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1992/12/07 第125回国会 参議院 参議院会議録情報 第125回国会 運輸委員会 第1号
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1992/12/07 第125回国会 参議院

参議院会議録情報 第125回国会 運輸委員会 第1号

#1
第125回国会 運輸委員会 第1号
平成四年十二月七日(月曜日)
   午後一時開会
    ―――――――――――――
  委員氏名
    委員長         高桑 栄松君
    理 事         鹿熊 安正君
    理 事         松浦 孝治君
    理 事         櫻井 規順君
    理 事         広中和歌子君
                伊江 朝雄君
                泉  信也君
                上杉 光弘君
                河本 三郎君
                二木 秀夫君
                山崎 正昭君
                西岡瑠璃子君
                渕上 貞雄君
                堀  利和君
                安永 英雄君
                直嶋 正行君
                高崎 裕子君
                井上 哲夫君
                下村  泰君
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月七日
    辞任         補欠選任
     堀  利和君     大渕 絹子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         高桑 栄松君
    理 事
                鹿熊 安正君
                松浦 孝治君
                櫻井 規順君
                広中和歌子君
    委 員
                泉  信也君
                河本 三郎君
                山崎 正昭君
                大渕 絹子君
                西岡瑠璃子君
                渕上 貞雄君
                直嶋 正行君
                高崎 裕子君
                井上 哲夫君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  奥田 敬和君
   政府委員
       運輸大臣官房長  豊田  実君
       運輸大臣官房総
       務審議官     向山 秀昭君
       兼貨物流通本部
       長
       運輸省運輸政策  大塚 秀夫君
       局長
       運輸省鉄道局長  秦野  裕君
       運輸省自動車交  土坂 泰敏君
       通局長
       運輸省自動車交
       通局技術安全部  堀込 徳年君
       長
       運輸省海上技術  長尾 正和君
       安全局船員部長
       運輸省航空局長  松尾 道彦君
   事務局側
       常任委員会専門  長谷川光司君
       員
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国政調査に関する件
○運輸事情等に関する調査
 (派遣委員の報告)
 (JR・民鉄の運賃に関する件)
 (佐川急便問題に関する件)
 (信楽高原鉄道事故原因の究明に関する件)
 (物流二法改正後の物流施策に関する件)
 (交通運賃の内外価格差に関する件)
 (新千歳空港ターミナルの障害者施設に関する
 件)
 (内航船員の労働力不足に関する件)
 (自動車の安全設備の設置に関する件)
 (わが国の航空施策に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(高桑栄松君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 最初に、委員の異動について御報告いたします。
 本日、堀利和君が委員を辞任され、その補欠として大渕絹子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(高桑栄松君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、運輸事情等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(高桑栄松君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(高桑栄松君) 次に、運輸事情等に関する調査を議題とし、派遣委員の報告を聴取いたします。それでは、松浦孝治君。
#6
○松浦孝治君 少し長くなりますが、委員派遣について御報告申し上げます。
 去る九月二十八日から三十日までの三日間にわたり、宮城県及び岩手県における鉄道事業の現状、空港及び港湾の整備状況等について、その実情を調査してまいりました。派遣委員は、高桑委員長、櫻井理事、泉委員、河本委員、山崎委員、西岡委員、堀委員、直嶋委員、井上委員、下村委員、そして私、松浦の十一名であります。
 本調査団は、運輸省の各地方機関及びJR東日本東北地域本社、仙台市交通局、三陸鉄道株式会社から管内事情等について説明を聴取するとともに、宮城県知事、岩手県副知事及び仙台市長等から交通・運輸事情に係る要望事項を聴取いたしました。
 また、仙台空港、仙台市営地下鉄、仙台港、花巻空港、三陸鉄道等を視察いたしました。
 以下、主要な事項についで順次御報告いたします。
 まず、空港関係でありますが、仙台空港は、東北地方で唯一国際定期便の発着する基幹空港として重要な役割を果たしており、現在、国内主要都市を結ぶ七路線と、ソウル線、釜山・済州線、グアム・サイパン線、シンガポール線の四線の国際路線が定期便として運航されております。平成三年度における国内線・国際線をあわせた利用者数は約百七十五万人、貨物取扱量は約一万四千トンに達しております。
 現在、今年十二月の供用開始を目指して、ジャンボ機等の大型機が就航できる二千五百メートル滑走路の整備拡張が行われており、これによって新たな国際定期路線の開設や既存路線の機種の大型化など、より一層の活用が期待されております。さらに、昨年秋に策定された第六次空港整備五カ年計画におきましては、三千メートル滑走路の拡張工事が盛り込まれたところであります。しかし、現在、国際線ターミナルビルは暫定施設のまま供用を行っており、新ターミナルビルの早期整備が緊急の課題となっております。
 次に、花巻空港でありますが、同空港は東北新
幹線の新花巻駅及び東北縦貫自動車道の花巻インターチェンジにもほど近い、岩手県内でも有数の交通の要衝に位置しております。国内定期便は三路線あり、平成三年度の利用者数は約三十七万人で利用者数、利用率ともに、近年増加傾向にあります。また、北京、ソウル等へ向けた国際チャーター便の発着も着実に増加してきております。
 しかしながら、昭和六十年三月に東北新幹線の上野−大宮間が開業したことにより、上野−盛岡間が新幹線で直行できることとなったことから、花巻−東京間の航空利用率が低下し、同年七月には、東京便が休止となったまま、現在に至っております。
 第二に、港湾関係でありますが、仙台港は仙台市内にあり、中心部から直線で約十キロメートルという至近距離に位置しております。当初は工業開発の拠点として港湾計画に位置づけられた掘り込み式港湾でありましたが、その後、商業港としての機能、フェリー埠頭としての機能もつけ加えられ、仙台広域都市圏を支える物流、生産、生活のバランスのとれた都市型港湾として、また、東北地方の拠点港湾として重要な機能を果たしております。さらに、昭和六十一年には、港湾審議会において、仙台港における船舶の大型化や外貿のコンテナ化等の輸送革新に対応した機能の整備を促進するため国際貿易港計画が策定され、昨年九月からその建設に着手しております。
 同計画では、平成二年度実績で内貿・外貿あわせて二千六百六十万トンの貨物取扱量を、七年度には二千七百五十万トンにまで高めることを目標としており、五万トン級の船舶が着岸できる岸壁一バースを含む計八バースの公共用埠頭の整備、またその外郭施設としての防波堤の延長等を内容としております。また、港の背後地には国際見本市会場や流通業務地区、工業地区を兼ね備えた整備計画を、地元と一体となって進めているところでございます。
 次に、鉄道関係について、仙台市営地下鉄と三陸鉄道について申し上げます。まず、仙台市営地下鉄でございますが、車両基地において運行指令室を視察いたしましたほか、一部区間を試乗し、また身障者福祉対策施設の設置状況等についてもつぶさに視察をいたしました。同地下鉄は市民の足として仙台市が建設・運営をしておるもので、昭和六十二年に開業し、また今年七月には延伸を行いました。開業以来利用者数は着実に伸びており、平成三年度におきましては一日平均十五万人が利用しております。仙台市は昭和四十八年に身体障害者福祉モデル都市に指定されたこともあり、地下鉄建設においても身障者福祉対策施設設置に積極的で、エスカレーター、身体障害者トイレ、誘導・警告ブロック、点字案内については全駅に、エレベーターについては全十七駅中十六駅に設置されております。
 また、三陸鉄道は、旧国鉄の特定地方交通線であった久慈線、宮古線、盛線を引き継いだ第三セクター鉄道であり、岩手県、地元市町村等が出資して昭和五十六年に設立、昭和五十九年に開業したものであります。同鉄道は、地元市町村と協力して駅舎に工夫を凝らしたり、沿線の観光開発を行ったりしており、営業努力に熱心に努めております。その結果、全国の第三セクター等における鉄道の営業成績が振るわない中、同鉄道は開業以来連続黒字を達成しております。
 しかし、地域住民の足として安定した営業成績を上げていくためには、今後とも一層、周辺の観光開発や第三セクター鉄道への補助施策について、国としても検討をしていかねばならないと考えます。
 最後になりましたが、今回の委員派遣において関係地方自治体等から寄せられました要望事項について御報告申し上げます。
 まず、宮城県、仙台市及び仙台国際貿易港整備促進協議会からは、港湾関係について、仙台港を特定重要港湾に昇格すること、仙台港の沖防波堤の建設促進を図るとともに、平成六年度の供用開始に向け水深十二メートル級の大型岸壁一バースの整備促進と新たに水深十四メートル級の大型岸壁の整備を図ること、テクノスーパーライナーの仙台港の優先的利用を図ること、塩釜港の港奥部再開発を図ること、石巻港の大幅な整備促進を図ること、さらに、仙台空港について、三千メートル滑走路拡張整備事業の早期着工、早期完成を図ること、国際線ターミナルビル等の整備促進を図ること、国内・国際路線の拡充を図ること、エアカーゴ基地の整備を図ること、また、地下高速鉄道の建設について、その円滑な推進を図るため事業計画に見合った所要の補助金を確保すること、平成二年度の繰り延べ額のうち未処理分については、速やかに回復するとともに、平成五年度以降については、そのような繰り延べ措置を行わないこと、輸送力の増強、保安度の向上及び身体障害者・高齢者等の利用促進のために行う改良工事について補助制度を確立するとともに補助事業対象の拡充を図ること、バス事業について、都市新バスシステム・運行情報システム・カードシステム等バス交通活性化対策の拡充強化と所要の財源確保を図ること、バス事業の資本費について補助措置を講ずること、いわゆる行政路線、経営環境の悪化及びその他企業外の要因等によりやむなく生じた赤字について国の補助制度を確立することなどについて要望が出されました。
 また、岩手県からは、平成三年度から本格着工された東北新幹線盛岡−青森間について全線標準軌新線で建設するよう見直すとともに早期完成すること、自動車旅行拠点施設整備事業を岩手県に導入できるようにすること、久慈港及び釜石港湾口防波堤の建設を促進すること、第八次港湾整備五カ年計画に基づき宮古港ほか六港の港湾改修事業を促進すること、第五次海岸整備事業五カ年計画に基づき久慈港・宮古港の海岸高潮対策事業を促進すること、花巻空港の整備を促進すること、花巻−東京間の航空路線の復活及び花巻−大阪線の三便化をすることなどについて要望が出されました。
 これら要望事項につきましては、今後国政の場において十分検討してまいる必要があろうかと存じます。
 以上をもちまして報告を終わりますが、今回の派遣に当たりまして、特段の御配慮をいただきました関係者の方々に心からの感謝の意を表しまして、派遣報告を終わります。
 以上であります。
#7
○委員長(高桑栄松君) どうもありがとうございました。
 以上でかなり詳細にわたる派遣委員の報告は終了いたしました。
#8
○委員長(高桑栄松君) それでは、これより運輸事情等に関する調査について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#9
○櫻井規順君 百二十五臨時国会も、もう会期は決まっているわけでありまして、もう少し落ちついた形で、前回の参議院選挙後の初の委員会を落ちついて実りあるものにしたかったわけでございますが、何か慌ただしい雰囲気の中で開くことになったわけであります。しかし、この臨時国会中、こうして一般調査の委員会が開催されまして、できるだけ運輸行政それから我が国の運輸の全体的なあり方、国民的な立場に立って私も幾つかのきょうは質問をさせていただきたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。
 最初に、JRと民鉄の運賃の関係で冒頭質問させていただきたいと思います。
 実は、私は昨年の四月十六日の運輸委員会におきまして、主として首都圏のJRと民鉄の運賃格差の問題で質問をしたところであります。
 具体的に言いますと、民鉄の場合に新宿−小田原間と、それからJRの東京−小田原間というのは、それぞれ八十二キロとか三キロでほぼ共通しているわけでありますが、昨年の四月十六日現在で言いますと、新宿−小田原間が六百三十円、そしてJRは千四百二十円と、こういう普通運賃の違いがあったわけであります。学割の通学定期の割引率もほぼ同じような比率になっておりまして、普通運賃で言いますと二・二五倍という、J
Rの運賃の方が高くなっておるわけでありますが、その後これは改善をされたのかどうなのか。
 私が当特質問いたしました中で、国鉄改革総括審議官の大塚さんから御答弁いただきまして、いろんな観点から見てもそれはJRが黒字になってきたので利益還元をしなければならないものと考えると、こんな御答弁をいただいてきているわけですが、その後の進展はいかがでしょうか。
#10
○政府委員(秦野裕君) ただいま先生御指摘がございました平成三年の参議院の委員会でも御議論のあったところでございますが、もう先生御案内のとおり、現在のJRの運賃は、国鉄の時代に再三にわたりまして値上げを繰り返してまいりました関係がございまして、民鉄との間にかなりの格差が生じたことは先生も御指摘のとおりでございます。JRになりましてから非常に経営成績も好調ということもございまして、消費税の場合を除きまして運賃改定を全く行っておりませんで今日までまいっております。
 私鉄の方でございますが、先般御議論いただきました後に、昨年の十一月に大手民鉄の運賃改定を行っておりまして、その際、運賃の改定あるいは通勤通学の定期割引率の改定というようなものを実施いたしております結果、先生御指摘のようなJRと私鉄との間の格差と申しますか、これは一部縮まってまいっております。ただ、依然としてまだ格差があることは事実でございます。
 私どもとしましては、JRの運賃を現行に据え置くという期間を極力長くいたしまして、この格差を徐々に縮めてまいりたいというように考えている次第でございます。
#11
○櫻井規順君 その後、JRの運賃の改定はないわけなものですから、民鉄の方の運賃の値上げによって格差が縮まっているというのが現状だというふうに思います。現状でとらえてみましても実はかなりの運賃格差があります。
 きょうは余り幅を広げないで通学の定期の割引率の問題で、ひとつ身近な問題として御要望をしておきたいわけでありますが、今言った同じ新宿1小田原の民鉄小田急と東京−小田原のJRの一カ月分の学割の通学定期ですが、民鉄の方は五千二百円でJRの方は一万八千九百六十円と、一万三千円以上の高い値段になっているわけでございます。
 JR、御案内のように、これ一々全部たくさんありますが避けまして、JRの株上場というのを目前にいたしまして民鉄とのやっぱり格差というものはなくしていく。そしてまた利益も、一々挙げませんが、結構な経常利益を上げてきているわけであります。こういう時期にやっぱり、株上場の条件をつくる上におきましても、JRの利益還元というのを真剣に考えて、通学の定期の不公平をなくすということについて強く御要望するわけでありますが、いかがでしょうか。改定の見通し寺お聞かせいただければと思います。
#12
○政府委員(秦野裕君) JR、現在利益が出ておることは事実でございますが、発足五年程度でございまして、まだ基礎もきちんと固まっておる段階ではございません。ただ、現在上げております利益につきましては、いわゆるサービス改善と申しますか、車両の改善ですとかあるいは輸送力の増強ですとか、いろいろな面で利用者に対する還元と申しますかサービスの向上に努めておるわけでございます。
 先生ただいま御指摘の運賃の問題につきましても、確かに私鉄との間に格差があることは事実でございます。今後の運賃改定の機会をとらえて、極力そのような格差が縮まっていくように私どもとしても努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#13
○櫻井規順君 全社が一斉にできればよろしいかと思いますけれども、株上場に関連して本島の、本州といいましょうか三社、かなり利益を上げているわけですから、分権的にそういう進め方もよろしいのではないかと思いますが、願わくば全国的に通学定期の割引はお進め願いたいということを強く要望しておくものであります。
 次に、JRの運賃に関連いたしまして、御案内のように新幹線の場合には回数券を自由席券の場合に出しているわけでありますが、この回数券の使い方に制限がありまして、一番大きいのは、乗客の多いお盆とかお正月とか夏休みとかが回数券が使えないようになっているわけでありますが、これはなぜなのか。まあ、お客さんが多いときだから回数券は堪忍してくれと、お客さんが比較的少ないときにそれは自由に使ってくれという御趣旨かもしれないけれども、そういうことは世間的には、映画の優待券とか御招待券とかいうのは日曜日は遠慮願うとか、土曜日は遠慮願うというのは昔よくありましたけれども、この乗車券に関しましては、そういうふうにお客さんの少ないときもせっせと乗っているお客さんが仕事の都合で繁忙期も乗らなきゃいかぬと、繁忙期は余計乗らなきゃいかぬかもしれませんが。
 ですから、映画や芝居のように、行って見ればいいというものじゃなくて、コンスタントにとにかく利用しなきゃならない。しかし、必要なときにその回数券が使えないというのは非常に不満が強いわけであります。これはやはりどういう事情であれ、回数券を発行している以上、いつでも乗れるように時期の制限は外した方がよろしいのではないかと思いますが、何か不都合なものでもあるのか、いかがでしょうか。
#14
○政府委員(秦野裕君) ただいま先生が御指摘ございましたように、いわゆる企画商品と申しておりますけれども、特急を御利用の方に対しまする回数券につきましては、まさに列車がすいておりますとき、座席に余裕がある時期について若干運賃なり料金を割り引いた上でお客様に乗っていただく、つまり需要の喚起をするということが主たる目的で設定されておるものでございます。したがいまして、お盆ですとか正月ですとか非常に混雑しております時期に御利用いただくために設けておるというのではございませんで、そういう設定の趣旨から申しまして一定の使用時期について制限があるということはやむを得ないものだと思っております。
 それともう一つは、普通の乗車券をお買いになって、あるいは特急券をお買いになって御乗車になる方とのバランスの問題もございますので、そういう繁忙期につきましては一定の制限をさせていただいておるというのが実態だと考えております。
#15
○櫻井規順君 これはそう簡単に結論を出さないで、とにかくすいているときにも乗っているわけですよ。ある意味ではJRに対する貢献者でもあるわけですよ。いざというときに、この期間に入っているからいけないと、その場で戸惑う方が結構多いわけですよ。これは検討の余地ありと、ひとつ検討していただきたい、そのことを求めておきます。
 それから、運賃の関係で三番目の問題でございますが、やはり児童の学割の問題ですが、日本人の子供と朝鮮人の子供がこれまたえらい格差がありまして、これは大臣初めもう国会でも伝統的なテーマになりまして、議論をしているテーマでございます。このことがやっぱり民族格差ではありませんが、同じように在日朝鮮人、在日韓国人あるいは在日の外国人の皆さん共通しているわけでありますが、格差としてあるわけであります。これは、もとは文部省の方にあるよという言い方をJRと折衝すると一つの理由として挙げられますけれども、国鉄、そしてJRと移動してきた経緯の中で、特に運賃の関係で運輸省の方の指導力というのはあるわけでありまして、一番新しい国会の議論としては、ことしの四月十五日の日に衆議院でこのことが議論になっているわけであります。
 ここでやっぱり一歩前進をさせていただきたいというふうに思うわけでありますが、私の手元に幾つかの資料がございます。これは朝鮮人と限定しないで外国人と言った方がよろしいかと思いますが、日本にいる外国人の方の運賃がいわゆる文部省の方で各種学校という位置づけをしてあって、日本人の通学のように三段階の制度が適用されてないものですからこういう状況が生まれるわ
けてありますが、それぞれ税金を納めて日本にいる、一人の公民としているわけでありますので、こういう格差の是正は一刻も早く行うべきだというふうに思うわけであります。
 これまたたくさんの例がございますが、御理解いただくために少し言いますと、私の手元に今朝鮮人の朝鮮学校に行く子供の広島のケースが来ておりますが、――海田から広島までの距離ですけれども、日本人の中学生の場合には二千六百二十円でございますが、朝鮮学校に通う子供は三千七百五十円、こういうような格差があります。千円以上の格差があるわけであります。
 実は二人、三人と兄弟のある家はもう大変だということでもって、年間で計算した数字などもあるわけでありますが、これは全国共通の現象としてございます。兄弟二人で計算したのでも、例えば日本人の場合は兄弟二人で年間二十三万円で上がるところが、朝鮮人の子弟の場合は二十八万八千円というふうな金額で、五万七千円くらいの格差があるとか、いろいろなケースで私のところに照会が来ておりますが、これも非常な不公正、不公平でありまして、一刻も早い解決が必要だろうと思うんです。
 これは運輸省だ文部省だというふうに言わないで、運輸省サイドからひとつ、JRの判断の問題に求められていくわけですので、これまた民鉄並みに格差を是正して、かつまた日本人と外国人の子供の通学定期の割引率を共通にするように一刻も早くしていただきたいというふうに思うわけであります。
 運輸大臣にこれは御答弁願いたいというふうに思いますが、運輸大臣、四月十五日の衆議院の委員会の中で、在任中、この問題の方向づけだけはしておきたい、こういう御答弁がございました。運輸大臣、僕はその在任期間が心配になってきまして、なお継続して運輸大臣をお務め願いたいと切に求めるものでありますが、この決断をお下し願いたいというふうに思うわけでありますが、いかがでしょうか。
#16
○国務大臣(奥田敬和君) 本当に大変長い間御指導を願ってまいりました。在任もあすで九四百日になるわけですが、私もこんな長い大臣は初めてで、その間大変先生から宿題のようにいただいておりましたこの在日朝鮮人の皆さんの学割の件、これは在任中に何とかという気持ちで、実はきょうは鉄道局長も来ておるわけでございますから、かねての宿題であるということは念頭に置いております。
 それで、今朝鮮人学校が各種学校扱いだとか、そういった難しい論議は別といたしまして、もう少し学割なら学割、民鉄のように単純化しなさいという方向で検討をしなさいよという形で、JR各社非常に熱心にこの問題については今検討をしていただいていることは事実です。これははっきり申しまして単純化の方向で、今言う三段階、四段階という形を学割なら学割一本という方向の中で、できるだけわかりやすい制度にしてほしいという要望でありますけれども、何せ割引率を一定に持っていくという形で、割引率と料金との問題がリンクしてくるものですから、できれば、そういった制度改革も含めてやるときに料金問題と一緒にやってもらえないかという意向がJRの各社の本音のようでございます。
 かといって、今JR料金を、今先生も御指摘のように民営との料金格差もこれあり、むしろ下げる方向ならそういった制度改正をそれにリンクしてやることにも賛成でございますけれども、料金率をいじるということは、どうしても上向きの方のいじり方になる場合に、そう急ぐ必要もないかなと。まあ料金問題はやっぱりできるだけ現行料金を維持してもらいたいし、またできれば引き下げの方向でも努力してほしいというのが私たちの願いでもございますから、そういった意味合いで料金どこの学割の単純化、リンクしている問題ですからこの問題を慎重にやってほしいと。しかし、先生御指摘の方向の中でこの問題は解決すべきである。そうじゃないと、いたずらに差別とかなんとかという誤解、そういった形も問題化されるという、そういったこともよくJR当局には申し伝えてあるわけであります。
 細部の交渉経過については、御要望があれば政府委員からお答えさせていただきます。
#17
○櫻井規順君 結構です。
 どうぞ、民鉄の割引のシステムを変えたんじゃ全く意味ないわけでありまして、JRの割引率を今の日本人の子供の割引率に合うように合わしていただきたいと、これは当然のことですけれども望んでおきますし、そういう主張をしているわけですから。大臣、そういう趣旨で御理解のようですから、以上で。なお答弁ございますか。そういうことで私は求めておりますので、よろしくお願いします。
#18
○国務大臣(奥田敬和君) 大変失礼いたしました。
 私は、むしろ差別という問題の方に重きを置いておりまして、そしてJR各社にもこういう差別というような誤解されるような方向の割引率、割引区分はおかしいじゃないか。だから、できるだけみんな平等な形できっちりやりなさいよと。
 今、先生のおっしゃるのは、むしろ今JRの方がいいんだと、今JRの方の各段階別でこうやってる方が民鉄よりよっぽど進んでるんだという形で、そういったいい方向は侵さないで、そしてそういった朝鮮人学校の適用というのを、むしろいわゆるみんなと一緒にやってやれということの、私はちょっとそれを勘違いしておりまして、JR各社に言ったのは、ともかく差別はいかぬと、もう少し単純化しろということだけの方向に行っていて、ちょっと間違ってたような方向なんで、本当に申しわけないと思っております。
#19
○櫻井規順君 いいですよ。JRの格差があることが問題でありまして、そしてJRの今この日本人の子供に適用している率に在日朝鮮人や在日の外国人の学割を合わせるようにして、それで差別を解消してくださいというふうに言っているわけですから、よろしいわけですね、それは。
#20
○政府委員(秦野裕君) 若干補足させていただきたいというふうに思いますが、ただいま大臣からも御説明、御答弁申し上げましたように、JRの割引制度は、大学、この中には各種学校も入っているわけでございますが、それと高等学校、中学校という三段階の割引制度になっております。それに対しまして、民鉄の方は全部一本になっております。
 したがいまして、要するに大学の中に各種学校、朝鮮人学校を含みます各種学校が入っておるというところが一番問題のポイントだろうと思っておりまして、私どもとしましては、その大、高、中という現在のJRの通学定期の割引の区分を、民鉄と同様にわかりやすい簡明な形にするという形で検討させていただきたいということを申し上げておるわけでございます。
#21
○櫻井規順君 それは私は聞いてないですよ、それは。もうそこは聞いてないですよ。私の聞いているのは今の、最初のやつが民鉄とJRと何か、そこは言ってませんから、それ取り消しといてもらいたい。
 求めてもいないことを答弁願って恐縮でございますが、JRの中の改定、何度も言っているようですが、それは大臣どうでしょうか。JRです、民鉄は置いて。
#22
○国務大臣(奥田敬和君) いや、私の認識ミスで、改善指導をやったこともちょっとこちらの方がミスっておったので、今直ちにそうじゃないんだと。要するに小中高のあの区分は区分として、要するに朝鮮人学校だけに差別しているという形を、いわゆる文部省のそういった各種学校並みとかなんとかという区分は別として、小学校は小学校並み、中学校は中学校並み、そういった形で一般日本人と同じような割引率に持っていけと……
#23
○櫻井規順君 そういうことです。
#24
○国務大臣(奥田敬和君) そこに差別があっちゃいかぬという御趣旨だということは今明確に理解できました。そういう形で改善指導するように、また鉄道局長にもお願いしたいと思っておりま
 ただ、私が今まで指示しておったことはちょっと間違っておりました。民鉄並みに単純化しなさいと。そういう細かい、ごちゃごちゃしたわかりにくいような割引制度なんてだめだと。要するに、差別と言われるようなことがないように、単純明快に一定の割引率をきちんとやりなさいという形で指導しておったということは、私も先生の御趣旨を間違えておったということで、大変申しわけなく存じます。
#25
○櫻井規順君 えらく長くなっちゃうんですけれども、JRの中の格差をなくしてくださいと、それのめどは大臣どうですか。
#26
○国務大臣(奥田敬和君) 先ほども申しましたように、割引率の検討という形をそういった単純明快な形にやれということで、JR当局も従来の形を変更していくものですから、料金改定の際に勇断を持って検討させていただきますという答えはいただいて、彼らの研究、検討対象にしておったわけでありますが、今の御指摘に基づくような形での改正、改定ということになりますと、これは改めて鉄道局長とJR当局に折衝させることにいたします。
 今までやっていなかったということは事実でございます。ちょっと方向が違っていたということでございます。
#27
○櫻井規順君 そうすると大臣「あれですか、衆議院でお答えになったのは、民鉄と合わせて一本化をするというお考えで任期中にという答弁だったんですか。
#28
○国務大臣(奥田敬和君) 私の方はむしろ、複雑多段階の形を明確にやりなさいと、単純化の方向で、割引率を含めてだれにもわかりやすくする方向の中で対応を検討してくださいという方向で指示しておったということでございます。
#29
○櫻井規順君 この件につきましては冒頭の大臣の答弁が一番よかったわけでありますが、私の提起していることを受けとめてというところがよかったわけでありますから、ぜひ私の提起しているところを受けとめていただきまして、在任中に一定の解決の方向をお示し願いたいというふうに思います。要望しておきます。
#30
○国務大臣(奥田敬和君) 在任中は無理でございますけれども、必ずこの問題は先生の御提議どおりに強力に推し進めるようにバトンタッチしてまいります。
#31
○櫻井規順君 以上で運賃関係の質問は終わらせていただきまして、引き続いて今の佐川スキャンダルに関連をいたしまして、運輸行政サイドから見て、あるいは我が国の運輸のあり方から見てどうとらえていくべきかということを中心に質問をいたしたいというふうに思います。
 私も運輸委員会の理事をやっておりまして、初めて運輸委員会でこの問題を取り上げるわけでありますが、関係者からいつ本格的にやるんだやるんだということを言われながら今日まで来まして、きょう初めてこの佐川スキャンダルとの関連で運輸委員会で質問させていただくわけであります。
 まず最初に、時間がなくなってきているわけでありますが、戦後の贈収賄を中心とした政界を巻き込んだスキャンダルというのが非常に運輸関係、運輸省サイドに多いわけでありますが、これは大臣、どこらに原因があるとごらんになっていますでしょうか。
#32
○国務大臣(奥田敬和君) 戦後政治史と申しますか、これは政権の変遷は保守党に関連することばかりになりますけれども、造船に始まりロッキード、タクシー、そしてまた、今日のやつは多少性格を異にいたしておりますけれども、そういった疑獄が運輸省関係の行政に関連しておるということは率直に認めなきゃなりませんし、大変遺憾でございます。
 何が原因かというと、やはり運輸省は今行革の一番やり玉に上がって、許認可事務の多い役所だという形で、いわゆる業者と行政との、あるいはそれに政治が絡んでの癒着が指摘されるわけでありますが、許認可の多い官庁であるということは、これは事実そのとおりでございます。事実、私も大臣を拝命して、やっぱり一万ちょっとの許認可件数の中で二千件近い許認可官庁として、二〇%弱運輸省がこういった行政権限を持っておるという実態でございます。
 しかし、これも振り返れば、じゃ運輸省のやっている業務は何だということになると、これまた国民生活においては欠くことのできない業務ばかりを抱えておるということも実態である。しかも、物であれ人であれ、移動行政を担当しているわけですが、みんなこれ国民生活に必需な物の輸送、そしてまた人の輸送、飛行機も含めて命を預かっているあれということになりますから、これは単にサービス提供という業務にとどまらず、人の今、そして国民生活に欠くことのできない物資、それらを移動させるという担当ですから、結局こういった意味でいろいろな資格、許可、認可のやはり厳しい行政、そういった意味でのある程度の件数の多いのは、これは御理解していただかなきゃならぬなと思います。
 ですけれども、最近はこういった物流事情あるいは空と海と陸のいろいろな乗り入れの事情等々を勘案して、随分改善の方向に来ておる。例えば免許のものが許可になり、あるいは認可のものが届け出になるという形で随分基準緩和をしながら、できるだけ行政の関与を最小限にとどめていくような方向で努力していることは間違いないことでありますけれども、今後ともこういった利用者本位、安全本位、そういった視点に立ちましで、できるだけ運輸行政を簡素化、適切に持っていくという形の中でとどめてまいらなきゃならぬと思っております。
#33
○櫻井規順君 大臣、そういうふうにおっしゃるわけですけれども、いわゆる貨物自動車運送事業法あるいは貨物運送取扱事業法、物流二法ができてかなり許認可事項というのが運輸省にとって少なくなるかと思ったんですけれども、これは実際に少なくなったのかどうなのかということですね。私もこれ、資料を持ってくればよかったわけですが、その免許が許可になった、あるいは認可が届け出になった等々の質的な変化はあります。仮に認可が届け出になったにしても、届け出というのがまた必要な条件があって、それは必要な規制も当然必要になってくるわけであります。
 表向き許認可権限と言われる件数が、特に運輸省の中の陸運関係で見ますと、私もこれおたくの方でいただいた資料じゃないもので、雑誌のあれなんで恐縮でございますが、物流二法ができる八七年よりも、その法律が施行した九一年の方が件数が多いと。そして、物流二法ができても今度は運輸省総体で見ても二千台がちょっと、この雑誌の統計だと五年間で二十二減ったと書いてありますが、そんな程度のあれでしょうか、権限の規制緩和も数からいくと少なくなっているでしょうか。かいつまんで簡単に言ってくだされば結構ですから。
#34
○国務大臣(奥田敬和君) 正確にはあれですけれども、今先生の御指摘の数字が正しい数字でございます、と思います。余り減ってないということで……。
#35
○櫻井規順君 そうしたら結構です。まただんだんそれに触れながら、時間がだんだんなくなってくるものですから。
 佐川事件の関係ですが、この佐川事件というものを運輸行政サイドから見てどういう問題が含まれているのかということを大臣並びに運輸省側はお考えになっているのか。私から見るところ、この佐川事件は、一つは大変な運送会社が債務保証をして、回収不能な金額も三千六百九億円というふうな金額を生み出すとか、あるいは佐川急便の社長が属人的なものか、暴力団との関係これあり、問題を今日起こしている。
 そもそも昔、運輸をさかのぼると仲仕、それから港湾をさかのぼると港の仲仕とかいろいろありまして、そういう本質的に結びつきがあるのかどうか存じませんが、今日の近代的な企業と職場を見ておる限りそれはないわけでありまして、運輸産業と暴力団の関係、それからあとは東京佐川と
いう会社から政治家金丸さんに五億円の献金をしたと、こういう債務保計画、暴力団との関係、そして政治献金にまつわる問題と、こういう側面から佐川事件というのを見ていかなきゃならぬと思うわけでありますが、いかがでしょうか。運輸大臣並びに運輸省側から見ていて、この佐川事件というものは端的に言って何を運輸省に、運輸行政に教訓として与えているかという点、何かお考えになっている点ありますでしょうか。
#36
○国務大臣(奥田敬和君) 私も本当に今回の佐川事件に関連いたしまして痛感することでありますけれども、まあ佐川事件というと、すぐ運輸に直結した形で国民の不信の目がというか、疑惑の目が向けられていることが大変残念でございます。
 今先生も御指摘なさいましたように、今回の佐川スキャンダルというのは、一つは前の経営陣による多額の債務保証、そして二つ目は暴力団とのかかわり合い、三つ目は政治献金等々を含む形での政治との癒着の問題等々、こういった形が大きく複合的に今世間の一番疑惑の焦点となっておる問題でございますけれども、これらはいずれも本来、自動車の運送事業法に基づく営業とはらち外の問題であって、このために物流、運輸関係に働いておる数百万の人たちが本当に運輸という行儀の悪い業界なんだなという形で見られておること自体、しかもこれを指導していかなきゃいかぬ約四万人弱のこういった運輸省の職員に与えるいろいろな形の士気を考えると本当に残念な事件であり、このことは同じ運送事業法に基づく、運輸行政とは別個だとはいえ、これが実際は運送事業を営んでおる業者の一社であるということも考えるときに本当に残念な気持ちで、それに私も時々その疑惑の中のちょくちょく名前が出るというような形で大臣をやっておる。しかも、職員に与えるそういった士気を考えると、本当に私はこの佐川事件というものは、運輸省の皆さんにとっては迷惑な事件であるということを痛感いたしておるわけであります。
 いずれにしても、こういった形、業界内からも二度とこういった形の業者の温床を生まないようにしていくことはもちろん大切でございます。しかも、私自身、この運輸大臣を拝命する前に、佐川という、外部から眺めておりまして、この企業の行儀の悪さ、いわゆる遵法精神に欠けて今日まで急成長してきたんだなということは本当に知りませんでした。はたで見ていると、何かまじめな、やっぱり能率本位で、高給を取るために一生懸命よう働いているチームだなという印象しか持っていなかったものが、ここへ入ってみて、今回の事件が世の中に大きくクローズアップされてから、いろいろな業界内におけるあるいは運輸省では全く異例の業者として問題を起こしておったんだなという実態を把握するにつけて、私は今後とも適正な行政に本当に目を光らせてやっていかなきゃ、襟を正してやっていかにゃいかぬなということを職員に指導しているところでございます。
#37
○櫻井規順君 そこで、幾つか質問を用意していたのをはしょらざるを得ないですが、今の佐川の行儀の悪さの関係ですけれども、事業監査ですね、佐川の。これは予算委員会でも御答弁されていましたが、私の知る限りでは、昭和六十一年十二月から六十二年の五月と、それから平成元年の九月から同年の十二月まででしょうか、この二回行ったということはあれこれの情報で知っているわけですが、それ以降特別監査なり他の監査というのは、佐川に限っての話ですけれどもやっていますでしょうか。その結果の概略をちょっと教えでいただけますか。
#38
○政府委員(土坂泰敏君) 今仰せになった二回にわたりまして佐川グループに対して特別監査を実施いたしまして、その結果判明をいたしました違反に対しては、それぞれ車両の使用停止処分などを含む厳正な処分をやっておるわけでございます。
 また、こういった違反を繰り返す背景になっていると思われます、いわゆる会社の労働時間管理のあり方あるいは賃金制度、こういったことにつきましても、監査ではございませんが、国会の御指摘を含めて改善指導をずっとやってまいりました。
 それから、以上の特別監査以外に、昭和六十一年から平成三年までの間に、これは個々に確認をされました道路運送法違反に対しまして、同じように車両使用停止処分を行っております。
 それから、今回、ことしに入りまして十月一日からでございますが、こういった過去の違反を繰り返してきた状態がさらに改まっていないという国会の御指摘があり、先ほど申し上げました労働時間その他についての改善状況についても御報告をいただきましたので、これらを確認するためのさらに三回目の特別監査を現在実施している、こういう状況でございます。
#39
○櫻井規順君 もう少し聞きたいところですが、また最後の方に時間があったら触れたいと思います。
 監査ともかかわると思いますが、いわゆる佐川のトラックターミナルの都市計画法違反、それから運輸省の認可にも大きなミスがあったということが先般の決算委員会で十カ所明らかになりまして、私も茨城佐川の鹿島の営業所へ行ってまいりました。これは、運輸省のこうした通達の中にもきちんと営業所の許可の場合には都市計画法との整合性はもう触れられているわけですね。にもかかわらず、全国で十カ所あるいはそれ以上ではないかと思いますが、少なくとも十カ所、共通した事件が起きているということは、これはかなり佐川の側の意図的な経営戦略があったんじゃないか、そしてそれに呼応した運輸省側でまた目をつむらした指導があったのではないか、こういうふうに感ぜざるを得ないですが、その辺はどういうふうにとらえていますか。
#40
○政府委員(土坂泰敏君) 貨物自動車運送事業者がターミナルをつくろうとします場合に、貨物事業法に基づく認可が必要でございますが、同時に、それが都市計画法の調整区域に当たる場合には都市計画側の許可も必要である、こういうふうになっております。運輸省では、貨物事業法の運用上の問題といたしまして、都市計画法上の許可がきちんととられているかどうか、抵触していないかどうかを確認をするようにというふうに運用をしてきたわけでございますが、現実に国会の御指摘を受けて調べましたら佐川で十件の違反が発覚をしたということでございます。
 これはどういうことかということでございますが、基本的にはやはり都市計画法というのは運輸省の所管をしている法律ではなかったということもございまして、運輸省の現場の職員が都市計画法に必ずしも十分精通をしていなかったということがございます。都市計画法は大変私どもから見ると複雑になっておりまして、市街化区域と調整区域の中で扱いが違う、調整区域の中でもまた開発許可の区域とそうでないところで違う、あるいは既存宅地とそうでないところで違うと、いろいろあるわけでございますが、必ずしも十分精通していなかった。
 それともう一つは、都市計画法の問題についでこれが違反かどうかという判断はやはり運輸省の現場の職員にはできない。都市計画の法律の施行を担当しておられる都道府県側にお尋ねをしないとわからないわけでございますが、そういうことをきちんとお尋ねする仕組みもできていなかった。
 こういうようなことが重なりまして十件の違反が出たわけでございますが、これは大変申しわけないことであるというふうに深く反省をいたしております。こういうことがないようにということで、建設省と十分相談をいたしまして、それぞれ現場に通達を出して、これからは一件ごとに、申請がありましたら都道府県側に問題はございませんでしょうかといって確認をして、問題ないですという御返事をいただいた場合だけ貨物事業法の認可をするというふうに運用を改めまして、これからはこれをきちんとやって問題がないように努めてまいりたいと思っておるところでございます。
#41
○櫻井規順君 これはどう見てもおかしいです
よ。都市計画法に運輸省の行政官が精通していなくても、運輸省の通達に精通していればこれはもう明確なんですよ。営業所の許可については都市計画法関係法令の規定に抵触しないこと、ということがうたわれているわけですから、これの確認を意図的に怠ったとしか、十カ所で起きるということは考えられないですよ。そういう面が、それは疑われてもしょうがないというふうに思うわけであります。
 これは一体どちら側に責任があるというふうにごらんになるわけですか。簡単に言ってください。業者側に手続のミスがあったのか、このミスは運輸省側に、行政側に責任があるのか。どこに責任がありますか。
#42
○政府委員(土坂泰敏君) 業者側がどういう意図でやったかは別にいたしまして、その申請についていわゆる道路運送法の運用通達どおりきちんとやらなかったという点については、私どもは申しわけないことであるというふうに思っておりますが、意図的に何かをしたというふうなことでは一切ございませんで、本当に申しわけないことでございますが、やはり都市計画法に十分精通していなかったと。きちんとお尋ねする仕組みがあればこういうことにはならなかったというふうな反省をいたしております。ただ、この点については、今申し上げたように今後はそういうことがないように処置をしたところでございます。
#43
○櫻井規順君 とにかく各運輸局の、全運輸局の通達、許可基準の中に全部それが入っていて、それも全国共通してそういう現象が生まれたということは奇異に感ぜざるを得ないわけであります。
 それから、さて調整区域から一般の貨物自動車運送事業の営業所を市街化区域に移したというわけでありますが、実際にその移した場所に行って建物を見ますと、建物は、事務所は二十坪足らず、机は一脚、電話は一つ、二段ベッドが一つ置いてある。それから有蓋の、屋根つきのトラックの車庫は、一台五トン車か六トン車が入るのが一戸分。そこへ我々が行ったらだれもいなかった。そして、我々が行ったということを知って慌てて昔の、今まであった、市街化調整区域の中にあったトラックターミナルから所長さんが飛んでくる。何のことはない、今までどおり調整区域の中で仕事をなさっている。そして、こちら側はただ、最低必要なことも満たしていないような有蓋の車庫があり、事務所があるという形なんです。それを水戸の陸運の支局へ行ったら、一度も見てありません、うちでは改善命令を実施したということは確認をしておりますと、こういう実態ですが、今もあのままの状態であるんですか、どうでしょうか。
#44
○政府委員(土坂泰敏君) 先生のお尋ねは、土浦佐川急便の鹿島営業所の移転の問題であろうかと思いますが、認可後是正がされていないという御指摘がございまして、十月十五日に茨城陸運支局が茨城県と一緒に移転先に確認の監査に行っております。
 そういたしました結果、ここに車両が配置をされておりまして、車両運行に対する指示、運行管理者による運行管理、点検あるいは点呼、こういうようなことがきちんと行われておりました。また、営業活動の拠点としてのいわゆる受注なり営業行為の指示、こういうこともここで行われておることが確認をされたわけでございます。
 したがいまして、県、陸運支局ともどもこれは移転が指示どおり完了しているものというふうに認定をいたした次第でございます。
#45
○櫻井規順君 私が行ったのが十月九日ですから、その一週間後の今のお話ですけれども、九日というのはもう陸運支局も改善の、運輸省は改善命令をしましたと、改善しましたと、その現場へ行ったらそういう実態だったわけです。その一週間後にそういうふうに改善されたかどうか私も非常に疑うものでありますが、そんな簡単なものじゃないというふうに思うわけであります。
 時間がありません。もう一つは、佐川グループ中核六社の合併認可の問題ですが、合併認可の基準というのは、これは営業所の許可の基準に準ずる、こういうふうになっているかというふうに思います。その場合に、一体佐川の合併に足るだけの今条件を、許可条件に合致するものがあるかと。おたくの方でパスをした根拠として、合併をした、そして許可条件に合致するとして幾つか理由を挙げておりますけれども、これらは佐川のすべての調査において実態としては許可条件を満たしていないといったらよろしいのではないでしょうか。
 例えば、営業所については適切に行われている、休憩施設も適切である、あるいは運行管理体制、特に乗務員の関係になろうかと思いますけれども、適切であると。こうそれぞれ「適切」の合格の印をつけてあるわけでありますが、その結果合併をさせたわけですが、どの調査においても営業車の停止処分をしておりますし、今私が言ったように、営業所の実態もまたそういう実態でありまして、この許可条件に合致するような状況にないというふうに思うわけですよ。どうしてこれが許可条件を満たしたかということが非常に不思議なんですけれども、かいつまんで許可の根拠についてお答え願えますか。まだ質問があるものですから簡単にお願いします。
#46
○政府委員(土坂泰敏君) なるべく簡単に申し上げます。
 合併認可の基準は、その認可によりまして生まれる会社が、新しく参入する場合と同じように、きちんと貨物自動車運送事業を適切にやっていけるかどうかということを見るということでございます。
 したがいまして、今回の場合にはいわゆる既にトラック事業をやっている会社の合併でございましたから、新しい会社が事業計画上、トラック運送事業を適切にやっていけるかどうかという点については基本的な問題はない。
 ただ、大きな問題となりましたのは、非常に巨額の債務を引き継ぎましたので、その債務を償却しながら適切に財務面でやっていけるかどうかという面と、それから今御指摘がありましたような、たびたび違法を繰り返してきた会社でございますから、適正な運行管理という面で問題がないかどうかという二点でございます。
 特に、この後段の点についてだけちょっと申し上げますと、この点については念のためいわゆる現状調査をいたしまして、違反が確認をされたものにつきましては是正の指導をし、それを受けて一定の改善措置をお約束をいただいた上で認可をした、こういう経緯でございました。
#47
○櫻井規順君 過去の一斉調査の中でも、昭和六十一年とか平成元年のケースで大分改善をされていると思いますが、ただその後の一斉調査が数字がありませんので私は何とも言えないわけでありますが、例えば法令遵守状況ということが一つは問われるわけでありますが、違反点数制というものから見まして、この使用停止処分が一千日を超した場合にはもう営業許可を取り消す、こういうふうな内規になっているわけでありますが、過去の実績からいえば、そういうものがどう解決されたかもわからない。
 一つの地方佐川だけでも六百九十日とか八百日とかいうような使用停止処分を受け、それから今の不良債権の、回収不能な佐川の負債の問題でありますが、これまた三千億円を超すものがある。これを平成五年からでしたか六年から五年間にわたって返すと。しかし、新しい事業を認可する場合の基準として、事業計画に適合した収支でなければならないという観点から見てみても、非常にこの合併には無理がある。
 大体、社主佐川清ということ自身もこれだけ大きな問題を起こして、過去の証券問題を見ても銀行を見ても責任をとってやめているですよ。佐川のいわば内紛の結果、一つの派が勝ったような形で、そうしてもろもろの条件が営業所の許可基準にも合致してないという状況の中の認可というのは、私は時間がないもので結論言っちゃうですけれども、とても認められない。これは一度認可を、許可を取り消してもう一遍再審査をやるときにあるのではないかというふうに思うわけですが、い
かがでしょうか。
#48
○政府委員(土坂泰敏君) もしお許しがあればまた別途詳しく御説明をさせていただければ大変ありがたいと思いますが、私ども、十一月に申請が出まして、四月二十八日に認可をいたしましたが、その間本当に職員が昼夜を徹して厳密な審査をして、そして金融機関にも確認の上、これでやっていけるということで認可をしたものでございます。
 また、暴力団とのかかわりなどの不祥事につきましては、これは貨物事業法の問題ではございませんが、この点についてもあわせて是正をお願いいたしまして、人事の刷新などを含む抜本的な経営体質の改善措置をとるということでお約束をいただきました。
 そういったことにつきましては、今三回目の特別監査でなお実施状況を確認中でございますが、いずれにいたしましても厳正な審査の上で認可を行ったものでございまして、今後ともきちんとフォローはさせていただきたいと思っております。
#49
○櫻井規順君 非常に時間がなくて残念であります。
 最後に、物流二法をこの参議院あるいは衆議院で討議したときに附帯決議でも確認をした点ですけれども、今のトラック事業、トラック会社に監査に入るに当たって適正化事業実施地方機関というのが、あるいは全国機関ですね、三年たって一定の見直しをして法人への指定をする、法人化をするというか法人への指定をするということがいま一つ確認としてあったというふうに思います。これはやはりもう少し機能的にあるいは公正なものにする上においてやっぱり必要なのではないか、これが一つ。
 それから、トラックの乗務員、運転手の資格証明書といいましょうか、これは当該の関係の労働組合からも出ているのではないかというふうに思いますが、やっぱりトラックの産業の中心を担うトラック運転手の一遍勉強の場も持って、そして資格証明書のようなものを発行して、使用者側もそして運転手自身も貨物輸送の近代的な職場づくりの上において、それで位置づけるようなトラック運転手の資格証明書、こういうものの制度を起こすというふうなこと、あるいは最低労働基準あるいは労働時間の短縮について、二・九告示に基づいてしっかりしたものをつくるときにあるという関係者の要望が強いわけでありますが、こういう点についての作業というのは進んでいるでしょうか。それから、見通しはどうでしょうか。
#50
○政府委員(土坂泰敏君) 最初に、適正化事業実施機関のお尋ねがございました。これは現在は社団法人トラック協会がこの法律で指定を受けて適正化事業をやっておりますが、事業の中立性というような見地からこれを財団法人に組みかえたらよかろうと、それを三年たった時点で考えるようにという、そういう附帯決議でございまして、平成二年の十二月に施行の法律でございますから、平成五年の十二月までの間に国会の御指摘を踏まえましてさらに検討していかなければいけないと思っております。
 それから、資格証明の問題につきましては、今の御指摘を受けまして、私どもとしてもさらに検討をさせていただきたいと思います。
 なお、時短の問題は、これは法律に基づきまして既に四十六時間まで来ておりますが、平成五年からは四十四時間にしていかなければなりません。業界を挙げてこの問題については取り組んでおるところでございますし、私どももそれをいろんな形でバックアップしながら一緒にやっておるところでございます。
#51
○櫻井規順君 そうしたら、私の質問の最後に運輸大臣に、ちまたではというか、私もそういうふうに思うわけでありますが、金丸さんという方に東京佐川から五億円のお金が、不正献金がなされたと。そして、あれこれの証言を見ますと、派閥に分けたとも言うし、生原が分けたとも言うし、いろいろ言っております。
 私は、この佐川の急成長と今度の六社合併の経過を見まして、こういうことがなければいいがと心配するわけでありますが、それが何といいますか、竹下派というところに五億円渡って、竹下派の面々に、どなたとは言いません、面々に渡っていると。今までの贈収賄というのは、ある個人がある企業から金をもらって、そしてそこに便宜を図ると、非常に見えていた。だけれども、この佐川疑惑というのは、いわば派閥の集団的な贈収賄というものを法律で規制のしようがありませんから、そういう現象が生まれてなければいいがと、こういう点が非常に心配になるわけです。
 今度の佐川のターミナルの問題にしても、六社合併の問題にいたしましても、とにかく許認可事項が非常に多い。許認可事項が多いから新規参入の企業は無理だ、参入が。ところがそうではなくて、佐川の場合は、許認可権限がたくさん運輸省にある中でもって、その間隙を縫って政治家を使い、あれこれの努力をして急成長の原因を、あれをつくってきたということがあるわけであります。
 そういう点で、非常に政治家のあり方としても、特に運輸族という俗称で呼ばれている、私が運輸族がどうか、私は全然運輸族じゃないと思っておりますが、議員に対する世の中の批判というのは非常に厳しいわけでありますが、いかがでしょうか、そうした政治家の行政に対する潔癖さを示す上においても、今後の運輸行政に対して我々院として貢献する上においても、どんな教訓をここから引き出したらいいのか。今の世間で言うところの集団的な派閥的な贈収賄があるのではないか。いや、そうではないと。我々運輸に詳しい議員は、かく運輸行政に参画していかなきゃいけないのだという所信をひとつ運輸大臣から聞かせていただきまして、私の質問の終わりにしたいと思います。
#52
○国務大臣(奥田敬和君) いろいろな今疑惑解明がなされておるところでございますし、私も派閥の悪も知っており、派閥の弊害も認識している一人として、今回の事件は将来の政治浄化、政治改革に向けての大変大切な教訓、反省、事件でなけりゃならぬと認識しております。
 ただ、佐川の場合を見ておりますと、政治家を使って、許認可官庁の運輸省に政治力を使って働きかけてどんどん急成長をしてきたというケースとはいささか実態が違うんじゃないか。私は先ほど来、営業所設置の問題で都市計画法、開発許可を得ないでいろいろやってきたというようなケース等々も実態把握に努めました。ですけれども、この会社は、政治家を使ってやるというより、初めから脱法覚悟でやってきておるという性格でやってきたことだけは間違いないんで、国税局の査察も受けているし、また業界では異例な監査を何回も繰り返してやっておるし、しかもあの抜き打ち監査等々のやっぱり異例な監査も受けなきゃいかぬという形でやってきておる。
 そういった形の中で、私も一番心配したのは、運輸行政と佐川との癒着という点において、役人と佐川との間で何か特定な形で甘い許認可に関する中での癒着があったんじゃなかろうかということを言われましたけれども、そういった形よりも、ともかくもう違法覚悟と言ったらこれは悪いですけれども、そういったやっぱりずうずうしさというか、遵法精神に欠けるというか、こういった形で急成長してきた実態というものがわかって、私も実は内心驚いたということも実態でございます。
 そういった意味合いにおいて、今後運輸行政、あるいは運輸省の議員にも言っておるわけでありますけれども、業界秩序を遠慮なくやはりしっかりした形での法に基づく秩序のある形でやっていくように特に強く求めたところでありますけれども、先生方は運輸の行政に関心をお持ちになり、しかもこのことは国民の命と暮らしを守っておる一番大切な行政官庁であるということに認識をいたされまして、できるだけそういった形において間違いのない形で御指導、御鞭撻をいただきますように、今回の佐川、これは全く異例な形で起きたケースであるということで、運輸行政全般は本当に大切な行政部門であるということで御指導、
御鞭撻を賜りますように心からお願いを申し上げたいと存じます。
#53
○渕上貞雄君 ただいま運輸大臣から今後の運輸行政に携わる者としての決意表明をいただきました。どうか今後の運輸行政が国民から信頼足り得るような行政になるようにひとつ、大臣の話を聞けば任期短いというお話も聞きましたが、そうあきらめずにきっちり下部の指導をやっていただきたいと思っているところです。
 したがって、私、そういう意味でこれから先運輸省が国民の信頼を得る、そのために一体何をするかということがこれから先の運輸行政で最も問題になるでありましょうが、これは十二月四日のマスコミ報道によりますと、JR西日本・信楽高原鉄道列車正面衝突事故にかかわる事故究明の関係についてのマスコミに載っておりましたけれども、この問題については運転士ら三人の方々が業務上過失致死罪などの容疑で逮捕されておりますし、そのときに言われている原因というのに、赤信号で列車を出した単純な事故だというのが一つと、ヒューマンエラーによる事故だというふうに言われています。
 この運輸委員会でも何回となくこれらの事故の原因の問題について議論があったところでありますけれども、まだ事故原因が運輸省の方から報告は出されていないと思いますし、中間報告を出してほしい、中間報告をしなければならないというようなことも言ったやに思うわけでありますけれども、そのこともなされていない。そのときに、こういうようなことが原因で運転士が逮捕されるというようなことが発表されましたが、これは一体どういうことなんでしょうか。
#54
○国務大臣(奥田敬和君) これは大変言葉足らずの面もあったかと思いますけれども、確かに記者会見の席におきまして記者団側から、滋賀県警がこういったわけで過失致死、いろいろな形の容疑で三名逮捕に踏み切り、一名は書類送検という形の県警の新たな動きに対して私に感想を求められたわけであります。
 私としてはその際、信楽の事故といい島原の事故といい、これらの二つの事故を検討してみるときに、こういう軌道事業者の一番の基本はやっぱり人命第一、安全第一、この基本的な認識教育というのが不断に行われていたかどうかということに大変懸念を感ずる。やっぱり赤信号で出発する電車、汽車ということ自体というのは、これは第一義的に全く大変な初歩的なミスでもあるし、と同時に、仮にこれが赤信号で出発しても、二段の防御手段があれば、ATSというか自動的な停止装置等々あればまたこれも防げたかもしれないけれども、しかし基本は何といっても安全教育だと、その認識徹底をやっぱり欠いた結果に一部原因があって起こった事故のような気がする。だから、まずスタートラインに立って、これから機器が発達して安全な技術的な機器の整備は進んでいくかもしれないけれども、まずやっぱり人命を預かっておる運転士さんが本当に基本的なそういった安全認識というものの基礎が一番大切なんじゃなかろうかなという感想を述べたわけであります。
 したがって、ヒューマンエラーで起きた原因というのは、私は何も技術的に細かい、今現在調査結論を求めている結果に基づいて言ったわけじゃありませんで、ともかく赤信号でありながら出発した。しかも、出発した結果が四十二名という死亡者を含む六百名近い大変な事故の結果につながったということを指摘したわけでございます。
 もちろん、今運輸省としては、事故のこういった、単に私のような赤信号で発車した云々ということだけじゃなくて、あらゆる意味に関しての運転責任の技術的な問題も含め詳細な形での検討、結論が間もなく出ると聞いておるわけであります。その結果、はっきりヒューマンエラーが事故原因のすべてだという形ではないということで、本当にそういった点の発言においては言葉足らずであったと思っております。
#55
○渕上貞雄君 今大臣、最後の方に言われましたけれども、やっぱりこの事故で亡くなられた四十二名の遺族の方々はかなり早くから、事故原因について明らかにしてほしい、情報は公開してほしい、原因追求について進捗状況はどうなっておるのか知らしてほしいとかな旦言ってきたわけですよ。ですから、大臣が、逮捕された後感想として述べられたというふうに言われましたけれども、同時にまたヒューマンエラーだけが一つの原因ではないというふうに言われましたけれども、これは現地では非常に関心を持って、同時に怒りを持ってこのマスコミ報道を聞いているわけですよ。
 ですから、その点どうでしょうか。運輸省として、事故原因が刑事事件の後に発表されるというようなことについて少し筋が違うんじゃないかと思うんですよ。やはり運輸省として、刑事事件ではなしに、この事故の起きた原因というものをはっきり明らかにすることが私は先ではないかというふうに思うんですが、その点いかがでございましょうか。
#56
○政府委員(秦野裕君) 先般、警察の方で数名の逮捕者あるいは書類送検という措置がとられたことは私ども承知いたしておりますが、もちろん、もとよりのことでございますけれども、いわゆる司法上の捜査と私どもの行っております原因究明なりあるいは事故の再発の防止のための調査というものは、これは性格を異にするわけでございますので、物の順序はどちらが先ということではなかろうと思っておりますが、いずれにしましても、私どもの調査自身、事故以来大分時日を経過しておりまして、その点は申しわけないと思っておりますが、現在、最終段階で取りまとめの作業に入っておりますので、極力早い時期にその結論を公表し、結果を取りまとめて公表いたしたいというふうに考えておる次第でございます。
#57
○渕上貞雄君 どちらが先かは別だとか言われますけれども、今大臣、人命安全が第一だというふうに言われたわけですよ。だとするなら、信楽高原鉄道事故、続いて島原事故が起きたようなことを二度と起こさないためには、早急に原因を追求して明らかにして二度と再び起こらないようにしなければならないと思うんですが、その最終的な報告は大体いつごろ、もう間近だというふうに言われましたが、その間近とは大体いつごろでございましょうか。
#58
○政府委員(秦野裕君) 現在の作業の進捗状況では、年内には取りまとめて公表できる段取りになろうかと思っております。
#59
○渕上貞雄君 では、ひとつ年内にできるだけ詳しく具体的に報告を願っておきたいと思いますが、その報告が一年半以上もかかってなおかつまだ出得ないというところにやはり問題の難しさがあると同時に、その調査機関のあり方にも私問題があるのではないかというふうに実は思っているわけでございます。
 この委員会でも私、事故調査委員会の設置をしてみてはどうかというふうに何回も質問をしたと記憶しているわけでありますが、このような事故を再び起こさないためには一体事故原因をどう徹底的に究明していくのか。そしてその状況証拠というものを明らかにした上で、犠牲者の方々に対してどうしていくのかということを明確にしていく。その場合に、やはり事故原因、事故が発生をして、ただ単に今のような捜査の体制であれば、刑事事件が先にあって、その後安全対策というような気がするわけでありますから、私、そうではなしに、やはり事故調査委員会を再度設置するようなお考えがあるかないか、どうか、お聞きしたいと思います。
#60
○政府委員(秦野裕君) 航空機の場合には、御案内のとおり、航空事故調査委員会というような制度があるわけでございますけれども、鉄道につきましてはそのような制度が設けられていないということは、基本的には航空機事故と異なりまして、鉄道の場合には一般に事故原因の究明となります証拠が多く残されておりますので、そういう意味で事故原因究明にそのため非常に困難となるという事例が少ないということによってそういう制度が設けられていないということでございます。
 ただ、いわゆる専門的な事項に調査が必要なような場合につきましては、その時に応じまして調査機関を設置いたしまして原因の究明に当たっていただいておりまして、今回の信楽高原鉄道事故につきましても、信号保安システムに関します調査検討会を設けまして、そちらの方で専門的な調査なりあるいは検討をお願いしておるということでございます。
#61
○渕上貞雄君 さっきも申し上げましたけれども、やはりもう事故が起きたら、二度と再び起こさないようにどうしていくかということを考え、そして事故原因を早急に追求して次の安全対策をどう求めていくかということが大切なことであろうと思うんですね。
 今、答弁の中にもありましたように、航空機の場合は航空事故調査委員会というものが設置されておる。海難の場合もある。陸上だけにはない。しかし、事故が起きたときだけに特別設置をしてやっている。そういうことではなしに、やはり現代社会における交通事故という問題については、空、海にかかわらず陸上も考えなければならない時代に来たんじゃないか。
 それは交通事故を一つとっても、一万人以上の方々が毎年亡くなられるという現実を見た場合に、ただ単に事故が起きたときだけその対処処理を考えるということではなしに、やはり通常考えていくのが私はこれから先最も大事なことではないかと思うんです。
 したがって今、海の場合はある、空の場合もある、陸の場合が時々つくる。そういうことではなしに、一元化して、一本にして考えていくというようなことをひとつ検討願いたいと私は思うんです。もしそれが検討できないとすれば、検討できないとすればということではなしに、検討していただきたいと思うんですが、いかがですか。
#62
○政府委員(秦野裕君) 鉄道事故の場合には、今先生もお話がございましたようにいろいろな種類の事故があるわけでございますけれども、例えば踏切事故のように比較的これは原因がはっきりしておる、むしろこれは対策をどうするかということを行政ベースで考えていくべきようなものと、それから具体的な信楽のように原因を究明してその対策を講じていくというものとか、いろいろな種類があろうかと思うわけでございますが、私どもとしましては、まず事故防止について、ふだんから私どもで全力を挙げて一般的な調査なりあるいは検討なりを行いまして、必要に応じて各事業者を指導するなり必要な措置をとっていくということがまず第一にあろうかと思います。
 それから、今の信楽のような事故につきましては、これは当然のことでございますけれども、事故の究明について私どもとして全力を挙げ、必要によっては専門家の先生方の御意見もおかりして、お知恵もおかりした上で対策を講じていくということで対処をしてまいりたいというふうに考えておりますけれども、ただいま先生の御指摘の点も含めてさらに検討してまいりたいというふうに考えております。
#63
○渕上貞雄君 私はこの安全問題については、やはり統一的に、海、空、陸、関係ないと思うんですよ。ですからどうかひとつ、今最後の方に言われましたように、こういう事故調査委員会の一元化が一つと、そういうものをひとつ設置をして全般的な安全問題に携わっていただくように御要請を申し上げておきたいと思います。
 その点、大臣いかがでしょうか。そういう行政の一元化みたいなことで海と空と陸と、こういうもの。同時に、公害問題などを含めて考えていく場合に、公害には公害等調整委員会というものが一本ちゃんとある。そうすれば、運輸行政にかかわる安全問題について一元化するか、そういう調査委員会をやはりきちっとつくって、常時、事故が起きればすぐ対応できるような体制というのをつくる。そういう行政組織をつくっていただくことについて検討をしてもらいたいと思うんですが、いかがでございましょうか。
#64
○国務大臣(奥田敬和君) 先生の御提案として、やはり検討するに値する御意見じゃないかなと思って先ほどから聞いておったわけでございます。
 恐らく、航空とか海上に事故調査委員会があるのは、やっぱり特殊な証拠収集とか、そういった事態解明にやっぱり特殊な、非常に常設していないとわからないような条件がいろいろあるのかなと。陸の場合は、事故発生からそこの原因調査というものが比較的に、証拠収集も含めて当事者のそういった形の調査、聴取が可能なのかなと。事故の大小と申しますか、そういった形において、その都度、特別事故調査委員会なんかの設置で済ませてきたのかなと思って聞いておったわけでありますけれども、しかし、輸送に係る陸海空、そしてあくまでも人命にかかわる事故の調査に当たって、一元的なそういった調査機能を持った人材がそろっておる、スタッフがそろっておる、そういう委員会も、かえってその方がいいのかなという今気持ちで聞いておったわけであります。
 いずれにしても、これはそれぞれの専門家の意見をやっぱり聞かなきゃいかぬ問題だと思いますので、検討材料として担当の方にそういう方向で指示いたさせていただきたいと思います。
#65
○渕上貞雄君 よろしくひとつお願いを申し上げておきたいと思います。
 次に、佐川問題については同僚の櫻井委員の方とかなりダブるところがございますので省略をさせていただいて、物流二法というのは、これはトラック業界といいましょうか、運輸業界にとって国鉄改革にも匹敵するような大きな問題であったと私は思っていますし、現在の時点でこれを、法を実施して二年たつわけでありますが、運輸省としてどういう認識を持たれておるのか、運輸省の見解を聞いておきたいと思います。
#66
○政府委員(土坂泰敏君) 仰せのとおり、四十年ぶりの道路運送法の改正であったわけでございまして、大変トラック業界にとっては大きな出来事でございました。
 平成二年の十二月から施行になったわけでございますが、その後の状況をちょっと御報告させていただきますと、簡単に申し上げますと、その施行になる前一年と施行になってから一年間の間の新規参入件数を見てみますと、施行の前が年間に千七百件ほどございました申請件数が千百件ぐらいに落ちておるわけでございますが、これは参入は免許制から許可制になっていったわけでございますが、それとは違う結果になっておりますけれども、私どもとしては、やはり労働力不足であるとか用地取得の困難性、そういったようなことも響いておるのではないかというふうに思っております。
 それから、運賃につきましては届け出制になったわけでございますが、新法施行後に届けられた運賃は宅配便関係のものだけでございます。ただ、これは新法の施行直前に区域トラック、路線トラックの運賃改定が行われておりますので、それとの関係で現時点ではまだ出てきていないのではないだろうかと思っております。
 なお、過労防止違反の関係、これは逆に規制を強化した分野でございますが、平成二年度は違反状況が四百三十一件、平成三年度は二百三十五件、やはり改善の傾向がございます。ただ、これも法律だけの効果というよりもむしろ、労働力不足の中で時短を含む労働条件の改善が進んでいるといったようなことも背景にあるのではなかろうか。
 そういう意味で制度、確かに大きな改正でございましたけれども、その後の実態は、いわゆるそういう経済的な面、そういったものが複合してあらわれてきているように思うものでございますから、制度そのものの改正の効果というのをとらえるためにはもう少し時間をかけて見守る必要があるのではなかろうかと思っておるところでございます。
#67
○渕上貞雄君 この物流二法の場合の経済的な規制と社会的な規制とが相まって初めてこれが具体的に効果あらしめるものになってくると思うんですが、そのときに、この物流二法を議論していく過程の中で、一つはやはり業者に対する厳正な処分というのをかなり議論しておったと私は思うん
です。
 もう一つ特徴的なものは、やはり荷主に対する勧告の実施というのがあったと思いますが、監視に当たる人たちだとかそういう事業適正化、とりわけ貨物運輸事業の場合に問題になってまいりますのは、荷主との関係で出てくる問題として一番最初に運賃ダンピングの問題が出てくる。運賃ダンピングの問題が社会的な規制に大きな影響を与えてくるし、同時に経済的な規制にも影響を与えてくる。そういう意味では荷主に対する勧告の実施というのはこれは画期的なものであったと思うんですが、そこら辺の報告がなかったように思いますが、その点はいかがでございましょうか。
#68
○政府委員(土坂泰敏君) 運賃を適正に収受をするということは、やはり労働力不足の中でトラック事業が健全に発展していくために不可欠な大事なことであるというふうに思います。
 だけれども、これは大変難しい問題でございまして、まず第一義的にはトラック事業者がみずから努力をしなければなりませんが、やはり荷主側が御理解をいただくということも不可欠でございます。この点につきましては、まず適正化事業実施機関、こういったものを使ってトラック事業者自身が努力をすると同時に、荷主懇談会という制度がございますが、こういうものを使って適正化事業実施機関も活用しながら荷主の理解を深める、こういったようなことを今やっておるわけでございます。
 先生お尋ねのいわゆる荷主に対する改善勧告でございますが、これは法律上非常に要件が厳しく限定をされておりまして、それを充足する場合に発動するわけでございますが、現時点ではそれをそこまで発動した例はございません。しかしながら、その前段階といたしまして荷主懇談会などを使って荷主の理解を深めるという努力は一生懸命やっておるところでございまして、荷主側の御理解もだんだんと深まってきておるというふうに私どもは受けとめております。
#69
○渕上貞雄君 先ほど、この物流二法の実施状況についてのフォローアップの問題についてはいま少し時間をかしてほしいということでございましたが、やはり三年を経過した場合に一定の評価をして問題点を明らかにして対策を講じていこう、こういうふうに言われておったわけでありますが、やはりこれらの問題が改善をされ、一定程度法が有効に機能していく、そういう段階になってきましたらやはり私は物流白書みたいなものを、やはりせっかく久しぶりに法を変えてみて実施をした後、具体的にどう動いていったかということについての物流白書というものを報告の形式で出していただきたいと思うんですが、どうかそういう検討をしていただきたいと思うのでありますけれども、いかがでございましょうか。
#70
○政府委員(土坂泰敏君) 物流の施行状況につきましては何らかの格好で御報告ができるようにしなければいかぬと思っておりますが、白書という形にするかどうかにつきましては、実は運輸白書というものがございまして、その中で一章を割いて物流については詳しく述べるようにしておりますので、それとの関係なども踏まえまして御指摘の点、検討させていただきたいと思います。
#71
○渕上貞雄君 あと、国鉄改革問題等について質問するようにしておりまして通告をしておりましたが、関係者の方々、時間でございますので、次回のときに譲らさせていただいて、これで質問を終わります。
#72
○直嶋正行君 私はきょう、時間も限られておりますので、特に運輸行政について、そのあり方について運輸大臣のお考えを中心に幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 先ほども御指摘ございましたが、今東京佐川急便事件がいろいろと議論されているわけでありますが、私思いますに、一つはこの事件は、やはり大きな指摘があったのは、いわゆる政治家とお金の問題、これは政治家サイドの問題としますと、もう一つやはり行政のあり方といいますか、これもやはり指摘をされているんではないかと思います。
 詳しいことは申し上げませんが、やはり今回のこの佐川事件の背景にはいわゆる運輸行政のさまざまな許認可の厳しい規制、これの間隙を縫うために佐川がいろんな動きをしたんではないか、こういうことが指摘をされているわけでありまして、やはりこうした事件を機に行政としても謙虚にそのあり方を見直していかなければいけないんではないか、私個人的にはこのように思っているわけであります。
 特に、先ほど御指摘ありましたように、戦後の大きなさまざまなスキャンダルを見ますと、もう繰り返し申し上げませんが、やはり運輸業界にかかわるスキャンダルが圧倒的に多いわけでありまして、この辺にもそういったスキャンダルの温床になる部分が構造の中にあるいはあるのかもしれない、このようにも思っているわけであります。
 今回の佐川事件見ましても、例えばいわゆる路線業者と区域業者に従来は区分をされておりまして、この区域業者が路線業者に転換をするということが非常に厳しい、容易にそれができなかったと。これに絡まっていろんなことが指摘をされているわけであります。
 ちょっと私、統計データ見ましたが、例えば区域業者というのは近年その件数、業者の数がふえてきているんですが、例えば路線業者を見ますと、昭和四十五年に四百二十五業者があったのが、二十年後の平成二年には二百九十七になっております。したがいまして、この間数が減ってきたということでございます。
 そこで、こういった運輸行政について考えるまずとっかかりとしまして、一つ交通料金の問題について大臣の御認識をお伺いしたいと思うんですが、これは十月十七日の読売新聞に載った記事でありますが、これは十月十六日に運輸省が発表されました内容を翌日の新聞で記事にしたものでございます。
 これは旅客運賃の内外価格差について運輸省が調査をされた内容でございまして、この結果を見ますと、鉄道あるいはバス運賃については、これは主にイギリス、アメリカと比較をしておりますが、まあ同程度でありますが、航空運賃及びタクシー料金については二、三割日本の方が高い、こういう記事になっております。そして、この記事のリード部分に、「物価一般と同様に、交通料金の面でも日本の高さ≠ェ際立っていることが浮き彫りにされた。運輸省の「許認可行政」の弊害を示す皮肉な結果となった。」、リード文でこういう書き出しをいたしております。
 私は、やはり冷静に見て日本の交通料金というのは特に先進諸国と比べまして高いんではないかなと、このように個人的には思っておったわけでありますが、この記事が事実としますと、日本のユーザーは諸外国に比べて高い運賃を負担させられている、こういうことになるわけであります。
 この点についてまず、運輸大臣は御認識をどのようにされているかをお聞きしたいと思います。
 特に私、これ大事だと思うのは、やはり宮澤内閣として生活大国ということを標榜されているわけであります。これはやはり国民が移動について利便性を持って、しかもできるだけ廉価な運賃で移動できるということは、生活という面から見まして非常に大きなポイントではないかと思っております。そういう点でお尋ねを申し上げたいと思います。
#73
○国務大臣(奥田敬和君) 今この運輸流通、物流であれ、人を運ぶタクシーであれ、航空もそうですけれども、非常に今の世の中の労働条件から見ますと、きつい条件の中の仕事のように認識いたします。そしてまた、タクシーなんか一例を挙げましても、それでも他産業と比べるとまだ給与水準がうんと低いんだという業界要望もございます。そうして、結局生活水準が豊かになっていく。そして人件費に対する負担が相当やっぱり企業にものしかかってくる。こういうことで、これは今タクシーを一例に挙げましたけれども、タクシーばかりじゃなくて、内航・外航海運の、特に外航海運なんかの場合、この船員さん、船に乗っておられる方たちの給与自体もやっぱり日本人と申し
ますか、要するに労働賃金との比較においてはやはり人件費がある程度他国に比べて水準が高い。これは決して悪いことじゃないんであって、そのこと自体は胸を張って誇るべきことでございますけれども、そういった形がタクシーなんかの場合に割高になってきておるということは事実でございます。しかし、これらの原因は、人件費という形が主要な部分を占めるためにある程度はやむを得ないかなと思っておるわけであります。
 ただ、飛行機なり鉄道なりそういった形を比較いたしますと、ノーマルな運賃と申しますか、そういうのは決して別に他国に比べて水準的に高いということではないと私は数字的には思っています。ただ、割引制度、これが特にアメリカ、ヨーロッパの場合には非常に発達している。ですから、八回乗る、十二回乗るという形のいわゆる回数券式な割引運賃がべらぼうなある程度割引率がある。
 したがって、ノーマルな運賃比較でやると大して差はないけれども、割引運賃等々の形と比較いたしますと、我が国の場合はこの制度においてはまだまだアメリカやヨーロッパに比べて、特にアメリカに比べて相当の落差があるなど。この面は、いわゆる利用喚起の面においても、日本の方もこれらの制度にできるだけ追いつき、見習っていく必要があるんじゃないかなと思っております。
 いずれにしても、先生も御実感なさいましているように、割高な実感は否めない。しかし、共通的なノーマルな基本運賃は今他国水準とほぼ大体近づきつつありますから、これらの面にさらにサービスの改善を加えていく形の方途を研究してもらいたいなと思っております。いずれにしても、割高感は是正に努むべきことは当然でございますし、そういった面では今後とも指導してまいりたいと思っております。
#74
○直嶋正行君 ぜひ、今お話しになった運賃のそういった弾力化といいますか、いわゆる企業の創意工夫が生かせるような面をお考え賜りたいなと思います。
 それで二点目ですが、今まさに大臣が御指摘された点についてちょっと触れたいと思うんですが、今の御指摘にもありましたように、私はついこの間まで労働組合の役員をしておりましたから運輸業界の組合の方ともよくお話しするんですけれども、今おっしゃったように、例えば国内で見ますと、必ずしも運輸業界というのは賃金を見ますと高くなくて、むしろ低いというふうに言われております。また、現実に労働時間を見ますと、これはもうこれだけ労働時間の長い業界はほかに余りないんではないかというくらい労働時間の長い業界でもありまして、労働組合もそのためにいろいろと苦労をしているのが実態でございます。
 ただ、そうした中で感じますのは、一方じゃ企業体といいますか、企業の方を見た場合にどうか、このように見ますと、やはり一部のいわゆる大手の業者は別にしまして、押しなべて見ますと、やはり特にいわゆるタクシー、トラックあるいは海運というところに非常に中小零細企業が多い。
 例えば、タクシー会社を例に挙げますと、これは昨年のデータですが、タクシー会社の五四%が従業員数三十人以下の企業、またトラックについても八〇%がやはり同様に従業員三十人以下の企業であると、こういう実態。また、その中で例えばタクシー、トラックを見ますと、とりわけタクシー等については車両をふやしていく、いわば企業として商売を拡大していくということについてやはり運輸省の方の許認可が必要になるということで、どんどん大きくしたいなと思っておられる方は率直に言ってこれが自由にできなくて不便を感じておられる、こういう部分があるんじゃないかなと、このように思います。
 そうやって考えますと、先ほど御指摘しましたように運賃が全般的に見て非常に高い。しかもそこで働いている人は労働条件が必ずしもよくない。業界は中小零細企業が多くて経営的に見ると苦しいところが多い。大変、ちょっと極端な言い方をしますと、ユーザーも働いている人も業界も、だれも恩恵をこうむっていないんじゃないか。これはちょっと極端な言い方かもしれません、間違っていれば御訂正いただきたいと思いますけれども。
 そうすると、一体この運輸行政というのは何なのかなという、率直に言いましてそういう疑問を感ぜざるを得ないんですけれども、こういう点について、私の認識が間違っているかもしれませんけれども、大臣のお考え、お受けとめになっておられること、お聞かせいただければと思います。
#75
○国務大臣(奥田敬和君) 国民の生活の根幹を支えている、これは産業面においても一緒ですけれども、そういった形でまさに動脈を維持しておる、人間の生命維持装置のような基幹産業でありながら、今言われておるようにユーザーも、そしてその現場で働いておられる現業の人たちも経営者もこれはもう全部三重苦でどうにもならないという実態というのは、これはそういうことがあったらやっぱり大変なことだという認識を持ちます。
 ですけれども、どうなんでしょう。佐川なんかが急成長した背景というのは、確かに労働条件も過酷であった、業界規制も厳しい、その中をくぐり抜けていって、高収益、高能率、高賃金というか、そういった形で業界の一つの枠を破ったような形で成長していく。そのためには今度はある程度行儀の悪い、法を犯さないかぬとか、あるいは労働時間においても同業者の中では特別、ぶっ倒れるまで頑張ってそのかわり高賃金という形でやってきたのかなと、こう思うわけです。
 ですから、このどこを平均点にして、きちっとした遵法精神に富む企業でありながら、なおかつ従業員にも安心した給与支給ができ、経営の最低基盤が安定できるという形のこの中間値をきちっとどの程度に置いてやっぱり見ていかにゃいかぬかということが大変重要になると思うんです。そうしないと、すぐ料金にもはね返ってくる、今度はユーザーにもはね返ってくる形も最小限に抑えなきゃなりませんし。
 ですから、この業界は厳しい業界であると同時に、もうこれがなければやっていかれないという業界でもあり、何とかして働く立場の人たちにもいわゆる働く環境基準、給与基準というものもきちんと守り得る、その調整をどうするかという点においては本当に不断に、私たちは決して外からただ眺めているだけじゃなくて、もっと身近な立場で、働く立場、経営する立場に心を寄せて、そして料金問題等々のときにもできるだけそういった形で国民のユーザーサイドにも配慮しながら運営をしていかにゃいかぬなと。
 反省ばかりになりますけれども、重要なことはわかっていても、今先生の御指摘されたその三重苦をどう解消するかということは、これはひとつ御指南、御指導をいただきたいなと思うくらいで、今急に言われても私ももう本当に名案がなくて弱った弱ったという気持ちに今なっておるのが率直な気持ちでございます。
#76
○直嶋正行君 私、今佐川の例も出ましたけれども、やっぱりああいう極端なことをしないとなかなか成長できない。
 ですから、私これ個人的に思いますのは、やっぱりそろそろ運輸行政の考え方といいますか、もちろんこの行政目的は国民の福祉だとか、さっき大臣おっしゃったように、国民生活に直結していますだけに大事だということでさまざまおやりになってきたわけですけれども、やっぱり私、考え方といいますか、これをやっぱり、あるいはそろそろ新しいやり方を考えるべき時期に来ているんではないかと。
 非常に大ざっぱな問題意識で申し上げますと、例えばこの数年というのは経済界ではもう盛んに言われることがボーダーレスということが言われるわけです。もう国際的に商売には国境がなくなったと、こう言われているわけであります。その時期に果たして、都道府県というような小さなエリアの中でいわゆる規制をしていくことが本当に時代に合っている、あるいはユーザーのニーズに
合っているかなというふうに素朴に思いますし、また大変失礼ですけれども、そういう小さな中でやることが今度は経営者のいわゆるいろんな創意工夫をして企業を発展させるという意味での芽を摘んでないかなと、そういったことも素朴に感じるわけでありまして、素人の提言ですから合っているかどうかわかりませんが、ぜひ根本的なところを見直していただきたいなというふうに思っている次第であります。
 それで、時間ございませんので最後に一点。
 今、来年度の税制をめぐりましてガソリン税と軽油引取税の値上げがいろいろと言われております。これは本来運輸省に直接かかわりのある問題ではないかもしれませんが、運輸業界ということで見ると大変影響も大きいと思いますので、それについて何か御見解お持ちでございましたらお聞かせをいただきたいと思います。
#77
○国務大臣(奥田敬和君) 細かい数字面のお話は今政府委員から答弁させますけれども、私はやっぱり、今日のこれは道路財源対策としての一つの要望であろうと思うんですが、十一次の道路整備五カ年計画、それへの財源対策として、いわゆる不足していると、財源不足だと、それを軽油税やそういうものに少し値上げを要望しようというような動きのように聞いておりますけれども、これは現在の、今、さっきも先生も御指摘されたように、業界自体は決して、中小の業界が多い。しかも現在の景気不透明の中で非常に四苦八苦しておる。これ以上負担増という形になると、これは今先生の御提案なさった改善策その他ももちろん努力いたしますけれども、今日のように既に相当な負担がかかっておる上に上乗せをされるということに関しては、私は運輸行政を預かっている立場としてはどうしても反対でございます。
 したがって、こういった形で現在既に大きな負担がかかっておる軽油、これの税を上げるということを、これをやられるとまた直ちに業界の経営にも物すごく大きな負担になってはね返ってくるわけでございますし、こういった形については私としては、慎重な対応というより、むしろこれは厳しく反対の基本姿勢でまいりたいと思っております。
#78
○政府委員(土坂泰敏君) 今大臣のお答えしたことに尽きておるわけでございますが、若干数字的な点だけ申し上げますと、今度の新しい道路整備五カ年計画のために全体で七十六兆円の規模でございますが、三・四兆円が足りない、こういう試算になっておりまして、そのために国費につきましてはいわゆるガソリン税をこれを五円上げたい。それから地方費につきましては、軽油引取税を十円上げたい。これはそれぞれ九%、四一%の増徴になるわけでございます。
 これによりまして運送事業が受ける影響は、現在トラック事業は軽油引取税三千億円納税しておりますが、増税による負担増は千三百億円でございます。また、バスは三百五十億円の納税でございますが、同じく百五十億円の増になるわけでございます。トラック事業は景気の低迷で対前年度物流需要がマイナスになっておりまして、大変厳しい状況にあります。バスはもうそれ以前から長期的な需要の低下傾向の中で九割以上が赤字でございます。したがいまして、現時点ではこういう負担増は運送事業にとっては大変つらいものである。私どもとしては大臣が申し上げたとおり、やはりこれは反対せざるを得ないというふうに考えております。
#79
○直嶋正行君 終わります。
#80
○高崎裕子君 佐川急便グループに対し十月一日に抜き打ち監査を行ったということが発表されましたが、既に二カ月たちました。その結果についてお尋ねいたします。そして、その後も引き続き抜き打ち監査を行っていると思われるのですが、十月一日以降、いつ、何社監査したのか。また、この十月一日も含めますと何社に及ぶのかを明らかにしてください。
#81
○政府委員(土坂泰敏君) 仰せになりましたように、十月一日以降立入監査を行っております。主として安全規則の遵守状況あるいは従来から言っております事業運営の改善措置の具体的な実施状況その他合併認可に際しましてお約束していただいた事項の確認、こういったようなことを目的といたしまして現在までに、十二月四日現在で累計六十五社、七十九事業所に対して監査をやったところでございます。
 今後につきましては、まだ監査を続行中でございますので、今後さらに何社に対していつまでという点についてはこの場では差し控えさせていただきたいと思います。
#82
○高崎裕子君 今の数字をお聞きしただけでも、事実上すべてのグループの監査を行ったということになると思うのです。そこで、分析終わり次第御報告をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。――はい、うなずいていただきましたので……。
 そこで、横浜佐川急便の鳥浜町の配送センターの無認可営業について、これは時間がございませんので簡潔に述べてください。
#83
○政府委員(土坂泰敏君) 横浜佐川急便が横浜港の工業港区内で無認可で条例に違反をしまして配送センターをつくったということでございます。これは同時に、貨物自動車運送事業法上必要な許可も得ていなかったという点で、私どもの方から見ても問題がございました。こういう状態が平成三年の八月から行われておったわけでございますが、これに対しまして横浜市が本年五月に営業停止の指導を行いまして、このセンターの使用は現在中止をされておるところでございます。
#84
○高崎裕子君 これは一応是正されたわけですが、佐川グループにおけるこのような無認可営業それから無認可増車あるいはいわゆる無認可で路線を走る、私ども無免許運転というふうに言ってますが、区域業者が路線を走るなどのこういうさまざまな違反について、四条それから十八条違反ですね、いつどの営業所で違反が行われたのかを述べてください。
#85
○政府委員(土坂泰敏君) 佐川に対しましては過去二回一斉監査をやったわけでございますが、その監査を通じまして今仰せになりました四条、十八条につきましての確認された違反に対する処分を行っております。全体で四条違反は十件、代表的な例といたしましては北海道貨物、いわき貨物などでございます。それから十八条違反、これにつきましては両監査を通じまして四十三件確認をされておりまして、代表的な例としましては岩手佐川急便、福島佐川急便などでございます。
#86
○高崎裕子君 この監査では営業所が出ていないわけですけれども、これ営業所について御報告いただけますでしょうか。
#87
○政府委員(土坂泰敏君) この十八条というのは事業計画の認可違反でございまして、事業計画の認可違反の中身は、営業所以外に、あるいは休憩施設、睡眠施設、積みおろし施設など、あるいは車両数など、いろいろございますが、この十八条のうちの営業所部分だけという数字が現在手元にございませんので、お許しいただきたいと思います。
#88
○高崎裕子君 これ、横浜佐川急便とか北海道貨物とか事業者で出ているんですけれども、どの営業所で違反が行われたのかということの数字を資料として後日提出していただきたいんです。――今うなずいていただきましたので、お願いします。
 それと、今定期監査の違反について御報告いただいたんですけれども、先ほど鳥浜町の例のように、個別の違反例ですね、各運輸局でこれつかんでいるはずなんで、それを全国調べていただきまして御報告いただきたいと思うんですけれども。
#89
○政府委員(土坂泰敏君) 特別監査以外にも個別に違反が確認された事件につきましては、その都度きちんと対応した処分をしております、その結果を御報告申し上げますと、六十一年度から平成三年度までの間に、七社に対しまして延べで千二百九十八日車の車両使用停止処分を行っておるほか、八社に対して文書警告を行ったところでございます。
#90
○高崎裕子君 それでは、それを詳しく資料とし
て提出していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それから、佐川グループに対しここ数年運輸省、労働省の監査が行われておりますが、監査の結果、処分などをされてもまた同様のことが繰り返されているというのが特徴です。
 こういう違反だけではなく、ことしも我が党の小笠原前議員が取り上げたわけですが、北海道佐川が路上で積みかえ作業を行った問題ですが、国会で問題になってもまだ全国で行われているんですよね。それで、北海道の札幌で言いますと、私と小笠原前議員の事務所、札幌の中心街にあるんですけれども、この真ん前で行われているんです。写真を私いっぱい持っているんですけれども、佐川問題で厳しく追及している共産党でなお運輸委員である小笠原議員や私の目の前で行っているということで、佐川急便には全く恐れられていない、情けない話だなと思うんですが、もっともっと厳しく取り上げて是正もしていかなければならないと思うんですけれども、大臣、ぜひ佐川急便にそう言っていただきたいと思うんです。
 この札幌だけではなくて、横浜市の鶴見区でも、ことしの十月六日ですが、(写真を示す)この写真のように、トラックを後ろ向きでドッキングさせて路上で昼間堂々と積みかえ作業が行われているということで、住民から苦情が出されているわけです。それから、埼玉県の浦和市の芝原というところでは市道でも行われているなどなど、本当にたくさんあるわけですね。
 そこで大臣にお尋ねしますが、この路上積みかえを直ちに是正させていただきたいと思うんです。そして、すべての営業所を点検して調査していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#91
○政府委員(土坂泰敏君) 大臣のお答えの前に事実関係だけ先に申し上げさせていただきますと、鶴見区の積みかえにつきましては、十月九日に関東運輸局の神奈川陸運支局に対しまして、路上での積みかえについては行わないように職員に注意徹底を図ったと、今後も全社員にこういうことがないような教育をしてまいりますという御報告があったところでございます。
 それから、その他の御指摘の点につきまして、例えば北海道の件などにつきましては、今回の監査においてそういういろいろ違法状態があったかどうかということの確認をしているところでございます。
#92
○国務大臣(奥田敬和君) 今御指摘のあった形については、厳重に指導してまいりたいと思います。
#93
○高崎裕子君 そこで、営業所も点検して調査をしていただきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。――うなずいていただきましたのでやっていただけると、こう思います。
 次に、佐川急便が問われている大きな問題としては、異常なまでに急成長を遂げたということがあるわけです。その成長ぶりは本当に驚くほどで、同業のトラック運送会社ではもう飛び抜けているということで、この佐川グループの売上収入と、それからトラック事業全体の営業収入の伸び率はどうなっているでしょうか。
#94
○政府委員(土坂泰敏君) トラック事業の伸び率全体で御報告を申し上げますと、六十三年は一二・二%、元年は四・八%、二年は七・八%でございます。
 佐川につきましては、若干ずれがあってあれでございますが、平成元年が二四・一%、平成二年が二二・五%、平成三年が一二・五%となっております。
#95
○高崎裕子君 これ単純に比較しましても、平成三年度は若干下がっているようですが、トラック事業全体の約五倍の成長になっているわけです。先ほど指摘しました法違反を繰り返し犯しての成長でもあるわけですね。
 なぜ佐川だけが年間二〇%のこの異常な伸びを示しているのかということがやっぱり問題になってくると思うんです。同業者のクロネコヤマトの小倉氏が九二年の「月刊経営塾」の四月号でこう言っているんですね。「片や、無免許営業をやり、片や長時間労働の労働基準法違反を犯してまで、」「今日まで何事もなく、年々業績を伸ばせてこられたか不思議だ」と。それは「つまり、政治家のおかげなんですよ。」「政治家の力で監査する役人を黙らせて、違法行為を見逃してもらうためにです。」と、こうはっきり言っているわけなんです。
 同時に、これだけの成長をする裏づけとして、当然それに見合う営業所の拡大とか車両の増車など、運輸省が認可を与え、保証しないとできないことでもあったはずなんですね。
 そこで、大臣、突出したこの佐川の成長ぶり、その裏づけとしての運輸省の役割、政治家の介在など、その点を大臣としてどのように受けとめていらっしゃいますでしょうか。
#96
○国務大臣(奥田敬和君) 私も、この佐川全体でございますけれども、これだけ業界でなぜ急成長をしてきたんだろうということに対しては、大変関心を持って実は内情把握に努めたわけであります。
 聞くところによりますと、昭和三十二年、京都と大阪の間を初めは奥さんと夫婦二人で担ぎ屋というか便利屋さんのような形でスタートして、運輸省がいわゆる正規の業者として免許を与えたのが昭和四十年ですから、四十年からわずかの間に、四半世紀の間に全国業界二位の、日本通運に次ぐ物流業者にまでなってきたということは、これはちょっとほかに類例がないくらいすごい急成長であったわけでございます。
 ですけれども、この成長原因というのは、後段で述べますけれども、最初はやっぱりこの便利屋さん的なサービス、小口の貨物を嫌な顔をせずに正確、迅速に運んだという形からいわゆる企業には非常に信用が高まる。もう佐川に頼んでいった方がきめの細かいサービスで確実だという形での一つの荷主さんに評価されたことは間違いないと思います。そうでなければ、幾らやってもこれだけ注文が殺到するくらいの業者として、やはり従来の大手の物流業者にないきめの細かいサービスがあったんだろうと思っております。
 その結果、従業員が営業マンも兼ねてやるというような形。正確に届けるためには残業も無視してやるというような形。しかも、路線業者というのは大手ですから、大手からは佐川はどちらかというと批判される立場である。なかなか路線業者の認可は取れない。したがって、区域業者としての形でやりながら、しかも路線業者のまねをしていかなきゃいかぬわけですから、それに対しては、先ほど言いましたように、違法事件、脱法事件がやっぱり出てくる。そして、積み合わせは路線業者は自由ですけれども、区域業者に関しては積み合わせというものは制限されている。こういった形を、要するに区域業者をつなぎ合わせて大手路線業者並みの、いわゆるそれ以上の力を持つネットワーク、全国ネットをつくりながら、しかもサービスの面においてそういった形でやってきたという形で、確かに御指摘されるように、遵法精神というものについては欠ける業者であったなと。
 そして、今日の大きく急成長した原因の中に政治家介在ということを云々されますけれども、この会社は調べてみると、政治家に頼んで運輸行政にタッチしてきたというようなことは一つも、余りないようです。私もそのことに関しては非常に厳しく調査いたしました。ところが、運輸省なんか問題にしておらぬ。法律を犯して処分されたってへっちゃらな顔して、こうやっていくというところにそういった体質があったのかなという形の中で、私たちは今後、こういった形の新しい合併六社も、労務状況の改善も含め、行儀のいい業者として他業者からの信頼も得るような方向できちんと是正、指導してまいらなきゃならぬと思っておるわけであります。
#97
○高崎裕子君 佐川だけ突出しているということはやっぱり何かあったということで、運輸省のあり方等が厳しく問われる問題だということで、この点はまた引き続き取り上げてもいきたいと思っております。
 そこで次に、新千歳空港ターミナルのことですが、これオープンされて五カ月たちます。私も札幌−東京間、週二、三往復というようなかなりの頻度で利用させてもらっておりますが、近代的に仕上がったとも言われているわけです。
 そこでお願いしたいのは、障害者の方が利用する上で何点か改善の要求が出されております。既に私の方は、調査をした上で空港ビルの方に直接お願いをして検討もしていただいているところですけれども、一つはターミナルビルの玄関、入り口が段差が高く、車いすでは利用できない、スロープをつけてほしいということです。第二は、点字ブロックが全くありません。視力障害者にとっては大変不便ですので、この点の改善ですね。それから三点目は、聴力障害者の方が例えば空港に着いたということなどの連絡をとるためにファクスがないんですけれども、これを設置していただきたい。四点目ですが、せっかく立派なエレベーターがあるんですけれども、そのエレベーターがあるという表示がそもそもないんです。これはもう改善しようと思えばすぐできることだと思いますので、ぜひ改善させてほしいと思いますが、いかがでしょうか。
#98
○政府委員(松尾道彦君) ただいま御指摘のとおり、新千歳のターミナル、大変すばらしいものがことし七月にオープンしたわけでございますが、今、先生の万十一月にもじかに御視察を賜りまして、貴重なアドバイスをいただいていることはよく承知しております。
 今の問題についても、利用者の立場から、このビル経営に当たっております北海道空港株式会社、一生懸命努力をいたしておりますので、できるものはできるだけ早期に改善をいたすように指導したいと思いますし、今の施設面で若干関係機関との調整事項もございますので、その辺は若干のお時間をおかりしながら改善を早くやっていきたい、このように考えております。
#99
○高崎裕子君 その点では、今お話あったように、ビル会社で部内で検討しているということで、スロープは開発局との調整、それからファクスは今NTTと調整をしている、表示は設置の方向で対応する、それから点字ブロックについても検討しているというふうに伺っておりますが、そのとおりでよろしいですね。
#100
○政府委員(松尾道彦君) ただいま先生の方から詳しいお話がございましたが、そのような方向で今努力中でございます。
#101
○高崎裕子君 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 それで次に、地下鉄建設でございますが、地下鉄建設を進めていく上では、補助金の繰り延べの解消が各自治体にとっては大変大きな課題となっています。私たちも何度も繰り延べ解消をお願いしてきた経緯がありますけれども、現在公営地下鉄の繰り延べ額が幾らで、いつまでにどのような計画で運輸省としては解消していくのかをお聞きしたいと思います。そして、今度の補正予算での各公営地下鉄ごとの繰り延べ回復額はどのようになっていますでしょうか。
#102
○政府委員(秦野裕君) 御指摘のとおり、公営、営団を問わず、いわゆる補助金の繰り延べ分というのがございまして、私ども早期にこれを解消いたしたいということで努力をしておるわけでございます。
 公営につきましては、現在、繰り延べ分が約百七十三億でございまして、所定でございますと平成十一年度までにこれを回復するという一応予定になっておるわけでございます。ただ、今回の補正予算の中におきまして、大変厳しい財政状況でございますけれども、財政当局とも相談をいたしまして、公営のトータルで七十二億の繰り延べ分につきましてこれを繰り上げて償還するということに、お払いをするということにいたしたいと思っております。この措置によりまして、おおむね平成八年度までの繰り延べの相当分は一掃されるという予定になっております。
 なお、都市ごとの分につきましては、私どもとして一応心づもりの積算はいたしておりますけれども、まだ確定の段階に至っておりませんので、本日の段階では公表をお許しをいただきたいと思っております。
#103
○高崎裕子君 繰り延べ回復額は決定というふうになっていないということは私どもも承知しておりますが、積算で、札幌十二億、仙台十四億、東京八億、横浜六億、名古屋十一億、京都五億、大阪九億、神戸二億、福岡五億というふうに伺っておりますけれども、このようになっておりますね。
#104
○政府委員(秦野裕君) 私ども、積算としましては、今、先生のお話のような数字を手元に持っております。
#105
○高崎裕子君 ありがとうございます。質問を終わります。
#106
○井上哲夫君 私は、きょうは信楽鉄道事故、その後島原鉄道事故が発生をしておるわけですが、そのことについてお尋ねすべく用意をしてきたわけですが、さきの渕上委員の質問やらいろいろ重複をしておりますので、避けながらお尋ねをいたしたいと思います。
 その前に、先ほど関連でお話が出ましたが、運輸事業における労働条件が厳しい、三K職場とかいろんなことで、今、直嶋委員と大臣のやりとりを聞いておりまして、一つだけ、貨物船ばかりではありませんが、内航の船の船員の不足の問題についてまずお尋ねをいたしたいと思います。
 内航運輸、特に船の船上労働者といいますか海上労働者の状況は、私も今まで余り知らなかったんですが、聞いてみると大変悪い。非常に給料も安く、仕事も厳しく、そして若い人がほとんど今はいない職場だという話を聞きまして、大変だなという思いをしたら、そこで船員不足の問題を考える関係当事者の懇談会といいますか協議会、そういうものを本年の三月につくって一生懸命知恵を出し合っているんだということを聞きました。こういう会をつくることはまことに結構なんですが、難しい問題ですからなかなか結論を出すことは難しい。あるいは中間報告もなかなか出ない。出てもすぐ対応に役に立つようなものが少ないというのは、これは一般論として私は申し上げているんですが、そこで今、この協議会、懇談会で主に何を問題としてとらえ、どのような方向で検討して、いつごろに中間報告なりあるいは最終報告なりが出るような見込みでありますか、まずお伺いしたいと思います。
#107
○政府委員(長尾正和君) お答え申し上げます。
 運輸省といたしましては、先生もお述べになりましたように、厳しい内航船員の不足問題に対処いたしますために昨年の四月にまず省内の関係者によります対策会議を設置いたしまして、その結論を踏まえまして、今年度からは海員学校を内航職員の養成に重点を移すなどの学制改革、あるいは漁業離職者を内航海運業に早期に円滑に転換させるための内航転換奨励金の創設などの諸施策を行ってまいりましたところでございますが、内航船員の不足問題対策を一層強力に推進するためには、魅力ある職場づくりにつきまして内航事業者みずからの取り組みあるいは荷主の理解が必要であるとの認識のもとに、本年三月、荷主それから内航事業者、海員組合、学識経験者から成ります内航船員不足問題を考える懇談会を設置したものでございます。
 これまで六回にわたる議論を通じまして、内航船員の職場の環境であるとかあるいは採用の仕方であるとかいろんな問題につきまして関係者による議論を行ってまいりまして、関係の荷主あるいは事業者の方々の理解は深まってきたものと考えております。
 現在、懇談会の中でさらに細かく、船種別と申しますか、そういう具体的な問題を検討するためにタンカー問題の小委員会、これは七月に設置いたしましたし、それから貨物船の問題小委員会、一般の貨物船でございますが、貨物船問題小委員会を十月に設置いたしまして、それぞれの小委員会の中で荷役作業の軽減合理化をどうするか、あるいは労働環境を改善するためにどうしたらいいかという具体的な問題につきまして鋭意議論をし
ていただいているところでございます。これ、結論はまだ出ておりませんけれども、この結論を踏まえましてさらに議論を深めることによりまして、実効性のある対策を講じてまいりたいと考えているところでございます。
#108
○井上哲夫君 いつごろ報告は出るようでしょうか。
#109
○政府委員(長尾正和君) 当初、年内にということを考えておったのでございますけれども、懇談会の関係者の要望によりまして小委員会をつくりまして、その小委員会でもっと細かい議論をしようということになりました関係で、先ほど申し上げましたように、二つの小委員会をつくりましてそれぞれの中で具体的な問題について検討を進めておりますので、まだしばらく時間がかかろうと思いますが、なるべく早く結論をいただきたいと考えております。
#110
○井上哲夫君 次に、信楽鉄道事故の件についてお尋ねをいたします。
 きょうは同僚の委員の質問がありましたので、まず、なかなか調査報告書が出ないと。先ほどの新聞記事、問題になりました大臣発言の新聞記事を見ますと、年内に大臣としては結論、報告を出せるように努力をしたいというふうに書いてあるわけですが、被害者の一部でしょうけれども、裁判といいますか、訴訟か調停が、そういう裁判の方で問題の解決に当たっているというのを聞き及んでおりますが、どういう内容で、どこまでいっているのか、私も持ち時間少ないのでなるべく簡潔にお願いいたします。
#111
○政府委員(秦野裕君) 信楽事故に関しましての被災者の方々と会社側との交渉でございますが、私ども承知しております限りでは訴訟を提起したというお話は伺っておりません。
 ただ、ことしの九月七日に遺族会の方々が信楽高原鉄道とJR西日本の両者を相手方といたしまして、大津裁判所に調停を申し立てておるということは聞いております。この調停の内容は、いわゆる損害賠償の基準を明らかにするようにという御趣旨でございまして、この調停の第一回が十一月三十日に大津の簡易裁判所で開催されたというふうに承知しております。なお、調停の内容につきましては、性格上非公開でございますので、私ども明確なことは存じ上げません。
#112
○井上哲夫君 この遺族団が、今おっしゃった調停に続いて、西日本旅客鉄道ですか、昔の国鉄ですね、に、事故当時の関係書類の証拠を見せてほしいと、そういう裁判所のいわば、普通には保全命令といいますが、そういう保全命令の申請をして、大阪地方裁判所の第十五民事部、私も昔よく行ったところですが、そこの裁判官が証拠を見せなさいということで三十五文書ですか、命令を出した。しかし、JRの方は見せる必要はないということで、わざわざ裁判官も書記官もあるいは関係訴訟人も指定の日に出向いたけれども見ることはできなかったという事件があるわけです。
 それで、もちろん、裁判所の証拠保全の命令に従う法的な根拠は第三者もしくはそれに準ずる場合ないわけですが、通常は裁判所のそういう命令が出ると、全部見せると言っても見せられない場合にも、関係の薄いのとかあるいはこういうのは見せましょうとか、三十五点全部見せない、一切。しかも、私も先週同僚のかなり責任のあるクラスになっている裁判官に聞いたら、最近どうもこういう命令を出しても聞かないところがふえておる、困ったものだと。もちろん、司法と行政とかその問題はあるわけですから、常に司法の言うことを聞く必要はないと思うけれども、少なくとも社会的に大きな名のある会社とか、名のある団体とか、そういうところが拒否をするということになると影響力も強いし、どうも疑問に思うこともあるというようなことを言っておりました。
 問題は、運輸省が主導の例えば調査結果がちゃんと早く出るとか、あればこういうことをしなくてもいいわけですね。報告は出ない。それで、遺族の方も例えばこういう形の保全処分を申し立てると、それもシャットアウトする。そうすると、すべて物事を隠して隠して隠し通すということは、隠された方から見ると、あれもあるんじゃないか、これもあるんじゃないかと、ないことまで想像はたくましくなりますよ。したがって、そこから不信感というのは、政治不信の問題を言っているわけじゃないですよ。きょうは信楽鉄道事件のことを言っているんですが、そういう問題があるので調査結果も素早く出せるように努力をされたいんだが、この点について運輸省はどのように把握をしておりますか、今の証拠保全の問題について。
#113
○政府委員(秦野裕君) 私ども詳細については、申しわけございませんけれども、ただいま先生のお話しの点、つまびらかに承知しておりませんけれども、若干聞いております範囲では、いわゆる拒否したのではなくて、警察の方に実は押収されておって、その物件がないといったような事情もあったやに聞いております。
 ただ、いずれにしましても、被災者の方々との間でいわゆる不信感と申しますか、そういう関係が生じるということは私どもとしてはもちろん好ましいことではございませんし、西日本に対しましても、あるいは信楽鉄道に対しましても、誠意を持って交渉するようにということを指導しておるわけでございまして、今後とも一層その指導を強めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#114
○井上哲夫君 今の点は運輸省のお答えとしてはやむを得ないかと思いますが、念のために申しておきますが、十一月五日に決定が出て十一月六日の十時という指定があった文書三十五点、それは一部は警察に行っていたでありましょうが、一切見せないという、そういう事態があったということだけ申し上げておきます。
 それで次に、先ほど渕上委員の質問に大臣もお答えになったんですが、こういう事故調査について、飛行機事故の場合には常設の事故調査委員会がある。しかし、鉄道事故その他についてはその都度調査団が編成されて報告を待つ、こういう形できておると。恒常的といいますか、常設的なそういう調査機関ができて素早く、なるべく可及的速やかにそういう事故についての一応の監督官庁なりその他関連のところからの調査結果が出て、しかもそれができる限り開示をされる、関係者のみならず国民にも開示をされる、こういうことがあれば一番私は再発防止のためにも望ましいと思っていて、きょう大臣の先ほどの御返事を聞きますと、こういうものを検討したいというお話がありました。大変私はあれっと思った。というのは、いい意味であれっと思ったんです。よくおっしゃっていただいた。
 といいますのは、信楽の遺族団はアメリカの運輸省にある、大統領直属といいますか、運輸省の権限を離れた、独立機関であるそういう事故調査委員会というんですかね、その実態調査にまで行っておるんです、この十月に。そして、別にアメリカをいつも引き合いに出す必要はないんですが、日本とアメリカのその事態の落差に衝撃を受けて帰ってきて、報告書も出ております。私も目を通しました。
 それで、何もアメリカのようなそういうシステムをまねした方がいいとは決して私は申し上げませんが、少なくともそういう常設の事故調査委員会を前向きに検討していただきたい。そのあかしには、少なくとも現在の信楽の事故調査団が速やかな報告書を出していただいて、しかもできる限り多くの人が目を通すことができるように開示をしていただきたい、そういうふうに思うわけでありますが、再度大臣にその点でお尋ねをしたいと思います。
#115
○国務大臣(奥田敬和君) 先生の御提案で、先ほど来、鉄道事故に関しましても常設の事故調査に関する専門委員会があってもいいんじゃなかろうかという渕上委員からの御提案もございました。この問題に関してはぜひ前向きの検討課題として検討させていただくことをお約束いたします。
 ただ、先ほども申し述べましたけれども、航空とか海上とか、いわゆる証拠把握が非常に難しい、専門家による特別な知識が当然必要とされる
わけでありますけれども、そういった形で常設的な委員会としてスタッフを持っておるということもこれは非常に大事であろうと思いますけれども、陸の場合には、私も聞いてみたんですけれども、事故の証拠物件収集等いわゆる関係者のそういった意見も徴しやすいし、また専門的な人たちにも御相談に乗っていただきやすいということもあるようでございますけれども、この間のような六百名以上の負傷者、四十二名という多大な、もうかつてないくらいのああいった厳しい事故が、これはちょいちょい起きてもらったら大変なことでございますけれども、これが二度と起こらないためにもそういった専門機関というもののやっぱり委託制度があっていいんじゃなかろうかな。
 また、そういった御意見、提言も踏まえて、アメリカの制度で、そういった進んだ形で厳しい第三者機関で、被害者の立場も救済でき得るような、しかも技術的な原因にも権威のある形で追求でき得るようなアメリカの制度を例示されての御指摘でございますので、私たちもせっかく勉強させていただいてそういった御提言に沿うような方向で一遍検討させていただきたいと思います。
#116
○井上哲夫君 もう時間がありませんが、実は私は陶器の関係の家に生まれまして非常に陶器には執着が強いんですが、加えて信楽鉄道事故の二日、三日前に国際陶芸展に現地に参りまして、鈴なりになって列車が走っているというのは現実に見ました。その二日後にといいますか、三日後の新聞であの大惨事を知ったわけでありますが、どうも、人為ミスだからという形でいくと本当のところは再発防止保はなかなか容易ではないだろうと、こう思うわけですね。
 今大臣のお話にありましたように、それは確かに飛行機あるいは海難事故はかなり専門家の膨大な尽力、労力をかけた調査がないとできませんが、陸上の事故においても実はなかなか難しい。道路の、車の交通事故一つとっても、両者が信号が青だと言い出したらもうほとんど刑事事件の立件が一年、二年不可能になるぐらい、まあこれは例えでございますが、そういうことを数々経験を実際にしてきまして、やはり鉄道事故だから常設の委員会をつくらなくていいというのは、これはもう頭を切りかえていただきたい。
 鉄道事故でも、踏切に入ってくるときの関係を実際に実験をするというと大変な、私も具体的な裁判事件で体験をしたことがありますが、何度急停止のブレーキを踏んでもらってとまっても、とまる状況が変わる。だから、ぜひとも調査委員会を継続的なものを設置する方向で検討をいただきたい。先ほど来、改造人事のためにもうあとどれだけかというお話も出てまいりましたが、ぜひとも今の大臣のときにこの問題に糸口をつくっていただきますようお願い申し上げまして、質問を終わります。
#117
○広中和歌子君 広中でございます。今国会から初めて運輸委員会に所属させていただきました。よろしくお願いいたします。
 まず最初に簡単な質問と、そしてお願いを申し上げたいと思います。
 中長距離列車におきますところの禁煙席と喫煙席の割合をお知らせいただきたいと思います。
#118
○政府委員(秦野裕君) とりあえず、まずお手持ちの資料に基づいて御説明いたしますが、まず東海道新幹線でございますけれども、五十年代のころには、御案内のとおり「ひかり」が十六両編成でございますが、十六両編成中一両が禁煙席でございます。現在におきましては、十六両中約五両が禁煙席になっておるわけでございます。
 それから、東日本の上越新幹線あるいは特急等ではおおむね五割が禁煙席になっておるという状況でございます。
#119
○広中和歌子君 禁煙車と喫煙車の割合なんでございますけれども、もちろん乗る方の中で、乗客の中での割合なんでございますけれども、恐らく喫煙をしない方の割合というのはもっと多いんではないかなと思うんです。最近特にその傾向が強いようでございまして、予約などとりますときに禁煙車の方から満員になっていくという、そういう状況があるようでございますけれども、禁煙車をおふやしになるおつもりはございませんでしょうか。また、もしないとしたら、ぜひこれをお願いしたいと思います。
 それから、将来、禁煙車ではなくて喫煙車をおつくりになった方がよろしいんじゃないかと思うのでございますけれども、その点についても御意見をお聞かせください。
#120
○政府委員(秦野裕君) どれくらいのお客様が実は喫煙されておられるか、あるいは禁煙されておられるかということは詳細なデータがございませんで、日本国民全体ということでは厚生省さんの方ですとか、あるいはたばこ会社自体とかいろんなデータがございますけれども、若干内容はまちまちでございます。JR東でアンケート調査を一回やっておりますんですが、そのとき約五割弱の方がたばこをお吸いにならないということでございまして、それに基づいて現在JRが先ほど申しましたとおり、東日本では約五割が禁煙席になっておるわけでございます。
 それから東海道新幹線の方でございますが、先ほど申しましたとおり、十六両中五両が禁煙席でございますけれども、最近非常にたばこをお吸いにならない方がふえておるということもございまして、JR東海の方では禁煙車の方を今の五両からさらにふやす方向で現在検討を進めておるというふうに聞いております。
 それから、あと、禁煙車のかわりに今度は喫煙車をというふうな御指摘でございますが、全体といたしましてどういうふうにするかということは、やはり喫煙される方と禁煙される方の全体のバランスを見ながら、会社の方で適切に判断していくということが一番望ましいのではないかというふうに考えております。
#121
○広中和歌子君 私は、このように広いお部屋で、天井も高くて、このようなところでしたら共存大変結構だと思うのでございますけれども、電車の中というのは大変天井も低く、しかも最近は窓があきませんでしょう。空気が非常に悪いんですね。ですから、ぜひ御配慮いただきたいと思います。
 次に、自動車事故についてお伺いいたしますけれども、死亡事故が非常にふえているということを聞いております。まず、その数でございますけれども、そのうち歩行者を巻き込むケースとそうでないケース、つまり自動車同士の事故または自動車事故による死亡はどのくらいの割合になっているでしょうか。
#122
○政府委員(堀込徳年君) お答えいたします。
 警察庁の統計によりますけれども、平成三年の交通事故によりますと、全死亡事故が一万一千百五名となっていまして、自動車の乗車中という事故が四千六百七十五名でございますから、ちょうど四〇%ぐらいになると思います。それから、純粋に歩行者の事故というのが三千百七十八名ということでございますから、一・一で割って二八%ぐらいになるかと思います。
#123
○広中和歌子君 統計によりますと、日本の場合は事故が起こって二十四時間以内の数なんですけれども、よその多くの国では三十日以内の数字なんですね。そういたしますと、日本の場合、三十日以内の死亡者というのは約二二%増、そういうようなことになるようでございまして、非常に多いというふうに言ってよろしいんじゃないかと思います。
 その原因なんでございますけれども、どのように考えていらっしゃるかお伺いいたします。
#124
○政府委員(堀込徳年君) 日本の場合、歩行者事故が多いというのは、従来、歩車道が分離されておらないとかいうことが主な原因でございましたし、それから老人の事故、自転車の事故というものが多かったわけでございまして、その傾向がだんだん車の高速化に伴いまして比率がアメリカ並みといいますか、高速型に移行しつつあるのが現状でございます。
#125
○広中和歌子君 日本の車というのは、非常に性能がいいということで有名なんでございますよね。そういう中で安全性に関しては、安全性とい
ってもシートベルトだとかアンチロックブレーキとかいろいろな要素があるんだろうと思いますけれども、その中で安全性、ボディーの強度ですね、それに対するテストというのはどういうことをなさっているんでしょうか。
#126
○政府委員(堀込徳年君) 衝突のことになると思いますけれども、乗員の被害というものを軽減するために衝突時の安全性というものを重視しておるわけでございまして、衝突時に乗員が死亡しないためにということで昭和四十三年当時からシートベルトの義務づけというものをやってまいりましたし、昨今ではエアバッグの任意装着ということも進めております。衝突時の安全性という中からは、例えばブレーキ性能の向上というもの、それから衝突時におきます火災防止ということから、前面でぶつかったときには燃料漏れが一定時間以内にしないというようなことで、これを四十九年から義務づけておします。それから、後面についても六十三年からそういう義務づけをして、逐次交通事故に見合った安全対策を導入しているところでございます。
#127
○広中和歌子君 私、事故の写真を見ましてびっくりするんですけれども、日本の事故の写真を見ますとくちゃくちゃっとなっちゃっているんですよね。つまり、人間が乗っている部分がくちゃくちゃっと、こうなっているんです。ところが、アメリカの自動車事故というのは、もう前が吹っ飛び後ろが吹っ飛んでも比較的乗客の部分というんですか、はしっかりしているんですね。それで、いろいろ情報を収集しましたところ、強度の基準というのがアメリカの場合と日本の場合違うそうでございますね。つまり、ドアにサイドドアビーム、そういうものが入っているということがあるんだそうでございますけれども、日本ではサイドドアビームというのは義務づけられておりませんよね。
#128
○政府委員(堀込徳年君) お答えいたします。
 アメリカでは御指摘のように高速道路の事故といいますか、あるいは出会い頭の事故が多いということから、あるいは車両の乗っている人の死亡率の確率というのが七割を超えているというような現状から、御指摘のような側面ドアを強化するという方法が、規制が導入されておりまして、一九九六年までには全部の車種がそういう対策を講ずるようになっております。
#129
○広中和歌子君 日本はアメリカにたくさん自動車を輸出しております。輸出車には側面強度ドアをつけていらっしゃいますでしょう。ところが、日本のカーユーザーにはそうしたものを売っていないということ、非常に問題じゃございませんか。
#130
○政府委員(堀込徳年君) 御指摘のとおりでございまして、車の安全基準そのものにつきましては、ランプの意味とかいろんなものにつきましては、基本的には車の国際性から統一する方向にございます。しかしながら、それぞれの国に若干その各国の交通事情、交通事故の実態等において違うものがございまして、御指摘のように側面ドアについてはアメリカのみが規制をしております。しかしながら、アメリカだけでいくというのもなんでございますので、現在、国連の欧州経済委員会の中で側面ドアの強化をどうしようか、国際的にどう持っていこうかということが一つ検討されております。
 それからもう一つは、私どもこの春に運輸技術審議会から今後の自動車の安全技術のあり方についてという御答申をいただきまして、この答申の中でも、もう少し交通事故の実態をよく分析して、その結果というものを義務づけるべきではないかということで御指摘いただいていますので、交通事故総合分析センターというものを本年三月に警察庁、運輸省、建設省で合同で設立した経緯もございまして、ただいま、こちらの分析経緯を踏まえまして今後そういうものの導入を図っていこうと考えています。
 それで、御指摘のように、アメリカに輸出するのにはつけておって国内には装着していないのは、おかしいではないかということでございまして、私ども実は効果を十分見きわめていかないと、義務づけるということについては国際的な問題にもなりますので慎重にしておるわけですが、アメリカに輸出している車と同じものが国内にもあるわけでございまして、そういうものは輸出する場合には相手向けの、相手の国の基準に合わせて装備しなければ右らないわけですけれども、当然国内でも御要望があった場合にはユーザーの皆さん方の御要望にこたえられるようにということで、二年前の平成二年三月でございますが、自動車工業会に対しまして、輸出仕様につけている場合にあって国内にやらないものについては、国内についても御要望があった場合にはそのユーザーのニーズに対応できるようにという指導で今対応しているところでございます。
#131
○広中和歌子君 自動車を買う人は、私を含めまして、やっぱり見た目とかそういうもので買うんですね。そして、ドアがどのくらい強いかとかなんかというのは知らないんです。アメリカに輸出するときには強度ドアをつけるというのであれば、今グローバルな経済の中におきまして、アメリカにだけいいものを売って我が消費者には、まああえて欠陥とは申しませんけれども、中ががらんどうなドアがついた車を売る、そういうようなことはちょっといかがかなと思うわけでございます。ぜひ、それはオプションではなくて、これはもう標準装備ということでしていただきたいと思うんですけれども、そのビームをつけるコスト、たかだか一万円ぐらいというようなことを伺っております。実際にはどうかわかりませんけれども、しかしながらこうした部分が大切だということ、それを消費者に教育することも運輸省のお役目ではないかなと失礼ながら思うわけでございまして、ぜひこれを標準装備にしていただきたい、それがお願いでございます。よろしくお願いいたします。
#132
○政府委員(堀込徳年君) 先生御指摘のとおり、安全であれば一歩でもということで私ども思っているわけでございますが、現時点におきまして交通事故を分析している限りにおきましては、側面衝突の形態というものがアメリカと全然違います。アメリカの場合は、信号が整備されていない。それから広い、広野みたいなところで高速で走っていて物すごい勢いでぶつかっているというのが実態でございますが、我が国の場合におきましては、広い道と狭い道との優先順位、信号等が整備されていまして、ちょこっと出てぶつけられるというようなケースが非常に多うございますので、もう少しコストという問題ではなくて、効果という面から交通事故の実態というものを分析して対応してまいりたいと思っているわけでございます。
#133
○広中和歌子君 いや、今日本で皆様、道路の事情非常によくなりまして、非常に大きな事故、衝突事故とか、壁面にぶつかった事故とか、その結果としてこのようなくちゃくちゃになった車を見るわけでございますよね。自動車の教習所に行くといろんな写真見せてくれますけれども、あれを見ますとこれは例外的なものだとどうしても思えないわけでございます。そういうことで、仮にすべての自動車死亡事故の二割がそうであっても、その人たちのためにサイドドアビームというのをつけることをお考えいただいてもよろしいんじゃないかなと思いますので、重ねてお願いいたしまして、次の質問に移らせていただきます。
 次は飛行機のことで伺います。
 成田の第二ターミナルビルの完成、一応おめでとうございますと申し上げたいと思います。それで、第二滑走路の完成はいつなんでございましょうか。
#134
○政府委員(松尾道彦君) おかげさまをもちまして第二ターミナルビル、昨日から運用を開始して、ちょっと初期故障など出ていますが、きょう現在順調に運営をいたしております。
 二期施設の早期完成という点で、現在私ども大変努力を公団と一緒にやっておりますが、用地買収の問題で千六十五ヘクタールの用地の中で二%程度の二十一ヘクタール程度のまだ未買収地が残
っておりまして、農民の方がほとんどでございますが、昨年大臣も直接出席されました地元との成田空港のシンポジウムをやっておりまして、これが今順調に話し合い路線でやっておりまして、こういった中で話し合いによる解決に向けて一生懸命努力いたしたい。もう少しでも早くというふうに強い希望を持っておりますけれども、相手のある問題でもございますので、その対話の中で努力をしていきたい、このように考えております。
#135
○広中和歌子君 大臣、直接お伺いしたいんですけれども、この対話というのはいつまで続くのでございましょうか。
#136
○国務大臣(奥田敬和君) 近くまた十一回目に入るようでございますけれども、最初はやはりかつての反対闘争をなされた代表の皆さん方との間にぎごちない、対立的なやっぱり気持ちもあったわけでありますけれども、隅谷委員長の大変な御努力によりまして、回を重ねるごとに双方の間に、いわゆる二度と繰り返してはならないああいった不もの対決というものがなぜ起きたかという原因の中で、政府側、行政側の立場からも反省の言葉も出てくるような状態の中で、本当に話し合いの機運が醸成されてきておるなと思っております。
 したがって、今回第二ターミナルの開港ということで、報ずるところでは、いや、滑走路二千六百、三千二百のこの二本はまだできないままだとか、いろいろな形で前途、もう春の日はまだまだ遠いんだというような印象を与えておりますけれども、私たちは必ず、焦ることなく、このシンポジウム継続によって双方の和解機運ができ、醸成されてきたところでこういった形の解決にやはり進んでいっていただけるだろうと。したがって、随分御不自由をかけておるわけでありますけれども、成田が国際的にも恥ずかしくないハブ空港としての機能を発揮でき得るような体制には、近いうちというような安易な考え方ではおりませんけれども、必ずそういった日がやってまいると確信をいたしております。
#137
○広中和歌子君 御努力を大変評価させていただきますが、一日も早い第二滑走路の完成を、そこを年じゅう使う者の一人として希望しております。
 現在三千三百万人が年間成田を使っているわけでございまして、一つの滑走路では非常に足りない、それはもう目に見えているわけでございます。ぜひ農民の方々も御理解を賜って日本のために、日本の乗客のために譲歩していただければありがたいなと思っているところでございますが、もしこの第二滑走路が完成した場合でございますけれども、どのような形で使われるのでしょうか、それをちょっと伺います。
#138
○政府委員(松尾道彦君) これからつくろうとしている第二滑走路、B滑走路は二千五百メートルの距離でございまして、東南アジア路線はほとんどの機種が使えます。それから、着陸機は全機種使えますので、主として近距離国際線が使える、こういう格好になろうかと思っております。
#139
○広中和歌子君 国内線とのネットワークはいかがでございましょうか。
#140
○政府委員(松尾道彦君) 成田空港の利便の立場からいきますと、国内線乗り継ぎということで強化するのが当然でございますが、現在残念ながら許容量の問題がありまして、四路線しか国内線が入っておりません。札幌、大阪それから福岡、名古屋の四空港でございますが、これが将来二千五百メートルが完成すれば処理能力全体がふえてまいりますので、さらに一段と国内線との乗り継ぎ便の強化が図れるというふうに考えております。
#141
○広中和歌子君 年間三千三百万人が成田利用しているわけですよね。――それは日本全体そうでございます。そのうち六七%が成田利用ですか、そのうち、首都圏の方が利用する割合というのは大体どのくらいかなと思うんですけれども、大体数字わかりますか。
#142
○政府委員(松尾道彦君) 今御指摘のとおり、国際線の利用客は平成三年度で約三千四百万人御利用いただいておりまして、成田空港を御利用している方が約二千二百万で、先生の御指摘されるようなパーセンテージだと思います。
 首都圏のあれは今詳しい資料を持っておりませんけれども、その二千二百万のうち大体七割前後じゃないかなと、こう思っておりまして、今地方空港の国際化の中で地方空港を使っているのが約五百七十万人ぐらいございます。
#143
○広中和歌子君 成田空港なんでございますけれども、プランはかなり前にできたものじゃないかと思うのですけれども、最近改造あるいは完成された国際空港、例えばシカゴとかサンフランシスコとか、最近ではありませんけれども、フランスのドゴール空港であるとか、ロンドンのヒースローであるとか、そういうようなところは国際線の発着であると同時に国内線とのネットワーク、それが非常によくできているんですね。それこそいわゆる国際空港としての要件ではなかろうかと思うのでございますけれども、ちょっと伺いますと、成田空港はいずれにしてももう大部分が首都圏の利用者向けだから構わないとおっしゃるんですけれども、仮に三割にいたしましても、よその、他府県からの方がいらして、そして一たん羽田に着いて、そこからさらに混雑する電車に乗りまして、高速道路で成田に行かなければならない、非常に不便なわけです。不便なものをなぜつくるのかなというふうに思うのでございますけれども、そこのところはどのように解決していこうとなさっているのか。
 私は、もし、今の段階では仕方がないにいたしましても、第二滑走路が完成いたしましたらば国内線との乗り入れを成田で完結さすと、そして羽田は羽田でそれをまた国際空港プラス国内と、そういうところで完結していかなければ非常に不便なんではないか。千歳空港においてもしかり、福岡空港においてもしかり、そういうふうにしていただかないと本当に乗り継ぎに時間がかかるんです。日本の一番大きな空港、成田がそうでございますし、羽田と二つに分かれている。そして今度できます関西国際空港、それが今度は大阪空港と非常に離れておりますでしょう。そういう不便なものがいまだに、そういうのはもうちょっと古い考え方じゃないかなと思うのでございますけれども、どのようにお考えなのか、お伺いいたします。
#144
○政府委員(松尾道彦君) 今の先生の国際ハブ空港としての機能の立場からいけばもうおっしゃるとおりでございまして、全く同感でございます。私どももその趣旨で空港整備をやっていきたいというふうに考えておりまして、成田空港につきましては、二期施設が完成すれば当然に、国内線の乗り継ぎ便を十分ネットワークづくりをやって、直接国際線との乗り継ぎ利便の強化を図っていきたいなと、このように念願しています。
 それから関西新空港は、二年後、平成六年の夏オープンで頑張っておりますが、今順調に推移いたしておりまして、これがオープンした暁には、特に関西国際空港の場合には、国際ハブ空港として、国内線の乗り継ぎ便の利便強化という立場から国内線のネットワークづくりをやっていきたい、このような格好で国際、国内線との利用を促進して、文字どおり国際空港、ハブ空港としての機能の確保を図ってまいりたいと考えております。
#145
○広中和歌子君 わざわざ、わざわざというか、非常に苦労して埋め立てて空港をおつくりになるわけですよね、関西新空港を。それなのにたった滑走路一本というのは何か、どうせつくるんならもっと大きな、大規模なものをつくられた方が将来的には安上がりなんじゃないかなというふうに思うのでございますけれども、その点はいかがでしょうか。
#146
○政府委員(松尾道彦君) 関西国際空港は世界に誇るビッグプロジェクトで、大体水深二十メーター程度のところを五百ヘクタール程度埋め立てまして、今の一期計画で約一兆四千三百億という膨大な経費がかかるわけでございます。段階的に建設するのが妥当ではないかというふうに考えておりまして、将来は、全体構想調査ということで今財政当局から調査費もいただいておりまして、千二百ヘクタール規模の空港整備という前提で今勉
強いたしておるところでございます。
#147
○広中和歌子君 国の補助率でございますけれども、空港に関しましても他の交通機関と同様の高い補助率、補助をもっと上げてもいいんではないかと、そのように思うのでございますけれども、これから航空機、私は、もちろん電車、汽車そのほか自動車も大切だと思いますけれども、飛行機の役割というのは非常に大きいんではないか。
 特に国内線におきまして、今道路建設などが非常に高価な現状におきましては、もっとこれから空港をふやしていくというような方向も出てくるんじゃないかと思いますけれども、それを民活で、そして何というんでしょうか、収支が合うような形でというようなことでやっておりますと、日本の航空行政といいましょうか、航空事情というのは、もう他国と比べまして、日本の経済力と比べまして大幅におくれるということは何か目に見えているような気がするのでございますけれども、その点はいかがでございましょうか。
#148
○政府委員(松尾道彦君) 空港整備に対する先生の御支援、大変ありがとうございます。
 私ども、第六次の五カ年計画で三兆一千九百億という五カ年計画規模で今進めさせていただいております。現在八十四カ所の公共用飛行場がございまして、これをさらに新設あるいは滑走路の延長等一生懸命頑張っていきたい、このように考えています。
 また、財源的には、御利用者の中からいろんな空港特会の中で財源措置を講じ、また財政当局から一般会計負担もやっていただいておりまして、大体今空港整備予算で年額にいたしまして事業費ベースで約七千億程度で事業を進めさせていただいております。引き続き、空港整備を一生懸命進めさせていただこうと考えております。
#149
○広中和歌子君 例えばコミューター空港とかヘリポート空港についてお伺いいたしますと、採算に乗らないからというようなことがお答えとして返ってくるのでございますけれども、やはりこれは卵か鶏かという問題でございまして、便利になれば使う人もふえてくるというようなこともございますので、ぜひこの空港建設、そして飛行機、航空機業界の競争を活発化する、そういったことで積極的な対応をお願いしたいと思います。
 コミューター空港、ヘリポート空港などの将来像についてはいかがでしょうか。
#150
○政府委員(松尾道彦君) 今のコミューター空港あるいはヘリコミューターも含めましてでございますが、これは非常に大事な空港になると思いますので、私ども、まずコミューター空港につきましては四割の助成措置、それからヘリポートにつきましては三割の助成措置を行いまして公共団体が施設整備を進めておりまして、コミューターであれば、現在枕崎が運用を開始いたしておりますが、近く、来年度でございますけれども、予算措置を講じていただければ但馬空港も開業できますし、あるいは天草のコミューター空港もでき上がります。ヘリポートについても、公共団体が積極的に推進していただければ三割助成措置で数多くふやしていきたい、このように考えております。
 基本的には採算的に今先生の御指摘のように大変難しい問題がございますが、やはり地域の振興という立場からも非常に役立つ空港でございますので、これも予算の中で施設整備に努力をしていきたいと考えております。
#151
○広中和歌子君 もう時間も迫ってまいりましたので、しかも質問のお願いはしてないわけですけれども、料全体系などももっと自由化していただくことによって乗客の数をふやすことができるんじゃないかと私は思っております。
 例えば休み、お正月休みであるとか夏休みとか、そういうようなときにはもう本当に超満員でなかなか切符が買えない。今、お正月の飛行機の切符の予約をとろうと思ったら大変な騒ぎなんでございますけれども、ちょっと時期を外しますと余り満杯ではないといったような路線もあるかもしれません。そういうようなときには、それこそそれぞれの路線が自主的に料金を定められる、そういうようなことでもっと自由化されてもいいんじゃないかと思うのでございますけれども、その点についてはいかがでしょうか。
#152
○政府委員(松尾道彦君) 航空の運賃については基本的には認可運賃という格好になっておりますが、今の先生の御指摘、まさしく非常に需要喚起という立場から航空会社も自主的に今進めておりまして、いわゆる営業割引制度の積極的な導入という格好でございまして、そういう立場から私どもは航空会社の自主的な判断を大いに尊重して、そういった制度の拡大を図るように指導いたしております。
 これからもそういったものを活用して、需要はかなりふえておりますが、問題は特に繁忙時期の供給力が不足いたしておりまして、機材繰りあるいは乗員繰りの問題がございますので、あわせて供給力の確保についても努力いたしたいと思います。
#153
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。質問を終わります。
#154
○委員長(高桑栄松君) 本日の調査はこの程度にとどめまして、これにて散会いたします。
   午後四時十九分散会
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ソース: 国立国会図書館
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