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1992/04/22 第123回国会 参議院 参議院会議録情報 第123回国会 環境特別委員会 第6号
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1992/04/22 第123回国会 参議院

参議院会議録情報 第123回国会 環境特別委員会 第6号

#1
第123回国会 環境特別委員会 第6号
平成四年四月二十二日(水曜日)
   午後一時三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二十一日
    辞任         補欠選任
     山田  勇君     橋本孝一郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         渕上 貞雄君
    理 事
                石川  弘君
                森山 眞弓君
                西岡瑠璃子君
                広中和歌子君
    委 員
                井上 章平君
                石渡 清元君
                大島 慶久君
                須藤良太郎君
                真島 一男君
                久保田真苗君
                清水 澄子君
                堂本 暁子君
                西野 康雄君
                高桑 栄松君
                沓脱タケ子君
                中村 鋭一君
                橋本孝一郎君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  中村正三郎君
   政府委員
       環境庁長官官房
       長        森  仁美君
       環境庁企画調整
       局長       八木橋惇夫君
       環境庁企画調整
       局環境保健部長  柳沢健一郎君
       環境庁自然保護
       局長       伊藤 卓雄君
       環境庁大気保全
       局長       入山 文郎君
       環境庁水質保全
       局長       眞鍋 武紀君
       厚生省生活衛生
       局水道環境部長  小林 康彦君
   事務局側
       第二特別調査室
       長        宅間 圭輔君
   説明員
       厚生省保健医療
       局結核・感染症
       対策室長     堺  宣道君
       厚生省生活衛生
       局食品保健課長  織田  肇君
       厚生省生活衛生
       局水道環境部環
       境整備課産業廃
       棄物対策室長   三本木 徹君
       通商産業省立地
       公害局環境政策
       課長       若杉 隆平君
       建設省建設経済
       局建設業課長   風岡 典之君
       建設省住宅局市
       街地建築課長   那珂  正君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公害防止事業団法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○自動車から排出される窒素酸化物の特定地域に
 おける総量の削減等に関する特別措置法案(内
 閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(渕上貞雄君) ただいまから環境特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨日、山田勇君が委員を辞任され、その補欠として橋本孝一郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(渕上貞雄君) 公害防止事業団法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○久保田真苗君 事業団法について質問いたします。
 昭和四十年十月に公害防止事業団が発足しました。当時の事業計画ベースの予算は半年分二十億円でスタートしたと聞いているんですが、事業量の急増でこれがふえまして、ずっと見てみますと、昭和四十五年には二百十億円、五十年には一千億円を超えて一千百七十億円、五十二年には千五百九十億円と過去最高額を記録していますけれども、その後急激に減額しているんですね。五十五年には六百八十億円、六十年には六百五十億円、六十二、六十三年は過去最低の六百億円。
 そして、それ以後少しずつ増額して平成四年度は八百九十億円というふうになっておりますが、この事業予算が急激にふえたという理由を説明していただきたいんです。つまり、過去最高を記録した当時の理由です。
#5
○政府委員(八木橋惇夫君) 今、先生事業団が設立されて以来の事業計画の数字の推移をお述べになったわけでございますが、御承知のように事業団事業は建設譲渡事業と融資事業の二つから成っております。このうち建設譲渡事業については、短期的には若干の増減がございますが、基本的には着実に増加するというような傾向があるように見られます。これに対しまして、事業計画規模で申しますと五十一年千五百七十、その前の五十年に千五百二十五と。この辺に非常に大きなピークがあり、それ以降数字が小さくなったという御指摘があったわけでございます。
 この要因としましては、やはり一番大きいのは公害に対する規制の強化ということが考えられますし、それに応ずる公害防止設備投資を企業がどのくらいのペースでやったかということ、さらには順位は落ちるかもしれませんが金利水準の動向等が考えられようかと思います。もう少し申し上げますならば、四十五年の公害国会におきまして公害関係諸法が制定されたわけでございますが、それに伴いまして各種の規制が段階的に強化されるという経緯をたどったわけでございます。それによりまして融資額が五十年度にピークに達し、その後は一応の公害投資が行われたということによりまして減少したわけですが、それ以降、石油危機に対応するための石炭への燃料転換ということに伴いまして今度は大気汚染防止施設に対する融資のニーズが増加し、また低下し、また上昇するというような経緯をたどった。
 そういうことで五十年前後に非常に大きなピークを迎えだということは、やはり四十五年の公害国会における諸規制の効果と、それに伴うて企業は集中的に公害投資をせざるを得なかった、その影響が一番大きくきいているというぐあいに私ども理解しております。
#6
○久保田真苗君 公害規制のために五十年代前半の五十、五十一、五十二年あたりで最高値を記録していることはわかりましたけれども、その後だんだん減ってきています。
 特殊法人については、臨調が基本的方向を示しています。昭和五十八年三月の第五次答申で一つの答申をしているんですが、それは特殊法人等の
整理合理化を提言し、内容としてはこんなふうな答申になっています。環境庁関係法人について見ますと、
  公害防止事業団については、公害防止対策に
 関する地方公共団体等との役割分担の実態を勘
 案じ、建設譲渡業務について、国家的見地から
 みて緊急性が高くかつ大規模な事業を重点的に
 行う等業務内容の転換を図る。融資業務につい
 ても、これらの業務に関連するもの及び公害対
 策基本法に基づく公害防止計画等を推進するた
 めに特に必要なものに限定する。こうなっているわけです。ですから、公害対策基本法に基づく公害防止計画というものが中心になっているということなんです。「また、これら業務内容の転換に対応し、組織の整理・再編成を行う」と。ですから、ここでもって組織の整理ということが言われているわけです。
 内閣は、これを受けて五十九年一月に閣議決定をしておられます。それによりますと、公害防止事業団という項目で、
  建設譲渡業務については、環境行政上緊急性が高く、かつ大規模な事業に重点化する等、逐次業務内容の転換を行う。
  融資業務についても、地方公共団体等との役割分担の実態を勘案し、環境行政上重要度が高く、かつ大規模な事業等に重点化する。
こうあります。答申の方では「限定する」というのを閣議の方では「重点化する」と若干緩和されているようですけれども、この縮小重点化を打ち出したということに沿って、事業予算も五十八年の七百五十億からずっと下がってきまして六百億円というふうに最低を記録しましたですね、この時代に。昭和五十九年から六十二年あたりの事業団の重点とした事業、廃止または削減した事業について説明していただきたいと思います。
#7
○政府委員(八木橋惇夫君) 先生が今御指摘になりました臨調答申及び行革大綱に基づきまして、公害防止事業団における事業の重点化を図るべきであるというような御指摘があったことも事実でございます。
 ただ、もう一つこの時代の背景といたしましては、金融は非常に緩慢になっていたということもございます。これは事業団のみならず民間における設備投資そのものも減少をしておったという時代でございます。したがって、私ども融資業務の重点化を図るということはこの行革審の大綱に沿いましてやったということも事実でございますが、一般的な情勢、時代といたしましてはそういう経済全般の動きも背景にあったということも否み得ない事実でございまして、公害防止事業団が需要があるのにもかかわらず無理に削減したということは私どもはしておらないつもりでございます。
 需要に的確に対応するというようなことはやりましたし、また必要度の高いものを優先的に重点化していくという対応はいたしましたが、無理やり需要があるのに削減するというような動きを故意にとったというようなことは、それほど強調されるべきではないというぐあいに考えております。
#8
○久保田真苗君 質問しましたのは、このときに廃止された事業は何かということなんですが。
#9
○政府委員(八木橋惇夫君) 公害防止事業団におきましてどういった事業内容の見直しをやったかという御質問でございますので、それについてお答え申し上げます。
 六十二年におきまして、大気汚染対策緑地事業というようなこと、また国立・国定公園施設の整備事業というようなものを新規に導入いたしました。見直し事業といたしましては、従来共同利用建物というものをやっておったんですが、これにつきまして共同利用建物ということではなくて、個別棟の設置ができるような改めをやったということがございます。一方、事業を見直すことによって廃止した事業といたしまして、共同公害防止施設を廃止するというようなことをやるとともに、工場移転用地につきましては五年間の臨時業務とするというような見直しをしております。
 また、融資事業については、新規に市街地の土壌汚染防止事業及び合併処理浄化槽設置資金の融資事業を追加するというようなことをやっておりますが、これらの見直しにつきましては、先生先ほどお触れになりました行革大綱に基づくところの見直しとしてやった制度改正でございます。
#10
○久保田真苗君 確かに新しい公害というものも出てきまして、大都市を中心とする大気汚染、湖沼等の水質汚染、それから先端産業における化学物質対策、そういったものが出てきました。
 それで、臨調に続いて行革審というのがございます。行革審は昭和六十一年六月に新たな課題に対応して事業団の業務の見直しを求めているわけです。六十二年行革大綱は所要の法律案等の提出を表明しているわけです。これを受けて、六十二年三月に公害防止事業団事業懇談会が制度の改革を報告しているわけです。その内容を見ますと事業団法の改正につながっているわけですけれども、私はこの懇談会の報告について二つの点にこの際注目するわけです。
 その一つは、現行制度の見直しということなんです。「環境行政の主要課題の移行に対応して新業務を追加する場合には中間報告」、これは行革審の中間報告でしょう。「の指摘するとおり「いたずらな肥大化を避けるべき」であり、現行業務について優先度の高いものに重点化するという観点からの見直しが必要である」、こういうふうに言っております。二つ目は、「国立公園・国定公園の区域内において、利用者の過度の集中に伴う公害を防止するため、公園計画に基づく利用施設を複合的に整備する事業を建設譲渡業務として実施する」。この二点なんです。
 それで、現在行われていますいわゆる四号業務と言われる自然公園内の利用施設を複合的に整備する事業は、この報告書で環境行政上重要な課題として取り上げられているわけです。ところが、重要課題であるにもかかわらずこのたびの改正でそれは廃止されて、改正案では十八条の五号業務として集団施設地区の複合施設というふうに改められるわけです。
 質問ですけれども、現在の四号業務と改正案五号業務の違いはどこにあるのか。そして、なぜそのように改められたのか、説明していただきたいと思います。
#11
○政府委員(伊藤卓雄君) まず、現行四号業務と新五号業務の違いについてでございますけれども、現行四号業務は、先生お触れになりましたように、国立・国定公園の一部地域に観光客等が集中して公害問題が生じないようにする、利用者の集中を分散することによりまして公害問題を生じないようにするというような観点から、新たに公園施設を複合的に建設するというような内容のものでございます。したがって、そういう観点から、対象施設といたしましては公園施設全般を対象といたしますけれども、公害防止にかかわる施設を必ず設けるようにというふうな条件がついておったわけでございます。それから、建設譲渡施策としては民間事業も含めて譲渡できるといったような内容になっております。
 これに対しまして、新五号業務におきましては、最近の自然に対する国民のニーズに対応するというようなことで、集団施設地区、これは国立公園あるいは国定公園の中で利用拠点となるところでございまして非常に人が集まるところ。したがって公害問題も生じやすいというような観点でとらえるわけでございますが、そういった集団施設地区において自然を保護し、かつ国民が自然に親しみあるいは自然環境に対する理解を増進するための施設整備を行うという形で、少し目的を広げたという形になっておるわけでございます。
 やり方といたしまして現行とちょっと違いますのは、そういった経緯もございまして、利用拠点となる集団施設地区を対象にしていくというようなことが少し違っております。それから施設の内容といたしましても、従来は公園施設全体という形でございましたけれども、この目的の追加等も含めまして、自然環境の保護と利用者の自然環境に対する理解の増進に資する施設を中心に整備す
るということでございまして、実はこの中に、自然環境の保護という観点から、公害防止に資する例えば排水処理施設といったものも取り込まれておるわけでございます。
 それから、建設譲渡先といたしまして、地方公共団体及び第三セクターというしっかりしたところにやらせるということで、若干限定をされているという違いがございますが、いずれにいたしましても、現業務は基本的に新五号業務の方に吸収をされていくということで、自然保護上の支障は生じないものと考えておるところでございます。
#12
○久保田真苗君 非常にわかりにくいのです。
 四号業務では、人が集中して公害になるから、だから施設を分散して公園内のどこにでもつくったらいい、つくるべきだということだったのに、今度はそうじゃなくて、公園内の集団施設、そこへ集めるのだ、こういうことなんです。結局自然公園ですから、自然公園の計画は長期的な視野が必要だということはもう言うまでもないことだと思うんです。ところが、この懇談会が重要課題としていた事業がたった五年でもって廃止とは言わないまでも内容の大幅な見直し、百八十度の転換なんです。これは一体どういうことなんでしょう。
 四号業務で、今までのように分散して公園内のどこにでもと言われたことによって、どういう環境の悪化があったのか教えていただきたいと思います。
#13
○政府委員(伊藤卓雄君) ちょっと私の説明不足で恐縮でございます。
 現行四号業務というのは、公園内における過度の集中を分散するという意味ではございますけれども、その分散という形があちこちどこにでもという意味ではございませんで、実態といたしましてはやはり公園の中で人が割と集まる場所。これは現実には集団施設地区になるわけでございますが、そういった中で、あるところの集団施設地区の集中を避けるためにある別の集団施設地区に整備するというような形で、基本的に整備する場所はそういう利用拠点において整備をしてきておるわけでございます。
 さらに、もっと基本的なことを申し上げますと、自然公園法に基づきまして公園計画なるものをつくっておりまして、その中で集団施設地区のあり方というものを位置づけておるわけでございますから、それに従った保護計画あるいは利用計画という観点に立つ以上、現行業務においても今後の業務においても基本的な考え方は変わっておらないというふうに考えております。現に今までやっております実績におきましても、集団施設地区におけるのがほとんどでございまして、一部周辺部分もございますけれども、考え方としては変わっておらないというところでございます。
#14
○久保田真苗君 考えてみますと、現行の四号業務では利用施設があちらこちらに必ずしも計画的ではなくて分散される。そういう形は自然保護の面から適切ではなかったのかもしれないと思うんです。ですけれども、一つの重点課題として打ち出されたものが五年でもって大幅な見直し、転換というようなことになったことについては、環境庁ないしこの懇談会の見通しが大分外れた、甘かったというふうに私はとらざるを得ないんですけれども、どういうことでしょう。
#15
○政府委員(伊藤卓雄君) 実は四号業務自身が制度改正の際に一つの観点として公害防止というような要素を入れておるわけでございますけれども、当時の懇談会の報告でも、整備がおくれている利用施設の整備を公園計画に基づいて行っていくのは環境行政上重要な課題であるという認識を指摘されております。私どもはそれも踏まえながら、なおかつ公園の利用現況を考え、保護の現況を考え、むしろ拡充をしたというふうに理解をいたしているところでございます。
#16
○久保田真苗君 この問題について余り時間をとりたくありませんけれども、拡充をするということになりますと、分散した形もあるし、しかしなお集中的に大規模な施設をその上につくる、そういう意味なんでしょうか。
#17
○政府委員(伊藤卓雄君) 条文だけを抽象的に比較しますと、何か積み重ねるような御印象がもわかりませんけれども、実態で申しますと、公園計画というものに基づいてその地域における利用状況を考えながら最も適切な保護計画あるいは利用計画をつくって、それに乗り得る施設をつくるという意味においては例えばその地域における収容、能力をどう見るかというようなことでのチェックが必ず働くわけでございますから、決して集中したところにまた上積みというような印象にはならないかと思います。
#18
○久保田真苗君 自然公園の中につくる施設というものは利用者のためであると同時に、やはりこれは相当自然に影響があると思いますので、こうした計画については十分に慎重を期していただいて、前回のように五年で変更だというような朝令暮改的な計画は避けていただきたいというふうに思います。
 ところで、ことしの一月に事業検討会の報告が出たわけです。これは地球的規模の環境、産業廃棄物等新しい問題が起こってきたし、大気汚染や水質汚濁も引き続き大きな問題です。厚生省に伺いたいのですけれども、この産業廃棄物は毎年どのくらいの量が出るのか、今後どういう見通しなのか、ちょっと伺いたいと思います。
#19
○政府委員(小林康彦君) 産業廃棄物の排出量は昭和六十年度全国で三億一千二百万トンでありました。平成二年度にはこれが三億六千万トン程度になっているものと見込んでおります。
 今後の見通しにつきましては、産業活動の指標などをもとに一定の前提を条件に置いて概算いたしますと、西暦二〇〇〇年には約五億トンになると試算をしておるところでございます。
#20
○久保田真苗君 環境庁に戻りますけれども、今度の改正で産業廃棄物の脱水、乾燥、焼却もしくは破砕を行う施設を設置と、こうあるわけです。こういう施設で産業廃棄物による公害は防げるのか、それから量はどのくらい減らせるのか、それを伺いたいと思います。
#21
○政府委員(八木橋惇夫君) 先生御承知のように、最近の産業活動の活発化によりまして産業廃棄物の発生量が非常に増大している。一方では、最終処分場等の産業廃棄物処理施設について極めて逼迫した状態にあるという状況は厚生省の方からお述べになったところでございます。
 今回の法改正におきましては、その中で最も緊急性が高いと思われる産業廃棄物の最終処分場、それと最終処分場をできるだけ長くもたせる必要があるというようなことから、脱水、焼却等の減量化施設の建設譲渡事業に新たに取り組もうということで取り入れたところでございます。公害防止事業団はその他に融資事業等もやっておるわけでございますが、用地難や処理施設が迷惑施設としてとらえられ周辺住民の反対によって施設の新設が困難だと。そういうようなところに、建設譲渡事業として直接取り組むということが最近の環境問題として非常に重要なことであるということから取り組むこととしたところでございます。
#22
○久保田真苗君 そうすると、こういけばこれだけ産廃物を減らせるというそういう計画はあるわけでしょう。どのくらい減らせるんですか、いつまでに。
#23
○政府委員(八木橋惇夫君) 産廃物がどれだけ減らせるということを直接私どもが対象としているのではなく、それは厚生省がおつくりになっております計画に従って、現実には先ほど申し上げました。地難または住民等の反対によって建設ができないというようなところを、全体の計画の中でそういうものの処理に役立つような格好で事業団が実施するということでございます。
#24
○久保田真苗君 厚生省にお伺いしますけれども、最終処分場は例えば今後十年間に何カ所くらい必要なんでしょうか。そういうものの確保の見通しについてはどう考えていらっしゃいますか。
#25
○政府委員(小林康彦君) 最終処分場につきましては、中間処理等を行いました残りということでございまして、その容量が必要という状況でございます。
 今後どの程度必要かにつきまして金額での試算で申し上げますと、二〇〇〇年五億トンということで推定をいたしますと、第七次廃棄物処理施設五カ年計画を平成三年度から策定しておりますがその数字をもとに試算をいたしますと、公共関与及び民間の産廃処理業者によります施設整備費が用地費を含めて三兆七千億円程度というふうに試算をしております。このうち、事業団によります融資あるいは建設譲渡事業によりまして、少なくとも一割程度の施設について整備を担っていただけるのではないかというふうに私どもとしては考えているところでございます。
#26
○久保田真苗君 今七カ所とおっしゃいましたか。何カ所とおっしゃいましたか。
#27
○政府委員(小林康彦君) 箇所によりましては一カ所当たりの容量も異なりますので、箇所という試算はしておりません。相当数の最終処分場が必要という状況でございます。
#28
○久保田真苗君 五億トンだけがはっきりしていて施設の方ははっきりしないというのでは、やっぱりこれははっきりしていただかないと困るんじゃないかと思います。なるたけ早急にそういったものの見通しを立てていただきたいと思います。
 次に、通産省に伺います。
 産廃物の量を減らすことが緊急に必要なんですけれども、そのためには産廃物といえどもできる限り再利用することが必要なのはもう当然のことでございます。通産省は産廃物の再利用についてどんな施策をお持ちか、また将来の見通しについても説明していただきたいと思います。
#29
○説明員(若杉隆平君) 先生御指摘のように、産業廃棄物を減量化するために再生資源の利用が必要であるという点はまさに御指摘のとおりだというふうに考えております。このため、昨年の十月に再生資源の利用の促進に関する法律、リサイクル法が施行されたところでございます。
 この法律におきましては、政令で指定いたしました業種あるいは製品などにつきまして再生資源の利用の促進を図ることといたしております。例えば紙製造業あるいはガラス容器製造業等におきまして、古紙、ペレットなどの再生資源の原材料としての利用の促進、あるいは自動車、ユニット型エアコンディショナー、あるいはテレビ受像機、それから電気洗濯機、電気冷蔵庫等リサイクルしやすい製品づくりに向けた材料あるいは構造の工夫という点、さらにはアルミ缶、スチール缶の飲料用缶につきましてリサイクルを容易にするような表示の義務づけ、また鉄鋼スラグあるいは石炭灰というようなものにつきまして副産物の再生資源としての利用の促進、こういったものにつきまして法的措置を講じているところでございます。
 それから、このリサイクル法の運用に加えまして、リサイクル促進を幅広く行うために昨年、十月をリサイクル推進月間ということといたしまして、リサイクルに関します理解を深めて、施策の実施に幅広く協力を求めているということでございまして、産業界、消費者等の幅広い参画のもとにリサイクル推進協議会が発足したところでございます。さらに、産業廃棄物の処理設備あるいは再資源化設備につきまして、税制、金融上の優遇措置を講じて活動をサポートしているということでございます。それらに加えまして、廃棄物の再資源化の実証プラントの実施、あるいは空き缶あるいはガラス瓶、PETボトル等廃棄物の種類ごとの特性に応じましたモデルリサイクルシステムの実施、さらには効率のよい廃棄物発電技術の開発など、幅広く施策を実施しているところでございます。
 こういった施策をさらに強力に推進することによりまして、御指摘のような産業廃棄物の減量化あるいは再資源化ということにつきまして、引き続き努力をしてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#30
○久保田真苗君 環境庁のこの事業団は産廃物の処理施設に対する融資はあるのか。また、今のリサイクル、再利用についての融資はあるんでしょうか。
#31
○政府委員(八木橋惇夫君) 私が先ほどお答え申し上げましたのは、事業団がやっております建設譲渡事業についての対象範囲でございます。同時にやっております融資事業につきましては、産業廃棄物施設について申し上げますならば、再生利用施設、中間処理施設、最終処分のための処理施設を含めまして、産業廃棄物の処理施設全般を融資対象にしているところでございます。
#32
○久保田真苗君 十八条七号の事業。公害防止、環境保全に関する情報やノウハウを提供する業務が新設されているんです。有益な事業だと思うんですけれども、事業団は建設事業で六百件、融資事業で五千二百件の実績がありますし、蓄積されているデータも膨大なものだというふうにおっしゃっているわけです。
 こういうものをデータベース化して提供体制を整備することが必要だと思うんですが、この情報、ノウハウの提供は有料なのか無料なのか。こういったものの技術移転を考えるという場合に、何カ国ぐらいの外国語でそういうものが用意できるのか。その点について。
#33
○政府委員(八木橋惇夫君) ただいま御指摘になりました業務につきましては、開発途上地域の環境保全に資する情報等を関係省庁や国際協力事業団または海外経済協力基金といったような我が国の国内機関、また開発途上地域の政府機関等に幅広く使っていただこう、提供しようというものでございますので、目下のところではそういった提供に対して料金をいただくということは考えておりません。
 一方、この業務を行うに当たりまして、利用方法につきましては理解をやはり得る必要があると考えますので、情報等の提供先になると予定される機関に利用マニュアルというものを配付した方がいいんではないかというぐあいに考えておるわけでございます。そういった場合に、外国の政府機関等についても対象とすることを考えておりますので、日本語以外に英文の利用マニュアル等についても考える必要があるのではないかというぐあいに考えております。
 先生御指摘になりましたように、何カ国語ぐらいで考えているかということでございますが、私どもの今のマンパワー等から考えますと英語と日本語、当面この二カ国語で考えているところでございます。
#34
○久保田真苗君 これは官製の情報ばかりじゃなくて、この問題に関しては民間に膨大な蓄積があるんですね。例えば各種の業界団体それからシンクタンクと呼ばれる情報産業です。こういったところの情報も本当なら一カ所に集中して、いろいろなことがデータベース化されたものの中からすべての人にオープンに提供できるという機関が望まれるわけなんです。しかし、経費とか料金の問題なんかもあると思いますので、希望として当面、事業団の情報で不十分な場合、その情報ならどこそこの研究所ですよといったような民間の情報機関を紹介する。そのくらいの体制はつくるべきだと思いますが、それはできますか。
#35
○政府委員(八木橋惇夫君) 情報提供の一元化された機関としてこの事業団を考えていくということになりますと、まさに先生御指摘になりましたように料金等のことも考えていかなきゃならぬということになるわけでございます。目下のところ、今回御提案申し上げております事業は、事業団がこれまで実施してきた建設譲渡事業、また融資事業を通じて蓄積してきました情報、ノウハウというものを開発途上地域の環境問題の解決に使っていただこうということから考えた業務であるわけでございます。
 しかしながら、同時に事業団は、今までやっておりました業務を通じまして、公害防止メーカーとか環境関係調査研究機関といった民間事業者に関する情報も把握しているということがあるわけでございますし、またある分野については専門的な情報、ノウハウも有する民間事業はどういったところなのかということについての知識もあるわけでございます。したがって、そういうようなことの依頼に関しましては可能な場合があるという
ことも考えられますので、そういったようなこともまさに想定いたしまして対応を考えてまいりたいというぐあいに考えております。
#36
○久保田真苗君 大臣にお伺いしたいと思うんです。
 今環境問題が非常にうけに入っているというのですか、いろいろこうして事業団の名称も変更したり事業も改めたりというふうになっているんです。しかし一方、さっき私が申し上げました行革審の中間報告で指摘されておりますように、環境行政の主要課題の移行に対応して新事業を追加する場合にはいたずらな肥大化を避けるべきであるというそういう内容の答申が出ているわけです。
 それで、この両方を踏まえて大臣としてはどういうふうにお考えでしょうか。例えば優先度の高いものを重点的にするというふうな視点は今後とも必要なんじゃないかというふうに思いますけれども、今の非常に変わっていく環境行政の中で大臣はどのような御所感をお持ちでしょうか。
#37
○国務大臣(中村正三郎君) 確かに委員御指摘のとおり、新しい環境の時代を迎えましていろいろな仕事がふえ、それに対する対応を迫られる問題もますます多くなってまいります。簡単に言えば守備範囲が広くなってくるわけでありまして、その中でやりたいことは山ほどあるという時代に入ってきたかとは思います。
 しかしながら、御指摘のとおりこの行革審の精神もございますし、行革審に言われるまでもなく行政の肥大化というものは回避しなきゃいけないものだと思っております。そして、今御指摘のように現行業務のうちで相対的に優先度の低いものについては整理合理化を行ったり、優先度の高いものをやるように心がけるというようなことで、肥大化を回避するということを考慮しながら、まさに仕事のふえてくる時期でありますから心してやっていかなければならないと思います。
 それから、私は民間から出た者でありますので、この事業団に関してもう一つ議院内閣制の大臣として心がけなきゃいかぬなと思うことは、やっぱり官業の民業圧迫になってはいけないということも視点に入れてやってまいりたいと思っております。
#38
○久保田真苗君 大変結構な御指摘だと思います。
 もう一つ大臣に伺いたいのは、四月十五日に宮澤総理が地球環境賢人会議で発言しておられるんです。新しい地球環境時代にふさわしい法律の整備を検討するよう関係省庁に指示したと明らかにしていらっしゃいます。そしてまた、いろいろな言葉が飛び交っているんです。これは宮澤総理、ストレートだとは申し上げませんけれども、例えば環境基本法だとか環境省への昇格だとか九月に環境国会を開会するとか、それから環境税などという言葉もひとり歩きしている状況でございます。
 お伺いいたしますけれども、総理から環境庁にはどのような指示がなされましたでしょうか。
#39
○国務大臣(中村正三郎君) 確かにおっしゃられましたように、環境庁はいろいろなことを言われておるわけでありまして、少し整理した方がいいかと思います。
 私はここに就任させていただきましてから、予算委員会等で、今こうした地球環境時代を迎えて従来のような対症療法的な環境行政、公害行政では対応し切れなくなっている。それにはやはり組織、体制の整備を図らなければいけない。その一環として省への昇格ということもやっぱり考えられるだろうということを御答弁申し上げてまいりました。そして、法律につきましてはやはりその中心になる環境基本法のようなものがあって、そこにいろいろ今までやってまいりました公害対策だとか自然保護だとかアセスメントだとかそういったものの実体法的な部分を入れて、その下にずっとまた手続とかいろいろな法律があるという体系が望ましいんじゃないかという答弁をしてまいりました。
 そして、三月十六日に総理が参議院の予算委員会において、地球サミットの動向をよく見ながら環境の基本法をつくっていく必要があるんじゃないかという趣旨の御答弁をされました。そしてそれに伴って環境行政というものの体制も見直さなきゃいけないという御答弁をされました。そういうことの答弁が交錯して行われてきたわけでありますから、そういうものを受けて環境時代にふさわしい法律の整備というものは御指示があったものだと思っております。
 私は就任させていただきましてから、UNCEDもあることですし、そこらまでにはきちっと環境庁の法整備について、新しい時代に対応するためにはどうすればいいかということを考えておかなければいけないということはかねがね事務局に指示しておりました。そういう中でこの間総理の官邸に参りましたときに、これからの環境というものをきちっと考えていくにはそういう法制度のことも考えていかなきゃいけないねという話がまた重ねてございました。かねてよりこういう御指示を受けているという気持ちで準備をしております。
 もう一つは環境国会とおっしゃいましたか。
#40
○久保田真苗君 はい。
#41
○国務大臣(中村正三郎君) 環境国会というようなことは、これは私は聞いておりませんし、計画もされていないと思います。
 それから、税についていろいろ言われておりますけれども、私は環境庁としては当然のことながら環境税のようなものの検討をしております。これも勉強会を持ってやっているわけであります。そして、やはり税を考える場合に、その税を課することによって、例えば酒税のようにかけることによって負担を重くして、例えば炭素税をかけて排出抑制をするんだとか、またそれから出てきた成果を環境対策に使うのかとかいろいろあるわけでありますけれども、これは当然のことながら国民のコンセシサスが得られなければできないことであります。いろいろな御議論があって、政府税調もあれば党税調もあり、議会を通らなきゃいけませんし、そう簡単なものだとは考えておりません。ただ、環境庁としては勉強させていただいております。
#42
○久保田真苗君 環境省のお考えは環境庁長官が言われ、環境基本法については総理がお触れになりということでございますと、これからUNCEDの結果を待っていろいろと法整備をなさる中に、繰り返しになりますけれども、環境省とかそれから環境基本法とかそういったものは出てくるというふうに伺ってよろしいわけですね。
#43
○国務大臣(中村正三郎君) これは環境庁だけが考えてもできることでございません。政府全体として考え、また政権政党として自民党もあるわけであります。それから議会の御意思もあると思います。ですから、簡単に一概に言えないことでありますけれども、私どもといたしましては環境基本法のようなものの準備をし、そういう中で地球化時代の環境問題に対応していけるような体制を整備してまいりたいと思っております。
#44
○久保田真苗君 環境大臣としてそういうふうにお考えになるのは当然だと思いますし、私どももそのことはシャドーキャビネットなどでも検討を始めております。ただ、私こういった非常に景気のいい話をこれからしていくわけなんですけれども、その前に私はやはり水俣病のことを一言申し上げなければならないと思います。
 環境省への昇格というのは多分国民は非常にムード的には歓迎しますでしょう。私もこの水俣病に関して、昭和三十一年から昭和四十三年までの非常に惨たんたる無為無策が続いた時代のことを考えますと、環境行政を他の官庁がかわる、またそれを兼務していく。そこにも、兼務していくということには相当な無理があるんじゃないかという気がいたします。それは、一方、環境庁が設置されたのが昭和四十六年なんですね。しかし、それから優に二十年余りを経過しているわけです。それじゃ環境庁ができたら水俣病は解決されたかといいますと、まだ解決しておらない、そういう状態でございます。
 そうしますと、では環境省になったらこういう
ものがすぐに解決されるのか。環境庁が新しい官庁であるからいろいろな面で弱体であるということは避けられないのかもしれないけれども、やっぱりだれしもこの環境庁がということには首をかしげる面があるんじゃないかと私は思います。そういう意味で、ぜひこのグローバルな環境問題に貢献していこうという姿勢があるのならば、まず足元の水俣病を早く解決してほしいという観点から私は質問をさせていただきます。
 それで、私はおととしの六月にもこの問題を取り上げたことがあるんですけれども、何といいましてもこれは非常に痛恨の記録だと思うんです。簡単に初期のころの概要を述べさせていただきますと、まず昭和三十一年五月にチッソ附属病院の細川院長が地元の保健所へ奇病の発生ということを報告しているわけです。このころには水俣湾沿岸の猫が死んだり、そのほかいろいろな島やけもの、こういったものの被害が目立ち、人間の方の被害の第一号も昭和二十九年に発見されている。そして三十一年にはもう非常に病状が悪化した人、しかもそれが悲惨な病状であるということがたくさん出てきまして、少なくとも三十人の患者が確認されまして、三十一年の五月に水俣奇病対策委員会というものが地元の五者でできているわけです。詳しくは申し上げません。
 そして、同じ年に熊本県衛生部から研究委託を受けた熊本大学の医学部が、そのときにもうこの病気は神経親和性の強い毒物による中毒で、その原因が水俣湾産の魚介類であったことを突きとめられた。しかも、その魚介類を汚染したものはチッソ水俣工場であることもほぼ確実と見られた。そして、こういったことをまとめまして、この研究班が強く漁獲禁止を求めた。それが昭和三十二年の二月なんです。しかし、これは厚生省が食品衛生法での取り締まりはできないというふうに言って何ら有効な手が打たれなかったわけです。
 そして、昭和三十四年の十一月に、厚生省の水俣病食中毒部会というのがございまして、この部会が厚生大臣に答申している。これは、
 水俣病は水俣湾およびその周辺に生息する魚介類を大量に摂取することによって起こる主として中枢神経系統の障害される中毒性疾患であり、その主因をなすものはある種の有機水銀化合物である
と答申しているんです。ところが、厚生大臣がすぐ翌日、この部会の解散を命じているという不思議なことが起こっているわけです。そして、昭和三十四年の十月には有名な猫実験というのがございまして、これはチッソの附属病院長がチッソの排水を食事にかけて猫に与えて、そしてその猫にこの病状が発生したということが明らかになったんですけれども、どういうわけかこれは発表されなかったんです。
 次々とございます。その後に、チッソは排水口を水俣川に向けて出したために、川の水と一緒に有機水銀の汚染が不知火海全体に広がって対岸にも同じような症状が発生する、こういったことなんです。あともたくさんの記録が出ていまして、私が国立国会図書館で検索してもらいましたら実に水俣病だけで目ぼしい本が六十冊以上あるということでございまして、とてもまだ読み切れておりませんけれども、今言ったようなことが初期に起こっているということでございます。
 それで、私最近の東京地裁あるいは新潟地裁それから福岡高裁、こういったところのいろいろな判決、所見が出ておりまして、これを見ますと、一つの政治的な責任ということに東京地裁は言及されております、もちろん国の賠償責任あるいは行政の責任というものについてはそれは認めるということにはなっておりませんけれども。
 私、では国会ないし政府は何をしたのかという観点から少し調べてみました。それによりますと、昭和三十三年十月に政府は公共用水域の水質の保全に関する法律案、もう一つ工場排水等の規制に関する法律案、この二法案を提出しているんです。これは三十三年十二月二十二日に成立しているんです。これは明らかに水俣病を念頭に置いて提出されたもので、一部修正の上可決されたということでございます。この二法案が成立した結果、通産省、それから当時経済企画庁が一本の法律を持っておりましたから経企庁は、水俣に対して何をしたのかということをお伺いしたいんです。
 まず通産省にお伺いします。
#45
○説明員(若杉隆平君) 当時、通商産業大臣が主務大臣といたしまして法律の施行の責任を有しておりましたのは、工場排水規制法でございました。
 この法律によりますと、工場排水等を政令で定めます特定施設から排水するときの特定施設の設置あるいはその処理方法を規制するという種類の法律でございます。この場合、規制対象となります特定施設は、先生御指摘のように水質保全法で定めます指定水域に位置し、その排水の水質が水質保全法で定める水質基準に適合すべきものというふうにされていたわけでございます。
 したがいまして、工場排水規制法の不知火海沿岸地域への適用という点につきましては、水質保全法の手続が行われて初めて可能となるということでございましたけれども、昭和三十四年当時には水質保全法に基づきます指定水域の指定あるいは水質基準の設定というものはなされていなかったこと等がございまして、工場排水規制法に基づく規制も当時は行われていなかった、こういう事情にございました。
#46
○久保田真苗君 通産省は指定水域の指定がなかったから何にもできないんだという御答弁だと思うんです。
 確かに、この法律はもう昭和四十五年に一本化されて、これは古い法律になっておりますけれども、一応これに目を通してみました。そうしますと、水質保全法の方で指定水域の指定がなければ対策がとれない。そして、その指定水域の指定は政令に委任されているわけです。この政令に委任されているものを、政令に応じて水俣湾ないし不知火海、こういうところを指定水域になぜしなかったのか。昭和三十一年に水俣病の発生が公式に確認されて、そしてこの法律ができたのが三十三年の十二月なんです。それなのになぜ指定水域に指定しなかったのか、そのことを伺いたいと思います。
#47
○政府委員(眞鍋武紀君) 水質保全行政は、公共用水域の水質の保全に関する法律、いわゆる水質保全法成立当時は先生御指摘のように経済企画庁が所管していたわけでございますが、昭和四十六年に環境庁が発足いたしまして、そのときに新たな法律でございます水質汚濁防止法のもとに環境庁がその事務を引き継いだわけでございます。
 お尋ねの当時なぜ指定水域に指定をしなかったかということでございますが、水俣湾を指定水域に指定して水銀について水質基準を設定するということにつきましては、当時といたしましては水俣病の原因物質につきましていろいろな説がございまして、ある種の有機水銀説のほかにセレン説でございますとかタリウム説等いろいろな説が提唱されていた状況でございまして、いまだ原因物質が確定されていなかったということがあるわけでございます。また、この水質保全法は水質保全に関する我が国で初めての法律でございまして、昭和三十四年三月に施行された直後でございまして、新たに規制すべき水域の指定と水質基準の設定につきまして全国的な調査研究を進めている、そういう状況にあったわけでございまして、当時の状況といたしましては現実にそういう指定水域を設定するということができなかったということでございます。そういうことで水俣病の発生なり拡大の防止ということで指定できなかった、こういうことでございます。
 なお、昭和四十三年九月に至りまして厚生省から政府統一見解が発表されまして原因物質が特定をされた、こういうことがございまして、昭和四十四年二月に水俣湾を指定水域に指定いたしましてメチル水銀について水質基準を設定した、こういうことでございます。
#48
○久保田真苗君 水俣湾一帯の水域の指定ができなかったということについて言えば、やっぱりこ
こに問題が三つあると思うんです。
 その一つは、実際に水域の指定が行われたのは実に昭和四十四年なんです。今おっしゃったように、これは四十三年九月のチッソ水俣工場の排出するメチル水銀化合物が原因と厚生省が公式見解を出したのを待って水域指定がなされたということなんだけれども、実にこの間に十二年四カ月がかかっているんです。なぜ公式見解を出すまでに十二年四カ月もかかったのか、その理由を改めて伺います。厚生省お願いします。
#49
○説明員(織田肇君) 水俣病の原因につきましては、その発生以来熊本県あるいは国の研究班を通じ非常に長期間にわたって研究されておったわけでございますが、御承知のようにその原因物質あるいはそれによって起こるメカニズム等非常に複雑なものがございましたのでそのような長期間かかったもの、このように認識しております。
#50
○久保田真苗君 でも、厚生省の食品衛生調査会の水俣食中毒特別部会という特別にこの水俣病関係の部会ができているんですね。それがさっき言いましたように水俣病は水俣湾の魚介類中のある種の有機水銀化合物であると最終答申を出しているんです。そうしたら有機水銀化合物がどこから出たのかということを探知するのは簡単なことだと思うんです。第一、そのころにももういろいろなヘドロなどのあれをやって排水口の近くが最も濃厚だとあったんです。それから、この食品衛生調査会の答申が出てから四十三年まで、それでも九年もかかっているんです。これは一体どういうことなんでしょう。
 まず、こういう特別部会が翌日解散させられたというその解散を命じた不可解な理由、それについて伺いたいと思います。厚生省。
#51
○説明員(織田肇君) この食品衛生調査会の水俣食中毒部会はこれは特別部会という位置づけでございまして、一応の医学的結論が得られたことからその目的を達したものとして解散したものであり、原因物質の発生源でございますとかあるいは生成過程等の解明までは同部会の性格上審議対象の限界を超えている、こういうことで、特別部会という性格でございますので目的を達したものとして解散したものであります。
#52
○久保田真苗君 目的を達したからと。そういうことでしたら、その原因がどこにあるかという探知はすぐに行われたのか。そして、使命を終えたということであれば、その答申以後そんなに時間のかからないうちに厚生省は三十四年、五年のあたりで公式見解を出せたはずなんです。それなのに四十三年まで公式見解を待たなければならなかったということは全く納得のいかないことなんです。ですから、やっぱり私は厚生省の怠慢と言わなければならないと思うんですけれども、どうか責任のある御答弁をなさっていただきたいと思います。
#53
○説明員(織田肇君) その後、三十四年の十一月からは水俣病の調査対策の窓口を厚生省から経済企画庁へ移管しておりまして、ここで総合的な研究が続けられたわけであります。
 水俣病の原因究明につきましては、熊本大学の研究班を中心として献身的な努力が続けられておりましたが、研究の進捗状況から判断しますと、昭和四十三年九月の公式見解発表の時期にようやく種々の研究結果を踏まえて水俣病の原因が判明したものでございます。
 以上でございます。
#54
○久保田真苗君 大臣、どうお思いになりますか。そのときに答申があって有機水銀化合物が原因だと言っていながら、どこかの役所が、多分厚生省が、なぜ公式見解をその後比較的短期間のうちに出せなかったのか不思議だとはお思いになりませんか。なぜ九年も待たなければならなかったのか。ということは、つまり指定水域に指定される条件がないというふうに通産省が見たということになるわけです。なぜあれだけの騒ぎを起こした水俣病の水域について指定ができなかったのか。これは実に不思議なことだとお思いになりませんか。
#55
○政府委員(柳沢健一郎君) ただいま先生から水俣病のいわば歴史につきましていろいろお述べいただいたわけでございますけれども、実は昨年の十一月二十六日に中央公害対策審議会の方から水俣病の今後の対策のあり方に対しましての答申をいただいたわけでございます。その中におきましても、「結果として当時の環境保健行政等が国民の期待に十分にこたえられず、そのことが今日の水俣病問題が残されている一要因となっていることも事実であり、このような経過も勘案すれば、行政としては前述の対策」、これは審議会の中でもって述べている総合対策でございますけれども、「前述の対策の実施が求められているというべきである」。そのような答申をいただいたわけでございます。
 私どももこういったような答申も踏まえまして、今後水俣病の対策につきましてより一層力を入れてまいりたいと考えております。
#56
○久保田真苗君 一足飛びに去年の話になってしまいましたんですね。私がこんな古いことをなぜ問題にしているかといいますと、やっぱりその当時のことがひっかかって、そして争いがあるわけです。そして、それについて司法の判断というものもそれぞれに多少違っているけれども、その結果としてやっぱり解決の責任は国にも県にもあるんだ、あるいは和解のテーブルに着くことを期待するというふうに出ているんです。
 こうやっていろいろ見ますと、要するに立法がなかったから当初規制する権限がなかった。そういうふうに言われて、そして次には、立法をしたらその法律で指定水域あるいは水質基準というものが設けられて、しかし指定は政令に委任されたということ。そしてその政令の委任による指定はなされなかったということ。そしてなされなかった理由は厚生省の公式見解がおくれたんだということ。そして厚生省は、食品衛生調査会の食中毒部会の答申に出ているけれども、その結果は経済企画庁に渡したんだということ。そしてまた初めのところへ、この法律は経済企画庁が持っていて指定水域をしなかったんだというそこへ輪をかいて戻ってくるんです。こういう状態です。
 これは環境庁に伺うんですが、もしかしたらこの当時の水質保全法に施行規則のようなものがあって、指定水域について枠をはめていたんじゃないかという疑問を私は持つんですが、この点はどうですか。
#57
○政府委員(眞鍋武紀君) この法律の施行の前提といたしまして調査基本計画の策定ということがございまして、これについて経済企画庁におきましては全力を挙げてやっておったわけでございます。具体的に申し上げますと、昭和三十四年度の調査水域といたしまして石狩川と江戸川等の大水域が調査水域となることになっておったわけでございます。昭和三十四年の六月に水質審議会で決定をされて、これに基づきまして経済企画庁では水域調査を実施していたということでございます。
 水俣湾につきましては、水俣病の問題が重大視されたというふうなことを背景といたしまして、昭和三十五年二月の水質審議会におきまして昭和三十四年度の調査水域として追加することになったわけでございます。さらに三十五年度においても継続して調査をするというふうなことで、したがいまして三十四、三十五年でその調査が行われたということでございます。
#58
○久保田真苗君 三つ目の問題として考えられることは、私はやっぱり国会にも責任があったというふうに思うわけです。
 それは、あれだけ水俣湾の汚染がひどくなって魚介類が疑われていたにもかかわらず法が適用されない。結局、政令に水域の指定を委任して、そして指定されなかったから何の対策もとられなかったというこういうざる法をつくった立法府の責任も問われるべきだと私は思います。もしかしたら、東京地裁の判断で国や県には政治的責任はあるという表現になっているところは、そうははっきり言わないけれども法律をこのような形でつくった国会そして内閣、そのあたりに政治責任があると言っているのではないかと私は思うわけで
す。
 少しはしょりますけれども、私はいろいろ考えまして、ではそのとき社会党はどうだったのかということを思いました。それで古い文書をたぐってみましたところ、社会党からは昭和三十三年十月に政府提案の対案として水質汚濁防止法案が提出されているんです。
 その骨子は、国家行政組織法三条二項に基づいて水質汚濁防止委員会を設置するということになっています。確かに三条委員会をつくることは非常に難しい。難しいというそのことを仮に欠点と見るならば難しいでしょう。しかし、そのかわり強力な権限を与えなければならないということで、内容的にどんなことが出ているかといいますと、水質の清浄を確保する必要がある水域を指定する。委員会は許容基準を定める。工場等の廃液等の汚濁許容基準を指示し、工場等は基準を超えた廃液を出してはいけない。委員会が工場に除害施設の設置を命ずること、また事業の一部または全部の停止を命ずることができる。そして委員会は行政庁に対して必要な措置を請求できるというふうになっています。
 この内容を今振り返ってみますと、もう現在では常識だと思われる内容だと思うんです。しかし、そのときにはこれは審議未了になりました。そして、政府案の一部を修正するという形でこれは撤回になっているんです。ですから、私、もしこの社会党案が成立していたら被害は多分何分の一がで済んだんじゃないか、そういうふうにも思われて残念でならないわけでして、野党側が対案を出したときにはひとつ十分の御注意を払っていただきたいということをお願いしたいと思うわけでございます。
 それで、そうではあるけれども結果的にはざる法ができた。そして水域の指定は昭和四十四年まで、法が施行されて実に十年を待たなければならなかった。このことについてやっぱり国会にも責任があり、そして政令を何とかしなかったということにおいては内閣、行政府に法的責任がないとは言い切れないんじゃないかと私は思うんです。大臣はその当時国会にはいらっしゃらなかったんじゃないかと思いますけれども、同じこの国会に籍を置く方として大臣はどういうふうにお考えになりますでしょうか、御所見をお聞かせいただきたいと思います。
#59
○国務大臣(中村正三郎君) 私は、もちろんその当時衆議院議員でございませんし一民間人でございましたので、当時のことはよく存じません。ただ、テレビ等で非常に悲惨な、猫がはねるさまだとか体の不自由な方を見まして、大変なことが起こっているなということを感じたことはよく覚えております。
 それで、ただ私はあの当時鉄鋼会社に勤めましたりいろんな会社をやっていたりしましたので、そのときの感じで申しますと、大変公害というものに国民全体が無知の時代であったと思います。と申しますのは、私は自動車の部品の工場なんかをやっていたんですが、メッキに携わる方の鼻腔に、鼻隔に穴があいちゃうんですね。ところが鼻隔に穴があかない者はこれは一人前じゃないということで、おれは穴があいたといって、一人前だと言っている。それから、溶接をされる方はほとんどの方が年をとられると目が悪くなる。それが当たり前のような時代であった。大変な時代であったと思います。
 その中で、なかなか予知できないことにいろいろ対応したんだけれども、さっきうちの局長が御答弁申し上げましたように、一応中公審の答申でも敏速に対応して国民の期待にこたえられなかったというところはやはりぬぐい去れないところではないかと思うわけでありまして、今はこんなことは起こるわけもないんですが、起こったことについては十分反省をしていかなければいけないことであったろうと思っております。
#60
○久保田真苗君 それで、裁判所の判決が幾つか出ましたですね。平成二年の九月から十一月にかけて裁判所の和解勧告が相次いで出されているんです。東京地裁、熊本地裁、福団地裁、福岡高裁、京都地裁とございます。
 福岡高裁は昨年八月七日の所見で、行政上の水俣病とは別に和解救済上の水俣病という言葉を使って救済の意思を示しておりますし、また九月十一日の所見では、国に解決責任があるとしております。十月十二日には、和解勧告の中で、一定の要件を充足する場合には作為義務が生じ、その不行使は違法との判例が定着しつつある。つまり、昭和三十一年の水俣病公式確認から昭和四十三年のメチル水銀化合物が原因との公式見解が出るまでの十二年間、行政が何にもしなかったことに対する責任に触れて、早期解決のため国の和解への参加を求めていると思います。
 また、東京地裁は平成二年九月二十八日の和解勧告の中で、「歴史上類例のない規模の公害事件が公式発見後三十四年以上が経過してなお未解決であることは誠に悲しむべきことであり」というふうに述べています。これはこの委員会でも何人かの議員が私と同じようにこの問題を取り上げたことによっても、いかにこういったことが今再び私どもの脳裏によみがえってきているか、そしてここで何とかしたいという皆様の御意思があるものだと思います。
 さらに、国の公的責任を東京地裁の判決では認めなかったんですね。しかし、四つばかり問題点を挙げておりまして国の行政指導の不備を指摘している。特にチッソに対する行政指導面では悔いが残る。適切な指導があれば被害拡大をかなり防止できたのではないかというふうに述べている。二番目には、認定について、高い可能性がなくても相当程度の可能性があればチッソの賠償責任は認められると国の認定基準を批判しているということでございます。三番目に、今私が長く言葉を使って申し上げました国や県には政治的責任があるという見解を述べているわけです。そして四番目に、国に和解協議への出席を再度促している。こういうことでございます。
 でございますから、大臣が今言われましたように、もろもろの過去のお互いの不行き届き。国の中には国会、内閣と二つの機関があることは当然ですし、内閣を助けていく行政のもろもろのブランチがあるということでございますけれども、特にこういった政治的責任という点について、大臣は私とは違うふうにお考えになりますでしょうか、政治的責任をどういうふうに受けとめておられるか、大臣のお言葉でおっしゃっていただけますでしょうか。
#61
○委員長(渕上貞雄君) 先ほどの中村環境庁長官の発言の中に不穏当と思われる言辞があったように思われますので、理事会において速記録を調査の上、適当な処置をとらさせていただきます。
#62
○国務大臣(中村正三郎君) よろしくお願いします。
 今の御質問でありますけれども、裁判所が水俣病問題の早期解決に向けて国には解決責任があるとし、あるいは政治的責任があるとしているわけでありますけれども、また一方、発生及び拡大に関しては賠償の責任はない、こうしているわけでありますのでありますから、損害賠償責任とは異なって、国、県がそれぞれの立場で本件の解決のための最大限の努力をする責務があるという趣旨に解しております。
 環境庁といたしましては、その判決の趣旨に従って、総合対策というようなことも四年度から始めさせていただくということで、適切な行政施策の推進に努力することによってその責務を果たしていく、こういうふうに受けとめさせていただいているわけであります。
#63
○久保田真苗君 厚生省に伺いたいんですが、新三種混合ワクチンの被害認定。
 新聞報道ですけれども、これによりますと公衆衛生審議会予防接種健康被害認定部会が、MMR、つまり新三種混合ワクチンの接種から子供が十八日後に発熱とけいれん症状を起こして意識不明となり入院。脳に節ができるらい症候群と診断されて四十八日後に死亡した。この例について、この部会はMMRとの因果関係ははっきりしないが全く関係がないとの証明もできないため、幅広
く救済するとの建前から認定することに決めたというふうに報ぜられています。
 私、実はこれを少し調べたいと思って資料をお願いしたんですけれども、個人情報だからお出しできないと言われました。それで、この部会決定の概略、特にMMRと死亡との因果関係、それをどう取り扱ったかということについて御説明をお願いします。
#64
○説明員(堺宣道君) MMR死亡事故の認定ということに関しまして、因果関係に至る事実関係ということでございます。
 三月二十五日に開催された公衆衛生審議会の予防接種健康被害認定部会におきまして、平成三年三月に、麻疹・おたふく風邪・風疹混合ワクチン、MMRワクチンの予防接種を受けて、その副反応によって死亡した事例が予防接種の健康被害として認定されたわけでございます。予防接種を受けた者の中には、医師などに過失がない場合においても、極めてまれではございますが不可避的に重篤な副反応が見られます。死亡等の重大な健康被害を生ずる場合がございます。このような予防接種による健康被害を受けた者に対しまして、国家補償的精神に基づきまして救済を行うために予防接種健康被害救済制度に基づいて医療手当等を支給することとなっておるわけでございます。
 本制度におきます因果関係の立証の程度につきましてでございますが、予防接種の副反応の態様は予防接種の種類によって多種多様であり、当該予防接種との因果関係について完全な医学的証明を求めることは事実的に不可能な場合があるので、因果関係の判定は特定の事実が特定の結果を予測し得る蓋然性を証明することによって足りるというような伝染病予防調査会の答申がございまして、今回のケースにつきましてもこのような本制度の趣旨にのっとり認定を行ったものでございます。
 以上でございます。
#65
○久保田真苗君 環境庁長官、同じ政府のやることでございますから、やっぱり相当程度の蓋然性が認められるということで今までおとりになってきたこの認定制度、これが非常に厳しい。今までは当初の四十六年の事務次官通達、これでは要するに四肢の感覚の麻痺のある者というふうなことで認められるという通達であったんですけれども、その後のいろいろな認定が、一つの感覚障害と他の症状との組み合わせを重視するということで非常に厳しくなったんですね。
 そういうことが今続いているわけなので、私としてはこの認定制度についてやはり相当程度の蓋然性を認めるというふうに、幅広く救済するという行政のあり方、当初のやり方にひとつ戻っていただきたい、そういう整合性のある認定をしていただきたいと思うんですけれども、長官はどういうふうにお考えになりますか。
#66
○政府委員(柳沢健一郎君) 今、先生御指摘の件は、昭和四十六年の次官通知と昭和五十二年の部長通知を比較して、昭和五十二年の部長通知が厳しくなったんではないか、そういう御指摘だろうと存じます。
 昭和五十二年の部長通知というのは、医学的に水俣病と認められる範囲をその後の医学的な知見の進展も踏まえまして具体的に明らかにしたものでございまして、次官通知を厳しくしたというものではございません。現にこれにつきましては、先ほどお話ございました先般の東京地裁の判決におきましても、裁判所の理解をいただいているということでございます。
 現在の判断条件、これは医学的に水俣病と診断できるものを幅広く水俣病として認定する基準ということで私ども運用いたしておりますけれども、これは再々申し上げるところでございますが、ほかの疾患と区別できるかできないかのぎりぎりのところまで水俣病として認定している。現に今まで二千九百四十二名の方々の水俣病認定を行ってきたわけでございますけれども、水俣病であるとかあるいは水俣病の可能性があるという方々はその中の四割弱でございまして、六割の方は水俣病の可能性が否定し切れない。そういう方々を水俣病であるというふうに認定しているところでございます。その辺のところにつきまして、よろしく御理解を賜りたいと存じます。
#67
○久保田真苗君 裁判所の判決はいろいろございますけれども、認定制度の厳しさというものに批判的な見解が多いと私は思います。
 あと二つ三つ具体的なことを伺いたいんです。
 今回総合対策が新しくなったんですが、この中で総合対策に若干の前進があるということは私も認めるんですけれども、その中でやはり根本的な解決にはまだまだ遠いと思う点がございます。総合対策の中心に医療事業というのがあるんですね。それで、これは療養費と療養手当から成り立っているわけです。療養費は現在行われている特別医療制度、つまり社会保険の自己負担分を肩がわりしようという制度と同じものなんで、現在こっちの方の侍医制度では二千五百八十二人が適用を受けているそうなんですけれども、この制度の運用について、水俣病の認定の再申請をする、そういう方があるわけです。そうすると、この侍医の適用を外すということなんですね。これはなぜなんでしょうか。
#68
○政府委員(柳沢健一郎君) ただいまお話ございました特別医療事業でございますけれども、これは水俣病とは認められないものの一定の神経症状を有する方々につきましてその症状の原因解明を図る、そういう目的でもって、さらにまた認定制度の円滑な運用にも資するということをも目的といたします事業でございます。
 こういうようなところから、みずから水俣病と考える方々はこれは公健法の認定申請の方を選択するというそういう仕組みになっているわけでございますので、この原因者負担を基礎とする公健法と、それから公健法の円滑な施行や一定の症状の原因解明という公的目的に立つ公費負担医療との関係、この辺につきまして整理を行ったということでございます。
#69
○久保田真苗君 だから、結局再申請をするとこの侍医の適用が打ち切られるわけですね。大臣、この点なんです。結局環境庁の態度は、健保の自己負担分を出してやるから認定の再申請をするなと言っているのと同じなんです。これはすごいプレッシャーです。そして、もし再申請をするんだったらじゃこっちは打ち切りますと。これはもう患者にとっては、再申請はしだい、自分は本当に水俣病だと思う。侍医事業を受けて、療養を受けながら再申請をしたっていいじゃありませんか。その結論も出ないうちにどうしてこれを打ち切るんですか。
 大臣、これは私は非常に不当だと思います。行政のとるべき態度じゃないんじゃないかと思いますけれども、どうですか。
#70
○政府委員(柳沢健一郎君) 再々申し上げる形になりますけれども、公健法とそれから公健法の円滑な施行のために一定の症状の方々の原因解明をするという、そういう目的がそれぞれ異なるということでもって関係の整理を行ったということで御理解をいただきたいと存じます。
#71
○久保田真苗君 何度おっしゃっても一般国民にはこれは通用しない理屈です。つまり療養を、医療ですよ、これは。医療を受ければ再申請をするなと。おかしな話です。その再申請で原因を求めている患者の状況は、医療が必要でないというふうな状況じゃないんです。私はこんなことは官僚の勝手だと思います。私は、これは大臣がこういうことをお聞きになっていたんじゃ大臣の名前はとても上がらないと思います。
 新しい医療事業ではどうなんですか。今度の総合対策の方の認定再申請者にもこれを適用すべきだと思いますけれども、どうですか。
#72
○政府委員(柳沢健一郎君) これから実施いたそうとしております総合対策におきましては医療事業があるわけでございますけれども、これにつきましては、関係県、具体的には熊本県、鹿児島県、新潟県等々と具体的な実施方法等を現在協議中でございます。早急に結論を得て実施できるように努力してまいりたいと存じます。
#73
○久保田真苗君 もし今度も再申請者に医療事業
を及ぼさないというのであれば、一体何のために総合医療対策ということで地域一般の人を対象にして健康管理をしていく、それから医療のための事業もやっていくという意味があるんでしょうか。大臣、どうお思いになりますか。また再申請をすると医療の対象から外すんでしょうか、本当に。大臣にお願いしているんです。大臣に答えていただきます。
#74
○国務大臣(中村正三郎君) 今部長がお答えしたとおりでございます。
#75
○久保田真苗君 大臣、水俣病はやっぱり国にいろんな責任があるということなんだと思うんです。それでこういう中公審の答申の中にも認定再申請者を外せなどとは書いていないわけですよ。今回の総合対策は地域における健康上の問題の軽減、解消を図る、そういう目的なんです。それなら、認定再申請者にも適用をしていくということが目的に沿うとはお考えになりませんか。
#76
○政府委員(柳沢健一郎君) 今回の総合対策につきましては、現在最終的な段階に来つつあるのでございますけれども、関係県との協議を進めてまいっているところでございますので、その協議を経て実施してまいりたいと考えております。
#77
○久保田真苗君 どういうふうに協議をしていらっしゃるわけですか。
#78
○政府委員(柳沢健一郎君) 関係県の意向等も踏まえて、円滑な総合対策を実施いたしたいということでもって協議を進めているところでございます。
#79
○久保田真苗君 この再申請者について、医療を適用するかしないかというようなことも協議の事項に入っているわけですか。
#80
○政府委員(柳沢健一郎君) 入ってございます。
#81
○久保田真苗君 そして、それは今回の新しい総合対策に沿っでどのような方向に持っていくというふうに中公審は考えているとお思いになりますか。
#82
○政府委員(柳沢健一郎君) 中公審の意向というところにつきましては具体的に述べられていないところでございますけれども、関係県が実施主体になるわけでございますので、私どもは関係県と十分にすり合わせをして詰めたいというふうに考えているところでございます。
#83
○久保田真苗君 今後、環境庁の環境行政がいろいろな面で対象になり、法制整備ということもあるんでしょうけれども、こういう足元の、これで三十四年目ですけれども、なおかつ四十年もかかるというような状態に持っていかれるのでは私は環境行政そのものを疑わざるを得ません。
 もう一つ伺います。この侍医制度ですけれども、熊本、鹿児島両県にのみ適用され、新潟県に適用されていない。これは不当だと思います。今回の新しい総合対策は新潟県の人々も適用してほしいと思いますけれども、新潟県の人への適用は考えていますか。
#84
○政府委員(柳沢健一郎君) 新潟県におきましても、基本的には仰せのとおり事業の実施を予定しているところでございます。
 ただし、中公審答申でも指摘されているところでございますけれども、阿賀野川流域におきましては、メチル水銀暴露の状況等水俣湾周辺とはさまざまな状況の違いがあるということも事実でございます。実情に合った取り扱いをしていく必要があるというふうにも考えており、これらの点を踏まえた具体的な取り扱いを現在新潟県と協議中でございます。
#85
○久保田真苗君 ちょっと御答弁がわかりにくかったんですけれども、新潟県の人々に適用することを検討しているというお返事と見てよろしいですか。
#86
○政府委員(柳沢健一郎君) 基本的には事業の実施を予定しているところでございます。
#87
○久保田真苗君 大臣、これは実施していただけるらしいんですが、大臣もそのようにお考えでしょうか。
#88
○国務大臣(中村正三郎君) そのとおりでございます。今部長が答弁したとおりでございます。
#89
○久保田真苗君 済みません、アレンジが悪くてちょっと残ってしまったんですけれども、大臣、さっきの和解の問題で必ずしも最後まで御答弁いただいていないんですけれども、ぼつぼつこれは考えていただきたい、もうこれだけ裁判所の勧告的な意見が出ておりますので。どうでしょう。こういうものをいつまでも引きずっていくということでなく、やっぱり世界の環境問題にこれから取り組もうという環境庁ですから、自分の国の国民を大事にしてほしい。まず自分の国民の一番苦しんでいるところを早く解決してあげよう、そういうお気持ちでこの問題はぜひお考えいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
#90
○国務大臣(中村正三郎君) 和解ということになりますと、私は法律の専門家ではございませんけれども、ちょっと考えてみましても、国民に害を与える何らかの原因があって害を与えられた人がいたという場合に、その害を受けた人に国が補償する。すなわち、国民全体で補償する、どこまでやるかという大変基本的な行政のあり方の問題が出てくると思います。
 ですから、そういう中でどこまでできるのかということで、昨年来、私就任いたしましてから財政当局に必死で交渉いたしまして、限界ぎりぎりを踏み出すぐらいのことをやらないといかぬということで総合対策の予算獲得の交渉に当たりました。そして御理解をいただいて一歩踏み出したという格好で総合対策をやらせていただいているわけであります。なかなか行政の取り組み方としては限界があろうかと思います、先生も行政御出身でございますが。というような素人なりに考えを持っております。
 そのような中で、私どもとしては許された範囲内で最善の努力をして、解決に向けて努力をするのが我々の責務であろうというふうに考えております。
#91
○久保田真苗君 考え方としては今回の総合対策で一歩を踏み出していただいていると思います。思いますから、やっぱりここはもう国民も国会議員も、それからいろいろな言論界も、このことについては早く解決をと。そうしないと、本当に後ろめたくて地球環境どころの話じゃないんです。そこのところをひとつぜひお考えいただきまして、一歩踏み出したものは二歩、三歩と踏み出していただくことを切にお願いしまして、私の質問を終わります。
#92
○大島慶久君 今回改正しようとされております法律案について、数点にわたり質問をさせていただきたいと存じます。どうぞ簡潔明瞭な御答弁をお願いしておきたいと存じます。
 本年は六月にブラジルにおいて環境と開発に関する国際会議が開催される重要な年であります。この会議に先立ち、先日、東京で地球環境賢人会議が開催され、地球環境と開発のための資金に関する東京宣言が採択されたところであります。この中で、日本は、国内環境の改善と前例のない経済成長とを両立させたという特筆すべき実績を有しており、環境と開発に関する国際会議いわゆる地球サミットにおいて、他の先進諸国とともにそのリーダーシップを発揮するよう求められているところであります。
 こうした国内にとどまらない国際的な環境問題に対する取り組みへの要請に対して、我が国としては環境政策の一層の強化を図っていく必要があり、そういう意味において、環境庁を初めとする関係行政機関の取り組みに加えて、公共的な性格を持ち、効率的な事業の推進を行おうとする特殊法人の活用も重要と考えております。
 公害防止事業団は、高度経済成長期における深刻な産業公害に対応するため、昭和四十年に産業公害の防止対策にかかわる助成を目的として設立され、その後昭和六十二年に、産業公害のみならず大都市部における窒素酸化物等による大気汚染、生活排水による水質汚濁等の都市・生活型公害の防止対策にも対応する事業を追加し、公害防止対策上の金融、技術面の専門的助成機関として環境行政の推進に貢献してきたと承知をいたしております。このような環境行政をめぐる背景やこれまでの事業団のたどってきた経緯を踏まえて今
回制度改正を行おうとされていると思うわけであります。
 そこで、まずお尋ねをいたします。今回の事業団法改正の趣旨は何なのか、また事業団の基本的性格はどう変化をしていくのか、お尋ねしたいと思います。
#93
○政府委員(八木橋惇夫君) 先生ただいま御指摘になりましたように、公害防止事業団は昭和四十年に設立されて以来、産業公害対策への助成措置を行うということによりまして産業公害対策を中心に寄与してきたところでございます。その後、公害の態様の変化に伴いまして、これまた御指摘のように、大気汚染等の都市公害、また生活型公害にも対応するようにしてまいったところでございます。このように時代の変遷とともに環境問題をめぐる課題というものは変わってきております。公害防止事業団は、そういった環境問題の変化に的確に対応していかなければならないというのが常に私どもの問題意識であるわけでございます。
 そういうことから見ますと、最近の環境問題は、従来の公害対策といった臨床的な、また受け身的な対応から、やはり自然との触れ合いの問題でございますとか地球環境問題といったような大きな広がりを見せてきているということは否定し切れない事実。これも先生御指摘になりましたように、今UNCEDで議論されているというようなことにまさに典型的に象徴されているところであるわけでございます。そういったような問題の変化に対応して、特殊法人としての公害防止事業団はいかにあるべきかということに今回の改正の動機はあるわけでございます。
 具体的に申しますと、産業廃棄物の適正処理を促進するための事業の展開、また地下水の汚染防止等に対する融資といったような公害防止関係事業におきまして従来抜けていたもの、しかも最近において大きい問題になっているような事柄に的確に対応すると同時に、自然公園の適正利用の推進、地球環境問題への対応といったような公害防止の観点から、環境問題そのものへのアフローチを含めて今回は御提案申し上げている次第でございます。
 そういう意味から申し上げますと、事業団の基本的な性格につきましても、単なる公害防止ということから範囲を一歩広げまして、広く環境行政の推進に寄与するというような意味合いも含まれておるわけでございまして、そういうことから環境事業団というような名称変更もお願いしているところでございます。
#94
○大島慶久君 今回の制度改正では、公害防止事業団から環境事業団に改組し、公害防止だけではなく自然環境の保護及び整備に関する業務に正面から取り組むこととし、公害防止と自然環境保全をあわせて推進していくことになるということですが、まず自然環境保全関係の新規業務について質問をいたします。
 昭和六十二年の制度改正の際、国立・国定公園内の過度の利用の集中に伴う公害の防止のための事業として国立・国定公園施設建設事業が追加されたと承知をいたしております。この事業は、国立・国定公園の一部地域に利用者が集中する傾向があることから、自然公園内の湖沼や河川等の汚濁や生態系の改変が問題となり、このような利用の過度の集中を緩和するため自然公園法に定める施設、例えば園地、野営場、宿舎などを建設し利用の分散を図るものと聞いております。今回新規業務として国立・国定公園集団施設地区整備事業を追加し、現行の国立・国定公園施設建設事業を廃止することとしておりますが、本業務の新設理由は何なのかお尋ねをしておきたいと思います。
 また、近年、余暇の増大を背景に国民と自然との触れ合いを求めるニーズが高まりつつあるとして、各地でリゾート開発が進められていることは周知のとおりでありますが、一部地域においてリゾート開発の名のもとに無秩序な開発が行われ、自然環境の破壊という事態が起きていることは事実でございます。今回事業団が国立・国定公園の集団施設地区内で行おうとしている新規事業では、自然を保護しながら適切な利用を進めるという目的のもとに利用施設を一体的に整備するとのことでありますが、本事業が自然破壊をもたらすことはないのか、お尋ねしておきたいと思います。
#95
○政府委員(伊藤卓雄君) ただいまお尋ねの新五号業務に関してでございますけれども、現四号業務についての経緯は先生御指摘のとおりでございます。
 現行法では一応公害要件というものがかかっておりまして、そういったところでなかなか実効面でも難しい問題を生じておる。しかし、私どもとしてはそれなりにその趣旨に照らしまして現実には集団施設地区を中心に六事業を既に実行してきておるところでございます。そういった経験からいたしましても、さらに新しい環境行政の動きの中で考えてみましても、かなうことならば自然環境の保全といったようなものを大きくとらえまして新しい事業をぜひ進めたいというのが私どもの考えでございますし、また現実の事業を行いたいと言ってくる自治体等の希望でもございます。
 今回の事業としましては、事業の場所を集団施設地区というふうに明定いたすわけでございますが、この集団施設地区というのは、そもそも私どもが公園を適正に利用する上で公園計画に基づいてきちんとしていこうといったような地域でございますので、そういった中でなおかつ従来のいろいろな事情から、特に資金不足等から整備の不足している地域というふうに限定されてまいりますけれども、そういったところを中心にやっていくということでございますので基本的には公園計画がかかってくる。したがって、自然破壊につながることはないというふうに考えておるわけでございます。
 この新事業につきましては、そういう集団施設地区において従来のような資金不足で余り整備が進まないという状態に置いておきますと、いわゆるそこを中心とした無秩序な利用が出てくるし、あるいは一方積極的な意味での利用促進、自然に親しみそこでなければ体験できないといったような自然公園本来の利用の促進もかなわないといったようなことでございますので、そういったこともこの新業務によって進められることになるというふうに考えております。
 こういった新しいことに低利の財投を導入し、またこの事業団が公的な能力、ノウハウ等を用いてやるという意味において、民間ベースではなかなかできない保全事業、きめ細かな事業もできるというふうに考えております。特に自治体におきましては、仮に私どもが用いております補助金制度を使ってもそういう細かいところまでなかなか行き届かないということでございますので、こういった私どもの考え方がよく理解できる事業団を活用していくということが非常に有効ではないかというふうに考えておるわけでございます。
 重ねてになりますけれども、そもそも環境を目的とする本事業団が仕事をやるわけでございますし、法律的に言いますと、公園計画に基づいて事業としても公園事業として認可されて、環境庁との連携のもとにやっていくという意味でございますので、当然のことながら自然環境への悪影響を与えることのないようにしなければならないと考えております。事業実施に当たりましても、あらかじめ影響調査等をやることはもちろん、設計、工法等についても十分配慮するように指導していくことといたしております。
#96
○大島慶久君 我が国の経済規模の拡大や産業活動の活発化等により、産業廃棄物の発生量は増大しております。これら産業廃棄物を適正に処理するための最終処分場等の施設の新設は、用地難や周囲住民から迷惑施設として受け取られることなどにより困難となりつつあります。先ごろ公表されました厚生白書によれば、産業廃棄物の最終処分場の残余容量は全国平均で一・五年分と推定されておりますが、大都市部ではさらに深刻な事態に至っております。
 産業廃棄物の最終処分場について、一部悪質な業者のケースはありましょうが、周辺の環境の保
全に配慮しないまま建設工事を進め自然環境を損なってしまったケース、あるいは最終処分場の構造上の欠陥、また産業廃棄物の不適正処理による汚水の垂れ流し等の環境汚染を生じたケースなどがマスコミでも大きく取り上げられ、社会問題化していることを背景に、最終処分場の設置に対して周辺住民は往々にして不安感あるいは不信感を抱き、迷惑施設として受けとめてしまうことが問題であります。
 そこでお尋ねをするわけでございますが、事業団は産業廃棄物処理施設の建設譲渡事業の実施に当たってどのような環境保全上の配慮を行うのか、また事業団が事業主体になれば地元の理解を得やすくなるのか、お尋ねしておきたいと思います。
#97
○政府委員(八木橋惇夫君) ただいま先生御指摘のように、産業廃棄物最終処理施設の立地難という状況は、まさに先生が御指摘になったようなところにその基本的な原因はあろうかと思われるわけでございます。
 この点に関しまして事業団について見ますと、この事業団は昭和四十年に設立されて以来、企業団地や緩衝緑地等数多くの建設事業を周辺環境の保全に十分配慮しながら、地元住民の理解を得て実施してきたという実績を有しているわけでございます。また、今回新たにこの産業廃棄物の最終処分場の建設譲渡事業に取り組むに当たりましても、この事業とあわせまして周辺環境の保全を図るために、その周辺また跡地に都市公園となる緑地を設置する事業も同時に行うことができるように事業自体の特色を持たせたということが一つございます。
 そのほか事業団は、その事業実施計画をつくる際に関係地方公共団体と協議、調整するということが法律上の要件になっているところでございますが、事業計画の早い段階から地元の地方公共団体と密接な連携、協力を図って周辺環境の保全に万全を期していくということが当然のこととなるわけでございます。そこで事業の実施に当たっては地元の理解を得て進めることができると思っておりますと同時に、またそのようにしながら事業を進めるべきであるというぐあいに考えている次第でございます。
#98
○大島慶久君 最近では地下水がトリクロロエチレンなどの有害物質により汚染され、住民の健康に直接かかわる問題として国民の関心が高まっております用地下水の汚染防止対策、実際に汚染が生じた場合の浄化対策が重要な課題となっております用地下水は一度汚染されるとその回復が容易ではなく、また井戸水を飲用している場合もありますので、万が一汚染が生じた場合は住民の健康を守るために速やかにかつ効果的に対策が講じられる必要があります。
 そこで、以下地下水汚染対策の推進に一層力を入れるべきとの観点から質問いたしたいと思います。
 全国的な地下水の汚染状況はどうなっているのか、また汚染が生じる原因は主として何なのか。地下水汚染対策事業に対する融資制度は地下水対策全体の中でどのように位置づけられているのか、また融資対象としてどんな対策を推定されているのか、お尋ねをしたいと思います。
#99
○政府委員(眞鍋武紀君) 地下水の汚染状況とその原因につきましてお答えを申し上げます。
 水質汚濁防止法の第十五条に基づきまして都道府県知事が調査を実施しているわけでございますが、平成二年度の地下水の水質測定結果によりますと、概況調査の結果、トリクロロエチレン等について評価基準等を超過した井戸が見られたわけでございます。特にトリクロロエチレン、テトラクロロエチレンにつきましては評価基準を超える井戸が相当数あったわけでございます。超過率で申し上げますと、トリクロロエチレンで〇・八%。五千八百十七本調査をいたしまして四十四本の井戸がこの基準を超えておったということでございます。同じように、テトラクロロエチレンにつきましては、超過率が一・四%ということでございまして、五千八百十七本の調査を行った中で七十九本が基準を超過しておった、こういう状況でございます。
 原因でございますが、このトリクロロエチレン等によります地下水の汚染は、かつてトリクロロエチレン等が金属洗浄等の溶剤として多方面で使用されていたということもございまして、排水等の地下浸透でございますとか原材料の保管なり製造工程での漏えい、あるいは廃棄物の不適正な保管等が原因となって主に引き起こされていたものというふうに考えられるわけでございます。このため平成元年の十月に水質汚濁防止法を改正いたしまして、これらの有害物質を含む水の地下浸透の禁止措置を講じまして、地下水汚染の未然防止に努めているところでございます。
#100
○政府委員(八木橋惇夫君) 事業団が今回導入しようとしております地下水汚染対策事業に対する融資でございますが、これはただいま水質保全局長からお答え申し上げましたように、我が国における地下水汚染の現状にかんがみまして、地方公共団体によるところの事業者に対する行政指導等と相まって、事業者の地下水汚染防止対策事業への取り組みを促進させようということを目的としたものでございます。この制度の活用によりまして、地下水汚染の拡大防止また浄化対策が進められ、行政の監視また規制といったような未然防止策とともに、地下水質の保全に寄与するということを期待しているものでございます。
 次に、融資対象事業でございますが、汚染された地下水の拡散を防止するために、水ガラス等の地盤の凝固剤を注入し地下水の流れを遮断するといったような遮水事業、また地下水を揚水しまして、曝気処理また活性炭処理によりまして有害物質を除去する事業といったようなものを対象にすることを想定しているわけでございます。
#101
○委員長(渕上貞雄君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#102
○委員長(渕上貞雄君) 速記を起こしてください。
#103
○大島慶久君 さきに述べましたように、本年は六月にブラジルにおいて地球サミットが開催されます重要な年であり、先日の地球環境賢人会議においても、日本に対し地球サミットにおけるリーダーシップが強く求められたところであります。発展途上国においては経済開発や人口の都市への集中等に伴い、かつて先進国で発生したような公害問題や自然破壊が顕在化しております。このような問題に対し、日本を初めとして先進国は積極的に貢献していく責務を有しているわけであります。
 特に我が国は環境対策等の分野において貴重な経験と技術力を有しており、資金、技術、人材の面で積極的な支援と協力を行うことが求められております。今回追加されます新規業務として、事業団が昭和四十年の設立以来、公害防止事業を中心に蓄積してきた情報、ノウハウ、あるいはこれから新事業を通じて蓄積していく情報、ノウハウの中で発展途上地域の公害防止対策等に役立つものを提供する事業があります。まことに時宜を得たものと考えます。
 そこで、環境庁は開発途上地域への技術協力について、事業団の活用を含めて一層強化していくべきと考えますが、長官の御所見をお伺いしたいと存じます。
#104
○国務大臣(中村正三郎君) 委員御指摘のように、ことし六月にサミットが開かれる。それに向かって今いろいろな準備会合が開かれておりますが、このサミットにおいても一つの大きな問題になってまいりますこれからの地球規模の環境保全を図る場合に、その技術と資金というようなものをどうやって発展途上国に渡していくのかということが大きな一つの検討課題になっております。そのために、この間日本で竹下元総理、海部前総理、経団連会長がホストをしまして賢人会議も開かれました。そこで提言もなされました。
 そういう中で、そういう時代に向かっての私どもの取り組みということを考えていかなきゃいけないわけでありますが、今回のこの事業団法の改正の中で技術協力、技術の問題に対して今まで蓄
積してきた技術のノウハウを発展途上国などに公開してお渡ししていくというのは、これは一つの大きな目玉だと思っているわけであります。従来から環境庁としては環境ODAの予算の拡充に努力をしてまいりまして、そういう中で我々の蓄積してきた、今委員御指摘のとおりでありますけれども、経験や専門的知識を開発途上国、発展途上国へ移転するために国際協力事業団を通じた専門家の派遣だとか研修員の受け入れとか、タイ、中国、インドネシアに環境研修センターをつくるとかいろいろなことをやってまいりました。
 今度の団法の改正によりまして、特に発展途上国においては、日本でもそうであったように中小規模の工場に起因する公害が多いというふうに伺っております。そういったことに、日本が極めて深刻な公害を経験しそれに対策を立ててきた、そうした中で蓄積してきた情報、技術、経験、これは非常に有効に活用できるんじゃないかと思います。この法の改正によりまして、これを開発途上国への支援の一つの柱として大いに委員御指摘のとおり進めてまいりたいと思っているところでございます。
#105
○大島慶久君 長官からも前向きな力強い御答弁をいただきましてありがとうございました。
 今回のこういった法律改正を契機に、本当に国民のためになる施策がどんどん実現をされますように行政の皆様方の一層の御努力を期待申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
#106
○高桑栄松君 それでは質問をさせていただきます。
 まず、公害防止事業団が環境事業団と名前を変えるということになっておるようであります。国立公害研究所が国立環境研究所に変わったのは御承知のとおりで、私は非常によかったと思っておりますが、その意味でも、名前が環境事業団と変わることはやっぱりスケールが大きくなるというか、ふさわしいことだと思って、これは賛意を表している次第でございます。以下、ちょっとこの一部改正法律案について質問をさせていただきますが、大島委員、ほかの委員との質問で重複するところがございますので、適当にひとつはしょったりさせていただきます。質疑通告をしておりますけれども、その辺は御了承ください。
 最初の質問も実はダブっておりますけれども、これは公害対策唯一の特殊法人である事業団、最近の環境行政の主たるテーマがどんどん変わってきておりますが、国際的視点に立ってこの際事業団の果たすべき役割を長官はどういうふうに受けとめておられるか、そのことを伺いたいと思います。
#107
○国務大臣(中村正三郎君) 今もちょうどお答えさせていただいたところでありますけれども、この地球環境時代、世界を挙げて地球の環境を保全して我々の子孫にいい環境の地球を贈っていかなければいけないということでUNCEDが開かれるわけでありますが、まさにそうした時代に対応するために今度の公害防止事業団法の改正にも大きな目玉が入っているわけであります。
 それは、我々の国で大変厳しい公害を経験し、それをある程度克服してきたノウハウ、知識、経験、こういったものを大いに積極的に発展途上国その他必要とするところにお使いいただくということで、これを提供していこうということであります。そこらのことについては私より御質問なさっている委員の方がお詳しいんじゃないかと思っておるわけでございますけれども、すべてのことが対症療法的な公害対策から地球化時代の環境の時代に入っていく。そういう中で名前も変え、こうした事業もつけ加え、国際的な活用もしていただくという時代に入ったんじゃないかと思っております。
#108
○高桑栄松君 これも先ほどちょっと話が出ておりましたけれども、行革審その他で特殊法人についてはできるだけ手続を簡素化するといったようなことが勧告をされていたようでございますが、この公害防止事業団法の一部改正に当たっての参議院の附帯決議にもそのようなことが出ておりましたですね。監督手続の煩雑化を避けて組織の活性化を図れということがございました。
 ところで、この公害防止事業団の管理をされる省庁でございますが、最初は環境庁専管で出発をしたものでしょうが、現在はそれに通産それから建設が入って、さらに今度厚生が入ってくるということで四つになるわけですか。こういうことになって、それだけ手続がどんどん複雑化をしてくるんだろうと思うんです。そういう段階で、一つは、今後地方公共団体あるいは民間企業との役割分担等がどうなるのか、まずこの辺をひとつ伺いたいと思います。
#109
○政府委員(八木橋惇夫君) ただいま先生御指摘になりましたように、政府または政府関連の特殊法人がどういう事業をどういうぐあいに進めていくかということにつきまして、私どもやはり真剣な検討をする必要があるというようなことから、この事業の見直しをするに当たりましても公害防止事業団事業検討会というところでこれは御審議をいただいたところでございます。
 当然、私どもの社会は民間の創意工夫を中心にした、民間企業というものを中心にして経済の運営が行われているわけでございます。環境問題というものをとらえる場合の対応策としては、行政が直接やるべきものは一体どういうことなのか。また、本来民間活動に大部分をゆだねるものでございますから、民間活動にゆだねて差し支えない、またその創意工夫に従ってやるものという分野はどういうものか。さらには、公共事業あるいは民間活動を補完したり誘導したりするという意味において、民間に任せるだけではなく、行政機関が処理する、また特殊法人等がより適切な運営ができるのではないかというようなこういう三つの分類に整理して考える必要があるだろう。
 そういった際に、環境問題について考えますと、やはりその問題の性格上、その改善が直接的にはなかなか収益に結びつきにくいという側面があるというようなこと。また資金的、技術的助成等の措置については、民間事業者の取り組みを促進し誘導する必要性が高いというようなこと。さらには、環境保全対策に係る事業については規模が大きく広域的な処理が必要だというようなことから、地方公共団体の域を越える、またはその事業的にはちょっと規模が大き過ぎるといったような問題。そういった分野については特殊法人が有効に働くであろうというような考え方の整理を行いまして、そういう観点から今回法律改正でお願いしている事業について提案しているところでございます。
 これにつきましては、先ほど長官の方から御答弁がございましたように、やはり官業は民業を圧迫すべきではないというようなことが大前提になってこういう整理を行ったところでございます。
#110
○高桑栄松君 それでは、これは長官に伺いたいんですけれども、先ほど申し上げましたような四省庁が関係しているということで監督手続が複雑であるとか、今は組織の活性化を妨げないようにというお話であったと思いますけれども、行政の一元化というのは行政を行う上で一番大切な部分であろうかと思うんです。それには、環境庁が環境に関しては常にメインであるという環境庁の権限を強化する必要があるのではないか。その意味で長官の御見解を承りたいと思います。
#111
○国務大臣(中村正三郎君) 仰せのとおり、環境庁のやります仕事の幅がどんどん広がってまいりますと、どうしても関係する省庁はふえてまいりまして、それを横断的にいろいろな政策を立てていかなければならないということになってくる。それですから主務大臣の数も必然的にふえてくるものではないかと思っているわけであります。
 しかしながら、今度の事業団法のことに関しましても、事業全体を通じた予算、事業計画等の管理業務は環境庁長官の専管事項になっております。事業実施面の監督については、整備対象施設等を管理する所管の大臣が主務大臣になるということだと思います。このような役割分担に基づきまして、環境庁が中心となって他の主務大臣とも連携、協力を図りながら事業の円滑な、そして効
率的な実施を図ってまいりたいと思っております。
 私の実感といたしまして、総理の命を受けて、総理から付与された権限で調整ということでいろいろ今やらせていただいておりますが、やはり環境という問題に関する国民一般の関心の高まりと同時に、こうした調整も前よりはやりよくなってきている。そんなことを踏まえながら、事業計画、管理業務の専菅大臣であるということを認識して、委員の御指摘にありました御趣旨もよく頭に入れまして、円滑かつ効率的な事業の運営を図ってまいりたいと思っております。
#112
○高桑栄松君 今のお話を承っておって、それでうまくいくかどうか大変気になっているところであります。
 調整というのは、時にお金を持っている方が実力があるとか何かそういうことで、必ずしも思うようにいかない場合があると思うんです。調整と言っても、指導的調整というか、そういうふうに持ち込んでいただきたい。それが環境庁のレーゾンデートルだろうと思うんです。存在理由だろうと思いますので、ひとつしっかり長官のお考えのように頑張っていただきたいと思います。
 次に、新規事業というのが幾つか並べられてございます。新規事業が追加されるということは、国民にどんなメリットが考えられるのかということかと思うんです。これを項目に従って質問させていただきたいと思ったんですが、二、三大変詳しい質疑応答がございましたので、若干省きながら質問をいたします。
 まず、第一番目のところで、自然公園内に施設を整備するというふうなことがあるわけでございます。この自然公園内に建設をし譲渡する対象となる施設というのはどういうことを考えておられるのか、ひとつ承りたいと思います。
#113
○政府委員(伊藤卓雄君) お尋ねの事業は新五号業務として考えておりますけれども、国民の自然に対するニーズにこたえるという趣旨でございます。国立・国定公園の自然を保護する、あるいはそれに触れ合うことによりまして、その地でしか体験できないような体験をして自然保護についての理解をさらに深めていただこう、こういった趣旨のものでございます。
 具体的に法律の条文に則して若干申し上げますと、一つは自然公園の保護に関するような施設ということで、例えば動植物の保護、繁殖のための施設ということで、わかりやすい例で言いますと植生復元施設あるいは動物の繁殖施設、水道、こういったものが挙げられるかと思います。それから、公害を出さないという意味で、汚物処理施設あるいはきれいなトイレをつくるというようなことが挙げられます。それから、利用者に対する理解の増進を図るという意味では、博物展示施設それから自然研究路、あるいはそういったものをわかりやすく書いた案内所、こういったものを考えております。それから、その他自然公園の健全な利用に資するということで、野営場であるとか宿舎であるとか駐車場とかそういったことも考えているところでございます。
#114
○高桑栄松君 これは突然思いついたんでおわかりだったらと思うんですが、例えば日本アルプスなんかの山小屋でトイレなんかの処理に非常に困っているようです。あれは建設譲渡じゃございませんけれども、環境庁が監督をするものですか。いかがでしょうか。
#115
○政府委員(伊藤卓雄君) 具体的な場所によって異なりますが、私ども環境庁はわずかでございますが所管地というものを持っておりまして、もしそこにありますのが私どもの施設でございましたら当然私どもの責任で処分するということになります。民間で事業をやっているものがありますし、市町村の補助の施設もございますので、それぞれに応じて管理をやっているということでございます。
#116
○高桑栄松君 この辺も山人口がふえてくると当然下水関係がその分だけふえますので、何かその辺をちゃんとやっていただかないと、新聞なんかでは時々困った問題だというふうに出ております。ひとつ御研究願いたいと思います。
 その次に、地下水関係のところでございますけれども、この融資の対象となる地下水汚染防止事業というのはどういうことを考えておられるんでしょうか。
#117
○政府委員(八木橋惇夫君) 今回、地下水汚染対策事業に対する融資を導入したいということで御提案申し上げているわけでございますが、融資対象事業として考えておりますのは、汚染された地下水が拡散するのを防止するために、水ガラスといったような凝固剤を注入して地下水の流れを遮断するといったような遮水事業、また地下水を揚水いたしまして、曝気処理または活性炭処理をしまして有害物質を除去するといったような事業を想定しているところでございます。
#118
○高桑栄松君 先ほど御質問の中にありましたトリクロロエチレン的なものはどっちに入るんですか。
#119
○政府委員(八木橋惇夫君) 先ほど水保局長から説明のありました二つの化学物質について例示をお挙げになったわけでございますが、これはこの二つの事業によって対処可能であるというぐあいに考えておるわけでございます。
#120
○高桑栄松君 突然で申しわけありませんでしだ。
 そこで、融資というのは利子を取るわけでしょうから、そのときに、私がちょうど見た資料でいきますと下水処理ですとたまたま項目がそう書いてあったんですが、合併処理浄化槽で利息が四・五五%と書いてありました。四・五五%は私もよくわかりませんが、公定歩合などが一挙に〇・七五だか下がったりしておりますので、こういうときには連動しているのかどうか。
#121
○政府委員(八木橋惇夫君) 政府関係機関におきましてもレートの決め方はいろいろなものがございまして、プライムレートに連動する金利もございます。私どもの公害防止事業団がやっております融資につきましては財政投融資、資金運用部の金利でございますが、一般会計から公害ということで優遇金利を与えることになっておりますので、そこから財投金利マイナス幾ら幾らということで、財政投融資の金利を基準としましてそれとの連動関係があるということになっております。
#122
○高桑栄松君 ところで、中小企業事業団というんですか、これは通産だと思います。それの公害防止、これは内容が書いてないんでただ公害防止というところを見たんですが、無利子になっているんですね。こちらの方は利子が四・五五%。無利子というのが一番いいわけでございますし、何かそれと比べると公の利子を取るのは公害ではないかと思うんですが、これとの関連について何かコメントはありますか。
#123
○政府委員(八木橋惇夫君) 先生ただいま御指摘になりましたのは、中小企業事業団がやっております高度化融資制度についての御質問であろうかと思います。
 この高度化融資制度は、中小企業の企業規模の適正化とか事業の共同化といったような中小企業対策の視点から、中小企業構造の高度化を促進するということを目的としてやっている事業でございます。中でも無利子の融資対象となります事業は、中小小売商業振興法といったような特別の法律で認定された計画に基づいておる高度化事業、また公害を防止するために行う高度化事業、また小規模企業対策の高度化事業といったような特定の政策目的に合致したものに限定しているわけでございます。したがって、そういう目的に限定しておりますことから、その原資も国の一般会計による出資及び都道府県の出資を原資としておるというようなところに特色がございます。iそれに対しまして、私どものやっております公害防止事業団の融資は、先刻御承知のように公害防止施設またはその事業一般を対象としておりまして、特定の目的、計画なりなんなりに従ってやるというようなことではなしに、むしろ事業者が計画したものに対して融資をするというような格好では限定がないというような格好になっているわけでございます。ただ、そういうことではござ
いましても、政府資金をそのままストレートに流すということではなしに、先ほどお答え申し上げましたように、一般会計からの利子補給を受けまして中小企業者に対しましては財投割れと私ども申しておるわけでございますが、財投金利より低い金利で融資をしているということになっているところでございます。
#124
○高桑栄松君 わからないからまた伺うんですけれども、財投融資というのは長期なんでしょうか、現在銀行から普通に事業で借りるもののパーセントからいくとどれぐらい低くなるんですか。
#125
○政府委員(八木橋惇夫君) ちょっと私計数をここへ持ち合わせてないんですが、財政投融資の金利は郵便貯金及び年金等を原資としておりますことから、商業ベースの金利よりはかなり低うございます。それで、一般のプライムレート、開銀の大企業に対する融資、これはプライムレートと連動してやっておるわけでございますが、それに比べますと財投金利はかなり低いものになっており、さらにそこから公害防止事業団の中小企業者に対する融資は低くなっているという関係にございます。
#126
○高桑栄松君 これは私はよくわからないから申し上げておったんですけれども、中小企業事業団の方に無利子というふうなのがありますと、公害防止のための事業というのはその企業にとっては収入には入ってこないわけですから、できる限りこれは安くしてあげなきゃいけないんじゃないか、むしろ進めるためには。だからそういう方策も考えていただいた方がいいんじゃないか。つまり、無利子というのがあっちこっちに出ておったものですから、事業団の方も無利子というのではもうからぬでしょうけれども、公害防止という大義名分がございますから、何かその辺でうまくやる方法がないのかということでひとつ研究をしていただきたいと思います。
#127
○政府委員(八木橋惇夫君) 中小企業に対する融資、これは公害に対する防止対策をとりましても、御指摘になりました中小企業団に対する融資とそれから私どもの公害防止事業団がやっている融資につきましては、おっしゃられるように制度の違いであるというようなことから、金利に差があることはこれは事実でございます。
 ただ、それと同時に、事業者がどのくらい自分の自由度を発揮して事業を計画できるかというようなこともございます。それともう一つは、ちょっとこれはなんでございますが、公害防止投資というものも当然やるべきであるというような発想に立ってやはり事業者にやってもらわなきゃならぬという側面もございます。また、一般会計から利子補給をしますと、それは一般国民の税金を原資としてやるというようなことになりますので、いろいろな側面から考えていかなければならない問題があることも事実でございます。
 しかし、公害防止投資というのはやっていただかなきゃならぬというようなことがございますので、先生の御指摘も踏まえましてその辺はいろいろ研究をさせていただかなければならない課題であろうかと思います。
#128
○高桑栄松君 もう一つは、さっきも御質問があった部分ですが、開発途上地域に対する情報提供というのがありました。
 これを読んでみると、どうも事業団で蓄積したデータを提供するように私は読んだんですけれども、事業団の蓄積したデータというのは私は非常に限られているんじゃないか。つまり、途上国に対する環境保全に関係した情報等の提供というからには、もうちょっとスケールの大きなものがあってもいいんじゃないかと思うんです。ですから、何だかこれでは小さいんじゃないか。データベースもなしに、ただぱっぱっとめくって出てきたものをこれですという程度じゃないのか、こんなふうに思ったんです。
 先ほどの御答弁は私はちょっとわからなかったんですけれども、もう一遍これについての説明をしてください。
#129
○政府委員(八木橋惇夫君) 先生ただいま御指摘になった事業の内容でございますが、今回の制度改正では、開発途上地域における環境技術協力に関する事業への取り組みの第一歩として、本事業につきましては他の政府関係機関、国際協力事業団とか海外経済協力基金とかそういった他の政府機関があるわけでございますが、そういう役割分担も考えていかなければならぬという事情がございます。かつ開発途上地域においては中小の工場に起因する公害問題が多いという実態を見まして、本事業団の資金及びノウハウを活用するという観点から、事業団の業務を通じて蓄積された情報、ノウハウをODA施策との連携に配慮しながら提供する業務にまず取り組むことにしたということでは御指摘のとおりでございます。
 ただ、この業務がそれではささいな業務であるかどうかという認識でございますが、私ども現在中央公害対策審議会におきまして国際環境協力のあり方とかということについて御議論をいただいておったり、また先日の賢人会議における議論を聞いておりますと、開発途上国においては意外にこういう知識を必要としているという意見が多く出されておりますので、そういう意味では今回御提案申し上げている事業の取り組みは大成功だったのかなとひそかに感じておったところでございます。
 ただ、今後それでは地球環境問題に対して公害防止事業団がどういう取り組み方をすべきかということになりますと、それは将来いろいろなことを研究、検討していくべき課題があろうということはそのとおりであろうかと思いますので、そういった面につきましては、今後いろいろ関係施策の充実を図る中で事業団の活用方法についてもさらにこれは考えてまいりたいというぐあいに考えております。
#130
○高桑栄松君 そうですね。日本はどうしても少し進んだ科学技術等についていろんなことを考えるということになっちゃうかと思うんです。途上国は我々から見ると意外と低レベルのいろんなことがございます。ILOでタイ国に駐在していた英ドクターでございますが、最近ジュネーブの本部に移りました彼から聞いていますと、途上国の労働衛生のことで行っていたわけですが、何が問題だ職業病は何だというと、それは頭に乗せて運んでいくから腰が痛くなるんですというふうにレベルが大分違うわけですね。
 だから、昔のおしん時代みたいなああいう時代までいくかどうか知りませんが、そういう時代の労働衛生を考えるということであったら、事業団の蓄積されたデータは非常に高級であるのかもしれませんけれども、私はもう少しデータベースを広げていくような努力があってしかるべきかと、こんなふうに思うわけです。
 次に、産業廃棄物の処理施設のことで、私が予定していたのが一つもう済みましたので、厚生省に伺います。
 厚生省提出の産廃処理特定施設と環境庁の提案されているこの部分との相違点は何かということで伺いたいと思います。
#131
○説明員(三本木徹君) 厚生省提案の産業廃棄物に関します新法につきましては、目的はいわば現在不足しております産業廃棄物の処理施設につきまして、その施設整備の促進を図ろうということを目的にしているものでございます。この厚生省が提案をしております産業廃棄物の新法におきましては、NTT・Cタイプ、これはNTT株式の売り払いをした国民の財産がございますが、これをいわば産業廃棄物の施設整備に充てていこうというものと、あわせて税制上あるいはその他の政策融資をかみ合わせて施設整備を図っていく。さらには、周辺の公共施設整備事業とも一体的に進めていこうというこういうようなものでございます。
 端的に申し上げまして、この公害防止事業団事業との関係で申し上げますと、産廃新法で予定しておりますのは、今お話しいたしましたようなNTT・Cタイプ融資を第三セクター、それと民間の産業廃棄物処理業者を対象としていくというものでございます。
 他方、公害防止事業団の融資等につきまして
は、従来から地方公共団体、それから第一セクターを主たる対象としてきたということが一つでございます。二つ目は、そのNTT・Cタイプ融資は産業廃棄物の処理を業として行う者のみを対象としているわけでございますけれども、この事業団の融資は排出事業者、産業廃棄物を排出する各種の企業があるわけですが、そこが行います自分の廃棄物の処理をするための施設、これを対象にしているわけでございます。三点目は、この産廃新法でのNTT・Cタイプ融資は国民の共有財産をということでございますので、当然のことながら効率性あるいは新規性ということに着目をしておりますし、さらに広く公共の用に供せられるような産業廃棄物の処理施設の整備を対象にしていくというようなことが違いとしてあるわけでございます。
 結論を申し上げますと、その主体あるいは対象とする施設の範囲などが異なっているというものでございます。
#132
○高桑栄松君 NTT株というと、株を売ったあれですね。NTT株はバブルで下がっていたりするわけですけれども、そうすると予算というのは不確定なんですか。
#133
○説明員(三本木徹君) これは毎年度予算に計上されるものでございます。平成四年度におきましては約七百億円程度の枠が予算として認められておりますが、この産廃新法に基づきますプロジェクトにその枠の中から充てられるというようなことになっております。
 今後の見通しにつきましては、これは財政当局との調整ということになっていくことになります。
#134
○高桑栄松君 時間もございませんので、余り比較検討はいたしませんが、いただいた資料によると、公害防止事業団側は三年度五百億、四年度五百四十億と。今九百億とおっしゃったのですか。
#135
○説明員(三本木徹君) 平成四年度のNTT・Cタイプ融資の総枠が七百億円でございまして、その中の一部が産廃の処理施設に充てられるというようなことでございます。
#136
○高桑栄松君 わかりました。今額があったからちょっと比較しただけで、どうということはないんです、これは。
 そこで、もう一つ厚生省に伺いますが、建設廃材の処理状況について、産廃全体に占める割合及び不法投棄ではどうなっているのか伺います。
#137
○説明員(三本木徹君) 産業廃棄物の全体量は、昭和六十年度の調べでありますが、三億一千二百万トンでございます。このうち、建設廃材の割合は全体の約一六%に当たります約四千九百万トンというふうになっております。
 それから、不法投棄されております産業廃棄物のうちの建設廃材の割合についてでございますが、重量の割合で六三%、全体の不法投棄量でいきますと建設廃材は百三十二万トンというのが警察庁の調べで明らかになっているところでございます。
#138
○高桑栄松君 不法投棄に建設廃材が非常に多い。これは大変問題ではないかと思うわけです。
 ところで、マニフェスト制度ですが、これはアスベストに限っているんですね。いかがですか。
#139
○説明員(三本木徹君) マニフェストを法律上義務化いたしましたのは、昨年の廃棄物処理法の改正を国会でお願いしていたわけでございますが、その施行がまだ参っておらないわけでありまして、この改正法によりまして政令でマニフェストの対象となるものを定めるということになっております。
 現在その作業を進めているところでありますが、先生御指摘のいわゆるアスベストにつきましては、私どもといたしましては特別管理産業廃棄物、これがマニフェストの義務の対象になるものでございますが、特別管理産業廃棄物として指定をして、改正廃棄物処理法に基づいたマニフェストの使用を義務づけるということで現在検討を進めているところでございます。いずれにいたしましても、政省令が出てからそこがはっきりとしてくる、こういうような段階でございます。
#140
○高桑栄松君 マニフェストは、今のアスベストは健康障害に関連して緊急だったわけで特殊になっているんだろうと思いますけれども、不法投棄という観点からしますと、不法投棄で逃げてしまうという逃げ道を遮断するにはやっぱりマニフェスト制度が一番いいのではないかということで、できるだけ早急に全般に網をかけるようにしてはどうかと思いますが、いかがですか。
#141
○説明員(三本木徹君) 改正されました廃棄物処理法では特別管理廃棄物に限定しておりまして、実はその改正時におきましては、改正法の附則第二条というところにおきましてマニフェスト制度の適用範囲を広く構えて考えなさい、こういうような御趣旨のいわゆる検討条項というものが置かれております。私どもといたしましては、これの趣旨ということを十分踏まえまして、マニフェスト制度の法制度上の適用範囲につきまして検討を進めていくことにしております。
#142
○高桑栄松君 不法投棄を何とか遮断するようにひとつお願いしたいものだと思います。
 次に、建設省にお願いをいたしますが、建設廃材の話が出ておりますので、リサイクル問題をちょっと伺いたいんですが、資料によりますと、再生利用率が二二%で残りがほとんど全部最終処分場へ行ってしまうということと不法投棄ですね。これはそうなっているわけだ。ところが、平成三年度から十年間かけて四百三十兆円ですかの規模の公共事業をやるということがスタートしたわけでありますから、これは毎年数%の投資額が上がっていくというかされることになるわけです。そうすると、建設廃材の廃棄物が多いだけにその処理というのが問題になってくる。また、今の不法投棄に限れば、その部分だって同じ割合でふえていくということになると思うんです。
 しかし、建設廃材はうまくやれば再生しやすいものではないかというふうに考えられますので、このリサイクルには積極的に取り組む必要がある。それには行政サイドの指導が要るのではないかというふうに思う次第ですが、いかがでしょう。
#143
○説明員(風岡典之君) 御指摘のように建設廃棄物の問題は、私ども事業を進めていくだけではなくて、やはり資源を有効に活用していくという関係からも非常に重要な課題であるというふうに考えております。
 私どもは昨年金国的な実態調査というものをしたわけでございますが、それによりますと全国で建設廃棄物の搬出量は約七千六百万トンということでありまして、そのうち現在再生利用している割合が約三五%というふうになっております。私どもといたしましては、できるだけ再生資源を利用するということで、とりあえず事業の実施に当たりましては発生量をまず抑制するということを基本としつつ、仮にどうしても出てきたものにつきましては再生利用を進めるんだと。さらに、どうしても処理しなければならないものは不法投棄しないように適正な処理に努める。こういったことを基本として努力しているところであります。
 具体的には、建設省の場合にはいろんな公共事業の発注ということを行っておりますけれども、今のような話を受けまして、建設廃棄物の処理方法とかあるいは処理場所とかそういったものを各事業ごとに施行の条件というのを設計当初で明らかにし、また積算に当たりましてはそういった費用も十分発注の中に見る。そういうような指導も行っているところであります。
 いずれにしましても、御指摘のことは私どもとしても当然のことというふうに思っておりますので、今後できるだけ再生資源の利用率を高めるように努力していきたいというふうに思っております。
#144
○高桑栄松君 それでは最後の質問ですけれども、建設省にお願いします。
 リサイクルプラントの設置については総合的、計画的な配置がないと、せっかくできても運搬するのに遠いとかで何かあるとつい近いところへ捨ててしまう。不法投棄になったりするじゃないかと思うんですが、具体的にどういうふうにリサイ
クルプラントの設置に取り組もうとしておられるのか、あるいは取り組んでおられるのか。
 もう一つ。そのプラントを建設するのは建築基準法との絡みで都市計画上の制限があるというふうなことだと聞いておりますけれども、これについて問題点はどうでしょうか、伺いたいと思います。
#145
○説明員(風岡典之君) 先生御質問いただきました前段の部分につきまして、私の方からお答えをさせていただきたいと思います。
 まず建設廃棄物のリサイクルを推進するということで、リサイクルのプラント自体がないともちろん困るわけでございます。私どもといたしましては、やはり全国に適切に立地されるようなことが基本的に必要であるというふうに思っております。このため、リサイクルプラントの整備を促進するという観点から、先ほど厚生省の方から御説明がありましたけれども、現在国会に産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律案が提案をされておりまして、この法律が成立しました段階で十分建設省としてもこの法律にのっとって対応してまいりたいと思っております。
 それから、リサイクル施設の支援という立場で、私どもはそういった施設ができるだけ円滑に立地できるよう税制上の措置というものにつきましても毎年要求をしておりまして、平成四年度からは、従来のアスファルトの再生プラントに加えまして、コンクリートとかあるいは庭木材に係る再生プラントにつきましても税制上の優遇措置が認められたところであります。
 以上申し上げましたような措置をいろいろ組み合わせながら、私どもとしても積極的に努力をしていきたいと思っております。
#146
○説明員(那珂正君) 後段の部分についてお答え申し上げます。
 建築基準法五十一条におきまして卸売市場とかあるいは汚物処理場など一定の供給・処理施設につきまして、これらの施設が都市にとって大変重要である一方、周辺の環境に大きな影響を及ぼすおそれが強いというようなことから、都市計画においてその敷地の位置が決定されているもの、あるいは都市計画上支障がないと都道府県知事が認めて許可したものに限って、これらの施設の新築または増築が認められているわけでございます。
 お話のリサイクルプラントにつきましては、その規模とか処理の内容が廃棄物処理法上の産業廃棄物処理施設に該当する部分を有する場合については、建築基準法五十一条の規定を適用して、その新築等につきましては都市計画決定あるいは都道府県知事等の許可が必要となるものとして取り扱っている次第でございます。このようなことによりまして、リサイクルプラントが都市計画的な観点から周辺の環境に大きな影響を与えることのないよう計画的な配置をすることを通じまして、その施設の設置、操業の円滑化に資するものと考えております。
#147
○高桑栄松君 ありがとうございました。
#148
○沓脱タケ子君 それでは、公害防止事業団法に関して御質問をしたいと思います。
 今回の法律改正は、公害防止事業団というものを環境事業団というふうに名前を変えるということと、新しい事業の中で産廃処理施設をつくるというふうな問題が入ってまいっております。同僚委員から随分たくさん聞かれておりますから詳しくはお聞きをいたしませんが、私どもにしたら大変変な気がするんです。というのは、産廃物質処理場関係の問題は厚生省でがんがんやっておるけれども、それでは間に合わないから環境庁としても環境事業団と名前を変えてお手伝いをするというのか。そういうことなんですか。何となくよくわからないんですね。
#149
○政府委員(八木橋惇夫君) 産業廃棄物の最終処理施設、これが現在の環境問題の大きな問題であるということは事実でございますが、それをやるために環境事業団に名前を変えるということではございませんで、産業廃棄物の最終処理施設につきましてはこれは従来の公害防止で読める範疇でございます。したがって、この事業団が産業廃棄物の最終処分施設を入れることと……
#150
○沓脱タケ子君 質問にだけで結構です。時間がありません。
#151
○政府委員(八木橋惇夫君) はい。
 直接的な関係はございません。
#152
○沓脱タケ子君 私が聞いたのは、もう繰り返してお返事は要りませんが、厚生省の関係で産廃処理施設等の問題は随分厳密にやろうということで仕事が進められているのに、同じことをまた環境庁で、さっきの話を聞いていたらちょびっと内容が変わって今度は事業団でおやりになると。結構ですよ。産廃物質は不法投棄からあるいは処分場の周辺での地下水汚染、環境破壊というのが重大な社会問題になっているのは御承知のとおりですから、これを解消させていくということが今日の重大課題ではあります。
 特に今改正で環境庁の指導のもとでおやりになるということになる産廃物質の処理施設をつくるということになれば、これは他省庁でやられていることもあるんですから、そういう点では環境庁の指導下でやる事業団の仕事というのは、どんなにきっちりやるか、どんな役割を果たすかというのが問われてくると思うんです。そういうことを私は言いたいわけです。
 そこで環境庁、いろいろ論議がありましたから多くを申し上げる必要はありませんが、特殊法人としての事業団が産廃物質の処理それから一体緑地整備事業ですか、これは一つのものなんですね。別々ですか、一つのものですか、これを行う際に、今申し上げたように他省でもやる、監督下でやる仕事ではありますから、万全を期するということが望まれると思うんです。そういう点で、重要な保障としてこれは厳密さが要求されると思うんですよ。そういう保障として、厳密にこれは環境影響評価をやるとか、あるいは地元住民の合意を事前にきちんととっておくとか、そういうことが最低限必要であろうと思うんですが、基本的な点で環境庁の指導下でやるんだからそのぐらいのことはちゃんとやるというふうにやっぱりはっきりしておいていただきたいと思うので、大臣から一言。短く言ってください、あなたは丁寧だから。
#153
○政府委員(八木橋惇夫君) 御指摘のように、環境庁の所管にある特殊法人のやる仕事として、環境影響につきましては十分事前に調査を行って事業を進めてまいるつもりでございます。
#154
○沓脱タケ子君 環境影響はもちろんですよ、調査はね。地域の関係住民の合意を事前に得るというぐらいのことがぜひ必要ではないかということを申し上げたんです。
#155
○国務大臣(中村正三郎君) 事業団法においても、この建設譲渡事業をやるときに、計画作成に当たって関係都道府県知事に協議して、都道府県知事と事業団との協議に当たっては関係市町村長の意見を聴取するように決められております。こういった規定に基づきまして、これまで企業団地、緩衝緑地等の建設譲渡事業を周辺地域の環境保全にも万全を期して、地元住民の理解を得ながら実施してきているところであります。
 新しい事業につきましても、このような観点から、十分に都道府県並びに地元住民の理解を得ながら実施していくことにいたしたいと存じます。
#156
○沓脱タケ子君 それだったら厚生省がやっているのと一緒ですね。そうして、ちゃんとやっているはずが、私どもがあちこち見たところでは、万全を期していると思っていても水質汚染を起こしてその下流の住民から問題が出てきたりいろいろ起こっているんですよ。ですから、環境庁の指導下ではそういうことが起こらないように万全を期してもらいたい、そのことを特に申し上げている。そんな手続のあることは、今もやっていますよ。それだけではまだ問題が残っているということを存じ上げておりますので、環境庁の指導下でやるのだから万全を期してもらう必要があるんじゃないか。それは約束しておいてもらいたいと思うんです。いいですね。
#157
○国務大臣(中村正三郎君) はい。
#158
○沓脱タケ子君 それでは、この問題はそこまで
にします。あとわずかな時間で、少しお聞きをしたいんですが、課題を変えます。
 公害防止事業団が一九八八年に着工して九四年に完成を目指しておる千葉の習志野地区が緑化プランの対象となっておって、これは国設鳥獣保護区の特別保護地区に指定されているというんですが、谷津干潟の保全の状況及び鳥獣の生息状態、これを簡潔にちょっと教えてください。
#159
○政府委員(伊藤卓雄君) 谷津干潟につきましては、シギ、千鳥類の集団渡来地ということに着目いたしまして、昭和六十三年に国が設定する国設谷津鳥獣保護区として定められておりまして、さらに平成三年の十一月にはその大部分を特別保護地区に設定したところでございます。
#160
○沓脱タケ子君 それで、自然の干潟というのはほとんどなくなってきている。東京湾では谷津干潟というのは貴重なんだそうですね、私はまだよう見てないんですが。潮の出入りがあって、干潟が出てくると渡り鳥のシギや千鳥がそこにとまるんですね。渡り鳥の中継地点になるという点で非常に大事で、年間百種類以上の水鳥が利用しているようです。
 習志野の緑化プランの事業というのは今後の完了予定まで二年ほど残っているんですね。地元の自然保護に熱心に携わっておられる方々の要望といたしましては、公園整備をするということが中心にならずに水鳥の居心地のいいように干潟を残してほしい、だから周りの自然環境をできるだけ壊さないように徐々に手を加えて、ぐあいが悪いと思ったらもとへ戻せるように配慮してもらいたいという大変強い要望がありますけれども、これは御注文を申し上げておきたいんですが、御理解いただけますか。
#161
○政府委員(伊藤卓雄君) 今お尋ねの谷津干潟につきましては、周辺の開発に伴いまして生活雑排水の流入が増加し水質の悪化進行というようなことでヘドロの堆積等も進んでおったというようなところから、公害防止事業団によります事業の一環といたしましてこの公園整備をやっているわけでございます。当然のことでございますけれども、野鳥の休息地というようなことにも着目しておりますので、そういった観点からの保全を図っているところでございます。
#162
○沓脱タケ子君 せっかく国設鳥獣保護区に指定もしておられるわけですから、ぜひやってください。
 それで、特にこの谷津干潟というのは四十ヘクタールぐらいですか、比較的小さいんですね。ところが、無視できないのは、お隣の船橋、行徳にかけての東京湾の一番奥にあります面積千二百ヘクタールの三番瀬というこういう浅瀬があって、潮の満ち干は谷津干潟と一時間半のずれがあるんだそうですね。ですから、水鳥は片方の干潟におって満潮になってきたらそこを飛んで今度は三番瀬の方に行く。三番瀬が満潮になってきたら谷津干潟へ移るという役割を果たしているようなんですけれども、こういう水鳥たちの生活行動地域というか、そういうことになっているというのはよく御承知でしょうね。どうでしょうか。
#163
○政府委員(伊藤卓雄君) 谷津干潟は、常に干潟があるというような状態でございまして比較的シギ、千鳥類が多いということで、水の多いところにすみますカモ類は少ないというような状態でございます。一方、カモ類はむしろ三番瀬の方に多いというようなことでございまして、例えばシギ、千鳥について私ども定点調査というのを毎年やっておりますのでそのデータで推測するしかないわけでございますけれども、谷津干潟におりますシギ、千鳥は十七種類、三番瀬におりますのは十種類ということでございます。
 これはたまたま名前が同じということで、具体的にそれらがどういう行動をとっているかというのは必ずしも明確でございません。近いとはいいながらも相当の距離でございまして、見ていてこちらの鳥がこちらに行ったというのは形ではわからなくて、往来の具体的な状況を調べるためにはバンディング調査等をやらざるを得ないというのが専門家の意見でございます。
#164
○沓脱タケ子君 私は谷津干潟とか三番瀬というのが東京湾にまだ残っているということで実は驚いたんですね。大阪湾なんかもう干潟なんて一つもないですよ、全部埋め立てによってつぶされてしまっている。この干潟の消滅の理由というのは環境庁の調査報告でも出ておりますように、六三%は埋め立てなんですね。大阪湾は全くゼロです。それから宮城県の三陸海岸もゼロ。東京湾でももう九割が埋め立てられてやっと残っているというわけですから、非常に貴重だと思うんですね。
 それで、この三番瀬の三分の二がなくなるであろうという埋め立ての計画が持ち上がっておるそうです。日本自然保護協会などは三番瀬の埋め立て問題を大変重視して、三番瀬の保全について昨年の十月にも意見書が提出をされております。その中で、三番瀬の三分の二が消滅をするということになると、東京湾の奥部の干潟、浅瀬に生息する底生動物の三五%がいなくなる。青潮が発生して生物が死滅する危険がある。干潟、浅瀬が持つ水質浄化機能が失われ、東京湾の水質悪化、富栄養化が進むなどなど指摘をしておるわけでございまして、極めて深刻な事態が生ずるというふうに報告をしています。
 そこで、三番瀬の保全につきましては去る三月二十五日に港湾審議会において環境庁は御意見を述べられたと聞いておりますけれども、どういう内容についてお述べになったのか、簡潔に伺いたいと思います。
#165
○政府委員(八木橋惇夫君) 簡潔にということでございますので、できるだけ簡潔にお答え申し上げます。
 環境庁として、千葉港の港湾計画に含まれる三番瀬の埋め立て計画につきまして、今後環境分野の学識経験者の意見を聞いて、計画が三番瀬及び東京湾の環境に及ぼす影響についてさらに詳細な調査検討を行い、埋め立ての必要性を吟味した上で実施計画を策定するなど、極力三番瀬の環境上の価値を損なわないための所要の措置を講ずるよう港湾管理者としての千葉県に対し要請をしたところでございます。
#166
○沓脱タケ子君 環境庁がそういう御意見を述べられたのは当たり前だと思うんですが、環境庁の企画調整局の編による「東京湾・その保全と創造に向けて」という中間取りまとめでは、重視していくべき価値の有用な自然として三番瀬が挙げられておりますね。その中では、大規模な自然の浅瀬であり、カモ類の渡来地となっているほか、アサリなどの貴重な漁場となっていると言っております。だから当然のことだと思います。もう私時間がないので、多くを申し上げたいんですが、これをどうしても守らないかぬということについては、ここは鳥も随分たくさん来るんですね。鳥だけ考えましても約十万羽ぐらいやってくるというふうなことだとか、珍しいミヤコドリとか、東京湾では全く珍しいコクガンなんというようなものも観察されるというふうに言われています。
 そういう中で、イギリスの鳥類学者のマーク・ブラジルさんというのが昨年の国際シンポジウムで、渡り鳥ハイウエーの中継点を壊す三番瀬の埋め立ては世界的な損失だという警告をしているようであります。千葉の干潟を守る会、千葉県自然保護連合、三番瀬を二十一世紀に残す会などなど、地元の皆さんを初め日本自然保護協会などがこぞって強く三番瀬の保全を訴えておるようであります。自民党の環境部会も御視察になられたようですね、これは新聞で拝見をしたのでありますが。よっぽどやっぱり評価されているんやなと思ったのは、政府の広報誌の一つであります「フォト」の四月十五日号には七ページにわたって三番瀬の見事な写真が取り上げられておりますね。これはもう御承知のとおりだと思うんです。
 そこで、私は最後にお願いをしておかないかぬと思うのは、この水鳥の生息地としての湿地保全のためのラムサール条約の国際会議が我が国で開かれる予定になっておりますね。ラムサール条約の登録指定湿地は釧路など我が国では四カ所指定しているということは前々から承知をいたしてお
りますが、ことしの一月現在で世界の加盟国数が六十八カ国で、登録湿地総数が五百四十六カ所というんですね。イギリスなんというのは五十カ所以上。イタリア、オーストラリア、デンマーク、スウェーデン、ドイツ、カナダも数十以上です。我が国は四カ所。これではちょっとお粗末に過ぎはしないか。
 もう一つずつ聞いてもしょうがないので最後までお聞きをしますが、そういう状態の中で、国際水禽湿地調査局の日本委員会によると、特に水鳥の生息地として国際的に重要な日本の湿地目録というのは七十四カ所あるそうです。そのうちの重要な湿地として二十四カ所が挙げられております。あの文書を拝見いたしますと。ですから、国際会議を来年我が国で開くということになるならば、水鳥の生息地としての干潟や浅瀬、湿地保全のためにぜひ新たに湿地の登録をやるべきではないかと思うんです。そうでないと、会議はいらっしゃい、我が国では四つしかやっていませんでは、これは余りにもお粗末で物笑いになりかねないというふうに思います。
 谷津干潟や三番瀬を含むような東京湾だとか、あるいは名古屋港にもあるんですね、藤前干潟ですか。博多湾の和白干潟あるいは有明海の諌早湾など、これは全部見に行ったらどんなに楽しいかと思うんですが、随分大切なところがたくさんあるようです。そこでこれらを何とかして保全をしたいという御意見というのが国民的にも強いわけですから、長官、ラムサール条約締約国会議に向けてひとつそういった多くの要望のあるところを、大幅に登録指定湿地をふやすべきではないかと思うのですが、その点についての御見解を伺いたいと思います。
#167
○国務大臣(中村正三郎君) 登録湿地の増加につきましては、昨年十二月に例のウトナイ湖、私が行って賞状を渡してまいりましたけれども、今後とも引き続き登録湿地の増加を目指して準備を進めているところでございます。
#168
○沓脱タケ子君 終わります。
#169
○中村鋭一君 今回この改正案は、公害防止事業団から環境事業団と名称の変更が一つの大きな目的になっているわけです。名称を変えるということは当然その法律の内容が変わるから名称が変わるわけでございます。
 そこで、まずお尋ねいたしますが、いわゆる産業公害問題は克服をした、大気汚染の施設でございますとか水質汚濁の施設でございますとか、克服をしたから今回このように名称を発展的に変えるという法律が提案されたわけでございますか。
#170
○国務大臣(中村正三郎君) そういうことではございません。まだまだこれから公害でやらなきゃいけないことはいっぱいあるわけでございますけれども、従来の産業公害、都市・生活型公害防止のための業務を行ってきたものを、近年の環境行政上の重要課題がいろいろ変化し多様化していく中でもって、より一層幅広い視点からの対応が必要ということで今度の改正が進められているわけでございます。
#171
○中村鋭一君 主務省に最初は環境庁、それから通産省、建設省が加わりまして、今回は厚生省が加わったわけでありますが、その目的と理由はどこにございますか。
#172
○政府委員(八木橋惇夫君) 主務大臣の追加のことでございますが、例えば今回、都市公園法に基づく都市公園を所管する建設大臣を主務大臣としてお願いすることにしております。これは都市公園名産業廃棄物処理施設と一体となって整備するということになりますと、その整備なりまた整備された後の運営につきましてそれが円滑に進むように、こういう事業を監督する主務大臣に同時に事業団が建設する際にも監督してもらう必要があるということから、主務大臣としてお願いしているわけでございます。
#173
○中村鋭一君 四業務が新規業務に追加されたわけでありますが、産業廃棄物処理施設・一体緑地整備事業について、この立地等に際しての住民の意思、この吸い上げ方でございます。そういう場合に例えば住民の同意書等は必要とされるんですか、要らないんですか。
#174
○政府委員(八木橋惇夫君) 事業団が行います建設譲渡事業につきましては、事業実施計画をつくります際に関係地方公共団体と協議、調整を図るということが法律上規定されているところでございます。そこで実際にも地元住民への説明等を通じて寄せられた要望に対応しつつそういうことをやることになっておりますが、同意書をとるというところまでは要件になっておりません。
#175
○中村鋭一君 いや、要件になっていないんですが、そういう必要性はあなたは感じませんか。
#176
○政府委員(八木橋惇夫君) この事業につきましては、従来地域住民から迷惑施設としてこの施設が考えられていたということからいたしますと、施設を設置するに当たりましては実質的にもやはり住民の理解と協力を得られないとつくれない施設でございます。したがって、その形式のいかんを問わず、やはり住民の理解と協力を求めなければ進められない事業でありますので、その線に沿って最大限の努力をしながら進めるべき事業であるというぐあいに認識しております。
#177
○中村鋭一君 アセスメントですが、閣議決定でこれは三十ヘクタール以上となっております。今おっしゃったような精神に基づくと三十ヘクタール以下でもアセスメントの必要はあるんじゃないか、私はそのように思いますが、その点についての見解はどうですか。
#178
○政府委員(八木橋惇夫君) 事業団が実施します産業廃棄物施設の建設につきましては、事業規模はおおむね十ヘクタール以上ということを考えているわけでございます。
 そういたしますと、先生が御指摘になりました閣議決定によるアセスメントは三十ヘクタール以上となって、それ以下のものが出てきちゃうということになるわけでございます。しかし、関係地方公共団体が条例、要綱を持っている場合もございますので、その場合はやることは当然でございます。それ以外のものにつきましても、やはり環境庁が所管する事業団がやります事業といたしましては、当然そういった環境影響評価というのをやってしかるべきであると考えておりますし、そのように指導してまいる所存でございます。
#179
○中村鋭一君 国定公園施設整備事業も追加されているわけですが、これは具体的にどういう施設を考えているんですか。例えばミニゴルフコースとか軟式野球場とかテニスコートとかいろんなものが考えられるんですが、何か具体的に考えておられますか。
 それから、その場合はどういう手順でおやりになるんですか。
#180
○政府委員(伊藤卓雄君) 法律の条文にもございますように、今回設けましたのは自然公園の保護、それから自然環境についての理解増進を図るというようなもの、あるいはその他自然公園の健全な利用に資するといったような目的で、実はそれらの施設というのは、自然公園法の公園事業に取り上げられておりますいわゆる公園施設の中から、そういった目的に則したものをピックアップすることにしております。
 例えば保護関係で言いますと、植生復元施設であるとか、湿原なんかを侵さないような水道であるとか、あるいは公害防止のための汚物処理施設、それから理解を増進するという意味では展示施設とか自然研究路、それから健全な利用に資するという意味でキャンプ場であるとか宿舎等、そういったものを考えているところでございます。
 手続的には、基本的にはこの集団施設というのは公園計画の中に裏づけられておりますので、まず公園計画の中にそういった当地における必要な施設が書いてあるかどうか。書いてなければそれを改定して書き、さらに具体的に事業を行う際に公園事業の認可という形で環境庁長官が関与することになっております。
#181
○中村鋭一君 そうすると、伊藤さん、広い意味でのスポーツ施設、例えばミニゴルフとか軟式野球場とかそういうものは、あなたのお考えの中にはというより、今度の法案の趣旨の中には含まれていないわけですか。
#182
○政府委員(伊藤卓雄君) ちょっとお答えを忘れて恐縮でございましたけれども、実は今度の事業につきましては、自然を保護しかつ自然に親しむ中で、特にその地でなければ味わえないというような環境あるいは動植物との出会い、こういったものをより増進できるような施設という趣旨でございますので、御質問のミニゴルフ場とか軟式野球場というのは、どうしてもそこに行かないとできないものではないというような観点から、私どもとしては対象としておらないのでございます。
#183
○中村鋭一君 よくわかりました。
 これは高桑先生もお尋ねでございましたが、今回情報提供も新規に追加されているわけでございます。これらの国や地域に対して具体的な技術指導でありますとか技術移転等々のお考えはございませんか。
#184
○政府委員(八木橋惇夫君) 今回御提案申し上げている業務自体といたしましては、事業団が持っております公害防止技術の内容とか処理能力、設置費用、公害防止効果といったような情報やノウハウを整理いたしまして、関係省庁、JICA、海外経済協力基金、また開発途上地域の政府機関等に提供するということを考えているわけでございまして、直接的に事業団が職員を派遣して開発途上地域の技術者等に対して技術指導を行うというところまでは考えておりません。
 しかし、こういったことを通じまして我が国の持っている、また公害防止事業団が持っている環境保全技術が十分開発途上地域に移転されるであろう、また移転の貢献に資するものだろうというぐあいに考えて、まずこういうことから取り組んでいるところでございます。
#185
○中村鋭一君 本法律案は我々連合参議院は賛成でございます。法の趣旨に則して、やはりおっしゃったように公害は終わったというんじゃなくて、それだけはきっちりと押さえつつ、新しい環境行政の創造に尽くしていただきたい。
 簡潔に質問をさせていただきました。簡潔に答えていただき、ありがとうございました。終わります。
#186
○委員長(渕上貞雄君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論を行います。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 公害防止事業団法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#187
○委員長(渕上貞雄君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#188
○委員長(渕上貞雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#189
○委員長(渕上貞雄君) 次に、自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。中村環境庁長官。
#190
○国務大臣(中村正三郎君) ただいま議題となりました自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 窒素酸化物による大気汚染については、工場等の固定発生源や自動車排出ガスに対する極めて厳しい規制等の実施にもかかわらず、自動車交通量の増大、自動車のディーゼル化の進展等のため、大都市地域を中心として改善がはかばかしくないまま推移しております。このため、二酸化窒素に係る環境基準を達成するためには、従来にはない新たな視点に立った総合的かつ効果的な施策を講ずることが喫緊の課題となっております。
 本法案は、こうした状況を踏まえ、自動車から排出される窒素酸化物による大気汚染の防止に関して、国、地方公共団体を通じた総合的な対策の枠組みを構築するとともに、一定の自動車について窒素酸化物の排出量に係る規制を行うこと等により二酸化窒素に係る大気環境基準の確保を図り、もって国民の健康を保護するとともに生活環境を保全することを目的としております。
 次に、法律案の主要事項についてその概略を御説明申し上げます。
 第一は自動車から排出される窒素酸化物による大気汚染の防止に係る国等の責務を明らかにすることであります。
 自動車から排出される窒素酸化物による大気汚染に関しては、国、地方公共団体、事業者及び国民がそれぞれの立場でその防止について応分の責務を有しており、これらおのおのの責務を明らかにし、対策の公平かつ効果的な推進を図ることとしております。
 第二は特定地域の指定であります。
 大気汚染防止法による従来の措置のみによっては二酸化窒素に係る大気環境基準の確保が困難であると認められる地域を特定地域として指定することとしております。
 第三は自動車から排出される窒素酸化物の総量の削減に関する基本方針及び計画の策定であります。
 自動車から排出される窒素酸化物の総量を削減するためには、国、地方公共団体を通じ各般にわたる施策を総合的、計画的に実施する必要があります。このため、国は特定地域について自動車から排出される窒素酸化物の総量の削減に関する基本方針を策定することとし、特定地域の都道府県知事はこれに基づき総量削減計画を策定することとして、国及び地方公共団体が一致協力してこの計画を推進することとしております。
 第四は一定の自動車について窒素酸化物の排出量に係る規制を行うことであります。
 特定地域内に使用の本拠の位置を有する一定の自動車について窒素酸化物排出基準を定め、自動車検査の制度を通じて、その遵守を担保することにより窒素酸化物排出量のより少ない車種の使用を義務づけることとし、現に使用されている自動車についても適切な猶予期間を設け逐次基準適合車への代替を図ることとしております。
 第五は事業者に対する指導等であります。
 製造業、運輸業等の事業を所管する大臣は、事業活動に係る自動車の使用に関し、窒素酸化物の排出の抑制を図るための指針を定め、事業者に対して指導及び助言ができることとし、環境庁長官は、この指針に関して意見を述べ、または事業所管大臣に対し指導及び助言をすることを要請できること等の措置を講じております。
 なお、特定地域の指定等に当たって関係都道府県の意見を聞くこと、都道府県は環境庁長官に対して事業者指導等の要請を求めることができること等の措置を講じ、関係都道府県と連携を図りつつ、施策の実効性のある推進を図ることとしております。
 このほか、本法律案の適切な運用を図るために必要な関係行政機関の協力、低公害車の開発普及に係る国の援助等について所要の規定を設けることとしております。
 この法律案は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。ただし、特定地域の指定等の手続に係る規定は公布の日から、特定自動車排出基準に係る規定は公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#191
○委員長(渕上貞雄君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十五分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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