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1993/02/16 第126回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第126回国会 本会議 第5号
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1993/02/16 第126回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第126回国会 本会議 第5号

#1
第126回国会 本会議 第5号
平成五年二月十六日(火曜日)
    ―――――――――――――
  平成五年二月十六日
    正午 本会議
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 国の補助金等の整理及び合理化等に関する法律
  案(内閣提出)及び平成五年度における一般会
  計承継債務等の償還の特例等に関する法律案
  (内閣提出)の趣旨説明及び質疑
    午後零時二分開議
#2
○議長(櫻内義雄君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 国の補助金等の整理及び合理化等に関する法
  律案(内閣提出)及び平成五年度における一
  般会計承糧債務等の償還の特例等に関する
  法律案(内閣提出)の趣旨説明
#3
○議長(櫻内義雄君) この際、内閣提出、国の補助金等の整理及び合理化等に関する法律案及び平成五年度における一般会計承継債務等の償還の特例等に関する法律案について、趣旨の説明を求めます。大蔵大臣林義郎君。
    〔国務大臣林義郎君登壇〕
#4
○国務大臣(林義郎君) ただいま議題となりました国の補助金等の整理及び合理化等に関する法律案及び平成五年度における一般会計承継債務等の償還の特例等に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、国の補助金等の整理及び合理化等に関する法律案につきまして御説明申し上げます。
 本法律案は、累次の臨時行政調査会及び臨時行政改革推進審議会の答申等の趣旨を踏まえ、財政資金の効率的使用並びに国及び地方の財政関係の安定化を図るため、これまで累次のいわゆる補助金一括法において暫定措置が講じられていた国の補助金等について、国と地方の機能分担、費用負担のあり方等を勘案しつつ、一体的、総合的な検討を行い、補助率等の恒久化等の所要の法的措置を講ずるものであります。
 以下、その大要を申し上げます。
 第一に、公共事業等に係る補助率等については、平成三年度の国の補助金等の臨時特例等に関する法律に基づき、平成五年度までの暫定措置が講じられておりましたが、これを、体系化、簡素化等の観点から、直轄事業にあっては三分の二、補助事業にあっては二分の一を基本として恒久化し、平成五年度から適用して、暫定措置を解消することとしております。また、これとあわせて、直轄事業負担金のうち、維持管理費に係る地方の負担割合を引き下げる等の措置を講ずることとしております。
 第二に、義務教育費国庫負担金に係る経費のうち共済費追加費用等については、平成四年度において、同年度から六年度までの三年間で段階的に一般財源化することとされておりましたが、これを平成五年度において全額一般財源化することとしております。
 第三に、地震再保険及び自賠責再保険に係る事務費について、一般会計からの繰り入れの停止措置を引き続き当分の間延長することとしております。
 次に、平成五年度における一般会計承継債務等の償還の特例等に関する法律案につきまして御説明を申し上げます。
 平成五年度予算の編成に当たっては、税収が前年度当初税収を下回るという異例に厳しい税収動向、財政事情のもとで、景気や生活大国づくりへの配慮など社会経済情勢の推移に即応した財源の重点的・効率的配分を行う一方、特例公債を再び発行するような事態は厳にこれを回避するため、既存の制度、施策や歳出の徹底した見直しを行ったところであります。
 本法律案は、こうした努力に加え、一般会計において承継した債務等の償還の延期及び政府管掌健康保険事業に係る一般会計からの繰り入れの特例について所要の法的措置を講ずるものであります。
 以下、その大要を申し上げます。
 第一に、交付税及び譲与税配付金特別会計における借入金のうち一般会計に帰属したもの並びに日本国有鉄道及び日本国有鉄道清算事業団の債務のうち一般会計において承継したもののうち、平成五年度において償還すべき金額については、それぞれその資金運用部に対する償還を延期することができることとし、当該延期に係る金額については、五年以内の据置期間を含め、十年以内に償還しなければならないこととしております。
 第二に、平成五年度における一般会計から厚生保険特別会計健康勘定への繰り入れについては、健康保険法に定める額から千三百億円を控除して繰り入れるものとするとともに、後日、政府管掌健康保険事業の適正な運営が確保されるために、各年度の当該勘定の収支の状況等を勘案して、繰り入れ調整分及びその運用収入相当額の合算額に達するまでの金額を一般会計から繰り入れるものとしております。
 以上、国の補助金等の整理及び合理化等に関する法律案及び平成五年度における一般会計承継債務等の償還の特例等に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)
     ――――◇―――――
 国の補助金等の整理及び合理化等に関する法
  律案(内閣提出)及び平成五年度における一
  般会計承継債親等の償還の特例等に関する
  法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#5
○議長(櫻内義雄君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。常松裕志君。
    〔常松裕志君登壇〕
#6
○常松裕志君 私は、日本社会党・護憲民主連合を代表して、ただいま議題となりました国の補助金等の整理及び合理化等に関する法律案につきまして、宮澤内閣総理大臣並びに関係閣僚の皆さんに質問をいたします。
 まず、私が、宮澤総理初め政府閣僚の皆さんに強調して申し上げたいのは、この間の自民党政府の財政運営の誤りについてであります。
 一九八一年三月、朝飯には目刺しを食べたといって有名な土光敏夫氏が会長となって第二臨時行政調査会が発足をいたしました。当時、臨調・行革天の声と言われたように、財政再建のためには行政改革しかないとして、とにかく徹底した歳出の見直しが行われ、自治体や国民への負担転嫁が強行されたのは周知のところであります。その過程で、公務員へのペースアップが一年間凍結をされたり、日本国有鉄道の分割・民営化、及び電電公社、たばこの民営化が強行され、多くの労働者にも犠牲のしわ寄せが行われました。旧国鉄改革に際して、政府は、一人も路頭に迷わせないの公約を踏みにじり、無法にも千四十七名の解雇を強行したほどでありました。
 そうまでして取り組んだ行政改革の結果、今どういう財政状況にあるのでしょうか。国債の発行残高は、九三年度末では約百八十二兆円にも上る見込みであります。土光敏夫氏の第二臨調が発足をした一九八一年三月末では八十二兆円。行革、行革のかけ声とは裏腹に、何と百兆円もこの十年間に借金をふやしてしまったのが自民党政府であります。あれだけ労働者や国民に犠牲を強いながら、行政改革とは一体何だったのか、私は、あいた口がふさがらないのであります。
 合衆国のクリントン大統領は、レーガン、ブッシュの共和党政権から引き継いだ四兆ドル、約四百八十兆円もの累積債務の削減を第一の課題に挙げています。ところで、これを国民一人当たりに計算をいたしますと、アメリカでは約百九十万円、日本では約百五十万円もの大金をそれぞれの国民が政府に貸し付けているということになるのであります。財政危機について言えば、その実態は我が国と合衆国にほとんど違いはありません。こうした事態を、クリントン大統領とは違って放置している自民党政府の責任は重大であります。この点につきまして、国の財政の責任者として、総理並びに大蔵大臣のお考えを伺いたいと存じます。
 しかも、国債の発行には、必ず利払いが伴います。九三年度予算においては、十五兆円が借金の利息の支払いに充てられています。これは、歳出の二〇%に当たり、他の経費を大きく圧迫することになっているのは周知のとおりであります。国民の皆さん、皆さんは、本年の予算によれば、一人当たり一年間に十三万円近い利息の支払いを政府から受けているはずなのであります。沖縄から北は北海道に至る、そして赤ちゃんからお年寄りまで含めた日本国民一億二千万全員に一人当たり一万円札を十三枚、十三万円を配当することができる国債費十五兆円を実際に受け取っているのは、しかし国民ではありません。銀行や生命保険会社、損保、そして大企業であります。今年度の租税収入は約六十兆円。何とその四分の一は国債の利払いに充てられているのであります。
 自民党政府は、国民の血税を国民のために使うのではなく、国債を保有する大企業や財界に垂れ流すこと、これを財政運営の目的にしてきたのではないかとさえ疑えるほどでありますが、こんな財政運営を一体いつまで続けるつもりなのか、大蔵大臣にお尋ねをいたします。
 このような財政運営を行ってきた自民党政府の九三年度予算案の特徴の一つは、その財政運営の失敗を地方自治体に転嫁しようとしていることであります。四千億円の交付税の特例減額、一千五百億円を超える補助金、負担金の一般財源化、補助率の恒久化などであります。この補助金の整理合理化法案もその一環として提出をされたものと言わなければなりません。
 本法案の第一の柱は、公共事業等にかかわる国庫補助負担率の恒久化であります。そもそも、国庫補助負担率の引き下げ、補助金カットは、一九八二年度から三年間の地域特例の六分の一カットが行われたことに始まりました。さらに、八五年度から二分の一を超える高率補助の一律一割削減が実施をされ、地方に五千八百億円もの財源不足額を押しつけたのであります。この地方への負担転嫁は一年限りと約束されていたにもかかわらず、続く八六年度も一兆一千七百億円もの負担転嫁が強行され、しかも三年間も補助金カットが続きました。さらに八九年度には、投資的経費についてもなお二年間延長され、その暫定措置が切れる九一年度にまたもや三年間延長してきたというのがこれまでの経過であります。この一連の経過が物語るものは、国がみずからの責任の放棄を続けるとともに、地方との約束をことごとく破ってきたことを明確に示していると言わざるを得ないのであります。(拍手)
 本来なら来年度に見直しが行われるはずでありましたその公共事業関係の補助負担率が、今年度なぜ恒久化なのでしょうか。しかも、九三年度予算編成を急いだため、公共事業のあり方の見直しについては十分な論議も行われないままの恒久化であります。関係省庁連絡会議での検討は十分に行われたのですか。大蔵大臣の御答弁をお願いをいたします。
 また、関係省庁連絡会議には、実際に事業を行う地方自治体の代表は入っておりません。自治体の声は反映されていないのであります。直轄事業三分の二、補助事業二分の一を原則とするとされておりますが、この水準は妥当なのでしょうか。地方自治体が一貫して要求する八四年水準への復元をなぜ行わなかったのですか。直轄事業負担金についても、原則だというのなら直轄事業負担金は廃止をするというのがむしろ筋なのではないで
しょうか。これらの点について総理並びに大蔵大臣のお考えをお伺いをいたします。
 さて、補助金見直しの結果生ずる地方の負担には国が適切な措置をとると言っています。その地方の負担は、普通会計と公営企業会計を合わせて六千九百億円とされているのであります。また、それを公共事業等臨時特例債で全額補てんするというのであります。また、元利償還金の一〇〇%を交付税算入することとしていますが、地方の固有財源である交付税の先食いにすぎないのであります。何のことはない、国の補助率カットをした分を地方債にツケ回ししただけではありませんか。(拍手)しかも、東京都のようないわゆる不交付団体は、交付税算入されても交付税は交付されないわけでありますから、丸々持ち出しとなります。
 こうして、地方財政にも借金財政を押しつける、これが自民党政府なのであります。ちなみに、地方自治体の地方債、借入金の残高合計は、九三年度末には八十一兆円が見込まれています。これは第二臨調発足時のちょうど二倍に当たることは、自治大臣は御存じのはずであります。これらの地方財政上の問題点について、自治大臣の答弁をお願いいたします。
 次に、本法案の第二の柱である義務教育と養護教育にかかわる国庫負担に関してお尋ねいたします。
 大蔵省は、教育における国庫負担金は、かつて地方財政が弱体であったから一部を国庫負担とした、今は国が財源不足なんだから一般財源化を求めると説明するのであります。しかし、教育の国庫負担とは、単なる財源問題だったのでありましょうか。
 教育は、本来、すぐれて市町村の事業であります。そして、教育は人なりと言われますように、多額の人件費を必要とする事業であります。このために、明治以来しばしば教育の人件費の負担の重さから生ずる市町村の教育格差が、言いかえれば市町村ごとに国民が享受する教育の質の不均等が問題となったのであります。その解決のために導入されたのが、人件費の都道府県負担の原則と半額国庫負担の原則だったのであります。
 したがって、教育における国庫負担制度は、単なる補助金制度では断じてありません。国民から与えられた国の責務を伴う国本来の支出なのであります。このことは、昨年の予算編成過程において、文部大臣、自治大臣、大蔵大臣の三者合意でも確認されたことではありませんか。にもかかわらず、国庫負担金を一部とはいえ一般財源化するということは、国の責務を放棄して地方自治体にその責任を転嫁しようとするものにほかなりません。まさに国の存在意義が問われているものではないでしょうか。教育に対する国の責務について、総理の明快な答弁を求めるものであります。(拍手)
 第三の柱は、自動車損害賠償責任再保険特別会計に対する一般会計からの事務費の繰り入れ停止を継続することであります。
 政府は、本来、国の一般財源からの繰り入れで賄うべき自賠責再保険の事務費、これは九三年度予算ペースでは十億二千六百三十八万円になるわけでありますが、これを運用益で貯えということであります。しかし、これは全く筋違いと言わなければなりません。自賠責特別会計の原資は自動車ユーザーの保険料であり、国がこれに関与する根拠は、無保険事故やひき逃げによる被害者の保護等を図ることを目的としているのであります。したがって、自賠責特別会計の運用益で国の経費の節減を図るなど、もってのほかであります。保険料率の引き下げなど自動車ユーザーへの還元に充てるべきと考えますが、運輸大臣のお考えはいかがでありましょうか。
 最後に、今回もまた補助金カット法案が一括法案として提出されたことについてであります。
 本法律案は、とりわけ地方自治体に深くかかわる法案であるにもかかわらず、国の歳出削減のための法案ということで一括法案とされ、地方行政委員会での審議が保障されていないのは言語道断であります。我が国の立法府は、専門の委員による充実した討議を可能にするため、委員会制度をとっておりますしかるに、各委員会にまたがる法案を一括して提出するやり方は、まさに国会の委員会主義の軽視、法案審議権の剥奪以外の何物でもありません。今後このようなことが行われないよう、ここで改めて行政府に反省を求めます。
 行政府の長としての総理の明快な御答弁をお願いをいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣宮澤喜一君登壇〕
#7
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 公債残高が累増しておりますことについてお尋ねがございました。
 我が国は、御記憶のようにかなり長いこと特例公債を発行いたしておりましたが、平成二年度におきまして特例公債からは脱却することができたわけでございますが、その後、厳しい経済状況になりまして、殊に近年の税収状況の中で、平成四年度、五年度予算におきまして、建設公債の発行額を増額をいたしておるわけでございます。したがいまして、御指摘のように公債残高はなかなか減少をしない、そういう構造的な厳しさを持っております。
 これからの財政運営につきましては、やはり我が国の経済の持っております潜在力というものを、いっぱいいっぱいにそれが顕在化いたしますようにしていくことが必要でございます。何とかして建設公債につきましても、そういうことで可能な限り抑制をしてまいらなければならないと考えております。
 現状はそのようなことでございますが、過去におきまして、御指摘のように公務員のペースアップの一年凍結をいたしたこともございます。また、国鉄改革のようなこともいたしました。これは、働く人にしわ寄せをしたではないかという御批評でございますけれども、そのようなことをいたしまして財政の努力をいたしましたけれども、なお現在のような状況である、今後とも財政改革を引き続き強力に推進いたさなければならないと思います。
 次に、今回の公共事業等の補助率等の恒久化についてでございますが、行革審等の答申も踏まえまして、国の責任が重い直轄事業につきましては三分の二、それを基本といたします。それから、事業の性格上、国と地方が等しく分担を分かち合うことが適当と考えられます補助事業につきましては二分の一を基本とする、こういうことで恒久化をいたそうと考えておるわけでございます。地方自治体の要望も踏まえまして、国庫補助負担制度に係る改善合理化措置をあわせまして講ずるこ
とによりまして、国及び地方の機能分担、費用分担の公平化を実現をしようとするものでございます。
 なお、これに伴いまして地方公共団体に生ずべき負担につきましては、適切な地方財政措置を講ずることにいたしております。
 それから、直轄事業は国の直轄事業であるので、この負担金は廃止すべきではないかという御説でございますけれども、確かに直轄事業は国の事業でございますから、全国的な効用を持っておりますけれども、当該地元における受益というものも現実には相当人きゅうございますので、その費用の一部について相応の負担を地方公共団体に求めることは理由のあることではないか、このように考えておるわけでございます。
 それから、共済費の追加費用等につきまして、このたび再度見直しを行いました。国と地方の費用負担の安定化を早急に図りますために、平成五年度から全額一般財源化をすることにいたしたわけでございます。
 義務教育費国庫負担制度は、憲法で定める義務教育無償の原則によりまして機会均等と水準の維持向上を図るために、国が必要な経費の一部を負担するということを定めておりまして、その趣旨に従いまして、義務教育の妥当な規模と内容を保障する制度の根幹は、今回の措置においても維持されているものと考えております。
 それから、一括法案として提出をいたしましたことについての御質問でございましたが、このたびの補助金法案で、国の補助金、負担金等について行われる財政上の措置につきまして、趣旨、目的が一体であることから、従来も一括法の形で提案をさせていただきましたが、今回も、これに織り込まれております各措置は、これまでと同様、共通の性格を持っております。趣旨、目的が一つで一体をなしておりますことから、一括法として提案をいたしたものでございまして、何とぞ御理解の上、御審議をお願いを申し上げたいと思います。
 残りのお尋ねにつきましては、関係大臣からお答えを申し上げます。(拍手)
    〔国務大臣林義郎君登壇〕
#8
○国務大臣(林義郎君) 常松議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、私に対する御質問、最初は、政府の財政運営に大きな欠陥があったのではないか、こういうお話でございます。総理からも御答弁がありましたので、総理の答弁を補足いたしながら私から御説明を申し上げたいと思います。
 総理からも話がありましたように、四十一年度以来、公債発行に踏み切った我が国財政でございますが、五十年以降には特例公債の発行を余儀なくされた。公債依存度が三割を超えたときもあったようなことでございますが、その後、歳出の節減合理化を中心として懸命な努力を重ねてきたところでありますし、平成二年度においてようやく特例公債の発行を回避いたすことができました。この間、約十五年の歳日をかけたということでございます。
 平成四年、五年の予算におきましては、大変税収状況が厳しい中でございますが、景気の動向などにかんがみ、公共事業等を着実に推進するための措置として、建設公債の発行額を増額したところでございます。
 我が国財政は、御指摘のように百八十二兆円にも達するような公債残高を抱えております。依然として構造的な厳しさは続いておるところでございまして、今後の財政運営につきましては、社会経済の変化に財政が弾力的に対応していくために、再び特例公債を発行しないことを基本として、今後の経済情勢や財政事情等に応じて、建設公債についても可能な限り抑制しながら、公債残高が増大しないような財政体質をつくり上げていかなければならない、こう考えておるところでございます。
 また、お話がございました中で、大企業優先ではないか、国民というようなお話がございましたが、我々はそういうふうなことは考えていないわけでございますし、特に国債は、国民から広く預貯金を通じて集めておる金融機関や証券会社等を通じまして、国民各層に国債を販売しておるところでありまして、税金の大企業への垂れ流しなどという御批判は当たらないものだと思っておるところでございます。
 次に、第二番目の問題点といたしまして、九四年度に見直しが行われるはずだった公共事業関係の補助負担率をなぜ今恒久化するのかという問題、それから、これに関連いたしまして、関係省庁連絡会議で十分な検討が行われたかという御指摘がございました。
 これにつきましては、平成五年度まで暫定措置が講じられている公共事業等に係る補助率等につきましては、平成三年度の見直しの際の関係省庁問の合意及び国会の附帯決議等がございましたので、平成三年七月に関係省庁問の連絡会を設置し、国と地方の機能分担、費用負担のあり方などを勘案しつつ、一体的、総合的な検討を行ってきたところでございます。
 その結果、平成四年十二月十九日には連絡会の申し合わせが行われたところでありまして、平成五年度においては、新しい道路整備五カ年計画が開始される一つの節目でもあるということでございまして、できるだけ早期に暫定措置の解消を図ることが国及び地方の財政関係の安定化に資することにもなるだろう、こう考えまして、平成五年度からの恒久化を図ることにしたものであります。今回の見直しは、体系化、簡素化等の観点から行うものでありまして、全体としての補助率等の現行水準の引き下げを目的とするものではございません。
 次に、公共事業関係の補助負担率に関する関係省庁連絡会議には実際に事業を行う地方の代表は入っていないのじゃないかというお話がございましたが、今回の恒久化に対してどの程度地方の声が反映されたのかということが問題。国庫負担率が直轄事業の三分の二、補助事業二分の一という水準は一体妥当なものと言えるのか。三番目、地方自治体が一貫して要求する国庫負担率の八四年水準への復元をなぜ行わなかったのか。地方自治体の直轄事業負担金についても、原則を言うのであれば、廃止するのが筋ではないかという御質問がその次の問題としてございました。
 これにつきましては、公共事業等の補助率等に関する関係省庁連絡会、先ほど申しました連絡会がございますが、その場におきまして、地方自治体の意見についても一自治省などを通し十分に承知しており、今回の補助率等の恒久化に当たりましては、地方制度調査会の意見書など、地方自治
体の意見も十分に勘案しながら、改めて一体的、総合的に検討したところでございます。
 その結果、公共事業等の補助率等については、平成元年十二月の行革審答申等を踏まえ、体系化、簡素化の観点から、国が直接事業を実施する直轄事業にあっては、国の責任度合い、事業の重要性等を勘案して、三分の二を基本として所要の補助率等とするとともに、補助事業にあっては、国の事業の性格上、国と地方が等しく負担を分かち合うことが適切である、こういった考え方から、二分の一を基本として所要の補助率等としたところであります。
 また、あわせて、地方自治体の要望を踏まえまして、直轄事業負担金の見直し、採択基準の引き上げ、補助対象の重点化など、国庫補助負担制度に係る改善合理化措置を講ずることとしたところでありまして、今回の見直しは、国及び地方公共団体の機能分担、費用負担のあり方等から見て妥当なものと考えております。したがって、恒久化後の補助率等と過去の一定時点における昭和五十九年度の補助率等を単純に比較して論ずることは、今回の補助率等の恒久化の趣旨、目的から見て適切ではない、こう考えております。
 なお、今回の補助率等の恒久化に伴う地方公共団体の負担については、事業の円滑な実施、執行に支障を生ずることのないよう、所要の、適切な地方財政措置を講ずることにいたしております。
 また、直轄事業負担金の問題につきましては、直轄事業は全国的な効用を有するものであるが、特に地方にとっての受益が大きいことから、その費用の一部について相応の負担を地方公共団体に求めることにして、これを廃止することは適切ではないものではないかと思っておるところであります。
 具体的な負担率につきましては、国と地方の役割分担、財政状況、地方の受益の程度などを考慮して決定すべきものでありますが、今回の見直しに当たっては、先ほど申し上げたように、直轄事業については三分の二を基本として恒久化をすることとしたものでございます。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣村田敬次郎君登壇〕
#9
○国務大臣(村田敬次郎君) 常松議員の御質問のうち、地方財政に関する部分について私よりお答え申し上げます。
 全般にわたって総理また大蔵大臣からお話がございました。
 まず、今回の補助負担率の総合的な見直しによる恒久化は、公共事業に係る国と地方の役割分担のあり方等を踏まえて、地方の自主性を高める点に留意しながら、行革審答申等で指摘されております体系化、簡素化等の観点をも踏まえて行ったものであります。このような見直しに伴う影響額については、地方財政の円滑な運営に支障の生ずることのないよう、今後とも毎年度の地方財政計画の策定を通じて適切な措置を講じてまいる所存であります。
 次に、議員が東京都の例を挙げて仰せられました交付税の不交付団体につきましても、公共事業等臨時特例債の元利償還に要する経費の全額を基準財政需要額に算入することとしているところであり、基本的には財源の上で問題はないものと考えております。
 なお、不交付団体について生ずる各年度の個々の財政運営の問題につきましては、個別に十分地方公共団体と協議をしてまいる所存でございます。
 また、御指摘のとおり、地方財政は八十一兆円を超える借入金残高を抱えるなど、厳しい状況のもとに置かれておりますが、従来より、財政の健全性の確保につきましては十分留意しているところであり、今後ともこの点については意を用いて、保努力してまいる所存でございます。
 以上、お答え申し上げます。(拍手)
    〔国務大臣越智伊平君登壇〕
#10
○国務大臣(越智伊平君) 自賠責保険の運用益は、自賠責制度の目的に資するよう活用すべきであると考えております。このような観点から、運用益のほとんどは保険料負担の軽減という形でユーザーに還元しているところでありますが、運用益の一部について、これを自賠責保険制度運営のための経費に当たる事務費に充当することは、使途の性格から見て許されるものであると考えております。
 このため、必要な法律上の措置を講じた上で、これまで約十年間にわたり運用益を事務費に充てさせていただいてきたところでありますが、今回の措置は、これを今後当分の間、さらに継続しようとするものであり、そのための法律改正をお願いいたしておるところであります。
 よろしく御理解を賜りますよう、お願いをいたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#11
○議長(櫻内義雄君) 沖田正人君。
    〔沖田正人君登壇〕
#12
○沖田正人君 私は、日本社会党・護憲民主連合を代表して、ただいま議題となりました平成五年度における一般会計承継債務等の償還の特例等に関する法律案について、総理並びに国務大臣に対して質問を行いたいと思います。
 政府は、平成五年度予算編成に当たっては、厳しい財政状況のもとで、財源の重点的・効率的配分を行う一方、赤字国債を回避するために歳出構造の徹底した見直しを行ったと強調されているのであります。しかし、景気浮揚や生活大国の実現には、これらの努力を尽くしてもなおお金が足りないから、政府管掌健康保険への国庫補助千三百億円の先送りを含め、総額八千三百億円にも上る債務、歳出の繰り延べなどにより財政不足額をひねり出そうとしたのが本法案の趣旨であると理解するところでございます。繰り延べ期間の金利が後年度負担として積み重なることにもあえて目をつぶる、つまり財政の健全性を犠牲にする本法案がそれでも不可欠というならば、重点的・効率的な財源配分の完遂と歳出構造の徹底した見直しによる節減が平成五年度予算においていかに担保されているのか、政府の責任で明らかにされる必要があると考えます。宮澤総理の御見解と説明を求めたいと存じます。
 私といたしましても、平成五年度の税収については、十年ぶりの前年度当初予算比マイナスを見込んでいる政府予算案と同様の厳しい認識を持つものでありますが、そうであるからこそ、この法案を考えるに当たっては、まず、歳出構造の見直しによる不要不急部分の縮減が果たして進んでいるかどうか、改めて問わなければなりません。今はやりの言葉を使うなら、歳出構造のリストラに全力で取り組んだにもかかわらず、必要悪として
生じたものなのか、政府の姿勢をたださざるを得ないのでございます。
 結論から申し上げるならば、防衛予算一つとってみても、ノーと言わざるを得ないのでございます。政府は、前年度比二%の低い伸びに抑えたと胸をお張りになられるおつもりかもしれませんが、東西冷戦の終えんを意味あるものとして、平和の配当を生活大国づくりに生かすためにも、防衛費削減元年の予算編成にちゅうちょすることなく踏み込まなければならなかったのではないでしょうか。また、それが生活大国を最大の政治課題に掲げる宮澤内閣に対する時代の要請でもあったと考えますが、総理の選択肢には一切なかったのかどうか、所信をお伺いしたいと思います。
 さらに、容認しがたいのが、ポスト冷戦の潮流を確固たるものにするという決意や意欲もなく、冷戦時代の産物であるAWACSやイージス艦の予算化も既定の方針のごとく盛り込んだことでございます。市民の社会的感覚からすれば、購入費用に充てられようとしている約二千三百億円は時代錯誤の最たるものであると思いますし、むだ遣い以外の何物でもございません。財政の健全性を維持し、時代の変化に対応した予算とするためにも、承継債務等の繰り延べの前に、AWACSなどの購入費削減が先行されるべきであったと考えますが、宮澤総理の率直な御所見をあわせてお示しいただきたいと存じます。
 来年度予算は、生活大国づくり初年度の政策的肉づけの役割を担っており、国民生活の質的向上に役立つ分野への効率的配分が期待されております。政府は、二千五百億円の生活関連重点化枠もほぼ活用して所期の目的は達成した予算案であると力説されますが、果たしてそのとおりなのかどうか、疑問は残ります。一般会計公共事業費の硬直性は、道路整備や住宅、下水道などの分野別シェアに置き直してみれば一目瞭然であります。平成四年度比で見るならば、例えば道路整備は二八%後半の圧倒的シェアを依然として維持する一方、住宅はわずか〇・一%増の一一・八%、下水道においても〇・二%増の一一・七%と、若干のでこぼこはあるものの、その割合はここ数年来変わっておりません。
 省庁別の配分率も、過去三年間とほとんど同水準でございます。これが大蔵省流であり、生活大国にふさわしい、めり張りのきいた予算編成なのでありましょうか。これでは、まるで各省庁横並びの公共投資の伸びを確保するために今回の特例措置が供されたとしても、あながち的外れではないでしょう。出るを制すことができない段階での債務繰り延べなどによる財源捻出は、行政改革の阻害要因となるだけであり、予算の重点的、効率的な配分に寄与するどころか、反作用に働くと指摘せざるを得ないのでございます。林大蔵大臣の御見解をお聞かせいただきたいと存じます。(拍手)
 ここまでは、本法案の問題点を傍証的に見てきたところでありますが、本質的な欠陥についても言及しておかなければなりません。
 政府は、一般会計と資金運用部という国庫内部のやりとりでございますから、金額面での歯どめもかかっているからと、赤字国債とは異なるとその違いを強調しているのでございます。しかし、非投資的経費の支出ないし返済を後年度に繰り延べるという点では、赤字国債発行と何ら変わらない性格を保有していることになるのでございます。したがって、このような措置を、マスコミを初め、一般的には、隠れ国債、裏国債と呼んでいるのでございます。
 以上の性格規定とネーミングに関する宮澤総理の御所見を詳しくお聞かせいただきたいと思います。
 また、政府部門内部の貸借ややりくりとして処理できることから、経常部門の実質赤字の所在は、赤字国債とは異なり、隠ぺいされがちであるのであります。論より証拠、百八十二兆円の国債残高については、あれほど声高に叫ぶ大蔵省が、総額三十七兆円に達するとも言われる隠れ国債に関しては、別人のごとくに寡黙であるのでございます。承継債務の繰り延べに代表される隠れ国債は、財政の実態を糊塗するだけでなく、経済行動の調整に必要な正確な判断をも妨げかねないと考えるのでありますが、総理のお考えをあわせてお伺いしたいところでございます。
 次に、政府管掌健康保険の国庫補助の繰り入れ措置に関しまして、四点に絞って質問をいたします。
 その第一点は、一般会計から政府管掌健康保険への国庫補助一千三百億円の繰り延べは、九三年度の政府管掌健康保険の剰余金の範囲内で行われると説明されておりますが、その見通しは甚だ楽観的に過ぎるのではないでしょうか。保険料収入の伸びを五%台と高く見積もり、一方においては、医療費の伸びを三%台と低く見積もって剰余金が出ると予測しておられるようでございますが、現下の経済界の不況のもとで大幅な賃上げがどこまで期待できるのでありましょうか。あまつさえ中小企業労働者を対象にしている政府管掌健康保険の保険料収入が、政府の見込みどおりにこれほどに伸びるのでありましょうか。一方、インフルエンザ等の感染症の広がりや二けた台の医療費の伸びを想定し、心配している市区町村が多い国民健康保険と比較して、政府管掌健康保険の医療費の見積もりは低過ぎるのではないでしょうか。政府のこのような楽観的な見通しが狂って、収支見込みにそごが生じた場合の責任をどのようにおとりになるおつもりか、厚生大臣の決意を明らかにしていただきたいと考えます。
 第二点は、政策手法に対する指摘と疑問についてであります。
 政府は、一年前の健康保険法改正において、国庫補助率を切り下げると同時に、健康保険の累積黒字を安定資金として積み立てることによって、財政運営のあり方を単年度から中期の見通しに立った財政運営に変更させる措置をとったばかりではありませんか。せっかくの剰余金を繰り延べすれば、中期財政運営のメリットは失われることになるのでございます。今回の措置は、再び単年度財政運営の発想に逆戻りしたものと言わざるを得ないのでございます。何のための中期財政運営主義への転換だったのかを問題にしなければならないのでございます。政策の一貫性を全く欠いた御都合主義の財政手法と言われても仕方がないのではないでしょうか。中期財政運営に支障が生じない、生じさせないとお約束をいただきたいと存じますが、厚生大臣の確たる所信をお聞かせいただきたいと存じます。(拍手)
 第三点は、繰り延べされた国庫補助は、いつ、どのようにして返却されるのかを明確に御答弁い
ただきたいと存じます。繰り延べされたのは今回が初めてではありません。一九八五年度から八九年度までの五カ年間にも毎年繰り延べされ、今回分を合計すると、約六千億円という膨大な金額が累積されることになるわけであります。政府は繰り延べの理由として、かつては、特例公債を発行するほど国の財政が苦しいからと言い、そして今回は、特例公債の発行を避けるためと言い、首尾一貫しない説明に終始しているのであります。特例公債の発行を避けるためというのであれば、近い将来、特例公債を発行する事態が生じたときには、千三百億円の繰り延べは当然返却されるものと理解いたしますが、いかがでありましょうか。また、一兆三千億円余の厚生年金の繰り延べ分を含めて、返済のための年次計画を作成して、今会期中に国会に提出すべきだと考えますが、大蔵大臣、その御用意はお持ちでございましょうか、お尋ねをいたします。
 かつては三Kと言われた政府管掌健康保険が今日のような黒字に転換をいたしました背景には、給付の切り下げや多様な自己負担の増大、あるいは保険料の相次ぐ引き上げなど、より多くの国民の皆さんの犠牲の上に成り立ったものであることは周知の事実であります。したがって、剰余金が生じたならば、給付の改善や保険料の引き下げにこそ、その発生した剰余金を用いるのが本筋ではないでしょうか。同時に、今後急速に高齢化社会が進行していく中で、医療保険の給付と負担の将来ビジョンをどのように描いていくかは、国民にとって大きな関心事であるのであります。改革の出発点は、医療保険に対する信頼度と安心度を高めることだと考えます。特に、今後需要が高まることが予想される高齢者介護に対して、医療保険サービスを充実させることを切実な課題となっていると思います。これらについての政府の基本的な施策を、厚生大臣、明らかにしていただけないでしょうか。
 九三年度予算案関連の隠れ国債の総額は、一兆五千億円強にも上るのでございます。大蔵省がみずから必要な政策と決断すれば、ここまでのことができるのでございますから、景気浮揚は、公共投資一辺倒ではもはや無理なことは、識者の多くが指摘するところであるのであります。「暮らし立たずんば国はなし」との大局的な見地から、所得税減税を最優先課題にした財政出動を考慮すべきときではないでしょうか。赤字国債回避のみを至上命題として追求するのではなく、歳出構造の徹底した見直しや、財源の重点的、効率的配分を、所得税減税が可能となる環境整備に向かって総動員させることが、財政を預かる政府の大きな責務であると確信いたします。
 宮澤総理の減税実行に向けた決意をお尋ねをいたしまして、私の質問の締めくくりにさせていただきます。(拍手)
    〔内閣総理大臣宮澤喜一君登壇〕
#13
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 平成五年度予算におきましては、御承知のように、税収が前年度当初予算を下回るという大変に異常な税収動向になっておりますが、そのような財政事情ではございますけれども、このようなまた景気の状況である、生活大国づくりへの配慮もしなければならないということで、財源の重点的な効率的な配分をいたしました。他方で、しかし、先ほども申し上げましたが、特例公債というのは何とか再び発行したくないというようなことで、そこでこの法律案は、こういう努力の中で、平成五年度における極めて厳しい財政事情のもとで、やむを得ない措置として、一般会計承継債務の償還の特例等の措置をお認めを願いたい、こういうふうに考えているところでございます。
 その中で、防衛関係費などについてはなお削減の余地があるということで、AWACS等について御指摘がございましたが、我が国は専守防衛の国でございますので、その中でやはり一番大事なことは情報の収集である、早期に情報を収集するということが専守防衛にとっては何よりも大事なことでございますので、これは有事、平時を問わず、我が国としては、情報収集ということをやはり最も大切に考えなければならない。相当高額な買い物であることは確かでございますけれども、我が国の安全を全うするためには、やはりAWACSはこの際備えておかなければならないというのが私どもの判断でございます。
 それから、隠れ国債という言葉があるがどう思うかということでございますが、国会に対しまして、財政上「今後処理を要する措置」として、これらの問題を整理して資料を提出しているところでございます。財政の厳しさにつきましては種々御説明を申しておりまして、政府がその実態を隠しておるというわけではございません。したがいまして、このような、隠し事をして、経済行動の整調に必要な正確な判断を妨げているというようなことでもございません。国会に対しましては、資料を提出をいたしております。
 ただ、このような措置につきまして、財政制度審議会などで、これはあくまで特例公債の発行を回避するための臨時緊急の措置であるべきである、また、歯どめを有しているものに限らなければならないという報告をいただいておりまして、それは政府としても守らなければならない心構えであるというふうに考えております。このような財政事情でございますので、ひとつぜひ御理解をお願いをいたしたいと存じます。
 所得税減税につきましてお尋ねがございまして、これは本会議で何度か御説明を申し上げましたので重複は避けますけれども、要するに、このような厳しい財政事情の中で、財政がある種の負担をしなければならない、それが公共投資がいいのか、あるいは減税がいいのか、どちらが不況脱出のために効果的であるかという判断に基づくものでございまして、私どもとしては、公共投資の方が乗数効果が大きいと判断いたしたのでございますが、これは幾たびか本会議で御説明を申し上げたとおりの背景に基づくものでございます。
 なお、残りの問題につきましては、関係閣僚からお答えを申し上げます。(拍手)
    〔国務大臣林義郎君登壇〕
#14
○国務大臣(林義郎君) 沖田議員の御質問にお答えをいたします。
 私の御質問は、二つだと思います。
 まず一つは、出るを制すことができない段階での債務繰り延べなどによる財源捻出は行政改革の阻害要因となるだけであって、予算の重点的、効率的な配分には役立たないのではないかというのが一つでございます。
 平成五年度予算におきましては、御指摘のように、税収が前年度当初見積もりを下回るというよ
うな異例な税収動向、財政事情のもとで、特例公債の発行を厳に回避しなければならない、こういった要請から、既存の制度、施策や、歳出の徹底した見直しを行うための財政改革の強力な推進に努めてきたところであります。
 しかし、これらの努力を行っても、なお、五年度予算には必要な財源が不足することから、極めて厳しい財政事情のもとでのやむを得ざる措置として、一般会計承継債務の償還の特例等の措置、今回の措置をお願いすることにしたことを御理解いただきたいと思います。
 その中におきまして、景気や生活大国づくりへの配慮など、社会経済情勢の推移に即応した財源の重点的・効率的配分には努めてまいったところでございます。
 公共事業の配分等につきましても、公共投資基本計画や「生活大国五か年計画」の考えに従い、住宅、下水道、環境衛生等の生活関連分野に思い切って重点配分をしたところでございます。
 いずれにいたしましても、今後とも引き続き、制度、施策の徹底した見直しを行うとともに、財政改革を強力に推進していかなければならない、これが時代の要請でもあろうか、こういうふうに考えているところでございます。
 次の問題は、政府管掌健康保険の問題でございますが、御指摘の中で、近い将来、特例公債を発行するようになったときに、一体それは当然新しい債務としてやるのかどうかということを含めまして、政府管掌健康保険の国庫補助の繰り入れの特例措置として、一兆三千億円余の厚生年金の繰り延べ分を含めて返済の年次計画を作成したらどうか、それを今会期中に出したらどうか、こういうお話でございますが、我が国財政の状況は、御指摘のとおり大変厳しいものがある、構造的にそういうことになっているわけでございまして、政管健保の国庫補助の繰り入れ特例等について具体的な繰り戻しの計画を作成するのは困難であるということは御理解いただきたいと思います。しかし、一般会計及び政管健保の財政状況等を勘案しつつ、できるだけ速やかに繰り戻しに努力をしてまいりたい、こう思っております。政管健保につきましては、今回の繰り入れ特例措置を行っても、政管健保自体についての財政運営に支障を生ずることはないので、この点も御理解を賜りたいと思います。
 また、厚生年金国庫負担分の繰り延べ分につきましては、平成元年度補正で厚生保険特別会計に返済見合い財源を特別保健福祉事業資金として確保したところでありまして、特別保健福祉事業の必要性を踏まえつつ、今後ともできるだけ速やかに返済の完了に向けて努力をしてまいりたい、こう考えております。(拍手)
    〔国務大臣丹羽雄哉君登壇〕
#15
○国務大臣(丹羽雄哉君) 沖田議員にお答えを申し上げます。
 政府管掌健康保険で今回千三百億円に及ぶ繰り入れ減額措置をお願いをいたしましたのは、財政が大変厳しい状況の中で、ゴールドプランやエイズ対策など必要な厚生省予算を確保するため、やむを得ない措置として行ったものであります。政管健保の平成五年度の財政収支は、医療費の動向などを踏まえまして見込んだものでございます。事業の適正な運営に努めてまいりたいと思っております。
 また平成五年度末の事業運営安定資金は一兆六千二百億円と見込まれ、中期的財政運営には支障がないものと確信いたしておりますが、御指摘の点は深く受けとめていきたいと思います。
 御指摘の、剰余金は給付の改善や保険料の引き下げに充てるべきだ、この御意見でございますが、今回の改正に際しまして、在宅介護支援事業の創設や成人病予防健診の充実を図っております。また保険料につきましては、平成四年度から引き下げたところでありますが、財政状況が好転し次第、利子を含めて速やかに返還するとの前提のもとにとった万やむを得ない措置として御理解をいただきたいと思っております。
 次に、医療保険の今後のあり方についてでございますけれども、本格的な高齢化社会においても、国民の皆さん方が今後とも良質な医療を享受できるようなためには、安定的な保険制度の確立が望まれているところであります。現在、医療保険審議会において幅広い観点から検討がなされておりますが、私といたしましては、今後、保険給付の範囲と内容や高齢者の医療と福祉サービスのあり方などについて、国民の合意を得るよう努めていきたいと思っております。
 また、高齢者の介護につきましては、高齢者福祉十カ年戦略、いわゆるゴールドプランに基づきまして、ホームヘルパーやショートステイなどの充実を整備する一方、老人保健法の分野においては、老人訪問看護や老人病院の充実を目指してまいりたいと考えております。(拍手)
#16
○議長(櫻内義雄君) これにて質疑は終了いたしました。
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#17
○議長(櫻内義雄君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時十分散会
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ソース: 国立国会図書館
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