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1993/04/07 第126回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第126回国会 厚生委員会 第7号
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1993/04/07 第126回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第126回国会 厚生委員会 第7号

#1
第126回国会 厚生委員会 第7号
平成五年四月七日(水曜日)
    午前十時開議
出席委員
  委員長 浦野 烋興君
   理事 粟屋 敏信君 理事 野呂 昭彦君
   理事 平田辰一郎君 理事 持永 和見君
   理事 山口 俊一君 理事 網岡  雄君
   理事 池端 清一君 理事 遠藤 和良君
      甘利  明君    伊吹 文明君
      岩屋  毅君    衛藤 晟一君
      小沢 辰男君    大石 正光君
      岡田 克也君    加藤 卓二君
      坂井 隆憲君    鈴木 俊一君
      住  博司君    近岡理一郎君
      戸井田三郎君    畑 英次郎君
      宮路 和明君    簗瀬  進君
      伊東 秀子君    岡崎 宏美君
      沖田 正人君    加藤 繁秋君
      川俣健二郎君    菅  直人君
      小松 定男君    外口 玉子君
      土肥 隆一君    長谷百合子君
      森井 忠良君    草川 昭三君
      吉井 光照君    児玉 健次君
      柳田  稔君
 出席国務大臣 
        厚 生 大 臣 丹羽 雄哉君
 出席政府委員
        厚生大臣官房総
        務審議官    瀬田 公和君
        厚生省社会・援 
        護局長     土井  豊君
        厚生省老人保健
        福祉局長    横尾 和子君
        社会保険庁運営
        部長      佐藤 隆三君
        工業技術院総務
        部長      松藤 哲夫君
 委員外の出席者
        文部大臣官房文
        教施設部指導課
        長       西口 千秋君
        運輸省運輸政策
        局消費者行政課
        長       浅井 廣志君
        建設省都市局都
        市政策課長   橋本 万里君
        厚生委員会調査
        室長      高峯 一世君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月六日
 辞任         補欠選任
  菅  直人君     江田 五月君
  土肥 隆一君     小岩井 清君
同日
 辞任         補欠選任
  江田 五月君     菅  直人君
  小岩井 清君     土肥 隆一君
同月七日
 辞任         補欠選任
  五島 正規君     岡崎 宏美君
同日
 辞任       補欠選任
  岡崎 宏美君     五島 正規君
    ―――――――――――――
四月六日
 男性介護人に関する請願(遠藤和良君紹介)(
 第一二五四号)
 同(村井仁君紹介)(第一三一八号)
 乳幼児から学童期までの保育充実に関する請願
 (鍛冶清君紹介)(第一三一七号)
 腎疾患総合対策の早期確立に関する請願(近江
 巳記夫君紹介)(第一三六二号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法
 律案(内閣提出第三七号)
 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正す
 る法律案(内閣提出第三八号)
     ――――◇―――――
#2
○浦野委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。長谷百合子君。
#3
○長谷委員 我が国は今、世界に比類のないスピードで超高齢化社会へ進んでおるわけでございます。二十一世紀の前半になりますと国民の四分の一、約三千二百万人、これだけの方が六十五歳以上という超ビッグな高齢化社会がやってくるわけでございます。この超高齢化社会に向けましていかなる対策を講ずるのか、これが現在一番問われている重要な問題だと考えております。
 政府は、一九八九年に「高齢者保健福祉推進十か年戦略」というのを明らかにいたしましたけれども、初めてこの問題にかかわる目標を設定したわけでございます。このことは、ホームヘルパーの数等、不十分な面はなきにしもあらずでございますが、大変評価のできるものじゃないか、こう思っておるところでございます。
 そしてまた、一九九〇年にはいわゆる福祉関係八法の改正が行われまして、制度面からの高齢社会対策が始められました。この法改正の審議の中で、私ども社会党の議員の質問の中で、いわゆる従来の救貧対策、こういった福祉制度から、本来あるべき、いつでもどこでもだれでもが必要な福祉サービスを受けられる、権利としての福祉制度確立への第一歩と考えてよいのか、このような質問をいたしましたのに対して、時の津島厚生大臣が、御指摘のとおりですという回答をなさっております。
 こうしたことからも言えますように、いよいよ我が国の福祉も新しい段階に入った、こう考えておりますが、その理解でよろしいでしょうか。厚生大臣、お願いいたします。
#4
○丹羽国務大臣 平成二年六月二十一日の当時の参議院の社会労働委員会で、糸久議員が「救貧対策としての福祉から国民一般を対象とするサービスの普遍化、いわゆる権利としての福祉への転換が求められてきたところである」、こういう中において、当時の津島厚生大臣に対しまして考え方をお聞きしておるわけでございます。私も基本的には、いわゆる社会福祉というものの対象が、かつては限られた方々に絞られておったわけでございますけれども、超高齢化社会を迎えまして、福祉の対象者というものが国民一般に普遍的に広がりつつある、まずこういう認識を持っておるわけでございます。
 そういう中で、今先生が御指摘の「高齢者保健福祉推進十か年戦略」、ゴールドプランが四年目を迎えまして、各自治体の協力を得まして、おおむね順調に推移をいたしておるわけでございます。そして、その地域でのよりきめ細かな実施を図るために、本年度から老人保健福祉計画というものがスタートするわけでございまして、各市町村長においてゴールドプランの具体的な張りつけと申しますか、そういうことを今策定をお願いいたしておるわけでございます。
 その一方で、先生から今御指摘がございましたように、この四月から福祉施設の入所の措置権が県から町村の方に移るわけでございます。こういった一環の流れの中で、私は、住民にとってより身近な福祉行政の充実を図ることができる、このように確信をいたしております。一人一人の高齢者に対して、まさにいつでもどこでもだれでもがこの福祉サービスというものを享受できるような環境に向けて着実に前進をしておる、このように確信をいたしております。
#5
○長谷委員 そこで、今回この法律、福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律案でございますが、提案理由の中にこのように書かれております。福祉用具の研究開発及び普及を促進することにより、心身の機能が低下し、日常生活を営むのに支障がある老人及び心身障害者の福祉の増進に寄与し、あわせて産業技術の向上に資するため、国がこれを促進するための措置に関する基本方針を作成するとともに、国、地方公共団体等がそれぞれ所要の措置を講ずる必要がある、こうなっておるのですけれども、このことはとてもすばらしいな、こう思うのです。
 しかし、むしろ福祉先進国であるデンマークとかスウェーデンとか、そういった地域に比べてみれば、日本の経済状態からいっても、ちょっと遅きに失したとさえ言えるのではないか、こう思っております。
 そこで、基本方針について伺いますが、その具体的内容はどうなっているのでしょうか、説明していただけますでしょうか。
#6
○横尾政府委員 まず、この法案の趣旨について若干説明をさせていただきたいと存じます。
 今回御提案申し上げました福祉用具等の研究開発及び普及でございますが、福祉用具等には広範な品目が含まれていると理解をしております。
 幾つかの類型をお話しさせていただきますと、第一には日常生活の利便性を高めるための用具、例えば車いす、ギャッチベット、移動用のリフト、入浴用の介護機器あるいは排せつ用の機器などがこれに含まれます。第二には機能訓練を図るための用具ということで、歩行訓練の機器等が含まれます。第三には補装具でございまして、義手、義足、補聴器などが含まれるわけでございます。
 こうした用具の技術のレベルから見ますと、極めてハイテクを駆使した機器もございますし、また技術そのものは日常的なものでありましても、そこにすぐれたデザイン力を求められるようなものもあると思います。いずれにいたしましても、この福祉用具に共通いたしますのは、高齢者や心身に障害がある方の心身の状態に大きな配慮が必要である、あるいは、場合によってはお一人お一人への適合と申しますか、フィッティングが求められるような分野であるというふうに思っております。
 そういった性格上、一つのすぐれた製品の開発をするという点で課題がございますのは、先ほどの適合という観点からいたしますと、医学、工学等学際的な研究分野を技術の背景として必要としているということでございますし、また実用化については高度な技術が必要なわけでございますが、総体として申し上げますと、一部品目を除いてはその市場性が明らかでない、そういうことから、思い切った開発が行われにくいという性格を持っていると思います。
 また、既に一般向けに生産されている製品、例えば家電などでありますが、そうしたものであっても、障害者のための若干の配慮をつけ加えさえすれば非常に有効に使える。例えば、スイッチが大きく見やすいといった附属品がついていれば、一般製品が十分にハンディのある方々に有効な製品になり得るといったようなものもございますが、いずれの場合も市場性が明らかでない、あるいはユーザーの声がメーカーに届かないといったような事情の中で、なかなか製品化が図られていないというふうな状況にあるのではないかと私ども認識しております。
 また、普及という観点から考えますときの課題には、ユーザーの方々が適切な用具を入手しやすい条件について、私どもまだ十分でないと理解をしております。どのような用具があるか情報が少ない、具体的に見たり触れたり使用してみることができないために、むだなものを手に入れてしまうことがある、あるいは助言や指導が得られない、給付されたものが満足できないときに、その注文をつける苦情処理の体制がない等の問題があると思います。
 そこで、お尋ねの基本方針でございますが、こういった条件を背景といたしまして、具体的には、福祉用具のニーズや研究開発、普及の現状認識とこれから取り組むべき方向を示す、あるいは研究開発及び普及が必要な福祉用具を特定していく、あるいはその研究開発体制や普及体制の整備の方向を定める、そして、国や地方自治体が講ずべき施策をきちんと定めるといったようなことを順次織り込んでいきたいと考えております。
#7
○長谷委員 その基本方針の策定に当たって、スケジュールは今後どうなっておりますでしょうか。また、策定体制についてはどんなものを考えていらっしゃるんでしょうか。
#8
○横尾政府委員 スケジュールでございますが、法が施行されましたら可及的速やかに策定をいたしまして、関係者の御期待にこたえたいというふうに考えております。また、策定をするに当たりましては、行政、メーカーあるいは専門家の意見を幅広く聞きながら、厚生省及び通商産業省において定めることとしております。
#9
○長谷委員 具体的な日取りというのはまだというふうに理解するわけですか。
#10
○横尾政府委員 具体的にはまだ決定をしておりません。
#11
○長谷委員 できる限り早く計画を推進していただきたいと思います。
 それで、基本方針の策定に当たりまして、高齢者や身障者などの利用者、それから福祉用具を使ってケアを行う介護者の意見、こういう方々がもちろん中心にならなければならないわけですから、それを聞くようなシステムといいますか、こうした方々の基本方針策定への参加というようなことをぜひ考えてはどうかと思うのですが、いかがでしょうか。
#12
○横尾政府委員 基本方針は今後の施策の基本となる重要なものであると考えておりまして、策定に当たりましては、障害者の団体の方々、日ごろから福祉用具の相談に当たっている地方公共団体の展示・相談センターの職員の方、社会福祉施設の職員などの関係者からヒアリング等を行うことによりまして、福祉用具の利用者や介護者の意見が十分に反映されるように配慮してまいりたいと存じます。
#13
○長谷委員 次に、国及び地方自治体の責務についてでございますが、「財政上及び金融上の措置その他」となっております。これは国や地方自治体みずからも研究開発に当たるべきではないか、こう考えておりますが、いかがでしょうか。
 本来、福祉というものは、憲法二十五条の生存権の具現化としてあるというふうに思いますけれども、この福祉用具についても、やはりこれは画一的なものではなくて、利用者一人一人のニーズに沿ったものということが求められるわけでございます。そういう意味で、この福祉用具はハンディキャップを補うようなものですから、営利といいますか、先ほどの答弁の中にもちょっとあったかと思いますけれども、営利的な視点から、つまり事業者の営利活動というようなことからやっていくのは非常になじまない、こういうふうに思うのですが、いかがでしょうか。
#14
○横尾政府委員 研究開発に当たって国、地方公共団体の取り組みでございますが、まず国におきましては、厚生省の国立身体障害者リハビリテーションセンター、また通商産業省の工業技術院等で基礎的な分野を中心に研究開発を推進しているところであります。また、今後は「高齢者保健福祉推進十か年戦略」の一環であります国立長寿医療センターにおきましても、この分野の研究を進めることとしております。また、地方公共団体におきましても、神奈川県、兵庫県などでは、県立リハビリテーションセンター等ですぐれた研究を進められているところであります。
 こうした国、地方の主として基礎分野を中心とする研究開発に加えまして、この福祉用具については我が国産業界のすぐれた技術を積極的に活用し、商品化に向けた研究開発というのも極めて重要だと考えておりまして、両者相まちまして利用者のニーズに合った福祉用具の実用化に努めてまいりたいと考えております。
#15
○長谷委員 さらに、国及び地方自治体の責務についてですけれども、この福祉用具の利用者のよりよい用具開発のために、利用者参加というか、利用者が参加して提案をする、そういった提案制度というものを考えてみるのはどうでしょうか。
#16
○横尾政府委員 実際に福祉用具を利用していらっしゃる方、介護者のその実体験の中から出てきた御意見、苦情といったものは、いわゆるユーザー情報と申すのでしょうか、こういったものはよりよい福祉用具の研究開発の上で欠かせないものだと私ども認識をしております。この法案の中におきましては、厚生大臣の指定法人がそういったユーザー情報を収集し、用具の製造事業者に伝えることによって、その意見の活用が図られるシステムを整備することとしております。
 また、その前段階として、福祉用具の製造事業者については、法案において、常に老人及び心身障害者の心身の特性等を踏まえ、「福祉用具の品質の向上及び利用者等からの苦情の適切な処理に努めなければならない。」旨の責務を課しているところであります。
#17
○長谷委員 ちょっと通産省にお伺いしたいのですけれども、指定法人、新エネルギー・産業技術総合開発機構の運営にも、今のあれにありましたユーザー制度といいますか、そうした意見、利用者代表の参加できる制度を考えてはどうか、このように思うのですが、いかがでしょうか。
#18
○松藤政府委員 先生御指摘のとおり、ユーザーサイドの情報というのは、NEDOの実用化開発助成についても大変重要であると我々も認識しておりまして、今後この助成事業実施に当たりまして、NEDOの中に委員会をつくりまして、その案件の採択等を行っていく所存でございますけれども、その際には、この委員会に障害者や介護者の生活のニーズを十分把握、理解しておられる方々にぜひ御参加いただきたいと思っておるところでございます。
#19
○長谷委員 また、福祉用具の利用者のニーズに合ったものとするために、日常生活用具給付等事業において従来のような入札制度を見直して、その人に合ったものが利用できるようにしたらどうかと思うわけですが、いかがでしょうか。
#20
○横尾政府委員 日常生活用具給付等事業では、市町村がその給付の対象である商品について決定をしているわけでございますが、御指摘のように利用者のニーズに合った用具の給付のためには、利用者の選択の幅を広げるということが重要であると考えております。そのため、この事業の実施に当たりましては、市町村に対しまして、一つの品目が一機種に限定されるのではなく、利用者が複数の機種から選択が可能になるように指導してまいりたいと考えております。
#21
○長谷委員 「国及び地方公共団体は、広報活動等を通じて、福祉用具に対する国民の関心と理解を深めるように努めなければならない。」こういうふうに書いてありますけれども、福祉用具の展示や相談を行う場所をもっとふやしていってはどうか、こういうふうに考えておりますが、いかがでしょうか。
#22
○横尾政府委員 都道府県のレベルにおいては、当面、介護実習・普及センターの活用または高齢者総合相談センターの活用を考えております。介護実習・普及センターは平成五年度で十四県に設置を目標としておりますが、将来は全県設置を目指して整備を進めてまいりたいと考えております。
 また、より身近なという意味で市町村での対応でございますが、これは在宅介護支援センターで行われることを予定しております。在宅介護支援センターは平成三年度で四百カ所整備がされておりますが、これは将来中学校区に一カ所、一万カ所を目標に整備を進めていくつもりでございます。
#23
○長谷委員 この事業者の責務をより実効性のあるものとするために、福祉用具が具備しております評価基準あるいは安全基準、こういったものをつくる必要があると思うのですが、いかがでしょうか。例えば、具体的には製造時点での品質の向上を図るために、各福祉用具について最低限これだけはやるという基準、そういったものを担保すべき制度というようなことはいかがですか。これは通産省の方に、JISの問題としてもちょっとお答え願いたいと思うのです。
#24
○松藤政府委員 福祉機器関係の安全性、それから品質面での基準等につきましては、従来JISで車いす、義足、義手等について二十の規格を制定しております。それ以外に用語の定義に関する二つの規格、今合わせて二十二の規格がございますけれども、今後はこの安全性の確保等に加えまして、使い手の立場を重視いたしまして、使いやすくて便利な福祉機器の開発普及という観点から、さらに一層この標準化を推進してまいりたいと思っております。
#25
○長谷委員 今の通産省のお答えですけれども、厚生省としてはどのような御見解ですか。
#26
○横尾政府委員 御提案申し上げております指定法人の業務として、福祉用具の評価の事業を織り込むこととしておりますが、その具体的な手法については、今後検討を進めてまいりたいと存じます。
#27
○長谷委員 次に、公的給付事業についてです。さきの福祉八法改正により、従来、県及び市で行われていた障害者の日常生活用具給付事業については、九一年一月から町村に移譲されたわけですが、補装具についても本年四月から移譲される、こういうことだと思います。
 厚生省として、これまで人員上、財政上の措置を行ってきたわけですけれども、その状況はどうなっているのか、これを明らかにしていただきたいと思います。そして、今後とも町村に対する円滑な事業実施に向けた指導、それから人員及び財政上の支援をぜひお願いしたい、こういうふうに考えますが、いかがでしょうか。
#28
○土井政府委員 平成二年の福祉八法の改正によりまして、今お話がございましたように、身体障害者の福祉関係で申しますと、日常生活用具給付事業が平成三年一月から、それから施設への入所措置、補装具・更生医療の給付事務がこの四月から県から町村に移譲されました。また老人福祉関係では、施設への入所措置が本年の四月から町村に権限移譲されたところでございます。
 これらの事業につきましては、必要な財政措置を講じまして、事業の適切な実施が図られるように努めておりまして、具体的に申しますと、まず人的な面でございますけれども、町村における人的整備を図るために、身体障害者福祉の分野につきましては、平成三年度二百三十人、平成四年度同じく二百三十人、平成五年度二百九十二人の増員が地方財政計画上図られております。また、老人福祉の分野につきましては、平成三年度三百九十人、四年度も三百九十人、平成五年度は六百十人の増員がそれぞれ各年度の地方財政計画において措置をされているという状況でございます。
 また、町村における円滑な事務処理の確保のために各種の研修を継続して実施をしておりまして、それと同時に事務処理のマニュアルも作成をしているところでございます。さらに、全国の関係部長会議等におきまして、町村における必要な予算措置が講じられるよう、あるいはその他の種々の指導についてお願いをしているところでございまして、今後ともこれらの町村における新しい事務が円滑に実施されるように、予算面、人員面におきまして私ども最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
#29
○長谷委員 今回、福祉用具について政管健保においては在宅介護支援機器レンタル料の助成制度、これを創設することになっておりますが、その額は具体的にはどんな程度なのか。また、政管健保以外の他の健保ではどうなっているのでしょうか。
#30
○佐藤(隆)政府委員 ただいまお尋ねの政管健保の在宅介護支援事業でございますが、考え方といたしましては、寝たきり、あるいはそれに近い状態になりまして在宅で医療や訪問看護を受けておられます被保険者あるいは被扶養者に対しまして、住みなれた自宅で暮らすことができるよう、その健康状態に応じた日常生活を支援し、自立促進を図るために、平成五年度から保健福祉施設事業といたしまして、新たに介護機器のレンタル料の助成あるいは在宅介護に関する情報提供といったものを実施することといたしております。
 実施時期につきましては、本年の十月からということを予定しておりまして、現在その実施に向けまして検討を進めているところでございます。
 助成対象となります介護機器につきましては、特殊ベッド、車いす、移動用リフト、歩行補助器、緊急通報装置といったようなものを考えておりまして、レンタル料金の七割程度を助成するということで考えているところでございます。
 なお、もう一点御質問の他の健保についてということでございますが、健保組合の事業運営におきまして、介護機器あるいは介護用品の購入、サービスに係る費用負担の助成、在宅訪問指導などの在宅介護サービスに関連いたします事業を積極的に実施するよう指導しているところでございまして、今後ともその充実につきまして指導してまいりたいと考えております。
#31
○長谷委員 先ほども申し上げましたけれども、福祉先進国と言われております北欧の福祉機器の開発は大変進んでおる。私も実際、去年、おととしとスウェーデン、デンマーク、ノルウェーといったところに行ってまいりました。本当によくできているな、まだまだ日本とは差があるかなということを感じてきたわけでございますけれども、我が国の制度とそうした福祉先進国と言われている国々の制度とは一体どういうところに違いが出てきておるのか、その辺のところはいかがなのでしょうか。
#32
○横尾政府委員 厚生省といたしましても、担当官を派遣いたしましてその制度を調査してまいりました。
 スウェーデンの福祉用具の普及については、御指摘のように大変進んでいると私どもも認識をしております。その一つの具体的なものが、テクニカルエイドセンターと呼ばれる福祉機器とユーザーを結ぶ拠点が各地域に設けられて、具体的に福祉用具を展示しながら情報を提供し、専門職員による相談、貸し出しのサービスが総合的に行われている。これがやはり大きな役割を果たしているのではないかというふうに思っております。
 私どもは、今後地域における日本型の展示・相談センターとして、市町村の在宅介護支援センターを充実し、また都道府県の介護実習・普及センターの整備を進めるなどして、我が国らしい方向で的確なサービスが提供されるように取り組んでまいりたいと考えております。
#33
○長谷委員 今回の法律案では、一人一人に合った福祉用具を普及させることが目的ということだと思うのですが、実際にこれらの用具を使う場面のことが一番大切であって、それを忘れたらほとんど意味がなくなってしまうと思うわけです。
 そういう便利な福祉用具が開発、普及されても、実際にそれでもって行動するといいますか、例えば住んでいる家、町、そしてさまざまな公共施設などすべての生活の場の構造が、そうしたいい福祉用具ができれば、それに配慮したものでなければならないと思うわけです。高齢者や障害者がみずから望むところで暮らし、みずから望むところに行ける、こういうことが生活の質を実質的に保障して、高めていくということだと思います。
 そこで、高齢者、障害者に配慮した町づくりについて、幾つか各省にお伺いしたいと思います。
 高齢者や障害者に配慮した家、高齢者や障害者が移動しやすい道路など町の構造について、建設省はどのようにお考えでしょうか。
#34
○橋本説明員 建設省といたしましても、町づくりという観点から、高齢化社会の進展、障害者の社会参加の増加等に対応しまして、安全で快適な町づくりを進めるということは大変重要であると認識しております。
 今御指摘のありました例えば住宅の供給につきましても、ソフト面の施策という意味では、優先入居の制度とか金融公庫の割り増しの制度等いろいろな配慮もしてございますが、いわゆるハード面というか構造面におきましても、特に公共建築物等につきましては、段差の工夫等あるいは障害者用のトイレの設置等、いろいろなことをしております。その他、道路につきましても、いわゆる立体横断施設にはなるべくスロープをつけたり、また幅の広い歩道をつける。あるいは公園につきましても、特に国営公園等につきましては、誘導施設、案内板等あるいは障害者用トイレの設置等、いろいろな意味で工夫をしております。
 また、平成三年度からは、厚生省と緊密な協議を行いまして、福祉の街づくりモデル事業という新しい事業を発足させておりまして、屋外の移動施設、動く通路のほか、立体横断施設につきましては、いわゆる昇降装置、エレベーター装置のついた施設等の整備を推進しているところでございます。現在十一カ所で調査あるいは実施をしているところでございます。
 今後とも、町づくりという観点で、建設省としても積極的に施策を展開してまいりたいと思っております。
#35
○長谷委員 今度は運輸省にお伺いしたいのですけれども、例えば駅において車いすで列車の乗りおりをするときに、この間もある駅の階段で、六人ぐらいの駅員の方が出ておろしておられるのを見たのですが、本当に汗びっしょりで、かなり危険です。そういうふうな輸送機関として、これからどんな工夫をしていけばいいのか、運輸省にちょっとお答え願いたいのです。
#36
○浅井説明員 ただいま先生御指摘をいただきましたとおり、私ども運輸省といたしましても、高齢化社会の到来あるいは身体障害者の方々の社会参加のために、公共交通機関をそういった方々が安全でかつ身体的な負担の少ない方法で御利用していただけるように、駅の施設などの整備、あるいは車両を利用しやすいものにするということが大事なことだというふうに受けとめております。
 このために、運輸省におきましては、公共交通機関の施設整備の指針といたしまして、公共交通ターミナルにおける施設整備ガイドラインというものをつくっております。それから、車両に関しましては、車両構造に関するモデルデザインというのを策定いたしまして、こういう指針によりまして所要の整備を行うように、関係の交通事業者に対して指導を行ってきているところでございます。
 具体的に申し上げますと、ただいま先生御指摘をいただきました、駅における垂直移動というのが大変大きな問題でございまして、この問題を解決するためには、一番根本的な解決方法といたしましてはエレベーターの設置ということがございます。ただ、既存の駅では、スペースの問題などもございまして、全部にこのエレベーターをつけるというのはすぐにはなかなか難しいのではないかと思っております。
 それから、もう一つの工夫といたしましては、我が国では車いす対応のエスカレーターというのが開発されておりまして、ステップが二枚、三枚平たくなりまして、車いすをそのまま乗せて、車いすにお乗りになったまま御利用できるというタイプのものもございます。こういうものを導入していく。
 それから、あと車いすの昇降装置というのがございまして、せんだってJR東日本が八王子の駅で実験などをいたしておりまして、エレベーターがつかないようなところには、そういう昇降装置をつけるということを今後研究を進め、整備を進めていきたい、このように考えております。
  それからもう一つ、バスに関してましては、先生御案内かと思いますが、幾つかの都市部におきましてリフトつきのバスというのが導入されておりまして、そういうバスでございますと、車いすにお乗りいただいたままリフトで乗降できるというような形のものも導入が進んでおります。
  したがいまして、こういったような施設整備あるいは車両の整備を着実に今後も進めてまいる必要がある、このように考えております。
#37
○長谷委員 教育を受けたり教養を身につけるというのは人間の活動で重要な部分ですが、学校や図書館など文教施設、こういうところで福祉用具を使っていけるということを進めていきたいと思うのですけれども、利用しやすくする配慮についてはどのようにやっていられるのでしょうか。これは文部省にお伺いいたします。
#38
○西口説明員 お答えいたします。
 ただいま先生御指摘のように、学校や社会教育施設あるいはスポーツ施設等、数々の文教施設と総称されるものがあるわけでございますが、これらにつきまして、障害者が健常者と同様、学習あるいは生活の場として安全にかつ支障なく活動できるように、施設面において十分配慮するということは大変重要なことであるというふうに考えております。
 そこで文部省といたしましては、このような観点から、例えば学校施設整備指針というようなものをつくっておりますが、それらのもの等におきまして、それぞれの施設の実情を考慮して、障害者用に例えばトイレを工夫する、あるいは階段に手すりを設ける、あるいは昇降口、通路等にスロープを設けるというようなことにつきまして十分配慮することが望ましいということにつきまして、文教施設の設置者等に対してかねてから指導しておるところでございます。
 また、当然、設置者であります市町村等が公立学校の新築あるいは改築を行ったり、図書館等の社会教育施設あるいはスポーツ施設の整備を行う場合には、障害者に配慮した施設の整備に要する経費につきましても、これは国庫補助の対象ということにしておるところでございます。
 文部省といたしましては、今後とも、障害者が使いやすい文教施設の整備に努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#39
○長谷委員 今後、高齢者や障害者に優しい町づくりにどのように取り組んでいかれるのか、厚生大臣にお答え願います。
#40
○丹羽国務大臣 今、各省の担当者から御答弁を申し上げたわけでございますが、高齢者や障害者がより住みやすいような町づくり、つまり優しい町づくり、このためのいろいろな施策を進めておるわけでございますけれども、今回、福祉用具の開発促進、こういうようなことでお願いをいたしておるわけでございます。
 私は、この福祉用具の開発というのは、ある意味において、その受け皿となる優しい町づくり、こういうものがきちんと整備されなければまさに仏つくって魂入れず、こういうことになるのではないか、こう認識いたしておるわけでございます。いずれにいたしましても、私どもといたしましては、生活環境を中心とする各種事業を総合的に推進をいたしまして、住みよい福祉のまちづくり事業をこれからも進めていく決意でございます。
 率直に申し上げて、優しい町づくりであるとか住みやすい町づくりであるとか、いろいろな省庁でいろいろなことをお考えになって実施いたしておりますけれども、もう一つ具体的なイメージというものがはっきりしない面もあるのではないか、こういうようなことを私自身かねがね思っていたところでございます。今後は、先般策定をいたしました障害者対策に関する新長期計画に沿いまして、政府全体でこの問題に取り組んでいく決意でございます。
#41
○長谷委員 本当に福祉制度というのは、きょう答弁いただいた中にもありましたように、いつでもどこでもだれでも必要なときに必要なサービスを受けられる、それを国民として当然の権利として持っておる、享受できるシステムがある、これが必要だ、こういうふうに考えております。
 今、日本は本当に経済的には豊かになりまして、世界のトップレベルだ、一人当たりGNPは世界一じゃないか、こんなふうに言われておるのです。率直に言って、九〇年の福祉八法改正ということで前向きに進み出してはおるのですけれども、今の段階ですと、では年をとって、このまま本当に安心だというふうに心の底から思っていられる方はまだまだ少ないというのが実情じゃないか、こういうふうに思っております。こういう状況から子供の出生率も低下していて、ますます超高齢化社会ということになっていく、こういうことになると思います。
 それに対応するために、今回のこの法案がハード部分としてはやっていこうという形が出てきて、大変評価はいたしておるのですが、しかし、やはりマンパワーの確保、それはハードがあっても、ソフト、運用の部分が十分でなければ、これはもう半分しか意味をなさない、こういうふうに思うわけでございます。
 そういうマンパワーの確保などということも今後もっともっと積極的に進めていただいて、どのみち私たちがこれから年をとるのは当たり前のことでありますので、本当にこの国に住んでいてよかったんだ、こういうことをお互い日本の人一人一人が享受できる、実感できる、こういった福祉社会の建設に向けてぜひ政府の方も最大限の政策をつくっていただき、実行していただく、このようなことをお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#42
○浦野委員長 吉井光照君。
#43
○吉井(光)委員 私は、まず最初に、福祉マンパワーの確保の見通しについてお尋ねをしていきたいのです。
 御承知のように、ゴールドプランについては現在着々と整備が進んでいるわけでございます。過日の本会議におきましても、宮澤総理も予定どおりに進行しておる、このように答弁をされているわけですが、私は、このゴールドプランに対して全力で取り組んでいらっしゃる関係各位に心から敬意を表する次第でございます。
 しかしながら反面、寝たきり老人、それから痴呆性老人等のいわゆる介護を必要とする人々は、年々増加の一途をたどっております。厚生省のデータによりましても、平成二年で、寝たきりのお年寄りが約七十万、それから痴呆性老人が約百万、これが平成十二年になりますというと、寝たきり老人が百万、それから痴呆性老人が約百五十万に達する、このように推計がされているわけですが、私は、もっとこのスピードは速くなるのではないかという懸念をしております。
 その上、世帯規模が縮小をしてまいります。さらに女性の職場進出が急増をしております。となりますというと、家庭における介護力というものが著しく低下をしてくるわけですが、最近のテレビ、新聞の報道を見ましても、老人介護、在宅ケアが頻繁に取り上げられて、そして在宅の要介護老人の世帯は想像以上に困難を伴っているわけでございます。こうした状況が長期化いたしますというと、精神的そして肉体的な疲労はもとより、将来に対しても何ら希望が持てないと、深刻な事態に陥っているのが実情ではないかと思います。
 こうした現実の問題の中にあって、果たして看護婦、それからホームヘルパー等の保健医療・福祉マンパワーの確保というものが計画どおりに進むのかどうか、まずその見通しについてお考えをお伺いしたいと思います。
#44
○土井政府委員 福祉関係のマンパワーの将来の見通しの問題でございます。
 私ども、公表した見通しの数値というものは、正式にはまだつくっておりませんが、今先生お話がございましたゴールドプランの期間で見てみますと、寮母、ホームヘルパーなどの介護職員の数は、平成元年の時点で九万人でございますが、これが平成十一年度には約二十七万人必要となるであろう、約二十万人近い増が必要であろうというふうに見込んでいるところでございます。
 そういうことを前提にいたしまして、福祉マンパワーの確保のための取り組みといたしましては、昨年の国会におきまして成立させていただきました福祉マンパワーのための法律に基づきまして、現在いろいろな諸準備に取りかかっているという状況でございます。
    〔委員長退席、山口(俊)委員長代理着席〕
#45
○吉井(光)委員 では、きょうは時間が余りございませんので、本題に入らせていただきます。
 過日、厚生大臣は本案の趣旨説明の中で、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」等に基づく保健福祉サービスの充実とともに、各種の福祉用具の利用が重要である、このように述べられておりますが、私も全く同感でございます。そこで、国、地方を挙げてこの福祉用具の開発、普及に努めることになるわけでございますが、開発が進んで用具の機能というものが高まるというと、どうしてもコストというものが高くなってくる。現在でも、福祉用具は欲しいけれども金額がかさむのでなかなか手に入れることができない、こういう声も多く聞くわけでございますが、そういう中でますますそういった度合いが高くなるのではないか、こういった点を危惧するわけでございます。
 一方、製造業者側からいっても、大量生産ができるならば当然コストは下げることができる。しかしながら、大量生産となりますというとやはりそれだけの需要がなくてはならない。ということで、製造する側とそれから利用する側、ともにプラスの面を考えていきますというと、なかなか難しい問題に直面するわけでございます。しかしながら、私は、結局利用する人たちのための福祉用具の開発でありますから、利用者が必要とする福祉用具を入手しやすくするようにすべきであると思います。
 この点についてのお考えをお伺いしたいわけでございますが、この制度が軌道に乗ってみないとわからない、このようにおっしゃるかもしれませんが、現在ありますところのいわゆる公的給付事業、こうしたものの大幅な拡大等は考えられるのかどうか、まずこの点をお伺いしたいと思います。
#46
○横尾政府委員 福祉用具等の機能アップと価格の上昇の問題でございます。もちろん、さまざまな機能を付すことによって価格は高くならざるを得ない面も、御指摘のとおりであろうと思います。
 しかし同時に、私ども期待をしておりますのは、従来非常にマーケットが小さいがゆえに一品生産的につくられてコストが高くなっているものが、市場性が明らかになることによって、量産に向けて製造が行われて単価が低くなる面もあるのではないか。また、さらには、一般の家電等に障害者仕様の機能を付加いたしますと、その付加部分については大変コストがかかりますけれども、そもそもかなりの高齢者の方々が家電等を使うことを前提とすれば、一般の機器であっても使いやすいように仕組むことによって、量産体制の中でこの介護機能を織り込んで、低コストで生産をするのが可能になるというようなことも期待をさせていただいているところでございます。
 また、具体的な給付事業としての日常生活用具給付等事業の拡大についてのお尋ねでございますが、例えて申しますと、平成五年度では、従来、通常の車いすのみを給付対象としておりましたが、新たに電動式の車いすを給付対象といたしました。そういった形で逐次改善に努めていくつもりでございます。
#47
○吉井(光)委員 次に、福祉用具の利用者とそれから介護機器、福祉用具の接点となるのが在宅介護支援センターでございます。この支援センターについては、中学校区に一カ所整備することとして、年次ごとに計画的に整備することになっているわけでございますが、この支援センターは計画どおりに進んでいるのかどうか、現在までの進捗状況と、それから整備計画について明らかにしていただきたいと思います。
#48
○横尾政府委員 在宅介護支援センターは、平成三年度におきまして予算上七百カ所を目標としておりましたところ、実績は四百カ所にとどまっております。その後、関係者の意向も強まってまいりまして、目標年次までに一万カ所の整備ができるよう、私どもとしても努力をしてまいりたいと存じます。
#49
○吉井(光)委員 この問題につきましては、非常に難しい問題も多々含んでいるわけでございます。しかしながら、歴史が非常に浅いということで、これはまだ期待を持てる部分も随分あるわけでございますが、私は、計画どおりになかなか進まないという理由に、まず施設整備にかかわる国庫補助制度に問題があるのではないか、こういう気がいたします。
 御承知のとおり、こういうものにつきましては、実施主体は市町村でありながら、義務負担がないということで市町村は金を出さない。したがって、国や県の出方待ちという形になっております。財政力の非常に裕福な市町村においては、あるところにおいては金を出しておるところもございます。一応法人が四分の一を持つ。国が二分の一、県が四分の一、地方自治体が四分の一。その分を市が出しているところもあるわけでございますが、国は老人保健福祉計画、こういったものも市町村でつくらせる。そうした場合、国や県の出方待ちでは、この支援センターの設置というものはなかなか進まないと思います。したがって、私はこの市町村の義務負担というものをもっと明確にした方がすっきりするのではないか、このように思うわけでございます。
 それから二点目は、多くが特別養護老人ホームへの併設であるということ、すなわち、医療機関での取り組みが進んでいないのではないか。
 それから三点目としては、介護福祉士等のマンパワーの養成が進んでいないのではないか、こういった点を懸念するわけでございますが、いかがですか。
#50
○横尾政府委員 最初の施設整備費の問題でございますが、この在宅介護支援センターの整備費については、他のゴールドプランの施策、例えばデイサービスセンターや特別養護老人ホームと同様に、国二分の一、都道府県四分の一、設置者四分の一の負担割合になっておりますので、仕組み上問題があるというふうには考えておりませんが、何といたしましても平成二年度に初めて創設された施策ということで、周知徹底が必ずしも十分でなかったのではないかというふうに考えております。
 今後は、市町村の老人保健福祉計画の中でもはっきりと位置づけるように指導しているところでございますので、各自治体におかれてもしかるべき対応をしていただけるものと考えているところでございます。
 また、御指摘のように、病院等に併設された在宅介護支援センターが少ないという点は、そのとおりでございます。これは制度発足直後におきましては、こういったところへの働きかけが弱かったということもあろうかと存じますが、平成四年度からは老人保健施設、病院に併設する在宅介護支援センターについても整備の補助対象に加えたところでございまして、こういったことから今後の整備を期待しているところでございます。
#51
○土井政府委員 介護福祉士の養成がおくれているのではないかという点でございます。
 昭和六十二年にこの制度が法制化されまして、実際に登録が始まったのが平成元年度でございますが、その時点で約三千人登録をされました。平成四年の十二月末までの登録者の人数でございますが、二万三千八百人余という人数が登録されているところでございます。
 年間の介護福祉士の養成でございますけれども、私ども内部の目標として、年間一万人介護福祉士の資格が取れるようにという目標を持っておりますが、現在、養成施設では一学年の定員が七千八百人という人員でございます。一方、試験を受けて合格する人数でございますけれども、最近の平成四年の人数で申しますと、約五千三百人という人数が受験によって合格している。したがいまして、近い将来、養成学校を卒業する方と試験で合格する方、合わせて年間一万人余の資格者が出てくるであろうという見込みでございます。
 ただ、御案内のとおり、制度自体がまだ若いために、全体の人数が非常に足りないという実態がございますので、養成学校に対する施設整備の補助金というものを平成四年度からスタートをいたしましたし、また、平成五年度には学生に対する修学資金というものを新しくスタートさせるというような施策を講じておりまして、今後とも介護福祉士がふえるように努力をしてまいりたいと考えております。
#52
○吉井(光)委員 次は、在宅介護支援活動用車両の普及についてでございますが、私は在宅介護支援センターの整備として、施設整備を伴わない施設、こういったものを進めなきゃならないと思うわけでございます。
 すなわち、介護機器の展示場が現在四十から五十平米と義務づけられているわけでございますが、都市部の住宅密集地ならともかく、地方へ参りますとどうしても郊外、山間部、そういったところに特養が散在をしております。したがって、介護機器をわざわざ山の中まで見に来ない、こういったことが非常に指摘をされているわけでございます。したがって、こちらから相談に出かけていくべきじゃないか。現在そういった傾向が非常に高くなっております。
 実際に立派なものが展示してあっても、わざわざ山の中に見に来ない。したがって、そういった品物を積んで実際に行って、こういう機器がありますよ、こういうふうにしているところがだんだんふえております。私は、そういったものの活動用車両といいますか、いわゆる展示車両、そういったものをぜひとも補助対象にしていただきたい、このように思うわけでございますが、いかがですか。
#53
○横尾政府委員 お話しのような介護機器の展示車両とでも申しますのでしょうか、そうしたものが実際に長野県、北海道、宮城県等、広範な地域を抱えているところで効果をあらわしているということを聞いております。
 私どもは、先ほど来申し上げておりますような在宅介護支援センターであるとか介護実習・普及センターを中心として整備を進めることとしておりますが、御指摘のような活動については、地域福祉基金の活用が可能であると承知をしております。これは二千百億の地方財政措置が講じられているものでございまして、国庫補助以外の地域の実情に応じた活動に使われるものでございまして、お話のありましたようなものもこれになじむものと思われます。地方公共団体が地域の実情に応じてさまざまな普及活動を行うということは、大変望ましいというふうに考えております。
#54
○吉井(光)委員 次は、せんだって私たち公明党の山口県本部といたしまして、県下のホームヘルパーのアンケート調査を行いました。いろいろな問題点が出てきたわけでございますが、詳しいことにつきましてはまた後日、時間がありましたらお尋ねをしたいと思います。
 そこで、ホームヘルパーの処遇の改善についてでございますが、平成四年度に常勤ヘルパーの手当額について大幅な改善がなされました。二百十八万円に百万円の加算。ところが、平成五年度の予算を見ますと、これがベースアップの対象になっていません。恐らく百万円のアップは特別加算であるから、ベースアップの対象にならないということだと思いますが、私は、今後ゴールドプランを進める上でも、また高齢化社会の最重要課題と言われるマンパワーの確保を考えましても、ヘルパーの処遇が最優先されるべきではないかと思うのです。したがって、この処遇が不安定であればなかなか人は集まらない、私はこれは当然だろうと思います。
 現在、各市町村におきましては、このヘルパーの給料表が平成四年度ごろより明確にされつつある傾向にはあるわけですが、決して十分とは言えません。すなわち、国公行(1)のところ、また行(2)並みのところ、さらには社協独自の給料表というふうに処遇の差が見られるわけでございます。確かにホームヘルプサービスは市町村を実施主体として実施されるわけでございますが、国の制度として、今後の老人保健福祉計画においてもその事業量等の目安を国が示しているものでありまして、したがって、市町村の取り組みを待つのではなくして、やはり国レベルにおいてヘルパーや福祉職員の処遇体系も確立されるべきであると私は思います。
    〔山口(俊)委員長代理退席、委員長着席〕
 また、健康診断に対しましても、ホームヘルパーの皆さんは実際そういう家庭に行っていろいろ作業をするわけでございますから、ぜひとも健康診断をしたい、そういう希望が非常に高いわけでございますが、これに対しても国庫補助制度の導入はできないのか。
 次に、活動用車両についてでありますが、地方では自転車を活用するか、それとも中には定期バスを利用していらっしゃる方も随分いらっしゃいます。最近では日用品の買い物まで要求をされる。こうなりますと自転車ではどうにもならない。したがって、地域や対象世帯によって、その移動手段を見ましても、常勤、非常勤ともに約半数のヘルパーがいわゆる軽四輪等の自動車を活用しております。住宅密集地ならともかく、地方へ行きますと、地域の実情からして、どうしてもこの活動用の自動車は必需品と言えます。
 特にマイカーを利用している例もかなりあるわけでございますが、非常勤ヘルパーでは約半数の人が活用しているのが実態でございます。雨天の訪問活動、さらには多様なニーズに対応するための夜間の訪問活動や、また臨時の訪問活動等が今後も当然想定されることからしても、この活動用車両の整備は緊急な課題と言えると私は思います。
 また、訪問活動を主体とするヘルパーにとりまして、この自動車は、中で衣がえをする、着がえをする等の準備場所としても活用できる、こういったこともございますが、いわゆるホームヘルプサービスカーとして、地域へPR活動も兼ねた導入を進めるべきだと思います。車にホームヘルプサービスカーとかそういったものを書いて走れば、ヘルパーに対しての認識も非常に変わってくるし、PR効果も非常に出てくるんじゃないかと私は思います。
 厚生省では、平成三年ごろより在宅福祉サービス推進等事業を設けられたわけでございます。これは御承知のように市町村に十分の十、すなわち市町村では何に使ってもよろしい、こういう性格のものでございますが、この事業が現在はどうなっているのか、効果を上げているのかどうか。私は、この事業で活動用車両の補助はできないのか、このように考えるわけでございますが、いかがでございますか。
#55
○横尾政府委員 冒頭に恐縮ですが、先ほど地域福祉基金の地方財政措置の金額を二千百億と申し上げましたが、これは平成三年度の数字でございまして、平成五年度では四千億ということでございますので、つけ加えさせていただきたいと存じます。
 ホームヘルパーの処遇改善について、さまざま御指摘をいただきました。
 まず手当分でございますが、平成五年度予算におきましては、特別加算を除いた額については人事院勧告による引き上げを行うこととしております。今後この手当額につきましては、昨年度の引き上げの影響あるいは地域の実情を見定めつつ、適切に対処してまいりたいと考えております。
 また、給与体系の問題でございますが、私どもも安定した雇用関係を築くために、各事業者がしっかりした給与体系を整備するということは望ましいことだと考えておりますが、これを全国一律にするにはなお地域の実情が極めて区々でございまして、一律給与体系にはなじみがたいのではないかと考えている次第でございます。
 また、福利厚生といった分野で、健康診断とか活動用車両についての御指摘もいただきました。これについてはそれぞれのホームヘルプサービスの事業運営費の中で対応している部分もあることと、それからホームヘルパーの活動費につきましても、平成五年度では七万円に引き上げたところでございますので、今後ともその充実を図ってまいりたいと存じます。
#56
○吉井(光)委員 在宅福祉サービス推進等事業はどうですか。
#57
○横尾政府委員 十億円の予算を計上しております在宅福祉サービス推進等事業でございますが、都道府県の状況あるいは市町村の申請等の中には、先生御指摘のような活動用車両について補助をする可能性もございます。
#58
○吉井(光)委員 その点は非常にあいまいな点もございます。老人福祉計画の策定にこれが回されているとかいう声も随分聞くわけでございますが、よろしくお願いしたいと思います。
 ホームヘルパーにつきましては、御承知のように京葉銀行でも助成基金を設立をして、ヘルパーの研修とか自動車、事務用品の購入、シンポジウムの開催といった費用に充てておる。既に民間でこのような運動が起こってきているということは、非常にすばらしいことだと私は思います。このように民間でも非常に意欲を持って取り組んでいるわけでございますので、厚生省といたしましても、しっかりこの問題についても取り組んでいただきたいと思うわけでございます。
 最後に大臣にお尋ねいたしますが、いわゆる高齢者用住宅の問題でございます。
 住みなれた地域で、また我が家で家族とともに老後を過ごしたい、そして家族にみとられて安らかに死にたい、これが大多数のお年寄りの切実な願いでありますが、その反面、やはり家族に少しでも迷惑をかけたくないという気持ちも底流にはあると思うわけでございます。
 しかし、現実は、多くのお年寄りが施設や老人病院で、あるいはちまたの片隅で孤独な死を迎えている。ひとり暮らしのお年寄りが死後数週間放置されている、また老夫婦二人暮らしの世帯で、妻を介護していた夫が急死したために妻が夫の遺体の傍らで餓死をしていた、このようなあってはならない全く気の毒なニュースが後を絶たないわけでございます。
 また、私は、こうした福祉用具を十分利用しながら老後の生活を送るためにも、そうした高齢者に十分配慮した住宅が今後必要になってくる、このように痛感をするわけでございます。
 先ほど大臣も答弁の中で、受け皿というものがしっかりしないと、せっかく立派な機器が開発されても、それは効果が出ないんじゃないかというような趣旨の御答弁があったかと思いますが、私はこうした高齢者の住宅というものが大きな脚光を浴びてくる、これはもう事実と思います。したがって、現在ゴールドプランというものは三本柱で進んでいるわけでございますが、私はこれに住宅を加えてその対策を進めるべきだ、このように思いますが、今後の取り組みについて大臣の所見をお伺いをしたいと思います。
#59
○丹羽国務大臣 ホームヘルパーや訪問看護事業など在宅サービスの推進や、また御提案を申し上げております福祉用具の活用を図るためにも、高齢者に十分に配慮した住環境の整備というのは大変重要なことであるとまず考えております。
 このため、厚生省といたしましても、身体機能が低下いたしましてもできる限り自立した生活ができるよう工夫された例えばケアハウスの整備であるとか、さらに住宅改良について相談、助言を行う住宅改良ヘルパーの創設などをこれまで行ってきたところでございます。
 また、寝たきりのお年寄り、先ほど先生からも御指摘がございましたように、今全国で七十万人を抱えておるわけでございます。年間六万から七万ぐらいの割合でふえておる。大変重要な問題でございますけれども、こういった寝たきりのお年寄りを抱える御家庭もまた、率直に申し上げて介護疲れ、こういうような問題も大変大きな問題となっておるわけであります。
 そこで、今回提案をさせていただきましたこの法案においては、力は道具で十分間に合う、そして家族の方々も、こういう寝たきりのお年寄りを抱えていながらも笑顔で過ごせるような環境づくりがまさに大切だ、このように考えております。
 いずれにいたしましても、建設省など関係方面と十分に連携を図りながら、高齢者の皆さん方が安心して老後が過ごせるような暮らしやすい住宅の確保のために取り組んでいく決意でございます。
#60
○吉井(光)委員 ありがとうございました。
 終わります。
#61
○浦野委員長 児玉健次君。
#62
○児玉委員 この法案の審議のために先週、国立身体障害者リハビリテーションセンターにお邪魔いたしました。皆さんから大変適切な御教示と親切な御案内をいただいたことを感謝しています。
 九一年三月に発刊された「福祉機器情報」にこの研究所の安梅さんが「海外の福祉機器の開発動向と支給システム」、そういう報告を掲載されております。興味深く拝見いたしました。その中でカナダを例に挙げて、州によって随分差があるそうですが、一致している点は、福祉用具を支給するということになると、医師二名がサインして、そして政府指定店に注文がされる。その後、指定店から理学療法士、作業療法士により詳細に処方された機器が本人に届けられる。安梅さんは、この間のこういったプロセスを貫く一つの原則として、必要な人に必要なときに必要なだけ用具が支給、または貸与されるというふうに書いておられます。非常に興味があります。
 そこで、障害者やお年寄りはそれぞれの生活動作能力に変化があります。それに応じて適切な機器を使用する。今、主として行われている給付の方式に加えて、物によっては貸与の方式または民間企業のレンタル制度を活用して、先ほども議論がございましたが、レンタル料を公的負担とする、こういう方式をも検討する時期に来ているのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
#63
○土井政府委員 身体障害者の方々に対する日常生活用具給付等の事業につきまして、現在までのところは給付を原則としておりまして、給付対象者の特性等を勘案した場合、給付制度の方が効果的な事業の実施が期待できるのではないか、そういう考え方に基づいて、このような原則で対処してまいっているところでございます。
 したがいまして、今お話がありましたように、ケースによってはレンタルの方がより効果的ではないかといったようなものも今後出てまいると思いますので、将来におきましては、今お話がありましたような、そういったレンタル制度の活用ということにつきましても検討してまいりたいと考えております。
#64
○児玉委員 厚生省の最近打ち出されている施策を拝見すると、例えば九三年度予算で新規に、利用されていない福祉用具のリサイクル、修理、メンテナンス、こういったもので予算を計上されているし、そして政管健保の加入者に対するレンタル料の助成、先ほど御質問がありました。私自身でいえば、先年デンマーク、スウェーデンに行って、数千種類の個々の障害者、お年寄りにフィットした用具が無料貸し出しという形で提供されている、それが在宅介護の重要な柱になっている、そのことを非常に痛感しました。
 今、将来にわたって検討、それは期待するのですが、厚生省自身がそのことの、そのことというのは貸出制度の持っているメリットですね、非常にすぐれた仕組み、そこのところをどうお考えになっているか、重ねてお聞きします。
#65
○土井政府委員 現在、日常生活用具として四十九の種目を私どもは取り入れております。そのうち四十六までが給付でございまして、残りがいわゆるレンタル。そのうちの純粋の貸与というのは福祉電話とファクスでございまして、それからもう一つはワードプロセッサー、これは共同利用という形になっております。
 それで、この種目というものの特性に応じた利用の仕方というものがあると思いますので、これまでにもごく限られた形ではございますが、レンタルという制度も一部実施をしておりますので、今後団体等からの要望等に基づきまして新しい種目を取り入れるというような場合に、その種目の性格に応じて、今先生がお話しのようなレンタルという制度がいいのかどうかという点も含めて検討してまいりたい、そういう趣旨でお答えを申し上げた次第でございます。
#66
○横尾政府委員 老人の日常生活用具給付事業に関連して、今の点についてお答えを申し上げますと、老人の場合は、一つの状態が継続するというよりは、刻々と変化をするという状況がございます。そういう意味で、レンタルの方式というのは大変有効ではないかと思っております。
 現在私どもがレンタルでやっているものの大きなものは、ベッドでありますとか車いすでございますが、自分の力で起きられるときは通常のものでございますが、その力もないほどに弱くなられるときには、電動のものに変えるといったようなことが数カ月の単位の変化として起こり得るユーザー、これを念頭に置きますと、レンタルということは今後とも拡大をする方向で考えていくべきものと考えております。
#67
○児玉委員 次に、今回の法の第二条、「この法律において「福祉用具」とは、」「老人又は心身障害者の日常生活上の便宜を図るための用具」こういう定義をされています。そして、こういう用具が普及されていくことは、まさにそういった方々の自立の促進につながる、こう思います。
 それで、日常生活用具に関して多少例示的に申したいのですが、今、電磁調理器は、視覚障害二級以上、盲人のみの世帯及びこれに準ずる世帯、こういうふうになっております。なぜそういう方々に電磁調理器が給付されるのかよくわかります。やけどその他に対する配慮がある。適切な配慮だと思います。私どものところに脳性麻痺の方々から、もし電磁調理器が脳性麻痺の障害を持つ皆さんにも給付の対象になったら、自立的に調理を行うという点でとても安心だ、何とかそこに向けて道を開いてもらえないだろうか、こういう強い要望が来ております。
 もう一つは、これはおととし十一月の厚生委員会で取り上げまして、当時の末次局長からも御答弁いただいておるのですが、ファクスの使い方で、聴力障害の方々から今あるファクスがとても歓迎されております。先日私どもが行った懇談会で、視力障害の方のみがいらっしゃる世帯で、そして信頼できる知人、友人にファクスを持っている人がいる場合に、送られてくる郵便物の中で点字というのはわずかだ。どうしても早く見てもらいたいというときに、ファクスを使って友人に送って、読んでもらって電話で聞かせてもらう、そうなったらありがたいという声が寄せられています。
 これは多くの要望の中の二例を取り上げたわけですが、この点についての厚生省の積極的な検討を求めたいのですが、いかがでしょうか。
#68
○土井政府委員 今具体的にお話がございましたが、一つは、電磁調理器につきまして肢体不自由者の方にも給付対象とすべきではないかという点かと思います。
 この点につきましては、私どもも肢体不自由者の方々からいろいろな要望を承っておりまして、平成四年度では携帯用会話補助装置、新年度、平成五年度でございますが、入浴補助用具というものを新規種目として取り入れたところでございます。今後、肢体不自由者の方々の要望をよく伺いながら、ニーズや緊急度等もよく勘案して、対応を検討してまいりたいと考えております。
 それからまたファクスでございますが、視聴覚障害者のためにこれを導入できないかというお話かと伺いました。
 平成三年にも先生からの御質問を私どもよく承っております。実際には平成四年度には盲人用体重計、それから平成五年度には拡大読書器というものを新規の種目として導入したところでございます。ただいまお話しのファクスにつきましても、関係者からの要望を受けておりますので、今後私どもニーズや緊急度等をさらによく伺いながら、検討をしてまいりたいと考えております。
#69
○児玉委員 それでは、速やかに実現されることを強く期待して、質問を終わります。
#70
○浦野委員長 柳田稔君。
#71
○柳田委員 朝の質疑の中からもう出てしまったという点もございますので、重複は避けたいと思うのでありますけれども、二点だけ要望させていただきまして、最後に大臣の決意をお伺いしたいと思います。
 要望のその一つというのは、先ほど来から出ておりますけれども、福祉用具についての国民の認識がまだ浅いのではないかということで、福祉用具の便利さを国民がもっと認識し、気軽に福祉用具を用い、自立した生活を営んでいくためには、国民が福祉用具に身近なところで触れ、その存在をもっと知るということが大事なのではないか。そのためにも、福祉用具の使用方法を相談できる、また適切な利用の手助けを受けられる拠点の整備も重要だと思いますので、この拠点の整備を前向きに進めていただきたいというのが私の方からの要望の一つであります。
 その次の要望は、先ほども出ておりましたけれども、日常生活用具給付等事業の対象品目の拡大、また基準額の改善など、いろいろと御検討を願いたいというのが二つ目であります。先ほど来からこの話は出ておりますので、御答弁は要りませんけれども、前向きに検討していただきたいと存じます。
 最後に、大臣の御決意をお伺いしたいのであります。
 高齢化社会が大変速いスピードで訪れてくる。そういう中にあって、車いすや介護用ベッド、いろいろな福祉用具、この有効的な活用をすることによって介護する人の負担が軽減されるとか、またお年寄りや障害者の自立を促進することにもつながるというふうに思いますので、これらの福祉用具の研究開発、そして普及を何としてもやり遂げなければならないというふうに私も思うわけでありますけれども、この辺についての大臣の御決意をお伺いしたいと思います。
#72
○丹羽国務大臣 それでは、私の方からまず答弁をさせていただきます。
 高齢者や障害者の方々が住みなれた家庭や地域で暮らし続けるための基盤整備として、福祉用具の研究開発及び普及の促進は、先生にも十分御理解を賜っておりますように大変重要な問題と考えております。
 これまでも福祉用具の研究開発及び普及の促進のため、研究開発に対する助成や在宅介護支援センターの整備などを通じまして総合的に進めてきたところでございますけれども、今回、この法案を国会に提出をいたしまして、さらに施策の条件整備を図ることといたしております。
 この法案の制定を契機にいたしまして、障害者や高齢者の方々が福祉用具について身近なところで情報を得て、自分に合ったものを選ぶことができる、まずこれが一番大切なことであります。その一方で、開発メーカーが利用者のニードというものを的確に把握して用具の開発ができるように、障害者や高齢者が家庭や地域社会で可能な限り自立できる、法律を契機にいたしましてこういうような環境づくりに努めていきたい。
 いずれにいたしましても、大変重要な問題でございますので、今後ともこの問題につきまして積極的に、先生の御指摘を賜りながら進めていく決意でございます。
#73
○柳田委員 よろしくお願いいたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。
#74
○浦野委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午前十一時四十分休憩
     ――――◇―――――
    午後三時四十五分開議
#75
○浦野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。土肥隆一君。
#76
○土肥委員 大臣にまずお聞きいたします。
 いよいよ高齢化社会、超高齢化社会が来る。ゴールドプランも半ばに差しかかってまいりまして、高齢化社会対応のさまざまな施策も進んでおるというふうに考えます。しかし、ここにまいりまして福祉用具の開発あるいは流通などに関する法案が提出されたわけでありますが、かねがねこの福祉機器あるいは福祉用具の分野の、品目はいざ知らず、製造、流通段階の整備が非常におくれているということを感じておりましたので、こういう法案ができるのもタイムリーなことであろうというふうに思います。
 やはりここで一番気になりますのは基本方針でありますが、私も若干自分の意見も申し上げまして、大臣のお考えをお聞きしたいと思うのであります。
 この基本方針に何が盛り込まれるかということは後でわかることでありますけれども、どうしても念頭に置いていただきたいのは、やはり福祉用具のリサイクルということです。リフォーム・アンド・リサイクルといいましょうか、壊れたものも修理して、きれいにして使うようなこともひとつ念頭に置いていただかないと、例えば車いすが放置されたり、ベッドが放置されたりするようなことが相当あり得るのじゃないでしょうか。同時に、ベッドのマットレスなんか考えますと、これは廃棄物の中でも最も扱いにくい廃棄物でございますから、むしろベッドは新しい品質に変えてもらう、そして廃棄物として処理しやすいようなものにするということも、私、意見として申し上げたい。
 それから、今度は世界的な福祉機器、用具の輸出入が行われるだろうというふうに考えますときに、そういう輸出入というような問題についても考えていただきたい。
 それから、発展途上国などに車いすをリフォーム、リサイクルいたしまして送りたいというふうに思いましても、輸出入のいろいろな障害がございますので、そういうことも含めた一種の、日本の持っております車いすというのは大変優秀なものでありますから、長く使うということも考えなければならないのじゃないか。
 それから、この法案で一番気になりますのはいわゆる連携の問題でありまして、連携、連携と出てまいりますけれども、果たしてうまくいくのか、どこでうまく連携するのかというようなことを考えておるわけでございます。
 ぜひとも基本方針の中にきちっと思想を込めて書いてほしい、このように思いますが、大臣の御意見をお伺いいたします。
#77
○丹羽国務大臣 まず、基本方針についてのお尋ねでございますが、基本方針におきましては、福祉用具の研究開発及び普及の目標及び動向、あるいは相談、展示の場所など、あるいは事業者等が講ずる品質の向上や苦情処理に関する措置などについて規定をすることになっております。今後関係者の御意見をお聞きしながら、基本方針というものを策定することになるわけでございます。
 先生が何点か御提起いただいた問題でございますが、まずリサイクルでございますが、実は障害者の明るいくらし促進事業の中で、福祉用具のリサイクル事業が本年度からスタートすることになっております。
 さらに、この連携の問題に関係いたしまして、研究開発に役に立つユーザーの情報をメーカーが的確に把握する、どういうものがユーザーにとって利用しやすいか、こういうことを的確に把握していく、こういうことは先ほどから申し上げておりますように極めて基本的な重要なことでございます。
 ただいま御提案をいただきましたことを十分に念頭に置きながら、今後の基本方針の策定に当たる決意でございます。
#78
○土肥委員 ありがとうございます。
 さて、法文に沿って促進めてまいりますけれども、事業者についてお聞きいたします。
 日本の福祉用具の製造業者の実態がどうなっているのか、あるいはどういう流通でどれくらいの売上総額があるのかとか、卸とか販売あるいはレンタル業がどれくらいの実態になっているのか、そのマーケットはどうなのかというようなことなどが気になるわけでございまして、まだまだ大変未成熟な部分だというふうに思いますけれども、これからこの促進法ができますと、製造から流通、そしてユーザーまで商品がうまく回って、それに対する工夫や改良も加えられて、ますます大きく拡大していかなきゃならないというように思うのでありますが、現状についてお知らせください。
#79
○横尾政府委員 まず、製造業の分野でございます。福祉用具の範囲が大変広いので、全体を把握するわけにまいらないのでございますが、代表的な品目について我が方で推計したところによりますと、車いすについては三十数社、年間の製造台数が十八万台で、売上高約百六十億円、療養のベッドについては約十社弱でございまして、年間十五万台、売り上げがこれも約百六十億円、補聴器が十数社で三十三万個、売り上げが百二十六億円、そのほか義肢、装具、これが小さな業者が多く、約六百社ございまして約三十八万個、二百五十億円というようなことでございまして、今申し上げた主なものを合計いたしますと七百億、その他、今申し上げなかった品目を加えたのが全体のメーカーの状況ではないかと思っております。
 また、レンタルの関係、販売の関係を申し上げますと、両者合わせて、販売は卸、小売を合わせて約千の店舗がございます。レンタル業者については、店舗数で約四百、売り上げは年間約三十五億、こういうふうに考えております。
#80
○土肥委員 今の金額や事業者の数を聞きますと、まだまだとてもじゃないけれども国民の隅々まで浸透するということはないだろうし、例えばレンタル業など四百店しかないわけでありますが、私が知っている範囲でもなかなか商売がうまくいかない。多数の品数を抱え込みまして在庫を持っておりますが、しかも多様な在庫がございますので、それを全部確保しながらレンタル業をやるのは非常に難しいというふうに聞いております。
 そういうことで、これからの問題だと思いますが、レンタル業者などの話を聞いておりますと、やはり行政に頼っていかないとやっていけないというようなことを言います。したがいまして、今福祉用具の給付や貸与が行われているわけでございますけれども、今後この福祉用具、さまざまなものが出てくるでありましょう。前にも連合審査のときに質問がありましたけれども、今後多様な福祉用具に対してどの、ような対応をなされるのか、今後の方針についてお聞きしたいと思います。
#81
○横尾政府委員 よい製品が開発されることに伴いまして、極力この公費による給付事業も充実を図ってまいりたいと考えております。同時に、従来の日常生活用具給付等事業に加えまして、政管健保がこうした事業をあわせて行うような動きもございまして、全体として関係のこの分野というのは今後伸びるものと考えておりますし、この法案でも事業者が福祉に果たす役割というのをきちんと評価をしたつもりでございます。
    〔委員長退席、持永委員長代理着席〕
#82
○土肥委員 少し細かいことを聞きますけれども、その事業者は全国に散らばっているわけでありまして、五条の第一項で「苦情の適切な処理」というふうなことを言っておりますが、ほぼ全国的に流通した場合、業者が一々支店を持っているわけでもないでしょうし、苦情処理に対応できないのではないか。生活科学センターだとか各県にございまして、そこではいろいろな消費者保護の対応ができておりますが、一体どうなんでしょうか。この苦情処理というのが適切に行われないと、いわばユーザーにとっては大変困った話になるわけでございまして、どこの部分に責任を負わせたらいいのでしょうか、この法案で御説明いただきたいと思います。
#83
○横尾政府委員 製品あるいはサービスについての苦情でありますから、一義的には個々の事業者が責任を持って対応すべきものと考えておりまして、条文上もその責務を明記したところでございます。しかしながら、今回の施策は、そういったメーカー、事業者サイドの義務とは別に、行政サイドの情報の流れも設けておりますので、両々相まって、苦情の処理も含めまして、必要な情報が指定法人に集約できるように取り組んでまいる所存であります。
#84
○土肥委員 それでは、指定法人の一つの業務として、きっちりとその苦情処理、苦情相談に乗っていただくということを確認させていただきます。
 続きまして五条の第三項です。「老人福祉施設、身体障害者更生施設その他の厚生省令で定める施設の開設者はこというところですが、施設を持っている人たちは福祉用具の導入に努める、こうあります。どうでしょうか、さまざまな福祉機器を入れたいのは当然でありますけれども、それを導入するときの予算の裏打ちがなければできないわけであります。例えば平成五年度におきましてそういう福祉機器の導入に関する予算、あるいは同時に、各施設が申請をした場合に、審査の基準とか品目とか金額の制限など、もし腹案がありましたらお知らせいただきたいと思います。
#85
○横尾政府委員 平成五年度予算におきまして、業務省力化等設備整備費として九億五千万円を計上しております。これは民間の特別養護老人ホームにおける介護機器の普及、導入の促進を図るための経費でございまして、具体的には、一施設当たりの補助金額を一千万円程度といたしまして、新しいものも含めまして整備をするということにしているところであります。
#86
○土肥委員 そうすると、どうなんでしょうか。品目とか審査など、申請をしましたときにどういう基準で、一千万というお金だけで、あとは何でもいいのでしょうか。
#87
○横尾政府委員 これはこれから詳細を詰めていくこととしていますが、基本的な考え方は、介護機器に限りませんが、施設全体として総合的、先駆的な機器の導入を目指しまして、その評価をしていただこうという考えで運用するつもりでございます。
#88
○土肥委員 じゃ、総合的、先駆的ということで押さえておきたいと思います。
 本法案の一番がなめになりますのは、やはり指定法人、第三者の指定法人だと思います。指定法人がほぼ主たる役割をするのではなかろうかというふうに判断いたしますが、一体どこに指定法人を指定するのか。これは一つしか指定できませんので、そこが非常に私どもも関心があるところでございます。
 平成四年七月二日に厚生省が出しました介護機器等研究開発推進会議報告書というものを読みますと、育てていくべき法人として、財団法人テクノエイド協会、それからシルバーサービス振興会、この二つが出ております。ここでどの法人を選ぶのだということを聞くのがいいのかどうか、ちょっとちゅうちょするのでありますけれども、恐らくこの二つから一つを選ぶのだと思います。両方それぞれ非常に特徴がありまして、捨てがたい特徴をそれぞれ持っているわけでありまして、この一つを選ぶというときに、どういう基準で何をもって選ぶ根拠にするのか。それから、指定を外れた団体に対してはその後どんな対応をするのか。
 それからもう一つは、一つの法人が指定されましたら、およそ福祉用具、器具に関する情報はここに全国的に集中するというふうに思いまして、その情報の集中とともに、業者や福祉団体あるいは行政などに強い影響を及ぼすということは容易に推量できるわけでございまして、もう少し突っ込んだ言い方をすれば、情報や技術やあるいはビジネスも含めた寡占化が行われるんじゃないかということを若干心配するわけであります。
 この法案でもいろいろと指定法人の指定事業に対する規制が加わっておりますけれども、やはりここで蓄積された内容が公平に、そして公共の福祉に役立つような働きにしてもらわなければいけないのですが、今言いました二つ三つのこと、そしてもし団体が決定しておれば、それをおっしゃっていただきたいと思います。
#89
○横尾政府委員 先生、今二つの団体についてお話をくださいました。私どもまだ指定法人としてどこを指定するかは決めておりませんが、おっしゃられました一つであります財団法人テクノエイド協会は、福祉用具の研究開発、普及ということを目的といたしまして、主として製造メーカーの出資によりまして発足をした団体でございます。また、もう一つの社団法人シルバーサービス振興会は、福祉用具に限らず、幅広にシルバーサービスを実施する事業者を会員として設立したものでございまして、それぞれこれまで非常に重要な事業を実現してきたというふうに考えております。
 私どもまだ決めてはおりませんが、いずれにいたしましても、指定された法人は、みずから従来から行ってきた事業の延長線で考えるのではなくて、新たに関係するすべての関係者にサービスをする機関として、適切な役割を果たすものを指定していくというふうに考えております。また、指定法人については厚生大臣に対する報告をさせる、あるいは事業計画を厚生大臣の認可に係らしめるというような形で、通常の民法法人以上の厳格な指導監督を行うこととしておりまして、幅広く公平なサービスを行うように指導していきたいと考えております。
    〔持永委員長代理退席、委員長着席〕
#90
○土肥委員 通産省にお聞きいたします。
 ここは今度はNEDOを中心として研究開発部門を担おうということでございますが、平成五年一月二十九日に産業技術審議会総合部会福祉機器技術政策小委員会が出しました「福祉機器技術総合政策の今後のあり方について」という文書を読みますと、開発をして流通し、利用者の皆さんに利用してもらうためにはいろいろな問題点があるということをたくさん挙げていらして、どれもこれも的を射た報告書だと思いますが、こういう言葉がたびたび出てきます。機器の製造において多品種少量生産あるいは個別生産を強いられる、そこでJIS規格化、効率化を図らなければ、福祉機器が市場に流通することは難しいというふうに言うわけです。
 私は、ここでひとつ発想を変えていただきまして、福祉機器というのは――最近言われております一品種一生産システムというのがございます。例えば男性用の背広のメーカーなどがコンピューター化したものに体形か何か測定したものを入れて、色、柄を決めると自動的に裁断ができて、縫製まではまだできておりませんけれども、やがて縫製も始まるというふうに言われておりますが、その服を着て町に出たらどんな服に映るかというようなことまでコンピューターでシミュレートできるようになっております。
 私は、そういう時代のことを考えますと、通産省はむしろ一品種一生産というところに最大限の研究をしていただきまして、例えば北海道なら北海道の一施設がこういう障害者の車いすを設計してほしいと言ったら、それをインプットいたしますと通産省のところでそれがずっとできてきて、こういう車いすにしたらどうですかということで今度は自動生産に入る、そういう技術開発、そういう一品種一生産システムみたいなことをこれから徹底的にやってみたらどうかというふうに思います。どうもこの報告書を読みますと、何とか規格化して大量生産に持っていこう。それは無理だろうというふうに思っておりますが、いかがなものでしょうか。
#91
○松藤政府委員 多品種少量生産あるいは個別生産とならざるを得ないのは、ニーズが非常に多様であるということからくる制約でございまして、一つには、その制約を克服するために標準化あるいはモジュール化するということでございまして、その努力も続けてまいりたいと思っております。
 他方、先生おっしゃるように、全く発想を変えまして、一品種一個生産というやり方も確かに考えなきゃいかぬかなと私ども思っておりまして、実は平成五年度から車いすにつきまして、CAD・CAMを使ってまさに一品種一生産的な技術の開発ができるのじゃないかということで、これを五年度から十年度まで六年間計画で、研究開発費約五億円を投入する予定で研究を開始することといたしております。
 このプロジェクトにおきましては、体の寸法とか機能とか、それから身体障害の状況等をコンピューターに入力いたしまして、コンピューターによって個々の利用者にとって最適な車いすの寸法値が計算できるといったようなシステムの開発、それから、このシステムの計算結果をもとにして車いすの設計、製造あるいは組み立ての手順をコンピューターが出力する、またそれを製造につなげていくというようなCAD・CAMを利用する設計、生産の思想でございまして、これをとりあえずは車いすにつきましてこれから六年間かけて鋭意取り組んでまいりまして、これがうまくいきますれば、ほかの福祉機器につきましても順次取り入れることができるのではないかということで、私どもこれに大きな期待をかけているところでございます。
#92
○土肥委員 市町村の役割について質問いたします。
 市町村については福祉用具の利用の促進、こうなっております。それから県では「情報の提供及び相談のうち専門的な知識及び技術」、こういうふうに述べられております。具体的にお聞きいたしますが、地方自治体でこういうふうな利用の促進、あるいは情報の提供及び相談、専門的な知識あるいは技術を持った人というのは、どういう人を想定していらっしゃるのでしょうか。
#93
○横尾政府委員 都道府県において行います専門的な知識及び技術を必要とする情報提供及び相談担当者としては、義肢装具士や社会福祉士、介護福祉士、OT、PT、保健婦、看護婦などが福祉用具に関するノウハウを取得いたしまして、都道府県の展示・相談センターにおいて相談に当たることが望ましいと考えております。
 なお、これら有資格者の配置の状況を見ますと、都道府県レベルで設置されております介護実習・普及センターの例を見ますと、看護婦、保健婦、介護福祉士、OT、PTが配置をされております。市町村においてはなかなかこういったところまでは困難だというふうに認識しております。
#94
○土肥委員 一応そういう福祉マンパワーという人は想定されるわけですけれども、必ずしもその人たちが福祉用具、機器に関して専門的であるかというと、そうではないというふうに私は思うのであります。したがいまして、連合審査、その前の厚生委員会の間にもいろいろな質問が出ておりましたが、例えばどこかで研修とかも考えられているようでありますけれども、そこにどの程度の専門家がいるかということになりますと非常に難しくて、もはや業者を連れてこないと対応できないというような問題もあるわけであります。
 したがいまして、福祉人材、特にこの用具、機器に関する専門的な訓練あるいは適切な人材配置というものをいたしませんと、ただ車いすが置いてある、ただエアパットが置いてある、それはだれが見ても車いすは車いすなわけでありまして、自分の障害がここにこうあるからどういうふうな改造が可能かということになりますと、恐らく一切対応できないだろうというふうに思うわけであります。
 将来、福祉用具専門技術者というような資格もあるいは要るのではないか。業者を一々呼んでいては間に合わないわけでありますから、そういうことを考えます。したがいまして、今局長が挙げられました人材については、これから大いに訓練もし、勉強もしてもらわなければならない、このように思っております。
 そこで、きょう一日かけて何度も出てまいりました在宅介護支援センターのことであります。在宅介護支援センターの人材配置あるいは設備設置の内容について確認しておきたいと思うのです。在宅介護支援センターに福祉機器の展示が義務づけられておりますけれども、標準的な展示は、一体どんなものが置かれて、その予算、かかる費用はどの程度のものなのでしょうか。
#95
○横尾政府委員 在宅介護支援センターの備えるべき品目については、特に具体的に定めておりません。この展示に関係する費用については、展示スペースの整備費は用意をしておりますが、展示用品については具体的には用意をしていないというのが現状でございまして、地域によりましては、けさほどもお話を申し上げました地域福祉基金の活用で充実を図っておられるというふうに考えております。
 なお、今後でございますが、市町村中学校区に一つずつ在宅介護支援センターを整備していく中で、すべての在宅介護支援センターが先ほど来御審議のありました多品種を展示するということはなかなか難しゅうございますので、あるセンターは移動の機器について非常に能力を持っている、その近隣の部門はまた別の機器について特化をしておるというような、県のレベルの介護実習・普及センターも含めまして、役割分担が必要ではなかろうかと考えております。
#96
○土肥委員 そうしますと、最終的に平成十一年に一万カ所在宅介護支援センターが展開される。やはりこれは地域福祉、在宅福祉の最も中心的な機関、センターになろうというふうに思うのであります。
 したがいまして、この支援センターがいわば地域福祉の拠点になるということを考えますときに、福祉用具を扱い、展示し、あるいは相談業務もともに受けられるような、そういう充実が私は大変必要だというふうに思っております。積極的な機器の普及のためにも、この在宅介護支援センターが役立つだろうというふうに思うのであります。したがいまして、この在宅介護支援センターにおける福祉機器の普及というものが中心的な仕事にもなってこようかと思いますので、今後ともこの部分についての積極的な支援をすべきだ、こういうふうに意見を申し上げておきたいと思います。
 さて、この法案で一番私が問題だなと感じますのは、連携のあり方であります。二十四条、都道府県とそれから関係団体との連携、それから二十五条では指定法人及び機構の連携、こうなってまいります。
 今回、厚生省はこの法案を老人保健福祉局で提案なさったわけでありますが、障害者の福祉月旦ということからいいますれば、社会・援護局でもいいわけであります。老人保健福祉局が受けとめられたということは何か特別な理由があるのでしょうか。
#97
○横尾政府委員 福祉用具は大変幅広なものを対象としておりますので、障害者の方々あるいは障害を持つ児童の問題、あるいは病院に入院をされている方々等、多面的な場面で活用をされているというふうに考えておりますが、今回当局が取りまとめの責任に当たりましたのは、今後高齢化科会を展望いたしましたときに、障害者の多くの方々が高齢者でもあるということで、一応高齢老の視点から幅広に物を整理して考えてはどうかというのが第一点でございます。
 それと同時に、もう一つはこの福祉用具の性格そのものでございますが、具体的に障害が生じわ方々が使う道具としてのみならず、障害を防ぐ、あるいは障害を感じさせないように使うことができるものも含めまして、高齢者の予備軍も含めて、そういった視点で開発研究をすることが必要なのではないかということも一つの理由でございます。障害者の方々にとって使いやすいもの、高齢者の方々にとって使いやすいものは、私どもにとっても使いやすいという考え方ができるのではないかと思っております。
#98
○土肥委員 そうしますと、老人保健福祉局が受けとめる。社会・援護局とはどういうふうな連健一をなさるのでしょうか。
#99
○横尾政府委員 今般の法案をまとめるに際し出しても、社会・援護局、児童家庭局等あるいは厚生科学課といった関係部局に幅広に協力を求め
 て法案をまとめる作業をやってまいりました。今後ともそのように相互に連携を密にして、施策の適切な運用に努めてまいりたいと考えております。
#100
○土肥委員 厚生省内ですからこの二つはよく連携していただける、このように思います。通産省にお聞きいたします。これに通産省が入ってまいりまして、今の厚生省との連携を考えなければいけないわけです。従来もいろいろな通産省と他の省庁との連携はあったと思いますが、厚生省との連携は初めてでいらっしゃいますか。
#101
○松藤政府委員 過去にわたってすべて調べ上げたわけではございませんけれども、こういう形で法律を共同提案させていただくというのは、割合珍しいケースじゃないかと思っております。
 いずれにしましても、まず基本方針を策定いたす段階で厚生大臣と通産大臣が共同して定めるとなっておりますから、この間で通産省と厚生省は極めて緊密な連携をとりながらこの基本方針を定めることになりますし、また実際に研究開発を行う、あるいは製品の実用化を行う、あるいは普及を行うという段階につきましては、もちろん通産省と厚生省の連携は当然でございますけれども、NEDOと指定法人との連携も極めて大事だと思っておりまして、相互間で緊密な連携をとっていただく。
 さらには都道府県、市町村が実際にユーザーの方々と緊密な接点をお持ちになるわけでございますけれども、NEDOにおきましてもこういったニーズの把握という意味から、都道府県、市町村の方々とも極めて密接な連携をとっていかなければならないと思っております。
 将来の高齢化社会に向けて、こういったことで必要な分野において関係省庁が連携をとるということは当然でございますけれども、そういった意味で、通産省と厚生省は今後とも緊密な連携をとっていきたいと思っております。
#102
○土肥委員 そこにもう一つ指定法人が入ってまいりまして、そして厚生大臣が指定法人を指定するわけであります。そうすると厚生省の老人保健福祉局、そして社会・援護局あるいは児童家庭局、通産省のNEDO、そして指定法人、こう入るわけですが、これが連携をするというのですけれども、具体的にはどういう形で連携をするのか。何か協議機関などをおつくりになって連携をするのか。これは細かい開発から流通、ユーザー、そしてそのフィードバック、こうなってくるわけでありまして、これらをどういうふうに具体的に連携なさるのか、お聞きしたいと思います。
#103
○横尾政府委員 関係法人が指定された後、具体的な対応を決めることになると思いますが、私見ではございますが、開発協議会といったようなものの役割も大きいのではないかというふうに思っております。
 私ども、これまで通産省と共同でこの問題に取り組んでまいりまして、ユーザーの切実な希望というものを生かすためには、日本の産業技術が持っているさまざまな力というものをぜひ活用させていただきたいと思っておりますし、また恐らくメーカーの方々も、厚生省関係が持っている各種の情報を貴重なものとしてお考えいただけるのではなかろうかというふうに期待しておりまして、それぞれ持っている能力を寄せまして、よい福祉用具ができるようにしてまいりたいと存じます。
#104
○土肥委員 今、横尾局長は私見として開発協議会のようなもの、ここのリーダーシップ、ヘゲモニーをとるのはどこと考えたらいいのでしょうか。
#105
○横尾政府委員 正確には福祉用具ではありませんが、大事な介護や障害者の方々が必要とするもので産業技術に全く無縁で個別生産をできるのは、恐らく盲導犬ぐらいではないかというふうに思っております。残りのものは、さまざまな技術を駆使しながら、いいものをつくっていくわけでございまして、リーダーシップといいますか、ヘゲモニーといったようなものではなくて、手を相携えて開発に努めていきたいと考えております。
#106
○土肥委員 指定法人は対等の立場に立つのでしょうか。どうでしょうか。
#107
○横尾政府委員 厚生大臣との関係では、指定法人は厚生大臣の指導監督のもとに属するわけでございますが、NEDO及び指定法人の関係では、先ほど申し上げました対等な形で協議ができるものと考えております。
#108
○土肥委員 対等ということは、また無責任体制にもなりかねないというふうにも思うわけでありまして、やはりこれはもう老人保健福祉局でやるのだったら、そこがやりますというふうに、大臣に聞いても無理かと思いますが、大臣、それじゃちょっとこれは事前通告しておりませんが、今のこの四者あるいはその間の調整があろうかと思いますが、ひとつ大臣の感想をおっしゃってください。
#109
○丹羽国務大臣 先ほど局長の方から御答弁を申し上げましたけれども、法案を通していただきました後十分に協議したい、このように考えております。
#110
○土肥委員 終わります。
#111
○浦野委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#112
○浦野委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 内閣提出、福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#113
○浦野委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
#114
○浦野委員長 この際、本案に対し、平田辰一郎君外四名から、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党の五派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を求めます。網岡雄君。
#115
○網岡委員 私は、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。
 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。
    福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、適切な措置を講ずべきである。
 一 福祉用具が老人及び心身障害者の自立の促進や介護者の負担の軽減に資することにかんがみ、国民の関心と理解を深めるよう鋭意努力すること。
 二 福祉用具の研究開発及び普及が効果的に行われるよう、福祉用具の研究開発や普及について大きな役割を担う民間事業者等に対する助成、情報提供等の支援施策の充実に努めること。
 三 老人及び心身障害者の福祉用具の適切な選沢に資するため、福祉用具の利用者からの相談に応ずる者に対する研修の充実に努めること。
 四 地域における福祉用具に関する情報提供や相談を行う施設として、在宅介護支援センター等の整備の促進を図ること。
 五 老人福祉法、身体障害者福祉法等による日常生活用具給付等事業及び補装具給付等事業については、常に、福祉用具の開発状況並びに老人及び心身障害者の心身の特性を踏まえ、対象品目等について所要の見直しを図り、制度の適切な運用に努めること。
以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#116
○浦野委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。平田辰一郎君外四名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#117
○浦野委員長 起立総員。よって、本動議のとおり本案に附帯決議を付することに決しました。
 この際、丹羽厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。丹羽厚生大臣。
#118
○丹羽国務大臣 ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、努力いたす所存でございます。
    ―――――――――――――
#119
○浦野委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#120
○浦野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
      〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
#121
○浦野委員長 内閣提出、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。丹羽厚生大臣。
 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正す
  る法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#122
○丹羽国務大臣 ただいま議題となりました戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 戦傷病者、戦没者遺族等に対しましては、これまで各種の援護措置を講じてきたところでありますが、今回、年金等の支給額を引き上げるとともに、戦没者の妻及び父母等に対し特別給付金を継続して支給するなどの措置を行うこととし、関係の法律を改正しようとするものであります。
 以下、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 第一は、戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部改正であります。これは、障害年金、遺族年金等の額を恩給の額の引き上げに準じて引き上げるものであります。
 第二は、戦没者等の妻に対する特別給付金支給法の一部改正であります。
 これは、戦没者等の妻に対し、特別給付金として、百八十万円、十年償還の無利子の国債を継続して支給すること等の改善を行うものであります。
 第三は、戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部改正であります。これは、戦没者の父母等に対し、特別給付金として、九十万円、五年償還の無利子の国債を継続して支給すること等の改善を行うものであります。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いいたします。
#123
○浦野委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 次回は、来る十四日水曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時三十六分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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