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1992/06/02 第123回国会 参議院 参議院会議録情報 第123回国会 国際平和協力等に関する特別委員会 第15号
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1992/06/02 第123回国会 参議院

参議院会議録情報 第123回国会 国際平和協力等に関する特別委員会 第15号

#1
第123回国会 国際平和協力等に関する特別委員会 第15号
平成四年六月二日(火曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         下条進一郎君
    理 事
                上杉 光弘君
                岡野  裕君
                田村 秀昭君
                藤井 孝男君
                佐藤 三吾君
                谷畑  孝君
                矢田部 理君
                木庭健太郎君
                吉川 春子君
                井上 哲夫君
                田渕 哲也君
    委 員
                板垣  正君
                尾辻 秀久君
                大島 慶久君
                合馬  敬君
                狩野  安君
                鹿熊 安正君
                須藤良太郎君
                永野 茂門君
                成瀬 守重君
                西田 吉宏君
                藤田 雄山君
                星野 朋市君
                真島 一男君
                翫  正敏君
                小川 仁一君
                喜岡  淳君
                國弘 正雄君
                小林  正君
                櫻井 規順君
                竹村 泰子君
                角田 義一君
                田  英夫君
                細谷 昭雄君
                太田 淳夫君
                常松 克安君
                峯山 昭範君
                立木  洋君
                磯村  修君
                寺崎 昭久君
                喜屋武眞榮君
   委員以外の議員
       発  議  者  野田  哲君
       発  議  者  村田 誠醇君
   国務大臣
       内閣総理大臣
       外務大臣臨時代  宮澤 喜一君
       理
       国 務 大 臣  加藤 紘一君
       (内閣官房長官)
       国 務 大 臣  宮下 創平君
       (防衛庁長官)
   政府委員
       内閣審議官
       兼内閣総理大臣  野村 一成君
       官房参事官
       内閣法制局長官  工藤 敦夫君
       内閣法制局第二  秋山  收君
       部長
       防衛庁長官官房  村田 直昭君
       長
       防衛庁防衛局長  畠山  蕃君
       外務省経済協力  川上 隆朗君
       局長
       外務省条約局長  柳井 俊二君
       外務省国際連合  丹波  寛君
       局長
   事務局側
       常任委員会専門  辻  啓明君
       員
   法制局側
       第 一 部 長  田島 信威君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国際連合平和維持活動等に対する協力に関する
 法律案(第百二十一回国会内閣提出)
○国際緊急援助隊の派遣に関する法律の一部を改
 正する法律案(第百二十一回国会内閣提出)
○国際平和協力業務及び国際緊急援助業務の実施
 等に関する法律案(野田哲君外三名発議)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(下条進一郎君) ただいまから国際平和協力等に関する特別委員会を開会いたします。
 国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律案、国際緊急援助隊の派遣に関する法律の一部を改正する法律案及び国際平和協力業務及び国際緊急援助業務の実施等に関する法律案、以上三案を一括して議題とし、以上三案及び岡野裕君外二名提出の修正案について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○小川仁一君 初めに申し上げておきますが、きょうは私は政府の答弁を一切求めません。そのことをあらかじめお断り申し上げておきますから、余計なお口出しはなさらないようにお願いします。
 まず最初に、委員長に一言お願いを申し上げますが、消費税撤廃の法案を審議した際に、それは慎重審議そのものでございました。自民党さんは反対のお立場でしたので、委員二十人全員、一人平均三時間の質疑が行われました。自民党の委員全員の質問が全部終了してから採決という運びになったわけであります。私は発議者の一人でしたから、慎重審議というのはこういう進め方かということを、当時の委員長の運営を通して、また理事の皆さんの協議を通して教わりました。今回は公民の方は立場を異にしておりますが、お互いに慎重審議の教訓を体して努力していただくようお願い申し上げます。
 今回のPKO法案は、憲法上の疑義も十分に解明されていないし、国論を二分している法案でもあります。委員長は参議院の慎重審議のよき前例を生かして運営されるよう要望いたしますが、委員長のお考えがございましたらお聞きいたしたいと思います。
#4
○委員長(下条進一郎君) 本法案のような重要法案につきましては、慎重な審議を行うべきである、このように考えております。
#5
○小川仁一君 では、修正案の発議者の皆さんに、私も経験がありますから御苦労のほどをお察し申し上げます。私の質疑に失礼のこともあるかもしれませんが、前もってお許しをお願い申し上げておきます。
 それでは、質問に入ります。
 提出された修正案と自公民三党の合意事項とは一体のものと考えますが、よろしゅうございましょうか。各党にお伺いします。
#6
○岡野裕君 郷党の大先輩の小川仁一先生のご質問に最初のバッターでお答えができるのはまことに光栄であります。よろしくお願いいたします。
 なるほど三党間の合意というものが基本にございました。その上に立って私どもの修正案ができていることは、これ先生のおっしゃるとおりではありますが、しかし一体のものだというものではございません。三党間の合意は五、六項目でありますが、私どもが提出をいたしました修正案は、先生お読みになりましたとおり多数の項目にわたっておりますし、かつ長文であります。
 以上でございます。
#7
○峯山昭範君 お答えいたします
 一体のものであるかどうかということでございますが、私どもは三党合意を踏まえまして、法案にすべきものとまたそうでないものとがあったんだろうと思います。そういうような意味で、先ほど岡野発議者が答弁したとおりでございます。
#8
○田渕哲也君 お答えいたします。
 三党合意を踏まえて、法案修正の必要な点を修正したものが修正案となっております。
#9
○小川仁一君 修正案の発議者は、政府提案の原案をよく理解して、修正部分以外の問題は政府原案と同じ認識、同じ理解に立って、自公民の合意事項に基づいて修正案を提出されているものと認識してよろしいでございましょうか。各党からお伺いします。
#10
○岡野裕君 政府原案につきまして、私はこれを勉強し、加えまして九十日以上にわたりますところの当委員会の質疑、これを十分踏まえました上で、我々が法文の修正をいたさなければならないという部分につきましてのみ修正案の提案をした次第であります。
#11
○峯山昭範君 ただいま岡野発議者が答弁したと、おりであります。
#12
○田渕哲也君 今までの各委員の答弁と同じでございます。
#13
○小川仁一君 それでは、次の質問に入らしていただきます。
 憲法を読んでみますと、主語が「日本国民」と書かれているのは、戦争放棄をうたった第九条だけてあります。ほかにも日本国民が主語になっているところは前文に三カ所ございますが、前文以外の各条章はほかに日本国民が主語というふうに書かれてはおりません。この日本国民が主語になっているということは、日本国民の一人一人の直接的意思表示としての戦争放棄宣言であり、日本国民の責務として人類全体に誓約したものと解釈するのが当然だと思いますが、このことについて御見解をお伺いします。
#14
○岡野裕君 憲法は、今を去る四十数年の昔、我々が戦後のあの荒廃の中から立ち上がり、その国民の総意の意気込み、これを憲法ということで形づくられた、その中の一つが憲法第九条である。しかし、その前文というものにも極めて重い意義があるということは、小川先生御存じのとおりだと存じております。
#15
○峯山昭範君 九条の「日本国民」というところのお話でございますが、戦後半世紀をたたんとしている現在でございますから、先日も憲法記念日に私は前文の「日本国民」というところを読み直してみたわけでございますが、非常に重大な意味がたくさん書かれている。その点、日ごろ言われている点は別にいたしまして、私の感じているところは、特に自分の国のことのみに専念して他国のことを忘れてはならないというような部分もありまして、これはやはり私どもはこれからいろんな面で考えないといけないのじゃないか。
 私どもが今回修正案を出したゆえんも、何とかこの法案をたくさんの国民の皆さん方に御理解をいただきたい、そういうふうな意味で出したわけでございまして、九条の解釈につきましてはそれぞれ立場もありましょうけれども、そこら辺のところを十分考えて出したつもりでございまして、そういうふうに理解をいたしております。
#16
○田渕哲也君 お答えいたします。
 「日本国民はこという表現は、前文にもございますし九条にもございます。これは日本国民としての意思表示というか、それをあらわしたものだというふうに理解しております。
#17
○小川仁一君 ただいまのお答え、お三人ともそれぞれ御認識の差があるようでございますが、私は一条から始まった憲法の中であの条文だけが「日本国民はこというのが主語になっている、こういう一つの大きな特徴がありますだけに、国民としての意思表示として九条が存在する、こんなふうに考えたいと思いますが、特に御異論ございましょうか。あったらお願いします、なければ結構です。
#18
○岡野裕君 先生おっしゃいますように、憲法九条は「日本国民はこという書き方から始まっている、これは読んで字のとおりであります。しかし、田渕先生もおっしゃいましたが、この憲法には前文がございまして、前文の中には我々の志向しますところの理念、これが非常に明快に書かれており、その中にも「日本国民はこという言葉で始まるところがあるわけであります。これを御理解いただきたいと存じます。
#19
○小川仁一君 この論争をあえて長くするつもりはありませんが、前文を含めて四カ所です、「日本国民はこというのは。前文もごらんください、確約、誓約というふうに国民の一つの行動性、これを決めております。それだけにこの憲法の中における主語が日本国民だという規定の仕方というものは、前文、九条を含めて非常に大事だ。他の部分について言えば、例えば自由の思想性なんという問題も主語が隠されているけれども、あるのは政府でございます。こういう観点から特に九条のこの「日本国民はこという表現を大事に解釈をしていただきたいということを申し上げておきます。
 それでは次に、修正案のいわゆる凍結方式、理解が十分得られないということで凍結されたというふうに私たち聞いておりますが、これは第九条の「日本国民」の個々の意思を確認できないという意味のことでしょうか、どうでしょうか。
#20
○岡野裕君 今回私ども修正提案を行ったわけでありますけれども、この修正提案そのものは、我々やはり日本国の外交方針といたしておりますところの国連中心主義あるいは平和協調主義というものを基盤に据えまして、今の、現下の大勢を考えますときに、やはりPKOというものの存在が、先般、明石代表からも花盛りであると言われたように、大きな広がりを持って発展をしている。我々は今まで湾岸その他につきましても資金面での協力というものについては行ってきたわけでありますけれども、人的貢献をいたさなければならない、これは共通認識でございました。
 そういうような意味の中から、まずひとつ日本国民も、今まで八十カ国、五十万人が参画をしているこのPKO、わずか日本人四、五十人しか参画をしておらない、ぜひひとつこの際参画をしょうではないかということで政府原案というものが作成をされた、こう私は理解をしているところであります。
 しかし、今まで九十余時間にわたったこの審議を私どもが拝聴いたしておりまして、この際、まずやはりPKOというものに日本国も参画をすべきではないか。その場合に、内外の皆さんのより大きな御理解を得るためには、当面、この際、三条三号に掲げられておりますところの中のPKF本体部分というものについて、一部これを凍結し、あるいは一部これを国会承認にかけるというような修正を加えました次第であります。
 以上であります。
#21
○小川仁一君 私は、九条の「日本国民はこという主語の問題を前提にして、国民に理解がまだ得られていないということは、国民の個々の意思の確認が不十分だからこういうふうな形で凍結をしたのかということをお聞きしたのですが、その点についてはお答え不十分でありましたが、もう一度、どなたでも結構ですからお答えいただければありがたいと思います。
#22
○岡野裕君 私どもの提案をしておりますところの修正部分は、政府原案のPKF、これの基本的な部分、枠組み、これはそのまま立派に生かさなければならない、しかしながらより一層内外の理解を得ることの方が事の順序として妥当ではないかというような観点に立ちましての修正を意図したものであります。
#23
○小川仁一君 物の見方、考え方にかなりのずれがありますから、ここは保留をいたしておきまして、次に移ってまいります。
 凍結という方式、これは日本国民からの意思表示を避けて、憲法問題を棚上げして、その場をしのごうとしているように思われます。凍結を解除するに当たっては憲法問題も含めて討議される保証がございましょうか。その二つの点についてお伺いします。
#24
○岡野裕君 私が申し上げましたPKFの本体的部分を自衛隊員が隊として行う場合にこれを一時凍結をしよう、つまり別に改めて法律で定める日まで実施しないでおこうというのが私どもの趣旨であります。
#25
○小川仁一君 二つ目の、凍結を解除するときには憲法上の問題を討議するという保証はございましょうかということについてはどうでしょうか。
#26
○岡野裕君 私が今お答えをしましたように、先生のおっしゃるいわゆる解除、私が申し上げました別に法律で定める日まで実施しないでおくという、この別に定める日は、これは法律で制定をするわけであります。したがいまして、その際、その法律を論議します場合にどういう角度で行われ名がという点につきましては別に制約があるわけではございません。
#27
○小川仁一君 問題を変えてまいります。
 自衛隊は、PKO法案が成立するものとしてことし一月から、海外への災害派遣を目的とした部隊の編成を指示し、実行に移しているというふうに伝えられております。既に待機の状態にあるという報道もございます。このような行動は民主政治、法治国家として文民統制の立場から許されるべきではない問題と考えております。PKO派遣即応態勢、こういったことができ上がっているということは、これは防衛庁や自衛隊の先走りであります。
 このような行動を見ていますと、私が若い時代の過去の歴史的な縮図を見る思いがいたしますが、こういう行動に対する提案者の御見解を各党からお聞きしたいと思います。
#28
○岡野裕君 今、私どもは政府原案を審議してまいりました。本日から修正案の審議をいただいているわけでありますけれども、新聞等に先生からお話があったような記事が載っておったことは私も記憶しないわけではありません。しかし、その面の実態につきましては、修正提案者といたしましては自信のある答弁ができませんので、ぜひ政府側の方にお聞きを賜れば幸せであります。
#29
○小川仁一君 見解を聞いているんです。
#30
○岡野裕君 事実がつまびらかでございませんので、私としては自信ある見解を述べることはできません。
#31
○峯山昭範君 結局、憲法九条に基づく現在の日本の自衛隊のあり方についてそれぞれ見解が違うわけですね。私どもは、要するに現在の自衛隊は合憲であるという判断のもとにこの法案を出し、そして社会党さんの立場がそこだけがちょっと違うんじゃないのかと。それで、何とか社会党さんに御賛同いただきたいという面もありまして、ご心配な部分を修正に出したというのが私どもの考えでございますから、そういう点からいきますと、基本的な考え方は先ほど岡野発議者が答弁したとおりであります。
#32
○田渕哲也君 防衛庁の方でPKOの準備に対してどの程度の活動をしておるのか私もつまびらかではありませんけれども、既に法で与えられた権限の枠を逸脱してそういうことをしておるというふうには理解しておりません。PKOについて必要な研究とかあるいは資料を集めるとか、そういう準備をするというのはむしろ当然のことであって、現在の防衛庁に与えられた権限からはみ出した部分でそういうことを進めておるというふうには理解しておりません。
#33
○小川仁一君 これは防衛庁にお聞きすればいいということですが、きょうはお断りしましたのであしからず。
 今までの御意見を伺っておりましたが、結局、自衛隊を海外に出していくということは憲法の禁じている武力行使になるのではないでしょうか。これも政府委員の皆さんではなくて、発議者の方にお伺いをいたしておきます。
#34
○岡野裕君 結局は憲法九条違反になるのではないかというお話でございます。
 憲法で禁じておりますのは、武力による威嚇、武力の行使、これを禁止しているわけであります。政府原案におきましては、二条の二項、この中にやはり、このPKOに基づくところの我が国の行動は武力による威嚇あるいは武力の行使に当たるものであってはならないということがしっかり明言をされているところであります。
 一般論的に言いましても、PKOといいますのは戦わない軍隊だと。なるほど軍人が参画をするけれども、敵のない、戦のない、そういう筋合いのものだ、戦いはしないのであると。なればこそノーベル平和賞ももらったのだということであります。まあしかし、そういうものに参画をするにしても、先生のおっしゃる憲法九条というものを踏まえなければならないということで、政府原案において五原則というものがはっきりしているわけであります。国会報告もしなければいけないというようなことを原案の段階においても書かれていたところであります。
 特に、先ほど読み上げようと思ったのでありますが遠慮していたのでありますが、前文をもう一度先生読んでいただきたいんです。おっしゃるように、「日本国民は、恒久の平和を念願しこ「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しょうと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてみる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。」と。我々は「平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」のであると。なお、峯山先生からもお話がありましたその次でありますが、「われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならない」と、非常に立派な前文があるわけであります。憲法九条を踏まえつつ、この憲法前文の意思を外するのには、ちょうどPKOに参画すべく政府原案を提出なさったと。まことに立派な行為であり、その一部についてのみ我々は修正をしようと、こういう次第でありまして、憲法九条にいささかも違背をするというものではない、憲法の平和精神を生かしたものであるというように理解しております。
#35
○小川仁一君 憲法論議はひとまずおいてと、こう申し上げました、挑発に乗って憲法論議しますと長くなりますから。私は、ただしお断りしておきますが、前文をそう一方的に解釈するだけでは、以下の条文を見た場合に問題が残る、こういうことだけははっきりしておきます。
 次に、丹波国連局長は、武器の使用について二つに分けて討論をしておられます。一つは生命の防護、一つは任務妨害の排除、こう説明しておられます。その上でB、いわゆる任務妨害の排除は限りなく生命の防護に近いということを認めています。こうなると、武力行使に限りなく近くなる事態が想定されるのですが、こういう事態が起こった場合には憲法違反になるでしょうかどうでしょうか。
#36
○岡野裕君 これは政府原案そのものであって修正部分には関係がないわけでありますが、政府原案によりましても、武器の使用につきましてはしっかりした見解が今までも何回かにわたって述べられているところであります。やはり自己及び同僚の身辺を防護をするというときにのみ武器の使用が認められると。特に、同意でありますとかあるいは合意でありますとかあるいは申立てありますとかいうような意味の状態が崩壊をしたというようなときには、中断でありますとかあるいは撤収、撤退でありますとかいうような規定まで設けて我々が平和主義に基づいたPKOを実践をするというのを担保している、私どもはそう理解をいたしております。
#37
○小川仁一君 私のような戦争世代の者には、今のようなお話としての筋道は合っても、実際戦場に行った者は、あるいは戦争経験をした者は、こういう論理の組み立てたけで具体的な現地の状況というものに対応できないということ、これは宮澤総理だって戦争世代に育ったんですからわかっておられるはずです。ただ、私は今ここでその実感で物を申し上げるつもりはありませんから、今のような危険な状態があるということを警告しておきます。
 次に、修正案とそれからいわゆる一九五四年の本院の「自衛隊の海外出動を為さざることに関する決議」について伺いますが、本院の決議は、自衛隊を海外に出動させないという決議です。一方、皆さんの修正案は、自衛隊を海外に出そうとすることを前提にした修正案です。
 この本院の決議についての各党の見解をお知らせ願いたい。
#38
○岡野裕君 先生のおっしゃる本院の決議、昭和二十九年の決議だと、こう存じているところであります。これがどういう有権解釈的なものになるかというのは参議院自身の権限に属するものでありまして、私はその参議院の一構成員にすぎません。したがいまして、一構成員としての私の見解を述べるというのでお許しをいただければと、こう思うのでありますが、よろしいでありましょうか。
#39
○小川仁一君 党の見解を承っている。
#40
○岡野裕君 党の一人としての見解であり、そうしてまた参議院の構成員の一人としての見解でありますが、この決議は、中身につきましては、武力行使の目的を持って武装した部隊を他国の領土、領海、領空に派遣をする、つまり出兵、派兵をするということを禁じたものだと、こういうふうに理解をいたしております。
 そこにかんがみますと、私どもこのPKOといいますのは、先ほどからるる申し上げましたように、戦わざる軍隊である、平和を維持し確保する、メーキングしビルディングする、そういうものである、こう心得ております。
#41
○峯山昭範君 昭和二十九年六月二日の「自衛隊の海外出動を為さざることに関する決議」、実は私もこの決議を予算委員会で取り上げたことを覚えております。実際問題として、今から三十八年ぐらい前の決議でございますし、当時に現在のような状況があったのかどうかはわかりません。いずれにしましても、有権的な解釈はまだなされていない、こういうふうに私は思っております。
 したがいまして、当時のいろんな状況から判断をいたしまして、自衛隊を海外に派兵する、いわゆるあの戦時中の反省、小川議員が先ほどおっしゃったように、戦争に参加した者の反省、そういうようなものを十分踏まえまして、二度と自衛隊を戦争に送ってはならないという強い決意がこの決議の中にあらわれているんだと私は考えております。
 したがいました、今回私どもが修正案として出した部分だけで申し上げますと、いわゆる政府提案のPKOの活動というのは戦争にやるんではない、そういうような判断でございまして、そこのところが食い違っている点であろうと私は思っております。そういうふうな意味の決議ではないのではないか、こういうように私は判断をいたしております。
#42
○田渕哲也君 この決議は、自衛隊法の制定に当たり、憲法の精神を踏まえて二度と他国を侵略したりはしないとの意思をあらわしたものと受けとめております。我が党も現在もその気持ちは変わるものではありません。
 また、あの国会決議は、当時の国際情勢や我が国の置かれた立場から見て、戦争のための海外出動を中心とした想定がなされ、平和時の平和目的の自衛隊の海外派遣など想定できない状況の中にあって、その当時から見れば極めて当然の内容であったと思います。しかし今日、我が国は世界第二の経済大国となるなど国際社会の中で重要な地位を占めるに至り、また国連の活動も、本格的には東西冷戦などで十分な機能を果たせなかったものの、いわゆるPKOの活動は進められ、その実績を積み上げてまいりました。今日では、人的面でも我が国は国際社会に積極的に貢献し、役割を果たしていかねばならない状況から考えますと、やはりPKOに対する派遣というものはこの決議に想定した侵略行動とは全く別であるというふうに考えております。
 政府は、これまでも南極観測あるいは湾岸戦争のときに敷設された機雷の除去のための掃海艇派遣など自衛隊の海外派遣を実施しておりまして、これは国際的にも高い評価を受けてきたところであります。
 今後も、災害出動あるいはPKOへの自衛隊派遣など自衛隊の海外派遣を行っていくことは、憲法の掲げる平和主義の原則に沿うものであり、昭和二十九年の国会決議の趣旨に反するものではない、このように我が党は考えております。
#43
○小川仁一君 自民党さんは個人の見解をお述べになりました。それから、峯山さんは峯山さんの持論、前の予算委員会の平成二年十月二十二日の意見とその趣旨を中心にしながらもやや異なったニュアンスのことを言っておられます。田渕さんの御答弁もお聞きしましたが、この決議が実は院を拘束するかしないかという問題もあり得るわけですから、この機会にどうか三党の統一見解をお示し願いたい。そうしなければ、修正案に対する一つの前提的な討議が、質問ができないと思いますので、三党の御見解をお願いしたい。まとめるまではお待ちいたしております。
#44
○岡野裕君 私どもは、今度の政府原案をいかに修正するかというのを検討いたしまして、修正すべきであると考えた部分について修正提案を行ったところであります。
 この昭。和二十九年におきますところの当院の決議については、今の修正の段階におきましては統一見解を出すというようなことは今の時点で考えておりません。いささかも憲法に触れるものではない、こう考えますがゆえに、私が申し上げたとおりであります。
#45
○小川仁一君 私は、憲法の問題を聞いているんじゃないんです。三十八年間定着してきた参議院の決議、これがございます。これといわゆる皆さんが修正された原案の思想性、さらに修正する人の原案に対する思想性とが相違うのではないかというので修正者の統一見解をお出し願っているのですから、どうしてもこれは統一見解をお出し願わないと私はこれからの質問ができなくなりますから、お願いをいたします。
#46
○峯山昭範君 この国会決議の有権解釈の統一見解ということでございますが、この有権解釈は、参議院は参議院として、それは正式の機関でやるべきだろうと私は思いますが、少なくとも三党のいわゆるこの決議に対する解釈の基本的な問題は私は一致している、こういうふうに思っております。それは、要するにこの決議の中でうたっている自衛隊の派遣という問題は、派兵までいわゆる禁止しているものではない、こういうふうに私は考えております。(「だめだ、だめだ」と呼ぶ者あり)
#47
○田渕哲也君 三党の立場は少なくともこのPKO法案に対して、この参議院の二十九年の決議に抵触するものではない、また同時に修正案についてもこの決議に抵触するものではない、こういう面では一致しておるわけであります。
 なお、この問題の有権的な解釈は、参議院そのものが行うべきであって、この場で三党合意云々ということはなじまないのではないかと思います。
#48
○峯山昭範君 済みません、ちょっと先ほどのお答え、謹んで訂正をいたします。
 先ほど派兵を禁止したものではないと、こう言いましたね。それが逆でございまして、済みません、訂正させていただきます。
#49
○小川仁一君 皆さんからそれぞれの見解をお聞きいたしました。
 しかし、私はそれが院の有権解釈と一致しているかどうかということをお尋ねしていますが、これは院の有権解釈が出ていない、だから一致するかどうかわからないという意味のことも御答弁なさったようですが、そう考えてよろしゅうございますか。
#50
○岡野裕君 昭和二十九年の本院の決議が、先ほど来私が申し上げましたように、海外派兵、出兵、これを禁止しているものだということで、私どもの今提案をしておりますところの修正案、政府原案、いずれもこの決議に違背するものではない。たとえ有権解釈が出ました段階においても、我久はそれに違背をしていないという考え方のもとに修正案の提案をいたしました。
#51
○小川仁一君 これは非常に大事な問題ですな。院の有権解釈が出ていないのに、反するものではないという立場でお出しになった。こうなりますというと、それぞれがそう思えば院の有権解釈を自分の思うとおり解することができる。
 私は、院の決議は今なお生きていると思います。そして、その有権解釈がはっきり変えられないうちは、院に対する政治的拘束性があると思います。したがって、院の有権解釈と皆さんの解釈が一致するまではちょっと私のこれからの質問はできませんので、この点よろしくお取り計らいをいただきます。これは委員長にお願いしておきます。
#52
○委員長(下条進一郎君) 二十九年の決議につきましては、これは院の解釈ということであれば、これは別途理事会で協議いたしまして取り扱いを正式に決めたいと思います。
#53
○小川仁一君 私は、質疑を続ける上で大事だから、急いでこれをやってもらわなければちょっと質疑できませんな。だから大至急やっていただきたいと思います。
#54
○委員長(下条進一郎君) 速記をとめて。
   〔午前十時四十五分速記中止〕
   〔午前十一時速記開始〕
#55
○委員長(下条進一郎君) 速記を起こして。
 ただいまの小川君の御指摘の問題につきましては、後刻理事会において協議をいたします。
 質疑を続けてください。
#56
○小川仁一君 私は、この参議院決議のもとにある参議院議員の皆さんが自衛隊を海外へ出すのを凍結するということを含めて修正案を出しておられますので、院の有権解釈が必要だと申し上げているのであって、一般論で有権解釈という言い方じゃないんです。だから次の質問につながる、こういうふうに申し上げたところでございますが、今理事の皆さんでこの質問に対しての扱いは決められたようでございますから、これにかかわる質問を留保して次に移らせていただきます。
 次、指揮権の問題に移ってまいりたいと思います。
 今までの政府統一見解については、政府の説明で、懲戒権が国連にないから指揮権はない、こういう説明がございました。これは誤りであると思いますが、各党の御意見を伺いたい。
#57
○岡野裕君 小川先生、指揮権の問題、コマンドでありますとか指図でありますとか、何回かにわたってここで質疑が行われたこと、先生も御存じ、私も聞いているところでありますが、何回か書き物も出ました。しかしながら、去る五月十八日の日に書き物に基づきまして外務大臣から、言いますならば最終的な政府側の見解が出たこと、先生御存じだと思います。
 あれによりますと、これは長いわけでありますけれども、申しわけありません。現地司令官は各国から派遣される部隊の配置等についての権限を持っているんだと。この権限はモデル協定でコマンドと言われている。法案では指図になっている。指図とモデル協定のコマンドというのは同義だ。それから自衛隊の部隊が参加する場合に、コマンドに適合するように実施要領を作成したり変更したりする。防衛庁長官は、この実施要領に従って我が国から派遣される部隊を指揮監督するんだと。国連のコマンドは、実施要領を介して我が国から派遣される部隊によって結局実施されることになる。だから、その意味では我々の部隊は国連のコマンドのもとにある。コマンドに従う。法案は五原則ということが盛り込まれてい、かつ国連のコマンドはこの五原則に合致した形で実施されることになるということだと私は理解をいたしております。
 この最終的な外務大臣の御答弁の中には、先生のおっしゃるような懲戒権云々は入っておりません。
#58
○小川仁一君 私は外務大臣の答弁を聞いたんじゃなくて、もう一遍申し上げますと、政府の前の見解でありますが、これは五月十八日前の見解の中で、懲戒権が国連にないから指揮権はない、国連に。こういう説明をなさいましたが、これに対して、これは誤りであると私は思いますがいががでございますかと聞いているんです。それだけです。
#59
○岡野裕君 私は、外務大臣の五月十八日の答弁、これが指揮、指図、コマンドについての最終的な御答弁でおる、こう認識をいたしております。この政府的な見解に我々は準拠をいたしまして、このくだりについてはいささかも修正をする箇所に当たらないという判断をいたしました。したがって、私は修正提案に基づいてのお答えはいたしますが、それ以外の点につきましては政府側にお聞きをいただければまことに幸せだと、こう思っております。
#60
○小川仁一君 各党にお願いしています。
#61
○峯山昭範君 ただいま御答弁あったとおりでございます。
#62
○田渕哲也君 ただいまの御答弁のとおりであります。
 いわゆる懲戒権を含めた本格的といいますか、すべてを含めた指揮権というものは国連にはない、しかし現地に派遣しておるPKOの部隊の行動については国連司令官のコマンドに従う、こういうことだと理解しております。
#63
○小川仁一君 そうすると、念を押しますが、野村さんのこの前のこの委員会での答弁の中で、大体一般に指揮は、職務上の上司がその下僚たる所属職員に対して職務上の命令をすることを意味しており、その違反行為に対し懲戒権等何らかの強制手段を伴うのが通例、こういうことを前提にして、いわゆる懲戒権がないから指揮権がない、こういうふうに解釈してきた。この解釈はお認めになっているわけですか、お認めになっていないのですか。そこだけはっきりしていただけばいいんです。各党にお願いします。
#64
○岡野裕君 政府側も何回かごの点について答弁をしてまいったと存じております。しかしながら、それらを集大成をして一番最後に出されましたこの渡辺外務大臣の発言、これをもって私どもは政府側の解釈である。そうだとするならば、この指揮あるいは指図という用語が条文に出てまいりますけれども、そのくだりにつきましては修正をする必要なしという判断をいたした次第であります。
#65
○峯山昭範君 ただいま岡野発議者の発言のとおりであります。
#66
○田渕哲也君 以前になされた政府の見解いろいろ出ておりますが、その中にちょっとわかりにくい点がございました。それを明確にするために五月十八日の外務大臣の答弁でまとめていただいたわけでありまして、外務大臣の答弁によりまして、従来の政府の答弁も含めて我々はそれを了解したわけであります。
#67
○小川仁一君 こういう問題については物の見事に統一的なお答えをなさいます、さっきの参議院決議はめいめいそれぞれお違いになりましたが。
 それはそれといたしまして、やっぱり三党の合意事項の四ですね、政府統一見解の枠内、こういうふうにおっしゃっていますが、どうなんです、これは。政府統一見解の枠内ということになりますというといろいろ問題が出てくるようになりますが、この点はそのままにしておかれますか。合意事項はやっぱり問題ありとお考えでございましょうか。
#68
○岡野裕君 私どもの修正案は三党合意があった、その趣旨はおおよそこのくらいのものだということを踏まえました上で検討をしたわけでありますが、先生がおっしゃいます政府統一見解の枠内だというのは、私が先ほど来お話しをしておりました五月十八日の外務大臣の御答弁というものを踏まえました上でその枠内だと、こう私は理解をいたしております。
#69
○峯山昭範君 三党の法案再修正の合意事項の第四項目に「PKOの指揮権については、PKO派遣中の指揮権は国連の文書規定を尊重し、国連の「コマンド」の下にある。」ことで意見が一致したと、政府の統一見解の枠内と先ほどおっしゃいましたが、そのとおりでございまして、ただいま岡野発議者の発言のとおりでございます。
#70
○田渕哲也君 我々が問題にしておりましたのは、いわゆるSOPと政府の見解との間に食い違いがあるのではないか、こういう点をただしていたわけでありますけれども、五月十八日の外務大臣の答弁によりまして、SOPによるPKOにおける軍事要員は、活動事項に関しては出身国の命令は受けず、国連事務総長から命令を受ける国連指揮官の命令のみを受けることがPKOの基本原則にある、こういう事実に適合しておる、反していないということが確認されておりましたので、我々はその統一見解の枠内で修正案をつくったわけであります。
#71
○小川仁一君 ただいまの民社党さんの御解釈のように、国連の司令官の指揮権のもとにあるという解釈を自民党さんも公明党さんも御了解いただけますか。
#72
○岡野裕君 先ほど私が申し上げたとおりであります。
 もう一度言いますならば、国連のコマンドの下にある、コマンドに従うという意味だと理解をしております。
#73
○峯山昭範君 結構でございます。
#74
○小川仁一君 そうしますと、私が一番先に申し上げたように、政府の前の答弁の懲戒権がないから指揮権はないというふうな言い方ですか、これは誤りだというふうにお認めになるわけですね。もう一遍言いますよ。懲戒権が国連にないから指揮権はないと、宇」ういう政府のかつての統一見解は誤りだと、こうお聞きしていいわけですね。
 各会派にお願いします。民社党さんが言われましたから、自民党さんと公明党さんに。
#75
○岡野裕君 懲戒権は国連にございませんで、日本側にあるということでございます。
#76
○小川仁一君 指揮権の問題はどうですか。
#77
○岡野裕君 指揮権。今は懲戒権のあるなしというお話だったので、それに基づいてお話をいたしました。
#78
○小川仁一君 じゃ、もう一遍申し上げますから。
 懲戒権が国連にないから日本に指揮権がないという説明を最初になさったが、これは間違いですねと、こう聞いているんです。
#79
○岡野裕君 国連の現地指揮官、これは指図しかできませんで、懲戒権を伴うような指揮権はない、懲戒権を伴う指揮権は日本側にあると、こういうふうに理解をいたしております。
#80
○小川仁一君 今までの解釈とかなり違うような感じもいたしますが、公明党さん、それでよろしゆうございますか。
#81
○峯山昭範君 今御答弁あったとおり、全く同じ。で結構です。
#82
○小川仁一君 そうすると、これは非常に外務大臣の答弁とのかかわりで問題がありますから、これは外務大臣目下お休みでございますので、おいでになったときに改めて質問をさせていただくことを保留しておきます。おいでにならないとすれば、臨時代理の方に改めて、私はきょうは修正者だけに質問していますから、お聞きすることを保留しておきます。
 それで、その次の質問になりますが、野村、柳井さんの答弁は、国内法と国際法は違うので、国内法にいう指揮は使えない、こう言っておられますが、違うと言っているだけで、なぜ指揮という用語が使えないかということについてのことがはっきりしなかったんですが、三党で政府見解の枠内とおっしゃっているとすれば、この指揮という用語が使えないことをどう理解しておられるか、御説明をお願いします。
#83
○岡野裕君 私の答弁ではございませんで、政府でありますか、側の某氏の答弁だということであります。その答弁を私は記憶しておりませんので、お答えができません。
#84
○小川仁一君 そうですか。私は三党の合意事項というものも読ませていただいているんですが、政府見解の枠内でと書いてあります。これは本文の方にもあったと思いますが、政府見解を知らないで枠内にあるということは、これはどういうことですか。おかしいことになると思いますから、柳井、野村両氏の答弁、いわゆる国内法と国際法とは違うので国内法にいう指揮は使えないとこう言ったこと、これがやはり政府見解でございますから、この枠内という意味でこれを御理解しておられると思いますから御説明願いたい。
#85
○岡野裕君 毎たび同じ答弁で申しわけありませんが、コマンド、指揮、指図、これらの問題につきましてはもう本当に審議が極めて多く行われたところであります。私どもが一番はっきり認識をいたしておりますのは、先ほどお話をいたしました五月十八日渡辺外務大臣の統一的見解、これの表明であります。それは私も十分読んでおります。三党合意はこれに基づくものだと、こう存じております。以上であります。
#86
○小川仁一君 質問に答えておりませんな。あと公明党さんお願いしてからにします。
#87
○峯山昭範君 お答えさせていただきます。
 当委員会におきましていろいろな議論が行われておりましたことはよく承知をいたしておりますし、また先ほどお名前を挙げられた外務省の皆さんの御答弁もお伺いいたしておりますが、そういうようなものを集約して最終的に外務大臣のこの統一見解になったんであろうと私は思っております。そういうふうに理解をいたしております。
#88
○小川仁一君 私は、外務大臣の統一見解を聞いているんじゃないですよ。外務大臣にかわって野村さん、柳井さんが御答弁なさったということは、これは政府の見解でございます。したがって、その方の論拠としている国内法、国際法の問題は、はっきりとこの枠内で、皆さんが枠内でと、こういうふうにおっしゃっておられるから、わかるように認識し御説明をいただかないというと、ちょっとこれは次の審議に影響しますな。
#89
○岡野裕君 PKO準備室あるいは外務省の担当の方の答弁、先生が引用されているそのもの、私は耳にいたしておりません。
 ただ、先ほど来お話をいたしますように、三つの問題についてはもうるるやってまいりました。その最終的な政府の見解は渡辺五月十八日発言に集約をされている。その集約は、この三党合意の中の第四番目、「コマンド」の下にある。」ということで意見が一致したというふうになっております。そうだとすれば、我々は政府原案を修正するに当たりましで、修正箇所に本件を加える必要はないということで一致をし、修正をいたしませんでした。以上であります。
#90
○小川仁一君 理事をなさっている方が議事録にちゃんと上がっているのを聞いておりませんと言われると、私も後質問を続ける気にならなくなってしまいますが、そういうお答えはひとつお許しを願いたい。
 やっぱり何としても枠内という問題でどうにもならない。じゃ、違った質問をします。
 野村さんと柳井さんの答弁の第二番目の論拠を申し上げてみますと、国連は各国から派遣された部隊を調整する機能を持っているとおっしゃっています。しかし、だれが見ても各国から派遣された部隊を調整するのは指揮権の一部だと、こういうふうに考えます。このことを理由にして、コマンドが指揮ではない、指図などというふうなことは当たらないと思いますが、この点の発議者の御見解をお伺いしたいと思います。
#91
○岡野裕君 これは修正部分でありませんので、ぜひ行政府の方にお聞きをいただきたいと思います。
#92
○小川仁一君 修正案というのは、原案の他の部分は一切無責任で修正をつくったというのならわかりますよ。原案を十分理解した上で修正案を出したとすれば、その修正案とこれとの整合性があるはずだ。それを修正案に書いてないからそんなことは知らぬと言うんなら、私は審議できない。
#93
○岡野裕君 私どもは、今お話が出ましたような指揮、コマンド、指図については外務大臣が御答弁になられた、それはメモということで皆様にもお配りをなされた、それが政府の見解だと。そうだとするならば、本件については我々は修正するに値をしない、こう思っているわけであります。
 今の国連の指揮あるいは指図と言われる先生の問題につきましては、国連の現地司令官は、各国から派遣される部隊がいつ、どこで、どのような業務に従事するかという部隊の配置、組織、そういった意味での権限を持っているんだと。その権限は、モデル協定にちゃんと国連ではコマンドというような表現で言われている。このコマンドを我が国の法案では指図というように規定をしている。だから、指図とモデル協定にいうところのコマンドとは同義であるという理解のもとに、本件につきましては修正部分に当たらないということであります。
#94
○小川仁一君 公明党さん、民社党さん、お答えをいただきたいと思います。
#95
○峯山昭範君 ただいま発言したとおりでございます。
#96
○田渕哲也君 今の発言のとおりです。
#97
○小川仁一君 ここもまた全部同じような考え方でございますが、柳井さん、野村さんの答弁というのは、これは政府の見解と違うというふうに御認識ですか、どうですか。
#98
○岡野裕君 私は、外務大臣の御答弁と一致をしていると、こう存じております。
#99
○小川仁一君 一致をしているという前提で、野村、柳井さんの答弁の三つ目の論点を申し上げます。議事録にございますから、五月十八日でございますよ。
 PKOは、派遣国の公務員が派遣国の職務として行うものだからコマンドは指揮ではないとおっしゃっていますのでは、なぜSOPにわざわざ各国政府の命令に従ってはならないと明記しているのか。この点の食い違いというものを発議者に御説明願いたいと思います。
#100
○岡野裕君 SOPというものが国連に存在をしている、そうして日本としては新しくこのPKO法案というものを政府原案ということで提出をしたと。これにつきましては、今までの審議でも政府答弁がありましたが、十分に国連当局と意思の疎通を図った上で原案ができた、こう聞いているところであります。私どもは、その審議の実態に信頼をおきまして、この点について修正をする必要がないという判断をした次第であります。
#101
○小川仁一君 公明党さん、民社党さん、お願いしたいと思います。
#102
○峯山昭範君 ただいまの岡野発議者の発言のとおりでございます。
#103
○田渕哲也君 私もその問題についてこの委員会で質問をいたしました。そして、いわゆる政府が派遣するPKOの部隊と国連司令官との間の命令系統というものもただしたわけであります。
 その命令系統は、国連の司令官から本部長である我が国の総理のところへ来て、総理は実施要領を介して防衛庁長官、それから現地の部隊、こういう命令系統になる。そして、その実施要領が国連のコマンドに適合するようにつくられる。また、国連のコマンドに変更のある場合は、実施要領もそれに適合するように変更される。こういうようなことから一私は我が国の現地に派遣された部隊が国連の司令官の指令に従わないということはあり得ないと思います。
 ただ例外は、実施要領というものが我が国の法制に適合するようにもつくられますから、実施要領をつくる際に国連との調整によってそれがなされるので、我が国の法令にそごすることもあり得ない、このように理解しておるわけであります。
#104
○小川仁一君 そうすると、これは実施要領というものが出てみないと今言った問題は解決しない、こういうふうに考えなきゃならないと思います。実施要領が適合するようにつくられるであろうということを御信頼なさっていることはいいんです。そのことを否定しません。ただ、できたものを見ないというとやっぱり問題がはっきりしないという課題は残ると解釈してよろしゅうございますか、民社党さん。
#105
○田渕哲也君 実施要領は、政府がこの法律に基づいてっくるわけでありますから、この法律に適合しないものをつくるとは我々は考えません。
#106
○小川仁一君 さっきの話とちょっとニュアンスが違ったような御答弁でございましたが、また実施要領の問題は後で申し上げることにいたします。
 続いて、同じく指揮権問題になりますけれども、三党合意事項の四では「国連の文書規定を尊重しことあります。この「国連の文書規定」というのはSOPモデル協定のことを指しておられるのでしょうかどうでしょうか。お答えが同じならお一人で結構です。
#107
○岡野裕君 おっしゃるとおり、モデル協定であります。
#108
○小川仁一君 もう一回。
#109
○岡野裕君 「国連の文書」といいますのは、SOPモデル協定等であります。
#110
○小川仁一君 入っていますか。
#111
○岡野裕君 入っています。
#112
○小川仁一君 その国連の文書、SOPモデル協定を検討したとすれば、指揮権の所在、コマンド、指図について、政府と同じ見解ということで先ほどから御返事をいただいておりますが、そういう問題についてどのような検討をなされたか、問題点は何であったか、こういう点の経過をお伺いできればありがたいと思います。各党にお願いします。
#113
○岡野裕君 この三党合意の四項にあります意見が一致をしたということは、当然先ほどお話をいたしました外務大臣の五月十八日の最終的な答弁、これを踏まえた上で討議が行われ意見が一致したものだと、こう存じております。その一致したところに基づきまして、今回の修正案については、歩くだりについては修正に値しないということで修正提案をいたしませんでした。
#114
○峯山昭範君 私の方も、ただいまの答弁につけ加えることはありません。
#115
○田渕哲也君 私どもが検討しましたことは、一つは国連のコマンドに本当に我々の部隊が従うのかどうか、コマンドと別の指図というか別の指揮というものが、いわゆる二重指揮というような格好が生じないかどうか。それからもう一つは、国連のコマンドに従った場合に我が国の法律に適合しない部分があるのかどうか、その部分の調整をどうするか。つまり、指揮が二重指揮にならない、一本化されることと、行われる指揮が我が国の法制に合致すること、同時に国連のコマンドに合致すること、それがうまく整合されないと困るのではないか、そういう観点からいろいろ検討をしたわけであります。
 最終的には、今まで申し述べましたような経緯をたどって一応それで意見の一致を見、我が党も了承したということであります。
#116
○小川仁一君 そうすると、三党で討議したのじゃなくて、それぞれの党で検討なさったということに結果としては今お聞きしたわけですが、それでよろしゅうございましょうか。
#117
○岡野裕君 修正案をつくるに当たりましては、それぞれの党で検討をし、その結果を三党で持ち寄って三党合意になり、それを踏んまえて修正案を出す修正箇所に当たるか否かを判断し、私どもとしましては修正する箇所に当たらないという意味合いで修正案に含まれておりません。
#118
○小川仁一君 指揮権の問題を討論するために、必要な場合、SOPに基づいて各党とも検討なさったでしょうか。
#119
○岡野裕君 三党間で検討をするのには当然いろいろな資料、実際のありさま等々を踏んまえて多分、申しわけありません、私参画をいたしておりませんので、意見交換を行い、意見が一致をしたものだと、こう考えております。
#120
○小川仁一君 いや岡野さん、無理だよ、今の答弁は。
 私が聞いているのは、国連の文書を尊重しとあるから、SOPに基づいて検討したかと聞いてい含んです。私はその検討に参画していないから答弁できないと言われたら、かえてくださいよ、あなたを、参画している人と。それでなきゃ質問できないじゃないか。
#121
○岡野裕君 私は参画をいたしておりませんがとは言いました。しかしながら、当然、SOPのように本国会でもう何回かにわたって言うならば一つの議論の中心課題になったということであります。そうして、四項に関連のものが出ているわけでありますので、SOPも当然含んで検討された、検討されるもろもろの案件の中にはそのSOPという資料も入っていた、こう存じております。
#122
○小川仁一君 それを聞こうと思っておったんだ。
 じゃ、SOPを入手しておられるんですか。SOPに基づいて検討したと言うんならSOPを入手しておられるんですか。これは自民党さん。公明党さんは、SOPの資料請求をしておられます。ところが、政府の方からは、外務省からバッテンの印がついてSOPを入手しておられないようです。民社党さんはこれを入手しておられるんですか。この点それぞれの党で明らかにしていただきたいと思います。
#123
○岡野裕君 SOPあるいは当該国と国連との間でPKOを派遣します場合に取り決めをいたします。それは、日本はまだPKO法案ができておりません。したがって、具体的な、例えばUNTACについてのSOPというものはありませんが、SOPモデル協定というようなものがございまして、先生方もそうだと存じますけれども、それに基づいて、この院内でありましたか閲覧に供し外務省から御説明を申し上げたというような経緯があるわけでございます。
 そういう意味合いで、SOPモデル協定等、本委員会において話題に供された、しかも中心議題の一つになった、この点につきましては三党合意を見るまでの間に当然その検討をする資料の中に含まれていたはずだとこう存じております。
#124
○峯山昭範君 今質問していただきましたようにSOPは資料要求させていただきました。その内容については、バッテンとおっしゃっておられましたそのとおりでございます。それで、入手しているかどうか、これは入手いたしておりません。皆さんと同じでございまして、閲覧をさせていただいたということでございます。
#125
○田渕哲也君 SOPは入手しておりません。ただ、衆議院並びに参議院において閲覧の機会がありましたので、必要と思われる部分は我が党の担当者がそれを写しまして、それを訳して訳文にしたものを我々は検討の資料にいたしました。
#126
○小川仁一君 そうすると、単独に入手しているところ、あるいは入手していないところ、あるいは参議院での説明だけを聞いておやりになったところ、こう三党ともそれぞれお立場が違うようでございます。私の方も、これは本当の訳になるかどうかは別として、やっとこのごろ手に入れました。
 皆さんは非常に国連の文書規定の尊重、こういうふうに言われておりますだけに、自民党さんのように外務省の説明だけでわかったと、随分頭のいい方ばかりそろっておられますけれども、あれでは無理なんですよ。国連文書規定の尊重という言葉に入らないんです。だから、この文章はちょっと言い過ぎじゃございませんか。入手してないのに尊重したり検討したりするということはあり得ないんですよ、普通は、事実としては。言葉としては書けるかもしれませんが。これどうなんですか、政府見解と同じになるという結論が先にあってこういう文章になったのですか。本当に真剣におやりになったのですか。自民党さんにお伺いします。
#127
○岡野裕君 政府原案が提出をされる際、日本としては初めてこのPKOに参画をしょうということであります。そういう意味合いでは、過去の歴史の中から積み上げられましたところのSOPの、言いますならばモデルというようなものについては十分検討をしたわけであります。しかしながら、その上に立ってなおかつ、当該部分については修正をする箇所に加える必要はないという判断を三党間で合意をし、修正案に含めませんでした。以上であります。
#128
○小川仁一君 それじゃあの文章はお消しになりますね。国連文書の尊重なんという部分は、これは意味のないことですから、合意の中から消してもいいか、あるいは消さなくても意味がないことと解釈していいですか。
#129
○岡野裕君 これは私も何回も申し上げておりますように、過去の歴史の積み上げから出てきましたところのSOP、それの運用の実態等々につきましては十分調査をし、我が国のあり方を検討をするというようなことが踏まえられた上で結論になったわけであります。そういう意味合いでは「国連の文書規定を尊重しこということが誤りではないと私は想像しております。
#130
○小川仁一君 そうなると、SOPを入手しておられたということですね。
#131
○岡野裕君 この政府原案にせよ我々修正案にせよ、国連文書、入手できるものは入手をし、それから入手できないものも中にはあるということだろうと思いますけれども、全体的な文書というものは入手できるものは入手し、それを尊重しているということであります。
#132
○小川仁一君 全然わかりませんな、その場逃れのお話なんで。
 私は、国連文書の文書規定の尊重ということは、当然のことながら、民社党さんのように自力であったとしても、そのSOPやモデル協定を入手されて、それを十分検討されたものと、こういうふうに理解しておったんです。ところがそれぞれ党ごとにおやりになった。その党内の討論方式、検討方式というのは、私にはみんな違うように聞こえてならないんです。こういう形で合意されるということは、失礼な言い方をしますけれども、ややふまじめな合意の仕方じゃないかと、こういう感じがするんですが、本当にまじめにおやりになったんだとすれば、それぞれSOPをお持ちになって、モデル協定をお持ちになって、そして懸命にそれぞれの討議をし、出し合った問題点があって、その結果の結論が出たと思いますが、出し合った問題点は、自民党さんは一切問題がなかったと、こうおっしゃいましたね。これでいいですか。公明党さんの方はどうでございましたでしょうか。民社党さんはお聞きしていましたから結構です。
#133
○峯山昭範君 おっしゃる意味はよくわかります。わかりますが、国連文書を尊重するというこの三党の四項目の合意事項というのは、私は当然これはいろんな国連文書たくさんあると思うんですよね。ですから、そういういろんなたくさんの国連文書の中で、特に私が聞いているところでは、先ほどの文書は公開されていないものを閲覧させていただいたんだと、こう聞いているわけですけれども、そのこと自体が私は大変なことじゃないかなと、そういうふうに思っております。
 それから、各党の審議のやり方とかそういうのは、それぞれ各党やり方がありまして、いろんな検討の仕方があるわけでございまして、それは各党の自主性に任せていただきたい、そういうふうに思います。
#134
○小川仁一君 自民党さんは。
#135
○岡野裕君 先生、モデル協定について我々が閲覧をしたということは御存じだと思いますが、必要なくだりについては政府側の方から詳細な説明がありましたですね。国連のモデル協定の第七項、コマンドなどという言葉が出てくるということは御存じのはずだと存じます。そういう意味合いでは、我々は、ここの三党合意にありますように、「国連の文書規定を尊重しこということに十分かなうものだと、こう思っております。
#136
○小川仁一君 SOPを聞いているん、です、中心は。
#137
○岡野裕君 だから、SOPモデル協定等々の文書がいっぱいあるわけですからね。
#138
○小川仁一君 討議に参画していないというから、いろいろおっしゃることは自由でございますが、何かしらそれぞれの党がそれぞれ検討なさったということで、結果として政治的に一つの合意事項ができたという形に理解すると、本当に御討議なさったかどうかということについて大変私は私なりに疑問を感じますが、これ以上言っても多分水かけ論になると思いますからやめますが、どうかもうちょっとしっかり答えてくださればありがたいと思いますね。
 次、修正案に入ります。
 第六条七項についてお伺いしますが、修正案の第七項について、公明党は従来、国会では、事前承認については不要であるというような御主張と伺っておりました。例えば、木庭先生は四月二十八日の当委員会で「多数決で事前にPKF派遣を承認することについてはこ「PKOの参加の是非だけを多数決で決めるとなってくると、例えば最も大事なPKOの参加五原則という問題、これを崩す危険性がないか、そういう危惧を抱いておる」というふうに述べられております。この点について、修正案を提案される、事前協議を入れられるというときに、公明党内部ではどのような討論が行われたかお伺いしたいと思います。
#139
○峯山昭範君 今回の修正部分は別にいたしまして、九〇年の八月に湾岸危機がありまして、それ以来御存じのとおりのあの国連平和協力法案というのが廃案になりまして、それを受けまして御存じのとおり、九〇年の十一月に自公民三見台意がありました。あれを起点にいたしまして、我が党といたしましてはこれからのいわゆる国際貢献のあり方についてあらゆる角度から議論をさせていただきました。ですから、最近の新聞等でもおわかりのとおり、私どもといたしましてはすべてその討論は公開をするということで討論の経過というのは相当皆さん方のところに行っていると私は思っております。
 そういうような意味で、私どもは国会承認という問題とそれからいわゆる参加五原則の扱い、これをどうするかということで党内でも随分議論をいたしました。それで、いろんな議論の中で、私どもが法律的な枠組みをきちっとするということ。もっとわかりやすく言いますと、いわゆるシビリアンコントロールに対してどういうふうに考えるかということに帰結するわけでございまして、シビリアンコントロールをどういうふうに確保していくか、そういうふうな意味では要するに国会承認ということと、それからどういう中身を国会承認するかというふうなことも出てまいりまして、そこで私どもは今回のPKO法案につきましては、法案の中身にきちっとした枠組みを入れた方がいい、そういうふうな議論が随分出てまいりまして、御存じのとおりこの法案の中に参加五原則という部分を入れさせていただいたわけでございます。
 五原則を入れさせていただきまして、そしてその後いわゆる実施計画とかそれから終了後の報告とかあるいは継続の国会承認とかそういうふうな部分が多々ありますので、そういうものをトータルいたしましてシビリアンコントロールの機能は十分ではないのかという認識に我が党内で一致したわけであります。
 しかし、今回は御存じのとおり、それぞれの政党のいわゆる合意を得るためのいろんな工作、いろんな作業があったわけでございますが、それぞれの御意見を入れまして、各党間の協議を得ましてできるだけたくさんの党の賛成を得るということもございまして、またこの国会承認というのは非常に大事な問題でもございますので、我が党といたしましては各党の賛成を得るというふうな意味も含めまして今回の修正に至ったわけでございます。
#140
○小川仁一君 経過はわかりましたが、この前の御発言の中で、事前承認をすると例えば最も大事なPKOの参加五原則という問題、これを崩す危険性がないかという危惧を抱いていると言われましたが、この危惧は解消したでしょうか。
#141
○峯山昭範君 そこら辺のところはすべて解消したと私は思っております。
 いずれにしましても、参加五原則を入れるということは非常に大事なことでございますが、そのときの議論は党内の議論ですからいろんな議論があるわけでございまして、要するに国会承認だけ、いわゆる五原則なしでやった場合にどういうようなことになるか、そういうような場合はいろんな議論がなされたわけでございまして、多数決原理ということになりますと、いわゆる五原則以外の協力というようなものが出てきては憲法に反するという問題も出てまいります。そういうような意味で、やはりこの五原則といういわゆる紛争当事者間での停戦の合意だとかきちっとした歯どめを入れた方がいいということで、私どもはこういうふうになったということであります。
#142
○小川仁一君 次に、修正案第七項をさらにお尋ねいたします。
 第七項中に、「国際連合平和維持隊に参加するに際して」はとありますが、これは全法案を見ましても平和維持隊という用語はここだけでございます。平和維持隊というのは、修正案でございますが、その定義、内容を御説明願いたいと思います。各党ごとにお願いします。
#143
○岡野裕君 国際連合平和維持隊、隊という言葉が本法案の中にほかに出てこないということは先生がおっしゃるとおりであります。しかしながら、今までこの委員会では何度も使われてきておりまして、どんな中身のものかということはおおよそ輪郭おわかりだと思います。
 ただ、ここに使われておりますところの国際連合平和維持隊といいますのは、五原則に係る言葉でありまして、形容詞句的な言葉でありまして、これは「我が国として国際連合平和維持隊に参加するに際しての基本的な五つの原則」と、ここまで息長くお読みをいただきたいわけであります。その五つの原則というのは括弧以下に書いてありますように、何条何項何号の「規定の趣旨をいう。」ということで、なるほど維持隊という言葉は法律にはございませんけれども、これは後で括弧の中にありますような各条項条項をすべて網羅的に掲記をしておりますので、したがっておわかりをいただけ至言葉だと、こう考えております。
#144
○小川仁一君 全然わかりません。これは国際連合平和維持隊という用語は今まで全然出てきてないんです、法律に。修正案で初めて出てきたのです。したがって、その定義、内容、その構成、あらゆるものの性格を御説明いただかなければ私らには納得できません。御説明願いたいと思います。これは自民党さんお願いします。
#145
○岡野裕君 先生がおっしゃいますように、法律案の中にも出てこないというのはおっしゃるとおりであります。五つの原則などという言葉も出ておりません。大体、法二条の中には基本原則でしたか、というのは出ているわけで、そういう意味合いでは過去に使われていない言葉が使われるということはあり得ることだと思っております。
 これは何宣言うのかわからないというお話でありますけれども、五つの原則が何であるかということがはっきりしていただきませんと、後で「及びこの法律の目的に照らしこ「承認を」というところに保ってまいりますので、そういう意味合いではっきりさせるために、この五つの原則を全部、第三条第一号あるいは第一項第一号あるいは第十三項第一号というように掲記をいたしたわけであります。その五つの原則に係りますところの平和維持隊という言葉でありますので、これによって何を言っているかわからないではない、ちゃんと括弧の中で言っているわけであります。条文を挙げているわけであります。
#146
○小川仁一君 例えば、この原案では国際平和維持活動、いわゆるPKOというのは何かということが第三条できちんと説明されていますね、性格とか定義は。平和維持隊なるものは、例えば業務の範囲、停戦監視団とか後方支援の関係など、性格が不明確なんです。五原則の説明だなんて言って、そんなものありませんよ。こういう固有名詞で一つの隊というものを明確に出した以上は、その隊の性格をきちんと御説明いただかなければ先ほどの説明では納得できません。
#147
○峯山昭範君 お答えさせていただきます。
 ただいまの問題は先生おっしゃるとおりでございますが、この平和維持隊の問題につきましては、まずこの法案がこの委員会でもう何回も議論された問題ではございますけれども、この法案を提出したその日に、実はもう既に皆さん御存じのことでございますが、官房長官が談話を発表いたしておりまして、「国連の平和維持活動、なかんずく平和維持隊の基本的性格について述べたい。」ということで、具体的な内容がはっきりしております。
 国連の平和維持隊は、紛争当事者の間に停戦の合意が成立し、紛争当事者が平和維持隊の活動に同意していることを前提に、中立・非強制の立場で国連の権威と説得により停戦確保等の任務を遂行するものであって、強制的手段によって平和を回復する機能を持つものではない。したがって、国連平和維持隊は従来の概念の軍隊とは全く違うものであり、「闘わない部隊」とか「敵のいない部隊」と呼ばれるゆえんである。一九八八年に、平和維持隊や停戦監視団を含む国連の平和維持活動がノーベル平和賞を受賞したのはそのためである。
  なお、平和維持隊はこのような実態のものであるから、政府としては、先般の自民、公明、民社三党間の協議の結果にかんがみ、今後、PKFの訳を「平和維持隊」という呼称で統一することとした次第である。
と、このような官房長官の談話がございまして、この平和維持隊の前段の部分の内容が先ほど岡野発議者から説明がございました五項目の前段の三つに当たるわけでございます。
#148
○小川仁一君 そうすると、平和維持隊というのはPKFのことですね。そう認識していいですか、岡野さん。
#149
○岡野裕君 小川先生、国際連合平和維持隊は国連のPKF、ピース・キーピング・フォース、これの訳であります。したがいましてPKFであります。
#150
○小川仁一君 政府原案にも修正案にも平和維持隊という言葉を使っていないんです。官房長官は談話でお話しになったかもしれないけれども、これは大変失礼ですけれども一官房長官の御発言でございます。法律解釈でも法文でもないわけでございます。したがって、私はこういう用語が使われることを非常に大きな問題といたします、この修正案がこういう独自の用語を用いだということは、やっぱり修正案として一つの欠陥を持つものだと思います。
 それで、ここの部分で提出し直すべきだと思います、あるいはその部分を再修正すべきだと思いますが、これについて、ちょっと昼休みになりましたから休みの時間に御検討をいただいて、午後に御答弁をいただければありがたいと思います。
#151
○委員長(下条進一郎君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時三分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二分開会
#152
○委員長(下条進一郎君) ただいまから国際平和協力等に関する特別委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、三案及び岡野裕君外二名提出の修正案について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#153
○小川仁一君 休憩前に申し上げましたが、この法案の中で全然使われていない用語、定義もない用語、「平和維持隊」という言葉でございます。衆議院では強行採決までして修正をしてこちらに送ったものを、それほど大事なものを、ここでまた新しい言葉を出してくるということについて、私はどうしても理解できません。その内容についても、一切法律において説明をされておりません。定義も説明もございません。したがって私は、さっき申し上げましたように、欠陥法案だと思います。これは提出し直していただきたい。
 以上申し上げまして休み時間に御検討を願うことにしておりましたから、まず御答弁をいただきますが、その答弁によってはこの条文についての審議は拒否したいと思います。
#154
○岡野裕君 小川先生がおっしゃいますように、ここにある「国際連合平和維持隊」というこの言葉は、政府原案の中にはありません。それは事実であります。
 しかしながら、今まで官房長官談話、峯山先生から読み上げていただきましたけれども、これはれっきとした公のものであり、加えまして先生がおっしゃいました衆議院から参議院に送付をされてまいりました政府原案を、船田元先生が衆議院の方の代表ということでお話をなさいました。その中にも、この国際連合平和維持隊という言葉はれっきとして存在しているわけであります。
 しかもこれは、この国際連合平和維持隊というのが単独で切り離されてあるわけではありません。本来の単独として切り離された国際連合平和維持隊といいますものは何かというならば、このPKF一般は、国連の中でも厳密な定義というものは必ずしも存在をしておりません。明石代表からもそう受け取れるような御発言がこの場でありました。したがって、PKFという言葉が用いられている状況からして、文脈などでこのPKFは何を指しているか判断をするという次第に相なっております。
 官房長官談話やこの修正案で使われているところの平和維持隊の意味は、丸腰で出かける停戦監視要員は別としまして、広く部隊等が参加をするPKO活動を一般に指しているのだと、これがその平和維持隊だということではありますが、我々がここに書いておりますところのくだり、先ほど読み上げました「国際連合平和維持隊」という言葉があるくだり、これは「五つの原則」にかかる言葉であります。「五つの原則」というもの及びその次の「法律の目的」、これが国会承認を求める場合に照らさなければならないくだりであります。
 したがって、五つの原則だとか法律の目的がぽっきりしておらなければいけません。しかしながら、そのはっきりしておらなければいけない「五つの原則」にかかる、言いますならば、さっきお話をしました形容詞句的な使い方で「国際連合平和維持隊」が使われています。その原則の中に「(第三条第一号」以下「第二十四条の規定の趣旨をいう。)」ということで明快になっているわけてあります。
 そういう意味合いで、「我が国として国際連合平和維持隊に参加するに際しての基本的な五つの原則」何々ということで条文、条項も明示をしておりますので、いささかもこの法律の解釈、運用に当たって間違うことがないという意味合いで使わせていただいた、そんな次第であります。
#155
○小川仁一君 私も日本人ですから幾らか日本語はわかりますけれども、「国際連合平和維持隊」というのは形容詞的に使われているものではありません。これ自体が存在して、それに参加するための五つの原則、こういうものですから、それ自体が存在しなければならないんです。
 だから、私が言っているのは、定義、性格がどういうものかということを明らかにしてくださいと言っているんです。形容詞的だということで承認するわけにはいきません。その中身を明確にしていただけば私はそれなりに理解する場合もあるんですが、「我が国として」「基本的な五つの原則及びこの法律の目的に照らし」、こういってここをなくしたってこの文章は余り変わらないんです。
 したがって、どうしてもこれは、済みませんが、撤回しないうちはこの審議は意味がない。こういう不明確な用語を使って、新しい法案修正のときに不明確な用語を使って、そして混乱をさせるということの責任も私はあえて問いたいと思います。撤回をしてください。
#156
○峯山昭範君 この平和維持隊という問題、先ほどから私も真剣に考えておりましたんですが、これは法案にこういう言葉がなくて修正案にそういう新しい言葉が出てさた、こういう場合ですね。今回は「平和維持隊」という言葉と、それから「基本的な五つの原則」という新しい言葉が出てきているわけであります。これはせんじ詰めますと、要するに修正案に新しい言葉を入れるということ、法案にない言葉を。そのことは立法技術上それでいいのかどうかということにかかわってくると私は思います。
 そうしますと、ここら辺の答弁につきましては立法技術上の問題でもございますので、法制局の方から御答弁をいただきたいと思います。
#157
○小川仁一君 私はお断りしておきました。政府側の答弁を一切聞きません。
#158
○峯山昭範君 済みません。きょうは内閣法制局じゃなしに、参議院の法制局がお見えになっておりますので、参議院法制局の方からお願いしたいと思います。
#159
○小川仁一君 いや、私はやっぱりお断りいたします。
#160
○委員長(下条進一郎君) 小川委員に申し上げますが、政府じゃなくてこの作業を手伝った専門家でございますから、今の解釈をさらに詰める意味において事務当局からの、法制局の意見を。
#161
○小川仁一君 じゃ、お聞きしますけれども、その際に国際連合平和維持隊というものの性格、内容、編成、組織体、そういうふうな、隊ですから必ずそういうものがあると思いますから、それ全部についてこのものの定義と内容を説明してくださるならお聞きします。私の問題にしているのは立法技術じゃないんです。内容なんです。
#162
○法制局参事(田島信威君) この修正案を審査しました立場から御説明申し上げます。
 どこまで細かく用語を定義していかなければならないかというのは、その条文の個々の内容によって決まってくるものだと思います。この場合には、先ほども答弁がございましたように、五原則と言われているものについて、長いフレーズになりますが、「我が国として国際連合平和維持隊に参加するに際しての基本的な五つの原則」という、それが一つの言葉でございますが、それに括弧を付して定義しておりますので、ここの関係は明確になったと私どもは思いまして、これはそういうものとして、修正案の中では完備していると思っている次第でございます。
#163
○小川仁一君 本案、原案の方です、の考え方でいきますと、我が国としては国際連合平和維持活動に参加するに際してと、これで意味が通るんです、維持活動に参加するに際してと。ところが、そういう文脈ではなくて、ここに明確に一つの組織体、隊というからには組織です。当然任務もあります。構成もあります。そういう新たな隊をつくるわけでございますから、何としても私は承知できない。承知できませんから、この点をはっきり解明するまでは私は質問を保留します。
#164
○岡野裕君 小川先生、このくだりは何がゆえにこういうくだりがあるかといいますと、我々は国会承認を求める対象にこれをしようと。それで、国会承認を求める場合に我々がかんがみなければならないことがある。それは二つである。一つは法一条にあるところの目的だ、もう一つが五つの原則だと。その五つの原則というのは、括弧にありますような第三条云々かも第二十四条まででありますということで、この五つの括弧の中に書いてありますところの原則は、言いますならば「我が国として国際連合平和維持隊に参加するに際しての基本的な五つの原則」と、括弧の中の条文を集約をしな言葉が今お話をした「我が国」から始まった五つの原則であります。
 そういう意味合いでは、国際連合平和維持隊云々はむしろこの中から出てくるんです。参加をするに際しての基本的な五つの原則ということであります。何度も言います。形容詞句的な使用の仕方です。
#165
○委員長(下条進一郎君) 速記をとめて。
   〔午後一時十四分速記中止〕
   〔午後一時二十九分速記開始〕
#166
○委員長(下条進一郎君) 速記を起こして。
#167
○岡野裕君 ここに使われております「平和維持隊」というものの中身がつまびらかでないというお話であります。もう一度お話をいたします。
 PKFについては、国連の中でも厳密な定義は必ずしも存在しておりません。したがいまして、この言葉が用いられる状況、文脈などによつ何を指しているかが判断されるものであります。官房長官談話やこの修正案で使われておりますところの平和維持隊の意味は、丸腰で出かける停戦監視要員はこれを別として、広く部隊等が参加するPKO活動を一般に指すものであります。以上であります。
#168
○小川仁一君 そうしますと、本案の第一条に平和協力隊、こういうのがございます。修正案では国際連合平和維持隊、こうなります。これはどう違うんですか。
 それからもう一つついでにお伺いしますが、こっちの前の法案の中では「協力」と書いてあります、平和協力隊に。この修正案は「参加」と書いてある。協力というものと参加というものでは私は性格的なかなり大きな違いがある。協力というのは、それ自体が主体性を持って相手に力をかしたり助けたりする。参加というのは、一つの中に入ってそこで一緒にやるということを意味する場合もあるわけでございますから、この違いを明確にしていただきたい。岡野さん、どうぞお願い申し上げます。
 前の原案が自民党案でございますから、自民党案とのかかわりを聞いておりますから、これは岡野先生、せっかく御答弁もいただいたことでございますから、よろしくお願いいたします。
#169
○岡野裕君 先生お話がありました、その参加と協力というのがございました。この参加と協力というのはどうかといいますと、この法案に言いますところの国際連合平和維持活動等に対する協力の「協力」といいますのは、国連平和維持隊への参加のほかに、先生御存じの救援物資や何やらああいう物資協力というものを含めた幅広い概念であります。ところが「参加」といいますのは、PKF、これに参加するということです。以上であります。
#170
○小川仁一君 一つ目の質問にお答えないんです。
#171
○峯山昭範君 前段の質問にお答えをさせていただきます。
 先ほどからお話ございました修正案の中の国際連合平和維持隊と、それから原案の中に出てまいります平和協力隊、第一条の国際平和協力隊。これは先ほど答弁があったとおりなんですけれども、国際平和協力隊というのは国連の平和維持活動を行う部隊の総称ということに一応なっているようであります。これはもうこの委員会でも何回も御答弁があったようでございます。
 私どもといたしましては、我が国で言えば、この法案の三条にいう国際連合平和維持活動のために実施される業務で、この三条三号に列記されております、この間からイロハの論争がありますが、一つ一つは申し上げませんが、イからへそれからレの中で自衛隊の部隊等が行うその業務、それを平和維持隊と、こういうふうに総称しているわけでございまして、先ほど官房長官の談話も引用し、先ほどまた岡野さんの方から御答弁があったとおりとなるわけでございます。
#172
○小川仁一君 いろいろまだ問題がありますが、私は、大変失礼ですが、国際連合平和維持活動にと、こういうふうに直してもむしろ文章がよく通ずるのではないかと先ほど申し上げましたが、再度御検討を願って、本日はただいまのお話、了解はいたしかねますが、次の問題に進んでまいります。
 時間がなくなりましたから、今の問題を八項にまだ三問、四問用意しておりますけれども、その前に一言だけ言っておきたいと思いますが、国際連合平和維持隊はイコールTKFだという御説明でございましたな。PKOというのが平和協力隊だと。そうすると、この平和協力隊の中に平和維持隊は包括されている、中の一部と、こういうふうに理解していいでしょうか。なお、PKOを行う部隊の総体、総称としてPKF、いわゆる平和維持隊というふうな認識をしてよろしゅうございましょうか。これはどなたでも結構です。
#173
○岡野裕君 小川先生、済みませんが、御趣旨をもう一度お聞かせいただきます。
#174
○小川仁一君 時間なくなっちゃって気が気じゃない。いや、本当なんです。
 国連平和維持隊というのがPKFだとおっしゃいましたね。PKO部隊の総称が平和協力隊だとおっしゃった。そうでしたね。そうすると、国際連合平和維持隊というのは非常に限定されたものとしてここに書いてあるものであって、別途の組織であり別途の考え方に立っているというふうに理解すればいいのですか。それともPKFの本隊だとか後続部隊だとかというものを含めたものとして解釈すればいいでしょうか。
#175
○岡野裕君 先ほど私が申し上げました国際連合平和維持隊といいますのは、停戦監視要員みたいに個々で参加をするというものは別として、広く部隊等として参加をするPKO活動、これを一般的に称しているものであります。
 ところで、先生がおっしゃいますところの平和協力隊といいますのは、法文によりますと、これは第四条の第四号「国際平和協力隊(以下「協力隊」という。)の運用に関すること。」、これを国際平和協力本部においてつかさどることになるわけであります。したがいまして、ここに使われておりますところの「国際連合平和維持隊」といいますのは国際用語であります。しかしながら、協力隊と申しますのは、この法文の中にありますところの日本のでき上がるべき協力隊のことであります。以上であります。
#176
○小川仁一君 ますますわけがわからなくなってきました。とにかく新しい隊の名称を出されてきたために、皆さんは御理解かもしれませんが、実は修正案を提示された者は混乱しております。ですから、これは質問を留保して後日この点を明らかにさせてくださるよう委員長にお願いを申し上げて、次の質問に移りたいと思います。
 じゃ、今度は八項に参ります。八項では、八項というのはあの忠犬の方ではなくて修正案の八項です。
 国会では事前承認について両院はそれぞれ七日以内に議決をするよう努めなければならないと書いてございます。これは一つは国会の審議権を侵すものだと思います。今まで、内閣は承認を求めなければならないという内閣の義務規定はございました。国会の審議を義務規定するような法律というのはお目にかかったことございません。したがって、これについていわゆる国会の審議権を侵すものという考え方に対する御見解と、他にこういう例がございましたらお知らせ願いたいと思います。私の知っている限りでは他の法令で国会を縛ったというふうな例はございませんが、どうぞひとつ御見解をお願いします。
#177
○岡野裕君 小川先生よく御存じのとおり、PKOというのは日本のPKOだけで存続、活動するわけではありません。諸外国からなるべく多くの国々が要員を派遣して、それでPKOというものが成り立つわけであります。そういたしますと、日本のPKO部隊もほかの皆様と一緒にこの活動ができるようにということが要請されるわけであります。
 そういう意味合いからいきますと、まず一般に現地に到着をするまでに、今までの実態でありますけれども、安保理あるいは総会の決議採択後一週間から十日ぐらいかかるというのが一般であります。
 二つ三つ例を挙げてみますと、最近……
#178
○小川仁一君 その例は要らないから、他の例、法令にあるかどうかの例だけ。
#179
○岡野裕君 それもお話をいたします。それもお話をいたしますが、いかに共同参画をするか、やっぱり日本だけぐずぐずしているわけにはまいらぬというような意味合いでは、このUNTAC、これについてインドネシアは十一日かかりました。あるいはこれはUNPROFORでありますが、これでスウェーデンやノルウェーがユーゴに入るまでに十八日かかった。早いのは一日二日で着いているというのもあるわけでございます。
 そういう意味合いで、なるほどPKOというのはこれから初めて日本としてはやるわけではあるけれども、国会の承認を求めなければならない、そういうことで国会の監視のもとに置くということを考えているわけでありますが、今お話をしたような実態からして、やはり七日ぐらいの間にぜひ議決をしていただきたいものだと。
 これが、議決をしなければならないということであれば、あるいは小川先生がおっしゃるように、国会をみずから拘束していかがなものか、このような例がほかにあるであろうか、いや、ないのではなかろうかということだろうとは思いますけれども、これは努力をするということでありますので、こういうようなことでなるべく早く皆様方の判断をいただきたいものだということでこの条文をつくった、そんな次第であります。(「他の例はあるか、立法例」と呼ぶ者あり)失礼しました。他の例はないようではあるが……。
#180
○小川仁一君 他の法令には例がない、これは当然だと思うんですよ、国会の審議権を練るんですからね。しかも、七日という日程で努めなければならないというけれども、努めることも義務規定になっているんだ。努める義務と七日である義務とを一緒にして出した法律で、これは立法府の審議を縛るということについてのこの考え方には私は憲法上を含めて非常に大きな問題があると思います。憲法とのかかわりで御説明を願いたい。
#181
○岡野裕君 今お話をいたしましたけれども、やはり可及的速やかに参画をしよう、しかしながら、今私言い損ないましたが、シビリアンコントロールというものも生かさなければならないというような両観点を同時に満たそうというような意味合いで、七日というようなところでひとつ議決をいただいたらいかがなものであろうか。ねばならぬではなくて、努めようではないか、みんな一緒にそういうことでもって議論を闘わせて結論を出そうではないかということは、いささかも立法府を拘束するものではない、こう思っております。
#182
○小川仁一君 私は、期日を明確にしたということが非常に大きな問題だと思うんです。そして、一定の義務規定です。だから、憲法との関係てどうお考えですかと岡野さんに質問したんだ。
 別な言い方をしますと、例えば日本の緊急事態においても、防衛出動においても、日時を切って国会にかけるなんということは書いてない。はっきりと憲法とのかかわりでこの問題に対するお答えを岡野先生からお願い申し上げます。
#183
○岡野裕君 努力義務というのは、さっきお話をいたしましたように、やろうではないかということであります。ねばならぬということとは全然違います。立法府が立法府ではありませんけれども、三権分立の中で立法府の方が行政府をということは、これは結構あることでございます。しかしながら、立法府が立法府ではありませんが、立法府が司法府をというようなことも三権分立からすればおかしいと思いますが、裁判所に対して一定の期間内に判決を行わなければならないという努力義務を規定した法律としては公職選挙法第二百十三条があるわけであります。そういう意味合いで、やはり三権分立の中でも司法府に対して言える、ましてや自分に対して自分で言う、やろうではないかということでありますので、憲法上もいささかも違背をするものではない。
 ただ、この辺はひとつ法制局の御意見でも先生お聞き入れ賜ればいかがかなと、こう思うのであります。
#184
○小川仁一君 この法律ができれば、行政府が立法府に対してこのことを要請するわけでございます。立法府が立法府を縛る法律をつくるが、結果としては行政府が立法府を七日、努めるという義務規定で縛るということになれば、行政府が立法権を縛る結果になる。こういう考え方は日本の憲法の中にはない。
 したがって、この条文は撤回を求めます。憲法違反の条文として撤回を求めます。撤回しなければ、これはとても審議できません。
#185
○委員長(下条進一郎君) 速記をとめて。
   〔午後一時五十分速記中止〕
   〔午後二時三分速記開始〕
#186
○委員長(下条進一郎君) 速記を起こして。
 ただいまの小川委員の御指摘の点につきましては、後刻理事会において協議いたします。
#187
○小川仁一君 申し上げましたが、行政府が結果として立法府を一定の義務規定で縛ることになるというような規定は、これは私は憲法上問題があると思います。したがって、理事会で御審議いただくことは大事ですが、どうかこの結論が出ないうちは修正案に対する可否などを問わないようにお願いを申し上げたい。
 それともう一つ、私はこの問題の質問を保留させていただいて、その理事会の結論が出たら、私が質問した問題ですから、当然のこととして私にやらせていただきたい。
 以上、委員長にお願いを申し上げます。よろしゅうございましょうか。
#188
○委員長(下条進一郎君) 理事会で協議いたします。
#189
○小川仁一君 この際、審議を続ける上にちょっと今の問題に関連して幾つか御質問申し上げますが、国会の承認議決が得られなかった場合はどうなるのかという規定がありません。自然に不承認になるのでしょうか、あるいはいつまでも努力中ということの範囲になるでしょうか。この点は、岡野さん、いかがでございますか。
#190
○岡野裕君 小川先生のお話は、この六条八項の中で規定されておりますところの七日間で、イエスでもない、ノーでもない、つまり議決しない場合はどうなるかと、それは不承認となるのかということだと思いますが、これについては、先議、後議いずれかの院が国会休会中の期間を除いて七日以内に議決をしない場合は、まだ国会の承認を得られていないので、実施の承認を求めた業務については国会の承認が得られるまでこれを行うことができないと、これは当然であります。
 もう一方、この六条八項は、「努めなければならない。」と、こう書いてあるわけであります。そういう意味から明らかなように努力規定でありますので、七日を過ぎて、例えば八日目に承認が得られたからといってそれが無効になるわけではない。もう七日で全部終わりだ、八日目以降のものはもうむだだということではありません。
#191
○小川仁一君 時間がなくなってまいりましたが、実は重大な問題がまだいっぱいあるんです、この修正案につきましては。どうも私の質問も悪いのか御答弁が長いのか別としてなかなか進みませんから、今度は修正案の第九項に入らせていただきます。
 修正案によりますと、国会閉会中に自衛隊を海外に派遣する場合には次の国会で承認を求めることになっています。この場合、「不承認の議決があったときは、遅滞なくこ「業務を終了させなければならない。」とありますが、不承認という議決はどういう意味なんですか。承認を得られなかったときとどう違いますか。同じですか。
#192
○田渕哲也君 不承認というのは、先議の議会で承認されなかったとき、不承認の議決を得たとき、もしくは先議の議会で承認されても後議の議会で承認されなかったとき、不承認の議決を得たときに不承認ということが決まるわけであります。承認も不承認も、まだ結論が出ない間は不承認が決まるわけではありません。
#193
○小川仁一君 衆議院で承認した、参議院では不承認になった、こういう場合は両院協議会になりますか。これは両院協議会にならないんですか。ならないとすれば、参議院で不承認になったというのと承認になったというこの二つの事実でこれは不承認の議決になったというふうに解してよろしいと、こういうことですね。
 ところが、片っ方が承認をして片っ方がずっと結論が出ない間は、これはどうなるんですか。いわゆる努力規定をやってもなかなか結論が出ないというときはどうなるんですか。(「別な言い方をした方がいい」と呼ぶ者あり)ああそうか、先議、後議という言い方にした方がいいという御指導がありましたから、先議、後議と言います。
#194
○田渕哲也君 一つ補足いたしますと、先議の議会と後議の議会との結論が違った場合、先議で承認されて後議の院で不承認の場合は両院協議会はやることができます。
#195
○小川仁一君 それで一致しないときはどうなるんですか。
#196
○田渕哲也君 一致しないときは不承認になります。
#197
○小川仁一君 両院の議決が違った場合に両院協議金を開くということを規定しているのは、どういう案件について規定しておられるのですか。これもその規定の中に入っているのですか。例えば予算はわかります。それ以外のものはないんです。
#198
○法制局参事(田島信威君) ただいまの点でございますが、国会法の八十七条に規定がございまして、「法律案、予算及び条約を除いて、国会の議決を要する案件について、後議の議院が先議の議院の議決に同意しないときは、その旨の通知と共にこれを先議の議院に返付する。」、その二項として、「前項の場合において、先議の議院は、両院協議会を求めることができる。」とされております。(「一致しない場合はどうする。」と呼ぶ者あり
 両院協議会をやりまして成案を得て、それを両院が可決すればいいんですが、不一致になりますとそこで成案が得られない。その段階で国会の承認が得られないということになるわけです。
#199
○小川仁一君 じゃ、仮に短い国会の場合、先議の院で審査未了となることがあります。そういう場合は国会の承認を求めたのだからという、承認を求めたという理由で手続は終わっているので承認と、こういうことにはならないでしょうね。
#200
○岡野裕君 承認、不承認のいずれも議決が出ていないわけでありますので、改めて新しい国会ができました段階において続けて審議をする、こういうことになります。
#201
○小川仁一君 そうすると、承認の手続を求めただけではこれは承認の対象にはなっていないと。
 もう一つお聞きします。
 第九項中、「第七項ただし書の場合において」、これは閉会中または衆議院解散中の事後承認のことですが、「不承認の議決があったときはこ云々と書いて「終了させなければならない。」とありますが、承認の議決がなかった場合の規定がないんですよね。すると、承認の議決がなかった場合の規定がないとすれば、その業務はそのまま続行させるのか、あるいは不承認の議決があったものとして業務を終了させるのか、この点をお伺いしたいと思います。
#202
○岡野裕君 不承認の議決がありますれば業務を終了させます。しかし、不承認の議決が行われておりませんので、そのまま業務は継続をするということに相なります。
#203
○小川仁一君 それはどういう根拠によるんでしょうか。解釈がはっきりしていないんですよね。
#204
○岡野裕君 不承認の議決があったときは業務が終了でありますが、不承認の議決も出ておらない、承認の議決も出ておらない、したがいまして業務はそのまま継続であります。
#205
○小川仁一君 こうなりますと、これはもう一遍行ったら最後、承認の議決も不承認の議決もしないというと、いつまでもやっていますね、これ続行できますね。こういうふうな状況がある。国会だって、まだ衆議院で提案して、例えば金融制度法なんというのは参議院にも回ってこないような状況。児童の権利条約なんというのはまだ本会議でも質疑もさせていない。こういったような課題がありますと、一つの意図的なものとして業務の続行をさせることがあり得るような法律というのは、これは法律として問題があると思いますが、いかがでございましょうか。
#206
○岡野裕君 意図がありげなというような先生のお話でございますが、要するに、不承認という議決がありますれば速やかに業務を終了するわけでありますけれども、不承認という議決が出ておりませんので、これは国際関係の問題もこれありますし、そういう意味合いで業務は継続をさせていただくというごとで法文をつくりました次第であります。
#207
○小川仁一君 ちょっとこれも私には理解しかねますがね、それは文章上の問題としてではなくて、実態的な問題としてですよ。それはまた後にいたしまして、その次、附則第二条についてお伺いをいたします。
 附則第二条では、自衛隊の部隊が行う国際平和協力業務であって第三条第三号イからへまでについては、別に法律で定める日までの間、これを実施しないとしておりますが、実施しないということを決めた理由をお知らせ願いたいと思います。
#208
○岡野裕君 これは先生、前々から本委員会でもいろいろ話題としては出ておりました例の凍結というように言われていた言葉であります。
 私どもは、今年正月、宮澤総理が安保理サミットで、やはりPKOというようなものを充実させてまいりたい、協議グループをつくったらどうだというような見解表明をなされたわけであります。
 そういう意味合いで、我々はPKO法案を可及的速やかに成立をさせていただいて、その名誉あるPKOに参加をしたい、こう思ってやっているわけでありますが、やはりなるべくより広い御理解をいただくのがいいのではないかというようなことで、ここに掲げましたように、当分の間、言いますならば、PKFの本体的業務を自衛隊が隊としてやるというようなものにつきましては、別に法律で定める白までは実施をしないでおこう、つまり凍結をしようということに考えた次第であります。
#209
○小川仁一君 御答弁の趣旨を聞いておりますと、国民の理解が得られないというのが凍結の理由でもあり、そしてまた解除の日を決める理由も国民の理解、こういうことが前提になっているようにお伺いをしましたが、国民の理解を得られていない法案を提出するということ自体にこれは政府に責任があると思うんですが、きょうは政府の見解はお聞きしません。
 PKO法案の電話世論調査によりますと、都合のいいところだけ言えばしかられますからみんな言いますが、あなたはPKO法案に賛成ですか反対ですかというのは、賛成は四〇・二%、反対は三四・六%、わからない、答えないが二五・二%でございます。
 さらに、その次の問いで、今国会で成立させるというのが二二%。さらに審議を続けるというのが三二・四%。廃案にするというのが一二・一%。この際衆議院を解散して国民に判断を仰ぐ、これはちょっと我々は言いにくいんですが、二二・八%。こうなってみますというと、今国会で審議を続けるという数字が一番多いわけであります。
 まだまだ私はいっぱい質問ありますから非常に簡単にやっておりますけれども、幾つも問題があるわけです。今も言ったようなものの原因の中に、さっき言った国民の意向を聞かないで、意思を聞かないで出してきた政府の責任も非常に大事であります。しかし、このような法案を強行採決してまで衆議院を通過させた、こういう方式をとられた党の責任もまた重大だと思います。このことに対してそれぞれの党の御見解を承りたい。
#210
○岡野裕君 先生、凍結と申しましたが、その凍結は、自衛隊が隊としてPKFの本体業務に加わる場合、これを凍結した。その凍結の理由は、国民の理解を得られておらないからというふうに先生がおっしゃいましたが、そうではありません。やはり、我々としてはそういった本体業務についても入れて、ひっくるめて、PKO全体に日本としては大きく参画をしてまいりたい、こう思うのでありますが、しかし、より広く御理解を得よう、内外のより広い御理解を得ようというようなことで、とりあえずこのくらいの参画をし、我が日本も初めてでありますので、経験を積み、それを見ることによって、ちょうど掃海艇のように、出ていくときはいろいろ言われましたが、帰ってまいりましたときは歓呼の声で迎えられた。落合唆隊長のあのかんばせ、非常に見事だったと、みんな万雷の拍手をもって迎えられたわけであります。そういう意味合いで、まずこの程度のところから始めようという意味合いであります。
 したがいまして、凍結はするけれども、そういう仕組み、組織、あり方、こういった枠組みはそのまま残しているわけであります。そういう意味合いでは、政府原案は立派な方向でこういうものを考えてくれたな、こう思っているわけであります。これからますますこの方向で我々も努力をしていこう、こう思っている次第であります。
#211
○峯山昭範君 凍結の理由でございますが、PKO法案、随分長い間当委員会で審議をしていただきました。私どもも現在の国際情勢をずっと考えてみまして、どうしても国際貢献はやらなければいけない。これはもう社会党さんと一緒だろうと思うんです。それで、できたら私どもは三党合意をやる中でも、ぜひ社会党さんの書記長さんも御出席いただきたいということで、先日も呼びかけをいたしまして、話し合いをしてまいりました。そのゆえんは、やはり国際貢献をやる上において、できるだけたくさんの皆さん方の御協力をいただいた方がいいというのが基本的な考え方であります。
 したがいまして、凍結というふうにいたしました凍結の部分も、社会党さんと私どもの違いというのは何かというと、結局自衛隊の部分が違う、簡単に言えばそういうことじゃないかと私は思うんですね。そういうような意味で、本当に皆さんが御心配になっている部分を凍結して、そしてできるだけ、御賛同いただけないにしても何とか御理解はいただけないかということでやったわけでございます。そういうような意味で、何とか私どもの苦心の作が今回の修正案でございまして、ぜひそういうような点を御理解いただきたい、こう考えております。
#212
○小川仁一君 では次に、凍結の対象についてお伺いします。
 附則第二条による凍結の対象は、自衛隊の国際協力義務であって、第三条三号イからへと、レの政令で定める事項ということですが、停戦監視団は対象になっておりますか、おりませんか。
#213
○峯山昭範君 余り余計しゃべると時間がございませんから簡単にしゃべりますが、要するに、停戦監視団の場合は両方あるということです。簡単に申しますと、凍結する部分と凍結されない部分と両方あるということです。
#214
○小川仁一君 それはどういう組織によって区別され、派遣されるんでしょうか。
#215
○峯山昭範君 お答えします。
 これは要するに、この法案第三条第三号イからへまで、あるいはそれに類する政令のもので凍結する部分が自衛隊の部隊によって実施されるものということで明確になっておりますので、そこのところで分けていただければと考えております。
#216
○小川仁一君 部隊参加と個人参加というふうな形態のことをお考えになっているようであります。
 それではもう一つ、凍結について合意事項後に、PKFの本体業務と複合したときしか実施できないような後方支援の業務は事実上本体業務と同じ扱いになるとあります。後方支援の中で何と何が凍結され、何と何が実施されるのかということを具体的にお知らせ願えればありがたいと思います。
#217
○田渕哲也君 凍結業務として定められておるのは明らかでありまして、「イからへまでに掲げるもの又はこれらの業務に類するものとして同号レの政令で定めるもの」としてあります。それ以外は凍結されないわけでありますけれども、それ以外の業務でも、例えばイからへに掲げるものに類する業務と一体でなければ、それを伴わなければできないもの、例えて言うならば、タイの部隊がカンボジアに工兵隊を派遣して難民の輸送ルートを確保する。道路整備を行う。この場合は当然、地雷の処理をあわせ行わなければできませんから、地雷の処理はイからへに該当するものでありますから、この場合は、たとえ建設の業務であってもこれは凍結されるということになります。
 ただし、例えば建設の業務にしましても、初めからそこに地雷があって、それをのけることが業務として定められていなくても、たまたま道路建設の業務をやっておる途中に地雷が発見された。その場合に、それを放置するとか、あるいはわざわざ他の国の軍隊に来てもらってのけてもらうというのは現実的ではありません。つまり、そういう場合、緊急避難の場合と申しますか、その業務に携わる要員の生命の安全にかかわるものについては、そういうものを除く作業というものは凍結されない、認められる。このように区分けをしておるわけであります。
#218
○小川仁一君 いろいろ聞きましたけれども、駆け足でお聞きしたために、まだまだ十分理解がいってない面があります。例えば、民社党さんでは「週刊民社」の五月二十二日号の記事もございます。あるいは公明党さんでは市川書記長の談話もございました。そういうのを含めて具体的にお聞きしようとしましたが、時間がなくなりましたのできょうの質問はこれでやめますが、先ほど来幾つか私が問題を提起しております。そして、それは理事会で預かって、その結果どういうお答えが出るかによって、私はそのことについての質問を留保しているから絶対質問の時間を与えていただきたいということをまず第一に申し上げます。
 それから、きょうはいろいろ言いましても、憲法上の疑義は解明されておりません。修正案の中心はPKF本体についてはこれを法律で凍結というものですが、憲法に抵触するおそれのある自衛隊の海外派遣という本質は直っておりませんので、やっぱりごまかしたと思います。PKF本体を凍結しても、PKOその他の分野や人道的な国際救援活動にまで武装自衛隊を出すというような構図も変わってはおりません。
 さらに、文民である一般隊員にも小型武器の貸与と使用を認めてあるのも不適切であります。PKOの指揮権について、三党の合意事項は国連のコマンドの下にあるとしておりますが、政府原案及び統一見解の矛盾を是認しているものであります。このような欺瞞的な解釈は許されない。
 PKF本体というのは、停戦監視団との混成部隊の場合が非常に近年多くなっております。後方支援の範囲及びそれらの関係など、政府原案であいまいにされた問題もあります。ですから、やっぱり我が党はこの政府原案に賛成するわけにはまいらない。矛盾が一層拡大しておりますから、これに対して、先ほどの私が申し上げた質問事項の保留をさらに追加してやらせていただくことをお願い申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
#219
○木庭健太郎君 きょうは修正案に対する審議でございます。
 このPKO法案を考えてまいりましたときに、もう既に二年近く審議をさせていただき、総理もほぼ、きょうまでやれば、本会議含めて百時間のおつき合いでございます。かなりの時間を審議することができてきたと私どもは認識をいたしております。また、社会党も自分たちのベストの案として対案を御提示になり、その成立へ向けて一生懸命今御努力をされているだろうと私は思います。決して廃案ありきというような考えではない、きちんと参議院の良識として審議を進めたい、私どもはそう願っておりますし、社会党もそういう気持ちでやっていらっしゃると思います。
 修正案については、私どもの考え、今、小川委員もおっしゃいましたけれども、本質的には変わっていない、欺瞞だ、いろんなお言葉がございました。私どもは何とか国際貢献をしていきたい、その枠組みをつくりたいという中で、より多くの合意をということで各党間話し合いをし、ぎりぎりの努力をし、これまでの審議の経過を踏まえましてこの修正案を出させていただいた側の一人でございます。いわば修正案というのは何かといえば、政府原案がある、もちろん社会党の案も十分検討させていただきました。その中で、一体どこに接点があるのか。我々としては、やはり国際貢献をしていく上では自衛隊の活用というのはやむを得ない、そうなると社会党の対案にはどうしても納得することができない、その中で、政府原案をもとにして、いわばそれにどういう縛りをするか、政府原案をどれだけマイナスにするかというのが私たちが今回出した修正案と考えているわけでございます。
 そもそも、私どもこういうPKOの問題を考えましたのは、本当にあの湾岸戦争のさなか、またその後でございました。私も湾岸戦争道後のサウジアラビア、イラン、イラクに行ってまいりました。その中で一番感じたことは何か。確かに私どもは、多国籍軍、いわば武力行使を伴うものに自衛隊を送ることについては憲法違反だと考えておりますし、絶対に反対です。しかし、あの湾岸戦争が終わった後に私がサウジアラビアに行って見たものは何か。あの油の流出しているペルシャ湾にも立ちました。そこで各国が停戦後何をやっていたか。もう世界各国の人たちが集まって油回収の作業をしていたわけであります。いなかったのは日本人だけでございます。(「日本も油回収に行っておるよ」「失礼だよ」と呼ぶ者あり)今、日本も後で行ったというお話が後ろからございました。それは、当初私たちが行ったとき、そういう人を送る枠組みがなかったのであります。ですから、国際緊急援助隊法をある意味では少し拡大解釈をしていただいて、ようやくおくれて油回収のための人を出したのであります。
 そういう現実を見たとき、戦争、紛争が終わった停戦後、日本としては人的貢献をする枠組みがないな、何とかこれをやらなくちゃいけないというのが私たちの今回のこの法案に対する態度でございました。
 国際貢献というのはいろいろあると思います。社会党さんもおっしゃっております。ODAもある、環境の問題もある、識字率の問題もある、さまざまな問題があります。それに対して政府がきちんとやっているか、不十分なところは、私どももいっぱいあるし、そのことについては指摘をさせていただきたいと思っております。ただ、それ以上に私たちが一番考え、悩まなくちゃいけないのは、停戦後、紛争後、そういうときに、人々が一番困っているときに日本として何ができていたのか、ほとんど何もできなかった、それをどうにかつくらなくちゃいけないというのが私は今回のこの法案に生きている部分だろうと思います。私たちは、この中で、国連を中心に行われたPKOの問題を考え、憲法の範囲内でぎりぎりどこまでできるかということを検討したわけであります。
 今回の審議を通して社会党の案も十分見させていただきました。しかし、非軍事、民生、文民という分野でいってしまうと、どうしても現在のPKOに対応するには非現実的であり無理だ。これはカンボジアのUNTACを見てもまさに明らかでございます。もし、非軍事、民生、文民に限定してしまえば、例えばUNTACの場合は、今の形で言えば文民警察と選挙監視しか、ごく限られた部門しか参加できないのが現実なのでございます。やはり私どもは、UNTACの本格協力ということを考えればいろんな手段を考えなくちゃいけないと思うし、その中でこのPKO法案というのが出てきたと思います。しかも、UNTACの現地から今非常に要望が強いのは、輸送、通信、それからインフラ整備、いわゆる建設の部門でございます。確かに軍事的色彩薄い分野ではございますけれども、今カンボジアの現状を見て各国がどう対応しているか。あの厳しい気候、また紛争が終わった後の不安定な状態の中で、結局各国とも軍人を出さざるを得ないというのが今の現状なのであります。
 私は、社会党の方がボランティアのことを一生懸命言っていただきました、NGOのことも言っていただきました、非常に大切なことだと思っております。ただ、それだけでいいのか、私はそう言いたいんです。本当にNGOでありボランティアがその場で一生懸命より多くの分野に貢献できるようにするならば、やはりUNTAC、PKOに日本としてどれだけできるか、この視点を忘れてしまえばまた湾岸戦争のときと同じような繰り返しになると私には思えてならないのでございます。
 私は、確かに小川先生と違いまして戦争経験者じゃございません。戦争を知らない世代でございます。しかし、日本がこれから二十一世紀へ向かって、私たちの時代のときに本当に国際社会の中でどう生きるかということを考えるときに、やはりこの法案というのをしっかり見据えていかなくちゃいけないと私どもは認識しております。しかも、我が党としては国民の理解、アジアの理解ということで凍結ということも訴え、皆さんの合意の中でこの修正案が出てきたわけでございますけれども、この修正案を出されたその背景について詳しいお話を伺いたいと思います。
#220
○岡野裕君 先生が現地へ行かれましたその御体験に基づいて抱負、これをお述べになられました。私は、感銘深く拝聴していたところであります。
 私も先生と同じく、湾岸のあの多国籍軍というような雰囲気の中で外交関係の勉強もいささか始めた、そういう次第でありますけれども、つい先般、UNTACそのものに行かれてお帰りになられた方のお話を伺いました。そうしたら、あの湾岸のときと全く同じようでありますけれども、日本はお金の貢献はしたけれども、あのとき人的貢献がなかったと。そういう意味合いで、クウエート解放後、クウエートがアメリカの有力新聞に感謝の広告を出したときに、たくさん小さな国々の名前も挙がっていたのにもかかわらず、ジャパンという名前がなかったことに非常に肩身の狭い思いをしたと。同じようであります。
 今度UNTACからお帰りになられた皆さんのお話を聞いても、プノンペンのUNTAC本部の前にはPKO参加の皆さんの国の旗がひらめいていた。にもかかわらず、その中に日の丸がないということは非常に寂しかったと。しかも、あたかも日本の日の丸がここへ立てられるべきだよというような意味で一つだけポールがあいていたということで、非常に残念であった、こういうお話であります。むしろ、ぜひ日本の旗もどうだと、物資的な協力もしているじゃないかと言いましたところが、やはり人的貢献でUNTACに参加しておらない国は掲げるわけにはいかないのだと、こういうお話がありました。
 これはカンボジアの卑近な話ではありますけれども、今、日本が置かれた国際的な中から言いますと、UNTACという、言いますならば日本の外交の方針が、一つには国連平和外交だ、一つは自由主義陣営の一つにもあるのである、アジアの一国でもある、というような三つの柱があるわけでありますが、UNTAC、カンボジアはもう湾岸とは違いまして一衣帯水、すぐ隣のアジアの友邦、これがカンボジアであります。同時に、そこにUNTACを中心として、自由な民主政治を確立し民主国家をつくろうという意味合いでは、二番目の自由主義陣営に属している日本という意味合いからも参画をしなければいかぬのではないかな。ちょうど三本の柱が国連のいわゆるUNTACであるという意味合いで、これにはせ参じてこそ、我々が、言葉ではない、念仏ではないことを示すことができる。日本外交の三本の柱を満たし得るか否かはこのUNTACに参画ができるか否かだと。そのためにはこの法律が通らなければならないというような意味合いで、私は政府案をマイナスにではなくて、何とか歓呼の声に送られて成立をすることをこいねがい修正案というものをつくらせていただいた、そんな次第でありますので、よろしく御賛同賜りますようお願いいたします。
#221
○木庭健太郎君 先ほど、世論調査のお話もあっておりました。国民の理解という問題、私はこれは二分されているというよりもさまざまに分かれているというふうに考えております。いろんな調査を見ましても、一万の意見は、このPKOというのはすなわち戦争だからそれに参加しちゃいけない、いまだにそういう誤った考えを持っていらっしゃる方もいらっしゃいます。また、PKOについてどういう協力をしていくか。社会党で言えば非軍事、民生、文民でやっていこう。また、連合さんのように別組織であれば自衛隊を活用していい、そういう意見。本当にある意味ではさまざまな意見があっておるというふうに考えております。
 ただ、いつも私が一番残念なのは、このPKOの本質が、一番最初に言ったように、いつも戦争というもので誤解されることが余りに多いのが私は一番寂しいのでございます。私自身はこのPKOの本質は何かと聞かれれば、重要な点は四点あると思っております。
 いつもPKOが誤解されるのは、例えば兵力の引き離し、武装解除、そういう言葉が突然出てくるものですから、そういうのをするのがPKOと誤解されている面があります。それこそ文章をよく読んでいただければよろしいんですけれども、その前に必ずモニターという言葉が入っております。このPKOの本質は何かと言えば、監視、これをやるということであります。そこをぜひ御理解をいただきたい。
 また、もう一つ大事な点は、武力を使わないということを大前提で行く。武器を使ったPKOというのはそれはPKOでない、失敗だ、そう言っている方は多いのでございます。
 また、もう一つ指摘しなくちゃいけないのは、PKOというのはあくまで強制的なものではない。各国が自主性に基づいて自主的に参加し、またある部分では自主的に引き揚げることもできる。この自主性ということをなかなか理解せずに、PKOに行ったら縛られてもうそれで終わりだ、そういう考え方を持っているところが私は問題だと思うんです。この点についてはPKOの父と言われるブライアン・アークハートさんも、PKOというのは参加は自由だし、また途中で撤退することも日常茶飯事だ、そういうことをおっしゃっているわけでございます。
 また、もう一つ大事な点は、停戦の合意の成立後なおかつ当事者国の同意を得て行くわけですから、また中立という観点が非常に必要になってくる。私どもは、こういうPKOだからこそある意味では憲法上きちんとした歯どめをかければ自衛隊が参加できると考えているわけでございますけれども、この際民社党さんにPKOの認識を簡潔に伺っておきたいと思います。
#222
○田渕哲也君 PKOというのは、国際連合に対する協力の一部にすぎませんけれども、しかし現在の時代から考えた場合に、私は極めて重要な意義を持っておると思うのであります。
 といいますのも、世界がベルリンの壁の崩壊、さらには東西冷戦の終結というような百年に一度あるかないかというような大きな変革を遂げつつあります。今まではヤルタ体制という東西冷戦、東西対立、そして両陣営の軍拡競争、核武装の均衡、こういうような中で大きな戦争は避けられてきたわけであります。
 しかし、こういった平和というものが人類にとって望ましいあり方とは言えないわけでありまして、たまたま日本は、位置的には東西両陣営のちょうど境目に位置し、そして西陣営の側に属してはきましたけれども、もし大きな戦争が起これは日本だって被害を免れない危険性は多分にあったわけであります。したがって、大きな戦争が何とかなかったというのは人類にとっても日本にとっても非常に幸福ではありますけれども、極めて不安定な危険な平和と言わざるを得ません。
 しかし、東西の冷戦が終わって新たな時代がこれから始まるわけでありまして、この新たな時代の国際秩序というものをどうするかというのは、これはこれから日本も含め世界各国の人たちが力を合わせ、知恵を出し合ってつくり上げるべきものだと私は思います。しかし、我々の望みとしては、それがヤルタ体制よりは数段いいものであってほしい、より恒久的な安定した平和が実現できるものであってほしいと思うのは当然ではないかと思います。
 しかしながら、東西冷戦の終結がすぐ恒久的な平和につながるものではありません。確かに東西のイデオロギー対立ということはこれからなくなっていくでしょうけれども、しかしイデオロギー対立が戦争のすべての要因ではないわけでありまして、例えば領土争い、あるいは資源の争奪戦とか、あるいは経済的な利害の衝突とか、あるいは民族的対立、宗教的対立、こういうものが戦争になっていくという危険性は依然としてあるわけてあります。そして、冷戦が終わったといっても、現に世界の各地では民族的な対立とか領土の問題等で戦乱が起こっておることは皆様方も御承知のとおりだと思います。
 そこで、やはり国連の重要性というものがクローズアップしてくると思うのであります。今までの東西の、米ソの二大勢力による支配体制と均衡によって保った平和というものを、これからは国際連合、世界各国の総意と総力を集めた一つの機関というものを強化することによって平和を維持しようという活動が極めて重要になってくる。またこれは我々だけの考え方ではなくて、世界の各国が国連のそういう機能に対して非常に大きな期待を持つに至っておるのが現在の段階だと思います。
 そして、このPKOは国連の憲章には定めてありませんけれども、いわゆる六章半の活動と言われております。しかし、今まで東西対立の中で国連が最も強力な平和機構として定めた第七章、こういうものが十分機能しておりません。こういうものが機能しない中にあって、一つ一つ慣行を積み重ねる中でPKOの活動の実績を築いてきたわけであります。過去四十年の実績の中で、実に八十カ国以上の参加を得てこういう歴史を持っておるわけでありまして、そして一九八八年にはノーベル平和賞までもらっておる、文字どおり平和のための貴重な活動である、このように考えるわけであります。
 そして、この平和維持のPKOの活動の基本的な考え方というのは我が国の憲法に違反するものではない、このように我々は考えるわけであります。これは憲法に具体的に制約して書いてある条項に触れないのみならず、私は憲法にうたわれた理念に沿った活動である、このように考えておるわけであります。憲法には、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から除去していこう、そして正義と秩序を基調とした国際平和を希求する、こういった文言があるわけでありますけれども、本当にそのような平和な国際社会を実現するというのが私は日本国民の理想であろうと思います。ただ、理想は憲法に書いてあるだけではいけないのであって、その理想を一歩一歩実現するような行動を私は日本国民自身が起こしていかなくてはならないと思うのであります。
 ヤルタ体制というのは、我々が戦争に負けて当時の戦勝国が世界の中で縄張りをつくり、築き上げた秩序でありますけれども、今やそれが崩れて、現在の日本は当時の敗戦国ではありません。やはり世界の枢要な一員として、新しい国際秩序の構築のためにそれなりの役割を果たすべき責任を持つ立場に置かれておるわけであります。そういった意味からいいましても、私はこのPKOの活動は積極的に推進すべきものである、このように考えております。
 日本には確かに平和憲法があります。これは私は立派な理念に基づいた憲法だと思います。しかしながら、平和憲法さえ守っておればいいんだというような消極的な考え方てはいけない。それから、平和というものは私は日本一国だけで築き上げられるものではないと思います。平和という考え方は、日本と他国との関係とか、あるいは多くの国の国際的な関係をいうものでありまして、平和に対する基本的な理念は普遍性がなければならかい。どの国も平和のためにこれは大事なことだと共通して考えることを我々もやっぱっ共有しなくてはならないと思います。
 確かに国際連合の憲章においても、一九二八年のいわゆる不戦条約の流れをくんで、個別国家の武力行使を慎むという重要な事項があります。しかし同時に、もし侵略者とか平和を乱す者があった場合には、世界の各国が協力して当たろうと、こういうようなこの二つの面が車の両輪となって国際平和を築き上げようというのが国連の精神だと私は思います。私はそのもう一つの、世界が力を合わせてやろうという中で、日本の憲法の枠内で今すぐできることといえばPKOの活動がある、そういった意味で何とかこのPKOの法案は一刻も早く成立させて、我が国が世界のために貢献できるような体制をつくるべきだ、このように考えておるわけであります。
#223
○木庭健太郎君 総理に一問お聞きしておきたいと思います。
 随分社会党の小川先生頑張っていただきましたので、時間が少し長くなっております。私はこれを最後の質問にしたいと思うんです。
 修正案の評価というのはまたひとつ別でございますけれども、UNTACに対する協力というのはやっぱり喫緊の課題に今なっておりますし、本修正案が成立した場合、我が国はUNTACに対してどのような協力ができるか、総理としてその辺をどうお考えになっているかを簡潔に聞きまして、私の質問を終わりたいと思います。
#224
○国務大臣(宮澤喜一君) 修正案並びに昨日からの提案者その他のお話を伺っておりますと、これから申し上げるような範囲ではないかと考えます。
 この修正案が成立いたしました場合に、我が国がUNTACにどの範囲において協力できるかにつきましては、まず個人参加による停戦監視業務、それから次にPKFの本体業務と複合しない場合における通信、輸送、建設、修理、医療などの本体の業務をいわゆる支援する業務及び文民警察、選挙監視、さらには紛争に起因する災害の復旧、被災民の捜索や救出、食糧等の配付、自然環境の復旧等の業務への参加が法律上可能になるのではないかと考えます。
#225
○木庭健太郎君 ありがとうございました。
#226
○吉川春子君 私どもは、この修正案とそれから参議院決議、昭和二十九年の参議院決議の問題、非常に重要な問題と思いますが、これは理事会預かりになっていますので後回しにしたいと思います。また平和維持隊参加五原則というような全く新しい用語が修正案に出てきた問題についても、理事会預かりの結論を待ってから質問したいと思います。
 それで、きょうはいわゆるPKF本体凍結の問題を中心にお伺いいたしますが、まず岡野先生、お伺いいたします。
 政府・自民党は一昨年、自衛隊が平和維持軍的なものに参加するのは困難とされていました。その後、平和維持軍が武力行使を伴うものであっても、武力行使はしない、武力行使と一体化しなければ武力行使をしたという評価を受けないとして、従来の方針を百八十度転換して、PKF参加の方針を打ち出しました。今回二転して、PKFの凍結に合意をしたと。これはなぜですか。
#227
○岡野裕君 吉川先生おっしゃいましたが、その一昨年でありますか、PKFですね、PKFに日本の自衛隊が参加をするのはいかがなものかというニュアンスの発言がこの当委員会の中で政府側からあった、にもかかわらず新しい法律で自衛隊を含むPKO法案というものが政府案として出された、それを私どもがまた修正をして凍結だ、これはいかがなものかと、こういう御意向かと思うのでありますが、よろしゅうございましょうか。
 政府答弁を私どもが補足するわけではございませんけれども、私はそもそもやはりPKO、PKFといえども、これは武力行使にわたるようなことがありますならば、憲法等との絡みで慎むべきであるとは存じておりますけれども、政府原案として出されましたこのPKO法案はいささかも武力行使に当たるようなことはないというようなことが五原則その他いろいろのくだりの中で担保をされていると。したがって、政府原案にそもそも賛成をするものではありますけれども、しかし初めて日本国としてはPKOに加わるのである、日本の国内あるいは国外からもいろいろ見られているということであるとするならば、先ほどもお話をいたしました、やっぱり皆さんに歓呼の声で送られるそういう日本のPKO部隊というものをつくりたいものだなという意味合いで、最初のことでありますので経験を積みたいものであると。そうしてまた、その自分たちが参画をしているPKOを諸外国の皆さんにも篤と見ていただきたい。
 アジアの国々からもいっぱいPKOの部隊が例えばカンボジアには行っているわけで、そうだとすると、言いますならば、同僚として同じような仕事をする、その同僚の他国の皆さんから、ああ日本のPKOの部隊も平和、民主な、戦力などなどということとは全然かかわりのないそういうPKO部隊だということが認識をされれば、より一層この法案が皆さんから御理解が得られるのではないかというような意味合いで、凍結を含めましたところの修正案というものをつくらさせていただいた、その一人に加えさせていただいた。
 以上であります。
#228
○吉川春子君 民社党にお伺いいたします。
 民社党も、平和維持軍への協力につきましては国会承認を前提に従来から賛成してこられました。にもかかわらず、いわゆるPKF本体凍結について合意したというのはいかなる理由によるものですか。
#229
○田渕哲也君 私どもは、凍結ということは当初は主張しておりませんでした。国会承認さえきちんとやれば賛成という立場をとってまいりましたけれども、ただこの法案が参議院に参った時点でいろいろ考えてみますと、参議院でこの法案を成立させるためには、より多数の党、より多数の会派、より多数の議員のコンセンサスをつくる努力が必要だと思います。これは参議院で与党が少数ということもありますけれども、またこの法案に対する国民のコンセンサスをできるだけ広げる意味からも、より多数の会派の賛同を得るようにしたい。したがって、何が何でも自説だけに固執するというのではなくて、他党のお考えでも我々が入れられるものはできるだけ入れていこう、こういうような努力を続けてきたわけであります。
 したがいまして、凍結につきましても、凍結を主張される皆様方は、やはり一遍にそこまでやらなくても段階を追って、日本も初めてのことであるから経験を積んだ上で業務の内容を広げていけばいいとか、あるいは国民の中の論議とか諸外国の反応からやはり慎重にした方がいいというような御意見もありまして、私どもはそれもまた一つの考え方として妥当だなという感じ方を持ちました、
 そういう意味で、民社党もいろんな各会派とも個別に会談を持ちましたけれどもこ公明党さんとの会談あるいは連合参議院の皆さんとの会談あるいは社民連との会談において、凍結は前向きに検討しようということで合意を見た点であります。そういう経緯で我々は凍結して修正することに賛成いたしました。
#230
○吉川春子君 公明党にお伺いいたします。
 ことし二月四日の衆議院予算委員会で公明党の市川書記長は、国民から十分な理解を得ていなかったという強い反省を持っている、またアジアの国々に対する理解をもっと得ていかなければならないと発言して、PKF凍結を提起されました。今なお政府のPKO法案というのは国民とアジアの国々の十分な理解を得ていないということでこういうふうに凍結されたと思うんですけれども、その理解が得られていないと言うならば、凍結などと言わずになぜ削除されなかったんですか。
#231
○峯山昭範君 これは非常に長い経過がございまして、短い時間ですから余り長く答弁するといかぬと思いますが、要するに湾岸戦争以後、私どもはこの問題について相当慎重に検討してまいりました。
 御存じのとおり、前回の国連協力法案が出たときには、我々、皆さんと一緒に反対をし、廃案に持ち込みました。また、そういう問題から絡んで、先般の衆議院における採決の状況等を見まして国民の反発も相当強かったのも事実であります。そういうような点から考えまして、私どもといたしましては、理解は大分進んできたけれどもまだ不十分な点がある、そういう点を書記長はそういうふうに述べたんだろうと理解をいたしております。
 したがいまして、要するになお一層問題点ほどこにあるかということを随分検討させていただきました。その結果、当委員会における長い審議時間の中での問題点並びにいろんな皆さんの方の御意見、また我が党といたしましては、きょう詳細に申し上げませんが、各国にも随分行ってまいりました。そういうようないろんな状況等から考えまして、どこが一番問題なのかという点を検討いたしました結果、結局自衛隊を海外に派遣する、この自衛隊の問題であろうと思います。
 しかしながら、この点については自衛隊を、私の部屋にも随分お見えになるんですけれども、自衛隊を戦争にやる、こういうような雰囲気の話が相当伝わっていまして、戦争に自衛隊を出すと言うから、私はその人に言うんです。どこの戦争に行くんですかと聞くと、戦争じゃないけれども巻き込まれるおそれがあると。こういうような論争になりまして、結局は間違った認識が広がっている。ここら辺を改めない限りどうしようもないなということを感じております。
 そういうふうな意味では、私どもはもうしばらく明確に部隊として参加する部分を凍結して、できたら皆さんの御協力をいただきたい。そういう意味で、その質問の後、私どもの党からもこの部分は凍結をしたらどうだろうかということを提案したわけでございます。
#232
○吉川春子君 本質的にはこの法案の基本を変える必要ないけれども、とりあえず国民の批判を冷ますために凍結だと、こういうふうに私、今の答弁から理解をいたしました。
 さらにお伺いいたしますけれども、修正案に、PKO法案第六条六項に規定する業務のイからへ、そしてレ、これを別に法律で定める日まで実施しないとしていますが、PKFとかPKF本体、この定義について御説明ください。
#233
○岡野裕君 PKF本体は何であるかというお話のようでありますが、法律に基づきますと、これは三条の三号に国際平和協力業務というものがイからずっと掲げられているわけであります。
 この中で、文民においてもできるといいますか、民生にわたるのはト、チ、リ、これが民生的な業務、こう言えると思うのでありますが、本体的PKF業務といいますのはイからへまで、そうしてレにありますところの「イからタまでに掲げる業務に類するものとして政令で定める業務」だと、こういうことであります。そのほかにいわゆるロジ業務といいますか、というようなものがヌあるいはタというようなところに列挙をされてございまして、これも自衛隊で部隊としてやるのが極めて効率的であり、望ましいものであるというような理解をいたしております。
#234
○吉川春子君 PKFという言葉とPKF本体というのは同じですか。違うとしたらどこが違うんですか。
#235
○岡野裕君 今お話をいたしましたロジ的な業務というのは、後方支援業務であります。本体といいますのはイからへまで、それからレに掲げてあるような業務、これを本体と、こういうふうに理解をいたしております。
#236
○吉川春子君 法案の中に、このPKF、今おっしゃったように定義はないわけですね。
 民社党にお伺いいたしますけれども、法案修正の三党合意事項では、「PKFの本体の業務と複合した時にしか実施できないような後方支援の業務は、事実上本体の業務と同じ扱いになる。」とありますけれども、まずPKF本体、そしてその複合した後方支援的業務、これの定義ですね、そして今回の凍結の対象になっているんでしょうか、その辺を御説明ください。
#237
○田渕哲也君 PKFの業務は、法案の第三条三号に列挙してございます。具体的な仕事はこれだけあるわけでありますけれども、この中でいわゆるPKF本体として凍結の対象となっておるのはイからへまで、それからその他レに書いてあるイからタまでに類する業務として政令で定めるもの、これがいわゆるPKF本体の仕事というふうに規定しております。
 これ以外はPKFの例えば後方支援業務とかあるいはそのほかの人道的な業務とか、あるいはその他のインフラ整備その他の民生部門、こういうものが含まれておるわけでありますけれども、凍結の対象としては、この本体イからへまで並びにレについて部隊としてそういう業務を行うものに限っております。
 なぜかといいますと、ここに掲げてある事項は全部軍事的業務であります。その他の仕事は軍事的業務とは言えない。もっとも、軍事的業務に関係するものはあってもそれそのものが軍事的業務ではないし、民間部門でも可能な業務です。ただ、治安がよくないとかあるいはインフラの整備が不十分ということですから、一般の文民がなかなか行きづらい場合が多い。したがって、そういうところにも自衛隊を派遣いたしますけれども、本来の軍事的業務として規定されておる部分がいわゆるPKF本体の業務、しかもそれを隊として行うものというふうに限定をしておるわけであります。
#238
○吉川春子君 そうすると、今の後方支援業務というのは、これは隊として行わない業務ですか。
#239
○田渕哲也君 後方支援業務も隊として行う業務であります。ただ、イからへまでではございません。
 それから複合業務ということに触れられましたけれども、複合業務というのは、後方支援、例えばイからへ以外のものの業務でもその業務をやる上においてイからへまでの業務と一緒にやらなければできないもの、そういったものは複合業務として凍結の対象になっておるということであります。
#240
○吉川春子君 今おっしゃったその複合業務について言えば、武器弾薬の輸送業務だと、こういうふうにおっしゃっておられますね。
 これは五月二十五日の神奈川新聞ですけれども、大内委員長が「道路建設は地雷撤去と一体であり、武器の輸送も武器解除と重なる」と、こういうふうに述べておられますけれども、法案の三条三号タには「輸送」と規定されておりまして、弾薬輸送などとは規定されていないわけで、弾薬や武器の輸送はやらない、こういうふうにいつの時点から変えられたのか、あるいはその法文上はどういうふうにこれは担保されているのか、その辺はどうですか。
#241
○田渕哲也君 まず武器や弾薬の輸送についてでありますけれども、武器や弾薬の輸送がいわゆる本体、我が国が本体にもし部隊を派遣しておる場合に、それの後方支援としてそれに対する弾薬や武器を補給する業務をやるということでありますならば、本体を派遣しないわけでありますから、凍結すれば。したがって、そういうような仕事はこの輸送とかそういう仕事の中には含まれない。
 それから現地の紛争しておる部隊が放棄した武器とか収容した武器の場合は、これはイからへまで書いてありますいわゆる二の「放棄された武器の収集、保管又は処分」に当たりますから、これは本体の仕事でありますから、それは凍結の対象になります。
 それから他国の軍隊に対する武器弾薬の補給はどうかということでありますけれども、今までの実績から見てPKOというのは、いわゆる戦争を長期にわたって継続するというようなことはありませんから、弾薬や武器の補給を他の国の部隊に頼むというようなことは、そういう事例は全くないと、このように理解しております。
#242
○吉川春子君 公明党にお伺いいたします。
 PKOは、軍事部門、民生部門、その他とありまして、軍事部門が中核となっていることは御承知のとおりですけれども、国連は大体PKF本体とかPKF後方支援部門などということは区別していないわけですね。UNTACの場合を例にとってみますと、歩兵部隊であろうとそれから工兵、通信、兵たん、医療部隊、すべてがPKF活動そのものだと。九つに分かれて同じところに配置されているわけですから、前線、後方というのはないわけですね。その点についてどうお考えですか。
#243
○峯山昭範君 私の聞き違いかなければ、そのとおりそういう状況になっていると思っています。
#244
○吉川春子君 そうすると、今まで公明党は後方支援というふうに分けていたわけですよね、前線に参加しなければいいということで。だから、全部一緒に入るんだからそういうものも全部凍結しなきゃならないんじゃないですか。
#245
○峯山昭範君 この凍結の範囲とかいう問題につきましては、先ほどから何回も説明いたしておりますように、それはいわゆる業務で分けておりますから、この三条の、何回もお話しございましたように、イ、ロ、ハ、ニ、ホ、へ、それからレの部分、それは部隊で行う業務というふうにきちっと明確に分けておりますので、場所がどうのこうのという部分については分け方の中に入れていないということです。
#246
○吉川春子君 ですから、公明党がおっしゃるように、そのPKF、そしてその後方支援ということで、PKFはそういうふうに分けられないわけですね。後方支援というふうには分けられないわけなんです。そして、今おっしゃられたそのイ、ロ、ハ、ニ、ホ、へ、それからレですね、この部分を凍結しても、さっきどなたか言われましたように、輸送とかいろいろいわゆる後方支援的なものは残るわけですね。
 だから、本当にその後方支援的なものだけというふうに分けられない以上、もっと広範囲で凍結しなければ公明党のおっしゃっていることと矛盾するんじゃないかと、その点を私お伺いしたわけなんです。どうですか。質問の意味がわかりませんか。公明党の論理なんですよね、後方支援は。
#247
○峯山昭範君 お答えします。
 私はきちっとしていると思っているわけでございますけれども、私どもがかねがね言っておりますのは、参加五原則の中で武器、憲法とのかかわりからいきますと五原則の中の最後のところがしっかりしておればそれでいいと、そういうような考え方でまいりましたし、それから今の問題について申し上げますと、いわゆる業務できちっと分けているからそう問題はない、こういうふうに判断しているわけでございまして、この後方の中でいろんな問題が出てきましょうけれども、そういう点は私どもは日ごろから申し上げたこととそう変わっていない、そういうふうに思っております。
#248
○吉川春子君 工兵隊、通信、兵たん部隊、歩兵部隊、これはUNTACの場合は九つの地域に展開して一体となって行動するわけですね。しかも、武器は携帯し、その要員の生命、身体の防護のみならずPKFの任務の遂行を妨害する企てにも武器の使用、武力の行使を認められている。これは国連文書ですからちょっとこの論議はいいですけれども、そういう形になっているわけですね。
 本修正案では業務を区別して、いわゆるPKF本体を凍結したとしても、そういう万一の場合には、PKF本体だけじゃなくて通信とか工兵とか兵たんとか一緒にいるわけですから、そういう部隊も、百歩譲って日本の刑法の三十六条、三十七条で行ったとしても、武器を持っていって武器の使用ということが行われ得るんじゃないですか。だから、後方だけを分離するということはできないんじゃないかと、そういうことを伺っているわけなんです。
#249
○峯山昭範君 これは先ほどからおっしゃっております後方の部分ですね、いわゆるタの部分をおっしゃっておりまして、ここでいわゆる危険な部分がたくさん出てくるということで、これも凍結すべきではないのかと、こうおっしゃっているわけですね。
#250
○吉川春子君 そう、そちらのお立場でいえばね。
#251
○峯山昭範君 これはもうはっぎりいたしておりまして、先ほどから民社党さんからも説明がございましたように、初めから国連との協定の中で参加の範囲がきちっと決められるわけです。ですから後方の中で、先ほど複合のお話でございましたように、例えば地雷がたくさんあるそういうところにはもう初めからこういう輸送、保管、通信、建設、それは全部やらないわけです。ですから、そこの地雷を全部片づけた、全部なくなったというところで通信なり保管なり建設なり橋をつくりに行くと。そこで地雷が出てきたというときには、それはその隊員の生命の問題にかかわりますから、それはきちっと後方の仕事としてやる、こういうことです。
#252
○吉川春子君 例えば地雷処理を本来の任務としなくても、道路の真ん中に落ちていたから処理しなきゃならないときは処理するということは、最初から地雷の除去部隊も連れていくということですね。
#253
○峯山昭範君 お答えします。
 それは初めから何回も申し上げておりますように、部隊としての参加ではありません。部隊としての部分は凍結をする。しかしながら、後方の部分ですね、これは部隊として地雷処理する人が何人か行くということですね。
#254
○吉川春子君 もう時間がなくなりました。ですから、要するに地雷の処理をする人を連れていかないと、そういうとき処理はできないわけですよね。
 それで、最後に民社党にお伺いしますが、PKF本体を凍結すると言っても、ほとぼりが冷めたら解凍することじゃないのか、そういうことではPKO法案の本質とは何ら変わりないことではないのかと私ども思いますが、民社党が考えていらっしゃる凍結解除、解凍の条件ですね、それはどういうときになったら解凍されるんですか。
#255
○田渕哲也君 我々は、もともと凍結しなくてもいいというぐらいの考え方を持っておりますから、ただ初めての経験ですから、我が方の部隊が一度そういうことを実質に経験して、さらに本体の活動にも参加してもいいというような、経験から見てそういう判断が出てきたとき、それから私は国民の理解を得ていないとは思いませんけれども、さらにそういう実態にかんがみて国民の中の世論の理解が進んだとき、それからやはり凍結を主張された各党の合意、そういうものを踏まえた上で解除できるのではないか、このように考えております。
#256
○吉川春子君 時間が来ましたので私これで終わりますけれども、引き続き重要問題については質問していきたいと思います。
#257
○磯村修君 連合参議院の磯村です。三党の発議者の皆さんにお伺いしたいと思っております。
 たびたび言われておりますように、湾岸戦争以来、国際平和協力ということにつきましては大変国民の関心も高まってきている。そして、やらなければならないというそういう共通の認識は持っているわけなんですけれども、その方法論については国論も分かれているということであると思うんです。
 これまで審議しておりますところのPKO法案につきましても、何といっても最大の争点というのは、自衛隊の部隊を海外に派遣する、そういうところに大きな争点が集まっている、このような状況にあります。これの審議の経過を見ておりましても、自衛隊の海外派遣ということにつきましては、憲法解釈の問題とかあるいは自衛隊法が制定されるときの本院の決議、いわゆる国会決議の問題など多くの疑問がまだすっきりしないまま、国民にその疑問が投げかけられているというのが現状であろう、こういうふうに私は思います。
 こうしたことからもPKO法案に対する国民の世論というものも賛否両論に大きく分かれていると言えると思うんですけれども、そこでこの国民の賛否両論に分かれている今の現状の国民世論というものを三党の皆さんはどういうふうに受けとめられているのか、まずその辺からお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
#258
○岡野裕君 磯村先生、国民が分かれているというお話です。その分かれ方がどのくらい、何対何ぐらいかということは私は別で、分かれていることはそうだろうと思っております。
 しかしながら、あの湾岸の経験にかんがみても、日本がただお金だけ出せばいいということではなくて人的貢献をやらねばならないというのはもう国民大宗の共通した意識だと、その中で今政府原案が出されている。それを先ほど来お話をしますように、円満裏に迎えられるような体制をつくるべく我々は修正案をここにお諮りをしているという次第であります。
#259
○峯山昭範君 お答えいたします。
 私どもは、確かに湾岸戦争以来、この問題については党内でも相当深刻に議論をしてまいりました。したがいまして、湾岸戦争直後は私どももできたら自衛隊の皆さん抜きでこの貢献ができれば一番いいなと、そういうふうに考えました。ですから私どもも、連合さんがおっしゃっておりますように、休職・出向というような問題も審議の過程では随分出てまいりましたし、場合によったら退職・出向の方がいいんじゃないのかという御意見もありました。
 そういうようなことを議論を重ねながらどうするかということを種々検討を重ねた結果、休職・出向と併任ということはどこが違うかということも随分検討させていただきまして、結局、指揮権の問題と身分の問題にかかってくる。併任というのは総理大臣の指揮と防衛庁長官の指揮を受ける。休職・出向の場合は総理大臣の指揮だけになってしまうということで、結局は実質的にはそう変わらないのじゃないかという問題が一つ。(「全然違うじゃないか」と呼ぶ者あり)実質的にはと申し上げております。
 それからもう一つは、人的貢献はどうしてもしなくちゃならないという点に立っておりますから、自衛隊抜きで何とかできないかという点で、具体的に私どもは党内で随分現地に派遣をいたしました。
 それは皆さん方もやっていただいたと思いますが、バングラデシュを初め、スウェーデン、ドイツ、それから国連、カナダ、カンボジア、タイ、オーストリア、スイス、そのほかマレーシア等を含めまして現地へ行ってまいりまして、いわゆるPKOの人的貢献がどういうふうになっているかということをいろんな角度から検討した結果、今回のUNTACの問題にいたしましても、やはりどうしても気候的な条件やいろんな条件から見て、日ごろ訓練を相当積んでいる人たちでなければできない部分がある。そして、そこら辺のところも十分いろんな点から考えまして、また今回の国際貢献はどうしてもやらなくちゃいけないという点も踏まえまして今回の法案に賛成の方向になったわけです。
 しかしながら、そんな中にありましてもそれぞれの政党、公開でいろんな議論をしていらっしゃいます。そういうような意味では、例えば時限立法の話やいろんな話も出てまいりましたので、そういうふうないろんな問題を踏まえて、いわゆる一番大事なPKFの本体の部分を凍結して、そしてできるところから国際貢献をやろうではないかというのが私どもの考え方であります。
#260
○田渕哲也君 お答えします。
 国内の世論の動向というのは、マスコミの世論調査等による以外、私も正確にはつかんでおりませんけれども、しかし湾岸戦争を経験し、またこのPKOの論議がされる過程において、理解は徐々に高まってきておるのではないかと思います。
 また、連合参議院の選挙を支えておられる労働組合の連合の内部においても、当初は組合の中で意見の対立というものがありました。現在でもまだそれは残っておると思いますけれども、しかしその組織の中でいろいろ論議を通じて徐々に私はまとまりつつあるのではなかろうかと思っております。それから連合参議院さんのこれに対する姿勢も、そういう労働組合の連合の考え方というものもかなり反映されておると思うのでありますけれども、やはり論議の過程で連合の世論というものが前進しつつあるのを踏まえて、連合参議院の態度も我々にかなり近くなってきておるというような認識を持っておるわけであります。
 特に、修正の点であります国会承認それから凍結の問題、これは連合参議院さんも主張され、我々との間でもそれは何とか実現しようということで合意を見た点であります。もちろん別組織の問題については完全な合意までは見るに至りませんでしたけれども、基本的な意識というものはもうそう変わりのないところまで接近しておるのではないか、このように考えております。
 そういうことを踏まえて、労働組合の中の世論も、あわせて国内の世論というものは徐々に理解が高まってきておる、このように判断をしておる次第であります。
#261
○磯村修君 修正案の趣旨では、政府原案の基本的な考え方と枠組み、これを維持しながら一層の広範な国民の理解と支持を得ていきたいという趣旨でありますけれども、この国民の理解と合意形成が今はなされていない現状にあるわけなんですね。そしてまた、今お話それぞれありましたけれども、そうした国民の世論と申しましょうか、そういうものに配慮しながら、この修正案では凍結というふうな、一般的に言われているところの凍結というふうな部分もあるわけなんですね。
 私は、こういうふうに世論が本当に分かれているときにあえてそういう凍結ということではなくて、もっと明快にこの法律が国民にわかりやすく、しかも、おれたちはこういうふうに努力していくと、こういう姿勢を示していくための明快な答えとしては、その部分は削除した方が国民にわかりやすいんじゃないか、こういうふうに思いますけれども、公明党のお考えいかがですか。
#262
○峯山昭範君 この国際貢献をどうするかという問題が実際問題国内で議論され出したのが結局湾岸戦争なんですね。結局、湾岸戦争後のいわゆる国内のいろんな論争の中で、要するに日本は国際貢献をどうすべきか、あの九十億ドルの問題がありまして、やはりお金だけじゃどうしようもないなということで人的貢献をしようという部分が出てきたわけでございまして、そこら辺のところは非常に大事な問題でございます。やっぱり私どもは、これは与野党含めまして、人的貢献をしなければならないという点についてはある程度合意ができているんじゃないかと思っているわけです。
 そういうような意味で、今回の法案は、したがって自衛隊をいわゆる戦争のために海外に出すのではありません、いわゆる平和のためにあるいは貢献をするためにやるんだと、そういうふうな意味で私どもはそこの点に、湾岸戦争後ですから非常に期間も短いし御理解いただく時間が少ないものですから、なかなか御理解いただいていない点がありますけれども、やはり国民の皆さん方の中にはPKO法案で自衛隊が海外に行くというのは戦争に行くんだ、それで派兵なんだ、そして大変な思いをするんだ、昔に返るんだ、そういうような論調が非常に多いし、私も相当そういうことを聞いておりますので、そうではないんですと。
 そこら辺のところは本当にそうならそれは削除すべきだと私は思いますが、実際はそうじゃないわけです。全く意味の違ういわゆる貢献、国際貢献に行くわけでございますから、そこら辺のところは私は、先ほどから何遍もまたこの委員会でも御議論があったとおり、時間がたてば御理解をいただけるんじゃないか。また実績が、そういう難しいところじゃなしに一般的にみんなが貢献するという、社会党さんもおっしゃっている部分もあるわけですから、そういうできるところからやっておればだんだん理解も深まっていくんじゃないか、そういうふうな意味で凍結ということにさせていただいたわけでございます。
#263
○磯村修君 今、人的貢献と申しましたけれども、人的貢献ということは我々も一生懸命しなければならないと、別の方法でもって考えているわけなんですね。そしてまた戦場に行くのではないんだとおっしゃいましたけれども、もちろんそうでしょう。しかし、今国民の皆さんが一番大きく懸念していることは、紛争地域に行って、私もこの席で政府に質問したこともございますけれども、やはりすべて一〇〇%この法律があればそのとおりになるんだというふうな論理は、私はやはりそのとおりに果たしてなるんだろうかという心配がそこにあるわけなんですね。やはり不測の事態も起きるでしょう、いろんな紛争地域に行った場合、実際カンボジアの例もございますね、砲撃事件もございます。そういったものに巻き込まれるということを皆さん懸念している、心配している、そういう面が非常にあると思うんですね。
 いわば、そういう意味からも考えて、まだまだ国民の合意がなされていないということでその部分を凍結するということは、何かこの法案を何とか成立させたいというふうな一つのカムフラージュ的な手段ではなかろうかというふうな指摘あるいは批判もあるわけなんですね。そういう意味合いにおいても、やはりその辺の国民の世論というものも率直に耳に入れてこの法案というものを考えていかなきゃならないんじゃないが、こういうふうに私は思うんです。
 そこで、公明党さんにお伺いしたいんですけれども、一般的に言われているところのいわゆるPKFの凍結、これはどのような状況をもって凍結を解除するのか、そしてまた国民の理解というのはどのようなことをもってそれと判断するのか、お伺いします。
#264
○峯山昭範君 お答えいたします。
 今お話しのとおり、私どもも、カンボジアの問題も紛争地域に行くのではなしに紛争が終了した地域に行く、そしてできるだけ紛争のないところでというような気持ちでおりますのですけれども、この辺のところはおきまして。
 どういうふうな状態でいわゆる凍結を解除するのかという問題でございますが、この解除の時期とかいわゆる条件、それはいろんな判断の問題があると私は思いますけれども、一つはやっぱりこの法案に基づいて我が国がPKOへの参加の実績とかあるいは国民の理解の度合いとか、そういういろんな面から総合的に判断すべきだと私は思いますし、また、例えば連合さんの関連で申し上げますと、組合の皆さん方の大部分の方が御理解をいただいて、もうここら辺でいいんじゃないのかという御意見が出てくることもまたありましょうし、今反対をしていらっしゃる社会党さんも、もういいんじゃないかということが出てくるかもわかりませんし、そういうふうないろんな問題が出てきて総合的に判断すべき問題だろうと思います。具体的にこのことによってこうするんだというふうないわゆる取り決めはしていないということであります。
#265
○磯村修君 それでは、民社党にお伺いしたいんですけれども、国会の事前承認ということがうたわれているんですが、この国会の承認というのはいわゆるPKFという部分に限定されているわけですね。そのPKFに限定した意味はどういう意味なのか。それから、いわば一般に言われているPKF、PKOというのはなかなか中身が区分けしにくい部分もあるんですけれども、そうしたいわゆる区分けしにくい中でもって果たして今回のこの修正案のような国会承認ということでシビリアンコントロールというのが確実に確保できるのかどうか、その辺どういうふうにお考えになっているのか、お伺いしたいと思います。
#266
○田渕哲也君 これは先ほども御答弁した点でありますけれども、国会の承認の対象ということと凍結の対象ということとは同じになっております。そして、その区分けした理由は、PKF本体の活動、法案の第三条第三号にいうイからへまでの活動、並びにレに書いてあるそれに類するもの、そういうように具体的な業務ではっきりしておりますので、境界線があいまいということは当たらないのではないかと思います。
 それから、他の、それ以外の例えば後方支援とかその他の活動との複合的な業務の場合は、イからへまでの活動と同時に行わなければ行えないような場合、こういう場合は当然国会承認の対象になるわけであります。ただし、前にも御説明しましたように、複合的な業務ではないけれども、後方支援その他の活動で、業務の途中で例えば地雷があったとかそういう場合には、要員の生命の安全のため必要な場合に限りそれを除去するあるいはそれに対する処分をするというようなことは可能であり、それは承認の対象としていない。
 それから、それでは承認の対象の相が狭いのではないかと言われますけれども、イからへまでの活動はまあいえば業務の内容が軍事的な仕事であります。それから、それに当たるのもいわゆる歩兵部隊が主でありまして、言うならば戦闘をする能力を持った部隊ということになります。そのほかのところは工兵隊とか輸送部隊となりますと、もともと軍事的な業務と無関係ではありませんけれども、それ自体の仕事は戦闘業務ではないわけでありますからシビリアンコントロールで歯どめをかけるとするならば、その本体のイからへまでの活動で十分ではないか。これ以上広げますとどういうことが起こるかというと、例えば人道的な国際救援活動とかあるいは国際救援援助隊の災害派遣の場合にも国会承認が必要だということに広がってまいりますので、したがってこの線引きをそこに引いたわけであります。
#267
○磯村修君 連合参議院は、自衛隊そのものにつきましては自然権的な国の自衛権というものに基づくいわゆる専守防衛の組織としてその存在を認めるわけでございますけれども、また今回のPKO活動につきましても、自衛隊の活用といいましょうか、そういう能力の活用といいましょうか、そういう面においては、当面の段階としては友好な協力を進める意味においても必要な部分はあろうか、こういうふうに考えます。
 しかしながら、自衛隊の部隊を海外に派遣するという今の国民の世論形成というものが合意されていない中で、しかも憲法上の疑義とかあるいは国会決議、そうしたことを真剣に考えていった場合になかなか賛成しにくい問題があるというふうな立場をとっております。そのために、自衛隊の休職・出向、そしてまた別組織という形でもって人的な協力を行っていくべきである、こういう考えを持っております。そしてまた、その別組織というのは例えば一つの案としては国にPKO庁というふうな機構をつくって、その機構の中にこうした協力隊のような組織を設置して、そして国民の合意が得られるような非軍事、民生面での活動あるいは緊急援助隊にもその協力隊を派遣するような組織にしてはどうか、こういうふうなことを我々は考えているわけなんです。
 そうした我々の考えに対して、考えのまとまりと申しましょうか、そういうものがなかなか合意が得られない面もあるんでしょうけれども、我々が考えているこうした別組織をどのように理解されているのか、自民党の方にお伺いしたいと思うんです。
#268
○岡野裕君 磯村先生、政府原案も私どもの修正案も、カンボジアのUNTACに参画をしたい、これだけを思っているわけではなくて、もっと広くPKOに参画をしたいということではありますが、UNTACそのものだけを見ても全体で二万人余の外国の皆さんが行っておられます。その中でいわゆる軍人、軍隊、これの占めるのは一万六千人ということになっております、歩兵部隊一万二千人を含めて。そうするとやはり、PKFといいますか、軍隊が、我が国でいえば自衛隊が部隊として行く仕事というのは非常にその中枢部分だと。それが極めて重要な部分だということは先生御理解がいただける、こう思うのであります。
 そういう意味合いでは、なぜ軍隊が行くのであるか、これは軍隊はやはり自己完結的な機能というものを十分に備えている。例えば一般の民間の皆さんが行かれて、いや、それは食糧はどうするのだ、今晩の宿はホテルに泊まるのであるかというようなことではどうにもなりません。病人が出たらどこかの外国のお医者さんよ、軍医さん、診てくれというわけにはまいりません。そういう意味合いでやはり軍隊、自己完結的な機能を持っているものが行かなければならないという意味合いで我々は政府案を支持し一部修正をしているということであります。
 そういうことからしますと、別の組織をつくるというのは、やはり自己完結的なそういうよそから来る部隊と同じ機能を持っていなければいけないということになると、自衛隊のほかに新しいものをつくると要員の確保だとか、訓練だとか、装備の調達だとか、これらはいかがなさるのであろうか、その予算はどうやって確保なさるんであろうかというようなことを考えますと、先生のおっしゃるような意味合いで自己完結的なものが必要だということがおわかりであるとするならば、新しいものをつくるよりは自衛隊をとなぜお考えいただけないのであろうかと、こう思っておる心境であります。
#269
○磯村修君 議論の分かれるところなんですけれども、時間が来ておりますのでもう一つお伺いしたいと思うんです。
 修正案では、法の施行後三年を経過した場合、この法律の実施状況等を、あるいは法律に基づくPKO活動のあり方を見直すというふうなことが書かれているんですけれども、見直す場合、何をどのような観点からこれを見直すのか、具体的にお伺いしたいと思います。自民党にお願いします。
#270
○岡野裕君 磯村先生、この法律は、我が国として国連のPKO活動に対して包括的な協力を行うための初めての法律であります。これまでPKO活動についていろいろな調査を実施してまいりましたが、我が国が未経験の業務であるので、将来この法案に補足をしなければならないような事項が実際にPKO活動を行う過程の中で明らかになってくるというようなことも考えられます。また、世界情勢の変化の中で国連の果たす役割はますます高まっております。この流れに従いまして、PKO活動の態様も近来変化をいたしております。その典型的なものはUNTACだというようなふうにも言われております。このような状況を踏まえまして、法律を実施して三年経過した後に、実施のあり方について特に対象を限定することなく見直しを行うことによって、より適切な国連のPKO活動に我が国が参画できるようにと、こういう思いのもとで修正案を提案した次第であります。
#271
○磯村修君 私は、国民の皆さんのいろいろな世論、主張それから我々の主張しておりますところの別組織、こういうものを先ほど私ちょっと説明しましたけれども、我々が考えているような別組織のような形でもって平和協力の方法を制度をつくり上げて国際協力していく、こういうことをまずやってから、しかる後に自衛隊云々ということでは話の筋としてわかるんですけれども、まず自衛隊を、国民の反論というか、非常に批判がある組織をまず海外に出してから、しかる後に見直す、そういうものも含めて、実施状況を含めて見直すということは道さじゃないかというような私自身は感じがするんです。私たちの考えなんです。
 まず、我々の考えていることをやってみて、そして三年なら三年後に見直しをしてみて手直ししていくということだったら私は国民の皆さんも納得できると思うんですね。そういう意味合いにおいて私ども連合参議院はきょう修正案を提出いたしましたので、ぜひとも審議をしていただくことをお願い申し上げまして、時間が来ましたから質問を終わります。
#272
○寺崎昭久君 最初に、官房長官にお尋ねいたします。
 私は、きのうPKOに関する国会承認の、あるいは凍結の範囲について政府見解をまとめ、文書にして提出願いたいとお願いしましたが、この件はどうなっておりましょうか。できましたら答弁とまとまった資料を配付願いたいと思います。
#273
○国務大臣(加藤紘一君) 政府委員より準備の状況をお答えさせます。
#274
○政府委員(野村一成君) お答え申し上げます。
 ただいま準備ができておりますので配付させていただきます。
#275
○委員長(下条進一郎君) 配付してください。
   〔資料配付〕
#276
○寺崎昭久君 ただいまちょうだいしたばかりなので詳細な検討はいたしかねますが、一つ気がついたところで、第三項の「風際平和協力業務を実施するに当たっては、実施計画・実施要領の作成・変更に際し、前二項の趣旨にのっとりこ「わかりやすく記載するものとする。」というのは、具体的にどういうことでしょうか。
#277
○政府委員(野村一成君) お答え申し上げます。
 自衛隊の部隊等が業務を実施するに当たりましては、閣議決定の対象になります実施計画におきまして、法案にのっとりまして、どういう構成であって、どういう人員の概要、それから装備につきましてもはっきりと書くことになっております。
 したがいまして、いわゆる複合するようなケースにつきまして、一、二で書いてあること、その趣旨にのっとりましてきちんとその辺のところ、どういう要員が行って、また装備がどういうものになるかということを正確にかつわかりやすく記載する、そういう趣旨でございます。
#278
○寺崎昭久君 また後日質問をさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、再修正法案に関連して、きょうは社会党さんに御質問させていただきたいと思います。
 私の理解では、社会党は従来から自衛隊は違憲であるという立場をとられていたと思います。それゆえに、社会党の対案を見ましても、例えば第二条で軍事部門に係る活動を除くとされているんだと思います。通常、軍事部門と密接不可分の関係にあるという業務は、PKFだとかあるいは後方支援ということになるわけでありますが、したがってこの後方支援にも参加しませんというのが社会党の立場なのかと思います。このことは、四月十一日の社会党シャドーキャビネット外交委員長名のあるドキュメントの中にも「国際協力隊員は、自衛隊の身分を有するものであってはならない。」と記されているようでございます。
 ということは、いかなるPKOの業務であれ自衛隊は参加できないというのが社会党のお立場と理解してよろしいか、まず確認いたします。
#279
○委員以外の議員(村田誠醇君) お答えいたします。
 私どもは非軍事、文民、民生ということを原則にしておりますので、その原則に反するものはできない、こういうことでございます。
#280
○寺崎昭久君 ところで、五月一日に社会党カンボジア訪問議員団の記者会見が行われております。そのときのやりとりを拝見いたしますと、社会党から、兵たん、輸送、通信、医療分野における協力は民間人にやっていただくのが文民参加の観点から最も望ましいが、簡単に言えば、参加していただけないと思う、また組織的にしっかりしていなければ意味がないので自衛隊を文民の別組織に移しかえ、その組織能力を活用したいと発言されたと伝わっております。
 このことは、自衛隊の後方支援業務参加を事実上認めたという考え方になるのではないでしょうか。
 それからもう一つ、社会党の言われる文民、民生、非軍事との関係はどうなるのか、お尋ねいたします。
#281
○委員以外の議員(村田誠醇君) シャドーキャビネットの調査団の報告を引用なさいましたけれども、一部先生の方で少し誤解があるのではないかと思うんです。
 全文を少し読まさせていただきたいと思うんですが、その箇所でございます。
 UNTACのサドリ特別代表代理、サンダーソ
 ン司令官との会談において、「平和維持軍の中
 でも、兵站、技術、通信、輸送、医療部門であ
 れは文民組織による代替が可能であり、即応
 性、完全装備、自前の安全確保能力さえ確保で
 きればよい」との指摘を受けた。今回の現地調
 査を通じて、改めて別組織による人的貢献の考
 え方が国際的に通用することが明らかになっ
 た。
 このように我が党のカンボジア調査団、シャドーキャビネットの「報告と提言」の中に書いてあるわけでございます。
 この中で我が党が強調したい点は、文民から成る別組織による人的貢献の考え方というものが国際的にも通用するということが明らかになったという点を強調したいわけでございます。したがって、平和維持軍の後方支援部隊に文民を積極的に使えばいいと、そういうことを言っているわけではないわけでございます。したがって、今先生が御指摘になりました我が党の掲げました非軍事、文民、民生のこの原則と、我が党が出しました報告書との間には矛盾はないものと、このように考えておるわけでございます。
#282
○寺崎昭久君 ところで、自衛隊を別組織に移しかえた上でその組織能力を活用するというお考えを述べられているんですが、ここのところがなかなかわかりづらいわけです。大変うがった見方をしますと、自衛隊の表札をかけ変えて後方業務につかせることができるとおっしゃっているのか。そんなふうにも受けとめられるわけでありますけれども、もしそうだとすれば、従来の自衛隊を否定する立場との関係で、自衛隊参加を認めるために、形式的にと言っては失礼かもしれませんが、つじつま合わせではないかというようにも読めるわけなので、この点はいかがでしょうか。
#283
○委員以外の議員(村田誠醇君) 私どもが自衛隊を別個の組織として提案するということを言っておりますのは、繰り返し本委員会でも御説明をいたしましたけれども、三つの理由があるわけでございます。
 一つの理由は、憲法上やはりこれを厳格に守っていく必要があるのではないか、これが一点目でございます。それから二点目には、やはりアジアの近隣諸国がいろいろ過去の日本の行動に対して懸念をしている、この点についても配慮が必要だろう、これが二点目でございます。三点目は、本院で先般も議論にありました、自衛隊の発足に当たって、海外に派遣せざることというこの国会の決議というものがございますので、この三つの点を理由にいたしまして社会党は別個の組織を主張しているわけでございます。
 ついでに、自衛隊というのは、御存じのとおり専守防衛という名目ではございますけれども、やはり戦闘を目的とする組織集団でございます。我が党が言っております国際協力隊は、何度も言いますが、非軍事、文民、民生ということを目的といたしておりますので、自衛隊とはその持っている任務、性格を別にする。機能的には全く別個の組織でございますので、これをただ単に形を変えただけという、そういう意味でのつじつま合わせというわけでは決してないということでございます。
 さらに、自衛隊の海外派遣については、いろいろ国論が二分している現状においては今私どもが提案している点が最善の方法ではないかと思っているわけでございます。
#284
○寺崎昭久君 その他いろいろ質問は用意してまいったんですけれども、若干時間もたっているようでありますので、社会党初め公明党、民社党、自民党に対する質問はまたの機会に譲らせていただきまして、きょうはこの程度にさせていただきたいと思います。終わります。
#285
○喜屋武眞榮君 私が最後でございますが、質問をする喜屋武の気持ちよりも聞いてくださる皆さんの気持ちが私はお気の毒のような気がいたしまして、申しわけない気持ちでいっぱいであります。十三分ですからひとつ御辛抱をお願いいたしたいと思います。
 私は、きのう提案のありました自公民三党の共同提案に係る修正案に対する質疑をいたしたいと思います。
 まず、公明党に対してお伺いいたしたいと思いますが、そのお尋ねの第一は、公明党さんは衆議院における採決に際してはPKFを含む政府原案に賛成をしておられながら、なぜ当委員会の審議においてはPKF凍結をおっしゃるのか、その真意をお伺いしたいと思います。
#286
○峯山昭範君 お答えいたします。
 本来ならば、時間がありましたらいろいろと詳細、従来の経過等も踏まえて話をさせていただきたいのでございますが、時間の関係で簡潔に申し上げますと、先般の衆議院における採決の後、御存じのとおり当委員会におきましても長期間にわたりまして審議が続けられてまいりました。そんな中で、特にPKF本体の業務への部隊参加について、やはりもう少し町外の理解を深める必要があるのではないか、そういう努力をすべきじゃないのか、そういうふうな御意見もいろいろありまして、そういうふうな意味で大分理解は深まってまいりましたけれども、当面我々としましては、先ほどから何回か御答弁させていただきましたが、PKF本体の業務への参加は実施をしないというふうに提案したわけでございます。
#287
○喜屋武眞榮君 もう一つ公明党さんにお尋ねしたいことは、公明党さんは最初国会の事前承認に極めて否定的な見解をお持ちであったと思われてなりませんでした。なぜ今回は国会の事前承認を受け入れるに至ったのか、その理由をお聞かせ願いたい。
#288
○峯山昭範君 お答えいたします。
 私どもは国会の承認が必要ないという考え方に立っていたのではありません。実は、この法案が出る前々から私どもは国会承認は必要であるという考え方に立って党内の議論をずっと続けてきたわけでございます。その中にありまして国会承認、事前承認、事後承認含めまして同じでございますが、国会承認というのは何かというとシビリアンコントロールのことでございますから、そこら辺のところをやはりどうしてもきちっとしなくちゃいけない。そういうふうな意味で私どもはいわゆる憲法上の問題でどこに歯どめをかけるか、特に武力行使の問題というのは非常に重大な問題でございますし、国会におきましても相当議論が行われております。
 そういうふうな意味で、国連でも通常の認識になっております参加五原則の中で五番目にいわゆる撤退ができるというような部分があります。そういう部分を含めてこの五原則を法案の中にがっちり盛り込むと、そういうことができればいわゆるシビリアンコントロールの一つの大きなポイントになるんではないのか、そういう点から実はこの参加五原則を法律の中に盛り込むようにというのを相当私どもは働きかけたわけであります。
 それと同時に、もう少し具体的に申し上げますと、国会に対する報告もきちっとしなくちゃいけない。いわゆる実施計画、そして終了の計画、それで途中の見直しと、そういうふうなものもきちっとして国会としてシビリアンコントロールの機能を十分果たせるようにするというふうな考え方に立っていたわけでございます。しかし、御承知のとおり今回の修正に当たりましては、国民各層のできるだけ広い範囲の皆さん方の御理解をいただく。私どもは、国会承認というのは五原則を入れることによって、またもう一つの三つの報告の問題にょりまして十分その機能は果たせていると考えておりましたけれども、念には念を入れということもございますし、さらにそういうふうな意味で事前承認、事後承認両方含めまして国会承認ということについて合意をしたわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、これからもこの国会承認という問題、シビリアンコントロールという問題につきましては非常に重要な問題であると思っておりますので、これからも慎重に尊重してまいりたいと考えております。
#289
○喜屋武眞榮君 次は、民社党さんにお伺いいたします。
 自衛隊が軽武装をして海外へ派遣され、そこで国連のコマンドに従えば自衛隊が自衛のため武器の使用をする場合が予想される。それが武力の行使に当たる場合もあるということは、当委員会において私の質疑に対する外務省の丹波国連局長の答弁がございました。その御答弁に明らかでありますように、それはまさに違憲なのだと私は断定いたしました。したがいまして、民社党が主張してこのたびの修正案に盛り込まれた国会による事前の承認が入れられても、軽武装の自衛隊が海外へ派遣されることによって生ずる違憲性の問題は何ら変わらないはずであります。この点についてどのように考えておられるか、御見解を承りたい。
#290
○田渕哲也君 私どもは、自衛隊が海外へ行くことは何が何でも違憲だという立場はとっておりません。憲法で禁止しておるのは、国際紛争を解決する手段として武力による威嚇または武力行使を行う、あるいは国権の発動たる戦争を行うということが禁止されておるわけでありまして、それに当たらない場合は自衛隊が海外へ行っても憲法違反にはならない、このように考えております。
 PKOに自衛隊が参加することは憲法違反ではないかという御主張は、憲法の精神、それとPKOの活動、この両面を正しく理解されていないからだというふうに考えざるを得ないのであります。
 我が国の憲法の前文には、「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてみる国際社会において帝名誉ある地位を占めたい」「いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならない」と述べられており、また第九十八条二項には、「日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守する」と述べられております。PKOに自衛隊が積極的に参加することは憲法の精神に照らしても当然必要なことだと思います。
 なお、武器の使用のことでありますけれども、これは今までのこの委員会における論議によりまして、国連がPKOに認めておるのは自衛のために必要な場合のみと言われております。そしてその場合には、要員の生命の安全を図るためというのが一つありまして、もう一つは任務の遂行を実力で阻止しようとされた場合という二つのケースがありますけれども、この後者のケースはそれは行わないということが法案で決められておるわけでありますから、憲法で禁じておる武力行使ということは起こり得ない、我々はこのように考えておるわけであります。
#291
○喜屋武眞榮君 良心的な、余りに良心的なという文言がございますが、見解の相違であることはやむを得ません。いかなることがあっても私は自衛隊を海外に派遣することは反対でございます。
 そういう見地に立ちまして、私はこの委員会で一貫して反対の立場を貫いてきておるわけでありますが、そこで最後に野田さんにお尋ねしたいことは、三党のきのう提案されたあのことに対し、そうして社会党案その結びつきにおいてどう判断していらっしゃるか、率直にお聞きいたしたいと思います。
#292
○委員以外の議員(野田哲君) 昨日提案をされました自公民三党の修正案、きょうも朝から議論が続いているわけでありますが、この修正案は私が拝見をした限り、そしてきょうの議論を聞いた限りでは、自衛隊を部隊として武器を持って海外に派遣をする、この本質はいささかも変わっていない。ただ、参加をする業務について一時的に軍事部門にかかわる業務を保留しているだけでございます。したがって、私の方から提案をいたしました案とは共通項はございません。したがって、これには賛成しかねる、こういうことでございます。
#293
○喜屋武眞榮君 それじゃ最後に、せっかく総理は朝からお座りのようであります。何か一言おっしゃらぬと申しわけない気持ちもいたしますので、と申しますのは、今私は沖縄とのピストン往来をいたしておる最中でありますが、会う人、見る人すべてが、あの厚生年金の問題はどこまで進んでおるのかと、そのことをもう問われてしようがありません。それで、そのことについて、総理に火つけ彼もやっていただいたわけですが、そのことを絶えず関心を持っていらっしゃると私はお察ししております。そのことについて、この場でどうかひとつ率直な御見解を承りたいと思います。よろしくお願いします。
#294
○国務大臣(宮澤喜一君) 過般も申し上げましたが、二度の是正を行いました後でございますので、この問題を年金の領域において解決するということは事実上難しいということは関係者が全部合意をいたしております。しかし、さりとて何か気持ちをあらわす方法はないだろうかということを私自身も思っておりまして、政府部内でそのための検討をすることを決定いたしました。多少時間がかかりますし、またどのような結果が出ますか、喜屋武議員のお考えになっていらっしゃるようなことになりますかどうか、その点は何とも申し上げかねますけれども、私どもとして誠意を尽くしてみたい、かように考えております。
#295
○委員長(下条進一郎君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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