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1992/03/25 第123回国会 参議院 参議院会議録情報 第123回国会 産業・資源エネルギーに関する調査会 第3号
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1992/03/25 第123回国会 参議院

参議院会議録情報 第123回国会 産業・資源エネルギーに関する調査会 第3号

#1
第123回国会 産業・資源エネルギーに関する調査会 第3号
平成四年三月二十五日(水曜日)
   午前十時四十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 二月二十六日
  委員狩野明男君は逝去された。
 二月二十七日
     補欠選任       重富吉之助君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    会 長         田  英夫君
    理 事
                合馬  敬君
                深田  肇君
                白浜 一良君
                高崎 裕子君
                古川太三郎君
                足立 良平君
    委 員
                大木  浩君
                重富吉之助君
                田辺 哲夫君
                星野 朋市君
                大渕 絹子君
                北村 哲男君
                庄司  中君
                福間 知之君
                針生 雄吉君
                神谷信之助君
   事務局側
       第三特別調査室  大平 芳弘君
       長
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○産業・資源エネルギーに関する調査
 (派遣委員の報告)
    ―――――――――――――
#2
○会長(田英夫君) ただいまから産業・資源エネルギーに関する調査会を開会いたします。
 議事に先立ち、一言申し上げます。
 本調査会委員狩野明男君は、去る二月二十六日、心不全のため逝去されました。まことに哀悼痛惜にたえません。
 同君は、本調査会発足当初から二年七カ月にわたり委員としてその職員を果たしてこられました。
 ここに、皆様とともに、謹んで黙祷をささげ、御冥福をお祈り申し上げたいと存じます。
 どうぞ御起立を願います。黙祷を願います。
   〔総員起立、黙祷〕
#3
○会長(田英夫君) 黙祷を終わります。御着席願います。
#4
○会長(田英夫君) 委員の異動について御報告いたします。
 去る二月二十七日、狩野明男君の補欠として重富吉之助君が選任されました。
#5
○会長(田英夫君) 産業・資源エネルギーに関する調査を議題とし、派遣委員の報告を聴取いたします。
 まず、第一班の御報告をお願いいたします。白浜一良君。
#6
○白浜一良君 委員派遣の概要を御報告申し上げます。
 去る二月四日から六日まで三日間にわたり、田会長、古川理事、星野委員、北村委員、庄司委員及び私の六名が沖縄県の本島並びに宮古島において、産業・資源エネルギー問題に関し、沖縄総合事務局、沖縄県、平良市及び城辺町等の関係者より概況説明の聴取、エネルギー関係施設等の視察など所要の調査を行ってまいりました。
 以下、その主なる概要について申し上げます。
 最初に、沖縄総合事務局管内における経済動向及びエネルギー事情等について申しますと、本県における最近の経済動向は、海洋博後の昭和五十四年度以降十年間については全国平均の実質経済成長率三・六%を上回る五・五%で推移した結果、全国との所得格差は急激に縮小したものの、なお依然として大きな格差が見られるとともに、完全失業率は平成二年平均では全国の約二倍に達しております。
 なお、県民所得面から見た経済の特色として、財政支出及び基地収入への依存度、観光収入のウエートがいずれも高く、輸出入の極端なアンバランス等が生じているほか、産業構造に占める比率は、第二次産業、特に製造業において低く、第三次産業のみが極端に高くなっております。このため、当面の課題として、産業の振興については、中小企業高度化事業の推進、大規模小売店舗改正法に対応した街づくりの観点からの小売業の活性化対策及び伝統工芸産業の振興、また、リゾート・観光産業、トロピカルテクノセンターなどの頭脳立地構想の推進、さらには、糸満工業団地の造成等産業基盤の整備、沖縄電力民営化に伴う政府保有株式売却益の一部を活用した地域産業振興対策等が進められております。
 なお、沖縄県におきましては、中小企業振興対策の一環として、異業種間の技術交流等による融合化等新規事業の開拓、地域特性を積極的に活用した企業立地の促進及び長期的展望に基づいた自由貿易地域の拡大展開を図るため那覇地区の活性化を図るとともに、関連支援施策の充実に努めるほか、国際的リゾートの形成等観光施設の基盤整備を促進することとしておりますが、特に、平成四年度を初年度とする第三次沖縄振興開発計画の策定について国による格段の協力を要請されました。
 また、関連して、那覇商工会議所から、自由貿易地域制度の機能拡充及び民間専用の一種空港の早期建設等について、県商工会連合会から、大店法の規制緩和に伴う中小小売商業対策として、特に商店街再開発事業等の商業基盤施設を整備するための施策の拡充について、さらに、県中小企業団体中央会から、製造業を中心とする融合化組合等の指導強化並びに海洋資源研究所の設置などについてそれぞれ要望がございました。
 次に、沖縄電力の発電設備は百三十二万七千キロワット、販売電力量は四十七億二千万キロワツトアワーでありますが、本土並みの料金水準及び安定供給の確保を図るため、離島地域の電源確保、昼夜間の電力負荷平準化のための需要開発の推進等が求められているとのことでありました。ちなみに、平成三年度の沖縄本島における最大電力供給実績は、冷房需要の急増を反映した結果、初めて百万キロワットアワーを超えており、今後の需要増加に対応するため、新規電源として石川火力ガスタービン発電所及び具志川石炭火力発電所約二十六万キロワットをそれぞれ建設し、沖縄県の石油依存度を将来四二%まで低下させることを目標としております。
 一方、現在、新エネルギーの開発導入の動向としては、NEDOによる座間味島及び渡嘉敷島における離島用太陽光発電システム、沖縄電力による渡嘉敷島における離島用燃料電池発電システムに係る各種試験研究等を実施または一部終了しているものもありますが、これらの新エネルギーに係る発電規模として平成二年以降七年までの間約二千百五十万キロワット、最終的には約四十億円を予定しているほか、エネルギー利用効率向上の観点から海水揚水発電パイロットプラントを建設しております。
 次に、平良市等においては、東京直行便の空路開設に伴い、従来のサトウキビ一辺倒の農業から
花卉等を初め、観光産業の育成に努めるとともに、マリノベーション構想及び自然を最大限に利用した沖縄エネトピア構想等を積極的に推進することとしております。
 次に、今回視察いたしました主要な箇所について申しますと、まず、オリオシビールについては、麦芽等の原料を主として旧西ドイツなど欧州から輸入し、亜熱帯の気候風土に適応したビルゼンタイプの製品を開発生産しており、現在、年間六万キロリットル、大半が生ビールを特徴とし、最近一部製品を本土に出荷しているとのことであります。
 次に、海水揚水発電については、電力需要の昼夜間における変動対策の一環として、我が国においては電源開発により沖縄県国頭村美作地点において世界初の海水による揚水試験発電に着手しております。すなわち、本プラントは、海岸から約六百メーター、標高百五十メーターの台地上に堀り込み式の上部調整池を築造し、その底部取水口から地下発電所に導水し三万キロワットの発電を行うため、効率的系統運用を可能とする可変速揚水発電システムを採用し、昭和六十二年度以降平成九年度までの間に事業費約二百二十億円により実証試験等を予定しておりますが、現在、ダムの基礎掘削、水圧管路トンネル等を工事中で、今後金属材料の防食効果、環境モニタリング等を総合的に検証するとのことでありました。
 次に、宮古島におきましては、太陽と風力等の自然環境に恵まれた立地条件を活用した各種新エネルギーの試験研究を行っております。
 まず、沖縄電力におきましては、サンシャイン計画の一環として、定格出力二百五十キロワットの集合型風力発電システムの制御技術開発をNEDOから受託し、既存電力系統との連系運転試験等について、また、電池総量七百五十キロワット、年間発電電力量六十八万二千六百キロワットアワーの太陽光発電システムの実証研究をNEDO及び三菱電機と共同受託し、ハイブリッドシステムの運転制御技術等について、さらに、通産省の補助事業として最大発電出力約二十四キロワットの太陽熱利用ソーラー・スターリング・エンジン発電システムの開発等についてそれぞれ所要の研究を実施しております。
 以上のほか、宮古第二発電所、復帰二十周年記念に伴う首里城復元事業、那覇空港整備状況及び紅型等地場産業を視察をいたしました。
 最後に、復帰二十周年を迎えた沖縄県におきましては、第一次、第二次沖縄振興開発計画に基づき、着実に道路、港湾、空港等の公共的社会資本の整備にもかかわらず、依然として本土との著しい県民所得格差があり、また、自然的立地条件等の特性による産業振興のおくれなど今後解決すべき多くの課題が残されているように見受けられました。このため、平成四年度を初年度とする第三次沖縄振興開発計画に基づいた適切な施策の充実強化による産業振興の推進と、離島における地域活性化の一環として自然的条件を最大限に活用した新エネルギーの研究開発等を積極的に促進する必要があろうかと存じます。
 以上、御報告申し上げます。
#7
○会長(田英夫君) 次に、第二班の御報告をお願いいたします。深田肇君。
#8
○深田肇君 第二班の派遣報告をいたします。
 去る二月町日から六日まで三日間にわたり、産業・資源エネルギー問題に関する実情調査のため、田沢理事、足立理事、向山委員と私、深田の四名で、愛知県及び三重県において、通商産業省中部通商産業局、愛知県、三重県当局及び経済団体等より概況説明の聴取、流通・エネルギー関係施設並びに地場産業などの視察等所要の調査を行ってまいりました。
 以下、その概要を御報告いたします。
 最初に、中部通商産業局管内における経済動向及びエネルギー事情等について申しますと、中部地域経済の特徴は、総生産、総人口で全国の約一割を占めており、産業構造は輸送機械等のウエートが高く、かつ地場産業の集積が大きいことでありますが、問題は情報サービス等産業高次機能が相対的に弱く、自動車等の輸出依存度が高いことであります。現在、管内における経済動向はおおむね堅調を維持しておりますが、先行き不透明感が拡大しており、鉱工業生産は対前年比で四カ月遅続低下しております。また、小売商業につきましては、平成三年下期における大規模小売店の新規出店表明は比較的落ちついた動きとなっており、出店調整は円滑に行われているとのことであります。
 一方、エネルギー事情につきましては、今後とも販売電力量及び最大電力の増加が見込まれるため、環境にも配慮した電源ベストミックスの構築を目指し電源開発を推進することとしておりますが、その達成は非常に厳しいとのことであります。
 次に、愛知県においては、工業集積度が高く、県内総生産の四三%以上を製造業が占めており、製造品出荷額は十四年間連続全国第一位を誇っております。また、小売業の商店数及び年間販売額は全国第三位の地位を占めており、同県は世界のGNPの約一%の経済活動を担っているとのことであります。なお、最近の経済動向につきましては、企業の業況感が一段と後退するなど減速傾向が強まっており、また地場産業は中小零細性に加え、NIESの追い上げ等、取り巻く環境は非常に厳しいものがあるとのことであります。
 次に、愛知県商工会議所連合会及び中部経済連合会からは、中部新国際空港の新設、二十一世紀万国博覧会の開催等、各プロジェクトによる新しい地域づくりの推進、当面のエネルギー問題として、電力需給の逼迫に対応した電力の広域運営、石炭火力発電所の建設、夏季の節電対策、新エネルギー開発に係る官民の費用負担、LNG原料の確保とコジェネレーション、地域冷暖房等効率的なガス供給システムの構築のほか、製品輸入の拡大対策として、国際流通センター構想の実現に向けた対応などが今後の課題である旨の説明がありました。
 次に、今回視察いたしました主要箇所について申しますと、まず、大曽根商店街は、昭和五十九年には中小企業庁のコミュニティーマート構想モデル事業の第一号指定を受け、昭和六十三年八月以降約七十戸の全店舗を取り壊し、モニュメントゲートの設置等区域面積三・五ヘクタール、全長約三百メートルのオープンモールの新しい街を完成させております。なお、街づくりに際し、国や県の助成措置をフルに活用しておりますが、土地の権利調整から街の形成までが短期間にできたのは地元の熱意によるところが大きいとのことであります。
 次に、中部電力電力技術研究所においては、超電導エネルギー貯蔵実験室、CO2分離実験室等を視察いたしました。燃料電池については、燐酸型はほぼ実用化段階にあり、平成四年度の三百キロワットを七年度には六百五十キロワットまで試行的に導入を拡大する予定のほか、電気自動車については、電気スクーターの燃料費がガソリンの三分の一にすぎないとのことでありますが、問題はバッテリーのコスト高及び充電スタンド等インフラが未整備とのことであります。
 次に、三重県においては、戦後、四日市市を中心に重化学工業が発展しましたが、石油ショック、円高により産業構造は一変し、現在は加工組み立て型産業が主流となっているほか、小売商業については、年間販売額は増加しているものの、大規模小売店の進出により商店数は若干減少しているとのことであります。なお、同県におきましては、最近外国人労働者が急増しており、登録済みの者が約一万四千人、警察の調べでは実態はその倍以上いると言われておりますが、三重県知事から、外国人労働者専門官の三重県への配置、外国人労働者向けの就労に関するマニュアルの作成、不法就労者等に対して指導を行う専門官の新設など五項目についての要望書が提出されております。
 次に、三重県商工会議所連合会からは、地域経済の活性化を図るため、三重ハイテクプラネット21構想の早期実現、南勢地域における道路交通
網の整備促進、伊賀地域における鉄道の電化、商店街活性化のための駐車場対策の充実等について要望がなされました。
 次に、津市丸之内商店街は昭和六十一年度にコミュニティーマート構想モデル事業の指定を受けておりますが、この商店街の特徴は、全国初の試みと言われるプリペイドカードシステムを平成元年十二月から導入しており、カードの発売、利用状況は年々増加し、平成三年十二月末には累計で四億円を超えているとのことであります。
 次に、B&G財団浜島海洋センターは昨年三月に完成した施設でありますが、ソーラーシステムは百三十台の太陽熱集熱コレクタ」と蓄熱槽との間で水を循環させてプールの加温とシャワーの給湯に利用されており、太陽エネルギーを利用することによって年間三十五キロリットルの重油を節約できるとのことであります。
 次に、ミキモト真珠島を視察いたしましたが、三重県における養殖真珠の生産量は、昭和四十一年をピークに減少傾向にあり、平成二年にはピーク時の三五%程度に低下し、愛媛県に次いで全国第二位となっているほか、近年、低廉な中国産淡水真珠の輸入急増の影響を受けているとのことであります。
 最後に、万古陶磁器は昭和五十四年に国の伝統的工芸品の指定を受け、国内向けには急須、土なべ等、輸出向けにはディナーセット等を出荷し、平成二年の出荷額は百九十一億円でありますが、その経営環境は昭和四十六年のニクソン・ショック以来、オイルショック、円高等により年々厳しさを増しており、輸出比率は平成三年には二六%にまで低下すると予想されております。なお、今後の問題点としては、従業員の確保、従業員の高齢化への対応、人件費の上昇、独創的な商品づくり等が指摘されております。
 以上、今回の派遣を通して感じましたことは、例えば商店街の活性化に成功している地域に共通な点は、商店街の方々が創意工夫を凝らして地域の活性化に前向きに取り組んでいることであり、そのもとで国や県のさまざまな施策も十分生かされているということであります。
 一方、新エネルギー、省エネルギーの利用につきましては、エネルギーの有効利用がさまざまな分野で図られていること、また研究開発につきましては、現場の研究者の日ごろたゆまぬ研究努力の積み重ねが実用化につながることを実感するとともに、新エネルギー、省エネルギーの技術開発の将来に明るい希望を感じた次第であります。
 以上、御報告申し上げます。
#9
○会長(田英夫君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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