くにさくロゴ
1992/03/06 第123回国会 参議院 参議院会議録情報 第123回国会 災害対策特別委員会 第3号
姉妹サイト
 
1992/03/06 第123回国会 参議院

参議院会議録情報 第123回国会 災害対策特別委員会 第3号

#1
第123回国会 災害対策特別委員会 第3号
平成四年三月六日(金曜日)
   午前九時四十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月五日
    辞任         補欠選任
     青木 薪次君     山田 健一君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         鈴木 和美君
    理 事
                木暮 山人君
                松浦 孝治君
                篠崎 年子君
                常松 克安君
    委 員
                青木 幹雄君
                秋山  肇君
                鈴木 貞敏君
                西田 吉宏君
                初村滝一郎君
                会田 長栄君
                野別 隆俊君
                山田 健一君
                渡辺 四郎君
                林  紀子君
                井上 哲夫君
                勝木 健司君
                今泉 隆雄君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  東家 嘉幸君
   政府委員
       国土庁長官官房
       審議官      佐野 徹治君
       国土庁地方振興
       局長       小島 重喜君
       国土庁防災局長  鹿島 尚武君
       農林水産大臣官
       房審議官     今藤 洋海君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        駒澤 一夫君
   説明員
       防衛庁教育訓練
       局訓練課長    河尻  融君
       防衛庁教育訓練
       局衛生課長    南澤 孝夫君
       文部省高等教育
       局学生課長    井上 明俊君
       厚生省社会局施
       設課長      松本 省藏君
       林野庁指導部造
       林保全課長    村田吉三郎君
       運輸省海上技術
       安全局船員部労
       働基準課長    鈴木  朗君
       海上保安庁警備
       救難部救難課長  赤石 憲二君
       気象庁総務部企
       画課長      山本 孝二君
       郵政省電気通信
       局電気通信事業
       部業務課長    森   清君
       労働大臣官房参
       事官       後藤 光義君
       労働省職業安定
       局業務調整課長  吉免 光顯君
       建設省建設経済
       局調整課長    澤井 英一君
       建設省河川局砂
       防部砂防課長   高橋 哲雄君
       建設省道路局道
       路防災対策室長  大石 久和君
       建設省住宅局民
       間住宅課長    石井 正弘君
       建設省住宅局住
       宅建設課長    中澤 守正君
       消防庁防災課長  古内  晋君
       消防庁災対策町
       指導室長     田上喜左男君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○災害対策樹立に関する調査
 (国土庁長官の災害対策についての基本姿勢に
 関する件)
 (気象観測体制に関する件)
 (雲仙・普賢岳の噴火災害対策に関する件)
 (南関東地域の震災対策に関する件)
 (洋上救助活動に関する件)
 (国際防災の十年に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(鈴木和美君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨五日、青木薪次君が委員を辞任され、その補欠として山田健一君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(鈴木和美君) 災害対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○会田長栄君 会田であります。
 国土庁長官がおくれるというお話でございましたので、事前に災害対策の基本的な考え方についてお尋ねする予定でありましたけれども、防衛庁にまず関係するところからお聞きをいたしまして、気象庁にその次にお尋ねして、そこで長官が来るであろうという予定でございました。そのとおりさせていただきますめで、どうぞよろしくお願いいたします。
 実は三月二日の午後二時一分ごろ、自衛隊の偵察機が福島県の平田村の上空におきまして墜落事故を起こしました。殉職された自衛隊員には心からお悔やみを申し上げながらも、幸いにも人災に至らないまま今日来ているところでありますから、その点について、これは大変な現状の中での事故でありますので、防衛庁の方から中間報告的に今日までのものをお聞かせ願いたいというのが第一であります。
#5
○説明員(河尻融君) お答え申し上げます。
 去る三月二日、福島県石川郡平田村に航空自衛隊偵察航空機RF4E型機が墜落いたしまして、地元の方々に御被害を与えましたことはまことに申しわけないことであると考えております。自衛隊の訓練におきましては安全確保に常に細心の注意を払ってきたところでございますが、このような事故を起こし、委員を初め関係者の方々に御心配、御心痛をおかけ申しておりますことはまことに申しわけなく考えております。
 現在判明しておる状況でございますが、発生日時は、先ほど先生の方から御指摘ございましたように三月二日、月曜日、十四時ごろ、発生場所は福島県石川郡平田村、当日の天候は晴れ、視程十キロメートル以上でございました。事故機はRF4E型機、百里の偵察航空隊に所属しておるものでございます。搭乗員は二名でございました。
 事故発生時の状況でございますが、事故機は、航法訓練のため十三時四十二分ごろ百里基地を離陸いたしまして、十三時五十五分ごろレーダーから航跡が消失するとともに交信が途絶えまして、その後福島県石川郡平田村の水田に墜落したものでございます。搭乗員二名は死亡いたしました。
 現在私どもの方で把握しております民間の方々の被害状況でございますが、まず、事故現場の水田あるいは国道付近に機体が散乱いたしております。小屋一棟全焼、電柱三本折損、停電等、これは約百七十九戸というふうに考えております。
 事故後の措置でございますけれども、航空幕僚長から航空機保有部隊の長に対してまして、F4型機の飛行特性、飛行性能等の再教育あるいは緊急事態脱出要領の再教育、あるいは燃料系統、操縦系統、エンジン系統といいました事故につながる可能性のある分野の特別点検を実施しておるところでございます。
 以上でございます。
#6
○会田長栄君 これと関連をいたしまして、五点お尋ね申し上げます。
 その一つは、RF4型偵察機の墜落事故につきまして原因究明を早急に行いまして公表すべきだ、こう思いますが、いかがなものですか。
#7
○説明員(河尻融君) 本件事故につきましては、事故発生後直ちに航空自衛隊事故調査委員会が調査を開始いたしまして、一昨日より機体等の回収あるいは目撃者の方々の証言を収集する等、現在、鋭意事故調査中でございまして、防衛庁といたしましては原因究明に全力を上げる所存でございます。
 本件事故につきましては、できるだけ早く調査を進めまして調査結果を発表してまいりたいと考えております。
#8
○会田長栄君 二つ目は、限られた時間でありますからその中間を省略いたしまして、事故現場というのは低空訓練空域というものに入っているんですか入っていないんですか、そこをお尋ねいたします。
#9
○説明員(河尻融君) 事故機が実施しておりました訓練は有視界飛行方式によりましてあらかじめ定められました数個の地点を経由いたしまして偵察を実施しながら飛行する航法訓練でございますので、このような飛行は、お尋ねございました訓練試験空域ではございませんで、航空路における計器飛行方式による最低安全高度等より千フィート低い空域におきまして実施することができることとなっておりまして、さらに、RF4型機が行います陸上における航法訓練におきましては、陸上から千フィート以上の高度で飛行するとともに人家密集地等を避けて飛行するようにしておるところでございます。
#10
○会田長栄君 これは防衛庁も御承知だと思いますけれども、あの地域というのは実はヘリコプターの墜落あり、米軍偵察機の墜落事故あり、まことに事故の多い地域なんですね。低空航空訓練空域でないにもかかわらず、目撃者の話によると超低空と言っていますね。こういう訓練というのは実はこのごろ頻繁に福島県内で行われているんですね。
 とりわけ私どもが注目しているのは、何といっても福島県は、浜通りは日本有数の原子力発電基地でありましょう。同時に、平成五年三月にあの地域に福島空港というのが開港されるんですよ。したがって、ここでの超低空訓練などというのは決して好ましいものではない。にもかかわらずこういう訓練をあの地域で行うということについて、これはとりわけ福島県民にとりまして、このごろ注目をすると同時に危険視をしていたところなんですね。だから、県議会でもあるいは県内の市町村自治体の議会でも、低空訓練空域に入っていないのになぜここでの訓練というのは頻繁に起きるのかという意見が数多く出ていたことも事実であります。
 そういう意味では、空域でない、ましてや事故多発地帯とまで言われている地域にあってのこの種の問題というのは決しておろそかにできないと思うから、この問題を災害対策特別委員会の中でまず第一番に防衛庁にお尋ねしているわけです。
 それから、もう一つ心配しているのは、なぜパイロットが脱出できなかったのか。これは素朴な疑問です。もちろん超低空から脱出するなどということは不可能に近いから、これは、低空訓練の中でのパイロットの脱出というものがどうあるべきなのか、安全性とのかかわりで非常に注目しているところであります。その点についてひとつ考え方を聞かせてください。
#11
○説明員(河尻融君) 事故機のパイロットは飛行時間約四千四百時間という大変なベテランパイロットでございましたし、また当日の気象状態も大変良好でございました。さらに、RF4型機につきましてはこれまで墜落事故が発生していないというようなことから、なぜこのような事故が発生したのか、あるいは先生御指摘のように、なぜパイロットが脱出できなかったのかということを含めまして、現在、機体の回収、分析、あるいは目撃者の方々の証言の収集等、原因究明に全力を挙げておるところでございます。
#12
○会田長栄君 次に、事故による被害というのは、私も中間報告を自治体から受けておりますけれども、幸いにも人災がなかった。しかし、国道にワンバウンドして水田に墜落をしたということでありますから、これが万が一朝夕だったら大変な事態になっていたであろうということを想像すると、ぞっとする事故でございます。そういう意味から、この事故による被害者に対する補償というものについてどういう考え方をお持ちなのか、お尋ねいたします。
#13
○説明員(河尻融君) 今回のRF4Eの墜落事故によりまして被害を受けもれた方々に対しましては、私ども心から申しわけなく存じておるところでございまして、現在、被害の状況につきまして調査を行っているところでございますけれども、防衛庁といたしましては最大限の誠意を持ちまして誠心誠意これに対処してまいりたいと考えておるところでございますので、何とぞ御理解を賜りたいと存じます。
#14
○会田長栄君 これは当然、誠心誠意を持って補償していくように当たりたいという気持ちはわかりますし、そうやってほしいと私も思いますが、いわゆる民家の物置、電柱、国道、水田、この水田に至っては約七千平方メートルは作付不能だという状況が今報告されておりますから、その点については万全の態勢でやってほしいとお願いしておきます。
 それから、この補償をする際に、一体、窓口というのはどこなんですか。
#15
○説明員(河尻融君) お答え申し上げます。
 今回の事故の場合、墜落いたしましたRF4E型機が所属いたします百里基地の賠償担当官が直接被害に遭われた方々と交渉させていただくということになっております。
#16
○会田長栄君 そうすると、直接被害、被災をこうむった人たちと防衛庁のどなたが当たるんですか。
#17
○説明員(河尻融君) 百里基地に賠償担当者がおりますので、この者が直接被害に遭われた方々と交渉させていただくというふうに考えております。
#18
○会田長栄君 そうすると、電柱などといえば東北電力、NTT、あるいは個人の山林であれば個人、水田は耕作者、当然こういう方々とやっていくことになる。
 市町村、自治体、いわゆる村の自治体というのは何らこれに関与しない、こういうことになりますか。
#19
○説明員(河尻融君) お答えを申し上げます。
 交渉につきましては、先ほど来お答え申し上げておりますように、百里基地等の賠償担当者が直接被害に遭われた方々と交渉させていただきたいと考えておりますけれども、その際、市町村の方々がそれに立ち会っていただくといったことは当然構わないということでございます。
#20
○会田長栄君 その意味では、当然、パイロットの方にも家族があるわけでありますし、遺族もあるわけでありますから、そういう補償は規定にのっとって当然やるのでありましょうが、その点をお願いしておきます。
 もう一つは、何といっても不安を与えているのは、超低空の訓練空域でないにもかかわらずこれが行われているというところに一番心配が集約されているわけでありますから、当然、この型と同じ偵察機は今もう訓練中止しているんでしょう。それはどうですか。
#21
○説明員(河尻融君) 現在、RF4E型機につきましては飛行を停止いたしております。
#22
○会田長栄君 先ほど申し上げたとおり、あの地域の航空機類の事故多発、同時に空港の開港、そして山を一つ越せばいわゆる原子力発電所の国内有数の基地、こういう地域でありますから、ぜひ防衛庁の中で、超低空あるいは低空訓練、通過の問題について中止するように検討したらいかがなものでしょうかということを申し上げ、ひとつ今後県民に不安を与えないようにぜひ防衛庁は積極的に誠意を持ってこの問題に対応してほしいということを申し上げて、この件については終わります。
 次に、災害対策基本法の目的、定義に「災害を未然に防止しこ云々と、こう明記されておりますね。防災、災害、これを未然にどのように一体防ぐかということが基本法の中にも明示されている。その意味では、気象庁の果たすべき役割というのは実に大きいと私は思いますから、気象庁の問題について若干お尋ねしたいと思います。
 その第一は、もう一度、気象庁の果たす役割と任務ということについて基本的な考え方を端的に聞かせてほしい。
#23
○説明員(山本孝二君) お答えいたします。
 気象庁は、気象業務の健全な発達を図りまして、その結果といたしまして、災害の予防、交通の安全の確保、産業の興隆等、公共の福祉の増進に寄与するとともに、気象の世界でございますので気象業務に関する国際協力を行うことが必要でございます。気象、海洋、地震、火山現象、いろんな問題に対する観測、あるいは気象とか津波等の予報及び災害にとって大事な警報の発表等を行うことが主要な任務でございまして、私どもといたしましては、今後ともこれらの任務を的確に遂行していきたいという考えでございます。
#24
○会田長栄君 そういう重要な任務を的確に推進するというお答えをいただきましたけれども、実は気象庁の予算というのは、その言葉の割合には、平成三年度予算でいえば六百七億円でしょう。防災を第一の任務にして災害を未然に防ぐという重要な役割を果たしているという割合には、この規模はまことに小さ過ぎるんではないかということなんですよ。
 そういう意味からいうと、長崎の雲仙・普賢岳の災害の問題も出てまいりますけれども、気象庁にはヘリコプター一台ないんだそうですね。常にそういう災害が生じたらヘリコプターを委託して実は観測をするというようになっているんだそうですね。その点についてどう思いますか。
#25
○説明員(山本孝二君) お答えいたします。
 先生が御指摘のとおり、火山観測等に当たりましては、状況に応じまして関係機関より航空機による観測の協力、便宜を得ておりまして、現在、私どもとして、可能な場合には気象庁職員が同乗することもございますし、したがいまして気象庁において航空機を保有することは考えていないということでございます。
#26
○会田長栄君 いや、考えていないのは、それは平成四年度予算の中に盛り込まれていないからわかります。
 私が次に聞きたいのは、それほど重要な役割と任務を持っている気象庁が、臨調行革の答申以来、地方の気象庁の役割であるところのいろんな観測所が実は廃止されたり縮小されたりということが進行しておりますね。その一つの例を言えば、気象庁の定員問題というのは第一次から第七次まで一体どのくらい減っているか。第八次でもまた定員が減るわけでありますから、当然、そういう観測という重要な任務を持ちながらも、地方にある気象通報所、測候所、そういったものを縮小せざるを得ないという現実でしょう。この点についてどう考えますか。
#27
○説明員(山本孝二君) お答えいたします。
 近年、気象衛星、気象レーダー、アメダス、あるいはスーパーコンピューターを中心とします気象情報処理システム、それから地震関係ですと計測震度計等の整備が行われておりまして、近代化の進展によりまして私どもとしては観測監視予報体制については充実強化してきていると考えておるわけでございます。また、その新しい業務につきましては必要に応じた要員も確保してございまして、このため現行の定員で私どもの行う業務が支障なく運用できているのではないかと考えているところでございます。
#28
○会田長栄君 それでは、これと関連をして次の問題を聞きますけれども、私は、災害を未然に防止するというのであれば、とりわけ、国内はもちろんのこと、北東アジアも含めて、日本が今日果たすべき役割というのは非常に大きくなってきているわけでありますから、この分野における気象庁の積極的な役割というのを期待している一人なんです。ところが、そういう期待される情勢にあるにもかかわらず年々縮小されているということについて、非常に危惧をしているんです。
 今度は、具体的にお尋ねいたします。
 測候所の夜間無人化について、午前八時半から午後五時まで観測して、後は夜は無人化している。地勢や気象条件やあるいはその実態というものを全く無視して全部統廃合していくという考え方について、一体どうこれに対応していったらいいのかということについては非常に心配しているんです。
 福島県の白河とか北海道の広尾とか。小樽、山形県の新庄、静岡県の三島、三重県の四日市、この全国六カ所の測候所が平成四年四月から新たに夜間無人化が実施されようとしておるんでしょう。
 気象観測の近代化が図られるから測候所を縮小してもいいんだということでありますが、この夜間無人化の問題について、昭和五十六年の十四測候所以来昨年の五つの測候所と合わせて、全国九十九の測候所のうち二十五の測候所において夜間の無人化が実施されている現状なんですね。勤務体制も四人から三人、それも所長を含めて三人、こういうふうになっているわけですね。これは防災上、あるいは農業気象、産業気象、交通気象の観測の面で決していい状況ではない、私はこう思っているんですよ。なぜ夜間無人化するのか、実は私は不思議でならないんです。
 例えば福島県の白河測候所で言いましょう。
 御承知のとおり、国土庁長官が常に言っているとおり、東京の一極集中を排除して均衡ある国土発展を目指さなければいけない、こうやっているでしょう。そういうことの一つの効果として、福島県の県内地域に非常に近代化された工場が次々と誘致されつつあるんですね。ところが、この白河というのは夕方六時から七時にかけて雷が大変発生するところなんです。そのときに、これ、無人化です。機械がやってくれるからいいだろうというような見方なんですね。機械万能主義といって、これほど危険なことはないと私は見ているんですよ。したがって、その工場が電子工業を中心といたしまして雷の被害があった場合に、その証明書を発行することすら今度は容易でなくなるという現実が出てくるんですよ。
 こういう地域の特徴を押さえたときには、私はそんなに機械的にやるべきではないと思う。ましてあなた、来年の三月には福島空港が開設をするというんです。ましてや県内には、活火山、那須火山が近い、吾妻山がある、磐梯があるというように、活火山も息づいている。こういう状況の中で測候所を近代化という名によって縮小させていくということについて、私は危機感を持っている一人であります。
 したがって、未然に防止するという大目標と定義がありながら、現実にはそういう方向に向かっていないんじゃないか。逆ではないのか。災害が生ずれば手当てをするのは当たり前。この災害復旧のためにどのぐらい金を使っているかといったら、未然に防止する方に今こそ私どもの力を結集しなきゃならないんじゃないかと思うから、この点についてお尋ねしているんです。ひとつ所見を聞かせてください。
#29
○説明員(山本孝二君) 先ほどもお答えしたわけでございますが、気象庁では、各種の近代化によりまして、特にスーパーコンピューターの導入等によります気象予測技術の進歩だとか地震計のテレメーターの整備だとか、そういうことによりまして観測監視体制については従来よりも格段に進んできているものと考えているわけでございます。また、地方気象台を中心としますところでこれらの情報を豊富に持ってございまして、的確な観測監視という観点で、測候所の従来の基本的な役割でございます観測、通報についても自動化を図るということで、測候所の業務の一部はこういう環境の整ったところにおいては変更してもいいんではないか。ただ、先生御指摘のように、台風等のような重大な災害が予測されるようなとき、これらにおいては夜間においても臨時に職員を配置して的確に対応していきたい。
 このような総合的な観点から、防災上の意味でいえば観測体制等に特段の問題はないのではないかと私どもは考えているわけでございます。
#30
○会田長栄君 じゃ、一つ具体的に挙げます。
 昨年、十九号台風が東北を襲いましたね。そのときにリンゴが落下して大変皆さんにお世話になりました地方ですが、その前年に青森県のむつの測候所を無人化していったでしょう。あのときの台風、これは風速六十メートルに近かったんではないのか。ところが、むつ測候所の観測器は壊れましたね。そのときに共済制度で、測候所からその測候値の証明書が出なければ共済組合において共済を適用しないという事件が一つ出たでしょう。この点はどう処理されていますか。
#31
○説明員(山本孝二君) 昨年の十九号台風のときには、私どもの測候所における観測資料、これは自動通報をしているところも含めまして影響がなかったかと思いますが、その前年の先生御指摘のむつの問題については、私ちょっと今資料かございませんので、後ほど調べて御回答させていただきたいと思います。
#32
○会田長栄君 これは次の機会に農水省にお尋ねしますが、そういう矛盾が出ているんです。処理されないまま泣いているんです。それで社会問題化したんです。
 福島県というのは四国の広さに匹敵する。ましてやその地勢、気候は全く違うんです。会津、奥羽山脈と阿武隈山系の中間の中通りの県北地方と県南地方の気象条件は全く違う。そして浜通りです。那須火山、活火山を配置してのあの地方の中にあって測候所を夜間勤務体制にするというのは、災害を未然に防止するという観点からいって、私はこれはしゃくし定規でないかと見ている。そんな特徴や情勢というものを真に分析した上でやっているものかどうかということについて非常に疑問を持つものだから、この測候所の夜間無人化という問題について気象庁は再考する時期が来ているんじゃないかと思って質問しているんです。
 最後に、近代化された機械を装備すれば夜間は無人化していってもいわゆる自然災害の多い我が国でも未然に防止する体制というのは万全にできるという自信のもとにやっているのかどうか、その所見をひとつ承って、この問題については終わりにします。
#33
○説明員(山本孝二君) 特に気象予報、警報、これらは数値予報と、かレーダーとかアメダスだとか、そういう資料を活用して作成されるものでございまして、十分な資料を活用する地方気象台、県単位でございますが、こういうところで県全体に対する予報、警報の発表ができ得る体制になってきているわけでございます。また、その基本的な観測データについても、自動観測システムの導入等によりまして地方気象台等で十分把握できるような体制になってきているわけでございます。
 こういう環境を勘案しつつ、地域の対応が可能なところから我々としては現在考えております。務の変更については進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#34
○会田長栄君 これはひとつ運輸省関係のときに改めて考え方を提起して皆さんと一緒に考えていきたい、こう思っておりますが、結論から申し上げまして、私は、気象庁の役割と任務からいって、こういう画一的なやり方、あるいは一方で気象庁のそれぞれの地方の災害を未然に防止する観測という重要な役割を近代化という言葉だけでこれに対処していくという考え方は私は賛成しないので、ぜひ別な機会にも改めてこの問題について提起をしていきたい、こう思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 では次に、災害行政の問題についてお尋ねいたします。
 我が国は昨年以来特異にして大規模な災害に見舞われており、今なお多くの国民が苦難と試練にさらされている現状に実はあります。その一つは長崎の雲仙・普賢岳の長期にわたる火山活動による災害でありますし、二つ目は全国に及んだ台風十九号等による森林、果実の災害問題であります。いずれも、個々の施設の被災にとどまらず、地域と生活にとりまして大変な災害でありまして、この克服には行政の力によるところが大きいということを承知しているわけであります。
 国土庁長官は所信の中で、こうした災害から国土を保全し国民の生命と財産を守ることは国の重要な責務だと述べられました。特に雲仙岳噴火災害については、被災者救済対策を引き続き強力に推進し対策に万全を期す所存だと申されました。そこで、国土庁長官の所信等を踏まえて、災害行政の基本に関する以下の点について質問をいたします。
 その一つは、雲仙・普賢岳の火山噴火は一年以上にわたっているでしょう。そして、今あの地方は土石流その他を含めまして無残にも大変な状況を呈しているわけでしょう。そういう中にあって、宮澤内閣の災害担当の国土庁長官としての災害行政に臨む決意と基本姿勢について初めにお伺いしておきたい、こう思います。
#35
○国務大臣(東家嘉幸君) 我が国は台風、それから豪雨、地震、火山、あらゆる面から災害が非常に多発する国であるという認識のもとに、今後の国民の生命、財産をどう守っていくかということが基本的な責務であろうというふうに考えております。
 そのためには、やはり防災に関するあらゆる、今御質問の中にございました科学的な面からの研究も、なおまた災害の予防、このことについてもいろんな角度から私も勉強さしていただいておる今日でございますけれども、まだまだその点に不足の点が多分にあるということを痛感いたしておりますし、そうした国土保全事業、また応急対策、復旧事業の問題は、いろんな角度から、私ども、国民の防災意識と合わせでこれから災害対策の推進には限りを尽くして進めてまいりたいと思っております。
 また、ただいまお尋ねの雲仙の問題、これは私も対岸の住民でございますから、帰れば、またきょうも噴いているな、御苦労かけているなという思いをしながら、また二度にわたってつぶさに現地の仮設住宅の皆さんの大変な御苦労を肌で感じ、まず当面の生活対策、そしてまた今後の復旧、復興には私たち全力を尽くしていかねばならないということはもちろん痛感いたしているわけでございます。
 今日までいろんなことを二十一分野九十項目でこうこうやったというようなことももう十分皆さん方も御案内のとおりでございますけれども、まず今当面、仮設住宅だけでいつまでもしのぐことができるのか、その住宅対策、それから、民生の安定もさることながら農林漁業の関係の応急対策も必要であろうというふうに考えております。
 あれこれ申し上げましたが、とにかくいろんな角度から、私も知事さん初め関係者の皆さんに、早くこの復旧・復興対策をどうやるのか、なおまた食事供与の問題等についても、それはいろんな大蔵の意見もありますが、しかし、今申し上げるような政治家としての立場からももう少し私たちは突っ込んで、本当に苦労している皆さんの立場になって取り組んでいかねばならない、だから早くそういう具体的なそれぞれの案をひとつお出しくださいということを、かねがねもうくどいように申し上げている今日でございます。
 その地元の皆さん、特にまた国会議員さんはそれぞれ地域から選ばれた皆さん方でございますから、どうか意見を集約して、そして私たちにかくあるべきということをひとつお示しいただくと私たちももっともっとやりやすいという点もあることも御承知願いたいと思いますし、精いっぱい今後とも取り組んでまいります。
#36
○会田長栄君 私なんかが感ずるのには、雲仙の実情を見てみますと、今日の基本法の枠内ではもう限界がきているのではないかとさえ感じます。そういう意味では、当然、特別立法の動きなどが出てきてよかろうと思うんですが、そういう点についての認識、現状を簡潔にお聞かせください。
#37
○政府委員(鹿島尚武君) 雲仙の噴火災害対策につきましては、ただいま大臣から申し上げましたが、政府におきましては、非常災害対策本部を設けまして、その災害の特殊性にかんがみ、被災者等救済のため政府としてとるべき施策につきまして、地元地方公共団体等の要望を聞いて一つ一つあらゆる角度から検討をいたしまして、既に住宅、民生、農林漁業、中小企業、雇用、地域振興など二十一の分野、九十項目にわたります救済対策を決定して、地元公共団体ともども力を合わせましてこれを強力に進めておるところでございます。
 この中に、前例のない措置というふうに申し上げてございますけれども、食事の供与事業、あるいはまた生活安定資金の貸し付けの事業、それからまた県が設置をします基金に対する地方財政措置等を含めました画期的な制度もこの際設けさせていただいたわけでございます。これらによりまして、新規立法を行うまでもなく予測し得る事態への必要な対策は講じられているというふうに私ども理解をいたしておるところでございます。
 ただ、これから先この地域にとりまして重要となります防災、振興、活性化の対策につきましては、国も県と一緒になりまして調査検討をただいま進めておるところでございます。
#38
○会田長栄君 次に、九州管区行政監察局が総務庁の会議で、雲仙災害に関する行政の問題点と課題を報告したと報じられております。
 主な課題としては、一つ、被災自治体の財政負担を軽減するための国の支援強化、二つ目、災害対策基本法の見直しの必要性、三つ目、大規模災害に備えた応援組織の検討、四つ目、災害に伴う個人的損失補償の検討、などが述べられております。
 そこでお尋ねいたしますが、総務庁よりこの行政監察報告の要点と問題点についてどのように指摘されているか、その大要を御説明願いたい、こう思います。特に災害対策基本法の見直し部分はどのような点を想定してこの報告はなされているのか、お聞かせ願いたい。
#39
○政府委員(鹿島尚武君) 御指摘の報告は、総務庁の方から私どもに特にお話をいただいた事実はございません。報道によりまして私ども総務庁に確認をいたしましたところ、九州管区局長が管内の状況を報告する総務庁の部内の会議におきまして現地にそういう声があるということを報告されたものだということを総務庁から承っております。総務庁としては、序としての意見を表明したものではないというようなことでございました。
 したがいまして、その内容でございますけれども、この報告をなされた九州管区局長がどういうことをお考えなのか私ども定かでありませんが、新聞の報道等によれば、警戒区域の設定あるいは規制を行うのを、今、市町村長の仕事とされておりますが、これは荷が重過ぎやしないかというようなことが報道の中には書かれておるわけでございます。
#40
○会田長栄君 そうすると、九州管区行政監察局が幾多の現状と問題点についてみずから地域の中で収集し総務庁の会議で報告した内容というものが、総務庁内部で押えられていて、実は国土庁にそれを率直に伝えていない、こういうことですね。それでは今度は、総務庁が関係するときにこの問題を私は述べます。
 今日、長崎の雲仙・普賢岳問題について、地元がどれほど苦労しているか。自治体からボランティアまで含めまして、大変な努力でしょう。その中から、今、災害時における政府のあり方、あるいは立法府のあり方、あるいは地方自治体のあり方が実は問われているときでしょう。それが、現地の行政監察局からそのような真剣な問題が報告されているにもかかわらず、これを国土庁にも報告しない、あるいはそれぐらいでありますから建設省にも報告しないということなんでありましょう。私はそれは総務庁の怠慢だと言わざるを得ないんですよ。これはぜひ別な機会に総務庁にただしていきたい、こう思っております。
 岩ようはそれ以上粘りませんけれども、どうぞその点、国土庁長官といたしましても、こういうことが現実に、特別立法の見直しまでしていかなければあの地帯の住民に安定した生活と安心はもたらされないであろうというところまできているわけでありますから、やっぱり国土庁としてもどうぞ積極的に私は聞き出してほしい、そしてここで報告してほしい、こう思うんですよ。
 長官、今のやりとりを聞いていて、どう思いますか。
#41
○国務大臣(東家嘉幸君) 私どもは今日まで現行法の中で最大限の取り組みをいたしたわけでございます。現行法の中でやり得るのかどうかということは現地の行政の皆さん初め関係者と随分と話し合いをしてきたわけでございまして、対応できるという見解のもとに今その作業を進めているわけでございます。このことについて、今、総務庁の話が出ましたが、やはりそれぞれの意見を、先ほども私申し上げましたが、早く集約してください、早く実施に移せるようにしてください、我々が対応できるようにしてくださいということを申し上げました。いろんな意見があることも承知いたしております。そういうことで、一つの意見としてその会議の中に出てきたものだと私は思っております。
#42
○会田長栄君 これはぜひ、先ほど、申し上げたとおり、関係の省庁に対してこの問題を私はもっと真剣に我々も追求していかなきゃいけないと、こう思っているんです。単なる総務庁の行政監察局の関係者の会議で出た問題で終止符を打たせてはならないと私は思っているんですよ。
 例えば、災害時における体制問題について、御承知だと思いますけれども、東京大学の新聞研究所の廣井助教授が中心になってアンケート調査をやっておりますが、この内容は御承知でしょうか。
#43
○政府委員(鹿島尚武君) ただいま手元に持ち合わせなくて恐縮でありますが、そういう事実があったことは報道を通じて承知いたしております。
#44
○会田長栄君 これを読ませてもらうと、実は避難住民の約六割が国に対して「期待外れ」、まことに厳しい評価をしているんですね。それほど今日あの地帯の状況というのは大変な環境の中に追いやられている。「よくやった」というのは三%しかない。地元消防団、島原市役所、深江町役場、火山研究学者、測候所員、特にボランティアの人たちが非常に評価が高いんですよ。災害対策、災害復旧は地方公共団体の所掌との意識が余りにも政府は強過ぎるんではないだろうかという指摘さえしているんです。そういう意味からいうと、災害時における体制というものはもっと積極的に国、政府が前に出て一日も早く安定して安心した生活ができるように取り戻すべきではないんだろうかという評論さえされているんですが、最後にその点についての見解などをお尋ねして、私の質問を終わります。
#45
○政府委員(鹿島尚武君) 廣井助教授の調査でございますが、これは昨年八月二十三日でございまして、私ども、前例のない措置といたしまして二十一分野九十項目の中に食事の供与事業、無利子の貸付事業、県が設置する基金に対する支援措置、こういった措置を追加する前の調査のように聞き及んでおります。
 二十一分野九十項目は総合的に画期的に講じたものでございますので、その後私どもも、地元におかれましてこういった措置を被災した地方の方々皆さんが理解をしていただきましてフルに御利用いただけたらということで、周知の措置を講じてまいっております。まだまだ足らない部分もあろうかと思いますが、そういったことをいろいろ御理解をいただいて、今後進めさせていただきたいというふうに考えております。
#46
○会田長栄君 終わります。
#47
○篠崎年子君 ちょうど私の番になりまして国土庁長官が退席されましたので、大変残念でございますが、基本的なことにつきましてはただいま会田委員の方からお話ありまして、大体国土庁長官のお考えもわかりましたが、また別の機会に改めてお尋ねをいたしたいと思います。
 私は地元に住んでおりますので、特に地元の立場として、小さなことになりますけれども、お尋ねをいたしたいと思うわけでございます。
 二月の二十九日に長崎県地方には突風を伴った春一番が吹きまして、瞬間的にではありましたけれども、かなり強い雨が降りました。そういうふうに雨が降りますと、長崎県民は一斉に、普賢岳は大丈夫だろうか、土石流はどうだろうかという心配をいたしております。朝起きてみましたら、案の定、テレビのニュースで、土石流が発生をして二百五十一号線がとまっている、それから島原鉄道が土砂で埋まったという報道がなされておりました。このように、わずかの雨でも土石流が起こりやすい状況でございます。
 先ほど会田委員の質問の中にも、気象庁の観測はどうなっているんだ、夜間体制が十分でないではないかということがありました。私もそのとき、初めのニュースでは十七ミリの雨で土石流が起こったというふうに承知をいたしておりましたが、そうしたらその後に、何ですか、無人観測の機械を見ましたら瞬間的にその前に五十ミリの雨が降ったということで、こういうことではやはり住民に対して十分な防災体制ができないのではないだろうかという思いを強くしているところでございます。
 実は昨日、島原の方からお手紙をいただきまして、その中にこういうふうなことが書いてあります。
 避難生活力ケ月、不自由な生活に悩む五千人余
 の人々、連日の火砕流におびえる島原市民、深
 江町民、僅かの雨量に別紙の通りの災害、今後
 雨の降る度毎に、土石流におびえねばならない
 ことを考えます時、まことに憂慮に堪えませ
 ん。長崎県当局も一生懸命でございますが、一
 刻も早く土石流対策を実現して頃かねばと、市
 民一同切望しております。深江町の方々と共に
 祈っております。
 国も一生懸命してくださっていることはわかっておりますけれども、こういうお手紙をいただいているわけでございます。
 このことから考えますと、この土石流の対策というのはやはり一日も急がなければならないと思うわけです。国と県が一緒になりましてスーパー砂防ダムの建設計画という構想が始まっているようでございますけれども、これも噴火がおさまらなければ取りかかることもできないし、また取りかかった後も一年や二年ででき上がるものではない。こう考えますときに、今現在の住民に対する防災対策をどうしなければならないかということはもう焦眉の急だと思うわけでございます。この点につきまして国としてはどのようにお考えになっていらっしゃるか、これは長官にお尋ねしたかったんですけれども、防災局長の方から御答弁いただけたらと思うわけでございます。
#48
○説明員(高橋哲雄君) 土石流に対する緊急対策についてお答えを申し上げます。
 水無川流域は、現在、国道五十七号線から下流が避難勧告区域に設定されましたのに伴いまして、当区域内の作業が可能となりました。このため、当区域内の土石流の流下の可能性の高いところにおきまして、下流の人家、道路、鉄道等の被害を軽減するために有効な対策といたしまして遊砂地を緊急に設置すべく検討しているところでございます。
#49
○篠崎年子君 今、遊砂地をつくるというお話で、それに伴って導流堤の計画もあるかと聞いておりますけれども、その遊砂地をつくられるのはいつごろから取りかかられるのでしょうか。そして、そのことによってどのくらいの雨に耐えられるというふうにお考えになっていらっしゃるのでしょうか。
#50
○説明員(高橋哲雄君) 遊砂地は、現在、国道五十七号線から下流に二カ所設置することを計画いたしております。約十万立方メートル程度の貯砂容量を有しておるものと考えております。
 また、雨量の状況と土砂の排出量というのはちょっと私どもも予測がつきません。
 以上でございます。
#51
○篠崎年子君 では次に、交通路の確保の件でお尋ねしたいと思います。
 それだけの雨でもすぐ道路が通行不能になります。今度の場合は量が少なかったので数時間で開通したわけでございますけれども、今後、迂回路あるいはそれにかわる代替の道路というものが必要になってくるんじゃないかと思いますが、この点についてはどのような御計画がおありでしょうか。
#52
○説明員(大石久和君) 御説明申し上げます。
 御指摘のとおり、道路は生活に必要な物資の輸送や通勤、通学など、日常の生活や経済活動を支える最も根幹的な施設でございまして、安心して地域で生活を送っていただくためには安全な道路交通を確保することが極めて重要であると考えております。
 雲仙・普賢岳噴火災害に伴いまして、有明海まで達する土石流は御指摘のとおり二回発生いたしておりまして、いずれも、一般国道二百五十一号など島原市と深江町間を連絡する道路に土砂が堆積し、道路の通行ができない状態となったわけでございます。
 つい先日の平成四年三月一日におきましては、午前一時三十分ごろ発生いたしました土石流に対しまして直ちに通行規制を行うとともに、午前七時三十分から復旧作業に取りかかり、午前八時には迂回路を確保し、正午に二百五十一号の通行規制を解除したところでございます。
 このような土石流の発生に対しまして、道路交通の安全確保を図る観点から、一般国道二百五十一号の道路管理者である長崎県におきましては、二十四時間いつでも出動できる体制を整え、土石流の発生に対しては直ちに通行規制を行うとともに、安全を確認の上早急に排土作業などの復旧作業が……
#53
○委員長(鈴木和美君) 簡単にお願いします。
#54
○篠崎年子君 済みません、時間がありませんので簡単に。迂回路のことについて今お尋ねしているんですけれども。
#55
○説明員(大石久和君) わかりました。
 復旧作業を行えるようにいたしておるところでございますが、あわせまして、島原市と深江町間の全面通行規制に対処するための主要地方道国見雲仙線の迂回路の確保等の事業を平成三年九月から実施して早急に完成させるために、現在、事業を推進しておるところでございます。
#56
○篠崎年子君 今の迂回路につきましてはできるだけ早く完成できるように、特に危険箇所が数カ所あるかと思いますので、その点について十分お気をつけて仕事をしていただきたいと思うわけでございます。
 次に、仮設住宅についてお尋ねをしたいと思います。
 私は、先般、二月の初めに仮設住宅の方々のところに参りまして、実際にそのお家に上がらせていただきました。皆さん、仮設住宅に入って本当に一息ついた、こういうふうにしていただいてよかったと喜んでいらっしゃるわけでございますけれども、その反面、仮設住宅の生活が大変長期にわたってまいりましていろいろな問題が出てきているわけです。
 狭いということはもう本当に行きまして痛切に感じるわけでございますが、その狭いのに加えまして、お隊との間の壁が一重でございますから物音が非常に響きやすい。そこで人々は、なるたけ戸をあけ閉めするときには音がしないように、あるいは水の音をなるたけさせないように、おふろに入ったときにも音がしないように静かに入るとか、いろいろな工夫、配慮をしているようでございますけれども、子供さんのいる家庭というのはなかなかそういうわけにまいりません。中には、子供が大きな声を出したりちょっと暴れたりすると一生懸命それを押さえるので親も子もストレスがたまってどうもこうもしょうがない、そういったような状況もあるようでございます。
 そこで、調べましたところ、今、仮設住宅が島原で千十八戸、深江町で四百八十七戸ございまして、そのうち入居者が島原で九百九十四、深江町で四百四十九ということでございますと、空き室が島原、深江合わせまして六十二、三戸、七十戸近くでしょうか、あるような状況だと聞いております。
 こうなってまいりましたときに、その空き室のあるところにつきましては境の壁を取り払って一棟について一世帯が入れる、そういうふうな工夫ができないものだろうかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
#57
○説明員(松本省藏君) 御説明申し上げます。
 応急仮設住宅でございますが、避難住民の方々の入居申し込みを前提といたしまして一千四百五十五戸建設をいたしたわけでございまして、入居希望の方すべて入っていただいているわけでございますが、今先生のお話にございましたように、現時点では、一たん入居された世帯の方が例えば公営住宅等に転居されるというようなことで若干の空き室が生じております。当面はこの空き室を活用いたしまして、例えば病人のおられるようなそういう特別の事情のある世帯の方々、こういう事情に応じまして、例えば世帯分離をして二戸を使っていただく、あるいは、一般的には六畳二間に台所、ふろ、便所というのが通常なんでございますが、六畳三間のより広いスペースの方に移っていただくとか、そういう特殊事情に応じて活用させていただくという方向で長崎県とも十分協議をし弾力的に対応してまいりたいということでございます。
 それから、今後さらに入居者の方々の公営住宅等への転居が一層進み、あるいは警戒区域等の解除等が出て空室が多数生じてきたというような場合には、多人数世帯等優先度の高い世帯から一棟一世帯ということも検討ができるわけでございますが、今のところはちょっとそこまでいかない。
 いずれにいたしましても、今後、そういうような方向を見きわめながら、避難生活の長期化に伴う住環境の改善について長崎県とも十分協議しながら対応してまいりたいと考えております。
#58
○篠崎年子君 一棟一世帯ということで前向きに検討していただくことをお願い申し上げたい次第ですけれども、やはりせっかくあいたときには一日も早くそういう措置ができるように、しばらく様子を見てとかあるいはあちこち相談をしなければなかなかそれはできないということではなくて、現地で即座に対応できる、そういうふうな体制を整えていただきたいものだと思うわけでございます。
 時間がありませんので最後に一つだけお願いを申し上げたいと思うわけですが、今回の雲仙のように、非常に長期にわたる災害で仮設住宅に長期に入るということはめったにないことだとは思います。しかし、仮設住宅に行ってまいりまして、一番皆さんがお困りになっていらっしゃるのがおふろ場と台所とトイレでございます。トイレの方はやや広いけれどもおふろ場の方が非常に狭い。例えば、ここにいらっしゃる皆さん方のような体格のいい方々ですと、中に入っても肩がっからないんですね。それから、肩をっけようとしますと湯があふれてしまって次に入る人には半分ぐらいのお湯になってしまっている、上がって体をこすろうとすると手が壁につかえてしまって十分にこすれない状況だということでございます。
 こういったような状況はめったにないことだとは思いますけれども、今後仮設住宅をおつくりになるような場合に、そういうふうな今の人々の体の大きさとかあるいは生活の状況とか、そういうことまで含めた住宅対策というものをお考えいただきたい、これは要望でございます。
 時間が参りましたので、終わらせていただきます。
#59
○初村滝一郎君 昨年の十月二十三日、二十四日、本委員会の現地調査に際しましては、自衛隊の御協力によってヘリコプターに搭乗して上空から約二十分間被災地を視察する機会を得たのであります。上空からの光景は、たび重なる火砕流や土石流によって焼失し、茶色に変色した森林、土砂に埋め尽くされた段々畑など、まさに惨たんたるもので、今もその惨状が目前に焼きついております。御協力をいただいた自衛隊並びに隊員の方々に、大変遅くなりましたが、この場をかりて心から感謝を申し上げる次第であります。
 雲仙・普賢岳噴火災害対策については、食事供与事業などこれまでにない対策を含め、二十一分野九十項目にわたる救済対策が実施され、被災地では大変喜んでおります。しかし、雲仙・普賢岳の火山活動は一向に衰える気配を見せず、当初の予想よりはるかに長期化してきておりまして、このため被災者の多くは今後の生活に大きな不安を抱いております。支援措置の一層の充実を待ち望んでおります。
 そこで、雲仙・普賢岳噴火災害対策を中心に、以下政府の見解をお伺いいたします。
 まず、当面緊急を要する土石流対策について伺います。
 去る二月二十八日、火山噴火予知連は、雲仙・普賢岳の火山活動は今なお衰えておらない、これまで同様に一旦二十万立方メートルのマグマが噴出し地震活動も活発であると統一見解を発表いたしました。それでなくても、水無川の上流はこれまでに発生した火砕流による土砂で埋まっており、一時間に十数ミリの雨が降れば土石流が発生するおそれがあると言われております。そして、現実に今月の一日には大きな土石流が発生いたしました。幸いけが人や住宅の被害はなかったものの、土石は国道二百五十一号線を越えて有明海まで達し、島原鉄道も二百メートルの区間が土砂に埋まり運行不能となっております。六月の梅雨期が目前に迫っております。被害が発生する前に至急土石流対策を実施する必要があります。
 長崎県では当面の土石流対策として遊砂地の設置を行うと聞いておりますが、それで本当に大丈夫だろうかと私は思います。ほかにとれる対策はなかったのか、建設省の見解をお伺いいたします。
#60
○説明員(高橋哲雄君) お答え申し上げます。
 水無川流域は、現在、国道五十七号線から下流が避難勧告区域に設定されましたのに伴い、当地域での調査及び対策、工法等の作業が可能になりました。このため、当区域内の土石流の流下の可能性の高いところにおきまして、下流の人家、道路、鉄道等の被害を軽減するために必要な対策といたしまして遊砂地を緊急に設置すべく検討しているところでございます。
 この遊砂地につきましては、二カ所で約十万立方メートル程度の貯砂容量を有しておりますが、遊砂地の能力を上回る量の土石流については下流への土砂の流下が予想されるわけでございます。このため、ソフト対策といたしまして監視カメラ、雨量計、ワイヤセンサー等の土石流発生監視装置を設置するとともに、関係機関と協議いたしまして、住民の皆様方の警戒避難体制の確立に秀めてまいるべく検討をしておるところでございます。
 以上でございます。
#61
○初村滝一郎君 次に、食事供与事業についてお伺いをいたします。
 昨年の十月四月から実施されている本事業は、実施期間が六カ月間となっているためにこの三月いっぱいで期限が切れるそうであります。当然、制度の趣旨からいって延長措置がなされると思いますが、国土庁の見解を伺いたい。
#62
○政府委員(鹿島尚武君) 食事供与事業は、雲仙噴火災害の特殊性を踏まえまして画期的な措置として設けさせていただいたものでありますが、その趣旨は、先生御案内のとおり、被災者の方々におかれまして六カ月という期間内に新たな生活の手だてを確保していただくというところに実はあったわけでございます。そのため、残された期間でありますけれども、就業機会の確保等環境整備に長崎県と連携してさらに努めていきたいというふうに考えております。
 ただ、国土庁といたしましては、現在、長崎県が就業の状況、意向等につきまして調査を各戸にわたりましてしていただいております。その結果を待ちまして、先生仰せられました食事供与事業の取り扱いも含めまして適切な対応を今後図ってまいりたいというふうに考えております。
#63
○初村滝一郎君 次に、雇用調整助成金についても同様な状況にあります。従業員に休業手当を支払って被災事業者を救済、支援するこの制度は昨年の八月一日から実施されて、島原地区にかかわる雇用調整助成金の支給については当初二カ月間ということでありましたが、それから三回延長しております。したがって、本年の三月までとなっております。本制度の指定期間につきましてもぜひ延長措置を講ずべきと考えますが、労働省のお考えはどうでしょうか。
#64
○説明員(後藤光義君) 先生御指摘の雇用調整助成金につきましては、当初、昨年の八月一日から九月三十日までの二カ月間を指定いたしまして、その後、島原地域の被災状況や雇用失業情勢等を総合的に勘案しつつ、二カ月間ずつ指定期間を延長しているところでございまして、現在はお話しのように三回目の延長によりまして二月一日から三月三十一日まで、こういうことになっております。
 四月以降の対応につきましては、災害状況等につきましてこれまでと特に変化がないということ、それからまた地元関係者から延長について要望がなされたというようなことも踏まえまして、指定期間を延長する方向で現在検討中でございます。
#65
○初村滝一郎君 次に、住宅対策についてお伺いをいたします。
 避難住民の住宅対策として応急仮設住宅の建設、公営住宅等の空き家のあっせん、災害公営住宅の建設などが実施され、おかげさまで現在は、体育館等の施設はもちろん、旅館、ホテル等への避難生活も解消されております。特に、当初五百九十戸の建設が予定されていた応急仮設住宅については、避難住民の要望に沿って現在まで千四百五十戸が建設されております。しかし、供与期間は二カ年であります。また、仮設住宅に住む住民の間でストレスが高まっているとの指摘も相次いております。
 こうした事情を考えますと、この際、住宅対策を見直し抜本的な対策を講ずる必要があると考えるのでありますが、政府としてのどのような対策がありますか、お伺いをいたします。
#66
○説明員(中澤守正君) お答え申し上げます。
 このたびの災害で住宅を失った方々への緊急住宅対策といたしまして、お話しのように応急仮設住宅であるとか公的住宅等の空き家のあっせんを行ったほか、平成三年度には島原市ほかの六市町で公営住宅百三十六戸について建設を行いました。既に百六戸については入居も完了しておりまして、残りの深江町三十戸についても今月には入居できる見込みでございます。
 噴火の長期化に伴い、住宅対策を総合的に検討する時期に至ってきておるというふうに考えておりますが、この検討のためには地元の人たちの意向を十分反映させなければならないというふうに考えております。また現在、県、島原市及び深江町において広範囲における実態調査を行っておると聞いております。生活再建策とあわせて住宅確保のあり方についても検討するというふうに伺っております。これらの検討結果を踏まえまして、公営住宅の建設であるとか住宅金融公庫の融資の活用等、各種の施策を総合的に検討していきたいと考えております。
#67
○初村滝一郎君 この警戒区域等の中に住んでいた人たちは、農業に従事していた人が多かったようでありますが、これらの人たちが農業を再開するのかあるいは他の職業につくのか、今のうちから適切に誘導していく必要があると思いますが、農林省の考え方はいかがでしょうか。
#68
○政府委員(今藤洋海君) 警戒区域内等におきましては五百数十戸の農家の方がいらっしゃるわけでございますが、現在、一部地域で規制が解除されたというようなこともありまして、営農の再開の動きがございます。また、たばこ、畜産、施設園芸等につきましては、他の地域で営農を再開する人が出てきておるということもございます。こういう方々に対しましては、営農再開に必要な農舎、畜舎等の復旧資金の貸し付け等の金融対策を講じておりますほか、防災営農上の対策といたしまして土壌矯正や洗浄施設の整備等の防災営農施設整備事業を行うこととしておるところでございます。
 しかしながら、大部分の農家の方々につきましては営農再開が極めて困難な状況が続いておりますので、これらの方々に対しましては、長崎県の方におきまして農地のあっせん、島原地域全体で現在四十六ヘクタールの農地を確保しておるということでございますが、さらに、代替の開墾地、適地の調査、こういったことを行っておるところでございまして、私ども構造改善局の職員も派遣してこれに協力させておるところでございます。
 いずれにしましても、農家の方々は営農を続けていきたいという意向が大変強いと聞いておりますので、今後ともこうした営農が再開できるよう必要な対策を強力に講じてまいりたいと思っております。
#69
○初村滝一郎君 次に、修学対策についてお伺いをいたします。
 文部省では、被災者の修学対策の一つとして国立学校の入学料や授業料を免除する措置を講じております。しかし、私立大学については学費免除措置がほとんど行われていないというのが実情であります。昨年、立命館大学が全国で初めて学費免除の特別措置をとることを明らかにいたしましたが、これが話題になっております。噴火災害で収入の道を閉ざされた多くの被災者にとっては一日の生活が精いっぱいであります。こうした実情を考慮し、私立の大学等でも学費免除措置が広く行われるようぜひ指導していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#70
○説明員(井上明俊君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、国立学校につきましては学費免除制度がありまして、今回三十七名について免除を行ったところでございます。一方、私立学校につきましては、学費免除措置を含め被災した学生、生徒に対しどのような援助措置を講じるかということは各私立学校の設置者の判断するところということになっておりまして、私どもといたしましては、雲仙・普賢岳噴火の被災者で経済的に困窮している学生、生徒に対しそれぞれの私立学校において適切な措置が講じられることを期待しているというところでございます。
#71
○初村滝一郎君 次に、雲仙岳災害対策基金についてお伺いをいたします。
 雲仙岳災害対策基金は当初三百億円で発足をいたしましたが、関係機関の御努力によって義援金三十億円が上乗せされ、現在は三百三十億で運営されております。しかし、その運用益は五カ年間で九十億ないし百億程度であり、地域のニーズに応じたきめ細かな事業を実施するのには不十分と言わざるを得ません。私はかねてから基金の規模を五百億円程度に増額する必要があると考えておりましたが、地元からも六百ないし一千億円への増額が要望されております。基金の規模拡大についてどのように考えておられるか、御所見を賜りたい。
#72
○政府委員(鹿島尚武君) 先生仰せられましたとおり、雲仙岳災害対策基金は、地域のきめ細かいニーズに柔軟に対応し得るようにということで長崎県の御要請で県に当初三百億という規模で設置をされたわけでございます。その際、国も長崎県を支援するということで地方財政措置を講じてまいったわけでございます。当初、その三百億の規模を決める際におきましていろいろ事業の内容を積み上げて適切に決定したものというふうに聞いております。
 さて、先生御指摘のとおり、その増額について県からの御要請もございます。国土庁長官におきましてもっとに自治大臣にお願いを申し上げてございますけれども、今後、県から具体的な御相談がございますれば自治省において適切に対応していただけるものというふうに私ども考えております。
#73
○初村滝一郎君 時間がないので、あとは建設省に四問まとめて申し上げますが、ごく簡単に御答弁をお願いしたいと思います。
 将来の防災地域づくり、地域の振興と活性化対策については、今後、長崎県が主体となって国や地元市町と十分連携しながら積極的に取り組んでいくことが重要であろうかと思います。このため、長崎県等において被災者の実態調査が実施されておりますし、雲仙・普賢岳の防災復興構想の基本となる水無川流域の砂防治山計画等の策定も進められております用地元からはことしの雨季対策として下流に建設される予定の導流提を先行してつくることはできないかと要望が来ておるはずでありますが、これに対しての見解。
 次に、砂防治山ダムの建設によって多くの世帯の移転が必要となります用地元では防災上の見地からスーパー砂防ダムの早期着工を望んでおりますが、移転を余儀なくされている人々の心情を思えば、砂防施設の建設は慎重にしかも必要にして十分な対策を講じつつ行うことが重要だと考えます。水無川流域の砂防治山施設計画ではかなり住宅、農地がその事業地域内に含まれることになると思うが、どの範囲で買収の対象となるのか、また、住民からの要望があれはすべて買い上げることになるのか、お伺いをいたしたい。
 一つ飛ばしまして、道路整備についてお伺いをいたします。
 地域経済の振興あるいは防災都市づくりにとって道路網の整備は必要不可欠であります。建設省では地域活性化の基盤となる地域高規格幹線道路の整備を重点的に掲げ、今後積極的に取り組んでいくこととしておりますが、島原地方においては災害時の大量避難対策のためにもまた復興対策のためにも規格の高い災害に強い道路網の整備が必要とされます。島原地方の道路網の整備についてどのようなお考えがあるか。
 以上三点についてお答えを願いたいと思います。
#74
○説明員(高橋哲雄君) お答え申し上げます。
 まず、最初の点でございますが、二月二十二日に長崎県が地元に説明いたしました砂防計画の基本構想に示されております導流堤の建設につきましては、基本的には火山活動が鎮静化した後施工される上流の砂防ダムの建設がある程度進んだ後になるものと考えております。しかし、土石流から住民の生命財産を守るため現段階において有効と考えられる部分につきましては、地元の理解と御協力を得ながら設置の可能性につきまして検討を進めてまいりたいと思っております。
 次に、用地の問題でございますけれども、今回の地元説明の砂防計画は基本的な構想を示したものでございまして、施設用地の取り扱いにつきましては、市町と連絡を密にしながら地権者等の方々と意見を踏まえつつ具体化すべきものと考えております。砂防事業を実施するに当たりましての土地の取り扱いにつきましては、導流堤の砂防施設用地及び砂防ダムの堆砂用地は砂防施設の機能を確保するために必要な土地でありますので、用地を取得する方向で検討すべきものと考えております。
 また導流堤の内部につきましては、農地として耕作できるように土地の有効利用を考えるべきものと思っておりますが、この場合、農地としての相対的な評価が下がることが想定されますので、評価が下がる分につきまして補償ということを含めて検討いたしたいと考えております。なお、導流堤の内側にあって立ち退きを余儀なくされる宅地を所有される方々及び農地について買い上げを御要望の方々につきましては、十分相談をしつつ適正に対処してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
#75
○説明員(大石久和君) 島原半島におきます今後の道路網整備につきましては、災害に強い地域づくり等地域の振興に資する観点から、長期的視野も含め、現在、県とともに調査検討を進めているところでございまして、本調査を踏まえまして速やかな事業実施に向け努めてまいりたいと考えております。
#76
○初村滝一郎君 ありがとうございました。これをもって終わります。
#77
○木暮山人君 自由民主党を代表いたしまして、引き続き木暮山人が質問いたします。
 まず第一に、国土庁に質問いたしたいと思います。
 食事供与事業は四月三日に期限が到来することになっているため、地元からは期限延長の要望がなされていると聞いております。改めてこの事業の趣旨と目的をお伺いしておきたいと思います。
#78
○政府委員(鹿島尚武君) 先生御案内のとおり、今次の雲仙岳噴火災害の対策につきましては、二十一分野九十項目にわたる対策を定めて実施をしております。その中で特に今次の災害の特性を踏まえまして食事供与事業を特別な措置として設けたわけでありますが、この趣旨は、災害が長期化する、そして多数の住民の方々が避難をしておられるという状況にかんがみまして、本来の生活拠点における収入の道が絶たれ、本格的な生活、事業の再建活動を開始できない方々に対し、六カ月という期間を最大限といたしまして食事の供与を行うことといたしてございます。この間において新たな生活の手だてを確保していただいて今後の自立の道を探っていただくというのが趣旨でございます。
#79
○木暮山人君 そういうような趣旨のもとで行われている供与事業、その趣旨に従いまして、やはり受ける方の側といたしましてもいろいろと努力が必要ではないか。
 そこで、この実施期間中に各自に生計の手段を確保していただくということですが、就業の機会は十分確保されているというようなことも聞いておりますが、その現況等につきまして御説明願いたいと思います。
#80
○説明員(吉免光顯君) お答え申し上げます。
 今回の災害に伴いまして被災地域内の一部の事業所等が焼失、廃止等がされたほか、休業状態に追い込まれるというようなこともございまして、たくさんの離職者が発生しているわけでございますが、私どもとしては大変遺憾に思いますし、労働省としてこういった人たちの再就職の援助をし一日も早く雇用の安定を図るということは非常に大事だというふうに考えております。
 先生御指摘になりましたように、噴火の後、私ども、六月十八日に島原公共職業安定所の中に今回の災害によって離転職を余儀なくされた求職者等のために雲仙岳噴火雇用相談コーナーを設置しまして、きめ細かな雇用相談等を実施しているところでございます。
   〔委員長退席、理事松浦孝治君着席〕
これまで、ここで約七百人についての求職者の登録あるいは相談をしておりまして、現在までに就職を見た者は百五十六人でございます。そこでは、そのほかもちろん求人相談等も実施をしているところでございます。
 また、交通規制等に伴って地域住民のサービスを確保するということから、島原半島南西部の口之津町中央公民館の中に臨時職業相談所を設置いたしまして、職業相談あるいは雇用保険の給付等の業務を行っているわけでございます。そちらの方では求職者として三百九人、就職四十九人を見ているところでございます。
 このほか、島原、諌早、大村、長崎のそれぞれの安定所に申し込まれました求人を情報誌のような形で取りまとめまして、毎週各避難所に配付して就業援助を行っているところでございます。
 また、昨年八月には諌早公共職業安定所の管内の事業所に対しまして特別に求人をお願いいたしまして、通勤用のバスを借り上げるという準備もいたしまして、就職希望者を募集いたしております。
   〔理事松浦孝治君退席、委員長着席〕
 それから、ことしに入りまして一月には、食事供与事業者の対象になっております人たちに対してアンケート調査を実施しておりまして、そういった結果をもとに就業を希望する人に就職相談会を現在実施いたしておるわけでございます。
 そのほか、救済対策といいますか、雇用対策といたしまして昨年の八月から雇用調整助成金の適用あるいは雇用保険の支給について特例措置等を講じているところでございまして、これからもこの災害によって影響を受ける人たちの雇用の安定あるいは確保のために必要な対策を機動的に実施してまいりたいというふうに考えております。
#81
○木暮山人君 件数とかそういう問題で、七百名が登録してきた、百五十六名が就職した、また三百九人のうち四十九人が就職しているというようなことでなくて、本当に地元の方々が困り果てまして、再建、再起するのに協力していくということが必要じゃないかと思うのでございますが、そういう意味でももう少し具体的に、就業の機会の確保を図るために具体的にどのような施策をとっているか、また、その施策に対して罹災者がどんな真摯な姿でそれに応答するか。
 ただ、この噴火、災害が終わるまで一日一日延ばして全部国が支えてくれ、これはそれで結構だと思いますが、しかし、そうやって支えられて、この後こんなことでいわゆる罹災住宅であと十年も十五年ももしいるとすれば大変なことになると思うんですね。だから、そういう意味では、やはり今なりの活力ある生きる姿というものをやはり労働省としてはちゃんと考えてあげなきゃいけないと思います。そういう意味でもう一度、例えば相談するよと窓口をあけたら二百人来るつもりが何人も来なかったとか、こんなことじゃ困るわけです。だから、その来ない理由とかそういうところも掘り下げてひとつ説明願いたいと思います。
#82
○説明員(吉免光顯君) 被災の方々がどういう形で就職あるいは転職を図っていくかということで、御本人等々のいろいろな希望もございますので、具体的に例えばこれからもう少し待って考えるのか、あるいは別の地域へ行ってどういう条件でどういう事業所で就職を希望するかということを、個々人ごとに実は相談をしながら進めているわけでございます。
 そういう御希望に対しては、私ども具体的に一件一件についておこたえをしていこうというふうに考えておりますし、あるいは、別の仕事に移るという際に例えば技能を身につけるとかそういうことを新たな措置として講ずる必要のある方もあると思いますが、そういうケースにつきましても公共職業訓練施設等について定員の枠あるいはコースについて弾力的な対応をしようというふうに考えておりまして、まさに一人一人の希望に応じた形でいつでも対応していきたいというふうに考えているところでございます。
#83
○木暮山人君 今後ももう少し親身になって信頼されるような御指導を賜りたいと思います。
 次に、長崎県におきましては、災害が当分の間継続し直ちに被災者がもとの場所に戻ることが非常に難しいという前提で、被災者実態調査を実施していると聞いております。この結果に基づき食事供与事業の終了に伴う適切な措置を考えるということでありますが、また就業機会が結構あるということでありますが、いろいろ今のお話をお伺いしていますと、積極的に就業機会とかそういうものに対する努力がまだまだ何か真剣味が多少足りないんじゃないか、そんな意味で生活の再建を図っていただく必要が十分あるんじゃないか、そういうような方向にちゃんとした指導とかそういうことがなされているか、そのことにつきましてちょっと説明願いたいと思います。
#84
○説明員(吉免光顯君) 昨年来、先ほどもお答え申し上げましたような形でいろいろな雇用対策あるいは職業相談を実施しておりまして、引き続きいろいろな形での対応を検討してまいりたいというふうに考えておりますし、現地長崎県あるいは関係の公共職業安定所と十分な相談をしながら、一日も早く雇用の安定を図れるように努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#85
○木暮山人君 それは確かに必要なことで、私は皆さん努力してくださっておいでになると思います。被災者のお立場は非常に大変なお立場でしょうけれども、やはり将来構想というものをきちっと踏まえていただくように今後もひとつ御指導願いたいと思います。
 引き続きまして、私は、以前から言われておりますところの南関東地域の超大型の災害が想定されていろんな対策が講じられておるわけでございますが、その南関東地域における現況がどんなことになっているか、また、起こり得る想定がどんなになっているものか。
 漏れ聞くところによりますと、実際にはこんなことがあるんですね。関東の震災のときの移動、これが例えば西の方に十五センチ移動して三十センチ沈下しているとか、それよりも物すごく大きな変化を来しているんではないかなどといううわさもございますけれども、そんなことにつきまして、来るべき心の準備というものが必要でありますから、もし御存じの範囲で説明つくものならこの問題についてひとつ御説明願いたいと思います。
#86
○政府委員(鹿島尚武君) 大変専門的なことで恐縮でございますが、六十三年六月に中央防災会議地震防災対策強化地域指定専門委員会、座長が萩原尊機先生でありますが、この委員会の中間報告によりますと、南関東地域に著しい被害をもたらすおそれのある地震のうち、相模トラフ沿いのマグニチュード八クラスの巨大地震、関東大震災クラスということであろうと思いますが、これが発生する可能性は百年か二百年先ということが言われております。
 あわせて、この南関東地域におきますマグニチュード七クラスの地震、いわゆる直下型の地震であろうと思いますが、その発生については、この地域では大陸プレート、フィリピン海プレート、太平洋プレートが互いに接し複雑な応力集中が生じていることなどから、ある程度の切迫性を有しているという報告がなされております。
#87
○木暮山人君 去る二月二日に東京湾で発生いたしましたマグニチュード五・九の地震は幸いにも大きな被害をもたらさなかったわけでありますが、昭和六十年十月以来六年四カ月ぶりに東京で震度五を観測した地震でありました。この地震では、同報無線システムによるところの放送または報道により、地震の状況、火の元対策、避難等について十分住民への周知徹底が行われたか、また、そのことから地震対策上どのような教訓を得たか、それを踏まえて今後どのような対応をいたしていかねばならないか。そんなことはもう既にいろいろと対応はできておると思いますが、できましたらそこら辺をちょっと説明していただきたいと思います。
#88
○説明員(田上喜左男君) お答えいたします。
 地震時におきます住民への広報は、住民の不安や混乱を防ぎ応急対策を円滑に行うために大変重要でありまして、あらかじめ計画をつくりましてこれを実施するように日ごろから地方公共団体を指導しているところでございますが、去る二月二日の地震におきまして、東京都におきましては一定規模以上の地震の場合には防災行政無線で自動的に住民に対する広報を行うというシステムをとっておるところがございまして、そういうところにおきましては地震の発生、火の始末、それから落ちついて行動することなどにつきまして直ちにこの放送が行われております。また、地震発生後、放送機関に対して出火防止ですとか初期消火等につきまして放送要請を行っております。
 次に、今回の地震におきます教訓でございますけれども、地震直後に東京都では都民の行動調査を実施いたしましたが、これらの結果等から、住民に対しまして火の始末、家具類の転倒落下防止措置等についての意識の高揚をさらに図る必要があるということ、また、地震によりまして自動的に作動します行政無線のシステムが今回有効に働きましたのでこのシステムを早急に普及促進を図る必要がある、こういうふうなことを言っております。
 ちなみに、東京都二十三区におきましては十四区がこの自動化を図っておりまして、またこれを進めなければいけないということでございますが、消防庁におきましても、こういった教訓を受けまして、地震防災訓練の実施、防災知識の普及啓発、防災行政無線の整備を含めました消防施設等の一層の整備強化を図るように今後さらに地方公共団体を指導してまいらなければならないというふうに考えております。
#89
○木暮山人君 しっかりひとつお願いしたいと思います。
 今回の地震は幸いその規模も小さく震源も浅かったので大事には至らなかったのでありますが、現在懸念されているような規模の大きな地震が東京を襲った場合は、人的、物的に甚だ被害が発生するおそれがあります。特に人の命を守ることは何より肝要であり、このため、災害対策の取りまとめ役といたしまして国土庁は、災害時の応急医療対策、特に南関東地域の震災時応急医療対策の充実に向けてどのように取り組んでおいでになるものか、ひとつ説明をちょうだいできたら説明していただきたいと思います。
 また大臣に所見もお伺いしたいと思いますが、時間でございますので次回に回したいと思います。よろしく説明のほどをお願い申し上げます。
#90
○政府委員(鹿島尚武君) 災害時の応急医療対策は、先生御指摘のとおり、国民の生命や身体の安全に直接かかわるものでございますので、各種の災害対策の中でも特に重要なものであろうと思います。
 災害時の応急医療対策は、応急医療に関係する省庁等におきまして、各省庁等で定めます防災業務計画等により的確に対応がなされておるところでございますが、具体的には、被災地地方公共団体における救護所の設置、運営等、各種被災地内応急医療活動の実施、国立病院、国立大学病院、日赤病院等における医療救護班の派遣や傷病者の受け入れ、消防庁、防衛庁、海上保安庁等における傷病者、応急医療要員等の搬送、厚生省から関係業界への医薬品等の供出要請等がなされることとされておるわけでございます。
 特に人口、諸機能が集中しております南関東の地域につきましては、広域的かつ激甚な災害をもたらす地震が発生した場合に備え、六十三年十二月の中央防災会議におきまして南関東地域震災応急対策活動要領を決定をいたしまして、緊急災害対策本部と厚生省、文部省、防衛庁等の医療関係機関が連携をとって、広域的な救護班の派遣、後方医療活動等を迅速かつ円滑に行えるよう、発災時に各機関が行うべき活動の内容と実施の手順を具体的に定めております。
 さらに、現在、国土庁におきましては、南関東地域における震災時の応急医療の重要性を踏まえまして、学識経験者等から成ります震災時応急医療等懇談会、座長は日本医科大学理事長の大塚先生でございますが、これを設けまして、今後における震災時応急医療対策のあり方等に関し専門的な観点から調査研究をさせていただいておるところでございます。
 国土庁といたしましては、先生仰せのとおり、災害対策の取りまとめ役といたしまして、災害時の応急医療にかかわる関係省庁や地方公共団体等と密接な連携を図りまして、今後とも総合調整の立場から災害時の応急医療の充実に向けて精いっぱい努力をさせていただきたいというふうに考えております。
#91
○木暮山人君 どうもありがとうございました。質問を終わります。
#92
○常松克安君 昨年十月、東京都庁におきまして国際地震サミット会議なるものが国土庁の主催で行われました。これは非常に有意義な会議でありました。この経過を踏まえまして、今後、国内はもちろん、災害国日本として世界へ貢献をしていく、この辺のところをまず御報告を願いたいと存じます。
#93
○政府委員(鹿島尚武君) 地震をテーマにいたしましていろいろ国際的な連携を図って仕事を進めるべきだと、かねてから常松先生からも御提唱を賜っておりました。
 私ども、昨年十月八日からでございますけれども、四日ほどの日程をとりまして、地震災害の予防と軽減に向けての国際協力をテーマにいたしまして東京で国際会議を開催させていただきました。名づけて国際地震サミットと申し上げておりますが、日本を含め四十カ国、六つの国際機関から合計約六百名の防災関係の専門家が参加をしていただきまして、情報交換を行ったわけでございます。
 この会議を通じまして世界各地で防災に携わる人々の間のネットワークが形成されたわけでございまして、一九九〇年代を国際防災の十年の推進を図るという国連で決めたテーマに大きく貢献をすることができたと考えております。そして、今後の具体的な課題を含む会議の取りまとめにつきましては、一九九一年の国連総会にも報告がなされまして、正式な資料として採択がなされております。
 会議における議論の結果は、今後、各国、各都市、国際機関、NGO等の活動に反映されることを私どもは期待をいたしておるところでございます。
#94
○常松克安君 このサミット会議につきましては、私も提案者の一人でもございますので非常に深い関心を持っておるわけでありますが、これからもひとつどうかこういうふうなものの蓄積を踏まえて災害に対応していただきたい。
 なることならば、一番大事なポイントがサミット会議では抜けていたわけです。それは災害医療という問題で、広くいろいろ後進国から求められているものですが、それを検討の中に入れるということが少し準備がいろいろございまして抜けておりました。今後、そういうことも踏まえまして、このサミット会議というものを例年積み重ねてい。ただきたいことを申し上げておきます。
 次に、洋上救助に関する問題についてお話を伺います。
 まずもって、海上保安庁の方々にありましては、本当に寝食を忘れ命をかけて今日まで水難、海難に、一番大事な人命尊重ということで、救急医療という問題も含めまして貢献をしていらっしゃることに敬意を表します。
 まず一つは、海上保安庁及び自衛隊の方にお聞きいたしますが、洋上救急に対する人身救助の実績をひとつお教え願いたいと思います。
#95
○説明員(赤石憲二君) お答えいたします。
 船舶からの海中転落や船内における負傷、病気等船舶海難によらない乗船者の事故者数でございますが、昭和六十一年から平成二年までの五年間で五千八百六十七人であり、うち二千百二十七人が死亡、行方不明となっております。なお、二千百二十七人の死亡、行方不明のうち約六六%の千四百九名が海中転落または自殺によるものでございました。
 また、洋上救急の実績でございますが、昭和六十一年から平成二年までの五年間で、傷病者百七十一名に対し、医師百九十七人、看護婦等百四人の計三百一人を派遣いたしております。なお、傷病者のうち六十一人は外国人でございました。
#96
○常松克安君 大変な数値をお聞きしたわけでありますが、特に水中転落、自殺がこんなにたくさんいらっしゃる実態を初めて聞かされました。しかしながら、船員協会あるいは漁業従事者につきましては、酒を飲んだ上で海中に転落するは不届き、お互いの注意、勧告を受けまして最近はこういう問題が皆さんの指導が徹底されましてぐんと少なくなっているとういうことは喜ばしいことでございます。
 ここで一つ問題点でございますけれども、二つケースが考えられます。
 一つは、ドクターと看護婦が要請によって海上保安庁のヘリに乗り救助に向かう。ドクター、ナースの一日の日当が二十二万円であります。そして、万が一、死に至る場合は二億円の保険を掛けられて、この辺のところは、さすが海に生きる男のシステムづくりを見事にやっていらっしゃるなと感銘し、敬意を表します。
 しかしまた一方、海上保安庁の救助隊あるいはレスキュー、こういう方々に関しましては、昨年、海、空、陸を合わせて救急救命士法というのができました。そういうふうな法の国家試験を通った人が小さなけがであろうとも船舶内救助に行く、こういうことも必要かと思いますが、こういう考えに合わせまして、どのような検討になっておりましょうか、お願いいたします。
#97
○説明員(赤石憲二君) お答えいたします。
 洋上の船舶において傷病者が発生した場合、海上保安庁では、必要に応じて巡視船艇、航空機により傷病者、医薬品等の緊急輸送等を行っております。また、今先生がおっしゃいましたように、船主から医師による救急往診の要請があった場合には洋上救急体制によりまして医師、看護婦等を巡視船艇、航空機により現場に急送し、あるいは病状によっては傷病者を巡視船等に引き取り医師の診療を加えつつ病院に搬送しております。今後ともこれらの体制等の整備をさらに推進していくこととしているところでございます。
 先生御質問の救急救命士でございますが、昨年、救急救命士法が成立したこともございまして、当庁でも救急救命士の資格を有する職員を特殊救難隊に配置することを検討いたしておりまして、平成四年度予算において救急救命士の養成に必要な経費が計上されているところでございます。
#98
○常松克安君 防衛庁の方、お答えください。
#99
○説明員(南澤孝夫君) 海上自衛隊におきましても従来から艦艇等に准看護士を配置いたしておりますので、今後これらの者が救急救命士の資格を取ってまいります。したがいまして、これらを急患輸送に際しまして配置することによりまして今後さらに一層御指摘のような点で貢献できるものと考えております。
#100
○常松克安君 資料一覧をいただいておりますけれども、海の上においても大変な、頭蓋骨陥没だとかローラーに巻き込まれて片腕切断とか、あるいは腹部までウインチに巻き込まれてとか、いろいろ待ってはならない緊急なことが起こっておるわけであります。
 それで、今、海上保安庁からもお聞かせ願ったんですが、いきさつについても少しは漏れ承っておりますが、その二名は、鹿児島の医療学校に二年間の救急救命科というのができ、それから北海道の福祉短期大の救急救命科、一者ずつ、まあ二名ということでありましょう。
 やっぱりここで一番大事なのは、警察官、自衛隊員の方、消防あるいは海上保安庁、事に当たっては非常に緊急緊張の連続の意識あるいは訓練、即応性、いろいろなものを備えております。ところが民間へそうして行かれて、民間は民間のよさはあるのですけれども、一つの団体行動的な統率力という面から何か救急振興財団の方へ一緒に訓練してくれとおっしゃったそうでありますけれども、消防の方では、もう手いっぱいであきません、うちでもどうしようかと思っております、こういうことのようです。
 こういうふうな、まずスタートのときでありますからいたし方ございませんが、これから日本海あるいは太平洋、一千海里でございますか、これまでの範囲をもって、もう例の中で申し上げますと、二百例の中でその三分の一は外国船、外国人を助けに走っているわけですね。まさしくこれは国際貢献を地でいっている。平和国日本の象徴たるべきことを海上保安庁は黙々とおやりになっている。そして、大きな声で発言なさらぬものですから余り光が当たらぬわけでありますが、機会あるごとにもっとどんどんこういうことを、国際貢献は海上保安庁に任せてくれ、こういうふうに言えるように早くなっていただきたい。よって、これからもっともっと大きくなってくる。ただ日本の商船だとか漁船だとか、そういうものだけじゃなくて、もっと大きな視野が必要です。
 公海上では、海上保安庁の司令室には必ず、強制ではない、任意ではありますけれども、毎日の行動が無線で入ってくる。そして、司令が一番安心するのは、最近の項目の中に、下にパラメディック、この一項目を入れていらっしゃるんですが、パラメディック要員がその船に乗っていると海上保安庁の司令はほっとするとおっしゃいました。このパラメディックという医療に関係する、アメリカで法律上医療行為を認めた人が乗っているわけであります。
 そういうふうなことを、救助をしに行く方も船の方も、これからいろいろ検討ございましょうけれども、どうか海上保安庁の中で独自に学校を持たれて、そしてたとえ十名でも二十名でも、皆さんが一番仲のいいのは掖済会病院でございますから、もうそういうことを専門にやっている先生がたくさんいらっしゃるわけでありますから、そういうところで独自の海上保安庁きっすいの精神そのものの訓練の中でお育ていただくこともこれは必要かと思いますので、後日の検討にひとつあわせてしていただきたいと存じます。
 では次に、話は移りますが、このデータを見ておりますと、ほとんどの人が医療無線を活用と、こう全部一覧に出ております。医療無線というのは、御案内のとおり、船の上あるいは漁場において漁船の中で倒れた場合には、医療無線でしかるべきところへ打診して、そしてそれを医者の指示によってどうする、こういうふうなシステム化されたものが事実あるわけでございます。
 こういう中で、いろいろの研究をしてまいりますと、医療無線に当たつ一では症状や救急処置の方法について図示できるファクシミリを利用するのが一番有効だと第一線の方々は訴えられます。インマルサットによるところのファクシミリ料金で医療にかかわるもの、従来から大体モールス信号でやっていた医療電報、これは無料です、全世界。いかぬ国もありますが、ほとんどが海の男の決めとして営々として、けがした場合はこういうふうなものは無料である。ところが、ツーツーでやっておると、ドクターが文面を読んでも、医療用語が入ってないとすぐ、あかぬ。第一の発見のときからもうその電報のやりとりで時間を食っちゃったら、そこの対応は誤ってしまう。人の命にかかわってしまう、こういうふうなものもあるのであります。
 よって、考えてみますと、船員の生命の安全という見地から、運輸省は安全という立場においてどのようにお考えなのか、お聞かせ願いたいと思います。
#101
○説明員(鈴木朗君) お答えいたします。
 船内の急患の症状を医師の方に伝達いたしましたりあるいは医師の方が救急処置の方法を船舶に指示するに当たりまして、適切な意思疎通が行われますように、現在は医療通信文の作成方法をマニュアル化しているところでございますけれども、先生御指摘のように、これに加えてファクシミリを活用して患部などを図示することも併用いたしますと、さらに効果的な意思疎通ができると考えられます。
#102
○常松克安君 御指摘があったことは効果があるじゃなくて、もうほとんど全部がツーツーをやめておるんです、遠洋漁業の船は。それでやりますと今言ったように誤差が生じたりする。
 簡単にまず申し上げておきます。
 倒れます。その船の中には、運輸大臣が任命したところの国家試験を通った衛生管理者というのがいらっしゃいます。症状を見ます。熱が何ぼ脈が何ぼとしたらあかぬのです、これは医療行為と言われて。それで、電報をすぐ打つんです。この電報が八百海里も向こうへ行ったときには、母船からまた中継になってしまうんです。それで時間を食っちゃうんです。また、医療の専門用語を打つのが大変で、多くの時間を食っちゃう。それじゃかなわぬので、今様に電話になったんです。ところが電話が、大きな三十万トンのタンカーはすぐいい無線機がつくんですが、漁船の万世そんな大きなものは積み込めないんです。それで、電話でやっておったら、不明瞭だ、こういうことになって、最近、今様時代はこのファクシミリというものに頼って、一刻も早く、言葉じゃなくて、指五本でどこが切れたとばっと絵図にしてはっと送ってしまう。それで、医師の指示がすとん。医療診断が十分の一に時間短縮ができるという現状です。
 問題は、これを使うときに六秒九十円でございますから、発する方は命がけだからこれしますけれども、受ける病院の方は、これをまた返信するのに、病院の会計、経理があかぬと言う。何ぼする、もっと短くせいと言われたって、人の命に関する問題です。そういうふうなところで非常にその調整が手間取っておる。ところが、海の男にしてみれば、何も言わぬ。迷惑をかけているわけじゃない。伝統ある医療電報は無料という概念で我々きておるんじゃないか。そうしたもののうちで、やはり当然これは検討してしかるべき問題じゃなかろうか、こういう意味で申し上げているんです。
 もう一度お願いします。
#103
○説明員(鈴木朗君) 先生御指摘になりました医療通信を行うに当たりまして利用しておりますファクシミリ、この料金は、現在、有料でございますけれども、これが低廉であればあるほどファクシミリが利用しやすくなりますので、これは船員や医師の方々にとっても大きな助けになるのではないかというふうに考えられるところでございます。
 ただ、医療通信にかかわりますファクシミリの利用料金のあり方につきましては、これは電気通信事業者の方々にもいろいろと御事情があるというふうに思われますので、今後、私どもの方で関係者の方々とよく意見を交換させていただきたい、このように考えております。
#104
○常松克安君 それをどこの省庁へお願いに行くかというと郵政省ですね、インマルサットを管理監督していただいているものですから。どうかそういう今聞いた海の男の生きるか死ぬかの熱い胸のうちをお察し願いまして、いかがなものでございましょうか、ファクシミリ無料ということは。
#105
○説明員(森清君) お答えいたします。
 航行中の船舶の中の傷病者の医療について指示を受けるための通信、いわゆる医療通信につきましては、先生御指摘のとおり無線電報の場合は現在無料ということになっております。
 一方で、御指摘のインマルサット衛星を使いました海事衛星電話の場合は有料ということになっているわけでございます。このインマルサットシステムというのは、短波を主体としましたこれまでの無線電報システムに比べますと、接続が即時に行えるとか、雑音がなくて品質がいいとか、あるいは今お話ございましたようにファクシミリの送信も十分可能であるということでございますので、制度が発足しまして十年たちましたけれども、今後は海上通信の主流になっていくのではないかというふうに見ているところでございます。
 ところで、インマルサットシステムで行う医療通信というのを無料にするということを考える場合には、その医療通信とそれ以外の通信とを区別するようにシステムをつくりかえなきゃならぬわけでございますけれども、その場合の経費、それからもし無料にした場合KDDが収入が減になるという場合のその経費をだれがどのような形で負担していただくことになるのかということについては検討が必要がなと思っております。
 いずれにいたしましても、人命尊重の観点からのインマルサット衛星による医療通報のあり方につきましては、郵政省といたしましても今後十分検討させていただきたいと考えております。
 以上でございます。
#106
○常松克安君 どうかよろしく早急に、行政はサービスでございますので、早くひとつ決断していただきますことをお願いいたします。
 以上です。
#107
○林紀子君 私は、雲仙・普賢岳の土石流対策を聞きたいと思いましたが、今までにお答えがございましたので、次の具体的なお話を聞かせていただきます。
 昨年の十二月十三日に長崎県の避難施設緊急整備計画が総理大臣の承認で決定されたということですが、この中のヘリコプターの離着陸用広場の建設、島原市では建設予定地を土石流などの危険からほかの場所に変更したいという意向だということを聞いております。
 この避難施設緊急整備計画の変更、これまでも桜島や阿蘇の場合には行われたことがあるということですが、ヘリコプターの離着陸用の広場の変更、場所とともに事業費の問題も絡んでまいりますが、こういうことは認められると思いますが、いかがですか。
#108
○政府委員(鹿島尚武君) 活火山法に基づきまして避難施設緊急整備計画を策定する場合には、知事がこれをつくりまして内閣総理大臣が承認をするということとされております。その場合に、知事が計画をつくる場合には関係市町村長の意見を聞かなければなりませんし、内閣総理大臣が計画を承認する場合には関係行政機関の長と協議をすることが法律上義務づけられております。
 先生仰せのとおり、過去に変更の実績もあるわけでありますが、具体的にこの計画の変更をするとなれば、申し上げましたと同様の手続をとらなければならないわけでございます。私どもヘリポートの話というのはまだ承ってないわけでありますけれども、必要がございますれば適切に対処してまいりたいというふうに考えております。
#109
○林紀子君 変更できた場合、事業費が現在の計画では二千四百万円ということですが、場所を下の方に移すということですと、その倍、およそ五千万円ぐらいかかるのではないかということなんですね。国の補助は二分の一ですから、千二百万円。しかし、五千万円になった場合は当然その二分の一、二千五百万円ということになると思いますが、消防庁の方、いかがでしょうか。
#110
○説明員(古内晋君) 当該避難施設緊急整備計画は、活動火山対策特別措置法の規定に基づきまして長崎県知事が島原市長の意見を聞いた上で作成し、所定の手続を経まして内閣総理大臣により承認をされたものでございまして、消防庁では、その計画におきますヘリコプター離着陸用広場の整備につきまして必要な助成をすべく、平成四年度予算案に所要の予算額を計上しておるところでございます。
 消防庁としましては、当該整備計画の変更等の動きにつきましては承知をしておりません。今後、長崎県から相談があれば、その時点で実態を十分に把握してまいりたいというふうに考えております。
#111
○林紀子君 それでは、市、県の方から御相談がありました場合はぜひそういう形で対応していただきたいと思います。
 現在も島原市の財政は、退職手当基金や公共施設等整備基金、市債管理基金から十三億円余りを取り崩すなど、極めて逼迫していると聞いております。島原市議会の雲仙眉山対策特別委員会の委員長さんから私は要請もいただいております。
 雲仙・普賢岳の噴火災害は、災害対策のあり方に新たな問題を突きつけたと思うのです。それは、この災害がこれまでに例を見ない長期間にわたる激甚な災害であり、火山国の日本では島原ばかりではなくどこでも起こり得る可能性がある。だからこそ、島原生き残りと復興対策協議会の呼びかけに対して全国から四百八十万人という人々が我がことだということで署名をなさったのだと思うわけです。それだけに、風水害対策を中心にしたこれまでの災害対策の枠にとらわれない対策というのがぜひとも必要だと思います。
 報道によりますと、十四日には総理が雲仙入りをするというお話ですけれども、ぜひ総理はこういう新たな対策、これが強く求められているんだ、島原の人たちもそれを待っているんだ、こういう認識のもとに雲仙入りをしていただきたいと思うわけです。
 この問題につきましては長官の方にお伺いしたいと思いましたが、いらっしゃいませんので、防災局長の方にお伺いしたいと思います。
#112
○政府委員(鹿島尚武君) かねて総理の方から、早く現地に赴きまして被災者の方々にお見舞い、激励を申し上げたいという強い御意向が示されておったところでございます。それを受けまして、国土庁長官におかれて具体的な雲仙の御視察の日程を詰めるということで私ども承っております。
 今日の雲仙災害対策につきましては、再々申し上げておりますとおり、現地の長崎県等の御要望を十分に承りまして、私ども、今、二十一分野九十項目の施策を強力に進めているところでございます。被災者等の関係者の方にもこの施策の内容につきましてはかなり御理解を現在ちょうだいをしておるところと思っております。ぜひこれを活用していただきまして、大変悲惨な状況にあることは先生仰せられるとおりでございますので、被災者の方々に頑張っていただきたいというふうに心からお願いを申し上げるところでございます。
#113
○林紀子君 次に、気象庁にお伺いしたいと思いますが、測候所の夜間閉鎖計画です。これは先ほど会田委員の方から質問がありましたけれども、非常に重要なことだと思いますので、私の方からもぜひ伺わせていただきます。
 気象庁は、第八次定員削減計画に基づいて、北海道や東北地方など九カ所の測候所について十七時から翌日の八時半までの間閉鎖しようとしていますね。閉鎖を計画している測候所のある地元の自治体や議会からこの閉鎖に関する決議や意見書、要望書などが気象庁に届いていると思いますけれども、どこからどのような内容のものが届いているのか、お聞かせいただきたいと思います。
#114
○説明員(山本孝二君) お答えいたします。
 私どもの手元に幾つかの市町村からの意見書並びに要望書が提出されてございますが、意見書は小樽から、それから要望書は広尾、松本、そういうところから参っているという状況でございます。
#115
○林紀子君 二カ所というのはどこからですか。
#116
○説明員(山本孝二君) お答えいたします。
 広尾町と小樽市でございます。
#117
○林紀子君 そうしますと、四カ所から今来ているということですね。
#118
○説明員(山本孝二君) お答えいたします。
 私が承知しているところは、小樽市から意見書、それから広尾町から要望書、小樽の関係の方から要望書が出ております。
#119
○林紀子君 そういうところに対して、公聴会を開くなどということで、地元住民の皆さんに直接理解を得るための何らかの方策というのを考えているわけでしょうか。
#120
○説明員(山本孝二君) 測候所の夜間集約の計画を進めるに当たりまして、私どもとしては関係する市町村あるいはその地元の関係機関について十分な説明を行ってきたところでございまして、御理解をいただくように努めているわけでございます。
 今回、業務体制を一部変更する測候所の役割でございますが、これまで基本的には観測、通報を主要な任務としてきたわけでございますが、観測の自動化等近代化が進んだ観点から見ますと、夜間職員を常時配置する必要がないとの判断に至ったものでございます。
 なお、夜間に住民の方から電話による御照会等もございますが、これについては転送電話等を使いまして豊富な資料を有する地方気象台で対応することとしておりまして、一般の方々への気象サービスの低下はないように措置したいと考えておる次第でございます。
#121
○林紀子君 先ほど会田委員から質問がありました白河の方からも来ているということですが、どこから来ているのかというのは後ではっきりさせていただきたいと思います。私、質問の時間がありませんので、今調べているとちょっと時間がなくなりますので、これは、どこから来ているというきちんとした一覧表を後で示していただきたいと思います。
 今、機械化、自動化で十分対応できる、転送電話もあるんだ、こういうお話ですけれども、実態は大分遣うんじゃないかと思うんですね。
 北海道の小樽測候所には、問い合わせなどが来る、この問い合わせの七〇%は今回閉鎖をしてしまう時間帯に今まで寄せられていたということなんですね。そして、これは札幌管区気象台の方に転送電話がついてそちらに問い合わせをするということになるそうですけれども、この札幌管区気象台の状況がどうかといいますと、これまでもこちらも定員削減で対応するべき予報課が四シートから三シートに減らされた、そのために早朝は一本の電話が入っても予報作業に支障が出るほどてんてこ舞いの状況だ、今でも一部は留守番電話で対応しなければいけないような状況になっている、こういうことなんですね。転送先がそういう状況で、サービス低下になるんじゃないですか。
 それからまた、気象証明の発行、これが、この小樽というところは全国でも一番多い年間九十件の発行。これは海運会社が天候不順で積み荷おろしかできない場合や倉庫会社が機械を動かせない理由を証明するためのものだということですけれども、地元の海運事業をやっていらっしゃる方が荷揚げがおくれたとき、天候が悪くておくれたときとそうでないときで費用の負担を荷主がするのか海運会社がするのか分かれるんだ、この証明というのは本当に重要なものなんだということもおっしゃっているわけですね。
 それからまた、夜間に停電になって発電装置が使えなくなったら気象データがとれなくなる、こういう声があるわけです。
 ですから、今お話しのあった機械化、自動化で十分対応できるというのはとんでもない。住民の方たちにとっても大変なサービス低下になる。だからこそ、地方の自治体からこうしたさまざまな意見書、要望書が来ているんじゃないですか。サービス低下につながると思いますが、どうでしょうか。
#122
○説明員(山本孝二君) ただいま御指摘のありました三点の件でございますが、一つは、まず気象証明の件に関しましては、基本的には観測値は累積されているわけでございますので、風のデータだとかそういうものについての気象証明は、日中、小樽測候所の方で対応することは可能でございます。
 また、早朝のヨット等の問い合わせにつきましては、先生御指摘のような状況も一部あるわけではございますが、札幌管区気象台の方で十分なる対応をするよう検討して、今、対応できるというふうに判断していると聞いております。
 それから夜間の停電の問題でございますが、基本的には夜間の停電の問題、発動発電機を自動立ち上げをするとかいろんな問題があるわけでございますけれども、観測の欠測というのはないにこしたことはないわけでございます。しかしながら、職員に機器の常時監視をさせてもそういうことは直ちには対応というわけではございませんで、私どもとしてはいろいろな装置の総合的な活用を図った上で、住民の方へのサービス低下がないように努力していくつもりでございます。
#123
○林紀子君 それから、もう一つお聞きしたいわけですが、静岡県の御前崎測候所、ここは東海大地震の危険を抱えている箇所ですけれども、この地震観測に大きな支障が出てくる。ここは夜間の廃止ではなくて、二人の泊まりを一人にしてしまうということだそうですけれども、ここは東海大地震の予測のために海底地震計を中継する場所、また、地震傾斜計というのは日本でここしかないということですけれども、この海底地震計は昨年一年間で五十回も故障があった。そして、この故障というのはすぐさま直さなければならないわけですけれども、一人体制になってしまうとそれに対して素早く対応ができない、また、故障機器の復旧をやっているとほかの計器の監視もできなくなる、こういう状況も聞いているわけですが、これでは、まさに地震に対して監視を強めなければならないのにそれに逆行するものだと言わなければならないと思いますが、いかがでしょうか。
#124
○説明員(山本孝二君) お答えいたします。
 御前崎は、現在、夜中二人体制で、夜間一時的に一名の体制になるわけでございますが、しかしながら、その御前崎に置いております海底地震計のデータは基本的には私どもの気象庁本庁で観測が監視ができるということで、そういう意味においては二十四時間常時データの監視ができるわけでございます。また、御前崎測候所におきます海底地震計等の障害についても気象庁本庁を含めた監視の中で総体的に対応するということで、東海地震に関する対応について遺漏のないよう措置するということで計画しているものでございます。
#125
○林紀子君 お話を聞いておりましても、やはり人が減らされてしまうということによって重大な状況が出てくるということについて、機械でかわる、自動化でかわるということでは、何ら私の方では納得のできるようなお答えではありません。
 政府はことしの六月にブラジルで開かれる地球サミットの政府報告で、気象の観測、監視を強化する、こういうことをうたっているそうですが、気象庁の人員削減というのはこの十年間だけでも三百人近くに及んでいますし、さらに今後五年間にこの第八次削減計画によりまして二百六十五人も削減する計画、測候所の夜間閉鎖はこれまでにも二十五カ所にも拡大した、これでは気象観測、監視の強化には到底つながらないと思います。
 第八次定員削減計画がまずあってそれに合わせて人を削っていく、事業の方が大丈夫だからこれだけ削るということじゃなくて人減らしかまずあってそれに無理やり理由をくっつけていく、こういうことでしかないと思われます。
 このような、気象サービスの低下につながり、そして地震の上でも大変な気象観測、監視の低下につながるような人員削減というのはどうしてもやめるべきだと思いますけれども、その件について最後に伺って、質問を終わります。
#126
○説明員(山本孝二君) お答えいたします。
 先ほどの繰り返しになるわけでございますが、今回の測候所業務の一部変更は、近年の観測だとか監視だとか、あるいは予報体制等の技術の高度化だとか整備の高度化、そういうことを背景にしたものでございまして、防災上の観点から見ても特段の問題がないような形で私どもは対処する姿勢は変えてございません。したがって、現時点でサービス低下を含む問題点が起きるとは考えていない次第でございます。
#127
○井上哲夫君 私がきょう質問を通告した案件については、ほとんどが重複になってまいりました。しかし、重複を避けながら質問をしたいと思います。
 まず農水省にお願いをいたします。
 雲仙の普賢岳ではこれから具体的な復旧ということになるわけでございますが、実は二年前には三重県で林業の盛んな尾鷲を中心にしたところで、台風が三連発で上陸をしたこともありまして、杉、ヒノキが大量に倒れ、倒木被害が大量に出たわけでございます。それについては直ちに林野庁の方も実態を重視されて、いわゆる激甚指定をなされ、復旧にこれまで力を注いでこられました。大変ありがたいことだと思います。
 そこで、今、ほぼ二年を経過しようというときに当たって、倒木被害で激甚指定になったその実態がどこまで復旧に至っているか、数字も挙げて御説明をまずお願いしたいと思います。
#128
○説明員(村田吉三郎君) 御説明を申し上げます。
 先生お話しのように、一昨年の台風十九号によりまして三重県下だけでも八十億円を超える森林被害が発生したわけでございまして、この復旧に当たりましては、激甚災法に基づきます森林災害復旧事業を適用するとともに、復旧に必要な予算措置につきましては三重県からの要望を踏まえまして措置を講じてきているところでございます。
 その進捗状況を申し上げますと、平成三年度末で約四〇%になる見込みでございます。
#129
○井上哲夫君 四〇%ということでございますが、今後それではどういう形で復旧事業が進展といいますか、復元が見込まれているのか、その概略についてお願いをいたします。
#130
○説明員(村田吉三郎君) 林野庁といたしましては、先生冒頭に御指摘のございましたように、二次災害の防止の観点、森林の国土保全機能の維持回復という観点、あるいは森林所有者の経営意欲の喚起等の観点から三重県とも密接な連携を図っているわけでありますけれども、平成五年度までに所要の復旧が終了するように努力をしてまいりたい、このように考えております。
#131
○井上哲夫君 実は私、二年前に質問をしたその後追いといいますか、そういう気持ちで今やっているんですが、災害復旧の問題では、特に過疎地におけるもろもろの状況等もありまして、中小零細の林業家の被害を受けられたところは大半がいまだに手がついていない、手をつけることがもはやできない、それはもう今後も容易に復旧の形の手をつけることは望めそうもない、こういうことを伺いました。
 このことが別にすべて林野庁の責任という意味で私は申し上げているわけではありませんが、このように非常に復旧自体がままならないといいますか、人もいない、あるいは山を持っている人たちも、人手を加えて倒れた木を整理して造林をしようとしても、将来の展望も見えない、それではもう放置することによって損害を最小限度にするしか方法がない。つまり、実際には被害を受けているわけですが、被害の復旧にまたお金がかかり、それに見合う展望がない以上は、二次災害というよりも二次損害を防止しなければならない。そのことによってどんどん現実には離職といいますか転職が進んでいく。
 こういう事態を考えてみますと、大臣が今お見えになりませんのでいたし方ないんですが、雲仙の普賢岳の災害でも、現在まだあのような状態の中で、農業、漁業、林業等の一次産業の被害を受けた人たちの場合には容易に復職、復旧ができるものではないということにつながっていくんではなかろうかと思います。そういう意味では、防災に強い町づくりというふうなことについて、今現地では、実態調査から希望調査といいますか、そういうところにきている段階だとは思いますが、雲仙の場合に防災に強い町づくりをどのように考えていくのかについてお尋ねをいたしたいと思います。
#132
○政府委員(鹿島尚武君) 雲仙の被災地域の復旧、復興につきましては、今後火山活動が鎮静化していくのに備えまして、長崎県が主体となり、国、地元市町と十分連携しながら将来の防災地域づくり、地域の振興と活性化に取り組んでいくことが肝要だと考えております。
 政府におきましては、既に県を指導いたしまして必要な措置について調査検討を進めております。この一環といたしまして、昨年十月からでございますが、国土庁におきましては、将来の被災地域の復興の基礎となる安全な都市づくりについて調査、検討を行うため、火山災害に対応した防災地域づくりに関する調査を開始しております。
 一方、このたび、ただいま先生仰せられましたとおり、防災地域づくりの基礎となる砂防ダム等の計画が長崎県から公表されたところでございまして、国土庁としても、これを基本として、防災や振興に係る調査、検討が円滑に進められますよう今後とも県に対し適切に指導、助言をさせていただきたいというふうに考えております。
#133
○井上哲夫君 私の聞きたかったことと若干ずれてしまったんですが、それではもう一度林野庁の方にお尋ねをいたします。
 この四〇%の復旧自体、今後目標としてはあくまで平成五年度までには復旧それ自体を一〇〇%にしたいというふうなことでございますが、現実にただ時間がかかってたまたまその進行途上であるから四〇%であるということの御認識ではいけない。むしろいろんな形で法律の制約なり予算の制約があろうかと思うんですが、六割ぐらい復旧できたら実は最終ゴールだというふうな考えを持たなければいけない。そのためには、法律の枠、予算の枠を超えることはできないにしても、その辺を知恵を絞って、早期に、より四〇%から五〇%、六〇%の復旧に持っていくためには特段の努力をしていただかないといけないんではないかというふうに思うのでございますが、いかがでしょうか。
#134
○説明員(村田吉三郎君) 先生御指摘のとおり、災害の跡地復旧につきましていろいろの観点から早急に緊急に措置をすべきだというのはおっしゃるとおりだと思います。私どももその点を踏まえまして都道府県と早期復旧ということで打ち合わせをさせていただいておるわけでありますけれども、県段階でのいろいろな執行体制の問題等もあると思いますが、そういうことで現在四〇%になっているというのは現実でございます。
 ただ、私どもといたしましては、激甚災法に基づく森林災害復旧事業だけではなく、森林所有者の経営意欲の喚起という観点から、例えば分収林の公的な造林を推進いたしますとか、あるいは低利の融資制度について趣旨の徹底を図るとか、いろいろなことを通じまして、また一般の造林の施策等も通じまして、この早期復旧に総合的に取り組んでいきたい、こう思っているわけでございます。
 ともかく一日も早く復旧をしていくということが原点であろうと思いますので、御指摘の点も踏まえまして努力をしてまいりたい、このように考えております。
#135
○井上哲夫君 次に、先ほど来の同僚委員からの質疑の中で出ました土石流の予防対策ということについてお尋ねをしたいと思います。
 三月一日に思わぬ土石流の被害が出たわけでございますが、それに対して遊砂地というんですか、珍しい言葉だと思うんですが、遊砂地をつくって土石流対策を講じたらどうかと検討を始められた。そしてその場合に、貯砂容量については十万立方を考えて二カ所で遊砂地をつくって、来るか来ないかはわかりませんが、二次、三次の土石流による人災を防ぐ、あるいはこれ以上の災害を防ぐ、こういうことだということです。
 では一体いつから間に合うのか。これは大変難しい質問で、先ほど来その点が慎重に避けられていたとも受けとめられるわけでございますが、本当にいつ次の土石流が来るのかということはわかりません。これは神のみぞ知るわけでございますが、しかし、すぐもう四月から気候条件は変わりますし六月には梅雨がやってくるということを考えますと、明らかにできる限りで結構でございますが、具体的にどのようなスケジュールで考えてみえるか、お尋ねをいたしたいと思います。
#136
○説明員(高橋哲雄君) お答え申し上げます。
 水無川の国道五十七号線から下流区域内の土石流の流下の可能性の高いところにおきまして遊砂地を設置すべく検討しておるところでございますけれども、その時期につきましては、現在、地元の地権者と交渉を始めておるところでございます。私どもとすれば、ことしの梅雨までに何とか考えたいということで努力をしてまいる所存でございます。
#137
○井上哲夫君 これ以上御質問するのもいかがかと思いますので、次に最後にもう一点だけお尋ねをいたします。
 重複する質問になるわけでございますが、測候所の人員削減、いろいろ今、山本課長さんがるる御答弁をなされたんですが、今の質問と答弁を聞いておりまして、確かに装備の充実による近代化、自動化、そういうことからほかのところへも新しい人材を振り向けて時代とともに変わっていくと。これはよくわかる。よるわかるというよりもやむを得ないことかもしれない、こういう思いで聞いておりました。
 実は測候所の人が減るというところはほとんどが過疎地でございます。例えば三重県の尾鷲の例を申し上げますと、隣の和歌山県に近い熊野市等はもう過疎の波は終わった。つまり、減りに減って、もう減りようがない。しかし、実は尾鷲の場合には、これから人がどんどんいなくなる。そういうときに、私は、昔、司法畑におりましたのでわかりますが、簡易裁判所はなくなる、あるいは郵便局も小さくなる、さらにここに来て測候所も人が減っていく、こういうふうなことになりますと、特に漁業や農業、林業等の第一次産業の人たちは逃げ場がないので、したがって過疎になってもへばりついていくわけですが、そういう人たちにとっては測候所の人減らしというのは大変心理的に不安が増大している面があるわけでございます。
 そういうことを考えますと、私はその辺を、確かに測候所の体制の近代化とかあるいは新しい業務の方へ振り向けなきゃならないとかという状況はあろうかと思うんですが、そういう面の格段の御配慮をいただきたいというふうに考えておりますので、その点について、重ねての質問で恐縮ですが、お願いをいたしたいと思います。
#138
○説明員(山本孝二君) お答えいたします。
 そういう地域の住民の方にとって最も大事な問題は、台風等の異常気象時におきまして情報が的確に伝達されるということが基本になるわけでございますが、私どもといたしましては、注意報、警報情報等を的確に作成し発表する中で、地域防災計画等の定めるところによりまして関係方面に情報が伝達される仕組みを十分活用していきたいと思います。また、近年、特に地震なんかの場合でも、先生御案内のとおりテレビ、ラジオによる情報伝達というのが極めて重要でございますので、それについても常日ごろから報道機関と情報提供のあり方について検討しているところでございますので、それらについてもさらに密接な連携体制を確保するために努力をしてまいりたいと思います。
 また、測候所の夜間集約、特殊日勤化に伴って全面的にいつも無人だということではございませんで、台風等重要な災害が発生するおそれのある場合には、夜間も臨時に職員を配置いたしまして住民の方からの直接的なお問い合わせに直ちに対応するという体制をとることとしておるわけでございます。
#139
○井上哲夫君 お答えを伺っておきますが、お願いをしたい。
 例えば尾鷲の場合で申し上げますと、雨は日本で一番たくさん降る、台風は紀伊半島は一番上陸の頻度の高いところ、そしていわば気象の測候データの変化が一番激しくて、それを求められるところにあるというふうなことを考えますと、理屈でいけば、削減をしても臨時に非常時のときは非番の人を充てて対応されるということは、私が答弁の側に回れば私もそう言うだろうなと思いますけれども、現実に非番の人を非常時に回すことができるということは、それは非番の人たちと施設の管理者が十分にやっぱり話し合いをして、そこに意思の疎通を十分するということが肝要でありまして、その点十分御配慮をいただきますことをお願いしまして、終わります。
 ありがとうございました。
#140
○勝木健司君 私も雲仙・普賢岳の噴火災害について何点がお尋ねをいたしたいというふうに思います。
 雲仙・普賢岳の噴火災害は、今なお火砕流あるいは火山性地震が断続的に発生し、予断を許さない状況にあるわけでございます。また、避難を余儀なくされている方々も噴火の一日も早い終息や帰れる日を待ちながら不安な日々を送っておられます。政府は二十一分野九十項目の災害対策を実施しておりますが、被災者にとりましては必ずしも十分とは言えない面もあるわけでございます。
 そこで、まずお伺いいたしたいと思いますのは、食事供与事業についてであります。
 現在七百八十一世帯が食事供与事業の対象となっておるわけでありますが、先ほどからもありますように、四月三日で実施期間が終了するということであります。私はぜひ延長すべきであるというふうに考えておりますが、政府の平成四年度の予算を見てみましても、食事供与事業の予算が計上されておりません。なぜ計上されていないのか、お尋ねをいたしたい。
 現在、この食事供与事業の実績は月平均で七千七百六十万円程度というふうにお伺いしております。これを国と県で二分の一ずつ分担しておるということでありますので、こういうことでいきますと、四月以降も供与事業を延長するならばそのときの国と県の事業費はどの程度になるのか、お伺いをしたい。
 先ほどの話の中でも、生活の手だての確保のための趣旨だということでありますけれども、しかし、現実的にはまだ職についておられない生活の手だてのない方がおられるわけでありますので、ぜひその辺も含めて御回答をいただきたいというふうに思います。
#141
○政府委員(鹿島尚武君) 今次の雲仙噴火災害におきまして、二十一分野九十項目にわたる対策を決定し、被災者に対する救済支援を行っておるわけであります。その中で、特に今次の災害の特殊性を踏まえ食事供与事業を特別な措置として設けたわけでありますが、その趣旨は、ただいま先生が仰せられましたとおり、実施期間を最長六カ月に限りまして、被災者の方々におかれて新たな生活の手だてをこの期間中に確保していただくという点にあるわけでございます。
 本事業は一定の成果を上げつつあろうと思いますが、一部地区を除いて四月三日に終了することになるわけでございます。そうなりますと、平成四年度の予算につきましては一部残された地域につきまして補助金として約六百四十万円を計上しているわけでございますが、その余につきましては一応六カ月で最長期間が切れるということで、数字は先生仰せられましたとおり計上されておらないわけでございます。わずかしか予算計上はされておらないわけでありますけれども、国土庁といたしましては、現在、長崎県が就業状況あるいは意向につきまして各戸それぞれについて調査を実施をしておられますので、その結果を待って、食事供与事業の扱いも含め適切に対応していきた。いというふうに考えております。
#142
○勝木健司君 今もありましたように、六百四十万計上されておるということでありますが、やはり実態に即して、雇用調整助成金でも二カ月二カ月、三度ずっと延長されておるわけでありますので、この生活の手だての促進とあわせて現実的な対応をぜひしていただきたいというふうに思っております。
 そして次に、この今回の食事供与事業につきましては、現金での供与を認めており、二分の一を長崎県と国庫補助ということであります。この災害救助法による食事の供与でありますが、政府の従来の主張では、現に食し得る状態にあるものを給し原材料及び現金を支給することは本制度に反するので認められないということであったわけでありますけれども、現在もこの考えには変わりはないのか、お伺いをいたしたいというふうに思います。
#143
○説明員(松本省藏君) 御説明いたします。
 災害救助法は、災害に際しての応急的に必要な救助を行うというのが基本的な目的でございます。したがいまして、救助法の二十三条第一項にいろいろな救助の種目が掲げられているわけでございますが、この応急救助という法律の目的からいたしまして、災害による混乱状態における応急救助ということで、各救助は現物給付ということを原則としているわけでございます。従来の考えは変わっていないわけでございます。
#144
○勝木健司君 しかし、今、政府が予算援助ということで予算補助として実施しているこの食事給与にかかわる費用負担というのは、実質的には災害救助法二十三条に基づく食品の給与を金銭で行うのと全く同じ効果だというふうに思います。この政府の行われました今回の食事供与事業は、長期にわたる噴火災害等による救助として極めて被災者のニーズの強いものであると認識をいたしておるわけであります。したがいまして、長期にわたる災害につきましては、災害救助法を改正して、長期にわたる噴火災害等による災害に際しては、二カ月以上ということでありますけれども、一カ月以上避難を余儀なくされて本来の所得の途絶えた一定の被災者に対しては食品の給与を金銭で行ってもよいとすべきであるというふうに私は思うわけであります。
 そういった意味で、現在、予算措置で実施しているわけでありますので、きちんと法整備をした方が率直に言っていいんじゃないかというふうに思うわけであります。そういった意味で、国土庁並びに厚生省に、災害救助法を改正すべきじゃないのか、実態に即して救助法を改正すべきだというふうに思いますが、お伺いをいたしたいというふうに思います。
#145
○政府委員(鹿島尚武君) 今回の措置は、先ほども申し上げましたとおり、雲仙岳噴火災害の特殊性にかんがみて講じた措置でございます。
 一般的に、自然災害によりまして個人が被害を受けられた場合には、個人が加入されます保険制度を初め、いろいろみずからの努力に期待する部分が多いわけでございます。ただ、そういう中で、法的にはただいまお話がありました救助法によります炊き出し等がありますし、災害弔慰金の制度もございます。住宅の融資の低利の助成制度もございます。あるいはまた、租税等におきます特別の配慮措置もあるわけでございます。
 そこで、一般論に相なるわけでございますけれども、災害対策の過去の実績あるいは将来の見通しといったものも十分に踏まえまして、その災害の特性、被害者が置かれた状況等を勘案して決定をするというのが望ましいわけでございます。そこで、雲仙対策として特別に講じましたこの食事供与事業の措置を一般的な制度として定めるということは適当ではないという考え方で、予算補助ということで実施をさせていただいておるものでございます。
 今後ともそういう考え方で変わらないわけでございます。
#146
○説明員(松本省藏君) 重ねてのお答えになるかもしれませんが、災害救助法に基づきます各種の応急救助の措置はあくまでも応急救助として行われるものでございまして、お話しの特別措置によります食事の供与事業は救助法の応急救助という法の目的のいわば外にある事業でございまして、救助法の中で対応するということは困難ではなかろうかと考えているわけでございます。
#147
○勝木健司君 今お話がありましたけれども、前例のない事業ということでこういう供与事業をやられておるということでありますけれども、しかし、これはやっぱり前例、実績として、そういう実態に合ったような法律をつくっていくべきじゃないかというふうに思います。まあ政府としてはそういうことは考えないということであれば議員立法しかないということであろうというふうに思いますが、私としては、そういう前例のない事業をやっておるんだということもよしとするわけでありますけれども、しかし、そういう前例のないことばっかりどんどん拡大していくよりも、拡大していく中から実態に応じた災害のそういう法律を改正していくことも大事だろうと思います。
 次に、災害復興住宅についてお伺いをいたしたいというふうに思います。
 住宅金融公庫は、災害によって家屋を失った者が二年以内に家屋を再建する場合に金融公庫法により融資をすることができるようになっておるわけであります。
 この融資の利率についてでありますけれども、この利率は確かに一般の公庫融資より有利ではあるわけでございますが、噴火災害により多くの財産や生活基盤を失った者には家を建てること自体かなりの負担であるわけでございます。したがって、自然災害による復興住宅の一定のものに対して天災融資法並みの年利三%を実施してもいいのじゃないかというふうに思うわけであります。私個人の心情としては金利をゼロにしてもいいんじゃないかと思うわけでありますが、他の災害とのバランスも考えて、四・七%から三%ぐらいの金利にするぐらいは政府の腹一つで実現可能じゃないかというふうに思うわけでありますので、この施行令を改正する意思がおありかどうかお伺いをいたしたいというふうに思います。
#148
○説明員(石井正弘君) 住宅金融公庫の災害復興住宅資金貸し付けについてのお尋ねでございますが、平成三年の雲仙・普賢岳噴火による災害につきましては、既に昨年六月十日から受け付けを開始しているところでございます。
 この制度についての御質問でございますが、一般の貸付制度と比較いたしまして御説明申し上げます。
 現在、金利は一月二十七日から四・七%というふうに引き下げているところでございます。一般の公庫の貸し付けの場合と比較をいたしますと、一般の場合は、初めの十年間が四・九%でございまして、十一年目以降になりますとこれが五・六%となるわけでございます。これに対しまして、本制度は全償還期間、木造の場合は二十五年でございますが、を通じまして四・七%ということで低く金利水準を設定しているということがございます。
 そのほかにも、貸し付けの限度額につきまして、木造の新築住宅の購入ということで申し上げますと、今回の被災地でございます島原市等におきましては、一般の公庫貸し付けが七百九十万円までとなっておるのに対しまして災害復興住宅貸し付けの場合は千五百五十万円までとなっておる。また、償還期間につきましても三年間の据置期間というのを災害復興住宅については設けることができる。
 このように、災害復興住宅貸し付けは災害の特殊性にかんがみまして一般住宅に比べまして格段に有利となっておるということを御理解いただきたいと思うわけでございます。
 この利率を政令改正によって三・〇に引き下げられないかという御質問でございますが、これまでの災害復興住宅貸し付けの利率が一般の貸し付けの基準となる金利より若干下回る率ということで、相当長い期間こういう扱いをしてきたという経緯がございます。この取り扱いを行ってきた過去の多くの災害とのバランス等を考慮いたしますと、困難であるということかと考えているところでございます。
#149
○勝木健司君 次に、防災集団移転促進事業についてお伺いいたします。
 二月二十二日でしたか、長崎県はスーパーダムやセーフティーゾーンの設定を柱とした砂防・治山施設計画の基本構想と農地復旧方針を被災地住民に説明会を行ったとされております。移転対象戸数は三百戸で、影響範囲は島原市二百七十ヘクタール、深江町七十ヘクタールであります。
 そこで、国土庁にお尋ね、いたしますけれども、雲仙・普賢岳噴火災害にかかわる長崎県の復興計画をどのように把握されておられるのか、と同時に、この復興計画を実施する場合にどのような法律に基づいて実施するのが道切だとお考えなのか、お伺いをいたしたいというふうに思います。
#150
○政府委員(鹿島尚武君) 被災地域の復旧、復興につきましては、今回の火山活動の鎮静化に備えまして、長崎県が主体となり、国や地元市町と十分連携しながら、将来の防災地域づくり、地域の振興と活性化に取り組んでいくことが肝要と考えており、政府においては既に県を指導し、必要な措置について調査検討を進めているところでございます。
 復興計画については、現在、長崎県において策定作業を進めているわけでございますが、このたび長崎県から雲仙・普賢岳火山砂防計画が地元に提示されました。これは今後の復興にかかる計画の基点となるものというふうに承知をいたしております。
 次に、先生からお話のございました、この復興計画を今後実施する場合の法律は何かというお話であったかと思います。
 復興にかかる計画は、その内容によるわけでございますけれども、大変多岐にわたるものであろうかと予測をされます。例えば砂防ダムをつくるということになりますと、砂防法、森林法という法律によってまいります。それから農地の復旧関係になりますと、農地法あるいは農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律というような法律によってまいります。また、集団的な移転を要するということになりますれば、ただいま先生からお話のございました集団移転法によってくることとなろうかと思います。
 それぞれの計画の内容といたします事業によりまして根拠法が大変多岐にわたってくるだろう、こういうふうに申し上げさせていただきます。
#151
○勝木健司君 そこで、長崎県のこの説明会の中では、宅地や農地の買い上げについて被災前の価格で買ってほしいという強い要望が出ていたというふうに聞いておるわけでありますが、この計画の実施に当たり、用地の取得に際しては買い上げ価格はどう設定をされるのかということであります。もし用地の取得に際し極めて安い買い価格が設定された場合は、住民の同意はなかなか得られないんじゃないかと思うわけであります。現に三宅島の場合は、平米当たり七百五十円という価格であったため住民の同意が得られなかったということであります。この防災のための復興計画を円滑に進める上で、ぜひ農地や宅地の買い上げは被災前の価格で買い上げるべきだと思うわけでありますが、お伺いをいたしたいというふうに思います。
#152
○説明員(澤井英一君) 復興の中で公共事業のために土地を取得するということで御説明を申し上げます。
 この場合には財産権に対する補償という観点からの補償になりますので、契約締結時におきます正常な取引価格ということになると考えております。
 なお、今回のような被災地の評価をこの考え方によってする場合には、今申し上げました契約時の価格を従前地の標準的な使用状況ですとか地域の復旧の見通しなど、そういったいわゆる価格形成要因を総合的に勘案して決定するということになるだろうと考えております。
#153
○勝木健司君 最後に、警戒区域の設定権限についてお伺いをいたしたいというふうに思います。
 避難の勧告または指示の権限、警戒区域の設定権は、災害対策基本法六十条、六十三条で市町村長に付与されておるわけであります。しかし、今回のこの雲仙岳噴火災害におきます島原市長等の御意見を聞いておりますと、専門学者の間でも噴火の前兆に対する見解に差異があること、また、噴火災害の専門家でない自治体の首長には警戒区域の設定等にはいろいろな困惑があるとお伺いをいたしております。また、警戒区域の設定は住民の生活の場を奪うことになり簡単に決断できるものではないとも述べておるわけであります。
 確かに、地方自治の本旨に照らしましてこのような権限が市町村長にあることは、地方自治の自主、自律、民主主義の涵養の観点からも適切かと考えますが、しかし、今回のこの雲仙・普賢岳のような複数の市町村にまたがる自然災害については知事が警戒区域の設定等を代行できてもいいのではないかと思うわけであります。災害対策基本法の円滑な運用、そして被災地住民の生命の安全の確保、迅速な警戒区域の設定のため、複数の市町村にまたがる災害については知事が代行できるよう災害対策基本法を改正すべきであると私は考えるわけでありますが、御見解をお伺いいたしたいと思います。
#154
○政府委員(鹿島尚武君) 先生仰せられましたとおり、地方自治法第二条で防災は地方公共団体の固有事務というふうにされております。災害対策基本法におきましても、この考え方を受けまして、市町村は基礎的な地方公共団体としてその地域並びに住民の生命、身体、財産を災害から守る責務を有するものとされておるわけでございます。そこで、仰せられましたとおり、避難勧告、警戒区域の設定につきましても、地域の実情に詳しく、地域住民等の生命を災害から守る責務を有する市町村の長が行うということになっておるわけでございます。
 そうは申しましても、災害対策基本法七十二条に規定がございまして、都道府県知事は特に必要があると認めるときは市町村長に対し応急措置の実施について必要な指示を行うことができるということにされております。今日まで警戒区域、避難勧告の区域、いずれの設定あるいは変更に際しましても、知事は率先いたしまして市長、町長に対しまして強い要請あるいは指導を行っているというふうに私どもも伺っております。
 余計なことでありますが、災害対策基本法七十三条にはさらに、都道府県知事は災害の発生により市町村がその全部または大部分の事務を行うことができなくなったときは警戒区域の設定等応急措置の全部または一部を当該市町村長にかわって実施しなければならないという規定もございます。
 このような現行の諸規定を活用することによりまして所要の措置は十分講ずることができるのではないかというふうに考えております。
#155
○勝木健司君 自治省はどうですか。同じですか。
#156
○説明員(古内晋君) 同じような御答弁になるかと思いますけれども、災害対策基本法におきましては、現地におきます各種応急対策は、第一次的には災害現場の事情に最も精通しております市町村において実施しておりまして、都道府県はより広域的な見地から市町村の対策の実施を助けましてその総合調整を行うものとされておるというふうに考えております。したがいまして、避難の勧告や指示、警戒区域の設定は、この趣旨に基づきまして、同法第六十条及び第六十三条によりまして市町村長の権限とされておるというふうに考えておるところでございます。
 一方、災害対策基本法は、この原則を踏まえながらも、市町村と都道府県が密接に協力をしまして災害に対処できますよう、同法七十二条の規定によりまして、知事は必要と認めるときは市町村長に応急措置の実施につきまして必要な指示ができるということとされておるわけでございます。
 なお、雲仙・普賢岳の噴火災害の避難の勧告や指示、警戒区域の設定、その期限の延長等につきましては、災害発生以来現地におきまして市町村長が知事等関係者と十分協議の上決定されているというふうに承知しておりまして、このような仕組みを通じまして所要の措置が講じられておるものというふうに考えております。
#157
○勝木健司君 終わります。
#158
○今泉隆雄君 世界に活火山が約八百あると言われておりまして、日本はその中で八十三の活火山を持っていると言われております。この火山、桜島であるとか伊豆半島であるとか阿蘇山であるとか雲仙とか、それからまた去年はいろんな台風、前線などによる暴風雨の被害そのほかがたくさんありました。そういう意味で、災害というものに対しての考え方を本当に進めなければいけないと思っております。
 私の質問は、各委員が皆さんなさったことと大分ダブってしまいましたので、全部飛ばしまして、一九八九年から始まった国連の国際防災の十年というものについてお聞きしたいと思います。
 今まで、平成二年に国際会議が開かれたり、三年に国際地震サミットが開かれたり、いろいろな活動があったと思いますけれども、今後の基本的な推進活動というのはどうなっているのか、お聞きしたいと思います。
#159
○政府委員(鹿島尚武君) 一九八七年十二月の第四十二回国連総会におきまして、日本、モロッコ等九十三カ国の提案により、九〇年代を国際防災の十年とする決議が採択をされております。これは、国際協調行動を通じ全世界、特に開発途上国におきます自然災害による人命の喪失、財産の損失、そして社会的経済的混乱などの被害を軽減することを目的といたしたものでございまして、国連の呼びかけによりまして世界各国でこの十年の推進を果たすための体制づくりがなされており、現在、約百カ国で各国での防災に取り組むための推進組織ができておるところでございます。
 日本におきましては、その主たる提唱国ということで、また防災分野の先進国というような自負も持っておりますから、つとに政府に国際防災十年推進本部というのを設置いたしまして施策の推進を今まで図ってまいっておるところでございます。
 少々具体的に申し上げさせていただきますと、この推進本部におきまして「国際防災の十年事業推進の基本方針」というのを冒頭決めてございます。この方針にのっとりまして先生仰せられましたような初年度、二年度の事業の実施を今日まで図ってまいったわけでございます。
 これまで、海外向けの広報、訓練用教材の作成といったようなものを行うとか、平成二年度は、先生仰せられましたとおり国際防災の十年の国際会議の最初の年でありましたから記念式典もあわせて実施いたしました。三年度には、十月に国際地震サミットを開催いたしまして、開発途上国におきます防災体制の整備促進に関する調査の開始等も行っております。それから、平成二年二月に、開発途上国の行政官を対象として日本の防災行政や技術のノウハウを紹介し、各国で防災行政を担当する人材を育成するための防災行政管理者セミナーを新規に設けまして、平成三年六月までに三回これを実施いたしたところでございます。
 このほか、日本におきましては、防災分野の国際協力といたしまして、機材の供与、技術協力センター事業なども途上国におきまして相手の国の要請に基づいて着実に実施をいたしておるところでございます。
 こういった日本の活動は国際社会においても高く評価されておるわけでございまして、ことしの国連事務総長の新年のメッセージにおきましても、国連は日本がIDNDR、国際防災の十年の持つ人道的な目標に貢献してくださることを大いに歓迎しているというふうに述べられております。
 私どもといたしましては、今後もこういった防災に係る教材の作成と各国への配布、開発途上国の調査や研修の実施を通じた開発途上国の人材育成等に関する支援を行いますとともに、本年秋に千葉で国際防災会議というものを開催することを予定いたしておりますが、この席を通じまして、災害が多発しております開発途上国も交えた知識、経験の交流を行いまして、防災分野の国際協力、国際交流を積極的に進めてまいりたいと思っております。また、この国際防災の十年自体を含めまして、正本におきます防災に関する普及啓発活動も忘れずに積極的に進めていきたいというふうに考えております。
#160
○今泉隆雄君 今、局長がおっしゃられたように、それだけ日本は先進国として協力していくということを申されましたけれども、私が聞くところによりますと、それにしては予算が二億円弱しかないとか、国連供出金が六千五百万であるとか、国内予算が四千四百万であるとかいうようなことでありますが、これでは余りにも少な過ぎて何もできないのではないかという疑問が非常にあります。そのことについてお聞きしたいことと、PKOでは全国紙に広告を出しましたが、国際防災の十年の広告は今後出す予定があるのでしょうか。その二つについてお聞きしたいと思います。
#161
○政府委員(鹿島尚武君) 防災に関します国際協力の分野におきます予算措置の件でございますが、もちろん各機関にまたがって計上されておりまして、私ども国土庁に関しましては、こういう会議を開き、後進地域の方々の啓発も含め、国内の防災に関心を持っていただくということを目的といたしておりまして、私どもの施策の推進に関しましてはこういった予算で進めさせていただくことになっておるわけでございます。
 ただ、そういった中で、皆さんに理解していただくために広告、周知宣伝が行き届かないんじゃないかという御趣旨だと思いますが、この辺につきましては現在公的な機関を通じて私どもこういったことを国民各界各層にお伝えするようにいたしておるわけでございますけれども、なお一層その周知の仕方につきまして工夫を凝らしてみたいというふうに考えております。
#162
○今泉隆雄君 雲仙・普賢岳のことについてもお聞きしたいことがたくさんあったんですけれども、ちょっとダブりそうなので飛ばして、最後の問題に入りたいと思います。
 災害というのは天災だけじゃなくて人災が非常に原因している場合が多いんじゃないかと思いますが、その一つの原因は、リゾート法に基づく基本構想の対象の市町村で去年の台風十九号による被害が非常に多く発生しております。リゾート法に関連した法律では、森林の保健機能の増進に関する特別措置法で知事の許可が必要でなく保安林の伐採ができるというようなことがあるらしいんですが、そうしますと、保安林の伐採が無制限にされる。それでやっぱり人災による災害が非常に多いと思うですが、局長のお考えはいかがでしょうか。
#163
○政府委員(小島重喜君) リゾート法に基づきますリゾート開発あるいはリゾート地域の整備が全国各地で行われております。
 そういう地域で人々の安全を守るというのは御指摘のとおり大変重要な点でございまして、リゾート法に基づきます国の基本方針等におきましてはその点について特に触れておるわけでございます。「国土の保全等に配慮し、適切な治山・治水対策等により安全性の確保に務める」、こういうことになっておりまして、現在、私どものところに三十五ほどの承認基本構想が参っておりますが、その基本構想におきましては、いずれも今御指摘のような防災面あるいは安全面ということに各般にわたって留意をし、そして同時に防災事業を進めるというようなことが基本としてうたわれております。
 それから、保安林の問題でございますけれども、私ども直接は所管をしておりませんけれども、保安林は、私どもの理解するところによりますと、基本的には解除する場合にはそれにかわるべき措置があって初めて解除ということが許されるというのが原則であろうというように私ども考えております。直接は農水省でございますけれども、今御指摘のような点をさらに踏まえまして、リゾート地域の滞在者の安全あるいはリゾート開発によって災害が起こるということのないように十分配慮をしてまいりたい、かように考えております。
#164
○今泉隆雄君 それでは最後に、今御答弁されたことにちょっと関連しているかもわかりませんが、承認済みの基本構想がもう既に三十五カ所あり、五百四十万ヘクタールになるんだそうです。つまり、日本の国土の一四%ぐらいになるという広いリゾート地域がでさる。ただし、そのリゾート地域の中で、この間聞いた話ですけれども、関東平野の西側にあるいわゆるゴルフ場銀座と言われるところは七十のゴルフ場があるそうです。その中で、埼玉県の東秩父村では林道が破壊されてみんな困っているというような話も聞きます。そういうことが実際にあったのか、それに対してどうしようと考えていらっしゃるのかということが一つ。
 それから、国土庁では現在、大型のリゾートではなくて小型の開発を容認しようじゃないかという考え方が浮かんでいると思います。小型開発が多くなるということはそれだけまた数がふえるというふうに考えられるんですけれども、そういうことによって自然破壊、人災によるいろんな問題がまた起きるんじゃないかと思います。
 その二点についてお伺いして、質問を終わりたいと思います。
#165
○政府委員(小島重喜君) 御指摘のいわゆるリゾート地域が全国の十何%に及んでいるということは事実でございますが、言うならばそのうちの大部分は、例えば、極端に言いますと、富士山の山頂まで一応の区域になっておりますが、施設が整備されるというのはその中の一部でございます。ほんの一割にも満たないそういうところになっておろうと思います。
 それから、今、埼玉県の具体の例をお挙げになりましたが、ちょっと私どもその件につきましては承知しておりませんので、至急調べまして御報告を申し上げたいと思います。
 それから、小型リゾートという意味は、今、何というか、いわゆる中央資本といいますか、そういうのが来て、そして余り地域と密接に関係ないんじゃないかという、そういう御意見があるものですから、表現の仕方としては、言うならばもう少し地域密着型の、あるいは手づくりといいますか、そういう方向は少しはっきりさせる必要がむしろあるんじゃないかということでございまして、規模を小さくしてあちこちいっぱいやらせるという意味よりも、むしろ今のリゾート法の中が今おっしゃったようにいろいろと開発の地点が何カ地区もあって同じような形のものが多いものですから、そういうことも含めて、もう少し地域に密着するというか、地域の皆さん方がまさに地域づくりをする、そういう感じてのリゾート展開というものができないかという意味でございます。
#166
○今泉隆雄君 終わります。
#167
○委員長(鈴木和美君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#168
○委員長(鈴木和美君) 速記を起こして。
 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後一時十二分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト