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1993/05/20 第126回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第126回国会 本会議 第28号
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1993/05/20 第126回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第126回国会 本会議 第28号

#1
第126回国会 本会議 第28号
平成五年五月二十日(木曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第二十一号
  平成五年五月二十日
    正午開議
 第一 環境基本法案(内閣提出)
 第二 環境基本法の施行に伴う関係法律の整備
    等に関する法律案(内閣提出)
 第三 農業機械化促進法の一部を改正する法律
    案(内閣提出)
 第四 農業経営基盤の強化のための関係法律の
    整備に関する法律案(内閣提出)
 第五 特定農山村地域における農林業等の活性
    化のための基盤整備の促進に関する法律
    案(内閣提出)
 第六 郵便貯金法の一部を改正する法律案(内
    閣提出)
○本日の会議に付した案件
 日程第一 環境基本法案(内閣提出)
 日程第二 環境基本法の施行に伴う関係法律の
  整備等に関する法律案(内閣提出)
 日程第三 農業機械化促進法の一部を改正する
  法律案(内閣提出)
 日程第四 農業経営基盤の強化のための関係法
  律の整備に関する法律案(内閣提出)
 日程第五 特定農山村地域における農林業等の
  活性化のための基盤整備の促進に関する法律
  案(内閣提出)
 日程第六 郵便貯金法の一部を改正する法律案
  (内閣提出)
 林大蔵大臣の平成三年度決算の概要についての
  発言及び質疑
    午後零時二分開議
#2
○議長(櫻内義雄君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第一 環境基本法案(内閣提出)
 日程第二 環境基本法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出)
#3
○議長(櫻内義雄君) 日程第一、環境基本法案、日程第二、環境基本法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。環境委員長原田昇左右君。
    ―――――――――――――
 環境基本法案及び同報告書
 環境基本法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔原田昇左右君登壇〕
#4
○原田昇左右君 ただいま議題となりました環境基本法案及び環境基本法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案につきまして、環境委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、環境基本法案は、今日の環境政策の対象領域の広がりに対処し、特に都市・生活型公害や地球環境問題に対しても適切な対策を講じていくため、環境の保全の基本的理念と、これに基づく基本的施策の総合的な枠組みを示す新しい基本法を定めようとするものであります。
 その主な内容は、
 第一に、環境の保全についての基本理念として、環境の恵沢を享受し、将来の世代に継承すること、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会を構築すること、及び国際的協調による地球環境保全を積極的に推進すること、という三つの理念を明らかにすること、
 第二に、国、地方公共団体、事業者及び国民の環境の保全に関する責務を明らかにすること、
 第三に、環境の保全に関する施策に関し、まず、施策の策定及び実施に係る指針を明示し、環境基本計画を定めて施策の大綱を国民の前に明らかにするとともに、環境基準、公害防止計画について定め、環境影響評価の推進、環境の保全上の支障を防止するための規制及び経済的手法について定め、さらに、環境教育、情報の提供、科学技術の振興について規定するとともに、地球環境保全に関する国際協力の積極的推進など基本的な施策について定めるものであります。
 次に、環境基本法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の主な内容は、ただいま御説明申し上げました環境基本法の施行に伴い、公害対策基本法を廃止するほか、自然環境保全法等の十八法律について規定の整備を行うとともに、所要の経過措置を定めるものであります。
 両法律案は、去る三月十二日本院に提出され、四月二十日本会議において趣旨説明及び質疑が行われた後、同日両法律案とも本委員会に付託されたものであります。
 本委員会におきましては、同日林環境庁長官より、それぞれ提案理由の説明を聴取し、二十三日両法律案は馬場昇君外二名提出の環境基本法案とともに一括して質疑に入り、五月十一日には参考人から意見を聴取し、また、十二日には大阪府に委員を派遣し、現地において意見を聴取し、十三日には公聴会を開催するとともに、十八日には宮澤内閣総理大臣の出席を求めて質疑を行うなど、慎重かつ熱心な審査を行ってまいりました。
 かくて、同十八日質疑を終了いたしましたところ、両法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議及び民社党の四党共同提案による「環境の日」を設けること及びこれに伴う規定の整備を行うことを内容とする両修正案が、また、日本共産党から「環境保全の諸基本原則を明確にすること等」を内容とする修正案
が提出され、それぞれ趣旨の説明を聴取した後、採決の結果、環境基本法案については、日本共産党提出の修正案を少数をもって否決した後、四党共同提出の修正案及び修正部分を除く原案はいずれも全会一致をもって可決し、次に、環境基本法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案につきましても、四党共同提出の修正案及び修正部分を除く原案はいずれも全会一致をもって可決し、両法律案とも修正議決すべきものと決した次第であります。
 なお、環境基本法案に対し附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#5
○議長(櫻内義雄君) 両案を一括して採決いたします。
 両案の委員長の報告はいずれも修正であります。両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり決しました。
     ――――◇―――――
 日程第三 農業機械化促進法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第四 農業経営基盤の強化のための関係法律の整備に関する法律案(内閣提出)
 日程第五 特定農山村地域における農林業等の活性化のための基盤整備の促進に関する法律案(内閣提出)
#7
○議長(櫻内義雄君) 日程第三、農業機械化促進法の一部を改正する法律案、日程第四、農業経営基盤の強化のための関係法律の整備に関する法律案、日程第五、特定農山村地域における農林業等の活性化のための基盤整備の促進に関する法律案、右三案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。農林水産委員長平沼赳夫君。
    ―――――――――――――
 農業機械化促進法の一部を改正する法律案及び同報告書
 農業経営基盤の強化のための関係法律の整備に関する法律案及び同報告書
 特定農山村地域における農林業等の活性化のための基盤整備の促進に関する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔平沼赳夫君登壇〕
#8
○平沼赳夫君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、農業機械化促進法の一部を改正する法律案は、農業を取り巻く諸情勢の変化にかんがみ、高性能農業機械及び農業機械化適応農業資材の計画的な試験研究、実用化の促進及び導入に関する措置を講ずるとともに、当該措置に関する生物系特定産業技術研究推進機構の業務の追加を行おうとするものであります。
 次に、農業経営基盤の強化のための関係法律の整備に関する法律案は、効率的かつ安定的な農業経営が農業生産の相当部分を担うような農業構造を確立するため、農業経営の目標の明確化、農業経営の改善を図ろうとする者に対する農用地の利用の集積、農業生産法人の事業及び構成員の範囲の拡大その他の農業経営基盤の強化のための措置を総合的に講じようとするものであります。
 次に、特定農山村地域における農林業等の活性化のための基盤整備の促進に関する法律案は、特定農山村地域における農林業その他の事業を振興し、豊かで住みよい農山村の育成を図るため、基盤整備計画の作成について定めるとともに、農林地所有権移転等促進事業の創設、森林組合法及び土地改良法の特例の創設、地方財政上の特例措置等所要の措置を講じようとするものであります。これら三法律案は、去る四月九日本会議において政府の趣旨説明及びこれに対する質疑が行われ、同日農林水産委員会に付託されました。当委員会におきましては、四月十四日田名部農林水産大臣から三法律案の提案理由の説明を聴取した後、四月二十日から五月十九日までの間、五日にわたり政府に対する質疑を行うとともに、五月十一日には参考人から意見を聴取したほか、五月十四日及び十五日の二日間にわたり委員派遣を実施するなど、慎重に審査を行いました。
 五月十九日質疑を終局し、まず、農業機械化促進法の一部を改正する法律案について採決いたしましたところ、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 続いて、農業経営基盤の強化のための関係法律の整備に関する法律案及び特定農山村地域における農林業等の活性化のための基盤整備の促進に関する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議及び民社党の共同提案により、それぞれ修正案が提出され、趣旨説明の後、討論を行い、まず、農業経営基盤の強化のための関係法律の整備に関する法律案について採決いたしましたところ、修正案及び修正部分を除く原案をいずれも多数をもって可決し、よって、本案は修正議決すべきものと決した次第であります。
 次に、特定農山村地域における農林業等の活性化のための基盤整備の促進に関する法律案について採決いたしましたところ、修正案及び修正部分を除く原案をいずれも多数をもって可決し、よって、本案は修正議決すべきものと決した次第であります。
 なお、以上の三法律案に対し、それぞれ附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#9
○議長(櫻内義雄君) これより採決に入ります。
 まず、日程第三につき採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
 次に、日程第四及び第五の両案を一括して採決いたします。
 両案の委員長の報告はいずれも修正であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#11
○議長(櫻内義雄君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり決しました。
     ――――◇―――――
 日程第六 郵便貯金法の一部を改正する法律案(内閣提出)
#12
○議長(櫻内義雄君) 日程第六、郵便貯金法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。逓信委員長亀井久興君。
    ―――――――――――――
 郵便貯金法の一部を改正する法律案及び同報告
  書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔亀井久興君登壇〕
#13
○亀井久興君 ただいま議題となりました法律案につきまして、逓信委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、郵便貯金の預金者の利益の増進を図り、あわせて金融自由化に的確に対応するとともに郵便貯金事業の健全な経営の確保に資する等のため、勤労者財産形成貯蓄契約等に係る郵便貯金の貯金総額の制限額を引き上げること、定額郵便貯金の利率は、政令で定めるところにより市場金利を勘案し郵政大臣が定めるものとすること、郵
便貯金特別会計の金融自由化対策資金の運用範囲を拡大すること等を行おうとするものであります。
 本案は、去る三月五日本委員会に付託され、五月十二日小泉郵政大臣から提案理由の説明を聴取し、昨十九日質疑を行い、同日質疑を終了し、採決の結果、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#14
○議長(櫻内義雄君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#15
○議長(櫻内義雄君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 国務大臣の発言(平成三年度決算の概要につ
  いて)
#16
○議長(櫻内義雄君) 大蔵大臣から、平成三年度決算の概要について発言を求められております。これを許します。大蔵大臣林義郎君。
    〔国務大臣林義郎君登壇〕
#17
○国務大臣(林義郎君) 平成三年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 まず、一般会計におきまして、歳入の決算額は七十二兆九千九百五億円余、歳出の決算額は七十兆五千四百七十一億円余でありまして、差し引き二兆四千四百三十三億円余の剰余を生じました。
 この剰余金は、財政法第四十一条の規定によりまして、一般会計の平成四年度の歳入に繰り入れ済みであります。
 なお、平成三年度における財政法第六条の純剰余金は一兆五千三百十八億円余となります。
 以上の決算額を予算額と比較いたしますと、歳入につきましては、予算額七十兆六千百三十四億円余に比べて二兆三千七百七十億円余の増加となりますが、この増加額には、前年度剰余金受け入れが予算額に比べて増加した額九千三百九億円余が含まれておりますので、これを差し引きますと、歳入の純増加額は一兆四千四百六十一億円余となります。
 一方、歳出につきましては、予算額七十兆六千百三十四億円余に、平成二年度からの繰越額八千四百六十六億円余を加えました歳出予算現額七十一兆四千六百一億円余に対しまして、支出済み歳出額は七十兆五千四百七十一億円余でありまして、その差額九千百二十九億円余のうち、平成四年度に繰り越しました額は七千六百九十一億円余となっており、不用となりました額は千四百三十七億円余となっております。
 次に、予備費でありますが、平成三年度一般会計における予備費の予算額は千五百億円であり、その使用額は千四百四十五億円余であります。
 次に、平成三年度の特別会計の決算でありますが、これらの決算の内容につきましては、特別会計歳入歳出決算によって御了承願いたいと存じます。
 次に、平成三年度における国税収納金整理資金の受け入れ及び支払いでありますが、同資金への収納済み額は六十五兆三千九百七十九億円余でありまして、この資金からの一般会計等の歳入への組み入れ額等は六十五兆三千八百八十七億円余でありますので、差し引き九十一億円余が平成三年度末の資金残額となります。これは、主として国税に係る還付金として支払い決定済みのもので、年度内に支払いを終わらなかったものであります。
 次に、平成三年度の政府関係機関の決算の内容につきましては、それぞれの決算書によって御了承願いたいと存じます。以上が、平成三年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書の概要であります。
 何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。(拍手)
     ――――◇―――――
 国務大臣の発言(平成三年度決算の概要につ
  いて)に対する質疑
#18
○議長(櫻内義雄君) ただいまの発言に対して質疑の通告があります。これを許します。志賀一夫君。
    〔志賀一夫君登壇〕
#19
○志賀一夫君 私は、日本社会党・護憲民主連合を代表して、平成三年度決算及びその関連事項についてお尋ねをいたします。
 会計検査院が、平成三年度決算に関して検査対象としたのは、政府関係機関十一、公団十三、事業団十七、その他の法人五十二、そして日本放送協会などであり、その結果、法令等に違反し、または不当と認められた事項二百二十四件、関係大臣等に対して意見を表示し、または処置を要求した事項八件、指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項十八件などと報告されております。
 これらのうち、会計検査院が意見を表示し、または処置を要求した八件については、改善されたのかどうか不明なまま報告されております。その内訳は、文部省一件、厚生省三件、農林水産省二件、郵政省一件、建設省一件とされていますが、指摘を受けた各省が、それぞれの事項についてどのように改善努力をしたのか、あるいはどのような方針で取り組むのか、まず総理から具体的に実情を御報告願いたいと思います。
 ところで、報告の基礎となった検査の中で、約七百六十人しかいない調査官及び調査官補が行う実地検査は、三千五百二十一カ所に上ったとされております。それでもこれは、四万カ所近い検査双象の九%にすぎないのであります。そこで、私は、会計検査のあり方を改善する方策についてお尋ねをしたいと思います。御承知のように、財政法は、国会、裁判所及び会計検査院の予算の作成過程における各種の特例を認めており、内閣に対する独立性を予算面からも保障しております。また、会計検査院の事務総局の定員は、行政機関の職員の定員に関する法律の枠外とされ、独自に定員を定めることができるとされております。
 しかし、実態はどうでしょうか。例えば、過去十カ年の間で会計検査院予算の伸び率が国の一般会計予算のそれを上回ったのは、わずかに四回しかありません。また、職員定数は、飛躍的な増員を見た一九五五年度の千百七十八人以来、九三年度の千二百四十人に至るまで、三十八年間をかけてわずか五%の増員を見たにすぎません。この間、財政規模は拡大し、また行財政の内容は複雑となるばかりか広く国際化し、さらには科学技術の急速な進歩が検査業務の高度化を求めるなど、業務の困難性は増大の一途をたどっているのであります。
 このような状況に対応するため、予算及び人員の面から飛躍的な体制強化を図らなければなりません。総理の基本的な見解を明らかにしていただきたいのであります。
 次に、政府開発援助に関する会計検査についてお尋ねをいたします。
 日本の援助費は、その絶対額だけを比較すれは、平成元年度に初めてアメリカを抜いて世界第一位となったわけでありますが、対GNP比で見れば、援助を実施している二十数カ国の中で第十二位程度を低迷しているにすぎないのであります。そればかりではありません。相手国の平和、環境、人権といった目標に貢献しているかどうか疑われる場合さえ見受けられるのであります。
 こうした事情に配慮して、会計検査院は、一九八七年度以来、ODA関連の海外調査を実施する
ようになりました。平成三年度決算においては、ボリビア、中華人民共和国、パキスタン、フィリピン、ザンビアの五カ国で、計六十七事業を調査の対象とし、対象事業が所期の目的を達成し、効果を上げているかなどの観点から、相手国の協力の得られる範囲内で現地調査を実施したのであります。
 このような海外調査は、相手国に対して検査権限が及ばないことなどを考えますと、事前の外交交渉を通じて相手国の理解と協力を得ることが極めて重要なポイントになりましょう。したがって、外務省の日常的な協力体制が必要不可欠となると思いますが、これに関する方針を外務大臣にお答えいただきたいのであります。
 現状では、相手国に検査権限が及ばないODA対象事業については、援助を行うに当たって、相手国との間に交わされる交換公文など国際約束の中において、我が国の会計検査等によるチェックを受け入れるとの合意を取りつけることを条件にすべきです。この点、総理はどのように判断されているのでありましょうか、お伺いをいたします。
 また、湾岸平和基金に対し、日本は、平成二年度及び三年度合わせて総額一兆五千億円の資金を拠出したのでありますが、いまだにその使用状況の報告がなされておりません。この基金の運営委員会には、我が国のサウジアラビア王国駐在大使が参加していることからも、政府は、速やかに拠出金の使用状況の報告を求めるべきであると思いますが、外務大臣、いかがでありましょうか。
 これまでの政府答弁から見ても、日本の拠出金は、戦争協力費用として使われたものではないという証明をしていただかなければなりません。その証明が困難であるために報告がおくれているのではないでしょうか。総理の明確な答弁をお聞きしたいのであります。(拍手)
 内政に関する問題についても、お尋ねをいたします。
 まず、九十一の医療機関に対して支払われた診療報酬のうち、約四億六千八百万円が適切でなく、これに対する国の負担額およそ二億六千二百万円が不当と認められたことについてであります。
 医療費にかかわる問題は、他にも不正行為として一件、意見表示または処置要求事項として一件、報告されております。これらの事実は、九三年度に二十四兆三千四百億円になると推計される巨大な国民医療費の抱える構造的な矛盾の一端を示すものととらえなければなりません。
 厚生大臣は、先日、医療経済研究機構を発足させると発表いたしました。研究課題としては、医療の産業連関、医療機関の地域における経済的波及効果、その他が挙げられています。今問題なのは、医療費の投入が、寝たきりや寝かせきりを防いでいるのか、難病などに対する治療法の開発に貢献しているかなどなど、医療費の効果測定に関する研究こそ、今日、必要不可欠となっていると考えますが、厚生大臣、いかがでございましょうか。(拍手)
 もう一つ内政の課題として、国及び地方公共団体の予算で行われる公共事業をめぐる問題であります。
 受注した建設会社等から公共投資の一部が政治家にやみの政治献金として還流し、これが企業側の使途不明金として巧みに隠ぺいされている事実、また、違法、不当な談合が日常化している状況、さらに、予定価格の積算根拠が不明または適切でない事態などが次々と明るみに出され、国際社会においてもこれらが注目されているところであります。
 しかし、残念なことに、平成三年度決算報告においては、これらにかかわる指摘は一件もありません。これは一体どのような理由によるものでしょうか。また、このような問題について、会計検査院が今からさかのぼって特別に調査する必要があるのではないでしょうか。総理の御見解を伺いたいのであります。
 そもそも政府の公共投資基本計画は、まさしくこの平成三年度を初年度とし、西暦二〇〇〇年までの十年間で、総事業費四百三十兆円を投入しようという膨大な計画であります。そこで、公共事業の入札方法の改善、さらには、使途不明金のある企業は入札資格なしとするなど、思い切った制度改革を求めたいと思いますが、総理、いかがでしょうか。
 また、公共事業にかかわる会計検査については、国以外の機関から受注した企業に対しても関連した調査ができるようにするなど、会計検査院の権限の拡大を図るべきではないでしょうか。総理並びに建設大臣にお答え願いたいと思います。
 特に、諸悪の根源ともいうべき使途不明金については、政治資金及び企業経理の透明化という観点からも、その根絶が望まれるわけであります。その方策として、これに特別高率の税金を適用するなど、税制上の措置によってこれを抑制することが必要ではないでしょうか。総理の御見解を伺いたいのであります。
 ところで、会計検査院の存在と機能についてでありますが、それを広く一般国民に周知徹底を図り、納税者としての市民から多くの意見や情報が寄せられるようにすることが、検査業務を充実させる基盤として有効ではないかと私は思うのであります。
 今、総理府の所管で国政モニターシステムがあり、五百五十名の一般市民が、国政について改善が必要と思われる問題について報告を寄せています。しかしながら、根拠となる法律上の規定がないため、効果を上げることが困難な状況となっております。
 そこで、会計検査院の場合は、会計検査院法を改正し、仮称でありますが、納税者による国政監視システムを創設してはいかがでしょうか。私の提案に対する総理の御見解を承りたいと思います。(拍手)
 以上、会計検査院の院長に対してではなく、総理を初め関係閣僚に答弁を求めたのは、国会法によって会計検査院の院長は、国会の委員会には出席できるが、本会議には出席できないからであります。なるほど、決算報告は、会計検査院が内閣に報告し、その内閣がこれを国会に提出するわけで、その限りでは、政府さえ出席すればよいという理屈もあり得るでしょう。しかし、委員会には実際出席できるのに、本会議だけは検査院抜きで審議しろという現行制度は、到底納得のいくものではありません。
 そこで、この点に関する総理の御見解を伺うとともに、ここに御参集の先輩及び同僚の議員に、このような矛盾解決に向けた国会法の改正を呼びかけ、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣宮澤喜一君登壇〕
#20
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 私に関する御質問が九点ございますので、一つ一つお答えを申し上げます。
 まず、文部省関係の公立の小中学校の校舎等整備事業の補助対象面積の算定についてでございますが、事業実施年度の翌年度以降、明らかに学級数が減少すると見込まれます場合には、原則として減少後の学級数に基づき適切な事業認定を行うこととし、その旨、本年一月に各都道府県教育委員会に対し指導を行ったところでございます。
 厚生省関係では、三件の御指摘がございましたが、いずれも御指摘の趣旨を踏まえ、保健事業費等負担金の精算については、交付要綱を改正することとし、身体障害者療護施設等の入所者に係る診療報酬の請求については、診療報酬の請求と措置費との整合の明確化等の措置を講じ、国民年金の未納保険料の収納促進については、戸別訪問等の積極的な納付督促により収納の促進を図るよう、それぞれ適切な措置を講じてまいることといたします。
 農林水産省関係では、二件の御指摘がございましたが、それぞれ御指摘の趣旨を踏まえ、新農業構造改善事業等については、都道府県に対し事業計画の策定について指導を強化することとし、また、水田農業確立特別交付金については、当該交付金の使用について適切な指導を行うなどの措置を講じ、事業効果を十分確保するよう努めてまいる考えであります。
 平成三年度決算に関する会計検査院の指摘事項に対する郵政省の改善努力あるいは取り組みの方針でございますが、この関係では、郵便物への郵便番号の適正な記載方法について、近く郵政省告示の改正を行うこととしております。なお、郵便番号の適正記載に関し、郵便の差出人への協力要請等について取り組んでおるところでございます。
 建設省関係では、住宅金融公庫及び住宅・都市整備公団にまたがる不適切な重複契約の防止を図るため、公庫の貸付案内等において、契約名義人がみずから継続して居住すべきことの周知徹底を図ったほか、チェックシステムの早期構築に向けて、現在建設省、公庫及び公団の三者で鋭意検討中でございます。
 次に、内閣に対して独立した機関としての立場から、会計検査院の検査体制の充実強化に努める必要があり、この点から定員、予算の確保についても十分配慮をいたしておるところであります。
 会計検査院の予算については、検査要員に対する高度の研修経費、検査資料・情報の集中管理等の経費、コンピューターを利用した検査の充実経費など、重点的に計上いたしております。また、定員については、昭和五十年度以降ほぼ毎年一名ないし二名程度の増員を図っており、これにより実地検査の施行率も、徐々にではあるが上昇していると承知をいたします。
 ODAに関しまして、会計検査院は、相手国政府の同意のもと、海外の援助案件の実情の視察をいたしておりますが、外務省等の関係省庁がこれに積極的に協力をいたしております。しかし、ODAの実施主体は相手国政府でありまして、我が国が一たん供与した資金の使用は、相手国の主権のもとで、基本的に相手国の責任において行われるものであります。したがいまして、例えばODA供与の際に、相手国に対し会計検査の義務を課すことは適当ではないと思われます。
 我が国は、援助の適正かつ効果的、効率的な実施を確保するため、事前調査から事後評価まで、援助実施の各段階で種々の施策を講じており、今後ともODAの適切な執行、効果的な実施に万全を期してまいりたいと思います。
 それから、湾岸平和基金に対する拠出金の使途に関する財務報告につきましては、湾岸平和基金の運営委員会が多くの関係国からの報告を取りまとめる作業で事務的に時間を要しておるものと聞いております。政府としては、同委員会に対し、財務報告の提出について繰り返し督促に努めているところでございます。関係国が十六カ国ございます。
 湾岸平和基金に対する日本国政府の拠出金は、専ら湾岸の平和と安定の回復のため、国連安保理の関連諸決議を受けて活動している各国を支援するための定められた使途に使用されることとなっており、実際にこうした使途に適切に支出されていると承知をいたしております。
 会計検査院の検査は、国の会計経理の適正を図るということを目的とし、そういった観点から、契約手続が適正であるかどうか、あるいは契約金額が経済的かどうかという点について検査を行っております。したがって、談合の有無であるとかやみ献金、そういったこと自身を究明することは、検査の直接の目的ではないと承知をいたしております。
 公共事業の入札制度については、手続のより一層の透明性、競争性を確保することが重要と考えており、技術力を重視し、広範な参加機会を確保する新たな入札・契約方式の導入、指名基準の具体化など、入札手続の大幅な改善に取り組んでいるところであります。公共工事の入札参加資格については、適正な契約の履行能力あるいは公正な契約の確保の観点から判断すべきであり、使途不明金の有無が直ちに入札参加資格に結びつくものではないと考えております。
 使途不明金につきましては、できるだけその使途を解明し、その支出先に対し適正な課税を行うこととしておりますが、どうしても使途が不明の場合には、これを損金不算入として課税をしておるところでございます。このように、法人税制の枠内の措置としてはできるだけの措置を講じているところでありまして、この点、御理解をお願いいたしたいと存じます。
 次に、会計検査院による検査は、国の会計経理に関して行われるものであります。国以外の機関が行う契約に関して、受注した企業にまで検査権限を及ぼすことにつきましては、国から独立した法人の行う契約に関するものであること、民間の企業活動に対し国家権力が過重に介入することになるおそれがあることなどから見まして、慎重に対応すべきものと考えております。
 会計検査院では、会計検査院の機能、活動状況、活動成果等についての広報の重要性を認識し、昭和六十二年に渉外広報室を設置し、国民に周知されるためのさまざまな活動を行っており、納税者からは、国の会計経理に関して多く情報の提供が寄せられております。検査においては、常にこれを活用することを心がけておられることと認識しております。今後も、さらに一層納税者からの情報を活用する効果的な方法を検討していかれることを期待いたしております。
 なお、本会議に会計検査院長の出席を求めることができるようにするかどうかは、国会運営の問題として、まず国会で十分に御論議いただくことが適当ではないかと考えております。
 残りのお尋ねにつきましては、関係大臣からお答えをいたします。(拍手)
    〔国務大臣武藤嘉文君登壇〕
#21
○国務大臣(武藤嘉文君) お答えをいたします。第一点は、海外の国に対してODAをした場合のその検査について、相手国に対して検査権限が及ばない、これは今総理から御答弁があったとおりでございます。
 そこで、私どもといたしましては、援助案件につきましても、現場に赴いて視察を会計検査院に実施をしていただいております。会計検査院の視察に際しては、相手国政府に事前に視察に対する理解と協力を要請するとともに、会計検査院の係官が円滑に業務を遂行できるよう便宜を供与するなど、外務省としても積極的に協力しております。
 次に、湾岸平和基金に対して速やかに拠出金の使用状況の報告を求めるべきであるという御指摘は、まことにごもっともであります。
 拠出金の使途に関する財務報告につきましては、現在、これも総理から御答弁がございましたが、湾岸平和基金の運営委員会で鋭意取りまとめ中と承知をしております。政府といたしましても、これまでも繰り返し督促を行ってきたところでありますが、できるだけ早急に提出を得るよう努力をしてまいります。(拍手)
    〔国務大臣丹羽雄哉君登壇〕
#22
○国務大臣(丹羽雄哉君) 志賀議員御指摘のとおり、我が国の医療費は、高齢化社会も相まって、平成五年度には二十四兆円を突破することが見込まれております。
 この十月にも発足予定の医療経済研究機構では、膨大な医療費を経済的、科学的な手法によって解明し、御指摘のような寝たきりのお年寄りをどうしたら効果的に防げるか、さらに慢性病や難病などの治療をいかに有効的に活用できるか、保健、医療、さらに福祉の連携も含めて、多角的な観点から中長期的に御検討を賜りたい、このように考えているような次第でございます。
 なお、今後とも診療報酬が適正に支払われるよう、厳正に対処していく決意でございます。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣中村喜四郎君登壇〕
#23
○国務大臣(中村喜四郎君) 志賀議員の御質問に対しましては、公共事業の入札方法の改善、さらに思い切った制度改革についてという御質問がございました。
 建設省としましては、入札・契約制度及び手続全般にわたり、より一層の透明性、競争性を確保するため、委員会を設置し、具体的には、指名基準の具体的かつ明確な運用基準の策定、さらに、新たな入札方式として、意向確認型指名競争入札方式の試行、そして、より透明性の高い積算体系・手法の整備を図るために、外部有識者からなる委員会を設置し、評価、検討を実施していく予定でございます。
 さらに、公共事業において高いウエートを占める地方公共団体発注工事について入札手続の改善を図るために、昨日、自治省と協議会を開催したところであります。
 また、公共工事の入札参加資格につきましては、使途不明金があることが直ちに入札参加資格の有無に結びつくものではないと考えております。
 なお、指名停止措置につきましては、使途不明金に関し、具体的法律違反が明らかになった場合には、その時点で、業務に関し不正または不誠実な行為をし、主事の請負契約の相手方として不適当と認められるか否かを具体的に検討し、適切に対処してまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、建設省としては、今後とも公共工事の入札・契約制度の公正かつ厳正な執行に向けて、全精力を挙げて取り組んでいきたいと考えております。(拍手)
#24
○議長(櫻内義雄君) これにて質疑は終了いたしました。
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#25
○議長(櫻内義雄君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後零時五十分散会
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ソース: 国立国会図書館
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