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1992/12/08 第125回国会 参議院 参議院会議録情報 第125回国会 建設委員会 第2号
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1992/12/08 第125回国会 参議院

参議院会議録情報 第125回国会 建設委員会 第2号

#1
第125回国会 建設委員会 第2号
平成四年十二月八日(火曜日)
   午前十時二十三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月八日
    辞任         補欠選任
     及川 順郎君     常松 克安君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         梶原 敬義君
    理 事
                井上 章平君
                岡部 三郎君
                種田  誠君
                山田  勇君
    委 員
                井上 吉夫君
                石井 一二君
                上野 公成君
                鈴木 貞敏君
                吉川  博君
                会田 長栄君
                青木 薪次君
                西野 康雄君
                常松 克安君
                中川 嘉美君
                上田耕一郎君
                萩野 浩基君
   衆議院議員
       建設委員長    古賀  誠君
   国務大臣
       国 務 大 臣  東家 嘉幸君
       (国土庁長官)
   政府委員
       国土庁長官官房  藤原 和人君
       長
       国土庁大都市圏  内藤  勲君
       整備局長
   事務局側
       常任委員会専門  駒澤 一夫君
       員
   衆議院法制局側
       第 四 部 長  横田 猛雄君
   説明員
       環境庁企画調整  熊谷 道夫君
       局環境管理課長
       環境庁水質保全
       局水質規制課瀬  和田 茂樹君
       都内海環境保全
       室長
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○大阪湾臨海地域開発整備法案(衆議院提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(梶原敬義君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、及川順郎君が委員を辞任され、その補欠として常松克安君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(梶原敬義君) 大阪湾臨海地域開発整備法案を議題といたします。
 まず、提出者衆議院建設委員長古賀誠君から趣旨説明を聴取いたします。古賀誠君。
#4
○衆議院議員(古賀誠君) ただいま議題となりました大阪湾臨海地域開発整備法案につきまして、提案の理由及び要旨を御説明申し上げます。
 大阪湾岸地域は、我が国の経済、社会の中心地として発展してきた近畿圏の中にあって、工業機能、物流機能等において重要な役割を果たしてきたところでありますが、近年の産業構造の変化等に伴い、工場敷地等の遊休化や人口の流出等が生じ、本地域の活力が著しく低下し、首都圏に対する近畿圏の相対的地位の低下が指摘されているところであります。
 一方、本地域においては、関西国際空港の建設を初め、六甲アイランド等多数の大規模プロジェクトが構想、実施され、本地域の開発をめぐる気運が高まってきております。
 以上の観点から、現在実施中のプロジェクトの推進はもとより、低未利用地を活用しつつ、各種高次機能の集積、快適な生活空間の形成等を総合的、広域的に展開していくことによって、本地域の開発整備を行うことは、近畿圏の活性化を促進し、国土政策上の最重要課題である多極分散型国土の形成に資するものと考えられるのであります。
 本案は、世界都市にふさわしい機能と住民の良好な居住環境等を備えた地域としての大阪湾臨海地域の整備等に関する総合的な計画を策定し、その実施を促進することにより、当該地域及びその周辺の地域における活力の向上を図り、もって東京圏への諸機能の一極集中の是正並びに世界及び我が国の経済、文化等の発展に寄与することを目的とするもので、その要旨は次のとおりであります。
 第一に、国及び地方公共団体は、大阪湾臨海地域及び関連整備地域の整備等に関する施策の策定及び実施に当たっては、適正かつ合理的な土地利用の確保、総合的に環境の保全を図るよう努めること等に配慮しなければならないものとしております。
 第二に、大阪湾臨海地域及び関連整備地域は、主務大臣が、府県知事の申請に基づき、関係行政機関の長に協議して指定するものとしております。
 第三に、主務大臣は、整備等の目標等を定めた大阪湾臨海地域及び関連整備地域の整備等に関する基本方針を決定しなければならないものとし、関係府県知事は、基本方針に基づき、関係市町村長等の意見を聞いて、整備等の目標、開発地区、中核的施設その他の施設の整備等について定めた大阪湾臨海地域または関連整備地域の整備等に関する計画を作成して主務大臣の承認を申請することができるものとしております。
 また、大阪湾臨海地域において一定の要件に該当する一団の土地を所有する者は、府県の知事に対し、当該土地が開発地区の要件に適合する旨の申し出を行うことができるものとしております。
 第四に、整備計画の実施の促進に関し必要な協議を行うため、主務大臣、関係行政機関の長等で構成する促進協議会を組織するものとしております。
 第五に、この法律における主務大臣は、国土庁長官、環境庁長官、通商産業大臣、運輸大臣、郵政大臣、建設大臣及び自治大臣としております。
 第六に、公共施設の整備、地方債についての配慮、資金の確保、地方税の不均一課税に伴う措置、公共施設の整備に伴う負担、都市計画法等による処分についての配慮、監視区域の指定等に関する規定を設けております。
 以上、本法律案の提案の理由及び要旨を御説明申し上げましたが、何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#5
○委員長(梶原敬義君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言をお願いいたします。
#6
○西野康雄君 まず、古賀衆議院建設委員長にお尋ねをいたしますが、大阪湾臨海地域開発整備法案では、大阪湾という地域にかかわるだけに環境面で配慮した内容が盛り込まれているということが特徴かと思いますが、その点御教示をお願いいたします。
#7
○衆議院議員(古賀誠君) ただいま西野先生に御指摘をいただいたとおりでありまして、まず目的におきまして住民の良好な居住環境等を備えた地域としての整備をうたっているわけでありまして、環境面には十分配慮しているつもりであります。例えば、配慮事項には、瀬戸内海の自然環境等を勘案した広域的、総合的な環境の保全、また基本方針及び整備計画には環境の保全に関する基本的な事項を定めるものといたしているわけであります。
 このように、瀬戸内海の自然環境等の重要性にかんがみまして環境の保全を図る旨を明文化いたしているところでありますほか、主務大臣に環境庁長官を加えているわけでありまして、環境の保全と調和のとれた当該地域の整備が図られるものと期待しているところであります。
 なお、委員長といたしましても、本法案に対しまして六項目にわたって要望事項を行ったところであります。まず第一に「基本方針には、必要に応じて総合的に環境への影響の調査研究を行うよう定めること」、第二に「瀬戸内海の自然環境保全に十分配慮し、瀬戸内海環境保全特別措置法等の規制緩和を行わないこと、」等の要望を行っているところであります。
#8
○西野康雄君 それでは、国土庁にお伺いをいたします。
 第一条の目的に、大阪湾臨海地域を住民の良好な居住環境等を備えた地域として整備する、このことが盛り込まれております。これは単に再開発の主な対象となる臨海部の埋立地がよくなるだけではなくて、旧市街地などでも緑のオープンスペースがふえたりより広い公共住宅が供給されるといった、地域住民の生活環境も改善されるということを私自身は意味していると思うんですが、どうでしょうか。
#9
○政府委員(内藤勲君) 私の理解するところでは、この第一条の目的でございますが、この目的からいたしまして、大阪湾臨海地域ということでございますから旧市街地を含めた地域において、一方では世界都市にふさわしい機能、もう一方では住民の良好な居住環境等の整備を行うということでございまして、関西圏全体の活力の向上を図るということを目的としておりますので、御指摘のとおり地域住民の生活環境の改善も含まれていると考えます。
#10
○西野康雄君 私がこの法案に賛成をしておるのは、ペンペン草が生えている埋立地、それをきっちりと開発してもらうということは、残された緑の部分、山林、このようなところをむやみやたらとブルドーザーでひっかき回されて、そして宅地にされるよりはまだましである、こういうふうに思っておるわけです。
 それで、賛成をしておるわけですが、この法案を見ておると関西の財界もだんだん落ちぶれてきたなと。昔は知恵と才覚でどんどんみずからの力でやっていたものが、中央の力をかりなければならない、中央のお金を引っ張ってこなければならない。意地悪く見たら、これは離島振興法の変形がいなと、そんな感じさえするわけですが、関西の地元でもこの法案は財界主導ではないかというふうなことが言われておるわけです。
 法案では第七条に、整備計画の策定に当たっては府県知事は地元の市町村長、官財学で構成する大阪湾ベイエリア開発推進機構に加え学識経験者の意見も聞きなさいということが書かれております。こんな財界主導ではないかというふうな疑念を打ち消すようにするためにも、学識経験者には例えば労働組合の代表であるとか消費者団体の代表など、そういう者が当然含まれておらなければならないと思うし、それ以外にもできるだけ広範な住民の代表の意見を聞くべきだと私自身は思いますが、国土庁の見解をお伺いいたします。
#11
○政府委員(内藤勲君) 第七条に規定してございます学識を有する者という中には、幅広に考えておりますが、そこでは専門分野の知見を有する者を言うわけで、連合などの労働組合等も含め幅広い範囲が含まれるものと考えております。
#12
○西野康雄君 大阪湾は自然環境に強いストレスがかかっている地域であります。自然環境保全のために瀬戸内海環境保全特別措置法という特別な法律も適用されている地域です。今回、環境庁長官も主務大臣に加わっているのは環境保全に特別な配慮をしようということだと思います。主務大臣は府県知事の策定した整備計画案について承認のための審査をすることとなっておりますが、環境庁としてはこの審査において事実上の計画段階での環境アセスメントを行えるよう配慮してもらいたいと私は要望をいたします。特にこの問題については衆議院建設委員長の要望事項の中でも、基本方針にも明記してしっかりやるようにということがうたわれております。まず、環境庁の決意からお伺いいたします。
#13
○説明員(熊谷道夫君) お答え申し上げます。
 本法におきましては環境保全を大きな柱といたしまして、目的の中に住民の良好な居住環境の整備ということを位置づけますとともに、基本方針や整備計画の策定に当たりましての配慮事項といたしまして「広域的な観点から総合的に環境の保全を図るよう努める」、このようにされておりまして、さらに基本方針や整備計画の内容にも環境の保全に関する事項を定めること、このようにされておるところでございます。
 また、ただいま委員から御指摘がございましたように、衆議院建設委員会におきまして建設委員長から、本法の実施に当たりましては「基本方針には、必要に応じて総合的に環境への影響の調査研究を行うよう定めること」、このような御要望をいただいているところでもございます。したがいまして、環境庁といたしましてはこのような点を踏まえまして、法律に基づく基本方針には必要に応じて環境調査を実施することを位置づけまして、環境保全につきましては万全を期してまいりたい、このように存じております。
#14
○西野康雄君 今ふと思ったわけですが、本法案の中で瀬戸内海の自然環境等の重要性についてもうたっておられますが、環境庁は本法案の中で具体的にどのような配慮をなさるのかなと思うわけで、基本方針の中でどうするのか、そういうふうなことももし答えられるならば答えられる範囲でお答え願いたいと思います。
#15
○説明員(和田茂樹君) お答えいたします。
 本法案において、瀬戸内海の自然環境等についてどのように配慮するかというお尋ねであろうかと思います。
 瀬戸内海につきましては、既に御案内のように、瀬戸内海環境保全特別措置法及び同法に基づきまして閣議決定されております瀬戸内海環境保全基本計画がございます。現在これによって瀬戸内海の環境保全が図られているところでございます。
 なお、この閣議決定されております瀬戸内海環境保全基本計画の性格でございますけれども、瀬戸内海の環境保全に関するいわばマスタープランという性格を有しておりまして、瀬戸内海地域で策定される諸計画はこの環境保全に関しましてこの基本計画を反映したものでなければならないというふうにされております。したがいまして、本法案の基本方針で定める環境の保全に関する基本的事項の中で、特に瀬戸内海の環境保全に関する事項について盛り込むように配慮していきたい、そう考えております。また整備計画案の中の環境の保全に関しましても、この基本計画と調和のとれたものとする所存でございます。
#16
○西野康雄君 環境問題については地元では十六条の都市計画法等の許可などに際して、「当該施設の整備が促進されるよう適切な配慮をする」という項目について、これは埋め立てなどについての厳しい規制をしている瀬戸内法などの許可基準が緩和されるんではないかという心配が大変に強くなっております。
 衆議院建設委員長の要望事項にもありますが、国土庁長官、環境庁の方からも瀬戸内法などの規制緩和は絶対ないという御答弁をいただきたいと思いますが、きょうは国土庁長官来ておられませんので、どうぞ国土庁の方お願いします。
#17
○政府委員(内藤勲君) 御指摘のとおり、第十六条につきましては瀬戸内海環境保全特別措置法などの規制緩和を規定したものではないという認識でございます。
#18
○西野康雄君 環境庁の方。
#19
○説明員(和田茂樹君) 環境庁といたしましても、瀬戸内海環境保全特別措置法及びこの法律に基づき定められておりますところの瀬戸内海における埋め立ては厳に抑制すべきであるという埋め立ての基本方針がございます。これについては従来どおり厳格に運用していく所存でございます。
#20
○西野康雄君 私はしつこい性格でございまして、念には念を入れさせていただきたいと思います。
 では「適切な配慮」とは何なのかということですが、法制局の方の御見解というのをお伺いしたいと思います。法制局としても、瀬戸内海環境保全特別措置法などで定められている規制緩和を意味するものではないというふうな見解なのでしょうか。
#21
○衆議院法制局参事(横田猛雄君) お答えいたします。
 この第十六条の規定ですが、地域振興に関する立法にはかなり見られる規定でございます。この条文上の解釈といたしましては、各種許可手続の迅速化ということでございまして、その許可等の要件の緩和とか規制の緩和に結びつくものではないということで解釈上確立をいたしております。
#22
○西野康雄君 それでは、国土庁にお伺いをいたします。
 十六条において「当該施設の整備が促進されるよう適切な配慮をする」とありますが、これが瀬戸内海特別措置法の緩和でないとするならば、この「適切な配慮」とはどういうことを意味するのかお伺いをいたします。
#23
○政府委員(内藤勲君) ただいま法制局の部長からも答弁がありましたが、私どもも、「適切な配慮」とは都市計画法等の許可その他の処分に当たっての手続の迅速化等を意味しているものと考えております。
#24
○西野康雄君 私のふるさとは大阪でございます。大阪の堺で、こちらにいらっしゃる公明党の常松先生が私の高校の先輩に当たられるわけでございますが、堺には谷崎文学にも登場する浜寺というすばらしいところがございました。本当に白砂青松という言葉がぴったりでございまして、私の小学生のころはまだプールなんかはございませんから、大浜海水浴場あるいは浜寺海水浴場、そういうところで泳いだわけでございます。それがどんどん、どんどん埋め立てられました。時の大阪府知事は左藤義詮さんだったわけですが、テレビで、海は埋め立てたけれども東洋一のプールをつくったからこれで堺の人は満足でしょうと、こういうふうなことをおっしゃっていましたが、子供心に、海とプールは一緒にならぬわい、このおっさん何を言うとるんじゃというふうに非常に不快感を覚えたことがございます。一度プールヘ行ってイメージが壊れたんです。電車をおりて浜寺の駅から、当時はまだ進駐車がおりましたけれども、松原を越えてぱっと海に出るのが、そこがもう人工的なプールであった。ああ、もうこれでふるさとがなくなったんだなと、そんな気持ちでございました。
 ですから、これ以上大阪湾を汚してもらいたくないなという気持ちは人一倍強いわけでございますが、もう過ぎ去ったものは仕方がございません。できるだけこれからはいろんな方々の意見を取り入れて、ベイエリアの開発も進めていかなきゃならぬし、また、自然の創造もしていかなきゃならぬと思うわけですが、大阪湾ベイエリア開発推進機構については、民間法人にすぎないものをいきなり法律に書き込むことについて法律専門家を初め各方面から疑問が出されました。こうした疑問にこたえるためにも、開発推進機構について公共的な性格を高め、より広範な意見を反映できるものに改組すべきではないか、このように思うわけですが、政府としては開発推進機構に勧告をするようなお考えはございませんか。
#25
○政府委員(内藤勲君) 財団法人大阪湾ベイエリア開発推進機構は、関係の地方公共団体、地元経済界、学識経験者、いわゆる産官学ですが、そういう方々が多数参画しておりまして、高い公共性を有していると考えております。
 そんなことで、御指摘の点につきましては、今後なお一層広範な意見を機構が反映できるような体制の検討を指導してまいりたいと思います。
#26
○西野康雄君 第七条で、一定の要件に該当する土地所有者は知事に申し出をすることができるという制度が盛り込まれましたが、これは初めての立法例であります。これによって行政側に圧力がかかるといったことや、差別的取り扱いが行われるということがないよう運用に十分慎重を期すべきだと思いますが、国土庁、いかがお考えでしょうか。
#27
○政府委員(内藤勲君) この点に関しましては、先生の御指摘のとおりでございまして、そういう方向で十分配慮したい、関係者を指導してまいりたいと思います。
#28
○西野康雄君 最後の質問になります。
 大阪湾岸地域には、自治体は、道路、下水道等の整備に伴って、土地所有者側から土地の無償提供がなされることについては大きな期待があります。道路や下水道などの公共施設の整備には税金が使われるのであり、せっかく初めて開発利益の還元項目が盛り込まれたことでもあります。従来の公共用地の提供の範囲を超える、住民も納得する程度の土地の無償提供が行われるよう政府としても地元自治体を応援してほしいと考えておるわけですが、どうでしょうか。
#29
○政府委員(内藤勲君) 土地の無償提供を含みます開発利益の還元につきましては、地方公共団体等は関係者間の協議に基づき協定を締結することによりまして、土地の権利を有する者に対し適切な負担を求めることができる、こうされております。
 国土庁としては、このような協定の締結が円滑になされるよう地方公共団体を指導してまいりたいということでございます。
#30
○西野康雄君 開発利益というものが還元をされなければ住民も納得はしないと思います。
 これは、本当に新手の土地転がしみたいなところがあって、工場用地が例えば千円のが住宅用地になって百万円になる、こういうふうなことにもなるわけですから、当然のごとく住民が納得のいく、そこに住んでいる方、周辺の住民の方々が本当によかったと言えるふうなものにならなければならないと思いますし、また埋め立てによって、住民が今までなれ親しんでいた海岸というものが遮断をされたわけですから、もう一度海岸に出ていくことができるような、そういうふうなベイエリアの開発でなければならないと私自身も思いますので、深くそのことを要望いたしまして、私からの質問を終えさせていただきます。
#31
○上野公成君 私は、大阪湾臨海地域開発整備法案に対しまして、自由民主党を代表いたしまして賛成の立場から御質問をさせていただきたいと思います。
 今日、各方面で東京に対する一極集中、これがさまざまな悪影響を国民生活にも及ぼしている、これを何とかしなければいけないと考えておられる方が大変多いかと思うわけでございますけれども、総論は賛成でもなかなか具体的な方策ということになりますと進まないのが現実でございます。そこで、第二の集積の地域であります近畿圏、大阪湾臨海地域に具体的に分散を図って充実をしていこうということでございます。大変重要な政治課題ではないかと考えているわけでございます。
 そういう観点からも、この法案を議員立法で御提案されました衆議院の建設委員長古賀誠先生には大変御苦労も多かったと思うわけでございまして、心から敬意を表するものであります。
 そこで、まず最初に古賀先生にお伺いしたいと思うわけでございますけれども、この法案のセールスポイントと申しますか、具体的な施策の目玉はどのようなものか、お伺いいたします。
#32
○衆議院議員(古賀誠君) 先生からの御質問でございますが、本法案におきます具体的な施策の特徴というのは何点があらうかと思いますけれども、私は三点ほど申し述べておきたいと思います。
 まず、第一点でございますけれども、総合的な広域的な観点からの開発整備の推進であるという点が一つあろうかと思っております。すなわち、計画策定段階から関係市町村を初め地域住民または民間事業者、そしてまた学識経験者等の理解と協力を得てこれを進めていく、そういう整備計画の実施に当たって、また関係自治体等から成る協議会を設けて地域間の総合調整にも十分配慮している、こういう点は一つの大きな目玉ではないかな、こんなふうに考えております。
 第二点でございますが、環境の保全の問題であります。瀬戸内海の自然環境等の重要性というものを十分認識しながら環境の保全を図る旨を明文化すると同時に、環境庁長官を主務大臣に加えている。そして、環境保全についての効果的な推進を図っていくという点にあろうかと思っております。
 第三点目でございますけれども、開発利益の還元のことであります。公共施設等の整備により著しく利益を受けることになる者に対して、地方公共団体等が適切な負担を求めることができる制度を明文化している点でございます。
 こういう点が、私は本法案の具体的な施策の特徴ではないかというふうに認識をいたしております。
#33
○上野公成君 次に、国土庁にお尋ねしたいと思います。
 法案の第一条に「世界都市」という言葉が使われておるわけでございます。ほかにもいろいろな港湾地域開発整備法があると思うんですけれども、この「世界都市」という言葉、余り今聞きなれないわけでございますが、それだけに斬新なイメージも受けるわけでございます。大阪の新空港、そういったものが中にあるとかいうこともあると思うわけでございますけれども、具体的なイメージについてお伺いしたいと思います。
#34
○政府委員(内藤勲君) 御指摘がありましたように、新しい言葉ではありますが、だんだん熟してまいりまして、本法案にも法文の中にそういう言葉が入ったのかと思います。
 私どもは、一般的には世界都市というのは、ちょっと抽象的かもしれませんが、世界の結節点となる機能と役割を有する都市であり、政治、経済、文化の情報発信拠点として、国内的にも世界的にも広域的な後背圏を抱えている都市ということかと思います。もうちょっと敷衍していきますと、関西圏が目指すべき世界都市ということで考えますと、国際的な文化、学術研究機能あるいは国際的な経済機能あるいは国際的な交流機能あるいは国際的な居住滞在が行われるような機能あるいは交通通信面での国際結節機能といいますか、そういった機能を有する都市ということではないかと思っております。
#35
○上野公成君 名前だけじゃなくて、実質的に世界都市にふさわしいものをつくっていただくということが一極集中を改善することでありますので、ぜひそういう方向でお願いしたいと思うわけでございます。
 次に、地域開発法案というのは、近畿圏整備法というのもございますし、そういうものとちょっと紛らわしいような点もあるわけでございます。特に、地域住民に十分そういう点を御理解いただくためにも明快な説明をするということが必要ではないかと思うわけでございますけれども、わかりやすい説明で、どういった方法でそういったことに対してPRをしていくか、そのことについてお尋ねしたいと思います。
#36
○政府委員(内藤勲君) 近畿圏整備法などとの関連の話がありましたが、この法案でもうたわれておりますが、近畿圏整備計画その他法令の規定による地域振興に関する計画との調和が図られるようにということがまず法体系の問題としては規定されております。それから、今後積極的にベイエリアの開発整備についてのPRを行うべきだというのもそのとおりだと思います。
 それで、先ほどもお話がございましたような、大阪湾ベイエリア開発機構あるいは大阪湾ベイエリア開発推進協議会というものがございますが、そういう機構を通じてPRに努めてまいりたいと思います。
#37
○上野公成君 次に、第七条の中に、先ほど西野委員の質問の中にもあったわけでございますが、財団法人大阪湾ベイエリア開発推進機構、この問題につきましても、先ほど公共的な性格云々というお話もあったわけでございますけれども、この財団法人、具体的にどういう中身か、そしてこういうものの意見を聞くということは、これも十分理解をいただかないとなかなか誤解を受けることがあるんじゃないかと思うわけでございまして、そういった点についてお尋ねしたいと思います。
#38
○政府委員(内藤勲君) いわゆるベイ機構と通称言っておりますが、財団法人大阪湾ベイエリア開発推進機構、財界主導とか、そういうような意見も聞くことがあるんですが、中身を見ていただきますとおわかりいただけるかと思いますが、先ほど来御説明いたしましたように、産官学という関係者が多数参画している組織でございまして、公共性の高い組織かと思います。
 行っている仕事は、大阪湾岸地域及びこれと一体的な内陸部の総合開発整備に関する調査研究、企画立案、それから合意形成の促進、そういったことを目的としておりまして、多角的に活動していると思います。
 それから、そういう機構の特徴といたしまして、この地域の広域的、専門的観点からの整備計画に意見を申し出るような知見のある機構かと考えております。
#39
○上野公成君 次に、この対象となる地域についてでございますけれども、これは「主務大臣が、府県知事の申請に基づき、関係行政機関の長に協議して指定するものとする。」、こういうふうになっているわけでございますけれども、関連の整備地域ということだと幾らでも範囲が広がってしまうことも考えられるわけでございます。そういうことになると非常に焦点がぼけるということも考えられるわけでございますけれども、具体的にはどの範囲を考えておられるかお聞きしたいと思います。
#40
○政府委員(内藤勲君) 地域指定につきましては、これからの話というのが制度上の建前ですが、この法案を審議している過程で私どもが伺っている範囲は、おおむね滋賀県、京都府、奈良県、それから大阪府、兵庫県、和歌山県、それに徳島県というところを含めた二府五県と理解しております。
#41
○上野公成君 この法案が成立いたしまして、大阪湾ベイエリアの開発整備が推進されますことは、先ほど申し上げましたとおり大変すばらしいことだと考えておるわけでございます。
 そして、古賀委員長に目玉は何かということをお聞きしました。その一つに環境ということがあったわけでございますけれども、これは計画をつくるといいますか、これから推進していくという意味で、国土庁の方に環境対策についてどのように配慮をするということをお考えになっているかお聞きしたいと思います。
#42
○政府委員(内藤勲君) 先ほど古賀委員長から本法案の特徴ということで御説明がありましたけれども、この法案を見ますと、第一条の目的に住民の良好な居住環境等の整備というものがうたわれておりますし、第三条の配慮的事項には瀬戸内海の自然環境等を勘案した広域的、総合的な環境保全を図るということがございます。それからまた、五条の基本方針あるいは七条の整備計画には環境の保全に関する基本的事項を定めるというようなことで、この環境の保全というのが本法案の柱の一つとなっていると思います。
 そういうことでございますので、これから国土庁といたしましてはそういう法案の趣旨にのっとり、大阪湾の環境の保全に十分配慮した整備を行ってまいりたいと考えています。
#43
○上野公成君 それでは、最後になりますけれども、国土庁長官、東家大臣にお伺いしたいと思うわけでございます。
 この法案では所管が七大臣に及んでいるわけでございまして、まず地域の指定、これは主務大臣が行うことになっております。そして基本方針の決定、変更、そして整備計画の承認。ところが七大臣もおられるということは、私も役人をしておりまして、二、三省庁だけでも大変なことなのに、七省庁の協議調整が要るということになりますと、率直に申し上げまして大変御苦労があるんではないかと思うわけでございます。
 そしてまた、開発促進をしていく場合にも、これらの省庁が一にいろんな面で補助金あるいは交付税とかこういったことで協力していただかないと、せっかくの議員立法でできた法律がなかなか成果を上げないということになるわけでございます。そのためにも国土庁長官の強いリーダーシップが何よりも不可欠だと考えるわけでございますけれども、最後に東家大臣の御決意をお伺いしたいと思います。
#44
○国務大臣(東家嘉幸君) 今日ここに至るまで、大変関係の先生方にもお世話になりまして、きょう御審議いただいているわけでございますけれども、今後ともこの法案の施行に当たっての各省間の連携というものは不可欠なものだと思っております。そうした基本方針の決定、整備計画の承認など国と地方の関係にかかわることにつきましては、国土庁長官という立場から十分に法の円滑な推進のためには万全を期すべきと私はかねがね思っております。
 どうかひとつ、この法案が成立しまして、そして大阪湾岸地域の皆さん方の、内陸部も含めて、一極集中と言われるそうしたことの是正のためにも、ぜひ実効のあるものにしていただくよう今後とも御協力をお願い申し上げたいと思う次第でございます。
#45
○上野公成君 それでは、本当に国土庁長官の強いリーダーシップを期待申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
#46
○中川嘉美君 まず、東京一極集中排除のために、これまでさまざまな手段が講じられてきたわけでありますが、この法案でも第一条の目的のところに東京圏への諸機能の一極集中の是正が挙げられておるわけであります。大阪湾ベイエリアを中心とする関西地方が東京圏の諸機能の受け皿の役割を果たすためには、いわば地方拠点都市地域の整備促進とは比べものにならない、これほどの大きな具体的構想が必要であるというふうに考えております。
 ベイエリア開発整備のグランドデザインですが、世界に貢献する世界都市機能強化ということがうたわれておりますけれども、国土庁長官はこの関西地方の持つ潜在能力、これをどのように認識をしておられるか、まず伺いたいと思います。
#47
○国務大臣(東家嘉幸君) 関西は、経済的にも社会の中心として我が国の発展をリードしてきた地域だと思っております。特にまた、大阪湾地域に見られるように、産業構造の変化等によって工場敷地等の遊休化が見られる今日、そうしたさまざまな問題を総体的に考えた場合、やはり生かしていかなければややもするとそうした地位が落ちていく嫌いも私はありはしないかと思ってまいりました。
 そういう点から、関西は経済的にも歴史的にも文化集積を活用しながら、これからの新しい時代の要請にこたえていく地域の活性化を図らなければならないと思っております。中枢機能を分担しながら、国際交流の新時代にふさわしい整備を図るべきである。そうしたことから、住民の良好な住環境の整備とあわせ、今後東京圏への一極集中の是正並びに世界及び我が国の経済、文化等の発展に寄与することが大いに期待されているというふうに考えております。
#48
○中川嘉美君 私は、関西地方を例えばいわゆる高度情報化都市等に発展させていくということについては、これは大変結構なことだと思いますけれども、しかし東京の一極集中の是正ということを挙げて東京圏の諸機能の受け皿を果たすということが関西地方の新たな一極集中を生み出すんじゃないか、このように懸念もしているわけであります。
 ここでは、関西地方の東京と違う点、独自性といったものをどのように認識しておられるのか、あわせて伺っておきたいと思います。
#49
○政府委員(内藤勲君) 本法律の目的は、先ほどの大臣のお話で尽きるかと思うんですが、私どもといたしましては関西圏というのは東京圏と違って歴史というのが重要かと思います。歴史的に蓄積された経済的、文化的集積というものがございますので、そういったものを活用していくということが重要かと思います。
 その中で、アジア・太平洋地域との国際的交流拠点として整備を図るとか、文化首都関西といったようなことが言われますが、そういった形での発展を図るような整備を進めていく、そういうことかと思っております。
#50
○中川嘉美君 時間の関係もありますので、若干割愛せざるを得ませんが、次に遊休地の活用についてですが、大阪湾臨海地域では工業用地の遊休化が進んでいるということであります。工業地帯全体のうち、遊休化している工場、また土地、これらの割合は一体どのぐらいあるのか、ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
#51
○政府委員(内藤勲君) 大阪湾臨海地域の範囲というものがまだ具体化しておりませんが、数年前の財団法人大阪科学技術センターの調査によりますと、国道二号、国道四十三号、国道二十六号、そういったところから臨海側の範囲でございますが、遊休地として約千三百ヘクタールの土地があるという調査結果がございます。
#52
○中川嘉美君 これらの遊休地ですが、この法案によると、整備計画において開発地区として指定を受け、有効活用が図られることになっておりますけれども、現在の遊休地のうち開発地区の要件に該当するもの、これがどのぐらいあると見込んでおられるか、また、開発地区に定められなかったものについてはどのような位置づけのもとに活用を図るのか、この辺について伺いたいと思います。
#53
○政府委員(内藤勲君) 開発地区というのは、この法律で定義されておりますように、大阪湾臨海地域の中での開発拠点的な場所といいますか、中核的施設を整備していく場所がと思います。それで、それぞれにある程度の規模を有するところが開発地区ということに指定されていくと思いますが、今の段階で何カ所どのくらいかということはちょっと答えられない状況でございます。府県知事が整備計画を定める段階で明らかになるということでございます。
 それから、開発地区に定められなかった土地はどうなのかということでございますが、整備計画自身は開発地区を含むもう少し広域的な計画でございますので、開発地区に指定されない地区も整備計画では何らかの形での位置づけが行われるものと考えております。
#54
○中川嘉美君 もう少し具体的な御答弁があるかと期待しておったんですが、遊休地には工業用地として埋め立てたものが多いと思われますけれども、その遊休地を有効利用しようとする場合に公有水面埋立法による用途変更制限、これとの関係はどうなるのか、また、仮に埋め立てから十年経過していれば用途変更は無条件で許されるのかこういった問題があると思います。
 もともと公共の海であったものを工業用地として埋め立てたわけですから、工業用地として不要になったのであれば基本的にはすべて自然海岸に復元をして市民に開放すべきじゃないかという考え方も十分にこれは成り立つと思うんですが、この点はどうでしょうか。また、他の用途への変更について社会的コンセンサスを十分に得る必要があるんじゃないか、このようにも考えるわけですが、あわせて伺っておきたいと思います。
#55
○政府委員(内藤勲君) 埋立地で遊休化したものの土地利用の転換の御質問でございますが、十年経過する経過しないということはございますが、当該土地が国民の貴重な財産である公有水面の埋め立てによってなされたという経緯にかんがみまして、極力市民が海へのアクセスを容易に行えるような計画にするなど、やはり公有水面埋立地の公共的な側面というものが今後とも強調されてしかるべきかと思っております。
#56
○中川嘉美君 次に、開発地区の申し出制度についてですが、その土地が開発地区の要件に適合するか否かの判断について土地所有権者が行うということは困難である、このように思いますが、このあたりについて対策を考えておられるのかどうか。また、申し出制度ができたことによって、開発地区として適当な遊休地があっても申し出がない場合は事実上開発地区の指定ができないことになるおそれがないかどうか、これらの点もちょっと心配されますが、あわせて御答弁をいただきたいと思います。
#57
○政府委員(内藤勲君) この法律あるいは開発地区の制度が今後さらにPRされる必要があろうかと思いますが、開発地区につきましてはこの法律の二条三項に定義がございまして、三項目ほど挙げでございます。こういった地区に該当すると考えられる地権者は開発地区の申請ができると思いますので、混乱なくこの制度の活用が進められるのではないかと考えております。
 なお、申し出がなかった土地につきましても、整備計画の立案に当たりまして都道府県知事が開発地区にするということができるわけで、申し出の有無にかかわりなしに開発地区の指定は行い得ると理解しております。
#58
○中川嘉美君 遊休化した工業用地を開発、整備する場合、この臨海地区の指定解除とかあるいは用途地域の変更が行えるものと思うわけですが、例えば工業系から住居系とかあるいは商業系に用途変更された場合、一般的には地価が上昇するんじゃないか、このように思います。公共施設の整備に伴う受益者負担については法案に規定されておりますけれども、この公共施設の整備に関係なく発生する利益についての社会還元、これについての認識というものはどのようなものであるのか、伺っておきたいと思います。
#59
○政府委員(内藤勲君) この法律の十五条を拝見いたしますと、公共施設の整備だけでなく、整備計画の実施に伴って利益が発生した場合には社会還元ということが書いてございます。したがいまして、公共施設の整備以外につきましても、利益が生じた場合に開発利益の還元ができる仕組みがこの中に盛り込まれていると理解しております。
#60
○中川嘉美君 総事業費十兆円とも言われる東京の臨海副都心計画ですが、バブル崩壊と景気後退のために計画の見直しを迫られている。用地価格も値下げすることになって大幅な減収になったというふうに聞いておりますが、結果として都の一般会計の負担増となって都民がツケを払うということになるわけであります。
 一方、大阪湾の代表的プロジェクトであるりんくうタウン、ここでも同様に景気後退の影響を受けて企業が進出するのに及び腰になっているとの不安材料が実はあるわけですけれども、開発事業が景気動向とかあるいは経済情勢に左右されるということは否めないことだとは思いますけれども、そのツケを結局地域住民が払わされるようでは問題ではないか。こういったことに対してどのような認識を持っておられるのか、最後にこの一点を伺って、きょうのところは終わりたいと思います。
#61
○政府委員(内藤勲君) 東京湾臨海部の開発の話が出ましたが、東京湾臨海部につきましては、御承知のとおり、国土庁等関係五省庁、それから東京都で構成されます東京臨海部開発推進協議会というところで基本方針をつくり、計画の調整を行って東京都が事業を実施していく、そういうことでございますが、今先生御指摘の東京の臨海副都心の計画につきましては最近見直しなども行っているわけですが、その計画の見直しの中で、私どもが東京都から伺っている限りでは、一般会計の負担増という形で都民にツケが回るような形ではない計画の変更、スケジュールの変更などはございますが、ツケが回るような形での計画変更ではないと伺っております。
 なお、いずれにしましても、大阪湾の臨海部の開発、景気に影響されるということはあるかと思いますが、中長期的な構想のもとで進められるものでございますし、地域住民にツケが回るというようなことにならないような開発を府県にもお願いいたしたいと思いますし、私どももそう指導してまいりたいということでございます。
#62
○山田勇君 本法案につきましては、環境への配慮、また民間主導、地元優先、それに土地対策などの要件を満たしており、一定の評価ができると考えます。本法案によって単に大阪臨海地域及び関連整備地域の秩序ある発展が図られるのみではなく、これらの地域が近年の東京一極集中を是正するための拠点としての役割を果たすことも期待できると考えます。
 そこで、本法案によって、具体的に当該地域をどのような地域として整備していくのか。本法案の第一条目的には、世界都市にふさわしい機能を備えた地域に整備されるとなっております。世界都市とはどういうイメージを描けばよいのか。もちろん具体的には主務大臣が基本方針で決定することでありますが、その前提としてどのような方針を持っているのか問われると思います。その点いかがでしょうか。
#63
○政府委員(内藤勲君) この法律の目的とするところは、先ほど来お話をさせていただいておりますが、東京一極集中の是正と近畿圏の活性化ということかと思います。その際に大阪湾臨海部に遊休地が生じていたということでございます。産業構造の変化ということがございまして、かっての重化学工業地帯の土地が別な形で利用可能になったということが背景にあると思います。そういう形でこれからの開発の方向としてこの法律に掲げてございますのが、世界都市としての発展あるいは同時に地域住民の居住環境の整備が図れるような形での整備、そういうことかと思います。
 それで、世界都市の話がございましたが、まだ抽象的な御説明しかできないんですが、私どもも世界都市という言葉がだんだん熟してきたかなと思います。その中で、先ほどもお話しいたしましたが、やはり大阪というものが世界の中での一つの結節点、世界のネットワークの一つの結節点となるような形での発展ということかと思います。その国際性、世界性というものが政治的なこともあるかもしれませんが、経済、文化とかそういった面かと思いますし、人、物、金の交流の中心といいますか、そういった形での地域の発展、国際的な性格を有する地域の発展、そういったものがこの地域の目指す方向ではないかと考えています。
#64
○山田勇君 空港関連という形の中にあっても、このベイ構想というのは、僕は大変評価しておるわけです。その前に、近畿圏全体も空港開発を目指して二十四時間都市構想というものも打ち出していかなければならないし、いろいろなアクセスの問題にしてもそうであります。それと関連した形の中で、新しい世界都市としてのイメージをつくっていくということが大変大切なことだと思います。私は大阪湾臨海地域を第二の東京にしてはいけないとは思います。当該地域がその歴史と伝統に基づき二十一世紀にふさわしい都市地域としての発展をしなければならないと思います。
 さて、本法案の実施に当たりましては環境問題には特に配慮する必要があると思いますが、中でもかけがえのない瀬戸内海の自然環境を守るということが我々に課せられた責務であります。開発の前にまず環境ありきの姿勢を貫く必要があります。本法案の作成過程で環境アセスメントに関する事項を法案中に定めるべきだという意見があったようですが、結局、環境アセスメントは個別の地域立法で対応すべきではないといった主張により、結果は基本方針で対応することになっております。
 しかし一方、環境問題は全国画一的に行うべきではなく、むしろ地域ごとにその状況に応じてやるべきなどの主張があるわけですが、基本方針による対応になったということによって環境対策が実質上一歩後退するようなことになっては困ります。まとめ役の国土庁としては、環境庁などと十分連携を図り、環境悪化を招くことのないよう努力する決意をぜひお聞きかせいただきたいと思います。
#65
○政府委員(内藤勲君) 環境問題でございますが、この法案を拝見いたしますと第一条の目的のところでも環境問題を重視してございますし、第三条の配慮事項でも「瀬戸内海の自然環境等の重要性にかんがみこということで環境に触れでございます。それから今先生御指摘のとおり、第五条の基本方針、第七条の整備計画でもそういう位置づけがはっきり書かれてございます。
 私どもといたしましては、瀬戸内海環境保全特別措置法その他の法律がございますが、そういった法律の趣旨を尊重していくと同時に、環境庁などとも十分協議して環境の保全が十分図られるよう努力してまいりたいと思います。
#66
○山田勇君 時間が来ましたので、最後に国土庁長官にお尋ねをいたしておきます。
 この議員立法はその実効において各省庁の支援体制が整わず有名無実化するケースが多いと思います。この法案が成果を上げるのには関係七省庁の緊密な連携プレーを強く望まれるわけですが、そのまとめ役ともいえる国土庁としてはどのような決意で事に当たるのかお聞かせいただきまして、私の質問を終わります。
#67
○国務大臣(東家嘉幸君) 本法案の施行に当たりましては、各省庁間の連携が不可欠な要件だと思っております。御指摘のとおりでございます。特にまたこの本法案で基本方針の決定、整備計画の承認など国と地方との関係にかかわる問題につきましては、国土庁長官という立場からよく法の円滑な推進を図るためには万全を期していくべきではなかろうかと考えております。
#68
○上田耕一郎君 この法案は経過から中身に至るまで徹頭徹尾財界主導で、大阪湾の環境破壊、さらに住民、自治体に非常に大きな損害を与えるものとして私どもは反対です。
 もともとこの法案の出発点は八九年四月、関西経済連合会、関経連のグレーター・ベイエリア・ルネッサンスというもので、そこから出発しました。この関経連を中心にできた推進協議会からことしの三月、特別法制定の要望書が出ております。十一月十一日の産経新聞夕刊にはこの特別法案「臨時国会に上程」、「与野党協議で一致」ということになっています。自民、社会、公明、民社四党の与野党協議が十一日午前、東京都内のホテルで初めて開かれた。ここには関経連の宇野收会長も出席した。それで臨時国会に提出することがここで決まったということですね。
 なぜこの法案が必要になったかということを産経はこう書いております。
  大阪湾ベイエリアは重工業地帯として発展してきたが、産業構造の転換に伴い工場の縮小や移転が相次ぎ、約五千ヘクタールの低・未利用地が生じている。臨海地域では約百五十件、総事業費十五兆八千億円のプロジェクトが計画されているが、臨海地域は工場等制限法や港湾法、都市計画法など約二十の法律の網がかかり、総合的な再開発のネックとなっている。
 このため、関西財界などが総合的な開発をうたった特別法の制定を各党に訴え、先の通常国会で成立を目指していた。ということでこれが生まれたんです。経過は極めて明らかなんですよね。
 それでこの中身は、地方議会や住民の意向を反映する仕組みは皆無、事実上自治体の上位機関となる促進協議会による地方自治形骸化のおそれも大きい、財政負担問題、瀬戸内法との関係の問題等々非常に重要な問題を含んでいる極めて重要な法案で、国会及び当該地域で十分な検討が必要なのに、衆議院では臨時国会のどさくさ紛れに何ら審議しないで通してしまった。参議院では審議したことはいいと思うんですけれども、わずか二時間、私も十分ということなんですね。衆議院では日本共産党の反対を押し切って審議ゼロの委員長提案を強行した。国会は唯一の立法機関として法案を審議する権限と責任があります。密室での自社公民協議で合意しさえすれば国会審議は無用だということになれば、これは議会制民主主義の否定、建設委員会の自殺行為になると言わざるを得ません。衆議院は委員会十一月二十六日、日本共産党の反対で通過、本会議十一月二十七日成立てす。
 朝日新聞、十一月二十九日に「大阪湾岸開発はこれでいいか」という社説を載せて、この中で、「全国的な視点での慎重な審議が必要である」、「国会審議とともに、住民の意見を聞く公聴会をぜひ持つべきだ」、そういうことも衆議院通過後朝日が社説で述べているんですね。
 法案提出者の古賀誠衆議院建設委員長は、この法案は全く国会で審議する必要がないものと考えている理由をお聞かせいただきたい。
#69
○衆議院議員(古賀誠君) 上田委員の御指摘でございますが、私は、この法案は極めて衆議院においては民主的に手順を踏んで事を運ばせていただいたという認識でおります。
 本法律案の衆議院におきます経過を簡単に申し上げますと、本案の衆議院における審査につきましては、まず理事会等におきまして御協議をいただいた上で起草案を得、これを成案とすることで委員会にお諮りをいたしまして、採決の結果、建設委員会提出の法律案とするように決したものであります。また、委員会におきましては、今上田委員の御発言の中にもありましたように、本案にさまざまな御意見をお持ちの委員には十分配慮させていただきまして、採決の前に特に御発言をいただいたところであります。本会議におきましては、委員会の提出した法律案は委員会の審査を省略して直ちに議題とするというのが先例となっております。
 そういう意味で、各会派の委員の方々の御意向にも十分配慮してこの議案が処理されて今日御審議をいただいている、そのように理解をいたしております。
#70
○上田耕一郎君 もうあと四分しかございませんので、いろいろ準備をいたしましたけれども、ほとんど聞くことができない、こういう状況なんですね。
 私のところには電報が来ています。関西の方々で、これは大阪自治体労働組合連合会。「大阪湾は死にかけています。ブラジルの約束を政府に守らせ、大阪湾臨海開発整備法案の委員会での慎重審議をさせるため御奮聞いただき、法案の撤回を含め再検討していただきたい」。こういう要望などが来ているんですね。そういうのにこたえられないですよ。もうあと三分ちょっとしかないということですからね。
 環境庁をお呼びいたしましたので、環境問題、一つだけお聞きしたい。
 この推進機構、これは法律案で、そこの意見を聞くことになるでしょう。推進協議会と同じですよ。会長も同じ、事務局長も住友信託銀行出身の方で同じ、役員も全部同じですよね。
 その推進協議会がつくった「グランドデザイン」というのがあります。これには「新たな埋立て」というのが書いてありますね。埋め立てをやるんですよ。「今後、増大が予想される廃棄物・建設残土・浚渫土砂などの処分場さらには下水処理場などの処理施設は、最終的には海域に求めざるを得ない状況にある」。大阪湾につくるんですね。はっきり書いてあるわけであります。
 それで、この中にも、財界主導だけれども知事から何から全部入っていますからね。そこで決めるんですよ。そうしたら、後、市町村は何の意見も言うことができない。
 ここで、朝日の社説はこう書いてあります。「瀬戸内海について「わが国のみならず世界においても比類のない美しさを誇る景勝地として、また、国民にとって貴重な漁業資源の宝庫として、その恵沢を国民がひとしく享受し、後代の国民に継承すべきもの」と明記したのは、瀬戸内海環境保全臨時措置法である」。ところが、同じ地域について相反するような理念に基づく二つの地域立法になる。今度のはそうですよ。全く相反する理念のものなんですよね。
 それで、瀬戸内法を見ますと、十三条で、瀬戸内海の特殊性で埋め立てはちゃんとやらなきゃならない。そこで決めた環境庁の基本方針を見ると、「次の海域については、次に示している留意事項に適合しない埋立てはできるだけさけるように配慮すること」。なるべく埋め立てしない地域として、大阪湾の奥、これがちゃんともう最初に載っているんだから。しかし、埋め立てをどんどんやる気なんですよね、財界主導で。それで、これ、どういうことになるのかというのを環境庁に聞きたい。この二つの全く相反する理念の大阪湾に関する立法を環境庁はどう考えているのか。
 それから、日本には極めて不十分なごまかしとも言うべき事業アセスはあるけれども、これだけの開発を総合的に検討する計画アセスはないんです。環境庁は、当該地域の事前調査に着手したという報道がありますけれども、民間の開発事業を含めた総合的な計画アセスをこの大阪湾地域についてやる方針があるのかどうか。この二つについて環境庁にお伺いします。
#71
○説明員(和田茂樹君) お答えいたします。
 先生の御指摘のように、瀬戸内海環境保全特別措置法の十三条に、そのように埋め立てに当たっては瀬戸内海の特殊性を十分配慮するというふうに規定してございます。また、その埋め立ての適否について、具体的な判断基準については瀬戸内海環境保全審議会というところでその基本方針を示しているところでございます。
 従前から、この基本方針に基づきまして、特に大阪湾等は海水の滞留度が高いというようなことから許可する場合にも留意事項に適合しなければならないということで、その中で大阪湾においては公害防止とかあるいは環境保全に資するものでなければならない、これ以外のものはできるだけ避けるというふうなことを審議会からいただいているわけでございます。具体的には、公害の防止というようなことで、産業廃棄物あるいは一般廃棄物等、陸域側ではどうしても求められないというようなものは必要最小限海に求めるというようなことで、今までもそのような例でやっておるところもございます。
 また、環境保全に資するというようなことで具体的に申しますと、例えば大阪の飛行場、大阪空港でございますけれども、内陸部で騒音問題等いろんな問題が生じているというようなことから、この代替地がほかに陸域では求められないというようなことで新たに海域を必要最小限埋め立てまして、かつ、その中では水質汚濁の負荷量の少ないもの、多いものは陸域側で処理するというようなことで、必要最小限のものとして今までも対応してきたところでございます。
 本法律ができる段階においても環境庁長官が主務大臣として入っておりますので、整備計画等作成するに当たりまして、その計画立案の段階からこのような趣旨が徹底されるように指導してまいりたいというふうに思っております。
#72
○上田耕一郎君 もう時間が過ぎたので残念ながらやめますけれども、非常に不十分な審議でこういう全国的にも地域的にも重要な法案を成立させるということについて、私は強く抗議して質問を終わりたいと思います。
#73
○萩野浩基君 今回のこのベイエリアの開発に関しましては、議員立法であり、我々の方もこれは賛成しております。
 こういう大きなプロジェクトに関しては、やはりそれなりの慎重な面が必要だということを、それぞれの同僚委員から指摘がありましたので、若干重なると思いますけれども、一応衆議院の方では審議はなして要望事項として出ておりまして、それも読ませていただきまして、ごもっともなことと思い、ます。
 確かに、私、今、宮城の仙台に住んでおりますけれども、生まれは西の方でございましたので、郷里を離れるときに、大体六割ぐらいは大阪で四割が東京ということです。それが今全く逆転現象でございます。そういう面におきましても、余りにも東京に一極集中という意味からもこういう発想というのは当然あってしかるべきだと思っておる一人であります。
 ただし、このプロジェクトの推進ということに関しましては、この低未利用地というようなものをどのようにうまく活用していくか、また各種工事における、現代の時代でございますからいろんな機能の集積等においても十分配慮をしていただきたい。先ほど来意見にも出ておりましたが、特にウオーターフロントの問題に関してはやはり十分考えていってほしいと思います。
 先ほど来、突然出てきたコンセプトとしまして、世界都市というもの、先ほど聞いておりますと結節点としてのというんで、ある意味では情報発信基地といいますか、情報発信リージョンといいますか、やはりそういう意味でおっしゃったと思いますが、そういう面からして、私はこういう発想を非常に大事にしていただきたいと思うんですね、国際化の時代でありますし。
 私も、プライベートなことを申し上げますけれども、この一月にウェスト・イーストセンターで東西文化に関して基調講演をすることになっているんですが、やはり日本がもっともっと世界に向けて羽ばたいていかなきゃならない。そういう意味で、私は本旨においてはこの趣旨には賛同でございます。
 私のところにも電報が来たりいろんな手紙が来たりしております。ざっくばらんに申し上げますと、二つのプリンシプルといいますか、やはり環境をどこまで保全するか、そして開発するかという、これは見方によればアンビバレンスな二つのものがあるわけで、私はやはりこれはどちらかを余りにも重要視していくということになると、結局何にもできない。そこで、止揚といいますか、英語で言えばインテグレートなんですが、インテグレートでは余り意味がはっきりしません。ドイツ語のアウフヘーベンが一番いいと思いますけれども、やはりこういう両方をそれぞれ生かしていく、そういう意味で今回これを進めるに当たりましては、これは議論をしておれば結局こっちだこっちだという言い分になってしまうので、それぞれの、住民の方は住民の方の気持ちになって考え、そしてまた今日の科学技術の時代でございますから、また世界へ向けての日本の発展というような、また貢献というような意味においても、この二つをいかにアウフヘーベンしていくかということが非常に大事だろうと思います。
 現実の問題としては、ごみ処理の問題でどんどん埋め立てていく、やはりこれはあるここまでの限度だということも大体約束で決まっているようですけれども、今の都市化、一極集中、関西におきましては大阪に集中しておりますし、そういう面で十分配慮をしていっていただきたいと思っております。
 議員立法でありますから、各省庁に関して、我々の要求というよりも、我々が主体的になってこの問題を推し進めていく、それに協力をいただきたい、そのように私は考えております。
 そういう意味におきまして、余り質問にはなりませんけれども、とにかくこれは一体になってやっていかなきゃならないわけでございますから、国土庁、環境庁、それから特に今回の責任者として古賀委員長、一緒に推し進めていく、そしてやはり小さいところにも十分配慮をしていく、そういう意味で、院の方から回されたメモを読むのではなくて、決意のほどをはっきりと申し上げていただきたいと思います。
#74
○衆議院議員(古賀誠君) 先生の基本的なこの法律案に対する御理解と、また御賛同をいただきましたことに心から敬意を表する次第でございます。
 また、いろいろと御指摘をいただいたわけでございますが、とりわけ開発と、今世界的な課題になっております環境問題とどう調和するか極めて大事なことだと思っております。十分そういった点には留意しつつ、しかも主務大臣が七省庁にわたる非常に多岐にわたっている省庁間の調整等、国土庁長官にこれから御労苦いただくわけでございますが、私どもも議員立法として提案させていただいた以上責任を持って見守り、その促進に全力を尽くしていきたい、このように決意をいたしているところでございます。
#75
○国務大臣(東家嘉幸君) 本法案の施行に当たりましては、各省間の連携が不可欠でございます。本法案の基本方針の決定に従って、今後とも国土庁長官の立場は非常に各省庁間の連携の中のかなめとなっていかねばならないことでございますから、十分この法案の円滑な推進を図るべく万全を期してまいりたいと存じます。
#76
○説明員(熊谷道夫君) 環境保全がこの法律の大きな目的となっておるわけでございます。私どもも主務大臣の一人として環境保全につきましては万全を期してまいりたい、このように存じております。
#77
○萩野浩基君 まだちょっと一分残っているんで、いいですか、委員長。
#78
○委員長(梶原敬義君) どうぞ。
#79
○萩野浩基君 このように、もしこれが推進されていくと、今やはり多極化ということが非常に必要だということが言われておりますので、このプロジェクトが成功するならば、先ほど来申し上げておりますとおりに、世界都市としての結節点というようなことになると、この人なり物なりお金なり、あらゆるものの一つのもとになる。そういうことになると、通産省ぐらいは大阪に一遍持っていってみたらどうか。そういうようなニューウエーズ・オブ・シンキング、発想の転換というようなことも考えてみたらどうかと思っておりますが、国土庁長官に御答弁をお願いします。
 それからまた、もしできましたら古賀委員長にも、希望でもいいです。
#80
○衆議院議員(古賀誠君) 御意見は十分お伺いさせていただきます。
#81
○国務大臣(東家嘉幸君) 私の立場から答えづらいことでございますが、そういうことのお考え方は承っておきます。
#82
○萩野浩基君 終わります。
#83
○委員長(梶原敬義君) 他に発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#84
○上田耕一郎君 私は、日本共産党を代表して、衆議院建設委員長提出の大阪湾臨海地域開発整備法案に反対の討論を行います。
 本法案は、大阪湾臨海地域を大企業の業務機能が集中した世界都市にすることを目指し、バブル崩壊で行き詰まっている大企業主導の各種開発計画を取りまとめて、大規模な国家プロジェクトとして推進しようとするものです。そこで進められようとしているものは、今や都心に人が住めなくなりつつある東京の都市破壊の出発点となった首都改造計画の大阪版とも言うべきものです。大型プロジェクト中心の大規模開発が都市のゆがみを助長し、重大な環境破壊を招くことは明白であり、大企業優先、住民犠牲の開発を推進する本法案には断固反対です。
 このような重要な法案を、衆議院では審議なし、参議院でもわずか二時間の審議で成立させることは、国民の信託にこたえて法律を審議すべき国会の厳粛な使命を放棄し、議会制民主主義を危うくするものと言わざるを得ません。このような国会運営に強く抗議するものです。
 以上述べた大阪湾臨海地域の開発整備の内容、法案制定の手続のほか、法文自体も極めて重大な問題を持っています。
 第一は、計画の策定からその実施に至るまで、徹頭徹尾、財界、大企業の意向に沿って進める仕組みとなっており、町づくりの中心であるべき市町村、住民の意向を反映する保証が全くないことです。
 そもそも、この法律の制定は関西経済連合会の提言に沿って進められてきたものであり、法文では、整備計画の策定や促進協議会の協議について、大企業主導の開発推進団体である財団法人大阪湾ベイエリア開発推進機構の意見を聞くことが明記されているのであります。政府は、地方拠点都市地域整備法で建前だけでも地方の自主性の尊重をうたってきましたが、地域指定、基本方針の決定は大臣が行い、整備計画は知事が策定するという本法案は、それに逆行するものです。このような仕組みで、住民の良好な居住環境を整備することにはならないことは、これまでの各種開発事業の実態から明白です。
 第二は、大臣、知事、指定市長などによる促進協議会を設置し、事業の実施の促進に関し必要な協議を行うとしていることです。促進協議会が、地域の将来にかかわる重要問題について、事実上都道府県、市町村の上位機関となり、関係地方議会の審議すら制約することになる危険が極めて強いのであります。しかも、関係市町村長さえ主務大臣の指名がない限り、協議会から排除されているのであります。地方自治を形骸化する極めて重大な問題です。
 第三に、開発業者に対しては、バブル崩壊で利用に行き詰まっていた所有地を開発地域に指定して公共投資を投下する道を開いた上、税制上の優遇措置まで与える反面、地方自治体には関連公共施設整備や地方税の減免が押しつけられていることです。これが将来にわたって過大な公債費負担となることは明白です。
 第四に、中核的施設その他これに相当する施設については、都市計画法などの許可に際して、当該施設の整備が促進されるよう配慮することが義務づけられていることです。財界は、瀬戸内海環境保全特別措置法で埋め立てが抑制されるべき地域とされている大阪湾での新たな埋め立ての推進など、当該地域におけるモデル的な規制緩和を要求しており、環境保全、健全な都市形成のために必要な各種許可制度等が骨抜きにされる危険が強いのであります。
 大阪湾岸の地方自治体と住民が求めていることは、乱開発の促進ではなく、高騰した地価の抑制、自然環境の保全、地場産業を初め中小企業の経営の安定、生活環境整備などを促進することです。国民の共有財産である大阪湾とその沿岸地域を財界、大企業の利潤追求のえじきとして差し出す本法案の撤回を強く要求して、反対討論を終わります。
#85
○委員長(梶原敬義君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 大阪湾臨海地域開発整備法案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#86
○委員長(梶原敬義君) 多数と認めます。
 よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 本法案につきまして、本日の論議を踏まえ、当委員会としての政府への要望事項がまとまりましたので、この際、委員長から国土庁長官に要望いたします。
 一、基本方針には、必要に応じて総合的に環境への影響の調査研究を行うよう定めること。
 二、瀬戸内海の自然環境保全に十分配慮し、瀬戸内海環境保全特別措置法等の規制緩和を行わないこと。
 三、開発利益の還元に当たっては、土地の無償提供についても円滑に行われるよう配慮すること。
 四、整備計画の策定に当たっては、幅広く住民の意向が反映されるよう地方公共団体を指導すること。
 五、申出制度については、適切な運用が図られるよう努めること。
 六、本法の施行に当たっては、その効果が関西圏全体へ波及するよう努めること。
 以上であります。
 国土庁長官は、ただいまの事項について十分留意の上、対処されるよう要望いたします。
 上田君から発言を求められておりますので、これを許します。上田君。
#87
○上田耕一郎君 先ほど反対討論で申し述べましたような重大な内容を持つこの法案の実施を前提としたただいまの委員長要望にも反対を表明いたします。
#88
○委員長(梶原敬義君) ただいまの要望に対しまして、国土庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。東家国土庁長官。
#89
○国務大臣(東家嘉幸君) ただいま御要望いただきました事項につきましては、これを厳粛に受けとめ、その趣旨を十分に尊重し、万全を期してまいりたい所存でございます。
 ありがとうございました。
#90
○委員長(梶原敬義君) 審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#91
○委員長(梶原敬義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 暫時休憩いたします。
   午前十一時五十六分休憩
   〔休憩後開会に至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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