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1992/04/09 第123回国会 両院協議会・合同審査会等 両院協議会会議録情報 第123回国会 平成四年度一般会計予算外二件両院協議会 第1号
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1992/04/09 第123回国会 両院協議会・合同審査会等

両院協議会会議録情報 第123回国会 平成四年度一般会計予算外二件両院協議会 第1号

#1
第123回国会 平成四年度一般会計予算外二件両院協議会 第1号
平成四年四月九日(木曜日)
    午後八時十七分開会
    ―――――――――――――
平成四年四月九日本協議委員は、衆議院議長の指
名で次のとおり選任された。
     山村新治郎君     中山 正暉君
     村岡 兼造君     原田昇左右君
     町村 信孝君     村上誠一郎君
     大石 千八君     亀井 静香君
     中村喜四郎君     与謝野 馨君
同日互選の結果、議長及び副議長を次のとおり選
任した。
            議 長 山村新治郎君
            副議長 中山 正暉君
同日本協議委員は、参議院議長の指名で次のとお
り選任された。
     稲村 稔夫君     小川 仁一君
     梶原 敬義君     久保  亘君
     佐藤 三吾君     太田 淳夫君
     白浜 一良君     吉岡 吉典君
     高井 和伸君     寺崎 昭久君
同月互選の結果、議長及び副議長を次のとおり選
任した。
            議 長 久保  亘君
            副議長 太田 淳夫君
    ―――――――――――――
 出席協議委員
  衆議院
   議 長 山村新治郎君
   副議長 中山 正暉君
     村岡 兼造君     原田昇左右君
     町村 信孝君     村上誠一郎君
     大石 千八君     亀井 静香君
     中村喜四郎君     与謝野 馨君
  参議院
   議 長 久保  亘君
   副議長 太田 淳夫君
     稲村 稔夫君     小川 仁一君
     梶原 敬義君     佐藤 三吾君
     白浜 一良君     吉岡 吉典君
     高井 和伸君     寺崎 昭久君
 協議委員外の出席者
  衆議院事務局
        委 員 部 長 川上  均君
        予算委員会調査 堀口 一郎君
        室長
  衆議院法制局
        第 一 部 長 内田 正文君
  参議院事務局
        委 員 部 長 鈴木 重夫君
        予算委員会調査 宮下 忠安君
        室長
  参議院法制局
        第 四 部 長 石橋 忠雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○平成四年度一般会計予算
○平成四年度特別会計予算
○平成四年度政府関係機関予算
     ――――◇―――――
    〔山村新治郎君議長席に着く〕
#2
○議長(山村新治郎君) これより平成四年度一般会計予算外二件両院協議会を開会いたします。
 くじによりまして、私が本日の両院協議会の議長を務めることになりました。どうぞよろしくお願いいたします。
 なお、参議院の協議委員議長には久保亘君、副議長には太田淳夫君、衆議院の協議委員議長には私、山村新治郎、副議長には中山正輝君がそれ早れ当選されておりますので、この際、御報告申し上げておきます。
 両院協議会は、国会法第九十七条の規定によりまして、傍聴を許さないことになっておりますので、協議委員並びに協議会の事務をとります職員以外の方は御退席をお願いいたします。
 まず、平成四年度一般会計予算、平成四年度特別会計予算、平成四年度政府関係機関予算の三案について、各議院の議決の趣旨について御説明を願いたいと存じます。
 先ほどの両議院の協議委員議長及び副議長の打合会の申し合わせに基づきまして、最初に衆議院の議決の趣旨の御説明をお願いいたします。村岡兼造君。
#3
○村岡兼造君 衆議院における平成四年度一般会計予算外二案の議決の趣旨につきまして御説明申し上げます。
 平成四年度予算は、国内的には、内需を中心とするインフレなき持続可能な成長に配慮するとともに、対外的には、調和ある対外経済関係の形成及び世界経済活性化に貢献するなど、内外の諸情勢を踏まえ、来るべき二十一世紀をも展望して編成されたものであり、現下の厳しい財政事情の中で、社会資本の整備、国際貢献など、時代の要請にこたえた重点的、効率的な配分が行われている一方、経費の徹底した節減合理化に努めるなど、現状において可能な最良、最善の予算であると考えるものであります。
 以下、政府原案を可決した主な理由について申し述べます。
 その第一の理由は、公共投資の拡充等、景気に配慮した予算となっていることであります。
 平成四年度予算は、生活関連分野を中心とした社会資本の整備に重点を置くなど公共事業関係費の拡充を図り、一般会計、財政投融資、地方単独事業において、思い切った伸びを確保しております。
 これは、適切な金融政策の実施と相まって、今後の内需を中心とする持続可能な成長への移行を図るとともに、景気対策としてもまことに時宜を得た最善の措置であると高く評価するものであります。
 第二の理由は、生活に直結した施策の推進を図り、社会保障関係費の充実等、国民生活の質的向上を目指した予算となっていることであります。
 政府が策定いたしました「高齢者保健福祉推進十か年戦略」、いわゆるゴールドプランは、本年で三年目を迎え、本年も、ホームヘルパーの大幅な増員、特別養護老人ホームの緊急整備等の措置を講じるなど、すべての国民が安心して老後を送れる社会の実現に向け、その施策を着実に推進しております。
 また、医療面においても、ナースセンターの創設等福祉人材の確保に努めるなど、国民医療のための環境整備が着実に推進されていることは、極めて適切な措置と言えます。
 このほか、中小企業対策費、農林水産関係費、文教及び科学技術振興費等、めり張りのきいた予算措置が講じられており、これらについても評価するものであります。
 第三の理由は、先般のソ連邦の解体に象徴されるような、昨今の激しい国際情勢の変化を十分踏まえ、国際貢献を積極的に推進する予算となっていることであります。
 平成四年度の政府開発援助予算は、量的には、国際公約である第四次中期目標の最終年として、その達成に十分な規模を確保するとともに、質的にも、無償の増額や技術協力の充実等が図られております。
 また、ODA以外でも、旧ソ連地域への支援、地球サミットの推進等地球環境保全への協力、国連平和維持活動支援強化拠出金等、国際社会への貢献を最重要課題とする我が国の姿勢を内外に示したものであります。
 また、防衛予算については、平成二年に策定した中期防衛力整備計画を踏まえ、最近の国際情勢をも勘案し、効率的で節度ある防衛予算が計上されていることであります。防衛関係費の三・八%の増加については、そのほとんどが過年度に契約したものの支出に充てる経費と隊員のための人件糧食費等のいわゆる後方の充実を図ったことによるもので、正面経費は二年連続で削減されており、冷戦時代の終えんといった最近の国際情勢をも十分に反映した妥当な規模になっていると考えるものであります。
 以上、政府原案を可決した主な理由について申し述べました。
 平成四年度予算の成立は、我が国経済の先行きにとって極めて重要であるとともに、国民生活に及ぼす影響を考えるとき、一日も早い成立が望まれるところであります。
 両院協議会といたしましては、衆議院の議決どおり意見の一致を見ますよう、御賛同をいただきたくお願い申し上げる次第であります。
 以上であります。
#4
○議長(山村新治郎君) 次に、参議院の議決の趣旨の御説明をお願いいたします。佐藤三吾君。
#5
○佐藤三吾君 参議院側が平成四年度一般会計予算外二件を賛成少数で否決した議決の趣旨を申し上げます。
 否決の第一の理由は、経済大国から生活大国への転換を提唱しながら、生活大国づくりのための社会資本整備の予算が不十分な上に、項目別配分が不適切なことであります。
 宮澤総理は、生活大国への転換を内政の重要課題として取り組むことを公約され、社会資本の整備や労働時間の短縮など六項目の整備課題を挙げられました。
 しかし、生活大国づくりの基礎となる生活関連社会資本の整備充実は、公共事業関係費が平成三年度の六%増から四年度は逆に五・三%増と伸びが低下しているほか、事項別、省庁別の配分比率も従来とほとんど変わっておりません。また、平成三年度から設けられた生活関連重点化枠は、二千億円が据え置かれているほか、本年度新設された公共投資充実臨時特別枠二千億円は、産業経済優先時代の固定的配分比率を一層厚くする方向で配分されているなど、生活の豊かさを実感できる生活関連社会資本整備の推進に疑問を抱かざるを得ません。
 加えて、生活大国づくりで宮澤内閣の進めようとする諸施策のほとんどが、従来政府が行っている既存施策と予算配分の単なる延長にとどまっていることも、この際、指摘しておきたいと存じます。
 第二の理由は、高齢化社会への対応が緊急課題なのに、社会保障関係費が逆に抑制されていることであります。
 平成四年度予算における社会保障関係費は、前年比四・三%増と一般歳出の伸びを下回っております。そうした中にあって、高齢者の医療、福祉経費の伸びを見ると、一応の努力の跡も見られますが、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」で掲げているホームヘルパーや看護婦の増員等の諸施策の推進は必ずしも十分でなく、計画に対する進捗率もおくれております。人材確保のための待遇改善と地位向上の措置が不足しているほか、介護施設等のハード面の予算措置も不十分であります。
 また、宮澤総理は、生活大国のあるべき姿として、老人や障害者が安心して、生きがいを持って生活できる社会を挙げておりますが、高齢者の生きがいを推進する予算が横ばいとなっていたり、障害者の諸措置も十分と言えず、前途に不安を覚えざるを得ません。
 第三の理由は、防衛関係費の圧縮が、冷戦終結後の世界情勢から見て、なお不十分であるということであります。
 東西冷戦終結後の世界情勢の変化は、ソ連、東欧、さらには朝鮮半島の南北歩み寄り、カンボジア和平の進展など、アジアにおいても平和と協調に向けた歩みが着実に進んでおります。我が国はこうした変化を的確に受けとめ、防衛予算を極力抑制し、防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画を見直す中で、今後、計画的に削減し、防衛関係費の思い切った圧縮を図ることが必要であります。
 政府予算案では、確かに、防衛関係費が前年比三・八%増と、近年の五、六%台の伸びから圧縮されておりますが、新規国庫債務負担行為の増額による正面装備充実の方向に変化はなく、世界の潮流に的確に対応できておりません。
 この際、防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画の速やかな見直しが喫緊の課題であります。
 第四の理由は、所得税減税、パート・内職者減税、家賃控除等、勤労者の負担軽減措置が無視されているほか、地価税収を創設時の趣旨と異なる一般財源に使っていることであります。
 給与所得税収の国税収入に占める割合は、減税実施後の平成元年度の一六・二%を底に年々上昇し、平成四年度では一九・六%と消費税導入前の水準にまで高まっているほか、直間比率も直接税比率が七四%と過去最高水準となるなど、給与所得税偏重の構造は改められておりません。政府は、財政事情を理由に減税を拒否しておりますが、税の取り過ぎは国民に戻すべきで、少なくとも消費税導入以降の消費者物価の上昇に伴う実質増税分は、国民に物価調整減税として返すべきであります。
 また、平成四年度予算では、三年度に創設された地価税が計上されておりますが、本来、地価税は増収を目的とするものでなく、減税財源に使うか土地対策に充てることが創設時の趣旨であり、国会での政府の約束でありました。ところが、これを創設の趣旨と異なる一般財源にその大半を使ってしまっていることは、国民と国会に対する重大な約束違反であり、認めるわけにはまいりません。
 第五の理由は、特例公債依存脱却の第一段階の財政再建に引き続き、第二段階の財政再建を実施、定着させることが政府の責務でなくてはならないのに、その取り組みに緩みが見られることであります。
 バブルの崩壊は国の税収を直撃し、税取水準を大きく低下させ、財政運営に深刻な影響を与えております。平成四年度予算においては、前年度当初比一兆九千三百七十億円増額の七兆二千八百億円の巨額の建設公債の発行で対処しており、このため、建設公債を毎年度四千億円ずつ減額するという削減目標のコースを大きく外れ、もって平成七年度に建設公債依存度を五%以下にするという目標の達成を極めて難しくしております。
 しかも、バブル時代の好調な税収を背景に歳出予算が膨張傾向を強めているのに、不要不急予算の削減を怠り、場当たり的対応しか見られません。これでは第二段階の財政再建の前途に不安を覚えざるを得ません。
 否決の理由は、このほか広範多岐にわたりますが、両院協議会としましては、参議院側が指摘した平成四年度予算に反対する諸事項を除去することによって、平成四年度予算三案が成立できるよう、御協力、御賛同いただきたくお願い申し上げる次第であります。
 以上でございます。
#6
○議長(山村新治郎君) これにて各議院の議決の趣旨についての説明は終わりました。
 これより協議に入ります。
 順次御発言をお願いいたします。白浜一良君。
#7
○白浜一良君 四年度予算に関しまして、全般的な反対の趣旨説明を合されたわけでございますが、多少重複しますが、私、重ねて何点か主張しておきたいと思うわけでございます。
 まず第一点は、景気対策が不十分だということで、とりわけ政府の対策を見ましても、いわゆる一番大事な減税措置がとられていないということでございます。
 これは、財界の方も指摘されている方がいらっしゃいますが、大きな問題は、消費マインドをどう向上させるかということが大きな問題であるわけです。重ねて、六十三年以来所得税の減税もされていない、そういうことで、減税措置、特に、所得税減税という措置が全くとられていないということを非常に問題視したいわけでございます。
 二点目に強調しておきたいことは、総理が生活大国とおっしゃっておりますが、全くそういう内容が見られない。
 先ほど賛成の理由でゴールドプランのことをおっしゃっておりましたが、福祉のゴールドプランの内容を七本柱を見ましても、十年間のプランで一〇〇%達成されるのは、一部を除いて私はないと思います、今の進捗状況では。そういう個々の施策の進捗という面で十分な対応をされていない。ましてや、そういう公共投資の伸びが昨年よりも下回っているのもさることながら、一番大事な生活関連に重点を置くというそういう予算の措置がされていない、非常に強く感じるわけでございます。
 そのほかにも、行財政改革の問題も十分でない。
 また、ポスト冷戦、とりわけソ連の共産党が解体したという大きな世界の変化の中で、これから日本の自衛隊がどうあるべきか考えましたら、やはり思い切った正面装備の削減ということが非常に私ども大事と考えておるわけで、党といたしましては、具体的にこの中期防で正面装備を二千億円以上削減しろと強く要求しているわけでございまして、そういった観点から四年度予算に反対であるということを強調しておきたいと思います。
#8
○議長(山村新治郎君) 吉岡吉典君。
#9
○吉岡吉典君 幾つかの問題点がありますが、私は、二つの点で意見を補足的に述べさせていただざます。
 一つは、世界的な軍縮の流れに逆行して、引き航さ軍拡を進める予算になっていることであります。軍拡の論拠としてこれまで言われてきましたソ連の脅威というものは、既に崩れてしまっている。それにもかかわらず、アメリカ、イギリス、ドイツ等すべての先進国が軍事予算を削減する状況にありながら、日本は軍事費を相変わらずふやしているということであります。
 この軍事費をふやしている問題については、お隣の韓国などからも、軍事費をふやすことと削減することは根本的に質的に違うことであり、こういう調子では日本は軍事的脅威になりかねないというような批判が出ているところでありまして、先ほど述べられた節度ある予算だということは認めることができないというふうに思います。とりわけ、北方重視戦略に沿って最新鋭のハイテク兵器等による正面装備の増強、これを続けていることや、在日米軍への思いやり予算の大幅増額は特に問題だということを指摘したい。
 この点が、私が述べたい反対理由の一つです。
 もう一点は、宮澤総理がおっしゃる生活大国を目指す予算とは言いがたいものだという点です。
 社会保障関係費は、金額的には増額となっていますが、人口の高齢化や医療給付の当然増経費も貯えないものと言わざるを得ません。生活保護費は三年連続の引き下げになっていますし、障害者対策も不十分であります。住宅建設計画も、住宅金融公庫の貸付戸数は昨年度より一万戸減らしているということであり、これらすべてが、生活大国を目指す予算と言えないというふうに言わざるを得ません。
 文教予算そのほか、いろいろな問題でこのことを指摘せざるを得ません。
 しかも、大企業に対しては、景気てこ入れということで、バブル経済崩壊後の支援策を打ち出しながら、中小企業対策などは、一般会計予算では在日米軍に対する思いやり予算よりもまだ少ないというふうな状況であり、中小零細企業には専ら自助努力を求める、こういう点でも我々は同意でざないということを申し上げたいと思います。そのほか多くの問題がありますが、私は、以上二点を述べて、補足的な意見とさせていただきます。
#10
○議長(山村新治郎君) それでは、高井和伸君。
#11
○高井和伸君 税制との関係で申し上げますと、公約違反の地価税収の一般財源化という問題は、見逃すことができないというのが反対の大きな理由です。
 そもそも国会というのは、国民の代表者がそういった課税に対して自分たちの意思を表現するということから発生したという原点に立ち返るときに、やはり公約との関係で、自民党においては、特に消費税の飲食料品非課税化という問題も実現されておりません。そしてまた、国会との関係で、予算の歳入歳出外となるような資金や基金づくりが多数行われていたり、また、地方交付税の特例減額も行われている等、国会軽視あるいは税制の基本的理念にぶれがある。大蔵省の答弁を聞いておりますと、ああ言えばこう、こう言えばああと答弁するということで、基本的な心棒のない税制に終始しておるということは、先行き大変不安を覚える。
 それから、生活開運、生活大国ということでいろいろおっしゃられますけれども、事業別構成比を前年度と比較してみますと、住宅は一一・五%、下水道は一一・三%で変わっていない。環境衛生にしても三・〇から三・一ということで、わずか〇・一しか上昇していない。こういった配分比率は何ら変わっていない。こういったことも反対の大きな理由であると申し述べておきたいと思います。
 以上です。
#12
○議長(山村新治郎君) 次に、寺崎昭久君。
#13
○寺崎昭久君 民社党は、今後の日本の進むべき方向としてかねてから、生活先進国づくり、文化元進国づくり、国際協力先進国づくりを提唱し、この点については政府にも説明してまいりましたけれども、今回の予算案を見ますと、こうした考え方が予算に反映されておらず、我々の要求する内容とは距離のある予算であり、よって、賛成するわけにはいきません。
 とりわけ強調しておきたいのは、公共投資予算の固定的、硬直的配分を抜本的に改めていないこと、それから、平成三年度限りで撤廃するという約束で導入した法人にかかわる特別税あるいは消費税の特例税率について事実上延長していること、安易な増税になっていること、それから防衛費については、現下の情勢にかんがみ、防衛大綱や中期防を見直す中で計画的に削減等を策定、実行するべきであると考えておりますが、そうした視点からの検討が十分とは思えないこと、その点を指摘しておきたいと思います。
#14
○議長(山村新治郎君) 町村信孝君。
#15
○町村信孝君 それでは、参議院の御意見に対しまして、衆議院の見解をごく簡潔に申し上げたいと思います。
 第一は、平成四年度の公共事業関係費についてでありますが、公共投資基本計画の考え方に沿って着実に社会資本整備を進めているところであり、また、あわせて景気にも配慮して、生活関連重点化枠などを通じ国民生活の質の向上に結びつく分野にできる限り配慮しているところであります。
 この結果、環境衛生の六・六%を初めとして、住宅、下水道、公園等の生活関連事業費の伸び率は、一般公共事業費の伸び率五・四%を上回る伸び率となっているところであります。
 また、公共事業関係費につきましては、これら生活関連事業以外にも、道路、治山、治水、農業農村整備などの重要な政策的使命を有する事業も多く、それらの社会資本整備に対しても引き続き大変強い要望が各地域からあることを勘案いたしますときに、急激にその配分を変更することは困難であります。しかし、例えば、住宅、下水道、環境衛生の分野の一般公共事業に占める割合を中長期的に見てみますと、昭和四十年度の九%から平成四年度には実に二八・五%と大きく変化をしてきておりまして、今後とも中長期的観点から重点的、効率的な配分に努める必要があると考えております。
 第二の社会保障関係費につきましては、二十一世紀に向かって活力ある福祉社会を形成していくため、給付と負担の適正化等を図ることによりまして、将来にわたって安定的かつ有効に機能する制度を構築していく必要があります。
 このような観点から、今回、政府管掌健康保険制度等の制度改革を行ったところでありますが、今回の見直しは、社会保障負担の軽減と給付面における所要の改善等を伴うものであり、これにより予算の社会保障関係費の伸び率を若干は低下させている側面もありますが、他方、社会保障の給付面等ではむしろ改善が図られているのであります。
 また、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」の第三年目として、在宅福祉等の事業量の確保、ホームヘルパーの処遇改善、福祉の人材確保等、真に必要な施策についてきめ細かい配慮を行っているところであります。
 この結果、社会保障関係費は十二兆七千三百七十四億円で、一般歳出の主要経費の中で最大の額であり、また、前年度当初予算に対する増額も五千二百四十六億円となっておりまして、この額も従来に引き続き、一般歳出の中で最大のものとなっているのであります。
 第三の防衛関係費につきましては、平成四年度は中期防の第二年度目として必要最小限の経費を計上しているところであり、前年度当初予算に比べ三・八%の伸びで、これは昭和三十五年度以来の低い伸びに抑制されております。また、この増加額の内訳は、先ほど申し上げましたように、ほとんどが過去に契約したものの歳出化経費と隊員の人件費、糧食費といったいわゆる後方経費でありまして、艦艇、航空機などの正面経費は、前年度に比べ三・七%減と二年連続で削減されており、厳しい財政事情と冷戦時代後の国際情勢とを十分反映した妥当な規模となっております。
 また、防衛力のあり方については、長期的視点に立ち、防衛力全般につき幅広く検討する必要があり、短期間に結論を得ることは困難であると思われますが、検討の結果によっては、防衛計画の大綱の別表等の修正につながり得ることは、政府より今国会でもお答えをしたとおりであります。
 中期防衛力整備計画の修正については、同計画策定後の国際情勢の大きな変化等を見きわめつつ、前広に所要の検討に着手したところであり、その経費規模については、平成四年度予算案に対する修正共同要求への回答のとおり、さらに下方修正の方向で検討を進めたいと考えているところであります。
 第四の所得税減税につきましては、先般の税制抜本改革において大規模な減税を実施したところであり、また、我が国の所得税は、主要諸外国と比較しても課税最低限が高く、また最低税率が比較的低いことから、納税者の大半を占める中・低所得者層の所得税負担が相当低い水準にあること、さらに、給与に係る源泉所得税のウエートは、抜本改革前の昭和六十一年度の二一・八%より二%以上低いこと、家計調査における勤労者世帯の可処分所得は堅調に増加してきていることなどを勘案し、加えて現下の厳しい財政状況を考えるとき、現状では所得税減税を行う環境にはないものと考えております。
 次に、地価税創設に伴う純増収分についてでありますけれども、現下の財政事情等を考慮すれば、土地対策等に資するという観点から、歳出を通じ国民生活に還元することが現実的には適当であるとの考え方に基づいて、各般の土地対策等の充実強化を図っているところでございます。
 第五の財政再建についてでありますが、平成四年度予算においては、まず既存の制度、施策について見直しを行うなど歳出の徹底した節減合理化に努め、一般歳出についてはその増加額を前年度同額以下とするなど、可能な限りの努力を払った上で、なおかつ、現下の景気動向等に対応するため、当面のやむを得ざる措置として、建設公債発行額の増加を行うこととしたところであります。
 今後の中期的な財政運営については、社会経済情勢の変化に財政が弾力的に対応していくために、高齢化社会に多大な負担を残さず、二度と特例公債を発行しないことを基本として、公債依存度の引き下げ等により、公債残高が累増しないような財政体質をつくり上げていく必要があり、今後とも、このような中期的財政運営の努力目標に沿って制度、施策の見直しを行うなど、引き続き財政改革を推進していかなければならないと考えております。
 以上申し上げましたとおり、衆議院といたしましては、可決した本予算を最良、最善のものと考えております。参議院におかれましても、本予算につきまして速やかに御賛同いただきますようにお願いを申し上げます。
 以上でございます。
#16
○議長(山村新治郎君) 他に発言ございますか。
#17
○梶原敬義君 私は、今度の予算は根底が間違っておるというか狂っていると思う。それは、経済実質三・五%成長を前提にしたような、それがもとになった税収見積もりが基本的にされておる。
 少し例を挙げますと、まず、所得税に関する源泉徴収、源泉所得税等を見てみますと、ベースアップ等が六%上がるだろう、こういうような見込みが前提になっておるわけです。しかし、これは恐らく四%を切るのじゃないか、もっと下がるかもわかりません。したがって、ここで相当大幅な見込み違いが出てくる。それから法人税収についても、今日のような法人所得が非常に厳しい状況を踏まえていない、それが第二点。第三点目といたしましては利子課税。これは、公定歩合がこのように下がるような状況を想定していない、それをもとにして税収見込みを立てております。配当課税もしかりです。
 したがって、税収は、結果としてはこの予算の見積もりと大幅に狂ってくるだろう。この根底が、まず一つは歳入の面で大幅な欠陥を生ずることはもう目に見えておる。
 それから支出の面でありますが、これはもう経済対策六項目ですか、あれで見られますようにすぐに前倒しだ。そうしますと、あとはどうするのか。これは後半、また大幅な補正予算を組まなければならない、これも目に見えている。
 こういう去年の暮れからことしの初めに判断をした予算の歳入歳出の見通しが、もう大幅にこの時点で狂うような予算、これは根底が狂っておりますから、この点からしても、このずさんな予算の立て方、こういうものに対してはどんなことがあっても賛成できない。
 以上です。
#18
○議長(山村新治郎君) 他にございますか。
#19
○佐藤三吾君 去年もこの両院協議会で、渡部さんが委員長をやられたとき議論したのですが、さっきどなたかおっしゃったように、テレビやカメラの頭撮りが多いのは、やはり両院協議会に対する一つの期待というものも大きいわけですね。
 そういう意味で、今、梶原さんの方からいろいろ申し上げましたし、私も申し上げましたし、それから参議院の四人のそれぞれの各党の代表の皆さんが申し上げたように、決して町村さんが言ったような予算案ではないことだけは間違いない。いろいろな問題点を持っています。特に、地価税などは国会と国民に公約したたぐいのものであって、そこら辺が約束違反になっておるというような性格のものです。
 私は、両院協議会というのは憲法で定められてあるわけですから、これを形式的に終わらしてはいかぬと思うのですね。去年も私申し上げて、渡部さんも、それはそうだ、しかし、今回だけはひとつ諸般の情勢を考えてしてくれ、今後はぜひ時間をかけて協議しましょう、ひとつ実のあるものにしようじゃないかということで、ことしを迎えておるわけです。
 ですから、私は、きょう無理に上げなければならぬという理由はないわけですから、両院協議会で話を尽くして議論をして、そして歩み寄れるところは歩み寄って、もっと国民の期待にこたえる予算にするという責務がお互いの中にあるのではないかと思うので、これはそういう意味でぜひひとつお取り計らい願いたいと思うのです。
#20
○議長(山村新治郎君) 他にございますか。
 それでは、速記をとめてください。
    〔速記中止〕
#21
○議長(山村新治郎君) 速記を起こしてください。
 この際、参議院側、衆議院側双方から発言を求められておりますので、順次これを許します。まず、参議院太田淳夫君。
#22
○太田淳夫君 参議院側としましては、趣旨説明及び開陳されました意見を踏まえまして、この平成四年度予算三案に何らかの修正ないし削除を加えることが必要であると考えます。
 両院の議決が異なった場合、何らかの解決策を策定するのが両院協議会の目的でありますし、ぜひ、そうした取り運びをお願いしたいと存じます。
#23
○議長(山村新治郎君) 次に、衆議院原田昇左右君。
#24
○原田昇左右君 参議院側の御意見は十分承りました。
 しかしながら、衆議院側としては、先ほどの衆議院側の村岡、町村両協議委員の発言で明快に述べられましたように、平成四年度予算は、現状において編成し得る最良、最善の予算であると考えるものでありまして、到底、参議院側の要請をお受けするわけにはまいりません。
 また、本予算は成立がおくれており、内外の経済情勢を考えるとき、一日も早い予算の執行が待たれているところであります。
 よって、憲法第六十条に基づき、国会法等の定める手続に従い、衆議院の議決どおりお願いいたしたいと存じます。
#25
○議長(山村新治郎君) それでは、いろいろ御協議をいただいたのでありますが、意見の一致を得る見通しがないものと認めざるを得ません。
 つきましては、協議会といたしましては、成案を得るに至らなかったものとして、これを各議院にそれぞれ報告いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#26
○議長(山村新治郎君) 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
 これにて協議会の議事は終了いたしました。
 協議委員各位の御協力によりまして議長を無事務めさせていただきました。ありがとうございました。
 これにて散会いたします。
   午後九時四分散会
ソース: 国立国会図書館
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