くにさくロゴ
1992/12/03 第125回国会 参議院 参議院会議録情報 第125回国会 予算委員会 第2号
姉妹サイト
 
1992/12/03 第125回国会 参議院

参議院会議録情報 第125回国会 予算委員会 第2号

#1
第125回国会 予算委員会 第2号
平成四年十二月三日(木曜日)
   午後二時三十六分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十一月二十四日
    辞任         補欠選任
     栗原 君子君     清水 澄子君
 十一月二十五日
    辞任         補欠選任
     泉  信也君     野村 五男君
     上野 公成君     井上 章平君
 十二月二日
    辞任         補欠選任
     広中和歌子君     山下 栄一君
     乾  晴美君     古川太三郎君
 十二月三日
    辞任         補欠選任
     古川太三郎君     乾  晴美君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         遠藤  要君
    理 事
                井上  裕君
                石川  弘君
                上杉 光弘君
                柳川 覺治君
                角田 義一君
                村沢  牧君
                山本 正和君
                白浜 一良君
                寺崎 昭久君
    委 員
                井上 章平君
                石井 道子君
               大河原太一郎君
                北  修二君
                志村 哲良君
                下稲葉耕吉君
                須藤良太郎君
                野間  赳君
                野村 五男君
                服部三男雄君
                林田悠紀夫君
                星野 朋市君
                前田 勲男君
                松浦 孝治君
                穐山  篤君
                及川 一夫君
                喜岡  淳君
                久保田真苗君
                小林  正看
                櫻井 規順君
                清水 澄子君
                種田  誠君
                堂本 暁子君
                肥田美代子君
                三重野栄子君
                荒木 清寛君
                猪熊 重二君
                山下 栄一君
                長谷川 清君
                聴濤  弘君
                吉川 春子君
                磯村  修君
                乾  晴美君
                青島 幸男君
                武田邦太郎君
   国務大臣
       内閣総理大臣   宮澤 喜一君
       法 務 大 臣  田原  隆君
       外 務 大 臣  渡辺美智雄君
       大 蔵 大 臣  羽田  孜君
       文 部 大 臣  鳩山 邦夫君
       厚 生 大 臣  山下 徳夫君
       農林水産大臣   田名部匡省君
       通商産業大臣   渡部 恒三君
       運 輸 大 臣  奥田 敬和君
       郵 政 大 臣  渡辺 秀央君
       労 働 大 臣  近藤 鉄雄君
       建 設 大 臣  山崎  拓君
       自 治 大 臣  
       国 務 大 臣  塩川正十郎君
       (国家公安委員
       会委員長)
       国 務 大 臣  加藤 紘一君
       (内閣官房長官)
       国 務 大 臣  岩崎 純三君
       (総務庁長官)
       国 務 大 臣
       (北海道開発庁
       長官)      伊江 朝雄君
       (沖縄開発庁長
       官)
       国 務 大 臣  宮下 創平君
       (防衛庁長官)
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長  野田  毅君
       官)
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長  谷川 寛三君
       官)
       国 務 大 臣  中村正三郎君
       (環境庁長官)
       国 務 大 臣  東家 嘉幸君
       (国土庁長官)
   政府委員
       内閣法制局長官  工藤 敦夫君
       内閣法制局第一  大森 政輔君
       部長
       内閣総理大臣官  石倉 寛治君
       房管理室長
       国際平和協力本  柳井 俊二君
       部事務局長
       警察庁刑事局暴  廣瀬  權君
       力団対策本部長
       警察庁警備局長  菅沼 清高君
       総務庁統計局長  小山 弘彦君
       防衛庁参事官   三井 康有君
       防衛庁防衛局長  畠山  蕃君
       防衛庁経理局長  宝珠山 昇君
       防衛施設庁労務  荻野 貴一君
       局長
       経済企画庁調整  長瀬 要石君
       局長
       経済企画庁総合  田中 章介君
       計画局長
       経済企画庁調査  土志田征一君
       局長
       科学技術庁原子  石田 寛人君
       力局長
       科学技術庁原子  佐竹 宏文君
       力安全局長
       環境庁長官官房  森  仁美君
       長
       国土庁長官官房  藤原 和人君
       長
       法務大臣官房長  則定  衛君
       法務省刑事局長  濱  邦久君
       外務大臣官房外  英  正道君
       務報道官
       外務省アジア局  池田  維君
       長
       外務省北米局長  佐藤 行雄君
       外務省経済局長  小倉 和夫君
       外務省条約局長  丹波  實君
       外務省国際連合  澁谷 治彦君
       局長
       外務省情報調査  鈴木 勝也君
       局長
       大蔵大臣官房総  日高 壮平君
       務審議官
       大蔵省主計局長  斎藤 次郎君
       大蔵省主税局長  濱本 英輔君
       大蔵省関税局長  米澤 潤一君
       大蔵省理財局長  藤井  威君
       大蔵省銀行局長  寺村 信行君
       国税庁次長    瀧川 哲男君
       文部大臣官房長  吉田  茂君
       文部大臣官房総  岡村  豊君
       務審議官
       文部省生涯学習  前畑 安宏君
       局長
       文部省初等中等  野崎  弘君
       教育局長
       文部省教育助成  井上 孝美君
       局長
       文部省高等教育  遠山 敦子君
       局長
       文部省学術国際  長谷川善一君
       局長
       文部省体育局長  奥田與志清君
       厚生大臣官房総  瀬田 公和君
       務審議官
       厚生省老人保健  横尾 和子君
       福祉局長
       農林水産大臣官  上野 博史君
       局長
       農林水産省経済  眞鍋 武紀君
       局長
       農林水産省農蚕  高橋 政行君
       園芸局長
       食糧庁長官    鶴岡 俊彦君
       通商産業大臣官  石黒 正大君
       房審議官
       通商産業省通商  岡松壯三郎君
       政策局長
       中小企業庁長官  関   收君
       運輸大臣官房長  豊田  実君
       運輸省自動車交  土坂 泰敏君
       通局長
       運輸省海上技術  戸田 邦司君
       安全局長
       労働省労働基準  石岡慎太郎君
       局長
       労働省職業安定  齋藤 邦彦君
       局長
       建設省建設経済  伴   襄君
       局長
       建設省都市局長  鹿島 尚武君
       建設省住宅局長  三井 康壽君
       自治省政局選   吉田 弘正君
       挙部長
       自治省財政局長  湯浅 利夫君
   事務局側
       常任委員会専門  宮下 忠安君
       員
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○証人の出頭要求に関する件
○院外における証人証言要求に関する件
○平成四年度一般会計補正予算(第1号)(内閣
 提出、衆議院送付)
○平成四年度特別会計補正予算(特第1号)(内
 閣提出、衆議院送付)
○平成四年度政府関係機関補正予算(機第1号)
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(遠藤要君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 まず、証人の出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成四年度補正予算三案に関し、東京佐川問題について、来る十二月七日午前十時に竹下登君を、翌八日午前十時に佐川清君を証人として出頭を求め、その証言を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、来る十二月七日、竹下登君に証言を求めることにつきましては、同君より同意を得ていることを御報告いたします。
 つきましては、証言を求める事項の通知その他の手続等については、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
#5
○委員長(遠藤要君) 次に、院外における証人証言要求についてお諮りいたします。
 平成四年度補正予算三案に関し、東京佐川問題について、委員を派遣し、渡邊廣康君を証人として来る十二月八日午後三時にその現在場所において証言を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、証言を求める事項の通知その手続等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
#8
○委員長(遠藤要君) 次に、平成四年度補正予算三案の総括質疑に関する理事会決定事項について御報告いたします。
 総括質疑は二日間分とすること、質疑割り当て時間の総計は二百八十分とし、各会派への割り当て時間は、自由民主党及び日本社会党・護憲民主連合九十八分、公明党・国民会議二十八分、民社党・スポーツ・国民連合、日本共産党及び連合参議院それぞれ十四分、二院クラブ及び日本新党七分とすること、質疑の順位についてはお手元に配付いたしておりますとおりでございます。
 以上でございます。
 ただいま御報告いたしました理事会の決定どおり取り運ぶことに御異議ございませんか。(発言する者あり)
#9
○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#10
○委員長(遠藤要君) 平成四年度一般会計補正予算、平成四年度特別会計補正予算、平成四年度政府関係機関補正予算、以上三案を一括して議題といたします。
 三案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。村沢君。(発言する者あり)
 ちょっと速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#11
○委員長(遠藤要君) 速記を起こして。
#12
○村沢牧君 佐川急便のやみ献金、政権誕生に暴力団の介入など、日本の政治の本質にかかわるような問題が発生いたしました。あわせて、政治改革のおくれによって政治不信は頂点に達しております。
 政治家の汚職は戦後、何回もありましたけれども、ロッキード事件で田中元首相の逮捕、それからリクルート事件で宮澤総理あなた自身、さらにはまた竹下元総理の関係、竹下内閣の退陣。もうこうしたことは再び起こしませんと国民に誓ったその背景で共和問題や佐川問題が発生をしておった。そして共和問題では阿部文男元北海道沖縄開発庁長官逮捕、さらには今回の佐川事件では竹下元首相あるいはまた金丸元副総裁。このようなまさに政界の中枢とも言われる人たちがこうした問題を起こしているのであります。
 総理、どうしてこういう問題が起きるというように思うんですか。あなた自身の問題も含めてどのように感じておりますか。
#13
○国務大臣(宮澤喜一君) 政治家と金の問題あるいは政治家のあり方の問題につきまして、このたび再び御指摘のような事件に関連をして国民から厳しい批判を受けております。このたびの国民の政治に対する批判は、今までとまた異質な、異常なまでの批判の厳しさであるというふうに考えます。これはもとより私ども政治にあります者の一人一人の倫理、モラルの問題でもございますけれども、また国民が指摘しておられることは、それにさらにそのモラルを担保するための制度的な改革、いわゆる政治改革が国民の希望せられるような成果をおさめていないということについての批判もまた厳しゅうございまして、これに対処するためには、やはりお互い我々政治家の倫理を厳しくするとともに、また政治改革についてできるだけ速やかにその成果をおさめてこれを実行することが大事であるというふうに考えております。
#14
○村沢牧君 総理の答弁では満足いたしませんが、だんだん聞いてまいりましょう。
 国民の怒りと不満は連日いろいろな行動となってあらわれております。特に、住民と一番身近にある地方の議会が、佐川事件の究明と政治改革について多くの意見書や決議書が出されております。自治省、この実態を報告してください。
#15
○国務大臣(塩川正十郎君) お答えいたします。
 府県で四十一団体、市町村で約千団体であります。
#16
○村沢牧君 府県で四十一、市町村で千の団体、地方議会がこうした意見書、決議書を寄せておるんであります。今答弁があったように、たくさんな議会が政府に対して要請をしておる。しかも、この決議のほとんどは、九月地方議会が終わった後臨時議会を開いて、そうして決議をしておるんです。十二月の議会も始まってまいりますから、さらにふえるでありましょう。
 総理、こうした地方議会の決議を見てどう思うんですか。
#17
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほども申し上げましたが、このたびの政治不信というのはまことにかって例を見ないものでございますが、それが全国津々浦々に国民の批判となり関心となっておりますために、ただいま仰せのような地方自治団体の決議にもそれが反映されてきているものというふうに考えます。
#18
○村沢牧君 自治大臣、あなたはこの地方議会のこんなにたくさんな決議を見て、どうしなければならないと思うんですか。
#19
○国務大臣(塩川正十郎君) これだけのそれぞれの地方団体が決議をしているということは、重大なことだと思っております。したがいまして、政治改革につきましては、議会だけではなくして、政府も同様、全国民的課題としてこれにこたえるべきだと思っております。
 つきましては、先日衆議院におきまして、各党協議の上におきまして政治改革に関連するところの各項目、すなわち選挙制度並びに政治資金関係に関しまして二十一項目、並びに選挙制度に関します九増十減の法案等、本日、先ほど衆議院において可決いたしたところでございますが、これをぜひ参議院においても早期に可決していただきまして、政治改革が一歩でも前進するように我々も最大の努力を尽くしていきたい、こう思っております。
#20
○村沢牧君 政治改革に関する法案などはもっと早くやりなさいと、後ほど指摘していきますが、やっと今出たところじゃありませんか。この問題は後ほど指摘をいたしましょう。
 総理、政治家の金にまつわるスキャンダルが後を絶たない。まことに恥ずかしいことです。外国からは、日本という国はどういう政治が行われている、軽べつされ国際不信は高まっているんです。新聞の世論調査を見ても、政治を信頼しない、また宮澤首相を支持しない国民は八割以上になっている。
 総理、日本の政治の根幹にかかわるようなこうした汚職事件が次から次へと発生する、これに対して政権政党の党首として責任を感じ、国民に申しわけない、こういう、頭を下げるその気持ちはありませんか。そうして、こうした信頼を取り戻すためにはすべての努力を傾注しなければならない。いかがですか。
#21
○国務大臣(宮澤喜一君) 御指摘のとおりでございます。そのことは所信表明におきましても申し上げまして、国民にもおわびを申し上げたところでございます。
 なお、政治改革、確かにできるだけ早くと存じました。実は前国会において成立すべかりしものであったと思います。いろいろな御事情でそれが延びましたことは残念でございましたが、今国会におきましてはひとつぜひ成立をさせていただいて、実行いたしたいと思います。
#22
○村沢牧君 今回の事件を反省して抜本的な政治改革を実現させるためには、まず第一に真相を徹底的に解明すること、次に政治責任を明らかにすること、その中で、再びこのような汚職事件が発生しないように、政治腐敗をなくするために政治倫理の徹底と法律や制度を整備しなければならないと思いますが、総理の見解はどうですか。
#23
○国務大臣(宮澤喜一君) 御指摘のとおりに思っております。
#24
○村沢牧君 衆参の本会議、そして衆議院の予算委員会あるいは証人喚問で佐川事件の真相が解明されたと総理はお思いになりますか。また、政治責任が明確になったと思うんですか。
#25
○国務大臣(宮澤喜一君) 政府におきましては、おのおのつかさつかさがこの問題につきましての捜査、調査等をいたしておりますし、また一部は既に公判係属中でございます。
 他方で、国会におかれましても国政調査の立場から、これにつきましては、既に衆議院におかれましては証人を呼ばれ、あるいは出張して尋問をされる等々のことが行われております。国会におかれましてもそのおのおののお立場からこの真相解明に当たっておられることをよく存じておりますし、またそれは国民に向かって、この出来事の真相を国民が知る上から、国会におけるそういう解明の御努力というものは極めて重要な意味を持っておるものというふうに考えております。
#26
○村沢牧君 真相を解明することが重要であることはもちろんであります。
 私がお聞きしたことは、総理もずっと衆議院の予算委員会、本会議におられまして、こうした論議を通じて真相が解明されたと思うんですか。
#27
○国務大臣(宮澤喜一君) 国会におかれましては国会のお立場と権威に基づいて真相解明に努力をしてこられましたし、また証人等につきましては、私が拝見をしておる限りにおいて、真摯に国会に対して証言をせられたというふうに存じます。
#28
○村沢牧君 真相はほとんど解明されておらない。政治責任も明確にされておらない。後ほど指摘してまいりましょう。
 こうした事件の真相を一番よく知っておるのは、また関係しているのは自民党の議員の諸君です。総理は自民党としても真相解明に努めるというふうに答弁をしておりますが、どのように努力をされておるんですか。
 自民党が機敏に対応したのは、七人の自民党議員が名前を明らかにされたとき検事告訴などと言って決起したこと。これは機敏に対応した。
 佐川事件について、自民党としての解明、現状について報告してください。
#29
○国務大臣(宮澤喜一君) 執行部に対しまして解明の努力をするようにということは申してございまして、ただいま言われました点は、既に一つそういう問題がございましたけれども、全体として申しますと、事件そのものがただいま捜査中であるといったようなことがございますために、それと並行して自民党内で調査をするということも、これもいかがなものであろうか、お一人お一人の立場ということも考えなければなりませんので。
 したがいまして、これはいろいろな捜査、調査が一つの段階を迎えました後、自民党におきましてさらに解明すべきものがあれば解明をしなければならない。ただ、並行してやるということには実際上いろんな点で困難がございますので、もう少し時間を待ってというふうに考えておる部分が幾つかございます。
#30
○村沢牧君 私は、七人の自民党の議員の皆さん方の名前が挙がった、その真相を究明しようと言っているんじゃない。自民党として佐川事件全体の究明をしなさい、そのことなんです。もう一回答弁をお願いします。
#31
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいまそのことにつきまして申し上げたわけでございます。
#32
○村沢牧君 何もやってないようでありますから。
 官房長官、七人の自民党の政治家の名前が挙がった、総理から何とかしなさいという指示を受けて、官房長官としてはどういうことをしたんですか。検事を告訴するとか告発するとかという話があったときに、何か政府として検討するというような指示を受けたことはありませんか。どういうことをやるというんですか。
#33
○国務大臣(加藤紘一君) そちらの方は党のことでございまして、党で告発するとかしないとかという場合に、官房長官は直接タッチはいたしません。
#34
○村沢牧君 総理の今日までの態度を見ておりますと、こうした事件の真相を解明するその気迫と指導性がない。総理の答弁を聞いておりましても、これが真相解明をしようとする人の言葉がと疑わしくなる問題があります。
 総理は、所信表明演説で、「志は易きを求めず、事は難きを避けず」と名言をおっしゃっております。こうしたときにこそこういう名言を実行に移すべきときであります。どうですか。自民党の真相解明の責任者として、もう一度、自民党は一体真相解明にどういうことをやっているのか答弁してください。
#35
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほど申し上げましたことを繰り返すわけでございますが、事件そのものは現在検察当局が捜査中のものもございます。また、国会において証人として証言を求められる方もおられるわけでございますから、そういうことを考えてまいりますと、私どもの党内における真相解明、これは完全に秘密のうちに行うということは事実上難しゅうございますから、それはある程度外に出るということを考えておかなければなりません。
 そういたしますと、片方でそのようなことが進行しておりますから、党内の解明というのはおのずからしかるべきときにしかるべき方法で残った問題があればいたさなければならない、こう思っておるわけでございます。
#36
○村沢牧君 先ほど総理は、政府においてもつかさつかさでそれぞれで真相解明に努力しておるとおっしゃいました。政府としてつかさつかさでどのような取り組みをしているんですか。
#37
○国務大臣(宮澤喜一君) それは例えば検察、警察、あるいはまた国税当局の場合もあろうかと存じますけれども、こういうことにつきましての権限と責任を持っておる各官署におきまして、当然なすべき務めを果たしつつあることは御承知のとおりと存じます。
#38
○村沢牧君 戦後の疑獄事件を見ますると、造船疑獄だとか大阪タクシー汚職、日通事件、ロッキード事件、砂利船汚職事件、そして佐川急便と、運輸省に絡んだ事件が非常に多いんですね。
 総理、この運輸業界、運輸省、そして政治家とのつながり、土壌を洗い直すことによって、なぜこうした事件が起こるかということも解明できるんであります。つまり、運輸省は許認可事項が非常に多い。そして、運輸省に対して業者は利益を追求するために政治家に接近し、そこに金が流れる。こうしたパターンが続いているんです。佐川の渡邊廣康元社長は、私には金丸、竹下がついている、警察は私を逮捕することができませんよと、こう申しているんじゃありませんか。ですから、こういう運輸業界、運輸省の行政に対してもっと関心を持たなければならないが、どうですか。
#39
○国務大臣(奥田敬和君) 御指摘のように、運輸省は許認可の一番多いことも事実でございます。しかしながら、人の今、物、そういった形の輸送といいますか、流通に携わっておる国民生活に最も密着した影響のある官庁でございますから、この点についてもできるだけ許認可の体制を緩和していくという方向で努力をしておるわけでございますけれども、そういった形で御批判の多いことは事実でございます。現に、情勢に応じて先般来、物流二法を初め、できるだけそういった許認可の業務を緩和していくという方向の中で見直しを行っていることもぜひ御理解賜りたいと存じます。
 また、現在運輸行政の責任者として私の名前もちょろちょろ出ておる形の中で、非常に遺憾に思い、反省もいたさなきゃならぬと自戒しておりますのですけれども、この東京佐川事件をもって現在の数百万に及ぶ物流業者、働いておる立場の人たち、そしてまた運輸省職員四万余の士気にかかわるこの形はまことに遺憾であります。
 東京佐川事件の真相解明はもう不断に努力しなきゃならぬことは当然でございますけれども、私は今回の東京佐川事件は、運輸行政そのものと直接そういった形でのかかわりのないケースで起こっておる事件であるという形で、現在佐川で従事しておる数万の職員も含め、こういった形には温かいとまでは言いませんけれども、配意を賜りたいと特にお願いを申し上げたいと存じます。
#40
○村沢牧君 佐川に働いている皆さん方には温かい気持ちを私も持ちますが、しかし、佐川急便という会社は一体どういう会社だと国民は関心を持っておるんですね。
 そこで、運輸省、労働省、国税庁、佐川急便会社を法令、通達などによって検査されて、その違反事件の実態について報告してください。
#41
○政府委員(土坂泰敏君) 佐川急便グループに対しましては、運輸省で過去二回特別監査を行いました。一回目の監査は六十一年から六十二年にかけて全社を対象に実施をいたしております。その結果明らかになりました道路運送法違反につきましては、七十七社に対しまして延べで五千七百二十五日車の車両使用停止処分などを行っております。二回目は平成元年に、主管店と言っております主な支店を中心に十三社の監査を実施いたしました。その結果明らかとなりました道路運送法違反につきましては、十一社に対し延べ五百七十三日車の車両使用停止処分を行いました。
 これらの結果認められました道路運送法違反の主なものは、運転者に対して点呼を確実に実施していないとか、あるいは乗務記録を適正に行っていない、あるいは長時間労働をやっている、こういったような実態でございました。これらに対しまして、今申し上げましたような厳しい処分をしたところでございます。
#42
○政府委員(石岡慎太郎君) 佐川急便グループ所属事業場に対しましては、自動車運転者の法定労働条件の履行の確保を図るため、昭和六十二年から本年まで五回にわたりまして、同グループの主管店を中心に全国一斉監督を実施してきたところであります。
 このうち、結果が出ております平成三年十一月に実施した監督結果を見ますると、監督指導を実施いたしました五十一事業場のうち四十六事業場において、労働基準法等関係法令に照らし何らかの法違反が認められたところであります。
 これらについて法条項別に主な法違反の状況を申し上げますと、就業規則に係る違反が最も多く、三十四事業場において認められ、次いで労働時間に係る違反が二十七事業場、健康診断に係る違反が十七事業場、割り増し賃金に係る違反が十三事業場で認められたところであります。
#43
○政府委員(瀧川哲男君) 佐川急便グループで査察事件で刑事裁判になったものについてお答えしたいと思います。
 まず、昭和五十二年に福岡国税局が九州佐川急便株式会社につきまして、高松国税局が株式会社佐川急便につきまして、大阪国税局が佐川急便株式会社及び大阪佐川急便株式会社につきまして、それから東京国税局が東京佐川急便株式会社、前の渡邊運輸株式会社ですが、につきまして、それぞれ法人税法違反の疑いによりまして、国税犯則取締法に基づきまして強制調査を行いました。それぞれ大阪地方検察庁あるいは東京地方検察庁に告発して、その後それぞれ有罪が確定しております。
 また、昭和六十年に大阪国税局が佐川印刷株式会社につきまして、同じく法人税法違反の疑いによりまして強制捜査を行いまして、京都の地方検察庁にこれを告発しまして、その後有罪が確定いたしております。
#44
○村沢牧君 運輸省、労働省、監査や指導はやっていますが、法律に基づく処分は今発表した違反の中でどの程度やっておるんですか。
#45
○政府委員(土坂泰敏君) ただいま申し上げましたように、第一回目の監査で延べで五千七百二十五日車の車両使用停止処分を行ったと申し上げましたが、これは道路運送法に基づく車両使用停止処分、法律に基づく処分でございます。それから、二回目も同様に五百七十三日車の車両使用停止処分、これを法律に基づいて行いました。
 なお、一回目は、申し落としましたけれども、一社に対しまして事業の一部停止処分も行っておるところでございます。
#46
○政府委員(石岡慎太郎君) 先ほど申し上げました全国一斉監督の結果、違反がありました事業場に対しましては、是正勧告をいたしまして法違反の状態を是正し、その結果も報告させているところでございます。
#47
○村沢牧君 本年四月二十三日の平成三年の佐川急便に対する監査結果を報告してください。
#48
○政府委員(土坂泰敏君) 平成三年には長岡佐川急便に対しまして五十四日車の車両停止処分を行ったところでございます。
#49
○村沢牧君 そういう検査、監査はやったけれども、その結果はどうだったのか、どういう違反があったのか、聞かしてください。
#50
○政府委員(土坂泰敏君) 具体的な違反で一番多いのは、運転者に対する点呼を確実に実施していない、次に乗務記録を適正に行っていない、それから長時間労働など過労防止の義務に違反している、こういった違反が一番多かったということでございます。
#51
○村沢牧君 いろいろ検査をしておるんですが、そうした検査結果を発表した五日後に、運輸省は本年四月、佐川急便中核六社の合併を認可した。この合併については本予算委員会でもいろいろ論議になったところでありますが、合併に当たって、審査概況を見ると、すべて適切だと判断しているんですね。労働省のいろんな調査では九〇%近くの労働基準法違反。それにもかかわらず運輸省が適切と判断したのはどういうことですか。
#52
○政府委員(土坂泰敏君) ことしの四月二十八日に中核六社の合併の認可をしたわけでございますが、その際重要なポイントになりましたのが、一つは財務面できちんと会社が成り立っていくかどうかということでございますけれども、もう一つ同時に、いわゆる運行管理面で適正にきちんとやっていけるかどうかという点も大事な点でございました。
 この点につきましては、いわゆる合併の認可基準というのが決められておりますので、それに照らしてきちんと基準に合っているかどうかということをまず確認いたしました。それと同時に、現場を調査するということで、現場に行って一種の立ち入りをしたわけでございますが、その結果やはり違反が確認をされました。したがいまして、その違反については是正をお願いいたしまして、会社側からこれについては、例えば車両を減車しますとか、あるいは作業要員をもっとふやしますとか、そういう格好で、これからいわゆる基準をきちんと守っていくための改善措置というのを出していただきました。
 したがいまして、私どもはそれをきちんと守っていただくというお約束のもとに合併の認可をした、それがことしの四月二十八日でございました。
#53
○村沢牧君 これから守ってもらうために適切という判断をした、それで合併の認可をした。守ってもらうということを約束して適切ということはおかしいじゃないですか。いろいろ違反事件がいっぱいあった。労働基準法なんかは九〇%近くの違反がある。その会社が適切だと。どういうことでしょうね。
#54
○政府委員(土坂泰敏君) 佐川が法律の違反を繰り返してきたわけでございますが、その都度私どもは、先ほど申し上げましたように、監査もし、厳正な処分も繰り返しております。
 それから、国会での御指摘なども踏まえまして、こういう違反を繰り返す背景になっていると私どもが考えましたいわゆる賃金であるとか労働時間管理であるとか、そういう事業運営のあり方そのものについても改善をお願いいたしまして、徐々に改善が進んできていると思います。その延長の上で合併の認可申請が出てまいりました。
 したがいまして、私どもはそれが基準に合うことを確認した上で、さらに違法な状態については是正をしていただくというお約束をした上で、それで認可をした、そういういきさつでございまして、これを今回はきちんとやっていただかなければいけない。その点につきましては、実はことしの十月一日から三回目の特別監査を行っているところでございまして、そういうお約束をいただいた事項を本当にきちんとやって、会社の再建を図っていただけるかどうか、これから確認を合していただいているところでございます。
#55
○村沢牧君 設立した当時は小さな運送屋にすぎなかった佐川急便が短い年月で日通に次ぐような業界第二の運送業に急成長した背景には、今話があったように、道路運送法初めいろんな法律違反をしている、まさに法律違反の常習者と言えるような会社に、私から言わせれば監督官庁のなまぬるい対応ですね、運輸省の漏れてはならないはずの内部文書が佐川急便に筒抜けになっていたことや、あるいは佐川が運輸省の役職員に多額のせんべつを贈っていた、こうしたことが見られるように、まさに癒着と言われても仕方がないようなことがたくさんあるんです。監査や処分も甘い、なまぬるい。
 運輸大臣、そして労働大臣、どういうふうに考えますか、どうしようとするんですか。
#56
○国務大臣(奥田敬和君) 佐川は昭和三十二年、本当に京都−大阪間のいわゆる便利屋さん式な飛脚便から、昭和四十年にようやく免許をもらった業者、しかもわずかの間に大変な急成長を遂げてまいりました。
 その背景を探査いたしますと、やはり売り上げ本位と申しますか、そのことだけに走って、はっきり言って行儀の悪い、法律的には遵法精神の乏しい会社であったということは、これは御指摘のとおり、実態として浮かび上がってきております。
 それだけに、今回のこういった形の行政的な監査も通じまして、私は運輸省としてはそれ相応に厳正に対応してきたと思っておりますし、今日もそれを信じておりますけれども、非常に手の込んだ形で、一例を挙げますと、路線業者というのは大手で積み合わせが自由でございますけれども、区間業者、区域業者というのはこれまで法的に非常に厳しい許可が必要でございました。したがって、都市計画上の開発許可が当然必要な、路線業者には要りませんが区域業者には要る、ところが路線業者でつくって申請をして、法的にはきっちりやっておる。ところが、いつの間にかリースの形式と申しますか賃貸形式と申しますか、いつの間にかそれが区域業者の営業所に変貌してきておるという形のケースも実は数多く本委員会でも指摘されてきたところでございます。
 そういった意味において、売り上げと能率と、そういったサービス面、売り上げ面を強調する余りいろいろな面で、道路運送法上もまた建築、都市計画開発許可をめぐる問題においても、あるいは労働基準の問題においても、幾多の形で御指摘されるような事態を招いてきたということは、行政指導官庁として本当に残念に思っております。
 今後もこれらが改善されていくべく厳正に対応してまいるということをぜひ御理解賜りたいと存じます。
#57
○国務大臣(近藤鉄雄君) ただいま労働基準局長から報告をいたしましたが、昨年、全国一斉監督指導があったわけでございますけれども、労働基準法等関係法令違反が相当件数わかりましたものですから、この是正を求めると同時に、ことしの五月には佐川急便会社代表取締役を本省に呼びまして、労働基準局長から労働者の労働条件の改善に対しまして直接指導を行いました。六月、同社から改善について報告がなされたところでございます。
 なお、ことしにおいても、佐川急便グループ所属事業所のうち主管府及び主要な事業所を中心に、十一月四日から六日にかけて全国一斉の監督指導を実施したところでございます。
 今後は、この監督指導の結果に基づきまして的確かつ厳正に対処してまいりたいと考えております。
#58
○村沢牧君 総理、竹下政権誕生の舞台裏で右翼、暴力団が関与していたことをお認めになりますか。
#59
○国務大臣(宮澤喜一君) これは、かつてのいわゆる検察の冒頭陳述におきましては、そういうことを直接には述べておらないと存じます。
 それから、衆議院におきましての証言におきましては、ちょっと今正確に言葉を申し上げることができませんが、そのようなことはなかったと信ずるということを竹下証人が言っておられたかと存じます。
#60
○村沢牧君 それは違いますね。
 証言でなくて、今まで論議をずっと聞いておったでしょう。そこで、この政権誕生に右翼、暴力団が絡んでおった、そのことをあなたはお認めになりますか。
#61
○国務大臣(宮澤喜一君) 九月二十二日の東京佐川事件の冒頭陳述において東京地検は、渡遷被告人がかねて交際のあった政治家がいわゆる右翼団体の活動に苦慮していることを知り、この件の解決を石井に依頼し、同人の尽力により同団体がその活動を中止した旨を述べております。これが私のこれにつきましての知っております正確など申しますか、冒頭陳述における叙述でございます。
#62
○村沢牧君 私はそんなことを聞いているんじゃなくて、総理もこの事件に非常に関心を持っておられる。そして、今までの衆議院の委員会でもずっとその席へ座っておられたんですね。その中で、いろいろ論議の中でこの政権誕生に右翼、暴力団が絡んでおったと思うのか、おらないと思うか。
#63
○国務大臣(宮澤喜一君) そこは大変正確に申し上げなければなりませんが、私が知っております限りでは、その絡んでという意味はどういうふうに考えるかにもよりますけれども、そういうことを正確に述べられたということを私はきょうまで聞いておりません。それにつきましてはいろんな報道もございますし、また多くの人が多くの印象を持っておるということは存じておりますけれども、正確にどこでそのようなことが言われたかということにつきましては、私ここで申し上げるような意味での正確な知識は持っておりません。
#64
○村沢牧君 総理、そのような御答弁では、真相の解明をあなた努力すると言ったってそれは無理だろうし、そんな姿勢だからいけないと思うんですよ。あなたは所信表明演説で、暴力団でまことにこれは遺憾だと、政治家がこのような集団にかかわりを持つべきでないと。こんなことは今まで所信表明演説で言ったことないんですよ。何か意識があって言ったんでしょう。何のためにこんなことを言ったんだ。
#65
○国務大臣(宮澤喜一君) もとより政治家が暴力団等にかかわりを持つべきではないということを申し上げております。しかし、そのことは、それが具体的にどこかでそういうことがあったということを非常に厳密な意味では踏まえて申し上げておるわけではありません。
 と申しますのは、私が申しますればそれははっきりそういう事実がだれかによって証明される、あるいは疑いもなく事実として指摘されなければならないわけでございますけれども、いろいろな報道あり、いろいろなうわさもあり、いろいろな疑惑もあろうと思いますが、今日までのところそういう事実が動かしがたいこととしてあったという、そういう動かしがたい表現というものは私は聞いておりません。
#66
○村沢牧君 所信表明演説というのは大事な演説ですね。今まで所信表明演説で余り暴力団のことを触れた演説を私聞いたことないんですね。今回の所信表明演説で暴力団、こんなものにかかわり合っちゃいけないという、あなたそういう演説をしていらっしゃったですね。それは何を意識してそういうことを言ったんですか。
#67
○国務大臣(宮澤喜一君) こう申し上げております。「このたびの事態に関連して、政治家と暴力団との関係について指摘がなされておりますが、およそ政治家がこのような集団とかかわりを持つべきでないことは言うまでもありません。」、これが私が所信表明で申し上げたところでございます。
 そういう指摘があるということを私は申しておりますけれども、ここにこういう事実があったということまでは存じませんのでこういうふうに申し上げておるわけです。
#68
○村沢牧君 それは、このたびの事件とは何を意識したんですか。
#69
○国務大臣(宮澤喜一君) おのずからこれはいわゆる佐川事件ということを前提にして申し上げております。
#70
○村沢牧君 総理、そのような御答弁でもって国民は納得するというふうに思いますか。佐川事件の中で暴力団に関係しておる。今までずっと論議しているじゃありませんか。政権誕生のときにこうしたことがかかわりが起きたんですよ。政権誕生のときに暴力団が関与しておったと。かかわりを持ったことが悪いと言いましたから、それじゃ関与したと、関与しておったとも言ってもいいですね。どうでしょうか。
#71
○国務大臣(宮澤喜一君) ここは私も非常に正確に申し上げなければならないところでございますけれども、この所信表明では「このようなときに、いわゆる東京佐川急便事件」と申し上げておりますから、これについて言っておるわけですけれども、その暴力団が関与をしたということについて、どこでだれがどのような関与をしたかということについて、私は、正確に疑いもなく述べられた、証拠立てられたということを承知していないものでございますから、私自身の立場からいえば、その辺はそういうことを聞いておる、そういうことが言われておるというようなことで御答弁を申し上げるわけにはまいらない。否定をしておるわけではございませんですよ。否定をしておるわけではございませんが、肯定するに足る事実というものを示されておらないというところは、これは正確に申し上げておかないといけないと思います。
#72
○村沢牧君 そのことはだんだん私これから追及していきましょう。
 その前に、右翼あるいは暴力団の組織、構成員、活動状況あるいは取り締まり、暴力団対策法ですか、この法律による指定状況について説明してください。
#73
○政府委員(廣瀬權君) お答えいたします。
 まず、右翼、暴力団の組織、構成員、最近の活動傾向等でございますが、暴力団は、本年一月一日現在、全国で約三千五百七十組織、その構成員は約六万三千八百人であります。
 現在の暴力団は、民事介入暴力等の形で国民の日常生活に介入し、さらにみずからが支配する企業等を通じまして表の経済社会にも進出してきておるところでありまして、市民生活の安全と平穏に対する重大な脅威となっているところであります。
 警察におきましては、暴力団対策法の施行を契機にいたしまして、警察の総力を挙げまして暴力団犯罪の取り締まりを強力に推進しているところでございますが、本年十月未現在で暴力団構成員一万三千九十七人を検挙しているところでございます。
 一方、右翼でございますが、その消長は大変激しく、その実態を明確にすることは困難なところがございますが、全国で約九百八十団体、十二万人くらいではないかと見ております。右翼の取り締まりでございますが、本年十月末現在で二百四十六人を検挙しているところでございます。
 御質問の二番目の暴対法によります暴力団の指定状況でございますが、これまでに十団体を指定いたしております。
 具体的に申し上げますと、五代目山口組、これは構成員が二万三千百人でございます。それから稲川会、約七千四百人。住吉会、約八千人。四代目会津小鉄、約一千六百人。五代目合田一家、約三百七十人。二代目工藤連合草野一家、六百人。四代目共政会、約三百三十人。三代目旭琉会、約四百三十人。沖縄旭流会、約五百七十人。四代目小桜一家、約百九十人。これら十団体を指定したところでございます。
 これによりまして、全暴力団構成員、先ほど申し上げました約六万三千八百人でございますが、そのうちの約六七%に暴力団対策法の網がかかったということになります。
#74
○村沢牧君 今答弁があったのを聞いていますと、稲川会だとか会津小鉄、これは法によって指定されておりますから、暴力団である。大島竜aが率いる日本皇民党は、これは右翼というのか政治団体というのか。また、これらの組織、構成、活動状況について述べてください。
#75
○政府委員(菅沼清高君) お答えいたします。
 日本皇民党は、昭和四十七年十一月ごろに結成されまして、これまで反共運動を中心に皇室問題、領土問題、その他内外の諸問題をとらえて活発な活動を展開しておりまして、いわゆる右翼団体と見ております。また、昭和五十五年五月二十二日に政治団体としての届け出も行っているというように承知をいたしております。
 皇民党がどういう組織がということでございますけれども、総本部を香川県の高松市に置いておりまして、大阪、愛知等に支部を有しまして、構成員は約三十人というように見ております。これまで日教組大会、全教大会反対行動に出動したり、あるいは北方領土返還を訴える街宣などを行っております。また、最近では天皇陛下御訪中問題をとらえまして、天皇陛下訪中反対全国キャンペーンに取り組んだというように承知いたしております。
#76
○村沢牧君 日本皇民党が政治団体である、活動しておるとするならば、政治団体の届け出があり、収支の報告が出されているはずでありますが、自治省、報告してください。
#77
○政府委員(吉田弘正君) 御質問の団体は、政治結社日本皇民党の名称で昭和五十五年五月に自治大臣に設立届が提出されております。また、収支報告もそれ以降出ております。
#78
○村沢牧君 収支報告の中身は。
#79
○政府委員(吉田弘正君) 最近の、六十二年ぐらいから……
#80
○村沢牧君 いわゆるこの事件が発生したところから。
#81
○政府委員(吉田弘正君) 六十二年分でございますが、その収支報告は、収入額で七百九十六万六千六百九十三円でございます。支出額も収入額と同額でございます。六十三年でございますが、収入額一千二万三千三百五十一円。支出額も同額でございます。それから、平成元年分は九百二十五万四千百二十三円。支出額も収入額と同額と報告をされております。
#82
○村沢牧君 収支報告をお聞きしたんですが、今答弁ありましたように、一千万以下ですね。皇民党があれだけ派手な街頭宣伝を行うには、私はああいうの幾らかかるか知りませんが、一億円ぐらいはかかっただろう、こういうことを言われる人があるんですね。一体その金はどこから出たんだろう。警察はこういうことを調査したことはございませんか。
#83
○政府委員(菅沼清高君) お答えいたします。
 一般的に、右翼の資金活動はその規約等によりますと、会費、事業収入その他寄附等によって賄うとしておりますが、その実態は団体によりましてさまざまでございまして、詳細は把握いたしておりません。
 お尋ねの日本皇民党につきましても、その資金活動の実態の詳細は把握いたしておりません。
 なお、ちなみに日本皇民党の規約を見てみますと、その第八条なるものに「本党の経費は、党員の会費及び有志の寄附金をもって充当する。」というようになっております。
#84
○村沢牧君 渡邊被告の調書に、先ほど総理が読み上げたんですが、その冒頭陳述で、かねて交際のあった政治家がいわゆる右翼の活動に苦慮しているということを知ってこの件の解決を石井に依頼した、それで石井が同年十月ごろ同団体にその活動を中止させた。冒頭陳述で、総理さっき読まれたことですね、かねて交際のあった政治家とは、これは検察で調査をしていると思いますが、どなたですか。
#85
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 渡邊被告人らに対する特別背任事件の公判廷におきまして、取り調べられた供述調書によりまして金丸前議員であるとの立証がなされたものと承知いたしております。
#86
○村沢牧君 次は、その前に法務省にお尋ねをし、お聞きもしたいんですが、実は私はこの質問をするに当たって参議院予算委員会の理事会の了解を得て、各被告の調書の私が知りたい部分について資料を出していただきたい、これは出していただきました。なかなか珍しいことだと思います。
 ところが、今届いたところでありますものですから中身を詳細に読んでいることができないのであります。したがって、まことに申しわけないんですけれども、このかねて交際のあった政治家が依頼をした、渡違被告の供述が、これはうんと見ればわかるけれども、今届いたところですから、ちょっとその内容を知らせてもらえませんか。
#87
○政府委員(濱邦久君) 今、委員仰せになられましたとおり、委員会からの正式の御要請によりまして、法廷で明らかになった範囲のものにつきましては御報告を申し上げるということで、私どもの方もそういう形で国会の国政調査に御協力するという考えでおりますけれども、今委員仰せになっておられる事柄、できればその事項を特定していただかないとちょっとお答えしにくいものでございますから……
#88
○村沢牧君 渡違被告の供述の中で、金丸さんや渡邊さんが集まって、一緒になって皇民党の問題困っておる、何かこれを抑えてもらいたいという会合をした、その渡邊被告の調書なんです。
#89
○政府委員(濱邦久君) 結局、委員がお尋ねになっておられますのは、皇民党の街宣活動中止を石井会長に頼んだ経緯について渡邊元社長がどういう供述をしているかという御趣旨がと思うわけでございます。
 法廷で朗読された調書によりますと、渡邊元社長の検察官調書には、石井会長と面談し、前日の金丸先生の依頼というのは、これはその調書の趣旨から皇民党の街宣活動中止の依頼ということのようでございますが、金丸先生の依頼をそのまま告げたという記載がございます。
#90
○村沢牧君 私は、後日この調書を見て御質問申し上げたいんですが、先日、金丸さんの臨床尋問で、青木伊平竹下元首相秘書や中尾宏元衆議院議員と一緒に渡遷被告に会った、内容は覚えてない。青木氏、中尾氏がいろいろ知恵を出したのではないか、皇民党押さえ込みに、皇民党の褒め殺しを封じるためにそういう知恵を出したのではないかというふうに言っているんですね。そして金丸さんは、稲川会の石井進前会長がかかわったことを知ったのは昭和六十三年十二月二十三日と言っていますから、これは一年以上までたっても知らなかった、一年以上たって知ったということになるわけですね。これは渡違被告のこの検事調書と大きく食い違っておるんですね。青木氏や中尾氏は既に亡くなっており故人になっておる。
 検察当局は五億円の関係で告発を受けて金丸さんの事情聴取もしたのでありますけれども、こうした点についても調査をしているんでしょうか。
#91
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 委員お尋ねになっておられますのは、現在東京地方検察庁が告発を受けて捜査している事件の捜査の過程において金丸前議員の取り調べをしたのかという御趣旨、あるいは仮に取り調べたとすればその内容はどうかという御趣旨のお尋ねかと思いますけれども、いずれの点につきましても、現在東京地検が告発を受けて捜査しているところの事件の捜査の内容でございますので、これはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。
#92
○村沢牧君 内容をここで言ってくれというのもなかなか難しいのでありましょうが、金丸さんが五億円問題でどこへ使ったかということで告発を受けてから、金丸さんからも事情聴取をしたというふうに思いますね。その際、こうした暴力団関係についても聴取をされたかどうかです。中身は別です。
#93
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 先ほどお答え申し上げましたように、金丸前議員の取り調べをしたのかどうかということにつきましてもお答えを御遠慮させていただきたいわけでございます。
 ただ、一般論として申し上げますれば、委員も御案内のとおり、現在東京地検が告発を受けております事実は、政治資金規正法違反あるいは所得税法違反等多岐にわたる事実について告発を受けているわけでございまして、その関係で必要な事項については当然関係者の取り調べをするということは申し上げられると思います。
#94
○村沢牧君 いろいろ証人から供述をいただいておりますが、渡邊被告にしても渡違被告の調書と随分違っておるところがありますから、これはまた改めてそれぞれの立場、またはそれぞれの場所でお聞きしたいと思います。
 ところで、運輸大臣、あなたは佐川急便の佐川清会長、渡邊元社長とはどういう関係ですか。
#95
○国務大臣(奥田敬和君) どういう関係といって、面識はあります。
#96
○村沢牧君 あなたの地元秘書の給料が二年五カ月にわたって北陸佐川急便から支払われておる。この予算委員会でも追及されたことですね。この始末はどうなったのか。また、あなたは本年九月ごろまでは、渡邊元社長から企業献金を受けたことはないが、渡邊個人からの献金については今は答弁を差し控えさせていただきたいという発言をしていましたが、これはどういうことを意味していたんですか。
#97
○国務大臣(奥田敬和君) まず第一点目の、中西利雄、今現在は金沢市議会議員でございますけれども、昭和六十三年春から平成二年夏まで北陸佐川急便から年間約三百万円くらいの給与を受け取っておったという事実指摘を本委員会の上田委員の御質問で御指摘を受けました。事実そのとおりでございます。
 しかし、簡単に申し上げますけれども、私の実弟が金沢におり会社経営をやっております。その親しい友人として北陸佐川の元社長が登場いたします。中西利雄なる男は、その北陸佐川の社長さんがこの人柄を大変高く評価して、本人が政治家志望であるということで面倒を見ようと。しばらくの間、奥田事務所での研修期間中の給与面は私が見ようという好意で、本人は二年余にわたって私の事務所で政治家修行、研修をやったということでございます。
 その成果を受けて、本人は身寄りも少ないし、出身地も金沢以外の能登の出身でございますけれども、地縁、血縁の少ない立場ではございましたけれども、本人のそういった研修活動によってその翌年の統一選で見事上位当選を果たしたという結果であって、これは奥田敬和もしくは奥田事務所に対する政治資金の提供だと思っておりません。中西利雄本人を見込んで、そしてその本人の目的達成のためにスポンサーになって面倒を見たという形であると理解いたしております。
 二点目、次は……
#98
○村沢牧君 あなたは、九月ごろまでは渡邊社長から企業献金として受け取ったことはないが個人献金はもらったかもしれぬという、なかなかわからないことを言っています。
#99
○国務大臣(奥田敬和君) いやいや、それは企業側からの献金がなかったということは、東京と金沢の事務所を検討した結果すぐたちどころにはっきりわかりました。ただ、例えばせんべつとか、あるいは選挙中に事務所に届けなくてうちの家内あたりが個人的にもらったような献金等々があっちゃいかぬということで、そういった形の問い合わせに多少時間がかかるからコメントは差し控えさせてくれという形で記者会見で発言したことは事実でございます。その後の調査において、北陸佐川といえ東京佐川といえ、企業献金もしくは個人献金は一切なかったということで改めてはっきり申し上げた次第でございます。
#100
○村沢牧君 運輸大臣は竹下政権誕生のころ竹下派で、どんな役職というか役目についておられたんですか。
#101
○国務大臣(奥田敬和君) 竹下政権が樹立してからの役職ということと、その前は今記憶をたどりますというと、党の副幹事長をやっておった。それと、その後、総裁選に臨む前あたりは、先般これは参議院の決算委で高崎委員からの御質問もあったわけですけれども、そのときちょっと私、情報関係の仕事を担当しておったという言葉でお答えをいたしました。それをインテリジェンススパイみたいに、そういった形にとられたのかもしれぬけれども、私の言わんとしたことはパブリックリレーションのPR、広報関係を担当しておりました。そして事実、新経世という月刊誌というかいわゆる政権樹立前のPR誌の編集責任もやっておったという立場でございました。竹下政権誕生まではそうでありました。
 竹下政権ができてあの問題が起きたときは、衆議院予算委員会の筆頭理事をやっておりました。その後予算委員長、そしてまたその後リクルート調査特別委員長等をやっておりました。
#102
○村沢牧君 あなたは、去る九月八日の本院決算委員会で、日本皇民党は筋の通った右翼団体、話し合いはつかないと思っていた、こういう答弁をしています。あなたは竹下派の幹部としてこの事件の内容をすべて知って事態収拾に大きくかかわってきたんではないか。あなたは竹下派の代理あるいはその幹部として皇民党の稲本総裁やその関係者とは会談したことはないんですか。
#103
○国務大臣(奥田敬和君) 結論から申しますけれども、皇民党幹部との接触は一切ございません。
 ただ、前段にお触れになったように、皇民党のあの嫌がらせに関しては何とか手だてはないものだろうかと。そして、先生も御指摘ございましたように、これだけの舞台と申しますか、あの街宣車を動員してこれだけの長期間にわたる活動を維持するためには、彼らの資金的、人的な形の背景は一体何だろうと。御推測で一億と、こう先生の御指摘のように相当多額の資金を必要とする活動状況であったように私は思って、むしろその資金背景なり、だれが黒幕で何のためにという形の方に随分私なりに努力したと思います。
 結論からいって、それじゃわかったかというと、わかりませんでした。
#104
○村沢牧君 大臣は皇民党の褒め殺し宣伝をやめるように佐川急便の渡違元社長に頼んだことはありませんか。
#105
○国務大臣(奥田敬和君) そのようなことが渡違供述かなんかで言われたようでありますが、私はその問題で渡違東京佐川前社長に頼んだ心当たりは全くありません。
 特に、私もその供述のあれを一部読ませていただきましたけれども、「じゅん」というクラブにまで電話をかけてきたとかという、東京銀座のクラブのようでございますけれども、私はそんな「じゅん」なんかへ行ったこともありませんし、そこまで渡違前社長と親しい間柄ではございません。
#106
○村沢牧君 先ほど申し上げましたように、この部分に関する庄司被告の検事調書をただいま私はいただきました。この中で「渡連社長は、」「実は、竹下さんの方から自民党の奥田敬和さんを通じて頼まれたことなんだけど、四国の高松の方の「日本皇民党」という右翼で稲本という男が、竹下さんのことを誉めまくって街宣活動をしているらしいんだが、竹下さんの方ではそうした右翼に誉められることでかえって迷惑しているということだ。」云々として、奥田敬和さんを通じてこういう電話があったと。だから渡邊がこの庄司さんに頼んで石井を通じてこれをやめさせてもらいたいというのがこの供述になっていますね。何回もあなたの名前が出てくるんですよね。
 これはいずれはこの裁判がどこかで明らかになるでありましょうが、あなたもこういうところへ名前を出されて、庄司という人を知っているんですか。渡邊さんを知っていますね。
#107
○国務大臣(奥田敬和君) 渡邊東京佐川の社長、面識はあります。先ほどお答えいたしました。庄司云々は一切知りませんし、伝聞、風聞からどういう形で私の名前が出るのか、私そこまで有名じゃなかったわけですけれども、恐縮している次第でございます。絶対ありません。
#108
○村沢牧君 これは新聞に出ているんじゃなくて、正確な調書なんですけれども。
 そこで、庄司被告が「私が渡邊社長に「それじゃ取りあえず石井会長に伝えます。」というと、渡邊社長は、「それじゃ頼むよ。」「いや奥田敬和さんには、昨夜さんざん探されっちゃって、「じゅん」で飲んでたところに電話を貰って頼まれたんだ。」などと言っていたのが記憶に残っています。」と書かれていますね。先ほど「じゅん」というところは知らないとおっしゃいましたが。
#109
○国務大臣(奥田敬和君) それは、庄司供述がどういう形であれ、私は庄司さんという方には一面識もございませんし、また渡邊さんかどういう形で庄司さんに話されたかということは、それは酒の上でいろいろいい格好して物を言われるときもあったんでしょうけれども、そこに私の名前がどうして出てくるのか私も腑に落ちませんし、また本当にそういった形の面識もございません、庄司さんなる者に。そして庄司さんの言われていることも、これは自分が聞いたことだと言っておられる形のことであって、その形をもってして私がそういう形で電話をかけたということを即断していただくということは大変迷惑だと私は思います。
#110
○村沢牧君 しかし大臣は、先ほど御答弁があったように、竹下派の幹部であることは間違いないね。だから竹下さんあるいはまた竹下派の皆さん方に依頼をされて渡邊元社長に頼んだ。頼んだということは、渡邊社長から石井進桶川会の会長を通じて皇民党を抑え込んでもらいたいと、こういうお考えがあったに違いない。だから頼まれた渡邊氏は庄司氏に頼んで石井氏に通じたということになるんですが、皇民党の褒め殺し宣伝について大臣はあの当時いろいろ知っておったんですか。
#111
○国務大臣(奥田敬和君) 何を知っておったかと言われると、知らないから調査して……
#112
○村沢牧君 あの皇民党の褒め殺し街頭宣伝を知っておったのか。
#113
○国務大臣(奥田敬和君) もちろん。それで弱って、何か手だてがないものかなと、彼らの一体資金背景は何だろうと。もう皇民党なる組織は、さっきも警察庁の警備局長が話しておりましたけれども、四国香川の高松に本部を置いて、しかも西日本獅子の会という形で右翼グループのいわゆる九州から関西地区にかけての相当な組織力を持った男であり、しかも、その男はかつては山口組の白神系の一派のそういった経歴は持っておるけれども、最近の皇民党活動というのは全く思想的にも一本筋の通った活動として相当な活動をやっておるという形で、いろいろなそういった今警備局長が言ったような情報のたぐいは一生懸命に収集しておったということは事実でございます。
#114
○村沢牧君 知っておったことは事実でありますし、それを封じ込めにする、街頭宣伝をやめさせる、そういうことにあなたもやはり竹下派の幹部として熱心に取り組んであっちこっち依頼をされた、そういうことも察せられるんですが、そういうことでしょうか。
#115
○国務大臣(奥田敬和君) そういったことについて警察の方に何とかしてもう少し取り締まりができないだろうかという対応をお願いしたということはあったと思いますのですけれども、これは道路交通法の違反とか騒音云々とか軽犯罪のたぐいで何人逮捕してもすぐ出さなきゃいかぬような状況という形の繰り返しの中で、なかなか基本的な取り締まりの手だては難しかったという形で難渋しておったという記憶はございます。
#116
○村沢牧君 警察には依頼したと。
 重ねてもう一回お尋ねしますが、あなたは渡邊元社長を通じてこの褒め殺しを封じ込んでくださいと頼んだことはありませんか。
#117
○国務大臣(奥田敬和君) この際はっきり申し上げておきます。そういうことは断じてありません。
#118
○村沢牧君 運輸大臣ばっかり聞いて申しわけないんですが、あなたは昭和六十三年二月十一日、ホテルニューオータニで渡邊元社長に会って金丸さんから依頼されたことを伝えたと。何を頼まれたんでしょうか。そして、渡違さんからはどんな話があったんでしょうか。
#119
○国務大臣(奥田敬和君) その二月十一日という指摘でございますけれども、これは私の政治生涯にとって一番鮮明に鮮烈に頭に残っている事件が二月八日、衆議院における総括の締め総のときに、午後六時、テレビ中継がちょうど終わる六時ジャストに浜田委員長発言がございました。正森委員の質疑中でございます。そこで委員会が空転をいたしました。そしてその後、対野党交渉再開に向けての、もう予算が一日空転するごとに六十三年度予算が、大変な形の状況でございますから、そういった状況の中で恐らく与野党折衝に奔走しておった時期が十日なり十一日であったと思っております。
 それで、十一日云々に、藤島部屋のパーティーのときに、あんたは渡邊のところに顔を出して、何か例の件はうまく進んでいるのかと、そういうことをおやじから聞かれてきたけれどもどうなんだということで、私が内容を知らずにメッセンジャーの役割をしたというような供述がなされておるということでございます。
 しかし私は、当時の国会の状況が、そういう時間的にもこれはもう大変な状況であったことは事実なんです。これはもう野党の当時の理事の先生、そしてまた与党の理事の私たちの同士、全部閣僚で今入っておりますけれども、山下厚生大臣から野田経企庁長官、防衛庁長官の宮下、官房副長官の近藤というくらいに、本当にそのときはもう与党理事がお互いに手分けして、大変な、寸暇をいとわない形の中で予算委再開に努力しておった時期でございますから、私は時間的にそういう余裕がまずなかったということを申し上げたかったわけです。
 と同時に、藤島部屋云々のパーティーということの席でそういう話があったということですが、私は藤島部屋大好きです、大ファンですけれども、後援会にも入っておりませんし、またパーティーに招待された経験も一回もございません。そういった点において、そういった形の時期にそんな形で行ったかということは全く思い当たらないというのが真実の私の記憶でございます。
#120
○村沢牧君 ここは裁判所ではありませんからそんなに細かく聞いてまいりませんが、でもこれは渡違被告の検事調書にはっきり書いてあるんです。これはまたいずれ検察の方で、あなたがそういう発言をされたから調べることもあるかもしれませんがね。あなたを調べるということじゃありませんよ。ですから、それはその辺にとどめておきたいというふうに思います。
 ところで、これは検察にお聞きをしたいんですが、皇民党の総裁大島氏の検事調書において七名の政治家の名前が述べられている、こういうのがあります。一々名前を申し上げません。そこで金丸、小渕、梶山議員は代理人を通じて申し入れた、あとの方は本人が皇民党の稲本総裁に直接申し入れたというふうになっています。三人のこの衆議院議員の代理人はどなたであったのか、こういうことはお調べになっているでしょうか。
#121
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 今、委員お尋ねになっておられます代理人を取り調べたかどうかということにつきましては、本件調書を証拠調べ請求いたしました趣旨が、渡邊元社長に係る特別背任の動機を明らかにするため当時の日本皇民党の稲本総裁が街宣活動を中止しないとの強い態度、意向を示す言動を行っていたことなどを立証するものでございまして、そこに記載されました特定の政治家またはその代理人が関与した事実を立証することを目的とするものでもございませんし、また、そのような事実を確定するものではないということから御理解をいただきたいと思うわけでございます。
 特に、例えば一般論としてこれは申し上げるわけですが、ある人物が他の人物からある話を聞いたという事実を立証することとある話の内容が真実であるかどうかということとは、これは別の問題でございまして、後者の点につきましては必ずしも裏づけのための取り調べは必要ではないというふうに考えているわけでございます。
#122
○村沢牧君 次に、一点お聞きをしたいんですが、渡邊被告の検事調書において、浜田幸一氏の衆議院予算委員長おろし、また、金丸氏の朝鮮民主主義人民共和国訪問に対する右翼、暴力団の抗議運動抑え込みは、これは調書によって見て、これはだれがだれに依頼したんでしょうか。
#123
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 渡邊元社長の検察官調書によりますと、浜田衆議院予算委員長の辞任問題に関しましては、金丸氏の秘書から、委員会が空転して大弱りだ、石井会長の力で何とかまとめてほしいと言ってきたという記載がございます。また、北朝鮮訪問に対する街宣活動中止問題に関しましては、生原が渡邊元社長に、事務所の周りを右翼の街宣車が取り囲み今も危ないかもしれないと連絡してきた、渡邊元社長は石井に依頼して解決したという記載がございます。
#124
○村沢牧君 こうした問題を本日長々と質問する時間はございませんが、こういう調書の内容を、証人のこの供述というか答弁ですね、私もみんな持っていますけれども、随分違っているものがたくさんあるんですよ。今後私たちはいろいろ調査をしてどっちが正しいのか、これは国会の立場、国会議員の立場で明らかにしていきたいというふうに思うんです。それはそういうことにいたします。
 そこで総理、渡邊元社長は、暴力団の政治家攻撃を稲川会の石井会長に抑え込んでもらいたい、こうしたことで借りができて、渡邊は石井の会社の回収の見込みのない融資や債務保証をして東京佐川会社に一千億を超す損害を与えた、そして今度商法の特別背任罪として勾留されておるんですよ。こういうことにかかわって会社はつぶれていく。私は本当に残念だと思いますね。政治家が社長に頼んで、社長が暴力団に頼んで、そのことによって借りができて会社はつぶれていく、これだけでつぶれたわけじゃないと思いますけれども。総理、こういうことを聞いてどういうふうに思いますか。
#125
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま委員が運輸大臣初めいろいろお尋ねになっておられましたことを承りましても、また九月二十二日の佐川事件の冒頭陳述を読みましても、これは繰り返すようですが、渡遷被告人は、かねて交際があった政治家がいわゆる右翼団体の活動に苦慮していることを知り、この件の解決を石井に依頼しと書いてございますけれども、渡邊にそういうことを依頼したということはここには書いてございません。
 今もいろいろ長い御質問がありましたが、そういうことは出ておりませんので、ただいまのお尋ねの後段、つまりそういう特別背任があったというようなことは、そうであるとすればまことに遺憾なことですが、それの動機になったのが政治家が渡違に何かを依頼したからだとおっしゃる部分は、私はどこでもそれは証されていないと思うのでございます。
 後の部分は、この冒頭陳述によりますとそういうふうになっておりますし、この検察の冒頭陳述の趣旨も、これで渡邊という人が石井という人に大変な借りができちゃった云々ということは、村沢委員の御指摘のとおりのことが検察の恐らく証明しようとする事実であろうと思いますけれども、先の部分、その渡邊にだれか政治家がこれを頼んだんだということは、どこでも私は言われていないのじゃないかと思うのでございます。
#126
○村沢牧君 総理がこの問題でそれだけ詳しく知っておるなら、おっしゃるなら、もっと全般の問題を、私は一部指摘をいたしましたが、自民党の総裁として、あなた自身でやらなくたっていいけれども、自民党として一回調べてみたらどうですか、検事調書を一部。あるいはまた、いろいろの国会の論議、その中で真実が解明するんですよ。あなたの答弁は全く真相を解明するなんという熱意がない。気迫がないんですよ。言いわけばっかりじゃないですか。そんなことで政治改革ができると言うのですか。
 そこで、総理、いずれにしても今回の事件は、政治家と暴力団が関係を持った。日本の政治家が暴力団の力をかりる。あるんですよ、現実に。この現実を見て、いかに日本の政治が腐敗しておるか、堕落しておるかわかるんです。どうですか。
#127
○国務大臣(宮澤喜一君) 再び日本の政治家が暴力団の力をかりたとおっしゃいますから、そういうことはどこでもだれも証していないということを申し上げざるを得ないんです。私はこのことに実は少しも詳しいわけではございません。ただ、ここで御答弁申し上げる限り、どこでどういうことがあったかということを知らずに申し上げるわけにはいきませんで、私はそういうことがなかったと否定をする立場にはございませんけれども、具体的なことを示されていない限り肯定し得る立場でもないわけでございまして、そこは御理解をいただきたいと思います。
 ただ、それはそれといたしまして、このようなことが世間でいろいろに言われることはまことにこれは残念なことであって、政治家たる者その身を慎まなければならないと考える点におきましては、委員の御指摘に全く異存がございません。
#128
○村沢牧君 私も残念でならない。昔から政治は最高の道徳と言われる。国家国民に奉仕すべき政治家が、また政界の実力者が、裏でこうしたいろいろな好ましくない組織と通じ合っている。こんなことはあってはいけない。情けないではありませんか。どうでしょう。
#129
○国務大臣(宮澤喜一君) それは所信表明に申し上げましたとおり、そういうことはあるべきことでないと考えております。
#130
○村沢牧君 「古来、政治は最高の道徳である。」という言葉は、平成元年三月七日、この予算委員会で当時の首相竹下登さんが答弁した言葉です。こういうことをやってはいけませんと、立派な答弁をしていました。しかし、総理・総裁になるためにこうした右翼あるいは暴力団がかかわったり、政権の中枢にある人が莫大なやみ献金を受けているんですよ。この実態は、総理、否定することができないと思う。
 改めて総理の政治に対する感覚と、あなたは本当にこういうことをなくそうとするならば、自民党総裁として、金丸さんがやめるときに慰留したり、副総裁をやめないでください、そういうことじゃなくて、あなたも竹下さんに直接会って、こういう問題になっています、議員をおやめになったらどうですかと勧告するのが自民党の総裁ではありませんか。いかがでしょうか。
#131
○国務大臣(宮澤喜一君) その最後の部分がお尋ねの部分であると思うのですけれども、お互いと申し上げてよろしいと思うのですが、代議制におきまして、我々は選挙民から負託を受け信任を受けてこの仕事をしておるわけでございます。そこで、私自身が自分はその負託を実行するだけのもう力がない、あるいは信任を失ったと考える場合には、私が政治家として立っている根拠が失われるわけでございますから、それは自分でやはり職を辞さなければならないと思います。
 しかし、私があるゆえん、あるいは政治家二人一人があるゆえんは、そういう選挙民の負託と信頼でございますから、したがってそれは選挙民との神聖な関係だと私は考えておりまして、そういう意味では自分の進退は選挙民から受けた負託、選挙民から受ける信頼があるかないか、負託を実行することが可能であるか可能でないかによってやはり自分で決めるというのが本来的なものではないか、そういう選挙民との神聖な関係だというふうに私は一般論としては実は考えております。
#132
○村沢牧君 総理・総裁をもと務めたような人が、自分の選挙区の選挙民からしか、そうじゃないんです。日本国民がどういうふうに見ておるのか。日本国民の九〇%の人があなたはやめなさいと言っているんですよ。私は、竹下さんともここで何回も行き会った。ある面ではお世話になったこともある。しかし、みずからそうした政治的な責任を明らかにすべきだと思う。我が党もそういうことをやるでしょう。
 もっとも総理も、そういっては失礼ですけれども、かつてリクルートであのような、秘書がやった秘書がやったと言って、あなたの秘書の服部君は二十万円の罰金で済んだ。そういう感覚が自民党の皆さん方にあっちゃいけないと思うんですよ。どうですか。
#133
○国務大臣(宮澤喜一君) 代議士一人一人は自分の有権者から選ばれ、その負託にこたえるというのが一つの大事な務めでございますから、私はやはり有権者との関係を一番大事に考えるべきだと思います。
#134
○村沢牧君 もちろん自分の選挙区、選挙民のことは考えますよ。しかし、総理・総裁をやられたような方は日本国民の代表なんですよ。そのことをやっぱり意識しなきゃいけないと思うんですよ。島根県のどこの選挙区だか私は知りませんけれども、そこの選挙民、有権者の問題だけじゃないんですよ。やっぱりそういう立場に、そういう気持ちになってぜひ政治改革をやってもらいたいと思うんです。
 次に、金丸さんの五億円問題についてお聞きをしたいんですが、金丸さんが佐川急便から五億円の献金を受けておって、その金をどこへ配ったか取り調べもせず、上申書を出させて略式命令で罰金二十万円の刑で済ませてしまった。これは法務省の中間報告も、衆議院では配ったようでありますが、私どもはいただいておりませんが、いろいろ今までも答弁しておりますけれども、このような答弁や報告では納得しないんですよ。
 そこで今、検察不信が高まっている。細かくは申し上げませんが、検察というのは国民にかわって悪いことを真相を解明してくれる、そういう期待があった検察が、検察を信用しない。これは重大なことだと思いますが、総理、どうでしょうか。
#135
○国務大臣(田原隆君) お答えします。
 私、法務大臣といたしましては、検察当局は、今回の金丸議員に対する政治資金規正法違反事件についても、検察官に与えられた権限と職責の範囲内で法に従って適正に事件を処理したものと考えております。
 御指摘のように、検察に対していろいろの批判がなされていることは承知しておりますけれども、本件において検察がその使命を全うしたということは、国民からもいずれ御理解を受けるのではないかというふうに考えております。
#136
○村沢牧君 金丸さんの弁護人の安部昌博弁護士という人はどういう前歴の方ですか。
#137
○政府委員(則定衛君) お答えいたします。
 人事記録によりますと、安部昌博氏は昭和三十一年四月に検事に任官いたしまして、東京、静岡、大分等の地検検事を歴任後、昭和五十五年東京地検交通部長、それからさらにその後若干の経過はございますけれども、五十九年四月に大津地検検事正、六十年十二月宇都宮地検検事正、六十三年九月に職を辞しておられます。なお、その間昭和四十四年八月から翌四十五年四月まで、約七カ月でございますけれども、特別捜査部勤務の経験がございます。
#138
○村沢牧君 安部弁護士は次のように言っています。これは衆議院でも質問した方もありますが、安部弁護士は、「私が今回の事件の渦中の当事者の一人として言えるのは、今回ほど不透明な事件はなかったということです。特に検察側の対応の不透明さです。検察庁は、竹下派サイドとの腹の探り合いばかりに日時を費やしていたことが目立ちました。いわば特捜部の地道な地上戦よりも、検察と派閥幹部との空中戦ばかりが重要視され、右往左往していたのです。私自身も、その暗闇の渦中に放りこまれ、多くの意味で全く後味の悪さだけが残る事件でした。」。
 検事を長く務めた人がこの事件に弁護士として直接関与している。こういう人から言われているんですよ。法務大臣、どう思いますか。
#139
○国務大臣(田原隆君) 事件に関して検察官にいろいろ指揮することができるのは法務大臣の私だけだと思うんです、法律に従って検事総長を通じて。私は指揮したことはございませんので、したがって政治と特捜との関係が私を抜きに行われたとはどうしても考えられませんのでこう申しておるわけです。
#140
○村沢牧君 私は、いろいろ今言ってもどうしてもわからぬことがある。だから、検察当局に検事に来てもらいたいと実は要請したこともございますが、いろいろの関係があると。検事が国会へ出てはいけないということはないんですよ。
 法務省がよくわかるように親切に答弁するからということでありますから、安部弁護士がこういうことを言っている、検察はどういうふうに考えているんですか。
#141
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 今、委員御指摘になっておられます週刊誌の記事の報道でございましょうか、安部弁護士が言っておられるという報道自体については、これは法務当局から御論評申し上げることはいかんともいたしかねるわけでございます。
 いずれにいたしましても、検察当局におきましては、金丸前議員の弁護人として金丸前議員の利益を擁護する立場から、法律家として検察当局とその捜査の過程で種々折衝あるいは交渉に当たられたものでございます。
 仮に今御指摘になっておられます報道自体、個々の内容について、先ほど申しましたように御論評はいたしかねるわけでございますけれども、検察当局としても、また安部弁護人としても、それぞれの立場から真摯にこの職務に取り組んでいたものというふうに理解しているわけでございます。
#142
○村沢牧君 あなたに詳細な答弁はできないのでありましょうが、しかし、検事をやった人が弁護士をやっている。その人が言っているんです。週刊誌であっても、この人も名誉と地位があるんですよ。私はそんなにでたらめを言っているとは思わない。でたらめを言っているとなれば、私は当委員会に参考人として来てもらって明らかにしてもらいたい。
 安部弁護士はさらに次のように言っているんですね。主任検事から、特捜部長のところへ来てくださいという電話があって、九月二十三日午後四時ごろ出かけたのです。そこでいきなり、最終決定が出ました、上申書を書いてもらいたい、そうすれば事情聴取はしないと言われました。さらに五十嵐部長は、五億円は政治団体あてだったのではなく、金丸氏が私がもらいましたという個人献金だということを認める上申書にしてくれと言いました。
 このことについてはどう思いますか。
#143
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 衆議院の予算委員会における中間報告でも御報告申し上げましたけれども、検察官におきましては、この金丸前議員に対する政治資金規正法違反事件の捜査の過程におきまして、平成四年九月十日以降弁護人を通じて金丸前議員に対しまして出頭の上取り調べに応ずるよう求めていたものでございます。検察官が上申書の内容について指示をしたとか介入をしたというような事実はないものと承知いたしております。
#144
○村沢牧君 承知しておるというような、そんな答弁じゃだめなんですよ。私は、検察にこういうことがあったのかどうかよく聞いてきて答弁してくださいと言ったんですね。検察庁は何と言っているんですか。
#145
○政府委員(濱邦久君) 先ほどの私のお答えの表現が悪くて誤解をお与えしたようであれば、はっきり申し上げますけれども、上申書の内容について検察官が指示や介入をしたというような事実はないというふうに報告を受けております。
#146
○村沢牧君 だから、今度の事件では、これは上申書というのは任意の供述調書ですから、本来検察庁で指定すべきものでないことは当然のことです。それを金丸氏が私がもらいましたという、個人献金だということを認める上申書にしてくれ、これが最終決定だと。あるはずもないことが起きたのが今度の事件なんですよ。どう思いますか。
#147
○政府委員(濱邦久君) 先ほどお答えいたしましたように、そのような今委員が御指摘になっておられるような事実はなかったわけでございます。
#148
○村沢牧君 そこで、さらにこうした弁護士の、この著書でもありませんが、あれをずっと見てみますると、検察が上申書を書けと言う前には検察と金丸さん側の腹の探り合いが随分あった。そうして金丸さん側では、公判請求などで闘うべきだという小沢氏と、早期決着を目指す竹下、梶山氏などの暗闘があった。そうして漏れるはずのない捜査情報が政界に漏れ、政界情報が検察に漏れる。そして、検察は最終的に金丸さんが自分で決断するであろうと思って、検察はそういう読みもあったし、そしてその上申書で決着するようになった、こういう筋書きがずっと書いてあるんですね。
 私は、こういうことでは検察不信が高まる、これではいけない。だから、一々法務省の局長に聞きませんけれども、ともかくこうしたことを国民はああそうだったのかと思うんですね。少なくともこうした批判が絶対にあってはならない。
 そこで、上申書は人に言われて書くものではありませんが、東京地検で上申書でもって刑罰を科した事件はこれまでどのぐらいあるでしょうか。
#149
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 今、東京地検においてというお尋ねでございますけれども、今、委員がお尋ねになっておられますような事件の有無について特に報告を求めているわけではございません。
 ただ、例えばこれは大阪簡裁におきまして免状不実記載罪で被告人を罰金五万円に処する旨の略式命令が発せられた事件で、検察官が被疑者の方から被疑者の犯行を自認する内容の上申書の提出を受けて、弁護人も当該上申書の作成経緯を明らかにした上申書を提出したことから、検察官における取り調べを行わないでそのまま略式命令の手続きをとった事案があるものというふうに聞いているわけでございます。
 ただ、今のお尋ねに関連して理論的な面に関して申しますと、例えば福岡高裁の判決等では、被疑者の取り調べをしないまま起訴したのは違法であるという弁護人の主張があった事件はございますが、これを排斥している判決もございます。御参考までに申し上げます。
#150
○村沢牧君 私は東京地検に何回か聞いたんですね。だから、そんなにたくさんあるわけない。
 鈴木元首相は上申書をお出しになったようですが、何回お出しになったんですか。
#151
○政府委員(濱邦久君) 今お尋ねの点は、鈴木元総理本人みずから衆議院予算委員会において弁護士を通じて検察庁に書面を提出していたという証言をなさっておられますので、法務当局としてはあえてこれを否定はいたしません。
#152
○村沢牧君 私は否定しているなんて言わないんですね。あなたは検察を代表して来たんだから、何回鈴木さんは上申書を出したのか。これは共和の問題でまだ裁判がどうなっていくのかわかりませんよ、森口五郎被告がいろいろなことを言っていますから。上申書で出したけれども、やっぱり前の首相も関係があったということになったらどうなるんですか、これは。だから、鈴木さんは何回上申書を出したのですか。
#153
○政府委員(濱邦久君) 何回出したかということになってまいりますと、これは捜査の秘密にかかわってくる、捜査の経緯にかかわってくることでございますので、これはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。
#154
○村沢牧君 そんな中身を聞いているんじゃないんだ。マスコミに載っているように、二回出しているんじゃないですか。答えられないんですか、そんなことが。
#155
○政府委員(濱邦久君) 先ほどお答え申し上げましたように、その点について法務当局からしかとお答え申し上げることはいたしかねるわけでございます。
#156
○村沢牧君 それじゃ、私の言ったことを否定してくれますか、私は今、回数を言ったんですから。否定されますか。
#157
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 否定も肯定もそれはいたしかねるわけでございます。
#158
○村沢牧君 否定も肯定もいたしかねるということは、これは否定はしておらない。私の言うことが正しいと。正しいんですよ。
 そこで、金丸さんにしても鈴木元首相にしても、政治家だからこういうことができる。どうですか。皆さん、さっきほかの一般の皆さん方は例が幾つあるかと言ったって答えられないでしょう。そんな例は幾つもないんですよ。だから、政治家は上申書で済まされる、大物政治家はですね。しかし、これでいいのか。こんなことがやられておっていいのか。法務大臣、どう思いますか。
#159
○国務大臣(田原隆君) お答えします。
 政治家がということでやったのではないし、法律に従ってやった結果が上申書であったということであろうと私は思います。
#160
○村沢牧君 法務大臣にくどく聞いてもいたし方ないが、これだけ見ても、大体上申書で済ましたものはこれくらいありますよ、何百件、何千件ありますと言うなら、なるほどそうかと思うんですね。言えないじゃないですか、例がそんなにないから。ところが、政治家はある。元総理はある、あるいはまた大物政治家はある。これでは検察不信が高まるわけだ。私は、検察のやり方についてどうしろこうしろと言うわけじゃありませんが、ぜひそのことを意識してこの検察不信をなくさなきゃいかぬ。
 ところで、次の問題に入りますが、金丸さんの五億円に関係して検察に聞きますが、これは冒頭陳述で渡邊被告が裏金をつくり政治献金をしたと述べていますが、その詳細を報告してください。
#161
○政府委員(濱邦久君) 今、委員お尋ねになっておられますのは、検察官の冒頭陳述で、渡邊被告人が松沢被告人の方から裏金として受領した約十七億五千万円の点についてお尋ねだと思うわけでございますが、この約十七億五千万円のうち金丸前議員の方に献金された五億円の点については冒頭陳述でも明確にしているところでございます。そのほかの点については具体的には申し上げられないわけでございます。
#162
○村沢牧君 私は、十七億五千万ばかりじゃないと思う。ほかにもあると思うが、しかし検事が検察調書で言っている十七億五千万裏金は出ました、五億円はわかったと。あとは述べておらないということは、わからないからやらないのか、調査しているのか、調査をする関心があるのか、その辺について伺いたい。
#163
○政府委員(濱邦久君) 捜査した結果、犯罪の嫌疑を認めるものは確認できなかったと、こういうことでございます。
#164
○村沢牧君 素人が考えても、政治資金規正法の量的違反、一億もらっても三億もらってもそうですよ、それが犯罪の何とかがわからないからと。調べたのか調べないのかわからぬが、私はちょっと今の答弁では、それで国民は納得しないと思うんですよ。もう一回答弁してください。
#165
○政府委員(濱邦久君) 捜査いたしましたけれども、先ほど申し上げました金丸前議員に対する五億円以外の点については犯罪の嫌疑は認められなかったということでございます。
#166
○村沢牧君 それでは、捜査をしたんなら、だれのところへ行ったかということはわかるでしょうね。ここで名前も、捜査したんなら、だれのところへ行ったか、だれのところへ行って調べてみたけれども犯罪の容疑はなかったということですね。わかりますか。
#167
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 いつもお答え申し上げておりますとおり、起訴されていない具体的事実関係についてはお答えを差し控えさせていただいているわけでございます。
#168
○村沢牧君 そんなことを聞いているんじゃないですよ、局長。本当に、十七億五千万ですか、その五億円はわかった、あとの人たちは調査をした、しかし犯罪容疑がないからそのままになったということですね。調査をした人なら、だれに、あとの金はどこへ行ったか、その人まではわかるわけです。そのことを私は聞いているんですよ。犯罪でなければ言えばいいんですよ。
#169
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 中間報告でも御報告申し上げましたように、約十七億五千万円の裏金について、「その使途先につき必要な捜査を尽くしたものの、この関係では、これまでのところ、金丸前議員に係るもの以外には、政治資金規正法違反等の嫌疑ありとして訴追するに足る事実は確認できませんでした。」、こういうことでございます。
 それから、起訴されていない具体的事実関係についてお答えを差し控えさせていただいている点について、これは御理解をいただきたいと思いますので申し上げるわけでございますが、要するに検察官は、犯罪の捜査を行い、公訴を提起し、裁判所に法の正当な適用を請求することをその最も重要な職務の一つとしているわけでございます。犯罪を捜査するためには、必要とするあらゆる取り調べをすることがもちろん許されているわけでございまして、場合によっては令状を得て被疑者を逮捕し、また他人の住居について捜索をしたりあるいは証拠物の差し押さえをするなどの強制処分を行うことができることは、これは申すまでもないわけでございます。
 このような強大な権限に基づいて犯罪の捜査を遂行するのでありますから、人の秘密にわたる事項に触れるのはもちろんのことでございますし、取り調べの内容につきましても秘匿を要すべきものがあるわけでございます。また他方、捜査の遂行上、捜査の方針、技術、方法など秘密とすべき事項も多々あるわけでございます。
 つまり、検察が具体的事件の捜査の内容を秘匿しなければならないのは、他人の名誉を保護しようというだけにとどまらず、捜査の内容自体を秘匿しなければその職務の遂行そのものに支障を来すこととなるわけでございまして、現在及び将来にわたる検察の運営に重大な障害をもたらすおそれがあるからでございます。
 したがいまして、検察権を適正に行使して司法の公正な運営を確保するためには、刑事訴訟法上にもその旨の規定が置かれておりますように、捜査内容の秘密は厳重に保持せられる必要があるということで従来御理解を得ていると承知しているわけでございます。
#170
○村沢牧君 私は、それじゃ十七億五千万から五億引いて十二億五千万、だれが考えたって、検察調書で検事が読み上げているんだから、あとの金はどこへ行ったろうと関心を持つのは当然のことであります。それは一体だれに行ったのか。ここで名前は言えぬとしても、何人くらいのところへ配ったのか。捜査した、しかも犯罪の容疑がないというんだから、それなら言ったっていいじゃないですか。
#171
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 先ほどお答え申し上げましたように、起訴されていない具体的事実関係につきましては、先ほどるる申し上げました理由によりましてお答えはいたしかねるわけでございます。
#172
○委員長(遠藤要君) ただいまの質問に対して改めて答弁をしてください。
#173
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 国会の国政調査権の行使による御調査に対しましては、これは法務当局としてもできる限りの御協力をしなければならないことはもちろん当然のことと考えておるわけでございます。ただ、御承知のとおり、刑事訴訟法四十七条の制約もございまして、法務当局から国政調査権の行使に御協力してお答えできますことは、法令の制約の範囲内でしかできないわけでございます。
 例えば、公判廷で検察官が証拠により証明すべき事実を主張した冒頭陳述の中身、あるいはそれに関連して証拠調べされて法廷で明らかになりました証拠の内容等につきましては、これは法令の制約の範囲内でお答えをするということで御協力しているわけでございますけれども、先ほど来お答え申し上げておりますように、起訴されていない具体的事実関係について捜査の過程でどういうことを検察当局が把握したかというようなことについては、これは先ほど申しました刑事訴訟法の四十七条の制約もございまして、お答えはできないということを申し上げているわけでございまして、そういう理由を十分御理解いただいて、従来そういうお取り扱いをいただいているというふうに承知しているわけでございます。
 なお、これはもう念のため申し上げますと、今、委員がお尋ねになっておられます約十七億五千万円の使途等につきましては、これは既に公判廷で明らかになりました証拠、供述調書等の証拠によりましてもその点は明らかになっていない。したがいまして、先ほど申しましたように私どもは、法務当局としては刑事訴訟法四十七条の制約の範囲内でできるだけお答えをしているわけでございますけれども、それ以上のことにつきましてはお答えをいたしかねるということを申し上げているわけでございます。
#174
○村沢牧君 法制局長官、お聞きのとおりですが、そういうようなことでよろしいでしょうか。
#175
○政府委員(工藤敦夫君) お答え申し上げます。
 いわゆる国政調査権でございますが、これは憲法にも定められておりますように、国政の全般にわたってその適正な行使が保障されなければならない、これはもう当然のことでございます。ただ、一方におきまして、国家公務員に守秘義務というのもまた課せられておりまして、これも内閣に属する公務員といたしましてその公務の民主的かつ能率的な運営を確保する、こういう見地から設けられているものと存じます。
 そういう意味で、国政調査権と国家公務員の守秘義務との間につきまして調整を必要とするという場合が生ずることは間々あるわけでございますが、その場合にどちらか一方が他方に常に優先する、こういうふうなことではないということで、かつて三木内閣当時におきましても三木総理からお答えいただいているところでございます。
 そういう意味で、国政調査権に基づきますいわゆる要請、こういうものにこたえまして職務上の秘密を開披するかどうか、これは守秘義務によって守られます公益と、それから国政調査権の行使によって得られるべき公益、これを個々の事案ごとに比較考量することで決定すべきと、これが三木総理がかつての国会におきましてもお答えいたしましたところでございますし、また現在もそのように考えている次第でございます。
#176
○村沢牧君 腑に落ちるような答弁ではないんですが、こんなことばっかり聞いておってもあれなんで次に進みます。
 しかし、検察が、これだけ十七億五千万の裏献金を渡邊がつくらせて政治家に配った、そのうちの五億円はわかった、あとは調べてみたがわからないというんですね。調べてみたがわからないのじゃなくて、犯罪の嫌疑がないからそのままだということですね。国民は、検察というのはそういうのは調べてくれて何とかやってくれるだろう、そういう期待を持っておりますが、このことをきょうそれほどここで論議するつもりはありません。
 そこで、この金丸問題についてもう一点だけ検察にお伺いしますが、金丸さんの上申書、この五億円というのは個人献金と書いてあるんですか、団体献金、どっち、どういうふうに書いてあるんですか。
#177
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 今の委員のお尋ねは、上申書にどう書いてあるかという御趣旨でございますか。証拠の内容に係ることでございますので、これはお答えいたしかねるわけでございます。
#178
○村沢牧君 確定したんですよ、金丸問題は罰金二十万円で。その後国会へ出してくれと言ったって出さない。せめて上申書の中身、五億円は個人献金だったのか、あるいは団体献金なのか、書いてあるわけなんで、そのことぐらいでいいんですから。
#179
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 今、委員御指摘になられましたとおり、この金丸前議員の上申書を含めまして、確定記録につきましては、現在公開できないということになっているわけでございます。もちろん委員も御案内のとおり、一部の方から閲覧請求がございまして、それに対する、途中、抗告審の決定がございましたけれども、さらに現在特別抗告を最高裁に申し立てられまして、最高裁に特別抗告審が係属中でございます。したがって、その閲覧請求を不許可にした点についての最終的な判断はいずれ最高裁から示されると思いますけれども、いずれにいたしましても確定記録につきまして、今、委員お尋ねの上申書を含めまして公開すべきでないということになっているわけでございます。
#180
○村沢牧君 そこで、この上申書、検察は個人献金だということに書いてくれと、さっきの弁護士がはっきり言っているんですね。ところが、金丸さんは先ほどの臨床調書で、五億円は秘書の生原が受け取っておれば知らない、さわったこともないんだ、これは政治団体に入れたと、こういうことになっている。
 私は、今お手元に金丸さんの政治団体、新国土開発研究会、日本政治を考える会、富岳政経研究会をここ三年ぐらい調べてみたんですね。とても五億円なんて金はどこを見たって入ってないんですね。経世会へ入ったかと思うと、経世会だって八億円ぐらいなものですね。これ金丸さんから五億円もらえば大したものだけれども、どこも入ってないんですね。そういうことです。
 そこで、何か佐川事件に対して中間報告を衆議院に出したようですが、参議院は回ってない。その中間報告ではどういうふうになっているんですか。この五億円は個人献金だったというのか、団体献金か、どういうふうに中間報告はなっていますか。そのさわりを読んでください。
#181
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 金丸前議員個人に対する金丸前議員の政治活動に関する寄附ということでございます。
#182
○村沢牧君 中間報告にそういうふうに書いてあるんですか。読んでください。
#183
○政府委員(濱邦久君) 「その二は、金丸前議員に係る政治資金規正法違反事件であります。」と。
#184
○村沢牧君 それはわかっているけれども、どこへ入れたのか、五億円。あなたが国会に報告した中間報告でしょう。
#185
○政府委員(濱邦久君) ちょっとお時間をいただきますけれども、「東京地検は、平和堂ルートの捜査の過程において、渡邊元社長が前記松澤から、巨額な債務保証等の見返りに多額の裏金を受けている事実を突き止め、その使途先の捜査により、渡邊元社長から金丸前議員に対して五億円の献金がなされた事実を把握し、その真相を解明するため、金丸前議員の秘書生原正久等関係者多数の取調べを行うなど、必要な捜査を進めるとともに、」云々ということで、「金丸前議員については、東京区検察庁に事件を移送し、同区検察庁において、量的制限違反の寄附受領罪により、九月二十八日、東京簡易裁判所に公訴を提起し略式命令を請求」したということを記載してございます。
#186
○村沢牧君 そうではないんです、中間報告を衆議院に出したでしょう。その中に、金丸氏が、これは個人献金だが何か政治団体に入れたというふうに書いてあるんじゃないんですか、あなたの中間報告に。衆議院に出したんだから、参議院にだって出しゃいいじゃないか、中間報告を。
#187
○政府委員(濱邦久君) 金丸前議員に対する政治資金規正法違反事件の公訴事実として公訴提起をした事実は、今申し上げましたように、金丸前議員に対する……
#188
○村沢牧君 国会に報告した中間報告。
#189
○政府委員(濱邦久君) おっしゃっているのはここだと思いますが、「東京地検が、金丸前議員の本件違反事実を認める上申書の提出を受けて略式手続により本件を処理するに当たっては、本件五億円の収支に関して、それまで収集された証拠関係を踏まえ、想定される犯罪とその罰則適用の可能性につき必要な検討を行いましたが、本件処理の段階では、金丸前議員が受領した本件五億円は、その後指定団体に対する寄附として取り扱われたものとみられるなど、金丸前議員の余罪として訴追すべき犯罪の嫌疑が認められるものは確認できませんでした。」と、こういうことでございます。
#190
○村沢牧君 それでは、金丸議員の指定団体、どこの団体へ入ったんですか、それは。
 これは、私が今持ってきた資料、いいかげんなものじゃないんですよ。自治省に報告してある資料。金丸議員の指定団体にそんなものは何にもない。それだけの金額はない。
#191
○委員長(遠藤要君) 発言は委員長の許可を得てやってください。
#192
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 今、委員御指摘になられましたように、金丸前議員の指定団体に受け入れられたという記載がないことは、もちろん承知いたしております。
#193
○村沢牧君 どこに入っていますか。
#194
○政府委員(濱邦久君) ですから、新国土開発研究会に受け入れられていないということはもちろん承知しておる。これは衆議院の予算委員会におきましてもその点、自治省当局からもお答えがあったと承知しておるわけでございます。
 ただ、先ほど申し上げましたように、この関係者の取り調べ等その他の証拠から判断いたしまして先ほどのような結論であったと、こういうことでございます。
#195
○村沢牧君 今、局長が読み上げたのは、衆議院の予算委員会へ政府として出した中間報告なんですよ。参議院はまだいただいておりません。いつくれるか、いつ出せるんですか、法務大臣。佐川事件の中間報告、参議院は。法務大臣、正式にあなたは読み上げたでしょう、衆議院の。
#196
○国務大臣(田原隆君) 衆議院では、御要望がありましたらお出ししますと申し上げて、御要望がありましたのでお出ししたわけでございます。参議院で御要望があればお出しすることになります。
#197
○村沢牧君 それじゃ、私が要求しますからすぐ出してください。衆議院ではあなたがこの中間報告を堂々と読んだじゃありませんか、局長が読んだじゃありませんか、詳細を。
#198
○国務大臣(田原隆君) 衆議院では委員長を通じて正式に提出しろという御要望がございましたので、私が提出させていただいたわけでございます。
#199
○村沢牧君 今、局長の答弁では、指定団体へ入れたという、その趣旨のものが衆議院の中間報告になって報告されていますね。しかし、これを見たってどこにも入ってないんです。だから、どうしてそんなものをそんな中間報告をするのか。
#200
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 先ほどお答えいたしましたように、金丸前議員の指定団体に入ったという記載は確かにないわけでございます。記載はないわけでございますけれども、これは関係者の取り調べ等その他の証拠から先ほど申したような結論であったということを申し上げているわけでございます。
#201
○村沢牧君 次に、時間の関係で進めますが、本件に関する時効、政治資金規正法違反の時効はいつですか。
#202
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 これはもう委員十分御案内のとおり、公訴時効はその犯罪の法定刑によって決まってくるわけでございます。したがいまして、政治資金規正法上の量的制限違反の罪については、公訴時効の期間は三年でございます。したがいまして、もし平成二年一月という基準で申しますれば、応当日の前日ということになるわけでございます。
 それから、政治資金規正法上の例えば収支報告書の不記載罪あるいは虚偽記入罪等につきましては、法定刑五年以下の禁錮、罰金三十万円以下の罰金ということに法的になっておりまして、これは時効期間は五年でございます。
 それから、所得税法違反という罪につきましても、これは公訴時効期間は五年ということになるわけでございます。
#203
○村沢牧君 そうすると、量的違反の時効は明年の一月ですか。
#204
○政府委員(濱邦久君) 現在告発を受けて東京地検が捜査をしているわけでございますが、告発におきましても犯罪行為の時点が必ずしも明確にされておりませんので確たることは申し上げかねますが、政治資金規正法の先ほど申しました量的制限違反の罪につきまして、これは供与、受領、いずれの罪につきましても、犯罪行為の日が平成二年一月十六日と仮定いたしました場合には、その時効満了日は平成五年一月十五日ということになるわけでございます。
#205
○村沢牧君 次の問題は、この問題の最後に、渡辺郵政大臣、あなたもまたいろいろなところに顔を出していますけれども、また佐川急便についてもあっちこっち名前が出ている。
 あなたは佐川急便の佐川清元会長あるいは渡邊廣康社長とどういう関係でしょうか。
#206
○国務大臣(渡辺秀央君) お答えいたしますが、佐川清会長は面識も何もございません。渡邊東京元佐川社長は同郷のよしみで面識ございます。
#207
○村沢牧君 この問題については角田議員から関連質問がありますので、お願いいたします。
#208
○委員長(遠藤要君) 関連質問を許します。角田義一君。
#209
○角田義一君 郵政大臣にお尋ねする前にちょっと法務大臣と刑事局長にお尋ねしたいんてすが、先ほどから問題になっております十七億五千万円の使途については、検察庁は当然捜査をしてその使途の内容については把握をしていると、こういうふうに理解してよろしいですか。
#210
○政府委員(濱邦久君) 先ほどお答え申し上げましたように、捜査をしたことはそのとおりでございますけれども、それ以上のことは申し上げかねるわけでございます。
#211
○角田義一君 捜査をして、十七億五千万円については、具体的に例えばどの政治家に幾ら、どの政治家に幾らということはわかっているんですかと、こういう質問なんです。中身は言わなくてもいいですよ。
#212
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 ですから、先ほどお答え申し上げましたように、金丸前議員に対する五億円以外の点については、これは起訴されていない具体的事実関係でございますので、お答えはいたしかねるわけでございます。
#213
○角田義一君 そんなばかな答弁はないよ。私は、政治家の具体的な名前を言えなんて言っているんじゃないんだ。どの政治家に幾ら行っているかということは検察庁はわかっておるんかと、こう聞いているんです。わかっているかわかっていないか、答えてくれればいいんだよ。
#214
○委員長(遠藤要君) 濱刑事局長、質問者の趣旨をよく聞いて答弁してください。
#215
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 ですから、委員のお尋ねは、どの政治家に幾ら行っているかはわかっているか、こういう御趣旨のお尋ねでございますから、それはお答えいたしかねるというふうに申し上げているわけでございます。
#216
○角田義一君 いいですか。それじゃこう聞きましょうか。
 九月二十二日の冒頭陳述、あれは検察官が証拠によって証明すべき事実なんだから、いずれ公判においてその名前が出る、こういうふうに理解してよろしいのか。
#217
○政府委員(濱邦久君) 検察官の冒頭陳述に記載されておりますことは、もうこれは委員十分御存じのとおり、その裁判において検察官が証拠によって証明しようとしている事実でございます。したがいまして、立証に必要な範囲の証拠調べ、証拠の取り調べ請求というものは、もちろん一般論としてするわけでございます。
#218
○角田義一君 公判においていずれ明らかになるんですねと、こう聞いているんです。それが質問なんだから、それに対する答弁をしなさいよと、こう言っているんです。
#219
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 これは委員もう十分ごらんになっておられると思いますが、検察官の冒頭陳述では、被告人渡邊は、東京佐川急便が平和堂グループ及び松澤に資金付けをしてやった見返りとして、平成元年四月ころから平成二年十二月ころまでの間、多数回にわたり、松澤から裏金として現金合計約十七億五千万円を受け取り、その一部を親交のあった政治家に係る献金に充てたほか、この後はちょっと関係ないことかもしれませんが、自己がハワイに購入したマンションの代金約二億七千万円を平成二年夏過ぎころから同年十二月十七日までの間、松澤に支払わせた。こういう記載になっておるわけでございまして、これが検察官が証拠により証明すべき事実として主張しているところでございます。
 したがって、この事実を立証するために、必要な範囲で立証を行うということは、そのとおりでございます。
#220
○角田義一君 そうすると、公判廷においては、いずれ今私が指摘したような問題は明らかにされる、こういうふうに理解してよろしいかと聞いているんだから、子供の教育上よくないよ、あなた、ちゃんと人の質問に対して的確に答えなかったら。逃げちゃいかぬよ。ちゃんと答えなさいよ、あなた。
#221
○政府委員(濱邦久君) もう委員はよく御存じのとおりと思うわけでございまして、冒頭陳述に書いてある事実を立証する範囲で検察官は証拠の取り調べを請求するということでございます。
#222
○角田義一君 委員長これはよくないですよ、こういう答弁の仕方は。私が言っていることに的確に答えなさいよ。(「わかってないんだよ」と呼ぶ者あり)わかってないとか関係ないでしょう、そんなこと。あなたに言っているんじゃない。
 そんな答弁で今までずっとごまかしてきたんだ、刑事局長は。質問に対して的確に答えなさいよ。それが大事じゃないですか。もう一遍やってください。
#223
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 先ほどもお答えいたしましたとおり、先ほど私が読み上げました冒頭陳述、この事実を立証するということでございます。ですから、今委員がおっしゃっておられることじゃなしに、ここに書いてある事実を立証すると、こういうことを申し上げているわけでございます。
#224
○角田義一君 私の時間は限られているから、一晩やったって同じこっちゃ、これ。徹夜したっていいんだけれども、そんなこといかないでしょう。そんな答弁をやって日本の検察の威信が保たれると思うのかと、こういうことなんだ。
 後にして次の質問に移ります。また、これは同僚からやってもらいますから。
 次に、金丸さんのこの五億円の処理の問題でございますけれども、端的にお聞きしますけれども、金丸さんは臨床尋問の中で、いわば五億円についてはさすったこともないと。さすったこともない、見たこともない、政治団体に入ったんだろうと、こう言っておるわけですよ。そうすると、いわば略式で確定した事実とはまるっきり違う事実を金丸前副総裁は臨床尋問で言っているんです。一体真実はどちらになるのか、どこにあるんだというふうに我々は理解したらいいんですか。
#225
○政府委員(濱邦久君) 金丸前議員の証言の趣旨について、今、委員御指摘になっておられる点につきまして、法務当局としてどういうふうに理解
するかということは御意見を申し上げることは差し控えさせていただきますけれども、いずれにいたしましても、検察官が公訴提起をし、略式命令を請求し、東京簡易裁判所から略式命令が発せられ、確定した裁判におきましては、これは金丸前議員の政治活動に関する寄附というふうに認定されているわけでございます。
#226
○角田義一君 確定記録になっておるその事実というのは真実であると、こういうふうに我々は理解をしなきゃならぬのですか。法務大臣、どうですか。
#227
○政府委員(濱邦久君) 確定裁判で確定された事実認定につきまして、例えば国会の場でその事実認定は間違っているということを御論議されるのはいかがであろうかというふうに思うわけでございます。
#228
○角田義一君 何ということをあなたはおっしゃるんだ。国会を何と心得ているんだ。
 私が言いたいのは、確定記録というもう一つの事実がある。その事実は真実だというふうに我々国民は理解をしなきゃならないのかと、こういうふうに法務大臣に聞いているんですよ。
#229
○国務大臣(田原隆君) 現実の事件に関する事実上の実体のことでございますので、政府委員が答えるのがいいと思いますので、政府委員からお答えします。
#230
○角田義一君 お役人が答えることじゃないでしょうが。
#231
○政府委員(濱邦久君) 今、委員のお尋ねの点に関連しまして、実は先般衆議院の予算委員会におきましてもお尋ねがございまして、私から申し上げました。これは、既に例えば昭和五十一年五月八日の参議院予算委員会におきましても御議論がございまして、当時の法制局長官の方からこういうお答えを申し上げているわけでございます。
 「日本国憲法のもとにおきましては司法権の独立が貫かれておりまして、全く国会の機能の外にある司法権の行使に対しては国会の国政調査権は及ばず、司法権の独立を侵すような調査は許されないというのが一般でございます。したがって、現に裁判所に係属中の事件について調査することが許されないことについては、学説上も全く異論がないと言ってよろしいと思います。」また、「裁判が確定した後でありましても、調査の方法あるいはその内容が司法権の独立を侵害するおそれがある場合には、同様に国政調査は許されず、裁判の内容の当否を審査したり、そのための調査として裁判官や事件の関係人を取り調べるというようなことは許されないと考えております。この点につきましては、若干の異論もございますけれども、学界の多数の説は私と同じような考えでございます。」と、こういうふうにおっしゃっておられるわけでございます。
#232
○角田義一君 後また同僚議員から集中でやりますけれども、要するに私が指摘したいのは、金丸さんをお呼びにならなかったから、こんな大事なことをお聞きにならなかったから、後でああいう証言が出て、あの略式命令というものは根底から崩壊するんですよ、これは。そういうずさんなことをやって、なおかつ検察の威信が保たれるというふうに考えておることは大間違いだ。そのことについて法務大臣はどう考えていますか。
#233
○国務大臣(田原隆君) お答えします。
 私は、検察は、先ほども申しましたように、法に従って、法の範囲内で権限を行使し適正に捜査したものと考えております。
#234
○角田義一君 これは集中のときに、あるいはまたあしたも引き続いて質問させていただきたいと思いますが、新潟ルートについてお尋ねしますけれども、新潟ルートの三億円の捜査の結果はどういうふうになっておるか、中間報告をもとにして御答弁願います。
#235
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 金子前知事らに係る政治資金規正法違反事件につきましては、
  東京地検は、渡邊元社長らに対する一連の特別背任事件の捜査の過程において、渡邊元社長が平成元年六月施行の新潟県知事選挙に際し、選挙に立候補した金子前知事陣営等に対して、三億円の選挙運動資金を提供していた事実を把握し、同資金の調達及び提供状況等について捜査したところ、このうち、金子前知事陣営に提供された一億円に関連して、金子前知事のほか、金子前知事の選挙運動を推進していた前記南雲及び同鶴田につき、金子前知事の後援政治団体である「清新で活力ある県政をすすめる会」の収支報告書への虚偽記入罪の嫌疑が濃厚となったので、同人ら関係者の取調べや関係個所の捜索、差押を実施して捜査を進めた結果、右三名につき、他と共謀して、新潟県選挙管理委員会に提出する同政治団体の平成元年分の収支報告書に虚偽の記入をした事実が判明したので、新潟地方検察庁に事件を移送し、同地方検察庁において、同事実により、九月二十八日、右三名を新潟地方裁判所に公判請求しました。
 なお、残り二億円についても、必要な捜査を行いましたが、政治資金規正法違反等の嫌疑ありとして訴追するに足る事実は確認できませんでした。
 以上でございます。
#236
○角田義一君 二億円については、金の流れ、要するにだれがだれに渡したかという事実関係については確定ができたのでございましょうか。
#237
○政府委員(濱邦久君) 先ほどお答え申し上げましたように、金子前知事陣営等に対して三億円の資金を提供していた事実を把握したということは、中間報告で御報告しておりますとおりでございます。それ以上のことはちょっとお答えをいたしかねるわけでございます。
#238
○角田義一君 何回でも同じことを聞きます。二億円については、事実関係はきちっと掌握できたのでございますか。
#239
○政府委員(濱邦久君) 先ほどお答えいたしましたように、必要な捜査を尽くしましたけれども、訴追するに足る犯罪の嫌疑を認めるものは確認できなかったということでございます。
#240
○角田義一君 私は、ここで刑事訴訟法の講釈をあなたに申し上げるつもりはないんだよ。事実を確定して、それに法令の適用をした結果、それは別に犯罪の構成をしないということになるかもしれぬけれども、肝心な事実関係は確定をしたのかと聞いているんです。評価の問題を聞いているんじゃないんですよ。
#241
○政府委員(濱邦久君) 先ほどお答えいたしましたように、必要な捜査を尽くしましたけれども、その過程で検察当局がどういう事実を確定したかということはお答えをいたしかねるわけでございます。
#242
○角田義一君 こんなでたらめな中間報告がありますか。冗談じゃないですよ。事実関係はどうなんだと。はっきり答えてくださいよ。把握したのか把握してないのかということですよ。
#243
○委員長(遠藤要君) ちょっと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#244
○委員長(遠藤要君) 速記を起こしてください。
#245
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 委員先ほどからお尋ねになっておられます二億円について捜査を尽くしたわけでございまして、その結果認定した事実、把握した事実、もちろんあるわけでございますけれども、それはちょっと申し上げかねるから御理解をいただきたいということを申し上げておるわけでございます。
#246
○角田義一君 私はあなたの立場も随分尊重しているつもりですよ。中身を言えと言っているんじゃないんだよ。二億円という事実の流れは確定した事実を握ったのか、そのことを聞いているんだよ。これ以上の質問に、あなた方の立場を配慮してしている質問に答えぬとはどういうわけだ、一体。
#247
○政府委員(濱邦久君) ですから、先ほどお答え申し上げましたように、二億円の点につきまして捜査をした結果把握した事実、もちろんございますけれども、どういう事実を確定したか、どういう事実を確定していないかということについてはお答えいたしかねるということを申し上げておるわけでございます。
#248
○角田義一君 じゃ、こういうふうに聞きましょう。
 三億円提供したと言っているんですね。そうすると、その三億円は一体だれからだれに渡されたと。そのうちの一億円ははっきりしていますよ、公訴事実になっているんだから。だから、二億円についてもだれからだれに渡ったんだということについては検察庁は事実をそれなりの確定をしているんだなと、こういうふうに聞きたいんですよ。それでいいですか。どうですか。
#249
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 先ほどもお答え申し上げましたように、この三億円につきましては、金子前知事陣営等に対して渡されたということは御報告できるわけでございます。それ以上のことはひとつ御勘弁をいただきたいということを申し上げているわけでございます。
#250
○角田義一君 いい。これ以上やると日が暮れちゃうよ、日が暮れているわ、もう。冗談じゃないですよ。
 そこで、郵政大臣にお尋ねいたしますが、あなたは、失礼だが東京佐川のいわゆる再建会議というものに御出席なさっていることはお認めになっておりますが、これは一体どなたのお声がかりでそこへ行ったのでございますか。
#251
○国務大臣(渡辺秀央君) お答えいたします。
 小針さんのお誘いだったように記憶をいたしております。
#252
○角田義一君 小針さんは、あなたには失礼ですけれども、どういうふうな御説明をしてその会談に出てほしいというふうにおっしゃったんでしょうか。
#253
○国務大臣(渡辺秀央君) お答えいたします。
 そんなに詳しい話ではなくて、金丸先生も竹下先生も見えるし今晩どうかねという電話がその日にあったんではなかったかと記憶しております。どうも余り定かではないんですけれども、たしかその程度の話でございました。
#254
○角田義一君 こう言っちゃまことに大臣に御無礼でございますけれども、竹下さん、金丸さんといえば、これはもう政界の大立て者でございますな。そういう方のところへあなたにお声がかかるということはよほどのことだというふうに私どもは理解しなきゃならぬ。どういうことなんですか。
#255
○国務大臣(渡辺秀央君) お答えいたしますが、確かに大政治家の先生方がおいでになるしと言われたら、私、疑問に思う前に何か非常に冥利に尽きまして、行かなきゃいかぬなという気持ちの方が先になったことは事実であります。
#256
○角田義一君 これは東京佐川急便にとっては生き死にの問題ですよね、再建会議というのは。この生き死にの問題にかかわるような重大な会談にあなたにお座敷がかかるということについては、あなたは相当東京佐川の経営状態、こういうことについて当時理解をしておったというふうに聞いてよろしいですか。
#257
○国務大臣(渡辺秀央君) 私は前にも本会議場で御答弁させていただきましたけれども、実はそんなに詳しく佐川の経営危機ということについては承知をいたしておらなかったのでございます。そんな感じで、私は、何か再建会議というふうに先生おっしゃっていますけれども、そういう意識で伺ったわけではございません。
#258
○角田義一君 その重大な会議で一体何が話し合われたんですか。
#259
○国務大臣(渡辺秀央君) お答えいたしますが、これも本会議場でも御答弁申し上げましたが、いろいろ大変だという程度の話でありまして、これ、全く具体的な話はなかったんです。私は記憶にないんです。ですから、私は再建会議というふうなことを言われることに当たる金なのかなという感じはいたしております。ほんのわずかの時間話して、後は食事で雑談という会でありました、そのときの会は。
#260
○角田義一君 それはちょっと世間様は通らないんじゃないですか。
 当時、もう既に暴力団に融資をして大変なことになっておるということは巷間わかっているわけですよ。そこへ呼ばれて単なる雑談で済むというようなことではなくて、あなたの一定の役割もそこで決められたんじゃないんですか、失礼だけれども。
#261
○国務大臣(渡辺秀央君) 先生がおっしゃるのは、六月の初めごろに何か新聞に出たという意味でおっしゃっているんではないかと思うんです。ところが、私は、実はそれ、後で、本当にその新聞もつい先ごろ資料の一つとして実は秘書に見せられたことでして、私はその当時も、つい先ごろまでそういうふうに六月、私が声をかけられて出かけたときの意識には実はないんです。
 ただ、うわさの中で、ちょっと佐川の方がいろいろ大変のようだねという話はちまた、だれからどこでということも記憶ありませんが、聞いたことは事実です。しかし、そんなに詳しい話ではなかったんです。
#262
○角田義一君 あなた、この佐川の渡邊廣康さんとどういう関係なのかちょっと聞きたいと思うんですが、金子清さんが当選をされて、その後七月の三日に東京の福田家であなたと佐川の廣康さんそして金子知事が寄りまして、当選のお祝いの宴を持たれたというふうに私ども聞いておりますが、どうですか。
#263
○国務大臣(渡辺秀央君) それは新聞にも出ましたので私実は調べて見ましたが、確かにそんなことの企画はありました。しかし、その当日、金子知事が朝、とても夜遅くなると間に合わないのでということでこの会は実は見送ったのでございます。確かに計画はありました。
#264
○角田義一君 それじゃあれですが、そういう計画があったと。別の機会にお三人で祝宴を催したことはあるんですか。
#265
○国務大臣(渡辺秀央君) 三人だけの会は全く記憶にございません。
#266
○角田義一君 文芸春秋の十一月号の松澤さんの獄中記録を拝見いたしますと、彼が平成三年の一月五日に渡邊廣康邸に年始に行ったときにあなたと金子知事がおられたと、なかなか豪勢な新年会だったというようなことも言っておられますけれども、どうなんでしょうか。
#267
○国務大臣(渡辺秀央君) お答えいたしますが、私は実は渡邊社長の御自宅というのを承知しておらないのでございます。ですから、恐らくそれは何かの間違いではないかと思います。
#268
○角田義一君 話は変わりますけれども、この平成元年の新潟県知事選。君知事がお亡くなりになった後、後継者どなたが挙がっておられましたか。
#269
○国務大臣(渡辺秀央君) 自民党の方の候補者という意味でしょうか。
#270
○角田義一君 そうそう、おっしゃるとおり。
#271
○国務大臣(渡辺秀央君) 社会党さんの方はそこにおられる志苫さんが候補者でございました。それから、私どもの方は、一本化されました金子当時副知事、それから当時県議会議員の岩村卯一郎氏、それから国会議員で高鳥修氏、それから前の新潟県の教育長の有磯氏の四人が立候補の意思を持っておられました。
#272
○角田義一君 東京佐川の渡邊廣康さんはどの候補者を推しておられたんですか。
#273
○国務大臣(渡辺秀央君) それは私は承知しておりません。
#274
○角田義一君 あなた当時自民党の県連会長で、この四人の方が競っておられて、渡邊廣康さんが金子清さんを推しておられたということを知らないなんということはないでしょう。現に四月の十三日にあなたと廣康さんで電話でこの知事選のことについて相談しているんじゃないんですか。
#275
○国務大臣(渡辺秀央君) 今突然そういうことを言われまして、私、おやと思ったんですが、もし私が間違っていたら後で訂正しますけれども、君さん亡くなったのは今先生がおっしゃったそれ以後だと思うんです。私どもは、君知事がよもや退陣あるいはまた病死されるというような状態は全く、実はそんな状態だと思ってなかったんです、つい本当に亡くなられる直前といっていいぐらいまで。私自身は少なくともそうだったんです。ですから、君さんから病床から電話があって、体がどうもいかぬ、引退したいというときには、それはもう少し考えてくださいということまで言ったぐらいでして、そんなに病状が急激に悪化したということを承知していない。ですから、今先生がおっしゃった四月の十何日に電話などということは毛頭実はないと思います。
 それから、東京佐川の渡邊社長が金子さんを推していたということは、これは後でわかったことでして、私は実は当時の県連会長として、次の県連会長と二人で、とにかく誠心誠意もう二身一体でこの四人の方どなたがいいかということを本当に日夜努力し、苦労して選考していたのでございます。
#276
○角田義一君 四月十二日というのは、君知事さんが辞任をされた日ですよ。その辞任をされた日にあなたと廣康さんが知事選の対策についていろいろ電話で相談をされたというふうに私は聞いているんですけれども、日はともかくとして、この知事選の問題についてあなたと東京佐川の廣康さんとで御相談になったことはあるんですか。
#277
○国務大臣(渡辺秀央君) お答えいたしますが、今の私の記憶では、個別で実は一人の人に対しての交渉あるいはまた相談は私は本当に一切やっていない。非常にそれほど微妙なことでございました。みんなそれぞれ政治生命にかかわることでございましたので、非常に慎重に私は次の県連会長と事を運んで、しかもまだ民主的に運んでいったという自負を持っております。
#278
○角田義一君 大臣は県連の会長として、この金子さんを一本化するについて、金子さんに対して資金の手当ては大丈夫なのかと、東京佐川からの資金提供があるというふうなことを金子さんから聞いておったんじゃないんですか。
#279
○国務大臣(渡辺秀央君) 東京佐川から資金提供があり強力に応援してもらうことになるぞというような話は、私は一人ではそんな話をしていませんし、次の県連会長と二人で全部当たってきましたが、全く私も記憶にないことで、今初めてそんな話を承りました。
#280
○角田義一君 当事者でない私の方がよく知っているというのもおかしな話ですな。
 五月の十日の日に、実は鶴田さんは東京佐川から一億円という現金を持って新幹線に乗りまして、その新幹線の座席の下に一億円を入れて、そして新潟へ運んだんです、これはいずれはっきり明らかになると思いますが。
 その鶴田さんに一億円を渡してくれと、渡してやっていいよという指示をこの渡邊廣康さんにやったのは大臣じゃないんですか。
#281
○国務大臣(渡辺秀央君) お答えいたしますが、私は一切関知いたしておりません。
#282
○角田義一君 あと二、三点ちょっと聞かしてください。
 今、新潟ではこの二億円の真相解明ということが新潟県民を初め私ども非常に関心を持っておるところです。桜井新現在の自民党新潟県連会長は、十一月九日に最高検に対してこの二億円の問題について徹底的に真相を究明してもらいたいということを申し入れているんですね。今一番大変なのは、亡くなられた、法務大臣までおやりになった長谷川信先生が二億円を云々ということでぬれぎぬを着せられかけているということなんですよ。
 私どもいろいろ調査してみますと、五月二十四日に二億円が長谷川信さんに渡されたというような報道もありますが、しかしこれはおかしいんじゃないかと。五月十六日にあなたと長谷川信先生が二人で東京佐川に二億円をもらいに行ったということじゃないか、こういう疑惑が持たれているんですけれども、いかがでございますか。
#283
○国務大臣(渡辺秀央君) お答えいたしますが、長谷川信先生も大変なことを言われているのかという気もしますが、私も実はそれ以上に大変なことを言われているわけです。今、先生がそういう疑念の中で私に対して質問をしているということは、極めて迷惑な話であるということを申し上げておきます。
 もう一つは、全く、長谷川信先生と二人で会社あるいはほかのところへ訪問をしたというような事実は一切ございません。
#284
○角田義一君 最後に一点だけ聞きます。
 大臣、失礼でございますけれども、この新潟の二億円のルートの問題につきまして検察庁から事情をお尋ねされたということはあるんでございましょうか。
#285
○国務大臣(渡辺秀央君) お答えいたします。
 全くございません。
#286
○角田義一君 最後に、法務大臣にお尋ねしますけれども、いやしくも法務大臣をかって経験された方が大変な疑惑を持たれておる。やはりこれは、死者の名誉のためにもはっきりとこの二億円の問題については真相をただすと。検察庁は関係者を必ずしも私は十分捜査していないと思うんですよ。あくまでも二億円の問題については徹底的な真相究明をする、こういうお立場にあるかどうか、これは大臣の私は所信を聞きたいと思います。
#287
○国務大臣(田原隆君) お答えします。
 検察は疑わしきがあれば調べるでありましょうし、なければ調べないと思います。私は検察庁法十四条によって指揮権を与えられておりますが、昔、先輩が指揮権を発動して捜査を中止したというふうに承っておりますが、指揮権はそういうふうな方向だけに働くものではなくて、やれということも指揮権だろうと思います。したがって、私は指揮権というものはみだりに発動すべきでなく、検察の動きをじっと見詰めて沈黙を守ることの方が法務大臣として重要であるとこの際思っておるわけであります。
#288
○角田義一君 一応終わります。
#289
○村沢牧君 総理は所信表明演説で政治改革に不退転の決意でもって臨む、一身をささげて取り組む決意だと、まことに結構です。私も賛成です。総理は昨年総裁選に立候補した際、一年をめどとして政治改革について具体的な結論を出す、こういうふうに公約されました。あなたが目指す政治改革とは一体何でしょうか。一年を過ぎましたけれども、一体いつになったらそれが出るんですか。
#290
○国務大臣(宮澤喜一君) 大体私がお約束したとおりになっておると思います。すなわち、ことしの春に、まずこの問題はある緊急を要する点がございますので、緊急改革分と抜本改革分とに分けまして、緊急改革分については、私どものこれは党内のことでありますけれども、三月ごろには答申を求めたい。抜本改革分については、政治改革本部というものをつくりましたので、十一月終わりをめどに答申をお願いしたいということを申しました。
 緊急改革分については、幸いにして各党各会派の御同意がありまして、これは共産党は入っておられませんけれども、協議会で事実上御同意がありましたので、前国会で成立をすることを期待をいたしておったわけでございます。御承知のような事情でそれがそうなりませんでしたが、この国会におきまして衆議院では議了をせられて、本院の御審議をお願いするという段取りになっております、これは緊急改革分でございます。
 抜本改革分は、私どもの政治改革本部で三つの部会がほぼ作業を完了しつつございまして、もう日ならずして私のところに一応改革案として答えを持ってきてくれることになっております。この点は、立法事項が多数ございますので、また国会において御協議、御審議を願わなければならない問題でございますので、これは次の国会ということになろうかと存じます。
#291
○村沢牧君 今国会に十八項目に加えて三項目追加した。しかし総理、これではまだ足らないんです。我が党も特別委員会をつくって検討して、基本的な問題にもっと加えなければならない問題があります。総理はどのように考えておられるのでしょうか。
#292
○国務大臣(宮澤喜一君) いわゆるこの十八項目というのは前国会のときにほぼ各党で一致をしたところであったのですけれども、その後事態がこういうことになりまして、さらにこれにつけ加えるものがあるということで協議会でいろいろ御議論があって三項目について新たに合意が成立をしたということでございます、これが緊急改革分でございますけれども。しかし、その中でも幾つか後へ残されたといいますか、これは結局抜本改革に残っていくことかと思いますが、政治資金規正法の罰金刑あるいは執行猶予の場合の公民権の停止であるとか、寄附金の公開基準の引き下げ、政治団体の一本化であるとか、企業団体献金をどう考えるか、あるいは公選法の連座制はどうかといったような幾つかの問題が残っておりまして、これはあるものはこの協議会においてもう少し協議を続けようと各党にも御意見があるといったようなものもございますし、恐らく今後の抜本改正との関係において御議論していただくことになるであろうかと思います。
#293
○村沢牧君 政治資金についてやはりもっと透明度を高めなきゃいけない。どこからもらったか、だれからもらったかわからない、随分あるわけですね。この政治資金の透明度については総理はどのように考えますか。
#294
○国務大臣(宮澤喜一君) それは結局、今私ども党内でも議論しておりましたんですが、政治資金の透明性の確保という問題は、例えば寄附金でございますと、公開基準というものをどの辺に置くか。今の公開基準は高過ぎるという話でございますね。それから政治団体がたくさんありますと透明性というものは非常に難しくなりますから、政治団体をもう少し一本化と申しますか、少なくできないかとか、そういう問題につきまして私どもの党内でも議論を今いたしております。
#295
○村沢牧君 私は、先ほどお手元にお配りいたしました資料、これは政治団体の収入の状況、平成元年、二年、三年、金丸さんの後援会、新国土開発研究会、日本政治を考える会、富岳政経研究会、これに経世会、この三年間のそれぞれの年度におけるこの政治団体を見てまいりました。
 そうすると、例えば平成三年のあれですから平成二年金丸さんが五億円をもらった年の届け出なんというのは、個人が千七百七十三万円ですか、法人が七千九百五十一万余、政治団体が四千六百十万余ですね。この中で個人、法人等でどこからもらったかわかっているのは全体の三・一%ですね。経世会を見ると、個人、法人たくさんありますが、〇%なんですよ。あるいは日本政治を考える会、金丸さんの後援会、これは法人は〇%、富岳政経研究会、金丸さんの後援会ですが、これも法人、個人〇%、どこからもらったかわからないんですね。これが今の透明性の実態なんですよ。こんなことでいいのか。やっぱりこのことのはっきりした制度をつくらなきゃいけないんじゃありませんか。ずっと三年間見たって、個人、法人、透明度三%、〇%、総理、実態をどう思いますか。あなたの政治団体だって同じだと思う。どうですか。
#296
○国務大臣(宮澤喜一君) そのことが先ほど申し上げました公開基準と言われるものに関連をいたすことでありまして、御指摘のように、公開基準が非常に高ければ透明性というものがそれだけ落ちるということになりますから、公開基準をもっと引き下げたらどうかという議論を私どもの党内でもいたしておるところでございます。
#297
○村沢牧君 総理は、企業、団体の政治献金をどういうふうに思いますか。
#298
○国務大臣(宮澤喜一君) これも与野党の間で何度か御議論になっておることなのですが、私自身は、法人といえども社会的な存在でございますから、献金をする、寄附金をするということは、それ自身誤っているとは思わない。ただ、それにはおのずから節度というものはあるであろう。幾らでもいいというわけのものではないというふうに私自身は実は考えておるのです。
 ただ、これについて私どもの党内にも、そうはそうであっても、何かやっぱりそこに一つのルールみたいなもの、あるいは仕組みというものが要るんじゃないかという議論もございます。それから、経済界全体としましては、国民政治協会でございますか、そういうものをなるべく使って、一つの法人が金のゆえに寄附先に影響を及ぼさないようにプールしてしまうということをやっておられることは御承知かと思います。
#299
○村沢牧君 私は、企業、団体からどんなに政治献金が行われているであろうと思いまして、大変失礼ですが、自由民主党の三年間それぞれどの企業から幾らもらったか、一千万円以上のものを自治省の届け出によって調査しました。そうすると、平成元年分は七十四億二千八百万、これは二百四十六団体、平成二年は二百四十八団体、七十七億二千万円、平成三年は二百二十六企業、七十一億五千万ですね。このほかに、これは皆さんは個人の政治団体、あるいはまた個人献金、地方における団体、たくさんありますね。つまり、大変失礼ですけれども、皆さんの議員は企業や団体の政治献金によって政治活動を行っていると言っても過言ではない。企業は確かに存在しています。しかし、こういうことでいいのかどうか。
 総理は、こうして自由民主党がこれだけの献金を受けているということを御存じですか。
#300
○国務大臣(宮澤喜一君) それで、先ほども申し上げておりますように、法人であるからいけないということはないなと。しかし、その節度というものはやっぱりあるべきではないか。また、だれがどういうふうに受けるということがいいのかというようなことは私どもの党内でも議論をしておりますし、それからなるべく個々の企業がいわゆる支配力といいますか、金に物を言わすということがありませんように考えましたのが国民政治協会という、そういう団体でありますことも申し添えておきます。
#301
○村沢牧君 時間がありませんから、その問題についてこれ以上言及することはやめます。しかし、こういう実態ではなかなか政治改革はできないということを総理自身もお考えになってください。
 次に、農業問題について若干お伺いしますが、ガット・ウルグアイ・ラウンドのこれからの交渉はどういうふうに進めていくのか、現状はどうなのか、農林水産大臣、答弁してください。
#302
○国務大臣(田名部匡省君) 現状は、今TNCでいろいろと議論をしよう、あるいはそれぞれ分かれて四日ごろから議論を始めたいということになっておるようであります。アメリカ、ECが大筋合意、基本的なことで合意をしたということ等もあって、それが本当に細部にわたってどういう合意をしたのかということを今正確な情報を収集したい、そう思っている段階であります。
 したがって、それがわかり次第十分な分析の上に立って私たちの行動を展開するということにいたしております。
#303
○村沢牧君 総理、ウルグアイ・ラウンド交渉を長い間続けてまいりましたが、アメリカとECと談合的な取引で合意したといっても、それは輸出国同士の合意であって輸入国には直接関係のないことです。つまり、ドンケル案というのは輸出国の立場に立っている。農産物貿易、乱しているのは輸出補助金でありますけれども、これはなくす、全廃するのではなくて、輸入国は例外なき関税化で対応する。不公平だと思いますが、どうですか。
#304
○国務大臣(宮澤喜一君) そうでございますね、確かに交渉せられるべき問題は大きく分けまして三つあるでございましょう。一つは国内措置でございます。それからもう一つは今御指摘の輸出補助金である。もう一つは国境措置、これは関税等々輸入側の立場の問題でございますから、今おっしゃいますように、確かにこの間アメリカとECの間で話がある程度妥結したと言われる部分は、その輸出補助金に関するもの、あるいはひょっとすると国内の所得保障もあるかもしれませんけれども、少なくともそれは輸出国側の関心事、それについてであるということは言われるとおりと思います。
#305
○村沢牧君 だから、アメリカとECが合意したといっても輸出国同士の話だと。日本は全く輸入国で、世界一の輸入国ですね。ガット加盟国は百八国あるんです。こういう中で、アメリカ、ECが合意をしたといってそれがまさに大勢が決まるかのようなことはおかしいんです。
 農業には各国とも特殊な事情を考えて、自国の農業をどういう手段で守るかということはその国の主権に関する問題です。貿易交渉でもって一律的に決めていくことは、こういうことは今後とも大きな問題だというふうに思うんです。だから、どういう立場に立って今正念場を迎えている交渉に総理は臨ませているんですか。
#306
○国務大臣(宮澤喜一君) それは、先ほど農林大臣がお答えをされたことでございますが、いわゆるダンケル・ペーパーというものが昨年の今ごろ、十二月でございましたでしょうか出まして、そしてそれからほぼ十一カ月間アメリカとECの間でやりとりが続いたわけですが、そうしてその結果として恐らく去年出されましたダンケル・ぺーバーというものは一部修正をされるということになるのであろうと思いますが、我が国もこれはいわゆる関税化の問題について我々の意見を持ってまいったわけですから、そういう意味で、この段階においてダンケル・ペーパーについて我々は我々の主張をする、そういう段階が来たと、こういうことだと思います。
 それで、そういうことが今の問題でございますが、このガット交渉そのものはお互いに譲歩をする。こちらの譲歩はこちらの損でございますが、先方の譲歩はこちらの得でございますから、お互いにそういうことの中で関税の壁を低くして貿易量をふやそう、自由貿易に近づけようというのがこの最終的な目的でございますから、そういうことを頭に置きながら、今そのダンケル・ペーパーについての我々の主張をする段階が来たと、こう考えておるわけであります。
#307
○村沢牧君 米の関税化と自由化に応じないことは、各党または政府の公約でもあります。私は、歴代農林水産大臣を初め関係大臣、そして首相に本会議、予算委員会、農水委員会等でもって随分何回も質問してまいりましたが、すべて関税化、自由化には応じないと答弁している。
 今、総理が答弁ありましたように、譲り合いの中で譲れるものは譲っていくということですね。全くこれは今までの答弁と違うんじゃありませんか。総理がそういう答弁をなさるものですから、日本も譲歩があり得ると、そういうふうにとられているんですよ、国内でとられているんです。宮澤総理もいよいよ米の問題については方針が変わってきた、日本が譲歩あるんだとマスコミみんな報道しているんじゃありませんか。今そんな答弁でいいんですか。
#308
○国務大臣(宮澤喜一君) 最後に申しましたのはウルグアイ・ラウンド全体について申し上げておるわけでして、農業はその一部でございます。アクセスの問題もありますし、サービスの問題もありますし、繊維の問題もありますし、いろいろございます。そういう全体の中で世界貿易をどういうふうに自由化していこうという、そういう意味でのお互いの譲り合い、こういうことを申すわけでございます。
#309
○村沢牧君 総理の今答弁になったことは米の問題ではない、米を意識して言っておるんではない、そういうことですね。
#310
○国務大臣(宮澤喜一君) そういう幾つかの問題を各国とも持っておりまして、その全体の評価の上で最終的にこのラウンドが成り立つか成り立たないか、こういうことになってまいると思います。
#311
○村沢牧君 外務大臣、あなたが農林水産大臣をやられたのは昔のことでありますが、私の質問に対して、国内で生産できるものはなるべく国内で生産して、外国のものを抑えなければならないと何回も答弁してきた。また、本年三月十九日の当委員会では、その考え方は十年来同じである、こういう御答弁である。また、包括関税化容認論ではないかといういろいろな批判に対し、自由化というのはこういうものだという説明を申し上げただけであって、総理の言われた方針に従って今後我々は交渉を最後まで努力していくと、ずっと答弁していらっしゃいます。
 ところが、最近になって、渡辺外務大臣の答弁は大分変わってきた、また方針も変わってきた、こういう批判があるんですが、いかがですか。
#312
○国務大臣(渡辺美智雄君) 外務省は交渉の窓口になっておるわけですから、今や外交問題はイコール内政問題になることが多い。したがいまして、日本の産業にかかわる問題について外務省だけが脱線することは許されないのです。
 ウルグアイ・ラウンドは、これはだれもがどの国も貿易の自由化をもっと進めるために成功させましょう、こう言っているわけです。日本もウルグアイ・ラウンドは壊していいなんてだれも言う人はいないんです、与野党とも。みんな成功させましょうと言っているわけで、いよいよ大詰めに来るわけでございますから、その中でそれぞれの主張を言い合ってだれもが譲らない、一つもどこも譲らなければ絶対にまとまりません、これは。どこの国も何らかの部門において必要最小限度のものを、譲り合いながら、痛み分けをしつつまとめていくということをやっておるわけです。
 どこの部門でどういうようなことを譲るかという問題については、これはなるべく生き残れるというか、合理化できて競争力のあるものから譲っていくということでございますから、米だけみんな騒いでおりますが、知的所有権の問題もございますし、サービスの問題もありますし、たくさんまだあるんです、未解決の問題が。そういうものをひっくるめた中でひとつ話し合いをやっていこうというのであって、だれも米の完全自由化をするなんということを言った人は一人もいないんですから、そんなこと要求もされておりませんから、みんなどこの国だって自国産業をある程度守る、これはやむを得ないことだと、守り方についてはいろいろ工夫してくださいということを片一方じゃ言っておるわけですから。だから、それはまとまるように話し合いをしていきたいと考えています。
#313
○村沢牧君 外務大臣、外務大臣の答弁はウルグアイ・ラウンド全体の問題であって、国会決議があり、それから今まで大臣の答弁もあって、特に競争力のない米まで自由化してくる、関税化してくる、そういう方針ではないということをひとつもう一回答弁を求めたいと思います。
#314
○国務大臣(渡辺美智雄君) 我が国は政党政治、議院内閣制でできておりますから、外務省だけが異論を唱えることはありません。
#315
○村沢牧君 通産大臣、去る十月に開催された四極通商会議、このときにいろいろとお話し合いをされ、その後帰ってこられて、政治決断を迫られているというようなことをお話しになりましたけれども、大臣はどのように考えていますか、農業問題、米について。
#316
○国務大臣(渡部恒三君) 四極通商会議、カナダのトロントで行われました。その際、ECまたアメリカの代表から、農業問題で長い間者さん方に御迷惑をかけてきたけれども、いよいよ近いうちに米・ECの農業問題は話し合いがつく、いよいよウルグアイ・ラウンドの年内合意に向かって各国それぞれ努力をしようと、こういうお話がございました。
 委員御案内のように、我が国は自由主義経済によって今日の繁栄を得ておる国でありますし、また我が国のみならず、私もこの任に当たってからアジア・太平洋閣僚会議あるいはOECDあるいは総理のお供をしてミュンヘン・サミット等出てまいりましたが、世界じゅうの代表が出てきて、ウルグアイ・ラウンドを早期に妥結させようということは全員賛成であってこれに反対する国はないわけでありますから、もとより私も努力しようと。しかし、その際、我が国も農業という非常に難しい問題を抱えており、我が国としての大事な基本方針もあるので、今後ジュネーブに行ってガットの場で、我が国は農業問題についての我が国の方針を貫く努力をしていくので、それに対してダンケル・ペーパーが既に出ておるから聞く耳持たぬでは困る、我が国の意向も十分尊重してほしいと、こういうことを申し上げてまいりました。
#317
○村沢牧君 羽田大蔵大臣、あなたもずっとこの問題には取り組んできたところでありますが、改めて大蔵大臣の決意というか羽田さんの決意をお聞きしたい。
#318
○国務大臣(羽田孜君) 一つの大きな新しい展開というのが見られるわけでありますけれども、私ども、外務省あるいは農林水産省の担当の皆さん方がまさに国会で御決議をいただいたこと、こういった方針を踏まえながら今真剣に我が国の厳しい農業の状況、これは単にお米というだけではなくて、でん粉もあります、あるいは乳製品もございます、こういった問題も含めて懸命に今交渉を、話し合いをされておるところであろうと思います。
 今もうそれだけを申し上げ、私どもはその努力に対して信頼をおきながら見守るという立場にございます。
#319
○村沢牧君 加藤官房長官、あなたも一昨年にベルギーのブラッセルベこのガットの問題を、農業問題は譲れないということでお出かけになりました。私も一緒でした。今度の米の正念場を迎えてのあなたの決意を伺いたい。
#320
○国務大臣(加藤紘一君) 総理が申されましたように、このラウンドの交渉は農業に限らず各方面で行われているわけでありますけれども、私たちの国の農業につきましては、特に土地利用型の農業につきまして大変厳しい状況にあるということは世界じゅうに訴えなければならないことだと思っております。
 そういう中で、特に包括関税化の問題につきましては我々は非常に強い関心を持っておって、それを世界各国に一生懸命訴えておって、それはなかなか厳しい状況であろうと思いますけれども、今後とも国会決議の趣旨に沿って全力を挙げて我が国の主張をできるだけ反映できるように頑張っていただかなければいけない、そういう角度で今外務省も農林省も全力を挙げて交渉に当たっている状況でございます。
#321
○村沢牧君 総理、米の自由化反対、お手元にお配りいたしましたように、衆参両院で三回、本院農林水産委員会は五回も行っているんです。国会でこんな決議を何回もやったことはほとんどないというふうに思います。だから、本院の決議は、主食である米は国内生産による完全自給の方針を堅持すること、こういうことになっています。総理が国会決議を尊重することは当然のことでございますが、この方針を絶対間違いのないように尊重して取り組んでいただけますか。
#322
○国務大臣(宮澤喜一君) そういう方針を持って交渉に臨みたいと思います。
#323
○村沢牧君 国会決議を尊重することは当然のことである。竹下、それから海部首相、そして宮澤総理もそういう答弁をしておるんです。国会決議は重いんです。
 櫻内衆議院議長はインタビューで、衆参の決議は法律よりも権威がある、国権の最高機関が自由化反対の決議をしたとするならばこれはどうすることもできない、決議の重さを米の問題についてインタビューで語っているんです。櫻内議長が強調しているように、多数決で決する法律よりも全会一致を原則とする決議の方が国民の意思を反映しているんです。
 改めて総理にこの問題の答弁を求めたい。
#324
○国務大臣(宮澤喜一君) そのことはよく承知をいたしております。
#325
○村沢牧君 総理が、また内閣がこの国会決議を無視する、そういう行動をとらないというふうに思いますけれども、もしとった場合にはどうなるのか。これは政治的な責任をとらなければならない。それは、内閣辞職以外にないんです、内閣総辞職以外にない。
 しかし、内閣が幾つかわったとしても国会決議は変わらないんです。その責任がありますけれども、私はあえて申し上げますので、この際、宮澤内閣総理大臣の答弁をいただきたい。
#326
○国務大臣(宮澤喜一君) 政府としては、先ほど申し上げましたような方針を持って交渉に臨みたいと思います。
#327
○村沢牧君 方針として、今まで何回もそういう方針で交渉に臨んでまいりましたね。今、正念場だと言われるんです。年内に決着するのか、来年三月までには本当に話をまとめるのか。そういう方針でいくことは当然のこと。世界の交渉の中で、国会決議を三回もやっているんですから、この決議の線に沿って、この決議を尊重して絶対実現をしなければならない。方針というのはそういう考え方で臨むことは当然なんです。もし国会決議に対して違反することがあったら大変なことだ。
 改めて、重ねて答弁を求めたい。
#328
○国務大臣(宮澤喜一君) その御指摘はよく承知をいたしております。
#329
○村沢牧君 承知をしておるということでございますが、重ねて申し上げます。
 このような国会決議を何回もやって、内閣がそれに対して違反をするようなことがあったらば、それは国会に対して内閣は総辞職をするしかない。いいですか。そして、そのことは選挙があったから決議が終わったというものじゃない。内閣が幾つかわっても国会の決議は生きている。そのことを強く申し上げて、私の質問を終わりたいというふうに思います。
#330
○委員長(遠藤要君) 以上で村沢君の質疑は終了いたしました。(拍手)
#331
○委員長(遠藤要君) 次に、柳川覺治君の質疑を行います。柳川君。
   〔委員長退席、理事井上裕君着席〕
    ―――――――――――――
#332
○柳川覺治君 柳川覺治でございます。
 私は、自由民主党を代表いたしまして、総理を初め、関係大臣にお尋ねいたします。
 幕末の動乱期におきまして、「他を知り己をおさめて変に応ずる」と佐久間象山公は申されました。そして、日本は明治維新によって営々として西欧の文明を吸収し、努力をして今日の日本を築いてまいりました。今、内外の大きな変動のときにあって、恐らく佐久間象山公は今おられましたら、おのれをおさめて他を知り、そして変に応ずるという、むしろそういうお心、言葉を言われているのではないかという感じがいたします。
 このようなときに、宮澤総理大臣、政治の場はもとよりでございますが、財政についてもあるいは内政全般にわたっても最も堪能な総理をお迎えしております。私はここで政治改革、また不況対策、そして国際問題における、特にアジアの問題にどう対処するのか、この三点につきまして、まず総理の御見解をお尋ねさせていただきたいと思います。
 初めに、まことに残念なことでありますが、現在我が国の政治に対する不信感は極めて根強いものがございます。これはいわゆる東京佐川急便事件によるものだけではなく、長期にわたる経済情勢の低迷、行政の対応への不信感等、さまざまな要因に基づくものと考えます。佐川急便事件の解明が勇断をもって積極的、かつ公正に実施されなければならないことは当然であります。重要なことは、この事件を教訓として国会や行政が何をなすかでございます。
 総理は御就任以来、政治改革について並み並みならぬ御努力をされてまいりました。国民の皆様もその実現に大きな期待を寄せております。
 政治改革の現状及び今後について御所見を伺いたいと思います。お願いいたします。
#333
○国務大臣(宮澤喜一君) 御指摘のとおり、政治改革は緊急の問題になってまいりました。殊に、ただいま御指摘のようなことが最近また起こってまいりましたので、余計これは急がれる。それによって国民の信頼を回復しなければならないと存じます。
 ことしの初めに、私としてはこの政治改革をまず緊急分と抜本分に分けなければならないということを考えまして、緊急分につきましては既に前国会という期待をいたしましたが、御承知のようなことで前国会に成立をいたしませんで、この国会におきましていわゆる十八項目プラス三項目というものが衆議院で本日議了せられたところでございますので、当院におかれましてもひとつできるだけ早く成立をさせていただきたいと思います。これはもう一番急がれる部分でございます。
 それからあと、しかし抜本改革という大事な部分が残っておりまして、これは私はことしの春に、緊急改革が済み次第、十一月の末ごろまでに党内の意見の取りまとめをしてほしいということを申しましたのですが、ほぼ党内の意見の取りまとめが最終段階になっておりますので、この抜本改革につきましては、今度、恐らく次の国会になろうと存じますけれども、これに続きましてひとつ実現を図ってまいりたい。国会におきましてどうぞ成立につきましてよろしくお願いを申し上げたいと考えております。
#334
○柳川覺治君 総理御指摘のとおり、政治改革につきましては国の大道を誤らない一番大きなことであろうと存じます。そして、このことはまた国会議員の我々にとりまして、与野党を通じてこの道をたずねる重大な責任があろうと思う次第でございます。総理の一層の御熱意を心から御期待申し上げます。
 次に、不況対策でございますが、長期化している景気の低迷は国民経済に深刻な影響を及ぼしております。
 小さな例ではありますが、今我が国の工業系の専門学校が全体の五五%、そのうちコンピューター系の学校は約三千校あります。生徒数は十万人で、全生徒数約七十万人の専門学校生徒の七分の一がコンピューター系の生徒でございます。昨年三月、コンピューターソフト会社の三〇%が倒産いたしました。その結果、昨年、卒業生である五万人の学生が就職難に追い込まれるという状態が起こりました。この現象は今年にわたりましても続いております。専門学校のみならず大学、短大にも見られるわけでございまして、就職内定者は採用取り消しや別の職種への変更を余儀なくされるなど、さまざまな影響が出ているのが実態でございます。若者に夢と励みをといって教育をしてきた成果がこういうような急激な変化ということになっておるわけでございまして、これらはささやかな一例でございますが、このような状況の中にあっても、国民は一生懸命歯を食いしばってあすへの希望に向かって頑張っております。
 振り返って過去にその例を見つけるならば、私たちは幾度となく不況を経験いたしました。総理がさきの所信表明で述べられましたとおり、第一次、第二次オイルショックによる景気低迷も、その都度国民の理解を得てより強靱な経済構造の実現によってこれを乗り切ってまいりました。その背景には、国民が苦難に耐える忍耐力と政治への信頼、そして官民一体となった英知があったことと思うのであります。
 総理が既にお話しになられました今回の経済不況はかつて経験したことのない深刻なものと言われております。ある部分では根底から経済構造そのものに深くメスを入れなければならない状況さえあります。この長い、あるいは暗いとも言えるトンネルから脱出していく、そのために最も重要なことは、国民が抱く先行きの不安感を解消することではないでしょうか。
 日本人、それは何か。常に勤勉、誠実そして感謝の心を持つ、これが日本人と言われております。日本人は常に自己を高め、またよりよき社会を築いていく、その努力をする民族だと言われております。ここでしっかりした先行きの目途さえ示していただければ、国民は、耐えるものは耐え、あすへの希望を持って努力することと信じます。
 残すところあと一月余りで新年を迎えようとしております。国会は一日も早く補正予算の成立を図り、政府は大英断と果敢な実行力をもってこの不況対策を実施し、国民が希望に満ちた新年を迎えることのできるよう一層の御努力をお願いする次第でございます。
 総理の御所見をお願いいたします。
#335
○国務大臣(宮澤喜一君) 御指摘のように、いわゆる第一次、第二次の石油危機、石油を持っておりませんエネルギーの乏しい我が国にとっては、これはもう瀕死の事態とまで言われたことがございましたけれども、しかし、その結果、我々の努力からいわゆるハイテクノロジーというものが生まれた。これはやはり、必要は発明の母ということをつくづくあのときに感じたわけでございます。
 その次に円高の危機というものが参りました。この円高の危機に対しても、これも企業としては初めての苦しみでありましたが、それを乗り越えていわゆる減量経営をやりました。そしてまた、東南アジア等を初めとして、海外にたくさんの立地をして、その結果、今日の東南アジアの経済がこれだけ栄えてまいりました。我々は常にそういう状況を乗り越えて新しいものを生み出してまいりました。
 今度の場合、いわゆるバブルというのは手痛い教訓でございます。これは確かに手痛い教訓であって、そこから我々は多くのものを学ばなければならない。今、殊に今度の経済はただの景気循環と違いまして、これも金融とか証券とかいうものに問題が生じておる初めてのことでございますが、金融界も証券界ももう一度この経験を生かそうとして懸命な努力をしておる。政府もそれは助けられるところは助けていくべきだと思います。
 そう考えておりますけれども、それは総合経済対策にもあらわれておるところでございますが、やはりあれだけの大きな総合経済対策をいたし、そして金融、証券等にもああいう措置をしてまいりますと、私はさしものこの深刻な今回の不況も必ず我々の力で乗り切ることができる。まだまだ先は大変に明るいとまでは申しませんけれども、もうやっぱり幾つか私はそういう光が見えてきておるというふうに思います。
 やはり経済には循環という要素は、今度はそればかりではありませんけれども、これはもう常についてまいることであって、いつまでも不況だというようなことは事の性質上あり得ないのでございますけれども、今回の場合にもやはり苦しみが相当深かっただけに、やがて、ああ少しよくなってきたなと感じる時期が近いのではないか。
 幸いにして、我が国の場合には雇用についての大変深刻な問題はございません。問題はだんだん出てまいりましたけれども、円高危機のようなことはございませんし、それから雇用調整のための措置は十分に財源的にもございます。有効求人倍率は多少悪くなってまいりましたけれども、基本的にはやはり人手不足という将来がございますので、企業においてもそのことはわかっているというようなこともございまして、私はやはりここは、これだけの努力を企業の皆さんも家計の皆さんも政府もやっておりますから、必ず遠からず明るい方に転じてまいるだろうというふうに思っております。そしてその結果、我が国の経済はもう一度また強くなる、そうに違いないと思っておるわけでございます。
#336
○柳川覺治君 総理から見通しの一端をお示しいただきました。
 経済の変動はなかなかに激しいものでございますし、その予測は大変難しいことでもあろうと思いますが、今明るさを取り戻す道へのお答えをいただきました。後あと経済企画庁長官の方にもお尋ねさせていただきたいと思います。
 次に、国際政治とアジア外交でございますが、今歴史は大きく変わろうといたしております。東西冷戦の終えんで新秩序が生まれつつあります。苦しみの中で模索する秩序は確実に対立から平和への移行であり、その基調は自由と繁栄を目標とした正当な競争であり、また協調であろうかと思います。
 こうした中で、新春早々にアメリカではクリントン新政権の誕生が予定されています。両国のパートナーシップを前提とする日米関係には基本的な変化はないと言われておりますが、新大統領の就任を前に我が国の姿勢、とりわけ日米経済はいかなる展開が予測されるのか、また、こうした変化にどのように対処されるのか、お聞かせいただきたいと思います。
 さらに、総理は所信表明演説の中で、アジアの中の日本という基本的立場に基づいて新たな外交を展開していくことが重要であるとアジア外交に強い意欲をお示しになられました。私も全く同感でございます。大きく変化しつつある世界の秩序、構造の中で、アジア・太平洋地域での我が国の役割は重要であり、好むと好まざるとにかかわらず新たな外交を余儀なくされるものと思います。残すところ七年で二十一世紀を迎えようとしているこのとき、恐らく総理のお考えの中にはアジア諸国に対する経済的協力のみならず、もっと高度な構想がおありではないかと思うのであります。これについて総理の所信の一端をお伺いさせていただきたいと思います。
#337
○国務大臣(宮澤喜一君) 貿易収支も経常収支も予想を上回ってこれだけ大きくなってまいりますと、やはりこれは我が国自身にとっての国際的な問題と考えざるを得ませんで、それは、無論自由化も大事でございますが、内需の振興ということがやはり大切な問題であろうと思います。このことが対米には一つ問題になるわけでございまして、幸いにしてアメリカの景気が多少よくなっていく、あるいはそこから、まあこれは難しいことでございますけれども、財政収支なんかも少し好転をしておられるということでありましたらよろしいのですけれども、これだけ大きな貿易収支、経常収支を持ちますと、我々としてはやはり国際的な日本に期待されております努力をしていかなければならない。この間の総合経済対策もそのつもりでやっておるわけでございます。
 それから、アジアの話は、いわゆる冷戦後の時代になりまして、ヨーロッパにはCSCEというような一つの傘と申しますか、そういうものができつつございますが、アジアにおいては同じ条件でございませんのですぐそういうものが考えられるわけではないかもしれません。しかしアジア全体の安全保障の仕組みというものは、アジア地域の経済がこれから発展をしてまいりますだけにやはり考えていかなければならないだろう。これは将来に非常に影響のある大事な問題でございますから拙速であってはならないと思いますものの、おっしゃいますように、二十一世紀を展望いたしますと、アジア全体の安全保障の仕組みと申しますか考え方をだんだんに固めてまいらなければならない。それは我が国だけがやることじゃ無論ございませんけれども、我が国はその中心の一つの国でございますからやはり我々も考えていかなきゃならないんじゃないかと思っております。
#338
○柳川覺治君 先般の天皇、皇后両陛下の御訪中には外務大臣大変お疲れさまでございました。
 そして、日中関係史上初めての、有史以来の歴史的な御訪問でございましたし、決定をめぐっては国内でもいろいろな議論がございました。各種の懸念も表明されましたが、両陛下は各種の御日程を無事終えられ、つつがなく御帰国されました。本当に何よりであったと思います。中国側も日中関係の大局的見地から誠心誠意の接遇に努め、その結果御訪問は大成功に終わったことはまことに喜ばしい限りでございます。私が中国に参りましたとき、日中台同登山隊のヒマラヤの未踏峰でありますナムチャバルワ登頂が行われておりました。そして、登山関係のエベレストも登頂した人たちが天皇御訪中のときにこの登山を成功させたいということを力強く言っておられました。たまたま天候がちょっと崩れまして御訪中の後になりましたけれども、この登山も成功いたしまして、そして、過日、総理からスポーツ功労賞が表彰された次第でございます。
 政府として、今回の両陛下の御訪中をどのようにお考えになっておられますか。また、その成果を踏まえて今後の日中関係をどのように発展させようとしておられるのか、外務大臣にお伺いいたしたいと思います。
#339
○国務大臣(渡辺美智雄君) 天皇、皇后両陛下の御訪中に当たりましては、いろいろ国民の皆さんから御心配をいただき、また御支援をいただいてまいりました。
 御承知のとおり、日本と中国の間では長い歴史がありますが、その間に不幸な時代もございまして大変損害を与えたことも事実であります。にもかかわらず、中国側からはここ数年来折に触れて、二十周年を記念して両陛下の御訪問を熱烈歓迎するのでぜひひとつ実現していただきたいという要請がしばしばございました。そこで、天皇陛下御訪中を内閣といたしましては慎重に考慮の上決定したわけでございます。
 陛下の非常に率直な反省を込められた、大変この問題があったことは私の深い悲しみとするところでありますというような率直な御気分をあらわされ、またいろんな場面で、中国の民衆といいますか、一般の人たちと温かく接触をされた。こういうようなことが毎日のようにテレビで放映をされて、今まで自分たちの聞いておった天皇様と実際に目で見る天皇様の違いが余りにも違い過ぎる、こういうようなことが大きな私は衝撃を与えたものと存じます。また、中国政府も日中関係を友好に導くためには、この天皇御訪中を失敗させては大変だというようなことで、いろんな面で大変な御苦労をなさったことがありありとうかがわれます。
 いずれにせよ、日を増すにつれて陛下に対する民衆の親しみというものがだんだん表に出るようになりまして、それで、上海に至っては爆発的な人気といいますか、そういうようなことで、本当にもう文字どおり熱烈歓迎を受けて、大変な日中両国の親善増進のために尽くされたその功績は到底外交では我々できない、本当に陛下であればこそ、あれだけの国民を巻き込んだ日中国交の親善外交ができたものと感謝をしておる次第でございます。
 このような成果を踏まえまして、今後、日中問題についてはいろいろまた残された問題もございますが、友好裏に話し合いの上で、本当にお互いが相互依存の関係を深めながら、アジアの安定と平和に寄与してまいる所存であります。
#340
○柳川覺治君 外交問題の場で、あるいはこの所信をお尋ねするのは少し場違いかと思いますけれども、ある意味ではこれも我が国の外交に関連する基本につながる問題と思いまして、あえてお尋ね申し上げます。
 私は、従来から教育、学術、文化、スポーツの交流が外交の一面において重要な役割を演じてきたと認める一人でございます。古くは日米国交回復のピンポン外交、米ソ雪解け時の宇宙における学術交流など、総理も御承知のとおり、多くの実績がございます。しかしながら、我が国の国立大学が招聘している外国人教授は、例えばノーベル賞クラスの外国人を招聘する制度では、昭和六十三年十二人、平成元年九人、平成二年六人、三年九人、四年十人、さらに地域別に見ますと、アジアは中国だけでございます。招聘しておりますのはこのほか講師、研究員もおるわけですが、外交にとって、また日本がどのように生き抜いていくか、また世界にどう貢献していくのかという、そういう観点からは地域研究は極めて重要な要素であろうと思います。
 地域研究の成果を学術的に分析し、それを国交の一助とすること、これは当然のことであろうと思います。将来に向かって、国内の学術の研究はもとより対外的な学術交流をより積極的に展開する必要があると思います。そして、それぞれの国、学者との間に共同研究をして新たな人類のたどる道をたずねるということの意味がいよいよ大切になってきていると思う次第でございます。
 私は、これらの振興策がこの厳しい財政難の中で大変難しい問題であることも承知しております。しかしながら、民間活力を税制の工夫により導入するなど、将来前向きに検討されることも希望いたしまして、これに対して総理の所信、また関連いたしまして外務大臣、文部大臣に御所見があればお尋ねいたしたいと思います。
#341
○国務大臣(渡辺美智雄君) 国と国との友好増進のために、スポーツ、文化、こういうものがそれは政治、経済以上に非常に重要であることはよくわかっております。したがって、今までもいろんな面でそのようなことをやっておりますが、ながながしかしODAだけでできない国もたくさんございますので、それらについては日米基金のようなものをつくったり、またヨーロッパの関係でもそのようなものも計画されたり、いずれにせよ、学術、文化の面において大いに交流を盛んにしてまいりたい、さように考えております。
 したがいまして、大変いい御質問をちょうだいしまして、後は文部大臣、大蔵大臣にぜひとも引き継ぎますから、よろしくお願いいたします。
#342
○国務大臣(鳩山邦夫君) 外務大臣からお答えのとおりですが、ナムチャバルワから帰ってこられた登山隊、そしてまた中国側の皆様方もつい先ごろ私の部屋に来ていただいて、我々は共同して登頂した、ナムチャバルワという未踏峰の頂の高さには限界があるけれども、それは一定の高さだけれども、我々の友情は無限の高さを持っている、こういう話をされまして、そういう交流は大変大きな意味があると思いますが、先生先ほど総理がスポーツ功労者の表彰をされたとおっしゃいましたが、スポーツ功労者の表彰は残念ながら私がいたすものでございまして、総理にお薦めになるならば国民栄誉賞をお薦めになったらいかがか、こう思うわけであります。
 先ほど先生、具体的な学者さんの数字をおっしゃいましたが、これは多分どういう制度に基づくものか想像はつきますが、ただ拠点大学方式とかあるいは科研費による共同研究とかという形で日本に来ておられる外国の学者の数は四千人を超すものと思っておりますが、今後一層もっと大勢の学者の皆さん方が留学生と同様に日本にどんどんお越しいただけるような、そういうシステムをつくってまいりたいと思っております。特に地域の研究の問題もございましょうし、環境問題のように世界的な規模で研究をしなければいけない課題もありましょうし、そういう意味でさらに活発な学術交流が行われますように努力をしてまいりたいと存じます。
#343
○柳川覺治君 正直申しまして、三時間半ぐらいの予想をいたしまして各省に御答弁をお願いしたわけでございますが、このような事情でございますので、私は八時には終わらせていただきます。本当に申しわけございませんが、せっかくお願いしたあれでございますから、用意した論文等であれしますと極めて時間が超過すると思いますので、簡単な設問で恐縮でございますが、お願いしてまいりたいと思う次第でございます。
 次に、東京佐川急便事件に関する質問を法務当局にさせていただきたいと思います。
 金丸前議員に対する政治資金規正法違反事件において、取り調べを行わずに上申書の提出を受けて、いわゆる略式起訴したことが批判の的になっております。このような取り扱いをした経過とその理由を明らかにしていただきたいと思います。
#344
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 今、委員お尋ねの事件につきましては、東京地方検察庁におきましてその事実を把握して所要の捜査を行った結果、金丸前議員の刑事責任は免れないと思料されたことから、金丸前議員に対して出頭の上取り調べに応ずるよう求めたわけでございますが、弁護人からは、金丸前議員においては略式命令により罰金を支払う方向で本件違反事実を認める内容の上申書を提出する意向が示されまして、その旨の上申書が提出されるに至ったわけでございます。
 このような状況のもとで、検察当局といたしましては、提出されました上申書とそれまでに収集された証拠とをあわせ勘案いたしますと本件違反事実を認めるに十分である、捜査の目的は達したと判断されたこと、また本件五億円の収支に関しまして必要な捜査、検討を行ったわけでございますが、金丸前議員の余罪として訴追するに足る犯罪の嫌疑が認められるものと確認できなかったということ、また本件は起訴しでも最高二十万円の罰金でしか処罰できないわけでございまして、しかもその場合、金丸前議員が希望する以上は略式手続によることが相当と認められる事案でありますことから、これらの諸点を考慮いたしまして御指摘のような捜査処理を行ったものと理解しているわけでございます。
#345
○柳川覺治君 被疑者の取り調べをしなかったことに関しては、被疑者を取り調べする場合には検察官は国民の知りたいと思うことを尋問する責務がある、これを怠った検察は任務違反であるというような見解があります。しかしながら、これはある面では検察ファッショを許すようなものであって、問題があると思うのであります。
 そこで、そもそも検察官が被疑者に出頭を求めて取り調べを行う目的はどこにあるのか、御説明をお願いします。
#346
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 今、委員お尋ねになっておられます被疑者の取り調べということは、これはもう御承知のとおり、被疑者に対しまして質問を発し、被疑事件に対する弁解やその認識しているところを聴取するということでございます。
 その目的とするところは、被疑事実について被疑者に弁明の機会を与えるとともに必要な証拠を収集するということを目的とするものでございまして、あくまで捜査の一環として行うものでございます。しかも、それは当然のことながら、被疑者の刑事責任の有無等を解明するのに必要な証拠を収集することを目的とする手続でございまして、それを超えて国民が知りたいと思うこと一般についてその解明を行うということを目的とするものでないことは、もとより当然のことでございます。
#347
○柳川覺治君 一方、国民の中には、交通違反のような軽微な事件でも出頭を求められて取り調べを受けるのに、検察は金丸前議員に対して特別の取り扱いをしたのではないかと感じている者が多いと思われるのでございます。その点について法務当局はいかなる見解を持っておられるのでしょうか。
 また、略式起訴する際、略式手続の告知、説明において検察は特別の配慮を加えたとの議論があります。この点に関する事実経過と法務当局の見解をお聞きしたいと思います。
#348
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 まず、委員がお触れになられました交通達反事件のような軽微な事件と申しましても、これは法定刑が罰金二十万円以下という犯罪ということになりますと、交通達反のうちでも例えば駐停車違反というものに限られてくるわけでございます。また、軽微な交通達反のほとんどは、これは出頭の上取り調べを受けることなく反則金を納付することによって処理されているということをあらかじめ申し上げておきたいわけでございます。
 交通達反の場合でもほとんどの場合、検察官が被疑者の出頭を求めて取り調べを行っているわけでございますが、これは交通達反事件の場合、単に上申書というようなものが提出されただけでは身がわりの可能性というような意味も含めまして捜査の目的を達したとは言えない事件が多いということからこのような取り扱いをしているわけでございまして、捜査の目的を達したか否かという検討を抜きにして論ずることは適当ではないと思うわけでございます。
 それから、委員がお尋ねの後段の御質問でございます。金丸前議員に対する略式手続の告知手続につきましては、刑事手続において被疑老の利益を擁護する立場から適正手続の保障を全うすべき弁護士たる弁護人が終始関与いたしまして、金丸前議員において略式手続の意味ないし趣旨を十分理解した旨を実質的に保障していたわけでございます。
 そして、さらに念のために検察官は電話で金丸前議員に再度その趣旨を確認しているわけでございますが、いずれにいたしましても、刑事訴訟法の要求する略式手続の説明、告知につきましては、検察官が被疑者に対して略式手続の意味や趣旨を理解させるものである限り、必ずしも直接の面接の有無ということは問わないものである。略式手続の趣旨ないし説明が検察官から直接被疑者に行われ、告知されたと同等に評価できるような実質を満たすものである限り、これはどのような人に対するどのような事件についてであれ、検察当局はそのような略式手続の告知を適法、有効なものとして取り扱うものと理解しておるわけでございます。
 今回の金丸前議員の取り扱いがそういう意味でも特別の配慮に基づくものでないことは御理解いただけると思うわけでございます。
#349
○柳川覺治君 週刊誌のインタビューに応じた弁護人の話では、検察は、五億円の接受の時期の確定をしたり生原秘書の調書の作成に当たってはあたかも証拠を捏造したかのような操作をしたと言われているようであります。これらが事実とすれば問題であります。見解をお聞きいたします。
#350
○政府委員(濱邦久君) 今、委員がおっしゃられましたようなことが報道の一部にあることは承知しておりますけれども、今、委員が御指摘になられたような事実はないということでございます。
#351
○柳川覺治君 明らかなお答えをいただきました。
 検察当局は、金丸前議員に対する五億円の献金について、処罰できるだけの証拠がないため、弁護人と交渉して、取り調べをしないかわりにいわゆる上申書を提出させて略式起訴で済ませるということで安易に妥協したのではないかとも言われています。この点どうですか。
#352
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 金丸前議員に対する政治資金規正法違反事件の捜査処理の経緯は、これは衆議院でも御報告申し上げたわけでございますが、その要点を申し上げますと、東京地検におきましては、関係者多数の取り調べその他必要な捜査を遂げまして、金丸前議員から提出された上申書をも含めそれまでに収集した証拠を総合した結果、本件五億円が金丸氏に対する政治活動に関する寄附であって、その収受がこの罪を構成するものと認定するに足る十分な証拠があると判断したことからこれを起訴したわけでございます。そして、東京簡易裁判所もそのような証拠があるものとして有罪の略式命令を発し、これが確定したわけでございます。
 したがいまして、安易な妥協というような御指摘は、本件の捜査経緯に照らしまして事実に反するものであるということを御理解いただきたいわけでございます。
#353
○柳川覺治君 次に、去る十一月五日の東京佐川急便事件の裁判で、我が党七名の国会議員の名前が出ている日本皇民党の大島という者の検事調書が朗読され、政治家の名誉が著しく傷つけられたのはまことに遺憾であります。その名誉回復のためにもこの問題に触れたいと存じます。
 まず、この調書が証拠として請求された理由を説明してください。
#354
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 今、委員が御指摘になられました調書は、そこに記載された特定の政治家またはその代理人が関与したという事実を立証しようとするものではございませんで、当時の稲本日本皇民党総裁が街宣活動を中止しないという強い態度ないし意向を示す言動を行っていたことなどの事実を立証するとともに、渡避元社長の供述を裏づけることによりまして、さきに述べた特別背任の動機を明らかにすることを目的として証拠調べ請求されたものでございます。
#355
○柳川覺治君 裁判ではいかなる経過で朗読されたのか。第三者の名誉にかかわる事項が含まれている調書が無制限に朗読されていいものなのか。この点について御説明されたいと思います。
 また、検察は今回の調書に名前が出ている政治家から事情を聞くなどの裏づけ捜査をされたのか、お聞きいたします。
#356
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 まず、委員の前段のお尋ねでございますが、委員が御指摘になられました調書は、庄司宗信被告人に対する特別背任被告事件の第二回公判におきまして、検察官がその要旨を告知して一たん証拠調べを終えたものでございますが、第三回公判におきまして裁判長から検察官に対して全文を朗読するようにとの訴訟指揮がございまして、刑事訴訟法の原則に従ってその朗読が行われたものでございます。
 次に、委員のお尋ねの後段の御質問でございますけれども、捜査の内容について具体的に立ち入ってお答えすることはできないわけでございますが、一般的に申しまして、供述調書の内容についての裏づけ捜査の必要性は、その調書がどのような事実を立証する目的で作成されたかということによって決まるものでございます。
 本件調書の場合は、稲本総裁の言動を明らかにするという目的で作成されたものでございまして、その言動の中に出てくる個々の政治家またはその代理人の言動を立証したりあるいは確定したりすることを目的とするものではないわけでございまして、そのためにその裏づけ捜査の必要性ということもおのずから今申しましたような目的の範囲内にとどまるものであるわけでございまして、そのように御理解をいただきたいと思うわけでございます。
#357
○柳川覺治君 我が党の七名の国会議員は、いずれも事情聴取を受けたことを否定しております。今の御答弁、必ずしも明確なはっきりした御答弁が得られないような感じもいたしますが、事情聴取をしなかったことを認めたものと理解し、さらに質問を続けることといたします。
 裏づけ捜査をしていないのであれば、その調書の作成に当たっては実名の記載を避けるとか、またその調書を証拠請求する際には第三者の名誉を害することがないようにするとか配慮すべきではないのか、この点について見解をお聞きします。
#358
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 もうこれは改めて申し上げるまでもないことでございますが、刑事裁判におきましては実体的真実を明らかにするために供述調書の作成過程で数多くの人の実名等が出てくるということは、これはある程度やむを得ない面があるわけでございます。また、証拠の立証趣旨が正しく理解されるならば、第三者の名誉が無用に侵害されるという事態は生じないものと考えているわけでございます。
 ただ、訴訟の場を離れて見た場合に、第三者の名前が公になるということによって世間一般に無用の誤解を与えるということもあり得るわけでございまして、このことを十分に念頭に入れて、第三者の名誉や人権にも配慮して捜査及び公判活動を行うべきであるという声には謙虚に耳を傾けるべきものがあるというふうに考えるわけでございます。
#359
○柳川覺治君 前段での御質問の中では、今回の事件が検察と政治家との癒着がマスコミに取りざたされるなど、これまで以上に多くの検察批判がなされております。
 そこで、検察と政治家との関係を含め、今回の事件に対する検察の対応につきまして法務大臣の御見解をお尋ねさせていただきたいと思いますし、今回、裁判の場での調書の朗読によって政治家の名誉が傷つけられた、一体どんな名誉回復があるのか、この点も含め、今回の問題につきまして法務大臣の御所見をお願い申し上げます。
#360
○国務大臣(田原隆君) 御質問は二つ大きく分けてあったと思いますが、第一の点について申し上げますと、私は今回の事件について検察に全幅の信頼を置いて捜査を見守ってきたところでありますが、検察当局は与えられた権限の範囲内で不偏不党、厳正公平な立場を堅持しつつ、法律の定めるところに従って事案の解決のために捜査を行い、法と証拠に照らして適正な処理を行ってきたものと信じており、癒着などは考えられるはずがないと私は思っております。
 第二点の先ほどの検察官調書の問題でありますが、私は法律家でもないし、裁判の実務それから捜査の実務等についてはわかりませんけれども、今回の事件を通じて勉強し知り得たところによりますと、冒頭陳述とそれから起訴状というのが主体をなし、これは検察官が提出する以上裏をとってある。しかし、裁判の現場において被疑者がこれに答えたりするものとかあるいは検察官調書として出されるものは、必ずしも裏をとらずに、先ほど刑事局長が答えたような裁判の目的に照らした方向で処理されておるわけでありますから、その場合に確かに第三者の名誉が侵されることがあり得るということは謙虚に反省しなければならないし、虚心坦懐にやらなければならない。
 しからばどんな方法があるかという場合に、普通一般に名誉が棄損されたときに名誉の回復を求めるには、民事訴訟の提起とか名誉棄損罪による告訴とか人権侵犯事件調査の申告等の方法が考えられますが、本件調書の朗読は法にのっとって行われたものでありますので、訴訟における原則を離れた一般論として一般人の人権擁護という観点からすると、公判に関係のない第三者の名誉や人権の保護はいかにあるべきかという点が問題になるわけでありますので、今後の問題として虚心坦懐に振り返って冷静にこの問題を処理していかなければならない、そういうふうに考えております。
#361
○柳川覺治君 最後に、参議院における証人喚問問題に関連いたしまして若干の点をただしておきたいと思います。
 さきの衆議院では、刑事被告人の東京佐川急便の渡邊元社長を証人として拘置所で尋問したが、ほとんど証言を拒否されるという結果に終わったと思います。刑事被告人を証人尋問するにはどのような問題があるのかについて、参考までに法務当局の見解をお聞きいたします。
#362
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 委員のお尋ねは、刑事被告人を証人として国会に喚問される問題についてお尋ねだと思うわけでございます。
 これはもちろん、法務当局からお答えできますことは一般論としてお答えすることになるわけでございますが、一般的に刑事被告人を証人として喚問するということになりますると、被告事件の内容についても質問が及ぶことが予想されるわけでございますが、その結果として公訴事実の存否について論じたのと同様の問題を生ぜしめることとなる場合には、国会が本来これを使命とする司法に先立って公訴事実についての判断をしたとの印象を当該被告人のみならずマスコミや一般国民にも与えてしまうことになり、刑事裁判の公正に対する信頼と司法権の独立を確保する上で問題があるということでございます。
 また、偽証罪の制裁のもとで刑事被告人に証言を求めた場合に、当該被告人が法廷で供述すべき内容を固めてしまうことになるおそれもあるわけでございまして、黙秘権保障の観点のみならず、法廷における被告人の防御権一般の観点からも人権保障上の問題を生じるおそれがあるということでございます。
 もちろん当然のことながら、国会におかれまして刑事被告人を証人として喚問される場合には、そういう問題を十分念頭に置かれて国会が御判断なさることでございましょうから、国会の御判断は尊重すべきものというふうに考えておるわけでございます。
#363
○柳川覺治君 次に、いわゆる日本皇民党問題では、検察の冒頭陳述や裁判で朗読された調書の記載をもとにして議論されたり、あるいは衆議院における竹下元総理の証言に関しては、渡邊元社長の検事調書との食い違いが問題とされている。
 そもそも、検察が行う冒頭陳述や裁判で証拠調べされた調書に記載されたことは、事実として確定されているものなのか疑問に思う。冒頭陳述の性質や証拠調べされた調書の意味について説明願います。
#364
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 今、委員がお尋ねになっておられます検察官の冒頭陳述と申しますのは、検察官が証拠によって証明しようとする事実を陳述するものでございます。その後行われるところの証拠調べ手続を円滑に進めるとともに、被告人、弁護人に十分な防御の機会を保障しようとするものでございますが、冒頭陳述で検察官が陳述した事実は、検察官が証拠によって証明しようと主張するものでありますから、これが存在するかどうかということは裁判官が判断するものでございます。その意味では、確定された事実そのものではないということでございます。
 また、後段のお尋ねの中で、証拠調べが行われた供述調書の意味合いについてのお尋ねかと思うわけでございますが、証拠調べが行われた供述調書は公訴事実を証明するための証拠として裁判所に提出されたものでございますが、もちろんその信用性は最終的には裁判所の判断にゆだねられているものでございます。
#365
○柳川覺治君 佐川事件に関しまして若干の点を法務当局に御質問し、法務大臣にもお伺いしたわけでございますが、佐川事件は本来の刑事事件としては商法上の特別背任罪の事件でしかないのでございますが、その事件を通して将来の教訓とすべきことは、一つには政治に金のかかることの根源となる現在の選挙制度を根本的に改めること、二つにはイギリスの腐敗防止法に相当するものとして我が国の政治資金規正法の罰則並びに公職選挙法の公民権停止及び罰則条文の強化等の問題、三つ目には暴力団の不法行為に対する法制度の整備強化を含めた毅然たる態度が必要であろうかと存じます。これらの点につきまして宮澤総理の御所見をお伺いいたしたいと思います。
#366
○国務大臣(宮澤喜一君) いわゆる腐敗防止法が制定されましたのは一八八三年でございますが、これがイギリスの選挙の浄化に画期的な役割を果たしましたことは、私どももそのように承知しております。これは我々この際非常に参考にすべきことでございますが、連座制あるいは公民権停止の規定を強化することにつきましては政治改革協議会の実務者会議において何度か御協議が行われておりまして、各党の意見が一致するために引き続き検討して早期に成案を得ようということになっておりますので、これはひとつ大事な問題でございますから各党の御協議をお願いいたしたいと思っているところでございます。
 それから、暴力団でございますが、いわゆる暴力団対策法が三月から施行せられました。従来取り締まりが難しゅうございました暴力団のさまざまな要求行為等についての規制ができることになりました。
 また、これを契機にしましていわゆる暴力団排除ということが国民の間に強い意識になって高まってまいりまして、地域職域から追放しようという諸活動が活発になったことも一つの大切な副作用であったと思います。
 暴力団の反社会的な活動の規制については、この法規を最大限に活用いたします。また、必要に応じまして制度の整備強化も検討いたしたい、かように考えておるところでございます。
#367
○柳川覺治君 以上で佐川事件に関しての質問を終わりたいと思います。
 我が国の経済情勢等につきまして、大蔵御当局に十問の設問をさせていただいております。時間の関係でまことに申しわけございませんが、大蔵大臣、まず我が国の経済情勢でございますが、いわゆるバブル経済の崩壊により低迷した状態にあります。住宅建設に回復の動きが見られるとか公共投資が堅調に推移しているなど明るい材料もありますが、一刻も早い景気回復が望まれるところでございます。
 今回の不況の特色は、土地や株といった資産価額の急激な低下と、経済にとっての血液循環をつかさどる金融システムの安定性に不安が生じていることにあるとも言われております。こうした特色にうまく対応していきながら、景気回復に向けて着実な努力を重ねていくということが必要だと思います。
 先ほど総理もお話しございましたが、幾つかの困難を克服してより強靱な経済構造をつくり上げてまいりました。そして、こうした努力が世界に冠たる日本経済の基礎をつくってきたのではないかと思います。このように、我が国経済は過去幾つもの困難を経ながら着実に基礎体力を蓄え、大筋においては着実によい方向に向けて進んできたのではないかと思います。
 こうして見ますと、現在の景気低迷についても、これを乗り越えることによって我が国経済は一層強靱な体力を身につけることになると思いますし、政府としてもそういう方向に日本経済を持っていかなければならないと思います。財政御当局の責任を持たれる羽田大蔵大臣の御見解をお尋ね申し上げます。
#368
○国務大臣(羽田孜君) 今、御指摘がございましたように、確かに経済成長の中で日本の国の産業あるいは家庭というものもしっかりとしたものを持ってきたというふうに思っております。しかし、先ほど総理の方からも、あるいはただいま委員の方からも御指摘がありましたように、やっぱりバブル経済がはじけたということで、単なる循環的なものというだけではないものがある。いわゆる金融等にも不安というようなことが言われたということでございまして、今度はやっぱりこれを乗り切るためのもろもろの対策が必要であろう。そういう中で、我々は緊急経済対策あるいは五次にわたる公定歩合の引き下げ、そして総合経済対策というものを実は打ち出したところでございます。
 しかし、そういう中にありまして、景気刺激のためにいろんな手当てをしろという御指摘も方々で実はあることは私ども承知しておりますけれども、しかし、今御指摘にありましたように、このバブルの中でやっぱりいろんな問題もあったということがございます。そういう中で我々としては、やはり景気刺激のための手段というものについても、選ばないという姿勢をとるのではなくて、むしろ堅実な生活を取り戻して、生活の質というものを考えるときであろうというふうに思っております。
 こうした中で、家計におきましては個人消費の伸びの鈍化が見られるところでございますけれども、これはこの数年間の耐久消費財、これの需要が極めて好調であった反動ということに思いをいたしながら、やっぱりこういった消費の現状の中では、いわゆる消費刺激のための刺激策として例えば所得税減税ということも実は言われるんですけれども、効果は私ども余り期待できないものであろうと思っております。
 また、産業につきましても、市場におけるシェア拡大をひたすら追い求めるといった経営姿勢、こういったものを反省しながら、特に効率のみを優先するのではなくて、消費者ですとかあるいは生活者をより重視する視点、こういう方向へ転換を図る必要があるということを今企業自身が理解をし、そして承知し、そしてそのための自助努力というものがなされているところであろうと思っております。こういうものを乗り越えたときに、私はまさに今御指摘がありましたように、一層強靱な体力をつけることになるであろうというふうに考えておるところであります。
#369
○柳川覺治君 次に、所得税減税についてお伺いいたしたいと思います。
 景気対策のために所得税減税を望む声がございます。もちろん、一般論としては減税は国民にとって好ましいものであり、景気に対しても一定の効果があることも事実です。また、サラリーマンを初め恩恵を受ける範囲が大変広いこともあり、その効果は一層増すものと思われます。しかし、限られた財源の中で景気対策のための方策を考える場合には、その効果がどの程度であるのかを見きわめる必要もまたあるようにも思われます。
 所得税減税の効果についていろいろ意見があるようですが、大蔵省としてこの点をどう考えておられますか、お考えをお伺い申し上げます。
#370
○国務大臣(羽田孜君) この点につきましては、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、やはりこの数年間、耐久消費財、この需要というのは非常に好調であったということがございます。この反動が今あらわれているということでございますから、今言われますように、消費刺激策としての所得減税というものの効果というものは余り期待できない。しかし、その将来に向かってのツケというものは相当大きなものになってしまうということが言えると思っております。
 その意味で、代替財源なしに所得減税を実施することは非常に困難であるということを申し上げざるを得ないということでございまして、我々現世代の者がいわゆる税負担軽減による利益を享受することができる一方で、後世代にその利益よりもはるかに大きな元利の支払いという負担を、いわゆる不利益を強いてしまうということ、これは私どもやっぱり責任ある公正な姿勢ではないんだろうというふうに思いまして、所得減税というのは私は今回の場合には非常に難しいということを申し上げざるを得ないわけであります。
#371
○柳川覺治君 先ほど大臣、五回にわたる公定歩合の引き下げにつきましてお話がございました。これはあるいは意見として述べるにとどまってしまうのではないかと思いますけれども、預金金利の水準がかなり低下してきており、これが年金生活者を初めとする利子生活者の生活を圧迫していると考えられます。
 大蔵省は、公定歩合引き下げに伴う預金金利の引き下げ幅の決定に当たっては、経済活動の活発化を促すという経済政策上の配慮に加え、預金者の事情をも総合的に考慮していると聞いております。
 しかしながら、預金金利がかなり低い水準にあることにかんがみ、大蔵省においては今後とも、低金利の影響を受ける高齢者などのいわゆる社会的、経済的弱者というよりは、私は、営々として今日まで努力され日本の経済を築いてこられた方々、この人々に対する適切な配慮、温かいきめ細かい配慮があってこそ政策であろうと存ずる次第でございます。この点につきまして、格段のお知恵と御配慮を心からお願いするものでございます。
 なお、特例公債を財源とした所得税その他の課題につきましていろいろお願いしたわけでございますが、割愛させていただきまして、(「時間あるよ、大丈夫」と呼ぶ者あり)いろいろ後ろの方からも声がございますから、住宅の買いかえ特例につきまして、この復活につきまして、御質問いたします。
 これが原則廃止されましてから四年を経過いたしております。このことにつきましては、生活大国五カ年計画にも盛られておりますように、住宅の質的向上は目標の柱となっております。現行制度においてもいろいろ、三千万円までの部分については税金がかからないこととなっており、またこれを超える部分については軽減税率が適用されるとのことであります。
 しかし今、景気浮揚の問題、あるいは人間が本当に働いて住宅を少しでもよい環境にということは、まさに総理のおっしゃられる豊かさの実感また勤労の意欲につながる問題でございますので、この点につきまして大蔵大臣、前向きな御答弁をひとつお願いします。
#372
○国務大臣(羽田孜君) 今御指摘があったわけでございますけれども、大都市の地価というのはまだ依然として高い水準にあろうと思います。土地問題の解決というのは、我が国経済社会にとって引き続き重要な課題でございます。土地神話というものを打破して、さらなる地価の引き下げあるいは地価高騰の再発の防止のためにも、土地税制を初めとする総合的な土地対策の着実な実施がまだ必要であろうというふうにも思っております。
 今、買いかえの特例につきまして、これを復活するようにというお話があったわけでございますけれども、さらに将来における地価高騰の再発につながるおそれという問題がやっぱり大きいと思っております。そして今、もう既にお話がありましたように、特例控除の問題、あるいは普通でございますと三〇%ぐらいの税になるものが六千万円までは軽減税率になっておりますし、また、それを超えるものにつきましても一五%という軽減税率ということ、こういうものを考えたときに、特例の復活によりまして恩典を受ける方は譲渡益というのが非常に高い方だけになってしまうんじゃないのかということであろうと思っております。そして、今お話がありましたように、生活大国の五カ年計画にもございますように、いわゆる中堅勤労者、この年収五倍程度で良質な住宅取得が可能となること、これを目指しまして適正な地価水準の実現を図ることであろうと思います。
 買いかえ特例の復活は、こうした勤労者の居住用の財産の一次取得には実は何ら恩恵を及ぼさないということがございまして、逆に適正な地価水準の実現を妨げてしまうんじゃないのかということでございまして、私どもといたしましてはこの問題については今復活するということはなかなか難しいなという考えを持っております。
 いずれにいたしましても、今これは税制調査会の方で御検討があるようでございます。
 以上であります。
#373
○柳川覺治君 経済企画庁の方でいろいろ御検討いただいてまいったわけでございますが、まことに失礼になりまして恐縮でございますが、特に不況対策、それとまた総合的な調整をされておる国際協力、援助、その面につきまして経済企画庁長官の立場から御所見をお願いいたしたいと思う次第でございます。
#374
○国務大臣(野田毅君) 大変失礼いたしました。
 基本的に日本のこれからの経済協力のあり方については、先般ODA大綱を策定したわけであります。さらに、いよいよ来年に向けて、今後の長期計画をつくっていく上で庁内に具体的なそれらについての研究会を近々発足するということにいたして、それらの問題についてこれからさらに検討していきたいと思っております。
 ただ、基本的には、この前の政府開発援助の大綱の中でも指摘をいたしておりますけれども、世界経済全体の中で、やはり途上国自身がみずからの自助努力といいますか、これをバックアップしていくという、これが一番大事なことであるということを原点に据えていきたいし、同時にまた、環境についても十分な支援体制をODAの中でやっていかなければならぬということも新たに追加をしたわけでございます。
 あるいは、世界各国それぞれ政治形態などについて異なりはあろうとは思いますが、それぞれの国内の政治、社会の安定のためにも、やはりみずからの努力をしてもらわなければならぬ、そういった事柄、いわゆる民主化への努力ということをも考えてもらわなければなりませんし、同時に、日本の援助が基本的にまた回り回っていろんな軍事の拡大に使われたり、そういった事柄に使われないようなことをもやはり念頭に置いておかなければならぬ等々のことを先般決めさせていただいたところであります。
 これからもそういったことを基本に置いてやっていかなければならぬと思っております。
#375
○柳川覺治君 通産大臣には、十二月一日の記者会見で企業の体質改善に触れられておるわけでございまして、今回の不況を乗り切るにはこうした企業体質の改善が必要であるとの指摘が行われる一方、企業の体質改善が雇用意欲や設備投資を縮小させ、景気に好ましくない影響を与えるなどの指摘も見られております。この点につきまして大臣の御見解をお聞きいたしたいと思います。
#376
○国務大臣(渡部恒三君) たしか景気対策について経済界の皆さんと懇談したときの話だったと思いますけれども、政府が総理を先頭に景気対策をやっておりまして、その効果としては在庫調整の中でも建設財、生産財等の在庫調整は非常に順調に進んでおります。いわば景気回復のこれは前提であります。ところが、まだ耐久消費財、先ほどもお話がありましたが、またさらに資本財、これらの調整が進んでおりませんのは、残念ながら民間の消費マインドがまだ冷えておる。それにも増して一番大きな問題は、民間の産業界の皆さんの設備投資の意欲が冷えておる。
 そこで、むしろこういうときにこそ将来を考えて思い切って省力化のための投資をするとか、省エネルギーのための投資をするとか、また、過去のただ高度成長がいつまでも続くというような夢でなくて、やはりこの時期、日本は世界の中の日本の企業としての質的な転換を思い切って図る必要がある。
   〔理事井上裕君退席、委員長着席〕
 今、残念ながら、先ほど話がありましたように、求人倍率が一を割りましたけれども、しかしこのときこそ、むしろ産業界の皆さん、優秀なる人材を確保して将来に備える、こういうようないろんなお話をして、やはり景気を回復させるのには、政府も一生懸命やりますけれども、我が国は自由主義経済でありますから、まず民間の皆さん方に設備投資のあすへの意欲を持っていただく、そのための我々はバックアップをしたい、そういうような趣旨のお話をしたことが記事になったものと思います。
#377
○柳川覺治君 ありがとうございました。
 労働大臣に、有効求人倍率が一を割り込んだとの報告があるわけでございますが、有効求人倍率が一倍を割り込んだとなりますと、来年度の新卒者の就職問題にも相当な影響があろうかと思うのですが、この点、有効求人倍率から見る社会的に与える影響等につきまして労働大臣の御見解をお願いしたいと思います。
#378
○国務大臣(近藤鉄雄君) お答えいたします。
 景気調整過程の中で、実は完全失業率は依然として二・二、低い水準にございますけれども、先生御指摘のように、有効求人倍率は四年五カ月ぶりで一を割ったわけでございます。過去において一を割った状態も長く続きましたので、そういうこと自体はそれほど深刻に考えなくてもいいと思うわけでございます。
 ただ、こういった調整過程が続きますと、さらに有効求人倍率が一から下に下がってくるという危険もございますので、労働省といたしましては、まず第一に雇用調整助成金という制度がございまして、売り上げが減り、そして生産が減った産業を雇用調整産業と指定をいたします。現在五十一業種を指定してございますが、この業種の所属の企業の方々が、失業を出さないで、休業をさせる、もしくは出向をさせる、また職業訓練をさせる、そういった場合には大企業で賃金の二分の一、中小企業の場合には三分の二を助成することにいたしました。こういう制度を活用いたしまして、解雇という形で失業を外に出さないで、企業内で抱きかかえていただいてこれからの景気の回復を待っていただく、こういう措置を講じておるわけでございます。
 同時に、職安の窓口を通じましてこういう制度を、特に中小企業の方々がいろいろお困りでございますので、積極的に活用していただくように大いにPRもしてまいりたいし、また具体的な求人開発に対して、特に高齢者またはパートの方々がこういった雇用調整を受けないように、そういった高齢者、バートの方々の雇用機会の増大、増強について職安の窓口で積極的にお手伝いをしてまいりたい、こういうことでございます。
 先ほど再度再度通産大臣のお話がございましたけれども、こういう時期に優秀な人材を確保したいという意欲がございますので、学卒については、ひところみたいなことはございませんが、しかしある程度のしっかりした学生はやはりしかるべき雇用が確保されることでございますが、私は、雇用に対して従来ややもすれば安易な意識を一部の学生の方がお持ちになっている面もあったと思いますので、この点はむしろ積極的に自分の能力を開発して、いい形の職業をつかまえていただくという努力もあわせて若い方々にお願いいたしたいということでございます。
#379
○柳川覺治君 先ほど村沢委員がお米の問題を御熱心に御討議されました。人間だけがおのれの食べ物を、作物をつくるという運命をしょっている。そこから技術が発展し、産業が興り、経済が開かれ、また文化が築かれてまいりました。何かお米の問題は文化侵略のような感じが正直するわけでございます。そして、文化とは異なものが普遍につながるという言葉がございます。この土地であるから、この人であるから、この民族であるから、そこに基本的な人間の価値観、またそこに、社会を築き国を興していく一番のもとがあると存じます。そういうふうな面からお米の問題は軽々な問題ではないという感じがするわけでございます。
 ウルグアイ・ラウンドが自由経済の基本に立ちつつ進んでおるということ、これまた大事なことでございますが、総理大臣、またその衝に当たられる外務大臣、農水大臣、特に農水大臣はオリンピックのアイスホッケーの監督でございますから、その馬力をもって頑張っていただきたいということから農水大臣にお聞きをいたしたいと思う次第でございます。
#380
○国務大臣(田名部匡省君) 先生おっしゃるように、食生活というものは文化。古代から見ても、何から始まったかというとやっぱり食べることから始まっているわけでして、それほど食糧というものは人間生活には欠かせない大事な基本的な問題だと、こう思っております。
 ただ、ウルグアイ・ラウンドの方では、さっきも総理、外務大臣からお話がありましたように、農業だけをやっているわけでないという面がありまして、我が国は一方では輸出したいというものもあるし、それぞれの国が得意なものを持っているわけでして、そういうことでこのガットというのが交渉が始まっておる。
 それで、今、二日、三日は総会をやっておりまして、一般案件を取り扱って、四日の日には非公式ですが農業問題をやろうというように情報が来ておりますけれども、いずれにしても、アメリカとECが二国間で合意を見た。これは、ダンケル合意案というのは、自分は案を出した、後は、問題があると思うならばその問題のある国同士で解決しなさいと言って、まあほっぽったというわけではありませんが。
 そこで、私どもは、話し合いでやるという余地のない、国会決議というものはそういうものでありますから、何としても反対というだけで交渉のテーブルに今のれないという問題あります。しかし、このままにしておくわけにもいきませんが、二国間がどういうことを決めたのか、具体的な情報をとって、どうもダンケルの修正の部分があるんではないかということでありますから、修正をするということになれば、従来から私どもも受け入れられないということを主張してきたわけでありますから、そういう方針にのっとって十分交渉していかなきゃならぬということで、今いろいろと検討もいたしております。
 引き続き国会決議を体してこれからも努力をしていきたい、こう考えております。
#381
○柳川覺治君 大国であって、農業の機械化が進み、必ずそこでは農産物が余る恵まれた国がございます。しかし、一方には不足また満たされない国があるわけでございます。これらを余裕のある余剰物資を抱えた国同士で協議していくという交渉、それだけでは解決しないんじゃないか。日本がアメリカとの間に本当によき状態を続けることができましたときは、戦後日本人の胃袋は満たされませんでした。
 中国のタクラマカン砂漠にホータン、和田と書く砂漠がございます。そこで野菜が本当に青々と育てられておりました。平和とはのぎへんに口だということを感じました。本当に胃袋が満たされる、そこに平和があるんだと。
 そういうような観点から、これは国連大学が日本にできました、そのときの一つのテーマ、世界の食糧という点についても、何か国連あたり、あるいはそういう機関で、二国間とかの形でなく研究し合っていく、そういう方途が講じられてしかるべきじゃないかという素人の考え方でございます。
 私は、学校給食も関係しておりましたから、痛烈にそういう感じがするわけです。これらの点について、外務大臣お願いします。まあいいです、これは感懐だけでございます。
 それから、時間が参りましたが、建設大臣に。
 何か今、都市化していきますと、子供たちにかた過ぎる。人間の子供たちはソフトでございますからやはりもっとソフトな広場、チョウチョウ、トンボが飛ぶそういう広場。そして自分の屋根が見えるところで子供たちは育ちます。子供は風の子、太陽の子でございますから、建設大臣にこの面のこれからの公共事業の推進、緑地化等に当たって一言お答えをいただきたいと思うわけでございます。
#382
○国務大臣(山崎拓君) 教育問題の権威である柳川先生のお立場からの御質問であると真剣に受けとめたいと存じます。
 子供たちは、自然の中で自然に親しみ自然を学びながら育っていくことが理想であると存じます。かつては「兎追いしかの山 小鮒釣りしかの川」という唱歌を私ども口ずさんだものでございますが、そういう実態が都市における子供たちに今ないということは大変問題だと存じます。これは文部大臣がお答えすべきようなことでございますが、我が建設省といたしましても、都市公園の整備につきましてはこれからも最善を尽くしたいと思っております。
 公園面積も大変少のうございまして、東京二十三区におきましてはわずかに二・六平米しかございませんが、これを何としても二〇〇〇年には、全国の平均で十平米でございますから、東京都におきましては五平米を超える水準に持っていくということになろうかと思いますけれども、そういう努力をいたしながら、公園のあり方も、先生御指摘のような自然豊かな、子供たちにとってその成長に有益な公園になりますように努力をいたしたいと存じております。
 今後とも御指導のほどをお願いいたします。
#383
○国務大臣(渡辺美智雄君) 何とお答えをしていいかわかりませんが、ともかく御趣旨を体しまして頑張ります。
#384
○柳川覺治君 以上で、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#385
○委員長(遠藤要君) 以上で柳川君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 本日の審査はこの程度といたします。
 明日は午前十時から開会することとし、これにて散会いたします。
   午後八時二分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト