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1992/12/09 第125回国会 参議院 参議院会議録情報 第125回国会 予算委員会 第6号
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1992/12/09 第125回国会 参議院

参議院会議録情報 第125回国会 予算委員会 第6号

#1
第125回国会 予算委員会 第6号
平成四年十二月九日(水曜日)
   午前十時三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月八日
    辞任         補欠選任
     長谷川 清君     直嶋 正行君
     下村  泰君     島袋 宗康君
 十二月九日
    辞任         補欠選任
     北村 哲男君     穐山  篤君
     三重野栄子君     栗原 君子君
     森  暢子君     喜岡  淳君
     高崎 裕子君     上田耕一郎君
     笹野 貞子君     井上 哲夫君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         遠藤  要君
    理 事
                井上  裕君
                石川  弘君
                上杉 光弘君
                柳川 覺治君
                角田 義一君
                村沢  牧君
                山本 正和君
                白浜 一良君
                寺崎 昭久君
    委 員
                井上 章平君
                石井 道子君
                大島 慶久君
                北  修二君
                志村 哲良君
                下稲葉耕吉君
                須藤良太郎君
                野間  赳君
                野村 五男君
                服部三男雄君
                林田悠紀夫君
                星野 朋市君
                前田 勲男君
                松浦 孝治君
                穐山  篤君
                及川 一夫君
                喜岡  淳君
                久保田真苗君
                栗原 君子君
                小林  正君
                櫻井 規順君
                清水 澄子君
                種田  誠君
                堂本 暁子君
                肥田美代子君
                三重野栄子君
                荒木 清寛君
                猪熊 重二君
                木庭健太郎君
                直嶋 正行君
                上田耕一郎君
                吉川 春子君
                井上 哲夫君
                磯村  修君
                島袋 宗康君
                武田邦太郎君
   国務大臣
       内閣総理大臣   宮澤 喜一君
       法 務 大 臣  田原  隆君
       大 蔵 大 臣  羽田  孜君
       厚 生 大 臣  山下 徳夫君
       運 輸 大 臣  奥田 敬和君
       郵 政 大 臣  渡辺 秀央君
       建 設 大 臣  山崎  拓君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣  塩川正十郎君
       (国家公安委員
       会委員長)
       国 務 大 臣  岩崎 純三君
       (総務庁長官)
       国 務 大 臣  宮下 創平君
       (防衛庁長官)
   政府委員
       内閣法制局長官  工藤 敦夫君
       内閣法制局第一  大森 政輔君
       部長
       警察庁刑事局暴  廣瀬  權君
       力団対策部長
       警察庁交通局長  関根 謙一君
       警察庁警備局長  菅沼 清高君
       総務庁行政管理  増島 俊之君
       局長
       総務庁行政監察  田中 一昭君
       局長
       防衛庁長官官房  村田 直昭君
       長
       防衛庁防衛局長  畠山  蕃君
       防衛庁教育訓練  諸冨 増夫君
       部長
       防衛庁人事局長  秋山 昌廣君
       防衛施設庁総務  竹下  昭君
       部長
       法務大臣官房長  則定  衛君
       法務省民事局長  清水  湛君
       法務省刑事局長  濱  邦久君
       大蔵省主計局長  斎藤 次郎君
       大蔵省証券局長  小川  是君
       大蔵省銀行局長  寺村 信行君
       国税庁次長    瀧川 哲男君
       厚生大臣官房総  瀬田 公和君
       務審議官
       運輸省自動車交  土坂 泰敏君
       通局長
       建設省建設経済  伴   襄君
       局長
       自治大臣官房審  佐野 徹治君
       議官
       自治省行政局選  吉田 弘正君
       挙部長
   事務局側
       常任委員会専門  宮下 忠安君
       員
   法制局側
       法 制 局 長  中島 一郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○議院外証言についての報告
○平成四年度一般会計補正予算(第1号)(内閣
 提出、衆議院送付)
○平成四年度特別会計補正予算(特第1号)(内
 閣提出、衆議院送付)
○平成四年度政府関係機関補正予算(機第1号)
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(遠藤要君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 この際、委員長よりご報告申し上げます。
 去る三日、本委員会において、議院証言法第一条の二により委員を派遣して、勾留中である渡邉廣康君を証人として証言を求めることに決定いたしておりましたが、昨日、東京拘置所において午後三時から午後五時十三分まで、委員長たる私のほか、自由民主党の上杉理事、日本社会党・護憲民主連合の北村委員及び種田委員、公明党・国民会議の白浜理事、民社党・スポーツ・国民連合の寺崎理事、日本共産党の高崎委員、連合参議院の笹野委員、二院クラブの下村委員、日本新党の武田委員の以上十名が同証人に証言を求めてまいりました。
 お手元に当日の速記録を配布しております。
 本速記録は、本日の会議録に掲載することといたします。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(遠藤要君) 平成四年度一般会計補正予算、平成四年度特別会計補正予算、平成四年度政府関係機関補正予算、以上三案を一括して議題といたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(遠藤要君) この際、政府から発言を求められておりますので、これを許します。田原法務大臣。
#5
○国務大臣(田原隆君) いわゆる東京佐川急便事件については、なお捜査継続中でありますが、前衆議院議員金丸信及び前新潟県知事金子清ほか二名に対する政治資金規制法違反事件の捜査処理が終了し、このうち金丸議員に係る同法違反事件の有罪が確定するに至ったところ、今回、本委員会より、東京佐川急便事件のこれまでの捜査処理等について中間報告をされたい旨の御要請を受けたので、法令の許す範囲内でその経緯等を御報告する次第であります。
 本件に関しましては、種々の疑惑が連日のように報道されたところでありますが、申すまでもなく、検察は、刑事事件について、その真相を解明して刑事責任を確定するため、法の定めるところにのっとって必要な捜査を行い、証拠により犯罪の嫌疑が十分認められたものについて、罰則の法定刑の枠内で、その犯情に応じ、公訴を提起するか否かを決定する職責と権限を有するものであります。
 本件の捜査処理に携わった検察官は、検察官独立の原則を基本に置き、与えられた職責と権限の範囲内で、厳正公平、不偏不党の立場を堅持しつつ、真相の解明のために必要な捜査を行い、法と証拠に照らして適正な事件処理を行ったものであります。
 この間、法務当局としては、検察権が準司法的性格を持ち、具体的事件の捜査処理については、検察の独立性と政治的中立性が保持されなければならないことを尊重し、検察当局の捜査処理には一切の政治的介入を排し、検察当局の厳正な処置にゆだねました。法務大臣としても、検察当局の厳正公平な捜査処理を信頼し、いわゆる指揮権発動のごとき措置は絶対にとらないという基本的態度を堅持してまいりました。
 以下、刑事局長から具体的に報告をさせます。
#6
○委員長(遠藤要君) 次に、法務省濱刑事局長。
#7
○政府委員(濱邦久君) 引き続きまして、捜査処理及び公判状況の具体的内容等についてご説明いたします。
 第一は、本件の捜査処理の概況についてであります。
 東京佐川急便事件については、東京地検において、昨年八月一日東京佐川急便渡邉元社長らに対する特別背任罪による告訴を受けて捜査に着手し、本年二月十四日に同人らを逮捕するとともに、多数回にわたる関係箇所の捜索、差し押さえを実施して、本格的な捜査を開始しました。
 検察当局では、以後警視庁とも連携をとりつつ所要の捜査を行い、三月から六月にかけて、渡邉元社長、東京佐川急便元常務取締役早乙女潤、市原観光開発社員大内美知夫、平和堂不動産代表取締役松澤泰生及び北洋産業代表取締役庄司宗信を特別背任罪等により東京地裁に公判請求したほか、九月二十八日には、金子前知事、医療法人役員南雲達衛及び佐渡汽船代表取締役鶴田寛を政治資金規正法の収支報告書虚偽記入罪により新潟地裁に公判請求し、同日、金丸前議員につき同法の量的制限違反の寄附受領罪により東京簡裁に公訴を提起し略式命令を請求するなどしました。
 この間、東京地検では、全国高等検察庁管内の地検から、検事十名、検察事務官十名の応援を求めるなど捜査体制を充実し、検事二十六名、副検事二名、検察事務官三十名を本件捜査に専従させました。
 東京地検がこの間に取り調べた本件関係者は実数で三百二十二名であり、捜査箇所は二百四カ所、押収物は約二万八千三百点となっております。
 第二に、具体的な捜査処理の状況についてであります。
 まず、特別背任罪関係について説明します。
 特別背任罪関係は、東京佐川急便による巨額な債務保証及び融資に係る資金の流れを解明する過程で判明したもので、資金の流れに従って、いわゆる市原観光開発ルート、平和堂ルート、稲川会ルートの三つに分かれます。
 その一は、市原観光開発ルートであります。
 東京地検は、告訴事件を契機として東京佐川急便が行った一連の債務保証等について関係者の取り調べを行うなどの捜査を行った結果、東京佐川急便が早乙女の経営する市原観光開発に対して行った債務保証及び融資のうち、東京佐川急便が行った六十八億円の融資が特別背任罪に該当する嫌疑が濃厚となったので、本年二月十四日、早乙女、大内を逮捕しました。その後、捜査を続けた結果、市原観光開発が金融機関等から借り入れをするに当たり東京佐川急便の行った合計約四百億円に上る債務保証が同罪に該当すると判明したので、当該債務保証に係る特別背任め事実により、三月六日、両名を東京地裁に公判請求し、さらに、東京佐川急便が同じく早乙女の経営するリバスター音産に対してした百五十億円の貸し付けが同罪に該当すると判明したので、当該貸し付けに係る特別背任の事実により、三月三十一日、両名を同裁判所に公判請求しました。
 その二は、平和堂ルートであります。
 東京地検は、前同様の捜査を行った結果、東京佐川急便において、平和堂不動産等松澤の経営する平和堂グループ企業が金融機関から借り入れをするに当たり、多額の債務保証を行っている事実を把握し、本年二月十四日、五十八億円の債務保証に係る特別背任の事実により、渡邉元社長及び松澤を逮捕し、引き続き捜査をしたところ、新たな債務保証や融資に係る特別背任の事実も判明し、結局、債務保証額百八十五億円、貸付額六十億円の合計約二百四十五億円に上る特別背任の事実により、三月六日、両名を同裁判所に公判請求しました。
 なお、松澤については、捜査の過程において、そのほかに、自己名義で借り入れた十八億円の債務の担保として根抵当権を設定した平和堂不動産所有の不動産につき、根抵当権の設定登記が未了であることを奇貨として、これをさらに他の者に担保に供し、所有権移転登記を完了したとの背任罪の事実も判明したので、同事実により、三月三十一日、同裁判所に公判請求しました。
 その三は、稲川会ルートであります。
 東京地検は、前同様の捜査を行った結果、東京佐川急便が、北東開発及び北洋産業に対して融資を行い、あるいは両会社のために債務保証を行っている事実を把握しましたが、両会社が暴力団稲川会関連企業であり、これまで警視庁も内偵を行ってきたことにより共同捜査を行うこととし、警視庁において、本年五月十一日、渡邉元社長、早乙女及び庄司の三名を特別背任罪により逮捕し、その後必要な捜査をして、債務保証額百二十二億円、貸付額三十五億円の合計約百五十七億円に上る特別背任の事実により、六月一日、右三名を東京地裁に公判請求しました。
 次に、政界関係について説明します。
 その一は、金子前知事らに係る政治資金規正法違反事件であります。
 東京地検は、渡邉元社長らに対する一連の特別背任事件の捜査の過程において、渡邉元社長が平成元年六月施行の新潟県知事選挙に際し、選挙に立候補した金子前知事陣営等に対して、三億円の選挙運動資金を提供していた事実を把握し、同資金の調達及び提供状況等について捜査したところ、このうち、金子前知事陣営に提供された一億円に関連して、金子前知事のほか、金子前知事の選挙運動を推進していた南雲及び鶴田につき、金子前知事の後援政治団体である「清新で活力ある県政をすすめる会」の収支報告書への虚偽記入罪の嫌疑が濃厚となったので、同人ら関係者の取り調べや関係箇所の捜索、差し押さえを実施して捜査を進めた結果、右三名につき、他と共謀して、新潟県選挙管理委員会に提出する同政治団体の平成元年分の収支報告書に虚偽の記入をした事実が判明したので、新潟地検に事件を移送し、同地検において、同事実により、九月二十八日、右三名を新潟地裁に公判請求しました。
 なお、残り二億円についても、必要な捜査を行いましたが、政治資金規正法違反等の嫌疑ありとして訴追するに足る事実は確認できませんでした。
 その二は、金丸前議員に係る政治資金規正法違反事件であります。
 東京地検は、平和堂ルートの捜査の過程において、渡邉元社長が松澤から、巨額な債務保証等の見返りに多額の裏金を受けている事実を突きとめ、その使途先の捜査により、渡邉元社長から金丸前議員に対して五億円の献金がなされた事実を把握し、その真相を解明するため、金丸前議員の秘書生原正久等関係者多数の取り調べを行うなど、必要な捜査を進めるとともに、金丸前議員に対して出頭の上取り調べに応じるよう求めたところ、金丸前議員から同法第二十二条の二第三項に違反して寄附を受けたことを認める上申書が提出され、それまでに収集された証拠とあわせると、違反の事実を認定するに十分であると思料されたことから、金丸前議員については、東京区検に事件を移送し、同区検において、量的制限違反の寄附受領罪により、九月二十八日、東京簡裁に公訴を提起し略式命令を請求するとともに、その共犯者である生原秘書及び寄附者である渡邉元社長については、起訴猶予処分に付しました。
 なお、渡邉元社長が、平成元年四月ころから同二年十二月ころまでの間、松澤から約十七億五千万円の裏金を受領していた事実が判明し、その使途先につき必要な捜査を尽くしたものの、この関係では、これまでのところ、金丸前議員に係るもの以外には、政治資金規正法違反等の嫌疑ありとして訴追するに足る事実は確認できませんでした。
 第三に、金丸前議員の上申書の提出を受け、金丸前議員の取り調べをしないで起訴した経緯について説明します。
 前述のとおり、東京地検においては、金丸前議員に対する五億円献金の事実を把握し、刑事事件として取り上げるべき犯罪の嫌疑が認められるか否かの観点から、所要の捜査を行っていたところ、八月二十七日、金丸前議員が記者会見により五億円の授受の概要を説明したことから、さらにその真相を解明するため、生原秘書を取り調べる一方、渡邉元社長や松澤のほか、金丸前議員の指定団体の会計責任者等関係者多数の取り調べを行い、本件違反事実の立証のための裏づけ捜査を進めました。
 このような捜査の過程において、東京地検は、金丸前議員に対する本件違反の嫌疑が極めて濃厚であって、その刑事責任は免れ得ないと思料したことから、刑事訴訟法百九十八条一項に基づき、金丸前議員の出頭を求めて取り調べを行う必要があると判断し、九月十日以降、弁護人を通じて、金丸前議員に対し、出頭の上取り調べに応じるように求めました。
 九月二十四日になり、同弁護人から、金丸前議員においては、本件違反事実を認める内容の上申書を提出し、略式手続による処罰を受ける意向である旨の連絡があり、九月二十五日、上申書が提出されました。
 そこで、東京地検は、金丸前議員の上申書等を受理し、それまでに収集された証拠とあわせると、本件違反事実を認定するに十分と思料されたことから、本件違反に係る法定刑が二十万円以下の罰金とされていることに伴う捜査処理上の制約があること等をも考慮し、あえて金丸前議員を取り調べる必要はなく、捜査の目的を達したものと判断し、本件違反につき、九月二十八日、東京簡裁に公訴を提起し略式命令を請求しました。
 なお、略式手続の説明告知は、金丸前議員の弁護人から、金丸前議員の自宅が日夜報道陣に取り囲まれていることなどにかんがみ書面による略式手続の説明告知をされたい旨の上申を受け、検察官において検討した結果、略式手続の説明及び通常の手続に従って審判を受けることができる旨を記載した「略式手続の告知」と題する書面を作成し、弁護人を介してこれを金丸前議員に示したところ、金丸前議員が右書面によって検察官から略式手続の説明を受け、通常の手続に従って審判を受けることができることを告げられた旨の上申書を作成し、弁護人を介して略式手続によることについて異議ない旨の書面とともに右上申書を提出したことから、検察官においては、電話により、金丸前議員に対し、提出した右各書面をその真意により作成したことを確認し、さらに念のため、右「略式手続の告知」と題する書面の内容を読み上げた上、金丸前議員から略式手続によることについて異議がない旨を再度確認する方法により行われました。
 ところで、東京地検が、金丸前議員の本件違反事実を認める上申書の提出を受けて略式手続により本件を処理するに当たっては、本件五億円の収支に関して、それまで収集された証拠関係を踏まえ、想定される犯罪とその罰則適用の可能性につき必要な検討を行いましたが、本件処理の段階では、金丸前議員が受領した本件五億円は、その後指定団体に対する寄附として取り扱われたものと見られるなど、金丸前議員の余罪として訴追すべき犯罪の嫌疑が認められるものは確認できませんでした。
 この点をも考慮し、東京地検は、適正かつ迅速な刑罰法令の適用実現という観点から、前述のような取り扱いを行ったものであります。
 第四に、東京佐川急便事件の現在の捜査状況について説明します。
 東京佐川急便事件については、東京佐川急便の巨額な債務保証等に関係する資金の流れ、その使途等のほぼ全容が解明され、その過程において判明した金子前知事及び金丸前議員らに係る政治資金規正法違反事件を含め、犯罪の嫌疑が十分認められたものについて前述のとおりそれぞれ公訴を提起しました。
 しかし、金丸前議員に対する政治資金規正法違反事件の処理後、同事件に係る五億円の使途に関連して、金丸前議員及びその使途先と取りざたされている約六十名の国会議員に対する量的制限違反寄附の供与または受領の事実、金丸前議員及び約六十名の国会議員に対する所得税法違反の事実、金丸前議員及び約六十名の国会議員に対する収支報告書の不記載または虚偽記入の事実等により告発がなされたことを受け、東京地検においては、これまでの捜査結果を踏まえつつ、引き続き捜査を行っているところであります。
 第五に、公判関係について説明します。
 まず、渡邉元社長、早乙女及び庄司に対する特別背任事件については、東京地裁において、併合の上、九月二十二日及び十一月二日の二回にわたり公判が開かれ、その後各被告人の公判手続が分離され、渡邉元社長については十二月四日までの間に合計四回の公判が、早乙女については十二月八日までの間に合計五回の公判が、庄司については十一月二十六日までの間に合計四回の公判が、それぞれ開かれております。
 公判において、渡邉元社長及び早乙女は犯意等を否認し、一方、庄司は公訴事実を認める旨の陳述を行い、現在、検察官による立証が行われております。
 次に、大内に対する市原観光開発ルートに係る特別背任事件については、同裁判所において、六月十六日以降十二月一日までの間に十三回の公判が行われております。
 公判において、同人は犯意等を否認し、現在、検察官による立証が行われております。
 また、松澤に対する平和堂ルートに係る特別背任及び背任事件については、同裁判所において、六月二十五日以降十一月二十七日までの間に六回の公判が開かれております。
 公判において、同人は、特別背任罪の事実は認める一方、背任罪の事実については犯意を否認しており、現在、検察官による立証が行われております。
 なお、金子前知事、南雲及び鶴田に対する政治資金規正法違反事件については、現在までのところ公判は開かれていませんが、第一回公判期日は十二月二十一日と指定されております。
 以上が、東京佐川急便事件のこれまでの捜査処理及び公判状況についての報告であります。
    ―――――――――――――
#8
○委員長(遠藤要君) 本日は、東京佐川問題に関する集中審議を行います。
 質疑者等はお手元の質疑通告表のとおりでございます。
 それでは、これより石川弘君の質疑を行います。石川君。
#9
○石川弘君 石川弘でございます。
 自由民主党を代表いたしまして、東京佐川問題、これに関連する問題やさらには政治改革問題等につきまして、総理並びに関係閣僚に御質問をさせていただきます。
 この一連の不祥事と言われておりますもの、リクルート等に端を発しまして共和あるいは東京佐川と続いておるわけでございますが、こういう問題に絡みましていわゆる国民の政治不信というものはだんだん強くなっているように思います。ボクシングに例えますならば、アッパーカットというような形ではなくて、何かボディーブローといいますか、だんだん深刻さを増してきているような感じがするわけでございまして、こういう事態というものは、政治の道にある者だれ一人としてこの解決のために努力を惜しんではならないと思うわけでございますけれども、なぜ政治のところにこのように集中した不信が来ているかということにつきまして私なりに考えてみたわけでございます。
 実は昭和六十二、三年、あのあたりのころを考えてみますと、政治の問題以外にも経済問題あるいは社会問題、いろんな形で世に言う不祥事というようなことがありました。典型的には、例えば証券・金融問題、当院におきましても証券・金融問題の特別委員会というようなものを設置いたしまして、いろいろと審査もし、政府もいろんな意味での対応を立案なさり実行に移してこられていると思っております。きのうも新聞でちょっと見ましたところ、例のあのときにつくられました証券取引等監視委員会の初めての仕事のようなことが出ておりました。
 まず、そういう意味であの証券・金融不祥事の反省として、政府あるいは国会として、法律自身はこれは国会でつくりましたわけでございますけれども、国会あるいはその後の政府の措置としてどのような対応を現在までなさってこられたか、大蔵当局にお聞きをいたします。
#10
○国務大臣(羽田孜君) ただいま御質問のございました一連の証券不祥事に関連いたしまして、証券会社、証券市場をめぐる問題点はおおむね五つの問題点があろうかと思っております。例えば、ルールの明確化、ルール違反者に対する処罰、検査・監視体制、自己責任原則、そして業界行政のあり方、これに集約されるものと考えております。
 大蔵省といたしましては、これらの問題点を謙虚に受けとめまして、国会及び臨時行政改革推進審議会よりいただきました御指摘を最大限尊重いたしまして、不祥事の再発を防止するとともに、我が国の証券市場に対する内外の信頼を回復するために法制上、行政上の総合的な対策に取り組んでおるところでございまして、既に損失補てんの禁止を行う法改正や証券取引等監視委員会の設置などの諸施策を講じたところでございます。
 なお、金融不祥事についてでございますけれども、金融不祥事の反省を踏まえまして、昨年の八月、金融機関の内部管理体制の総点検、行政の透明化と検査体制の充実などを内容といたします金融システムに対する信頼回復のための総合的な対応策を発表し、その実施に努力をいたしております。
 一方、金融界におきましても、不祥事に対する深刻な反省に立ちまして、再発防止のために直ちに業務運営全般についての総点検及び内部管理の見直し、改善など、広範囲にわたる対策に着手しておりまして、必要な改善措置を講じたところであろうと思っております。
 なお、競争促進ということも重要でございまして、金融資本市場における適正な競争を促進するとともに経営の健全性に資するとの観点から、本年六月、銀行法及び証券取引法等の法改正を行ったところでございます。
 いずれにいたしましても、やはりこの二つの問題につきまして、私どもは市場経済、またあるいは資本主義、こういったものを健全に発展させていくためにも、もろもろの事件というものの反省を機にいたしまして、健全性あるいは信頼性、これを取り戻すために今それぞれ懸命に努力しておるところでございます。
#11
○石川弘君 今、大蔵大臣から御答弁いただきましたように、そういう不祥事がありましたけれども、それに対して国会としての立法措置、行政としての諸措置をやって、事の十分不十分というようなことでいろんな議論はあるかもしれませんが、それに対して手を打って実行しているということがやっぱりこの証券・金融不祥事に対してある意味での国民的な納得を得られているんではないかと思っております。
 立場をちょっと変えまして、実はあのころやはり土地の問題がございました。土地の高騰ということが世に言うバブルということの源泉となっておりまして、参議院におきましても土地特別委員会というような委員会が設置されまして、この土地問題を集中的に審議いたしたことを覚えております。
 これは、たしか六十二年の土地臨調あたりに端を発しまして、六十三年には土地関連融資の問題とかいろんなものを中に入れました総合土地対策要綱がつくられておりますし、そういうものを基本といたしまして、平成元年の十二月には例の土地基本法、土地というものは公共の福祉優先という基本理念を盛り込みました土地立法がつくられた。そこで、さらにそれが実現されまして各種の対策を具体的に入れ込みました総合土地政策推進要綱というものまでつくられております。
 これは、融資の面でもいろんな形がありますし、さらに税制の面で御承知のような土地に関する税制の基本的な見直しが行われておりまして、そのことが、最近における情勢としては、大都市圏においても安定というよりも若干値下がりさえも誘導してきていると。そういう中で、総理がかねがねおっしゃっております生活大国五カ年計画というものも実はこういう基盤の上につくられていると思っておるわけでございます。
 この点も、私が申し上げたいのは、確かにいろんな問題はございましたけれども、この時点時点で適切な施策を打ち出したことで結果的にその効果もあらわれておりますし、さらに、単なる効果だけじゃなくて、先行きにつきまして例えば生活大国五カ年計画のような前向きな展開を導き出します基礎になっているように思うわけでございます。
 そこで、もう一つ観点を変えまして、この証券問題とか土地問題というものを論議しておりますさなかに、やはり若干背後に暴力団に絡むというような話がちょいちょい出てまいっておりました。それから、それ以外にも、例えば今回の論議となっております皇民党の街宣活動というようなものも頭に置いて考えてみますと、六十三年にいわば静穏に関する制度、いわゆる静穏保持法というようなものがつくられて、国会周辺その他における街宣活動がある程度従来よりはきちっとできるような法体制ができたとか、さらにはそれのもっと基本的な問題として、世にいうところの暴力団対策法というようなものがつくられるというように、やはりこの問題についてもそれなりのいわゆる措置がつくられておると思っておるわけでございますが、これらの関連につきまして、警察庁の今までおとりになった対策なりあるいは物の考え方ということを御説明いただきたいと思います。
#12
○政府委員(菅沼清高君) お答えをいたします。
 御質問にございました静穏保持法、これは正確には国会議事堂等周辺地域及び外国公館等周辺地域の静穏の保持に関する法律でございますが、この制定につきましては、昭和四十年代ごろから右翼団体の街頭宣伝車両による騒音が激しくなりましたことから、国会においてもしばしば取り上げられまして検討が行われていたのでありますが、その後も、国会周辺のみならず、特定の外国の公館周辺等におきましても右翼団体による街頭宣伝活動が活発化し、苦情などが寄せられましたことから、こうした実情を踏まえまして、国会の審議権を確保し、良好な国際関係の維持を図るなどといった観点から、昭和六十三年十二月に制定されたものと承知いたしております。
   〔委員長退席、理事井上裕君着席〕
 また、御質問のございました騒音の関係につきましては、各県で暴騒音規制条例というようなものが現在つくられつつございまして、これは、近年、右翼団体等が街頭において拡声機を用いて行います常軌を逸した大音量の街頭宣伝活動が住民の日常生活を脅かすようになっておりますことから、地域の平穏を保持することを目的に制定されているものでございまして、昭和五十九年三月に岡山県で制定されましたのを初めといたしましてこれまでに十七都県、東京の場合には本年十月でございますけれども、制定、施行されております。
 これらに対します警察の対応でございますけれども、従来、拡声機による街頭宣伝に伴います騒音に対しまして警察は軽犯罪法の適用などによりまして取り締まりを行っていたところでございますが、軽犯罪法の罰則が極めて軽いことから、現場措置を必要とする騒音の取り締まりには限界があるなどの問題がございました。先ほど来お話が出ております静穏保持法や暴騒音規制条例の制定によりまして、措置命令とか停止命令、勧告措置などができるようになりまして、さらにこの命令に従わない場合には検挙もできるということになりましたために、これらの法令の施行後は違反行為がかなり抑制されまして是正されているものと承知をいたしております。
 ちなみに、現在までに静穏保持法に基づくものは、措置命令の件数は統計がございませんけれども、五件五人が検挙されております。また、条例の関係につきましては現在までに八件八人を検挙いたしておりますほか、停止命令は百二十件、勧告は百八十九件というように、法の趣旨に沿って十分効果を上げているものと承知いたしております。
#13
○石川弘君 静穏保持法のことだけではなくて、それがさらにもう少し深いところまでということになりますと、例の暴対法の中に入ってくるんじゃないかと思いますが、その点につきまして。
#14
○政府委員(廣瀬權君) お答えいたします。
 暴力団の広域化、寡占化という傾向が近年一段と進展を見せておりまして、これによりまして、暴力団はその増大した組織の威力を巧妙に利用することによりまして不当な利益を図る活動を広範囲に展開するとともに、組織拡大の過程におきまして対立抗争を頻発させるなど、市民生活や経済取引の安全に重大な脅威を及ぼしているところでございます。
 このような状況に対処するため、昨年五月、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律、これを制定いただきまして、本年三月一日から施行しているところでございます。現在までに五代目山口組を初めといたします十団体を指定いたしまして、この十団体を指定したことによりまして全暴力団構成員の約七割に法律の規制の網をかけることができました。また、指定暴力団員による暴力的要求行為に対しまして、これは十二月六日現在の数字でございますが、今まで百七十八件の命令を出したところでございまして、これによりまして暴力団の活動による被害の防止に努めているところでございます。
 また、同法の規定に基づきまして、本年、全都道府県におきまして暴力追放運動推進センター、これが設立かつ指定をされました。各暴力追放運動推進センターにおきましては、国民の暴力団排除意識の高揚を背景といたしまして活発な暴力団排除活動を展開しているところでございます。
 今後とも、暴力団の動向の把握に努め、暴力団犯罪の取り締まり、暴力団排除活動等の諸対策を強力に推進してまいります。
#15
○石川弘君 今お答えございましたように、経済の場では証券・金融問題あるいは土地の問題ということについてそれぞれの対策がなされ、ある意味での実効が上がってきている。周辺にありました暴力団問題につきましても、それなりの立法化あるいは現実の行政面での対応をしているということでございまして、かつてのあの時代におけるいろんな混乱の中で、ある意味での解決の方向に歩み出されているんではなかろうかと私は思っているわけでございます。
 そういう時期と時を同じゅうしてこの政治改革の問題というのが実は出たわけでございます。私は、その間この政治問題はどうだったろうということを自分自身で思い起こしてみますと、これは外部で見ております以上に内部では大変な努力を実はしてきたんではなかろうか。私、議員になりまして間もなくのころでございましたけれども、伊東先生とか後藤田先生を中核にしました政治改革本部のいろんな会合というのは、とても私ども党のあの種の会合と思えないくらい毎日毎日の会合でございましたし、非常にいろんな意味での意見の対立のある中で何とかその取りまとめをやってこようという努力をされていたように思います。現在あります各種の改革の論議の非常に基本的部分というのは、実はあの時期にもういろんな意味で組み立てられておったと思います。
 ただ、大変残念なことは衆議院の選挙区制度の問題というのがとかく大きく表へ出まして、その当否ということだけに何か論議が集中したように思いますけれども、今の政治改革問題のいろんな原点は時を同じゅうして実はやっていただいたように思います。その後も、大蔵大臣いらっしゃいますけれども、羽田先生中心のそういう御努力が続けられまして、御承知のようにことしの六月のあの三法案というところまでこぎつけていたというのが実態のように思います。
 したがいまして、私申し上げたいのは、政治の場におけるこの種の改革努力が全くなされていなかったというんではなくて、むしろ大いになされていたわけでございますけれども、残念ながら仕掛け品といいますか完成品ではない状態で、実はいわば仕掛かり品のままでいたということが、どうもいろんな経済の問題なり社会一般の問題の中で政治の方がちょっとどうしても出おくれた感じがしている。そこで問題が政治というところに集中せざるを得ないような形になったのかなという気持ちがしていたわけでございます。
 しかし、幸いなことに総理の指導力を発揮していただきまして、衆議院から送られました政治改革関連の法案、十八項目プラス三つという項目につきまして、昨日、本院においても議決をしていただくというような態勢になったわけでございます。
 総理にこの点をお伺いいたしたいんですが、私が今申し上げましたように、やはり政治、経済、社会全般の問題の中でこの政治の改革ということについて若干のスピードのおくれと申しますか、他の問題に比べて立ちおくれの感があったと思いますけれども、これをやはり緊急に推進をしていく。それから、先ほど言いましたように、プランニングだけじゃなく実行していく。それによりまして若干でも成果を上げていくということがこの政治に関する不信を払拭する第一歩だと私は考えているわけでございますが、総理のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
#16
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほどから御所論を承っておりました。
 この三、四年を回顧いたしますと、確かにいわゆる証券・金融の問題あるいは土地をめぐるバブルの問題、それから暴力団、また静穏保持等々いろいろな問題を、我々お互いにそれなりの対応を一生懸命やってきた。確かに後遺症というものはやはり相当ございますけれども、ともかく対応してまいった。その中で、政治についての改革というのはいろんな努力がなされてきたけれども、国民の目から見て必ずしも十分ではなかった、おくれてきたのではないかと、そういう御指摘であったと思います。
 私は、石川委員のまさに言われるとおりであると思いますが、確かに政治改革について申しましても、最初に打ち出されました一つはいわゆる冠婚葬祭等について非常な出費がある。これは冠婚葬祭そのものの出費と申しますよりは、冠婚葬祭についての対応を万全にやろうとしますとたくさんの秘書を雇わなければならないという衆議院の方々には深刻な悩みがあります。その実は人件費の問題が大きかったと思いますけれども、これにつきましてはかなりの改善が見られるに至りました。
 それから、その後、殊に今先ほど御指摘がありましたように、自民党の党内では政治改革についての非常に熱心な討議が重ねられてまいりましていわゆる三つの法案になったという経緯がございます。
 ただ、これらの中で、やはりおっしゃいますように資金関係、倫理関係のほかにどうしても選挙区制度というものに触れざるを得ないということがございまして、選挙区制度の問題というのはこれ議会主義、民主主義の一番基本になる与野党の間のいわば土俵の問題でございますから、これについては各党がもう本当に熱心に議論をされるということはこれは当然のことで、それが民主主義というものだと思いますが、そういう経緯もございまして三法案そのものは審議未了という形になったわけでございます。
 ちょうどその段階で、私、ちょうど一年余り前ですが、自民党の総裁を仰せつかりまして、まずこの一とんざした政治改革をもう一度やり直さなければならないということで、やはり抜本的に処理すべき問題と緊急に処理をしなきゃならない問題があると考えましたので、今年の二月に党の中にできておりました政治改革本部に対しまして、さしずめ三月ごろまでに緊急改革についての答申をしてほしい、抜本改革については十一月の末ごろということを政治改革本部に私から要請をいたしました。
 緊急改革の方は予定どおり案が出てまいりまして、そこで、かねて国会にございました各党協議会に付議をして御討議を願って、実務者会議も何度か開かれました。その結果、先ほどお話しになられましたようないわゆる十八項目等の改正案が共産党を除く各党でほぼ合意ができた。
 したがいまして、それは前国会において成立をさせていただく期待を持っておったわけでございますが、前国会の終末に衆議院におきましていろいろな御事情がありましてそれがおくれました。おくれました分がただいま本院において御審議をいただいております衆議院を通過いたしました分で、十八項目が二十一項目になってまいったと。これはその間に起こりましたことを各党が御勘案になって十八に付加されたわけでございます。そのほかに十減九増といういわば一票の価値についての緊急是正を御審議を願っておる。
 でございますから、幸いにしてこれらについての御審議を終了していただきますと、成立をするならばここで緊急改革分は成立をするわけでございます。
 考えてみますと、先ほど言われました証券とか土地とかあるいは静穏保持とかいうものと違いまして、やはりこの政治改革というのは、当然のことですが、民主主義の一番根幹に当たる部分でございますから、当然各党の利害というものは必ずしも一致しない。それは当たり前のことでございます。その利害を調整した上でなお改革を行っていただくというのが国会における御審議の結果であったわけで、そのような御審議を経まして成立するならば、これは比較的早い。三法案が流れましてはぼ一年余りでございますから、大変に御熱心に御審議をいただいたと申し上げることができるんではないか。
 ただ、それは後に抜本改革を残しておるわけでございまして、これは私が十一月未と申しました期限は大体実は守られておりまして、ほぼ私どもの党内では答申の準備がもう一両日中ぐらいということになっておりますから、これはかなり大きな問題を含んだ答申になってまいると思います。私どもの中でまず党の態度を決めました後、従来の経緯から申しますと、もう一度各党協議にお願いをして、また各党においても恐らく改革の案をお持ちでございましょうから、それらの中から合意を発見していただくならば、次の国会にその合意の結果が提案されまして、成案になることを期待をいたしておる。
 抜本改正でございますから、緊急是正よりはさらに実は各党の御意見というものは距離があることは承知をいたしておりますが、その中からしかし合意を得て国民の期待にこたえなければならない。政府といたしましても、自由民主党といたしましても、そういう努力をぜひここでいたさなければならない、それが抜本改革の問題と心得ております。
#17
○石川弘君 総理からお話がありましたとおり、かねがね各党で御協議をいただいたことが実施をされるということで、私は何か政治の問題だけが手をつけられていないなんということではないんだと。非常に難しい問題をいろんな意味でいわば努力をしながら、総理がおっしゃいましたように、民主主義の基本にわたる問題でございます、いろいろ意見の相違のあるところを取りまとめて、他の経済あるいは社会的な問題と同じといいますか、もっと本当はこなしが難しい問題でございますが、そういう問題が前進の緒についたということが言えるのだと思います。
 次は、若干個別的な問題になりますが、佐川問題について二、三伺わせていただきます。
 まず、金丸前副総裁に対する政治資金規正法違反問題、本日お配りをいただきました中間報告におきましても、この問題につきましてはかなり実は詳細に御報告をいただいております。特に、上申書という姿で処理をしたというような問題点につきましては、かなり多くの字数を割いて御報告いただいておりまして、私もこの内容についてはそれなりの理解をいたしておるわけでございますけれども、この問題のごく一般的な、何と申しますか、国民一般の方から見て何かすとつと腹に落ちないということは幾つかあると思うんです。
 一つは、やはり先ほど申しました意味での手続において他の人と異なっていたのではないかという点。これはここに書かれました中間報告の中でそれがかなり具体的に話されておりますし、今までの質疑の中でもかなりいろんな角度からのお答えがございますので、それはそれといたしまして、もう一つ、これも世俗な言い方をすれば、授受されました金額の大きさと罰金刑の高さというものに対する不均衡感というよう宣言い方もございます。それから、そのこと自身が実はこの手続をこのような手続にしたということに関連がないわけではございませんで、本日いただきました中間報告の中でも「本件違反に係る法定刑が二十万円以下の罰金とされていることに伴う捜査処理上の制約があること等をも考慮しこと書かれております。やはり、そういう罰金刑の高さの話も実はあった。
 それからもう一つ、同じこの問題でやはり司直の取り調べを受けました新潟の知事さんの処理の問題、これは御承知のように会計責任者の虚偽記載という形で違う条項を使いまして取り調べが行われたわけでございますが、そのあたりのことは、実は今までの法令での問題と今後改正をされます改正政治資金規正法の間ではかなりの前進ができた。まあ、事柄は不幸な事柄かもしれませんが、こういう問題が起きました中で、先ほど申しました政治改革の協議会の中でもお話をいただき、いろんな論議を経て、実はこの部分については昨年の前の三法案の中にはなかった部分も含められた改正が行われていると私は承知いたしておりますが、その点について自治省からの御説明をいただきたいと思っております。
#18
○政府委員(吉田弘正君) いわゆる緊急改革として各党合意をいただきまして、既に法案として衆議院を通過いたしまして、昨日の参議院の特別委員会で御可決をいただいた今回の政治資金規正法の関係でございますが、その内容につきましては、政治資金パーティーの開催の適正化、それから政治資金の運用の方法の制限、政治団体の資産の公開、匿名寄附の禁止の特例、それから寄附及び政治資金パーティー券の販売に関する公務員関与の制限、そして寄附の量的制限違反に対する禁錮刑の導入、違法な寄附の没収等が盛り込まれているわけでございます。特に、この寄附の量的制限違反に対する禁錮刑の導入、これにつきましては、従前量的制限については罰金刑のみでございました。昨年の政治改革法案でもそこはいじっておりませんでしたが、今回初めてこの禁錮刑の導入というのが挿入されたものでございます。
#19
○石川弘君 今御説明がございましたように、今までの案にはなかったこの禁錮刑の導入というのは、まさしく今回の事案にかんがみまして、やはり事柄の公正と申しますか、世の中の人がこれを見て非常にわかりやすいという姿に実は改正をされているということでございまして、私は、今まで起こりました事柄について、これは大変不幸な事柄だと思っておりますけれども、それを契機にしてこのような前向きの改正が行われるということはそれなりに大きな評価をさるべきことだと思っておりますし、こういうことを前提にしてこれから政治資金問題というのを論じていくのが正しいことではなかろうかと思います。
 それから、この問題に絡みまして、この中間報告の中でもこの五億円の問題につきましては、実は最後の方にこの使途の問題についてこの報告書にも書いてございます。使途先と取りざたされている国会議員に対する量的制限違反寄附の供与等の事実についてさらに調査をするんだというお話が書いてございます。何か新聞で見ておりますと、この前は選挙で落選なさった方の調べをするとか、きょう車の中でラジオを聞いておりましたら、今度は当選回数の若い方とか、何かどうも余り穏当でないような報道があるように思います。
 私は、このような捜査というのはまさしく公正妥当な捜査をなさるべきことなんでございまして、何か人によって使い分けているみたいなことが報道されること自身が、やはりこの種の捜査ということに対して世の中一般の人が必ずしも好感を持たないということになるんではないかと思いますが、まあそういう事実はないと思いますが、その点についてお答えをいただきたいと思います。
#20
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 今、委員が御指摘になられましたこの五億円の使途の捜査の状況でございますが、金丸前議員及びその分配を受けたと取りざたされております約六十名の者に対します政治資金規正法違反等の告発を受けまして、東京地検において、これまでの捜査結果を踏まえつつ、幅広く捜査を継続しているところと聞いているわけでございます。
 今、委員は最後に国会議員の取り調べについての報道等に触れられてお尋ねでございますけれども、国会議員であるかないかによって検察当局が捜査を進める上で差別をすることはもちろんないわけでございます。
 ただ、これは一般的に申し上げられるのは、国会が開会中の場合には国会議員の国会要務の方に支障があってはならないというようなことも捜査当局としては配慮する面もあるのではなかろうかと、これはもう一般論として申し上げるわけでございますけれども、そういう意味で御理解をいただきたいと思うわけでございます。
#21
○石川弘君 次に、今回の事案について、いわばいろんな意味で検察の捜査ということについての論議があるように思います。ざっくばらんに言うと一種の不信みたいな話もあるわけでございますけれども、例の佐藤論文に始まりまして、そういう検察の今回の捜査に関する問題についていろんなお話が出ております。
 私は、やっぱり検察というのはなかなかこれ、一方では大いに検察としての捜査を進めなきゃいかぬという立場の声援もございますし、事と次第によっては検察ファッショと言われるような言葉がありますような意味での制約もあるわけでございまして、検察当局とすれば刑事訴訟法の定めるところに従いまして適切な措置をするわけでございます。しかし、この種の事件というものは今マスコミ報道等も通じましていろんな意味で非常な広がりを持ってまいります。そうしますと、いわばいわゆる疑惑というような言葉に象徴されますような単なる刑事上の問題を超えたより広範な話として問題が提起される。しかし、その中で検察が実行されますものはいわゆる犯罪の嫌疑ということを中心とした捜査をなさるわけでございます。
 この中間報告の中でも、例えば新潟の問題では佐川からの三億というお金が出ている。その中で一億ということはこれは嫌疑ありとしてはっきりさせられておりますけれども、二億の話というのは必ずしもそういう意味で捜査として決着をつけるところではないというようなことだとか、あるいはその点はもう一つの十七億五千万ということについてもそのようなことになろうかと思いますが、一般論で恐縮でございますけれども、検察のいわゆる捜査権に基づきます捜査と、世にいう疑惑といいますかこういうものに対する境目と言うと誤解がありますが、その辺についての検察当局のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#22
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 今、委員御指摘になっておられますように、マスコミ報道等におきましていろいろないわゆる疑惑とされるものが取りざたされているわけでございますが、そのような疑惑というものは、通常、政治的責任との関係で問題とされているものもあるわけでございます。必ずしも犯罪の嫌疑の存在を意味するものとは限らないと思うわけでございます。
 申すまでもなく、検察当局の職責はあくまでもいわゆる政治的責任の有無を追及するものではなくて、刑事事件について刑事責任のありやなしや、あるいはその程度等を明らかにするという目的から事案の真相を解明するために捜査を行うわけでございます。また、犯罪の嫌疑が十分認められるものにつきまして、法定刑の枠内で犯情に応じて起訴するかどうかということを決するということに尽きるわけでございます。その場合に捜査を進めた結果として起訴できますのは、これも当然のことながら、公判において証拠によって特定の犯罪を合理的な疑いを入れない程度に立証できる高度の見込みがある場合に限られてくるわけでございます。
 したがいまして、およそ疑惑と言われるものすべてについて国民が知りたがっている、あるいはそういうことからして検察が捜査権に基づく解明に乗り出すというようなことは、その職責と権限を越えるものであるというふうに考えているわけでございます。
#23
○石川弘君 今回の事案の中でも、いろんな意味で検察のいろいろな活動の中で、特に裁判等も含めましていろんな調書が表に出てまいっております。そのこと自身は法に定めるところに従い適正な裁判を行うわけでございますから特に問題にすることではないかと思いますけれども、例えば大島調書等によりまして一部の政治家の方々の名前が出される。これはまあ政治家であるなしにかかわらずの問題であろうかと思いますが、そういう本来の訴訟の目的としてねらっていることではないということは百も承知でも、そういう名前が出てきますことによって世にいう名誉の問題というようなことが論ぜられておるわけでございます。
 そういうことで、現にそういう形で何人かの方々、大変その点を問題視されまして、それなりの行動をなさっているわけでございますけれども、私は、まあ法律に定める手続によって適正に行われることでございますから、そのこと自体のよしあしというよりも、その具体的なやり方という問題で、これはさきのいろんな法務当局の御答弁等を調べさせていただいておりますと、大臣からも虚心坦懐に耳を傾けるという趣旨の善言葉もあるようでございます。ただ、そのときにも、耳を傾けられただけでは困るというようなこともさらに質問をなさっておりまして、例えば立証する事実から比較的遠いようなところでただ名前だけ出てくるというような場合に、この調書を抄本とするというようなテクニックというようなこともあるやに聞いておりますが、そのような形でこの問題に対してある種のいわば回答とすることはできるのでございましょうか。
#24
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 今、委員御指摘になっておられる問題は、これは刑事訴訟法の第一条を引くまでもなく、刑事手続自体は、個人の基本的人権の保障を会うしつつ事案の真相を解明し、法律を正当に適用するということが定められているわけでございます。
 今、委員がお触れになられましたような例えば刑事裁判において実体的真実の解明のために供述調書の朗読等によって第三者の実名等が公になるということにつきましては、従来御議論がございまして、これはある程度もちろんやむを得ない点があるところと思うわけでございますが、ただ、第三者の名誉を保護するための方法として今委員が御指摘になられましたような御意見があることも承知しておるわけでございまして、訴訟に関係する者といたしましてはそういう御意見にも十分耳を傾けるべきものであろうというふうに思うわけでございます。
#25
○石川弘君 その次に、いわば国政調査権と司法権の独立というような関係で若干御質問をいたします。
 この種の問題、実は私もいろいろとその間の事情を調べてまいりましたけれども、国政調査権は、何も司法というようなことと関係なしに、もっと政治一般で国政調査権の行使がなされるわけでございますけれども、たまたまこの種の不祥事等の事案は多くの場合が検察当局によって事件が摘発をされまして進行をしていくと。その途中で、いろんな意味での政治問題というようなことでかかわりが出てきて国政調査を進めていくというのが多いようでございます。過去の事例等を見ますと、そういう意味で、国政調査権を適切に行使しようということとこの司法との問題、司法というのは検察の場合もありますし裁判の場合もあるわけでございますけれども、そういう場合の調整問題ということが幾つか出ているように思います。
 例えば、今回の勾留中の被告に対して国政調査権をもちまして調査するというようなことも、これは非常に新しいことではございますが、一つの例ではございます。それ以外にも、例えば資料の提出等につきましてもこのような問題が実は相当あるわけでございます。
 私は、きょうは時間の関係で詳しくということはできないわけでございますけれども、やはり基本にありますものは国政調査権、これは国民の負託にこたえて適切にこれを実行しなきゃいかぬわけでございますが、一方におきまして三権分立という中で司法権の独立を守るということも、これまた重大な問題であると思います。したがいまして、この問題につきましては、私は、今申しました国政調査権の適正な実施と司法の独立という問題は、これは問題のどの時点でもそうでございますが、私の調べた限りにおいては毎度毎度問題となりながらもそれなりの調整をし、あるいはそれが実行に移されている問題だと思います。
 こういう不幸な事案が何度も起こるということを決して望むわけではございませんけれども、その都度その都度やはり適切な判断をしながら進めるべきことだと思っております。例えば、非常に困難な条件のもとで昨日委員長以下各委員の方がお出かけいただいて、その辺ではいろんな制約があることは事実でございますが、そういうことを実行なさっている。新聞で、あけてみると「また空振り」というような書き方をなさる方がありますけれども、私はそういう問題ではなくて、もっと真剣に事柄を追及すべき問題だと考えております。
 次に、政治改革の問題についてお聞かせをいただきたいと思います。
 緊急改革の問題につきましては、先ほど総理からもうあれ以上のお答えがないというくらいお答えをいただいておりますので、私はこの緊急改革の問題は、総理もおっしゃいましたとおり、これは法律の問題もありますし党で決める問題もありますし、いろいろございます。したがいまして、こういう問題をすべていわば実行に移していく、そのことが、先ほど最初に申し上げました、何か政治不信と言われているものを少しずつ、しかも確実に解消していく手段ではなかろうかと思います。
 総理もおっしゃいましたとおり、このことはなかなかそう簡単にできることではないことが今度の十八項目プラス三ということで実行されたわけでございますので、私はそのこと自身は、政治家にとりましてはなかなか、きついと言うと語弊がありますが、それは当然守らなきゃいかぬということで考えておりますけれども、そういうことをまず実施の第一歩にしていきたいと思っているわけでございます。
 総理は先ほども申されましたけれども、その後に続く抜本改革、近々というお話でございます。これは私どもも、総理がかねがねいろんなところでおっしゃっておりますところの政治資金の透明性の問題とか、金のかからない政治活動の問題とか、あるいは政策中心の選挙とか、あるいは派閥の解消というようなことで具体的にお示しをいただいているわけでございますが、この抜本改革は、これまた総理が先ほど申されましたとおり、党対党という問題になりましたときにはかなり対立点も考えられます。しかし、何といいましてもこの対立を乗り越えまして実行に移しませんと、先ほど申しましたように、中で一生懸命勉強していることはなかなか外部の方には評価をしていただけない。
 それが制度となり実施されて初めて評価をされ、それなりのいわば国民の理解が得られるということでございますので、総理がおっしゃっております四点を中心にしてこの抜本改革問題をどのような手順で今後お進めになるか御意見を伺わせていただきたいと思います。
#26
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほども申し上げましたが、私どもの党の政治改革本部がいわゆる答申を間もなく取りまとめる段階になっておりまして、中身をまだ私は承知しておりませんが、この討議には私も途中で参加しておりますので、大体のこと、流れは存じております。
 それはただいま石川委員の言われましたように、いわゆる政治倫理の問題であり、あるいは選挙制度の問題であり、資金の問題であり、党改革の問題であると。党改革というのは私どもの党の改革の問題でございますが、それらでございまして、そのほかに参議院の自民党におかれまして、参議院自身もやはり考えることがあるのではないかという検討をかなり具体的になすっていらっしゃるように承知をいたしております。
 そこで、これらの答申が出ました後、私どもの党内で一応それにつきましての決定を行う必要がございます。これについてもいろいろ議論はあろうと存じますけれども、その上で、今までの経緯から申しますと、これは衆議院の、共産党以外でございますが、各党がっくっておられます協議会の議に付されるということになるのではないか。まだ何もそこは決まっておりませんので、私が自分の想像と申しますか推測で申すことでございますけれども、そこで協議会に付されまして、その際に恐らく各党とも政治改革については御熱心に議論していらっしゃいますので、各党の案がそこへ持ち寄られるのではないかというふうに思います。そして、さらに実務者会議というものもございますので、そういうところで御議論をしていただく。
 ただいまの時間から申しますと次の国会ということにあるいはなるのかと思いますけれども、その上で成案を得たものを、ここのところもまだ未定でございますが、国会で御審議をいただく、こういうことかと存じます。
 それから、この参議院関係の改革は、実は今までここまで表面化したことが最近ではございませんでしたので、それについての案が参議院の自民党内でまとまりました後どのように運ばれますか、それはまだ恐らくお決めになっていないのだと存じますが、もとより各会派と御相談になられるという段階は何かの形であるに違いない、こう推測をいたします。
#27
○石川弘君 実は、その参議院改革についても御意見を承るうと思ったわけでございますが、もう総理既に御承知のように、参議院改革に関する研究会というのが国会改革、選挙制度改革、それから党改革という三つの小委員会でもちまして検討をいたしておりまして、その成果が十一月二十日の中間報告というので出されたわけでございます。これはもちろん自民党の中の改革の話でございます。
 さらに、それを受けまして参議院改革の案なるものが十二月一日、参議院自民党におきまして決められたわけでございます。
 中身は既に御承知だと思いますが、当面の検討課題としまして、参議院の独自性の発揮とか議員立法の充実、その他いろんな基本問題もございますし、本会議の運営問題、特に押しボタン制の導入とか、かなり具体的なこともございます。さらに、委員会運営等につきましてもいろんな点について御検討をいただいておりますし、さらにそれに加えまして、中長期的検討課題としまして参議院組織の抜本改革の話、あるいは国会テレビ・ラジオ等の充実といったようなものもございます。
 このことは総理も今おっしゃいましたとおり、自民党だけでできることではございませんので、自民党のこの種の検討の結果を持ち寄って各党にお諮りして、先ほど総理がおっしゃいました全体としての抜本改革というものの一つとして、やはり私は実行していくのが正しいんではないかと思っているわけでございます。
 したがいまして、私は、この種の問題につきまして、参議院は参議院での独自の検討を進めるわけでございますけれども、全体の中の一つとして、ぜひこれを推進する立場で総理からもこの問題について積極的な御指導をいただきたいと思っております。これにつきまして総理の御意見を伺わせていただきたいと思います。
#28
○国務大臣(宮澤喜一君) 実は、私どもの党の政治改革本部におきまして政治改革をいわば衆議院を中心にずっと検討してこられたわけでございますけれども、検討いたしていきますと、これは日本は二院制でございますから、参議院のあり方というものと無関係に衆議院だけで物を決められない、やっぱりこれは非常にいろんなところで相関関係があると、当然のことでございますけれども、という議論になってまいっておりました。
 そのことは参議院御出身の党員の議員の方々もよくお気づきでございまして、まさに以前から御検討でもあったので、やはり両方の問題を相関させながら一緒に考えなければいけないなということをお考えになられて、それはまことにもっともなことでございますので、それで恐らく参議院におかれまして各会派とまた御相談をなさるに違いないと私は思っておりますが、そういうものは、やはり考え方としては、全体の政治改革についての参議院に関する部分と申しますか、その一部でございますから、ぜひ御一緒に推進をすることができますように、参議院の各会派におかれましても御検討をお願いしてはいかがかなと、こういうふうに考えております。
#29
○石川弘君 この佐川問題、これはまさしくいろんな意味での、国民がこの問題の疑惑について解明を求めていることでございます。もちろんこれは国会の問題だけではなくて、まさしく司法当局そのものが現在解明を進めていただいておるわけでございますけれども、この問題と同時に、先ほどから総理からもお話がございますように、今あります事柄をどう解明するかということを前提にいたしまして、さらに前向きに政治の面でどうとらえるか、その一つが先ほど申しました今度の緊急改革であろうと思います。
 こういう形で、いわゆる各種の不祥事と言われているものを、これを乗り越えまして前向きに展開するということが、今国会に与えられました大変重要な使命だとは思いますけれども、もう一つは、これは言うまでもないことでございますが、ここしばらくの間大変好調だった我が国経済が陰りを見せて、その障りもかなり長く深刻という状態の中で、せっかくの大変大きな補正というものを組まれ、かつての本予算の前倒しにつないで、この補正によって我が国の経済が健全に展開できるようにということをこの補正にかけていると思っております。
 幸いにしまして、この問題の解決と同時に、この補正につきましてもこれを政府の予算として実行できる段階が近づいていると思っておりますが、この問題について最も明るい、なおかつ経済問題の分析にかけて御見識の高い総理でございますから、平成四年度からこの補正、さらに続く平成五年度予算にかけて経済問題についての進路をかし取りをしていただきまして、日本経済が健全に動きますようにぜひ総力を挙げてお取り組みを願いたいと思っております。
 もう一つは、やはり私そのことに絡みながら考えますと、やっぱり国際問題、たまたまロシアの問題はああいう形になっておりますけれども、これは片一方でロシアの国情があのようでございますから、そう簡単に何か急転直下ということはないとは思いますけれども、これは世界経済に与える影響も大変大きゅうございますし、またそれが今後どう展開するかによっては、我が国の進路にも大きな影響があると思います。さらに、アメリカでは新しい大統領が生まれるのも間近でございます。片一方、きょうも農林大臣お出かけでございますが、ガット・ウルグアイ問題ということも、これゆるがせにできない大きな問題でございます。
 したがいまして、今回のこの問題が一連の形で国会を通過した後、総理にとって一日もお休みがあるわけではないとは思いますが、この内政上の問題あるいは外交上の問題、これについての総理の御決意を伺って終わりたいと思います。
 一つだけ実はつけ加えさせていただきたいのは、私は今度の問題をやっておりまして、何か政治家というのはとんでもなくいろんな悪い人間みたいなことを言われる場面があるんですが、私たちの先輩に本当にそういう意味ではかがみにすべきような方が実はたくさんいらっしゃるように思うんです。私は、政治歴は大変短うございますが、諸先輩の中でこの方の悪口を言ったんじゃとても、何といいますか、罰が当たるというくらい、そういう清廉な人というのは非常に多いわけでございまして、私はそういう意味で政治家の自覚というものを私自身が考えておりますが、総理にもそういう御指導をいただきますとともに、先ほど申しました今後における国内、国外における総理のお考え、御指導ということをお聞きをいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#30
○国務大臣(宮澤喜一君) いわゆる総合経済対策を決定いたしましたのは八月の末でございましたが、この決定とともに既定予算をいわゆる前倒しで執行できる部分はできるだけ補正予算を待たずにやらせていただいておりました。ただ、何といいましても、しかし補正予算を本格的には待たなければならない。また地方議会の問題もございますし、それから中小企業などの金融につきましては多少政府関係機関の増資もしなければならぬということがございましたので、ぜひひとつ補正予算を成立させていただきたいということをお願い申し上げておるわけでございます。
 それで、相当大きな総合経済対策でございますので、一年間の投資乗数効果はGNPの二・四ぐらいと推定されておりますので、三・五%の成長を想定いたしました場合の二・四というのは、ちょっと時期のずれはいろいろにございますけれども、かなり大きな効果であると考えております。
 これで相当の効果があると思いますが、なおこれから編成いたします平成五年度の予算につきましても、同じような考え方をもう一遍継続をしてそういう考え方で予算を組んでまいりたい。幸いにして、その後景気の回復が顕著になりますれば、全部執行しないでもいいかもしれませんが、しかしやはり念には念を入れておきたいというふうに考えております。
 それから、おっしゃいますように旧ソ連の各国が、ロシアを初めといたしまして各国がいわゆる民主主義、市場経済に乗ってくれるということが何としてもこれからの将来大事なことでございますが、御指摘のようにやはりそれは言うべくしてなかなか、七十年間の軌道の修正と申しますか、あるいは全く新しい路線ということでございましょうから、予想されたことながら大変に手間がかかっております。
 やはり我々としてはIMFを中心にしまして再建についての、再建と申しますか、新しい国づくりについての協力をいたすべきだと考えておりますけれども、なかなかIMFとの協調が十分でない、今のところまだまだ努力をしなきゃならない。もちろん緊急援助等々、技術援助等々はいたしてまいりますが、そういう問題でございます。
 米国では新しい政権が誕生を今しようとしております。基本的には日米は価値観を共同にしておりますので大きな変化があるとは思いませんけれども、新政権になりますと、やはり従来一応わかっておったはずの問題でも新しく見直すというようなことは常にございますので、またそういうことについてもこちらも遅滞なくよく注意して対応いたしまして、両国間の問題はもとより、両国で共同して世界に対して果たすべき責任につきましてもよく協議をいたしてまいりたいと考えております。
#31
○石川弘君 終わります。
#32
○理事(井上裕君) 以上で石川君の質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#33
○理事(井上裕君) 次に、種田誠君の質疑を行います。種田君。
#34
○種田誠君 私は冒頭、宮澤総理大臣に伺いたいわけでございますが、総理は過般行われました本院での総括審議の中で、竹下元総理の政権誕生に関しての右翼や暴力団のかかわりや介在、この問題に関しては責任は晴れたと思う、さらに結果責任も問う必要はないんではないかと、この種の発言をしております。
 私は、参議院の証人喚問や質疑がなされていない段階で総理がこのような発言をすること自体、参議院軽視も甚しいのではないか、こう思うと同時に、この間参議院で竹下元総理に対する証人喚問や、きのうは渡邉被告に対する拘置所における証人尋問なども行われたわけでありますけれども、今、総理も渡邉尋問などについては目を通しておると思いますけれども、そういうことを経て今日どう思っておりますでしょうか。
#35
○国務大臣(宮澤喜一君) 私が以前お答え申し上げましたのは、そのときも申し上げましたが、九月二十二日の東京佐川事件の冒頭陳述に述べられておることが唯一のいわばステートメントでございますので、これに基づいて私の考えを申し上げたところでございますが、もとよりその段階は参議院において国政調査のお立場からのこれについての御調査が行われる前の段階でございますから、それにつきまして私がとやかく予想したり申し上げたりということは、もとよりそういう礼を欠くことは全くいたすつもりはございませんし、そういう意図ではございませんので、御理解をお願いいたしたいと存じます。
 なお、国政調査のお立場から参議院におきまして喚問並びに尋問をなされましたことを、記録によりまして承知いたしております。このことの評価につきましては、これは院において有権的になさるべきことでございますので、私どもがそれにつきましてかれこれ評価がましいことを申し上げるべきではないと思います。
#36
○種田誠君 この間の参議院におけるさまざまな調査によって、私は結論から言いますと、ますます竹下政権の成立に関しては、右翼、暴力団のかかわりが、強い介在が存在した、こういう印象を持っております。特に、当院における審議の結果、竹下さん自身が十月五日の東京プリンスホテルでの会合や十月二十九日の「吉兆」における会合において、竹下事務所が予約をした、またその支払いもしたかもわからない、こういうことまで踏み入ったとなれば、この事実からしてどなたも竹下元総理は関係ない、こういうことは言えないだろうと思うし、竹下さんは、自分と青木伊平秘書はまさに分身のようなものだと、こうまで言い切っておるわけでありますから、青木秘書がさまざまな形で、当院での調査の結果判明したような形でかかわっていたとすれば、極めてこれは重大なことだろうと思う。
 さらに竹下元総理は、事件後一年後の十二月に金丸さんから石井の存在は聞いた、私はそれを察知したんだと、こういうようなことも述べているわけであります。さらに五日の会合においては、皇民党の問題は中心的課題ではなかった、こういうことは、中心的課題ではなかったけれども、それでは何なんだという、こういう問題が生まれてくるわけであります。
 昨日の東京拘置所での渡邉被告の尋問に対しても、渡邉被告自身証言を拒絶してまいりましたけれども、十月五日と十月二十九日に関しては、皇民党とのかかわりがあるから証言を拒否するんだと、こう言っております。
 こういうことになりますと、ますます私は、竹下政権の誕生に対して右翼や暴力団の不透明な介在があったということを、私ばかりではなくて、多くの国民の皆さんもそう思わざるを得なくなってきているんじゃないかと思うんです。
 総理の今日の御所見を伺いたいと思います。
#37
○国務大臣(宮澤喜一君) 当院における尋問あるいは喚問の結果について、種田委員の御判断はただいま承りました。これは院におきまして有権的に御判断をなさるべきことでございますので、それにつきましては私が申し上げる立場にないと思います。
 それから、国民がこういう印象を広く持っておると言われますことにつきましても、これも私がそれにつきましてそうである、そうでないと申し上げる立場にはないと思います。
 私の立場から申し上げますれば、先ほども申しましたような九月二十二日、東京地検による冒頭陳述、これがただ一つの本件につきましてのいわばステートメントでございますから、これに関する限りは、ただいま言われましたようなことには肯定的にも否定的にもこのステートメントは言っていないということだけを申し上げておるわけでございます。
#38
○種田誠君 総理、私が今聞いたのは、今日における所感はどうなのだということを聞いておるんですから、まずそれに真正面に答えていただきたい。こういうことがないと、私は、きょうの日経新聞にあらわれたような、残念ながら宮澤内閣に対する不支持率六六%に上昇と。不支持がですよ。支持率は一四%ですよ。そういう意味で、もう一度このことを前提に答えてもらいたいわけであります。
 同じく毎日新聞の世論調査がきょう出ておりますが、何と七八%の方が竹下元総理の議員辞職を強く求めている、そして九〇%の方が今日において皇民党、佐川事件と政界との関係がいまだ解明に至っていない、こういうふうな世論調査として国民の声があらわれているわけであります。
 日経新聞の世論調査にはさらに、なぜ宮澤内閣を支持しないのかと、こういうことですけれども、まず「実行力がない」六八・五%、「調整力がない」四六・一%、残念ながら、私はそうは思いませんが、「人柄が信用できない」三六・一%。「「顔」が見えないと批判されがちな首相の指導力への不満が強いことが浮き彫りになっている。」。残念ですが、総理、こういう結果が出ておるんですね。
 こういうことを前提に、もう一度私の質問に答えていただきたいと思います。
#39
○国務大臣(宮澤喜一君) 世論が大事なことはよく存じておりますし、またどのような世論であるかということも、私もそういうものは読んでおりますので知っていないわけではございません。
 しかし、大事なことは、今のような事実関係というものは、政府としましてはつかさつかさがそれを調査する、捜査する役割を持っておるわけでございます。その役割がその冒頭陳述にあらわれているのでございますから、行政府の責任者として私がその役割を超えて私自身の所感を申し上げるということは、これは差し控えなければなりません。法治国家におきましては、そういうつかさつかさが仕事をするので法治国の信用があるのでありますから、そのことは私は大事なことだと思います。
#40
○種田誠君 その点は、総理、もう一度考え直していただきたいと思います。
 私も、三権分立があって、そしてつかさつかさがそれなりに精いっぱいの努力をしていく、こういう体制を国家としては維持していかなきゃならないと思うんです。しかし、宮澤さんは総理なんです。総理というのは、全体のつかさつかさのあり方に関して、みずからの指導力とみずからの方針を示していかなければ、内閣の一体性やつかさつかさの方向というのは決まってこないわけであります。そういう意味で、この点についてはもう一度御返事をいただきたいわけであります、
 総理、きょうの日経新聞、私ちょっとショックを受けました。
 今景気が大変悪い。中小企業が私の地元でも倒産している。仕事がなくなった、そういう声もたくさん聞きます。購買力も落ちています。そういう中で今最も多い要望は「政治倫理・政治改革」、これが群を抜いて何と五二・八%なんですよ。「景気対策」は四三%なんです。国民は、まさにこの声にあらわれているように景気対策もやってもらいたい。やってもらいたいけれども、今日のこの政治の状況では果たして私たちはあすへの展望が開けるのだろうかというそういう思いから、ここに私は五二・八%という群を抜いた数字に、これは十二月の四日から六日にかけての世論調査でございますから、今日の声があらわれておる。
 総理、もう一度御答弁をお願いしたい。
#41
○国務大臣(宮澤喜一君) 経済のことを最後に言われました。それは確かに非常な不況でございますから、政府としても全力を挙げ、また国会におかれてもこうやって補正予算を御審議いただいておるわけでございまして、これは全力をもってやはり当たらなければならないと考えております。病状はなかなか深うございますので、一日二日でというわけにはいきませんけれども、しかし、だんだん事態は好転をしつつあるということは明らかでございますから、政府としても全力を挙げて当たりたいと思います。
 前段の問題は、そういうような不況を背景にしまして国民がいろいろいら立ちを感じておられるところへ、殊にこの事件につきましての解明が非常に遅い、何をやっているんだろうと、そういういらいらはよく理解できます。しかし、法治国においては、やっぱり法のプロセスを踏まなければこういうものの解明はできない。あるいは国会におかれまして、こういう解明に努めておられる。それについても国民はいろいろもっともっとという気持ちはおありになりましょうけれども、国会にはやはり国会としてのお立場がある。そういう中で解明が行われているということでございます。
 私が行政の長であるからつかさつかさをちゃんと指導しろというようなことをおっしゃいました。私は、検察を全面的に信頼しておりますから、いわゆる指揮権というようなことは全く考えておりません。
#42
○種田誠君 そういうことを聞いているのではなくて、今回総理が、佐川問題を中心にして日本全土を覆ってしまった国民の政治不信、政治改革に対する熱望、こういうものにこたえる気迫を持って、それでこの問題の事実解明に当たれと。そして、新しいものをつくり上げようじゃないかというこのことを国民は感じられないから、先ほど示したような数字にあらわれてしまうわけなんですよ。そのことは、総理、反省をしていただきたいと思うんです。
 この点についてはまだ質問の最後に、きょうの質問が終わった後、総理の決意として聞きますけれども、その点だけ、反省していただけるかどうか。
#43
○国務大臣(宮澤喜一君) その点は同意でございます。
 政治改革につきましては、既に緊急改革について前国会で御審議をいただいて成立をさせていただくチャンスがあったと思うんです、衆議院におきまして。御承知のような事情でございますから、まことに残念であったと思います。どうぞこの国会で成立をお願いいたしたいと思います。
#44
○種田誠君 総理に対する質疑はまた後ほど行わしていただきたいと思います。
 昨日、私ども小菅の拘置所に出張いたしまして、渡邉廣康被告に対する尋問をしてきたわけでありますけれども、お手元にある尋問の結果を録取した記録によってもう皆さん方においても明らかだと思いますけれども、ことごとく証言の拒絶に遭いました。録取書からもこのことは明らかでありますけれども、委員長みずからが、果たしてそういうことまで拒絶する必要があるんですかと。また、これに関する注意が、私今数えただけですけれども、大変な数になっております。また、委員長も、ときには速記をとめてまで、渡邉被告人はもとより補佐人に対しても注意や喚起を促してきたわけであります。そういうことを経ながらも、証人の証言拒絶が続いたわけであります。
 結果として、これでは証人喚問の実は得られなかったものと思わざるを得ないわけでありますけれども、この証言拒否ということに関して、これが犯罪になる場合、どういう場合が犯罪になるのか、説明をしていただきたいと思います。
#45
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 これはもう改めて申し上げるまでもないことでございますけれども、犯罪が成立するかどうかということは、これは捜査の結果として証拠によって確定された具体的な事実関係を踏まえて判断されるべき事柄であると思うわけでございまして、そのような手続を経ないで犯罪の成否について論ずることは、これはできないわけでございます。
 特に、いわゆるその議院証言法上の証言拒絶罪につきましては、議院内部の自律権の問題として、告発が訴訟条件であると解されていることはもう委員御案内のとおりでございまして、国会の証人尋問における証人の証言拒否が証言拒絶罪に当たるかどうかということは、まずもって告発権を持っておられる国会において御判断されるべき事柄であるというふうに考えるわけでございます。
 そういう意味で、これ以上のお答えは差し控えさしていただきたいと思うわけでございます。
#46
○種田誠君 それでは、議院証言法の第七条、証言拒否罪の成立要件、さらに第八条の告発等の手続、これを、法制局、述べてくれませんか。
#47
○法制局長(中島一郎君) お答え申し上げます。
 議院証言法の第七条によりますと、「正当の理由がなくて、証人が出頭せず、」、少し飛ばしまして、「宣誓若しくは証言を拒んだときは、一年以下の禁錮又は十万円以下の罰金に処する。」ということになっておりまして、第八条には、「各議院若しくは委員会又は両議院の合同審査会は、証人が前二条の罪を犯したものと認めたときは、告発しなければならない。」云々という規定になっております。
#48
○種田誠君 もう一度、今述べられた正当な理由ということについて、どういうことが正当な理由なのか、さらには過去に証言拒否罪というのが成立したケースがあるかどうか、それだけちょっと述べてください。
#49
○法制局長(中島一郎君) まず、議院証言法の第七条の正当な理由とは何かというお尋ねでございますが、まず議院証言法の第四条に定められている証言拒絶理由というのが挙げられると思います。議院証言法の第四条というのは、よく御承知のように、証人がみずから刑事訴追を受け、または有罪判決を受けるおそれのあるときは証言を拒絶することができるという規定でございます。
 それから、本件の尋問の場合につきましては、裁判所が接見禁止を解除するに当たりまして条件を付したものというふうに承知いたしておりますので、その条件に反した質問に対して証言を拒絶することも正当な理由に当たるというふうに考えます。
 このほか一般論といたしましては、質問事項が国政調査権の範囲を逸脱しているような場合には、これに対する重言を拒絶しても正当な理由があるというようなことが言われております。
 それから、第二点でありますが、従来の例をお尋ねでございますが、私の承知しております範囲では、かつて有森証人というケースがございましたが、この件が証言拒絶として告発をされまして、執行猶予つきの有罪判決が出たということを配慮いたしております。
#50
○種田誠君 私も過去の例などを調べて、今述べられた有森氏に対する告発などのケースを見てみたわけですけれども、その議事録などによっても、私は、今回の東京拘置所における渡邉被告の拒絶の態度は有森氏のケース以上であったというふうに言えると思うんです。
 先ほど、正当の理由として、刑事訴追を受けるおそれ、有罪判決を受けるおそれ、こういうことを挙げたわけですけれども、渡邉被告はことごとく証言を拒否しているわけでありますから、しかも委員長の指示にもこれを拒否をしたというふうに言えるわけでありますので、このケースは証言拒否罪に該当する、こう思われますので、委員長においてしかるべくこれを処理していただきたい、こう思うんですけれども、よろしくお願いをしたいと思います。
   〔理事井上裕君退席、委員長着席〕
#51
○委員長(遠藤要君) ただいまの御発言については、後刻、理事会において協議いたします。
#52
○種田誠君 ぜひ、委員長みずからも今回のこの件については質問に対して拒絶をされておるわけでございますから、理事会において慎重に協議をされて、しかるべき手続をとっていただきたい、こう思います。
 午前中は、じゃこれで終わります。
#53
○委員長(遠藤要君) 午前の質疑はこの程度といたし、午後一時から再開することとして休憩いたします。
   午前十一時五十五分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時一分開会
#54
○委員長(遠藤要君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 平成四年度一般会計補正予算、平成四年度特別会計補正予算、平成四年度政府関係機関補正予算、以上三案を一括して議題といたします。
 東京佐川問題について、休憩前に引き続き、集中審議を行います。種田誠君。
#55
○種田誠君 午前に引き続きまして、質疑に入っていきたいと思います。
 今度の衆議院、参議院での予算委員会を通じまして、刑事確定記録、とりわけ金丸信元代議士の政治資金規正法違反に関する上申書等を含むこのような刑事記録、このことを国会の方へ審議の重要な前提をなす事項の確定のためにも出していただきたい、こういうことを求めてまいってきたわけでありますけれども、今日まで十二分にこのことにこたえられていないことに関しては遺憾に思うところであります。
 そこで伺いたいのは、刑事確定記録、これは刑事確定訴訟記録法に基づいて所轄の検察庁が管理しているわけでありますけれども、私どもは国会法の百四条、国政調査権に定められた形で提出を求めている。果たしてその提出に対して刑事確定訴訟記録法の第四条はどのように働くのか、このことに関して法務大臣の見解を賜りたいと思います。
#56
○政府委員(濱邦久君) 刑事確定訴訟記録法、さらにはそのもとになっております刑事訴訟法、これは刑事訴訟法の五十三条一項に基づくわけでございます。したがいまして現在、今、委員がお尋ねになっておられます当該事件の確定記録の保管検察官である東京地方検察庁の検察官が閲覧不許可処分にいたしまして、その点につきましては既に先般、一昨日でございますか、最高裁の決定があったわけでございます。これはあくまでも刑事訴訟法の五十三条一項ただし書きの規定に基づいて閲覧を拒否しているわけでございます。
 今、委員がお尋ねになっておられますのは、国会の国政調査との関係での例えば確定記録の提出要求についてのお話だと思いますけれども、もちろんその場合に、確定記録自体につきましては、これは申し上げるまでもなく刑事裁判が行われる過程で作成され、確定記録として保管されているものでございます。国会法の国政調査に基づいて提出要求ということでございましても、これは、今、委員がお尋ねになられましたように、結局それは司法作用と国会の国政調査権の行使との調整の問題になるかと思うわけでございます。
 したがいまして、この刑事確定訴訟記録法あるいはそのもとになっております刑事訴訟法五十三条の法の趣旨からいたしますれば、それは司法作用に影響があるということで、規定されております刑事訴訟法五十三条以下の法令の規定の趣旨にのっとりますと、その限度で国政調査権の行使自体も、これは改めて申すまでもないわけでございますが、国政調査権の認められております法の趣旨及び憲法が認めておりますところの三権分立の原則から一定の限界が存することは、これはもう御異論のないところだと思うわけでございまして、そういう趣旨で、国会が国政調査権に基づいて要求されましてもこれは提出するというわけにはまいらないということでございます。
#57
○種田誠君 今の答えだけで三分近くかかっていますので、きょうは往復なものですからなるべく簡潔に答えていただきたいと思います。お願いします。
 今そのような答えがあったわけですけれども、まず私たちが確認しなきゃならないのは、だれでも刑事被告事件の記録を閲覧できる、これが憲法に定められた大原則だということです。そこで、その閲覧を制限するのはこれは例外であって、最小限でなければならない、こういうふうに法は定めているわけです。もちろん刑事訴訟法五十二条もそうでありますし、それから先ほど述べた確定記録保存法の方も同じなわけであります。
 そこで、ここで言われておるのが、今の説明というのは「訴訟記録の保存又は裁判所若しくは検察庁の事務に支障のあるときは」と、こう言われておるわけですね。こういう場合に限定的に慎重に事務というのは解釈しなきゃならない、これが当然の法の趣旨にのっとった形だと思うんです。
 その場合、検察庁の事務というのは、学説や見解によりますと、公判や捜査も含むということであります。しかし、そのとき大事なことは、現に捜査をしている、現に公判をしている、だからその間この記録は使えません、閲覧に供することはできません、しかしながら捜査が終われば、今、捜査官自身が調べているのが終われば直ちにこれは閲覧に供します、公判においても公判がその日終われば、また時間がとれれば直ちに見せます、こういうふうに解釈しなきゃいけないと思いますんですが、その点についてはどうでしょうか。(発言する者あり)
#58
○委員長(遠藤要君) 御静粛に願います。簡明に。
#59
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。簡潔にお答えをいたします。
 いつも申し上げておりますように、議院または委員会による国政調査権の行使につきましては、法務当局としても法令の許す限り協力すべきものと考えていることは申すまでもないところでございます。したがいまして、今、委員のお尋ねの検察庁の事務に支障がなくなった時点において具体的な御要請がありますれば、その時点でどのような御協力ができるかについて改めて検討することにしたい、こう思っているわけでございます。
#60
○種田誠君 過日、裁判官訴追委員会において、やはり確定記録の提出を求めたことがあります。
 先ほど刑事局長述べられたように、最高裁は閲覧の開示を求める特別抗告を却下したわけでありますが、なおこれは二審では支持されているということです。しかし、最高裁は却下したものの、裁判官訴追委員会では、同じ記録の提出を求めたところ、さらに別の追加記録が出てくるわけですね。問題は、申し立てる人間によって記録が、ある場合にはここまで出されて、ある場合にはその倍出される。こういうふうなことが取り扱い上あってはいけないと思うんですが、法務省、裁判官訴追委員会においては、どういうふうな形でどのような記録が上積みして出されていますか。答えてください。
#61
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 裁判官訴追委員会に対する報告の件でお尋ねでございますけれども、これは、まず確定記録に関する限りで申しますと、確定記録で閲覧を許されている範囲のものについて御報告を申し上げたというふうに理解しているわけでございます。
 もう少し具体的に申しますと、当初、検察官において、東京地検の検察官が閲覧を許可したものと、それから抗告審の決定で一部閲覧が許可された部分とがあるわけでございます。その双方について、追加したというのは恐らくそれのことをおっしゃっておられるのではなかろうかと思うわけでございます。
#62
○種田誠君 ですから、そういう、申立人によって開示する、閲覧に応ずる差異が出るのはどういうことから差が出るのかということですね。簡単に言ってください。
#63
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 今、先ほどお答え申し上げましたように、確定記録を閲覧許可されているという部分について公開しているということでございまして、それは差異はないわけでございます。
 もう少し申しますと寸訴追委員会に御報告したものと東京地検及び抗告に対する決定で公開されたものと同じものが御報告されているということでございますので、確定記録が公開されている部分について御報告したという意味では同じ範囲のものでございます。
#64
○種田誠君 この問題で押し問答していても仕方がないんですが、違うものが出ているからあえて聞いているわけです。
 なぜ私がこの問題に固執するかといいますと、一つは、これから国政調査を行う上で極めて重要なかかわりのある部分だから聞いているのと、それから、この前の質問でも申し上げましたけれども、マスコミを通じて金丸前代議士の上申書なるものが報道されたわけですね。私、手元に持っておりますけれども、この上申書が果たして検察庁が持っている上申書と同じものなのかどうか、そのことも確認できないわけです。同じものであればこれを前提に質問ができるし、同じものでないという場合にはこれを前提に質問はできないわけですね。そういう意味で、国政調査権、我々の質疑権を確保する上でも必要だから述べておるわけであります。
 それでは方向を変えまして、今述べました十二月四日、朝日新聞が報道した金丸氏上申書なるものは、全文が掲載されてありますけれども、東京地検が保存している上申書と同じものでしょうか。
#65
○政府委員(濱邦久君) 先般の当委員会でもお尋ねを受けたと思いますけれども、報道された金丸前議員の上申書といわれるものが本物であるかどうかについては、これは肯定も否定もいたしかねるわけでございます。
#66
○種田誠君 私が聞いているのは、中身が同じかどうかということを聞いているんですよ。答えてください。
#67
○政府委員(濱邦久君) ですから、報道されているものと中身が同じかどうかということについてお答えすることはいたしかねるということを申し上げているわけでございます。
#68
○種田誠君 上申書なるものは、これは刑事局長も読んでいると思うんですね、刑事局長自身は上申書の原本を見れる立場にあるわけですから。もうこの間に、同じものかどうかということを前の委員会でも私求めているわけですから。中身が違うと言われちゃうと質問ができませんので、この点ちょっと計らっていただきたいと思います。
#69
○委員長(遠藤要君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#70
○委員長(遠藤要君) 速記を起こしてください。
 ただいまの種田委員の御質疑については、実は昨夜から当委員会の理事懇でもいろいろ議論を重ねておるところです。さらにまた、濱刑事局長から改めて答弁をしてください。(発言する者あり)御静粛に願います。
#71
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 今、委員が御指摘なっておられます金丸前議員の上申書を含む確定記録は、現在継続中の告発事件の捜査に支障があるということで公になっておらないわけでございます。この検察官の閲覧拒否処分に対する特別抗告も、先ほどお答え申し上げましたように、最高裁から既に棄却されたところでございます。そういう理由から、その内容と今委員が御指摘になっておられる報道されたものの内容とが同一かどうかということの確認には応じられない、要するに肯定も否定もいたしかねるということで申し上げているわけでございますから、そこは御理解をいただきたいと思うわけでございます。
 ただ、本件確定記録の閲覧について、検察庁の事務の支障がなくなった段階では、これはもうその内容の確認についてどのような御協力ができるか、その時点で検討させていただくつもりでございます。
#72
○種田誠君 この問題もまだ理事会の方でも結論が出ていないということでありますから、後ほどまた検討していただきたいと思います。
 ただ、今、一つ上申書だけを取り上げたわけですけれども、こういうものが確定しないと、例えばきょう参議院の方にも法務省の中間報告がなされていますけれども、この中にも当然上申書問題が入ってくるわけですね。こういう問題に関して質疑というのが進まなくなっちゃうんですね。ですから、今後の国政調査権、また質疑権を保障するためにもこの辺もぜひ検討をしていただきたいなと思うわけであります。
 そこで、私としては、手元にある金丸氏上申書なるものを正しく事実を証明しているもの、原本と同じものというふうに理解して、質問をさらに進めていきたいと思います。
 そこで、幾つかきょうの中間報告書について伺いたいと思うわけでありますけれども、まず最初に、金子前知事関係というのが中間報告書にもあります。この点で聞きたいと思います。
 この事件は、渡邉被告、元東京佐川社長が「平成元年六月施行の新潟県知事選挙に際し、選挙に立候補した金子前知事陣営等に対して、三億円の選挙運動資金を提供していた事実を把握」した、こういうふうなことから始まっているわけです。そこでまず、この中間報告書にもあります「金子前知事陣営等」というのはこれは何を意味するんでしょうか。これを答えてください。
#73
○政府委員(濱邦久君) この「金子前知事陣営等」の「等」というのは、これ以上のことはお答えいたしかねるわけでございます。
 これは御理解をいただきたいと思いますので申し上げるわけでございますが、たびたび申し上げておりますように、検察が犯罪の嫌疑が認められる事実、要するに合理的な疑いを入れない程度に犯罪の嫌疑が認められるとしたものにつきましては、公訴を提起し捜査を続けているわけでございます。起訴するに至らなかった事実関係につきましては、これは従来からそういうお取り扱いをいただいているわけでございますが、お答えを差し控えさせていただいているわけでございます。
 その理由とするところは、いつも申し上げておりますとおり、捜査というものが刑事責任の有無、程度を明らかにする目的で行われるものでございますし、また刑事訴訟法等に定められた非常に強大な権限を行使して人の秘密にわたる事項にも立ち入る、そういう性格のものでございます。したがって、そういう捜査の過程で把握した事実等、捜査の秘密に属する事柄につきましては秘匿しなければならないという法律上の制約があるということを御理解いただきたいと思うわけでございます。
#74
○種田誠君 いかに弁明しても、これは御自身でむしろ書いた報告書で、まさにここで、その「金子前知事陣営等」という言葉は複数のことを意味すること、これは日本語からいって間違いないわけなんですよ。そうであれば一体、事実を確定したというんですから、事実を把握したというんですから、その事実を述べてくださいということなんですよ。述べてください。
#75
○政府委員(濱邦久君) 先ほど来お答え申し上げておりますように、国会の国政調査権の行使に対して法務当局としても最大限の協力をしなければならないことはもちろん当然のことと考えているわけでございますけれども、今回のいわゆる東京佐川急便事件の捜査の現在までの捜査処理及び公判の状況について法令の許される範囲内で御報告できるぎりぎりの限度は、本日、中間報告として御報告したこの範囲であるということを御理解いただきたいと思うわけでございます。
#76
○種田誠君 そういう形でかたくなになっておられますと、本当にこのテレビを見ている国民自身もますます検察に対しての不信というものが深まらざるを得ないと思うんですよね。
 そこで、この点答えていただけないということでありますけれども、いずれにしろ、金子前知事陣営のほかにも三億円の流れが行った団体があるということだけはこの言葉からしてはっきりしていると思うんですね。そのうち一億円については、この中間報告書にもありますように、虚偽記入罪が成立したと。問題は二億円ですよ。これがほかの団体なんですね。だからこそ、この団体が問題なんです。今まで週刊誌やさまざまな裁判所関係の検面調書などによると、どうも長谷川前法務大臣のところにこれが渡ったやに述べられている。
 実はこの点について、きのう小菅の拘置所で渡邉被告に同僚議員の北村委員が質問しました。そういうふうに二億円は長谷川さんの方に行ってしまっていると、こういうふうに言われておるがどうだということなんですけれども、事件の核心に関しては述べませんでした。ただ、長谷川さんという国会議員に対しては大変尊敬申し上げていると、こう言いながら、そのときに実は証言は拒否をしたのであります。
 北村議員が、長谷川議員がこの二億円を受け取っておるのか、こういう質問をしたことに対して、私もしっかりと見ておったわけでありますけれども、本人は言葉にこそ出しませんでしたけれども、首を横に振りました。顔を赤らめました。裁判でだったらば、裁判官は証人の全体、発言内容のほかに、証人の表情や証人の挙動や、こういうことから心証をつくっていくわけでありますけれども、私は同僚の北村委員とのやりとりを見ておりまして、二億円は長谷川さんに本当は行ってないんだな、こういう確信を持った次第であります。
 問題は、ではどこへ行ったのかということです。当時の新潟県連の代表はどなたでしょうか。総裁、わかりますか。
 じゃ、この点については新潟出身の渡辺秀央議員がおりますので答えていただきましょうか。
#77
○国務大臣(渡辺秀央君) お答え申し上げますが、当時というのはいつからいつまでをおっしゃっておられるのか定かでございませんが、君知事が亡くなられて、そして選挙戦に入りましてから、たしか五月十五日に正式には自民党の新潟県連大会だったと思うんですが、そこまでは私、渡辺秀央が自民党の新潟県連会長をやっております。それから以後はまた別の方にバトンを渡しておるわけでございます。
#78
○種田誠君 渡辺議員の発言がありましたから続いて伺いますけれども、過般の同僚議員の角田委員の質問で、あなたは、渡辺さんは渡邉の自宅へ年始に行ったことがあるか、こういう質問がありましたね。これに対して、行ったことはないと答えられましたね。しかし、自宅じゃなければ年始に行ったということはあるんですか。この間の角田委員の質問との関係なんですけれども。
#79
○国務大臣(渡辺秀央君) お答え申し上げます。
 年始に行ったということではありませんが、新年に会った記憶はございます。
#80
○種田誠君 そうすると、渡邉被告の自宅ではなくて別な場所で年始の会合があった、そのことについて、それは場所は赤坂の「川崎」という料亭であったと、こう言われておるんですけれども、この事実、間違いありませんか。
#81
○国務大臣(渡辺秀央君) お答え申し上げます。
 確かに、先般、角田先生からの質問は御自宅ということでありましたので、私は正直に御自宅は存じませんと申し上げたんです。今、先生おっしゃいました年始というと、私どもの田舎では全く訪問をして新年のごあいさつということになるわけですが、今おっしゃられましたことに関して、実は先般の角田先生の質問もありましたので、私は正月の日程を繰ってみました。ところが、その一月五日というのはいかにもまだ事務所というのは公的に動いておりません。日程も実はないんですが、しかし私は、実は今御質問のありました新年の会合で「川崎」に行ったということは記憶は間違いなくございます。そこで、渡邉元社長とお会いしたということは、これは日にちのことは定かでないんですけれども、間違いなく記憶だけはよみがえっております。
#82
○種田誠君 その席に金子新潟県知事は同席しておりましたか。
#83
○国務大臣(渡辺秀央君) お答え申し上げます。
 大勢のにぎやかな会でしたので、私は最後までおりませんでしたが、わずかな時間でしたけれども、たしかおられたように記憶はいたしております。
#84
○種田誠君 渡辺郵政大臣の場合、新潟知事選の前後の時期に県連の代表をしておったということになりますと、当然この三億円の流れということに関して検察庁から取り調べなり呼び出しなり、そういうことはございましたか。
#85
○国務大臣(渡辺秀央君) これはお答え申し上げますが、何回もこの質問をいただきました。それから、私も何回も明快にお答えを申し上げているんですが、先生のご質問でございますから、さらに、私は自民党新潟県適の会長当時におけるこの種の問題に対しては全く関知いたしておりません。したがって、私も、後での話でありまして、当時は全く関係ないということをはっきりと申し上げさせていただきたいと申し上げて、それから……
#86
○種田誠君 検察庁のことは。
#87
○国務大臣(渡辺秀央君) 今、お答えします。
 もう一つは、これも、先日、角田先生から質問がございましてはっきりお答え申し上げでございますが、検察庁の方から私に対してのその種の質問、あるいはまたそれに関連する質問なり、あるいはまた意見を求められたという事実は全くございません。
#88
○種田誠君 じゃ、そういうふうに伺っておきます。
 続きまして、中間報告に関しまして、五億円に関しての授受については金丸元代議士への献金ということで一つ理解されておるんですけれども、十七億五千万円の裏献金を松澤から渡邉元社長が受領していた、こういうふうなくだりの報告の内容があるわけでありますけれども、ここに「受領していた事実が判明しこということは、松澤から渡邉元社長に十七億五千万円が動いたということは間違いない。「その使途先につき必要な捜査を尽くしたもののこというふうにうたっているわけでありますけれども、この「必要な捜査」というのはどういう捜査を尽くしたんでしょうか。結果だけでも述べてください。
#89
○政府委員(濱邦久君) 具体的に立ち入った捜査の内容についてはお答えいたしかねますけれども、これは一般的に申しまして、全員の授受がありました場合に関係者あるいはその入出状況等は捜査をするわけでございます。したがいまして、端的に申しますと、関係者及び証拠物等から捜査をするということでございます。
#90
○種田誠君 私は、ここにこういうくだりでもって書いておるから、これを読んだ人だけは、ああ必要な捜査を尽くしたのだな、それでもって犯罪がなかったのだからそういうことなのかと、こういうことで終わるわけですね。だけれども、このことが本当に十分な捜査をして、その上でこういう事実が確定された上であれば、だれしもそれで一件落着というふうになるのだろうと思うんです。
 ところが、この辺のところが今、多分局長の答弁を聞いていた国民の皆さんは、何だろう、わからないと、こうならざるを得なくなってくると思うんです。だから、その辺をやはり国民の皆さんにわかるような、そういうふうな説明を国会の場でしていただきたいと思うわけであります。
 次に、先ほどこの上申書の点について若干お聞きしたわけでありますけれども、この上申書、いろいう言われております。金丸元代議士の弁護士の安部さんによりますとこの上申書は、特捜の五十嵐部長から、団体あてではなくて個人あてにしてくれ、いろいろ相談をしてつくりました、こういうふうなことまで言われているわけです。
 この上申書、私はまだ本物を見ていないわけでありますけれども、ここにあるものを実際の本物の上申書と同じものだとしますと、この文章から果たしてこれが個人献金だ、こういうふうにどうして断定できるんでしょうか。
#91
○政府委員(濱邦久君) 先ほど御報告でも申し上げましたように、既に確定しております金丸前議員に対する政治資金規正法上の量的制限違反の事実の認定の根拠についてお尋ねになっておられると思うわけでございますが、要するにこの上申書だけでもちろん事実を認定したわけではないわけでございまして、中間報告でも申し上げておりますように、それまでに収集した証拠を全部総合して事実を認定したということで御理解をいただきたいと思うわけでございます。
#92
○種田誠君 私も上申書だけで事実が確定されるとは思いません。逆に、これまでの間に報道されたり、渡邉被告や生原秘書の検面供述調書、検察官面前調書などによると、もともとこれは団体への献金であった、そういうふうになっていた。ところが、実際上申書として出てきたものは、私の手元にあるものが正しいとすれば、その辺がうやむやになっておる。
 金丸元代議士は衆議院での証人喚問で、当然団体献金として受け取ったものと理解しております、生原秘書がそのように手続をとっておると思います、私個人はさわったこともないし見たこともないと、こう言っているわけでありますから、そうなってきますとなおさら、上申書以外の証拠によれば逆に団体献金であった、団体に献金があった旨を収支の報告やら記載をしなければならなかった、そういう筋合いの五億円であったというのが正しいと私は思うんですけれども、どうでしょうか。
#93
○政府委員(濱邦久君) 先ほどもお答え申し上げましたように、既に確定した略式命令におきまして、金丸前議員個人に対する寄附であるという認定がなされたものでございます。
 証拠の内容についても先ほどちょっとお触れになられたわけでございますが、これもいまだ公開されていない確定記録の内容にかかわることでございますので詳細は申し上げかねるわけでございますが、東京地検におきましては、今、委員がお尋ねになっておられる点も含めまして、生原秘書、渡邉東京佐川急便元社長、それからこれに原資を提供した平和堂不動産の松澤社長等関係者多数を取り調べ、また関係の証拠物、証拠書類等を慎重に検討した上、これらの証拠と先ほど委員がお触れになっておられます提出された上申書等を総合した結果、五億円の帰属先を含めまして略式命令で確定しているところの犯罪事実、その前提となった公訴事実を認定するに十分な証拠が収集されたというふうに判断したわけでございます。
#94
○種田誠君 そういうことをした後に金丸元代議士の証人尋問があって、先ほど私が述べたように、私は団体献金だと当然理解しておったし、そのように生原は扱ったと思うと、こう言っているわけですから、今までの検察庁の認定事実とは全く異なってくるわけですね。そうであれば、再捜査をしてこれに対して手続をとるのがしかるべきでしょう。いかがでしょうか。
#95
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 今、委員が質問の中でお触れになっておられます金丸前議員の証言について、法務当局から御意見を申し上げることは差し控えさせていただきますけれども、今、委員がお尋ねになっておられます五億円の帰属につきましては、先ほどから繰り返しお答え申し上げておりますとおり、既に確定した略式命令においてそういう事実認定がなされているわけでございます。
#96
○種田誠君 だからその辺、今の局長の答えで私の質問に対して国民の皆さんは答えていると思いますか、全くすれ違いの別なことを言うわけですから。ですから、この問題に関してもう押し問答はしませんけれども、新しい金丸さんの証言が出てきて新しい事実が私たちの前に明らかになったときには、もう一度捜査をやり直していただきたいということを重ねて申し述べておきたいと思います。
 そこで、さらに中間報告について伺いたいわけでありますけれども、先ほど来刑事局長の方で、金丸議員からさらに五億円がどのような方向で使途されたかということに関しては現在捜査中だということの話がありました。きょうの毎日新聞、刑事局長も見ていると思いますけれども、当選回数少ない約三十人の議員に対して今週末に出頭要請する方針を固めたと言いながら、どうも「政治資金規正法(量的制限)違反での新たな刑事責任の追及は困難とみられる。」、こういうふうな報道があるんですね。
 こういう報道を見ると、ますますなぜこういうことが今マスコミに出てくるんだろう、しかも同じ文章の中で、事情聴取はするけれども責任の追及は困難と見られる、もう結論まで書いてあるんですね。こういうことが語られるとすれば、一体これどこから出たんですかね、こういうのは。伺いましょう。
#97
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 今、委員がお触れになられましたような報道がなされていることは承知いたしております。しかし、その報道がどういう根拠で、どういういきさつでそういう報道がなされたかということは、これは法務当局からお答えできる事柄ではもちろんないわけでございます。
 ただ、委員のお尋ねの中には、そういう報道されているような事柄について検察が何か漏らしたのではないかというようなお含みのお尋ねであるといたしますれば、それにはお答えをさせていただきたいと思うわけでございます。もちろん、端的に申しましてそのような事実はないわけでございます。
#98
○種田誠君 同じ紙面の末尾に「特捜部は同二十日から落選候補を事情聴取したが、数人が金の受領を認めたものの「経世会から受け取った」と供述したとされる。」、こんなことまで書いてあるんですよ。これは東京地検では抗議しないんですか。
#99
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 今の点に限らず、今回の事件、東京佐川急便事件の関係につきましては報道機関が非常に熾烈な取材競争をしておるわけでございまして、そのような過程で取材した情報に基づいて報道しておられると思うわけでございます。したがって、もちろんその取材のいきさつ等について法務当局からお答えを申し上げることはとてもいたしかねるわけでございます。
#100
○種田誠君 私は司法試験に受かりまして、私ごとですけれども、一度検察官になろうと思ったこともありました。そのときに説明を受けた言葉で強烈に残っておるのが秋霜烈日という、ここに元検事総長の文章もありますけれども、この言葉の持っている意味というのはやはり若い時代には大変心引かれるものもありました。これはどういうことでしょうか。教えていただきたいと思います。
#101
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 その秋霜烈日の由来についてはいろんな御意見というか、いろんな説があるのだと思いますけれども、要するに検察官というのは法と証拠に照らして厳正公平に職務を執行すべしということに尽きるのだと思うわけでございます。
#102
○種田誠君 まさに検察官のバッジが秋霜烈日のバッジと言われているわけですね。それは今、局長も一部述べられましたけれども、権力に屈せず、権勢を恐れず、厳しさを求めて法の厳正な執行に当たっていく、こういうことだろうと思うんです。私は、佐川事件をずっと見ておりまして、果たして検察庁はこのバッジの趣旨を体してこれまでの捜査等の行動をしてきたのか、非常に疑問に思わざるを得ないわけであります。
 そこで、きょう私、根來法務事務次官の出頭をお願いしているわけでありますけれども、いかがになったでしょうか。
 今、私が申し上げた質問の意味は、根來法務次官が皇民党名づけ親に釈明の手紙を出しておる、こういうふうなことが報道されておるわけであります。果たしてそういうことが事件が一番緊迫している折にあり得るんだろうか。何としても根來法務次官にこの事実と真意を聞かないことには、検察の信頼の回復やら第一線で頑張っている検察官に対しての申し開きにはならないと思いますので、根來事務次官の答弁をお願いしたいと思います。
#103
○委員長(遠藤要君) 則定官房長。
#104
○種田誠君 官房長じゃなくて、私は根來法務事務次官に聞いているんですから、お願いいたします。
#105
○委員長(遠藤要君) お答えいたしますけれども、この席には出席しておりません。そして、政府委員としての院に対する届け出もございませんので、その点については後刻協議をいたして返事をしたいと思います。
 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#106
○委員長(遠藤要君) 速記を始めて。
#107
○種田誠君 それでは、まず根來法務次官は皇民党の名づけ親と言われる畑晴夫氏に釈明の手紙を出したことがありますか。法務大臣に聞きます。
#108
○国務大臣(田原隆君) お答えします。
 雑誌によればその記載がありましたので、そうであると思われますが、事実関係ですから、官房長が把握しておりますので、まず官房長にその辺だけ答えさせます。
#109
○政府委員(則定衛君) お答えいたします。
 御本人から事情を聴取いたしました結果、結果的には、今おっしゃいますように、皇民党の名づけ親とその後取りざたされております畑時夫氏なる人に返書を出したということは事実でございます。
#110
○種田誠君 どういう時期に、なぜ、どういう内容の釈明の手紙を出したんですか。
#111
○政府委員(則定衛君) まず経過を若干御説明した方が御理解いただけると思いますが、十月初めに民諭社代表畑時夫氏という名称で文書が届きまして、当時は、現在も続いておるわけでございますが、法務、検察に対しましていろいろと批判、非難が盛んに行われておったわけでございます。その中で畑時夫氏の文書は、一部のマスコミ、特に週刊誌等が報じられていることを事実として受けとめられて、それに基づいていろいろと根來法務次官を含みます法務、検察幹部、あるいはその運営について批判がなされた文書でありました。したがいまして、法務事務次官といたしましては、その誤解を解く、正確な理解をしていただきたい、こういうことで先方がいろいろとおっしゃっていますところに反論をした、こういう内容の文書であったわけでございます。
 なお、当時は畑時夫氏がいわゆる言論代表といいましょうか、そういったところを主宰している方という認識はもちろんその肩書でわかるわけでございますけれども、その後十一月中旬になりまして一部のマスコミが皇民党の名づけ親ということを取りざたするようになったわけでございまして、返書を出した時点におきましてはそういったかかわりのある人であるという認識は全くなかったわけでございます。
#112
○種田誠君 しかも、相手の畑さんは、今話があったように、まさに大物右翼と言われる方ですし、第一、こういう釈明の手紙を法務次官が出した過去の例ありますか。しかも、捜査が継続して公判を間近に控えているそういう時期に検察のトップを務めている法務事務次官がこういうことをやるようで、第一線の検察官が先ほど申し上げたように秋霜烈日の思いで仕事ができますか、どうでしょう。
#113
○政府委員(則定衛君) 時期の問題でございますけれども、金丸前議員に対します政治資金規正法の略式命令が確定した後の考え方でございますし、また過去に例があるかということでございますが、現法務事務次官といたしましては、いろんな方面から今回の問題につきまして私信が届いておるわけでございまして、その中で住所、氏名が明記され、かつ内容的にもまじめなものであるということについては努めて返事を出すと、こういう心がけで対処、対応されていたと承知しております。
#114
○種田誠君 今、今回の佐川事件を通じて検察が戦後最大のピンチを迎えている、こうも言われているわけであります。一体、法の厳正な執行というのはどうなったんだろうか。検察の理想はどうなったんだろうか。過日の札幌高検の佐藤道夫検事長が一つの考え方を述べればそれに注意をする、片や週刊誌に法務事務次官が政治資金規正法はざる法だ、日比谷公園で立ち小便して捕まるようなものだと、こういう話までマスコミのものにして、それが報道される。一体、検察はどこが狂って何を目指そうとしているのか私には理解ができない。
 法務大臣、あなたはこの間の検察のあり方に関して、まさにトップにある者としてこの事実をどのように受けとめて、今後どうしようと思いますか。
#115
○国務大臣(田原隆君) お答えします。
 私は、検察がそんなに崩れたとか、検察がどこへ行っているかとか、そんな感じは持っておりません。検察は、疑わしきがあることに対して厳正に公平にやってきたものと思っております。みずから好んでそういう自分たちの威信を落とすようなことをやるわけがない。だれからも命令されていない。私自身が指揮権を発動していない。私に対してそういうプレッシャーもかかっていない。ということになると、そういうことが起こるはずがない。私は、中で見ていて厳正公平にやっていると、そう信じております。
 また、根來次官の件についても、一般に法務省はPRが下手でありますが、今回こういう誤解が多い時期に、誤解されておるということが報道等にありますので、なるべくまじめなお手紙に対してはまじめなお返事を差し上げるのがよかったという考えで、まじめな気持ちでやったわけでありまして、私のところにもいろいろ来ましたが、私は、専門的にわたることも多いし、元来筆まめでないものですから返事は出しておりませんけれども、そういう全体にわたってPRすべきことをトップが生まじめに誤解を解く行為に出たということであります。
#116
○種田誠君 法務大臣は、今日の検察が国民の目でどのように見られているのか、そして検察のあり方に関して大きな批判と不信の声があるということが聞こえないようであります。私は、それでは検察の本来の任務は果たせないと思いますけれども、これだけ国民の信頼を失った場合、検察のトップの責任を問うぐらいの気迫のもとに業務に当たっていただきたいと思うわけであります。
 時間がなくなりましたので、次に移ります。
 私ども十月の九日に佐川ターミナルの調査に入りました。私は、地元の鹿島町の方のターミナルの調査に入ったわけでありますけれども、行ってみて唖然としました。この市街化調整区域になぜこういうふうなターミナルができているんだろう。土浦佐川急便鹿島営業所、登記簿謄本をとってみました。経過を聞いてみました。昭和五十七年に建物はつくられ始めました。と同時に、東京佐川急便が二億円という金を出していることがわかりました、それは謄本土抵当権がついておりましたから。しかし、実際別な会社が建物をつくり、そこで運送業の仕事を行ってきていたわけであります。
 私がきょう言いたいのは、このような手続の中で陸運局が昭和五十九年に監査に入っておる。監査に入っておって、この明々白々な違法状態がなぜ把握できないんだろうか。だれが見てもこれはおかしいと思うし、それから、ことしの三月に是正命令を出した。是正命令を出した先が移転した。移転したところにたった九・九平米ぐらいの二つの部屋があるだけで、それが新しい佐川事務所の営業所である。子供用の二段ベッドが置いてあって、それが仮眠所である。こういうこともまた行政の方は、市街化区域に動いたんだから法的な意味での違法状態は解消したと、こういうふうな形で見届けていたわけでありますけれども、こういうふうなことがなぜ起こってしまっているのか。
 まず、運輸関係で土浦佐川鹿島営業所の点について述べていただきたいと思います。
#117
○政府委員(土坂泰敏君) 二つお尋ねがあったわけでございますが、五十八年の一月に土浦佐川急便のターミナルの認可をいたしたわけでございます。これが市街化調整区域の中の区域トラックのターミナルでございましたので、この点一つ問題があったわけでございますが、お尋ねはそれをその後五十九年の十月に監査に行ったときになぜ気がつかなかったのかという点であろうかと思います。
 実は五十九年の十月に関東運輸局が土浦佐川急便に対して監査に行っておりますが、これは土浦市内にあります土浦佐川急便の本社営業所に対して行ったものでございます。この先生が仰せになられましたターミナルは同じ土浦佐川急便のターミナルでございますが、茨城県の鹿島町にあるターミナルでございまして、そのためにこの監査によってはその違法が確認できなかったと、こういう経緯でございます。
 それから二番目は、違法が確認をされましたので是正をお願いいたしまして、平成四年の九月十七日に移転のための認可をしておるわけでございますが、結果的に鹿島町のほかの町内の場所に移っていただきました。そこで、実際に本当に移転が行われていなかったんではないかということではないかと思いますが、九月十七日に認可をいたしまして、やはり一遍に引っ越しというんでしょうか、移転が完了しなかったものでございますから、そういう完了が済んでない状態というのが一時期あったわけでございますけれども、私ども茨城の陸運支局で県の御当局と一緒に十月十五日に現地の確認に行っておりますが、この時点では移転が完了しているということを確認いたしました。
#118
○種田誠君 移転が完了しているというような言葉がありましたけれども、私もその後現地を見ておりますし、そういう形で問題が解決されたというところに何か佐川事件の問題性みたいなものを感ずるわけであります。
 この佐川急便事件に関する問題に関しましては、関連で喜岡委員の方から質問をしたいと思います。
#119
○委員長(遠藤要君) 関連質疑を許します。喜岡淳君。
#120
○喜岡淳君 喜岡でございます。
 この佐川の問題で一番国民の中にある率直な疑問は、どうして佐川だけが甘いのか、どうも佐川にだけは運輸行政が甘いのではないかというような疑問があると思います。
 先般も新聞を読んでおりますと、相模原市の十三歳、中学生のこういう投書がありました。
 僕の通っている市立中学校の元校長が汚職で逮捕された。旅行会社から五十万円を受け取ったと新聞に書いてあった。同じ日の新聞には金丸信氏が五億円という巨額の献金をもらいながら、政治資金規正法違反による略式起訴で、二十万円の罰金で司法上はけりがつけられたという記事が載っていた。五億円といえば、五十万円の一千倍である。金丸氏が二十万円の罰金で済むのなら、元校長先生も単純計算すれば二百円で済むのではないか。同じ悪いことをしても、片一方は何か特別な計らいがあったのだろうか。この矛盾を中学生の僕にもわかるように、だれか説明してほしい。
 委員長、こういう投書があったんですよ。だれしも感じる疑問でしょう。トラックだってそうですよ。どうして佐川だけがあんなに短期間で急速に日本ナンバーツーの地位に急成長することができたんだろうか。これ、だれしもの疑問でありましょう。
 運輸大臣、お尋ねします。
 九月十八日の参議院の決算委員会の際に、佐川急便グループのトラックターミナル、全国で十カ所の違法の事実が明らかになりました。どうしてきょうまでこの違法状況がなかなかわからなかったのか、その原因についてお尋ねをいたします。
#121
○国務大臣(奥田敬和君) 佐川グループ全部を調査した結果、十カ所の違反が、都市計画法違反でぶっ建てた営業所違反が見つかりました。なぜ一斉監査の結果でなければわからなかったかという御疑念は、私も同様にそういった疑念を抱きました。ですけれども、聞いてまいりますと、今ここで時間がかかりますので、区域業者、路線業者の区別は別として、佐川の場合には区域業者、区域の免許しかないのに結局積み合わせをする路線業者の業務をするために、はっきり言って路線業者につくらせて、開発許可の認可もOKさせて、建物の建築もOKさせて、そしていつの間にか看板を書きかえてリースの形式で実体が変わってきておると。
 したがって、最初に届け出したときには違法ではありません。路線業者が営業所を設置する、ターミナルをつくる、これは違法でない。ところが、そのうちに時間経過とともに実体を少しずつ一部を借りておる賃貸し形式に持っていき、営業所の看板も横にかけ、そのうちだんだん行政の目が光らない時分にそっくり看板を書きかえてしまうといったような、まあはっきり言ったら純然たる脱法行為が行われておったわけであります。しかし、行政監督側からすると、これはなかなか巧妙なような説明を受けました。
 そういった意味で、確かに十カ所という数は決して少なくありません。しかし、実体は非常にそういう形で、遵法精神に欠ける形の中でいわゆる違法営業所が発生しておったという事実の説明を受けました。大変遺憾でございます。
#122
○喜岡淳君 時間の都合で質問に対する答えは簡潔にお願いしたいと思います。
 今の御説明は事実経過の単なる報告でありましょう。許認可責任官庁としてどういう問題があったのかについては一切反省の御発言はなかったと思います。こういった全国十カ所にわたる違法ターミナルが一斉に摘発をされておりますが、土坂局長にお尋ねいたします。
 局長、あなたは衆議院の答弁でも、職員が都市計画法に精通をしていなかったということを発言されております。週刊東洋経済にもあなたのインタビューが載っておりますが、「佐川に特別甘かったことは一切ない」と。これは編集部がつけた見出しかもわかりません。しかしその内容は、「運輸局の職員は都市計画法の運用について十分精通はしていない。その結果、見過ごして認可をしてしまった」と、これまた職員のミスに転嫁をされております。私は職員個人の問題ではないというふうなことを感じておりますけれども、この職員のミス説については撤回されるつもりございませんか。現場の職員の方、遅くまで残業してでも真正な審査、厳密な審査をされておるはずです。
#123
○政府委員(土坂泰敏君) 現場の職員がターミナルの認可に当たりまして、都市計画法に抵触しているかどうかをチェックするというような運用をすることになっておったわけでございますが、現実問題として都市計画法に精通をしておらず見過ごしをしたということは、これは事実でございます。ただ、やはり陸運支局の職員というのは、これは都市計画法というのは他省の所管の法律でございますから、それに精通していないということについて、これを責めるというようなことは、これは当を得ないことでございますし、ましてやその人たちに責任を転嫁するというような考え方は一切ございません。
 もう少し根源的な問題としましては、やはり精通していようがいまいが、一番肝心なのは都市計画法違反かどうかという判断をする責任のあるお立場の方は別に陸運支局以外にいらっしゃる。やはりこの方にお尋ねをして正しいお答えを教えていただくよりないわけでございまして、そういう仕組みというかルールができていなかったというところに根源があると思います。それはやはり運輸省の組織としての仕事のやり方に問題があったというふうに認識をしておりまして、この点につきまして今回反省をいたしまして、運輸、建設両省できちんとお互いに現場で確認し合うということを通達をしたところでございますので、これからはそういうことがないようにやっていきたいと思っております。
#124
○喜岡淳君 担当の職員が個人のミスではないとおっしゃいましても、都市計画法に精通していないからなどというのは、運輸大臣、あり得ないことでしょう。
 これは、「一般区域貨物自動車運送事業の免許申請について」、当時の高松陸運局長名で出された書類でありますが、これはまあどこの運輸局でもそうでしょう。区域自動車の免許申請については次のような方針で処理をすることと必ず決まっておるでしょう、決まりで。農地法にあるいは都市計画法に、さらには建築基準法など関係法令に抵触しないこと、これが審査の基準としてはっきりと書かれておるではないですか。職員の方はこれに基づいて厳正な審査をされるわけでしょう。それは都市計画法そのものの専門家、大家ではないかもしれませんけれども、自分が仕事上、職務上必要な都市計画法の部分については、知らなければ行政ができないではないですか。精通してないなどというのはあり得ないことですよ。違いますか。そんなことあるはずないでしょう。
#125
○政府委員(土坂泰敏君) いわゆるトラックターミナルにつきまして、都市計画法上どういう取り扱いを受けるかということが、そのターミナルが市街化区域の中にあるのか調整区域の中にあるのか、それから調整区域の中でも開発許可の対象区域にあるのかそうでないのか、あるいは既存宅地の中であるのかそうでないのか、そういうようなことによって取り扱いが全部変わってまいります。なかなかそのすべてに精通するということは非常に難しい。やはり一番確かなのは、御所管になっておる担当部局にお尋ねをして教えていただくというのが一番確かだ、そういう決まりをきちんとつくっていくということが欠けておった、そこを反省して今回きちんとするようにしたということでございます。
#126
○喜岡淳君 連絡をとればよかったのをとらなかったとおっしゃりたいんでしょうけれども、そんないいかげんな運輸行政が行われておるとすれば、運輸行政そのもの全体が問題でしょう。所管していないから、他省の法律だから精通してないなどというのも、これまたやっぱりおかしいですよ。運輸大臣、そうでしょう、精通していなければできないんですから。何のための審査の業務ですか。
 これは、あるトラックの申請の際の書類をいただいてまいりました。窓口に出されるある事業所の申請の際の添付書類ですね。こんなに膨大な書類ですよ。これを全部基準に基づいて審査されていくんでしょう、職員の方は。知らないわけがないじゃないですか。こんなに膨大な書類を毎日夜遅くまで審査されているんですよ、職員の方は。知らなければできるわけないでしょう。それもさっき言ったように、農地法、都市計画法、建築確認申請の関係ですよ。この三つですよ、中心的な法令は。
 税関において確認すれば、税関の職員の方は三十もの法律に精通していなければできない。精通といいますか、職務にかかわる法律は外国為替及び外国貿易管理法、銃砲刀剣類所持等取締法、印紙等模造取締法、大麻取締法等々、実に三十もの法令が税関の職員の方の場合は業務上必要である。皆さんそれぞれ必要なやつはやっておられます。三十です。運輸省は今言った三つですよね。ですから、そういった精通していないというのはやっぱり私は言うべきでないし、そんなことあり得るはずがないと思います。
 そこで具体的にお尋ねをいたしますが、松山佐川の問題で教えてほしいと思います。
 昭和五十四年に松山佐川の申請があったとき、市街化調整区域にターミナルを建てようという計画はおかしいということで、四国運輸局は認可しなかった。これは昭和五十四年。認可しなかったんですね。ところが、昭和五十六年、支障がない旨の市長からの証明書なるものがあったから認可したと言うんですね。市長からの証明書なるものは見せていただいて手元に持っておりますけれども、これは手書きの何かわからない文書ですね。こんなものが添付されたからといって認可したという。五十四年には、市街化調整区域、四十三条にひっかかるから都計法でだめだと。ところが五十六年には、こんな手書きの紙が一枚ついてきて市長のゴム印が押してあるからオーケーになると。
 どうもよくわかりませんけれども、これは怪文書なんですよね、はっきり言えば。市の部長さんに聞けば、こんなものは都計法でいう証明書には当たらないと。これは市の部長さんは私の目の前でおっしゃいました、この松山の事例は、どうしてこんなものを運輸省はオーケーしたのですか。
#127
○政府委員(土坂泰敏君) 五十四年に仰せのように申請が出てまいりまして、やはり調整区域にある区域のターミナルでございましたから問題意識を持ちまして、これは問題であるということで認可をしないでおいたわけでございますが、今、先生が仰せになりました証明書を持って再びお見えになりましたときに、その証明書の法律的な性格というのをきちんと分析しなかったということはこれは落ち度でございますが、やはり先ほどから申し上げておりますように、都市計画法の運用について責任を持っておられる方から、文面だけ拝見をいたしますと、そこを使用することについて支障がないという文面でございましたので、陸運支局の現場の職員がそれをそのまま前提にして認可した、そういう経緯でございました。
#128
○喜岡淳君 この証明書なるものは、運輸大臣もう御存じだろうと思いますよ、たびたび問題になっておりますから。この証明書なるものは都市計画法四十三条をクリアしたということは一切書いてないわけですね。昭和五十四年に認可しなかったのは、この百七十五番地の一は市街化調整区域だから都計法にひっかかるのでだめなんだと。なのに、どうしてこんな紙切れ一枚がつけば今度オーケーになるのか。しかも、この紙切れは何も都計法上クリアしたということが書いてないではないですか。
 局長、お尋ねしますけれども、昭和五十四年には認可しなかった。五十四年、五十五年、五十六年と、いわゆるトラブル案件でしょう、松山の事件は。突然こういうまがいものの手書きの市長印の押したものが出てきたときに、おかしいと思って調べるのが普通でしょう。市役所へ電話して、これはどういう趣旨ですかと、なぜこれを発行されたのですかと。昭和五十六年七月二十三日付になっておるけれども、どうして松山市は発行されたんですかと聞くのが普通でしょう。
 ちなみに言いますと、この二カ月前、同年五月には、松山市は一切こういうことは証明できない旨を佐川急便に渡しておるんですよ。二カ月で変わっているんですよ、こんな手書きのものが出たから。そんな行政を佐川についてだけは認めるんですか。
#129
○政府委員(土坂泰敏君) 二カ月前の文書のことは私どもは存じませんが、今問題になっております文書は私どもで拝見をいたしまして、そこを使用することについて支障がない旨証明するとありましたので認可をしたわけでございますが、これが事実としてよくなかったことは御指摘のとおりでございます。
 したがいまして、どういうふうに是正すればいいかということでございますが、やはりこういうことについてはきちんとルールなり仕組みを決めて、本省からそれぞれに陸運支局と県に通達を出して、一件一件文書でお互いに確認をし合う、そういう仕組みをつくることが必要不可欠であるというふうに私どもは反省の結果考えたわけでございまして、こういうことの反省も含めまして、今後はきちんとやってまいりたいと思っております。
#130
○喜岡淳君 こんなことは行政の当たり前でしょう、大臣。御承知のとおり都市計画法四十二条をクリアする、これは建設省のサイドでしょう。そして、運輸省へ申請書に書類が添付されてくる、そのときにこんなまがいものの書類があったらだれだっておかしいと思って市に電話するんですよね。どうして佐川にはそういうことをしないのか、私は本当に疑問でございます。
 従来、運輸省は申請の際に建築確認の通知書の写しをつけて手続をするんでしょう。それはそうでしょう。建築確認申請通知書を使いますね。
#131
○政府委員(土坂泰敏君) 仰せのとおりでございます。
#132
○喜岡淳君 そうしますと、建築確認申請は松山の場合どういうふうになっておりましたか。
#133
○政府委員(土坂泰敏君) ちょっと今手元に資料がございませんので、申しわけございませんが後刻御報告させていただきます。
#134
○喜岡淳君 松山の場合には、私たちの調査に対して支局の方はこうおっしゃいましたね。いずれにせよ、市長の判こをついたものがあるんだ、だから当然それを信用して認可をしたんだというふうにおっしゃいました。しかし、私が疑問なのは、この市長の印をついた紙が決定的な役割を果たしたというわけでございますから、それならなおさらこの書類についての慎重な審査があったと思うんですが、その点とういうふうにお聞きですか。
#135
○政府委員(土坂泰敏君) 懸案になっておりました事項につきまして認可をしたきっかけになりましたのは、やはりその証明書でございます。その証明書につきまして十分きちんとしたいわゆる確認をとらなかったというのは、これは事実でございまして、その事実に対して、やはりいいことだとは私どもは思いません。深く反省すべきことだと思います。それで、どうすればいいかということで、先ほどから申し上げているように、これからはきちんとお互いに文書でルールを決めて確認しょう、そういうことで今後は是正を図ってまいりたいということにしたわけでございます。
#136
○喜岡淳君 大臣、お聞きになっていて当然疑問をお持ちだと思いますよ。こんな紙でオーケーなんですよ。ほかの会社もこんなことをやっているんですか。認められるんですか、こんな、私よりは字が上手か下手かは言いませんけれども、子供が見たってこんなものは公式の証明書類でも何でもない。ほかの会社もこんなもの認めておるんでしょうか。
 運輸大臣にお尋ねしますが、松山では有名ですよ。松山市長中村氏の判こを押しておりますが、この市長さんの部屋には竹下さんの写真が十数枚ずらっと並んでおったと、こういうことがやっぱり地元では公然と言われておりますけれども、影響があったんですか。何か政治的な影響はあったと思われますか、なかったですか。
#137
○国務大臣(奥田敬和君) この問題にお答えするには余りにも時間経過がございますけれども、私はこの松山問題については報告を受けました。
 確かにおかしいと職員は気がついたようでございますのですけれども、今言いました、先生がお示しになりました半ぺらな紙といいますけれども、あの松山の市長というのは全国市長会の会長をやっているような大物市長で、まさかそんなインチキな形で、市の行政としてオーケーだという以上は、やむなく再確認をすることを怠ってオーケーを出したという、それに関するミスははっきりしておるわけですけれども、確かにそういった外部的な要件もあったんだろうなと、今でもそう思っております。
#138
○喜岡淳君 さっきの局長の答弁の中に、申請書が上がってくる、そのときの添付書類の中には建築確認の確認書をつけておくんだと、そこで市街化調整区域のチェックをするというふうにおっしゃいました。
 ところで、お尋ねをいたしますが、渡邉廣康さんの東京佐川、この東京佐川から移ってきた埼玉佐川の問題ですね。この埼玉佐川の場合は、事業変更の際、この中に建築確認申請が入ってないはずであります。
#139
○政府委員(土坂泰敏君) 埼玉佐川急便は二回にわたって営業所の新設認可申請を出してきております。一回目は昭和五十八年でございまして、二回目は平成元年でございます。一回目は確認書がついておったというふうに思いますが、二回目になりますと、同じ申請者からの二回目の申請の場合には、前回にそういう措置がとられている場合には建築確認申請書を出さないということはあり得ることであろうかと思います。
#140
○喜岡淳君 この東京佐川から埼玉佐川に賃貸契約が結ばれておりますけれども、私が手元に持っております、これは運輸省からいただいた書類ですね、全国十カ所の違法ターミナルがあったと。そのうち少なくとも四つぐらいはいただけたわけでありまして、その四カ所ではどのような申請書類を添付したのかと、それを見ておりますと、この東京佐川から埼玉佐川に賃貸契約がされたときに、この際の埼玉佐川だけは建築確認申請が幾ら見てもないわけですね。これで果たしてどうやって都市計画法四十三条にクリアしたかどうか、これはどうやって確認をしたのか全くわかりません。そこを子供でもわかるように言ってください。
#141
○政府委員(土坂泰敏君) 先ほど申し上げましたが、最初に埼玉佐川急便が営業所、車庫の新設認可をもらったのが昭和五十八年でございまして、その後一たんこのターミナルを廃止いたしまして、それからまたもう一回、需要がふえたとかいろんな事情でまたもう一回埼玉佐川急便が同じ場所にターミナルをつくろうと思って申請に及んだと、二回目の申請でございますので建築確認の添付を省略したということではないかということを御説明申し上げました。
#142
○喜岡淳君 ちょっと建設省の皆さんにお願いしたいと思います。
 佐川急便は、ずっと質疑をしてきたように全国十カ所で違法ターミナルが摘発をされております。私たちは佐川に対してのみ都市計画法四十三条のチェックが意図的に不正確にやられたのではないかというふうに思っております。少なくとも私の手元にあります資料、茨城佐川、美穂運輸、秋庭運送、埼玉佐川、これだけを見ても建築確認の通知書が非常に不明確な書き方のままチェックを通しておる。中には建築確認申請のないものもある。さらには、松山のように手書きの紙で通してしまう。私は、佐川のこの十カ所はすべてこのようなやり方でやられたのではないかというふうに疑問を持っております。つまり、佐川についてのみは甘くしてきたんではないかという疑問を持っておる一人です。
 ところが、運輸省の方は佐川だけ甘くはしていないということですね。繰り返し繰り返しそうおっしゃっておる。ならば、同じく都市計画法四十三条の正式なクリアをした上でターミナルになった場合の例が、昭和六十二年以降、運輸省の資料では三十二カ所というふうになっております、三十数カ所だろうというふうに思います。
 そこで、ぜひ建設省にお願いしたいのは、都計法四十三条で許可をしたこの三十数件について、一体どのようなトラック会社だったのか、その名前を教えていただければ、私はその三十数社について運輸省に再びこのような資料を請求いたします。そうすれば、佐川だけ甘くしたのか、他の会社にも書類審査は厳密にやっているのか比較することができますので、ぜひその会社の名前を教えてください。
#143
○政府委員(伴襄君) お答え申し上げます。
 ちょうど手元には昭和六十二年、六十三年に大規模流通施設にかかわる許認可を受けたトラックターミナルの一覧がございますので、それをもとに都市計画法第四十二条の許可、すなわち調整区域における建築物の許可を受けたものでございますけれども、それについて都道府県知事に照会しました結果、その三十幾つのうちの五事業所が都市計画法の四十二条の許可を受けております。
 お名前を申し上げますと、一つは福島県の三瓶運輸株式会社でございます。二つ目は同じく福島県の東北アマノ株式会社でございます。それから三つ目は千葉県の南千葉佐川急便株式会社。四つ目は石川県の株式会社田内運輸。それから五つ目が富山県の三進運送株式会社。以上でございます。
#144
○喜岡淳君 建設大臣、お願いしておきたいと思いますが、今言いました五社の名前はわかりました。残りが二十数社あると思いますので、近いうちにぜひ教えていただきたいというふうに思います。よろしいでしょうか。
#145
○政府委員(伴襄君) 開発許可あるいは都市計画法四十三条の許可を受けたものというのは年間一万件ほどございます。したがいまして、これを一々照会してやることになりますので若干期間がかかるかと思いますけれども、時間をちょうだいできれば再調査させていただきます。
#146
○喜岡淳君 どうぞよろしくお願いいたします。
 その上で運輸省には改めて名前がわかり次第、その会社は一体どのような添付書類をつけて申請をしたのか、この添付書類を請求させていただきたいと思います。そうすれば佐川だけ甘かったのか甘くなかったのかは証明できると思います。逆に運輸大臣、大臣の方でこういった書類をつくっていただいて、おい喜岡これ見てみると、何もおれのところは佐川だけ甘くしてないぞというふうにやっていただきたいですね、本当のことを言えば。
 次に移ります。
 全国十カ所の違法ターミナルのうち二カ所については今なお営業が続けられておると思います。そうでしょうか。つまり、移転が終わるまでの間は営業が認められるんでしょう。
#147
○政府委員(土坂泰敏君) 十カ所の違反のうち七カ所については既に移転をしていただいておりますが、三カ所につきましてはまだ移転が完了いたしておりません。そういう意味で仰せのとおり営業が継続している状況でございます。
#148
○喜岡淳君 私は根本的な疑問を覚えますが、大臣、十カ所は違法だった、どうしてそのときにすぐに停止させないんですか。当然取り消しですよ、違法なんですから。しかも、まだやっておるところが三カ所あるとおっしゃったんですか、今。大臣、これはどういうふうに理解したらいいんですか。違法行為を今認めておるんでしょう、運輸省が。違法営業をさせているんでしょう、三カ所は。とめなければいかぬじゃないですか、違法だというのがわかっているんだから。いやいや、大臣、ちょっとそこをお答えくださいよ。
#149
○国務大臣(奥田敬和君) 十カ所の違法が見つかったと。直ちに移転改善の措置をとったと。七カ所はやったと。三カ所はまだ残って依然やっておる。この三カ所に関しては時間的猶予を最小限年内にやらぬかったら停止するという措置をとってきておるはずでございます。そういうぐあいに指示してあります。
#150
○喜岡淳君 大臣、それはおかしいですよ。違法営業を認めておるということを今言ったんですよ。違法営業を認めるんですね。今やっているんですから、違法営業を堂々と、違法営業を認めますね、運輸省は。
#151
○国務大臣(奥田敬和君) 事実を指摘した、違法だった、だからすぐ移れ、改善しろという形で時間的猶予を与えたという点が甘いじゃないかと言われれば確かにそのとおりだと思いますけれども、ともかく時間を区切って移りなさいということで、厳しい措置を含めて指示したということも事実でございます。
#152
○喜岡淳君 トラックの事業法ですね、あの二十五条の中には停止させるという概念があるでしょう。違法行為がはっきりした時点で停止させたらどうですか。違法営業を認める許認可官庁がどこにあるんでしょうか。これは国民の常識です。時間を与えるとかいろいろおっしゃるけれども、今現に違法行為が行われておるということを認めておるということでしょう。そんな役所がありますか。
#153
○政府委員(土坂泰敏君) 今、大臣が申し上げましたように、年度内には必ず移転をしますというお約束をいただいております。それから年度内に移転できない場合にはその時点において営業所の廃止をいたしますということもお約束をいただきました。したがいまして、私どもはその結果を見て、本当に移転できない場合には営業所の廃止をしていただこう、こういうふうに思っておるところでございます。
#154
○喜岡淳君 来年度までは違法営業を許すということが今の答弁の本当の言葉の意味でしょう。そういうことでは幾ら再発防止をすると言ったって不可能ですよ。もうありませんと言ったって、それはなかなかだれも信用しない。私は、しかしそんなことを言ったってまたまた佐川の違法行為が根絶されないようでは困りますから、ぜひこの際再発防止についてお伺いしたいというふうに思います。
 全国のトラック業者四万社ぐらいというふうに言われております。それに対して運輸省の中には、いわゆる輸送Gメン、私は勝手に輸送Gメンと言いますけれども、貨物輸送の監理官がいらっしゃる。何人いらっしゃるのかと思ったら四十七人です。こんなことで本当にできるでしょうか。私はこれは疑問に思います。運輸大臣、本当にこんな四十七名で四万社担当できるでしょうか。佐川を野放しにしておると言われるでしょう、それでは。
#155
○政府委員(土坂泰敏君) トラックの輸送秩序の確立につきましては、国がきちんといろんなチェックをしていくということも大切でございますし、そのために監理官を置いていただいておりまして、逐次増強してきておるわけでございます。これからもこの点については努力をしてまいりたいと思います。
 また、それと同時に、民間でも新しい法律のもとでは適正化事業実施機関という同じような機能を果たす役割での組織が認められておりますので、両々相まって秩序の確立に努力をしてまいりたいと思っております。
#156
○喜岡淳君 大蔵大臣、総務庁長官にお尋ねしたいと思うのですが、私は四十七名の、いわゆるトラックGメンといいますか、私が勝手に名前使って悪いですが、そんな方、四十七名の方で四万社以上の事業者を監督するのはどだい無理でしょう。ですから、私はこの際、佐川の再発防止を政府が決意するならば、必要な人員あるいはそれに伴う財源を含めて考えるべきではないかと思いますが、本当に政府が佐川疑惑のこの国民が最も不公平な運輸行政と思っておるこの問題を解決する決意があるならば、当然その点について前向きにお考えだろうと思いますから、その際もし人をふやさなければならないとなった場合どういうふうにお考えになるつもりですか。
#157
○国務大臣(羽田孜君) 今お話をお聞きしまして、確かにその認可、そういった問題についての問題があるということは私どもも聞かせていただいたわけでありますけれども、そういうことに対してのまさに今トラックGメンというそのお名前がありましたけれども、この監理をされる皆さん方の現状につきまして、これは運輸当局の方とも私どもよく実情等を話し合いをしていきたいと思っております。
#158
○国務大臣(岩崎純三君) お答え申し上げます。
 貨物自動車運送事業にかかわる体制の整備につきましては、貨物自動車運送事業者に対しまして、監査の強化を含めまして総務庁といたしましては今日まで可能な限り運輸行政に配慮をいたしてまいったつもりでございます。
 これからも運輸省から要求がございますれば、要求の内容を十分に精査をいたしまして適切に対応をいたしていきたい、かように考えております。
#159
○喜岡淳君 これは行監の方にお願いをしておきたいと思いますが、最近の物流に対する行政監察は昭和五十七年にやって以来もう長い間やっていない。これはきちっとやっていただかなければ、どうして佐川スキャンダルがあるときにやらないのか、これまた佐川隠しかと言われないように直ちにこの監察をやっていただきたいというふうにお願いしておきたいと思います。
 続いて、クーデターの問題について質問をさせていただきたいと思います。
 つい先般、週刊誌で陸上自衛隊の現職幹部が処分されたようでありますが、クーデター発言の論文が掲載されました。これは非常に私は問題だろうと思うんです。佐川疑惑が幹部自衛官のクーデター発言を誘発しておるというような見方も当然できるわけですね。
 総理に一言お尋ねしたいと思いますが、自衛隊の最高責任者として今度の件についてどういうふうにお考えでしょうか。
#160
○国務大臣(宮澤喜一君) 佐川事件が国民の間に非常な不満といらいらを起こしておることは、これは事実でございます。それは大変に政治として責任のあることでございますが、さりとてその自衛官というものが御指摘のような所見を発表するということは極めて不適切なことであります。
#161
○喜岡淳君 今度処分をされたようでありますが、防衛庁長官にこの処分の理由と内容についてお尋ねいたします。
#162
○国務大臣(宮下創平君) 御案内のように、これは十月の十五日発売で十月二十二日号ということで出されました。
 私は、いやしくも実力集団である自衛官、これは特殊な制約を受けておりますが、議会制民主主義を否定するようなやはり言動が事実ありとせば、主張がありとすれば、これは許すべからざることであるということで、これはまず厳密な事実調査をやりました。週刊文春という媒体を通しておりますから、事実の確認がまず重要です。加工されたものであって誤解を受けては、正当な事実関係の認識がなかったならば大変です。それをまずやりました。
 それから、処分をいたす場合は一定の内部手続がございまして、適正な審査基準がございますから、審査会等に諮りまして本人の真意を確認する等々、諸般の手続をとりまして、一カ月くらいかかりましたけれども、慎重かつ厳重な手続によって懲戒免職ということにしたわけでございます。
 佐川急便の問題が、いかなる理由によるにせよ、今総理のおっしゃられたようにこのこと自体が不適切でございますから、私はその内容、実体的な判断の基礎になったと思われる内容については問いません。これについての価値判断は下しておりませんが、いやしくもクーデターないし革命を指導するということがあってはならないわけでありまして、その点で非常な厳重な処分をいたしたわけでございます。
#163
○喜岡淳君 あってはならないということがあったわけであります。
 防衛庁はシビリアンコントロールについて一〇〇%確保できておるという自信がありますか。総理は、その最高責任者としてシビリアンコントロールが一〇〇%確保できておると。自信のほどはどうでしょうか。
#164
○国務大臣(宮澤喜一君) そのように信じております。
#165
○国務大臣(宮下創平君) なお、先ほどの自衛官の柳内元三佐の発言について敷衍いたしますれば、これは私どもの厳重な調査によりまして個人的かつ非常に特殊な事案でございまして、自衛隊にこうした主張者がたくさんおるとか、そういう風潮があるということではございません。
 なお、シビリアンコントロールは今総理の申されたとおりでございまして、何よりも議会制民主主義における自衛隊に対するコントロール、これが根幹でございますから、これ自体を否定することがあってはならないと、こう思っておるわけであります。
#166
○喜岡淳君 いつもそういう答弁です。ないんだと。たまたまなんだ、個人の問題だと。これが歴代の答弁を調べてみますと、みんな同じですね。三無事件のときもそうでしたね。それから三島由紀夫のときもそうでしたね。いつも同じ答弁です。個人なんだと。
 一九八九年十二月七日、当時の松本防衛庁長官が参議院の内閣委員会で次のような答弁をいたしております。自衛隊員は憲法のもとで直接間接の侵略に対して国を守るということでございますので、それ以外のことに思いをいたしたり、ましてや行い、行動をするなんてことは到底考えられません
 これは八九年十二月七日の国会での答弁でございました。しかし、この答弁をされたときに柳内三佐はこういった本を発行してクーデターの萌芽を既に世間に公表しておったではないですか。違いますか。(資料を示す)
#167
○国務大臣(宮下創平君) 柳内元三佐の執筆されたもの等について私は詳しく存じておりませんので、担当局長から答弁させていただきます。
#168
○政府委員(秋山昌廣君) ただいま委員の取り上げられた本につきまして私正確に存じておりませんけれども、クーデターについて論じた文書あるいは本ということではないんではないかというふうに思いますけれども、いただきましたら検討させていただきたいと思います。
#169
○喜岡淳君 この本の名前は「日本を襲う国際謀略の魔手」という本であります。この奥付を見ますと、一九八八年六月十日になっております。ですから、今言いましたように、当時の防衛庁長官が、もうそのほかのことを考えるようなことなんかないんです、「到底考えられません」と、そういうことを言っておったときに、もうこの本は世間に広がっておったわけです。
 今、局長はクーデターにかかわった本ではないとおっしゃっております。しかし、この本の百二十四ページにはっきり書いております。クーデターは、短期決戦でなければならない。成功の基本条件である奇襲を存立させうるタイミングの幅はきわめて小さい。奇襲し、相手が何の手も打てないうちに新しい支配体制を確立しなければならないのである。これは明らかにクーデターについての今度の背景になっておると思います。
 さらにこの本の中で、当時この方は防衛庁の教官であったはずです、この教官たる彼がこういうことを言っていますね。この百六十二ページ、後で見てください、政治について語っております。読み上げます。
 政治の世界は、集団の利益が激突する伏魔殿である。権謀術数は、この世界でこそ精彩を放ち、活性化される。これが彼の政治観です。
  したがって、政治においてベースとなる正しい心構えは、人間に対する不信である。
 防衛庁はそういった教官を教育しておるんですか。防衛庁長官、とういう教官に対する教育をしておりますか。
#170
○国務大臣(宮下創平君) 今の柳内元三佐の著書については前後関係をよく私ちょっと調査しませんと何ともコメントできませんけれども、クーデターについて言及することがあってはならないということであるならば、柳内三佐というのは戦史の研究もしておりますから、過去におけるクーデターあるいは革命等の研究もしておったように伺っておりますから、客観的な、あるいは歴史的な事実に言及しておる場合もございましょう。
 しかし、今回の文春の場合は、その点私は大変気を使ったんです。つまり、客観的なそういう歴史的な事実の記述で、もしもこのような佐川急便みたいなものの解決をないがしろにしていくとクーデターないし革命が起きるかもしれないよ、歴史を問うてみると、という式の主張でありますならば、これはまた一つの歴史家というか歴史研究の客観的な事実を記述したものとも見られない節もございません。しかし、今回のはまさに本人の主体的な意思がやっぱりクーデターしかないぞという主張であったと私どもは断定いたしまして処分をいたしたわけでございます。
#171
○喜岡淳君 そもそも、この柳内三佐という方はクーデターについては悪いものとは全然思っていないんです。
 一九八七年六月十六日号の週刊プレイボーイにもそういうことをちゃんと書いています、本人は。「柳内 私はクーデターを悪いとは思っていません。」、はっきり言っておりますね。このときは全然処分がなされていないはずです。今度はたまたま処分したんだと。事実調査をしたという。事実調査をしたならばこういった過去の問題は全部わかっておったはずでしょう。当時の上官に対する責任はどう追及されたのか、そういったことが全然わからない。個人のしっぽ切りに終わろうとしているのではないかというふうに思います。
 私も、自衛隊の中にクーデターを目指す勢力とかそういった組織があるとは思いたくありません。しかし、事こういう問題は、総理、大事な問題ですよ。やっぱり事の重大性、今日、佐川疑惑問題がこういったクーデター発言を誘発しておるとするならば、これは極めて重要な問題ですよ。したがって、こういったクーデター問題再発防止について総理の特別の決意を聞かせていただきたいと思うんです。
#172
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほども申し上げましたけれども、こういう政治に対する不信というのは、これはまさに政治が厳粛に考えなければならない問題でございます。しかし、だからといって、今のような公然とクーデターをいわば主唱するがごとき言辞が自衛官たる者にあってはならない。
#173
○喜岡淳君 再発防止については、具体的に私は国会の場所に発表していただきたいと思います。検討する検討すると言って、従来も具体的なことは聞かされてまいりませんでした。もうこれで終わりだこれで終わりだとずるずる来て、何かが起きればこれは個人のせい、これではやっぱり私はシビリアンコントロールに対する国民の疑問が起きてきても不思議ではないというふうに思います。
 防衛庁長官に再発防止への取り組みについて伺いたいと思います。
#174
○国務大臣(宮下創平君) これは個人的なまさに特異な事例と私は認識しておりますので、この点の説明はもう要しないと存じます。
 今後どのような再発防止策があるかという点でございますが、これはやっぱり学校教育、防大初め幹部学校あるいは曹士の学校等いろいろございますから、そういう学校の教育場面を通じまして、あるいは服務の中を通じましてシビリアンコントロールの何であるかを徹底していくと。今も現にやっております。そして同時に、個人個人の隊員の身上把握等を上官がやっておりますから、この点は私も、今回の事件を一つの契機にいたしましてより一層そういったことの認識を深めさせていただきたい。そして、いやしくも議会制民主主義を否定するようなこと、あるいは議会制民主主義下における自衛隊のあり方、またシビリアンコントロールについてのより正しい知識を持っていただけるようにお願いしたいと思っております。
 ただし、先生が先ほど言われたのにちょっと付言しておきますと、自衛官が何でもそれ以外のことはしゃべっちゃいけないんだ、考えてもいけないんだということであると、これは違います。
 私は、国家の基本的な枠組みを批判し、これをなくそうとするような言辞を、表現の問題でございますが、したり、あるいは防衛政策でも基本的な防衛政策ですね、専守防衛あるいは非核三原則等々いろいろ重要な原則がございますが、こういった問題に現職自衛官が論評を加える、全く反対の見解を申し述べるというようなことは許されないと思いますが、それ以外のその枠内における自由濶達な議論というのは自衛隊の活性化のために必要だと思っています。そして同時に、そのことがよりシビリアンコントロールを深めるゆえんであろう、何を考えているかわからない集団になってはいけないんだ、こう思います。
#175
○喜岡淳君 私は、別に、自衛官の人だから物を言ったらいかぬとかそういうことは一切思ってもおりませんし、言ったつもりもございません。ただ問題は、言論の自由といえども、クーデターを容認してそれをどんどんとマスコミを使って宣伝することは絶対許されないと思うわけです。
 あの楯の会のときだってそうです。楯の会が創立をされた。翌年、一周年のパレードが国立劇場の屋上で行われた。そのパレードの行進の演習の際から当日の現地の式まで現職の自衛官が参加していたんでしょう、あの右翼の部隊に。自衛隊の音楽隊までが参加しておったではないですか。右翼と自衛隊、このつながりについては古くて新しい問題と指摘する人も多いですよ。また、体験入隊を通じてどういう交流が行われておるのか、いっぱい疑問はあるんです。ぜひそこのところを再発防止の中に含めておいていただきたいというふうに思います。
 最後に、総理にお尋ねをいたします。
 これほど重大な佐川疑惑問題です。昨日の夜のテレビでもアメリカの状況が報道されておりました。大変らしいですね、アメリカでも。日本は物騒だ、よくわからない国だというふうなことがきのうも報道されておりました。
 そこで、総理は、竹下さんの議員辞職についてその必要はないということを先般参議院の予算委員会でもおっしゃっておりますが、今なおそういうお考えでしょうか。
#176
○国務大臣(宮澤喜一君) 私が申し上げておりますことは、お互い議員というものは選挙民から負託を受け、選挙民に対して重い責任を負っておるものであります。したがって、自分がもうその責任を遂行できない、あるいは負託にこたえることができないというふうに判断するのであれば、それは自分で自分の進退を決めなければならないものである。それが基本だと思っております。つまり、我々が選挙民から受けているこの立場、職責、天職とでも申しますか、それは極めて神聖なものであって、選挙民と自分との基本的関係であるというふうに私は考えています。それでございますから、憲法で議員の除名は出席議員の三分の二という重い規定を置いている。なぜかといえば、やはりそれだけ議員というものは責任を持ち、またその立場というものは重視されなければならない、そういうふうに憲法は決めておるわけでございます。
 そのことを考えますと、あなたやめなさいというようなことは簡単に言っていいことでない。やっぱり御本人が、自分が選挙民から受けた負託、選挙民に対する責任を果たせなくなったと思われるならば御本人がそういう決心をなさるべきものだと、基本的には私はそう考えておるわけでございます。
#177
○喜岡淳君 きのうの夜のテレビでも、アメリカの新聞が、ニューヨーク・タイムズですか、大きな写真入りの報道が行われておりました。日本の右翼や暴力団と政治の中枢が一体化しておるんではないか、そういう国とは危なくてつき合いはできないと。アメリカでは相手がギャングだと、あるいはマフィアだと、それとつき合った人の方がやられるわけですよね、取引した方が。そういう国ですから、当然、日本に対する厳しい論調は当たり前でしょう。
 竹下さんと右翼との関係は普通じゃないです、あるいは暴力団との関係だって、この事件以来ずっと言われてきております。ことしの八月六日ですか、自由と平和を守る会、名誉総裁竹下登さん。どんな立派な団体がと思いました。「名誉総裁竹下登」と書いてあります。この団体もいろいろ活動されておると思いますが、この団体の役員を見ますと全部で五十八人、名誉総裁竹下登に始まって、役員の中には日本皇民党大島竜aさんもいらっしゃいますね。五十八人のうちほとんどが右翼団体です。その五十八人のうち三十八名の方は皇民党の稲本総裁の本葬の際の氏名録に入っておる人ですね。非常に関係が深いということがここでもわかると思います。
 私は、日本のクリーンなイメージ、いよいよ二十一世紀に向かって本当にもうこういった問題は脱皮をしていくんだというふうに総理が御決意を固めておられるならば、この際きっぱりと竹下さんはやめてもらいたい。その先頭に立っていただくように重ねてお願いをいたします。
#178
○国務大臣(宮澤喜一君) 最後のところの論理のつながりが私にちょっとわかりにくうございますが、この問題につきましての私の考えは先ほど申し上げたとおりでございます。
#179
○種田誠君 先ほど法務省の方に伺ってきたことの中で、さらに二、三お伺いしたいことがございます。
 前回、私、この委員会で質問をしたときに、新潟知事選にかかわる者が当時の模様を語ったテープを検察庁に提出し、検察庁でこれを押収してあるという事実があるか、そしてまた、これに対する調べなどがあったのか、このことを次回までに調査して報告してもらいたい、こういうふうに申しておいたつもりであります。この点について答弁をお願いします。
#180
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 これも御理解をいただかなければならないわけですが、捜査の過程におきまして検察当局がどこからどのようなものを押収しているかということにつきましては、これは捜査の秘密に属する事柄でございますので、お答えは御遠慮させていただきたいと思います。
#181
○種田誠君 実はこのテープ、先ほど質疑をいたしました新潟の金子知事関係の三億円の渡邉元東京佐川社長からの献金、この一億円以外の残りの二億円の流れに関しての重要なテープだとも言われております。その辺のことが言えないということは、逆に現実に捜査の対象になっておる、このように理解をさせていただきたいと思います。
 さらに、先ほど私、根來法務事務次官の出頭と事務次官に対する質疑を求めたわけでありますけれども、述べましたように、幾つかのマスコミ並びに雑誌などに佐川事件に関しての極めて問題のある発言をしております。いかなる真意のもとに、なぜこの時期にこのような国民の疑惑、不信を招くような発言を重ねてきたのか。何としても、この点についてはこの委員会で御本人からその答えをいただきたいと思うわけであります。そういう意味で、しかるべくお取り計らいを願いたいと思います。
 さらに、先ほど、今回の佐川事件に関して、竹下元総理に対する議員辞職の要請が同僚議員の喜岡委員の方からあったわけでありますけれども、私、けさほど総理に申し上げました毎日新聞の世論調査、あれは佐川急便、皇民党事件に対して九〇%の方が未解明だというだけではなくて、実は七八%以上の方が竹下元総理に対する議員辞職を求める、そうすることが政治の信頼を回復する第一歩だと、こういうふうな世論調査結果になっているんですね。さらに、実は自民党の支持者であるという方の六七%の方も同種意見である。
 こういうことになりますと、私は先ほど総理が、議員の身分、地位というものは憲法上も保障されておる、そうでなければ十分な活動ができないと、もとよりこれはよくわかります。しかし、果たして今回のような形で事件に介在をし、そしてそのことが、事の真相は総理の言葉によればまだ解明されていないじゃないかということかと思いますけれども、果たして政治家たる者、検察なら検察で白黒がついてからやめるということが正しい道なのかどうか。そうでないとすれば、やはり会派を同じくする者、今日まさに総裁という立場にある総理として、国民のこれらの御要請にこたえられるような一つのリーダーシップというのをとっていくことが重要かなと思うんですけれども、総理の御見解をいただきたいと思います。
#182
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほども喜岡委員も仰せでございましたし、私も何度がお答えをしておりますので、何かこう、ひどく反論を申し上げるような気持ちで申すのではないことをお許しいただきたいのですが、確かに世論というものは大変大事なものだと思います。
 しかし、私なんかが、多少年をとりましたので記憶をいたしておりますが、戦争中には帝国議会で世論の高まりがあってある議員の除名を行ったことがございます。当時も議院法には三分の二の多数を要すとなっておりました。それだけ世論の高まりがあって、ある議員の除名を行った。それは昭和十五年ごろのことでございますが、後になってそのことを今我々は考える機会があるわけでございますので、決して私は反論を申し上げるつもりで言っておるのでございませんが、世論というものは大事なものでございますけれども、同様に、議員の身分というものは旧憲法でもそうでございましたが、今の憲法では憲法でわざわざそういうことが書いてあるということについてもやはり一緒に考えておかなければならない問題ではないか。
 あえて反論を申し上げるのではございませんが、一言申させていただきます。
#183
○種田誠君 総理のデュープロセス、また憲法における権利、それに対する御認識は私ももとより理解できるわけでありますけれども、問題は、衆議院、参議院で今回の佐川事件に関して、竹下政権が誕生するに当たって右翼、暴力団が介在してきた、そしてその事実に対して一つ一つ時間がたつごとにむしろその容疑というか嫌疑というか、それが深まってきた、そういうふうに私は思わざるを得ないわけです。そういう中での昨今の国民の声でありますから、やはり世論というものは一つの国民の声としてあらわれてくる私たち政治家に対する指摘でもある。
 そういう意味では、けさの別な日経新聞の総理に対する調査結果との兼ね合いにおいても、ぜひ総理には私はリーダーシップを発揮してもらいたい。そして、もう間もなく来年という新しい年が来るわけでありますけれども、またそこで本当に日本の政治の改革に向けてのしっかりした取り組みをしていただきたいなと思うんですね。
 そういう意味では、やはりけじめをつけながら私はやっていかざるを得ないんじゃないかなと、こう思うわけでありますけれども、最後に総理の、今回はいろいろな諸事情があって十八項目プラスアルファしかできないけれども、次期国会においてはぜひ頑張りたいというような前回御発言もあったものですから、あわせてもう一度御答弁をお願いしたいと思います。
#184
○国務大臣(宮澤喜一君) いずれにいたしましても、このことにつきましての真相を明らかにすることは大切なことであると思いますし、御説はよく承りました。
#185
○種田誠君 終わります。
#186
○委員長(遠藤要君) 以上で種田君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#187
○委員長(遠藤要君) 次に、猪熊重二君の質疑を行います。猪熊君。
#188
○猪熊重二君 最初に、総理にお伺いします。
 我が党の市川書記長が衆議院の予算委員会において総理に対し、自民党の総裁として自民党の中に佐川問題の事実解明のために調査会等を設けて努力されたらどうかと、こういう御質問を申し上げました。それに対して総理が何か御答弁いただいたんですけれども、どうも趣旨がよくわからない。私は、やはりこの問題に関して、自民党内に佐川問題に関する調査会を設けていろいろ調査していただくということが非常に重要だと思うんですが、総理の所見を伺います。
#189
○国務大臣(宮澤喜一君) これにつきましては、政府は司直の手により、あるいは国会は国会のお立場で真相究明をしておいでになります。もとより自民党としてもそういうことをいたさなければならないと考えておりまして、既に執行部に対してそういう指示もいたしましたし、また実はある程度の事実の究明も行われつつございます。私どもの執行部にはそういう能力もございますし、また現にそれを行いつつございます。
 ただ問題は、こうやって国会でも喚問あるいは尋問が国政調査のお立場から行われておりますし、また事件そのものも捜査中のものもあり、また公判に付しておられるものもございますから、どのような段階でどういうふうなことをするかということは、間違えますとすぐにこれは話が外へ漏れますので、御本人に対して不当に傷つける心配もございますので、それは注意しながら、私どもの党の自浄作用として書記長の御指摘になられましたようなことは現にやりっっございます。
#190
○猪熊重二君 内閣が内閣としてこの佐川問題の究明のためにいろいろ仕事をしておられる。それはそれでわかるんです。しかし、具体的に言えば、行政府としてやれるとすれば、せいぎり法務省による犯罪の成否の問題、大蔵省による税務上の主として脱税的な問題、あるいは運輸、労働行政における行政違反の問題。税務の問題がどのぐらいやっているかどうか、あるいは運輸、労働に関する行政がどの程度やっておられるのか私は知りませんが、少なくも、この後徐々にお伺いしますけれども、犯罪捜査の面に関してはほとんど行き詰まっていて進展していない。
 そういう行政府の問題はまた別の問題として、総理は今国会でもいろいろ国政調査でやっておられると、こうおっしゃるんですが、国会の国政調査権に基づく佐川事件究明に関しては国民の九割が不平不満なんです。憤慨しているんです。なぜそういうふうな状況になっているか。
 結局、事の問題の中心は自民党にある。その自民党の総裁として、まず調査するのに一番身近で身内の調査なんですから、もう少し具体的に、政治改革の特別委員会とかどうとかそんなことじゃなくて、佐川問題自体を直接的に解明するための委員会なり調査会なり、こういうものを設けたらどうですかと、こういうことを申し上げているんです。
 具体的にはどうなんですか、そういうものはあるんですかないんですか。
#191
○国務大臣(宮澤喜一君) 党には執行部がございまして、私の指示を受けまして既に執行部が何人かの人につきましては事実の調査をいたしております。
#192
○猪熊重二君 じゃ、その調査結果をまた折があれば適宜な段階に御発表いただくということで一応の御理解を申し上げるんですが、ただ、総理は、国会の証人喚問は国会の問題だ、行政府の問題じゃないと、それは私もわかります。しかし、国会でだれをどう証人喚問し、例えばこの参議院においても竹下証人を尋問する、二時間。二時間というと、私は尋問させていただいて十四分しかない。そういうことで、証人喚問はだれを喚問するか、喚問の時間、そういうものをどうするかということについて、結局自民党の御意向というものが非常に大きな影響を持ってきて、極論すれば自民党の意向によらなければ証人喚問一つ前進しないんです。
 ですから、証人喚問問題等に関しても、総理は自民党の長としてもう少し協力的にやっていただくということをここでお話しいただけませんか。
#193
○国務大臣(宮澤喜一君) 国会の喚問、尋問は、もとより国会の専権事項でございますけれども、行政府といたしましても、それに対しましてはできるだけの協力を申し上げなければならない、そういう心構えております。
#194
○猪熊重二君 リクルート事件のときは竹下内閣総理大臣だったわけです。リクルート事件当時の大蔵大臣である宮澤総理が今回の佐川問題は総理大臣としていろいろ行政の長として取り組んでおられる。
 総理は、リクルート事件と佐川事件と、うんと俗な言葉で言えば、政治不信とか政治腐敗とかという問題においてどっちがどうだろうということについておおよそどんな認識をお持ちでしょうか。
#195
○国務大臣(宮澤喜一君) 今回の事件の方がはるかに国民の怒りを買っておる、その点は明らかだと思います。
#196
○猪熊重二君 要するに、私はリクルート事件と今回の佐川急便事件は金の面においても随分違うと思うんです。
 リクルート事件の場合は、どうであれ動いた金は江副浩正さんという人の自分の銭なんです。今回動いた銭はそういう銭じゃないんです。特別背任によって渡邉廣康被告人が裁判を受け、あるいは今後何年間か刑務所に行くかもしれぬような犯罪行為によって得た金なんです。金の質が違うんです。札には色はついていないけれども、リクルートのときの金はともかく江副浩正さんの個人の持っている株の問題なんです。金が違うんです。
 それから金の動きが違う。リクルート事件の場合には、株の売買という一応の商行為的、カムフラージュであったにしてもそういう問題があった。今度は五億円の現ナマなんです。何で持ってきたか知りませんけれども、段ボールだか金の入れ物だか知らぬけれども、現ナマの問題なんだ。これも全然違うんです。
 それ以上に違うのは、リクルート事件の場合に比べて、今回の佐川事件の場合はそれに全然異質な暴力団の問題がくっついているんです。これに対する取り組みにおいて、総理の姿勢というものが、非常に真剣にこの問題を解決しなきゃならないという姿勢が私には見えないんです。このリクルート事件と佐川急便事件というものの違いを本当によく考えられたら、もう少し真相究明のために総理として大いに頑張ってもらわなきゃならぬと思うんですが、もう一度お伺いします。
#197
○国務大臣(宮澤喜一君) 何度も申し上げていることでございますし、殊に猪熊委員は法律の御専門でいらっしゃいますのであえてくどくど申し上げませんが、政府としてやはり法律に従って事件の解明をいたしております。国会でもそのような御努力をなすっておられる。党としてもいたしておりますが、やはりこれは法の定めるところに従って政府のつかさつかさはその職務を遂行しておりますので、国民の側から見ると何か非常にのろのろしておって、もうはっきり悪いものは悪いと言いなさいというような、そういう国民感情からいえばいかにも進みがのろいではないかということは私によくわかりますけれども、しかしそれはやはり法治国家、いかなる人の人権も重んじられなければならないという国でございますから、その点はある程度国民に理解をしていただきたいものだと。
 政府が決して務めを怠っておるわけではありませんし、私は全面的につかさつかさを信頼いたしまして事態の解明を進めてもらっておることでございます。
#198
○猪熊重二君 総理に対してはまた後の方でお伺いします。
 法務省に伺います。先ほど佐川急便事件の捜査中間報告というものがなされました。これについて大きく二点ほどお伺いします。
 先ほど種田委員の方からも話がありましたが、まず第一に新潟県知事選に関する献金に関してお伺いします。
 この新潟知事選に関する三億円の選挙運動資金の提供のうち、一億円はわかったけれども、二億円はどうなったのかわからぬというような報告なんですが、まずこの一億円の金子前知事に対する提供以外の残る二億円についての提供先、提供金額について明らかにしていただきたい。
#199
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 先ほどの中間報告でも申し上げましたとおり、検察当局におきましては、今、委員が御指摘になっておられます二億円についても必要な捜査、検討を尽くしたわけでございますが、犯罪の嫌疑ありとして訴追するに足る事実は確認できなかったということでございまして、それ以上のこと、今、委員がお尋ねになっておられますことは起訴されなかった事実関係についてのお尋ねでございますので、お答えは差し控えさせていただきたいと思うわけでございます。
 ただ、この問題、今お尋ねの点も含めまして、委員におかれては先般の法務委員会でもいろいろ御質疑をいただきまして、先ほどもお答え申し上げておりますとおり、法務当局からお答えできます範囲のことは先ほど御報告した限度のこと、これが刑事訴訟法四十七条を初めとする法令の制約内で法務当局からお答えできる最大限のことというふうに御理解をいただきたいと思うわけでございます。
 ただもう一つ、御理解をいただく上でもう少し申し上げておきたいと思いますのは、もう申すまでもなく、検察当局は刑事事件につきまして刑事責任の有無等を明らかにするという目的から、事案の真相を解明するために捜査を行うわけでございます。犯罪の嫌疑が十分認められるものについて、法定刑の枠内で犯情に応じて起訴するかどうかを決するということに尽きるものでございます。その場合に、捜査を進めた結果として起訴できるのは、公判において証拠により特定の犯罪を合理的な疑いを入れない程度に立証できる高度の見込みがある場合に限られるわけでございまして、そのような職責の範囲と限界の中で検察権を行使しているということをひとつ御理解いただきたいというふうに思うわけでございます。
#200
○猪熊重二君 もう少し簡潔な答弁をお願いします。
 要するに捜査報告書によると、この三億円全体が選挙運動資金と書いてある。よろしいですか。選挙運動資金というのは、「公職の候補者の政治活動(選挙運動を含む。)に関してされる寄附」なんです。よろしいですか。そうすると、一億円は選挙運動資金として金子前知事に行った。これはわかっている。二億円だって選挙運動資金じゃないですか、選挙運動資金だと言っているんだから。選挙運動資金ならば、政治資金規正法によって、本来すべて収支が自治大臣もしくは都道府県の選挙管理委員会に報告されるべきものなんです。
 だから、こんなプライバシーの問題だとか捜査の問題だとか、そんなことじゃなくて、もしこれが選挙運動資金ならば、本来的に都道府県選挙管理委員会あるいは自治大臣のところに報告されて、国民に公表されるべきものなんです。どうですか。公表しなさい。
#201
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 ちょっと委員のお尋ねを私、誤解しているようであれば御指摘いただきたいと思いますが、選挙管理委員会への届け出の問題と、捜査結果、検察がどういう捜査結果を得てそれを御報告申し上げるかということとは別の問題ではなかろうかというふうに思うわけでございます。
#202
○猪熊重二君 要するに選挙運動資金だと言うんだから、本来まともな人ならば、それを受け取ったら政治資金規正法に基づいて報告するべきものなんです。そして国民に明らかにされるべきものなんです。それを、もらったけれども記帳もせず報告もせず、そんな人のプライバシーだとか名誉だとか、そんなものを保護する必要はないんです。だから、明らかにしなさいと言っているんです。ただ、あなたはそう言うから、それではその次の問題。
 結局、この報告書によるとこういうことが書いてある。政治資金規正法違反等の嫌疑があるとして訴追するに足る事実は確認できなかった、こう書いてある。そうすると、政治資金規正法違反等の嫌疑があるかないかということを調べだということは、政治資金であるということを前提にして調べているんじゃないですか。政治資金であるということを前提に調べたけれども違反嫌疑があるとして訴追するに足らなかった、こう言っているんだから、政治資金の問題なんだから、ともかくこの二億円を受け取った人を明らかにするべきであると思います。もう一度答弁を求めます。
#203
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 検察当局が捜査の過程でいろんな事実を証拠によって認定し、またその際に適用される可能性のある刑事罰則というものについていろんな刑事罰則を検討、吟味する、これは一般的に申し上げてそういうことだと思うわけでございます。したがいまして、ここに例示いたしました政治資金規正法違反ももちろんその刑事罰則の一つでございますけれども、いろいろな刑事罰則についてその犯罪の嫌疑があるかどうかということを捜査し、検討、吟味したその結果がここに記載してあるとおりであると、こういうことでございます。
#204
○猪熊重二君 私はそんなことを聞いていない。政治資金規正法違反の嫌疑はなかった、こう言うから、だったら、政治資金の問題としていろいろ捜査したけれども嫌疑がなかったと書いてあるんじゃないかということなんです。
 それで、政治資金規正法の嫌疑がないと言うんならば、渡邉廣康が二億円を提供した相手方は政党もしくは政治団体以外のものであるとすれば、渡邉さんは個人としての百五十万を、限度枠を超えていないから政治資金規正法の違反の嫌疑がないと言うんだろうから、二億円を百五十万以下でやったら百三十一個の個人もしくは政治団体に献金したのでなければ、政治資金規正法違反の疑いがないなんという結論は出てこないと私は思う。二億円ということが政治資金だということは認定しているんだから。
 渡邉さんが三億円のうちの二億円を政治資金として持っていったと言っている。一人の人に持っていったんなら政治資金規正法違反の疑いが明らかに出てくる。しかし、そうじゃない、政治資金規正法違反の疑いがないというんだったら、百三十一人以上に渡邉さんがはいはいと言って、東京から新潟まで行くかどこまで行くかは知らぬけれども、百三十一人以上の個人もしくは政治団体に持っていったんでない限りは、政治資金規正法の百五十万の超過違反の問題はあると思うんですが、この点はどうですか。
#205
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 先ほど来お答え申し上げていますように、起訴されていない事実関係に立ち入ったお答えはいたしかねるわけでございますけれども、今、委員がお尋ねになっておられます政治資金規正法の量的制限違反について一般的に申し上げますれば、これは時効期間が三年でございます。
#206
○猪熊重二君 いずれにせよ、この裏金十七億五千万円についても同じようなことを聞こうと思ったんですが、ともかく時間がないから、中間報告に関しては今の一点だけ聞いて、もう一点は省略しておきます。
 ただ、これは中間報告と言いながら、今後何か少しはやるのかやらぬのか。それは金丸元議員に関する五億円のさらに配分先の問題を別にして、新潟のこの二億円の問題あるいは裏金約十七億五千万円中、金丸前議員がおれがもらったよと言ったからわかった五億円以外の十二億五千万円についてはほとんど何も捜査ができていない。そんなもの、金丸議員のやつは捜査なんかしたんじゃないんです。金丸議員が正直にわしはもらったと言ったから、ああそうかそうかといっただけの話じゃないですか。全然捜査しているわけじゃない。十七億五千万のうちの五億円は金丸前議員が正直に手を挙げたからわかっただけの話で、これで手を挙げなかったら十七億五千万全部わからへんやないか。
 こんな状況で、新潟の二億円も裏金の残る十二億五千万円についてもこの中間報告で終わりなんですか。それとも今後捜査を継続するのかどうか、法務省の見解を伺いたい。
#207
○政府委員(濱邦久君) 先ほどの中間報告で申し上げましたように、現在、東京地検におきましては、このいわゆる東京佐川急便事件につきまして、新たな告訴を受けた事態をも踏まえまして、これまでの捜査結果を踏まえつつ引き続き捜査を行っているということでございます。
 それから、先ほど委員お尋ねの中でおっしゃられた金丸前議員に対する五億円の政治資金規正法違反事件の捜査というのは、これはもう当然おわかりになっておっしゃっておられることだと思うわけでございますけれども、要するに検察当局においては、渡邉元社長あるいは松澤平和堂グループ代表、生原秘書、金丸前議員の指定団体の会計責任者その他の事件関係者の取り調べ、あるいは渡邉元社長の行動記録その他の物証の検討等々の証拠に基づく捜査を行っているということだけは御理解をいただきたいと思うわけでございます。
#208
○猪熊重二君 全然別の問題に入りたいと思います。
 今回の佐川急便事件においては、政治家が金をもらったということよりも、もらって何に使ったんだかわけわからぬのに税金を全然払わぬということについて国民は怒っている。
 ところで、政治資金と課税に関して国税庁の次長は、去る二十五日の衆議院予算委員会において、一般論として言えば政治家個人が受けた政治資金は雑所得になっている、政治活動に使われた分を控除して残額が課税対象になると、このように述べておられます。私もそのとおりだと思うんです。それでいいだろうと思うんです。
 そこで、大蔵省にお伺いしますが、政治家個人に対する政治活動に関する寄附は雑所得であるという見解に立つのであれば、政治家は、課税対象となる残額の有無にかかわらず所得申告の際に、寄附を受けた雑所得の額、これが所得、指定団体等に対する寄附及び政治活動費を経費としてこれが支出として出して、そしてもし残額があれば申告するということが原則的形態になると思うんですが、いかがでしょうか。
#209
○政府委員(瀧川哲男君) 今、先生がおっしゃったとおり、一般論で申し上げますと、政治家個人が収受した政治資金につきましては、所得税の課税上これを雑所得の収入として取り扱うこととしております。したがって、その政治資金収入から経費である政治活動のために使用した金額を控除した残額がある場合には雑所得として申告する必要がある、こういうふうに思っております。
#210
○猪熊重二君 そうすると、残額がない場合は申告しなくてもいい、残額があれば申告するんだ、こういう趣旨なんでしょうか。所得税の申告において、収入があったけれども支出があってイコールゼロだというのだったら申告しなくてもいいなんという税の体制というか体系というか、そんなものはこのほかにもあるんでしょうか。
#211
○政府委員(瀧川哲男君) 税法上、所得というものを申告していただくということでございますから、通常の事業者の場合には収支報告というのをいただきますけれども、雑所得についてはそれがないわけでございます。したがって、結局ゼロになった場合には申告しなくてもよろしいということになります。
#212
○猪熊重二君 それじゃ、さらに伺いますが、もし残額があるということで申告があった場合に、経費として政治活動に支出された部分の真実性だとか、それが政治活動に対する支出としての妥当性とか、その辺のことについては国税当局としては調査する権限があると考えるのか、ないのか。ないとすればどういう理由からないのか、お伺いしたい。
#213
○政府委員(瀧川哲男君) これも一般論で申し上げますけれども、各種資料情報、これには例えば政治資金規正法に基づく収支報告書なんかも入るわけですけれども、そういった資料情報と、それから納税者から提出されました申告書等、こういったものを総合検討いたしまして、もし課税上問題があると認められる場合には、私ども権限に基づきまして実地調査等を行います。そして、申告誤りが判明した場合には修正申告を出していただく、あるいは御納得いただけなくて出していただけない場合には更正を打つというような形になります。
#214
○猪熊重二君 それでは伺いますが、この五年間でもいい、十年間でもいい、国会議員だけに限定してこういう雑所得があったという申告がありましたか、全然ありませんか。
#215
○政府委員(瀧川哲男君) 私どもそれを統計上持っているわけではございませんので、若干印象的になりますけれども、通常は年末に政治団体に入れるということになりますと、それは一種の政治活動ということでゼロになりますから申告が要らなくなりますけれども、中にはきちんと残ったものについて申告されている例もございますように聞いております。
#216
○猪熊重二君 ところで、自治大臣に伺いますが、いわゆる国会議員の保有金について自治大臣は報告を受ける立場にあります。この保有金の報告における政治活動に関する支出につき、その支出の真実性だとかあるいは政治活動に対する支出としての妥当性であるとか、このようなものをどのように調査しているのか。調査する権限があるのかないのか、お伺いします。
#217
○政府委員(吉田弘正君) 国会議員につきまして、政治家個人として政治活動に関する金銭等の寄附を受けた場合、これは全額を指定団体に寄附した場合は必要ございませんが、保有金としてこれをお使いになる場合には、保有金の報告を自治大臣に提出していただくという仕組みになっています。
 これにつきましては、私ども自治省で持っております権限は形式的調査権だけでございますので、実質的な調査権は持っておりません。
#218
○猪熊重二君 それで、先ほど選挙部長も聞いておられただろうけれども、国税庁の方は、政治家個人が受けた政治資金について残額があれば雑所得として申告しろと言っている。政治資金規正法に基づく保有金支出報告に残額があるときはどうなるんですか。
#219
○政府委員(吉田弘正君) 保有金については収支について報告をしていただくわけでございますが、たまたま保有金について繰越金があるという場合でございます。その場合、当該年度で使い切らずに繰越金に回るという場合でございますが、その場合は当該年分の保有金の収支報告書の「翌年への繰越額」という欄がございますので、そこに記載をして報告をしていただくというようなことになっております。また、翌年分の報告書では収入総額の内訳欄の「前年からの繰越額」という欄がございますので、そこにそれを記載して報告していただくという仕組みになっております。
#220
○猪熊重二君 総理、ちょっと技術的な問題のようなことだけれども、非常に私はこの問題は大切だろうと思うんです。
 要するに国民は、政治家は税金払わぬ税金払わぬと、こう言っている、本当は払っているんだけれども。しかし、国民から見ると政治資金として受けた金についてはほとんど払っていないと、こう言う。
 今、国税庁の方からと自治省の方から話を聞いて、政治家個人が受けた政治資金について国税の方では、残額があれば支出の相当性、妥当性についてまでも税務調査することができると言い、自治省の方じゃ、いや形式審査として受け取るだけですと言うんだ。それsで自治省の方へ持っていけば、うそでもまことでも全部紙が行けばそれで終わり、税務署に持っていったときには、いやここのこれはちょっとどうだとかこうだとかと、いわゆる一般的な雑所得の根拠となるための税務調査をやると言う。それから今度は金が残った場合に、国税の方じゃ雑所得として所得申告してもらって課税しますと言う。自治省の方じゃ、いや保有金勘定において残額翌年繰り越しといって翌年度に計上してくればそれでいいと言っているんです。これはごちゃごちゃしているんで、一体どうお考えなんです。
#221
○委員長(遠藤要君) 吉田選挙部長。
#222
○猪熊重二君 選挙部長に聞いたってしょうがない。片方だけに聞いたってしょうがない。国税と自治省と違うからどうだと聞いているんだもの。
#223
○国務大臣(塩川正十郎君) 性質が違う。同じお金でも一時保有金として政治資金として届け出していただいたお金は、政治資金という勘定の中で余ってきたから保有金として次年度へ繰り越していくと、こうなります。ところが、同じお金でも個人で持っておられた場合は、保有金として余ったものは一時所得として、これは所得として申告される。つまり個人の所有下にあるのか政治資金規正法下における所有となっておるのかというそのお金の区別によって違うんだろう、こういうことでございます。
#224
○国務大臣(宮澤喜一君) 私が今、両省の答弁を聞いて理解しております限りでは、政治資金規正法の方の報告は自治省の選挙部長からお答えしたようなそういう処理をするわけですが、課税の問題となりますと、その雑所得に対して真に政治のための支出がいっぱいになればそれは課税が起こりませんけれども、残りましたときは課税をするということを申し上げておるわけでございますから、それはおのおの行政の目的によりまして処理が違うのは私はむしろ当然ではないかというふうに思います。
#225
○猪熊重二君 今の自治大臣と総理の答弁は、私は全く納得できない。
 例えば、私がそんなにもらうことないけれども、仮に一億円もらってそれでいろいろ活動費だ何だと使った。そして、三千万残ったとしてこれを政治資金規正法上の保有金勘定にしてそっちの処理にしようと、こっち向いたときには政治資金規正法の保有金報告として三千万は来年回しです、これで全部終わりと。こっち向いて、いやこれは政治資金規正法の保有金報告じゃなくて、要するにしかしこれは雑所得とは言っても政治資金なんですから、そうでなきゃ贈与そのものになってしまうでしょう、寄附金なんだから。単なる贈与そのものになって、一億円だったら七割か八割税金取られちゃう。ところが、七千万使って三千万残った。これはしかしこっちの政治資金規正法の保有金報告じゃなくて、じゃ残ったからこれは所得で申告しましょうといって三千万申告するべき義務があると言うのです。
 それで、しかもこの七千万は、これは政治資金として支出は妥当であるとかないとかなんということを全部調査されるんです。こっちへ行けば紙一枚で済むんです。こっちへ行ったら全部調査されて、しかも三千万円について課税される。何だか、こっち向くのとあっち向くので、その人があっち向くかこっち向くかで取り扱うなんということはまことに奇妙きわまりないと思うんです。
 そういうふうなあいまいなこと、あるいは私の質問、指摘が間違っているのかどうか知りません。もし私の質問が間違っているんだったら後で訂正させていただきますけれども、いろいろ調べてみるとそういうことなんです。こっち向けばただ、こっち向くとえらいことになる、こんなことじゃ全然国民が納得しっこないと私は思うんです。
 なお、これは質問通告はしておいたんですけれども、きのうのことですから、また自治省も国税も大蔵省もよく検討してみて、またこの次の機会に私伺いますので検討しておいてみてください。あっち向きこっち向きなんて、そんなことじゃどうにもしょうがない。
 最後に、検面調書の朗読と人権侵害の問題について、残った時間お伺いします。
 もう事実関係は皆さん御承知なんですが、東京地裁の東京佐川急便事件の法廷で大島竜a皇民党総裁の検面調書が朗読されて、七人の政治家が皇民党街宣活動を中止させるために金銭的な提供を含めて解決策を工作したということが述べられている。この七人の政治家のうち、浜田幸一、浦田勝、魚住汎英の三議員は事実を認めた。しかし、金丸信、梶山静六、小渕恵三、森喜朗の四議員はその事実を否定した。これは新聞報道で皆さん御存じのとおりです。
 時間がありませんから、今までのいろんな委員会における発言等によると、どうも法務省はこの大島竜a皇民党総裁の調書に対して裏づけ調査をしてないらしい。
 まず、ともかく裏づけ調査しているんですか、していないんですか伺う。一言でいい。しているか、していないか一言で。時間がないですから。
#226
○政府委員(濱邦久君) 今のお尋ねに対してちょっとそれは一言ではお答えはできないかもしれませんけれども、要するに御指摘のいわゆる大島調書なるものは、これは個々の政治家やその代理人がそこに記載されたような行動を行ったことを立証することを目的とするものでもありませんし、またその事実を確定するものでもないわけでございます。
 これはもう委員も御案内のとおり、当時の稲本日本皇民党総裁を初めとする日本皇民党側が、だれがその解決を申し入れてもこれを拒否するという強い意向あるいは言動を行っていたことなどを立証することによりまして渡邉元社長の供述を裏づけるとともに、その特別背任罪の動機を明らかにすることを目的として証拠調べ請求されたものでございます。
 お尋ねの趣旨は、個々の政治家やその代理人がそこに記載されたような行動を行ったことに関する裏づけ捜査の有無についてお尋ねと思うわけでございますが、これはもう一般論としてお答えさせていただくわけでございますが、証拠の裏づけ捜査が必要かどうかということはその証拠の立証趣旨との関係から決まるものでございます。本件調書に係る御指摘のような観点からの裏づけ捜査の有無につきましても、今述べたような本件調書の立証趣旨を申し上げたわけでございますから、その点から御理解をいただきたいと、こう思うわけでございます。
#227
○猪熊重二君 そんな論理は全然成り立たぬ。どうしてかというと、まずこの政治家七人が関与しても皇民党の街宣活動を中止させることはできなかった。そこで渡邉が石井に依頼して、それで中止が成功したんです。これ検察庁のストーリーですよ。で、渡邉が石井に恩義を感じたから頼まれてしょうがないからじゃんじゃん融資、保証した、それが特別背任だと、こういう一連の流れになっている。この流れのもとなんだ。だから、政治家七人が関与しても皇民党の街宣活動を中止することができなかったという事実は、間接事実であろうが何であろうが証明されなきゃならぬです。証明されなきゃこれはないんだから、要するに大もとの原因がまずなくなるんだ。
 もう時間がないから、じゃ法務省に聞くけれども、たまたま今回は七人の人がいて、七人の中の三人はそうだと言ったからいいけれども、七人が七人ともおれはとんでもない、そんなことは何もないと言ったら、この調書はどうなるんですか。
#228
○政府委員(濱邦久君) 今、委員がおっしゃっておられますように、その七人の方が否定されるかされないかということとこの調書の内容とは特に矛盾するものではないということでございます。
#229
○猪熊重二君 それじゃ、七人の中の七人がだれもそんなことやった人がいないという調書なんか持ってきたら、七人の政治家がやったけれども結局できなかった、もう少し違う人を頼まなならぬというようなところに話が行かないじゃないですか、七人が七人ともだったら。こんなでたらめな調書を出して政治家の名誉を棄損するなんてとんでもない話だ。どう考えているんですか。
 時間がないから言うけれども、局長、刑事訴訟法第一条、六法全書を持ってなきゃ私が持っているから読んでみなさい。刑事訴訟法第一条を読みなさい。いい、私が読む。
 刑事訴訟法第一条、「この法律は、刑事事件につき、公共の福祉の維持と個人の基本的人権の保障とを全うしつつ」と書いてある。犯罪捜査、それだけが目的じゃないんだ。公共の福祉を維持することと個人の基本的人権の保障とを全うしながら、その範囲で「事案の真相を明らかにし、刑罰法令を適正且つ迅速に適用実現することを目的とする。」と書いてある。何のためにここのところへ個人の基本的人権の保障とを全うしろと書いてあるのか。私は自民党の応援しているんじゃないんですよ。だれであろうと、そんなでたらめなことを裏づけ捜査もなしに述べられたらたまったものじゃない。この一条の趣旨を、刑事局長、どう考えるんだ。これ、法務大臣に聞かないといけない。法務大臣。
#230
○国務大臣(田原隆君) お答えします。
 基本的人権を大事にするということはよくわかることでありますが、ただこの今の問題は法律そのものの解釈の問題であり実務の問題ですから、刑事局長がお答えする方が至当であろうと思います。
#231
○猪熊重二君 よろしいですか、私は竹下証人のときにも申し上げたんだけれども、国会議員が暴力団や右翼のところへ行って頭を下げて、銭で何とかしてくれなんということを言ったか言わぬかということは、その政治家にとってはとんでもないことだ。
 なぜかと言えば、日本は法治国家なんだ。我々が国会議員としてここに来ているというのは、主権者たる国民から選ばれて来ているんだ。だから国民の代表として来ているんだ。この国民の主権に基づく国民に淵源する国会議員が、国民とは無関係な暴力集団に頭下げに行くようだったら、もうやめて、議会の子でなくして暴力団の子になってもらいたいんだ。そのくらい政治家にとって大切なことなんです。それをあなた、行きもせぬのに頭下げに行ったとか、頭下げに行ったのかやめさせに行ったのか知らぬけれども、しかもそれが銭を持って行ったなんというようなことを言われたら、そんなもの政治家として政治生命ないよ。そんな重大なことを裏づけもとらぬでべらべらしゃべられたらたまったものじゃない。
 私は、時間ですからこれ以上申し上げないけれども、これは法務大臣、陳謝しなさい。森喜朗さんのところへ質問書を出して、その質問書に対する回答書をもってと。何だ、この質問書だとか回答書なんてものは。こんなもの訴訟法上どういう意味があるんだ。もう調書は調べられちゃっている。調べる前に一言聞けば、おれは関係ないと。こういうのが出てくれば、あら、この調書は七人だけれども墓とったら三人だけだから、これは――まあいいや、細かいことは別にして、ともかく何もせぬでおいて今時分になって質問書だとか回答書だとか、そんなお茶を濁すようなことやったってだめだ。
 法務大臣が国民にわびなきゃ、直接的には森さんだの行かない人にわびなきゃならぬけれども、国民にわびなさい。そうでなかったら、基本的人権の保障を全うしないで刑事訴訟をやられたら検察ファッショだ。とんでもない話だと思うんです。
 最後に法務大臣と総理の意見を聞きたい。
 ともかく総理は、そういうことをやった法務大臣、検事総長、検察官を指揮監督する立場にある。だから、国会であなた怒るどころじゃないんです。自分のことなんだ。やっぱりこれはちゃんと二人とも国民と直接関係者に謝るべきだ。そんな上申書だとか、滑った転んだ、そんなことでちょろまかすようなことじゃ許される問題じゃないと思います。どうぞ、答弁求めて終わります。
#232
○国務大臣(田原隆君) お答えします。
 私は、裁判の現場の実務は存じておりませんけれども、検察官調書の性格というものが冒頭陳述や起訴状とは違うということは勉強しました。そして、合法的に提出されかつ訴訟指揮されたわけで、訴訟指揮の問題については三権の関係から私からコメントできませんが、合法的にやられた問題でありますけれども、こういう人権の問題をはらんでいるということは、再々御答弁申し上げておるように、謙虚に反省しなければならない、虚心坦懐に勉強しなければならない問題があるというふうに申し上げております。
#233
○国務大臣(宮澤喜一君) 私は党内に対して、事実でないと思われることを冒頭陳述で述べられた同僚諸君がどのような名誉回復の方法があるかということを検討を実は命じた立場でございます。このたびのことは将来に向かって貴重な経験になる、謙虚に考えるべきことだというふうに法務当局も考えておるものと存じます。
#234
○猪熊重二君 終わります。
#235
○委員長(遠藤要君) 以上で猪熊君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#236
○委員長(遠藤要君) 次に、直嶋正行君の質疑を行います。直嶋君。
#237
○直嶋正行君 私も、まずやはり今回の東京佐川急便事件に関する総理の姿勢からお伺いせざるを得ません。
 けさほど来、るるお話がありましたように、今国民の皆さんが感じておられること、あるいは求められておられることとこの問題に関する総理の一貫した答弁との間には、大きな意識のギャップがあるように思います。そういった点から考えますと、やはり改めて総理のこの真相解明に対する期待をお伺いしたいと思います。
 引き合いに出して大変恐縮ですけれども、かつてあのロッキード事件のときの三木総理は、政府・自民党、日本の政治が一時傷ついても真相を究明する、このようにおっしゃって積極的に解明に努力されたわけであります。再度、総理の決意をお伺いしたいと思います。
 また、あわせまして、先ほどの質疑の中にございましたが、とりわけ自民党内で調書を進めることについて、先ほど総理は、党執行部の中において調査をしている、あるいは行政や国会の究明の動きに留意をしながら進めている、このようにおっしゃられたわけでございますが、具体的に党執行部のどういう機関でおやりになっているのか、あるいはその調査の中間的な発表も含めてどう条件が整えば、あるいはどういう時期になればそういった内容を公にするというようなことを今お考えになっておられるのか、この点をまず二点お伺いしたいと思います。
#238
○国務大臣(宮澤喜一君) 前段の問題につきましては、やはり真相というものは究明をせられなければならない。政府におきましても国会におきましてもそういう御努力があり、また党内でもいたしております。
 三木さんのときのことをお話しになられますが、私はあのときのことをよく存じております。三木総理はあの捜査について厳正中立な立場をとられました。すべてを捜査当局に任された。そういう意味では、私は少しもそれと違う立場をとっておるわけではございません。あのときもそうでございましたが、なかなか事態の解明が法律的な手続をとっていきますから時間がかかるので、国民のいら立ちがある。それはよく理解のできることでございます。
 よくできることでございますが、先ほどもございましたように、やはり人権というものは守らなければなりませんし、法治国家においてその法の手続に従って事態の解明が行われていくという、そのための時間というものは国民にやはり御理解をいただかなければならないものではないだろうか。そういう意味では、三木さんのときの態度と私のとっております態度は違いはないというふうに考えております。
 なお、党内では、幹事長ほかの執行部に私はそういうことを指示をいたしまして、既に具体的に事情の聴取をいたしておるところもあるわけでございますけれども、事態がこのように進行しておりますから、それにつきましてはただいま申し上げる時期ではない。将来、もしこの事件が司直の手により、あるいは国会による解明が進みましたときに党として残されました問題がございますと、これはその次第によりまして、あるいは党紀に照らしてどのような処理をするかというようなことになってまいる可能性はございます。そのときにはまたそれとして当然公表をいたさなければならないと思っております。
#239
○直嶋正行君 あわせまして法務省にお伺いしたいと思います。
 きょうの新聞報道にもありましたが、金丸前議員の受け取られた五億円の使途について、けさ一部御答弁ございました。御存じのとおり、六十数名に渡ったと言われておりますが、これについては政治資金規正法上申し上げますと、来年一月十五日に時効が到来をいたします。当然その時効を意識しながら今捜査を進められておると思うんですが、今どの段階にあって、どういうめどを持っておられるか。特にその時効とのかかわりについてお話をお伺いしたいと思います。
#240
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 今、委員が御指摘になられましたとおり、東京地検が現在捜査を続けております告発事件のうち、金丸前議員及び本件五億円の分配を受けたと取りざたされております約六十名の者に対する量的制限違反事件は、もう少し正確に申しますと、金丸前議員が本件五億円を受領したのが平成二年一月中旬ごろというふうにされておるわけでございます。罰金二十万円以下の法定刑の罪は公訴時効が三年で成立するわけでございますから、今委員が御指摘のとおり、来年の一月中旬ごろには公訴時効が完成する可能性があるということでございます。もちろん、検察当局におきましてはこの点をも十分に念頭に置きながら、当面この事件に焦点を当てて捜査を進めているものというふうに考えております。
#241
○直嶋正行君 次の質問に移りたいと思います。
 次に、右翼、暴力団とのかかわりを問われております竹下元総理の六十二年十月六日の田中邸訪問について取り上げたいと思います。
 これまでの衆議院及び参議院予算委員会での証人喚問やあるいは審議を通じまして、私は次のようなことが明らかになったんではないかなと思っております。
 一つは、十月五日の東京プリンスホテルでの金丸さん、渡邉さん等の会談に竹下さんはわざわざ財界関係者とのお約束の時間を一時間ずらしてまで出席をされております。これが一点であります。
 二つ目に、田中邸訪問が皇民党のいわゆる褒め殺し活動中止とかかわりがあるとの印象を持ったと、このようにおっしゃっております。また、行くか行かないか心に葛藤があったと、このようにもおっしゃっておられます。
 三点目に、翌朝田中邸を訪問し、そこで長谷川信参議院議員と門前で二言、三言言葉を交わしたのみでございまして、この訪問に対して田中家側が不可解な行動であると、こういうコメントを発表されております。
 それから四点目、この十月五日の東プリでの会談及び渡邉元社長へのお礼を言ったと言われる十月二十九日の「吉兆」での会談、この予約、どちらも竹下事務所が行い、またその費用負担についても竹下事務所が支払ったということについて否定をされていません。
 この四点、この四つの事実をやはり総合的に判断をいたしますと、私は、十月六日の竹下元総理の田中邸訪問が皇民党のいわゆる街宣活動中止の条件となっている、このことを竹下元総理は承知をされておられたと、こう考えるのが自然ではないかと思います。むしろ逆に、竹下元総理がそれを承知をされていなかったと、このように考える方が不自然ではないかと思います。私はこういう認識を持っているんですけれども、こういう認識について総理はどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。
 また同時に、私はやはりこういう認識を持つゆえに申し上げるのでありますが、竹下元総理に対しまして政治家としての出処進退を深くされることを総理みずからがお勧めになった方がよろしいんではないかと、このように考えておりますが、いかがでございましょうか。
#242
○国務大臣(宮澤喜一君) 前段の問題につきましては、ただいま解明が行われている最中でございますので、私として十分事実関係を把握いたしかねております。
 後段の問題につきましては、先ほどからしばしば申し上げておりますとおり、これはやはり政治家一人一人の判断すべき問題だというふうに考えております。
#243
○直嶋正行君 私はやはり非常に残念だというふうに申し上げざるを得ないと思うのであります。残念であると申し上げざるを得ません。
 この皇民党事件に関しまして、右翼、暴力団が総理・総裁の選出にかかわったかどうか、大きなかかわりを持ったかどうかということが一つの焦点になっているわけでありますが、私は竹下総裁の選出に当たって、当時の中曽根内閣の首脳の方も申されておりますが、暴力団の関与が決定的な影響を及ぼしたかどうか、このことについてはよくわかりません。また、そういうことはなかったかもしれません。決定的な影響は及ぼさなかったかもしれません。しかし、竹下総裁が選出されるのを阻害しよう、阻止しようという行動、あるいはその行動を抑えようという動き、こういうものはやはり関与ではないかなと思います。そういう意味で私は、関与はあったんではないかと思います。
 こういったことを踏まえて、もう一点、総理の御見解をお聞きしたいんですが、これまでの証人喚問を通じまして、竹下元総理は、昨年の六月十三日と十六日の二回、渡邉東京佐川元社長と、東京佐川の再建策について相談に乗られた。申し上げるまでもなく、この時期は、竹下元総理は渡邉氏が皇民党の褒め殺し中止のために石井前稲川会会長に仲介を依頼したことを既に承知をされていたと思いますね。その前年の十二月に察知したということをおっしゃっておられます。また、当時、やはり東京佐川と暴力団の関係も一部マスコミで報道されておりました。
 こうしたことを考えると、やはり現職の総理大臣ではないとはいえ、こういった企業の再建の相談に乗られる、こういう行為自体がやはり私は元総理としては適切ではなかったんではないかな、このように思います。また逆に、そういう適切でない行為をせざるを得なかったということは、やはり何か大きな借りがあったんではないかな、このように思うわけでありますが、こういった元総理としての行動について、宮澤現総理、どのようにお感じになっておられるか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
#244
○国務大臣(宮澤喜一君) 事実関係がなお解明の最中でございますし、また、それをどう解釈するかということについてもいろいろな解釈が分かれておるようでございますので、ただいまの段階で私の判断を申し述べますことは御遠慮させていただきたいと思います。
#245
○直嶋正行君 もうこれ以上の御答弁は期待できないと思いますので、次に移ります。
 次に、けさ法務省の御報告ございました中間報告で指摘をされておりますが、いわゆる松澤ルート、裏金として渡邉元社長に渡ったお金が十七億五千万、このように言われております。このうちの五億円については金丸元副総裁に渡っだということは明らかになっておるわけでありますが、残りの十二・五億円はいまだによくわかりません。また、新潟知事選絡みのお金の中でも二億円がよくわからないわけであります。これについては犯罪と認める嫌疑がなかったということでなされているわけでありますが、ここでまたちょっとロッキード事件の経過と比較をしてみたいと思います。
 このロッキード事件の経過の中では、自民党の中にロッキード問題特別委員会というのをおつくりになられました。国会にも特別委員会がございました。そして、その委員会の中で一つの基準を設けて、当時たしか三つあったと思うんですが、いわゆる金品の授受があって収賄が認められるけれども時効成立、二つが職務権限がない、三点目が微罪である、こういう基準を設けて、いわゆる灰色高官の基準を示して、これにかかわった灰色高官十八名の方の地位やその金銭収受の時期、金額、不訴追の理由等を発表されました。
 今回のこの十二・五億円の不明金について、法律違反に至らなかった場合、ロッキード事件と同様のこういう基準をつくって発表されるべきだ、私はこのように思うのでありますが、それについて総理のお考えをお伺いしたいと思います。
#246
○国務大臣(宮澤喜一君) 私の記憶では、ロッキード事件のときにはやはり国会に特別委員会が設けられまして、法務大臣の中間報告を受けていろいろ御議論があったわけですけれども、今おっしゃいます。その灰色高官というものはさて何かと、どのように定義をするのかということで、この基準などで特別委員会では各党の議が一致しませんで、たしか私の記憶では特別委員会の委員長が委員長見解というものをお出しになられたのだと思います。
 それで、その委員長見解を一つの基準と考えまして、秘密会を開いて法務省から当該の方々についての報告を受けつけられた。これはいわば政治的、道義的な基準と申しますか、そういうカテゴリーとして委員長がそういう基準を示されることによって、行政の方がその基準に該当する者の御報告を秘密会で申し上げた、そういう経緯であったと思います。
 でございますから、今回の場合、もしただいま言われましたようなことがございますならば、それはどういう定義のもとにどういう基準で国会として何を調査されるかという、そういうことが先に決まってまいりませんと、いわばはっきりした定義のない状態ではなかなかお答えをすることが難しいのではないか。ロッキードのときは、たしかそういう経緯であったと思います。
#247
○直嶋正行君 それでは、国会の方でそういう御要請をした場合には、定義をはっきりして御要請をさせていただいた場合には応じる御用意はあると、このように受け取ってもよろしいでしょうか。
#248
○国務大臣(宮澤喜一君) その辺、私は実は詳しい法律関係がわかりませんので、大変厳密な意味でお答えをいたすことはできませんけれども、国会がいろいろ御調査をなさるときに、政府として可能な限りの御協力をすることは一般論として私は当然のことだと考えております。この場合に、ただ法律関係がよくわかりませんので、具体的なお答えをすることは差し控えさせていただきます。
#249
○直嶋正行君 次の問題に移りまして、贈収賄罪の関係についてお伺いをしたいと思います。
 贈収賄罪の、これはいわゆる政党役職者への拡大ということについてであります。
 先般の金丸前議員の証言の中でも、民社党の中野議員が、東京佐川の依頼を受けたり何か頼まれたことがあったりしてお世話をしたというふうなことはないのか、こういう質問をしたのに対しまして、金丸前議員は、何かあったかもしれない、私も道路調査会の会長をしているころ、相談に乗ってやったり、ちょっとこの後わかりませんが、話をしてやったりしたことはあると、このようにお答えになっていたと思います。これは、自民党の道路調査会長として期待をされ相談に乗ったことがこの今回の献金と何らかのかかわりがあったことを認めておられる、このように思います。
 現行法では、こういったケースについては、職務権限がないためいわゆる贈収賄罪に該当しないというふうに承知をいたしております。我が国は議院内閣制でございますから、こういう議院内閣制のもとにおいては政権与党が政策決定に絶大な影響力を持っていることはだれもが認めるところでございます。
 一般有識者といいますか、学者の間でも、今回の佐川事件を契機に、政党役職者への贈収賄罪適用の議論が必要だと、贈収賄罪適用が必要だと、このように新聞や雑誌等に発表されておる方も何人がおられます。政治の実態を考えました場合、私もやはりこの意見は正しいんではないかと、このように思います。私も、この贈収賄罪を政党役職者に拡大することを検討すべきではないか、このように思います。
 実は、九月八日の決算委員会で私が似たような質問を法務大臣にいたしました。結果は大変冷たい答弁でございましたので、きょうはぜひ総理にお答えを賜りたいと思います。よろしくお願いします。
#250
○国務大臣(宮澤喜一君) それは大変難しい問題を御提起になっておると思います。まず前段に、政治に志す者が常に高い倫理を持っていなければならないということ、殊に政党の役職員はなおさらそうであるというところまでは、これはもう問題のないところでございます。
 そこで、その政党の役職員をいわゆる刑法の罰則の系列の対象にするかということになるわけですが、御指摘の意味はそういう意味ですが、まず政党というのは何か、役員というのは何かというふうなことを具体的に考えてまいらなければなりません。
 そこで、議論を詰めていきますと、やはり政党法というものをつくって、政党というものを定義をして、そしてその役職員のしてはならないことというような刑罰体系をつくっていくということ、恐らく御所論を詰めていきますとそういうことになっていくのだと思いますが、本来政党というものが法から自由である、行政はもちろん、自由なところが政党というものの本来の値打ちだという伝統的な考え方が御承知のようにございます。
 そういうことを考えますと、実はこれは選挙を公営にするかどうかというときに、納税者にある程度の支出をしてもらうかという問題は、やはり政党というものを対象にする、政党と定義するかどうかという同じ問題がそこからもございますんですが、そこはおっしゃっていらっしゃる意味はよくわかりながら、政党というものをそのような法の規制のもとに置くことが、我が国の将来の民主政治のためにいいのであろうかどうであろうかということは、各国で議論されておりますとおりの問題が我が国にもあるのではないだろうかと考えております。これはしかし資金の方の関係からもそういう問題意識は浮かんでおりますから、各党の協議会などでいろいろに御議論をしていただく問題ではなかろうかと。
 ですから、一種のもろ刃のやいばのような部分を含んでおる問題の御提起でして、いずれにしても高いモラルを持たなければならないところまでは、これは問題がないのでございますけれども、それからあとの問題は恐らく各党で政治改革の御協議の中で御議論をしていただくのが一番適当ではないかと考えております。
#251
○直嶋正行君 終わります。
#252
○委員長(遠藤要君) 以上で直嶋君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#253
○委員長(遠藤要君) 次に、上田耕一郎君の質疑を行います。上田君。
#254
○上田耕一郎君 初めに、暴力団問題についてお伺いします。
 総理は、きょうもこの問題について、九月二十二日の冒頭陳述が唯一のステートメントだと、そう言われました。事実上、証人喚問などで明らかになった事実もどうやら無視されておる。おとといも、竹下喚問、全然見ておられなかったという報道ですね。私はこれは非常に驚くべき消極的な態度だと思うんですね。
 しかし、金丸証言のように、竹下氏が皇民党の褒め殺し問題で、おぼれかけて暴力団に助けられたと、その結果内閣誕生に至っだということは明白だと思うんですね。
 衆議院での金丸証言、これは日本共産党の児玉議員の質問に対して、昭和六十三年十二月二十三日、料亭でお礼の席を設けたとき、「褒め殺しをやめてくれたことへの感謝の気持ちでしょうか。」という問いに対して、「それは、みんなの総意がそこにあった。その一語じゃないですかな。」、そう証言されています。
 それから、きょう配付されましたきのうの東京拘置所での尋問で、日本共産党の高崎裕子議員が、やっぱり料亭での会合問題で、渡邉廣康氏に、これは皇民党に関係あるから証言できないことかと聞いたら、それを認めた。だから証言できない、皇民党関係で、ということを言ったわけですね。
 さらに、渡邉供述調書。「皇民党事件が解決できなかったら竹下政権はできなかったかもしれないと思う。私は、竹下政権成立の民間人としての第一の功労者ではないかと自負している。」と述べている。
 こうして、竹下氏が暴力団の関与を事前に知っていたんじゃないかと。結果責任だけじゃないですよ。そういう疑いが明らかになっておる。
 総理は、どうもこれまで金丸、竹下氏によって総裁に指名され、しかもずっと擁護され続けてきたというので、遠慮して消極的態度をとるんじゃないんですか。お答えいただきたい。
#255
○国務大臣(宮澤喜一君) 全くそのようなことはございません。
#256
○上田耕一郎君 遠慮だけでなくて、どうも暴力団問題の重大な本質について総理は非常に認識が甘いですね。なぜ甘いのかというと、児玉誉士夫以来、暴力団と構造的に結びついてきたという自民党の体質があるんじゃないか、竹下さんの体質だけじゃなくて。
 そこで、総理は、政治家が暴力団と関係を持つことはあってはならないことと言って、党紀に照らして処分すると答えておられますが、もし自民党議員で暴力団とかかわりのある方が出た場合、厳しく対処されますか。
#257
○国務大臣(宮澤喜一君) かかわりということにもよるであろうと思いますけれども、そういう事実が現在なおございますれば、それは当然注意をいたさなければならないと思います。
#258
○上田耕一郎君 そこで、私は浜田幸一議員のことをお聞きしたい。
 渡邉調書によりますと、浜田辞任問題が起きた際、金丸氏の生原秘書が電話で、浜田先生はもともと稲川会だったので、石井会長の力でまとめてほしいと渡邉に依頼している。ところがもともとだけじゃないんじゃないかと。というのは、渡邉調書によると、九〇年四月石井会長の快気祝いを料亭で行った際、石井会長が、私は古くから浜田を知っている、浜田が最近金丸先生から遠ざけられているようだが私に免じてよろしく御指導をと言ったと。金丸先生は、世話になっている石井会長の頼みだから自分が面倒を見てやろうと言った。石井会長が涙を流してお礼を言い、金丸先生も私も泣いたと。
 刑事局長、渡邉調書にこういう記載があることは間違いありませんか。
#259
○政府委員(濱邦久君) 法廷で朗読された渡邉元社長の供述調書の中にそのような記載があるというふうに聞いております。
#260
○上田耕一郎君 もう少しはっきり答えてくださいよ。何かぐあいが悪いことは声が小さい。
 浜田幸一議員は六九年衆議院議員に当選です。我が党の調査によりますと、七三年四億五千万円の大金をすったラスベガス賭博ツアー、この問題で議員辞職されたんですね。稲川会の石井進会長、当時理事長も同行していたんです。さらに、浜田氏は先々月十月二十日、自民党役員会の席上、おれは稲川会で鍛えられたと自慢をしたという報道もあります。稲川会の石井進会長が浜田議員の処遇の改善を涙を流して金丸氏に頼む、これは特別な関係があるところから見ますと、どうも稲川会と何らかのかかわりが続いているんじゃないかという疑いが、これあるんですね。ところが、自民党はその浜田氏を七九年国民運動本部長、八九年副幹事長、現在広報委員長とされている。他党のことでありますけれども、問題が問題だけに総裁として調査をされて適切に対処することを期待したいと思いますが、いかがでしょうか。
#261
○国務大臣(宮澤喜一君) 浜田氏自身、国会でお尋ねがあれば自分としてはいつでもお尋ねにお返事をするということを言っておられると承知しておりますから、その辺の事情のこともきっとお話をいただけるであろうと思いますので、必要がありましたら……
#262
○上田耕一郎君 調査をしますか。
#263
○国務大臣(宮澤喜一君) そういうふうに言っておられますから、いつでもお答えをする用意があると言っておられます。問題は現在のことでございますから、現在どういうことであるか、もしそういうことであればそれは調べなければならないと思いますけれども、済んだことを今申すことはないだろうと思います。
#264
○上田耕一郎君 やっぱりどうも消極的で、あいまいですね。どうも総理として信頼できる資格をお持ちかどうか、さらに疑いが深まると思うんですね。
 次に、佐川急便に関する贈収賄疑惑の問題。
 先ほど法務大臣が行われた中間報告、贈収賄疑惑については一言も触れられていません。佐川急便疑惑というのはもう恐ろしいほど奥深くて規模の大きい問題ですよね。クロネコヤマトの総裁と言われる小倉元社長が経営塾という雑誌でこう言っているんです。二人で始めた企業が今や日本で第二の総合物流企業になった秘密は何か、これは無免許営業と労働基準法違反という二つの違法行為の結果なんだと。それが成り立っているのは政治家のおかげだって言うんですよ。黙認してもらったって言うんですよ。これまでの報道では、この三十数年間に恐らく一千億を超える金が、日本共産党を除く与野党の政治家に流れているという報道が幾つもあるんですね。
 そういう点どうなんですか。この贈収賄問題の捜査、どうなっていますか。
#265
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 委員御指摘の点も含めまして、現在までのところ起訴したもの以外に訴追するに足る犯罪の嫌疑が確認できるものは認められないということでございますので、これ以上のお答えは差し控えさせていただきたいと存じます。
#266
○上田耕一郎君 非常に重大なんですね。どうやらこれで終わり、これで幕引きという態度ですよ。本当にこれは重大だと思う。
 私は、金丸氏の問題を取り上げたい。
 先日、臨床尋問の際、草川議員の質問に対して、佐川から受け取った金は五億円以外「一文もない。」「どんなに掘ってもありません。」、四十二ページにそう証言している。しかし、八三年、昭和五十八年の秋、永田町のパレロワイヤルにある金丸事務所で中尾宏氏立ち会いのもとで山梨県での地元業者とのトラブル解決のために佐川清会長から直接現金一億円を受け取ったという事実についての証言があります。これはことしの九月二十日夜のNHKスペシャル「佐川疑惑・暴走の軌跡」でも、中尾氏の当時の側近大川啓一氏が証言しています。私自身、大川さんには三月と先日と二回会って詳しくまた聞きました。
 金丸、佐川両氏はこのときが初対面だった。このときに結びついたんですね。名刺の交換をして、その後ジュラルミンの中型トランクをあけたら現ナマで一億円出てきて、もう衝撃的だったというんです。中尾氏が金丸氏に、これは裏です、つまり領収書は要らない金だということを言ったというんです。この事実は金丸氏の一文ももらっていないというのは偽証ではないかという疑いを生みます。八三年ですから大分たっていますから時効だろうと思うんですけれども、しかし、佐川急便事件というものの非常に複雑で膨大ないろいろなつながり等々からいって、検察はこういう問題についても関心を持って調べる気があるんですか。刑事局長、はっきり答えてください。
#267
○政府委員(濱邦久君) 今、委員が御指摘になられた点をも含めまして、起訴された事実関係以外に検察がどのような事実について捜査し、またどのような事実を把握したかということは、これは捜査の秘密に属することでございますのでお答えできないわけでございます。
 また、今後のことについてお尋ねになっておられるのかと思いますけれども、一般論として申し上げるわけでございますが、検察当局におきましては、いつの場合にも犯罪の嫌疑があると思料いたします場合には厳正な捜査を行うということは申し上げることができると思います。
#268
○上田耕一郎君 国会の政治的、道義的責任の追及には時効はありませんから、私は八三年の問題でもこれを取り上げる責任がやっぱりあると思うんですね。
 私は、三月にこのことを知ってからずっと調べてきた。これはやっぱり佐川急便の政界、官界工作に絡む疑惑の典型の一つだと思うんですね。
 問題は、山梨佐川に対する積み合わせ許可。先ほど奥田運輸大臣もちょっと触れられましたけれども、それなんですね。
 ちょっと皆さんおわかりにならぬと思うので、私も初め運輸省から聞いてわからなかったんだけれども、だんだんわかってきたので説明しますと、旧道路運送法では路線業者と区域業者がある。路線業者というのは県境を越えてさまざまなお客から複数の荷物を積んで、つまり乗り合いバスみたいにやれるのが路線業者だと。区域業者というのは県単位の認可で一社からだけしか積めない、つまり貸し切りバス的業者なんですよね。
 ところが、この区域業者に対して積み合わせ認可、だから県の単位では積み合わせしてもいいですよという許可が出るわけですよ。ところが、佐川急便というのは県内だけの積み合わせ許可をとっておいで、路線類似行為というのだけれども、県境を越えて違法行為、無免許営業をやるわけですよ。それで、あちらこちらにトラブルを起こしていたんです。私が会ったある佐川急便の元社長はこの積み合わせ許可をとるのに全国どこでも私だち血眼だったと、そう答えている。山梨は全国のネットワークで最後の穴になったんです。
 運輸省、どうですか。七〇年代後半から八〇年にかけて、どんなトラブルが山梨佐川に関してありましたか。
#269
○政府委員(土坂泰敏君) 佐川グループは、五十三年の十二月に地元の事業者から事業を譲り受けるという格好で山梨県に進出をしたわけでございます。その後、五十四年に至りまして今仰せになりました積み合わせの許可申請を出したわけでございますが、これに対しまして地元の業界から、無許可で積み合わせをやっておる、そういう違反をやっておる会社であるからして、そういう許可については認めるべきでないという反対があったわけでございます。
 これを受けまして、五十五年中に山梨の陸運事務所が山梨佐川に立入調査を実施いたしまして、五十五年の十月でございますが、山梨佐川に対しまして車両使用停止の処分をいたしております。その後山梨佐川は、地元の業界との間でいわゆる事業提携についていろいろお話し合いをなさいまして、最終的には五十六年に入りまして両者間で合意を見たと、こういうような経緯がございました。
#270
○上田耕一郎君 これは相当有名な紛争だったんですよね。
 「トラック日本」という業界誌で、山梨トラック協会の白木副部長は、長いこと書かれているのでこう言っている。運輸省の武石局長の言う自由競争は問題のすりかえだと。運輸省にうんと怒っていますよ。違法の営業行為をしているというのに、行政が黙って見ているということは一体どういうことかと。トラック業界もこれだけ運輸省に対して批判をしていたという問題がやっぱりあるんですね。結局、今言われた五十五年、八〇年に申請を取り下げるということがあって、それで困って佐川会長は中尾氏に相談するんですよ。すると中尾さんが、山梨のことなら金丸さんというので、先ほどの一億円献金になった。
 運輸省、八三年以後、山梨佐川に毎年積み合わせ許可をどう出してきたか、車両数を明らかにしてほしい。
#271
○政府委員(土坂泰敏君) 八三年におきましては、積み合わせ許可を七両増車して行っております。
 以後、年次別に申し上げますと、八四年は十八両、八五年は九両、八六年は十六両、八七年は九両、八八年は三両、八九年は九両でございますが、その後は物流二法によりまして積み合わせが自由になりましたのでこういうことは行っておりません。
#272
○上田耕一郎君 今初めて数字を明らかにしてくれた。どうしても出さないんですよ、ああいうことを。これは、衆議院の運輸委員の佐藤さんがどれだけ要求しても、保存期間が一年だとかなんとか言って出さないんですよ。
 配付した資料見てください。これ、仕方がないので日本共産党の独自調査で数カ月かかってつくり上げた資料なんですよ、出さないから。今言ったのは合っていますよ、全部。全部合っている。ですから、山梨の問題一つ調べるのに、結局、我々が調べてきょう配付したんで運輸省初めて言うんですよ。知っているんですよね。何で最初から明らかにしないか。明らかにしないから我々は何カ月もかかって調べるんですよ、こういうのを。全くもって私はけしからぬと思う。
 これ、皆さん見てください。最初つくったときは車両数十六両ですよ。積み合わせは、たった一両。物流二法の直前、八九年には全部で九十七両、六倍にふえる、トラックは。八十七両、積み合わせ許可ですよ。九割許可になっちゃうんだから。私は、本当にこういう点は運輸省の担当者、やっぱり疑惑があると思うんですね。一億円の効果絶大だったということをこの数字はあらわしている。極めて絶大だったんですよ。
 金丸さん、何に使ったんですか。
 で、当時の運輸大臣、リストがございます。当時の運輸大臣は、八二年十一月から八三年十二月まで長谷川峻氏、八三年十二月から八四年十一月は細田吉蔵氏、八四年十一月から八五年十二月は山下徳夫氏。あともありますけれども、現職閣僚としては山下厚生大臣が当時の運輸大臣だったのできょうおいでいただいたんですけれども、山下さんは在任中の八五年十二月、この積み合わせ許可の問題を本当にもう一〇〇%緩和する通達を出された運輸大臣です。それまで積み合わせ許可というのは一々一つ一つの車両について車両番号まで決めて、この車がオーケーというふうになったんですよ。
 ここに許可申請書一つありますけれども、車の番号から何から、特定の車両でやるのは大変だったんです。ところが山下大臣のときに、従来使用する自動車の種別及び自動車登録番号の記載を要することとされていたが、もう要らないというんですよ。もう特定の車両を外しちゃうんですよね。これ、有名な通達です。これでもう完全に自由化です。
 山下厚生大臣、運輸大臣当時に、山梨問題を含め積み合わせ問題で金丸氏あるいは佐川急便から何らかの働きかけはなかったでしょうか。
#273
○国務大臣(山下徳夫君) おっしゃるとおりの時期に私大臣をやっておりましたけれども、その当時、何ら金丸先生からお話もあっておりません。
 そして、この積み合わせの認可につきましては本省に上がってこないんですよ。これは地方運輸局長の決裁でありますから、これは我々知らないのが当然でございまして、あなたはそんなにむきになっておっしゃっているが、どこでどうお調べになったのか。私が申し上げるように、これは本省ではなくて地方運輸局で決裁することであって、もちろん通達等は必要に応じて本省が出すこともありますけれども、当時は宅急便が非常に全国に多くなってきた時代でございますから、トラックの需要も多かったでしょう。したがって、それに見合ってある程度の台数の増加は毎年見てきたが、あなたの表にもありますように、私のときは前後に比べて一番少ないんですよ、これ。そうじゃありませんか。私のときだけ一けたじゃありませんか。
#274
○上田耕一郎君 そうしますと、まあ山梨のそういう疑いはそれはあるかもしれませんね。
 しかし、最後に奥田運輸大臣にお伺いします。
 先ほども貨物ターミナルで全国十カ所の問題が大分問題になりました。それで奥田運輸大臣は、四月十五日の衆議院の運輸委員会でこの大幅な積み合わせ許可問題の不公平さを佐藤議員が追及したのに対して、「大変重要な御指摘」と答えられたんですね。
 東京陸運局ではこの積み合わせ許可について、路線事業が困難な分野、しかも基準は三割だと、許可は、そう言ったんですよ。ところが、我々関東運輸局全体調べたら、結局、八九年末で佐川については関東運輸局全体の十二社で九割積み合わせ許可になっているんですよ。山梨佐川はさっきの八九・七%。東京佐川は何と一二七%。持っている車両より多いんですから、積み合わせ許可が、東京佐川の渡違氏のところは。私は、ですからやっぱりこの積み合わせ許可問題というのは非常に、クロネコヤマトの小倉元社長が言われているように、無免許営業の違法問題のかなり大きな問題だと。増車の許可と積み合わせ許可。
 ですから私は、奥田運輸大臣に、山梨県の場合を含めてこの問題でも全国的に真剣な調査をしていただきたい、このことを要望したいと思います。
#275
○国務大臣(奥田敬和君) 御指摘の山梨佐川の問題に関しましては、相当、十年ほど時日経過しております。しかし、今御指摘の東京運輸局の管内の問題、案件につきましては、できるだけ実態解明に努めるためにも調査をして……
#276
○上田耕一郎君 全国を調べてください。
#277
○国務大臣(奥田敬和君) 調べてみるようにいたします。
#278
○上田耕一郎君 終わります。
#279
○委員長(遠藤要君) 以上で上田君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#280
○委員長(遠藤要君) 次に、井上哲夫君の質疑を行います。井上君。
#281
○井上哲夫君 私は、連合参議院を代表いたしまして、二十三分しか持ち時間はありませんが、御質問をしたいと思います。
 今回の佐川問題、確かに国の政治の根幹、内閣の成立に右翼、暴力団の関与があったかもしれない。いや、あったんではないか。これは憲政史上大変なことである。このことはだれも異論を差し挟む者はいないわけでありますが、右翼、暴力団の関与、かかわりがどうしてそんなに大変なことかという点について、私はいま一度そのことの根源を振り返ってみたいと思います。
 私は、実は二十数年弁護士をやってまいりまして、仕事の上で右翼と呼ばれる人あるいは暴力団と名のる人、そういう人たちといわば対決という形で仕事を随分やってきました。別に、ここで自分が正義の黄金バットだと言うつもりは全くありません。しかし、一般の市民がそういう人たちからいろいろな形で悩まされているそのことについて放置をできないとなれば、これは身を乗り出すより仕方がないということで、関与といいますか、そういう仕事をやってきたものであります。
 実は、昭和五十四年に警察庁は幹部会議を開きまして、民事介入暴力という言葉を初めて使ったといいますか、つくったと思います。それまでは警察は民事問題には介入しない、これが一番正しい警察のあり方だというふうになっていたわけでありますが、余りにも市民や一般の私企業に暴力団あるいはアウトローの人たちの、まるで土足で玄関に上がり込む、こういうことが頻発をしまして、民間の民事問題についても暴力団が介入をしたならば警察は介入しなきゃならぬ、これが民事介入暴力という言葉の初めであった。日本弁護士会もそれと軌を一にして民事介入暴力に対する対策の機関をつくったわけであります。そして今日に至っているわけでありますが、一つ二つその実例を挙げたいと思います。
 警察庁には、そのことについて後ほど評価をお聞かせ願いたいと思うんですが、一つは皆さん御存じだと思いますが、静岡県浜松市の海老塚一力一家の組事務所追放事件であります。このときには長い年月を要して、多くの弁護士とそして町に住む人たちが本当に苦しい中で組事務所の追放に立ち上がって、その間自治会の団長さんは家の窓ガラスを割られたり、さまざまな嫌がらせを受け、リーダーになった弁護士はレストランで背中から切りつけられて重傷を負った。こういう事件でありますが、そういうことに関して町の人と弁護士と、そして暴力団の排除のために力をかす警察の人が一致して仮処分決定等で裁判所に粘り強い闘いというとおかしいんですが、対処をやりまして、ついに追放した。
 私は、今回の竹下元首相が褒め殺しを皇民党からしかけられて、実に九カ月、十八都道府県で褒め殺しが行われて、大変苦慮のところにあったということを最初に思ったとき、どうしてこのような正面からの排除策をとらなかったのか。常に国民のリーダーであるべき人がなぜ、ほかの一般の町の人はそれをやっているのに、そして弁護士がそれに手をかしているのに、警察はさらにバックアップをしているのに、一番のリーダーである政治家がどうしてそういう正面からの排除をしなかったのか、これは本当になぞであります。
 そして、もう一つ紹介をいたしますと、実は名古屋の弁護士で、あえて名前を出しますが岩本雅郎さんという弁護士が、あるとき右翼の街宣車攻撃を四十五日間連続的に受けました。そのときも弁護士と当の事務所の周辺の人と、さらに警察の民事介入暴力に対する強い憤激のそういうところから出た協力で、三つの仮処分と三つの損害賠償の訴訟を起こすという形で、四十九日間で終息をしております。
 こういうことは世間ではやっているわけであります。それをどうして政治家の世界がやることができなかったのか。これは今から言えば結果論ですが、非常に悔しいし、国民の多くがおかしいんじゃないかと思っているところもそこにあるんではないかなと思います。
 警察庁の暴力対策室の方で、この二つの事件しか時間の関係で挙げませんが、これまでこういうこの種の問題についてどういう評価をしておりますか。特に、民間人、企業、そして弁護士、そして警察のその問題のグループとの協力による成果という点でお答えをいただきたいと思います。
#282
○政府委員(廣瀬權君) お答えいたします。
 暴力団排除あるいは暴力団に対する対決につきましては、これまでも地域住民の方々、そして民事介入暴力対策を進めておられる弁護士の方々、こうした方々を中心にしました多くの国民の方々と警察が一体になりまして精力的に取り組んできたところでございます。本年三月一日、暴力団対策法が施行になりましたのを機に、国民各界各層の間で暴力排除の機運がかつてないほど高まってきたところでございます。
 こうした過去の経緯の中におきまして、お示しにありました、これは昭和六十二年から六十三年の間でありますが、浜松市海老塚地区におきまして暴力団追放運動の先頭に立っておられた地域住民の方々、あるいは弁護士の方々、そしてこれは今年の五月でございますが、映画「ミンボーの女」の伊丹監督、こういう暴力団排除の先頭に立たれた方々が暴力団に襲撃された。せっかく地域から暴力団を排除しようということで懸命に闘っておられる方々が被害に遭ったということ、これはもう警察は大変重要な問題というふうに考えております。今後におきましても、保護対策をまず徹底していくということが大変重要だというふうに思っております。
 それから、お示しにありました愛知の事案でございますが、これは警察といたしましても重要な問題であるということで、何とか刑事事件にできないかということで御相談にあずかったわけでございますが、なかな刑事事件として立件するのは難しい。それでは民事上の仮処分の措置が適当であろうということで、仮処分の措置がとられたというふうに理解をいたしております。
 いずれにいたしましても、暴力排除を願うあらゆる方々と警察が一体となりまして、今後も懸命に暴力団壊滅に向けて頑張ってまいりたいと思います。
#283
○井上哲夫君 今、私は久しぶりに廣瀬部長どここでお会いした。昔、一生懸命仕事をやっているときにはいつもお会いをしておった人ですが、それはさておきまして、実は仮処分というと簡単なようでありますが、相手を特定し、さらに裁判所に決定をもらう、近隣で大声を出したり、うろついたり、あるいは業務妨害のために街宣をするな、こういう命令を出すというのは昔は大変出にくかった。しかし、裁判所もきょう申請するときょうじゅうに出す、こういう事態に今はなっておるわけであります。つまり、世間ではそれだけ正義を実現しなきゃならないという点ではみんなわかっている。
 そこで、私は総理にお尋ねをいたしたいと思うんですが、実は総理、今「ミンボーの女」の伊丹十三監督襲撃事件の、この間暴力団の逮捕というのがありました。これはまだ無罪の推定を逮捕された人は受けているわけですが、新聞の報道によりますと、そのとき伊丹十三監督はどういう感想を漏らしたか。一つ、やっぱり自分を襲撃したのは暴力団だったのか。もう一つ、これは表現の自由への挑戦である。さらに、ゆゆしい犯罪である。そして、あと二つが重要ですが、このところ佐川報道で暴力団が自分たちは格が上がったと思っているんじゃないか、それは非常におかしい。こういうふうな逮捕でその点の誤解や錯覚がなくなるだろう。さらに、政治家には怒りが込み上げてくるというようなことが新聞に談話で載ったわけであります。
 それから、私がもう一つ例を挙げたいと思うのは、例のイトーヨーカ党事件であります。これは十月二十二日に新聞にけたたましく出たわけでございますが、業界トップのあの小売業で非常に高収益のイトーヨーカ堂が実は常勤監査役が総会屋対策として暴力団系の総会屋に二千七百万円のお金を流していたということで、商法違反で逮捕された。その衝撃的なニュースが出ると、この会社は直ちに創業者のずっと社長をやっていた方が辞任をされた。
 会社の部下の人は、社長は何にも知らないんだ、辞任する必要ないのになと。しかし、誠実に、そしてお客が一番大事な人なんだという精神に返ると、このたびの不祥事ではやめざるを得ないといって社長はやめられた。そして、海外に行ってみえた方が急速呼び出されて社長になったら、その新社長は間髪を入れずに役員の報酬一〇%カットを六カ月やる。民間企業では、やはり襟を正すことに非常に厳しく、かつ早くそういうことを果敢になしております。そういう点で世間の人は、一体政治家は本当に自分たちの襟を正すことができるのだろうかと。これが実は国民のいらいらでございます。
 宮澤総理は、これまでいろんな質問の中で、国民のいらいらはわかる、しかしデュープロセスの問題はある。憲法の中で、つかさつかさでやはりしなきゃいかぬのだ、人権は守られなきゃいかぬと。
 しかし、私はあえて言いたいのは、事は右翼、暴力団と言われる、アウトローだと言われる人たちの関与という問題でありまして、インローの中の世界ではないわけであります。そこのところを考えますと、私は総理にもう一度お尋ねしたいんですが、国民のいらいらはわかる、しかしというのではちょっと納得ができない、そういう思いでございます。よろしく御答弁お願いします。
#284
○国務大臣(宮澤喜一君) 御質問の御趣旨はよくよくわかって承っております。
 問題は、そのアウトローの関与がありとすればどういう関与であったかというようなことについての解明がただいま行われつつあるということであろうと思います。もし政治にアウトローが関与したということになれば、これはもう非常な大変なことでございますから、そういうことの解明を一日も早くやはりいたすべきであると思います。
 もうそんなに長い時間のかかることではございませんが、ここまでかなり時間がたちましたので、国民が非常にその点についていらいらを感じておられる、この点をやはり解明することが、それと政治改革でございますが、このたびの問題への答えにならなければならないと思います。
#285
○井上哲夫君 私はまだ納得はしておりませんが、それでは少し角度を変えてお尋ねをいたします。
 実は、アウトローはどうしていけないのか。それは、そのことに私が今から申し上げるのはほんの私のささやかな経験の一端ですが、アウトローの人と市民の側に立って折衝とか交渉とかやりました。長時間やって、私も昔たばこを吸っておりましたので、自分の手元のたばこを切らした。そこで、相手にたばこを一本くれと言いました。そうしたら、配下の人に目くばせをしたら、ものの二、三分もたたないうちに、たばこをツーカートン、どうぞ先生吸ってください。こういう世界なんですよ。
 つまり、一本いただきたいというと、実は四百本いただくわけですよ。これはあの世界では何でもないことなんです。それだから市民、国民の皆さんは、やはり昔はばくちとかあるいは売春に匹敵するような行為とかあるいは麻薬とかいうところの危ないところへ出かけていくとやけどしますよということで、危ないところへは近づかないというのが一般の市民の感覚だったわけですが、このところは先ほどのお話のように、民事介入暴力といってどんどん一般の庶民の生活の台所に直接入ってくるわけです。そういうときにどういう対応ができるかというと、たばこ一本が四百本になる世界と一般の庶民の我々の一本くださいなら一本差し上げますという世界とは違うわけです。そこのところがあるから、庶民の人はアウトローのことに関しては大変大きな恐怖感と、それからまた世界が違うんだと。
 そうすると、政治家の方が、今回、竹下政権で介在があったとかなかったとか、しかし火のないところに煙は立たぬと言うとまたおしかりを受けますが、先ほどの直嶋委員の指摘にもありましたような数々の点を挙げると、竹下政権の成立に全く右翼、暴力団の関与がなかったということは言い切れない。だとすれば、そういう状態の中で襟を正すということになれば、本当ならば政治家のトップ中のトップの、一番重い権力を持ってみえる内閣総理大臣が、例えばこの問題について国民に襟を正すためにはどういうことをするか。イトーヨーカ堂の社長でも、創業者で五十年来やっていたのをさっと自分がやめると。私は宮澤総理やめてくださいとは言いません。しかし、竹下元総理におやめになったらいかがですかと。諸葛孔明じゃないですが、泣いて馬謖を切るということも時には必要じゃないでしょうか。
 その辺については、今までのお答えをお聞きしておりますと、っかさっかさでやります、あるいは、いらいらはわかるが人権の問題もあるんだというお答えで、私にとりましてはなおひとつ頭に入りかねる、承服しかねるようなところがあります。
 再度お尋ねをしたいと思います。
#286
○国務大臣(宮澤喜一君) そのアウトローの問題についてやはり解明をするということがこの際国民に対する第一の我々の努めでございますし、次に政治改革を行っていってこういうことを防いでいく、もちろん暴力団取り締まりは当然でございますけれども、それらが国民にこたえる道であろう。
 よくイギリスでは政治の腐敗が一八〇〇年代の終わりの腐敗防止法から終わったと言われますが、同時にもう一つ、イギリスにないもので多くの先進国が持っておる病気はやっぱりアウトローでございます。不思議にイギリスにはアウトローというものはない。私はやはりそういうことと関係があるのかもしれないというぐあいに思いますので、大変大事な問題であるというふうに意識いたします。
 それで、後段のお尋ねでございますが、おっしゃっていらっしゃることがわからないわけではありませんし、私の申し上げたことをもう繰り返すこともございませんが、まことにしかし法律の上で人権を重く考えてきておられます委員に申し上げたいことの一つは、やはり議員の院における除名というものは憲法で極めて重い規定を置いておるわけでございます。出席議員の三分の二ということでございますが、これはやはり有権者から負託を受け、また有権者に対して責任を負っておる議員というものをいろいろな意味で大事に考える、そういう考え方に基づいた思想だと私は思いますので、辞職勧告ということは、いわばあなたやめなさいということでございますから、わざわざ憲法が三分の二という重い規定を置いておる、そういう精神も考えてみないといけないのではないか。やはり最終的にはこれは個人的な選挙民に対する自分の負託と責任との関連において決められるべき問題ではないかということを和しばしば申し上げておりまして、それがどうも煮え切らない態度だという御批判を承知しておりますけれども、やはりしかし、この点はひとつよく慎重に考えてみるべき問題ではないかというふうにかねて自分は長いこと考えておるものでございますから、そういうことを申し上げておるわけでございます。
#287
○井上哲夫君 それでは再度お尋ねをいたしますが、きょうの委員の質問にも出ました、竹下さんはやめるべきかどうか、世論調査では七八%の人がやめるべきだと言っていると。あるいは宮澤内閣の支持率はどうかと。前回の世論調査の結果に比べると半分になってしまっている。一六%であると。今や政治不信について言えばもう救いがたいようなところに来ているのではないかと。
 そういう中にあって、竹下さんは参議院において証人喚問で答弁されました。私が政権の座に座ったときに、右翼、暴力団の関与がなかったことを自分が身をもって証明をしなければならないから議員をやめるつもりはないと。しかし、実はもうその段階はとうの昔に通り過ぎちゃっている。国民から見ると、やめなくて、あの方が全国をつじ説法して多かれたら、日本の国民はあなたの政権ができたときに関与がなかったですよと言ってくれるかというと、そうじゃない。
 したがって、今、この一番底にまで沈んでしまった国民の政治不信を取り戻すためには、本来言えばあの方がやめて、そしてさらにやはり総理大臣がしかるべき方法を果敢にとる、私はそれしかないと実は思っております。
 再度お尋ねをするわけですが、このように内閣支持率が一六%になってきた、これは宮澤首相個人のそういう不人気じゃなくて、もろもろのことからこうなったんだと、そういうことになりましょうが、しかしここまで下がってきた内閣支持率を考えて今の政治不信を考えるならば、竹下さんに総理としておやめになったらいかがですかと言うことも個人の問題で言いにくいし、選挙民の意思もあろうしと言うなら、これはもうあと一つは内閣の総辞職、解散しかないんじゃないでしょうか。解散をして国民から信を問う、その上で本当の改造内閣じゃなくて新しい宮澤内閣をおつくりになると、これしか私はないような気がいたします。
 過般、私どもの同僚の乾議員が総理にお尋ねをしました。いや、解散をしてしまったら真相究明の場がなくなるじゃないかと総理はお答えになられました。しかし、参議院においてもこのように証人喚問もいたしましたが、佐川清証人についても私は担当でしたが、いわゆる尋問ができませんでした。もうここまで来たら、補正予算を通したら潔く解散というふうなお考えはないでございましょうか。最後にお尋ねをいたします。
#288
○国務大臣(宮澤喜一君) かねての井上委員のお考えを私なりに存じ上げておりますので、あえて反論を申し上げるつもりではないのですけれども、それは世論というものは大事でございます。大事でございますが、そういう世論の大変な高まりがあって、かつて我々は国会で議員の除名をしたことがございます。そのことは戦後になってやっぱり非常にみんながいろいろに考え直した問題であったことは御存じでいらっしゃるに違いありません。これはあえてそのお人の名前を申し上げませんけれども、昭和十五年のことであったと思います。そのときも三分の二の多数が必要であったわけでございますけれども、その三分の二の多数で除名されたというのはやはり世論の盛り上がりを背景に行われたことであったのでございます。
 これはもう釈迦に説法を申すようでございますが、世論というものは大事なものであるけれども、しかしやはり憲法がどういうふうに定めているか。当時は議院法でございますけれども、今は憲法でございます。そういうこともやはり考えなければならないんではないか。これは一度だけひとつお考えをいただきたいというふうに思ってあえて申し上げます。
#289
○井上哲夫君 終わります。
#290
○委員長(遠藤要君) 以上で、井上君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#291
○委員長(遠藤要君) 次に、島袋宗康君の質疑を行います。島袋君。
#292
○島袋宗康君 このたびの佐川問題、これほど国民に日本の政治水準について情けない思いをさせたものも少ないと思います。私は、日本の政治家なかんずく日本の総理大臣と言われる人々の論理や倫理、あるいは政治的、道義的責任といった問題についてあきれ果てて物が言えないといった心境にあります。
 時間がありませんので、竹下元総理の証言の一つに焦点を絞って、そこから竹下元総理の論理の矛盾と政治的、道義的責任感、いわゆる倫理観の欠如を指摘し、あわせて宮澤現総理の政治責任についてお伺いしたいと思います。したがって、御答弁は総理お一人で結構でございます。
 これまでの一連の証言で、宮澤総理初め自民党の皆さんは疑惑は晴れたとおっしゃる。しかし、国民は逆に疑惑を深め、したがって政治不信は一層高まっております。時間がありませんので、竹下証言の矛盾を一例だけ申し上げます。
 問題となっております八七年十月二十九日、銀座の料亭「吉兆」で渡邉さん、金丸さんに会い、お世話になりましたと深々と頭を下げたという問題であります。最初は竹下元総理は、十月二十九日にその場所に行ったことも否定しておられました。しかし、当時の新聞で竹下元総理の動静が確認をされますと、そこには別の会合で行っており、下の部屋に金丸さんと渡邉さんがおられるので顔を出したらということで呼ばれて行ったと、偶然を装って行ったことを竹下さんは認めておられます。しかし、その席も竹下事務所でセットされたものだということが証明をされますと、今度は青木君からきょう会合が二つありますよという話を聞いていないから自分は知らなかったと。
 みずからの関与と責任を回避しているではありませんか。おかしいじゃないですか、こういったことは。最初行ったか行かなかったかということが定かでない日のことを、その日には会合が二つありますよというような細かい事実を聞いたかどうかまではっきりと覚えているはずがないではありませんか。しかも、今度は下におりてくださいと言ったのは青木君がどうか記憶をしていないという証言さえしているのであります。
 もともと竹下さんの論理というのは言語明瞭、意味不明瞭と言われるだけあって、随分いいかげんな論理と言わざるを得ません。そもそも十月二十九日に「吉兆」であった別の会合というのも、定例のある会合の方々にお礼をした会とか二十九日に後援会の方々にお礼を申し上げる場とか言っているとおり、定例会とか後援会とか、つまり政治家にとって、決してその日に行ったか行かなかったか思い違いするようなたぐいの会合ではないはずであります。それを、最初は全く否定していた。よほどその日はそこへ行ったことを知られたくなかったということが、何か疑わしく思うのであります。事ほどさように竹下証言は矛盾に満ちたものであります。
 そこで宮澤総理、お伺いいたします。
 竹下証言を初め一連の証言には食い違いがはっきり出ております。総理は現時点で、このような矛盾だらけの竹下証言をどのようにお考えになっておるか、お伺いします。
#293
○国務大臣(宮澤喜一君) 証言の内容につきましては記録で拝読をいたしておりますが、院は院としていろいろな意味で喚問をされ、御質問をなされ、調査をなさっておられるわけでございますので、それをどのように評価するか、解釈するかということは、これは院が有権的になさるべきことであろうと思いますので、私の立場からそれにつきまして申し上げることは御遠慮をさせていただきたいと思います。
#294
○島袋宗康君 宮澤総理は総理・総裁として、佐川問題の真相究明についてこれまでの答弁において、私は党内で真相解明を指示しているが、いつどういう方法でするかは私どもで判断をすることというふうに突き放しております。
 あえてお伺いしますが、この問題の真相解明を今後どのようになさるおつもりなのか、お伺いいたします。
#295
○国務大臣(宮澤喜一君) 現在、捜査が進行中な部分もございますし、公判廷に係属している部分もございます。また、国会におかれましてもなお国政調査をお進めになる御予定のように承っておりますので、それと並行して御当人方に対して事実を一つ一つ解明するということは、漏れたりすることも実際ございますから、そこはよく御本人のことも考えながらいたさなければなりません。
 しかし、執行部には既に指示はしてございまして、ある部分につきましては執行部が調査をいたしておりますが、同時進行ということも事実問題としては難しいし、また問題もあろうかと思います。適当な時期に私どもとして究明すべき真相は究明をいたさなければならない、こう考えております。
#296
○島袋宗康君 竹下さんは、政治は結果責任、私自身責任をいかにとるべきかと自問自答した、まず暴力団によって政権ができたという疑念を払拭することが必要だ、国会でも真相究明がされている、またそれを世界に証明することが私に課せられた使命だとして、世論の議員辞職の声を拒み続けております。しかし、竹下さんは疑念を払拭する手段も証明する方法も示すことなく、意味不明瞭な証言を繰り返しておると私は思っております。
 そこで、お伺いいたします。
 宮澤総理は、何人も最終的に有罪になるまでは無罪であるという法治国家のデュープロセスを説いておりますが、一般的に刑事責任の場合と政治家の最高位をきわめた総理大臣の政治的そして道義的責任という場合とは、おのずから違うと私は思います。そのところを竹下元総理も宮澤現総理も故意にはぐらかしているような感じを受けます。そこに国民は一層の政治不信を感じ、けさの新聞報道によりますと、宮澤内閣や自民党の支持率の急激な低下となる原因が私あると思っております。
 政治家の責任のとり方について、宮澤総理の政治的、道義的責任に関する見解をいま一度お聞かせ願いたいと思います。
#297
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいまの御指摘のところは私にもよく理解できることであって、普通の方々の場合と同じだというふうには私は決して考えておりません。ただ、そうではございますが、それはやはり一人一人が考えるべき問題だというふうに私は思っておるわけでございます。
#298
○島袋宗康君 先ほど宮澤内閣に対する支持率が極端に悪くなっているという世論調査の話をいたしましたけれども、そうした極端に支持率の低い宮澤内閣でありますが、その宮澤内閣に、今、国民が最も望む政策のトップは、何といっても政治倫理そして政治改革の問題であると私は思っております。
 国民は、宮澤内閣はもはや実行力がないと既にさじを投げていらっしゃる方も多いと思います。しかし、せめてもの、その思いが皆さんにあるならば、やっぱり一連の問題を踏まえて抜本的な政治改革に対する一つの方向を示していかなくてはいけないと私は思います。国民にとっては、そのことが一番問われている現内閣に対する大きな期待、あるいはまた支持率のアップの問題についても、それこそ総理が今心境の中に一番考えていらっしゃることではないかと私は察しているわけでございます。
 そういう政治改革については、これからどういうふうにして真剣にお取り組みなさるか、ひとつ御所見をお願いしたいと思います。
#299
○国務大臣(宮澤喜一君) そのとおりでございます。
 既に緊急改革分につきましては当院において御審議中でございますので、どうぞ成立をひとつさせていただきまして、緊急改革に直ちに着手をいたしたい。これが何よりも国民の望んでおられることと思いますが、これだけでは十分でございませんで、抜本改革をいたさなければなりません。それは恐らく、一両日中に私どもの政治改革本部で私に対する答申をまとめてくれますので、あと討議をまとめまして、この中には恐らくは参議院についても、私どもの参議院の党内ではそういう努力をしておられますので、両方を包含した全体のものになるのではないかと思いますが、それを各党の協議会にお諮りを申し上げます。恐らく、各党各会派も改革案をお持ちになって出られると思いますので、その上で御協議を願いまして、抜本分はぜひとも次の国会において成立をさせていただきたい。これによりまして、大体国民の期待にまずお答えをすることができると思います。
 私どもも全力を尽くすつもりでございますので、よろしくお願いを申し上げます。
#300
○島袋宗康君 時間になりましたので、終わります。
#301
○委員長(遠藤要君) 以上で島袋君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#302
○委員長(遠藤要君) 次に、武田邦太郎君の質疑を行います。武田君。
#303
○武田邦太郎君 私、きのう小菅に行ってまいりました。収穫は全くありません。たちまちにして報道関係では痛烈な批判が起こっております。
 こごて、その場にいなければわからなかった状態を申し上げます。
 委員の人たちが、国民にぜひ解明したいと思う問題を質問いたしますと、被告は必ず、そばにいる弁護士に相談をしたという形を踏みまして、この問題は現に進行している裁判に直接関係があるから返事はできませんと終始一貫、二、三の事柄はありましたけれども、ほとんどすべてについて同じような発言がございました。委員長からも、その問題は直接裁判に関係はないではないか、こういう注意をされたのも再三ありましたし、委員の方からも、この問題はむしろここで真実を明らかにした方が被告に有利な問題ではないか、こういう注意をやられた人もおりました。しかし、被告の態度は全く変わりません。初めから終わりまでほとんど、発言することはできない、これで終始したのであります。
 委員の中で最後の二人、つまり下村委員と私でありますが、もう同じ問題を繰り返して聞いても意味がないというので、全く問題を別にしまして、将来ともこの問題が継続審議されることを予期している被告の心の状態を打診する幾らかの問題を発して終わったのであります。
 こういう状況でございますので、私は被告人にそういうある意味の恩恵といいますか、特権といいますかを与えておりますのは、被告の人格を守るという意味でございましょうけれども、事態を明確にしようとする国会議員の側では、これは法的な制約、法的な束縛にほかならない。もしも国会議員にそういう責任を与えるとすれば、この法的な制約、法的な束縛を解消することが至当ではないか。でなければ、こういう行事はこの次からやめてしまった方がいい。全く無意味であると思います。同日行動をともにした委員はすべて、何のために来たかわからない、こういう見解を同じくしたように思っております。
 このように申しますと、佐川急便の事件を軽く考えるように思われては困ります。全くその逆であります。この問題を通じて国民の政治に対する不信は深刻な状態に至っておりますし、国際的にも日本に対する信頼といいますか、が全くなくなっている。非常に申しにくいことでありますけれども、宮澤総理に対する国際的な声価も急落している、こう伝えられておのます。
 元来、私は、総理は日本が持つ極めて数少ない国際的に通用する政治家の一人、あるいはそれを代表する方であると存じております。その総理が近くアメリカに行かれても、あるいはほかの国を訪れられても、もはやもとのごとくは遇せられないであろう、こういう有力な情報が広がっております。まことに深憂きわまりない事態と申さなければなりません。
 したがいまして、かくのごとき事態に対処するには、ただ事態を明らかにする、佐川急便の問題の真実を明らかにしただけでは全く不足であります。国民の側から見て、いよいよ政治はこの事件を契機として立ち上がったと心から信頼を回復し、改めて希望と確信を回復するような、あるいは国際的に見れば、日本はこの事件で立ち上がったと再び国際的な、あるいは過去よりも比較にならない国際的信頼と敬意を獲得する、この出発をこの機会になさなければならない。総理はこの先頭に立っていただきたい。もちろんそういうお気持ちでいらっしゃいましょう。
 このたびできました政治改革協議会の十八項目の合意事項、これは当面の改革の一里塚として大変結構だと思いますけれども、しかしこれだけでは甚だ不徹底な面が少なからずございます。日本新党なども生まれたばかりの政党でございますけれども、「政治改革に関する十カ条」は総理のお手元にも差し上げてあります。金のかからない政治や選挙の実現と政治資金の透明性を確保する、関係法令を厳しくするとか、あるいは民意を反映したすぐれた政治指導者が選出されるように選挙制度を抜本的に見直すとか、あるいは国会で政府・与党あるいは野党があるべき政策を国民の負託にこたえて真摯に公明正大に討議できるように国会法などを改正するなどの素案を提起しております。
 どうか先ほどお話ありました政党法をも含めまして新たなる出発に対して徹底的な御指導、御努力をお願いしたい。どうか、よしわかった、十分に検討しようというぐらいの御返事はいただきたいと思います。
#304
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいまのこの政治の危機の認識につきまして武田委員の言われましたことは、私はまことに同感でございます。
 戦後、我が国は、今日まで幾つかの経済的危機を乗り越え、そしてその都度強い国になってまいりましたが、このたびの政治危機というのは恐らく戦後経験したことのないものではないかと思います。したがって、ここを乗り切りまして、かつてイギリスが腐敗防止によってあのような国になりましたように、徹底的に今度の問題を呼び起こしましたような病弊を排除すること、そしてまた今後に向かってそのことが起こりませんような制度改革をいたすことを徹底的にこの際いたさなければ、国民の信頼を回復することは難しいと思います。
 また、私自身の体験からいいましても、仮に今度のようなことがございませんでも、今のような、若い人がたくさんの金を政治に使わなければならない、そのための苦労をするというようなことはさせてはならないことでございます。そういう意味では、この制度そのものがもう実は長くはもたない、もう無理だというところまで来ておったと思いますので、この機会に抜本的にそういうことをやはり直してしまわなければならないと思います。
 それにつきましては、この十月に御発表になりました十カ条は非常に参考になるわけでございますが、いずれにいたしましても、今、緊急改革を成立させていただきまして、そして次の国会では抜本改革を御討議、御審議いただきたい。その前に、恐らくは各党各会派も御意見をお持ちでございましょうから、私どもの党のものを提出いたしまして、それと自由な御議論をいただいて、各党各会派で何とか御同意のいただけるものをひとつつくって、それによって政治改革をしてまいらなければならない。ある意味でこれはもう最後のチャンスと申してもいいほど状況は差し迫っておると思いますので、そういう覚悟でやってまいりたいと思います。
 よろしくどうぞお願いを申し上げます。
#305
○武田邦太郎君 よろしくお願いします。
 終わります。
#306
○委員長(遠藤要君) 以上で武田君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 これにて東京佐川問題に関する集中審議は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時四十八分散会
     ――――◇―――――
  〔参照〕
   証人渡邊廣康君議院外証言速記録
日時 平成四年十二月八日(火曜日)
場所 東京都葛飾区小菅一‐三十五‐一 東京拘置所
案件 平成四年度一般会計補正予算(第1号)
(内閣提出、衆議院送付)
平成四年度特別会計補正予算(特第1号)
(内閣提出、衆議院送付)
平成四年度政府関係機関補正予算(機第1号)(内閣提出、衆議院送付)
(右三案に関し、東京佐川問題について)
 派遣委員
   委員長 遠藤  要君
   理 事
       上杉 光弘君
       白浜 一良君
       寺崎 昭久君
   委 員
       北村 哲男君
       種田  誠君
       高崎 裕子君
       笹野 貞子君
       下村  泰君
       武田邦太郎君

   証 人
       渡邊 廣康君
 (証人補佐人 赤松 幸夫君)
    ―――――――――――――
   午後三時開始
#307
○委員長(遠藤要君) ただいまから、平成四年度補正予算三案の審査に関し、東京佐川問題について、証人の証言を求めることといたします。
 まず、委員長から確認させていただきます。
 あなたは渡邊廣康君御本人ですか。
#308
○証人(渡邊廣康君) そうです。
#309
○委員長(遠藤要君) この際、一言申し上げます。
 当委員会におきましては、目下、平成四年度補正予算に関する審査を進めておりますが、本日は特に東京佐川問題について渡邊君から御証言をいただくことになった次第でございます。
 証言を求めるに先立ち、証人に申し上げます。
 議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人には、証言を求める前に宣誓をしていただくことになっております。
 宣誓または証言を拒むことができるのは、次の場合に限られております。
 自己または自己の配偶者、三親等内の血族もしくは二親等内の姻族または自己とこれらの親族関係があった者及び自己の後見人、後見監督人または保佐人並びに自己を後見人、後見監督人または保佐人とする者が刑事訴追を受け、または有罪判決を受けるおそれのあるときは宣誓または証言を拒むことができます。また、医師、歯科医師、助産婦、看護婦、外国法事務弁護士を含む弁護士、弁理士、公証人、宗教の職にある者またはこれらの職にあった者が業務上委託を受けたため知り得た事実で他人の秘密に関するものについて証言を求められたときも宣誓または証言を拒むことができますが、本人が承諾した場合はこの限りではありません。
 正当の理由がなくて証人が宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または十万円以下の罰金に処せられます。
 また、宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることになっております。
 なお、今回の証人喚問についての当理事会の決定事項については、証人には既に文書をもってお知らせしたとおりでありますが、この際、その主要な告について申し上げます。
 ちょっと速記とめてください。
  〔速記中止〕
#310
○委員長(遠藤要君) 速記を起こして。
 その第一点は、証人が補佐人に助言を求めることが許される場合についてであります。
 証人は、補佐人に対し、宣誓及び証言の拒絶に関する事項について助言を求めることができますが、これらの助言は、いずれもその都度証人が委員長にその旨を申し立て、その許可が得られた後に認められるものであり、補佐人の方から証人に対し助言することはできないことになっております。なお、補佐人は発言することはできません。
 その第二点は、資料についてであります。
 証人は、既に通知したとおり、証言を行うに際し、あらかじめ当委員会に提出された資料を用いることは差し支えありませんが、委員長の許可が必要であります。
 その第三点として、証人のメモ筆記は尋問の項目程度に限られております。なお、補佐人はメモをとることが許されます。
 以上の点を十分御承知願います。
 それでは、法律の定めるところによりまして、証人に宣誓を求めます。
 全員御起立願います。
  〔総員起立〕
#311
○委員長(遠藤要君) 渡邊君、宣誓書を朗読してください。
  〔証人は次のように宣誓を行った〕
   宣 誓 書
  平成四年十二月八日
 良心に従って真実を述べ、何事もかくさず、又何事もつけ加えないことを誓います。
            証人 渡邊 廣康
#312
○委員長(遠藤要君) 全員御着席願います。
 宣誓書に署名捺印してください。
  〔証人、宣誓書に署名擦印〕
#313
○委員長(遠藤要君) これより証言を求めることといたしますが、証人の御発言は証言を求められた範囲を超えないこと、また、御発言の際はその都度委員長の許可を得て御発言なさるようお願いいたします。
 なお、尋問を受けているときは御着席のままで結構でございますが、お答えの際は起立して御発言を願います。また、委員の尋問時間が限られておりますので、答弁は要点を的確に簡潔にお願いいたします。
 この際、委員各位に申し上げます。
 本日は、法律に基づき、申し合わせの時間内で証言を求めるのでありますから、不規則発言等により議事の進行を妨げたり、証人に対して不適切な言動に及ぶことのないよう特に御協力をお願いいたします。
 それでは、まず私から渡邊証人に対してお尋ねいたします。
 あなたは、いわゆる右翼団体の日本皇民党とどのような交際があるのですか。知り合ったきっかけなどについて、どのようなことであったかと。
 また、稲川会の石井進前会長とはどのような間柄ですか、交友の度合いについて証言してください。
#314
○証人(渡邊廣康君) お尋ねの件につきましては、私の裁判と直接にかかわるものでございまして、ここでお答えをいたしますことは裁判を進行していく上で大変不都合がございます。
 したがいまして、お答えを差し控えさしていただきます。
#315
○委員長(遠藤要君) この程度で裁判に関係がございますか。
#316
○証人(渡邊廣康君) 補佐人と、アドバイスを受けたいと思います。
 今の御質問のそういうことをひっくるめて、検察では、背任の、特別背任の目的、あるいは共謀、動機、こうしたことを主張いたしておりまして、私はそれを争っておるところでございます。
#317
○喬員長(遠藤要君) あなたは、日本皇民党や石井進稲川会前会長と政治家との間を仲介し、いわゆる褒め殺しの街頭宣伝活動をとめるように働きかけましたか。
 そして、竹下衆議院議員がなぜ褒め殺しの妨害を受けたのか御承知ですか。御承知でしたらその理由を証言してください。これは裁判には関係ないと思いますので。
#318
○証人(渡邊廣康君) 補佐人と打ち合わせさしていただきます。
#319
○委員長(遠藤要君) はい。
#320
○証人(渡邊廣康君) 御質問の件につきましては、やはり私の裁判と直接かかわりがございます。
 したがいまして、お答えすることは差し控えさしていただきたいと思います。
#321
○委員長(遠藤要君) 重ねてお尋ねしますけれども、今の問題がどのような裁判との重複する点があるのですか。改めてお尋ねします。
#322
○証人(渡邊廣康君) 補佐人と訂ち合わせさせていただきます。
 検察官はそうした事実に基づいて、特に石井とは共謀ということで起訴をされ、私はそれに対して争っているところでございます。
#323
○委員長(遠藤要君) 重ねてお尋ねします。
 竹下衆議院議員がなぜ褒め殺しの妨害を受けたかということについては御承知ですか。御承知でしたら、その理由は、これは裁判には全く関係ないと思いますが。
#324
○証人(渡邊廣康君) それは知りません。なぜだかは知りません。
#325
○委員長(遠藤要君) あなたは、竹下登衆議院議員と金丸信前衆議院議員を御存知ですね。
#326
○証人(渡邊廣康君) 存じ上げております。
#327
○委員長(遠藤要君) そして、両氏と知り合ったそれぞれの時期と紹介者を述べてください。
 また、東京佐川急便株式会社の再建支援要請を両氏にされた事実はありますか。要請したとすれば、差し支えない限り内容を話していただきたい。
#328
○証人(渡邊廣康君) 補佐人と打ち合わせをいたします。
 お尋ねの竹下さん、先生はよく知っております。それから、紹介は中尾宏先生でした。
 それから、あとは何だったでしょうか。
#329
○委員長(遠藤要君) 金丸さん。
#330
○証人(渡邊廣康君) 金丸先生、竹下さんは中尾宏先生の紹介でございました。
#331
○委員長(遠藤要君) 時期はいつごろでしょう。
#332
○証人(渡邊廣康君) ええと、時期はちょっと急に言われてもよく、かなり前だと思いますが、ちょっと覚えておりません。
#333
○雲員長(遠藤要君) それから、佐川急便の会社の再建支援要請を両氏にされた事実はございましたか。
#334
○証人(渡邊廣康君) これにつきましでも裁判と直接かかわりがございますので、差し控えさしていただきたいと思います。
#335
○委員長(遠藤要君) 金丸信前衆議院議員があなたから五億円の資金提供を受けたという問題でございますけれども、あなたは金丸前衆議院議員に五億円の資金提供をしましたか。
 そして、資金を提供したとすれば、どのような意図で行ったのですか。また、それはいつ、どこで、だれに手渡ししたのか、お知らせ願いたい。
#336
○証人(渡邊廣康君) 補佐人との打ち合わせをきしていただきます。
 お尋ねの件につきましては、現在進行中の裁判と直接かかわりがございまするので、お答えすることは差し控えさしていただきます。有罪判決の、得る可能性がございまするので控えさしていただきます。
 さらに、そのようなことにつきましてお話を申し上げることは、政治資金規正法違反や贈収賄を、等を疑われたりして、それらの罪で将来起訴される可能性もあると聞いております。
 したがいまして、御質問に対してお答えすることは控えさしていただきたいと思います。
#337
○委員長(遠藤要君) さらに、佐川急便グループから政治家に対して巨額の資金提供が行われています。しかも、その規模はけた外れに巨額です。当然のこととして、東京佐川急便はその中心的役割を担っており、かくも巨額な政治献金を行う佐川急便という会社内企業的行動目的はどこにあるのでしょうか。
 また、あなたは、その中にあってどのような役割を果たしてこられたのでしょうか。少なくとも政治家や暴力団に対し三千四百億もの巨費が提供されていると言われていますが、特に政治家との結びつきについて、資金の流れの過程についてお話ししていただきたい。
#338
○証人(渡邊廣康君) 補佐人との打ち合わせをお願いいたします。
 ただいまの御質問に、の件につきましては、やはり裁判が現在進行中でございまして、直接裁判とのかかわりがございまするので、ここでお答えすることは裁判を進めていく上で大変不都合でございますし、そうした意味で有罪判決を得るおそれがございます。
 さらには、そうしたことをお話しすることが、政治資金規正法あるいは贈収賄を疑われたりして、それらの罪で将来起訴される可能性があると聞いておりますので、差し控えさしていただきます。
#339
○委員長(遠藤要君) それでは、次の面についてお尋ねいたします。
 新潟県知事選挙において、金子清前知事に対して東京佐川急便から三億円が提供され、うち一億円はあなたから佐渡汽船の社長らを経由して金子知事陣営に渡ったとされていますが、残りの二億円についてはどのように金子陣営に渡ったのか不明確です。報道によりますると、今は亡き長谷川信参議院議員に渡って知事選に使われたのではないかと言われていますが、事実関係はどうなっているのか。
 こうした政治家への資金提供について、政治資金の規制と政治浄化のために、どうしても明らかにしないと国民向納得を得ることができません。ぜひお話し願いたい。
#340
○証人(渡邊廣康君) 補佐人との打ち合わせをいたします。
 私は、現在、金子さんをひっくるめて政治家全般についてのつき合いを問題とされておるわけでございまして、いわゆる今の進行中の裁判に直接かかわりがありますので、お答えをいたすことは裁判を進行する上で大変不都合でございますし、さらにはそうした意味で有罪の判決を得るおそれもございます。
 さらに、そういうことを詳しくお話を申し上げることは、政治資金規正法違反あるいは贈収賄を疑われたりして、それらの罪で将来起訴をされる可能性があるとも聞いております。
 したがいまして、ただいまの御質問に対しましでも、お答えを控えさしていただきたいと思います。
#341
○委員長(遠藤要君) 佐川急便グループの高成長を支えてきた渡邊証人ですが、佐川グループの中核たる東京佐川急便を今日ここまで大きくされたことはその象徴的なことであります。
 そこで伺いたいのは、東京佐川急便の経営のやり方についてでありますが、経営について同業他社にない特徴的なものがあれば説明していただきたい。
#342
○証人(渡邊廣康君) ちょっとアドバイスを受けたいと思いますが。
 特別他社にまさるものがあったとは私は思っておりません。
#343
○委員長(遠藤要君) 佐川急便グループの拡大路線の過程をたどると、市街化調整区域内等にトラックターミナルや配送センターをつくったり、地方の中小トラック業者を傘下におさめるために吸収合併したりしてきたと本院で質疑が出ていますが、経過を御説明願いたいのと、それは事実かということであります。
 また、過積載やトラソク運転者の通達を初め.労働基準法、道路交通法等内法律違反も頻繁に行ってきたことも本院委員会で指摘されております。そういうふうな点で、経営姿勢としてあなたはこれを暗に指示してきたかどうか。あるいは、こうしたことは佐川清元会長自身の経営方針なのか。
 さらに、このような会社にもかかわらず、この人手不足になぜ多くの若い運転手さんを集めることができたのかということで証言を願いたいと思います。
#344
○証人(渡邊廣康君) まず最初に、調整区域云々というお話がございましたが、これは東京佐川は路線免許を持っておりまして、違反ではございませんで、調整区域はターミナルに使えるというのが東京佐川の現状でございました。よそのグループには、ちょっと私わかりません。
 それから、あとは何だったでしょうか。
#345
○委員長(遠藤要君) あとは経営姿勢ですが、いろいろ過積載やトラック運転者向通達を初め、労働基準法、道路交通法等の法律違反も頻繁に行ってきたと。
#346
○証人(渡邊廣康君) はい。確かに、道路運送法には東京佐川は余り大きなあれはなかったですが、労働問題で何回か御指摘を受けまして、そういうことのないように東京佐川においては労働管理、いわゆる時間管理を一人ずつコンピューター化いたしまして、ここ二年間くらいは完全に労働基準法をクリアをいたしておりましたし、よそのグループはわかりませんが、東京においてはそうした違反はないように私は指導してきたつもりであります。
#347
○委員長(遠藤要君) さらに、証人にお尋ねしたいのは、こうしたいろいろ佐川急便が伸びてきたということは、渡邊証人の今のお話もあることながら、先代、前社長といいましょうか、佐川清元会長、この人の経営方針を大体継承してきたと理解していいですか。
#348
○証人(渡邊廣康君) 佐川会長は、少数精鋭を徹底した経営方針としてこられました。私たちは少数精鋭の中でも、法律を犯さない範囲のいわゆる少数精鋭でやってきたつもりであります。
#349
○委員長(遠藤要君) さらに、この人手不足の中でも、佐川急便は多くの若い運転手さんを集めることができたというような点はどういうふうな点からでしょうかね。
#350
○証人(渡邊廣康君) よくわかりませんが、労働分配車にも関連があるかもしれないと考えております。それは給与面ではなかったかとも思います。
#351
○委員長(遠藤要君) 重ねてお尋ねしたいんですが、金丸前衆議院議員、竹下衆議院議員等のおつき合い、大体いつごろか、御記憶があったらお聞かせ願いたいと思います。
#352
○証人(渡邊廣康君) 金丸先生については、十年ぐらい前だったのではないかという、はっきりしたことはわかりませんが、記憶がそのくらいだと思いますし、竹下先生もそれより一、二年後だったような記憶がございますが。
#353
○委員長(遠藤要君) これは直接お会いになったんですか。だれかの紹介でお会いになったんですか。
#354
○証人(渡邊廣康君) 中尾宏先生の紹介、いずれも紹介でございました。
#355
○委員長(遠藤要君) 委員長からお尋ねすることは大体以上でございますけれども、なかなか期待しておったようなお答えが聞けなかったことは甚だ残念ですけれども、これ以上繰り返してもしようがないと思いますので、委員長からのお尋ねは以上でございます。
 それでは、渡邊証人に対して質疑のある方は順次御発言をお願いしたいと思います。
#356
○上杉光弘君 自由民主党の上杉でございます。
 衆議院に続きまして、再び私ども参議院のメンバーが伺いました。
 これは、御承知のことと思いますが、私どもは、現在、バブル崩壊後の大変な不況から一刻も早い景気の回復を図るとともに、国民生活にとって極めて重要な平成四年度補正予算の審議に当たっております。
 一方、昨年から続いております東京佐川を中心とするさまざまな問題を契機に、国民の政治不信は極度に高まっており、これにこたえるため、政治改革は重要かつ喫緊の課題となっております。
 そこで、審議院の予算委員会といたしましても、渡邊証人のお話を十分に伺い、これを踏まえて、国政の重要課題である政治改革の実を上げるため、その判断の一助にしたいと考えておる次第であります。
 証人は、現在、商法の特別背任罪ということで起訴を受けられ、不自由な身であられることは、私ども十分承知をいたしております。また、証人の受けておられる裁判への今後円影響ということについても十分に理解をいたしておるつもりでございます。
 しかし、私ども、国民の負託を受けて国政の審議に臨んでいる者といたしましては、先ほど申しましたように、佐川問題の解明は政治改革を進める上で避けて通れない課題であり、国民の期待にこたえをければなりません。
 そこで、裁判への直接の影響のない範囲でお尋ねいたしますので、ぜひ証言をいただきたいということをまず冒頭に申し上げておきます。
 それでは、証人に伺います。
 昨年まであなたは、我が国の運輸業界におけるトップクラスの企業である佐川急便グループの、また、その中核である東京佐川の経営者として、我が国の経済活動に、とりわけ流通業を通じて多大な貢献をされてきたと承知をいたしておりますが、稲川会系グループへの多額の融資、元会長の石井氏との交際など暴力団企業との関係について、多くの疑惑を招き、国民の厳しい批判が寄せられております。
 この点について、証人の現在の心境はどうか、また、その社会的責任をどのように考えておられるか、伺います。
#357
○証人(渡邊廣康君) 補佐人のアドバイスを受けます。
 事件につきましては、ただいま裁判進行中でざいまして、争っておるところでありますが、会社の現状としては、私は当時の社長といたしまして深く道義的責任を感じております。
#358
○上杉光弘君 金丸前副総裁は、先日の小田原の病院での衆議院内調査、いわゆる臨床尋問におきまして、証人から十億円の献金をしたいと直接電話があったと証言しておられますが、この点は間違いをいかどうか伺います。
 また、十億円の申し出が実際は五億円の献金にとどまった経緯についてお話しいただきたいと思います。
 なお、金丸氏の五億円の件については、既に裁判が確定しており、新たな刑事訴追を受けるおそれはないと我々は認識をいたしておりますので、国会内調査に対してぜひ証言をいただきたいと思います。
#359
○証人(渡邊廣康君) 補佐人のアドバイスを受けます。
 ただいまのお尋ねの、対しましては、裁判現在進行中でございまして、直接のかかわりがございます。
 したがいまして、ここでお答えすることは裁判を進めていく上で大変不都合がございまするので、まず差し控えさしていただきたいのと、特に金銭のことにつきましては、政治資金規正法違反ゃあるいは贈収賄を疑われる、たりいたしまして、それらの罪で将来起訴をされる可能性があると言われております。
 したがいまして、差し控えさしていただきたいと思います。
#360
○委員長(遠藤要君) 発言者、委員長に発言を求めてください。
#361
○上杉光弘君 はい。
 先日の衆議院の調査に対して、証人は、日本皇民党の稲本総裁に会ったことがあると証言しておられますが、今まで何回お会いになったのか、会うことになっだきっかけは何であった向か、お話しいただきたいと思います。
 また、稲本総裁をあなたに紹介した人がいたのかどうかについてもお伺いをいたします。
#362
○証人(渡邊廣康君) アドバイスを受けたいと思います。
 たしか一回会った記憶がございます。だれの紹介だったかはちょっとはっきり覚えておりませんが、また、それ以上のことに関しましては、裁判との直接のかかわりがありますので、お答えを差し控えさしていただきたいと思います。
#363
○上杉光弘君 昭和六十二年十月五日に東京プリンスホテルで、当時、自由民主党幹事長であった竹下さんにお会いになったのは、そのときが初めてだったのでしょうか。
 それとも、以前から竹下さんと面識があり、何らかのおつき合いがあったのでしょうか。
#364
○証人(渡邊廣康君) 補佐人からアドバイスを受けます。
 随分前に、たしかその前に、今御指摘の日の、より前には二、三回会っていると思います。
 それ以上につきましては、今の御質問につきましては、やはり裁判と直接の関係がございますので、差し控えさしていただきます。
#365
○上杉光弘君 先日の衆議院の調査に対しまして、自民党総裁選に一般的関心以外に特別な関心を持っていなかったと証言されているあなたが、竹下さんに、自民党総裁選立候補に当たっての田中邸訪問の勧めをなさったのはなぜでしょうか。
 また、それは、総裁選挙に立候補されようとしていた竹下さんに対する時局のあいさつという程度のものだったのでしょうか。
 あるいは、もし何か別のお考えがあって、以前から証人がおつき合いのあった田中元総理に対して、竹下さんに訪問の勧めをなされたのかどうか、当時の状況を思い起こしていただきまして、お答えいただきたいと思います。
#366
○証人(渡邊廣康君) 補佐人のアドバイスを受けます。
 御質問のようなことをひっくるめて、政治家全般との私の交友もひっくるめて裁判で今問題とされておるわけでございまするので、直接裁判にかかわりがございます。
 したがいまして、お答えを差し控えさしていただきたいと思います。
#367
○委員長(遠藤要君) ちょっと待って。
 委員長から申し上げますけれども、今の質問が裁判とどういうふうな関係になるんでしょうかね。
#368
○証人(渡邊廣康君) 補佐人のアドバイスを受けます。
 実は、今の御指摘の点は私の冒頭陳述にも触れられておりまして、検察官はそれらのもとに特別背任の目的、共謀、動機、これらが、を主張いたしております。私は、それに対して争っておるところでございます。
#369
○上杉光弘君 東京佐川関係の法廷で、十分な裏づけのない検事調書が全文朗読され、その結果、我が党所属の国会議員の多くの名誉が著しく傷つけられていることについて、証人はどのような感想をお持ちでしょうか。
 これは、国民の負託を受けた政治家にとって大変重要な問題でありますので、ぜひ率直な感想をお聞かせいただきたいと思います。
#370
○証人(渡邊廣康君) 補佐人の助言を得ます。
 御指摘の点については、私もまことに遺憾に思っております。
#371
○上杉光弘君 一般的には、刑事被告人に証言を求めることはなるべく差し控えることは私も承知しています。しかし、今回の東京佐川事件は今日国政にかかわる大きな問題となっておりまして、国会としてもこのような解明が責務であります。
 私は、これまでお尋ねした質問については、被告事件の内容に及ぶものであってはならないよう十分配慮し、公訴事実にかかわるものであってはならないよう十分注意したつもりであります。しかしながら、この質問に対し、出張尋問での私の質問に対する答弁がことごとく拒否され、まことに残念であります。
 一応通告した質問事項は以上でございますので、時間が参りましたから終わります。
#372
○北村哲男君 北村でございます。
 ただいまの証言の中で、裁判所で渡邊さんの調書が読まれたことは非常に遺憾であるというお話がありました。ということは、あの調書の中身は違うというふうな意味で遺憾であると思われたのか、あるいはああいう形で公表したのが遺憾であると思われたのか、そのどっちでしょうか。
#373
○証人(渡邊廣康君) 補佐人の助言をいただきます。
 御質問のように、ああいう形での裁判の進め方には大変私は憤りを感じておるわけでして、それ以外のことにつきましてはお答えすることはできません。
#374
○北村哲男君 ただいまの御証言でしたけれども、進め方については遺憾であると言われたけれども、中身が実は自分の意に反してうそであったかあるいは本当であったかについては、ここでは言いたくないということと理解してよろしいですか。
#375
○証人(渡邊廣康君) そのとおりです。
#376
○北村哲男君 それでは、今までの委員長それから上杉委員からの質問を踏まえまして、どうもお金のことについてはもうしゃべりたくないというお話だったので、そうでないことについてお伺いしたいと思います。
 それから、政治家全般についてもしゃべりたくないというお話でしたけれども、しかし一番私どもが問題にしている竹下元総理あるいは金丸元副総裁については、かなり具体的におつき合いのことは、お金のことは別で結構ですけれども、証言されているんですけれども、そうすると、まず竹下さんについてですが、十月五日にお会いになった前に二、三回会った気がするというふうに先ほど言われましたけれども、逆に竹下さんの方はあなたに初めて会ったような気がするというふうに言われているんですよね。ということは、それほど印象の薄いおつき合い、お会い方だったのか。そんなことをいよというふうに、知っているはずなのに、ちょっとその辺は腑に落ちないなというふうなお考えなのか、どっちなのか教えてほしいんですが。
#377
○証人(渡邊廣康君) 私も余り印象がはっきりあるわけじゃございません。たしか二、三回会ったような気はいたします。
#378
○北村哲男君 重ねてお伺いしますが、しかし、紹介をされたのは間に中尾宏さんが立たれたことは確かなわけですよね。
 今のお答えは結構でございますが、うなずかれたので結構ですが、重ねて今の点ですが、竹下さんが初めて会ったような気がするというふうに言われたについて、あなたの御感想、証人の御感想はいかがでしょうか。そんなことないなと、私はもっと竹下さんとの近いつき合いであったというムうな気がするというふうなお考えはありませんか。
#379
○証人(渡邊廣康君) 余り近いというような感覚は実はありませんで、中尾先生に紹介をされてたしか会ったことは記憶にありますけれども、非常に印象が薄いんでございますが。
#380
○北村哲男君 それでは、竹下さんの秘書の青木伊平さんという方は御存じですね。
#381
○証人(渡邊廣康君) 知っております。
#382
○北村哲男君 この方とのおつき合いは、やはり同じように竹下さんとおつき合いされたと同時ころからでしょうか、それともそれ以前からのつき合いでしょうか。
#383
○証人(渡邊廣康君) 存じておりません。
 一回ぐらい会っていますけれども、ほとんどつき合いはございません。私と青木伊平さんとのつき合いはございません。
#384
○北村哲男君 そうですか。
 青木さんは御存じのとおり平成元年に自殺をされた方なんですけれども、そんなに会っておられないという御印象でしょうか。
#385
○証人(渡邊廣康君) たしか、これも中尾さんと一緒に一回ぐらいお会いしております。
#386
○北村哲男君 これは物の報道によるんですけれども――ちょっと質問撤回します。
 次の質問なんですが、別の質問ですが、もう一人竹下さんには青木文雄さんという秘書がおられたんですけれども、その方は御存じですか。
#387
○証人(渡邊廣康君) 存じ上げております。
#388
○北村哲男君 証人は竹下事務所に何回か行かれたことがあると思いますが、それは覚えていますか。
#389
○証人(渡邊廣康君) 時期はあんまりはっきり覚えていませんが、一回ぐらいだと思います。
#390
○北村哲男君 青木文雄さんは二、三回証人がお訪ねになったということを言っておられます。それは二、三日前の新聞でそういうふうに言っておられるんですけれども、これはどういう目的でお訪ねに在ったのか、それは御証言いただけますか。
#391
○証人(渡邊廣康君) 補佐人の助言をいただきます。
 冒頭陳述に出ておりますように、政治家とのつき合いあるいは交友を今度の裁判で、いわゆる背任の動機、目的、共謀等で大変かかわりがございまするので、それ以上はお答えを差し控えきせていただきたいと思います。
#392
○北村哲男君 お答えにくいこともあるかと思いますけれども、重ねてその点については、問題になっているのは平成元年内六月にあなたが御自身で竹下事務所に一億円を届けた。それから平成二年の七月にさらに一億円と、合計二億円を持っていったと。二回目は竹下さんが立ち会ったということがかなり大きく報道された事実があるんですが、それは事実無根なんでしょうか。
#393
○証人(渡邊廣康君) 補佐人のアドバイスを受けます。
 お尋ねの件は、現在進行しております裁判と直接極めてかかわりがございまして、ここでお答えすることは差し控えさせていただきたいと思いますし、さらには、そうしたことをお話しすることがいわゆる政治資金規正法なりあるいは贈収賄なりを疑われたりいたしまして、それらの罪で将来起訴される可能性があるというふうに私は聞いております。
 したがって、質問は控えさせて、お答えを控えさせていただきたいと思います。
#394
○北村哲男君 今の証言拒絶の理由ですけれども、この場はあなたの名誉の回復の場でもあるわけですよね。事実でないことを公表されて、あなたが悪者にされている。それについては、そうでないことはないと言われた方が私はいいと思うんですよ。それはまた裁判に間接的に影響するかもしれないけれども、直接影響するとは思えないし、あなたは言いたいこといっぱいあると思うんです。いろんなところで言わなけりゃならないので、公判だけで言ったからといって必ずしも通用しないんですから、この場をかりてでもあなたの名誉の回復のためにおっしゃった方がいいと思うんだけれども、その点はどうでしょうかね。やっぱり同じですか、お答えは。
#395
○証人(渡邊廣康君) 一緒です。
#396
○北村哲男君 それでは結構ですが、人のこと、中身、どういうおつき合いか、どういうお金をどうこうしたかということについては、確かにもう証言をされないというおつもりのようですから。それより前の外形的なこと、それに関係ないだろうということについてお伺いしたいと思いますが、金丸前副総裁の秘書の生原正久さんという方がおられたことを知っていますか。
#397
○証人(渡邊廣康君) 存じ上げております。
#398
○北村哲男君 やはりどのくらいのおつき合いで、何回ぐらいお会いになったか覚えておられますか。
#399
○証人(渡邊廣康君) 補佐人の助言を得たいと思いますが。
#400
○委員長(遠藤要君) それまで補佐人の必要あるんですか。
#401
○北村哲男君 今まで同じようなことを言っておられますからね。お話程度のことで結構ですよ。いかがでしょうか。
#402
○委員長(遠藤要君) それまで必要ありますか、補佐人の。
#403
○証人(渡邊廣康君) つき合い、余りつき合いはないんです。
#404
○北村哲男君 ない。
#405
○証人(渡邊廣康君) はい。何回かはお会いしたことあると思いますけれども、深いつき合いはありません。
#406
○北村哲男君 ああ、そうですか。
 金丸事務所に直接訪ねられて生原さんとお会いになったことはありますか。
#407
○証人(渡邊廣康君) 補佐人の助言をいただいてよろしいですか。
 それ以上のことについては、御容赦願いたいと思います。
#408
○北村哲男君 ああ、そうですか。
 先ほどの、何回ぐらい会ったかというのをちょっとお聞きそびれたんですが、何回ぐらいお会いになっているのかということと、時期をもう一回言っていただきたいと思います。
#409
○証人(渡邊廣康君) 回数でございますか。
#410
○北村哲男君 そうです。
#411
○証人(渡邊廣康君) 回数は三、四回会っているかもしれません。
#412
○北村哲男君 ああ、そうですか。そんなものですか。
#413
○証人(渡邊廣康君) はい。
#414
○北村哲男君 時期的にはいかがですか。
#415
○証人(渡邊廣康君) 時期は六、七年前じゃないかと思いますけれども。
#416
○北村哲男君 六、七年前。結構です。
 では、また次の質問をしたいと思いますが、新潟前知事の金子清さんはもちろん御存じですよね。
#417
○証人(渡邊廣康君) 存じ上げております。
#418
○北村哲男君 政治家の渡辺秀央さんは御存じですか。
#419
○証人(渡邊廣康君) 存じ上げております。
#420
○北村哲男君 渡辺秀央さんに関しては、渡辺さんがあなたのことを兄貴と言い、あなたは渡辺さんを秀さんというふうな非常に仲のいい関係だというふうに聞いていますけれども、それは事実ですか。
#421
○証人(渡邊廣康君) 国会議員の先生に秀さんなんて言った覚えはないと思いますが。
#422
○北村哲男君 そうですか。
 先ほどからの質問にもあったんですけれども、新潟県選挙に絡んで佐川急便グループから三億円のお金が行ったということはかなりはっきりした事実であって、うち一億円に関しては既に裁判が進行中です。
 あと二億円に関しては、これははっきりしないということで捜査が打ち切られたということが先日の予算委員会での法務省からの正式の経過報告なんですが、ですから、たびたび言っているようですけれども、この件は今あなたが問題になっている背任とは関係がないし、捜査が打ち切られているから新たに捜査が始まるということはもうない事実だと思うんですが、ですから、その点についてはやっぱり若干のことは御証言願いたいと思うんです。
 そこで、なるべく差しさわりのない点について聞いていきたいんですけれども、まず新潟県知事選挙に関してあなたが金子さんを支持しておった、金子さんにぜひ知事になってほしいというふうなお気持ちでおられた、そういう立場におられたということは事実でしょうか。
#423
○証人(渡邊廣康君) 特別そういう気持ちは持っておりませんでした。
#424
○北村哲男君 そうすると、当時、これもいろんな報道から来るんですけれども、証人が金丸前副総裁に頼んで知事選の一本化工作を頼んだということがまことしやかに流れておるんですけれども、そういうことはありませんでしょうか。
#425
○証人(渡邊廣康君) そういう事実はありません。
#426
○北村哲男君 それから、三億円のうち一億円は金子陣営に渡されたことはもうほぽ捜査上明らかでありますけれども、他の二億円について一体どうなったのか。これはお金のことで答えにくいかもしれませんけれども、実は、なぜ聞くかといいますと、あなたは、まず長谷川信さんという前の法務大臣をおやりになった人を御存じでしょう。
#427
○証人(渡邊廣康君) 存じ上げております。
#428
○北村哲男君 それは同県人であられるということからお知りになっておられると思いますけれども、あの方の人柄といいますか、どういうふうな感想を持っているかということについてはいかがでしょうか。
#429
○証人(渡邊廣康君) 大変尊敬申し上げておりました。
#430
○北村哲男君 私も同感です。
 私が知っている限りではとても人格者であられると思うんですけれども、ところが、その行方不明の二億円はあの方が持っていったんだということがこれも言われている事実なんです。しかも、それはあなたの調書によってそれが明らかだというふうに言われているんですけれども、それについてあなたは長谷川信先生町名誉に関して何か言うことはありませんか。
#431
○証人(渡邊廣康君) 補佐人の助言をいただきます。
 お尋ねの件ですが、やはり裁判とも直接関係がありますし、特に政治家とのかかわりにつきましては、先ほど申しましたように、冒頭陳述の中にも述べられておりますように、直接のかかわりがございまするので、差し控えさせていただきたいと思います。
#432
○北村哲男君 今の拒否の理由、一応わかりましたけれども、重ねて伺いますけれども、長谷川信先生の、亡くなった長谷川信先生の奥様が、亡くなった人聞に罪を着せて非常に嘆かわしいというふうに言っておられるということを聞いております。それが、しかもあなたがそう言ったからというふうに言われているんですね。こういうことはどこかであなたが弁解されなくちゃいけないと思うんですね、そうじゃないとすると。そうなら、知りません。ここでその辺の釈明をされる気はありませんか。ないならない、あるんならあるということを言われて、あなたの将来についてよかれことはあっても、怠はもう有罪の責任とかなんとかということをお考えになる必要はないと思います。
#433
○証人(渡邊廣康君) アドバイスを受けます。
 御指摘のような調書の内容とかあるいは取り調べのあれについては、きょうのいわゆる条件の中に入っておるんではないかと理解しておりますが。
#434
○北村哲男君 そうですか。
 それでは、次の質問をいたしたいと思います。
 あなたは藤尾正行さんという政治家は御存じですか。
#435
○証人(渡邊廣康君) 存じ上げております。
#436
○北村哲男君 今まで竹下さんあるいは金丸さんと、あるいは渡辺秀央さんの政治家とのおつき合いと比べてそれよりも親しい関係だったのか、あるいは同じようなレベルのおつき合いだったのか、いかがでしょうか。
#437
○証人(渡邊廣康君) この方も中尾宏先生の紹介だったと思いますが、特別親しくしているという関係ではございません。
#438
○北村哲男君 ああ、そうですか。
 この方に、これは合法の範囲内で結構ですけれども、違法だとまたいろいろ問題がありますけれども、政治献金をされたことはありますか。
#439
○証人(渡邊廣康君) 補佐人のアドバイスを受けます。
 政治家とのかかわりについては、違法合法を間わず問題にされておるところでありまするので、いわゆる問題と申しまするのは、その背任の、特別背任の目的、共謀、動機等を問題とされておるところでありますし、私はそれに対して争っているところであります。
#440
○北村哲男君 ただ、普通の人が適法の範囲内、合法の範囲内で政治家とおつき合いすることはこれは一向に構わないし、だれとつき合ってもいいと思うし、そして政治資金規正法の中で献金をする.援助をする、あるいはパーティー券を買ってさしあげると。これは一向に構わない全く普通の人聞の普通の行為だと思うのですけれども、そういう範囲内でのおつき合いについては言ってよろしいかと思うんですけれども、それはいかがでしょうか。そのいかがというのは、今の藤尾さんについては、そういう程度のおつき合いをしていたんだということは言っていただいてよろしいんじゃないでしょうか。
#441
○証人(渡邊廣康君) 補佐人のアドバイスを受けます。
 大変、そのとおりだと思いますし、残念ですが、いわゆる政治家とのつき合いあるいは献金等の合法非合法を同わず、地検におきましては、それがいわゆる特別背任の目的、動機ということで言われておりまするので、私は争っているところでありますので、控えさせていただきたいと思います。
#442
○北村哲男君 ちょっと別のことについてお伺いします。
 昭和六十二年、竹下さんが総理になられた年です。その年は今までいろいろ問題になっていますね。十月五日に東京プリンスであなたがお会いになったとか、あるいは十月二十九日に銀座の「吉兆」で竹下さんがあなたにお礼の宴を張ったというか、お礼の会をやったとかいろいろ問題になっています。それは何かで御存じと思いますけれども。
 もう一つ新しいことが最近報道されているんですが、それはその十一月、竹下さんが総理になられた、十月末になられているんですが、いや十一月の初めになられているんですが、そのすぐ一、二週間後に銀座のフグ料理屋の「やま禰」というお店であなたと石井さんと金丸さんと青木伊平さんが会ったということがかなり確実な情報だといって流されているんですが、まず、全部聞いてもしようがないんですが、銀座のヤマヤというフグ料理屋さんは御存じですか。
#443
○委員長(遠藤要君) 「やま禰」。
#444
○北村哲男君 「やま禰」 というフグ料理屋さんは御存じですか。
#445
○証人(渡邊廣康君) 存じております。
#446
○北村哲男君 ああ、そうですか。証人はそのお店に本件に限らず行ったことはありますか。
#447
○証人(渡邊廣康君) 行ったことはあります。
#448
○北村哲男君 ああ、そうですか。
 そうすると、それも何回か、数、数回という単位で行っておられますか。
#449
○証人(渡邊廣康君) 非常にたくさん行っていると思います。
#450
○北村哲男君 ああ、そうですか。あなたの行きつけの店ということなんでしょうが。
 そうすると、日にちの特定は難しいかもしれませんが、メンバーが確かにはっきりしていますわね。そういう会合はあったんでしょうか。
#451
○証人(渡邊廣康君) はっきりと記憶にないんですが、はい。
#452
○北村哲男君 竹下証言でも記憶にないということがちょっと問題になりましたが、記憶にないというのは、あったかもしれないけれども、ないかもしれないというふうな意味合いの記憶にないということなのか、そんなことはありっこないという意味なのか、それはありっこなければ否定しますわね。そういうことがあったかな、あったかもしれないけれども、記憶にないということでしょうかね。
#453
○証人(渡邊廣康君) 「やま禰」は非常に回数が行っておりまして、ちょっと覚えがないということでございますが。
#454
○北村哲男君 ああ、そうですか。
 ただ、石井さんという方が、石井さんとは一緒に行かれたことがあると思いますが、そこに政治家の金丸さんとかあるいは青木伊平さんが来るということは余りないんですか。
#455
○証人(渡邊廣康君) それはなかったと思います。
#456
○北村哲男君 ああ、そうですか。
 金丸さん自身は、その明くる年の八八年ですかね、昭和六十三年に石井さんとあそこで、麹町の「藍亭」で会ったということは自分で言っておられるのですけれども、実はそれより前にもう石井さんとそれから金丸さんは会っているということを報道は言っているんですけれども、その後じゃをくて、その前からやっぱり石井さんと金丸さんとかあるいは竹下さんというのはお会いになっているんじゃないですかね。
#457
○証人(渡邊廣康君) 私はわかりません。
#458
○北村哲男君 わからない。ああ、そうですか。
 大体私は終わりますので、種田委員の方に質問をかわりたいと思いますけれども。
 どうもありがとうございました。
#459
○種田誠君 どうも初めまして、種田です。
 先ほどから渡邊証人のお話を伺っておったのですが、私もあなた自身がやはり発言する機会というのは自分自身の名誉を回復する、そういう意味でも極めて貴重なことだろうと思うんですね。そういう意味で、知っていることをぜひお願いしたいと思うんです。
 先ほど来、委員長の質問に、金丸さんとは十年ぐらい前に知り合った、竹下さんに対してはその一年後ぐらいに知り合った、いずれも中尾代議士の紹介だった、そうりつふうに述べられましだけれども、それは間違いないんですね。
#460
○証人(渡邊廣康君) そのとおりです。
#461
○種田誠君 さらに、金丸さんの秘書の生原さん、それから竹下さんの秘書の青木伊平さん、青木文雄さん、いずれも知っておると言いましたけれども、この秘書の方たちとも会ってもおるんですね。
#462
○証人(渡邊廣康君) 会ったことがあります。
#463
○種田誠君 それぞれ、例えば金丸事務所、竹下事務所で会ったこともありますか。
#464
○証人(渡邊廣康君) 補佐人のアドバイスを受けます。
 今までの委員の質問は、裁判とかかわってきたんでありますけれども答えてまいりましたが、これ以上は差し控えさせていただきたいと思います.
#465
○種田誠君 実は、先ほど北村委員からもお話があったんですけれども、金丸議員に係る政治資金規正法違反については、検察庁の中間報告が国会に述べられまして、あなたの金丸さんに対する献金問題について現在、略式起訴され確定した金丸議員の二十万円の罰金以外は、あなたについても生原秘書についても起訴猶予処分にした、こうなっておるんです。ということは、この件については、率直に言って、あなたが罪に間われるというおそれはないわけでありますので、ここはちょっと述べてもらいたいんですけれども、どうでしょうか。
#466
○証人(渡邊廣康君) 私は、裁判の弁護人でもあり専門家でもある補佐人の助言を信じております。
#467
○種田誠君 あなた自身、生原さんに会ったのは、そうすると、どこで会ったわけですか。
#468
○証人(渡邊廣康君) 補佐人の助言をいただきます。
#469
○委員長(遠藤要君) 証人、証人、証人、証人、どこで会ったのかも裁判に関係ありますか、第一回会ったということは。
#470
○証人(渡邊廣康君) あると思います。
#471
○種田誠君 いいでしょう。それじゃ、その点は証言は結構です。
 きょうもあなたは各委員の質問に何人かの政治家の名前を挙げられました、知っているという方で。あなた自身が知っている政治家というのは、会ったことがあるという意味ですか。
#472
○証人(渡邊廣康君) そうです。
#473
○種田誠君 あなたが会ったことがある政治家というのは何人ぐらいおります。
#474
○証人(渡邊廣康君) ちょっと人数はわかりませんけれども。
#475
○種田誠君 わからない。じゃ、どういうことで会ったんですか。そのことだけは言えると思うんです。
#476
○証人(渡邊廣康君) パーティー会場等で紹介されるという形が多かったと思います。
#477
○種田誠君 パーティー会場等で紹介されることがあった。
 あなた自身、最後に二つだけ聞きたいんですけれども、十月の五日、東京プリンスホテルに行ったことはありますか。
#478
○証人(渡邊廣康君) 補佐人の助言をいただきます。
 今の御質問もひっくるめて、政治家とのかかわりすべてが実は検察庁で問題とされて、しかも私の特別背任の目的、共謀、動機、これを問題とされておるところでございまして、私は争っておるところでございますので、質問はお答えを差し控えさせていただきたいと思います。
#479
○種田誠君 差し控えられても結構なんですけれども、その席で、実はきのうの国会での証人喚問で竹下元総理が、あなたに丁寧な言葉で田中邸を訪問することを言われたというのですけれども、あなたはそういう事実があったことを認めますか。
#480
○証人(渡邊廣康君) 御指摘の御質問も私の裁判と直接かかわっておりますので、差し控えさせていただきたいと思います。
#481
○種田誠君 十月の二十九日の「吉兆」に行ったということも同様ですか。
#482
○証人(渡邊廣康君) 同様です。
#483
○種田誠君 じゃ、終わります。
#484
○白浜一良君 余りお答えになりませんので、非常に質問難しいんですわ。
 まず、初めに伺いたいんですが、ここに拘置されているわけですけれども、世間ではもう連日この佐川事件が大きくマスコミで報道されておるわけです、連日ですね。テレビとか新聞、見ていらっしゃいます。
#485
○証人(渡邊廣康君) ずっと接見禁止でありまして、一切そういったものは見させていただいておりません。
#486
○白浜一良君 見ていらっしゃらないということでございますが、これ衆議院もここに参りましたし、私たち参議院も参っているわけですが、これだけでもただならぬことなんです。この一連の事件というのは、確かに渡邊さん、たとえそんなに悪意がなくて、結果としてこういう事件になったということかもわかりません。しかし、この事件が発端で、大きないわゆる政治不信の世論がこの事件をきっかけに巻き起こっているわけですね。こういう事実に関しましてどういう印象を持たれますか。
#487
○証人(渡邊廣康君) 補佐人の助言をいただきます。
 私のこのような立場で御質問の点にどうこう申し上げることはできないものと思っております。
#488
○白浜一良君 できない。それはどういうことですか、できないとおっしゃるのは。コメントできないということですか。
#489
○証人(渡邊廣康君) 補佐人のアドバイスを受けます。
 御指摘の点に対してどうこう言う立場にないという気持ちであります。
#490
○白浜一良君 先ほどからいろいろ政治家の方とのつながりで必ず中尾宏さんという方が出てくるんですが、これよく存じ上げていると衆議院でも証言されておりますけれども、一部これは報道でございますけれども、東京佐川のいわゆる政治部長みたいな役割を果たしていらっしゃった、こういう記述もあるんですが、そのぐらいにしょっちゅう本社に出入りされていたわけですか。
#491
○証人(渡邊廣康君) ピッグ・エーの社長として、経済誌の社長としてよく来ておりました。
#492
○白浜一良君 これも一説でございますが、政治家へのどのくらい献金するかということ、この中尾さんが非常に相談されて決めていた、こういう報道もあるわけでございますが、この点はどうでしょうか。
#493
○証人(渡邊廣康君) 補佐人の助言をいただきます。
 御質問の件は、現在進行しております私の裁判と直接かかわりがございまして、そうした意味で……
#494
○白浜一良君 はい、もう結構です。
 中尾さんはいろいろ信念を持っていろいろ活動もされていたということで、こういうことをおっしゃっていたというふうに伺ったんですけれども、政治家はこじきだ、政界にいるとどんな偉いやつでもこじきになる、こういう趣旨の発言はお聞きになったことはございますか。
#495
○証人(渡邊廣康君) 聞いたことありません。
#496
○白浜一良君 じゃ、東京佐川の関係で非常に金丸さんにお世話になったということで、この中尾さんが、政治家はああでないといかぬと、武田信玄ですよと、こういう金丸さんを評して中尾さんがおっしゃっていたと、こういうふうに伺っているんですが、こういうお話は聞かれたことはございますか。
#497
○証人(渡邊廣康君) 私は存じ上げません。
#498
○白浜一良君 先ほども、十月五日の件がいろいろ出ておりましたが、それ以前にいわゆる褒め殺しの中止に関しまして、稲川会の石井前会長に頼むという、これ金丸さんの証言によりましたら、中尾さんと青木さんの話の中で決まったんじゃないかと、こういつふうに証言されているわけですが、この件はどうでしょうかね。
#499
○証人(渡邊廣康君) その件に関して、私は全く存じておりません。
#500
○白浜一良君 それじゃ、渡邊さんはだれからも依頼されずに働きかけをやったということですか。
#501
○証人(渡邊廣康君) 補佐人のアドバイスを受けます.
 今の質問に関しましては、同じ理由でお答えすることはできません。
#502
○白浜一良君 先ほども話出ておりましたが、十月五日、竹下さんが、非常に丁寧に渡邊さんが田中邸訪問を勧めた、そういう話を丁寧にされたと、それでかかわりがあるという印象を持ったというふうにお話しされているわけですが、この点はいかがですか。
#503
○証人(渡邊廣康君)  やはり御質問の点は私の裁判と直接かかわりがございます。
 したがいまして、差し控えさせていただきたいと思います。
#504
○白浜一良君 竹下さんがこのとき心の中で葛藤があったと、このように表現されているんですが、お会いになって、そういう葛藤があったと言われるような印象はお受けになりましたですか。
#505
○証人(渡邊廣康君) 補佐人のアドバイスを受けます。
#506
○白浜一良君 いや、そのぐらい答えてくださいよ。別にそんな難しいことと違いますがな。
#507
○証人(渡邊廣康君) そういうふうに個々に切り離して質問をされても、全体が問題になっておるわけでございまするので、やはりお答えするのは差し控えさせていただきます。
#508
○白浜一良君 じゃ、このプリンスホテルに金丸さん、竹下さん、小沢さん、これはもう既に報道されていますけれども、そのほかにだれがいらっしゃいましたですか。
#509
○証人(渡邊廣康君) やはり答えは差し控えさせていただきます。
#510
○白浜一良君 それでは、十月二十九日、金丸さん、竹下さんと会われたと、これのほかにだれかいらっしゃいましたですか。
#511
○証人(渡邊廣康君) 補佐人の助言をいただきます。
 まことに申しわけありませんが、同じでございますが、私の裁判と直接かかわりがございますので、答えを差し控えさせていただきます。
#512
○白浜一良君 それじゃ、ほかにメーンの宴席があって、竹下さんが渡邊さん、金丸さんの席に行かれたと、こういうふうになっているんですが、どのぐらい時間いらっしゃいましたですか。
#513
○証人(渡邊廣康君) 御質問の件につきましては、同じく私の現在執行中の裁判と直接かかわりがございますので差し控えさせていただきたいと思います。
#514
○委員長(遠藤要君) あのね、委員長として、今の質問や何かは、これ裁判中のあれに関係あるかないかということは、お互いにその人の考えの相違はあると思うんですが、新聞なりテレビでも、きのうもそういうふうな話が相手方がはっきり言われておるので、余り拒否の姿勢をとるというのもどうなのかなと委員長としてちょっと疑問を持つんですがね。そういうような点で、十分御注意して御発言を願いたいと思いますね。
#515
○白浜一良君 よろしくお願いします。
 この十月二十九日というのは、総裁決定の直前なんですね。ですから、竹下さん御自身も大変お忙しい時期なんですが、そういうっときにわざわざごあいさつに行かれたと、お会いになったと、率直にどういうふうに思われましたですかね。
#516
○証人(渡邊廣康君) 補佐人の助言をいただきます。
 私がというよりも、検察官が実はそういう背任の動機等にかかわりがあるということで問題にいたしておりますので、お答えすることはできません。
#517
○白浜一良君 平成二年のいわゆる五億円の献金ということで、金丸さんの証言を見ましたら、生原さんが参議院前じゃないと、衆議院前だと、生原さんが悲壮な状況でいわゆる金丸さんに訴えたと、こういう表現をされているわけでございますが、この辺はどういう率直に感想をお持ちですかね。
#518
○証人(渡邊廣康君) 御質問につきましては、私の裁判と直接かかわりがございますので、ここでお答え申し上げると裁判の進行上大変不都合でございます。さらに、そのようなことを申し上げることによって、政治資金規正法違反あるいは贈収賄を疑われたりいたしまして、それらの罪で将来起訴される可能性もあるというふうに聞いております。
 したがいまして、控えさせていただきたいと思います。
#519
○白浜一良君 私、何も答えていただいていないわけで、ちょっと寂しい思いをしますが。
 時間もございませんので、最後にお伺いしますけれども、佐川急便のオーナーでございます佐川清さんと渡邊さんが力を合わせて今日のこの発展を遂げられてこられたわけです。今日、こういう事件になって非常に悔しい残念な思いもされているでしょうけれども、そういう力を合わせて大きくされてきたと。ところが、その佐川さんから実際特別背任の罪で告訴されているわけでございますね。そして、その佐川さんのいわゆる構造そのものが今日町大きなこの政治不信に、また佐川事件と言われるようなそういう事件につながっているということに対しまして、何か感想がございませんか。
#520
○証人(渡邊廣康君) 道義的責任を痛感いたしております。
#521
○寺崎昭久君 最初に、田中元総理との関係についてお伺いします。一
 昨年七月下旬、佐川清元会長が朝日新聞の記者とのインタビューの中で、目白つまり田中元総理のことですが、目自の選挙のとき渡邊さんは毎回十五億ぐらいやっていたらしいということを言った旨報道されております。そういう事実があるのかどうかお尋ねします。
#522
○証人(渡邊廣康君) 私はそういうことは存じ上げておりません。
#523
○寺崎昭久君 あなた自身あるいは東京佐川急便が田中元総理あるいはその政治団体にこれまでに政治献金を行ったことはありますか。
#524
○証人(渡邊廣康君) 補佐人の助言をいただきます。
 御質問の点はやはり政治家とのかかわりであり、金銭に関することでございまして、私の裁判と全く直接かかわりがございます。
 したがいまして、答えを差し控えきしていただきたいと思います。
#525
○寺崎昭久君 証人も御存じのように、田中元総理が退陣されたのはもう二十年も前の話です。それが今の係争問題とそんなにかかわりがあるというのは私理解できないんですが、もう一度お尋ねさせてください。
#526
○証人(渡邊廣康君) 補佐人のアドバイスをうけたいと思います。
 政治家とのつながりは、を出発点として、そういった前からの出発点としてつながりがあり、でき、したがって今度の事件の背任、特別背任の動機、目的、これが問題になるとされております。
 したがいまして、お答えを差し控えさしていただきたいと思います。
#527
○寺崎昭久君 田中元総理のお宅を最後に訪問されたのはいつでしょうか。
#528
○証人(渡邊廣康君) もう七、八年前だと思っておりますが。
#529
○寺崎昭久君 御存じのように、田中元総理は六十年の二月に脳梗塞で倒れられて入院されました。そしてその十一月に政経調査会というのが設立されたと報じられておりまして、そのときあなたは佐川グループからそれぞれ百万円程度の政治献金を集めて、合計一億円ここに寄附したと報じられております。これは事実でしょうか。
#530
○証人(渡邊廣康君) 補佐人のアドバイスをいただきます。
 この御質問に対しましでも、裁判との、現在進行している裁判との直接かかわりがございます。そうしたことが、そうしたことが背任の動機あるいは目的とされておりまするので、答えを差し控えきしていただきたいと思います。
#531
○寺崎昭久君 竹下元総理との関係でお尋ねします。
 先ほど、最初に会ったのは十年近く前だと言われましたけれども、この六十年に創政会が旗上げされた前ですか、後ですか。記憶をもう少し鮮明に呼び戻してもらえませんか。
#532
○証人(渡邊廣康君) これは何かのパーティーの席上で紹介されたと覚えておりますので、前だと思いますけれども。
#533
○寺崎昭久君 創政会の前ですか。
#534
○証人(渡邊廣康君) はい、前だと思いますけれども。
#535
○寺崎昭久君 創政会の前。
#536
○証人(渡邊廣康君) はい、前だと思いますけれども。
#537
○寺崎昭久君 創政会の旗上げのときにあなたないしは佐川グループは政治的な資金援助等を行っておりますか。
#538
○証人(渡邊廣康君) ないと思います。
#539
○寺崎昭久君 十一月二十六日の予算委員会において竹下元総理は、昨年六月十三日、十六日の二回東京佐川急便の再建問題が話し合われたと推定される会合に出席したということを述べておられますが、このときあなたは同席されていますか。
#540
○証人(渡邊廣康君) 補佐人のアドバイスをいただきます。
 御質問の件につきましては、現在進行中の私の裁判とやはり直接関係がございます。そうした意味で有罪の判決を得るおそれもございまするので、答えは差し控えさしていただきたいと思います。
#541
○寺崎昭久君 全くお答えいただけなかったんですが、今の簡単な質問を通じて、私は最初渡邊証人は田中元総理に接近され、体調を崩された後は竹下元総理に接近されたというような経過に思えてなりません。そういう中で今回の佐川問題と言われる問題が生じたのかなと思いますが、そういうことを考えますと、田中、竹下両氏の不仲が伝えられている中で、あなたが竹下氏を総理にするために与力され、六月三十日の調書にありますように、民間人で竹下内閣成立の功労者だと、民間で私が第一の功労者だと言われた意味がよくわかるように私には思えてなりません。まあ、あなたの方はあるいは政治家に近づくことによってあるいは便宜を図ってもらうというようなことがあったのかもしれませんが、私は結局利用されたんじゃないかというような感想すら持っているんですが、この点について最後にお伺いしたいと思います。
#542
○証人(渡邊廣康君) そのような考え方はしておりませんでした。
#543
○寺崎昭久君 どうも。
#544
○高崎裕子君 銀座の「吉兆」での会合は十月二十九日であるということは、竹下さん、昨日の参議院の予算委員会で認め、これはあなたの言っていることが正しいということが証明されたわけですが、八七年の十月二十九日、あなたは青木氏から電話を受けて、竹下がお礼を言いたい、「吉兆」に来てくれと、こう言われましたね。
#545
○証人(渡邊廣康君) 補佐人のアドバイスを受けます。
 そういう聞かれ方をされても大変困ります。私の、御質問の件は、私の進行中の裁判と直接かかわりがございまして、お答えを、ここでお答えすることは裁判を進めていく上で大変不都合でございますし、そうした意味で有罪の判決を受けるおそれがございます。
 したがいまして、答弁を、答えを差し控えさしていただきたいと思います。
#546
○委員長(遠藤要君) ちょっと待ってください。ちょっと速記とめてちょうだい。
  〔速記中止〕
#547
○委員長(遠藤要君) 速記を起こしてください。
#548
○高崎裕子君 公訴事実にこれはもう直接関係ないことなんですよね。ですから、なぜ証言できないのか、具体的な理由を言ってください。
#549
○証人(渡邊廣康君) 補佐人の助言をいただきます。
 御質問のそういった事実について、私の裁判で冒頭陳述やあるいは調書等で問題とされておるわけであります。それは、そうしたことが背任の動機、目的、共謀、こういうことが事実として主張されておりますが、私はそれに対して裁判で争っておるところでございます。したがいまして、差し控えさしていただきたいと思います。
#550
○高崎裕子君 動機というのはこれ公訴事実に関係ないということですからね、これは証言をしなければならないと思うんですが、その席には竹下、金丸、青木さん、青木伊平さんがいましたね。
#551
○証人(渡邊廣康君)  補佐人の助言をいただきます。
 御質問の目的と共謀は事実そのものでございますし、動機も含むという学説もあるそうでございます。
#552
○高崎裕子君 それは少数説で、判例も多数説も動機は含まれないというふうに言っていますので、明らかにこれは証言拒否なんですよ。
 で、その席で竹下氏は、このたびは本当にありがとうございましたと言われましたね。なぜあなたにありがとうと言ったのでしょうかね。
#553
○証人(渡邊廣康君) 御質問に対しては、私の進行中の裁判と密接にかかわりがございまするので、答えを差し控えさしていただきます。
#554
○高崎裕子君 それは具体的な理由がなかなかないんですけれども、結局これは皇民党に関係あるから証言できないということなんですね。
#555
○証人(渡邊廣康君) 補佐人の助言をいただきます。
 裁判所で皇民党の大島調書を朗読するようなことで、まさしくそれが問題になっておるわけであります。
#556
○高崎裕子君 皇民党に関係があるから証言できないと、そういことなんですね。――はい、わかりました。
 次に、八七年の十月五日、東京プリンスホテルで竹下、金丸、小沢、渡邊さんが会合を持ったということで、これはあなたは皇民党の問題だからということで衆議院では証言拒否されました。皇民党の問題というのは公訴事実に関係がないわけで、だから裁判所も尋問事項としても認めているということで、これ証言拒否できないんですよね。
 で、あなたはこの十月五日の会合に参加しましたね。そして、竹下さんの証言でも明らかをように、この会合はあなたがセットしたものではないですね。
#557
○証人(渡邊廣康君) 補佐人の助言をいただきます。
 証言を拒否することができないことはないと思っております。
 それから、個々の問題として取り上げるのではなくて、政治家全体の問題として問題にされておるわけでありまするので、やはり裁判に直接の影響がありますので、答えは差し控えさしていただきたいと思います。
#558
○高崎裕子君 皇民党の問題は、何度も言うようですが、公訴事実に関係ないわけで、あなたはだから証言は拒否できないんですよね。
 それで、この十月五日の席で稲川会の石井のことをあなたは竹下、金丸、小沢に伝えたのではありませんか。
#559
○証人(渡邊廣康君) 補佐人の助言をいただきます。
 重ねて申し上げますが、証言拒否できないことはないと思っております。
 さらに、私の、私は専門家である、さらには私の裁判の弁護人でもあります補佐人の助言を信ずるものであります。
#560
○高崎裕子君 あなたは稲川会の石井さんは御存じですね。
#561
○証人(渡邊廣康君) 共犯として実は検察に問題とされておることでございまして、答えは差し控えさせていただきます。
#562
○高崎裕子君 あなたは、皇民党問題について中尾から聞いた、それ以外にはないと思うがというふうに証言されたんですが、このことについては青木伊平秘書からも聞いたのではないですか。
#563
○証人(渡邊廣康君) 補佐人のアドバイスを受けたいと思います。
 御質問のように、問題をばらばらに一つずつされても大変困りますが、全体のいわゆる政治家とのつき合い等すべてをひっくるめて問題とされておるわけでありますから、やはりお答えすることは差し控えさしていただきたいと思います。
#564
○高崎裕子君 政治家である中尾さんから聞いたということは言えても、青木秘書から聞いたということについては答えられないというのは、これはやっぱりおかしいと思うんですよね。証言拒否する理由は何ですか。
#565
○証人(渡邊廣康君) 補佐人の助言をいただきます。
#566
○委員長(遠藤要君) 限られた質問者の時間でございますので、余り長時間にそこで、補佐人との話を簡単にしてください。
#567
○証人(渡邊廣康君) 青木伊平さんとは関係ないと思います。
#568
○高崎裕子君 関係ない。
#569
○証人(渡邊廣康君) はい。
#570
○高崎裕子君 関係ないというのは聞いたのではないということですか。
#571
○証人(渡邊廣康君) はい。
#572
○高崎裕子君 聞いたのではない。
#573
○証人(渡邊廣康君) はい。関係ありません。
#574
○高崎裕子君 聞いたことはないと。金丸さんは言ったというふうに証言されていますが、あなたはないということですね。間違いありません。――はい。
 じゃ最後に、六十年の九月の終わりに日商岩井ピルのレストランで、そのとき金丸さんもいたわけですから、金丸さんからも皇民党問題について聞いたのではないでしょうか。
#575
○証人(渡邊廣康君) 補佐人の助言をいただきます。
 御質問の件は、現在進行しております裁判と直接かかわりがございます。したがいまして、ここでお答え申し上げると有罪の判決を得るおそれがございます。答えは差し控えさしていただきたいと思います。
#576
○高崎裕子君 これで質問終わりますが、この皇民党の問題というのは公訴事実に直接関係ないということで、動機の一部ですから、あなたとしては証言拒否できないわけです。それを不当に拒否されたということで、私はやっぱりその点についてはもう大変問題だし、その拒否についてアドバイスされた補佐人の態度も不当であるということを重ねて主張いたしまして、質問を終わらせていただきます。
#577
○笹野貞子君 昨日の衆議院の竹下元総理の証言で、十月内五日……
#578
○委員長(遠藤要君) きのうは参議院です。
#579
○笹野貞子君 ああ済みません、もとい、参議院の。
 十月五日は東京プリンスホテルで竹下、金丸、小沢、そして渡邊証人との会談が行われた際、渡邊証人はその支払いが竹下事務所が持ったということを御存じでしたでしょうか。また、もし知らなければ、だれが払うという御認識を持っておりましたか。
#580
○証人(渡邊廣康君) 御質問の件は、現在進行しております私の裁判と直接かかわりがございます。そうした意味で有罪の判決を得るおそれもございますので、御質問の答えは差し控えさしていただきたいと思います。
#581
○笹野貞子君 竹下氏の証言によりますと、渡邊証人は褒め殺し中止にかかわる善意の第三者であると言いました。事実善意向第三者であるならば、尋問にお答えにならをいというのはおかしいことであって、証言できないというのは、渡邊証人が善意の第三者ではなくて、皇民党の褒め殺しを中止させる直接の役割を担っているからなんでしょうか。
#582
○証人(渡邊廣康君) 補佐人のアドバイスいただきます。
 先ほど繰り返しておりますが、御質問に対しましては、現在進行中の私の裁判と直接かかわりがございますし、ここでお答えを申し上げることは裁判の進行上大変不都合でございます。さらに、そうしたことは有罪の判決を得るおそれもございますので、お答えを差し控えさしていただきたいと思います。
#583
○笹野貞子君 竹下証人が善意の第三者と言ったことに対してもあなたは証言を拒否なさるんですか。
#584
○証人(渡邊廣康君) 人の証言は私は知りませんでしたし、知りません。
#585
○笹野貞子君 小沢一郎氏を総理にする会という会をあなたは御存じですか。
#586
○証人(渡邊廣康君) ただいまの質問に対しましでも、進行中の私の裁判と直接かかわりがございます。
 したがいまして、お答えを差し控えさしていただきたいと思います。
#587
○笹野貞子君 小沢一郎氏を総理にする会というのを御存じですかと言っているんで、小沢一郎さんを御存じですかつて聞いているんじゃないんですが、会も知らないんですか。
#588
○証人(渡邊廣康君) 質問の件は私の裁判とかかわりがございます。
 したがいまして、答弁を差し控えさしていただいておるわけです。
#589
○笹野貞子君 あなたはかつて東京佐川急便で経営者としてその手腕を発揮されたんですが、運輸行政にはたくさんの許認可事項があります。それを御存じですか。
#590
○証人(渡邊廣康君) 承知しております。
#591
○笹野貞子君 このたくさんの許認可事務に対してあなたは経営者としてどのようにお感じになっていますか。
#592
○証人(渡邊廣康君) 許認可事業でしょうか、許認可の件でしょうか。
#593
○笹野貞子君 はい。
#594
○証人(渡邊廣康君) 大変複雑で難しいですね。手続を必要とするので大変だなという感じがございました。
#595
○笹野貞子君 あなたの会社は非常に急成長したんですけれども、この複雑な、困ったなと今おっしゃいましたですね、その複雑な許認可事務に対して政治家にアドバイスを受けたり解決を頼んだりしたことがありますか。
#596
○証人(渡邊廣康君) ありません、ありません。許認可に対してありません。
#597
○笹野貞子君 今、私たちは本当の意味で民主主義の政治をつくろう、そして、きれいな政治をしようという政治家改草、政治改革に一生懸命に頑張っています。そういう意味でもこの質問をあなたにいたしたいと思いますけれども、政治家と秘書との関係というのはこれから大変重大になります。あなたは政治家に何かを依頼する際、秘書が対応した場合、一般論としてです、今これは一般論として聞きます、秘書を通じて依頼した場合でも政治家に直接依頼した場合と同様な結果を期待するというふうにお感じですか。
#598
○証人(渡邊廣康君) 補佐人のアドバイスをいただきたいと思います。
 済みません、質問の意味がよくわかりませんのでもう一回お願いします。
#599
○笹野貞子君 つまり、政治家の秘書からいろいろなものを頼まれたときには、あなたはそれが政治家から頼まれたと同じような効果を持つというふうにお考えですか。
#600
○証人(渡邊廣康君) 補佐人のアドバイスをいただきます。
 御指摘のようなことを考えたことはございませんので、わかりません。
#601
○笹野貞子君 あなたは、先ほど金丸前副総裁、また竹下元総理の秘書を御存じだと言いました。何かこのような秘書から頼まれたことがありますか。
#602
○証人(渡邊廣康君) ちょっと思い出しませんが、ないと思いますけれども。
#603
○笹野貞子君 思い出さないというのは。
#604
○証人(渡邊廣康君) ちょっとはっきり覚えていません。
#605
○笹野貞子君 じゃ、全くないということですか。
#606
○証人(渡邊廣康君) 秘書から何かを頼まれたという記憶がないと、ないのです。
#607
○笹野貞子君 金丸さんの秘書も、竹下さんの秘書も、その他政治家の秘書から物を頼まれたことがないと断言なさるんですか。
#608
○証人(渡邊廣康君) 少し記憶があいまいですけれども、思い出せません。
#609
○笹野貞子君 思い出せないということは、あるかもしれないということですか。
#610
○証人(渡邊廣康君) そうかもしれません。
#611
○笹野貞子君 何を頼まれたか、思い出せません。
#612
○証人(渡邊廣康君) そういう具体的なものはちょっと思い出せません。ないと思います。
#613
○笹野貞子君 この問題は、ぜひともあなたにお答えをいただかなければ、私たち政治家も国民も非常に困ると思いますので、どうぞ勇気を持ってお答えください。
 というのは、あなたは今裁判の進行中ですが、いずれ無罪となるか、あるいは有罪になるかもしれませんが、もし有罪になった場合でも、ある一定期間が過ぎれば、この佐川事件の一連の事実を証言していただきたいと思うんです。
 この佐川事件として大変日本のいろんな問題に対して大きな問題になったこの事件を明らかにすることは、あなたは再喚問に応じる、そういうことをお考えになりませんか。
#614
○証人(渡邊廣康君) 補佐人のアドバイスをいただきます。
 再喚問は御勘弁願いたいと思います。
#615
○笹野貞子君 再喚問などという、そういうかた苦しい言葉じゃなくても、あなたは真実を語るということをなさいますか。
#616
○証人(渡邊廣康君) 大分先のことを言われていると思いますが、ちょっとそういうことを考えたことがございませんので、わかりません。
#617
○笹野貞子君 時間ですので質問は終わりますけれども、あなたは、私が客観的に見ていても、あるときにはぬれぎぬを着せられたり責任をなすりつけられたりしたかもしれません。やっぱりそういうあなた自身の名誉回復のためにも、いろいろな意味でやっぱり国民の前に真実を語っていただきたいということを再度私の方からお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
#618
○下村泰君 二院クラブの下村です。
 渡邊さんと私は初めてじゃないんです。覚えていらっしゃいますか。
#619
○証人(渡邊廣康君)  どっかで会ったような気がいたしますが。
#620
○下村泰君 実は、あゆみの箱という運動をしておりまして、そしておたくの会社まで行って御浄財をいただいた覚えがあるんです。これは、逆に私の方からあのときのお礼は申し上げなくちゃいけませんけれども、しかしそのあなたがこんなことになろうとは夢にも思いませんでした。
 で、私の準備してきた質問の内容はほとんど皆さんがお尋ねになったし、またそれ以上のことをお尋ねしても、そこにいらっしゃる補佐人という方に一々伺わなきゃならない。時間が短くて、とてもじゃございませんが、また同じようなことを聞いてもむだですし、ちょっと変わったお尋ねをしたいと思いますけれども、私、一度傷害事件というのに関係したことがあるんですけれども、そのとき検事さんのいろいろと調書のとり方、調べ方に時々疑問を持ったことがあるんですが、やはり渡邊さんも検事にいろいろと聞かれているときに、何か異論とか疑問とかを感じたことがありますか。
#621
○証人(渡邊廣康君) 補佐人のアドバイスを受けます。
#622
○委員長(遠藤要君) もう時間が時間ですからね。
#623
○証人(渡邊廣康君) 取り調べの内容につきましては、接見禁止解除の条件として言えないことになっておるようでございます。
#624
○下村泰君 なるほどね。
 渡邊さんは、今お子さん何人いらっしゃるんですか。
#625
○証人(渡邊廣康君) 六人おります。
#626
○下村泰君 六人。うわぁ、それで男のお子さんが何人で、女のお子さんは何人ですか。
#627
○証人(渡邊廣康君) 三人、三人です。
#628
○下村泰君 うまいこと産み分けていますな。私は女の子がいないので非常に寂しい思いをしているんですけれども、どうなんでしょうか、そういうお子さんたちに対して今どんな御心境ですか。
#629
○証人(渡邊廣康君) まだ心の整理がそこまでついておりません。毎日必死で勉強いたしております。
#630
○下村泰君 先ほどからいろんな方の名前が出ていますけれども、例えば竹下、金丸、小沢、森あるいはその他三、四人のお名前がこの間のうちは出ていたんですけれども、そういう方々と御面識は、一回でも二回でもとにかく御面識はありましたか。
#631
○証人(渡邊廣康君) そのとおりです。
#632
○下村泰君 全然知らないわけじゃなかったわけだね。
 そうすると、その竹下、金丸、小沢、こういった方々に今渡邊さんとして御自分個人の意見として何か言いたいことありますか。
#633
○証人(渡邊廣康君) 特にございません。
#634
○下村泰君 現在、先ほどから言われているとおり、新聞その他のことは中ではごらんになれないんだと思うんですけれども、諸外国の方からも今回のこの事件は異常な見方をされているわけなんですよね。
 で、こういうことが二度と起きてはいけないというのが今の国民向心境なんですけれども、房内にいらっしゃっていろんなことは耳に入ってくると思うんです。現在の御心境を聞かせてくださし
#635
○証人(渡邊廣康君) 今、心の整理中でございます。いずれ心境なるものを言える心境になろうかと思いますけれども、現在はまだ心の整理中でございます。
#636
○下村泰君 いずれ私どもにしてみれば、やっぱりそういうあなたの本当に気持ちが、先ほどからも言われていますが、逆に政治家に利用されたのかわかりませんし、また一部の方々に逆に利用されて、引用されて、悪用されたのかもわかりませんし、心のうちは許せないことがたくさんあると思いますけれども、ぜひひとつその心境、正直に今度はいずれ聞かせていただくときが来ると思いますが、同じことを聞いても申しわけございませんので、私はこれで失礼します。
#637
○武田邦太郎君 日本新党の武田と申します。
 私ども政治に関係している者としては、実業家の皆さんには伸び伸びと能力を発揮していただいて、国民経済なり国際経済なりに貢献していただきたいというのがもう最大の念願でありますが、渡邊さんはこういう活動をなさって、事業家としては現在の日本の政治、行政あるいは法制について非常にやりにくいと思われますか。何とかやっていけると。
#638
○証人(渡邊廣康君) 現在の私の立場でとやかく申し上げることはできません。
#639
○武田邦太郎君 なるほど。
 それじゃ、全くこれではやっていけないというような点は痛感されませんか。
#640
○証人(渡邊廣康君) 特にそういう感じを受けたこともございません。
#641
○武田邦太郎君 それでは、特にこういうふうにしてほしいということはどうでしょう。
#642
○証人(渡邊廣康君) 私の場合は運輸業でございましたので、先ほど申し上げましたように、できるだけ許認可は指導的な、役所が指導的な立場になるべきではないかと。非常に複雑な手続が必要で、簡素化をしていただきたいなというようなことは感じておりました。
#643
○武田邦太郎君 終わります。
#644
○委員長(遠藤要君) 以上で各委員の尋問は終了いたしました。
 渡邊証人には、長時間にわたって御証言をいただき、ありがとうございました。御退席くださって結構でございます。
 渡邊廣康証人に対する証言の聴取は一応終了いたします。
 これをもって渡邊廣康証人に対する証言の聴取は終了いたしました。
   午後五時十三分終了
ソース: 国立国会図書館
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