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1993/04/16 第126回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第126回国会 厚生委員会 第9号
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1993/04/16 第126回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第126回国会 厚生委員会 第9号

#1
第126回国会 厚生委員会 第9号
平成五年四月十六日(金曜日)
    午前十時二分開議
出席委員
  委員長 浦野 烋興君
   理事 粟屋 敏信君 理事 野呂 昭彦君
   理事 持永 和見君 理事 山口 俊一君
   理事 網岡  雄君 理事 池端 清一君
   理事 遠藤 和良君
      甘利  明君    伊吹 文明君
      衛藤 晟一君    小沢 辰男君
      大石 正光君    岡田 克也君
      加藤 卓二君    坂本 剛二君
      鈴木 俊一君    住  博司君
      近岡理一郎君    戸井田三郎君
      中谷  元君    畑 英次郎君
      森  英介君    簗瀬  進君
      伊東 秀子君    沖田 正人君
      加藤 繁秋君    菅  直人君
      小松 定男君    五島 正規君
      田中 昭一君    外口 玉子君
      土肥 隆一君    長谷百合子君
      森井 忠良君    草川 昭三君
      吉井 光照君    児玉 健次君
      辻  第一君    小平 忠正君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 丹羽 雄哉君
 出席政府委員
        厚生省健康政策
        局長      寺松  尚君
        厚生省社会援護
        局長      土井  豊君
        厚生省老人保健
        健福祉局長   横尾 和子君
        厚生省年金局長 山口 剛彦君
 委員外の出席者
        厚生委員会調査
        室長      高峯 一世君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月十六日
 辞任         補欠選任
  岩屋  毅君     森  英介君
  坂井 隆憲君     坂本 剛二君
  宮路 和明君     中谷  元君
  川俣健二郎君     田中 昭一君
  児玉 健次君     辻  第一君
  柳田  稔君     小平 忠正君
同日
辞任          補欠選任
  坂本 剛二君     坂井 隆憲君
  中谷  元君     宮路 和明君
  森  英介君     岩屋  毅君
  田中 昭一君     川俣健二郎君
  辻  第一君     児玉 健次君
  小平 忠正君     柳田  稔君
    ―――――――――――――
四月十六日
 診療放射線技師法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第五七号)(参議院送付)
 視能訓練士法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第五八号)(参議院送付)同日
 年金改善に関する請願(山元勉君紹介)(第一
 五八八号)
 乳幼児から学童期までの保育の充実に関する請
 願(児玉健次君紹介)(第一五八九号)
 同(岩田順介君紹介)(第一七一九号)
 同(長谷百合子君紹介)(第一七二〇号)
 腎疾患総合対策の早期確立に関する請願(上田
 利正君紹介)(第一五九〇号)
 同(小川信君紹介)(第一五九一号)
 同外一件(大野明君紹介)(第一五九二号)
 同(大原一三君紹介)(第一五九三号)
 同(北川昌典君紹介)(第一五九四号)
 同(児玉健次君紹介)(第一五九五号)
 同(沢藤礼次郎君紹介)(第一五九六号)
 同(嶋崎譲君紹介)(第一五九七号)
 同(園田博之君紹介)(第一五九八号)
 同(津島雄二君紹介)(第一五九九号)
 同(辻第一君紹介)(第一六〇〇号)
 同(西田司君紹介)(第一六〇一号)
 同(平泉渉君紹介)(第一六〇二号)
 同外一件(平田辰一郎君紹介)(第一六〇三号
 )
 同外一件(前島秀行君紹介)(第一六〇四号)
 同外一件(光武顕君紹介)(第一六〇五号)
 同(森井忠良君紹介)(第一六〇六号)
 同(山元勉君紹介)(第一六〇七号)
 同(吉岡賢治君紹介)(第一六〇八号)
 同(遠藤和良君紹介)(第一六〇九号)
 同外一件(竹内勝彦君紹介)(第一六一〇号)
 同(鳥居一雄君紹介)(第一六一一号)
 同(日笠勝之君紹介)(第一六一二号)
 同(吉井光照君紹介)(第一六一三号)
 同(相沢英之君紹介)(第一六五四号)
 同(伊東秀子君紹介)(第一六五五号)
 同外一件(遠藤登君紹介)(第一六五六号)
 同(小川信君紹介)(第一六五七号)
 同(岡崎トミ子君紹介)(第一六五八号)
 同(狩野勝君紹介)(第一六五九号)
 同(亀井静香君紹介)(第一六六〇号)
 同(川端達夫君紹介)(第一六六一号)
 同(川俣健二郎君紹介)(第一六六二号)
 同外一件(菅直人君紹介)(第一六六三号)
 同(小森龍邦君紹介)(第一六六四号)
 同外一件(高村正彦君紹介)(第一六六五号)
 同(自見庄三郎君紹介)(第一六六六号)
 同(塩崎潤君紹介)(第一六六七号)
 同(田口健二君紹介)(第一六六八号)
 同(高木義明君紹介)(第一六六九号)
 同(竹村幸雄君紹介)(第一六七〇号)
 同(戸井田三郎君紹介)(第一六七一号)
 同(中野寛成君紹介)(第一六七二号)
 同(中山太郎君紹介)(第一六七三号)
 同(浜田卓二郎君紹介)(第一六七四号)
 同(福永信彦君紹介)(第一六七五号)
 同(前田武志君紹介)(第一六七六号)
 同(松原脩雄君紹介)(第一六七七号)
 同(松前仰君紹介)(第一六七八号)
 同(村井仁君紹介)(第一六七九号)
 同(安田修三君紹介)(第一六八〇号)
 同外一件(簗瀬進君紹介)(第一六八一号)
 同(柳田稔君紹介)(第一六八二号)
 同(米沢隆君紹介)(第一六八三号)
 同外二件(綿貫民輔君紹介)(第一六八四号)
 同(伊東秀子君紹介)(第一七二一号)
 同(池端清一君紹介)(第一七二二号)
 同外一件(上原康助君紹介)(第一七二三号)
 同(臼井日出男君紹介)(第一七二四号)
 同(小川信君紹介)(第一七二五号)
 同(岡崎トミ子君紹介)(第一七二六号)
 同(草川昭三君紹介)(第一七二七号)
 同(関晴正君紹介)(第一七二八号)
 同(田口健二君紹介)(第一七二九号)
 同(西岡武夫君紹介)(第一七三〇号)
 同(畑英次郎君紹介)(第一七三一号)
 同(三原朝彦君紹介)(第一七三二号)
 同(水田稔君紹介)(第一七三三号)
 同(伊東秀子君紹介)(第一七六四号)
 同(池端清一君紹介)(第一七六五号)
 同(小川信君紹介)(第一七六六号)
 同(岡崎トミ子君紹介)(第一七六七号)
 同(坂本剛二君紹介)(第一七六八号)
 公的年金制度改善に関する請願(網岡雄君紹介
 )(第一六一四号)
 同(伊藤茂君紹介)(第一六一五号)
 同(岡崎トミ子君紹介)(第一六一六号)
 同(高沢寅男君紹介)(第一六一七号)
 同(長谷百合子君紹介)(第一六一八号)
 同(網岡雄君紹介)(第一六八五号)
 同(伊東秀子君紹介)(第一六八六号)
 同(大畠章宏君紹介)(第一六八七号)
 同(岡崎トミ子君紹介)(第一六八八号)
 同(菅直人君紹介)(第一六八九号)
 同(長谷百合子君紹介)(第一六九〇号)
 同(山中邦紀君紹介)(第一六九一号)
 同(吉田和子君紹介)(第一六九二号)
 同(岡崎トミ子君紹介)(第一七三四号)
 同(小林恒人君紹介)(第一七三五号)
 同(斉藤一雄君紹介)(第一七三六号)
 同(水田稔君紹介)(第一七三七号)
 同(岡崎トミ子君紹介)(第一七六九号)
 公的年金制度の改善に関する請願(岩垂寿喜男
 君紹介)(第一六一九号)
 同(児玉健次君紹介)(第一六二〇号)
 同(三浦久君紹介)(第一六九三号)
 豊かな老後のために公的年金制度改善に関する
 請願(小野信一君紹介)(第一六二一号)
 同(大木正吾君紹介)(第一六二二号)
 同(佐藤敬治君紹介)(第一六二三号)
 同(嶋崎譲君紹介)(第一六二四号)
 同(長谷百合子君紹介)(第一六二五号)
 同(清水勇君紹介)(第一六九四号)
 同(田中昭一君紹介)(第一六九五号)
 同(田中昭一君紹介)(第一七三八号)
 同(寺前巖君紹介)(第一七三九号)
 同(水田稔君紹介)(第一七四〇号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 社会福祉・医療事業団法及び沖縄振興開発金融
 公庫法の一部を改正する法律案(内閣提出第五
 六号)(参議院送付)
 母子及び寡婦福祉法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第五五号)
 診療放射線技師法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第五七号)(参議院送付)
 視能訓練士法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第五八号)(参議院送付)
     ――――◇―――――
#2
○浦野委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、社会福祉・医療事業団法及び沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。土肥隆一君。
#3
○土肥委員 指定老人訪問看護事業が始まりまして一年、そして今回、この法改正によりまして、社会福祉・医療事業団または沖縄振興開発金融公庫から貸し付けが行われる、これはかねて訪問看護ステーションを経営する皆さんの要望でもあったわけでありまして、大変喜ばしいことだというふうに思います。
 ただし、率直に私の感想を言わせていただきますと、貸付限度額が所要資金の八〇%以内で八百万円までというのはいかにも零細企業的処方だな、これで本当に全国各地で平成十一年には五千カ所というふうな訪問看護ステーションができるのかなということも考えながら、しかし、これはぜひとも今後の高齢化社会に向けて欠くべからざる分野でございますので、我々もいろいろ知恵を出しながら推進してまいりたい、このように思っておる次第でございます
 今出されました法案の審議に当たりまして、発足以来一年しかたっておりませんけれども、この訪問看護ステーションの問題点などもお聞きし、私の考えなども述べて、今後ますますこのステーションが有効に国民の皆さんに用いられるように願ってやまないわけでございます。
 この訪問看護というのは、福祉の分野でいえば在宅福祉、ホームヘルパーさんなどの福祉部門と裏表になってくるわけでございますけれども、私がいつも感じますのは、訪問あるいは在宅といった場合には、それはそれぞれのお年寄りのいらっしゃるお宅で行われる医療行為あるいは福祉行為でございまして、一種の密室化が生まれるわけですね。病院あるいは診療所などでは、公的な目というようなものあるいは第三者の目が届きますけれども、いわば家族の中で、家の中でマン・ツー・マンで行われるこの業務というのは、責任の所在を明らかにしていないと、後でさまざまなトラブルが発生する可能性があるというふうに私は考えるわけであります。
 そこで、もう一度、この指定老人訪問看護事業の事業者あるいはスタッフ、そこで働かれる看護婦さんたち、それからそれを利用する利用者たち、この三者の関係をやはり明らかにしておく方がいいのではないか、このように思います。
 まず、事業者は医療法人なり社会福祉法人等々が当たるわけでありますけれども、そこで働く人たちはいわば雇用関係に入るのかどうか、その点からお聞きしたいと思います。もし雇用関係であるとすれば、さまざまな賃金や労働条件の取り決めもしなければいけないでしょうし、たとえパートでありましても非常勤でありましても、一定の雇用契約を交わさなければならない、このように思うわけであります。まずこの雇用形態についてお聞きいたします。
#4
○横尾政府委員 指定老人訪問看護事業者とそこに働く人との関係でございますが、定められました運営基準におきまして、その雇用する看護婦、准看護婦、理学療法士または作業療法士によって指定老人訪問看護を提供すべきであるというふうに定めておりまして、事業者と働く人の関係は雇用関係というふうに考えております。
#5
○土肥委員 雇用関係が結ばれるということでございます。
 そうしますと、一つずつ聞いてまいりたいと思いますが、例えば医師の指示に基づいて訪問看護婦さんがセンターから派遣されて、医療的、看護的行為をなさった。そこで一種の医療ミスとでも申しましょうか、何らかのトラブルが発生する。そこの相手には利用者がいる。この三者の、いわばミスあるいはトラブルを解消する上で、一体最終的な責任はどこのだれがとるのか。医者なのか、あるいは看護を行いました看護婦さんなのか、あるいはその事業者なのか、その辺の大まかな考えをただしておきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#6
○横尾政府委員 実際に訪問看護事業を御利用いただきます場面を想定いたしますと、まず利用者あるいはその家族の方から医師に対しまして申し込みが行われまして、医師がまず診察を行うわけでございます。この診察に基づいて指示書が発行されまして、この指示書に基づいて訪問看護ステーションの側が実際に看護事業についての計画を策定して、その計画に基づいて事業を行う、こういうような場面になるかと思っております。
 したがいまして、ユーザーの側と訪問看護事業者あるいは医師との関係で申せば、提供されるサービスの内容においては、通常の医療機関にかかられるのと同様な状況にあるわけでございますが、その指示書の内容と具体的な訪問看護事業の内容と、具体的にトラブルが起こったときにどちらに責任があるのかというようなことは、極めて個別具体的に判断をしなければならないというふうに思っております。また、その訪問看護ステーションに働く看護婦さんが行った業務と事業者としての責務というのも、その看護婦さんがどういうような立場で具体的にどのような事故を起こしたかによって、これも具体的に判断をしなければならない問題だろうというふうに思っております。
#7
○土肥委員 じゃ、それぞれのケース・バイ・ケースで判断をするということになりますと、現場で何かが起こったときに、もちろんそこには看護婦さんないしはそれに類する方がいらっしゃるわけですから、適切な処置がなされると思いますが、例えばそこで死亡なさったというようなことが起きた場合に訴訟が起きる。訴訟が起きたらやはり受けて立たなければいけないわけですが、そうしますと、指示した医者にあるのか、現場の看護婦さんたちにあるのか、あるいは事業者にあるのかということは、結局裁判ででも決着をつけないと問題は解決しない、そういうふうに理解していいのでしょうか。
#8
○横尾政府委員 一義的には、利用者と訪問看護事業を行う事業者との間の責任の所在についての争いになるというふうに考えますが、先ほど来申し上げているような実際の事業運営の実情から考えますと、その上で従業員と事業者あるいは訪問看護事業者とかかりつけ医の関係というのは、またそれに加えて争いの対象になり得るものだと思っております。基本的には、事業者がまず利用者との間の争いについて、当事者としてしかるべき対応をすべきものだと考えております。
#9
○土肥委員 何かこの事業の裏打ちになるような損害賠償保険制度、補償制度のようなものを組んでいらっしゃるのでしょうか、お聞きしたいと思います。
#10
○横尾政府委員 賠償保険制度を創設しております。
 概要を申し上げますと、この訪問看護ステーションの職員が行ったサービスに起因して他人に損害を与えた際に、身体賠償については一名につき一億円もしくは一事故につき一億円を限度とする、それから、物的な賠償については一事故につき一千万円を限度とするという内容のものでございます。
 私どもとしましては、老人訪問看護ステーションにおいては、このような賠償保険制度に加入しておくことは極めて必要なことと考えておりまして、都道府県を通じてではございますが、各事業者に対して必ずこの保険制度に加入をするように指導をしているところでございます。
#11
○土肥委員 費用はどこから出るのでしょうか。保険料でございます。
#12
○横尾政府委員 各事業者が負担をしていただくことになります。
#13
○土肥委員 そうすると、保険料も含めて事業者が保険を掛け、第一義的には事業者が事の処理に当たる、こういうふうに理解させていただいておきます。
 なお、事業者が看護協会あるいは医師会というふうな社団法人が受けとめる場合もあるのですが、こういう公益法人、社団法人等の事業の最終責任者はどこになるのでしょうか。
#14
○横尾政府委員 そういうような法人の場合には、それぞれの法人に権利義務関係が帰属するというふうに考えておりまして、個々の法人の代表者が個人的な責任を負うということはないと考えております。
#15
○土肥委員 法人全体で責任を負うということでございますが、もう一度申しておきますけれども、例えば看護婦さんが一人で出かけるわけでありまして、そこでいろいろなケースを調べてみますと、かなり医療的な行為も行われます。褥瘡の手当てなども、褥瘡によってはかなり厳しい医療行為であります。あるいはカテーテルの取りかえであるとかいうようなこともありまして、自分がやる行為に法的な責任がかかってくるということを意識してやっていただくのは大切なことなのですけれども、それによって非常に消極的になりまして、何もかも重い医療行為をやれということじゃございませんけれども、これをやったらまた危ない、あれをやったら危ないみたいな自己抑制が働き過ぎて、現場で患者さんの思うような看護をしていただけないというようなことも起こり得るというふうに私は思うのでありまして、その点は看護婦さんに心配なくしっかりやってくださいと言って、事業者は看護婦さんを派遣するというくらいの気持ちを持っていただかなきゃいけない。そういう意味では事業者の責任意識といいましょうか、そういうものを強く要望しておきたい、このように思います。
 さて、次に移りますけれども、この基本療養費、ほかの諸手当と申しましょうか、管理療養費などを含めて収入が割に明らかになっている。つまり、単価がはっきりと明らかにされております。したがいまして、人数分を掛ける、あるいは回数を掛けることによって容易に事業所の収入状態が推測しやすい。そういう意味では非常にガラス張りの事業だというふうに思って、大変結構だと私は思うのでありますが、その幾つかの、多くは三つでございますけれども、その収入形態で一体やれるのかどうか、やっていけるのかどうかということだと思うのです。
 そこで、まず少し確認をしておきたいのは、基本療養費が四千七百円または四千二百円ということでございますが、この額の算定根拠はどういうところからお出しになったのか、まず確かめておきたいと思います。
#16
○横尾政府委員 基本療養費につきましては、それまで行われておりましたモデル事業、あるいは人件費、物件費の動向、現行の診療報酬、例えて申しますと病院から行われる寝たきり老人訪問看護・指導料、保健婦または看護婦による場合の四百七十点でありますとか、准看護婦による場合の四百二十点等を参考にして定めたものであります。
#17
○土肥委員 では、続いて聞いておきます。
 管理療養費、それで管理業務が算定されているわけで、この管理療養費が二千四百円から二万円までと決められておりますが、それの算定根拠、管理業務というのは一体どんなものを含むのか、おっしゃっていただきたいと思います。
#18
○横尾政府委員 老人訪問看護管理療養費に含まれる管理業務でございますが、まず老人訪問看護計画書の作成、また老人訪問看護報告書を主治医に提出する事務、厚生大臣に対する事業報告書の提出事務、さらには緊急時における主治医への連絡や職員に対する研修の実施、ステーションの設備や備品の衛生管理等が含まれております。
 これらの療養費の算定に当たりましては、標準的な老人訪問看護ステーションが適切に運営できるように、モデル事業で行いました調査結果、現行の診療報酬による料金等を考えまして、中医協において設定をされたものであります。
#19
○土肥委員 そこで、あとは看護情報提供療養費というのが一千円あるわけでございまして、収入の柱はこの三つしかないということになりまして、これで収支合うのかということになります。この辺が非常に大事でありまして、今後五千カ所この訪問看護ステーションをつくっていきたいということになりますと、やはり余りきちきちとした、あるいは日本赤十字の試算によりますと、十五年たってもまだ黒字が出ない、むしろ赤字で、二千万円ぐらい赤字になるんだというふうな試算があるわけでありますが、この試算が現実に合っているかどうかは別にいたしまして、これで果たしてやっていけるのかということを単純に計算した場合に、やはり予算上のあるいは財政上のゆとりがないとなかなか取り組んでくれないんじゃないか、こういうふうに思うわけです。
 そこで、今度は、逆にこの収入から働いてもらう人たちに賃金が支払われるわけですけれども、厚生省の指導によりますと、常勤換算で二・五人というふうに定められております。看護婦さんというライセンスを持った人の常勤換算といったときに、余りにも細切れの使い捨てにならないような勤務体制をとってもらわないと、本当の意味で在宅医療に熱意を持った人、在宅介護に使命感を持った人にやっていただかないと、単なるパートというようなことでは私は困るというふうに思います。
 そこで、常勤換算二・五人といった場合に、常勤換算の換算というのはいいのですけれども、常勤というのは一体何を想定していらっしゃるのか。そして、常勤といったときに、例えば国家公務員の医療職にある方の給与、賃金などと比較して考えでいいのかどうか。それから、事業者はこの常勤換算二・五人というのを、全くそういう試算なしに事業者の自由な裁量で決めていいのか、その辺の考え方をお聞きしたいと思います。
#20
○横尾政府委員 まず常勤という、あるいは常勤換算という場合の常勤の意味でございますが、一日八時間就労して、月に二十日間働けるということを常勤というふうに考えまして、換算をすることにしております。
 そこで、働く人の賃金についてのお尋ねでございますが、最低賃金を示すというのは一つのお考えではあると思いますが、診療報酬のこれまでの体系、療養費の体系の中では、個々の賃金をお示しするということではなくて、それは個々の事業体の中で決めていただく、こういう考え方を基本としておりますので、一つの姿をお示しするというのは困難であろうというふうに考えております。
 また、委員御指摘のように、熱意のある看護婦さんに従事をしていただくというのがこの制度の帰趨を決める重要な要素ではありますが、それは必ずしも常勤ではなくて、私どもは、パートであるからこそこの仕事に参画できるという看護婦さんがかなり多くいらっしゃるというようなことも含めまして、すべてが常勤ということである必要はないと考えております。
#21
○土肥委員 基本的には私も了解いたします。しかしながら、常勤換算二・五人をばっと二十人で割ってもいいわけですし、三十人で割ってもいいわけでありまして、言葉は悪いですけれども、片手間にというか、自分の生活を主に、個人的な生活を主体にしながら、余った時間を在宅の看護婦さんに出てもらおうというねらいもわからないではないわけでありまして、そういう方もかなりいらっしゃると思いますが、私の推測するところによりますと、いわば相当な職務意識といいましょうか使命感といいましょうか、そういうものを持っておられて、そういう熱意ある人たちに何とか入っていただく。逆に、やはりそれに見合うような賃金を保障するということになりますと、結局その事業者が、精鋭主義でいくのか、ばっと大型のハードシステムでいくのかというのは選択の幅だというふうに思います。
 私は、基本的には事業者が自由裁量で構わないと思うのでありますが、ただここで問題になりますのは、この事業というのは、入りの方、収入の方ははっきりしているわけですね。ちょっと電卓たたけば、今月何百万収入があったということがわかるわけですね。そこで自分の賃金と比較して、例えば時間割りにしてみると極めて低かったというようなことになるとぐあいが悪いので、その辺の賃金設定をうまくやらないと、事業者の方にさまざまなクレームが寄せられるということも考えられるわけであります。
 それで、自由裁量は、賃金を決定するときに、指導の中では社会常識上妥当、適切な額、こういうふうに料金設定をしなさいというわけです。社会常識上妥当、適切な金額ということになりますが、これはどうなんでしょうか、ステーションごとにばらばらで、全国のそういう訪問看護ステーションの人たちが集まったときに、おたくと私のところでは賃金が時間給にして一千円も違ったなんというようなことがあると、これはやはり先々問題になろうと思うのです。どんな指導をしたらいいのかというのはちょっと考えつかないのですが、その辺の将来の見通しなど、もしありましたらお聞きしたいと思います。
#22
○横尾政府委員 まず、働く看護婦さんの賃金の点につきましては、先ほど申し上げましたように、管理者がまず十分な質と量のサービスを提供できるようにということで、地域の雇用状況を考えて賃金を決定していく、これは従来の診療報酬全体の考え方でございますから、それはそれぞれの事業者にゆだねざるを得ないというふうに私どもは考えております。
 そうした中で、委員が途中で御指摘になりました、非常に細切れなパートで質が下がるのではないかというようなこともございますが、これは管理者の責任として、使用する職員に対する研修事業というのは、技術的側面のみならず、全体として質が高まるために、勤労意欲も含めまして、そういった研修を管理者責任の一端として行ってもらいたいというふうに考えている次第でございます。
#23
○土肥委員 私の意見を言わせてもらえれば、この基本療養費の四千七百円は全部看護婦さんにいくというようなことが最も理想的じゃないか。この訪問看護ステーションの制度ができましたときに、私はやっと看護婦さんの働き、あるいは保健婦さんの働きが一回大体一時間半ぐらいで四千七百円という額が出たな、これはいいことだなと。医療の診療報酬の支払い方式で、言ってみればどんぶり勘定で、あとは病院それぞれの経営形態において看護婦さんの人件費が決められていくわけでありますけれども、そういう意味では訪問看護が始まって初めて四千七百円という額が出た。これは、基本的に看護婦さんに働いていただいたらこうなりました、そこの間には事務所の事務所費であるとか通信費だとか、もちろん管理料だけでも十分ではございませんから、幾分そこからも引かれるということはわかりますけれども、しかし、結果としては、やはり四千七百円というのは、いつもそこで働く、訪問看護に当たっていらっしゃるスタッフの頭にあるんじゃないでしょうか。
 ところが、例えばそれが時間当たり千五百円ぐらいに落ちちゃったというと、二時間やっても三千円で、随分差があるわけでございまして、その辺のことを私は心配をしているわけであります。願わくば訪問看護事業者たちがそれぞれの経営形態において、大体看護婦さんにはどれくらいお渡しすればいいのかというようなことが徐々に決まってくる、このように思っておりますので、これ以上申し上げません。私は、希望としては、四千七百円そっくりお渡しになるというのがいいのではないかというふうに思います。
 療養費、管理費でありますけれども、これは中医協で決まるということでございます。どういうふうにいわゆる改定といいましょうか、料金改定はどのように行われるのでしょうか、お聞きしたいと思います。
#24
○横尾政府委員 始まりまして一年を経過したにすぎない時点でございますが、今後この訪問看護ステーションの経営実態等について、私ども把握をしてまいりたいと考えております。そこでその実情等を中医協にお示しをいたしまして、必要があるという御判断がいただければ、そこで適切な額が改めて設定されるという手順を踏むものと考えております。
#25
○土肥委員 今度は看護サービス以外のサービスということについてお聞きしたいと思います。
 これもまた実費相当額というふうになるわけです。看護サ一ビス以外のサービス、つまり、これは家事サービスだというふうに思いますが、この看護サービス以外のサービスというのは一体どういう内容であるのか、確かめておきたいと思います。
#26
○横尾政府委員 訪問看護ステーション事業の原則はあくまでも看護サービスに伴うものでございまして、幅広な家事サービスを念頭に置いているものではございませんが、実際に各御家庭に行かれますと、突発的にどうしても必要な家事というのが、お断りできないような場面というのがあることを想定いたしまして、そうしたものについては実費相当を徴してもよい、こういう趣旨でございます。
#27
○土肥委員 実は、ここはホームヘルパーなどの福祉の部分と重なってくるわけでありますが、まだ福祉と、つまり、ホームヘルパーさんの仕事と訪問看護ステーションの仕事がうまくかみ合っていないということもありまして、かなりこの部分でいろいろな要求が出てくるんじゃないかというふうに私としては思っております。例えばそのときに、買い物であるとかあるいは調理、お掃除、洗濯とかというようなこともやってほしいという希望は当然出てくると思うんですね。
 例えば、清拭が終わって、褥瘡の手当てもきれいになって、さあこれで終わりだと思ったら、そのお年寄りは朝から何も食べていなかった、お昼も食べていない。午後から行ったとしてですね。そうすると何も食べていないということになって、それを聞いて何かちょっとつくってさしあげようということになれば、冷蔵庫をあけて材料がそろっていればいいですけれども、買い物から始まってお料理までつくらなきゃいけないというようなこともあり得ると思うんですね。それは業務じゃありませんからといって、二百五十円もらってはっと引き揚げていくというふうなことでは、何となく在宅看護あるいは在宅福祉というものにふさわしくない態度だというふうに思うわけです。
 そこで、例えばこの家事サービスが行われたときに、事業者はその家事サービスについても全部規定をつくっておくのでしょうか。一時間幾らで、そして実費相当はいただくにしても、ライセンスを持った看護婦さんが家事サービスをやったときの料金設定などは、何か具体的な指示がありませんでしょうか。
#28
○横尾政府委員 お話しございましたような場面というのは、しばしば起こり得るのではないかというふうに想定をしております。そういう中で、その家事サービスというのは本来のこの訪問看護ステーションの目的とするところではございませんので、それについてあらかじめ料金を定めるというようなことではなくて、あくまでも突発的、付随的なサービスとして、実費相当という線で費用を徴収するというルールにしております。
 さて、そういうような場面がしばしば起こり得るときにどうするかということになるわけでございますが、この訪問看護ステーションは、ある意味で地域のニードのセンサーの役割を果たすわけでございまして、そのことを想定いたしまして情報提供療養費を設定しているわけでございますので、地域のホームヘルプサービスあるいはその他の在宅サービスヘの連携といったことに設定されました療養費を御活用いただいて、全体としていい在宅サービスができるように取り組んでいただけたら大変ありがたいと思っております。
#29
○土肥委員 これは私の意見として聞いていただきたいのですが、やはり料金ははっきりしていた方がいいと思うんですね。ここまでは保険で出ますよ、だけれども、これから先は家事援助に入りましたから、例えば人件費としては一時間千円いただきますと。そしてあと材料とかなんとかは、実費程度というようなことはいいわけであります。
 この辺は、私は事業者の裁量に任せた方がいいのかなと思いながら、おのずから一定の結論が出るだろうと思いますので、この時点で余り詰めない方がいいかなとも思いますけれども、しばしばそういう事態が起こるということと、それじゃ例えば情報提供で福祉事務所に電話して、すぐ来てくださいと言ったらホームヘルパーさんが来るかといったら、米やしないわけですね。それがだめだ、それじゃボランティアグループに電話をかけるのか、そんなことをしていたらステーションとしても大変でございまして、サービス調整チームがもっと充実すれば、そういう切れ目のないサービスというのが展開されると思いますが、やはり私はここで申し上げておきたいのは、超過サービスについては人件費も含めてきっちりとお取りになった方がいい、そしてそれをきちっと収入に上げまして、報告をなさった方がいいというふうに考えます。
 そのことについてどうですか、何か御意見ございますでしょうか。
#30
○横尾政府委員 恐らくさまざまなサービスの求めがこれから行われると思いますので、利用者に対してきちんとしたサービスの内容と、その経費についてあらかじめお示しするというのは、こういう個人との取引を進める上での前提として大変重要なことだというふうに私は考えております。
#31
○土肥委員 今回の貸付金でお尋ねしておきたいと思います。
 冒頭申しましたけれども、総額八百万、訪問看護ステーションを今やっていらっしゃる皆さん、あるいはこれを始めようとしておる直前の皆さんにとっては、ある意味で非常にありがたい貸付金制度だと思います。しかしながら、私はもう少しこの貸付金に幅を持たせて、八百万という上限もできたら二千万ぐらいまで上げていただいて、まず当座、立ち上がりでは心配がないというふうなステーションづくりに国民の皆さんに参加していただきたい、こういうふうに思うわけであります。この建築資金百万というのは一体何なのか、こう考えてみるわけですが、どんなことを考えていらっしやるのでしょうか。
#32
○寺松政府委員 今回創設いたします融資制度でございますけれども、貸付限度額を所要資金の八〇%以内で八百万円以下といたしました。その使途の中で、建築資金については敷金を含め百万円以内ということにしておるわけでございます。
 これは先生も御承知でございますけれども、老人訪問看護ステーションについては、病院だとか診療所なんかとは違いまして、大規模な施設設備は必要がない、また、既存の病院等の建物の一部を使用するという場合が多いというふうな実態がございますから、建築資金は、既存の建物の改修あるいは事務所の賃借の際の敷金というふうなものに充てられるものと考えておるわけでございます。したがいまして、老人訪問看護ステーションの開設の際には、現在予定しております融資条件によって必要な資金需要にはこたえられるのではないか、このように考えておるわけでございます。
#33
○土肥委員 いろいろな統計を見ますと、借家があったり貸しビルの一里を使っていたり、あるいは新築で建てられたり、あるいは一戸建ての建物を一戸ごと借りていらっしゃるというようなステーションもあるわけでありまして、あとは自分でお金の用意をしたのだろうというふうに思いますけれども、壁紙を張りかえる程度というふうに言えば、ちょっと皮肉に聞こえますでしょうか。それからもう一つは、間借りでよろしいというような、極端に言えば建築用プレハブでもよろしいというふうに、百万円だと聞こえるわけですね。
 したがいまして、これからいろいろな人がそこに出入りしたり、相談業務をやっていただき、事務所にもいろいろ相談においでになる、あるいは病院併設であれば、いろいろなケースワーカーとの相談において訪問看護ステーションに回ってこられる方もかなりあるだろうと思いますときに、余りみみっちくするのもどうかというふうに思うわけであります。今後事業団の方で、実情に応じて、もう少し胸を張ってやれるような事務所なども考えられていいのではないかというふうに思います。
 そこで、八百万というお金はそんなちっぽけな金でもないわけでありまして、これは返していかなきゃならない。これを借りるときに、どうでしょうか、従来事業団は担保をとったり連帯保証人などを立ててまいりましたが、この老人訪問看護ステーションでも同じような手法でおやりになるのでしょうか。
#34
○寺松政府委員 今先生が御指摘になりましたが、社会福祉・医療事業団が病院等に融資する場合には、原則といたしまして融資対象の建物及び底地に担保を設定いたしまして、原則として二人以上の保証人を求めるというのが通常でございます。
 この老人訪問看護事業につきましての融資の際の具体的な手続等につきましては、今後、業務方法書等で定めていくことになるわけでありますが、できる限り事業主体の負担とならないように配慮してまいりたいというふうに考えておりまして、資金需要に適切に対応できるように考えてまいりたい、このように考えます。
#35
○土肥委員 少し細かいことを二つ、三つ聞いてみたいと思います。
 訪問看護をなさる場合に回数の制限などがございまして、例えばがん患者さんに対しては回数制限はなし、しかし原則として週二回、万八回ということになっておりますが、場合によっては、がんだけではなくて、普通のお年寄りでもターミナルがあるわけでありまして、そうなれば、常日ごろ出入りしていらっしゃる看護婦さんが自分の制限回数の中だけで済ませてしまうということはできないと思うのですね。そうすると回数がふえる、そうなると療養費が上がるということになります。あるいは、場合によりましてはいろいろな感染症を持っていらっしゃる方もいまして、そういう方に接触するという場合にも、やはりある程度の準備も必要でございます。
 そういうふうなケース・バイ・ケースというのはしょっちゅう出てくるわけですが、一律にやるということは無理が出てくるであろう。そうすると、ステーションなり看護婦さんのいわば個人的なボランティアということになってしまうことも多うございましょう。そういうことで、どうでしょうか、もう少しきめ細かい回数あるいは加算制度といいましょうか、そういうものもお考えになったらどうかと思うのですが、いかがでしょうか。
#36
○横尾政府委員 回数についてはいろいろな方面から御指摘があるわけでございますが、その問題は、実はこの訪問看護事業が何を目的としているかという出発のときの考え方に基づいて、今運用されているところに由来しての異なる御意見だというふうに私ども理解をしております。
 従来、御家庭へ出向いての訪問看護というのは、医療機関から直接出向く訪問看護事業というのがあるわけでございまして、今回の制度は、そうしたものに加えて、医療機関から独立した形で行うものを新たに設けたわけでございます。そこでは、お話にありましたような病状が刻々と変化をするような方については、やはり医療機関からの制度を御活用いただいて、この訪問看護ステーションは安定期にある患者さんの介護を中心とした看護サービスというところにねらいを置いている性質上、回数についても現在の程度でよろしいのではないかというふうに考えております。
#37
○土肥委員 これも今後の経験則に従って、おのずから変わってくるであろうというふうに思います。かなり看護婦さんが自己負担でというか、ボランティアでお手伝いなさる面が出てくるであろうということを想定しているわけでございます。
 さて、要は老人訪問看護ステーションのこれからの国民的な取り組みというものが要請されるわけでありますが、今のところ五千カ所には到底及ばない。一年で百五十四カ所というふうに、ことしの一月現在で出ておりますけれども、どうしたらいいかなというふうに私が思いますときに、一方で在宅介護支援センターが福祉の部分であるわけでありますから、そういうセンターの設立と訪問看護ステーションが合体化する、それが両々相まつ。例えば、訪問看護ステーションが既にできておればそこに在宅介護支援センターを持っていく、在宅介護支援センターがあるところには訪問看護ステーションをつけるように、いわば双方で全体的な数をこなしていくようなインセンティブを働かせたらどうかというふうに思います。
 それとともに、もう一つは、医療法人、社会福祉法人、そして看護協会あるいは医師会等の社団法人等となっておりますね。その部分の「等」でありますが、私は、やはり公益法人以外の民間法人、あるいは民間事業者たちの積極的な参加も今後認めていくべきじゃないかというふうに思っております。
 まずその前段、在宅介護支援センターとのコンビネーション、それから民間事業者の参入ということについて、当面のお考えをお聞きいたしたいと思います。
#38
○横尾政府委員 在宅介護支援センターと訪問看護ステーションの併設ということについては、私どももぜひこれを促進したいという気持ちでおりまして、関係者にも働きかけていきたいと思っております。
 二番目の民間事業者の訪問看護事業への参画でございますが、これについては当委員会でも慎重に取り組むべしという趣旨の御意見をちょうだいしておりますので、私どもももうしばらくの間は、この制度の運営実績や普及の状況を見た上での判断ということにさせていただいております。
#39
○土肥委員 最後に大臣にお聞きいたします。
 これから先、福祉、医療、在宅福祉、在宅医療と申しましょうか、急いで展開していかなければならないわけでありますが、この看護ステーションとホームヘルプ事業とが一緒になるように、そして国民の皆さんは、医療と福祉をずっとつないでサービスが受けられるような、そういう施策の拡大を願っているわけです。多様な受け皿とサービスが連続するということが望ましいと思いますが、今後どのような御決意で取り組んでいかれるか、お聞きしたいと思います。
#40
○丹羽国務大臣 寝たきりのお年寄りの皆さん方が、家庭や地域社会においてできるだけ自立をして生活ができる環境整備をするということは大変これから重要な問題である、まずこのように考えているような次第でございます。
 先ほどから先生からも御指摘がなされておるわけでございますけれども、在宅で安心して過ごせるために、いわゆる医療サービスの享受というものが不可欠だ、介護とともに医療サービスが不可欠であります。今回の訪問看護ステーションというのは、いわばそういう意味においては医療サービスの提供を行う、こういうことでございます。いずれにいたしましても、高齢者の心身の状況に応じて適切なサービスを提供していくためには、御指摘のように、老人訪問看護とホームヘルプサービスなどの福祉サービスというものの密接な連携が保たれるよう配慮していく必要があると考えております。
 先ほどからいろいろな御提案がなされておるわけでございますけれども、市町村の高齢者サービス調整チームやあるいは介護支援センターにおいて、これらのサービス相互の連携が図られるようにしていかなければならない、こういうことは言うまでもないわけでございますけれども、御案内のように、平成五年度から市町村の老人保健福祉計画というものを策定をお願いすることになっておるわけでございます。この市町村の老人保健福祉計画において地域の高齢者のニードというものを的確に把握して、総合的な供給計画というものをつくらなければならない。
 いずれにいたしましても、御指摘の医療、福祉に加えまして、さらに保健、この三つが絡み合って総合的な推進を図っていく決意でございます。
#41
○土肥委員 終わります。
#42
○浦野委員長 加藤繁秋君。
#43
○加藤(繁)委員 きょうは、社会福祉・医療事業団法の改正について幾つかお伺いをしたいと思います。
 何か言葉の中で高齢化社会というふうによく言われるのですけれども、高齢化社会というのは何か金が随分とかかって、余りいいイメージではないのですね。ですから、私はやはり長寿社会というふうに呼んだ方がいいのではなかいか。つまり、長生きは非常にすばらしいことなんだ。高齢化社会がやってくると言いますと、金がかかって邪魔になるような印象がありますので、私は日ごろから長寿社会というふうに言っているのですけれども、政府の方でも、長寿社会という時代が来るというふうな言葉の使い方の方が、むしろお年寄りにとりましては適切なのではないかというふうに、まず思うのです。
 いずれにしましても、長生きをするということの中でいろいろな形態が生まれまして、そしてその中で寝たきりになる方がふえるのも、これまた当然である。そういうことに対して厚生省はゴールドプランをつくりまして、施設と在宅と両方の面で、しかもその中では在宅の面でのそれを優先させながら、いわゆる寝たきりというものはなくそう、そういう方向が打ち出されていますけれども、その一環として今回、寝たきりに対して医療の面を含んだ老人訪問看護の事業所をたくさんつくっていこう、そういうねらいでの貸し付けを図るという提案でございまして、私は大変よいことだと思っております。ぜひ前進させなければいけないなという立場で、幾つかお伺いをしたいと思います。
 聞きますと、この老人訪問看護ステーションというのは現在百五十四カ所だそうでございまして、それを何か平成十二年までには五千カ所に広げたいという目標があるそうです。五千カ所といいますと大体市町村に一・五ぐらいな感じになるのですけれども、これは大変な作業でございまして、一体どのような努力を今後行っていこうとするのか、まずその点からお伺いしたいと思います。
#44
○横尾政府委員 五千カ所を目標としておりますが、これの整備を図っていく上で幾つかきちんと対応しなければならない問題がある。
 その第一は、関係者のこの制度についての御理解という点がまず大きゅうございます。それにつきましては、医療法人、社会福祉法人等も含めまして、この制度の重要性についていわゆるPRをさせていただいているところでございます。
 それから二番目が、経営が安定するような仕組みを考えるということであろうと思いますが、その点につきましては、療養費の面では、従前のモデル事業等の状況を踏まえながら設定をさせていただきましたことと同時に、この利用料につきまして税制上もかなりの配慮をしたつもりでございます。例えて申しますと、法人税につきまして医療機関と同様の概算経費率を設けるとか、事業税について二百五十円の利用料分については非課税ですし、その他の利用料についても大幅な軽減税率を適用する、そしてこの御提案申し上げております低利融資という形で、経営を安定させていきたいと思っております。
 三番目が、地域へ定着をする行政機関も含めての取り組みの促進体制でございまして、これは、現在進めております市町村の老人保健福祉計画の中にこの事業を織り込むように指導しているところでございます。
 それらのそれぞれの効果が相まって、何とか五千カ所の目標を達成したいものと考えております。
#45
○加藤(繁)委員 先ほど土肥委員が、民間のボランティア組織などにもそうした場合に枠を広げなさいとお伺いしたときに、現在としては慎重な対応をしていきたいというふうにお答えになりました。その慎重に対応するという意味ですけれども、将来において例えば五千カ所、今後八年間の中で、今百五十四ですから、五千というのは相当なハイスピードで進まなければいけないということですので、将来においてはそういう中に当然含まれるものとして考えたいけれども、現実は少し見守りたいという意味なのか、それともそういうことは全然考えていないという意味なのか、それはどうでしょうか。
#46
○横尾政府委員 先ほど私が御答弁を申しました民間というのは、例えば営利法人等も含めまして民間事業者がこの仕事に参画することにつきましては、かつて老人保健法改正案を御審議いただきましたときに、当委員会で慎重に対応するようにという御指摘をいただきましたので、そのラインで慎重に検討させていただくというスタンスでお答えを申し上げました。ボランティアでありますとかその他さまざまな組織があろうかと思いますが、それについてはケース・バイ・ケースで、この事業にふさわしいものであれば検討をさせていただきたいと思っております。
#47
○加藤(繁)委員 よくわかりました。
 それでもう一つ、数の問題についてお伺いしたいのですけれども、八年間で五千カ所ですから、相当なハイスピードというのは先ほど申し上げました。その中で、例えばバブル経済じゃありませんけれども、非常な速度で膨れ上がっていくものですから、中には例えば悪質なのが生まれるかどうかわかりませんけれども、あこぎなことをやるとか、あるいは家の中に入りますから、変なことが起きる可能性がないことはないわけです。そういう訪問看護ステーションは私はできないと思いますけれども、一つの問題としては、訪問看護ステーションと国の責任、どういう関係にするのか。つまり、指導監督するというような立場にあるのかどうなのかということですね。それからもう一つは、それではその場合は取り消す、そういう取り決めがあるかどうかということについてはいかがでしょうか。
#48
○横尾政府委員 訪問看護ステーションの運営につきましては、都道府県及び国に対しまして報告をさせることを義務づけております。また、御指摘のような不適切な事態が生じましたときには、指定を取り消すということも可能でございます。
#49
○加藤(繁)委員 ここに「老人訪問看護制度の概要」というのがありますけれども、その中には指定を取り消すという項目はありませんね。それはどこでそういうことを審議してやるのかということです。
#50
○横尾政府委員 先生お手元の資料はこれでしょうか。ちょっと違う資料がお手元にあるのですと恐縮でございますが、関係の条文を申し上げますと、法律の中に都道府県知事が指定を取り消すことができる場面が書いてございまして、その中で非常に運営が適切でないものも、一定の手続を経て指定を取り消すことができるようになっております。
#51
○加藤(繁)委員 はい、わかりました。
 それじゃ次に移りますが、この老人訪問看護というものは、一回行きますと、実際に寝たきりになっておる方は二百五十円払いますね。まあ通勤といいますか、交通費は一キロ五十円でやるということなのですが、実際に寝たきりを抱えているお年寄りを持っている家族という立場から見ますと、特別養護老人ホームという、例えばそういう施設の方に入れたら簡単ではないか、どうしてもこういうふうに考えてしまいたいということ。同時に、一週間に一回ホームヘルパーさんが来て、あとはもう家の中でほったらかし、私はもうお勤めに行きます、こういうふうにもなかなか家族としては割り切れない気持ちがある。したがって、実際にそういうお年寄りを持っている家庭から見ますと、厚生省さんが寝たきりをなくして、在宅でそういうことをやれるんだというようなことを言っていますけれども、残念ながら現状としては、施設の方へ施設の方へ流れてしまうという現状があると私は思うのです。
 そこで、厚生省として、どのような条件が整えば施設の方へ向かわないで、在宅でしっかりと家族も安心してできるというように考えているか、その条件をひとつお伺いをしたいと思います。
#52
○横尾政府委員 在宅を支える条件というのは、それぞれの高齢者の方々の状況によってさまざまで、なかなか一概には申し上げにくいと思いますが、大胆に整理をして申し上げるとすれば、一つは御本人の気持ちであろうと思っております。この御本人の気持ちは、多くの方々ができるならば住みなれた地域でと思っていらっしゃるのであろうと思いますので、在宅サービスはそれを支えるものとして進めていかなければいけないと思っております。
 二番目が、実は御自身の療養の部屋も含めまして家屋の問題、あるいは生活の物的な環境の問題、これもなかなか大きいと思っております。それも整備が必要でございます。
 三番目に、御指摘のようなさまざまなサービスの必要性があるわけでございますが、私どもとしては、この訪問看護サービスのほかに、ホームヘルプサービスあるいは食事の配送をするサービス、入浴サービスのようにその家に出向いて行うサービス、それからデイサービスセンターやショートステイのように、在宅が基本であるけれども周辺の施設を利用して行うサービス、これを組み合わせて在宅を成り立たせていきたいというふうに考えております。
#53
○加藤(繁)委員 今おっしゃったことは、私もそうだろうと思うのです。しかし、実際問題として、私が先ほど申し上げました自分の家族、つまりお父さんとか自分の息子や娘、お母さんとか兄弟とか、そういう方が寝たきりになったという場合については、現実どうしたって勤めている場合は、それを退職してその方を介護するという、これは普通そういうふうに考えてしまうのですね。先ほど申し上げたようなことだけでは、家族の人たちから見れば、だったらもう、はいそれでいいですというようにはなかなかなっていない現実が今ある。
 特別養護老人ホームなんかへ入りますと、一人年間大体三百万円近いお金が援助されるということですね。ところが、在宅で見る場合にはそういう援助はないということです。もちろん先ほど言ったようなことはありますけれども、まずそういうところに格差があるということ。同時に、例えば一年間なら一年間休んでするという介護休暇というような問題とか、あるいは介護の手当ですね、これも市町村によってやっているところはありますけれども、非常にばらつきがある。やっているところでも月一方が最高ぐらいで、そういうことにもほとんど影響がない。そうなってきますと、今おっしゃったようなことを言いますけれども、現実肉親という問題から見ると、在宅で見るというのが非常に難しい。
 ですから、そういう中でもやるとすれば、例えば介護休暇ということについて厚生省として、労働省がやっていると言いましたけれども、もう少し前向きに考えるとか、あるいは介護手当の問題を国としてもう少ししっかりと確立をするとか、そのように仕事をやめてもそれに見合うものをやはりはっきり打ち出さないと、なかなか在宅で見るというふうにはならないのではないかなと思う
 のですが、いかがでしょうか。
#54
○横尾政府委員 自分の気持ちを申し上げるのは恐縮なのですが、私は、できることならば、仕事をやめて手当をもらうというよりは、仕事を続けて介護と両立をさせていくという道を、困難ではありますが、進めていくことを多くの女性が望んでいるのではないかというふうに思っております。したがいまして、介護手当との関係でいえば、まずこの在宅サービスを強力に推し進めて、毎日でも利用できるような方向へ持っていくことが必要なのではないかと思っております。
 ただ、おっしゃいました介護休暇の制度については、仕事を将来に向けて続けていくことの、両立を可能にする大変重要な施策というふうに私どもも考えております。
#55
○加藤(繁)委員 局長がおっしゃいましたように、確かに仕事を続けて、しかも見られる、両立ができる、それがもう一番いいです。ただ、実際にそれはそれとして進めてもらわなければ困るのですけれども、それでも実際にやめてしまうとか、あるいはやめないまでも、親の負担が非常に大きいという問題がありますから、なおかつそういうことについてもしっかりと打ち立てることが必要なのだと思うのですよ。
 介護休暇は考えていきたいということですけれども、介護手当についてはどうでしょうか。
#56
○横尾政府委員 私どもは、まずは具体的なサービスを提供するために最大の努力をすることが今必要だというふうに考えております。それを前提とした上で、手当の問題も慎重に検討させていただきたいと思っております。
#57
○加藤(繁)委員 これは実際に患者を持っている、患者と言ったら悪いですけれども、寝たきりを持っている人の気持ちですから、ぜひそういう気持ちを受けとめていただきたいと思います。
 次に、そういうような五千カ所に向かって進んでいくわけですけれども、進んでいく上で、どうしたって市町村に移譲されたものでございますから、そこが主体になってやる。しかも事業所の主体的な力というのもありますので、各市町村においてどうしてもアンバランスが生まれてくるのは間違いないことでございまして、そのアンバランスをできるだけ埋めていく、そういう国の指導についてはいかがでしょうか。
#58
○横尾政府委員 市町村ごとに取り組みが異なってくるということは当然あり得ることでございまして、具体的な施策の進捗について出るアンバランスの前提として、まずそれぞれの自治体でニーズが異なっているということが、一つアンバランスを生じせしめる可能性はございます。ある自治体では既にかなりの施策があって、新しい施策に取り組まなければならないとか、御家族でのお世話ということを重視される風土があるとか、さまざまなことがございますので、ニーズによっては異なってくると思います。
 その上で、なおニーズが一定であるにもかかわらず取り組みが異なってくるというようなことも考えられますが、一応私どもは、各自治体の取り組みも、全体として都道府県の計画という形で、地域的な施設の偏在等を是正するように仕組んでおりますし、各市町村についても一定のニーズに対して供給するべきサービスの目安ということもお示しをしておりますので、そういうことでアンバランスは是正されていってほしいものだと思っておりますが、基本的にこのサービスは市町村に責任をおろしましたので、よく状況を御理解いただいた上で、当面のお取り組みについて各自治体がある道を選ばれるとすれば、それはそれでやむを得ない面も、ある部分残るのではないかというふうに思っております。
#59
○加藤(繁)委員 今言われたような趣旨で、ぜひバランスをとるように統一的な指導をお願いしたいと思います。
 次に、この訪問看護制度というのは、大体原則として七十歳以上のお年寄りということですね。ところが、実際に寝たきりになる場合は、七十歳にならなくても、障害によって起きる場合があるわけなのです。この障害者の方についてはもちろん特殊な施設がありますから、それはそれでいいのです。しかし、その施設が満杯で家で見なければいけない、こういう場合について私の考え方としては、老人訪問看護制度ですから、老人でなければいけないというのは当たり前のことなのですけれども、寝たきりになっているという実態から見れば、障害者の方も共通をしていると思うのです。ぜひこの際、障害者の方についても、このような制度が適用されるように、厚生省としては取り組んでいただきたいなということですが、いかがでしょうか。
#60
○横尾政府委員 この制度が老人保健法の中で御検討が生じてきたというのは、一つには、今後の高齢者の極めて急速な増加ということを念頭に置きました場合に、従来のように医療機関から派遣されて行う訪問看護のみでは十分ではないはずだ、その従来型のものに加えて、新しい施策が必要ということでお認めをいただいた制度だと私どもは理解をしております。
 御指摘の年齢の若い方につきましては、既に保険医療機関からの訪問看護が診療報酬上認められておりまして、これで対応することが可能なのではないかというふうに思っております。
#61
○加藤(繁)委員 今、厚生省はそういう答弁ですけれども、障害者の担当の方はいかが考えているでしょうか。
#62
○土井政府委員 ただいまのお話でございますけれども、障害者の医療の確保につきましては、基本的には医療保険各法に基づく必要な施策という形で、今老人保健局長が申し上げましたような施策に相なります。
 ただ、障害者に対する福祉的な施策という観点から、御案内のとおり、ホームヘルパーの派遣でありますとか身体障害者健康診査事業、あるいは障害を軽減、除去するための更生医療の給付、補装具の給付といったような障害者のニーズに対応した対策を講じてきているところでありまして、今後とも、そういった点では私ども努力してまいりたいというふうに考えているところであります。
#63
○加藤(繁)委員 障害者の方は障害者であるというふうにおっしゃいますけれども、実際に二百五十円で来てもらえるというような制度にはなっていないと私は思うのです。ですから、建前はもちろんありますけれども、少しそこは緩やかに考えて、実際としてはもう寝たきりになっているのですから、寝たきりの障害者にも、市町村と話し合いをして、ちゃんと二百五十円出せばそこにも行ってもらう、こういうふうにするべきだと私は思います。再度お答え願いたいと思います。
#64
○横尾政府委員 障害者の方については、先ほど申し上げました診療報酬上の訪問看護事業ということで、ある意味では一定の自己負担で同様の看護サービスが受けられるような、あるいはこの訪問看護事業よりは医療的な色彩を含んだ看護事業も含めまして受けられるような体制ができておりますので、まずそれの御活用をいただくことが適当だと考えております。
#65
○加藤(繁)委員 障害者の中にも程度がいろいろありますから、確かにもっと厳密な医療の面の援助が要る方もいるし、一方ではもう七十歳以上の寝たきりの老人と非常に症状がよく似た障害者の方もいるわけなので、そこはひとつ画一的に考えてほしくないなというような気持ちで、ぜひ受けとめていただきたいと思います。
 土井局長にもう一度お伺いしたいと思いますが、障害者の問題につきましては、これも去年、おととしからですか、権限移譲が町村にされて、今いろいろな日常生活の用具給付事業というのが始まっていますね。これについて、まず事実認識として、各町村につきまして、不支給になったりとかあるいは十分な意思統一がされていないという中で、バランスが十分じゃないのじゃないか、こういう事実が私の方にも来ているものですから、まずその事実認識についてお伺いしたいのと、同時に、そういうバランスが非常に悪くて、このままでいきますと、ある町村はオーケーだけれどもこの町村はだめだとか、こういうふうになっても困りますので、ぜひそこのところは統一的な対応をお願いしたい。この二つについてお伺いしたいと思います。
#66
○土井政府委員 ただいまお話しの障害者に対する日常生活用具の給付事業でございますけれども、御案内のとおり、平成三年一月から町村に仕事を移譲するという形に相なっております。
 まず、実態はどうなっているかというお尋ねの点でございますけれども、私ども、都道府県を通じまして町村に対して必要な事業の実施の指導をお願いしているところでございまして、ただ制度上、これは町村の判断にゆだねるという仕組みに切りかえたものですから、若干のばらつきというものが生ずることはあり得べしというふうに考えているところでございます。ただ、こういった事業につきましては、できるだけどの町村でもそういったサービスを受けられる、そういう給付を受けられるということが私どもとしては必要であると考えておりますので、さらに都道府県を通じまして、そのような形の事業実施が図られますように努力してまいりたいと考えているところでございます。
#67
○加藤(繁)委員 終わります。
#68
○浦野委員長 長谷百合子君。
#69
○長谷委員 この法案でございますが、その目的として、高齢化が急速に進行する中、在宅医療の推進を図るために制度化された指定老人訪問看護事業者を社会福祉・医療事業団及び沖縄振興開発金融公庫による政策融資の対象に加え、同事業の普及を図り、もって在宅の高齢者に対する総合的なケア体制の整備に寄与する、こうあるわけです。
 そこで、この融資制度を受ける対象とそれから設置主体、これについて御説明願えますでしょうか。
#70
○寺松政府委員 御質問にお答えいたしたいと思います。
 社会福祉・医療事業団の医療貸付制度におきます融資対象施設というのは、御承知のとおり、病院、診療所、老人保健施設、医療従事者養成施設など十一種類の施設となっております。
 それからまた、もう一つの御質問の設置主体でございますけれども、個人、医療法人、民法法人、社会福祉法人、学校法人などでございます。
#71
○長谷委員 今の御答弁の中にありました、昭和六十三年度より施行されております老人保健施設の開設状況はどうなっておるのでしょうか。
#72
○横尾政府委員 老人保健施設は、平成四年十月末現在で五万四千九百九十七床が開設されております。
#73
○長谷委員 その五万四千九百九十七床、このうち市町村が設置主体となっているのは一体何カ所あるのですか。
#74
○横尾政府委員 市町村が設置主体となっている老人保健施設は、二千三百一床でございます。
#75
○長谷委員 病院の経営主体の割合、先ほどもありました法人とか個人、それから公的病院、こういったものはどういう割合になっておるのか。そして、その経緯とおのおのの役割というのはどういうふうにつかんでいらっしゃいますか。
#76
○寺松政府委員 平成三年十月の医療施設調査というのが直近でございますので、それによりますと、病院は一万六十六カ所ございますが、そのうち医療法人立が四千三百七十七、個人立が二千九百十八などになっておりまして、これらが私的でございますけれども、私的なものが全体の約八割を占めております。一方、国立が四百病院、自治体立が千七十九、公的なものは全体の約二割となっております。
 その次の御質問の経緯でございますけれども、我が国の医療供給体制というのは自由開業医制を基本といたしまして、民間医療機関を中心に整備が進んできております。病院についても個人立のものが多かったわけでありますが、その中で医業経営の永続性の確保等の観点から、医療法人立によるものも近年は増加をいたしてきております。
 一方、公的医療機関については、国民に必要な医療を確保するとともに、医療の向上を図るための中核的なものとして整備されてきております。特に救急医療、僻地医療等の民間医療機関に期待しがたいような医療の分野、あるいは高度または先駆的な医療というふうなものに重要な役割を果たしておると考えております。
#77
○長谷委員 そのバランスが、老健施設のうちの八九%が民営といいますか、法人、個人ですね。病院の場合は八〇%がやはり民営であり、法人であるということになっております。もちろん民間が悪くて公がいいということはないかと思うのですが、事こういう福祉の問題に関しては、営利的には非常になじみにくいという性質があるかと私は思うのですね。ですから、利用者の立場に立って最も使いやすいということが、一番中心的に考えられなければならないわけです。
 そういう意味で、福祉は、今のお話の中でも、僻地というところには公的なものでフォローするというお話もあったかと思います。それも一つの公的な責任であることは認めておりますし、当たり前なんですが、逆に営利が優先していくという形になりますと、例えば大都市の非常に地価の高い部分、こういったところでは、営利上の問題でいくと、地価がこんなに高いならば、多少不便になっても、利用する方から見ればちょっと遠いな、あっても安いところということになりはしないか、こういう心配があるので、先ほどからしつこく伺っておるわけです。
 そういったところで、例えば都市の地価等の高いところ、こういうものに対してどのような公的責任、利用者側に立った対応ということを考えていらっしゃるのか。この辺はいかがでしょうか。
#78
○横尾政府委員 現状では、確かに都市部においては整備が進んでいないという問題がございます。そこで私どもとしても、都市部での整備を進めるべきだという認識のもとに、施設整備費を補助する際に、大都市地域の整備費の加算、あるいは施設を高層化しましたり他の施設と複合化して建築する場合の加算、都市部の特に人口密集地域における加算等の補助を行いますとともに、この社会福祉・医療事業団の融資限度額も大幅に引き上げるなどいたしまして、整備を進めてまいりたいと考えております。
#79
○長谷委員 次に、老人訪問看護ステーションについて伺いますけれども、現在の指定状況はどうなっていますか。同様に、その設置主体ということについても御説明願いたいと思います。
#80
○横尾政府委員 訪問看護ステーションは百五十四カ所を指定しておりまして、市町村等が十カ所、そのほかに医療法人九十四カ所、医師会十八カ所、社会福祉法人十四カ所、看護協会八カ所等でございます。
#81
○長谷委員 それらの今後の設置目標はどうなっておりますでしょうか。
#82
○横尾政府委員 今後おおむね五千カ所を平成十二年までに整備をしたいと考えております。
#83
○長谷委員 五千カ所。それが現在百五十四カ所ですね。始まったばかりですけれども、どういうスケジュールでこの目標が達成されるのか。どうですか。
#84
○横尾政府委員 五千カ所は、将来のこうしたサービスに対するニーズを前提として目標を定めたものでございまして、決してたやすいことではないというふうに考えておりますが、地域の御理解あるいは関係団体の御理解、そして経営が安定されるためのさまざまな施策を講ずることによって、整備を促進してまいるつもりでございます。
#85
○長谷委員 五千カ所はどうしても必要だというところからはじき出された数ですので、何とか実現を目指していただきたいというふうに思っております。
 こういった今後の高齢化社会対策について、やはり公の果たす部分というものは明確にやる必要があるのではないかと思っておりますが、保健と医療と福祉、このサービスが地域で連携を強めて、一体となったシステムとして実施される必要があると思うわけです。この前の厚生委員会のときにも大臣にお願いしたように、いつでもどこでもだれでも必要な保健医療・福祉サービスが受けられる体制をつくる必要がある、こう考えているのです。今その五千カ所という中で、せめて各自治体一カ所は公的機関に設置すべきというふうに考えますが、いかがでしょうか。
#86
○横尾政府委員 私どもは、それぞれの地域の中でこのサービスを実施するのに一番ふさわしい事業者に運営をしていただくということが適当だと考えておりまして、公私を問わず、一番所期の目標を達成できるところを支援するという方針で取り組んでまいるつもりでございます。
#87
○長谷委員 あくまで利用者の立場に立ったステーション設置というものに向けて、全力で取り組んでいただきたいと思っております。
 それから、訪問看護サービスについてですが、この利用料ですね、それから生活保護対象者に対してはどんな配慮をなさっているのか。いかがですか。
#88
○横尾政府委員 老人訪問看護の利用者は、訪問看護を受ける都度、一回二百五十円の利用料を払うことになっております。生活保護を受給しておられる方については、医療扶助の対象とされております。
#89
○長谷委員 それから、在宅福祉サービスと訪問看護の連携をどう考えられるのか。本年四月から施行となっております老人保健福祉計画では、訪問看護についてのサービスの目標について、過大体一、二回というふうになっておりますが、その根拠はどこからどうしてあるのか、また、ホームヘルパーとの連携はどうなっているのでしょうか。
#90
○横尾政府委員 まず回数の問題でございますが、この老人訪問看護サービスは、病状が安定期にある高齢者の方々に対しましてそれぞれ個々人ごとの訪問看護計画を立て、それに沿って実施をするというものでございますので、モデル事業等を勘案いたしまして、おおむね週一ないし二回で適当なのではないかということを根拠といたしたものでございます。
 また、ホームヘルパーとの連携につきましては、両方のサービスが行われる必要のある方が相当数いらっしゃるということもございまして、そういった連携をとるために、市町村の計画の中でこの老人訪問看護サービスも織り込むこととしておりますとともに、具体的には、訪問看護ステーションが市町村に対して必要な福祉の情報を提供する際の費用についても、評価を加えたところでございます。
#91
○長谷委員 今申し上げたこれらの老人保健福祉計画の策定に向けての今の進捗状況、そして計画を策定するときに、やはりさまざまなニーズをきちっと把握していかなければなりませんが、その辺の作業はどんなふうに進んでいますでしょうか。
#92
○横尾政府委員 四年度が終了している段階で、七割の市町村についてほぼ全体的に高齢者ニーズ調査が実施中か準備中でございます。残り三割の市町村においては、そのニーズ調査を踏まえまして、計画を作成中があるいは既に原案作成を終了しているところでございます。また都道府県のレベルにおきましては、既に三つの県で計画が作成し終わったという状況でございます。
#93
○長谷委員 日本は今、市町村でというふうに動いておるかと思うのですが、デンマークなどでは、在宅サービスについて多くの権限を市町村からさらにコミュニティーへと移して、高齢者のサービスがきめ細かく地域単位でやられているというふうに承知しておるのです。その場合、十数名のホームヘルパーのチーム、それに訪問看護婦をヘッドとして置いて二十四時間のケアをしている、こういうふうに承知をしております。こういったサービスが日本の中でぜひ検討されて、整備されていく必要があると考えておりますけれども、日本においてこの二十四時間ケアのシステムというのができるのは一体どのぐらいだと考えたらよろしいのでしょうか。
#94
○横尾政府委員 私どもゴールドプランの目指すところは、二十四時間安心ができるシステムでございまして、既に在宅介護支援センターにつきましては、二十四時間いろいろな御相談に応ずることを原則としているわけでございます。今後この在宅支援センターと他の社会資源との連携をさらに強めまして、ゴールドプランの目標年次までには全国的にそうしたシステムが整うように努力をしてまいりたいと考えております。
#95
○長谷委員 先ほどのあれで、訪問看護ステーションは将来五千カ所ということについて伺いましたけれども、マンパワーの確保についてはきちっとできるのかどうか。厚生省は平成三年に、保健医療・福祉マンパワー対策本部を設置されまして、ここで中間報告というものを出されたわけですが、それ以降の取り組み、その報告が出たことによってどんなところまで来ているのか、御説明願えますでしょうか。
#96
○寺松政府委員 今先生が御指摘になりました保健医療・福祉マンパワー対策本部というものを平成二年八月につくりまして、マンパワー確保の方策につきまして検討しました結果、言われたとおり、平成三年三月に中間報告をまとめたわけでございます。
 これを踏まえまして、平成三年八月に平成四年度保健医療・福祉マンパワー対策大綱というものを厚生省として取りまとめました。具体的な施策への取り組みを示したわけでございますが、昨年の通常国会におきまして、看護職員やホームヘルパーなどの社会福祉事業従事者の確保を促進するための法律を整備したところでございます。
 また、これを受けまして、処遇の改善、資質の向上、社会的評価の確立などを図る観点から、昨年の十二月二十五日でございますが、看護職員確保に関します基本指針というのを策定したのに引き続きまして、四月十四日には福祉関係職員の確保のための基本指針も策定、告示したところでございます。
 今後は、これらの法律や人材確保のための基本指針を踏まえまして、必要な看護職員、福祉関係職員の確保が図られるよう、主として離職防止でございますとかあるいは再就職の促進というふうなところに予算を投入いたしまして、人材確保対策を推進してまいりたい、このように思っております。
#97
○長谷委員 これからの超高齢化社会を迎えるという中で、一体だれが、例えば私も今四十五歳なんですが、私たちの世代は団塊の世代でして、大変数が多くて、しかも今人口が減りつつあるという中で、あと三十年ぐらいすると、一体具体的にはどなたがどういう形でということは深刻な問題だと思っておるわけです。そういうときに、経費を節減するためのボランティアとかいう形ではなくて、本当に人間が人間として福祉にかかわる、介護にかかわるというようなことを日本の中で育てていかなければいけないだろうと思っているわけですよ。そのためには教育の部門でも、本当の意味のボランティアということをきちっと育てていくということも、将来なんてそんなのんびりじゃなくて、これからやはりきちっと育てていくということも、厚生省がむしろ指導的になって、ぜひ文部省などに働きかけてやっていっていただきたい、こういうことをお願いしておきたいと思います。
 それで、老人訪問看護サービスを受ける、あくまで私は受け手の方の立場に立って発想いたしますと、これは直接伺った話でもあるのですが、介護をしていただかなきゃいけないという状態になっておれば、例えばプライバシー上、外に漏れては困るというような状況はいろいろあるかと思うのですね。こういったプライバシーの保護というようなことについては、非常に慎重に、厳密にやられることを担保していかなければならないだろう、こう思っておるわけなのです。
 プライバシーの問題とあわせて、何か事故とかそういったことを含めて、賠償責任保険が掛けられておると思うのですが、指定訪問看護事業について、そういった問題についてはどのようなことが方策としてやられていらっしゃるのでしょうか。
#98
○横尾政府委員 先生おっしゃいますように、プライバシーの保護というのは大変重要であると思っております。・これにつきましては、指定老人訪問看護の事業の運営基準におきまして秘密の保持という条項を設けておりまして、「看護婦等は、」「その業務上知り得た利用者又はその家族等の秘密を漏らしてはならない。」という項目を設けているところでございます。著しくこの運営基準に抵触をするような場面がありますと、あるいは指定の取り消しといったようなことにもつながる規定にしております。
 また、賠償保険につきましては、賠償保険制度を設けまして、極力加入をするように指導をしているところでございまして、昨年十月末の状況でございますが、八七・三%が加入をしております。一〇〇%を目指して指導をしてまいりたいと存じます。
#99
○長谷委員 プライバシーを守るという点で、指定の取り消しというのが事実上の罰則という形と受け取りました。
 それから、賠償責任保険というのが八七・三%、やはりあくまでこれは一〇〇%というものを目指していかないと、その漏れの中から取り返しのつかないことも起こってくるのではないかと思っておりますが、これが一〇〇%にならない具体的な障害としては、どのようなことがあるのですか。
#100
○横尾政府委員 いろいろな事業発足に際しての手続事務等がたくさんある中で、これに対する加入の手続がおくれているというケースが一番多いようでございます。
#101
○長谷委員 最後に厚生大臣にお伺いしたいのですけれども、来るべき二十一世紀の超高齢化社会に向けて厚生省が次々といろいろ新しい施策を展開している、これは大いに評価をしておるところでございます。一つ一つの施策の連携と二十一世紀の我が国の高齢社会対策のあるべき姿は、ゴールドプランで二〇〇〇年までにある程度いく。
 しかし、それ以降どのようなシステムで、ゴールドプランで策定した目標をさらにその先もっと延ばしていかなければならないというふうに思うわけですけれども、一体どんなプランなのか。やはり大臣として、将来の日本の明るい福祉、施しとは全然違うことなんだ、そうではなくて本当に人間が人間として尊重される、幸せに生きていかれるということを保障するために、そのビジョンをぜひ明らかにしていただきたい。国民の皆さんが安心できる将来を目指すということを、もうゴールドプランも着々と進んでいる、これはよくわかっておりますが、その先ももっとここまで行くんだ、そのような御決意と見通し、ビジョン、このようなことについてぜひ伺わせていただきたいと思います。
#102
○丹羽国務大臣 まず最初に、ちょっと僭越と思いますけれども、今先生は超高齢化社会、こういうふうにお呼びになったわけでございます。その前の加藤委員の方で、高齢化社会じゃなくて長寿社会ではないか、こういうような御指摘があったわけでございますので、私なりに整理させていただきますならば、平均寿命が男性が七十六・一一歳、女性が八十二・一一歳、その意味においてまさに長寿社会であります。しかし、御案内のように出生率が低下してまいりまして、今一人の御婦人が生涯に産む子供さんの数は一・五三、そういう中において六十五歳以上のお年寄りとそれ以下との割合が現在は七人から八人である、これが三十年後の二〇二〇年には四人に一人になる、そういうような概念から申しますと、まさに高齢化社会ではないか。余計なことかもしれませんけれども、まずその点を私なりに整理させていただいたような次第であります。
 それで、ゴールドプランというのは、御案内のように、いわゆる超高齢化社会においても国民の皆さん方が安心して老後を過ごせるような環境づくりを整備していかなければならない。既に先生も御承知のように、例えばホームヘルパーを十万人確保するとか、ショートステイを五万床であるとか、それからデイサービスを中学校区に一カ所ずつ整備していく、こういうような在宅三本柱というものに力を入れていく。一方におきまして、特別養護老人ホームであるとか老人保健施設、こういった設備面の問題、それから、きょうまさに御審議を賜っております訪問看護ステーション、これはゴールドプランよりおくれましてスタートいたしまして平成四年度までモデル事業を行っておったわけでございますけれども、訪問看護ステーションというのをこの平成五年度から実施いたします市町村の老人福祉計画の中に組み入れまして、そういう形で、いろいろな意味でこれからの超高齢化社会におきます福祉サービスのあり方というものが完成されてくる、こういうふうに私ども考えております。
 大変厳しい環境下ではありますけれども、自治体の御理解、御協力も得まして、これらのゴールドプランであるとかあるいは訪問看護ステーションといったものも着実に今達成できつつあるわけでございます。私は、こうなりますと、まさに平均寿命八十歳というような長寿社会においても、あるいはお年寄りが多くて若人が少なくなってくる高齢化社会においても、安心して老後が過ごせるようないわゆる福祉大国日本というものが確立されるのではないか、このように確信をいたしておるような次第であります。
 いずれにいたしましても、先ほどからさまざまな問題提起がございました。これからはボランティア活動にもっと力を入れていくべきではないか。実は私、この問題につきましても就任早々文部大臣の方に、これからの福祉であるとか医療であるとかいった分野においては、ボランティア活動の必要性というものが大変重要である、しかも、なるべく若いうちにそういうような経験なり体験をしていただいて、ボランティア活動で医療であるとか福祉であるとかいうものに参画するとうとさというものをみんなが感じとっていただく、こういうことも申し上げておるわけでございますけれども、そういうようなボランティア活動など、お互いに助け合う互助の精神であるとかいうものを組み合わせながら、いずれにいたしましても揺るぎない長寿社会、高齢化社会を安心して過ごせるような体制づくりのために、これからお互いに知恵を出し合いながら、そういうようなすばらしい日本を築き上げていかなければならない、こういうような気持ちを持っておるような次第でございます。
#103
○長谷委員 質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#104
○浦野委員長 午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。
    午前十一時五十二分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
#105
○浦野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。遠藤和良君。
#106
○遠藤(和)委員 私は、老人訪問看護ステーションにつきましては大変深い感慨を持っております。といいますのは、我が公明党では、これから高齢化社会になるということで、十年ほど前からこの制度をつくるべきだということを主張し続けてきたわけでございますが、おかげさまで老健法の改正時にこの制度が創設されました。しかも、そのときの政府の考え方は、この分に対しての国庫負担は三割ということであったのですけれども、国会でこの分に対して国庫負担は五割にするという修正で成立をしたわけでございます。
 そして、昨年の四月一日からスタートしたわけでございますが、全国で初めてこの日にスタートしたところがございました。それは宮城県の大崎看護ステーションでございましたが、そこに私も行ってまいりまして、生まれたばかりのこのステーションがどのような運営になっているのか、現実に現場へ行きましていろいろとお話を伺ったことがございます。
 そのときには厚生省の皆さんに大変お世話になったわけでございますが、そこで現場の声といたしまして、開設するのに大変資金が要る。大崎の看護ステーションは、たしか看護協会がされていたと思いますので、特にそういうことが大変問題であったんだろうと思うんです。したがいまして、何か開設資金に対して助成する制度、あるいは融資の制度というものを考えてもらえないかというふうな御要望がありましたものですから、東京に帰ってまいりまして、当時の厚生大臣にそのことを強く要望したことを思い出します。そして、これが今回こうした形で社会福祉・医療事業団あるいは沖縄振興開発金融公庫から融資制度をつくるということになりましたことは、大変一歩前進であると受けとめておるわけでございます。
 そこで、私の地元の徳島でも、昨年一カ所この訪問看護ステーションができたのです。ことしの四月一日に、二カ所目でございますけれども、徳島医師会が開設したものでございますから、先般地元に帰りましたときにそこにお邪魔いたしまして、どのような実態であるかというのを実際にお聞きしてきたのでございます。
 皆さん非常に熱心にやられているんですけれども、大変心配なことは、これからの訪問看護ステーションの収支見通しというものを出してもらったんです。それを見ますと、徳島市医師会がこの四月一日からスタートさしたんですけれども、この訪問看護ステーションの場合は開設準備経費に四百五十万円かかっているんですね。それから、現在は看護婦さん二人、パートの方が一人、管理者一人という体制でやっているんですが、この訪問看護を受ける対象者が三十人おりまして、それで計算をしますと、収入の試算といたしましては、基本療養費とか管理療養費、情報提供療養費だとか交通費、全部込みで一年間で一千五百八十九万四百円の収入が見込める。しかし、支出の方は、人件費と雑費を合わせると一千八百七十一万一千七百六十四円かかる。したがいまして、その差額は二百八十二万一千三百六十四円赤字になる、こういうことなんでございますね。
 今、対象が三十名ですが、希望がたくさんありまして、四十名ぐらいにしたらどうかという話もありまして、これでも試算をしているんですね。四十名にした場合は、パートの看護婦さんを二人ふやしましてやりますと、収入の合計が二千百三十八万四千円になる。支出の方は全部で二千二百四十一万七千七百六十四円になる。こちらの方もやはり百三万三千七百六十四円の赤字になる、こういう試算を出しているわけでございます。
 したがいまして、いわゆる単年度の収支でも赤字でございますから、この開設準備経費として四百五十万かけているんですけれども、これはこの限りでは永久に償還をされない、ずっと借金として残っていく、こういうふうな状況になっているわけでございます。ここは医師会が経営しているものでございますから、医師会が持ち出しをしてやっているんですけれども、こういう状況を見ますと、この訪問看護ステーションというのは、将来、平成十二年に五千カ所つくるという目標を立てているんですけれども、赤字を覚悟でつくるとなると、とてもそういう目標を達成するのは難しいのではないか、こんなことが心配されるわけでございます。
 それで、順次現地の皆さんの要望に沿って質問したいんですけれども、この開設資金に対して今回融資制度というものを設けたわけでございますが、融資制度でなくて補助金にしていただけないか。融資というのはお返ししなきゃいけないわけでございますから、これは今の収支見通しを見ている限り返せるめどがない、こういうふうな収支見通しになっておるものですから、これは補助金にしていただけないか、こういうことも考えてもらえないのか、こういうふうな要望があったのでございますが、この点についてどのようにお考えか、まずお聞きしたいと思います。
#107
○横尾政府委員 基本的に医療施設に対する初度施設なり設備に対する補助制度というのは、極めて特異なものについてはございますけれども、そういうものも含めて診療報酬なり療養費の中で対応するというルールで来ておりますので、その意味では、訪問看護ステーションにつきましても、補助制度というのを持ち込むのはなかなか困難であろうというふうに考えております。
 委員御指摘のように、将来とも赤字が続くとすれば、その当初の投資というものについて償却をすることが難しいわけでございますが、既に講じました税制上の軽減税率の制度でありますとか、療養費についての水準でありますとか、また御提案申し上げておりますような低利融資という形、で、私どもといたしましては健全な、適切な運営が確保できるのではないかというふうに考えております。
#108
○遠藤(和)委員 それではランニングコストの方ですけれども、こちらの方で収益が出てくれば開設準備金も償還されていくわけです。このいわゆる基本療養費であるとか管理療養費を二〇%ぐらいアップしてもらえないと赤字を食いとめられないのではないか、診療報酬の改定時にこれをぜひ検討してもらいたい、こういう強い要望がありますが、どうでしょう。
#109
○横尾政府委員 発足をいたしました各訪問看護事業は、非常に運営に苦労されているところもありますが、中には収支相償うような形で運営をされているところもあると伺っております。それは利用者の数であるとか、そのバックグラウンドさまざまでありますので、今後の診療報酬、療養費の引き上げにつきましては、いろいろ経営の状況について調査など行いまして、中医協にお諮りをするように運びたいと考えております。
#110
○遠藤(和)委員 この訪問看護制度はスタートしたばかりですから、診療報酬というのも初めてつくったわけですよね。ですから、状況を見ながらこれをさらに検討するということは当然のことだと思います。この経営が安定するようにしていくということは大変大事なことであろうと思いますから、次期診療報酬の改定のときに検討の中に入れる、こういうことをぜひお約束していただきたいと思います。
#111
○横尾政府委員 経営状況、運営状況を把握いたしました上で、検討対象とすることとしたいと存じます。
#112
○遠藤(和)委員 それから、訪問看護の回数ですけれども、今の診療報酬の制度の中では週二回を限度にしているわけですね。実際は週三回を希望する方もたくさんいらっしゃるわけです。今は末期がん患者の方々は除いているのですが、一般的には週二回を限度として計算することになっているわけですね。これはやはり実情に合わせて週三回やってもよいというふうにするのが当然である、このように思いますが、どうでしょう。
#113
○横尾政府委員 訪問看護事業を創設いたしました趣旨が、一つは、病状が安定期にある寝たきり老人に対するサービスであるということと、それに加えまして、訪問看護計画を策定いたしまして、それに沿って介護の色彩の強い看護サービスを提供するという仕事の性格上、私どもといたしましては、週二回を限度とするという今の取り組みは適当なものではないかと考えております。
#114
○遠藤(和)委員 実際に希望があるわけです。しかもそれができる体制があれば、週三回してあげるということはさらに充実する方向に向かうわけでございますから、二回を限度にしているというのはやはりサービスを限定している、こういう形になるわけでございます。その制限を撤廃するということは考えるべきではないかと私は自然にそう思うのでございます。どうでしょう。
#115
○横尾政府委員 ユーザーの方の御希望があるということでございますが、ユーザーの方としては頻回に訪問を受けたいというお気持ちがあるのは当然そのとおりだと思いますが、制度として公費をもって給付をすることを考えますと、それは適切な、必要なものに対する給付として制度を組み立てる必要があるわけでございます。
 その適切な水準というところを、先ほど申し上げました病状が安定期にある、それから介護を中心とした看護サービスであるという性格から考えて二回としたのでございまして、サービスの面からもより頻回な必要がある方という場合は、例えば病状が不安定なような方でございまして、それはこの訪問看護事業の利用というよりは、既に以前から行われております医療機関に直結をしたような訪問看護事業といったものの御活用でお願いをするのが制度の目的でございます。
#116
○遠藤(和)委員 確かに制度の趣旨というのはそういうところがあるわけですが、実際に現場を見ておりますと、いわゆる病院は嫌いで嫌だという人で、本当は病院に行った方がいいと思われる方でこの訪問看護サービスを要望している方がたくさんいらっしゃるわけですね。これは、一回病院に行って適切な治療を受けて、状況がもう安定的になったという方を、病院から一遍退院した方を見るのが訪問看護の趣旨だとは思うのですけれども、そうじゃない状態がたくさんあるわけですね。
 ですから、これは病院と訪問看護の役割をどのようにしていくかという部分になると思うのですけれども、実態的には、これは病院に入った方がいいのではないかと思われるような方々もたくさん訪問看護を受けているという実態があるようでございますので、その実態を一遍詳しく調査をしていただきまして、そして病院とこの訪問看護の役割分担についても、よくその趣旨が徹底できるように各地域に指導をしてもらいたい、このように強く要望しておきます。
 それから、これは実際に訪問看護をした看護婦さんのお話なんですけれども、訪問看護をすると大体多くの方々は脳梗塞、脳疾患で寝たきりになっている人が多い。その中には床ずれ等になっている方がたくさんいらっしゃいまして、その適切な処置、床ずれをガーゼでふいてあげるとか、こういうことをしたいのだけれども、どうも何かガーゼが十分に使えないというふうな話を聞いたのでございますが、そのような診療報酬の改定を行ったのですか。
#117
○横尾政府委員 あるいは現場まで制度の仕組みが行き届かないことによって、今委員おっしゃるような御疑念が生ずるのではないかと思っておりますが、現在の診療報酬の仕組みを御説明申し上げますと、おっしゃいますように大きな褥瘡の処置が必要な患者さんがいらっしゃいますと、まず主治医であります保険医の方が寝たきり老人処置指導管理料というのを請求することができることになっております。これは月額六千円一回請求することができます。
 この管理料の中で、在宅における創傷処置の際に用いる、ガーゼ等でございますが、衛生材料の費用はこの点数に含まれるとしておりまして、この中でガーゼを求めていただきまして、それを患者さんの家に置いていただく。訪問看護ステーションから派遣された看護婦さんはそこに置かれたガーゼを使っていただくというような仕組みでございまして、かなりの量のガーゼも、このシステムを御活用いただくことによって対応可能だと考えております。
#118
○遠藤(和)委員 そうすると、そうした厚生省の考え方というのが正確に十分に伝わっていないことが考えられると思うのですね。したがいまして、これは今まだ少ないわけでございますが、例えば訪問看護ステーションを開設した方々を一度東京にお集めになったりして、勉強会をするとかそういうものをぜひ行っていく、あるいは情報交換をし合う、そうした訪問看護開設者の全国組織と申しましょうか、そういうものをつくって、そこと厚生省がよく話をしていく、こういうことが非常に大事じゃないかと思うのですが、今そういうものがありませんで、ばらばらでやっているわけですね。そうすると地域で随分格差が出てくるのじゃないかと思うのです。この訪問看護ステーション開設者の全国ネットワークといいますか、そういうものを厚生省として指導育成していく、このことを考えるべきだと思いますが、どうでしょう。
#119
○横尾政府委員 遠藤委員の御質疑を承りまして、私もこの新しい制度の仕組みなり利用の仕方ということが、医療関係者も含めましてまだまだ趣旨が徹底していないということを痛感いたしました。おっしゃいますような全国的な組織につきましては、基本的には事業者の方々がそれを御希望になるかどうかにかかっていると思いますが、そういう機運もあるやに伺っておりますので、御指摘のような一つの情報交換の場としてでき上がりますれば、活用させていただきたいと存じます。
#120
○遠藤(和)委員 それから、ことしの一月末で全国で百五十四カ所というデータがあるのですが、目標はたしか平成十二年で五千カ所でしたですね。この目標に現在の状況で本当にいくのか、達成できるのかなという心配が一つあります。
 もう一つは、よく似たサービスが行われるのですけれども、介護支援センター。これはヘルパーさんの方ですね。こちらの目標は全国一万カ所だったと思うのですが、実際は、今各市町村で高齢者福祉計画をつくっているのですが、そこの現場におきましてはこの介護支援センターと訪問看護ステーションを併設をして、例えば地域ケアセンターとしてつくろうというふうなことを考えている市町村もたくさんあると思うのですね。そうした場合は、目標が五千と一万というのではちょっと、目標自体をむしろ両方とも一方にしちゃって、地域ケアセンターを一万カ所つくりますと、そこには看護婦さんを派遣するところもあるし、ヘルパーさんを派遣するところもあるし、それは一体になって取り組みなさい、取り組んでもいいよ、こういうふうにした方が、本当に医療と福祉、保健、そういうものが地域の先端では一緒になっているわけですから、よりいい結果を生むのではないか、このように思いますが、そういう考え方は厚生省としては持っていないですか。
#121
○横尾政府委員 看護ステーションの整備目標五千カ所自身は、こういう訪問看護を要する患者さんの数等を念頭に置きまして定めたものでございまして、具体的な事業量としては五千カ所で賄い得るものではないかというふうに考えておりますが、今お話のございましたような窓口を一本化をするという意味では、おっしゃいますように、在宅介護支援センターと一本化するというのは大変望ましいことだと思っております。数として一万カ所ということはなかなか申し上げにくいわけでございますが、できるところから両者が併設されるように、私どもとしても必要な場面には指導をしてまいりたいと考えております。
#122
○遠藤(和)委員 徳島市の訪問看護ステーションに行きまして現場の声を聞きましても、実際は介護支援センターの方々と連携をとって行っている、建物は別にあるのですけれども。きょうは看護婦さんが行く日、きょうはヘルパーさんが行く日、こういうふうにやってもいいし、同じ利用者の方に対する情報を交換し合う、こういうことも大変大事なわけですね。それが建物が一緒であれば、本当に一緒になって行くこともできますし、あるいは連絡をとり合って、それぞれに役割分担を決めて行くこともできるわけですから、利用者にとってはより温かいケアができる、こういうことになるわけです。
 これは一つは福祉の話で、一つは医療の話になるわけで、お金の入り口は違うのですけれども、サービスとしてはむしろ一体になってやった方が実際の利用者には大変いいのではないか、このように考えまして、そういうことを各市町村が考えた場合は、厚生省としては、それは別にしなさいよというようなことは言わない、一緒にやって結構です、こういうことになるわけですね。
#123
○横尾政府委員 御提案をいただきました地域ケアセンターというようなものは、まさに医療と福祉の連携の一つの象徴である大変重要な御提案だと思っております。したがいまして、訪問看護ステーションの看護婦さんとホームヘルパーさんが一緒に訪問をしていただくというのは大変結構なことでありまして、それをいけないというようなつもりはございません。また、併設をすることについても、お勧めをすることはあっても妨げるようなことはいたしません。
#124
○遠藤(和)委員 わかりました。
 それから、訪問看護を受ける在宅の寝たきり老人の方々に対して福祉手当等を支給している自治体がかなりあるのですけれども、この制度を国として行う考えはありませんか。
#125
○横尾政府委員 自治体が支給されている、名前はさまざまでありますが介護手当については、やや慰労的あるいは激励的な意味合いも含めて、さまざまなことが行われているように聞いております。
 私どもの基本的なスタンスは、今実際に介護に携わっている方々は、こういった激励的な金銭の給付をするよりも、具体的に実際に介護の負担が軽くなるような、あるいは場合によっては介護から離れることができる時間ができるような、そうしたことを一番求めておられるというふうに理解をしておりまして、そのためにも、介護手当よりはまず現物給付としてのサービスの供給に努めていくつもりでございます。
#126
○遠藤(和)委員 それから、これは年金の方の話ですが、老健法の改正のときにも私申し上げたのですけれども、障害年金というのがあるのです。これは要するに、年金を掛けている期間に起こった障害に対しては、一生涯障害年金が支給されるわけですね。しかし、老齢年金の受給者になってから障害者になった場合は、これは障害年金の対象になりませんね。年齢でいうと、六十五歳未満で障害になった人は一生涯障害年金が支給される仕組みになっているのに、六十五歳を超えて障害になった人は老齢年金だけである。障害年金は支給されない。
 これは制度としてはわかるのですけれども、一国民という立場から見ると、年齢が一歳という、一日違うだけで片一方は一生涯障害年金がいただける、片一方は何のそういう障害に対する手当もないということになるわけですから、これは何か新しい知恵を出して、例えば六十五歳以上で障害になった方は老齢年金に障害加算をするとか、そういう制度を検討すべきではないかということを私申し上げたのですけれども、その検討は進んでおりますか。
#127
○山口(剛)政府委員 年金制度におきまして、先生まさに御指摘のように、六十五歳になって年金制度から卒業された方について、新たに仕組みとして障害年金を支給をするというのは、これは制度としてまことに困難なことでございます。先生はそれを御理解の上での御提案であろうと思いますし、老健法以来の検討のテーマとして、端的に言えば、お年寄りで例えば寝たきりのような障害になられた方について、年金制度上特別な措置ができないか、これはよく検討するようにという課題をいただいておりまして、今、次の制度改正に向けて審議会でもこれをテーマに御議論をいただいていることは事実でございまして、私どもも真剣に受けとめております。
 ただ、率直に申し上げさせていただきますと、特に在宅のお年寄りの寝たきり問題等にどう対応していくかというのは、年金だけでありませんで、医療、福祉、大変幅広い問題点を含んでおりますので、年金制度をかなり超えた、社会保障制度全般の中でどういうふうに考えていくかという大変大きな課題でございますので、年金だけでこの問題に対応するというのは大変難しいなという印象を持っておりますけれども、御要請もしっかり受けとめまして、年金制度の中で何ができるかという観点から、検討を続けさせていただきたいと思っております。
#128
○遠藤(和)委員 同じ質問を厚生大臣にもしたいのですけれども、たしか大臣、当時、私の提案に対して、これは理屈のわかる筋のいい提案だ、このように御評価をいただいた記憶があります。当時はたしか山下厚生大臣だったと思うのですけれども、厚生大臣も次期年金財政再計算のときにぜひ検討をさせていただきたい、このように答弁された記憶もあるわけでございます。次期年金財政の再計算というのは来年度だと思いますので、この御検討を進めていただきまして、実現をするようにお取り計らいをお願いしたいと思いますが、ぜひ大臣の答弁をお願いします。
#129
○丹羽国務大臣 いずれにいたしましても、お年をとって障害者になったことに対して、大変お気の毒であるという気持ちを申し上げたわけでございます。
 いわゆる受給権が発生しておるわけでございますし、年金制度的に見ますると大変難しい問題が多々あるわけでございますけれども、ただいま年金局長からも御答弁を申し上げさせていただいたわけでございますが、次期の制度改正に向けて年金審議会で今御審議いただいている中で、その審議の中の項目の一つであるわけであります。こうした介護の問題を年金によって救済するということが適当なのかどうか、いずれにいたしましても、本格的な高齢化社会が進む中で、年金が本来の機能を果たしていけるような制度改正が課題となっておるわけでございますけれども、介護の問題につきまして年金としてどのように対応していくか、さらにこの問題について勉強させていただくことでございますので、御了解を賜りたいと思っております。
#130
○遠藤(和)委員 私は、介護の問題を年金で解決する、そういうアイデアではないのです。要するに、障害年金を新たにつくれという話ではなくて、老齢年金の上に障害加算を考えたらどうかという提案でございまして、そのところは理屈に合っているんじゃないかなと思っているわけでございまして、そこをぜひ御検討願いたいということでございます。
#131
○丹羽国務大臣 まさに年金制度の根幹にかかわる問題でございまして、社会保険方式をとっております現行の年金制度の根幹にかかわる問題として、どのような道があるかどうか模索をしていきたい、このようなことであります。
#132
○遠藤(和)委員 それでは、私どもの徳島でも言えるんですけれども、いわゆる病院の中に社会的入院、嫌な言葉なんですけれども、病状が大変安定化したにもかかわらず入院をされている御年配の方々がたくさんいらっしゃいます。これは、病院を退院はしたいんだけれども、病院以外に本当にいい環境の施設がない、あるいは家に帰っても十分な介護が受けられない、こういうふうな社会的な受け皿が病院の方に偏ってしまっているわけですね。したがって、病院とあるいは特別養護老人ホームだとか有料老人ホーム、あるいは老健施設あるいは在宅、こうした全体の施設間の格差というものを是正していかなければいけないと思うのですね。
 この格差というのは、費用負担の格差だけに着目してはいけないと思います。そうではなくて、老人が自分自身の体調に応じて最もふさわしい施設が選択をできる、こういうふうな環境をつくっていかないと、もう病院はどこもかしこも老人の方々がベッドを専用してしまって、若い方が緊急で入院したくてもベッドがあくのを待っている、こういう状態が実際あるわけでございますから、その辺の総合的な調整、これは大変重大な問題だと思いますが、これをどのように厚生省はやっていきますか。
#133
○横尾政府委員 既に医療を余り要しないような状態であるにもかかわらず、他の受け皿がないためにやむを得ず病院に入院をするということでございますが、それに対する一つの大切な方法は、処遇の受け皿を多様化するということに尽きるであろうと思っております。
 それは在宅サービスもございますし、老人保健施設や特別養護老人ホームもございますが、従来ともすれば、病院も含めまして、収容型の施設ということに主力が置かれがちでございましたけれども、現在進めております老人保健福祉計画は、そうした従来のことを乗り越えて、在宅サービスについても十分展開ができるように、そして、高齢者の方々が自分にふさわしい処遇が受けられるようにすることがねらいでございます。費用につきましては、それぞれの沿革もございまして、どれも一律というわけにはまいりませんが、それぞれの制度の範囲内で適切な費用負担になるように努めていくつもりでございます。
#134
○遠藤(和)委員 やはり一番おくれているのは在宅の部分だと思うんですよわ。ここのところに力を入れていくことが大事だと思います。
 佐久の総合病院へ視察に行きましたときに、看護婦さんが卒業するときに病院の中で映画を見せるのですね。その映画のタイトルが「病院はきれえだ」という映画なんですよ。それを病院で見せるんですよ。何でそういうことをやるかというと、患者さんは病院が好きだと思って来ている人はいない。みんな自分の家で本当にきちっと病気の療養ができれば一番いいわけですね。ところが、日本の家庭というのはそういうふうな介護力がなくなっていますし、例えば障害者になった場合に住めないような構造になっている。こういうことがあるわけですから、在宅で老後の治療、そういうものが十分にできるような社会のシステムを考えなければいけない、こう思います。
 例えば公営住宅というのがあるわけですが、昔は公営住宅には大体新婚の方が入っていたんですね。ところが、今公営住宅というのは、もう八割方お年寄りがいらっしゃるわけですよ。お年寄りの方は一階にどうぞと言って、全部そうですというようなこともあるわけですから、例えば老朽化した公営住宅を建て直しをしてお年寄りが住めるような構造にするとか、あるいは前もって本当に高齢になっても十分住めるようなケアつきの住宅にするとか、そういうことを厚生省はもっと真剣に考えて、建設省などに、こういうふうな住宅の建設基準じゃないと、これからは建てちゃいけませんよというぐらいのことを申し入れてもいいのではないか、こう思いますが、どうでしょう。
#135
○横尾政府委員 私どもゴールドプランに基づいてサービスを展開していく中で、やはりゴールドプランのインフラと申しますか、住宅なり物的な環境の部分の充実の必要性を痛感しているところでございます。御指摘いただきました点についても十分検討させていただきます。
#136
○遠藤(和)委員 時間が参りましたので、最後に大臣に一つだけお願いしたいのですが、これからますます医療と保健、福祉というもののネットワークづくりが大事になってきまして、国民の健康に対する関心も高まってくると思うのです。私は、このネットワークづくりをするキーワードは何かというと、国民が自分の健康を自分で管理ができるシステム、いわゆる健康カードの導入というものが大きい役割を果たすのではないかと思うんですね。
 例えば、毎年健康診断をやっているわけですが、その健康状態を全部記録してカードにおさめる、それを自分が持っている。そうすると、どこの医療機関に行きましても、あるいは保健施設に行っても適切ないろいろなサービスが受けられる、こういうことにもなるし、自分の健康管理が定点観測できるわけですから、こうした健康カードというものを国として積極的に取り入れていく、このようなことをぜひこれからの社会に向かって考えていくべきだ、こう思いますので、この問題に対する大臣の所見を最後にお伺いしたいと思います。
#137
○丹羽国務大臣 先生の御提案は、保健、医療、福祉のネットワークづくりのためには健康カードが重要であるのだ、こういうことだと思いますけれども、カードを利用して国民の一人一人が自己の健康管理に役立てていくには、まさに保健医療・福祉のサービスを連携しながら提供していく、こういうことが有効な方法の一つだろう、まずこのように考えております。
 このため、住民のプライバシーの保護に配慮しながら、実は昭和六十二年から平成元年までの間に保健医療カードシステムの研究開発を行ってまいりました。先生も御案内と思いますけれども、現在は兵庫県の姫路市において健康カードが実験的に運用されておるわけでございます。平成五年度におきましても引き続き実験的運用を行うとともに、その結果を踏まえまして、今度はいわゆる標準的なカードシステムのガイドラインを作成して、これを全国的に広げていくようにする必要があるのではないか、このように考えておるような次第であります。
#138
○遠藤(和)委員 終わります。ありがとうございました。
#139
○浦野委員長 辻第一君。
#140
○辻(第)委員 老人訪問看護ステーションの問題でお尋ねをいたします。
 既に実施をされて一年が経過しましたが、患者さんに大変喜ばれております。また、私の知り合いの看護婦さんも何人か携わっているわけでありますが、生きがいといいますかやりがいといいますか、非常に張り切ってやっておられるわけであります。しかし、現実は非常に厳しい。いろいろと問題点があって、大変御苦労をいただいているというふうに感じております。
 厚生省は、一月末で百五十四カ所、年度末で約二百カ所、こういうふうに聞いているのですが、大体八年間で五千カ所が目標ということになりますと、非常に現状は厳しいのではないか、このように考えております。
 そういう中で東京都では、欠けている点のうちの何点かを独自給付をしているわけでございます。開設資金あるいは建物の改修、こういうものの補助、それから身体障害者手帳一、二級の人の患者負担を補助する、こういうことについて国としても実施すべきではないのかと考えますが、いかがですか。
#141
○横尾政府委員 訪問看護ステーションの整備は、百五十四カ所というのが一月末の状況でございますが、その後、毎月約二十カ所前後指定をしておりまして、その指定の申請なり御相談が既に百件ぐらいあるというのが実情でございまして、一年未満の状況としては、おおむね順調な滑り出しをしているというふうに私ども感じている次第でございます。
 そして、御指摘の地方単独事業でいろいろ補助をしているというようなお話でございましたが、基本的には老人訪問看護療養費の水準と申しますのは、私ども的確な運営ができる水準に設定をしたというふうに考えておりますし、また、利用料の方も一回二百五十円ということでございまして、特に身障の一、二級の方についてこれをさらに割り引くというか、補助をするという必要はないのではないかと思っております。
#142
○辻(第)委員 一回の訪問看護料が約七千円になっているということでございますが、ある訪問看護ステーション、常勤看護婦三名のところで月百七十回の訪問をされている場合で、月に約五十万円の赤字になるということであります。大変ですね。それで、いろいろ相談がありますね。それから記録、事務、それから医師との連携や福祉保健機関との調整、いろいろなことも入ってくるわけですね。私の聞いたところでは、月百七十回というのは精いっぱい行っているんだ、まじめに一生懸命やればそれぐらいしか行けないんだ、こういうお話も聞きました。そうなりますと、五十万円の赤字ということは大変な問題だと思うんですね。それから、もちろん研修や教育にも時間をかけなければいけません。
 そういうことでありますので、訪問看護料というのですか訪問看護療養費というのですか、これを大幅に引き上げるべきではないか、これが一点。それから、事務職員を雇う経営的なゆとりがないわけでありますが、その上、相談業務、これが相当あるようですね、非常に多い。こういうことについても診療報酬で見るべきではないのか、このように考えるのですが、いかがですか。
#143
○横尾政府委員 医療費の請求でありますとか相談業務とか一般的な事務費につきましても、この老人訪問看護療養費を設定いたしますときに、それを織り込んで適切な水準に設定をしたというふうに考えております。ただ、今後の点につきましては、それぞれの訪問看護事業の運営状況、経営状況を見まして、中医協におきまして御論議をいただくようにすることにしたいと存じます。
#144
○辻(第)委員 本当に実態は深刻なところが多いですね。ですから、初めだからどうだというようなことじゃなしに、これは基本的に非常に報酬が安いということは間違いないことだと私は思うんですね。それから看護婦さんの人件費、こういうものも安く見積もっておられる。いわゆる常勤でない方云々というような話も聞きましたけれども、しかし、今の看護婦さんの労働条件、いろいろな条件、勉強する時間も、また休む時間、そういうものを本当にきちっと保障していくということになれば、経営がいよいよ大変だ。もう今精いっぱい一生懸命働いて働いて、なおかつこういう赤字になるというのが現状でありますので、どうかひとつそこのところをきちっと御対応をいただきたい。重ねて強くお願いをしておきます。
 次に、訪問看護ステーションと医師との連携というのは、これは非常に重要なことだと思います。しかし、このステーションに患者さんの家族が直接相談に来られる、直接電話がかかってくるということは、やはり現実よくあることであるようであります。そういう方の中に、主治医がおられない人とか、それから主治医が二人おられるというようなケースがあるのですね。そういう方が直接相談に来られますと、どうすればいいのか。簡単に事務的に事が解決するというようなわけにいかぬわけですね。時間も頭もいろいろ使って、大変御苦労いただかなければならぬというような問題もあります。
 それから、直接電話がかかってきて、それは指示書がない間は行けませんよなんというような冷たいことを言えぬ場合がいっぱいあると思うのですね。まず行って診せていただく、そしていろいろ話も聞かせていただく。これも指示書がないから手当てもせぬと帰りますと言うわけにもいかぬ。そういうところ、わかりますか。現実はそんなものですね。指示書がありませんので、相談は聞きましたけれどもこのまま帰りますと言えぬときがありますがな。そういう問題などこういう具体の問題、どのように厚生省としては対応していただけるのか、お伺いします。
#145
○横尾政府委員 在宅の医療なり看護を支えるために、現在訪問看護ステーションの方々が大変御努力をいただいておりますが、やはり主治医の方々、開業医の方々のこの問題への御参画なしには、訪問看護ステーションだけで在宅の療養を支えるというのは困難だろうと思っております。したがいまして、この制度自身も、開業医の方々の対応に合わせて看護婦さんのこういった事業を設けたわけでございまして、そこでは基本に立ち返って、適切な主治医を設けて制度を動かしていただくというのが基本にならざるを得ない。御事情はいろいろあろうかと思いますが、訪問看護ステーションだけが単独で動くというのは、この制度の趣旨ではないことをひとつ御理解をいただきたいと存じます。
#146
○辻(第)委員 そういう御答弁になるだろうとは思ったのですけれども、現実そのように木に竹を接いだみたいな話ではいかぬことが本当にたくさんあるんです。私はそう思うのです。そういう点でひとつ十二分に御検討いただきたい。私は重ねて要望しておきます。
 それから、毎月一回の医師の指示書が必要ということは、もう大事なことでありますが、実際問題として医師にもステーションにも負担になるというとなんなんですが、まあ負担になるんですね。そういうことで、継続の場合、電話連絡などもう少し簡便な方法で済むように改善できないものかということであります。
#147
○横尾政府委員 午前中にも御議論がありましたが、サービスの内容について問題が生じたときの責任の所在の問題もございまして、基本的には指示書の交付ということを踏まえていただきたいと考えております。
#148
○辻(第)委員 まだまだたくさんの問題点があって、お尋ねをしたいのですが、もう時間が間もなく参ります。この五千カ所の目標を本当に達成をするためにも、この老人訪問看護の事業が本当に円滑に、また立派に進んでいくためにも、私はいろいろとお願いをしたいことがあるのです。
 最後に大臣にお尋ねをしたいのですが、先ほど申しました診療報酬の引き上げの問題、あるいは開設資金の補助の問題、あるいは医師との連携の問題、指示書の関係の問題など、その改善のためにひとつ御尽力をいただきたい。大臣の御決意を伺って、質問を終わりたいと思います。
#149
○丹羽国務大臣 老人訪問看護制度は、開業医による訪問診察とともに、今後の高齢社会におきます在宅ケアの車の両輪として大変重要な役割を果たすことになるのではないか、まずこのように考えております。
 いろいろな御提言を賜ったわけでございまして、中にはなかなか難しい問題もございますけれども、私どもといたしましては、訪問看護事業を支える柱である訪問看護療養費につきましては、これはもう先生御案内のように、今後の経営状況を見ながら、中医協の場において十分に御議論をいただくことといたしております。
 なお、市町村が今年度から老人保健福祉計画を作成するに当たりまして、この訪問看護事業というものを織り込むことになったわけでございますので、私はこの法案が御成立を賜れば、これを契機にして整備が進むものと確信をいたしております。
#150
○辻(第)委員 終わります。
#151
○浦野委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#152
○浦野委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 内閣提出、社会福祉・医療事業団法及び沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#153
○浦野委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#154
○浦野委員長 この際、本案に対し、山口俊一君外四名から、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党の五派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を求めます。遠藤和良君。
#155
○遠藤(和)委員 私は、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。
 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。
    社会福祉・医療事業団法及び沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、速やかに次の事項について実現に努力すべきである。
 一 今後の高齢社会における医療・介護体制の充実を図るため、老人訪問看護ステーションの整備の促進及び経営の安定に努めること。
 二 老人訪問看護制度の実施に当たっては、市町村の老人保健福祉施策との連携に十分配慮すること。また、訪問看護婦等の確保に十分配慮すること。
 三 老人訪問看護事業者の全国的な組織化を支接し、これを育成すること。
 四 社会福祉・医療事業団の融資について、事業者の利便向上を図る見地から、融資手続の改善を検討すること。
以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#156
○浦野委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 山口俊一君外四名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#157
○浦野委員長 起立総員。よって、本動議のとおり本案に附帯決議を付することに決しました。
 この際、丹羽厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。丹羽厚生大臣。
#158
○丹羽国務大臣 ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重
 いたしまして、努力いたす所存でございます。
    ―――――――――――――
#159
○浦野委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願 いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#160
○浦野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
#161
○浦野委員長 内閣提出、母子及び寡婦福祉法の一部を改正する法律案並びに本日付託になりました内閣提出、参議院送付、診療放射線技師法の一部を改正する法律案及び視能訓練士法の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。
 順次趣旨の説明を聴取いたします。丹羽厚生大臣。
    ―――――――――――――
母子及び寡婦福祉法の一部を改正する法律案 診療放射線技師法の一部を改正する法律案 視能訓練士法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#162
○丹羽国務大臣 ただいま議題となりました母子及び寡婦福祉法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 母子家庭及び寡婦は、経済的状況が不安定なこと等から、自立促進が課題となっているところであります。
 こうした状況を踏まえ、都道府県の母子家庭及び寡婦に対する福祉資金の有効な活用を図るとともに、専門的な助言、指導等を行う事業を法的に位置づけることとし、この法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、都道府県の母子福祉資金及び寡婦福祉資金のそれぞれの特別会計を統合するとともに、剰余金が生じた場合の国への償還に関する規定等を整備することとしております。また、貸付金の償還金のうち都道府県が貸付事務に要する費用に充当できる限度額を弾力化することとしております。
 第二に、母子家庭及び寡婦に対する専門的な助言、指導等を行う事業を社会福祉事業として法的に位置づけることとしております。
 なお、この法律の施行期日は、福祉資金に関する特別会計の統合等に関する事項については、平成六年四月一日、専門的な助言、指導等を行う事業に関する事項については、平成六年一月一日としております。
 以上、この法律案の提案の理由及びその内容の概要について御説明申し上げました。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
 次に、診療放射線技師法の一部を改正する法律案及び視能訓練士法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 近年、医学の進歩に伴い、新しい医療機器が次々に開発されていますが、これらの取り扱いには、既存の医療関係者の業務と隣接する領域のものもあります。
 そこで、既存の医療関係者が、それぞれの持つ専門性を生かしつつ新しい業務を効率的かつ適正に分担をしていくことが求められております。
 このような観点から、診療放射線技師及び視能訓練士それぞれにつきまして、その業務範囲の拡大等の措置を講ずることとし、これら二法案を提出した次第であります。
 まず、診療放射線技師法の一部を改正する法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、診療放射線技師の業務として、従来のエックス線撮影などに加えて、比較的安全な磁気共鳴画像診断装置その他の画像による診断を行うための装置であって政令で定めるものを用いた検査の業務を行うことを追加することとしております。
 第二に、診療放射線技師は、その業務を行うに当たっては、医師その他の医療関係者との緊密な連携に努めなければならないこととしております。
 第三に、診療放射線技師は、正当な理由がなく、業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならないこととしております。
 なお、この法律の施行期日につきましては、業務の拡大及び医療関係者との緊密な連携に関する事項は公布の日、その他の事項については公布の日から一月を経過した日としております。
 次に、視能訓練士法の一部を改正する法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、視能訓練士の業務として、従来の両眼視機能の回復のための矯正訓練やそのための検査に加えて、人体に影響を及ぼす程度が低い眼科に係る検査を行うことを追加することとしております。
 第二に、視能訓練士は、その業務を行うに当たっては、医師その他の医療関係者との緊密な連携に努めなければならないこととしております。
 なお、この法律の施行期日につきましては、業務の拡大及び医療関係者との緊密な連携に関する事項は公布の日、その他の事項につきましては公布の日から一月を経過した日としております。
 以上、診療放射線技師法の一部を改正する法律案及び視能訓練士法の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容の概要について御説明申し上げました。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#163
○浦野委員長 以上で各案の趣旨の説明は終わりました。
 次回は、来る二十一日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後二時六分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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