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1993/05/11 第126回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第126回国会 地方行政委員会 第15号
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1993/05/11 第126回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第126回国会 地方行政委員会 第15号

#1
第126回国会 地方行政委員会 第15号
平成五年五月十一日(火曜日)
    午後一時三十七分開議
出席委員
  委員長 中馬 弘毅君
   理事 岡島 正之君 理事 小坂 憲次君
   理事 福永 信彦君 理事 古屋 圭司君
   理事 増田 敏男君 理事 小川  信君
   理事 谷村 啓介君 理事 山口那津男君
      井奥 貞雄君    石橋 一弥君
      江口 一雄君    金子徳之介君
      谷  洋一君    中谷  元君
      西田  司君    穂積 良行君
      前田  正君    宮里 松正君
      五十嵐広三君    岡崎 宏美君
      加藤 万吉君    北川 昌典君
      北沢 清功君    小林  守君
      佐藤 敬治君    斉藤  節君
      中村  巖君    吉井 英勝君
      神田  厚君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (国家公安委員
        会委員長)事務
        代理      中島  衛君
 出席政府委員
        警察庁長官   城内 康光君
        警察庁長官官房
        長       垣見  隆君
        警察庁刑事局保
        安部長     中田 恒夫君
        警察庁刑事局暴
        力団対策部長  廣瀬  權君
        自治大臣官房総
        務審議官    遠藤 安彦君
 委員外の出席者
        内閣官房内閣内
        政審議室内閣審
        議官      石川  正君
        国際平和協力本
        部事務局調査官 松村 博史君
        大蔵省関税局監
        視課長     角崎 利夫君
        通商産業省機械
        情報産業局航空
        機武器課長   豊田 正和君
        海上保安庁警備
        救難部警備第一
        課長      津野田元直君
        地方行政委員会
        調査室長    前川 尚美君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十一日
 辞任         補欠選任
  田邉 國男君     前田  正君
  吹田  ナ君     江口 一雄君
  渡部 恒三君     金子徳之介君
  北沢 清功君     岡崎 宏美君
  小谷 輝二君     中村  巖君
同日
 辞任         補欠選任
  江口 一雄君     吹田  ナ君
  金子徳之介君     渡部 恒三君
  前田  正君     田邉 國男君
  岡崎 宏美君     北沢 清功君
  中村  巖君     小谷 輝二君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 銃砲刀剣類所持等取締法及び武器等製造法の一
 部を改正する法律案(内閣提出第六八号)
     ――――◇―――――
#2
○中馬委員長 これより会議を開きます。
 議事に先立ちまして、去る四日、文民警察官としてカンボジアに派遣されておりました岡山県警高田晴行警視がとうとい犠牲となられ殉職されました。高田警視と御遺族の方々に衷心より哀悼の意を表し、黙祷をささげたいと存じます。
 御起立をお願いいたします。――黙祷。
   〔総員起立、黙祷〕
#3
○中馬委員長 黙祷を終わります。御着席願います。
     ――――◇―――――
#4
○中馬委員長 内閣提出、銃砲刀剣類所持等取締法及び武器等製造法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。前田正君。
#5
○前田(正)委員 最近新聞で、特にけん銃にかかわる事件というものが非常に多いように思うところであります。もちろん広域暴力団は抗争には大抵けん銃の乱射事件が多いですし、また住民といいますか市民といいますか、こういった方々にもけん銃を使った強盗事件だとか右翼団体等々、いろいろと最近事件が非常に発生をいたしております。
 そこで、お尋ねをいたしたいと思いますが、最近のけん銃情勢についてお聞かせをいただきたいと思います。
#6
○中田(恒)政府委員 お答えをいたします。
 我が国の治安水準は高いとされておるわけでございますけれども、その主要な要因の一つとして、我が国におきましては銃器に対する厳格な規制が行われてきたことが挙げられておるところでございます。しかしながら、昨今のけん銃情勢を見てまいりますと、押収、つまり捜査手続の中で家宅捜索をして差し押さえる、あるいは任意の提出を受けて領置するというような、両方あわせて押収でございますけれども、その押収したけん銃の数でございますが、昨年は過去五年間で最高の千四百五十丁に上っております。そのようなことで不法所持が急増をしておるわけでございます。
 さらにまた、質的な面について見てまいりましても、これまでけん銃を使用して凶悪事件を起こすというのは暴力団がほとんどでありましたけれども、今も御指摘ございましたけれども、例を挙げますれば、昨年の一月、東京都の杉並区において発生いたしました職業運転手らによる医師の誘拐事件、あるいは三月には栃木県足利市におきます右翼団体構成員による金丸自民党副総裁狙撃事件、あるいは七月には神奈川県大和市と東京都の町田市の都県境をまたいで引き起こされました指名手配中の無職の男性によります警察官あるいは主婦らを殺傷した事件、こういうようなものに見られますように、暴力団以外の者がけん銃を使用して善良な市民を震憾させるような凶悪な事件を引き起こしているということでありまして、特に凶悪事件の中でも、このような暴力団以外の者によりますけん銃使用の殺人というものの数を見てまいりますと、平成二年はゼロでありましたものが、平成三年には四件、平成四年、昨年は八件と急増しております。
 また、これを統計的にけん銃の押収丁数の内訳から見てまいりますと、暴力団以外の者からの年間の押収というものはそれまで全体の数%、五、六%ぐらいにとどまっておりましたものが、昨年は丁数で三百七十八丁でございまして、実に二六・一%に上っております。本年に入りましても実はこの傾向は続いておりまして、四月までの押収は五百六十五丁でございまして、丁数においても昨年同期に比べて倍増しておるのでございますけれども、そのうちの二百二十九丁、構成比にして四〇・五%、実はこれは暴力団以外の者から押収しておるという状況にございます。
 このようなけん銃の拡散がさらに進んでまいりますれば、殺人、強盗等の凶悪犯罪や右翼のテロ事案等にけん銃が使用されるおそれがさらに強まりまして、我が国の治安の根幹を揺るがすような憂慮すべき事態に陥るおそれがあるというふうに考えておるところでございます。
#7
○前田(正)委員 それで、昨年の七月に設置をされたそうでありますけれども、けん銃取締り対策に関する関係省庁連絡会議でいろいろと申し合わせをしておられるそうでありますけれども、それで各省庁において一体どのような取り組みをされておられるのか、その辺をちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
#8
○石川説明員 政府の取り組みについてお答えいたします。
 政府は昨年七月、警察庁、法務省、大蔵省、海上保安庁など十省庁から成る関係省庁連絡会議を開催いたしまして、けん銃に係る緊急対策を策定したところであります。この緊急対策を策定した背景は、先ほど警察庁から説明がありましたとおり、けん銃が暴力団以外の一般人にも拡散しているという情勢の変化に早急にかつ有効に対応する必要が生じたからでございます。
 次に、緊急対策の内容についてでありますが、それは三つの柱から成っております。
 その一は、関係省庁の連携によるけん銃取り締まりの強化でございます。総合的な取り締まりを実施するため、警察庁、法務省、大蔵省及び海上保安庁から成るけん銃取り締まり対策部会を設けまして、都道府県レベルに至るまでけん銃の情報の交換、それから必要がありますれば合同捜査の実施などを行い得る体制を構築いたしまして、昨年の九月と十月をけん銃の特別取締り期間に指定いたしまして、集中的な取り締まりを行ったところでございます。
 その二が、国民の理解と協力を得るための広報啓発活動の推進でございます。船舶、漁業関連団体、航空関連団体などに対し情報提供などの協力要請を行いますとともに、内閣といたしましては、リーフレットや新聞、雑誌、テレビ、ラジオなどのあらゆる広報媒体を活用した広報啓発活動を推進したところでございます。
 最後が、罰則の強化などを内容とする法整備でございます。御審議をいただいております銃砲刀剣類所持等取締法及び武器等製造法の一部を改正する法律案、これはこの観点からのものでございます。
 なお、けん銃に係る対策は、以上申し上げましたように強力な取り締まり、それと広報啓発活動の推進、法整備、この三つの柱が相そろって初めて効果的な対策がなし得るものでございまして、その一つでも欠ければ万全な効果は期し得ない、このように考えるものでございます。
 良好な治安の維持は国政の根幹であります。政府といたしましても、国民の平穏な生活の確保のために関係行政機関・団体とさらに緊密な連携をとりまして、けん銃対策の万全を期してまいりたいと存じます。
 以上でございます。
#9
○中田(恒)政府委員 警察庁に関します取り組みの概要について簡単に御説明申し上げたいと思います。
 ただいま内政審議室からお話がございましたとおりでございますけれども、それぞれについて特に警察庁ではどうしたかということでございますけれども、三つの柱がございましたが、そのうちの一つの関係省庁の連携によるけん銃の徹底取り締まりの関係でございます。また警察では、今お話のございましたけん銃取り締まり対策部会がございますが、その部会の申し合わせを受けての特別取り締まりが昨年九月、十月行われたということでございますが、これは私どもとしても各省庁と足並みをそろえてこの二カ月特別取り締まりをやったわけでございますが、特に警察におきましては、全国的に警察独自で十一月までこの特別取り締まりの期間を延長いたしまして実施をいたしております。また、本年に入りましてからもけん銃の重点的取り締まりに取り組んでおるところであります。
 また、地方機関レベルで地方機関の連絡協議会が設置されておりますが、この場を活用いたしまして関係機関とのけん銃情報の交換でありますとか、あるいは密輸容疑事件につきまして関係機関が共同で捜査を行うという手法を取り入れて取り組んでおるところでございます。
 また、これとともに警察といたしましては、このような取り締まり活動を支えますための体制なり装備資機材の整備等についても意を用いているところでございまして、まず体制の強化でございますけれども、警察庁に銃器対策室を設置いたしました。また、都道府県警察におきましても同じように銃器対策室等の設置が見られますし、また専従捜査員の増強にも努めておるところでございます。
 また、けん銃に関する情報を全国一元的に集中して活用するためのシステムの構築もやっておりますし、また銃器事犯の取り締まり用車、車両でございます、それから防弾チョッキ等の装備資機材の整備も行っておりますし、さらには今後、国際的な銃器事犯の捜査共助体制の確立を目指した銃器対策の国際会議というものの開催も考えておるところでございます。
 それから第二の、国民の理解と協力を得るための方策に関してでございますけれども、私どもではテレビ等の報道あるいはパンフレット等の出版物の配布を通じてけん銃の危険性あるいは反社会性というものについて国民への周知を図るとともに、けん銃事件情報の通報方を呼びかけておるところであります。また、各都道府県警察におきましても、関係機関と連携して、海運あるいは港湾、漁業等の関係業界あるいは沿岸住民等に協力方の働きかけを行っております。
 それから、第三の法整備等の問題でございますけれども、警察庁としては、まさに今回御審議をいただいておるこの法案を取りまとめたところでございます。
#10
○津野田説明員 海上保安庁でございます。
 我が国におきまして不正に所持されているけん銃のほとんどは海外から密輸入されているというふうに考えられますが、それは国内に持ち込まれますと直ちに拡散頒布されてしまうということで、これらが本邦に陸揚げされる前に水際で押さえるということが重要ではないかというふうに考えております。
 海上保安庁におきましては、御指摘の関係省庁連絡会議での申し合わせを受けまして、昨年の八月にすべての管区海上保安本部にけん銃取締り対策本部を設置いたしました。また、九月、十月の二カ月間のほかに、本年の二月の一カ月間、計三カ月間でございますが、全国一斉集中取り締まりを実施いたしまして、密輸入に対する水際での取り締まりを強化してきたところでございます。
 当庁といたしましては、今後とも国内外の関係機関との連携を密にいたしまして、情報収集活動を強力に推進しますとともに、虞犯船舶の立入検査ですとか、あるいは巡視船艇、航空機の効果的な配備ですとかといったことによりまして監視、警戒を強化いたしまして、水際における密輸入事犯の検挙に努めてまいりたいというふうに考えております。
#11
○角崎説明員 お答え申し上げます。
 大蔵省税関は、昨年の九月、十月及び本年の二月でございますが、けん銃特別取締り期間におきまして、全国九税関すべてにけん銃取り締まり対策本部を設置いたしまして摘発体制を強化するとともに、関係省庁との連携のもとに旅客あるいは船舶、航空機あるいは商業貨物あるいは外国郵便物といったそれぞれの取り締まり対象に対しまして重点的な検査、その中には関係省庁との合同船内検査等も含まれておりますが、そういったものを実施いたしました。
 また、情報収集の強化策といたしまして、商業貨物業者あるいは航空会社等関係業界からの情報収集の強化ということをいたしました。具体的には日本船主協会、定期航空協会、それから航空貨物運送協会あるいは日本通関業会連合会といった国際輸送関係団体との間で、これは基本的には規制薬物の密輸防止のための協力強化を目的とした覚書でございますが、そういうものを締結いたしまして、それを規制薬物のみならず銃砲にもかかわる情報の提供に活用をいたしておるところでございます。
 さらに、各都道府県の漁業関係団体への水産庁からの協力要請を受けまして、各税関におきましては漁業協同組合等からの情報提供を受ける場合の各税関の連絡担当者を設置いたしまして、各方面に連絡をいたしたところでございます。また、各都道府県の旅券事務所に対しまして、密輸防止のパンフレット等の配備を依頼いたしました。
 さらに最近におきまして、ロシアにかかわる銃砲社会悪物品の密輸入事犯の増加にかんがみまして、昨年六月及び九月、ロシア極東地区税関と情報交換を行った次第でございます。さらに各税関におきましては、関係省庁の協力を得まして、けん銃にかかわる研修も実施をいたしたところでございます。
 また、密輸取り締まりに関しましては、国民の理解と協力を得ることが極めて重要でございます。そのために、地方港への税関キャラバン隊の派遣あるいは密輸防止啓発ポスターといったものの作成、配付あるいは街頭キャンペーン、児童学生等を招いた税関展の開催、そういったようなことでの施策を講じたところでございます。
 けん銃等の社会悪物品につきましては、水際におきましてその流入を阻止することが極めて重要だということは大蔵省税関としても強く認識をいたしておりまして、今後ともけん銃、麻薬等の社会悪物品の一体的な摘発強化に努めていきたいというふうに考えております。
#12
○前田(正)委員 よくわかりました。
 これはそれぞれ各省庁と非常に深いつながりがありますし、ひとつできるだけ連絡を密にして、水際で何とかけん銃が国内へ持ち込まれないように徹底してやってもらいたいというふうに思っております。
 それで、その不法なけん銃が一体どこからどのようなルートで入ってくるのかということでありますが、私も以前テレビのドキュメンタリーか何かでやっておりましたのを見ましたけれども、例えばフィリピンあたりでは、離島かどこかの本当にカヤぶきの小さな小屋の中で、技術者といいますか、熟練工といいますか、そんなのが鉄のパイプを切って、それで簡単に銃をつくったものを暴力団を通じて二、三万ぐらいで簡単に買えるというふうなこと、そういうものをテレビで実際にやっておるのを見たことがございます。あるいはまた、種類の中にはソ連製でありますか、中国製のトカレフというのですか、そういうピストルが現に日本に入ってきておる。しかし、中国では一般市民がけん銃を持てるという法律はないわけでありますから、恐らく軍の横流しから漏れて入ってきておるのか。あるいはまた一方、今ロシアがどうも盛んに漁業の貿易を北海道あたりでやっておる。一部うわさだけでわかりませんけれども、何か自動車の中古車とカニ、けん銃とを交換しておるというふうなことも一部言われておるわけでございますが、実際、どういうルートで密輸をされているのか、その辺、ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
#13
○中田(恒)政府委員 お答えいたします。
 不法なけん銃はどこから入ってくるかというお尋ねでございます。
 的確な御答弁になるかどうかわかりませんが、平成四年中に私どもで押収いたしましたけん銃の丁数が千四百五十丁ということについては先ほど御答弁申し上げたとおりでございますが、このうちの実は八九%、約九割に上ります千二百九十丁は真正けん銃であります。そのほとんどが密輸入されたとしか考えられないものであります。
 それで、この密輸入されたと見られる真正けん銃の製造国について見てまいりますと、アメリカ製が二一・六%の四百七丁、それから中国製が一八・一%の二百三十三丁、それからフィリピン製が六・七%の八十六丁などとなっております。ただ、この製造国はここと、推定といいますか大体わかるのでございますけれども、この製造国からどの国を経由して我が国に陸揚げされたのかということについては、判明しないケースが実は多いわけでございます。なお、密輸入罪を直接適用いたしまして検挙された過去の事例から見ますと、フィリピン・ルートあるいはアメリカ・ルートなどが多いように思われるわけであります。
 それから、今委員の御指摘の中にございましたフィリピンで密造しているのじゃないかという話等ございましたが、フィリピン製のけん銃があると今お答えしたとおりでございますけれども、毎年相当数が押収されておりまして、昨年は八十六丁と申し上げました。また、過去に密輸で検挙した事件の中にもフィリピンを仕出し地としている例も多いところであります。ただ、押収されますフィリピン製けん銃のほとんどはアメリカ製コルトあるいはスミス・アンド・ウェッソン、SW等の模造品でございまして、向こうの法制等を考えました場合にフィリピン国内で密造されたものと推測されるところではありますけれども、現在までのところ、だれがやったか、あるいは我が国の暴力団がかかわっていたかどうかというようなことについてはちょっとわからないところであります。
 また、御質問の中にはトカレフの話がございました。中国軍からの横流しなのかということでございますけれども、これまで我が国内で押収されておりますトカレフ型けん銃のほとんどは中国製でございます。このトカレフ型けん銃につきましては、中国軍の制式銃として製造されておりましたことは承知いたしておりますけれども、中国はこのトカレフ型けん銃をかつて第三国にも輸出したりまたは供与したことがあるという旨、報道等で報じられているところでございまして、そういうこともございますので、我が国内で押収されましたトカレフ型けん銃と中国軍との関連ということについては確認はいたしておりません。
 以上でございます。
#14
○前田(正)委員 余りルートの方はわからないということでありますけれども、水際で対策を練って阻止するということもさることながら、例えば中国製のトカレフ、あるいはまたフィリピン製のアメリカ銃に似たような銃、そんなものは要するに一遍フィリピンの現地へ行くなり調査をするなり、あるいはまたできれば向こうの政府といろいろと話をしながらその辺のあたりからきちっと製造元を押さえ込むとか取り締まるとか、あるいはまた中国の方のそういった軍が横流しするというふうなことがあるのかないのかわかりませんが、現にあるわけでありますから、こういうところの政府との連絡というものをきちっとやるべきだと思いますが、その辺のあたりはいかがでしょうか、お尋ねをいたしたいと思います。
#15
○中田(恒)政府委員 先ほど申しましたようなことで、我が国に入ってまいりますけん銃は真正のものが多くて、そのほとんどが密輸入されたということからすれば、御指摘のように、外国あるいは国際機関との情報交換というものは、けん銃の徹底した摘発、取り締まりというものを進めていく上で極めて重要であろうと思っております。これまで、私どもといたしましても、外国あるいは国際機関との情報交換は、例えばICPO、国際刑事警察機構でございますがインターポールあるいは外務省等のルートを通じまして積極的に行っておりまして、関係各国から理解と協力を得ておるところでございます。今後とも、銃器対策に関する国際会議を開催するとか、職員をさらに積極的に外国に派遣するなどして協力関係をさらに深めてまいる必要があろうかと思います。そのような方向でやってまいりたいと存じます。
#16
○前田(正)委員 フィリピンだとか中国だとか、そういうふうなところの政府とできるだけ綿密に連絡をとりながら、ぜひひとつ、もとで取り締まっていただくようにお願いをいたしたいと思います。
 それから、実は私は本を買ってきました。「Gun」という、マニアの中ではすごく由緒のある本だそうであります。最近モデルガンが多いわけでありますけれども、モデルガンのウィンチェスター銃だとか三八銃だとか、この中で結構いろいろなものを通信販売で売っておるわけです。こちらはもちろんモデルガンということでありますけれども、中には「実銃」というふうな、こういうのが書いてあるのが売っておるのですね。「無可動実銃の輸入は本場 お任せください」なんて言って、こういうキャッチフレーズで、実銃というのですから本当の銃なんです。だけれども、これは何か撃てないような方法を講じておるから売れるのだと思いますけれども、実際、こういう通信販売で簡単に銃が買えるということ、モデルガンが買えるということです。その規制は現在どのようになっておるのか、ちょっとお尋ねをいたしたいと思います。
#17
○中田(恒)政府委員 お答えいたします。
 いわゆるモデルガン一般に対する規制がどうなっておるかというお尋ねでございます。
 銃刀法の規制という観点から申し上げますと、けん銃に酷似するなど一定の要件に該当するものでございますが、模造けん銃の要件についてもう少し詳しく申し上げますと、金属製である、かつ、けん銃に著しく類似する形態を有するものである、あるいは銃腔に相当する部分を金属で完全に閉塞していない、かつ、表面の全体が白色または黄色でないもの、このような要件のものは模造けん銃と言われるわけであります。これに当たるものは、模造けん銃として、所持が禁じられております。
 それからまた、金属製の弾丸を発射できるように容易に改造できるなど一定の要件に該当するものが模擬銃器となるわけでありますが、模擬銃器について要件をもう少し申し上げますと、金属製である、かつ、けん銃、小銃、機関銃または猟銃に類似する形態を有する、それから、撃発装置に相当する装置を有するもので、銃砲に改造することが著しく困難なものとして総理府令で定めるもの以外のものにつきましては、模擬銃器として、販売目的の所持が禁じられております。
 なお、現在私どもが承知している限りでは、通信販売等により販売されているモデルガンの中でこういうものに当たるものはないのではないかとは思っております。
#18
○前田(正)委員 よくわかったわけでありますけれども、この銃を見ていただいたらわかるのですが、中には銃身をかえれば結構簡単に銃として改造ができるようなものも、私もプロじゃありませんからわかりませんけれども、ちょっとしたものであれば簡単に銃として使えそうなものもあるような感じもするのです。
 要するに、せっかく警察で一生懸命取り締まっている反面、こういうモデルガンもある程度規制をしなければ、改造ピストルとして十分に使用できるということからして、私は、できればこういうモデルガンをさらにもう少し規制を厳しくして、例えばこれを業者として販売するんだというふうなときに、あらかじめ警察へ持っていって、改造としては全然支障がないんだということで許可をもらうとか、あるいはまた、危険性があるものだったら、ここはこうしなさいという指導を経たものだけを販売する、こんな方法ができないだろうかというふうに思っておりますけれども、その辺、いかがですか。お尋ねいたします。
#19
○中田(恒)政府委員 お答えいたします。
 委員御指摘のような制度でございますけれども、その販売の段階から危険なモデルガンを排除することができるというようなメリットは認められるわけでございます。ただ、既に現行法上、模擬銃器に該当する危険なモデルガンに関しましては販売目的で所持することを法制上禁じておるわけであります。また、業界におきましてもモデルガンの安全を確保するための自主規制を行っていることなどからいたしまして、私どもとして直ちに御指摘のような法制度を導入するべきであるとは必ずしも考えていないわけであります。ただ、こうしたモデルガンの改造事例などによりけりだと思います。こういうようなものの今後の推移を見守りながら、慎重に対処してまいりたいと思います。
 いずれにいたしましても、過去にモデルガンとして販売されたものの中に、金属製弾丸の発射機能を有する、そして人を殺傷する能力のあるものがあったことも事実であります。このようなことはあってはならないことでございますので、取り締まり面におきまして、従来から警察としてはこれに対する強力な取り締まりを行ってまいりましたし、今後とも厳正に対処してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#20
○前田(正)委員 できるだけ警察の方もこういったモデルガンにもよく注意をしながら、たまには行って改造ができるものかどうかということも実際に見てもらわなければ、本当に見ただけでは本物の銃とほとんど全く変わらないし、重さも全く変わらない、私はそのように思うわけでありますので、ぜひひとつそういう面も取り締まっていただきたいと思っております。
 次に、銃刀法の今度の新しい法律の中で、譲渡罪や周旋罪というものを規制として行うことになっておるわけでありますが、今まで有効的な取り締まりが行われなかったという実例があるでしょうか。その辺、ちょっとお尋ねいたしたいと思います。
#21
○中田(恒)政府委員 お答えいたします。
 譲渡し、譲受けあるいはその未遂罪がないために検挙できなかった事例として、例えばこんな事例があるわけでございます。
 暴力団員がけん銃を取引していた現場に警察官が踏み込んだのでありますが、けん銃そのものが現実に買い手に手渡されていなかったということで、売り手の暴力団員については所持罪で検挙できた、逮捕したのでございますけれども、買い手の暴力団員については所持するに至っていないということで、相対でおったのでございますが買い手の方は検挙することができなかった事例がございます。
 また、今度周旋罪を設けたいということでございますが、周旋罪がないために検挙できなかった事例といたしましては、例えば、暴力団員が知り合いの暴力団員から、自分の持っているけん銃を売りたい、さばきたいということで、密売、売る方の仲介を依頼されておりまして、買い手を探し出して紹介したという事実が判明いたしたわけでございますけれども、実際に取引が行われなかったというようなことから、これも検挙することができなかったというような事例がございます。
#22
○前田(正)委員 もう時間が来ましたけれども、最後に、けん銃問題に対する長官の現状認識と取り締まり強化に向けての決意をお伺いいたしたいと思います。
#23
○城内政府委員 お答えいたします。
 けん銃情勢につきましては、ただいま保安部長から御答弁申し上げたとおりでございます。大変厳しい情勢でございますので、私どもとしては従来にも増してこれに対して厳しく対処してまいらなければならないと考えております。
 そもそも、けん銃というのは社会的有用性のない人殺しのための道具でございまして、ほかに使われるものではないわけでございます。かなり厳しく規制してもいいと考えますし、また、そうした規制を行わなければならない状況にあるというふうに考えております。そういうことで今回の改正案を御提出したわけでございますが、これによって思い切った重罰化を行うことによって、けん銃の不法所持は許されないという国の強い意思を明確にして、不法所持の根絶を図ってまいりたいというふうに考えております。この改正法によりましてけん銃事案の抑止に多大な効果を期待できると考えておりますので、改正法の運用を含めて、今後とも大いに力を入れてやってまいりたいと考えております。
#24
○前田(正)委員 時間が来ましたので終わります。
#25
○中馬委員長 北川昌典君。
#26
○北川(昌)委員 私は、法案の質問に入る前に、カンボジア問題について若干お尋ねいたしたいと思います。
 五月四日でございましたか、カンボジアでPKO活動に従事しておられました文民警察官に対して現地の武装集団が襲撃をかけてきて、そのために日本の文民警察官である高田警視がとうとい命を奪われた、大変悲しい出来事がございました。また、四人でございますか、負傷された、こういう事態が起きたわけでございますけれども、この高田警視の死に対しまして心から哀悼の意を表し、御冥福をお祈りすると同時に、負傷された方々のお見舞いを申し上げ、一日も早い全快をお祈りするものでございます。
 こうした中で今、村田自治大臣が現地に行っておりますが、文民警察官からいろいろな実情の訴えがあったようでございますけれども、その訴えの中で、出発前の話と現実には大きな差がある、具体的に言えば、だまされたということにもつながるかと思いますけれども、そういう中で、地元警察の指導という本来の業務はできない、さらに自分の命を守ることが精いっぱいだ、こういう訴えが報道されておりますけれども、文民警察官を派遣するに当たっては現地の状況についてどのような説明がなされたのか、それと、現地ではどのような主たる任務が与えられておるのか、お聞きいたしたいと思います。
#27
○城内政府委員 お答えいたします。
 高田警視が国際平和協力業務を遂行中に武装集団によって襲撃されて殉職いたしましたが、まことに私どもとして痛恨のきわみでございまして、今後このような不幸な事件が二度と起きないように、安全確保に万全を期してまいりたいと考えておるわけでございます。
 警察庁から総理府国際平和協力本部に対して文民警察官の要員を推薦した時点と比較すると、現地の治安情勢あるいは生活環境は激変をしております。大変悪くなっておるわけでございます。
 当初は、もちろん私ども、派遣をするに先立ちまして、当庁職員を含む政府の調査団がカンボジアに参りまして、そのときの状況をいろいろ視察をしてきて、その理解に基づいていろいろと判断をしたわけでございまして、それには慎重な手続を経ておるわけでございますが、当初の考え方というのは、いわばカンボジア国内各地において文民警察官がプレゼンスを示すんだ、文民警察官の武器というのはけん銃などの武器ではなくて、文民警察官としてのベレー帽であり、ワッペンである、こういうような説明でございましたし、また武力衝突の可能性のある地域については軍事的な対応が必要なんだから、そういった地域には文民警察官は配属しない、あるいは飲料水や食料等については後方支援が整備されておる、そういったような理解が基本でございましたが、御承知のような大変な激変があるわけでございます。地域によって大分差があるようでございますが、ひどいところではなかなか生活をすること自体が困難である。
 それから、私どもの任務は現地警察に対する指導、助言あるいは監視ということでございますけれども、そういう指導をする対象がいないとか、そういった状況になってきておるということで、文字どおりそこにおる、おるというのはプレゼンスなんでしょうけれども、そういう状況にあるということでございます。
 それから、任務についての御質問でございますが、今申し上げたように助言、指導、監視という業務でありますが、現実にはそれとはちょっと違いまして、例えばベトナム人の居住区のパトロールであるとか、あるいはVIP、これはUNTACの要員であるとかあるいは現地の政党の要人、そういった者のボディーガードとか、あるいは政党本部の警戒、そういう業務、これはUNTACの方から命ぜられてそういう仕事に従事しておるというようなことで、若干そこにずれがあるというようなことを承知しておるわけでございます。
 警察庁といたしましては、国連の平和維持活動への我が国の協力の重要性ということを十分認識しながら、とりわけ今回こういう事故があったわけでございますので、文民警察官の安全確保に万全を期するということで、いろいろと国際平和協力本部に対して私どもとしての要請をしておりますし、また法律に定められた業務ということについての私どもの認識を伝えてあるわけでございます。現に、今御質問にありましたように、村田大臣が現地に参って、安全確保のための配置転換などの措置についていろいろ要請をしておる、こういう状況でございます。
#28
○北川(昌)委員 この前ボランティアの中田さんが亡くなられたとき、それから文民警察官が強盗に遭ったとき、ちょうど委員会がございましたので、安全確保対策というものを十分とるように要求してほしい、こういうこともお願いしましたし、また警察の方からもそういった点についての要求があったと思いますが、この高田さんの事件のときには、防弾チョッキもつけられないままにそういう危険な地域に入らなければならなかったという報道をされておるわけでありますけれども、そういう初歩的な安全対策もとれないような状態なのか、それともこちらの要求に対してUNTACの方で全くこれを無視されたのか。こうなりますと、やはり今後の安全対策につきましても、これは信用できないことになりかねないわけでございますけれども、その点、いかがでございましょうか。
#29
○城内政府委員 まず、この殉職の事件についての防弾チョッキの関係でございますけれども、防弾チョッキは持ってまいっておるわけでありますが、前方からの攻撃に備えるためのものであります。それについての使い方でありますが、車で走るような場合には、車で走り抜ける、退避する、そのとき後ろから連射をされるものですから、その事故当時、現地での使い方は、座席に置いて後ろから撃たれることについて備えておった、背中をカバーしておった、だから防弾チョッキはそういう意味では使っていたということでございます。ですから、両方あったらいいじゃないか、全くそのとおりでございまして、今そういったものを配備をしつつある、もう現地に着いているというふうに私どもは承知しております。まだ末端まで届いているかどうかわかりませんが、そういうようなことを考えております。ただ、現実には自動小銃を車の前後左右から乱射されておりますので、防弾チョッキでは結果的には防ぎ切れないということだったと思うのです。
 いずれにしましても、ロケット砲とか自動小銃で攻撃された場合には、なかなか防弾チョッキを着ていればいいということでもないし、また防弾チョッキの守れる部位というのは限られておりますので、首などから心臓へ抜けるような場合にはどうしようもないというようなこともございます。ただ、ロケット砲や自動小銃で攻撃されるというような事態は当初の想定外でございまして、それは先ほど申し上げたようなことでございまして、なかなかそこら辺が難しいことであったというふうに考えております。
#30
○北川(昌)委員 任務の話でございますけれども、弾薬を運んだりしなければならないということも訴えの中に出てまいっておりますし、水をかえにいくにしてもガードが要る、エスコートが要る、こういうような大変危険な地域にあるわけでありまして、最初の与えられた任務と違う仕事を危険な中でさせられているという悲痛な訴えがあって、あと何人死ねば帰っていいのか、帰れるのかという本当になかなか言えない言葉まで出るということは真に迫った問題だと思うのでございます。
 そういう大変危険な状況にさらされておる、しかも本来の任務が遂行できないような地域に配置されておるわけでございますから、当然これは安全地域に配置がえをして、そして本来の任務が遂行できるような、活動ができるような体制というものをとるべきではないかと思うのですけれども、こういった点について、長官、強い要請をしていく必要はないのか。明石代表によると、なかなかこれは難しいという答えが出ているようでございますけれども、やはり今の報道から聞いても戦闘状態にあるような地域があるわけでございますから、その点いかがでございますか。
#31
○城内政府委員 私どもが考えておりますことは、ただいまの御質問の趣旨と全く同じでございます。また、そういうことで、そういう特定の大変安全が守られないような地域からは配置転換をしていただきたいというようなことをお願いに村田大臣は現地へ行かれて、いろいろ折衝をしておるということでございます。
#32
○北川(昌)委員 それが報道によりますとなかなか難しいことでありますから、もうこれ以上犠牲者を出すと、これは大変なことなんです。したがって、重ねて強く要求する。そうでなければ、もう本人の意思に基づいて帰る、これぐらいのことはしかるべきではないだろうか、このように考えますが、その点、これは要望として申し上げておきたいと思います。ちょっと時間の関係がございまして、国際平和協力本部の方からお見えになっていると思うのですけれども、申しわけございませんが割愛させていただきますので、そのことは要望申し上げておきます。
 次に、銃刀法の一部改正案についてお尋ね申し上げたいと思いますが、この法律の改正によってどのような効果が期待できるのか。いろいろ申しませんが、どのようにお考えになっておるのか。私考えますときに、密売・密輸ルートの摘発とか大量押収などの実効が上がるのかどうか、大変これは疑問に思うわけでございますけれども、そこあたりいかがでございましょうか。
#33
○城内政府委員 私どもとしては、けん銃事犯の根絶に相当の効果が期待できるというふうに考えております。
 最近の暴力団員などによるけん銃の使用事件とかあるいは暴力団員以外の者によるけん銃の所持、これは私どもは拡散現象というふうに呼んでおりますが、昨年、押収者の二六%余りは非暴力団員であったというようなことを先ほど保安部長から御答弁もされたわけでございますが、そういうような状況にある。それから、一昨年は一年間で千三十二丁押収いたしましたが、昨年は千四百五十丁で、四百十八丁多く押収しております。
 これは実は、どうして多いのかというと、一生懸命そういう努力をしたわけでございます。先ほど御答弁もあったようですが、政府が中心となってそういった取り締まりとかあるいは広報活動とかあるいは法的ないろいろな検討とか、そういうことをやりまして、それで効果が上がりつつあるということでございます。今回こういう改正をいただければさらにまた効果が上がっていく、また、なお外国とかあるいは国際機関との連携というものが非常に大事でございますから、そういった面についても大いに力を入れてまいりたいと考えております。
#34
○北川(昌)委員 効果がないとは私は言いませんが、より効果が上がる、そういう手法を講ずることも大事ではないか、こういう立場で御質問しているわけです。
 昨年施行になりました麻薬特例法ですか、これでは泳がせ捜査、コントロールドデリバリー、こういう規定がされたということでありますし、また、おとり捜査等もこの麻薬には一定の手法として取り入れられておるというふうに聞いておりますけれども、こういった点については今度の法改正では御検討があったのかなかったのか。以前聞きますと、この方式をけん銃にも取り入れたい、一つの目玉にしたいというお考えがあったやにお聞きしているものですから、その点いかがでございましょう。
#35
○中田(恒)政府委員 捜査手法についてのお尋ねでございます。
 幾つか挙げられましたが、コントロールドデリバリー、いわゆるCDでございますけれども、これについてのお尋ねがございました。確かに麻薬関係の例の特例法ではコントロールドデリバリーが採用されておるところでございます。実は、私どもとして必ずしも検討しなかったわけではございませんで、しかしながら、薬物と性格が違いまして、このコントロールドデリバリーを実施している過程で、薬物の場合はそれほどの危険性が感じられないわけでありますが、一般人にもけん銃はそのまますぐ使えるという状態でございます。一般人にも被害が及ぶ可能性がありまして、現段階ではその使用を完全に阻止するための措置、手法を講ずるというようなことについてなかなか難しい問題があるということで、今回は導入を見送りまして、今後、薬物事犯の捜査の推移を見守りつつ、このコントロールドデリバリーの実施方法等について引き続き検討してまいりたいというふうに考えておるところであります。
 それから、おとり捜査についてもお触れになりましたが、このおとり捜査の問題となりますと、銃刀法のみならず捜査手法全般にかかわる問題かと存じます。そういうようなことで、これらについては今後の検討課題としてまいりたいというふうに考えております。
#36
○北川(昌)委員 資料を見せていただきますと、これは大変怖いことだと思うのですけれども、暴力団以外のいわゆる一般市民の発砲事件がふえておる、また、けん銃押収件数もふえておる。ちなみに、平成元年には三十一件で全体の一〇・四%であったものが、平成四年には四十八件、全体の二一・六%、三年には全体の二四・五%と一般市民の発砲事件が非常にふえておる。また、押収件数につきましても、平成元年が七十六件であったものが平成四年には三百七十八件、全体の二六・一%、こういう数字になっておるわけでございます。
 このことからいきますと、一般市民の不法所持が広がっておる、ふえておるというふうに理解をするわけですけれども、この拡散傾向が強まった理由をどう分析されておるのか、お尋ねいたしたいと思います。
#37
○中田(恒)政府委員 お答えいたします。
 暴力団以外の者からのけん銃がふえておることについては御指摘のとおりでございます。この原因、理由は定かではないのでございますけれども、考えますに、一方では暴力団と見られる者からコインロッカーに置きましたよというようなことで提出されるけん銃が実はふえております。いわゆる暴対法の施行とあわせて最近における厳しい暴力団取り締まりによりまして暴力団関係者の中にけん銃を処分する場合がふえて、それが暴力団以外の者がけん銃を入手することができる機会が広がることにつながっているというふうにも考えられますし、また、他方海外で購入して持ち帰る、我が方に持ち帰るということでけん銃の押収が増加しているということもございます。あるいは多数のガンマニアが改造けん銃を購入していた事案なんかもよくあるわけでございますが、こういうようなことから、けん銃不法所持に対する規範意識が低下していると見られること、けん銃入手機会が広がる、それから規範意識の低下というようなことが両々相まちまして、全体として暴力団以外の者のけん銃所持の実態がふえてきているのではないかと伺っているところでございまして、警察の厳しい銃器摘発の結果、けん銃の押収がふえてくるということになっているのじゃないかと推測しておるところでございます。
#38
○北川(昌)委員 暴力団以外の人のけん銃所持というのは、これが蔓延していきますと大変なことになりますので、できるだけこういった市民の不法所持がなくなるような対策も十分とっていただくことをお願いしておきたいと思います。
 それで、今度は逆なんですけれども、けん銃の密輸入の状況を見てみますと、押収した件数が昭和六十三年には百七十三丁、平成四年には二十七丁、こういうふうに大幅に減少いたしております。これは密輸入が減ったと理解すべきなのか、それとも密輸の方法が極めて巧妙になって網の目をくぐり抜けて密輸するのか、この点どのように分析をされておるのか。
 もう一つあわせてお聞きしますと、警察庁とは別の税関が関与した押収量についても資料をいただいたわけでございますけれども、昭和六十三年には二百丁、平成四年には五十六丁。こういったことで警察庁の二十七丁と税関の五十六丁とでは差があるわけでございまして、こういった点について、警察庁の押収、税関の押収、この関係はどうなっているのか、この二つについてお尋ねしたいと思います。
#39
○中田(恒)政府委員 お答えいたします。
 御指摘のように、けん銃密輸入事件の検挙件数、ここ五年間は件数は横ばいでございますけれども、押収数は減少しておるところであります。これは、近年大量の押収事案がないことによることでありまして、この背景につきましては、近年のけん銃密輸入事犯が、例えば暴力団などが介在した組織的な犯行であろうかと思われること、あるいは隠匿方法がコンテナ等の大量の輸入貨物内に隠匿するなど巧妙化していること、あるいは陸揚げ方法も、我が国の長い海岸線、開港を通らなくていいわけでございますから、こういうところを利用するなどして巧妙化しているといいますか、こういうようなことなどによりまして潜在化しているのではないかと思うわけであります。
 税関と私どものけん銃あるいは銃器の密輸入事犯の検挙件数の差異について御指摘でございましたけれども、大変失礼でございますが、五十六丁とお触れになりましたのは銃器全体でございまして、多分けん銃は三十七丁ではないかと思いますが、いずれにしてもちょっと数字が違っていることはそのとおりでございます。これは警察と税関の統計の関係の中身によるわけでございまして、統計の計上時期など警察と税関の統計処理の違いもございます。そのほかに、税関当局では関税法上の密輸入物件を計上するのに対しまして、私ども警察では銃刀法工事件送致したときに、銃刀法上の密輸入罪として立件できたもの、したものの数を計上しているということの相違があるためかと考えられるわけでございます。
 ただ、いずれにいたしましても、税関で密輸入のけん銃が発見された場合にはすべて警察に御通報いただいているところであると承知しております。両者の足並みが乱れているというようなことはないと考えております。
#40
○北川(昌)委員 内部でわかっておりましても、外部では統計の内容がわからないわけなんですね。例えば交通事故の場合でも、警察庁の交通死亡事故数は厚生省とは違う。もちろんいろいろなとり方も違うわけですけれども、違うのです。そういった面で、連絡会議もできていることでございますし、統一的なものとして国民にこういうことだよという周知徹底も、認識を深めてもらうために必要だと思うのです。これは統計のものは一本化していただくことを要望しておきたいと思います。
 密輸関係がいろいろ巧妙になってきているということですが、この巧妙が怖いわけなんですね。海岸線が長い、海岸線には幾つも漁港がございます。そういう中で税関とか警察も手が回らないところをねらって密輸入するということも、比較的往来が自由な面もございますので、そういったところは押さえていただかないと、密輸の押収件数は減ったが実際中に入ってくるけん銃の数は多いということになりかねない。したがって、皆さん方の御努力にもかかわらず不法所持がふえていくということも考えられるわけでございまして、そういった対策もぜひとるべきではないか。
 そういった点では警察庁長官にもお願いしておきたいのですが、地方の手薄のところ、漁港のところが多いのですが、警察官が非常に減らされておるのですよ、地方に行きますと。その中でも、警備関係の警察官は地方では縮小されている。したがって、なかなかそちらの方に手が回らないという実態もあるわけですけれども、こういった対策もぜひとっておいていただかないと、これは将来、ふえますと悔いを残すことになりますので、そこらあたりお聞きしておきたいと思うのですけれども、いかがでございますか。
#41
○城内政府委員 お答えいたします。
 今御質問にありましたが、地方では人が足りないというようなことは確かにあろうと思います。ただ、長期的に見ましても人不足時代を迎えるわけでございますので、余り人をふやして対処するということは現実にはできないわけでございます。事務を合理化するとか、あるいは仕事を整理するとか、そういった面を努力しなきゃいけないと思います。また、現にやっておりますことは、内部で必要な現場に人をパワーシフトすることについていろいろ努力をしているわけでございます。
 警備関係は多いけれどもということでございますが、決してそんなことはございません。それぞれ今は本部長の判断においてその地域地域で必要とされるようなことについて人員を自由にパワーシフトできるようになっておりますから、これは日本でいろいろな治安情勢の都道府県があるわけでございますので、なかなか一概には言えないわけでございますが、本部長がそういうことを考えてパワーシフトするということでございますので、警備とかそういうところに大変人が集まっているということはございません。とりわけ昨今、暴力団の取り締まりとかけん銃の摘発というような問題については、私どもが全国の警察を挙げての重要事項として取り上げてやっておることでございますし、また、そういう目で府県の実績というものを厳しく見ておるわけでございますので、それぞれのところでいろいろな工夫がされておるというふうに私どもは承知しております。
#42
○北川(昌)委員 ちょっと今の、警備がふえているというのは逆なんです。そういった密輸の関係なんかに携わる警備の皆さんが地方では減らされているということでございます。そういった体制もひとつお願いしておきたいということを申し上げたわけで、誤解のないようにしていただきたいと思います。
#43
○城内政府委員 貴重な時間、ちょっと質問を取り違えまして失礼をいたしました。
 しかし、確かに密輸する、例えば平成に入りまして初期のころあったのですが、南紀勝浦に木造船が入って中国からけん銃を、情報では最初トカレフを八百丁という話でございましたが、いろいろ後で調べてみますと、いや実は二千丁だったとか三千丁だったとかいうような話がございますが、そういうへんぴな漁港などに木造船で荷揚げをするというようなことが現在あるわけでございます。そういったところに十分な人を張りつけるということは実際問題として大変難しいわけでございますが、先ほども答弁いたしましたように、けん銃の摘発は大変重要なことだと考えておりますので、そういうパワーシフトによってできるだけの手当てをしてまいりたいと考えております。
#44
○北川(昌)委員 終わります。
#45
○中馬委員長 斉藤節君。
#46
○斉藤(節)委員 私は公明党・国民会議の斉藤でございます。
 まず、最近、けん銃等を使用した凶悪犯が、暴力団ばかりでなく暴力団以外の者による犯罪も多発してきておるようであります。また、我が国の国際化によって国内の外国人の増加に伴って外国人による、いわゆるけん銃を持ったあれじゃないですけれども、いろいろな犯罪も増加してきており、一層の治安維持の努力が望まれるところであります。
 一方、平成四年度の警察白書によりますと、暴力団関係者による銃器発砲事件は、平成三年では百八十二回発生しておるわけでありますが、前年に比べますと七十三回の減少、率にして二八・六%の減少で、大幅に減ってきておるということでありまして、これまでの関係者の方々の努力、それから国民の理解、また暴対法等の影響のあらわれとも思われ、大変よい傾向と私は思っているわけでございます。
 このようなときに鉄砲などの不法所持を国民から一掃するために本法案が提出されたことは、まことに時宜を得ていると思うわけであります。本法案が成立し施行されることによって、国内で不法所持されているけん銃等が減少あるいはなくなることを願うわけであります。
 以下、本法案につきまして若干の質問をしてまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。
 まず、法案改正の趣旨の中に、けん銃の不法所持の急増とそれを使用した犯罪の凶悪化にかんがみ云々、こういうふうにあるわけでありますけれども、まずその理由は何か、お尋ねしたいと思います。
#47
○中田(恒)政府委員 お答えいたします。
 御指摘のように、昨年、不法所持により押収されましたけん銃は急増しておるわけでありまして、これは暴力団以外の者からの押収数の増が押し上げているといいますか、急増の主たる原因になっておるわけであります。
 こういった暴力団以外の者からの押収がふえている原因、理由につきましては、これははっきりは申し上げられませんけれども、暴力団が所持するけん銃が増加しておるということに加えまして、昨年来の暴対法の施行とあわせて最近における厳しい暴力団取り締まりによって暴力団関係者の中にけん銃を処分する者がふえておる、そして暴力団以外の者がそういうけん銃を入手できる機会がふえておるというようなこと、また一方、海外で購入して持ち帰ったけん銃の押収が増加しておるとか、あるいは多数のガンマニアが改造けん銃を購入している事犯を検挙することが多いというようなことから見られますように、国民一般のけん銃を持つことに対する、持ってはいけないという規範意識が低下しているというようなことが相まちまして、全体として暴力団以外の者のけん銃所持実態が増加しておるのではないかというふうに考えておるところであります。凶悪事件などにけん銃が使用される場合がふえているのもこうした事情によるものではないかと思うわけであります。
#48
○斉藤(節)委員 では、不法所持者の数、いわゆる暴力団、右翼、外国人、その他いろいろあると思いますけれども、どれぐらいあるというふうに考えておられますか。
#49
○中田(恒)政府委員 お答えいたします。
 不法所持者の数でございますけれども、昨年のけん銃不法所持で検挙いたしました九百五十人についてその内訳を見てまいりますと、八二%七百七十九人ほどが暴力団でございます。それから二・一%二十人ほどが外国人、二・〇%十九人ほどが右翼、一三・九%百三十二人がその他でございます。そういうような内訳でございます。
#50
○斉藤(節)委員 不法所持者による銃器使用事件の推移及び近年の事件の特徴について述べていただきたいと思います。
#51
○中田(恒)政府委員 お答えいたします。
 最近五年間の銃器使用犯罪の検挙件数の推移は、昭和六十三年百九十七件、平成元年二百二件、平成二年二百件、平成三年百五十五件、平成四年百七十六件となっております。これは銃器使用犯罪一般でございまして、このうちけん銃を使用した犯罪、けん銃使用犯罪でございますけれども、これはおおむね百五十件前後で推移し、けん銃以外の銃器使用犯罪は、平成元年の四十五件をピークに減少傾向にありまして、平成四年では二十五件となっております。
 近年のこの種の事件の特徴を見てまいりますと、猟銃などを使用した事件が減少していること、それから、平成二年まではけん銃使用犯罪の検挙件数のうち暴力団以外の者によって犯されたものが数%であったところ、平成三年以降は一〇%を超えてきており、暴力団以外の者へのけん銃拡散傾向というものが統計上からもこういうところからうかがわれること、それから岡山県で発生いたしましたタイル業者によるけん銃使用の連続殺人事件がございましたが、こういうものに代表されますように、暴力団以外の者がけん銃を使用して凶悪事件を起こして社会に不安を与えたことなどが大きな特徴かというふうに考えております。
#52
○斉藤(節)委員 暴力団以外の者のいわゆるけん銃を所持していた理由、どんな理由で持っていたのか、その辺、もしおわかりでしたらお願いいたします。
#53
○中田(恒)政府委員 お答えいたします。
 不法所持の理由なんでございますけれども、暴力団以外の者がけん銃等を不法所持する理由については実は千差万別でございまして、例えばガンマニアが収集目的で持っていたものもありますし、護身用と称して船員でありますとか留学生が持っていた例もあります。また、犯罪目的ということで持っていた例、その典型的なものは、今ほども申し上げました岡山県のタイル業者の例もございますし、先ごろ別の委員の方にお答えいたしましたような昨年一月の東京杉並の医師誘拐事件などがあると思います。
#54
○斉藤(節)委員 細々したことで申しわけありませんけれども、こういったけん銃をどこから彼らは入手したのですか。密造したのか、あるいは改造したのか、ガンマニアが改造したということがあるかもしれませんし、それから密輸されたとかいろいろな場合があると思いますけれども、どんなふうに警察庁としては考えておられますか。
#55
○中田(恒)政府委員 お答えいたします。
 毎年警察で押収いたしますけん銃の九〇%前後は真正けん銃でありまして、その大部分は密輸入されたけん銃であるということについてはお答えしたところでありますが、押収された者といいますか被押収者がこれを所持するに至った経路につきましては、みずから外国で購入したものを我が国に自分で持ち込む例も見られますけれども、全体として見れば、その多くは密輸入されたけん銃を暴力団から購入したというケースが多いようでございます。そのほかでは、少数ではありますけれども、国内の密造者から購入したり、あるいはみずからけん銃を密造あるいは改造する場合、あるいは旧軍人が持っておりましたけん銃、これは真正のものでございますが、これを入手するという場合などがあるようでございます。
#56
○斉藤(節)委員 そこで、暴力団以外の者でけん銃等を所持していた者を検挙し得たきっかけ、動機、これは何だったのか。その辺、もしあれでしたらお答え願いたい。また、犯罪の有無についてもお尋ねしたいと思います。
#57
○中田(恒)政府委員 お答えいたします。
 昨年一年間で押収したけん銃千四百五十でございますけれども、この千四百五十丁のうち、暴力団以外の者からは二六・一%に当たる三百七十八丁を押収しておるということであります。
 その検挙したきっかけないし動機とおっしゃるのは、多分私どもの用語で言う端緒というような意味かと思いますが、いわゆる端緒別に見ますと、情報によるもの、あるいは不法所持者の家族からの届け出によるもの等が多うございますし、そのほかにまた、匿名電話その他の第三者からの通報によるものとか、あるいは税関等から御通報いただくものなどによって端緒を得ておるということであります。それからまた、当然のことながら、けん銃使用犯罪の捜査により当該けん銃を発見、押収するということもございます。
#58
○斉藤(節)委員 これらの犯罪に対して今まで警察庁としてはどのように対処されてこられたのか、この点をお尋ねしたいと思うのです。
#59
○中田(恒)政府委員 お答えいたします。
 私ども、けん銃使用犯罪に対しましては、国民に大きな不安を与える治安上看過できない重要犯罪であるとの認識に立っておりまして、犯人の早期検挙とあわせて、凶器たるけん銃の早期押収ということに全力を挙げて対処してきておるところでございます。
#60
○斉藤(節)委員 それでは、今後の取り組みに対する御決意のほどをお聞かせ願えればと思います。
#61
○中田(恒)政府委員 お答えいたします。
 警察といたしましては、けん銃の不法所持というものをこのままで放置いたしますことは我が国の治安の根幹を揺るがしかねない問題であると認識しておりまして、今後とも、関係省庁との連携を保ちつつ、取り締まり体制の充実とか、あるいは装備資機材の整備を図りながら、継続的なそして総合的なけん銃摘発に努めたいと思います。そしてまた、パンフレット等出版物の配布を通じてのけん銃情報の通報、市民の協力を呼びかける、さらには、国外からのけん銃遮断を図るといっためには水際対策が大事でございます。そういうような観点で水際対策あるいは外国との情報交換などの国際的な協力の強化ということに努めてまいりたいというふうに考えております。
#62
○斉藤(節)委員 ひとつよろしく御努力のほどをお願いしたいと思うわけでございます。
 次に、法案の内容の確認でありますけれども、所持罪についてお尋ねしたいと思います。
 例えば暴力団員のAというのが、知り合いのBという人の了解を得て一Bの庭に銃と実弾を隠して持っていた場合、この銃と実弾の所持者はだれになるのか、また、Bがこの銃を使用していたときはどうなるのか、旧法と改正案では罪はどの点が変わるのか、御答弁願いたいと思います。
#63
○中田(恒)政府委員 お答えいたします。
 Aが知り合いのBという人の庭にけん銃や実弾を隠した場合のいろいろなバリエーションだと思いますが、これはそれぞれの事案で大変微妙な問題がありまして、具体的な状況を勘案しなければ何ともちょっと断定しかねる問題もあるのでございますけれども、一般的なお答えで御容赦いただくということにしたいと思います。
 お尋ねの場合でございますが、その暴力団のAはもちろん、Bについても、当該けん銃と実包を自分の実力支配下に置いたものと一般的には考えられると思いますが、そう考えられる場合には、AとBが共同してそのけん銃も実包も所持しているということになろうかと思うわけであります。そのようなことで、暴力団のAについて所持が認められる限りでございますけれども、Bがそのけん銃を使ったらどうなるかということでございます。Aの所持が切れるのかという御趣旨かと思いますが、Aの所持が認められる限りでございますけれども、同様に、Bが使おうが使うまいが、そのAとBが共同して所持しているということになろうかと思います。
 この場合に適用される罪名といいますか罪について、現行法を新しく改正後の法律ではどうなるかという差異のお尋ねかと思いますが、銃刀法違反だけに限定してお答えさせていただきますれば、改正前、現在の形でございますけれども、けん銃の不法所持罪、今の三十一条の二でございますけれども、所持罪につきましては、改正前はけん銃の不法所持罪のみに当たるということでございますが、改正後は新たに設けられます加重所持罪でございますね。ともに携帯、運搬、保管でございますか、保管の形態かと思いますが、新たに三十一条の二の二項に設けられます加重所持罪、つまり、けん銃等とそのけん銃等に適合する実包等をともに携帯するあるいは保管するというような罪の適用があるということになろうかと思います。
#64
○斉藤(節)委員 次は、輸入罪についてお尋ねしたいと思います。
 輸入の範囲がどこからどこまでなのかということなんですが、例えば暴力団員が外国の店から銃を買う目的でお金を送った、銃を送ってもらっているけれどもまだ入手していない、こういう場合ですね。この者がある別件で逮捕された場合、銃を手に入れてなくても暴力団員Aは輸入罪に当たるのかどうか。また、外国にある店でも店員が日本国籍の者の場合には、この店員は輸入罪に当たるのかどうか、その辺について御答弁願いたいと思います。
#65
○中田(恒)政府委員 お尋ねにつきましては、また繰り返しで恐縮でございますけれども、個々の事案ごとに具体的な状況によりけりでございまして、例えば入手していないというようなものがどの段階にあるとかいろいろな事情がございますので、なかなかお答えが難しいのでございますけれども、一般論で申し上げますと、前の銃刀法の改正の際にも大分この輸入罪の既遂時期、その他着手時期等については議論があったところかと承知しておりますが、輸入罪の既遂時点というのはおおむね本邦にけん銃が陸揚げされた時点だと考えられておりまして、これぐらい抽象的に言えば間違いないわけでございますが、着手時点は、輸入の一部またはこれと密接な行為であって実質上輸入が実現される危険性のある行為を開始した時点というふうに解されております。また、輸入の着手前の準備行為については輸入予備罪の適用があるということになります。
 そういうようなことを前提といたしますと、今お述べになりました例につきましては、その暴力団員のAでございますか、これにつきましては具体的なケースによるわけでございますけれども、輸入未遂または輸入予備罪に問われることとなろうかなと思います。またその店員でございますけれども、これは外国の店の店員でございますが、密輸入罪につきましては御案内のとおり、国民の国外犯でなくて単なる国外犯でございまして、刑法二条の例によりますので、国籍のいかんを問わないわけでございまして、暴力団員Aがけん銃等を本邦に、日本に密輸入することを承知して、了知していた場合でありますれば、その店員はAの共犯になろうかというふうに思います。
#66
○斉藤(節)委員 次は、製造罪についてお尋ねいたしますけれども、銃の密造に携わった者のほかに密造を指示した者も製造罪に当たるのかどうか、この辺はどうですか。
#67
○豊田説明員 お答えいたします。
 まず、銃の密造を指示した者も製造罪に当たるかどうかという御質問でございましたが、密造を指示した者につきましても次のような条件が備われば製造罪に当たるというふうにされておりまして、三つございますが、まず第一に、その指示が指示を受けた者に密造罪を実行する決意を生じさせるものであるということでございます。それから第二に、指示を受けた者が実際に密造を実行するということでございます。第三に、指示と密造行為との間に因果関係が認められるということでございますが、このような三つの条件が備わる場合には、刑法の六十一条の第一項によりまして、「人ヲ教唆シテ犯罪ヲ実行セシメタル者」に該当するということで製造罪の教唆犯として罰せられることになっております。その場合には、指示した者につきましても正犯に準じまして製造罪の法定刑によって罰せられることになっております。
#68
○斉藤(節)委員 わかりました。
 では、次に、譲渡等の規則についてお尋ねいたしますが、また例でありますけれども、暴力団Aが外国で銃を譲渡したことが発覚した場合罪になるのかどうか、またどのような処置をするのか、御答弁願いたいと思います。
#69
○中田(恒)政府委員 お答えいたします。
 今回、譲渡しあるいは貸付けという罪につきましては国外犯処罰の必要性というものが性格上認められないということから、この犯におきましてはその種の国外犯処罰の規定を置いてないわけでございます。したがいまして、改正後の法律のもとでは、御指摘のような場合には譲渡罪については成立しないというふうに考えられます。
 ただ、これもまた事案によるわけでございますけれども、輸入罪の共犯等に該当するような事情があるケースもあろうかと思います。そのようなときには、罪に当たれば当然のことながら所要の捜査を行うということになろうかと思います。
#70
○斉藤(節)委員 次は、薬物の原料を輸入して麻薬を製造した場合とけん銃等の部品を輸入して製造した場合とでは、このたびの罰則改正は重いのか軽いのか、また同じぐらいの程度なのか、その辺いかがでございますか。
#71
○豊田説明員 お答えいたします。
 結論から先に申しますと、通常の麻薬を製造する場合とけん銃を製造する場合との比較でございますが、引き上げ前は罰則の軽重は同じでございましたが、今回の改正でけん銃を製造した場合の方が重いことになっております。
 それから、麻薬のうちヘロインでございますが、これは従来から罰則が非常に重いものになっておりまして、武等法上の引き上げをする前はヘロインを製造した場合の方が厳しかったわけでございますが、今回の武等法上の罰則の引き上げによりましてけん銃を製造した場合の方がより厳しくなったということでございます。
#72
○斉藤(節)委員 どのぐらい厳しくなったのですか。
#73
○豊田説明員 その点も申し上げようかと思ったのでございますが、ちょっと細かくなって恐縮でございますけれども、麻薬を許可なく輸入し製造した場合でございますと、麻薬の密輸罪と麻薬の密造罪の併合罪ということになりますが、その場合には罰則は一年以上十五年以下の有期懲役ということになります。
 一方、けん銃でございますが、部品を輸入いたしまして製造する場合、やはり密輸罪と密造罪の併合罪ということになりますが、先ほどの一年以上十五年以下の有期懲役に対しまして、今回の引き上げにより三年以上の有期懲役となるということでございます。
 以上でございます。
#74
○斉藤(節)委員 次は、水際作戦のお尋ねをします。
 完全に水際で取り押さえられないということもあるようでありますけれども、最近の摘発事例など、どんなようなものがあるかおっしゃってください。
#75
○角崎説明員 お答え申し上げます。
 最近におきます摘発事例で申しますと、昨年の十一月に大阪税関におきましてロシア国籍の船員が携帯品、これはテレビ等でございますが、これに隠匿いたしまして、けん銃七丁を密輸入しようとした事例がございます。それから昨年の十二月でございますが、沖縄地区税関におきまして別送品、これはウオーターヒーター、温水器と称するものでございますが、これに隠匿いたしまして、けん銃八丁、ライフル銃二丁を密輸入しようとした事例がございました。ことしに入りましてから二月に、東京税関、これは成田でございますが、携帯品の中に隠匿いたしまして、けん銃二十八丁等を密輸入しようとした事例がございます。
 こういった事例を摘発しているわけでございますが、密輸手口はますます巧妙になってきておりまして、税関におきましては情報収集の強化、取り締まり機器の整備充実及び関係取り締まり機関との連携強化等で重点的な取り締まりに努めているところでございます。
#76
○斉藤(節)委員 そこで、警察庁として、通関手続をしないで密輸されているものもあるようでありますけれども、これに対する対策ですね、どんなようなものなのか。秘密ならばお答えにならなくても結構でありますけれども、どのようなことでもってやられているのか、その辺御答弁願いたいと思います。
#77
○中田(恒)政府委員 お答えいたします。
 御指摘のように、過去におきまして摘発されましたけん銃の大量押収事例なんかを見ますと、税関のない港を経由して国内に持ち込まれていると見られるものもあります。そのようなことから警察におきましては、開港地はもとよりでございますけれども、それ以外の場所においても、けん銃の陸揚げ可能な地帯におきます警戒は強化をしておるところでございまして、またこれはみずからやるものでございますが、みずから警戒を強化するとともに、海運、港湾、漁協等の関係業界あるいは沿岸住民の方々等の協力を得まして、不審な船舶でありますとか積み荷等に関する情報の入手に努めておるということでございます。
#78
○斉藤(節)委員 もう時間になりましたので、最後に長官に御質問申し上げますけれども、平成四年の警察白書でも犯罪はボーダーレスの時代に入った云々と、こんなふうに述べておられるわけです。麻薬類だとかあるいは銃砲の水際の取り締まり、また外国の暴力団組織の国内進出あるいは暴力団組織の国際化などに対して総合的な取り組みを強化して、本法の実効を上げるべきだと私は思うわけでございます。現状と今後の御決意のほどを長官から承りたいと思うわけでございます。
#79
○城内政府委員 お答えいたします。
 銃器対策に関しましては、国内におけるけん銃の摘発の徹底と並んで、けん銃の国外からの供給を遮断するということが非常に重要であります。また、国内的にも国際的にもこの銃器の問題と薬物の問題、それから暴力団あるいはマフィアと申しますかそういった犯罪集団、そういったものとの関連を念頭に置いた総合的な対策を進めてまいらなければならないと思います。これはいずれも御指摘のとおりでございます。
 それで、警察におきましては、関税当局など関係省庁とよく連携を図りながら水際監視体制を強化して水際摘発を図っていくということが一つでございます。二つ目は、我々警察の中におきましても、麻薬部門それから銃器対策の部門あるいは暴力団の部門、そういうものが一緒になって総合力を発揮するようにしてまいりたい。三つ目には、関係国との国際的な協力関係を積極的に進めていく必要があるという認識で、最近また体制をつくりまして、それぞれと接触するように今やっている最中でございます。
#80
○斉藤(節)委員 では、以上で私の質問を終わります。どうもありがとうございました。
#81
○中馬委員長 吉井英勝君。
#82
○吉井(英)委員 私は、まず法案の質問については、自治大臣臨時代理がちょうど今の時間他の日程と重なっておられるようでありますから、後ほどでもうまく間に合えば、そのときの質問に重なりますとちょうど一番いいわけですから、ちょっと法案の方は後回しにいたしまして、先にカンボジアに関することを伺っておきたいと思います。
 せんだっての中田厚仁さんに続いて、文民警察官としての活動中犠牲になった高田晴行さんの御冥福を祈り、負傷された方たちにお見舞いを申し上げつつ、これ以上の犠牲者を出さないということを願って質問したいと思うのです。
 今朝の朝刊に、城内長官の記者会見が載っておりました。「カンボジアの文民警察官が身の危険を訴えている問題に触れ、「(現地の声は)十分届いている。国際貢献という国家的要請に応えるのはもちろんだが、個人の命の貴さや家族の幸せなどの観点から考えていかねばならない」と語り、帰国を希望する文民警察官が出た場合には、本人の意思を尊重する考えを明らかにした。」この記者会見の中身は、違っておれば違っておるというふうにおっしゃっていただいたら結構なんですが、これを前提にして最初に二つのことを伺いたいと思うのです。
 その一つは、身の危険について現地から届いている具体的な状況をどのように把握していらっしゃるかということが一つ。それからもう一つは、本人が希望された場合に本当に帰国できるのかどうか、その保証と申しますか、この二点を最初に伺っておきたいと思います。
#83
○城内政府委員 お答えいたします。
 現地の状況につきましては、私どももいろいろな通信手段を備えておりますので、いろいろな声を聞いております。とりわけ、地域によってそれぞれ状況が異なるという大きな前提がございますけれども、一部の地域におきましては大変治安情勢が悪化しており、戦闘行為のようなことが行われて、高田警視の殉職事案もそういった中で起きたというふうに私ども理解をしております。生活状況などについても大変厳しいものがあるようでございますし、また実際に警察行政に関する助言、指導、監視というようなことでございますが、そういった業務には携われないでいるというような状況についても、私どもはある程度把握をしておるところでございます。
 今御質問にありました、国際貢献というような国家的要請という目からいろいろ考えなければならないということはあるけれども、それはそれとして大事なことだけれども、個人の生命あるいはそれぞれの御家族の幸せとかそういう目でも考えなきゃいけないと私が思いましたのは、実はその発言は、昨日岡山県におきまして高田警視の葬儀が行われた後で私がインタビューを受けたわけでありまして、とりわけその葬儀に出まして御遺族の悲嘆などに接しまして、確かにそういうことも大変必要なことである、やはり一家の主人を失い、また跡取りの息子を失ったわけでございますから、そういう思いを強くしたわけでございます。
 それから、現地に七十五名の文民警察官が参ったわけでございますが、いずれもひとしく国際貢献に役立ちたいという強い気持ちを持って手を挙げて応募をしてくれた人たちでございます。ですから、彼らとしてはやはり責任を全うしたいという気持ちについてはいささかも変わるものはない、ここはひとつ私どもははっきり申し上げておきたいと思います。
 ただし、そういう生活もままならないとか、あるいは任務に従事できないとかいうような状況があるとすれば、ちゃんとその任務を遂行できるような場所でちゃんと当初の目的の措置をしたいということでございまして、私は一切帰国などという言葉は一つも使っていないわけでございまして、それはそういう責任を果たせるような場所に配転をしてもらいたいということでございます。
 それからまた、記者の質問にお答えした趣旨は、PKO法というものはボランティアでございます、ボランティアというのが基本になっておるわけでございますから、基本的にはその個人の意思というものは尊重しなければならない、国際貢献という問題もございますが、個人の意思というものも尊重されるような筋合いのものであろうという解説を申し上げたということでございます。
#84
○吉井(英)委員 それで、昨年九月の「カンボディア国際平和協力業務実施要領の概要」というものの中で文民警察の分野についてどういう業務かということを示しておりますが、これはまずPKO法の第三条のチの部分、助言、指導、警察行政事務の監視、これがその仕事なんだということを受けた上で具体的な業務内容というのはア、イ、ウと三点挙げていますね。助言、指導、監視と、もう一つは基本的人権の尊重と自由の保護の意義、警察行政事務の公平中立性の重要性の意義に関する住民の啓発、三つ目に事務総長等に対する報告書の作成、提出、これが業務なんだということを説明して、そして警察庁としては各都道府県警に募集をされたと思うのですね。
 これだけの説明ですから、ポル・ポト派からの武力による襲撃からの選挙監視員その他、先ほどお話があったような護衛、警護活動支援、こういうものはなかったと思うのですが、この点は念のために確認しておきたいと思います。
#85
○城内政府委員 総理府に要員を推薦するに際しましては、昨年七月に派遣されました政府調査団のレポートなどに基づきましてカンボジアの国情とか治安状況あるいは文民警察の任務、衛生状況等についていろいろと私どもが理解しましたところを各県の人事担当者に示して募集を依頼したわけでございます。
 任務につきましては、ただいま御質問にありましたように、協力法の第三条三号チというところに書いてあるその助言、指導、監視というようなことでございます。具体的な任務としては、各国から派遣された警察官とともに車両で管轄区域のパトロールを行う、これはプレゼンスを示すということでございます。こうして得た情報等に基づいて地元警察の指導、監督を行う、助言、指導、それから監視ということをするためのその前提となる作業、こういうことでございます。
 そういうものを受けて、都道府県でいろいろ募集をいたしまして、そういう中から候補者を決定して警察庁として国際平和協力本部に推薦したわけでございます。
 以上でございます。
#86
○吉井(英)委員 それで、先ほどもお答えにありましたが、VIPとか政党本部、それからベトナム入居住区への武力による襲撃等からの警護の問題ですね。この警護というのが業務の内容に加えられたのは、日本のPKO本部で後から追加したものだったら当然追加したものをまたいただけるのですが、私の承知しているところではないわけですね。UNTACの方でこれは追加したものと思われるのですが、この点はどうなんですか。
#87
○城内政府委員 お答えいたします。
 法律に書いてあることで私どもは事務の説明をして、そのように各隊員に詳細を説明したわけでございますが、ベトナム村のパトロールとかあるいはVIPのエスコート業務あるいは政党事務所の警戒活動というのは、現地へ参りましてから現地においてそういう事務が付加されたというふうに私ども承知しております。
#88
○吉井(英)委員 新聞報道等を見ておりましても、高田警視はこの現地で追加された業務についていて犠牲になられたということなんですが、UNTACで追加したこの業務については、念のために伺っておきたいのですが、協力本部で追加業務として承認をしているものなのか、黙認という形でなっているものなのか、この点警察庁としてはどのようにつかんでいらっしゃるのですか。
#89
○城内政府委員 お答えいたします。
 私どもは、やはり日本の法律というものが非常に大事でございますので、その法律を執行するということで理解をいたしましたし、またPKO法というものがいろいろな議論を経てできたわけでございますから、私どもはそれを忠実に実行するという立場にありますので、私どもとしてはそういうものは理解をするところではない、今現実にやっているような仕事は理解しているところではない、私どもはそのように考えまして、私どもとしては、協力本部の方に対してそういう事実関係についての私どもの認識については再度連絡をいたしまして、それを正していただけるようにお願いをしてきたところでございます。
#90
○吉井(英)委員 そこのところをもう一度確認しておきたいのですが、私、警察庁の方からいろいろレクチャーしていただいたときには、警察庁としては警護の業務は承諾していないということ、それから今その是正の申し入れをしているということ、このことをレクチャーしていただいているのですが、この警護の業務は承諾していないということの確認と、それからこの是正の申し入れば協力本部へなのかUNTACへなのか、今のお話で大体協力本部へということで、協力本部を通じてということだろうなとは思うのですが、どこに対して是正の申し入れをしていらっしゃるのか、この二つの点、伺っておきたいと思います。
#91
○城内政府委員 お答えいたします。
 まず第一の点でございますが、警護活動そのものはやはり警察権の執行という問題になりますので、私どもとしてはそのことは法律で書いてあることでは読めないというふうに理解をしておるところでございます。
 それから二つ目の、どこに対してかということでございますが、私どもはUNTACに対して直接物を申し上げる立場にはございません。これは、政府の方で協力本部というものをつくってそれに私どもは人を出しておるわけでございますから、あらゆる場合について協力本部に対して私どもは申し上げる、こういうことでございます。
#92
○吉井(英)委員 最初募集されたときは、当然このPKO法それから実施要領に定めた業務内容を示して、そしてもちろん現地の情勢もお話しされて、こういう状況ですからということで募集をされて、応募してこられて、現地へ行ってみると、日本の協力法や実施要領で定めておったものと異なる業務が付加された。この間亡くなられたのは、まさに現地で追加された業務についていて犠牲となられたわけでありますが、その点で今是正を求めていらっしゃるということ、わかりました。
 こうなりますと、UNTACの方で是正がされなくても、国内法優先ということでいきますと、警護の業務というのは加えないということになるわけですが、これは今後国内法優先を貫いていけるのかどうか、貫いていかれるのかどうか、この点も伺っておきたいと思います。
#93
○城内政府委員 お答えいたします。
 先ほど御答弁申し上げたように、私どもの認識というのは、法律に書いてあることを遂行することが私どもの任務であろうというふうに考えておりますので、そのことについて、それをそういうことでやってまいるというようなことについては、私どもとしては、協力本部にお願いして、そしてUNTACの方といろいろ話し合ってもらう、それで私どもの考え方というものが実現できるように努めていただく、こういう立場でございます。
#94
○吉井(英)委員 いずれにしても、文民警察官の宿舎から水とか食料とか生活用具の一切合財が奪われて、食べるものもない状態になった方もおられるというふうに伺っておりますし、それからポル・ポト派のロケット砲攻撃に対して防弾チョッキでとてもじゃないが身が守れるわけじゃありませんし、言ってみればロケット砲攻撃なんかに対してはもう丸腰と同じ状態なんですね。それで警護せよというんじゃ、これは死にに行けというのと同じようなことになるかなと思うのです。
 全面戦争でないから停戦合意は崩れていない、こういうこれまでの政府の説明でいきますと、大体ポル・ポトというのはゲリラ戦をやっているわけですから、ずっと全面戦争にならないですね。全面戦争にならないと停戦合意は崩れていないとみなすなら、これはずっと停戦合意が続いているということになってしまう。そして、文民警察官に、危機にさらされたままでそこにとどまっていなさい、これは私は余りにも残酷だと思うのですよ。
 ですから、カンボジアの現状を直視して、対応を抜本的に再検討して、やはり撤退を図るということを考えなきゃいけないと思うのですが、これは協力本部で検討するべきことになってくるかと思いますが、警察庁長官としても、隊員の皆さんの、文民警察官の皆さんの安全、命がかかっておりますので、本部に対して、現在のカンボジアの現状を直視して再検討してもらいたい、このことをはっきりと話をされるように、私はこのことを申し上げまして、次に、銃刀法の改正のところについて伺っておきたいと思います。
 今回の法の改正、これはけん銃の不法所持の根絶と拡散防止というのが主たる目的となりますが、けん銃押収数の推移によりますと、九二年度で、押収数全体はふえているのですが、暴力団以外からの押収が際立ってふえている、こういう状況が見られます。暴力団からの押収が目に見える形であらわれていないということは、暴力団の方が大量に隠匿している、そういうふうにも思われるわけですね。ですから、今後この暴力団からの摘発をどのように進めていかれるのか。
 このことと、もう一つは、九二年に暴力団以外から押収したけん銃三百七十八丁中真正けん銃が三百三十四丁、真正けん銃のほとんどは密輸されたものだというふうに伺っておりますが、こういう密輸に対する警察の取り締まりを今後どういうふうに進めていくか。
 この二点についてお伺いし、大分時間が来ましたので、それを伺っていると次の質問に入れないかもしれないところへ来ましたので、もう一つあわせて、今度は長官の方に最後に伺っておきたいことも申し上げておきます。
 それは、検挙件数にしても、検挙人員、押収けん銃数にしても、いずれもいただいた資料では暴力団の割合が低下しているのですね。それで、暴力団を対象としたけん銃の摘発対策の強化をどういうふうに進めていくかということと、それから先ほど来問題になっております水際での取り締まり体制については、関係省庁と緊密に連絡をとって一層強化をしていただくべきものだと思うわけです。この点についての警察庁長官の決意を最後に伺って、質問を終わりたいと思います。
#95
○廣瀬政府委員 お答え申し上げます。
 銃器対策は暴力団対策を推進する上で大変重要な施策の一つでございまして、また暴力団から押収しました銃器のほとんどが海外から密輸されたものということで、この水際作戦をしっかりやるということも極めて重要でございます。
 お示しのとおり、暴力団からの押収の割合は減っているわけでございますが、過去四年間におきまして暴力団から押収したけん銃の押収実数は、これはふえているところでございまして、現在全国を挙げて暴力団対策をやっておりますが、その中でも最重点課題の一つということで取り組んでいるところでございます。
 外国からけん銃を日本へ持ってくる、これもまた暴力団が大いにかかわっているところでございますので、お示しの我が国の関係行政機関、こことの連携をしっかりやってまいりたいと思いますが、あわせまして、外国の捜査機関との情報交換、これにも努めてまいりたいと思います。特に、けん銃の主なる仕出し国であります米国ですとかフィリピン等、こういうところの捜査機関に対しましては、ここは恒常的にやっておるのでございますが日米暴力団対策会議あるいはアジア地域組織犯罪対策セミナー、こういうのを開きまして相互に情報を交換しているところでございます。
 今後この種の対策を一層強力に推進いたしまして、暴力団の銃器対策に努めてまいりたいと思います。
#96
○城内政府委員 我が国の治安が比較的良好だというのは、やはり薬物に対するコントロールとガンコントロールが厳しいということがあろうかと思います。そういう意味で、これは今後の治安の根幹にかかわる問題でありますので、私どもとしては一生懸命対処してまいりたいというふうに考えておるわけでございますが、とりわけ警察庁といたしましては、警察内部におきましても、この摘発の徹底を図るため、昨年三月に全国都道府県にけん銃摘発班というものをつくらせまして、総合力が発揮できるような体制、これは薬物とか暴力団とかけん銃、それぞれ関係がありますので、そういう総合力発揮の体制をつくりました。また、八月にはけん銃摘発総合対策要綱というものをつくりましたし、本年四月には警察庁に銃器対策室を設けて体制を強化したところでございます。それからまた、先ほども政府委員から説明がありましたように、関税当局などとよく連携して、連係プレーでとりわけ水際対策を推進してまいりたいと思っております。
 それから三点目に、職員を外国に派遣しての情報交換とかあるいは国際会議を開催するとかいうことで、やはり外国との協力を強力に推進していく、そういうような総合対策を進めてガンコントロールの問題に対処してまいりたいという考えでございます。
#97
○吉井(英)委員 終わります。
#98
○中馬委員長 神田厚君。
#99
○神田委員 銃刀法の改正案について御質問いたします。
 昨年銃刀法改正をいたしまして、けん銃の密輸に関係するすべての行為について、行った者を処罰できるとともに、けん銃等の密輸入の未遂罪や予備罪の国外犯も処罰できるようになったわけでありますが、これらの関係者について検挙の状況をお聞きしたいと思います。
#100
○中田(恒)政府委員 お答えいたします。
 昨年施行になりました改正銃刀法、この適用によります検挙状況でございますけれども、前回の法改正を受けまして、私どもとして、海外の捜査機関や税関当局との協力関係を特に強化いたしまして、けん銃の密輸対策を推進してきたところでございます。
 例えば、昨年の五月には、米国の空港におきまして、日本人の男女二人がデリンジャー型のけん銃一丁を銃身つきの機関部体など幾つかに分解いたしまして、手荷物の中に隠匿して成田行きの航空機に乗り込もうとしておったところを米国の税関当局に発見されまして、これを現地で差し押さえられた、これは通報を受けました千葉県警察におきまして、アメリカ当局の協力を得てこの男女二人をけん銃の密輸入の予備罪で検挙したという事例がございます。
 それからまた、本年に入りましてつい先ごろ、四月でございますけれども、警視庁の例でございますが、国際宅配小包を利用いたしまして、アメリカから横浜市内の寄宿先にあててコルト社製のけん銃の機関部体一個を送りつけておりました在日の米国人男性をけん銃部品の密輸罪で検挙したという事例などがその適用例でございます。
#101
○神田委員 前回の銃刀法の改正にもかかわらず、最近銃の拡散が広がっているわけであります。昨年、暴力団以外の者からの押収が約二六%、その前年、暴力団以外の者からの押収が七・六%ということを考えますと、銃器の民間への流出が非常に進んでいるわけであります。今回の銃刀法改正ではどの程度の効果を期待しているのか、お聞かせをいただきたい。
#102
○中田(恒)政府委員 お答えいたします。
 今回の改正法案でございますけれども、繰り返しになりますが、最近の暴力団以外の者によります凶悪なけん銃使用犯罪の続発、それからまた暴力団以外の者からのけん銃押収数の激増等の情勢にかんがみて、けん銃等の不法所持の根絶を図るための法制度の整備としては、ほぼすべてのものを盛り込んだものと考えております。今後は、これをお認めいただきますならば、改正銃刀法の一般予防効果というものもあると思いますので、この予防効果とあわせまして、またこの改正銃刀法を十分に活用した取り締まりを強化することによりまして、これは数量的に申し上げることはなかなかできませんが、けん銃事犯の根絶に相当の効果が期待できるものと私ども考えておるところでございます。
#103
○神田委員 民間への短銃流出を防ぐには啓蒙活動もあわせて必要であると思われますが、警察庁が実施をしているソフト面での短銃流出防止方法をお聞かせいただきたいと思います。
#104
○中田(恒)政府委員 お答えいたします。
 暴力団以外の者へのけん銃の拡散を防ぐというためには、国民の理解と協力の確保ということが極めて重要であると認識しておるところでございます。
 このため、私ども警察庁といたしましては、テレビ等の報道やパンフレット等の出版物の配布を通じて、けん銃の危険性や反社会性あるいは今回の法改正の内容であります重罰化あるいは提出時の刑の必要的な減免の制度について国民への周知を図りまして、ガンマニアによります興味本位の収集でありますとか、安易に海外から持ち帰るというようなことに見られます規範意識の低下に歯どめをかけてまいりたいと考えているところでございます。
#105
○神田委員 今回、短銃の提出を促すために、自首した場合には不法所持や不法譲受けの刑を減軽または免除する、こういうふうにしております。これは大変思い切った考え方であります。しかし、自首が前提で、所持罪と譲り受けた罪に限られているために、他の犯罪に絡む銃や、密輸、製造にかかわる銃を吸い寄せるというのは困難である、そういう指摘もございます。この点について警察庁の御見解をお伺いいたします。
#106
○中田(恒)政府委員 お答えいたします。
 今回取り入れたいと思っております刑の必要的減軽免除の制度、御指摘のように大変珍しいといいますか、ユニークな制度かと思います。現在、刑法にあります身の代金目的誘拐罪で人質を解放した場合に認められているものに同種のものがあるだけでございまして、大変ユニークな制度かと思うわけでありますが、これは、今回銃刀法におきましては大変大幅な重罰化をお願いしておるところであります。そういうような重罰化がなされること、それからまた現在、この改正前の現行の銃刀法のもとにおいてもということでございますが、けん銃を提出して自首した場合につきましては、現在の刑事制度のもとでは刑は任意的に、必要的じゃなくて任意的に減軽される、免除じゃございませんで、任意的に減軽でございます。そういうような、刑を任意的に減軽されるにすぎないという現在の段階におきましても、実は自首する者はある程度の数字といいますか、相当数あるわけでございます。このような現状、それと先ほどの大幅に重罰化がなされるということを考え合わせますと、必要的に減軽免除されることになるということはかなり思い切った制度の変更でございますので、けん銃等の不法所持者がけん銃等を提出して自首する相当の誘因になるのではないかというふうに私どもとしては考えておるわけでございます。
 なお、今御質問の中で密輸とか密造に係るけん銃についても刑の必要的減軽免除の対象にすべきではないかというような御指摘があったかと思うわけでございますが、この密輸、密造についての罪でございますけれども、こういった罪は、その罪の性格が、いわば我が国内、日本国内にけん銃等を生じさせる、無から有を生じさせるというような意味で大変重罪であるというふうに考えておるわけでございまして、単なる不法所持に通常伴います不法な譲受けとは密造、密輸は質が違うという判断に立ちまして、必要的に減軽免除することは適当ではないということで、今回の必要的減免制度の対象罪種とはしなかったというものでございます。
#107
○神田委員 先ほどもお話がありましたが、この密輸に関しては水際作戦が必要だということでありますが、現在、どうも縦割り行政の関係でございまして、そういう意味では、関係各省、大蔵省税関、それから海上保安庁等々と警察庁との連携を緊密にしなければならないというように考えておりますが、この省庁間の出先機関の連絡体制は確立をされているのかどうか、この辺につきまして警察庁、海上保安庁、大蔵省等の御見解をお伺いして、質問を終わります。
#108
○中田(恒)政府委員 まず、警察庁の方から御答弁を申し上げます。
 御指摘のように、密輸によります国外からのけん銃の供給の遮断ということにつきましては、水際対策が極めて重要であることは言うをまたないところでございます。このために、昨年八月には、警察庁、法務省、大蔵省及び海上保安庁等から成りますけん銃取り締まり対策部会が国のレベルでは設置されておりますし、各都道府県レベルにおきましても、今御指摘の警察、検察、税関、海上保安庁で構成する地方機関の連絡協議会が設置されておりまして、随時その会議を開くことなどによりまして、けん銃情報の交換でありますとか密輸事件等の通報体制の確立を図るなどの連携を強めておるところでございます。また、そのほか、情報交換等だけじゃございませんで、関係機関相寄りまして合同で容疑船舶の視察などの監視活動も現にやっておるところでございます。
 それらのことが、例えば、本年二月に、米国に住んでおります日本人の柔道家が手荷物の中にけん銃三十丁近くを隠匿して我が国内に持ち込もうとして成田空港で税関に発見されまして、通報を受けて千葉県警においてこれを検挙したというような例もございますけれども、このような例に見られますように、税関当局との協力等によって十分の効果を上げておるというふうに私ども考えておりますし、この例に挙げました事件だけじゃなくて、多くの好事例があるところでございます。
#109
○津野田説明員 海上保安庁でございます。
 当庁におきましては、昨年七月のけん銃取締り対策に関する関係省庁連絡会議での申し合わせを受けまして、八月にすべての管区海上保安本部にけん銃取締り対策本部を設置いたしました。また、昨年の九月、十月それから本年の二月の三カ月間にわたりまして、関係機関と歩調を合わせまして全国一斉集中取り締まりを実施いたしております。このようなことで密輸入に対する水際での取り締まりを強化してきたところでございます。
 さらに、連絡会議での申し合わせに基づきまして、当庁のほか、警察、地方検察庁、それから税関によりまして地方機関連絡協議会を設置いたしまして、情報交換等の連絡を密にいたしますとともに、具体的な事案につきましても協力して取り締まりを行うなど連携を一層強化してきたところでございます。
 当庁といたしましては、今後とも国内外の関係機関との連携を密にいたしまして、監視、警戒を強化し、水際における密輸入事犯の検挙に努めてまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
#110
○角崎説明員 お答え申し上げます。
 大蔵省税関といたしましては、ただいま関係省庁から御説明のございました連絡体制に参加をしておるわけでございますが、それに加えまして、銃砲等の社会悪物品の密輸出入取り締まりの対策を協議するために、中央省庁レベルにおきましては密輸出入取締対策会議を毎年開催しておりますほか、地方レベルにおきましても、取り締まり機関及び関係機関によります密輸出入取締対策地区協議会を開催いたしまして、関係取り締まり機関間の連携の強化を図っているところでございます。
 また、昨年九月、十月及びことしの二月におきましては、けん銃特別取締り期間を指定いたしまして、取り締まり関係省庁と連携をして鉄砲の取り締まり強化に当たったところでございますが、その間あるいはその期間外も一部含めまして、各税関におきましては、警察、海上保安庁等関係取り締まり機関と船内検査等の共同取り締まりを実施するとともに、国民の理解と協力を得るために、例えば不開港、地方港へ関係省庁とともにキャラバン隊を派遣する等の施策を実施したところでございます。
 今後とも鉄砲の水際阻止のために、関係取り締まり機関との連携強化に一層努めてまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
#111
○神田委員 終わります。
#112
○中馬委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
#113
○中馬委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 鉄砲刀剣類所持等取締法及び武器等製造法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#114
○中馬委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#115
○中馬委員長 御異議ないものと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
   〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#116
○中馬委員長 本日は、これにて散会いたします。
    午後三時五十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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