣 御指摘の元幹事長の発言が、その真意がどこにあったかは私はよく承知いたしておりませんけれども、もし仮にそのような発言をいたしたとするならば、大変遺憾なことでございます。私も腎臓病友の会のメンバーでありますし、人工透析で大変苦しんでいらっしゃる患者さんの姿を目の当たりに拝見いたしておるわけでございます。いずれにいたしましても、私はぬくもりのある厚生行政の推進を掲げておるわけでございますので、こういうことを申し上げるのは適当かどうかわかりませんけれども、もしこういうような発言をなさったとしたならば、むしろこのことを他山の石として肝に銘じながら、一生懸命ぬくもりのある厚生行政を行っていく決意でございます。
#296
○沖田委員 ここに毎日新聞の記事のコピーを持ってきておりますから、後でごらんをいただいても結構だろうと思いますけれども、本当に残念な発言だったと思うのです。したがって、どうぞひとつこういう発言がないように大臣もいろいろ御苦労いただきたいものだ、心からお願いを申し上げる次第でございます。
 次にお尋ねをいたしますが、大臣は厚生省の広報室発行の雑誌「厚生」の一月号の年頭所感で、医療上の必要性が高いにもかかわらず研究開発が進んでいないエイズ、難病等患者数が少ない疾病に対して、新しい法制度を含めた対策を講じるなど、大変明快に決意を述べられているところでございます。
 そこで、大臣は筋萎縮性側索硬化症という病名を御存じでございましょうか。言うまでもないと思いますけれども、四肢末端から筋萎縮を来して、最後には呼吸器の麻痺を起こして、放置すれば窒息死するという怖い病気であるのであります。平成三年度に申告された患者の数は二千二百八十九名と報告されているところでございます。この患者さんたちは突如として症状が進行いたしますが、人工呼吸器を装着すると、その後何年にもわたって生活をすることができるのであります。ところが、最近各地で病院、診療所にかかっているALS患者、つまり筋萎縮性側索硬化症の患者さんが、呼吸困難を起こした状態で、家族が気管切開、人工呼吸器の取りつけを強く要請したにもかかわらず、医療機関でありながら気管切開をする能力がないとか、ALS患者の気管切開を自分の病院では引き受けていないなどと、救命措置を拒否して延命できなかったケースがあったと伺っておりますが、大臣はこうしたちまたの声をどう受けとめられるのでございましょうか、所見をお伺いいたしたいと思います。
#297
○丹羽国務大臣 まず第一点にお尋ねのALS、筋萎縮性側索硬化症でございますか、これについては、実は私と同年輩の友人が最近この病で亡くなりまして、大変私も衝撃を受けております。
 これまで難病に関する対策といたしましては、昭和四十七年に難病対策要綱というものをつくりまして、こういうような要綱に基づきまして総合的な施策等の充実に努めてきたところでございますけれども、今後厚生省といたしましては、ただいま委員が御指摘になりましたように、難病というのは患者数が非常に少ないということで、医療開発等に莫大なお金がかかってリスクが大きい、こういうことに対して国が積極的な支援を行っていこうではないか、財政面あるいは税制面いろいろな形で配慮をしながら支援を行っていこうではないか、こういうような観点から、今回の国会にオーファンドラッグ法案というものを提出する予定でございます。そういう中において、こういうような難病等で全く原因が不明で、治療法も見つからないという大変お気の毒な患者さんに対して、一日も早く私どもは原因を突きとめて、とうとい命が助かるような施策に全力を挙げて取り組んでいく決意でございます。
#298
○沖田委員 救急医療の体制というものは各方面でいろいろ改善されてはきましたけれども、まだまだこうした話が巷間伝えられるところでございます。
 そこで、この原因として、長期療養患者を引き受けることは、医療機関の経営上、現行の診療報酬のもとでは採算のとれない医療行為といいましょうか、不採算の医療行為となって、これを避ける傾向が一般的ではないだろうか、このように心配をいたしているわけであります。つまり、ALS患者に気管切開をして人工呼吸器を取りつけますと、数年にわたって療養が必要になることから、医療機関が救命措置をとらないのではないかと容易に想像できるのであります。しかし、さまざまな状況があることを考慮しても、医業全体の信頼性を損なわしめる医療機関に対しては、厳しく指導すべきであると思います。患者さん本位のきめ細かい配慮を行った診療報酬の改定を行うべきではないだろうかと考えますが、その点についても明確にお答えをいただきたいと思います。
#299
○古川政府委員 御指摘の点でございますが、これは入院に関する診療報酬のうちで入院時医学管理料が入院期間によりまして逓減制をとっている、こういった点を指すものではないかと思うわけでございます。
 この趣旨でございますが、一般的には入院時には患者の容体が安定していないこと、あるいは病名の診断が確定していないこと等によりまして、密度の濃い医学管理が必要とされることが多い、こういうことにかんがみまして早期に厚い評価を行い、長期入院になるに従いまして点数を低く設定した、こういうようなものでございます。この入院時医学管理料につきましては、病院における医師の配置など病院を全体として評価する性格が強いものであること、また先生御指摘の患者さん、難病の方々にも多種多様な疾病が存することから、疾病ことに特別の点数を設定するということは大変困難である、こういった点がございますので、その点を御理解をお願いしたいと思うわけでございます。
 なお、医療機関がこれら長期の療養の患者さん方に対しまして御指摘のように必要な医療をしない、そして医療全体の信頼を失わしめるというようなことはあってはならないことでございまして、厚生省といたしましては、関連制度の適正な運用によりまして、これらの患者さん方に対しまして適切な医療の提供が確保されるように努めてまいる所存でございます。
#300
○沖田委員 一昨晩と昨日の午後と、たしか二回NHKではこの患者さんたちの放映を行ったわけでありますが、私もビデオを拝見いたしました。この筋萎縮性側索硬化症の患者さんの介護というものが非常に大変だという実態がテレビで放映をされておりました。本当にそういう点では家庭で介護することの難しさ、一台二百万円もするような人工呼吸器を操作するのだって容易じゃない。しかも病院から締め出される、こういう実態が現実にある。
 今、逓減方式をとっておると言われますけれども、病院が受け入れを拒否するような患者さん、そういう困難な病気、こういうものの実態に触れて、私は適切に対応していただくべきではないだろうかと考えます。再検討をお願いしたいと思いますが、御答弁をお願いいたしたい。
#301
○谷政府委員 今お話のございましたALSを初めとする難病患者の医療につきましては、先ほど大臣からも御答弁させていただきましたように、難病対策要綱に基づきまして、調査研究あるいは医療施設の整備、また医療費の自己負担の解消等の対策を講じているところでございます。
 特に神経難病につきましては、これはALSも含まれるわけでございますが、国立の精神・神経センターを初めとして、国立病院あるいは療養所においてもこの患者を受け入れているところでございます。また、こういったような難病対策の研究事業の成果も踏まえまして、難病の診断あるいは治療に資するための手引を作成して、一般の医療機関にも患者の受け入れをしていただくというようなことでその促進を図っているところでございまして、今後とも各医療機関におきます連携によりまして、こういったような適切な受け入れが進められるよう努めてまいりたいというふうに考えております。
#302
○沖田委員 神経難病の患者さん全体に言えることでありますが、今お答えにもなりましたけれども、長期の療養を必要とすることでありますから、そこで医療機関の締め出しというものが各地で起こっているということは、やはりよくないということは当然のことであります。なかなか実態をつかみ切れない部分もあるかもしれませんが、患者さんの側からすれば容易に実例というものは実証できるわけでございます。したがって、国によって財源が措置される国立病院や公立病院は、それぞれの地域において必要とされる神経難病の患者を積極的に受け入れるように考えていただきたいと思うわけでありますが、この点についていかがお考えでしょうか。明らかにしていただきたい。難病患者の基本的な人権にかかわることからも、英断を持って考慮をしていただきたいと思います。大臣の所見を伺いたいと思います。(丹羽国務大臣「後半の部分をちょっと……」と呼ぶ)難病患者の基本的な人権にかかわることでございますから、英断を持ってひとつ国立病院や公立病院への収容策について計らっていただきたい、こういうことでございます。
#303
○丹羽国務大臣 失礼しました。
 先ほどから先生が御指摘になっておりますALSを含めた神経難病につきましては、当然のことながら、一般の医療機関において、いろいろ私どもも行政指導あるいはお願いをして、十分に受け入れていただけるような努力をする一方、既に小平市やあるいは千葉県の国府台に国立精神・神経センターというのがございます。こういうところで受け入れをいたしておるわけでございますし、今後とも十分にその点を踏まえまして、ひとつこういった神経難病の方々が不安を持たないような医療体制の充実のために努めていきたい、こういうような考え方でございます。
#304
○沖田委員 診療報酬点数の改定の時期が参りましたならば、またその事前にでも十分に調査を進めていただいて、いわゆる神経難病についての取り組みの強化をひとつ計らっていただきたい、このことをお願いしておきたいと思うところです。
 最後に、HIV、エイズの感染者についてお伺いをしたいと思いますが、社会問題化しつつある現状の中で医療機関における締め出しが目について、入院加療が必要な状態であっても、入院拒否もしくは高額な個室料を支払っての治療が少なくないと聞いておりますけれども、この点についてもどのようにお考えか、お伺いをいたしたいと思います。
#305
○丹羽国務大臣 エイズは大変大きな深刻な問題となっております。今世界全体で千三百万人の感染者を抱えている、我が国においても三千人を超えておる、こういう状況の中で、私は厚生大臣に就任をいたしましてから、率先してこのエイズの予防、さらにエイズ感染者あるいは患者に対する差別と偏見をなくす、こういうような考え方で取り組んでおるわけでございます。
 当然のことながら、一般の医療機関に対しましても、この点を十分に踏まえて、ひとつエイズの感染者・患者を受け入れるような体制というものをつくっていただきたい。なお、平成五年度の今度の予算におきましては、前年に比べまして五倍のエイズ対策費というものを計上いたしております。その中には、もちろんエイズの拠点病院の整備であるとか、原則として保健所において無料で匿名でエイズ検査を行っていく、こういったような問題であるとか、あるいは都道府県においてエイズの啓発運動を積極的に行っていく、こういうような盛りだくさんのものを今度の予算の中に計上いたしておるわけでございます。こういうものを通しながら、ここ二、三年が我が国がエイズを撲滅できるかどうかまさに瀬戸際である、こう言われておるわけでございますので、先生の御指摘の点を十分に体しながら全力で頑張っていく決意でございます。
#306
○沖田委員 エイズ以外の、HIV感染者以外の血液疾患の患者についても医療の窓口が非常に狭められている、こういう現状があるわけだと思います。厚生省が強力に進めてこられた地域医療計画は、医療費の抑制を主体とした考え方のもとでベッド規制は実施されておりますけれども、必要な医療の確保については自治体への義務づけがありません。この点についても、どうぞひとつ難病対策を含めまして、大臣の見解と決意をお示しいただきたいと思います。
#307
○丹羽国務大臣 地域医療計画の中には、この地域医療計画というと、どうも何か必要なベッド数の規制のみがクローズアップされがちでございますが、実は難病対策などの必要な医療につきましても地域の実情を考慮して十分に対策を講じていく、こういうようなことが義務づけられておるわけでございますので、私どもはその考え方に立ってより一層地域における難病の治療機関の充実、こういうものを図っていく決意でございます。
#308
○沖田委員 大臣の決意をお伺いいたしましたが、どうぞひとつこのALS患者、神経難病、血液性の難病患者、こういう人たちに対する対策というものをさらに強化していただくように強くお願いをいたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
     ――――◇―――――
#309
○浦野委員長 この際、内閣提出、被用者年金制度間の費用負担の調整に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。丹羽厚生大臣。
    ―――――――――――――
 被用者年金制度間の費用負担の調整に関する特
  別措置法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#310
○丹羽国務大臣 ただいま議題となりました被用者年金制度間の費用負担の調整に関する特別措置法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 制度間調整事業は、公的年金制度の一元化が完了するまでの間の当面の措置として、厚生年金及び共済年金に関して費用負担の調整を行うためのものであり、平成二年度から実施されているところであります。
 この事業につきましては、平成元年の法律制定時において、平成四年度までの間に、見直しを行うものとする旨が規定されたところであり、今回、この規定に基づいて、制度間調整事業の運営の状況等を踏まえ、見直しを行い、本改正案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。
 制度間調整事業におきましては、平成二年度から平成四年度までの間、政府が日本鉄道共済組合に対して交付する調整交付金について特例的に減額措置が講じられてきたところでありますが、この特例減額措置を、当分の間、継続することとしております。
 これに伴い、制度間調整事業において実質的に拠出することとなる保険者の調整拠出金を特例的に減額する措置につきましても、当分の間、継続することとしております。
 このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
 なお、この法律の施行期日は、平成五年四月一日としております。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#311
○浦野委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 次回は、明二十四日水曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時散会
ソース: 国立国会図書館
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