くにさくロゴ
1993/04/13 第126回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第126回国会 地方行政委員会 第9号
姉妹サイト
 
1993/04/13 第126回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第126回国会 地方行政委員会 第9号

#1
第126回国会 地方行政委員会 第9号
平成五年四月十三日(火曜日)
    午前十時二分開議
出席委員
  委員長 中馬 弘毅君
   理事 岡島 正之君 理事 小坂 憲次君
   理事 福永 信彦君 理事 古屋 圭司君
   理事 増田 敏男君 理事 小川  信君
   理事 谷村 啓介君 理事 山口那津男君
      井奥 貞雄君    石橋 一弥君
      田邉 國男君    中谷  元君
      西田  司君    吹田  ナ君
      穂積 良行君    渡部 恒三君
      五十嵐広三君    加藤 万吉君
      北川 昌典君    北沢 清功君
      小林  守君    小谷 輝二君
      斉藤  節君    菅野 悦子君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 村田敬次郎君
 出席政府委員
        人事院事務総局
        職員局長    福島  登君
        厚生大臣官房会
        計課長     高木 俊明君
        建設大臣官房会
        計課長     木下 博夫君
        自治大臣官房長 吉田 弘正君
        自治大臣官房総
        務審議官    遠藤 安彦君
        自治大臣官房審
        議官      松本 英昭君
        自治省行政局公
        務員部長    石川 嘉延君
        自治省財政局長 湯浅 利夫君
        消防庁長官   浅野大三郎君
 委員外の出席者
        総務庁長官官房
        地域改善対策室
        長       荒賀 泰太君
        経済企画庁調整
        局産業経済課長 梅村 美明君
        国土庁地方振興
        局総務課過疎対
        策室長     小濱 本一君
        文部省教育助成
        局財務課長   御手洗 康君
        厚生省老人保健
        福祉局老人福祉
        計画課長    水田 邦雄君
        林野庁指導部計
        画課長     伴  次雄君
        中小企業庁小規
        模企業部小規模
        企業政策課長  上田 全宏君
        気象庁観測部管
        理課長     椎野 純一君
        地方行政委員会
        調査室長    前川 尚美君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月十三日
 辞任         補欠選任
  吉井 英勝君     菅野 悦子君
同日
 辞任         補欠選任
  菅野 悦子君     吉井 英勝君
    ―――――――――――――
四月十三日
 銃砲刀剣類所持等取締法及び武器等製造法の一
 部を改正する法律案(内閣提出第六八号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
四月十三日
 地方分権の促進に関する陳情書(岐阜市薮田南
 二の一の一岐阜県議会内今井田清外六名)(第
 一一九号)
 地方財政の充実強化に関する陳情書(熊本市手
 取本町一の一熊本市議会内嶋田幾雄外四号)(
 第一二〇号)
 地域づくり推進事業に関する陳情書(岐阜市今
 沢町一八岐阜市議会内山田大)(第一二一号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出第二九号)
     ――――◇―――――
#2
○中馬委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。谷村啓介君。
#3
○谷村委員 地方交付税について順次質問をいたしたいと思いますが、その前に、前回、さきの委員会でお願いをしておる問題のその後の状況についてお尋ねをちょっとしておきたいと思います。
 まず、人事院の方にお尋ねしたいわけでございますけれども、骨髄移植のドナーの問題、いわゆる特別休暇の問題についてさきの委員会で私質問をいたしたわけでございますが、その後、人事院の方では三月二十六日付で、四月一日からぜひ特別休暇を進めよう、こんなことで規則の改正等が行われたと聞いておるわけでございますが、この種の事案としては素早い対応であった、これが一日おくれるごとに人の生命に関係をするというようなことも極端に言うと言えるわけでございますので、そういった点では大いに評価をいたしたいと思うわけでございます。
 その後の人事院の作業状況等について、指導状況等についてお尋ねしておきたいと思うのでございますが、同時に、自治省の方も、例えば私ども岡山県でも自治省の通知を受けてその作業に移っておる、こんなことでございまして、自治体においてもそういった方向が急速に進められておる。大変喜ばしい限りだと思っておるわけでございますが、同時に、自治大臣の方からも、その後の自治省の対応について意見をお聞かせ願いたい、こ
 う思います。
#4
○福島政府委員 ただいま委員の方からお話のございましたドナー休暇の件でございます。
 それにつきましては、国の推進する骨髄バンク事業の意義等にかんがみまして、また、当方の人事院総裁が、早期にこの問題については実施すべきであるという強い意向を踏まえまして、去る四月から特別休暇の一つとして実施したところでございます。その後どのような指導をしているのかとの質問でございますけれども、去る三月三十日だったと思いますけれども、それを公布するに際して、各庁の担当者を集めまして説明をし、その円滑な実施についてお願いしているところでございます。人事院としましては、今回の措置によりまして、ドナーとなりやすい環境整備の一端は図られたと考えております。
 その他の問題につきましては、関係省庁ないし関係団体におきましてこれから適宜措置されていくことと思っておりますけれども、人事院としてやるべきこと、または措置しなければならない問題が出てきました際には、前向きに検討してまいりたいと思っております。
#5
○村田国務大臣 谷村委員に自治大臣からも御答弁を申し上げます。
 骨髄移植の提供者、いわゆるドナーの特別休暇の問題につきましては、ただいま人事院政府委員からもお話がありましたが、実は、これは私が昨年の十二月に自治大臣に就任いたしましてからすぐにこの問題を聞きまして、私としては、人命に関することだから、直ちに事務当局から緊急にとり得る措置を指示したところでございます。その結果、まず現行の法制度内で病気休暇とすることといたしました。さらに、制度改正を含めて人事院にもその対応をお願いしたわけでありまして、このことは、委員御承知のように、衆議院の予算委員会でも総理からも御答弁がありました。そして、国家公務員におきまして人事院規則が改正され、四月一日から、ドナーの病院での検査、手術後の入院等必要な期間すべてに特別休暇が認められることとされたわけでございます。自治省としても三月三十日付で、特別休暇とするように地方団体に通知を流しましたところであります。
 このように短期間に適切な対応をとることができましたのは、国会の御要請もあり、非常によかったと思っておるところでございます。
#6
○谷村委員 懇切な答弁をいただきましたが、新聞報道等によりますと、全国では広島県など四道県で実施されている、こういうふうになっているのですが、これが早急に広がりますように、そのことをぜひ御期待をいたしたいというふうに思うわけでございます。なお、人事院につきましても、特別休暇制度ができたことは非常にすばらしいことですけれども、できれば啓蒙活動等をぜひひとつお願いをいたしておきたい、こういうふうに思うのでございます。
 さて、地方交付税の問題について順次質問をいたしたいと思います。
 まず、経済見通しについてでありますけれども、設備投資や個人消費の停滞が続いており、景気が低迷をいたしておることは御承知のとおりであります。一部マクロの指標においては底入れの兆しも感じられるということがしばしば報道をされておりますけれども、まだ企業の人員削減等雇用調整の波は地方にも押し寄せているのでございまして、有効求人倍率も一倍を割り込んでいるのに加えて、最近では中高年齢層への風当たりが厳しいものとなっているわけでございますが、まず、現下の景気動向について自治大臣の所見をお伺いをいたしたいと思うのであります。
#7
○村田国務大臣 平成五年四月の月例経済報告がございまして、これにはっきり書いてありますように、我が国経済は、設備投資は製造業を中心に減少し、個人消費は低い伸びとなっております、依然として調整過程にある、引き続き低迷しているという報告がありましたけれども、一部に明るい動きが見られるようになったということも指摘をされておるわけでございます。
 政府としては、このような状況にかんがみまして、今後の景気の足取りを確かなものとするために、総合的な経済対策、これは宮澤総理のクリントン大統領との会見以前にまとめるということで、本日夕刻、総合的な経済対策を策定することとしております。
 その場合に、地方財政の面におきましても国の方針と軌を一にいたしまして、機動的、弾力的に対応すべきものと考えておりまして、地方単独事業を含めた公共事業等の施行促進、地方単独事業費の追加等も行うこととしよう、こういうふうに考えておりまして、きのうも自民党の方と連絡をとり、あるいは大蔵大臣とも緊密な連絡をとり合っておるところでございます。
#8
○谷村委員 平成四年度においても政府は総合経済対策を講じて、地方団体も地方単独事業を積極的に追加補正してこれに応じておるわけでございますけれども、この執行状況がどうなっておるのか、お尋ねをしておきたいと思うのであります。
#9
○湯浅政府委員 平成四年度におきましても、八月の二十八日に総合経済対策が決定されまして、地方単独事業を一兆八千億円追加をするということが決められたわけでございますが、各地方団体に要請をいたしましたところ、九月補正におきまして全地方団体の予算計上額は一兆九千億円、地方単独事業一兆九千億円を追加をしていただきまして、これに公共事業の追加等もあわせて事業を執行していただくということになったわけでございます。
 この追加された分だけの執行状況というのはなかなか捕捉しにくいものでございますので、この追加の分だけでどうなっているかという点については私ども調査をしかねているわけでございますけれども、いずれにしても各地方団体におかれましては、追加事業を含めました各種事業を円滑な実施をしていこうということで最大限努力をしているわけでございまして、都道府県について見ますと、ことしの一月末の段階でございますけれども、施行促進の対象となっている公共事業などの予算額が都道府県全体で十五兆二千億円ということになっておりますけれども、この追加後の予算額をべスにした一月末の契約率は八六%、こういう率になっております。この八六%というのは、これまでの年の一月末の契約率を見ましても遜色のないところでございますので、契約率におきましては順調に推移をしているのではないか、こういうふうに理解をしているところでございます。
#10
○谷村委員 次に移りますが、平成四年度においても景気対策の一環として公共事業の前倒しに取り組んだけれども、地方自治体における対応を総括的に見て自治省としての評価は一体どうなるのか、お伺いしたいと思うわけであります。
#11
○湯浅政府委員 平成四年度の景気対策につきましては、先ほど申し上げました総合経済対策の前の段階で、まず当初のべスで地方団体に積極的に地方単独事業を計上してほしいということもお願いをしたわけでございますけれども、これにも積極的にこたえていただきまして、さらに、ただいま御指摘のように、ちょうど昨年の三月三十一日でございますが、緊急経済対策というものが決定されました。これに沿いまして上半期の契約済み額の割合を全体として七五%を上回ることを目途として施行促進をやっていこうということが国において閣議決定されたわけでございますが、これを受けまして私どもから各地方団体に対しましても、国と同一の基調で積極的にやっていただきたいというお願いを申し上げました。
 その結果、各都道府県におきまして施行促進の方針を決めていただきまして、国の決められました七五%をすべての府県が上回っておりまして、かなり高い施行促進の目標率を立てていただきました。その促進を最終的に上半期の契約率の実績で見ますと七七・四%ということで、当初お願いいたしました七五%というこの目標率を上回った実績を示していただいたところでございます。そういう意味で、まず、この契約の前倒しにつきましてこのような積極的な対応をしていただいたわけでございます。
 そして先ほども申し上げましたような八月二十八日の総合経済対策におきまして、地方単独事業をさらに大幅に追加していただくということをお願いいたしましたところ、これもきちんと対応していただいた。さらに、その契約の執行率は一月末で都道府県で八六%ということでございまして、平成四年度におきましていろいろな機会に景気対策に関連いたしまして機動的に対応していただきたいということを各自治体にお願いしました件につきまして、これを積極的に受け入れていただきました点、これは私どもまことにありがたいと思っているところでございまして、このような施行促進の積極的な取り組みにつきまして私どもも高く評価をしているわけでございますが、政府部内全体といたしまして地方は非常によくやってくれた、こういう評価をいただいているところでございます。
#12
○谷村委員 総括的に今後の公共事業についても、現在、量が大変ばらつきがありますが、上がっておるという情報もございますし、現に業者も困っているところがあるようでございますが、そういう点もよく勘案をされながら注意深くこれからも執行していただきたい、こういうふうに思うわけでございます。以上、要望です。
 さて、地方団体が公共事業の前倒しを円滑に行うためには、国における事務処理の迅速化や手続の簡素化が必要不可欠でございます。平成四年度の閣議決定においても「補助金等の交付及び地方債の許可について事務処理の促進を図る」というふうにされておるわけでございますが、地方債の許可については実際どのように対応をしたのか、また平成五年度はどのように対応する方針か、これをお聞きをしておきたいと思うのであります。
 続いて、時間の関係もございますから建設省の方に、補助金の交付事務に関して国の事務官庁を代表する建設省という観点から、建設省は先ほどの質問の内容についてどのように対応をしておるのか、このこともあわせてお伺いしたいというふうに思います。
#13
○湯浅政府委員 平成四年度につきましては、先ほども申し上げましたように上半期に公共事業等の施行促進をお願いするということもございましたので、これに関連いたします財源措置もきちんとする必要がございますので、公共事業等の地方債事務処理の促進を図ることといたしました。
 このために、一般公共事業とか義務教育施設の整備事業とか上下水道とかいうような公共事業関係あるいは地域総合整備事業とか臨時三事業、一般単独等の単独事業につきまして地方債の事務処理日程を例年より早めまして、昨年は四月二十四日に第一次の地方債許可予定額の枠配分を行ったところでございます。この枠配分は地方債計画に対しまして四九・四%の実行率で、約半分を枠配分いたしました。それから平成四年度の上半期におきましての枠配分は地方債計画額に対しましては八二・五%、八割を超える割合で枠配分を行いまして、事業の促進をお願いしたとごろでございます。また、いわゆるふるさと財団の融資、これにつきましても、従来の処理日程をできるだけ早くやっていただくということでお願いをしたところでございます。
 平成五年度におきましても、現在、景気対策の問題を政府部内でもいろいろ検討いたしておりますけれども、この事業促進ということは当然考えなければならない問題でございますので、地方債事務処理の迅速化、弾力化ということについては十分配慮しなければならないと思っております。具体的には、四月中に昨年と同じように前倒しの枠配分を行うことにするわけでございますけれども、この枠配分の実行率も前年度よりも上回って行うことを今検討しておりますし、また、上半期の実行率につきましても、昨年を上回るところでできないかということで今検討しているところでございまして、できるだけ事務処理日程を早めまして、早期に地方債の配分に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#14
○木下(博)政府委員 お答えさせていただきます。
 先生お話ございましたように、私どもの建設省の所管しております事業の中には直轄、公団、補助がございまして、おおむね申し上げますと、補助の関係は大体五割を超えております。したがいまして、建設省といたしましても、補助事業に対しては日ごろから大変注意を払って事業執行に当たっておりますが、申すまでもなく、社会経済情勢の変化の中で、補助事業の例えば事務手続の簡素化、合理化あるいは補助費目の統合化等についてはかねてより心がけて努力しておるところでございます。
 多少細かくなるわけでございますが、昨年のお話になりますと、省令で、例えば建設大臣の承認を要しない軽微な変更というのも金額等も上げさせていただいて、できるだけ都道府県の事務につきましては私どもも配慮しております。その中で、先ほどお話ございました財政局長の御答弁と若干重なるかもわかりませんが、昨年、建設省の場合は七七%ということで契約目標を省関係全体では掲げておりましたが、幸いにしまして大変公共団体の御協力をいただきまして、補助事業は七九・六まで上半期の契約率を上げていただきました。我々も、ことしさらに、こうした経済状況の中で前倒し、切れ目のない執行をやってまいりたいと思いますが、そのためには、私どもの扱っております事務についても当然改善をしていかなければならないと思います。
 実は三月八日に官房長通達、それから四月一日早々に事務次官通達を出しまして、事務の簡素化その他を含めまして執行上の注意をしたところでございます。細かくなりますが、例えば事前工法協議ということで、詳細な協議を従来やっておりましたけれども、できるだけ早目に発注できるようにということでの工法上の協議は前倒しでしたい。それから、都道府県からいただきます交付申請の際の添付書類でございますが、これにつきましてもかなり大幅に改善したつもりでございます。まだまだこれからもやってまいらなければならないと思っておりますが、そんな点で、それぞれの所管ことでございますけれども、交付の際の添付書類のかなり大幅な削減、それからヒアリングにつきましても、かねてよりは数回やっておりましたけれども、これからは極力、例えば極端に申し上げますと一回で済むようにというような努力もしておりますし、それから、交付決定に関する時期でタイムラグがございましたので、県、公共団体から出していただいた後、できるだけその間の時間差がないようにしてまいりたいと思います。
 細かいことまで申し上げましたけれども、いずれにしても、補助事業を初めとしまして、所管事業の迅速な執行という点には私どもも引き続き心がけて執行してまいりたいと思っております。
#15
○谷村委員 わかりました。
 次に、地方単独事業等についてお聞かせ願いたいのでありますが、平成五年度地財計画では、投資的経費全体に占める地方単独事業の割合は六二%に上っており、景気対策の上でも地方単独事業の果たす役割は極めて大きい、これは申すまでもないわけでありますが、平成五年度地財計画では景気に十分に配慮しつつ策定したとのことでございますけれども、具体的にはどのような形で景気に配慮したのか、特徴的な問題があれば御答弁願いたいと思うわけであります。
#16
○湯浅政府委員 平成五年度の地方財政計画におきましては、かねてから住民生活の質の向上に向けての社会資本整備というものを積極的に行うための地方単独事業というものを重視していたわけでございますが、こういう考え方に加えまして、最近の我が国経済の厳しい状況というようなものを考えまして、また公共投資におきます地方単独事業の占めるウエートが最近非常に大きくなってきているというようなことも考えまして、これを景気対策にやはりカウントして考えていかなければならない、こういう考え方に基づきまして、地方単独事業費を積極的に確保したいという方針で考えたわけでございます。その結果、前年度に比べまして一二%増、金額で一兆七千八百億円増の十六兆五千八百億円を確保したところでございます。地方財政計画上の補助事業と対比いたしますとかなり単独事業が上回っているということがおわかりになろうかと思います。
 この地方財政計画に計上しただけではこれは単なる絵にかいたもちになってしまいますので、地方財政計画に各地方団体も積極的に対応していただきたいということを、総務部長会議あるいは全国の財政課長、地方課長会議などを通じまして積極的に対応していただくようにお願いをしたところでございますが、この予算計上について積極的な対応をお願いすると同時に、自治省としても地方債の活用ということで、例えば臨時地方道路事業債等の地方債の充当率の引き上げとか、あるいは地方債を弾力的に運用するということでの財政面においての配慮もいろいろ考えまして、各自治体に予算計上に積極的に対応していただくように要請をしたところでございます。
#17
○谷村委員 今もおっしゃるように、景気対策の上からも地方単独事業の積極的実施は大変必要なことであることは申すまでもありませんが、行う事業が単に景気刺激効果、これも大変大事でありますが、地方自治体にとっては地域にとって意義のある事業でなければならぬことは当然であります。
 その意味でも地方単独事業の中身が大変重要でございますが、自治省としてはどのような内容の事業について支援することとしておるのか、お聞かせ願いたいと思うのであります。
#18
○湯浅政府委員 先ほども申し上げましたとおり、地方単独事業は、最近地方の積極的な対応もございまして大幅に増額がなされているわけでございますが、やはり地方団体にとりまして住民生活に密着する社会資本の整備、いわゆる生活関連施設と申しますか、こういうものが地方団体が行う場合には中心になってくるのではないかと思うわけでございます。そして、地方財政の立場からもそういう施設の整備というものにできるだけ財政支援をしていきたいというようなことで検討を進めております。
 例えば、平成五年度の地方財政計画におきましては、昨年から始めました地方特定道路の整備でございますとか、あるいは地方特定河川等の環境整備事業、こういうものの大幅な増額をいたしますと同時に、都市生活環境整備特別対策事業、これも大幅に増額をいたしましたし、対象事業も拡大するとかということもいたしました。それから、新しいものといたしましては、ふるさと農道あるいはふるさと林道というようなものを創設するということをいたしました。さらに、ふるさとづくりという観点からは、平成五年度を初年度といたします第二次ふるさとづくり事業ということで新たな取り組みをしていこうということで、これも大幅な増額を確保する、こういう形で住民生活に直結するいろいろな社会資本の整備を、地域の実情に合ったものを積極的にやっていただく、そういう財政支援を心がけたところでございまして、今後ともこういう点について私どもとしても努力してまいりたいと考えておるわけでございます。
#19
○谷村委員 ここでちょっと聞いておきたいのは、それぞれの地方議会が定例を終わっておるわけでございますから、各地方団体の五年度当初予算における地方単独事業の措置状況はどうなっておるのか、つかんでおられればお聞かせ願いたいと思います。
#20
○湯浅政府委員 平成五年度の当初予算におきます地方単独事業費につきましてこれまで調査した結果を申し上げますと、都道府県におきまして、普通会計べスでございますが、地方単独事業費が七兆一千四百四十三億円、これは前年度に比べまして八千三百八十一億円、一三・三%の増になっております。地方財政計画は、先ほど申し上げましたとおり、一二%の伸びということで確保しましたわけでございますが、全都道府県におきましてはこれを一・三ポイント上回っている、こういうことで積極的に対応していただいたということでございます。市町村部につきましては、数が多うございますので全体的な数字はまだ捕捉しておりませんけれども、抽出的にいろいろ伺っている限りにおきましては、都道府県と同様、かなり積極的に対応していただいたものだと考えておりまして、地方財政計画で予定しております事業費というものは確保できたのじゃないかなという感じでいるわけでございます。
#21
○谷村委員 地財計画を上回るような伸びを示しておるわけですね。だから、先ほどちょっと触れましたような実際に執行する上での困難というものは、財政的にもそうだし、あるいは現況の景気対策の中でもあるわけでありますから、適切な指導をぜひお願いいたしたいと思うわけであります。
 さて、地方交付税の総額については、交付税法の附則三条に基づいて特例減額として今年度も四千億を減額することとしているわけであります。これに対し自治省は、平成五年度において地方団体の所要額は確保した上で国に四千億を貸すのだという説明になっておるわけでありますけれども、住民ニーズに応じるための地方団体の需要というものはますます広がっておるということはもうはっきりしておると思うわけでありますが、むしろ、まだまだ地方財源の不足ということは現にあるわけでありますが、そういう点についてどうお考えになっておるのか、認識をただしておきたいと思うわけであります。
#22
○村田国務大臣 この問題は本会議でも出ました非常に重要な問題だと思いますので、お答えしておきたいと思います。
 実は、私が自治大臣に就任いたしますときに、宮澤総理からお話がございまして、地方財政において非常な御協力をいただくことになる、ぜひ大蔵大臣と相談して対応してほしいというお話がございました。そこで、平成五年度の予算編成に際して大蔵大臣と私とが、例えば建設省、農水省、運輸省等々の公共事業の関連する予算査定につきまして、私も大蔵大臣とともに立ち会って平成五年度の予算を編成する、そういう作業をしたわけでございます。そして、結論として四千億円の地方交付税の減額を認めたわけでございますが、これは減額というよりは国家財政に対する貸しでありまして、したがって、必ず返していただく、これはもうはっきりしておるわけでございます。
 もちろん、地方財政も決して楽なわけではないわけでございまして、しかも、四十七の都道府県、それから三千数百の地方団体等が総体でございまして、その中で財政力の弱い市町村が大多数を占めておる、九五%に上る地方団体が地方交付税に依存して財政運営を行っているという状態でございます。それから、地方財政では八十一兆円の多額の地方債を抱えておる。こういった額は地方財政が決して楽ではないということをはっきり示しておるわけでございます。しかし、公経済を担う両翼として国の財政と地方の財政があるわけでございまして、その点については、協力すべきものは協力し、また、返していただくときにはしっかりと返していただくという認識でこれに対応しております。
 先ほど来委員の御質問を承っておりまして、非常に地方財政の実態に即した御質問をいただいておると思いますが、私は就任以来、景気の浮揚は地方からという認識で、都道府県知事あるいは市町村長全体に対して景気浮揚のために公共投資を活発に行ってくれるよう要請いたしておりまして、その地方財政の運営の中でも、先ほど来申し上げておりますように、平成五年の景気浮揚については、自治省が建設、農林水産、運輸、文部等々の公共投費に非常に関連の深い各官庁と密接に連携をとりながらその運営を行っていくという気持ちでありまして、今経済状態が非常に厳しいだけに、そういったことについて円滑な、しかも柔軟な対応をしなければならない、こういう考えを持っております。私は自治省育ちでありまして、自分で財政局において計算機も回した経験がございますので、そういった経験にもかんがみ、ぜひこの大事な時期に国のお役に立って地方自治をしっかりと盛り立てていかなければならない、このように思っておるところでございます。
#23
○谷村委員 平成三年度四千五百二億円、昨年度八千五百億円、ことし四千億円、三年間連続して、貸したのだ、やったのではないと大臣はおっしゃるけれども、それだけこちらは窮屈になっておるわけであります。もちろん、おっしゃるように交付税法の定めるところによりまして平成六年度から十三年度までに返してもらう、これははっきりしておるわけでございますが、地方の固有財源である交付税を三年間も連続して国に貸すということについては、この委員会ではさまざまな議論がありました。特別決議等もつけて、そういった安易な道をとるべきでないというようなことも委員会の一致した意見でもございますが、ことしも四千億、さすがに地方団体の財政の余剰論とか富裕論は消えましたけれども、しかし、公経済のバランス論というようなことで国はそうしておるわけでございます。大臣の今の所感の中でもそういった点が織りまぜてありましたけれども、しかし、これはこの辺で何とかけりをつけるべきではないかという声が多いのも事実でございますが、大臣、いかがでしょう。
#24
○村田国務大臣 平成五年度の地方財政対策に当たりまして、地方団体の抱える多様な財政需要について、例えば住民生活の質の向上あるいは地域経済の維持拡大に向けた地方単独事業の思い切った増額措置と史地域福祉基金の積み増しと地域福祉の充実のための経費の強化、それから環境保全のための財源措置の充実、森林・山村対策に係る支援措置の創設など、当面する主要な政策課題に対しまして財源措置を幅広く、かつ的確に講じ得る見込みをしっかりととっていかなければならないということも、私は担当大臣として十分考えております。
 一方で、地方交付税については、現下の異例に厳しい国の財政事情を背景として、国庫当局から協力要請がありまして、そして先ほど申し上げましたように、私としては国の極めて厳しい財政状況を踏まえて、公経済全体としてバランスのとれた運営を図っていかなければならぬということで、必要であるという認識から、四千億円を地方交付税の総額から減額をして国の財政に貸すことに協力をする措置を講じたものでございます。この四千億円は、法律の定めるところにより、将来きちんと返してもらうということとしておりまして、これは本会議でもお答え申し上げたとおりでございますが、交付税総額の安定的な確保にも資するものだと考えております。
 特に、交付税は、谷村委員よく御承知のように、酒税、所得税、法人税の三二%あるいは消費税等の一定パーセントを譲与するということで、今や地方の一般財源であるという観念がはっきりと浸透しておるわけでございまして、この交付税措置は私が所管として抱える非常に重要な問題でございますので、御指摘になりました点は心して財政の運営に堅実に対応する決意でございます。
#25
○谷村委員 この問題は議論をしておれば、恐らく時間いっぱいになるでしょうから、この辺でとどめておきます。心してとおっしゃいましたのですが、本当に心して、来年度の予算編成に当たってはお願いをしたいというふうに思うわけであります。
 次に、一般財源化の問題に移りますが、今回、例えば義務教育費国庫負担金等のうち共済費追加費用、小規模事業指導費補助金及び保健所運営費補助金など一千億を超える、一千五十億でしたかを超える額の国庫補助金が一般財源化をされたことは御承知のとおりであります。これは言ってみれば、今まではこれらの事業を国庫補助金で行っておったものを一般財源化と称してそういう措置をとられたわけでありますが、地方の財源で肩がわりするといいますか、見方によると地方への押しつけではないかということも言えるのですね。もっとも私どもは、小さな補助金の統合整理については、これは賛成をしておるわけでありますが、そういう点についてそういう感想を持つ方もあるわけでありますが、いかがでしょう。
#26
○湯浅政府委員 国庫補助負担金につきましては、一つはやはり国と地方とのいろいろな仕事を行う場合に一定の基準で、国の予想しますといいますか想定する一つの基準というものを全国にやっていこうとか、あるいは特定の事業を奨励していこうというためには非常に有効な手段としてこれまでも使われてきたわけでありますけれども、他方におきまして、やはり国庫補助負担金というものはいろいろな形で地方の自主性を損なうものだ、こういう観点もあるわけでございまして、そういう意味からいきますと、やはり地方に同化、定着している事務につきましてはできるだけ地方の財源で仕事をしていく、国からのいろいろな制約というものを除去して地方みずからの判断で仕事をしていくということが地方自治にとっては望ましいのではないかという考え方がございます。
 そういう観点から見ると、国庫補助負担金というものは、ずっと続ければいいというものではなしに、常に見直しを行って補助負担金として存続するのがいいかどうかということを常に考えながら運用していくものではないかと思うわけでございます。そういう観点から見まして、各省庁と予算編成の都度いろいろと御協議をいたします。そして、地方の事務として定着しているというふうに考えられるもの、あるいはこれを廃止することによって地方の自主性が高まるというふうに考えられるものにつきましては、私ども積極的にこの問題に対応していかなければならないのじゃないかというふうに考えるわけでございます。
 その場合には、今御指摘のように、国の補助金がなくなった分は地方の負担になるじゃないかという御指摘もあるわけでございますから、この点については毎年度の地方財政計画を策定する上におきまして、そういう補助金を廃止して一般財源化することによって地方財政全体がきちっと運用できるかどうかということ、これを地方財政計画を策定する過程におきましてよく検討いたしまして、そういう支障の生じないようにしていくという必要が当然あるわけでございます。したがいまして、これを国の補助金がなくなったから国は財源が助かった、地方の方に財源が行ったから地方に押しつけじゃないか、こういうふうな見方ではなしに、本当に地方の自主性、自立性というものを高めるという観点からこの問題については対応していくべきではないかな、こういうふうに考えているところでございます。
#27
○谷村委員 その場合は、今おっしゃるように、地方に同化定着している事業、こうおっしゃいましたけれども、すべてそうなのかというと、やはり便宜主義的なところもあるのじゃないかという嫌いも決してないではない。そういう点では、やはり今後の一般財源化の問題、今おっしゃるような基準というものがなきゃならぬように思いますので、その点はぜひ要望しておきたいと思うわけであります。
 それでは次に、不交付団体についてお伺いいたしますけれども、一般財源化に対しては所要の地方財源を確保し、適切な財源措置をするということでございますけれども、現実問題として、平成四年度現在で約百五十の不交付団体があるわけでありますが、これは交付税が交付されていないわけでありますから、一般財源化したときの財源措置はなされない、こういうことになるわけであります。国庫補助金をもらっていたときに比べ、一般財源化することによって苦しくなる結果となるのではないか、こういう苦情もあるわけでありますが、これについて自治省はどのようにお考えか、お聞かせ願っておきたいと思うのであります。
#28
○湯浅政府委員 国庫補助金等を一般財源化する場合には、先ほど申しましたように、基本的には地方財政計画の策定を通じまして全体として地方財政がバランスがとれるかどうかということを検討するわけでございます。そして、この一般財源化されたものにつきましては、地方交付税の基準財政需要額にそれぞれ算入をして、一般財源化された分についての財政需要というものをきちんと算定をしていかなければならないわけでございます。その場合には、地方交付税の基準財政需要額の算定は、交付団体も不交付団体も関係なく、それぞれの地方自治体の必要額はどれだけかということを算定していくわけでありますから、この算定をした結果においてまだ不交付であるということは、これは財政需要はきちっと見込んだ上でさらに不交付だ、この財政需要を見込んだことによって財源が足らなくなって交付団体に転落する、転落すると言うとおかしゅうございますけれども、交付団体になってしまうということもあると思いますが、そういう需要を積んだ上でもさらに不交付だということは当然予想されるわけでございます。その場合には、今まで財源余剰と申しますか、不交付団体の分は、別途自主的に使えたお金がそれだけ減ってしまうじゃないか、こういう御指摘があるのはよくわかるわけでございます。
 ですから、そういう点については、理論的にはこれは財源措置はなされているわけでございますけれども、実際の財政運営上は、やはり急にこういうものが出てきたときにそれが財政運営に支障が生じてくるということも考えられますから、個々の不交付団体の財政運営の状況というものをよくお聞きしながら、不交付団体の財政運営に支障の生じないように、例えば調整債の運用というようなものは一つはそういうことも考えて行っているわけでございますが、こういうことも含めまして不交付団体の財政運営に支障の生じることのないように十分個別の問題として配慮してまいりたいと思っております。
#29
○谷村委員 次に、一般財源化の問題に伴う問題ですけれども、きょう文部省の方、通産省の方、厚生省の方にお願いをいたしておりますが、例えば文部省として、地方団体の負担の伴う新規事業、義務教育共済費追加費用の国庫負担金等、従来文部省が補助金として配っていたものを今年度から地方が自前でやるのであるから、その分、例えばシーリングの関係は大変楽になったと言えるのじゃないでしょうかね。
 そこで、文部省としての新規事業の中で、地方公共団体の負担の伴うものとしてどのようなものをつくったのか、お伺いをしてみたいと思うのであります。いわばこれは地方の財源の見返りとも考えられるわけでありまして、地方団体にとって有益であるとともに、地方がやりやすいように運用すべきだと考えるわけであります。先ほども財政局長がおっしゃいましたように、一般財源化については地方に同化定着しておるというようなことも考えられるわけでございますから、そういう観点を踏まえてちょっと、六百四十九億円に上ると思うのですが、まず文部省からそういう観点についてお答え願いたいと思うのであります。
#30
○御手洗説明員 お答えいたします。
 文部省といたしましては、本年度から新しく例えば義務教育諸学校と公立の高等学校の教職員の配置改善計画を策定したところでございまして、平成五年度から六年計画で義務教育につきましては三万四百人、それから公立高等学校につきましては二万三千七百人の基準を改善するというような措置をいたしております。
 義務教育につきましては、二分の一の国庫負担、それから高等学校につきましてはいずれもすべて地方交付税で措置をしていただくということになっておるわけでございますけれども、こういった配置につきましては、例えばチームティーチングなどの新しい指導方法を改善、実施するという内容につきましては、これは今までのように各都道府県に一律基準で配置するということではなくて、各学校あるいは市町村教育委員会の取り組みの状況というものを判断いたしまして、都道府県の教育委員会が積極的に実施する学校に配置をするといったような形の配慮もいたしているところでございます。
 また、公立文教施設関係におきましても、地方公共団体から大変強い要望がございまして、建築単価の大幅な改定をいたしまして、小中学校校舎の場合につきましては一九・三%あるいは屋内運動場につきましては二七・三%というような実態に即した大幅な改善を図るというようなことから、地方公共団体の要望に適切にこたえるというような施策を講じているところでございます。
#31
○谷村委員 私は、この問題で文部省さんに、一週間くらい前だったと思うのですが、新規の事業とそれから地方の負担の伴う事業について資料を提出してもらいたい、こういう要求をしたのですが、きのうになってやっとわずかの資料が参っただけです。今おっしゃったような問題じゃなくて、五件だけここへ資料として来ているのですね。他の省庁は非常に早くきっちりしたものを出してきた。文部省に対しては、新規事業とそしてその中でまた地方の負担が伴うものをさび分けして持ってきてください、こう言ったのですね。例えば、他の厚生省や通産省等はいち早く資料をきっちりして答案が来ているのですね。一番きっちりすべき文部省が、答案には全然なっていない。これはいけませんよ。地方行政委員会で一生懸命質問するわけですから、一般財源等のあり方の問題について、ここの委員会としての使命の一つの問題なのですから、やはりもう少しきっちりしてくれなきゃ。これ以上言いませんが、いいですか、それは。
 それでは、同様の質問を通産省にも通告してございますが、お答え願えればありがたいと思うわけであります。
#32
○上田説明員 お答え申し上げます。
 中小企業庁といたしましては、平成五年度の予算におきまして、一般会計で総額千九百五十一億円を計上いたしておりますが、その中で特に最近の中小企業をめぐる厳しい環境変化を踏まえまして、小規模企業対策の抜本的な強化、あるいは中小企業のエネルギー、環境問題への対応の推進、あるいは中小企業の時短、労働力確保問題への対応の推進、あるいは中小小売商業対策といったようなものを推進しておるわけでございますが、先生お尋ねの新規物、特に地方自治体の負担を伴うものは幾つかということにつきましては、一定の計上の方式で勘定いたしますと、十五ほどございます。
#33
○谷村委員 例えば、その中で小規模事業指導費補助金、商工会や商工会議所に配置しております指導員等の人件費、事務費、附帯事務費等についての補助金、これなどは、私ども考えてみて、権限もそのまま都道府県知事に移譲していますね、こういう姿というものがこれから一般財源化の中に積極的にあらわれてこなければ問題だと私は思うのでありますが、そういう観点から見ますと、この厚生省健康政策局指導課、これは次ですな。これは中小企業庁ですな。次に、ゆつくりいきましょう。先ほど言いましたような権限移譲を伴うような措置というものが、全部ではいけません、いろいろ事業の性格がございますからいけませんが、そういう権限移譲という問題をくるめた一般財源化の方向が追求されなければならぬ。そういった点ではこの中小企業庁の措置というものは大変いただけるのではないかという気がいたしておるわけであります。
 それでは、次に、厚生省にも同趣旨の質問をしておりますので、お答え願いたいと思うのであります。
#34
○高木政府委員 厚生省関係につきまして、平成五年度新たに地方事業に対して助成措置を講じさせていただいたのは約二十件でございます。ただ、厚生省関係の補助金でございますが、この補助事業の考え方といたしましては、その中に例えばエイズ対策等に対する補助事業、あるいはまた高齢者対策、あるいはまた児童対策、こういった事業がございますけれども、いずれも地方公共団体における保健あるいは医療、福祉といったものの向上に役立つものについて助成をしてまいりたいという基本的な考え方で助成措置を講ずるというようなことをさせていただいております。
#35
○谷村委員 厚生省については総事業数、新しい補助金を伴う行政施策は四十一事業ですね。その中で自治体負担を伴うものが二十件ですから、相当大きなものが一般財源化されておると言わざるを得ないですね。保健所関係の人件費相当分二百十二億円、公的病院に係る費用ですが二十四億円、看護婦養成等二十億円等々がございますけれども、今もエイズの問題がございましたが、いずれにいたしましても、この中をもっと精査すれば、一体一般財源化という名にふさわしいものかどうかという問題、もっと精査をすべきではないかという問題もございますけれども、ただちょっと時間もございませんでしたから私はその精査はできておりませんけれども、厚生省にも、先ほど申し上げましたような、少なくとも地方に一般財源として財源化するわけですから、権限の問題等についても移譲できるものは都道府県の方に移譲するという気持ちをぜひ持っていただきたいと思うのでございます。
 先ほどちょっと言いかけましたが、例えば病院について、「自治体病院特殊診療部門運営費の一般財源化について」という文書があるのです。これは指導文書だろうと思うのですが、「平成五年度予算における方針」、「一般財源化を行う理由」、「一般財源化に伴う対応」、「一般財源化に伴い実施する事業」というようなことで、これは説明資料だろうと思うのです。書いておる中に、これは先ほど言いましたように厚生省健康政策局指導課ですが、最初から読んでみますと、「一般財源化は、従来、厚生省から国庫補助金で交付していたものを、自治省からの地方交付税交付金として措置するものであり、国から交付することには変わりはない。」こういう念押しがあるのですね。これはどういう意味なのですか、ちょっと聞いておきたいのですが。
#36
○高木政府委員 大変申しわけありませんが、今その通達をちょっと持っていないものですから全体についての流れがわかりませんけれども、恐らくその考え方としましては、従来直接の補助金という形で地方に交付いたしておりましたけれども、このたび一般財源化なされるに当たりまして地方交付税の裏打ち措置がなされることになったという趣旨を体してそのように書かれているのではないかというふうに思っております。
#37
○谷村委員 これは特に、普通の一般的な問題として質問しているわけだ。つまり、地方交付税の性質ですね。これは恐らく一般財源化をするに際して関係団体等があるいは心配をするというようなことで、それに対する説明のためにこのことをつけ加えているのだろうと思うのですが、これは厚生省の考え方だろうと思うのです、単に健康政策局指導課の考え方ではなくて。その中に読み取れるのは、交付税も一般的な国のお金なんだよ、したがって心配をするな、こういうふうな精神なのですね。
 そのことは一番ここで議論されている問題なんです、交付税とは一体何か。これはかつても大蔵大臣質問の中でいろいろなやりとりがあった大きな問題なのです。つまり交付税とは地方公共団体の共有の固有財源だ、これが基本になって説明がないと、国から交付することには変わりはないんだよ、これでは先ほど局長が説明したような一般財源化する理由は十分に理解されていないと言わざるを得ないのです。よその課だからということでなしに、厚生省全体にこんな考え方があるなら、これはやはり問題だ、こういうふうに指摘している。もう一遍答弁をしてください。
#38
○高木政府委員 交付税の考え方につきましては、先生が今おっしゃったようなことで私ども考えておりまして、ただいまの通知文書につきまして、そういった意味で誤解を与えるような表現になっておりますれば、それについて今後十分注意するようにいたしていきたいと考えております。
#39
○谷村委員 先ほどから厚生省、そして中小企業庁、文部省等に尋ねました。その趣旨はもうおわかりになっていると思うのですね。何もかもと言っては語弊があるけれども、今のような考え方で一般財源化がされるとすれば私どもの方にも言い分がある、地方団体の方にも言い分が出てくると思うのですね。その点はお互いに大いに心しなければならぬ問題ではないか、こう思って実はこの質問を取り上げておるわけであります。
 次に移りますけれども、したがいまして、国庫補助金の一般財源化に対しては地方交付税による財源措置を講ずることとしているものの、このまま一般財源化が進めば当然地方交付税が足りなくなる。地方財政を圧迫しかねない。したがって、将来財源が不足するような状況になれば、例えば地方税源の拡充を図るとか、交付税の現在の率を上げるとか、そういう措置が必要になるときが来やしないか。例えば一千五十億にしても、今のところまだ全体の交付税の中で、基準財政需要額の中に入れ込むことができるけれども、許容はできるけれども、今のようなことがどんどん進むことも必要なことを否定しているわけではありませんが、しかしそれがどんどんふえていきますと、パイは一つなのですから、パイの大きさは一緒なのですから、パイを大きくするということが将来必要になってくるのではないかな、こんな気が実はするわけでありますが、自治省の見解を伺っておきたいと思います。
#40
○湯浅政府委員 国庫補助金の一般財源化につきましては先ほど来私どもからも申し上げましたとおり、国庫補助金の弊害というものが一方にございますものですから、地方の自主性、自立性を高めるというためには、同化定着しているものを、あるいは先ほど御指摘いただきましたように権限を地方に移譲してもらって、地方の財源で仕事をしていく、こういう方向が地方自治にとっても望ましい問題ではないかと思っております。そういう過程の中で、個々の補助負担金を一般財源化するに当たりまして先ほど来の御指摘もよく注意をしながらこれからもやっていかなければならないと感じたわけでございますが、それはそういう方向でいくといたしましても、一般財源化というのは今後やはり進めていくべきだと私どもは考えております。
 その場合には今お話しのように、地方財源の方がどんどんそういう需要がふえてくるということが予想されるわけでございますから、この所要財源についてはきちっと地方一般財源で対応していく必要がある。それはやはり毎年度の地方財政計画をつくっていくわけでございますから、この地方財政計画を適切に見積もっていくということの中でこの問題を解決していくべきではないかと思うわけでございます。もちろん、地方自治を伸ばしていくというためには、中長期的には、当然のことながら地方税をまず充実していく必要があるだろう、それを補完する意味の地方交付税の充実強化ということは当然考えていかなければならないわけでございますが、毎年度毎年度の財源措置といたしましては、地方財政計画にこういう財政需要を的確に見込みまして過不足のないように、地方財政の運営に支障のないように努力をしていかなければならないというふうに考えているわけでございます。
#41
○谷村委員 時間の関係がございますから次の質問に移りますが、昨年度来この委員会でも大変重要な課題として取り上げました森林・山村対策ですね。林業の不振、過疎化、高齢化、あらゆる問題を実はこの問題は含んでおるわけでございますが、このような状況に対して、国土、農水、自治の三省庁が協力して、今年度から森林・山村対策として各種の施策を講じているわけでございますが、これは非常に時宜に適した取り組みである、こういうふうに思います。高く評価したいと思うわけでありますし、先日も大臣の方から、たしか単年度措置でなしにこれからもずっと続けたいという御答弁をいただきました。
 そこで、この森林・山村対策について各省庁でどのような内容で取り組んでいくのか、お聞かせ願いたいのであります。また、国と地方が力を合わせてこれの施策を推進するためには、全国の森林を抱える地方巨体にこれらの施策の普及啓発を行うということが大変重要になってくると思うわけでございますが、いかがお考えか、各省庁に、これは時間の関係で簡単で結構ですから、要領よくお願いを申し上げます。
#42
○湯浅政府委員 ただいま森林・山村対策につきまして、昨年来林野庁、国土庁と御協議を続けてきた結果が平成五年度の対策として実ったわけでございますけれども、私どもの具体的な内容につきましては、保全すべき森林の公有化の推進とかあるいは公有林の適正管理、あるいはこの山村地域の定住環境の改善のためのふるさと林道の創設でございますとか、林業従事者の方々の今後の担い手対策というような問題、こういうようなものをセットにいたしまして、合計千八百億円の対策費を地方財政計画に計上いたしまして、これを地方債、地方交付税で適切に対応してまいりたいというふうに考えているところでございまして、この対策を今後続けていくためには、関係省庁の御協力とあわせまして、やはり地方団体が積極的にこれに対応していただかなければならないというふうに考えております。
 そういう意味で、今回この地方財政計画の中身を計上したことにあわせまして、私どもの立場からは、都道府県の総務部長会議でございますとかあるいは地方課長会議、財政課長会議を通じまして、この施策の内容について説明を行って理解、協力を求めたところでございます。また、これからも先ほどの省庁と協力をいたしまして、各地域において説明会を行って地方団体の理解を深めていただきたいというふうに考えているところでございます。各地方団体におきましても非常に強い関心を持ってこの対策を見ておりまして、具体的な施策がこれから次々と出てくることを期待しているところでございます。
#43
○小濱説明員  森林・山村検討会の議論を踏まえまして、国土庁として平成五年度において講ずることといたしました施策について御説明いたします。
 まず第一に、集落の整備を図り、定住を促進するという観点から、過疎地域集落再編整備事業という国庫補助制度がございますが、この補助対象を拡大いたしまして、現行の集落移転事業に加えまして僻地点在住居移転事業、それから農林業後継者あるいはIターン、Uターン者等の定住を促進するための団地の整備という定住促進団地整備事業、これを新たに対象事業に加えております。
 それから、二番目といたしまして、過疎地域におきます都市住民等の長期滞在を図り地域の活性化を図るという観点から、こうした事業のソフト事業に対する補助制度といたしまして、過疎地のふるさと推進モデル事業という補助制度を新たに創設したところでございます。
 それから、三番目といたしまして、過疎地域におきまして滞在型交流施設の整備事業を重点的に整備していくという観点から、国庫補助事業それから単独事業を有機的に連携させて実施する事業、こういったものを推進するという観点から、自治省それから林野庁と連携いたしまして緑のふるさと・ふれあいプロジェクトというプロジェクト方式の事業を新たに創設したところでございます。
 それから、地方団体との協力の関係でございますが、御指摘ございましたように、この施策を推進していく過程におきましては、地方団体の積極的な取り組みが必要でございますので、国土庁といたしましても、主務部長会議等におきまして、この内容につきまして地方団体に対し説明し、理解の増進に努めているところでございまして、またさらに、先ほど財政局長さんの方から御説明がございましたが、ことしの五月から六月にかけまして、自治省と林野庁と協力いたしまして、都道府県、市町村の担当者を対象に全国を各ブロックに分けまして説明会を開催したいと考えております。今後とも関係省庁と連携しつつ、さらにまた地方公共団体と力を合わせまして、森林・山村対策につきまして積極的に推進してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
#44
○伴説明員 森林・山村検討会の経緯を踏まえまして、林野庁としては、一点目は、まず地方公共団体によります分収林方式の推進を図るということで公的分収林整備事業というものを新設しております。また、森林整備の人間の問題ですが、担い手の推進ということで、林業担い手確保総合対策事業というものも新設しておりますし、またもう一方では、山村の地域資源を生かした滞在型の交流を推進するということで、「山村で休暇を」というような新規の事業を創設することとしているところでございます。
 また、本事業の普及につきましては、まず林務の担当の主務部長会議、それから一緒に、担当の主管課長会議というものをまた別個に開催いたしまして必要な説明等を進めているところでございます。また、三省庁と一緒になりまして、各地域の説明会には積極的に参画をしていきたいというふうに考えているところでございます。
#45
○谷村委員 次に、環境対策についてお伺いします。
 環境対策については、地方財政計画において、今回経常経費については環境保全対策経費が三百億円増額され二千億円措置されておるわけでありますが、投資的経費についても支援策を講ずるべきではないか、こう思いますが、いかがでしょうか。
#46
○湯浅政府委員 環境保全のための投資的経費につきましては、基本的には単独事業が中心になってくるわけでございますので、先ほど来お話し申し上げました地方単独事業を昨年に比べて一二%増、一兆七千億余りの金額を増額したわけでございまして、こういう中で環境対策を含めたいろいろな単独事業を行っていただきたいというふうに考えているわけでございます。
 具体的には、例えば都市環境の整備のためには都市生活の環境整備特別対策事業というようなものを昨年からつくっておりますが、これを拡充いたしております。また、環境学習とかリサイクルなどの推進などのために住民活動を支援するためのいろいろな施設整備、こういうものの投資的経費につきましては地域総合整備事業債で対応してまいりたいというふうに考えておりますし、先ほどお話しの森林・山村対策の中で、環境保全のためあるいは公益機能を増進するための森林を公有化していくとか、いろいろな観点からの投資的経費というものが予想されるわけでございますので、現在の単独事業の支援措置というものを十分活用しながらこれに対応できるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
#47
○谷村委員 それでは、福祉問題にちょっと移ってまいりたいと思いますが、まず厚生省にお伺いをいたしたいと思います。
 平成三年の厚生省の調べによると、我が国の平均寿命は男子が七十六歳、女子が八十二歳と世界一の長寿国となっている。また一方で、出生率は昭和四十九年以降連続して減少しており、合計特殊出生率は、平成二年に過去最低の一・五三人と史上最低を記録、平成三年においても横ばいの一・五三人となっているのであります。
 このように、平均寿命の伸びと出生率の低下を背景として我が国の人口の高齢化は急速に進んでおるわけでございます。二十一世紀には約四人に一人が六十五歳以上の高齢化社会を迎えることが予測されているわけでございますが、このように急速に進行する我が国の高齢化社会に対応して、すべての人々が健康で生きがいのある人生を安心して過ごせるような明るく活力ある社会を築くことが大切であると考えているわけでありますが、政府においてもこのような高齢化の対応として、平成元年度に厚生、大蔵、自治三大臣のもとに「高齢者保健福祉推進十か年戦略」、いわゆるゴールドプランを策定されて、平成二年度から平成十一年度までということで今日まで積極的な事業の展開が図られてきていると思います。
 約三分の一が終わった今、平成四年度までのゴールドプランの実施状況及び平成五年度の取り組み状況についてお尋ねしたいのであります。
#48
○水田説明員 「高齢者保健福祉推進十か年戦略」の進捗状況についてお尋ねでございますけれども、実績は平成三年度まででございますので、これによりまして主要項目につきまして数字で御説明を申し上げたいと思います。
 まず在宅サービスにつきまして、三本柱と言っておりますけれども、ホームヘルパーにつきましては、予算上の四万九百五人に対しまして実績が四万八千五百九十一人、ショートステイにつきましては、予算上の一万一千六百七十四床に対しまして実績が一万三千三百七十一床、デイサービスにつきましては予算上の二千六百三十カ所に対しまして実績が二千三百二十四カ所となっております。また、施設整備につきまして、特別養護老人ホームについてお答え申し上げますと、予算上の十八万二千十九床に対しまして実績が十八万六千二百六十七床となっておりまして、おおむね順調に進んでいるところでございます。
 さらに、平成五年度についてお尋ねでございますが、平成五年度予算におきましても、今の事項について申し上げますと、ホームヘルパーにつきましては五万二千四百五人、ショートステイにつきましては一万九千六百七十四床、デイサービスにつきましては四千三百三十カ所、特別養護老人ホームにつきましては二十万二千十九床とするなどしておりまして、引き続き在宅サービスの拡充それから施設の整備というものを推進していきたいというふうに考えております。
#49
○谷村委員 自治省にお尋ねいたします。
 ゴールドプランの着実な推進を初めとして国の予算においても福祉関係予算の増額が図られているところでございますが、高齢者保健福祉の増進には、地方団体が地方の創意と工夫を生かしながら地域の実情に応じた施策の展開を図ることが重要だ、これはもう言うまでもないと思うのでございますが、自治省は地方団体が単独の地域福祉政策に積極的に取り組めるよう十分な財政措置を講じているのか、お伺いをしてみたいと思うのであります。
#50
○湯浅政府委員 ゴールドプランの策定に当たりましては自治相も三大臣の一人として参画いたしまして、これに対しまして積極的に対応していこうということで、これに必要な国庫補助事業費の地方負担は適切に財源措置を行っております。
 今御指摘のように、このゴールドプランに移行いたしまして地方団体が地域の特性に応じて単独事業として自主的に実施するいろいろな施策を支援するためには、地方財政計画でそれに伴う単独施策ができるような財源措置が必要でございます。平成五年度におきましては、社会福祉系統の経費について前年度に比べまして九・四%増の二兆九千億円余りの金額を計上いたしまして、これをもとにして交付税の基準財政需要額に算入することにいたしておりまして、ただいま御提案しております法案の中でこの需要額を算入しているところでございますし、また地域福祉基金につきましても、今年度は四千億円を積み増しするということで、三年度から始めまして、それから平成四年度、平成五年度、三カ年で合計九千六百億円の基金の造成ができるような財源措置もしたところでございます。
 こういうようなもので単独のソフト面の施策を実施していただければということを期待しているわけでございますが、ハード面におきましても地域福祉推進特別対策事業、これは地方債の対象事業として実施しているわけでございますが、この対象事業も拡大をしたりいたしまして、ハード面においても配慮をしていかなければならないというふうに考えておりまして、今後とも高齢者の保健福祉対策のために必要な財源を積極的に確保してまいりたいというふうに考えております。
#51
○谷村委員 第二次ふるさとづくり事業についてお伺いします。
 いわゆる一億円事業から始まったふるさと創生事業が昨年度で一通り終了し、かわって平成五年度から第二次ふるさと事業が実施されるわけでありますが、自治省として、これまでのふるさと創生事業はどのような成果を上げ、またどのような課題が残されたと考えているのか、その評価をお聞きいたしたいのであります。さらに、新しいふるさと事業の内容はどのようなものが重点となるのか、あわせてお伺いをしておきたいと思うのであります。
#52
○遠藤政府委員 お答えを申し上げます。
 これまでのふるさと創生事業におきましては、いわゆる一億円事業をまず実施をしたわけでありますが、この一億円事業を契機として自主的、主体的な地域づくりを永続的な取り組みに発展させるためにこの地域づくり推進事業を実施してきたところでございます。
 これらの事業の実施を通じましてまず成果でございますけれども、地方団体が自立的、積極的に事業に取り組んでいこう、地域の創意工夫による独自の地域づくりの推進を図っていこうという機運が非常に盛り上がってきたと思っております。成果の第一としては、地方公共団体が自主性、自立性を発揮してきたのではないか、こういう機運が高まってきたのではないかということを我々感ずるわけでございます。同時に、こういう事業を通じましてやはり地域づくりに対する住民の認識といいますか、参加意欲といいますか、そういったものも高まってきたということは地方自治にとって非常にいいことであったのではないかと思います。なお、市町村の職員の企画力も随分高まってきたというような効果もあったというように考えております。
 御質問にありましたとおり、課題といたしましては、ふるさとづくりの取り組みが全国各地で非常に積極的に行われましたけれども、地域的あるいは県別に見てみましてもややばらつきがある、取り組み状況に差があるというようなこともございます。
 それから、一般的に申し上げますと、交付税を通じた措置でございますので、一つは不交付団体、交付税の交付を受けない団体、あるいは過疎団体や離島団体など財政力の弱い地域の取り組みが全体的に見るとやや弱いかなということがうかがわれます。
 それからまた、こういう事業を通じて非常に広域的な取り組みということを私ども望んだわけでありますけれども、そういった例も必ずしも十分ではないかなということ、あるいは確かに施設整備は進んだけれども、その施設を有効に活用するソフト事業というものが必ずしも十分ではない面もあろうかな、こういったことが反省材料としてございます。特に、これまで事業を進めてまいりました団体につきましては、かなり中長期的な視点で事業をやっていこうということを計画していた団体もありまして、地域づくり推進事業が三年間の事業ということだったものですから、そういう支援措置をもっと続けてほしいというような要望も強くうかがわれたわけであります。
 そういったことを背景にいたしまして、平成五年度から第二次ふるさとづくりを推進することとしております。この第二次のふるさとづくりにおきましては、これまでの自主的、主体的な地域づくりのための取り組みをさらに着実に浸透、定着させたい、あるいはより明確な地域づくりの理念、テーマに基づいて重点的に事業を推進してもらいたい、そういったことによって豊かさとゆとりを実感できる地域社会を実現していきたいというようなことを基本的な考え方として、ソフト事業、ハード事業を平成五年から三年間行うというふるさとづくり事業を推進することとしたところでございます。
 御質問のこの内容でございますけれども、地域の特性を生かして自主的、主体的に実施する生活環境施設あるいは都市基盤の整備、地域経済の振興あるいはスポーツ、レクリエーション等の公共施設の整備、こういったものを推進するとともに、人材の育成など各種のソフト事業が推進されていくものというように思っております。先ほど申し上げました課題等あるいは地方公共団体の声にもこれから十分留意いたしながら、地方公共団体の自主的、主体的な地域づくりに対して積極的に支援してまいりたいと思っておるところでございます。
#53
○谷村委員 これは特に目玉でありますから、頑張っていただきたいと思うのであります。
 さて次に、自治体病院について御質問いたします。
 自治体病院は、全病院数に占める割合こそ一割程度でございますけれども、病床数三百以上の大規模病院で見ると実に三割を占めておる、地域における中核病院として医療水準の向上に重要な役割を果たしておるものでございます。しかし、経営状況については、民間の医療が期待できない僻地医療、高度特殊医療等不採算部門を多く抱えていること等により、かなり厳しい状況にあるわけでございますが、実際の経営状況はどのように把握されておるのか、また病院事業に対する財政措置についてもお伺いをしておきたいと思うのであります。
#54
○湯浅政府委員 公立病院につきましては、ただいま御指摘のように、地域の中核病院といたしまして非常に評価が高いわけでございます。経営状況につきましては、平成三年度の決算額が今一番新しい決算でございますが、公営企業法の適用病院が九百八十九病院、約千病院ございまして、この総収益が三兆六十三億円、対前年度に比べて七・二%の増でございます。反面、総費用の方は三兆七百八十二億円ということで前年度に比べて七・八%伸びております。収益よりも費用の方の伸びが高くなっておりまして、そんな関係がございまして純損益が七百十九億円のマイナスになっております。前年度が五百二億円のマイナスでございましたので、損失が二百十七億円増加を見ておるわけでございます。すべての病院が赤字というわけではございませんけれども、全事業の五二・七%が赤字経営だということでございまして、経営はかなり苦しくなっております。
 三年度の決算でこのように損失が増加した理由といたしましては、患者数の増加あるいは医療技術の進歩等によって診療収入は伸びたわけでございますけれども、費用の方で、医療材料費が非常に伸びているとか、看護職員の処遇改善のための給与費の伸びというものが大きい、こういうようなために先ほど申し上げたような赤字がふえてきているということが分析から出てきております。
 平成四年度の決算はこれから調査に入るわけでございます。平成四年の四月に診療報酬の引き上げも行われたわけでございますけれども、経営は一段と厳しくなっているのじゃないかと言われております。こういうようなことを考えまして、自治省としても、先ほど御指摘のような僻地医療でございますとかあるいは高度の医療をやらなければならないとかいうような不採算部門の面がたく、さんありますので、各病院に自助努力はしていただかなければなりませんけれども、一般会計との負担区分をよく検討して、繰り出し基準の充実というようなことで、平成五年度の地方財政計画では前年度に比べて一一・九%増の四千九百七十億円を計上いたしまして、一般会計からの支援も充実をしたいと考えているところでございます。
#55
○谷村委員 次に、看護婦さんに対する対策ですね。三K職場というようなことを言われておりますが、その不足が全国的に叫ばれておる深刻な問題となっておるわけであります。
 このような状況の中で、特に地域医療の充実のためには看護婦確保が重要でございますが、今回、看護婦養成について、先ほども問題になりましたけれども国庫補助の一般財源化を行うと聞いておるわけでございます。自治省の看護婦確保対策等についてはどのような財政措置を考えておられるのか。
#56
○湯浅政府委員 看護婦の確保の問題は、地域医療の確保のために大変重要なことでございます。基本的には所管省庁におきまして施策を検討していただいているわけでございますが、それを私ども地方財政の立場から対応して、積極的に取り組んでいかなければならないと思っているわけでございます。
 それで、一つは、今御指摘のような公立の看護婦養成所の運営費補助金の一般財源化が行われましたけれども、この機会に措置内容の充実を図ってこれを交付税の基準財政需要額に参入していきたいと考えている点がございます。それから、先ほどもお話し申し上げました社会福祉系統の単独分の経費を九・四%伸ばしておりますが、こういう経費の中で看護婦などのマンパワーの確保に対応できないかなということが次の問題としてございます。
 それから、看護婦の養成施設といたしまして、平成四年度には公立の看護短大の整備に対しまして、地域福祉推進特別対策事業の例によって手厚い財政措置を行うこととしたわけでございます。平成五年度からはこの地域福祉推進特別対策事業の対象の中に公立の看護婦等の養成所の施設整備も追加をしたいと思っております。したがいまして、大学、短大のほかに看護婦養成所の施設整備につきましても、地方財政の立場から積極的な支援をする、こういうことを決めたわけでございまして、これからもマンパワーの確保に当たりましては十分意を用いてまいりたいと思っております。
#57
○谷村委員 看護婦さんの問題は、極めて困難であるが緊急な課題でありますので、ひとつ一層の御努力を願いたいと思うのであります。
 さて次に、災害対策の方に移ってまいりたいと思います。
 近年、社会環境の変化に伴って災害の態様が複雑多様化するなど、大きく変化をしている。地震や風水害など各種災害に備えて、地域住民の生命と財産を守るためにヘリコプターや消防防災無線の通信ネットワークの活用等による災害情報等を的確に把握した防災体制の充実が必要だと考えられるわけでありますが、消防庁の考え方をお聞かせ願いたいと思うのであります。
#58
○浅野政府委員 御指摘いただきましたように、災害も非常に多様化しておりますし、また大規模な災害の発生ということも懸念があるわけでございます。
 まず基本的に大事なことは、災害の状況を的確に把握してそれを速やかに必要なところへ伝達するということでございまして、従来から防災無線の整備ということに努力をしてきたつもりでございますが、あわせて現場を総合的に把握するためのヘリコプターの整備というのも非常に重要な課題だと認識しております。なお、ヘリコプターにつきましては、そういう災害状況の把握ということがもちろん大事でございますが、あわせて高層ビルからの救出でありますとか山林火災への対応、それから直接、普通言う災害対策ではございませんけれども、交通不便な地域におきます救急ということに対しても非常に大事でございます。そういういろいろな面からもヘリコプターの整備というものは急がれているのじゃないかと思っております。
 実は、平成元年には消防審議会の方で、全国的に消防防災用のヘリコプターを整備すべきだという答申もいただいておるのでございますけれども、平成四年度末現在でその状況を見ますと、都道府県あるいは大都市いずれかが消防防災用のヘリコプターを持っておるという県は十五都道府県でございます。逆に言いますと、三十二の県ではまだ、県も大都市も消防防災用のヘリコプターというものは持っておらないという状況でございますので、この際私どもも積極的に地方団体に整備のお願いをしていくべきではないかと考えまして、実は先般、各都道府県に、ヘリコプターの導入ということと同義でございますが、ひとつ航空消防防災体制の確立のための計画をことしつくっていただきたいというお願いをいたしました。
 あわせて財源措置ということも大事でございます。今回御審議いただいております地方交付税の改正案の積算として、そういう防災用のヘリコプターを都道府県が導入いたしました場合、そういうものは維持管理費を含めてちゃんと普通交付税の中で措置していただくということも織り込んでいただいております。そういうような措置も講じながら、できるだけ早くヘリコプターが整備されるように努力してまいりたいと考えております。
#59
○谷村委員 次は極めてローカルな問題でございますが、気象庁、運輸省ですか、にお伺いします。
 岡山県に津山というところがございますけれども、平成六年四月から気象庁は津山測候所を夜間閉鎖をする、夜間閉鎖という意味はよくわからないのですけれども、そういうことを聞いて津山市議会がそんなことがないようにという決議をしておるわけでありますが、集中豪雨や霧等の異常気象による災害を防ぐ観点から、測候所では常時監視体制をとり、地域に合ったきめ細かな気象情報等を住民に提供し、異常気象に適切に対処することが必要であると考えられるわけであります。したがいまして、もし夜間閉鎖するというようなことが計画にあるなら、そんなことがないように地域の気象センターとしての拡充整備をもっと進めるべきだ、私はこういう感じがいたしておるわけでございますが、いかがでしょう。
#60
○椎野説明員 お答えいたします。
 気象庁におきましては、近年の予報技術、観測技術、通信情報処理技術の進展に伴いまして、業務の近代化を進めているところでございます。測候所を含みます各級官署の業務のあり方につきましては、技術革新に応じまして絶えず見直しを行い、必要な場所に必要な人員と機能を持たせること、こういうふうに考えております。この場合、防災等の面におきまして、地域における気象サービスにそごを来さないように配慮して対処することといたしております。
 先生御指摘の津山測候所のあり方についてでございますけれども、現時点におきましては気象庁といたしまして検討はしておりませんけれども、大阪管区気象台及び岡山地方気象台における各種の近代化の進展状況を見ながら検討したいと考えております。
#61
○谷村委員 検討するような検討しないような返事でございますが、どうなんですか、やらないのですか、やるのですか。
#62
○椎野説明員 お答えいたします。
 繰り返しになりますけれども、津山測候所のあり方につきましては、現時点ではまだ検討はいたしておりません。ただし、大阪管区気象台あるいは親官署でございます岡山地方気象台等におきますさまざまな近代化の進展状況を見ながら検討をしたいと考えております。
 なお、測候所の縮小によりまして災害の防止にいろんな影響が出るのではないかという御指摘があったかと思いますけれども、気象庁におきましては、各種の観測システム及び情報処理システムの近代化、それからスーパーコンピューターの導入によります気象予測技術の進歩、さらには地震計のテレメーターの整備等によりまして、観測監視体制につきましては従来より格段に高度化が図られてきていると考えております。県単位に配置されました地方気象台を中心にいたしまして、これらの情報を的確に活用することによりまして地域の気象サービスは充実してきておりまして、測候所の業務の効率化によりまして、防災業務体制に特段のふぐあいが生じることはないというふうに考えております。
 なお、台風等重大な災害が予想されるようなときにおきましては、夜間におきましても臨時に職員を配置いたしまして的確に対処してまいる所存でございます。
#63
○谷村委員 当分の間は夜間閉鎖はないということなんですね。
#64
○椎野説明員 現時点ではまだ検討していないということでございます。
#65
○谷村委員 それでいいのですよ。ありがとうございました。
 それでは、時間の関係から次に移ります。
 経企庁と自治省にお伺いします。
 国民総支出に占める地方財政の割合は平成三年度決算ベースでは十二%、国の割合は三・六%であり、また公的支出に占める地方財政の割合は七六%という数字が示すように、国民経済に与える地方財政の影響は非常に重要なものとなっております。また、昨年秋の総合経済対策においても国とほぼ同規模の措置を講ずるなど、景気動向や経済成長率に関しても地方財政の存在は大きいものとなっているのであります。そこで、経済成長率の達成見込みについて、地方財政の重要性を踏まえた上で経済企画庁に伺いたいのであります。
 また、国民経済において重要な役割を担う地方財政を所管している自治省として、経済成長を確保するためどう取り組まれるのか、お伺いしたいのでございます。
#66
○梅村説明員 お答えいたします。
 今、五年度の経済成長率の達成の見込みの御質問があったわけでございますけれども、政府といたしましては、今先生が申されましたように昨年八月に総額十兆七千億円に上る総合経済対策を決定し、昨年暮れの補正予算の成立によって本格的な実施に移ったところであるわけでございます。また、このたび成立いたしました平成五年度予算におきましても、公共投資等につきまして、国の公共事業のほか、財政投融資計画、地方単独事業等につきましても近年にない高い伸び率を確保するなど、国・地方を通じて景気に十分配慮しているわけでございます。
 ことしは年初から総合経済対策の効果が本格的にあらわれてきているものと思われ、さらに今後は五年度予算の効果が重なって出てくるもの、かように考えているわけでございます。こうしたことにより切れ目なく公共投資が執行されまして、政府投資額は五年度も、四年度補正後の実績見込み額に対して相当の伸びが見込まれます。これが、既に回復の動きの見られる住宅投資と相まって景気を支えまして、こうした中で個人消費、設備投資も回復に向かう、かように考えているわけでございます。
 なお、種々の経済指標を見ますと、明るい兆しを示す動きが徐々にあらわれてきているのではないかと考えられる向きもあるわけでございますけれども、景気の現状はいまだ予断を許さない状況にあると考えられます。したがいまして、今後の景気の足取りを確かなものとするため、本日中にも総合的な経済対策を取りまとめられる予定であるわけでございます。これによりまして、我が国経済の内需を中心とするインフレなき持続可能な成長経路への円滑な移行はより確実なものとなりまして、政府経済見通しでお示ししました平成五年度の三・三%程度の実質経済成長率は達成可能なものである、かように考えているわけでございます。
#67
○村田国務大臣 谷村委員から非常に広範な問題にわたって御質問をいただきました。こちらで拝聴しておりまして、どうしてもこれは締めくくりを申し上げなければいけないなと思っておりました。
 特に景気対策でございますが、今経済企画庁の事務当局から御報告を申し上げました。月例経済報告の関係閣僚会議あるいはその他政府・与党首脳会議に私はレギュラーとして出席をしておりますから、この問題には深くかかわっております。そして、当初にも申し上げましたとおり、きょうの夕べにも、総理の訪米を機にひとつ総合経済対策をもう一つ確立しようというところで、ここ数日来慎重にまた極めて熱心に、自民党本部それからまた関係大臣の間で方針を練っておるところでございます。
 御指摘になりましたように、景気浮揚については私は三つ大きな要素があると思います。一つは民間の設備投資を起こすこと、一つは住宅関係の投資をしっかりと起こしていくこと、それから一番根本になるのは公共投資であろうかと思います。民間設備投資は、今在庫がまだまだ非常に残っておりまして、急速にそれが伸びるとは思われません。したがって、経済企画庁でも今御説明申し上げましたように、明るさは見えておるものの、これからが一番大事なときだ、こういうことで住宅投資が引き続いて伸びていくことと、一番大切な公共投資を国・地方を通じてやっていこうというわけでございます。
 御指摘になりましたように、地方の都道府県、市町村を通じて行う公共投資は全体の七五%以上に当たるわけでございますから、これに果たす自治省の役割というのは非常に大きい。したがって、関係各省と全面的に協力を申し上げながらこれを推進していこうということで、今数字を事務当局が申し上げましたが、その国の数字をしっかり達成すべく、景気浮揚は地方から、だからひとつ地方単独事業、地方公共事業を通じてしっかりとやっていこうというのが私どもの考え方でございます。
 それからまた全般にわたって、例えば中小企業の問題あるいは山村経営の問題、また病院の問題等々、各般の御質問がございました。私は地方行政の一番中心点だと思っておりまして、このことについての根本的な考え方は、生活大国を目指す宮澤内閣でありますから、住民の生活をひとつしっかり充実しなければならない。その場合の基準は、外交であるとか防衛であるとか、そういう国の専管する事務は小さな、しなやかな中央政府で、そして国民生活に全般的に関連あるものは都道府県や市町村というような地方団体でしっかりと身近にやっていくということで、例えば中小企業庁でもあるいは厚生省でも文部省でも建設省でも農林水産省でも非常にきめの細かい対応をしておるわけでございますが、これはナショナルミニマムをしっかり確保するという意味で地方の分権、地方自治を侵さない、国のいろいろな知恵をかしていただくということでございますから、そういう趣旨に沿って政府全体について私は意見を申し上げていきたい、このように思っております。
 大変貴重な御意見を全般にわたっていただきましたので、よく考えて対応してまいりたいと思います。
#68
○谷村委員 ありがとうございました。
 私の持ち時間は実は十二時二分までになっておりますが、ちょっと二、三分経過をするかもしれませんが、御了承を賜りたいと思うのでございます。
 最後の質問に移りますが、まず総務庁に来ていただいておりますけれども、せんだって私どもは、全国を数カ所に分けて、いわゆる未解放部落の実態調査なるものを行いました。特に未指定地域についての調査でございましたが、私は岡山なものですから島根、鳥取県の団に加わったわけでございます。
 その問題についてちょっと質問をいたしますが、まず総務庁、どなたが見えておられるのですか。地域改善対策室長ですね。同対審の答申について、これは私は画期的な答申であったというふうに思っておりますし、現在もその精神は脈々と生きておる、こういうふうに思います。つまりこの中に、前文でございますが、「早急な解決こそ国の責務であり、同時に国民的課題である」、こういうふうに指摘をされておるわけでありますが、そういった点についてまず認識を伺っておきたいと思うのであります。
#69
○荒賀説明員 昭和四十年に同和対策審議会が同和地区に関する社会的及び経済的諸問題を解決するための基本的方策について内閣総理大臣に答申をいたしたわけでございます。「同和問題は人類普遍の原理である人間の自由と平等に関する問題であり、日本国憲法によって保障された基本的人権にかかわる課題である。」ということを指摘いたして以来、四半世紀が経過したわけでございます。
 政府といたしましては、こうした認識のもとに、同対審答申を受けまして昭和四十四年に同和対策事業特別措置法、さらにそれに引き続きます地域改善対策特別措置法、さらに昭和六十二年からは地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律、三たびにわたる特別措置法、四たびにわたる立法措置によって現在まで二十四年間にわたって地域改善対策を講じてきたところでございます。
 これらの対策の推進によりまして、これは平成三年十二月に地域改善対策協議会の意見具申においても指摘されておりますように、「同対審答申で指摘された同和地区の生活環境等の劣悪な実態は大きく改善をみ、同和地区と一般地域との格差は、全般的には相当程度是正され、また、心理的差別についてもその解消が進み、その成果は全体的には着実に進展をみている。」という評価をいただいておるところでございます。
#70
○谷村委員 質問したことに答えてください。一番原点についてあなたに質問したわけですが、長い御答弁は要らないわけです。今おっしゃるようなことは全部資料で持っておりますし、私どもも勉強しておるわけです。
 ただ問題は、全国的に、実は一千地域に上るような未指定地域があるのですね。私、この間、その中で鳥取県というのはすばらしく進んだ地域です。百七地域がございますが、すべて指定され、すべて事業が執行され、実に総額一兆七千億円というような事業が施行されている。一方、島根県の方は、全体でソフト、ハード含めて四千億程度です。同じような県で、しかも地域は九十カ所ぐらい島根県はあるのです。ずっと調べてみますと、例えば益田市、益田市が出した資料でございますが、結局、あと未指定地域が九つあったけれども、もう既に三つばかり過疎の問題なんかで集落が消えてしまった、それで六つ残っておる。昭和五十九年と六十年に県に対して、県から国に対してそこを地区として指定をしてほしい、こういう要求をしたところ、県の回答は、国のガードがかたく追加申請は困難である、つまり、国のガードはかたい、こういうことのようであります。
 聞きますと、六十二年度までは大体申請があれば国の方も認めておった。しかし、この申請はこの書類による限り昭和五十九年、六十年に出されておる。そこで、指定を申請したができないというので、次からが肝心なんですが、やむを得ざることで、地域住民の要求もありそれにどう対応するかということで、県と市が平成五年から平成八年度の事業にそれを県の単独事業として計画しているのです。その総額は二億三千六百四十万、島根県とすれば大変大きな金額であります。
 一方では六十二年度までに手を挙げた地域については認めて、しかも事業が執行されておる。ところが、この益田市については、一つの例ですが、こういうふうに県が肩がわりを全部している、もちろん市も協力するのですよ。こういうことになっておるのですが、なぜこんなことになるのか。私は、法のもとに平等という原則から見ても問題ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#71
○荒賀説明員 多少制度的な説明をさせていただきますが、昭和四十四年に制定されました同和対策事業特別措置法、それから昭和五十七年に制定されました地域改善対策特別措置法によりまして、十八年間にわたって各般の施策を講じてきたところでございまして、同和地区の実態は大きく改善を見たわけでございます。この十八年間の実績を踏まえまして、昭和六十二年に制定されました地対財特法、地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律でございますが、この法律は、特別対策から一般対策への円滑な移行を図るための最終の特別法といたしまして、この地対法の期間中に残されました事業を円滑かつ迅速に実施するための財政上の特別措置を定めた法律でございます。
 したがいまして、この地対法は昭和五十七年から六十一年度までの時限立法でございましたが、この六十一年度までの間に対象地域として事業が実施された地域のみを地対財特法によります地域改善対策特定事業を実施できる地域としておるわけでございます。したがって、法律上、六十二年以降は新たな対象地域の追加はできない仕組みになっておるわけでございます。
 今先生がおっしゃいました益田市の例でございますが、五十九年度、六十年度ということでございますので、この地対財特法ができます前の地対法の時代のことであろうかと思うわけでございます。四十四年から六十二年までの十八年間にわたりまして対象地域の確認を行ってきたところでございまして、対象地域の確認に当たりましては、先生よく御承知のとおり幾つかの要件がございまして、この要件に該当をいたしまして、そしてそれについて個々具体的に協議がなされるわけでございます。御指摘の昭和五十九年度におきましては新たに八地区、これは全国的なベースでございますが八地区の地区の指定が行われておりますし、また六十年度におきましては新たに九地区の確認を行ってきたところでございます。したがいまして、具体的にこれらの要件に該当をいたしまして事業実施の要望があったにもかかわらず、対象地域の確認を行わなかったというようなことはなかったものと考えております。
#72
○谷村委員 もう時間がございませんから最後でございますが、いろいろと要件を備えてないということでありますけれども、その地域から要望が出され、市を通じて国へ来ているのですから、五十九年、六十年に。しかしそれは国のガードがかたい、これは市が書いている文章なんですよ。やはりもう一遍調査すべきだと思うのです。しかも、そのために、ここへ持っておる、あなたも持っておるでしょう、資料を。この間来た人も持っておりましたが、各事業をその地域については五年から六年度の間に県と市がやりましょう、こういうふうに約束をされておるのです。事業計画がちゃんと出ている。ですから、これはやはりさかのぼって一遍調査を願いたい。それで、あなたがおっしゃるようにいろいろな要件があるとすれば、その要件になぜ合ってなかったのか、あるいは合っておったのか、そういう点についてもぜひお願いをしたいと思うわけであります。
 私は島根に参りましてから、自治大臣、死講立ち会いという言葉が残っておる。二つの点在部落がある。二世帯しかない。そこが葬式をしようとすると片っ方の家が片っ方の家の葬式を主宰しなければならぬ。あとだれも手伝いに来ないのです。そういう風習なんです。そういう差別なんです。そういうところがいまだにあるのですよ。死講立ち会いという言葉さえ生きている。やはり全体として非常におくれておるところがある。確かにおっしゃるように差別の問題は、結婚問題を含めてかなり改善をされてきました、進学率、就職率は確かに上がってきたが、やはり部分的にはそういうところがかなり残っておる。しかも、それがほとんど未指定地なんです。そういう点を私は指摘しておきたいと思う。
 時間の関係がありますから、答弁をされようとすればされても構いませんが、委員長の方でお取り計らい願うことにして、私はこれで終わります。ありがとうございました。
#73
○中馬委員長 谷村啓介君の質疑は終了いたしました。
 次回は、明十四日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時九分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト