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1993/02/25 第126回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第126回国会 本会議 第7号
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1993/02/25 第126回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第126回国会 本会議 第7号

#1
第126回国会 本会議 第7号
平成五年二月二十五日(木曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程第五号
  平成五年二月二十五日
    正午開議
 第一 恩給法等の一部を改正する法律案(内閣
    提出)
 第二 国の補助金等の整理及び合理化等に関す
    る法律案(内閣提出)
 第三 平成五年度における一般会計承継債務等
    の償還の特例等に関する法律案(内閣提
    出)
 第四 被用者年金制度間の費用負担の調整に関
    する特別措置法の一部を改正する法律案
    (内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
議員請暇の件
 日程第一 恩給法等の一部を改正する法律案
  (内閣提出)
 日程第二 国の補助金等の整理及び合理化等に
  関する法律案(内閣提出)
 日程第三 平成五年度における一般会計承継債
  務等の償還の特例等に関する法律案(内閣提
  出)
 日程第四 被用者年金制度間の費用負担の調整
  に関する特別措置法の一部を改正する法律案
 (内閣提出)
 村田自治大臣の平成五年度地方財政計画につい
  ての発言並びに地方税法等の一部を改正する
  法律案(内閣提出)及び地方交付税法等の一
  部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
  並びに質疑
    午後零時十一分開議
#2
○議長(櫻内義雄君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 議員請暇の件
#3
○議長(櫻内義雄君) 議員請暇の件につきお諮りいたします。
 中曽根康弘君から、海外旅行のため、二月二十六日から三月六日まで九日間、請暇の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。よって、許可するに決しました。
     ――――◇―――――
 日程第一 恩給法等の一部を改正する法律案
  (内閣提出)
#5
○議長(櫻内義雄君) 日程第一、恩給法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。内閣委員長牧野隆守君。
    ―――――――――――――
 恩給法等の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔牧野隆守君登壇〕
#6
○牧野隆守君 ただいま議題となりました恩給法等の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、恩給受給者に対する処遇の適正な改善を図るため、平成四年にふける公務員給与の改定及び消費者物価の上昇その他の諸事情を総合勘案し、恩給年額を平成五年四月分から二・六六%引き上げるほか、特に高齢者優遇との配慮から、七十五歳以上の受給者に係る恩給年額を改善するとともに、各種加算額等についても所要の改定を行おうとするものであります。
 本案は、二月五日本委員会に付託され、同月十八日鹿野総務庁長官から提案理由の説明を聴取し、二十三日質疑を行い、採決いたしましたところ、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#7
○議長(櫻内義雄君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第二 国の補助金等の整理及び合理化等に関する法律案(内閣提出)
 日程第三 平成五年度における一般会計承継債務等の後遺の特例等に関する法律案(内閣提出)
#9
○議長(櫻内義雄君) 日程第二、国の補助金等の整理及び合理化等に関する法律案、日程第三、平成五年度における一般会計承継債務等の償還の特例等に関する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。大蔵委員長藤井裕久君。
    ―――――――――――――
 国の補助金等の整理及び合理化等に関する法律案及び同報告書
 平成五年度における一般会計承継債務等の償還の特例等に関する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔藤井裕久君登壇〕
#10
○藤井裕久君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、国の補助金等の整理及び合理化等に関する法律案について申し上げます。
 本法律案は、累次の臨時行政調査会及び臨時行政改革推進審議会の答申等の趣旨を踏まえ、財政資金の効率的使用並びに国及び地方の財政関係の安定化を図るため、これまで暫定措置が講じられていた国の補助金等について、国と地方の機能分担、費用負担のあり方等を勘案しつつ、一体的、総合的な検討を行い、補助率等の恒久化等の所要の法的措置を講ずるものであります。
 その内容を申し上げますと、
 第一に、公共事業等に係る補助率等については、平成三年度の国の補助金等の臨時特例等に関する法律に基づき、平成五年度までの暫定措置が講じられておりましたが、これを、体系化、簡素化等の観点から、直轄事業にあっては三分の二、補助事業にあっては二分の一を基本として恒久化し、平成五年度から適用して、暫定措置を解消することといたしております。また、これとあわせて、直轄事業負担金のうち、維持管理費に係る地方の負担割合を引き下げる等の措置を講ずることといたしております。
 第二に、義務教育費国庫負担金に係る経費のうち共済費追加費用等については、平成四年度において、同年度から六年度までの三年間で段階的に一般財源化することとされておりましたが、これを平成五年度において全額一般財源化することとしております。
 第三に、一般会計から特別会計への事務費の繰り入れを規定している地震再保険特別会計法及び自動車損害賠償保障法の二法律について、引き続き当分の間の措置として繰り入れの特例を延長することといたしております。
 次に、平成五年度における一般会計承継債務等の償還の特例等に関する法律案について申し上げます。
 本法律案は、平成五年度における租税収入の動向等にかんがみ、一般会計において承継した債務等の償還の延期及び政府管掌健康保険事業に係る一般会計からの繰り入れの特例について所要の法的措置を講ずるものであります。
 その内容を申し上げますと、
 第一に、一般会計において承継した債務等の償還の特例についてであります。
 交付税及び譲与税配付金特別会計における借入金のうち一般会計に帰風したもの並びに日本国有鉄道及び日本国有鉄道清算事業団の債務で一般会計において承継したもののうち、平成五年度において償還すべき金額については、それぞれその資金運用部に対する償還を延期することができることといたしております。
 第二に、政府管掌健康保険事業に係る繰り入れの特例であります。
 平成五年度における一般会計から厚生保険特別会計健康勘定への繰り入れについては、健康保険法に定める額から千三百億円を控除して繰り入れるものとするとともに、後日、政府管掌健康保険事業の適正な運営が確保されるために、各年度の当該勘定の収支の状況等を勘案して、繰り入れ調整分及びその運用収入相当額の合算額に達するまでの金額を一般会計から繰り入れるものといたしております。
 両法律案につきましては、二月十七日林大蔵大臣から提案理由の説明を聴取した後、直ちに質疑に入り、二十三日質疑を終了いたしました。次いで、両法律案を採決いたしましたところ、いずれも多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、以上の各案に対しそれぞれ附帯決議が付されましたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#11
○議長(櫻内義雄君) 両案を一括して採決いたします。
 両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#12
○議長(櫻内義雄君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第四 被用者年金制度間の費用負担の調整に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
#13
○議長(櫻内義雄君) 日程第四、被用者年金制度間の費用負担の調整に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。厚生委員長浦野烋興君。
    ―――――――――――――
 被用者年金制度間の費用負担の調整に関する特別措置法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔浦野烋興君登壇〕
#14
○浦野烋興君 ただいま議題となりました被用者年金制度間の費用負担の調整に関する特別措置法の一部を改正する法律案について、厚生委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、被用者年金制度全体の見直しの措置が完了するまでの間の当面の措置である制度間調整事業について、その運営の状況等を踏まえ、日本鉄道共済組合に係る調整交付金の特例減額措置を、当分の間の措置に改める等の措置を講じようとするもので、その主な内容は、平成二年度から平成四年度までの措置とされている、日本鉄道共済組合に係も調整交付金の特例減額措置及び実質拠出保険者に係る調整拠出金の特例減額措置を、当分の間の措置とすること等であります。
 本案は、去る二月九日付託となり、同月二十三日に丹羽厚生大臣から提案理由の説明を聴取し、昨日の委員会において質疑を終了し、採決の結果、多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 以上、御報告を申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#15
○議長(櫻内義雄君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#16
○議長(櫻内義雄君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 国務大臣の発言(平成五年度地方財政計画に
  ついて)並びに地方税法等の一部を改正す
  る法律案(内閣提出)及び地方交付税法等の
  一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説
  明
#17
○議長(櫻内義雄君) この際、平成五年度地方財政計画についての発言並びに内閣提出、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。自治大臣村田敬次郎君。
    〔国務大臣村田敬次郎君登壇〕
#18
○国務大臣(村田敬次郎君) 平成五年度の地方財政計画の概要並びに地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し上げます。
 平成五年度の地方財政につきましては、最近における経済情勢の推移と地方財政の現状にかんがみ、おおむね国と同一の基調により、歳入面においては、地方税負担の公平適正化を推進するとともに、地方一般財源の所要額の確保を図ることを基本としております。また、歳出面においては、経費全般について徹底した節減合理化を図るとともに、景気に十分配慮しつつ、自主的、主体的な活力ある地域づくり、住民生活の質の向上のための社会資本の整備、地域住民の福祉の充実、快適な環境づくりなどを積極的に推進するため必要な事業費の確保に配意する等、限られた財源の重点的配分と経費支出の効率化に徹し、地方財政の健全性の確保にも留意し、節度ある行財政運営を行うことを基本としております。
 以下、平成五年度の地方財政計画の策定方針について御説明申し上げます。
 第一に、地方税については、最近における社会経済情勢の変化に対応して早急に実施すべき措置を講ずることとしております。
 第二に、地方交付税については、将来にわたる交付税総額の安定的な確保に配意しつつ、平成五年度の地方財政の円滑な運営に支障が生じないよう、その総額を確保するとともに、四千億円を減額する特例措置等を講ずることとしております。
 第三に、公共事業等に係る国庫補助負担率の恒久化に伴う地方財政への影響額等については、地方団体の財政運営に支障が生じることのないよう適切な財政措置を講ずることとしております。
 また、義務教育費国庫負担金等のうち共済費追加費用、保健所運営費交付金等の国庫補助金等の一般財源化及び国民健康保険制度に係る保険基盤安定制度の暫定措置に伴う影響額については、所要の財源措置を講じることとしております。
 第四に、地域経済の振興や雇用の安定を図りつつ、景気にも十分配慮して、自主的、主体的な活力ある地域づくり、住民生活に直結した社会資本の整備、地域住民の福祉の充実、快適な環境づくり、住民生活の安全の確保等を図るため、地方単独事業費の確保等所要の措置を講じることとしております。
 第五に、地方行財政運営の合理化と財政秩序の確立を図るため、定員管理の合理化及び一般行政経費等の抑制を行うとともに、国庫補助負担金について補助負担基準の改善を進めることといたしております。
 以上の方針のもとに、平成五年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は七十六兆四千百五十二億円となり、前年度に比し二兆五百一億円、二・八%の増加となっております。
 次に、地方税法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 平成五年度の地方税制改正に当たりましては、最近における社会経済情勢等にかんがみ、住民負担の軽減及び合理化等を図るため、平成六年度の固定資産税の評価がえにおける土地の評価の適正化等に伴う固定資産税及び都市計画税の負担の調整措置、個人住民税所得割の非課税限度額の引き上げ、個人事業税の事業主控除額の引き上げ、軽油引取税の税率の引き上げ等所要の改正を行うことといたしております。
 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 平成五年度分の地方交付税の総額につきましては、地方交付税法第六条第二項の額に三百七十億円を加算した額から、特例措置額四千億円及び交付税特別会計借入金元利償還額一千八百二十四億円を控除した額とすることとした結果、十五兆四千三百五十一億円となっております。
 また、特例措置額四千億円に相当する額等については、後年度の地方交付税の総額に加算することとしております。
 さらに、平成五年度分の普通交付税の算定につきましては、自主的な地域づくりの推進、高齢者の保健福祉の増進、森林・山村対策等のため地方団体が必要とする経費の財源を措置するため、単位費用を改定すること等としております。
 以上が、平成五年度の地方財政計画の概要並びに地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
     ――――◇―――――
 国務大臣の発言(平成五年度地方財政計画に
  ついて)並びに地方税法等の一部を改正す
  る法律案(内閣提出)及び地方交付税法等の
  一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説
  明に対する質疑
#19
○議長(櫻内義雄君) ただいまの地方財政計画についての発言及び二法律案の趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。谷村啓介君。
    〔谷村啓介君登壇〕
#20
○谷村啓介君 私は、日本社会党・護憲民主連合を代表して、ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案及び一九九三年度地方財政計画につきまして、総理大臣並びに関係閣僚に質問をいたします。
 日本経済は引き続き低迷しており、資産価格の下落もあって厳しい状況に直面しているということであり、政府がしきりに景気対策を講じても、一向に景気回復の兆しは見えてまいりません。私は、景気回復の足取りが遅い一因として、国民の政治不信の蔓延を指摘せざるを得ないのであります。政局の混迷、政治への信頼の喪失が景気対策への不信を招いているのではないでしょうか。政府は、佐川疑惑の徹底究明にほおかぶりし、景気対策として予算案の早期成立を要請をしております。しかし、景気回復にとって政治への不信が足かせとなっているのであり、何よりも佐川疑惑の徹底解明と政治腐敗の根絶に全力を挙げていかなければならないと考えますが、総理の御見解をお伺いをいたします。
 また、佐川疑惑事件を契機に、全国の二千五百を超える自治体議会で意見書や決議が採択をされ、政治の浄化と改革を求める国民の声が表明されておりますが、総理はこれについていかがお受けとめになっていらっしゃるのか、あわせてお答え願いたいのであります。
 今日、中央集権型の縦割り型政治構造が、許認可権、補助金、税制、起債権限、機関委任事務など広い分野で深く根を張っており、政財官の癒着と言われる政治腐敗の温床となっておるのであります。ロッキード、リクルート、佐川汚職事件は、まさにその象徴であります。この腐敗の根源を断つには、自治と参加の原則に立つ分権型政治の推進が不可欠であります。
 今こそ民主主義の再生と活性化を図るため、大胆に中央の権限を自治体へ移譲し、中央権力の制限と縮小、廃止を計画的に推進していかなければなりません。政治改革というと、とかく選挙制度論議に矮小化されがちでありますが、政治改革の重要な柱として、中央集権にメスを入れ、参加、分権の政治システムへの変革をいかに切り開いていくかということを忘れてはならないのではないか。総理の地方分権に対する認識と決意をお伺いをいたします。(拍手)
 さて、九三年度予算編成に向けては、不況による税収難から、大幅の要調整額が指摘され、大蔵省サイドから交付税における特例減額の実施が取りざたされておりました。結果として、九三年度の地方財政対策は、歳入難に悩む国が、予算編成をするに当たって、いかに負担を地方に転嫁するかということに尽き、地方交付税の特例減額を初め、地方に負担を強いるものとなっているのであります。
 九三年度の地方財政の見通しは、国を上回る伸びを示してはいるものの、地方税収見込みは八七年度の円高不況以来の低水準となっており、とりわけ道府県税では四・二%の城となるなど、非常に厳しい見通しとされております。この税収減と交付税のマイナスによって、一般財源の比率は六八%と、昨年度に比べ一・四%低下をしてしまっております。また、地方債が大いに伸ばされているのが特徴的で、初めて十兆円の大台を超え、地方債依存度が約八・一%と前年度より増加しておるのであります。
 政府は、八四年度以降の平均値を見ると、一般財源比率、地方債依存度とも現時点では財政悪化という状況にはないと説明をいたしておりますけれども、余りに地方債に依存するなら、結局、赤字国債を国が発行できないツケを地方債に転嫁したのと変わりはなく、将来の財政危機を招来しないとも限りません。また、地方債の償還に充てる公債費も六兆五千五百億円と増加していることから、このままでは今後の財政硬直化をもたらすおそれもあるのであります。
 また、地方債務も一年で十兆円もふえ、九三年度は八十一兆円になるということですが、債務増のペースが余りにも早過ぎるのではないでしょうか。しかも、政府の判断で地方債を抑制したり、どんどん発行したりというのは、国の御都合主義と言わざるを得ないと思うのであります。
 地方財政の見通しについての御認識と地方債の発行についての御見解を、総理と自治大臣にお伺いしたいと思うのであります。(拍手)
 次に、地方交付税の特例減額についてお尋ねをいたします。
 九三年度の地方交付税は、法定額では十五兆九千八百億円とされておりましたが、附則第三条に基づく四千億円の特例減額のほか、さまざまの措置がとられ、出口ベースで十五兆四千三百五十一億円、対前年度約二千四百四十一億円の減少、比率にして一・六%城となっておるわけであります。三年連続して附則第三条に基づく特例減額が講じられましたが、これは総額確保を求める地方団体の意に反するものであり、また両院の地方行政委員会の意思をも踏みにじったものとして、まことに遺憾と言わざるを得ないのであります。
 政府は、公経済バランス論ということで、地方の固有財源を一方的に、協力しろということで削減しましたが、実際の権限と税源は国が握っており、国と地方は対等であるとは言えません。この現状を変えることなく車の両輪とするのは、余りにも国に都合がよ過ぎるのではないでしょうか。仏の顔も三度と申しますが、しかも地方は九二年度補正で一兆五千億円もの借り入れを行ったばかりであります。にもかかわらず、国に貸し付けるのはどういうことなのか。一体、地方には国に貸すだけの余裕があるのか。三年連続の特例減額は大きな禍根を残すものとなっており、私は、改めて減額の理由についてお尋ねするとともに、地方の念願である特別会計への直入を提案いたしたいと考えますが、総理と大蔵、自治両大臣のそれぞれの御所見をお願いをいたしたいと思うのであります。(拍手)
 さて、この際、加えてぜひ大蔵大臣にお尋ねをいたしておきたいわけでございますが、かねてから大蔵省は予算説明の中で地方財政余剰論あるいは富裕論、こういったことで攻めてまいったのであります。さすがに地方行政委員会等で大きな議論になりました。ことしの予算説明を見ますと、余剰論、富裕論ともこれは消えまして、公経済バランス論を前面に出されておるわけであります。もちろん、こういった認識の方がむしろ余剰論、富裕論よりもいいことはわかっておりますけれども、地方財政の状況に対して大蔵省の認識の変化があったのか、あったとすればどういう理由なのか、ぜひこの際、お伺いしておきたいと思うのであります。
 続いて、国庫補助負担金についてお尋ねいたします。
 私は、補助金の一般財源化そのものは自治、分権に資するものであり、むしろ奨励零細的な補助金は速やかに一般財源化すべきであると考えます。しかし、今回、内容的に見ても、厚生、文教関係を中心に約一千五十億円の一般財源化がなされましたが、赤字国債発行回避のための地方一般財源化であり、まさに、単なる負担の転嫁である意味合いの強い、動機不純の、理念なき一般財源化と言わざるを得ないのであります。厚生省にしても、文部省にしても、補助金を一般財源化し地方への負担を押しつけなければ自前の政策経費を捻出できないということですが、シーリング方式という画一的な予算編成自体に問題があるのではないでしょうか。予算編成のあり方について、総理並びに大蔵大臣のお考えを承りたいと思うのであります。(拍手)
 一般財源化に当たっては、単に交付税措置するからというだけでなく、超過負担の解消や権限移譲の推進を含め、交付税の充実、算定費目の拡充、国と地方の事務配分、税源配分の改革を展望して行っていく必要があります。たばこ税が交付税算定税目となったように、交付税算定税目の拡充や税率の引き上げは十分検討に値すると言えるのではないかと考えますが、自治大臣、いかがでしょう。
 国民健康保険については、事務費負担金の一部の一般財源化に加えて、保険基盤安定制度にかかわる暫定措置として、九三、九四年度に限り国庫負担二分の一が定額の百億円とされ、これに伴い四百六十億円の地方負担が発生しておるのでございます。しかもこれは、大蔵原案内示後に急浮上した見直しでありますが、十分な論議を経たのでございましょうか。しかも、伝えられるところでは、予算編成の越年を防ぐためのみ込まされた、そういうものと言われ、地方団体からも大きな不満が出ているように、これでは、地方への単なる負担転嫁としか言いようがないのであります。
 国保財政安定化支援事業の拡充、高額医療費共同事業の二年間継続など、一定の改善措置は講じられているとしても、国庫負担の削減をねらい、国の責任を回避する極めて筋の悪いものであり、なし崩し的な地方負担増につながるおそれもないとは言えないのでございます。国にはナシ目プルミニマムを維持するための責任があるはずであり、地域住民の貴重な社会保険である国民健康保険についてどのようにお考えになっていらっしゃるのか、大蔵大臣と厚生大臣にお伺いいたしたいと思うのであります。(拍手)
 さて、今回の地財計画で特に挙げておきたいことは、森林・山村対策のための経費の創設であります。
 森林の公益的機能を維持し、山村の活性化や人口定住を図っていくため、交付税、地方債による抜本的森林・山村対策が求められておりましたが、森林の公有化推進、公有林の適切な管理、森林整備担い手対策基金の設置、林道等の整備のための経費として千八百億円が創設されたことは、まことに時宜を得たものであると評価をいたすものであります。森林・山村対策創設の経緯と今後の推進の手法について、自治大臣の御所見を承りたいと思うのであります。
 また、九三年度から福祉八法改正に伴う措置権移譲がスタートし、また「高齢者保健福祉推進十か年戦略」を地域の実態に即してきめ細かく実施するための地方老人保健福祉計画づくりが進んでおりますことは御承知のとおりであります。多くの自治体から、計画を実現するための財源がなければ絵にかいたもちではないかという声が寄せられておるところであります。地域福祉の推進に当たって、自治体の役割には大きなものがあると思われますが、そのためにも的確な財源保障が必要ではないかと考えるわけでありますが、自治大臣の御所見を、そしてまた決意もぜひお聞かせ願いたい、こう思うのであります。
 以上、地方交付税を初め地方財政についてお尋ねしてまいりましたが、改めて、分権の推進と財政の確立は地方自治を発展させる車の両輪であることを強調したいと思うのであります。その上で、国と地方も本当の意味での公経済における車の両輪となり得るのであります。地方財政似、常に地方自治の発展と表裏一体の関係であることを忘れてはならず、総理初め関係閣僚の地方自治と地方財政についての……
#21
○議長(櫻内義雄君) 谷村啓介君、申し合わせの時間が……
#22
○谷村啓介君(続) 御理解を促し、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣宮澤喜一君登壇〕
#23
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 政治不信につきましては、しばしば申し上げておるところでございますが、何と申しましても基本は議員一人一人の政治倫理の問題でございます。
 しかしながら、他方におきまして、制度の上におきまして選挙制度の問題、あるいは政治資金制度の問題もございますので、それらを含めまして政治構造の改革をいたしたいと考えておるところでございまして、御指摘のように、地方議会からそのような声が上がっておりますことは、一層このことを物語っているというふうに考えております。
 それから、地方分権のことでございますが、ゆとりと豊かさを国民に実感をしてもらうという、いわゆる生活大国のためには、一極集中を是正する、国土の均衡ある発展を図ることが大事でございますし、殊に国民生活に密着した問題は何としても地方がこれを処理をするということが、一番国民、住民のためになることでございます。そういう観点から、地方の自主性、自立性の強化を図りますために、権限移譲あるいは補助金等の整理合理化に努めてまいりました。また、先般、パイロット自治体制度を閣議決定いたしたところでございます。地方財政でございますが、決して地方財政は楽だというふうに考えておりません。多額の借入金残高を抱えておりますし、税収の落ち込みもございます。また、社会資本の整備あるいは高齢化社会への対応等もいたさなければなりません。多額の財政需要もございます。したがいまして、今後とも地方税あるいは地方交付税等の地方一般財源の充実強化を図ることが大切であると思います。
 地方債の発行につきましては、その償還が将来の地方財政の健全性を損なわないように十分留意をしながら、適切な活用に努めるべきものと考えます。
 平成五年度の地方財政につきましては、住民福祉の向上、あるいは景気に配慮した地方単独事業の大幅な増額など、財政需要が大きゅうございます。それを的確に見込みました上で、所要の地方交付税総額を確保いたしました。なお、その中で、厳しい国の財政事情も勘案をいたしまして、国と地方の公経済のバランスをも考えながら、地方交付税総額の特例措置を行うこととしたものでございますが、これにつきましては、そのような事情の御理解をお願いをいたしたいと存じます。
 地方交付税を交付税特別会計に直入すべきではないかということは、ただいま御指摘のとおり、そういう議論があることをよく承知いたしております。これは国の予算制度あるいは会計制度にも大きな影響を及ぼす問題でもございますので、関係各省庁で従来から意見交換を行っているところでございますが、御指摘のように、これはかなりいろいろ難しい問題を含んでおりまして、十分に検討いたすべき問題と思います。
 それから、今回とられました国庫補助負担金の一般財源化でございますが、これは地方への負担の押しつけと申しますよりは、臨調あるいは行革審の答申などを踏まえまして、地方公共団体の事務あるいは事業として定着をしてきた、同化をしてきたと思いますのに対応する部分の補助金を積極的に一般財源化するようにいたしてまいっておるつもりでございまして、地方へ負担を転嫁をするというつもりではございません。
 それからもう一つ、いわゆるシーリング、概算要求基準について御指摘がございました。これは長いことやってまいりまして、例えば各省庁の要求の中でいわば優先度を確保する、スクラップ・アンド・ビルドというような思想からは非常にメリットがあるわけでございますけれども、他方で、長いことやっておりますとそれなりのデメリットもございまして、それらも考えながら、要求基準そのものは引き続き大事なものと思います。しかし、明らかにデメリットのあらわれますようなところには、それなりのやはり対応措置を講じてまいらなければならない、そういうものとして考えております。
 残りのお尋ねにつきましては、関係大臣からお答えをいたします。(拍手)
    〔国務大臣村田敬次郎君登壇〕
#24
○国務大臣(村田敬次郎君) 谷村議員からの御質問、今総理から総括的なお話がございました。私の方から補足して申し上げたいと思います。
 まず、地方財政の見通しについてでありますが、地方財政は多額の借入金残高を抱えております。そしてまた、今般の国・地方を通ずる税収の落ち込み等から、厳しい状況にあるものと考えております。
 一方、地方団体は、地域の振興、活性化、公共投資基本計画の達成、来るべき高齢化社会に向けた「高齢者保健福祉推進十か年戦略」、いわゆみゴールドプランでございますが、その推進、環境保全施策の推進など、当面する重要政策課題のために今後ますます大きな役割を果たしていくものと考えております。
 このため、総理からもお話がございましたように、今後とも地方税、地方交付税等の地方一般財源の充実強化などにより、地方財政の円滑な運営を図っていく必要があると考えております。また、地方債の発行につきましては、その償還が将来の地方財政の健全性を損なわないように十分留意しながら、社会資本整備の必要性等を踏まえて、経済の動向にも配慮しながら、その適切な活用に努めてまいる所存でございます。
 それから、地方交付税の特例減額については、総理からお答えがございましたとおりでございまして、自治省としては、景気に配慮した地方単独事業の大幅な増額など、地方団体が当面する財政需要に十分対応できるような的確な財政措置を講じ、所要の地方交付税総額を確保した上で、現下の厳しい国の財政事情にもマッチした、国、地方の公経済のバランスを勘案しての財政運営をしていくべきであると考えております。
 また、地方交付税を特別会計へ直接繰り入れることということについての御指摘は、自治省といたしましては、その実現を図ることが望ましいものと考えております。
 次に、国庫補助金等の一般財源化につきましては、地方の事務事業としての定着の状況などを関係省庁と種々検討をし、地方の自主性、自立性を高めるという見地から行うこととしているものでございます。その際には、超過負担の解消なども含め、これに見合う所要額について、毎年度地方財政計画に適切に計上することによって、必要な財源を確保し、地方財政の運営に支障なからしめるというふうに配慮をしておるつもりでございます。
 それから、山村振興対策、森林・山村対策についてのお尋ねがございました。
 山村地域の振興を図るとともに、森林の持つ多様な公益的機能の維持増進を図るために、森林の公有化、林道の大幅な整備促進、森林整備の担い手対策などについての支援措置を創設したものでございます。今後とも、中長期的視点に立って、農山村の振興は自治省の大きな大きな眼目でございますので、引き続き検討を進め、積極的に支援していく考えでございます。
 最後に、地域福祉の推進につきましては、地方団体が地域の実情に即した福祉施策に積極的に取り組めるよう、今後とも、地方財政計画の策定などを通じ、財源措置の充実に努めてまいる決意でございます。(拍手)
    〔国務大臣林義郎君登壇〕
#25
○国務大臣(林義郎君) 谷村議員からの御質問、大分たくさんありましたから、順を追ってお答え申し上げます。
 まず、地方交付税の特例減額につきまして、権限と税源を国が握っている上、地方は九二年度補正で一兆五千億円もの借り入れを行ったばかりである、にもかかわらず、今回特例減額を行う理由はどうだというのが第一でございますが、今回の減額措置は、国と地方が公経済を担う車の両輪であり、両者が協力しながらバランスのとれた運営を行っていくことが必要であるとの認識のもとに、現下の厳しい国の予算編成状況のもとで、地方財政の円滑な運営に支障を生ずることのないように、所要の地方交付税総額を確保した上で、関係者の御理解を得て地方交付税の特例措置を行おうとするものでございます。
 次に、地方交付税の特例減額につきまして、地方の念願である特別会計への直入を行うべきではないかという御質問でございます。
 これにつきましては、私の方といたしましては、地方交付税を一般会計から交付税特別会計へ繰り入れるという現行制度は、昭和二十九年度の地方交付税制度創設以来とられている制度でありまして、これを変更することは、国の予算制度あるいは会計制度にも大きな影響を及ぼすものであり、極めて問題が多いと思っておるところでございます。
 次に、今回のお話で、特例減額の根拠として、従来は大幅な財政余剰、財源余剰と言っておったが、これを変えて公経済バランス論ということを言っておられる、これは予算説明書の中で出ておるところの字を引っ張られてのお話だ、こう思っておりますが、これについて大蔵省はどういうふうな認識の変化を来したのか、こんな御質問でございます。
 いわゆる財政余剰というのは、当初予算におきまして地方財政対策を講ずる前の段階で地方財政の収入見通しを行ったところ、歳入が歳出を大幅に超過している状況にあることを、これまでそのような表現で申し上げてきたところであります。
 また、四年度におきましても、八千五百億円の特例措置を講じた際にも、単に地方財政対策を講ずる前の段階で歳入が歳出を上回っていたから特例措置を講じたということではなくて、公経済を担う車の両輪としての国と地方が協力しながらバランスのとれた運営を図っていくことが必要であるとの考え方に基づいて、非常に厳しい国の予算編成状況のもとで、所要の地方交付税総額を確保した上で、関係者の理解を得て地方交付税の特例措置を行ったものであるとの考え方を、国会等の場でこれまでも御説明してきたところでございます。
 次に、国庫補助負担金の一般財源化は地方への負担の転嫁であり、これはシーリング方式という画一的な予算編成方針自体に問題があるのではないか、こういうふうな御質問でございました。
 国庫補助負担金の一般財源化措置につきましては、地方の主体性を高める観点から、地方公共団体の自主性にゆだねるべきものであるものについては一般財源化を進めるべきものであるとの累次の臨調、行革審答申等を踏まえまして、地方公共団体の事務事業として同化定着している補助金等について積極的に推進してきたところでございます。
 したがって、国庫補助負担金の一般財源化は、国と地方の機能分担、費用負担のあり方を踏まえ、地方行政の自主性、総合性の向上に資するものと考えておりまして、地方への負担の転嫁であるという御批判は当たらないのではないかと思っております。
 なお、概算要求基準は各省庁の要求の総枠を示したものでありまして、各省庁はその枠内で各施策の緊急性を考慮して、制度、施策の根本から洗い直し、優先度の選択を行い、効率的な要求を行ってきているところでございます。
 昨年十二月の財政制度審議会の建議におきましても、「時代の要請に即した無駄のない歳出構造としていくために、中長期的視野を持ちつつ、従来以上に各歳出項目についての徹底した洗い直しや、制度・施策の根本に踏み込んだ見直しを幅広く進めていく必要がある。このため引き続き概算要求基準の果たすべき役割は極めて大きい。」と述べられておりまして、概算要求基準は、引き続き極めて重要な役割を予算編成上果たすのではないかというふうに考えております。
 次に、国民健康保険でございますが、事務費負担金の一部の一般財源化に加えまして、保険基盤安定制度にかかわる暫定措置として、九三年度、九四年度の国庫負担を定額化する見直しは、十分な論議を経ていないのではないか、早急にやったのではないかという御指摘がありました。この見直しがなし崩し的な地方負担につながるのではないかという御懸念があったわけでございますが、これにつきましては、今回の国民健康保険法の改正は、国保財政の安定化と保険料負担の平準化等を図るため、当面緊急に必要な措置として政府部内で十分論議をしてつくり上げたものでございます。
 保険基盤安定制度に係る国庫負担の変更については、地方財政措置による国保財政安定化支援事業の制度化及び拡充に合わせて見直しを行うものであり、単なる国庫負担の地方への転嫁ではありません。
 国民健康保険制度につきましては、その長期的安定を図ることは極めて重要であると考えておりまして、昨年設置しました医療保険審議会におきまして、医療保険制度のあり方全般について抜本的な議論を深めていく中で、国民健康保険制度のあり方についても鋭意検討が行われるものと期待をしているところでございます。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣丹羽雄哉君登壇〕
#26
○国務大臣(丹羽雄哉君) 御指摘の国民健康保険の保険基盤安定制度は、低所得者に対する保険料軽減分について公費で負担するものでございますけれども、厳しい国保財政の現状、安定化などを考慮いたしまして、地方財源化をお願いしたところでございます。
 今回の改正に伴う地方負担増につきましては、全額地方財政措置が講じられており、単なる国庫負担の転嫁ではございません。
 申し上げるまでもなく、国保制度は医療保険制度の中で最も大きな課題となっており、現在、医療保険審議会の場で御検討をいただいておりますので、今回の暫定措置について御理解を賜りたいと思っております。(拍手)
#27
○議長(櫻内義雄君) 吉岡賢治君。
    〔吉岡賢治君登壇〕
#28
○吉岡賢治君 私は、日本社会党・護憲民主連合を代表して、ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案につきまして、宮澤総理並びに関係閣僚に質問をいたします。
 まず初めに、総理、地方も不況の波に直撃され、中小零細企業の比率が高い地域経済の不振は深刻な状況に陥るとともに、地方税収の落ち込みは明らかであります。自治省の平成五年地方税収入見込みによりますと、道府県民税利子割が七千四百六十一億円の減収、市町村民税法人税割も二千五百七十七億円の減収と予想されているほか、法人事業税収見込みも五千五百五十八億円の減収とされております用地方団体はこのようにまともに不況の影響を受け、地方財政は危機に直面していると言わねばなりません。
 とりわけ、道府県税は法人関係税の割合が高いため、その分不況の影響が深刻であり、トータルとして前年度より減額となる見通しとされております。にもかかわらず、政府は、地方税は約五千億の増収があると言い、公経済のバランスをと称して、地方交付税四千億の特例減額を強行したのであります。しかし、地方団体は三千三百の団体の集合であり、税収構造や財政需要もそれぞれ異なっており、個性を持った一つ一つの自治体に対応せねばなりません。その上、地方税収も、円高不況以来の低い伸び率にとどまっているのであります。この現実を直視され、今後の景気の回復の見通しと地方税収の動向について、宮澤総理の御所見をお伺いしたいと存じます。(拍手)
 次に、大幅所得減税についてお尋ねをいたします。
 今、日本経済は深刻な不況に覆われています。政府も、不況対策として、緊急経済対策、総合経済対策といった大幅公共事業中心の政策を講じてまいりました。総理は、当初、景気について非常に楽観視されていたようであり、これらの対策の効果が出れば景気は回復に向かうとの認識を示されていました、しかし、なかなか景気対策の効果は出ず、今月には再度公定歩合の引き下げが行われましたが、このことは、年金生活者を初めとする高齢者などの社会的弱者に大きな打撃を与えているのであります。そこで、福祉預貯金の枠の拡大など、何らかの救済策を講じるべきであると思いますが、大蔵大臣、いかがでございましょうか。
 公共事業も拡大し、金利引き下げも講じた。景気対策として残された手段は大幅減税しかありません。消費需要を喚起するためにも、また中低所得者の重税感を緩和するためにも、大幅な所得減税の実施が、労働界だけでなく財界からも求められており、まさに国民の声となっているのであります。また、住民税についても、課税最低限の引き上げによる六千億円規模の減税を行うべきではないかと思いますが、総理の御見解はいかがでございましょうか。(拍手)
 続いて、今回の税制改正の内容について、最大のウエートを占めております固定資産税の改正案からお伺いをいたします。
 固定資産税については、九四年度の評価がえにおいて、土地基本法第十六条の趣旨を踏まえ、地価公示価格の七割程度を目標に、宅地の評価の均衡化、適正化を推進するという方向で検討がされてきました。今回の改正案におきましては、一、住宅用地に係る課税標準の特例措置を拡充する、二、評価の上昇割合に応じて、宅地についてさらに暫定的課税標準を導入をする、三、よりなだらかな負担調整措置を講じる、四、家屋に係る耐用年数の短縮と初期減価の引き下げなどの軽減措置を講ずることなど、かなり大胆な激変緩和と負担調整措置が講じられております。
 しかし、逆に今回の措置は極めて複雑でわかりにくいものになっており、特に、この間、地価高騰が続いた大都市部の住民は、一体固定資産税額はどうなるのであろうかという強い不安を抱いているのであります。この住民の不安に対して政府はどのように対処するおつもりなのか、お伺いしたいと思います。
 また、自治体によって財政構造、税収構造にばらつきがあることから、評価がえそのものと負担調整措置の結果、各自治体税収がどのように影響を受けるのかも明らかになっていません。とりわけ、大都市と地方との評価の格差があることから、地方町村では特例措置が講じられることによって、かえって税収減になるとの指摘もなされております。そこで、速やかに評価がえと調整措置がもたらす影響についてモデル的な自治体の調査や試算を行い、審議に供するべきであると考えますが、いかがでございましょうか。
 次に、事業税についてお伺いいたします。
 我が党は、従来から、分割基準の改善を行い、地方への配分を強化することを主張してまいりました。第百二十三国会における附帯決議におきましても、税収の地域間格差の拡大に対応し、地方への配分を強化するための見直しを行うことが盛り込まれており、九三年度の税制改正から法人事業税の分割基準を見直す方針を固めたとの報道もございました。しかし、今回の改正案には、なぜか見直しが盛り込まれていません。
 また、事業税については、景気動向の影響を受けやすい現状を改善し、安定的な税源化を図るため、地方団体が一貫して外形標準課税の実施を要求してまいりました。私は、不況下の中で自治体の税収を確保するためにも、外形標準課税の実施を真剣に検討するべきと考えます。これらの点について、自治大臣の御所見をお伺いをいたします。
 なお、事業税におきましては、いわゆるマスコミ関係七業種について、非課税措置の廃止に伴う経過措置がまたも示されず、社会保険診療報酬の非課税措置も継続されています。そして、本来、九三年度の改正で行うべきであったはずの利子課税、株式譲渡益課税の見直しも先送りされたままであり、不公平税制の是正という観点からは何らの前進も見られず、極めて遺憾であります。これら懸案となっております不公平税制の適正化などについて、総合課税への移行を展望して、なぜ今回見直しを行わなかったのか、そして、今後不公平税制の是正にどのような決意で臨むおつもりなのか、自治大臣の御見解を求めます。
 個人住民税において、ふるさと控除制度を九四年度から実施するということであります。新規措置として、都道府県、市町村、特別区に対する寄附金を控除対象範囲に追加するという制度が盛り込まれております。例えば、都市の住民が自分の出身地の自治体に寄附をした場合、居住地の住民税が控除されるとのことですが、私は、地方の人にしてみれば、人材を育成するのは地方なのに、税を払えるようになると皆都市へ出ていってしまうという不満に対する一つの方策であるとも考えますが、ふるさと控除制度を導入した趣旨、及び寄附金を受ける自治体と控除によって税収が減る自治体の調整についてお答えをいただきたいと思います。
 次に、第十一次道路整備五カ年計画の改定に伴う地方道路整備財源の確保と関連して、軽油引取税の引き上げについてお伺いをいたします。
 改正案においては、ガソリン税は暫定税率を継続し、軽油引取税の引き上げを行うこととされ、その見合いとして地方道路税の引き下げ、地方道路税の都道府県と市町村の配分割合の変更を行うこととする、複雑な措置がとられることになっています。国と地方、県と市町村内でうまくつじつま合わせが行われたようでありますけれども、道路の延長などの客観的基準で配分される地方道路譲与税と異なり、軽油引取税収は事業者の集中する都市部に偏っているということから、特に道路整備を進めていかなければならない地方自治体にとっては減収となるのではないかと思われます。この点について自治大臣のお考えをお伺いいたします。
 私は、地方税制改正に当たって必要な視点は、第一に、福祉や公共投資の増進のためにいかに地方税源の拡充、地方財政の安定を図るのかということ、第二に、非課税等特別措置の見直しなど不公平税制の是正を行うこと、そして第三に、住民税減税の実施を行うことであると考えるところであります。
 しかし、今回の地方税制の改正はいかがでしょうか。既に私が訴えましたように、不公平税制の是正措置は遅々として進んでおりませんし、国と地方の税源配分の見直し、課税自主権の強化についても見るべき前進はありませんでした。中低所得者の負担を軽減するため、課税最低限の引き上げによる六千億円規模の住民税の物価調整減税を行うべきであるとの要求についても顧みられておりません。
 さて、一九九五年の年金一元化と軌を一にして税制の抜本改正を行うということがささやかれております。税制の抜本見直しを行うに当たっては、分権型社会にふさわしい地方税制への改革と、自治体の自主財源である地方税の拡充、そして不公平税制の是正を住民とともに進めていくことが求められているのではないでしょうか。
 そこで、最後に、宮澤総理並びに自治大臣に、地方税制の改正に対する考え方と地方税制のあり方についての御見解をお尋ねいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣宮澤喜一君登壇〕
#29
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 景気は、残念ながら引き続き低迷をしておりまして、資産価格の下落などもありまして厳しい状況が続いておりますしばしば申し上げておりますとおり、昨年の総合経済対策あるいは補正予算、今年度の、平成五年度の予算におきましても、政府投資は平成四年度プラス補正に比べましてさらに九・五%の増と大きな伸びを見込んでおりまして、政府の面から景気の回復に最善の努力をいたしておるところでございますが、今後とも経済情勢の変化には細心の注意を払いまして、一日も早く景気の回復が実感できますように、機動的な対応を怠らないようにいたしてまいりたいと存じます。なお、そのためにも、平成五年度予算の速やかな成立を深く希望をいたしております。
 それから、地方税収入でございますが、平成四年度の地方税収入につきまして、法人関係税あるいは利子割等々が前年を大幅に下回る状況でございます。地方税全体としましては、地方財政計画に計上した見込み額は確保し得ると思われますが、しかし、前年度決算見込み額を確保することは極めて難しい情勢にございます。全体の経済状況を反映した税収のありさまでございますので、今後の動向には十分注意を払っていく必要があると存じます。
 なお、平成五年度の地方税収入見込み額は、今のような状況を、経済見通しもあわせまして基礎にして見込みをいたしておりますので、適切であるというふうに考えております。
 景気対策につきましては、国ばかりではありません、地方にも、総合経済対策を受けまして単独事業を積極的に推進をしていただいておりまして、地方単独事業、非常に大きなウエートを占めるに至りました。平成五年度の地方財政計画でも、前年度比で一二%という大きな伸びを確保してもらっておるわけでございます。
 そういう意味では、非常に地方にも景気回復に協力をしてもらっているわけでございますが、個人の住民税につきまして、昭和六十二年及び六十三年の二回改正をいたしました。一兆六千億円の減税をいたしましたが、平成三年度も六千五百億円の減税をいたしました。それで、中低所得層の重税感というものは、ある程度私は緩和されたというふうに考えておりますが、先ほど申しましたような地方財政の現状でございます。国の財政と同様に厳しい状況にございますので、住民税の減税というようなことを考えますと、代替財源をどうするかという問題に突き当たっておりまして、難しい問題であるというふうに考えております。
 それから、生活大国の実現あるいは地域づくり等々、地方団体の果たす役割はますます重要になってきております。そういう意味で、地方財政は決して楽ではございません。借入金を抱えておりますし、税収の伸びも、今申しましたように鈍化しておりますので、平成五年度の地方税制改正は、こうした事情に対応しまして、地方税源の確保を図る観点から行おうとするものでございます。
 基本的に地方税制はどうあるべきかということにつきましては、今後とも、地方税の安定性あるいは伸び、公平性などの確保を図るとともに、地方団体の課税自主権に配慮をしつつ、充実と適切な運用を図ってまいりたいというふうに考えております。
 残りのお尋ねにつきましては、関係大臣からお答えを申し上げます。(拍手)
    〔国務大臣林義郎君登壇〕
#30
○国務大臣(林義郎君) 吉岡議員の御質問にお答えをいたします。
 公定歩合の引き下げは、年金生活者を初めとするお年寄りなどの社会的弱者に大きな打撃を与えているのではないか、そこで、福祉預貯金等の枠の拡大など、何らかの救済策を講じるべきではないかという御質問だと承っておりますが、これにつきましては、公定歩合の引き下げに伴う預貯金金利の改定に当たりましては、経済政策上の配慮及び預金者の事情を総合的に考慮してきたものでございます。
 今回の預貯金金利改定に当たりましては、預貯金金利の絶対水準が低いことを踏まえつつ、預貯金金利と公定歩合との引き下け幅の連動率をこれまでよりも一層低く抑え、公定歩合に対しまして二分の一強の引き下げにとどめることにいたしたところでございます。
 また、福祉定期預金につきましては、前回、利下げ時にこれを改めまして導入した際に、預入限度額を従来の二百万円から三百万円に引き上げたばかりでございまして、今回の利下げに当たっては、この措置をさらに一年間据え置くことといたしたところでございます。
 以上のように、預貯金金利の引き下げに当たっては、これまでも高齢者等の社会的・経済的弱者に与える影響も十分に踏まえた措置を講じてきておりますけれども、今後とも引き続き適切な対応を図ってまいる所存でございます。(拍手)
    〔国務大臣村田敬次郎君登壇〕
#31
○国務大臣(村田敬次郎君) 吉岡議員から御質問がございました、私への御質問にお答えを申し上げたいと思います。
 まず、固定資産税の評価がえについてでございますが、納税者の不安につきましては、税負担の総合的な調整措置を講じることなどについて十分な広報活動を推進してまいります。
 また、個別の自治体税収への影響につきましては、現在、市町村において評価がえの作業中でありますので、的確に見込むことはなお制約がありますが、モデル的な自治体の調査や試算を行ってまいりたい、このように考えております。
 次に、法人事業税についてでありますが、多岐にわたる業種について適切な分割基準を求めるには、引き続き検討が必要であると考えているところでございます。また、課税標準については、導入すべき外形基準のあり方など、解決すべき課題も多いことから、今後とも幅広い観点から検討を進めてまいりたいと考えております。
 それから、非課税等の特別措置の見直しについての御質問でございます。
 まず、利子・株式譲渡益課税につきましては、現在の所得把握体制のもとで実質的公平性を確保するという観点に立って現行制度を維持し、社会保険診療報酬の非課税措置につきましては、その公益性に配慮すべきとの意見もありまして、引き続き検討をすることとしてまいります。
 新聞業等マスコミ七事業に係る経過措置につきましては、現下の厳しい財政経済状況等もあり、この措置を一年間に限って延長をする、こういうふうにしたところでございます。
 いずれにしても、地方税の非課税等特別措置につきましては、その既得権化や慢性化を排除いたしまして、税負担の公平を確保するという見地から、今後ともその整理合理化に努め、努力をしていく覚悟でございます。
 それから、寄附金控除についてのお尋ねでございますが、これは地方団体のふるさと振興事業の推進に住民の寄附を活用する必要があると考え、その範囲を拡大しようとするものでございます。
 また、この制度による個別の地方団体の増減収につきましては、ある寄附金の控除により税収が減る団体も、別の寄附金を受け入れる立場に立ち得るものでありますから、利害関係の調整をする必要があるとは考えておりませんが、しかし、この寄附金控除による税収の減は、地方交付税の算定において反映されることにより、一定の調整が行われることになるものでございます。
 軽油引取税と地方道路譲与税の増減収額につきましては、差し引き約千六百億円の増加が見込まれることから、減収が生じる都道府県はほとんどないものと考えております。また、仮に若干の減収が生じる場合等があったといたしましても、地方交付税によってしっかり措置をされることとなる、こういうふうな考え方であります。なお、地方道路譲与税につきましては、市町村に減収が生じないよう改正することといたしております。
 以上申し上げましたように、今回の改正の考え方につきましては、先ほど総理から総括的にお答えをされましたような観点から、平成六年度の固定資産税の評価がえに伴う総合的かつ適切な調整措置を講ずること、地方道路財源の確保などの改正措置を行おうとするものであります。
 最後に、地方税制のあり方についてでありますが、地方団体の財政を運営するために必要な財源は、自主財源である地方税でできる限り賄うということがもちろん基本でありまして、地方税源を充実することは住民福祉の向上を図る上で引き続き重要な課題であると認識をしておりまして、努力を続ける覚悟でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#32
○議長(櫻内義雄君) 斉藤節君。
    〔斉藤節君登壇〕
#33
○斉藤節君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案、地方交付税法等の一部を改正する法律案及び平成五年度地方財政計画につきまして、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 今日、急速に進展する高齢化、国際化、情報化など我が国の社会情勢の変化に的確に対応し、ゆとりある豊かな暮らしを実現することが大きな課題となっております。この課題にこたえるためには、地方行政の果たす役割が極めて重要であり、これまでの中央集権を改め、国・地方を通じた役割の明確化と地方の権限、財源の両面からの強化によって、地方の自主性、自立性を高めることが不可欠であることが繰り返し指摘されてきたところであります。しかし、現状はいまだ改められない中央集権型の縦割り行政、画一行政によって、東京圏では一極集中の加速とそれに伴う住宅難や生活環境の悪化、一方の地方においては社会資本整備や過疎化、高齢化等の緊急課題への対応のおくれなど、中央集権の複合弊害とも言える状況に陥っていると言わざるを得ません。
 まず、これまでの国の持っている権限を地方に分け与える分権という発想を改め、あらゆる権限は主権者である国民に最も身近な市町村を主体とする地方自治体から発するという主権へと意識を改革し、地方主権の確立に取り組むべきであると考えますが、総理の御見解をお伺い申し上げます。
 さて、私は、こうした認識に立って、以下具体的に質問申し上げます。
 第一に、地方交付税の特例減額についてであります。
 今回の地方交付税法の改正においても、四千億円の特例減額が盛り込まれております。この措置は、三年連続のものであり、総額は一兆七千億円にも及んでおります。交付税の特例減額については、地方行政委員会において問題点が指摘され、数度にわたり、このような措置を繰り返さない旨の決議があるにもかかわらず、国の財政事情を理由にまたもや行われたことは、極めて遺憾であります。
 地方財政は、申すまでもなく、今なお多額の借入金残高を抱えるとともに、社会構造の高度化、複雑化の進展によって行政の総合化が求められ、地域福祉や国際化対策など、財政需要も増大しております。また、バブルの崩壊によって、地方財政も例外ではなく多大な影響を受けているのであります。その意味で、特例減額に見られる国の事情優先の姿勢は極めて問題であり、地方財政の強化への逆行との批判は免れ得ないと考えますが、御見解をお伺い申し上げます。
 第二に、公共事業等に係る補助率等の恒久化についてであります。
 公共事業等に係る補助率等については、これまでも体系化、簡素化が求められてきたところであり、恒久化に当たっては地方財政の自主性の強化の観点から進めるべきであります。しかし、今回の措置は、補助率を全体を通して昭和五十九年度水準から引き下げられたまま恒久化し、六千九百億円に及ぶ影響額を地方に転嫁するもので、問題であります。補助金が国と地方との支配従属関係を形成し、地方自治の確立を阻害していることを考えるならば、地方交付税率を引き上げるなど、一般財源化すべきであったと考えますが、補助率の恒久化についてどのような検討がなされたのか、また、自治省は、補助率は昭和五十九年度ベースに復活すべきとしてきた方針を変更されたのか、明確にしていただきたいのであります。
 あわせて、今回行われる国庫補助負担金の一般財源化についても、地方への負担の転嫁であり、地方財政を圧迫するものであると考えます。御所見をお伺い申し上げます。
 第三に、道路関係税についてであります。
 平成五年度から始まる政府の第十一次五カ年計画の実施に当たって、地方道路税の削減と軽油引取税の引き上げが行われております。しかし、この措置において、道路行政に関する国と地方の負担のあり方や計画の見直しを行うことなく、国の事業費の確保が優先されており、中央集権の論理がまかり通っていると言わざるを得ません。地方において対応すべきものについては、権限、財源を含め大胆に地方に移譲すべきであると考えますが、御見解をお伺い申し上げます。
 第四に、地方分権特例制度についてであります。
 地方分権特例制度については、行革審では法制化が検討されていたにもかかわらず、中央省庁の抵抗で、昨年十二月の閣議決定では、現行法の運用とされてしまったのであります。ここにも政府の地方分権に対する消極的な姿勢があらわれていると言わざるを得ません。
 この制度の目的が、一定の地方公共団体が実施する地域づくりについて、地方公共団体の自主性、自立性の一層の発揮、あるいは地方分権の一層の前進というのであれば、許認可や補助金等の特例を含め制度化を図るべきであります。中途半端な措置では地方分権を進めることはできないと考えるものでありますが、今後この制度についてはどのように対処されるおつもりか、お伺い申し上げます。
 また、現在、地方制度調査会で検討されている地域中核都市制度、都道府県、市町村の広域連合制度との整合性、位置づけについてはどのように考えておられるのか、あわせて御見解をお伺い申し上げます。
 第五に、地方自治体の中央省庁へのいわゆる陳情行政についてであります。
 現在の中央集権の問題は、地方自治体の中央省庁への陳情行政とともに、都道府県を初めとして多くの地方自治体が人材を派遣し、多額の予算を組んでまでも東京事務所を設置しなければならないということに端的にあらわれていると考えるものであります。総理は、現在の陳情行政の実態を含め、このような状況をどのように考えられておられるのか、御見解をお伺い申し上げるものであります。
 最後に、これまで指摘してきた問題を初めとして、政府の中央集権志向、地方分権に対する消極的な姿勢が、今や地方自治の確立と我が国の発展に対して大きな阻害要因となっておるのであります。政府は、地方分権に対する姿勢を含め、地方主権の確立に本気で取り組むべきであると考えますが、改めて総理の御所見をお伺い申し上げるものであります。
 以上、地方の行財政にかかわる重要課題について質問申し上げましたが、地方分権の推進は政治改革の根幹にかかわる緊急不可欠の課題であることを申し上げ、政府の明確な御答弁を求め、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣宮澤喜一君登壇〕
#34
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) いわゆる一極集中を排除しまして、国民がゆとりと豊かさを実感できる国をつくるというために、地方公共団体の自主性、自立性を強化する、そして地方公共団体が主体的に行政運営を行うということは不可欠のことであると思います。したがいまして、従来から権限移譲あるいは補助金等の整理合理化に努めてまいっておりますけれども、今後とも行革審等の答申をさらに実行してまいりたいと思います。
 それから、いわゆるパイロット自治体制度をどうして法制化しなかったかということでございますが、法制化をという御意見も実はございましたのですけれども、各省庁でいろいろ調整をしていきますとなかなか難しい問題がございましたので、閣議決定による制度として導入をすることといたしました。これによりまして実施をしてまいりたいと思いますが、これによって地方分権推進の大きな突破口ができると思いますので、各地方でこの制度をひとつ採用してもらいたいと思っております。
 それから、中央集権が行き過ぎまして、都道府県あるいは多くの地方公共団体が東京に事務所を置く、予算編成の時期には大変なエネルギーを使っているではないかということは承知をいたしておりまして、事務所を置くことは大事かもしれませんけれども、予算編成時期などの光景はいかにも異常であります。これは、やはり何とか改善をしなければならない出来事である。半ばは中央政府に問題があるんだということも、そう考えております。
 できるだけ、権限と財源を地方に移譲して、住民に身近なことは地方公共団体が自分でできるように、そういう行政改革が必要だということを、あのような異常な光景は示しておるということは、私も強く感じておりますので、そういう努力を続けてまいりたいと思います。(拍手)
    〔国務大臣村田敬次郎君登壇〕
#35
○国務大臣(村田敬次郎君) 斉藤議員にお答えを申し上げたいと思います。
 公共事業等に係る補助負担率の恒久化に伴う地方財政への影響額や補助金等の一般財源化に見合う影響額につきましては、毎年度の地方財政計画の策定を通じて所要の地方財源を確保するとともに、個々の地方団体に対しても、地方債や地方交付税により適切な財源措置を講ずることとしておるところでございます。
 また、今回の公共事業等に係る補助率等の見直しは、地方団体の自主性を高めるという点にも留意をしながら、行革審答申などを踏まえ、体系化、簡素化等についての観点から検討を行った結果、直轄事業にあっては三分の二、補助事業にあっては二分の一を基本として恒久化することとしたものでございます。
 それから、地方分権についてのお尋ねにお答えいたします。
 お尋ねの中核市の制度は、規模能力の比較的大きな都市についてその事務権限を強化しようとするものでございまして、恒久的な制度として法律上位置づけることを前提としていると考えられます。
 一方、地方分権特例制度、いわゆるパイロット制度は、総理から御説明がございましたように、地方公共団体の自主性、自立性を強化することを目的とするという点では、中核市の制度と共通するものがございますが、閣議決定によってなされたという点が、中核市の考え方とは違うと思うのでございます。
 いずれにいたしましても、広域連合の制度は、広域的な行政需要に適切に対応するための新たな仕組みを設けようとするものでありまして、地方分権特例制度とは直接の関係を有するものではないと理解をしております。
 総理の御指摘になりましたように、中央政府は小さな政府、地方政府は身近な地方自治という観点で、今後進めてまいりたいと思っております。(拍手)
    〔国務大臣林義郎君登壇〕
#36
○国務大臣(林義郎君) 斉藤議員の御質問にお答えいたします。
 第一は、地方財政の強化に逆行する特例措置の減額は断じて行うべきでない、こういう御質問でございます。
 この問題につきまして、私の方は、今回の地方交付税の減額措置は、国と地方が公経済を担う車の両輪である、両者が協力しながらバランスのとれた運営を行っていくことが必要であるという認識のもとに、現下の非常に厳しい国の予算編成状況のもとで、地方財政の円滑な運営に支障を生ずることのないよう、所要の地方交付税総額を確保した上で、関係者の理解を得て、地方交付税の特例措置を行おうとするものであることを御理解いただきたいと思います。
 質問の第二は、今回行われる国庫補助負担金の一般財源化は、地方への負担の転嫁であり、地方財政を圧迫するものであると考えるかどうか、こういう御質問だと思います。
 補助金等の一般財源化措置につきましては、地域の主体性を高める観点から、地方公共団体の自主性にゆだねるべきものについては一般財源化を進めるべきであるという累次の臨調・行革審答申を踏まえまして、地方公共団体の事務事業として同化定着してきているものについて積極的に推進してきたところでありまして、地方行政の自主性、総合性の向上に資するものと考えております。
 なお、一般財源化に伴う地方団体の負担につきましては、毎年度の地方財政計画の策定を通じ、適切に対処してまいる所存でございます。
 第三番目の問題は、道路整備につきまして、地方において対応すべきものは、その財源も地方に移管すべきではないか、こういう御質問でございますが、道路整備につきましては、道路法等に基づき、整備すべき道路の全国ネットワークにおける位置づけに応じまして、国と地方の役割分担のもとに、適切な整備を行ってきておるところでございます。
 また、全国的にバランスのとれた道路整備水準の確保、地域の課題に即応した道路整備の推進等の観点から、直轄事業、補助事業及び地方単独事業、それぞれ効果的に実施をしておるところでございます。今回の税制改正におきましても、国と地方公共団体の間における適切な財源配分が確保されるように配慮してまいるつもりでございます。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣中村喜四郎君登壇〕
#37
○国務大臣(中村喜四郎君) お答えいたします。
 道路行政における地方において対応すべき点については、権限もそして財源も大幅に地方に移譲すべきではないか、このような御質問でございました。
 この問題につきましては、道路整備については、全国的な幹線道路の整備につきましては、国道関係は建設大臣が、そして地方の幹線道路の整備、県道等につきましては地方団体が行っているわけでございます。道路法に基づきまして、全国ネットワークの中で役割分担をしながらこの行政を進めておりますので、御理解をいただければと思います。
 そして、整備手法につきましては、全国的な道路整備水準のバランスをとるということ、そして、地域の状況に適切に対応できるように、直轄そして補助、地単、こうしたものを網羅しながら道路行政を進めておりますので、御理解をいただければと思うわけでございます。
 第十一次道路整備五カ年計画の中におきまして軽油引取税を引き上げたわけでありますが、これは地方単独事業をふやしていくということで行ったわけでございます。そして、ガソリン税の国、地方の配分を変更することによりまして、国、地方がそれぞれ適正な財源を確保するための施策としてこのようなことをやらせていただきました。御理解をいただければと思います。(拍手)
    ―――――――――――――
#38
○議長(櫻内義雄君) 吉井英勝君。
    〔議長退席、副議長着席〕
    〔吉井英勝君登壇〕
#39
○吉井英勝君 私は、日本共産党を代表して、一九九三年度地方財政計画、地方交付税法並びに地方税法改正案に関連して、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 この国会は、二つの大きな課題があります。言うまでもなく、その一つは佐川暴力団疑惑の解明です。東京佐川急便や平和相銀の公判廷でも、先日の証人喚問でも、竹下、金丸、小沢氏らの偽証の疑いが深まりました。ところが総理は、この疑惑解明に全く熱意がありません。一方、深刻な不況に苦しむ中小企業、労働者、国民の暮らしを守る課題について政府の出してきた予算案は、中小企業対策費はマイナス、切実な減税要求は無視するなど、国民本位の不況対策には背を向けています。その一方で、大幅に拡大された公共事業は相変わらず大企業向けの大型プロジェクト中心であり、しかも、地方にも借金を押しつけて拡大するなど、重大な問題を持っています。そこで、私は、地方自治と住民生活を守る立場から、以下ただしていきたいと思います。
 まず第一に、総理の地方自治と住民生活についての姿勢であります。
 一九八一年七月以来の臨調行革路線は、国際貢献国家づくりを基本に据えて、国は外交、防衛などに専念し、福祉や教育、社会保障など国民生活にかかわる分野は地方自治体に任せることとしています。その一方で、より広域的な自治体づくりのために、道州制や連合制、市町村の大規模再編など、住民が主人公という地方自治の原則とは全く相入れないものを地方分権の名で提唱してまいりました。
 これらを受けて政府は、地方分権という言葉で、憲法の定めている生存権や教育を受ける権利を保障する国の責任を放棄しようとしています。義務教育国庫負担金等の共済追加費用や国保事務費補助金、あるいは国民の強い反対に遭って見送られた公立保育園の保母の人件費への国の補助金を削減して、地方交付税で措置する、地方の一般財源で措置すると言っていますが、その財源となる交付税の実際に地方へ配分される総額は、前年よりマイナスになっているのであります。財源となる交付税を減らして、どうして新たなものを交付税で負担できるのですか。交付税の総額そのものをふやさないで、財源措置をしたと言っても、そのしわ寄せは他の財政需要に及び、その分野でのサービスの低下を引き起こすことになるのは明らかではありませんか。一般財源化という名の国庫補助金削減の中止を強く求めます。総理、いかがですか。(拍手)
 一九八五年度一年限りとして始められた国庫補助負担金の一律カットは、国民には影響ないとの政府見解にもかかわらず、生活保護受給者は補助金カットが行われた八五年から年々減少し、十一年間で四割、約六十万人が保護を打ち切られました。貧困や生活苦のために自殺や餓死に追い込まれるなど、生存権を侵害する事件が相次いで起きていながら予算が毎年削減されてきた事実を挙げるだけでも、影響がないところか、住民生活、特に生活弱者に直接影響を及ぼすものであったことは明らかであります。総理は、このことに胸の痛みを覚えられないのか、伺いたいと思います。
 総理は、生活大国づくりを言っておりますが、住宅や下水、都市公園などの社会資本整備のシビルミニマムについて、国の責任で行うべきだと思いますが、どうですか。また、こういうときに公共事業の補助率引き下げの恒久化は、自治体財政に大きな負担を押しつけることになるのは明らかではありませんか。明確な答弁を求めます。(拍手)
 さらに、今回の補助率恒久化の影響額は八千七百億円、これは補助金一律カットが行われた初年度の額五千八百億円を上回るものであります。しかも、経常経費の補助率恒久化の際に行われた権限の移譲さえも今回は全くありません。文字どおりの地方への負担の転嫁ではありませんか。地方にそれだけの財政的余裕があると総理は考えておられるのか、答弁を求めます。
 第二に、地方自治を財政面から裏づける地方交付税についてであります。
 九三年度もまた、特例分だけでも四千億円、先送り分も含めれば一兆円を超える交付税が減額されようとしているのであります。交付税の減額はこれで三年連続であり、先送りされた交付税総額は四兆一千億円を超え、九三年度の交付税の法定総額十五兆九千八百四億円の実に四分の一にも達するのであります。こうした多額の交付税を減額する一方、地方財政は交付税特別会計で二兆一千八百五十九億円もの借金を余儀なくされています。四兆円の交付税があるのに、二兆円の借金がなぜ押しつけられるのかという自治体関係者の声は当然であります。地方の固有の財源である交付税財源があるにもかかわらず、国の都合で地方に借金を強要することが、地方公共団体の自主性、自立性の強化につながると総理は考えておられるのかどうか、答弁を求めます。(拍手)
 第三に、来年度の地方財政計画についてであります。
 計画では、地方単独事業を前年比一二・〇%と、三年連続して二けた台の伸びを確保しています。昨年秋の総合経済対策では、年度当初の計画額を上回る一兆八千億円の単独事業を自治体に要請しましたが、その財源はすべて起債で賄うというものであります。バブル経済崩壊の影響は自治体財政にもあらわれており、財源なしの単独事業の拡大は公債費負担比率の上昇を促し、財政硬直化を招きかねません。歯どめをどうするのか、自治大臣の答弁を求めます。
 第四に、地方税の問題について伺います。
 その第一は、固定資産税についてです。地価公示価格の七割に評価額を引き上げるという九四年度の評価がえは、自治体によっては、平均評価額が最高五、六倍に引き上がるという驚くべき事態が予想されます。負担調整措置があっても、最終的には引き上げられた評価額に見合う税負担が求められできます。
 従来、自治省は、地価公示価格と固定資産税の評価額との乖離について、自治体からのサービスに着目して、その受益に応じて負担を求める固定資産税の性格、あるいは地価公示と固定資産税の評価の趣旨、目的、方法が異なるから乖離があるのは当然だという態度をとっており、固定資産税の評価は適正だと言明してきたはずであります。それならなぜ、税の性格や評価基準の見直しもしないで、評価額だけを引き上げようとするのか、国民にとって納得はできません。それとも、従来の評価額は適正でなかったというのですか。自治大臣の明瞭な答弁を求めます。(拍手)
 さらに重大なのは、引き上げの基準になっている地価公示価格の評価そのものに疑問が出ていることであります。固定資産税の評価点は四十万カ所、これに比べて地価公示の評価地点は、ふやしたとはいえわずか一万七千カ所であります。評価地点の少ない地価公示価格が公的評価の基準となり得るのかどうか、内政審議室で検討することになっているはずであります。国民に十分な説得もなく、評価についての疑問が出され、検討中の地価公示価格に急いで合わせる必要は全くありません。評価がえの作業、その中止を求めるものであります。(拍手)
 その第二は、国保税です。最高限度額を四万円引き上げる予定でありますが、時の厚生大臣が、保険料も相当引き上げられてきて限界に近い状況に来ているとの認識を示した八四年度を基準にしても、加入者の所得の伸びは一・二五倍、税の調定額は一・三八倍と、所得の伸びを上回る税の引き上げが行われ、負担の実態は一層深刻になっています。大阪商工団体連合会の調査でも、この不況のもとで中小零細業者が一番望んでいるものは国保税の軽減であります。また、来年度は保険基盤安定制度の国の負担四百六十億円を地方に転嫁しょうとしていますが、相次ぐ国保税の引き上げや地方への負担の転嫁は、国の責任を第一義的に明文化している国民健康保険法はもとより、地方財政法の趣旨に反するものではありませんか。負担転嫁は取りやめ、国保税の引き上げは中止をすべきであると思いますが、総理の答弁を求めるものであります。
 その第三は、住民税減税であります。所得が生活保護基準並みの人に住民税が課税されるという事態を避けるために、九三年度も非課税限度額はわずかばかり引き上げられますが、こうしたこそくな手段ではなく、政府がとり得る内需拡大の最も確実な道である、所得税、住民税合わせて二兆円の減税を要求するものであります。
 減税を実施するかどうか、最後に総理の答弁を求めて、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣宮澤喜一君登壇〕
#40
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 生活大国を実現いたしますために、公共投資基本計画あるいは「生活大国五か年計画」等の考え方に従いまして、その分野への重点的な予算配賦あるいは社会資本整備を推進しておりますけれども、もちろん地方自治体にも大きな役割を担ってもらっておりますが、これは何も地方自治体に任せてできることではございませんで、国と地方の適切な役割分担、費用分担をしてやってまいりたいと思っております。
 それから、生活保護を、補助金カットが原因で打ち切るというようなことは絶対にございません。保護を必要としている人々の生活保護を打ち切るというようなことはあり得ないことであります。
 それから、補助金の一般財源化につきましては、やはり事業、事務が地方の仕事として定着したものにつきましてだんだん一般財源化をしていくことがいい、それが地方自治のためになるという意見であります。
 それから、公共事業に係る補助率は、平成五年度以降、直轄事業は三分の二、補助事業は二分の一を原則といたします。これは地方の負担軽減を図ったものではございません。毎年度の地方財政計画の策定等を通じまして、地方財政の円滑な運営に支障が生じるようなことがありますれば、この地方財政計画を通じまして適切な処理をいたします。
 それから、地方交付税の特例の減額でございますが、地方公共団体の自主性、自立性の強化を考えながら、住民福祉の向上あるいは景気に配慮した地方の施策等々、地方にもやはり非常な財政需要がございます。当然のことでございますが、ございますから、それを考え、地方交付税総額を確保いたしました上で、国の財政事情のもとで公経済のバランスを勘案して、地方にもひとつ協力を願ったということでございます。地方の財政の円滑な運営ということは、もとより最も大切なこととして今後とも考えてまいります。
 それから、国保税等々のことでございますけれども、今回の国民健康保険制度の見直しは、国保財政の安定化と、それから保険料負担の各地域による平準化を図るために緊急な措置としていたしました。また、これにつきましては、それに見合います地方財政措置が講じられておりますから、国庫負担を地方へ転嫁をするという趣旨のものではございません。
 所得税、住民税あわせての減税のお話でございますが、たびたびこの本会議でも申し上げておりますので繰り返しはいたしませんが、国としては、やはり財政が一定の負担をする場合に、公共投資の方が、この隊としては景気回復に効率的であろうというふうに考えたわけでございます。そのような予算編成をいたしてまいりました。
 いずれにしましても、今の財政事情を考えますと、減税ということになりますと、代替財源をいかにするかという問題を解決しなければならないということは、申し上げるまでもないことでございます。
 残りの問題は、自治大臣からお答えをいたします。(拍手)
    〔国務大臣村田敬次郎君登壇〕
#41
○国務大臣(村田敬次郎君) お答えを申し上げます。
 地方単独事業費の確保は、地方団体の自主的、主体的な地域づくりや、住民に身近な生活関連施設の整備を促進するために極めて重要な課題であると考えております。また、景気に対しても十分配慮をする必要があると考えております。
 地方単独事業の推進のためには、一般財源とともに地方債の適切な活用を図る必要がありますが、その償還については、将来の地方財政の健全性を損なわないように十分留意をしてまいるつもりでございます。
 それから、固定資産税についてお答えを申し上げます。
 固定資産税における土地評価は、適切な時価を求めるものとされておりまして、従来から、固定資産評価基準に基づき、適正な評価に努めてきたところでございます。しかしながら、御指摘がございましたように、近年の急激な地価高騰によりまして、地価公示価格との間に著しい乖離が生じてきたところでございます。
 次回の平成六年評価がえにおきましては、公的土地評価相互の均衡と適正化を図るという土地基本法の趣旨を十分踏まえまして、地価公示価格との均衡により一層留意をいたしまして、評価の均衡化と適正化を図ることとしております。なお、この評価がえは、固定資産税の性格や評価の基本的な考え方を変えるものではないと認識をいたしておるところでございます。
 以上、お答え申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#42
○副議長(村山喜一君) 小平忠正君。
    〔小平忠正君登壇〕
#43
○小平忠正君 私は、民社党を代表して、ただいま提案のありました地方税法等の一部を改正する法律案、地方交付税法等の一部を改正する法律案、平成五年度地方財政計画につきまして、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 まず、地方分権について、政府の基本姿勢を伺います。
 現在、地方分権については、道州制、連邦制等さまざまな議論がなされております。その議論に共通していることは、我が国の地方自治を正しく発展させ、真に住民に身近なものとするために、現状のような国に偏り過ぎた国と地方との関係を改革すべきであるということに尽きると思います。
 毎年の予算編成の時期に霞が関に多くの地方団体の関係者が陳情に訪れる姿や、首長選挙のたびに保守系候補者が有権者に呼びかける「中央直結」という決まり文句などは、いやが応でも中央集権政治を如実にあらわしております。このような利益誘導政治、中央集権体制を改革しない限り、地方政治の健全な発展は望むべくもないと言わざるを得ません。
 確かに、地方自治は民主主義のかなめとして制度的には確立をいたしております。現行憲法でも、独立の章を設け、地方自治に関する諸原理と基本的制度を保障し、地方自治の廃止は直ちに違憲であり、「地方自治の本旨」に反する一切の立法化は禁止するという、明確かつ積極的な内容を示しております。しかし、制度的に保障されているだけにすぎません。地方の自立性が阻害されている現状は言うまでもなく、地方自治を確立するためにも、地方分権を断行する必要があります。
 地方分権推進のための第一は、許認可権限の見直しについてであります。
 これまで歴代内閣は、地方自治の尊重と地方分権の推進を題目としてまいりました。しかし、現実に実行されているとは到底思われません。許認可件数は、八五年度末一万五十四件だったのが、九二年度末現在で一万九百四十二件と増加をしているのであります。政府は、中央官庁の持つ許認可権限がどれほど地方の独自性を阻害しているのか認識をされておられますか。
 例えば、人口十万人に満たない市町村は、開発許可や建築確認権限を持たないために、自由な町づくりもできません。たとえ人口は少なくとも、個々の市町村が、自分の町をどう開発するかといった町づくり計画の権限を持っていないということは、民主主義の否定、自治の否定であります。
 総理、あなたは口を開けば、権限移譲を推進すべきであると述べておられます。今国会冒頭の施政方針演説でも、地方の自主的、主体的なふるさとづくりのための支援を約束されました。この際、有言実行を求めたいのであります。総理の強力なリーダーシップによって、許認可権限の大幅移譲を断行すべきと考えますが、明快なお答えをいただきたい。
 第二は、補助金制度の改革についてであります。
 全国三千三百余の地方公共団体には、それぞれ地域の特徴があり、事業の優先順位や必要の度合い、財政状況が違うにもかかわらず、国が補助という形で、すべて国の都合で事業を押しつけてくるために、自治の健全な発展を阻害する大きな要因となっております。
 もちろん、補助金制度すべてを否定するわけではありません。しかし現行の補助金制度は、算定基準が低いために地方に超過負担を余儀なくさせていること、交付時期が遅いため事業がおくれがちになること、一件当たりの補助金額の小さいものが多く補助効果が上がらないこと、補助金交付に伴い国が地方に強く介入することなど、数多くの問題があります。また、補助金一件を国に申請して交付されるまでの事務手続の煩雑さと費用負担の多さは、事をさらに複雑化いたしております。
 補助金百万円を国から交付してもらうために地方公共団体の要する必要経費が七十万円にも上るなどという例は、笑い話では済まされません。現実に数多く見られる事例なのであります。これこそ不合理、むだ遣いの最たるものとお思いではありませんか。地方にとって迷惑な補助金、効果が上がらないことを地方や国自身が熟知している補助金もあります。
 縦割り行政のむだを排除し、地方が自主性を発揮するためにも、補助金の交付に当たって期限を設け、その施策を定期的に見直すサンセット法を制定すべきと考えますが、総理及び自治大臣の見解をお聞きしたいのであります。
 第三は、地方の自主財源の拡充であります。
 総理の述べておられる生活大国を本当に実現するためには、住民ニーズの多様化に即応できる態勢を築くことが大切であり、そのために地方の果たす役割は非常に重要であると考えられます。
 現在、財源配分が国に偏り過ぎているため、地方公共団体の自立性は弱体化するばかりとなっております。現行制度では、全租税の六三・五%を国が徴収し、残り三六・五%を地方公共団体が徴収するようになっておりますが、住民福祉の安定、向上に寄与するために、できるだけ多くの財源を基礎的地方公共団体である市町村に移譲し、最低でも国と地方の租税配分の割合を五〇%ずつにすることが地方分権の基本であると考えますが、この点について、総理並びに自治大臣の御答弁を求めるものであります。
 また、民社党はかねてより、普通建設事業費の補助負担金分を国庫補助の体系から外し、第二交付税として地方に一括交付し、その使途は地方公共団体の裁量にゆだねるという第二交付税制度を提唱してまいりました。総理も、この第二交付税制度の提案について、引き続き慎重に検討する、こう述べられております。総理が慎重に検討された結果をぜひお伺いしたいのであります。
 次に、平成五年度地方交付税の総額の特例措置についてお尋ねをいたします。
 政府の経済政策の誤りにより、日本経済はいまだ深刻な不況にあえいでおりますが、この景気の減速による影響は、国のみならず地方財政にも及んでおり、地方財政の運営に大きな支障が生じております。
 自治省がまとめた平成三年度の都道府県普通会計決算の概要によると、実質単年度収支は昨年に引き続き七十一億円の赤字を計上、また、市町村ベースで見ても五百三十九億円の赤字であることが明らかになっております。また、当然のことながら、深刻な不況下にあった平成四年度決算においてはさらに厳しい状況であると推測されます。
 しかし、政府は、このような厳しい状況下にもかかわらず、地方固有の一般財源である地方交付税交付金を平成三年度五千億円、平成四年度には八千五百億円特例減額したのに続き、今年度についても四千億円特例減額する方針を示しております。
 このように、特例減額を続けるならば、国から地方への返済は実質的に棚上げされ、地方交付税は減額され続ける結果になり、地方公共団体に大きな影響が生ずることは明々白々であります。民社党として、地方交付税交付金の特例減額は極めて遺憾であると強く申し上げる次第であります。
 総理、この問題に対する昨年のあなたの御答弁を覚えていらっしゃいますか。将来にわたり地方財政の円滑な運営に支障を生ずることのないように適正に地方財政収支見通しを策定し、交付税総額を確保するとこの場で、この本会議場で述べられております。一年間考慮した結果が地方交付税交付金の三年連続の特例減額なのでしょうか。二度あることは三度あるという言葉がありますが、総理、あなたはこの格言を悪い意味で実行されようとするのですか、ぜひお答えをいただきたいのであります。
 最後に、地方税制改正に関連して、自動車関係諸税についてお伺いいたします。
 日本における自動車運転免許保有者数は約六千万人、自動車保有台数約六千万台と、自動車と国民生活、社会経済とは密接につながっており、自動車はもはやぜいたく品ではなく、生活必需品であることは言うまでもありません。しかし、政府は、税金は取りやすいところから取るという態度を続けております。現在、自動車には九種類もの税金を課せられているばかりでなく、六種類の税が長期間にわたって暫定税率となっております。
 この結果、自動車保有者の税金の年間平均負担額は約十四万円に上っており、自動車保有者の税負担はその限界を超えていると言っても過言ではありません。自動車税のうち個々の税を検討すれば、それぞれ理由があるやもしれません。しかし、自動車関係諸税全体でとらえれば、これほど理不尽な税制はないと思われます。国民負担軽減の見地からも、自動車諸税の抜本的な見直しと軽減を行うべきであります。自動車が生活必需品とお考えか否か、国民の税負担は限界と考えるのかという見解を踏まえた上で、総理、大蔵大臣並びに自治大臣の自動車諸税に対するお考えをお聞きして、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣宮澤喜一君登壇〕
#44
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 国と地方の機能分担を見直しまして、多様で自立的な地域社会の実現を果たしますために、行財政改革を推進することは極めて大事であると思います。殊に、住民に身近な行政は住民に身近な地方公共団体に処理をしてもらうというのは大事なことでありまして、そういうことには従来も努めてまいったつもりでございますけれども、なお十分にその努力を続けてまいります。
 今般、いわゆるパイロット自治体制度を閣議決定いたしましたが、これなどもそのテストケースとして地方行財政改革に寄与するのではないかというふうに考えております。」それから、サンセット法というものを考えないかということで、実際、法律というのは、一度つくりますといつまでも残っておるという、そういう点は確かにございます。これは臨調などでも指摘されていることでございますから、法律というものの終期の設定というのはやはり大切に考えなければならない問題だと思っておりまして、補助金につきましても、このことはもとより申せることであると思いますので、このことはいつも心がけてまいりたいと思います。
 それから、市町村の自主財源でございますが、いわゆる地方の行政を中央から地方に移譲するというときには、やはり財源も移譲しなければ、行財政合わせませんと改善はできないわけでございますので、自主財源であります地方税とあわせまして交付税等の一般財源の充実強化が必要だと思います。そういうふうにやってまいりたいと思っております。
 それから、補助金などについて、殊に今御指摘になりましたのは、普通建設事業費の補助金等を地方に一括交付することでいいではないかという御提案は、その限りにおいて地方の自主性が尊重されますので、御趣旨は理解できます。実は、この点は、国がいわゆる縦割り行政としばしば批判されますようなことがございますが、国がおのおのの行政を持っておりますので、それがそのまま地方に向かって建設事業になっておりるという場合に、地方としては、仮に建物であれば、一つで受けられないかというふうに考える場合が私はあって、それはまあ確かに無理もないことがあるというふうに思います。このことは、ですから御指摘の趣旨は理解ができますが、国と地方の役割分担にも関係をいたしますので、引き続いて慎重な検討をさせていただきたいと思います。
 それから、地方交付税の特例減額のことでございますが、地方も地方単独事業もたくさんやってもらいますし、住民福祉も向上しなければならない。大変な財政需要がありますから、決して地方の財政に余裕があるというふうに考えておるわけではございません。ただ、現実に国の財政がこういうことになっておりますので、地方に対する交付税総額を確保いたしました上で特例措置をお願いしたということでございますけれども、これは決して好んでやることではございません。関係の方々の御理解を得て、ともかくも御理解を得てやったことでございますが、その点、どうぞ御理解をお願いいたしたいと思います。
 それから、自動車関係諸税が高いが、どうだという、適正でないというような御主張でございますけれども、聞いておりますところでは、我が国の自動車に関する税負担水準は、西欧諸国と比べて決して高くはないというふうに聞いておりまして、現行税制には相応の理由があるというふうに思っております。
 残りのお尋ねにつきましては、関係大臣からお答えいたします。(拍手)
    〔国務大臣村田敬次郎君登壇〕
#45
○国務大臣(村田敬次郎君) お答え申し上げます。
 まず、国庫補助負担金につきましてでございますが、国と地方公共団体が協力して事務事業を実施するのに際し、一定の行政水準の維持や特定の施策の奨励などの機能を果たしておりますが、一方では、ともすれば地方行政の自主性、総合性を阻害することとなりやすいなどの問題もありますので、総理がお触れになりましたように、サンセット化、つまり期限を設けて見直すようなこともしっかり念頭に置きながら、今後ともその整理合理化に十分注意をしていかなければならないと思っております。
 それから次に、自主財源の強化についてでありますが、基礎的な地方団体である市町村を含め、地方団体が自主的に地域の活性化を図っていくためには、基本的には自主財源である地方税の充実強化が望ましいと考えております。しかし、地域に税源が偏在している現状、これはどうしても事実としてあるわけでございますので、地方税の充実のみでは、税源に乏しい地方団体における財源強化には限界がある。そこで、地方交付税という組織、機能を含めた地方一般財源の充実確保を図っていく必要があると考えております。
 自動車税につきましては、御承知のようにもつの税金があるわけでございますが、これは、総理が御答弁をされましたように、我が国の自動車関係諸税の税負担は、西欧諸国に比較して著しく高いわけではないということを考慮して、これらの税を抜本的に見直し、軽減することにつきましては、慎重に対応する必要があるものと考えております。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣林義郎君登壇〕
#46
○国務大臣(林義郎君) 小平議員の御質問にお答えいたします。
 私に対する御質問は、自動車関係諸税の抜本的な見直しと軽減を行うべきではないか、こういうお話でございます。
 既に総理及び自治大臣からお話しされたとほとんど同意見でございまして、現在の税体系は、取得、保有、燃料の消費に着目して、それぞれの段階で税を課す、こういうことになっておりまして、全体として適正な負担が実現されていると考えております。その性格、課税主体、課税物件等を異にしていることなどにかんがみますと、現行税体系にはやはりそれ相応の理屈があるのだろうと思います。先ほど総理から、また自治大臣からもお話がありましたように、西欧諸国と比較して決して高い税金ではない。現下の厳しい財政事情等を勘案しますと、その軽減を行うという考えは現在持っておりません。
 以上、お答え申し上げます。(拍手)
#47
○副議長(村山喜一君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#48
○副議長(村山喜一君) 本日は、これにて散会いたします。
   午後二時二十九分散会
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ソース: 国立国会図書館
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