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1992/12/08 第125回国会 参議院 参議院会議録情報 第125回国会 地方行政委員会 第1号
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1992/12/08 第125回国会 参議院

参議院会議録情報 第125回国会 地方行政委員会 第1号

#1
第125回国会 地方行政委員会 第1号
平成四年十二月八日(火曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
  委員氏名
    委員長         佐藤 三吾君
    理 事         久世 公堯君
    理 事         須藤良太郎君
    理 事         岩本 久人君
    理 事         有働 正治君
                狩野  安君
                片山虎之助君
                釘宮  磐君
                坂野 重信君
                野間  赳君
                林田悠紀夫君
                上野 雄文君
                大渕 絹子君
                山口 哲夫君
                渡辺 四郎君
                続  訓弘君
                長谷川 清君
                西川  潔君
                細川 護熙君
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月七日
    辞任         補欠選任
     狩野  安君     井上  裕君
     大渕 絹子君     堀  利和君
     山口 哲夫君     瀬谷 英行君
 十二月八日
    辞任         補欠選任
     井上  裕君     狩野  安君
     瀬谷 英行君     山口 哲夫君
     堀  利和君     大渕 絹子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐藤 三吾君
    理 事
                久世 公堯君
                須藤良太郎君
                岩本 久人君
                有働 正治君
    委 員
                狩野  安君
                釘宮  磐君
                坂野 重信君
                野間  赳君
                林田悠紀夫君
                上野 雄文君
                大渕 絹子君
                山口 哲夫君
                渡辺 四郎君
                続  訓弘君
                長谷川 清君
                西川  潔君
                細川 護熙君
 国務大臣
     自 治 大 臣
     国 務 大 臣    塩川正十郎君
     (国務公安委員
     会委員長)
 政府委員
       警察庁長官    城内 康光君
       警察庁長官官房  垣見  隆君
       長
       警察庁刑事局保  津和 孝亮君
       安部長
       警察庁刑事局暴
       暴力団対策部長  廣瀬  權君
       警察庁警備局長  菅沼 清高君
       厚生省児童家庭
       局長       清水 康之君
       自治大臣官房長  森  繁一君
       自治省行政局長  紀内 隆宏君
       自治省行政局公
       務員部長     石川 嘉延君
       自治省財政局長  湯浅 利夫君
       消防庁長官    浅野大三郎君
 事務局側
       常任委員会専門  竹村  晟君
       員
   説明員
       大蔵省主計局主
       計官       木村 幸俊君
       大蔵大臣官房企  川北  力君
       画官
       厚生省生活衛生  中西 明典君
       局企画課長
       建設省建設経済  河崎 広二君
       局宅地開発課長
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国勢調査に関する件
○小委員会設置に関する件
○地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○地方行政の改革に関する調査
 (派遣委員の報告)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(佐藤三吾君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、地方行政の改革に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(佐藤三吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(佐藤三吾君) 次に、小委員会の設置に関する件を議題といたします。
 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の運用及び風俗営業等に関する制度及び運用につきまして調査検討のため、小委員八名から成る暴力団員不当行為防止法及び風俗営業等に関する小委員会を設置したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(佐藤三吾君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、小委員及び小委員長の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(佐藤三吾君) 御異議ないと認めます。
 それでは、小委員に久世公売君、須藤良太郎君、岩本久人君、続訓弘君、長谷川清君、有働正治君、西川潔君及び細川護熙君を指名いたします。
 また、小委員長には久世公売君を指名いたします。
 なお、小委員及び小委員長の辞任の許可及びその補欠選任、並びに小委員会から参考人の出席要求がありました場合の取り扱いにつきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(佐藤三吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#8
○委員長(佐藤三吾君) 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。塩川自治大臣。
#9
○国務大臣(塩川正十郎君) ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。
 今回の補正予算により平成四年度分の地方交付税が一兆五千六百八十二億二千三百万円減少することとなりますが、地方財政の状況にかんがみ、当初予算に計上された地方交付税の総額を確保する必要があります。このため、交付税特別会計借入金を一兆五千六百八十二億二千三百万円増額し、この額については、平成六年度から平成十三年度までの各年度において償還することといたしたいのであります。
 以上が、地方交付税法等の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#10
○委員長(佐藤三吾君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#11
○岩本久人君 おはようございます。
 それでは、提案のありました地方交付税の問題を含めて二、三質問いたしますので、よろしくお願いいたします。
 ただいま大臣からも御説明がありましたように、今回この法案を出さなければならない基本的な発端というのは国税の減収、こういうことですね。なぜこのように五兆円という大変大きな額の見積もり違いといいますか、誤りが出たのか、それをまず大蔵省にお伺いしたいと思います。
#12
○説明員(川北力君) お答え申し上げます。
 四年度の国税の税収につきましては、今回の補正予算の編成に当たりまして、これまでの課税実績あるいは大法人に対する聞き取り調査の結果などを踏まえまして、個別税目ごとに積み上げにより見直しを行わさせていただいております。その結果、税収実績から見まして予算額に対しまして相当な過不足が生じると見込まれる税目につきまして見直しを行いまして、合わせて、先生御指摘のとおり、四兆八千七百三十億円の減額の補正の見積もりを計上させていただいております。このうち、主な減額の税目は源泉所得税及び法人税でございまして、それぞれ金利低下による利子分の低調ですとか企業収益の減少による減を見込んだものでございます。
 今回、四年度の税収につきまして、当初予算に対しまして大幅な減収が見込まれるという事態に至ったことはまことに残念でございますけれども、当初予算編成時から金利の水準が大きく低下いたしましたことや株式市況が予想を超えて低迷したこと、あるいは企業収益が当初の予想を超える大幅な落ち込みを示したことなどございまして、当初見積もりした時点とは異なる、当時予想のしかたかった諸要因が重なったということがその原因と考えられるところでございまして、何とぞ御理解願いたいところでございます。
#13
○岩本久人君 それなりの説明があったわけですが、私が考えてみても、これは単に事務的なミスというようなことではないように思いますから、その責任を追及するというのは酷な気もしないではありませんが、自治大臣に、今の答弁を聞かれた感想と、基本的にこのように大変大きな見込み違いが出てきたということの最大の原因と責任と、今後どうあるべきか、こういった問題についてお伺いしたいと思うんです。
#14
○国務大臣(塩川正十郎君) 一つは、先ほども説明しておりましたように、予算編成時、つまり予算編成の具体的なデータを集めましたその時点におきます経済状況と現在と、要するにその予算をもとにして収入の入ってまいります現在の時点との間に大きい経済状況の変化があることは、これはもう御承知のとおりでございまして、いわゆるバブルがはじけたというそのはじけ方並びにはじける時期が予算編成の、先ほど申しました基礎データを固めたときと現在との間に相当のずれがあったということでございまして、経済の変動が余りにも急激であったということが言えると思うんでございますが、なおこういう予測についてはさらに一層厳密にこれからも調査をし、予算編成に臨まなきゃならぬと思っております。
#15
○岩本久人君 いずれにしても余りにも額が大き過ぎるものですから、そこのところを一応押さえておいて今後に対処してもらいたいということをまず希望しておきます。
 次、自治省にお伺いいたします。
 具体的には、今回の措置というのは一兆六千二百二十四億円、この減額修正を特会の借り入れによって措置する、こういうことなんですが、本来的には附則三条により国が特例措置で補てんする、これが原則だと思うんですが、なぜそうしなかったのか、このことについてお伺いいたします。
#16
○政府委員(湯浅利夫君) ただいまも御答弁ございましたように、今回の補正予算におきまして、所得税、法人税が五兆円を超える減収ということになりましたので、その三二%でございます地方交付税を減額する必要が出てきたわけでございます。しかし、年度途中、既に八月末には普通交付税を決定しているという段階でございますので、当初の地方交付税の総額を減額するということは地方財政に非常に大きな混乱を起こすということでございまして、当初予算の額をまず確保したいということを前提にいたしましていろいろと検討してまいりました。
 その結果、まず平成三年度の剰余金に相当する分五百四十二億をまずこれに充てようと。しかし、これではとても足らないわけでございまして、その次に考えられますのは、当初予算において国に対して八千五百億円を貸したわけでございますから、その貸した分を返していただきたい、これが通常考えられることでございますけれども、国の一般会計におきましては四兆九千億に上る税収の減というようなこともございますし、景気対策のために国債を発行して公共事業をやっていくというような非常に厳しい事態でございますので、とても一般会計からこれを返してもらうということもかなわないということになりまして、やむを得ず特別会計の借入金によりまして残額を補てんするということにいたしたところでございます。
 そういう意味におきまして、このような状況というものは非常に臨時異例なところでございまして、緊急避難的な措置として御理解を賜りたいと思うわけでございます。そのかわりと申してはなんでございますけれども、この八千五百億円貸したのと同じ償還年度、すなわち平成六年度から平成十三年度までにかけて、この借り入れを返済するということ、あるいはこの借入金の利子につきましては全額国が負担するということによりまして、地方に迷惑のかからないような措置を講じさせていただいたところでございます。
#17
○岩本久人君 今、局長が言われた八千五百億円の問題は、私も今から言おうと思っておったところなんですが、当初予算の審議のときにも、このようなことがあるときには無条件で第一義的にお返しする、こういう約束ではなかったんですか、大蔵省との話が。
#18
○政府委員(湯浅利夫君) 当初予算の編成の段階におきましては、私どもとしては可能な限り的確なデータに基づいて税収を見積もったということでございますので、このような事態を想定していたわけではございません。八千五百億円は、そういう意味で平成六年度から十三年度までの間に国から返していただきたいということでお約束をしていたものでございまして、このような事態を全く予想していないという段階で当初予算の編成が行われたということをひとつ御理解いただきたいと思うわけでございます。
#19
○岩本久人君 結果としてそういうことにならざるを得なかったということは、私は極めて残念であるし、また大蔵当局も極めて不誠意だ、こう思っております。
 それで、自治大臣にお伺いしますが、昭和五十九年度に同じような状況になったときに、結果として今回と同じような措置をすることになった、そのときには今後はこのようなことはやめるということで、自治大臣の覚書までもあるというふうに思っているんですが、自治大臣の覚書というのは私たちから見れば大変重い、地球よりも重いとは言いませんが、かなり重たいものだ、こう思っておるんですが、まずその認識を先に聞きます。
#20
○国務大臣(塩川正十郎君) 確かに、覚書を相互に交換するということは、それは大変重要な決意を持ってやっておることだと思っておりますが、同時にその五十九年の覚書は、問題処理のために双方が確認し合ったという意味も相当その覚書で評価していただけるんではないか、こう私たちは解釈をしております。
#21
○岩本久人君 おおよその認識が若干違うような気がするんですが、振り返ってみると、わずかこの三年余の間に自治大臣が四人がわっておられる。巷間うわさによれば、また近くかわられるのかどうなのかわかりませんが、ひとつせっかく意欲を持ってしっかり頑張っておられるわけですから、来年も再来年も自治大臣にこういったことは忘れないようにきっちり頑張ってもらいたい、このように思っております。
 ところで、今回のこの措置というのは全額地方が借りる、こういうことになっておるわけですが、五十九年のときを調べてみたら、緊急避難的という言葉もさっき出ましたけれども、総額十二兆円ありましたけれども、今回よりかなり多い額ではありますが、国と地方とで半々に負担し合う、こういう経過がありますね。そのことからすると、先ほど局長が言っておられた利子を全額国で持つというのは当たり前の話なんですよ。それと同時に、半々というようなことも含めて検討し直すべきではないか、このように思いますが、いかがでしょうか。
#22
○政府委員(湯浅利夫君) 御指摘のように、昭和五十年代におきまして地方財政に非常に巨額の財源不足が生じていた時期におきまして、特別会計の借入金についてその償還の二分の一を国が負担するという、そういうルールを設けていた時期がございます。この時代はむしろ財源不足が非常に大きくて、本来でございますと交付税率を引き上げるべき状態にあったんじゃないかというような状況のもとにおきまして、国の財政状況からはそれができないということで、暫定的な措置といたしまして借入金をして、その半分を国が負担する、こういうルールを続けてきたわけでございます。
 その結果、今御指摘のように、五十九年度におきまして借入金が非常に巨額なものになってしまった。これをこれからどうするかということで、当事者の間では大変危機意識があったと理解しております。
 そういうことを踏まえまして、五十九年度におきましては、これから以後は原則としてこの特別会計の借り入れという制度をやめて、そして特例措置というものを交付税法で当分の間設けるということに変更したわけでございます。
 そういうことを踏まえまして、それ以後の状況を見てみますと、基本的には特例措置という形で増額をしたりあるいは減額をしたりということを原則にいたしておりまして、借り入れというのは一回この前に、ことしやった場合のほかに一回ございますけれども、それはある程度例外的なものとして行っているわけでございまして、交付税の総額というものが国税の正税の収入額の一定割合ということでリンクされているということから考えますと、国の収入見込み額が減少すれば、年度途中で補正をすればその段階で減額になる、あるいはそのまま決算まで打ってしまえば決算の段階でこれは財源不足ということでお返ししなきゃならない、こういうルールで一定の割合でリンクされている以上は、これはある意味では宿命的なものでございまして、こういうことを前提にして交付税率というものが定められているということをひとつ頭に入れておかなければならないと思うわけでございます。
 今回の借り入れというものは、そういう趣旨から考えまして、五十九年度の改正と申しますか、やり方の変更というものを踏まえて行ったことを考えますと、この借入金はやはり地方が地方の財源でお返しをするということにせざるを得ないものではないかと思うわけでございます。
#23
○岩本久人君 今の説明では全く理解できないんです、私は。つまり、五十九年度のときには、では何の法律で、あるいは何に基づいて半分にしたのか、負担割合を五分五分にしたのか。そして、暫定措置ということですけれども、だれがどういう権限で判断したかということをもう一度聞きたい。それと同じ判断が今回なぜできないのかということも含めてお願いしたいと思います。
#24
○政府委員(湯浅利夫君) 借入金の償還の二分の一を償還するというのは、これは交付税法の附則によりましてその年度年度において最初は決めたわけでございますけれども、いずれにしても交付税法に基づいて国会で御審議の上決めていただいたものでございます。
 しかし、先ほども申しましたように、昭和五十九年度におきましてこの巨額の借入金というものを国と地方でどういうふうに処理していこうかということを相談した結果、五十九年度において約半分を国が国債費で償還する、残りの半分は地方交付税の中から償還する、それでそれ以後は原則として特別会計の借り入れはしないということで、先ほど申しました大臣同士の覚書ができ上がったわけでございまして、それを踏まえてそれ以後の国と地方との関係というものは借入金をしないということを前提に、かつ、した場合にもみずからの財源でそれはお返しする、こういう仕組みに変えたわけでございますので、この点についての御理解を賜りたいと思うわけでございます。
#25
○岩本久人君 全く理解できぬですね。恐らく聞いておられるほとんどの皆さんは、国と地方と半額ずつ負担することにしたということについての説明が納得できぬのじゃないかと思うんですが、今から言うことだけ答えてみてください。だれが半額にしようとしたんですか。だれが決めたんですか。どういう判断ですか、それは。
#26
○政府委員(湯浅利夫君) 昭和五十三年度におきましては、地方財政において巨額の財源不足があったということを前提にしまして自治、大蔵両省において相談した結果、じゃ二分の一を国で負担するということでお話をした結果を踏まえて、法律でこれを御提案いたしまして御審議を賜ったわけでございます。その後五十九年度において、この仕組みは長い間続けるべきものではないということでこの制度をやめまして、現在のやり方に変えたということでございますので、五十年代の二分の一国負担というやり方はこのまま踏襲するということは、これはできないということでございます。
#27
○岩本久人君 だから、そのときには時限立法的に、緊急避難的に五十九年度だけの措置としてやった、こういうことなんですね。そのかわり、大臣同士が覚書を交わして今後はそのようなことがないようにしたいと言いながら、また今回やった、こういうことなんですね。
#28
○政府委員(湯浅利夫君) 昭和五十年代におきましては、毎年毎年かなり巨額の財源不足が出まして、それに基づいて交付税の特別会計の借り入れを行ってまいりました。ですから、そういう意味で五十九年度だけではなしに、かなり毎年毎年そういうものが積み上がってきたわけでございます。その結果が五十九年度の段階で十兆円を超す借入金残高になってしまった。これを、これでいったら困っちゃうというので両省相談の結果、じゃ半分ずつ国と地方で負担をしてそれでこの問題はここでけりをつけましょう、その後は原則として借り入れはやめましょう、こういうことで五十九年度にやり方を変えたということでございますので、それ以前の半分の国の負担ということはこれは五十九年度段階において一応御破算になった、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
#29
○岩本久人君 まあいわばそれまでの累積赤字をそこのところで総合判断で政治決着した、こういうことのようですが、冷静に考えてみると、私はやはり極めてそのときの判断というのはいい加減な気がしてなりませんが、時間がありませんので、今後そういうことがないようにということだけ申し上げて、次に行きたいと思います。
 自治大臣にお伺いしますが、今回総合経済対策ということで十兆七千億円というものが示されました。その中身を見ると、地方に対しての公共事業が五兆円、それから地方の単独事業が一兆八千億ということですから、極端な言い方をすれば日本全体の景気浮揚の中の約六割方を地方に責任を持たしたというような形に見えるんですが、その認識でいいのかどうか。また、それでいいのならば、そういう手法、やり方というものについての評価は自治大臣はどのような見解をお持ちか、お伺いしたいと思います。
#30
○国務大臣(塩川正十郎君) 今回の補正予算は御承知のように景気浮揚と申しましょうか、要するに経済の落ち込みをここでストップかけるということが大きい命題でございます。そのためには、国としてあるいは地方団体としてできるだけ数多くの公共事業を各地域において創造していくということがその対応として一番的確であろうという判断でございます。
 そういたしますと、国並びに地方が行いますところの公共事業というものは即効性、すなわちすぐにかかれるものであって景気対策に即効性のあるものということになってまいりますが、そのことは一つのロットを小さいものをたくさん出すということであろう。そうしますと、そういう仕事に一番適応いたしますのは地方公共団体が行っておりますところの公共事業であることは当然でございますので、したがってそういう点からも地方団体のいわば公共事業に対する責任というものが重加されてきた、こう思っておりまして、私は今度のこの補正予算の内容を見ました場合に、地方にとりましては評価すべき補正予算であると思って認識をしております。
#31
○岩本久人君 トータルではそう言われないこともないとは思うんです。しかし、内容を分析してみるといろんな問題がたくさんあります。
 例えば、今回のこの総合対策に関連して自治省は、公共事業等の追加に伴う地方負担、例えば臨時地方道整備事業債あるいは臨時河川等整備事業債、臨時高等学校整備事業債、こういったものを通常八割のところを一〇〇%見よう、こういうことにしていますが、それは全額地方の借金として残っていく、こういうことですかね。そうすると、従来自治省が指導していた各自治体における公債費の負担比率、この危険ラインは大体一五%というところで指導してきた、この指針というものが崩れてくるんではないか。私は今回のこの措置を詰めていけばいくほどそこに到達すると思います。
 つまり、私が言いたいのは、景気に左右されてそこのところが、基本的な健全財政のありようというものの指導方針が変わってくるというようなことはいかがなものか、こう思うんですが、その点についてはどのようにお考えでしょうか。
#32
○政府委員(湯浅利夫君) 今回の景気対策に伴いまして、地方の単独事業を積極的にお願いしたり、あるいはただいま計上されておりますこの補正予算によります公共事業の追加に伴いましてこれまた地方負担が伴うわけでございまして、こういうものについて、年度の途中でございますから新たな財源がございませんから、当面は地方債でこれをやっていただこうということで地方団体に協力を要請したところでございます。そういうことを踏まえますと、やはり地方財政にとっての借入金というものがかなりふえてくるということは、これは今御指摘のとおりだと思うわけでございます。
 今の状況をちょっと申し上げますと、平成二年度の決算におきまして、地方団体全体の公債費の負担比率は一〇・九%ぐらいになっております。一五%よりもややまだ下回っているわけでございますが、しかし四十年代の後半の地方財政が比較的よかった時代に比べますとやはり五ポイントぐらい上がってきている、こういうことも言われます。特に財政力の低い地方団体のグループほどこの公債費負担比率が高い、こういう統計上のデータも出ております。昭和四十九年度において一五%を超える団体はわずか五十団体だったものが、平成二年度では千二百三十二団体、全体の約四割を占めるというような状況でございますから、この公債費の負担というものには十分注意しながら財政運営をしていかなければならないということは重々私どもも考えているところでございます。
 しかしながら、現下のこの経済状況を考えてみますと、景気問題というのはとりもなおさず地域経済の問題でもございますので、地域経済を活性化するために景気対策に積極的に自治体におかれましても協力をしていただいたわけでございまして、この際に行いました地方債につきましては、その元利償還金を交付税で算入するとかというようなこともいろいろと考えております。
 また、御案内のとおり、近年におきましては、特例的に発行いたしました地方債につきましては、繰り上げ償還をするための財政措置も行ったりいたしまして、中長期的にできるだけこの公債費負担が将来において影響を及ぼさないような努力をしているところでございまして、これからもこの点についてはよく注意をしながら、各団体におかれて公債費の負担のために財政運営に支障の生じることのないように私どもも努めてまいりたいと思っているところでございます。
#33
○岩本久人君 今の基本的問題に関連をするんですが、十一月十二日に指導課長通達が出されておりまして、それの関連の中で最近新しく耳にする言葉としてゼロ県債という言葉が出てきた。このゼロ県債という言葉は自治省の中で認知された言葉なのか、この中身は何か、これはいいことなのか悪いことなのか、それについてお答えをいただきたいと思います。
#34
○政府委員(湯浅利夫君) ゼロ県債というのは、いわば通称でございまして、国の予算でございますとゼロ国債というのがございますが、それに対応してゼロ県債という言葉で呼んでいるわけでございますけれども、予算の先組みと申しますか、前年度において債務負担行為を行うというものを、特に国の場合では公共事業を前年度に契約執行でやりやすいようにということで国の債務負担行為を行うわけでございますけれども、それと同じようなやり方で、地方単独事業につきましてはそれぞれの都道府県におきまして債務負担行為を行って前年度から契約が行えるようにする、こういうことでこのゼロ県債というものを考えているわけでございます。
 この効果といたしましては、予算が成立をしてからいろいろな準備をして契約するということになりますと年度の初めに工事が発注できないというような問題もございますので、前年度において債務負担行為を行うことによりまして工事の準備を行い、かつ契約をするということで工事の平準化が可能になってくるということでございまして、その結果建設労働力が安定的に確保できる、あるいは建設資材も安定的に確保できる、こういうことが可能になってくるわけでございます。
 特に景気対策という点で、切れ目のない工事を発注していくというためにも、前年度に債務負担行為によって契約をするということは極めて有効なやり方ではないかということで、実はこういうこともひとつ検討してほしいということを各都道府県にお願いしたところでございます。
 そういう点からいきまして、このメリットというものは、やはり特に景気対策に関連する問題、それから雪国に、積雪地帯において冬期間工事ができないところではできるだけ早く工事に着手したい、こういうような点におきましても、このゼロ県債の活用ということはやはり有効なやり方ではないかというふうに考えております。
#35
○岩本久人君 局長はメリット部分を強調されましたが、一万そのことが高じてくれば財政硬直化
になってくるという懸念もあるということも心して今後やってもらいたいと思います。
 次に、地方債の許可制度の問題について伺います。
 地方自治法の二百五十条で、「普通地方公共団体は、地方債を起し並びに起債の方法、利率及び償還の方法を変更しようとするときは、当分の間、政令の定めるところにより、自治大臣又は都道府県知事の許可を受けなければならない。」、こうあります。ここで言う「当分の間」とは、具体的にはどういう期間を指すんですか。四十年たつのでそろそろということではないんですか。
#36
○政府委員(湯浅利夫君) 地方自治法が昭和三十八年に改正された際にも、この地方自治法二百五十条の「当分の間」の規定については国会で御審議いただいております。
 法令上の用語といたしましては、「当分の間」という用語は不確定の期間をあらわすというものでありまして、時間的に短期間であることを意味しているものではないということはこの法律の御審議をしていただいたときにも申し上げているわけでございまして、そういう意味で、必要のある段階におきましては、この「当分の間」ということで行うことが可能ではないかというふうに考えているわけでございます。
 また、この許可制度につきましては、それぞれの地方団体の安定的な財政運営を行っていく上には、やはり現段階では必要な制度だというふうに考えておりますので、この点についての御理解をお願い申し上げたいと思います。
 ただ、この地方債の許可手続につきましては、地方団体の自主性に基づく地方債の活用が図られますように、できるだけ弾力的に、しかも簡素化するということは、これはやっていかなきゃならない問題だということで、今後ともその点については努力をしてまいりたいと思っております。
#37
○岩本久人君 今の問題は極めて重大な問題ですから、この次のときにこの問題だけに絞ってまた質問させていただくということで、一応交付税問題は後山口委員の方からやられますからおいて、違う問題を二点ほどちょっとお伺いいたします。
 まず、警察庁にお伺いいたします。
 ある人が東京駅に忘れ物をした。それで心を残しながら、例えば私のところの島根県に帰ってきた。そうしたら、一週間たって、東京駅の警察署の派出所から電話があって、見つかったのでとりに来い、こういう電話があったというんですね。それで、何を忘れたんですかと言ったら、傘だというんです、二千円の傘を忘れたと。それで、名前が書いてあったから確かにあなたのものだということがわかるわけだから、それぐらい送ってくれればいいのに、島根から東京まで私も年間百回ほど来ていますのでわかるんですが、大体五万円かかります。二千円の忘れ物をとりにわざわざ何万円もかけて来るというようなことでは困るので、その辺はどうなっているんだろうかということを言っておりまして、今の時代、そのようなことがまだあるのかとびっくりしたんですが、あるいは若いお巡りさんでそういう制度がわからなかったのかもわかりませんが、そういうことはどうなっているのか、まずお聞きをしたい。いいぐあいにやってもらいたいと思います。
#38
○政府委員(津和孝亮君) お答えいたします。
 警察署で保管いたしました遺失物につきましては、遠隔地に居住する遺失者から返還を求められました場合には、遺失物法等に基づきまして、本人であることを確認いたしました上で、その遺失者の希望する送付方法によりまして遺失物を返還する取り扱いになっておるところでございます。
 なおこの場合の返還に要する経費につきましては、その遺失者の負担ということになってございます。
 今、議員御指摘のような事実関係につきましていろいろ調べてみたわけでございますけれども、そのようなことは今のところまだ確認されていないのでございますが、実は平成三年中に警視庁の会計課の遺失物センターで取り扱った返還件数のうち、こうした遺失物を送付したというふうなケースが五百六十一件ございます。現実にそういう仕組みの上に乗って送付されておるところでございます。
 警察庁といたしましても、こうした法令の規定に基づいた適切な遺失物の取り扱いにつきましてさらに都道府県警察に注意をしてまいる所存でございます。
#39
○岩本久人君 今のは、私は一般論を言ったんです。個々の問題では、実は東京駅ではないので、また後で連絡があれば調べてみます。
 それでは、それぞれの現住所へ送ってもらうような形で制度ができておるわけですね。そういうことですね。それなら、ひとつ末端のお巡りさんまでそのようになっているということを徹底してもらいたいということをお願いしてこの質問をおきたいと思います。
 最後に、いわゆるお墓の問題について質問したいと思います。
 まず、厚生省にお伺いしたいんですが、墓地、埋葬等に関する法律の十条で、「墓地、納骨堂又は火葬場を経営しようとする者は、都道府県知事の許可を受けなければならない。」と定められておりますが、この法律でいうところの経営することができるのはどのようなものであるか、お伺いいたします。
#40
○説明員(中西明典君) 墓地の経営につきましては、極めて公益性が高い、あるいは代々の継続性というものが求められるわけでございまして、私どもといたしましては、基本的に公益法人、宗教法人あるいは地方自治体、そういった団体が墓地を経営していただくようかねてから指導しておるところでございます。
#41
○岩本久人君 自治大臣にお伺いをいたします。
 ただいま話がありましたように、お墓の経営は自治体か宗教法人か、今公益法人はありません、これは財団法人です。この三者でないと経営することができないんです。まずそれを念頭に置いてください。
 ところで、九月二十六日の土曜日、朝八時半、NHKで「くらしの経済」というのがありまして、そこでかなり時間をかけてこの墓の問題が大変社会問題化しているということの放送がありました。たまたま私そういった問題で悩んでいたものだからしっかり見ておりましたら、やっぱり同じような悩みをそのNHKでも放送しておりました。
 つまり、私のところのような超過疎県であっても、実はこの墓の問題は深刻です。過密過疎、一極集中は、東京対地方だけではないんです。私のところのような島根県でも、例えば私の出身の弥栄村とか、竹下さんの出身の掛合町とか、櫻内さんの出身の伯太町とか、こういう中国山地に位置する山間の町から、仕事がない、学校がないから全部日本海の海岸べりの八市に人口の流出がもう物すごいんです。激しいんです。だから、この日本海沿いの国道九号線沿いには次々にそういった方を受け入れるための犬型の団地の造成が進んでおります。
 例えば、私が現在住んでいるのは松江ですが、私自身が住んでいるところの団地でも、今から十年前に八百戸の団地ができました。そこだけで三千四百人が住んでおります。そういった団地が次々にできできますが、お墓がないんですね。墓がないから、入って十年、二十年たつと、四十で入っても二十年たつと六十になる。五十で入ると七十になるんです。そうすると、お墓を考えなければいけない適齢期になってくる。そこではたと困る。どうしようかということで、まず今の法律に基づいて市役所に行った。第一は自治体だから、市役所に行った。松江の場合で言うと、一万の山の中にあるんですが、大体二十キロはかかりますね。だから、墓地をせっかくつくったというのに、身近に墓が欲しいということでみんな希望しているにかかわらず、二十キロ先の山の中にあるということではだれも希望しない。
 では、第二番目の宗教法人はどうか。近くにお寺がありますから、お寺に行ってお願いをすると、私のところに余裕があるから入ってください、そのかわり絶対条件として、私のところは臨済宗ですが、必ず檀家になってくださいよと、こうなっておるわけですね。しかし、今は次々に、新興宗教を含めてもありとあらゆるものがあって、キリスト教やその他いろんなのがありますね。それを臨済宗に即入れと言われてもそうはならないということで、せっかくそこに余裕があっても入ることができない。
 では、次に残されたのは一つしかない、選択肢が。財団法人を自分たちでつくって経営するしかほかに道がないんです。それで、松江でも関係者が寄って財団法人を三年かかってようやくつくりました。財団法人をつくるというのは大変なんです。基金を最低三千万円積まなければならない。全部これは借金です。そして、土地を買収しなきゃならない。三年かかってようやく財団法人をつくった。
 さて、お墓の営業許可をもらおうと、営業許可といっても具体的に言えば永代使用料を払う契約を結んでやるわけですけれども、その許可をもらいに県に行ったら何と言われたか。現在どこの県でもそうですよ。当該市長の意見書を持ってこいと、こういうことです。それで当該市長の意見書をもらいにみんなで行きました。行ったら、関係部の部長はそれなりの雰囲気を出すから、ああ間もなくだなと思っておったら、二カ月たっても三カ月たっても意見書が出てこない。なぜか。そのお墓ができる近辺の住民が反対するんです。
 反対する理由はどこでも恐らく一緒だと思うんです。二つあります。一つは、昔からの観念で、お墓イコール幽霊だから、そんなもの来てもらっちゃ困る、怖いと。しかも、今回私たちがつくろうとしたのは三百ですから、三百もまとまって幽霊が来たら怖い、嫌だ。精神的苦痛になるからもう絶対嫌だ、死んでも嫌だ、こう言われるわけです。そこの近所のおばあさん、おじいさんは死んでも嫌ですよと。それからもう一つは、そういったものが来ると、せっかくの自分たちの先祖伝来の土地は財産の価値が下がる、それは困ると。この二つの理由で、絶対がつくほど同意しません。
 しかし、法律にはどう書いてあるか。島根県の条例では、同意をとってこなければならないのは墓地から百メートル以内です。百メートル以内に民家があれば、その方の同意をとってこいということだから、はかってみたら、そこの家は二百メートルである。死んでも嫌というのが二、三軒あるのは二百メートルだから問題ないじゃないかと。もちろん、それはできるだけうまくうまくということでやろうとしましたけれども、絶対嫌と言われる。しかも、詰めていけばいくほど死んでも嫌と言われる。死んでも嫌と言われるものは絶対に同意書をとれるわけがないですね。
 しかし、市長が意見書を出すためには絶対地元の同意を、百メートルが二百メートルであれ、とにかく市長としては、二人でも三人でも、必ずそこの地域の市会議員がついておって応援者になっておるわけだから、そうすると市長はわずらわしいですね。だから、まあまあ必ず書くから、とにかくそこのところをいいぐあいに話をつけてきてください、そうすれば意見書を出しますと言うけれども、さっきから言うように、絶対嫌、死んでも嫌と、こうなっているわけだからとれません。せっかく無理をして、今の具体的例では三百人で財団をつくって、お金を積んでもう今か今かと待っている。それで、待っておる人は何か。もう三年前からの話ですから、これは。この三年間だけでも十数人がお亡くなりになって、そのお骨を自分の家の仏壇のところに置いて今か今かとこの墓地ができるのを待っているという状況です。
 では、どうしたらいいでしょうかということを自治大臣に聞きたい、こういうことです。
#42
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、話を聞いておりまして非常に参考になりました。私は墓なんて考えたことありませんので、なるほど面倒なことなんだなと思って今びっくりいたしました。非常に参考になりました。
 ただ、民主主義の世の中というものは非常に難しい問題がございまして、一人が反対すれば橋かけませんというようなそういう民主主義もございまして、これはもう民主主義というよりエゴなんですね。
 さっきのおばあさんの話でございましょうか、死んでも嫌だとおっしゃるのは、これはやっぱり自分一人が反対していて、自分が納得すればそこへできるんだったら条件をいろいろつけて、例えば墓との間を隔離する方法、あるいはちょっと木を植えて環境を変えるとか、そんなことでできないんだろうかなとあなたの話を聞きながら思っておったんですが、そういうふうに一人が反対すれば難しい話では、市長さんとか関係者の努力をまって納得させていただくのがやっぱりいいんじゃないかなと。それ以外に、ここへ来て強権でもってそれをやるということはかえって変な問題に発展してしまいますし、そこへ、墓へ祭ってもらう人がかえってがたがた化けてくるかと思いますし、私としては率直に言っていい知恵はございません。
#43
○岩本久人君 それで、実は最初から僕が相談を受けて、僕が県会議員の時代だからもう五年ぐらい前から受けて、ずっとやってようやく到達してそこなんです。
 それで、さっき言われたように、例えばその地域に公民館をつくってあげよう、あるいは、三百人が今度来るわけだから隣で線香を売ってはどうか、あるいはお花を売ってはどうかということを持っていったんですが、そう言うと必ず出てくるのが今度は幽霊論なんですね。幽霊論にはお金では勝てぬのですよ。どうしようもないんです。
 それで、私が今言っているのは、市長さんに、とにかくそんなことを言ってもここの強力に反対しておる三、四軒、これも市民だ、しかし墓がなくて困っておる三百軒も、これも市民ですよ。多い方が民主主義とは言わぬけれども、しかしそこのところはある程度泥をかぶってきっちり、一部の反対はあるけれどもやむを得ないという意見書を書いてもらいたいと言っておるんだが、書いてもらえない、その三、四軒のために強力な市会議員がおって、もうまさに張りついておるわけだから。それはどうすればいいんですか、もう一度聞きたいと思います。
#44
○国務大臣(塩川正十郎君) といって、それは強制収用の方法もないだろうと思いますし、ですから先ほどちょっと申しましたように環境整備を、やっぱりその反対しておる方々がおっしゃることをもう少し煮詰めてみて……
#45
○岩本久人君 いやいや、幽霊だからだめなんですよ。
#46
○国務大臣(塩川正十郎君) 幽霊が出てこないように高い木を植えたら、幽霊はちょっと重たいからよう越してこないだろう。そこらのことはやっぱり話し合い以外にないだろうと私は思います。
#47
○岩本久人君 それじゃ最後に、建設省と厚生省にお願いをしておきたいと思いますが、もちろん答えをくださいね。
 そこで、一生懸命考えた結果、私はこういう方法しかないんではないかと思ったんです。
 一つは、まず建設省に伺います。
 提案ですが、都市計画法二十九条で開発行為の許可が要りますね。このときに、もうありとあらゆる業者がこの許可をとるために死に物狂いで一生懸命になっていますから、そのときなら間違いなくこれは併設になると思いますので、少なくとも一定規模以上の団地造成に当たっては一定割合の墓地の整備があることを前提条件にするということを今後検討してはどうか、これが一つです。
 それから、厚生省にお願いしたいのは、今言ったようなことが実は全国津々浦々にあるというのが現状です、これは。だから、墓地ということももう最近は大変重要な環境整備のうちの一つですから、厚生省が所管なわけですから、こういった問題が出ておるけれども、ひとつきっちり対応せよと。第一義的には自治体ですから、市町村ですから、市町村の責任においてまず墓地整備をするようにしっかりやれということの徹底をしてもらいたい。その徹底の仕方はいろいろあると思いますが、皆さん方が得手な、私は余り好きじゃないですけれども、通達だとかあるいは各市町村長の会議だとかいろんなことを通じてやってもらいたいと思いますが、さっき自治大臣に言いましたように、基本的な問題でいい知恵があればまずお教え賜りたい。あった上で、今私が言ったことについてそれぞれ御答弁をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
#48
○説明員(河崎広二君) 御指摘の開発許可制度でございますが、これは都市の健全な発展と秩序ある整備という公益の実現を目的といたしまして、本来自由な財産権の行使でございます開発行為につきまして必要かつ十分な規制を行うものでございます。
 具体的に申し上げますと、道路などの公共施設の整備を伴わないばら建ちによるスプロールの形成を防除いたしまして良好な市街地の水準を確保する、あるいは開発による災害の発生を防除する
#49
○岩本久人君 大演説はいいから僕の言ったことだけに答えてください。
#50
○説明員(河崎広二君) そういうことを主要目的といたしております。
 都市における墓地の確保の重要性ということについては私どもも十分理解をするところでございますが、開発許可制度というのは、ただいま申し上げましたように、スプロール的な開発の抑制でございますとか災害の防除あるいは環境の保全といった土地利用の観点を一つとして審査するということになっておりますので、現段階において大規模な住宅団地開発に一律に墓地の確保をその開発許可基準の中で義務づけるということは、今後検討しろというような御指摘でございますが、なかなか難しいのではないかというふうに率直に感じておるところでございます。
#51
○説明員(中西明典君) 墓地、埋葬法につきましては、現在団体委任事務という格好で地方自治体に委任されておるところでございます。墓地の整備につきましても、やはりこれは各地方自治体において、それぞれの地域において墓地の需給状況が異なっておるというような実態もございますし、またその開発主体といたしましても公共団体あるいは民間それぞれその地域の実情があろうかと思います。そうした実情を踏まえつつそれぞれの県が適切に対処していくのが筋ではないかというふうに考えております。
#52
○岩本久人君 時間がないのでやめたいと思っておるのに、いいかげんな答弁しか出ないから困るんですね。僕が一生懸命言ったことを本気で聞いておったのかい、大体。僕が言ったことだけに答えてくださいよ。
 厚生省には、そういう深刻な状況というのが現場にはたくさんあるから、法律の趣旨を踏まえてきっちり指導せい、第一義的には自治体だから、自治体の責任で住民のニーズにこたえるような墓地経営をするようにしろということの通達を出しなさい、徹底しなさいということですから、そのことにだけもう一回答えてください。
 それから、あなたの段階で、はい、検討しますということにはならぬかもわからない、それは。しかし、私が言ったことは非常に重要なことですから、私が四年も五年もかけて一生懸命悩んだ結果、一番いい方法は何かと思ったのがそれなんです、それしかないんです、現場で苦しんだ結果。だから、わたしが言った意見について、しっかりと省内に持ち帰って検討して、また返答します、回答しますと、こういうぐあいに言ってください。それで、中間報告でいいから一月以内に下さい。お願いいたします。それを答弁してください。
#53
○説明員(中西明典君) 先ほど先生御指摘の松江市の件につきましては、基本的に県としても法人あるいは松江市の意向を十分聞きながら、必要に応じ適切な助言、指導を行っていくべきものというふうに私どもも考えておりまして、県がそうした方向で対応するよう私どもといたしましても助言、指導をしてまいりたい、かように考えております。
#54
○岩本久人君 いやいや、島根の問題だけじゃないんですよ、僕が言っておるのは。
#55
○説明員(河崎広二君) 委員が大変御苦労されているということについてはよくわかるわけでありますが、開発許可制度の趣旨の中で現在の開発許可基準の中にそういったものを取り込むということは、現段階では非常に難しいのではないかというふうに考えておるわけでございます。
 ただ、ただいま説明をしてくれというお話がございましたので、これは別途詳細な御説明をさせていただきたいと思います。
#56
○山口哲夫君 交付税の問題から入るべきところでございますけれども、今国民の中で一番関心の深い暴力団と政治家との関係に関連をいたしまして、警察庁長官に一、二お伺いしたいと思います。
 最近、暴力団対策法ができましてから、暴力団は資金源を絶たれたということで民間事業にも手を出して大変巧妙に企業化までを図っている、そういう実態がございます。そんな中から、今後政治家との癒着が生じてくるんではないだろうか、そういうことが心配でなりません。その意味で、今回の東京佐川急便事件と暴力団の関係を十分把握しておく必要があろうかと思います。
 そこで、質問をいたしますけれども、今回の金丸氏と暴力団との関係をどこまで把握しているのか、そして東京佐川と皇民党と暴力団の関係をどこまで警察庁として押さえているのか、この点についてお尋ねいたします。
#57
○政府委員(廣瀬權君) 御質問二つございましたが、まず最初の政治家と暴力団との癒着、どのくらい実態を把握しているかという御質問でございますが、警察といたしましては、暴力団対策を推進する上で暴力団の動向につきましては常に関心を持って情報を収集しておりますが、御指摘の暴力団と政治家との問題につきましていろいろな機会にいろいろと言われていることなどは承知をいたしておりますが、これまでのところここで申し上げられるような具体的事実の確認には至っておりません。
 二番目の東京佐川急便と皇民党あるいは暴力団との関係でございますが、先生御承知のとおり、警視庁におきまして東京佐川急便事件の捜査をいたしました。その結果、東京佐川急便が稲川会前会長石井進の関連企業に対しまして行っておりました債務保証あるいは貸し付けの総額は約二千五百億、これは元利の償還に千五百億が充てられておりますので焦げつきというのは一千億ということになりますが、債務保証、貸し付けの総額が約二千五百億に達するとの報告を受けておりまして、東京佐川急便の渡邉元社長と稲川会の石井前会長とは極めて密接な関係にあったものというふうに見ております。
 一方、東京佐川急便と日本皇民党との関係につきましては、具体的事実を確認しておりませんので、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。
#58
○山口哲夫君 今回の政治家と暴力団との関係から、司法に対してまで国民の批判が非常に高まってきたということは大変残念なことだと思います。
 例えば、検察当局と一部政界派閥との間に癒着があるのではないかという、そういった疑念もありますし、そのことが検察の大事にまで影響を及ぼしているのではないだろうか、そんな疑問を多くの国民が抱いている。まことにゆゆしき事態だと言わなければなりません。暴力団の取り締まりに当たる警察当局が仮に国民から同じような疑念を持たれては、これは大変なことだと思います。
 十月三十日、福岡県警の古賀捜査四課長が福岡県飯塚市の暴力追放住民総決起大会で講演をしておりますけれども、こう言っております。金丸代議士と暴力団とのつながりを問題にいたしまして、「早朝から深夜まで命を張って暴力団根絶に取り組む刑事の気持ちが分からないのか……」、「政界の大物が暴力団に頼みごとをするようでは、我々はどういう気持ちで暴力団をなくす仕事を続けていいのか分からない」、こう現場の担当する課長が述べております。
 一方、長官は十一月の十七日、全国警察本部長会議で訓示をいたしました。殺人、強盗などの重要犯罪の検挙率が年々減少していることに触れて次のように言っております。「現場の足腰が弱くなっているのではないかと懸念される」、こう指摘をして、「本部長が問題の所在を把握して、必要な改革を実施するように」と、訓示をされたわけです。各県警本部の本部長に訓示をすることも結構でございますけれども、現場の刑事が命を張って暴力団の根絶に取り組めるように、たとえ政治家であっても毅然たる態度で取り締まりに当たるようにしていただきたい、私はこう思うわけです。
 そこで、二つお伺いいたします。
 一つは、福岡県警の古賀課長の講演をどういうふうに受けとめていらっしゃるのか。二つ目には、司法に対する国民の批判がありますけれども、警察は国民の批判を受けることのないように暴力団対策に努力をしていると思いますけれども、その所信をお伺いしたいと思います。
#59
○政府委員(城内康光君) 御質問の順序を変えて御答弁させていただきたいと思います。
 まず、暴力団対策についての所信の点でございますが、現在暴力団の取り締まりというようなことにつきましては、全国の警察を挙げての最重点として取り組んでおるところでございます。とりわけ、おつくりいただいた暴力団対策法を軸といたしまして、私どもは暴力団排除を願う強い国民の世論に支えられておおむね順調に取り締まりを展開しておる、こういうことでございます。また、私どもは、暴力団の問題につきましてはそういった姿勢を堅持してやってまいりたいというふうに思います。
 それから次に、古賀捜査四課長の発言に対する関係でございますが、古賀四課長はあくまでも新聞等で報道されているということを前提として個人的な気持ちを述べたものであろうと思います。現場で、御質問にありましたように、体を張って取り締まりに当たっている人物でございますし、また、日々の活動を通じて県民の暴力団排除に対する気持ちをひしひしと感じておる立場でございます。そういう立場から、どなたでも暴力団を利用するようなことをしないでほしいということについての、いわば自然の感情の発露と受け取られる発言であったというふうに理解しております。
#60
○山口哲夫君 暴力団対策法をつくっている政治家、そういう人たちに対して、現場の警察官にしてみると、おれたちがこんなに命を張ってやっているのに法律つくっている政治家は一体どうなんだという気持ちは、これは当然出てくると思うんです。そういうことで司法にまで批判が国民から出てくるということになれば、本当にどこを信頼して命を張ってやっていったらいいのか。もしそういうことになったら、これから警察の力というのは非常に停滞してくるんじゃないだろうか。そういう点で検挙率の低くなってきたことは大変残念なことですけれども、それは現場の警察官だけに言うべきことよりも、むしろ毅然たる態度で暴力団と政治家との癒着というものを排除していくという姿勢を上の方で持っていただかなければいけないんじゃないだろうか。
 そういう点で、私は司法とは違って現場の暴力団取り締まりに当たる警察を信頼しておりますけれども、ぜひひとつ国民の信頼を裏切らないように頑張っていただく決意をもう一度お聞かせいただきたいと思います。
#61
○政府委員(城内康光君) これまでにも警察は、刑罰法令に触れるような事実を把握いたした場合には厳正に対処をしてきたところでございます。
 今後とも、そういう姿勢を堅持してやってまいりたいと考えております。
#62
○山口哲夫君 それでは次に移ります。
 時間が大分経過しておりますので、通告したものは半分ぐらいしかできないと思いますけれども、御了解ください。
 交付税の問題ですけれども、この総合経済対策、一般公共事業三兆四千億、これ大部分が補助事業ですから、自治体が実際に仕事を担当するということになります。それで、補助金以外もすべてこれ起債でして、翌年度以降、元利償還の一部を交付税で補てんはすると言っていますけれども、それはほんの一部であって、結局は自治体財政にしわ寄せがくる。これは単独事業一兆八千億についても同様だと思います。
 それで、来年度は地方税も国税同様に法人関係を中心に落ち込むことは、これはもう明らかだと思います。そういう意味では地方交付税の役割というのは私は極めて重大だ、そう思います。
 交付税も国税の落ち込みから大きな伸びは期待薄と言われておりますけれど、一方、大蔵省なんかは交付税の減額の話まで最近ちらちら出しておりますし、また、公立保育所の人件費の補助まで廃止するなんということを厚生省と大蔵省で協議を進めているということが新聞に報道されております。また、学校事務職員、栄養士の人件費の補助の一般財源化など、自治体にとってはそれでなくとも大変な事態になるだろうと思っているのに、それに追い打ちをかけるように次から次へと大蔵関係から問題が出されている。
 大体、今回の景気対策というのは、今申し上げたように、自治体の犠牲の上にやっているようなものです、財政的に見ますと。そういうことから考えて、前の国会でも決議がありますように、来年の交付税についてはことしのような特例減額だけは絶対に許してはならない、こう思いますけれども、大臣と大蔵省のお考えをひとつお聞きしておきたいと思います。
#63
○説明員(木村幸俊君) 委員の御質問、来年度の地方財政対策に係る問題ですが、その点につきましてただいま委員からも御指摘ございましたが、国と地方の今後の税収動向等を見ながら今後の予算編成過程において検討していく所存でございまして、現段階におきましてその具体的なことを申し上げることはなかなか難しい、そういった状況にはございます。その点御理解賜りたいと思っております。
#64
○国務大臣(塩川正十郎君) 今言っておりますように、まだ交付税をめぐりまして事務当局の方で交渉が始まっておる段階だと思うんですけれども、おっしゃるように余りアドバルーンをぽんぽこぽんぽこ勝手に上げ過ぎて、それによって既成事実をつくっていこう、こういうやり方は私は行政の社会においてはよくないと思います。政治の問題だったらそれはある程度わかりますが、こういうような交付税問題というのは極度に行政処理の問題でございますから、そういうやり方はいかぬと思うのでございます。
 保育所の自治体経営のものの一部人件費補助なんというのはまさにこれはアドバルーンです。もしぼやっとしておったら食らいついたろかという程度のことだと思うんですが、これ銭合わせの話ですから汚いです、話が。私はこんな話は聞けないと思います。もう少し制度と関係して、制度とその制度の裏に潜められている政策的配慮、こういうようなものを見た上で交付税の措置というものを考えるべきだ、こう思っております。
 それから交付税の総額につきましては、今大蔵省の方の話がございましたように、地方の財源に不足ないように協議して決めていきたい、私もそれは当然であろう、こう思っております。
#65
○山口哲夫君 主計官、今大臣の答弁をよくお聞きになったと思うんですけれども、大臣でさえそうおっしゃるわけでしょう。自治体にしてみますと、これはまた花火上げているのかなと思いますけれども、しかし、花火だけで終わるのならいいけれども、来年の財政というのは大変だなということはみんな知っているわけですから、そういうときにそういう不安を与えるような花火の上げ方というのはよくないと思うんです。
 そういう点で、今答弁を聞くと、全く検討している段階であって結論出ているわけじゃないと言うんですけれども、検討もどうぞ結構ですから、する必要ないと思いますので、ぜひひとつ大臣にはこういった点で、今一番自治体が悩んでいるところですから、頑張っていただきたいと思うんです。
 せっかく今話が出たついでに、厚生省いらしていますか。
 公立保育所の人件費補助を自治体に持たせようなんという、一千百億ですね、こんなこと簡単に花火上げられたら大変なことになるんです。時間があれば後ほどお話を聞きたいと思ったんですが、公立保育所のおたくの方で計算している単位費用、これは非常に問題がございます。
 三歳未満児の一カ月の一般生活費の単位費用というのは八千八百八十四円です。三歳以上児になると二千八百七十一円低い六千十三円なんです。何で三歳以上と未満と違うのかなと思ってよく調べてみたら、三歳以上児は主食をうちから持ってこいというわけです。それで、何で差別するんですかと聞いたら、もう二、三年前の話ですけれども、できるだけ親の愛情を考えたら主食くらい持ってこさせた方がいいというので、それじゃ三歳以上児と三歳未満児というのは親の愛情が違うんですね、変わってくるんですねと言ったら、結局厚生省の方はお答えできなかったですね。それで、詰めていったら財政的な問題があったんです。
 こういう矛盾があるんですよ。これ直せば政府で大体百億くらい持てばいいんじゃないですか。自治体の方は百億くらいそういう点では負担が軽くなるわけですね。そういうものを自治体に負担かけているわけでしょう。こういうことを一つも解決しないで、全然考えてもいない人件費一千百億を自治体持てなんと言ったら、これは頭にきますよ、自治体は。これは絶対来年こんなことをしてもらったら困ると思うので、そこだけは約束してください、やりませんという。
#66
○政府委員(清水康之君) 来年度予算編成のうち、保育所関係に関する問題についていろいろ御心配をおかけしていますことについて大変恐縮に存じております。率直に申し上げまして、現時点では具体的なことは何も確定しておりませんので、御答弁も大変抽象的になるかと思いますけれども、お許しをいただきたいと思います。
 御案内のとおり、現在宮澤内閣におきましては、ゆとりと豊かさを実感できる生活大国を目指すということがスローガンでございまして、各省挙げてそのための施策を展開中でございますが、とりわけ保育対策というものはその中の中心的な重要な柱の一つというふうに考えて取り組んでいるわけでございます。
 実は、保育問題につきましては、今御指摘の点も含めて大変さまざまな要望が出ておりますが、なかんずく保育料をめぐる問題、これは御案内のとおり、やや保育料が中堅サラリーマンにとっては高過ぎるのではないか、あるいは自営業者といわゆるサラリーマンとの間には所得税総額にリンクしているために実質的な不公平が起こっているのではないかというふうな問題もございます。また、職員の配置も、例えば幼児三十人に一人といったようなことを原則に配置しているわけでございますけれども、今日ではそういう配置ではだめなのではないか、もっと職員の配置を充実すべきではないか、主任保母の配置を求める、あるいは事務職員の常勤化を求める、そういう声がたくさんあるわけでございまして、私どもはこの問題を解決することが非常に緊急な課題であり、生活大国づくり、あるいは子育てに優しい社会をつくっていくということにとって不可欠な課題だと考えているわけでございます。
 もちろん各方面の要望にこたえて、多くの各市町村におきましていわば単独事業として保育料の軽減をなさったり、あるいは職員の加配をなさったりしていただいておりますが、そういう実態もよく存じておりますけれども、これはいわゆる市町村の持ち出しという形になっているわけでございます。この解決も何らか考えなければいけない、そういうふうに考えております。
 そういう状態を総合的に勘案しまして、実は来年の予算において私どもは、従来のような対策ではなくて、保育問題について思い切った改善を図りたい、そういう考え方のもとに現在関係各省庁と事務的な話し合いをしているということは事実でございますが、具体的内容あるいは財源措置の問題については何ら現在の段階では確定をしておりません。
 それから、御指摘のありました給食の問題につきまして、三歳児以上と三歳児未満で単価にいろいろな差があるではないかということでございますが、先生がこの保育所の給食問題について常に関心をお持ちいただきましていろいろ御指導いただいていることに感謝を申し上げております。平成元年六月にも確かにお話しのようにいろんな御質問がありました。
 私どもとしては、家庭と保育所が一体となって幼児を保育していく、これは大変重要でありまして、幼稚園と違って保育所はかなり長い時間お預かりしておりますから、保育所に任せっ放しということではなくて、どうしても家庭との協力、協調が非常に必要だ、こう考えております。
 そして、もちろん給食というものは健康、発達の上から非常に重要な問題でございますので、御案内のとおり三歳児未満につきましては、保護者の就労形態によって弁当を持参させるというようなことは大変負担になりますので、低年齢児の離乳食といったような問題につきましては、主食の持参ということでなくてすべて保育所において対応しているわけでございますけれども……
#67
○山口哲夫君 簡単でいいですから。
#68
○政府委員(清水康之君) 三歳児以上につきましては、保護者に余り負担のかからないお米とかバンとかを持参していただいて、副食を保育所において入所児童全員に栄養面を考慮しながら配付して対応しているというのが実情でございます。
#69
○山口哲夫君 抜本的な保育所の検討をし直さなきゃならないというのは、考え方が道なんですよ。今自治体では、保育所関係で逆に自治体が金を出している、物すごく。超過負担が多いんです。今あなたがおっしゃったように、今の保母定数じゃ大変だから、結局は自治体の金で保母さんをふやして安全を期しているんですよ。そこにまた追い打ちをかけて今度人件費を自治体に持っていったら、二重三重の負担を強いられるということなんです。全く考え方が道なんで、こんなことを許しておいたのではそれこそ保育行政なんかはとても充実できませんので、こういう検討だけは初めからやめていただきたいということを大蔵省、厚生省に強く要求しておきたいと思います。特に自治大臣は、この点については断固としてこういうことを受け入れないように頑張っていただきたいとお願いいたします。
 もう時間がありませんので、大臣にお聞きしておきたいことは、大臣がたしか全国の市議会議長会で御発言されたと思うんですけれども、やっぱり自治体財政の確立のためにはまず基準財政需要額をふやさなければならないということを発言されております。私は、初めて歴代の大臣でこういうことをおっしゃったと思って非常に高く評価しております。
 それで、基準財政需要額をふやすために幾つか問題があります。一つは、高齢化社会を迎えているわけですから、自治体の単独事業分、これを相当これからふやしてもらわなければ高齢者福祉保健十カ年戦略、ゴールドプランの達成は不可能だと思いますので、これをふやしていただきたい。
 それから、地域福祉基金、これは大変各自治体では役立っております。十カ年計画を遂行していくためにもやっぱり民間の協力というものは非常に必要でございますから、そういう点では地域福祉基金の増額ということはこれからの地域の福祉を高めるためにも大変役立っていくと思いますので、これも来年はふやしていただきたい。
 それから、新しく森林、山村対策、きょうは資料を持ってきましたけれども、これは襟裳岬が、戦時中に物すごく木を切ってしまったために砂漠になったのを戦後、地元の営林署と住民とが大変な協力をして、本当に緑豊かな町になった、そして、過疎の指定も解除してもらったし嫁も来るようになったという大変な努力の跡がここにまとめられております。
 今自治省でも随分国土庁それから林野庁と一緒になって研究会を開いているようですけれども、これは我が国の環境、世界の環境を破壊してきたという世界一の木材輸入国、やっぱり日本で使う木材は日本でつくるくらいの考え方を持つべきだと思うんですね。そういう点で自治体の山村対策、森林対策、大変に期待されていると思うんです。今やもう林野庁を当てにしたってどうにも日本の山は守れないという時代になってきておりますから、来年は森林、山村対策にはぜひひとつ力を入れていただきたい、こういう面で基準財政需要額を大幅にふやしていただきたい、こう思っております。
 そういう点でひとつ自治大臣の決意のほどをお聞かせいただいて質問を終わります。
#70
○国務大臣(塩川正十郎君) ちょうど一年前、私が就任いたしましたときに一番最初に申し上げました中の一つといたしまして、財政制度の堅実化ということと合理化ということを取り上げたわけであります。その中で、仰せのように、交付税の中に組み込まれております基準財政需要額の中身を検討すべきであるということは確かに申し上げた、今でもそう思っております。私は、これは時代の進展に伴いまして行政需要が変わってくるのは当然なんでありますが、その変わり方のテンポが遅いじゃないかということが一つ。それを的確に現在のニーズに合わせて需要を策定すべきであるということ、これを申し上げた。
 同時に、今地方自治体のいわば責任にかかってきておる行政分野というものが非常に多くなってまいりました。その一つのあらわれがよく御存じのように権限の問題でございまして、政府からの機関委任事務が物すごくふえているんじゃないか。それに対する財政需要というものは的確に組み込まれているのかということが問題。さらには、それ以外に地方自治体自体として住民のサービスにこたえていかなきゃならぬ問題があります。これなんかもやっぱり正確に基準財政需要額を見積もってもらいたい、これを今言っておるわけでございます。
 特に、ゴールドプラン、福祉十カ年戦略というのが出てまいりました。この内容を見ましたら、私は総論的には厚生省のおっしゃっておるのはもうまことによくできておると思いますし、推進すべきだと思うんですが、それを個々の自治体が実施を受け皿としてやっていく場合に、地方の事情が相当独自性のものが含まれてくるだろう。その分に対する対応はどうなるのかといったらまだ明確には出てきてないと思っておりますが、そういうようなものをやはり追加需要として必要なものは基準財政需要額の中に組み込んでいくべきだろう、こういうことを言っておるわけであります。ニーズに従って拡大していくということは当然でございますので、その努力も続けていきたいと思っております。
#71
○山口哲夫君 森林対策。
#72
○国務大臣(塩川正十郎君) 森林につきましては、以前から実はこの委員会でもございますが野別委員もやかましく言っておられまして、それも私たちは十分に頭に入れております。
 おっしゃるように、森林は今までの林業という業としての林業だけじゃなくして、環境保全、それから水源涵養とか国土保全といういろんな多目的が全部複合したものが森林対策だと思っております。つきましては、今林野庁と鋭意協議いたしまして、地方自治体としての責任の分担、それをどこまで担っていくべきか、そして、林野庁のいわば全国統一の管理をどうすべきであるかとかいうことの話し合いをしておりまして、その分につきましての財政措置は、平成五年度におきまして、まあ最初のことでございますから十分なことはできないと思いますけれども、地方自治体と林野庁が協議の上で森林の管理対策に乗り出したという実績が残るようにはいたしたい、こう思っております。
#73
○続訓弘君 岩本、山口両議員がただいま大変勉強された上での御質問がございました。したがいまして、私は具体的な地方交付税等の改正に関連をした問題は省かせていただきまして、視点を変えて御質問をさせていただきます。
 私は、このたびの参議院選挙で北は北海道から南は沖縄まで文字どおり地方各地をめぐらせていただきました。その間に、地方の有権者の皆様方やあるいはそれぞれの首長さん、議員さんあるいは職員の方々から実は概略次のような質問やら声援やら、あるいは要望やらをいただきました。それというのは、続さん、あなたは二期八年間の東京都副知事を含めて三十八年間もの長い間、我々と関係の深い地方団体に携わってこられました。だとするならば、当然のことながら、我々の地方自治に対する熱い思いを十分御承知でしょう、こんなお話がございました。
 そして、さらに続けてこんな解説をされました。我々の熱い思いとは一体何だ。それは、日本国憲法に保障された地方自治を実現することであります。地方の時代地方の時代と叫ばれて大変久しゅうございます。しかしながら、財源配分の問題、事務配分の問題、これはいずれをとってもどれ一つとして地方の時代は来ておりません。ぜひ、当選された暁にはそれらを踏まえて、ひとつ我々の熱い要望を満たしてほしい、こんな要請でありました。
 私はこんなお答えをしました。参議院は、まさに良識の府です。各議員は、必ず皆様方の要望をしっかりと受けとめておられるでしょう。私もその一員として、皆様方と力を合わせて今の熱い要望におこたえをするように努力いたします、こんな誓いを立てたわけであります。
 そして、具体的にこんな例を引いて言われました。我々自治体が経営するバス、そのバスの停留所を移転する、あるいはバス時間を延長したい、これは住民の要望である。それにこたえようと思っても、所管大臣の許可が必要だ。あるいは、小学校や中学校や高等学校の学級定数を地方の実情に合わせて変更したい、そんなときにも、あるいは特別養護老人ホームの国庫基準の変更等についても、それぞれの所管大臣の許可が必要だ。さらに重要なことは、先ほど岩本委員からも指摘がございましたけれども、住民から選ばれた首長さんが、住民の要望を踏まえて予算を提案される。その予算は、議会が慎重審議をして議決した。その中にたまたま起債が含まれていた。それは、住民のためのいわば建設関連の財源であります。その起債を今度は具体的に自治体が借金をするにしても、自治大臣の許可が必要だ。こんな状況では、今申し上げた地方の時代はおろか、まさに日本国憲法に保障された自治は実現いたしませんと、こんな実は熱い要望がございました。
 たまたま私は美濃部知事時代に、実は起債訴訟といいますか、先ほど指摘ございましたように、二百五十条の当分の間はおかしい、憲法に違反しているんじゃないか、こんな訴訟を起こそうとした責任者でもあります。
 そんな思いから今地方の声色大臣にお伝えいたしましたけれども、これをお聞きになった大臣の所見、それと、さらに日本国憲法に保障された真の地方自治を確立したい、あるいは地方の時代を確立すべきだ、こういう思いが大臣にちゃんとあると思いますので、恐縮でございますけれども、大臣の言葉として皆様に語りかけるような御答弁をいただければ大変ありがたい、このように思います。よろしくお願いいたします。
#74
○国務大臣(塩川正十郎君) 地方自治につきましては、私もずっと以前から、地方自治に短期間でございますけれども関係した経験もございますので、一つの考えを持っておるのでございますが、要するに、憲法九十二条で地方の組織に関することは、自治の本旨に基づくということがうたわれておる。これは憲法で高々とうたわれておるのにかかわらず、一般の各それを分掌いたしますところの法律は、全部やっぱり中央集権的になっておりますね。ここに大きい矛盾がある。
 例えば、国家行政組織法を見ましても各省設置法を見ましても、地方自治の趣旨からいいましたら、こんなことをと首をかしげるようなことが全部出ておる。これは全部法律なんだ。つまり、国会がそれだけの意識を持っていなかったということなんです。ですから、できました法律は、全部中央集権的手法によるところの法律がどんどんできてしまっている。したがって、憲法の自治の本旨ということだけが精神的には残っておるけれども、実態は全く違うということが出てしまった。それは明治以降、長年にわたりますところの国と地方との関係、その間培われてきました、国が政治も行政もやって、地方団体は端末機だという、この考え方がしみ込んでしまっておりますので、現在もその意識の革命から私は始めていかなきゃならぬだろう。
 つきましては、その意識革命の中に、その一つとして起債問題がとらえられる。私もその話は知っております。確かにそうでございますが、考えてみますと、日本の自治体というのは三千三百、これが大から小まで、そしてまた県と市町村というもの、これが能力も違うし組織的対応が全然違う。意識も違います。そういうことから見まして、自治体であるから、地方公共団体であるからという一概の問題だけ、それだけでもっていわば行政の基本をつくっていくことはなかなか難しいだろう。
 例えば、起債問題にいたしましても、東京都とか大阪市とかというところは、それだけの能力と判断力を持っておりますからきちっと対応はできましょうけれども、人口の非常に少ない同族的村落におきまして、そこで起債問題を十分に扱えといったって、これはなかなか難しい問題だろうと思っております。
 ですから、簡素化してもっと地方の実態に合わせた運用をしろということは私はできると思いますけれども、起債のいわば制限の指導といいましょうか、指導について、これを全く無にしてしまってというのには、なかなか時期尚早でできないんじゃないか、こう思っております。
#75
○続訓弘君 ただいま大臣のせっかくの御答弁でございますけれども、岩本委員と同じようにこれからいろいろと詰めさせていただきます。
 時間が四十三分までしかございませんので、平成五年度の予算編成に関連をして、実は十二月四日に全国知事会と地方六団体からの要望がございました。恐らく自治大臣も受けておられると思いますし、また昨七日には、十二の指定都市からの同じような要望もいただきました。それは要するに、地方の財源を確保してほしい。来年度は国の大変厳しい財政状況のもとで、地方は締めつけられるんじゃなかろうか。しかし、あしたの日本を築くためには地方自治が必要です。どうぞひとつ頑張ってください、こんな要望だと存じます。
 つきましては、平成五年度の地方財源獲得に対する大臣の熱意のほどを伺いたいと存じます。
#76
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、大臣であろうが一議員であろうが、一生懸命頑張っていきたいと思っておりますが、要するに、ことしの交付税総額を下回るというようなことは絶対避けたいと思っております。
 もちろん国の税が減収が大きいのでございますから、交付税もそのはね返りとして減収になることは、これはもう事実だと思います。しかし、総額は維持していきたいと思っておりまして、そのことはやはり地方自治体が国を信頼して、そして自分らの町づくりといいましょうか、地域づくりを自主的に経営していく根幹を確保してやることにつながる、こう思っておりますので、懸命の努力をしていきます。
#77
○続訓弘君 最後に、去る十一月二十六日に政治改革推進協議会、いわゆる民間臨調、これからそれぞれの議員にアンケートが来たと思います。そのアンケートを恐らく議員の各先生方はごらんになっておられると思いますけれども、私は地方分権を推進する立場から大変示唆に富むアンケートだと評価しておりますけれども、大臣、ごらんになったならば、その感想をひとつ最後にお聞かせいただきたいと存じます。
#78
○政府委員(紀内隆宏君) お示しのございましたアンケートにつきましては、私ども中身を拝見させていただきました。地方自治、あるいは地方への権限の移譲、さらにはこれと関連する税財政の問題等、大変幅広い項目にわたっているものと承知しております。
 なお、このアンケートの結果は多分きょうあたりが締め切りということではなかったかと思っておりますし、その結果が出ました暁には十分参考にさせていただきたい、このように考えております。
#79
○国務大臣(塩川正十郎君) 私も、このアンケートの返事を出しております。このアンケートを通じて見ました場合に感じましたのは、一つは、先ほども言ってくどいようでございますけれども、地方自治体にはいろんなランクがあって、そしていろんな能力がある。ですから、これを一概に、例えば分権といいましても、分権に移行していく段階でないところが多々あるということがあります。
 それから、分権、あるいは地方の権限を強めるということをするにいたしましても、私は一つ一つ確実な道を踏んでほしいということを書いておきました。その一つとして、今の機関委任事務の権限をその中でつぶさに一回検討してくれぬかと。全部で五百幾つあります、府県が三百幾つに市町村が二百幾つありますから。これをずっと検討してみて、もうこれは財源をつけて一般財源化するか何かして移管してもいいというようなものもあると思う。そういうふうなもの、あるいは権限の中で合同させて委託するということがあると思うんです。そういうふうなものを一回整理して、そしてその上でさらに分権化へどうするかということを考えてほしいということの要望を書いておきました。権限だけのお話をしないで、権限と財源というものは表裏一体のものであるから、それをこのアンケートの中でぜひ問うてほしい、こういう要望もつけて私は返事を出しておきました。
#80
○続訓弘君 どうもありがとうございました。
#81
○有働正治君 私は、地方行財政のあり方、また政府の基本姿勢とのかかわりで、警察当局と今話題になっております日本皇民党を含む右翼暴力団とのかかわりに限りまして質問いたします。答弁はできるだけ簡潔にお願いしたいと思います。
 まず、警察庁長官にお尋ねします。
 業務上警察で知り得た内部情報あるいは内部的な業務内容を事前に右翼暴力団に提供してやるようなことは、よもやあり得ないと一般国民は考えていると思いますが、いかがでありましょうか。
#82
○政府委員(城内康光君) 私も、よもやあり得ないと思っております。
#83
○有働正治君 ところが、現実には本来あり得べからざる内部情報の提供が行われていますし、それだけにとどまらない状況があると、私は一つの例を挙げたいと思います。
 実は私、ここに持参いたしましたこれは、金沢地方裁判所における昭和六十三年四月における日本皇民党稲本総裁に対する証人尋問調書の写してあります。もう一つは、同じく昭和六十三年九月二十日、相沢猛こと李孟の被告人供述調書、その写してあります。詳細は紹介できないので、抜粋を資料としてお配りいたしたいと思います。
 委員長、お取り計らいお願いいたします。
#84
○委員長(佐藤三吾君) どうぞ。
   〔資料配付〕
#85
○有働正治君 この事件は、当初昭和六十二年七月、石川県の山代温泉で計画されていました全国私学教職員組合連合会、略称私教連の全国夏季研究集会、いわゆる教研集会が日本皇民党と関西協議会の右翼暴力団の妨害で開催できなくなり、その中で、妨害、恐喝を行った関西協議会の代表相沢猛こと李孟が恐喝未遂事件として告発された。その公判の中の相沢被告人及びその無二の親友でありました皇民党の稲本総裁に対する被告人供述調書及び証人尋問調書であります。そこではっきり証言、供述している警察とのかかわりが、配付した抜粋資料であります。
 そこで、一つは、この私教連の集会をやるのは警察からの情報であったこと、行くのか行かないのかというようなことを尋ねられて、集会が開かれることを初めて知ったと述べているわけであり
ます。そして、友だちもおり、教研集会も開かれるということで、これを阻止しなければということで自分は出かけることにしたと述べているくだりもあります。
 第二に、私らに言わせれば、そのときの事件が物語りますように、彼らの街宣活動なるものはまさしく脅迫、威圧、妨害活動そのものでありました。それが実は所轄警察幹部との打ち合わせ、相沢被告人に言わせればその指示どおりに動く、しかもそれが全国どこの都道府県に行っても一緒であるということを明言しているわけであります。
 ここに彼らの街宣ぶりの写真を私は持参いたしました。(資料を示す)これがそのときの写真でございます。これは、山代温泉の旅館組合の前で行われた街宣の模様を撮影したものであります。当時から褒め殺しがどうやらやられたようで、次期総理、自民党総裁に竹下登ということも書かれているようであります。
 詳細は省きますが、組合や教研を受け入れられた旅館の前でのがなり立て、嫌がらせ、脅迫が執拗に行われました。当然、お客さんが旅館に苦情を申し出る。旅館側は困り、旅館代の値引きで対応する、あるいはキャンセルが行われる、そういう金銭的な損害というのは言うまでもありません。旅館組合として違約金まで払って教研集会中止のやむなきに至って、私教連の教研集会は場所を変更せざるを得なかったというのが経過であります。
 私も、二十数年前に熊本市内で私教連に身を置いた現場の教師の一人であります。こうした右翼の攻撃、しかもそれが警察の指導、指示のもとでの妄動として教研集会が場所を移さざるを得なかったというのは、当事者、関係者の一人として怒りを禁じ得ないわけであります。
 事と経過を証言等から見ますと、皇民党は当初この教研集会に向けてじっとしていた。動く気配はなかった。それが、警察が行くのか行かないのかという内部的に知り得た情報を提供することによって、いわば事実上の喫しを受けて妄動に走ったわけで、一種の警察当局によるやらせと言っても私は過言ではないと考えるわけであります。極めて重大であります。
 そこで、国家公安委員長としての大臣にお尋ねします。
 こうした警察当局と右翼暴力団の関係をきっぱり絶つだけでも被害は相当に減ることが考えられるわけでありまして、絶つべきではないかと考えます。答弁を求めます。
#86
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、そんなことはもうないんではないかと思います。例えば、情報をとりに行くとかということ、これはやっぱり職務柄多少の接触はあるかもわかりませんが、癒着をしてお互いにやっておるということは、私はそんなことは考えられないと思っております。
#87
○政府委員(菅沼清高君) お答えをいたします。
 今お尋ねになりましたことは、昭和六十二年に石川県下で恐喝の未遂容疑で逮捕いたしまして起訴された被告側の証人などの公判での供述を前提としてやっておられることと思いますが、裁判における被告人や証人の尋問内容について警察が一々お答えする立場にはございませんけれども、一般的に右翼の街頭宣伝活動が予想されます場合、警察はどのような団体がどのような規模で街頭宣伝活動を行うかなどを可能な限り聴取いたしまして、違法行為の未然防止のため、現場における警告、制止や検挙等の活動に当たっているところであります。そうした過程で現場で右翼構成員と接触することはありましても、警察が右翼に集会等に関する情報を提供するとか、あるいは右翼団体等街頭宣伝活動に関するお話のような取り決め的なことをやるというようなことはございません。
 例年、日教組等の各種集会に対して右翼が大量動員をして抗議行動に取り組んでいることは承知いたしておりますけれども、主催者側の行事日程等の発表以前に警察がこれを公表するというようなことはございません。むしろ、警察は警備上の必要もあり、右翼団体に無用の準備期間を与えないよう、主催者側に対して行事日程の公表を可能な限りおくらせてくれるよう要請しておるのが実情でありまして、行事に関する情報を右翼に提供するというようなことは全くございません。
 なお、右翼団体はみずからも情報収集活動をやっておりまして、例えば、それぞれの地元の右翼団体が主催者等による集会会場の借り上げ状況等の動きを察知して全国の友誼団体に通報するというようなこともあるというように承知いたしております。
#88
○有働正治君 極めて欺瞞的な答弁でしかありません。そういうきれいごとでない。しかも、これは証人としての証言である、普通の供述以上のものがあるわけで、明白にただいまの答弁は受け入れるわけにはいきません。
 しかも、見逃せない問題として、そうした警察との打ち合わせ、一般情報収集とは違う打ち合わせであります。打ち合わせ、右翼の言葉をかりれば指示という言葉を使っています。指示の際、必ず酒かビールを持って警察は参りますと、明確に述べているわけです。お配りしました資料の事案の際は、酒二分提げてきたと明言しているわけであります。しかも、これが全国どこでも常態化しているとまで供述しているわけであります。当然この金は公費としてやられていると考えるのが普通であります。
 国家公安委員長にお尋ねいたしますけれども、国民の税金を右翼への酒、ビール代として使うなどもってのほかで、あってはならないと考えるわけでありますが、その点どうなのか。また、本件について事実はどうだったのか。また、全国的にそうしたことが常態化していると明言しているわけで、その点についても調査して報告願いたい。簡潔にお願いします。
#89
○政府委員(菅沼清高君) 現場にかかわることでありますので、私の方から御答弁をいたします。
 今お話しになりました指示どおり云々というお話でございますけれども、警察は違法行為の防止のために事前に必要な注意、警告をいたしますので、指示どおりということは警察の警告に従ったということでもあろうかというように思っております。
 それから、物品を持って云々ということでございますけれども、そのようなことはやらせておりませんし、やってもおりません。当時もそういうことはなかったというように考えております。
#90
○有働正治君 調査について、本件についての。
#91
○政府委員(菅沼清高君) 今申しましたように、そうしたことについてはやっていないというように考えております。また、仮にそういうことがあったとしても、それはその両者の関係とか、具体的な経緯といったものがわかりませんので、お答えをいたしかねます。
#92
○有働正治君 調査を願います。
#93
○国務大臣(塩川正十郎君) これは、私は事実確認しておりませんので何とも申し上げられませんが、こんなことは恐らくないと私は信じております。
#94
○有働正治君 ないと信じるんだったら、調査してみてこそそのことが言えるわけですから、調査についていかがですか。
#95
○政府委員(城内康光君) これまでも右翼の違法行為については看過をしないということで厳正に対処しておりますし、また今後ともそういうようにしてまいる所存でございます。
 先ほど委員の御質問のように、酒やビールを持っていくことが常態化している、それは全くあり得べからざることであって、私どもとしては大変心外に思っておるところでございます。
#96
○有働正治君 調査はどうなんですか。現実に本件について述べているわけだから、調査もしないでそういう勝手な答弁は許されませんよ。調査を要求します。
#97
○委員長(佐藤三吾君) これは証言ですからね。調査をすることは必要じゃないんですか。
#98
○政府委員(菅沼清高君) 先ほども御答弁いたしましたように、具体的にいつどこでどういうことであったのかということはわかりませんので調査のしようがございませんし、また仮にそういうことがあったとしても、その両者の関係とか前後の経緯とか、そういうことが不明でありますので、調査することはできないというように考えております。
#99
○有働正治君 委員長もおっしゃられているように、当然のことながら調査を要求いたします。天下の警察庁がこういうことを調査できないなんて世界の笑い物になる、そのことははっきり申し上げておきます。
 最後に、供述の中には、日本共産党大会がいつどこで行われるのか、公安当局と、ここで言う公安当局というのは公安調査庁のことではありません、そのことはほかの場所で明言しているところであります。公安当局と我らの密接なコミュニケーションで出てくると。つまり、我々から言えば、癒着そのものの中で出てくる。現実にもう党大会ごとに右翼、暴力団の妨害が行われ、市民生活への被害も甚大であります。ところが、それが警察の特別の情報提供のもとで行われているわけで、極めて重大です。
 そこで、大臣にお尋ねします。
 第一に、本件についても事実を調査し、結果を報告願いたい。第二に、事態は日本国憲法の政治活動、政党活動の自由への重大な侵害、そうしたことにつながるこうした行為は今後絶対に行わないということを明言していただきたい。
#100
○政府委員(菅沼清高君) 調査云々ということでございますけれども、そのようなことは、先ほどお話いたしましたように具体的なことはわかりませんので、調査のしょうがないというように考えております。
 それから、警察と右翼とのある種の癒着のもとにいろんなことが行われているというようなお話がございましたけれども、断じてそういうことはございません。現に右翼の街宣活動等につきましては、その都度相当数の検挙を可能な限り法令に従ってやっているわけでございまして、ただいまお話のありましたようなことは絶対にございません。
#101
○国務大臣(塩川正十郎君) 今、警備局長が答えました答弁で十分だと思っております。
#102
○有働正治君 極めて遺憾である、委員長も要求されているような調査も行わないということは全く遺憾であると、あくまでも調査を要求します。
 以上です。
#103
○長谷川清君 もう既に私の時間は四分費やされておりますから、簡単に三点ばかり。
 一点は、地方交付税の特例措置の問題でございますが、先ほどからも話題に出ておりますので、私は、今国も地方もつらいな、こういう状況だと思います。これからもやはり地方の主体性と独自性が発揮されますように、一段の御奮闘をお願いしておきたいと思うんです。現状維持というのは退歩につながりますから、これはぜひそういう点、計算違いのなきようお願いをしておきたいと思います。
 また、既にもう話題が出ました地方超過負担の問題でありますが、この解決もなかなか一様ではないと思います。少なくも今現在あります行政の事務という人と金の、財政の問題を含めまして、こういうものをどう再配分本当にできるかどうか、そういうこともかかわってくるでありましょうし、国と地方との機能の分担や責任分担、そういうものもこれまた問われてくるんではないか。そういう部分については一体どういうふうな見解あるいは今動きがあるのか、その辺はこれは質問としてお伺いをしておきたい。
 三点目の問題は、これらをずっとまとめていきますというと、今もよく出ております道州制という問題、今日の四十七と小さく刻んでおります単位を大きくくくって、そしてそこに権限を移譲していこうという発想でございますけれども、こういう部分について自治大臣はいかにお考えであるか。これは長期的な対策で検討を要するものであろうと思いますが、そういう視点に立っての現状のお考えをお聞きしておきたい。
 以上でございます。
#104
○政府委員(湯浅利夫君) 私から最初の二点につきまして申し上げたいと思います。
 まず、地方交付税の総額の問題につきましては、最近の国税収入が極めて厳しい状況であるということと同時に、地方税におきましても同じように厳しい状況になってきております。そういうことで明年度の地方財政はかなり大変な状態がくるのではないかということを非常に心配しているわけでございますが、そういう中におきましても地方が抱えておりますいろいろな財政需要、先ほど来お話の福祉の問題でございますとか、環境の問題でございますとか、あるいは生活関連施設の整備というような問題、こういうようなものにつきまして的確に対応できるようにしなきゃいけない。こういうことを含めまして、明年度の地方財政対策が的確にとられるように地方交付税の総額を確保してまいりたいというふうに考えているところでございます。
 また、二番目の国庫補助金の超過負担の問題につきましては、仰せのとおり、地方と国との財政秩序を適正にするためにはどうしてもこの問題をきちんとしていかなければならないという問題でございまして、私どもはかねてから国庫補助負担事業につきましてはその解消について毎年度関係省庁に申し入れをしておりますし、また昭和四十二年以来、地方団体などの意見を伺いながら大蔵省や関係省庁と共同で実態調査を行っております。それに基づきましてその解消に努めるということをやっておりますので、今後ともこの超過負担の解消につきましては努力を続けてまいりたいというふうに考えているところでございますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
#105
○政府委員(紀内隆宏君) 社会経済情勢の変化に伴いまして都道府県の区域を越える行政にどのように対応していく必要があるかという課題があることは承知しておりますし、またこれについて道州制というふうな角度で対応していくべきではないかという御意見があることも承知しております。しかしながら、道州制につきましては実はその御提言の中身もさまざまでございまして、これを一概に一括して評価するということは大変困難な問題がございます。
 そこで、現在のことを考えてみますと、府県制度というものは長年にわたって定着しておりまして、これは制度としても定着しておりますし、国民の意識の中にも定着している問題である。道州制の提言というのは、いずれ現行の府県制度を廃止するということを含んでの御主張でございますので、これは地方制度の基本的な構造にかかわる問題であるということでございまして、また、道州制そのものをめぐりましてもそれぞれ賛否両面からいろいろな議論がなされているところでございますので、そのようなことにかんがみますれば、自治省といたしましてはこれにはやはり中長期的に十分慎重な検討が必要じゃないか、このように考えております。
#106
○国務大臣(塩川正十郎君) 財政問題に関するものは二つございまして、それは財政局長からお答えしたと思っておりますが、私も同様でございます。ただ、この中で超過負担の問題を長谷川さんおっしゃっておられましたが、私は、超過負担は個別にやっぱり深刻な問題もあると思います。査定を十分にいたしまして、これの解消に努めていきたい、こう思っております。
 道州制につきましては、これは地方分権とかあるいは権限の移譲とかいう、合理化を一方において進めようとしておる中で、また違った管理体系をつくろうというシステムでございますので、この問題については十分な検討が必要ではないか、こう思っております。
#107
○長谷川清君 結構です。
   〔委員長退席、理事岩本久人君着席〕
#108
○西川潔君 どうぞよろしくお願いいたします。
 当地方行政委員会で質問をさせていただきますのは初めてでございまして、六十一年から法務委員会、社会労働委員会、労働委員会、いろいろとお世話になってまいりましたが、これからは地方行政委員会でお世話になります。
一生懸命まじめに、身近な福祉をということでこの六年間取り組んでまいりました。国民の皆さんが日々の生活の中で感じておられる不安とは何か、そしてその不安をどうすれば安心に変えていただくことができるか。幸いにして、私の場合は電波を通じまして、テレビやラジオでたくさんの方々にお会いをさせていただいて、そして月に大体百通ぐらいのお便りをいただいて、そして必ずお返事を返させていただくということをやっております。そして実情、現状調査をいたしまして、そしてもう一度電波で一週間に一回お返事をさせていただいている福祉の番組なども担当さしていただいております。
 その寄せられました問題を調査していく段階で、国民の一人としてどのように考えても納得ができないとか理解ができないという問題がたくさん浮かび上がってまいります。そうした問題の解決、そのための制度、法律の改善を政府の皆さんや議員の皆さん方にこの六年間お願いをしてまいりました。これからも一生懸命取り組んでまいりますので、どうぞよろしく御指導のほどお願いいたしたいと思います。
 本日は、地域福祉基金についてお伺いしたいと思います。
 都道府県や市町村におきまして地域福祉基金が設置されまして、基金の運用益を活用いたしまして在宅福祉の推進、健康、生きがいづくり、ボランティアの活動の育成など、民間活動の支援が行われているわけです。地域福祉基金の積み立ての財源は平成三年度から地方交付税措置をされておりますが、この交付税措置に基づいて行っているこの地域福祉基金制度について、どのような趣旨で設けられたかというのをまずもってお伺いしたいと思います。
#109
○政府委員(湯浅利夫君) 地域福祉基金につきましてのお尋ねでございますが、実はこの平成二年度に二十一世紀に高齢化社会を迎えるということを踏まえまして、厚生、大蔵、自治、三大臣による高齢者保健福祉推進十カ年戦略、いわゆるゴールドプランが策定されたわけでございまして、国におきましてはこれに基づいて各種の施策を行うということが決まったわけでございますけれども、地域におきましても地域主導でこういう問題について積極的に取り組めるような仕組みができないか、特に民間活動に適切なインセンティブを与えられるような仕組みがないかということでいろいろ検討したわけでございますが、その結果、平成三年度から地方財政計画におきまして地域福祉基金を設けることができるような、そういう財源を地方財政計画に計上したわけでございます。三年度におきまして合計二千百億円、それから平成四年度におきまして三千五百億円を地方財政計画に計上いたしまして、これを地方交付税の基準財政需要額に算入することによりまして各自治体に財源措置をした、こういうことでございます。
#110
○西川潔君 今金額の方も御説明いただきましたが、都道府県、市町村の実際の積み立ての状況はどのようになっているか、お伺いしたいと思います。
#111
○政府委員(湯浅利夫君) 国からの財源措置は先ほども申し上げましたとおりでございますが、自治体におきましてはさらに進んでおりまして、平成三年度末の基金の現在高を見てまいりますと、都道府県で千六百三十億円、市町村で三千百六億円、全体で四千七百三十六億円が既に積み立てられております。
 さらに、今調査いたしました結果、平成四年度末におきましての積立金の現在高の見込みでございますが、都道府県で二千二百八億円、市町村で五千六百三十五億円で、合計七千八百四十三億円ということになりまして、交付税で措置した額は合計で五千六百億円でございますので、かなりそれを上回った金額を各自治体で基金として設けていただいているというのが現状でございます。
#112
○西川潔君 本当に地域の方々も大変喜んでおられます。この基金による事業の実施状況について、最近新聞にもいろいろとたくさん載っております。
 例えば、以前私も予算委員会で助成策をお願いしたおふろ屋さんなんですが、余りこのごろは御近所のおふろ屋さんにも皆さん行かないということで、お年寄りのために開放してもらえないか、いわゆる「でいせんとう」を実施しているわけですが、浴場組合の助成にその基金を活用いたしまして川崎市で実施しておるわけです。また、愛媛県などでは、県の社会福祉協議会の愛の一声運動、これはひとり暮らしのお年寄りのおうちを毎日訪問いたしまして、飲み物をお配りしたり、お年寄りの安否を確認するということに使われておるわけですけれども、孤独感の解消を図る。これらの事業の助成に基金が大変役立っていることですけれども、これについては本当に全国の方々からこれはいいことだというようなお便りもたくさんいただきます。
 また、各地の事業内容を見てみますと、それぞれの地域での創意工夫、地域の特性に応じた保健福祉の実践がなされているわけですが、事業実施の現状について、大臣及び自治省はどのような認識を持っておられるのか、お伺いしたいと思います。
#113
○政府委員(湯浅利夫君) 大臣の御答弁の前に現状を申し上げますと、ただいま申し上げましたとおり、自治体におきましてはかなり積極的に取り組んで基金を積み立てております。この運用益を使いまして、地域の創意と工夫を生かしながら、地域の実情に応じていろいろな支援をしているわけでございますが、非常に多岐にわたってこの事業をやっております。
 大体大きくくくりますと三つぐらいになろうかと思いますが、一つは、在宅介護者に対するいろいろな介護技術の講習会とかというような在宅福祉の関係の経費に充てるということ。それから二つ目は、高齢者等の健康や生きがいづくりの推進のためにいろいろとやっている。それから三つ目は、ボランティア活動にいろいろと積極的に支援していく。
 大きく分けますと、こういうところに取り組むための経費として使われているというふうに考えておりまして、私どもも各地から非常に評価をされているものだというふうに理解をしているところでございます。
#114
○国務大臣(塩川正十郎君) 今説明いたしましたように、大体三つの大きい分野に分かれるんですけれども、総じて言いまして、やっぱり在宅福祉の向上ということに使われておる資金、大体六割ぐらいそっちの方に使われておるという状況であります。
#115
○西川潔君 この制度が発足して二年になるわけですけれども、実際のところ創設の趣旨に沿った制度運営が着実になされているのだろうかというような、いろいろお話をお伺いしたり勉強させていただきますと、そういう不安も実は感じるわけですけれども、確認の意味で、例えば基金の運用益が従来から自治体の単独事業で行ってきたようなものに使われて、一方福祉に使われていたそのお金を別の施策に使われて、結局のところ福祉に使われる財源の総額は変わらない、いわば福祉の後退につながったりはしないかというようなことも僕たちは心配するのですが、この点についてはどのようにお考えでございましょうか。
#116
○政府委員(湯浅利夫君) この福祉基金をつくるに当たりまして各自治体にいろいろとお願いをしたわけでございますが、その際に、この運用益を用いて行う事業というのは、従来からやっている事業ではなしに、これから地域の実情に応じていろいろと行っていただく、いわば先導的な事業を支援していただく、こういうものに充てていただきたいということを特に私どもからもお願いをしているところでございまして、今までやっていた仕事をこの基金の仕事に振りかえる、単に振りかえるというようなことはぜひ避けていただきたいということを、文書でも申し上げましたし、また機会あるごとに会議等におきましてもお願いをしているところでございます。
#117
○西川潔君 大変皆さんが喜ばれて、いいことではありますが、確かな答えをいただくわけにもい
きませんし、何か、うれしいんですが、不安な気持ちもあるわけですね。
 そこで、我が国の福祉事業について、ゴールドプランにも、いわゆる老人福祉サービスに対するニーズが同じ程度の地域間で、財政力の強弱によって福祉サービスの質とか量に大きな差があるとすれば、それは大きな問題であると思います。地域住民のニーズの違いによりましてそれぞれに応じたサービスを整備していくことは、地域住民が求めているところだと思うわけですけれども、その中で、特に本日最後にお願いしておきたいのは、地域福祉基金制度創設の趣旨がより徹底されて事業が推進されるよう自治省といたしましても配慮していただきたい。そして最後に、いわゆる来年度の地域福祉基金に対する交付税措置の予定も含めまして、大臣の決意もお聞かせいただきたいと思います。
#118
○国務大臣(塩川正十郎君) 来年度も財政は非常に苦しいし、交付税も非常に困難な局面に当たっておると思いますけれども、ことしよりも後退するというようなことはないということにいたしたいと思います。
#119
○西川潔君 時間が来ましたので終わります。ありがとうございました。
#120
○理事(岩本久人君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
    ―――――――――――――
#121
○理事(岩本久人君) 次に、地方行政の改革に関する調査を議題といたします。
 先般、本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。久世公堯君。
#122
○久世公堯君 委員の派遣について御報告いたします。
 派遣委員の佐藤委員長、須藤理事、岩本理事、有働理事、釘宮委員、山口委員、続委員、長谷川委員と私、久世の九名は、去る十月十三日から十五日までの三日間、鳥取県及び島根県を訪問し、県、市町村における財政状況及び地域振興対策等の実情等について調査いたしました。
 第一日は、鳥取県当局から当面の行財政問題及び警察行政について概況説明を聴取し、大山町の冬季国体スキー会場の施設整備事業、淀江町の伯耆古代の丘整備事業、中海干拓事業の中浦水門を視察いたしました。第二日は、隠岐島に渡り、県及び関係七町村長から離島の状況について説明を聴取し、五箇創生館等を視察いたしました。第三日は、島根県当局から当面の行財政問題及び警察行政について概況説明を聴取し、松江市の城山・京見世歴史と文化のまち整備事業、平田市の県立青少年の家及び出雲市の出雲ドームなどを視察いたしました。
 以下、調査の概要を御報告申し上げます。
 両県の財政状況は、総じて過疎、辺地等を多く抱え、高齢化の進んだ人口の少ない地域であり、県税等の自主財源が乏しく財政力が弱いため、県債、交付税及び国庫支出金等の依存財源の割合が全国平均に比し極めて大きいことが共通した特徴であります。しかし、両県とも、最近の公共事業の積極的推進を反映して投資的経費の構成割合が高まりつつあり、財政の弾力性の指標とされる経常収支比卒は、全国平均を大きく下回り良好であります。
   〔理事岩本久人君退席、委員長着席〕
 平成三年度普通会計決算を見ますと、鳥取県は、歳入三千六百二十二億円、歳出三千五百九十六億円となっており、実質収支は黒字で推移いたしております。近年の歳出規模は、比較的大きな伸びを続けており、歳入における一般財源の割合は、地方税、地方交付税の伸びに支えられ、五四%と平均的であります。歳出は、生活関連施設の整備、地域づくり推進事業等の普通建設単独事業を推進したため、最近投資的経費が増大しております。
 次に、島根県は、歳入五千百四十三億円、歳出五千百十五億円となっており、県民一人当たりの決算額は全国一であり、その実質収支は黒字で推移してきております。しかし、県税収入が歳入に占める割合は一二%程度と少なく、交付税と県債への依存度が高く、ふえつつある多額の県債残高があり、その償還費等の義務的経費の負担は大きなものとなっております。このような状況の中、交通基盤整備等の大規模プロジェクトの推進を図った平成四年度予算では、基金等の取り崩しなどによって対応しております。
 今後、地方税の減収が見込まれる中、両県は、地域の実情に即した安定的な行財政運営が行われるよう、地方交付税の総額の確保及び地方交付税制度本来の基本的機能の充実強化等の配慮を要望しております。
 両県の過疎地域の状況につきましては、現在、鳥取県にあっては三十九市町村中十一町村が、島根県にあっては、五十九市町村中三十八町村が過疎地域の指定を受けております。両県の過疎化現象は、主に日本全体の急激な経済発展の中、地方の農山漁村から若年層を中心に首都圏その他の大都市部に人口が吸引されたことに起因するものであるとされております。現在、地域全体としては人口が横ばいである中で、過疎地域の人口は最近再び減少の度合いを加速し始め、若年者層の人口流出と高齢化の極端な進行の動向は予断を許さないように思われます。これまでの過疎対策により、基礎的条件整備は逐次実現を見ておりますが、地域の活性化を図るためには、なお、若者の定住促進と受け皿としての魅力ある雇用の場の確保、また、医療、介護等の高齢者対策の充実などが求められております。両県においては、自発的な活性化対策の促進等が図れるよう、過疎債、辺地債等の過疎対策に係る財源の充実強化が要望されたところであります。
 次に、本地域の離島問題について申し上げます。島根県隠岐島七町村が、離島振興法の指定地域となっております。本地域は昭和二十五年以来人口減少の一途をたどっており、地元では若年層の減少に伴い、高齢者比率が著しく高く、地域産業、地域社会の維持すら困難になると危惧されております。これら町村の地域経済は、水産業、建設業及び公共部門の比重が高く、漁業と公共事業に依存している構造であります。しかし、水産業は経営基盤整備がおくれ後継者難であり、夏季中心の観光業などはニーズはあるものの、宿泊施設等の経営は零細で脆弱である上、海に隔てられた離島特有の交通の困難性があり、観光資源の十分な活用ができない状況にあり、所得は本土の七五%と大きな格差が生じております。
 本土の過疎地域との違いは、内陸部では中心都市との連携による過疎化防止施策が可能であるのに、離島ではそれが期待できず、その過疎化を抑制するには本土との交通を高速化し、医療対策を充実する必要があることであります。関係町村は、交通網の高速化のため、ふるさと一億円と過疎債等を活用し、来年四月には超高速船を導入する等の施策を講じつつあり、国に対しては隠岐空港の滑走路を延伸しジェット化することを強く要望いたしております。
 医療、福祉問題については、本土輸送等救急医療の充実が緊急の問題であるほか、医師不足は極めて深刻であり、公立医療機関の整備充実、特に地域の中核的病院として島後町村組合立隠岐病院の整備が必要であるとのことであります。その自助努力には限界があり、離島の特殊性を考慮し、国の不採算地区病院補助制度の改正が要望されたところであります。また、福祉の充実のためゴールドプランヘの財政的補助の拡充が要望されました。
 定住対策としては、離島振興事業の基礎的条件整備のほか、観光客受け入れ施設、都市的施設の整備、人材育成及び新たな産業おこし事業等のソフト施策が必要であり、関係町村は、隠岐、絵の島花の島振興協議会を設置する等振興に努めており、国に対しては離島振興法改正の趣旨を踏まえたソフト事業に対する支援策の一層の拡充が要望されました。
 次に、警察行政の状況でありますが、両県とも刑法犯罪率は低く、比較的治安情勢は良好であるが、少年非行は人口比で全国平均を上回っており、また、幹線道路を中心とした交通死亡事故が最近多発しつつあります。当局としては、少年の補導、相談、交差点対策、交通指導取り締まりなどの交通安全対策等の活動を積極的に行い、その抑止に努めているとのことでありました。また、暴力団につきましては、鳥取県において十五団体約三百人、島根県においては八団体二百人を把握しており、両県とも暴力団対策特別強化本部を設置し、暴力団幹部の検挙等の徹底した取り締まりと県民ぐるみの幅広い追放運動を展開しているとのことでありました。
 以上で、鳥取及び島根両県における調査の報告を終わりますが、今回の調査に際し、両県及び関係市町村には、繁忙な時期にもかかわらず、終始懇切な御協力をいただいたことに対し、深く感謝の意を表するものであります。
 また、県等から提出されました要望書につきましては、これを会議録の末尾に掲載させていただきたいと存じますので、よろしくお取り計らいのほどお願い申し上げます。
#123
○委員長(佐藤三吾君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。
 なお、ただいまの報告の中で要請のございました要望事項等につきましては、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#124
○委員長(佐藤三吾君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十八分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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