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1992/06/17 第123回国会 参議院 参議院会議録情報 第123回国会 災害対策特別委員会雲仙・普賢岳火山災害対策小委員会 第1号
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1992/06/17 第123回国会 参議院

参議院会議録情報 第123回国会 災害対策特別委員会雲仙・普賢岳火山災害対策小委員会 第1号

#1
第123回国会 災害対策特別委員会雲仙・普賢岳火山災害対策小委員会 第1号
平成四年六月十七日(水曜日)
   午前十時二分開会
    ―――――――――――――
 平成四年一月二十四日災害対策特別委員長にお
いて本小委員を左のとおり指名した。
                木暮 山人君
                初村滝一郎君
                松浦 孝治君
                守住 有信君
                篠崎 年子君
                野別 隆俊君
                渡辺 四郎君
                常松 克安君
                林  紀子君
                井上 哲夫君
                勝木 健司君
                今泉 隆雄君
 同日災害対策特別委員長は左の者を小委員長及
び副小委員長に掛名した。
   小委員長         初村滝一郎君
   副小委員長        篠崎 年子君
    ―――――――――――――
   小委員の異動
 三月二十四日
    辞任          渡辺 四郎君
 三月二十五日
    辞任          守住 有信君
 五月十一日
    辞任          今泉 隆雄君
 五月十九日
    辞任          井上 哲夫君
 六月十六日
    辞任          林  紀子君
 六月十七日
    補欠選任        守住 有信君
    補欠選任        三重野栄子君
    補欠選任        諫山  博君
    補欠選任        井上 哲夫君
    補欠選任        山田 俊昭君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
   小委員長         初村滝一郎君
   副小委員長        篠崎 年子君
   小委員
                木暮 山人君
                松浦 孝治君
                守住 有信君
                野別 隆俊君
                三重野栄子君
                常松 克安君
                諫山  博君
                井上 哲夫君
                勝木 健司君
                山田 俊昭君
   政府委員
       国土庁長官官房
       審議官      吉原 孝司君
       国土庁防災局長  鹿島 尚武君
       農林水産大臣官
       房審議官     今藤 洋海君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        駒澤 一夫君
   説明員
       国土庁長官官房
       審議官      大来 洋一君
       大蔵省理財局た
       ばこ塩事業室長  比護 正史君
       厚生省健康政策
       局指導課長    今田 寛睦君
       厚生省社会局施
       設課長      松本 省藏君
       農林水産省構造
       改善局農政部地
       域農業対策室長  門間  裕君
       農林水産省構造
       改善局建設部防
       災課長      崎野 信義君
       気象庁地震火山
       部長       津村建四朗君
       労働大臣官房参
       事官       後藤 光義君
       建設省河川局治
       水課長      松田 芳夫君
       建設省河川局砂
       防部砂防課長   高橋 哲雄君
       建設省住宅局住
       宅建設課長    中澤 守正君
       自治大臣官房参
       事官       鈴木 良一君
       消防庁防災課長  広瀬 経之君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○雲仙・普賢岳火山災害対策に関する件
    ―――――――――――――
#2
○小委員長(初村滝一郎君) ただいまから雲仙・普賢岳火山災害対策小委員会を開会いたします。
 小委員の異動について御報告いたします。
 本日、欠員中の小委員の補欠として守住有信君、三重野栄子君、諫山博君、井上哲夫君及び山田俊昭君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○小委員長(初村滝一郎君) この際、一言あいさつを申し上げます。
 本小委員会は、第百二十一回国会において設置されまして、今国会は去る一月二十四日の災害対策特別委員会において設置の決定をいたし、当日、委員長の指名により、私が小委員長に、篠崎小委員が副小委員長に選任されました。
 どうぞよろしくお願いいたします。
    ―――――――――――――
#4
○小委員長(初村滝一郎君) 雲仙・普賢岳火山災害対策に関する件を議題といたします。
 まず、政府から説明を聴取いたします。気象庁津村地震火山部長。
#5
○説明員(津村建四朗君) それでは、気象庁から雲仙岳の火山活動状況の最近の状況について御説明申し上げます。
 お手元に三枚紙の資料が渡っていると思いますが、その資料につきまして御説明申し上げます。
 気象庁では、平成四年五月二十九日に火山噴火予知連絡会を開催いたしまして、雲仙岳の火山活動状況について検討いたしました。その結果、以下にございます「雲仙岳の火山活動に関する火山噴火予知連絡会統一見解」というものを発表いたしました。その後も雲仙岳の火山活動に大きな変化はなく、活発な火山活動状況が続いておりますが、まず統一見解に沿いまして最近の状況を御説明申し上げます。
 委員の先生方のお手元には図が渡っておると思いますが、これはその図の三枚目にございますが、ごらんになりながらお聞きいただきたいと思います。
 雲仙岳では、三月下旬に第六ドームの西側で第七ドームというものが成長を始めまして、それから、中心付近にあります第五ドーム付近の隆起も依然として続いております。航空写真測量によりますと、昨年五月からことし四月下旬までの溶岩の総噴出量は九千四百万立方メートルに達しております。また、二月から四月ごろにかけましては、一日当たりの噴出量は約十八万立米であるということが見積もられております。それまでずっと三十万立米でございましたので、この期間は若干低下しておりましたが、一方、目視観測によりますと、三月下旬から四月中旬にかけて一時噴出量が低下いたしましたが、その後再び噴出量は増加しておりまして、前の噴出速度に戻っているという状況でございます。
 溶岩ドームの崩落によります火砕流は相変わらず続いておりまして、赤松谷方向を主といたしまして、水無川、おしか谷、赤松谷が南東側、水無川は東側、それからおしか谷は北東側でございますが、それぞれに流下しております。おしか谷への火砕流は真ん中辺の第五ドームからの崩落によるものでございます。三キロメートルぐらい流下するものも時々ございます。
 それから地震活動の状況でございますが、これは二枚目に図がございますが、昨年十月下旬に始まった活動は相変わらず消長を繰り返しつつ長期にわたって続いております。三月下旬に第七ドームが出現するころに一時非常に数がふえましたが、その後やや減っておりますけれども、依然として活動が続いているという状況でございます。
 震源分布は、分布図がございますが、山頂部の直下の非常に狭い範囲に集中しております。その状況には特に時間的に変化はございません。
 その後、光波測量とか地磁気のデータとかそういう専門的なことが書いてございますが、一時的に活動状況がちょっと低下したかというような現象がございましたが、それも現在はまた再びもとの状況に戻っているというのが多いわけでございます。
 終わりの方に結論が書いてございますが、「このように、幾つかの観測データにはこの数か月に若干の変化が見られるが、総合的には従来の傾向に大きな変化はなく、活発な火山活動が依然として続いていると考えられる。以上のことから、規模の大きな火砕流も含め、今後も火山活動に厳重な警戒が必要である。」、それから、堆積物が非常に大量にたまっておりますので、「降雨による土石流にも引き続き警戒が必要である。」、そういう見解を発表しております。この見解は現状でも全く状況は変わっておりません。
 簡単でございますが、最近の状況について御説明申し上げました。
#6
○小委員長(初村滝一郎君) 次に、国土庁鹿島防災局長。
#7
○政府委員(鹿島尚武君) 雲仙岳噴火災害につきましては、平成三年六月三日の大火砕流発生以来一年が経過いたしましたが、ただいま気象庁から御報告がございましたとおり、火山活動はいまだ終息の兆しを見せていないようでございます。
 まず、お手元の資料「雲仙岳噴火災害について」により、被害状況等について申し上げます。
 消防庁の調べ。で、平成四年六月十五日現在でありますが、大規模な火砕流による被害の状況についてまず申し上げます。
 六月三日の火砕流等によりまして、人的被害は死者、行方不明者合わせまして四十三名、負傷者十名となっております。
 物的被害につきましては、被害の棟数は推計値でありますが、六月三日、八日、九月十五日合わせまして、住家で全壊百七十二戸、一部損壊二戸、合計いたしまして百七十四戸、非住家で四百三十戸、建物合計いたしまして六百四戸となっております。上記のほかに、平成三年六月十一日に噴石災害が発生をいたしまして、住家十一棟が被害を受け、五十三台の車両損傷がございます。
 次に、土石流等による被害の状況でございます。
 同じく六月十五日現在で、人的被害、負傷者一名。物的被害でございますが、五月十五日、六月三十日合わせまして、建物のうち住家の全壊四十九戸、半壊二十二戸、一部損壊七戸、床下浸水二十二戸、合計九十八戸、非住家百五戸、合計いたしまして二百三戸となっております。そのほか、橋梁、電柱等の損傷があります。
 次に、住民の避難の状況でございます。
 消防庁の調べによりますれば、まず警戒区域では六百二十四世帯、二千七百三十五名、避難勧告対象地域におきましては千六十七世帯、四千十一名、合計いたしまして一千六百九十一世帯、六千七百四十六名、うち、応急仮設住宅に六月十四日現在で入居されておられる方が千三百七十世帯、五千九十八名となっております。
 次に、政府といたしましては、平成三年六月四日に雲仙岳噴火非常災害対策本部を設置いたしまして、直ちに当面の重点事項を決定して以来、現在までに八回の本部会議を開催いたしまして、関係各省庁の緊密な連携のもとに被災者等救済対策の策定、推進を図ってまいりました。
 特に平成四年三月二十五日の第七回本部会議においては、雲仙岳噴火災害の長期化に伴う特別措置といたしまして、食事供与事業の延長、雲仙岳災害対策基金の増額などを決定いたしまして、現在は二十一分野九十四項目に及ぶ被災者等救済対策が講じられ、その強力な推進が図られております。
 そこで、これらの対策の取り組み状況につきまして、資料「主な被災者等救済対策の取り組み状況について」に基づきまして、かいつまんで申し上げさせていただきたいと存じます。
 まず、避難対策及び住宅対策でございます。
 避難の状況につきましてはただいま現状を申し上げたわけでありますが、平成三年五月二十九日から災害救助法を適用いたしまして、六月三日大火砕流による災害発生直後直ちに体育館等に避難所を設置し、避難をしていただきました。それに引き続きまして、県において仮設住宅ができるまでの臨時的な対応として、旅館、ホテル、客船等の借り上げ等を行っております。その後、仮設住宅につきまして早期着工を図ってまいりましたが、合計いたしまして現在までに千四百五十五戸建設をいたしまして、住民の方々が入居をしておられます。個室型避難施設三棟につきましては、長崎県において現在事業の進捗に努めておるところでございます。
 また、住宅対策としては、公営住宅等の空き家のあっせんを行いますとともに、災害公営住宅五十戸を含む公営住宅百三十六戸を新たに建設し、入居済みでございます。これらの住宅対策によりまして、体育館等への臨時的な避難生活は解消されております。
 次に、民生対策でございます。
 まず、平成三年九月二十日、災害弔慰金法の改正が行われまして、限度額の引き上げ等それぞれ行われたわけでありますが、これらは適切に支給が行われております。
 生活安定再建資金貸し付け、そしてまた食事供与事業という従来なかった制度が画期的に十月四日から実施されてございますが、特に食事供与事業につきましては、半年の期間を経過した後におきましてもさらにこれを半年間延長するということで、現在収入要件を加味した特別の食事供与事業を行っております。その対象世帯数は、お手元に記載してございますとおり、貸付事業につきましては二千三百四十五世帯、それから特別食事供与事業対象世帯数が三百七十二世帯というようなことになっております。
 農林漁業の対策でございます。
 農業共済金の仮渡しは昨年七月十九日までに終了をいたしております。それから、建物共済の支払いも行われておりますし、葉たばこ被害に対しましても、本年一月二十日までに二百四十七人の栽培農家に対しまして所要援助金の支払いが行われております。森林国営保険につきましても保険金の支払いが行われております。
 次に、金融措置でございます。
 平成三年七月二十三日、農林漁業金融公庫の施設の災害復旧貸し付けにつきまして、激甚災害法の措置に準じる特別金融措置、金利三%によります措置を実施いたしますとともに、自作農維持資金等の災害貸し付けの貸付限度額の引き上げが行われております、融資の実績は、自作農維持資金の関係につきましては五百六十三件、ことしの五月二十九日現在行われております。
 さらに、農林漁業者の経営安定、経営再開を図るために、県、市町と雲仙岳災害対策基金によります利子補給制度によりまして、各種制度資金の貸付利率がさらに低利あるいは無利子という措置が講じられております。
 次に、中小企業の対策でございます。
 昨年七月二十三日の閣議決定によりまして、激甚災害法の措置に準じる特別金融措置が講じられでございます。同時に、中小企業関係金融機関の災害貸し付けの限度額をそれぞれ五〇%引き上げを行っております。また、災害長期化に伴いまして、平成四年一月三十一日閣議決定により、この措置を七月三十一日までに半年間延長がなされております。
 次に、平成四年六月十二日現在におきまして、先ほど申し上げました激甚災害法の措置に準じた特別金融措置につきましては、六百十件の実績があるということでございます。
 中小企業体質強化資金助成制度につきましては、金利の引き下げとか償還期間の延長など条件の改善がなされております。融資実績は千二百七十二件に及んでおります。
 それから、激甚災害法の措置に準じた特別金融措置及び中小企業体質強化資金助成制度による融資に対しましては、県、市町、雲仙岳災害対策基金との利子補給制度によりまして、借り入れから三年間無利子または一層の低利となる措置が講じられているところでございます。
 被雇用者・離職者対策でございます。
 一時的な離職者に対しましては、雇用保険の失業給付に関する特別措置が適用されて、基本手当の支給が実施されております。
 それから、従業員に休業手当等を支払っている事業者に対しましては、特例措置といたしまして雇用調整助成金制度が災害地域としては初めて適用がなされておりまして、島原職安管内の事業所におきまして支給がなされております。この制度は平成三年八月一日にスタートいたしましたが、これまで五度延長がなされておりまして、平成四年七月三十一日まで期限が定められております。それからまた、雇用機会を確保するために、地域雇用開発助成金を支給する地域として島原職安管内の指定がなされております。
 さらに、再就職を促すために訓練の手当を支給するというような措置も講じられております。
 なお、県におきましては、売り上げが五割以上減少した事業主で休業手当等を支払った場合には、負担軽減措置あるいはまた就職促進を図るための就職奨励金の支給などを基金を活用して実施いたしておるところでございます。それから、食事供与事業の対象者に対しましては、就業意向調査、個人面談等を実施いたしまして、積極的な就業の機会を得るように指導が行われております。
 地方公共団体に対する財政支援でございます。
 交付税の繰り上げ交付八十八億八千万円、特別交付税の交付九十六億円が実施をされております。
 それから、昨年の九月二十六月でありますが、三百億の雲仙岳災害対策基金が設置されましたが、災害の長期化に伴い、本年三月三十一日には基金の規模を六百億円に拡大いたしまして、県独自のきめ細かな対策が講じられております。
 土木対策等及び将来を展望した計画づくりの支援でございます。
 警戒区域の解除された地域につきましては、水無川の土石の排除等を行っております。緊急対策としては、遊砂地二基の設置を五月二十七日に完了するとともに、六月四日には緊急連絡橋の設置を行うなど道路交通の確保に努めておるところでございます。
 恒久安全対策につきましては、砂防ダム群等を中心に治山ダムを含めた基本計画及び砂防ダム等を基点とする地域の復興振興策について、農地等の復旧整備、移転対策、交通対策等を含めた計画を長崎県において早急に取りまとめ、その円滑な実施を図るものといたしまして、引き続き関係各省庁におきましてはこれに対し適切な指導と支援を行っております。
 御参考までに、平成四年六月十日現在、義援金は全体で約二百十三億に上ってございます。
 なお、資料の「第八回雲仙岳噴火非常災害対策本部会議確認事項」というのをごらんいただきたいと存じます。
 これからは梅雨、台風期を控えまして土石流災害の発生も懸念されておりますけれども、去る六月二日の第八回本部会議におきましては、二十一分野九十四項目にわたります被災者等救済対策の強力な推進のほかに、特に出水期を控えました土石流対策の推進等について各省庁確認をし、鋭意これに取り組むことといたしております。今後とも関係省庁が緊密な連携を保ち、長期化する災害に適切に対応してまいる所存であります。よろしくお願いをいたします。
 以上でございます。
#8
○小委員長(初村滝一郎君) 以上で政府からの説明の聴取は終わりました。
 ただいまの政府からの説明に対し質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#9
○篠崎年子君 委員長、ちょっとお願いがあるんですけれども、質問に入ります前に気象庁から出されております資料のことで……
#10
○小委員長(初村滝一郎君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#11
○小委員長(初村滝一郎君) 速記を起こして。
#12
○篠崎年子君 きょうは六月十七日、昨年の六月三日に大火砕流が発生をいたしまして、四十三名の犠牲者を出しました。それから、六月八日にさらに大規模な火砕流が発生をしまして住家等もかなり多数焼失をしたというのが今の説明の中にもあったわけでございますが、もう一年以上たつわけですね。その間、政府におきましては、今御説明のとおり非常にいろいろ対策を講じられたと言われてはおりますけれども、その他の住民にとりましてはまだまだ不安が残っているんではないだろうかと思うわけでございます。
 そこで、お尋ねをいたしますけれども、先ほど来応急仮設住宅のことについて御説明がありまして、現在、仮設住宅は千四百五十五戸つくって、今そのうち千三百七十戸に入っているということでございますけれども、このあいている部分はどういう状況になっているんでしょうか。
#13
○説明員(松本省藏君) 応急仮設住宅につきましては、先ほど御報告にありましたように千四百五十五戸設置をいたしたわけでございまして、昨年の十一月時点におきましては全戸入居を完了していたわけでございます。その後それぞれ、例えば個別の永続的な住居などにお移りになるとかその他の事情によりまして、若干の空き室が出てきているわけでございます。
 一方では、できるだけ広い間取りに入居できないかという現地の御要望もございまして、私どもといたしましては、長崎県とも十分相談をいたしまして、例えば多人数世帯の場合には世帯を分離いたしまして二戸分を使えるようにする、あるいはまた、これもいろいろと現地の御要望がございまして、子供さん方の勉強のための部屋に使わせてほしい、あるいはお年寄りの集会のために使わせてほしいとか、それぞれのいろいろな多目的の活用、空き室について使わせてほしいというような御要望もございまして、できる限りそういう現地の御要望に対応しながら使っていただくように県と相談をしながらやってきているところでございます。
 なお、現時点で百戸以上の空き室があるということでございますので、今後ともそういう空き室につきましては、できるだけ弾力的に活用ができるように県ともよく相談しながら対応してまいりたいと考えているわけでございます。
#14
○篠崎年子君 せっかく空き室ができたら、それは有効に利用できるように御努力いただきたいと思うわけです。
 さらに続けて要望いたしますけれども、長期化してまいりますと部屋の中の窓枠あるいは入り口等がひずんでまいりまして、少しすぎ間ができたりしてきているんじゃないかと思いますので、こういうものについてはできるだけ何とか応急処置でも講じて修理をしていただきたい、これは要望しておきます。
 そこで私、前に地行の方でも質問いたしましたんですけれども、仮設住宅に参りまして皆さんの要望の一番強かったのは、こういう事態だから狭いところというのは何とか我慢する、本当はもうちょっと広いのがいいんだけれどもそこは我慢する、おふる場を何とかしてもらえないだろうかという要望が大変強いわけです。
 皆さんも現地へ行かれて、おふる場がどんなふうなものかということはもう十分御承知だと思いますけれども、特にこれから梅雨、夏に向かいまして蒸し暑い日が続いてまいりますと、一日の疲れをいやす、あしたへの活力を蓄える、そういう意味からしてもこのおふろというものは日本人にとりましては特に大切な活力源じゃないだろうかと思うわけです。
 ところが、そのおふろが、入るときにはとにかく、昔、私たちの子供の時分にはお相といって体を縮めて入るようなものがありましたけれども、そういう状態でなければ入れないようなおふろで、しかも流し場は男の人だったら手を伸ばせば両方の壁に突き当たる、そういったような状況の中では一日の疲れをいやすことはできないんじゃないだろうかと思うわけです。
 そこで、おふる場の改造というのでしょうか改築というのでしょうか、そういうことで、この辺、さっきからも説明があっておりますようにまだ現在千三百七十戸の方、五千九十八人という人々が仮設住宅で生活しているわけですから、こういうところにつきまして何とか方法がないものだろうか。これが、あと一週間か二週間で出られるという目当であるいはめどがあればそこで我慢できると思いますけれども、先ほど来気象庁からの御説明にもありますように、いつおさまるともわからないというこの雲仙の状況では何とかしてあげなければいけないのじゃないかと思うんですが、この辺について厚生省の方でお考えございませんでしょうか。
#15
○説明員(松本省藏君) 御説明申し上げます。
 応急仮設住宅を建設するに当たりましては、雲仙災害の特殊性ということを十分考慮いたしまして、入居希望家族の戸数すべてに対応するだけの数を設置いたしましたし、また一戸当たりの面積につきましても、そういう災害の長期化というようなことも念頭に置きながら、通常の場合の面積よりもより広い面積というのを特別基準を設定することによりまして確保したつもりでございます。あるいはまた、特別基準によりましてクーラーを設置するなどいろいろな配慮をしてきたつもりでございます。
 御指摘のおふろにつきましては、もっと何とかならないか、やや狭いのではないかというような御意見があることは私どもも承知をしているわけでございますけれども、実際上その部屋全体のバランスの中で現在のおふろのスペースを確保しているわけでございまして、その部分だけを広げるというのはなかなか難しいという事情にありまして、どうか御理解を賜りたいと思っているわけでございます。
#16
○篠崎年子君 確かにそういう事情もあるかと思うんですけれども、これをつくられるときにはまさか一年近くもこういう住宅の中に住まうということはお考えになっていなかったと思うんですね。そういうことから考えますと、ひさしの設置等いろいろ工夫はされているようですけれども、私は行ってみまして、こういうことは専門外でございますのでわかりませんけれども、あのおふろの部分だけもうちょっと外側の方へ五十センチでも枠をつくって出せないものだろうかというふうなことを行ったたびに思ってきているわけなんです。ですから、この点につきましては少し研究をしていただきたいと思うわけです。
 それから、今後のこともありますので、今後こういった災害が二度と起こらないことは望ましいことですけれども、火山国日本としましてはいつこういったような状況が起こらないとも限らない。そういった場合に、今のような仮設住宅のあり方でいいんだろうか。このことにつきましては、せっかく経済大国日本と言われるような我が国でございますので、こういう場合にこそ大いにお金を使って経済的に援助をしていくということも必要じゃないだろうか。そういうことで、仮設住宅につきましては、今後大いに検討をしていただきたいと要望いたしておきます。
 次に、大蔵省の理財局の方にお尋ねをいたします。
 葉たばこの栽培につきまして、あの地区は大変に葉たばこ栽培が盛んなところで、葉たばこの被害につきましてはいち早くその対策を講じていただいた、どこよりも早かったということで非常に喜ばれているわけですけれども、最近、新しいところを求めて葉たばこ栽培をやろうという意欲に燃えてつくってみた、ところがまた降灰のためにどうも収穫が皆無とは言わないまでも落ち込んでいくようだ、あるいは被害をかなり受けているという状況にあるようですね。こういったような場合に、災害援助金といったようなものをもう一度早期に支払っていただけるでしょうかどうでしょうか、お尋ねいたします。
#17
○説明員(比護正史君) お答えいたします。
 今委員が御指摘のとおり、島原地区は葉たばこ栽培農家が大変多いところでございます。葉たばこにつきましては、農家に安定して栽培していただくために、毎年耕作者と日本たばこ産業株式会社で契約をいたしまして、そして全量会社が葉たばこを買い取る、こういう制度になっているわけでございます。今年度につきましては、葉たばこ農家で継続して葉たばこ栽培を希望される、こういう方につきましては全員希望どおりの面積で契約を締結いたしております。耕作者が三百六十六名、耕作面積四百七十二ヘクタールというふうに報告を受けております。
 先生御指摘の災害の点でございますけれども、これは、今申し上げた会社と耕作農家の契約の中の条項といたしまして、一定規模以上の災害が生じた場合には会社がその被害状況に応じまして災害援助金を支払う、こういう項目が盛り込まれているわけでございますので、今後もし降灰による被害が生じたということでございましたら、これは当然この約定に基づきまして災害援助金ができるだけ早期に支払われるというふうなことになるというふうに考えております。
#18
○篠崎年子君 わかりました。
 次に、島原市あるいは深江町で農業を営んでいた方々が他のところで営農をする、集団移転という場合もあるかと思いますけれども、この集団移転の場合には、ある程度の枠がはめられていて、いろいろな条件があると思うんです。ところが、なかなかその条件に当てはまるように集団移転ができないといったような場合に、その移転の条件緩和ということは考えられないかということ、これは農水省の方だと思うんですが、お尋ねいたします。
#19
○説明員(門間裕君) 先生の今の御質問に対しましてお答えいたします。
 防災の施設整備事業といいますものは、活動火山対策特別措置法に基づきまして、火山の爆発に伴う降灰などによりまして農作物に著しい被害の生じている地域を対象として、防災の施設整備計画を作成いたしまして、それに基づきまして実施することになっております。したがいまして、その被災農家の方々の移転先が計画の対象地域内であれば事業実施の対象となるということになっております。
 また、本事業は共同利用施設の整備を行うというものでございまして、個人施設などを対象とするものではございませんが、実施に当たりましては、先生御指摘のとおり、予算をより有効に活用するため一定の採択要件を設けているものでございます。しかしながら、その防災営農対策といろ制度の趣旨に適合するものでございましたら、これまでも地域の実態に即しまして弾力的な運用事図っているところでございます。
 今後とも、地元の要望も踏まえつつ、県と連携をとりながら適切に対処してまいろうという考えております。
#20
○篠崎年子君 そうしますと、防災営農施設整備事業の適用の場合、これは地域は、島原市あるいは深江町からかなり離れていても適用できるんでしょうか。
#21
○説明員(門間裕君) はい。島原、深江でなくとも計画区域であれば対象になっております。
#22
○篠崎年子君 その計画区域の条件はどういうことですか。
#23
○説明員(門間裕君) 南有馬町から北に上がりまして有明町までを対象にしております。
#24
○篠崎年子君 そうしますと、割合に狭い地域ですね。島原半島全域ではなくて北の方に上がっていると思うんですけれども、そうでしょうか。
#25
○説明員(門間裕君) 島原半島の東側がほとんどということでございます。裏側は入っておりません。
#26
○篠崎年子君 それを、そういうふうに区域を限定しないで島原半島全域に広げていくように努力をしていただきたいと思うんですけれども、これはまた後で質問いたしたいと思います。
 次に、被災農地の方々がそういうふうによそに土地を求めて移っていく場合に、この計画の中に援助というのはかなり入っていますけれども、買い上げという場合に、売って次の土地へ移るという場合の買い上げ価格ということが非常に問題になってくると思うんです。
 買い上げの価格というものは何か契約時の価格とされているようですけれども、もう契約時の価格といえば、そこの土地は全然価値を失っているわけですから、非常に低価で渡さなければならない、そういうことになると思うんです。できるだけ被災前の価格に近い価格で買い上げるように努力をしていただきたいと思うんですけれども、この点はいかがでしょうか。
#27
○説明員(大来洋一君) 国土庁の所管になります防災集団移転事業で、農地及び宅地の買い取りというのがございます。先生お尋ねの件はこれに関係をしているのではないかと思いますが、移転跡地の買い取り価格につきましては、先生が今おっしゃいましたように、考え方といたしましては、公共事業のための土地の取得価格が契約締結時における正常な取引価格によるものとされておりまして、これと同様に考えるべきではないかというふうに私どもは思っているわけでございます。
 ただ、集団移転事業と申しますのは、移転跡地の農地の買い上げたけではございませんで、移転先の住宅団地の確保、公共施設の整備、住宅建設等への助成とともに、移転に関連する各省庁の数多くの制度の活用、それから公共事業の実施、地元地方公共団体による基金等の助成等々、広範な分野における総合的な施策がございます。これらを推進いたしまして、事業が円滑に実施されるように、関係省庁、長崎県、そのほか地元の地方公共団体とともに積極的に対応してまいりたい、こういうふうに考えております。
#28
○篠崎年子君 ちょっと半分わからないんですけれども、この点につきましては、やはりこれから先の復興ということにつきまして農民が自力で生活を立て直す上において非常に重要な問題だと思いますので、十分御検討いただきたいと思いますし、また前向きに検討いただきたいと思うわけです。
 最後に、導流堤のことについて一つお尋ねいたします。
 今導流堤の計画がされておりますが、遊砂地の方は二基つくることができて幾らか土石流を防ぐことができたということのようですけれども、導流堤をつくる場合、できるところからでもつくっていかなくちゃいけないんじゃないか。特に五十七号線の下流の側の方は、これはできるはずではないかと思うわけです。
 そこで、こういうような導流堤をつくる場合の前提条件となるものはどういうものがあるんでしょうか、お尋ねいたします。
#29
○説明員(高橋哲雄君) お答えを申し上げます。
 事業を円滑に進めるための一番の問題は、火山活動の鎮静化と、地元の方々の理解と協力を得ることでございます。
 火山活動の鎮静化はともかくといたしまして、地元の方々の御理解と御協力につきましては、現在、県の方で関係する地元の町内会ごとに計画の説明を行っておるところでございます。したがって、私ども、できるだけ早く地元の方々の御理解を得て、測量や調査に取りかかり、さらに用地買収、事業着手に進んでまいりたいと思っております。
#30
○篠崎年子君 最後に、国土庁長官がお見えになっておりますれば御要望申し上げたいと思っておりましたけれども、長官がお見えになっておりませんのでお伝えいただきたいと思います。
 今、国で二十一分野九十四項目ということでいろいろされておりますけれども、深江を含む島原半島住民にとりましては、自分たちの復興のためにさらにもっと何とか安心して復興へ向かっていけるような方策を講じてほしいということだと思うんです。そこで、火山国日本としては、これは島原だけの問題ではなくて、全国的なことを考えた場合に、火山対策法というのは今ありますけれども、やはり特別立法が必要になってくるんじゃないだろうか、こういうことで非常に要望が強いわけです。
 このことにつきましては今後御検討いただきたいということで、時間が大変過ぎまして申しわけありませんでしたけれども、質問を終わります。
   〔小委員長退席、副小委員長着席〕
#31
○初村滝一郎君 割り当て時間が十分でありますので、私は大体五分ぐらいでお願いをいたします。皆さん方も六、七分の範囲内で御答弁をお願いしたいと思います。
 雲仙・普賢岳の痛ましい大火砕流災害から一年がたっております。ふもとの島原市と深江町では今なお六千七百四十六人の住民が避難生活を余儀なくされており、長い人はもう一年以上になっておるのであります。しかし、普賢岳の火山活動は依然として終息の見通しが立っておりません。仮に鎮静化しても、多くの人たちには帰るべき我が家がない、あるいはまた、耕すべき田畑もたび重なる火砕流や土石流で埋まってしまっておる。そうした被害者の心情に思いをいたし、その人たちの生活が再建できるよう万全の対策を講じていくことは行政の責務であり、使命だと私は思います。
 ところで、住民の方々が今一番望んでいるのはやはり将来の地域の再建、発展のため総合的な計画を明らかにすることではないでしょうか。長崎県では本年二月、水無川上流に九十基の防災ダムを建設する基本構想を発表いたしましたが、それらのダム建設によって施設の復興、振興にどのような青写真が描かれるのか、不幸にして移転を余儀なくされている多くの住民の方々にどれだけのことがしてあげられるのか、農地等の復興整備をどう進めるのか等々について具体的な展望を早急に示し、住民とじづくりと話し合っていくことが重要であると考えるのでありますが、関係省庁の見解を賜りたいと思います。
#32
○政府委員(鹿島尚武君) この地域の恒久的な安全対策といたしまして、既に砂防ダムや導流堤の建設構想が長崎県から発表されているところでございます。現在、長崎県においてその実現へ向けて努力されていると承知をいたしておりますが、この事業が円滑に進みますように関係者の理解と協力を得て、実施に向かって進められることを期待いたしておるところでございます。
 特に、地域の被災者の移転対策は、被災者の生活再建、それから恒久的な安全対策の確立、そしてひいては地域の再建、振興につながる重要な事項と理解をいたしておりますので、長崎県におきましても一生懸命これに取り組んでいただいていると私ども理解をいたしております。
 そういう見地から、関係省庁ともども長崎県に必要な助言、そして支援を行ってまいりたいというふうに考えております。
#33
○説明員(崎野信義君) 農地等の復興整備につきましてお答えいたします。
 農地等の復興整備につきましては、被災農業著の要望を踏まえまして、さらに砂防・治山計画との調和のとれた具体的な復興計画の樹立が必要であると考えております。このため、現在県の方で地元市町と協議、調整を図っている段階でございますので、農水省といたしましてもこれを指導赤るいは支援してまいりたいと考えております。
#34
○初村滝一郎君 私は、当面の重要な課題は、焼雨、台風の出水期を控え土石流対策に万全を期さなければいけないことだと思います。
 現在、九州地方は今月の七日に梅雨に入っております。水無川上流はこれまでに発生した火砕流による土石が埋まっており、一時間に十ミリ程度の雨が降れば土石流が発生するおそれがあると言われております。したがって、十分な土石流対策を講じて災害の未然防止と被害の軽減に努めることが何よりと思います。
 去る六月二日に開かれた第八回雲仙岳噴火非常災害対策本部会議では、出水期対策として「緊急対策として実施している事業の早期完成を図るとともに、防災態勢の一層の強化を図ること。また、恒久的な安全対策に係る事業のうち実施可能なものから関係者の理解と協力を得て早期に着手すること。」が確認されておりますが、これまでに講じられてきた緊急対策事業の実施状況及び今後の対策等について簡単に御説明を願いたい。また、実施中の対策で大規模な土石流に十分対応できるのかどうか、あわせて建設省の見解を求めたいと思います。
#35
○説明員(高橋哲雄君) お答えを申し上げます。
 梅雨期を迎えるに当たり、当面の緊急対策といたしまして、国道五十七号と島原鉄道の間の区域に、土石流から下流の人家、道路、鉄道等の被害の軽減を図るために災害関連緊急砂防事業によりまして遊砂地を二基緊急に設置しまして、五月二十七日に完成したところでございます。この遊砂地は合わせて約十二万立方メートルの容量を持っておりまして、これによりかなりの効果量を期待することができると思っておりますが、例えば平成三年六月三十日に発生いたしましたような大規模な土石流に対しましてはさらに下流への土砂の流下が予想される次第でございます。
 土石流の流下量は総雨量と雨の強さ、雨量強度、さらに上流の堆積土砂の状況によって変化いたしますが、この遊砂地がどの程度の降雨に対して対応できるか判定することは極めて難しいわけでございます。しかし、今年の四月の二十二日から発生いたしました四回の土石流につきましては、すべて施工中の遊砂地でとまっておりまして、下流の被害を防止しております。
 なお、土砂で遊砂地が埋塞した場合につきましては、当然その土砂は排除することにいたしております。
 また、国道五十七号付近には住民の警戒、避難、交通等の安全確保に資するためにワイヤセンサー等の土石流発生監視装置を設置いたしております。
 今後、砂防計画の基本構想に基づきまして、警戒区域外の導流堤につきましては、先ほどお答えも申し上げましたが、町内会別に計画の説明を行って、住民の方々の御理解と御協力を得て早期に着手したいと考えております。また、警戒区域内の大規模砂防ダム等につきましても、火山活動の鎮静化を待って着手できるように準備を進めているところでございます。
 なお、土石流に伴う水無川の河道埋塞につきましては、工事の安全を確認しつつ、災害復旧事業における応急復旧工事により埋塞土砂の取り除きを実施し、河道の流下能力の確保を図ってきたところでございます。今後とも同様の措置をとってまいりたいと思っております。
 以上でございます。
#36
○初村滝一郎君 世界屈指の火山国である我が国では、雲仙・普賢岳のように火山噴火によって地域社会に重大な被害を与えるおそれのある火山が非常に多いわけです。しかし、それらの火山の噴火対策、避難対策は決して十分でない。火山噴火の危険区域を予測したハザードマップについても、作成されているのは北海道の駒ケ岳と十勝岳の二カ所しかないのであります。これが現状なんです。このために、国土庁では危険区域予測図作成指針を作成して去る十一日に関係公共団体に送付したと報じられておりますが、こうした防災・マップの作成を含め、危険の高い火山すべてについて早急に総合的な火山噴火対策を実施する必要があると思います。
 ますます重要視されている火山噴火対策に今後どう対処するのか、国土庁防災局長の御所見を賜りたい。
#37
○政府委員(鹿島尚武君) 火山災害の形態につきましては、個々の火山の性質、地形、周辺の地理的状況によりいろいろ異なってまいります。そこで、火山災害対策を推進するに当たりまして、個々の火山ごとにいわゆるハザードマップを整備して対応することが大変重要であることは、先生仰せられるとおりでございます。
 このため国土庁では、各地方自治体におきますいわゆるハザードマップの整備を促進するために、その作成マニュアルとして火山噴火災害危険区域予測図作成指針を策定し、既に火山周辺自治体に配付をいたしたところでございます。
 今後、国土庁といたしましては、火山周辺自治体にこの指針の周知徹底を図ってまいりまして、いわゆるハザードマップの整備促進に努めますとともに、活動火山対策特別措置法に基づく諸施策を実施すること等によりまして、今回の雲仙噴火災害対策の経験も十分生かしまして、関係各省庁と連携のもとに火山災害対策の万全を期してまいりたいというふうに考えております。
#38
○初村滝一郎君 最後に、今回の災害に対しては、食事供与事業や雲仙岳災害対策基金の創設などこれまでにない対策を含め二十一分野九十四項目にわたる救済対策が実施されて、非常に効果を上げております用地元議員として本当に感謝いたしております。
 そこで、今後ともこれらの対策を推進していくに当たっての決意を、政府全体の取りまとめを行っている国土庁防災局長にお願いをいたしまして、私の質問を終わります。
#39
○政府委員(鹿島尚武君) 雲仙噴火災害に対しましては、政府におきまして非常災害対策本部を設置し、被災者等の救済のために政府としてとるべき施策を、二十一分野にわたる雲仙岳噴火災害に係る被災者等救済対策として今日まで強力に推進してまいりました。
 平成四年三月には、さらに災害の一層の長期化に伴い、雲仙岳噴火災害対策基金を六百億円に増額をし、自立に役立つ特別の食事供与事業を延長するなど対策の拡充に努めているところでもございます。
 去る六月二日、第八回の本部会議におきまして、各省庁こぞってこれらの施策を強力に進めていくことを確認、申し合わせをいたしたところでございます。
 今後とも、県、市町とも一体となりまして施策を強力に進めていきたいと考えております。特に梅雨期などの出水期を控えておりますから、緊急措置として土石流対策等の安全対策に万全を期していく必要があります。
 また、今後、恒久的な対策といたしまして砂防ダム等の計画を推進することといたしておりますが、火山活動の終息を待たずして、現在でも実施可能な事業につきましては、関係者の御理解と御協力を得ながらその早期着手を図ってまいる必要があろうと思います。あわせて、移転対策、住宅対策、雇用の促進など、地域の再建、復興を積極的に進める必要があろうと存じております。各省庁こぞって進めさせていただきたいと考えております。
   〔副小委員長退席、小委員長着席〕
#40
○常松克安君 災害発生から一年を経過いたしました今日、我が党といたしましても、過日国土庁長官に、その対策、第一に土石流など二次災害の対策の充実、第二に住宅対策など生活支援策の拡充、第三に緊急避難救援体制の拡充、大きく三項目にわたって申し入れたところでありますが、その中におきましても、災害が起こったときに人命第一、これがやはり災害基本法の根本であろうと思います。
 よって、厚生省にまずもってお尋ねいたしますが、過日の四十数名、なかんずく救急車あるいはいろいろな搬送の難しい中で民間の協力を得まして病院へ搬送いたしましたけれども、とうとい命が亡くなられております。
 災害は今後も起こり得る。「備えあれば憂いなし」とは言いながら、自然災害には同じことは二度と起こらない、何か虚をついたようなことが自然の脅威として我々に教訓を求めておるわけでありますが、過日の救急医療体制の中において、いかなような教訓を学ばれ、それを今後生かそうとされているのか、まず基本的にお伺いいたします。
#41
○説明員(今田寛睦君) さきの六月三日の火砕流によります救急医療対策の対応の御紹介をしながら、御質問の趣旨にお答えしたいと思います。
 二十一名の負傷者につきまして、まず地域の医療機関であります島原温泉病院あるいは近隣の医療機関に搬送されたわけでございますが、そのうち十四名が長崎大学附属病院、国立長崎中央病院など高度な機能を有します医療機関に搬送するという形で行われたわけでございます。
 御指摘のことでございますが、私ども今回の災害におきまして、まず一つは医療機関の充実という観点から、特に全身熱傷に対応できる施設を充実させる必要があるということがございまして、これにつきましては、今年度より高度救命救急センターという位置づけによりまして、四肢切断等に対応できるものもあわせ、全身熱傷への対応が可能な施設の整備の充実を図っていきたい、このように思っております。
 もう一点は搬送の問題でございます。
 十四名が、病院に一たんお入りになられた後に搬送されているという事実があります。それからさらに、その搬送された医療機関から二名の方がもう一度長崎大学の附属病院に搬送された。つまり、患者さんの搬送体制の充実をさらに強化すべきではないかということでございまして、特に救命救急センターを中心といたしますドクターカーの充実といった点に今後とも努めていきたいと考えております。
#42
○常松克安君 今るる御説明いただいたわけでありますが、その中でも、私は今日までその点を強く提案、提起、指摘してまいりました。
 まず一つ不思議でならないのは、長崎県で起こった災害は医療関係は長崎でという医療関係の縦割り的なことです。
 こういう熱傷患者といいますのは、現場の話を聞きますと、一名ないし二名受け入れればもう満杯だと。助けるのに全力を挙げて、医師が約十六名、ナースが二十三名つきっきりになる。熱傷患者のあの特設ベッドというのはそうどこにもここにもないわけでありますが、そういうふうな中において、専門医的なものは川崎医大にもあれば岡山大学にもあればあるいは鹿児島大学にもあれば、いろいろなところにある。ところが、不思議なことは、その枠の縦割りから出ようとしない、変えようとしない。
 言うなら、専門医というものが緊急時に応じて出動の受け入れ体制というものをもう少し広域的なところで考えていただかなければならないのではないか。これは何回も申し上げてきたところでございます。
 第二番目は、搬送問題でありますけれども、搬送問題にあって、自衛隊のヘリは夜間飛行をしておるわけであります。現実に可能なわけであります。福岡県には消防ヘリがあるんです。あるけれども、県をまたぐと、ガソリン代をどこが持つかここが持つか、ごねごねしておる。取り決めはきちっとどこへでも飛びますよと言いながら、現実に飛んでいない。こういうふうな、物があっても、行政的な決めと申しますか、こういうふうなところのあやに引っかかってしまって、活動が十分ではない。
 一分一秒を争う熱傷患者の方を三時間も四時間も救急車で運んだら、その中で死んでしまう。こういうことのために救急ヘリの充実とか、これは消防庁がおられるから聞いておいてもらえばいいし、防衛庁も来ておるんですから聞いておいてもらえばいいわけですが、そういうところがやはり、医療関係の立場として見ればおわかりであるけれども、ちょっと行政がまたぐとなかなか、どうか中心になってそういうこともよく協議の上これはきちっとしていただかなきゃならないと思うんです。
 ここで一つ、引っかかっておりますのは、熱傷患者の気管切開をしたあの件はどうなったのでありましょうか。
 学会においては、熱傷患者は気管切開してはならぬ、後の治療が難しい、こういう御指摘があるが、いや、もはやもうのどの中に熱傷が入っちゃって気管内挿管もできずに、そんなことやっていたら間に合わないから切った、それで最近論争になっている、こう聞きます。これはこの場所でとやかく決められる問題じゃございませんが、専門でありますけれども、どうか厚生省といたしましては、富士山が爆発するとかあっちも危ないとか、いろいろ下世話の不安を持たれるさなかでありますから、この熱傷という問題については非常に重大な意義づけでお考え願いたいのでありますが、いかがでしょうか。
#43
○説明員(今田寛睦君) 御指摘のように、広域にまたがる場合の問題点、あるいは熱傷、特に全身熱傷に対する対応のあり方、これはこれから充実しなければならない分野であることは十分認識をいたしておるところでざいます。
 ちなみに、長崎県におきましては、今回の教訓も踏まえまして、救急医療体制の整備に加えて、必要に応じては県下一円はもとより近隣の福岡県、熊本県、佐賀県に対して協力を要請するといった対応をとることになりました。これは非常に私ども参考になる対応であるということで、これらのことを踏まえまして充実した対策へと向けていきたいと思っております。
 さらに、全身熱傷を初めとする医療技術の向上、これらにつきましては、現在も行っております救急医療に対応いたします医師の研修等を通しましてなお一層の充実を図っていきたいと考えております。
#44
○常松克安君 今度は、国土庁防災局。
 こういう御案内を我が部屋にちょうだいいたしました。今日まで災害医療という問題をいろいろと提起してまいりましたことを重く受けとめていただきました。国土庁が開設以来初めて、災害医療という問題に対して、震災時応急医療等懇談会、これは少し場所が離れた地震というところの対応の問題でありましたけれども、大きく申し上げるなら災害医療の根幹でありますけれども、これを設けられた意図、今後どういうように進められようと考えていらっしゃるのか、まずお伺いします。
#45
○政府委員(鹿島尚武君) かねてから常松先生から、災害時の医療対策について御指導を賜ってまいりました。
 私どもといたしましては、この報告書にも書かせていただきましたが、一つは傷病者が多数発生をするおそれがあるというこういう地震の災害というようなところに一つテーマを置きまして、その場合における応急医療の体制をどのようにしたらいいかというところを検討する必要性を考えたわけでございます。そのため、国土庁におきましては、委託調査という形ではございますけれども懇談会を委託機関に設けていただきまして、南関東地域におきます大規模地震の発生を念頭に置きながら震災時の応急医療体制のあり方等につきまして検討をしていただいたわけでございます。その結果を先生にお届けをさせていただきました。
 報告書におきましては、結局、一義的には被災地、地震が発生したその場所の地域内におきましてまず応急医療活動というものが期待されておるわけでございますけれども、周辺の各県とか後方を含めまして広域的に後方支援の活動というものが大変必要であるということに着目をいたしまして、この二つの分野で御検討をちょうだいいたしたわけでございます。
 検討の中身は、とりわけ地震が起こる前のあらかじめの対応としてどうあるべきかというところに主力を置いて検討をしていただいております。今日まで、災害が発生した後につきましては災害対策基本法に基づきまして各指定行政機関におきます防災業務計画、地方公共団体におきます地域防災計画等におきまして体制づくりが進められておるわけでございますので、あらかじめの対応というところに力点を置いてやってまいったわけでございます。
 今後、私どもはこれを、決して関東地域だけではなしに、全国的に御参考にしていただきまして防災業務計画等に反映させ実地に動かしていただくというようなことを期待いたしまして、既に各都道府県にこれを配付させていただいております。そしてまた、これの説明を随時申し上げまして周知徹底も回らせていただきたいというふうに現在考えておるところでございます。
#46
○常松克安君 では、最後に一言だけ付言させていただきます。
 よくぞ勇気を持って、しかし、この表の一覧を見て驚くべき事実がやっぱり出ているわけであります。医療関係においては救援班を派遣した経験がないというのが約九〇%、これがまず一つです。それから第二番目には、こういう計画のとき不思議なことが一つあるわけです。それは、災害が起きたときにお医者さんと看護婦さんは死なない、これが前提に対策が立てられるんです。これがおもしろい。おもしろいと言っては失礼でございますけれども、そんなばかな話はないんです。
 そういう二つのことがベースになっていることを、局長、少し頭の隅に置いていただきまして、よりよい懇談会が大きく大きく膨れ、いざというときに十二分にその効果が出ますことを期待いたしまして、質問を終わります。
#47
○諫山博君 私は三つの問題をまとめて質問します。答弁は最後にそれぞれの関係省庁からお願いします。
 第一は、仮設住宅、さらに公営住宅の建設の問題です。
 現在つくられている仮設住宅がいかに欠点に満ちたものであるかということは、例えば篠崎委員から具体的に指摘されました。私も全く同感です。一つの建物に二世帯が同居している、隣の声も聞こえるし隣の光も漏れてくる、こういう中でまともな生活ができるはずはありません。既に二名の自殺者が出たということは、私は仮設住宅の住環境がいかに問題に満ちているかということを証明していると思います。仮設住宅を本当に住みやすいものにする、これは当然のことですけれども、同時に仮設住宅だけでは今の問題は処理できなくなっている、このことを私は指摘したいのであります。
 公営住宅を建設してほしいというのは、もうすべての避難民の共通した声です。ところが、これに対する政府の対応は非常に消極的です。わずかしかつくられておりません。その理由を聞いてみると、火山はいつ終息するかもわからない、火山が終息した後に公営住宅の利用者がいないというような状況が出てくれば不経済だ、こういう考え方があるようです。私は、これは抜本的に発想を転換しなければならないと思います。
 もともと仮設住宅というのは、半年とか一年とか、それ以上居住するというようなことを予定してはおりません。風水害の臨時的な仮設住宅に代表されるように、とにかく応急の住まい、これが仮設住宅です。その点から見ると、本来仮設住宅では間に合わない性質のものに仮設住宅をあてがっている、このことこそが問題であって、今のように既に長期化した、これからいつまで続くかわからない、こういう場合には地元自治体の負担なしに公営住宅を建設すべきだ、このことを私たちはしばしば政府に申し入れたし、要求もしてきました。この点をぜひかなえてもらいたいというのが第一です。
 第二は、政府はもっとお金を出すべきです。
 この間、六月五日ですけれども、島原市長が市議会で、復興資金をつくり上げるために競輪を行いたい、既にこういう申し出をしたということが発表されて、これが大問題になりました。そのときの市長さんの談話が新聞に出ております。被災者救護のためには一円でも欲しい、こういう言い方です。島原市にしても深江町にしても、競輪とか競艇をやろうというようなことを従来考えたことはありません。ところが、今度の雲仙・普賢岳災害のためにもう背に腹はかえられないから競輪でもやりたいというところまで追い込まれた、これが真相だろうと思います。
 経済大国日本で地震対策が十分できないために、ついに金もうけのためにギャンブルに手を出した、これは世界の恥です。私は、こういう道を選ぼうとした島原市を問題にするのではなくて、ここまで追い込まれた島原、深江町に深い同情を禁じ得ません。その点では政府の責任は重大です。
 地元では、今まで政府の出した金は湾岸戦争の一%程度ではないかというような不満の声が出ております。例えば、基金造成で一千億円ぐらいの金をつくりたいという地元の強い要求がありますけれども、これも政府がその気になりさえすればすぐにできることです。だから私は、とにかくギャンブルというようなことを地元自治体が考えなくて済むようにもっと積極的に金を出すべきだ、ギャンブルで火山の対策の金をつくったというようなことになれば世界の物笑いだということを要望いたします。
 第三は特別立法です。
 政府は何回か特別立法をしそうなそぶりを見せました。私は日程を調べてきました。昨年の六月九日、海部首相は現地に行きまして、できることなら何でもやる、現行制度で救えないものは特別立法で検討したい、これは海部首相の発言です。翌六月十日、坂本官房長官は関係省庁に特別立法の検討を指示しました。七月二日、自治大臣は海部首相に特別立法を要請しました。七月二十二日、政府・与党首脳会議は新規立法の検討を決定しました。さまざまな経過がありましたけれども、十月三日、第百二十一国会で、自民党議員も参加しまして特別立法をする請願が採択されました。ところが、どういうわけかその年の十二月には自民党は特別立法の請願に反対をしました。そのためにこれは不採択になりました。これは全部新聞で報道されている経過です。
 つまり、政府は一たんは特別立法をつくるという方針を出しました。そのための具体的な作業も始まった。そして、これはすべて国民に報道されている。自民党政府もなかなかやるじゃないかというような宣伝効果はあったと思います。ところが、どういう事情か、この特別立法というのは政府においてももう全然言わなくなったし、自民党も請願採択に反対した。これは単に政策が変わったというだけでは済まない問題です。住民をペテンにかけたのではないか、特別立法ができないのであれば、なぜ総理大臣ができるかのような発言で希望を持たせたのか、私はこう言いたいわけです。
 この問題を抜本的に解決するためには、やはり現行法では無理があります。現行法というのは、風水害に代表されるように短期間の災害にどのように対処していくのか、これが現在の災害の法体系です。ところが、既に被害が一年以上にわたっている、いつこれがおしまいになるともわからないというような状況の中で、政府が初め口にしていたように特別立法でお金はたくさん出す、個人に対する損失補償もする、私はこれなしには雲仙・普賢岳問題の抜本的な解決はないと思います。なぜ特別立法をやるかのようなポーズがあったのに今それがなくなってしまったのか、この点についても答弁を求めます。
 以上三点について答弁してください。
#48
○説明員(中澤守正君) まず、一点目の公営住宅の問題についてお答え申し上げます。
 雲仙岳噴火にかかわる被災者の方々の住宅対策といたしまして、当面、応急仮設住宅を建て、また既設の公営住宅の空き家等の活用を図りました。あわせて平成三年度には災害公営住宅を含みまして百三十六戸の公営住宅を建設いたしました。本年に入りまして、長崎県と島原市また深江町で被災者全員に対します意向調査を実施いたしました。それとともに用地の確保状況等の検討をしておりまして、近く住宅対策に対する方針が出るものと承っております。
 私どもといたしましては、地元の意向を十分踏まえながら、今後公営住宅の建設を図ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
#49
○説明員(鈴木良一君) ただいまの先生の御質問のうちの二点目の、島原市あるいは深江町に対する財政措置、国はもっとお金を出せ、こういう御趣旨の御質問に対しまして、自治省の立場からお答えをさせていただきたいと存じます。
 既に御案内のように、各省庁におきまして二十一分野九十四項目にわたります各種の対策が講じられているところでございますけれども、自治省といたしましては、こうした雲仙岳の噴火災害に係る被災者等の救済対策に沿いまして、災害対策に伴って生じますような各種の財政需要につきまして、十分に実態を調査した上で、例えば災害復旧事業債といったような起債の配分でございますとか、あるいは普通交付税の繰り上げ交付、さらにまた特別交付税の大幅な増額、こういったような財政措置を通じまして積極的に対処してきたところでございます。
 またさらに、長崎県の方で設けました雲仙岳の災害対策の基金につきましても所要の財政措置を講じたところでございます。これにつきましては、平成三年度末、ことしの三月末でございますが、六百億円に増額をするというようなことで、さらに財源対策の強化を図ってきたところでございます。
 こうした財政支援措置によりまして、島原市あるいは深江町につきましては、現在のところ当面の財政運営につきましては特段の支障は生じないというふうに考えているところでございます。
#50
○政府委員(鹿島尚武君) 第三点目の問題でございます。
 雲仙岳噴火災害対策につきましては、政府において非常災害対策本部を設置いたしまして、被災者等の救済のために政府としてとるべき施策につきまして、地方公共団体等の要望を承り、あらゆる角度から検討を加えまして、既にお聞き及びのとおり、住宅、民生、農林漁業、中小企業、雇用、地域振興など二十一の分野にわたります対策を決定して、今日進めているところでございます。これらの中には、前例を見ない雲仙岳の特性にかんがみた施策といたしまして食事の供与事業、生活再建助成資金の貸付事業、県の基金の創設などの施策が含まれているところでございます。
 これらによりまして、新たに立法を行うまでもなく、予測し得る事態に対し必要な対策は講じられたものというふうに私ども理解をいたしているところでございます。
#51
○諫山博君 終わります。
#52
○井上哲夫君 私は二点お尋ねをいたします。
 まず、国土庁の方にお願いをしたいと思います。
 きょういろいろ御報告がありましたし、対策本部でも確認をされたということでありますが、今後火山活動が鎮静化したならば、恒久的な安全対策である砂防ダム群を中心としていろいろな対策を長崎県の方で取りまとめをいただいて支援をしていきたいというようなことが書かれておるわけですが、現実に気象庁のきょうの御報告もありましたように、火山活動が鎮静化する、これはだれもわからないと言ってしまえばそれまでなんですが、鎮静化する見通しについて、気象庁は気象庁の立場で判断をされると思うんですが、私はむしろ国土庁がその鎮静化についてどのように今考えているか。例えば、事態が現在はこの程度であるがこうであれば鎮静化したと見られるとか、あるいは鎮静化についてわからないという中でも、どのような見通しなりどういう判断基準をお持ちであるか、まずそのことをお伺いいたします。
#53
○政府委員(鹿島尚武君) 現在、火山活動の状況につきましては、関係機関によります観測、監視の結果を気象庁に一元的に集約をいたしまして、火山噴火予知連においてその分析を行っていただいておるところでもございます。
 火山活動の鎮静化については、マグマの供給状況、地震活動状況等を総合的に勘案して判断すべきものというふうに聞いておるところでございますけれども、その鎮静化ということにつきましては大変難しい問題であると理解をしておりまして、今後とも専門家の意見等を十分に承りまして判断をしていくことになろうかと考えております。いろいろ過去におきます大島の事例等もございます。行政としてどのように判断をするかという大変難しい問題でございますので、いろいろな情報を集約いたしまして判断すべきものというふうに考えるわけでございます。
#54
○井上哲夫君 大変無理な質問なので、それはお答えも難しいということはわかっておりますが、なぜこのことをお尋ねしたかといいますと、先ほど来篠崎委員あるいは初村委員の御質問の中に出てきました例えば農地の復興整備について、現時点では長崎県なり島原市等の関係市町村と調整をして砂防対策を基本に据えて今後の問題について考えていきたい、こういう御答弁が農水省からもあったと思うんですが、これを聞いておりましても、正直申し上げましてさっぱりわからない。
 砂防対策を基本にして、例えば遊砂地も二基つくって、その効果もあったというようなことから踏まえますと、今から例えば農地についても、基本に置く砂防対策からいえば、もうこれはここで農地の耕作はできればやめてもらいたいとか、あるいはほかに考えてもらいたいとか、そういうふうなことがあるとすれば、本来いえばその地元の県、市町村と調整をするという場合に、どのように今どういう観点から調整についても国は考えているのかというふうなことはある程度お話を伺わないともうさっぱりわからない。きょうこういう中で委員会を開かれた意味も私は疑問になってくる。
 そういう意味で、鎮静化について質問をしたのは、鎮静化が半年後なのか、一年後なのか、あるいは二十年、三十年後なのかということは、それはだれもわからないと思いますが、しかし、現実に今国土庁の方の御回答がありましたように、他の火山、日本国内におけるこれまでの火山の活動の経過等を踏まえてある程度は、あの大きなたくさんの被害者が出た火砕流があって一年もたっているんですから、今の時点でもう少し具体的に、例えば農地の復興整備について防災対策を基本に据えてと言うならば、どのような調整を考え、また指導しているのか、農水省の方のお考えをお聞きしたいと思います。
#55
○政府委員(今藤洋海君) 農地につきましては、基本的に砂防との調整と申し上げておりますけれども、砂防用地として買収されるといったことになりますと、そこのところは農地で復旧できないわけでございます。したがいまして、砂防用地でないところにつきましては基本的に復旧をしていく。それから、砂防用地で買収されたところにつきましては、その方々がさらに農業の継続の意向があるかどうかということも確かめなければいけませんが、そういう方についての代替農地のあっせんでございますとか、場合によっては新しく農地開発をしていくといったような必要性も出てくるわけでございます。
 さらに、周辺の農地も含めまして、いわば近代的な農業が営めるような形の農地整備をしてもらいたいという地元の要望もございます。その辺につきましてもあわせて検討をさせていただきたい、このように考えておるところでございます。
#56
○井上哲夫君 時間制限があることは十分承知しておりますが、もう一点だけ御質問をさせていただきたいと思います。
 今のお話の延長になるわけですが、先ほど篠崎委員も質問されました。こういう今後の対策の上で用地買収の問題、これは関係被害の方としては大変大きな関心事でありますし、関係市町村も頭を悩ませて見えると思います。そういう今後の展開、整備の計画の中の展開で、どういう形で土地の移動及びその対価をどうするかということについて、これはひとり農水省だけが思い悩んでも解決できないと思うんです。
 国土庁なりあるいは他の関係省庁と協議をしていただかない限り具体的な回答は恐らく出せないだろうと思いますが、そういう協議なりたたき台なり、そういうものの御検討には入っているのでしょうか。質問通告はいたしておりませんが、御回答をお願いいたしたいと思います。
#57
○政府委員(鹿島尚武君) つとに県の方におきましては、砂防ダム等の基本計画を基点といたしまして、地域の復旧復興策につきまして俗称「青写真」という名のもとに地元に提示をなさっておりますが、そういう青写真の実施の過程におきまして、つまり砂防ダム等公共事業を実施します事業の用地の入手に関しまして、もちろん所管であります建設省の方で県と篤と相談をしていただいているところでもあります。そしてまた、先生仰せられました農地の復旧等につきましては、これまた地元の御要請を受けて農水省の方で御検討をいただいております。そのほかにそういった公共事業の直接の用地等にならないところ、これにつきましても御要請があるようでございます。
 そういったところも含めまして全体、長崎県の方におきましては公共事業の実施はもちろんでございますけれども、県の総合的な施策の中で一体この用地の問題にどう対応するかということを現在御検討をいただいておると承知をいたしております。その過程におきまして、国の方におきましても、建設省、農水省、私ども国土庁等関係省庁におきまして、こういった問題に対処をすべく、それぞれの立場から今県の方に指導助言という形で接触をいたしているものというふうに理解をいたしております。
#58
○井上哲夫君 終わります。
#59
○勝木健司君 私も時間が限られておりますので、まとめて一括して質問を五点ほど大きく分けて行いたいというふうに思います。
 まず第一点は復興計画についてでありますが、この雲仙の火山活動に変化の兆しか出てきたという観測データが出てきた一方で、またそれに対する批判的な見方もあるわけでありますけれども、しかし、もう満一カ年が経過した現在、どっちにしてもこの復興計画の策定に本腰を入れていく時期に来ているというふうに思います。
 その中でも特に、いつまでも仮設住宅というわけにはいかないわけでありますので、住宅対策が急がれておるわけであります。この計画とかあるいは進捗状況が一体どうなっておるのかということで、特に島原市は、新聞では移転候補地を買収したとか宅地造成工事を進めるような報道がされておるわけでありますけれども、これも含めて計画の概要もあわせてお尋ねをしたいというふうに思います。
 それから、この砂防ダムの建設によりまして三百戸近くが移転を余儀なくされるわけでありますが、この用地買収について、これも新聞の報道で、一九八二年の長崎水害の後の河川改修で公共事業用地として被災前の評価額の八割で買い上げた例があるというコメントの報道がされておるわけでありますけれども、それが事実かどうかということと、雲仙におきましても当然それ相当の価格を期待していいのかどうかということです。
 それから集団移転の半数要件の緩和について、私も予算委員会で質問させていただきましたけれども、そのときの回答では要件緩和については実態に即して検討するという答弁をいただいておるわけでありますけれども、その後どう検討されておるのかどうかお伺いしたい。
 それから災害共済制度であります。雲仙災害のような従来にないタイプの自然災害に対しては、政府の考え方は、救済は自力救済を原則とするという態度を崩しておらないわけでありますけれども、この自然災害に備えた災害共済制度についてのこれまでの検討経過とかあるいは今後の方向性についてお伺いをしたいというふうに思います。
 それから、立入禁止区域の無断入域者が多いということを報道でも聞いております。もう避難生活が一年を超えておるということでありますのでどんどん急増しておるというふうに聞いております。現在の立入禁止区域への入域許可基準はどうなっておるのか、そして警備体制はどうなっておるのか、それからやむにやまれず入域したい人への対応というのはどうなっておるのかということもあわせてお聞きをしたい。
 それから被災者の雇用促進であります。この雇用促進についてどのような施策が今なされておるのかということで、雇用調整助成金を先ほどの報告でも二カ月単位で五回延長されたということであります。七月三十一日で切れるということでありますけれども、急に打ち切られることはないのかということです。これを今後もそのままずっと継続をしていくのかということも含めてお伺いをしたい。
 それから、先ほどの報告の中でもありましたが、地域雇用開発助成金の支給地域として、島原公共職業安定所所管の指定をされておるわけであります。島原地区からの通勤圏を考えますと、もう少し広い地域にまたがってもよいのではないかということで、この指定地域が拡張される予定はないのかということもお伺いをしたい。
 最後に、営農問題であります。まだまだ営農の再開が大変困難な状況にあるわけでありますけれども、この代替農地のあっせんの状況は一体どうなっておるのかということです。農水省でも専門職員を派遣して、代替開墾の適地調査の協力とか、あるいは長崎県においても被災農家の意向調査を行っておるということでありますけれども、その調査の経過の報告なり、そしてそういう結果を踏まえての今後の確保対策についてお伺いをしたいというふうに思います。
 以上です。
#60
○説明員(中澤守正君) 住宅の計画がどうなっておるのかというふうなお話でございます。
 私ども、噴火活動がたとえ終えんした場合でも、防災ダム等の防災設備が整備されるまではいろいろ災害の危険性は残るということでございまして、そういう意味では長期的な住宅対策が必要であると考えております。
 県でもまさにその意向を受けまして、被災者全員の方に三月までに調査をさせていただいたようでございます。その中では、やはり移転を希望したいという方もおられますし、公営住宅に入りたいという意向の方もおられるようでございます。そういうことも踏まえまして、現在、県の方でそれらの意向を踏まえまして計画を立てたいということで鋭意検討しているようでございます。
 住宅を建てる場合には、これは持ち家を希望される方でも公営住宅を希望される場合でも、当然土地が必要でございます。そういう意味で用地確保が非常に重要でございますので、その用地確保の可能性も含めて、それらの計画が近くまとまるというふうに承っておりますので、その意向を踏まえて、私どもとしては前向きに検討していきたいというふうに考えております。
 以上でございます。
#61
○説明員(松田芳夫君) 先生御質問の昭和五十七年の長崎水害の後の河川改修事業に際しての用地買収の件でございますが、公共事業に際しましての用地買収は、公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱というものに基づき、契約締結時における正常な取引価格をもって補償することとされております。
 昭和五十七年の長崎水害の後の災害復旧事業あるいは河川改修事業におきましても、当然そのような原則に基づいて行われております。しかし、水害や土砂害等による被災地の評価に当たりましては、従前地の標準的使用状況、現在の土地の状況、あるいは土地の復元の見通しやその復旧工事費などの価格形成要因を総合的に勘案して決定いたしましたので、結果的には買収価格が被災前の八割程度の価格になった事例もあると長崎県から聞いてございますが、あくまでもそういう例もあったということで、一つの事例ということでございます。
 以上でございます。
#62
○説明員(大来洋一君) 集団移転事業の要件の緩和についての検討状況というお尋ねでございますが、半数要件の緩和について申し上げます。
 防災集団移転促進事業と申しますのは、ある程度の規模の団地を安全な地域に新たに造成しそこへ集団で移転していただこうという制度でございますので、現行制度におきましては、移転住居に半数以上が入居するという基準が設定されているわけでございます。今まで実施された事業につきましても、平均いたしますと、移転戸数の約八割が住宅団地に入居されているという実態でございます。
 雲仙の場合でございますが、先ほど建設省からお話がございましたように、住民意向調査あるいは移転先地の選定ということが現在検討されているところでございます。それから砂防ダム、これは防災集団移転とは別に砂防ダムの建設に伴う移転という形のものもあり得るわけでございまして、そちらの方の事業計画というのがまだ固まっていない、そういう状況にございますので、集団移転事業をどの程度の規模、どういった内容で実施するかということは、現時点ではなお明確になっていない部分がございます。
 したがいまして、今後国土庁といたしましては、地元の実情等を踏まえまして条件の改善について検討を進めさせていただきたい、それによりまして事業を円滑に推進できるように努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#63
○政府委員(鹿島尚武君) 第四点目でございますが、大規模災害が発生した場合におきまして、行政、民間それぞれの分野におきまして的確か対応が求められることは申すまでもありません。
 このため私どもは、各種現行制度の改善等について検討を行い、現行制度による救済の状況と課題、地方公共団体等の意向を踏まえまして、共済制度等の必要性や実現可能性を含め研究を行うために委託調査によりまして検討をいただいているところでございます。委託調査の研究会におけも検討範囲が多岐にわたっておりまして、なかなか難しい問題もあるようでございますが、できるだけ早い機会に結論をちょうだいできるように考えてまいりたいと存じます。
#64
○説明員(広瀬経之君) 先生の御質問は三点ございました。
 まず第一点目、警戒区域への入域の基準はどうなっているかという御質問でございますが、これにつきましては、雲仙岳の火山活動が安定しており、しかも山がちゃんと見えること、それからやむを得ない理由があると認められること、この二点の考え方によりまして必要最小限のものにつきまして許可を与えておるというふうに聞いておるところでございます。
 それから第二点目の御質問は、無断入域者に対する警備、警戒体制はどうなっているか、こういうことでございますが、この点につきましては、現地におきまして必要な場所につきましてのロープあるいはチェーンの展張によります交通の遮断、あるいは看板とかバリケードの設置、広報紙の配布、防災行政無線を整備いたしましたのでこれによる連絡等によりまして、警戒区域の周知徹底を図っております。また、市や町あるいは警察等の防災関係機関におきましてそれぞれ警戒を実施している、こういうふうに聞いておるところでございます。
 それから第三点目の、入域したい人への対応はどうかという御質問でございますが、第一点目で申し上げました基準によりまして適宜適切に、例えば家の見回りあるいは家の中の荷物の搬出、搬送、こういうようなものに係る許可が多いようでございますが、そういうようなことで、適宜適切な許可がおろされているもの、こういうふうに聞いておるところでございます。
 以上でございます。
#65
○説明員(後藤光義君) 雇用関係につきまして二点お尋ねがございました。
 まず第一点の雇用調整助成金の件でございますけれども、この雲仙・普賢岳噴火災害に伴います雇罰金の暫定措置の指定期間につきましては、当初平成三年八月一日から九月三十日までの二カ月間を指定していたところでございますが、被災地域の雇用失業情勢、現地の要望等を踏まえまして、その後二カ月ずつ延長いたしまして、現在では五回目の延長措置を講じましてその指定期間は七月三十一日までとなっているところでございます。
 災害が終えんした時点での対応につきましては、終えんの時期が現段階では不透明なため判断に迷う面もございますが、仮に近々に普賢岳の火山活動が鎮静化したといたしましても、雇調金を利用している事業所の事業活動が急に元に復するとは考えられませんので、直ちに指定期間を打ち切ることは適当ではない、このように考えております。いずれにいたしましても、今後とも災害地域の雇用失業情勢あるいは現地の要望等を勘案しつつ、延長措置の適否を検討することといたしたいと考えております。
 二点月の地域雇用開発助成金の指定地域を拡大する考えはないかというお尋ねでございますが、先ほどの雇用調整助成金また雇用開発助成金の適用につきましては、被災者等の雇用の促進あるいは雇用の安定を図るといった観点から、地元と協議しつつ災害救助法適用地域である島原市、深江町に限定せず、噴火災害による経済上の影響が顕著な島原公共職業安定所管内の一市十三町を対象地域としてきたところでございます。
 今後の災害の状況にもよりますが、災害が現状のままで推移する限りにおきましては、長崎県全体あるいは隣接地域である諌早公共職業安定所管内の雇用失業情勢等の現状から見まして、他地域への適用拡大は今のところは予定しなくてもよろしいのではないか、このように考えております。
 以上でございます。
#66
○政府委員(今藤洋海君) 被災農家に対します代替農地の確保なりあっせんの状況でございますが、県の農業振興公社におきまして現時点で約四十四・ヘクタールの農地の確保をしておるところでございますが、あっせんが成立しておりますのはそのうち七・六ヘクタールということでございます。
 県の農業振興公社は、こうした被災農家に対して農地を貸し付けるといった場合、小作料につきまして三分の二の助成をするとか必要な圃場の整備を行う場合に十アール当たり十万円の助成を行うとか、さらには農地を貸す方の農家に対しましても十アール当たり二万円の助成をするといったようなことで円滑に行われるように努めておるところでございます。
 また、県の方で被災農家につきましてのいわゆる意向調査の実施を行っているわけでございますが、現在なお集計分析中であると聞いておりますけれども、多くの農家の方は営農を再開したいということで、それに対しますいろんな助成についての要望が出ておるというように聞いております。そういったことを受けまして、県の方におきましては、基金の事業といたしましてハウスなり畜舎なり、そういった営農施設への助成、さらには農業の共同利用施設の助成、さらには新しい作目に転換していくといったような方に対する技術研修の助成、こういった仕組みを今回創設したというふうに聞いておるところでございます。
 私どもといたしましても、県と十分連絡をとりながら、特に農地の復旧につきましては、先ほど来ございますように砂防事業との調整も踏まえまして、終息後地域全体の農地が立派に復旧できるように今後とも指導、対応してまいりたいと考えております。
#67
○山田俊昭君 私がきょう準備した質問はほとんど先生方がなさって重複するとこみが多々あると思いますけれども、お許しをいただきたいと思います。一、二点だけ質問させていただきます。
 雲仙の災害対策基金として当初三百億の基金があって、その後三百億を追加されまして六百億の基金があると聞いておりますが、この基金の運用の方法、どのように使われでどういう形で管理されているか、お尋ねいたします。
#68
○説明員(鈴木良一君) 基金の運用でございますけれども、おおむね三カ月ごとの定期預金等で運用しているというふうに聞いております。
#69
○山田俊昭君 定期預金に預けているだけですか。具体的に使われている使途なり用途はわかりませんですか。
#70
○説明員(鈴木良一君) 基本的には、基金の使途等につきましては県の方で自主的に判断し決定するということになっておるわけでございますけれども、おおむねこんな方向で使いたいというようなことにつきましては県の方から説明等は受けております。
#71
○山田俊昭君 せっかくある資金、基金がただ定期預金として預金されていて、その使途がなぜかまだ明確にされていないという変な話なんですけれども、将来どういう形でこれを使って崩していくか、あるいは先ほどからいろいろ出ている個人補償等に充てていくとか、そういう具体的な使途なんかは明確になっていないんですか。
#72
○説明員(鈴木良一君) 基金でございますけれども、これは御案内のように運用型の基金でございまして、基金によって生ずる果実をもちまして各種の対策を講じていく、こういう趣旨でございます。
 そういうことから、先ほどちょっと私申し上げましたように、長期的な形で積み立てるということで運用するのではなくて、ある程度短期間に果実が生じるような形で当該年度から具体的な施策が実施できるようにということで、比較的短期の運用をしているわけでございます。
 それから、具体的な資金の使途につきましては、これはかなり各般の分野にわたっておりますけれども、通常の行政でそこまでちょっと踏み込めないというようなところまでさらに一歩踏み込んだような形の施策ということで、中小企業関係の各種の資金の融資に対します利子補給でございますとか、あるいは農林水産業関係あるいは住宅の建設に対する利子補給、そういったような形で、既に平成三年度からさまざまな対策を基金を使って講じているところでございます。
#73
○山田俊昭君 細かなことを聞いていて恐縮ですが、どうも回答が全く私は理解しかねるので重ねて尋ねるんですけれども、去年この基金が設置されて、六百億ができて、金利運用されて、これまでの利子というか果実はどの程度あるんですか、現在この基金の総額は幾らあるのか、お教えいただきたい。
#74
○説明員(鈴木良一君) 手元に具体的な資料を持ち合わせておりませんので正確な金額はちょっと申し上げかねるわけでございますが、基金の総額といたしましては、当初は三百三十億円、ことしの三月末にこれを地元の要望を踏まえまして六百億円に増額いたしておりまして、現在は六百億円ということでございます。当初、実は金利も六%程度を見込んでおったわけでございますけれども、その後金利が低下してきておるというようなことを踏まえまして増額もしたというようなことでございまして、現在ではおおむね五%前後程度で運用しているんではないかというふうに考えております。
#75
○山田俊昭君 これは水かけ論で聞いていてもあれだからこの程度で打ち切りたいと思うんですけれども、要するに、この基金というのは、銀行に預けておいた利息をプールしておいて蓄えておく、あるいはその生まれた果実を利用して何らかのものに使っていこう、こういうことのようなんですが、基金というからには原資は残していかなきゃいけないという絶対的要求があるわけですか、その点だけもう一度重ねてお聞きします。
#76
○説明員(鈴木良一君) 基金には原資も取り崩すタイプの基金と運用した果実だけを使って事業をする基金、二つのタイプがあるわけでございますけれども、今回の長崎の基金につきましては、原資はそのまま残しておいて原資から生ずる果実をもって事業を行うというタイプの基金ということで設定されております。
#77
○山田俊昭君 設置された段階では年利六%ぐらいの金利が生まれる、六百億あれば三十六億の金利が生まれるからそれを何らかの形で運用していこうということだったようですが、その後金利が相当低下しまして、金利だけで当初の設置された基金の運用が十分になされないような状況になっているのではないかということを危惧いたしまして、お尋ねしていたわけであります。
 この点、もっと聞きたいところがたくさんあるんですが、ここで打ち切りまして、次の質問をさせていただきます。
 先ほどから何度か出ていて、よく理解できないところなんですが、ことしの二月、長崎県が砂防基本構想というものを出されたということで、すばらしいこの構想が実現すれば災害予防、災害防止が十分にできるという構想であろうと思うわけでありますけれども、このすばらしい構想の実現の具体的な現在までの進行状況を教えていただきたい。土地買収の問題が単なるまだ青写真程度であるとか、いろいろと部分的な回答はいただいているわけでありますけれども、この構想の現実的な状況を説明していただきたいと思います。
#78
○説明員(高橋哲雄君) お答えさせていただきます。
 去る二月二十二日に長崎県より発表いたしました砂防計画の基本構想でございますが、御存じのように上流のダム群と下流の約二・五キロにわたる導流堤、この二つの部分に分かれております。それで、国道の五十七号から下流部分にあります約千七百メートルの導流堤につきましては、これは立入調査が可能でございますので、先ほども御説明いたしましたように、地元の町内会と個別に立入調査をさせていただくよう申し入れをしております。現在のところ、十六の町内会がございまして、そのうちの十五は立入調査に同意をいただいております。
 用地買収につきましては、施設の計画の調査をいたしまして計画の設計をし、かつその後に用地がどのくらい要るかを確定いたしまして用地買収に取りかかるわけでございます。したがって、地元の調査の御同意をいただいて、御協力をいただいた上で進めてまいりたいと思っております。
 以上でございます。
#79
○山田俊昭君 二つの導流堤、それをつくるということに対しての立入調査は現在なさっている、それから、まず測量だとか実態を把握してから用地買収等に入るとかいうお話のようなんですが、現実に三百世帯の人たちとの用地買収の交渉の具体的な状況、例えば買い上げ価格は幾らだとか立ち退く場合の生活補償だとか、そういうような具体的なビジョンを三百世帯の人たちに提示なされているかどうかをお尋ねしたい。
#80
○説明員(高橋哲雄君) 今お話し申し上げましたように、まず必要な用地がどこまでかといったようなことを測量を行いまして調査する必要があります。それから同時に、必要な用地内の家屋の調査もこれまた必要でございます。
 そういった調査を終えまして初めてその地域の用地の買収価格、これは基準価格を提示するわけでございますが、その作業を現在進めつっあるわけでございまして、今申しましたように、用地を取得する範囲の設定と家屋の調査を含めた用地単価を決定するいろいろな要因の調査を現在進めておるところでございまして、そのことが終わりました後に初めて基準単価というものを提示するわけでございます。
#81
○山田俊昭君 どういうダムをつくるかというためにいろんな意味で測量なり設計図ができ上がらなければならないことは私も十分理解できるわけでありますけれども、この調査は危険区域を含んでいるわけでしょう。そういう状況の中で、今噴火している普賢岳が鎮火しない限り調査は完了しないということと理解してよろしいんでしょうか。そうすると、この事業は、これは構想だけであって鎮火しない限り永久に実現しないのではないか、こう思うわけですけれども、いかがでしょうか。
#82
○説明員(高橋哲雄君) 最初に申し上げましたように、国道五十七号から下流の部分につきましては、全体で二千五百メートルある導流堤のうちの千七百メートルは五十七号から下流にございますが、ここについて現在測量調査を進めておると申し上げました。
 先生おっしゃるように、立ち入りができない警戒区域内の導流堤及び砂防ダムにつきましては、何とか私ども入りたいのでございますけれども、現在のところ立ち入りができません。そこで、それにかわる方法、つまり直接測量に立ち入るんじゃなくて、航空写真を使って測量するとかといったようなことで、立入測量にかえることができるかどうかといったような研究も現在進めております。
#83
○山田俊昭君 いわゆるダム建設が具体化するための調査が終結する時期はいつごろになる予定とされているか、お尋ねいたします。
#84
○説明員(高橋哲雄君) 非常に難しい御質問でございまして、私どもは、立ち入りができないと事業ができないということでございますので、火山活動が鎮静化し次第早急に入りたいと思っております。
#85
○山田俊昭君 いや、工事完了時期を聞いたんじゃなくて、今あなたは、航空写真によって調査は今でもできる、こうおっしゃった。それが現実にできるなら、いわゆる危険区域に入っての実測ではなくて危険でないところから、あるいは航空写真によって計測したり、どういうものをつくるかの必要最小限度の調査はできる、こうおっしゃったから、その調査が終わる時期はいつかと尋ねているわけです。それは決して計算できない質問ではないと思うんですが、いかがでしょうか。
#86
○説明員(高橋哲雄君) 今私が申し上げましたのは、航空写真測量が立入調査にかえられないかを研究しておりますというふうに申し上げました。もしこういうことが可能でしたら直ちに実施はできます。
#87
○山田俊昭君 そうですか。
 その点のところはそこで終わりますが、次に補償問題についてちょっとお尋ねいたします。
 先ほどから諫山先生もお聞かれになったところで重複して恐縮でございますけれども、今回、警戒区域と避難勧告区域の指定をされまして、現在千九百四十六世帯七千六百人が住んでいる土地や家屋を奪われて避難の余儀なきに至っている現実であります。まあ言ってみれば、それは人命救助という大義名分はあるにしろ、強制的に自分の土地から退去させられているという現実であります。そして、今回の普賢岳は、過去恐らく日本の歴史上にも例がないような非常に長期間にわたる指定であるわけであります。しかも、市街地の強制退去であります。危険区域の指定であるわけであります。
 そういう場合、二十一分野九十四項目にわたって緻密な対策をしている、現行法の解釈の中で十分やっていけるんだというお話ではあったんですが、この異例とも言える現状に対して何らかの形で個人補償をする、法改正もしくは特別立法の意思は全くないのかあるのか、お尋ねいたします。
#88
○政府委員(鹿島尚武君) 個人が災害によりまして被害を受けた場合につきましては、自然災害というところに着目をいたしまして、国は公的な支援として災害救助、弔慰金の支給あるいは低利の融資、税の減免などいろいろな施策を講じております。しかも、先生仰せられますとおり、雲仙災害の特殊性にかんがみまして、今般、大変画期的な施策を含んだ二十一分野の施策を講じていることは先ほど御報告を申し上げたとおりでございます。そういった施策の中で、先生からお話がございました区域の設定によります補償の問題であります。
 災害対策基本法六十三条一項に基づきまして、警戒区域の設定によります立入制限につきましては、当該区域の住民その他の方の生命または身体の安全を確保するために住民等の意思にかかわりなく行われる、いわゆる警察規制に当たるわけでございますが、この規制は、災害が発生し、またはまさに発生しようとしている場合において、人の生命、身体に対する危険を防止するため、特に必要があると認める場合に危険な状態の続く間に限って加えられる必要最小限なものでありますし、究極的には住民等自身の利益になる権利の制限でございます。
 したがいまして、これに伴って発生する不利益は受忍すべき範囲のものであって、憲法第二十九条第三項の損失補償をすべき特別の犠牲ではないというふうに考えておりますのでありますから、警戒区域の設定によりまして生じる損失は、いわゆる仰せられますような補償の対象にはなじまないというふうに私ども考えておるところでございます。
#89
○山田俊昭君 時間も来て恐縮でございますけれども、見解の相違で、二十九条三項には当たらない、こうおっしゃるわけだけれども、まさしく個人の財産権の侵害である、私はかように考えるものであります。
 次に、これも先ほどから出ている質問でございますが、いつおさまるかわからない、いつまで続くかわからないこの災害に対して、非常に長期的な展望が必要になってきている。そういう意味で国土庁のこの災害に対する取り組み方を具体的にお尋ねしたいわけでありますが、ただ火山マップをつくってみたり周知徹底をして勧告を与える程度にとどまるだけでいいのか、もっと積極的具体策が必要な状況にあるのではないかと考えるものでありますが、今後の長期的展望を踏まえた具体的な国土庁の対策をお聞かせいただきまして、私の質問を終わります。
#90
○政府委員(鹿島尚武君) 重ね重ねで恐縮でございますけれども、雲仙岳噴火災害に対しましては、政府におきまして非常災害対策本部を設け、被災者等の救済のために政府としてとるべき施策を二十一分野にわたる被災者等救済対策として取りまとめ、今日まで強力にこれを実施してまいっております。平成四年三月には、さらに災害の一層の長期化に伴い雲仙岳噴火災害対策基金を六百億に拡大をいたしましたし、自立に役立ちます特別の食事供与事業も延長をいたしたところでございます。また、六月二日でございますが、第八回の本部会議を開きまして、これらの二十一分野の施策を各省こぞって推進をしていくことを確認いたしたところでもございます。今後とも県、市町ともども一体となりまして強力にこれを進めてまいりたいと存じております。
 ただ、その中で、特に当面出水期を迎えておりますから、緊急措置として土石流対策等の安全対策に万全を期する必要があります。また、恒久的な安全対策といたしまして砂防ダム等の計画を推進することといたしておりますけれども、火山活動の終息を待たずして現在でも実施可能な事業につきましては、関係者の御理解、御協力をちょうだいして早期着手を図り住民の方々の安心を得たいというふうに考えております。その過程で移転対策、住宅対策、雇用の促進など、地域の再建、復興を積極的に進めていく必要があると考えております。
 今後ともこういった視点に立ちまして関係省庁が緊密な連携を図りまして適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
#91
○山田俊昭君 終わります。
#92
○小委員長(初村滝一郎君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#93
○小委員長(初村滝一郎君) 速記を起こしてください。
 この際、小委員長から一言申し上げたいと思います。
 ただいまの質疑を通じて明らかになりましたように、政府におかれてはこれまでにかなりの努力を払っていただいておりますが、多数の地元住民はいまだ不自由な生活を余儀なくされております。政府におかれましては今後とも万全の対策を講じられまするよう要望をいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十分散会
ソース: 国立国会図書館
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