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1992/04/15 第123回国会 参議院 参議院会議録情報 第123回国会 科学技術特別委員会 第5号
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1992/04/15 第123回国会 参議院

参議院会議録情報 第123回国会 科学技術特別委員会 第5号

#1
第123回国会 科学技術特別委員会 第5号
平成四年四月十五日(水曜日)
   午後二時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月十五日
    辞任         補欠選任
     吉川 春子君     橋本  敦君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         及川 順郎君
    理 事
                岡部 三郎君
                藤田 雄山君
                三上 隆雄君
                太田 淳夫君
    委 員
                鹿熊 安正君
                後藤 正夫君
                前島英三郎君
                吉川 芳男君
                穐山  篤君
                稲村 稔夫君
                櫻井 規順君
                竹村 泰子君
                橋本  敦君
                星川 保松君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       谷川 寛三君
   政府委員
       人事院事務総局
       給与局長     森園 幸男君
       科学技術庁長官
       官房長      林  昭彦君
       科学技術庁長官
       官房審議官    山路 順一君
       科学技術庁長官
       官房会計課長   岡崎 俊雄君
       科学技術庁科学
       技術政策局長   須田 忠義君
       科学技術庁科学
       技術振興局長   長田 英機君
       科学技術庁原子
       力局長      石田 寛人君
       科学技術庁原子
       力安全局長    坂内富士男君
   事務局側
       第三特別調査室
       長        大平 芳弘君
   説明員
       防衛庁防衛局防
       衛課長      藤島 正之君
       防衛庁装備局航
       空機課長     守屋 武昌君
       外務省北米局安
       全保障課長    小澤 俊朗君
       文部大臣官房審
       議官       山田 勝兵君
   参考人
       理化学研究所副
       理事長      佐田登志夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○研究交流促進法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(及川順郎君) ただいまから科学技術特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、吉川春子君が委員を辞任され、その補欠として橋本敦君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(及川順郎君) 研究交流促進法の一部を改正する法律案を議題といたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(及川順郎君) まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 研究交流促進法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に理化学研究所副理事長佐田登志夫君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(及川順郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(及川順郎君) これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○藤田雄山君 ただいま議題となりました研究交流促進法の一部を改正する法律案につきまして、個別事項の質疑の前に、まず総論としてお伺いしたいと思います。
 我が国は、これまで唯一の資源とも言える知的創造力を活用し、科学技術の振興を図り、今日の経済的発展を見るに至っております。しかしながら、今日我が国が置かれている国際的状況を見るに、各国が政治、経済等、あらゆる面でその相互依存を深め、今や国際的協調なしては我が国の存立はあり得ない状況にあると考えます。
 このような状況の中で、科学技術の面からも今後我が国の国力にふさわしい国際貢献をなしていくことが大変重要なことだと思います。科学技術の面から国際貢献をという場合、それは基礎的・創造的研究を大いに振興し、その成果をもって積極的に国際的公共財として世界に発信していくこと、世界の知的ストック形成の一翼を担うことに尽きるのではないかと考えます。
 そこで、先ほども述べましたように総論として、今後の科学技術政策はどうあるべきか、科学技術政策の今後の進め方に関する基本的理念について大臣の御所見を伺いたいと思います。
#8
○国務大臣(谷川寛三君) 豊かな経済力と世界有数の科学技術力を有するに至りました我が国は、持てる経済力と科学技術力を活用いたしまして、あるいはそれらを一層強化しながら、今も先生からお説がありましたが、科学技術によって国際社会と人類全体のために貢献していかなければならぬ、まずこのように考えておるところでございます。
 そのために、まず大学、国立試験研究機関等の研究環境を改善していかなきゃならぬ、それからその研究開発能力を強化することによりまして我が国の基礎研究を充実強化していく、その成果を世界に向けて発信いたしまして人類全体の知的な財産の蓄積に貢献していくように努めていかなければならぬ、このように考えております。
 また、各国と協力しながら、人類の生存を脅かしかねない地球環境問題、エネルギー問題、食糧問題等の解決に科学技術の面から積極的に取り組んでいくことも重要なことと認識しているところでございます。
 こういうような認識に立ちまして、今後の科学技術政策を積極的かつ総合的に展開していく、こういう覚悟でございます。
#9
○藤田雄山君 基礎的・創造的研究は、研究者一人一人の自由なる発想に依拠するところが大きいのではないかと思います。この点に着目すれば、その主たる担い手である大学、国立試験研究機関の研究者が、内外の研究者と自由に交流し、互いにその発想、アイデアを交換し、触発し合うといったことが重要ではないのでしょうか。そして、そのようなことができる環境を整備することが重要なのではないでしょうか。
 約六年前に研究交流促進法が制定されたのもこのような観点からと考えますが、研究交流促進法のこれまでの適用実績について御説明をいただきたいと思います。
#10
○政府委員(山路順一君) お答え申し上げます。
 現行法の各条項ごとに御説明をさせていただきたいと思います。
 現行法第三条でございますが、第三条は、外国人の研究公務員への任用について規定してございます。これまでの実績といたしましては、五省庁におきまして七カ国から延べ十三人の任用実績がございます。
 次に、第四条関係でございますが、第四条は、研究集会への職務専念義務の免除による参加でございます。これにつきましては、十三省庁におきましてこれまで延べ約一万五千人の参加実績がございます。
 次に、第五条関係でございます。第五条は、退職手当の算定において不利益をこうむらない休職について規定してでざいます。これまでの実績といたしましては、四省庁において二十一名の実績がございます。
 次に、第六条関係でございます。第六条は、受託研究の成果に係る特許権等の譲与についてでございます。残念ながら現在まで特許権が発生したことがございませんので、譲与した実績はございません。
 次に、第七条関係でございます。第七条は、国際共同研究に係る特許発明等の相互無償実施につきましての規定でございます。これも残念ながら現在まで特許権が発生してございませんので、実績はございません。しかしながら、この法律を制定していただきましたことによりまして、これまで国際共同研究が不可能であった分野、例えば核融合分野におきます研究協力につきましては、この七条の趣旨を盛り込んだ協定が締結されたという実績はございます。
 次に、第八条関係でございます。第八条は、国際共同研究に係る損害賠償請求権の放棄について規定したものでございます。これは、これまでに私ども科学技術庁と米国航空宇宙局、すなわちNASAでございますが、との間で、また文部省とNASAとの間で数件の損害賠償請求権の放棄を規定した共同研究契約を締結した実績がございます。
 最後に、第九条関係でございます。第九条は、国研が所有いたします国有施設の廉価使用でございます。これまでのところ実績はございません。
 以上でございます。
#11
○藤田雄山君 非常に活用されている条項とそうでないものとあるようですが、今回研究交流促進法の改正に至った背景、趣旨についてお伺いしたいと思います。
#12
○国務大臣(谷川寛三君) 研究交流促進法は、もう既に御案内でございますが、国と国以外の者の交流を促進いたしまして国の試験研究を効率的に推進する、こういうことを目的といたしまして昭和六十一年に制定されたものでございます。法制定後約六年が経過いたしました。
 この間、我が国の科学技術を取り巻く諸情勢は大きく変わってまいりました。近年、科学技術面での我が国の国際貢献の必要性が高まるとともに、科学技術の一層の高度化、複合領域化等が急速に進みまして、基礎的・創造的研究の積極的推進が内外から強く求められるようになっておるところでございます。こういった状況に適切に対応していきますためには、産学官、それから外国との間の研究交流の一層の促進が重要でございまして、このために国の研究活動を取り巻くもろもろの制度的制約をよ力一層緩和していかなければならぬという必要性が生じてきたのでございます。
 今回の法改正は、こういった状況にかんがみまして、関係省庁とも十分協議いたしまして、特に急速に措置すべき事項につきまして所要の措置を講ずることとしたものでございます。よろしくお願いいたします。
#13
○藤田雄山君 わかりました。
 それでは、任期つき採用制度の導入、研究人材の確保についてでありますが、今回の改正案においては、外部の研究者を研究公務員に採用する場合任期を定めることを可能としているようでありますけれども、その趣旨について御説明ください。
#14
○政府委員(長田英機君) 御案内のとおり、近年の科学技術はますます高度化、複雑化してまいりまして、他分野にまたがる研究開発が非常にふえているわけでございます。こういうような中で基礎的な研究あるいは創造的な研究を推進していこうと考えますと、どうしても異なる研究主体の間で交流を活発にして新しい発想を何とか生み出していく必要がある、こういうふうに考えるわけでございます。また一方、基礎的、創造的な研究は、これは国の研究所である国立の研究所の非常に大きな役割でございます。
 そういうふうに考えますと、国立の試験研究機関におきまして民間とか私学の方を受け入れて、そこで一つのグループをつくって新しいアイデアを出していくということが必要ではないかと思うわけでございます。こういうふうに外部から研究者を国研に入れようと考えますと、研究自身に大体何年間という計画的期間がございますから、それに対応して任期をつけて有期限で国家公務員になっていただくということをやることが非常に有効であるというふうに考えましてこの規定を置いたわけでございます。
#15
○藤田雄山君 基礎的・創造的研究の推進のためには、異なる発想を有する研究者間の交流が相互の触発を生み出すために効果的であり、今回の任期つき採用はまさにその時宜を得たものだと思います。しかしながら、一方我が国では依然終身雇用制度が大半を占めております。したがって、研究者が安心して研究に専念でき、本制度の趣旨が十分生かされますよう、運用に当たっては十分配慮されますように要望いたしておきます。
 ところで、科学技術振興にとって最も重要なことは人であると思いますが、最近学生の理工系離れなどの社会現象が指摘されているところであります。さらに、一般の青少年におきましても科学技術離れの傾向が生じているというふうに聞き及んでおりますが、このような状況は、我が国の科学技術の将来にとって大変深刻な問題であろうと思います。
 そこで、科学技術に対する夢と情熱を持った青少年の育成が急務と考えますが、将来の科学技術系人材の養成、確保についてどのように取り組んでいこうとお考えなのか、お伺いいたします。
#16
○政府委員(須田忠義君) 御指摘の、科学技術に対する夢と情熱を持った青少年の育成ということ、科学技術系人材の養成、確保を図るということは、今後創造性豊かな科学技術を振興するために必要不可欠なことだというふうに認識してございますしかるに、最近の若者の科学技術離れの傾向が一つ。それから、今後生産年齢人口、これが減少に転ずるということ。他方では、研究者に対する需要が二十一世紀の早い時期には現在の約二倍、約五十万程度に達するという予測もあることなどを考えますと、科学技術系の人材の養成、確保の問題は今後の科学技術政策上重要な課題であるというふうに考えております。このため、先般の科学技術会議の第十八号答申では、科学技術系人材の質と量の両面にわたる充実を重点施策の一つとして掲げてございます。
 それで、科学技術に対する夢と情熱を持った青少年を育成するための具体的な方策として、一つは、初等中等教育における科学的な実体験を得る機会の増大を図る。いわゆる実験、実習、自然との接触、こういうようなことを初等中等教育の時代に体験させる、その重要性。また、科学技術関係の職業の処遇、勤務環境の改善でございます。それから、科学技術の喜びや感動を伝えるなどの普及啓発、こういう啓発活動の充実を提唱してございます。また、高等教育の充実のために、大学の学部段階の質的な充実、それから修士課程の学生定員の拡大、博士課程の学生への経済的支援の充実等による定員の充実拡大、こういうことを具体的に提唱しているところでございます。
 科学技術庁としては、これまでも、科学技術の特別研究員制度や基礎科学特別研究員制度の創設などによりまして、創造性豊かな若手研究者にその発想を生かすことのできるような研究環境を与えるなど、研究者の養成、確保に努めてきたところでございます。なお、研究者養成は、科学技術庁だけじゃなく、文部省、他省庁いろいろなところにかかわるわけでございますので、関係各省と連携をとりながらより一層の施策の充実に努めてまいりたい、かように思っております。
#17
○藤田雄山君 ぜひ今御説明のようなことは実現いただきたいと思います。
 次に、国際協力の推進、研究施設の外部利用についてでありますが、我が国が国際社会の一員として諸外国と協力、交流を進めるに当たりましては、お互いの異なる文化、制度を十分に理解して尊重することが肝要と考えます。
 今回、国の委託に係る国際共同研究の成果の取り扱いについて特例措置を設けるとのことでありますけれども、特例措置を設けるその必要性と効果について御説明いただきたいと思います。
#18
○政府委員(長田英機君) このパテント等につきます特例措置でございますが、先生御指摘のとおり、諸外国との協力、交流を進めることが非常に重要になってまいりまして、これは我が国の国際貢献ということのみならず、また研究を効率的にやる上からも内外の研究者の交流が必要だと思います。
 そういたしますと、国際共同研究というものを円滑にしなきゃいけないということになるわけでございまして、特に国の委託に係る国際共同研究につきましては、パテントなどの取り扱いについて諸外国といろいろ制度が違っているという事情がございます。諸外国と制度が違っておりますと、こういう共同研究をする場合になかなか外国の企業が参加しにくいという事情がございます。そういうようなことから、過去を振り返ってみますと、いろいろ予定しておりました案件につきまして外国企業の参加を得られなかったというようなケースもございました。
 そういうことを放置しておくとよくないと考えられるわけでございまして、この問題を解決するためには、今まで我が国政府が委託に係る研究につきまして全部パテント等を国有のものとしておりましたけれども、そういう方法以外の道をつくりまして、そしてそういう特例措置を活用することによって国際共同研究を進めていこう、こういう趣旨のために設けた規定でございます。
#19
○藤田雄山君 我が国の委託研究の成果たるその特許権の取り扱い、特許権そのものも国によって先発明主義とか先願主義とか違うんでしょうけれども、諸外国と異なっているということですけれども、諸外国の現状について、またこれらの国と協力する場合どのような考え方で今度の改正法案第九条を適用しようとしているのか、お伺いしたいと思います。
#20
○政府委員(山路順一君) お答え申し上げます。
 先生の御指摘の、各国のパテント等に関します現状でございますが、主要先進国につきまして御説明申し上げたいと思います。
 まず、アメリカでございますけれども、アメリカは、国の資金負担によりまして委託をした場合、それが国内の企業に委託したか、また外国の企業に委託したかによりまして取り扱いが違います。まず、国内の企業に委託いたしました場合には、その成果でございます特許権は研究実施者であります国内企業、その実施者そのものに一〇〇%帰属するということでございます。したがいまして、国内企業がそれを実施する場合には、自分のものの特許権でございますので当然のことながら無償になるわけでございます。一方、外国企業に委託いたしました場合には、これは一〇〇%国が吸い上げることになります。すなわち国に帰属することになります。しかしながら、研究実施者がみずから実施したいといった場合には無償で実施することができるようになってございます。
 次に、英国の場合でございますけれども、英国の場合にはすべて研究成果は国に帰属いたします。しかしながら、実施者がそれを使いたいといった場合には無償での実施を認めているところでございます。
 次に、ドイツやフランスの現状でございますけれども、両国は国の負担によります研究に係ります特許権等は研究実施者に一〇〇%帰属することになってございます。したがいまして、米国の国内企業と同様に、実施する場合には無償で実施できるということになるわけでございます。
 二点目、先生の御指摘の九条の適用、運用の考え方でございます。
 基本的には、委託を受けた外国側に与える特許上の取り扱いを、もし逆にその外国が日本に委託した場合に日本側に与えるであろう特許上の取り扱いと同等のものにするということでございます。甚だわかりにくい説明で恐縮でございますが、例えば当該外国が日本側に特許の無償実施権を認める制度となっておるといった場合には、日本はその外国への委託に関しましては、発生しました特許権の無償実施権を与える、すなわち相互主義をとりたいと考えておるところでございます。
 以上でございます。
#21
○藤田雄山君 そうした措置によりまして国際共同研究が一層進み、我が国の科学技術分野での国際貢献がより一層進むことを期待するところであります。
 また、今回国有施設の廉価使用の要件を緩和するとしておりますが、これによりどのように使用の枠が広がっていくのか、具体的な事例が想定できればそれに即して御説明いただきたいと思います。
#22
○政府委員(山路順一君) お答え申し上げます。
 今回の改正は、分野を問わず広く国以外の者が国有の試験研究施設を安く、すなわち廉価で使用できる機会を拡大したいというものでございます。そのことによりまして、国有の試験研究施設を見じた研究交流を一層促進することを目的としたものでございます。
 このため、御案内のとおり現行の法律によりますれば、国有の試験研究施設を管理している機関が現に行っている研究と密接に関連いたします研究を行う者にしか廉価使用を認めておらないのが現行の規定であるわけでございます。それを今回のお願いしてございます改正は、その要件を緩和することによりまして、分野を問わず国が現に行っております研究と密接に関係する研究を行う者であれば廉価使用することができることとするものでございます。
 具体的な事例を御提示申し上げまして御説明申し上げたいと思います。
 例えば、私どもの研究機関に筑波にございます防災科学技術研究所がございます。そこには大型の降雨実験装置を有しておるわけでございます。当然のことながら、防災研が行っております試験、実験、研究は防災に関するものでございますので、この大型降雨実験装置につきましても防災の研究目的に使われておるわけでございます。したがいまして、この研究施設を使用したいという希望がある方が、もし廉価使用を可能とするならば、防災研究にかかわる、すなわちこの防災科学技術研究所が現に行っております研究に密接に関係がなければ廉価使用の要件を満たさないわけでございますけれども、今回、例えば異なる降雨強度のもとにおきますマイクロ波の減衰特性を解明するための研究を行いたい、そういう者がこの防災研の大型降雨実験装置を使いたいといった場合には廉価使用ができるということになるわけでございます。
 甚だ専門的な内容でございますけれども、このマイクロ波の減衰特性を解明するための研究といいますのは、現に国の研究としましては郵政省の電波研等が行っているような研究を指すものでございます。
 以上でございます。
#23
○藤田雄山君 近年、研究開発を行うための施設設備が大型化したり、非常に広範な研究者の参画が必要な分野の研究などがあるんだと思います。そうしたものには一国のみでは対応が困難な状況も生じつつあるんだと思いますが、特にSSCなどを初めとするビッグサイエンスの国際協力についてはどのような考え方で対処なさろうとしておいでになるのか、お伺いいたします。
#24
○政府委員(須田忠義君) 我が国の今日の科学技術力と国際的な立場を考えた場合、グローバルな視野に立って科学技術活動を展開していくことが必要であり、ビッグサイエンスに対しては、我が国の研究者、技術者が計画の初期段階から国際的議論に参画し、プロジェクトの基本的な概念の形成に貢献することが非常に望ましいことだというふうに考えてございます。
 また、我が国の置かれている国際的な立場を十分認識した上で、いわゆる主体性を持って取り組むことが必要だとも考えでございます。その際には、他の研究開発活動を圧迫することのないよう配慮することが必要であると同時に、ビッグサイエンスについての国際的な共通認識の形成も非常に重要なことじゃなかろうかというふうに考えてございます。
 国際的には、この三月に開催されましたOECDの科学技術大臣会合でもピッグサイエンスの問題がテーマの一つとして取り上げられてございます。その中で、今後は計画の初期段階から参加国政府が情報交換及び議論を行うことが合意されたところでございます。
 なお、SSCについては、本年一月の日米首脳会談において、本件プロジェクトを真の国際協力プロジェクトとするための方途等について検討を行ういわゆる作業部会の設立に合意したところでございまして、そこでの議論等を踏まえ、また我が国の国内の研究開発動向等を踏まえつつSSC計画への対応を考えてまいりたいというふうに考えてございます。
#25
○藤田雄山君 時間的に最後の質問になりますけれども、我が国が今後国際社会において応分の貢献を果たしていくためには、諸外国との交流、基礎研究の振興のみならず、我が国の研究成果を積極的に海外に発信していくことが重要と考えますが、今後我が国の研究成果を国際的に流通させるためにどのような施策を講じようとしているのかお伺いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#26
○政府委員(長田英機君) 我が国の研究成果につきましては、研究論文とかあるいは学術雑誌や研究レポートというようないろんな形態で掲載されておりますけれども、これを国際的に流通促進していくということは、先生御指摘のとおり、我が国が国際的な知的ストックの形成に貢献していくという意味から非常に重要なことだと考えております。
 こういう点から、科学技術庁におきましては、日本科学技術情報センターという機関がございまして、ここにおきまして英文データベースを整備いたしましたり、あるいは米国やドイツと情報の供給の提携、ネットワークをつくりまして、それぞれに情報が行き交うようにしておるわけでございます。また、英文のデータベース化を効率的にするために機械翻訳のシステムを開発したり、そういうような努力をしておりまして、何とかして外国の方も日本の情報にアクセスしやすくなるようにする、こういう面で今後とも国際流通の促進のためには努力してまいりたいと思います。
#27
○藤田雄山君 ぜひしっかりやってください。
#28
○稲村稔夫君 きょうは、研究交流促進法の一部改正案について提案をされておりますので、いろいろとお伺いをしたいと思います。持ち時間は必ずしも十分とは言えないと思いますので、かなりはしょって聞く部分もあると思いますが、お答えの方もわかりやすく、しかも適切に、短くというふうにどうぞよろしくお願い申し上げます。
 そこで、最初に伺いますのは、前回の審議との関連ということになります。前回の研究交流促進法のときにいろいろな議論がありましたけれども、最終的には附帯決議をつけてということで成立をしたわけであります。この附帯決議に対して政府の方はこれまでどのように対応してこられましたか。具体的な面で結構であります。附帯決議にはかなり基本的な構えについて述べている部分もありますが、その辺は結構でありますから、具体的な決議の内容についての御努力、対応をお聞かせいただきたいと思います。
#29
○政府委員(長田英機君) 本法案に対します附帯決議は五項目から成っているわけでございますが、この附帯決議をいただきました後に、関係各省庁から成ります連絡協議会が研究交流法の関係でございまして、私どもそういう連絡協議会などの場を通じまして各省庁に徹底し、これを守っていこうということを確認しているわけでございます。
 具体的には、先生が今お話しになられましたように、日本国憲法の話から、非常に抽象的と言うと失礼でございますけれども、一般的な表現のものから、いろいろございますけれども、先生が今おっしゃられました具体的なものをちょっとかいつまんで申し上げますと、研究公務員の民間企業への派遣につきまして附帯決議がございます。これは現行法の第五条の適用実績は二十一件でございますが、これから見ましても、休職出向者は国家公務員の地位及び試験研究機関の設置目的の範囲内でのみ研究に従事しておるというような実情でございます。
 それから、もう一つ具体的な点につきまして中小企業に対する配慮の点がございました。これにつきましては、私どもは研究交流に関しますがイドブックを作成いたしましたりあるいはパンフレットを作成したりいたしまして、対外的な情報提供に努力してきておりまして、なるべく中小企業にもこういうことを使う機会を与えるように努力をしてきている次第でございます。
 また、外国との研究交流に当たりましては、海外との人的交流を見てもその相手国は非常に複数の国にわたっております。そういうことで、非常に特定の国に偏することがないように留意してきておりますし、また相互の文化、制度、生活慣習の違いに十分配慮いたしまして、外国人の受け入れにつきましては住宅あるいは語学の研修、生活相談、そういうような点の制度を充実してきております。
 具体的なものだけ申し上げますとそんなところでございます。
#30
○稲村稔夫君 もう一つ、異分野との交流について参議院の附帯決議の中にもございます。異分野のことについて、「あわせて異分野間の交流を促進しこというふうに述べていると思いますが。
#31
○政府委員(長田英機君) 失礼いたしました。
 異分野との交流につきまして私どもは、この研究交流促進法自体もそうでございますが、この間に新技術事業団を通じまして、新技術事業団にいろいろな分野の方が集まって研究をするような制度をつくるとか、あるいは国研間でいろんな交流を進めていくとか、そういうようなことで、これは非常に重要なことでございますのでいろいろな努力をしてきております。
#32
○稲村稔夫君 中小企業に対する配慮ということで、今パンフをつくったりなんかというお話がありました。それは確かにそうでありましょうが、やはり中小企業がこれを利用できるというために、具体的に中小企業に対してどういう、中小企業対策ということでされたかということ。まあパンフ程度だったら、これは中小企業とか言いません、一般的ということになるわけですけれども、そこの辺のところはどのようなことをされましたか。
#33
○政府委員(長田英機君) まず、各省庁に対しまして、いろいろな施設を利用したりそういう制度面のことでございますから、中小企業になるべく配慮してよくそういう気持ちを持ってやってくだ
さいということを申し上げていると。それからもう一つは、パンフレットとかそういうことでなるべく中小企業にわかりやすいようにする。それから、なお今先生が御指摘の中小企業、特にこれは中堅企業と申しますかベンチャービジネスと申しますか、そういう面の企業が使うということが考えられると思うのでございますけれども、実は今月、商工会議所に法改正の趣旨も含めましてよく説明して、これからもよく徹底をしてまいりたいと思っております。
#34
○稲村稔夫君 問題は、しておられるというふうに言われるけれども、それがどういうふうにその効果として出てきているかということ。言ってみれば、実績がある程度示されてこないと、努力をしておられると口で幾ら言われても具体的事実として出てこないと、やっぱり配慮していたというふうに簡単に認識できないことにもなると私は思うんです。
#35
○政府委員(長田英機君) 中小企業に対して、そういうことでなるべくこの法律の利益と申しますか、法律が使いやすいように努力をしているわけでございまして、一つの、委託をするなりあるいは施設を使うなり、それは研究を効率的にするという観点から、当然国の財産あるいは国の予算というものを効率的に使うという点がございまして、それとの兼ね合いなのでございますけれども、なるべく中小企業者に機会を与えるようにしているということでございます。
 なお、数字的な面等でございますが、私どもの手元にありますのは、当庁におきます過去三年間における委託研究というのをとってみますと、研究交流促進法の制定当時のデータ、五十八年から六十年なのでございますが、それと比べますと、一億円未満の企業、これがいわゆる中小企業ということだと思いますが、に対する割合は、四%から七%というふうにわずかではございますが増加しているということで、数字自身はわずかなのでございますが、ひとつこの点をいろいろ御配慮いただければと思います。
#36
○稲村稔夫君 私は、科技庁がいろいろと努力をしておられることを全面的に否定しているわけではありません。ただ、せっかくこういうふうに配慮するということになったときに、中小企業の実績が少ないだけに、なぜそうなのかということを、やっぱり問題を整理して、そしてその陸路を取り除くという努力をしていかなければ配慮ということにはならぬ、こういうふうに私は思いますので、もうこれ制定されてから六年もたっているわけでありますから、それだけに気になりますので確かめております。なお、まだこの附帯決議については伺いたい面もありますけれども、時間ばかりたちますので、次に移りたいと思います。
 外国との共同研究、これについてはどのような実績になっておりましょうか。先ほど研究員のあれは十三名というお話がありましたけれども、外国との共同研究の対応ということでいったら、実績としてどういうふうになっているか、それをひとつお知らせいただきたい。
#37
○政府委員(山路順一君) お答え申し上げたいと思います。
 先生御案内のとおり、現在私どもとそれから諸外国との共同研究を含めます研究交流につきましてはいろいろな傘のもとに行われております。その一つは、欧米先進諸国、東欧、ロシア連邦、その他主要な国々との間に科学技術協力協定を有してございます。また、科学技術取り決めといったものも締結されておるわけでございます。
 この枠組みのもとで科学技術協力が進められておるわけでございますけれども、手元にございますデータからお話し申し上げますならば、この二国間の骨組みのもとで合意されました研究テーマの数は現時点におきましては日米間では五十ございます。また、フランスとの間では三十三、それからドイツとの間では百二十五、それからカナダとの間では六十八、豪州との間では五十、それから日中間では六十八、日韓の間では百二十三に及んでおります。ちなみに、先進国の一つでございますイタリアとの協力でございますが、本日イタリアとの間で日伊の協定に基づきます会合をやっております。その中で、共同研究を含めまして研究交流を今後どうするか、どういう具体的なテーマで進めていくかという協議が行われておるところでございます。ただいま御説明申し上げましたのが二国間の骨組みに基づきます協力でございます。
 そのほか、日本が参加しておりますものといたしましては、多国間のものがございます。その一つにはサミットがございますし、またOECDの国際エネルギー機関、IEAと称してございますが、その機関を通じての研究協力、また国際原子力機関との間での研究協力、また日本とASEANの科学技術等、多国間協力のもとで数多くの科学技術協力が行われておるところでございます。
 また、科学技術協力といったオーバーオールなものではございませんで、個々具体的なものとしましては、そのほかには原子力協定に基づきます協力であるとか、また協定はできてはおりませんけれども、定期的な会合を通じての二国間での協力関係、そういった大変広範囲な枠組みの中で日本と外国との研究交流が行われているところでございます。
 以上でございます。
#38
○稲村稔夫君 ちょっとこんがらがってくるんですが、研究交流とかいろいろと技術援助とかそういうお話、件数でのお話はわかりますけれども、要するに共同研究という分野はどうなっていますかということを伺っているんですが、その辺はどうなんですか。
#39
○政府委員(山路順一君) 先生の御指摘のところでございますけれども、共同研究の定義にもよるかと思いますけれども、先ほど申し上げました数字につきましては、二国間の間ではこれを一つの大きな意味での共同研究と称して交流が進められておるところでございます。
#40
○稲村稔夫君 大きな意味とか小さい意味とかというのは、ちょっとそこを説明してください。
#41
○政府委員(山路順一君) この協力の中には、例えば人的交流といったものも一つ入ります。それから情報交換といったものもございます。そういう研究交流全体をひっくるめまして二国間の間では共同研究実施ということになっておるわけでございます。
#42
○稲村稔夫君 科学技術の共同研究と銘打っているんですから、そういう面でいったら、何か人的交流から何から全部含めて共同研究と言われたら、共同研究の範囲というは一体何なんだということにもなりまして、ちょっと今の御答弁では僕の方がこんがらがってしまいますが、研究交流といったら具体的にテーマなりなんなりを持ってちゃんと交流するのがいわゆる共同研究なんではありませんか。
#43
○政府委員(山路順一君) お答え申し上げたいと思います。
 私の今手元にございます資料に基づきまして、各省庁が共同研究制度というのを各省庁に有してございますが、その制度にのっとって行われております共同研究の現状をお話し申し上げます。
 まず、私どもの科学技術庁でございますけれども、その制度の一つといたしまして個別重要国際共同研究というのがございます。これは科学技術振興調整費を使用いたしまして行っております共同研究でございますが、これは現時点、各国とで八十テーマにつきまして共同研究を推進しているところでございます。その次に、同様に科学技術振興調整費で総合研究というのがございます。これは各国との間で現時点では八件ございます。次に、日本と中国との間での共同研究といたしまして黒潮共同調査研究というタイトルのもとに行われておるのがございます。また中国、タイ、インドとの間におきまして地球科学技術特定調査研究という共同研究が振興中でございます。
 また、他省庁にわたるわけでございますけれども、私の今手持ちにございます資料に基づいて申し上げますならば、環境庁で地球環境研究総合推進の国際共同研究費が計上されております。これは各国との間に個々具体的なテーマについて共同研究が行われていると承知してございます。また、厚生省におきましては日米との間に医学協力研究事業という共同研究事業が現在行われていると聞き及んでおります。次に、農林水産省で熱帯農業研究推進ということで、熱帯、亜熱帯諸国との間に共同研究が進められておるということを承知してございます。次に、通商産業省でございますけれども、通商産業省の国際共同研究制度の一つといたしまして国際特定共同研究というのがございます。そのフレームワークのもとに米、独、英、豪、ノルウェーとの間に共同研究が行われていると承知してございます。また、通商産業省にもう一つの制度といたしまし亡国際共同研究開発という制度を有してございます。これも各国との間で共同研究が現在進行中であると聞き及んでございます。
#44
○稲村稔夫君 ちょっと済みません。それぞれ御説明いただいてありがたいんですが、問題は、この研究交流促進法が制定をされた、そのときからの実績について私は伺っている。ということは、研究交流法ができるまでの間とできてからというものとが比較できなきゃならぬですね。そういうデータが欲しいわけです。ですから、今の一つ一つ言われるもの、それは確かにそういうことをやっておられるということでしょうが、そうすると、もしあれだったら一覧表がなんか見やすいものにして、具体的なテーマで今こういうものが行われていて、交流法ができない前はこういう状態だったけれども、できてからこういう状態になったというのを出していただけませんか。今のあなたの報告を聞いていると、その報告だけでもってかなり時間をとってしまいそうな感じがいたします。
#45
○政府委員(山路順一君) 大変失礼いたしました。
 先生の御質問の、研究交流促進法によって実現した国際共同研究という御指摘でございました。今私の手元にすべてのデータを用意しているわけではございませんが、一つの実例を御紹介申し上げたいと思っております。
 その一つは、現行法の第七条を使いました国際共同研究に係る特許発明の相互無償実施につきまして、これが六十一年の法律制定前は陸路になっていたものの一つでございますけれども、これによりまして、この七条の趣旨を盛り込んだ契約としましてIEAの逆磁場ピンチに関する協力協定というのが締結されました。具体的には、平成二年五月に日本、米国、ECとの間にその契約が締結されたわけでございます。
 また、現行法第八条によりまして、国際共同研究に係ります損害賠償請求権の放棄でございますが、この法律が制定できましたおかげで、米国航空宇宙局、NASAとの間で当庁といたしましては一件、また文部省とNASAとの間では三件の共同研究契約が締結されたという実績がございます。すなわち、この研究交流促進法を六十一年に制定していただきましたおかげをもちまして、この面での隘路が広くなったということでこういう共同研究契約が実現できた。大変私どもうれしく思っている次第でございます。
 以上でございます。
#46
○稲村稔夫君 私がこういうことを伺っていますのは、例えば附帯決議でも特定の国に偏らないようにとかなんとかいろいろと言っているわけでありますが、例えば今の第八条関係の損害賠償請求権の放棄の問題について言えば、これは今行われているのはまだNASAとだけでしょう。ということは、それこそ偏らないようにといったときに、ほかのところに対する対応というのがまだないじゃないですかという問題も出てくるんですよね。
 だから、今のようなことを私の方は本当は見せていただきながら、本当に偏りがないかどうかということも検討もさせていただきたい、そんなふうにも思うんです。今伺っている範囲の中だけではちょっと無理ですから、それはかなり調べなきゃならない、ほかの省庁のも調べなきゃならないところもあるんでしょうから、そうするとこれは法案の審議に間に合いませんけれども、今後のこともありますので、私はその資料、データをいただきたい、こういうふうにお願いをしたわけであります。いいですか。
#47
○政府委員(長田英機君) 今のデータの件につきましては、いろいろな定義によりましていろいろなデータがあるんでございますが、先生の御満足いくものが出るかどうかわかりませんけれども、整理して先生のところへ御相談したいと思います。
#48
○稲村稔夫君 次に、政令の関係についてであります。
 これはいろいろと伺いたいことがあったんですけれども、もう私時間これだけとってしまいましたので、通告してある順序からいうとほんの入り口のところでまだうろうろしていますが、この法律が最初にできたときに、第六条関係、「委託を受けて打つだ研究の成果」、これについての「特許権又は実用新案権の一部を、政令で定めるところによりこということについて私は何回かここで前回は質問しているんです。
 これに対して、「受託研究の場合には研究費はすべて相手方がお持ちになっているということでございますので、相手方の持ち分というのは五〇%は起さないとバランス上まずいということでございますので、六〇になるか七〇になるか八〇になるかということでございます。一〇〇にはならない。」というようなことを当時の長柄さんがお答えになっているんです。それで、「国の持ち分を残さなきゃいかぬというふうに考えたわけでございますのでございますので、結論といたしましては五〇%よりは相手方の持ち分が多いということで、その間はどこにするかは今後政令の段階で決めていきたいこ、こういうふうに私に答えておられる。
 そして、私は何回もそこのところを念押しをしております。その中で、「二〇にしたり三〇にしたり五〇にしたりというのは適当ではないというふうに考えておりまして、我々としては一律国の持ち分幾らというふうにしたいというふうに考えている次第でございます。」、こうお答えになり、私が「一律ということにするんですね。」とまた念押しをいたしましたら、「一律を考えております。」、こういうふうに御答弁になっているんです。
 ところが、政令を見ますと、政令というか研究交流促進法施行令でいきますと、第五条でこの六条について触れています。ここにいきますと、「国は、法第六条の規定により、その持分の割合が二分の一を下回らない範囲内において、国有の特許権又は実用新案権の一部を譲与することができる。」、こういうことなんですね。そうすると、ここのところは政令の範囲で考えて、それは一律にしようと思っています、私にはこうお答えになっていながら、この政令の中には一律も何も全然率も触れていない。これはどういうわけなんでしょうか。
#49
○政府委員(長田英機君) 先生がおっしゃっておられますように、この政令第五条で、国の持ち分の割合が二分の一を下回らないということが規定されているわけでございます。これはいわゆる法制上の論理といたしまして、ぴたり二分の一というふうに決めることはどうだろうかという議論もございまして、例えば世の中にどんな特殊なことがあるかもわからないという意味で国が二分の一を下回らないというふうに決めたわけでございます。
 先生の御質問の一律ということとの関係でございますけれども、私どもは実際の運用の問題といたしまして、先生が今ごらんになっております、その当時国会で御答弁申し上げましたように、基本的には一律、すなわち五割というラインで考えているわけでございます。したがいまして、政令の表現と運用問題というところの食い違いの議論ではないかと思われるわけでございます。
#50
○稲村稔夫君 それにしましても、私はここでこのときに、受託研究の場合というのは、国の権利をどれだけとるかというのが政令で定められるということであれば、幾らが、どの程度でいいかというのは、その研究の種類だとかなんかでいろいろと違ってくる。実際には違ってくるんです。そういうことがあるのだから、その決定というのは非常に難しいのではないか、こういう観点でここのところは聞いているんですよ。そうしたらそれに対して、二〇とか三〇とか、この場合は四〇にしたとか、そのときどきで変えるのはぐあいが悪いから、だから一律にしたいと。それで、一律ということについては今後政令の段階で決める、こういうふうに言っておられる。
 そうしたら、政令の段階で決めるというのであれば、その政令の中に、例えば一律で五〇%と今おっしゃったけれども、五〇%というなら五〇%というふうに、一律としてちゃんとそういう表現がどこかになけりゃいかぬのじゃないですか。私にお答えになったのとは少し違うということに、この当時お答えになったのと違うということになりませんか。
#51
○政府委員(長田英機君) 先生のお立場からの前回の議事録を読んみますと、先生がおっしゃることも私どもとしてもちろんわからなくはありません。しかし、前回長柄政府委員は実際の運用としましてはというふうに答えておりまして、この一番下の欄でございますけれども、運用といたしましてはこういうふうに答えておりまして、そういう点から、運用としては一律のパーセントというふうに考えていたというふうに御理解いただければありがたいと思います。
#52
○稲村稔夫君 ちょっと私、しつこいようで申しわけありませんけれども、この辺のところは、これから共同研究をしていって、特に民間の知恵も入れていこうとかそれから民間の会ももらっていこうとか、いろんな工夫をするとしたら、変な恣意が入ったり変な判断が入ったりすることがかえって面倒だと思うんですよ。だからはっきりとさせておかなきゃいかぬのだ、明確にしておかなきゃいかぬのだ、そう思うんです。だからこそこのときにいろいろと聞いておるんですよ。
 そうしたらそれについては、今あなたはそうおっしゃったけれども、「五〇%よりは相手方の持ち分が多いということで、その間はどこにするかは今後政令の段階で決めていきたいこ、こう言っておられる。議事録がもしあれば、当時の、六十一年五月七日の本委員会の議事録の八ページの最下段のところです。そこの前半の部分でありますが、そういうふうに答えておられるんです。「その間はどこにするかは今後政令の段階で決めていきたいこ、こう言っているんですよ。それなのに、今のお話のやつは政令という形でいったら極めてあいまいになるんじゃないですか。
#53
○政府委員(長田英機君) 繰り返しになるかもしれませんが、政令をつくるときに、いわゆる法制論として考えてみました場合に、仮に何かが起こるかもわからない、非常に特殊な要因があるかもしれないというようなことを、これは観念論でございますが考えまして、政令の上では二分の一を下回らないということにしたのでございますが、まさに長柄政府委員が答えていますように、実際の運用といたしましては、何%何%というふうに、「一律国の持ち分幾らというふうにしたいというふうに考えている次第でございます。」と答えておりますけれども、そういうことで、先生の御質問の趣旨も私理解はできますけれども、必ずしも前回の答弁と食い違っているというふうには言えないのではないだろうか、こう思うわけでございます。
#54
○稲村稔夫君 答弁と食い違っているということで、僕はそういう角度から追及しているわけではありません。ただ、そういうふうにお答えになっているのに、政令がこの程度で、これでいいんですかと、そういう問題があるんですよ。
 例えば、このときに長柄さんは契約もきちんとするのだと、こう言っているんですよ。そういうことを、何%そちらにお譲りしますというようなことを書いて、無償でお譲りしますといった契約を結んで研究に着手するというようなことを言っておられるんですよ。そうしたら、今あなたの言ったようなあれだったら、そういうことがここの政令の中に契約なら契約上きちんとしますよというふうなことでも、何かが提起でもされなかったら、これだったらちっとも具体的じゃないじゃないですか、政令そのものは。何のための政令だと言いたくなるんですよ。
#55
○政府委員(長田英機君) それも政令をつくる場合の一つの法制論としてそういうことになったわけでございまして、繰り返しになりますが、運用の問題としては、私ども先生御指摘の点も踏まえてやるというつもりでございますので、ひとつそういうことで御理解をいただきたいと思います。
#56
○稲村稔夫君 困っちゃったな。それで、要望であります、そうすると。もうこれは仕方がない、要望しかできませんね。
 というのは、具体的にこれは今まだないんでしょう。ないからそんなことを言っているんですよお。あったらいろいろと苦労することが出てくると思いますよ、それは実際は。ですから、今申し上げたようなことがどこかでちゃんと明確になるように、例えば政令の中でまた定め切れないのだったら、それは規則で決めるとか、いろいろな方法があるでしょう。必ずそれを見たらわかりますというようなものをつくってもらわないと、さっきのあれじゃないけれども、中小企業に配慮いたしますといったって、中小企業にこういう制度がありますよといったって、具体的な話を持ってこようというには、やっぱりいろいろと考えます、人間というのは。はっきりしないところがあったら乗ってこないということもあるんですよ。
 だから、そういうことをきちっとしていただきたい。これは要望ですが、よろしゅうございますか。
#57
○政府委員(長田英機君) 今の点につきましては、例えばマニュアルをつくるとか規定をつくるとか、何かの方法をひとつ検討してみたいと思います。
#58
○稲村稔夫君 次に、防衛庁お見えになっていますか。――防衛庁にお聞きをいたしますが、先日の四月十二日の朝日新聞に「新SDI日本に参加打診」という記事が載りました。そしてこれによりますと、「米側はすでに、防衛庁が来年度に開発に着手する陸上自衛隊の地対空、ミサイル(SAM)「ホーク」の後継「新中SAM」の共同開発を、新構想にからめて同庁に打診してきている。」、こういう記事がありますが、これは事実こういうことがあるんですか。
#59
○説明員(藤島正之君) GPALS構想というのは、限定的攻撃に対するグローバルな防衛構想ということでございまして、実は、現在米国の政府部内で検討中であるというふうに承知しておりまして、我が国といたしましても米国の政策の一つの方向といたしまして注目しております。現在、その内容等につきまして話を聞いているという段階でございまして、今御指摘の新中SAMとかなんかに絡めて何か具体的な話があるといったようなものでは、現段階ではございません。
#60
○稲村稔夫君 そうすると、これは新聞の報道が違うということですか。これは「共同開発を、新構想にからめて同庁に打診してきている。」と。打診というのはもう具体的ですよね。これは具体的ではないんですか。
#61
○説明員(藤島正之君) 報道はこういうことでございますが、私どもは具体的な要請とか打診とか、そういうふうなものがあったということではございません。
#62
○稲村稔夫君 これは、私は今一つの新聞記事だけで聞いておりますけれども、そのほかにも情報をいろいろと聞きますよね。そういたしますと、打診というものも全然なかったということだと、これは新聞が全くうそをついている、報道がうそをついている。ということになるんですが、打診もなかったんですか。
#63
○説明員(藤島正之君) 再々申し上げておりますように、具体的なこういう個別のもので打診があったということではございませんで、私ども米側のこの構想がどんなものかということについて話を聞き、説明を聞き始めた段階というふうにお受け取りいただきたいと思います。
   〔委員長退席、理事太田淳夫君着席〕
#64
○稲村稔夫君 ちょっとおかしいでしょう。だって米側に聞き始めたということは、何か打診かなんかがなかったら、あなたの方から先に聞かしてくれと言ったの。
#65
○説明員(藤島正之君) そういうことではございませんで、米国がこういう政策の一つの方向として打ち出しているということで、我々もどんな考え方といいますか構想なのかを現在米政府の方から話を聞いているという段階ということでございます。
#66
○稲村稔夫君 そうすると、これは防衛庁のだれが言ったんですか。どこがやっているんですか。この同じ新聞記事の中で、「防衛庁筋によると、協力要請は日本の超高速コンピューターやミサイル誘導のためのセンサーなどの先端技術と資金協力になるとみられるが、防衛庁や通産省など政府の研究機関の参加要請も含まれる可能性が強いとしている。」、防衛庁筋が。あなたの方の筋ですよ。
#67
○説明員(藤島正之君) 再々申し上げておりますように、これは私どもの方がこういうふうに申し上げたということではございませんで、この朝日新聞一紙だけがこういうふうに書いてあるわけでございまして、私どもどういうことからこういうふうに書かれたのか承知していないというところでございます。
#68
○稲村稔夫君 ここから先のことをあれしても、私は本来はそうであればなお防衛庁としてはじゃどの程度の関心を持っておるのかということも伺いたいと思いましたけれども、きょうは政府委員が御出席になっておりませんので、その判断はお聞きはいたしません。ただ、私ども参考にしておきたいと思いますから御説明いただきたいんですが、そうするとこのGPALSというのは、新SDIというふうに言われてます、あるいはミニSDIなどという言葉を使ったりするものがありますけれども、内容的には何かこのSDIと似たようなものなのでしょうか。その辺はどのように理解をしておられますか。
#69
○説明員(藤島正之君) 私の承知しておりますところを申し上げますと、近年における弾道ミサイルの拡散などを背景にいたしまして、米国は一九九一年に入りまして、偶発的かつ限定的な弾道ミサイル攻撃から米国のみならず同盟国等も防御することを目的といたしまして、SD工計画の見直しといいますか、修正ということで、限定的攻撃に対するグローバルな防衛構想ということで研究計画を行っているものでございます。これまでのSDIが、各種システムの大規模な配備によりまして米国に対するソ連の大規模な弾道ミサイル攻撃を抑止することを目指していたのに対しまして、このGPALS構想は、宇宙及び地上に限定的に配備されましたシステムによりまして全地球的な規模で限定的な弾道ミサイル攻撃を防御する、こういったものを目指すものというふうに承知いたしております。
#70
○稲村稔夫君 そういたしますと、大体ミニSDIとか新SDIとかというふうに言われる意味が少しはわかるような気がいたします。
 そうすると、これは本当に純粋に軍事的な技術についての、軍事的な構想ということになりますね。それでよろしいですね。
#71
○説明員(藤島正之君) そういう意味合いが強いというふうに理解しております。
#72
○稲村稔夫君 それで、また前に戻って恐縮でありますけれども、前回のときはSDIの問題が大変大きな課題の一つでありました。そのときは河野長官が、SDIとは全く関係がありませんというふうに言われました。しかし、いろいろと心配される面が幾つもありました。それで大分それを問題にさせていただきました。
 今のお話は、防衛庁によると、まだ打診を具体的なことでは聞いていないというお話でありますが、問題は、これは純軍事的な構想に基づく研究ということに相なってきます。これは不正確だというふうに防衛庁さんはおっしゃる。防衛庁筋が言ったということのように、もしこれが通産省など政府の研究機関の参加も要請をされる、こういうことに相なってまいりますと、これは研究交流法との関係というのはどういうふうに理解をしたらよろしいですか。
#73
○政府委員(長田英機君) 研究交流法との関係でございますけれども、この研究交流法は、産官学の交流を促進するためにいろいろな制度面の隘路を取り除くということが目的でございまして、ある特定の研究を推進するんだというような、そういう特別の目的を持っているわけではございません。もちろん、今議論になっておりますGPALSという計画を推進するというものでも当然ないわけでございます。
 もう一つの先生の御質問でございますが、各省庁はどうかという点でございますと、これは当然各省庁はそれぞれ各省庁の設置法によりましてその研究面におきまして制約を受けるわけでございまして、その面の制約は当然残っているわけでございます。ちなみに、科技庁に関して申し上げますと、純軍事的な研究は科技庁はやることを目的としておりませんものですから、そういうことには関与をしない、こういうこになるわけでございます。
#74
○稲村稔夫君 そうしますと、研究交流法の別表第一の中には防衛庁の研究所は全部含むと言っていいんでしょうかね。防衛大学まで含めまして別表第一の中に含まれてくるわけですね。そしてそこで、防衛庁とアメリカならアメリカとの共同研究、さらにそれに我が国の例えば電子技術なら電子技術の一部を応用するための共同研究の中へ、一つの場に入ってくださいというようなことというのは、そういう話というのは起こり得る可能性というのはあるでしょう。そのときはどうなりますか。
#75
○政府委員(長田英機君) 今の先生の御質問の趣旨が、各省庁協力して何か特定の純粋に軍事的な……
#76
○稲村稔夫君 各省庁とは言いませんよ。どこかの特定の省庁、防衛庁さんはそのまま軍事的な研究で、それは防衛庁としての研究でしょう。だけれども、例えば今の、短SAMかどうかわかりませんよ、わかりませんが、とにかくミサイルを撃ち落とすためのミサイルの技術開発の研究ですからね。そういう中で、例えば半導体であるとかそのほかの電子技術であるとか誘導技術であるとかというようないろんなことが、ほかの省庁の、各省庁という意味で言っているんじゃないですよ、ほかの省庁のどこかと共同で研究をすることが能率的だと、だからそういうことをやりませんかということが起こるんじゃないですかと、こう聞いているんです。
#77
○政府委員(長田英機君) そういう研究を各省庁が一緒にできるかどうかというのは各省庁の設置法の問題だと思うわけでございまして、それは科学技術庁に関しまして言いますと、純粋に軍事的と申しますか、軍事専用と申しますか、そういう研究については私どもはできないというふうに考えております。
   〔理事太田淳夫君退席、委員長着席〕
 先生御質問の、軍にも使われるし民にも使われるような汎用的なものということになりますと、それは科技庁もできる、したがって共同研究もできる、そういうふうに考えております。
#78
○稲村稔夫君 でも、そこで問題になるんですよね。だから、汎用のものをこうやってみんな使うんでしょう。日本のICが現実にはアメリカのパトリオットだとかいろんなものに使われたりするわけでしょう。しているわけでしょう。何を利用していって、どういうふうにするかという、場合によっては軍事目的に汎用の技術や汎用の研究が、共同研究が必要になる、こういうことだってあるんでしょう。それは可能だと、こうおっしゃるんですか。
#79
○政府委員(長田英機君) 私ども科学技術庁の設置法から考えてみますと、汎用の研究、そういう面でしたがって軍事、民事にも両方特定できないといいますか、汎用の研究にかかわることはできるというふうに考えております。
#80
○稲村稔夫君 長官、私は今の、汎用ならば共同研究ができる、軍事目的ならできないという、科学技術庁の設置目的とのかかわりでという御答弁がありましたけれども、その汎用ということの範囲が軍事目的とかかわることだってあり得るという、そういう懸念もするわけであります。
 したがいまして、これは設置目的を外れた軍事研究にはかかわらないということを明確にしていただくことが必要なんではないかと思いますけれども、お答えをいただきたいと思います。
#81
○国務大臣(谷川寛三君) なかなか難しい問題でございますが、科学技術庁の設置法第三条それから第四条を総合して検討した場合に、やっぱり科学技術庁の所掌には専ら防衛のための、軍事のための技術に関することは含まれていない、こう解釈していかなきゃならぬと思います。
#82
○稲村稔夫君 防衛庁の研究機関がみんな中へ入っているんですから、防衛庁の研究機関との交流はできないなどということは、これはないと思うんですよ。だから、それは結構でありますが、しかし軍事目的にかかわる共同研究はできない、こういうことはひとつ明確にして、そういうふうに理解してよろしいですね。
#83
○国務大臣(谷川寛三君) 今局長からも答えておりましたように、汎用のものはこれはやっぱりできるかなと思いますが、軍事、防衛関係のものは今御答弁申しましたようにできない、こう思っております。
#84
○稲村稔夫君 防衛庁、ありがとうございました。結構であります。こういう議論があるということを十分に踏まえてお帰りいただきたいと思います。
 それで、もう時間ばかり経過しますので、次に移らせていただきます。実績をいろいろと伺おうと思いましたが、ある程度先ほどの藤田委員の御質問の中でもお答えが出ておりましたから、私の方で通告をいたしました実績の部分は、これはちょっと省略をさせていただきましょう。そして、次の現行法上の問題点と思われる点、これは改正点とのかかわりの中で少し伺ってみたいと思います。
 まず、法の適用の範囲についてであります。これは改正になっていないわけでありますが、一つは、文部省関係の試験研究機関が別表第二ということで財産法上の部分のところ以外は除外されているということになります。これは私は研究交流法という観点からいうと一つ大きな欠点ではないだろうかというふうにも思うわけであります。
 文部省おいでになっていますか。――文部省の立場から、今度この研究交流法から国立大学、文部省関係の研究所が除かれているという、文部省の側から何かお考えがありますか。
#85
○説明員(山田勝兵君) ただいま先生から御指摘がございましたように、現行の研究交流促進法は、第一条から第五条まで、これがいわゆる身分法的なところでございまして、それから第六条から第十条までがいわば財産法の部分、この二つから構成されていると理解しております。
 このうち、身分法の部分でございますが、これは御指摘がございましたように、政令で指定される国立試験研究機関に勤務する研究公務員のみに適用される。それで、文部省が所管する国立大学、それから大学共同利用機関等の教員については、これは既に外国人任用法すなわち国立又は公立の大学における外国人教員の任用等に関する特別措置法というのがございますし、それから従前から教育公務員特例法におきまして、これらあわせて研究交流法とほぼ同様の措置がなされておるわけでございます。したがって適用除外となっておりまして、その他も教育公務員特例法が適用または準用されているような状況でございます。ただ、財産法の部分につきましては、他の国立試験研究機関と同様に国立大学等も適用となっている、こういう関係がございます。
 経過は以上のようでございますが、文部省におきましては、従来より大学と産業界との、ほかの国立の研究機関も入るわけでございますが、研究協力の推進を図っているところでございまして、法律の趣旨にかんがみまして今後とも、もちろん大学の使命を踏まえるということは大事でございますが、その促進に努めてまいりたいと考えております。
 なお、ちょっと違う点がございまして、休職に伴う退職手当法の特例とか、それから今回の改正案で入っております任期つき採用、これは教育公務員については措置されていないという、その辺のことが出てまいります。ただ、このことにつきましては、現在の大学等における問題点の有無、それから国立大学だけで考えるわけにはいきませんで、私立大学との整合性等をやはり慎重に検討する必要があるのではないかと思っております。
 なお、現在文部省においては、大学審議会におきまして大学のいろいろな問題を御検討いただいているわけでございますが、大学の組織、運営の活性化について検討が行われておりまして、大学教官の身分上の問題というのも重要な検討課題の一つになっておるというふうに理解しております。
 以上が現在における文部省の考え方でございます。
#86
○稲村稔夫君 衆議院の審議の模様を議事録によってずっと読ませていただきますと、教育公務員の場合、一般の国の研究機関の研究員に比べていろいろと研究しやすい、研究に従事しやすい雰囲気があるように、いろいろなケースが、衆議院の議論のある中を読んでいきますと、特に参考人の御意見だとかなんかを見ていると、そんな感じがいたします。
 そこで、教育公務員特例法上やれていることで、今の国の研究所でできないこと、研究員がやれないことというのがいろいろとあるように見受けられるんですが、その辺はあるとお思いになりますか。
#87
○政府委員(長田英機君) 今先生の御質問の趣旨が、教育公務員特例法などで、いわゆる文部省サイドで認められていて国研の方では認められていないものという趣旨で、いろいろ細部にわたるとあるかもしれませんが、ぱっと目につきますのは、兼業が比較的大学の先生の場合には自由度が高い、国研の場合には低い、これが非常に目につくところでございます。
#88
○稲村稔夫君 一つの例で今出ましたけれども、これは長官、もうこれで時間をとっちゃうとぐあいが悪いんですけれども、長官の御答弁の中で、兼業問題等々にも触れながらいろいろと衆議院の科学技術委員会でお答えになっている中で、これちょっとわき道のことで恐縮なんですけれども、科技庁のある研究機関に行かれたときの話が載っております。長官、そういう御答弁されたようですね。これは四月二日の衆議院の科学技術委員会での議事録、八ページだったと思います。その中で、私は長官がいろいろと御努力しておられて勉強しておられることも大いに評価をしているんですけれども、ただ、この中で予算の問題にちょっと触れられまして、予算というか金の問題に、研究費について触れておられまして、それで研究費が十分ですと、こう答えているので感心したみたいなお話がありますが、これはちょっと長官、私はお考えを改めていただかなきゃいけないんじゃないかなというふうに思いました。
 というのは、研究費が、これから私は実は議論をしたいと思ったことが、もう時間がなくなりましたから議論ができなくなったんですが、あと参考人の方の御意見も聞かなきゃならないものですからいきなりそこへ飛んでしまうんですけれども、やっぱり研究には、設備、施設の問題、これは文部省にも施設の陳腐化だとかなんかいろいろと言われる、研究費の問題等々いろいろとあります。今の研究費は一人頭に直すと国研の場合は高くて年間百四十七万何がしというんです。そしてそれに共通の、みんなで配分を考えて共通部分を出し合ってというようなことになると、さらに一人の年間の研究費というのはごく少ないものになります。ですから、結構でございますと言うよりも、むしろ研究費は足らぬと言うのが常識です。そうすると、研究費は所長に言えばいただけますから結構ですというような言い方をされるような研究者は、研究者として何をやっておるのかということをむしろ問題にしてもらわなきゃならないような、そういうことではないかというふうに思うんです。その点、長官ちょっと。
#89
○国務大臣(谷川寛三君) 私は今思い出しました。研究費が決して十分あるとは思っておりません。たまたまこの機関へ行きましたら、この方々は優秀な人のようでございまして、特殊な研究をさせておるので足りなければ出してあげるよということで出ておるようでございまして、たまたま私は十分ですと言われたのではないかと思っております。特殊な事情であるようでございまして、決して研究費が十分あると思ってはおりませんので、よろしくお願いします。
#90
○稲村稔夫君 本当に飛び飛びになって申しわけありません。
 あと、人事院がおいでになっていますね。――研究公務員という皆さんには研究の意欲を持ってもらうということが非常に大事だと思うんですけれども、現在の状況の中でいくと研究公務員の賃金体系というのは必ずしもそういうことに適当だろうかどうだろうか。例えば、それなりに社会的に評価をされるいい研究を進めている研究者、評価をされている人というようなものをどんどんと入れていこうと思えば、これは民間の場合はそういう点では非常に柔軟な対応ができるわけですが、国研の場合はなかなかそれができない。そういうようなことが一つは問題になりましょう。
 それから、衆議院の委員会の中では、外部からの任期つきの採用等の問題については定員内でという答弁があったりしているわけでありますけれども、そういうことになりますと、五級職の皆さんの定員枠というか、人数が一定程度限定をされてくるというようなことなどがいろいろとあったりすると研究職としては一つ大きな問題があるんではなかろうか。研究職に適した賃金体系というものは追求されないものであろうかどうか。この辺のところをお考えをお聞かせいただきたいと思うんです。
#91
○政府委員(森園幸男君) まず第一点でございますが、研究者についての十分な能力評価に基づく給与の推進ということだろうと思います。
 研究職につきましては、他の俸給表と違いまして研究能力、研究実績というのは大変大事でございますので、私どもその昇格に当たりまして各機関とも委員会をつくっていただいてそういう能力審査をしていただくということにいたしております。それからまた研究職につきましては、特別昇給の運用等についてもいろいろ問題提起をしておりまして、おっしゃるような方向でこれから努力をいたしたいと思っております。
 それから第二点でございますが、期限つき任用の部外者を雇用するという場合に、これは堂々たる国家公務員として入ってくるわけでございますので当然定員の枠内ということになるはずでございますが、定数設定との関係でございます。
 そこで、ある研究プロジェクトの一員としましてどういう人を期限つき任用で迎え入れるかということは、それぞれの研究機関におきまして、その研究テーマの性質とかあるいは部内に適任者がいるかいないかというのを含めまして、あるいはまた今おっしゃいました部内職員の人事管理との兼ね合いということを総合的にお考えになってしかるべき地位、場合によっては一般の研究員でありましょうし場合によってはそのプロジェクトの長かもしれません。そういうことをお考えになってお決めになるわけでございますから、著しくそれが一般職員の昇格に影響するということはないはずであるということを私どもは考えるわけでございます。
#92
○稲村稔夫君 もう時間がなくなりましたから、あと参考人の御意見も伺わなきゃならない時間になりますので詳しく聞けないんですけれども、要するに公務員のあれではピラミッド型に組織ができております。それで、そこへ外部からの任用をいたしますと、外部からの任用をすれば当然内部からの任用の道がそれだけ閉ざされるということになります。そうすると、その道が閉ざされれば下位の研究者が意欲を燃やしていくためには問題が出てくるんじゃないでしょうか。そういうことをやっぱり考えなきゃならない。その辺のところは賃金の問題と定数の問題と、定数はおたくの方のあれじゃないんでしょうけれども、そういうことを十分に考えなきゃならない。
 賃金体系としてはそういうことも、例えば特別な、例えば市町村あたりにいきますと、あるいは県あたりでも自治体でもそうですが、定数はなくても例えば課長相当の身分とかなんとかという、いろいろ身分上のあれつくったりいたしますが、そういう工夫だとかなんかというようなものがさらにされることもあるということでいいんですか。そういう外部から任用すればそれだけそこのところを引き上げていくことも考えなきゃなりませんからね。
#93
○政府委員(森園幸男君) ただいま申し上げましたのは、部内に昇格の有能な適任者がいるという場合には、仮に外部から期限つき任用をされるとしましても一般研究員として多分採用されるであろうとか、そういう部内人事管理を含めた総合的な見通しの中で任用されるはずでございますから、仮にチームリーダーみたいなものが外部から期限つきで任用されたといたしますと、その場合には、下部の人間の中に今そういう地位につけるにふさわしいということがたまたまないという判断をされたと見ていいんではないかという意味で申し上げたわけです。
 それから一般的に言いますと、現在でもそうでございますけれども、大学等から研究機関に迎え入れられる場合もございます。そういうような場合で相当事前にそういう任用予定がわかっているような場合には、私どもは当該機関のいわゆるプロパーの研究員の昇格等との関係で定数上しかるべき配慮をするようなことも可能でございまして、相当事前にわかっている場合にはそういう方法もあるということでございます。
#94
○稲村稔夫君 いろいろと工夫の余地はあるというふうに伺っておきたいと思います。
 それぞれありがとうございました。文部省も人事院もありがとうございました。
 佐田参考人も大分お待たせをしてまことに申しわけございませんでしたが、きょうはお忙しい中、私どもの審議のために参考人として御出席いただきましたことをまずお礼を申し上げたいと存じます。ありがとうございました。
 この研究交流促進法についてまず参考人の佐田先生のお考え方をお伺いいたしまして、若干私が質問申し上げる時間があればさせていただきますし、あとまた同僚議員からも時間内で伺うということになろうかと思いますが、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 まず、この研究交流促進法についてどのようにお考えになっておられますか、そこからお話をいただきたいと思います。
#95
○参考人(佐田登志夫君) 私は、かつて研究職でございまして、また現在研究所の研究運営のコーディネーションの責任を持っている、そういう立場の人間として少し考えを述べさせていただきたいと思います。
 基礎研究を行っております。その中で、研究者が異なった文化というようなものに接することによりまして研究の進展上大きな発展、飛躍というんでしょうか、ブレークスルーというようなことが起こることがしばしばございます。そういう意味で、今回の研究交流促進法の一部改正によりまして日本と外国の研究者との交流が活性化する、また国内でも官学と民間との研究者の交流が盛んになるというのは大変結構なことだと思って、心から賛同いたします。特に、民間の研究者がたとえ任期つきといいましても国研の研究に参加できるという枠組みがつくられました意義は非常に大きいものがあると思います。
 また、国際共同研究の成果につきまして諸外国との間の制度的な調和が今回図られるということですので、今後国際共同研究をオルガナイズしていくという立場にある人間として非常にオルガナイズしやすくなるということで、大変うれしく思っております。
 それから、国研の研究施設について民間の研究者の使用条件が緩められるということは、同じ研究施設でございましても違う人あるいは違う立場の人が使いますとまた違う結果が出てまいります。そういうような意味からも大いに歓迎すべきことだと思うんですが、余り時間もないようでございますので二つだけ例を申し上げて理解を深めていただきたいと思うんです。
 一つは、私どもの理事長の小田稔が、三十七歳のときにアメリカのマサチューセッツ工科大学のミーティングプロフェッサーでございました。そのときに、研究グループのリーダーのロッシー教授から、おい稔、どうも空からエックス線が来ているようだぞというような話がありまして、それぞれのグループで、エックス線は雲や大気で通りませんので、ロケットにエックス線の検出器を乗せまして観測しました。その話があったのは六一年で、観測をやりましたのが六四年だそうですけれども、六四年にどうも空からエックス線が来ているというのがわかった。
 そうしますと、今度は曇り空のようにぼやっとエックス線が来るのか、特定の星からエックス線が来るのかというのが問題になります。そのときに、みんなでどうやったら望遠鏡で見えるような範囲内に場所を追い詰められるだろうかということを考えたんですが、私どもの小田稔が考えましたのは、日本に昔すだれがございましたが、窓際と廊下の反対側にあって、先生、蚊帳もそうなんですが、こうやって見ますとしま目が見えます。そのしま目というのを小田稔が思い出しまして、よしこれでいこうと。金属でエックス線の通らないすだれを二つつくって、こうやってちょっとずらしますとしま目ができる。それでやると、星からだとすれば場所を追い詰められるというようなことで、それでやりましたところが、見事に成功して、カニ座の中の一つの星から非常に強いエックス線が出ているというのがわかったわけでございます。ですから、それによりましてMITはエックス線天文学のセンター・オブ・エクセレンスだと。
 ですから、そのときに小田先生がいなければ、というのは、小田先生の後ろにあったのは、すだれというのは日本文化でございます。それがなければ、アメリカ人には到底思いつかない。ロッシー教授は稔のすだれコリメーターということで言われているわけです。ですから、これはそういう意味でMITが外国人を入れたというために大いに進歩したという、ブレークスルーがあったという例でございます。
 それからもう一つは、私どもの研究施設を外部の人が使うとどういうことがあったかということですが、私どもに谷畑主任研究員という者がおりまして、原子核物理の専門家なんですが、そこにオハイオ大学のボイドという教授がサバテイカルで、休暇でちょうど来ていた。私どもにリングサイクロトロン、重イオンの加速装置があるんですが、それに不安定核の発生装置というのがついている。谷畑はそれについていろんな実験をやっていたんですが、それがあるので、いろんな研究ができないかとみんなに声をかけていました。
 で、ボイドが来まして、何回も議論しているうちに、その人は天文学の実験物理の専門家なんですが、宇宙の開闢のビッグバンのときに数秒の間で現在あるような元素がほとんどできている。それがどうできているかというのはわからなかったんですが、おい、これを使うとできるかもしれないと。谷畑の方はそれをどう測定するかという技術、それからノウハウを持っているわけです。それで二人がこの間実験をやりまして、ある種の元素結合が可能であるというようなことがありました。これも理研の研究施設を外部の人に貸していなかったらそういう研究を恐らく我々の研究者は考えつかなかったという例でございます。
 今のようなことで、ぜひ研究交流促進法の改正をしていただきたいと思っております。
#96
○稲村稔夫君 大変ありがとうございました。確かに参考人のお話のように、外国人との交流ということは大きな刺激にもなるし、いろいろな新しい発見にもつながっていくということは確かにそうだと思います。
 そういうふうに考えていけば考えていくほど、現在の我が国の研究施設、特に国研の研究施設とかあるいは環境とか雰囲気とか、そういうものが外国の研究者を受け入れていくのにいろいろ問題があるんではないかという意見をあちこちで私どもは聞くわけでありますけれども、その点はどのようにお考えになっておりますか。
#97
○参考人(佐田登志夫君) 先生のおっしゃるような問題は確かにございます。ところが、現在日本の研究がこういう、先生のおっしゃる言葉で言いますとそれほど恵まれない環境という点もあると思いますが、そういう中でも非常に基礎科学の面でもあるいは応用の面でも進んでおりまして、外国人が非常に来たがっているというような環境下にございます。そういうようなことで、ここに一つ持ってきたんですが、先々週アメリカに行きましたら、その学会の出版物で「ワーキング・イン・ジャパン」、日本に行ったらどう日本の環境に適合して働くかというような本まで出ているような状況でございます。
 ただ、私どもとして、だからいいんだということではございませんで、やはりどうも施設、研究、どちらかというと研究空間という意味で非常に今、国研はよくわかりませんが、私どもの研究所とMITとを比べる、あるいはスタンフォードと比べますと、研究者一人当たりのスペースが大体MITの半分、スタンプ寸ード大学の三分の一でございます。そういう意味で研究スペースが十分でない。化学の実験室なんかですと、外国人で米欧から来た人ですと多分個室を持っています。それから今度は発展途上国から来た人はエリート研究者ですから個室を持っています。ところが、私どもへ来ますと、ドラフトとか実験台のわきのところの小さい九十センチと六十センチの机に座らして、私どもの助教授待遇の主任研究員も並んでそういうところで実験をし考えなきゃいけない、そういうようなこと。
 またそのほかに、研究支援技術者が不足しているとか、それから先ほど先生御指摘のように研究費も必ずしも十分ではない。というのは、急に何かいいことが出てきてもっと上げたいなというようなときにも必ずしも十分な余裕はございませんので、そういう面でも改善していただきたいというところはたくさんございます。
#98
○稲村稔夫君 いろいろと研究環境といいましょうか、そういうものについては問題点がいろいろとあるのではないかということがまず言えるということは参考人の御意見でもよくわかりました。
 同時に、さらに生活習慣とかいろいろと、やっぱり研究者も来てこちらで生活しなきゃならないわけですから、生活者としてのいろいろな受け入れのための条件というのがあるんじゃないかと思います。その辺のところについての我が国の状況というのは、参考人は外国の事情もよく御存じだと思いますけれども、他と比べでどのように考えておられますでしょうか。
#99
○参考人(佐田登志夫君) 確かに外国人を受け入れますと、今のように生活をするという意味で、それからもう一つ私は大事だと思うのは、日本に来てよかったと、日本の文化をわかってもらってやっぱり日本が好きになって帰ってもらうということが非常に大事だと思うんです。
 まず、そういう意味で一番の問題は住居の問題でございます。私どもは国際協力課というところを設けまして研究者の住居というものについて研究所ですべてお世話をする。と申しますのは、日本はアパートを借りょうと思うと二年契約でございます。それから敷金という外国人には理解できないようなお金を取ります。そういうようなことをどういうふうにしてやるか。これは全部研究所が借り上げて又貸しをするというような形にしております。
 それから、やはり研究所の中で研究者のコミュニケーションというのをちゃんとやるように日本語の教育をする。それから研究所の人には、外国人がいたときには必ず英語でしゃべれというようなことを努力して、働く場においても生活する場所においても早くなじめるようにという配慮も必要でございます。それから子供を連れできますと学校の問題がございます。これは地元の学校の先生と連絡をとりながらよろしくと、それから問題があったときには私どもがすぐ駆けつけるというようなことをやっています。それから病気になったときの問題がございます。これは私どもは、近所の病院で、内科であればどこの病院に英語がしゃべれる先生がいる、外科だったらどこの病院の何先生だと、あるいは産婦人科だったらどこへ行けばよろしいかというようなところを配慮いたしまして、今そういうことに当たっております。
 これは私どもだけじゃございませんで、私ががんセンターの杉村先生に伺いましたときにも、やはり大変だよと。それで、そのときの国際部長がおっしゃっていましたけれども、外国人に居心地よくしてもらうためにはお金をかけなきゃだめだというようなことを言っていらっしゃるので、やっぱりそういう心遣いとお金、労力を惜しまないで十分して差し上げるということが、外国人を居心地よくして気持ちよく帰っていただく方法ではないかなと思います。
#100
○稲村稔夫君 どうも大変ありがとうございました。本当に短い時間で、私の方の質問もあるいは必ずしも十分参考人のお考えを聞けるような質問じゃなかったのかもしれませんが、でもいろいろと考えさせられるものがありました。
 そこで、科学技術庁に最後に伺うということにいたしたいと思いますが、今回改正点というのは三つあるわけであります。国際共同研究の成果の特例という点と、それから国の施設の外部利用の特例ということと、それから研究公務員の外部人材採用の特例等というようなことになるんだと思います。
 それぞれ、私はこういう改正というのが前向きにいろいろと検討をして出されてきたということについては評価をいたしますけれども、しかし今参考人の御意見を伺いましても、例えば国際共同研究を、成果のこともさることながら、その交流をもっともっと盛んにしていこうということになると、それこそ研究スペースの問題であるとかあるいは試験研究費の問題であるとかあるいは生活環境の問題であるとか、そういうものについてむしろ早急に手を打たなきゃならない課題になっているんだと思うんですよ。それで、今のお話のように、日本に行ったら、非常に日本は魅力あるんだという意識を持っている人たちがふえればふえるほど我が方の、日本側の受け入れの態勢というものがつくられていかなかったらこれは絵にかいたもちになってしまいます。そうすると、法的体系というものは、むしろそっちの方の法的体系をもっと早急に検討していくことが必要なんじゃないですか。あるいはそういうことについての、予算措置であるとか何かいろいろな難しさがついてくると思うんですけれども、そういう対応の仕方というものこそ急がなければならない課題じゃないだろうか。
 研究公務員の外部人材の任用にしてみてもやはりいろいろと問題がある。そういう点も、先ほどの人事院のお答えではなかなかこれは大変だなという感じがいたしました。それで、さらに国の施設の外部利用については私はきょうは聞く時間がありませんでしたからあれですけれども、今の状況でいったら、本当に国の施設というのはそんなに民間がどんどんと使ってくれるような、そんなに使われて研究の妨害になっても困るんですけれども、そういうふうな体制になるんだろうか。あるいは外部人材にしたって今、知っていますか、新卒の学生が言っているのは、花長風月というような言葉があるんだそうですね。何だといったら、花形で、長期の休暇で、風通しかよくて、そして月給が高い。これは、僕は研究者だってみんな同じ感覚だと思うんですよ、新しい人たちの持っている。
 そういうものに対応できるようじゃなかったら新しい研究者というのは育ってこないですよというようなことにもなってきますと、その辺のところをいろいろと考えていくと、今度のこれはそれなりの評価はいたしますけれども、もっとメスを入れて早急に解決をしなきゃならない課題があるんじゃないですか。そこのところを積極的に今後取り組んでいただきたいと思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。これは担当者と大臣と両方から伺いたい。
#101
○国務大臣(谷川寛三君) 今も参考人からのお話を私もよく聞いておりましたが、科学技術予算につきましては、従来とも厳しい財政状況の中でいろいろと努力してまいりましたが、今後とも格段の努力をしてまいります。
 特に今お話がありました施設設備につきましては相当老朽化もしておりますし、それからとにかく若い人たちが飛び込んでくるような魅力のあるところにしなきゃならぬというふうに思っておりまして、これは私公共事業並みに、全体の老朽度とか設備に要する総額を調べまして、例えば道路とか河川とか空港等に何次計画というのがあるでしょう、あれ式に年次計画を組んで早急に改善するようにいたしたいことを申し上げまして、御支援をお願いしたいと思っています。
#102
○政府委員(長田英機君) 若干補足させていただきますと、研究交流法はいわばその制度的なネックを解消するということでございますから、制度的なネック解消では科学技術の振興は当然十分ではございませんで、大臣からもお話しございましたように、研究費の問題だとかあるいは施設の問題だとか研究者の問題だとか……
#103
○稲村稔夫君 みんなネックでしょう。
#104
○政府委員(長田英機君) そういうネックと申しますか、力を注がなきゃならない分野はまだございます。それぞれ実は難しい事情を抱えているんでございますけれども、科学技術庁としましては一生懸命そういう分野に大臣の指揮下で努力をしていきたい、こう思っております。
#105
○稲村稔夫君 私の方は終わります。
#106
○三上隆雄君 それでは、きょうの直接的な審議の議題を若干それますけれども、日本の科学技術及び科学行政上極めて重大な事故が頻発してございます。その意味で、私はきょう急遽質問させていただきたいと思います。
 なお資料として、私は内閣総理大臣あての質問と申し入れ書を提示してまいりましたけれども、これはあくまでも参考資料として提示し、時間の効率的なことも考えまして、これを朗読して質問と私の要望、申し入れとしたい、こう思いますので、よろしくお取り扱いをいただきたいと思います。質問及び申し入れ書という形で質問します。
 貴職も――貴職ということは、きょうは通告では科技庁、外務省、防衛施設庁ですか、これはそちらの方の判断でお答えを願うということの通告をしておりましたが、貴職も既に御承知のとおり、マスコミ報道等によれば、四月十四日午前七時ごろ、米軍三沢基地所属のF16戦闘爆撃機が天ケ森射撃場へ向けての訓練中に油圧系統のトラブルを起こし、小川原湖の沖合五百メートル程度の湖水上に補助燃料タンク二個を投棄した。米軍三沢基地所属のF16戦闘爆撃機が引き起こした不祥事は今年に入ってから既に六回目であります。
 一月十七日には燃料系統のトラブルから補助燃料タンク二個を十和田湖に投棄し、同二十三日には銚子沖東方の太平洋上で空中給油中接触事故を起こして墜落した。さらに、二月四日に通常訓練のため航空自衛隊松島基地へ向けて飛行中に八戸沖上空でエンジントラブルを起こし、海上自衛隊八戸基地へ緊急着陸した。この海上自衛隊八戸基地へは、三沢上空の天候不良を理由として三月の十六日と十九日にもそれぞれ二機ずつが避難着陸を繰り返した。
 そして今回の事故であります。幸い県民の生命、財産への直接の被害はないものの、小川原湖のシジミ漁が最盛期であり、またワカサギの産卵期でもあります。今後の影響が懸念されるところであります。
 また、昨年十一月に三沢市沖に投棄された二千ポンド爆弾二個は、イカ漁を控えた三沢市漁協の再三の抗議にもかかわらず、いまだに回収されておりません。
 こうした事態を顧みるならば、軍事優先方針のもとで事故を想定しての訓練を続け、通常訓練のほかにローリー等の大規模訓練やさらに夜間離着陸訓練を繰り返し、騒音をまき散らし続ける米軍の姿勢は、住民無視以外の何物でもない。ジェームス・D・レーサム米軍三沢基地司令官に強く抗議をいたします。
 なお、きのう、本日、青森県知事初め三沢市長、社会党県本部からもそれぞれ関係機関に抗議をしておるところであります。
 この事故原因解明や再発防止策をとらず、事故とトラブルを繰り返し、住民の不安を増大し続けることはもはや許されません。
 そこで、貴職に対して次の点を申し入れ、その具体的な対応と回答を求めるものであります。
 そこで第一点は、F16戦闘爆撃機による再三の事故を見るとき、F16戦闘爆撃機は欠陥機ではないか。これは外務省、防衛庁にお尋ねをしたいと思います。なお、欠陥機の撤去を求めることについては外務省の対応を御説明願いたい、御回答願いたいと思います。
 二点目については、米軍に強く抗議し、今回の事故の原因と米軍の事故発生通報がおくれた原因及び再発防止対策を明確にしてください。また、原因が解明されるまですべてのF16戦闘爆撃機の飛行中止を求めるものであります。
 三番、核燃料サイクル施設と軍事基地の両立はあり得ないにもかかわらず、三沢基地は増強される一方で、事故の発生状況からいっても常に軍事優先の臨戦体制がとられている。ソ連邦の消滅という世界情勢の変化にかんがみ、米軍三沢基地の縮小、撤去を求めること。これは外務省からの御回答をいただきたいと思います。
 四番、核燃サイクル施設の根本的見直しと、見直しかなされるまでこの工事の中止を求めることを要請いたします。
 五番目には、事故による水産業に対する影響なきよう万全の措置を講じ、また補償すること。そしてまた、現状はどういう状況になっているのか、きのうの事故でありますから、そのことをお答えいただきたいと思います。なお、関係省庁のこれに対するお答えをいただきたいと思います。
 以上であります。
#107
○説明員(小澤俊朗君) 事実関係についてお答え申し上げます。
 昨十四日午前七時過ぎ、米空軍三沢飛行場所属のF16が青森県上空を飛行中、エンジンの油圧系統に異常が生じたため三沢飛行場に帰投することとしたわけでありますが、小雨が降っていたため滑走路がぬれていたので、安全に着陸することを確保するために搭載していた補助燃料タンク二個を小川原湖に投棄したと承知しております。
 米側は直ちに現場に捜索のための人員を派遣して捜索に当たらせた結果、昨日の午後におきまして油の回収作業をほぼ完了し、また落下した燃料タンクの回収につきましては、六十五日午前十一時過ぎから米側の救難隊がボートで回収作業に当たっていると承知しております。
 政府としましては、事故通報に接し、直ちに米側に対し遺憾の意を表明するとともに、事故の事実関係の究明、そして米軍機の飛行に当たっての安全確保の徹底を申し入れております。
 先生から今御指摘のありました米軍の三沢基地の縮小、撤去につきましては、在日米軍にとって非常に重要な基地でありますし、日米安保条約に基づく在日米軍の任務を果たしていく上での重要な基地であります以上、私どもとして撤去ないし縮小を求める考えはございません。
#108
○説明員(守屋武昌君) 防衛庁でございますが、先生の御質問のF16戦闘爆撃機は欠陥機ではないかという御質問に対してお答えいたしたいと思います。
 これは米国製の戦闘機でございまして、これまで米国を初めベルギー、デンマーク、オランダ、イスラエル、エジプト等、十六カ国で約二千六百機配備されております。
 米空軍とそれから各国空軍におけるこれまでの運用状況から高い安全性を有しているものと承知しておりまして、防衛庁としてはF16の機体そのものにつきまして欠陥があるものとは承知いたしておりません。
#109
○三上隆雄君 短い時間ですから、しかもいろんな御意見も出ていますから、簡略に質問したいと思います。科技庁長官も篤と聞いてくださいよ。
 F16が配備されて四年一カ月の中で四十六回のトラブルが起きているんですよ。私がいつも言うように、核施設と軍事施設は共存できないという、そういう視点で質問しているんです、要望しているんです。その意味で、きょう貴重な時間ですけれども、これは国家の問題ですから、人類の問題ですからあえて機会を持っているわけであります。しかも今回、ことしに入ってもはや六回もトラブルが起きている。
 この間実弾を三沢沖に投下しましたでしょう。長官、あのとき長官は何と言い音したか。核施設には、そういう方向に向かっていないと言うけれども、三沢沖の太平洋内に落とした。次は十和田湖へ投下している、内陸へ入ってきている。今度はむつ小川原開発の中の小川原湖に落ちているんですよ。ですから私は共存できないと言うんです。
 そこで、防衛庁に聞きたいんですけれども、その飛行機そのものの欠陥でないとしても、これほど事故、トラブルがあるのに、日本の防衛庁としてこんな機種で戦いできますか、訓練できますか。その意味で、外務省の方に欠陥機であるかないかなだすよりも、専門家として、防衛庁として、これがいわゆる戦闘機として適切な飛行機なのか、素直にお答えください。
#110
○説明員(守屋武昌君) 先生の重ねての御質問でございますが、私は防衛庁の航空機課長ということで、航空機の性能を把握している担当部局の長でございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、これは世界各国十六カ国で約二千六百機も採用されている航空機でございます。それで、これ記での運用状況から見まして高い安全性があると承知いたしております。F16の機体自体に欠陥があるものとは承知いたしておりません。
#111
○三上隆雄君 それでは、科技庁長官にお尋ねをいたしますけれども、きのうかおとといプルトニウムの搬入があったんですね、たまたま。これはありましたか、なかったんですか。
 もしあったら、そういうときに、国道が小川原湖のすぐわきを走っているんですよ。そんなことを考えたら、長官、あなたは責任長官として、あそこにはやっぱり核施設を持つべきでないので、その点に対する総合的な見解と、短い時間ですから私の質問に対してできる限りの御回答をいただきたい。もしきょう答弁できない場合は、速急な機会に文書でお答えをいただきたいと思います。
#112
○政府委員(石田寛人君) プルトニウムの搬入につきましてお答え申し上げます。
 私ども、昨日プルトニウムが搬入されたとは全く聞いておりませんし、計画からしてあり得ないことと思っております。恐らく、これ間違っておるかもしれません、間違っておるかもしれませんが、恐らく想像してみますに、天然六弗化ウランは搬入されたことはあるかもしれませんが、プルトニウムは搬入していないというふうに確信いたしております。
#113
○国務大臣(谷川寛三君) この前も申し上げましたように、外務省はすぐにその都度抗議をしておりますし、私自身もこの前問題が起こったときにアマコスト大使に抗議いたしました。それで、すぐに回答がありまして、米軍の司令官に申し入れた、絶対この施設に御迷惑をかけるような飛行はいたしません、こう言っておりました。そうでしょう。この前だって三沢の基地からすぐ海上に出て、それから故障が起こったのでここへ、安全地帯に爆弾を落として帰ってきた。
 今度も全然方角違うんです。訓練場に行きよったけれども、故障が起こって、かつ着陸でもし事故が起こったらいかぬというのでこの湖に投げさしてもらったということで、この核の施設には米軍は注意をして絶対迷惑かけぬようにしております。
 この核施設は、今撤去せよと仰せられましたが、原子力の平和利用を進めていく上にはどうしても必要な施設でございまして、かつ原子炉等の規制法に基づきます厳重な安全審査をいたしましてここへつくることになったわけでございまして、この安全審査におきましては、天ケ森射爆場のいろんな問題を考慮して絶対安全だということが確認されてそういう決定がなされておるわけでございますから、今後とも安全性の確保には留意の上にも留意をいたしまして進めますが、この施設を撤去することとはいたしません。
#114
○三上隆雄君 最後に一言。
 絶対安全を確保して、起こさないと言うけれども、だれがそれを保証できますか。これほど確率が高まっている中で、あなた断言できますか。そして、知事始め各地方の首長、それから団体がこれほど抗議しても一向にとまらないということを、あなたは政府の一員としてどう考えますか。厳重注意した注意したといったって、その事故の回数と期間がますます近まっているじゃないですか。何と心得るんだ、あなたは政府の責任者として。地域住民の立場に立ってみれ。
#115
○政府委員(坂内富士男君) 今の御質問、核燃料サイクル施設と航空機との問題というふうに大まかにはとらえるわけですが、これは累次この科学技術特別委員会等の場においても、三沢基地あるいはまた三沢空港の問題あるいはまたV11という定期航空路の問題あるいはまた天ケ森の射爆撃場の訓練状況、こういったことと、それからその安全審査との関係ということでもってるる御説明申し上げているところでありまして、そういったところから今長官の方からこの施設は安全上問題ないというふうに御答弁があったというふうに御理解いただきたいと思います。
 それから、なお今回の燃料タンクの投下につきましては、当然のことながら、この施設、核燃料サイクルの施設というものがいわゆる訓練のコースから極めて離れている、あるいはまた施設の上空付近の飛行が制限されている、また燃料タンク、これは推進力を持っていない、こういうことから、今回のいわゆる燃料タンクの投下といったものについて安全審査に何ら影響を及ぼすものではないというふうに私ども考えております。
#116
○三上隆雄君 終わります。
#117
○委員長(及川順郎君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
 次回は来る二十二日に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十分散会
ソース: 国立国会図書館
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