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1992/12/07 第125回国会 参議院 参議院会議録情報 第125回国会 商工委員会 第1号
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1992/12/07 第125回国会 参議院

参議院会議録情報 第125回国会 商工委員会 第1号

#1
第125回国会 商工委員会 第1号
平成四年十二月七日(月曜日)
   午前十時二分開会
    ―――――――――――――
  委員氏名
    委員長         斎藤 文夫君
    理 事         合馬  敬君
    理 事         松尾 官平君
    理 事         吉田 達男君
    理 事         井上  計君
                倉田 寛之君
                下条進一郎君
                前田 勲男君
                松谷蒼一郎君
                吉村剛太郎君
                谷畑  孝君
                峰崎 直樹君
                村田 誠醇君
                藁科 滿治君
                浜四津敏子君
                和田 教美君
                市川 正一君
                古川太三郎君
                小池百合子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         斎藤 文夫君
    理 事
                合馬  敬君
                松尾 官平君
                吉田 達男君
                井上  計君
    委 員
                倉田 寛之君
                下条進一郎君
                前田 勲男君
                松谷蒼一郎君
                吉村剛太郎君
                谷畑  孝君
                峰崎 直樹君
                村田 誠醇君
                藁科 滿治君
                浜四津敏子君
                和田 教美君
                市川 正一君
                古川太三郎君
                小池百合子君
   国務大臣
       通商産業大臣   渡部 恒三君
       国 務 大 臣  中村正三郎君
       (環境庁長官)
   政府委員
       環境庁長官官房  森  仁美君
       長
       環境庁企画調整  八木橋惇夫君
       局長
       環境庁水質保全  赤木  壯君
       局長
       通商産業大臣官  清川 佑二君
       房審議官
       通商産業省通商  岡松壯三郎君
       政策局長
       通商産業省貿易  渡辺  修君
       局長
       通商産業省立地  堤  富男君
       公害局長
       通商産業省基礎  牧野  力君
       産業局長
       通商産業省機械  坂本 吉弘君
       情報産業局長
       通商産業省生活  高島  章君
       産業局長
   事務局側
       常任委員会専門  小野 博行君
       員
   説明員
       外務省条約局国  山中  誠君
       際協定課長
       厚生省生活衛生
       局水道環境部環  三本木 徹君
       境整備課長
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国政調査に関する件
○特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法
 律案(第百二十三回国会内閣提出、第百二十五
 回国会衆議院送付)
○連合審査会に関する件
○産業貿易及び経済計画等に関する調査
 (派遣委員の報告)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(斎藤文夫君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 まず、国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、産業貿易及び経済計画等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(斎藤文夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(斎藤文夫君) 特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。中村環境庁長官。
#5
○国務大臣(中村正三郎君) ただいま議題となりました特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 有害廃棄物の国境を越える移動に関する問題につきましては、平成元年三月、有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約が採択され、本年五月に発効したところであり、我が国にとって条約への加入及びそのための国内法の整備が急務となっております。
 本法律案は、条約等の的確かつ円滑な実施を確保するため、特定有害廃棄物等の輸出、輸入、運搬及び処分の規制に関する措置を講じ、もって人の健康の保護及び生活環境の保全に資することを目的とするものであります。
 次に、この法律案の主要事項について、その概略を御説明申し上げます。
 第一に、環境庁長官、厚生大臣及び通商産業大臣は、条約等の的確かつ円滑な実施を図るため、必要な基本的事項を定めて公表することとしております。
 第二に、特定有害廃棄物等を輸出しようとする者には、外国為替及び外国貿易管理法の規定により通商産業大臣の輸出の承認を受ける義務を課すとともに、輸出の承認に先立ちまして、環境の汚染を防止するために特に必要があるものについては、環境庁長官が環境の汚染を防止するために必要な措置が講じられているかどうかを確認することとしております。
 第三に、特定有害廃棄物等を輸入しようとする者には、外国為替及び外国貿易管理法の規定により通商産業大臣の輸入の承認を受ける義務を課すとともに、環境庁長官は、通商産業大臣が輸入の承認を行うに際し、事前に通商産業大臣に対し必要な説明を求め、及び意見を述べることができることとしております。
 第四に、特定有害廃棄物等の運搬又は処分を行う場合は、移動書類を携帯しなければならないこととしております。
 第五に、環境庁長官及び通商産業大臣、また廃棄物の場合は厚生大臣を加えた三大臣は、特定有害廃棄物等の輸出、輸入等が適正に行われない場合において、人の健康または生活環境に係る被害を防止するため特に必要があると認めるときは、特定有害廃棄物等の輸出者、輸入者等に対し、当該特定有害廃棄物等の回収または適正な処分のための措置その他の必要な措置をとるべきことを命ずることができることとしております。
 このほか報告徴収、立入検査、手数料、罰則等について所要の規定を設けることとしております。
 なお、この法律案は、条約が日本国について効力を生ずる日から施行することとしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#6
○委員長(斎藤文夫君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○村田誠醇君 まずこの法律案の審議に入ります前に、もとになりますバーゼル条約の精神についてちょっと両大臣にお聞きをしたいと思うわけでございます。
 この条約の成立の過程あるいは精神というのは、これは私の見解かもしれませんが、前文を読みますとかなり詳しく載っているわけでございます。
 そこの中には幾つかのポイントが書いてございまして、有害廃棄物の国境を越える移動によってその環境もしくは人の健康に非常に危険性が生じてきている、年々その発生が増加すると同時に複雑化してきている。したがって、それに対処するために有害廃棄物の発生量を量的にも有害性の面からも最小限に抑えよう、こういうことがずっと書いてある。
 その中で特に重要なのは、まずこの有害廃棄物は発生をさせた者が処分をしなさい、つまり発生者責任主義というのが前文の中に書かれている。それと同時に、その発生してきたものを自国で処理をしなさい、これが原則ですよ、自国で処理をするんだと。ただ、万々やむを得ない状況があって他の国にこれを持っていって処分をお願いする場合、これは例外なんですよというのが私はこの条約の精神じゃないかと。そしてその例外の措置をするときに、いろいろな手続、規則がこの条約には書かれている、こういうふうにまず理解をするわけでございますが、この発生者主義とかあるいは自国処理の原則というものを踏まえて現在審議が開始されましたこ
の法案は審議してよろしいのかどうか。
 まず、両大臣にもとになりましたバーゼル条約の精神についてちょっとお聞きをしたいと思います。
#8
○国務大臣(中村正三郎君) バーゼル条約は委員御指摘のとおり、有害廃棄物の発生をなるべく小さくとどめ、自国内処理そして発生者責任ということでやっております。そして目的は、有害廃棄物の移動等を規制することによって、健康だとかそうした人体の被害とかいうものをなくそうということでやっているわけであります。
 ただ、技術的なことも含みますので、今担当の局長の方から御答弁をもっと詳しくさせていただきたいと思います。
#9
○政府委員(赤木壯君) バーゼル条約の中では、発生者、輸出者、行為についての責任と書き方がいろいろあるわけでございます。ちなみに、バーゼル条約で輸出者の、発生者の行為の結果として、第九条の不法取引に該当する行為があった場合には、条約上の原則としては輸出者または発生者が当該特定有害廃棄物等の自国への引き取り、または環境上適正な代替処分を行わなければならないというふうにも規定しておりますが、ただ条約の八条のようなところを見ますと、これは……
#10
○村田誠醇君 それは個別に聞くからいいです。精神だけで結構です。
#11
○政府委員(赤木壯君) 精神は責任者、発生者それからさらには輸出者というようないろいろな場合に応じて両方もというような形にもなっているということで、これだけというふうな形にはなっていないように考えでございます。
#12
○国務大臣(渡部恒三君) 今、村田先生から大変見識の高いお言葉をちょうだいいたしましたけれども、人の命は地球より重い、また環境問題が今や国内問題でない世界的な大きな問題になっているところで、日本がその責めを果たすという基本的な哲学の中でできた法律でありますから、基本的には先生のおっしゃるとおりであります。また、具体的には条文に従ってそれを施行していくというふうに御承知いただきたいと思います。
#13
○村田誠醇君 発生者主義、もしくは自国内処理、こういう原則がある。しかし、今の通産大臣の御答弁、御立派だと思うんですけれども、この出されてきた法律案を私ずっとこう読みますと、単純に特定有害廃棄物の輸出入に関する手続だけが記載されている。発生量を抑えるとか自国内主義で処理をするとか、こういったものがこの中に書いてあるのか私には一切読み取れないんですけれども、その点については質問の中でるる明らかにしていきたいと思うんです。
 この法律案の中で、今言いましたように原則的に自国で有害廃棄物というのは処理をしてください、ただし例外として輸出国が処理に必要な能力、設備を有さないときとか、あるいは再生利用の原料として使用する場合等については輸出してよろしいというのが書いてあるわけですね。これが原則なんですね。つまり、再生利用するか自国で処理することができない場合ということになっているわけでございますが、実際上この判別はなかなか難しいわけですよね。
 日本の場合は、これは分解技術等がありますから輸入しできてもこれは自国内で処理できる、もしくはその中にある有価物を摘出することができる。しかし、他の国にとってはそういう技術がないために完全なごみである。ですから、輸出する先と輸入する先においては、再生利用の原料として輸出する場合と、受け取る方では逆に言いますとごみを単純に処理するだけという両方の要素が出てくると思うんですけれども、一体この区別は、輸出輸入の場合は結構でございますけれども、これがリサイクル用の原材料なんですということを判定するのは一体どなたがやるんでしょうか。まず、その辺からお聞きをしたいと思います。
#14
○政府委員(堤富男君) お答え申し上げます。
 条約上も、関係国の意見をお互いに聞き合うということが非常に書いてございます。これは過去のいろいろ事件がございまして、国際的なごみの移動の中で問題が起きたというような事態がございます。そういうことを輸出国、輸入国あわせましてお互いによく連絡をとり合いながらこの条約を実施するというのが条約の精神であろうと思います。それを具体的に書いたものが今度のバーゼル条約を実施するための本法案であるというふうに理解しております。
#15
○村田誠醇君 だから、この法律で申請者がリサイクル用の原材料ですと申請するんですか。それとも、出されてきた書類を見て、これは特定有害廃棄物のごみだと役所が判断するんですか。その辺を聞いているんです。条約はわかるんです。条約をもとにして国内法ではどなたが判断をなさるんですか、こう聞いている。
#16
○政府委員(堤富男君) お答え申し上げます。
 当然のことながら、まず輸出をする人が具体的には相手国の事業者とどういう考え方でこれを国外に持ち出すのか、それがリサイクルである場合であるのか、先生御指摘のように、国内で処理ができない場合に向こうに廃棄処分をするために出すのか、そこは申請者が基本的にはまず考えるわけでございます。
 それで、その考え方を通産大臣に申請をしてくるという形になっておりますが、その申請をした後、それが環境上の重要な問題に関係する場合には、当然のことながら環境庁長官に意見を聞くための書類を送り、これを確認を要する。それから、あわせましで厚生大臣が廃掃法上の有価物であるか無価物であるかという判定をし、無価物である場合には厚生大臣の方の輸出の確認というようなことが行われるわけでございます。
 それが国内処理でございますが、あわせまして、この法律に必ずしも明示的には書いてございませんけれども、条約上書いてある中身としましては、それを輸出国に通報し、輸出国の環境当局が原則かと思いますけれども、そういうところが具体的にどういう形で処理をされるかということをチェックし、その結果を日本国内に通知をしてくるというような形がございます。その上で最終的に日本の関係省、相談をいたしました結果、もし問題がなければそれを輸出承認という形で具現してくるというのがおおよそのシステムであろうかと思っております。
#17
○村田誠醇君 今御答弁の中に、国内法には規定がないけれども、通報のシステムが条約には書いてある。これは後で質問させていただきます。
 まず日本国内で、大体日本は最高の公害分解技術を持っていますから、ほとんどのものがリサイクルの原料として多分輸入しているんだろうと思いますね、一般ごみというのはないはずですから。しかし、相手国から見たときにはごみですと、あるいはもしくは処理の委託加工というような形で貿易統計上こういったものが出てくる。具体的なもの、何か衆議院の方からいただいた資料によると幾つか書いてございますけれども、これが数量とか金額ベースというのがおわかりだと思うんですけれども、直接今質疑しようと思いませんので、この輸出入の数量とか金額のベースがおわかりでしたら後で資料として私の方にいただけますでしょうか。
#18
○政府委員(渡辺修君) お答え申し上げます。
 有害廃棄物に関します体系的な整備というのは、この法律が施行されました後になると思います。現在までのところ、法律が施行されましたときにどういうものが該当するかという過去の例、幾つか散見されますものですから、これは後ほど今御指摘ありましたように例示をさせていただきまして、ただ金額その他において先生の御満足のいくようなものになるかどうか、これは調べました上で御相談させていただきたいと思います。
#19
○村田誠醇君 それでは、先ほど言いましたように、輸出有害廃棄物が国境を越えるときには特定の手続をとってください、日本の国内でいえばこの手続をとりますよということですが、もとになっておりますバーゼル条約で書いてある手続というのが先ほど答弁なさったようにあるわけでございます。
 その中で、一般論として条約の六条もしくは条約の第十三条で、こういう移動の情報とかそういうことをするために、国内の中央連絡先あるいは権限ある当局に通報しなさいということ、あるいはこのところから国際的な事務局、条約の事務局に通告をしてください、あるいは通報してくださいということが書いてあるわけでございますが、条約でいうところの中央連絡先、権限ある当局というのは、この法律の中ではどこを探しても出てこない。たった一カ所だけ権限ある当局というのは十三条の通知に出てきますが、これは相手方の権限ある当局という文言しか出てこない。
 そこで、お聞きをしたいんですが、条約でいうところのこの二つの概念規定というのは、日本国内でいうとどこの省庁がこれを担当なさるんでしょうか。まずお聞きをしたいと思います。
#20
○政府委員(赤木壯君) 条約上の権限ある当局あるいは中央連絡先というのは、環境庁がこれに当たるというふうに考えてございます。
#21
○村田誠醇君 二つとも環境庁なんですか。
#22
○政府委員(赤木壯君) 失礼しました。権限ある当局は環境庁でございます。それから、中央連絡先は外務省でございます。訂正いたします。
#23
○村田誠醇君 そうすると、条約上で義務づけられている国内の権限といいましょうか、連絡先は環境庁と外務省、なのに出てきている法律案は通産大臣が関係している。条約上の位置からいきますと、中央連絡先もしくは権限ある当局に有害廃棄物の通報をすればいい、あるいはそこの許可を得なさいということが条約上は書いてある。しかし、我が国は何でここに通産省が入ってくるんですか。環境庁が通知する、許可する、これだけで十分だと思うんですけれども、その点においてどのように判断なさるのか、これが質問の第一。
 それから、権限ある当局あるいは中央連絡先というのは、条約に基づいていろいろな情報がここに入ってくることになっていますね。しかし、国内法に一つもこの権限ある当局という言葉が出てこない、これは一体どういうことなんですか。国内法の中に、この条約を履行しなきゃいけない環境庁の権限というんでしょうか、義務というんでしょうか、何一つ書かれていないのは一体どういうことなのか。抜けていても十分できるという趣旨なのかどうか、含めて二点御質問させていただきます。
#24
○政府委員(渡辺修君) お答え申し上げます。
 まず、全体の条約の中で権限ある当局が法文上どうなっているかという先生の第二点目の御質問、これは環境庁の方からお答えいただくことにいたしまして、第一点目の輸出入に関して通産大臣が登場するのはどういうことであるかという最初の御質問でございます。
 これにつきましては、条約につきましては、先生御案内のとおり、既に今御説明がありました各種の各国間の権利義務関係が書いてあるわけでございますが、それを受けまして、具体的にどういうふうに輸出及び輸入という国際間移動を処理していくかというのは、各国がそれぞれ最も適当と思う法制度を用いて処理することになるわけでございます。
 我が国の場合を考えてみますと、まず輸出輸入につきましては、外国為替及び外国貿易管理法という法律がございまして、これに基づきまして各種の輸出秩序維持、物資の規制、さらには国内需給物資の規制というものに加えまして、既に先生よく御案内のとおり、ワシントン条約、これも同じく国際間の条約でございますが、それに基づきまして希少動物の国際間移動、これも外為法で処理いたしております。あるいは、ロンドン・ガイドラインに基づきます化学物資に関しても、これまた外国為替及び貿易管理法で処理しているという、そういったような既存の法体系がございます。
 今回の有害物資につきましても、それの輸出入に関しましては、現在持っております外国為替及び外国貿易管理法の目的及び過去の法規制の類型に照らしまして、これで処理することが最も効率的であり、妥当である、かように考えて処理することにしたわけでございます。
#25
○政府委員(赤木壯君) 通告、同意の手続は御質問のあったとおり、先ほどお答えしたとおり、環境庁が担当することになってございます。この場合、通告、同意の手続は環境庁と相手国及び環境庁と輸出入の承認を行う通産省との関係で行うものでございますが、国民の権利義務とは直接関係のないことから法案の中では規定しなかったものでございます。
 なお、その具体的な手続につきましては、法案の第三条の規定によって、基本的事項の中で具体的に記述して、みんなにわかるようにというふうにいたしたいと考えでございます。
#26
○村田誠醇君 環境庁、今、そういう答弁をしてはいけないですよ。だって、国際条約で決められている権限ある当局が何をやるのかということを条約の中に書いてあるわけでしょう。有害廃棄物の移動の計画を出しなさいと。それについて、相手国から許諾の回答書が来る。さらには、その有害廃棄物の処理が完了したという報告も全部この権限ある当局が受けるんじゃないですか。極端に言えば、輸出入に関する権限と、それから完了したという、最終処分が行われたという報告は、条約上は権限ある当局、つまり環境庁がやるということになるわけでしょう。
 そうしましたら、国民の権利義務に関係ないじゃないですか。輸出入する人間はこの手続に従って全部やるわけでしょう。その書類は環境庁に行くんじゃないですよ、この法律では。通産大臣を経由して、通産大臣が必要になったら環境庁に聞きますと、こう書いてあるじゃないですか、こっちの方は。条約に書いてあることと、こっちに書いてあることとが何で違うんですかということですよ。それを、法律上明記されていない、必要ないから、国民の権利義務に関係ないから基本的条項で処理すればいいとあなた方は言うけれども、全然条約とは違うじゃないですか。
 これは、どういう理由でこういうふうになったんですか。これは、輸出入の具体的手続を調べてみれば条約とは明らかに違うということがわかりますよ。もう一度答えていただけませんか。
#27
○国務大臣(中村正三郎君) 委員の、非常に条約を研究されての御質問を大変傾聴しているわけでございますけれども、こういった公害環境に関する問題に対応しますのに、私どもとしては政府一体となって当たらなければいけない。非常に広い範囲に及ぶことでおりますから、環境行政というのは政府一体でやり、その中で環境庁は企画立案、調整を行うという立場でやっております。
 それで、先ほど通産省からお答えがありましたように、いろんな細かい議論を私どもはいたしました。その中で、既存の貿易管理令がある、輸出入の法律があるということで、行政の重複を避けるというふうな意味から、手続としてはここを使っていただいて、そして窓口は環境庁がやり、判断は環境庁がやる。そして、物にかかわるところでは厚生省もかかわり合いを持っていただくということで、一体となってやっていかなければいけない。
 であるから、この条約、法律の精神を生かすように政府部内でよく調整をして、関係省庁がその目的を達するようにやっていかなきゃいけない、このように思ってこういう法律案につくらせていただいたわけでございます。
#28
○村田誠醇君 まだ具体的に質問をします。その前に通産省にお聞きしたい。
 輸出入に関して外国貿易管理法、輸入は五十二条、輸出は四十八条の三に書いてありますね。この条項、どこを読んでもバーゼル条約とか有害物とか何にも書いていない。ただ唯一ひっかけられそうなところが、「政令で定めるところによりこという多分ここにかかるんだろうと思うんですね。この「政令で定めるところにより」というのは一体、国内法ではどういうふうに規定されるんですか。その答弁を闘いでちょっとほかに具体的に入っていきますのでお願いをいたします。
#29
○政府委員(渡辺修君) お答え申し上げます。
 我が国の輸出輸入に関します外国為替及び外国貿易管理法でございますが、御指摘のように輸出については輸出自由の原則になっておりますから、それに対して、「外国貿易及び国民経済の健全な発展に必要な範囲内で、政令で定めるところにより、承認を受ける義務を課することができる。」、これが法律上の要件でございます。「外国貿易及び国民経済の健全な発展に必要な範囲」ということで、具体的な政令はこれは輸出貿易管理令という政令にゆだねられておりまして、これに基づきまして現在ココム物資だとか、あるいは先ほど申し上げましたワシントン条約に基づきます希少動物の移動とか、あるいは化学物質とか、もろもろの関係の法案を処理しておるわけでございます。
 また他方、輸入の場合につきましては同じく五十二条で、御指摘ありましたように、「外国貿易及び国民経済の健全な発展を図るため」という、これも法律の要件でございまして、それに基づきまして輸入貿易管理令という政令が同じく定められております。
 この二つの政令が基本的な国内の輸出輸入に関する規制を行う根拠になっておるところでございます。
#30
○村田誠醇君 その管理令では、バーゼル条約で書いてあるような手続を踏めということに今後政令には書くんですか。バーゼル条約では、有害廃棄物の移動の計画、相手国政府の回答書及び有害廃棄物の処理が完了したという報告、この手続を全部やらなきゃいけない、こう書いてあるんですけれども、そのうちどこの部分までがこの貿易管理令の中に入ってくるんですか。
#31
○政府委員(渡辺修君) まず、先ほど御説明申し上げました政令ではございます輸出貿易管理令でございますが、この輸出貿易管理令には、まず規制をすべき対象貨物の例示が非常に細かく政令で決まっております。先ほどちょっと例示いたしましたが、ワシントン条約等々に関するものについても全部そこで例示をいたしております。規定いたしております。
 したがいまして、御指摘のバーゼル条約に関します対象の有害物資、それにつきましては政令で規定いたしまして、具体的なそれに伴います輸出をします場合の申請書、そのとき添付すべき書類、さらにそれに対してもろもろの輸出者として心得るべき事項、こういうものにつきましては現在の各種の輸出規制がそうでありますように、政令に基づきます省令及び輸出注意事項という、これは非常に輸出者、輸入者にとって現在情報提供として高く評価されておりますが、この通達をもちまして細かく規定して処理していきたい、周知徹底を図っていきたい、かように考えております。
#32
○村田誠醇君 それじゃ、具体的に聞きます。
 日本から特定有害廃棄物を輸出する場合、この法律では四条で、今言われた貿易管理法に基づく承認を受ければいい、これが第一項で原則ですよね。ただしというのがここに入ってきて、環境庁長官が関与できる部分がある、こうなっているわけです。そして手続が書いてある。移動書類を交付するとかなんとか書いてある。
 しかし、ここでは一番重要なことが抜けている。この日本から出る特定有害廃棄物を受け入れる相手国がこの物質を受け入れることについての同意をしているという書類を提出しろと書いてない。条約は、相手国政府の回答書、つまり受け入れますよという承諾をとりなさいと書いてある、まず第一が。それから、その輸入されたものが国内において厳正に適切に処理されるということを証明するものをつけなさい、契約とかなんとかつけなさいということになっているわけですね。ところが、我が国のこの輸出に関する手続を見てみるとこの二つがすっぽり抜けているんですよ。相手国政府の同意も要らないことになっている、この法律を読んでみると。それから、輸出された有害廃棄物が完全に処理されるのかということについての確認も、この法律を読む限り要らなそうに見えるんですね。一体これ条約の精神とどこに整合性があるのかよくわからない。
 しかも、これは輸出の場合だからこれになっているんですね。輸入を見てみると極めておもしろいことが書いてある。条約の第六条の1の規定で、輸入する業者が申告してきたときに、通告された内容と一致するかどうかをまず確認をしますよと。それはそうだ。相手側から書類が来ているから、その中身を調べて同じかどうかを調べます。それで、調べるのは通産大臣だというんですよね、輸入に関しては。そして、ここでもやっぱり意見は環境庁に求めます、こうなっている。そして、輸入の承認をしますよと。そしてさらに、国内で処分をしました、完了しました、法第十三条で、相手方に必ず申告者が通知をしなさいと書いてある。
 輸入されたものについては極めて、完全じゃないけれども、バーゼル条約の規定してあるとおりの義務というのか、規定されているのに、我が国が輸出するものについては一切この条約に書かれているような手続とか書類とかが要らない、要るのか要らないのかわかりませんが、私がこれだけ読んだ限りでは明らかに不要なんですよ。今局長が言われたように、管理令に基づいて了解さえとれればいいんです。相手国の同意なんか極論言えばまるっきり要りません。行政指導で要求するのかどうかはそんなの別ですよ。この法律上は相手国の同意なんというのは要らないように読み取れるんですよね。
 その点についての輸出の手続と輸入の手続で、何でバーゼル条約の手続というんでしょうか手順というんでしょうか、これが違うんでしょうか。明確に御説明いただけませんか。
#33
○政府委員(渡辺修君) お答え申し上げます。
 まず最初に、輸出に関する幾つかの先生の御質問でございます。法案では第四条の一項に義務を課せられるということが書いてあるだけじゃないか、条約で種々書かれております守るべき基準その他については法案にはないではないかという御指摘でございます。
 これにつきましては、先ほど申し上げましたように、外国為替及び外国貿易管理法に基づきます政令、つまり輸出貿易管理令で全部承認の対象にされる物資を掲げまして、それに対する承認が必要になるわけでございますが、その承認の際には我々の承認の要件といたしまして条約にございます幾つかの要件、これを全部チェックしていこうと思っております。
 例えば、条約の第四条にあります輸入国は輸入禁止をしてないかとか、あるいは南緯六十度以南の地域の輸出でないかどうかとか、あるいは四条九項に書いてございます我が国において当該廃棄物を処理することに能力があるかないか、あるいはそういう施設があるかないかといったような項目、さらには申請が出てまいりました場合に、輸出しようとする有害物質が相手国の輸入者との間でどういう契約になっておるか、向こうがどういうふうに処理しようとしておるか、そういったような書類を全部提出していただきまして、条約に書いてございます基準からチェックをしていくことにいたしております。
 その過程で、先ほど来先生が御疑問を呈しておられます相手国の同意書でございますが、これにつきましても申請が出てまいりましたときに、直ちに通産省から権限ある当局でございます環境庁を通じまして、こうこうこういうものがこういうものに基づいて、これは条約の別表附属書に細かく項目が書かれてございます、先生御承知のとおりでございます、それにのっとって環境庁の方から相手国の、輸入国の権限ある当局に全部それを送付いたしまして、向こうから権限ある当局に輸入についての同意をまずもらう、こういう手続が権限ある当局同士の間で行われるわけでございます。そういった返答も全部我々の窓口のところに最終的に集めまして、それで条約で言っておる有害物質を輸出することがいいかどうかという処理を我々最終的に判断する、こういうことになっておるわけでございます。
 今回非常に細かい手続が入りますものですから、我々も非常に慎重を期そうと思っておりますが、こうした一連の手続は、現在ワシントン条約に基づきまして希少動物の輸出入についてもチェックいたしておりますが、これで現在やっております体制と変わらない体制をとろう、かように考えておるわけでございます。
 それからもう一つ、輸入につきまして、法案十二条あるいは十三条で各種の通知が必要なことになっておるではないかと、これはおっしゃるとおりでございまして、処分をした場合にはそれぞれの処分をした物質によりまして主務大臣にその通知をすることにいたしております。したがいまして、我が省が主務大臣になるものにつきましては、通産大臣の方にこういうものをこうこう処分したという通知をいただきまして、これをもとに我々は直ちに権限ある当局の環境庁を通じましで相手国の、つまり当該物資の輸出国である相手国の権限ある当局に処分をこうこうし終わったという通知をすることにいたしておりまして、これで条約で言う一連の手続は完了するわけでございます。したがって、輸入についてはこれは国内法でございますから、輸入について今のような手続をしなければいけないということをこの条文に書いてあるわけでございます。
 我が国から輸出したものにつきましては、当然のことながら同じ通知の義務は相手国の、輸入国の方の国内法で通知をしなきゃいかぬということが義務づけられていると思います。それは水際から向こうの話でございますから、この国内法のこの条文の中には出てこない、こういうことになっておるわけでございます。
#34
○村田誠醇君 だから、私が言う権限ある当局というのが通産省だったらわかるんですというんですよ。環境庁があるんでしょう。有害廃棄物の移動の計画だとか、承諾、完了の報告は全部どこが受けるんですか、この条約では。権限ある当局が受けるんでしょう。その通告された内容と一致するかどうかを判断するのが通産省じゃないですか。通告された中身を通産省が受領するということは何にも書いてないじゃないですか。対外的責任と情報は全部環境庁にある。権限ある当局のところに全部情報と資料が集まるようになっているんですよ。
 しかし、環境庁は輸出に関しても輸入に関しても諮問がない限りは意見を言えないような形になっているじゃないですか。条約上は、この権限ある当局が一切のこういう行為をやりなさいということになっているんじゃないんですか。あるいはやることになっているんじゃないんですか。それが何で我が国に来ると途端に、権限ある当局は環境庁だけれども実際の事務は全部通産省がやるんですか。
 そうすると、国際的に例えば有害廃棄物を独自に指定した国がある、我が国はこの廃棄物は輸入しちゃいけませんよとかいうことを指定した、その通知は全部権限ある当局に来るんでしょう。環境庁から通産省にこの物質はこの地域には輸出できませんよという通告がない限りは、通産省許可できないはずですよ、手続でいけば。ところが、あなた方は全然これ関係ないじゃないですか。国際的にどんな通告が来ているかなんというのは環境庁じゃなきゃわからないんですよ、極論言えば。
 そして、国内法でまさにそういったことの情報交換をしたり権限を把握させるために、権限ある当局と実際に輸出入を管理する通産省との間でどうやるかというものが国内で手続として書いてなければおかしな話なんですよ。だって局長さんが言われたように、もし貿易管理令だけでできるんなら、何も権限ある当局なんという概念持ってこなくたっていいんですよね。通産省の独自の判断で、ここの国とこの国に対してはこういう有害物は輸出しちゃいけないと一言言えばいい。貿易管理令に書けばいいことなんだ。
 だから、権限ある当局というのは、これがまさに本当に権限がなきゃいけないんですよ、有害廃棄物に関する輸出入、そして最終の処分についてまで。この処分というのは、条約には処分した場所のその後の保管、管理までも入っているんですよ。ですから、相手国で処分されました、このように処分しましたよと言ったけれども、その後公害なり健康被害が出る、環境に影響を与えた場合にはその事後的な措置まできちんとしなきゃいけないというんですよ。ところが、この情報はすべて環境庁に行くことになっているんです、条約上は。
 環境庁と通産省は一体どういう権限の配分になっているんですか。通産省は輸出してしまえばもう関係ないんですか。責任を負うのは、海外でもって廃棄物が有毒性を発生して環境被害が出たときには環境庁が出てって国際的には責任を負う、こういうふうに理解していいんですか。私どもはどう見てもそういうふうにしか読めない。環境庁がこの特定有害廃棄物に関する輸出入に関して一切の責任を負うんですというんならわかりますよ。環境庁は大臣には申しわけないけれども刺身のつまみたいなもので、用があったらお呼びいたしますと書いてある程度なんです。ですから、私はわからない。
 それじゃこの権限ある当局というのは、一体どんな権限を日本国内において環境庁はお持ちなんですか。ここに書いてある諮問するとか意見を求めるとか、そんなことじゃないですよ。特定有害廃棄物の輸出入に関して具体的にどういう権限を持っているんですか。
#35
○政府委員(渡辺修君) まず最初に、輸出入の窓口であります私の方からお答えさせていただきますが、先ほど来輸出に例を引きましてどういう手続で処理するかということを申し上げました。その際、私の説明が至らなかったかもわかりませんが、すべてを通産大臣が処理できると申し上げたつもりは毛頭ございませんで、出てきた申請書に基づきまして、直ちに条約の手続にのっとって、条約上要求されておる附属書に基づいて細かい資料を直ちに権限ある当局であります環境庁にそれを送付し、後は環境庁が権限ある当局として条約手続にのっとって諸外国と相互に連絡調整を図る、こういうことに相なっておるわけでございまして、説明が至りませんでした。通産省がすべて条約のものを処理できるということは毛頭ございません。そこの点につきましては十分御理解いただきたいと思います。
 あわせて御質問の権限ある当局の点につきましては、環境庁の方から御答弁いただきたいと思います。
#36
○村田誠醇君 今、重要なこと言ったんですよ。輸出の場合、通産省に出てきて、その中身を権限ある当局である環境庁に全部渡して相手国に言ってもらう、こういうことですね。そうすると、条約上は相手国の承諾もしくは適正な処理が行われたという書類は全部環境庁に来ることになるんですよ。環境庁の了解をとって通産省が許可するんですか。こんな法律になってませんよ。その点はどうなんですか。
#37
○政府委員(渡辺修君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、輸出貿易管理令に基づきまして我々が許可をしますときの要件というのは先ほど例示いたしました。その中に、輸入をしようとする相手国政府の同意がなければいけないというのは、当然条約上から承認の要件になってくると思います。したがって、同意がない、同意がとれない段階で輸出を承認するつもりはございません。
 したがいまして、今先生の御質問に照らして申し上げますと、申請書が出てまいりまして、我々は審査を開始すると同時に環境庁に御連絡申し上げ、相手国政府と連絡をとっていただき、相手国政府から権限ある当局である環境庁の方に同意の返事が参れば、それを我々の方に送付してもらう。そこで、我々の通産大臣としての、外国貿易及び国民経済の健全な発展のためにこの輸出がいいかどうかという判断をする、その最終判断の中に今申し上げた相手国の同意書というのがとれているかどうかというのは重要な一つの要件に入ってくる、こういうことでございます。
#38
○村田誠醇君 違うんですよ。輸出者が計画を提出しましたよ。こういうものを輸出したいと提出するでしょう。そうすると、その書類が環境庁に回って、環境庁から相手国の権限ある当局に行くわけですよ。相手国政府の同意は、条約上はその逆を通ってくるはずなんですよ。そうすると、相手国の同意書というのは環境庁に来るんですね。環境庁でその全部の書類が整いません限りは通産省は許可しない、こういうことなんですかというんです。そうなるでしょう。違いますか。
#39
○政府委員(渡辺修君) お答え申し上げておりますとおり、申請が参りまして、相手国の同意をとるためには環境庁を通じて行いましで、相手国からの返事は環境庁に参りますから、環境庁から我々にこういう正式の同意書が来たよというのがない限り、我々だけで先行して承認するということは論理上あり得ないことでございます。先生、御指摘のとおりでございます。
#40
○村田誠醇君 それじゃ、もう一つ。
 その有害廃棄物の最終処理が適正に行われるという契約の確認、これは条約上要求されているわけですよね。この判断は環境庁がするんですね。最終処理が適切に行われるという保証、もしくは技術的な判断、もしくはそれに該当するような契約書の存在、これはワンセットになっているわけでございますから、この判断を環境庁がするんですね。環境庁がどうもこの処分は不適切であるという意見を表明されたら、自動的に通産省はこの輸出はだめだと、こういうふうに理解していいんですか。これは重要だから、環境庁にちょっと答えていただきたい。
#41
○政府委員(赤木壯君) 法案の四条三項で、その「処分について環境の汚染を防止するために必要な措置が講じられているかどうか」ということについての確認は環境庁がするわけでございまして、この確認に当たって現実に処理施設がどういうようになっているか等のいろいろな計画を厳重に審査して、確認することにいたしてございます。
#42
○村田誠醇君 そうすると、先ほどからくどく言っていますけれども、条約に書いてある処理というのは、最終的に完全な処理という意味になっているんですよね。それから、処理した場所のその後の保全も処理の概念の中に入っているんですよね。
 今はこういう状況だから公害は出ていなかったかもしれないけれども、状況が変わったときに、その埋めた場所もしくは廃棄した場所で公害が発生した、あるいは環境に対する重大な影響が出たときの事後の管理までもこの処分の中に入っているんですから、もし日本から輸出された有害廃棄物が何らかの形で事後、環境もしくは人の健康に被害をもたらしたということになれば、環境庁が出ていって一切の処理をする、こういうふうに理解していいんですか。
#43
○政府委員(赤木壯君) これは具体的にはそういう事態が発生したりすれば、十四条の規定、措置命令というようなことになる。ここは主務大臣が必要な措置命令をすることができるという規定を置いておるところでございまして、主務大臣が共同してそういう命令を出すということになるということでございます。
#44
○村田誠醇君 時間の関係もありますけれども、その主務大臣というのは通産大臣なんですか環境庁長官なんですか、両大臣なんですか、まず第一は。
 それともう一つ、私はなぜこんなことをくどくど言うのかというと、条約に書いてある権限ある当局というのが本来は全部を管理をしなさいと、情報も管理していると同時に国際間の移動の実態についても把握しておかなきゃいけないから権限ある当局に全部情報を集めなさいと、こういうことになっているわけですから、条約でいうところの権限ある当局が環境庁であるというんあれば、環境庁は全部を把握していなきゃおかしいんですよ。そして、問題が起こったときには、だれが、いつ、どこに捨てたものか、処理したものかも全部わかるし、事後的に全部環境庁がやらないと理屈からおかしい。そのことをもっと時間があれば追及したいんだけれども、そのことだけやってられないのがもう一つある。
 そこで、時間がないんで一つだけ聞きたいんです。リサイクルで日本に輸入してきたもの、有価物を取り除いた残滓が出てくるわけですね。この残滓が一般廃棄物、普通にごみなら問題ないんですけれども、この条約でいうところの有害性を持っているもの、あるいは爆発性を持っているもの、有毒性を持っているものということは考えられるわけですね。そうしたときに、一体バーゼル条約、もしくはこの法律でいうところの携行する書類、ごみと一緒にくっついていく書類を一体どこの処理まで持っていくのか。
 つまり、日本に入ってきて、処分機関でもって有価物だけ取り除きました。取り除いたところまでがこの条約で義務づけられている書類が行くのか、残滓として出たものがこの有害性を持っているか持ってないかに関係なく一番最終の処理、埋め立てにするのか、完全に焼却するのか、あるいは分解してしまう、無害化してしまうのか、この一番最終の処理までこの輸入に関する書類というのがくっついていくのかどうか、途中で切れちゃうのかどうか、そのことについてだけ、ちょっと重要なんで確認をしておきたいと思います。
#45
○政府委員(堤富男君) お答えいたします。
 条約上は、大変重要な概念の中に移動書類というのがございます。これは輸出国から最終的に処分されるまでの間、具体的にこれをどういうふうに処分するかも含めましで移動書類の中に書いてあるということになります。これは条約の附属書にどういうことを書かなければならないかというのが丁寧に書いてございますが、その中で書くわけでございます。したがいまして、書いてあればその最後の処分のところまで移動書類は適用になり、これを携行するということになろうと思っております。
#46
○村田誠醇君 そうすると、こういうふうに理解していいんですね。
 特定有害物を輸入してきました。そして、業者がそれを処分機関、あるいは処分場で有価物だけ取り除きました。そして、残った残滓を日本国内でごみとして出しました。ただし、そのごみは特定有害物の性質を持っているものですよと。持ってなくたっていいですよね。持っているものですよ。つまり、爆発性がある、有毒性がある、こういうものが出てきました。これを国内で処分しました。埋め立てするのか、何でもいいです、最終処理をしました。この最終処理をしたところまでこの輸入に関する移動書類は最後までくっついていく。この最終処分をした場所を確認、あるいはその方法を確認して逆にその書類がまた相手国へ戻っていく、国内から相手国へ戻っていく、こういうことでいいんですね。そこのところは重要なので。
#47
○政府委員(堤富男君) 有害性を持っている間はこの条約上の対象から外れることはないと思いますし、先生の今御指摘の中で移動書類が相手国に戻っていくということではなくて、有害廃棄物を最終処分したことを相手方に通知するという格好になっております。
#48
○村田誠醇君 それじゃ、この国内法でその処分をする、あるいは処分したという連絡をする相手先の官庁ですけれども、この法律読んでみると、有価物を取り出しで処分しましたよと、それでリサイクルで終わりでしたよという場合は環境庁と通産省に出せばいい。しかし、残滓が残って一般ごみとして出ていく。ただし、一般ごみの中でも特定有害性を持っているものに関しては厚生大臣に出しなさい、こういうふうに法律上読めるんですよね。つまり、報告をする官庁が違うはずなんですけれども、これはそういう理解でよろしいんですか。
#49
○政府委員(堤富男君) この法案の十二条のところに「主務大臣に届け出なければならない。」と書いてございますが、その部分は、主務大臣という場合には廃棄物である場合、先生のおっしゃる意味の無価物ということでしょうが、ごみということであれば厚生大臣を当然含むわけでございます。
#50
○村田誠醇君 いや、ごみはごみなんです。ただし、そのごみの性質が有毒性、爆発性、そういうものを持っているものでも厚生大臣に出すんでしょうというんですよ。そういうことですよね。それならそれでいいんです。
 そうすると疑問が出てくるんですよ。国内法で言うところの、廃掃法で言うところの有害廃棄物というのは極めて限定されているんですよ。特定施設から排出される有害廃棄物についてのみだというんです。一般的に出てくるやつは、たとえ猛毒性を持っていても有害廃棄物の概念には入らない、国内法では。極めて狭い範囲しか有害物として判定されていない。この法律に基づくやつは、一般ごみは一般ごみだけれども、有毒性を持っていても移動書類はくっついて歩くんですよ。どこで処理したかをちゃんと最終的に報告をしなさいというんですね。国内法では特定のやつ以外は要らないんですよ、同じ有害性を持っていたとしても。
 国内法、同じ法律と言っちゃ失礼ですが、所管が違うし法律の名称も違うんでしょうけれども、特定有害廃棄物を処理するのに何でこの手続が二つ違うんでしょうか。これは厚生省が来てないから午後のやつになるのかもしれませんけれども、こちらだけが厳しくて何であっちが緩いのか。法律を制定なさるときにそこら辺、論議になったと思うんですけれども、一体どういう理由でこういう別々の取り扱いをすることになったのか、概略御説明をいただきたい。
#51
○政府委員(堤富男君) この法律は、あくまでもバーゼル条約を実施するために必要不可分なものは全部この法律の中に入れるということになってございますので、その部分は入れざるを得ないということでございます。国内法との整合性につきましては、私からお答えするのは差し控えさせていただきたいと思います。
#52
○村田誠醇君 もう時間が来ましたし、私の質問は四つ、五つぐらい用意していたんですが、二番ぐらいで突っかかっちゃって、時間が足りませんし、まだやりたいんですけれども、やると怒られますので、最後に一つお願いをしたいんです。
 私がこれを一生懸命、多少独断と偏見に満ちたような解釈かもしれませんけれども、このバーゼル条約と明らかに今ここで提案されているものとは少しかかなり違うのか、大臣が言われた先ほどの精神とは、私はかなりかけ離れているのではないかと思うわけでございます。
 ただ、一つだけこれを運用するに際してお願いをしておきたいのは、有害廃棄物というのは、私が言ったように発生させた人間がまず完全に回収して、無毒化することが前提なんですよと。そして、処理というのはここに書いてあるように、最終的に無害にすることを意味するのであって、埋め立てたり、海の中にほうり込めばそれで全部終わりだということでは決してないんだということを国際的に確約しているわけでございます。
 そういう意味で、この問題が国際的な摩擦、あるいは日本がそういう廃棄物に関するコストを他の国に転嫁して、そして日本の経済発展があるのだ、こういう批判が出ないように、環境に関する基準あるいは判断については我が国が一番の技術を持っておるわけでございますので、環境庁におかれてはその点を十二分に念頭に置いて、国際摩擦やあるいは他の国の環境、これはもう国内においてもみんな同じでございますけれども、そういうことが起こらないように、ぜひ法の運営をしていただきたいということをお願いして、時間が来ましたので終わらせていただきます。
#53
○合馬敬君 最初に通産大臣にお伺いいたしますが、私は地球が本当に汚れているな、こう思うわけでございまして、最近私は、渡部大臣の大変な御助力でアフリカに二回行ってまいりました。サハラ砂漠の真ん中といえどもポリエチレンの袋が無限に散乱いたしておりまして、ああここまでこんなに汚れているのかと思ったわけでございます。ましてや有害廃棄物の越境移動問題となりますと、これは大変な問題でございまして、地球環境問題の今最重要課題の一つであると思っております。
 ヨーロッパでは、例えばココ事件で、イタリアからナイジェリアですか、PCB入りの有害廃棄物を輸出する、あるいはセベソ事件みたいにイタリアから、またイタリアが出てきて恐縮ですが、フランスにダイオキシン入りの有害廃棄物を輸出するとか、もう大変な問題でございます。
 そういったようなことで、本法の速やかな施行というものが私は必要と考えておりますが、本法の運用に当たりましての大臣の御決意をお伺いいたしたいと思います。
#54
○国務大臣(渡部恒三君) 今、先生御指摘のように、世界的な規模で環境問題が論じられ、その中でも我が国は過去二十年の経験の中で、環境の先進国と言われるほど環境問題については、環境、エネルギー、経済、これを両立させるためのすぐれた技術を持っておるのでありますから、このかけがえのない地球を廃棄物の発生による環境の悪化から守り、快適な生活水準と経済活動を長期的に維持するためには、廃棄物の適正な処理を確保するはもとより、省資源と資源のリサイクルを織り込んだ経済社会への転換を地球規模で進めることに大きな貢献をしていかなければなりません。
 このため、本法の運用に当たっては、今いろいろ御心配がありましたが、関係省庁間で十分な連携をとりつつ、環境上適正な方法で有害廃棄物等の輸出入、運搬、処分が行われ、かつ適正なリサイクル目的の国際間の取引に支障を生じることのないように万遺憾なきを期してまいりたいと存じます。
#55
○合馬敬君 ただいまの大臣の御決意をお伺いしまして大変心強く思っておるわけでございます。
 有害廃棄物の越境移動問題、こういうことでは環境保全の観点から大変必要な規制措置と考えておりますが、一方リサイクル目的の取引ですね。例えば銅を製錬をした後の残滓、汚泥ですね、これを日本が引き取って、それで金を抽出するとか、あるいは鉛のくずを韓国に持っていって精錬するとかこういったリサイクル目的の取引、これは資源の有効活用のために非常に大事なものでございまして、これもまた積極的に推進する必要があるというように思っております。
 したがいまして、この双方の調整、バランスをとるということが大変重要であると考えておりますが、この点につきましての通産省の見解をお伺いいたしたいと思います。
#56
○政府委員(堤富男君) お答え申し上げます。
 この条約の対象となります有害廃棄物等というものの中には、いわゆる廃棄物、ごみだけではなくてリサイクルに使用されます原材料が含まれております。したがいまして、このリサイクルというのは非常に国際的にも資源の有効活用のみならず環境の観点からも非常に重要だと思っております。
 日本で発生します廃棄物の量は三億トンにも上ると言われておりますが、最終処分になりますのは約五千万トンでございます。その残りの二億五千万トンの半分ぐらいは、実はリサイクルという形で、また再活用されているという意味でリサイクルがごみの減量にも役に立っている、環境にも役に立っておると。しかも、資源的な意味で古紙あるいはガラスカレットなんかを考えますと、大変有効活用されているという面もございます。
 こういう考え方は、当然日本の国内のみならず、国際的にも有用な考え方であると思いますので、この法律の一つの重要なポイントといたしましては、先生おっしゃるような意味でのリサイクルという点も重要なポイントであろうと思っております。当然のことながら、地球環境を汚さないための規制というのも当然重要だと考えております。
#57
○合馬敬君 次に、環境庁長官にお伺いいたしますが、この本法の適用に当たりまして、環境庁におきましては有害廃棄物の輸出、輸入等に関連しての確認行為、あるいは必要な説明とか意見を受けるとか違反した場合の措置命令を行うとかいろんな大変重要な手続があるわけでございますが、これを一体として効率的に運営していくに当たりましての環境庁長官の決意をお伺いいたしたいと思います。
#58
○国務大臣(中村正三郎君) 先ほどもお答えさせていただきましたように、こうした問題というのは政府一体となって取り組むべきものであるという中で、私どもは総理直属の機関で調整機関として働きますので、各省とよく連絡をとりましてこの条約、法律の問題が実現できますようにということでこの法律案をまとめさせていただいたわけでございます。
 実施に当たっての決意ということは、先ほど通産大臣がお答えになったことと同じでございますけれども、大変重要な地球環境の一つのテーマになっております有害廃棄物の越境の問題、移動の問題、これに政府一体となって的確に対処してまいりたいと思います。
 そして、いろいろな手続があります。そして、先ほどからも御論議がありましたように、まず有害廃棄物等が出ないような社会、少なくなるような社会経済構造に転換していかなきゃいけないということは、地球サミットでも申し合われたことであります。ですから、環境基本法というのを今私どもも提出させていただこうと思っているんでございますが、そうした努力、そしてその中で先ほど委員から御指摘ありましたリサイクルということはこれまたひとつ地球環境にとって大切なことでありますから、そういうものは適切に行われるように、そしてこの条約並びに法の精神である、もって人類の健康被害を防いでいこうというようなことをあわせて実現できるように政府挙げて頑張ってまいりたいと思っております。
#59
○合馬敬君 しっかりとお願いいたします。
 それから、本法の施行と相まちまして、私は国内におけるリサイクル対策というのを、これはもう両輪の輪でございますので一層進める必要があると思うわけでございますが、リサイクルにつきましてはリサイクル法といいますか、これが施行されて一年になるわけでございますが、具体的にどのような成果を上げておるのか。
 例えば、古紙の再生だとかあるいはアルミだ鉄くずだ、いろいろなものがあると思いますけれども、そういったものにつきまして御説明をお願いいたしたいと思います。
#60
○政府委員(清川佑二君) お答えいたします。
 いわゆるリサイクル法でございますが、再生資源の利用の促進に関する法律が昨年十月から施行されまして一年経過したわけでございます。現在進んでいる状況をごく簡単に御説明を申し上げますと、一つは再生資源の利用の促進を図るべき業種がございます。このように指定されているものは、紙の製造業、ガラス容器の製造業でございますが、例えば古紙の利用率で見ますと、平成元年度五〇・三%であったものが平成三年度には五二・五%にまで上昇してきておる。これにつきましては目標値を平成六年度に五五%としているわけでございますので、もう一息ということでございます。同じく、ガラス容器の製造業のカレットにつきましても、平成元年度には四七・六%の利用率でございましたけれども、これが現在平成三年度には五一・八%に上がってきております。平成七年度の目標値として五五%を予定しておりますので、さらに一層努力をする予定でございます。
 また、再生資源の利用促進ということで、構造上の工夫を行う製品として指定されている自動車、家電製品がございます。これにつきましては、再生資源化のための製品の事前評価を行っているわけでございますが、例えば自動車につきましてはプラスチック部品の材質の表示とか、取り外しの容易化といったような試みを既に行っているわけでございます。
 また、分別回収を図るために表示を義務づけているというアルミ缶、スチール缶のような、先ほどお尋ねのものがございました。これにつきましては表示の徹底が図られておりまして、再生資源化率につきましては、スチール缶は平成元年度四三・六%から平成三年度には五〇・一%に上がってきております。また、アルミ缶につきましては、四二・五%から四三・一%と上がってきているわけでございます。
 なお、副産物につきまして指定副産物という制度がございますが、これも再生資源の利用を促進するという観点から鉄鋼スラグ、石炭灰につきまして指定され、利用の促進が図られておるわけでございます。
 なお、先月二十五日に、産業構造審議会及び総合エネルギー調査会、並びに産業技術審議会の三合同部会におきまして、地球温暖化防止という大きな課題につきまして答申をいただいたわけでございますが、今後のエネルギー、環境対策の重要な柱といたしまして環境調和型の経済社会の構築が掲げられております。企業、生活者、行政主体が取り組みましたリサイクル、省エネルギーなど、環境問題に積極的に取り組むことが必要であるという御提言をいただいておりますので、今後ともリサイクルの円滑な推進を一生懸命努力をしてまいりたいというふうに思っております。
#61
○合馬敬君 時間が参りましたので終わります。
#62
○浜四津敏子君 それでは、本法案の立法趣旨及び目的についてまず三点お尋ねいたします。
 第一点は、本法の目的は、有害廃棄物の問題というのは人類全体、そしてまた地球そのものの生存にかかわる問題である、こうした問題に対しては各国が個別に対応するだけでは不十分で、自国の利益のみを追求する国家エゴではなくて人類の利益を第一に、そしてまたあくまでも経済優先ではなく生命の尊厳優先、その観点から国を越えて協調し、協力し合う以外に地球を救う道はない、こういう危機感と共通認識のもとに生まれたバーゼル条約の目的と精神を十分に実施することを確保するための法律である。したがって、解釈も運用もあくまでもこれに合致しなければならないものと理解してよいかどうか、これが第一点でございます。
 第二点は、バーゼル条約は、こうした認識のもとに、締約国の責務等についで、例えば発生抑制の原則あるいは国内処分の原則など、重要な諸原則を掲げております。ところが、これらの重要な基本原則につきましては、本法案は明確にうたうべきであるところを掲げられておりません。その理由をお答えいただきたい。
 第三点目は、有害廃棄物等の国境を越える移動は三つの側面からとらえることができます。一つは物の輸出入の側面。二つ目は環境保護の側面。そしてまた、三つ目は人の生命、健康、安全保護の側面、この三つであります。本法案は基本的にこの三つの側面のいずれに重きを置くものか、お答えいただきたい。
#63
○政府委員(赤木壯君) お尋ねの第一点でございますが、本法案がバーゼル条約の目的を実施するための法律であると理解してよいかという御質問でございますが、この法案の第一条の目的に書いてございますように、「バーゼル条約等の的確かつ円滑な実施を確保するためこというふうに明記しているところでございまして、先生の御指摘の趣旨のとおりでございます。
 それから第二点の、本法案のバーゼル条約の基本原則、例えば発生抑制の原則だとか廃棄物低減技術、あるいはリサイクル方法、あるいは管理、処理体制の開発、実施の原則だとか、あるいは途上国への技術移転促進とか、あるいは移動抑制等、あるいは発生者処分の原則、それから国内処分の原則と、いろいろ条約上の責務規定、要請事項があるわけですが、これは法制技術上の観点から、国民の権利義務に直接関連するものでないというような法制上の技術上の観点から法案には特段の責務規定というような形では設けてございませんが、こうした条約の基本的理念を本法の運用に当たって必要な事項とあわせて整理して、法第三条の規定の基本的事項として取りまとめることといたしておるわけでございます。
 この基本的事項は、国民に対して公表、明示して広く関係者の理解と協力を求めるという趣旨でこういう制度になってございます。こういう制度を通じて本法の効率的、効果的な運用が図られるように努めでいきたいというふうに考えてございます。
 それから第三点の、本法案は物の輸出入の側面あるいは環境保護の側面、人の生命、健康、安全保護の側面の三つの側面いずれに重点を置くのかという御質問があったわけでございますが、本法案の第一条では、「人の健康の保護及び生活環境の保全に資することを目的とする。」というふうに明記してございます。こういうことからもおわかりのとおり、御指摘の三つの側面のうちの環境の保護の側面とか人の生命、健康、安全保護の側面という面に重きを置いているというふうに考えてございます。
#64
○浜四津敏子君 本法は、地球及び人類全体の生存がかかっている問題に関する法でございますから、その解釈、運用に当たっては、今お答えいただきましたけれども、環境や人の生命よりももうけ優先などということが断じてないように、常に人類全体の利益のためという観点から運用を実施されるよう特に強く希望しておきます。
 また、長年縦割り行政の弊害ということが言われておりまして、今回の条約加入、あるいは国内法整備がおくれたのも省庁間の縄張り争いが原因ではないか、こんなふうに言われております。本法については、三つの省庁が協力しまた共同しなければ到底実現ができない、こういうことでございますから、これを機にぜひ縦割りではなくて国民の利益のために奉仕する横に手をつなぐ共同協調行政に転換していただきたいということを希望いたします。
 日本の省庁の方々は大変優秀な人材でございまして、一つの省庁だけにとどめるというのは大変もったいないというふうに思います。ぜひとも各省庁間の人事交流を活発に実現してさまざまな分野に通じたトータルな力のある人材を育てていただきたい、こういうふうに思います。
 またもう一点、さらに環境先進国へ向けて環境庁の使命、責任、大変大きいというふうに思います。そのためにも、環境庁ではなくでぜひ環境省にしていただきたい。環境大臣を設けていただいて、環境先進国を目指して積極的に取り組んでいただきたい。これを希望させていただきます。
 続きまして、法案第二条、定義に関して四点伺います。
 第一点、何が特定有害廃棄物等に該当するのかということにつきまして、条約附属書Tの経路規制及び成分規制から判断する、これは業者及び一般国民にとっても比較的容易と考えられます。しかし、附属書Vの有害特性の判断、これには特別の知識と情報が必要でありまして、これを業者あるいは国民に判断させるというのはほぼ不可能と考えられます。したがって、この点での混乱が生じ、また多数の申請漏れのケースが発生するおそれが大であります。こうした事態を未然に予防するために政省令あるいは告示等で明確な判断基準を示す必要があるものと思われます。
 そもそも、判断のほぼ不可能な有害特性につきましては業者、国民に判断させるべきではなく、例えば附属書Tに該当するものはすべて申請することとし、それらが有害特性を有するか否かは行政側で判断する、こういった方策を講じるべきであるというふうに考えますが、こうした業者あるいは国民の目からわかりやすい判断基準の作成及び方策につきどのようにお考えがお答えいただきたい。
 第二点は、特定有害廃棄物等には有価物が含まれますが、有価物については国際リサイクル推進の観点から輸出入を積極的に進めると先ほどお話がありましたが、仮にそうとすると、それは特定有害廃棄物等は国内でリサイクルし、処分すべきであるという国内処分の原則に反することになるのではないか、これが第二点でございます。
 第三点、それでは、有価物と廃棄物というのはどのような基準で区別するのか。かつて日本で不要になった大量のピンク電話が台湾に運ばれ、そこから銀をとる仕事をしている場面がNHKのテレビで放映されました。大変粗末な炉で焼くために毒性の強いダイオキシンが発生しまして被害が生じて問題となった件であります。あるいは、一九八〇年に日本の業者が砒素を含む銅鉱滓を韓国の業者に輸出いたしました。名目上売却代金として一千五百万円支払われ、しかし、実は裏では五千五百万円が別途支払われていた。これはその処理代金ではないかと言われた事件もありました。
 また、国内でも自動車解体業者から出た有害物質を含む大量の廃棄物が瀬戸内海の豊島に不法投棄された、投棄した会社はこれを有価物と称して買っていた。しかし、実際には廃棄物として捨てていたわけであります。
 今後も廃棄物の増加、そしてまた処理施設、処理場所の不足の現状から見まして、有価物と称して有害廃棄物が輸出されるケースが予測されます。こうした事態が発生しないようにどのように対処するのか、お答えいただきたい。
 以上です。
#65
○政府委員(赤木壯君) まず第一点の、特定有害廃棄物の範囲がはっきりわかるようにという趣旨の御質問があったわけでございますが、本法案ではバーゼル条約を的確に実施するというようなことで、バーゼル条約の規制対象になっております物質を、条約上の規定を引用するということでこの整合性を保つような形で書いてございます。
 ただ、そうしたがためになかなかわかりにくいというような話もあるわけでございます。特に、お話のございました条約の附属書の中では、有害特性等についても十四種類のものがリストアップされてございます。これがなかなか判断しにくいというようなお話もあったわけですが、基本的には危険物の運搬に関する国際連合勧告に規定される有害特性に準拠して設けられたというようなことでございまして、その場合の有害性の判定の考え方が参考になるというふうに考えてございます。
 物質の濃度等によってもいろいろ異なるということでその範囲がどうかということは、今後関係省庁あるいは関係各国とも議論しながら法の円滑な施行に支障のないようにしていきたいと考えでございますが、法の運用に当たりましては、有害特性の判断が容易に行われるように告示その他の方法によりまして、その規制対象となる特定有害廃棄物等の内容の詳細について国民に十分周知できるようにいたしていきたいというふうに考えてございます。
#66
○政府委員(堤富男君) お答え申し上げます。
 二番目の、リサイクルについての進め方あるいはこの条約との関係でございますが、リサイクルの意義につきましては先ほどごみの減量化の効果があるということも申し上げましたが、さらに最近私たち計算をいたしましたが、もし日本にリサイクルがなかりせば、恐らく今のエネルギーの七%ぐらいは増加するのではないか。したがいまして、リサイクルをやっているために日本のエネルギーが七%も節約ができているというようなこともございまして、地球温暖化問題などを考えた場合、このリサイクルの有用性というのはまた大きいわけでございます。そういう意味で、リサイクルというのは国際的にも有用だと思います。
 この条約上におきましてもそれを予想した規定がございます。例えば、この別表の中で処分という考え方の中には有効利用というような考え方が入っております。これは附属書WのBという考え方でございます。それから、輸出ができる場合という中におきましても、当然のことながら日本国内で処分ができない場合に加えまして、相手国がリサイクルとして資源を再利用するというような場合には輸出を許可することを予想しておるということで、条約全体といたしましては当然のことながら有害廃棄物が地球を汚染しないような配慮を当然した上でこのリサイクルというものが有効である、しかもそれは条約上認められるものであるということを示唆してあるわけでございます。
#67
○説明員(三本木徹君) ただいま先生のお話にございました有価物といわゆる廃棄物との基準といいましょうか、区分の件でございます。
 具体的な廃棄物の輸出入の確認許可に当たりましてのそれらの判断は、国内におきます場合と同様に有償で引き取られないものは不用物、すなわち廃棄物として規定するわけでありますが、仮に形式的に対価を支払っている場合でありましても輸送料金の名目で処理料金を受けているとか、そういったような場合には実質的に無価物として認められることになりますものですので、これは当然廃棄物処理法での規制の対象としてなるわけであります。
 なお、バーゼル条約の関連の法案におきましてのこのような問題に対しましては、輸出の承認申請が通産大臣に対しまして行われることになるわけでありますが、当然その対価関係などから見まして廃棄物であるという疑いがあるものにつきましては、通産省から厚生省に御相談いただくということになっておりまして、その場合廃棄物と認定されるものにつきましては、現在御審議をいただいております廃棄物処理法の改正の中で輸出確認を受けるという形になります。
 当然、この輸出の確認を受けないで廃棄物ではないとして偽って輸出をした場合には、廃棄物処理法の改正案におきましては罰金五十万円というような刑が処せられるということになってございます。
#68
○浜四津敏子君 それでは次に、法案四条の輸出承認について三点伺います。
 第一点、四条は承認の手続についての定めのみで、例えば輸入国の書面による同意あるいは輸出者と処分者間の契約の存在についての輸入国の確認、こうした承認の要件及び承認するか否かの判断基準が全く規定されておりません。
 条約によれば、許可の要件が明示されておりますけれども、本法案においても業者そしてまた国民から明らかなように承認要件を明記すべきではないか、あるいは少なくとも政省令に明記すべきではないか、どうすることにされるのかお答えいただきたいと思います。
 第二点は、四条によれば、輸出承認の手続上におきまして通産省の判断で環境庁に送らなくてよいと判断したものは送らない、素直に解釈すればそのように解釈できるわけですけれども、これは環境庁長官の関与を制限するもので、地球環境保護という条約本来の立法趣旨に反するのではないか。
 また第三点、四条三項、四項についてでございますが、環境庁長官は具体的にどのような方法でこの確認をするのか。また、確認の結果としての環境庁長官の通知内容というものはどのようなものになるのか、具体的にお教えいただきたい。
 そしてまた、環境庁長官が通知した結果、それはどのように承認に影響することになるのかお答えいただきたいと思います。
#69
○政府委員(渡辺修君) お答え申し上げます。
 第一点の、四条の輸出の承認等の基準が明確ではないではないか、法律には明示がないではないか、こういう御質問でございました。
 先ほど来御説明申し上げでおりますように、四条第一項は輸出に当たっては外為法上の承認が必要であるという根拠規定を置きましで、具体的には外為法に基づいて処理していく、こういうことになります。その過程で輸出貿易管理令でこれの対象を輸出規制の対象になります品物を定めまして、あと具体的に条約にありますような幾つかの基準、先ほど来御説明申し上げておりますが、そもそも環境上適切に処理されるものがあるかとか、あるいは輸出入を禁止している国ではないかとか、幾つかの判断基準がございます。それらにつきましては、いずれも輸出貿易管理令に基づきます輸出注意事項という、これは現在外為法に基づく輸出すべてについてこれを通じて周知徹底しておるわけでございますが、そこでその申請書あるいは添付書類等々に加えて明快な判断基準をそこに明記いたしまして、輸出者、輸入者の便宜に供したい、かように考えております。これが第一点でございます。
 それから、第二点が二項の関係でございますが、申請がありました中で環境上特に必要があると認めるものについては、環境庁長官に写しを送付して確認をいただくことになっております。これは我々、相手国の環境上の観点をチェックする必要があるわけでございますが、ここに関しましては非常に大ざっぱに申し上げますと、例えば国内の環境基準等が非常に明定されておってチェックも厳しく行われておる先進国につきまして、特にその先進国にリサイクルを目的にして出るようなそういう貨物につきましては、通常相手国で明快に処理できるものと思いますが、それ以外の、例えば発展途上国向けに対するような場合、そういったものについてはより慎重な環境上のチェックが必要だと考えますので、これにつきましては環境庁長官に御相談申し上げ確認をいただく、こういう手続を踏みたいと思っております。
#70
○政府委員(赤木壯君) 環境庁長官が具体的にどのような方法で確認するのかという御質問があったわけでございますが、環境庁長官が確認するに当たっては、処分に供される施設が環境保全上支障なく特定有害廃棄物等を処分するための公害防止施設を有し、かつ環境保全上適切に維持管理されるものであるかどうかということ、あるいは処分される特定有害廃棄物等が施設の処理能力を超えていないかどうかというようなこと、あるいは輸入国における環境保全関係法令を遵守することができること、及び我が国における関係法令で求められている環境保全上の措置に照らして相当の措置が講じられているかどうかというようなことについて、通産大臣から送付された申請書の写しをもとにそれぞれのケースにおいて具体的に慎重に審査することといたしております。
 したがって、原則としては現地に出向くというようなことは考えておりませんが、必要がある場合には相手国の環境担当の機関を通じまして相手国における状況も十分把握したいと考えておるところでございます。
 それから、確認の結果としての環境庁長官の通知の内容はどういうものかという御質問があったわけでございますが、環境庁長官は、環境問題に係る知見をもとに輸出先国における特定有害廃棄物等の処分について大気の汚染あるいは水質の汚濁その他環境汚染を防止するための必要な措置が講じられているかどうか確認するということでございますので、通産大臣に対してはその確認の結果として、環境の汚染を防止するための必要な措置が講じられているという通知、または環境の汚染を防止するために必要な措置が講じられていないというような旨の通知内容になると考えでございます。
#71
○市川正一君 最初に外務省にお聞きいたします。
 政府は、条約の第四条の12に関連して、事前の通告または同意の取得を義務づけるものではないと解する旨の宣言を行って、改めで無害通航権の主張をすることにしていますが、その意図は那辺にあるのか確認いたしたい。
#72
○説明員(山中誠君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、この条約の四条の12というところで、この条約のいかなる規定も航行上の権利及び自由を行使するその船舶、航空機に何ら影響を及ぼすものではないという規定を置いております。この関連で当然のことながら国際法上無害通航権が認められるというのが我々の解釈でございます。
 他方、この条約の中に、基本的には六条のところに規定がございますけれども、有害廃棄物等の国境を越える移動につきましては事前の通告、同意が必要であるという規定もございますので、この四条12の規定が誤解のないように、我が方としては航行上の権利及び自由を行使するその船舶、航空機についてはこの条約の規定によって何ら影響を受けるものではないというその解釈を念のため宣言するという趣旨でございます。
#73
○市川正一君 我が国政府の今の姿勢は、条約の精神を最大限尊重するという立場から見るとその消極姿勢は極めて重大であると思います。
 条約前文でも提起されている、廃棄物によってもたらされる危険から人の健康及び環境を保護するという課題を誠実に実行しようとすれば、有害廃棄物を積んだ船を運航する国であれ、その船に領海を通過される国であれ、常時運航を監視できる状態を確保することは必須の前提条件であります。
 無害通航を意図していたとしても、不慮の災害や予想できないトラブルで他国の領海などに有害廃棄物を漏らす、排出されることは起こり得ることであります。その際にその被害を可能な限り少なくするためには、特に領海を通過される国にとっては、いつ、どこを、どんなものが移動しているかを知らされなければ万一のときに対策の立てようがありません。
 少なくとも政府としては、無害通航権を振り回すんではなしに、積極的に有害廃棄物の移動に関する情報を関係国に提供する立場に立ってこそこの条約の精神を尊重することができる、本当の意味での国際貢献になるんじゃないかと思いますが、通産大臣どうでしょう。
#74
○政府委員(堤富男君) 国際上の権利義務というのはいろいろの観点があると思います。もちろん条約上は、バーゼル条約でこの無害通航権のところを害するものではないという考え方が出てきておりますので、国際的義務としては、バーゼル条約上の義務は今外務省の方から御説明したとおりになっているわけでございます。もちろん、無害通航権が認められるからといって、我々として日本が有害廃棄物がそういうところで害を及ぼすようなことのないような万全の努力をするということはこの考え方の中に入っておると思っております。
#75
○市川正一君 万全でなければまさに重大でありますが、問題の性質は違いますが、今国際的に問題になっておりますプルトニウム輸送に対する日本政府の基本姿勢ともかかわって、私はこの問題はあいまいにはできぬということだけは指摘しておきます。
 次に、法案についで、まず環境庁長官に伺います。
 特定有害廃棄物の輸出は外為法に基づく輸出承認が義務づけられているが、環境対策の側面から見ますと、あらかじめ定められた環境庁と通産省の共同省令に基づいて通産大臣がその必要性を認めたものしか環境庁長官がチェックできない仕組みになっております。なぜ一義的に環境庁長官がチェックする仕組みにしなかったんですか。長官、いかがですか。
#76
○政府委員(赤木壯君) まず私の方から答えさせていただきますが、バーゼル条約では、特定有害廃棄物等の輸出、処分が環境上適正に行われているかどうかというために輸出先国、通過国からの書面の同意を得たりしながら、また輸出国側においても環境保全の観点からのチェックを行うことが必要であるということで仕組みができておるわけでございます。こういうことから、条約の要請に対応するための一定の特定有害物質の輸出について環境汚染を防止する必要があるかどうか、そういう必要なものを確認しながら輸出の承認をしていくというふうにいたしておるわけでございます。
 これは条約の趣旨から見ましても、公害防止のための技術水準が非常に高く、また環境の規制の法制度もきっちりしているというような先進地を仕向け地とするようなもので、再生利用を目的としたようなものは、これはもう環境汚染が生ずる可能性が非常に少なくかつ相手国でも環境面での審査もきっちりやられるということで、こういうものまでは規制をかける必要はないんではないかということで、こういうもの以外のものはすべて環境汚染があるかどうかの確認をするということで、一定のものについては環境庁の確認を必要とするというふうにいたしておるわけであります。
#77
○市川正一君 もう答弁になっておらぬわ。
 先ほど来同僚議員も指摘しておりますように、私は、条約に基づいて対外的には環境庁が権限ある当局ということになっていることからしても、また条約のそもそもの目的からしても環境庁長官がチェックする任務を負うべきだと、第一義的に。環境政策上の環境庁長官のチェックを輸出承認に前置したからといって外為法上の権限を侵犯したことにはならぬということを指摘しておきます。
 そこで、具体的なチェックの対象について聞きたいのでありますが、規制対象は共同省令で定める特定の地域に対する特定有害廃棄物しか、つまり地域と物による二重の条件に該当するものしか対象にならぬ仕組みになっていると思いますが、そのとおりですね。イエスかノーか簡単に言ってくれよ。
#78
○政府委員(渡辺修君) お答え申し上げます。
 先生御質問の点は四条第二項の確認を要する有害物質というものがどういうものか、こういうことでございまして、それについてはおっしゃるように省令で地域と貨物を定める、こういうことになっております。
#79
○市川正一君 そうしますと国民は、バーゼル条約が結ばれた、そして条約の附属書T,U、Vに定められている有害廃棄物はもとより、締約国が独自に決めている有害廃棄物も含めてそのすべてが輸出入に当たって環境庁長官のチェックが行き届くものと、こう理解します、受けとめます。ところが、実際は共同省令による地域と物という二つの要件にかかったものだけしか対象にならぬということになるわけであります。なぜあえて規制対象を狭めたのか、その理由を簡潔に聞きたい。
#80
○政府委員(渡辺修君) お答え申し上げます。
 一点目は、条約上の特定有害廃棄物につきましては、すべてこれは四条一項に基づきまして外為法上の承認申請が出てくるわけでございまして、通産大臣のところでこれにつきましては条約にあります各種の要件に基づいてチェックをするということになっております。その過程で、環境庁を通じまして条約に基づきます相手国への通知、さらに相手輸出国の権限ある当局からの確認、同意等をもらうことになっております。これにつきましては、まず最初にお答え申し上げたいと思います。
 第二点目の、それじゃ運産省から環境庁に申請書の写しを送る、そういう地域と貨物で限定したのはどういう理由が、こういうことでございますが、この点につきましては一般的に申し上げますと、本件のチェック対象というのが公害防止の観点でございますが、例えば先進国というのはその基準も高こうございますし、また処理技術の水準も高いわけでございます。かつまた、目的が再生利用する、リサイクルを目的とするものである、こういったような場合におきましては、これは相手国側で十分な対応が既に行われております。こういったようなものを除きまして、それ以外のものについては我々から環境庁に確認をお願いしたい、かように考えておるわけでございます。
#81
○市川正一君 ということは、この共同省令がどういう内容になるかによって環境汚染を防ぐための武器になるのか、それとも逆に汚染が野放しになるかが決まることになります。共同省令の規定の仕方は、特定の国ないし地域の名前と特定の物質の名称という極めて簡潔な記述になると思うんですが、しかし輸出入の対象になる個々の案件というのは極めで具体的です。ですから、単純な地域と物ということだけで振り分けできるほど簡単なことじゃないと私思うんですが、どういう決め方をするのか、具体的な例を示して御説明いただきたい。
#82
○政府委員(渡辺修君) お答え申し上げます。
 先ほど来申し上げでおりますような目的からいたしますと、つまり環境庁と通産省で共同政令で定めます地域というのは、これは具体的にどこの国にあれするかはこれからさらにOECDのガイドライン等を見ながら協議しなければいけませんが、大ざっぱに言いますと先進国以外の国が定められることになろうかと思います。
 それから、特定の貨物でございますが、これにつきましてはリサイクルを目的とする物以外の貨物というのが一般的に考えられるだろうと思います。個々具体的にはさらに環境庁とよく御相談申し上げまして、万遺漏のないように定めたいと考えております。
#83
○市川正一君 としますと、環境庁長官にも伺いたいんですが、第八条第二項に定める環境庁長官の権限は、第四条で定める輸出の際の権限に比べて著しく狭くなっています。第四条では言うならば拒否権があるのに対して、第八条では単に質問したり意見が言えるというだけであります。なぜこれほど環境庁長官の権限が制限されなければならぬのか。
 いろいろ伺いますと、我が国は国内における環境対策あるいは厚生行政の体制が整っているからだと言われております。しかし、貿易にかかわる問題であれば水際で対策をとるというのが大鉄則ではありませんか。いろいろ言われているように、対策が国内法で万全であると言うならば、そもそも環境庁長官のチェックなど要らないということにさえなりかねぬ。念のためというんだったら、環境庁長官の役割というのはそういう程度のものかということになってしまいます。
 私は、環境問題に対する政府の基本姿勢にかかわる問題として見きわめたいのでしかとお答えをいただきたいと思います。――これは長官の基本姿勢にかかわる政府の問題やから、あなた出る幕やない。
#84
○国務大臣(中村正三郎君) けさほどからずっと御議論を伺っていてひとつ理解いただきたいことがあるんですが、環境問題というのは政府一体となって取り組むものでございます。例えば今非常に問題になっている地球温暖化の問題、CO2を削減しようというと実動部隊は通産省、それから森林を保全しようということになればそれは林野庁、農水省が出てまいります。この法律策定に当たりましでも、先ほども御答弁しましたように貿易管理令があり、そこでもって手続が定められ、そこで通産省がやるということをまた環境庁が別にやれば重複になりますから、環境庁はそれに対して確認を行うとかいろんなことを行ってきちっとしていく。環境庁の同意なり承認がなければ、確認がなければ実際には動けないということになります。また、輸出入も全部環境庁を通してまいりますから、環境庁が一次的にそれをきちっととらえます。
 そういう体制でやるわけでありまして、したがいまして私どもの環境庁というのは企画、調整、立案して、そして総合調整を行うわけです。ですから、総理から強い権限を与えられでいるわけで、指揮棒を振るというとちょっと怒られるかもしれませんけれども、調整をすることができるわけでありまして、そして政府一体となってこの条約、法律案の目的が達成されるように動いていくということであります。それぞれの実動部隊、経済企画庁が景気対策をやるのと似ておりますけれども、そういうことを総合的に企画、立案して調整して、もって目的を達するということになっているわけで、政府を挙げて取り組んでまいりたいと思っておるところでございます。
#85
○市川正一君 終わります。
#86
○古川太三郎君 時間もないということで、十分ぐらいですから本当に大ざっぱのことしかお聞きできないと思いますけれども、今までの議論を聞いておりますと、どうしても環境の問題であるにもかかわらず環境庁が一歩下がったような感じに受け取られる。しかも、一番私この法律で非常に何といいますか、問題が多いなと思うのは、やっぱり条約と法律の乖離が相当あるな、条約の精神をそのまま法律に映していないという面が今までの議論の中でわかってきました。
 しかもその中で、本来ならば法律できちっと明確に書かなければならないような要件だとか手続、こういったものが本当にすっぽりと抜けている。政令だとかあるいは省令に委任されている。本来ならば国会で議論すべきことを議論しないような形で委任事項が多過ぎる。だから、政令とか省令を見なければなかなかそれがはっきりとわかってこないというようなことになりますと、今までたくさん批判されておりますように、法治国家という意味からも非常に日本がその分おくれているんじゃないかというような気もいたします。こういった政令、省令に委任しなきゃならないものもそれは相当あるだろうと思うんですが、また初めてのことですから、そういったものの条件はよくわかるんですけれども、しかしなぜ基本になるようなものまでも政令、省令に委任しているんだろうかという疑問がまずあります。
 そういったところで環境庁の、まず大臣のお答えを聞きたいと思います。
#87
○国務大臣(中村正三郎君) 先ほどもお答えしましたように、条約に基づくこの法律案に関しては、やはり今ある貿易管理のあり方を利用するというか使った方が、環境庁で新たにそうした手続をもう一つ設けるということになると、これは行政の重複になりますから、今ある輸出入の許可のシステムというものを使った中で、この条約の目的がきちっと担保されるような仕組みというので、こういうふうに立案させていただいたわけでございます。
 今、委員御指摘の政令がどこまで決められるか、どういう範囲までやるか、どういう手続でやるか、これは手続は内閣で決めることですが、そういう御議論になれば、私は立法府の出でありますから私なりのそれなりの考えを持っておりますけれども、今、政府の中の長官でありますから、今のようなお答えで勘弁していただきたいと思います。
#88
○古川太三郎君 私が特に申し上げたいのは、今まで日本では割と行政指導とかいうので大変この二、三年いろいろと問題を起こしてきた、またそれが表面に出てきたという経過もございます。こういう許認可の問題についではどうしても国民の権利と義務、そういった関係で大きくかかわってくるものだと思うんです。それが政令、省令にゆだねられるということになりますと、どうしても法治国家というものから遠くなってしまう、そういう意味での注意を申し上げた次第です。
 それと、これから始める法律ですから、また条約を法案化したものですから、とにかく余り細かいところまでは大変難しいだろうと思うんですけれども、この実施につきまして、一年経過後、必ずそういった数量あるいは種類あるいは相手国、そして問題が起きたかどうか、こういった事後の調査を必ずして、もう一度またこの法案を立て直すというような気があるのかどうか、大臣からお聞きしたいと思います。
#89
○政府委員(赤木壯君) この法の運用状況は事務局にも報告するような形になっていまして、毎年報告するというような形になって、運用状況は絶えずこういうものも通じながら、その実態を十分検討していくということだろうと思います。
 ただ、今、具体的な運用がどうなるかということは、その実態を見ながら判断していく必要があるというふうに考えてございます。
#90
○古川太三郎君 それでは、お聞きしますけれども、外国の環境基準の資料、こういったものは既に環境庁でお持ちなのかどうか。こういったことをお聞きしたいと思います。
#91
○政府委員(赤木壯君) 外国のものを、すべてそういうものを持っておるということではございません。一部はございますけれども、これから十分整備していきたいというふうに考えてございます。
#92
○古川太三郎君 例えば、外国でこういった基準がありますとかいうようなことは、一つも今のところはないんですか。やはり相当お持ちなんでしょう。そういったものをちょっと出してください。
#93
○政府委員(赤木壯君) 先進国等の一部については、具体的な基準その他は把握しておるものもございます。まだこれから対象国はいろいろずっと広がっていくと考えてございますので、そういう点では、これからもっとたくさん集めていかなければいけないんじゃないかというふうに思っております。
#94
○古川太三郎君 今のような答弁でもわかると思うんですが、そういう資料とか、そういったものが少ないだろうという趣旨で、私の方は政令、省令にゆだねても仕方がないだろうという気持ちがあるわけなんです。しっかりとした資料があるならば、本来ならば法律できっちりとその要件、手続を明記したい、こう思っておりますので、この法案が通ったからといって、そのままにされることについては非常に不満を持っているということだけを申し上げたいと思います。
 また、問題は変わりますけれども、やっぱりひとつこの法律の中で情報公開をきっちりとしていくべきじゃないか。有害物については今、プルトニウムの関係であかつき丸が非常に世界から監視されている。あれだけルートがわかるぐらいでしたら、初めからどこを通るよと言った方が本当に世界の皆さんは安心するわけなんですね。こういうような有害物なんかの場合に特に行政としては隠したがる、こういう傾向が今まであったことは事実です。
 あかつき丸が本当に世界の情報として出てくるように、初めから情報を公開するように、特にまたこういう有害物の輸入のときには、その地域の住民にも参加させたような意見交換をする意思が、そういうようなところまで情報公開する意思があるかどうかを環境庁にお聞きしたいと思います。
#95
○政府委員(赤木壯君) ただいまの御質問は輸出先国での情報公開の話かと……。
#96
○古川太三郎君 全部。どういったものを考えているのか。
#97
○政府委員(赤木壯君) 輸出国は、輸出の内容等についての通告をいたすようにしてございます。日本から出す場合ですと、日本の環境庁から権限ある当局に通告いたしますので、具体的なその国での取り扱いはその国の事情によっていろいろ対応は違うかと思います。それはそれぞれの国の国内の事情によるということで、これを一概にここでどうこうというわけにはまいらないのではないかと思っております。
#98
○古川太三郎君 情報公開の意思があるのかどうか。
#99
○政府委員(赤木壯君) ただいまのいろんな情報は、この条約に基づく移動等については、事務局に全部まとめで通報するようなスタイルになってございます。そういうものに該当するようなものについて、これを特に情報公開しないというようなものではないというふうに我々は考えでございます。
#100
○古川太三郎君 終わります。
#101
○小池百合子君 まず国会の環境問題から伺いたいと思いますが、質疑に先立ちましで委員長に一言お願い申したいことがございます。委員会の運営につきましては、理事またはオブザーバーを出していない会派ではその流れがさっぱりわからないというのが現状かと思います。そこで、従来は参議院の委員会、オブザーバーとして理事以外の会派も出席を求められ、少なくとも民主的に行われてきたというふうに聞いておりますけれども、開かれた国会、そして民主的な運営がこれまで以上に求められているということから、この点をぜひこの場をおかりいたしましてお訴えさせていただきたいというふうに思っております。ほかに意見を述べる場がございませんので、あえてこの場を活用させていただきましたことを御理解いただきたいと思います。
 それでは本題の環境問題でございますが、もちろん環境問題、これまでの国内の一公害の問題にはとどまらず地球レベルの問題となりまして、よりグローバル化、重要化しているという認識を持っております。その意味で、私は本法案の成立に積極的な立場をとらせていただこうというふうに思っております。むしろ問題は、このバーゼル条約に関します我が国政府の対応が遅過ぎたのではないかといったところにあると思うのでございますが、通産大臣、その辺の御見解の方はいかがでしょうか。
#102
○国務大臣(渡部恒三君) 地球環境問題に対する今の世界的な関心からいえば早いにこしたことはありませんけれども、今まで段々御質問あったように、また環境庁長官からも話があったように、環境問題は政府一体で取り組むべきもので、通産省は通産省の立場、厚生省は厚生省の立場、また環境庁は調整官庁としての大きな立場、こういうものがございます中で、三省庁実によく連絡を密にして、内容の充実したものによくまとめたと私はお褒めをいただいてもいいかと思います。
 したがって、これを速やかに成立させていただきましたら、関係省庁とまた連絡がとれて、日本は国際社会における環境問題の大変熱心な国だという評価を受けるように運用を図って御期待にこたえてまいりたいと思います。
#103
○小池百合子君 今の大臣のお言葉でございますけれども、このバーゼル条約に対しましての日本の署名は明らかに遅く、特に先進諸国と比べますとかなり遅いのではないかというのが私の認識でございます。また、ことしの四月でございますけれども、UNEP、国連環境計画のトルバ事務局長が日本を含みます未批准国に大変な失望感をあらわしているということでございます。
 こういった点につきまして、先ほどは早ければ早い方がいいということでございますが、肝心のトルバ事務局長にして遅いというそういう認識がおありになる、この辺についではいかがでしょうか。
#104
○政府委員(堤富男君) お答え申し上げます。
 政府部内といたしましては、可能な限り早い機会にこの条約を批准し、かつ実施に移したいというふうに思っております。ただ、その立案過程におきまして、今小池委員からの御指摘のように若干おくれがあったのではないかというふうに考えられる面もなきにしもあらずだと思います。
 我々といたしましてはこの条約というのは大変難しい条約でもあるというふうに思っておりまして、一つは、一方では有害廃棄物が地球を汚染しては絶対いけないという観点と、一方でリサイクルという観点、これをぜひ実施しなければいけない、その両方の目的を矛盾なくどういうふうに成立させられるかということが第一点あったと思います。それからもう一つは、この行政というのが、行政改革等の観点もございますけれども、いかに簡素な形で国民にとっても利用しやすいかというところが非常に重要なことでございまして、その二つの点、三省庁及び法制局等も入れまして十分相談した結果でございまして、我々といたしましては、万遺漏なきという観点と迅速にという観点の中で今御審議を願うことになったわけでございます。
#105
○小池百合子君 しかしながら、ほかの諸国はいち早くこのバーゼル条約に対しましての批准を決めているわけでございますので、その辺で三省庁間、先ほど来議員の方々がお尋ねになっていらっしゃいます、そういった通産省、環境庁そして厚生省等のそれぞれの連絡等に余りにも時間がかかり過ぎているのではないかという問題意識を持っております。
 さらに、これからこういった地球環境問題につきましては各国がさまざまな問題提起を行い、そしてさまざまな条約等の新しい動きも出てくると十分予測されます。いつも日本の方がこういった形で国内の整備に時間がかかってしまっては、これから日本が世界に果たすべきこういった環境への真摯な取り組みというのがなかなか世界に理解されないのではないかと心配されるわけでございます。今後こういった省庁間の調整をより行うという点、先ほどから大臣、長官、それぞれよく連絡をとり合ってというお話がございますけれども、具体的にどのようにして、内容もありそしてスピード化が図れるとお考えなのでしょうか。
#106
○国務大臣(中村正三郎君) けさから御質問でいろいろ鋭い御指摘がありますように、これはなかなか重要な法律であります。国内の法律案であります。国内のいろんな問題もあるし、いろんなところが関係してくる問題、鋭意努力してその調整を努めさせていただきました。実はこの法律案、前国会で提出させていただいたんです。ところが、そのとき御審議いただく時間がなくて今まで延びたんですね。そういうところもひとつお考えをいただき、ちょうど私そのころ国会対策委員会から出たばかりで国会の状況というのをよく存じ上げておりましたけれども、時間がなかったということでございました。
 それから、調整ということですが、政府一体となってやる環境行政の取り組みについては極めて密接に各省庁調整をとっております。ますますその密接度が増している状況でございましで、各省庁それぞれの立場で熱心に環境問題に取り組んでいる。だから、よく外国の人に、日本は公害を経験しそれをある程度克服して、それで今世界から見ると非常にいい環境状態になってリードしてくれている、それはどうしてだと言われたときに、私はやっぱり政府一体となって取り組んでいるからそれがなせるんですよという説明をいつもしているわけでありまして、そういう気持ちで政府一体となって今後も極めて密接に連絡をとりながら環境行政に当たってまいりたいと思っております。
#107
○小池百合子君 こうやって三省庁にまたがっているという点では人員のダブり等も出てくるのではないかというふうに思います。そういった点で、本法の施行に関しましてそういった人員のダブり等の見直しなどはどういうふうにお考えになっておられますでしょうか。
#108
○国務大臣(中村正三郎君) それこそ今御指摘のような人員のダブり等をなくするために貿管令を使ったわけですね。極力それは避けて、三省庁にまたがるというか、本来環境問題というのは全政府にまたがる問題です。一つのところでできるものではございません。ですからこそ、環境庁が企画、立案、調整官庁として調整をとって、実動部隊はそれぞれの省庁で行っていくというふうになっております。ですから、もちろんダブりを極力少なくする、行政改革の立場からということも考えられますが、本来各省庁全体で取り組むべきものであるというふうに御理解いただきたいと思います。
#109
○小池百合子君 時間が参りましたのでこの辺で質疑を終えさせていただきたいと思っておりますが、実際に本法が施行されましたときには、ぜひ速やかな対処、そして納税者の立場からそういった行政改革への面にもよく御配慮いただいてお願いしたいと思っております。
 ありがとうございました。
    ―――――――――――――
#110
○委員長(斎藤文夫君) この際、連合審査に関する件についてお諮りいたします。
 特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律案について、厚生委員会及び環境特別委員会からの連合審査会開会の申し入れを受諾し、本日午後一時から開会したいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#111
○委員長(斎藤文夫君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後四時十分まで休憩といたします。
   午後零時二十二分休憩
     ――――◇―――――
   午後四時十五分開会
#112
○委員長(斎藤文夫君) ただいまから商工委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#113
○峰崎直樹君 午前中からかなりいろいろの方面から論議をされていますので、本来重複は避けたいところなんですけれども、しかし重要な問題でありますから再確認の意味を込めて、またいろんな立場から意見を述べさせていただきたいし、答弁いただきたいと思うんです。
 まず環境問題、今日、地球環境問題を含めて大変重要な段階に来ておりますので、願わくば大臣お二人に今日のこの廃棄物の問題も含めた環境問題についての一般的な考え方についてもう一度お聞かせを願えればと思います。
#114
○国務大臣(中村正三郎君) 環境問題、ことしリオで地球サミットが開かれました。そして、従来環境問題といいますと、公害を出す者があってその公害で害を受ける人がいて、それはいけないから公害をとめよう。それから、開発によって自然が減っていくからそれをとめようということでありました。しかし、そうした対症療法的なことからもっと広い広がりを持って、今まさに地球環境という時代に入ってきた。
 そこで、ことしはリオで画期的な地球サミットが開かれてそこで具体的にリオ宣言というのが採択されまして、そこで開発は持続可能でなければいけない、サステーナブルディベロプメントという思想に基づいたリオ宣言が採択されて、そしてまた二つの条約が制定されました。それから森林憲章等もつくられ、いろいろこれから地球上の環境問題に対応するために発展途上国を援助するテクノロジートランスファーだとか、それから資金の援助の問題まで含めて、アジェンダ21というのが合意されまして、各国の首脳が集まって国連が出て具体的な取り決めを行った。でありますから、大変画期的なことでありますけれども、まさにそれのフォローアップをしようということでこの間国連総会が開かれ、私も行ってまいりましたけれども、そのやり方等について話し合いをしているところであります。
 そして、実際にこのリオであったその成果を実現して、我々の環境というものを良好なものに保って私どもの後世代に送っていかなければいけないということでありますから、まさにいわばリオ・サミットが行われたことしは逆に出発点ということで、日本はそういう中で国内、そして国際的にもイニシアチブをとって、我々の経済規模からいっても、我々の工業発展、そして環境破壊をした経験がかつであるということから見ましても、国際的、国内的に一生懸命やって国際貢献もしていかなければならない、そのように思っております。
#115
○国務大臣(渡部恒三君) 私は初めて国会へ出たのが昭和四十四年で、昭和四十五年、六年のころは、いわゆる日本の高度成長がもたらした公害垂れ流し問題とかあのヘドロとか、大変な公害国会と言われるようなときだったんですけれども、公害が優先があるいは経済が優先か、いろんな議論がありました。私は、人類が幸せに生きていくためには環境問題が大事なことは当然のことであり、同時にまた、やはり工業を発展させ豊かな生活を人類はしでいかなければならないんで、公害問題、これは基本的に大事な問題だけれども、経済との調和を入れるべきだとあの基本法で主張いたしました。
 あれから二十年たちまして、産業界の皆さんも国民の皆さんも血みどろの努力をして、我が国は環境と経済成長とエネルギーと、これを両立させることに技術力によって成功いたしました。二十年前、富士山の見えなかった東京が今では富士山が見えるようになりました。そして今、もう環境問題は一国問題でなくて、これは隣の中国でこれから石炭火力がどんどん脱硫装置なしにたかれれば、これは日本にすぐ影響してくるわけですから、地球規模で考えなければならないという時期になりました。
 ことしの四月、ホワイトハウスでブッシュ大統領にお目にかかったとき、私は当時、アメリカはこれは余り変にすると南北問題になるというようなことで、気候変動枠組み条約に何か入りたくない感じを持っておったんですが、ブッシュ大統領に日本とかアメリカが先頭に立ってこういうものはやるべきであろうというお話をしてあの条約が締結されたのであります。今や我が国は、幸いにすぐれた技術によって環境先進国と言われておるんですから、これからは国際社会への貢献という我が国に要請されている立場に立って、地球の環境を我が国のすぐれた技術によって守っていくというような努力をすべきでないか。これが今通産省が大きく取り上げておる環境、エネルギー、経済成長、これを三位一体にして技術によってこの困難な問題を両立させるということで、今グリーンエードプランを世界に呼びかけ、大変好評を得ておる状態でございます。
#116
○峰崎直樹君 ちょっと大きいテーマを投げかけ過ぎたかなと思うんですが、今議論になっているバーゼル法案の関連で言うと、先ほど来もやはりごみ、廃棄物を発生させるのはできるだけ少なくさせよう、あるいは発生者責任主義、そして自国で処理をすべきだ、こういうような原則も確認されたと思うんです。
 さて、先ほど通産大臣の方からもありましたように、今産業廃棄物も含めて廃棄物の処理場が非常に大きな問題になっていると思うんですけれども、確かにごみそのもの一般が嫌だというような気持ちもあるだろうと思うんですけれども、私は、このようなものが起きてきている大きな原因の一つは、廃棄物行政そのものに国民がやはり非常に不信を持っているんじゃないだろうかというふうに思うんです。
 この辺、先ほどのPCBだとか、あるいはちょっと私も資料をいただいたんですけれども、最近ダイオキシンのいわゆる保管状況なども見ると、ダイオキシンは保管をされていないというような現状など、非常に保管状況が悪くなっているんじゃないだろうかな、そういった点で、今PCB、先ほど連合審査でもございましたけれども、ダイオキシンも含めて現状どのように保管管理されているのか、もう一度お尋ねしたいと思います。
#117
○政府委員(堤富男君) PCBにつきましては化審法等を制定したときに製造等を禁止したわけでございますが、その法律以前、制定以前にありましたものがどのように保管されているかということは厚生省の法律等により一定の基準で保管をされる義務があり、通産省としても具体的な形で通達を出しまして、安全に保管するようにということをしているわけでございます。
 それから、そのほかのこの法律の対象でございます幾つかのものにつきましては、例えば労働安全法ですとか毒物劇物取締法ですとか、あるいは消防法あるいは高圧ガス法というようなものでその保管についても取り締まっているものもあるわけでございます。
 ダイオキシンにつきましては、ちょっと私の方から答弁は差し控えさせていただきます。
#118
○政府委員(牧野力君) ただいまの答弁に若干補足をいたします。
 PCBの製造、使用でございますが、これにつきましては、今も答弁ございましたけれども、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律、通称化審法と言っておりますが、この法律によって危ないものは特定化学物質の指定をしております。この指定物質につきましては、新たに製造、輸入する場合は通産大臣の許可が必要でございますが、昭和四十九年以来一切許可をいたしておりませんので、現在製造は一切事実上禁止でございます。それから、電気機器等への充てん等PCBの使用でございますが、これもごく一部の例外を除いて原則的に禁止をいたしているところでございます。
 それからダイオキシンについででございますが、これはPCBとかそういった物質のようにある有用な物質でこれをつくるというものではございませんで、紙等を燃やしますとこれが出てくる、有害な物質が出てくるというふうに承知をいたしております。したがいまして、これは、大気汚染防止法でございますとかそういったような法律で出てきたものを規制するというのはございますが、製造、使用等においで規制をするという性格のものではないというふうに承知をいたしております。
#119
○峰崎直樹君 PCBは保管されているというんですけれども、これは定期的に何年に一度は、一年に一回の方がいいと思うんですけれども、こういうものをきちっと保管、現にこういう状況にあるということを制度化するような計画はないんでしょうか。
#120
○政府委員(牧野力君) PCBにつきましては、先ほど申し上げました化審法が施行される以前から、PCBを使用いたしましたそれぞれの製品ごとの性格に応じ回収保管体制の整備等を図ってきております。したがって現在では、液状のPCB、つまり原料として使われるPCBがどのくらい残っておるか、それからどういうふうに処理されているかということは把握をいたしております。ただ、PCBを使用いたしましたコンデンサーでありますとか変圧器でありますとか感圧紙、こうしたものの保管量は大体わかっておりますけれども、これにつきましては、それぞれの所管の部局におきまして回収保管等について厳重に監視をしているというふうに聞いております。
 なお、一番危ない液状のPCBの保管につきましては現在約六千六百トンほど昔のやつが残っているようでございますが、うち九割方、五千七百トンは既に焼却処理済みでございましで、残るものにつきましてはちょっと焼却をする場所がなかなか見つからないというような問題がございますが、これは厳重に今管理をされていると承知をいたしております。
#121
○峰崎直樹君 その保管をしっかりしないとこういうものが漏れていく、あるいは先ほど来もありましたようにPCBが海の中に流れていくとか、そういう状況が非常にひどくなればなるほど危険なものはおれのところに寄こしてほしくないというような、立地難というのにもやっぱり響いてくるんじゃないだろうかと思いますので、この点はぜひ厳重に進めていく必要があると思います。
 ところで、このバーゼル法が施行された場合、果たして有害廃棄物の輸出入、特に輸入の場合はこれはやはり相当ふえてくるんじゃないかと思うんですが、そこら辺の見通しなんかはございますでしょうか。あるいは、この法案がない前にも実はこういう取引事例があるんですとか、こういう事例があるというようなことがもしわかればちょっと教えていただきたいと思います。
#122
○政府委員(渡辺修君) お答え申し上げます。
 御承知のように、現在こういった条約並びに国内法ございませんものですから、体系的な統計その他というものは持ち合わせておりませんが、御指摘のように、この法律が施行されました段階で対象になるであろうと思われるものが幾つか輸出入で散見されます。それを若干御紹介させていただきたいと思います。
 まず最初に、特定有害廃棄物に該当するものは現在ございません。見られますのは、いわゆるリサイクルの関係でございます。それでまず輸出の方でございますが、比較的今多く見られますのが使用済み鉛電池でございますが、自動車解体業者とかガソリンスタンド等から回収したものを台湾、インドネシア、韓国といったようなところに輸出いたしまして、それぞれ輸出先国で鉛くずを取り出して船として再利用しておる、こういったような例がございます。九〇年で約二万五千トン輸出されておるといったようなものがございます。
 他方、輸入の例でございますが、これはリサイクル関係でございまして、一つは亜鉛精錬時に発生するカドミウム酸化物というのがございます。これは集じん機でとったごみの状況のダストの場合と液体になったスラッジの場合とがございますけれども、これを輸入いたします。これはアメリカからでございますが、平成三年で二百十二トン入ってきております。そのほかに、コピー機の使用済み感光ドラムといったようなものをこれもアメリカから輸入いたしておりまして、そこからセレンを回収しておるといったような事例が見られておる、そんな状況でございます。
#123
○峰崎直樹君 今挙げられたものは有害廃棄物ではないとおっしゃったんですけれども、バーゼル条約の規定によれば、これは有害廃棄物に該当するわけですね。それはそうですね。はいわかりました。
 さて、日本の技術力というのは非常に高いものだと言われているんですが、開発援助したりあるいは途上国向けの輸出信用だとか、プラントを輸出したりいろいろしていると思うんですが、それを輸出したときに外国でいわゆる廃棄物、そういったものが出てくるんじゃないかと思うんですが、その場合に日本の高い排出基準といいますか、そういうものを適用するように進めるべきではないかと思うんですが、その点、実態はどのようになっているか、もしわかれば教えていただきたいと思うんです。
#124
○政府委員(堤富男君) お答え申し上げます。
 日本の開発プロジェクト等につきまして、基本的にはこれは現地の環境基準に従うということが当然でございます。そういうことを通産省といたしましても、産業構造審議会の答申を得てガイドラインとして提示をしておりますし、それを受けた格好で経団連等の経済団体におきましても自発的にみずからのコード・オブ・ビヘービアをつくっているということがございます。したがいまして、具体的にはそれぞれの企業として自主的な形での環境に対する配慮ということをやっているわけでございます。
#125
○峰崎直樹君 今そういう現状であるということはわかったんですけれども、これからもし指導されていく、あるいは開発プロジェクトなどが諸外国、発展途上国などに支援をされていくときに、より技術的なレベルを高めていく方向での指導というものはなされないんでしょうか。その点、お聞きしたいと思うんです。
#126
○政府委員(堤富男君) 最近の地球環境問題を含めまして、通産省といたしましては三つの審議会、産業構造審議会あるいは産業技術審議会あるいは総合エネルギー調査会というようなところに諮問をいたしまして、日本の経済社会をなるべく環境調和型のものにしていきたい。これは国内においても国外においでの活動でもそういうことにする方向での努力ということをいたしておりまして、近時、主要企業に対しまして、団体の数にしますと八十七団体の経済関係の団体に対しまして、自主的に海外活動における配慮につきましても、みずからの自発的な環境に対する配慮ということを社内体制も含めて整備するように要請をした次第でございます。
#127
○峰崎直樹君 ぜひとも発展途上の国々に日本の高い技術水準を移転できるようにこれからも努力をしていただきたいなと思います。
 さて、このバーゼル法案で指定されています特定有害廃棄物という定義づけの問題についてなんですけれども、この条約の附属書に掲げられている内容を見ますと、非常にわかりやすい面もあるんですが、組み合わさったりして大変わかりにくいんですが、これは周知方法はどのようにされるのか、もしわかればお聞きしたいと思います。
#128
○政府委員(赤木壯君) 本法では、バーゼル条約を的確に実施するということで条約の引用をしているわけでございます。それでなかなかわかりにくいというお話もあるわけでございますが、これにつきましては告示その他の方法によって特定有害廃棄物等の内容の詳細について国民がわかるようにいたしていきたいと考えております。
#129
○峰崎直樹君 ぜひわかりやすい形にしていただきたいと思うんです。
 さて、この条約における有害廃棄物の指定等、日本の場合に特別管理廃棄物ですか、これは厚生省の廃棄物の処理及び清掃に関する法律のそちらの方になると思うんですけれども、この特別管理廃棄物の数の方が少なくて、ある意味ではもっとやはり日本は積極的にこの特別管理廃棄物の指定をふやしていく必要があるんじゃないか、少なくともバーゼル条約に規定されているぐらいまではふやしていくべきだというふうに考えるべきだと思うんですが、その点はいかがですか。
#130
○説明員(三本木徹君) ただいま先生御指摘になりましたバーゼル条約の対象廃棄物は、考え方といたしましては国と国を越える廃棄物の規制をどうするかということでございますので、したがいまして国と国を越える廃棄物の実態、そういったものを考えながら幅広く、しかも網羅的に定めてございます。
 ところが、我が国の廃棄物処理法の廃棄物で規定しております特別管理廃棄物というのは、いわば我が国固有の排出の実態、そういったものを踏まえながら、現に排出されるものにつきまして排出の段階から処分までの段階まですべてを総合的に勘案して規制をするということでございまして、実態の違いあるいはその考え方というものがいささか違っております。
 しかしながら、私どもといたしましては、このような規制の趣旨、目的は異なっているわけではありますけれども、なるべくその条約上の有害物質リストに掲げられている品目につきましては年次計画を立てながら、いわば日本の廃棄物のカテゴリーに合うような形に翻訳をしましてといいましょうか、そういったことで調査を行うことにしております。必要なものにつきましては今後随時、特別管理廃棄物として指定をしていくこととしてございます。
#131
○峰崎直樹君 そうしますと、これは新法の通知の項になるんでしょうか。輸入して処分が完了したというふうになった場合に、そこで完全に有害性がなくならない場合、扱いをする場合に日本の特別管理廃棄物の中に入らないものが出てくる可能性があるんじゃないかと思うんですが、その場合これちょっと矛盾を起こさないかなという感じがするんですが、その点は問題になりませんか。
#132
○政府委員(堤富男君) お答え申し上げます。
 条約上の義務はどこまでかかるかということになるわけでございますが、これは輸出船積みからすべて最終処分までという意味で、有害性があるものにつきましては最後の処分が行われるまで移動書類という形で追いかけるわけでございます。有害廃棄物等につきまして輸入された場合には輸入移動書類というものがつけられまして、それが最終的な有害性がなくなるところまではこの法律上の義務として携帯をし、最終処分が終わったら通知をしなければいけないということになっている次第であります。
#133
○峰崎直樹君 そうすると、通知のところで、処分の完了をしたというときには、これはもう全く完全に有害性というのはなくなりましたということを携帯資料の中でもって輸入した相手国に渡すというところまで完全に見るということですか。
#134
○政府委員(堤富男君) そうです。
#135
○峰崎直樹君 わかりました。
 さて、今度は輸出の承認のところでちょっと話をさせていただきたいと思うんです。
 輸出の承認というのは、先ほどちょっと原則を申し上げましたように、できる限りこれはあってはいけないぞということだと思うんですけれども、しかしその輸出があった場合に、地域とそれからどういうものがそれに該当するかということについて定めることができるということを四条の二項にたしか新法では書いてあると思うんですけれども、これはバーゼル条約にそういうことを決めなさいということは書いてあるんでしょうか。
#136
○政府委員(渡辺修君) お答え申し上げます。
 今、御指摘のありました地域とそれから貨物を定めで環境庁長官の確認を求めるというのは、我が国の国内法制の制度でございます。
 バーゼル条約におきましてはそのようなあれはございませんで、条約上定められております要件というのは、まず輸出しようとする場合には、条約の附属書VAでございますが、二十一項目にわたる非常に細かい情報を輸出国からまず輸入国に送りまして、輸入国の同意を得ること、これが一つでございます。それからもう一つは、輸出者とそれから輸入者との間の契約がございまして、その契約上、環境上適切に処理されていることを確認する、相手国、輸入国政府に確認してもらった、そういう契約書というのを添付する、こういうことが条約上の義務になっております。条約の六条三項(a)と(b)でございます。これが条約上の義務ということになっております。
 これらはいずれも四条一項の輸出の承認のところで我々はこれを担保していきたい、かように考えております。
#137
○峰崎直樹君 そうすると、この四条二項というのは我が国が特別の目的を持って設けたという、そのねらいみたいなものは一体何ですか。
#138
○政府委員(渡辺修君) お答え申し上げます。
 したがいまして、四条一項で輸出の承認に係らしめておりますが、条約上は先ほど申し上げましたように、条約の六条三項の(a)、(b)ということで、非常に厳重な輸入国側の確認あるいは輸入国側の同意ということで義務が整理されておるわけでございます。
 しかしながら、我々といたしましては、特に相手国が発展途上国等である場合を考えますと、相手国政府の同意、あるいは今言った輸出業者、輸入業者の間の契約についての環境上の問題がないという相手国の政府の確認、そういったものにつきましても、我々環境庁及び通産省、両方力を合わせてより入念にチェックをして確認した方がいいのではないかという考え方に基づいて二項を設けておるわけでございます。
#139
○峰崎直樹君 もう大分時間がなくなって本当に言いたいこともほとんど言えないんですが、そうしますと、そういうことで設けられている地域だとか物だとかということをかなり入念にやりたいということなんですけれども、そうすると、そこにおける例えば処理能力に関する情報やあるいは技術的な水準だとか、あるいは必要な措置が講じられているかどうかといった、その確認の手段というのは我が国でどの程度持っているのかということが非常に不明なんじゃないか。そういうものを、やはりかなり専門的にこちらで技術的な知識を持った体制、機関が設けられるべきではないかと思うんですが、その点はいかがでございましょうか。
#140
○国務大臣(中村正三郎君) そういうことでありますから、各国世界、窓口が環境を担当する省なり庁なりになっております。そういうことで私ども環境庁が環境行政の立場から判断をし、そして外国の環境の窓口とその国内の状況等をいろいろ通知をしていただいたり通知をしたりして、そして許可するかしないかの確認ということをして、それに基づいて通産省で実際の手続をやっていただく。そういうことになっているわけで、窓口は各外国も環境庁、こちらも環境庁ということでやっていくということになっております。
#141
○峰崎直樹君 今の問題は、環境庁が対応するということは先ほどから非常によくわかっているのですけれども、そうじゃなくて、その特定の地域における処理能力だとかそういうものについての情報はちゃんと今の体制でつかめるんですかということをちょっと聞いていたのですけれども。
#142
○政府委員(赤木壯君) 確認のときにちゃんと現状に合った形で確認できるかという御趣旨だと思うわけでございますが、確認は通産省からの申請書の写しをもとにいろいろ確認していくわけでございます。その場合に具体的な処理能力があるか、施設を有しているか等々いろいろ調べるわけですが、輸出国サイドでの具体的な情報で特に確認を要するようなものが必要であれば、向こうの輸入国サイドの環境当局に十分専門的な見解なども紹介しつつ必要な情報を得ていくということでございます。
 なお、事前にできるだけ幅広く環境関係の各国の状況等については情報を集めておきたいと思っております。
#143
○峰崎直樹君 時間のようで、もっと質問したいことたくさんあったんですけれども、以上で終わります。どうもありがとうございました。
#144
○浜四津敏子君 午前中に引き続きまして、簡単に伺わせていただきます。
 法案十五条、報告徴収に関連して二点伺わせていただきます。
 具体的にどのような事項の報告を徴収することになるのでしょうか。そしてまた、こうして徴収した情報に加えまして、輸出入承認手続及び判断の結果、あるいは措置命令の内容、またその結末、あるいは輸出入された特定有害廃棄物等の処理、処分、管理の実態などにつきましては広く国民に知らせることが肝要であるというふうに考えておりますが、どのような方法、また手段で、具体的にどのような情報を公開される御予定でしょうか、お教えください。
#145
○政府委員(堤富男君) この法律の全体を通しまして、事前に防止をしようというものと実際に事が起きてしまった場合にどう処理するかということがあるわけでございます。
 事前に防止するためには輸出入を承認に係らしめ、環境上の問題をチェックする、それからその過程でさらに移動書類という非常に重要な書類がございましで、それであらゆる経路を事前にチェックしておく、最終処分がどのように行われるかということをチェックしておく。それが不幸にしてうまくいかない場合には、例えば報告徴収等をやりまして、これはもちろん報告徴収は一定の要件があるわけでございますが、その報告徴収等を十分活用しながら、最終的にもし措置をとることが必要である場合には十四条に基づいて措置命令をし、回収をしたり、あるいは最終的な処分を適正に行うということにしたいということでございます。
#146
○浜四津敏子君 次に、条約で輸出入が規制されております対象と日本国内で現在製造、販売あるいは処理等が規制されている有害物質、先ほどからたびたび指摘されておりますけれども、それが一致しておりません。このギャップをどう整合させるのかにつきましてですけれども、廃掃法の特別管理廃棄物に指定を加えるというだけにとどまらずに、こうした規制につきましてはすべて統一された抜本的な立法、例えば有害廃棄物法等の立法が必要な時期に来ているのではないかというふうに考えております。そして、その中で有害物質の指定あるいは使用規制、あるいは国は廃棄物となったときに有害廃棄物となるような製品については製造者にその表示を義務づける、あるいは回収方法の指定、管理基準の設定そしてまた減量化、再利用義務などを定めることが必要ではないかというふうに考えております。
 時間がありませんので、これは私の意見として述べさせていただきます。
 次に、有害廃棄物発生抑制の対策について具体的にどのように実施されることになっているのか伺いたいと思います。
 第一点は、製造その他発生そのものを抑制するため例えば発生を抑制する技術の促進を援助するとか、具体的な政策がありましたらお教えください。
 また、回収の面ではどのようにお考えか。現在、特に古紙回収あるいはアルミ缶、スチール缶、そうした回収、またリサイクルにつきましては価格の低落が原因でつまずいております。特に古紙につきましては、古紙一トンは三十年生の樹木二十本分に相当する、こういうふうに言われております。価格の変動によってこうした回収あるいはリサイクルがとんざするというのではなくて、回収及びリサイクルを積極的に進めるために、例えば古紙につきましてはすべての紙製品に古紙混入率を明示した成分表を義務づけるとか、あるいはまたそれに並行する減免税率の設定、施行、そしてまた古紙の適正価格維持のための援助政策などが必要だというふうに考えますが、これらについてのお考え、そしてまた政策についてお聞かせいただきたいと思います。
 また、空き缶あるいは空き瓶などの分別回収の方法として、町にそうした分別回収用の設備設置を推進するために国として何らかバックアップするようなお考えがおありかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
#147
○政府委員(堤富男君) 大変盛りだくさんの御質問でございますが、大筋だけお答えを申し上げたいと思います。
 ごみあるいは廃棄物全体を少なくするためにはいろいろなことをやっておるわけでございます。特に有害物については、毒物劇物法ですとか高圧ガス法ですとか、それぞれの所管の法律でやっておるわけでございますが、全体としての廃棄物を少なくするためにはリサイクル法というのを昨年制定いたしまして、現在それを一生懸命運用している次第でございます。
 古紙等につきましても、価格維持というようなことが重要だということで、これは最近関係企業に対する買い取りの比率をもっと上げていただくというようなお願いもしておりますし、来年度新しい政策としてのまた税制等を用意させていただいておるわけでございます。
 空き缶、空き瓶等につきましては、リサイクル法の中で可能な限り回収することを目標にしてやっている次第であります。
#148
○説明員(三本木徹君) 厚生省といたしましても、有害廃棄物の発生抑制対策につきましては昨年の廃棄物処理法の改正におきまして、物を生産する段階でのいわば製品アセスメントを製造者において行っていただくとか、あるいは出てきた廃棄物をリサイクルをするための事業者に対する指導であるとか、あるいはまた地方公共団体がリサイクルを進めていく上で施設を整備したり、あるいは地域ボランティアに対する助成をするとか、そういったことに対する補助制度を創設するなど、そういった施策を進めておりまして、これらによってリサイクルの促進を図っていきたいということで現在実施しているところでございます。
#149
○浜四津敏子君 最後に、一国の指導者でいらっしゃるお二人の大臣がいらっしゃいますので、本日は大変何度も重ね重ねで申しわけございませんが、お考えをお聞かせいただきたいというふうに思います。
 日本は、現在金もうけが第一である、そしてまた何ら誠実な国際的な貢献をしない、こんな声が世界の中で聞かれるわけですけれども、それは当たっている部分もあり、あるいは誤解の部分もあるというふうに思いますけれども、日本が国際社会の中で少しでも信用を回復するためにも今回のこのバーゼル条約、そしてまたこの法案実施に当たりましては、環境を守ると約束したからには必ず守るんだと、その当たり前のこと、基本を大切にするか否かが大変重要であるというふうに思っております。
 これは政官財そしてまた国民全体で真剣に取り組まなくてはいけない問題であるというふうには思っておりますが、日本を指導する指導者でいらっしゃるお二人が、日本も環境先進国を目指して積極的に世界への人道的貢献をしていく、世界に誇れる国にしていく、そういう方向で真剣にこの環境問題にどう取り組まれるか、お聞かせいただきたい。
 ちょっと話がそれて申しわけありませんが、インドの亡くなられたシャストリ首相の言葉に、国家は人格の力、そしてまた道徳的強さによって強くなるという言葉があります。また、中国の司馬遷は「史記」の中でこう言っております、人道が崩れたとき国は滅びの道を歩んでいる。日本が滅びの道を歩まないように、そしてこの環境先進国として誇れる国になれるように、国の指導者としてのお考えをお聞かせいただきたいというふうに思います。
#150
○国務大臣(渡部恒三君) 一つだけお言葉を返させていただく非礼をお許しいただきたいと思いますけれども、かつて日本はエコノミックアニマルという言葉が流行した時代がありましたけれども、私は昨年十一月からこの職を拝命して、十回の国際会議に出席し、アジアの諸国、ヨーロッパの諸国、アメリカ大陸あるいは中東を訪問して皆さんと話しておりますけれども、むしろ今は世界の多くの国々の日本に対する期待の大きさをひしひしと感じておるような状態になった。
 かつて東南アジア、残念ながら我々の先輩の時代に大変迷惑をかけた時期もありましたが、そのASEAN六カ国の閣僚の皆さん方も、この前、これ戦後初めてでありますけれども、日本の通産大臣を定期的にこれからは特別ゲストとして招いて、今後の躍進するアジアの経済発展のために日本に期待したい、こういうことで、今や私ども日本が世界の人々から期待されている。
 ただ、この期待を裏切ってしまえばこれは失望になるわけですから、この期待にこたえられるかどうかということに今渾身の知恵を絞っているわけですが、環境問題もまさしくそうで、私は国際社会への貢献、平和への貢献、また経済活性化のための貢献、そしてこの環境問題への貢献と。そこで、先ほどから何度も申し上げているように、各国の環境問題に日本の二十年苦労してやってきた技術をお役に立たせていただきたいということで、これからは世界の環境を守ることに日本は一番熱心なんだという評価を受けるように努力してまいりたいと思います。
#151
○国務大臣(中村正三郎君) 私どもは常に委員のお話等伺いながら、反省しながらやっていかなければいけない、それが行政の態度でなければいけないと思っておりますけれども、この一年間環境行政を預からしていただきまして、特に地球サミットがあって外国といろいろ交渉をしてまいりました。そのとき感じましたことは今通産大臣がお答えになったことと同様でありまして、日本に対する期待が非常に強い。
 そして、日本があれだけひどい公害があって、まだやらなきゃいかぬことがありますけれども、それをある程度克服して、しかも世界のGNPの一四%を占めながら炭酸ガスの発生量も四・七%だと。どうやっているんだと。SOxもあそこまで減らした。NOxではちょっと日本は今苦しんでおりますけれども、いろいろなことでよくやってきた。
 なおかつ、今タイとインドネシアと中国に環境センターを日本の援助でつくりまして、技術の移転を行おうということでやっております。今、世界各国からそういうものをつくってくれという要請が来ております。
 それから、ついこの間滋賀県、大阪の方にUNEPセンターを二カ所開設いたしまして、あのUNEPのトルバさんも来て開所式を行いました。
 そういうことで、日本が極めてよくやって、なおかつ経済成長を持続させているということがむしろ驚異の目で見られているようなところがあります。それだけに私どもの発言力というのも、これは日本の全体の力でありますけれども、実際に条約交渉をやりましたけれども非常に重いというふうに感じております。
 ただ、一つ我々が考えなければいけないことは、やはり高度成長時代を通じて持ち込んできた大量生産、大量消費、消費は美徳であるというような、これが西欧の一つの考え方なんだと思って受け入れたところが、ところがどうも違うらしいということに気がつき出して、考えていかなければいけない。そこで、今環境基本法を政府部内で調整しておりますけれども、そこにはやっぱり持続可能な開発、そして先ほどもちらっと出ましたけれども、製品のアセスメントというような考え方も入れて製品を企画、つくるときからエネルギー消費の少ない、公害の少ないというのを考えて、持続可能な、多消費型でない、省資源型の経済体質に変えていかなきゃいけない。
 非常に具体的な例ですが、例えばドイツに行きますと、缶はあっても買わない。瓶の方がいい。この間、ニューヨークの国連総会へ行って、帰りにニューヨーク・マラソンに出た人たちと一緒に乗り合わせました。その人たちが、外国人が言ってましたけれども、ディーゼル自動車は悪いんだというと、自分が損になってもそれじゃディーゼル自動車は買わないことにした、買いかえると言っているんですね。
 そうした自分に便利なものがきたから、缶買ってそれを投げるというんじゃなくて、やはり環境に悪いものはみずから使わないというような、消費は美徳である、大量生産、大量消費でいいんだということを反省する時期に入っているんじゃないか。そんなことも環境基本法に盛り込んでいきたいと思っているわけでありますが、一生懸命取り組んでまいりたいと思っております。
#152
○浜四津敏子君 ありがとうございました。以上で終わらせていただきます。
#153
○市川正一君 私は、午前中法案そのものに即して質問いたしましたが、連合審査でも提起されたPCB問題について一言だけ伺いたいと思います。
 環境庁が昨年実施した化学物質調査では、東京湾や大阪湾の生物から検出されるPCBの濃度が上昇する傾向を見せている、こう報ぜられております。その原因は、事業者がPCBを含んだ電気機器を廃棄するなどしたため、それが環境中に放出され、海に流れ込み、蓄積が進行している可能性があると指摘する声が出ております。現に、東京都による最近の調査でも、厳重に保管されているはずのPCBを含む電気機器が三分の一以上も行方不明になっていることが明らかになっております。
 こうした今日の実態とそれに対する責任について、通産省の認識をまず伺いたいと思います。
#154
○政府委員(坂本吉弘君) ただいま御指摘のPCBの管理、また紛失状況、その他の実態につきましては、私どもの方でもこの二十年来、局長通達あるいは監視対策要綱、その他によりまして、PCB使用済み電気機器の保有状況について厳しくこれを指導してまいったわけでございます。例えば保管場所あるいは管理責任者、そういったことについて電気絶縁物処理協会にも届け出を行わせるとともに、また私どもの立ち入りをするということを通じて、監視、指導を行ってきたものでございますけれども、残念ながら完全にすべてを包括して管理するという部分ができなかったという点はあろうかと存じます。
#155
○市川正一君 どうもしり切れトンボなんですが、現状は私が述べたようなことであることを認識されて、その上での御答弁だと承っておきます。
 そこで、保管を義務づけるというのは、それが確実に実行されているかどうかを監視することも当然の責任であります。政府は直ちに点検を実施し、被害防止に実効ある対策をとる必要があると考えます。
 今回、バーゼル条約を締結するので、使用済みの核燃料同様にその処理を海外に委託するなどというようなことはよもや考えでいらっしゃらないと思いますが、いかがですか。
#156
○政府委員(堤富男君) 一般論でございますが、この条約上は廃棄物が地球を汚染するようなことを避けるという目的と同時に、あわせましてリサイクルというものが世界あるいは地球環境にとりまして有利な面もあるということを認めた上でございます。したがいまして、その輸出入に当たっての管理は厳格かつ適正に行うということでございますし、環境上の配慮を十分した上で、必要なリサイクル、適正なリサイクルについては、これはこの法律の中で行っていきたいと思っておる次第であります。
#157
○市川正一君 これは重大な国際問題にもなり得る。国内でやはり安全確実な処理方法、先ほど坂本局長はその技術は確立した、こうおっしゃっているわけでありますから、早急にそれに基づいて処理する必要があるということを改めて厳しく指摘しておきます。
 法案に戻りますけれども、第十四条でありますが、ここで定める措置命令は、この法律や外為法に違反して輸出入等が適正に行われない場合に即措置命令がかかるようになっておりませんが、そうしなかったのはなぜですか。
#158
○政府委員(赤木壯君) 法十四条で定める措置命令は、条約八条と九条の要請を担保するために設けられたものでございます。したがって、輸出者、輸入者、運搬者、処分者等が輸出入の承認の内容と異なるそういうことをやった場合には条約上の不法取引ということに該当することになるわけで、そうなった場合には回収あるいは適正な処分等の措置を命ずることができるということでこういうことになっているわけで、いずれの場合も相手方の通報等をもとにやる場合であって、特段狭められているというふうなことではないと考えでございます。
#159
○市川正一君 そうじゃないですよ。第十四条で定める措置命令が出される場合の条件について、「人の健康又は生活環境に係る被害を防止するため特に必要があると認めるとき」、こうなっています。この条文の規定の仕方は、堂本議員も連合審査で触れましたが、条約で言う人の健康及び環境の保護という概念はもとより、第四条でチェックの対象とする環境の汚染を防止するという概念よりも狭い概念でしか適用されないことになっています。
 この考え方からすると、例えば有害廃棄物を既定の処理をせずに、原野あるいは例えば砂漠とかそういうところに放置したような場合、付近には人家もない、さしあたって人の健康や生活環境には直接影響がなさそうだということになれば、措置命令が出されないことがあり得るような規定ぶりになっているわけですね。大臣、おわかりだと思います。
 先ほど、それは同じことなんだという答弁がありましたが、だとするならば、同じならば条約に基づき、また第四条の概念と規定で統一すべきであります。あらかじめ決められた処理などがされないときには、即措置命令が出せるようにしなければ違法行為を根絶できない。ここはやっぱり改善すべきであると思いますが、いかがでしょうか。
#160
○政府委員(赤木壯君) 法律の第十四条の書き方の話だと思うわけですが、水質汚濁防止法、大気汚染防止法と環境関係の国内法令で基本的にはすべて生活環境というふうな用語が用いられています。本法においてもこの用語を用いているということでございまして、これは公害対策基本法の生活環境という意味でも同義でございますが、一般的な意味での人の日常の生活環境に加えて、人の生活に密接な関係のある財産、人の生活に密接な関係のある動植物及びその生活環境までも広く含んだ概念であるというふうに考えてございます。
 バーゼル条約で言う環境の保護という概念も、今まで条約を結ぶに至ったいろいろ経緯を見てみましても、人の健康、環境の保護ということで条約では書いてございますけれども、条約の言う環境も一般的な意味での人の日常生活環境に加えて人の生活に密接に関係のある財産及び人の生活に密接な関係のある動植物及び生育環境まで広く含んだ概念であるというふうに考えることができるわけで、本法上の生活環境ということとほぼ同義であるというふうに我々は考えでございます。
#161
○市川正一君 厚生省に最後に伺います。
 今回の廃棄物処理法の改正によって、条約で定める有害廃棄物はすべて同法の規制対象に含まれることになるのか。もし、規制対象から外れるものがあるとすればどんなものがあるのか。また、そのまま放置すれば、通関手続では有害とされながらも国内に入ってからは無害として処理ないし放置されることになり得るのではないか。だとすれば極めて重大でありますが、それに対して具体的対策を考えていらっしゃるのか。
 以上、三点についてお答え願いたいと思います。
#162
○説明員(三本木徹君) 第一番目の御質問のバーゼル条約で規制対象としている廃棄物と、それから廃棄物処理法で規定しております特別管理廃棄物、これとはその規制の趣旨、目的が異なっておりますので内容的にも異なっているものでございます。
 二点目の、具体的にどういう特別管理廃棄物があり、それがバーゼル条約の有害物リストに挙げられているものの中で外れているものはどういうものかという一つの例でございますが、例えばベリリウム、ベリリウム化合物、セレン、セレン化合物、テルル、タリウムとかというようなものがあるかと思います。
 なお、廃棄物処理法、国内法で特別管理廃棄物に仮に該当しないものというものがあったといたしましても、それは国内の廃棄物処理法において所要の規制がかかることになります。例えば、それを扱う専門の処理業者は処理業の許可を得なければならない、あるいはそれを処理する施設については施設の設置の許可が要るとか、あるいは所定の処分基準がございますが、それに適合した形で処理をしなければならない、あるいはこれらに違反した場合には措置命令等、あるいは改善命令等もろもろの規制がかかるようになっております。
 唯一異なりますのが、特別管理廃棄物でない廃棄物と特別管理廃棄物の違いというのはマニフェストでもって移動を管理するかしないか、あるいは排出する事業所に廃棄物の管理責任者を置くという制度がございますが、それを置かなくていいとかという点が二、三異なっておりますが、規制というものは国内法ではかかっております。
#163
○市川正一君 残念ながら終わります。
#164
○古川太三郎君 もう遅くもなりましたし、議論も大体尽くされてきたと思います。
 けさもお話ししましたように、この法律はなかなか条約と一致しない言葉も使ってありますし、なじまないのかどうだか知りませんが、とにかくちぐはぐな部分も多々見受けられる。しかも、それが法律でなくて後でいろいろと政令とか省令に移行していくというようなことになろうかと思うんですが、少なくとも法律でこの有害物の自国内処理というようなこととか、あるいは非締約国との取引は禁止されているとかというような原則ぐらいは、幾ら重複しても法律にやっぱりきちっと明記すべきだ、私はそう思うんです。これがそういったこともないというのは、これは非常にうがった見方になろうかと思いますけれども、我が国の廃棄物処理法では各自治体、そういったところで生産されたもの、また消費されたものは本来ならばその自治体で処理していく、これが本当の原則だと思うんですけれども、我が国の法律では他県に持っていくとかということも許されている。そういうようなことのルーズさが何かこの法案にあらわれているんじゃないかといううがった見方もできないではないんですけれども、そこら辺はどういうふうに感じていらっしゃいますか。
#165
○政府委員(堤富男君) お答え申し上げます。
 この条約は大変多岐にわたることを規定しておるわけでございまして、それを日本の法律にどういう形でやるかという過程で法律で命令をかけ、命令で最終的には罰則までかけてやるような実質的に法律上の義務としてやるものと、それから先生が今たまたま御指摘ございましたような自国内処理の原則ですとか、そういうものにつきましては、むしろこれは条約上の義務ではあるけれども、法律的に絶対の罰則まで受けて担保するということでないという意味では訓示的な規定であるというふうに解釈をいたしまして、この法律ではたとえ政省令に落とす場合であっても法律上の義務として明確に罰則担保で書くような場合を一つの考え方として整理したわけでございます。したがいまして、訓示的な規定につきましては基本的事項ということで、そういう中で具体的な形で書いてまいりたいというふうに仕分けしたわけであります。
#166
○古川太三郎君 そういうことだろうと思いますけれども、やはりこういうことは条約ですので、日本の国民もそれに沿った精神状態に持っていくということが大切だと思うんです。これはすぐにというわけではございませんけれども、とにかく一年以内にこの法律をもう一度見直してみるということが必要ではないかと思うんですが、それはそのときになってからでいいでしょう。そういう意見を持っております。
 またへこの十八条の不服申し立ての期間ですね、聴聞を行うようなとき、この十四条の措置命令ですけれども、人体に影響するとか生活環境にかかわる被害、こういったものが本当に緊急を要するような場合もあろうかと思うんです。この措置命令だけではなく、緊急の措置命令もこういった条項に必要ではないかというように感じますけれども、いかがですか。
#167
○政府委員(堤富男君) この十四条の措置命令は大変強い命令でございまして、罰則というところにいきますと、二十二条に書いてございますが、三年以下の懲役あるいは三百万円以下の罰金ということでございまして、法人の場合には両罰規定まで入った大変強い命令でございます。
 したがいまして、この十四条を発動する過程におきましては、ここに書いてございますように、「人の健康又は生活環境」というこの法律の目的にもう一度沿ってこれを行うべきかどうかを当然考えるわけでございますが、そういう意味でここにその「人の健康又は生活環境に係る被害を防止するため特に必要があると認めるとき」という限定句が入っているわけでございますが、これがあるからといって実際上の措置命令がおくれるようなことのないように一方で配慮してまいりたいと思っております。
#168
○古川太三郎君 その配慮ですけれども、これは法人だとか人が責任を持つということが確定してから措置をするんですか、それとも事前にその措置命令ができるのか、どちらですか。
#169
○政府委員(堤富男君) これは条約上の考え方も法律上の考え方も同じでございますが、まずだれが責任を持つべきかということを確定するということを前提にしております。それがおくれないようにするために、過去のいろいろセベソ事件ですとかそういう事件の中でなかなか確定しなかったということがございますので、その反省に基づきまして移動書類というものを書いてございまして、この移動書類というのは、国を出てから最終処分を行うまでちょうど手形のように受け取ったということを署名しながら書いていくわけでございまして、だれの責任であるかということを早く明確にわかるようにしようということで移動書類というものをあえてつくったわけでございます。
 そういう意味では、環境上の観点から、なるべくおくれないように早く責任者をつかんでいくということがこの法律の一つのねらいでもあります。もちろん、なかなか法律問題等がありまして難しい場合、そういう場合にはこれは輸出者が行うような場合、あるいは国が行うような場合という最終的な手段も書いているわけでございますが、基本的には先生のおっしゃるとおり有責者をまず見つけるという作業から入るわけでございます。
#170
○古川太三郎君 もう時間も余りないんですけれども、罰を科するかどうかということよりも、人体に影響するとか生活環境を著しく害するというような緊急の場合は、やはり国がその代替的な処置をするとかいうようなことも考える必要があるんではないかという気がいたします。
 そういったことも含めて、とりあえずこのままの法律ではいま一つ腹にずしんとこないので、一年ぐらいの経過を見てよりよいものにしでいただくよう希望申し上げまして、終わります。
#171
○小池百合子君 最後の最後となりましたので、もう一度改めて大きなポイントだけ伺わせていただこうと思います。
 現在我が国の経済は景気の底といいますか、大庭という方もおられるわけでございますけれども、かつてバブル経済が華やかなりしころと申しますか、膨らんでいったその最中には、企業のメセナであるとかフィランソロピーとかといったような言葉がよく聞かれたものでございます。しかしながら、こうやって景気が後退の方に入ってしまいますと、かえって声高に叫んでいた企業に限りましてその存亡が危ぶまれていたり、またメセナ、フィランソロピーの活動などがかなり数も少なくなってきているように感じるわけでございます。
 まず、その辺のところで日本経済の現状についての通産大臣の御認識を伺いたいと思います。
#172
○国務大臣(渡部恒三君) 先般七―九の成長率がマイナスに久しぶりになったのが出ておったと思いますけれども、大変厳しい状態であります。
 ただこれからのことを考えますと、まず景気回復の起動になるのは在庫調整ですけれども、生産財、建設財といったものの在庫調整は非常に進んでおります。これはやはり政府の今までやってきた、特に八月二十八日の十兆七千億の総合対策、これが効果をあらわしつつあり、住宅の建設等進んでおり、公共事業も地方単独事業等進んでおることであります。
 ところが、民間ベースのいわゆる耐久消費財あるいは資本財、これらの在庫調整はいま一という感じで、つまり政府の経済政策はそれなりにやっておるんですけれども、残念ながら産業界の皆さん方が設備投資意欲を持ってくれない、消費者の皆さん方も財布のひもを締めておる状態、これが現状でありますから、何とか来年の春回復基調に乗せていくためには、民間の皆さん方がやはり将来に向かって技術開発あるいは省エネルギー、省力化、こういったものの設備投資をこの時期にこそ思い切ってやろうとか、新商品の開発、技術開発をやろうとか、また消費者の皆さん方にも明るいムードを持っていただくことが何よりも大事ですので、小池先生にもそういう方向で世論のひとつ活性化をお願いしたいと思います。
#173
○小池百合子君 新商品などの開発という御指摘ございましたけれども、この辺が地球環境問題の難しいところではなかろうかというふうに思うわけでございます。新たなコピーマシンであるとか、そういったところでの有害廃棄物などもまた出てくるというようなことで、非常にこの辺の兼ね合わせというのは大きな課題であるというふうに考えております。
 この地球環境問題でございますけれども、そういった景気が低迷する中で、PL訴訟の問題なども含めまして消費者保護、そして企業にとりましてのコスト増大につながるような流れというのはどうしても避けがちになるといったところが見られると思います。
 しかし、世界のルール、特に地球環境問題のようなグローバルな動きというのは世界各国でのルールの標準化、平準化ということが必要となってくるわけでございます。国内企業の大変大きな企業の大きな声を上げるところなどのそういった国内事情ばかりを優先してしまいますと、結果的には地球環境対策で日本がおくれをとってしまい、そしてそれが日本にとっての大きなツケ回しになってくるなどということが起こりましたときには、もっと早く大きな地球環境問題への取り組みを全体的に考えておく必要があったのではないかと後で後悔しても仕方がないことになろうと思います。
 こういった景気低迷の中での地球環境問題、非常に難しいものがあろうと思いますけれども、環境保全そしてその中で日本企業の体質改善も含めまして、さらには景気浮揚というこの三つのいわば連立方程式でございますね、この辺のところをどのように構築なさっていかれるのか、これについて大臣に伺いたいと思います。
#174
○国務大臣(渡部恒三君) まさに先生御指摘のとおり、戦後四十七年、高度成長で世界の奇跡と言われる経済発展を遂げてきたわけですけれども、もうそれが一つの限界に来て、産業界も、まあ産業界より政治の方がもっとそうかもしれませんけれども、質的な転換を、意識転換と言ってもいいかもしれませんが、二十一世紀の新しい時代、この変化の時代に対応するための意識改革というものが日本の企業に一番今求められておるときだと思います。
#175
○小池百合子君 もう時間がございませんので最後に、世界のルールを見失うことのないように、また日本企業の、先ほど政治の方もだとおっしゃいましたけれども、企業の体質改善、これは社会的コストを十分前もって含んだ上で、また株主対策といったようなこれまで軽視されていた問題、消費者の立場を十分理解して、それにかかるコストも含めたようなそういう企業体質に改善していただくように、これは企業みずからの努力を待つ必要があろうと思いますし、またそういった面でのさまざまな規制などにがんじがらめになって自由競争を妨げることのないようにお願いしたいと思います。
 ありがとうございました。
#176
○委員長(斎藤文夫君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#177
○委員長(斎藤文夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 吉田達男君から発言を求められておりますので、これを許します。吉田君。
#178
○吉田達男君 私は、ただいま可決されました特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、民社党・スポーツ・国民連合、日本共産党、連合参議院、日本新党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    特定有害廃棄物等の輸出入等の規制にする法律案に対する附帯決議(案)
 政府は、本法施行に当たり、有害廃棄物の越境移動についての条約等国際的な取極めの遵守並びに本法の的確かつ円滑な実施が確保されるよう、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一、特定有害廃棄物等の輸出入の規制を円滑に実施するため、特定有害廃棄物等の範囲について、関係者にわかりやすく周知すること。
 二、特定有害廃棄物等の輸出入に際しては、環境汚染防止のための審査体制の十分な整備を図るとともに、必要かつ適正な処分がなされるよう十分な審査及び監視を行うこと。また、常にその実態を把握し、有害廃棄物の不法取引あるいは不法処分が行われないよう十分な監視及び規制を行うこと。
 三、特定有害廃棄物等の取扱いに当たっては、バーゼル条約の趣旨である有害廃棄物の国内処分の原則を遵守すること。
 四、特定有害廃棄物等のうち、リサイクル原材料として利用されるものについては、適正なリサイクルの国際的取引に支障が生ずることのないように十分配慮するとともに、いやしくも、有害廃棄物が再生利用と偽って輸出されることのないよう十分な審査を行うこと。
 五、特定有害廃棄物等が不法に処分された場合は、輸出者等に対し、本法に定められている措置命令、報告徴収、立入検査等適切な対応を速やかに実施すること。
 六、バーゼル条約の趣旨を尊重し、関係省庁間の連携・協力態勢を整備するとともに、本法の施策、廃棄物の適正処理、環境汚染の防止、再生資源の利用の促進のための関連施策を総合的かつ効率的に実施すること。
 七、特定有害廃棄物等による人の健康に係る被害及び環境の汚染を防止するため、有害廃棄物等の処理技術、リサイクル技術等を推進するとともに、わが国の技術や研究成果を海外、特に発展途上国等に対し積極的に移転するよう努めること。
 右決議する。
#179
○委員長(斎藤文夫君) ただいま吉田達男君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#180
○委員長(斎藤文夫君) 全会一致と認めます。よって、吉田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、中村環境庁長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。中村環境庁長官。
#181
○国務大臣(中村正三郎君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして努力いたす所存でございます。ありがとうございました。
#182
○委員長(斎藤文夫君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#183
○委員長(斎藤文夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#184
○委員長(斎藤文夫君) 次に、産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題とし、本委員会が先般行いました委員派遣について、派遣委員の報告を聴取いたします。吉田達男君。
#185
○吉田達男君 島根県、鳥取県における地域経済及び産業活動の実情に関する調査のため、去る九月八日から十日までの三日間にわたって行われた委員派遣について御報告申し上げます。
 派遣は、斎藤委員長、松尾理事、合馬理事、井上理事、和田委員、市川委員、古川委員及び私、吉田の八名による派遣委員で行われました。
 第一日目、八日には、島根県庁で中国通産局より管内の概況説明、島根県より県政の概況説明をそれぞれ聴取した後、中国電力島根原子力発電所を視察いたしました。翌九日には、三菱農機を視察の後、鳥取県に入り、境港市において鳥取県より県政の概況説明の聴取、水産加工団地サンマリンフーズ工場の視察を行ったほか、淀江町において上淀廃寺跡地と歴史民俗資料館、和傘伝承館での伝統工芸などを視察いたしました。翌十日には、鳥取市内に入り、第三セクター新産業創造センターを視察した後、最後に鳥取三洋電機の視察を行いました。
 以下、ただいま申し上げた日程の順序に従って視察の概要を御報告いたします。
 まず、中国通産局、島根県による概況説明に基づき、中国地方、山陰地方及び島根県の経済、商工業の概要を申し上げます。
 中国地方は、山口、広島、岡山、鳥取、島根の五県で総人口、平成四年三月現在七百七十五万人、総生産、平成元年度二十四兆円、工業出荷額、平成二年二十三兆円となっており、全国比でいえば、人口、経済、工業出荷額いずれも七%前後で推移しております。
 中国地方の経済、工業の特徴を言うと、化学、石油、鉄鋼等基礎資材中心産業、瀬戸内海中心立地であって、その意味で瀬戸内海沿いと日本海沿いでは経済力、工業力に差があると言えます。ちなみに、中国地方全体と対山陰を比較してみると、島根、鳥取計百四十万人で、人口比一八%、総生産二十四兆円対三・七兆円で、一五%となり、山陰地方一人当たりの所得が低いこととなります。
 また、景気の動向については、鉱工業生産で見ると、全国は昨年から、中国地方は六月からマイナスになるなど、徐々に景気後退の傾向があらわれております。
 こうした中、中国地方の今後の長期的課題としては、ハイテク産業の誘致、育成、交通網の整備、都市基盤の整備が必要とのことであります。
 次に、島根県の商工業でありますが、中小企業が多い関係で先端的技術の蓄積、普及がおくれております。また、有効求人倍率は平成三年度二・〇と、全国平均に比べて高いものとなっておりますが、それは、県の説明では、人口が少ないことが原因で、特に青年層の定住化、呼び戻しが緊急課題であること、そのため工学系大学の設置、有力企業の誘致が必要であり、今後も工業団地の整備による誘致に努めたいとのことであります。
 また、商業については、零細小売業が多いこと、郊外型大型店舗が進出し出していること等により、既存商店街は停滞ぎみなため、駐車場の整備等により既存商店街の活性化を図りたい。また、以上のような景気対策、中小企業対策のためにも、政府による公共事業の前倒し発注、総合経済対策に期待しているとのことでありました。
 次は、中国電力島根原子力発電所の概要であります。
 同発電所は、島根半島の中部、日本海を望む景勝地に位置し、敷地面積百六十七万平方メートルの施設で、一号原子炉は昭和四十五年二月建設着工、四十九年三月営業運転開始の国産第一号の原子力発電所であります。現在、平成元年営業開始の二号炉と合わせで出力百二十八万キロワット、中国五県に電力を供給する中国電力最大の発電所となっております。
 原子炉格納施設は、強固な岩盤上に設置するなど耐震設計となっているほか、シミュレーターによる運転訓練、保修訓練などにより安全運転に留意、さらに一年間の稼働ごとに二、三カ月休止、定期検査を行っております。
 発電所構内では、温排水利用によるアワビの稚貝試験養殖を行うなど、水産資源の確保にも貢献しております。また、放射性廃棄物の管理は、構内に一時安全保管した後、青森県下北半島に建設中の低レベル放射性廃棄物貯蔵施設に最終貯蔵を予定しておるとのことであります。このほか、地域対策として、構内に原子力関係の知識の啓蒙・普及を目的とした原子力館、展示施設等を設置、また、住民のための運動公園を建設、地域住民等の利用に供されております。
 なお、発電所の関係者と懇談が行われ、通産省のシミュレーション通達、燃料格納庫等設備の耐用年数、定期点検期間等について質疑がなされました。
 次に、三菱農機は、昭和五十五年合併設立、農業機械の総合メーカーとして三菱グループの一翼を担っております。主な製品としては、コンバイン、トラクター、田植え機のほか、ターフトラクター、ビーチクリーナー、さらには技術・ノウハウを生かした温室、植物工場の開発、管理、設計、販売等プラン十分野にも進出、事業多角化を図っております。営業・販売面でも、知名度を活用、全国各地に支店・営業所等販売網を形成し、さらに海外六十カ国に輸出もしております。
 視察した本社工場は、十六万平方メートル以上の敷地、六万平方メートル以上の建屋を有し、コンピューター制御による一貫生産体制をとっており、近くの別工場と合わせ、トラクター等年産七万台以上が生産されております。価格競争、農業経営コストの点から最近は小型トラクターが多くなっているとのことで、年商売上額は平成三年十一月現在で七百三十億円、従業員は島根地区で千百五十人を有し、地元経済、雇用に貢献しております。
 次は、境港で行った鳥取県の説明をもとに、鳥取県の経済、工業についで概要を申し上げます。
 鳥取県の工業の状況を工業出荷額で見ると、電気機械三七%、食料品二五%と、電機、食料品の比重が高くなっております。これは、後で触れます境港の水産加工業、鳥取三洋電機など地域集積型産業が大きな位置を占めているからであります。また、最近の景気の動向を鉱工業生産指数で見ると、今年初頭から悪化、六月からはさらに悪化し始めており、全国的な景気低迷の影響が出始めています。
 視察した境港水産加工団地は、中海地区新産業都市建設計画の一環として造成されたものでありますが、景気低迷の影響で、予定していた企業進出が見合わせられたという事例も出ているとのことであります。そのため、県としては、政府の総合経済対策に大いに期待する一方、県単独でも緊急経済対策を行っているとのことであります。
 また、鳥取県全体の重点課題として、姫路−鳥取横断道等高遠交通体系の整備、日ソ友好親善訪ソ団等、ロシア、中国などとの環日本海の交流活発化、ハイテク企業の誘致等産業の高度化に努めていきたいとのことであります。
 なお、鳥取県からは地方拠点都市地域に関する事業の促進についての陳情が、境港市及び境港商工会議所からは特定中小企業集積の活性化に関する臨時措置法に基づく活性化促進地域の指定に関する陳情がありました。また、関係者との懇談で、境港の漁業の現状、イワシ等水産物加工の現状等につき質疑が行われました。
 次に、株式会社サンマリン・フーズは、本社工場九一年九月竣工、先ほどの水産加工団地竹内工業団地内に位置するシーフード加工会社であります。同社は九〇年二月、旭電化工業、三菱商事、地元水産加工会社等の共同出資によって設立、境港で水揚げされる豊富なイワシ、カニ、エビ等の水産物を利用、酵素発酵等のバイオテクノロジーによりシーフード新素材を開発、食材加工、たんぱく質製品、カニ加工品、水産冷凍食品等を生産、練り製品加工業、冷凍食品加工業、外食産業等に製品提供を行っております。関係者の話では、これらの製品は無添加、カルシウム栄養食品として用途が広い上、資源の有効利用にもなり、またアレルギーにもならないので給食にも適しており、平成三年度六十億円、六年度には百億円の売り上げを目標に工場の拡張を計画しているほか、米国での合弁会社設立など、国際展開も行っているとのことであります。
 次は、淀江町の上淀廃寺であります。
 淀江町は、大山のふもと、日本海に面した静かな農業地帯であり、この周辺は弥生時代までは入り江であったようで、丘陵地には古墳、遺跡等数多く残されており、日本海を通じ大陸等との交流が活発であったことが推定されます。こうした丘陵地の一角にある上淀廃寺跡地は、平成三年二月から寺域の本格的確認調査が行われ、さまざまな発掘物のほか、ことし五月には日本最古級の壁画が発見され、描かれている如来、菩薩像等は法隆寺壁画、高松塚古墳壁画と匹敵するものと言われております。また、八月には金堂等の跡地が発見され、ほかに例を見ないま院の伽藍配置も確認されました。
 この寺は白鳳期七世紀末から八世紀初めに建立されたものと推定され、これは当時の奈良の都以外にも相当の文化が存在していたことを意味し、新聞を初めマスコミを大いににぎわしたのは御承知のとおりであります。現地では、淀江町教育委員会の案内、説明のもと、発掘地、歴史民俗資料館等を視察いたしました。五月から始まった第四次発掘調査により今後も新しい発見が期待されるところであります。
 次は、淀江町和傘伝承館であります。
 和傘は、奈良時代の布張り長柄傘が起源とされておりますが、庶民に普及したのは江戸時代のことであります。淀江傘は、一八二一年、倉吉から移り住んだ傘職人が始めたと言われ、当地の広い砂浜海岸が傘を干すのに便利なこと、材料となる竹が豊富であることなどから当地の名産品となりました。しかし、全盛期の大正時代、業者七十一軒、年産十七万本であった淀江傘も、洋傘の普及により縮小、昭和五十九年を最後に職人が途絶え、淀江傘伝承者の会の有志により伝統が守られているという現状であります。
 現地では、日傘、番傘、蛇の目傘、踊り傘等、種類豊富な淀江傘の製作現場を見せていただくことができました。手づくりのため手間がかかる割には安い価格で頒布されており、全国の愛好者からの注文もふえてきているとのことであります。
 なお、当日、宿泊地において、倉吉市及び倉吉商工会議所より、特定商業集積法に基づくまちづくり基本構想に対する支援の陳情があり、現地を視察いたしました。
 次は、最終日、十日の視察概要であります。鳥取市内に入り、新産業創造センターを視察いたしました。
 同センターは、平成二年四月、地域振興整備公団、鳥取県、鳥取市、民間企業二十五社の共同出資により設立、資本金十五億円余の、いわゆる第三セクター方式の株式会社であります。頭脳立地法に基づき、地域産業の高度化を図るための中核的拠点として設立され、研究開発、人材育成、交流促進等の機能を有する産業支援基盤施設としてハイテク企業の呼び込み効果及び、地域における産官学及び基礎研究から応用までのつなぎ役が期待されております。
 同センターの建物はことし六月竣工、とっとりテクノリサーチパーク内に位置し、バーチャルリアリティー装置、光ファイリングシステム、植物環境制御装置等を保有、会員企業、自治体研究機関の研究開発部門が入居し、情報処理サービス、エンジニアリング、理学・工学・農学等の研究開発、調査業務等を行っております。また、最近は、科学技術庁委託研究として、鳥取大学等との連携により、植物の乾燥に対する耐性機能の解明と砂漠緑化に関する研究など地域の特性を生かした研究も行っております。
 最後は、鳥取三洋電気の視察概要についてであります。
 同社は、昭和四十一年七月設立、資本金四十億円、従業員三千人、平成三年度生産額一千百億円余の鳥取県内でも有数の企業であります。同社工場は、敷地約三十三万平方メートル、オーディオ機器、電子機器、電気調理器等を生産、最近では情報通信、電子部品部門の強化に努めており、中でもコードレス電話機は業界でトップのシェアを占めるに至っております。同社は、こうした生産活動を通じ、地元経済、雇用に貢献しているほか、鳥取県、鳥取市との共同で、第三セクター障害者多数雇用事業所を設立するなど、地域社会への積極的な参加にも努めております。
 工場内では、設計・生産技術開発部門と生産ラインが一体となった効率的な生産作業が行われており、特に若い人が多いのが目立ちました。その意味で、若年層の地元定着に大きく貢献している印象を受けました。
 なお、鳥取市内において、鳥取市から産業再配置促進費補助金予算の確保について、鳥取商工会議所からは総合的な景気対策の早期実施についてそれぞれ陳情がありました。また、関係者との懇談で、景気の現状、政府の総合経済対策、地方単独経済対策、地方交付税見通し等について質疑がなされました。
 以上が視察先の概要でありますが、関係者から受けた印象で特に指摘しておきたい点は、昨年までの好景気のもと企業誘致等によりようやく地域振興の足がかりを見出そうとしていた両県にとって、このたびの景気の低迷が先行きに対する大きな脅威となっていることであります。
 最後に、今回の委員派遣において御協力いただいた澄田島根県知事を初めとする島根、鳥取県及びこれら視察先の関係者、並びに視察に終始御同行いただいた本田中国通産局長を初めとする同局関係者には大変お世話になりました。この機会をおかりいたしまして御協力に感謝する次第であります。
 以上、島根、鳥取両県に対する参議院商工委員会の委員派遣報告を終わります。
#186
○委員長(斎藤文夫君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時五十三分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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