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1992/03/11 第123回国会 参議院 参議院会議録情報 第123回国会 選挙制度に関する特別委員会 第2号
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1992/03/11 第123回国会 参議院

参議院会議録情報 第123回国会 選挙制度に関する特別委員会 第2号

#1
第123回国会 選挙制度に関する特別委員会 第2号
平成四年三月十一日(水曜日)
   午後一時十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月十日
    辞任         補欠選任
     岩本 久人君     吉田 達男君
     粕谷 照美君     森  暢子君
     本岡 昭次君     篠崎 年子君
     安永 英雄君     三重野栄子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         石原健太郎君
    理 事
                高橋 清孝君
                前田 勲男君
                上野 雄文君
                渕上 貞雄君
                猪熊 重二君
    委 員
                梶原  清君
                片山虎之助君
                斎藤栄三郎君
                関口 恵造君
                田中 正巳君
                藤田 雄山君
                松浦  功君
                久保  亘君
                篠崎 年子君
                三重野栄子君
                森  暢子君
                吉田 達男君
                白浜 一良君
                橋本  敦君
                山中 郁子君
                笹野 貞子君
                田渕 哲也君
   国務大臣
       自 治 大 臣  塩川正十郎君
   政府委員
       自治省行政局長  紀内 隆宏君
       自治省行政局選
       挙部長      吉田 弘正君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹村  晟君
   説明員
       郵政省放送行政
       局技術課長    石原 秀昭君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法
 律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(石原健太郎君) ただいまから選挙制度に関する特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨十日、安永英雄君、粕谷照美君、本岡昭次君及び岩本久人君が委員を辞任され、その補欠として三重野栄子君、森暢子君、篠崎年子君及び吉田達男君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(石原健太郎君) 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正すみ法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。塩川自治大臣。
#4
○国務大臣(塩川正十郎君) ただいま議題となりました国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由と内容の概略を御説明申し上げます。
 この改正法案は、国会議員の選挙等の執行について、国が負担する経費で地方公共団体に交付するものの現行の基準が実情に即さないものになりましたので、今回これに所要の改定を加えようとするものであります。すなわち、最近における公務員給与の改定、物価の変動等にかんがみまして執行経費の基準を改定し、もって国会議員の選挙等の執行に遺憾のないようにしたいと存ずるものであります。
 次に、この法律案による改正の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 第一は、最近における公務員給与の改定等に伴い、投票所経費、開票所経費等の積算単価である超過勤務手当及び投票管理者、開票管理者、立会人等の費用弁償その他の額を実情に即するよう引き上げ、これらの経費に係る基準額を改定しようとするものであります。
 第二は、最近における物価の変動等に伴い、選挙公報発行費、ポスター掲示場費等の積算単価である印刷費その他の額を実情に即するよう引き上げ、これらの経費に係る基準額を改定しようとするものであります。
 第三は、参議院比例代表選出議員選挙における候補者氏名等掲示の経費の額について、候補者数が三百五十人以上の場合において、所要の額の加算を行おうとするものであります。
 以上が国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案の要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#5
○委員長(石原健太郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○上野雄文君 それでは、私から質問をさせていただきたいと思うんです。
 三年に一遍の改正ということでありまして、原則的に私どもも賛成でありますし、衆議院の方でも全会一致で通ってきたという経過のようであります。随分細かい話になって恐縮ですけれども、事柄の性質上、細かく決めてあるものですから勢いそうならざるを得ないんでありますが、最初に超過勤務手当の問題についてお尋ねをしたいと思うんです。
 たしかこの前の改正のときも私から質問をしたかと思うんですけれども、市と町村の差がある点ですね。投票所は有権老の数で大体決まっておる、区分けがしてあるわけですから。市と町村を差別する積極的な理由というのはないんじゃないかというふうに思うんですね。昔から本省のお方、県庁の方、それから市役所、地方事務所、役場の人というふうに言い方が、言葉遣いも変わっているんですね。これはまだ幾らか残っているのかなと思うんですが、法律の方でそういう差別意識みたいなのはやっぱりあるんですかね。その辺はどうお考えになっていますか。
#7
○政府委員(吉田弘正君) 執行経費に関連いたしまして、市、区、町村でそれぞれ経費の単価が異なるのはいかがかというようなお話でございます。
 この点につきましては、従来から市、区、町村の間での格差の是正ということを図るべく私ども
努力してまいったわけでございます。そういう中で、今回の改正、特に今超勤のお話がございましたが、超勤の単価につきましては、従来は、都道府県においては大都市のある都道府県とその他の県、あるいは市区町村においては指定都市及び特別区と市と町村の区別を設けていたところでございます。これは従来、地方公務員給与実態調査に基づき、実情に即するように配慮していたのでございますが、最近におきます都道府県間及び市区町村の給与格差というのが縮小してまいりましたので、今回はこの都道府県間とかあるいは市区町村間の区分を設けずに、これを統一して一本でやるということにいたしたわけでございます。したがいまして、こういうことでいろいろ積算してまいります投票所経費とか開票所経費につきましては、市と町村との間で従来はど格差がなくなってきたというようなのが今回の改正の内容になっております。
 ただ、そうは申しましても投票所経費等におきまして区、市、町村間に若干の格差が残っているわけでございますが、それは積算の基礎となっておりますいろいろの単価の算定に用いるデータ、つまり物価等の水準が地域によって差があるというようなことや、あるいはその事務に要する人員等に差があることによるものでございまして、まあやむを得ないものかと存じている次第でございます。
#8
○上野雄文君 それから、地域差ということが考えられるにしましても、市、町村では大体のところ市の方が今賃金が少し高いという傾向はあるかとは思いますけれども、ここのところ随分ならされてきていますから、その辺の配慮というのは、三年後また取り組むことになるんでしょうけれども、これからもひとつ格差をなくすようにぜひ取り組んでもらいたいなというふうに思います。
 それから、費用弁償というんですか、投票日が休みの日になるというのが大体最近の傾向、ほとんど九〇%以上、九九%と言ってもいいくらい休みの日が投票日ですね。ですから、この休みの手当、十四時間拘束されて一万二千九百三十一円、これは少し安過ぎやしないかなと思うんです。新聞の折り込みに入ってくる時給の広告がありますね。あれなどに比べると安いと思いませんか。
 それから、立会人の方についても、ずっと座りっ放し、立会人ですから、トイレに行く時間はこれはもう生理現象ですからやむを得ませんが、立ち会うというのが仕事でずっと座りっ放し、飯もその場で食べるというのが原則になるんでしょうが、これが六千八百円ですか、少し安過ぎやしないかなというふうにも考えられるんですけれども、どういうふうにお考えですか。
 それから嘱託員、教職員それから団体職員、そういう人たちを動員して手伝ってもらいますね。嘱託手当が市で三千八百五十円、こういう数字のようですが、これなんかはどういうふうに考えてこの数字を出したのか教えてもらいたいと、こう思うんです。
#9
○政府委員(吉田弘正君) いろいろお話ございましたが、私ども常に単価の見直しもしまして、なるべく実情に合うようにということで努力をしてまいっているところでございます。
 今回、超勤についても最近におきます給与改定の状況を踏まえましてこれを算出いたした次第でございます。地方財政計画のベースで計算をしたというようなことになっているわけでございます。そういうことでございまして、かなりの水準に達しているのではなかろうかというふうに思うわけでございます。
 それから、投票所あるいは開票所の立会人の関係の経費でございます。これも従前六千百円であったものを六千八百円ということに今回改正をさせていただくということにいたしておりますが、これも長時間ずっとそこに座っていてまだ非常に低いんではないかというようなお話もございます。これは確かにそういう御意見もあろうかと思いますが、やはり選挙という性格と申しますか、投票管理者とかあるいは立会人というのもそういう場に、選挙というところに参加をしていただくという意義もひとつ御考慮いただいて、こういうことでお願いできないかというふうに考えている次第でございます。そういうことがございます。
 それから、嘱託の賃金単価のお話でございますが、これにつきましても、労務賃につきましては国の予算におきます賃金単価と比較してみますと、区は同額となっており、低過ぎるということでは必ずしもないのではないかというふうに思うのでございます。なお、国の賃金単価を一〇〇とした場合には、市は八八・三、町村は八五・一となるわけでございますが、これは物価等の水準に若干地域差がございますので、従前からこのような地域差を反映した労賃を定めているわけでございます。そういうことで、区、市、町村間に賃金については特段の事情変化もないということで今回も従前と同様の格差を設けたというようなことでございます。
#10
○上野雄文君 次は、食糧費の一人二十円というのは、これはどういうものなのか、ちょっと教えてもらいたいと思うんですけれども。
#11
○政府委員(吉田弘正君) 食糧費一人当たり二十円ということで非常に少額ということになっておりますが、選挙の執行経費の基本額の算定に当たりましては、基礎となっている各種の物件費の改定をするに当たりまして、やはり算定と基礎が明らかなもので根拠となるべき指標が相当大幅にアップしたものであるとか、あるいは執行経費全体の改善に寄与する度合いが大きいもの等に着目をして全体として改定するというようなことでこれまでやってきているわけでございます。そういう中で、食糧費についても従前から一人当たり二十円ということでございますが、これについては単価アップがこの三年間でさほど大きいということでございませんで、その復そういう格好になっているわけでございますが、執行経費全体としては今回相当改善されているわけでございます。
 そういう中で、基準法というのは国が負担する経費の基準を定めているわけでございまして、交付された総額の範囲内で経費相互間のやりくりもできるわけでございますので、そういうことで全体の対応をしていただけるんではないかなというふうに思っている次第でございます。
#12
○上野雄文君 これはどういうものに使うんですか。
#13
○政府委員(吉田弘正君) これ食糧費と申しましても、まあ言ってみれば茶菓子代というようなことでございます。
#14
○上野雄文君 二十円でどんなお茶菓子が買えますかね。
 県にいたころですから十年以上前の話なんですけれども、民生部長がおやつ代の査定を受けたんです、二十円かな、やっぱり。それで、総務部長の復活要求のときに、二十円でせんべいを買ってきて、当時二枚かな、これですよと、こう言ったら、さすがに総務部長も、なるほどそうですか、じゃ上げましょうと言って、倍にして四十円ですね。
 これはしかし、お茶菓子、今大福一個だって幾らすると思いますか。全体の経費で考えるという話ですけれども、やっぱり感覚的にはものすごくずれているんじゃないかという、随分失礼な言い方になりますけれども、おもしろい数字が残っていますねと私は思います。
#15
○政府委員(吉田弘正君) 従前から御指摘もいただいているわけでございます。私どもとしても、経費全体として地方公共団体が選挙を執行するに当たりまして支障のないようにということで、先ほど申しましたように単価アップが非常に大きいものとか、あるいはウエートが非常に高いものについて中心にやってきた関係上、この問題については従前どおりということになっているわけでございます。
 そういう中で、今御指摘をいただきましたが、言ってみればこの経費につきましては今後もやはり検討はしていかなきゃいけないと思いますが、全体の中で、開票所経費、投票所経費あるいは事務費という中で彼此流用もできるわけでございま
す。そういう中で対応をしながら、支障のないようにしていただきたいというふうに思っている次第でございます。
#16
○上野雄文君 三年後の話になりますが、三年後は、倍にしたって四十円、三倍にして六十円ですよ。つまらないこと、これは質問する方も恥ずかしくなるような話になっちゃうものですから、これ以上申し上げないことにいたします。
 今度は、これに関係ないことはないんですけれども、不在者投票のことですが、郵便投票が認められている重度の障害者の数が、厚生省の六十二年度の調査で四十九万人程度だというふうに聞いておりますけれども、高齢化社会と言われているわけですからこれからどんどんふえてくる傾向にあると思うんです。これらの不在者投票制度の問題なんかについて、何かいい方法等について考えていますか。それらについてありましたらお聞かせください。
#17
○政府委員(吉田弘正君) 寝たきり老人等に対する不在者投票のお話でございます。
 一方では、確かに選挙権の行使の拡大、あるいはそれを保障するということの道を拡大することは大変重要なことだと認識しているわけでございますが、他方、選挙の公正の確保ということも非常に重要な事柄であるわけでございます。そこで、不在者投票につきましては、そういう見地から今現行制度がつくられているわけでございますけれども、郵便投票の制度につきまして、さらにこれを拡大したらいいんではないかという御意見がこれまでしばしばあったわけでございます。しかしながら、不在者投票につきましては、過去にこれが相当悪用されたというようなこともございまして、やはり選挙の公正を確保するについて十分必要があるということで、現在、御承知のように重度の障害者につきまして郵便投票を認めているというような状況になっているわけでございます。
 寝たきり老人等につきましては、制度上なかなか統一的な基準がないために、全国的に均一の取り扱いをすることが可能かどうかというような問題が一つございます。また、公的な証明方法をどうするかという投票の公正確保の観点からの問題もございまして、なお今後検討を続けていかなければならない課題かと存じております。
#18
○上野雄文君 最後にお尋ねをしたいんですが、徳之島の伊仙町の町長選挙の結果、大変な混乱が現地で起こっているようですね。この委員会の調査活動の一環として現地に行ってみてもいいんじゃないかなんという話も出たくらいでありますが、町長はおっても何かいないことの方が多いというような話のようでありますし、そのうち助役、収入役が任期満了で全部やめちゃって、事実上総務課長がやっている。それよりももっと問題だと思うのは、選挙管理委員会そのものが動きがつかないという状況になっているようですが、現地の実情などについて、知っている範囲で結構ですけれども、ここで報告していただければと思います。
#19
○政府委員(吉田弘正君) 伊仙町の問題でございますが、御指摘ございましたように、現在、鹿児島県の伊仙町におきましては町長不在の状態が続いているわけでございます。
 その経緯は、平成三年の四月に執行されました町長選挙におきまして、不在者投票の不正から混乱が生じまして、町の選挙管理委員会が当選人の告示を行わなかったということに端を発しているわけでございます。この間、自治省におきましては、県の選挙管理委員会を通じまして、再三再四当選人の告示を行うように町選挙管理委員会に対しまして強く指導を行ってまいったわけでございますが、残念ながら町長選から約十一か月を経過いたしました今日でもなお町選管による当選人の告示が行われていないということでございます。また、三役のうち、収入役につきましては平成三年九月三十日に、また助役につきましても平成四年の一月三十一日に任期が切れておりますので、現在、町の総務課長が町長の職務代理者というようなことになっているということでございます。
 この選挙につきましては選挙争訟が提起されておりまして、県の選挙管理委員会はこの選挙につきまして選挙無効の裁決を行ったところでございますが、現在、福岡高裁に選挙訴訟が提起をされて係属中になっているというような状況でございます。
 自治省といたしまして、今後とも引き続き町選挙管理委員会に対しまして当選人の告示を行うよう強く指導してまいりたいと考えております。
#20
○上野雄文君 何か手だてはないものですかね。そういうことについて今の法律では予想していないことなんだろうと思うんですけれども、これは聞く方も非常に難しいんですよね、地方自治の基本に触れる問題ですし。私が県庁に勤めたころは、先輩の中に、職務代理者で、職務執行者ですか、職務管掌者か、で出た経験者なんかいまして、やりたいほうだいのことをやってきたなんてほら話を昔話として我々に話されたことなどもあったんですが、今はそういう仕組みがない。これは何か法制上の問題として自治省として考えたことがありますか。
#21
○政府委員(吉田弘正君) これは公選法上、選挙会で当選人が決まれば当然選挙管理委員会として当選人の告示をしなければならないということになるわけでございます。法律的な手当ではそういう意味ではできているわけでございますが、問題は、法の管理、執行を行う町の選挙管理委員会がその法を無視した行動に出たというところにある問題でございまして、そういうことで私どもとしては、地方自治体の選挙に関することでございますが、地方自治体の自分たちの問題として、これは地方自治の本旨に基づいて適正な措置がとられるように強く指導をしていきたいし、そういうことになってほしいと念願もしている次第でございます。
#22
○上野雄文君 行政局長せっかくおいでで、何か考えていることありますか。
#23
○政府委員(紀内隆宏君) お話ございましたように、戦前の制度、旧の市制町村制の時代でございますけれども、その当時は監督官庁による臨時職務代理者の選任でございますとか、あるいは職務管掌者の派遣とか、そういう仕掛けがございました。戦後、地方自治法の世界になりましてから、やはり地方団体の自律性を強化して、その自治権の尊重という観点からこういう措置はとられないことになったわけでございます。したがって、基本的にはやはり住民の自覚によっていろんなことが是正されていくということにまつしかないんではないかというふうに思っております。
#24
○上野雄文君 あと問題なのは選挙賭博、これはえらい金かけてやっているというのが週刊誌でも新聞でも報道されていますね。選挙がばくちの対象になるなんというのはおよそ考えつかないことで、これはいずれ地方行政委員会の席上ででも警察の方にでも聞いてみなきゃいけないことだと思うんですけれども、大臣、今行政局長は、地方自治の本旨で、自律性で自主的にというそのことを期待する以外にないということですが、片方で町長選挙もばくちの対象になるというようなことなんかについて、自治問題についてそれなりに、教育なんという言葉を使ってはいけないかもしれませんが、何か啓発活動というんですか、そういうようなものをやるようなことを考えないとよくならないんじゃないですかね。どんなふうにお考えになっていますか。
#25
○国務大臣(塩川正十郎君) まことに遺憾な事態でございまして、これは、一つは自治の教育材料として見るだけのことでは済まされないような問題でございますので、何か手だてはないかということを私たちも寄り寄り考えておりますけれども、今のところ有効な手だてがないということで、裁判の進行を待つということしかしょうがないんじゃないかということでございます。
 それから、不正の問題につきましては、実態を今警察でやっておりますが、これもまたはっきりつかめないような状態なんですね。そこで変なことをやりますと逆に不公平を生んでくるようなことになりますので、当局としても非常に慎重に構
えておるところと思っております。
 総じて申しまして、完全な自治というものはその住民の意識とともに育っていくものだということを見せつけられたような感じがいたしまして、その意味におきましては、上野さんおっしゃるように、これからの啓蒙活動というのがやっぱり非常に大事な要件になってくる、こう思っております。
#26
○上野雄文君 最後に、要望ということになりましょうか、政治改革の問題が議論されていますよね。これは百年河清を待つような話、今のままでいたら。やっぱりきちっとしたやり方を、国政の問題やなんかでもこれは非常に重要なことなんだろうと思うんですけれども一私なんかきょうの新聞でえらい被害者なんですよ。あなた議員をおやめになるんですかなんて、どっちも社会党なものですから、二人しかいないうちの一人の方の話ですから。
 余計なことを申し上げましたけれども、選挙というのは本当にもっとみんなで大事に考えるということが必要なんじゃないかと思うんです。いろいろ重箱の隅をようじでつっつくような質問をしまして、部長には二十円の話までして大変恐縮していますけれども、こういう質問をしないようなものにこれから三年後にはやっていただくようにお願いしまして、質問を終わりたいと思うんです。
#27
○猪熊重二君 法案に関しては、今上野先生もおっしゃいましたように、格別問題もございませんので、私は選挙制度の一環としての外国人の選挙権についてお伺いしたいと思います。
 外国人の選挙権という中でも、国家機関に対する選挙権の問題ではなくして、地方公共団体の長、議会の議員に限定して、しかも被選挙権だと何がしの問題があるとも思いますので、選挙権の問題に限定してお伺いしたいと思います。要するに、地方公共団体の長及び議会の議員に対する外国人の選挙権の問題をお伺いしたい、こういうことでございます。
 まず、大臣にお伺いします。
 憲法の十五条一項には、公務員を選定することは「国民固有の権利である。」というふうに規定されています。同じ憲法の九十三条二項には、地方公共団体の長、その議会の議員は「その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する。」と、こういう規定になっております。この二つの条項を見た場合に、憲法十五条の方で言いますと、公務員の選定権、すなわち選挙権は「国民固有の権利である。」ということで国民の権利であると、こういうことになっておる。これに対して九十三条二項の方では、地方公共団体の場合には地方公共団体の住民が選挙するということで住民に選挙権があると、こういう規定になっています。
 一見この二つの条項は、片方は国民が選挙権を持っていると、こう書いてあるし、片方は住民が選挙権を持っていると、こういうふうに書いてあります。この憲法の二つの条項についてどのような関係にあるのか。大臣としてはどのようにお考えでしょうか。
#28
○国務大臣(塩川正十郎君) よく私たちは言葉の上でも住民とかあるいは市民とか言っておりますが、それは、結局のところ国民という概念の中にある住民であり市民である、こう思っております。ですから、住民である、あるいは市民であるという前に国民であるということが前提になっておる、そういうふうな解釈のもとで私たちは見ておるということでございまして、住民というものがただ単に一動物的な自然人というそういう見方では私たちは考えておらない、こういうところでございます。
#29
○猪熊重二君 そうすると、大臣のお考えは、国民という概念の中に住民という概念が内包されている、こういうお考えなんでしょうか。
#30
○国務大臣(塩川正十郎君) そういう趣旨であります。
#31
○猪熊重二君 これは各人の憲法解釈の問題ですから、どれが正しい、どれが間違いだということはもちろんありませんけれども、しかし、わざわざ憲法が国民という概念と住民という概念を区別して書いている。しかも、片方は国の機関をも含めたすべての公務員の選定という、広い意味においては国民だという言葉を用いているんです。それに対して、地方公共団体の場合だけはわざわざその国民概念と別個に住民概念を持ってきているんですから、やはりそこには何らかの差異がある。
 今大臣がおっしゃったように、国民概念の中に住民という概念が内包されている、あるいは同義語なのかもしれませんが、もし同義語ならわざわざ区分けして使う必要はないわけなんです。
 要するに、国民という概念と憲法でいう住民という概念には何がしの差異があるというふうに考えるのが普通だと思うんですが、大臣のお考えはそういうふうに国民概念の中に住民概念が内包されているんだと、こういうお考えのようです。そうすると、国民概念の中には住民という概念以外の何らかの概念が内包されておりますか。
#32
○国務大臣(塩川正十郎君) えらい恐縮ですけど、もう一度ちょっと。
#33
○猪熊重二君 もしこれが同義語なら同義語ということなんですが、内包されているということは、その概念の中に含まれるものがこれであるとすれば、ほかにも含まれるものがありますかと、こういう趣旨でお伺いしているんです。
#34
○国務大臣(塩川正十郎君) わかりました。どうも失礼しました。
 私は、九十三条でございますか、そこをちょっと拝見させていただきます。住民が選ぶということをいっておるというのは地方自治体の選挙だろうと思いますのでございますから、九州の人が大阪の地方自治体の選挙をするんじゃない、国民であってそこに住んでおる人、こういう意味だと思うんですが、ちょっと待ってください、私もうかつなことを言って……。九十三条、私はそんな解釈ております。
 ですから、その自治体の中の国民という意味で住民といったんだろうと思っておりまして、他の自治体に住んでおる国民ではない、こういうことと思いますが。
#35
○猪熊重二君 大臣の今のお答えは、大体ずっと政府なり伝統的学者が言っていることなんです。ですから、そのとおりだろうと思います。
 ただ、憲法の条項に対して、国民概念と住民概念が異なっているということから、地方自治体の長、議会の議員の選挙権の場合には国民という概念が不必要なんだというふうな見解もあることを、大臣もそういう見解があるということだけは御承知いただきたいと思います。
 次に、大臣でなくて局長で結構なんですが、地方議会の議員の定数についてお伺いします。
 地方議会の議員の定数について、地方自治法は九十条、九十一条において、議員の定数は人口を基準に算出するべきものとしております。この人口という中にはどの範囲の人が入りますか、お伺いします。
#36
○政府委員(吉田弘正君) 地方公共団体の議会の議員の総定数でございますとか、あるいは選挙区別定数が人口に基づき定められているわけでございます。これは今先生が御指摘ございましたように、自治法の九十条でございますとか九十一条、公選法の十五条にそういうことになっているわけでございます。そこでいう人口は、最近の国勢調査及びこれに準ずる全国的な人口調査の結果による人口で、官報で告示されたものということになっておりますので、我が国に常住しておられます外国人がこの人口にも入っているわけでございます。
#37
○猪熊重二君 具体的な例でお伺いしますと、平成二年度の国勢調査において、大阪市生野区の場合に、総人口が十五万五千三百二十一人、そのうち日本国民は十一万九千四百三十五人、外国人は三万五千八百八十六人。こう数字を申し上げただけじゃおわかりいただけないと思いますけれども、要するに生野区の人口のうちの二三・一%は外国人、直接的に言うと在日韓国・朝鮮人なんです。二三・一%ですよ。それで、この二三・一%
を占める外国人を、議会の定数を定めるときには勘定に入れておいて、だけれども選挙権はあなたにはやらないよということの合理性はどこにあるんでしょうか。
#38
○政府委員(吉田弘正君) 確かに、総定数の基礎あるいは選挙区別の定数の基礎については、これは人口を用いているわけでございます。そういう定数の算定根拠に人口を用いていることと、その人口に含まれている者のうちどのような方々に選挙権を認めるかという問題は、おのずと別個の問題ではなかろうかと考えているわけでございます。
 選挙権の問題につきましては、これは選挙権の本質とか我が国の法体系における地方公共団体の位置づけ等に照らしまして判断をすべき事柄というふうに考えている次第でございます。
#39
○猪熊重二君 要するに、大阪市生野区で言えば四分の一の人間も市の議員定数であるとかあるいは市政をいろいろ運営していく上については市の構成員として評価されているんです。だけれども、選挙の方になると四分の三だけで選挙するんです。そうすると、この四分の一の在日韓国・朝鮮人の人々は、構成員であるけれども、あたかも未成年者や禁治産者と同じように選挙の面においては構成員じゃないんです。選挙権を持っていないんです。民主主義というのは、治者と被治者が同一であることが民主主義の根幹である、こう言われているわけです。要するに、外国人は被治者であるだけであってみずから治者の立場に立ち得ない。非常に民主主義の概念と相反している、こう言わざるを得ないと思います。
 しかも、地方自治法の十条二項によれば、住民はその属する地方公共団体の負担を分任する義務を負う、こう書かれているんです。要するに、義務の方だけは分担しなさいよということなんです。というのは、この住民という中には外国人も入っているんですから。外国人であれ日本国民であれ住民はその地方公共団体の負担を分任する義務を負うと。要するに、納税の義務も負うということなんです。そうすると、義務の方は、自分が選挙しない人々によって決められた租税の方は負担させられる。だけれども選挙権はない。代表なくして課税なしという、これはもう近世の民主主義の根幹じゃありませんか。代表がないのにもかかわらず課税されるという外国人の立場について、大臣どうお考えになりますか。
#40
○政府委員(紀内隆宏君) お話がございましたように、自治法の十条二項には住民について負担を分任する義務がございます。地方自治法上の住民というのは自然人であもか法人であるかを問いませんし、また国籍のいかんを問わないというふうに解釈されております。
 その負担を負う義務の中身でございますけれども、それは地方税あるいは使用料、分担金等々でございまして、おっしゃるように確かにそういう義務を負っているわけでございますが、一方、地方公共団体が提供する便益につきましても、一般的には外国人は日本人と差別をされているわけではございません。そういう意味では、単に義務を負うというだけの立場にはないということでございます。
 一方、おっしゃいました選挙権につきましては、国や地方公共団体あわせて全体としての統治の体系をなしているわけでございますけれども、それに参画する立場にある人間を選ぶという権利はやはり国民固有の権利である、このように考えておるところでございます。
#41
○猪熊重二君 諸外国において、住民たる外国人にせめて地方議会の長ないし議会の議員についての選挙権を付与している状況について、時間がないから簡単に言ってくれませんか。
#42
○政府委員(吉田弘正君) 私どもの承知している限りでございますが、諸外国の関係で地方参政権を認めている国といたしましては、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、オランダ、アイルランド等があると承知をしております。
 なお、そういう国では外国人に地方参政権があるわけでございますが、それぞれの地方制度のあり方とか、あるいは我が国の実情とその制度も相当異なっているということを考えれば、外国人が外国においてそういう地方参政権が認められるということが直ちに我が国においても認められるということにつながるものではないというふうに考えている次第でございます。
#43
○猪熊重二君 時間がないから私の方から申し上げれば、今選挙部長がおっしゃったほかに、何がしの限定はあるけれども、スイス、アイルランド、スペイン、カナダ、ニュージーランド、イギリス、フランス、ドイツ、オーストラリア、それからEC等において、またアメリカの一部の州等においても、種々の限定はあるけれども、地方議会の議員の選挙権というものを付与しているというふうに伺っております。外国がやっているから日本もやれとかそういうことじゃなくて、住民にせめてその地方公共団体の議会の議員の選挙権を与えるというのはもはや世界の趨勢だろうと思うんです。
 国際人権規約B規約の第二十五条、大臣も後でお読みいただきたいと思いますが、すべての市民は、「直接に、又は自由に選んだ代表者を通じて、政治に参与する」権利及び機会を有するというふうに規定しております。国際人権規約は我が国も批准しているんですから、この条項の問題と地方自治法十一条の問題とは非常に問題があるだろうというふうに思います。特に、在日韓国・朝鮮人の立場について、このままでいいんだろうかという意味において私はお伺いしたいんです。
 ちょっと統計が古くて恐縮ですけれども、昭和六十三年十二月末、日本に在留する外国人の数は九十四万一千五人、このうち在日韓国・朝鮮人が六十七万七千百四十人、在留外国人のうちの七二%なんです。しかも、この在日韓国・朝鮮人のうち、戦前から日本に連れてこられて日本に住まざるを得なくて住んだ、その人とその子孫という者が六十一万七千三百二十四人いるんです。要するに、六十一万七千人の人は日本に住みたくて住んでいるんじゃないんです。日本に連れてきたんです。日本が連れてきたわけです。その人たちの二世、三世、もう四世もいるかもしれません。こういう人々なんです。この方々が六十一万七千人いるんです、これは六十三年十二月末ですから、もう少しふえているでしょうけれども。六十万人といったら、地方の都市にしたら大都市の一つの人口じゃありませんか。これだけの人が、選挙権がなしで、税金払ったりいろんな負担は国民と同じようにさせられているんです。
 一九九一年一月十日、ソウルにおいて日本、韓国両外務大臣によって在日韓国人の地位に関する覚書が締結されましたが、その覚書の末尾には、「地方自治体選挙権については、大韓民国政府より要望が表明された。」ということが記載されているんです。日本の方でそうですねと言わなかったから、片一方の要望だけだから「要望が表明された。」という記載だけになっているんです。要するに、在日韓国人にとって地方自治体の選挙権というのは本当に必要なことであるし、希望していることなんです。
 というのは、すべての問題は同じで、隣近所で一緒にいて、選挙のときになるとあなただめよ、こういうことになるわけなんです。こういうふうな状況に置いておくということ、これの相当性、妥当性というものについて、もう少し日本国政府としても考えなきゃならぬのじゃなかろうかと私は思うんです。特に、植民地支配云々ということを持ち出してくると非常に政治課題がきつくなるんですが、塩川自治大臣の頭の隅に、せめて在日韓国・朝鮮人の地方議会の議員の選挙権についても考えてみようじゃないかということをお考えいただきたいと思って今質問申し上げたんです。最後に一言だけ、時間がありませんので申しわけありませんが。
#44
○国務大臣(塩川正十郎君) この問題は古くて新しい問題でして、私も実は政府以外のところ、つまり日韓議員連盟の三世問題の主査をやっておりまして、この問題に取り組んだことがございました。
 私は、先ほどおっしゃった生野区の隣の布施というところでございますので、日常生活は全く一緒なんでございますが、こういうときに国籍というものが突然壁となってくるということが感じられます。しかしながら、また一面からいいますと、三世の方なんかでも民族の誇りというのを持っておりますから、そう簡単に国籍を移管するということはやらないということでございます。そういたしますと、ここで考えられますことは、日韓双方ともにこの問題に関して、つまり住民参加、政治への参加の権利というものは日韓ともに今平等な関係にある。ただし、三世の方々については特別な、今おっしゃるとおりで、戦前からの強制された人たちであるということで、それ以外は法的に見ましたち全く平等な関係にあるものでございますから、この問題をさらに一歩進めるということになりましたら、その問題にどちらが先にインセンティブをつけていくかという、このことに関係してくると思っておりまして、私たちもこれは決して忘れておる問題ではございませんで、絶えず日韓間の会議をやりましたときはこれが議題となりまして、前進したいと思っております。私たちにしたら民族的なあるいは国民的な差異というものは全然感じないけれども、そういうのは突然出てくるというそういう問題でございますから、意識して十分に対処していきたいと私は思っております。
#45
○猪熊重二君 終わります。
#46
○山中郁子君 法案について初めに一点お伺いし、またお約束もいただきたいと思うことがあります。
 それは、選挙の執行経費の改定なんですけれども、これが今回は従来の区、市の区分を廃止して、区市と町村の二本立てになっているという、これは私どもは改善だというふうに受けとめておりますが、各自治体によって実情はいろいろ違うんだけれども、今回のアップ率も全部一律なんですよね。それで、実態から言いますと、大都市部の方が人件費その他の関係でどうしても持ち出し分が出てくるという問題があります。余りこれに時間をとりたくないので、端的にお客もいただき、あるいはお約束もいただきたいんです。
 川崎市の実態を例として調べてみましたけれども、平成二年二月の衆議院選挙、この場合は国の委託費では間に合わないで、九百四十万円以上の持ち出しをしているというのが川崎市の資料によっても明らかでございます。これは川崎市に直接伺ったんですが、いつでも慢性的な持ち出しの実態で、額はそのときによっていろいろ違いますけれども、その主な原因は掲示板や印刷物等の物件費の上昇、それから職員の時間外手当、これらのものが大きな要素だそうですが、大都会ほどこうした持ち出しか多くなっているという点があります。
 それで、全国市区選挙管理委員会連合会からも実態に見合った執行経費の改定という要望を私どももいただいているところで、自治省の方も先刻よく御承知のところだと思います。
 それで、この点は古くて新しい問題といえばそういうことなんですけれども、この機会にぜひ実態を考慮した改善方を、今細かいことを詰める条件はないと思いますし、この場でそうした時間も与えられておりませんが、今後、積極的にそういう実態を考慮した改善方をぜひとも検討されるよう大臣のお約束をいただきたいという点でございます。
#47
○政府委員(吉田弘正君) 今回、基準法の改正をお願いしておりますが、御承知のように、なるべくその実情に即したような単価を設定するということは大切なことでございますし、私どもも常日ごろ考えていることでございます。
 そういう中で、先ほども申しましたが、今回いろいろ改定をいたしておりますが、第一には、超過勤務手当につきまして、これを平成元年以降の公務員給与の改定等に伴い単価も引き上げているわけでございます。従来の区分をなくして、市町村一本でやっているというようなことにいたしているわけでございますし、また選挙長でございますとか投票管理者、開票管理者等、あるいは立会人に対する費用弁償額につきましても引き上げを行っているというようなことでございます。
 さらに、賃金の単価につきましても、これまた実情に即するように、平均一〇・七%ほどの引き上げをしているというようなこと。さらに、物価の変動等を勘案いたしまして、ポスター掲示場でございますとか印刷費等を、これも実情に即するように直しているというようなことがございまして、全般としてこの額で所要の額は確保できているというふうに考えるわけでございます。
 ところで、超過負担に関連してお話がございました。基準法は、御承知のように、各経費につきまして標準的な内容を想定して基準額を定めているわけでございます。その合計額を交付いたしておりまして、個々の経費の過不足がございましても、それは総額の範囲内で相互に流用といいましょうか、やりくりができるわけでございまして、平成元年の参議院の通常選挙と平成二年の衆議院の総選挙に関しまして、都道府県とか指定都市、それから主な市及び町村について私ども実態を調査いたしているわけでございますが、ほとんどの団体ではこの交付額で賄っているというような状況でございます。
 そして、基準額を上回るケースもそれはないわけではないわけでございます。そういうものにつきましても、そういう団体につきましては、合理的な理由があればこれは調整費で措置をしているというようなことで、大体のところはこれでほぼ対応できているのではないかというふうに思っているわけでございます。
 今回の基準法の改正におきましても、できる限り実態に即するように単価の改定をしておりますので支障はないと思いますが、今後とも具体的な実情をよく把握しながら所要額の確保に努めてまいりたい、かように考えております。
#48
○山中郁子君 そんなことないんですよ。あなたが今お答えになって、主なところの調査をしているとおっしゃるから、それをちょっと後で資料としてください。
 大きな問題は掲示板なんですよ、掲示板。これは私ども見ていてもよくわかるんですけれども、大体どのくらい立候補するかわからなくても用意しなきゃならないわけでしょう、いろいろ情報を収集して。だけれども、実際にはいっぱいあいているというケースがあるわけです。そうすると、国からは実際に立候補した数しか来ないわけよね。当然その部分は持ち出しなんですよ。そんなのは幾らもないとか例外だみたいなのは全く実態に反しますからね。これ以上これで時間使うわけにいかないので、もう一度その点だけ強調しておきまして、いずれにしても改善方について積極的に取り組んでいただきたいと、そうなさってこたえてもらいたいということを申し上げておきます。
 この機会に私は、毎回の選挙で問題になります、また、ことし行われる参議院選挙に向けましても昨年来いろいろなところで頻発しております地位利用の問題に関して、具体的な事例でもってひとつお示しをし、そしてこの点について、今国民的な大きな政治不信の根源になっている政治腐敗、この問題との関連の上から、本当にまじめにこういう問題をなくしていくという上での自治大臣の政府を代表しての責任ある誠意あるお約束をぜひともいただきたいと思うわけであります。
 それは、具体的な例として私が今申し上げたいと思っておりますのは、幾つかの県で既に証拠が出て問題になっていますけれども、県や市町村の公共事業である土地区画整理事業などで関係が深い県の住宅建物取引業協会加盟員、こういうところの人たちへの自民党への全員入党決議というものがあるんですよ。この問題を、一つは地位利用の観点から本当にこれは明らかにしていきたいと思っておりまして、一つの具体的な文書を私どもの調査で入手しておりますので、委員長のお許しをいただきまして大臣と選挙部長にお渡ししたいと思います。(資料を手渡す)ちょっとごらんくださいませ。
 それは現物のコピーでございますのでちょっと読みづらいところがありますが、お許しください。ちゃんと支部名、そこの支部長名、それから印鑑も押してあります。これを全部今申し上げる時間はないのですが、要するにこういうふうになっています。「都道府県不動産政治連盟会長幹事長会議において自民党長老の金丸元副総理及び不動産対策議員連盟会長の小淵自民党幹事長の両先生からこ云々ということで、とにかく「比例区の自民党候補者として別紙の清水達雄氏を不動産及び住宅産業二十三団体の推薦候補者としてほしい旨の正式の要請がありこ、これから問題なんですよ。今までも問題はあるけれども、これから問題なんです。「更に建設経済局長をはじめ建設省及び国土庁の首脳からも全宅連」、今のこの業界の団体ですね、「全宅連首脳に対して同様の申し入れがありました。このことはわれわれ不動産業界がわが国の政権与党である自民党のみならず所管省庁からも信頼できる有力団体として評価され、期待されている証拠であります。
 このため、全宅連では要請を受け入れて清水達雄氏に推薦状を交付しました。
 しかしながら自民党比例区で当選するには、推薦二十三団体の所属会員である十五万人全員の自民党への入党と一〇〇万人の後援会員が必要なのであります。二十三団体首脳はこれを受け入れました。
 因みに二十三団体十五万会員のうち、われわれ全宅連傘下の会員は十一万五千人を占めており、清水達雄氏当選の可否は、われわれ全宅連会員の協力如何にかかっているといっても過言でないのであります。
 このため全宅連においては十一万五千人会員全員の入党を実現することとし、来る七月二十五日までに」、これは昨年のことです、「入党手続きを完了することに決しました。」、まずこういうふうに書かれています。
 私はいろんなことを問題にしたいけれども、本当に時間がないから、少なくとも建設省の建設経済局長を初め建設省及び国土庁の首脳からもこういう申し入れがある。私はこれは明らかに地位利用だと思うんですね。こういうことは絶対にあってはならないことだと思う。まず、この点についての大臣の御見解を伺います。
#49
○国務大臣(塩川正十郎君) 事実関係を私も知りませんのでお答えしがたいのでございますが、大抵、政治連盟でやっているのがほとんどだと思っております。そうであるとするならば、宅建業界の方でも政治活動として行うことは私は別に差し支えない。だけれども、さっきおっしゃるこの中身についての実態関係を知りませんので、これがいいか悪いかということは即答しかねるところです。
#50
○山中郁子君 それでは次の、全部お読みになっていただければわかるんですけれども、引き続きこうなっています。
 したがって当支部では「現党員を除き、新たに一六三名の入党を果たさねばならぬことになり、前記評議員会の決議により来る七月一〇日までに支部会員全員の自民等入党を完了することとなりましたので、同封の入党申込書に必要事項ご記入の上、党費四〇〇〇円と共に支部事務局あてに提出納付下さいますよう願い上げます。」。
 根本的に言うならば、憲法における基本的人権、思想・良心の自由はどこにあるのかという問題と、それからこの次に引き続き、そういうことをする「理由の概要を申し述べますとことなって、「第一は、金融機関の不動産業への参入の防止であります。これについては先般大蔵省令によって一応回避されましたが、実態は依然くすぶり続けている状態であります。
 第二は農協による農地の信託制度の実現が噂されておりますがこれの防止であります。第三は、地方行政への発言力の強化であります。」。こういうことが明確にこのように決議されて、そしてすべての会員がこれにいつまでに入る、金も出す、そしてなぜかといえば、こういうことをしなければ今申し上げましたここに書かれてある三つのこういう問題で自分たちの商売にいろいろ影響がある。まさに利益誘導ですよね。
 こういう問題がこういうふうにぎっしりと書かれていて、そしてそれが建設経済局長初め建設省及び国土庁の首脳から申し入れがあった、その申し入れによってやっているんだということは、まさに今の日本の政治に対する国民のさまざまな不信の根源になっている腐敗、汚職あるいは利益誘導、そうした問題の土壌をつくるものである。
 この地位利用の問題について、少なくとも自治大臣は襟を正して取り組む、この問題をなくさなければならないとお約束をいただかなければなりません。いかがでしょうか。こういうことがあっていいということでしょうか。
#51
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、この個別の問題はたから確認しておりませんので、これについてとやかく言うことは避けさせていただきたいと思いますが、御質問の内容でございます地位利用というのは、これはもう当然私は慎むべきだと、こう思っておりまして、そういう点につきましては私もちゃんとした姿勢で臨んでいきたいと。しかし、この個別の問題を私は知りませんから、自分で確かめもしないでこれがどうのと言うことは差し控えさせていただきたいと思います。
#52
○山中郁子君 じゃ、もう一つ突っ込んで申し上げますと、今私が読み上げたほかにも、後でゆっくり読んでいただければ全部よくおわかりになります。ちょっと細かい字で読みづらいですけれども、原本でございますのでそれをお渡しいたしました。
 それで、そういうことであるならば、やはりこういう問題はあってはならないものだという姿勢を政府、とりわけ衝に当たる自治大臣においては認識をされていると。当然そのように取り組まれなければならないものとしてお約束をいただけるかどうか、改めて責任と誠意のある御答弁をいただきたい。
#53
○国務大臣(塩川正十郎君) 一般論で申しまして、やっぱり制度上から見まして地位利用というものは十分に警告もし、予防措置を講じていくということに対して積極的に進めていきたいと思っております。
 そのかわりにまた一つ、一面におきましていろんな市民団体に利益誘導の動きもいろいろございます。これは一般論でございます。例えば、生活保護者の関係をお世話しておる、そういうところにお世話を一つの手段といたしましていろんな政治活動を働きかける。一般論でございますから別にこれということは申しませんが、そこはいろいろございます。私は、そういうものもいろいろこの際、民主主義というものはやっぱり自分の意思を尊重してやる、有権者の意思、市民の意思、国民の意思を尊重するという、そういう方向にずっと持っていくということが必要だと。そういう意味におきましても地位利用というのは好ましいことじゃないと、私はそう思います。
#54
○山中郁子君 大臣は利益誘導という問題についてちょっと問題を意識的にそらされているという以外に理解のしようがありませんけれども、私たち議員が多くの国民の皆さん方のそれぞれのつながりにおいてその利益を守り、それからその生活と要求を実現するというために国会で働くのはこれは当然のことであります。それは国会議員としての責務です。そのために政治家は存在するわけです。
 ここで私が申し上げましたのは、自民党の幹部の方からも言われた、それから建設省や国土庁の首脳からも言われた、だから全員が自民党の党員になろう、なることを決めました、金も全部集めます、なぜそうするかといえば、今申し上げましたようなこの団体、宅建業界の利益、そういうものが自民党に入ることによって実現できるんだ、こういうことが利益誘導だと。今までいろんな多くのケースがありました。今問題にもなっています、さまざまな問題が。そういうことを明確に、国会議員が、政治家が国民の利益を代表して政治に当たる問題と一緒になさるなどということはもってのほかであるということを私は申し上げで
おきます。ぜひもう一度この点は明確にしてください。
#55
○国務大臣(塩川正十郎君) それは政治の問題として、制度なり習慣なりあるいは行政指導というものについて、私はそれは立派な政治活動であると思っております。しかしながら、例えばこうすれば節税になりますよ、あなたやりませんかとか、あるいはこうすれば生活保護になりますよということ、ここまでは私はいいと思うんでございますが、その後、あなたは生活保護者になったから、あるいは税金これだけ助かったからということを、一般論の話ですからこれは何も気にする必要はありませんから、それはやっぱりお互い慎まにゃいかぬな、そういうことはよく聞きますので、私もですから、そういうふうに結局、あなたおっしゃっているのは崇高な精神から、つまり民主主義というものをより高度なものにしようというお考えから地位利用なんていかぬと、こうおっしゃるんでございますから、私は、地位利用並びにそういう民主主義の社会の中にクリーンな、クリーンと言ったらおかしいが、要するに本当に有権者主体の政治をやっていこうという意味において、お互いがそういうことはやってはいかぬなと、私はそういう意味で答えておることでございます。
#56
○山中郁子君 お互いになんて言わないでください。私は、自民党の党員を……。
#57
○国務大臣(塩川正十郎君) わかりました、
#58
○山中郁子君 こういうことで本人の思想、信条も全部無視して、金も全部取り上げて、それでなぜそうするかといえば、自民党の党員に入って自民党の、この場合でいえば清水達雄さんという人をことしの参議院選挙で比例代表候補で入れなければ自分たちの利益が守れないんだと、これが利益誘導だと言うのよね。私はお互いの問題なんか言っていないですよ。あなたは本当にそれが崇高な民主主義の理念だと、本当に本気で誠意を持っておっしゃっているなら、口先だけでなくて、だったらちゃんと毅然とした態度でこうしたことに対応されたい。
 その証拠に、民生委員の問題なんかも結局地位利用の問題で、厚生省OBの自民党の比例代表候補と言われている人たちの問題としてもう既に言われています。あなた方もこれも地位利用の問題としてあるということはお答えになっている。あなた方の足元ですよ、あなた方自身ですよ、自治省の消防庁絡んで、そこにやはり地位利用をめぐる問題がたくさんあっちこっち出ているじゃないですか。そういうことだってきちんと襟を正して、一般論みたいなものにすりかえないで、一つ一つそこをつぶしていかなきゃいけないの、そういうことをなくしていかなきゃいけないの。それでなければ、今これだけ大きな問題になっている、あなた方自身のことでしょう。
#59
○委員長(石原健太郎君) 時間が来ていますので簡潔に。
#60
○山中郁子君 そのことに対しての、つまり政治に対する国民の信頼を取り戻す道はそこにこそあるのだということを改めて強く申し上げまして、私の質問を終わります。
#61
○笹野貞子君 私が国会議員になる前、まさに直前まで、選管の所属しております、つまり自治省の外郭団体ですけれども、明るい選挙推進協議会という会がありますが、そこの会長を長くやっておりまして、きれいな選挙をしよう、クリーンな選挙をしようということで白バラ運動というのをやっております。大臣は御存じかどうかわかりませんけれども、本当にボランティアで、補助はスズメの涙というぐらいでやっている、そういうのがあります。こういう団体というのは、本当に住民の善意に支えられながら、日本の民主主義というのをしっかりとやろうというそういう団体に属しておりまして、一生懸命やっていたんです。そのときも本当に選挙違反とかいろんな醜い現象を見まして、もっともっと活動しなければいけないなどというふうに思っていたのですが、今こういう状態になっておりまして、その気持ちは今も変わるところはありません。私たちは、本当の意味の民主主義というのは、きれいな選挙をして国民の信頼を得た上であるべきだという考えです。そういう考えに基づきまして、きょうは選挙の仕方につきまして御質問をさせていただきたいと思います。
 私たち小会派というのは本当にこんな少ない時間なものですから、本来ならばこの法律の数字なんかも御質問をしたいんですけれども、数字を言っているうちに時間がなくなってしまうと困りますので早速質問させていただきます。
 選挙の仕方の中でいろんな禁止事項が今の選挙制度にあります。例えば、戸別訪問をやめようなどというのは、このもとをただすと買収があるからだというような言い方をされます。それならば、買収をより少なくする最もいい方法は何かということをあれこれ考えてみました。そこで、今現在やっていますテレビ、ラジオにおける政見放送というものをもっと有効に活用する方法はないものだろうかというのが私の一つの物の発想です。
 そこでお尋ねいたしますが、現在やっている政見放送の視聴率はどのぐらいになっているんでしょうか。
#62
○政府委員(吉田弘正君) 政見放送の視聴率でございますが、これは選挙の種類、地域、時間帯等によってさまざまだと考えられますが、私どもが把握していおります最近の国政選挙に係る東京及び関東近県におけるテレビによる政見放送の視聴率は、朝のゴールデンタイムで大体一〇%から一五%程度、その他の時間帯では二ないし三%と承知をいたしております。
#63
○笹野貞子君 私もテレビに出た経験がありまして、視聴率は非常に重大なことなんで、一〇%から一五%とるなどというのはこれはもう驚異的な数字なんですね。ですから、二けた台になるというのは、これはテレビの番組でしたら大成功な部類に入ります。今お聞きしますと一五%もあるということなんですが、実は私の生徒に聞いてみましても、変な番組を見るよりも候補者を見て品評している方が楽しいというそういう若者が今たくさん出てきているんですね。
 そこで、私は大臣に奇想天外な発想転換をしてこれからお尋ねしたいと思うんです。私も自分で選挙をやりまして、夏の暑いときに本当に過酷な選挙運動に耐えながらやっているわけですが、今の選挙方法に加えて、テレビとかラジオとかそういうマスメディアにその比重をぐっと置いて、そしてみんなが公平に、しかもお金がかからずに、透明であって、選挙違反が起こらずにいつでもだれでも自由に見れるという、選挙のと岩にそういう専用チャンネルをつくって、その専用チャンネルを見ると自分の好きな候補者がいつでも政見放送をやっていたり対談をやっていたりあるいは討論会をやっていたりするという、そういうやり方というのはひとつできないものかどうかということを大臣にお伺いしたいんですけれども。
#64
○政府委員(吉田弘正君) ただいまお話がありましたテレビ、ラジオを中心に選挙運動をするということでございますが、現在のテレビ、ラジオの普及状況等を考えますと、選挙運動をテレビ、ラジオの放送メディアを中心にするということは確かに一つの考え方ではあろうかと思います。しかしながら、現在の電波事情の中で政見放送専用チャンネルを設けることができるかどうか、それから放送を行う側の施設の面でございますとか人員などの面で対応ができるかどうかというような問題、それからまた、例えば文書による選挙運動も、テレビ等を常時見ることができない方々にとっては候補者の政見や政党の政策を知る上でそれなりの意義を持っているわけでございますので、選挙運動の手段をテレビ、ラジオを中心にシフトさせるということが有権者にとりましても候補者にとっても適当であるかどうかというようなことについても検討をすべきことではなかろうか。そういう課題があるのではなかろうかというふうに考える次第でございます。
#65
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、やっぱりテレビを時代に即して大いに活用する方法を考えるべ
きだと思うんです。それには、現在、民放と公共放送とございますが、そこらの融合をどうするかということなんですね。民放の方の協力というのはいろんな要件が重なってきましてなかなか難しい。公共放送は比較的協力体制をとりやすいんですが、民放が実は難しいものでございますから、なお十分研究していきたいと思います。
#66
○笹野貞子君 今お答えをいただきますと、大変前進的というんですか、これからもしもそういうことが可能であるならば大いにいいことだというふうに御回答いただけましたけれども。
 それでは、郵政省の方どなたかおいでになっておりますか。――別にあしたからとかあさってからということではなくて、もし自治省がそういう選挙の手段が将来非常に有効だということであれば、技術的に可能なのかどうかをちょっとお聞きしたいと思います。
#67
○説明員(石原秀昭君) 使用するメディアによりまして状況が異なりますので、テレビジョン放送を想定して、地上放送、衛星放送、CATVのそれぞれにつきまして技術的可能性をご説明いたします。ラジオ放送も同様な状況でございます。
 まず、地上放送につきましては、現在、民放の全国四局化を進めておりまして、周波数がかなり逼迫しておりますことから、今後の周波数需要を勘案いたしますと、全国あまねく放送を行います選挙専用のチャンネルに必要な周波数につきましては余裕がないのが実情でございます。
 衛星放送につきましては、放送衛星を使用する場合と通信衛星を使用する場合がございます。
 放送衛星につきましては、現在BS3を用いまして放送を行っておりますが、既に周波数は割り当て済みでございまして、選挙専用チャンネルを設けることは困難でございます。ただ、BS3の後継機の段階、平成八、九年ごろでございますが、におきましては利用周波数が増加することとなります。その利用のあり方につきましてはまだ未定でございまして、いろいろな要素を勘案しながら総合的に検討して決めなければいけないわけでございますが、純技術的には選挙専用チャンネルを設けることは可能でございます。
 また、通信衛星を使用する放送につきましては、今後新たな周波数の割り当てが増加することが見込まれますので、純技術的には選挙専用チャンネルを設置の可能性があるものと考えます。
 CATVにつきましては、現在、大部分の施設は再送信専用の施設でありまして、選挙専用チャンネルを設け得る多チャンネルの施設は全体の約一%にも満たない状況でございます。多チャンネルCATVにつきましては、チャンネル容量に余裕があれば純技術的には選挙専用のチャンネルを設けることは可能でございます。
 なお、純技術的には可能な場合でございましても、放送制度の面等のいろいろな要素も勘案しながら総合的に判断していかなければならないと考えております。
#68
○笹野貞子君 時間がありませんので、今お聞きしますと、どうも大臣も非常に将来いい方法だと言いますし、郵政省も技術的に可能だということですので、どうぞひとつこの発想をこれから何らかの意味で御研究いただきまして、実現可能なようによろしくお願いいたしたいと思います。
 最後に一言、大臣にお願いです。白バラ運動という、きれいな選挙をしようと善意の方が今日本各地でもって非常に頑張っているわけですけれども、この常時啓発にはたった十六億円しか予算がついておりません。これは要望ですので大臣のお答えは要りません。そういう善意のボランティアに大いにこれからひとつ自治省はいろんな手厚い補助をしていただくようにお願いをいたしまして、私の質問を終わります。
#69
○田渕哲也君 二つほどの点で質問したいと思います。
 まず第一は補欠選挙の問題ですが、不幸なことに昨年の暮れごろからことしにかけて参議院の同僚議員の方が亡くなるケースが非常に多いのでありまして、そして参議院の補欠選挙もそれに従って行われてきましたし、またこれからも予定されておるわけであります。
 参議院のこの補欠選挙というのは、東京、北海道以外は一人でも欠ければ補欠選挙をやらなくてはならない。そういう意味で、国政の一つの傾向を、世論、国民の反応を占う意味ではそれなりの意義があると思うんですけれども、ただ参議院とか、あるいは衆議院も含めてですけれども、議院の、議会の構成の補充をするという意味合いから見てどうなのだろうかという疑問があります。
 衆議院の場合は、御承知のように一つの選挙区で欠員二人以上になった場合に初めて補欠選挙が行われる。ところが、参議院の場合は四分の一以上の欠員ということでありますから四名区、東京、北海道の場合は別ですけれども、それ以外は一人でも欠ければすぐ補欠選挙をやらなくてはならない。これは執行などの手間とか費用とか、そういう面も非常に大変だと思います。
 幸いといいますか、今度の場合は、今までの奈良、宮城におきましては我々も推しました連合の会の候補が当選しましたわけでありますけれども、しかしどこが勝った負けだということを別にしまして制度的にどうなのか。それから、衆議院と参議院とこういう条件が違っておるというのは一体どういう意味合いがあるのか。この点について、まずお伺いをしたいと思います。
#70
○政府委員(吉田弘正君) 補欠選挙に関連いたしまして、衆議院の場合と参議院の場合で補欠選挙事由が異なるということはまさに御指摘のとおりでございます。
 そこで、なぜそうなっているかというようなことでございますが、御承知のように現行のまず衆議院の補欠選挙でございますが、これは欠員が二人以上に達したときに行うということにされているわけでございます。これは大正十四年に中選挙区制が導入された際に定められたものでございます。その理由といたしましては、各選挙区は必ず三人から五人の議員定数を有しておりまして、一人の欠員を生じたのみでは代議制度の運用に直ちに支障を生ずるおそれがないとの考え方によるものであると承知をいたしております。
 一方、参議院の選挙区選出議員の補欠選挙の事由でございますが、これは昭和二十二年に制定されました参議院議員選挙法以来のものでございます。当時、補欠選挙事由がなぜ欠員が四分の一を超えるに至ったときとされたかにつきましては必ずしも明らかにされていないわけでございます。しかしながら、御承知のように、参議院選挙法と衆議院選挙法あるいは地方選挙法を一体としまして昭和二十五年に公職選挙法が制定されたわけでございますが、その際にいろいろ論議がございました。衆参両院で独自に法案が検討されたわけでございます。その際、この参議院の補欠事由につきまして参議院と衆議院で異なった見解が出されたわけでございますが、両院の調整が行われました結果、参議院案が採用されたということでございます。
 そのとき衆議院側の案は、任期のいかんを問わず同一選挙区を通じて二人以上の欠員を生じたときに補欠選挙を行うというものであったのでございますが、これに対しまして参議院側の案では、現行法と同じく、在任期間を同じくする議員ごとに欠員が通常選挙における当該選挙区の定数の四分の一を超えるに至ったときに補欠選挙を行うとするものであったわけでございます。衆議院案については、一つには、二人区においては全員が欠けたときに初めて補欠選挙が行われるというようなこととなる。またもう一つは、参議院の地方区の選出議員の数が少ないために、欠員がふえると院の運営に支障が出るというような問題が指摘されたというふうに聞いているところでございます。
#71
○田渕哲也君 理屈的に言いますと、参議院の場合は、選挙区の場合、定数一のところ、二のところ、あるいはそれ以上のところもあるわけですが、定数一のところは、いわゆるマジョリティーといいますか、多数を代表する、一番たくさんとった人が代表して議員になる。二名のところは一番たくさんとった人と次の人、これは違う政党
の場合も当然あるわけでありますから、いわゆる最大の代表じゃなくても、その次の少数代表も入れる。三名になればさらにそれが広がっていくという可能性があるわけですね。定数一名のところが亡くなって補充される場合には、補充しても同じ性格の選挙が行われるわけです。ところが、二名のところで一人欠けて補充する場合には、本来の二名区の選出の要素と全く違った構成に補欠選挙後なってしまう可能性がある。そういう矛盾を抱えておるわけですね。
 そういう意味で、今のやり方が理論的に見ても本当に適当なのかどうかという問題があろうかと思いますが、この点はいかがですか。
#72
○政府委員(吉田弘正君) 代表の性格につきはしては、今御指摘がありましたような意味を持つのかもしれません。
 補欠選挙につきましては、国民の代表が欠けた場合にこれを補充するための重要な制度であるわけでございまして、既に申し上げましたように、昭和二十五年の公職選挙法が制定される際にいろいろ論議がございまして、参議院の地方選出議員の補欠選挙事由も衆議院議員のそれが適当であるというのが衆議院側から出たわけでございますが、そういう案が出たわけでございますが、これが採用されずに現行どおりとする参議院案が採用されたという経緯もございますので、そういう経緯等も踏まえながら、そのあり方についてはやはり今後どうするかということについて慎重に検討する必要があるのではないかと考えているものでございます。
#73
○田渕哲也君 時間も余りありませんので、最後に一つだけお伺いしたいと思います。
 先ほど笹野議員からも触れられましたけれども、私は現在の選挙制度というものと選挙の実態との間の乖離が非常にひどくなっておるような気がするわけです。選挙にはいろんな制限が行われておりますし、また費用の面でも、法定選挙費用なんてありますけれども、こういうものと実際の選挙というものとは全くもう乖離しておる。だから、こういう制度の決め方がどんな意味があるんだろうかという疑問を持つわけです。
 例えば、選挙違反で挙げられる人と挙げられない場合とあります。その実態がどれだけ違っているかというと、変わっていない場合がほとんどです。言うならば何かでちょっとひっかかって、間が悪い人が選挙違反でひっかかる。ひっかかるというのは概してつまらないことが多いですね。言えば活動家の旅費を封筒に入れて渡した、そんなのが挙げられる。肝心のお金を持って買収に行ったのはほとんど挙げられない。こういう面から見ましても、選挙制度と選挙の実態というものが建前と本音で全く乖離してしまっておる。特に、選挙活動というものは禁止されても、後援会の活動ということならできる、あるいは政党活動とか政治活動ということならできる。本当はこの区別もなかなかつけがたい問題ですね。だから、選挙のいろんな規制というものと実態とが余りにもかけ離れてしまっておる。そういう中で大事なのは、金がかかる選挙をできるだけかからないようにする。これはやはり選挙の公営化ということを進める以外にないと思いますね。そして、公営化を進める場合も、やはり選挙活動として有効なものを公営し公費で負担していくという考え方をとらないといけない。
 そこで、笹野議員のおっしゃったように、一番有効なのはやっぱりマスメディアの利用ということだと思います。ただ、新聞にしてもテレビにしても確かに民営であります、放送は公共もありますけれども。私は民営のマスメディアでもいいから選挙にどんどん使うようにしないといかぬと思いますね。民営であっても費用さえ出せばやってくれると思うんですね。だから、そういう面で発想を飛躍させて、有効な手段をできるだけ取り入れてそれを公営化していく。たとえそのために費用がかかっても、今実際に政治にかかっておる莫大な金に比べたら、私はその方が選挙そのものが公正になるし、また国民もその方がすっきりして納得してくれるんじゃないかと思いますけれども、この点はいかがですか。
#74
○政府委員(吉田弘正君) 御指摘がございましたテレビ、ラジオのマスメディアを使いまして例えば討論会等をやるというような方式でございます。これは有権者にとりまして、政党間とかあるいは候補者間の政策の違いを比較する上で大変有効な方法であるとは考えるわけでございます。一方、その場合に、現在、政見放送が行われているわけでございますが、その政見放送との兼ね合いでありますとか討論会的なものを行おうとする場合に、候補者間の公平をどうやって確保するかといったような問題もあるわけでございます。選挙は特に公平、公正ということが大変重要な事柄でございまして、そういうことをどうやって担保するかといった問題等もございます。また、財政上の負担の問題も考慮しなければならないものの一つだというふうに考えるわけでございまして、そういうことをさまざま踏まえまして今後検討をしていく、あるいは研究をしていく必要があると考えているものでございます。
#75
○田渕哲也君 終わります。
#76
○委員長(石原健太郎君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と叫ぶ者あり〕
#77
○委員長(石原健太郎君) 御異議ないと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#78
○委員長(石原健太郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と叫ぶ者あり〕
#79
○委員長(石原健太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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