くにさくロゴ
1992/12/08 第125回国会 参議院 参議院会議録情報 第125回国会 厚生委員会 第2号
姉妹サイト
 
1992/12/08 第125回国会 参議院

参議院会議録情報 第125回国会 厚生委員会 第2号

#1
第125回国会 厚生委員会 第2号
平成四年十二月八日(火曜日)
   午前十時一分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         細谷 昭雄君
    理 事
                尾辻 秀久君
                前島英三郎君
                菅野  壽君
                木庭健太郎君
    委 員
                石井 道子君
                大島 慶久君
                大浜 方栄君
                木暮 山人君
                清水嘉与子君
                西田 吉宏君
                糸久八重子君
                今井  澄君
               日下部禧代子君
                栗原 君子君
                横尾 和伸君
                勝木 健司君
                西山登紀子君
                粟森  喬君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  山下 徳夫君
   政府委員
       厚生省生活衛生  藤原 正弘君
       局水道環境部長
   事務局側
       常任委員会専門  水野 国利君
       員
   説明員
       環境庁水質保全
       局企画課海洋汚  木下 正明君
       染・廃棄物対策
       室長
       環境庁水質保全  鈴木  繁君
       局水質規制課長
       外務省国際連合  伊佐敷真一君
       局地球環境室長
       通商産業省立地
       公害局環境政策  今井 康夫君
       課長
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改
 正する法律案(第百二十三回国会内閣提出、第
 百二十五回国会衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(細谷昭雄君) ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○菅野壽君 厚生省の提案理由説明では、廃棄物処理施設の不足に触れておられますが、不足の状況、原因、充足のための整備計画を御説明願いたいと思います。
 第七次廃棄物処理施設整備計画が昨年の十一月二十九日閣議決定されておりますが、第七次計画では産業廃棄物処理施設については千六百八十九億の投資規模となっております。これでは不足なんでしょうか。さらにまた、産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律が第百二十三国会において成立いたしましたけれども、これらのことを考慮しても処理施設が不足しているのでしょうか。お伺いしたいと思います。
#4
○政府委員(藤原正弘君) お答えいたします。
 産業廃棄物の処理は排出事業者がみずから行うことが原則となっておりまして、処理施設につきましても民間中心で整備しております。
 近年、産業廃棄物の排出量が増大する一方、減量化、再生利用が停滞している、また周辺住民の反対や産業廃棄物処理業者の資金力の不足などによりまして、処理施設の整備のおくれがありまして、処理施設が不足している状況がございます。特に、最終処分場の場合は残余容量が約一・六年分と不足が著しい状況でございます。
 このような状況にかんがみまして、厚生省としましても昨年の廃棄物処理法の改正によりまして、第三セクターによる廃棄物処理センターの制度を設けたわけであります。また、公共関与による新しい制度というのも設けまして、産業廃棄物処理施設の整備促進を図っておるところでございます。
 なお、五カ年計画におきましては、産業廃棄物処理施設の整備のうち、地方公共団体が実施するもののみを計上いたしておりまして、先ほど委員御指摘のような整備計画の額になっております。
#5
○菅野壽君 廃棄物の輸入についても規制を必要とする事例が見られるということでございますが、具体的な事例を示していただきたいし、また輸入は許可制としましたが、これで十分とする理由もあわせて御説明願いたいと思います。
#6
○政府委員(藤原正弘君) 廃棄物の輸入につきましては、例えば銅を含有する塩化第二鉄溶液、これは法律上は廃酸に該当するわけでございますが、こういうふうなものについてシンガポールから輸入したいという相談事例がございましたが、このような場合、輸入を認めるためには、国内において適正に処理することを確認する必要がございます。
 輸入の許可制をとることによりまして、個別の輸入案件についてその廃棄物の処理方法等を十分に審査し確認できることとなりまして、許可要件を満たさない廃棄物の輸入を防止することができるわけでございます。
 このように、輸入の許可制度の的確な運用によりまして、適正な輸入管理が確保できるものと考えております。
#7
○菅野壽君 説明によりますと、従来からの行政指導では対応は不十分とありますが、従来なされていた指導の内容をお聞かせ願いたいし、また不十分とする点につき、具体的な例を挙げて、その認識の時期がいつであったかもあわせて御説明願いたいと思います。
#8
○政府委員(藤原正弘君) 廃棄物の輸出入につきましては、従来、廃棄物処理法ではこれを規制する法律の規定がございませんので、行政指導で対応してきたところでございます。
 具体的には、輸入に関しましては、廃棄物の処理責任者等が明確であること、国内で適正に処理されていることを確認しまして、また輸出に関しましては、国内での処理が困難な場合について、輸出相手国に適正に処理されるか否かを照会した上で行うことを指導の方針としてきたところでございます。
 しかし、この数年、特に廃棄物の輸出の相談事例が増加いたしまして、行政指導では廃棄物の輸出入の適正な管理を図る上で限界があるというふうに痛感するに至ったわけでございます。こうしたことから、バーゼル条約への加入のための国内法案の提出に合わせまして、廃棄物処理法を改正することとして本法案を提出したところでございます。
#9
○菅野壽君 法的ルール確立が緊急の課題ということでございますが、緊急性を説明していただきたいと思います。
 昨年、廃棄物法が改正されました。今年、産業廃棄物処理特定施設整備促進法が成立いたしました。廃棄物関係の法律が近年立て続けに国会で審議がなされましたが、このような緊急性の説明は厚生省から余り受けていなかったんですが、よく御説明願いたいと思います。
#10
○政府委員(藤原正弘君) バーゼル条約への早期加入は、一昨年の生活環境審議会の答申の中におきましてその必要性が指摘されておるところでございます。また、さきの廃棄物処理法改正案の国会審議における附帯決議におきましても、国内法の整備を急ぐべきことが求められているところでございます。
 一方、廃棄物の輸出入に関する相談事例が増加いたしまして、先ほどお答えしましたように、廃棄物の適正な国際移動を確保する上で、従来行われてきた行政指導の限界が明らかになりまして、法的ルールの確立が必要となってきたところでございます。
 こうしたことから、今回バーゼル条約の承認に合わせまして本法案を提案し、その成立をお願いしておるところでございます。
#11
○菅野壽君 有害か否かを問わず廃棄物の国内における適正処理の観点からとされていますが、有害か否かを問わない理由を示していただきたいし、また国内における適正処理ということでしたら輸出の規制は必要ないと思いますが、どうでございましょうか。バーゼル条約加入のための国内法整備でしたら、特定有害廃棄物等の輸出入規制法で十分ではないでしょうか。
 あわせて、このような規制の仕方が輸出に関しては、新法と改正法とでは同一の問題に対して二重の規制ではないでしょうか。お伺いしたいと思います。
#12
○政府委員(藤原正弘君) 有害無害にかかわらず、廃棄物の輸入は、国内に持ち込まれた廃棄物が処理されることにより廃棄物処理施設の処理容量の減少や環境負荷の増大などが生じます。輸出につきましても国内の処理体制に影響を及ぼすことが考えられます。
 今回の廃棄物処理法の改正案におきましては、廃棄物全般について輸出入の規制をそういう意味で行おうということでございます。廃棄物の輸出につきましては、我が国国内で生活環境保全上の問題を直ちに生じさせるものではございませんが、安易な輸出が横行することになりますと排出事業者の処理責任の形骸化をもたらすおそれがあるわけでありまして、厚生大臣の確認制を導入しまして廃棄物の輸出の規制を行うこととしたところでございます。
 バーゼル新法に言います特定有害廃棄物等のうち、廃棄物、つまり無価物なものでありますが、これにつきましてはバーゼル新法に基づく手続と廃棄物処理法に基づく手続の両方が必要となりますが、これはバーゼル新法が輸出先での環境汚染の防止を目的としておりますのに対しまして、廃棄物処理法は国内の廃棄物の適正処理ということを目的としておるわけでありまして、両者の目的が異なるということであります。そういう意味で二重規制となるものではないと感じております。
#13
○菅野壽君 次に、改正案の内容について若干質問したいと思います。
 改正案による法第十五条の四の二第三項第一号には、「その輸入に係る廃棄物が国内におけるその国外廃棄物の処理に関する設備及び技術に照らし、国内において適正に処理されると認められるものであること。」とありますが、これは、一般的に国内で処理技術が確立されているということでよいのですか。あるいは、当該申請書について個別的に実際に処理技術を所有していることを要することと解釈してよろしいでしょうか。
#14
○政府委員(藤原正弘君) 国外において生じた廃棄物は、その輸入により国内における廃棄物の適正な処理に支障が生じないよう、その輸入が抑制されなければならないというのが原則でございます。この原則を踏まえ、法第十五条の四の二第三項第一号につきましては、単に国内において処理体制が確立しているかどうかということにとどまらず、具体的な輸入の申請の内容に即しまして、当該申請者が輸入しようとする廃棄物の処理が適正に処理されるか否かを個別に判断するということになるわけでございます。
#15
○菅野壽君 改正案による法第十五条の四の二第三項第二号には、「産業廃棄物処分業者又は特別管理産業廃棄物処分業者であって、その国外廃棄物の処分をその事業の範囲に含むもの」とされていますが、「その事業の範囲に含むもの」というのは、会社の定款等で国外廃棄物処分をうたっていることが必要ですか、それとも実際に当該輸入申請廃棄物と同じ国内の廃棄物を処分していればよいということでしょうか。お伺いしたいと思います。
#16
○政府委員(藤原正弘君) 委員お尋ねのこの「事業の範囲に含むもの」という具体的意味でございますが、産業廃棄物処理業者というのは許可を取って営業をしなければならないわけでありますが、その許可を受けている事業の範囲に当該廃棄物の処理が含まれていることが必要だと、こういう意味でありまして、それがこの「事業の範囲に含むもの」ということでございます。
#17
○菅野壽君 次に、改正案による法第十五条の四の二第三項第二号のロにおいて、「産業廃棄物処理施設であって、その国外廃棄物を処分することができるものを有する者」とあります。その「有する者」とは、具体的にはどのようなものを指すのですか。廃棄物処理センターは含まれておりますかどうか、承りたいと思います。
#18
○政府委員(藤原正弘君) 法第十五条の四の二第三項第二号ロでは、「産業廃棄物処理施設であって、その国外廃棄物を処分することができるものを有する者(イに掲げるものを除く。)」となっておりますので、具体的に申しますと、排出事業者がみずからの施設でみずからの廃棄物を処分するという場合がこの法律の規定に該当するものでございます。
 なお、先生お尋ねの廃棄物処理センターがこれに該当するかどうかということでありますが、廃棄物処理センターは直接輸入者になるかどうかは別にいたしまして、同項第二号イに該当するものでございます。
#19
○菅野壽君 改正案第十五条の四の二第四項では、「第一項の許可には、生活環境の保全上必要な条件を付することができる。」となっております。また一方、現行廃棄物法第十二条第二項では、「事業者は、」「生活環境の保全上支障のないようにこれを保管しなければならない。」とされ、同項は、改正案第十五条の四の三により、国外廃棄物を輸入したものについては適用されることとなっています。
 現行法において生活環境保全の条件が付されているにもかかわらず、新たに「生活環境の保全上必要な条件を付することができる。」と規定する趣旨はどのようなものですか。また、どのような違いがありますか。
#20
○政府委員(藤原正弘君) 第十二条第二項では生活環境保全上支障がないようにという一般的配慮を求めるのにとどまっておるわけでありますが、輸入の許可の条件では、具体的な保管の方法、場所等を生活環境保全上必要な条件として指示することができるということでございます。そういうふうにこの輸入の許可の条件のところでは、具体的な条件を指示するということができるという点がポイントであろうと思います。
#21
○菅野壽君 次に、バーゼル条約第四条第七項(c)により、「有害廃棄物及び他の廃棄物には、国境を越える移動が開始される地点から処分の地点まで移動書類が伴うことを義務付けること。」とされています。一方、現行廃棄物法第十二条の三におきまして特別管理産業廃棄物管理票の規定があります。
 この移動書類と特別管理産業廃棄物管理票との関係はどのようになっていますか。それはそれぞれ別個の取り扱いとなっているわけですが、特定有害廃棄物規制法では通産大臣が輸入移動書類を交付することとなっていますが、これで廃棄物管理は十分と言えるかどうか、もう一度お願いしたいと思います。
#22
○政府委員(藤原正弘君) バーゼル新法の移動書類と特別産業廃棄物管理票、つまりマニフェストの関係などについてお尋ねでございます。
 いわゆるマニフェストと言っておりますのは、排出事業者が交付する通常六枚のセットになった複写式の伝票でございまして、ここにその見本を持ってきておりますが、排出事業者がこの複写式の伝票に廃棄物の発生量その他を書き込みまして、この一枚を自分のところにとっておきましてそして残りを運搬業者に渡す、運搬業者はまた自分の名前とかその他サインをしまして、そして一枚自分のところにとっておいて残りを処理業者に渡す、そしてずっとそれが回りまして結局最後の一枚がもとの排出事業者のところに戻ってくるというふうな制度でございます。そうしますと、この排出事業者はもとの持っておる伝票と返ってきた伝票とを照らし合わせて、自分の出した廃棄物がちゃんと運搬されそして処分された、こういうことがわかる、こういう制度でございます。
 一方、このバーゼル新法に基づきます輸入移動書類、こういうものはどんなものかと申しますと、通産大臣が交付する書類でございまして、移動とともに運搬者、処分者に順次手渡されていく、こういうふうなものであります。そして、その書類には運搬の方法、処分の方法というものが指示されておるわけでございます。
 以上のような仕組みをとることによりまして、廃棄物処理法によるマニフェストは国内における特別管理産業廃棄物の適正な処理を確保することを目的としているのに対しまして、新法の移動書類はバーゼル条約の要請に基づくものでありまして、それぞれ別の取り扱いとなります。
 なお、通産大臣の輸入移動書類はバーゼル条約上の基準を満たすという点で十分なものと考えております。
#23
○菅野壽君 第九条の六第一項第三号により、その輸出に係る一般廃棄物が一般廃棄物処理基準を下回らない方法により処理されることが確実であると認められることの確認を受けなければなりませんが、厚生大臣は国内処理基準を下回らない方法をどのように確認するのでありますか。また、廃棄物であるとの判断が通産大臣にゆだねられているとすれば、その規定が適用される場面はかなり少ないと思われますが、その不安はないと理解してよろしいでしょうか。
 さらに、輸出された特定有害廃棄物等がバーゼル条約に従い回収されなければならない場合において、その回収されなければならないものが廃棄物である場合、廃棄物法での管理はどのようになっているのでありましょうか。廃棄物改正法では回収に関する規定がないように思われます。現行法で十分ということでしょうか、それとも規制の対象にならないということでしょうか。あるいは、新特定有害廃棄物輸出入規制法第十四条の措置命令で十分であるというお考えでしょうか、承りたいと思います。
#24
○政府委員(藤原正弘君) 輸出確認に際しましての相手国の処理方法等につきましては、申請者から相手国における具体的な処理計画を提出させまして、その内容が廃棄物処理法の処理基準を下回らない方法かどうかを個別に審査の上確認することとしております。
 また、廃棄物であるかどうかの認定は厚生大臣が行いますので、バーゼル条約に基づき通産大臣に対して行われた輸出承認の申請の内容がその対価関係等から見て廃棄物である疑いがあるものにつきましては通産省から厚生省に相談していただき、厚生省におきまして廃棄物と認定したものにつきましては輸出承認の前に廃棄物処理法による輸出確認を受けるよう指導することとしておりますので、輸出確認の規定の適用が少なくなるということはない、このように考えております。
 また、バーゼル条約に規定する回収命令につきましては、バーゼル新法の措置命令により対応するものでございます。国内における廃棄物の適正な処理を図ることを目的としている廃棄物処理法には、そういう意味で同様の規定は置いていないわけでございます。
#25
○菅野壽君 最後に、今回の法改正はバーゼル条約の国内法整備にあるとは思いますが、そうであるならば、もっと早い時期に改正案を提出すべきであったと思います。また、廃棄物法の改正、特定有害廃棄物輸出入規制法制定でバーゼル条約の目的が確実、十分に達成されるとは思えません。特に有害廃棄物の輸出では、今までの事例ですと発展途上国へ大変多大な迷惑をかけることとなります。
 このような問題について日本がイニシアチブをとることが国際的な日本の評価を高め、日本への信頼を増加させることにつながると思います。この法律ができるだけでは十分ではありません。法の網をかいくぐる者は必ず出てきます。また、今回の法規制では規制が及ばない海洋投棄が増大する可能性もございます。今回の法改正の目的は、国の内外の廃棄物による環境破壊の防止にあると思います。この目的のためには、今後とも実効の上がる廃棄物管理が必要であると思います。この点につきまして厚生大臣の御所見を承って、私の質問を終わります。
#26
○国務大臣(山下徳夫君) ただいま委員の御意見のとおり、廃棄物の輸出入を適正に管理するということは、これは国の内外を問わず地球環境の上からも極めて大切な問題でございます。そういう趣旨から今回御提案申し上げているわけでございますが、このバーゼル条約実施のための新法と廃棄物処理法案、これがもしも成立いたしましたならば厳正かつ的確にその運用を期してまいりたいと思っております。
 また同時に、開発途上国におけるこれらの廃棄物等の処理につきまして、我が国は先進国としてまたこの方面について技術を十分持ち合わせておりますし、国際協力の面でも今後大変に大切な問題と理解しながら進めていくつもりでございます。
#27
○糸久八重子君 バーゼル条約が批准され、有害廃棄物等の輸入に対して一定のルールがしかれれば、日本にも数多くの有害物質が有価物という形で輸入されてくるでありましょう。そして、これら輸入品から日本が必要とする希少金属を回収するわけですけれども、恐らく一〇〇%は回収できないで、微量の元素を含んだものが廃棄物として日本の最終処分場に捨てられることになるわけです。
 現在でも日本においての産業廃棄物の最終処分場の不足は深刻な問題で、きのうも通産大臣もこのことをおっしゃっておられましたけれども、その原因は、日本の有害廃棄物に対する規制が大変甘いために、身近に最終処分場ができるとその周辺の環境が汚染されるということで反対運動が起こり最終処分場の造成を困難にしているわけでございます。そこへバーゼル条約の批准によって多量の有害廃棄物がふえるだろうことを考えますと、最終処分場の造成はますます困難になってまいります。したがって、有害廃棄物に対する規制を改善する必要はありはしないだろうか、そう思うのです。
 百二十一国会で成立をいたしまして、ことしの七月四日から施行されました改正廃棄物処理法には幾つかの不十分な点がありました。その代表的なものは、適正処理困難物や有害廃棄物の処理についての事業者の責任追及が大きく後退していることで、環境保全に対する対応が大変不十分であるということであります。
 もう一つは、特別管理廃棄物の指定が非常に少なく、有害廃棄物に対する対応が改善されなかったということでございます。水銀やカドミウムなど十一品目の現行有害廃棄物の規制方式は、特定施設から排出される廃棄物に規制をかけているわけです。この規制の方式は、水質汚濁防止法とか大気汚染防止法を参考にして、特定施設から排出されたものに限定をして規制をしております。
 大気や排水は、それを排出している事業所はすぐわかります。大体遠くへ持っていくということはないわけですが、廃棄物の場合には有害廃棄物を他の廃棄物とまぜて他の場所に移動させることが可能でございます。東京で出たものを東京周辺で廃棄するという場合でしたら追跡はできるわけですが、最近は大変遠いところまで移動させる、東京のものを青森の方まで持っていくというような形で処理をするということを考えますと、その出所を突きとめるのは大変困難なわけでございます。そしてまた、廃棄物にお金をかけたくないという業者も現実たくさんおるわけです。有害廃棄物は通常の廃棄物よりも処理費が非常に高いわけですから、半分は有害廃棄物のルートで流す、そして残りの半分は一般廃棄物の処理のルートに流すという例は大変多々見られるわけでございます。
 このような状況を考えますと、有害廃棄物の規制に特定施設から排出されたものと限定することはなじまないのではないかと思うのですが、その辺の御見解はいかがでございましょうか。
#28
○政府委員(藤原正弘君) 廃棄物処理法の規定に基づく特別管理廃棄物のうちの一定の有害物を含むものにつきましては、我が国において通常排出実態があると思われる排出経路から排出されるものに特定されておるわけでありますが、特定施設以外から排出される例というのは、そういう特定なものから排出されるものと比べましてそれほど多くないというふうに考えておるわけであります。
 なお、有害とは言えない廃棄物でありましても、廃棄物処理法により規制されておりますが、今後他の公害規制法による規制の動向及び国内の処理の実態などを踏まえまして特別管理廃棄物の指定についても必要な検討を行うこととしております。
#29
○糸久八重子君 以外のものも検討を行うということですが、それがどのくらいの期間でどういうような経過で指定を行うのかなというのはちょっと大変先の話のような気がするんですね。
 そこで、環境問題の世界の趨勢というのは、フロンとか二酸化炭素に見られますようにできるだけ環境に有害なものは放出しないという方向にあるわけです。また、環境問題に対する住民の意識というのは大変最近は厳しくなりまして、まして身近な環境が汚染されるということになればそれはたとえ少量といえども許されるものではないと思います。住民の側に立った行政を行うのが本当の政治ではないかと思うのですけれども、もう一度御答弁をお願いしたいと思います。
#30
○政府委員(藤原正弘君) 有害な廃棄物が排出されて、それが不適切に処理されることにより環境を汚染するということになるのは大変ゆゆしき問題でございます。そういうふうなことの起こらないように、今までも厚生省はいろいろ手を打ってまいりましたが、今後もこの改正廃棄物処理法の規定に基づき厳しく対応をしてまいりたいと思っておるわけでございます。
 特別管理廃棄物の制度というのも委員御指摘のような趣旨から設けられたものでございまして、この制度を適正に運用し、また厳しく対応していくことによって十分対応ができるというふうに思いますが、なお先ほど答弁いたしましたように、今後の課題といたしましていろいろ問題のあるものも出てこようと思います。そういうものにつきましては、順次調査をし、規制の中に含めていくというふうなことで考えておるところでございます。
#31
○糸久八重子君 冒頭私が申し上げましたとおり、有害物というのは、特定管理廃棄物として出るものだけでなくてほかのものにもまじって入ってくる例がたくさんあるわけなんですね。ですから、やはりどうしてもその特定施設の方式というのを早く外してもらわないと環境汚染という形で住民が大変困るわけなんですけれどもね。
 そういう意味で、どうしても今すぐに特定施設というのが外せないとするならば、それはそれで規制を十分がけていただく、それにプラスして、特定施設以外から出た廃棄物に対しても、管理型最終処分場の受け入れの際に埋立処分場における判定基準、それを設置して、そしてすべての廃棄物に対して有害のおそれのあるものは一切最終処分場には搬入させない、そういう体制をつくるべきだと思うのですが、その辺はいかがでしょうか。
#32
○政府委員(藤原正弘君) これはもう委員十分よく御案内のとおりであろうと思いますが、産業廃棄物の最終処分場には、遮断型、安定型、管理型と言いまして三つの種類の構造の最終処分場があるわけでございます。そして、それぞれその三つのタイプの最終処分場には、どういう種類の廃棄物を入れてもいい、またどういうものじゃないと入れてはいけない、こういうふうに定め、規制をしておるわけでございます。
 有害な廃棄物は遮断型の最終処分場に入れなければいけないわけでありますが、その有害な廃棄物が間違って管理型の処分場の方に埋め立てられてしまうというようなことのないようにしなければならない。そういう観点からいたしまして、有害廃棄物の発生から運搬、それから処分、これに至る状況をきちっと管理し、途中で紛れてしまうということのないようにするということが最もこれから重要なことであるという認識に立っておりまして、先ほど言いましたような特別管理廃棄物などの制度によりまして対応していこうということでやっておるところでございます。
#33
○糸久八重子君 有害物質が管理型最終処分場に入らないようにするためにするのだ、そうおっしゃったわけですが、どういうふうにして入らないようにしていくんでしょうか。
#34
○政府委員(藤原正弘君) まず、この有害廃棄物というふうになっております廃棄物は遮断型の廃棄物処分場に入れなければいけないわけであります。それを管理型の処分場に持ち込もうというふうにいたしましても、そこでチェックシステムといいますか検査の制度がありまして、そこでひっかかってしまいますとその処分場には入れることができないということであります。
 その検査の制度といいますか、チェックシステムが有効に働くようになっておりさえすれば問題がないわけてありますが、中には紛れて入ってしまうという危険性はあります。したがいまして、それぞれ最終処分場をやっております業者とか、公共団体もやっておりますが、そういうところでこの検査体制というのを十分確立いたしまして対応をしておるところでございます。
#35
○糸久八重子君 今行われているチェックシステムというのは管理型の最終処分場ですけれども、チェックシステムというのは、例えば抜き取り検査のようなものは現在していらっしゃるのですか。
#36
○政府委員(藤原正弘君) その処分場ごとにそれぞれ抜き取り検査を独自にやっておるわけでございます。
#37
○糸久八重子君 最終処分場の置かれている状況によって、例えばそれが水源地に近いとか、それから住宅に隣接しているとか、いろいろなところがあると思うんですね。やはり、そういうところの分析結果を場所によってはすべて提出させるということも出てくるでしょうし、それから抜き取りで検査をするというところもあってもいいと思うんですね。
 要は、国が本気で最終処分場には有害廃棄物は搬入させないという立場をとるのかどうか、それが問題だと思うんです。もうこれ以上環境を汚染させないという立場で行政を行うことが急務であって、この観点から見れば現在の有害物が紛れ込んでいくというその仕組みを抜本的にやはり変えていかなければならないと思うんですけれども、その辺の御見解はいかがですか。
#38
○政府委員(藤原正弘君) 我が国におきましては、先ほど言いましたように、廃棄物の処分場は三つのタイプに分けてきちっと最終処分をやっておるということになっております。これは、他の先進国と比べましてもその点でかなり我が国は進んでおるというふうに思います。
 例えば、管理型の最終処分場を取り上げてみてみましても、下にしみ込まないような遮断シートを敷いたり、それから処分場から出てきます浸出液についてはきちっとした処理施設を設けるというようなことをすべての処分場でやっておるということであります。こういうふうな状況は、先ほど言いましたように、世界の先進国と比べましてもかなり進んでいる状況になっておると思います。
 なおかつ、先ほど再々御答弁申し上げておりますように、廃棄物処理法で今回この特別管理廃棄物の制度を設けまして、有害廃棄物が排出から運搬、それから最終処分の状況まできちっと管理できるようにそういう制度を設けたわけでございまして、委員御指摘のように不十分な点もなきにしもあらずではございますが、その点につきましては今後十分調査をし、また必要な場合には追加をしていくというふうなことで考えておるわけでございます。
#39
○糸久八重子君 最終処分場の非常に数の多いのは管理型の処分場ですね。それと、今管理型の場合にも遮断シートを、下にビニールやゴムを敷いてというようなそういう態勢をとっているようですが、最近では日の出町の例等もありましたね。そういうわけで、やはりこの管理型最終処分場の現在の構造についても十分ではない。したがって、そういう意味からいうと、管理型最終処分場の中に有害物が紛れ込んでいくそのシステム、仕組みですね、それを変えていかなければだめなんだと、それを私は何回も申し上げているわけです。
 現在、近畿のフェニックス計画で実際に使用されている処理基準というのは、国の特別管理産業廃棄物の基準に上乗せをしているわけです。そして、溶出や含有の双方の検査をしておるわけですが、これを日本全体の最終処分場の判定基準に広げていくべきではないかとそう思うんです。都道府県に条例化等をさせることによって捕捉できるよう指導して、最終処分場には有害廃棄物が絶対入らない対策を立てるようにすべきだとそう思うのですが、もう一度お伺いいたします。
#40
○政府委員(藤原正弘君) 管理型処分場にどういうふうに処分をするかという処分の基準は、廃棄物処理法で書いてあるわけでございます。この廃棄物処理法の基準というのは、全国的に見渡しまして生活環境上問題のないそういうレベルで決められておるわけでございますので、一般論として申しまして、どのような最終処分場でありましても法律に基づく基準でやっていただければ環境保全上問題ないということが言えると思うわけでございます。
 委員御指摘のように、大阪のフェニックス計画での埋め立ての際の基準が国の基準よりも厳しい基準でやられておるということにつきましては、私どももよくその状況は知っております。これは、その特定の最終処分場のいろいろな社会的、自然的な条件があるんだろうと思います。それぞれの関係者が納得をし、そういう基準でやろうということでございますれば、それはその特定の最終処分場に関する基準として採用され、運用されるということは結構かと思うわけでございますが、これを全国の最終処分場の基準に全部広げていくということにつきましては、先ほど御答弁したような趣旨から申しまして適切でないのではないかと、このように考えております。
#41
○糸久八重子君 やはり、先端を行くそういう方式は国はそれを見習って、そしてとにかく環境汚染をしないようなという、そういう行政を厚生省はやっていくのが本来の仕事ではないかと思うんですね。大変後ろ向きの姿勢で残念に思います。
 環境庁、お見えになっていらっしゃいますね。
 埋立処分の有害廃棄物の判定基準は、現在は溶出検査だけだそうでございますけれども、この検査に使われる試薬はどういうものでしょうか。ちょっとその辺御説明いただきたいと思います。
#42
○説明員(木下正明君) 先生のお話のとおりに、産業廃棄物の埋立処分を行おうとする場合には、専門家の御意見を踏まえまして、環境庁の方で総理府令を定めております。
 その中では、埋め立てしようといたします試料を水素イオン濃度五・八以上六・三以下といたしまして、六・三以下の溶媒と混合いたしまして溶出試験を行うという形にいたしております。この場合pHの調整は、塩酸または苛性ソーダを使うことにいたしております。
#43
○糸久八重子君 幾ら有害物質が含まれていても、溶け出さなければ有害廃棄物の規制は受けないわけですね。
 そうしますと、ただいまお伺いいたしましたら、この試薬というのはpHが五・八から六・三以下ということなんですが、重金属というのはpHが低いほど多く溶け出す性質を持っているわけです。最近の酸性雨、これはpHが四台が非常に多いと言われているわけですから、検査の試薬が五・八から六・三で検査して出てこなくても酸性雨で溶け出してしまうという、そういうことも十分考えられるわけですね。そうしますと、試薬のpHは酸性雨並みのpHイオン台程度にすることをやはり考えていかなきゃならないんじゃないでしょうか。その辺はいかがですか。
#44
○説明員(木下正明君) 先ほど御説明しましたとおり、現在の溶出試験方法の設定に当たりましては、産業廃棄物の最終処分場の条件等をできるだけ再現できますように専門家の御意見を踏まえましてつくられたわけでございます。
 溶出試験の値を左右する要因といたしましては、溶媒のpHの値、これは先生のお話の面でございますが、そのほか固液比と申しましょうか、ごみと水の比率でございます。それとか、浸透時間あるいはどういう方法で浸透させるかという浸透の方法、こういったいろいろな条件を加味してつくられたわけでございまして、私どもとしてはこれからもより一層の基準の充実に努めてまいりたい、このように考えておりますが、今のところまだ、そういう見直しが必要かということについては、必要ではないんではないかというように思っているところでございます。
#45
○糸久八重子君 酸性雨の例も挙げましたが、これからやはりこの酸性雨の状況が多く見られると思うんですね。だから、そういう意味からいうと、先ほど私も申し上げましたとおり、少しその状況を判断して、研究をし、考えていくべきではないかなという、そういう御提案を申し上げたところでございます。何かございますか。
#46
○説明員(木下正明君) 最終処分場の管理の適正化の見地から、溶出試験等を含めまして、規制基準のより一層の充実に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#47
○糸久八重子君 環境庁、ありがとうございました。
 冒頭から申し上げておりますとおり、今日その最終処分場がますます不足をしているわけですが、これは有害廃棄物の規制が不十分で住民に不信感を与えているのが大きな要因だということなんです。
 昨日の連合審査でも日下部委員が触れられましたけれども、ある政令都市での立入検査を行った結果の実例によりますと、事業所が二十七万あるわけですが、そのうちの産業廃棄物を出しているところが推定で大体五、六万程度あるだろう。そして、有害廃棄物を出している事業所はその中で百三十六カ所ある。特定施設対象というのはその中の百三カ所だけなんですね。したがいまして、百三十六カ所の有害物を出している事業所があるうちに特定施設対象というのは百二あるわけですから、三十三カ所は対象外になっている。つまり、現在有害廃棄物を排出している事業所の実に二五%は総理府別表で定めている特定施設以外から排出されている、そういう現状があるわけです。
 現実このような実態があるわけですから、有害廃棄物の規制に対しては特定施設以外にも規制ができるようにすべきであって、先ほどもこれから検討するということをおっしゃったわけですが、その具体策等をもう一度お聞かせいただきたい、そう思います。
#48
○政府委員(藤原正弘君) 特定施設から出る有害廃棄物を法律で言う有害廃棄物としておる、こういうことによりまして委員御指摘のように若干それ以外から出る有害物があるではないかということでありますが、こういうふうな制度でやっておりますメリットもまた存在するわけでございます。つまり、特定の施設が把握できますので、有害廃棄物が発生する場所というのを特定しきちっと行政の方で把握できるというふうなこととか、それ以降の廃棄物の管理という点でもやりやすい点があるというふうなことがあるわけでございます。
 なお、こういう特定施設から出る廃棄物以外の有害廃棄物の存在について、確かにその存在は我々認めないわけではございませんが、全体の量から比してどんなものかということであります。そのあたりにつきましては、先ほども申しましたように今後十分調査をしてまいりたいというふうに思いますが、現時点では、現行の制度でかなりといいますか大部分の有害廃棄物は押さえられておるというふうに考えておるわけでございます。
#49
○糸久八重子君 大部分はそうであっても少しはあるということをお認めになっていらしたわけですけれども、やはり環境保全ということから考えれば当然小さいものも何とかしてなくしていくという、そういう努力がなければいけないと思うんですね。
 私、最近つくづく考えるんですが、廃棄物の問題は厚生省の所管なんですけれども、非常に環境問題等も大きいわけだから、廃棄物問題はこれは環境庁の方に譲った方がいいのじゃないかな、そこまで考えておるわけですけれども、そういった意味でやはり真剣に、少しのものはしょうがない、目をつぶっているという形ではなくて、やはり少しのものでも許さないというそういう姿勢を持っていただきたい、そのように思うところでございます。
 それから、マニフェストの問題についてちょっとお聞きをしたいと思うんですが、今申しましたように、環境保全の立場から産業廃棄物の不法投棄とかそれから不適正処理を防止するのがやはり急務なわけです。そのために産業廃棄物の処理実態を的確に把握する必要があるわけですが、それについては先ほどマニフェストの御説明がございましたね。産業廃棄物に対するマニフェスト制度というのは特別管理産業廃棄物のみに限定していて、そして不法投棄とか不適正処理に対する対応が大変不十分だと思います。排出者の報告にはマニフェストナンバーをつけて報告することになっておりますが、処分を行ったすべての者に対してもマニフェストナンバーをつけた報告書を提出させるようにすべきであると思うのですけれども、この辺はいかがでございましょうか。
#50
○政府委員(藤原正弘君) 特別管理産業廃棄物につきましては、排出者責任を徹底させるために事業者にマニフェストの交付を義務づけておりまして、廃棄物を排出してから最終処分されるまでの流れを排出事業者に管理させるものでございます。したがいまして、都道府県知事への報告も排出事業者が行うべきものでございます。最終処分業者にまで報告の義務を課すことは、関係者に多大な負担を強いることになり、適当でないと考えております。しかし、産業廃棄物処理業者並びに特別管理産業廃棄物処理業者につきましても、処分場所や処分量等の処理の状況等を帳簿に記載しまして毎年都道府県知事に報告することになっております。これらをあわせますと、都道府県知事は廃棄物の流れを把握することができるというシステムになっておりますので十分対応できる、このように考えております。
#51
○糸久八重子君 大臣にお伺いいたしますけれども、私はきょうは最終処分場の問題に集中してお尋ねをしたところでございますけれども、やはり特に日本の中で多い管理型最終処分場に非常に有害物が紛れ込んで捨てられるという実態が非常に多いし、またそこから有害物が雨水によって、先ほど酸性雨のお話もいたしましたけれども、そのような形で流れ出しているという実態もある。そういうことで、環境保全という立場から考えれば、当然もう全く有害なものは出させないというそういう姿勢を厚生省は堅持していっていただかなければならないと思うのですが、その辺の立場から大臣に一言御見解をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
#52
○国務大臣(山下徳夫君) ことしは世界環境会議も行われた意義ある年です。ことしこそ、我々はほぞを固めてこれからひとつ環境について取り組んでいかなきやならぬ。きょうは先生にきめ細かに御質問いただいて、私も先ほど聞いておりまして大変参考になる面もございました。
 我々としては、これらに対処するために、マニフェスト制度というのは現段階においては一番これは合理的な方法であろうと思っておりますし、これを適切に運用していくし、またそれで不十分な点は遅滞なく改正する点がありますればまたそういう点も改正していかなきゃならぬと思いますが、完璧を期して今後十分注意をしながらやってまいりたいと思います。
#53
○糸久八重子君 ありがとうございました。
 終わります。
#54
○横尾和伸君 バーゼル条約への加入及びその関係国内法の整備に関しましては早急に行うべきである、早ければ早いほどいい、これが私の意見であります。
 その理由は、一つには廃棄物の越境移動という言語道断とも言うべき事件が相次いております。フランスのいわゆるセベソ事件あるいはナイジェリアでのココ事件などに代表されるものでありますけれども、こういったものの対策が早急に必要だと、こう思うからであります。もう一つは、国際社会の中で日本の国際貢献が厳しく問われている昨今の状況下であります。この中で、バーゼル条約の推進役として日本の存在をアピールする絶好のチャンスであったと考えるからであります。
 昨年来、国連のPKO活動の参加についての大変な議論、御努力があったわけですけれども、関係者のそういった努力の中で実現して今や日本の国際貢献策の柱の一つとなっております。国際貢献上、金だけ出して事足れりという状況でないということは言うまでもありません。このような国際貢献時代にあって、なぜもっと早く積極的な対応ができなかったのか。そういう観点から大変残念に思う面があるわけであります。日本もリーダーだというアピールがどれほど価値があるかということを考えるべきだったと思うわけであります。このようなことから、私は本件は早急に合意して進めるべきである、こういう考えであることを改めて初めに申し上げておきたいと思います。
 今回の廃掃法の改正は、バーゼル新法と並びまして、今後予定されている政省令の改正、改定、あるいはそのための組織の充実など、今後のそういった姿勢あるいは努力によるところが大きいものと思います。したがって、私は、これからの質問は、そういった意味での姿勢を確認するという意味でお尋ねをしたいと思います。
 過ぎたことではありますけれども、今後のためにお聞きしたいんですけれども、バーゼル条約への署名のチャンスを逃し、また加入がおくれたという理由についてまず外務省にお尋ねしたいと思います。
 本条約は、バーゼル条約ですが、一九八九年の三月、平成元年の三月ですが、UNEPにおいて採択されて、その後一年間の署名期間があったわけです。その署名期間のうちにアメリカ、ソ連、旧ソ連ですが、イギリス、フランス、中国、ドイツ、スイスなど合計五十三カ国が署名をして、その趣旨に賛同する意思表示をきっちりとしております。にもかかわらず、このような中で日本はなぜその署名ができなかったのか、その理由をお伺いいたします。
#55
○説明員(伊佐敷真一君) バーゼル条約につきましては、政府といたしましても、地球環境保全のために国際的な責務を果たすとの見地から、有害廃棄物等の不適正な移動及び処分を防止するための国際協力に貢献するため早期に締結すべきなどの立場より、関係省庁間で検討作業を進めてきたところでございます。本条約を締結するに当たりましては、その義務を履行する裏づけが必要でございまして、新たな国内法を制定していただく必要があるという結論に達した次第でございます。
 このような事情から、署名の段階で、平成元年三月採択されたわけでございますが、その時点では国内的な手当てができる見通しが立っておりませんでしたので署名を見合わせた事情がございます。その後、加入のタイミングといたしましては国内法上の手当てができたところで早期に加入するということで考えておりまして、関係国内法案の成案ができたところで国会に提出いたしまして御審議をいただいている次第でございます。法律が成立し次第早急に締結すべく手続を進めたい、このように考えております。
#56
○横尾和伸君 次に、厚生省にお伺いします。
 日本のリーダーシップをアピールするためだけではなくて、実際にもう先週、十二月四日までだったと思いますが、第一回目の大事な締約国会議がございまして、そこには残念ながら日本はオブザーバーとしてしか参加できなかったわけであります。このようなことからもやはり日本は急ぐべきだ。そして実質的な中心的な役割の中で地球環境問題。もっとも、その前に日本自体がそのバーゼル条約に違反しないようなリーダーとして頑張らなければいけないと思いますが、それはともかくとして、一年前に廃掃法の抜本的な改正が行われております。そのときなぜこの件についても一括して処理がされなかったのか。このときは既に生活環境審議会の答申も出ていて、方向ははっきり厚生省として決めておられたと思いますが、その点についてお伺いしたいと思います。
#57
○政府委員(藤原正弘君) 今回の廃棄物処理法改正案は、廃棄物の輸出入に関し必要な規制を行うことを内容とするものでございますので、バーゼル条約や同条約の国内実施法案と密接な関係を有することがございますので、条約の承認や国内実施法案とともに今国会に御提案申し上げておるところでございます。
#58
○横尾和伸君 次に、通産省にお伺いします。
 今回のバーゼル新法の制定及び廃掃法の改正は、平成四年一月の産業構造審議会の答申を踏まえて行われたものと思っておりますが、この踏まえるべき通産省の答申のみが厚生省や環境庁の答申に比べて極めて遅くなっています。この急ぐべき大事な時期に、なぜこのように遅くなったのか。
 具体的に申し上げますと、厚生省の生活環境審議会のバーゼル条約関連の答申は平成二年十二月に行われています。環境庁の中央公害対策審議会の答申は同じく平成二年十二月に出されております。通産省の産業構造審議会答申だけが一年以上もおくれた平成四年一月に出されております。こういった中で、一年以上もなぜこんな大事な時期におくれたのか、その理由をお聞かせいただきたいと思います。
#59
○説明員(今井康夫君) バーゼル法及び国内対策につきましては、各省庁とさまざまな意見交換をしてまいっておりますが、私どもの諮問、答申につきましては、やや貿易管理の実態に踏み込んだ、割と合理的な行政体制がどうあるべきかということも含めまして、やや具体的なあり方について踏み込んだ答申でございますので、政府内でいろんな意見を詰めまして、私どもとしても具体的な方向、あり方についてある程度の準備をしたところで諮問し、答申いただいたところでございます。
#60
○横尾和伸君 それにしては少し時間がかかり過ぎているように思いますけれども、一般論として時間の浪費というのは国益を犠牲にするという場合もありますので、国際貢献の時代にあり、このような国際社会のリーダーシップをとるべき案件等に対して、今後は迅速に正確な判断をして、関係省庁が仲よく懸命に行動されるように切に要望しまして、次の質問に移りたいと思います。
 バーゼル条約関連で、内容的な意味で十分な国際対応をするために最も大切なことは、日本国内の廃棄物行政を充実することにあると思います。それは、国内できちんと処理する基盤があれば不正あるいは不当な輸出入の必要性が極めて少なくなり、またチェックの能力が著しく向上するからであります。このことは、昨日の連合審査におきましても、厚生大臣、通産大臣、そして環境庁長官、三大臣がそろって同意見であったということを確認させていただきました。
 そこで、国内の廃棄物行政についてお伺いしたいと思います。
 ちょうど一週間前に、厚生省より日本の廃棄物処理についての統計が発表されております。これをベースにお伺いしたいと思います。
 まず、最近のごみ排出量の推移についてでありますけれども、平成元年から二年にかけて、近年では初めてその増加率といいますか、鈍化しております。これは、ある意味で大変注目に値すると思うわけですけれども、厚生省はこの件についてどう評価されているのかお伺いしたいと思います。
#61
○政府委員(藤原正弘君) 昭和六十一年度から平成元年度にかけまして、三%から四%程度増加してきておりましたごみの排出量が、平成二年度には〇・九%の伸びに鈍化したところでございます。この要因につきましては、今後多角的に分析してみなければわからないところが多いわけでございますが、ごみの減量化、再生利用に対する国民の認識が深まったというふうなこととか、集団回収等の取り組みが活発化してきておるというふうなことや、地方公共団体等における減量化対策が積極的に進められ、その効果があらわれてきているというふうなことがその原因ではないかというふうに考えておるところでございます。
#62
○横尾和伸君 ごみ排出量の抑制とともに、ごみの再生利用の推進もあわせまして今お答えいただきました今後のごみの減量化の方策は大変大事な問題だと思います。この方策について、進め方、考え方を御説明いただきたいと思います。
#63
○政府委員(藤原正弘君) 廃棄物の排出抑制、再生利用等の減量化対策につきましては、さきの廃棄物処理法の改正におきましても減量化を推進するための具体的な方策を盛り込んだところでございます。
 また、厚生省におきましては、市町村等における瓶や缶の資源ごみの回収、それから資源ごみを再資源化するリサイクルセンターの施設の整備、それからごみ減量化推進全国大会等によりまして国民の啓発普及を図っていくといったようないろいろな減量化のための施策を実施しておるところでございます。今後とも、これらの施策の充実強化を図りまして、国民の理解と協力を得ながら廃棄物の減量化を積極的に推進してまいりたい、このように考えております。
#64
○横尾和伸君 減量化は大変大事な問題でありますので、ぜひお願いしたいと思います。
 次に、ごみ処理施設の能力についてですが、この統計についても公表されておりますけれども、これを見ますと、最近の伸びはすばらしいものがあります。関係者の皆様の努力の結果とある意味では敬意を表したいわけですけれども、しかし一方では、増加するごみの量等からまだまだ不十分だという声も多いわけであります。
 そこで、最近の全国のごみの関係事業について、国庫補助要望額とその採択額、これは事業費ベースでここ数年の実績をお尋ねしたいと思います。
#65
○政府委員(藤原正弘君) 廃棄物処理施設整備補助金に関しましてお尋ねでございますが、委員御指摘のように、最近のこの関係の要望額は大変多くなってきております。
 平成三年度で申しますと、全国からの要望額が千三百十四億円でございまして、それに対しまして厚生省が採択した額というのは八百五十八億円でございまして、また平成四年度につきましては、全国からの要望額は千三百七十三億円でございましたが、現在までの採択額は九百七十四億円ということでございます。
 このように採択額を上回る要望額があるということでありますが、この採択額を上回る要望額につきましては、平成三年度におきましては特例的な地方財政措置で対応をしたところでございます。また、平成四年度におきましては、特例的な地方財政措置に加えまして、補正予算で対応するということにいたしておるところでございます。
#66
○横尾和伸君 具体的には私福岡県内の人からの声をよく聞くわけでありますけれども、ごみ処理施設ができない。要望はするけれども採択されない、だからできないんだ。できないからといって済まされる問題じゃないという大変身近な問題であり、なおかつ深刻な問題であります。こういったごみの十分な施設ができないということも、ひいてはきょう審議をしておりますバーゼル条約との関連もまた大きく今後出てくるわけでありますので、ぜひともこれから国庫補助要望に対してできるだけおこたえいただきますように全力を挙げてさらに頑張っていただきたいと思います。
 次に、その具体的な一つの面でありますけれども、最終処分場の残余容量といいますか、最終処分場として今どれだけ使えるかというそういう容量だと思いますけれども、この統計量を見ますと、最近は急速に減り続けて、平成二年で残りが一億五千七百万立米という数字になっております。この数字は、今これまでのまま推移すると、今後七、八年分の容量しかないという計算になるというふうに説明がございました。このまま推移すると、言いかえれば今後十年足らずのうちで日本列島からごみが確実にあふれ出るということになり、大変なことになると思います。この対策についてできるだけ具体的に御説明いただきたいと思います。
#67
○政府委員(藤原正弘君) 最終処分場の残余容量というのを計算してみますと、これは委員御指摘のとおり七・六年というふうになります。これは現在稼働中の処分場の残余容量でございまして、毎年整備が進められておりますので、七・六年たったら日本国じゅうから最終処分場はなくなってしまうというわけではございませんけれども、しかし、現在の状況はそういう状況にあるということは確かでございます。
 しかし、国土の狭い日本におきましては、できる限りごみの減量化、資源化に努めるとともに、焼却処理や破砕等による減量化を行い、最終処分場の延命化を図るということが重要だというふうに思っております。
 このため、厚生省といたしましては、ごみ処理施設、粗大ごみ処理施設などの中間処理施設の整備を図っておるところでございますが、またリサイクルセンターなどの再生利用施設整備も進めております。こういうふうなことを通じまして、ごみの減量化、資源化を進めております。今後とも廃棄物の減量化対策を積極的に推進してまいりたい、このように考えております。
 なお、特に最終処分場の逼迫しております大都市圏におきましては、いわゆるフェニックス計画と言っておりますが、広域臨海環境整備センター法に基づく広域的な廃棄物の処分場の整備も進めてまいりたい、このように考えておるところでございます。
#68
○横尾和伸君 今申し上げたのは施設整備の面を中心に申し上げましたが、実は廃棄物の問題というのは、それだけではなくて人的な面も大切だと思います。これからの廃棄物行政の推進の面から、必要な組織の充実あるいは人員の充実、そういった方策について、国、地方公共団体の現状を踏まえてお考えを伺いたいと思います。
#69
○政府委員(藤原正弘君) 廃棄物行政を推進していくためには、御指摘のように組織、人員の充実強化を図っていく必要がございます。地方公共団体の職員につきましては、地方交付税措置の充実が年々図られてきております。特に、平成四年度におきましては、県レベルにおいて標準団体、これは人口百七十万人の県を想定してありますが、この標準団体における廃棄物関係職員数を十四人から十九人と増員するとともに、市町村レベルにおきまして標準団体、この場合は人口十万人の市を想定してありますが、この標準団体におきまして廃棄物減量化省資源対策費として新たに四人の職員が認められるなど充実が図られております。国におきましても、平成三年に廃棄物減量推進指導官を置くなど、廃棄物行政に係る組織体制の強化に努めておるところでございます。
 今後とも、廃棄物行政を推進するために必要な人員の確保に努めてまいりたいと考えております。
#70
○横尾和伸君 少し角度が変わりますけれども、つい先日、厚生省は飲料水の水質基準の大改正を発表されました。これは、水道水源の水質汚濁問題が長期化、複雑化していることに対応したものと考えております。そういう意味では敬意を表するわけです。
 そこで、環境庁にお尋ねしたいんですが、この十年、二十年の間に大きな改善が見られなかったものの一つとして生活雑排水の問題があると思います。生活雑排水による環境への影響の度合いについてお尋ねしたいと思います。
#71
○説明員(鈴木繁君) 公共用水域の生活環境に係る環境基準の達成率、BODとかCODという指標で見ておりますけれども、平成三年度では七五%の達成率となっております。徐々にではありますが改善されてきております。しかし、委員御指摘のとおり、十分な達成率ではございません。特に、都市内の中小河川や湖沼、内湾などの閉鎖性水域での汚濁の改善がおくれているといった状況でございます。
 これらの汚濁の要因といたしまして、近年相対的に生活排水の割合が高まっておるということで、特に生活排水のうちでも台所や洗濯などに伴ういわゆる生活雑排水、これらについて全人口の約半数の家庭で未処理のまま排出しておるといったことで、水質汚濁に対するこれらの排水の影響は大きいものと考えております。汚濁負荷量といったものの割合について見てみますと、私どもが調査しています代表的な水域であります東京湾について見てみますと、未処理の生活雑排水の割合が四一%、下水道等で処理された処理水の持つ汚濁負荷が二八%、合計六九%といった大きな割合となっております。
 こういうことで、環境庁といたしましては、平成二年六月の水質汚濁防止法の改正を受けた生活排水対策の推進規定に基づきまして鋭意生活排水対策を進めているところでありまして、今後とも関係省庁、地方公共団体とも連携を図りながら対策の推進を図ってまいりたいと考えております。
#72
○横尾和伸君 生活雑排水対策としての合併浄化槽の役割は極めて重要だと思いますけれども、特に、地元の話ばかりで恐縮ですけれども、福岡県内の筑後川流域、遠賀川流域などの住民の方などから大変強い要望としてこの合併処理浄化槽の普及促進を要望されることがあるわけです。特に、地域ぐるみで推進するなどもっと計画附かつ強力に推進してほしいという声が大きいわけであります。これらの声は全国に共通するものを含んでいると思うわけですけれども、厚生省はこれらの声にこたえるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#73
○政府委員(藤原正弘君) 委員御指摘のこの合併処理浄化槽というのは、下水道のないところで下水道と同じような性能を持つ家庭につける浄化槽でありまして、生活排水対策というようなことを考えますと、大変これから有望なものではないかということで考えております。
 厚生省といたしましては、そういう観点からこれの設置を促進しようということで、昭和六十二年度に国庫補助制度を設けましてこの合併処理浄化槽の設置促進に努めてまいったところであります。その予算も年々意欲的に増額を図りまして、現在までこの整備の促進を図ってきておるところでございます。厚生省では、市町村の生活排水処理計画における合併処理浄化槽の整備区域の設定及びこの計画に従った整備を推進するように指導をしております。
 また、この合併処理浄化槽の面的整備の推進方策につきましては、現在、生活環境審議会の浄化槽専門委員会というのがございますが、この専門委員会で検討していただいておるところでございます。この審議会の報告を踏まえましてさらに計画的に整備を推進してまいりたい、このように考えております。
#74
○横尾和伸君 ごみ問題は、以上のように大変深いかつ広い問題であります。文明病と言えるほど大きな問題だと思います。私たちの持つすべての知恵と良心を結集して当たるべきだと考えております。政府、関係省庁におかれましてさらなる努力をお願いするとともに、特に厚生大臣の御決意を伺って、私の質問を終わらせていただきます。ごみ行政に関することです。
#75
○国務大臣(山下徳夫君) 廃棄物処理につきましては、これまた国の内外を問わず環境上極めて大事な問題であり、私も大臣になりまして一年有余、廃棄物に一番心を砕いてまいりました。また方々も見てまいりました。その実態を見ながら、やっぱりこれは直接生活関連の重要な問題として特に厚生省としては今後とも一番力を入れていかなければならない問題だ、かように理解いたしております。
#76
○勝木健司君 環境庁の調べによりますと、一九八五年から八九年までの間に、韓国、台湾、タイ等のアジア諸国に有害廃棄物が輸出された事例が幾つか報告されているとも報道されておるわけでありますが、こうした事例は一体どれくらい実際あったのか、あるのか、また現在行政指導による対応方針はどうなっておるのかをお伺いしたいと思います。
#77
○政府委員(藤原正弘君) 廃棄物の輸出につきましては、近年、廃棄物処理施設の不足を背景といたしまして廃棄物を輸出したいという相談事例が増加しております。例えば、建設廃材をロシア共和国に輸出し、埋め立てを行いたいという事例などがございます。また、輸入につきましては、廃酸をシンガポールから輸入して処理を行いたいというふうな事例がございます。
 我が国における廃棄物処理施設の不足、処理費用の高騰、発展途上国における再生利用のための廃棄物の需要などによりまして、潜在的な廃棄物の輸出希望というのが増加することが考えられるわけでございますが、新法及び廃掃法による規制が実際にどのような影響を与えるかについては予測しがたい面がございます。
#78
○勝木健司君 私の聞いているのは、有害廃棄物の実態について質問しています。環境庁。
#79
○説明員(木下正明君) 有害廃棄物の越境移動問題につきまして、私ども環境庁としてそうした調査を行ったことは実はございません。それからまた、環境庁として、公式に外国政府の方から有害廃棄物を輸出、またはその処分に伴って環境汚染が生じているという通報を受けたということも現在のところございません。
 ただ、私どもの方では行政の参考になるだろうということで、我が国あるいは外国の新聞において一部にそのようなことがあるかどうかということは気をつけて見てきたところでございます。一部そういう報道がなされていることは事実でございまして、その例といたしましては、一九八六年にタイ国でシンガポール、アメリカ、日本等から輸入されたと推定、これは推定でございますが、推定される有害廃棄物が投棄されたと現地の新聞で報じられたことがございます。そのほか、韓国における砒素鉱滓の問題、台湾における電話交換機の輸出問題と、こういった問題が一部報道されております。
#80
○勝木健司君 この有害物質の範囲でありますけれども、今廃棄物処理法上は十一種類指定されておるわけでありますが、国際的に見てもこれは極めて狭いんじゃないかということで、バーゼル条約のリストにありますようにこの四十七品目すべてを有害物質に指定すべきではないかというふうに思うわけであります。
 厚生省は、その点でバーゼル条約の廃棄物リストに掲げられている品目については、平成四年度の予算で産業廃棄物の処理基準等設定費を計上し、今後計画的に調査を進めていくというふうに述べられておるわけでありますが、そうした調査の現状と今後の対応について御説明を願いたいというふうに思います。
#81
○政府委員(藤原正弘君) バーゼル条約の規制対象の有害物は、各国における使用や排出の実態があるものを幅広く網羅的に定めております。一方、廃棄物処理法の特別管理廃棄物は、我が国における廃棄物の排出実態を踏まえまして、現に排出されているものにつきまして、排出から処分に至るまでの危険性、有害性の程度や処理の状況等を総合的に勘案しまして規制の必要性を判断した上で、通常の廃棄物とは異なる特別の強化した基準により処理等を行うものとして指定されているものでございます。
 このように、条約上の有害物と特別管理廃棄物は規制の趣旨、目的を異にしておりますが、国内における有害廃棄物規制強化の観点から、条約上の有害物リストに掲げられている品目につきましては、今年度から年次計画を立てまして調査を開始しておるところでございます。なお、具体的に申しますと、今年度は有機塩素溶剤などにつきまして調査をしておるということでございます。
#82
○勝木健司君 改正法案では、廃棄物を輸出しようとする者は、厚生大臣の確認を受けなければならないわけでありますけれども、この要件の一つ目に、国内の廃棄物の処理に関する設備及び技術に照らして、本邦における適正な処理が困難な廃棄物であると認められることとあるわけであります。
 この結果、国内処理の困難な廃棄物の外国、特に発展途上国への安易な輸出がふえることにはならないかと危惧されるわけでありますけれども、この点について政府はどういう見通しを持っておられるのかお伺いをしたいというふうに思います。
#83
○政府委員(藤原正弘君) 廃棄物の輸出につきましては、できる限り自国内において処理するというのが国際的にも認められております要請でございます。この考え方を踏まえまして、今回の廃棄物処理法改正案は第二条の二に廃棄物の国内処理原則を明記いたしておるところでございます。
 また、厚生大臣の輸出の確認の要件でございます「廃棄物の処理に関する設備及び技術に照らし、国内においては適正に処理されることが困難であると認められる一般廃棄物の輸出であること。」という規定は、国内処理原則を担保するための規定でございまして、こうした規定に基づきまして廃棄物が安易に輸出されたりするようなことはない。また、国内における排出事業者処理責任の原則が形骸化することがないように、輸出確認制度の適正な運用に努めてまいりたいと考えております。
#84
○勝木健司君 そうしたら、国内の廃棄物処理に関する技術はあるけれども、設備がない場合の廃棄物の輸出は、法律上認められるのかどうかということ。バーゼル条約では輸出許可の要件は輸出国が処理に必要な技術、能力、施設等を有しないこととなっておるわけでありますので、この本法律案とバーゼル条約の関係についてお伺いをしたいというふうに思うわけであります。特に、有害廃棄物に関してはリサイクル目的以外には輸出できないとするべきではないかというふうに思うわけでありますが、お伺いします。
#85
○政府委員(藤原正弘君) 輸出を認めるかどうかということにつきましては、それぞれの状況に応じて個別具体的に判断されるべきものでございますが、一般的に申しますと、技術はあるが設備はないという場合につきましては、国内処理の原則に従います事業者の責任において施設の設置を図るべきものであるというように考えております。
 また、バーゼル条約と廃掃法改正案第九条の六第一号との関係につきましては、バーゼル条約において、有害廃棄物及び他の廃棄物の国境を越える移動がこれらの廃棄物の環境上適正かつ効率的な処理に適合するような方法で最小限度とされていることを確保する等が規定されており、廃棄物処理法改正案におきましても、この趣旨を踏まえまして、国内処理を原則としながら、輸出ができる場合の条件を規定したものでございます。
#86
○勝木健司君 輸入国が環境保全上適切な廃棄物の処理をなし得るかを、輸出国が検討、判定するためのクライテリアの策定が以前から予定されておるということでありますけれども、その現状についてお伺いしたいというふうに思います。
   〔委員長退席、理事菅野壽君着席〕
#87
○政府委員(藤原正弘君) バーゼル条約で要求される処理水準につきましては、締約国間で大きな差異が生ずることは問題が生ずる可能性がございますので、締約国会議におきまして統一的な基準が定められることとなっております。先般、ウルグアイ国で開催されました第一回締約国会議で本件が討議されたところでございます。
#88
○勝木健司君 厚生省は廃棄物の輸出をできるだけ規制をしていきたいということでありますが、有害廃棄物なら輸出の規制というのはバーゼル条約の目的から見て当然でありますけれども、無害な廃棄物までも輸出を規制するというのはどういうわけなのかお伺いをしたいというふうに思います。
#89
○政府委員(藤原正弘君) 有害無害にかかわらず、安易な廃棄物の輸出が横行することになりますと排出事業者処理責任の形骸化をもたらすおそれがありますので、廃掃法では国内処理の原則のもとに廃棄物全般につきまして輸出規制を行うこととしたわけでございます。
#90
○勝木健司君 輸入に関する事項でありますけれども、廃棄物を輸入しようとする者は、これも厚生大臣の許可を受けなければならないことになるわけでありますが、その申請者についてお伺いをいたします。
 この申請者には廃棄物処理センターも入ると思われるわけでありますが、廃棄物処理センターの業務としての外国からの廃棄物処理もお考えになっておるのかどうか。当然技術立国である我が国は今後この廃棄物処理技術を通じて地球環境の保全に貢献をしていかなければならないわけでありますが、そういう意味で、これから日本でしか処理できない有害廃棄物の増加も考えられるのじゃないかというふうに一部指摘をされておるわけであります。
 この改正案では、国外において生じた廃棄物は国内の廃棄物の適正な処理に支障が生じないようその輸入が抑制されなければならないとわざわざ規定されておるわけでありますけれども、中長期的に見ますと、今後我が国で国外廃棄物、特に有害廃棄物の処理がふえていくのかどうかということも含めてその見通しをお伺いしたいというふうに思います。
#91
○政府委員(藤原正弘君) この廃棄物処理センターの業務に外国からの廃棄物の処理も入るのかどうかというお尋ねの点につきましては、法律の第十五条の四の二第三項二号イに該当するかどうかということで申しますと廃棄物処理センターは該当するわけでございますが、実際に廃棄物処理センターが輸入者になるかどうかということになりますと、これはそれぞれの廃棄物処理センターが外国の廃棄物を輸入しようというふうに考えるかどうかというところにかかわっできますのて、廃棄物処理センターが具体的に輸入者になるかどうかということは現時点ではわかりません。
   〔理事菅野壽君退席、委員長着席〕
 なお、日本への廃棄物、特に有害廃棄物の輸入はふえるかどうかということでございますが、改正廃棄物処理法施行後の廃棄物の輸入の動向の予測は大変難しい面がございますので、現時点では確たる見込みは申し上げにくいわけでございますが、厚生省といたしましては、改正法に基づく輸入の許可に当たりましては、国内の廃棄物処理の状況にかんがみ適正な処理に支障を生じさせないよう厳正に対応する所存でございますので、最終処分等を目的とした安易な輸入が増加するようなことはない、このように考えております。
#92
○勝木健司君 近年、廃棄物処理施設の不足から廃棄物を輸出したいという相談が増加しておるということでありますが、この安易な輸出を認めますと公害輸出との厳しい批判を受けるのは当然であるわけであります。そういった意味で、今回の改正案によりまして輸出入の法的規制が行われることは私どもも歓迎されるべきことだと思っております。
 しかし問題は、政府の目の届かないところでのいわゆる不法取引をどう規制していくかということがこれから大事になってくることじゃないかというふうに思います。やみからやみに廃棄物が海外に流れているケースもあるということでありますし、これをどうやって規制していくのか。それとまた、我が国でしか処理できないような有害廃棄物め増加も今後はあり得るのじゃないかというふうに思いますので、我が国の輸入においてもこの不法取引をいかにして規制していくのかということでお伺いしたいというふうに思います。
#93
○政府委員(藤原正弘君) 廃棄物の不法な輸出入につきましては、まず輸入につきましては一年以下の懲役または百万円以下の罰金、輸出につきましては五十万円以下の罰金というふうになっておりまして、取り締まり当局、税関当局とも密接な連携をとりつつ不法な輸出入が行われないように万全を期してまいりたいと思います。
 また、関係者に対しまして、廃棄物処理法等による廃棄物の輸出入に関する規制につきまして周知徹底をいたしまして、所定の手続を経ないで輸出入が行われることがないように万全を期してまいりたいと考えております。
#94
○勝木健司君 きのうの連合審査でも問題になっておりましたけれども、輸出先で環境汚染を引き起こした事業者に対して政府はその廃棄物の再輸入を命じる、そして当然適正な処理、処分をさせるように監督するべきであるわけでありますが、この件で、バーゼル条約法案では第十四条で、有害廃棄物を輸出した場合の措置命令が書かれておるわけであります。
 しかしながら、当該企業に資金力がない、あるいは有害廃棄物の再輸入などができないケースが今から危惧されるわけでありますので、そうした場合一体どうなるのかということで、結局政府が肩がわりすることになりはしないかということで、そういうことであれば汚染者負担の原則が結局は守られないし、また政府が肩がわりするとなると安易な有害廃棄物の輸出に拍車がかかりはしないかということで懸念をされるわけであります。
 有害廃棄物の輸出確認の際に、当該企業が相手国で環境汚染を引き起こしたときに原状回復を図る、そして廃棄物の再輸入を実施し得るような資金力あるいは技術力を有しておるかどうかという、そういうチェック体制づくりが本当にできるのかどうかということ、また再輸入が輸出者側の責任で確実に実施されるような保険への加入を含む輸出者側の財政力を担保するための措置も検討されておるのかどうか、お伺いしたいというふうに思います。
#95
○説明員(今井康夫君) 先生御指摘のとおり、最終的に不法行為を行った輸出者等が倒産した場合、それからいなくなってしまった場合等につきましてはバーゼル条約におきまして国が責任を負うことになっておりますが、その場合は非常に限定されておりまして、倒産等の場合でございます。そういうようなことがないように、御指摘のように輸出入の審査に当たりまして資力、能力について十分検討いたしまして極力そういうことが起きないようにしていきたいと思っております。
#96
○勝木健司君 もう時間が余りありませんので、最後に厚生大臣にお伺いしたいというふうに思います。
 発展途上国への合法的な廃棄物の輸出であっても、途上国は廃棄物、特に有害廃棄物の処理とかあるいは処分技術は全く持ち合わせていないのが現状じゃないかというふうに思いますので、発展途上国へいかに有害廃棄物の処理あるいは処分技術をスムーズに移転するかということも今後大きな課題になってくるんじゃないかというふうに思われます。
 そこで、発展途上国への技術移転の問題について、いかに今後進められていくのかということも含めて厚生大臣の見解をお伺いしたいというふうに思います。
#97
○国務大臣(山下徳夫君) 廃棄物の処理は、先進国だけが幾ら一生懸命立派にやってみても地球全体の環境を守るということにならないわけでありますから、そういう優秀な技術を持っている先進国が開発途上国を応援しなければならないのは当然のことでありまして、従来から我が国もそういった技術の移転であるとかあるいは指導をやってまいりました。
 今後とも、いわゆる技術者の養成センターの建設、あるいはまた運営面での協力とか専門家の派遣、あるいは処理技術に関するセミナーの開催といったようなあらゆる面で積極的にこれらの国々に対してやっていかなきゃならぬ。それは私は先進国の義務でもあると思いますから、我が国は率先してやってまいりたいと思います。
#98
○勝木健司君 終わります。
#99
○西山登紀子君 本改正案は、全体としてはバーゼル条約批准の流れの中で提出されたものでありますので、我が党もその趣旨に賛成でございます。
 そこで、私は、このバーゼル条約の精神が生かされますように、その実施に当たりまして幾つかの補強をしていただきたい点につきまして質問いたします。
 まず第一点ですが、バーゼル条約は、その前文で、「有害廃棄物及び他の廃棄物の発生及び処理から生ずることがある悪影響から人の健康及び環境を厳重な規制によって保護することを決意して、」次のことを協定したとありますように、国際的に人々の健康と環境を守ろうという画期的な条約でございます。この条約に照らして、本改正案で最も気になります点は第二条の二でございます。「国内において生じた廃棄物は、なるべく国内において適正に処理されなければならない。」となっておりますが、この「なるべく」という言葉が大変気になるのでございます。
 この点は、既に論議されているところでございますけれども、国民の皆さんが最も関心をお持ちの点でもありますので、重ねてお伺いいたします。本改正の趣旨は、廃棄物の安易な輸出入は許さない、国内処理が原則である、この点ははっきりと貫く、こういうことでございますね。
#100
○政府委員(藤原正弘君) 委員御指摘のとおりでございます。この「なるべく国内において適正に処理されなければならない。」、「なるべく」という言葉を使っておりますが、この意味するところは、できるだけということでありまして、国内処理の原則を明記しておるというふうに考えていただいて結構だと思うわけでございます。
#101
○西山登紀子君 次に、提案理由によりますと、「近年、廃棄物処理施設の不足を背景として、廃棄物を輸出したいという事例が増加しているほか、」云々とございますけれども、この点も気になるところでございます。これまで行政当局に、例えば廃自動車のシュレッダーダストを輸出したいといった相談が持ち込まれたという話も伺っております。今後、業者が相手国と話をつけて巧妙に輸出したいというケースがふえる可能性も考えられますけれども、こうなれば日本はごみと公害の輸出国として国際的批判を受けることになります。
 厚生省としては、こうした廃棄物の安易な輸出は認めない、安易な輸出には道を開かない、こういうことでございますね。
#102
○政府委員(藤原正弘君) 廃棄物の輸出確認においては、国内処理原則の実効を担保するために、国内において廃棄物を適正に処理することが困難であると認められることを要件として明示し、事業者処理責任の形骸化を防止することにしております。この輸出確認制度の適正な運用を図ることにより、最終処分場の容量不足を理由としたり、そういうふうな安易な廃棄物の輸出は十分防止できるものと考えております。
#103
○西山登紀子君 ごみの安易な輸出に道を開かないためにも、ごみの減量化、そしてリサイクル、国内最終処分場建設促進に厚生省がリーダーシップを発揮していただきますように強く要望して、次の質問に移ります。
 次は、有害廃棄物の指定についてお伺いいたします。
 バーゼル条約では、先ほども御質問がございましたけれども、有害廃棄物に指定されているものは四十七種類ですが、我が国では特定有害廃棄物に指定されているものはたった十数種類でございます。さきの百二十一国会の廃掃法改正のときにも、有害廃棄物の範囲を広げるよう論議になったと聞いております。そして当時、厚生省の生活衛生局水道環境部長は、バーゼル条約に規制されている有害廃棄物について年次計画を策定し、調査の上必要なものについては指定していくと検討を約束しておられました。しかしながら、今回の改正案にはそのことが盛り込まれておりません。
 バーゼル条約が有害廃棄物の国境を越えることについての規制条約であって、環境汚染防止を目的としている以上、日本国内の法改正においてこの点もあわせて改正していかなければ、バーゼル条約のもともとの趣旨に沿わないと思うのですけれども、この点についてはいかがでしょうか。
#104
○政府委員(藤原正弘君) バーゼル条約の規制対象の有害物につきましては、各国においての使用や排出の実態があるものを幅広く網羅的に決めておりますので、かなり数多くなっております。
 一方、廃棄物処理法におきます特別管理廃棄物は、我が国におきます廃棄物の排出実態というのを踏まえ、現に排出されているものにつきまして、排出から処分に至るまでの危険性、有害性の程度、処理技術や処理施設、処理業の状況等を総合的に勘案しまして規制の必要性を判断することによりまして、通常の廃棄物とは異なる特別の強化した基準により処理等を行うものとして指定されておるわけでございます。
 そういう意味で、条約上の有害物とこの廃掃法の特別管理廃棄物は、規制の趣旨、目的を異にしておりますので、その結果としましてその範囲が異なるものとなっております。
 しかし、そうは言いましても、なおこの条約上の有害物のリストの中には、我が国において排出実態が将来出てくる可能性のあるものもありましょうし、また排出実態が余り見られないものもあろうと思います。したがいまして、このリストに掲げられております品目につきましては、年次計画を立てまして調査をいたしたいと、そういうふうに思っております。必要なものにつきましては、今後特別管理廃棄物として取り込んでいくと、こういうふうなことを考えておるところでございます。
#105
○西山登紀子君 それでは、次に移ります。
 日本弁護士連合会は、この十月に発表いたしました意見書の中で、本改正案に関しまして、まず第一に、有価物の扱いを従来と変更していないこと。二つ目、条約の輸出入許可の要件、手続などが法律のレベルではほとんど取り入れられていないこと。三点、産業廃棄物及び一般廃棄物の輸出入全般にわたる規制であって、条約との対応がはっきりしない上、全般的、一般的規制であるゆえに条約のように有害廃棄物等に絞った厳しい規制ができるのか疑問があることなど問題があると指摘をしております。
 昨日の連合審査でも討論されましたけれども、私もこの日弁連が指摘しております第一の点を大変危惧しております。本改正案が対象とする廃棄物は無価物であるとされておりますために、実際は有害な廃棄物でありましても、有価物ということにして輸出される場合には実際上はチェックができないのではないでしょうか。現に日本では、使用済みのニッケル・カドミウム電池が韓国に千百トン輸出されたりしています。こういうことが起こらないようにするためにはどういう対策を考えておられますでしょうか、お伺いいたします。
#106
○政府委員(藤原正弘君) 廃棄物であるかどうかの認定は厚生大臣が行うものでございます。バーゼル新法に基づき通産大臣に対して行われた輸出承認の申請の内容がその対価関係等から見て廃棄物である疑いがあるものにつきましては、通産省から厚生省に相談していただき、厚生省において廃棄物、つまり無価物というふうに認定したものにつきましては、輸出承認の前に廃棄物処理法による輸出確認を受けるように指導することになります。
 なお、廃棄物を有価物であるというふうに偽った場合も含めまして、この廃棄物処理法による厚生大臣の確認を受けずに廃棄物を輸出したというふうなケースも想定されないことはないわけでありますが、そういう場合には法律上罰則の規定があります。つまり、五十万以下の罰金ということになっておりますので、そういう規定を厳重に運用し対応してまいりたいとこのように考えております。
#107
○西山登紀子君 関係省庁が連携を密にいたしまして、そういうことが起こらないようにしていただきたいと思います。
 それでは最後に、有害廃棄物の発生量の規制について質問をいたします。
 バーゼル条約は、当該廃棄物によってもたらされる危険から人の健康及び環境を保護する最も効果的な方法は、当該廃棄物の発生を量または有害性の面から最小限度にすることであるとしております。そして、バーゼル条約の規制対象有害廃棄物四十七品目の中にアスベストが入っているわけですけれども、国内では廃アスベストは特定管理産業廃棄物に指定されておりまして、その運搬と処分について十分に管理されなければならないとされております。
 まず、国内での廃アスベストの処理状況はどうなっているでしょうか、お聞かせください。
#108
○政府委員(藤原正弘君) 廃アスベスト等につきましては、建築物の解体等に伴って排出されるものが多いわけでありますが、排出量は一定ではございませんが、平成三年時点で年間約四万トン程度と推定いたしております。これらは固形化等の後埋め立てられております。
 廃アスベスト等につきましては、本年七月に特別管理廃棄物として指定しまして、その収集、運搬から処分までの特別の基準を設けておりますほか、排出業者にマニフェストの交付を義務づけるなどの規制を行っておるところでございます。処理の基準としましては、溶融処理によりその飛散性をなくした後埋め立てるか、またはあらかじめ耐水性の材料での二重のこん包や固形化を行い、許可を受けた最終処分場の一定の場所に埋め立てることなどを規定しておるところでございます。
#109
○西山登紀子君 発がん性が非常に明らかなアスベストの使用の禁止というのは世界の趨勢になっているわけですが、国内でも製造、使用の規制を求める声は日増しに強くなっております。かつて世界最大の使用国でありましたアメリカでも製造と使用禁止の方向を打ち出しておりますが、我が国では現在も年間三十万トンが輸入され、消費され、通商白書によりますと、一九九一年度で一万三百九十四トンが製品として輸出されている、こういうことでございます。
 厚生大臣に最後にお聞きしたいのですけれども、アスベストは人の命と健康に重大な影響を与えます。また、廃アスベストはその除去と処理作業を行う労働者の健康にも直接影響を及ぼします。バーゼル条約批准を契機といたしまして、我が国もアスベストの代替製品の開発を急ぎ、基本的には製造、使用を抜本的に規制する方向を打ち出すべきではないでしょうか。製造、輸入については通産省の所管であることは十分承知しておりますけれども、国民の命と健康を預かる厚生大臣の御所見をお伺いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
#110
○国務大臣(山下徳夫君) アスベストの処理につきましては、もう極めて大事な問題であることは御指摘のとおりでありますし、これは厚生省のみならず関係各省力を合わせて今日まで手を打ってきた次第でございますが、特に厚生省におきましては、ただいま政府委員も申し上げましたように、有効適切な手を打ってまいりました。
 特に、本年の七月には特別管理廃棄物にこれを指定いたしまして、いわゆるこれの無害化等の処理ということを原則として今後とも厳重に進めてまいりたいと思っております。
#111
○粟森喬君 まず最初にお尋ねをしたいんですが、先ほどから同僚議員も言っています国内処理の原則が「なるべく」という言葉で置きかえられていることは多少言葉としても弱いんではないかと。二項では輸入規制はかなりきっちり書いてある。これは一言で言えば、この法の改正の第二条の二の一項と二項は、日本の場合はできるだけ輸入はしないけれども輸出はある程度やむを得ないという前提で書いているんだろうと思いますが、それはそれでよろしゅうございますか。
#112
○政府委員(藤原正弘君) この廃棄物の国境を越えた処理は他の国の生活環境保全に支障を及ぼすおそれのある行為でありまして、できるだけ自国内で処理されるべきであるという国際的な考え方でございます。
 法案第二条の二におきましては、この考え方を踏まえまして国内処理原則を明記したものでございます。当然この「なるべく」という意味は、できる限りという意味でございます。
#113
○粟森喬君 答弁を聞いているとなおさら、輸入のところは結構きっちりやっているけれども出るところは甘い。これからやっぱり日本の環境であるとかこの種の問題は非常に大事でございますから、今後この部分については原則処理という方向に法律も変わることを期待して、次にもう一つ法律のことでお尋ねをしたいと思うんです。
 今度は、廃掃法の九条の六の一項二号に、いわゆる国内における一般廃棄物の適正な処理に支障を及ぼさないものとして輸出をせいということで、ここは一つの制限をかけているんですが、これは私の読み方では、リサイクル市場とか古紙の市場とかスクラップ、鉄くずなどの市場のことをある程度考慮しておるのではないかと思いますが、この辺はどういう意味なんでしょうか。
#114
○政府委員(藤原正弘君) ちょっと委員の御質問を正確にキャッチできなかったものでございますが、輸出の際には国内の状況も判断して輸出の許可をするということでありますが、国内の状況といいますのは、むやみに輸出を認めてしまいますと国内で処理しなければいけないという排出者処理責任が形骸化してしまうということで、そういうのを厳しく規制するということでございます。
#115
○粟森喬君 ちょっと意味がわからないんですよ。ちゃんと答えてください。法律つくったんでしょう。
 私は、これはなぜ入れたのかということで一つ思うのは、リサイクル市場なんかの市場環境も見てというような余りにも身勝手な論理だけちょっと前に出過ぎているんではないか。輸出をしなければならないときに、何を適正なものとして考えるのかということが言葉の上で必ずしも適当ではないんじゃないかという意味を込めて申し上げましたが、それはいいです。
 そこで、最近のごみのいわゆるリサイクル資源のものがかなりもう値下がりをして、いわゆる一般廃棄物以外に、例えば古新聞を集めるとか古紙を集めるとか鉄くずを集めるとか自動車を集める人がいなくなっている。これはもうコストが完全に下がってしまっている、こういうような状況が一つの大きな問題です。こんなときはどんどん輸出しろ、ちょっとよくなったらこれは余りするな、こういう一つの市場経済原理が働くんでしょうが、古紙回収をする業者がいなくなるとその分だけ一般のごみ焼却場にそれを持ち込むそういうケースがふえる、これはもうエネルギーも要るし資源のむだ遣いでございます。
 だとすれば、一つは廃棄物全体の中でこの種のことの価格を何らかの格好で保証したり、それで一部地方自治体などがやっているのは、業者に一定程度の補助をやったりしています。やっぱり全部燃やすというのは決して私いいことじゃないと思うんです。やっぱりできるだけ燃やさずに古紙を再生紙としてもう一遍使うとか、鉄くずなども日本では余っているようでございますが、もう少しこの使い方もいろいろと研究すればまだまだ解決をする道があるわけでございます。そういうことについてこれを機会に政府として考えを前へ一歩出すつもりはあるのかないのか、そのことについてお尋ねをしたいと思います。
#116
○政府委員(藤原正弘君) 景気の後退による需要の伸び悩みなどによりまして古紙や鉄くずの再生資源の市況が低迷しまして、一部には再生資源の引き取りを業者から拒否されたり、逆に手数料を払わないと引き取ってもらえないといういわゆる逆有償と言っておりますが、こういうふうな事態が生じたりしていることにつきましては私どもも全国各地から報告を受けております。こういうことになりますと、やはりリサイクルがなかなか進みにくくなるということでありますので、ゆゆしき問題でございます。
 この再生資源をできるだけうまく活用し、先ほど委員御指摘のような紙なんかにつきましても、それを単にごみとして燃やしてしまわないで古紙回収をし、それをまた再資源化するというふうなことをいたしますと、ごみ処理という点でも軽減化されますし、また地球環境の保全というふうないわゆる省資源という観点からも大変有意義なわけであります。
 そういう意味で、こういうふうな省資源、省エネルギーの観点から、ごみの再生利用というふうなことについては大変重要なものとして厚生省は力を尽くしてまいりたいと思っておりますが、何分この問題につきましては単に厚生省だけでは十分対応ができない問題もございますので、通産省等関係省庁と連携をとりながら一層推進に努めていきたい、このように考えております。
#117
○粟森喬君 次の問題に入りたいと思いますが、できるだけ前向きに総合的に調整をしていただきたい、こういう意味でできるだけごみを再生利用に使うようにお願いをしたいと思います。
 そこで、もう一つの問題でございますが、先ほど同僚議員の、いわゆる廃棄物処理に関する地方公共団体からの最終処分場などいろんな一般廃棄物の処理に対する国の補助申請というんですか、これがございます。さっきのでき得る限りというのは、むしろここに問題があるんじゃないかと。要望に対して四百億から五百億足らないというのは、国の財政が厳しい折に大変これは難しい問題であるという認識はしていますが、ただここできちんとしたフォローをちゃんと国の責任でやっておかないと、その分が輸出に回されたり不法投棄になったりする、非常に重要な国の責任がかかわっている問題だと思うのでございます。
 したがって、ここは厚生大臣、今後の問題も含めまして、ぜひともそういう意味のところの調整のために別の基金制度をつくるなどして、原則今のそれぞれの地方公共団体のことを考えたやり方なども、これは具体的に基金というとなかなかうんと返事をしてもらえないだろうと思うんで、いずれにしても要望と実施に差があるというのはやっぱりかなり問題だという立場でここはお願いをしたい。
 さらに、厚生大臣にこの間のノーカーボン紙の問題を私何回も申し上げました。厚生省も一回調べたきりで、その後全然調査をしていなかったのを、前向きにということで前に答弁をいただいておりますので、ぜひともこの部分についてもどうしていくのかということの答弁を聞いて、私の質問を終わりたいと思います。
#118
○国務大臣(山下徳夫君) ごみの処理についてはたびたび御答弁申し上げましたし、廃棄物問題というのは今厚生省の一番大きな問題であることは御承知のとおりであります。特に市町村におきまして、これは市町村が地域住民の要望にこたえたもの、施設等をつくるのは当たり前のことであって、それが不十分であるということは市町村長のむしろ責任問題ということで、決して手柄になるようなことではない。そこらあたりを私ども十分わきまえておりますから、これはもう市町村の要望をなるだけ取り入れるという建前から今年度も予算は一四%で追加をいたしておりますが、今後ともそのことについてはさらに格段の努力をしてまいりたいと思います。
 なお、PCBの問題につきましては、先般先生からもいろいろと御指摘をちょうだいいたしましたし、私も答弁でそのことは申し上げたとおりでございますが、現在全国的に調査をいたしております。この調査の結果を待ちまして、さらに十分保管その他につきましては対策を講じていきたいと思っております。
#119
○委員長(細谷昭雄君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより採決に入ります。
 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#120
○委員長(細谷昭雄君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、菅野壽君から発言を求められておりますので、これを許します。菅野君。
#121
○菅野壽君 私は、ただいま可決されました廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、民社党・スポーツ・国民連合、日本共産党、連合参議院の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 以下、案文を朗読いたします。
    廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 政府は、本法施行に当たり、次の事項につき格段の努力を払うべきである。
 一、廃棄物の輸出については、バーゼル条約の趣旨を踏まえ、安易な輸出が事業者処理原則の形骸化を招かないよう国内における最終処分場等の廃棄物処理施設の整備を促進するとともに、輸出確認制度の運用に当たっては、国内において生じた廃棄物はできる限り国内において処理するよう国内処理の原則の徹底を図ること。
 二、国内の有害廃棄物対策については、バーゼル条約の加入の趣旨を踏まえ、同条約上の有害廃棄物を対象に調査検討を行い、必要なものについて特別管理廃棄物の指定の拡大を速やかに進めるとともに、特別管理廃棄物以外の産業廃棄物についても行政指導によるマニフェストの普及促進に努めること。
 三、最終処分場における廃棄物の埋立処分においては、その類型に応じた適正な埋立処分が行われるよう、混入防止のための搬入時の選別等の措置の徹底を図り、最終処分場についての環境保全対策を推進すること。
 四、廃棄物の再生利用、減量化を推進するため、リサイクル・センターの整備等廃棄物の減量化対策を積極的に拡充強化するとともに、廃棄物の排出抑制のための施策を強力に推進すること。
 五、諸外国における廃棄物処理の実情について、情報の収集に努めるとともに、発展途上国における廃棄物の処理技術の開発や処理能力の向上を促進し、地球的規模で環境保全に貢献するため、廃棄物処理に関する技術移転、技術協力を積極的に推進すること。
 六、バーゼル条約の趣旨を尊重して、関係省庁間の連携、協力に努め、「特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律」との一体的運用を図るとともに、環境汚染の防止、再生資源の利用の促進等のための関連施策を総合的かつ効率的に実施し、廃棄物の輸出入の管理の徹底を図ること。
 右決議する。
 以上でございます。
#122
○委員長(細谷昭雄君) ただいま菅野君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#123
○委員長(細谷昭雄君) 全会一致と認めます。よって、菅野君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、山下厚生大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。山下厚生大臣。
#124
○国務大臣(山下徳夫君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして努力いたす所存でございます。
#125
○委員長(細谷昭雄君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#126
○委員長(細谷昭雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十九分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト