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1992/06/01 第123回国会 参議院 参議院会議録情報 第123回国会 国際平和協力等に関する特別委員会 第14号
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1992/06/01 第123回国会 参議院

参議院会議録情報 第123回国会 国際平和協力等に関する特別委員会 第14号

#1
第123回国会 国際平和協力等に関する特別委員会 第14号
平成四年六月一日(月曜日)
   午後一時八分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月一日
    辞任         補欠選任
     関根 則之君     鎌田 要人君
     仲川 幸男君     須藤良太郎君
     森山 眞弓君     狩野  安君
     中川 嘉美君     峯山 昭範君
     上田耕一郎君     立木  洋君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         下条進一郎君
    理 事
                上杉 光弘君
                岡野  裕君
                田村 秀昭君
                藤井 孝男君
                佐藤 三吾君
                谷畑  孝君
                矢田部 理君
                木庭健太郎君
                吉川 春子君
                井上 哲夫君
                田渕 哲也君
    委 員
                板垣  正君
                尾辻 秀久君
                大島 慶久君
                合馬  敬君
                狩野  安君
                鹿熊 安正君
                鎌田 要人君
                木宮 和彦君
                須藤良太郎君
                永野 茂門君
                成瀬 守重君
                西田 吉宏君
                藤田 雄山君
                星野 朋市君
                真島 一男君
                翫  正敏君
                喜岡  淳君
                國弘 正雄君
                小林  正君
                櫻井 規順君
                竹村 泰子君
                角田 義一君
                田  英夫君
                細谷 昭雄君
                太田 淳夫君
                常松 克安君
                峯山 昭範君
                立木  洋君
                磯村  修君
                寺崎 昭久君
                喜屋武眞榮君
   委員以外の議員
       発  議  者  野田  哲君
       発  議  者  村田 誠醇君
   国務大臣 
       内閣総理大臣
       外務大臣臨時代  宮澤 喜一君
       理
       法 務 大 臣  田原  隆君
       大 蔵 大 臣  羽田  孜君
       厚 生 大 臣  山下 徳夫君
       国 務 大 臣  加藤 紘一君
       (内閣官房長官)
       国 務 大 臣  宮下 創平君
       (防衛庁長官)
   政府委員
       内閣審議官
       兼内閣総理大臣  野村 一成君
       官房参事官
       内閣法制局長官  工藤 敦夫君
       内閣法制局第一  大森 政輔君
       部長
       内閣法制局第二  秋山  收君
       部長
       防衛庁参事官   金森 仁作君
       防衛庁長官官房  村田 直昭君
       長
       防衛庁防衛局長  畠山  蕃君
       防衛庁人事局長  坪井 龍文君
       防衛庁装備局長  関   收君
       法務大臣官房長  則定  衛君
       外務大臣官房長  佐藤 嘉恭君
       外務大臣官房審  津守  滋君
       議官
       外務省アジア局  谷野作太郎君
       長
       外務省北米局長  佐藤 行雄君
       外務省経済協力  川上 隆朗君
       局長
       外務省条約局長  柳井 俊二君
       外務省国際連合  丹波  實君
       局長
       外務省情報調査  鈴木 勝也君
       局長
       大蔵省主計局次  小村  武君
       長
       文部大臣官房長  野崎  弘君
       文部省高等警前  前畑 安宏君
       局長
       厚生省保健医療  寺松  尚君
       局長
  事務局側
       常任委員会専門  辻  啓明君
       員
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国際連合平和維持活動等に対する協力に関する
 法律案(第百二十一回国会内閣提出)
○国際緊急援助隊の派遣に関する法律の一部を改
 正する法律案(第百二十一回国会内閣提出)
○国際平和協力業務及び国際緊急援助業務の実施
 等に関する法律案(野田哲君外三名発議)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(下条進一郎君) ただいまから国際平和協力等に関する特別委員会を開会いたします。
 国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律案、国際緊急援助隊の派遣に関する法律の一部を改正する法律案及び国際平和協力業務及び国際緊急援助業務の実施等に関する法律案、以上三案を一括して議題といたします。
 国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律案の修正について岡野裕君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。岡野裕君。
#3
○岡野裕君 私は、国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律案に対し、自由民主党、公明党・国民会議及び民社党・スポーツ・国民連合を代表し、峯山昭乾君及び田渕哲也君とともに修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されておりますので御参照を願いたいと存じます。
 これより、その趣旨について御説明申し上げます。
 この修正案は、これまで行われてきた法律案についての審議を踏まえ、我が国として早急に有効適切な国際協力を進める体制をつくるとの見地から、政府原案の基本的な考え方と枠組みはこれを維持しつつ、その上でこの法律案に対する一層広範な国民の理解と支持を得ていくとの趣旨で提出するものであります。
 次に、修正案の内容を御説明いたします。
 修正の第一は、自衛隊の部隊等が行う国連平和維持隊に係る一定の業務については、内閣総理大臣は、当該部隊等の派遣の開始前に、我が国として国際連合平和維持隊に参加するに際しての基本的な五つの原則及び本法律の目的に照らし、当該業務の実施につき国会の承認を得なければならないこととし、国会が閉会中の場合または衆議院が解散されている場合には、当該部隊等の海外への派遣の開始後最初に召集される国会において、遅滞なく、その承認を求め収ければならないこととすることであります。
 修正の第二は、内閣総理大臣が、自衛隊の部隊等が行う国連平和維持隊に係る一定の業務について、当該部隊等の派遣の開始前に、国会の承認を得る場合には、先議の議院においては内閣総理大臣が国会の承認を求めた後国会休会中の期間を除いて七日以内に、後議の議院にあっては先議の議院から議案の送付があった後国会休会中の期間を除いて七日以内に、それぞれ議決するよう努めなければならないこととすることであります。
 修正の第三は、国会が閉会中または衆議院が解散されている場合に、自衛隊の部隊等の海外への派遣の開始後、国会において不承認の議決があったときは、政府は、遅滞なく当該業務を終了させなければならないこととすることであります。
 修正の第四は、自衛隊の部隊等が行う国連平和維持隊に係る一定の業務については、別に法律で定める日まで実施しないこととすることであります。
 修正の第五は、政府は、施行後三年を経過した場合において、本法律の実施状況に照らして、本法律の実施のあり方について見直しを行うものとすることであります。
 以上が修正案の内容の概要であります。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#4
○委員長(下条進一郎君) 以上で修正案の趣旨の説明聴取は終わりました。
 これより三案についての質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#5
○小林正君 まず最初に、お聞きをしますと、渡辺外務大臣、この主務大臣でありますけれども、急に病を得られて入院されたという報に接しております。激務ですから過労が重なってのことではないかと思いますけれども、一刻も早く平癒されまして戦列に復帰されることを心から御期待を申し上げます。
 四月の末にチェコスロバキアのハベル大統領が日本を訪問されまして講演されました。東欧ブロックの中で、反体制派の活動家として、芸術家として、そして東欧の体制が崩壊して以降は大統領という立場で国を率いる、そういうまれな経験をされたリーダーの言葉として、知識人の役割の問題等さまざまな示唆に富む発言を日本でされました。私も、実は日本の国会で大統領が演説をされることを期待しておったわけでありますが、そういう機会がなくて大変残念に思っているわけであります。
 アメリカの上下両院の合同会議においてハベル大統領が演説をされ、大変好評を得、感銘を与えたということを伺っておりますが、その中で特にデモクラシーについて言及をされているわけでありますけれども、デモクラシーは地平線のようなものである、そこにたどり着くとさらにその先に地平線があると。つまり、常に民主主義の完成度を高める、そのために絶えざる努力をして追求していく過程そのものだという指摘をいたしました。アメリカは、デモクラシーについては先にその地平線のかなたへ向かって歩んでいるけれども、自分たちの国はアメリカの後をこれからその目的へ向かって進んでいくんだということを述べられたわけであります。
 これが大変感銘を与えました。私は、民主主義というのはいつの日か我が手にあるというものではないということを、そのことを通して痛感をしたわけであります。目的追求の過程としての歴史という点に立って考えますと、民主主義は我が国にあって既に歴史が終わるというような瞬間が訪れるということはあり得ないだろうというふうに思います。
 首相がヘーゲリアンであるかどうか存じませんけれども、こうしたデモクラシーについて、この委員会等の中でございましたか、成熟度ということを言われたことを記憶しておりますが、このハベルさんの考え方とあわせまして、今日どのようにデモクラシーについてお考えなのか、首相の御見解を承りたいと存じます。
#6
○国務大臣(宮澤喜一君) 戦前の我が国の政治をどのように考えるかはしばらくおくといたしまして、憲法が改められまして新しいいわゆる今の憲法のもとに戦後我々は生きてまいりました。基本的人権の尊重、国民主権、民主主義、そのような制度をこの憲法が採択をいたし、また、その憲法のもとに現実にそのような考え方が我が国に育ち、根づきつつあるというその方向については、私は疑いを入れないと思います。また、そのような主義を信条として四十何年生きてまいりました戦後、今日の我が国がきょうこのような姿になっておるということについては、この考え方に誤りがなかった、今後もこれを推進していきたいと国民の多くが考えていることも間違いのないことだと判断いたしております。
#7
○小林正君 デモクラシーの完成度を高める、具体的には一体どういうことなのかということでありますが、やはり一つは、民主主義つまり国民主権という基本的立場に立って考えたときに何よりも大切なのは、民意の動向ということに敏感で、しかもそれへの対応を政治の最優先課題として考えていくということが求められるのではないかというふうに思うわけであります。
 この点から考えまして、この法案とのかかわりで、この間論議をされてきた経緯を踏まえて、実は総理の著書の中にも、「戦後政治の証言」という本の第六章でこのように述べておられます。国連平和協力法案、前の法律案ですね、をめぐる論議の結果生まれた国民的コンセンサスは何かということなんですが、「「日本はカネは出す、汗も流す。しかし、進んで血を流すことはしない」というふうに要約できるであろう。国内の論議が沸騰してから一段落するまでの間、多くのアメリカ人が私を訪ねてきて、「日本はどうするつもりなのか」と聞くたびに、私はそのように説明してきた。」と書かれております。そしてその後で、「最後の「血を流すのかどうか」については、結果としてならばともかく、そのような可能性を覚悟したうえでの行動はしない、というのが現段階における結論であることは、さきにのべたとおりである。」、このように述べておられるわけであります。
 実はこの間、この問題をめぐってさまざまな世論調査等が行われました。そういう一つとして、四月の末の朝日の調査、自衛隊の海外派遣についてどうであるかということなんですけれども、派遣に反対というのが二四%、そしてPKF、多国籍軍への派遣に反対と言われるのも同じく二四%、そして非軍事に限りというのが四七%、こういう結果が出ているわけです。そしてもう一つの質問に対して、自衛隊のPKF参加については賛成が四七%、反対が四一%、そしてもう一つ別の観点から、PKF参加は憲法上問題があるかないかという質問に対しては、あると答えたのが五四%、ないというのが三〇%。このPKFの参加に賛成が四七で憲法上問題があるというのが五四というのは、数字の傾向としてはなかなかとらえにくいけれども、日本人の今日の微妙な心理というものを的確に反映しているんではないか、このように思います。
 そして、カンボジアに限ってみた場合のPKOに日本はどの程度協力するのがいいのかということについては、経済的支援というのが三七%、民間非軍事、これが二〇%、自衛隊非軍事が二二%、自衛隊PKFが一二%、こうなっているわけで、自衛隊のPKF参加賛成の四七%とこれがどういう関係にあるのか、一見矛盾しているという分析がされているわけでありますけれども、これが今の国民の中での問題意識、そしてまた設問の仕方によってこの振れ幅が出てくる、こういうことになると思うのです。これをどういうふうに受けとめられて、世論の動向とそれへの対応として政治の課題としてどう立ち向かうのか、総理の著書との関係も含めまして御見解をお伺いしたいと思います。
#8
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま新聞社のアンケートを御引用になりながらお話がございました。小林委員の言われますように、確かに設問の仕方によって答えが微妙に違っているようなところがございますし、問題そのものが極めてある意味で複雑でもあるし、また現実に国民が見た事態についてでないものでございますから、いろいろなものおのの判断をしながら答えておられるのであろう。したがって、ここから一つの明快な結論を引き出すことは必ずしも容易ではないというふうに、この調査を私もちょっと読ませてもらいましたが、考えております。
 私が著書で申しましたことは、湾岸戦争というものがあって、国民が金だけ出したのではどうも相済まないことである、やはり汗も流さなきゃならないのだろう、そこでしかし憲法という問題があるから憲法に反するわけにはいかない。非常に問題を簡単にし過ぎますけれども、割り切って言えばそういう判断であったのであろう。そうすると、どこならば憲法に反しない、どこからは反するかということについて多少いろいろな議論があるのだろうと思いますけれども、私自身は、海外において我が国が武力行使をするということは、これは憲法の許すところではないと考えております。
 自衛であれば別でございますが、海外においての武力行使というものはやはり許されない、こう考えておりますから、したがって汗を流すことはあっても、血を流すことがあらかじめ非常に可能性が高いという場合に、それは武力行使と言われないようにしなければいけない、こういうふうに考えておるわけでございますが、同時にまた湾岸戦争の結果感じましたことは、これだけの国になった我が国として憲法に反することはできません。しかし、憲法の許すことはやはり最大限にするのが国際に対する我々の務めではないか、こういうふうに考えておるところでございます。
#9
○小林正君 最後のところなんですけれども、「「血を流すのかどうか」については、結果としてならばともかく、そのような可能性を覚悟したうえでの行動はしないこというふうに述べておられて、その点は変わっていないわけですよね。ということであれば、これはPKFまで含んだ政府の案ですから、そういうことになると、この間の議論で、戦争終結した地域ではあるけれども、地雷もあり危険がいっぱいの地域ですというお話があったわけで、当然のことながら紛争に巻き込まれる危険についてはこの間の議論の中でさまざまの指摘がされ、武力の行使か武器の使用がということをめぐって論議がされてきたわけです。
 そういう点で言うと、可能性を覚悟した上での行動でなければ成り立たない問題ではないかなという気がするわけですね。にもかかわらず、この問題について、これは湾岸戦争当時お書きになったものですけれども、それと今日この法案を提案された意思といいますか、そういうものとの間にどういう違いがあるのか、全く同じ気持ちなのか、その辺をもう一回御答弁いただきたいと思います。
#10
○国務大臣(宮澤喜一君) 私は、一貫して同じことを私自身は考えております。
 すなわち、金とか汗とか血とかいうことを比較的わかりやすく、あのときも議論になりましたが、そういうわかりやすい形で表現をいたしておるのであって、金はやっぱり出さなければならないときは出すべきである、汗もそうである。その場合、血といいますのは、例えば多国籍軍が湾岸戦争のときに活躍をいたしたわけですけれども、これに参加をするというようなことはやはり海外における武力行使ということに極めて接近をする、あるいはそのものになるかもしれないということがございますから、多国籍軍に参加をするということは私はやはり適当なことでない。当時から賛成でありません。今日も賛成でありません。
 しかし、国連軍の平和維持活動に参加をするということは、海外における武力行使とは全く無関係の、主権による武力行使ではありませんので、その点は私は別の問題として考えなければならない、こういうのが当時からの考えでございます。
#11
○小林正君 そうしますと、多国籍軍型には参加をしないが、国連PKO型であれば血を流す可能性を覚悟して参加する、こういうことですか。
#12
○国務大臣(宮澤喜一君) 多国籍軍というのは、目的は、ともあれ戦争をするのが目的でございます。サダム・フセインを撃退するのが目的であった。国連の平和維持活動というのは戦争をしないのが目的である。発砲するようになれば、それはそれ自身が交戦当事者になってしまうと言っておられるのはそのとおりでございますから、平和維持活動というのは戦争をしない、むしろ戦争をやめて後、平和を回復するというのが目的でございますので、意味合いが全く違っておるというふうに私は当時から考えております。
#13
○小林正君 いや、ですから多国籍軍型に参加をする場合にそのような可能性を覚悟して行動することはしないが、PKO型であれば血を流す可能性を覚悟して行動する、このようにお考えだというふうに考えていいですか。
#14
○国務大臣(宮澤喜一君) 本来、国連の平和維持活動というものは弾を撃つようになってはこれは失敗なのであって、そういう状況になれば撤退もしなければならないという、過去にもそういう歴史はしばしばございますから、鉄砲を撃つ、人を殺すのが国連の平和維持行動の目的ではない。それに反して多国籍軍は、目的はようございましたでしょうが、やはりこれは戦争するのが目的でございますから、二つの間の意味は全く違っておる。
 さらに申しますなら、そのような国連の平和維持活動といえども過去においてこのために命を落とした人がいる、そういうことを私は知らないわけではございません。しかし、そもそもこの活動そのものは平和を維持する、回復するためのものであって、多国籍軍のように、侵略を阻止することではあっても人命を損なう、人を殺すということが目的ではない。そこがもう根本的に私は二つのことは違うというふうに考えております。
#15
○小林正君 仮にこの法案が通って、派遣される自衛隊員がどういう覚悟をして行くのかということをこの首相の著書に照らして考えれば、汗を流しに行きなさいよといって派遣するんですか、それとも血を流す覚悟で行っていらっしゃいということになりますか。
#16
○国務大臣(宮澤喜一君) そんな簡単な言葉では私はいけないと思いますけれども、平和維持のために大事な仕事だから、御苦労はあるだろうけれども、よろしくお願いしますと申します。
#17
○小林正君 自衛隊員とか自衛隊員の家族の皆さんのインタビューもテレビなんかで拝見をしました。ごらんになっていると思うんですけれども、非常に危険だということを家族はすごく心配しておられます。隊員も命令でなければ行きたくないということを端的に言っているわけですね。そういう人たちに対して、汗を流せばいいんで、血なんか流すことは全く予想されないというふうに言って派遣されますか。防衛庁長官、いかがでしょう。
#18
○国務大臣(宮下創平君) 私も今委員の御指摘のテレビをちょこっと拝見をいたしました。自衛隊員の家族としてそういう考え方を抱くのは心情としてよくわかります。
 しかし本任務は、御議論のございましたように、血を流すために行くわけではございませんで、血を流すような状況を避けつつ平和の貢献をしていこうというのが本法案の目的でございますから、私どもは、自衛隊員に行っていただく際にはよくよくこの法案の仕組み、任務、そして現地における行動、つまり中断とかあるいは撤収ということは通常の専守防衛の軍事行動であればこれはほとんど考えられないことでございますけれども、この法案はそういう画然とした国内における作戦行動に従事する部隊と全く違う任務であることをよく了知させて派遣をしたい、安全の上にも安全に教育をして、そして派遣をしたいというつもりでございます。
#19
○小林正君 結局、私がしつこく聞いているのは、この問題は国民が汗を流すところまではいいよというのが大方の国民の合意形成だろうというふうに思うわけです。したがって、血を流す覚悟にまで踏み込んだ場合に、さまざまに意見が分かれているわけですからそこをどうするかというのは、やはり世論の動向に対してどう対応するかという政治家の任務じゃないかと思うんです。
 自衛隊の幹部の皆さんが隊員の皆さんに、カンボジアへ派遣するときに、全く血を流すことはない、血を流す覚悟はしなくていいという事前の指導をされるのかどうかと言えば、万が一の危険も覚悟して行くということを申されると思うんです。そのことは、結局今まで言ってきた、多国籍軍への参加へ向けて血を流すことはしないと言ったけれども、PKO活動についてはそうしたこともあり得るんだというふうに、総理のお考えが具体的に派遣される立場に立って考えた場合変わったのかというふうに言わざるを得ない。その点はそのとおりだとおっしゃらないんだとすればこれは議論がそこまでですから、私はその点を指摘しておきたい、こういうふうに思います。
 それからもう一つの問題としては、デモクラシーの完成度を高めていく上での課題としてはやはり意思決定のプロセスというものが尊重されなければならない。これに最大の配慮が払われないと議会制民主主義というのは形骸化、空洞化していくわけです。そういう意味で、そのことを何よりも大切にしなければならないと思うんです。
 自衛隊の問題について申し上げますと、朝鮮動乱、警察予備隊から保安隊、自衛隊といって変わってきて今日に至った経緯というものを考えてみますと、言ってみれば、なし崩し的に自衛隊の拡大強化が図られてきた。そして加えて、極めて対外的な国際情勢の進展に伴って機会主義的に便乗的にその拡大強化をしてきた。それが今日までの自衛隊の歴史だろうというふうに思います。その中で、憲法が定めております前文並びに九条がいっているところの精神と自衛隊というものが、だれの目に見ても明らかなように大変矛盾してきているというのが今日の実態。それを乗り切るために何を使ってきたのかといいますと、政府はいわゆる解釈改憲という手を使ってこの間やってきたわけです。
 しかし、ドイツと日本の場合を比較してみますと、ドイツは既に三十六回基本法の改正を行っている。手続の違いが日本との間にありますから、そういう問題も考慮に入れる必要はあると思いますけれども、基本的に法治国家として諸法の淵源と言われる憲法に手をつけるということについて、この憲法なり基本法がスタートした時点での情勢、条件というものと今日との違い、これをどう整合させるかということの中からさまざまな努力がされて法治主義の原則を貫いてきた、これがドイツの状況だというふうに思うんですね。
 そして日本の場合は、そういう意味で言うと解釈改憲という方向がとられた。ドイツでも解釈故意という手法についてさまざまな論議がこの間されてきているわけですけれども、なぜその手法をとらなかったのかといえば、解釈改憲には歯どめがないということです。つまり、拡大解釈に拡大解釈を続けていけば憲法とは似て非なるものがどんどん出てきて、憲法それ自体が空洞化してしまう、そのことが法治主義の根本を揺るがすことになりかねないということで、解釈故意というものについてはこの手法をとらないというのがドイツがこの間三十六回も大変な手だて、論議を尽くしてやってきた経過であります。そして、そのことについて日本の場合はどうであるかと言えば、今言ったようなことで今日まで来ております。
 そのことが何なのかというと、この間の議論の中で画民党の皆さんから、そんなことを言ったって自衛隊容認が出始めているじゃないかと、こういう御意見になって出てきます。つまり、既成事実の強制力によって認知せざるを得ないというようにだんだんなってきているということなんですね。つまり、既成事実が持つ強制力がそういう認識を強要しているわけです。このやり方が一番民主主義にとってはいけない点じゃないでしょうか。
 そういうことを含めまして、意思決定のプロセスの問題を首相がどのようにお考えなのか、伺っておきます。
#20
○国務大臣(宮澤喜一君) 私どもは、自衛隊というものを憲法違反だと考えたことはありません。既成事実によってだんだんそういうふうにせざるを得ない云々とおっしゃったのは私どものことではございません。そんなことは、私ども初めから合憲だと思ってやってまいっております。
 解釈改憲ということは、私自身は余り賛成ではありません。おっしゃいますように、これはとめどもなくなる心配がございます。私どもは、したがってそういうふうに今まで考えてきておりませんで、この国連の平和維持活動に参画することは憲法九条にいういわゆる「武力の行使」だと先ほど申しましたような理由で考えたことはございませんし、また憲法九条が自衛のために我々が自分の身を守るということも禁じていない。当初からそう考えておりますので、そこで憲法の通用を解釈によって変えたというようなことは私どもはしていないと思います。
#21
○小林正君 警察予備隊から保安隊、自衛隊とこうなる過程の中で、戦力なき軍隊論から、白い馬は馬でないような論法でさまざま論議が積み上がって今日があることは事実です。そして、憲法学者四百人の中で九〇%が自衛隊の問題についてこれを違憲だと、そして海外に派遣することについてはしたがってノーという見解を示されているわけです。
 私たちは、政治家は当然のこととして、憲法の規定にありますようにこれを遵守する義務が当然あるわけでありますから、その枠の中で政策展開をやっていかなければまさに日本の政治は無原則ということになりかねない。そういうことについてのやはり節度というものをきちっと持った形で対応すべきだろう、このように考えているわけであります。
 次に、この法案を審議していく過程でいろんな議論がされました。社会党も対案を出して論議が非常に立体的になって、国会そのものがディベートが足りないといわれていた部分について論議が展開されるということはいい傾向だろうというふうに思っておりますけれども、その中で幾つか問題があるというふうに思いますので、このことについても御指摘をし、御意見を承っておきたいというふうに思います。
 一つは、日の丸・君が代論争が行われました。このことについて、湾岸戦争のときにもアラビア半島に象徴的に日の丸を立てることが必要なんだということが指摘をされ、今日インドシナ半島に二十一本日の日の丸の問題が出てまいりました。多国籍軍とかあるいはPKOというのは、そういうオリンピックのような国威発揚の場として国旗をお互いに競って立て合うことが課題なのではなくて、国連の旗のもとに結集をして、そして共同の作業を分担し合おうという連帯感からつくられているものだろうというふうに思うんですけれども、これが日の丸・君が代論争という形で提起された背景というものを考えますと、ちょっと危惧をせざるを得ないなという気がしているわけです。
 実は、平成四年、ことしの三月十日の文教委員会で、先日亡くなられた今泉隆雄氏、いずみたくさんが、芸術家の自由と良心の立場からこの問題について発言をされているわけであります。
 君が代は大体イギリス人のフェントンという人
 が薩摩琵琶の「蓬莱山」という曲に似せて作曲し
 て、その後ドイツ人のエッケルトという人と日
 本人の林広守という人が雅楽風につくり直しま
 した。そして、これは何のためにつくられたか
 というと儀礼用、儀礼曲として海軍のためにつ
 くった的なんですね。「君が代は ちよにやち
 よに さざれいしの 巌となりて こけのむす
 まで うごきなぐ 常盤がきはに かぎりもあ
 らし」という長い歌詞なんですけれども、どう
 いうわけか「こけのむすまで」で勝手にちょん切
 られています。
  明治二十一年ごろから歌われ出したらしいん
 ですけれども、海軍の歌のために陸軍では長い
 間歌われなかったという事実がありますし、こ
 の歌は憲法として認められていないし、法律や
 勅令も何にもありません。おかしなことに、国
 会図書館に行きましたら、国会図書館には君が
 代の譜面がないんですね。国歌と言われながら
 譜面がないという妙な事実があります。
こういうふうに指摘をされておるんですね。そして、
 日の丸はもともとは豊臣秀吉とか徳川家康のこ
 ろの御朱印船が使った船印なんです。その後、
 薩摩藩が使い始めて、今の沖縄、昔の琉球に侵
 略したときに旭の丸、日の丸でなくて旭の丸と
 呼ばれて使われたということがあります。そし
 て、昭和六年に帝国国旗法案が提出されました
 が、そのときに貴族院で廃案になりました。そ
 ういう事実もあります。と指摘をされております。
 さらに、この問題については「もっと自由に考えるべきであって、これを強制したり義務づけるのは余りよくない」と思う、「そうするならば、国民投票をして賛成、反対をはっきりさせた上で憲法にはっきり明記するようにすべきだと思う」と、このように指摘をされているわけです。
 既に亡くなられた方の文を引用して大変恐縮ではございますけれども、そうした故人の思いというものがこの間の日の丸・君が代論争の中に込められている。そのことを御理解いただきたいと思いますし、(「そんなことは押しつけるもんじゃないよ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)全く押しつけるべき問題ではないんです。したがって、そういうことを申し上げているわけです。そういう日の丸の問題がございました。
 フランスの第五共和政憲法にはきちんとフランスの国歌が「ラ・マルセイエーズ」で、フランスの国旗は三色旗で、スローガンは自由・平等・博愛だということを明確に書いてあります。そして、それが国民統合の象徴としてフランス人に受け入れられています。しかし最近、ことしのアルベールビルのオリンピックでフランスの国歌が演奏されましたけれども、その歌詞が余りにも革命の歌そのものでありますから、市民革命の雰囲気そのままに伝わってくるんで今日に合わないから、歌詞をどうするかというのが議論になっているという報道もされているわけで、そのくらい自由に、これらの問題についてはさまざまな意見で国民みんなに愛されるものにしていく努力というのがやはり必要だというふうに思うわけであります。
 ところが、現在指導要領の中にこれが位置づけられて、結果としてそのことに従わなければ処分されるというような状況まで今日あるわけで、逆に言いますと、日の丸をもってこれを踏み絵にしているという面があるわけです。そのことは一体これからどういう影響を国民に与えていくかというと、日の丸や君が代を愛さない人間は非国民だと、それ以外の人間が国民でというふうに分けていく、かつての忌まわしい思いとつながっていくということを指摘せざるを得ないわけであります。
 そういう意味で、私は、PKOの問題との絡みの中で日の丸が出てくる雰囲気そのものについて、総理としてどのようにお考えなのか、伺っておきたいと思います。
#22
○国務大臣(宮澤喜一君) 今、最後のところのPKO法案と圧の丸が出てくる雰囲気と言われましたけれども、この法案そのものは別に日の丸が出てくるというようなことはありません。
#23
○小林正君 前段申し上げましたように、インドシナ半島、カンボジアに日の丸を立てるということがさんざん言われているわけです。それから湾岸戦争のときには、アラビア半島に日の丸がないということが肩身が狭い、象徴的な意味で日の丸を立てるという話があったわけでしょう。それは元幹事長の発言です。そのことについてお伺いしているわけです。
#24
○国務大臣(宮澤喜一君) 今、カンボジアのプノンペンに二十何本の旗が立っていて日の丸がないのは云々というのは、そういう御議論を私は委員会のこの法案をめぐっての御審議を通じて伺いました。伺いましたが、政府はそのことを大変に、ですから残念に思うというようなことを申し上げたことは、政府としてはございません。
 御発言になった方は、日の丸の持っているカリスマ的意味というようなことではなくて、二十幾つの国がみんな一生懸命やっている、日本もしないと肩身が狭いじゃいけないかもしれませんが、やっぱり日本もすべきじゃないかなということをわかりやすくそういう表現をされたのであろうと私は受け取っております。
#25
○小林正君 そのように受け取る受け取り方というのは、個人の問題になってしまえばそれきりということですけれども、この法案との絡みの中でそうした議論がされているというその背景ですね、その流れというものについては敏感にならざるを得ないということを言っているわけでございます。
 それからもう一つは、日教組が長年にわたって掲げてきた「教え子を再び戦場に送るな」というスローガンをめぐってこれが自民党の委員の方々から、(「けしからぬ」と呼ぶ者あり)けしからぬというのが今ありましたけれども、情緒的かつロマンチックだと、今の国際情勢からしてそれはどうなんだという御指摘でございました。
 首相の著書の中に実はそのことに触れた部分がありますね。「反戦平和をとなえる日教組が国民にあたえた影響も大きかった」ということを述べておられますが、平和のためにはどんな犠牲を払ってもいいのかという「ピース・アット・エニィ・プライス」というあの章の中で述べておられるわけですね。私は、国民に与えた影響が大きかったそのことが、その言葉との関係でいった場合に、日教組を評価しているのか、マイナスに考えているのか、(「マイナスだよ、評価なんてとんでもない」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)ということなんですね。だから、自民党の反応はこういう反応をしているわけです。
 実は、この首相の著書を通して私も考えたわけですけれども、教え子を戦場に送るなという意味はどういうところから出てきたのかという、そのことを一つの詩を通して皆さんに御理解いただきたいと思うんです。
 それは「戦死せる教え児よ」という昭和五十二年の一月に高知県教組の「るねさんす」という機関紙に載った竹村源治さんという方の詩であります。
 近いて還らぬ教え児よ
 私の手は血まみれだ
 君を繕ったその綱の
 端を私は持っていた
 しかも人の子の師の名において
 鳴呼!
 「お互にだまされていた」の言訳がなんでできよ
 う
 漸悦、悔恨、繊悔を重ねても
 それがなんの償いになろう
 逝った君はもう還らない
 今ぞ私は
 汚濁の手をすすぎ
 涙をはらって君の墓標に誓う
 「繰り返さぬぞ絶対に!」
こういう詩であります。「教え子を再び戦場に送るな」というスローガンができたのは、実は第三次世界大戦の危機が叫ばれた朝鮮動乱のさなかであります。そういうときに、いわゆる平和運動としてこの間そうした取り組みをする一つの指標として、合い言葉としてこ
のことを使ってきたわけで、今後も引き続き、戦争に対する力による正義の実現ということではなくて、あくまで平和という視点に立ってどう世界の中で一定の役割を果たすのかという誓いの言葉としてこれがあるんだということをぜひ御理解いただきたいと思うんです。
 そういう意味で、このスローガンが批判されるような風潮というものの中でPKO論議がされるということは、これもやはり私は大変強い懸念を抱かざるを得ないわけであります。このことについて、御自分でお書きになった文章との関係で、どうお考えでしょうか。
#26
○国務大臣(宮澤喜一君) 大変大事な問題でございますので、お話を承りながら、それに沿ってお答えをいたしますが、今このPKOの法案との関係で教え子を戦場に送るなという反対が起こっていることは、私は、ある意味でその事実の正確な認識を全く欠いておる、ひょっとして反対論の威勢をつけるための表現ではないかというふうに思っています。と申しますのは、戦場に送るなという意味は、多分人殺しのために出かけるなという意味であろうと思いますけれども、PKOの活動というのは、かつて戦場にあったところを再び戦場にしないために平和をつくり上げるということでございますから、そういう意味で、戦場に送るということは私は適当でないと思います。
 それから次に、教え子をという意味に含まれているものは、私は徴兵制という頭で物を言っておられるんではないかと思います。我が国は徴兵制はございませんから、どういうふうな法律によっても、だれもどこへ送るということはできません。本人の自由な意思でない限りそういうことはできない。これは今の憲法で明らかと思います。
 それからもう一つ、最後に言われましたその「ピース・アット・エニィ・プライス」と申しました意味は、いわゆる平和というものが非常に大事なものである、私はそれに異存はございません。しかし、平和が至上であるというふうに言った場合に、もちろん平和と称して人の国へ乗り込むことはこれは許されませんけれども、本当に我々が侵略されて我々の自由が奪われそうになったときにも、なお平和が至上なんですかということはやっぱり問われなければならない。自衛権というものは私はあるというふうに考えておるわけでございます。
#27
○小林正君 この問題については、総理の今言われた言葉と反戦平和の運動を進めてきたこととの関係で言えば、私は非常に誇りに思っているんです。
 と申しますのは、朝鮮動乱があり、アジアではベトナム戦争もあったわけで、そういう中で日本は後方基地として一定の役割を果たさざるを得なかったことは事実でありますけれども、直接的にベトナムで血を流すことはなかったわけであります。そのことが今日、カンボジア和平についてPKOの問題を含んで期待が高まっているということにつながっているわけで、あのときにもベトナムヘ向けでのさまざまな圧力があったことは事実なんですね。歴史的な事実でありますから、そのことを耐えてこられたのはそうした国内における民主主義の問題、そして力による正義の実現ではない形での平和の構造というものを考えていた勢力の力が大変大きかったんだろうというふうに思いますし、その中で日教組もまた名誉ある地位を占めてきた、私はこのように考えているわけであります。
 したがって、奴隷の平和も平和なのかという最後のお言葉ですけれども、これは大いに議論する必要があると思うんです。これはリンカーンの言った言葉で、よい戦争と悪い平和はないんだということをリンカーンは言いましたね。そのこととかかわっているわけです。冷戦時代のパックス・ルッソ・アメリカーナと言われるような状況、じゃこれはいい平和なのかという問題とか、今日はパックス・アメリカーナだという言い方もありますけれども、同時にまた国連による平和という言い方も出てきているわけで、そういうような意味でどういう平和を追求するのかという課題はあると思うんですね。
 しかし、その平和を実現するために日本がどういう役割を果たすのかという問題が国民的には議論が分かれている問題でもあるわけですから、そこはきちっと見据えていく必要があるだろうというふうに思っているわけであります。
 次に、国際社会におけるもう一つの背景なんですけれども、日本の役割に関する特別調査会、いわゆる小沢調査会と呼ばれるものがこの二月に答申原案をお出しになったということでマスコミが大きく取り上げましたのは、日本の憲法には目的はあるけれども方法論がないじゃないかということから能動的平和論という形でこれが問題提起をされて、この中で特に着目されたのが、集団的自衛権を国際的安全保障という概念で置きかえることによって合憲であるという立場から、積極的に多国籍軍型にも参加できるんだというような提起をされてまいりました。
 そして、以降の論議の経過からしますと、このPKOの法案が審議をされる過程の中でこの答申案が少しずつ変わってきているわけですね。それは自衛隊の参加について正規の国連軍に限定する、こういうことからやがて多国籍軍への参加を撤回する。そして最近は、国連待機軍に参加するんだ、こういうふうに変わってきているというふうに思うんですけれども、この問題について、この答申が目指している方向でこの法案というものがそのスタート台になっているんじゃないかということを私たちは危惧しているわけであります。
 この小沢調査会というのは私的なものじゃなくて、党の正式な機関でもあります。そういう立場から、この答申案の位置づけと、これをどういうふうに受けとめられておられるのか、総理の御見解を承りたいと思います。
#28
○国務大臣(宮澤喜一君) このような調査会が設けられましていろいろな議論が自由に行われることは、私は結構なことだというふうに基本的に考えておるわけでございますけれども、今小林委員が言われましたように、この調査会の答申というものは、おっしゃいましたように、出ていないわけでございます。
 現に党内においていろいろな御議論があって、今ちょっとおっしゃいました、それもだんだん方向が変わってきたらしいなということは私も報道では読みましたんですけれども、自分が議論に直接参画しておりませんし、記録も公表されておりません。また、いわんや答申として出てきておりませんので、その辺のことはいわば何というか、報道も憶測であったのかもしれませんが、いずれにしても、こういう御議論があることは、いろいろな御議論をしていただきたい。しかし、それはそれであって、政府はいわば、先ほどから私が申し述べておりますような憲法の決して改憲解釈というようなことをいたさずに、憲法そのものの許すこと、許さないことをわきまえましてこの法案を御提案しているところでございます。
#29
○小林正君 小沢調査会というのは、申し上げましたように党の正式な機関。政府・与党は一体化している。そして、その党の中で具体的に今後の国際貢献について問題提起をし、これほど日本の社会の中で新たな切り口を持った問題提起として、内容の評価は別ですけれども、問題提起の仕方としてはかなり評価が高いわけですね。したがって、これを具体的にこれからどう論議をしていくのかというのは非常に大きな問題だろうというふうに思っているわけです。
 しかし結果として、くぐって言えば何だったのかというと、これは集団的自衛権を国際安全保障という概念に置きかえて合憲化したという、言ってみれば解釈改憲そのものなんですね。その域を一歩も出てない。したがって、多くの評者は何と言っているかというと、これについては、やはりここまで踏み込むんであればなぜ改憲の提起をしないのかということを言っておられるわけです。そしてまた、私は総理の著書にこだわって申しわけないんですけれども、国連常設軍という問題提起されていますよね。それと、この考え方との関
係はどういうふうにとらえておられるのか、伺っておきましょうか。
#30
○国務大臣(宮澤喜一君) 再度申し上げますけれども、小沢調査会の考え方というものが答申になっていないものですから、絶えずいろんな議論が恐らくあって、それが小林さんがおっしゃいましたように少しやっぱり変わってきたのかなというようなことも報道されていたりして、そこは結論が出ていないのだと思います。
 私がいわゆる国連常設軍と言いましたのは、あるいつかの将来において、国際公務員としてのどんなに小さくてもいいから国連が一つ自分のそういうものを持つ。これはしかし、国連憲章の第七章にも漠然とはそういうことが書いてあるようであって、実は特別協定とかいうこともはっきりしておりませんし、かつて具体的な問題として提起されたことがないものですから、私の申しましたのは将来ある時期に本当に国連が機能するようになって、そういうものができたときは、それは国際公務員であるのであろうなということを申したのでございますけれども、小沢さんの中で国連常設軍ということを言っておられるのかよく存じません。よく存じませんが、私の申しました意味は、そういう将来における一つの理想形というものを考えておくことは無意味じゃないではないかということを言おうとしておるわけでございます。
#31
○小林正君 先ほど私指摘しましたのは、解釈故意ではないのか、そしてここまで踏み込むのならなぜ憲法改正を提起しないのかという指摘があるわけですね。それと、今おっしゃった国連常設軍、もう既に冷戦構造が崩壊して、そして国連が機能を回復して、憲章七章での国連軍の問題というのが全体としてどういう位置づけに今後なるかわかりませんけれども、そうした可能性も出てきたということも言われているわけです。
 小沢調査会で言っておりますこの答申の原案ですか、そのところまで踏み込んだ場合であったときに、総理としては、あるいはまた常設軍という構想の段階では憲法は改正する必要がありますか、ありませんか。
#32
○国務大臣(宮澤喜一君) その小沢調査会がここまで踏み込んでとおっしゃったことなんですけれども、何か最初そういう議論が非常にあって、しかしいろいろ議論をしていくとなかなかやっぱりそう簡単ではないというようなことで、中でいろいろ試行錯誤といいますか、いろんな議論が行われているのだろうと私は思いますので、ここまで何かに踏み込んだという印象を私は今持っておりませんし、またそういう答申が出てきたわけでもございません。
 国連常設軍というものは、したがって存在をしないものでございますから、これが違憲か合憲かということは、それ自身ではなかなか議論ができない。現実にある、あるいはあろうとしているものについてならできますけれども。
 いずれにいたしましても、我が国が海外で武力行使をすることは、これは憲法九条が許していないというふうに、これが一番原則に返っての考えでよろしいんだと思います。
#33
○小林正君 これからの問題として、ドイツが進めております基本法の見直し問題等の絡みの中で言えば、解釈改憲が一層拡大されている今日の状況というものを踏まえて今後どうするのかということが、やはり諸法の淵源としての憲法の果たす役割と存在、そして日本人が日本の憲法を大切にする以外に、諸外国にそのことをお願いするわけにいかないわけですから、何よりもかけがえのないものとして大切にしていこうというのは日本人自身なわけで、そのことから考えた場合に、憲法をないがしろにする風潮が最近非常にふえてきているということはマスコミも指摘をしているわけであります。そのことについて、やはり政治がどうこれについて対応していくのかということが極めて問われているだろうというふうに思うわけであります。
 それから、この法案をめぐってもう一つの背景として東京宣言の問題があると思うんです。私、予算委員会の中でもたびたび総理に御質問申してまいりましたけれども、東京宣言で言っているいわゆるグローバルパートナーシップというような言い方、そのことと今回の法案、そして現行の安保条約、この三つの関係の中でとらえた場合に、日米安保条約というものが今後世界安保に変質をするんじゃないかという指摘をされる方もまた大変多いわけであります。
 私は、特にこの間の議論の中で、いろんな国民世論がこれだけ大きく分かれているにもかかわらず、カンボジアへ自衛隊を組織として派遣することをずっと一貫していろんな指摘があるにもかかわらずそのことを貫こうとし、別組織論でスタートした三党合意についても、ついにそういう形で変質をさせられてきている。
 このことを考えてみますと、何としても今回はカンボジアに自衛隊を派遣して実績をつくること、そしてそのことを通して、今後の課題としての安保条約の問題にまで発展するであろう課題にスタート台としての役割を果たさせようとしているんじゃないのかという気がしてならないわけで、この法案の審議の中で幾つかの要素がありますけれども、小沢調査会もそうですし、この東京宣言が発せられたことの意味と今後の対応というものを、この三つの課題、つまり東京宣言と安保条約と法案と、この三つをセットにして考えた場合に、今後予測される事態としてそうした懸念が指摘をされているわけでありますから、そのことについて首相としてどのようにお考えなのか、改めてお伺いしておきたいと思います。
#34
○国務大臣(宮下創平君) あるいは総理がお答えするのが適当かと存じますけれども、いろいろ自衛隊の派遣に関することでございますので私から答弁させていただきますが、御承知のように、安保条約は我が国の防衛、それから我が国をめぐる周辺の極東の安全と平和の確保のために必要最小限度の自衛力の保有と同時に、セットでこれが非常に重要な意味を今日まで持ち続けてきております。
 私は、今後も、理想社会が実現すればともかくとして、現実に私ども政治はやっぱり現実と理想のはざまの間で選択をするということになろうかと存じます。私は、これからも日米安保条約の重要性というのは決して今までに劣るものではないというように感じております。
 そこで、東京宣言におきまして、グローバルパートナーシップということが改めて、こういう冷戦構造の解消後におきましても、二国間でその意味が再確認されたということは非常に大きな私は意義を持っていると存じます。
 一方、PKOのこの法案は、日米安保条約とかそういうこととは非常に密接な関係がないわけではございませんけれども、一応切り離して考えていただきたいと存じますが、これはPKO、国連の平和維持活動についての我が国の貢献のあり方が問われているわけでございまして、これは湾岸戦争を契機にいたしまして、先ほど総理からも御答弁申し上げましたように、お金だけではだめだ、やっぱり人的な貢献も必要だという視点から、我が国の憲法に違反しない範囲における国際的貢献を模索したものでございまして、決して九条と私ども矛盾するものとは思いません。
 そしてまた同時に、さっき日米安保が世界安保論に発展するのではないかという御指摘でございますが、私はやはりそういう事態が仮にあるとすれば、それは国連憲章にいう国連軍の創設等々、第七章の規定が有効に働いて、各国が軍事主権をある程度制限して、あるいは移譲するというような状態になった場合はまさにそういうことになろうかと存じますが、当面私はそういうことはないんじゃないかなという感じを持っております。
 したがいまして、それぞれ三者の関係いかんということでございますけれども、今申しましたようなそれぞれの関係にあるというように思いまして、私はやっぱり安保条約の重要性、それから日米間のグローバルパートナーシップは今後といえども我が国外交の基軸をなすものと、そしてそれが我が国の国益に合致するばかりかアメリカの国益にも合致すると。それから、PKOは国際的な、湾岸戦争を契機として、人的な貢献を積極的に日本として憲法九条の枠内において果たそうとするものと、こう位置づけを私はとっておるところでございます。
#35
○国務大臣(宮澤喜一君) そうしますと、私は最後の部分をお答えすればいいことになるわけですけれども、いわゆる東京宣言とか日米安保条約というものとカンボジアにおける国連の平和維持活動というものは、カンボジアにはソ連も出した。つまり、アメリカのそういう世界戦略といいますかグローバルパートナーシップということからいえば、カンボジアの平和維持活動には中国も参加をいたしましたし、ソ連もたしか参加をするということで、これはアメリカ自身のグローバルなパートナーシップという観念と私は関係のないことであって、世界の一つの国として国連のそういう活動にたくさんの国がイデオロギーに関係なく貢献をしている。日本もまたその一国でありたい、こういうことだと思っております。
#36
○小林正君 東京宣言、この法案、そして安保条約という三つの関係が今後どう連動し発展するかという問題については、これはやっぱり今の、それぞれがそれぞれのというお話がありますけれども、これは結局日本にとっては一つなんですよね、日本の国際政治の中での具体的な展開ということになりますと。ですから、そういう意味で相当な関連が出てまいりますし、そういう意味で思わぬ方向にこれが発展をするという危惧が指摘をされているんだ、こういうことから出てきているということを申し上げておきたいと思うんです。
 どうもやっぱりカンボジア問題の解決については、結局はカンボジア問題がなぜ起きてきたのかというと、これは東西冷戦構造の所産だということはもう明確な事実だと思うんですね。そういう結果から今日こうした事態が生じてきたのをその東西思考で解決ができるかといえば、今度は新たなテーマとしていわゆる南北思考と言われる共存共生という立場に立っての問題解決ということがカンボジア問題に対する正しい答えを導く上で大事なんじゃないかということも指摘をされているわけです。
 そういう意味で、社会党はこの問題については非軍事、文民、民生という立場からこれへのアプローチを対案として示してきているわけで、そのことについて野田発議者から一言お願いしたいと思います。
#37
○委員以外の議員(野田哲君) 私どもといたしましては、この席で何回も申し上げましたが、日本国憲法の理念に立って、そしてまたアジア各国の、政府側だけのことではなくて、国民的な感情等も踏まえ、そしてまた本院の決議、こういうことを踏まえてPKOの問題、特に当面するカンボジアの問題については非軍事、民生、文民、この三つの原則に立ってできる限りの協力をしていく、そのことが最善の方途だと、こういうふうに考えて対案を提出しているわけでございます。
#38
○小林正君 法案の背景については幾つかの点で、国民にこの法案に対する評価、判断を求める上での一つの視点として幾つか指摘をしたわけでありますが、次にもう一つの問題として、別組織ということがこの経過の中で一昨年から言われてまいっております。このことについてお伺いをしたいと思うんです。
 野田発議者にお願いをしたいと思いますが、私はいわゆる別組織問題というのはある意味では国民的合意形成の上での一つのキーワードになるのではないかというふうに思っていたわけであります。対案を提示しているお立場から、九〇年の十一月八日のいわゆる三党合意、これが憲法の平和原則を堅持し、自衛隊とは別組織とするという大原則を立てられて今後この問題についての解決を図ろうということでスタートされたわけであります。
 その後の経過をたどってみますと、この間の政府の答弁等では、いろいろやってみた、しかし試行錯誤の末にやっぱり別組織は無理なんだということになって併任で組織ごと派遣することになりました、要約すればこういう御答弁だったというふうに思うわけであります。しかし、それは単にやってみたけれどもちょっと無理だからこの程度に変えてみましたというようなことなのかどうかという点なんですね。私にとっては、これは極めて重大な政策の転換であって、ちょっとした手直しといったようなたぐいのものじゃないんじゃないのか、こういうふうに思っているわけであります。
 冒頭言いましたように、別組織の問題はPKOと自衛隊という関係をどう考えていくのかという場合のキーワードとしての意味を持っていた、そしてそれは、同時にまた自衛隊の身分の問題と深くかかわった課題でもあったというふうに思うわけです。そういう意味で、連合参議院が別組織ということについて、いわゆる休職・出向ということで三党協議の中に加わって、この間お取り組みをされたわけでありますけれども、最終的には合意には至らなかったということで考えますと、別組織についての政府側のガードというのは極めてかたいんだなということを今さらのごとく思い知らされているわけであります。
 対案を示している立場から、このことについて政府から聞くというのもあれですから、ぜひ野田発議者の方からこの間の経緯と問題点について御指摘をいただければというふうに思います。
#39
○委員以外の議員(野田哲君) 小林委員御承知のとおりでありますが、一九九〇年、おととしの十一月八日であったか九日であったか、そのときの国会で国連平和協力法、これが廃案になった、そのことを踏まえて、自民党、公明党、民社党、この三党による合意覚書というのが発表されております。これは、「自衛隊とは別個に、国連の平和維持活動に協力する組織をつくることとする。」と、こういうふうになっています。そして、その翌年の海部総理の施政方針演説、先週、本委員会でもこのことに質疑の中でお触れになっておりますが、海部総理が一月二十五日に施政方針演説の中で、この「自民、公明、民社各党間の合意を尊重して、新たな国際協力のあり方につきこ「成案を得たい」と、こういうふうに政府を代表して方針を述べておられるわけであります。
 そこで、このことについて自民党は、九一年の一月二十九日の党大会の方針の中でこういうふうに述べておられます。国際平和協力法案は、
 審議期間が十分でなく、また国民的合意の形成
 が不十分であったことなどもあって、廃案のや
 むなきに至った。
  しかしながら、この国会審議の過程におい
 て、わが国の国際協力・貢献のあり方を真剣に
 考える機運が国民の間に高まる一方、公明、民
 社両党とわが党の間に合意覚書が取り交わざ
 れ、国際平和協力のための人的協力の方法を確
 立することになったことは、評価できる。
と、こうなっておるわけです。
 そこで、それでは一体、この三党合意の「自衛隊とは別個に、国連の平和維持活動に協力する組織をつくる」という、その「自衛隊とは別個」の中身はどういうものなのか、こういうことについて、無断で引用いたしますが、民社党が公表されているその年の三月二十九日、九一年の三月二十九日の「週刊民社」という刊行物がございます。その中ではこういうふうに述べておられるわけです。
 国連のPKO活動については、まず「三党合意に沿うものであること。」。説明として、「三党合意では「自衛隊とは別個に、国連の平和維持活動に協力する組織」を作ることになっており、自衛隊が部隊として、また現職の自衛隊員が組織に参画することは、自衛隊の別動隊のような形となり、認められない」。そして「新組織の骨格」として、「自衛隊とは別個の組織」として「PKO協力隊」を作る。」、「停戦監視要員として予備自衛官の参加を求める。」。それから、「新組織の規模。構成」については、「隊員は文民と予備自衛官、行政機関職員等とする。」。そして、武器の携行、携帯はしない。こういうふうに民社党は「週刊民社」の中でその三党合意を解説されているわけであります。
 連合参議院の考え方も、自衛隊とは別組織を主張されているわけでありますから、この民社党が解説されているような三党合意の中身であれば、私は今西こういう議論はしていなくて、もう既に合意ができて、自衛隊によらない組織が法制化されているんじゃないか、国民のコンセンサスのキーワードはここにあったのではないか、こういうふうに思うわけであります。
 また、アジアの国々でも、一つ参考のために申し上げておきますと、三党合意の直後、一九九〇年の十一月十四日シンガポールのストレーツ・タイムズが社説で次のように当時の日本のことを論評しております。日本は国際的な紛争の解決に自衛隊を派遣することを慎むという賢い決定をした、こういうふうに評価をしているわけでありますから、この三党合意が本当に文字どおりの自衛隊ではない組織と、こういう形で提起をされておれば私はそこに国民の合意のキーワードがあったのではないかと、こういうふうに認識をしております。
#40
○小林正君 今の経過に立って考えますと、きょう修正案として提起をされた内容と、公明、民社両党のお考えというものがどういう整合性を持たれるのか。政府は一貫して当初はそういう立場に立たなかったわけですから、自民党としてはそうかなというふうに思いますけれども、その問題をどういうふうにとらえるのか。今後修正案論議の中でやっぱり相当深める必要があるんじゃないか。それが国民が最も知りたがっている合意形成ができるチャンスを失ったという点での最大の課題であろうと、このように思うわけです。
 実はマスコミの報道ですけれども、連合参議院に参議院の自民党が見解を示されたというのが出ているわけです。そしてそれを見ますと、「自衛隊と別組織であることを明確にするなどの連合参議院の」、その前がちょっとありまして、「PKOに参加する自衛隊員を「休職・出向」扱いとし、自衛隊と別組織であることを明確にするなどの連合参議院の再修正要求について、「全面的に受け入れることは困難」としながらも、自民、公明、民社三党を軸とする協議で、法案に三年後の「見直し条項」が新設されれば、組織の見直しも含めて検討・協議する−との見解を示した。」、こういう報道があるんですね。
 そして、その上で、「「別組織」のイメージを高めるためにこ、「平和維持隊(PKF)派遣が凍結された場合、自衛隊員も他の要員と合わせて国際平和協力隊に編成する」、二つ目として「派遣前の研修・訓練は国際平和協力本部で行う」、三番目として「隊員の服装などは」「国連が使用するものに統一する」、こういうことで別組織のイメージを高めて、別組織ということについての要求を満たすという考え方が自民党から示されたということなんですけれども、今御指摘をされた点も含めてこれらの問題についてどのようにお考えでしょうか。
#41
○委員以外の議員(野田哲君) まず、見直し云々という言葉、国会でよく使われる言葉でありますけれども、このことについては私も十八年間この国会におりまして、実にむなしい用語だということの体験を何回もしております。
 それから、そういう点から今回の三党の修正案でございますけれども、一番業務の前半の部分、いわゆる軍事的な部門について、私どもは文民による民生分野の活動をと、こういうことを繰り返しこの席で提案者として説明をしたわけでありますけれども、政府側の主張では、この部門を外したならば、これはもうPKOの活動が変質をしてしまうと、こういう立場を非常に強調をされてきていたわけでございます。
 その部門を削除ではなくて、言葉で言われているのは凍結ということでありますけれども、別の法律で定めるまでは執行しないと、こういう形の扱いをされることは、これは自衛隊を部隊として武装して派遣をするということの本質は変わっていないが、自衛隊を出すことについて、特に軍事部門に出すことについての国民の皆さんの合意がなかなか得られない。そのことに対する私は、これはどう言いますか、安易な道をというか、言葉が悪いがごまかしという表現で言わざるを得ないと思うわけでございまして、これは私どもとしてはそういう内容であるだけに、きょう趣旨説明されたわけでありますから、これは十分な事の本質の解明をし、国民に知ってもらうための審議が必要である、こういうふうに考えております。
#42
○小林正君 この間、別組織等の問題について自公民三党で一昨年十一月にスタートして、試行錯誤の末に政府としては別組織を排除されたその理由は何だったのか、お伺いしたいと思います。
#43
○国務大臣(宮下創平君) 私の方から申し上げますが、経過的な問題で、もしくは詳細、委員の御要望でございますれば室長の方から答弁させていただきますが、今提出されている政府法案におきまして自衛隊別組織論というのはとらないというゆえんのものは、これはたびたび申し上げておりますように、自衛隊を武力行使集団としてこれを活用するものではないということはまず大前提でございます。
 これは、憲法との建前でそういうことになっております。そういうことですが、ただ例えばカンボジアのような場合に、出す場合に自衛隊の平素訓練されている組織とか知識とか経験とか能力とか、こういうものを活用することが例えばカンボジアのような悪条件のもとで任務を遂行し、国際協力するためにはぜひとも必要であろう。
 それから、二番目はやっぱりPKOというのはあくまでも停戦の合意のあった後の後始末でございますが、各国ともこれは軍人をもって充てる平和的な業務でありまして、現地において協調的な作業をするためにも我が国の自衛隊をやっぱり派遣する。平和のためでございますし、憲法九条には私どもは反していないと思っておりますから、そういう建前で出すということ。
 それから、第三番目はやっぱりああいう条件の悪い国々、恐らく一般論としては条件の悪い国が多いと思います。いろいろな意味で、そういうところに出す場合は、それはNGOの活動の問題等いろいろここでも議論されましたけれども、本当に有効な、協調的な活動を組織的にやるためにはやっぱり、私ども自活的能力と言っておりますけれども、隊として一つの、水の問題一つとったって医療の問題一つとったって後方の問題一つとりましても、そういう問題は自己完結型の能力を持っているものを使う方がよかろうということがございます。
 そういったいろいろの点を考えまして、あくまで自衛隊自体を何が何でも出そうということではなしに、平素訓練している能力、それは武力集団としての間接侵略の場合にはもちろん武力行使してこれを撃退するわけでございますが、そういう面に着目しないで、その組織、訓練、知識、繰り返すようですがそういうものを有効に国際貢献に使うことは何ら我が国の平和憲法にも抵触しないし、そしてまたこれからの国連中心の平和協力業務、カンボジアにおいても三十六カ国が現在出ておるわけでございまして、単独で国際貢献遂行の手段として自衛隊を出す。
 そういう場合、それは個別に出しても構わないでしょう。しかし、現実には国連の多数の国の協力関係のもとに組み込まれてやる話でございますから、決して我が国の平和目的に背馳しないものというように考えてこの組織の決定を私はしたものと理解をいたしております。
#44
○小林正君 今指摘をされた点は、訓練され組織化されている集団、これが最も有効に効果的な活躍ができる、こういう理由だということですね。
 ところが、別組織論というのはどういう点から出てきたのかというのは、いわゆる軍隊ではないということが言われました。この間の論議の経過から言うと、自衛隊幹部、OBの皆さんから出てきているのは、自衛隊というのはやはり戦う集団だ、それを戦わないということを行わせる。そして、平和の使徒だという言い方もありましたね、この中で。ということになりますと、北方脅威論で鍛え抜かれた軍隊としての自衛隊ですから、そういう自衛隊を、言ってみれば戦う者、タカですね、鳥に例えれば。そして、平和の使徒だって言うんだからハトだと思うんですけれども、つまりタカをハトに変えて国外に出す、こういうことでしょう。
 つまり、自衛隊のOB、幹部の皆さんが一番懸念しているのは実は……(発言する者多し)いや、首振っているけれども、そういうふうに率直に言っておられるんですよね。つまりタカをハトに変えられると、自衛隊員としてのアイデンティティーを失ってしまう、それが問題なんだということを言っているわけです。恐らく、(「そんなことはない」と呼ぶ者あり)いや、言っているんだからしょうがない。そして、どういうことかといいますと、まずハトに変えるための訓練をしなきゃいけない。撃ち方やめの後に行く者として武器は持っても使わないと言っているわけですから。使えという訓練をしてきたのに使わないということを訓練するわけでしょう。そういうふうに変えていくわけですね。
 そして、行って帰ってきて、原隊に復帰してさて今度とうするかというと、今度はハトをタカにする訓練をしなきゃいけない。そのリハビリテーションに六カ月かかると言っているんですよ。そういう指摘をしておるわけですよ、現実に制服組の皆さんが。(「例えが悪い」と呼ぶ者あり)いや、本当にそう言っているんです。そういうことを言っておられるわけです。
 つまり、自衛隊そのものの機能とか訓練じゃなくて、むしろ思考そのものをハト型に変えることによって出ていくわけですから、それじゃなきゃ僕はPKO活動には十分に機能し得ないと思うんです。その問題があるから別組織というのは、今おっしゃったように集団的に、その訓練云々とおっしゃるけれども、その中身なんですよ。その中身の問題としてもやはり別組織に仕立てていくということがPKOの趣旨に沿う働きをする上では非常に重要なテーマだと思うんです。現場の人たちがそうおっしゃっているんですからね。その問題についてはどう思いますか。
#45
○国務大臣(宮下創平君) 私も率直に言いまして、退職自衛官の高級幹部の方々の一部にそういう意見を述べられている点がございます。これはよく拝見をして、前後関係読んでまいりますと、どうもPKOの今回の本質というものをよく御存じない方が言っておられるのではないかという感じがしてなりません。そして同時に、優秀な幹部でありますから、今までは日本は間接侵略に対して有効に対処するという訓練をこれはやってきております。そのとおりです。
 しかし、頭だけで自衛隊が部隊として行くから同じような次元で、同じディメンションで問題を考えるということは全くこれは、今タカとハトというお言葉、私は適切であるかどうかちょっとわかりませんが、趣意はよくわかります。要するに平和的な機能に従事するわけですから、今までの専守防衛で攻められたときに部隊行動をきちっとやっていくということと次元の全く異なることをやるわけです、これは。
 しかし、先ほど申しましたように民間の人たちを集めても、それを訓練して悪条件のもとで組織化して本当に機能を果たし得るかどうか、果たすとしても物すごい時間を要するんじゃないかというような問題、コストもかかるではないか。
 そういう点で、自衛隊の行かれる諸君は、行く前にはこの平和協力法案の趣旨なり意義なり、そして国際的に持つ意味、我が国が参加する意味を十分に頭にたたき込んでいただいて、発想の転換をしてこの平和協力業務に行くということが大変重要だと私は考えておりますから、今部隊として行動している行動の一部をそのままこちらへ持っていって適用するというようなことは、私の頭の中には少しもございません。これはあくまでも平和的な目的。しかし武器は持っていきますけれども、これはもう二十四条論議でありますように、生命、身体の防護だけはきちっとすべきことは、これはもう人間の自然権的権利といいますか、人道的にもそれは当然のことでございますから、それをここで厳格に書いてある。
 こういうように理解しておりますから、必ずしも先生、OBの方が言っているから全部そうなるんだという見解は当たらないということをはっきり申し上げさせていただきます。
#46
○小林正君 長官が後段におっしゃったようなこと、それはやっぱり戦う軍隊からPKO活動の精神に沿うものに隊員訓練すると、それは非常に重要なことだと思うんです。それが具体的にはタカをハトに変える作業だというふうに思いますし、そうした場合にやはりイメージとして別組織にするんじゃなくて、現実の問題としてそういう平和の使徒としての別組織に仕立てていくということが、文民分野の参加もあるわけですから、全体としてはそういう活動が求められているんじゃないのかということを指摘しているわけです。
 それから、ちょっと視点を変えて、今度、大蔵大臣がお見えになりましたのでお話をしておきたいと思いますのは、実はこれまでの政府答弁の中で別組織イコール第二自衛隊論というのがあったんですね。そして、過日の予算委員会で、一個師団程度の自衛隊の削減問題について宮澤首相が一月時点でおっしゃったことについて、その後の経過の中で言うと、なかなかそうもいかなくなって、結局長官の答弁では、現在の自衛隊の定員、それから実数の実態等から考えてそれはできないということをおっしゃったわけです。これは恐らく、自衛隊法三条の本務、業務遂行のために必要不可欠な人員、装備として位置づいている、それが予算上位置づいて今日があるということだと思うわけです。
 そういう点を考えてみますと、第二自衛隊なら経費がかかって云々という言い方と比べて考えてみますと、自衛隊法三条の目的にかなう人員、装備というものを十分なものとしていつも対応しておくという必要があるわけです。ところが、PKO活動に人員と装備を今度派遣するわけでしょう、これが具体的になりますとね。そうしますと、当然必要不可欠な部分に穴があくわけです。そういうことになります。ということになると、具体的にその部分をどうするのかという問題が当然出てくるわけです。
 PKO活動というのは、今後各地域で展開をされ、日本もそれに向かって積極的な貢献をしようと。そして、これは年度を越えてかなり長期的な対応にならざるを得ないという問題も出てくるわけです。そういうふうになりますと、まず今年度、この法案が仮に通った場合にどういう予算上の問題が一体生じてくるのか、そしてまた次年度以降、その人員と装備の問題の穴埋めをするのかしないのかといったような問題が当然出てくると思うんですけれども、その点について長官はどういうふうにお考えでしょうか。
#47
○国務大臣(宮下創平君) まず、現在の自衛隊の組織、編成、装備、人員等でございますけれども、これは私がたびたび申し上げておりますように、基盤的な防衛力構想のもとに必要最小限度の侵略に対応するものとして整備をしてございます。したがって、今こういう状況のもとで、直ちにこれをブルに活用して我が国を防衛しなければならないというような事態は私は想定をいたしておりません。したがって、その中で自衛隊の任務遂行に支障のない限りこれに貢献するという法の建前になっておりますから、現実に派遣するようになれば、現在の自衛隊員の人員の中で、装備の中で、そして経費の中であとう限り貢献していく、こういうことになろうかと思います。
 他方、この法律では人員については最高限度二千人ということが法定されているわけです。これはただいまの御提案の中でも選挙監視あるいは警察、あるいは行政の補助、そういうことは否定をされておりませんから、この部門がかなり多いと思います。したがって、これは具体的な姿を私ここで申し上げるわけにまいりませんけれども、仮に、よしんば最大限持っていっても、どのくらいかなというようなことを想定した場合に、選挙とかそういうものを逆算してくればわかるわけでございますから、それは半分程度かもしれませんし、あるいはもうちょっと少ないのかもしれませんし、多少多いかもしれません。
 いずれにしても、非常に量的には限定されたものでございますから、今度この法案が成立して、自衛隊が部隊として出動していくということになりますと、派遣するということになりますと、出動ではございません、派遣と厳密に言っておきますが、派遣ということになりますと、私はやっぱり既存の予算の中で原則的には対応していくべきものと、こう思います。
 しかし、現実に派遣いたしまして思わざるいろいろの支出その他もある場合もありましょう。そういう場合は当然これはもう財政法の規定によりまして、自衛隊に任務が与えられて、それを遂行するわけでございますから、予備費使用とか、あるいは補正の機会があれば追加的な措置をするということは十分あり得ることだと思います。
 それから同時に、来年度以降の問題はどうなるかという点でございますけれども、これはもう来年度予算は通常今年度末に決定されます。カンボジアにもし派道をいたしまして、これが来年いっぱいもかなり恒常的に続くだろうというようなことが十分予想される場合は、極力自衛隊の中の経費のやりくりでいろいろやることは当然でございますけれども、追加的なものが必要であれば、これは要求として、事項を立てるか立てないかは別問題として、私は要求して当然だと、このように思っております。
 なお、人員その他が派遣されるからその穴埋めをするとか、装備が向こうへ行っちまうからその穴埋めをするとか、そういう考え方は今のところ持っておりません。これは法の建前からも、自衛隊の任務遂行に支障のない範囲内においてという限定が明確に自衛隊法の今度の改正案、附則でこれが書かれておりますが、そのように明定されておりますから、そういう立法の趣旨に沿って適用してまいりたい、こう思っておるところでございます。
#48
○小林正君 今の話では予算委員会のときの答弁とはかなり違ってきているなという気がするんです。というのは、やはり必要不可欠なものとしてぎりぎりのところでやっているんだから、これをこれ以上削減するのはどうなのかという趣旨の御発言だったと思うんです。そういうことからすると、まあその程度を出すのは何とかなるよと、予算も範囲内でということで、引き続いて来年度にまたがっても何とかなるんですということだとすれば、これはかなりくくって言っていますよ。くぐって言っているけれども、そういうことであるとすればちょっと違うんじゃないかなという気がするわけです。
 そして、予算の問題としてさっきいろいろお話も伺いましたが、結局必要なものについては防衛庁で要求してもらって、それを大蔵省が受けとめて云々と、こういう説明もいただいてはおりますけれども、実際にこれからの問題としてPKOの問題というのはかなり恒常的に、引き続いて今後さまざまな問題が想定をされてくるという立場に立って考えた場合に、その都度主義といいますか、そういう対応でいいのか、それともあらかじめ常にそうした事態を想定して別組織をつくって予算もつけて万全の体制を整えて即応できる体制でいつでも臨んでいく方がいいのか。私はもう後者に決まっていると思っているわけです。
 そういう意味でも、自衛隊をその都度集めて訓練してまた次へということではなくて、やはりきちんとした別組織でいつでもスタンバイの状況にできるようにしておく必要があると思うんです。だから、そういう点で考えてみますと、どうも何か注文があったら何とか間に合わせるように努力するみたいな話ではちょっとまずいんじゃないかという気がするわけです。その点いかがでしょうか。
#49
○国務大臣(宮下創平君) さきの衆議院の予算委員会におきまして私ども防衛論議をやりました際に申し上げた点は、我が国の防衛の全体としてのあり方の議論でございました。したがいまして、私は必要最小限度の侵略に対応すべきものとしての基盤的防衛力構想と、これはぎりぎりのものであるということは確かに申し上げでございます。
 しかし一方、先生の言われるのは、ぎりぎりだと言いながらその一部を割愛できるのは矛盾するのではないかという理論上の問題かと存じますが、実際上は自衛官が定員二十七万人ございます。先ほど申しましたように、せいぜい千名前後あるいは千名も行かないでしょうというようなその運用について、これが有事であればなかなかそうはいかないとは私は思いますよ。しかし、平時であればそのくらいの程度の量的な派遣であれば訓練所要その他多少の影響は受けても、自衛隊の任務遂行が著しく妨げられるということには私はならないと思いますのでそう申し上げておるわけで、決して理論上の数字的な、これだけ必要でそれを割愛するから穴があくというようなものではないということは委員も十分御了知いただけることだと思います。
 それから、PKOの将来像について、国際情勢がこういう情勢でございますから、今後局地的なあるいは宗教的な民族的な紛争が起こり得るという情勢判断をする向きが非常に多いし、私もそう思います。冷戦が解消してもそう思います。しかし、それが直ちにPKOの要請につながってくるかどうか、カンボジア等アジアにおける問題は当面の急務でございますが、これは必ずしも予測はできません。
 したがって、私ども将来課題として自衛隊の中に特殊な知識と経験とか、そういう目的意識とか語学力の問題とか、いろいろ特殊な資質あるいは知識、経験を要しますから、場合によると将来的にはそういうものの編成を自衛隊の中に置いて、それで有効に対応できるような体制を整えることも必要ではなかろうかということは本院でも申し上げておるところでございまして、私どもは基本的にはそう考えております。したがって、自衛隊と別組織がいいというようには考えておりません。
 なお、別組織論についてもう一言だけ申し上げさせていただきますならば、この法案の趣意は国際平和協力本部をあくまでつくることでございまして、これには海上保安庁も、あるいは他の一般公務員の参加その他が行われて、全体としての平和協力業務、そして部隊として自衛隊が参加するのもその一翼を担うという位置づけになっております。自衛隊即この平和協力本部であるというような印象の御議論がございますが、もちろんそんなことを言っているつもりはないとおっしゃられるかもしれませんが、そんなように聞こえますので、その点だけは付言をさせていただきたいと思っております。
#50
○小林正君 大蔵大臣にお伺いしておきたいと思うんですが、PKO活動が年度にまたがって今後とも展開をされるというような状況になった場合の予算上の対応ですね。これらについては恐らく防衛庁の要求に基づいて、あるいは協力本部ということになるんでしょうか、それらの予算上の問題、どういうふうにお考えでしょうか。
#51
○国務大臣(羽田孜君) まず、先ほどお話がございました点につきましては、いわゆる国際平和協力業務、これにつきましては本法律案の成立後の情勢を踏まえながら必要がありますれば実施計画を定めまして海外派遣などを行うことになっておりますから、仮に海外派遣などの平和協力事務などを行う必要が生じた場合には、その具体的な予算措置についてもその時点で適切に対応していくということであります。また、これがそのまま続く場合には、これはまた防衛庁と話し合っていかなきゃならぬことだと思いますけれども、時と場合によっては予備費等で対応するとか、あるいは補正が必要な場合には補正なんかで対応していくということで進めていきたいと思っております。
 なお、装備を補充するということについては私どもにもちょっとあれがあったわけでございますけれども、これは今長官の方からお答えいたしましたように、この法律の六条六項に、「自衛隊の部隊等が行う国際平和協力業務はこ「自衛隊の任務遂行に支障を生じない限度において、実施計画に定めるものとする。」というふうに書かれておるところでございまして、私どももそのようなことで対応できるであろうというふうに思っております。
#52
○小林正君 別組織論として最後に私の見解を申し上げておきたいと思うんですけれども、冷戦構造が終えんして世界の軍縮の方向が今進んでいるわけで、そういう方向性の中でやはり自衛隊の軍縮を進める必要がおると思うんです。そして、そのいわゆる平和の配当、これが国際貢献の場にどう生かされるかということが重要だと。
 その場合に一番大事なのは、やはりPKO活動等を含んで国際貢献ができるようなきちっとした基盤をつくっていくという、そのことへ向けて平和の配当を積み上げていくということが重要ではないかというふうに考えて、きょうの話の基本は、すべて国民的な合意形成をつくる上で一致できるようなものとして別組織を考えた場合には、自衛隊の軍縮とその平和の配当に基づく国際貢献の組織基盤をつくるという視点に立った問題提起として別組織問題というのは受けとめていただきたいということを強くお願いしておきたいと思うわけでございます。
 それで次に、時間もなくなってまいりましたが、いよいよきょう、先ほど修正案の提案がなされて、現在この委員会には政府案と社会党の対案、そして修正案という三つの案がずらっと並んだ、こういう状況になっているわけであります。この修正案の論議については今後展開をされていくわけでありましょう。
 野田発議者の方にお尋ねをしたいというふうに思いますが、修正の大きな眼目になっておりますPKFの凍結という問題については、指揮権をめぐる問題、そしてまた武器使用をめぐっての問題、周辺諸国の懸念、そしてまたこのPKO法案の目的の部分がPKF凍結によってどうなるのかという問題、さらには凍結によって法案の装備等の関係がどうなるのかというようなこと等を考えてみますと、いわゆる凍結という言葉はありますけれども、実質的に凍結にはなっていないんじゃないのかという懸念が指摘をされております。また、そうであればこの意思を貫徹するためには凍結より削除すべきだという指摘も、この間のテレビ討論等の場ででもかなり指摘をされております。
 さらに、自衛隊高官であったOBの皆さんの反発というものも出てきています。安保理サミットの中で国際公約をしてきたはずなのにPKFを除くのは国際的な詐欺だという言い方が月刊誌の中で指摘をされている。これは元責任者たちの座談会ですよ。こういうようなことまで言われているわけです。私たちはその立場には立ちませんけれども、そういうような修正案についての指摘がある。
 そしてもう一つは、事前承認という問題について、国連への指揮権の一元化ではその対象あるいは現地の実態論、つまり前線と後方の区別があるのか、ナマコ状態じゃないかとか、いろんな言い方があるわけですけれども、そういうような問題等との関係で、一体事前承認の対象は何なのかというような問題等、多くの指摘がされているわけです。
 これらの問題が政府案とは別に、三つ並んだわけですから、当然新たな問題提起として、今後国民の前にこの修正案の持つ意味、内容、そして政府案との違い、社会党案との違い、対比等を含んで、この論議を通して国民に明らかにする中で問題解決を図っていかなければならないだろう、こういうふうに思うわけであります。そのためには、本委員会の任務としては、十分審議を尽くして国民の前に問題点を明らかにし、最終的に国民合意を得るというところへいかなければならないだろうというふうに思いますので、そうした視点に立って、発議者としてどのようにお考えか、きょうは修正案の提案者はいませんから、あえて社会党の立場からお伺いをしたいと思います。
#53
○委員以外の議員(野田哲君) まず、きょうの修正案をちょうだいいたしまして一読した段階でございますけれども、一つは、政府案についても言えることなんですけれども、業務のうちで「政令で定める」というレ、これがまだ全然明らかにされていない。それがまた今回は修正の対象になっている。このところは、どうしても本委員会でレのところを明らかにできるような審議をお願いいたしたい、こういうふうに思っているところであります。
 それからもう一つは、私どもが非軍事、民生、文民、こういう立場で対案を提出した。これに対していろいろ自民党の発言者の方からも反論され、それから各委員に対する政府側の答弁でも、今の政府案が最善のものとして提案をしたものであるし、それから業務についても、PKFの分野を除いて法律が決まったときには、これはもうPKFとしては当初の目的から大きく外れることになる、こういう答弁をされているわけでありますし、それがどうして今、修正案が提案をされると自民党席から盛大な拍手が起きるのか、私は実に不可解に思っているわけであります。
 結局、この修正案は、業務の分野で前半の軍事的分野は凍結をするという、その凍結という意味が一般に使われているわけですけれども、法律的には別の法律で定めるまでは実行しない、こうなっているわけでありますが、これは一体どういう場合にこの凍結を解除されることになるのか。あるいはまた、国会審議、出されれば七日間で議決しなければならないというふうなことで、国会の審議をみずから手を縛るようなことを法律の中に書かれている。あるいはまた、軍事的分野を除いた業務に参加をしに行くのになぜ武装して行くのか。そして、軍事的分野でない分野に参加する武装した部隊に対する武器の扱いはだれの指示に従うことになるのか、指揮命令権はどうなのか。こういう点は十分私は審議を尽くさなければ国民はますますわからなくなってくるのではないか、こういうふうに思います。
#54
○小林正君 きょう冒頭に修正案が提案をされて、首相はこの間一貫して政府案は最善のものであるということを今日まで言ってこられたわけでありますが、きょう修正案という形で提起をされてまいりまして、政府案を最善のものと言ってきた立場の首相としてどういう御感想をお持ちなのか、お伺いしておきたいと思います。
#55
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほど提案理由を伺ったばかりでございますので、十分に政府としてこれを検討させていただいてはおりませんけれども、恐らくこの委員会におきまして政府案を御審議されました結果、提案者方におかれてこのような修正がいわばべターである、そういう御判断に至られたものであろう、このように考えておりまして、私どもとして自信を持って政府案を御提案いたしておるわけではありますけれども、立法府の多数の意思において、いや、それよりもこれをもってべターとするという、そういう御判断であれば政府としてはそれはもとより謙虚にそれに従わなければならないと考えております。
#56
○小林正君 今後の修正案審議との絡みで、当然政府案との関係、社会党の対案との関係で修正案というものについてさまざまな論議が展開をされていくであろう、このように考えております。
 次に、今後の日本の国際貢献のあり方について幾つかお尋ねをしておきたいというふうに思います。
 ロンドン大学の教授の森嶋通夫氏が著書の中でこのように言っております。
 敗戦国が戦勝国よりも、国際紛争の処理に関し
 て進歩した哲学をもっているのは、第二次大戦
 後のときだけでなく、第一次大戦後もそうで
 あった。しかし敗戦国にはその哲学を、国際政
 治の舞台で実践する気力がなく、結局は、戦勝
 国の古い哲学の方が現実的なのだと後退して、
 自分たちの進歩した哲学を捨ててしまった。一
 たんこういう事態がくると、敗戦国の人々は、
 遅れを取りもどすために、戦勝国以上のスケー
 ルで古い哲学を実行し始めた。その結果、平和
 愛好国ワイマール・ドイツが急転直下、世界の
 荒武者ナチス・ドイツになったのである。湾岸
 戦争での首相の醜態が、日本をすっかり反動国
 家にしてしまう可能性はある。
こういう指摘をされております。
 このことは、海部首相が、湾岸問題が生じた時点で、要するに首相の言葉をかりれば、金と汗と血の関係について、結局金への対応しかできない。日本の憲法の立場からすれば、日本は湾岸問題についてこうするという心情をまず打ち上げていれば、以後の関係の中でそうした事態はなかったんではないかという指摘の一つの言葉として今の問題が出てきているわけであります。
 日本も敗戦国でありますが、勝った者と負けた者の関係について、森嶋さんは別のところで、勝った者はなぜ勝ったのかと言えば、自分たちの今までの主張が正しかったから勝った、つまり正義が勝った、こう思っていますから、戦争に対して極めて、戦争というよりは力による正義の実現について強い自信を持っているわけです。日本の場合はどうであったか。敗戦国ドイツも含めて、ワイマールも一つの例ですけれども、むしろ戦争という力による正義の実現という手段は間違っていた。したがって、これから国際問題の解決のためには新しい発想で平和の貢献ということを通してどうするかということが課題になる。これが日本国憲法に結実をして今日があるわけであります。そういう意味で言うと、ここで言っている敗戦国の方がすぐれた哲学を持つというのはそういう意味です、平和に対して。
 ですから、そういう立場から考えたときに、日本が以降、国際社会の中で、アメリカ一辺倒と言われる外交姿勢の中で自己主張ができないまま、結局はこういう状況の中でやはり古い哲学に頼らざるを得なくなってきているあらわれとして今日こうした問題が出てきているんじゃないかという指摘になっているわけです。そういう点で考えてみますと、大変事は重大だと言わざるを得ないわけであります。
 特に、最近の自民党首脳の異常と思われる相次ぐ発言、これはもう見せしめから何からいろいろ、言えば枚挙にいとまがないわけですけれども、そういうことは首相の言う品格のある国のリーダーとは到底思えないような内容になっております。こうした精神状態が一層危惧されている事態を予測するものになっているんだということは言わざるを得ません。異常なそうしたボルテージを高めていく、平和という問題についてこれほど国論を二分しボルテージを高めていこうとするそういう風潮というか、そのことを大変懸念するわけであります。
 やはり拙速を戒め、国論の統一を図っていくために国民的な合意形成を図る手だて、努力を尽くすというのが政治の課題だろうというふうに思っておるわけで、拙速でやる結果、この国論が二分している状況のままやっていったら、今後国際貢献というような問題について国民的な合意形成をしようという努力はぶち壊されてしまうので修復のためには相当また時間を要しなければならない、今そういう分水嶺のところに私たち自身がいるんだという認識に立つべきだと思うわけであります。
 したがって、当面するカンボジアへの対応をどうするのかということは急を要する課題として、今後一致できるところからまずやっていこうということが必要でありますし、同時に、憲法の諸原則に沿う国際協力のあり方の追求という段階的な解決が求められているんじゃないか、このように思います。
 したがって、先ほど来言っておりますように、PKO活動と自衛隊との関係で言えば、やはりあくまで別組織という我々が主張してきておりますテーマについてこの際きちっとした位置づけが必要であろうというふうに思いますし、もう一つは、PKO活動について今国際三Kという言い方がされておるわけですね。きつい、危険、困難、PKOは国際三Kだと、こんな言い方も使われているわけであります。PKO活動にも積極的に誇りを持って参加する条件を派遣される身になってつくる必要があるんじゃないかということであります。
 冒頭申し上げましたように、国論が二分されている状況を踏まえ、圧倒的多数が一致できるところから始めるというのが筋じゃないでしょうか。
 昨年、太平洋戦争開戦五十年という節目の年でございました。そして、三年後に戦後五十年という年を迎えるわけであります。国際協力を積み上げながら内外の信頼を高め、国民合意を形成して憲法の目指す方向で国際協力、安全保障の基本法とも言うべきものを制定する努力をすることを通して合意形成を図っていく課題というものが必要じゃないか。
 特に、安保、自衛隊の問題等から出発いたしまして、このPKO法案に至るまで司法の判断というものについていえば、この問題についてはございませんけれども、統治行為にゆだねられているテーマでもあるわけでありまして、政治が解決をしなければならない課題だというふうに思うんです。そのことについて、何といっても冒頭申し上げました民主主義の完成度を高めるという視点に立って考えた場合には、合意形成のために最大限努力をする、そのことが求められているのであって、既成事実の強制力で国民の声を押しつぶしていく方向で反対論を消していくという手法であってはならないというふうに思うわけであります。
 この点についての総理の御見解を伺いたいと思います。
#57
○国務大臣(宮澤喜一君) 当委員会が審議を開始せられましてから今日まで、社会党・護憲共同のお立場からたくさんの皆様から御質疑があり、御意見を承っておったわけでございますけれども、私が受けました印象は、お立場お立場によってですが、このカンボジアの事態というものはやはり我々としても座視しているわけにはいかない。国連の平和維持活動に対して何かの協力をすべきであるということを、殊に現地に行かれました方々は強くお感じになっておられるような印象で私は御質問を伺っておりました。皆様がそうでいらっしゃるかどうかわかりませんけれども、そうでありましたし、また提案者である野田議員もそのようにお感じのように伺ったわけであります。
 そこで、本日、小林委員の冒頭の方で言われましたこと、それは憲法の改憲、解釈改憲というようなことに関してでありましたが、自衛隊というものは憲法であるというふうなお立場でおっしゃっているように私は伺いました。そういたしますと、もともと自衛隊が違憲であるならば、自衛隊を派遣するとか派遣しないとかいうことはもともと違憲の話になってしまうので、そこからはどうも私は実りのある議論が導かれない。もともと国連の平和維持活動に何もしなくてもいいというお立場であればこれは別なんですが、何かはやっぱりすべきなんだろうということがありますだけに、どうもそこのところが私には実りのある議論がなかなか導かれないという感想を持っております。
#58
○小林正君 私がきょうメーンテーマにしておりますのは、こうした国際貢献を目指して国民的な合意形成を広く求めていこうではないか。そのために、政治として最大限配慮すべき課題は何と何なのかといったようなことをいろんな立場から、視点から申し上げてきたつもりなんです。そして、あなた方の党は自衛隊認めてないにもかかわらず自衛隊を論じることはけしからぬみたいな、そういう議論ではないんです。自衛隊の今日の実態について、私たちは、憲法の求めているものとは違うということは言っております。そして、しかし現実に自衛隊が存在をし、機能しているという状況をそのまま認めていく。そして、その自衛隊がそういう存在としてあることを認めているわけでありますから、それは一つの法律の行為として、今日まで立法府で積み上がってきたものとして今日の自衛隊があるわけですから、そのことを否定しているわけじゃないんです。
 しかし、じゃ一体今日の自衛隊の実態は、軍事費大国第三位と言われるような実態というものについては、憲法の目指す方向に沿っているのかどうかといえば、これは違憲だと言わざるを得ないということは言ってきていますけれども、違憲、合憲論をこの国際貢献の場の中に持ち込んで問題
をすりかえていくということはできないんです。
 というのは、私たちは既にある自衛隊のノウハウは生かしていこうということを言っているわけですから、その場合の問題意識は何かということもずっとこの間の論議の積み上げで言ってきております。そのことは首相も御理解をいただきたいと思うんです。ですから、共通の土俵の上であるべき方法と課題について議論しているんだという共通の認識には、私たちは少なくとも立っているんです。ですから、そのことは御理解をいただかないと、それこそ日本異質。論じゃないけれども、この法案に反対する者は異質なんだという形で排除するような論理で合意形成を図ろうということはどだい困難になりますから、そういう立場にはぜひ立たないでいただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 最後に、私は、今総理がそういうお話をされましたので非常に残念なんですけれども、実はアメリカ人にしても日本に血を流せということだけを求めている人たちばかりじゃないよということを少しお話をさせていただきたいと思うんです。
 これは、五月の十二日付の「国際情勢資料」で、アメリカのブルッキングス研究所の機関紙の九二年春号の中で、「九〇年代の日本−新しい大国の形」という論文が紹介をされております。この中に「新しい軍隊のモデル」という章があるわけですけれども、その一部を御紹介をしておきたいと思うんです。
 一九九〇年八月、ヨルダンやサウジアラビアの
 難民村に日本の国旗を翻したテントや病院、診
 療所が建っていたならば、日本政府は湾岸戦争
 に兵隊を送れという圧力に抗するためのもっと
 高い道義的根拠を持てただろう。
  一九九〇年の秋に不成立に終わった法案では
 自衛隊の部隊が人道的機能を遂行することを求
 められていた。だがこの種の人道的活動がどう
 して自衛隊によって行われなければならないの
 かについて、説得力ある理由は全くない。日本
 は難民救済、自然災害救援または開発途上国で
 の公衆衛生訓練など海外での各種の活動のため
 に派遣できるような制服の非戦闘員によるかな
 りの規模の部隊を設立すべきである。日本政府
 は既にこの方向で小規模かつ暫定的な措置を
 取っており、幾つかのチームが海外へ派遣され
 ているが、こうした暫定的措置を支援する形
 で、米国は日本に対しこの方向へもっと前進す
 るよう奨励すべきであり、これは、国際的役割
 をもっと担う必要性を認識しているが、その役
 割をわい曲して海外派兵の口実にすることには
 強く反対している日本社会の幅広い勢力から支
 待を得られるだろう。
こういうふうに言っているわけですね。したがって、アメリカの中にもそうした圧九をかけるグループと同時に、またそうでない、それをチェックする機能も働いている。これがアメリカの社会でしょうけれども、そういうことにもやはり耳を傾け、それで日本の主体的な立場からどうしたらいいのかということになれば、当然のこととしてやはり憲法の趣旨に沿う形での国際協力を進める必要があるだろう、このように思っているわけであります。
 そういう意味で、元の駐日大使であられたライシャワーさん、これはアメリカの政治システムの中でいわゆるスポイルズシステムというのがあって、歴史家、学者が大使になるというようなことも可能な、スポイルズの一つの積極的な側面だというふうに思いますけれども、大変な親日家で歴史家であります。同僚の議員の國弘さんが日本史も翻訳されておりまして、特に戦後の部分について示唆に富む部分もかなり多いわけでございますが、そのライシャワーさんが「日本と二十世紀の遺産 外部からの見方」ということでいろいろ述べておられます。
 その中で、「最後に、もう一つ日本が世界平和にはかりしれない貢献のできることがある。第二次世界大戦以後、日本は民主主義諸国とだけでなく、共産主義諸国とも第三世界とも良好な関係を維持しようと意識的に努めてきた。もし世界が今日のさまざまな危機を乗り越えていくこせができれば、日本の平和憲法はいつの日か世界中を照らす灯明となるであろう。」、このように述べておられるわけであります。そして、幾つかの危機を克服し、社会主義体制の崩壊という今日、冷戦構造が終えんして今まさに日本国憲法が世界に灯明をともすチャンスが訪れたというふうにライシャワーさんは指摘をされているんだろうと思うんです。
 そのことを御指摘を申し上げて、私の質問を終わります。
#59
○常松克安君 何はともあれ、総理、外務大臣お疲れの上入院なすったこと、心より深くお見舞い申し上げ、かつまた一日も早くこの法案、歴史的な一ページに見事にお立ち会いできますることを心よりお祈り申し上げます。
 さて、私は今日まで人命尊重という立場におきまして、医療を中心にその出動に当たっては貢献効果大ならんと願い、建設的にあるいは具体的に種々の提言をいたしてまいりました。特に出動される人の立場に立って論議、意見を申し上げ、はたまたJMTDRの先生の方々に対しては、その出動に、人道的医療貢献に対して政府は特に敬意を表すべきである、こういうふうに主張してまいったところであります。改めて今日までの過去三回、本日をもって四回目に立つ総まとめといたしまして、確認並びにこれよりまた数点の質問をさせていただきたい、かように思うような次第でございます。
 さて、まず最初に外務省にお尋ねいたします。
 既にUNTACの要望を受けましたドイツの医療団のカンボジアにおける活動内容は今日どのようになっているのか、少なくともマイナスの遺産を背負った我が国と同じ立場であろうといえども、その中においては五百四十一名から成る国防軍の中の一員である軍医を中心にして医療団が送られておる。これが医者が何名で衛生兵が何名で、今日何をどのように活動し御評価いただいているかをお知らせ願いたい。
#60
○政府委員(丹波實君) お答え申し上げます、
 このドイツの医療部隊は総数百五十名、プノンペンに展開するという計画でドイツは派遣いたしております。UNTACの軍事要員及び文民要員に対しまして次のような医療及び衛生活動を行うというふうに承知いたしております。
 具体的に例示的に申し上げますと、一つは、現地におきまして健康及び衛生に関する助言、それから医療の援助、それから現地での公衆衛生及び衛生の管理、それから予防接種とか防疫ということでございます。
 UNTACの先遣隊でありますところのUNAMICに対してもドイツは約十五名程度の軍の医療関係者を派遣していたわけですが、先般、これと合わせて全体として百五十名ということで派遣を決定したということでございます。
#61
○常松克安君 じゃ、もう少しその辺のところを立て分けて、健康、医療あるいは公衆衛生とおっしゃいましたけれども、これは既にUNTACに出動いたしましたそういう国際貢献の隊員の皆さんの一、二、三なんですか。そうじゃなくして、行かれましたその地域にも広げて、地域市民、住民の方に対しても活動を広げていらっしゃるんでしょうか、その辺のところを。
#62
○政府委員(丹波實君) これはドイツの軍の医療団でございますけれども、基本的には、今の御説明の中で申し上げましたとおり、UNTACの軍事要員及び文民の要員に対しますところの医療活動でございますが、ドイツの赴任に当たっての手引のようなものを見ますと、現地の住民に対する医療活動というものも排除されていないというふうになっております。現に、過去、例えばレバノンに展開しておりますフィジーの部隊がやはり付随的に現地の住民に対して人道的な医療活動の面倒を見ているというのはたしか日本のテレビでも放映されておりましたけれども、やはりそういうことで、基本的な目的は軍事要員とか文民に対する医療活動ですが、たまたま現地の住民に対する医療活動も行うことは排除されていないというこ
とでございます。
#63
○常松克安君 しからば、今提案されております本法の中におきますところの三条、医療業務についても先日お尋ねいたしましたが、当然PKO参加の隊員を対象にすることが第一義ではあるが、地域住民における被災民及び難民の方々もお困りのある場合はそれをもって業務に広げていく、こういうふうに御回答いただいたと思うんですが、確認いたします。
#64
○政府委員(野村一成君) お答え申し上げます。
 ただいまのカンボジアにおきますドイツの衛生部隊につきましては国連局長から御紹介があったとおりでございまして、この法案におきましても、医療業務につきましては個別のPKOごとに国連側との話し合いが行われまして、その内容いかんによりまして何をやるかということが決まってまいるわけでございますけれども、基本的には、先ほど国際連合局長からお話がありましたように、主としてPKO活動に参加している要員に対する医療サービスというのがポイントであると思います。それ以外に、それと付随的にやはり被災民を対象にした医療サービスを行うということも含み得るということでございまして、何分、そういった国際連合側との話し合いを受けましてもし我が国から派遣されるPKOの医療隊についてもそういう業務に従事するということになりますれば、この法案の仕組みといたしまして、実施計画あるいは実施要領にきちんと盛り込んで実施をしていく、そういうことになろうかと思います。
#65
○常松克安君 しからば、本法にあるところの第十一条において民間の方々にも協力を願う。じゃ、どういうふうな内容の業務のお手伝いを願うか。本法第二十六条の「役務の提供」でございますか、これ、についてひとつお教え願いたいと思います。
#66
○政府委員(野村一成君) お答え申し上げます。
 二十六条の立て方でございますけれども、先生御案内のとおり、これは民間の協力ということでございますが、行政機関によります「国際平和協力業務を十分に実施することができないと認める」場合という前提がございまして、やはり具体的には、例えば医療の分野ですと、特に行政機関でやろうといたしましても、特定の御専門の知識を有する方の協力をどうしても得たいというふうな場合があろうかと思います。
 そういう場合にそういう方に参加していただくということがこの二十六条に基づきましてあり得各と思いますが、他方、この全体の枠組みといたしましても、先生御案内のとおり、紛争の終わった直後というそういう状況でございますので、特に身分という点に着目いたしますと、単なる民間というそういうステータスではなくて、やはり法案の十一条でございますが、それでは民間からの選考による国家公務員としての採用、協力隊員に採用してなっていただく、そういう手順がございます。それによりまして、もしも万々一のことがありましたときには国家公務員災害補償法その他の適用が受けられる、そういうこの法律に基づきます仕組みのもとで御協力いただくというのが基本的な考え方であろうというふうに考えております。
#67
○常松克安君 その辺のところは理解できるのでありますが、なぜ私は今本法十一条ということを申し上げたか。これはマンパワーの中で、自衛隊の医官がそこに出動いたしましても、例えば今現実行われているところがドイツの医療団百五十名、そしてその対象というのは一万八千名、こういう方々が全域の医療、理屈的には理想的に市民の方も地域の方もとこう言っても、なかなかそれは手が回るものじゃありません。よって、そうなるとやはりそれはそれとして、また別途本部長が認めた場合においては法十一条において民間の方々もひとつこの平和貢献に御協力願いたい。
 それは当然いろいろあるでありましょう。文部省からいうと国公立大学、あるいは厚生省は日赤、あるいは開業医の方は医師会とかいろいろございますけれども、過去にあの湾岸戦争のときにえらい政府は頭を痛めたわけであります。最初百名の医療団をと言って、ふたをあけたら十名になっておった。これはなぜか。そういうふうなところ、今御指摘になりましたところの万が一災害になったらどうするんだ、ピストルの弾が後ろの方から飛んできたときはどうするんだ、いろいろな御心配があって、さあ勇気を持って踏み込むということはなかなかこれはでき得ない。
 そうでなくても、この論議が世界から見れば一つの外交であります。外交というのは、平和憲法第九条、この中で精いっぱい日本は頑張っておる、ところが外から見て外交の上から見て、あるいは憲法を建前にとってけちってしもうて五割も三割もパワー出しておらぬ、こうなったら何にもならぬわけでありますのでありますから、効果大にしてといって私が主張するのはこの意味でございます。
 そういう意味においてこの十一条というものは、やはりそういう方々により理解していただいて、局長の方から、万が一があったらいかぬから、まことに申しわけないが平和協力隊員に一時身分をきちっとして、そうした上において、国家としてもその勇気を名誉あるものとして考える、かつまた補償も万全にします、こういうふうに説明してもらえばすかっとするんです。もう一度。
#68
○政府委員(野村一成君) お答え申し上げます。
 私がすかっとやれるかどうか必ずしも自信ないわけでございますけれども、特に医療の分野におきまして、この法案の仕組みといたしましては、先生主としてPKOについて御言及ございましたけれども、私どもやはりこういった分野につきましては、人道的な国際救援活動という面もあわせて非常に重要視しておるわけでございます。せんだって先生、特に難民、被災民についての御言及がございました。そういった分野におきましては、やはりこの十一条に基づきまして、民間から協力隊員になっていただく方々の存分なる御協力を得られる仕組みをこの法案で設けておるわけでございます。その補償その他につきましては、身分の面におきましては先生御指摘のとおりでございまして、きちんと他の協力隊員と同様適正な対応ができる仕組みになっておる次第でございます。
#69
○常松克安君 じゃ、そういうふうな要請がありました場合、文部省には御厄介なことで御苦労かけますが、国公立大学の先生方に、あるいはまた厚生省にありましたら日本赤十字、こういう方々に、これは急に言ってもなかなか用意できませんので、こういうふうな状況ということをよく御理解いただいて、いざ出動要請を受けたときは本当に理解を持ってぜひ出動していただけるように考えるのですが、いかがなものでございましょうか。
#70
○政府委員(前畑安宏君) 今、先生御指摘のとおり、湾岸危機のときの医師派遣の経験からいたしまして、急にあるいは大幅に医師をリクルートするというのは、大学関係者につきましてもそれぞれの大学病院の医療体制があったりあるいは研究教育業務もございますので、なかなか難しい問題があろうかと思います。ただいま御指摘の、通豊からそういう場合に対応できる体制をどうするかということにつきましては、今後、法案成立後関係のところと十分相談をしながら対処をしてまいりたい、このように考えております。
#71
○国務大臣(山下徳夫君) 先生のおっしゃるとおりでございまして、私どもは、そういう場合においてはいわゆる国際救助活動としての医療協力を最大限に全力を注いでこれはやらなきゃならぬと思っております。ただ、医療と申しましても、先生がおっしゃったとおり、文部省が所管するもの、私どもが所管するものございますから、二百五十余りの国立病院・療養所、日赤、これらを挙げてひとつ協力させなきゃなりません。
 その前提としては、先生もおっしゃったように、これはここへ防衛庁長官も来ておられますが、相当数の防衛医官がおりますから、まずこの方々が最初にお出になって、それで不十分な折は、我々もちゃんとそれは準備をいたしていつでも出られる態勢を早くとらなきゃならぬ。ただ、どういう組織をとって準備するかということは、やはりこれは本部長の指示に基づいて厚生省もやるわけでございますから、それがまず前提だと思います。
#72
○常松克安君 防衛庁に聞きます。
 これから私、国際緊急援助隊のことを緊援隊と略して申し上げますが、緊援隊の出動についてはいろいろ人数は具体的に出るわけですね。ところが、今までPKOということになりますと積算というものがはっきり明確でない。国の要請によりましてああだこうだ。これは一体どういうふうなことなんでしょうか、お伺いいたします。
#73
○国務大臣(宮下創平君) いわゆる国際緊急援助隊法によりますところのパターンは、バングラデシュあるいはその他の大規模災害ということを想定いたしておりますから、おおよそ、医療団を派遣する場合でも、完結型の場合はこうだということが一応想定され得ると思います。しかし一方、PKOの場合におきましては、この法案が通りましても具体的な現地の要請等に応じてこれをやるわけでございますけれども、各国が軍隊を派遣して医療部隊等も出しておりますから、それらとの関係において問題を考える。つまり単独で行く場合は、あるいは先生御指摘のような、また防衛局長が答弁しているような規模のものが想定され得る場面もあろうかとも思いますけれども、しかしそういう形だけで出すというものでもないということをしばしば申し上げておるわけで、要請内容によるということはそういうことを意味しております。
#74
○常松克安君 私はこう理解したんです。緊援隊の出動は二十四時間以内であるから今からやってお、かないと、この法案が通ればあすにでも、極端な言い方ですが、いずれにしてもその災害を受けた国からの要請で二十四時間以内に出る、これは本法の厳しい定めなんです。今までの実績なんです。だから、今から、小さいのから大きいのから中間から、いろんなものを想定いたしております。PKOというのは、まことにこれが成立したといたしましても、いろいろ試行錯誤、三月間の猶予があります。その上、世界の方から要請を受けたときに対応ということ、腹案は持っておりますけれども、こういうふうな関係でバランスがと、こう言っていただくと私もすっきりするわけです。
 じゃ、次に行きます。
 今までそういうふうに考えますと、百八十名だとか二百七十名だとか自己完結型。防衛庁さんは何か事があると一切間違ってはならぬ、一つも枠から外へ出てならぬ、規制、規制、法規制でぴしっとしておる。これはありがたい考えなんですけれども、相手のあることでありますから、それはいろいろ数値が変わってきた。精査した。これは第一回目で防衛庁長官に私は提案いたしました。少なくともこういう問題は、スモール、ミドル、ビッグ、こういうふうないろいろの差があっていいんです、こうあるべきじゃないでしょうか。それを自衛隊で考査して研究したらこうた、ああだ、自己完結型します、飯もふろも洗濯も全部入れますと、こうなります。これ以外は全然考えられないようなそういうふうな弾力性のないことでは人命救助には間に合いませんぞ、こういう指摘をしてきたわけでございます。こういう意見はいかがでございましょうか。
#75
○国務大臣(宮下創平君) まず、先ほどの最初の御質問の緊急で二十四時間以内に早く出さないといかぬという理由、これは私申しませんでしたけれども、先生のおっしゃるとおりです。
 それから、何も固定的に百八十名とか二百七十名と申し上げておるわけではございませんで、我々としてもやはりスモールからミドルからラージから、それこそ自己完結型から補完的な型から、いろいろこれは対応を考えておくべきことは当然のことでございまして、そんなに固定的には考えておりません。
#76
○常松克安君 外務省にお伺いします。
 大災害のときには防衛庁に要請するとありますが、この大災害とは何をもって基準にしていらっしゃるんでしょうか。
#77
○政府委員(川上隆朗君) お答え申し上げます。
 緊急援助隊法第一条に規定があるわけでございますが、大規模な災害というのは、我々といたしましては過去にも答弁申し上げておりますけれども、被災国の住民の生活や経済に著しい影響を与える災害で、通常その国独自では対処できない規模というふうに考えております。
 他方、外務大臣が防衛庁長官と自衛隊の部隊の参加について協議いたします場合というものは、このような大規模な災害に対しまして緊急援助活動を実施するに当たりまして外務大臣が特に必要があると認める場合ということでございまして、具体的には従来御答弁申し上げていますように、特に大規壊かつ組織的な援助活動が必要な場合、二番目といたしまして、援助の態様等からして自給自足的な援助体制が必要な場合、三番目といたしまして、民間による輸送が困難な場合で、自衛隊の部隊による輸送が必要な場合などということでございまして、被災国政府からの要請の内容、災害の種類、さらには行政機関等との対応能力などを勘案いたしますれば、従来型の援助隊では十分な対応が困難であるというふうなことが判明するような場合というふうに考えておる次第でございます。
#78
○常松克安君 防衛庁はそういうことを何回も繰り返しておられるので困るんです。防衛庁も気の毒なところもある、確かに。
 大災害の基準は何ですかと聞くんです。大きな災害が起きて五千名死んだ、一万名死んだ、これは基準に入っているんですか。あるいはまた、面積が日本の面積の十倍以上の災害を受けた、あるいは流れた家屋が三千戸以上、こういうふうになっているんでしょうか。この大規模の災害というものがびしっとせぬことには防衛庁は組み方がないです、はっきり言って。これはどうなんでしょうか。それを言葉で言えは活字は立派なお役人さんの言葉です。ですから、具体的に大災害の基準と私は改めて申し上げる。第一回目の質問のときに、それを事もあろうに、外務大臣に言わぬと防衛庁長官に言ってしまった。これが間違いのもとでややこしくなってしまった。いや、本当なんです。そのときは防衛庁長官には失礼いたしました。
 でありまするから、そういう民間の方々のお医者さんの提案として、確かに輸送機も必要、いろいろ完結型も欲しい。我々では、十二名で一チームではどうにもならぬ。であるから、基準としては四カ月より以上医療の回復を待たねばならぬようなところを大災害の基準ということで考えてもらったらいかがでしょうか。
 じゃ、そんなところの数字がどこから出てきたのか。例えて言いますと、災害という問題は二つの種類があるんです。地震だとか洪水の場合は、これは外科的疾患が多い災害なんであります。ところが、大干ばつとか自然災害の違った場合は、これは内科的疾患が多いんです。現にエチオピアのときには、内科的疾患で世界の軍隊が医療団が出てきてやったのが約半年間という実態のものがあるんです。ところが、それ以下になった場合は、洪水だとか地震の場合は確かに一過性といって片づけやすい面がある。ですから、二週間二週間と防衛庁が言うのは、ここから引っ張ってこられるわけです。
 ですから、外務省としての大災害の基準というものを、今すぐというわけにはいかぬでしょう、いろいろな様相がございますから、しかし研究あそばしていただけることを確約していただけますか、どうでしょうか。
#79
○政府委員(川上隆朗君) お答え申し上げます。
 従来、先生御指摘のとおり、地震といったようなどちらかというと一過性の災害、それから難民の医療関係、さらには洪水といったような割と長く続く災害と、いろいろな災害がパターンとしてあるということは我々も経験から学んでおるわけでございまして、災害にもバングラデシュのような非常に大規模な災害もございましたし、それからイランの地震、これも数万名という死者が出たというようなことがございまして、類型的に確かに一定の大災害、非常に大きな規模の災害といったようなものは観念できると思います。それから、中でも今先生御指摘のとおり、洪水なんかの場合には非常に期間が長いといった傾向があるということも我々経験から学んでいるわけでございます。
 そういうようなものを参考にしながら、我々内部的にはいろいろな形で従来の経験に基づいて十分検討してまいりたいと思いますが、法の立て方といたしましては、先ほど申しましたようなことになっているわけでございまして、しかもこれは相手方の災害に対する対応の能力の問題との関連がございまして、必ずしも大きな災害のときに我々に全部やってくれという要請が来るわけではないといったような点もございます。したがって、その辺を勘案しながら、先生の御趣旨に沿ったような形で何か研究ができないか、十分考えてまいりたいと思います。
#80
○常松克安君 よろしくお願いいたします。
 次に、もとへ戻りまして、防衛庁にお尋ねいたします。
 緊急援助隊の派遣期間については、この前の委員会では大臣は、派遣を機能的に考えていくべきとの答弁あり、それは安心いたしました。これを再確認しておきたいし、かつまた二百七十名といった規模の部隊を派遣するのは大変な経費と労力がかかることから見て、少なくとも四カ月以上の大災害に対応すべきと考えます。これは二百七十名も行って、飛行機使うなりして行って、向こうで二、三週間で帰ってくる。この二、三週間で私一番心配なのは、行って帰って治療して二、三週間なのか、向こうの現場だけの治療の二、三週間なのか、その辺のところはすっきりしていないんですけれども、いずれにしてもこれだけ膨大な経費と予算をかけて行って、向こうへ行って何もすることないのにずっとおれと言うんじゃないですよ。
 だから、もうこれだけ行くということは、逆な言い芳しますと、よほどの大災害の基準と照らし合わせて外務省の方から要請があり、それを長官としてのまれる。命令し部隊が出ていくとすれば、こういうふうなことの期間はやはり長期ということでお考えいただけないか、基本的に、こう思うんですが、いかがでしょうか。
#81
○国務大臣(宮下創平君) 前回、私が派遣を機能的に考えていくべきものだと考えているということを御答弁申し上げた点は、やはり効果的、機能的に、せっかく国際貢献のために行くわけでございますから、そういう基本的な趣旨を申し上げたものでございます。
 一方、今常松先生から派遣期間の問題について大変貴重な御意見を承ったわけでございまして、私どもはやはり海外に緊急派遣隊を出す場合はかなり経費もかかります。運搬、運送手段もかかりますし、それは確かに、行ってほんのわずかの期間だけで帰ってくるというような状況の場合は、外務省は恐らく要請しないのではないかと思うんですね。外務省が要請するような場合は、やはり委員の御指摘のような、例えば数週間程度はどうしても現地で踏みとどまって医療協力をしてもらいたいというような客観的な情勢が認知されるような場合ではないかと私も思います。
 これはもう委員の御指摘のとおりじゃないかなと思いますが、いずれにいたしましても、災害の状況によりましては、私どもとしてはその目的、機能というのが十分果たし得るような方向で対応していきたい、こう存じております。
#82
○常松克安君 次にもう少し。じゃ、その二百七十名の部隊を自衛隊のみで輸送し得るのかという心配がまた出てくるわけですね。これについてはいかがでしょうか。
#83
○国務大臣(宮下創平君) 二百七十名の基本的な考え方は、医師が二十名ということをたしか防衛局長の方から申し上げたと存じます。これはまた、細部は防衛局長から必要であれば答弁させますが、そういった場合にただ医師だけでよろしいかということになりますと、看護その他いろいろの、もう私が申し上げるまでもない後方、いろいろあります管理部門も自己完結型の場合余計必要でございましょう。
 そういうことで、一つの単位としてやった場合、二十名の医師を基礎として単位でやった場合に、当初は百七十名程度と言ったのが二百八十名程度というように、防衛局長が場合によりマキシマムそういうことになるであろうということを申し上げたわけでございまして、私どもは防衛医大の卒業の医官その他も、あるいはまたそれ以外の民間の出身の医官も抱えておりますから、任務の遂行に支障のない限り、あとう限りは出すことは可能だと考えておりまして、この程度のものはどうしても即応できなけりゃならぬなと、こう存じておるところでございます。
#84
○常松克安君 もう一つ、少し確認いたしておきたいのは、輸送能力から見ると医療活動の地域的な範囲は少し限定されるんではなかろうか。もうどこへでも二十四時間で行きます、そういうのは理想論でありまして、現実そういうことを世界に約束するわけにこれはいかぬのですから、この辺のところのお考えはいかがでしょうか。
#85
○国務大臣(宮下創平君) 基本的には、これは地球上のどの国というように制約はございませんけれども、実際問題としては、委員の御指摘のように、例えばアジア地域を優先する、あるいは南西アジアを中心にするとか、また中南米なんかもその領域に入るかと存じますけれども、地球上のどこでもというわけにもなかなか実際問題まいらぬということは事実だろうと思います。
#86
○常松克安君 昌山局長、まことに恐縮ですが、今長官からほとんど言い尽くされておるんですけれども、今のその二百七十名の部隊、自衛隊のみで行けるのか、あるいは地域の制限でございますね、何か実務的に補足的なことがございましたらお教えください。
#87
○政府委員(畠山蕃君) お答えを申し上げます。
 まず輸送能力の問題でございますけれども、まずその前提として、先生十分おわかりの上でのお話だと思いますけれども、二百七十名という単位で常に送るというわけじゃございませんで、先ほど先生御自身から御指摘がございましたように、実情に応じて、大きいのから中間から小さいということで行われるわけでございまして、常に二百七十名を送るというわけじゃないことはおわかりのとおりでございます。仮にその二百七十名を想定した場合に、その輸送能力はどうかという点で考えますと、やはりこれは主として航空自衛隊のC130、それから海上自衛隊の艦船ということで輸送艦等でございますけれども、そういうものでこれを基本的に輸送が可能であるというふうに見積もっております。
 ただ、時間との勝負でもございますので、そういうときにどうしても性格上物すごく至短時間で自衛隊のみの能力では間に合わないという場合には、必要に応じまして民間のジャンボカーゴといったものを利用することも念頭に置いているところでございます。
 それから地理的な範囲の問題でございますけれども、これは御指摘のとおり、大臣から御説明申し上げましたとおり、制度的な問題としては特に制限があるわけじゃございませんけれども、事実上の問題として短い間に緊急に派遣するということを想定いたしますと、事実上我が国の地理的条件あるいは迅速な派遣の必要性ということを考えますと、原則的にはアジア・太平洋の開発途土地域かなというふうに考えられるところでございます。
#88
○常松克安君 ではもう一つ、重要なことであると信じて長官にお尋ねいたしますが、こういう言葉はもう既に御存じだと思います。救急災害医療は輸出できない、なぜなら地場産業であるから。こういうふうに専門家は、ドクターはおっしゃるんです。
 この意味は、たとえ日本であっても、東京でできる救急災害医療をそのままそっくり九州に持っていけと、それはでき得ないんだ。そこはそこなりのもので歴史の積み重ねがあるんだ。そうだとし九ならば、今日本であるその医療というものを即刻海外へ持っていって我々は認めてもらえると思っても、それはできない場合がある。なぜならば、海外においては、どこかけがをする、地雷を踏みつける、手足がいかぬ、そうするとそこからもう切断。ところが日本の医療においては、指が落ちておれば、五時間以内であればそれをひっつける整形外科の医学の進歩がこれあり。しかし、それを即刻向こうへ持っていってやるということ、はでき得ないんだ、こういうふうな指摘があって、今日までのドクターの皆さんは苦労なさったわけであります。
 そういう意味で、これから行っていただくこと、ドイツの方はもう既に百五十名びたっと、こうおっしゃる。ところが、自衛隊の方は任務の支障のない限り。これは百五十名肩並べてやれるんだろうか、また心配これあり。そして、たとえ行っても、その経験のなさということで相当な苦労をされる。四十数度の熱。風土病と闘い、水の違ったものを飲んで下痢とも闘い、いろんなことで歯を食いしばって御苦労していただくわけであります。
 そうした場合、何も肩張らぬで、自衛隊は自衛隊だけだというふうな意識でなくて、今から小さな海外のJMTDRが出場するときには、医官が個人的な願いによってそれを許可され一緒に経験を積ませてあげるとか、あるいはこれから海外へ行かれるときにはそういう経験を持っていらっしゃることを、私合言葉が適当でないかもしれませんよ、それしか見つからぬものですから、例えば医療顧問団というふうな形でともにやっていただいて貢献に効果が大きく上げられるように考えていくということは、これは必要ではなかろうか、こう考えるんですが、その辺の幅を持った御見識というものをお伺いしたい。
#89
○国務大臣(宮下創平君) もう基本的には委員の非常に現実的な見地に立っての御指摘でございまして、私も同感でございます。したがって、自衛官だけで、いわば言葉は悪いかもしれませんが、そこが閉鎖的に医療行為をやるなどということは考えておりません。JICA、その他の登録医員でありますとか、あるいは今御指摘のございましたような経験を持った医師等の参加が得られるならば、それらの人たちをいろいろ講師として仰ぐことも可能でしょうし、また協調的に医療業務に従事していくということは当然なことであろうかと思いまして、大変参考にさせていただきます。
#90
○常松克安君 じゃ、あと一点。
 これは非常に大事で、これで四回の主張を四回とも同じ主張でお願いしているわけでありますけれども、JICAの皆さん、JMTDRの方が出ていくときに、後方支援で輸送機だとか通信だとか兵たん部門をフォローアップしていただけるならば、なお現場において効果を大ならしむることができるんです。その辺のところを政府として日本という名において、フォローアップはやはり自衛隊の資機材、優秀な者に、訓練を受けられた機敏性のある方々に頼る以外にないんだ、民間としての限度があると、二十年間の経験を踏まえてこういう述懐をしみじみとおっしゃっていらっしゃった。これに対する防衛庁長官の、確認になるかもしれませんが、もう一度ここで明快にやるぞと、こういうことで。
#91
○国務大臣(宮下創平君) もう御趣意はそのとおりでございますが、ただ枠組みといたしまして、JICAに所属する医師団をそれ自体として自衛隊機で現場に輸送するかどうかは、なお私はちょっと検討させていただきますが、基本的には、そういう医師団もこの平和協力本部の一員となることは十分可能でございますから、なっていただいて、そして自衛隊と協調的な関係を保つということが趣旨ではなかろうか、こんな感じがいたしております。
#92
○常松克安君 じゃ、これで最後にいたします。
 最後に総理に御見識をちょうだいするわけでありますが、どちらかといいますと、今日までの歴史を振り返ってみますと冷戦時代がやはり政治的な戦略型貢献といいましょうか、その後にあっては経済的そろばん型、今日やっと冷戦の解消、そしてお互いが基本的人権というものの立場において平和的人道型というように私は時代区分をしておるわけでございます。そういうふうな立場において、中でも人道の前には法律なしとさえ言われるような人命尊重の道なき道というものが築かれ、そして改めて今回、国を挙げての総力戦で人命貢献というものを果たしていこうということに相なって、一日もこの成立が早からんことを願って主張し続けてまいったわけでございます。
 最後に、総理の御見識をちょうだいして質問を終わりたいと思います。
#93
○国務大臣(宮澤喜一君) この法律案の御審議に当たりまして、常に、殊にいわゆる国際緊急援助隊員等の医療をめぐる援助について、私どもの注意を喚起していただいておりますことを心から感謝をいたしております。
 御指摘のように、これらの努力をますます充実するように努めますとともに、またこの法案につきましても、どうぞひとつ御可決をいただきまして、このような貢献もできますように念願をいたしたいと存じます。
#94
○常松克安君 終わります。
#95
○吉川春子君 憲法と指揮権の問題についてお伺いいたします。
 フィンランドなど諸外国の立法を見ますと、国連のPKOに参加する場合に、個々人の懲戒権は本国に留保しながら、作戦面では国連の指揮下に入ることになっています。
 我がPKO法案においては、この点について繰り返し政府は答弁をしておりますが、その都度はっきりしません。日本が諸外国のように国連の指揮権下に素直に入れないのは、日本国憲法と矛盾するからではないのでしょうか。
 総理に伺いますが、総理は五月二十二日当委員会で、吉田委員の指図と指揮に関する質問に答えて、国連の平和維持活動に積極的に貢献したいとこの法案を提出しているが、我が国には我が国の憲法があるから、そうでない国と常に同じような条件で国連の平和維持活動に参加するわけにはまいらないと答弁されています。その点を少し具体的に伺いますが、日本国憲法のどの部分を指して言っておられるんでしょうか。また、同じような条件とは何を指しておられるんでしょうか。
 丹波さんはいいです、時間がないから。総理に聞きます。
#96
○政府委員(丹波實君) 事実関係の問題がございますので、先生、フィンランドの国などの例を挙げられましたから、委員長から御指名を得ておりますので二、三十秒だけ。
 この問題につきましては、過去繰り返し御説明申し上げてきておりますとおり、派遣モデル協定の第七項、それから第八項、その他に国連のコマンドについて書かれております。ですから、そういう行動面におぎますところの国連のコマンドが実際に実施されるような法案の枠組みを御提出申し上げているということを従来から御説明申し上げてきているとおりでございます。
#97
○国務大臣(宮澤喜一君) いわゆる五原則の中で幾つかの原則が満たされなかった場合には、我が国から参加した部隊は撤収することができる、あるいは武器の使用につきましての問題等々は、つまり、我が国が海外において武力の行使をした、あるいはするような状況に面したというようなことになりますと憲法との問題が出ますから、そこをあらかじめ五原則によって安全にしておきたい、そういうことでございます。
#98
○吉川春子君 防衛庁長官にお伺いいたします。
 モデル協定の七項と防衛庁長官の指揮権の問題で伺いますが、政府は、指揮権マイナス懲戒権イコール指図、これが国連コマンドというふうに繰り返し答弁していますが、PKOに派遣されている期間中の自衛隊について、防衛庁長官の指揮権は懲戒権のみということになりますね。うなずいておられる。
 したがって、モデル協定七項の国連事務総長の持つ権限の内容、すなわち配置、組織、行動及び指令については、もちろん防衛庁長官の指揮権は及ばないということになりますね。
#99
○国務大臣(宮下創平君) 例のコマンドと調整をする、指図と調整をした実施計画によりますということになっておりまして、防衛庁長官は、その調整された構成のもとに部隊を指揮していく、こういうことになろうかと思います。
#100
○吉川春子君 そうしますと、そのモデル協定七項の配置、組織、行動及び指令について、防衛庁長官は相変わらず指揮権を持つんですか。
#101
○国務大臣(宮下創平君) これは別個にあるものではございませんで、まさに法律は、実施要領によりまして、この指図に適合するように実施計画を定め、そして指揮権は防衛庁長官が持っておるわけでございますので、そこは相矛盾することはない、整合性が保たれている方向性になっている、こう理解をいたしております。
#102
○吉川春子君 実施要領の点はちょっとおくとして、そうすると、矛盾しないで、要するにこのモデル協定の七項の四つの内容についても防衛庁長官の指揮権は存在する、そういうことでいいわけですね。防衛庁長官。
#103
○国務大臣(宮下創平君) その四つの配置、組織その他の点も、これは今まで議論がございましたように、業務の中断とか撤収、それから武器使用については、この点は今の法律ではっきり明定されておりますが、それ以外の点は、実施要領に適合をして調整をしたものでなければこれは派遣できないと思います。したがって、調整されているということは、それに従って私どもが指揮をできるということだと存じます。
#104
○吉川春子君 政府が今までおっしゃってきた指揮マイナス懲戒イコール指図との答弁や、PKO参加の自衛隊は「国連の「コマンド」の下に置かれる」と、これは九一年十一月二十七日の政府見解ですけれども、こういう政府見解と今の防衛庁長官の答弁とは矛盾すると思うんです。
 丹波局長は、五月十八日の角田議員への答弁で、派遣モデル協定を引用して、「国連の事務総長は、この場合軍司令官ですがこ「配置、組織、行動及び指令について完全な権限を有しておると、この点は日本としても何ら異論はない」と言っています。ですから、従来の答弁に照らして、日本の防衛庁長官がこの四つの点について指揮権を持つなどということは言えないんじゃないですか。そしてまた、防衛庁長官の指揮権が存在するということは、国連との二重指揮を認めることで、これはもちろん国連文書、SOPなどと矛盾することですね。これはどうですか。
#105
○政府委員(丹波實君) 私の答弁を引用されましたので、ひとつ御説明方お願い申し上げたいと思います。
 政府として本当にこの場で何度も何度も丁寧に御説明申し上げてきておりますのは、この国連のコマンドの配置、組織、行動及び指令というものを実施できるような法案の枠組み、つまり実施要領を介してそういうものが現実に実施されるような状況をつくっていく、もちろんその前提条件が崩れていない通常の場合ですけれども。そういう意味におきまして、国連のここに書いてあるコマンドが現実には実施されていくような枠組みをつくっております、そういう意味において異論は持っておりませんということを何度も御説明申し上げてきた次第でございます。
#106
○吉川春子君 モデル協定の七項で、配置、組織、行動、指令について完全な指揮を有していて、これに日本は全く異論がないとおっしゃりながら、しかも防衛庁長官のこの七項の四つの点に対する指揮権は手放さないと。なぜそんなにまでして防衛庁長官の指揮権を手放せないんですか。長官に伺います。
#107
○国務大臣(宮下創平君) 自衛隊を国連に完全に派遣といいますか、いわば今退職・出向みたいな話がございますけれども、国連の軍隊の一部として我々がその権限を全く断ち切るわけではございませんで、あくまでも我が国の自衛隊の平和業務として基本的に出すわけでございます。しかしさはさりながら、我が国自衛隊の独自判断で行動するわけではなくて、まさに国連への協力でございますから、その国連の要請するところの現地における組織、配置等に忠実にといいますか、この要請に従ってやることはこれは当然でございまして、それを法的に担保するものとして、今国連局長が申されたとおり、指図ということで国連のコマンドと調整をしてやるということをもうたびたび申し上げているわけでございまして、私どもは基本的に、いわば糸の切れたたこみたいなように自衛隊を出すわけではないわけでございまして、あくまでも我が国の自衛隊の業務としてやるという点はいささかも変わりない、こういうことを申し上げております。
#108
○吉川春子君 そのモデル協定の七項の四つの権限は、要するにこれを国連が持っている、完全な権限を国連は持っていをというふうに政府は答弁しながら、しかし、その四つの点について日本の防衛庁長官の指揮権もあるんだと、これはもう本当に相矛盾するものが非常に混在しているということで、この答弁は非常に矛盾しているし絶対に納得できないものなんです。
 それで、武器の使用のコマンドはどうなっているかということについて聞きますけれども、国連のコマンドがPKO法案の武器の使用に及ぶのかどうか、こういう問題です。
 国連緊急軍UNEFIのフォースレギュレーションによると、司令官は完全かつ排他的な権限を有する、こういうふうになっています。また、「ブルーヘルメット」の第六部、国連のキプロスの活動の部分で、キプロスの情勢下で、いつ武力行使が許されるかの決定は現場の司令官にゆだねられるとなっています。そして、さらにPKOマニュアルの四十七項Fでは、射撃は統制されると、こういうふうになっているわけです。
 以上の点から、これは確認ですが、武器使用の権限は国連にあるということは明らかですね。ここまでは認めますね。
#109
○政府委員(丹波實君) 国連の慣行の問題でございますけれども、先生いろんな書類に言及されましたけれども、例えばそのキプロスの一九六四年の事務総長報告ですね、そういう工ードメモワールその他、要するにこれらの文書、それから過去のPKFの慣行を通じて一言で申し上げますと、各国がPKFに対して軍事要員を派遣する場合に武器の携行が許される。この武器は自衛のためのみに使用が認められるということで、いろんなことがその後に書かれてあるということで、あくまでも自衛のために使用が認められる認められないということが論じられておるわけでございまして、国連の司令官の権限としてその武器を一定の状況のときに使えという命令が下ってくるというものはないものというのが国連の慣行であるというふうに理解いたしております。
#110
○吉川春子君 過去の慣例は私全然聞いていません。この武器使用の権限、コマンドは国連にあるのかどうかと、そこだけですから、あるかないかの答弁でいいんです。長々と要らないんです。もう五秒で答えてください。あるんですか、ないんですか。
#111
○政府委員(丹波實君) PKF、PKOの歴史は四十三、四年ということでございまして、御承知のとおり国連憲章にも明文で書いていない。その他の国際法的な条約その他となっているわけではございませんで、過去の慣行というものの積み上げというのが非常に重要でございまして、そういう意味で過去の慣行ということを申し上げたわけでございます。
 それを通じて見まするに、先ほど御説明申し上げましたとおり、一定の状況のときに自衛のために武器を使ってよろしいということを言っているわけでございまして、一定の状況のときに国連のコマンドとして武器を使えという命令が下ってくるものではないと私たちは理解いたしております。
#112
○吉川春子君 そうすると、国連には武器使用のコマンド、指揮権はないと、こういうことですか。あるかないかです。歴史はいいです。
#113
○政府委員(丹波實君) 先生の使っておられる武器使用のコマンドという意味が必ずしもわかりませんけれども、繰り返して恐縮ですが、武器を一
定のときに使えという命令というものが国連の司令官からおりてくることはないというのが理解でございます。
#114
○吉川春子君 事実関係として、今まで撃てということを言ったとか言わないとか、言った回数がごくまれだったとかということを聞いているんじゃないんです。「ブルーヘルメット」とか、訓練マニュアルとか、あるいはSOPとか、これは過去の慣例を積み上げてそれで文書化されたものです。慣例そのものじゃなくて文書化されたものの中を今引用したんですけれども、これを私読みますと、武器使用のコマンドは国連にあるというふうに文書には書かれているように思いますが、そうすると丹波さんの答弁だと、この武器使用について国連の司令官はコマンドがないんですか。そこを簡単に言ってくださいね。
#115
○政府委員(丹波實君) 先ほど私申し上げました、一九六四年四月十日付のキプロスの平和維持隊に関しますところのウ・タント事務総長のエードメモワールですけれども、そこに武器の使用について次のような記述があるわけです。「平和維持隊の要員は武器使用のイニシアティブをとってはならない。武器の使用は自衛の場合にのみ許される。「自衛」とは次の場合を含む。」ということがいろいろ書かれておりまして、その下の方なんですが、「自衛のための行動をとる場合には、最小限の実力行使の原則が常に適用されねばならず、説得による平和的手段が全て功を奏さなかった後に武器使用が行われるものとする。こうした状況の下で武器使用が許されるかどうかの決定は、発砲する必要のない事件であるか、要員が武器の使用を許される状況であるかの区別に主要な関心を有する現地指揮官の判断にかかっている。要員が武器使用を許される例として次のものがある。」ということでございまして、この読んだ中でも、私が今申し上げたように、自衛のための武器が使用される状況が来ているかどうかということ、そこの判断という問題になっておるわけでして、一定状況のときに国連のコマンダーが武器を使えという命令を下すということはこの文書からも私は読み取れないというふうに考えております。
#116
○吉川春子君 武器の使用をしてもよろしいという判断を司令官が下す場合はいろいろ状況があって難しいと、そこはいいですよ。難しいけれども、下す場合はだれが下すのかということを聞いているので、その手前のところで幾らいろいろ言われてもあれなんですが、今、丹波さん言われたところは現場の司令官が下すと書いてあるじゃないですか。それ見たら国連に武器使用のコマンドの権限があるということは明らかじゃないですか。それでも否定するんですか。ちょっと一言で言ってくださいね、時間がないから。
#117
○政府委員(丹波實君) 要員が武器の使用を許される状況であるかどうかの判断、したがってまさに使用を許されるような自衛の場合に当たるかどうかについての判断という意味でございますので、その使えという命令とは別なことというのがここの表現でございます。
#118
○吉川春子君 そうすると、自衛の場合に武器の使用をしてもよろしいと、だから自衛の場合かどうかの判断はするけれども、撃てというコマンドは国連の司令官はしない、こういうことですか。ちょっと一言でね。
#119
○政府委員(丹波實君) 基本的に携行していった武器というものは自衛の場合にのみ使用が認められると。いかなることが自衛に該当するかということにつきましては、時間との関係で省きましたけれども、あのエードメモワールにずっと書いてあるわけです。そういう意味でございまして、国連の司令官が一定の状況のときに武器を使えという命令を下すということはないというのが各国その他の過去の慣行として私たちが承知しているところでございます。
#120
○吉川春子君 それは事実行為としてですか、それとも国連の積み上げてきた慣習の結果としてそういうものは国連は言わないと、こういうことですか。
#121
○政府委員(丹波實君) このよって来ますところの由来はPKFの本質です。要するに、戦うために行っているわけではないというその本質から来ていることでございます。
#122
○吉川春子君 そうすると、日本の派遣する自衛隊を国連のコマンドに置くという場合、この武器の使用についてのコマンドは受けないわけですね、それがないから。そういうことですか。
#123
○政府委員(丹波實君) 先ほどから申し上げておりますとおり、武器使用のコマンドという意味をどういう文脈で使っておられるのかちょっと理解できないんですが、武器使用と国連のコマンドとの関係につきましては先ほど来るる御説明申し上げてきたとおりでございます。
#124
○吉川春子君 国連の権限を認めて、また自衛隊は国連のコマンドのもとに置かれると言いながら、武器使用についてもう非常にあいまいで、答弁をしないわけですね。
 立本質問に対して五月二十二日に、国連のコマンダーが武器を使えなどという命令を下してくることは考えられないと答弁していますし、今も言っているんですけれども、例えばそんなことは言えないわけですよ。レバノンの場合でも、これは丹波さんも引用される香西先生の本にも出ていますけれども、兵力による組織的抵抗や発砲によりUNIFlLが自衛のための武力を行使する回数もUNEFIやUNDOFに比べて頻繁となりUNEFの隊員に犠牲者がふえる結果となった、こういうふうに書いてあるじゃないですか。そして、その現場のいろいろな経験を持つ司令官の証言を見ても、そんな日本の判断は絶対現場に合わないというふうに言っているわけですよ。
 だから、実際司令官が指令したのに、コマンドしたのにそういうことに従わないなんということはあり得ないんで、自衛隊が現場で武力行使に巻き込まれる危険性は実際上大いにあり得るわけです。結局この法案は、この点からも憲法九条をクリアできない違憲の法案である、廃案しかない、ガラス細工だと指摘しまして、質問を終わります。
#125
○井上哲夫君 私の場合きょう二十分でございますので通告をしました質問をしたいと思うんですが、順序が吉川委員が今質問したところと重なっておりましたので、そのことをまず最初に質問していきたいと思います。
 武器の使用と指揮権について今のやりとりを聞いておりますと、PKOといいますかあるいはPKFの活動の内容、特に武器の使用と指揮権に関して言えば、明確な基準なりそういうものがあるわけじゃなくて、何十年もの間の実績の積み上げから来ていると、そして司令官は直接的に武器の使用を隊員に命じるということはないんだと、結果的に武器の使用がなされてもそれは個人の生命、身体を守るというためか、あるいは任務に対する直接の物理的排除ないし攻撃があったためにこれを排除するためのものと、そして日本の指図という内容は後者を含まないものだと、こういうふうなことがこれまで議論をされてきておると思うんです。
 現実にはSOPの中には攻撃あるいは攻撃に対する反撃が、どのような場合にあって、その場合にどういうふうに容認できるかというようなものが全くないのだろうかと思いまして、見ますと、実はSOPの中には発砲というので、反撃が開始され得る発砲ということで例示があるんですね。例えば、小火器、軽機関銃による七十五回以上の発砲があったとか、あるいは重機関銃による五十回以上の発砲があったとか、あらゆる鉄砲、戦車、大砲による発砲があったとか、またこういう発砲は記録をした方がいいと。それはそうでしょうね。その記録がなければPKOの隊員があるとき突然気が狂ってめちゃくちゃ反撃に出たといった場合に、これは言いわけのしょうがないわけです。
 そういうPKO隊員に対する生命もしくは身体への攻撃が、任務の直接的な妨害の攻撃かは、どちらにしても記録はしないといかぬということはあるはずだと。SOPの中には目の子勘定で報告をしなさいと。弾が実際に国連の拠点に当たった場合、拠点というのは周囲が土塁や壁や建物など囲まれているのを含むと、あるいは小火器、軽機関銃、重機関銃の弾が直接拠点に当たるか二十五メートル以内を弾が通過した場合、さらに戦車、大砲、バズーカ砲の弾が当たるか、あるいは国連の拠点、車両、要員の二百メートル以内を弾が通過した場合、さらに国連の拠点や車両や要員の場所から千メートル以内で空爆があった場合、こういうのは記録しなさいということになっていると思うんですね。
 そうしますと、やはり一定の限界の中で武器の使用というものはなされ得るし、また命令も下るんではないだろうか。それが全く命令をしないということになったら、これはむしろPKOに参加していくことは危険この上ないといいますか、指揮官がいない状態になったら大変なことになる。その点はいかがでございますか。
#126
○政府委員(丹波實君) 今、先生がおっしゃった射撃の回数その他につきましては、停戦監視とか、あるいはPKF本体が行う停戦監視、そういう場合に相手方がどういう状況で、恐らくそれは停戦違反になるんだろうと思いますが、それを国連に報告するために記録しなさいということでございまして、それがこちらの自衛のために、こっちが応じなければならないときにはそれはそれに応ずるという状況とはちょっと違う状況なんだろうと思います。いずれにしても、それはそういうものを記録して報告するめどと申しますか基準を書いておる、私たちはそういうふうに思っております。それから、何度も同じことで恐縮でございますけれども、先生が引用になられたSOP、武器の使用という、セクション四、第四章と申しますか、そこにずっといろいろな規範的なことを書いていますけれども、その一番最初の文章なんですけれども、その出たしか、第四節ですか、実力の行使と書いてありまして、平和維持活動の全精神はそれが軍事的な力を使用することなく達成されるということだ、これが最大の目的なんだということを言った上で書いているんですね。まさに武器は自衛のためだけに使われる。UNIFILの例を先ほど出しましたけれども、その例を引きながらいかなる自衛行為が考えられるのかということを論じている、非常に抑制的な使われ方についてるる書いてあるというのが現実で、抑制的なと申しますのは、一例を申しますと、前から申し上げておりますとおり、警告は口頭、あるいは当事者にとり警告であると理解されるような信号を使えとか、いろいろ非常に抑制的な手段が書かれているというのが現実でございます。
#127
○井上哲夫君 SOP、肝心なものを見せていただけないものですから、私の方も悪戦苦闘をしておるわけでありますが、抑制的であるというのは当たり前のことなんですね。武器をPKO隊員がやむなく使った場合には、これは前回の質問と答弁にもありましたように正当業務行為である。したがって、正当業務行為であって、行き過ぎがあった場合の国家賠償とかそういう問題はあるにしましても、これは結果として許される。我々が夜中にだれかに襲われて反撃をしたという場合は正当防衛で、これ行き過ぎがあれば過剰防衛で、過剰防衛がひど過ぎれば実刑もあり得るわけですけれども、実際にはPKOの場合には正当業務行為ということで許される。
 したがって、そういう意味では抑制があらなければならないことは当然のことなわけです。その抑制のための基準が何らかの形である場合には、その基準の中で初めて指揮も現実に許容し得るということになると思うんです。そんなことを言っていると私の時間なくなりますので、なかなかたくさん時間がもらえないものですから非常にわずかの時間をやりくりしていろいろやってきておりますので、もう一つお尋ねをします。
 これは、停戦監視員に参加をする場合には、この前防衛庁長官が、停戦監視員は個人で参加をするし、通常丸腰、武器を持たないという形で行く仕事であって、そういう意味では防衛庁長官のいわゆる部隊を単位にした指揮権といいますか、そういうものではないということはよくわかりました。
 ところで、停戦監視員は全く武器を携えることなく行くのですか。例えばピストルぐらいは持たさないとどうなるんでしょうかということと、もう一つは、カンボジアの場合も、先遣隊といいますか、UNTACの前に先遣隊で停戦監視員として各国から参加をした人たちはむしろ武装をして行っているというようなことが報道にちょっと出ておりましたので、今後カンボジア以外で先遣隊に停戦監視員を送るというようなことのあった場合には、どういうふうにその辺はお考えなのか、お尋ねをいたします。
#128
○国務大臣(宮下創平君) 停戦監視団の場合は、これは武器を使用しないで個人の参加である、しかもその指揮権は国際平和協力本部長の直接のもとに置かれる、これはこの法律の中でそういう構成になっております。
 また第二点の、先遣隊という意味がよくわかりませんが、この法案が通過して国際平和協力本部の業務としてまず先に行こうということはあり得るかもしれませんね。しかし、その場合でも実施計画、実施要領できちっとさせた上で派遣をするわけでございますから、そういうものがなしで先遣隊だけ派遣することはあり得ないと私は思います。
#129
○井上哲夫君 きょうは先ほど来小林委員からPKOの参加について、別組織の観点で随分いろいろな観点からの御質問がありました。今まで私は別組織別組織と、そのことばかり質問してきたと思っていたら、きょう小林委員の質問でいろんな角度から分析をして質問されておりまして、随分私自身も勉強になったわけであります。
 そこでまず、社会党の対案を提出してみえる議員にお尋ねをいたしますが、この別組織について私ども連合参議院は独自の案を持っておって修正案として出そうと考えておりますが、この別組織については、現行法といいますか、今政府の方が出されておる法案の中身については、なるほど総理のもとにあるPKOの隊員として自衛隊員も第四条の業務をやる、第三条については自衛隊の場合には防衛庁長官のもとに部隊で指揮をされて参加をしていく。
 別組織の根本は、防衛庁長官の指揮というものを一回ばらして、そしてPKO隊という形でもう一度編成をして、そして参加をするというのが、日本の場合には憲法の問題もあるから、あるいは国会決議の問題もあるから望ましいんではないか。というのが私どもの考え方で、そうであれば自衛隊の経験、技能その他を活用しなきゃいけない。しかしそれに対しては、第二自衛隊論で虫がよ過ぎる、いいことだけ活用して何だという議論もあるわけでございますが、その点で、対案をお出しになってみえる方としてどのように別組織の内容をとらえてみえるか、お尋ねをしたいと思います。
#130
○委員以外の議員(野田哲君) 私どもとしては、別組織というのは国家行政組織法に基づいて新たな国際平和協力業務を実施する組織をつくるということであると思うんです。そしてその隊員のその構成員に、自衛隊の組織、能力、これを活用する場合には自衛隊とは別個の組織に移管をして参加させる、こういうことが別組織だ、こういうふうに思っております。
#131
○井上哲夫君 自衛隊の指揮というのは部隊単位で指揮が構成をされている、その部隊単位のピラミッド的に構成をされている指揮権、その指揮権から外してといいますか、除外をさせて、そして別の機関に移しかえて、そこで機能別、職能別というか、そういう形で編成をし直して出ていってもらう、こういう理解でいいわけですね。
#132
○委員以外の議員(野田哲君) おっしゃるとおりでございまして、先ほど私が、一昨年の十一月九日の三党合意の内容について民社党がその後に解説された資料なども引用いたしまして申し上げたのは、あの十一月九日の三党合意もそういう建前になっていた、こういうふうに理解をしており
ます。
#133
○井上哲夫君 そこで、防衛庁長官にお尋ねをいたします。
 このところ防衛庁長官の御答弁の中には、将来、PKOへの日本の参加、とりわけ自衛隊の隊員の方の参加についても、組織を自衛隊の中で専門的といいますか、専属的な形にすることも必要ならば考えなきゃいかぬ、今のところは当面そういうところまで至っていないかと、こういうふうなことが最近しばしば御答弁にあると思うんです。
 それで、その趣旨を今この段階で踏み込んで防衛庁長官がその内容をお答えすることは限界があるかと思います。お考えになってみえることを全部お話をしていただくというのは無理かと思いますが、それにしても、例えばそういうお考えがある場合に、それは今の自衛隊法でいうと、陸上自衛隊とか航空自衛隊とか分かれておりますね。そうすると、そういう陸上自衛隊とか海上自衛隊とか航空自衛隊というもの七は別の形でPKOの任務に当たる自衛隊員の組織といいますか、集団といいますか、指揮系統が全部違うそういうものをお考えになってみえるのか。あるいはそうではなくて、例えば陸上自衛隊の中にもたくさんの部隊編成があります、その部隊編成の中の一つとしてPKO隊といいますか、そういうものをとらえて将来考え得る余地がある、こういうふうなイメージなのか、あるいは私の想像を超えるところで、長官が前にお答えになった趣旨はそういうものとはまた違ったものであるのかどうか、お聞かせを願えればありがたいと思います。
#134
○国務大臣(宮下創平君) 私が申し上げたのは、将来このPKO活動というのは非常に重要な任務が自衛隊に付与されるわけでございまして、その頻度もあるいは多くなるかもしれません。そういうことが予想される場合もございます。そうなりますと、派遣される部隊というものは一つの知識、経験とかまた特殊な訓練を要するとかいろいろの問題がございますから、各自衛隊からその都度募集してきて、適任者を集めてやっていくというのも一つの方法かもしれません。
 しかし、私が申し上げたのは、今の自衛隊の定員の中で、しかも本来任務は直接侵略、間接侵略が主たるものでございますけれども、平時においてそういうPKOの機能に着目して訓練をするような一つの単位といいますか、グループなりそういうものがあってもいいのではなかろうかと。これは将来の検討課題だということを申し上げておるわけでございまして、委員はさらに私の立場にも配慮をされながら、突っ込んだ今議論がございました。
   〔委員長退席、理事岡野裕君着席〕
 例えば陸海空共通して、それらを超越して、それらを総合したようなものを考えるかどうかというような御趣意かと存じます。これについては、これはなかなかそう簡単に私は即答はできません。
 二万、この問題は、防衛計画の大綱の別表見直しとかいうことが言われまして、その基礎には人的資源の制約その他、国際軍事情勢、軍事技術の変化等に応じて自衛隊のあり方を見直す、機能的に見直すということも申し上げておるわけでございますけれども、そういう検討の際に、陸海空というような共通したものとしてそういうものを考え得るのかどうかというようなことは、有効な機能的な力というものを持つためにはあるいはそういうことも含めて検討をしてもいいんだろうとは思います。
 私は、今ここで結論を申し上げる段階にはございません。そういう問題を委員から御指摘いただきましたので、そういう視点だけを頭にとどめさせていただく、こういうことで答弁にかえさせていただきます。
#135
○井上哲夫君 私は、今質問しているおなかの中では、どちらの道から行くのがPKOの参加について一番いいのかということになると、しばしば、何度も申し上げておりますが、最初は別組織で、今のような形じゃなくて、そろりそろり新左衛門で、その間に知恵を出していけばいいんではないかというのが私どもの立場でございます。
 きょうの防衛庁長官のお話では、自衛隊員の方が日本から出ていく場合の当面の問題はカンボジアでしょうけれども、日本から出ていくPKOが、この法案が通った場合に、自衛隊員の方がもうほとんど全員だというようなイメージは持っていない、半分ぐらいかなというようなお話はきょう初めて私も耳にしたんですが、それはもう最初からそのようなお考えだったんでしょうか。
#136
○国務大臣(宮下創平君) これはとにかく国際平和協力隊は二千人という限度が法律で明定されております。これを超える場合には国会の法律改正、国会の御承認がなければできないわけでございます。
 そして、その業務は三条に書かれておりますように、十七項目か十八、レまで入れて十七項目になりますか、これが書かれておりまして、これは平和維持のための活動と人道主義的なものと、イ、ロ、ハ、ニ、ホ、へまではPKFですからこれは自衛隊しかできないけれども、あとはオーバーラップしておるわけですね。そういうことで任務も限定されておりますし、それから人数も上限が付されておりまして、当然、選挙監視あるいは警察あるいは行政指導、こういう問題もほんのわずかで済むかどうかという点は今までの議論を通じて私ども拝聴いたしておりますし、UNTACのいろいろな情報を聞きましてもかなりな規模になるだろうと思われます。
 具体的にはこれから協議することになりますが、自衛隊員が二千人、この法律の限度満杯を使うということは少なくともあり得ないと私は考えておるところです。
#137
○井上哲夫君 時間が来ましたので、また次の機会に御質問させていただきます。
#138
○寺崎昭久君 この席に外務大臣がいらっしゃらないのは大変寂しい限りでございますが、一日も早い平癒と復帰をお祈りしながら、早速質問に入らせていただきます。
 最初に、官房長官にお尋ねいたします。お尋ねする内容というのはPKF参加に関する国会承認、凍結の範囲等に関する問題でございます。
 この問題につきましては、私は五月の二十二日、二十七日にも当委員会で取り上げまして、民社党の考え方を述べると同時に、外務大臣の御所見を披瀝していただいてきたところでございます。その後、五月三十日に自民党、公明党、民社党によるPKO法案再修正に係る合意があり、また、先ほどその三党合意事項に基づく再修正案が提出されたわけでございます。
 こうした経緯を踏まえつつ質問するわけでありますが、この五月三十日に自公民三党間で行われた法案再修正の合意事項によれば、PKF本体以外の後方支援の業務についてもPKF本体の業務と複合してしか行えないようなケース、例えば地雷除却と道路復旧の双方を目的とするような場合については、後方支援の業務も事実上PKF本体の業務と同じく国会承認の対象となるとされております。もちろん我が党としましては、緊急避難的なものまで国会承認の対象とすべきだとは考えておりませんし、隊員の生命または身体の安全を確保するために最小限必要な地雷処理要員を派遣部隊に含めるといったケースについては国会承認の対象に含めるつもりはありません。
 再修正案が可決されますと、これは政府によって運用されることになるわけでございます。したがって、発議者の意図を正しく理解していただく必要があると思いますし、これは法の解釈、運用にかかわるものでありますので、政府の見解をお尋ねしたいと思います。
#139
○国務大臣(加藤紘一君) 御指摘の点につきましては、本日提出いただきました修正案を踏まえてよく検討させていただきたいと考えておりますが、おおむねただいまお述べになられたとおりではないかと考えられます。いずれにせよ、早急に検討を行い、できるだけ早い機会に整理して政府の考え方をお示ししたいと思います。
#140
○寺崎昭久君 この点は今後の法律の運用上大変重要な点でありますので、可及的速やかに政府の見解を文書にして委員長を通じて当委員会に提出
していただきたいと思いますが、お約束いただけますか。
#141
○国務大臣(加藤紘一君) ただいま文書で提出するようにという御要望でございましたが、その点につきましては前向きに検討させていただきたいと思っております。
   〔理事岡野裕君退席、委員長着席〕
#142
○寺崎昭久君 今要望申し上げた点につきましては、委員長におかれましてもよろしくお取り計らいくださいますようお願いいたします。
 それでは次に、カンボジアの問題について総理にお尋ねしたいと思います。
 UNTACの明石代表が五月十二日の当委員会でこのような趣旨の発言をされております。一つは、ほかの国々は日本がカンボジアでどういうリーダーシップを示すか大変な期待を持って見ているのではないかということ。もう一点は、カンボジアの場合だけは少なくとも日本がほかの国の驥尾に付して行動するのではなく、率先してリーダーシップを発揮してほしい、このように強い期待感を表明されているわけでありますが、私はこのことは二つの大事な点を指摘しているのではないかと思います。
 その第一というのは、カンボジア問題への対応は日本が国際貢献をどう考えているか国際社会に具体的にアピールする絶好のチャンスだということだと思います。それからもう一つは、さきの湾岸戦争の際、我が国は財政的には多大の貢献をしながら、しかし海外からはツーレート、ツーリトルだ、あるいは日本の顔が見えないというような批判を受けた経過があると思います。今回はぜひそういう批判を受けないような対応をしてもらいたいと。この二点ではないかと思うんです。
 これを踏まえていいますと、PKO協力法案というのは一日も早く成立させなければいけないし、日本がカンボジア問題で対応しなければいけないというのはかなり切迫した事態だと見なければいけない、そのように考えます。なぜなら、この六月十三日にはUNTACの第二フェーズの活動が展開される予定になっております。また、カンボジアからは、日本から大勢の調査団がやってくる、そして同じことを聞いていくけれども、一体何をやってくれるんだというような声も聞かれる今日の状況があるからでございます。そうした中で私は日本の対応が湾岸戦争のときのような非難をぜひ浴びてはならないと思いますし、そう願っているわけでありますが、総理はそれは杞憂だと言い切れるのかどうか。
 それからもう一点は、この際UNTACへのPKO派遣はもちろんですけれども、それ以外の分野でも日本ができる分野については、例えば経済発展については積極的に協力する、リーダーシップをとるということで臨んでいただきたいと考えておりますが、総理の御所見を伺いたいと思います。
#143
○国務大臣(宮澤喜一君) 過ぐる湾岸戦争におきまして、我々の協力が財政的なものに戦争中は限られたということについていろいろ国民的な反省がございました。これについていろいろな議論があったわけでございますが、その結果として、この法案を御審議いただいておるわけでございます。したがって、今、寺崎委員の言われましたように、この法案の行方というものは、湾岸戦争の際に我々が国民の中で議論したこと、お互いに反省し合ったことが果たして真実の行為となってあらわれるかどうかということの一つのやはりしるしであろうと思われます。また、その復しきりに言われております我が国の国際貢献あるいは国際的な義務に関してのこのカンボジアヘの平和維持活動への寄与、あるいはこの法律案そのものの成否というものはいわばテストケースであるというふうに、私両方とも御指摘のとおりであると考えております。
 いわんや我が国はアジアの国であると言いながら、一番近いところでようやく十三年間の戦争の後、平和が実現しようとしている。これまでに我が国はこの平和の実現について幾多の貢献はしてまいりましたけれども、いよいよその本体であります平和維持活動、殊にそれがおっしゃいますように間もなくフェーズUに入ろうというときに、入れることを希望いたしておりますけれども、我が国がやはり我が国としての貢献をすべきではないかというふうに、おっしゃいますように考えております。殊に同胞の二人の方々が今度のカンボジア和平に非常に大きな責務を負っておられることを考えますと、ますますそうであろうと思われます。
 もとよりカンボジアの再建につきましては、このUNTACへの協力と別に我が国自身がいろいろ二国間でいたさなければならないことが非常にたくさんあるであろうと思いますので、近くカンボジア復興会議を我が国の主唱によりまして各国と一緒に開きまして、そしてそういうことも議論をし、またそういうことを中心に、いわば二国間の援助をこれから相当大きな規模でしていかなければならないというふうに思っております。
#144
○寺崎昭久君 今、総理からカンボジア復興閣僚会議の話が出ましたので、この際伺っておきたいと思いますが、この会議には何カ国ぐらい参加される国があるのか、あるいは会議の内容というのはどういうものになるのか、ホスト国として日本はどういう役割を果たそうとされているのか、この点についてお伺いしたいと思います。
#145
○政府委員(谷野作太郎君) ただいま仰せのカンボジア復興閣僚会議につきましては、六月の二十日、それから二十二日が月曜日だったと思いますが、両日にわたって東京において行う予定にしております。
 参加国数のお尋ねでございますけれども、ただいまのところ三十三カ国から積極的に参加したいというお申し出を受けております。そのほかに世界銀行とか国際機関がございますので、これも今のところ十を超える国際機関から積極的な参加の御希望が参っております。そのほか本院において本委員会でもお尋ねのございましたNGOの方々につきましても御参加いただくように御連絡をとらせていただいております。
 会議の目的は、ただいま総理からも着手のことが御説明ございましたけれども、三、四点あろうかと思います。
 第一点は、シアヌーク殿下の懸命な国民和解に向けての御努力、そしてUNTACの活動、これを国際社会、日本も含めて全面的に支持していくという強い政治的なメッセージを送るということがあろうかと思います。第二点は、お集まりになった関係各国、国際機関から具体的な復旧に向けて、復興に向けての援助をお約束いただければと思います。第三点は、今回が第一回目でございますが、自後は事務レベルでのカンボジアヘの復旧、復興のための支援の国際間の調整が当然必要になってまいりますので、そのための機関、委員会といいますか、カンボジア復興国際委員会と一応銘打っておりますけれども、そういうものをつくるということを関係国間で約束して合意に達したいと思っております。
#146
○寺崎昭久君 その中で、日本が格別にこういう役割を果たしますというのがあるんでしょうか。
#147
○政府委員(谷野作太郎君) 一点申し上げるべきところでございましたけれども、日本はこの会議の共同議長国の一人でございます。それから、かねてからこの種の復興のための閣僚会議をぜひ東京でさせていただきたいということで主張してまいりまして、国連にUNDPという機関がございますけれども、その代表の方と日本側は外務大臣、共同議長でこの会議を取り仕切るということになっております。
#148
○寺崎昭久君 先ほど経済復興等の協力に格段の尽力をしていただきたいという趣旨のことも申しましたし、総理もそういう事情を踏まえて対応される御意向のように受けとめておりますけれども、この会議の席で何か新たな提案、経済協力だとか、そういったようなことはされる予定はあるんでしょうか。
#149
○政府委員(谷野作太郎君) ただいまその辺のところを積極的に検討中でございますけれども、とりあえずは先ほど申し上げましたカンボジアの復興、復旧を日本のみが背負い切れるものではございませんので、国際社会に呼びかけてその調整のための委員会をつくろうという、これは日本の提案としてほぼ関係国間の御同意が得られると思います。
 その上で、さて日本としてこの復旧なり復興のためにどういう分野を念頭に置いて進めていくかということでございますけれども、農業あるいは医療分野、あるいはこの委員会でもお話のございます人的な協力、そういった諸点についてできる限りの積極的な日本の姿勢を具体的に表明したいということで、今関係省庁と中身を詰めておるところでございます。
#150
○寺崎昭久君 ところで、明石代表は五月十二日の当委員会で、カンボジアの再建の見通しやカンボジア自身の政治的意思というものについてこのような発言もされております。プノンペン政府とポル・ポト派とのあつれきが解消されるのは年月を要するが、しかし自由選挙を境にして議会制民主主義は定着するだろう、それを疑う根拠を持っていない、このような発言をされております。
 ぜひそうあってほしいわけですが、総理はこの問題について、つまりカンボジア人自身の政治的急患とかカンボジア再建の見通しについてどのような御認識をお持ちなのか、伺いたいと思います。
#151
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほどフェーズUのお話があったところでございますけれども、聞くところによりますと、コンポントム等々を中心としましてなかなかフェーズUに素直に入れるかどうか明石代表も苦労しておられる、これは主としてクメール・ルージュのことだと思いますけれども、事情があるようでございます。
 しかし、これはもともとフン・セン首相が来られましたときに、そういう問題はあるんだけれども、やはりそのためにUNTACの行動というものが必要なんだ、そうすればクメール・ルージュも結局はそれに従わざるを得ないと思うと、こういうことを言っておられたわけでございますので、あらかじめある程度予想されていたことが起こりつつあって、そして多少の曲折はありましてもフェーズUにやがて入れるということであろうかと、多少希望的にもでございますが、大筋はそうであろうかと思います。
 ただ、その後、三十七万と言われました難民の帰農と申しますか、農業をほとんどやったことのない人たちがもう相当年齢的におるはずでございますので、そういうことのこれは大変に大きな問題、しかも地雷があるところで雨季にということになりますから、いろいろ難しい問題があるのではないだろうか。UNTACが言っております選挙のところまで、それが時間割どおりにいくのかいかないのかというようなこともまたあるかもしれません。
 しかし、いずれにいたしましても、十三年間の戦争をこういう形で終わって、SNCというものをつくって、そして国連、私どもがまた参加する平和維持活動によって、いわば最終的には選挙において民主的な国をつくるという以外の、それ以外の筋書きというものはだれも持っていないのでございますから、お互いに、と申しますのは四派の人たちもまた国連も、私どもも最大限の努力をしてそういう目的を達するという以外に方法はないように思われます。
 予定以上の時間と予定以上の金がかかるかもしれません。また当事者の方々は予定以上の苦労をされるかもしれませんが、それ以上に道はありませんし、先ほどもお尋ねのございましたカンボジア復興会議と申しますようなものも、やはりこの地域におります。しかも経済力は大きなものを持っている我々としまして、人的に物的に、決して出過ぎることはないように、しかしやることはちゃんとやったと、こういうそれこそテストケースであろうというふうに考えております。
#152
○寺崎昭久君 時間が参りましたので終わります。ありがとうございました。
#153
○喜屋武眞榮君 私は、最初に外務省の丹波国連局長の武力の行使に対する修正答弁についてお尋ねします。
 政府は、PKOに派遣される自衛隊は国連のコマンドに従うと言っております。そして政府は、武器の使用について国連は、自己の生命を防止する場合だけでなく、国連の任務が武力により阻止された場合それに抵抗する場合にも武器の使用ができると言っております。そして、後者に対して、後の方は場合によっては武力の行使に当たる場合もあるというのが丹波国連局長の修正答弁であります。
 したがって、丹波国連局長の修正答弁は我が国が派遣する自衛隊の武器の使用が場合によっては日本国憲法第九条に抵触する場合もあり得るということを認めるものであると考えるが、一体どうなのか、その点に関する御見解を承りたい。これは外務省にお伺いします。
#154
○政府委員(丹波實君) 先ほども御説明申し上げましたけれども、PKFに参加する場合、過去の国連の慣行とか文書によりますと、そういうふうに携行された武器というものは自衛の場合にのみ、そういうときにのみ使用が認められるということになっておりまして、その自衛には以下二つのことが含まれるという一般的な書き方あるいは言い方になっておりまして、一つは自己の生命を防衛するため、それから二つ目は国連の任務が実力により阻止されそれに抵抗する場合ということでございます。
 それで、Aの場合に武器の使用が認められるという点については、これはまさに人間の自然的な権利と申しますか、ということで異論のないところだと思いますが、Bの場合の武器の使用につきましては、場合によってはそれは武力の行使に当たる状況がないわけではない。その場合には日本としては武器を使わないというのが御承知のとおり第五原則でございまして、私の五月二十二日の先生に対する御説明は、基本的には今申し上げたことは武器の使用ということが論じられている、そういう問題でございますというところで言葉が終わっているものですから、それだけでは誤解が生じかねないということで、従来から御説明してきておる今私が冒頭に申し上げたことを二十七日に念のため補足的に先生に御説明申し上げ、同じことを二十九日にも別な先生に御説明申し上げたということで、衆議院におきましても当委員会におきましても、私たちが御説明申し上げてきていることは一貫したことを申し上げてきているつもりでございます。
#155
○喜屋武眞榮君 お尋ねしたい点もありますけれども、次へ移ります。
 次に、日本国憲法第九条を定め、武力の行使を放棄したのは主権者である日本国民である。その主権者である日本国民の意思を無視して、内閣はこのたびのPKO法で実質的な憲法改正を行おうとするものであると断じたい。法律によって憲法を変えることは許されないことは言うまでもありません。この憲法改正手続を経ない実質改憲の企てについてどう思うのか、法の番人である法務大臣のまず見解をお伺いしたい。
#156
○国務大臣(田原隆君) お答えします。
 法の番人という意味は、憲法との関連ではなくて、むしろ刑事法とか商法とかというそういう基本的な国民の法律をお預かりするという意味だろうと思いますが、私は、憲法の解釈については、これは行政的な面から見るとすればこれは当然法制局であり、また三権分立の建前上から見るとすればそれは最高裁判所の仕事であり、我が法務省のどうも所管ではないと私は思います。
 ただ、閣僚としてどうかということになれば、私は内閣の一員として総理が今までお答えになっていることで尽きている、私も同様の意見である、こう申し上げるほかはない、そういうふうに考えます。
#157
○喜屋武眞榮君 それでは、もう一問。
 日本国憲法の根幹である第九条の平和条項を定めたのは、申し上げるまでもなく、主権者である日本国民であります。同時に、主権者である日本国民には、第九十九条において日本国憲法を最高法規と定め、天皇、摂政を初め国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員にこの憲法を尊重し擁護する義務を課している。申し上げるまでもありません。しかるに内閣は、この第九条を軽視し、PKO法案によって、これを擁護せずに逆に侵害しようと試みていると断じたい。このことは同時に、主権者である国民の意思を無視するものであり、到底認めがたいものであります。
 このような立法をしようというのであれば、内閣は当然衆議院を解散し、総選挙において国民の審判を仰ぐべきである。もしこのような手続抜きで今回のPKO法案のように憲法に抵触するならば、それはまさに独裁への道であると言っても過言ではない。従来、護憲論者と承っております宮澤総理の明確な御答弁を承りたい。
#158
○国務大臣(宮澤喜一君) どうもこの問題になりますと喜屋武議員と私とで見解が分かれますことを常に残念に思っておりますが、この法案、いわゆる国連の平和維持活動は、もともと武力行使を意図するものではございません。そのことは何度も実は申し上げたのでございますけれども、もともとそうではないのでございますが、そればかりでなく、我が国はこのような憲法を持っておりますから、その我が国の立場として万一にもそのような危険を起こしませんように幾つかの特別な配慮をこの法案の中に加えておりますことも何度も御説明を申し上げたとおりでございまして、むしろこうやって冷戦後の時代における国連の世界平和維持機能のために貢献することが憲法の諸国民の信義に信頼をするという精神に沿うものというふうに私どもは考えるわけでございます。
#159
○喜屋武眞榮君 いろいろと皆さんのカンボジアに対する質疑の中で、大分私も認識を深めることができました。
 ところで、幻のカンボジアで終わりたくないというのが私の真意であります。幻と申しますと、結局聞いたことはあるが見たことはない、行ったことはない、こういう形での理解を私は幻のカンボジアと言うわけであります。
 ところで、もう時間もちょんになりましたので、その幻のカンボジアにならぬためにはどういうことが大事であるか。郷に入れば郷に従えという言葉もあります。こういった生活、風俗、習慣というこのことを理解することがまた大事であると私は常に思っております。そういう点、次の機会にまたお聞きすることにいたしまして、時間ですのでこれで終わらせていただきます。ありがとうございました。
#160
○委員長(下条進一郎君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、明二日午前十時に委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十分散会
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ソース: 国立国会図書館
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