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1992/12/08 第125回国会 参議院 参議院会議録情報 第125回国会 選挙制度に関する特別委員会 第2号
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1992/12/08 第125回国会 参議院

参議院会議録情報 第125回国会 選挙制度に関する特別委員会 第2号

#1
第125回国会 選挙制度に関する特別委員会 第2号
平成四年十二月八日(火曜日)
   午後三時十八分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月八日
    辞任         補欠選任
     細川 護煕君     小池百合子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         鎌田 要人君
    理 事
                石井 一二君
                倉田 寛之君
                上野 雄文君
                渕上 貞雄君
                猪熊 重二君
    委 員
                加藤 紀文君
                片山虎之助君
                坂野 重信君
                鈴木 貞敏君
                田沢 智治君
                二木 秀夫君
                松浦  功君
                村上 正邦君
                岩本 久人君
                久保  亘君
                佐藤 三吾君
                志苫  裕君
                吉田 達男君
                続  訓弘君
                吉田 之久君
                吉川 春子君
                中村 鋭一君
                青島 幸男君
                小池百合子君
   衆議院議員
       公職選挙法改正
       に関する調査特  松永  光君
       別委員長
       公職選挙法改正
       に関する調査特  北川 正恭君
       別委員長代理
       発  議  者  綿貫 民輔君
       発  議  者  佐藤 孝行君
       発  議  者  与謝野 馨君
       発  議  者  津島 雄二君
       発  議  者  細田 博之君
   国務大臣
       内閣総理大臣   宮澤 喜一君
       自 治 大 臣  塩川正十郎君
   政府委員
       内閣法制局第三  津野  修君
       部長
       警察庁刑事局長  國松 孝次君
       自治大臣官房審  佐野 徹治君
       議官
       自治省行政局選  吉田 弘正君
       挙部長
   事務局側
       常任委員会専門  竹村  晟君
       員
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公職選挙法の一部を改正する法律案(衆議院提
 出)(衆第七号)
○政治資金規正法の一部を改正する法律案(衆議
 院提出)(衆第八号)
○公職選挙法の一部を改正する法律案(衆議院提
 出)(衆第四号)
○選挙制度に関する調査
 (政治改革の推進に関する決議の件)
 (第十六回参議院議員通常選挙の執行状況等に
 関する件)
○企業・団体等の政治献金の禁止等政治資金規正
 法の改正に関する請願(第三号外一五六件)
○企業・団体献金の即時禁止に関する請願(第二
 九八号外一四件)
○企業・団体献金の禁止に関する請願(第三二八
 号外二二件)
○企業・団体献金禁止に関する請願(第三三八号
 )
○企業・団体献金を禁止する法律の制定に関する
 請願(第三四〇号)
○政治資金規正法・公職選挙法等の強化・改正等
 に関する請願(第六六一号外一五件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(鎌田要人君) ただいまから選挙制度に関する特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、細川護煕君が委員を辞任され、その補欠として小池百合子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(鎌田要人君) 公職選挙法の一部を改正する法律案(衆第七号)、政治資金規正法の一部を改正する法律案(衆第八号)、公職選挙法の一部を改正する法律案(衆第四号)、以上三案を一括して議題といたします。
 まず、提出者衆議院公職選挙法改正に関する調査特別委員長松永光君から趣旨説明を聴取いたします。松永委員長。
#4
○衆議院議員(松永光君) ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案及び政治資金規正法の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨及びその内容を御説明申し上げます、
 まず、公職選挙法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、最近における選挙運動等の実情にかんがみ、適正な選挙制度の実現を図るため、公職にある間に収賄罪を犯し刑に処せられた者に係る公民権の停止、選挙運動期間の短縮、供託金の額の引き上げ、選挙公営の拡大、政治活動のために使用される文書図画の掲示に関する規制、報酬支給の対象となる選挙運動従事者の増員、当選人等に係る刑事裁判の迅速化等、所要の改正を行おうとするものであります。
 次に、その内容について御説明申し上げます。
 第一は、収賄罪を犯し刑に処せられた者に係る公民権の停止であります。
 公職にある間に犯した収賄罪により刑に処せられその刑の執行猶予中の者は、選挙権及び被選挙権を有しないことといたしております。
 第二は、選挙運動期間の短縮であります。
 各選挙の選挙運動期間につきましては、衆議院議員の選挙については十五日間を十四日間に、参議院議員の選挙については十八日間を十七日間に、都道府県知事の選挙については二十日間を十七日間に、指定都市の長の選挙については十五日間を十四日間にそれぞれ短縮することといたしております。
 第三は、供託金の額の引き上げであります。
 各選挙の供託金の額につきましては、実態に合わせてそれぞれ引き上げることといたしております。
 第四は、選挙公営の拡大であります。
 まず、国政選挙につきましては、衆議院議員及び参議院選挙区選出議員の選挙において、公職の候補者は、その者に係る供託物が国庫に帰属することとならない場合に限り、一定の額の範囲内で、選挙運動用通常はがき、選挙事務所表示用立て札・看板等を無料で作成することができることといたしております。
 また、地方選挙につきましても、都道府県の議会の議員並びに市町村の議会の議員及び長の選挙においては、選挙運動用通常はがきは無料とすることとし、都道府県及び市の議会の議員及び長の選挙においては、当該地方公共団体は、当該公職の候補者の選挙運動用自動車の使用及び選挙運動用ポスター等の作成について、その者に係る供託物が当該地方公共団体に帰属することとならない場合に限り、国政選挙の場合に準じて、条例で定めるところにより、これを無料とすることができることといたしております。
 第五は、政治活動のために使用される文書図画の掲示に関する規制であります。
 公職の候補者等の政治活動のために使用される当該公職の候補者等の氏名または氏名が類推されるような事項を表示するポスター及び後援団体の政治活動のために使用される当該後援団体の名称を表示するポスターについては、その表面に掲示責任者及び印刷者の氏名及び住所を記載しなければ、これを掲示することができないことといたしております。
 第六は、報酬支給の対象となる選挙運動従事者の増員であります。
 報酬支給の対象となる選挙運動のために使用する事務員及び車上運動員の数の上限を五十人とすることといたしております。
 第七は、当選人等に係る刑事裁判の迅速化であります。
 いわゆる百日裁判の対象となる刑事訴訟については、裁判長は、第一回の公判期日前に、審理に必要と見込まれる公判期日を一括して定めることといたしております。
 なお、この法律は、公布の日から施行することとし、政治活動のために使用される文書図画の掲示に関する改正規定は、平成五年三月一日から施行することといたしております。
 以上が本案の提案の趣旨及び内容であります。
 何とぞ、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
 次に、政治資金規正法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、政党その他の政治団体及び公職の候補者の政治活動の公明と公正を確保するため、政治資金パーティーについての規制、政治資金の運用の規制、政治団体が有する資産等の公開、政治活動に関する寄附等への公務員の関与等の制限、寄附の量的制限違反に対する罰則の強化、違法な寄附の没収等、所要の改正を行おうとするものであります。
 次に、その内容について御説明申し上げます。
 第一は、政治資金パーティーについての規制であります。
 政治資金パーティーの開催は政治団体によることを原則とし、政治資金パーティーごとの収入金額等の会計帳簿への記載や一定規模以上の政治資金パーティーごとの収入金額等の報告を義務づけることにより収支の明確化を図るとともに、政治団体以外の者が一定規模以上の政治資金パーティーを開催する場合には、その者を政治団体とみなして、事前の届け出、その収支の報告等を義務づけることといたしております。また、政治資金パーティーの対価の支払いに関する制限及び政治資金パーティーの対価の一定額を超える支払いをした者の氏名の公開をすることといたしております。
 第二は、政治資金の運用の規制であります。
 政治団体が有する金銭等あるいは公職の候補者が有する政治資金に係る金銭等の運用は、預貯金、国債の取得等の確実な方法に限定することといたしております。
 第三は、政治団体が有する資産等の公開であります。
 政治団体の資産等の状況を明らかにするため、政治団体が有する土地、建物等の不動産、取得価額が一定金額以上の動産その他有価証券等の資産等を公開しなければならないことといたしております。
 第四は、匿名寄附の禁止の特例であります。
 匿名寄附につきましては、政治資金の公正さや透明性を確保する見地から禁止していますが、その特例として、街頭または一般に公開される演説会もしくは集会の会場において政党または政治資金団体に対してする寄附でその金額が千円以下のものに限り、これを適用しないことといたしております。
 第五は、政治活動に関する寄附等への公務員の関与等の制限であります。
 国及び地方公共団体の一般職に属する公務員等は、その地位を利用して、政治活動に関する寄附または政治資金パーティーの対価の支払いに関与してはならないこととするとともに、何人も、公務員に対し、これらの行為をすることを求めてはならないことといたしております。
 第六は、寄附の量的制限違反に対する罰則の強化であります。
 寄附の量的制限違反に対する罰則について、その法定刑に禁錮刑を加え、一年以下の禁錮または二十万円以下の罰金とすることといたしております。
 第七は、違法な寄附の没収であります。
 寄附に関する制限等の規定に違反して受けた寄附に係る財産上の利益は、これを没収し、またはその価額を追徴することとするとともに、あわせてその実効性を確保するため、政治団体に対する処罰規定等、所要の規定の整備を行うことといたしております。
 なお、この法律は、平成五年一月一日から施行することといたしております。ただし、政治資金パーティーに関する改正規定は、同年四月一日から施行することといたしております。
 以上が本案の提案の趣旨及び内容であります。
 何とぞ、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
#5
○委員長(鎌田要人君) 次に、発議者衆議院議員綿貫民輔君から趣旨説明を聴取いたします。綿貫民輔君。
#6
○衆議院議員(綿貫民輔君) 公職選挙法の一部を改正する法律案の趣旨とその内容の概略を御説明申し上げます。
 衆議院議員の定数配分につきましては、昭和三十九年及び昭和五十年に議員一人当たり人口の多い選挙区について定数を増加させ、総定数をそれぞれ十九人、二十人増員することによってその是正が図られ、さらに昭和六十一年には、いわゆる八増七減により是正が行われたところであります。
 この昭和六十一年の定数是正に際しては、国会決議が行われ、それ以降、抜本的な衆議院議員の定数是正に向けて、各党各会派において真剣な論議、検討が重ねられてきた経過につきましては御承知のとおりであります。
 この間、政治と政治資金をめぐる問題を契機として、国民の政治に対する信頼が大きく揺らぐことになりました。
 我が自由民主党におきましては、国民の政治不信を解消し、政治に対する信頼を回復するためには、選挙制度や政治資金問題を含めた抜本的な改革が不可欠であるとの観点に立って、この衆議院議員の定数問題についても、選挙区制のあり方との関連等も含め、幅広い角度から真剣な検討を行ってまいりました。
 昨年の第百二十一回国会に政府から提案された改正法案は、このような我が党の論議も踏まえて、選挙区間の人口格差をおおむね二倍以下とするものでありましたが、成立には至りませんでした。
 しかしながら、最大三・三八倍にもなっている格差の現状やこれまでの最高裁判決の考え方等に照らして考えるとき、定数是正をこれ以上放置しておくことは許されず、一刻も早く是正を行うことが立法府としての責任を果たすゆえんであると考えます。
 このため、我が党は、去る十月二十日の政治改革協議会において、格差を二倍程度に近づけるよう漸次是正するという考え方のもとに、司法の判断に対する受け身の対応にとどまらず、実現可能なぎりぎりの緊急是正案として九増十減案を提示したところであります。
 我が党は、政治改革協議会において、各党合意のもとに、今国会で定数是正が実現できるよう最大限の努力を尽くしてきたつもりでありますが、まことに残念なことにいまだ合意を得るには至っておりません。
 責任政党としての我が党は、国民世論の動向等も勘案し、この緊急是正を今国会においてぜひともなし遂げなければならないと考えます。このため、今国会の会期をにらみながら、いわばぎりぎりの選択として政治改革協議会に提示した九増十減案を公職選挙法の一部を改正する法律案として提案いたした次第であります。
 この法律案は、衆議院議員の選挙について、当分の間、総定数を五百十一人とし、議員一人当たり人口の多い選挙区から順に九選挙区について選挙すべき議員の数をそれぞれ一人増員し、議員一人当たり人口の少ない選挙区から順に十選挙区について選挙すべき議員の数をそれぞれ一人減員することとし、これにより、定数がゼロになる奄美群島選挙区については、総合勘案の上、当分の間、鹿児島県第一区に属するものとするものであります。
 これによりまして、選挙区間の最大格差は現在の三・三八倍から二・七七倍となるものであります。
 なお、この法律案は、次の総選挙から施行することといたしております。
 以上がこの法律案の趣旨と内容の概略であります。
#7
○委員長(鎌田要人君) 以上で三案の趣旨説明は終わりました。
 それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○渕上貞雄君 今日まで努力をされてきた政治改革協議会の皆さん方には本当に御苦労さんだったと思います。
 しかし、リクルート事件の反省から、今日の政治腐敗に対する政治改革をやっていこう。リクルート事件、共和事件、そして今回の佐川事件、もしこれが前国会で成立をしておったならば、このような国民からの政治不信はいま少し少なかったのではないか、こういうふうに実は認識として思っているところであります。
 そこで、公職選挙法の関係につきまして、収賄罪有罪の執行猶予者の公民権停止の問題については、これは一歩前進したと思いますけれども、なお不十分だという印象を持つわけでありますが、当事者としていかがでございましょうか。
#9
○衆議院議員(松永光君) 国民の持っている権利の中で、いわゆる公民権、選挙権、被選挙権というのは最も重要な権利であります。したがいまして、これに対する制限措置というものは極めて慎重でなきゃならぬわけであります。
 御存じのとおり現行法では、刑事事件で禁錮刑、懲役刑といったような体刑の、いわゆる実刑に処せられて、それが確定した者については、刑の執行が終わるまでの間選挙権、被選挙権がないわけでありますけれども、このたび、収賄罪を公職にある間に犯して、その結果有罪判決を受け、執行猶予の判決になった場合には、従前は執行猶予の判決ならば選挙権、被選挙権は奪われることはなかったわけでありますけれども、この法律によって、執行猶予の判決であっても在職中に犯した収賄罪によって有罪判決が確定した場合には選挙権、被選挙権がなくなる。大変厳しい措置にすることにしたわけでありまして、政治倫理確立という見地から相当の進歩だというふうに御理解を願いたいわけであります。
#10
○渕上貞雄君 次に、選挙運動の期間の短縮の問題でありますけれども、これは長ければいいというものでもないし短ければいいというものでもないわけであります。運動の期間を今回の場合は縮めていますけれども、大体どういうふうに考えられておるのか。
 国民のサイドからすれば、選挙運動の期間が短くなることによって十分に候補者のことを理解でき得ない。こういうことを考えますと、短縮することによって、権益者側から見た選挙運動期間の短縮と、こういうことになるのではないかと思いますけれども、この運動期間に対する考え方についてはいかがでございましょうか。
#11
○衆議院議員(松永光君) 今委員も御指摘のとおり、選挙運動期間というのは長ければ長いほどいいというものでもありませんし、やはり適当な期間を定めて、その間に候補者の政策、人柄等々を十分有権者に知らしめる、そういう期間があればそれでよろしいんではなかろうか。長過ぎればいわゆる選挙管理費用といったものもかさんでくるわけでありまして、さような考え方のもとに、御存じのとおり昨今は随分交通事情が改善をされてまいりました。またテレビその他の情報、通信機能というものも過去に比べるというと格段とこれは進歩、発達をしてまいりまして、情報伝達が非常に早くなってまいりました。
 そういったことを考え、かつ経費の節減、こういったことも考えて、御提案を申し上げましたように一日程度短縮するというふうにいたした次第でございます。
#12
○渕上貞雄君 次に、供託金の引き上げの問題でありますけれども、二倍に引き上げた根拠というものを一つ示していただきたいと思います。やはりお金がなければ、どんどん引き上げていけばお金がなければ立候補できない、こういうような選挙制度のあり方というのはちょっと問題があるのではないか。したがって、供託金も大切なことかもしれないけれども、システムをやはり変えてはどうかというふうに私は思うわけであります。例えば推薦制だとか支持者の数だとかによって決めていくようなことなどを検討したのかどうか。供託金制度の金額を引き上げるだけではなしに、そういうこともやはりこれから考えていくべきだと思うのでありますけれども、その点いかがでございましょうか。
#13
○衆議院議員(与謝野馨君) 供託金の引き上げについては自民党、社会党、公明党、民社党、それから参議院からは連合の方も出ていただきまして、政治改革協議会の実務者会議で相当詳細にわたって議論をいたしました。この議論は、一つはやはり選挙で泡沫候補と言われる方々が多数出ておられる。非常に乱立状態になっている。外見的にはまじめな選挙ということになっているけれども、実はそういう泡沫候補の問題もあるということもございましたし、また前回、昭和五十七年にこの供託金制度を改定いたしましてから十年の歳月がたっております。物価等も上昇していることでもございますし、またこういうことを総合的に勘案いたしまして一般的に約一・五倍の引き上げをすることとなりました。
 ただし、指定都市の長の選挙の供託金現行百二十万円は、知事選挙の供託金現行二百万円に比して低過ぎるのではないかという御意見もございましたので、また先ほど申し上げましたような泡沫立候補を抑止するという供託金制度の趣旨に照らしまして、特に首長選挙については二倍程度引き上げることが適当であること、またこのたびの制度改正において国政選挙、地方選挙を通じて選挙公営制度の拡大を図ることとしている、そういうこととの関連で供託金の引き上げということは各党で合意を見ることができたわけでございます。
#14
○渕上貞雄君 次に、政治資金規正法関係に移りますけれども、十八項目プラスアルファの問題については、十八項目についてはやはりリクルート事件の反省の中からこういう問題が出てき、そしてその後また新たな事件として共和、佐川が出てくる。佐川事件に対応するためには一体どうすればいいのか、こういうことからやはり私は追加項目が出てきたと思うわけであります。
 したがいまして、指定団体の数の制限だとか寄附の公開基準の引き下げだとか、こういうことは、やはり国民がお金の流れについて、政治と金の問題について透明化を求めていることについて、合意に至らなかった事項についての経過、それらについて御説明を願いたいと思っているところであります。とりわけ、どういう部分が基本的にだめなのか、時間的なものなのか、同時にあわせて、抜本改正というのが後ろにあるんでそこまで待っていこうというふうにしているのか。もしそういう考え方もわかればついでに御説明願いたいと思います。
#15
○衆議院議員(津島雄二君) 委員御指摘のとおり、政治改革協議会におきましてこのたび、既に前国会において合意を見ておりました事項に加えて八項目を再び検討するような御指示を協議会から私ども実務者の協議会に付託をされたわけであります。この中で、今御指摘の政治資金制度の基本問題、すなわち企業献金をどのように取り扱うか、あるいはこれを取り扱う団体の数を制限すべきかどうか、あるいは公開基準をどのようにするかという基本問題の御提起があったわけでございますが、これにつきましては基本的な議論がまず一つございました。
 例えば企業献金の取り扱いについて委員の皆様方に御参考までに一つ申し上げたいわけであります。これは外国の例でございますが、かつてアメリカにおきましてウォーターゲート事件の後、企業献金の総量規制というものを一遍国会で決めたわけでありますが、これが最高裁判所におきまして表現の自由の原則に抵触をするということで違憲の判決を受けたということは皆様方御承知の方もあるかと思います。このように、企業献金のあり方を初めとする政治活動を支える政治資金のあり方については非常に根本附な問題があるということを私からまず申し上げなければならないわけであります。
 もとより、政治資金の流れというものが国民の側から見てより透明である、そして清潔な政治が担保されるということは必要でございますが、これは政治全体の仕組みにかかわる面もございまして、このたびの限られた期間内に与野党の協議が調わなかったことは事実でございます。そういう意味では、委員の御指摘のとおり、時間的な不足というものもございますし、それから基本論もあったということも事実でございますし、さらにもう一つつけ加えれば、その基本的な政治の仕組みについて私どもの方で今抜本的な議論を行っている最中であるということもございまして、これらの幾つかの原因によりこのたびは合意に至らなかったと御理解をいただきたいと思います。
#16
○渕上貞雄君 次に、政治資金のパーティー関係でありますけれども、政治資金のパーティーが国民からの批判を受けて余り最近派手に、露骨にやられていないことも、だんだん自粛の方向へ向かっているんではないか、ひょっとしたら私どもが知らない結果かもしれませんけれども。しかし、やはり別枠で制限なしで、一定程度量的質的な制限はあるものの、どうもパーティー天国がもう一回生まれてくるんじゃないか、こういうような印象をこれから持つわけでありますけれども、その辺の印象はいかがでございましょうか。
#17
○衆議院議員(津島雄二君) 政治資金パーティーにつきましては、例えばこれまでございました中でも、議員の方々、政治家の方々の一定の大きな節目、例えば在職期間が長くなったお祝いであるとか、そういうときに催されるパーティーは極めて社会常識からいっても妥当なものであるというものが多いわけでありますが、その一方で、委員が御指摘のような、やや行き過ぎではないかということも散見されたことは事実でございます。そのようなことを踏まえまして、今回与野党の協議におきまして、いわば社会常識において受け入れられるような一定の枠を設けて、この中で適正にやっていただくということといたしたわけでございます。
 もちろん、回数の制限がないではないかというような御指摘もございますけれども、私は、ここはやはり社会常識とそして政治という公職にある者の自覚によって十分適正化され、それを担保するために今回の改正によりまして、政治資金パーティーをやるものはできれば政治団体を主催者とする、政治団体でないものもこれを政治団体とみなして報告をする、収支の報告もするということでございますから、そのような適正な運営をする上で必要にして十分な担保がなされているというふうに考えております。
#18
○渕上貞雄君 次に、公務員の関与の制限の問題については、贈収賄事件が起きるいわゆる政界・財界・官界と言われるような汚職構造というものがあるわけでありますけれども、今回は一定程度公務員の関与を制限したことについては私は前進であると思うんですが、法文の中で「その地位を利用してこという言葉があるわけでありますけれども、政治活動に関する寄附や政治資金のパーティーに「関与してはならない。」としています。具体的にはどういうようなことを指すのか。これには罰則規定がつくということになれば、その構成要件としてその地位の利用の問題についてどう議論があったのか、お知らせ願いたいと思います。
#19
○衆議院議員(津島雄二君) 今回の改正案におきまして、公務員がその地位を利用してパーティー券の販売や政治資金の寄附集めを行った場合にはこれは罰せられるということになるわけでありますが、これはいわゆる公権力を背景として政治資金集めをするというようなことは、これは公正なものとは考えられないので、これを法律上明文をもって規制をしようということであろうと思います。
#20
○渕上貞雄君 具体的にはどのような例がございましょうか。
#21
○衆議院議員(与謝野馨君) 公務員が政治資金集めのパーティー券の販売にかかわったり、あるいは公務員が一般的な政治資金の寄附に関与したりということでございますけれども、当初自民党が出しました案は、一律に公務員の関与を全面的に禁止しようという案でございました。しかしながら、野党の皆様方から、公務員といっても政治活動の自由はあるはずであって、ある限定的な条件をつけて禁止すべきだという御意見がございました。それを採用したわけでございます。その際に、どういう規定を設けるかということは相当議論をいたしました。
 ただいま津島議員よりお答え申し上げましたように、公権力を背景としてと申しますのは、必ずしもその公務員が持っている職務権限だけを指すものではございません。それよりやや広い、その公務員が持っている地位に付随する影響力と、こういうふうに解釈していただいて結構だと思っております。
#22
○渕上貞雄君 続いて定数是正の問題についてお伺いいたしますが、違憲状態を三倍以内に抑えるためにとりあえず緊急的な是正として今提案がございましたけれども、やはり定数是正、違憲状態、それから一票の格差の問題、国民の選ぶ権利の問題等考えますと、やはり定数問題というのは政治活動における重要な問題でありますし、国民の、選ぶ側の権利としても大変重要な問題であります。定数問題についていろいろ言われていますが、なぜ今急がなければならないのか。
#23
○衆議院議員(佐藤孝行君) 佐藤です。
 我が党は、昭和六十一年の国会決議以降、抜本的な定数是正に向けて真剣な論議、検討を今日まで重ねてまいりました。抜本改正を論じる場合は、制度面あるいは実態面を含めていろいろな角度から検討を要することは言うをまちませんが、また国会決議あるいは政治と金の御指摘あったような問題、そういう国民の政治不信を解消するために選挙制度改革を含めた政治改革の実現ということも念頭に置きながら今日まで努力をしてまいりましたが、我が党の論議の結果を踏まえて、御承知のとおり昨年の第百二十一回国会に政府提案された改正法案、いわゆる小選挙区比例代表、これは残念ながら廃案となりました。抜本改正ということになれば、昨年とことしですからまだそれほど年数はたっておりませんので、どうしても抜本改正、残念なるかないまだに最終的な成案を得ていません。
 しかしながら、御指摘あったように三・三八倍という格差の現状や最高裁の判決を考え合わせてみたとき、一刻もこの現在の不均衡な定数を放置しておくことは許されないし、また我々立法府の責任じゃないか、かような考え方から、我が党は格差を二倍程度に近づけようと、そういう考え方のもとに段階的に、司法の判断に対して受け身じゃなく、こちらから積極的に立法府の責任を果たそうということで生まれたのがいわゆる九増十減の先ほど提案したものでございます。
 今国会で、残り少ないですが、ぜひ各党各派の御理解を得て一歩でも二歩でも近づけたい、かような考え方で提案いたしました。何とぞ各党各会派の御理解をお願いいたしたいと存じます。
#24
○渕上貞雄君 今もお話の中にございましたように、国会決議の問題でございますけれども、ここの中にも、やはり六十年国勢調査の確定人口の公表を待って速やかに抜本改正を検討すると。衆議院はまだ任期はあるわけでありますから急いでやることはないと思うんでありますが、その点国会決議に私は反するのではないかと思いますが、今回の九増十減案とこの国会決議との関係についてどうお考えになっていますか。
#25
○衆議院議員(与謝野馨君) 先生御指摘のとおり、あの国会決議には二つのことが書いてございます。一つは、抜本改正をやろうということを各党が合意したことでございます。それからもう一つ重要なことは、抜本改正に際しては二人区・六人区を解消しよう、こういうこともあわせて実は決議をしております。
 選挙制度改正と申しますか、定数是正を含むそういう問題は、これは一党のためだけにあるものではありません。自由民主党だけのための選挙制度というものもありませんし、野党のためだけのものでもないと私どもは思っております。そういう意味では、やはり与野党が合意した上での選挙制度改正でなければならない。これは我が国の健全な議会制のために必要不可欠なことだと考えております。各党とも努力をいたしましたが、残念なことに抜本改正につきましてはいまだ合意に至っておりません。しかし、最高裁の指摘のとおり我が国の衆議院の定数は既に違憲の状態に入っておりまして、これを是正するということは国会としての私は重大な責任であると思っております。
 今回の定数是正は抜本改正ではありませんが、最高裁の判決をクリアし、なおかつ実現可能なぎりぎりのところまで各党で歩み寄り、そして話し合った結果であるということをぜひ御理解いただきたいと考えております。
#26
○渕上貞雄君 十分に理解がいけば理解はしていきたいと思うんでありますが、今回の場合は余りにも矛盾が多いと私は思うんです。
 総定数の削減の問題でありますけれども、ただいま申されたように暫定処置の場合に、抜本改正にいかないのになぜ今総定数の削減を必要とするのか。例えばこれは明治二十二年以来一回も削減してきた事実がないというようなお話も伺っていますし、なぜ今総定数を減らさなければならないのか。国会の決議では、抜本改正のときに恐らく見通しとして四百七十一を想定をしながらいろんな議論をし、これまでは四百七十一という数字がお互いの認識の中にあったのではないかというふうに思いますし、やはり抜本改正というのは国民が合意できるものでなければならないというふうに考えるわけであります。
 したがって、今なぜ総定数を一つ減らさなければならないのか、総定数一減をする根拠について、何を根拠に一減しなければならないのか。六十一年度の問題でもございました境界線変更の問題等を考えてみると、今必要がないのではないかというふうに思うんですが、いかがですか。
#27
○衆議院議員(与謝野馨君) 実は、前回の定数是正の際は衆議院の定数は五百十一であったわけでございます。これは先生御承知のように、明治二十二年に日本に議会ができましたときの定数は三百でございまして、人口はちょうど四千万と、こういう状況から日本の議会は出発したわけでございます。その後、戦後になりまして奄美あるいは沖縄等の返還もございまして、またそれと同時に日本の人口も一億を超えるという状況になりまして、定数是正をせざるを得ない状況が何度か発生をいたしました。その間総定数をふやすということによって定数是正を図ってきたわけでございます。
 国会の構成員が一体何人であれば適正かということは、これは一概に言えないわけでございます。しかしながら、歴史的に三百で出発したもの、あるいはその後の推移等を考えますと、五百を超えた今の衆議院の総定数というのは必ずしも妥当なものではないと私は思っておりません。しかしながら、前回八増七減というものをやりましたときには、定数是正に関しましては同数の増減を行おう、こういうことで進んできたわけでございますが、最後、与野党の折衝あるいは減員区の方々、そういう方々の意見をお伺いしながら、政治的妥協と申しますと言い過ぎでございますけれども、一つの問題を乗り越えるために総定数を一つふやして難しい問題を乗り切ったわけでございます。
 そういうことでございますから、今回の定数是正の際には、前回一名ふやしました定数につきましては、私どもは各党の皆様方にお諮りをして、当然前回ふやした一名の分は一名減ずるということが合理的なことであろう、こういうことで今回は前回の水準に戻したというふうに御理解をいただきたいと存じます。
#28
○渕上貞雄君 定数是正の問題で、前回が八つだから今回一減らそう、前回ふやしたので今回一減らそう、そういうことだからやはりいろんな矛盾が逆に拡大をしてくる。したがって、最大の格差だけ二・七七倍に縮めた結果どういう現象が生まれているかというと、都道府県の定数と人口の逆転の増大というのが出てきている。これは明らかにこの制度上から来る矛盾の問題でありますから、これはやはり今の制度の持っている定数比例配分という基本的な要請が崩れていく。こういうことがより今回の場合の九増十減では拡大しているということについて問題があると私は思うんですが、その点いかがですか。
#29
○衆議院議員(細田博之君) 今回の定数是正はまず何のためにやるのかということを考えてみますと、これは大都市圏において人口が七ないし一〇%急増した、したがって三倍に抑えた格差が一挙に三・三八倍、一割増にふえたのは大都市における人口増であります。したがいまして、大都市において定数を増加しなければどうしても是正することができないのであります。つまり、小さいところを減らしたのではどうしても不可能でございます。したがって、大都市圏をふやすというためには、結局総定数を抑えるためには過疎地の選挙区に我慢をしていただかなければならない。申しわけないけれども、一つずつ順番に我慢をしていただくという思想で成り立っているわけでございます。
 その我慢というものが、たまたまいろいろな選挙区を見てみますと、むしろその県の一区、例えば宮城二区でいえば宮城一区と境界変更をすればそれで足りるので、それで我が県は逃がしてください、そういう要請が出てくるわけでございます。前回の大分県挟間町の場合でもそういうことがありましたし、和歌山県でもございました。ところが、それをやっていきますともう際限なく、一区と二区というものが過密と過疎に分かれている県が多いものですから、次から次へと波及いたしましてどうしても減少ができません。減少ができないと大都市圏の増加ができない。そこで、やむを得ずできるだけ順番に我慢をしていただくということを党内で議論をしたその結果でありますから、確かに長期的には県別の逆転現象をまず直せということはわかるわけでございますが、今回の暫定的、緊急の定数是正においては、大変な問題を抱えておりましてちょっと不可能であった、こういう実情があるわけでございます。
#30
○渕上貞雄君 我慢しろと言われるけれども、では今東京の総定数は四十四です。本来ならば四十九にしなければならない人口増があるわけですよ、しかし、東京八区を減ずることによって四十四が一減るという事実を申し上げておきます。もう一つは、宮城県の場合は総定数は現行の九のままでいいわけでありますけれども、宮城二区を減ずることによって八になる。ですから、今我慢しろと言われたことには到底承服しがたい、こういうような状況があることを申し上げておきます。
 時間でございますから、あと幾つかの質問をしておりましたけれども、結局、緊急是正と抜本改革との関連について、やはり二人区がふえていくということは、一つは小選挙区制的な側面を持っていて自民党がなかなか有利になっていく、こういう側面も、実は現行の制度から定数二にしていった場合に、その二のところが非常にふえているわけでありますから、そういう性格を私は持っていると思うんでありますけれども、緊急是正で今持っている制度の矛盾というのが繰り返し繰り返し出てきて原則が崩れている。こういうことを考えますと、早急に抜本改正の道筋を明らかにすべきであろうと思います。
 どうかその点明確にお答えを願って、私の質問を終わります。
#31
○衆議院議員(与謝野馨君) 抜本改革というものは一体いかなるものであるかということは、実は国会決議の中に書いてございません。しかしながら、一般的に申し上げますと、抜本改革と言われるにふさわしい改革というものは一体何かと申しますと、それはやはり一人一人の有権者が持っております選挙権の平等性を確保するということであろうと思っております。
 我が党におきましては、やはり将来抜本改正を行うときには、選挙制度という問題はともかくとして、どんな選挙制度であれ最高裁は一対三と、こうおっしゃっておりますけれども、それより一歩進んで、やはり段階的に一対二の水準まで到達するよう各党の御理解を求めなければならないと考えております。そういう意味では、国民の側から見た選挙制度の抜本改革というのはやはり選挙制度の平等性の確保、こういうことに尽きるのではないかというふうに考えております。
#32
○石井一二君 御承知のように、昭和六十一年の五月二十一日に、「衆議院議員の定数是正に関する決議」というものがなされておりますが、その中で選挙権の平等の確保ということが議会制民主政治の基本であるということを非常に強くうたわれておるわけでございます。
 まず、基本的な問題でございますが、この選挙権の平等の確保という観点と今回の九増十減との関係についてどのような御認識をお持ちか。特に綿貫幹事長の御見解を承りたいと思います。
#33
○衆議院議員(与謝野馨君) 実は最高裁が幾つか判決を出しておりますが、共通しております点は、定数の選挙区間格差が一対三以内であれば一応合意である、こういう御判決をいただいているわけでございます。しかしながら一方、高裁段階の判決あるいは地方選挙の格差についての裁判所の判断等を参考にしてみますと、一対三よりはるかに厳しい判決も高裁段階では出されております。最高裁の一対三、これはあらゆる要素を総合勘案した上での最高裁の御判断でございますけれども、私どもとしては、なるべく格差を縮小するということが政治改革に資することであろう、そのような観点から、今回は最高裁の判決をクリアするだけですと四増四減で十分足りたわけでございますが、実現可能な範囲である種の政治決断、こういうことで九増十減案というものをお願いしているわけでございます。
#34
○石井一二君 廃案とはなりましたが、昨年、すなわち平成三年の第百二十一回国会に政府から提案された改正法案では選挙区間の人口格差をおおむね二倍以内とするとされております。今与謝野議員よりるる御説明がございましたけれども、格差が二倍程度ということを遵守すれば、むしろ今回の御提案というものは二・〇四倍の愛知三区までを含めた二十七増二十七減で是正を進めていくべきではなかったかという考えもいたしますが、論議の過程、審議の過程でこういった論議をなされたのかどうかまた私の申しております二倍を遵守して二十七増二十七減ということについてどのようなお考えをお持ちか承りたいと思います。
#35
○衆議院議員(与謝野馨君) 理論的には先生の御指摘のとおりでございます。しかしながら、我が党の政治改革本部等からの私どもに対する指示は格差を漸次一対二に近づける、こういう方針が示されまして、これは格差是正を数次数回にわたりまして行ってそして一対二のレベルまで近づける、こういうことでございまして、一挙に一対二に近づける、こういうことではなかったわけでございます。しかしながら、一対二に一挙に近づけるということは政治的に考えますといろいろな困難があるということは先生にはすぐ御理解をいただけるのではないかと思っております。
#36
○石井一二君 与謝野議員に細かなことを聞いて恐縮でございますが、先ほど御答弁の中で、三倍の憲法違反絡みの論議の中で、例えば三倍以内ということであれば、たしか四増四減と言われましたが、具体的にどこですか、ちょっとお教えいただきたい。私の記憶では四増五流じゃなかったかという気がするんですが、ちょっとそこを御確認願いたいと思います。
#37
○衆議院議員(与謝野馨君) 総定数を一減らした場合には四増五減になりますが、総定数を五百十二のまま計算をいたしますと四増四減で一対三の範囲におさまる、こういうことでございます。
#38
○石井一二君 次に、周知期間について御質問をいたします。
 すなわち、衆議院の任期四年の範囲内で長ければ長いほどよい、特に合区等がなされた場合は、選挙区の皆さん方のお気持ち、まあいろいろ準備も要りますけれども、やや残り期間が少なくなり、ともすれば来年四、五月かとも言われます総選挙を想定した場合に、今回の改正の時期は十分な周知期間を持っていないのではないかというような気がいたしますが、その辺についてどのような御論議をされ、またどのようなお考えか、承りたいと思います。
#39
○衆議院議員(与謝野馨君) 前回の定数是正のときにはいわゆる三十日間の周知期間というものを置いたわけでございますが、今回の定数是正は公布の日からこの定数是正が有効になるような規定になっております。確かに周知期間という問題は先生御指摘のとおり広く有権者に選挙区の変化というものをお知らせするという行為であると思いますけれども、今回はいわゆる線引きを改正するということは実は行っていないわけでございます。
 ただし、そういうことを申しますと、奄美はどうしたという御質問が返ってくると思いますが、奄美の考え方は、やや観念的にはなりますが、これは定数減を行う場合には極めて機械的に一つずつ減らしていったということで、奄美の場合は一がゼロになったという考え方でございます。一がゼロになりますと、奄美におられる有権者は持っておられる投票権を行使する場所がないということに相なります。一体その投票権をどこで行使するかこういうことについては鹿児島一区が適当である。こういうことで、全体としては合区、分区というものを行わないという考え方、あるいは飛び地の解消等も行わないという考え方で、今回の九増十減はその考え方が貫かれております。
#40
○石井一二君 今の御答弁の中で公布の日から周知期間を起算ずみということを言われたように思いましたが、たしか昭和六十一年五月八日の衆議院議長調停に基づく三十日間の日を経た後の周知期間ということは今も生きているんじゃないんですか、与謝野先生。
#41
○衆議院議員(与謝野馨君) あの三十日という規定は、あの定数是正に限っての施行規則と申しますか三十日でございまして、今回の公選法の改正は公布の日からということで、いわゆる周知期間というものを設けた規定にはなっておりません。
#42
○石井一二君 先ほど御答弁の中で鹿児島一区と奄美のお話が出ました。過去、歴史的な経緯を見てみますと、大正十四年の衆議院議員選挙法改正、昭和二十二年の衆議院議員選挙法の改正、また昭和二十五年の公職選挙法制定時にもそれぞれ鹿児島三区と奄美というものが一緒になっておる。にもかかわらず、今回は鹿児島一区と言われますけれども、十二分に地元の意見等も聞かれた結果なされたと思いますが、例えば衆議院の選挙委における参考人の事情聴取はどのような状態であったか。特に、元という人は来られたけれども、現職の方はそれぞれ皆そういった証言をしたくないというようなことでお逃げになったというようにも我々は回り回って仄聞をしておりますが、まあそのようなことはないと思いますが、ただいまの点について若干審議の経過等を含めて御説明を願いたいと思います。
#43
○衆議院議員(与謝野馨君) 衆議院におきます審議では、奄美から参考人一名あるいは鹿児島から参考人一名、計二名の方から御意見をちょうだいいたしました。奄美の方の御意見は、鹿児島一区と一緒になりたい、こういうことでございました。鹿児島の方は、奄美と一緒にたとえなるにいたしましても、奄美からは一名の定員の持参金を持ってお嫁に来てくれ、こういうことでございました。
 そういう中で、今回はやはり機械的な作業にならざるを得ない、こういうことで、奄美の一はゼロになった、投票権の行使は鹿児島一区において行う、こういう判断をいたしました。これはなかなか難しい判断でございまして、ただいま先生からお話がございましたように鹿児島三区説もございました、鹿児島一区説もございました。これは、地理、交通、歴史、経済等万般を考慮した上で鹿児島一区が適当である、こういうふうに判断したわけでございます。
#44
○石井一二君 結論として鹿児島一区が四人でスタートするようなぐあいだと理解をいたしておりますが、私は今でもこれを五人とすることはできなかったのかという気持ちを持っております。その場合、議員一人当たりの人口は十九万八千五百八人となりまして、大きい順番から百三十選挙区を見た場合でも六十九番、小さい方から見た場合でも六十二番ということになりまして、九増十減の対象から外れる、こういうことになるはずでございます。したがって、わざわざ五百十一人という、もちろん行革の面から見れば一名減というのは評価すべきかと思いますが、五百十二にしてここを一名足してやればよかったんではないかと思うんですが、その辺いかがですか。
#45
○衆議院議員(細田博之君) 委員長も鹿児島の御出身でその点大変詳しいわけで、僭越ではございますが、おっしゃる御意見はまことにごもっともで、私どもが原案を検討する際にはそういうことを十分考えたわけでございますが、先ほど与謝野議員から申しましたような議論の経緯で、どうしても選挙区ごとに見て過少なところには我慢をしてもらって一つずつ減らすということを大原則としたために、奄美はそれを一応ゼロとカウントした上で合区するというようなことになってしまったわけでございます。これは一つの原則の一貫性ということにはなっておるんでございますが、宮城県の問題や鹿児島一区の問題などいろいろな矛盾もはらんでおることも事実でございます。
#46
○石井一二君 余分なことを申すようですが、私の地元に淡路島という島がありまして、島の方々は必ず島の方に投票するというケースがございまして、私は結果としてこの新しい選挙区で奄美出身者が二名通るんではないかというようなことも勝手に考えておるわけでございますが、十二分に地元の意見を聞かれた後の御判断であれば、それはそれでいたし方ないと思います。
 さて、もう一つだけ問題を提起いたしたいと思いますが、新たなる逆転という言葉が使えるのではないかと思うんですが、九増十減案の増減方式の結果、県の人口が議員の数で比べた場合に逆転しておるという現象が顕著になりつつございます。例えば各県別の衆議院議員の数とその人口を比べた場合に、新たに逆転を生じた県として三重、兵庫、和歌山、大分、宮崎、この逆転が解消したというのが青森、広島のたった二つということで、むしろ改正というものがこういった面では改悪になりつつあるのではないかという気もいたしますが、都道府県間の定数と人口の逆転現象についてどのような御理解を示しておられるか、承りたいと思います。
#47
○衆議院議員(与謝野馨君) 現在我々が使っております現行の中選挙区制というのは、御存じのように昭和二十二年につくった法律でございます。これは中選挙区の定数配分としては模範的な配分方法であったわけでございますが、なぜこのようなことが可能であったかと申しますと、ある種の政治の断絶というものが終戦を経てございまして、そういう中選挙区の定数配分というものが極めて合理的、論理的に行われたわけでございます。
 今回の定数是正というのは、県間格差をなくすとかあるいは逆転県をなくすとかということに着目した定数是正案ではございません。あくまでも個々の選挙区間格差を三倍以内に落とすということに着目して行った作業でございまして、先生御指摘のとおり、逆転県の問題等は相変わらず残っているということは事実でございます。
#48
○石井一二君 時間が押しておりますので、最後にもう一つだけ質問をしまして私の四時二十五分までという質問を終わりたいと思いますが、国会決議に流れる定数是正の基本的な考え方に三つの柱があると理解をいたしております。すなわち、先ほど申しました選挙権の平等性の確保、また定数の適正な配分、そして三つ目が過密過疎等の地域の実情への配慮ということでございますが、今回の二・七七倍、そして九増十減、こういった中で過密過疎等の地域の実情への配慮という面はどう理解したらいいのか、御説明を願いたいと思います。
#49
○衆議院議員(細田博之君) まず、過密の問題でございますが、これはやはり定数を増加するところにおいては大変な過密と人口の増大があったわけでございますから、そこに重点的に増加させるという意味でできるだけの配慮をしているわけでございます。
 過疎の問題につきましては、確かに定数減の区はすべて過疎地帯でございます。したがいまして、その地域の人たちは、人口も五年間の国勢調査の間で決して減っていない選挙区も多いわけでございますし、減ったとしても一、二%なんです。しかし、過密の地域で一〇%も七%も人口がふえておるので、その点は大変申しわけないと申し上げながら、納得を得まして減少させているのでございますが、ただこれを合区するとか、大規模な県の中の県庁所在地の選挙区と合区するとか、そういうことにいたしますと、かえって過疎地に対するいろいろな問題が生ずるのではないかということで、むしろ過疎地の配慮というのはもともと三倍以内、二倍を超える範囲というところで相当配慮をされていることを前提としつつ、さらにこれ以上過酷な調整をしないという配慮をしているわけでございます。
#50
○石井一二君 時間ですから終わります。
#51
○猪熊重二君 公明党の猪熊と申します。
 三法案の提案者の方々は大変御苦労さんだと思います。いろいろ質問を考えたんですが、前の渕上委員、石井委員の質問と重複しますので、ある程度簡略化させていただきます。
 まず、公職選挙法改正案の中でいわゆる九増十減案について質問申し上げます。
 この九増十減案は、従前の最高裁の定数に関する指摘に従って、少なくとも全選挙区を比較した上での一票の格差が何とか一対三の範囲におさまるようにということで配慮した改正案だと思いますが、九増十減案の中心的な眼目はそこにあるというふうにお伺いしてよろしいでしょうか。
#52
○衆議院議員(佐藤孝行君) 先ほどもお答えいたしましたが、六十一年の国会決議以降、我が党も連日論議を重ねてまいりました。御承知のとおり、昨年の第百二十一国会で我が党から改正案を提出したわけですが、残念なるかな成案を見るに至りませんでした。
 そうしますと、最高裁御指摘の三・三八倍というのは依然として残っているわけでございます。立法府として現状のままで果たして立法府の責任を果たしているのかどうかと考えたとき、やはり
我々にできる最大限の努力をすべきであると。しかも、我々の任期はおのずからもう先が見えております。そんな点を踏まえながら鋭意努力した結果、この九増十減案をもって最高裁の指摘を回避したい、それが今回提案している理由でございます。
 もちろん、これが最良のものとは思っておりませんが、実現可能なぎりぎりの緊急案、抜本改正する手前の陣痛に似た緊急案だと、このように御理解いただいて結構だと思います。
#53
○猪熊重二君 一対三の範囲内におさめるのであれば、これも先ほどどなたかから御質問ございましたけれども、九増十減でなくして、場合によれば七増入減でも八増九減でもいいし、逆に言えばもっと数を多くして十五増十六減とかいろんな方策があるわけです。この一対三の範囲内におさめるということを考えた場合には、もっと増減の幅を拡大すれば一票の格差がさらに少なくなるわけです。どうしてちょうどこの九増十減がよろしいということになったんでしょうか。
#54
○衆議院議員(細田博之君) 私がこれからいたします答弁はなかなか政府では思い切ってできないと思いますので、私は議員として申し上げます。
 それは、この九増十減のところで線を引きますと、最大の選挙区が東京十一区になり、そして一票の重さが一番重い選挙区が愛媛三区になるわけでございますけれども、それよりずっと下に順位がありますところを、五年間の国勢調査で過密のところが大体七%増ぐらい、あるいは過疎のところも従来の傾向から見てゼロないしマイナス一、二%程度ということで計算いたしていきますと、次の国勢調査の結果大胆に予測される結果は、もし三倍をわずかに超えるとしても東京十一区ぐらいしか考えられませんし、一極集中の程度がバブルの崩壊によっておさまってまいりますと、七%未満に人口増加率が東京十一区でおさまりますと、今度の国勢調査の結果完全に三倍未満におさまるのでございます。六年前の定数是正は、その時点でわかっている国勢調査でやっと三倍以下に抑えましたから、もう法律を通したときは三倍を超えておりましたし、五年、六年たったら三倍を超える選挙区が八つにもなったわけでございます。そういう過ちを犯さないためには九増十減がぎりぎりの線であることは事実でございます。
 それ以上やったらよかったのではないかというのは、やはり党内、政治事情その他もあって、先ほど与謝野委員から御説明したとおりでございます。
#55
○猪熊重二君 なるほどなかなか難しいところなんだという御説明はわかるんですが、これは渕上委員からもお話しございましたけれども、今回の改正をするについては都道府県単位にまず先行的に定数を配分するということをやっておられないわけです。都道府県にまず定数を配分し、あとその選挙区を、県内の具体的な選挙区をどうするかというのについてはある程度都道府県の意向を尊重してというふうなこともあり得るだろうと思うんですが、今回の改正案を作成するに際しては、このようなまず都道府県に先行的に定数を配分するというふうなことは全然お考えにならなかったんでしょうか。
#56
○衆議院議員(与謝野馨君) 先ほど申し上げましたように、昭和二十二年の改正のときには、まず総定数を決めまして、それを人口にほぼ案分をいたしまして行政単位でございます各都道府県に配分をいたしました。その中で選挙区の線引きをいたしまして、約一対一・五九だと思いますが、その範囲内で定数の配分が可能であったわけでございます。ただいま先生が御指摘のように、歴史的に見ますと、やはり行政単位でございます県に定数を配分して、その中でまた定数をそれぞれの選挙区に配分していくということは、その昭和二十二年のやり方というのは私ども理想としているやり方でございます。
 しかしながら今回は、繰り返して申し上げましたが、最高裁が一対三以上は違憲であるという指摘をされている以上、それに迅速に対応するというのがやはり立法府としての責務であろう、こういう判断から定数是正に踏み切ったわけでございます。あわせまして、総定数も前回の定数是正のときに一ふやしましたので、これは便宜的にふやしたものだというふうに判断をして一減をいたしました。なおかつ、実現可能なぎりぎりのところまで進もうということで各党と綿密なお話し合いをしたわけでございます。法案は自民党の単独提案という形になっておりますけれども、その間単独提案をせよということを含めまして各党と十分なお話し合いをした結果できたのがこの案でございます。
 なお、昭和二十二年の定数をきちっと配分したときの最大格差は一対一・五一でございます。
#57
○猪熊重二君 提案者も十分御承知のことをまた釈迦に説法かもしれませんが、最高裁が衆議院の定数に関してのいろんな判例で言っていることは、一対三未満ならいいと言っているわけじゃなくて、一対三以上になればむしろ違憲だということを言っているわけなんであって、一対三未満ならばもうぎりぎりでもぜひ結構なことだと言っている趣旨じゃないわけです。私自身は、原則的にはやっぱり一票等価の原則に従って一対一に可能な限り近づけるべきである、こう思っておるわけですが、提案者としてこの一対三という最高裁の判断についての御認識をここで改めて確認しておきたいと思います。
#58
○衆議院議員(与謝野馨君) 最高裁の判決というのは一対三というものが合憲だというふうに申しているわけではございません。違憲状態というのは一体どういう状況で発生するかということを多分指摘されているんだろうと私どもは考えております。その場合、最高裁が考えました要素というのは非常に多岐にわたっておりまして、その選挙区の歴史的な背景、地理、交通、広さ、もろもろの要素を勘案いたしまして、一対三の範囲であるならば違憲ではない、一対三を超えると違憲状態であるという判断をされておりまして、最高裁としては諸事万般御考慮の上判断された判決だと思っております。
 ただし、その判決に甘んじることなく、私ども立法府としては、一対一というのは技術的には不可能であるにせよ、私どもとしては、先ほど申し上げましたように抜本改正の一つのよりどころというのは選挙権の平等性の確保であるというふうに思っておりますので、それに向かいまして、難しい困難な道のりでございますけれども、各党の御理解もいただきながら進んでまいりたいと考えております。
#59
○猪熊重二君 次に、政治資金規正法の改正案の方について提案者にお伺いします。
 今回、政治団体が有する資産の公開ということの規定ができたわけですが、私は政治団体が有する資産の、ストック的な意味でなくして、流れをやっぱりきちんとすることが非常に必要だろうと思うんです。ところが、毎年十二月三十一日現在の資産を明らかにしろ、公開しろ、こういうことは規定されているわけですが、土地だとか建物あるいは価値ある借地権、あるいは動産でも立派な絵画だとか非常に高価な自動車だとかそういうものもあるわけですが、こういう資産がある年度の十二月三十一日では記帳されていた、翌年の十二月三十一日の報告の方は影も形もないということだと、どこへ消えちゃったんだろう、こういうことになるわけですが、この辺は今回の改正によって毎年度の流れというものが把握できるような公開方法になっているんでしょうか。それとも単年度で、翌年度はもう関係ないということなのか、その辺どうなんでしょうか。
#60
○衆議院議員(津島雄二君) 委員御指摘のとおり、政治団体の資産を公開する場合に、それが経年、つまり毎年公開されるばかりでなく、その間のつながりが明確でなければならない。そのとおりでございまして、その目的を達するために御承知のとおり既に政治団体は毎年の収支を報告することになっております。そしてその収支は公開をされるわけでございますから、今までの一年間のフロー、収支の公開とあわせて、一定の時期におけるストックの公開によって中身がますます明確になるというふうに御理解をいただきたいと思います。
 今回のこのような措置によりまして、さらにこれとあわせまして政治団体の資産の運用の制限というものも行われることによりまして、政治団体の資産の透明性、そしてその運用の適正という目的に十分寄与するものというふうに御理解をいただきたいと思います。
#61
○猪熊重二君 もう一つお伺いしますと、違法な寄附を没収、追徴するという規定が新設されたわけです。実際にこの規定がどのくらい効果を持つんだろうか。没収や追徴の対象者はだれなのか。政治団体で違法な献金を受けたけれども、もう使っちゃってありませんよとか、あるいは政治団体の代表者や会計責任者もみんな使っちゃってありませんというふうなことも十分に考えられるわけですが、この没収、追徴の具体的な効果というか、それについての見通し、あるいは没収、追徴の方法とか、その辺についてお伺いしたいと思います。
#62
○衆議院議員(津島雄二君) 今回の没収、追徴規定は、いわゆる寄附の量的制限に違反をして行われた場合等に適用されることを考えてみますと、そのような寄附の対象になった物がそのままある場合には没収であり、またそれがそのままでない場合には等価で換算をして追徴するということでございます。大切なことは、そのような違法な寄附の事実が明らかになってまいりました場合に、これを刑事裁判によって裁判所が確定をいたしまして没収、追徴を命ずるわけでございます。
 どういう場合にそれが行われるかは、恐らくケースは二つあると思いますが、今の政治資金規正法によりまして、本人が、政治家が個人として受けている場合もあり得ます。それからまた関連する政治団体が受けている場合もございます。個人が受けている場合には追徴規定は個人に対して非常に徹底して適用されるわけでございますが、政治団体の場合に、仮に政治団体が全く資産がなくなったらどうかというのが、猪熊委員法律家でいらっしゃいますからそこまで詰めて恐らく御指摘だと思いますが、その場合に追徴規定が目的を達しないんではないかという御指摘もあることはあるわけでございます。
 しかし、私はそれが仮に政治団体であった場合も、そのような事実、違法な寄附についての事実が現実に訴追をされ、裁判にかけられ、そしてそれがまた明らかになるということで、仮に追徴規定が働かなくてもこれは非常に大きな社会的制裁を受ける。今までのように、例えば量的制限に違反をしておりましてもそれに対する十分な規制の担保がないという指摘がございましたことを考えますと、非常に大きな影響があるというふうに受けとめていただいて結構であると思います。
#63
○猪熊重二君 三法案の提案者の方々、非常に御苦労さまでした。
 いろいろお伺いしようと思いましたけれども、前の質問と重複しますので、三分ほど時間が早いんですけれども終わりにさせていただきます。ありがとうございました。
#64
○吉田之久君 久しぶりに衆議院の懐かしい皆様方のお顔を拝見いたしまして、大変うれしい思いでいっぱいでございます。
 綿貫幹事長初め皆さん方、今度の九増十減の問題でいろいろ御苦労されたと思います。しかし、先ほど来いろんな委員のお尋ねのとおり、大変苦し紛れと申しますか、緊急避難的な改正だと言わざるを得ません。やっぱり国権の最高機関である国会議員を選ぶ基礎となる選挙区の設定でございますから、その限りにおいて、どの国民から見てもなるほどという原理原則を持ち続けていなければならないのではないか。いや、いずれ抜本改正するんだからとりあえずのことだというふうな気持ちがあるのかもしれませんけれども、数時間後に服をかえるとしても、やっぱりきちんとネクタイを締めて今は今の服装でいくべきだと、それが政治の原則ではないかと思うわけなんでございます。
 そこで、最高裁で三倍未満は許容限度であるというようなことをしばしば言われてまいりましたが、私は一つの理屈はそこにあると思うんですね。ただし、定員一名の場合、定員一を決めるのに、一定の定数で日本の人口を割ってその基準値を求めて、それを一として、それと比較していけば、例えば〇・五の場合は四捨五入すれば一なんですね、半分という議席はありませんから。一・四九九九の場合はやっぱり一なんですね。それとこれとを比較すると、ほぼ三倍ぎりぎり未満ということになると思うんです。しかし、今の中選挙区では一名区はないわけでございますから、二名を決める場合には一・五と二・四九九の差になるわけでございますね。それは私の計算では一・七倍ぐらいになると思うんです。三名を決める場合には同じような計算をいたしますと一・四、四名の場合には一・三、だんだんその格差が縮小していくことはこれはもう当然のことでございます。
 そこで、国民からいいかげんな定数を決めているのではないかという批判を免れるためには、今も猪熊委員もお述べになりましたが、やっぱり都道府県というのが現存して、これが行政の極めて重要な単位でございますから、都道府県別にきちんと割り出して、北海道は総員幾ら、鹿児島は幾ら、沖縄は幾らというふうにまず決めることが必要じゃないか。この辺の定数を幾らにするか、これは挙げて国会の判断だと思いますね。あるいは中選挙区がいいのか小選挙区がいいのか、あるいは比例代表をどう加味するのがいいのか、これも高度に国会の判断だと思うんですが、そういうものを決めれば、あとはその区割りは第三者機関、公正な第三者機関にもう任せ切るということが私はやっぱり一番正しいんじゃないかというふうに思うんでございますが、ひとつこの機会に、今直ちにはどうにもなりませんけれども、あるべき形として、私はそう思うんでございますが、皆さん方どうお考えになりますか。
#65
○衆議院議員(与謝野馨君) 重ねて申し上げますが、中選挙区、戦後我々が使っております現行の選挙制度というのは昭和二十二年にスタートしたわけでございます。そのときは整然と三人区、四人区、五人区と、こういうことで定数の配分がされまして、これは最大格差が一対一・五一という範囲内できちんとおさまっていたわけでございます。これは先生御指摘のとおり、総定数を決めまして、人口に案分をいたしまして各県別に定数を配分し、そしてその県内で選挙区を決め、線引きを決めまして選挙区を決めていったわけでございます。こういう作業は、実は昭和二十二年という日本の社会が置かれておりました非常に特別な状況下あるいは政治の状況下で初めて可能であったような、大変トラスチックな中選挙区制の定数配分であったと私は思っております。
 もちろん、これが私は理想だと思いますが、現実に現存する選挙区をいじる、あるいは線引きを変える、合区をするということは、先生もう御説明するまでもなく理解をしていただけると思いますが、非常に多くの政治的な困難も伴うことも事実でございまして、今回の定数是正は違憲状態を脱却することが第一、総定数を一名減らすということが第二、そして可能な限り選挙権の平等性の確保に向かって一歩でも二歩でも前進する、そういう趣旨で行ったわけでございます。決して抜本改正を行う我々の責任を放棄したわけでもございませんし、今後各党とお話し合いをした上で抜本改正に向かって進む、こういう決意でいることはぜひ御理解をいただきたいと存じます。
#66
○吉田之久君 与謝野さんもお認めになっておりますように、やっぱり終戦直後新しくつくったときの原理原則は中選挙区としては最も正しいと思うんですね。今中選挙区ですから、やっぱりその原点に戻ろうという選挙大胆な決断がないと、びほう策の繰り返しでありまして、例えば同じような人口を抱えておる県と県が、一方は二区に分かれて三名と二名だと、一つの隣の県は五名区だとか、あるいはこちらは四名区で、似通った選挙区であるのに二つに分かれて二名区と二名区であるとか、これはやっぱり子供にも説明がつかないですね。
 だから、こういう姿勢は今回を最後とする。いや、抜本改正しなきゃなりませんが、抜本改正というのは直ちに小選挙区にすると決まったことでもありませんし、だからその辺だれにでもわかるようなきちんとした原理に基づいて国会議員は選ばれておるというところから国会議員の権威が生まれるんじゃないかというふうな気がいたしますので、指導者の方々ばかりでございますので、どうかひとつその辺のところも十分心に刻んでいただければありがたいと思うわけなんでございます。
 それから、公選法の別の部分の方もいろんな改正を試みておられまして、それはそれなりに若干の進歩だと思うんですが、私がどうしても気になりますのは法定選挙費用ですね。あれもいろいろ理屈をつけて決められております、衆議院の場合も参議院の場合も。ところが現実から見て、法定選挙費用内でないとそれは当選になりませんので、みんな苦心惨たんして入りと出を調整して法定選挙費用内でおさめているわけでございますね。おさめているわけだと言ったらみんな不正しているのかということになりますが、いや、これは一般の政治活動なんだと、これだけが選挙活動なんだというふうに区分けしなければあの答えが出ないと思うんでございますが、しかしこれも一般国民から見たら、新聞紙上に発表される数字を見て、みんな本当かなとまず疑いの目を持って政治を見詰め始めているのではないか。この辺のことにつきましてどのような御検討をなさいましたか。
#67
○衆議院議員(与謝野馨君) 実は、法定選挙費用につきましても各党間で相当な議論をいたしました。現在の法定選挙費用は実情に合っていないということは各党から実は御指摘がございました。これは吉田先生御指摘のとおりでございます。
 法定選挙費用の積算根拠となりますそれぞれの人件費、物品費等の単価は政令で決まっているものでございます。法律事項ではありません。そういうことで、私どもとしては自治省等にやはり実態に少しでも近づけるような政令改正をそのときに促したわけでございますが、一方では法定選挙費用を緩め過ぎるとかえって選挙費用がかかってしまうということもございますし、実態に合わせるという作業も大事でございますけれども、法定選挙費用を厳格にすることによって選挙費用そのものを抑え込むことができる、そういう効果もある。この両方をぜひお考えをいただきたいと考えております。
#68
○吉田之久君 ありがとうございました。
#69
○吉川春子君 企業献金禁止の棚上げ問題で伺います。
 佐川疑惑に対して国民の怒りがかつてなく高まっております。繰り返し起きるこのような疑獄事件にピリオドを打つためには、企業及び団体献金の禁止を行い、これの違反者を厳しく処罰し、公民権の停止を行う、こういうことが必要だと思います。しかし、今回の法改正はこれを見送りました。地方自治体からかつてなく佐川究明に対する意見書が上がっているんですけれども、その中にも百五十を超す地方自治体から企業献金禁止を求める声が上がっていますし、マスコミ各社の世論調査によっても国民の圧倒的多数が企業・団体献金の禁止を行え、こういう回答を寄せていますが、そういう国民の声になぜこたえようとされなかったのか、その点まず伺います。
#70
○衆議院議員(津島雄二君) 企業献金は悪であり個人献金はいい、そういう考え方を私どもはとらないものでございます。先ほど私も申し上げましたように、企業献金のあり方について我が国ばかりでなく諸外国でもいろいろな議論が行われております。その議論の中で、いわゆる民主政治を支えるコストをだれがどのようにして負担するかという見地から考えました場合に、その政治のプロセスが円滑にいくために弊害のないような形で民間の自主的な献金をいただくということは非常に大切な要素でございます。アメリカでは先ほど申し上げましたように企業献金の総枠設定そのものがいわゆる表現の自由に反するという違憲の判決すら出ているところでございます。そのような意味で、私は今の企業献金は理屈を抜きにしてやめてしまえという考え方は民主政治に対する非常に危ない思想であるとさえ考えておるのでございます。
 問題は、そのような献金が政治をゆがめないような透明性を確保し、国民の不断の監視のもとに置くということが大切であろうかと思うのであります。私どもはそのような見地からこのたび協議会でも与野党で議論を重ねたわけでありますが、かなりの点で認識が一致する点もございました。それはどういう点かと申しますと、民主政治を円滑に進めるために、例えば国民の理解を得てもう少し公的な助成を政治活動にしていただいたらどうであろうと、そうすることによって無理な募金活動をたんたんと回避するようにしていこうではないかというような点では認識の一致はございましたけれども、企業献金そのものについては合意に達することができなかったわけであります。しかし私は、今回の改正で相当の改善が加えられており、むしろこれをしっかりと大切に守っていくことが大事であるというふうに考えております。
 委員にもう一つ申し上げたいんでありますが、政治資金に対する規制は我が国は世界の中で最も多いのでございます。したがいまして、規制を加えていくということが直ちに政治資金の流れをよくするということに必ずしもつながらない、政治の枠組みを直すことにより、そして守れるルールをきちっと守っていくということが大事であるということを私は強調したいと思います。
#71
○吉川春子君 時間がなくて恐縮ですけれども、もうちょっと御答弁短くお願いできればと思います。
 私は、企業献金は、やはり会社というのは営利の追求ということを目的として株式会社は設立されておりますし、見返りを求めない企業献金というのはないんで、非常にわいろ性も濃くあるという立場から企業献金の禁止を世論が求めているというのは当然だと思うんです。
 それで次に、政治資金パーティーの問題についてお伺いしたいんですけれども、今回の改正で政治資金パーティーが法的に公認されたと。これは新聞の報道ですが、ある自民党の幹部の方が、これまで鬼っ子だったパーティーが法的に認知された、こういうふうに語っているという報道もありますけれども、そのパーティーの開催の回数制限がされていないとか事実上小規模なパーティーが頻発する可能性が指摘されています。実際上そういうことになることになるのではありませんか。簡潔にお願いしたいと思います。
#72
○衆議院議員(津島雄二君) 政治資金パーティーにつきましては、考え方は本来の意味のパーティー、すなわち実際に参加する方がパーティー券を買って参加するというものは寄附ではない、そのような事業に参加をしておられるんだという考え方に基づいてこれまでも行われてきたわけでありますが、そういう実態から見て行き過ぎではないかという事例も一部にございましたので、このたび各党の御理解を得て一定の枠を設定する。そしてパーティーをやるときには基本的には政治団体が主催をしてやることによって収支を明らかにする。そうでない場合にも報告をして収支を明らかにする。パーティー券の購入についてもきちっと法的な制限を加える。それから一定の金額を超えたものについては公表義務を課するということでございますから、格段に透明性は上がっていくと御理解をいただきたいと思います。
 なお、御指摘のようなパーティーを頻繁に行うというような例は、これはもう社会常識の問題でございまして、それは今申し上げましたように報告義務を課しておりますから、のりを越えたようなそういう事例があれば直ちに世論の批判にさらされるということは政治家であればだれしも考えることでございますから、御理解をいただきたいと思います。
#73
○吉川春子君 パーティーが事業収入を目的にしたものか政治資金集めのものかなかなか区別が難しいし、また無数に開かれるであろうパーティーをどちらであるのかということをだれが判断し、だれが監視するのかという非常に複雑な問題があると思います。こういうパーティーの合法化、これはもう今回の改正の中でもけしからぬ内容だというふうに指摘をしておきます。
 施行日の問題ですけれども、政治資金規正法の改正案の政治団体の資産公開などの施行日は平成五年一月一日ですが、パーティー開催の適正化に関する事項のみが平成五年四月一日となっております。九二年六月十八日の政治改革協議会第十二回の概要メモでは、「政治資金規正法の施行は、経理年度が暦年となっているので、明年一月一日からが適切と考えている。」、このようにしております。しかし、今回の改正案でパーティー開催の適正化のみが四月まで施行日が先送りされているという大変おかしなことになっています。来年は都議選がある、衆議院の解散の話も出ているという中で、来年一月から三月までの間に政治資金パーティーが予定されているためにこうなったということはまさかないでしょうね。私が聞いたところによりますと、協議の席である党から、パーティーの予定があるから施行日を延期してほしい、こういう申し出があったということですけれども、こういうことだったんでしょうか。お伺いします。
#74
○衆議院議員(津島雄二君) このたびの施行日の話は極めて常識的な話でございまして、パーティー開催というものはそれなりにいろいろな準備が必要でございます。そういう中で、今回新たに限度額を設けたり違反について罰則を科するというようなことでございますから、その周知を行うことが必要である。そしてこれにかかわる方々が、政治団体以外の方々、例えば永年勤続の栄誉を受けた方々に対してたくさんの方が寄ってお祝いをしてあげようということもこの中に含まれるわけでございますから、そういう善意の参加者の皆様方にきちっと周知をして行っていくことが適当であろうというまことに常識的な判断でこのようにされたというふうに考えております。
#75
○吉川春子君 今回の法改正は、パーティーを温存させ、公認することで企業献金の枠を事実上拡大するものであるということで、企業献金を廃止することがまず大切だということを申し上げまして、時間ですので終わります。
#76
○中村鋭一君 この法案について幾つかお尋ねをさせていただきますが、提案者の皆さん本当に御苦労さんでございました。しかし、今回のこの法案につきましては、労は歩といたしますし、一定の評価はさせていただきますけれども、国民からしますとやや物足りない、というよりも随分物足りない点も多いんじゃないか、こう思います。今回、連合参議院は日本新党とともに議員立法をさせていただきました。政治資金規正法につきまして二、三の点について今回御提案の法案とは少し違った内容のものを提案させていただいておりますが、一、二の点について対比しつつお尋ねをさせていただきたい、こう思います。
 この委員会に提案されております法案によりますと、寄附の量的制限違反に対し一年以下の禁錮または二十万円以下の罰金ということになっておりますが、我々が今回この委員会に付託をさせていただいております法案によりますと、罰金刑を十倍に引き上げよ、このような法律の案文になっております。この量的制限違反についての罰金は二十万円が妥当であるのか、それとも十倍とかあるいは二十倍、こういった金額が妥当であるのか、提案者からまずその見解をお聞かせ願いたいと思います。
#77
○衆議院議員(津島雄二君) このたびの量的制限違反に対する量刑につきましては、協議会におきまして関連する刑罰の量刑を比較するという意味で法務省当局の意見も聞きながらこのように決定をされたと考えております。禁錮一年を追加されたのは、例えばこれに関連をするほかの量刑と比べて量刑上の権衡がとれているというふうに考えるわけでございます。
#78
○中村鋭一君 この罰金は、今提案者の御説明によりますと、他の犯罪の量刑等と比較勘案してということでございますけれども、本法の趣旨からいたしますと、政治家が選挙のときに金を使う、違反をする、場合によればその金はかかる金だからしょうがない、政治に金がかかるから献金をいただいて、それを使って有権者の信任を得るわけであるから、そのことについて余り過酷な制限を課するのはいかがなものかというような考え方があるいはなきにしもあらずかと思いますけれども、国民から見ますと反対に、ほかの犯罪とは違う、国権の最高機関において国民の負託を受けて政治をいわば国民に成りかわってやらせていただくんでございますから、そのような場合に犯罪を犯したときには、少なくとも選挙関係や政治家としての犯罪を犯したときには量刑等はほかの犯罪等と比較勘案する必要はない、いや、むしろもっと重くてもいいという考え方があるだろうと思います。
 したがいまして、今回我々が出させていただきました法律案では罰金は十倍、それから禁錮刑と今先生はおっしゃいましたけれども、禁錮一年というと、多くの国民の間では、禁錮刑なんてだめじゃないか、公民権停止にしなさい、そういう声が多いのもまた事実であろうかと思います。したがいまして、我々はこの禁錮刑につきましては、禁錮刑一年の判決を得てなおかつそれが確定をした場合には公民権停止五年間、選挙権、被選挙権を与えない。執行猶予につきましても、執行猶予の刑が確定をした場合にはそこから五年間、あるいは禁錮の場合は禁錮一年の刑を満了した後五年間公民権を停止する、このような考え方に立っておりますけれども、この禁錮刑一年という判断、それと国民の間に多く存在しております、まあ期間は五年なり十年なりいろいろとありましょうけれども、公民権を停止しなさいという声についてのその考え方の違いというものについて御見解をお聞かせ願います。
#79
○衆議院議員(津島雄二君) まず最初に議論を整理させていただきます。
 今中村委員は、選挙違反によって罪に問われた場合と通常の政治活動のための政治資金規正法違反の場合と同じように議論をされましたが、これは各国の法制を見ましても違った次元として扱っておりますので、これはひとつ訂正させていただきます。
 それで、委員がやはり政治活動の適正化そして政治資金の透明化のために大変御努力をいただいておる気持ちはよく理解できますし、私どもも同じ気持ちでございます。ただ、一つ申し上げたいのは、日本の政治資金規制に対する規則は外国に比べてまことに細かく多いのであります。例えば腐敗防止法が後で出てまいりますけれども、イギリスでは資金の使い方に対する違反をやったら非常に厳しい罰を受けますけれども、入りの方についてはほとんど規制がございません。それがいいか悪いかは私は申し上げておりませんので、むしろ大事なことは守れるルールをきちっとつくる、つくった以上はそれをきちっと守らせるということが大事なわけでございます。
 それで、もう一つ日本の非常に特異な現象は、政治をめぐるいろいろな問題について、直ちに司直の手によってただせという議論に飛躍していくわけであります。しかし、例えばアメリカでは、まず議会の倫理委員会でお互いの自助努力によってこれをただしていくということがございまして、私は、今御指摘のありましたように罰則を重くする、罰則を強化すればすべてがよくなるというのはどうもやはり少し楽観的過ぎるな、むしろ本当に守れるルールをつくり、自助努力を積み重ね、そして守れる政治の枠組みをつくることが大事であると、かように考えているわけでございます。
#80
○中村鋭一君 どうも失礼いたしました。私が言及しておりましたのは寄附金の量的制限違反につ
いての罰則についてでございました。少し混同いたしまして失礼を申し上げました。
 今それは自助努力で守れる範囲ということをおっしゃいますけれども、それが我が日本の国ではなかなか守れていないからこういう法律をおつくりになって、我々今それで討論しているわけでございますから、その辺についてはやや発議者とは見解を異にするものであることを申し上げておきたい、こう思うんです。
 今連座規定について言及なさいました。なるほどイギリスのいわゆる腐敗防止法に規定されますところの非常にシビアな連座規定というものは日本の法律にはなじまない面もあるかもわかりませんが、しかしこれも国民一般の間の理解では、よく言われることに連座規定を強化しなさい、イギリスを模範にしなさいということ、これはよく言われていることでございますが、そのとおりにしろとは言いませんけれども、発議者におかれましてはこの連座規定の強化というものについてはどのようなお考えをお持ちでございますか。
#81
○衆議院議員(与謝野馨君) 連座制の法理というのは大変難しい法理でございまして、時間がございませんので詳しく申し上げられません。ただ、今回のこの法案の中に公判期日の一括指定という規定がございます。これは連座制を適用することを目指した、いわゆる公職選挙法の百日裁判という規定を実効あらしむるような改正でございまして、そういう意味では今回もそのことがなおざりにされているわけではございません。
 しかしながら、連座制というのは共犯関係とは違います。公職選挙法違反に関しまして、候補者が謀議に加わったりあるいは共謀共同正犯として犯行に加わったりという場合は、これはもう連座制の規定をまつまでもなく自動的に検挙され、あるいは判決の後公民権停止がされると。日本の公職選挙法というのは大変厳しい規定であるわけでございます。
 一方、連座制というのは候補者があずかり知らないところで行われた選挙違反について候補者が一体どういう責任をとるのかということでございます。したがいまして、候補者があずかり知らないところで行われた選挙違反と候補者との関係、あるいは行われた行為が選挙全体の連結性を、全体を汚しているかどうかということとの因果関係、こういうものは厳密に考えませんと、連座制というものは、繰り返して申し上げますが、候補者が全くあずかり知らないところで行われた選挙違反でございますから、その範囲というものは同居の親族とかあるいは選挙の総括主宰者とか地域の主宰者とかというものに限定して考えることの方がやはり公平であり、民主的であり、基本的人権に私はかなっていると思っております。
 もちろん、連座制規定というものを実効あらしむるためには裁判の迅速化ということがまず第一の要件でございますから、今回の改正でも公判期日の一括指定、こういうことも皆様方にお願いしているところでございます。
#82
○青島幸男君 私は二院クラブの青島幸男でございます。
 今までお話を伺っておりましてちょっと気がついた点につきまして二、三お伺いしたいと思います。
 提案者の方々、大変御苦労さまでございました。労をねぎらう気持ちはいささかも軽くはないんですけれども、どうもこの案がつくられた時点から衆議院の皆さん方が主として携わっておられたというんで、何か衆議院の選挙について非常に詳しくお考えいただいていますけれども、参議院の選挙につきましては割合、微に入り細をうがってとは申しませんけれども、軽く考えられているんじゃないかという気がいたしましてね。と申しますのは、参議院の比例区につきましてもかなり昔から疑念もありますし、それから選挙区に関しましての定数是正の問題もありまして、衆議院の選挙と同じようにいろいろ問題を抱えているわけですね。ですから、そこのところをもう少し包括的に討論していただきたかったんですけれども、時間の制限もありましょうし、違憲状態になっているところを早く訂正したいんだというお気持ちが先走ってこうなったことも重々よくわかるんです。でも、それにしては供託金の問題なんかは突如どんと出てくるわけですね。こうなりますと、私はちょっと疑問に思うなと。
 与謝野さん、先ほど供託金の引き上げは泡沫候補を抑えるためだし、事務手続なんかを簡略化して皆さんにわかりやすくするためだと、こうおっしゃられました。選挙区の方はそれでいいかもしれませんけれども、比例区になりますと十人そろえて政党要件づくりませんと選挙に臨めませんからね。今までだと四百万、一人頭。四千万で、それでも大変な金額なんですよ、私ども小会派にしましては。今度六千万出さなきゃなりません。一人入りますと二人分戻ってくるわけですから千二百万戻ってくるわけです。それにしましても四千八百万円という金額は没収されてしまうわけですね。
 それで、比例区の場合は、ここで私どもに関係あるから文句言っているということで御理解いただくと困るんですけれども、選挙前に七十ぐらい出たですかね。しかし、実際に選挙に臨んだのは四十ぐらいの政党でしたね。ですから泡沫を制限するという意味で言えばそんなに過酷に上げなくてもいいんじゃないかと思いますし、それから団体で十人でまとまって出てきますからね、少なくとも十人以上で。ですから泡沫にそれほどお気遣いになる点はないんじゃないかという気がしまして、これは余りと言えば過酷に過ぎるんだという認識が私にあるんですが、いかがなものでしょう。
#83
○衆議院議員(与謝野馨君) 四百万が六百万に上がりました。四百万の当時も相当の数の政党と申しますか確認団体と申しますか、比例十名の対象になる政党名がたくさん出てきたわけでございます。私どもの自由民主党などという名前はかすみのかなたに消え去るぐらいたくさんの数が出てまいりました。その中には、常識的に考えますと全く荒唐無稽な政党名も出てまいりました。私どもとしては、そういうものを少しでも避けまして、良識ある党の方々の存在というものが国民の前に明らかになるということが大事だと思っております。
 ただいま御指摘がありましたが、確かに今回は十名比例だけで出しますと六千万かかる。四千万が六千万に上がりました。青島先生の方から大変過大な負担と、こういう御意見もございました。確かに、安くていい候補者が出てくるということが望ましいということはよくわかりますが、各党の御意見をお伺いしましても、六百万円ぐらいならば妥当であろうというのが実務者会議に出ておりました連合を含めた各党の方々の御意見でございましたので、そういう御意見を採用させていただいたわけでございます。
 私ども、参議院の制度については衆議院議員でございますから土地カンもございませんし、参議院の制度については参議院の方で知恵を出し合いながらよりよき制度、よりよき定数配分についてお考えをいただければ、私ども衆議院としてもぜひ御協力をさせていただきたいと考えております。
#84
○青島幸男君 参議院は参議院でやってくれというような、げたを預けられたような状態になりますと、はいそうですか、そのようにいたしましょうというわけに私もまいりません、立場上。もう少し参議院への配慮があって、しかるべく考えられておったらよかったなと思います。
 それから、選挙制度、区割りあるいは人数の配分にしましても多々疑念がありますし、緊急避難的なところがあるのも仕方がないと思いますし、私ども会派の中にも、これでも数歩前進しているんだからこのまま是認しようじゃないかという方もおいでになります。
 御承知ないかもしれませんけれども、私ども二院クラブは政党ではございませんので、それぞれ自分が考えていること、その主張をお互いに侵さない、考え方を尊重するという立場に立っておりますので、私がこの場で、二院クラブを代表いたしまして時間はいただいていますけれども、そういう立場で発言する立場にはないわけですね。と申しますのは、了解もいただかなきゃなりませんし、それぞれの議員の個人的な歴史的背景もございますから、それぞれ尊重しなきゃなりません。というわけで、私はここで討論もできないわけです、代表して。
 ですから、私は私個人の見解として、ここで討論のかわりに、そのことも含めて発言させていただきますけれども、緊急避難的なものがあるということと、参議院のことを何となく軽視なすっているということの根拠、それから供託金だけがここに含まれているということに対する不満、そういうものを申し上げまして、私個人といたしましてはこの法案に賛成するわけにはまいりませんけれども、クラブの中には賛成だとおっしゃる方もおいでになるわけですから、そういう二院クラブのあり方なぞも御勘案になりまして、参議院により政党性を強めるような比例代表制をいきなり持ってこられたという経緯なども御勘案になりまして、今後選挙制度に携わってお知恵をお出しになるような機会がございましたら、そのことも十分にお含みおきの上御提案者に名を連ねていただきたい、責任を持ってお考えをいただきたいということを御提言申し上げまして質問を終わります。ありがとうございました。
#85
○委員長(鎌田要人君) 提出番及び発議者の方は採決に入るまで退席されて結構であります。
 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#86
○委員長(鎌田要人君) 速記を起こしてください。
 これより内閣総理大臣に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#87
○渕上貞雄君 ただいままで議員発議による政治改革三法案について議論をしておったわけでありますが、これから総理に対して政治改革についての総理の政治姿勢についてお伺いを申し上げておきたいと思います。
 まずは、ロッキード、リクルート、共和、佐川と続く一連の疑惑事件が、それぞれの節目節目で政治改革を提起し、幾らか前進をしてきたと思うのでありますけれども、まずもって、国会の中で今議論になっています佐川問題の解明を明確にゃっていくことが政治改革の私は第一歩であると考えるわけであります。金まみれ、暴力団が絡み、そして腐敗政治が起きているところに、今日国民の政治不信というものが極度に高まっているのであります。そういう意味で、総理、今回のこの改革問題について、改革を通じて国民の政治不信をどう払拭していくのか、具体的には金権腐敗の政治を現実的にどう改めていくのか、御意見をお伺いしたいと思うのであります。
#88
○国務大臣(宮澤喜一君) いわゆる佐川事件を契機に国民の政治に対する不信が非常に高まりを見せておりますことはただいま委員の御指摘のとおりでございます。このことは私も同様に憂えるものでございます。
 これに対しましては、やはり基本的には政治に携わっておりますものがみずからのモラル、倫理を正すということ、並びにもろもろの制度の改革を行うことによってぜひそのような誤りが起こらないことを担保しなければならないというようなこと、これらが緊急を要する課題でございますが、同時に、御指摘になりましたようにこのたびの事件の解明を急ぐということは国民のこの問題についての不信にこたえるゆえんであると思います。
 行政府といたしましては既につかさつかさにおきましてこの事件の解明に当たっております。また、一部は既に公判に付されております。国会におかれましても衆参両院において関係者の喚問あるいは尋問をせられまして、国会の国政調査のお立場において真相の解明に努めておられます。これらのことは、あわせまして国民がこの事態についてのいわばもやもやした不信を解明するということに極めて大切なことであるというふうに考えておりまして、その点御所見と私も同じ考えでございます。
#89
○渕上貞雄君 マスコミ報道によりますと、宮澤内閣の支持率がだんだん減ってきている。その支持率が減ってきている最大の原因は何かと言えば、政治改革が国民が期待しているほど思うようにいかない。同時に、景気対策に対しても余り芳しくない。そういうものと相まって、やはり今認識で明らかになりましたけれども、政治改革問題について十一月末には抜本改正を出したい、こういうようなことも発表されていましたが、そのことも明確にやらない。同時にあわせて、佐川問題で何がやはり一番問題で、何をどう具体的に解決をするかという方策が見えないところに宮澤内閣に対する国民の不信というものが出てきていると私は思うわけでありますが、そこらの認識についてお伺いをしたいと思います。
#90
○国務大臣(宮澤喜一君) 政治改革につきましては、ことしの二月に私は自分の党内に対しまして、まずこの問題は緊急に改革、処置すべきことと、抜本的に処置すべきことがある。緊急の改革についてはできるだけ早く答申をまとめてもらいたいということで、予定どおり答申がまとまりました。この緊急改革の答申は、共産党以外の各党でつくられております協議会に付せられ、さらに実務者会議で御討議がありまして、前国会におきまして既に衆議院において事実上の各党の合意がございましたので、成立をし、参議院に送付になれば恐らく参議院でも成立を認めていただけたのではないかという程度まで実は話が熟しておりましたわけでございますので、衆議院側の御事情によりましてその日程がそのとおりまいりませんでしたことはまことに残念なことであったと思っております。
 したがいまして、この国会におきまして、先般衆議院で可決をせられ、ただいま本委員会において御審議いただいておるわけでございます。何とぞできるだけ速やかに成立をさせていただきまして緊急的な政治改革の実行に取りかかりたいと考えておるわけでございますが、これはしかし緊急分でございまして、御指摘のように抜本改革というものを頭に置きまして、その前提に立ちまして初めて緊急改革が意味を持つわけでございます。
 抜本改革につきましては、引き続き私どもの党内で長い熱心な議論がございまして、取りまとめは事実上十一月の末ごろまでという予定で作業は順調に進んでまいりました。政治改革本部において十一月の末までに私に答えをくれることは作業としては可能であったわけでございますけれども、たまたま先ほど申し上げましたようなことで国会における緊急改革の御審議が予定よりおくれましたので、緊急改革分と抜本改革分が一度に世上に議論せられますと混乱を生ずるおそれがございますから、抜本改革についての私どもの党内の政治改革本部の答申を便宜しばらく延ばしてもらっております。実態は、既に答申の内容が整っておりますので数日中にも私に答申がなされるものと考えておりまして、この日程は決しておくれてはおりません。予定どおり進行をいたしております。したがいまして、この分は次の国会におきまして所要の法案につきまして御審議を得て成立をさせていただきたいというふうにただいま私ども考えておるところでございます。
#91
○渕上貞雄君 総理、ただいま日程はおくれていないというふうに言われましたけれども、十一月末には出すという日程には実はおくれているわけですから、その点はひとつしっかりしておっていただいた上で、どうか抜本的な解決について次回の国会の中で明らかにしていただくようにお願いを申し上げておくところです。
 今総理が、抜本的な改革とあわせて緊急課題をごちゃまぜにすることによって混乱が生じてはならないというふうに言われましたけれども、ではその緊急是正の中で、明治二十二年以来、衆議院の選挙制度初めてと言われる定数減というものについてなぜ、抜本改革の中で定数減を含めてやればいいと私は思うんですが、明治以来と言われる定数減をなぜ今やらなければならないのか、お伺いをします。
#92
○国務大臣(宮澤喜一君) このいわゆる九増十減案は、一票の価値と言われますものをめぐりまして、従来、司法当局の考え方が幾つかの判決によって想像ができますので、そういう状況の中で緊急的な是正をする必要があるものとして御提案をいたしました。
 どうして減員をしたかということでございますが、御記憶のように前回、昭和六十一年に緊急是正をいたしましたときに、これが八増七減ということで一つの増で改革をしたということ、それにつきましてなかなか世論もやはり厳しゅうございました。こういう世の中に国会議員の定数だけをふやすのかというような批判が厳しゅうございました。これはやはりこの増分はもとに戻すということが適切なことであろうと考えまして一減といたしたのでございますが、これは先ほでも申しましたように緊急是正でございまして、これによりまして裁判所の持っておられる批判に対して立法府としてその御意思を示していただくことが緊急に必要ではないかという判断で御審議をお願いいたしておるわけでございます。
#93
○渕上貞雄君 定数是正の問題については、やはり最高裁の判決、おおむね三倍を超えてはならない、同時に国会決議を含めてあるわけでございまして、基本的に今回の九増十減案では三・三八倍から二・七七倍に実は縮小していくわけでありますけれども、その二・七七倍というのを緊急是正の場合にどういうふうに理解をすればいいのか。二・七七倍で総理は十分だとお考えなのか。例えば二倍に限りなく近づけるための当面の処置としてこれは評価するというふうに言うのか。やはり一人一票、一票等価の大原則があるわけでありますが、二・七七についての総理の御認識はいかがでございましょうか。
#94
○国務大臣(宮澤喜一君) その点は、まさに御指摘のように二・七七倍ということで十分満足である、これが最終的な答えであってしかるべきだというふうには思っておりません。まさに御指摘のように格差というものは二倍程度に近づけるように是正をしていかなければならない。このたびの緊急是正はいわばそれへの中間点とでも申しましょうか、そういうものとして考えておりまして、したがいまして次回以降の是正がどのような制度で、またいつごろ行われるかにかかわらず、最終的には選挙区間の人口格差は二倍程度にとどまるようにいたすべきものである、さように考えております。
#95
○渕上貞雄君 今総理言われましたように、二倍程度ということでございますので、ぜひともどうか抜本改革のときにはその道筋というものを明らかに示していただきたいと思います。
 その二・七七倍の評価をすると同時に、その裏でどういう現象が行われているかといいますと、その結果逆に中選挙区の定数の配分、いわゆる都道府県の人口比例の配分が大前提で今の中選挙区制があると思いますので、そういう大前提を無視した結果、都道府県単位の定数に逆転現象が実は拡大をしていまして、選挙区と選挙区の関係の中では格差は縮小いたしましたけれども、都道府県での逆転現象というのは逆にふえるという状況になっておるところでありまして、こういう定数是正をしていく場合のルールというものをやはり明確にしていくべきではないかというふうに思います。
 先ほどの六十一年の改革のときには線引きを行い、今回もまたそういうことはせずして定数問題について九増十減ということになっているわけですから、定数問題は、やはり選挙区割りとか選挙区の定数の変更という問題についてもう少しやはりわかりやすいものにしていかなければならないと思うのであります。その上で定数是正というものは逆に新たな逆転現象を生まないという原則を確立すべきであると思いますが、いかがでございましょうか。
#96
○国務大臣(宮澤喜一君) 私どもが九増十減ということを考えましたのは、やはり最高裁の判決というものをいろいろ考えてまいりますと、一票の格差というものは選挙区同士の、選挙区と選挙区との間の格差として議論をせられている。したがって、そこを緊急に是正しなければならないと考えまして、格差の著しい選挙区の間の定数の増減を考えたわけでございます。六十一年の定数是正もそうでございましたが、そういう意味では都道府県単位の人口でなく、いわば有権者の意思があらわれます単位でございます選挙区というものを格差の基準としてとったということでございます。
#97
○渕上貞雄君 選挙区だというふうに理解をすれば、先ほどの三法案審議の過程の中でも明らかに同僚の議員からも質問がございましたけれども、結局中選挙区制の持っている大原則というのは、定数人口比例配分というような原則が私はあると思うんですね。その上に立って国会決議というものが私は出てきていると思うんですよ。したがって、国会決議というのは、人口だけではなしに過疎過密の問題も加味し、同時に二人区・六人区をなくしていく、そういう決議があるにもかかわらず、今回の九増十減では逆に二人区・六人区がふえている。
 こういう現象が出てきていることはやはり選挙区対選挙区の格差だけを是正をしていこうとするところに問題があると思います。したがって、総理は四増四減の話があったときに、それではだめだ、もう少し具体的に大きな数字で考えなくてはならないといって九増十減案を主張されたと聞き及んでおります。したがいまして、その選挙区対選挙区の格差だけを考えるというのは改めるべきだと考えますが、いかがですか。
#98
○国務大臣(宮澤喜一君) このたびの緊急改正でございますが、先ほども申し上げましたが、一票の格差というものが最高裁の立場から見て看過できない程度にまで開いておる、そういう緊急の事態のもとに御審議をお願いすることになったわけです。したがいまして、それはやはり有権者の意思表示の単位でありますところの選挙区をもって考える、最高裁もそのような判断をして格差をはかられるわけでございますから、それに従ったわけでございます。抜本改正ということになりますと、この点はまた新しい基準を持って考えなければならないかと存じますが、ただいまの緊急改革というのはそのような目的を持ってお願いをいたしたいと考えておるものでございます。
#99
○渕上貞雄君 ぜひとも抜本改正のときには二人区・六人区の解消に努めていただきたいし、都道府県単位における逆転現象が起こらないようにひとつよろしくお願いを申し上げておきたいと思います。
 選挙制度の問題についてでありますけれども、前国会で小選挙区並立案なるものが廃案になりました。今回はまた自民党の中で単純小選挙区制というのが議論されて提案をされようと実はしているわけでありますけれども、具体的に総理としては金のかからない選挙、金のかからない選挙制度というものをどういうふうに考えられているのか。今議論されている自民党の中にも単純小選挙区制の問題については反対があるやに聞きますし、同時に、野党としてはそれは絶対のめないという条件のもとでそういう選挙制度というものが議論されている。したがって、そういうものはどっちも通らないということを前提にした上で、今回の九増十減の定数是正だけで食い逃げしていこうと思っているんではないかという懸念が実はあるわけでありますが、選挙制度についての御理解をお願いします。
#100
○国務大臣(宮澤喜一君) この点は、先ほど申し上げましたように私どもの党内の政治改革本部で長いこと議論をいたしまして、ほぼただいま言われましたような議論が中心になっておるわけでございますが、やはりおっしゃいますように政治あるいは選挙に非常に金がかかるということ。それは将来を嘱目される代議士諸君が、議員諸君が月に千万円もの金をつくらなければならないということは、そういうことをさせてはいけない、そういうことは政治のためにいいことではない、許されることではないというふうに考えます。
 したがって、どのようにしてそのような出費を小さくするかということ、それからそれにしても、いろいろ浄財を得て、支援を得て費用を賄うにしても、その収入というものは透明でなければならない、公明なものでなければならない。両面から資金の問題があるわけでございますが、さらに一歩を進めるならば、そのような選挙のための経費を一部納税者の負担に頼るということは考えられないものであろうか。もちろん、それには前提がたくさんございます。納税者の支援に頼るということは、これは公金でございますからいろいろな前提がございますけれども、そういうこともやはり考えなければならないか等々の議論を私どもの党内でも随分といたしました。
 また、それらの点につきましては来るべき国会におきまして、各党各会派にも御意見がおありのことでございましょうから、十分御審議をいただきたいと考えているところでございます。
#101
○渕上貞雄君 腐敗防止の施策についてでありますけれども、抜本改正を出したいと言っているんで、今回の金権腐敗に対する国民から信を得るという立場で三つの法案を提案されました。それらの法案で十分だとは考えていないと思いますし、やはりロッキード、リクルートそして今回の共和、佐川事件というように、汚職の構造の違いにより政治腐敗防止法というのは考えなければならないと思います。その原則は、やはりどうやって国民から政治を取り戻すかということが大切であろうと思いますが、腐敗防止についての総理のお考えをお聞きしたいと思います。
 なお、関連をいたしまして、最後になりますが、公務員の関与の問題についてであります、せっかく自治大臣お見えでございますから。
 これまでのやはり贈収賄事件というものが、政界、財界そして官界が加わって構造的に汚職の問題が出てきているわけでありまして、今回の改正の趣旨を受けとめていただきまして、やはり公務員に対する自治省としてのしっかりとした厳しい指導を行うことによって多くこういう構造的な癒着はなくなってくると私は思うので、自治大臣の決意をお伺いして質問を終わります。
#102
○国務大臣(宮澤喜一君) 腐敗防止につきましては、一八〇〇年代の終わりにイギリスにおいて抜本的な改革がなされて、その後今日のイギリスのいわば腐敗のない選挙が実現したということをお互いに承知をいたしております。
 私どもとしても、このたび御審議をいただいておりますいわゆる十八項目プラス三項目という改正の部分は、資金をめぐります腐敗を何とかして防止したいという意図によるものでございますが、なお各党の間で十分詰め切れていない部分もございまして、これにつきましてはさらに次の国会において合意ができるものがあれば追加をさせていただきたいと思っております。いずれにいたしましても、そのような直接資金をめぐりますところのいろいろな出入りの関連のほかに、選挙制度そのものについてやはり腐敗が起こりやすい問題があるのではないかということになりますと、選挙制度自身の見直しも必要ではないかというふうにただいま考えておりまして、これにつきましてもやがて、次の国会で御審議をお願い申し上げたいと考えております。
#103
○国務大臣(塩川正十郎君) 政治活動に関する寄附等への公務員の関与の禁止は私は非常に前進したことだと評価しております。つきましては、この法律案を成立させていただきましたならば、地方公務員等に対しましてもこの趣旨を徹底いたしたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。
#104
○渕上貞雄君 終わります。
#105
○石井一二君 自由民主党の石井でございます。
 私は、まず最初に総理の今回の九増十減案に対する基本的な御認識を承っておきたい。特に、先ほど渕上議員からもお話があったわけでございますが、衆議院における定数是正に関する昭和六十一年の決議を見ましても、選挙権の平等の確保ということは議会制民主主義の基本であり、同時に選挙区別議員定数の適正な配分ということも憲法の精神の根本であるということが表明されておるわけでございますが、こういった二つの二大原則にもどった今回の九増十減というこの案を総理自身がどのように受けとめておられるか、まず基本的な御認識を承りたいと思います。
#106
○国務大臣(宮澤喜一君) このたびのいわゆる九増十減案というのは、御承知のとおりいわば緊急事態に対応しての緊急是正とも申すべき改正でございます。すなわち、一票の格差をめぐりましての従来からの最高裁等の考えておられる意向を察知いたしますと、現在の格差をそのまま存置をして仮に衆議院の選挙を行うということになれば、これはあらかじめ予測しがたいような事態を招かないとも限らないというふうに考えました。したがいまして、この際最小限必要な範囲での是正をしておくことがあらゆる意味において大切ではないかと考えましてこの御提案をいたしました。
 ただ、重ねて申し上げますが、最終的にはやはり一票の格差というのは一対二といったようなものに近づくべきものであって、現在御審議をいただいておりますもの、これで最終的であるいは十分であるとは申しがたいと思います。ただ、この際こういう事態の中でこういう改正をしていただきますならば、最高裁等々が持っておりますこの問題についての見解に当面こたえることができるのではないか、そう考えておるところでございます。
#107
○石井一二君 ただいまの総理の御発言、また先ほど来の渕上議員に対する総理の御答弁を聞いておりますと、あくまで緊急是正的なものであり、行く行くは二倍に限りなく近いものに近づけてまいりたい、そのような御表明であろうと思います。事実、廃案となりましたけれども、昨年の第百二十一回国会における政府から提案された改正法案では選挙区間の人口格差はおおむね二倍と、こうはっきりと明記をされており、総理の御発言の根拠がそこにあるわけでございます。ところが、総理のおっしゃいます二倍ということに目を向け過ぎますと、片やこの六十一年の国会決議では「二人区・六人区の解消」という文言も同時にそこには表現されておる。
 こういった全体に立って今回の人口格差という表をずっと分析をしてみますと、仮に二・〇〇に限りなく近い改正が今後行われた場合に、今申した二名区の問題ですが、現在三名区であります愛媛三区、香川二区、鹿児島二区、長野二区、兵庫五区に至っては二名から一名に、富山二区、東京一区、秋田二区、鹿児島二区、こういったところが全部二名区にならないと二・〇に近いものが実現しないという、国会決議と現実との間には大きな矛盾があるということも御認識をいただいて私は総理が御発言なさっておると思いますが、その点いかがお考えでございましょうか。
#108
○政府委員(吉田弘正君) 今回の定数是正でございますが、これはまさに緊急是正として、現在の格差が三・三八倍あるという中でその格差の是正をし、今までの最高裁の考え方にこたえようというもので出されたと思います。したがいまして、そういう中で二人区・六人区というのが生じるということもあると思います。今御指摘がございましたように、今後このような増減方式でずっと定数是正をやっていくということになりますと二人区・六人区というのは生じ得るわけでございますが、そのような方式でやるのがいいのかどうか。過去にもございましたように、もっと抜本的なやり方でこれを改正すべきかというようなことがあるわけでございまして、今後どういう方式でやるのかによって変わってくるというふうに理解をいたしております。
#109
○石井一二君 言葉の意味ではおっしゃることはわかりますが、総理は限りなく二・〇に近づけていくべきだとおっしゃる。ところが、近づけると国会決議に反する二名区の出現というものが必然になってくるという事態がありますよ、こういうことを申しておるわけでございまして、この場ではそういった問題があるということだけ御認識を
していただいて、また別の機会に論議を大いにしていただきたいし、また御指導賜りたい、そう思うものでございます。
 さて次に、御承知の周知期間という問題がございます。先ほど発議者の議員各位にもお聞きいたしたわけでございますが、基本的な考え方として、合区とか選挙区が変わるとか定員減とかいろんなことを考えますと、事が決まってから選挙までの間は長ければ長いほどいい。もちろん、衆議院の任期が四年ですからそれ以上ということはございませんが、こういった意味で、今この法律が仮に通って、即施行されるということに今回はなっており、今までのような三十日間とか何日間というような予告期間というものはございませんが、そういった面で、解散権をお持ちの総理がその周知期間の長さを決められる唯一のお方である。そういう観点から、今回は改正即解散ということになると思いませんが、ややその辺の周知期間と解散権との絡みで御意見があれば承りたいと思います。
#110
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほどの石井委員の御指摘の問題は確かにそういう国会決議との関連がございまして、問題を御指摘されましたことはよく私どもも留意をいたしてまいらなければならないと思います。
 次に、ただいまのお尋ねのことでございますが、昭和三十九年あるいは昭和五十年おのおの定数の是正が行われたことがございますが、これは次の総選挙から施行するということで、このたびと同じようなスタイルであったと思います。昭和六十一年にやりましたときには周知期間を三十日置いておったと記憶しておりますけれども、十分に有権者側においてあるいは候補者側においてこのことを了知される時間さえありますならば特に周知期間を置くということは前例では必要であるというふうには考えられていなかったと思いますので、このたびもそういうことをいたしておりません。確かに、そういう制度になったということを関係者に知ってもらうための時間というものはある程度現実の問題としては必要であろうと思いますので、それは法の施行に当たりましては十分注意をいたしてまいりたいと思います。
#111
○石井一二君 先ほど自治省の方より抜本改革へ向けていろいろ論議を進めておるというような旨の方向づけの御発言があったかに記憶いたしますが、抜本改革の方向は、今ちまたにうわさをされたりまた活字等になっておりますところでは小選挙区制へ向けて走っておるという一つの認識がございます。片や、昭和六十年十二月の当時の坂田議長見解は、「小選挙区制はとらない」ものとするというはっきりとした国会としての認識を示しておるわけでございます。こういった観点から、将来の抜本改革の方向づけとして小選挙区制について総理がどうお考えになっておるか、承りたいと思います。
#112
○国務大臣(塩川正十郎君) 私、担当しておる大臣といたしましてちょっと先に石井先生にお答えさせていただきたいと思います。
 一つは、先ほど来の御質問の中に、あくまでも限りなく一対一に近づけるという問題がございますが、この問題の解決を図ろうといたしましたときに、現在の中選挙区制のもとにおいて二人区あるいは六人区ということを否定しながら限りなく一対二に持っていくということは非常に至難なことだと、心しておけとおっしゃった。そのとおりだと私は思うんです。なかなか難しい。そうであると、限りなく一対一に近づけ、せめて一対二をもっと割り込むようなことにしようとするならば選挙制度をいわば一人区制度に、小選挙区制に変える必要があるのではなかろうか、こういう議論もあることは事実でございます。
 一方、おっしゃいましたように、坂田議長見解が出まして、「小選挙区制はとらない」ものということが第三項目に書いてございますので、これが一つの国会としての縛りかなと思いますけれども、しかし一方におきましては、六十一年の五月の衆議院の国会決議によりますと、二人区・六人区は将来解消することとして、とりあえず八増七減でスタートするという、こういう緊急是正をやったことがございます。そういう点から見ますならば、私はまさに一票の格差是正そのものをどの程度のものに厳しくしていくかということと、選挙制度の、中選挙区か小選挙区制がということとが非常に密接な関係があると思っております。
 でございますから、この抜本改正の中の一番中心は、やはりまず中選挙区制でいくのか、あるいは小選挙区制に移行してでも一対一の実現に積極的に取り組んでいくのかというそこの問題を解決していただくことが先決なんではないか、そう思っております。
#113
○石井一二君 小選挙区制に対する総理の御見解を聞きたかったわけですが、自治大臣から御高説を承り、ありがとうございました。
 そこで、総理にできればお答えいただきたいと思いますが、小選挙区制についてはいろんな論議がございます。例えば四割の得票率で八割の議席の獲得が可能であるということも起こり得る欠陥の一つとして言われております。また先般、一連の抜本的な政治改革の方向づけのための自由民主党全国会議員に対するアンケートの中で私も書いたわけでありますが、私は小選挙区制の悲劇の一つとして、五一%の民主主義の悲劇という、私がつくった言葉ですが、そういう感覚を持っております。
 これはアメリカの国会議員の場合にも当てはまるわけですが、各選挙区でどうしても五一%の支持を得ないと当選できない。そうなりますと、社会の底辺というと言葉は悪うございますが、増税をしようと思うと反対したり、福祉をカットしようと思うと反対したり、木を見て森を見ずという言葉がございますが、どうしても大衆迎合型の判断をしないと、やや明るいバラ色の公約を投げかけないと五一%の支持は得られない。こういった中で、果たして国家というものが民主主義の中で大きく前向きに前進をし続けることが、小選挙区制の当選確実ということを勝ち得る議員の心理、行動という中で可能かどうかということに対して私は疑問を持っております。
 こういった中で、せっかくでございますので、総理、一言小選挙区制について御見識、御見解等があれば承りたいと思います。いかがですか。
#114
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほど石井委員御自身が指摘をせられ、またただいま塩川大臣からお答えをされましたように、一対二の格差というものと、二人区・六人区は置かないということとの両方の整合性というのは実は非常に難しい、現実には難しい問題を生むという、そういう御指摘があり、また塩川さんからもそういうお答えをされました。
 その問題がございますのですが、私どもの党内で今ずっと政治改革本部で議論をされ、集約されつつありますところは、中選挙区制におきましては、同じ党から複数の候補者が立候補する、また現にそうでございますが、そういうことがしばしばございます。その場合に、選挙というものが政策を中心に、あるいは政党を中心に戦われずに、いわば個人と個人との争いに極めてなりやすい。同じ政党、同じ政策を支持している有権者が、二人のうちの、あるいは三人の場合もございますが、だれかを一人選ぶということは、候補者同士あるいは有権者同士の間に、同じ思想、同じ政策を持ちながら、いわばどちらかといえば個人的な支援不支援という、そういう関係を生みやすい。そのことがまた現実の問題としては党内においていろいろ、仮に派閥というような言葉で表現されるというような現象になってきておる。こういうことが果たして健全なことであろうかという議論が非常に闘わされております。
 他方で、それならば一人一区というようなことにしてしまえば確かにその問題はなくなりますけれども、それによって民意というものが正しくかつ国家的見地において代表せられるものであるかどうか。これについてはまたそういう議論が確かにあるところでございますから、しょせんいかなる制度も恐らく完全とは申しがたいのでございましょう。しかし、その中でどういう制度をとることがいわばベターであるか、そういう私は選択の問題になるのではないかというふうに思います。
 それから、もう一つつけ加えさせていただきますならば、先ほど来、金に伴ういろいろ政治の腐敗あるいは国民からの不信という問題が御議論になっておりますが、それに対する一つの対応は、選挙というものについてある程度納税者にその費用の負担をお願いするという、いわば公的資金の導入、公的援助の導入というような問題が御承知のようにございます。そういう問題を考えますときには、これはやはり選挙というものが政党を中心に争われるということでございませんと、そのような公的な援助を導入するということは非常に難しいということがまたございまして、そういう見地から申しますと、小選挙区というものは公的な援助を国から受ける制度としては比較的問題の少ない制度である。そのことがいい悪いは別といたしまして、選挙制度としてはそういうものではないかという議論なども行われております。
#115
○石井一二君 私は、必ずしも総理の今の御発言に賛同いたさない、もっともっと論議をさせていただきたい気持ちでいっぱいでございますが、時間があと二分ぐらいで押しておりますので、一問だけ塩川自治大臣に御質問いたしたいと思います。
 これは先ほどもちょっと触れたわけですが、今回の九増十減によりまして、県単位で都道府県間の定数、各区の合計と人口というのがアンバランスになってくるという一つの新しい現象が起こっておりますが、当然御認識のことと思いますし、また各地方自治体の長から言わせますと、困るとか発言窓口が減るとか代弁者の数がどうのとか、いろんな問題があろうと思いますが、こういった問題についてどのような御見解を持ち、また現在どのような御心境であられるか承りたいと思います。
#116
○国務大臣(塩川正十郎君) 先ほど石井先生のお話の中にございました六十一年の国会決議の中に、過疎過密を解消せいということがございました。その中で、今回の九増十減が図られておるわけでございますが、府県間格差が実は改正前は十五であったやつが今度は十八にふえるというような皮肉が起こってきておること、これは私たちも心を痛めるところでございます。そして、さらにまた県間格差の逆転を解消しようとすることにいたしますと、一対二・七というこのバランスを変えてより以上の比率にしなければならぬということも起こってまいります。
 そういう点から見ますならば、やはり私はこの際に選挙制度のあり方について、小か中かということの結論とあわせて、いわば選挙区の線引きを変えるかあるいは分割を認めるかとかいう、そういうことの議論をひとつ積極的にしていただかないとこの問題は永久に解決しないように思うんです。
 ちょうど今、学校の通学区域がございまして、通学区域は絶対変えたらいかぬということで、それぞれ教育委員会が非常に苦労しておられるのと同じような状態が選挙の地割りのときに出てきてまいっておりますので、この抜本改正の際に、そういう二人区は合区することもあり得る、また六人区は分区することも必要とするんだという強い国会での意思を決定していただかない限り、私はこの問題は解決していかないように思っておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
#117
○石井一二君 終わります。
#118
○猪熊重二君 なるべく簡単にお伺いします。
 総理は本年十一月までに抜本改革案を提示するというお約束だったんですが、それがまた提示できていない。ところが先ほどのお話で、いや、できているんだけれども、この法案があるからまだ出すわけにはいかないというような趣旨のことをおっしゃったんですが、むしろ、できているんだったらやっぱり出してもらった方がこの法案を審議する上においても非常に参考になると思うんです。その辺どういうことで、できているけれどもまだ抜本改革案出さないんだということの理由はどこにあるんですか。
#119
○国務大臣(宮澤喜一君) 私がかねて申しておりましたことは、十一月の末を目途に提示すると申し上げたのではなくて、私どもの党内の政治改革本部において十一月末を目途に抜本改革についての案をまとめてもらって、総裁であります私にそれをいわば答申をしてくれないかこういうことを申しておりますわけでございます。
 私としては、その答申を受けましたら、これを党内において、政治改革本部の葉そのものを党内におきまして党の正式の実とする手続、そういう議論を経まして、その上で国会あるいは各党協議会でございましょうかにお示しをして、恐らく各党とも案をお持ちでございましょうから、その中でいろいろ御討議、御審議をいただきたい、こういう手はずを、それは通常国会になろうかと存じますけれども、考えておりまして、私が党の政治改革本部に申しましたことは、改革本部としての案をまとめて私に示してもらいたい、こう申しておったわけでございます。それはほぼその最終段階に近づいておるということを先ほど申し上げたわけでございます。
#120
○猪熊重二君 まことに生意気言って申しわけないのですが、なるべく簡単に御答弁いただいて、私の持ち時間は十分しかありませんので。
 揚げ足取りを申し上げるわけじゃないんですが、先ほどから一票の格差の問題に関して一対二に限りなく近づけるというふうなことがいろいろお話しされているんです。しかし、私は総理にぜひ認識しておいていただきたいのは、要するに一票の価値が平等でなければならないということは、憲法十四条の法のもとの平等の実質的な一内容であるということは、最高裁判所において衆議院の定数問題に関し、また参議院の定数問題に関しても明らかに判示されていることなんです。ですから、選挙権の資格の付与が平等でありさえすればいいんだという問題じゃなくて、投票の価値の中身が、一票が等しくなければならない。これは憲法十四条から帰結される問題なんだ。ただし、それが具体的事案においてどれだけ修正されるかと、現実の問題としてどれだけ修正されるかという問題であるわけなんです。
 ですから、一対二に限りなく近づければいいなんという問題じゃなくて、あえて表現すれば一対一に限りなく近づけるという、これが原点のはずなんです。その辺について、どうも二倍まで、一対二、一対二、こうおっしゃるんですが、一対一が原理原則であって、それを各般の要素によってどう修正するかという問題なんです。その点、お考えをお伺いしたいと思います。
#121
○国務大臣(宮澤喜一君) それは私難しい法理論をお答えはできませんけれども、確かに一対一でありましたらこれは全く平等であるということが言えると思いますが、それは現実にそういう場合が可能であるとは限りません。それならばとの辺までが平等ということの許容範囲であるかということにならざるを得ませんで、それは最高裁がこれをもって平等の範囲とするというふうにお決めになられることだと思いますけれども、少なくとも一対二ぐらいまでであればというふうに私どもは考え、最終的に最高裁がどういう場合にどう判断されますかは、それは仮定の問題でわかりませんけれども、一対一、それならば文句はない、しかし現実に妥当する許容範囲はどの辺であるかというふうに考えていくしかないのではないかと思っております。
#122
○猪熊重二君 総理、政治資金規正法に関して二点お伺いします。
 我が公明党は、候補者のいわゆる指定団体を一個に限るべきである、こういうふうに主張しているんですが、この指定団体の数に関して、一個が必ずいいかどうかは別にして、我が党としては一個に限る方がよろしいという主張なんですが、この指定団体の数についての総理の見解はいかがかという点が一点。
 もう一つは、政治資金規正法違反事件についても公選法の場合と同じように違反者に対しては原則的に公民権を停止するべきである、停止することが妥当であるというのもやはり我が党の主張なんですが、このように政治資金規正法違反事件の違反者に対する公民権停止についての規定の創設について総理の見解をお伺いしたいと思います。
#123
○国務大臣(宮澤喜一君) いわゆる指定団体を一本化するということにつきまして、公明党のお立場をよく存じております。
 この指定団体の数を制限するということにつきましては、政治改革協議会で大変に御議論のあったところでございます。それで、今速やかに実施すべきであるという御意見と、やはりこれは選挙制度全体、いわゆる公営等に関することもあると思いますが、そういう抜本改革との関連で検討すべきではないかという両論御議論がありまして、協議会で引き続き検討しようということになっております。しかし、それは確かに検討をして結論を出さなければならない課題でございますので、私どもにおきましても今後の協議会においてどういうふうにお取りまとめをお願いするか、党としての考えも申し上げ、また各党からも御意見を伺いたい、こういうふうに思っておる、今そういう意味ではペンディングの問題でございます。
 公民権の停止のこと、範囲の拡大あるいは罰則の強化につきましてもこの協議会において御議論がありました。罰金刑を含めた公民権停止、罰金額の引き上げ等の御意見もあったというふうに承知しておりますけれども、最終的に違法な寄附の没収及び寄附の量的制限違反に対する禁錮刑を導入することが適当であろうというところでは合意がございました。
 したがいまして、そういうことにつきましては合意ができたものとして御審議を願っておるわけですけれども、これらの問題につきましてはこれで議論が終わったわけではないと思います。今後引き続きこの協議会の場において御検討を続けていただく問題であるというふうに考えております。
#124
○猪熊重二君 総理のお立場に立つとそういう御答弁しかできないのかもしれませんが、そうじゃなくて、政治改革にかける総理自身の見解を伺いたかったんですが、やむを得ぬことでしょう。
 大変お疲れのところを御苦労さまでした。終わります。
#125
○吉田之久君 総理、お疲れでございます。
 私に与えられた時間は五分間でございますので、まず二、三分、問題を大きく二つに分けまして御質問をいたしまして、残りの時間を総理にお答えいただければ大変ありがたいと思います。
 まず、問題の一つは、中選挙区なのか小選挙区なのか、そろそろ真剣にすべての政党が考えなきゃならない時期に来ていることだけは事実でございます。日本の政治の最高の指導者としての総理は、小選挙区と中選挙区、それぞれ一長一短ありますので、その辺もいろいろお考えいただいていると思います。
 先ほど来のお話のとおり、小選挙区にすれば政党同士のバッティングは確かになくなります。しかし、定員一名をめぐって極めて限定された局地的な戦いになりますので、党派は違っても血みどろの戦いが展開されることになると思うんです。したがって、一名区、小選挙区の場合には、かつて日本の政治もそうでありましたようにもう源平の争いになっていく。明治の初め政友会と民政党が激しく戦ったことを聞かされておりますけれども、そういう決定的な戦いに転化していくおそれがあるのではないか。
 いま一つは、そこで当選しようとした場合に、あるいは当選を持続しようとした場合に、極めて地域的な、ローカルな問題に限定していかないと、一切の関心をそこに向けていかないと生き残れないのではないか。いわば市町代表みたいな代議士ばっかりが出てきたらどうなるかという点が心配でございます。確かにローカルな問題も極めて重要でありますが、しかし本当に外交、防衛あるいはPKOの問題、エネルギーの問題、地球環境の問題、そういう問題を論ずる政治家が減っては、これも大変だと思うわけでございます。
 だから、小選挙区を導入した場合には、そういうローカルな地域の代表と同時に、広く天下国家を考える別な代表とが要るのではないだろうかというふうな気がするわけなんでございます。あるいは外国の例を見ても、下院は主として地域代表が競い合う、しかし上院の方は広く国家あるいは世界のことを考える。そういう任務の分担が行われないと、非常に将来の日本の政治がゆがんではしまわないだろうかという問題を私も考えておりまして、その辺総理はどうお考えなのか、これが質問の第一点でございます。
 それから二番目に、中選挙区であろうが小選挙区であろうが政治に金がかかることは、もう今お互いに嫌というほど反省しているところでございます。しかし、まあこの国は世界でも最も多く選挙の規制の法律をつくっている国だと、先ほど自民党の提案者側の御説明もありましたが、しかし、だれも本気でそれを守ろうとしていなければ、それはルールがあってなきがごとしでありまして、一年前から準備しようが三年前から準備しようが別に罰則はありませんし、ポスターを何ぼ張ったって無効にもなりませんし、やればやるほど有効でございますから、そうするとそれは全部金がかかるわけでございます。どんな金でも政治のためならば正義の金なんだと、そう思い直してみんな頑張っていると思うのでございます。したがって、そんな私財を蓄えるような政治家はもとより一人もいないと思うんですが、しかし、だんだん多々ますます弁ず、その中で異様な集め方をする、それはもはや国民からはとても正視できない状態で政治不信が起こっていく、これが一番問題だと思います。
 だから私は、いろんな選挙法の改正、政治資金規正法の改正も必要でありますが、最後に、やりたくはありませんけれども、目に余る選挙違反、あるいは余りにもルールなきむちゃくちゃな政治資金の集め方、それが明らかになった者は、半永久的に公民権は剥奪すると、そういうやっぱり厳しいとどめを刺す以外にないのではないかと思うわけでございますが、御回答をいただきたいと思います。
#126
○国務大臣(宮澤喜一君) まず最初の問題でございますが、吉田委員の言われましたような、これは吉田委員は御自身で長いこと御体験をしていらっしゃいますのでそのような小選挙区についての懸念、あるいはそういう心配を言われる方は多数ございますし、またお互いの経験からしましてもそのことが全く間違いであるとは言い切れない、そういうことも私は否定できないだろうと思います。がしかし、究極のところは候補者自身がどのような政治家であることが有権者の信頼を一番から得るかということにならざるを得ませんので、そういう意味では候補者自身もまた有権者に対して、教育という言葉は無礼な言葉かもしれませんけれども、政治家としてあるべき姿についてやはり訴えるところがなければならないだろうというふうに思います。確かに、しかしおっしゃるような危惧はなしといたしません。それはよほど考えておくべきことであろうと思います。
 他方で、おっしゃいましたように我が国が二院制をとっていることについてただいまのような御観点というのは私は非常に大事な問題ではないか。衆議院がローカルな問題を考えていさえすればいいと申し上げる意味ではございません。が、おのずから立っておる選挙区の広さというものが違う、あるいは制度が違うということによって観点が異なる、異なる観点から二つの院が国政を考える、議論するということは意味のあることではないかというふうに、この点御指摘のように思います。
 それから、資金の問題はまことに何とも、新しいことを考えなければもうこの制度は続けていかれないというようなところまで実は来てしまっておりますのでございますから、今おっしゃいますようなことも本当に候補者自身がそういう資金の上で不正なことをする、あるいは政治家としてあるべきでないようなことをいたしました場合に、その御当人が自分のそのような行為に対して責任を負う、あるいは公民権を失うといったようなことになりますことは、これはある場合には私はやむを得ないのではないかと思います。
#127
○吉川春子君 総理にお伺いいたします。
 今回の衆議院の定数是正は当座しのぎの是正でしかないと私は思います。憲法や国会決議からいっても、現行中選挙区制のもとで一票の価値が一対二未満になるような抜本改革をまず行うべきであり、これの棚上げは許されないと私は考えます。
 それで、定数の抜本改正の必要性について総理の御認識を伺いますが、現行中選挙区制のもとでの抜本改革というお考えが総理にはおありなのかあるいはないのかその点いかがでしょうか。
#128
○国務大臣(宮澤喜一君) まず、この九増十減というものは今の中選挙区制度で考えますならば、これが最終的な姿ではないというふうに思っております。つまり、これでは吉川委員の言われますように一票の格差の是正はなお不十分なわけでございますので、中選挙区制を前提にして考える限り、やがてこの九増十減から進みましてさらにもう一つ一対二に近いような改正を考えざるを得ない、そういうふうに考えますから、そういう意味ではこの九増十減というのはいわば緊急策である、抜本策ではないというふうに申し上げることができると思います。
 そこで、抜本策についてそれならばどう考えるかということについて申しますなら、この中選挙区の線上においてさらに一対二に近づけていく、そうしますと、先ほどおっしゃいましたような二人区・六人区というような問題等の困難は起こりますけれども、しかし中選挙区の上で一対二という終局的な姿を考えていく方法もあると思いますし、また別の選挙制度によってそれを達成する方法もあるだろうと。それはいずれにしてもこれからの抜本改正の問題だと思います。
#129
○吉川春子君 総理の御認識を伺いたいんですが、抜本改革の場合に、現行の中選挙区制のもとで行うべきだ、こういうお考えはとられるんでしょうかとられないんでしょうか。
#130
○国務大臣(宮澤喜一君) 私どもの党内で政治改革本部が議論しております。ただいまの議論の大勢は、いろんな意味で中選挙区制度というものがやはり一つの難しいところにきている。それは一票の格差の問題もございますけれども、それに伴ういろいろ党内に生じております弊害とでも申しますか、それはいわゆる派閥の問題であったり資金の問題であったりいたすわけですが、そういうことから考えて、もっと政党本位の、政策本位の選挙区を考えるべきではないかという議論の方が私どもの党内では強くなっておりますが、いずれにしても、これはしかしお互い国会議員のいわば土俵に関する問題でございますから、各党の間で十分に御議論をしていただかなければならない問題だろうと思います。
#131
○吉川春子君 総理は自民党の抜本改革の党内手続を経て来国会にも法案を提出したいと今おっしゃいましたが、それは、そうしますと小選挙区制のもとにおける一対二未満ということでの抜本改革になるという方向を、総理自身としてはそちらの方にやや傾いておられるのかどうか、そこが望ましいと考えておられるのかどうか、お伺いします。
#132
○国務大臣(宮澤喜一君) 私どもの党内ではそういう意見の方が強うございますが、ただ御承知のように、これは各党の協議会において御協議をいただき、また実務者会議で御議論をいただかなければならない種類の問題でございますので、そういう意味で各党が、仮に私どもの党の案を御提示いたしましたときにどのような案をお持ちになられ、どういう御意見になられるか、その段階を経ませんと、どのような法案が国会に提案されるかにつきまして申し上げるわけにまいりません。
#133
○吉川春子君 終わります。
#134
○中村鋭一君 総理、きょうはわざわざ当委員会にお出ましをいただきましてありがとうございます。
 これまでの審議の中でも総理御自身が、高い倫理観を持つことが政治家は必要だと、こうおっしゃいましたが、簡単で結構でございますから、総理がお持ちの政治家としての倫理観といいますか倫理規範というものについてのお考えをまずお伺いをさせていただきます。
#135
○国務大臣(宮澤喜一君) 最初に、公私をはっきり分けることだと思います。それから次に、政治家というのは選挙民から付託を受け、選挙民の信頼を得てこういう仕事をいたしておるわけでございますから、そのような付託を受ける資格がなくなった、あるいは信頼を失うに至ったと考えるときには、自分の職務は終了したものと、そういうふうに判断をいたさなければならないと思います。
#136
○中村鋭一君 今伺いまして、全く私は同感でございます。
 そこでお尋ねをいたしますが、今回の佐川事件につきまして、総理は再三、現在司直で究明中でございます、あるいはまたつかさつかさにおいて真相を追及しております、こうおっしゃいますが、今おっしゃったような、公私の別を分ける、大方の信頼を失ったときにはそれなりに身を処すべきである、この観点からいたしますと、例えば竹下元総理が世論調査において国民の九割以上の信頼を失った、こういうことであれば、そしてまた政治家が高い倫理を求められて、いわば法律に違反しているとかしていないとかじゃなくて、政治家の場合はむしろ疑わしきは罰す、李下に冠を正さず、瓜田にくつを入れずという古いことわざがありますけれども、疑わしき場合はこれは罰せられてもしょうがない、国民の信頼を失ったら自決しなければいけない、そういうふうに私は今の総理のお言葉を解釈させていただきましたけれども、それは間違っておりましょうか。
#137
○国務大臣(宮澤喜一君) あえて異を立てるつもりはございませんけれども、およそ政治家を選ぶのは選挙民であります。その自分を選んでくれた選挙民との信頼関係、自分を選んでくれた選挙民から受けた負託、それに自分が背くことがないか、その責務を遂行するに自分はなお適当であるかどうかということは、その選挙民との関連におけるいわば神聖な関係でございますから、そういう選挙民との関連において自分自身が判断すべきことだと思います。
#138
○中村鋭一君 有権者が選挙の際に投票をする、それによっていわばみそぎを受けるといいますか審判を仰ぐというのも、確かにそれは総理おっしゃるような国民の声を正確に政治というものに反映する一つの手段ではあると思います。思いますが、その今の倫理観というものについての考え方からいたしますと、例えば新聞の世論調査、テレビの世論調査に、これはやっぱり国民の声は天の声で、国民大多数の意思というものがそこに反映されていると、こう理解するのが筋だと思いますので、私はそのように思うということを総理に申し上げておきたいと思います。
 最後に、総理は政治改革についての熱意を常に口になさいます。また、政治改革だけではなくて、行政府の長として率先して一生懸命仕事をしていらっしゃることを私は疑いませんけれども、総理の表情、言葉、態度、そういうものから、例えば政治改革を国民の先頭に立って、行政府の長として烈々たる気迫でこれを推進していくという、そういう雰囲気といいますか、そういうものを私はどうも感じることができません。
 今回のアメリカの大統領選挙でも、やっぱりクリントンとブッシュが戦っておりますと、クリントンが、いわゆるいい意味でのパフォーマンスといいますか、そういうものでどんどん国民に訴えでいっている。一方のブッシュはどうも力が乏しいというようなことがアメリカ国民の大統領選挙にも反映をしてあの結果を招来したと思えなくもないわけでございますが、総理はどうですか、ここで思い切ってあらゆる機会をとらえ、国会内だけではなくて、例えばテレビ、新聞等を通じてもっともっと積極的に、言葉の表面だけではなくて、全身で政治改革の先頭に私が立つんだということをあらわしていただきたい。そうすれば、大方国民は、宮澤さんよくやってくれるなと喝采を送るにやぶさかではない、こう思いますが、最後にその一点についてお答えをお願いいたしまして、終わります。
#139
○国務大臣(宮澤喜一君) 御注意が、ございまして、私は私なりに全力、全身で当たっておるつもりでございますけれども、なお至らないところがいろいろございます。また、パフォーマンスにつきましてはいろいろ御指導を仰ぎたいと思います。
#140
○青島幸男君 時間がございませんので一点だけ御要望申し上げて終わりたいと思います。
 本日提案になっております三法案は、いずれにいたしましても衆議院に重点が置かれているというふうに拝察をいたします。衆議院だけで国会は成り立っているわけじゃございませんで、参議院も半分は重責を担っているわけでございますし、かねてより衆参両院は車の両輪のように力が相まって機能が働いてこそ国民の負託にこたえるべき国会ができるんだということを常々与党の方も申されておりますし、私もそう思っております。ですから、参議院も非常に重要なんだと思うんですけれども、最近では参議院無用論などという、参議院がなぜそういうふうに機能を発揮できないようになったかということは、この場で総理にくだくだ申し上げるよりは、十分御存じだと思います。ですから、参議院が本来あるべき機能が発揮できますように積極果敢に御努力あるようにお願い申し上げたいと思いますので、御決意だけ聞かせていただければ結構でございます。
#141
○国務大臣(宮澤喜一君) 青島委員の言われましたことは私はまことにごもっともなことだと思っておりまして、実は私どもの党内で、先ほどから申し上げております抜本改革をほぼ最終のところまで議論しておりますが、やはり参議院のあり方について一緒に考えなければ全体の政治改革というものは完成しないという意見が大勢になりまして、私どもの党としての参議院改革についての考えはやがて政治改革の一部としてまとまってまいる。おっしゃることは私はごもっともだと思います。
#142
○青島幸男君 終わります。
#143
○小池百合子君 日本新党の小池百合子でございます。
 政治改革実現に関しまして総理にぜひお伺いしたいと思っております。いわゆる二十一項目、九増十減を柱とする本改革案でございますが、国民各層よりなまぬるいとか緊急改革の名に値しないといった厳しい評価を見聞いたしております。しかし、たとえ半歩でも前進したことはそれなりに受けとめたく思っております。問題は何よりも抜本改革案ですけれども、果たして総理は本気でやる気がおありになるのかどうか、改めてここで伺いたいと思います。
#144
○国務大臣(宮澤喜一君) それは、今の国民が政治に対して持っておられる不信というものから考えましても、また実際、選挙制度あるいはそれについての資金の問題等々、現実に経験をいたしておりますと、このままの制度というのはもうとても長くはやっていけないということを私自身感じますし、また私の同僚もそう感じておる人が多うございまして、そういう意味ではどうしてもここでしなければならない段階に来たというふうに私は思っております。
#145
○小池百合子君 一部の報道でございますけれども、自民党の政治改革本部を改組して政治改革推進本部の組織をつくって総理みずから本部長に御就任になるというふうにせんだって伝えられたわけでございます。しかしながらきのう、きょうになりますと、総理が本部長にはおなりにならないといったような話も聞こえてくるわけでございます。そうなりますと、政治改革に対する姿勢というのが後退とも受けとめられるわけなんでございますが、総理、内閣の命運をかけまして抜本改革を本当にする気があるのかどうか、重複かもしれませんが、最後に伺わせていただきたく思います。
#146
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいまのお尋ねは、最初の報道が必ずしも正確じゃなかったのだと思います。事実は、私どもの党で政治改革本部が案をまとめましたら、そうしましたらそれを先ほど申しましたように各党の協議会に御提示をして御議論をいただかなければならないのですが、そういうある段階で、政治改革の案はできましたから今度はそれを推進するための体制を党内でつくる必要があるだろう、その推進体制をどのようにして、これは大事なことでございますから、つくるかということをこれから考えなければなりません。そういうふうに実は考えておりますが、その体制をどのようにつくるかはこれからの実は問題でございます。
#147
○小池百合子君 ありがとうございました。
#148
○委員長(鎌田要人君) それでは、以上で内閣総理大臣に対する質疑は終わりました。内閣総理大臣は退席されて結構でございます。
 他に御発言もないようでありますので、質疑は終局したものと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#149
○吉川春子君 私は、日本共産党を代表して、衆議院提出の公職選挙法の一部を改正する法律案二件と政治資金規正法の一部を改正する法律案に対し反対の態度を表明するとともに、議会制民主主議の根幹にかかわるこの重大な法案をわずか三時間余りで議了してしまう運営に対しても強い抗議の意思を表明します。
 リクルート、共和、そして佐川急便事件と金権腐敗事件が続き、国民の怒りは頂点に達しています。それは佐川・暴力団疑惑の徹底究明を求める地方議会意見書、決議が、十二月七日現在で全国三千三百六議会中記録的とも言える千八百二十七議会に達していることでも明らかです。意見書のほとんどが真相解明とともに竹下政権成立への暴力団の介在を厳しく批判し、その実態の解明と関係議員の政治的、道義的責任を追及しています。また、多くの意見書が金権腐敗政治根絶のため企業・団体献金の禁止を要求しています。
 今、国会が国民の声にこたえてなさねばならないことは、企業・団体献金の禁止です。ところが、提案されている政治資金規正法の一部を改正する法律案は、この企業一団体献金禁止を棚上げにしたばかりか、政治資金パーティーを合法化し、逆に企業献金を温存、拡大する方向を示しているのです。
 すなわち、企業は一回の政治資金パーティーで百五十万円以内であれば何回でもパーティー券を購入できます。現行法にある年間献金総枠に関係なく、企業献金を無制限に拡大することにもなるという驚くべきものです。百万円を超える大口購入者は氏名公表になるので歯どめがかかると言いますが、指摘されているように小口パーティーの増加は避けられないでしょう。まさに資金集めのパーティー奨励法とでも言うべきもので、断じて認めることはできません。
 次に、公職選挙法の一部を改正する法律案についてです。ここで問題なのは、選挙運動の期間を短縮し公職選挙法制定当時の半分にすることです。これは国民の知る権利を制限し、基本的人権を侵すものです。さらに供託金の額についても一・五倍から二倍という大幅な引き上げをして、立候補の自由を経済面から大きく制限しています。これではますます金のかかる選挙を推し進めることになります。これがどうして政治改革なのでしょうか。
 さらに、いわゆる九増十減、定数是正についてです。衆議院議員の定数について、一票の格差が最大三・四〇倍に拡大したのは、公職選挙法別表第一の「五年ごとに、直近に行われた国勢調査の結果によって、更正するのを例とする。」という規定を歴代自民党政府が放棄してきた結果にほかなりません。選挙権の平等の確保は議会制民主主義の基本ですから、議員定数の配分は憲法の精神に従って常に考えなければならないというのが八六年五月の衆議院本会議で国会みずからが確認し、国民に約束したことです。
 ところが、九増十減案は一票の格差二・七七倍を公認し、二倍以上の格差も全選挙区の二二%に上ります。しかも、議席に結びつかない死票が多い二人区を現行の四から八に倍増させることになります。これでは国会決議に逆行するものであり、到底賛成できるものではありません。
 さらに、この後の抜本改革なるものは事実上小選挙区制導入をたくらんでおり、二重三重に国民の期待を裏切るものです。国民の多様な意思を正確に国会の議席に反映させることは議会制民主主義の根幹です。小選挙区制はこの点で最悪の選挙制度であり、昨年の小選挙区制導入法案の廃案を見ても、大多数の国民が小選挙区制導入を拒否していることは明白です。
 このようなとんでもないプログラムにつながる九増十減案や選挙期間短縮案などを政治改革の名で強行するのは国民を欺くものです。今やるべきことは、国民の権利を切り詰めることをやめ、格差二倍未満への定数是正、そして企業・団体献金の全面禁止を断行することです。
 日本共産党はその先頭に立って奮闘する決意を申し上げ、私の反対討論を終わります。
#150
○委員長(鎌田要人君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 まず、公職選挙法の一部を改正する法律案(衆第七号)について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#151
○委員長(鎌田要人君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、政治資金規正法の一部を改正する法律案(衆第八号)について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#152
○委員長(鎌田要人君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、公職選挙法の一部を改正する法律案(衆第四号)について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#153
○委員長(鎌田要人君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#154
○委員長(鎌田要人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#155
○委員長(鎌田要人君) 次に、選挙制度に関する調査を議題といたします。
 上野君及び吉川君から発言を求められておりますので、順次これを許します。上野君。
#156
○上野雄文君 私は、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、民社党・スポーツ・国民連合、連合参議院、二院クラブ、日本新党の各派共同提案による政治改革の推進に関する決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    政治改革の推進に関する決議(案)
 政治に対する国民の信頼の回復は緊急の課題である。このためには、政治家一人一人が、より高い倫理観にもとづくことはもとより、政治資金制度、選挙制度や二院制下の参議院の在り方など政治の仕組み全体の討議を深め、議会制民主主義の健全な発展を期さなければならない。
 今回の政治資金規正法及び公職選挙法の改正は、当面の緊急に改革すべき事項を実施するもので、当委員会は引き続き、各党間で協議されている諸事項を含んだ抜本的な政治改革に取り組み、その速やかな実現に努め、国民の期待に応えるものである。
 右、決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#157
○委員長(鎌田要人君) 次に、吉川君。
#158
○吉川春子君 私は、日本共産党の提案による政治改革の緊急課題推進に関する決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    政治改革の緊急課題推進に関する決議(案)
 佐川・暴力団問題で国民の批判が極度に高まっている時、政治腐敗をなくし、議会制民主主義を確保するために、今、緊急に必要な政治改革の中心は、企業などが金の力によって政治を動かすという企業・団体献金を、ただちに、全面的に禁止する措置をとることである。また、禁止規定に反する者については厳重に取り締まり、公民権停止をするなど、厳しい規定を設けることが必要である。
 選挙制度について、衆議院においては、小選挙区制導入など制度の改変にはしることなく、昭和六十一年国会決議にもとづいて、すみやかに現行中選挙区制下における憲法違反の選挙区間定数格差を一対二未満に抜本是正し、二人区・六人区の解消を行い、参議院においても、民意を公正に反映した選挙区定数の格差是正をはかり、もって議会制民主主義の健全な発展を期さなければならない。
 右、決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#159
○委員長(鎌田要人君) ただいまの上野君提出の決議案の採決を行います。
 本決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#160
○委員長(鎌田要人君) 多数と認めます。よって、本決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
    ―――――――――――――
#161
○委員長(鎌田要人君) 次に、去る七月に行われました第十六回参議院議員通常選挙の執行状況並びに選挙違反の取り締まり状況につきまして、順次政府から報告を聴取いたします。塩川自治大臣。
#162
○国務大臣(塩川正十郎君) この機会に、第十六回参議院議員通常選挙の結果の概要について御報告申し上げます。
 今回の選挙は、本年七月七日に任期が満了となった参議院議員の通常選挙でありまして、選挙すべき議員の数は、比例代表選挙が五十人、選挙区選挙が七十六人、合計百二十六人でありました。また、これと合併して埼玉県選挙区の補欠選挙が行われました。
 選挙当日の有権者数は約九千三百二十五万人で、前回の通常選挙に比べ約三百三十六万人増加しております。
 次に、投票の状況について申し上げます。
 七月二十六日の投票日の天候は、一部の地域で曇りのほかは、全国的に晴れの好天に恵まれましたが、投票率は五〇・七%でありまして、これは前回の投票率に比べ一四・三ポイント下回り、残念ながらこれまでの通常選挙の中で最も低いものとなりました。
 次に、立候補の状況について申し上げます。
 比例代表選挙につきましては、名簿を届け出た政党は三十八政党であり、前回に比べ二政党減少しており、その届け出名簿に登載された候補者の数は三百二十九人で、前回に比べ五十六人の減、競争率は六・六倍でありました。選挙区選挙につきましては、候補者数は三百十一人で、前回に比べ二十六人の増、競争率は平均四・〇倍でありました。
 次に、当選人の状況について申し上げます。
 党派別に申し上げますと、自由民主党は比例代表選挙で十九人、選挙区選挙で四十八人、合計六十七人でありますが、追加公認を含めると六十八人。日本社会党は比例代表選挙で十人、選挙区選挙で十二人、合計二十二人。公明党は比例代表選挙で八人、選挙区選挙で六人、合計十四人。日本共産党は比例代表選挙で四人、選挙区選挙で二人、合計六人。民社党は比例代表選挙で三人、選挙区選挙で一人、合計四人。日本新党は比例代表選挙で四人。スポーツ平和党及び第二院クラブは比例代表選挙でそれぞれ一人。諸派・無所属は選挙区選挙で七人となっておりますが、自由民主党に追加公認された一人を差し引きますと六人となっております。
 次に、比例代表選挙の全有効投票に対する党派別得票率は、自由民主党三三・三%、日本社会党一七・八%、公明党一四・三%、日本共産党七・九%、民社党五・〇%、日本新党八・〇%、スポーツ平和党三・一%、第二院クラブ二・九%、諸派七・八%となっております。
 また、選挙区選挙の党派別得票率は、自由民主党四三・四%、日本社会党一二・九%、公明党七・八%、日本共産党一〇・六%、民社党二・三%、連合の会九・七%、諸派・無所属一三・三%となっております。
 最後に、選挙違反の状況について申し上げます。
 投票日後九十日目の十月二十四日現在の今次選挙における検挙件数は四百四十三件、検挙人員は一千十七人となっておりますが、これを前回と比較いたしますと、件数で五十四件、一〇・九%、人員で三百六十八人、二六・六%の減少となっております。
 以上をもちまして、過般の参議院議員通常選挙の結果の報告を終わります。
#163
○委員長(鎌田要人君) 次に、國松警察庁刑事局長、報告をお願いします。
#164
○政府委員(國松孝次君) 第十六回参議院通常選挙における違反行為の取り締まり状況についてでございますが、ただいま自治大臣から御報告がありましたとおり、選挙期日後九十日に当たる十月二十四日現在で集計しました検挙状況は、総数で検挙件数四百四十三件、検挙人員千十七人であります。
 これを罪種別に申しますと、買収三百三件、七百二十五人、自由妨害二十四件、十九人、戸別訪問三十六件、七十四人、文書違反五十七件、百七十四人、その他二十三件、二十五人となっておりまして、買収が検挙事件のうち、件数で六八・四%、人員で七一・三%と最も多くなっております。これら買収事件の中には、買収金額が一千万円を超えるものが含まれており、全体として買収金額の多額化が目立ったところであります。
 また、警告状況を申し上げますと、総数で一万九百四十件でございまして、前回の一万一千三百七十二件と比べますと、ほぼ前回並みとなっております。
 なお、警告事案のほとんどは文書関係についてのものでありまして、総件数の九六・四%を占めております。
 以上、御報告を申し上げます。
#165
○委員長(鎌田要人君) 以上で報告の聴取は終わりました。
    ―――――――――――――
#166
○委員長(鎌田要人君) これより請願の審査を行います。
 第三号企業・団体等の政治献金の禁止等政治資金規正法の改正に関する請願外二百十二件を議題といたします。
 本委員会に付託されております請願は、お手元に配付の付託請願一覧表のとおりであります。
 これらの請願につきましては、理事会で協議いたしました結果、第三号企業・団体等の政治献金の禁止等政治資金規正法の改正に関する請願外二百十二件は保留とすることになりました。
 以上、御報告いたしましたとおり決定することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#167
○委員長(鎌田要人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。午後七時十三分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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