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1992/12/08 第125回国会 参議院 参議院会議録情報 第125回国会 国会等の移転に関する特別委員会 第2号
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1992/12/08 第125回国会 参議院

参議院会議録情報 第125回国会 国会等の移転に関する特別委員会 第2号

#1
第125回国会 国会等の移転に関する特別委員会 第2号
平成四年十二月八日(火曜日)
   午後二時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月七日
    辞任         補欠選任
     志苫  裕君     会田 長栄君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         井上  孝君
    理 事
                高木 正明君
                小川 仁一君
                中川 嘉美君
                足立 良平君
                橋本  敦君
                高井 和伸君
    委 員
                片山虎之助君
                中曽根弘文君
                会田 長栄君
    衆議院議員
       発  議  者  山口 鶴男君
       発  議  者  鳥居 一雄君
       発  議  者  西田  司君
       発  議  者  平田 米男君
   国務大臣
       内閣総理大臣   宮澤 喜一君
       建 設 大 臣  山崎  拓君
       自 治 大 臣  塩川正十郎君
       国 務 大 臣  東家 嘉幸君
       (国土庁長官)
   政府委員
       内閣官房内閣内
       政審議室長
       兼内閣総理大臣  伊藤 博行君
       官房内政審議室
       長
       内閣官房内閣安
       全保障室長
       兼内閣総理大臣  児玉 良雄君
       官房安全保障室
       長
       内閣法制局第二  秋山  收君
       部長
       総務庁行政管理  増島 俊之君
       局長
       総務庁行政監察  田中 一昭君
       局長
       国土庁長官官房  藤原 和人君
       長
       国土庁計画・調  糠谷 真平君
       整局長
       国土庁大都市圏  内藤  勲君
       整備局長
       国土庁地方振興  秋本 敏文君
       局長
       大蔵省主計局次  武藤 敏郎君
       長
       運輸政務次官   佐藤 敬夫君
       運輸省鉄道局長  秦野  裕君
       気象庁長官    新田  尚君
       郵政省通信政策  松野 春樹君
       局長
       建設大臣官房総  市川 一朗君
       務審議官
       建設省住宅局長  三井 康壽君
       自治大臣官房総  滝   実君
       務審議官
       自治大臣官房審  遠藤 安彦君
       議官
       自治省行政局長  紀内 隆宏君
       自治省行政局公  石川 嘉延君
       務員部長
       自治省行政局選  吉田 弘正君
       挙部長
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務  上田 豊三君
       総局総務局長
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国会等の移転に関する法律案(衆議院提出)
○継続調査要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(井上孝君) ただいまから国会等の移転に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨七日、志苫裕君が委員を辞任され、その補欠として会田長栄君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(井上孝君) 国会等の移転に関する法律案を議題といたします。
 まず、発議者衆議院議員山口鶴男君から趣旨説明を聴取いたします。山口君。
#4
○衆議院議員(山口鶴男君) ただいま議題となりました国会等の移転に関する法律案につきまして、提出者を代表いたしまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 我が国は、国民のたゆみない努力により今次の大戦による荒廃の中から立ち上がり、かつてない経済的繁栄を遂げてまいりました。
 しかしながら、我が国の現状を見ると、政治、経済、文化等の中枢機能が東京圏に過度に集中したことにより、人口の過密、地価の高騰、生活環境の悪化、大規模災害時における危険の増大等の問題が深刻化する一方で、地方における過疎、経済的停滞、文化の画一化等の問題が生じるに至っております。
 本法律案は、このような状況にかんがみ、一極集中を排除し、多極分散型国土の形成に資するとともに、地震等の大規模災害に対する脆弱性を克服するため、世界都市としての東京都の整備に配慮しつつ、国会等の東京圏外への移転の具体化について積極的に検討を進めようとするものであります。
 次に、本法律案の要旨について御説明申し上げます。
 まず第一に、前文におきまして、以上申し述べましたような趣旨を明らかにいたしております。
 第二に、国は、国会並びに行政及び司法に関する機能のうち、中枢的なものの東京圏以外の地域への移転の具体化に向けて積極的な検討を行う責務を有することとしております。
 第三に、国は、国会等の移転について検討を行うに当っては、広く国民の意見を聞き、その合意形成を図ること、地方への権限の移譲の積極的推進、国による規制の合理化等行財政の改革と的確に関連付けること等により行うものとしております。
 第四に、移転の対象の範囲、移転先の選定基準等について調査審議するための機関として総理府に国会等移転調査会を設置することとし、その組織、運営等について必要な規定を定めることとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及び要旨であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
#5
○委員長(井上孝君) これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○会田長栄君 社会党の会田であります。端的に質問を申し上げていきたい、こう思います。
 第一に、発議者の山口衆議院議員にまずお尋ねしたいと思いますが、それは、平成二年の十一月七日、衆議院、参議院で国会等の移転に関する決議が上げられています。そして、この決議が上げられて二年経過いたしました。特に、この決議を上げられたときに、総理から、政府においては決議の趣旨を体してその実現に向けて努力するとあります。そこで発議者にお伺いするわけでありますが、このような国会決議がなされている、政府がこの間努力されている、そして国会等の移転に関する法律案を議員立法で提案されたことにつきまして、その所感といいましょうか、それをひとつ聞かせていただきたい、こう思います。
#7
○衆議院議員(山口鶴男君) 私どもは、国会決議というものは大変重たいものというふうに認識をいたしております。
 御案内のように、衆議院の場合におきましては、九割以上の議員が賛成しませんと国会決議は実現をいたしません。したがって、むしろ国会決議は法律よりも重たいという認識で今日まで私どもはおるわけであります。
 したがって、その重要な国会決議でありますから、私たちはこの国会決議を実施に移すために鋭意努力する責任があるというつもりで今日まで対処いたしてまいりました。
 ただ、二十一世紀に向かっての世紀の大事業でございますので、各面の合意を得るべく努力することが必要だと思いまして、今日まで各有識者の方々の御意見を広くお伺いする等手続を踏みまして、そして今回議員立法という形で提案をさせていただきました。できれば全会派による委員長提案という形にしたかったのでありますが、残念ながら共産党さんの御理解を得られませんでしたものですから、自民党、社会党、公明党、民社党、四党の共同提案という形で、議員提案の形で提出させていただいた次第でございます。
 私たちとしましては この法律が施行後速やかに世紀の大事業が推進されますことを心から期待いたしている次第であります。
#8
○会田長栄君 国会決議というのは法律よりも重たい、したがって国会決議の趣旨を体して政府が努力するというのは当たり前だという話を聞きました。
 しかし、なかなかそれが思うように前に進まないから今度発議者がそろってこういう法律案を提起したと、このように解してよろしゅうございますか。
#9
○衆議院議員(山口鶴男君) 結構です。
#10
○会田長栄君 それで、国会等の移転に関する法律案の中で、我が国の現状について非常に大事なことがこの趣旨説明の中でも提起されました。一つは、「政治、経済、文化等の中枢機能が東京圏に過度に集中したことにより」と、こういうことを申されております。その中では、「人口の過密、地価の高騰、生活環境の悪化、大規模災害時における危険の増大等の問題が深刻化」しているとまで説明されております。二つ目は、二万で、地方における過疎、経済的停滞、文化の画一化等の問題が生じる」と指摘しています。
 よって、この法律案の中で今後の検討指針として幾つか出されておりますから、それに関連をいたしまして、三点、国土庁長官に御質問いたします。
 その一つは、東京圏というのをこれほどまでに発展させてきてしまった要因というのは、実は私は、大きく言って政治にも大方の責任がある、こう見ているんです。そういう意味からいいますと、なぜ東京が今日のような現状になってしまったのかということについて、国土庁長官といたしましてどのように見解をお持ちか、まず聞かせていただきたい。
#11
○国務大臣(東家嘉幸君) 昭和五十年代後半から、東京圏への諸機能の集中と人口の集中は、国際化の急速な進展に伴う東京の世界都市としての役割が高まってまいりまして、ソフト化、サービス化といった我が国の産業構造の変化によるものと認識いたしております。
 このように、経済的効率性を求める動きが東京への一極集中の大きな要因になったんではなかろうかと思います。政治、行政機能の東京への集積もまたその要因の一つであろうと考えております。
#12
○会田長栄君 私は、国土庁は五十二年以来第三次全国総合開発の中で多くの議論をされてきておりますが、この問題を抜きにして今度の法案を審議していくということについては、いささかやっぱり気持ちの上で責任があるのではないかと思うから今お尋ねしたわけであります。
 問題は、我が国の政治そのものが高度経済成長政策というものを余りにも取り続けたところに問題があるし、その政策と同時に、単に人口が集まってきたわけではなくて、結果的にこれは教育的にも文化的にも経済的にも産業的にも、すべて東京に政治的に集約されてきたというところに私はあるんだろうと思っているんですよ。だから、検討指針の中に表明されている中身で、実際東京はこのままでは大変なことになるということで国会等の移転等を中心として新たな都市づくりを提起したんだと思っているわけであります。
 今日の状況を踏まえますと、東京だけじゃないんですね。東京圏、近畿圏、中部圏、すべて全国的に、過去で言えば六大都市を中心としてこのような政策が進められてきたところに都市の人口過密の問題と地方の過疎問題が出てきたわけですね。だから、そういう意味では単なる産業経済政策のツケがここに来ているんですというだけではないと私は思っているんですよ。教育、文化の面で言えばすべて大都市中心に集中させる、こういうものも当然かかわってきているわけでありますから、その点のことについて産業経済政策だけでなくて、その他の政策も含めて今日の東京圏をつくっていってしまったんだというような意味を含めまして、その点で長官の所感をひとつ聞かせてください。
#13
○国務大臣(東家嘉幸君) ただいまお尋ねのことをかいつまんで申し上げることもなかなか難しい問題があろうと思います。
 しかし、今日日本が経済大国となり、そしてまた地方も含めての豊かな国づくりをせねばならないというような方向はやはり要綱の中にもうたわれておりますことでございますし、特にまた今お尋ねのような中に多極分散型国土形成法というものがございますから、この法律に基づいて海部内閣、宮澤内閣においても国の行政機関等の東京区部からの移転の推進に努めているところでございますし、そうしたいろんな弊害を生み出した問題等については、これからの問題としてさらに実施していかねばならないことが今回のまた一つの移転の問題であろうと思っております。
 実施状況については、ひとつ政府委員の方から御回答さしていただきたいと思います。
#14
○政府委員(内藤勲君) ただいまの大臣のお答えに従いまして、東京の行政機関の移転の実情の話かと思いますので、私から答弁させていただきます。
 多極分散型国土形成法に基づきまして、行政機関の地方移転というものを進めております。昭和六十三年七月に閣議決定いたしました七十九機関十一部隊の国の行政機関の移転につきましては、現時点ではどうかと申しますと、四つの機関が移転を完了しております。そして、大宮、与野、浦和地区というところに地方支分部局の十六機関について移転するということで、今年度用地取得に着手する予定でございます。その他十機関十一部隊等が用地取得、施設整備等に着手するなど着実に推進してきたところでございます。
 さらに、政府機関の移転等につきましては、昨年十月政府部内におきまして、国の機関について原則として平成四年度中に具体的移転計画を策定すること、特殊法人につきましても国の機関に準じて移転計画の策定を要請すること等を申し合わせたところでございまして、これらを踏まえて今後とも移転の推進を図ってまいりたいと思っております。
#15
○会田長栄君 それでは、二つ目の問題であります。
 行財政改革の声が出されてから久しい。そこで、各省庁の公的機関の地方移転の計画と実行と
いうのはどうなってますか、端的に国土庁長官にお答えいただきます。例えば海部内閣時代、宮澤内閣時代、この二つのポイントに絞って教えていただければ幸いであります。
#16
○国務大臣(東家嘉幸君) 先ほどお答えいたしましたように、昭和六十三年に施行された多極分散型国土形成法に基づき、海部、宮澤内閣において行政機関の東京区部からの移転等の推進には今日まで鋭意努めてまいっているわけでございますから、ただいま実施の状況については政府委員から答弁したような状況で進んでいると心得ております。
#17
○会田長栄君 いや、よくわかりません。
 というのは、私例を言いますが、例えばこういう行財政改革で、公的機関、研究機関含めまして地方に移転しようという方針を掲げて今日まで来た。しかし、現実に一例を示せば、例えば文部省としましょうか。東京都の北区に西が丘競技場というのがあるんです。そこにスポーツ科学センターというのを新しくつくったでしょう。事実なんですよ、これ。それは何かというと、東京都民が西が丘競技場で一般的に活用されるところの競技場に、一部利用して、活用して新しいこういう機関をつくった。これは不思議なんですよ。本来であれば地方に行くはずなんです。ところが実際には、具体的に一つ一つの問題になりますと、これはやっぱり東京でなきゃだめですと言って無理してつくるんです。
 だから、こういうことを考えますと、具体的にそれは海部内閣時代にはこういう方針を出してこういう実行をしてきて今日その成果が上がっているとか、宮澤内閣のときにはこういう計画をして地方にこういう移転したとか、こういうものが私は大事になってくるのではないかと思って二番目に聞いたんですよ。せっかく各党の発議者によってこの法律案が提起されて国会でこの法律が決まるというわけですから、成立するというわけでありますから。そういうことを考えると、国会決議は上げたわ、法案はできたわ、一つもこのことに着実に動かないわ、結果的には東京都圏に施設というものをますます増大させていくんではなかろうかという気持ちもあるものだから、ここを確かめておくんです。
 第三点、お伺いします。
 この法律案が成立いたしますと、これは専門的に調査をして、その結論を出していよいよ具体的な方針が出てくるんだろう、こう思いますが、この調査会の活動報告書というのは何年をめどにしてまとめてもらいたいと山口衆議院議員は思っていらっしゃるんですか。
#18
○衆議院議員(山口鶴男君) 会田さんおっしゃるように、地方制度調査会あるいは行革審等、地方分権といいますか地方主権と申しますか地方への権限移譲と申しますか、そういうことについて随分提案もしているし提起もしているわけですが、さっぱり進んでいない。また、御指摘のような閣議決定も十分実行されない。結局、地方分権というものは、少しトラスチックな方法でないとなかなかこれは進まないんじゃないか。そういうことも考えまして、私どもとすればやはり国会等の移転、司法、立法、行政、三権の中枢を東京圏から移転する。そして法案の中に、この検討に当たっては、地方分権、地方への権限移譲、行財政改革、これと的確に関連づけるようにすることということも特に第四条にうたいました。
 結局、なかなが御指摘の点が進んでいかない。そのためには、この際国会等の移転という世紀の大事業をやることによって、今申し上げたような点を推進してまいりたいという願いも込めてこの法律は提案をいたしたということで御理解いただきたいと思います。
#19
○会田長栄君 次に、首都機能の移転問題については、昭和五十二年に決定した第三次全国総合開発計画において、首都機能の再配置を国土総合開発政策上の重要課題として提起していますね。これに関連をして三点お伺いいたします。
 第一点は、昭和五十二年ですから、ここで首都機能の再配置を国土総合開発政策上の重要課題として提起しているわけですから、提起して何年目に入りますか。これ、まず一つ。
 二つ目は、この間、国土庁といたしましてはどんな努力をされてきたか。これは、要点だけで結構でありますから教えてもらいたい。
 それから、第三点。この間、この首都機能の移転問題に関連をして、国土庁を初め関係者の皆さんから、調査や研究報告書というものが大変出ていますね。どんなものが一体出されているか、項目だけでもいいから聞かせてください。
#20
○政府委員(内藤勲君) 首都機能の移転問題につきましては、先生御指摘のとおり、昭和五十二年十一月のいわゆる三全総ということで国土政策上の重要な課題として提起されたわけですが、昭和五十二年でございますからそれ以降十五年たっているということになります。
 それ以降、国土庁において首都機能の移転に関するどういう作業をしてきたかということでございますが、各種の関連調査を実施してまいりましたが、その成果という形では、首都改造計画というものがございましたし、第四次首都圏基本計画などの策定ということもありましたし、先ほど来話題になっております多極分散型国土形成促進法の制定、そういうような成果もあったわけでございます。
 それから、その間どういう調査物などが出たかということですが、昭和五十八年に、首都機能移転再配置構想調査、概査ということなんですが、そういった調査物を出しました。ごく最近では、国土庁長官主催の首都機能移転問題に関する懇談会というものができまして、その取りまとめが本年六月にまとまりましたし、内閣総理大臣が主催する首都機能移転問題を考える有識者会議というものがございましたが、この取りまとめも本年七月にまとめられたところでございます。
 以上のようなことが主なことだと思います。
#21
○会田長栄君 次に、この法案が成立します。国の責務というものを第一章第一条で明確にしています、第二条は定義で、多極分散型国土形成と位置づけています。第二章で、九項目が検討指針として第三条から第十一条までに示されています。
 これに関連をしてお伺いいたしますが、一つは、検討指針の九項目を考えると、まず第一は国際的中枢機能並びに良好な居住環境等を備える都市としての東京都をまずつくると、国会等の移転先の新都市と東京との機能面での連携の確保を図ると今度はつけ加えています。
 そこで、新都市ということにかかわってくるわけでありますけれども、第七条で、まず一つは災害に対する安全性、地形の良好性、三つ目に水の供給の安定性、四つ目に交通の利便性、五つ目に土地取得の容易性と、移転先の新都市はこういう条件の中でつくられるということがおおよそ出ています。
 この五つを考えるなら、災害に対する安全性といったら災害のないところと、こういうことになっちゃうんですね。地震のないところ、洪水のないところなど。あるいは地形の良好性となったら、この良好性というのは何を指すのかというのはなかなか難しいけれども、山あり谷あり平地あり丘ありというようなのが地形良好なのかどうか。あるいは水の供給といったら、既に東京圏を中心としてもう水は夏はいつも不足。これは東京圏から離れる。交通の利便性といったら、これは建設省に後ほどお伺いいたしますけれども、東京と新都市の間というのは連携を密にしなきゃだめだ、こういうことであります。土地の取得の容易性、これを言ったら、とにかく土地の高いところはだめ。安いところといったら何だ。大半が国有地、こういうことになっていくんでしょう。
 私が考えてみてもこういうことが考えられるんです。東京圏からこういう良好な地域をこれから調査してまとめるということになっているんだけれども、一体東京からどのぐらい離れればこういう良好な土地がおありでしょうか。これはちょっと所感だけでいいですから発議老にお聞きしたいです。
#22
○衆議院議員(西田司君) お答えをいたします。
 既に委員も御存じのとおりでございまして、国土庁におきましては、八十島懇談会というものをかなりな期間を通じて回数を重ねてあらゆる検討をされて、いわばこの法律案のたたき台的な指摘を受けておるわけでございます。その中で、今御質問になりました東京から一体どのくらい離れるんだということにつきましては、東京圏から六十キロ圏外、ここを一応想定できるのではないか、こういうことが言われておるわけであります。
 しかし、御質問は各般にわたって御指摘がございましたが、この位置の選定というものは極めて重要かつ大事なことでございますので、今回この法律ができ上がりましたら、専門的な立場から、また大所高所からそれぞれの方に御調査研究をしていただきまして、そしてその移転先地が二十一世紀に開かれていく新都市としてどこがよいか、こういう選択がなされるものだ、このように考えております。
#23
○会田長栄君 私も本日提案されているこの法案には趣旨を含めて賛成でありますから改めてここでお聞きするわけですけれども、当然こういう法案が成立いたしますと、私は先導的に国の諸施策というのは出てこなきゃいけない。それは平成五年から出るか六年から出るか七年から出るかわかりませんけれども、先導的に政策が出ない限りこの問題というのはまた検討だけに終わってしまうというような気持ちになるから、ここで建設大臣にお尋ねいたします。
 当然、交通、通信、その他を含めまして、国の政策が先導的に実行されなければこれは成り立たない、こう思われるんですけれども、新首都の建設に際し、建設省は所管の基盤整備をどのように今後進めていこうとしているのか、この点の所見を承りたいと思います。
#24
○国務大臣(山崎拓君) 国会等の移転につきましては、ただいまも御議論いただいているところでございますが、二十一世紀における我が国の政治、経済、文化のあり方、とりわけ国土建設のあり方に関する重要なテーマであると認識をいたしているところでございます。
 国会等の移転先が決まりました場合には、国土庁の首都機能移転問題に関する懇談会の取りまとめの中で、国会等の移転先にふさわしい新都市像が掲げられております。五点ございまして、一点は全国民に開かれた文化創造的都市、二点は開かれた国際都市、三点は美しく快適な都市、四点は居住環境の良好な都市、五点は高度科学技術を生かした都市とされているところでございます。このような都市像にふさわしい整備を計画的に進めていくことが重要でございまして、その点に関しましてはまさに建設省が果たすべき重要な役割であると考えておるところでございます。
 具体には、本法案の国会における審議、法案成立により設置される国会等移転調査会における検討状況等を踏まえまして、的確に対処してまいりたいと考えます。
#25
○会田長栄君 次にお伺いしたいのは、自治大臣、東京一極集中を排して均衡ある国土発展を目指すというような方針を今掲げて取り組まれているわけでありますが、これとあわせて、非常に大事な問題として地方分権、この問題が同時に提起されております。この地方分権の推進に当たって、今自治省がどのような具体的な見通しを持って取り組まれているかということについて所感をお伺いしたいと思います。
#26
○国務大臣(塩川正十郎君) 地方分権制度につきましては、行革審からの答申がございましたことを受けまして、きょうの閣議で地方分権制度についての政府の方針を決定したところでございますが、この推進を積極的に進めていくということと同時に、政府の中に推進本部をつくりまして、総理大臣みずから本部長に就任していただくということ等で強力にこの推進方を図っていきたい、こういう方針であります。
#27
○会田長栄君 最後になりますが、一つは、今度の法案で示されている中身と関連をいたしまして、外国の首都圏の移転についてうまくいった例、これはなかなか言い方は難しいんだけれども、さほどうまくいってない、まあまあだというような、この三つの特徴で今日まで調査していることがあったらひとつ聞かせてください。
#28
○政府委員(内藤勲君) 先生の御質問の中にもございましたように、外国での首都機能移転の例はかなりあるわけですが、うまくいった例とか、まあまあの例、失敗した例というのを私の方からこうだと言うのはなかなか難しいわけでございまして、それぞれの国の事情を踏まえて判断せざるを得ないと思います。
 よく話題に出る例で申し上げますと、これはうまくいったとかそういうこととは直接関係ないかもしれませんが、首都移転が大変な時間のかかる大事業であると、そういう意味で申し上げるんですが、オーストラリアのキャンベラの例を見ますと、一九〇〇年に連邦憲法で新首都の建設を宣言しておりますが、実際に議事堂が移り議会が開催されたのは二十七年後の一九二七年でございましたし、ブラジリアの例を見ますと、一八九一年、連邦共和国発足に際し新首都建設が憲法で規定されたわけですが、移転完了式典、一応移転完了したのが一九六〇年、六十九年を要したということがございます。
 そういったことで、世紀の大事業ということであろうかと思います。
 以上です。
#29
○会田長栄君 まさしくこの問題は、国土庁が全国総合開発の中でも提起しているとおり、五十二年以来、ここまでの議論で十五年かかっているわけです。したがって、これは日本にとっては世紀の大事業でございます。答弁では、計画どおりいったのはうまくいったと言うんですよ。計画どおりいかないのは失敗。まあ七、八割、大体計画どおりでなかったのかなというのはまあまあなんですよ。
 そう考えてみれば、特に私は一つの例としてドイツの例が出てくるんだろうと期待しましたよ。ドイツの例というのはまことに特徴がありまして、都市づくりに特徴があるんですね。そういう意味で成功した例だと、こう言われておりますが、何といっても大事業でありますから国民的合意というものも非常に大事にしなきゃいけない。同時に、地方の活性化につながるような基盤づくりというものもやっていかなきゃいけない。こういうことでありますから、当然私は先導的政策の実施というものは、均衡ある国土発展と言っているんですから、そういう意味ではその中心点をなすものは交通体系であり通信体系であり、なおかつ災害時における問題等があってくるんであろう。
 最後になりますが、私が一番心配しているのは、東京圏のように発展してしまった都市、本当に大正十五年のような関東大震災のようなことがあったらどうするのか。科学技術庁から言わせれば当分心配ないと、こういうような意見を聞いているようでありますが、こればかりはそれだけを信ずるわけにはいかない。そういう意味から考えますと、大事業でありますけれども、具体的にこの法案に基づいて調査会が一定のプログラムを設定して、こういう第七条の五つの条件、第二章に示されている九項目に速やかにおこたえできるようにしていかなきゃいけない、こう思っている一人でありますから、どうぞ法案成立後は精力的にひとつ頑張ってほしいということを申し上げて、私の質問を終わります。
#30
○中川嘉美君 国会等の移転の第一日的、これは言うまでもなく東京一極集中の是正と多極分散型国土形成に資する、こういうことでありますが、国会等の移転の論議に入ります前に東京一極集中の原因、それからメリット、デメリット、これらについて明確にしておく必要があるんではないか、このように思うわけです。
 そこで、まず、東京一極集中が進んだ原因についてどう考えておられるのか。次に、一極集中に伴う経済的メリットについて政府はどう評価しておられるか。また、一極集中に伴うデメリットはどのような点があるのか。何が一番問題となっているのか。簡単で結構ですから、御説明をいただ
きたいと思います。
#31
○政府委員(糠谷真平君) お答え申し上げます。
 東京圏への一極集中の原因ということでございますが、先ほど大臣からお答え申し上げましたように、やはり昭和五十年代後半から東京の世界都市としての役割が増大してきたこと、あるいは我が国産業構造のソフト化、サービス化が進んだこと、そういったことが中心的な原因であったかと思っておりますが、一方、政治、行政機能の集積ということも一つの要因であったろう、このように考えております。
 それから、東京一極集中のメリット、デメリットということでございますけれども、メリットと言ってよろしいかどうかなかなか難しいところでございますけれども、やはり一カ所に集中をする、集積をするということによりまして、集積の利益といいますか、経済的効率性が追求されたということは一つの事実としてあろうかと思っております。
 ただ一方、その反面といたしまして、人口あるいは政治、経済、文化、諸機能が東京圏に一極集中をするという結果といたしまして、デメリットでございますけれども、住宅問題、土地問題の深刻化、遠距離通勤の増大、そういった生活環境の悪化ということが東京圏において生じているということでございますし、その反面、地方圏におきましては、経済的困難性の増大、活力の低下、こういったことが生じているかと思います。
 それから、さらにもう一つつけ加えさせていただきますならば、大規模地震等災害が生じました場合には、東京圏におきまして人命、財産、大きな被害を生ずるということに加えまして、東京圏に日本全体の中枢機能あるいは世界都市機能といったものが集まってきているということのために、日本の経済社会あるいは世界全体に対しても影響を及ぼす、こういうことが懸念されているということではないかと思っております。
#32
○中川嘉美君 首都機能移転の必要性あるいは効果といった角度から二、三伺ってみたいと思いますが、一極集中に伴うデメリットを克服するために首都機能の移転は絶対に必要であるのか、他の多極分散政策を強力に推進するということでは不十分なのか、この辺もひとつ国土庁の御意見を聞いておきたいと思います。
#33
○政府委員(糠谷真平君) お答え申し上げます。
 一極集中を是正いたしまして多極分散型国土を形成するということは国土政策の基本でございますので、政府といたしましても、四全総に基づきまして、地域主導による活力ある地域づくりということを基本といたしまして地方の拠点都市の整備、あるいはテクノポリス法、頭脳立地法等に基づきます地方の産業の高度化、あるいは全国一日交通圏の構築を目指しました高速交通体系の整備、こういったことを進めてきたところでございます。
 こういった施策が多極分散型国土をつくっていく基本であろうと思っておりますけれども、これに加えまして、政治、行政の分野におきます対応といたしまして、国会等の移転ということが図られますれば東京一極集中の是正にさらに資する、こういうことになるんではないかと思っているところでございます。
#34
○中川嘉美君 御答弁は承りましたけれども、首都機能移転の効果ですが、首都機能移転問題に関する懇談会、ここで試算したところによりますと、移転に伴う総人口、これは最大限六十万人、このようになっているわけですが、現在の東京圏の三千万人の人口に比べますと、ごくわずかな効果しかないんじゃないかというふうにも言われているわけです。この点はいかがですか。
#35
○政府委員(内藤勲君) ただいま御指摘いただきましたように、懇談会の取りまとめでは移転人口六十万人という想定をしてございます。これが東京の人口を考えますとほんの一部にすぎないんではないか、そういう御質問かと思います。
 しかしながら、東京の政治、行政機能を経済機能などから分離して移転することによりまして、東京中心部の諸機能の吸引力が非常に緩和されるということになります。ひいては、東京圏への集中圧力の低減が見込まれる、そういう認識を持っておりますので、国会等の移転は多極分散型国土形成のためには非常に重要な効果のある施策だと考えております。
#36
○中川嘉美君 次に、移転懇の試算によりますと、移転先の施設整備にかかる費用、これは十四兆円というふうになっておりますが、これ以外に道路、鉄道あるいは空港整備、これらに莫大な費用が必要になるわけです。
 また、この移転懇で触れられていない問題として、移転先の都市整備に伴う周辺の環境破壊、こういったものも当然これは考えられる。そのほか政治、行政機能、さらには経済機能、こういったものは地理的に分離されることによって東京と移転先との往復に要するコストというものが非常にかかるんではないか。
 このような首都移転に伴うさまざまな損失についてはどのように考えておられるか、お答えをいただきたい。
#37
○政府委員(内藤勲君) 十四兆円という額はその新しい都市をつくるために必要な経費、それ以外の経費も当然かかるわけでございますが。
 新しい都市ができたときに東京と新都市ということでロスが出るとか非効率な面が出るんではないかということでございますが、新都市との間をこの法律にもございますように連携をよくするということで、交通、通信体系には十分配慮する、全国的なネットワークにも組み込む、そういうことで、新首都機能の移転に伴うロスはできるだけ少なくなるよう効率的な施策を講ずる必要があるかと思います。
#38
○中川嘉美君 こういった問題は将来的に当然これは詰めていかなきゃなりません。
 次に、発議者にちょっと伺いたいと思いますが、本法律によって国会等移転調査会、これが設置されることになりますが、その審議事項には移転先の選定基準、それから移転の時期の目標が入っているわけです。そして、その審議結果というものは内閣総理大臣に報告され、国会にも報告されるということになっておりますが、最終的な移転先と移転時期の決定はどこがどのようにして行うのか、発議者のお考えを伺っておきたいと思います。
#39
○衆議院議員(山口鶴男君) 御指摘のように、この法律では検討指針とそれから第十三条におきまして具体的な検討事項を挙げております。
 御指摘のような移転場所の問題につきましては、調査会において十分どのような基準であるべきかという議論をいただきまして、まさに国民合意を図るような形で決定いただくことが必要だと思います。ですから、この点は私どもこの調査会の運営は調査会で決める問題だとは思っておりますけれども、できるだけ国民合意を得るためにも、例えば地方制度調査会がやっておりますような公開でこの調査会の運営はやっていただきたいものというふうに期待をいたしております。
 そうして、十分な議論をしました上で、具体的には総理大臣に報告がある、国会に報告がある。そうして、移転場所を決定する法律を当然提案いたしまして、国会で決定いただくという手順が必要なものと考えております。
#40
○中川嘉美君 関連いたしまして同じく発議者にもう一点だけ伺いますが、今言われましたように、国民全般から幅広く意見を聞くということは最も大事なことだと思いますが、首都移転の影響を受けるのは東京圏の住民あるいは企業、そして移転先とその周辺の住民等々ではないかと思います。現に東京都などは首都移転には反対の姿勢を見せているわけで、独自に東京都民を対象とした世論調査、こういったものを行っているわけですが、この総理府の行った世論調査とは異なる結果となっているようにも感じるわけです。
 そこで、東京都が反対していることについて、発議者の方としましてはどのようにまず感じておられるか。また、全般的な国民の賛同が得られても東京都の方が反対しているという場合どのように対応をされるのか、この辺の感触も伺っておき
たいと思います。
#41
○衆議院議員(西田司君) まず最初に、世論調査にお触れになったわけでございます。
 私も総理府がやりました調査、それから東京都がおやりになった調査、双方を拝見いたしましたが、私が感じましたのは、設問事項とか設問の方法とかそういうことによって大分違ってくるなど。それからもう一つは、東京都という一つの地域を限定してやるのとそれから全国レベルで調査をやるのとではまた違いが生じてくるなと、このように思っております。
 それから、後段のお話でございますが、先ほどからそれぞれ御意見が出ておりますように、この事業というものは本当に何百年に一度の大事業でございます。そのことに対してはいろいろな知恵やそれからいろいろな構想や計画というものが生まれてこなければいけませんが、一番ベースになりますのは国民の合意を得るということでございます。そのために特にこの法律案におきましても、十八条にとっておりますけれども、調査会の中でいろいろな資料の提出、意見の開陳、また公聴会等を開いて広く国民の方々の御意見を伺い、特に今御指摘になった東京都との問題につきましても意見を伺いながら御理解していただくような方向で進めていくべきだ、このように考えております。
#42
○中川嘉美君 国土庁長官にちょっと伺いたいと思います。
 首都移転先の都市については投機的土地取引を未然に防止する必要があると思いますが、そのためには現行の国土利用計画法による規制区域の指定、こういったことが考えられますけれども、現行法によるこの土地対策で万全と考えておられるのか。場合によっては、新首都やその周辺地域だけに適用する特別立法の制定、こういったことも必要ではないかと思いますけれども、これらの点はいかがでしょうか、長官に伺いたいと思います。
#43
○国務大臣(東家嘉幸君) 現行の国土利用計画法の対応としては、監視区域の制度の活用や規制区域制度の活用が考えられております。しかし、地価高騰を防止するためには、現行法の活用もさることながら、やはり何らかの特別立法が必要ではないだろうかというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、今後調査会で十分検討していただきたいと思うわけでございます。
#44
○中川嘉美君 もう一点だけ関連して伺います。
 首都移転先に民間企業の事務所などが進出して住宅価格とかあるいは家賃そのものを押し上げることのないように企業の業務施設に対する立地規制、こういったものが必要じゃないかと思われますが、移転懇では新首都は政治、行政機能に純化するものとしておりますけれども、果して企業の進出を防止することが可能なのかどうか、この辺もちょっとあわせて伺っておきたいと思います。
#45
○国務大臣(東家嘉幸君) 特に投機防止対策については、やはり新首都における土地対策、国土利用計画法の現状の制度では不十分ではないだろうかというような見地から、これもまた特別立法が必要ではないだろうかというふうに考えております。
#46
○中川嘉美君 それでは最後に、建設大臣に一点だけ伺いたいと思います。
 移転機関の職員とかあるいは関連民間企業の従業員のための住宅確保についてですけれども、これはどのような対策が考えられるのか。端的に言えば、六十万人分の住宅を確保することができるのかどうかというような問題、こういったことについて大臣のお考えをここで伺っておきたいと思います。
#47
○国務大臣(山崎拓君) ただいま中川委員のお話のとおり、六十万人の人口を念頭に置いた住宅確保対策が必要でございます。
 現実には、移転先地、移転機関、移転家族等が決定をする段階におきまして必要な住宅数を的確に把握いたしまして、これに対して例えば公務員住宅あるいは公団住宅、民間賃貸住宅、あるいは持ち家のケースもあると思いますが、等々の移転家族の需要に応じまして供給していく体制を整えたい、そのように考えております。
#48
○中川嘉美君 終わります。
#49
○足立良平君 今までそれぞれ同僚委員の方で、東京一極集中がなぜ起きたのかということを含めまして既に議論がなされておりますから、私は、今日の東京の一極集中といいますか、人口的に見ましても、あるいはまた経済的、社会的に見ましても、これは早急に解消に向かってやっていかなきゃいけないという立場を持ちながらひとつ質問をさせていただきたいと思うわけであります。
 それで、なぜ一極集中が生じたかということは先ほど来話が出ているわけでございますが、そこでこれは国土庁長官にお聞きをいたしたいと思います。
 それぞれ今日まで、この一極集中の弊害ということについて着目をして、この東京の一極集中というものを排除していこうといいますか、均衡ある国土というものを形成をしていかなきゃならない、こういう観点で三全総、四全総というものが作成をされて今日まで来ているわけですね。ところが、今日こういう法案を準備しなければならないような事態に立ち至っております。したがって、そういう面で従来の三全総、四全総で均衡ある国土の発展というので東京の一極集中を抑制していこうという意図に基づいてやったにもかかわらずこうなっているというこの原因、この点につきまして、まず国土庁長官の御認識をちょっとお伺いいたしたいと思います。
#50
○国務大臣(東家嘉幸君) お尋ねのような東京一極集中の問題については、やはりこれはゆゆしき問題だと私は考えております。特に今、人口減少県がまたふえ始めまして、十八にもなっているわけでございます。やはり四全総に基づく地域の指導による活力ある地域づくりに今後重点的に取り組んでいかねばならないということでございます。
 そういうことで、先ほど自治大臣も申し上げましたようないろんな角度から地方の活性化、そしてまたこの一極集中をどう是正するかというような問題等で、例えば閣議で決議されております行政の移転の問題等着実に実行されているとは思いますものの、まだまだ具体的な中身に入りますといろいろ私もゆゆしきことだと思うこともあるわけでございます。
 そういう観点から、総合的に、今回のこの首都移転の問題も重要な私は今後の一極集中の是正のやはりかなめとなっていかねばならない大きい課題だと思って、今後取り組むべきだと思っております。
#51
○足立良平君 ちょっと長官、まことに申しわけないんですが、今私が申し上げたのは、三全総、四全総で一極集中というものを排除していこう、あるいは抑制していこうということでやったんでしょうということですね。しかし、それが達成されておりません。だから、その原因は一体どういうところにあるんでしょうかということをお聞きしたんです。これは、国会をどこに移転するにいたしましても行政的に今日まで意図してきたことが達成できなかったのは一体どこにあるかということをはっきりしておきませんと、国会をどこかに、どこか知らぬけれども移転しても同じことをまた繰り返しちゃうんじゃないかなという私は危惧を持つわけなんです。
 それで、今長官がお述べになったんですが、私ちょっと十分そこでお聞きできなかったか聞き漏らしてしまったのかもしれませんけれども、今おっしゃいましたように、人口減少県が十八県あって大変なことだと。あるいはまた、その地域を重点的にやっていかなきゃいけない、種々の角度からやらなきゃならない、あるいはまた行政移転というものもやろうとしているけれども、まあまあちょっととおっしゃる。そうすると、本当のところ一体どこにこれだけ東京にどんどん集中していったんだろうかと。
 先ほど同僚委員から、東京の一極集中というのは世界都市化だとかあるいは経済の高度化であるとか、あるいは政治、行政機構の集中化であると
かというふうな原因を御説明になっていたわけでございますが、もう一度、本当の意図したことが達成できなかったというところは一体どこにあるのかということをちょっと端的に教えていただけませんでしょうか。
#52
○国務大臣(東家嘉幸君) なかなかかいつまんで説明することは難しいことかと思いますけれども、例えば地方振興法、百ぐらいあるんだそうでございます。だけれども、一定の評価はありますものの、しかし大方のその法律に基づく着実なその地域の活性化が図られたかということになりますと、やはり我々は反省すべき問題があるということで、今度の拠点地域の整備のことで法案を承認いただいて、そしていよいよ地域の重点的活性化を図ろうというようなことを今準備しているわけでございますから、そういうことも含めて、今度はそうした成果が上がり得るような、各省庁の協調というものがなければそうした法律はできてもやはりなかなか魂が入ってこないと私は思っております。
#53
○足立良平君 よく私もこれから勉強してみたいと思います。
 それで、ちょっと総務庁長官がおいでになりませんが、総務庁の方おいでになりますか。
 ちょっとお聞きをいたしたいと思うんですが、それぞれ各省庁の許認可等の件数、これは数日前でございましたか、マスコミにもちょっと報道されていたわけでありますが、許認可件数というものが漸次ふえてきているというふうに報じられております。各省庁別には結構でございますから、大体総計としてここ三年ほどどういうふうな許認可件数というものは推移をしているのか、ちょっと教えていただきたいと思います。
#54
○政府委員(田中一昭君) お答え申し上げます。
 許認可等の件数でございます。最近発表したものを先に申し上げたいと思いますが、ことしの三月三十一日現在の許認可等の総数は一万九百四十二件でございまして、前年、つまり平成三年の三月三十一日現在の把握時に比較しまして、廃止が五十八件、新設が二百八十三件でございまして、差し引き二百二十五件の増加となっております。
 三年分をお聞きでございますが、平成二年の方をちょっと持っておりませんけれども、実は今回は第七回目でございまして、ちょうど昭和六十年の十二月三十一日現在のものがございますので、それでもようございましょうか。
#55
○足立良平君 結構です。
#56
○政府委員(田中一昭君) それで説明させていただきますと、第一回、六十年の十二月三十一日に調べておりますが、一万五十四件でございます。したがいまして、約九百件ばかりふえておるということでございます。
#57
○足立良平君 国土庁長官、ちょっとこれは長官の御意見をお聞きいたしたいと思うんです。
 今、総務庁の方から数字を示していただいたわけでありますが、同僚委員から、一極集中の原因とは一体どういうことかというと経済の高度化の問題であるとか世界経済化の問題であるとか、いろんなことをおっしゃっているわけであります。私もそのとおりだと思うんです。ただ、そういうふうな状況の中で、さらに例えばそれぞれの、大阪の経済圏の本社もほとんどもう東京に移転をしてきておる、あるいは名古屋の中部経済圏の本社も地域企業以外はもうほとんど東京に本社を移している。全国の企業も大体東京に本社を移してきているわけです。
 そういうことをもろもろ考えてみると、経済の高度化というものは、一方において各省庁における許認可の問題と大変に密接な関係を持っているんじゃないか。したがって、一極集中というものを排除していこうとするなら、行政と経済との関係というものに思い切ったメスを入れていかないと、この問題は国会をどこに移転しようとも、必ず私は今の東京の二の舞を演じることにつながってくるのではないかというふうに思えてならないのですが、この点いかがでしょうか。
#58
○国務大臣(東家嘉幸君) なかなか答えづらいことでございますけれども、私は、国土庁長官として任に当たっている、また例えば拠点法の法律後の中身にいろいろ協議に入るとなかなか、やっぱりそれぞれの立場立場でおっしゃられる、それを整合性を持たしていくということの国土庁の役割というものは、これはもう本当に今後とも重要だと思っております。
 そういうことで、一つ一つ中身については申し上げにくうございますけれども、きょう午前中も大阪湾のベイエリアの法律を通過さしていただきました。そうした関西は関西としての文化、経済、あらゆる機能は、やはり地方の、地域のそれぞれの皆さん方の大きなそうした要望にこたえる、それは各省庁が本当に一体となって取り組む姿勢がなければこのベイエリアの法律も生かすことはできない。そういうことで具体的に一つ一つには答えられませんけれども、まず申し上げましたような省庁の協議、そして一体性を持って活性化を図ることの意欲が必要ではないだろうかと思います。
#59
○足立良平君 これはちょっと総務庁の方にお聞きしたいんですが、同じような質問で、これだけ、大体これは六年ですか七年ですかの間に九百件も許認可、これは土光さんのいわゆる行革臨調があったとかいろんな経過がある中で許認可事項、このほかに実際は行政指導という名でいろんな問題もあるだろうと思いますけれども、そういうふうにどんどんふえてきている要因というのは、総務庁としてはどのようにお考えになっていますか。
#60
○政府委員(田中一昭君) ただいま申し上げたこの七年間のトータルについての分析を私は今手元ではできませんけれども、昨年とことしで、先ほど申し上げましたように、二百二十五件ネットで増加になっている。
 この内訳を見てみますと、新設された許認可等の内訳でございますけれども、大きく三つに分けることができます。
 一つは規制の強化を伴う新設でございまして、これが七十一件。それから二つ目でございますが、規制の緩和。禁止とか制限の緩和でございますけれども、それに伴う新設が七十二件です。そのほか三番目に、支援とか助成等に伴う新設が百四十件ございます。
 これら新設の理由を見ますと、一番初めに申し上げた規制の強化に伴う新設のほとんどは、国民の生命、財産の安全の確保とか資源、環境の保護等社会的規制の強化のためのものでございます。例えば悪質業者排除のための商品投資販売業の許可等の新設だとか、あるいは環境保護のための産業廃棄物収集運搬業、産業廃棄物処分業の許可等の新設でございます。
 また、二つ目の規制の緩和に伴う新設、緩和に伴う新設というとちょっと変に思われるかもわかりませんが、従来一般的に禁止しまたは制限されておりました行為等を緩和するためのものでございまして、例えば応急手当て充実のための救急救命士の免許等の新設でございます。
 そのほか支援助成に伴う新設でございますが、これは中小企業の雇用改善等主として産業の振興とか助成等のためのものでございます。
 こういう内訳になっております。
#61
○足立良平君 これも確かに、経済が高度化してまいりますと、行政的に相当そういう面できちんとガイドしていかなきゃならないという一面性はあるんですが、それは逆に言いますと一極集中というものを大変助長する一つの要因になっているわけですから、これはこの法案の中の四条の中にもその趣旨が明確にされておりますから、私はそれはさらに努力をしてもらわなきゃならないというふうに思うんです。
 ただ、そこでこれは、自治大臣もお帰りになりましたし質問通告していませんから、一つだけお聞きをしておきたいと思うんですが、地方への権限の移譲の問題、これはまさにもうそのとおりだと思うんです。確かにそうなんですが、考えてみますと、今の都道府県というのは明治からああいう規模なんですね。経済がこれほど拡大する、広域化してきている。そして、人間の移動も府県を
越えてもうどんどん動いているわけです。そうなってくると、権限の移譲といいましても、実際的に現在の都道府県の規模なりあるいは自治体の規模というものが本当にこれでいいのかどうなのかという問題が、大変これは難しい問題になってくる。
 大変難しい問題でありますけれども、許認可の問題というものを、行政的なそういうものをきちんと整理していく。そして、一方において、権限というものを地方に移譲しながら国土の均衡ある発展というものを同時に考えていく。そういう観点で考えてみますと、実際的に行政単位というものが今日の経済の実態からすると、あるいは人間の行動の範囲からすると、今日の地方公共団体の規模でいいのだろうかという感じが私はしてならない。そういう面で、これは国土庁長官にお聞きするわけにもいきませんし、余り時間がありませんから、自治省の方おいでになりますか、おいでになりませんか。おいでにならない。
 それならもう結構です。
 私はそういう面であえて問題の提起だけさしていただきたい。そうしませんと、これは簡単に権限を各地方に移譲すると言ったといたしましても、私は各都道府県の実際の各地域の開発の状況なりそういういろんな行動を見ておりますと、隣接の県が大体同じようなことをお互いに競争し合いまして、実際的には大変に問題点があるのではないかというふうに私は実は思っておりますから、これはあえて意見だけ申し上げておきたいと思います。
 時間がもう余りございませんので、そういう面でちょっとこれは国土庁の方にお聞きをしておきたいと思うんですが、第六条の関係です。
 第六条の関係で私は意味が少し理解できませんのは、一応この法案をつくるに当たりまして、政治と経済と文化の中枢機能が東京に集中したから一極集中のいろんな問題点が出ている、こうなっているわけです。そうしますと、いわゆる国会などの移転によりまして政治は移転しちゃう。そして、経済と文化は今度新しく六条で国際的中枢機能を東京に持たせる。従来の政治、経済、文化の中枢機能を東京にしたことによって地方は過疎と経済的停滞と文化の画一化をもたらしてきている、こういうふうに規定しているわけですね。
 そうしたら、経済と文化の国際的中枢機能を東京に持ってくるということになると、地方の段階における過疎と経済的停滞と文化の画一化ということは全然変化しないというように思えてならない。しかもそれは、行政機能はいわゆる許認可の問題も含めて第四条で整理をしていこうということになってまいりますと、これは東京というもののいわゆる集中化というものは経済的にはまたさらに進んでいく。しかも、情報化社会の場合に一極集中ということはどんどん進む傾向を持っておりますから、そういう面では、情報化社会における対応の仕方というのはちょっとこの六条だけでは対応が不可能ではないかというふうに思えてならないのですが、国土庁、発議者の問題ですかね。発議者、どなたか考え方をちょっと教えていただけますか。
 それでは、時間が参りましたから、また後ほどゆっくりと教えていただきましょう。
#62
○橋本敦君 まず、国土庁長官にお伺いすることになると思うんですが、先ほどから論議されておりますように、問題の発端は東京の一極集中という問題なんです。私どもも、ここまでひどくなった東京の一極集中の是正、解消というのは、東京に住んでいらっしゃる皆さんの生活の問題、安全の問題、そういった観点から一刻も猶予できない重大な課題であることは、これは当然だと思うわけです。今度の法案は、その前文でも明らかでありますけれども、東京の一極集中というこういう現実に照らして、まず一極集中を排除しよう、それから地震等の大規模災害に対する脆弱性を克服しようということが前文でも問題の発端として明らかにされている。
 私がまず指摘したいのは、先ほどからも議論されましたけれども、この一極集中ということの原因は何かということをはっきりさせるということがまず第一である。この問題なんですけれども、その点について、国土庁が国会に提出した首都圏整備に関する年次報告というのがありますが、ここの中でも、東京が国際関連機能、金融機能、情報関連機能、これについてどんどん東京への一極集中が続いているということを指摘して、これが重要な原因だということを言っております。まさにこういった東京への企業の中枢機能の集中や、あるいは国際都市的な文化、情報の機能の集中ということが過度に行われていることがその原因であるという、その点については長官の認識も変わらないわけですか。
#63
○国務大臣(東家嘉幸君) 今お尋ねのような経済、文化、政治、あらゆる面で東京にいろいろと集中する原因は、やはり便利さ、豊かさ、いろいろな面でこういう現象が起きたと思います。やっぱり地方の問題、例えば先ほど申し上げましたような地方の活性化のための法律、幾つかの法律がございますけれども、それをなかなか生かすことができ得なかった。そういうことで、先ほども申し上げましたような、拠点地域をつくりましょう、そして一極集中を排除しましょうというようなことで、やはり首都の移転という問題については今後の分散についても大きな役割を果たしていくものだと思っております。
 余りにもお尋ねの範囲が広いものですからどう答えていいかわかりませずに、まあ時間もございますから、この程度の答弁で恐縮でございますけれども。
 いずれにしても、どうしたらいいのかということは、やはりみんなで考え、今までの問題をどう是正していくかというようなことで、今後積極的に取り組んでいかねばならないということは、国民ひとしく認識していることだと私は思っております。
#64
○橋本敦君 少し私の質問の趣旨から御答弁がそれたような感じがいたしますが、そういった東京への過度な集中ということが行われ、それが促進されたことについて、今日まで政府・自民党が進めてきたいわゆる規制緩和あるいは財界主導の国際金融都市化への傾向の助長、そしてまたバブル経済の中での地上げの放任といった問題、いろいろございます。
 過度の一極集中をもたらしたことについて、私は政府の方に責任なしとすることはできないと思いますが、政府の責任について国土庁長官のお考えはどうですか。
#65
○国務大臣(東家嘉幸君) そうおっしゃられますと私も申し上げたいと思いますが、日本のあの戦後の大変な事態から今日まで、経済大国として、いろいろな問題点はありますけれども、やっぱり国民は、世界から見た場合の日本、それぞれ生活というものは豊かになってきたんだと私は思います。
 それは今いろんな角度から行政に対する批判等もございますけれども、しかし、中央政府においてそれぞれの役割が今日の経済大国につなげたその行政のやはり一定の評価は当然してしかるべきではないだろうか。その成長の過程にいろんなひずみが今日起きているわけですから、そのことをどう是正していくかということ。すべてが悪いというふうにとらえるのではなくて、これからどう、地方にも力がついてきたんだから地方は地方としての役割を果たそうと、等々の問題の論議で私たちは進めていかねばならないと思っております。
#66
○橋本敦君 それは私の質問をある意味でそらせる問題だし、ある意味で言えば、政府の責任をこの問題について明確にしようとする姿勢がないという意味で私は無責任な答弁だと思いますよ。
 そういった高度成長、東京一極集中の陰で、日本経済が発展した、国民が利益を受けたとばかり言っておれない。総理府の調査によっても、国民はこの一極集中によって四八・六%が地価の上昇で困っています、こう言っているではありませんか。居住環境の悪化で困っているというのが四一・一%あるではありませんか。まさに地獄の通勤
ラッシュ、これで三四・四%の国民が困り抜いている、こう答えているではありませんか。そして同時に、地方と東京との格差、これが余りにもひどいという声が総理府の調査でも二九・三%あるではありませんか。
 私は、こういった問題について政治を担当される方が政府の責任を率直に見詰めようとしないという姿勢については、重大な疑問を呈さざるを得ません。
 そこで、一極集中を国民的に解決するという課題に取り組むというのは、それは賛成ですよ。それは賛成だけれども、国会等首都機能の移転によって本当にそれができるかという問題がその次に論議されなくてはならない。その問題になりますと、政府機能と国会等の移転によって、そのことだけで一極集中というものは是正されない問題だということもこれまた客観的に明らかだと。これは長官もお認めになりますか。
#67
○国務大臣(東家嘉幸君) それは、決して首都移転が実施されたからといって、すべてが是正されるものではない。今、行政機関の移転も鋭意進めている、地方拠点整備を図ろうというような問題等々、そしてまた力のついた地方にも権限をできるだけ移譲しようということで、やはり国土全般の均衡ある発展を図りながら国民一人一人が豊かさを享受できる世の中をつくろうということで、お互いにそれは知恵を出し汗を流している。政府のすべてが、何もこんな電車が込むからお前たちが悪いんだというような一点だけで指摘される私は問題ではない。これはこれからお互いに是正していきましょうという私は課題だと思っています。
#68
○橋本敦君 私は通勤地獄だけで言っていませんよ。質問を誤解しないでください。
 例えば人口集中がどうなるか検討してみましょう。この問題について出された方向づけによっても、人口が約六十万移転することになるということが出ておりますね。その人口問題ではそうすると東京は今後どうなるんだろうかということですが、この点について社会経済国民会議新都建設問題特別委員会というのが「「新都」建設への提言」というのを出しておりますが、この提言で見ましても、人口問題についてはこう言っておりますね。
 「新都」への政府機関移転は、それなりの人口減少要因である。しかし、一時的にはともかく、長期的にみれば、東京遷都以前においても経済都市としてのナショナル・センター機能をそれほど保有していなかった京都などと違い、東京はなお強い成長力を保持することが予想される。また、外国人の流入が予想されること、若年人口率が高いことから、人口の自然増がかなり見込まれている。という結論を出している。
 それからもう一つ、これは衆議院の国会等の移転に関する特別委員会の議事録でありますが、現在総合研究開発機構理事長の下河辺さんの参考人としての意見があるんですが、ここでは「国会移転によって人口が分散するというようなことには全く関係がないのではないかというふうに思ったりしております。」と、こうおっしゃって、この首都移転という問題は「国土計画的視点にとどまらないで、政治的視点で国会移転というものを論じていただきたいというのがポイントなのです」ということをおっしゃっています。だから、地方分散型、均衡のとれた国土ということは大事な考え方なんだが、そういったこと以上に、問題は政治的視点の問題だというふうにおっしゃっている。特に人口については全く関係がないというふうにおっしゃっている。
 だから、こういうことからいっても、一極集中排除ということには国会等の移転だけでは基本的には問題解決にならない、そういった問題が現に残されたままであるというこういう状態は、これは避けがたいと思うんですね。
 次に、発議者の方にお伺いしたいのは、そういう観点に立ちまして、この法案の第六条でございますか、東京についてですが経済及び文化における国際的中枢機能はこれは維持していこう、これははっきり言っております。だから私は東京の将来像としてこれは避けがたいんだろうというように見ていらっしゃると思うんですが、国際的中枢機能として維持していくということであるならば、今私が指摘した一極集中傾向というのはやっぱりそういう理念で基本的に排除できないということがおのずから明白になるのではないかという気もいたしますが、この東京の位置づけについて一極集中排除との関係をどうとらえていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
#69
○衆議院議員(山口鶴男君) 私ども一極集中を排除すべきであると思っておりますが、これは単に人口の問題だけではなくて、文化の面、経済の面、さまざまあるわけでして、かつて江戸時代も政治の中心は江戸だったかもしれませんが、文化の中心は京都であり、経済の中心は大阪であった。そういう意味では複眼的な状況だったろうと思います。
 したがいまして、東京はやはりニューヨーク、ロンドンと並ぶ世界の経済、金融の中心都市であることは今後も私は変わりはないと思うんです。その東京の環境をいかに整備していくかということが課題であるだろうと思いますし、したがって新たに移転しますところは、政治、行政の中心として、そして東京との間に機能的なやはり分担関係があればよろしいんじゃないだろうかというふうに思っております。
#70
○橋本敦君 第六条は、そういった国際的中枢機能であると同時に、東京もまた良好な居住環境等を備える都市としてつくっていかなきゃならぬとおっしゃっていますね。そして移転先の新都も良好な居住環境等を備えた都市と、こうなりますね。
 この良好な居住環境を備えた都市としての東京という問題は、国会機能等の移転いかんにかかわらず、そしてもう一つ良好な居住環境には安全ということが入りますから、震災対策を含めたそういった措置というものは、これは東京が国会移転いかんにかかわらず政府の施策を挙げて、これまでも国会で論議ありましたから、現実に進めなきゃならぬ大事な緊急課題である。そういう意味で、この国会等移転と東京をそのような良好な居住環境、安全な都市にしていく緊急な施策とは、これは国会移転したからできるというのじゃなくて、そのこと自体おのずから政府の責任としてやっていかなきゃならぬ課題であるということを前提として私ははっきり認識する必要があると思いますが、発議者の御意見はいかがでしょうか。
#71
○衆議院議員(山口鶴男君) 私ども衆議院の特別委員会では、各面の有識者の御意見を承りました。特に地震等の権威であります方にもおいでいただきましてお話を伺いました。マグニチュード八クラスの関東大震災的な災害は直ちに来るとは言えないが、しかし安政地震ですか、マグニチュード七クラスの東京直下型地震はいつあってもおかしくないという状況なんだという御指摘がございました。
 私ども、そういう意味では、この東京にあらゆる権限が集中している、特に政治、行政の中枢機能が集中している、そういうときにそういった地震がありました場合の危険性というものをやはり真剣に考えにゃならぬと思っております。ただ、だからといって、この首都機能を移転したからといって、東京の地震対策がどうでもいいということは我々考えておりません。特に有識者の方の中では、この首都機能が移転した場合に当然新たに利用できる土地が生まれるではないか、そういった土地をできるだけ災害対策に活用する等の問題は真剣に国会で考えていただきたいという要望もございました。
 私たちは、そういうことも含めて、今度できます調査会で真剣に検討いただけるものと確信をいたしている次第でございます。
#72
○橋本敦君 国民はどう期待しているかという側面から見てみますと、東京都が有識者調査を本年の十一月にやりまして、二十五日の東京新聞に出ておるのですが、国会等の移転による日本経済の
中心地としての東京の地位の変化については「変わらない」、これは五一%。これは先ほどからも議論されているとおりであります。そういうことで、それでは例えば交通渋滞等生活条件、こういったことが改善されるかということについては「ほとんど影響がない」という見方が、これが約三〇%もありますし、今言った交通渋滞の緩和ということについては、これは期待したいという声が多いけれども「ほとんど影響がない」という見方も三〇%もあるということで、なかなか具体的な展望を国民の方からは持っていない。
 そういうこともあって、この問題について、国民的コンセンサスが首都移転ということで今本当に得られているかどうかということが次の問題として大事な私は背景事情になってくると思うのであります。
 そういう点から言いますと、現在国会等移転について、首都を含めて国民的合意が、コンセンサスができているという御認識なのか。それとも、そういったコンセンサスは必要であるが、そのコンセンサスを得ていくために今後とも努力しなきゃならないという趣旨がこの法案にも出ておるわけですが、国民的コンセンサスがまだこれからの課題だという御認識であるのか。国土庁長官と発議者の御認識を伺って、質問を終わります。
#73
○国務大臣(東家嘉幸君) 先ほど国民合意の形成をということについて、西田発議者からの発言はまさしくそのとおりだと私たちも受けとめております。
 再三にわたる調査、国民の認識が高まるにつれて、賛成の意見が七〇%というふうに受けとめております。もちろん、東京都の調査とはこれは違いますが、そこらあたりは……
#74
○橋本敦君 反対の意見も七〇%あることを御認識の上で答弁してください。
#75
○国務大臣(東家嘉幸君) それはしかし地域の問題であって、国民的合意形成ということになれば幅広い意見を評価することが当然だと私は思っております。
#76
○衆議院議員(西田司君) 先ほどもお答えを申し上げましたけれども、現在御審議いただいております国会等の移転の法律案というものは、これがいわゆる国会等を移転することによって、いろいろ問題を抱えておる東京都の問題、全国的な問題、こういうことの改革の契機になっていくであろうと私は確信を持っております。
 そこで、御質問のお答えでございますけれども、今国民の方々がこのことにどれだけの関心を持っておるかということでございますが、これはまだ現時点においては私は成熟はしておらない、このように思っております。ただ、調査会等あるいは今後の政府の取り組み方、こういうことによってだんだんと国民の理解は得られるもの、このように考えております。また、合意を形成していくことが極めて大事だ、このように考えております。
#77
○高井和伸君 私はきょうは、建設省、国土庁、それから安全保障室、それから最高裁、郵政省にお尋ねしたいと思うので質問通告しておりますけれども、その前に、私がそれなりに考えている前提を申し上げておいた方がよろしいかと思って、申し上げます。
 実は私の出身県は岐阜県でございますが、岐阜県は山の飛騨と町の平野の美濃地方に分かれております。そして、美濃の方は東海経済圏の中心の横っちょにありましてそれなりに隆盛ですが、山の中の飛騨は何としてもどうしようもない。その部分だけでいろいろやろうとしてもなかなか妙案は出てこない。そういうときに、今国会で通過するであろう大阪湾ベイエリアの開発の法案の立法作業に関与することができました。そういう中で感じたことは、やはり大規模に大きな核を持って、大阪湾ベイエリアですと大阪湾の湾岸の土地を再開発していくということが中心に、そして関西新空港中心というようなことになると思いますけれども、かなり大きなプロジェクトを組んでやっていかないと東京の一極集中はなかなか拡散できない。
 そういうことを思うにつけ、飛騨の私の出身のあたりのことを問題にするときは、岐阜県の中だけでやってもいけないし、飛騨地方だけでやってもいけない。もう東海全部でやらないといけない。特に愛知県の力をかりないと飛騨の山の中は発展しない。そういった場合、やっぱりこの東海ブロックでひとつ大きなプロジェクトをやっていかないことには、ちっちゃい拠点ぐらいの方じゃなかなかこの東京一極集中は拡散しない、こう確信するに至っております。
 そういう面で、国会等の等も重要でございますが、今度の移転の問題がテーマになったときに、私の発想は、できるだけ中枢国家機関を全国にばらす。衆参もばらす。衆議院も参議院も違うところへ持っていく。最高裁も別のところへ持っていく。行政庁も別のところへ持っていく。こういうことをしないことには一極集中というのは排除できない。幸い国会議員になってから各国へ回ることができて、少し知見をふやしたところで感ずるところは、特にヨーロッパ諸国は危機管理が発展していて首都機能を各地に分散している、こういう思いをたくさん持っているわけです。そういった場面においてコストはかかるかもしれないけれども、それなりに拡散する方法が必要じゃないか、こう思うわけでございます。
 そこで、まず国土庁長官に、国土発展のマスタープランとしてこういった国の中枢機能、国家機関を移すことについてはどんな配置をイメージしておられるか。するべきか、あるいは今後しなきゃいかぬのか、そこらの点についてお考えをお示しください。
#78
○国務大臣(東家嘉幸君) 私の主催する首都機能移転問題に関する懇談会の取りまとめにおきましては、今後複雑化する社会においては行政がどうしても一体化し総合的に対応する必要がある、行政部分に対する国会の国政調査権の発揮の便を図る必要もあることから、国会と行政の中枢部門はやはりどうしても近接して立地した方がいい、この方が適当であるというような私どもに対する懇談会の御意見であります。そういうこともあわせて申し上げておきます。
#79
○高井和伸君 建設省にお尋ねしたいところでございますが、建設省が所管されています道路網を中心に考えた場合、私が考えますところ、全国をやはり東京、それから仙台、札幌、名古屋、大阪、広島、福岡といったあたりが一つの中心的な機能、首都機能を持ち得るバックグラウンドがあるというような理解をした場合、こういった今挙げました場所は非常に候補地としては、過去に名前が上ったところもありますし上っていないところもありますけれども、そういったところに例えば首都機能の一部を持っていった場合、現在の機能でいろんな面で不都合がないか。そういった面での建設省の所管の範囲からの現状についての御認識を伺いたいと思います。
#80
○国務大臣(山崎拓君) 今、御高説を承っておったところでございますが、首都機能を分散して全国に再配置するという構想につきましては、これはいろいろ議論のあるところではないかと存じます。仮にその議論が国民的な合意を得まして推進されるということになりました場合には、首都機能はさまざまございますので、どの機能がどの地域に参るか、そのことによりまして社会資本の整備のあり方も当然変わってくるわけでございます。
 したがいまして、今後、この法案の成立によって設置される国会等移転調査会におきまして具体的な検討が進められると存じますので、その結果を踏まえまして、建設省としまして、住宅、社会資本の整備を行政としてお預かりする立場でございますので、検討をやってまいり、的確に対処さしていただきたいと考えているところでございます。
#81
○高井和伸君 内閣の安全保障室にお尋ねしますけれども、危機管理の側面から、ある意味では、この霞が関、永田町かいわいが壊滅的な打撃を受けた場面においては日本のあらゆる機能がパンクしてしまうんじゃないか、こういうような思いが
し、防衛白書を見ますと、「日本の防衛」の中の第六節「その他の諸施策」というところで有事の問題が出ております。そういった中でもいろいろなことが書いてありますけれども、有事の場面などを想定した場合の首都機能の集中という側面はどのようにお考えになっておるでしょうか。
#82
○政府委員(児玉良雄君) 有事なりあるいは緊急事態についてのお尋ねかと思いますが、通常の行政の体制では、適切に対処することが難しい重大緊急事態あるいは緊急事態の発生につきましては、その未然防止のためには平常から関係省庁が緊密な連携を保っていることがまず必要であろうかと思います。また、こういう事態が発生した場合には、政府が一体となって、その事態の拡大の防止であるとか事態の早期原状回復のための努力、こういうものが機動的、効率的に行われまして事態に対処することが重要であると考えております。
 実際にそれらの事態が発生した場合には、事案の態様に応じまして、政府では速やかに内閣などに対策本部を設置しまして所要の措置を講ずることとなりますけれども、このようないわゆる危機管理の側面からいえば、行政の一体性だとか総合性を確保するために行政の中枢的なものはある程度近接して配置されるように配意し、平生から相互に緊密な連絡を保ち、そしてその過程におきましては防災対策等につきましても総合的に十分検討されていることが望ましいというふうに考えております。
#83
○高井和伸君 最高裁にお尋ねします。
 本法律案の第一条の冒頭に、「国は、国会並びに行政及び司法に関する機能のうち中枢的なものを東京圏以外への移転」ということで、司法も射程距離に置いております。
 諸外国を見ますと、行政と違って司法というのはそれなりに安定したというか、余り時間的に、スピードを要求はされていますがさほど要求されてないという側面から、非常に移転には適した機能のセクションじゃないかと私は思っておりますが、最高裁としては、こういった東京一極集中という観点からはどのようにお考えになっているんでしょうか。
#84
○最高裁判所長官代理者(上田豊三君) 国会等の移転に関する法律案を御審議中であるということは、私どももちろん承知しているところでございます。
 東京へのいわゆる一極集中をどのように考えていくのか、またそれに対してどのように対処していくかという問題は、極めて高度な立法政策、行政政策にかかわる問題でございまして、広く国家的見地から検討されるべき問題であろうと認識しております。
 私どもとしましては、今後、立法府、行政府の動向を見守りつつ、司法の機能ということを念頭に置きまして検討してまいりたい、このように考えております。
#85
○高井和伸君 郵政省にお尋ねします。
 今までのお話を聞きますと、方針を決めていただかないと検討はしませんというんじゃなくて決めてもらった方がいいんだという意見だったと思いますが、今までのお話を聞きますと、特に行政機能は立法府と余り離れちゃいけない、効率性からも一体性のゆえからも離れちゃいけないという意見がかなり多数意見だったと思うんですが、私の方の意見、少数意見ですけれども。
 そういった多数意見をクリアするには、情報面からどこへ行っても御安心ですよと、こういうインフラ整備をしていただけばこれは一発で決まってくる世界じゃなかろうか。きょうは運輸省の方に来ていただいていませんでしたけれども、物流の世界でも同じじゃないかと思いますが、まず情報面で、首都機能が各地に分散した場合、情報通信基盤の上ではどのようにお考えになっているんでしょうか。
#86
○政府委員(松野春樹君) お答え申し上げます。
 国の中枢機能を担う新都市ということになりますと、東京その他国内主要都市との間の交流をどうするかという問題が一つあります。それから、海外主要都市との間の交流でありますとか、もちろん新都市内部そのほかにおきまして、円滑な情報交流やあるいは生活や文化機能の交流といった面を目指すということになろうかと思います。そのための高度な情報通信基盤設備あるいは中核的な施設の整備の方法などにつきましては目下勉強中でございます。
 なお、本法律案が成立いたしますと、総理府のもとに国会等移転調査会が設置されることになりますが、この調査会の御審議の動向等も十分踏まえまして、今後情報通信基盤の整備のあり方等につきましてさらに具体的に検討してまいりたいというふうに考えております。
#87
○高井和伸君 今まで一当たり各省庁のお考えを聞きました。
 これから調査会を置くというわけで、調査会の問題に移りますけれども、きょう、この議員立法の法律によります調査会のメンバーのところで意見だけ私の立場から申し上げておきたいと思います。答弁には及びません。
 調査会の委員で、衆議院が八名、参議院の議員から六名という、バランスがとれていないというのが私の基本的な見地でございます。なるほどいろんなものを全体的に把握するわけですから余り無理も言えない世界じゃなかろうかと思いますけれども、少なくともハウスが違う、そして理念的には衆議院と参議院は別のところへ行っても一向に構わない。現に、国立国会図書館で調べました、上院と下院がどのくらい離れているかというのをちょっとピックアップしてくださいということで聞きましたら、六つ出てきました。フランスが上院と下院、二・二キロ、ルクセンブルク宮とブルボン宮というようなことになっています。イタリアが三百メーター。メキシコが三百メーター。フィリピンが九キロ。ルーマニアが百二十メーター。スペインが一・三キロ。それで、今度ドイツの場合は、歴史的な経過もあるんでしょうけれども、ボンとベルリンに、連邦議会はベルリンに行ってしまうということで離れる。
 そういった側面からいうと、何だか縛りがかかっていて、国会移転といえば衆議院と参議院が一緒にどこかへ行くんじゃないか、だから定数にバランスがとれていなくてもいいんじゃないか、こういう発想があったのじゃなかろうかと思いながら、私の思うのは、同数にすべきだと言っている基本的な見地がございました。そういう意見が、当初の案が七と四だったのが八と六に是正されたということで一歩前進ということで、今回について余り私の方も与野党合意のところで連合参議院は衆議院におりませんので余り無理も言えませんけれども、参議院に連合参議院があるということも衆議院の皆さん方にぜひ御認識を願うということを条件に、いろいろ問題があるということを考えながら私は一つ意見を述べておきたいという気持ちでございます。きょうは、提案者の方々首を振っていただいておりますので、これ以上申し上げません。
 それで、私が考えますのは、例えば今郵政省の方から御回答ありました、やはり世界との窓口という機能がやはり望まれる。大阪湾ベイエリアにおいては関西新国際空港。今中部の方では中部国際新空港を目指していろいろやっております。そういった拠点で言いますと、そういったことができるのは、あとは福岡のあたり、それから仙台のあたり、札幌のあたりと、このぐらいが世界へのアクセスができることになろうかと思う。
 そういった場合、きょうも昼は内閣委員会で人事院勧告の給与法案について審議をしたわけでございますが、その中で、シンクタンクの連合総研が言ったのは、もう土地の高騰によって自分たちの給与で何年働けば土地を取得して住宅が建てられるというような時代は終わってしまった。もう出来高給的な能率給でやってくれというような意見が出てきております。それほどに一極集中というのは非常に激しかった。
 そういった面で、多極分散も非常に地元の意向が大事ですけれども、客観的にかなり既に基盤整備されたところへ首都機能の一部を持っていく、
それをカバーすべき物流の世界、情報の世界、いろんな世界を持っていけば、フォローアップすればいいんじゃないかというのが私の基本的な発想でございます。
 特に先ほどの危機管理の安全保障室長さんのお話だと、ヨーロッパの諸国を見ますと、例えばオランダで言えばハーグとアムステルダムとロッテルダムにきちっと三極分けてやっている。ドイツで言っても、聞くところによれば、大蔵省や外務省や法務省はこれはベルリンへ移すと、防衛庁やそれから郵政省はボンに残すと。こんなことを平然とヨーロッパはやろうとしているときに、先ほどから一体的な効率のみをおっしゃっておられるが、少し安全保障についての認識が甘いんじゃないか。
 これから特にそういった面からいったら、今後の検討方針、国民のコンセンサスという問題を先ほど橋本理事もおっしゃられました、そして東京の二の舞になるんじゃないかということで足立理事もおっしゃられました、そういう二の舞になるようなどこか一カ所へぽっと持っていくような発想は、私はとても危険な発想じゃなかろうかということを最後に述べまして、総括的に国土庁長官にお話を伺っておしまいにします。
#88
○国務大臣(東家嘉幸君) 今、御指摘なされた問題は先ほど答弁申し上げたとおりでございます。
 しかし、そういういろんな角度から今後調査会で御審議なされることをよく踏まえて、そして政府としては対応していくべきだと思っております。
#89
○委員長(井上孝君) これより、内閣総理大臣に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#90
○小川仁一君 ただいま御説明のありました自民党、社会党など四党での共同提案の国会等の移転に関する法律案につきまして、宮澤総理にいろいろお伺いいたしますので、よろしく御答弁をお願いしたいと思います。
 初めに、首都機能移転問題についての総理の認識についてお尋ねいたします。
 宮澤総理は、これまで首都機能移転についてどのようなお考えを持っておられたかを検討いたしました。自民党総裁選のときの政策でも、また「美しい日本への挑戦」や「再び旗を掲げよう」などという総理の著書や対談集も読ませていただきました。それらの本でも、やはり首都機能移転についてはお触れになっておりません。総理が首都機能の移転について積極的に発言されたのは、首都機能移転問題を考える有識者懇談会の取りまとめが出されてからのことであると考えております。
 そこで、総理、首都機能移転について、長い政治生活の中でどのような認識を持っておられたのか、また現在どのようなお考えを持っておられるのか、お伺いしたいと思います。
#91
○国務大臣(宮澤喜一君) この問題は非常に内外に及ぼすところの大きい問題でございますので、確かに私自身が自分なりの考えをまとめて持つということは長いこと自分にできずにおりました。おまえの書いたものをいろいろ読んでも出てこないとおっしゃいますのは、実はそのとおりでございます。問題をいろいろ考えてはおりましたけれども、いかにも及ぼすところの大きい問題である。
 仰せられますように、総理大臣の私的諮問機関である有識者懇談会の御議論を伺っておりまして、少しずつ事柄の方向が見えてきたということでございましたが、このたびのこの法律案の殊に前文の中で述べておられることがやはりこの問題の一番根本のところであろう。殊に、それも前文の一番初めのところでございますけれども、大戦の荒廃の中から今日の日本というものができたが、その日本の中で精神的充足を求める機運が大きくなってきたこと、また多様な地域文化を大事にしなければならないという意識が高くなってきたこと、それから全世界との連携を強化することが大事になってきたと。言ってみれば、この三つの要素があって、そしてこういう国会等の移転に関する発想が生まれたのであろう。
 そして、最後にございますように、国会等の移転を改革の契機として活用すべきであるというふうに述べられておりますが、まさにこういうことがこの問題についての認識であろうということを、私自身もいわば御教示を得たと申しますか、そういう考えを自分としても理解し、そして推進しなければならないということをただいま思っておるわけでございます。
#92
○小川仁一君 次に、政府の方針、今のような御認識についての方針でございますが、国会は既に二年前に衆参両院で国会及び政府機能を移転すべきであるとの決議をいたしております。今度の法律の中では、第一条で国は国会並びに行政及び司法に関する機能の中枢的なものを移転するとしておりますが、一つは行政府の意思決定はいつどのような形でおやりになるお考えでしょうか。また、三権の一つである司法府においても移転の意思を表明されるべきと思いますが、これについてどのようにお考えでございましょうか。
#93
○国務大臣(宮澤喜一君) 法律の中で、これは第一条でございますが、「国は、国会並びに行政及び司法に関する機能のうち中枢的なもの」というふうに言っておられます。
 そこで、具体的には、設けられました調査会におきまして、その調査審議の結果を踏まえまして行政府としてもどのようにするのがいいかということがおのずから出てまいると思いますが、この調査会においては当然のことながら司法を含みまして幅広い分野の意見を聞かなければならないと思います。そういう中から、司法を含めましたいわば三権の機能のうち中枢的なものの移転についての具体的な方向が出てくる。また、調査会はそういうことをしていただく機能を持っておると思いますので、そういうふうにいたしてまいりたいというふうに考えております。
#94
○小川仁一君 そのことに関しまして、次に私どもがかねて提唱しております地方分権の実現について総理にお伺いをいたします。
 総理は、ことしの七月二十一日、私の選挙区でもある盛岡市での記者会見において、当日提出された首都機能移転問題を考える有識者懇談会の取りまとめについて御発言なさいました。その取りまとめは首都機能移転が行政改革の推進の大きな契機となると指摘しておられますし、さらに行政改革の中で一番おくれているのは地方分権だ、財源も地方に配分すべきだとお述べになられたように記事からうかがっております。新首都建設の大きな理由として挙げられている東京の一極集中の原因の一つは、行政の権限、財政の権限が中央に集中していると指摘する識者もございます。
 総理のこの記者会見での御発言は、新首都建設に当たってはより一層の地方分権、財源の地方配分を行うという御決意を表明なされたものと思いますが、いかがでしょうか。地方分権、地方への財源配分についてどのようなお考えをお持ちになっているのか、お伺いしたいと思います。
#95
○国務大臣(宮澤喜一君) 憲法で定められておりますことの中で一番実行がおくれておりますのは、私は地方自治であろうというふうに思っております。行財政の再配分ということは、戦後間もなくから言われてきたわけでございますけれども、憲法が期待しているような形での実施というものは私は十分に達成されていないというのが現実であると思います。
 一つは、我が国の近世においてそういう基盤がなかった、あるいは明治政府の場合に強度な中央集権を必要としたといったようないろいろ沿革によるものかとも思いますが、とにかく現実の問題として、地方分権、地方自治ということは極めて不十分にしか行われていないということが我が国の実態であると思いますので、そういう意味では代々の行政改革におきましてもこの問題が取り上げられ、実は今回の行革審でも私はこの問題を特に取り上げていただきたいということを申しました。つまり、中央から地方への分権ということと、もう一つ官から民へといいますか、規制緩和、この二つのことを行革審にお願いしておるの
でございまして、このことが国会等の移転に関する法律案といわば裏腹になっておるというふうに思っております。
 実は、この国会等の移転に関する法律案の総理大臣の諮問機関、有識者懇談会におきまして一委員から、国会等の機能が移転したときに、そこへ今持っている権限を全部持っていってもらっては困りますよ、それは全部地方にもう渡して空手で行くぐらいのつもりでもらわないと困りますよというお話があって、それは今小川委員の言われますように、両方の問題が極めて緊密な関係にあることを示しておるものというふうに思います。
#96
○小川仁一君 地方分権を非常に大事にお考えいただいていることに、私たちこの法案を通すに当たっての前提事項でありますだけに、総理のお考えを非常に歩といたします。
 同時に、この首都建設に係る費用の調達問題を総理にお尋ねいたします。
 国土庁の首都機能移転問題に関する懇談会は新首都建設の費用を十四兆円と試算いたしております。これは首都に必要な空港、鉄道、道路網などの交通手段の整備の費用は含んでおりません。今を去る千二百年前の平安京遷都の詔で、やまかわもうつくしく よものくにたみ、四万の国民がという意味でしょうね、集まるにも便利であり、山河が取り巻いて自然に城をなしていると、こう言って遷都のお話をなさったようでございますが、首都の条件として他の地域との交通が確保されなければならないということはずっと言われているところであります。
 今日、その費用を考えてみますと、これは並大抵の費用ではございません。例えば外国の例で見てみますと、オーストラリアの首都であるキャンベラの建設は決定から事業開始までが十五年、国会完成まで三十年もかかっております。また日本の場合に、筑波学園都市の建設も昭和三十八年の閣議決定以来十五年もかかっております。この新首都の建設はいわば二十一世紀の長くて重い課題だと考えます。高齢化社会も間もなく到来してまいります。こういう時代に、非常に多くの費用を投ずる財政的な余裕といいますか費用の捻出ということも総理にとっては非常に大事な問題だろうと思いますが、ひとつこの際、総理の豊富な経綸と申しますか二十一世紀の我が国の財政の展望など、もしおありになりましたら、お聞かせ願いたい。
 また、年明けに通常国会に財源法を提出する、こういうお考えもあるようでございますから、それも含めて、十四兆円にも上るお金をどのように調達するのか、将来はどういう方向でというふうなことを、非常に概念的であって構いませんから、お話し願えればありがたいと思います。
#97
○国務大臣(宮澤喜一君) なかなか後段の問題には上手にお答えできませんけれども、確かに二〇一五年あるいは二〇二〇年ぐらいに我が国の老齢化のピークが来るであろう。恐らく六十歳以上の人口が全体の二五%ぐらいになるというふうに推測されておりますけれども、そのときには日本の経済は今のような力をあるいは持っていないかもしれない、片一方で社会保障の負担が相当重くなりますから。しかしその後にはやや正常にまた向かっていくと思いますが。ただ私は、大変楽観的にお聞き取りになるかもしれませんけれども、日本の経済の力をもってすればこの仕事というのは十分にこなせる、そのぐらいな経済力は私は十分に持っておるというふうに実は思っております。
 どのくらいの財源が要るだろうかということは今ほとんど想像もできないことでございますが、恐らく調査会ができますと、対象の範囲とかいろいろなことから、どのくらいの財源というところまでいきませんけれども、少しずついろいろな基礎データを収集していくことになると思います。いずれにいたしましても、日本の経済力をもってすれば、そういう観点からは私はそんなに大きな、大きな困難といいますか不可能だというような難しさがあるとは思っておりません。
 ただ、この経過期間でございますね、事業が始まりましてから終了するまでの間の経過期間が余りに長いときには、これはまた国民生活はもちろんですが、経済発展にも支障が起こるおそれがございますので、余り長い時間をかけることはいかがなものであろうかということは一つ考えます。
 もし、そこのところが非常に上手にいきまして計画どおり事が運んでまいりますと、確かに相当な経費ではございますが、移転そのものがまたGNPにはプラスに働くはずでございますから、かえってそこから我が国の経済が強くなる、整備されるというそういうプラス面も決してないわけではありませんで、そういう意味では我が国の経済力をもってすればそんなに心配をしなければならないような状況にはならないのではないだろうか。
 多少楽観に過ぎるかもしれませんが、そのような考えを持っております。
#98
○小川仁一君 最後になりますが、地方の振興についてお尋ねをいたしたいと思います。
 首都機能移転問題を考える有識者懇談会の取りまとめの発表の後に行われた都道府県知事を対象としたアンケート調査では、三十六都道府県知事が早急に取り組むべきなどの見解を示しているということです。
 先日、直接住民に接しておられる町村長さんたちに私お話を伺いました。この方々は、都というのは法律で決めるものではない、住めば都というが、自分たちは今住民の皆さんが住んでいるところが都だと思ってくれるような町づくり、村づくりをしているとおっしゃるわけです。ですから、首都建設が新たな一極集中を生み出すのではこういう方々の考えとは逆の立場になりますし、そのような形ではなく、地方分権あるいは地方財源等さまざま申し上げました対策が必要になるのではないかと思います。
 この有識者懇談会の取りまとめの中では新首都は政経分離方式というふうに考えられているようですが、これは結局政治の中心は新首都、経済の中心としての東京に終わってしまい、逆に、二極集中みたいな結果になるのでは二十一世紀の日本を考える上で非常に意味のないことになってしまうのではないか。そうでなくても地方の振興をどう政策的に保証していくかという課題は、この新首都建設と同時に求められている国民的な課題だと思います。
 首都機能移転問題を考える有識者懇談会の取りまとめて述べられているように、この新首都建設は二十一世紀における人心一新、望ましい国土構造の実現、こういう二つの大きな柱を持っておりますが、これは地方にどのように向けられていくかということが大きな課題だと思います。二十一世紀の日本をどのように描くか。今、町や村で苦労をなさっている方々の気持ちにこたえるようなお答えをいただきたいと思います。
 同時に、この問題は国民の合意と言っておりますが、総理の非常に強い指導性、積極性があって初めて問題の発展につながると思いますので、あわせてお考えをお聞きして、終わりたいと思います。
#99
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほど申し上げたことにも関連をいたしますが、確かに、この新しい首都機能を持った移転先に移転ができたといたしましても、そこが一極集中のもとになるのではこれは問題は解決しないわけですし、また仮に経済というものがそこと離れて東京なら東京というところに一極集中してはこれもまた問題を十分解決したことになりませんから、そういうことはそういうこととして、今の一極集中というのはそれ自身を改めていかなければいけない。
 そのことは、実は全国総合開発計画でもう何度もその方法について、かつての新産都市以来、あれからもう三十年近くたちますけれども、何度か四全総に至るまで御承知のようにいろんな方途を考えているわけですけれども、十分になっておりません。
 このたび、前回の国会で地方拠点法というのを成立させていただきました。これによって地方に新しい拠点となる地域を幾つかつくりたいということを考えておるわけでございますが、この法律
とは関係なく、いわゆる一極集中の排除というのは別途に地方分権の立場から考えていかなければならないことでございまして、この法律の施行というものがそれを助けることになることは確かでございますが、それと並行しながら地方分権そのものを推進していきませんと、どこかの一極にまた集中するということでは結局目的を達しないことになりますので、それは十分考えてやるべきことだと思います。
#100
○中川嘉美君 私に与えられた時間が十分でございますので、簡潔にお尋ねをしてまいりたいと思います。
 国会や中央官庁等の首都機能を東京圏外に移転して新首都を建設するという大事業は、国民の合意形成が不可欠であるということは言うまでもないことでありますが、同時に、政府が本腰を入れて取り組まなければならない、そうしなければ決して実現するものではない、そういうものだと思うわけでございます。
 宮澤内閣の生活大国五カ年計画では、首都機能の移転について行政府としても積極的に検討し基本方向を示す、このように述べておられますけれども、この基本方向については既に首都機能移転問題に関する懇談会の取りまとめ等で具体的に示されている。今後はそれらを踏まえて、行政府がどう取り組んでいくかにかかっているわけであります。
 そこで、首都機能移転問題に対する総理の基本認識、また政府の今後の対応方針等について御所見を伺いたいと思います。
#101
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほどもお答え申し上げましたことと多少重複をいたしますけれども、まず国民意識の問題でございますが、総理府が首都機能移転に関する世論調査をいたしました。今年の七月のことでございましたが、いろんな問題について答えが出ておりますけれども、何らかの形で首都機能の移転に賛成であると言っておる答えはほぼ六割ございます。そして、その首都機能移転問題というのを見たり聞いたりしたことがあるという人はほぼ八割に近いのでございますから、国民の関心というものほかなりの程度に高いと考えてよろしいのだと思います。
 そこで、そういう中での首都機能移転というのは、やはり今お話しの一極集中の排除ということに密接に関連いたしますけれども、もっともっと基本のところではこの法律の前文に述べておられますように、やはり敗戦後の五十年たちました我が国がこれだけの国になって、しかし国民が物質的な豊かさはそれとして、やはり精神的な満足感というものを十分に持っているのかどうかというようなこと、あるいは東京等に一極の集中があったために地方、地域の文化あるいは産業というものが十分に発展していないではないかというようなこと、あるいは日本全体が世界との連携をこれだけ深めておりますが、世界との連携をさらに強化する必要があるのではないかということ。
 そういう問題意識がこの国会等の移転についての法律案の志向しておられるところだと思いますし、私もまさに生活大国としての日本というのは、こういう方向でこの問題を考えていかなければならないのだというふうに思っております・
#102
○中川嘉美君 いずれにしても、国民の合意形成を図りながら政府としても具体化に向けて積極的に取り組んでいくという、こういう必要があると思います。
 そのためには、閣内に国会等移転問題の担当大臣、こういったものを置いて対応すべきではないかというふうに考えますが、総理の御見解はどんなものか伺っておきたいと思います。
#103
○国務大臣(宮澤喜一君) この法律が成立いたしますと、まず調査会の設置がなされます。そこで調査が進んでまいりますが、その調査の段階で直ちに各省庁の間の事務の調整ということがすぐに必要になるわけではない。調査にはかなり長い時間、長い審議が必要であると存じますが、その段階ではまだまだ各省庁の事務上の調整というものは恐らく必要にはならないであろう。しかし、これが具体的に移転に向かってのステップを踏むようになりますと、各省庁の調整というのはかなり複雑になってまいるかもしれません。
 ただいまのところ、したがいましてこの調査会の運営については国土庁長官を中心に各省庁が協力をしていけばそれで十分であろう。将来、中川委員の言われますような必要が生じますれば、それは担当大臣を考えるのにやぶさかではございませんけれども、いろいろ行政簡素化との関係もございます。ただいまの段階であれば、国土庁を中心に行政をやっていくのに支障はないのではないかというふうに思っております。
#104
○中川嘉美君 東京都とそれから都議会公明党の方から、このたびの移転問題に関連して次のような趣旨の強力な要望が実は来ております。
 総理がちょうど御出席でもありますので、この際次の二点に関する総理の御決意を伺っておきたいと思いますが、その第一点は、一極集中を是正し、地方の活性化を図るためには、国会等の移転だけでなく、行財政権限を中央から地方へ大幅に移譲する地方分権の実現が不可欠である。このため、国会等の移転の検討にあわせ、早期に地方分権の実現に向けて具体的方策を示し、積極的にこれを推進すること。
 第二点は、東京における震災対策及び過密対策を早期に講ずるとともに、積極的にこれを推進すること。東京における過密状態、これはもう深刻でありまして、震災対策等について積極的に推進をしてもらいたいという趣旨でございます。
 ちょうどきょうの午後四時半、都議会本会議で私どもが総理にこの件に関してお尋ねするということに関しての報告がなされるというふうに連絡が先ほどちょっと入りまして、それは予定としてはそういうことだからとお答えしておきましたが、ちょうど今四時半で、今ごろ東京都の本会議の方でこのことが報告されていると思います。この二項目について、総理の御決意のほどをぜひ伺っておきたいと思います。
#105
○国務大臣(宮澤喜一君) 第一点は先ほど小川委員にも申し上げたところでございますけれども、やはり行財政の再配分を断行して地方に十分な行政権、財政権を与えるべきだということは、これは戦後今日まで何度か言われて十分に実行されていないところであります。それで、行政改革のこれがどうしても私は主眼でなければならないと考えておりますことは御指摘のとおりでございます。
 次に、この法律によりまして国会等の移転が行われますが、その場合に東京都がどういうことになるかということ、これはまたこれとして大切に調査会で考えなければならない問題だと思います。それは、移転に伴う東京都の整備に関する基本的事項を調査会の審議事項として法律が掲げておることからも明らかでございますが、仮にこの新しい移転先にどのくらいの人口が移動するであろうかということを考えてみましても、東京都がこれだけ大きな人口に近いものをなお持ち続けるということは恐らく否定できないところでございますから、その東京都をどういうふうに整備するかということは、移転がありましょうとございますまいと少しも変わらない重要性のある問題だというふうに考えております。
 ですから、依然として東京都には過密の問題があり、地震対策の問題があり、いろいろ我々がきょう悩んでおりますような問題を持ち続けると考えなければなりませんから、それについての処理、対応をどうするかということはやはりこの調査会で一生懸命検討しなければならない問題だと思います。
#106
○中川嘉美君 東京都の方の要望実現に向けて、最大の努力をひとつ今後ともお願いしたいと思います。
 最後に、一点だけお聞きしますが、国会等の移転に関する諸事項について何回か今伺いました。これらの事項は国会移転といういわゆるハード面に重点が置かれているわけでありまして、しかしながら、国政について言うならば、我が国の遷都の歴史が示すように人心一新というソフトの側面が今こそ問われているんじゃなかろうかというふ
うに思うわけであります。
 今回の移転が歴史的な大事業ということであるならば、そのことに着手することは結構であるとしても、その前に、今こそ政治改革、さらには行政改革というものを断行しなければならないときではないか、このように思うわけですが、最後に総理の御所見、御決意等を伺って、私の質問を終わりたいと思います。
#107
○国務大臣(宮澤喜一君) それはまさしく御指摘のとおりだと思います。この前文において言っておられる精神的充足を求めるといったようなことも、やはりそういうことに関連があると思います。
 殊に現在の政治状況、このような国民からの不信を招いておりまして、これは政治改革によってこの不信にこたえていかなければならないと思いますが、やはりこういう大きな首都機能の国会等の移転ということになりますれば、その間、何と申しますか、おのずからこれは国民の心がやはりそれに伴って新しくなっていくと申しますか、そういうことが非常に大きな効果あるいは結果になってくるであろう。俗に居は心を移すと申しますが、そういう意味での観点もこれはあるいは一番大事な一つの観点ではないかと考えておりまして、調査会でも十分考えてもらいたいと思っております。
#108
○足立良平君 私の方も質問時間が十分でございますから、端的に御質問をしてまいりたいと思います。
 私、質問の趣旨はまた別途申し上げていたんですが、お話を聞いておりましたら大体私の予定していたのは出ておりますから、余り外れないようなことで進めたいと思うんです。
 私、きょう総理の答弁を聞いておりまして、実は私が考えていることと本当に似通っているといいますか、大変心強く思いました。先ほどの答弁の中で、現在の憲法の中で一番おくれているのは地方自治ではないかというふうな御認識、あるいはまた地方への分権なり規制緩和というものをこれから徹底してやっていかなければいけない、このように総理の御答弁があったわけでありまして、まさにこれが今日の我が国の置かれている政治、経済、そういう面から見ると一番重要な課題なんではないか、実はこのように私も考えております。
 その上で、ちょっとこれはアドリブで申し上げてなんですけれども、総理も先ほど御答弁でおっしゃっていましたように、四全総、三全総も含めまして今日まで本当に一極集中を排除しなきゃならないということで盛んにやってきたけれども、やっぱりどんどん進んできている。それから、規制緩和ということも本当にやっていかなければいけないということがわかりながら、その前半の論議、国土庁長官とも少し交わさしていただきましたけれども、行政における許認可といいますか、これも年間百数十件から多いときは二百件くらいコンスタントに実はふえてきているわけですね。
 そうしますと、先ほど総理の御答弁の中で、許認可権なり規制緩和というものを進めていかなきゃならない、こういうふうにおっしゃっているんですが、本当は大変難しいことだろうと。やらなきゃならないというのはもうここにおる皆さん方なり、すべての行政にかかわっている皆さん方もそう思っている。にもかかわらず、それはどんどん膨張してきている。それで総理もそういうふうにおっしゃっている。
 総理、これは一体どういうふうにしたら本当に簡素な行政というものを達成していくことができるというふうにお考えなんでしょうか。これはアドリブで申しわけないんですが、もしお考えがあったらちょっと聞かせていただきたいと思います。
#109
○国務大臣(宮澤喜一君) 戦後何度も言われながら、なるほどという成果を得ないままに今日に及んでおりますことは、本当に問題の難しさを物語っておることに違いございませんけれども、しかし、やはりこれだけ例えばハイテクの時代になっておりますし、あるいは交通、通信の情勢は一変しておるわけです。
 そういう中で、今までどおりの行政なり規制なりが行われなければならないということはないはずでありまして、そういうことからやっぱり問題を考えていって、これはなかなか政府あるいは行政部内からはそういう改革案というのは出にくいものでございますので、やはり行革審といったようなところで考えを出していただいて、それから先が難しいので、それをどうしても実行しなければならない。かなりの抵抗を排除して実行しなければなりませんが、明年はまたそういう答申を出していただきたいと思っておりますものですから、何とか実行をしたい。
 これは、もちろん国会の御理解と御協力がぜひとも必要でございますけれども、そういたしたいと思っております。
#110
○足立良平君 そういう面で総理もひとつ懸命の努力をしていただきたいと思うんです。
 ただ、規制をすべてなくしてしまえばいいというふうに私は申し上げているわけではないんです。今、総理がおっしゃいましたように、これだけ経済が高度化してきているわけでありますから、そういう面で新たに行政として経済をコントロールしていくということが必要になってきている。ただ問題は、既に陳腐化しているものもそのまま残って、ずっとそれが累増していっているところに一番の問題点があるし、それは行政の停滞をもたらしてまいります。
 ですから、新しい経済社会なりあるいは国際的なものの変化に伴ってそれは新たな視点で考えなければいけませんが、既に古くなったものに対しては思い切ったそういうものの見直しというものが、この法案の中にも四条に明確になされているわけでありますから、そういう観点でこれは一度考えてみるということが私は大変に今必要になってきているのではないかというふうに思えてなりません。
 それで、もう一点これは総理のお考え方をお聞きいたしたいと思うんですが、日米経済構造協議がずっと行われておりまして、今ちょっと沈静化しているようでありますけれども、考えてみますと、やはりこれは許認可の問題なり行政指導の問題と密接なかかわりを持っているわけでありまして、日本経済というものは、国際化してくればくるほど逆にそういう問題を明朗化というか明確化していかないと対応できない状態になってきているわけでありますから、そういう面からしてもやはり一般的には国際経済に対応しなきゃならぬというふうに我々はよく言っているんですけれども、言っているのだけれどもその実は全然内容的には対応していないというふうな問題も私はあるのではないか。
 それともう一点は、経済の一極集中ということを考えてみますと、これは総理のお考えをお聞きしたいんですが、情報化社会になってまいりますと、これは簡単にコンピューターでぱっといけるように思うんですけれども、やはり生の情報、フェイス・ツー・フェイスといいますか、こういうものを求めて人々は集中化してくる傾向を持っていると私は思うんです。ですから、例えば東京の一極集中というのは、情報化社会に伴ってますますこれは進んでいっている。それから、そういう面では、ブロック的に見ますと例えば北海道は札幌に集中する、東北は仙台に集中する、あるいはまた中部圏は名古屋に集中するというふうに、情報化社会というものは東京の一極集中なり、あるいはまたそれぞれのブロック経済の中における一極集中というものをもたらしてくる傾向が私は案外あるのではないかと思います。
 したがって、そういう面では、この法案が言う一極集中を本当に排除しながら均衡ある国土というものを国会移転等を行ってやっていくということと同時に、そういう経済の変化に伴ってよほど政府が意識的に分散化していく施策というものを一方で持ちませんと、これは集中化というものを抑制することは大変難しいのではないかという感じを現象面から実は思うんですけれども、この点いかがでしょうか。もしお考えがあれば聞かせて
いただいて、質問を終わらせていただきたいと思います。
#111
○国務大臣(宮澤喜一君) 確かに、人の集まるところにはソフトがあると申しますから、ソフトがなければやっぱり自分の仕事がやっていかれない。それを求めて人が集まるということは、先進国みんな同じ現象が起こっており、日本でもそうだと思います。
 ただ、それは東京なら東京、大阪なら大阪という選ばれた一つ二つのところに人が集まらなければならないのではなくて、そういうソフトのある拠点が全国に複数、数多くあってもそれでよろしいのではないか。
 ですから、そういう意味では交通と通信ということになると思うのでございますが、交通と通信がしっかりしておればソフトのあるいわば仮に都会、町場と申しておきますが、それが全国に二十も三十もあって、それは例えば正確ではありませんがアメリカの社会が多少そういうところがございます。そういうふうになれば、そこへ多少の集中が起こることは、これはおのおのやむを得ません。全部東京とかいうようなことにならないで済むのではないかというふうに考えます。
 また、職住にいたしましても、このごろかなりの方が、多くとは言いませんがファクスで仕事をしておられる。必ずしも職場へ行く必要がないという職業の方がかなり多くなっておられる点もありますから、やはり職住という点もそういう形での解決が少しずつ進んでいくのではないだろうか。そういうふうに、しかし国としての施策をしてまいりませんといけないというふうに思っております。
#112
○橋本敦君 首都をどこに置くかという問題は総理も先ほど国民の関心が高いというふうにおっしゃいましたが、まさにそのとおりで、国民全体にかかわる日本の政治のありよう、国民主権の根本にかかわると言ってもいい大きな将来課題だと思うわけですね。だから、そういう意味で、この問題については国民的合意ということが那辺にあるかということを慎重に見きわめながらやるべき大事な問題だと、まずこう思っておるわけですが、総理のお考えはいかがでしょうか。
#113
○国務大臣(宮澤喜一君) それは私も御同様に考えております。確かに東京は甚だしく過密になりつつございますけれども、これが何といっても日本全体の頭脳に当たる部分であることには違いがございませんから、それをどうすべきかということは全国民の関心であります。
 したがって、そういう意味で世論がどのように考えるかということは極めて大切にしていかなければならぬと思っています。
#114
○橋本敦君 その点はこの法案自体でも第三条で「広く国民の意見を聴き、その合意形成を図る」ということを言っておりまして、問題は、その合意形成が現在十分に成熟しているかどうかという点に一つはあります。この点について、私の質問に対して発議者の方も、現在国民合意が十分成熟しているという状況とは思わないという趣旨の御答弁がございました。それはもっともだと思うんですね。
 例えば東京都議会は、総理のお耳に届いていると思いますが、この法案の提出そのものに反対という決議を行っております。また、首都圏の七都市のサミットでは、日本の将来にとって極めて重要な問題であることから、首都圏さらには日本国民全体の間の広範かつ十分な論議を踏まえて慎重に対処されるべきであるという意見の声明を出しております。
 首都圏の皆さんの意見というものも、全国民のコンセンサスを得ていく上で直接かかわる大事な問題なんですが、その東京都の有識者調査によりますと、国会移転については「時間をかけて慎重に検討すべきだ」が五一%、「必要とは思わない」が二二%で、合わせてみますと慎重論としては七三%に上っているというそういう調査結果が出ておるわけでございます。
 こういう東京都並びに首都圏の意向、あるいは今のお示しをした状況について、私は、最も一極集中の被害を受け、震災の対策の危険を直接持っている東京都を中心とする皆さんが首都移転ということについてはそういう慎重論が多いという問題は、これはそれとして慎重に考慮すべき問題だというように思っておるのですが、総理はこういった東京都並びに首都圏の動向についてどのようにお考えでしょうか。
#115
○国務大臣(宮澤喜一君) それはごもっともなことだと思います。
 先ほども申し上げましたが、この新しい移転先に法律に定めるものが移りましても、東京自身はなお非常に大きな人口を有する、そんなに多数の人口が移動するわけではございませんので、そういう意味では東京の持っている問題というのは少しも解決、少しもとは言い過ぎですが、恐らくほとんど解決しないのではないか。
 そういう意味では、過密があり、やはり災害に対する危険があり、そういう問題は依然として私は残っていると思いますので、そのことを等閑に付するわけにはいかない。これがありましょうとありませんと東京都の持っている問題は変わらない。それは都御自身もそうですが、国としても十分施策をしていかなければならない問題だと思います。
#116
○橋本敦君 この問題で将来どういった構想になるかは別といたしまして、私はもう一つの側面で膨大な国費のむだということになってはならないということを真剣に考えるべきだというふうに思います。
 新たな投資が十四兆円という懇談会の意見もございますが、それと同時に、多年にわたって多額の費用をつぎ込んでまいりました。国会を初め、最高裁もそうですが政府諸官庁も大変な投資をいたしまして、建物の保全、維持発展及び機能の充実に努めてまいりました。そういった問題がどうなるかということは、これは十分考えていかなきゃならない。この法案でも、調査会の調査の審議に関連してですけれども行財政の改革の推進との関連に留意すべしということを言っておりますが、一つはやっぱり膨大なむだということをやってはならぬという意識があろうかと思うんですが、そういう点を見きわめていく必要がある。
 そこで、この件に関して総理に一つお伺いしておきたいのは、首相官邸の建てかえ計画があるという問題ですが、これについては将来どうなるか。官邸をつくる、サイエンスビルの移転等も含めてまだまだ先の話で基本設計も予算の見積もりもこれからだというのですが、総理府の官邸整備担当室というのがあるようですが、この方から資料をいただきますと、現在、移転補償費、サイエンスビル関係三年間で九十三億を見積もり、それから医道の整備等の予算で今年度八億見積もりますが、これらを合計いたしまして当面百五十五億円の資金が要るという数字をいただきました。これはもう当面でございます。
 だから、首相官邸がそういう立派なものを建築するということを一方でやりながら一方で首都機能を移転するんだよと、ごうなりますと、総理のいらっしゃる総理官邸行かなくちゃなりませんが、そういったことを本当に真剣に考えてむだをやっちゃならぬという建前から考えるならば、まさにこの法案でこれからやろうとしていることについては、まだまだ考慮すべき問題が残っているのではないかというように私は思うんです。
 首相官邸の建てかえ、新たな建築ということと首都移転ということについて、さしあたって総理はどのようなお考えでいらっしゃるのか、お伺いをしたいと思います。
#117
○国務大臣(宮澤喜一君) それはよく確かに議論になる問題でございます。いろいろ考えなければならないことがあると思います。
 私自身は、我が国の住宅事情というのは決して満足なことでございませんので、総理大臣の官邸などというものは、住まいといたしましてはこれは一番後でいいものだと、一番貧弱で少しも恥ずかしくないというふうに考えているものでございますが、事務をいたしますところといたしましては、いかにも事務能率に支障を来すような状況に
なっておるという点は事実であろうと思います。
 昭和三年でございましたか四年でございましたかにできましたので、私も一年ほどですが使ってみて、なるほどこれはいろいろ困ったことがある。殊にもう新しいものをつくろうということでございますので、もう修理に余り金をかけないということになって、余計いろいろ都合の悪いところが出てまいっております。それに卑近なことを一つ申しますと、車いすの方がおいでになれないというような、例えて言いますとそんなようなことが一時が万事ですがいろんなところにございます。
 それで、昭和六十二年に閣議了解をいたしましたが、昨年臨時行政改革推進審議会でも、これはどうもこのままほおっておけないと、緊急事態にいざとなれば対応できないということで、整備を行うべきだという答申がございました。やむを得ないことであろうということで、ただいま御指摘のように用地の買収などを少しずつ始めたところでございます。
 こちらの移転が非常に速やかに行われるようでございますと二重投資というお話もあろうかと思いますが、なかなかこちらの方も大きな仕事でございますから、しばらくの間は新しくつくられました総理官邸が機能をしなければならないのではないだろうか。そういうことを思いまして、この臨時行政改革推進審議会の答申に従いまして仕事を始めたところでございます。
 総体申しまして、橋本委員の言われますこと、やはりむだな投資というのはむだでございます。そういう意味では、この移転についてもそうでございますが、総理官邸の問題につきましても十分注意しながらやってまいらなきゃならぬと思います。
#118
○高井和伸君 先ほど前半の部で、私は各省のお考えを聞きました。建設省、国土庁、あるいは最高裁判所、内閣安全保障室、郵政省というところに聞きました。
 その感想を述べますと、私が考えているのは首都機能の立法、司法、行政というものをできるだけ拡散して、日本の今ある核、札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡、こういったところに拠点的に配置すべきだという基本的な発想のもとでいろいろお尋ねしましたところ、建設省は国民的合意が必要だし機能によりけりというようなことで、基本的には機能面を重視して首都機能をとこか一カ所へぽんと持っていくことは考えるけれども分散することは余り考えておられませんでした。私の要約ですから必ずしも正確じゃないかもしれませんが。
 国土庁も同じように、行政の中枢機能は機能的に言って近接立地が望ましい、近いところへ置いてと、こういう御意見でございます。さらに、内閣の危機管理を担当なさっている安全保障室、私に言わせればこの霞が関と永田町とここら辺が一挙に壊滅しちゃったら日本がいかれてしまうんじゃないか、こう思うにもかかわらず、室長さんは、行政の一体性、効果的な効率性からいったら余り離れてちゃいけない、こうおっしゃいました。最高裁は、高度に行政の問題であって私ども言うのは差し控える、こういうようなことでございました。郵政省は一生懸命これから基盤整備をやる、こういう話でございました。
 そこで私が感ずるのは、特に土地の、住宅地の高騰というもので国民の意欲が減殺されている。国家としては望ましいかもしれませんけれども、サラリーマンのレベルから発想した場合、非常に東京というのは過酷な条件で生きなきゃならない。とて、よそのところへ行くと過疎である、なかなかおもしろくないというようなことです。自分の生活設計も自分の賃金で何年分で、五年の年収で買えるものがどのぐらいかということで、せんだって総理は、一時間半の通勤圏で、マンションで九十平米ぐらいというようなことをおっしゃられましたけれども、そういったことをさらに立体的に解消していく上では、私はもう基盤整備がかなり進んでいるところへ首都機能を分散するべきだ、こういう立論をしながらお尋ねしてきたわけなんですね。
 特に国会においても、衆議院と参議院は分かれて置いていい。ドイツの例で言えばボンとベルリンに分かれてもいいと。そういうような側面を大胆に打ち出すべきじゃなかろうか。そういう中で、間もなく成立するであろう大阪湾ベイエリアの発想においても、あそこは関西国際新空港を中心にいろいろ都市機能を充実しよう、世界都市機能を持とう、アジアへの窓口にしよう、こういうわけで近畿圏がみんな団結してなさっています。あそこへあえて言えば参議院をぽんと持っていけば非常に迫力のある関西圏ができてくるんじゃなかろうか。他方、今中部も関西圏のまねをしまして、中部新国際空港というのを一生懸命やろうということで燃え上がっております。そういうところへ衆議院を持っていけばいいんじゃなかろうか。そういうようなことをして多極分散の本当の核を、行政の中枢を持っていったらいいんじゃなかろうか。
 そういうときに、総理が国際体験豊富なところからいえば、諸外国の危機管理というのはなるべく都市機能を分散して置いている。先ほどはオランダを述べましたけれども、ハーグとアムステルダムとロッテルダム、それぞれ機能分散させている、危機管理の面からいって。サラリーマンの世界で夢のある、自分の住宅地が一時間ぐらいのところで百坪ぐらいの土地に木造の家が建つと、庭のある家が建てられるというようなことをやるためには、かなりそういった面でやらないと、小さなレベルのプロジェクトじゃとても間に合わない。
 そういうことを私は思いながら先ほど聞きましたところ、非常に保守的な発想で、効率面のことをおっしゃられます。横の橋本理事が先ほど質問されておられましたように国費のむだだという面もありますけれども、トータル的に見たら国民のためになるんじゃなかろうか。東京の二の舞になるというような発想の言葉が出ております。特に今の国会や首都機能を一カ所へ、例えば山梨の方へ持っていくだとか諏訪湖の辺へ持っていくだとか、それはそれなりにいいとしても、非常に社会基盤が不足しているんだろうと私は思うんですね。
 そういったときに、多極分散は私が先ほど挙げた程度のところへ持っていかないことには始末がおけないんじゃなかろうか、間に合わないんじゃなかろうか、そして基礎的な体力がないんじゃなかろうか、それ以外のところでは。そう思いながら、今、日本の行政の責任者として総理は過去のいろんな体験を踏んまえて、都市機能、首都機能としての多極分散というものについての私が述べたような立論についてどうお思いでしょうか、お尋ねします。
#119
○国務大臣(宮澤喜一君) 冒頭に札幌から福岡までの幾つかの都市をお挙げになりました。これは、全国総合開発計画ではいわゆるその地域の中枢管理機能を持つ都市として育成するということが伝統的に考えられてまいりました。何度か全国総合開発計画は書き直されましたが、その考えは変わっておりませんで、それを達成するために一つ必要なものは交通である。新幹線というようなものはそれでございますが、それから通信であるということで伝統的に考えられてきて、これらの町がかなりのその地域の管理機能を持つに至っておりますことは御指摘のとおりです。
 それで、さらにそれらの都市に管理機能を増大させるためには、今高井委員の言われますようなところまでいくとすれば、やはりもう少し規制緩和が進まないといけないと思います。中央がいろんなことを規制する、この度合いが高ければ高いほど中央の管理機能というのは高くならざるを得ませんが、もう少しそれを緩和するということが第一に必要であるし、それからまた、先ほどからお話のあります地方に対する分権も必要だと思います。
 我が国の場合、またそれが理想的にいっておりませんから、それらの都市の持つ中枢管理機能というのが弱い。どうしても東京でないと安心でき
ないというような感じを中央で行政をやっている人は持つということになりますから、私は、そういういわゆる官から民へ、あるいは中央から地方へというそういう移管が行われなければいけないんじゃないかと思います。
 それから、大阪については、これはしかしそれらの都市の中でも私は特殊な立場を持つだろうと。それはよく二眼レフであるとかそうでないとか議論が長年なされておりますけれども、やはり大阪は何かの場合に、いざというときには東京にかわって機能しなけりゃならない緊急事態があるかもしれない。
 また、そういう意味でいろんなもののいわばレプリカと申しますか、いざという場合の用意を大阪にしておいてもらうということは、企業もそうでございますけれども行政でもやっぱり少しずつ考えていかなければならないんではないかと思います。
#120
○高井和伸君 もう私の質問しようとしていたことを先に総理が言われました。過去にこちらの委員席の方からも質問ございました。基本的には私は道州制ぐらいの大きさの規模の行政単位が必要じゃなかろうかと。簡単に言えば、経済の活動に合ったものでなければいかぬというふうに私は強く思い、そういった地方分権の拡充というふうにしていかなきゃ今の都道府県制では非常に不足するだろう、こういうような考えを持っております。
 そういったときに私が今強く感じているのは、私の出身地である岐阜県の飛騨・高山があります飛騨というところは非常に過疎でございます。ところが岐阜県で同じ美濃地方、岐阜市の美濃でございますが、これは名古屋の経済圏の中で元気がよろしいわけです。ところが、飛騨の中だけで考えてもなかなか妙案が出てこない。岐阜県だけでもなかなか妙案が出てこない。ある意味では人材供給の過疎地というような感じになりまして、ある意味で東海地方全部から飛騨に投資をいただかないと間に合わないというような、強い私は行政的な側面からの配慮をしなきゃいかぬ、こう思うわけです。
 今いろいろ言われているのは、東海地方で岐阜県と三重県と愛知県と静岡県というような単位が言われておりますけれども、私にすると、やっぱり縦貫した富山それから石川というところも一体性をもって、そのくらいのブロック制をもって太平洋と日本海を結ぶぐらいの迫力のあるところにいろんな経済的な単位を立地し、そこでやらないことには過疎の振興というのはないし、本当に田舎の方は苦労しております。そういったときに、こういった国会移転あるいは国の中枢機能の移転がリンクされることが私はある意味では非常に重要なことじゃなかろうか、こういうことを思っておることを申し述べて、もし御感想がありましたらお願いして、私の質問を終わります。
#121
○国務大臣(宮澤喜一君) しばしば道州制という議論はございまして、政界でも経済界でも真剣に討議をされたこともございます。しかし、やはりそのためには権限というものを思い切って移すということが大事だと。それはいずれにしてもそうしなきゃならないのであろうと思いますが、そういう問題との関連においても真剣に考えられるべきことだというふうに思っております。
#122
○委員長(井上孝君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#123
○橋本敦君 私は、日本共産党を代表いたしまして、議題となりました本法案に対し簡単に反対の討論を行います。
 第一の理由は、首都をどこに置くかという国民全体の、我が国の政治のありようの根本にかかわる問題につきまして、国民的な合意が当然必要でありますが、いまだその合意が十分得られていないという問題であります。国民合意が十分得られていない中で、たとえ国会決議があるということであっても、この法案によって国に対し国会等の移転の具体化の検討を法律上義務として課してこれを推進するということには、国民合意を民主的に形成するというそういう立場から見て賛成できないのが第一の理由であります。
 第二は、本案が国会等移転の最大の理由を東京一極集中の排除、是正ということから出発をしておりますが、しかしその解決の具体的な対策はこの法案によってもちろん出てくるわけではございません。しかも、それのみならず、今後の将来の都市構想については世界的な文化、経済都市としての発展、これを方向づけているわけでありますから、一極集中は排除されるどころか一層激化するおそれさえあるというこういった矛盾も内包しているわけであります。
 第三は、国会等の移転について国費の重大なむだ遣いとなるそういうおそれ、そしてまた新都の建設や、また移転に伴う空き地等の利用に関して、これがどういった方向でなされるかということについて、物価の高騰やあるいはまた利権あさり、こういったことを具体的に排除するという保証がないという心配があるわけであります。
 こういった点を総合いたしまして、私は、もっともっと時間をかけてこの問題は慎重に検討を進めるべき課題であるという立場から、日本共産党として反対であることを表明するわけでございます。
 以上です。
#124
○委員長(井上孝君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 国会等の移転に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#125
○委員長(井上孝君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#126
○委員長(井上孝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#127
○委員長(井上孝君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 国会等の移転に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#128
○委員長(井上孝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#129
○委員長(井上孝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十三分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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