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1993/02/26 第126回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第126回国会 文教委員会 第4号
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1993/02/26 第126回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第126回国会 文教委員会 第4号

#1
第126回国会 文教委員会 第4号
平成五年二月二十六日(金曜日)
    午前九時三十一分開議
出席委員
   委員長 渡辺 省一君
   理事 中山 成彬君 理事 原田 義昭君
   理事 真鍋 光広君 理事 松田 岩夫君
   理事 渡瀬 憲明君 理事 沢藤礼次郎君
   理事 吉田 正雄君 理事 鍛冶  清君
      赤城 徳彦君    井上 喜一君
      岩屋  毅君    奥田 幹生君
      狩野  勝君    河村 建夫君
      小坂 憲次君   小宮山重四郎君
      佐田玄一郎君    塩谷  立君
      島村 宜伸君    西岡 武夫君
      萩山 教嚴君    秋葉 忠利君
      川崎 寛治君    小林  守君
      輿石  東君    佐藤 泰介君
      嶋崎  譲君    山元  勉君
      冬柴 鐵三君    山原健二郎君
      柳田  稔君
 出席国務大臣
       文 部 大 臣 森山 眞弓君
 出席政府委員
       文部大臣官房長 吉田  茂君
       文部省生涯学習 前畑 安宏君
       局長
       文部省初等中等 野崎  弘君
       教育局長
       文部省教育助成 井上 孝美君
       局長
       文部省高等教育 遠山 敦子君
       局長
       文部省高等教育 中林 勝男君
       局私学部長
 委員外の出席者
       文教委員会調査 福田 昭昌君
       室長
    ―――――――――――――
委員の異動
二月二十六日
 辞任         補欠選任
  狩野  勝君     萩山 教嚴君
  小坂 憲次君     赤城 徳彦君
  川崎 寛治君     秋葉 忠利君
  永末 英一君     柳田  稔君
同日
 辞任         補欠選任
  赤城 徳彦君     小坂 憲次君
  萩山 教嚴君     狩野  勝君
  秋葉 忠利君     川崎 寛治君
  柳田  稔君     永末 英一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数
 の標準に関する法律及び公立高等学校の設置、
 適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律
 の一部を改正する法律案(内閣提出第七号)
 国立学校設置法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第八号)
     ――――◇―――――
#2
○渡辺委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律及び公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。渡瀬憲明君。
#3
○渡瀬委員 ただいま上程になっております今回の定数改善計画につきまして、私は、今回のこの計画が個性教育を推進するための配慮が、例えば障害児教育の一学級当たりの生徒を減らすとか、あるいは複式学級もそのような配慮がなされておりますし、養護教諭とかあるいは学校栄養士の職員増の問題とか、そして図書館業務を行う事務職員の増員とか、そしてまた、これは本当に画期的なことだと思いますが、高等学校の一クラス当たりの定員を四十五人から四十人にするとか、その個性教育を推進するための細かい配慮が至るところに行われておりまして、そういう意味で一つの転機となる法案だなというふうに率直に感じております。これらのことにつきまして、総括的な意味で、今回のこの定数改善計画をどういう趣旨で立案されたのか、その辺のことをまず文部大臣から承っておきたいと思うわけでございます。
#4
○森山国務大臣 ただいま先生が御指摘くださいましたような幾つかの特徴を持ちましたこのたびの改善計画、文部省といたしましては、従来からかねて考えておりましたさまざまな問題点を少しでも解決するようにしたいと考えまして、計画したものでございます。その小中高等学校の学級編制とか教職員定数の標準につきましては、昭和三十四年以来、数次にわたりまして計画的に改善を行ってまいったところでございます。
 今回の改善計画は、情報化、国際化などの社会の変化に対応いたしまして、特に小中学校におきましては、複数の教員の協力による、いわゆるチームティーチングなどの新しい指導方法の工夫改善を行うための教職員配置を行うということ、また高等学校におきましては、すべての学校で四十人学級を実現するということを眼目にいたしまして、多様な教育課程の編成、指導方法の工夫改善を図るための教職員配置を行うことなどによりまして、教育の一層の個性化を推進するとともに、高等学校教育の一層の多様化を推進するということがねらいでございます。
#5
○渡瀬委員 今さら申し上げるまでもございませんけれども、今日、我が国は、高度情報化社会、そしてまた国際化社会、そしてまた国民の間に価値観が非常に多様化している、そういう社会の変化が顕著な時代であるわけでありまして、こういうときこそ、これからの教育はこれまでの単なる知識や技能を詰め込むという教育から、子供たちが自分で考え、自分で課題を見つけながら学習していく、そういうことが求められている時代ではなかろうかと思うわけであります。ただいま文部大臣の今回のこの定数改善計画に関する基本的な考え方を承りましたけれども、どうかひとつこの計画が円滑に実施されるように、さらに細心の配慮をなされながら推進されることをお願いを申し上げるわけでございます。
 ところで、今回の計画について二、三私なりに考えておりますことを申し上げて、そのことに対してまた御見解を承りたいと思うわけであります。
 一つは、これも今の教育界の一つの特徴といたしまして、不登校児の問題、あるいは高校の中途退学者が非常にふえているという事実、さらにはまた精神疾患などの問題を抱えた先生方の数も非常にふえているという問題があるわけでありまして、それに対する対応がこの法案でどうなっておるのか、現実にそういう子供たちの実態がどうなのか、まずここでその実態を明らかにしていただきたいと思うわけでございます。
#6
○井上(孝)政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま、まず不登校児の実態とその対応いかんという点がございましたが、平成三年度間に五十日以上学校を欠席した登校拒否児童生徒数は、文部省の学校基本調査によりますと、小中学校を合わせまして約五万三千人でございまして、年々増加する傾向にあるわけでございます。さらに、今回新たに調査した三十日以上欠席した登校拒否児童生徒数は、小中学校合わせて約六万七千人と、相当な数に上っているわけでございます。これら登校拒否児童生徒への対応は極めて大きな教育課題と認識しているわけでございます。
 このため、文部省では従来から、まず第一に教師用の指導資料の作成、配付、第二に教員研修を実施する、第三は教育相談活動や適応指導教室事業の実施を推進するという点、また第四点として登校拒否等児童生徒指導困難校に対する教員の加配などの施策を講じてまいったところでございます。平成五年度予算案におきましては、適応指導教室の事業の拡充を図りますとともに、新たに登校拒否研修講座及び自然体験活動担当教員講習会を実施することといたしているわけでございます。
 今回の改善計画におきましては、登校拒否児童生徒が多い学校等に専任の教員を配置することとしておりまして、その改善数としては六百十九人を予定しているところでございまして、登校拒否児童生徒への個別対応等、指導の充実を図っていきたい、このように考えているところでございます。
 また、精神疾患によります休職中の教員の実態についてでございますが、精神性疾患等を理由といたします病休職者の数は全体としてふえる傾向にございます。平成三年度間に休職とされた教員は全国で千百二十九人となっておりまして、これは昭和五十四年の調査開始以来、過去最高の数字でございます。また、このほかにも、教科指導力が著しく劣ったり、同僚との協調性が全く見られないなど、教員としての適格性に問題がある者もおりまして、問題となる事例が生じていることはまことに遺憾かことでございます。
 このような教員につきましては、まず実態を十分に把握した上で研修や指導を行うなどして指導。力の向上に努めることが大切だと考えております。さらに問題がある場合には、学校教育への支障、児童生徒への被害を防ぐため、必要に応じまして休職、免職等の措置を適切に講ずることも必要でございます。
 また、このような教員が発生するのを未然に防ぐため、例えば相談体制の整備、管理職に対するメンタルヘルスについての研修、パンフレットの作成、配付等の啓発活動など、教員のメンタルヘルス対策の充実に努めることも大切だと考えております。
 文部省といたしましては、このような措置を適切かつ迅速に講ずるよう従来から各教育委員会を指導しているところでございますが、なお対策を充実させる必要がありますので、昨年一月、有職者から成る協力者会議を設けて、教員の心の健康等の保持増進等を図るための方策についての調査研究を実施しているところでございます。
 今後とも、各教育委員会に対しまして適切な対応をとるよう指導を強めますとともに、協力者会議の調査研究も踏まえまして、必要な方策を講じてまいりたいと考えております。
#7
○渡瀬委員 ただいま井上局長からの実態に関する御説明を聞いただけでも本当に心が寒くなるような感じがするわけでありますが、こういう現象はまあ一種の、何と申しますか、文明病ともいいますか、こういう近代化社会に避けられない一つの現象であろうかとも思うわけでありますが、その対策としては決してござなりでやれることではないと思います。そこに専門家といいますか、率直に言って、こういう種類の専門家はカウンセラーと世の中で言われておるわけでありますが、そういう人たちが専門的にこれに当たるという必要があるんじゃなかろうかと思うわけでございます。
 今回のこの改善計画の説明を聞いておりますと、免許を持っている先生に一定の研修をしてもらって、それで当たってもらうという発想のようでありますが、私はその点、若干もう少し徹底したやり方がなされなければならないのではないかという気がしてなりません。ちょっとござなりではないかという気がしておるわけであります。
 現実に、よく教育事務所あたりで退職校長先生あたりをお願いをしてやっておるケースも二、三回実見しましたけれども、やはり校長先生、立派な人格を備えた先生もおられるのですけれども、どうしてもかっての管理職的な発想から、こらっというような、そういう雰囲気が出てくる。そういう傾向があってうまくいってないという話をよく聞くわけであります。これは先ほど言いましたように、本当に人間の心の奥底からの心理の問題が絡んできておるわけでありますから、そういう人を専門的に養成して専門的にそれに当たる、そういうことがこの際必要ではないかと思うわけであります。
 そこで、いろいろ実態を調べてみましたら、カウンセラー、これはまあ学校の教育に当たっておる学校カウンセラー、それから病院の患者さん相手のカウンセラー、あるいは「モダン・タイムス」のチャップリンが言われたあのなにじゃございませんけれども、産業界でも今は非常に自動化、機械化されて、それに対するリアクションで心を痛めている人が多い、その産業界のカウンセラー、あるいは、これは私がって法務省におったときに経験いたしましたけれども、法律を犯した人に対する矯正的な意味でのカウンセラー、それから児童相談所で扱う対象のカウンセラー、いろいろあるようでありますが、実態を調べてみますと、大学で一定の研修を修めた人がなるコースと、それから、例えば学校の先生、教員免許を持っていて、そしてその上に勉強して取るコースと、いろいろあるようであります。実数が大体四千五百人ぐらいもう我が国でも育っておると言われるのでありますけれども、さっき言いましたような各セクションに定数化が非常におくれていて、大抵忙しい思いはしているけれども、非常勤のまま仕事をやっておるという実態が浮かび上がってまいっておるわけであります。
 この際、せっかくの今度の、先ほど言いました子供一人一人を見詰めた教育に転換しようという時期にこういう立派な法案が出てきたわけでありますので、一歩進めて、教育カウンセラーという制度をこの際立てるぐらいの気持ちでもってこれに当たられる必要があるかと思うわけでありますが、そういうことをどの程度検討しておられるのか、その辺を承ってみたいと思うわけであります。
 なお、先ほど言いましたように、教員免許を持ってなおかつカウンセラーの資格を持っている人も、この四千五百人の中には恐らく二千人ぐらいはおるんじゃなかろうかという調査もあるようでありますから、今度この法律が通って施行される場合には、なるべくそういう人を採用して、そして本当の専門の立場から、先ほどのような問題の児童生徒あるいは先生のカウンセリングに当たられる、そういうことが大切じゃなかろうかと思うわけでありますが、その辺についての御意見なり実情をお聞かせ願えればと思うわけであります。
#8
○井上(孝)政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま先生から大変示唆に富んだ御指摘があったわけでございますが、確かに先生がおっしゃるようなカウンセラーというような問題につきましては、大学におきましては、保健管理センターにおきまして、精神医学あるいは心理学を修めた先生がそういう観点から学生の相談に応ずるというカウンセラーというものが実際に活躍をしていただいているわけでございます。小中高等学校におきましては、従来からの考え方としては、登校拒否児童生徒の教育相談を行うためには一人一人の教員が資質、能力を高める必要があるというような考え方から各種の研修等を行いまして、そういう研修によってそういう生徒指導の充実を図るという考え方をとってきたために、特別の資格を持った専門の教員を各学校に配置するよりは、児童生徒を一番知る立場にある担任教諭を中心として指導を行う方が効果的ではないかという考え方で対応してきたというように聞いているわけでございますが、やはり生徒指導の重要性を考え、先ほど申し上げましたように、生徒指導の担当教員の配置等の充実を図っているところでございまして、先生がおっしゃっている経験豊富な退職の校長先生あるいは教員がそういう相談のときに応ずるというような問題については、具体的に、各都道府県あるいは市町村における学校のそういう生徒指導の体制づくりの一環だと思いますので、そういう点は今後研究をさせていただきたいというふうに考えております。
#9
○渡瀬委員 お話のように、産業界、それからいろいろな法務省関係の、そういうベースが違うわけでありまして、学校は学校なりのそういうカウンセリングが必要だと思いますから、やはり教員免許を持った上にカウンセリングの資格を取るということが望ましいと思います。現にまたそういう人もおるわけでありますから、そういう人の当面の活用と、それから将来への養成計画、そういうことを要望しておく次第であります。
 それから、カウンセリングの問題はその程度にいたしまして、次へ移りますが、事務職員の増員という項目が九条に出てまいりますが、これは恐らく図書館担当の事務職員のことだろうと思うわけでありますけれども、実は、これはほかの委員の先生方も体験されたと思いますが、この定数改善について、全国から図書館の職員をふやせという陳情がほうはいとして起こってまいりました。
 ところが、これは発表になりました案を見ますと、どこかにその配慮をここでしてあるわけですけれども、説明が不十分だったのか、後で大分文句を言われました。今のカウンセリングと同じような教育効果をねらう意味で、図書館の果たす機能が非常に今大事になってきておるわけでありますが、そういう意味で、なぜ司書教諭をふやさなかったのかというおしかりを実は現場から受けたわけでありますけれども、今回のこれは、事務職員に図書館の世話をさせるという、その配慮だろうと思うわけでありますけれども、やはり将来は、図書館教育の大切さを思えば、司書教諭の養成をもっと計画的にやるとか、あるいは今度の、先ほど言いましたような細かい配置の中に加えて、図書館教育を専門にやる人の定数をもっとどんどんふやすとか、そういう配慮が必要ではないかなと思うわけでありますが、これはいかがでしょうか。
#10
○井上(孝)政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま先生がおっしゃったとおり、学校図書館の運営につきましては、教職員の協力体制を確立して行われることが重要でございますが、その中心としては司書教諭が位置づけられているところでございます。この司書教諭は、学校図書館法におきまして、司書教諭講習を修了した教諭の中から充てることとされておりまして、専任職ではなく、教員の校務分掌の一つというようにされているわけでございます。
 そこで、学校図書館の果たす役割が一層増大いたしまして、司書教諭を補佐する学校図書館担当の事務職員を充実する必要性も高まってきているというように考えているところでございまして、このようなことから、今回の改善計画におきましては、高等学校につきましては、学校図書館専任の事務職員の配置基準を現行の十八学級以上から十二学級以上といたしまして、七百六十人の改善を行うこととしております。また、小中学校につきましては、学校図書館の事務量が増大する大規模校において事務職員が図書館事務を分担することができるよう、複数の事務職員の配置基準を、小学校につきましては現行の三十学級以上から二十七学級以上に、中学校については現行の二十四学級以上から二十一学級以上として、千三百八十九人の改善を行うこととしております。
 この学校図書館担当の事務職員の配置基準の改善につきましては、その趣旨が生かされるように、都道府県教育委員会等を通じて指導を徹底して、図書館の運営の充実を図るようにしていきたい、このように考えております。
#11
○渡瀬委員 専門家の皆さんに聞くとそういう説明が返ってくるんですけれども、どうも、それだけ配慮してある割には、現場のお父さん、お母さん方にそれが届いていないような気がいたします。それから定数の説明をいろいろなPRされるときも、あわせてそこまでもう少し踏み込んだ説明が必要ではなかろうかと思います。ちょっとこれは与党の立場でそれだけ一つ御要望申し上げておきます。
 それから、時間がありませんので、もう一つの項目に移りますが、三年前に日米構造協議が行われて、本当に画期的なことに、我々教育関係の問題もあの中で取り入れられてまいりました。特に、基礎研究が日本はおろそかで、十二、三兆円研究費を使っている割には実用研究、応用研究ばかりじゃないか、自動車にしろICにしろ、アメリカがおれたちで考えついたことをおまえらは持っていって、そいつをただ安く上手につくることだけ考えてやっている、けしからぬ、それが今度経済摩擦の原因だ、もう少し基礎研究をしっかりやれとアメリカ側からしかられて、そして我が国でももっとどんどんやらなければいかぬという機運が非常に高まってきたわけであります。当時森山文部大臣も、何か東京大学初め教育現場へ行かれて、そのことを痛感されたという話も実は聞いたことがあるわけでありますが、その後、基礎研究が大事だ、次の世代へ日本の財産を申し送るためには欠かせないことだというわけで、非常に世論も高まってまいりました。ことしも、予算措置でも、それが実証されつつあるようなことで、非常にこれは喜ばしいことだと思うわけでありますが、いろいろ考えてみますと、今度の定数に直接関係ありませんけれども、学生の理工系離れ、どだい理工系を志望しようとしない、そういう傾向が非常に強いわけであります。本来子供は物をつくったり壊したり組み立てたりするそういう本能を持っておるはずですけれども、何かやはり受験戦争の過酷な、そこからくる影響か知りませんけれども、理工系離れが非常に強いと言われております。
 そこで、高等学校の段階に頭を突っ込んで実は少し勉強してみましたら、高等学校の先生の中に、理数系といいますか、そういう先生が非常に少ない。先生そのものが少ない。したがって、先生の理数教育に対する理解が何か薄いのではないか。いわんや、進学指導のときに、こういう理工系、大事なことだから、おまえその能力があるからそっちへ行きなさいというような誘導をする人も少ない。何かほったらかしのままでだんだん力が弱まっておる、そういう実は感じがしてならぬわけであります。かつて、理科教育振興法とか産業教育振興法、これは、戦後の経済復興はもうこれしかないということで、昭和二十年代の後半にやられましたけれども、あのときは、農水手当から始まって産業教育手当をつける、そういう誘導策を講じながら一生懸命あれした、その成果が戦後の経済復興にも大いに貢献したと言われておるわけでありますが、ちょっとその辺が近ごろ無策のような気がしてなりません。高等学校の教員採用の段階で、もう少し何か優遇策を考えながら、これは定員の問題にも若干関係してくると思いますけれども、そういう細かい配慮、我が国全体の科学技術教育を振興するために、高等学校の段階から、そして、今度問題になっておりますこの定数関係等も考えながらやっていく必要があるんじゃないかということを気づいたわけでありますが、何か文部大臣を初め文部当局でそれらのことを考えておられるのかどうなのか、御所見を承っておきたいと思うわけでございます。
#12
○井上(孝)政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま先生が御指摘のとおり、近年、教員採用選考試験の受験者数が減少する傾向にあるわけでございまして、特に高等学校の工業など理工系の特定教科につきましては、必要な教員数を確保するのに苦慮しているところもあるのは事実でございます。
 各都道府県指定都市教育委員会におきましては、そのような状況に対応いたしまして、採用内定時期の早期化、大学への要請やパンフレットの作成等の広報活動による応募者の確保、理工系教員の受験資格年齢の引き上げなど、必要な教員の確保に努力をいたしておるところでございます。
 文部省といたしましても、優秀な教員を確保するため、教員採用選考試験の改善に努めるよう各教育委員会に対して指導してきているところであります。さらに、理工系教員を含めて教員採用選考試験の受験者を確保するため、全国的な観点に立って対応策を検討することといたしておりまして、平成五年度の予算案におきまして、教員人材確保対策のための調査研究を実施するための経費を新たに計上しておりますので、そういう調査研究を十分参考にしながら、ただいま先生から御指摘の問題については対応策を強めていきたい、このように考えております。
#13
○渡瀬委員 ただいまの問題、本当にこれは日本の将来にとって非常に大事な問題であろうかと思うわけでありますので、その定員の面からその他も総合的にひとつしっかり取り組んでいただくようにお願いをしておきます。
 時間がもう参りましたので、これで終わりますが、今度のこの標準法の問題、日本の教育に一つの転機をもたらす非常に意義のある法案であろうかと思うわけであります。ただいま申し上げましたようなこと等も細かい配慮をしていただきながら、この法案が円滑に実施されて、そして立派な成果を上げますように心から期待をしながら、私の質問を終わります。ありがとうございました。
#14
○渡辺委員長 次に、輿石東君。
#15
○輿石委員 私に与えられた時間は百五十分ということですけれども、関連質問も用意をされていますので、これからいろいろと御質問するわけですが、今渡瀬委員の方から最後の言葉に、今回の定数改善は日本の教育の転機を促すものであろう、こういう締めくくりの話があったわけですけれども、この渡瀬委員の言葉をかりれば、日本の教育の転機を促しかねない定数改善だ。そういう意味で、昭和三十三年に義務教育標準法、また三十六年には高校標準法が成立して以来、第四次、五次にわたって改善がなされてきたわけであります。今回の改善計画に向かう基本的な考え方をまず文部大臣からお伺いしたいというふうに思います。
#16
○森山国務大臣 我が国の教育は百二十年にわたります長年の努力の結果、世界でも誇るべきものを今持つに至っていると思いますが、世の中は大変激動いたしておりまして、今までのとおりではなかなか対応し切れないということがどんな分野でも起こっているわけでございます。
 教育の世界もそのとおりでございまして、従来は、どちらかといえば国民全体の教育水準を一般的に高めると申しましょうか、平均点を上げるというようなところに主力の一つがかけられていたと思いますが、これからは個性化、多様化、柔軟化ということが大変求められるわけでございまして、個人それぞれの個性を尊重し、さまざまな能力をそれぞれに伸ばして発揮していく、そういうことが求められるわけでありますから、教育の面におきましても、そのような社会的な要請に対応いたしまして、いろいろな面で改めるべきことがたくさんあるわけでございます。
 このたびの法改正も、このようなことを基礎に置きまして、新しく策定いたしました義務教育諸学校及び高等学校に係る教職員配置改善計画を実施するために必要な改正を行いたいというものでございます。
 この改善計画は、かねて臨教審あるいは中教審など、また新しい学習指導要領の趣旨を踏まえまして、教育の一層の個性化を推進するために、まず、小中学校におきましては、学級編制の標準を一律に引き下げるということはしないで、複数の教員の協力による指導などの新しい指導方法の工夫改善を行う、そのための教職員配置を行うということを一つの眼目にしております。また、高等学校におきましては、すべての学校で四十人学級を実施するということとともに、多様な教育課程の編成、指導方法の工夫改善を図るための教職員配置を行うことなどを中心といたしまして、平成五年度から平成十年度までの六年間でさらに計画的な改善を図ることとしたものでございます。そのような意味で、教育の一つの大きな転機をなすとおっしゃっていただくことも、まことにそのとおりかと思います。
#17
○輿石委員 今文部大臣から、現在まで戦後四十数年にわたって、明治以来百二十年の歴史の中で日本の教育が全体のレベルアップ、それが画一的教育というような批判も受けながら、これからは大きく変わらざるを得ない、そういう情勢にある。そのために今回の改善計画もなされ、小学校において一層の個性化を進めるための施策であるし、中学校にも多様な教育課程の編成、指導方法を改善できるような施策だ、そういう意味でお答えをいただいたわけであります。
 そこで私は、小中学校及び高校においてそのような考えで改善配置をされたわけですから、具体的な中身に入らせていただきたいと思うわけでありますが、その前に一つだけ、三十五人学級、一学級当たりの定数を減らしてくるという方向が今までの改善計画の主な方法だったわけですけれども、これが大きく変わったわけであります。そういうふうに変えた。高校は四十人学級をようやく実現したわけですけれども、義務制については今度は教育現場では三十五人学級にしてくれるのではないかなという期待もあったわけでありますね。それが見送られた理由、その辺について、井上助成局長からでも大臣からでも結構ですから、お答えいただきたいと思います。
#18
○井上(孝)政府委員 お答え申し上げます。
 教職員定数の改善につきましては、昭和三十三年にいわゆる義務標準法が制定されまして、昭和三十四年度以降平成三年度まで五次にわたる学級編制及び教職員定数の改善を行い、公立高等学校につきましては昭和三十六年にいわゆる高校標準法を制定していただき、昭和三十七年度から平成三年度まで四次にわたる学級編制及び教職員定数の改善をさせていただいたわけでございまして、それらの成果を踏まえ、またその教育効果等の実態調査も行ってきたところでございます。
 そこで、第六次の義務教育諸学校教職員配置改善計画につきましては、新しい学習指導要領の目指す基礎・基本の徹底と個性を生かす教育を実現することを主眼としていることは、先ほど大臣から御答弁がありましたとおりでございます。このため、今回の改善計画におきましては、一学級当たりの児童生徒数の全国平均の現状が、平成三年度におきましては、小学校が二十九・一人、中学校は三十三・九人であるということを踏まえて、現行の学級編制の標準を一律に引き下げるよりは、学習集団を固定化することなく、より弾力的に、個に応じた多様で柔軟な指導方法が工夫できるような教職員配置を行うことを主眼としたこと、さらには、今後児童生徒数が大幅に減少することに伴いまして、学級規模もある程度縮小していくこと等を総合的に勘案いたしまして、小中学校の普通学級の学級編制の標準を変更することはしなかったものでございます。
#19
○輿石委員 既に一学級当たりの子供の数が、小学校が今言われましたように二十九・一ですか、中学校が三十三・九というふうな実態になり、加えて児童生徒の減少期に入る、だから黙っていても一学級当たりの数は少なくなっていくだろう、それよりも、個性重視、多様な指導が展開できる教育を行うためには重点配分が必要だ、そのこともわからないわけではないのですけれども、日本と欧米諸外国とを比較するのは、国の状況も違いますし、その指導の内容、方法も違いますから一概に比較をしてどうだということは言えないでありましょう。しかし、少ない方がよりきめの細かい教育ができるというのは、普通の常識で考えてもそのように思われるわけであります。あえてそこを一学級当たりの改善に踏み込まなかったのは、単にそういう個性重視の教育を展開するためということであればいいわけですけれども、その原因が財政的な面においてそれは無理なんだということはなかったのかどうか、その辺についてお伺いいたします。
#20
○井上(孝)政府委員 お答えいたします。
 今回の改善計画は、先ほど大臣からも御答弁がありましたように、個に応じた教育を実現するために、指導方法の改善を図り、チームティーチング等の多様な指導方法の導入を図ることを目標としたものでありまして、このため、現下の厳しい国の財政事情も勘案して、一律に学級編制の標準を引き下げる措置はとらなかったものでございます。
#21
○輿石委員 三十五人学級に踏み込まなかった理由をここで行ったり来たり往復しても仕方がないと思いますが、しかし、先進国では二十人程度、少なくすればそれでいいというものではない、また少なくしたための財政的な負担と教育効果とを比較した場合に必ずしもそれだけの効果が出ていない、そういう協力者会議の指摘もありますね。それもそうだとは思いますけれども、財政的な余裕だけでそのことを切り捨てていくという姿勢ではなくて、今後そういう面についても文部省として考えていく気持ちがあるかどうか、その点についてお伺いします。
#22
○井上(孝)政府委員 お答え申し上げます。
 今回の改善計画におきましては、一学級当たりの児童生徒数の、先ほど申し上げましたような全国平均の現状や、あるいはより多様で柔軟な指導方法が工夫できるような教職員配置を行うことが望ましいというような観点から、小中学校の普通学級の学級編制の標準を変更することはしなかったことは、先ほど申し上げたとおりでございます。
 そこで、小中学校の学級の適正規模につきましては、いろいろな意見がありまして、必ずしも一致した見解が確立していない状況にあるわけでございますが、先ほど先生からお話がございましたように、教職員定数の在り方に関する調査研究協力者会議の中でも、そのような指摘をいただいているところでございます。
 いずれにいたしましても、今後の児童生徒数の減少に伴い、全体としての学級規模もある程度縮小していくことが予想されることもありまして、このような状況も見ながら今後さらに研究をさせていただきたいと考えております。
#23
○輿石委員 その点はぜひ研究をしていっていただきたいと思います。そんな確認をしながら、四十人学級を見送った理由も多少わかりましたし、今後の文部省の姿勢もわかりましたので、私は、そこで、今回の教職員の定数の重点配置、そういう形の中で今回の改善がされたわけですから、その中身について順にお尋ねをしてまいりたいと思うわけであります。
 教育の一層の個性化を図るためにこういう改善計画がなされ、先ほど渡瀬委員の質問の中にもありました、その答弁にもありましたように、小中学校、義務制には新しい指導方法の工夫改善をしていくんだ、こう文部大臣も答えられましたし、高校の方は多様な教育課程の編成、指導方法の工夫改善を図るために今度の措置がされたということも確認できました。
 そして、児童生徒の減少期に入ってきたという実態の中で、一方ではこの二十二日に業者テストの問題で文部省は再度通達も出しているはずであります。そのことについて、きょうは業者テストじゃありませんから触れようとは思いませんけれども、また担当も違うようですから触れませんが、次回にしたいと思いますが、一つだけ、小学校から中学校、また中学校と高校の関係の業者テスト問題については今度の通達で触れているわけですけれども、一体、高校はどうなっているか。高校と大学の関係、そこで業者テストが使われて行き来をしているという現象的なものはないでしょうけれども、高等学校でも業者テストが使われ、大学への進学の資料にしているかいないか、その辺の調査も必要であろうと思います。きょうその答弁を求めるつもりはありませんが、今後そのことについても私はお願いをしていきたいと思っておるわけであります。
 そこで、今回の重点配分は、やり方によれば大変重点配分ということで基準がはっきりしていない、そういう側面も一つはあろうかと思うわけであります。例えば学級の生徒の数で何名教職員を配置するというのは、だれがやっても物差しが一つですから、偏差値じゃないですから、簡単にいくわけですけれども、今度の重点配分になれば、この重点配置が新たな学校間の格差につながっては大変だと思うわけであります。その辺についてはどうお考えですか。
#24
○井上(孝)政府委員 お答え申し上げます。
 文部省の協力者会議の最終報告におきまして、指導方法の改善に伴う教職員配置の基本的考え方が示されているところでございますが、これによりますと、新しい指導方法の導入に伴う定数の加配の対象となり得る学校は、第一に、個に応じた多様な教育の推進を行うために、一斉授業に加えて、適宜、個別指導、グループ指導等を導入し、複数の教員が協力して指導を行う学校、第二に、あるいは中学校で多様な選択教科を積極的に開設する学校で、適切な実施計画の作成など、学校の準備体制が整っている学校に配置することとなっているところでございます。
 文部省におきましては、この協力者会議の最終報告に基づいて、各都道府県教育委員会からの配置希望校の申請に基づきまして、各都道府県の児童生徒数、学校数、学校規模、教職員数等をもとに各都道府県ごとの定数を配分したいと考えているところでございます。
 各都道府県教育委員会におきましては、各市町村教育委員会の意見を聞きながら、各学校の希望等を考慮いたしまして、定数及び具体の人事配置を行うこととなるというように考えておるところでございます。
#25
○輿石委員 今局長のお話ですと、簡単に言えば、同じ条件でも、数の多い大規模校の方から、しかも学校にそれを受け入れるだけの体制があるところ、しかもやる気のあるところ、こういうふうに聞こえるわけであります。それはだれがどういう形で決めていくわけですか。
#26
○井上(孝)政府委員 お答え申し上げます。
 先ほどお答え申し上げましたように、一応調査研究協力者会議の報告に示されておりますような考え方をもとといたしまして、全体としては専門家会議の御意見を踏まえて、各都道府県から申請のあった配置希望数等について文部省が最終的には各都道府県の配置数については決めるわけでございますが、具体的には各都道府県教育委員会におきまして、各市町村教育委員会の意見を聞きながら、各学校の希望等を考慮して、定数あるいは具体的な人事配置を行うことになるわけでございまして、そういう意味では、定数の具体的な配分については各都道府県教育委員会におきまして行うことになろうかというように考えております。
#27
○輿石委員 専門者会議を通して具体的な配分については設置者である、責任者である各都道府県または学校現場に任せる、そう確認してよろしいですか。
#28
○井上(孝)政府委員 今先生がおっしゃったように、具体的には各学校の希望を踏まえて各都道府県教育委員会が配分を決めるということになろうかと思います。
#29
○輿石委員 あえてその辺の確認をさせていただいたのは、大事な点だと思うからであります。と申しますのは、やはりこれから改善計画が行われ、ややもすると、うっかりすると新たな定数上の学校間格差、そういうものが起きる心配もあるわけです。そして、それをチェックする機能も必要だけれども、文部省がそこまで具体的な配置やそういうところまで権限を持つとすれば、それは長短あるわけでありますね。現場や設置者を信頼し、そこは任せるべきだと私も思うわけであります。しかし、この改善計画が平成十年まで六年間で順次やられることですから、各県でどのように実施状況がなっているか、その辺については文部省はやはり監視をしていく必要があろうと思いますが、その辺はどうですか。
#30
○井上(孝)政府委員 お答え申し上げます。
 先般公表されました調査研究協力者会議の最終まとめにおきまして、新しい指導方法の推進に対応する教職員配置につきましては、国においては、「各都道府県における取り組み状況等を的確に把握し、指導、助言、援助することができる専門家から成る組織とそれを運営する体制を整備することが適当である。」と提言されているところでございます。したがいまして、これを受けて、文部省といたしましては、来年度なるべく早い時期に教育関係者等の専門家から成る協力者会議を発足させまして、各都道府県の取り組み状況等に応じまして、適切な指導、助言、援助等が行える体制を整備していきたいと考えております。
#31
○輿石委員 ありがとうございました。また関連質問の中で触れてもらえるかとも思いますから、その問題はその程度にしておきたい、こう思うわけであります。
 もう一つ心配されますのは、この重点配置の方法によって、やり方によってはと繰り返し繰り返し言っているわけですが、平成三年度の文部省の調査によりますと、公立高校で受験、大学進学率アップ、そういう施策を各県で考え、全国で二十二県ぐらいそれへ公金を出して、大学進学率アップに補助金を出したというのが取りざたされた経過があるわけであります。そういうようなどうしても入試制度、大学入試、高校入試が目の前にぶら下がっているものだから、そちらの方へせっかく来た定数が利用されてしまうというようなことは厳に慎むべきだし、お互いに自重していかなければならない。これは現場も、また地方教育委員会も、文部省も、ともに気をつけなければならない点だ、こう思うわけであります。その点についてはいかがですか。
#32
○井上(孝)政府委員 お答え申し上げます。
 今回の定数改善におきまして、チームティーチング等の導入による個に応じた多様な教育を行うための新しい指導方法を行えるための教職員配置につきましては、基礎・基本の重視と個性を生かす教育を実現するために、複数の教員が協力して、小人数による指導やあるいは個別指導を行えるようなことを目的とすることは、先ほど大臣から御答弁があったとおりでございまして、そういう点から、例えば児童生徒の学習の進度や理解の程度あるいは学習課題等の違いに応じて、複数の教員がそれぞれ役割を分担して指導に当たることによってきめ細かな教育の実現を図るものでございます。
 そういう意味では、先生が先ほど御指摘のような大学進学あるいは上級学校への進学に向けたそういう受験準備のためというような意味合いでは全くございません。したがって、そういう意味で、各学校においては、具体的には年間の指導計画と事前の入念な授業計画に基づいて、複数の教員が役割分担を明確にして、その上で個に応じたそういう指導方法を導入し、それによって児童生徒一人一人の基礎・基本の徹底と個性を生かす教育の実現を図るためのもの、このように理解しておるところでございます。
#33
○輿石委員 十分にお互いに気をつけていかなきゃならない問題だ、こう思います。
 今回の改善策が――一学級当たり四十人から三十五人になったから、それで配置をするというのは物差しが一つだと私は言ったわけですが、基準がはっきりしているので割合にやりやすい。しかし、専門者会議なりなんなりのところで基準も考えていくでしょうけれども、この辺、一つの法案にかかわって心配する点について指摘をしておきたいと思うわけですが、今度の改正案の七条の二項に「小学校又は中学校において児童又は生徒の心身の発達に配慮し個性に応じた教育を行うため、複数の教頭及び教諭等の協力による指導が行われ、」チームティーチング等を指すのだと思いますが、「又は教育課程」、この場合は「中学校の教育課程に限る。」こうしているわけですが、「編成において多様な選択教科が開設される場合には、前項の規定により算定した数に政令で定める数を加えた数を教頭及び教諭等の数とする。」というふうになっているわけですね。これを見てみますと、今までの標準定数とは違って、その定数の選定基準が非常にあいまいに見えるのであります。
 具体的に指摘しますと、ここで言っている「複数の教頭及び教諭等の協力による指導」というのは、だれが協力する体制にあると認めてこの教員配置の対象とするのか。また、これが抽象的ですから、そういう体制にある、こう判断されれば配置をしていく。あなたの学校はそういう体制にない、こう言われた場合には配置がかなえられないという場合もあり得るわけですね。その点いかがですか。
#34
○井上(孝)政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま先生御指摘の義務標準法第七条第二項で「複数の教頭及び教諭等」という表現が使われているわけでございますが、これは第七条第一項の柱書きにおきまして「教頭、教諭、助教諭及び講師(以下「教頭及び教諭等」という。)」と定義したことによりまして、「複数の教頭及び教諭等」という表現となっているものであります。これは御指摘のように、用語上の問題でありまして、チームティーチング等の実施のために教頭が加配されるものではございません。そういう点で、チームティーチングは、複数の教諭の協力によって、その授業計画を立案し、授業の実施を展開していただくということになるわけでございます。
 そこで、具体的にそういうような判断はだれがするかという御質問でございますが、チームティーチングは、複数の教員が協力して、事前に、組織的に指導計画、学習指導案の作成、教材教具の収集開発、評価活動等を行いながら、新しい指導方法を展開していくわけでございまして、そのような指導計画全体を具体的には各市町村教育委員会が判断して、各都道府県教育委員会がそういう教員の加配をしていくということになるわけでございます。
#35
○輿石委員 そうすると、それは各市町村教委の責任ということになりますか。
#36
○井上(孝)政府委員 学校におきましてそういうチームティーチング等の指導計画というものについては作成するわけでございますが、それに基づいて市町村教育委員会に申請をして、市町村教育委員会で、都道府県教育委員会からのその必要な教員の配当を受けた場合、具体的にはその学校に教員を加配していくということになろうかと思うわけでございます。全体的には、先生御存じのとおり、各都道府県ごとに教員の、毎年度国において定めた政令に基づきまして教職員の配置基準というものを定めていくわけでございまして、その範囲内におきまして、都道府県教育委員会からの各学校からの申請に基づく必要な教員について配当をしていくという手続になろうかと思います。
#37
○輿石委員 その配置の対象や配置の方法、基準等については、今後の課題としてまだかなり検討していく余地もあるし、その点についても、やはり文部省も行政の責任としてきちんと配慮していってほしいと思います。
 それで、今回の配置の全体の人数は、資料もいただいてあるわけですけれども、全体で三万四百人、六カ年で三万四百人という配置になるわけですね。児童生徒の減少期に入って、教職員の自然減がこのままでは六年間で六万人にも及ぶ。今度の改善によって、簡単に言えば、その半分は助かるということになっているわけです。昨年の八月に、この第五次並びに第六次の標準法改善計画が出された時点で、人数が五千人足らず大蔵省との折衝の中で削られたということになるわけですけれども、その辺の経過、それから、それがそのまま認められていればどうなったのか、その点について。
#38
○井上(孝)政府委員 お答え申し上げます。
 概算要求時におきましては、先生がおっしゃるように三万五千二百九人の要求をいたしたところでございますが、予算編成過程におきまして四千八百九人が削減されまして、全体で三万四百人の計画となったところでございます。この結果、当初の改善計画と比べますと五千人弱の縮減となったわけでございますが、これは、現下の厳しい財政事情のもとで当初要求どおり六年計画で実施することにより、主としてチームティーチングなどの新しい指導方法の改善に係る定数について査定を受けたものでございますが、チームティーチングなどの新しい指導方法の改善については一万六千五百七十一人の改善増が認められたわけでございまして、また、そのほか従来から学校運営の実態に基づいて改善を要求していた部分については、すべて当初要求どおり認められたところでございます。
 また、教育の個性化推進のためにチームティーチングなどの新しい指導方法を実施するための教職員配置につきましては、全体として、その計画の中で二分の一以上これに充てることができることになりまして、多様な指導方法を導入して教育の個性化を推進する上で十分効果を上げ得る計画数であるというように考えているところでございます。
 そこで、仮に概算要求ベースだとどのぐらいの規模の学校まで配置ができるのかというお尋ねでございますが、今回の改善計画のうち、チームティーチングの導入、選択履修の拡大に係る改善数は、小学校総数の約三分の一の三四・四%に当たり、仮に規模の大きい学校から各学校に一人ずつ配置したといたしますと、十五学級程度の学校まで配置が可能となります。また中学校につきましては、学校総数の約七割の七〇・七%に当たりまして、同様に各学校に一人ずつ配置したと仮定いたしますと、九学級程度の学校まで配置が可能となるわけでございます。今回の改善計画数が仮に概算要求ベースだといたしますと、チームティーチングの導入、選択履修の拡大に係る数は、小学校一万八百三十七人、中学校九千九亘二人でございましたので、これを仮に規模の大きい学校から各学校に一人ずつ配置したといたしますと、小学校総数の四四・一%に当たり、十四学級以上と十三学級の約六〇%程度の学校まで配置可能となったわけでございます。また中学校につきましては、学校総数の九三・五%に当たりまして、四学級以上と三学級の七〇%程度の学校まで配置が可能となったと考えているわけでございますが、いずれにいたしましても、この改善計画によって、多様な指導方法を導入して教育の個性化を推進するために、今回の改善計画におきまして十分効果を上げ得るというように考えているところでございます。
#39
○輿石委員 今局長の方から御説明をいただいて、当初の数字で五千人足らず削られたわけですけれども、それがそのまま認められた場合には、一人一校と考えて、中学校の場合には約七割のチームティーチングの配置ができた、それが五五%ぐらいになる、小学校の場合には四四%ぐらいが一〇%ぐらい落ち込んでくる、こういう結果になったわけですね、その五千人足らずの減によって。そう考えてまいりますと、小学校で十五学級以上、中学校においては九学級以上の学校にはチームティーチング、新しい指導方法の改善がなされるけれども、それ以外のトータルでいいますと、やはり全体では半分以上の学校でその新しい指導方法の改善という面については何ら処置されないということにもなるわけでありますね。そうすると、平成十年まで、その間にこの配置校に当たらなかった子供たちは、同じ教育を受ける権利、教育の機会均等という点からいっても差がついているわけですから、この第五次、第六次の計画でよしとすることは文部省も考えてはいないと思いますが、その点、いかがですか。
#40
○井上(孝)政府委員 お答え申し上げます。
 中学校につきましては、先ほど御説明いたしましたが、概算要求ベースですと、学校総数の九三・五%に当たる学校に配置が可能だと考えておりましたが、この改善計画ですと、中学校については七〇・七%の学校まで一人ずつ配置できるということでございますので、ちょっとその点について再度御答弁させていただきます。
 ただいま、それ以外の学校についてはどうなのかというお尋ねでございますが、私どもとしては、チームティーチングは、既に昭和三十八年から我が国においてはチームティーチングが始められてきているわけでございまして、昭和四十三年の小学校学習指導要領におきまして、教員の協力による指導方法を工夫するというようなことも既に学習指導要領上も規定されていたということもございまして、全国的にチームティーチング等が教員の加配が行われずにもう既にかなりの学校が実践をしてきたという実績があるわけでございます。
 そういう点から、学級規模全体も小学校で二十九・一人、中学校で三十三・九人という実態でございますので、そのように学級規模が小さい学校におきましては、こういう新しい指導方法をそれぞれの学校における指導方法の工夫改善によりまして、複数教育による指導計画の作成によって、それを、より個に応じた教育ができるように、グループ指導や個別指導も取り入れた指導方法はかなりできるのではないかというようにも考えているわけでございます。
 したがいまして、そういうような過去のチームティーチングの実践の成果、そういうものを踏まえて、そのほかの学校においても積極的にそのような指導方法を取り入れていただくことを私どもとしては期待しているところでございます。
#41
○輿石委員 私が言わんとしていることは、小学校で十五学級、中学校で九学級以上、このチームティーチングの新しい指導方法という形で今度の改善計画の中では処置される、それ以外の小中学校には処置されない、そこをどうしていくのか。局長は、それは小さい学校だから、簡単に言えば。いろいろの工夫や何かで既にやっているところもある、そういう実績もある、だからそれで行えばいいというふうにも聞こえるわけですけれども、私の言いたいのは、規模が大きいから小さいからで改善されるされないではなくて、理想的には、数が決められているから生徒数の多いところから配置するしかないということであって、できれば全国の全小中学校へ願いたい、こういう意味で申し上げたわけですから、小学校が二万四千五百五十七校ですか、中学校が一万五百九十五校、この合計三万五千幾らかになるのですか、この合計の数に見合う学校がすべてそういう配置ができればなと、これは理想ですけれども。だからその辺の、文部省として今後そういう点についても逐次改善をする用意があるのかないのか、こういうことです。
#42
○井上(孝)政府委員 お答え申し上げます。
 チームティーチングの導入は、先生がおっしゃるように、大規模校のみならず、比較的規模の小さい学校においてもぜひ積極的に取り組んでもらいたいというように私どもも考えているところでございます。
 したがいまして、今回の改善計画におきまして、協力者会議の報告で、特にチームティーチング等の導入のための教職員配置につきましては、チームティーチング等に積極的に取り組んでいる学校で、児童生徒数の多い学校等にまず優先的に教職員を配置するなどの工夫をすることが適当である旨の提言がされているところでございます。これは、小規模校においては、一学級当たりの児童生徒数が少なく、比較的きめ細かな指導が行われ得る条件にあるのに対しまして、大規模校では、一学級当たりの児童生徒数が多いため、できれば特定の学年や特定の教科についてだけでも、二十人ないし三十人程度の学習集団による指導の機会が得られるようにしたいという考え方でございますが、今後、各都道府県教育委員会等を通じて、各学校の状況を的確に判断しながら、実態に応じて適切に対処できるように検討してまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、この第六次の公立義務教育諸学校教職員配置改善計画あるいは第五次の公立高等学校学級編制及び教職員配置改善計画での成果を見きわめながら、改めて今後の定数改善については、その時点で検討していく事柄であるというように考えておるところでございます。
#43
○輿石委員 今局長の中で、ずっと気になるのですが、チームティーチングの指導法を、配置するときの基準、目安みたいなものの中に、そういう体制がつくられていて、しかも意欲的な学校に配置しますよと。だから、同じ十五学級、九学級以上であっても、意欲的でないと見られたときには優先順位としてだめだ、そういうようにも考えられますね。いかがですか。
#44
○井上(孝)政府委員 お答え申し上げます。
 先ほどお答え申し上げましたように、今回の改善計画におきましては、チームティーチングのための教職員の数というものが、先ほど申し上げましたような改善数ということもありまして、協力者会議では、まずこの新しい指導方法の導入については、児童生徒数の多い学校等で、積極的にチームティーチング等に取り組んでいる学校というところにまず優先的に教職員を配置するというような提言をいただいているわけでございますが、同じ十五学級の学校におきまして、それぞれ必ずしも毎年度、固定的にその定数を配当するということでもないわけでございまして、その年度に応じまして、そういう指導方法の工夫改善を行う学校にそういう定数を配当していくということも考えられるわけでございますので、それぞれの学校において、このような新しい指導方法を導入することによって、子供たちの個性を生かす教育をぜひ実現してもらいたい、このように考えておるところでございます。
#45
○輿石委員 じゃ、その点については終わります。
 それから、チームティーチング、新しい指導方法の工夫、個に応じた教育の展開で、チームティーチング、これがほとんど、半分以上の配置率になっているわけですが、きめ細かい生徒指導の充実という中に、生徒指導の充実ということで改善数が八百九十人用意をされていますね。それから学校運営の円滑化を図るという、そういう事項にかかわって、教頭の複数配置が、これは三十学級以上の大規模校へという条件ですか、それで二百七十一名配置をされていると思いますけれども、この生徒指導の充実と学校運営の円滑化にかかわる教頭複数配置のこの項については、どちらを選んでもいいというようなニュアンスで説明があったとかと聞いているわけですけれども、その辺はいかがでしょう。
#46
○井上(孝)政府委員 今回の改善計画では、近年教頭の職務といたしまして、初任者研修を中心として校内研修の充実、あるいは生徒指導上の問題への対応、特色ある教育課程など、指導面における重要性が増しているということ、あるいは中学枝の大規模校において、いじめ、非行問題などの問題行動を中心とする生徒指導上の問題への対応等が必要であるということ、さらに小学校においても、青少年非行の低年齢化、いじめ等に対応する必要があることから、三十学級以上の小中学校に一名の教員を配置することとしたところでございます。この教員の配置につきましては、各学校の実情に応じて、各学校の抱える問題に対応するために必要な教員を配置できるようにする趣旨から、三十学級以上の小中学校の二分の一に教頭を、二分の一に生徒指導担当教員を配置できることとしたものでございます。
#47
○輿石委員 その教頭の複数配置の点については、教育現場では、生徒指導の充実が困難ということを考えれば、教頭さんに来てもらうよりも、現職のばりばりの若い先生に来てもらって子供とがっちり取り組んでもらいたいんだ、そういうような声もあるわけでありまして、その辺を柔軟に対応できるかどうかという点についてお聞きをしたいのです。
 何か文部大臣、予算委員会の方へ行かれるということで十一時から姿がなくなるということですから、ちょっと途中ですが、ここでぜひお聞きしたいのは、文部大臣、十五の春を泣かすなという言葉、御存じだと思います。それと、七五三教育、そんな言葉を聞いたことがございますか。
#48
○森山国務大臣 どちらの言葉も伺ったことはございます。
#49
○輿石委員 そこで、平成四年度、一九九二年度は日本が大きく変わった年だ。学制発布百二十年の歴史の中で学校五日制が九月十二日の土曜日から入った。我が国では月曜日から土曜日までが学校へ行く日という常識を、月曜日から金曜日までというふうに意識を変えるわけですから、大変な戸惑いや不安や、期待もあろう。
 十五の春を泣かすな。しかしその中で明るいニュースが三つある、こう言われたんです。一つは、バルセロナ・オリンピックで岩崎恭子ちゃんが十四歳で金メダルを取った。そのメダルヘ税金をつけるというおもしろい話が出てきたわけですが、それは別にして、この子が今度中学三年になります。あの子がメダルを取ったときに、十四年間生きてきて今が一番幸せと、こういう名言を吐いた。もう一つは、宇宙飛行士のも利衛さんが、宇宙から北海道の自分の母校に宇宙授業をやった。そして地球に国境はないという、その言葉と、そして恭子ちゃんの今が一番幸せ。その今が一番幸せという気持ちが十五の春で泣いてしまうというような実態が現場にはあるわけですね。
 だから、今後そういう受験体制に組み込まれる子供たちに対して、ここで文部行政の最高責任者として、しかもこの歴史の中で女性の百十五代の文部大臣が出てきたという期待があるわけですから、女性の感性でこれから文部行政はこうやっていくんだと、最後にそれを言い残して予算委員会の方へ行ってほしいと思います。
#50
○森山国務大臣 先ほど最初に申し上げましたように、これからの世の中は個性化、多様化、柔軟化ということが求められているわけでございます。それは教育のあらゆる場面で必要なことでありまして、中学生、受験期、あるいはまた高校生から大人になっていく、そういうすべての場で今までとは違った個別の対応がとても必要だというふうに考えまして、例えば、先生のお言葉にも出てまいりました偏差値の問題、あるいはいわゆる業者テストの問題なんかにつきまして思い切った方針を決定いたしまして、地方にも協力をお願いしているわけですが、そのようなこともその一つのあらわれでございます。
 中学生が高校生になる段階で入学試験というものを通らなければいけない。その入学試験が、本人の努力や、本人の希望や本人の可能性とは直接関係のないやり方で、偏差値によって輪切りされるというようなことは、もう岩崎恭子ちゃんに限らず、すべての中学生にとって大変ひどいことでございますので、そういうことが起こらないようにというのが願いなのでございます。それは私が女性だからとかいうこととは直接関係なく、むしろ前大臣の鳩山先生が非常な勇断をもって最初の第一歩を踏み出してくださいまして、それに私も全く賛成でありましたので、同じ方針を貫いていきたいというふうに考えてやっているところでございます。
 私も、先生方の御議論を伺っております間に、自分自身が子供を育てておりましたときのいろいろな場面を改めて思い出しておりまして、そのときの母親としての気持ちもしみじみと考え直しているようなわけでございまして、そのような気持ちをこれからも持ち続けて、世の中のお母さん方、また親御さん、子供たちの気持ちが少しでもみずみずしくそのまま反映できるような、そして日本全体の将来のためによいような、プラスになるような、そして国民が一人一人充実した生活を送り、かっ社会にも貢献できるような、そういう理想を胸にしっかり置きまして、これから努力していきたいと思っております。
#51
○輿石委員 ありがとうございました。
 子供を産み育てた経験を交えての決意を語っていただいたわけですから、ぜひその姿勢を忘れずに。ただ、百十五代、明治十八年というと百七年、文部大臣は一年もたないという計算が出てくるわけでありますが、ぜひしっかりお願いしたいと思います。
 それではまた本論へ戻らしていただきまして、私は、次に、私立高校の学級規模の適正化について若干時間をいただいて御質問をさしていただきたいと思っているのであります。
 この問題は、ようやくといいますか、公立の高等学校の四十人学級が実現をしたわけであります。これに伴いまして、私立高校に対しては一体どういう対策を文部省としては考えておられるのか、その点についてお尋ねをします。
#52
○中林政府委員 お尋ねのありました私立高校についての四十人学級についてお答えを申し上げます。
 私立学校における一学級当たりの生徒数の望ましい姿というものにつきましては、基本的には公立学校と変わらないところである、このように考えているのでございます。したがいまして、来年度から公立高校の学級編制の標準が改善されますれば、私立高校においても、その学級編制を改善する方向での努力が求められてくる、このように思っているところでございます。
 実態について少し申し上げますと、日本私立中学高等学校連合会という中央団体の調査でございますけれども、全国平均で一学級当たりの生徒数は四十二・七人、このようになっております。過疎を抱えている県では四十人以下が多いようでございますけれども、ならしてみますと、そのような数字でございます。
 私立高校における学級編制の改善につきましては、基本的にはそれぞれの私学の経営者であります設置者、それぞれの学校の経営努力に期待するところが大きいのでございますけれども、私どもといたしましても、さらに学級編制の実態を把握しつつ、都道府県が所轄庁でございますので、都道府県に対しましても必要な助言なり指導を行ってまいりたいと思っております。
 申すまでもなく、文部省といたしましても、私立学校振興助成法の趣旨に基づいて私学助成の充実に努めてまいっておりまして、振興助成法の趣旨には教育条件の向上を図るためというものも一つ入ってございますので、そのような趣旨を体しながら、今後とも私学助成の充実に努めてまいりたいと思っているところでございます。
#53
○輿石委員 今後も私学助成には力を入れていきたいというお話でありますが、私立高校の学級編制はどのような基準で実施をされているわけですか。
#54
○中林政府委員 私立高等学校の学級編制の基準でございますけれども、法令的には高等学校設置基準第七条によりまして、「同時に授業を受ける一学級の生徒数は、四十人以下とする。」ただし書きもございまして、「特別の事由があるときは、この数をこえることができる。」ということでございまして、高等学校設置基準第七条によりまして、それぞれの設置者であります私学が個々に御判断になって学級編制の数を決めている、このようになっているところでございます。
#55
○輿石委員 私立学校には配置基準ですか、それが現にない。それで、公立の高校設置基準が適用されているわけですね。そして、今答弁をいただきましたように、「一学級の生徒数は、四十人以下とする。」というふうに書いてあるのですね。しかし、「但し、特別の事由があるときは、この数をこえることができる。」という七条のただし書き。このただし書きあるいは附則、いろいろなところで、学校教育にかかわる条文というのは附則というものが本則を飛び越えてひとり歩きをしているという実態があちこちにあるわけですね。この後も図書館司書の問題についても触れたいと思うわけですが。この辺はどう考えられていますか。
#56
○井上(孝)政府委員 お答え申し上げます。
 高等学校設置基準におきます「特別の事由」及び高等学校の標準法におきます「やむを得ない事情」と申しますのは、過去に生徒急増期がございまして、できるだけ多くの生徒を収容できるようにという配慮や、人口過密地域におきまして、高校進学希望者の増加に対応して高等学校の収容能力を高めなければならないにもかかわらず、地域の事情により高等学校の新設のための用地の確保等が非常に困難な場合を想定しているものというように考えられるわけでございます。高等学校の標準法の改正によりまして、学級編制の標準が四十五人から四十人に引き下げられても、なおこのような事情が生じた場合には、同様の措置がとられることが考えられるために、今回この規定は改めなかったものでございます。
#57
○輿石委員 今局長が言われた歴史的な経過もわかるわけですね。急増期、高校生がどんどんふえていく。その時期には、校舎が足りない、用地が足りない。校舎を建てても建てても生徒の数に追いつかない。こういう状況ですから、やむを得ない特別の事由というふうに認めてもいいとは思うわけですが、これから生徒は減っていくわけですね。十八歳人口は昨年をピークにぐっと減っていく。だから、校舎や用地というのは現状で十分間に合うわけですから、ただし書きはとれないという理由はなくなっていく、こう思うわけですけれども、その辺はいかがですか。
#58
○井上(孝)政府委員 お答え申し上げます。
 先ほども申し上げましたが、高等学校の生徒数が今後減少に向かうということは、先生御指摘のとおりでございます。しかし、社会増地域等におきましては、高等学校の学級数をふやしたり、あるいは新設高校を増設するというような必要性もなお生じているわけでございまして、そういうような事情が生じた場合には、やはり高校進学者の増加に対応するようなやむを得ない場合として、この特別の事情が考えられることがあるわけでございますので、そういう点からこの規定を改めなかったものでございます。
#59
○輿石委員 今なお過疎過密が同居している日本列島ですから、そこは地域に応じた対応ということになろうかと思うわけですけれども、十分にそういうものが満たされるところはどんどん四十人学級にしていく方向でよろしい、そういう指導も文部省としては必要にも思うわけですが、いかがですか。
#60
○中林政府委員 先ほども私は触れたつもりでありますが、基本的には公立学校の学級編制と同じような姿が望ましいと考えられますので、私立学校の経営者側にそのような自主的な努力をまず期待しているわけでございます。そして所轄庁であります都道府県も、そのようなことを支援、奨励するための助成、援助。そして私どもは国庫補助金の充実。このようにしてそれに対処してまいりたいと思っております。
#61
○輿石委員 中林部長の方から、私学の高校に対する国としての補助金も考えていきたい、こういうお答えがあったわけですが、今の補助単価は一人四万五千円ぐらいですか。そして、それは一人幾らという人数割りになっていると思いますが。
#62
○中林政府委員 お答えいたします。
 私立高校全日制・定時制の国庫補助金の平成五年度予算案の一人当たりの単価でございますが、御指摘にございましたように四万二千四百円、対前年度で一・六二%の単価アップでございます。もう一つお尋ねの積算の仕方でありますけれども、そのとおりでございまして、生徒一人当たり単価を基礎にしてやっております。
 この考え方について若干申し上げますが、まず国庫補助金については、それぞれの所轄庁であります都道府県、これが私学の経常的経費に助成をした場合に、国が都道府県に対して、その一部を補助するという基本的な仕組みになってございます。したがいまして、都道府県がどのような配分の方針でやっているかということについては、私どもがどうこうするのではなくて、それぞれの都道府県にお任せしているわけでございます。したがいまして、国庫補助金を生徒一人当たりで今積算をいたしておりますけれども、そのことのゆえをもって都道府県の助成制度を何らかの制約を加えているということにはなっていないということは申し上げられると思います。
#63
○輿石委員 私もその点はよく理解できるわけですが、一つの提案として、一人幾らという補助単価の方式ではなくて、一学級当たり幾らという補助の仕方もあるのではないか。そうすれば、やはり私学の経営者の立場になると、一つの学級の中へたくさん入れて経営上安く上げたい、大変今競争も激しい、生き残り策もある、それが業者テストにもあらわれている、こういう背景もあるわけですから、一クラス当たり幾らだよといえば、厚飼いにしないで、逆に学級数をふやそうという努力もしてくる。そうすると、そこが四十人学級、三十五人学級というふうな道へつながっていく。そうには考えられませんか。
#64
○中林政府委員 おっしゃることも一つの考え方だと思います。
 現状を少し申し上げますけれども、個々の都道府県は、私立学校に対しまして必ずしも生徒数に単価を乗じて補助するという、そういう方式のみではなくて、おっしゃるように、多くの場合、学級数あるいは教職員数等さまざまな要素に着目して補助しているところでございます。私どもこのように承知しているところでございます。
 国の補助は、先ほど申し上げましたような基本的な仕組みでございますので、生徒割りで積算をしているわけでございますけれども、御提案の件につきましては、今後一つの研究テーマではあろうかと思うわけでございますけれども、私どもとしては、従来から進めております国庫補助金総額の確保充実ということに努力をいたしまして、そして結果的に四十人学級編制を奨励、支援する、そういう助成が進むように努力をしてまいりたい、このように思っているところでございます。
#65
○輿石委員 もう一つ、この私学助成にかかわってお聞きをしたいわけですが、一昨日のこの委員会でもちょっと論議があったと思います。一月二十五日に宮澤総理の所信に対する各党の代表質問の中での本会議でも出てきた問題であります。憲法八十九条とのかかわり、私学助成とのかかわりというようなことで論議が若干されたと思いますけれども、そして、それに対して文部大臣、一昨日これが憲法違反になるかならぬか、ここで八十九条問題を憲法の問題として論議する場ではないわけですから、それを私はしようということで提起をしているわけではありません。私学助成のあり方として、この八十九条の問題も出てきた。文部大臣は、この八十九条の「公の支配」というものとの整合性は、既に私学振興助成法が議員立法で成立をしてきた経過の中で解決されている、決着がついている、こういう意味の答弁も、宮澤総理も同じ趣旨の意味のことを答弁をしていると思うわけであります。
 私もそのように理解をしているわけですけれども、三塚政調会長はこの問題について、もう大学生の八割が私立大学で学んでいる、平成四年度の私学助成金は全体で三千八百億円にも上っている、そういう実態を訴えながら、教育の機会均等を確保する立場、そしてまた日本は教育立国だという観点からも、国は私学振興に積極的に進まなければならないと思う、しかし、これが憲法とのかかわりで見直す必要があるだろうという趣旨で質問されているわけですが、その前座が私学助成の必要性を訴えていると思うわけでありますので、私学振興助成法が成立した所期の趣旨に返って、今後ともこの私学助成については積極的に国としても考えていくという確認をさしていただきたい、こう思うわけですが、いかがですか。
#66
○中林政府委員 先生御承知の上でお尋ねのようでございますので、あるいは繰り返しでくどくなるかもしれませんけれども、私立学校につきましては、大臣もお答えしたところでございますけれども、学校教育法、私立学校法、私立学校振興助成法により各種の監督規定が設けられております。憲法八十九条に言う「公の支配」に属しているところでございまして、現行の私立学校に対する助成措置は憲法上問題はないというふうに私どもは理解しているのでございます。このことは、私立学校法制定時、昭和二十四年でございますけれども、当時から政府の考え方でございまして、昭和五十年の私立学校振興助成法制定時には、さらに監督規定が整備されまして、現行の私学助成は憲法上是認されるという解釈が確立したもの、このように考えているのでございます。
 なお追加いたしますと、内閣法制局においても従来から一貫して同様の考え方が示されておりまして、昭和五十四年の参議院の予算委員会での当時の内閣法制局長官の答弁においても、また、先生もお触れになりましたけれども、先日二月二十三日の参議院の文教委員会におきましての内閣法制局第一部長の答弁においても同様の答弁がなされているところでございます。
 したがいまして、私どもは、この憲法論議ということはさておきまして、私学助成を進めるにとって、この憲法八十九条との関係においては支障のない関係になっているということでございますから、従来どおり、私学振興助成法に基づきまして私学振興の観点から私学助成を精いっぱい推進していきたい、このように思っているところでございます。
#67
○輿石委員 ぜひそのようにお願いをしたいと思います。
 この私学助成にかかわる最後の質問として、私冒頭にお願いをいたしました、この私学についての定数の標準は、公立高等学校の学級編制の基準、高校設置基準が適用されているということですが、この高校設置基準の「但し、特別の事由があるときは、この数をこえることができる。」という、このことを見直す、そんな考え方はありませんか。見直してほしい、こう思うわけでありますが。
#68
○井上(孝)政府委員 お答え申し上げます。
 私立学校につきましては、先ほど私学部長から答弁がありましたように、公立高等学校の学級編制基準の四十五人から四十人への改善に従いまして、その趣旨を十分同じように私立学校にも実施されるような指導を行うという御答弁を申し上げたところでございますが、ただ、全体として見た場合に、先ほどから申し上げておりますように、やはり地域によりまして人口の社会増による特別の事情が生じるというような場合も、必ずしも今後も皆無ではないというようにも考えておりますので、そういう限定された場合については、やはり特別の事情ということが許容される範囲内でどうしても必要になることも考えられるわけでございますので、そういうふうに特別の事情を限定的に考えることによりまして、この規定を今回は改正するということは見送ったところでございます。
#69
○輿石委員 このただし書き以降のことについては限定をされて解釈をしていく、そこに期待をしていきたいというふうに思います。
 それでは大分時間も少なくなりましたので、学校事務職員の複数配置について、先ほども御質問があったわけですけれども、私の方からも質問をさしていただきたいと思います。
 この学校事務職員の複数配置については、全体で千三百八十九人の改善数がなされるわけですね。そして、現在まで小学校は三十学級以上のところへ複数配置がされたのが二十七学級以上というふうに改善をされ、中学校が二十四学級以上を二十一学級というふうに改善をされていった。これは大変評価をしたいと思うわけでありますが、先ほどの質問にもありましたように、この事務職員の複数配置は、純粋に事務職員の仕事という意味で配置をされていない、そんなふうにもお聞きをしているわけですけれども、最初にその点について。
#70
○井上(孝)政府委員 お答え申し上げます。
 社会の情報化の進展の中で学校図書館の果たす役割が一層増大しておりまして、学校図書館担当の事務職員を充実する必要性が高まっているわけでございます。このことから、今回の改善計画におきましては、小中学校につきましては、学校図書館の事務量が増大する大規模校におきまして、事務職員が図書館事務を分担することができるように、複数の事務職員の配置基準を、小学校につきましては現行の三十学級以上から二十七学級以上に、中学校につきましては現行の二十四学級以上から二十一学級以上といたしまして、千三百八十九人の改善を行うこととしているわけでございます。また、高等学校につきましては、学校図書館専任の事務職員の配置基準を現行の十八学級以上から十二学級以上としまして、七百六十人の改善を行うこととしております。
 これによりまして、学校図書館の運営が一層充実できるものと考えておりますが、特に小中学校につきましては、その実態にかんがみまして、図書館専任の事務職員としての配置は困難と考えられますが、各学校における教職員組織と事務処理体制の実情に即して適切な事務分掌が行われて、今回の改善計画の趣旨が十分生かされるように指導してまいりたいと考えております。
#71
○輿石委員 今回の改善の趣旨が十分に生かされるようにという局長の最後の言葉は、今度の複数配置は司書教諭の仕事もしてもらいますよと、端的に言えばそういうことになりますね。
#72
○井上(孝)政府委員 お答え申し上げます。
 司書教諭につきましては、先生既に御案内のとおりでございまして、学校図書館法におきまして、司書教諭については図書館における専門的な職務に従うということで、また学校図書館法において、司書教諭は司書教諭講習を修了した教諭の中から充てることとされておりまして、そういう意味では、いわゆる専任職ではなくて、教諭の充て職として教諭の校務分掌の一つとされていると思うわけでございます。
 そういう点で、今回の学校事務職員の配置に際しましては、図書館事務を分担することをねらいとして、その定数の改善に当たったわけでございまして、そういう意味で、各学校における教職員組織と事務処理体制の実情に即して、図書館の専門的なそういう事務の適切な事務分掌が行われて、今回の改善計画における趣旨を生かした学校運営が行われるということを私どもとしては期待をしているところでございます。
#73
○輿石委員 今の局長のお答えですと、どうしても今度の複数配置の事務職員は、図書の関係の仕事を全部しなければ絶対いけないんだ、そういうものでもない。それは学校運営上、校務分掌の一環として、その学校において考えていくという、そんなニュアンスにも聞こえるわけですけれども、そのように理解をしたいと思います。
 昨年の六月三日に本委員会でこの学校図書館の充実についての質疑が行われまして、私どもの同僚議員であります山元議員からの質問が行われ、当日の文部省の答弁は、この司書教諭と学校図書の事務職員とのかかわりについて、次のように答弁をしているというふうに思いますけれども、確認をしたいと思っています。
 学校図書館の司書教諭については、教諭の充て職でよいとは考えていない、しかし、現状ではその定数については充て職でしか対応できないんだ、こういう答弁があったというふうに思います。それが一点。
 もう一つは、学校図書館事務を担当できる事務職員を小中高校の一定規模以上、まあ今度は小学校が二十七、現行は三十、中学校が二十四、高校は十八学級以上の学校に各一人置くということで定数上措置をしているんだ、充て職でしか対応できないので、やむを得ない処置としてこういうような方法をとっているというような答弁があったと思いますが、この二点について、再度確認をしたいと思います。
#74
○井上(孝)政府委員 ただいま先生がおっしゃったように、過去文教委員会でそのような答弁があったということでございますが、学校図書館法では、一応「司書教諭は、教諭をもって充てる。」ということが第五条の第二項に規定されているわけでございまして、附則二項で「学校には、当分の間、第五条第一項の規定にかかわらず、司書教諭を置かないことができる。」という規定があることは、先生御案内のとおりでございます。
 したがいまして、この司書教諭については、従来から法律の本則においても、教諭が学校図書館法に基づく講習を行いまして八単位を修得することによって司書教諭の資格を得ることができるということになっているわけでございまして、そういう意味では、充て職という位置づけが学校図書館法でなされているということは、先生御案内のとおりでございます。
 そういう点で、私どもの今回お願いしております改善計画におきましては、事務職員が図書館事務を分担することができるような配置基準を、小学校については二十七学級以上に改め、中学校については二十一学級以上に改め、また高等学校についても十二学級以上として、合わせて二千百四十九人の改善を行う、このような考え方でございまして、先ほど申し上げましたように、これらの事務職員の配置によりまして、図書館の運営の一層の充実を図ることに資したい、こういう趣旨からこの定数改善を行っているところでございます。したがいまして、先ほど先生からお話がございました答弁の内容については、文部省の従来からの考え方であろうと思うわけでございますので、そのとおりかと思うわけでございます。
#75
○輿石委員 私は、ここで、学校図書館というものをどう考えていったらいいのか、そのことを少しお尋ねをしたいと思うわけですけれども、ずっと言われることは、学歴社会を是正するために、学校中心であった日本の教育制度を、いつでも、どこでも、だれでもが学べる体制にということで、生涯学習社会へ移行をしていくんだ、そういう文部省の、日本の教育行政の大きな変換、転換があったわけでありますね。学校教育はその中の一環だという位置づけもされているわけです。
 これから学校図書館というものはますます充実をしていかなければならないし、その地域の学校開放というような問題も起きてきます。学校五日制への対応という面からも、学校図書館の重要性や、開かれた学校という立場からも、充実をさらに強化をしていかなければならないと思いますが、その点についてはいかがですか。
#76
○井上(孝)政府委員 先生がおっしゃるとおり、生涯学習社会の中におきまして、みずから考え、主体的に判断し、また意欲的に学習に主体的に取り組んでいくということは非常に重要なことでございます。そういう意味で、学校図書館は、児童生徒の知的活動を増進して人格形成や情操を養う上で、学校教育上重要な役割を担うものでありまして、その充実を図ることは重要な課題だというように考えております。特に、今日の社会の情報化が進行する中で、多くの情報の中から児童生徒みずから必要な情報を収集、選択し、活用する能力を育てることが求められているわけで、学校図書館の果たす役割が一層大きなものになっているということは、先生がおっしゃるとおりだと思うわけでございます。
 このため、文部省といたしましては、新学習指導要領において、児童生徒の自己教育力を高める観点等から、学校図書館に関する内容につきまして、総則の中に新たに学校図書館の機能の活用に関することを加えますとともに、高等学校のホームルーム活動におきまして、学校図書館の利用について指導を行うこととするなど、所要の改善を図ったところでございます。
 また、このような新学習指導要領の趣旨に沿って、読書指導あるいは学校図書館の充実を図るために新たな施策を進めているところでございまして、例えば、学校図書館の現状に関する調査を行うことによって、児童生徒の読書活動を充実する上で課題を明らかにすることとしているわけでございますし、また、児童生徒の読書活動の現状と問題点を明らかにして、読書意欲の高揚を図る具体的な指導方法に関する研究を行うために調査研究協力者会議を設け、読書活動の実態調査等についても研究委嘱を講じているところでございます。また、学校図書館の図書を計画的に整備するための地方交付税措置として、おおむね現状の一・五倍程度の蔵書冊数まで計画的に整備することを目指しまして、五年計画で約五百億円を地方交付税で措置することといたしておりまして、初年度でございます平成五年度については、約三十億円を措置をしている、措置を予定しているところでございます。
 このように、学校図書館の重要性にかんがみまして、それをめぐる施策の充実には、文部省といたしましても、今後とも努力をしていきたい、このように考えております。
#77
○輿石委員 局長が言われましたように、今回、指導要領の趣旨を踏まえてということで、読書指導を強調をされ、その定数改善、または、新たな協力者会議の中から、蔵書も一・五倍にしていく、五年で五百億、それが多いか少ないかは全然別ですけれども、そういう形で行われる等ますます図書館の重要性が叫ばれ、そして生涯学習の立場からも、学校が地域の拠点になり得るためには図書館の充実以外にない、そういうふうにも言い切れる大きな課題であります。
 だからこそ、私は、ことしはちょうど図書館法が制定されて四十年、「当分の間、置かないことができる。」という司書教諭、当分の間というのが四十年、これは世界の常識からは考えられない日本の常識ですね。そのことをやはりわきまえて、私は、今回の、事務職員を複数にしたから図書の仕事をしなさいよ、片手間で。片手間と言っては失礼だけれども、そんなことで今局長が言われたような図書館の充実は望めないし、あり得ない。そして八単位取れば充て職でもって図書館の仕事ができる。現場ではこういう実態もあるのであります。取り手がない。八単位取ってうっかり司書教諭の免許を取れば、教壇教員から外されるかもしれぬ。そんな単位をなぜ取るのか。だから、現実と理想とはこのくらいギャップがあるということも文部省も知っていただいて、この事務職員の複数配置という小手先の手法で、図書館専任の司書教諭を置くという道を断ってしまうようなことのないように、あくまでも専任の司書教諭を配置するという、その過渡的なやむを得ない手法として今回の事務職員の配置であるというぐらいのことはここで明確にしてほしいと思いますが、いかがですか。
#78
○井上(孝)政府委員 お答え申し上げます。
 司書教諭につきまして、特に先生から、図書館におけるその専門的職務の必要性ということについては御指摘のあったとおりでございますが、司書教諭について、文部省におきましては、昭和二十九年以来、毎年司書教諭講習を実施しておりまして、平成三年度からは講習実施大学を従来の十大学から十五大学にふやしたところでございます。昭和六十三年調査によりますと、全教員のうち、司書教諭有資格者のいる学校の割合としては、小学校で二〇・六%、中学校が二四・二%、高等学校が三四・九%でございます。
 今後とも、司書教諭講習への教員の参加と司書教諭発令の一層の促進方につきまして、各都道府県教育委員会を指導してまいりたいと思うわけでございますが、そういう点で、今回の事務職員の配置につきましては、図書館機能の一層の重要性にかんがみまして、図書館の果たす役割を一層円滑に行うために、学校図書館担当の事務職員を充実するという考え方で配置改善計画を策定したところでございます。
#79
○輿石委員 局長、簡単で結構です。数字とかそういう操作ではなくて、私が言いたいのは、専任のやはり司書教諭で図書館は充実していくんだ、そういう方向で文部省も頑張るよ、そう言っていただけばいいわけで、今の前段のお答えは、過渡的なやむを得ない状況でこうやっているんだ、そこを確認したいわけであります。
#80
○井上(孝)政府委員 文部省といたしましては、学校図書館の運営が適切な校務分掌で行われるように、学校図書館法の趣旨を踏まえて、司書教諭の有資格者の増加と司書教諭の発令の促進に努めているところでございますが、今後ともそういう観点から文部省としても努力してまいりたい、このように考えております。
#81
○輿石委員 先ほどちょっと、交付税を五年間で五百億措置をして充実を図る、初年度三十億、八十億、どちらですか。
#82
○井上(孝)政府委員 お答えいたします。
 初年度は八十億でございます。
#83
○輿石委員 わかりました。
 それでは、ぜひこの図書館教育、読書教育の重要性にかんがみ、図書館の専任教諭で行うという基本的なものに戻していただくという方向で今後とも文部省に最大限の努力をしていただくということで、この図書館事務職員の複数配置並びに学校図書館職員の定数についての質問を終わらせていただきたいと思います。
 次に、今回の改善計画で見送られた課題が幾つかあるわけですけれども、午前中の与えられた時間はあと十分ということですから、一昨日も論議をされました中学校免許外教科、いわゆる無免許担当教員の解消についてであります。
 私がここで強調したいのは、一つの免許証がありながら、白昼堂々とと言うとおかしい話ですが、無免許運転をしても何の罰も受けないというのは教員の社会だけだろう、こう思うわけであります。その無免許教科担当者が全国で四万件という数字を一昨日も論議をされたところでありますけれども、この問題について、先生方の人数に割りますと、六・七人に一件の割合でこの無免許の問題が現実の問題として出てきていると思うわけであります。ここでも、教職員の免許法の附則で、その免許を持っていない人間に、校長さんと本人が申請をして、そして免許証を一年間という期限つきで与えて、そして何とか教科をこなさせているというのが教育現場の現状ですね。
 私どもは、車に乗って免許証を持たない、免許不携帯でも三千円の罰金、教員は子供を前にして無免許で堂々と教育をつかさどって、しかもその申請は、自分から申請というのは、自分から望んでやらせてくれということですが、これはやらされるわけですから、そういう矛盾をした大変な状況にあることを、もちろん文部省も御承知だと思いますが、今後これへ向けての対策等をどう考えられているか、最初にお尋ねをいたします。
#84
○井上(孝)政府委員 先生の御指摘の免許外担当教員の問題についてお答えを申し上げたいと思います。
 教育水準の維持向上のためには、免許状を有する教員による充実した教育を実施することが原則であることは、先生が御指摘のとおりでございまして、免許外教科担任の許可については、法律上「当分の間」とされているわけでございまして、文部省としても、このような制度は本来の姿ではなく経過措置であると考えまして、その解消に向けて努力してきているところでございます。
 すなわち、文部省では、学習指導要領に沿った教育の円滑な実施など、適切な学校運営に必要な教職員の確保を図るため、いわゆる標準法を制定して、過去、義務教育諸学校については五次にわたり、また高等学校については四次にわたる年次計画によって教職員定数の計画的改善を図ってきているところでございます。その中で、免許外教科担任教員の解消にも十分配慮しているところでありまして、特に、義務教育諸学校の学級編制及び教職員の定数改善計画におきましては、複式学級の改善とともに、例えば三学級の中学校にも九人の教員を配置できるようにするなど、教職員の改善に努力をしてきているところでございます。
 また、教員の任命権者であります各都道府県指定都市教育委員会に対しましては、教職員定数改善計画の趣旨を踏まえ、また各学校のカリキュラムに沿った必要な教員の採用、配置を行うこと、各学校において単に持ち時間の調整のために免許外教科を担任させることのないよう、教員の勤務負担の均衡化は授業以外の校務の分担の調整により適切に行うように配慮すること、小規模校につきましては、複数教科の免許状所有者の活用や本校と分校の連携等を行うことなど、教員の適切な人事管理についての指導を行っているところでありまして、今後その徹底を図ってまいりたいと考えております。
#85
○輿石委員 この定数改善について、教職員定数調査研究協力者会議が本年の一月十四日に最終報告を出しておりますね。ここでは、無免許運転教科の解消の一つの方法として非常勤講師を定数参入して、まあこれも過渡的なやむを得ない方法だけれども、それによってこれを何とか解消をしていく道を開こう、こういう提言がなされたはずでありますが、今回の改善計画ではそれが処置をされなかった、そのことはなぜなのか。
#86
○井上(孝)政府委員 お答え申し上げます。
 非常勤講師制度の導入につきましては、教職員定数の在り方に関する調査研究協力者会議の中間まとめにおいて「今後、生徒の選択履修の幅を拡大するための選択教科担当教員としての活用をはじめ、免許外教科担当教員の解消等にも資する」ということから、「小・中学校の非常勤講師についても現行の高等学校の仕組みと同様に、必要に応じ教諭定数の枠を用いて非常勤講師を任用することができるようにする方途を検討することが適当である。」との提言を受けたところでございます。また、総務庁の行政監察におきましても、「義務標準法において、教諭に代えて非常勤講師を中学校に配置できるようにするとともに、この非常勤講師を義務教育費国庫負担法の対象とすることについて検討すること。」との勧告もありまして、文部省としては、概算要求段階でその導入について検討を行ったところでございます。
 しかしながら、非常勤講師の報酬についての国庫負担のあり方など、なお慎重に検討を要する問題がございまして、今回の第六次義務教育諸学校教職員配置改善計画を受けての公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の改正に盛り込むことができなかったところでございますが、私どもとしては、今後引き続き検討していきたいというように考えているところでございます。
#87
○輿石委員 本会議があって、五十分には休憩に入るということですから、最後の質問になると思いますが、一方ではこのような免許外教科担当教員が多い、無免許運転が多いという中で、一昨日の本委員会では、指導要録の開示をめぐって、指導要録の開示問題で一番問題になるのは教師不信だ、学校不信だ、だから見せるという運動が起きるんだ、そういう論議もあったわけです。教育現場で苦労する先生方が無免許でもやらざるを得ない、本当にゆとりがない、そういうことも一方ではある。そこも考えながら、単に教師批判、教師はたるんでいるということだけで今後の学校教育やこれからの受験体制を打破していく道は開かれない、そう思いますので、この問題についても、今回はやむを得ず、財政的な事情でありましょう、見送られたにしても、非常勤講師の定数内の算入、これが最上の方法ではないけれども、過渡的な方法としてぜひ積極的に取り入れていただくことをお願いを申し上げ、午前中の討議を終わります。
#88
○渡辺委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午前十一時四十九分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
#89
○渡辺委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
 この際、佐藤泰介君から関連質疑の申し出があります。輿石君の持ち時間の範囲内でこれを許します。佐藤泰介君。
#90
○佐藤(泰)委員 私はまず午前中の質疑にかかわって一点お伺いをしたいと思います。
 それはチームティーチング等の指導についてですが、全国に小学校が約二万四千校あると思います。チームティーチング等の加配は六年間で八千四百四十一人になっていると思いますが、単純に計算しますと、一人ずつ配置するとして三校に一人の配置になると思います。六学年ある小学校に一人ということになりますが、加配された教員は一体学校の中でどんな指導を行うのですか。そしてどんな責任を持つのか。想定される指導形態等について、まず具体的に説明をしていただきたいと思います。
#91
○井上(孝)政府委員 お答えを申し上げます。
 チームティーチングは具体的に各学校でどのように展開されるかというお尋ねでございますが、個に応じた多様な教育を行うためには、一斉授業に加えて、適宜、個別指導、グループ指導等を導入して、複数の教員がそれぞれの専門性を生かし、組織的に指導計画、学習指導案の作成、教材教具の収集開発、評価活動等を行いながら協力して授業を行うものでございます。
 そういう意味では、例えば同一学級内で習熟の程度等に応じて学習を行うために、複数の教員が協力して指導を行う形態といたしましては、教科の特性として、例えば小学校の算数、具体的に算数を考えた場合に、どうしても児童の学習の習熟の程度に差がつきやすい教科でありまして、そういう教科の特性から、一度つまずくと、その後の学習に大きな影響を与えるわけでございます。そのため、児童の習熟の程度に応じたきめ細かい指導を通して、基礎的、基本的内容の確実な定着を図る必要がございます。
 そういう意味で、具体的には、複数の教員による協力的な指導の形としては、学級内で一人の教員が基本的な考え方につきまして一斉授業をした後、練習問題等を与えまして、二人の教員が巡回指導をしながら問題解決につまずいている児童生徒、十分理解できない児童等に対しまして個に応じた指導や相談、助言を与えるなどして学習内容の確実な定着を図ることができるわけでございます。
 また、学級内で一人の教員が一斉授業を行う過程で、児童の理解の程度を評価いたしまして、その結果に基づいて基礎的な学習をする学習集団、すなわちグループと、応用的な学習をするグループとに分けまして、そこでは二人の教員がそれぞれのグループの児童に対しまして協力的な指導を行うなどして、学習内容の確実な定着化を図る。その場合に、基礎的な学習をする児童生徒のグループは小人数から成るグループにいたしまして、個に応じた指導が徹底できるようにする。そういう関係で二人の教員が同一学級内で協力して行うことによって、学習の習熟の程度におくれがちな児童の早期発見ができますし、一人一人の児童生徒の理解や技能の状況に応じたきめ細かい指導ができるということになると思うわけでございます。
 また、学習の習熟の程度に応じまして、学級の枠を超えて学習集団を編成して、複数の教員が協力して指導を行う、いわゆる学級数を超える学習集団を編成する場合が考えられるわけで、この場合には、例えば中学校の数字あるいは外国語など生徒の学習の習熟の程度に差がつきやすい教科などで複数の教員による協力的な指導が考えられます。
 例えば、二人の教員がそれぞれの学級で一斉授業を行って、指導の途中過程で練習問題等によって生徒の習熟の程度を評価する。その評価結果に基づいて、二学級の生徒を習熟の程度に応じて学習内容を繰り返し行うグループ、あるいは基礎的な学習を行うグループ、発展的な学習を行うグループの三つのグループに編成しまして、三つの学習集団で三人の教員が互いに連携し、場面に応じて役割を分担するなど協力的な指導を行いまして、個に応じたきめ細かい指導を通して学習内容の確実な定着を図るということでございます。
 そういう意味で、加配されたチームティーチングに参加する教員が他の教員と協力して学習をより個に応じてきめ細かい指導ができるような体制ができるわけでございまして、そういう意味で、お互いの協力した指導体制のもとで生徒一人一人の個性を生かすような教育が展開できる、このように考えているところでございます。
#92
○佐藤(泰)委員 御丁寧に説明をいただきましたが、それでもちょっとわからないところがあるので、この問題について再度伺いますが、例えば小学校の場合ですが、学年を指定するのか、学校全部になるのかという点。それから算数などつまずきやすい教科についてと言いますけれども、今回の場合は、一年生から六年生まで一人ですよね。算数は何年生でつまずくのですか。そういった点を私は聞きたかったわけですので、済みませんが、再度お願いします。
#93
○井上(孝)政府委員 お答え申し上げます。
 チームティーチングにおきます教員をどのように活用するかというのは、それぞれの学校におきまして指導計画を立てて、チームティーチングが必要な教科につきまして、その教員を配置するということになろうかと思うわけでございますが、一応調査研究協力者会議などでは、例えば習熟の程度によって差がつきやすい、小学校で算数、中学校で数学、また中学校の外国語、こういうものの科目の特性からチームティーチングの必要性を述べているわけでございます。しかし、一般的にはそういう科目に限らずに、各学校の指導方法の創意工夫によりまして、他の教科についてもそういう指導方法を導入することによって、児童生徒一人一人のそういう能力、適性あるいは興味、関心に応じた授業展開ができるという場合については、そのような指導計画を立てることによって、その学校から教員の配置について市町村教育委員会を通じて都道府県教育委員会に申請することによって、その都道府県教育委員会が具体的な配置をする、こういう形になって、それぞれの学校における新しい指導方法の導入が行われるというように考えているところでございます。
    〔委員長退席、松田委員長代理着席〕
#94
○佐藤(泰)委員 十分理解できないわけですけれども、結論的には学校に任せるというような答弁だったかと思いますが、ちょっとこれは問題外れるかもしれませんけれども、文部省は大変強く現場や教師を指導する場合がありますね。しかし、問題によっては学校に任せるとか学級に任せるとかいうような答弁になることを大変に残念に思うのです。
 この問題についてはもう少し具体的に説明をしてほしかったと思いますが、私は余り時間がございませんので、そうしますと、指導方法の工夫ということで大変華々しく打ち上げられたわけですけれども、今回の改善では私は余り期待できないのではないかというように思うわけです。また、この程度の加配では、こういうことはないだろうとは思いますけれども、各学校で加配された教員が生徒指導等に埋没してしまうのではないかというような危惧も抱くものですが、この辺についてはどうでございましょうか。
#95
○井上(孝)政府委員 お答えを申し上げます。
 生徒指導の充実につきましては、別途今回の改善計画において措置をいたしておるところでございまして、中学校の大規模校において、いじめ、非行問題などの問題行動を中心とする生徒指導上の問題に対応するためには、中学校につきましては、三十学級以上の学校に生徒指導担当教員の複数配置を行うこととし、また、小学校につきましても、そういう生徒指導の充実に対応するためには指導担当教員を新規に配置することとしているわけでございます。したがいまして、チームティーチングについて配当されました教員については、そういう新しい指導方法の導入に必要な教員として各学校に配置されるもの、このように考えております。
#96
○佐藤(泰)委員 では、その条文上のチームティーチング等の加配のところで、これもちょっと輿石委員の午前中の質疑にもあったかと思いますけれども、その加配の条文は七条の二項になりますか、この項だと思うのですが、ここに「複数の教頭及び教諭等の協力による指導が行われこのように書かれておるわけです。この「複数の教頭」という部分がちょっと気になるわけですけれども、これは用語上のことだというふうに理解してよろしいですか。
#97
○井上(孝)政府委員 お答え申し上げます。
 今先生がおっしゃるとおりでございまして、義務標準法の第七条第二項で「複数の教頭及び教諭等」という表現が使われておりますのは、これは第七条第一項の柱書きにおきまして、「教頭、教諭、助教諭及び講師(以下「教頭及び教諭等」という。)」と定義したことから、「複数の教頭及び教諭等」という表現となっているものでございます。これは、御指摘のように用語上の問題でありまして、チームティーチング等の実施のために教頭が加配されるものではございません。
#98
○佐藤(泰)委員 その点はよくわかりました。
 では、私は要望しておきたいと思うのですけれども、このチームティーチング等の指導の実効を上げるためには、私はもっともっとこの加配を拡大しなければ意味がないというふうに思っております。少なくとも、例えば二万四千校あるすべての小学校の場合、一年生から六年生まで全学年にわたって一人加配するとか、そうでもしなければ、このチームティーチングが指導の重みを増してこないのではないかというふうに思います。今後十分そういった方向で御検討をいただきたいということを申し上げて、次の質問に移りたいと思います。
 それは、適正な学級規模という問題について伺うわけですが、協力者会議では四十人学級が維持され、三十五人学級が見送られました。文部省の方針でもそのようになっているわけですが、このことは、財政的な制約から行政的な判断が先行して、私は学級規模の縮小については論議の対象にならなかったのではないかと思います。確かに、三十五人学級を目指す場合の最大のネックは、財政上の問題であろうとは思います。児童生徒数が減少していることを計算に入れても、相当の負担が求められることは間違いはないと思います。しかし、教育というのは理念があると思います。したがって、この点からすれば、たとえ四十人を維持するとしても、将来の学級規模の縮小につながる何らかの褒言がなされるべきではなかったのかなと私は思います。この点については、午前中の審議でも、学級規模の縮小については今後検討していくというような答弁もいただいたところですが、大臣は、適正な学級規模というものについてはどのように認識をお持ちか、お伺いをしたいというふうに思います。
#99
○森山国務大臣 先ほど来お話がございますように、今回の改善計画におきましては、一学級当たりの児童生徒数の全国平均の現状や、より多様で柔軟な指導方法が工夫できるような教職員配置を行うことが望ましいということから、小中学校の普通学級の学級編制の標準を変えることはしなかったのでございます。
 小中学校の学級の適正規模というお尋ねでございますけれども、これについてはいろいろな意見がありまして、必ずしも一致した見解が確立していない状況でございます。いずれにしても、今後の児童生徒数の減少に伴いまして、全体として学級規模もある程度縮小していくことが予測されますし、このような状況を見ながら、今後さらに研究させていただきたいと考えております。
#100
○佐藤(泰)委員 私も実証的なデータはなかなか得られにくいと思いますけれども、この学級規模を考える場合によく平均ということを言われますが、昨年度の調査によりますと、三十六人以上の学級は小学校で二六%、小学校ではかなり改善されていると思いますが、中学校では六二%もまだあるわけでございますので、平均がどうこうということよりも、三十五人以上の学校がどれくらいあるかというところにもう少し視点を当てていただきたいな、このように思います。
 私は、次に文部省にお伺いしますけれども、文部省はこの適正な学級規模について、これまで本委員会において、調査研究するというような答弁があったかと思いますし、午前中の質疑でも同趣旨の答弁があったように思います。これまで文部省として、適正な学級規模について何らかの機関を設けて研究を進めてきたのかどうかという点について伺いたいと思います。
#101
○井上(孝)政府委員 お答えを申し上げます。
 従来の義務教育諸学校についての第五次の定数改善計画までに四十人学級の実現を見たわけでございまして、その成果を踏まえまして、平成三年度において実態調査を行ったわけでございますが、その実態調査におきましては、新しい改善計画の策定に資するために、第五次の改善計画が完成した段階での教職員配置の状況、あるいは今後の児童生徒数の推移とこれに伴う教職員定数の推移等に関する調査を行ったところでございます。また、学級規模のあり方につきましては、学級編制の実態、諸外国の学級編制の状況、各教育関係団体の意見、学級規模に関する研究資料等をもとに、調査研究協力者会議で検討を重ねたところでございます。
#102
○佐藤(泰)委員 余り前進のない答弁だったように思います。学級規模の適正化については、従来もそのような答弁をされてみえたのではないかというような気がするわけですけれども、先ほども申し上げましたが、私も、何人が適正な学級規模であるかということについては、明確にすることは、大臣も言われましたが、大変難しい問題であろうということは思っています。しかし、四十人では多過ぎるということだけは言えると思いますし、四十人がいいのか三十五人学級がいいのかということについては、私は、これは常識の範疇ではないか、実証的なデータというよりも常識的な範疇ではないだろうかというふうに思います。
 諸外国等の比較も今言われましたけれども、私も、教育システムが違うわけですから、直ちに単純な比較はできないにしても、一つの指針にはなろうというふうに思います。フランスでは編制基準が学年によって違っていますし、またドイツでは標準人数を決めて上限人数を設定しているというようなことも聞いております。日本でも、最近教育学者の中でも、学校全体の児童生徒数に応じて教員を配置して、クラス編制は学校に任せてはどうかというような提言も聞いております。個性化、多様化が求められているときだけに、私は、当面三十五人を目指して、そろそろ日本もこの学級編制基準そのものをもう少し弾力的に考えてみる時期ではなかろうかな、このように思うわけですけれども、この点についてはどのようにお考えになりますか。
#103
○井上(孝)政府委員 学級編制の弾力化についてのお尋ねでございますが、学級編制の標準については、現在標準法で定められており、また今回御審議をお願いしております標準法におきましても、小中学校の学級編制基準は一応四十人というように定めているところでございます。したがいまして、今回御審議いただいております標準法においては、やはり各学校の学級編制の基準としては四十人を限度として、各学校における児童生徒数の状況に応じて学級を編制していただくというのがこの法の建前でございますので、そういう点で、今回チームティーチング等を導入いたしまして、それによって学習集団をできるだけ弾力化する、それによって児童生徒一人一人の個性、能力、興味、関心に応じた学習ができるような教職員配置を今回いたしているわけでございまして、そういうものが全国の学校で積極的に新しい指導方法として活用されることによって、先生がおっしゃるそういう児童生徒の一人一人の能力あるいは適性に応じた教育が展開されるものと私どもは現在のところ考えておるところでございます。
#104
○佐藤(泰)委員 それでは、適正な学級規模を目指した実践研究をひとつ紹介してみたいと私は思うのですけれども、これは一月二十五日の教育新聞に掲載されていたものですけれども、香川大学教育学部附属中学校の実践報告です。「同校は八九―九一年の三年間、文部省の研究指定を受けて、全九教科について四週間ずつ二十人と三十人と四十人の学習集団をつくり、各学級で同様の指導方法を用いて、小規模学級の教育効果を測定してきた。」その結果としてプラス面、マイナス面が書かれておりますけれども、結果としては「三十人学級が適正規模」であると報告をしております。この実践研究については、文部省も、文部省の指定で研究されたわけですので、把握をしてみえると思いますけれども、この研究成果を一体どのように判断をしてみえるのかという点について伺いたいと思います。
#105
○井上(孝)政府委員 ただいま先生からお話ございました香川大学教育学部附属坂出中学校における平成元年度―三年度の教育方法等改善プロジェクトの実施報告は私どももちょうだいしているところでございまして、先生が今申されたような報告をちょうだいしているところでございます。
 ただ、全体として、こういう報告等も踏まえて、教職員定数の在り方に関する調査研究協力者会議におきます集約としては、「学級編制の標準規模については、一般的には、学級規模が小さければ小さいほど、児童生徒一人一人の特性等に応じた指導を行うことが可能になると考えられているが、同一の教職員、児童生徒による比較研究が困難であること、教職員の指導力等結果に影響を及ぼす多くの要因が存在することなどから、最適な学級規模についての客観的で実証的な調査結果が得られにくい。」としているわけでございます。「また、最適な学級規模は、教育の内容・方法、児童生徒の発達段階、適性、興味・関心、教員の指導力などによっても異なるということもある。」といたしまして、「実験的に学級規模と教育効果との関係について調査を行ったものを集約すると、大規模の学級の方が教育効果が高いという調査結果もあれば、学級規模が二十人程度まで縮小しないと教育効果の差が顕著には現れないという調査結果等もあって、学級規模と教育効果との関係は必ずしも明確ではない。」とし、「また、財政負担に比して学級規模の縮小の効果が必ずしも確かではないことなども指摘されている。」というような調査研究協力者会議の集約結果になっているわけでございます。
 そういう点から、先ほど大臣が御答弁なさいましたように、今回、一律に学級規模の引き下げを行うよりは、チームティーチング等、個に応じた多様な教育、指導が可能になるような教職員配置を主眼とした定数改善計画の御審議をお願いしているところでございます。
    〔松田委員長代理退席、委員長着席〕
#106
○佐藤(泰)委員 そうした実証的なデータが得られにくい、これは私も十分に承知した上で聞いているわけです。
 そこで、私は、教育現場の先生方の声も聞くことも、一つのそういった適正な学級規模を考える場合に大切な要素ではないかというふうに思っています。その調査が、国民教育研究所で現場教師の意識にかかわっての調査がございますので、その調査をちょっと紹介させていただきます。
 国民教育研究所は「五千人に及ぶ教師を対象に、「学級規模と教育活動に関する調査」を実施した。」「その調査結果から、教員が「望ましい」とする学級規模についてみると、三十五人以下とする答えが圧倒的で、平均値は約三十人。その三十人以下を求める割合が六―七割にも及ぶ。また、学級の「規模に対する評価」は、教員が実際に自分の受け持っている人数に対して評価を下したもので、ここでも、「ちょうどよい」と感じているのは、三十五人以下の学級を受け持つ教員に集中する。「ちょうどよい」と評価した教員が受け持つ学級の人数を平均すると三十二人で、」「同調査は、現場教員の意識では「三十人が適正規模」と分析する。」このような調査結果になっているわけです。
 したがいまして、多くの調査結果を見てみますと、その実証的なデータが得られないというよりも、これまで私が調べた調査の中では、三十人ぐらいが適当な規模でなかろうかというような調査が多くあるわけでございます。とりわけ現場教師も研究者であろうと私は思いますし、実践を通してこのアンケートに答えている、このように思います。したがって、教育の現場で苦労している人たちの気持ちを具体的にこうした教員の配置等の施策の中に十分反映していくべきではないか、このように考えますが、大臣、どうですか。
#107
○井上(孝)政府委員 お答え申し上げます。
 先生がおっしゃるように、私ども今回の定数改善策定に当たりましては、調査研究協力者会議におきましても、そのように日ごろ教育活動に大変御尽瘁いただいている先生方の代表からも御意見を十分お聞きいたしましたし、またそういう全体として教育の活性化を図るためにどのようにしていくかということについても、大変熱心な御意見または御議論もいただいたところでございます。
 しかし、現段階におきましては、先ほど大臣から御答弁がありましたような事情もございまして、今回につきましては、チームティーチング等によりまして学習集団を弾力化し、それによって場合によって二十人、三十人というグループに分けて目の行き届いたきめ細かい指導ができるような教職員の配置をさせていただくことによって教育効果の一層の向上に資するようにしていきたい、このような考え方でこの教職員の配置改善計画を策定させていただいたところでございます。
#108
○佐藤(泰)委員 今の部分は理解をさせていただきますけれども、これからは、これまでも現場の声を聞いていただいているとは思いますけれども、現場教師の声をしっかりと受けとめていただいて、これからの施策の中に十分に生かしていただきたい、このように要望しておきたいと思います。
 そこで、次に、今回の協力者会議の蓮見座長は、提言をまとめた後のある新聞社のインタビューに答えて、このようなコメントを発表してみえます。これは新聞社が書いたんで、そのとおりかどうかはわかりませんけれども、「人がついたとはいえ、総額では現予算よりマイナスになったことが残念。子供の数が減ってきたからといって、教育界の年齢構造に配慮せずに教員を少なくしては、中堅やリーダーの校長、教頭がいなくなるときが来る。教育のように長期的に考えるべき仕事で、その場その場の判断はいけない。」というようなコメントを発表してみえるわけです。
 私は、このコメントはすべてにわたって大変重要な意味を持っていると考えるものです。前段の部分は、我が党の中西委員が本委員会でこれまで再三再四指摘してきた問題であろうというふうに思います。私は、後段の部分の、教育のように長期的に考える仕事は、その場その場の判断ではいけないという部分についてちょっと申し上げたいと思うわけです。
 この部分は、今回の協力者会議が昨年の四月に発足して異例のスピードで審議を進め、三カ月後の七月には方針をまとめたということについても、多少は批判をしてみえるのではないかなというような気も私はするわけですけれども、こんな点を踏まえますと、適正な学級規模について、これからじっくり腰を落ちつけて、ある程度期間をとって何らかの機関を設けて調査をしていく、研究をしていく、文部省はそのような考え方をお持ちになってみえるのかどうか。この点について、伺っておきたいと私は思います。
#109
○井上(孝)政府委員 お答えを申し上げます。
 先ほども大臣が御答弁申し上げましたように、学級編制等のあり方を含めて教職員配置のあり方は、私どもとしても今後とも研究をしていくべき課題だと考えているわけでございますし、また国立教育研究所を初め、実証的に教育効果の観点から、そういう教職員の配置についてどのようにしたらいいかというような観点からの研究をしているセクションもございますので、今後、やはり長期的にそういう課題については研究をしていくべきものだというように考えているところでございます。
#110
○佐藤(泰)委員 よくわかりました。前向きに検討していっていただきたいというふうに思います。
 次に、午前中の質疑でも多少触れられた問題ですけれども、今回の協力者会議の提言の中で、具体的に教職員を配置するに当たって、審査機関といいますか、専門家会議の設置が求められていると思います。この専門家会議の位置づけ、役割、今後の審議日程等について、具体的に説明をしていただきたいと思います。
#111
○井上(孝)政府委員 お答えを申し上げます。
 調査研究協力者会議の報告におきましても、教職員定数の、特にチームティーチングの配当に当たっては、専門家会議の意見を聞くように述べているところでございます。
 したがいまして、そういう調査研究協力者会議の報告の最終まとめの中で、「新しい指導方法の推進に対応する教職員配置については、」「国においては、」「各都道府県における取り組み状況等を的確に把握し、指導、助言、援助することができる専門家から成る組織とそれを運営する体制を整備することが適当である。」と提言されているわけでございますので、文部省といたしましては、来年度なるべく早い時期に教育関係者等の専門家から成る協力者会議を発足させまして、各都道府県の取り組み状況等に応じまして適切な指導、助言、援助等が行われる体制を整備したいと考えているところでございます。
#112
○佐藤(泰)委員 確認ですが、来年いつできるのですか。四月を越えるわけですね。そうしますと、今年度の配置についてはどこで検討されるのかという問題があると思うのですが、提言の中では、専門家会議を設けて、そこで今回の配置をしていくようにというような提言になっていると思うのですけれども、今の御答弁ですと、その専門家会議は四月を越えてつくるということですので、今回の配置改善についての教職員の配置は一体どの部分で行われるのかということについて伺いたいと思います。
#113
○井上(孝)政府委員 お答えを申し上げます。
 ただいま標準法の一部改正法案について御審議をいただいているところでございますので、平成五年度の指導方法の工夫改善等の定数配分につきましては、現在設置しております教職員定数の在り方に関する調査研究協力者会議において検討をお願いしてきたところでございますが、一月十四日の最終報告の「付記」において、教員配置に関しての基本的な考え方について御提言をいただいたところでございます。
 また、文部省といたしましては、各都道府県教育委員会から配置希望校の申請を受けて、各都道府県の学校数、学校規模、教職員数等を基礎として、各都道府県ごとに一定の定数を配分したいと考えているわけでございまして、この考え方についても御意見を伺ったところでございます。
#114
○佐藤(泰)委員 御意見を伺って、文部省で各県教委と相談して配置をしていくという意味ですか、今の御答弁は。
#115
○井上(孝)政府委員 お答え申し上げます。
 平成五年度の指導方法、工夫改善定数の配分を具体的にどのようにするかということでございますが、先ほど申し上げましたように、協力者会議の最終報告の「付記」に基づいて配分をしていくわけでございますが、各都道府県教育委員会におきましても、この考え方に沿って配置希望の申請をしていただきたいと考えているところでございます。
 したがって、文部省としては、各都道府県教育委員会から配置希望枝の申請を受けて、各都道府県の学校数、学校規模、教職員数等を基礎として各都道府県ごとに一定の定数を配分したいと考えているわけでございますから、各都道府県教育委員会においては、この配分定数の枠内で配置を希望する学校に教員を配置していただきたい、このように考えているわけでございます。
#116
○佐藤(泰)委員 今法案を審議している途中なんで、こういった質問はちょっと失礼かどば思うのですけれども、もう時期が時期でございますので、各学校では次年度の学校運営の計画等を検討している時期だろうというふうに思うわけですよ。そうしますと、本法案が成立した場合に、現場に混乱を与えることなく直ちに教職員め配置についてその発令ができるというような状況は、一方でちょっとは踏まえておかなければいけないという気がするのですが、その辺は大丈夫ですね。
#117
○井上(孝)政府委員 お答えを申し上げます。
 先生から御心配いただきますように、各学校は、四月一日からの新学年に向けまして、その教育目標を立て、それに基づく教職員の組織編成を行っているところでございます。
 そういう意味から、私どもとしては、新しい教職員定数改善計画は四月一日から実施したいと考えているわけでございまして、このため、来年度予算案と標準法の一部改正案が年度内に成立することがぜひとも必要だと考えているわけでございますが、文部省といたしましては、その来年度予算案及び標準法改正案の成立後、直ちに新しい改善計画にかかわる教職員を配置できるように、各都道府県教育委員会を通じまして新しい改善計画の趣旨、内容等を十分説明しているところでございまして、各都道府県教育委員会におきましては、法律の成立と同時に、四月一日から必要な教職員を配置できるよう所要の準備を行っているところと理解しているところでございます。
#118
○佐藤(泰)委員 ありがとうございました。私は、いずれにしても、配置に当たっては公正さを欠いたりすると、やはり本来の多様な教育を拒む結果にもなりかねないと思いますので、この教職員の配置に当たっては、学校、地域の実情を十分に踏まえた上で教職員が配置されるように強く要望しておきたいと思います。
 時間が参りましたので、最後に私の考えも含めながら申し上げますので、所見がありましたら大臣に答えていただきたいと思います。
 私は、今回の配置改善で養護教諭等が大規模校に複数配置されることになった点等は、教育現場の長年の要求でもあり、評価をするものです。しかし、このような教職員配置の仕方は、私は本来の姿ではないのではないかと日ごろから考えております。それは、学校規模に合わせて教職員を配置をしていくという考え方ではなくて、まず私は、適正な規模の学校が先に検討されて、その学校にどのような教職員をどの程度配置をしていくかということを考えるべきではないか、こんなふうに思っているわけです。
 教師がこの子は自分の学校の児童生徒かわからない、また児童生徒の方もこの先生が自分の学校の先生かわからない。このような大規模な学校では、私は多少一部の教職員が複数配置されたとしても、教師間の協調性や児童生徒間の連帯は生まれにくい、個に応じた多様な教育の推進といっても十分な効果が上がらないのではないか、このように思います。適正な規模の学校を先に考えて教職員を配置していくという発想に立ては、教師、児童生徒とも学校との一体感が生まれて、大臣が再三再四強調されてみえる新しい時代に対応する教育が一層推進されるものと私も考えます。このことはWHO、国連世界保健機構の学校規模に関する勧告の中でもそのようなことが私は触れられていると思います。
 また、冒頭大臣にお伺いした、適正な学級規模とあわせて、私は、学校の規模適正化という問題に今後も取り組んでいっていただきたいと思います。こんなことを私は日ごろから考えているわけでございますが、大臣、何か御所見ありましたら、伺っておきたいと思います。
#119
○森山国務大臣 先生の大変豊富な御体験、御見識、お聞かせいただきまして参考にさせていただきました。
 おっしゃいますような考え方も一つの理想だと思いますが、現実に大変変動の激しい社会情勢、それから人口流動の大きな現状から考えますと、先に適正な規模の学校をまず考えてというのは理想かもしれませんが、現実にはなかなか難しいかと思います。現実と理想の間でどのように調整をし、考えられる中で最もいい方法ということを探っているというのが私どもの率直なところでございまして、これからも先生の御高見を拝聴させていただきたく、よろしくお願いをいたします。ありがとうございました。
#120
○佐藤(泰)委員 財政的な厳しい制約ということは私も十分に承知をしているところでございますが、次代を担う子供たちのために、ぜひ理想を追求して、一層の御努力をいただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
#121
○渡辺委員長 次に、鍛冶清君。
#122
○鍛冶委員 公明党・国民会議を代表して、本法案に対する質疑をさせていただきます。
 本案について二十問ぐらい用意しておりましたら、朝からいろいろ御質問がありまして、一つ消え二つ消え、ダブった質問ばかりで大変困っておるところでございますが、多少ダブるところがありましても御容赦願い、また多少角度も変えながら、質問内容をお知らせしてない分野にもひょっとしたらわたるかもわかりませんが、多少やりとりをさせていただきながら質問させていただくことを最初にお断り、おわびを申し上げておきますので、よろしくお願いしたいと思います。
 最初に、これは各委員からも質問がございましたが、私からも改めて大臣、この法案につきまして提案理由の説明を受けたわけでございますが、その中で一層の教職員の配置の充実を図るというふうにおっしゃっておられるわけでございますけれども、本法律による今回の改善計画のねらいは何か、最初にお尋ねをいたしたいと思います。
#123
○森山国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、今回の改善計画というのは、今までいろいろな場で議論されてまいりまして、今の世の中に求められている個人の尊重、個性の尊重、そして多様な要求に対する対応というようなことを踏まえまして、それに基づく改善計画でございます。
 小中高等学校等の学級編制及び教職員定数の標準については、昭和三十四年以降数次にわたりまして計画的に改善をいたしてまいったところでございますけれども、今回の改善計画は、今年し上げましたようなことを考えまして、小中学校におきましては複数の教員の協力によるチームティーチングの指導などの新しい指導方法の工夫改善を行うための教職員配置を行うこと。また、高等学校においては、すべての学校で四十人学級を実現するとともに、多様な教育課程の編成、指導方法の工夫改善を図るための教職員配置を行うこと。これらによりまして教育の一層の個性化を推進するとともに、高等学校教育の一層の多様化を推進するということをねらいとするものでございます。
#124
○鍛冶委員 引き続いて、実は三十五人学級にしなかった理由等を含めて、いろいろな学問的な裏づけ等もやりとりをさせていただくつもりでしたが、もう既にお話がございました。これ以上屋上屋を重ねてもと思いますので、もうちょっと別な角度からお尋ねですが、文部省は、戦後日本の国力をここまで上げるについて大変努力をなさった。教育というものがその根底にあったということで、各国では、特に小中義務教育段階では高い高い評価があるようでございます。
 その努力をなさった文部省であるということは前提に置きながらちょっと申し上げたいのですけれども、大体文部省は嫌われるのですね。一番高いところでやっておるところはいつも悪者になりがちなのでございますけれども、特にいろいろ基準をつくっておやりになるときには、いいことをやっているなと思うことでも割と感謝はされない。大変なところでやっていらっしゃるなということは思うのですが、今回もその中で一つ、やはりそのときにいろいろな声を聞きますと、先ほどからも各委員からも質疑がございましたが、現場の個々の具体的な事情をよく聞いた上でやってほしい、それをしてないじゃないかという声が大半でございます。私は、今回の標準法の改善についても、この点についてひとつしっかりと重点を置いて取り組みをお願いしたい。
 具体的にはどういうことかといいますと、都道府県教育委員会それから市町村の教育委員会それから学校現場、こういうところでのせっかくの教員の配置、来たものについて、十分にそこらあたりの現場の意見、また地方都道府県教委の意見というものを尊重し、そして十分に任せてやるという流れで私はやっていただきたいというふうに思うのですが、この点についてお答えをいただきたいと思います。
#125
○井上(孝)政府委員 お答えを申し上げます。
 先生がおっしゃるように、私ども絶えず学校現場の先生方の御意見というものは尊重しながら、十分お聞きする機会を設けるような努力をしているところでございまして、今回の教職員定数のあり方について検討していただきました調査研究協力者会議におきましても、都道府県教育委員会あるいは市町村教育委員会を初め、各小中高等学校の校長会あるいは教職員団体の皆さんからも御意見をお聞きし、その御意見を踏まえながら、専門家から成る調査研究協力者会議で十分な御審議をいただいて、先ほど大臣の御答弁にもありましたような考えに基づいて、今回の改善計画の主眼としては、チームティーチング等の新しい指導方法が導入できるような教職員配置を主眼とした教職員配置改善計画を策定させていただいた、このように私どもは考えているところでございます。
#126
○鍛冶委員 私も素人ですから、詳しいことはわかりませんけれども、今都道府県に、例えば、改善する、加配の職員の皆さんを割り振る場合ですね、具体的に言いますと。これは専門家会議等の意見を聞きながら、こういうことがあるわけですが、また地方の県教委等の要望も入れながら、こうあるわけですけれども、具体的に言うとどうなるのでしょうかね。要するに、児童生徒の数に応じてやるのか、各都道府県の学校数に応じて比例配分的にやるという方向が強いのか、それとも本当にやる気のあるところで要望の強いところを重点的にやるという方向でいく可能性が強いのか、流れとしてどんな感じになるのかなというような気もするのですが、そこらあたりはいかがしょう。
#127
○井上(孝)政府委員 お答え申し上げます。
 チームティーチング等の指導方法改善のための定数につきましては、各都道府県教育委員会におきまして市町村教育委員会の意見も十分聞きながら、協力者会議の最終報告で示されております定数加配の基本的な考え方、「個に応じた多様な教育を推進するため、複数の教育が協力して、一斉授業に加えて、個別指導、グループ指導等を取り入れたり、学級の枠を超えて学習集団を弾力的に編成するなどの新しい指導方法を積極的に導入する学校または多様な選択教科を積極的に開設する学校に教員定数を加配する。」という考え方が示されているわけでございますので、そういう内容に合致する新しい指導方法を積極的に導入する学校について配置をしていただきたいと考えているところでございます。
 文部省としては、各都道府県教育委員会からそのような学校についての配置希望校の申請を受けて、各都道府県教育委員会の学校数、学校規模、教職員数等を基礎といたしまして、各都道府県ごとに一定の定数を配分したいと考えておりまして、各都道府県教育委員会においては、その配分定数の枠内で配置を希望する学校に教員を配置していただきたいと考えているところでございます。
#128
○鍛冶委員 時間がありませんから細かいことはやめますが、大体学校現場へ行きましても、子供の方を向いてくれていると大変ありがたいし、そういう先生もたくさんいらっしゃるのですが、何か事が起こったりいろいろなことがあるときは、やはり必ず学校では教育委員会の方を見てしまうのですね。何かすぐそういうところに問い合わせて、それは危なくなくやれるのでしょうけれども、そういう体質がどうもでき上がっているような気がするのです。最終的にはやはり文部省に来てしまって、お伺いを立てないと、どうもちょっと何かあったときに困るというふうな感じがあって、何となく、よく言えば変なことにならない、積極的にとも言えるのかもわかりませんが、悪く言えば責任逃れ的な動きもあるというようなことをときどき聞くわけですね。私はこの教職員の配置改善計画を、こうやって法案が何とか全会一致のようですから通過していくのだと思いますが、これが施行されたときには、そういった空気も変えていくぐらいの意気込みでぜひお取り組みをいただきたい。
 だから、今のお話、御答弁はどうも皇室的な答弁で、わかったようなわからないような感じもしますが、学校数とか生徒児童数で割り振るとかいうのじゃなくて、要望の強いところには、人数も全体の枠がありますから、これは各都道府県に割り振るのは、そこまではこれはしょうがないと思いますけれども、それはやはり各都道府県、それは即また現場から上がってきた声、これの本当に意欲的に強いところには優先してあげますよ、せっかくやるんですから、それぐらいのお気持ちでやっていただいた方がいいのじゃないかなというふうにも思います。
 後はひとつ、都道府県教委、また学校現場等に思い切って任せて、学校をよくするために、子供を本当に一人一人よくするために、この法案、せっかく通った暁には、生かしていけるようにお取り組みをいただきたい、こう思いますが、いかがでございましょう。
#129
○井上(孝)政府委員 お答えいたします。
 先生が今おっしゃいました趣旨を踏まえて、私どもとして、このチームティーチング等に配置されます教職員の定数が生かされるような、そういう学校現場における活用を私どもも指導していきたいと思いますので、そういう先生の御趣旨を踏まえて、これから十分指導をしてまいることを申し上げたいと思います。
#130
○鍛冶委員 三十五人学級をとらずに、そういう今回のような対応をされたということについては、私は個人的には、いろいろ資料もいただいたりしながら考えてみて、そっちの方がこれからはいいんだろうなというふうには思うのでありますが、一つ、その中でチームティーチングの問題でちょっとお尋ねをしたいと思いますけれども、これも朝からいろいろとやりとりがございましたが、改めてお尋ねをしますけれども、このチームティーチング、これは今回の計画の柱になるような気もするのですが、これを導入することによりまして、具体的には学校現場でどのように指導方法が変わっていくのか、また、これによってどういう教育効果を期待しているのか、また上がるのか、こういった点についてお尋ねをいたします。
#131
○井上(孝)政府委員 お答えを申し上げます。
 今回の教職員配置改善計画におきまして、チームティーチングなどの新しい指導方法を取り入れることによりまして、教育の個性化を推進し、各学校において児童生徒の学習の進度や理解の程度、あるいは学習課題等に応じまして複数の教員が協力してグループ指導や個別指導等を実施するなど、さまざまな指導上の創意工夫が行われることによりまして、児童生徒の学習意欲の向上、みずから積極的に学習課題に取り組む態度の育成、基礎的な学力の向上などの教育効果が上がるものと期待しているわけでございます。
 これまでチームティーチングの実践に取り組んだ学校におきましては、例えば、児童生徒が意欲的に授業に取り組むようになること、自分に合った学習課題が提示されるので学習しやすくなること、わからないところや疑問点をすぐ聞くことができ、安心して授業に取り組めるようになることなどの教育効果が上がっているところであります。
 また、教職員にとりましても、児童生徒一人一人のつまずきや理解の不足を早く発見でき、適切な対応ができること、児童生徒一人一人に目が行き届き、生徒指導面でも効果が上がること、教員が協力して授業を行うことなどを通しましてお互いが切磋琢磨するため、指導能力の向上や教材研究の深化が図られることなどの効果が上がっていると報告を受けております。また、教員が相互に協力して指導方法を工夫することなどを通しまして、学校内の一致協力体制が確立して、円滑な学校運営が行われることなどの成果も上がっているという報告を受けているところでございまして、一層そのような教育効果の向上を私どもとしては期待しているところでございます。
#132
○鍛冶委員 ほかの委員の方の質問に対する先ほどからの御答弁の中でも、このチームティーチングは三十八年ごろからもう既に徐々に学校現場では自主的に取り組みがあって、相当年月を経て経験を経ているという、このようなお話がございました。また、今もそういういろいろな協力校のいろいろな結果の恐らく報告がもわかりませんが、いい方のお話がございました。私は確かにいい方にいけばそうなるんだなというふうに思います。
 ただ、一つ私が以前からそのことについていろいろ学校現場で話を聞いておりまして耳に残っておりますのは、やはり教師が複数で担当しますと、責任体制がどうしても明確でなくなる。したがって、教える内容についてどちらが責任をとるということではなしに、悪い面も非常に出てくるというような話も聞いていまして、人によっては、だからこれは複数で担当させるべきではないという極論も私は耳にしたことがございます。これについて、私もなるほどそういうこともあり得るなというふうにも心配するわけですが、この点についてはどのようにお考えになり、どのように対応されるおつもりなのか、お伺いをいたしたいと思います。
#133
○井上(孝)政府委員 お答えを申し上げます。
 先生御指摘のとおり、複数の教員で指導を行うに当たりましては、教員それぞれの専門性を生かしつつ、教師間の連携協力を密にして、学校全体が一体となって進めていくことが重要であります。したがって、チームティーチングを実施するための教員を配置するに際しましては、十分この趣旨が生かされるように指導しながら進めてまいりたい、このように考えておるところでございます。
#134
○鍛冶委員 これも朝からやりとりの中にございましたが、私もひとつこれを取り上げてみたいと思うのですけれども、今度のチームティーチングに対する教員の配置というものは、選択履修の関係の拡大というものを合わせても、小中学校で約一万六千人ということになっているようですけれども、全国の小中学校は御承知のように三万五千校あるわけです。その中で常識的には大規模校に配置をしていくということは確かにいいなという気もするのですけれども、小規模校、それ以下のところ、特に全く小さいところは、またそれなりの配属になるようですからいいのだと思いますが、その中間に置かれた学校は取り残されていくというか、焦点が当たらずにそのまま済んでいくのではないかというふうに思うのです。
 ですから、加配は全校に配置すべきだという御議論もあったように先ほど伺いましたけれども、私は、具体的にはどんなふうになっているのかなということで、文部省から資料をちょうだいをしました。そのときに若干やりとりしましたら、やはり学級数の少ない小中学校については、一学級当たりの生徒児童数が少ないから、そういう必要はないとは言えないけれども、やはり大規模校の方が必要だと思うというふうに言われております。それはそうだなと思いながらも、今回配属の予定になっていない学校は平成十年までは配属にならないわけですから、そういう学校を見てみますと、例えばここにいただいている資料では、小学校で六学級のところは全国で五千百二十六校あるそうですが、二十人以下の児童の学校がその中で二千五百八十九校、五〇・五%。だから二十人以下のクラスは、半分ぐらいは小規模校にあるというふうに見ていいのだろうと思います。それから二十一人から三十人の児童のところが二千二十九校です。三九・六%だ。それから三十一人から三十五人までが四百六十七校で九・一%。それから三十六人以上四十人までが〇・八%であるということで、二十一人以上の学校は約五〇%あるわけです。ということは、これの平均が一学級当たり二十人ということになっておりますから、小規模校でもやはり半数近くは早く教職員を配属して、チームティーチングなどが十分できるような体制づくりをしてあげないといけないのではないかと数字を見ても思うわけです。
 ちなみに十二学級のところを出していただきましたけれども、そうしますと、二千八百三十六校のうちで二十人以下というクラスのところはない。大規模校の方が小人数の学級が少ないということになるのだとは思います。それから二十一人以上三十人までが五五・〇%。三十一人から三十五人までが三九・一%。三十六人以上が五・九%。一学級当たりの平均が三十人である。こういうことが具体的に出ております。
 中学校も三学級と六学級を資料としていただきましたが、中学校では二十人以下のところが三学級の学校で四〇・六%。二十一人以上の合わせまして約六〇%のところが大体生徒の数が多いということになっているわけです。六学級のところですと、二十人以下がなくて、二十一人から三十人のクラスが一番多くて五三・二%ということで、三十一人から三十五人、三十六人以上というものがまた四七%ぐらいあるわけです。平均の学級の生徒の数が、中学三学級の場合は十八人、それから六学級の場合は三十人、こういうふうになっています。
 こういうところから見て、四十人学級、こういうことになっていますが、まさにもう既に三十五人学級それから三十人学級のところまで大体実態はいっているんだ、そういうふうに思いもするし、そういう意味からは、今回とった措置も、そちらの方がよかったのだなという気がしているわけです。
 先ほどに戻りまして、加配されないところは、今度の六次計画の平成十年まで全くされない。ところが、それ以降の計画というものはないわけで、これから様子を見ながらやろうということになるのかもわかりませんが、それ以降もどんどん子供の数は減っていくわけです。十八歳人口の推移などを比べてみると非常によくわかるのです。これから平成十年以降もどんどん減っていく。そういうことになると、教職員の数も、通常でいけば六次計画で終わりますと、今度加配されない学校には全く将来望みがないまま推移してしまうというふうな感覚も出てきます。そうなりますと、ここで教員の皆さんの中にはあるいは失業していく人も出てくる可能性もあるわけでございまして、そのときをにらみながら、ここでひとつ小規模校で、しかも学級規模の多いところを含めて、きちんと加配措置ができるように計画を立てていただきたいし、そうすべきである、こういうふうに思うのですが、この点についてのお考えをお聞かせをいただきたい。
#135
○井上(孝)政府委員 ただいま学級規模につきまして詳細に先生からお話がございまして、まさに私どもの調査でもそのような状況になっているわけでございます。そして、先ほどからチームティーチングの教職員配置をどのように行うかというお尋ねの中で、私どもはチームティーチングの導入、選択履修の拡大にかかわる改善数は小学校総数の約三分の一の三四・四%に当たり、仮に規模の大きい学校から各学校に一人ずつ配置するとすれば、十五学級程度の学校まで配置が可能となると申し上げ、また中学校については、学校総数の約七割の七〇・七%に当たりまして、仮に規模の大きい学校から一人ずつ配置すると仮定しますと、九学級程度の学校まで配置が可能となるということを申し上げているわけでございます。
 これはあくまでチームティーチングの導入に係る改善数を仮に規模の大きい学校から各学校に一人ずつ配置した場合の試算でありまして、具体の配置につきましては、各都道府県教育委員会からの申請を受けて、各都道府県の学校数、学校規模、教職員数等を基礎として、各都道府県ごとに一定の定数を配分したいと考えているところでございますが、各都道府県におきまして教員を配置する際には、一つの目安として考えていただきたいと考えているところでございます。
 したがいまして、先ほど来先生がおっしゃっておりますように、学校におきましてチームティーチング等の導入によって新しい指導方法を行おうという意欲のある学校につきまして、各都道府県教育委員会で、その指導計画案の状況等を踏まえて、そういう学校にも配置することはもちろん可能なわけでございまして、そういう意味で、単に規模だけでなく、学校におけるそういう新しい指導方法の導入に意欲的な学校についても十分各都道府県教育委員会で配慮していただくことを私どもとしては期待しておるところでございます。
#136
○鍛冶委員 チームティーチング、これは非常にこれから進んでいくわけですから、最大限に円滑に実施されますように、それから先ほどお願いもしましたように、特に学校現場の主体性が最大限尊重される形でぜひひとつ取り組みをしていただきたい、こういうふうに思うわけです。
 それで、私は、学校に、大きな学校を含めて一人だけ教員の方が加配になった形ですべてが全部うまくいくのかと考えますと、小学校は一年から六年まであります。高学年の方にそういう形を使うとしても、相当なクラスの数になるだろう。学年数も中学は一、二、三年あるわけですから、これは一人だけ加配になっても、なかなか免許外の問題で、免許外で教える教員のことが問題になっておりましたけれども、そういったことを含めて考えますと、これはたった一人、たった一人というと失礼ですが、一人だけを加配した形で学校現場が直ちによくなるという問題でもないだろう。しかし、確かに大きな前進ではあると思いますが、そういう意味合いからも含めて、この具体的なやりとりはやめますが、ぜひチームティーチング等について、これは十分先々配慮されるように、さらには七次の計画等が行われるときには、きちっとした形で、やはりもう少しまた前進をさせていただきたいなというふうに思いますので、御要望を申し上げておきます。
 次に、教頭の配属の問題について質問を申し上げますけれども、教頭というのは、これも学校現場へ行ってよくお話を伺ったり、やっていることを見るのですが、本当に大変ですね。これは校長先生もさることながら、一般の先生も大変ですけれども、教頭さんというのはいろいろ大変なことが多いようでございます。特に、校内の校務の総合調整とか校内人事の調整、それから学校運営を円滑にするためということで走り回っておられるようでありますけれども、特に最近は学校五日制というものもスタートいたしました。こうなると、従来より以上に地域社会の中で学校がどうあるかということについても問われてきておりますし、その面に当たっての教頭の役割というものも、私は大変重要な立場になってくるのではないかなというふうに思っております。
 そういう意味で、大規模校には二人の教頭制にしていくという流れをつくられているわけですけれども、これはいい形であろう、こう思いますが、実際に配属された場合、この二人の教頭の役割というものはどういうものになるのか、こういった措置を契機として、今後各学校においてより地域に開かれた円滑な学校運営がされるようにも思うわけでございますが、この点についてお尋ねをいたします。
#137
○井上(孝)政府委員 お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、最近の学校の果たす役割の変化に応じまして、学校の職務も複雑多様化しているわけでございます。そういう意味で、大規模校におきましては、校務の総合調整や校内人事の調整等、学校運営上教頭の負担が増大しているわけでございますし、また近年の、先ほどお話しございました学校週五日制の実施、地域に開かれた学校づくりなど、新しい課題に取り組む必要があるわけでございます。また、いじめ、非行問題などの問題行動を中心とする生徒指導上の問題への対応等、特に大規模校でこの教頭の職務と責任が極めて重要になってきております。
 このため、今回の改善計画においては、三十学級以上の大規模な小中学校に教頭を複数配置することとしております。教頭が複数配置される学校におきましては、校長の指導監督のもとに、教育課程の実施、生徒指導、校内研究、研修の推進、地域社会との関係等、校務分掌の観点から、これらの役割を適切に分担して、円滑な学校運営が行われることを期待しているところでございます。
#138
○鍛冶委員 では、生徒の指導体制の充実の件に移りたいと思います。
 これも朝から随分とやりとりがございました。具体的にお尋ねする内容も、重複するのは避けたいと思っておりますけれども、この中で登校拒否とか中途退学とかいう言葉が盛んに出てきますし、今問題になっているわけです。特に中途退学というのは、しちゃったら何か悪いことをしたというような感じになっちゃいますね、した人が。ところが随分前に「内外教育」を読んでおりましたら、大阪で退学したところを追跡調査したら、かえって喜んでいる人がいっぱいいたというようなことが何か出ておりました。ありゃと思って内容をよく見てみましたら、やはり自分自身の多様な選択の中で、行きたいところへ行けなかったというのがあるのでしょうけれども、やはりやめて、かえって自分の思うところに就職をして頑張っているとか、新たな角度で勉強しながら頑張っているということで、生涯教育という立場から見ると、むしろ前向きに考えてあげなければならない子供を、ある意味では、一応不本意で入ってみたけれども、これではいかぬというのでやり直ししようというような自主的な意欲に燃えたお子さんも大分いらっしゃるようなのですね。そうすると、中途退学という言葉だけにこだわっていいのかどうかわかりませんけれども、ちょっとそういうレッテル張りも気の毒だなというような気がいたしております。そういったことを含めて、登校拒否対策というものは、家庭教育のあり方から、この登校拒否も中途退学の問題もいろいろな問題が重なり合って原因になって出てきている結果がこうだと思います。
 特に、中途退学については、今言ったような観点から、何かもう少し言い方もあるような気もするし、対応の仕方というものを文部省ももっと多様化してやられていいのではないかと思いますが、ちょっとこれは助成局と違うかな、お考えの範囲でお聞かせいただければと思います。
#139
○井上(孝)政府委員 ただいま先生のお話しいただいている登校拒否あるいは中途退学の対応については、初市局の方でこれは積極的に対応させていただいているところでございますが、今回の定数改善計画におきましては、従来十八学級以上の中学校に配置していた生徒指導担当教員を、三十学級以上の中学校に複数配置いたすとともに、新たに三十学級以上の小学校にも生徒指導担当教員を配置することとしているところでございます。
 また、高等学校についても、二十一学級以上の全日制高校に生徒指導担当教員を一人、三十一学級以上に複数配置していたものを、十八学級以上に一人、二十七学級以上に複数配置することとして、新たに十二学級以上の定時制高校にも一人配置することといたしたわけでございます。
 このほか、登校拒否児童生徒や中途退学者が多数いる学校に対しましては、それぞれ登校拒否対応教員や高校中退対応教員を配置することとしているところでございます。
 そこで、文部省としては、学級数の多い大規模校、登校拒否児童生徒や高校中退者が多数いる学校に生徒指導担当教員や登校拒否、中途退学対応の教員を重点的に配置することによりまして、学校における生徒指導体制や教育相談体制の整備充実を図ることができる。また、関係機関や保護者との連携協力が図られるなど、登校拒否問題等に対するきめ細かな対応を行うことができるようになると考えているところでございます。
 しかし、先ほど先生がおっしゃいましたように、中途退学者の中にも、また自分の個性や能力に応じて、その後生涯学習的にそちらの新しい進路に応じて、その生徒の個性や能力が発揮される場合もあるというお話もございますが、確かにそういうケースもあるかと思うわけでございますが、学校における対応としては、私どもの先ほど申し上げましたような定数改善計画における定数の加配によりまして、そういう問題に対して適切な対応をしていきたい、このように考えておるところでございます。
#140
○鍛冶委員 大臣のお考えもお聞かせをいただきたいと思います。
#141
○森山国務大臣 先生がおっしゃいますように、中途退学という人たちが必ずしもすべてそのために大変困った状態になるというわけでもないと思いますが、大きく分けて、本来は気持ちよく勉強し、いろいろ学校で自分の能力を高めたいと思ってきたにもかかわらず、入った後でさまざまな問題にぶつかって挫折してしまうというのと、それから入ったときにはそれほどでもなかったんだけれども、入ってみて、やはり違うということがわかってほかへ移る、いろいろな種類の方がいらっしゃると思います。それぞれの子供の個人的な状況や、あるいは家庭の事情とか学校のさまざまな状況とか、そういうこと、それぞれみんなが違うと思いますので、それらに対してきめの細かな個別の必要に応じた指導をするということが一番望ましいのではないか。そういう意味で、先ほど来御説明申し上げておりますような対応をしていくということがいいのではないかというふうに私は考えております。
#142
○鍛冶委員 生徒指導の関係については、朝、渡瀬議員も言われておりましたが、ひとつ特にカウンセリングができるということ、登校拒否ですか、不登校といいますか、自閉症のお子さんとかいらっしゃいますけれども、そういったことを含めて、やはり普通の教員免許で免許を取った先生が必ずしもそれに対応できるかというと、私は、まずできにくい、非常に難しい、こう思っております。したがって、やはり専門的にしっかりと、そういったお子さん方、これは親を含めてのいろいろな対応になるんだろうと思いますけれども、それができるようにするためには、やはりちゃんとしたカウンセリングのできる方、力を持った方を配置していく必要がある、こういうふうに思います。したがって、こういうことについてさらに一層こういう問題に対応しようということで改善計画の中で取り組みをされておるわけですけれども、そういう意味で、カウンセリングのできる先生方をぴしっと見きわめながら配属をしていくというふうに、ひとつこれは要望としてお願いをいたしておきます。
 それと同時に、養護教育の改善ですが、これもなされておるわけですけれども、まだまだこの程度では学校の実情にあった人数、配属ではないなというふうに私は思うわけですが、もっと充実すべきである、こういうふうに思いますけれども、この点についていかがでございましょうか。
#143
○井上(孝)政府委員 お答えを申し上げます。
 養護教諭は、児童生徒の養護をつかさどる職員といたしまして、専門的立場から、学校保健計画立案への参画、健康診断や健康相談への従事、救急処置、児童生徒等に対する保健指導、保健室の運営等に当たっている者でございます。
 近年、保健室に来室する多数の児童生徒の中には、身体面のみでなく精神面で相談を求めてくる者が見られ、また表面的には身体的な症状を訴えながら、内面では心の問題を持っている児童生徒の状況が指摘されているところでございます。このような状況は当然のことながら大規模校において多く、現行の各校一名配置では応急手当てや保健指導にも十分な対応ができないということから、大規模校に複数配置を行うこととしたものでございます。
 今後の養護教諭の配置のあり方についてのお尋ねもございましたが、今回の計画の実施状況を見きわめながら、今後とも引き続き検討を加えてまいりたいと考えております。
#144
○鍛冶委員 検討を加えるということは、十分対応してまた加配をしていく、こういうことと受けとめて、ひとつ御努力をいただきたいと思います。
 それから次に、高等学校の学級編制の標準についてお伺いをしたいのですが、今回の改善計画で高等学校の学級をすべて四十人学級に、これが通過して実施されればなるわけでございますけれども、これは私は非常にいい方向であろうと思っております。ただ、四十人学級の実施の仕方ですけれども、これは各都道府県において生徒数の推移の状況等さまざまな実情を抱えておって、これは一律にはなかなかいかないんじゃないかというふうに私は思うのです。各都道府県においても、これは実情に応じた弾力的な実施方法をとる方がいいのではないかとも私は考えておるわけですが、各県で四十人学級についてどのように実施していくような予定をしておるのか、現時点でどうなっているのか、お尋ねをいたします。
#145
○井上(孝)政府委員 お答えいたします。
 全日制普通科等の四十人学級の実施につきましては、先生がおっしゃるように、一律に実施するのではなく、各都道府県ごとに県内の生徒数の推移や地域の実情などを踏まえて実施して、平成十年度までに完成するように指導をいたしているところでございます。
 具体的な実施方法といたしましては、学校施設の状況や中学卒業者の数、進学希望者数等の動向を考慮いたしまして、各都道府県ごとに三ないし六年計画で具体的な実施方法を策定する。あるいは一学級当たり定員については、学年進行方式によりまして四十五人から四十人としたり、あるいは段階的に、例えば四十四人から四十二人、四十二人から四十人とするような実施方法も考えられるわけで、そういうものについては自由に各都道府県で選択をしていただきたい、このようなことを考えております。
 各都道府県の来年度の計画では、来年度の新一年生から全県一斉に四十人学級を実施するところは十県、一部の学校で四十人学級を実施するところは二十八県、学校ごとに四十一ないし四十四人学級を実施するところは九県というようになっているわけでございまして、各県でそれぞれの実情に応じた実施計画を立てていただいているところでございます。
#146
○鍛冶委員 公立の高等学校については、まあまあ今言ったような御配慮をいただきながら進めていただきたいのですけれども、私立高校については、現在実態がどうなっており、これにどう対応されるつもりなのか、お伺いをいたします。
#147
○中林政府委員 私立高等学校の学級編制の実態でありますけれども、全国団体であります日本私立中学高等学校連合会、この調査がございます。大多数の高等学校が加盟しておりますので、この調査は全体の傾向がわかるかと思いますけれども、それによりますと、全国平均で四十二・七人、同連合会の五十二年度の調査では一学級当たり四十六・一人、こういうふうになっております。内容をちょっと見ますと、過疎を抱えている県では四十人以下が多いわけですけれども、逆に東京は四十五・五人など、四十人を超えている県もございます。全国平均、先ほど申し上げました四十二・七人ということでございます。
 来年度より公立学校の学級編制の標準が改善されますれば、私立の高等学校におきましても、当然学級編制を改善する方向での努力がそれぞれ求められることになると思います。私どもといたしましても、私学における学級編制の実態をさらに詳しく把握するように努めたいと思っておりますし、そして各私立学校においてみずからの経営努力というものをやはり期待をいたしたいと思いますけれども、私学振興助成法の精神に基づきまして、教育条件の向上を図るというために、私学助成の一層の充実に努めなければならない、かように思っているところでございます。
#148
○鍛冶委員 私立の高等学校についてもひとつ全力を挙げてお取り組みをお願いしたいと思います。
 次に進みまして、外国語によるコミュニケーション能力の育成というものが今非常に重要な社会的要請になっているわけですが、御承知のように、国際化というのはすごく進んでまいりました。国際貢献というものも、かつてなく日本の立場というものが重要になってまいりましたし、また、こういった状況に伴って、今若い人たちというのは海外なんか非常にひょいひょいと出ていく。私たちは、私なんかは最近ようやくなれましたけれども、若い人はまことにひょいひょい行きますね、ごく気軽く行ってしまう。
 こういうような中で、今申し上げたような外国語によるコミュニケーション能力育成というものが大切になってきておると私は思います。現在の学校教育におきます外国語教育について、コミュニケーションの手段として活用するためには不十分だ、とにかくしゃべれもしないし、困るということがあるわけですね。新しい学習指導要領でも、このような各方面からの指摘に対して対応できるように今改訂をなされているわけでございますけれども、今回の改善計画では、このことについてどういうふうに対応しているのか、お伺いをしたいと思います。
#149
○井上(孝)政府委員 お答え申し上げます。
 臨教審の答申におきましても、教育改革を進めるに当たりまして、国際化、情報化等変化への対応が求められているところでございます。そういう国際化に対応するためには新しい学習指導要領、高等学校につきましては平成六年度から実施されるわけでございますが、その中におきまして、外国語で積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育てることを重視するということと、特に聞くこと、話すことの指導が一層充実するよう改善を図ることとしておりまして、オーラルコミュニケーションに関する新しい科目も設けられているところでございます。
 この学習指導要領の趣旨を実際に生かすためには、授業の中で実際に生徒が英語を聞いたり話したりする機会を可能な限り多く与えることが必要であり、そのために、特に聞くこと、話すことの指導に当たって、小人数による指導を徹底することが極めて効果的方法でございます。このため、今回の改善計画では、外国語等におきます小人数指導を行うための教育課程を編成し、実施する学校に対しましては、教職員を配置するための定数といたしまして二千百三十二人を配置しているところであります。
 また、国際的な相互依存関係や世界的な課題等について、幅広い観点から深く考察できる資質を養成するとともに、外国語のコミュニケーション能力を身につけさせることをねらいとする国際関係学科や外国語関係学科等につきましても、このような小人数による指導が行えるように必要な教員を配置することといたしております。
#150
○鍛冶委員 最催にお尋ねをしたいのですが、やはり教育は人なりですから、そういう教育の本質に立ち戻りますと、何といっても人に尽きてくるし、それは学校の教師、先生ということにも尽きてくる面があると思います。
 日本の学校の先生方はいろいろなものを抱え込み過ぎて大変だということは十分承知はしておるのですけれども、今回こういうふうな改善計画が施行されるという流れになってまいりましたし、また、先般お尋ねをしました業者テストの問題でも、つまるところは、やはり学校の先生方に、本当に先生お一人お一人が御努力いただいて、先生自身が画一的ではなく、自分の個性を生かしてどんどんおやりになる。その中で子供のためにも取り組みをしていただきたいというふうに思っているわけです。
 そういう一番基本の先生方というものは、先生は百万人からいらっしゃるわけですから、いろいろお一人お一人違う。その個性を生かすということはいいのですけれども、しかし、やはり技術的なもの、いろいろな指導方法等については、今回こういうふうに先生方の、教職員の改善計画が実行される、どんどん進んでいく、業者テストの問題もどんどん禁止される中で、これはいろいろな問題が山積みされてくるという中で、先生方の資質の向上ということが大変必要だろうと私は思います。前回のときも初任者研修についてお尋ねをしましたが、初任者研修を含めて、やはり先生方に対する研修というものは、本当にかつてなく充実した形で行われる必要があろうとも思いますが、こういった点の今後のお取り組みについてお尋ねをいたしたいと思います。
#151
○井上(孝)政府委員 お答え申し上げます。
 先生が御指摘のとおり、教員の資質能力の向上は、教育の成果に非常に大きくかかわっているわけでございますので、教員の研修につきましては、国、都道府県、市町村、学校の各段階において多様な研修が実施されているわけでございます。初任者研修制度を初め現職研修の体系的な整備拡充も文部省として図っているところでございます。また、教員養成大学等の大学院の充実に伴いまして、これらの大学院への長期研修を希望する教員もますますふえている状況でございます。
 今回の改善計画におきましては、このような教員研修の一層の充実を図る観点から、特に大学院大学等への長期の研修を充実するとともに、企業等における新しい先端技術の研修や実務研修を中心とする研修などを含めまして、できるだけ長期の研修が行われるような研修定数の充実を図ったところでございます。この定数を有効に活用することによりまして、教員個人の資質能力の向上に資する長期研修をより積極的に行うことが可能になるというように考えているところでございます。
#152
○鍛冶委員 要望にいたしておきますけれども、やはり先生方はそういう意味では大変厳しい状況の中で頑張っていただくわけですし、これは何かぎゅうぎゅう締められていくというような感じだけではなくて、私前から申し上げているように、ひとつ文部省においても、各先生方のいい点はどんどん顕彰していく、さらには給与等についても見直しを図っていく、いい方に考えていくというようなこともあわせて今後ひとついろいろな対策を講じていただきたい、御要望を申し上げておきます。
 最後に大臣に、きょうの私の質問についての所感をひとつお伺いして、質問を終わりたいと思います。
#153
○森山国務大臣 大変きめ細かなところにお心配りくださいました御高見を拝聴いたしまして、大変参考になりました。これからも御趣旨を体して努力していきたいと存じます。ありがとうございました。
#154
○鍛冶委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
#155
○渡辺委員長 山原健二郎君。
#156
○山原委員 学級定数についての文部省の基本的な考え方をただしておきたいと思います。
 先ほどからずっと質問が出ておりますように、今回小中学校の学級定数の引き下げを見送っだということですが、文部省は、その理由として、教職員定数の在り方に関する調査研究協力者会議が「現時点において学級編制の標準を変更することは適当ではない」と結論づけたことを挙げています。
 まず最初に、この点について伺いたいと思うのです。
 昨年の七月二十八日にこの協力者会議が中間報告を出したときの二つの新聞の社説をちょっと紹介したいと思います。
 朝日の場合は「「三十五人学級」が見送られたことへの疑問の声も、現場の教師を中心に多い。欧米に比べて依然、日本の学級規模は大きい。」「財政難を強調する大蔵省などの壁を突破」するには、「強力な「応援団」と、実施すれば教育効果が上がるという「証明」が必要とされた。その意味で、文部省の調査研究協力者会議の、見えない有力メンバーは財政当局だったといえる。」「教育の土台となる学級規模の検討が、財政の枠組みを前提に行われたとすれば、疑問が残る。」こういうふうに指摘をしております。毎日新聞の場合は、「なぜ三十五人学級を見送るのか」こういう社説でございますが、「わが子に行き届いた教育をしてもらいたいと、親はだれでも願う。教師もそうした授業をしたいと思っている。そのためには、クラスの人数を少なくすることが、まず考えられる。」「欧米では、早くから二十―三十人と少ない。「せめて三十五人に」と多くの教師は望んでいるところだ。」「報告書に「財政負担」という言葉が出てくるところをみると、「三十五人学級にすれば、教員増=人件費増になる」と、財政当局に気がねしているフシがある。」「現場の声に耳を傾け、行き届いた教育をするにはどうすればよいのかを提言するのが、教育専門家の務めであろう。」こういうふうに述べております。この指摘のように、協力者会議が三十五人学級を見送った理由は、結局は大蔵省、財政当局の壁が厚いなど財政上の問題が一番大きかったのではないかと想像されますが、この点について最初にお伺いをいたします。
#157
○井上(孝)政府委員 今回の教職員定数改善計画の策定に当たりましては、先ほど先生も引用されましたが、教職員定数の在り方に関する調査研究協力者会議におきまして、教育に関する学識経験者によりまして精力的な御審議をいただきましたが、その際に、各教育現場の代表である教育関係団体の代表の方からも詳細な意見陳述をいただいたところでございます。
 そういう中にありまして、繰り返しになって恐縮でございますが、先ほども申し上げたところでございますが、調査研究協力者会議の学級編制の標準についての考え方といたしましては、学級編制の標準規模を検討する場合に、「実験的に学級規模と教育効果との関係について調査を行ったものを集約すると、大規模の学級の方が教育効果が高いという調査結果もあれば、学級規模が二十人程度まで縮小しないと教育効果の差が顕著には現れないという調査結果等もあって、学級規模と教育効果との関係は必ずしも明確ではない。」というように報告に指摘があるところでございます。
 そういう点から、全体として今回の定数改善計画を策定するに当たりましては、先ほどからも御説明しておりますとおり、一律に学級編制の標準を引き下げるよりは、むしろチームティーチング等新しい指導方法を工夫改善することによりまして、児童生徒一人一人の基礎・基本の徹底と個性を生かした教育の展開ができるような教職員配置を主眼とすべきであるという御報告をいただき、そういう関係から今回の教職員定数配置改善計画を策定したわけでございます。
 文部省として、この教職員定数の配置改善計画を策定するに当たりましては、現下の厳しい国の財政事情等も考慮したことはもちろんございますが、この定数改善計画によって個性を生かす教育をより充実した形で教育活動が展開できるという判断にも立ったことが第一でございまして、そういう点から今回の定数改善計画について御理解を賜りたい、このように考えているところでございます。
#158
○山原委員 三十五人学級というのは、四十人学級をやるときからもう何遍も論議されて、言うならば、これはもう世間の常識の希望なんですよね。それから国際的に見ましても、今のお話は納得できないのですよ。だから、文部省として三十五人学級をやった場合、例えば三年間あるいは六年間で実施をしました場合にどれくらいの教員増が必要で、財政負担はどれくらいになるのかということの試算はあるのでしょうか。
#159
○井上(孝)政府委員 お答え申し上げます。
 三十五人学級を実施するに当たってどの程度の教職員数が必要となるかにつきましては、義務標準法に基づきまして、各学校ごとに児童生徒数を算定基礎といたしまして学級数に応じて教職員定数が算定されますことから、各学校の置かれている地域社会の人口構成等に応じて児童生徒を個別に推計し、各学校ごとの学級数を推計しなければ正確な数を算定することはできないわけでございます。また、そのためには、各市町村段階及び各都道府県段階ごとに綿密な積み上げ作業が必要でありまして、今回の改善計画策定に当たりましては、このような作業を行っておりませんので、御指摘のように、三年計画あるいは六年計画による三十五人学級を実施するために必要となる教職員数等については算定することができないので、御理解をいただきたいと思います。
#160
○山原委員 報告によりますと、協力者会議は、財政負担に比して学級規模縮小の効果が必ずしも明確でないと、財政と効果ですね。これ断定しているわけですよ。そうなら結局金がかかる割に教育の効果が上がらない、こういう断定をしたというのが協力者会議。これはもう毎日新聞が指摘しておるとおり、「教育専門家の務めであろう。」こう指摘していますけれども、これは本当にそういう基礎資料といいますか試算というものがなくて、こういう断定を下したところにも問題があります。
 もう一回伺いますけれども、二年前の一九九一年、文部省は定数改善計画の策定の資料を得るために全国的な調査を実施したわけですね。いわゆる悉皆調査をやっておりますが、その気になれば試算はできるはずではないでしょうか。一方で財政負担といいながら、どのくらいの財政負担になるかも計算が出ないで、そして三十五人はしませんよ、こういうのでは、結局最初から三十五人学級はやるつもりがなかったと言わざるを得ないというふうに思わざるを得ないのですが、そういう点、これは非常に残念でございまして、私は、財政負担という点で言うならば、これはその辺を明確にして、できれば本委員会にその資料を提出してもらいたいと思います。簡単に答えてください。いかがですか。
#161
○井上(孝)政府委員 お答え申し上げます。
 平成三年度に行いました実態調査におきましては、新しい改善計画の策定に資するために、第五次の改善計画が完成した段階での教職員配置の状況あるいは今後の児童生徒数の推移とこれに伴う教職員定数の推移等に関する調査を行ったものであります。これらの調査は、教員一人当たり児童生徒数及び一学級当たり児童生徒数など、今後の児童生徒数の推移の見込み及び教職員定数の推移の見込み、諸外国の教員一人当たり児童生徒数等でありますが、これらは改善計画策定の際の基礎資料として十分参考にしたところでございます。これらの結果については、もし必要があれば、これについてお渡しができる状況になっております。
#162
○山原委員 財政負担の問題でいいますと、現在私は絶好のチャンスだと思っているのです。児童生徒の急減期ですね。教員の自然減も大量に見込まれる段階でしょう。また空き教室も五万二千教室と大量にあります。つまり無理なく学級規模を縮小できる条件が今整っている。こうした条件を生かせば、今本当に国民の要望である三十五人学級に向かういわば絶好のチャンスではないのかこういうふうに思うわけです。現場の教職員の声は、先ほどからも随分出てまいりましたけれども、東京都の場合でも二万二千人の先生を対象に実施したアンケート調査で七六%の先生が三十五人学級を望んでいるという結果が出ているそうでございます。こうした切実な願いにこたえるためにも、今が文部省として腹を決めて三十五人学級を実施すべきときであるというふうに思います。
 諸外国の問題も出てまいりましたが、確かに四十人学級が完成をしまして状況は大分よくなってきたわけです。けれども、例えば小学校については二十九・一人、中学校については三十三・九人となっているわけでございますが、イギリスの場合は二十六・一人、これは小学校。フランスの場合は二十二・三人、西ドイツが二十一・六人。中等学校の場合は格差が一層広がりまして、日本は中学校が三十三・九人であります。また高校は四十一・八人でありますが、イギリスの場合は二十・六人、フランスの場合は二十六・五人、西ドイツ二十四・九人、こうなっていまして、この点から見ますと、やっぱり日本は立ちおくれている。これをどう解決するかというのは、文部省の情熱、それをバックアップする国民の世論、先生方の意思、父母の願いというもの、これが一致すればできないことではないと思うわけでございます。
 それから、学級規模と教育効果との関係は必ずしも明確ではない、あるいは最適な学級規模についての実証的な調査結果は得られにくいとかいいますけれども、これも欧米の場合、国際的な常識として一例を挙げますと、アメリカのインディアナ州では一九八五年から十八人以下のクラスが州内の全域で実現している。この州では州知事みずからの提唱で、八一年から二年間、州内各地の九つの小学校低学年で学級規模を通常の二十三人から十四人に減らした実験クラスをつくり、普通テストを実施し、その成績を比較しております。一年後の実験の結果は、達成目標を超えた生徒の割合で比べ、国語で一四%、算数で四%とそれぞれ小クラスが上回った、こういう数字が出まして、三十万ドルをかけての実験結果に、州知事は小クラス化は教育の向上に不可欠と議会を説得しまして、議会も圧倒的多数で巨額の州費補助を伴う計画全体を可決して、八五年から十八人以下のクラスが州内全域で実現をしていると報告されております。
 四十人を三十五人にするどころか二十三人を十八人に引き下げるという状態ですね。そうしますと、三十人、二十人が常識と欧米諸国ではなっている、その点から見ましても、我が国のこの点での立ちおくれというものは、これは否定することのできないことではないかと思うのですが、この点どうお考えでしょうか。
#163
○井上(孝)政府委員 先生から外国の実際の学級規模についての実践的な記録についてお話があったわけでございますが、我が国におきましても、数次の教職員配置改善計画において学級規模全体は引き下げられてきていることは、先生既に御案内のとおりでございまして、第五次改善計画において実施した四十人学級の完成によりまして、一学級当たりの児童生徒数は五十五年当時に比較しまして小中ともそれぞれ数人ずつの改善を見ているわけでございます。しかし、先生御指摘のように、欧米主要国と比較するとなお数人の開きがあるという実態にあるわけでございます。
 そこで、今回の改善計画におきましては、我が国における小中学校の児童生徒数が平成五年度から平成十年度までの六年間にかけて約二百万人減少していくというようなことから、全体としては、学級規模も縮減していくということは、先ほどから御説明申し上げているとおりでございまして、そういう点から、今回は、一律に学級規模を引き下げるよりは、新しい指導方法を導入するに必要な教職員配置を行うことによって児童生徒一人一人の個性や能力を生かす教育をむしろ展開すべきである、そのために、先生方がチームティーチング等によりまして、個別指導、グループ指導等を行い、児童生徒一人一人の興味、関心あるいは個性や能力を生かすような教育が展開できるような教職員配置改善計画を設けたわけでございます。
 その場合に、一つの学習手段としては二十人あるいは三十人という小規模の学習が行われる場合も当然あるわけでございまして、そういうことによって教育効果を一層高める方向の取り組みも、この改善計画の中に含まれているわけでございますので、そういう点で、今回の定数改善計画の内容等についても御理解を賜りたい、このように考えているわけでございます。
#164
○山原委員 高等学校の場合も、これは高等学校こそ今度は四十人ということで、六年計画ですけれども、これなどもやろうとすれば本当は三年間でできるのじゃないかと思います。高等学校に至っては、四十五人で今まで辛抱してきて、四十人になりましても、教育は本当は率直に言ってできないのですよ。これこそ人数と教育効果との関係というのは非常に濃密に出てくることを申し上げておきたいと思います。
 それからもう一つは、今度はチームティーチングの問題でございます。これも小学校で三四%の学校、中学校で五五%の学校に一人しか配置されないという計画になっているわけです。これも外国に比べて恐縮ですけれども、アメリカのマサチューセッツ州、ここの小学校は一クラス二十二名ですが、特に条件の悪い学校では、マスターティーチャーという主任の先生と補助の先生がもう二人おいでになって、常時大体三人ぐらいが一クラスにいるわけです。そして子供たちの指導をしている点でも、かなり進んでいる面が外国には出ておるわけでございます。
 それから、もう一つは、チームティーチングですが、こういう中で各学校が創意工夫を凝らして研究し、実施するのが当然だと思います。指導方法について、文部省あるいは教育委員会が画一的に押しつけるというようなことがあってはならないと思うのですが、この点は厳に注意すべき問題だと思います。最近は、何といっても管理主義体制が非常に強化されている。これは否定できないのです。だから、教育の自由がだんだん奪われていく状況にありますから、その点についての文部省の見解をひとつ伺っておきたいのです。
 時間がもうありませんが、もう一つは、今度新たに教頭の複数配置が出てまいりましたが、現在少なからぬ学校では、校長、教頭、教職員が子供たちの立場に立つよりも、お互いに協力し合って学校運営の本来のあり方を進めるよりも、校長、教頭が学校の現場の実情や教職員の意見を無視して、むしろ教育委員会や文部省の上からの指示を押しつけるという管理主義的な学校運営がだんだん濃厚になりつつあると思っております。そういう意味では、先生方、父母が今本当に求めているのは教える先生ですよ。余り上にいる人を欲しがっているわけでは本当はありません。だから、この部分については私は賛成できないわけでございますけれども、そういう意味での考え方、今度の改正に当たって文部省としてはしっかりした考えを持っておると思いますが、この点も伺っておきます。
#165
○井上(孝)政府委員 まず、先生の御指摘は、チームティーチング等の指導方法改善の定数配置についてどのようにするかというお尋ねであったかと思うわけでございます。
 各都道府県教育委員会におきまして、市町村教育委員会の意見を十分聞きながら、協力者会議の最終報告で示された内容に合致する新しい指導方法を積極的に導入する学校において配置をしていただきたいと考えておるわけでございまして、そういう意味から申しますと、各学校において新しい指導方法を導入し、工夫改善をする。各学校におけるその指導計画によりまして、各都道府県教育委員会で配置についての判断をするということになろうかと思うわけでございます。
 また、教頭の複数配置についてのお尋ねでございますが、特に学校におきましては、昨年の九月の第二週から始まりました学校週五日制の実施あるいは地域に開かれた学校づくりなど、新しい課題に取り組む必要性や、いじめ、非行問題などの問題行動を中心とする生徒指導上の問題への対応等、特に大規模校で教頭の職員は極めて重要になっているというような観点から、今回の改善計画におきましては、三十学級以上の大規模な小中学校に教頭を複数配置することとしたわけでございます。それによって学校におけるそういう指導面の充実、そういうものを一層図るという観点も踏まえて、この教頭の役割が適切に実施され、校内における校務分掌が適切に構成されるということによりまして、円滑な学校運営が行われることを私どもとしては期待をしているところでございます。
#166
○山原委員 今度の法案そのものが改善の部分もありまして、すべてに反対しているわけじゃありませんけれども、場合によってはもろ刃の剣になりかねない面があるわけですね。例えば高等学校の教職員の配置について多様化を一層推進するためのさまざまな加配措置をとろうとしていますが、これが高校中退など高校教育が抱えている深刻な問題を本当に解決する方向になるのか、あるいは結局多様化の名のもとに生徒を入学段階から選別し、生徒の能力や個性を伸ばすのではなく、その可能性を摘み取ってしまうのではないかという危惧もあるわけですね。かかることのないように当然心すべきでありますが、そういう点での歯どめというのはどうお考えになっていますか。
#167
○井上(孝)政府委員 お答え申し上げます。
 今回の高校の定数改善計画におきまして、生徒指導担当教員の充実についても配慮しているところでございますが、これは最近における高等学校等におきまして、中途退学あるいはいじめ、校内非行等いろいろ生徒指導上対応すべき問題が多くなってきている、そういう観点からでございまして、決して先生がおっしゃるような管理体制を強化するというような観点からではございませんで、むしろ生徒一人一人の個性や能力をいかに学校において伸ばしていくか、そういうために、新しい円滑な学校運営ができるために教職員配置を今回行おうとしているところでございます。
#168
○山原委員 今回、教職員の配置計画では、小学校の専科教員については二足の改善がなされていますが、中学校の免許外教員解消については手をつけておりません。
 そこで、お伺いするわけですが、免許外教員については解消されつつあるのかどうかという点ですが、確かに一時期に比べますと減っておりますのでも、いまだに約四万件と非常に多いわけでございまして、全国の児童生徒数が減り、小規模校も、過疎の県だけでなく、これから多くなることが予想されます。免許を持っていない教科を担任させられた教員は準備に三倍の時間がかかる、ほかの仕事にしわ寄せがいく、生徒に聞かれてもすぐには答えられないというような問題が声として上がっているわけでございまして、何よりも生徒にとって大切な問題となっております。今回、中学校において選択科目の拡大に対応した教員加配が盛り込まれていますが、まず、こうした中学校における免許外教員の解消をこそ図るべきではないかと思いますが、この点についてお伺いをいたします。
 それから、最後に文部大臣に対しまして、今回の改正案全体について、私はもろ刃の剣という言葉を使いましたけれども、これは、日本の教育の自由の発展、そして日本の子供たちの二十一世紀へ向かって大きく羽ばたく、その基礎になるべきものだと思います。そういうふうにしなければ、むしろ弊害が出てくる可能性も考えておかなければなりません。その点についての文部大臣の見解を伺いたいと思います。
#169
○井上(孝)政府委員 では、私からは免許外教員の解消についての文部省の取り組みについて御説明を申し上げたいと思います。
 学習指導要領に沿った教育の円滑な実施など適切な学校運営に必要な教職員の確保を図るため、いわゆる標準法を制定して、数次にわたって年次計画によって教職員定数改善計画を推進してきたことは、先生御案内のとおりでございます。その中で免許外教科担任教員の解消にも十分配慮しているところでございまして、特に義務教育諸学校の学級編制及び教職員の定数改善計画においては、複式学級の改善とともに、例えば三学級の中学校にも九人の教員を配置できるようにするなど、教職員の配置改善に努力をしてきているところでございます。しかし、例えば中学校の三学級程度の比較的規模の小さな学校においては、現行の教職員配置ではどうしても時間数の少ない教科などにつきまして一定の免許外教科を担任せざるを得ないこととなっておりますが、教員一人当たりの授業の持ち時間数あるいは教員一人当たりの生徒数等を考慮した場合、これ以上の改善を行うことは困難な状況にあるわけでございます。
 なお、教員の任命権者である各都道府県指定都市教育委員会に対しましては、教職員定数改善計画の趣旨を踏まえまして、また各学校のカリキュラムに沿って必要な教員の配置を行うこと、また各学校において、特に、単に持ち時間の一律化のために免許外教科を担任させることのないよう、教員の勤務負担の均衡化は、担任以外の校務の分担の軽重の調整によって適切に行うよう配慮することなどの観点から、教員の適切な人事管理についての指導を行っているところでございまして、今後その徹底を図ってまいりたい、このように考えておるところでございます。
#170
○森山国務大臣 このたびの改善計画は、先生のおっしゃいますとおり、子供たち一人一人の個性を尊重いたしまして、それを伸ばし、そして多様な体制をもって健全な育成を図っていくということが目標でございまして、そのために最大の努力をいたしたいと考えております。
#171
○山原委員 終わります。
#172
○渡辺委員長 次に、柳田稔君。
#173
○柳田委員 先日はいろいろと質問さしていただきまして、指導要録の開示、ぜひともまたしてほしいなという希望を持ちながら、この今回の法案についての質問をさせていただきます。
 この法案、うがった見方をしますと、余剰人員対策だという声もなきにしもあらず、もっと昔に戻りますと週五日制、子供たちのためではなくて労働時間のためだ、そういううがった見方もありますけれども、そういう立場からではなくて、できるだけいろいろな提案をしながら文部省のお答えを期待したいと思います。
 このチームティーチングでありますけれども、これが導入された場合に、実際具体的にどういうふうな授業の形態になるのか、まずお答えをお願いしたいと思います。
#174
○井上(孝)政府委員 お答え申し上げます。
 チームティーチングの導入は、基礎・基本の重視と個性を生かす教育を実現するため、複数の教員が協力して小人数による指導や個別指導を行えるようにすることを目的とするものでございまして、例えば児童生徒の学習の進度や理解の程度あるいは学習課題等の違いに応じて、複数の教員がそれぞれの役割を分担して指導に当たることによりきめ細かな教育の実現を図るものでございます。
 具体的に申しますと、年間の指導計画と事前の入念な授業計画に基づきまして、複数の教員が役割分担を明確にし、例えば一つの学級を二人の教員が指導し、一人の教員が主として一斉指導方式により全体を指導している間に、もう一人の教員が机の間を巡視したり、場合によっては別途理解のおくれている児童生徒に特別の指導をするような形態の授業や、ある教科の特定の単位につきまして一斉授業の後、学習の到達度や理解の程度、つまずきの違い等によって、例えば一つの学級を幾つかの小グループに編成し、各グループごとの到達度や課題等に応じた指導を行う授業などが考えられるところでございます。
 また、特に中学校におきましては、例えば三つの学級を四つのグループに分割いたしまして、グループ別に授業を行うなどの方法も考えられておるところでありまして、具体的には各学校の創意工夫によってさまざまな効果的な方法を実施してもらいたいと考えているところでございます。
 複数の教員が協力して多様な指導方法を工夫することによりまして、児童生徒の学習意欲の向上、みずから積極的に学習課題に取り組む態度の育成、基礎的な学力の向上などが図られますとともに、教員にとりましても、相互に協力して指導方法を工夫したり、協力して授業を行うことなどを通しまして、児童生徒一人一人への理解が深まり、指導技術の向上や教材研究の深化が図られるものと期待しているところでございます。
#175
○柳田委員 以前私も、中学校、高校にいたころ能力別到達度クラス編制といいますか、要するにABCと分けて授業を受けた経験があるのですが、その当時いろいろと世の中からは批判も出たわけでありますけれども、そういうふうにある教科については能力別到達によってクラス編制をしたりして伸ばしていこう、足りないところは底上げを図ろう、そういうこともやられるということなんでしょうか。
#176
○井上(孝)政府委員 今先生がおっしゃるように、児童生徒一人一人の学習の進度や理解の程度が異なるわけでございますので、そういう学習の進度や理解の程度というものに応じたグループ分けというものも行うことによって、児童生徒一人一人の能力や適性に応じたきめ細かい指導をしていこう、こういう趣旨もこの中に含まれているわけでございます。
#177
○柳田委員 複数の先生が一つの教室を見る、生徒を見るということでありますけれども、その中で、初めて先生になられる方もいらっしゃるかと思うのです。初めて担当になった、子供の面倒を見なければいけない、そういう場合にいろいろと経験がないということで、経験不足ということで戸惑いも生じるのではないか、そういうふうにも考えられますので、もし複数で見られるというならば、先輩の優秀な先生とその一年生といいますか、初めて子供を教える先生をセットにして、先輩が後輩をいろいろと指導しながら授業を進めていくということも一つの方法であってもいいかと思うのですが、このことについてはどのようにお考えでしょうか。
#178
○井上(孝)政府委員 お答えを申し上げます。
 先生も御案内のとおり、新任教員につきましては、既に一年間にわたる初任者研修制度が実施されておりまして、それによって新任教員の実践的な指導力の向上と使命感を育成するとともに、知見を広めていただいて、教員としての資質、能力の向上を図っているところでございます。このチームティーチング等の導入は、ベテランの教員が新任の教員を指導して新任の教員の指導力を高めることを直接の目的とするものではございませんが、複数の教員が協力して指導計画、学習指導案を作成することや、協力して授業を行うことなどを通しまして、ベテランの教員が新任の教員にその経験と知識を伝達したり、あるいはそれぞれの教員の専門性や個性をお互いに尊重するなど、教員相互の切磋琢磨が図られ、おのずと今御指摘のような教員相互の指導技術の向上や教材研究の深化が図られるなどの効果が上がるものというように期待しているところでございます。
#179
○柳田委員 私も会社に入った当初はいろいろと戸惑いもありました。しかし、その前に半年教育というものを会社の中でもやるのですけれども、実際仕事につきますといろいろな面でわからない点が生じる。だから、いろいろな先輩にお尋ねをしたいような気にも駆られますので、できればこの辺も考慮していただきながら進めていただければと思うのです。
 もう一つは、お二人先生がいらっしゃる、いろいろな子供の評価もするわけでしょうし、いろいろな指導方法も決めると思うのですが、その際に教員同士がいろいろと話し合いをしながら、この評価はどうしようかとか、この教育の運営方法をどうしようかとか、いろいろと議論をしながら進めていくような状況にもなるのでしょうか。
#180
○井上(孝)政府委員 今までチームティーチングを実施している実践記録等を拝見してみますと、二人の教員が一つの学級を教える場合に、どちらかというと比較的経験の浅い先生が一斉指導を行いまして、学年主任あるいは教務主任など経験の豊富な先生がその補助的な役割を果たし、そういう両者の協力によって授業を円滑に進めていくという形がかなり多いわけでございます。
 そういう意味で、先生がおっしゃるように、ベテランの教員が比較的経験の浅い先生をいろいろ指導する機会も多いわけでございまして、全体として生徒の理解の程度あるいは習熟の程度というようなものについては、二人の先生がそういう評価については十分話し合いながら、その子供の個性や能力を伸ばしていくという指導が展開されることを私どもは期待しているところでございます。
#181
○柳田委員 期待じゃなくて、できるだけそうなるように御指導の方もお願いしたいと思うのです。
 今度は、教師の資質向上ということでちょっと提案もさせていただきたいのであります。
 大学ですと、一般企業から講師を招いて授業をしたりということもあります。小学校も含めていいかと思うのですが、小学校でも中学校でも高校でも、企業の人をお呼びして、その専門家がいるわけですから、そういう人をお呼びして授業をしていただくというのも、先生方にとっていろいろな刺激にもなり、またいろいろな勉強にもなり、いい結果が出るのではないかというふうに思うのです。つまり外部から学校にお呼びして授業を持ってもらう。一年間ずっとやってほしいとかいうのではなくて、ある面についてはこういうことで教えてほしいというふうなことをしたらいかがだろうか。今度は逆に学校の先生方が外の一般企業なりに行って、企業が今どういうふうな実態にあって、どういうふうな教育をしていらっしゃるのか、そういう面も含めながら勉強するのも一つの手だてかな。今やっているかどうかわかりませんけれども、例えば公立の先生が私学に半年なりでも行って、私学は実際はどういう授業をやっているのか勉強して帰ってくるというふうなことも、ある面ではいいことが生じるのではないかと思うのですが、このことについてはいかがでしょうか。
#182
○井上(孝)政府委員 まず第一点の、社会人に学校の教壇に立っていただいて、その幅広い経験を子供たちに教えるようなことはできないかというお尋ねでございますが、昭和六十三年の教育職員免許法改正におきまして、民間のすぐれた知識や技術等を有する人材を学校教育で活用することができるように、免許を有しない者であっても非常勤講師として採用することができる特別非常勤講師制度を設けたところでございます。この制度によりまして、平成三年度には全国で千百六十二件の許可が行われておりまして、民間の人材が中学校、高等学校等の教科の領域の一部やクラブ活動の指導に当たっているところでございます。今後、この制度の積極的活用によりまして、先生がおっしゃるような、民間のすぐれた人材の発掘、活用が図られるように、引き続き都道府県教育委員会等を指導してまいりたいと考えております。
 また、教員が民間企業等で研修するようにできないかというお尋ねであったわけでございますが、教員を学校とは異なった民間企業等に派遣いたしまして、異なった職業における思考方法や発想、幅広い人間関係、企業における規律などを体験させるということは、教員にとりましても、その視野を広げ、社会性を養う上で大きな意義があると思うわけでございます。教員の民間企業での研修につきましては、初任者研修の校外研修の一環として、かなりの都道府県指定都市におきまして民間企業における研修を実施しているところでございます。また、教員につきましては、研修の重要性から、現職のまま大学等において長期研修を受けられる制度が教育公務員特例法の二十条第三項に位置づけられておりますが、この長期研修制度を活用いたしまして、中堅教員あるいは若手教頭等を民間企業に長期派遣している県も現在三県ほどございます。
 さらに現在、各都道府県指定都市におきまして、五年程度の教職経験を有する教員を対象とした研修を実施しておりますが、平成五年度からこれを拡充いたしまして、さらにもう一段階、例えば十年または二十年程度の教職経験を有する教員を対象といたしますとともに、研修内容につきましても、一律的な研修だけではなく、コースを設けるなどの充実を図ることを考えておりまして、その中に企業体験コースといった実践的、体験的内容の研修コースを設けるよう指導しているところでございます。今後、このような教員の民間企業における研修が積極的に行われるように指導してまいりたいと考えております。
#183
○柳田委員 積極的にしてほしいと思いますけれども、行かれた方の感想はどういうふうなことでありましたでしょうか。もしおわかりであればお知らせ願いたいと思います。
#184
○井上(孝)政府委員 民間企業への長期派遣研修を実施している例といたしましては、先ほど三県と申しましたが、現在、千葉県の高等学校の中堅教員、それから岐阜県の若手教頭、教務主任、進路指導主任、福岡県で職業教育担当の高校の中堅教員などが二週間から一年間かけて派遣されているわけでございまして、そういう経験を通じて、私どもとしては、先ほど申し上げましたが、異なる職場における思考方法なり発想、それから幅広い人間関係、企業における規律というようなものを体験することによって、その視野を広げて、社会性を大いに養い、そういう経験が学校現場における教育にもフィードバックされて、大いに参考になったというような報告を受けているところでございます。
#185
○柳田委員 今度は逆に、民間の方から学校に行かれた先生、どういう感想をお持ちになっているか。それももしおわかりになれば教えていただきたいと思うのです。
#186
○井上(孝)政府委員 先ほど申し上げました特別非常勤講師制度を利用いたしまして、例えば陶芸家が学校に来て陶芸を教えたり、あるいはコンピューターソフトの経営者が学校に来て情報処理等について教えるというようなことで、それぞれの専門家が学校におきまして若い生徒にそういう専門的な観点から教えるということで、学校の教員とは違った意味で、そういう意味ではそれぞれの分野の専門性が非常に高まった教育を受けられる面があったというように我々は考えているところでございます。
#187
○柳田委員 本当にこの方向をもっともっと進めていただきたいなと思いますので、御努力をお願いしたいと思います。
 今局長の御答弁の中にも若干触れられたのでありますけれども、授業が終わった後のクラブ活動、土曜日、日曜日のクラブ活動、大変教師の皆さんにもお願いといいますか、御苦労願っているわけなんですが、いろいろと聞きますと、大変だという声が聞こえるんですよ。これが一つの理由。もう一つは、学校五日制が月一回行われておる。地域のボランティアが余りうまくいっていない。どうにかしてこのボランティアもうまくいってほしいなという感じがするのです。学校に行ってクラブ活動というと、余り数は多くないのですけれども、子供たちにとっては、あれもしたい、これもしたい、でもないということもあるかと思うのです。ところが学校のある地域を見回してみますと、例えば習字のうまい先生とかテニスのうまい方、昔高校野球で鳴らした人とか、そういうふうな人が多分たくさんいるはずだと思うのですよ。こういう人たちに対して学校の方から呼びかけながら、できればクラブ活動に協力をしてもらえないだろうか、指導をやってもらって子供たちとコミュニケーションをとってほしい、そういうことができれば、さっき言った教師の負担というのも軽くなるでしょうし、さらに地域と学校との関係も密になってくるんではないかな。その来られた人たちがまた地域に帰って、いいことだ、一生懸今やってやろうじゃないかという声もだんだん盛んになってくると思うのです。このクラブ活動の指導にそういうふうな地域の人材をフルに活用するということができれば、既にやっておるところもあるというふうに聞いているのですが、さらに進めるということは学校五日制にとっても大分プラスになってくるのではないかと私は思うのですけれども、いかがでしょうか。
#188
○井上(孝)政府委員 お答え申し上げます。
 学校におきます部活動につきましては、従来より、先生がおっしゃるように、民間の指導者の活用の促進に努めているわけでございますが、教育課程内に位置づけられておりますクラブ活動につきましても、すぐれた知識や技術を有する民間人について、教員免許状を有さない者でありましても非常勤講師として採用することができる特別非常勤講師制度を創設したことは、先ほど申し上げたとおりでございます。そういう特別非常勤講師制度を活用することによりまして、教育課程に位置づけられているクラブ活動につきましても、先ほど先生がおっしゃるような、すぐれた知識あるいは技術を有する方については、その御指導をお願いしているところでございます。
 平成三年度には、この特別非常勤講師制度に基づきましてクラブ活動にも関係すると考えられるものとして、茶道、華道、書道関係が六十一件、体育実技関係が三十九件、美術、工芸関係が三十八件、器楽、演奏関係が三十六件等の許可が行われているところでございます。
 また、部活動につきましては、専門的な技術指導力を備えた適切な指導者を招致することができるように、昭和六十二年度から、都道府県教育委員会が運動部を有する学校に対しまして、民間指導者を委嘱し、派遣する事業に対する国庫補助制度を設けているところでございます。
 今後、クラブ活動や部活動におきましても、広く民間のすぐれた人材の積極的活用が図られるように、この制度のPRにも努めてまいりたい、このように考えております。
#189
○柳田委員 質問したのは、要するに余り活用されてないということなんですよ。できればこれをもっともっとやっていただければ、地域の皆さんと学校の交流がうまくいく。そして学校の先生方もそういうふうな刺激があれば、さらに自分たちでもいろんなこともできるようになるのではないかということでありますので、できればさらに進めるように何かいろんないいアイデアを出しながらやっていただきたいなという気がします。
 ちょっと別の話になるかもしれませんが、その人たちには何か手当とかいうのも払われておるのですか。
#190
○井上(孝)政府委員 お答え申し上げます。
 非常勤講師としてそういうクラブ活動等に御指導いただく場合には、非常勤講師手当が支給されているところでございます。
#191
○柳田委員 手当が払われている。今いろいろと地域の皆さんでも、ボランティアという大変いい言葉と活動がありますので、そちらの方に働きかけて、そういう手当もなしでもやってくれる人がたくさんいるのではないかなというふうにも思いますので、多分、一部予算的な制約もあり難しいのかなという気もしましたので、聞いたのですけれども、逆にただでやってよ、ボランティアだ、子供を教えるのが好きでしょうということでやっていただいても結構なんじゃないかなというふうにも思います。
 最後になりますけれども、いろいろな面で学校教育は変化の時期に来ているのじゃないかな、もう既に来ている。早いところ手を打たなければ、いろんな面で手おくれになる面も出るかというふうに思いますので、百二十年、初めて女性の文部大臣だと所信でおっしゃられましたので、大きな変化を女性の大臣に期待をいたしまして、時短の世の中ですから質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#192
○渡辺委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#193
○渡辺委員長 この際、本案に対し、山原健二郎君から修正案が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。山原健二郎君。
    ―――――――――――――
 公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数
  の標準に関する法律及び公立高等学校の設
  置、適正配置及び教職員定数の標準等に関す
  る法律の一部を改正する法律案に対する修正
  案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#194
○山原委員 私は、日本共産党を代表して、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律及び公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律の一部を改正する法律案に対して、修正の動議を提出いたします。その内容はお手元に配付されております案文のとおりでございます。
 学校における学級は、児童生徒にとって教科の学習とともに自主的、自治的活動にとって最も基本的集団であります。したがって、学級規模を適正化することは、教職員が一人一人の児童生徒にしっかりとした学力を身につけさせ、能力と個性を豊かに伸ばす教育を行うための欠かせない条件であります。
 ところが、我が国の学級規模は、小中学校で九一年度に四十人学級が実現したものの、三十人以下学級が常識となっている欧米諸国と比べて立ちおくれた現状にあります。また、高校も長い間四十五人学級のままに置かれ、今回の法改正によってようやく四十人学級になるものの、これまた欧米諸国に大きくおくれたものとなっております。これが学校嫌いや不登校の増大、また高校中退の増大などさまざまなゆがみをもたらしている原因となっています。このため、三十五人以下学級を求める国民的要求は高まり、母国会ごとに膨大な請願署名が提出をされています。特に、児童生徒の減少期にある今、学級規模縮小へと突き進むべきなどの要求はかつてなく高まっています。
 政府原案は、教頭複数配置や新しい指導方法の導入に対応した教員加配など管理強化や画一的な指導方法の押しつけにつながる問題点はあるものの、全体として教職員の増員を図るものであります。しかしながら、今の我が国教育の現状と国際動向から見れば極めて消極的なものとしか言えません。修正案はこうした政府案の足りないところを補うものですが、その概要は次の点であります。
 その第一は、義務教育諸学校の学級編制基準を九三年度から三カ年で三十五人にするということであります。
 その第二は、高等学校の学級編制基準を、これまた九十二年度から三カ年で全日制の課程を四十人、職業に関する学科その他の専門教育の学科を三十五人、定時制の課程においても三十五人とするものであります。
 これによる初年度の教員の増員は小中で一万三千名であり、国庫負担の増額分は三百九十八億円であります。世界第二位の経済力を持つ我が国として当然の措置であり、でき得ないわけはないと存じます。
 以上が修正案の提案理由であります。
 何とぞ委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げまして、提案理由の説明を終わります。
#195
○渡辺委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 この際、本修正案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣において意見があればお述べいただきたいと存じます。森山文部大臣。
#196
○森山国務大臣 公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律及び公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案については、政府としては反対であります。
    ―――――――――――――
#197
○渡辺委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 内閣提出、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律及び公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。
 まず、山原健二郎君提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#198
○渡辺委員長 起立少数。よって、山原健二郎君提出の修正案は否決されました。
 次に、原案について採決いたします。
 原案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#199
○渡辺委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#200
○渡辺委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、松田岩夫君外三名から、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議及び民社党の四党共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。吉田正雄君。
#201
○吉田(正)委員 私は、提案者を代表いたしまして、ただいまの法律案に対する附帯決議案について御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律及び公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  学校教育における教育水準の一層の向上を図るため、政府及び関係者は、次の事項について特段の配慮を行うべきである。
 一 改善計画期間中における年度計画の策定に当たっては、地域の事情を尊重するとともに、着実な計画実施に努めること。とりわけティーム・ティーチング等の新しい方式による教職員配置に関しては、地域や学校の実情に即して実施されるよう、各自治体の意見を十分尊重すること。
 二 ゆたかな、ゆとりある教育を更に推進するため、今後の児童・生徒数の推移等をも勘案しながら、学級規模等の在り方の検討を早急に開始すること。
 三 障害児の教育及び日本語が不自由な外国籍の児童・生徒、外国から帰国した児童・生徒などの普通学級における学習を保障するために、教育環境の整備と必要に応じた教職員定数の確保に一層の努力を行うこと。
 四 児童・生徒数の少ない地域の学校教育を一層改善するため、複式学級の解消その他について検討を行うこと。
 五 養護教員、事務職員、学校栄養職員の定数改善について、その機能と任務とに十分対応できるよう今後更に検討すること。
 六 高等学校における総合学科の創設に当たつては、別途措置されることとされている教職員配置を含む条件整備について財政上万全を期すこと。
 七 生徒の選択履修の幅が増えることに伴い、個々の生徒の履修科目の編成にアドバイスを与える校内体制を整備すること。
 八 公立高等学校の学級編制の標準の改善に伴い、私立高等学校の学級規模についても、高等学校設置基準の見直しについての検討を含め適正化に努めること。
以上でございます。
 その趣旨につきましては、本案の質疑応答を通じて明らかであると存じますので、案文の朗読をもって趣旨説明にかえさせていただきます。
 何とぞ御賛同くださいますようお願い申し上げます。(拍手)
#202
○渡辺委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#203
○渡辺委員長 起立総員。よって、本動議のごとく附帯決議を付することに決しました。
 この際、本附帯決議に対し、文部大臣から発言を求められておりますので、これを許します。森山文部大臣。
#204
○森山国務大臣 ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意いたしまして対処してまいりたいと存じます。
    ―――――――――――――
#205
○渡辺委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#206
○渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
#207
○渡辺委員長 内閣提出、国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。森山文部大臣。
    ―――――――――――――
 国立学校設置法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#208
○森山国務大臣 このたび、政府から提出いたしました国立学校設置法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、国立大学の学部の設置及び短期大学部の廃止について規定するものであります。
 まず、第一は、学部の設置についてであります。
 これは、各大学における大学改革と教育研究体制整備の一環として、群馬大学の教養部を改組して社会情報学部を、名古屋大学の教養部を改組して情報文化学部を、奈良女子大学の家政学部を改組して生活環境学部をそれぞれ設置しようとするものであります。
 なお、これらの学部は本年十月一日に設置し、平成六年四月から学生を受け入れることとしております。
 第二は、短期大学部の廃止についてであります。
 これは、昼夜開議制による教育体制の充実のため、滋賀大学、徳島大学及び琉球大学に併設されている夜間三年制の短期大学部を廃止して、それぞれの大学の関係学部に統合するとともに、看護等医療技術教育の充実等を図るため、大阪大学に併設されている医療技術短期大学部を廃止して同大学の医学部に統合しようとするものであります。
 なお、これらの短期大学部は、平成六年度から学生募集を停止し、平成七年度限りで廃止することを予定しております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛成くださるようお願いいたします。
#209
○渡辺委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時四十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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