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1992/05/20 第123回国会 参議院 参議院会議録情報 第123回国会 環境特別委員会 第8号
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1992/05/20 第123回国会 参議院

参議院会議録情報 第123回国会 環境特別委員会 第8号

#1
第123回国会 環境特別委員会 第8号
平成四年五月二十日(水曜日)
   午前十一時十三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月十四日
    辞任         補欠選任
     粕谷 照美君     西野 康雄君
 五月二十日
    辞任         補欠選任
     久保田真苗君     三重野栄子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         渕上 貞雄君
    理 事
                石川  弘君
                森山 眞弓君
                西岡瑠璃子君
                広中和歌子君
    委 員
                井上 章平君
                石渡 清元君
                大島 慶久君
                木宮 和彦君
                須藤良太郎君
                原 文兵衛君
                真島 一男君
                清水 澄子君
                堂本 暁子君
                西野 康雄君
                三重野栄子君
                高桑 栄松君
                沓脱タケ子君
                中村 鋭一君
                山田  勇君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  中村正三郎君
   政府委員
       環境庁長官官房
       長        森  仁美君
       環境庁企画調整
       局長       八木橋惇夫君
       環境庁企画調整
       局環境保険部長  柳沢健一郎君
       環境庁自然保護
       局長       伊藤 卓雄君
       環境庁大気保全
       局長       入山 文郎君
   事務局側
       第二特別調査室
       長        宅間 圭輔君
   説明員
       環境庁企画調整
       局地球環境部長  加藤 三郎君
       厚生省生活衛生
       局水道環境部環
       境整備課産業廃
       棄物対策室長   三本木 徹君
       通商産業省立地
       公害局環境政策
       課公害防止指導
       室長       湯本  登君
       通商産業省機械
       情報産業局電気
       機器課長     青柳 桂一君
       資源エネルギー
       庁石油部計画課
       長        近藤 隆彦君
       資源エネルギー
       庁石油部開発課
       長        望月 晴文君
       運輸省運輸政策
       局貨物流通企画
       課長       豊島  達君
       運輸省自動車交
       通局技術安全部
       保安・環境課長  小杉 昭夫君
       建設省道路局有
       料道路課長    佐藤 信彦君
       自治省税務学府
       県税課長     瀧野 欣彌君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○自動車から排出される窒素酸化物の特定地域に
 おける総量の削減等に関する特別措置法案(内
 閣提出、衆議院送付)
○絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関
 する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(渕上貞雄君) ただいまから環境特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十四日、粕谷照美君が委員を辞任され、その補欠として西野康雄君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(渕上貞雄君) 自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○清水澄子君 おはようございます。
 法案の質問に入る前に、ちょっとPCB使用の電気機器の保管状況についてお尋ねしたいと思います。
 先日岐阜でもあったわけですけれども、東京都の清掃局産業廃棄物指導課がPCB使用の電気機器の保管状況について調査をしましたところ、その回答のあった事業所のうち二二・八%が行方不明、紛失となっているということが報告をされておりました。この問題は二十年前あたり大変大きな問題になっていたわけです。通産省は一九七二年にこのPCBの保管について通達を出しているわけですけれども、その通達というものはただ出しっ放しなのか。その後、どのようにチェックされ監督され監査をされてこられたのか。そういう現在のこの処分の状況、それから現状というものをどのように把握していらっしゃるのか、お答えいただきたいと思います。
#5
○説明員(青柳桂一君) 現在まで通産省といたしましても、使用済みPCB使用電気機器につきましては昭和四十七年及び昭和五十一年に局長通達等を出してございまして、これに基づきまして、まず適切な場所における保管、それから管理責任者の選任、管理台帳の整備、PCB使用電気機器であることの表示につきまして事業者に要請を行っておりまして、通産局に届け出を行わせているところでございます。
 現在では、これに加えまして使用中のPCB使用電気機器、これはまだ稼働中のものでございますが、それも含めまして財団法人電気絶縁物処理協会において台帳管理をしておるわけでございます。これに基づきまして通産局が毎年事業所に対する巡回等の監視指導を行っておるところでございます。それを管理中に仮に紛失あるいは損傷した場合におきましては、これは産業廃棄物規制当局でございます都道府県及び政令市に紛失届を提出して指示を仰ぐように指導してきているところでございます。
 それから、先生おっしゃいました処分の状況でございますが、処分につきましては、これまで最終処理というものを前提にいたしまして処理施設の技術的検討あるいは必要なプラント施設の立地について努力してきたところでございますが、この結果、安全に処理できる技術につきましてはほほ確立してきているのではないかというふうに思っておるわけでございます。ただ、最終処理施設の立地につきましては、候補地の地元関係者の合意が容易に得られませんで二十余年が経過してきたのも事実でございます。
 いずれにしましても、通産省の方といたしましても本件については極めて大きな問題というふうに認識いたしておりまして、関係省庁とも連携を図りながら早急に検討を行ってまいりたいと思っております。
#6
○清水澄子君 この問題についてもやっぱり何か二十年前のことであるというふうなことで、通産省に伺っても厚生省に伺っても何か環境庁、三者がこの問題についての管理責任になっていると思うんですけれども、その三者が必ずしも有機的に提携しながらその後の保管なり今後の処分について検討されているというんじゃなくて、やはり縦割り行政の悪弊といいましょうか、今通産省は通産省の範囲内のみでしか問題を把握していらっしゃらない。そして、その後はこれは厚生省の仕事ですよとまた言われるわけです。
 それで、そうするとこれについて厚生省は産業廃棄物としてこの問題をどのようにこれまで管理されてこられたのか。最近のテレビを見ていましても、ごみと一緒に捨てられていたり燃やしていたというのがあるわけですけれども、その点についてはどのように管理なさってきておられたのかお伺いします。
#7
○説明員(三本木徹君) ただいまのPCBの保管処理につきまして、厚生省といたしましては、昭和四十年の後半にPCBの使用の規制等が事実上行われたわけでございまして、それに伴いまして廃棄物処理法の政令を改正いたしまして、これは昭和五十年でございますがPCBを含有いたします廃棄物を有害産業廃棄物として指定いたしました。さらに、昭和五十二年の政令改正におきまして廃PCB等の処理基準を策定する、あるいはこれに合わせた保管の管理徹底ということにつきましてもあわせて指導等を行ってきているわけでございます。五十一年におきましては、PCBの汚染物の処理体制が整備されるまでの間事業者により他の廃棄物と分けましてこの廃棄物を保管するように、さらに昭和六十一年の三月にPCB入りの廃感圧複写紙、いわゆるノーカーボン紙等でございますか、につきましても引き続き適正な管理がなされるよう指導の徹底を各都道府県に対しまして行ってきております。最近、その保管されているべきPCB汚染物の一部の所在が不明になっているという調査結果が東京都、岐阜県の調査によりまして明らかになったことは、これは大変重大なことと私どもも受けとめておりまして、厚生省といたしましてもPCB汚染物等の保管状況を早急に調査いたしたいというふうに考えているところでございます。
 なお、処理対策が極めて重要であるということでございますが、しかしながら現在PCB関係の廃棄物を処理する施設というものが我が国に存在しておりませんので、当面は廃棄物処理法に基づきまして保管、管理の徹底を指導していきたいというふうに考えております。さらに、その処理体制を整備していくという意味におきまして、通産省を初めといたしまして関係者と連携をいたしまして今後どう進めていくかにつきまして検討を行っていきたいというふうに考えております。
#8
○清水澄子君 今通産省と厚生省の方からその対応が示されましたけれども、これはやっぱり環境庁もひとつ三省庁が密接に緊急に調整、連携されて、そして責任を持って行方不明になっているこの問題を調査される必要があると思いますし、その後の処分の方法というのはどうするのか、そのことを緊急にひとつ確立していただきたいのでございますけれども、その点について大臣の御決意をお願いいたします。
#9
○国務大臣(中村正三郎君) 委員御指摘のように、PCBの回収処理については、四十七年四月にPCBの汚染対策推進会議というところで政府の中でどう対応しようかということで分担を決めてやってまいりました。いろんな省庁で一どきに同じ仕事をやってもいけないわけですから分担を決めてやろうということで、回収処理は通産省が担当するということになってまいりました。そして通産省でおやりいただいておるわけでありますけれども、これが一たび環境に出てきて環境を害するということになりますとこれは大変でありますから、私どもといたしましても、通産省また厚生省と相談をいたしまして一層適切な保管がされ、また処理というお話になると厚生省のお話になってくるんだろうと思いますけれども、そこらをよく調整いたしまして必要な措置を講ずる努力をしてまいりたいと思います。
#10
○清水澄子君 厚生省の方、ありがとうございました。ぜひこの問題について厳重な管理をお願いしたいと思います。
 それでは、この法案の質問に入りたいと思います。
 今回の法案は、自動車の排出ガスの窒素酸化物を規制することによって、東京、神奈川、千葉、大阪、兵庫などの特定地域における窒素酸化物の環境基準を達成しようとするものだと思うわけです。しかし、環境庁は一九七八年にこの二酸化窒素の環境基準をそれまでの〇・〇二PPMから〇・〇四ないし〇・〇六PPMに緩和いたしました。そして、これを七年後の一九八五年までに達成するものとしたと思います。
 私は、当時の大気保全局長でありました橋本道夫さんがなぜ基準緩和に踏み切ったか、その経過が非常に生々しく子細に記されているのを読ませていただいたわけですけれども、ここにはやはりその当時の国会の様子、それから住民団体、公害患者たちの反応、そして通産省や産業界からの圧力、いろんなことが書かれております。しかし、そのことは今私は横に置きますけれども、ここで大気保全局長の橋本さんが言っていらっしゃるのは、環境庁としてはこれは大気保全行政の政策判断としてここで強行したのだということを述べられております。
 この基準を緩和されたことによって、それまで環境基準に大体全国九〇%の地域が不合格であったわけですけれども、これが逆に九四%が合格になっている。にもかかわらず、一九八五年にもその環境基準は達成されなかったわけです。そして、今日まだ達成されていない箇所が生じているわけですけれども、環境庁はこの環境基準を緩和してなおかつ達成されなかった原因をどのように分析しておられるのか、お聞きしたいと思います。
#11
○政府委員(入山文郎君) 昭和五十三年の二酸化窒素に係る環境基準の改定でございますが、これは当時の最新の科学的知見を検討、評価した中央公害対策審議会の答申に基づいて実施をしたものでございます。
 環境庁におきましては、この環境基準につきまして御指摘もございましたけれども原則として七年以内に達成するという目標を掲げたわけでございまして、その達成に向けまして工場、事業場に対する総量規制の導入でございますとか、あるいは自動車排出ガス規制の強化といったようないろんな対策を推進してきたわけでございます。それにもかかわらず、東京等の大都市地域におきましては御指摘もございましたが達成率が依然として極めて低いという状況にあることは事実でございます。
 その原因として考えられますのは自動車交通量の増加、特に中でもディーゼル車の増加がございます。それから、自動車の使用期間の長期化に伴います最新規制適合車両への代替のおくれといったようなものがあるわけでございまして、これまでのいろんな対策の効果がこのことで相殺されるというようなことになっているわけでございますが、それが原因であると私どもは認識いたしております。
#12
○清水澄子君 それでは、今回のこの法案によって環境庁は二〇〇〇年にはおおむね環境基準を達成すると言い切っていらっしゃるわけですけれども、この法案によって本当に特定地域における環境基準の達成ということについて大臣は確信をお持ちでございますか。
#13
○国務大臣(中村正三郎君) 今、局長が御答弁しましたように、常に社会というのは目標としてその基準を達成しようといったときに、わからないこと、想像できなかったことが起こってまいります。大変なディーゼル車の増加、また燃料が安いということで乗用車までディーゼル車がこんなにふえるとはだれも予想しなかった。燃料が安いということで今どんどん乗用車のディーゼル車がふえております。そういうことが起こるわけでありますので、この法案を提出しまして御審議いただき、そしてこれによって二〇〇〇年までに環境基準のおおむねの達成ということを目指すわけでありますけれども、この法律だけてはいけない。やはり単体規制の強化とかあらゆる手だてを講じていけばこの達成が可能であるという目標のもとに頑張ってまいりたいと思っております。
#14
○清水澄子君 一応今回はその過去の経験を踏まえて目標を抽出したと思いますから、どのような見通しで目標を出されたのか、具体的に自動車排ガス測定局での二酸化窒素の平均値がどのようにしたならば〇・〇六PPMに下げられるかということで、年次別にお示しいただきたいと思います。
#15
○政府委員(入山文郎君) 今、大臣からも御答弁がございましたが、いろんな措置を講じながら、この法律を実施することによっておおむね二〇〇〇年までにはこれを達成できると思うし、またそのように努力をしなければならないと私ども思っているわけでございます。
 年次別の削減効果等につきましては実はこれから詰める問題でございまして、この法律を通していただきましたならば直ちにその作業に取りかかってまいりたいと思っているわけでございます。
#16
○清水澄子君 これから詰めるんですか。何か目標のその達成度という数値が、およそこういう総合政策をとればこういう目標に達することができるという可能性を持って出されているんじゃないんですか。これをまず先に決めなさい、決めたらそういうものを計画しましょうということですか。
#17
○政府委員(入山文郎君) 年次別の詳細な積み上げといったものにつきましては、先ほど申し上げましたようにこれから精査をしていくという考え方でいるわけでございます。
 二〇〇〇年ごろにはどうなるかということにつきましては、私どもはマクロのと申しますか、そういう試算と申しますかをいたしております。それによりますと、この単体規制ということを強化していくと申しておりますが、それによりまして一割程度は削減できる。それから車種の代替、より公害の少ないものへ乗りかえていただくというようなことによりまして一ないし二割は削減できる。それから、電気自動車等の低公害車を導入していくということをさらに推進していくつもりでございますが、それによりまして一割弱は削減できるのではないか。それからまた人流対策、交通流対策ということにも意を用いるわけでございますけれども、それぞれ数%程度は見込まれるというようなことでございまして、その全体の足し算の結果、二〇〇〇年ごろにはおおむね達成できるというように私どもは見込んでいるわけでございます。
#18
○清水澄子君 それは今お伺いしたように、自動車排出ガス測定局においてのこの達成度、そこでの調査もそういうふうになるという見通しですか。
#19
○政府委員(入山文郎君) そういうことを原則に考えているわけでございますが、ただ、いろんな道路の構造上の問題とか交通量の問題等は非常に込み合っているというような条件の特殊なところもあるわけでございまして、そういったところにつきましては環境基準を達成できない、なかなか難しいというような部分も出てくるものと思います。それにつきましては個別の対策と申しますか、地域的な別途の対策を講じていく必要があるのではないかと思っているわけでございます。
#20
○清水澄子君 この中公審の大気部会の自動車排出ガス専門委員会の報告によりましても、先ほどおっしゃった規制、単体とか車種規制とか低公害車への切りかえとか、それらをやってもなおかつ自動車排出ガス測定局での環境基準をおおむね達成するためには現時点よりおよそ五割とか、長期目標値に基づく規制の適合車にほぼ代替した時点においても、さらにおよそ三割ないし四割削減することが必要であると推定されるということを既に出していらっしゃるわけですけれども、その辺のところは達成されるという中ではどういうふうに受けとめていらっしゃいますか。
#21
○政府委員(入山文郎君) 今御指摘のように、三割ないし四割必要であるということで先ほど申し上げましたような数字の積み上げをしたわけでございますが、先ほども申し上げましたように、すべての測定点において達成できるということはなかなか難しい、やっぱりどうしても残る部分も出てまいろうかと思います。そういったところにつきましては別途の対策が必要であろう。そういう意味からおおむねというような言い方をさせていただいているわけでございます。
#22
○清水澄子君 そうしますと、最近東京都とか大阪府などがこの予測値を出していたことと大体符節が合うわけですね。
#23
○政府委員(入山文郎君) 考え方によっては大体合うものと私ども思っておりますが、東京都は東京都でこの法案とはまた別の観点からと申しますか独自の算定を、シミュレーション等を行っているというように伺っております。それにつきましては、これからさらにお互いに情報を交換しながらすり合わせを行って調整をしてまいりたいと思っております。
#24
○清水澄子君 やはり自治体が直接、特に東京とか大阪は特定地域ですから、一番公害が多いところですから、そちらの意見とか調査の方法とか実態というものについてはぜひそこを重視するということをここでお約束いただきたいと思います。
#25
○政府委員(入山文郎君) 十分にすり合わせを行ってまいりたいと存じます。
#26
○清水澄子君 次に移りますけれども、この法案は特定地域を指定しているわけですけれども、その地域だけを対象とした理由というのは何を根拠にしておられるのかということです。この特定地域の指定というのは、今度は隣接地域への汚染の拡散を生むことにならないのでしょうかというところをお伺いしたいと思います。
#27
○政府委員(入山文郎君) この特定地域でございますが、この条件といたしまして、一つは自動車交通の集中している地域ということでございます。それからもう一つは、従来の単体規制等の対策だけでは環境基準の確保が困難であると認められる地域ということでございまして、そういった条件にはまるところをそれぞれの都道府県知事の意見を聞いた上で政令で定めていきたいと思っているわけでございます。
 隣接地域に拡大していくという問題でございますが、特定地域におきましていろんな施策を集中的に講じていくものでございますけれども、この地域外におきましても長期、短期の目標をそれぞれ達成するということを強力に進めてまいるつもりでございますし、そのほかの施策によりまして全国的にこの窒素酸化物汚染の改善を見ていきたいというふうに考えているわけでございます。この特定の地域において特別に講ずるいわば一般の上に上乗せする措置であるというように私どもは考えているわけでございます。
#28
○清水澄子君 この法案は自動車の排出ガスを対象としているわけですけれども、大都市での固定発生源でありますごみ焼却場とか火力発電所その他のそういう固定発生源の脱硝率というのは現在どの程度の水準になっているんでしょうか。
#29
○政府委員(入山文郎君) 固定発生源に対する対策につきましては、従来から講じております対策等を経まして現在も強力に進めているところでございますけれども、おおよそ問題点につきましては私ども解決を見ているというように考えているわけでございます。
#30
○清水澄子君 これは後ほどのところでまた関連してお尋ねいたします。
 今回、自動車からの排出ガスに重点を置いているんですけれども、この間大阪の方で聞きましたら、最近のごみ焼却場は物すごい発生源になっていて、それで大阪では固定発生源が五〇%近いと言っていました。そういう問題をやっぱり総合的にやらない限りこの総量抑制にはつながらないんじゃないかというふうに考えますので、その点は大丈夫ですかということです。
#31
○政府委員(入山文郎君) 大体解決を見ているというようなことを先ほど申し上げましたけれども、まだこれからも例えば群小発生源からの排出量が増加しているといったような問題がないわけではございませんので、こういったことに対しまして、例えば地域冷暖房の推進でございますとかあるいは小規模施設に対する優良低公害機器の普及といったような施策を講ずるといったようなことで対応してまいりたいと思っております。
#32
○清水澄子君 それでは、第六条の総量削減基本方針についてですけれども、ここの二項の一号、特定地域の総量の削減目標の設定ですけれども、この削減目標は何を基準にして具体的な数値を決めていかれるんですか。
#33
○政府委員(入山文郎君) この法案の第六条でございますが、第二項の一号におきまして、総量削減基本方針については特定地域における自動車排出窒素酸化物の総量の削減に関する目標を定めるということにしているわけでございます。
 この総量の削減に関する目標といたしましては、環境基準の達成の期間の目途を定めるということにしておりまして、具体的には今までも御答弁を申し上げているようにできるだけ早期の達成を基本としているということでございます。二〇〇〇年までにおおむね達成するということを考えているわけでございます。何回も申し上げているとおりでございます。
 以上です。
#34
○清水澄子君 皆さんはこの法律を読んで何がどんなふうに削減されるかおわかりになりますか。物すごくわかりにくい。本当に法律を読んでいてわからないんですよ。ここで何を言わんとして、その基準は一体何を対象にしているのかというのがわからなくて私はずっとお聞きしなければならないんですけれども、これは単体の車種規制を中心にするんですか。
#35
○政府委員(入山文郎君) 全体の排出総量と申しますか、これは先ほどもお話ございましたが、固定発生源のものも含めまして、それにプラス自動車からのものというものが主たるものになるわけでございます。
 この法律で言わんとするところは、自動車から排出されるものについて削減をしていこうという考え方でございます。この具体的な数値につきましては、都道府県知事が地域ごとに具体的なそういう計画をつくるということにしているわけでございます。
#36
○清水澄子君 それでは、この第六条の二項の二号、ここに「総量削減のための施策に関する基本的な事項」が含まれるというんですが、「基本的な事項」というのは一体ここでは何を対象にしていますか。
#37
○政府委員(入山文郎君) 基本的な事項は第二項第二号で「総量の削減のための施策に関する基本的な事項」という表現になっているわけでございますが、これは自動車排出ガス規制の強化あるいはまた特定自動車に係る窒素酸化物排出規制の実施、低公害車の普及促進、あるいはまた物流、人流、交通流にわたる自動車排出窒素酸化物の総量を削減するために必要な施策に関する基本的な事項、こういうことでございます。
#38
○清水澄子君 では、その次は同じ文言で、今度は「総量削減に関する重要な事項」。前の方は「基本的な事項」、後は「重要な事項」と。これはどう違うんですか。
#39
○政府委員(入山文郎君) これは三号で「総量の削減に関する重要な事項」と書いてあるわけでございますが、これは特定地域を有する地方公共団体間の連携の確保に関する事項といったようなものがあるわけでございます。
#40
○清水澄子君 そういうのは文書に書いちゃいけないんですか、読んでわかるように。これだけを読んだときに本当にわからないんですね。今伺うと、それは地方公共団体の調整だとかそういうふうなことをおっしゃいますけれども、皆さんはそういうのになれていらっしゃるのか知りませんが、こういう法律のつくり方に私はすごく、国民も皆これを見て一緒にやらなきゃいけないと思っているんですけれども、見てわからない法律というのは本当によくないと思うんです。こういう調子で全部聞かないとわからないんですね、この法律は。
 それで、第七条の総量削減計画なんですけれども、ここに来ますと「特定地域における事業活動その他の人の活動に伴って発生し、大気中に排出される窒素酸化物の総量」とあるわけです。これだと固定発生源も含んでいるわけですね。ここでは今後固定発生源から排出されるものに対してどういう規制を考えておられるんでしょうか。
#41
○政府委員(入山文郎君) 御指摘の七条二項第一号でございますが、「人の活動に伴って発生し、大気中に排出される窒素酸化物の総量」というものの中には、これは先ほど申し上げました固定発生源からの排出量も含まれているわけでございます。
 しかしながら、第七条第二項、これは自動車排出窒素酸化物の削減目標量を算定するために、その前提として地域全体における窒素酸化物の排出総量を把握すべきこと等いわば手順を示したということでございまして、この法案に基づいて固定発生源に対する規制をやっていくあるいは強化していくというような趣旨は含まれていない、規定の中には入っていないということでございます。
 この固定発生源の対策につきましては、先ほど申し上げたようなこともございますので、これからも十分に意を用いていきたいというふうに考えているわけでございます。
#42
○清水澄子君 それですと、同じく第七条二項の五号の「計画の達成の期間及び方途」、この達成期間は一体具体的にいつまでを指しているわけですか。それから「方途」とは具体的に何を想定していらっしゃるわけですか。
#43
○政府委員(入山文郎君) この達成の期間といたしましては、国が基本方針をつくるわけでございますが、その中で二〇〇〇年、平成十二年までを達成の期間の目途として定めるということを現在私どもは考えているわけでございます。そういう予定をいたしております。
 それから、達成の方途でございますが、これは特定地域を有する地方公共団体において国のつくりました基本方針に基。ついて地域の実情を勘案して定めるものでございまして、特定自動車に係る窒素酸化物の排出規制、低公害車の普及拡大、国または地方公共団体が行う物流、人流、交通流にわたる自動車排出窒素酸化物の総量の削減に必要な具体的な施策を定めるということでございます。
#44
○清水澄子君 次に、この法案で総量削減基本方針また総量削減計画の作成などに当たっては他の環境関連法と比較して内閣総理大臣に権限が集中していると思うんですけれども、環境庁が本法案の主務官庁ではないんですか。そうであるならば、なぜ環境庁の権限が弱いのか。弱いように見えますね、これは全部総理大臣のところに権限が集中をしている。そういう意味で私は大気環境保全の立場から環境庁の立場がもっと反映されるべきだと思いますけれども、この点大臣はどのようにお考えになっていますか。
#45
○国務大臣(中村正三郎君) まず環境庁の政府の中における立場というものがあろうかと思います。環境庁は総理から付与された権限で政府の中全体の省庁の調整を行いつつ環境行政を推進するわけでありますから、このように環境保全とか環境行政というのは一つの省庁でできることではありませんでいろんな省庁にまたがります。だからこういうようなやり方になっているんだと存じます。
 そういう中で、この法律を主管する官庁は、環境庁でこうして環境委員会で御審議もいただき、環境庁になると思いますけれども、そのいろいろな仕事はどういう立場でやっているかというと、各省庁そうでありますが特に環境庁は総理大臣の直属の調整官庁としてそういう仕事をやっていくわけでありますから、そうした中で総理大臣の名のもとに実質的に環境庁長官が中心となって関係省庁を指揮監督するということになるわけであります。その権限は総理からいただいた極めて強い権限で指揮監督をするようになるわけでありまして、このようなシステムでも決して管理監督の権限が弱いというものではない。むしろ総理の直属の機関としてやるということで強いものであろうというふうに認識しております。
#46
○清水澄子君 では、今度はこの法案の実効性を上げるために特に内閣総理大臣の権限をもってやったわけですから、これは強力に推進されると受けとめてよろしいですね。
#47
○国務大臣(中村正三郎君) 強力に推進してまいりたいと思います。
#48
○清水澄子君 ところで、実際の計画を立てたり施策を遂行するのは特定地域の対象の地方自治体だと思います。
 その場合に、この法案によりますと、例えば七条の三項のところでも「都道府県知事は、総量削減計画を定めようとするときは、総量削減計画策定協議会の意見を聴くとともに、内閣総理大臣の承認を受けなければならない」。これは逆になっているんですね。この法律の文面から見ますと、総理大臣の承認を受けないと知事は総量削減計画というのを定められないんですね。そのことは自治体の独自の権限を持っている環境基準達成の権限をむしろ弱めているんじゃないか。
 過去の公害規制法とか例えば大気汚染防止法の四条などには自治体独自の上乗せの規制が認められているわけですけれども、今度の法律はこれは内閣総理大臣の定める基準と命令によって行うということになって、自治体の権限というのは前よりむしろ弱まると思うんですが、そういうことは絶対ないでしょうか。どういう見解ですか。
#49
○政府委員(入山文郎君) 自治体の権限が弱まるということは私どもないと思っているわけでございます。ただ、その手続上国が定めます基本方針に従って、やはり県もそれに合うような形で計画をつくっていただかなければ実効が上がらないと思うわけでございまして、そういった手続を定めたものでございます。
#50
○清水澄子君 では、自治体の権限は従来と変わらない、むしろ自治体にその遂行をしていただかなきゃいけないわけですし、そういう点でここではそういうふうな文言ではないんだということを確認してよろしゅうございますか。
#51
○政府委員(入山文郎君) 従来持っている自治体の権限をこの法律によって拘束をするといいますか、そういうことではございませんで、従来できたものはやはりこれからもできるであろうと私どもは思っております。
 ただ、具体の問題につきましてはそれぞれまた検討の余地があろうかと思いますので、今は全体としてのそういうお答えは差し控えさせていただきたいと思います。
#52
○清水澄子君 第八条で特定地域の都道府県に新たに総量削減計画策定協議会の設置を義務づけているわけですね。既に公害対策基本法によって都道府県公害対策審議会が設置されているわけですけれども、それとの関係というのですか、相互の関係はどのようになるわけでしょうか。
#53
○政府委員(入山文郎君) 都道府県が計画を策定するための特別の協議会、総量削減計画策定協議会というものをつくるようにこの法律で定めているわけでございますが、これは従来からございます都道府県公害対策審議会というものとどういう関係になるのか、競合するのかどうなのかというような趣旨の御質問だと思います。
 私どもは、より専門的な機関をつくることによって、しかも実際にその事業の実施に携わる機関がそれに参画していただいて、それぞれの施策を持ち寄るというような形で実効を上げていきたいと思っているわけでございまして、いわば専門のそういう機関をつくる方がベターであるというように考えているわけでございます。
#54
○清水澄子君 もう少し具体的に、都道府県で総量削減計画策定協議会の新たに設けられる意味、それはどういうところで構成されて新しいものになるのか、ちょっと御説明ください。
#55
○政府委員(入山文郎君) ただいま申し上げましたが、この総量削減、国の段階で申し上げますと各省庁が一致協力して行うという趣旨のものでございますが、それが地方におりていった場合にはそれぞれの国の出先機関等もあるわけでございまして、そういった機関と都道府県とが十分に連携しながら実効を上げていくというような形で運営していくべき機関でございます。
#56
○清水澄子君 公害対策審議会ともそれは全く別なんでしょう。
#57
○政府委員(入山文郎君) 組織と申しますか、こういう機関としては別の機関を、そのための専門の機関をつくるという考え方でございます。
#58
○清水澄子君 それはやはり屋上屋を重ねないで、有機的な関係をぜひつくり出すようなそういう方向で進めていただきたいということを希望しておきます。
 次に、この第十二条で道路運送車両法に基づく命令が定められているわけですけれども、第十条に定められた特定自動車排出基準は第十二条の車検の基準になるんですか。
#59
○政府委員(入山文郎君) そういうことでございまして、この車種規制というものを十分に実効を上げるために車検の制度を活用いたしまして、それで担保するという考え方に立っているわけでございます。
#60
○清水澄子君 今回の法案の従来にない新しいものを取り入れたというのはここですか。
#61
○政府委員(入山文郎君) 従来にない考え方、従来にない法案である、また世界にも類を見ないと私ども考えているわけでございます。今御指摘のような点もその一つでございます。
#62
○清水澄子君 第十二条に基づく車検の具体的な実施時期、これはいつごろになるんでしょうか。また、そのときの排出基準はどのくらいを設定されるおつもりですか。
#63
○政府委員(入山文郎君) 具体的なそういう基準につきましてはこれからまた政省令等で詰めていくことになるわけでございますが、重量区分によりまして、大きなもの、中くらいのもの、小さなものというような形でディーゼルトラックを分けるわけでございます。それぞれの区分に応じた規制を考えてまいりたいと思っております。要するに、より公害の少ない、排出量の少ない車種に乗りかえていただくということでございます。
 それで、時期でございますけれども、一年六カ月ぐらいということを考えているわけでございまして、その後古い車から順次新しいものと申しますか、そういった規制に乗せていただくようにしていきたいというように考えております。
#64
○清水澄子君 その排出基準ですね、実施時期は今一年六カ月後と。そのときの排出基準はどのくらいを設定されるんですか、車の。
#65
○政府委員(入山文郎君) 排出基準と申しますか、車種についての御質問がと思いますが、例えば二・五トン未満ぐらいの車でございますと、これは代替するガソリン車がございますのでガソリン車に乗りかえていただくということでございます。そのガソリン車の基準に合わせる。例えばディーゼルでございましてもその基準に合格しておれば、それはそれでいいということでございます。
 それから、二・五トンから五トンまでの中くらいの車でございますが、これにつきましてはエンジンの構造上直噴式というのと副室式というのがございます。この副室式というのがより排出量が少ないわけでございまして、そちらの方へ乗りかえていただくということを考えておりますが、これも当然直噴式でございましても基準に合格している車であればそれはいいという考え方でございます。
 五トン以上の大型につきましては現在のところ代替するガソリン車というものがございませんので、これは最新の規制に合格した車を使っていただく、新しいものに乗りかえていただく、そういう形になろうかと存じます。
#66
○清水澄子君 では、ここで確認しておきたいんですけれども、NOxの環境基準というのは今後自動車の車検の保安基準になっていくと見ていいわけですね。
#67
○政府委員(入山文郎君) NOxの環境基準でございますが、これにつきましては、五十三年のときに定めたいきさつ等につきましては従来からいろいろと申し上げておりますけれども、これはいつもその時点においての最も新しい知見と申しますか、そういった科学的な最新のデータに基づきまして必要があればいつでも見直すという考え方でいるわけでございます。
 その基準とこの車の基準とは直接は関係ない。言ってみれば、その基準を達成するためにそのような車種規制を実施するということでございます。
#68
○清水澄子君 さっきは特定自動車の排出基準が車検の基準と。つまり保安基準になるわけでしょう。そうしたら同じじゃないんですか。そのことは今後環境基準が自動車の車検の保安基準になっていくわけでしょう。違うんですか。
#69
○政府委員(入山文郎君) 環境基準は一般的な大気の基準を定めるものでございますので、いわばその環境基準を達成するために車の基準を定めて、そしてそれを守っていただくという関係になろうかと思います。
#70
○清水澄子君 では、この十条に定められた特定自動車の排出基準というのはどのくらいを設定されるわけですか。
#71
○政府委員(入山文郎君) 先ほど総重量ごとに具体的に今考えております内容について申し上げたわけでございますが、その基準を守れるような数字を入れるということでございます。
#72
○清水澄子君 もうあるんじゃないんですか、数字は。これは運輸省にきのう聞きましたら環境庁がもうお決めになっている、決まればそのまま載せるんだと言っておられましたけれども。
#73
○政府委員(入山文郎君) この法律が成立いたしましたら、総理府令によってそういった具体の数値は決めていくことにしているわけでございます。
#74
○清水澄子君 数字をちょっと今私持ってこなかったんですが、運輸省から伺ったんですけれども、それは法律が決まればそれが加えられると言っていた。ですから、ここでその基準はどのくらいを設定していらっしゃるんですかということを聞いたわけです。
#75
○政府委員(入山文郎君) こういうことになろうかと思います。
 総重量区分ごとの規制につきまして申し上げましたが、それは現在単体規制を実施しているわけでございます。その数値をとっているわけでございます。例えば二・五トン以下の車で申し上げますと、現在ガソリン車で排出基準が決められているわけでございますが、その基準をそのまま援用すると申しますか、達成する車種ということでございます。ですから、それはガソリン車であろうとディーゼル車であろうと構わないわけでございますけれども、いずれにいたしましても現行の基準を達成するものという決め方でございます。
 そして、その正式の決めにつきましては、先ほど申し上げましたように法律が成立いたしましてから後に総理府令で定めるという手続をとらせていただく、そういうことでございます。
#76
○清水澄子君 ちょっとそこがはっきり理解がしにくいんですが、次に移ります。
 第十二条に基づく車検の具体的な実施と総量削減基本方針、それと都道府県の総量削減計画とはどのように関連していくわけですか。この法案からは全くわかりにくいので、詳しく説明してください。
#77
○政府委員(入山文郎君) この車種規制、それから総量削減基本方針、これは国がつくるわけでございます。それから総量削減計画、これは都道府県がつくるわけでございます。この三つがどういうような関係になっておるのかという御質問だと思いますけれども、この三者の関係を施策という観点から見ますと、総量削減基本方針、それから総量削減計画、これは自動車からの窒素酸化物の排出総量を削減するための各種の施策を広く盛り込むということにしているわけでございます。
 そして、いろんな施策の中で中心となると申しますか主要な柱と申しますか、それに位置づけられるのがこの車種規制であるというように考えているわけでございます。車種規制だけではございませんで、いろんな施策を総合的に講ずると言っているわけでございますが、そういうことを申しているわけでございます。
#78
○清水澄子君 車検の具体的な実施、これは一年六カ月後でしょう。ですから車検を具体的に実施していくというのは一年六カ月後からですね。そうすると、あとの問題も大体うまく調整できるんですか、基本方針やそれらと。基本方針はいつどういうふうにつくっていくんですか。
#79
○政府委員(入山文郎君) できるだけ早く基本方針をつくってまいりたいと思いますが、その基本方針によりまして具体的ないろんな問題が決まっていくわけでございます。
 時期につきましては先ほど申し上げたような一年半というようなものもございますし、それから適当な猶予期間を置かなければならないというような問題もございます。代替するにいたしましても全部一度にやるというようなことではまたいろんな無理が生じますので、そういったことも考えながら無理なく移行できるようなそういったやり方を考えていきたいと思っているわけでございます。
 法律が成立いたしましてから半年ぐらいの後には、この基本方針とそれから先ほどから申し上げておりますような基準といったものを定めてまいりたいと思っております。その適用については先ほど申し上げましたように一年六カ月とか、いろんなそういう無理のない形を考えていきたいということでございます。
#80
○清水澄子君 私はよく理解ができないんです。よくわからないんです。車検は一年六カ月後ですから、そういうものを含めないとできないんでしょう、総量削減基本方針なんというのは。都道府県だって総量削減計画を立てるときにそれらと連動しないと立てられないんじゃないかと思うんですけれども、その辺のところはちょっとまたよく整理して答えてください。
 この法律をずっと見ると、車検が目玉だろうと思いました。車検を担保にしてやっていくというのが大変強い。ここが一番この法律の目玉なんだと思ったものですから、この辺のところがどういうふうになっていくのかというのをお聞きしたかったんですけれども。
#81
○政府委員(入山文郎君) 基準は基本方針と同時に決めるということでございますから、先ほど申し上げましたが半年のうちには決めるということでございます。その基準が決まりますと、それを見ながらいろんな計画も立つわけでございます。
 ただ、この決めた基準をいつから実施するのかということになりますと、それは即日というわけにはまいりませんで、先ほど申し上げましたが猶予期間とか、いろいろそういう無理のない形で実施していかなければならないと考えておりますので、適用につきましては一年半ぐらいかと現在のところは考えているわけでございます。
#82
○清水澄子君 次に移りますけれども、車検の適用はこれは特定地域内の場合ですね。そうすると、もし特定地域以外の車が特定地域に乗り入れた場合には車種規制による効果というのは余り期待できないのではないかと思いますが、この点についてはどのようにお考えですか。
#83
○政府委員(入山文郎君) 規制は特定地域内の車である、しかし特定地域外からその特定地域の中に入ってくる車の問題もあるという御指摘かと思います。
 それにつきましては、私どもも検討いたしましたが、いわば汚染源になっております車につきましては特定地域内が圧倒的に多いということでございます。もちろん、外から来るものもございますが、それは二割程度ということでございまして、全部を規制できればそれは一番理想的ということになるわけでございますけれども、その二割ほどの車のために大変な労力もかかりますしいろんな人手も必要になるわけでございまして、それは効率的な方法ではないというふうに私どもは考えたわけでございます。
#84
○清水澄子君 では、次に通産省の方にお伺いします。
 この法案は窒素酸化物の大気汚染を少なくするためにディーゼル車を対象としているわけです。ディーゼル車が使う軽油には硫黄が非常に多く含まれているわけですけれども、自動車排出ガスからの硫黄分、このことについて今後どのように精製の段階で規制されていらっしゃるのか、具体的な計画がおありと思いますのでお答えください。
#85
○説明員(近藤隆彦君) ディーゼル車のNOxの低減にはおっしゃるとおり軽油に含まれております硫黄分の低減が大変重要でございまして、この内容につきましては中公審の答申でも具体的に指摘がなされているところでございます。また、来年の十月からは新しい排出基準が適用されますものですから、そういった状況を石油業界としましては十分認識をしております。現在は本年の十月をめどにしまして、現在の実態としましては大体質量ベースで○・四%ぐらい軽油に含まれておりますけれども、これを○・二%までに低減するということで、今そういう方向で進んでおります。
 通産省としましても、これに向けまして予算措置とかあるいは低利の融資とか、さらには税制上の措置を用いまして支援をしてきた次第でございます。また、長期的にはさらにこれを〇・〇五%まで低減していくことが大変重要でございまして、通産省としましては、業界に対しまして〇・〇五%の軽油が供給できるように早急にその体制整備に取り組むべく要請をいたしております。少なくとも五年ぐらいの経過後には硫黄分が〇・〇五%の軽油が供給できるような体制整備をするようにということで、業界の方も積極的に対応するという姿勢を示しているわけでございます。
 通産省では、引き続き先ほど申しましたような予算、税制上の措置等を講じまして、最大限の努力をしまして、官民挙げて硫黄分の低減にはこれからも頑張っていきたいと思っている次第でございます。
#86
○国務大臣(中村正三郎君) よろしければ一言。
 硫黄分の低減のことでありますけれども、ディーゼル自動車の増加が非常に大気汚染に関係があるということで、私が環境庁長官になりましてから、自動車業界を呼びましてディーゼル会社にディーゼル車の改善について要請をいたしました。ところが、石油会社が硫黄分を減らしてくれないとすべての対策がとれないということでありました。
 そこで、石油会社の方たちを私はお呼びして、硫黄分を下げてくれなきゃいけない、アメリカは来年に〇・〇五%まで下げるということを出しておるよということで強く要請しましたところ、それはまさに言ってもらいたかったことであった。そういう御指示があればすぐかかれます。五年のスパンがあれば〇・〇五にできる。しかしながら、それは若干コストにはね返ります。リッター当たりで数円のコストにははね返りますというお話でありました。それはできるんですねと言ったら、それはできますということでありましたので、私は通産大臣にお願いいたしまして、そこで通産省からアクションをとっていただきまして今のような結果が出たということを御報告させていただきたいと思います。
#87
○清水澄子君 それはぜひ一日も早い達成をひとつ促進していただきたいと思います。
 では、次に健康被害の問題ですけれども、大気中の窒素酸化物によって非常にぜんそくなど呼吸器疾患が発生しているわけですけれども、それと窒素酸化物の濃度の因果性についてお聞きしたいわけです。
 環境庁は大気汚染健康影響継続観察調査報告書というのを出していらっしゃいますけれども、それにはぜんそくなどの呼吸器障害の有症率と大気中の窒素酸化物の濃度との相関関係を認めていらっしゃると思うんです。そして、三OPPB以下の達成と維持が望ましい、そういうふうにされているわけです。しかし、東京都の調査では、窒素酸化物の個人暴露において道路の周辺に住む住民が最も高い有症率を示しているわけですし、道路から遠ざかるにつれて小さくなっていると、有症率が。そういうことが明らかにされているわけです。
 今度のこの法案では、環境基準を達成するというそういう西暦二〇〇〇年が目指されているわけですけれども、それが達成できた段階では、現在道路周辺で健康被害に遭っているような住民の健康は目に見えて解決されていくという点も、調査研究の上でこの目標をお立てなのかどうか。
#88
○政府委員(入山文郎君) 御指摘の調査でございますけれども、因果関係の問題等につきましてはこれはなかなか難しい点もございまして、例えばぜんそくは、これは非特異的な疾患ということでございまして、その発現にアレルギー等の因子の介在も示唆されるといったことがございます。いわばその原因が特定できないというものでございます。したがいまして、この二酸化窒素との因果関係もこれはまだ明確ではないというのが私どもの考え方でございます。
 しかし、この大気汚染がぜんそく様症状と何らかの関係があるだろう。そういった可能性があるということにつきましては私ども否定はしていないわけでございます。そういったことからいたしますと、この環境基準が達成されましたならば少なくとも二酸化窒素が国民の健康に悪い影響を与えるだろうといったようなことは少なくなる、このように考えております。ぜんそくが全くなくなるというようには考えられませんが、そういった二酸化窒素が与える悪影響はなくなるだろう、こういうように考えているわけでございます。
 さらに私どもそういったデータの充実に努めてまいりたいと思っているわけでございまして、これからも必要な調査は継続して実施していきたいと思っております。
#89
○清水澄子君 そういう病気というのは特定できるというふうに、個々人のそれぞれのあれもあるわけですが、その地域にそういう患者が出ているということでもってそれはその環境から影響を受けると見るわけです。いつでも因果関係というところで、特定できない、可能性はあるというこういうふうな評論的なことじゃなくて、実際に道路周辺に健康被害に遭っている住民がいるというそこを私はやっぱり環境庁は重視すべきだと思うわけです。
 そういう点で、政府はいわゆる公健法の一部を昭和六十三年に改正して第一種地域の指定解除を行ったわけですけれども、しかし東京や川崎、大阪では新たな公害患者が発生しているわけですね。ですから、その人たちに対しては自治体が補償しているという。実にこれは私は問題が多いと思います。本法案の施行後に、特定地域より新たに住民に健康被害の認定患者が出た場合、国はその損害賠償の請求に応じる用意があるでしょうか。大臣お答えください。
#90
○国務大臣(中村正三郎君) 新たに大気汚染を原因とする呼吸器系の患者が発生するというときに、二酸化窒素の基準を達成した後に二酸化窒素によるそういう病気が出たとすれば、二酸化窒素の今の基準というのがどうなんだという議論になるんだと思うんですね。そうして、新たに我々が今予見できないような何か新しい物質によって健康被害が生じたというようなことがあれば、これは新たな汚染物質が生じたような場合にはその原因を科学的に究明して健康被害の発生を未然に防止することが重要だと思うんです。その上でもし不幸にして健康被害が発生した場合は、被害者救済のために汚染者負担の原則に立って直ちに適切な措置をするということになると思います。
 そこで、ちょっと付言させていただきますと、私どもが非常にディーゼルで懸念しておりますのは、今よく新聞に出ている知見から申し上げるわけですが、やっぱりディーゼルの排気ガスに入っている活性酸素だとか、それからパティキュレートといういろいろな黒煙関係のものは発がん物質があるのではないかというようなことがいろいろ言われております。ですから、そういったものにもこれからやっぱり注目していかなきゃいけないんじゃないかと。
 そこで、自動車メーカーに行って私も見てまいりましたけれども、自動車メーカー、エンジンメーカーが今対策をして一生懸命やっておりますのは、窒素酸化物の減少と同時に、パティキュレートといういろいろな炭素の化合物で発がん物質の危険がないかとか、ニトロピレンだとかベンツピレンだとかホルムアルデヒド、アセトアルデヒドだとかそういったものに注目していると。私どももこういう物質には常に注目していかなければならないと思っております。
#91
○清水澄子君 ぜひもっと公害患者をなくす、それから被害を受けている人々にはやはり補償をする、救済をするというそういう強い姿勢で臨んでいただくことを重ねてお願いしておきます。
 次に、運輸省にお聞きしたいわけですけれども、こういう窒素酸化物を総量規制していくという場合に、やはり交通全体の体系をどう見直していくのかということが大きな課題になると思うわけです。
 国鉄の民営化に伴って、鉄道貨物の取り扱いが大幅に縮小したと思います。輸送機関別国内貨物輸送量を見ますと、一九七五年のときには貨物全体の二・七%を鉄道が占めていた。しかし、九〇年には〇・八四%に縮小しているという状況ですね。この国内の貨物輸送が国鉄の貨物合理化、民冨化に伴って、大型ディーゼルトラックにかわってきている。こういうことも私はやっぱりNOxが解消できないということの大きな原因だと思います。今後、こういう貨物輸送体系の比重を鉄道輸送に戻していくということも現在持っている資源を生かすという意味から非常に重要だと思いますが、ぜひその点について運輸省の御計画。それからもう一つは、物流の合理化をどう進めるか。これも運輸省の範囲に入るトラック運送などの点について、この法案との関連においてどういう御計画があるのかということをお聞かせください。
#92
○説明員(豊島達君) 御説明申し上げます。
 ただいま先生がおっしゃいました点につきましては、環境問題を初めとしまして道路混雑や労働力不足の問題など物流を取り巻く問題が大変深刻になっております。その一方で、多頻度少量輸送のように物流に対するニードが高度化、多様化をする傾向にございます。
 こういった中で、物流を効率化していくためには幹線物流につきましては大量低公害の輸送手段でございます鉄道や海運の利用をしていく、そういうことが必要であろうと考えております。このため運輸省としましては、コンテナ列車の長編成化によります鉄道貨物輸送力の増強、それからコンテナの取り扱いに必要なコンテナデポの整備、そして海の方につきましては船舶整備公団によります内航コンテナ船やロールオン・ロールオフ船の建造、それ。から港湾における内貿ユニットロードターミナルの建設等を推進していくことにしております。
#93
○清水澄子君 今後やはり鉄道輸送を活用するというそういう基本方針ですね。
#94
○説明員(豊島達君) 幹線物流におきましては鉄道や内航海運を活用していく、そういう方向でございます。
#95
○清水澄子君 この物流の合理化のところで、第十三条に事業者に対する指導というのがあるんですが、これは通産省の方にお伺いしたいんですけれども、製造業などの自動車の使用については今後ガイドラインを定めるとなっているわけです。これはどういうふうな規制をされていくのか。最近は、製造工場のかんばん方式とかスーパーやコンビニエンスストアへ一つのものを運ぶのに一日に何回も、池袋の一つのスーパーで調査をしたところが商品を運ぶのに十七回来ている。倉庫を持たないこのごろはそういう業者ができているわけですね。ですから、全部この輸送にゆだねているという状況の中で、これらについてどういうガイドラインをつくり指導なさるのか、その辺についてお聞かせください。
#96
○説明員(湯本登君) 通産省といたしましては、自動車から出ます窒素酸化物対策といたしまして、輸送の面では共同配送を推進していく。あるいは帰りの荷物をできるだけ確保して、行き帰りむだなく車が使えるようないわば積載効率を上げていくといったような輸送面そのものを効率化していくといった取り組み。それから、先ほど運輸省からも御答弁ございましたが、自動車以外の輸送手段への転換、あるいは低公害の車の利用促進といった輸送手段の改善といったような対策を事業者に対して積極的に講じていくよう指導するとともに、必要な助成策等も講じてまいるということを考えております。
 それから、先ほど御指摘になりましたジャスト・イン・タイムのようなものでございますが、これはすべてが一概に悪いと必ずしも言えるものではございませんが、余りにも行き過ぎたサービス、そういった面等につきましては、これらをできるだけ是正していくようなものも今後十分考えてまいりたいというふうに考えております。
#97
○清水澄子君 環境庁は、運輸省それから通産省と物流の合理化については非常に具体的な打ち合わせをなさっているわけですか。
#98
○政府委員(入山文郎君) これから、そういった各関係の省庁でつくっていただきます指針、ガイドラインといったようなものにつきましては、私ども十分に意見を申していきたいと思っておりま下し、相談した上で、最もその効果が上がるようなものをつくっていただくように私どもも要請してまいりたいと思っております。
#99
○清水澄子君 次に、また環境庁にお伺いします。第七条の特定地域での窒素酸化物の総量削減計画は、今後高速自動車国道あるいは一般国道その他の道路の建設に際して、これが環境アセスメントの基礎的なデータになっていくと思うわけですけれども、特定地域に新たな道路建設を計画した場合に、これからつくられてくる総量削減計画の達成のためには、いわゆる環境基準をオーバーしていくという場合にはそれの停止ということもあり得るわけですか、その建設が。
#100
○政府委員(入山文郎君) 総量削減計画におきましては、既に予定されておりますような計画による交通量の変化といったものは、これは見込んで数字を出していきたいと思っております。
 しかし、今御指摘のような途中でというようなこともあり得るわけでございますが、そういった場合には、この計画される道路その他の施設の建設に当たりましては総量削減計画の推進、達成に支障が生じることがないように所要の調整措置を講じてまいりたいと思っております。
#101
○清水澄子君 建設省はそういうことに承認をするでしょうか。その点は確信があるんですか。
#102
○政府委員(入山文郎君) 建設省におきましても、私ども聞いておりますことで申し上げますと、十分にこの法案の趣旨を踏まえた上でそういう将来の道路計画についても考えているということでございます。
#103
○清水澄子君 その辺は本当にきょう発言いただいたことに期待をいたしますから、期待が裏切られないようにどうぞ強力にお進めいただきたいと思います。
 最後に、地球温暖化防止計画との関連でございますけれども、西暦二〇〇〇年の炭酸ガスの排出量を政府は九〇年水準に抑制するという目標を置いておられるわけです。この法案によって小型ディーゼル車をガソリン車に転換することによって窒素酸化物の規制はできますけれども、反対に炭酸ガスの排出量の増加につながらないのかどうか。この法案が政府の地球温暖化防止計画の中ではどのような位置づけになっているのか、お聞かせください。
#104
○国務大臣(中村正三郎君) よく言われるんですけれども、ディーゼルエンジンの方が燃費がいいからということで、炭酸ガスの排出ということからひっくめればディーゼルの方がいいんだというようなことをよく言われます。
 しかし、私ども選挙活動で使っていればわかると思うんですが、バンによく上に乗るところをつけてスピーカーをつけて私どもは走りますけれども、私に関してはディーゼルを使いません。ガソリンを使います。なぜかというと、山間地なものですから力がなくて坂を上らない。加速が悪い。しかも、とまっていれば煙が出て、それが臭くて聞いている人に嫌な感じを与えるということで使いません。ですから、ディーゼルを使うということは、ディーゼルエンジンによる燃費のよさということもありますけれども、快適さだとか加速性だとか速度をかなり犠牲にしている。
 ですから、例えばセドリックだとかクラウンとかいう車でも、ディーゼル車種とそれからガソリン車があります。ところがガソリン車の二千CCの性能を出すためには、ディーゼルを二・五リッター、大きなディーゼルを積んでおります。ですから、ディーゼルにかえたから燃費がよくなるとは一概に言えない。
 それから、ディーゼルとガソリンの燃費の違いは何かといえば、これは圧縮比の差にある。内燃機関ですから圧縮比の高い方がどんどん燃焼効率はよくなっていくんだけれども、ガソリン自動車でもかなり今燃費が改善されております。今のディーゼルが圧縮比を十七対一か二十対一ぐらいのところへ持っていっても、一〇%から一五%ぐらいの燃費の違いであろう。しかも、同じ車種で同じだけ走ろうとすると、大きなディーゼルエンジンをつけているのが現状であります。
 私は素人でありますから素人の考えとしてお聞きいただけたら大変幸せでありますが、科学的に比較してみると一〇%とか一五%ぐらいの燃費の差はありそうだけれども、これから通産省におかれても、いろいろ聞きますとガソリン車の燃費の改善ということを義務づけていこうというようなことも考えておられるということでございますので、ディーゼルとガソリンとをその出す公害の深刻さから比べて考えれば、私はガソリン車を選んだ方がいいという論を持っております。
#105
○清水澄子君 地球温暖化防止計画は。
#106
○国務大臣(中村正三郎君) 地球温暖化との関係のことで今お答えしておったんですが、ですから炭酸ガスの排出量としては、ガソリン車の努力によってかなりディーゼル車と同じような燃費に持っていけるのではないか。したがって、同じような車種だと今実際に私どもが使う車でも、ディーゼルエンジンを積んだときは大きなエンジンを積んでいるのでガソリン車が努力すれば、他の公害とのトレードオフを考えればやっぱりガソリン車を使っていって、ガソリン車の燃費を改善するなり大きさを小さくして、地球温暖化にも対処するべきではないかと考えていると申し上げさせていただきたいと思います。
#107
○清水澄子君 終わります。
#108
○委員長(渕上貞雄君) 本案に対する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時三十八分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十分開会
#109
○委員長(渕上貞雄君) ただいまから環境特別委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、久保田真苗君が委員を辞任され、その補欠として三重野栄子君が選任されました。
#110
○委員長(渕上貞雄君) 休憩前に引き続き、自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#111
○西野康雄君 朝からの長官の答弁を聞いておりますと、大変によく御勉強をなさっておられるなということで本当に心から敬意を表しているわけですが、衆議院の議事録を見ますというと、軽油とガソリンの価格差についてお述べになっておられました。どうもこういう価格差もNOxの場合は原因じゃないかというふうなことでした。
 実は、私懇意にさせていただいております方に西尾大阪市長がいらっしゃいますが、先日の新聞にこういう記事が載っておりました。五月十六日の読売新聞ですけれども、「軽油 ガソリン 価格差縮小を 大阪市長が提起 ディーゼル車増に歯止め NOx抑制めざす」、こういう大きな見出しです。
  大都市の大気汚染の焦点である窒素酸化物(NOx)の大きな排出源とされるディーゼル車を減らすため、大阪市の西尾正也市長は、燃料の軽油とガソリンの価格差を縮小するよう、国に要請していく方針を十六日までに固めた。課税額の差などから軽油が割安な現状が、ディーゼル車増加を招いた原因とする指摘が学者や住民団体などにあるが、自治体の首長が問題提起するのは初めて。
  市長がこの考えを示したのは、二〇〇〇年度までに自動車からのNOx排出量を一九八五年度の半分に減らそうとする市自動車公害防止計画の目標を実現するため。
  ところが、NOx排出量がガソリン車の三倍以上とされるディーゼル車の比率が年々上昇。
 大型車だけでなく、小型トラックや乗用車でも大幅に増えて、市内の幹線道路のNOx排出量の六割以上を占め、目標達成の最大課題になっている。
 市長は、ディーゼル車増加の背景を、軽油の小売価格が現在一リットル七十円台と、ガソリンより約五十円安い点が大きいと分析。
  現在、軽油は一リットル当たり二十四・三円の軽油取引税が、ガソリンは同五十三・八円の揮発油弧と地方道路税が消費段階でかけられており、この税額の差に加え生産コストがガソリンの方が高いことから価格差が開いている。ディーゼル車対策では、事業所に対する車種転換義務付けを中心とする総量抑制法案が国会で審議中
これは今のことですが、
 市長は「さらに効果を上げるため、燃料価格差の問題を、議論すべき時に来ている」とし、今後、環境庁など関係先に検討を要請していく
こういうふうな内容でございます。
 私これは非常にすばらしい提言だと思うわけですが、長官、今の記事をお聞きになってどうでしょうか。
#112
○国務大臣(中村正三郎君) まず、なぜディーゼルがいけないかということでありますけれども、NOxの抑制ということが極めで大切なことである。そして、構造的にディーゼルエンジンというのは午前中も御答弁させていただきましたように、圧縮比が非常に高い。そのために窒素が酸化してしまってNOxが多量に出る。それを取ろうとしてもなかなか取る技術が今ないということが一つございます。
 そして、それではそれだけかと申しますと、ディーゼルエンジンというのは圧縮した高温の空気の中にいきなり生の軽油を噴き込んで燃焼させますから、なかなかきれいに燃えないんです。そこでもって活性酸素という燃えない酸素、燃えないというか化合しない酸素が出てくる。それから燃え残りのいろいろなベンツピレンだとかニトロピレンだとか、燃えたときに起こる、高温のために起こることもある、よく燃えないために起こること等のホルムアルデヒドだとかアセトアルデヒドだとか発がん物質と言われるものが多量に含まれてくる。そのほかわけのわからぬ芳香族、カーボンの化合したものが出てきて、それが真っ黒な煙になって出たりしている車もある。
 そうしたものすべてを抑制するために、このディーゼルエンジンの排気ガス浄化の規制ができないかということで自動車会社に随分働きかけたんです。ところが、今の技術ではできないということなんですね。努力はします、しかしできないと。そこでまず第一にやったのが午前中お話ししましたS、サルファを減らさないとだめだということで、それはやってくれるということで通産省にお願いして対策をとることになったのであります。
 それで、ディーゼルがそれじゃなぜいいかということです。ディーゼルの方が燃費がいいよという話になりますが、先ほどお話ししましたように、ディーゼルエンジンというのは力があると言われているけれども、これはホースパワーで比較すれば容積当たりの力は出ません。これがよく言われている中の間違いであります。だから、セドリックで言えば今二リッターに対して二・五リッターのエンジンをディーゼルだと積む。二五%大きなエンジンを積まなければ同じような性能は出ないんですね。実際には二千四百八十八CCのディーゼルをセドリックは今現在積んでおります。
 そういうことを考えますと、二五%大きなエンジンを積まないとだめ。それでもって、実際の燃焼効率はどうかと思って比較してみると、一〇%から一五%ということになってまいりますと、ガソリンを利用することが必ずしもCO2の排出増にはつながらない。
 それから、言えますことは、日本において戦争中はまき自動車、木炭自動車を使い、戦後はガソリンでバス、トラックを動かしております。しかし、当時はディーゼルの排気ガスからこんな悪いものが出てくるということがわかっておりませんから、ディーゼルでやった方がエンジンもいろんな電気系統がないとか船に積んだりなんかするのも便利だということで、ディーゼルを使おうということになって昭和三十年代ぐらいからずっとディーゼルがふえてきたということでございます。
 そういう車がふえたとき、私実は経験したことなんで御報告させていただきたいと思いますが、当時運転手がディーゼル車を嫌いました。ディーゼル車はガスも悪いし振動も大きいし加速も悪いと嫌がったんですが、それを無理無理ディーゼルがいいんだから乗ってくれということで乗ってもらった。それではなぜディーゼルがふえたかというと、原因はただ一つ、燃料が安いからです。安いからどんどん使ったわけです。それがもう習い性となってディーゼルの燃料は安いものだということが定着してまいりまして、そこでどんどんディーゼル車がふえた。そのうち、だんだん悪いものを出すということがわかってきて、どうにかしようと思ったけれども加速度的にディーゼルがふえていったと。今は燃費が安いということで乗用車までディーゼル化が進んでおるという現状であります。
 それでは、このディーゼルオイルいわゆる軽油とガソリンの値段の差を縮小したらどうなるかということです。これはアメリカの例を見てみればよくわかると思うんですが、アメリカにおいてはガソリンと軽油にかかる税金がほぼ同じであります。市場価格もほぼ同じであります。そのアメリカにおいては、かなり大型トラックまでガソリンで動いております。ガソリンで動かすと、トルクバンドというので力の出る範囲があれだから非常にトランスミッションを多段化しまして、トラックも十段変速から二十段変速というトラックがある。そして、ディーゼル車の総量はアメリカでは減っております。
 ところが、日本と同じようにガソリンの方が高くて軽油の方が安い国、一番その差が激しいのはフランスのようでありますけれども、これはディーゼル車がふえております。ドイツもふえておる。ほかの国はみんなふえておる。日本もふえております。ですから、こういったことを見てもやはり経済性の原則から、ガソリンと軽油の値段を同じようにしていけばガソリンの方が静かだししますからガソリンの利用というのはふえていくと思います。
 そこで、私は業界を呼びまして、ついせんだってですがこの差をなくしてくれという話をいたしました。そうしましたところ、業界の話は基本的にはそれには大賛成でありますと。なぜこういう差が出たかといえば、割と近い差でいっていたやつが、石油ショックのときにいろんな物資が値上がりした。石油製品が値上がりした。そのときにやっぱり軽油だとかそれから家庭で使ういわゆる白灯油、こういうものの値段は抑えてくれという行政指導があったから抑えたと。そのときから格差がついたっ放しになってきているんだという説明でありました。
 それともう一つ、委員御指摘になりました税金の点でありますけれども、この税の格差というのもどうだといったら、税の格差を是正することは賛成であります。しかしそれが結果的に増税になっては困るのでそれは反対です。こういうすれ違いの議論でありましたけれども、業界もそれは価格差というのは縮めることに賛成ということでありますので、この点も今通産省に、そういう方向で直接の監督官庁は通産省でありますので考えてくれないかということをお話ししているわけです。
 それで、今大阪の話をされましたけれども、この間、首都圏の東京、千葉県、埼玉県、神奈川県の知事さんたちによるサミットが開かれました。そこに私呼ばれました中で非常に強烈に言われましたのはこの点であります。ディーゼルに関する税金をガソリンと同じようにしていけ、それから値段の格差をなくしてディーゼルを減らせ、そういうことを特に東京都知事さんなどから強く言われたということを御報告させていただきたいと思います。
#113
○西野康雄君 そうですので、そういうふうに西尾市長だとかが働きかけてきたときには大いに誠意を持っておこたえいただきたいと思います。
 その軽油とガソリンの価格差ですけれども、三つあると思うんです。今のガソリンに軽油の方を持ってくるか、今の軽油の方にガソリンを持ってくるか、ガソリンをちょっと下げて軽油をちょっと上げる、この三つあると思いますけれども、長官はどういうふうなことが一番望ましいと、これは私案で結構ですけれども。
#114
○国務大臣(中村正三郎君) これは大変難しいお尋ねでありまして、私がここでうかつに答弁しますと権限を越えておるということでおしかりを受ける可能性があります。
 というのは、この税金、実はちょうど私先進国のG7の環境会議から帰ってきたところなんですが、そこでも議論がございました。そして、こういうCO2を出すものに税金をかけていこうと思うけれども、中村さん、あなたはどう思うんだと。日本のことが聞きたいということなんで私御説明したんですが、ほかの物資に比べるとガソリン、軽油というのはかなりもうこれは全体としてはかかっているんですね。ところが、ヨーロッパはそれ以上にかかっている国もあります。それはあの人たちが持っている付加価値税、売上税が高いからトータルするとかなり高いものになるんですね。
 それと、日本の場合はこれが目的税として使われております。それがある部分は石炭対策、石炭でお困りになったところに差し上げる。それから新エネルギー開発ですとか備蓄だとか、ある大きな部分は道路税に使われている。道路をつくるために使われて、そこを車が走るという構造になっている。それを調整するということは極めていろいろなことが絡みまして、政治のお考えもあるでしょうし、政府税調のお考えもあるだろうし政権政党の自民党の税調のお考えもあるでしょう。
 だからうかつに言えませんが、私はやはりあえて言えば要するにレベニューニュートラル。収入は同じで調整するというのが一番素直な考え方じゃないかと思っていますが、これは個人的な意見とさせていただきたいと思います。
#115
○西野康雄君 私も収入が一緒のような方向でないと、増税につながったりとかそういうふうなことになるんやないかと思って、それでちょっと私案を聞いてみただけでございます。
 局長、私午前中の清水澄子議員の質問でやっぱりどうもわからぬ。局長も後ろばかり向いてはるからどうなんだろうか、ほんまにこの法案をきちっと理解なさっておられるんだろうか、そんな気がしたものでもう一遍重複して第十条の特定自動車排出基準というところをお聞きしたいと思うんです。
 第十条に定められた特定自動車排出基準、これは十二条の道路運送車両法、車検ですね、この基準になるのかどうか、そこを聞きたいと思います。
#116
○政府委員(入山文郎君) 結論から申しますと、なるということでございます。
#117
○西野康雄君 なるんならなるで、第十二条に基づく車検の具体的な実施期日はいつごろになるのか、またそのときの排出基準はどのくらいと設定をしているのか、この部分もお聞きします。
#118
○政府委員(入山文郎君) 午前中も申し上げましたが、基準につきましては、六カ月ぐらいのうちに基本方針を策定するわけでございますけれども、それと同時につくりたい。その実施につきましては一年半ぐらいを見ておるということでございます。
 内容でございますが、二・五トン以下の小型のディーゼル車につきましては、これは現在の基準でございますがソリンの基準に合わせていただく。いわばガソリンにかえていただくということでございます。それから二・五トンを超えて五トンまでの中くらいの車につきましては、これは直噴式と副室式とございますが、副室式の方がより公害が少ないということでございますので、現在の副室式の基準をとっていただくということでございます。それから五トンを超える大型車につきましては、これはガソリン車しかございませんが、その基準を採用していただく。これをもって車検で担保する、そういう考え方でございます。
#119
○西野康雄君 車検で担保するということですが、車検の業者だとか、私いろんな物の本を読みますとNOxの検査体制というんですか、そういうふうなものが整っていないというふうなことも聞いておるんですが、どうですか。民間の車両工場で、この法律をずっとおろしていきます。そのときに、車検の体制が整っていないのならばこれはまた絵にかいたもちのようになります。その辺の把握はなさっておられますか。
#120
○政府委員(入山文郎君) 車検の際に、先生今御指摘のようなそういう測定を実際にやるということは実はしておりませんで、その車ごとにと申しますか年式、型式というのがございますが、それに基づいて判断をするということでございます。
#121
○西野康雄君 そこがやっぱりこの法律のポイントとちゃうかなと思うんです。型式だけで判断していって果たしてほんまにええんやろかという問題が出てくると思いますし、このあたりをもう少し詰めていただきたいと思います。
#122
○政府委員(入山文郎君) 製造段階、それを販売するに至るまでの過程におきましてきちっとしたそういう測定装置を備えた生産工程があるわけでございまして、メーカーではかなり厳密にそういった測定をして出していると思っております。
 したがいまして、その型式、正確に申し上げますならば、必ずしもみんなぴたっと同じ数値を示しているわけでは当然ございませんで一定の幅はあるわけでございますけれども、全体としてこれは誤差の範囲と申しますか信用していいものというように私どもは考えておるわけでございます。
#123
○西野康雄君 それでは、ディーゼル車の排気ガス中の窒素酸化物が大気汚染に寄与する役割、これが大きいことはずっと質問の中でも出てきております。
 そこで、最新の技術みたいなものを環境庁としては把握してはるのかなというので聞きたいんですが、ディーゼル車の窒素酸化物の排出量を技術的に削減できないのかという問題にぶつかるわけで、燃料の噴射方法を改善したりセラミックフィルターを使えば解決できる部分も多いかと思うんです。技術的にどれだけ進んでいるのか。それは窒素酸化物に関して直噴式ディーゼル車の現状とどれだけの数値が違うのか。そういうふうなことを把握なさっている部分で結構ですが、お答えください。
#124
○政府委員(入山文郎君) 先ほど大臣の方からもエンジンについてのお話があったわけでございますが、このディーゼル車の窒素酸化物についての規制の強化につきましては、平成元年の中央公害対策審議会の答申におきまして短期目標というのと長期目標というのが出されているわけでございまして、その目標を私どもはできるだけ早く達成していただきたいということで各メーカーに要請をしているところでございます。
 その規制の目標値でございますけれども、これにつきましてはまあなかなか、はっきり申し上げますと技術的には現在見通しが立ったというところまできておりません。長期の規制目標の達成のためにはエンジン構造の改良、それから従来の低減技術に加えましてEGRという技術がございます。それから超高圧燃料噴射というのがございます。それからパティキュレートフィルター、触媒等の新たな低減技術の実用化といったもの、ちょっと専門的でございますけれどもこういった技術が実用化されなければならないと考えられているわけでございます。
 現在各メーカーでは、私ども大臣からもいろいろ要請していただきましたし、できるだけのことをやるということで取り組んでいただいておりますが、まだめどが立ったというところまではきていないわけでございます。これからもそういった技術開発を促進しながら、役所の方でも継続的に検討委員会で技術評価を行うというようなことによりまして、できるだけ早い機会に達成するように努力してまいりたいと思っているわけでございます。
#125
○西野康雄君 カリフォルニアの例を見てみますと、小型貨物自動車が日本から輸出されています。カリフォルニア州の粒子状物質の厳しい規制に合格しているわけです。そういうものを日本から輸出して合格しておるわけで、これを何で日本で販売、普及されないのかという単純なところで疑問に思うわけです。その部分だけでもか次り違うじゃないか、そんな感じがするので、よく勉強しております長官、どうでっしゃろか。
#126
○国務大臣(中村正三郎君) 多分輸出されているのはガソリン車だと思います。ほとんどアメリカはガソリンを使うんです、それは軽油とガソリンの値段が変わりませんから。それで今日本に入っているアメリカ製の大きなバン、いわゆる日本ではレジャービークルという言い方をしていますけれども、ダッジのラムだとかシボレーのでかいのが入っています。あれは全部ガソリシエンジンで、日本だったらディーゼルエンジンを積むぐらいのものがガソリンエンジンで動いておる、そういうことが原因じゃないかと思います。
 それから、さっき委員御指摘になりました取れないかという話ですが、今ゼオライトという触媒を使って取ろうとするんですが、そのゼオライトの動作温度というのが四百度ぐらいから上の極めて狭いところでしか働かない。それから出てくるいろんなものでゼオライトがすぐだめになる。それは何だというと、酸素が出てくるからだめになっちゃうんですね。燃焼のやり方がさっき申し上げましたように圧縮したところにぼんとぶち込むわけですから、うまく燃えないで活性酸素が出てくるわけでうまくいかない。
 それから、いろんな汚い燃えかすみたいなカーボン系統のものが出てきたものをもう一遍燃しちゃおうというんだけれども、余り量が多いので詰まっちゃって、がさがさと音がするんだけれどもなかなか全部燃し切るというわけにはいかない。それからインゼクション、高圧噴射ということを言われました。これも行って工場で私見てまいりましたけれども、とても今の技術じゃそれもできないということで、かなり難しいということなんです。ですから、ほかの面からできないかということでこの法律をお願いしたりなんかしているというところでございます。
#127
○西野康雄君 一九九〇年の六月にアメリカにおいて二十年ぶりに大気浄化法が改正され、九五年までに大気汚染のひどい大都市にメタノール車を走らせる。九六年度以降も大量にメタノール車の生産を自動車会社に求めている。環境庁としてこれに乗っかって自動車会社に生産体制の確立なんぞを要求していってもええなと思うんですね。例えばカリフォルニアでは一九九六年には十五万台、結構な台数やなと思うんですけれども、どうですか、その辺は考えておられますか。
#128
○政府委員(入山文郎君) メタノール自動車でございますが、これは燃料のメタノールが天然ガスから比較的容易に得られるといったことがございますし、それからガソリン自動車の今までの技術を応用することができるということがございます。また、窒素酸化物、黒煙などの排出が少なくて環境の面から見ましても有利であるということがございますので、そういったことで諸外国でも我が国でも開発、普及が進められているわけでございます。
 このメタノール自動車は、現在のところメーカーから直接ユーザーに販売されるというような形には我が国はなっていないわけでございますが、今後の大量普及に向けまして積極的にメーカーに開発を促していきたい、そう思っております。また一方、自治体あるいは民間等への助成によりまして需要の喚起も図っていきたい、このように考えております。
 メタノール自動車の生産体制の整備を促す、需要の喚起を図るといったようなことから、関係省庁とも十分に相談をしながら、先生御指摘のようなことをこれからも心がけていきたいと思っているわけでございます。
#129
○西野康雄君 メタノール車もあるいは電気自動車も低公害車というふうなことで普及をやっぱり図っていただきたいと思います。
 新聞によりますと、大阪ガスが天然ガスのバスを開発しているんですね。
 排気ガスによる大気汚染を防止する低公害の
 天然ガス自動車の普及に力を入れている大阪ガ
 スは、小型バスとしては国内初の天然ガス自動
 車を開発し、環境測定車として活用を開始し
 た。東京ガスは天然ガス使用のゴミ収集車の試
 作車を製造、自治体などでの実用化調査を検討
 している。こういうことですが、天然ガスも結構いけるじゃないかというふうな感じがするわけです。その辺の詳しい性能だとか、あるいは逆に高圧ガス法だとかいろんな法でネックになっている部分というのもあるかと思うんですね。それをやっぱりNOxの関係から排除していくというんですか、そういうふうな施策も必要かと思います。
 この天然ガスを使用しているバスの詳しい性能だとかネックとなる点なんかを把握なさっておられるでしょうか。
#130
○政府委員(入山文郎君) 御指摘の大阪ガスが開発した天然ガスバスでございますけれども、私ども聞いておりますのは排気量が三千六百CCくらいのディーゼル車を改造した小型バスだそうでございまして、環境測定車として使用されるというように伺っております。それから出力でございますとか最高速度といった性能でございますが、これはディーゼル車とほぼ同等の力が出せるということだそうでございます。それから、それに反してと申しますか、NOxの排出量はディーゼル車の三分の一ないしは二分の一というように非常に低いということだそうでございます。
 しかし、その改造費用が今日まだ高額であるということ、それから一回の燃料充てんによって走行できる距離が二百五十キロメートルということでございまして、ディーゼル車と比較をいたしまして約半分ということでございます。それからまた、ガスの充てん設備が多くないということでございまして、長距離走行の分野における普及にはまだもう少し時間が要るだろうということでございます。
 町の中を走る市中走行バスというんでしょうか、走行距離が限られた範囲で使用するという場合にはこれは今でも十分に実用にたえるというふうに考えられますので、今後のいわゆる低公害車の有力な候補として期待をしているところでございます。
#131
○西野康雄君 何でそんなことを言ったかというと、「天然ガスパイプライン ニ〇一〇年に列島縦断 総合エネルギー調査会が報告へ」というふうな新聞記事を読みまして、これとうまく連動していったならば天然ガスの車というのはかなり有力になってくるんじゃないかと思います。十二分にまた研究をしていただきたいと思います。
 天然ガスのバスだとかいろんなことを申し上げましたけれども、もちろんメタノール車も低公害車なんですけれども、光化学スモッグの原因となるホルムアルデヒドを発生させたりします。電気自動車は深夜電力によって充電している間はいいんですけれども、これが大量に普及したりするとそこがネックになってくる。天然ガスも今のところおっしゃったとおりガスの充てんの走行距離が少し短いというふうなことで、そうするとこれはうまいこと電気自動車だとかメタノールだとか天然ガスだとかをミックスしていくそういう施策というものが一番いいんじゃないだろうか、そんな気がするんですけれども、どうですか。
#132
○政府委員(入山文郎君) 今御指摘ございましたような電気自動車、メタノール自動車、それから天然ガス自動車といったような低公害車は、現時点では相当の性能向上が期待されるために導入すべき用途を現在の性能に応じて直ちに特定するということは困難が伴う、今すぐは難しいのじゃないんだろうかと私ども思っております。
 しかし、この低公害車のそれぞれの性能に応じまして適切な用途を決定していくということは、これは効率的な低公害車の普及のために重要なことであると考えておりますので、もう少し先を見て中長期的な課題と申しますか、性能に応じました先生考えていらっしゃるような何というのでしょうかベストミックスというのでしょうか、そういったものについては検討していきたいと思っております。
#133
○西野康雄君 中長期的というふうなことですが、まだ検討には入ってはりませんのですか。
#134
○政府委員(入山文郎君) 今申し上げましたような意味での検討は実はまだ始めておりませんけれども、この法案を通すということをまず第一に考えておりますので、御理解いただきたいと思います。
#135
○西野康雄君 そやけど、ええ提案でっしゃろ。やってください。
 実効ある総量規制の策、それをずっと法案を見て思うわけですが、辛うじて使用車種規制だけのような気がしてならないんですけれども、車種規制の内容と法案の効果、この辺をお答えください。
#136
○政府委員(入山文郎君) 車種規制のまず内容でございますが、これは先ほどもちょっと申し上げたようなことでございまして、二・五トン以下の車、五トンまでの車、それを超える車と三つの段階に分けて考えまして、それぞれより公害の少ない車種に切りかえていただくということを考えているわけでございます。
 そして、この効果でございますが、私どもは二〇〇〇年までにおおむね現在の環境基準を達成するということを考えているわけでございまして、その中での位置づけといたしましては、全体として三、四割ぐらいの削減を見込む中で一割から二割くらいの効果を見込んでいるわけでございます。ただ、時間的にと申しますか、時期的にいつからいつまでにどのくらいというようなことにつきましてはさらに今後詳細に検討してまいりたい、このように思っているわけでございます。
#137
○西野康雄君 使用車種の規制があれば、それに対応した形で使用を禁止される車種の製造、販売を段階的に制限、禁止してもいいんじゃないかと思いますし、むしろ製造、販売を段階的に制限、禁止する方策を打ち出すことによって産業界の今後に見愚しを持たせる、そういうふうなことになるんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#138
○政府委員(入山文郎君) 私ども今申し上げておりますような使用車種規制というものは、特定の地域に使用の本拠を有する特定の自動車の使用者に課せられるそういう規制でございまして、全国一律に課せられるものではございません。また、なぜそうでないかということもいろいろ申し上げてきたわけでございますが、今大都市の汚染を片づけるということがまず最優先的に考えなければならない問題であると思っておりますので、一般の地域に上乗せをする形で私どもは規制を考えているわけでございます。
 そういうことでございますので、例えば二・五トンを超え五トンまでのディーゼル車につきまして、現在あります直噴式のものを製造禁止にするといったところまでは考えていないわけでございます。また、その必要はないというように思っております。
#139
○西野康雄君 それで、使用車種規制の中でディーゼルの乗用車を対象外としたというところに今後ディーゼル乗用車がどんどこふえてくる、そんな可能性もあるわけで、これを対象外としたというのは若干疑問を感じるわけですが、外したという根拠、その辺をお願いします。
#140
○政府委員(入山文郎君) 規制につきましてはディーゼルトラックあるいはバスといったようなものを考えているわけでございます。乗用車をなぜ外したかというお尋ねでございますけれども、確かにディーゼル乗用車も最近は増加をしております。
 これは全然問題はないとは申しませんけれども、現状では全体の排出量に対する汚染寄与度と申しますか、そういったものを見ますとそれほど大きくはないという事実もまたあります。一台当たりの排出量につきましても、これはトラックほどではないということでございます。それからまた、個人的にもいろんな使われ方をしているものでございまして、どうも特定の地域とは申せ一律に規制の対象とするのはやや問題ではないだろうかという判断でございます。
 しかしながら、ガソリン乗用車でも機能的にはむしろいい面もございますし、ディーゼルにしなければならないという理由はないわけでございますので、できるだけ私どももより公害の少ないものに乗りかえていただきたいと思っております。ただ、これは法律で規制するというのではなくて、広く国民の皆様に御理解をいただいて、そういった使用車種の選択についても御配慮をいただくというようなことでやってまいりたい。そのためにもまた十分に啓発もやっていきたい、このように思っているわけでございます。
#141
○西野康雄君 寄与率が非常に低いということもようわかるんです。そやけど、これは現在低いだけなんですね。将来はこれはかなり伸びてくる。ディーゼル車の伸び率というのをずっと見てみると、すごい勢いで伸びております。
 ですから、国民にお願いをする、啓発をしていくんだというふうなことではやっぱりいかぬという気がいたします。これが代替車種がないというのならともかくも、その心配がないわけですから即時中止に踏み込んでもいいと思うんですけれども、そこまで踏み込めなかったというのはどういうお考えからなのかなと思いますが。
#142
○政府委員(入山文郎君) 啓発という形で私ども対処してまいりたいと申し上げたわけでございますが、法律でございますので、これはやはり必要にして十分など申しますか、おのずからそういった意味での制約があろうかと思います。
 例えば先ほど御指摘のございましたような全国一律の禁止でございますとか、あるいは製造の埜止だとかといったような問題もあるわけでございますが、必ずしも法律でそのように決めてしまうということが適当でないということもございますので、この問題につきましてもその範疇に入るのかなということでこのような形にさせていただいたわけでございます。
#143
○西野康雄君 そういう答弁を聞いていると、どうも産業界に気兼ねをしているなというふうな感じもせぬことはないので、何か危機感というんですか、そういうふうなものが私のところに伝わってこないんですね。そういう危機感のなさが環境基準達成の公約が果たせていないところにつながっているんじゃないかと思うわけですが、長官、どうですか。これはもうやるんだというそういうふうな意気込みみたいなものを聞かせていただきたいんですが。
#144
○国務大臣(中村正三郎君) 私の場合、私的なことで恐縮ですが自動車業界に長いこと携わってきたものですから、内情がよくわかりますので衆議院でも答弁させていただいたんですが、業界が反対しているからとかなんかはもう言わないでくださいということを申し上げたんです。業界はやっぱりこういうことを国民の要請として何かやろうというときに、言われたらやらなければならないと私どもは感じております。
 そして今、乗用車のことですが、まさにこれが問題で、私の兄も実はディーゼルの乗用車に乗っております。なぜかというと、安いからです、燃料が。それを変えなければ、やはりなかなかいかない。それはどうしても公式に聞かれれば今入山局長の答弁のように国民の御理解を得てということになりますけれども、やっぱり安ければ使ってしまう。だから、そういうことを是正していくということも、先ほどの先生の大阪の市長さんからの御指摘もあり、やれることを一つ一つやっていくことが大切だ。
 それには何をしなければいけないかというので、業界の方を呼んだり、石油業界の方、自動車業界の方を呼んだり、通産省にお願いしたり、今必死でやっているわけでありまして、この手を緩めずにいろいろな問題を提起し頑張ってまいりたいと思いますので、どうか御支援を賜りたいと兼願いを申し上げます。
#145
○西野康雄君 それで、その法案の強制力の問題というところにもやっぱり行き着くかと思います。罰則規定のない部分をどう遵守させていくかということもこれは一つの課題だと思いますが、その辺の方策をお尋ねします。
#146
○政府委員(入山文郎君) 罰則のことを御指摘いただいたわけでございますが、車検をもってこの軍種規制を担保していくという御説明を申し上げたわけでございますが、例えば車検を通らない車、これは普通使用できないわけでございますけれども、それをあえて使用したとすればそれには罰則がかかるわけでございます。そういった形でやや間接的かもしれませんが、これは強制力を持った、罰則規定を持っているというように私どもは考えているわけでございます。
#147
○西野康雄君 生協の共同購入でも一万台のディーゼル車を使用しております。ガソリン車へ切りかえを進める計画を生協なんかは立てているようですが、燃料コストで約二倍、燃費ダウンを考えると燃料コストは現状の二・五倍になる、そういうふうな訴えがございました。
 大口の団体をディーゼルからガソリン車に転換を促進させるためにはいろんな方策があるかと思いますが、税制上だとかそういう優遇措置というものも必要かと思います。今のところそういうことは考えておられますか。
#148
○政府委員(入山文郎君) この法案におきましては国の援助の条項を置きまして、規制に伴って生じますより排出ガスの少ない自動車への乗りかえ、買いかえに必要な資金の確保について必要な援助に努めるということにしているわけでございます。
 援助のための措置といたしましては、税制上の軽減措置でございますとかあるいは購入の際の任利融資といったようなことが考えられるわけでございますが、具体的な内容等につきましては、これから関係の省庁とも十分に相談をしながら必至な措置を講じてまいりたいと思っているわけでございます。
#149
○西野康雄君 そういった大口だとか、何というんですか運送会社の事業用車両、そういうふうなものがいろいろあって、それを規制したりするんですけれども、マイカーの規制まで展望した総合対策をとらないと都市部の交通渋滞というのは抜本的な対策にはならないわけです、
 通勤用など一人一人があるスペースをとるマイカーの使用による渋滞で事業用のディーゼルがその影響を受ける。のろのろ運転だとか停車中のアイドリングでこれもまたNOxの排出量がふえる原因の一つじゃないかと思うわけですね。ですから、公共交通機関の利用だとかジャスト・イン・タイム方式の運送方法とか総合的な対策の推進が必要ではないかと思います。ガソリンはガソリンなりに、また車がふえたりすると別の公害を引き起こしたりする。総合的な対策というものの推進が必要かと思いますが、その辺の御見解を聞きたいと思います。
#150
○政府委員(入山文郎君) 御指摘のとおりだと私どもも思っておりまして、総合的な形で推進をしていかなければ効果が上がらないと思っております。
 交通流の円滑化、それから公共交通機関の利用の促進、運送方針の改善、こういったものにつきましては検討会におきましても強力に推進をしていくべき対策であるとして挙げていただいておりますし、私どももそれを取り入れまして、各省庁の協力を得て国の機関として一体となってこの対策を推進していこうという構えになっているわけでございます。
 それぞれの所管の省庁から有効な方策をつくっていただきまして、指針という形で強力に関係の業者等を指導していただくということにしているわけでございます。
#151
○西野康雄君 各国のいろいろな交通規制だとか乗り入れ規制についてちょっと調べてみますと、アメリカのワシントンでは朝夕二人以下の車は幹線道路での通行を禁止している、あるいはフランスのパリでは大型トラックは昼間都心部は通行不可能、イタリアのローマでは朝の通勤時間帯は自家用車の都心部乗り入れ禁止、あるいはシンガポールではウイークデーのラッシュ時間帯に規制区域へ乗り入れる大型貨物車は課徴金が徴収される。こういうふうに諸外国はいろんな形で、NOxだけではないでしょうけれども、交通対策をとっておるようです。
 ですから、シンガポールの例のように課徴金を取るなどして少しシステムを考えれば都心のNOxをまき散らしていく大型貨物車、そういったものの走行台数が制限できるんじゃないか。それがNOxの低減につながるんじゃないかと思うんですが、そういった特定地域に対しての走行台数の制限等は考えておられるんでしょうか。
#152
○政府委員(入山文郎君) 排出ガスの寄与率の高いのは先ほどから申し上げておりますようにトラック等でございまして、これは事業用の車両が多いということもございます。
 そして、この事業用の車両につきましては物流を担っているということでございまして、ほかに代替手段がなかなか見つからないという問題もあるわけでございます。そういったことで、直接この走行台数を減らすというような御指摘のような外国の都市で行っておりますようなことを今直ちに東京でやるということは、これはなかなか難しいだろうと思います。地域的な広がりもございますし、日本の固有のいろんな問題点等もあるわけでございまして、外国と同じようにというわけにはいかないと思っております。
 しかし、将来的にはいろんなことをやはり考えていかなければならないわけでございまして、今御指摘になりましたようなことも念頭に置きましてこれからいろいろとまた検討させていただきたいと思っております。
#153
○西野康雄君 そうですね。東京と余り劣らないフランスのパリでは大型トラックは昼間都心部通行不可だとかやっておるわけですから、工夫次第によってはやれないこともないと思います。今後ともそういうふうなところの研究をしていただきたいと思います。
 特定地域への流入車規制でステッカー方式というのがありましたね。ステッカー方式による流入車の規制も一方策だと思いますが、今回ステッカー方式をとらなかったその理由は何なのか。特定地域への流入車の割合、費用、チェック体制等ひっくるめて具体的にお答えをいただきたい。また、そういうものをひっくるめた中で、ステッカー方式は今後の課題として検討しはるのか、その辺もお答えください。
#154
○政府委員(入山文郎君) 検討会におきましてはステッカー方式について一つの案として、一つのたたき台と申しますか、という形で出てきたわけでございますが、その後いろいろと検討していただきまして、また私ども事務的にもいろんな調査をいたしました。
 その結論と申しますのは、このステッカー方式による乗り入れ規制あるいは走行規制というものは、これはなかなか今の東京のような大きな都会できちっとした実効の上がるような形でとるということが難しい。チェック体制が非常に困難であるということが結論でございまして、このような法案の形にさせていただいたわけでございます。
 そういうことでございますので、将来どうかというお尋ねもございますが、今のところはこういうステッカi方式ということはちょっと考えられないのではないかと思っているわけでございます。
#155
○西野康雄君 昭和五十三年に環境基準を三倍に緩和したにもかかわらず改善のめどというのは立ってないわけですが、トラック、バスの単体規制の長期目標、衆議院では十年というふうにお答えになっております。前倒しして改善していきたいというふうなお答えもあるようですが、本当にできるのかなという気がするんですが。
#156
○政府委員(入山文郎君) できるだけ私ども促進をしたいということでメーカーにも督励いたしましてお願いしているところでございます。しかし、技術的なことを申し上げますと、先ほど申し上げたようになかなか難しい問題があるわけでございまして、今具体的なめどが立ったという段階、そういうことは申し上げる段階ではございません。
 しかし、私ども一層努力をいたしまして、少しでも早く規制ができますようにやってまいりたいと思っております。
#157
○西野康雄君 西暦二〇〇〇年までに達成したいとかそういうふうなことがあるかと思いますけれども、これも一生懸命やりますという答えしか返ってこないかと思いますが、長期目標の十年もないというふうなところで、本当にできるのかなと思います。
#158
○政府委員(入山文郎君) 長期目標は、きいてまいりますのは二〇〇〇年を過ぎたころから本格的にと申しますかきいてくるだろうと私ども思っております。それまでの間に環境基準をおおむね達成させたいということでこういった法案を出させていただいているわけでございますが、先生も御指摘なさいましたように総合的にいろんな施策を組み合わせることによりましてぜひ達成してまいりたい、こういう考えでございます。
#159
○西野康雄君 ありがとうございます。
 電気自動車、天然ガス、水素自動車とか調べてみるというと将来方向としていろんなものがあるんだなというふうな感じがするわけですが、こういうものの実用化を促進するという意味合いで、代替期間を前倒ししてやろうとする事業者に対して税制面の優遇策を考慮すべきではないだろうか。また、国としても公用車の低公害車化について計画的にやろうとしているのかどうか、その辺をお尋ねしたいと思います。
#160
○政府委員(入山文郎君) 車種代替等につきまして努力をしていただくということで、そういった面につきましては先ほどもちょっと申し上げましたけれども、優遇策と申しますか、そういうことを考えてまいりたいと思っているわけでございます。税制面の措置等もあろうかと思いますが、これから検討してまいりたいと思っております。
 それから、国の官用車といたしましてこういう低公害車を採用するということにつきましては、私どもこの平成四年度の予算で電気自動車を一台環境庁へ入れるということにつきましてそういう予算ができております。それに基づきまして乗用車タイプの官用車を、電気自動車でございますが、それを入れるべく今検討しているところでございます。今年度中にこれは入ることになっております。
#161
○西野康雄君 そういうふうに電気自動車だとかいろんなものを国が率先してやっていただく。そしてまた、公の機関がそういうことを率先してやっていただくということがやっぱり啓蒙活動にもつながるかと思いますので、大いに進めていただきたいと思います。
 先日の参考人の意見にもあったわけですが、自動車からの排気ガスのうちNOxだけやないですね、先ほどもちょっと触れましたけれども浮遊粒子などについても人間の健康に大きく影響するというデータが出されております。今後、政府はNOxなどの自動車からの排気ガスと疾病についての永続的な調査をきっちりしていくべきじゃないだろうかと思うわけですが、どうですか。
#162
○政府委員(入山文郎君) 浮遊粒子状物資につきましては、先ほど大臣の方からもお話がございましたが、大気中に長期間滞留いたしまして肺や気管支に沈着する。いわゆる呼吸器に悪い影響を及ぼすというようなこともございます。発がん性の問題とかいろんな問題があるわけでございます。
 このため、動物実験でございますとかあるいは疫学調査の結果等をもとにいたしまして、環境庁といたしましては国民の健康を保護するという観点から環境基準を定めているわけなのでございますが、この浮遊粒子状物質のうち特にディーゼル機関に由来するものにつきましては、いろいろと先ほどの大臣のお話にもございましたように指摘があります。私どももそれを十分に意識いたしております。ラットを用いた動物実験でございますとか、あるいは浮遊粒子状物質を含む大気汚染物質による健康影響の試料を得るための疫学調査といったようなものにつきましても行っておりますが、それをさらにこれからも工夫をいたしまして、結論が早く得られますように進めてまいりたいと思っております。
#163
○西野康雄君 自動車からの排気ガス対策の早期達成のためには、メーカー、運送業者だけではなくて、全国民的な環境教育がぜひとも必要であると考えております。また、合理的な自動車の使用についても国民が挙げてそういう考えを持って自動車に乗る、そういうふうなことも必要であるかと思いますけれども、そういうふうな環境教育というのですか、そういうふうなこともなさるおつもりでしょうか。
#164
○政府委員(入山文郎君) 自動車排出窒素酸化物の排出を抑制するためには、御指摘のございましたように、メーカーあるいは運送事業者だけではなくて国民の一人一人の自覚と協力が不可欠であると思っております。法案にも国民の責務規定というものを設けてあるわけでございまして、国民の皆様が自分の問題として自動車による大気汚染の現状を十分に理解していただき、これを解決するにはどうしたらよいかということを考えていただくように呼びかけていくということ、これは極めて重要なことであると思っているわけでございます。自動車使用の合理化でございますとか公共交通機関の利用の促進といったようなことにつきまして、理解と協力が得られるようにしていきたいと思っております。
 今までも、この窒素酸化物による大気汚染が年間でも特に強くなります十二月を中心にいたしまして大気汚染防止推進月間のキャンペーン行事の実施もいたしておりますし、そのころには低公害車フェアでございますとか、さらに首都圏における水曜日交通量対策といったようなこと、あるいは大阪で行われておりますノーマイカーデーといったような行事が実施されているわけでございますが、こういった従来の例も参考といたしまして、また地方自治体とも十分に連携をいたしまして、国民の皆様へのPR、周知徹底を強力に推進してまいりたいと思っております。
#165
○西野康雄君 大阪におけるノーマイカーデーがちっとも効果が上がっておりません。大阪人というのはそういうところがちょっとあかんのかいなと思ったりもするんですけれども、逆にそうならば上からの権限というのですか、そういうふうなものも強めていくことも必要かいなと思うんですね。
 今回の法案を見てみるというと、都道府県知事の権限、こういうふうなものを強めていって事業者に対して改善命令だとか勧告をすることができるようにする、そういうことも必要だと考えるんですけれども、どうですか、その辺は。
#166
○政府委員(入山文郎君) 都道府県知事がそれぞれの指定地域のことにつきまして十分にこういった国の基本方針に基づいた計画をつくるというシステム、仕組みになっているわけでございまして、それをさらに強力に実施するために国の関係機関の出先機関等もその協議会の中に入っているわけでございます。実施体制につきましては、例えばそういう関係の機関が足を引っ張るというようなことではなくて、それぞれいい案を持ち寄って、そして効果的な実施方法を考えていくとというような形でこういう協議会をつくることにしているわけでございますが、そういったことを通じまして十分に効果が上がるような形にしていきたい。
 それから、もし仮に各省庁でつくっていただきます。そういうガイドライン、指針といったものにつきまして、都道府県知事がこういう点が不足だとかこういうことをしてもらいたいとかというようなことがあれば、それは環境庁長官を通じまして申し入れるというようなこれまた仕組みになっております。そういうことがあれば、私どもといたしましても十分にその辺の実情を関係の省庁に申し入れまして、適切な方策を講じていただくというような要請をしていきたいというふうに考えているわけでございます。
#167
○西野康雄君 そういう中で、知事の権限の中で事業者による排出抑制計画の作成、知事への提出制度というのは、これが最終報告のいろんなものを見ておると盛り込まれていませんね。その理由はどういうふうなところでしょうか。
#168
○政府委員(入山文郎君) 最初は確かにそういうことも考えたわけでございまして、排出抑制につきましてそれぞれの事業者に計画を出していただく、そしてそれを知事に提出していただくというような仕組みも一案として考えたわけでございます。
 しかし、結局のところ、そういう計画と申しましても、固定発生源と異なりまして、自動車というものはエンジンの排出ガスの量をふやしたり減らしたりするといったようなことはユーザーとしてはできないわけでございまして、車種規制というところに結局は落ちついてしまうということでございます。そういったことから、より強力な担保と申しますか、そういった意味で車検を活用するということにしたわけでございまして、最初の計画よりも私どもはむしろ実効が上がるというように考えているわけでございます。
 さらに、事業者に対します指導等につきましても、各関係の省庁が、所管の大臣が責任を持って指針をつくって行うということになっておりますので、その点につきましても十分に私どもは効果が期待できるのではないかと思っているわけでございます。
#169
○西野康雄君 次に、建設省にお伺いをいたします。
 先日も環境庁そしてまた建設省の方にも芦屋の市民からの陳情あるいは要請があったかと思います。大阪湾岸道路建設に関してNOxの被害、これが懸念をされております。そういう懸念が沿線住民から出されております。建設省としてはこのNOxによる被害をどのように考え、そしてまたどのような対策を持っているのかお伺いいたします。
#170
○説明員(佐藤信彦君) 御指摘のNOxなどの大気保全に対する対策の強化につきまして、現在工事中の芦屋市域の沿線地域の方々から要望が出されていることは伺っております。
 この対応でございますが、基本的には当該地域を含めまして大阪湾岸道路の都市計画決定の際に環境に対する予測評価を行いまして、その結果に基づき必要な対策を講ずることとしております。それで、この結果地域の環境保全が図られるというふうに考えております。
 具体的には芦屋地域でございますが、昭和五十五年にこの地域につきましては都市計画決定がされておりますが、その際都市計画決定権者であります兵庫県知事が環境予測それから評価を行いまして、都市計画決定のための参考として縦覧しております。その後、平成二年に芦屋地区の集約料金所を設置するための都市計画決定を行う際にも、阪神公団が実質的な予測評価を行いまして地域の方々に説明を行っているところでございます。
 この結果によりますと、高さ三メーターから五メーターぐらいの遮音壁を湾岸線の路側に設置することによりまして、騒音、大気とも環境保全目標を満足するものになっているということでございます。さらに、芦屋市との協力の上、路線があります北側の住宅側の方でございますが、そこに高さ六メーター幅五十メーター程度の築山をつくりまして植樹するといったようなことも、景観の上からもそれから環境対策の上からも実施することを計画しております。そういったことで地域の環境保全が図られていくんではないかというふうに考えているところでございます。
#171
○西野康雄君 建設省の考え方もよくわかるわけですが、いま一つ地域住民の方々からの声を聞きますと浸透していない、満足もしていないという感じもしますし、今後被害が出てきたときにそういう甘い対策でいいんだろうか、そういうふうなことも出ております。
 一番望んでいるのがシェルター方式というものですけれども、これはぜひとも考えていただきたいと思うわけですが、そういう計画はございますか。
#172
○説明員(佐藤信彦君) 今申し上げましたように、環境基準に合った遮音壁を一応平成二年度のときに阪神公団から提示させていただいておりますが、平成元年に公害調停の申請がなされまして、その後、昨年の四月に審査会の方から調停案についての受諾勧告があったわけでございますが、残念ながらそれは不調に終わっております。その中で、そこまでの経緯を踏まえまして、その調停案につきまして阪神公団としては最大限尊重して実際的な施策を行いたいというふうに考えております。
 その中身でございますが、湾岸線の中央分離帯と路側側に先ほど述べました環境対策を、環境基準を守るのには三メーターから五メーターでいいわけでございますが、さらにそれを上回る七メーターの遮音壁を安全サイドを考えましてそういったものを考えております。それからあと、先ほど申しました北側の築山とか集約料金所の屋根の拡張といったことがそこの調停案に盛られていたわけでございますが、そういったものについて対応していきたいということでございます。
 そういったことで対応するといったことで、今先生おっしゃられますように、地元での説明とかそういうものが不十分であるとすれば、今後とも、地元の御理解と御協力を得なくてはこういうことはできませんので、そういったことで事業が進みますよう阪神公団を指導していきたいというふうに考えております。
#173
○西野康雄君 というのは、この芦屋の湾岸道路がほかの地域と異なっているのは、割と埋立地なんかは工場地帯であったりするわけなんです。ところが、ここだけは住宅地を通っているというふうな特別な事情もあります。そういうところで、やっぱり住宅地で子供あるいはお年寄りが一番健康被害に遭うわけなんです。また、NOxだとかそういうふうな問題からいっても、環境悪化につながるランプをここにつくる必要があるんだろうか。神戸向きのハーフランプが計画されておる。この地図で見るとそうなっておるわけですけれども、この芦屋というところは西宮と神戸の本当に狭い地域です。そこに果たしてランプまでつくる必要があるんだろうか。この計画も一遍見直す必要があるんじゃないか。そんな気がするんですが、その見直しの予定だとかそういうのはありますか。
#174
○説明員(佐藤信彦君) 先生今おっしゃられました芦屋地区の道路の計画でございますが、ここにおきましては幾つかの埋立地を今の湾岸道路が通っていくといった形の地域でございます。そういったことでそこの埋立地といいますか島があるわけでございますが、そういった一カ所に交通が集中するといったことでは問題がございますので、地域の利便性を確保すると同時にそういったものを交通を分散させた形で対応するといったことで、今先生おっしゃられましたように当該の芦屋の埋立地につきましては神戸方向のハーフインターができている。それから、もう一つ隣の東側の方には大阪の方向に行くハーフインターができております。その間を本線と違いまして自由に通過できる側道を下につけております。そういったことで分散とかそういうものを図っておるわけでございます。
 したがいまして、そういう構造になっておりますので、これを仮に芦屋沖の方の本ランプをなくしてしまうということになりますと芦屋とその周辺の交通の利便性はもちろん低下するわけでございますが、その分車が既成市街地の方に回るといった形で交通が流れる形になります。したがいまして、現在の埋立地のところにむしろ側道等で対応するといった形の計画になっております。
 そういったことで、ここの地域の利便性とかこの地域におきます交通処理とかそういったことを考えますと、現計画がやはり一番適当ではないかといったことでこれを進めさせていただいているところでございます。
#175
○西野康雄君 どうも地元の方々はそういう答弁では納得しないんじゃないだろうか。地域の利便性と言うけれども、その利便性そのものを地域の方はやめてくれ、こう言っておるわけですからその辺は私自身も大いに疑問のあるところでございます。今後とも住民の意向を十二分に尊重しながらやっていただきたいと思います。それを要望いたしまして、私の質問を終えさせていただきます。
#176
○石渡清元君 窒素酸化物の移動発生源の中で単体規制をやったこの法案というのは非常に画期的なわけでございます。今の百数十分の質問でかなり細部にわたって質問が行われておりますので、重複を避けるということをしますと質問がなくなってしまいますのでやや切り口、角度を変えてお伺いしたいと思っておるわけでございますけれども、一にこの法案の成果、効果はどうかということにかかってくるんではないかと思いますし、また今までそういう質問が繰り返されてまいりました。
 今の我が国の産業経済あるいは国民生活自体にもう既に車社会、モータリゼーションはさまざまな形でかかわってきております。そういう意味で、先ほどもこの法案の効果いわゆる総合的な枠組みというのはどうかということを何回も繰り返されておりましたけれども、もう少し私は根本的な総合対策あるいは哲学というか日本のこれから進むべき原理的なものにもう少し触れたお尋ねをし、あるいは環境庁がそういうふうな方向でリーダーシップをとっていかなければいけないのではないかという意味で、大臣のこの法案の総合的な枠組みというかあるいはその重さというか、そういったようなことをまず冒頭お伺いいたします。
#177
○国務大臣(中村正三郎君) この環境問題に取り組みますときに常々感じることなんですけれども、私は約十年ちょっと前に環境委員会の理事をしておったことがございます。そのときにちょうどアセスメント法案というものが出てきたんですが、アセスメント法案ということを当時よくわからないし、野党の一部の方にも慎重論があってこの法律が通りませんでした。採決したら恐らく否決されるであろうということで廃案にしてしまった。
 その時代に、やはりこの自動車の例えばNOxの問題は既にあったんです。あって、これをいろいろ対策を講じようとしたけれどもなかなか御理解がいただけなくて、環境庁にも仏そのころ随分質問いたしまして、窒素酸化物のことをやらないとこれはえらいことになる、ディーゼルがどんどんふえていくよと言った。十年たって私環境庁長官になりまして、見てみたら全く私が懸念しましたとおりディーゼル自動車が物すごくふえて、NOxが問題となってきていたということであります。
 なぜできなかったかというのは、それはやはり私どもの努力、また政治家としての努力ということも必要であったと思いますけれども、環境問題に対する国民全体、世界全体の考え方が今と比べれば、今の方がやはりよほど深刻に考え、みんなが理解している時代に入ってきたと思うわけであります。その中でこの法案を立案して、考え、提案してきている今までの間にも、今年地球サミットを控えまして考え方がどんどん変わってきていると思います。
 そこで、ガソリンと軽油の価格差の問題でも今どんどんこれが出てきております。去年までこういうことは余り新聞にも出ていなかったと思います。そういう時代の中で単体規制をやろうとして単体規制がなかなか自動車メーカーの努力にもかかわらず見通しがつかないという中で、私はこれはえんきょくな生産制限ではないかと思うんですが、使用制限の方からそういう車を使わないでくださいという方向に持っていく法律をつくって総合的にこれで対応していこうということにした。
 そういう中で、国、地方公共団体、事業者、国民といった関係者ができる限りの努力を結集してこの対策をしていかなきゃいかぬということでありますから、国の機関がそれぞれ削減方法を持ち寄って総量削減に関する国の基本方針を策定して、そのバックアップのもとに特定地域の都道府県が具体的な総量削減計画を策定実施するという仕組みを考えたわけでございます。さらに、総量削減計画の策定に当たっては、国と同様に地方レベルにおいても関係機関の総力を結集できる総量削減計画策定協議会を設置することとしておりまして、こうした仕組みを通じて実効性のある効果的な対策を推進するということを今考えて御審議をいただいているわけであります。私先ほどから御答弁させていただいておりますように、時代の変化、認識の変化、そして公害の深刻さということから考えますとやはりこれだけではいけない。先ほどから御論議に出ております税制の問題もありますし、そして単体規制のこともある。技術的なこともある。また道路交通体系全体のことも考えなきゃいけない。総合的なことを考えていく。まさにこういう時代に踏み出して、違った方法でとらえた法律ということで御理解をいただきたいと思うわけでございます。
#178
○石渡清元君 これは単なる環境政策のための一法案ということでなくて、自動車窒素酸化物対策というのはまさに産業政策に通じておるわけでございまして、そのために国、地方、あらゆる団体の協力を得てということなんです。私が申し上げたいのは、産業政策あるいは国民生活を含めましたそういった基本的な問題をどしどし環境庁の方が提示していただいてやらないと、ただ排出を削減して環境負荷を軽減すればいいんだということでなくて、もっと基本的な問題を他の団体に広めて協力していく体制をとらなければいけないと思いますけれども、この辺のところは大臣いかがでございますか。
#179
○国務大臣(中村正三郎君) この法律にかかわらず、自動車交通全体ということで考えてみますと、将来の地球温暖化対策等を考えますとやっぱりエネルギー効率のいいものというものが第一に考えられ、そしてCO2を出すような化石燃料系統のものでないものを使えばいいということがまた一つあると思います。
 そして、全体としてエネルギー効率がいいということで考えてみると、発電からのすべての効率を入れても電気自動車が今効率がいいということになっているようでございます。そして、電気自動車の場合は発電の一部が原子力発電でありますから、私はやはり電気自動車というものもひとつ注目していかなければいけない。また、化石燃料を使わないという面では、ブラジル等でやっておりますさっきも質問に出ていましたがアルコール系統のものを使うという話がございますけれども、これは地域的な問題もありましょうし、いろいろ難しい問題を含んでおります。
 そして、ブラジルヘ行ってみるとわかりますけれども、大変なガスの公害も一方出る。ですから、それを取るような努力もしなければならないというようなことがございます。ましてはかのガスからアルコール系のものをつくるとすれば、結局は化石燃料を使うということになるわけであり、ますから、やはり全体を総合的に考えていけということになると、それ以外の何のエネルギーを使うかという問題が出てきて私ではちょっと答弁し切れない問題になってまいると思います。
 こういった公害物質を出すという面、それから地球温暖化という面から考えてのCO2の発生を抑えるという面から考えていくと、私個人の見解ですけれども、今交通に一番エネルギー効率がよくて原子力発電の一部を利用できるということになると電気がなという気もいたしております。
#180
○石渡清元君 それでは具体的な問題をお伺いいたしますけれども、特定地域の指定、この指定に及ぶ基準とか範囲というのを具体的にお示しいただきたいと思います。
#181
○政府委員(入山文郎君) 特定地域でございますが、これはまず一つは自動車交通の集中している地域ということでございます。それからもう一つは、従来の対策だけでは環境基準の確保が困難であると認められる地域でございます。そして、今申し上げました条件に当てはまるような地域を都道府県知事の意見を聞いた上で政令で定めるということにしているわけでございます。
 政令で定める地域といたしましては、現行の固定発生源に対する総量規制地域というのがございますが、具体的には東京都二十三区それから周辺五市、横浜、川崎及び横須賀並びに大阪市等十七市一町、それに千葉県、埼玉県、兵庫県の一部地域を含む周辺地域を加えた地域といったことを想定いたしております。
 具体的な線引きに当たりましては、現下の環境基準の適合状況でございますとかあるいは交通量の集中の状況などを踏まえまして、詳細なシミュレーションを行った上で地方公共団体の意見を十分に聞きまして地域の実情を勘案してまいりたい、このように思っているわけでございます。
#182
○石渡清元君 冒頭からもう少し基本的な、根本的なことをやらなければいけないんではないかということを申し上げておりますけれども、まさに今答弁のあった地域というのは物の移動について自動車以外のものにシフトしていかなければいけない地域であって、そこの自動車のような個体を一生懸命規制することはどうか。ですからそういう面で交通政策とか道路政策というのは、むしろそういう過密都市以外は鉄道その他の輸送手段では余り効果が上がらない。やはり投資的な効果を考えれば自動車輸送がいい地域である。
 道路の関係というのはよその地域で、今この法案の対象地域というのはむしろそれにかわる何か政策誘導をしていかなければいけない地域のような気がして、それでわざと仏その地域はどうですかということを聞いたんです。自動車がどんどんふえていっている地域ですから、その辺のところはこの法律の成立て抑制作用というのをどういうふうにお考えになっていますか。
#183
○政府委員(入山文郎君) いろいろ御指摘があったわけでございますが、この特定の地域におきましては、私どもも自動車使用の合理化といったことを中心にいたしまして効果的に実施していかなければならないと思っているわけでございます。
 そのためには個別の事業者に努力をしていただくということもあることでございますが、これに加えまして、物流施設の適正配置といったようなインフラの整備でございますとかあるいは合理化の支援策等をあわせて講じていきたい、そういうことが必要であると思っております。それからまた、中小事業者も含めまして業界全体を通じた指導あるいは業界間を通じた物流全体の観点からの対応といったようなことも必要になろうかと思っております。
 そういったことでございまして、この施策を実施するにつきましては再三申し上げているようでございますけれども、国の関係の省庁が十分に協力をいたしましてそれぞれの専門の分野において知恵を出し合う。そして適切な施策、ガイドラインという形、指針という形でございますが、で関係の業界等を指導していく。そして、それに対して環境庁としていろんな意見を申し上げていくというような仕組みを考えているわけでございます。
#184
○石渡清元君 仕組みはよくわかっている。根本的根本的と申し上げますのは、けさの衆議院の本会議でも中西外交・安保調査会長の三年間の研究報告の中で環境庁を環境省に上げるべきだということをやったばかりですので、そういう面でもっとリーダーシップをとれる体制を、各省庁と相談してということじゃなくて、省庁自体の政策誘導を持つぐらいのそういう形でやっていかないと効果が上がらないのではないかという意味で聞いておるわけでございます。
 次に車種規制。これもいろいろございました。この円滑な実施の支援策をお伺いするわけでありますけれども、どうも聞いていると古い車両の代替促進のように聞こえてしょうがないんですよ。もう少し具体的な面で何か促進をドライブさせるのも結構、しかしもっと幅広い車種、現時点の車両の保有構造、いろんな車種を持っている構造がだんだん五年十年たつと変わってまいりますので、その車両保有構造自体を変えるようなそういった何かインパクトのあるものがあってしかるべきじゃないか。そういう意味でお伺いをしているんですが、いかがでしょうか。
#185
○国務大臣(中村正三郎君) 環境庁を省にというありがたいお言葉もちょっと今出てきたようでございますけれども、私は省になるかならないかということもこれは大切なことでありますが、やはり環境行政というものをどう考えるか、時代も変わってきて今新しい時代に入ってきたと思うんです。だから、環境政策を論じますときに必ずアセスメントという問題が出てまいります。
 だけれども、今まで考えておりましたアセスメントというものは開発に関するアセスメント、山を削ろうとか土地をどうしようというときにどういう影響が出るかというアセスメントでした。やはり環境というものを基本に据えて、それからすべての人間の社会生活なり経済生活なりなりわいをつくっていこうということになりますと、いろいろなものをこれはアセスメントしなきゃいけない。その場合に、それじゃ交通体系、道路のあり方はどうだと。道路をつくった場合にはどういう環境の影響が出るかということからアセスメントをすると、交通、道路のあり方のアセスメントもしなきゃいけない。
 また、自動車一台をつくるときに、それが廃品になって捨てられたときにどこまで環境を害するのか。また、自動車一台づくるときにどれだけのコストが要るのか。それにはどれだけの例えばCO2を発生させるのかとかエネルギーが要るのかとか、またリサイクルはできるのかできないのか。そうすると、製品に対するアセスメントをしなきゃいけない。このままいきますと人口が物すごくふえて人間の生活も頭打ちになって大変なことになるということを言われている中で、そうしたら国の人口のあり方までアセスメントしなきゃいけないか、そして経済のあり方までアセスメントしなきゃいけないかと。
 人類が生存していく上で、一番大切な地球を守るための環境という観点からすべてのものをアセスメントするというのが環境を中心に置いた物の考え方だと思いますけれども、そんなことをするとすればそれは環境庁長官は総理大臣でなければ務まらないということに、少し脱線答弁と思って聞いていただければ大変恐縮でありがたいのでございますが、そういうことにもなってくるわけです。どこまでやるんだということがあると思います。どこまでやれるかということは、やっぱり国民のコンセンサスが得られなければできない問題なんです。
 そういうまさに今転換期にあるわけで、今委員が御質問の中で言おう言おうとされておられることはよく私わかるわけであります。そういう中で、我々の現段階におけるできることをやって国民の負託にこたえて公害をなるべく減らそうという中で努力をするわけでありますけれども、きれいごとは申しませんが、やっぱり公害を減らそうといえば、大勢いる人の中には公害はそんなあれしないでももうちょっと緩くしようと言う人がいるのも事実であります。
 そういう中で今新しい一つのやり方として、総量規制のやり方としてこういう法律に入ったということでありまして、その大きな哲学のところまでまだ今研究中でありましてなかなか入る余裕がないのでございますが、委員御指摘のとおり、人間の生活のあり方、都市のあり方、すべてこれから環境を中心に考えていかなければいけない時代に入ったという認識は持っているわけでございます。
#186
○石渡清元君 よくわかるんですけれども、例えば環境庁がそこまでの権限は環境庁にないんだとかそういう言葉をよく聞くんですが、今の時代というのはかなり環境志向というのが敏感になっておりますので、そういう面で適切な言葉で説明すれば非常に合意形成は容易でありますし、また営利団体でもある程度理解できると思うんです。ただ損得だけでやろうとしますと、どうしても省庁権益の合戦ということになってしまうんじゃないかと思います。
 したがって、今の円滑な車種規制のシフトにしても、税制で例えば少し償却分を圧縮するとか取得税の減免、その程度のやり方じゃそんなに代替促進にはつながらないように思うんです。もう少しそういう面で具体的に、それは税は大蔵省ですといってしまえばそれまでですけれども、やはりその点もう少し組み込んだ理論をつけて踏み込んでもらえば効果が上がると思うんですが、いかがでしょうか。
#187
○国務大臣(中村正三郎君) 税の誘導のお話を今ちょっとされましたが、それをお話しさせていただきたいと思うんです。
 現在の税制というのは軽油の方にうんと軽課になっておりますから、これは軽油を使うことを誘導する税制、使う方から見ればそういうことになっております。それを軽油を使うディーゼルからガソリン車なりに転換させようということになりますと、この税制と違った税制を誘導税制として入れるということになりますから、それは私はなかなか難しい相談ではないか。やはり根本にある軽油の税金のところを直さないといけないんじゃないかという感想を持ちます。
 それから、いろいろな誘導策ということに対する国民の御理解ですが、例えばこの間東京で賢人会議というのを聞きましたけれども、環境に非常に御熱心に取り組んでおられる方でも、将来起こり得るであろう公害に対してそれを保全するために現在の人の税負担、お金でもってやるのはなかなか難しいんじゃないかという御意見を持たれた方があるぐらいで、やはり私は民主主義の世の中だと思うんです。他の省庁とお話ししても、その省庁がどうというんじゃなくて、やっぱりいろんな方がいらっしゃる。それでいろんな御意見が出てくるということでありますから、私はそういう中で国民の理解を得て一歩一歩進んでいかなきゃいけない問題であろうと思います。
 その根本にはやはり環境に関する認識をいただくという意味で環境教育ということも重視しなければいけないということで、文部省にもお願いしやっているわけでありまして、一歩一歩やれることからやらせていただきたいと感じているわけであります。
#188
○石渡清元君 それではどんどん進みます。
 次は自動車使用の合理的なまた効果的な進め方についてでございますけれども、やはりこれはインフラ整備であり交通投資だと思うんです。そうするともう環境庁じゃちょっとということになろうかと思いますけれども、その辺のところをもう少し範囲を広げてこの問題に取り組むべきだと思いますけれども、考え方はいかがでしょうか。
#189
○政府委員(入山文郎君) 御指摘のように、非常に総合的と申しますか広い範囲に目を配りまして対策を進めていかなければ効果があらわれないものと思います。そういうことで私ども環境庁でできることと申しますのはこれは限りがあるわけでございまして、またノウハウも持ち合わせていない面もあるわけでございます。それぞれ所管の省庁にやはり知恵と力を出してもらうということを考えているわけでございます。
 それぞれ指針をつくって強力に、最も効果の上がる方法で実施をしていただくということを強く私どもは要請しておりますし、また、各省庁ともそのような形で協力をすると申しますか、それぞれの固有の仕事の中で十分にこたえていきたいというようなことを言っておられるわけでございますから、私どもも十分に期待をしているわけでございます。
#190
○石渡清元君 この指定地域では余り自動車がふえない方がいいわけですから、そうするとどうしても低公害車、先ほど西野委員も触れましたけれども電気自動車、こういった低公害車の普及をどんどんしなければいけない。
 それにはやっぱり大量普及させなきゃだめなわけで、いろんなのが出ているけれども電気自動車なら電気自動車に絞って、電気自動車は割合今普及の兆しかありますけれども大量普及させるような方策を考えたり提示をしていかないと、いいんだけれども、前からこの電気自動車とかメタノール自動車が話題にはなっているんですけれどもなかなかそれが進んでいない。技術開発もあるでしょうけれども、かなりいい線まできていますので、その辺の見通し等々はいかがでしょうか。
#191
○政府委員(入山文郎君) 御指摘のように、電気自動車を初めといたします低公害車の普及につきましては私ども強力に推進していきたいと思っております。
 具体的には通産省でこの普及方策につきまして検討会を設けて検討しておられたわけでございますが、一定の時期までにラインに乗るような形で生産体制も組んでもらう。そして、さらに需要も喚起して電気自動車等が普及していくように努めるということにしているわけでございます。また、私どもといたしましても税制の面でございますとかあるいは導入助成等を通じまして普及をさらに進めてまいりたいと思っているわけでございます。
 現在のところは、普及状況と申しましてもまだ千台というようなオーダーでございますので十分であるとはもちろん申せませんが、これからいろんな技術革新もなされまして、例えば非常に効率のいい電池の開発でございますとかそういった面での進歩もございますので、私どもそういったことを見ながら進めてまいりたいと思っているわけでございます。
#192
○石渡清元君 それでは、今度は今の車両の実態をお伺いしたいんですけれども、運輸省、例の街頭検査の結果、特に不良車両の中での排ガスがひっかかったのはどういう程度か、わかる範囲でお願いします。
#193
○説明員(小杉昭夫君) お答えいたします。
 運輸省で実施しております街頭検査につきましては、これは平成二年度の数値でございますが、全国で千九十八回、約十万八千台の車につきまして実施しております。このうち約一万八千台が保安基準に不適合や不正改造等のいわゆる整備不良車両でございました。この整備不良車両のうち排ガス等にかかわるものにつきましては、約一千七百台ということで全体の一・六%でございます。
 また、特に東京都、神奈川県、大阪府について見てみますと、同じく平成二年度でございますが、合計八十五回街頭検査を行っております。六千八百二十台が対象でございました。このうち千六百八十台が先ほど言いましたような整備不良車両でございまして、さらにこの整備不良車両のうち排出ガス等にかかわるものにつきましては、百七十六台ということで全体の二・五%になっておるわけでございます。
 私ども、この街頭検査の結果整備不良車両と認められたものにつきましては、道路運送車両法に基づきまして当該自動車使用者に対し必要な整備を命じ、その結果につきまして最寄りの陸運支局等で確認を受けるよう指示しております。自動車使用者に対しましては、今後とも定期点検整備の励行、不正改造車を排除する運動等を通じまして排出ガスにかかわる整備不良の防止について意識の高揚を図ってまいりたいというふうに考えております。
#194
○石渡清元君 今の答弁でわかるように、全国平均の排ガスでひっかかるよりもこの地域の車両の方がひっかかる率が多くなってきているんですね。先ほどもありましたけれども、NOxは測定していないんだよね。どうですか。
#195
○説明員(小杉昭夫君) 先生御承知のとおり、現在街頭の排出ガスにかかわるチェック項目としましてはCO、ハイドロカーボン、黒煙ということで、これらにつきましてはいずれもアイドリング状態または負荷をかけなくて急加速した状態で測定できる項目でございます。NOxにつきましては、一定の負担をかけるなり、特に高速運転、加速運転というモード運転をしないと測定できないということで、街頭検査ではNOxにつきましては現在のところ対象項目とはなっておりません。
#196
○石渡清元君 ですから、環境庁の方もやる以上はたまにはNOxの方の排ガス検査をやるなり、そうしないとその効果が上がっているんだか、整備不良車両がどんどん走りっ放しては世っかくつくってあれですので、そういったような工夫もぜひお願いをしたいと思います。
 次に、今回の問題は私はインフラの問題とエネルギー政策ではないかと思うんですけれども、そのエネルギーについて特に自動車エネルギーを中心にお伺いいたしますが、資源の見通しあるいはどうやって将来的に確保するか、そういったようなことをお願いします。
#197
○説明員(望月晴文君) お答えいたします。
 化石燃料の今の賦存状態でございますけれども、石油につきましては可採年数でおおむね四十五年ぐらいと言われております。それから天然ガスについても五十六年ぐらいと言われております。そういった意味で大変ある意味では有限的な数字になっているわけでございます。
 これは既にあるということが確認された里蔵量を年々の生産量で割った数字でございますので、毎年毎年さらに探鉱をいたしまして埋蔵量をふやしていきますとこれがだんだん後にずれていく。何年たっても同じぐらいの数字じゃないかと言われることがあるわけでございますが、そういうふうな数字でございます。いずれにしても有限の資源でございます。ただ、石炭につきましては、これは今確認されている埋蔵量をベースにいたしましても三百二十八年という大変多くの埋蔵量を持っているわけでございます。
 それから、石油につきましておっしゃるように環境負荷の問題はあるわけでございますけれども、現時点におきましても日本の一次エネルギーの依存度からまいりましても六割弱を依存しておりまして、これを長期的には四十数%まで下げていくということでエネルギー政策上位置づけているわけでございますが、にもかかわらず大変多量のエネルギーを石油に依存し続けなきゃいけないという事態は変わらないわけでございます。
 そういった観点から、石油の安定供給の確保ということは私どもの一つの使命としては持っております。特に中東依存度の非常に高い我が国にとって供給源を多角化する、あるいは産油国との関係の強化をしていく。こういった観点から我が国の企業によって石油の開発を推進していくということは極めて重要だと思っておりますので、それが一つ私どもの安定供給確保策の柱になっているわけでございます。
 ただ、現時点では海外において三十五の日本の企業が石油の自主開発事業を行っておりますけれども、現時点で約四十五万バレル・パー・デーという輸入量がその自主開発による輸入量でございまして、これは量的な感じでまいりますと日本の原油の全輸入量の一一%という数字になっております。私どもはできればこういったものをもう少し高く上げていくことによって安定供給を確保してまいりたいと思っております。
 特に近年、旧ソ連を中心といたしました世界の政治経済構造の変化に伴いまして、産油国の中で特に旧ソ連のエリアに、旧共産圏と申し上げたらよろしゅうございますか、というエリアにございました産油国がソ連への依存が減ってまいりました関係から西側諸国に鉱区開放の動きが大変強く出ております。そういった観点から石油開発がさらに活発化しているという事態でございますので、こういった民間企業の活発な動きを私どもとしても政策的にぜひ強く支援をしていきたいというのが考え方でございます。
#198
○石渡清元君 結局、今のガソリン等々の化石燃料、いわゆる再生不能の燃料の依存度をどんどんなくさなきゃいけない。ということはもう四十何年しか、私のデータとはちょっと数字が違うんですけれども、未発見量も含めた可採年数を見てもそんなに変わらないんです。そうすると、例えば四十年にしてもあと二十年ぐらい、半分ぐらいになりますと相手国もそう今までのようにどんどん安定的に供給をしっこないわけでございまして、現にもう既にECあたりは中東とか東シベリアにも手を伸ばして、あるいは天然ガスのあるインドネシア、マレーシアとどんどん友好関係をそういったようなエネルギー確保対策でやってきております。
 そういう面で今日本はエネルギー、石油のセキュリティーはと聞くと、備蓄をやろうとか。もう少しグローバルな対策というのをやるべきだと思うんだけれども、何かありますか。
#199
○説明員(望月晴文君) 先ほど申し上げましたように、世界の産油国の動きというのも大変ドラマチックに変化をしております。したがいまして、私どもとしてはそういった産油国と緊密な関係を維持あるいは発展していかなきゃいけないということが基本だろうと思っております。
 私どもでもちょうどことしは例えば旧ソ連の地域にも四つほどの官民のミッションを派遣いたしまして、新たなプロジェクトの発掘とかそういう努力をしているわけでございます。あるいは中東地域におきましても、これはメジャー等々の投資活動が必ずしも活発になっているわけではございません。投資資金が世界的に不足している中で日本の役割というのも大変高いものと考えておりますので、そういった国際的な視点から積極的に官民ともに出ていくべきだということを考えております。
#200
○石渡清元君 わかりました。そういう意味で、ぜひ環境庁サイドでそのような国々に対して、やっぱり日本のインフラもそうだけれども、エネルギー確保のための途上国、産油国のインフラのいろんな提言、燃料の積み出し港、基地の問題とかあるいはパイプラインとか道路とか鉄道とかそういったようなことをどんどん提言していただきながら、安定供給を環境庁サイドからもやられた方がいいんじゃないかというふうに考えております。
 また、先ほどちょっと税の話が、前の委員会でも長官の税に対する考え方、非常に慎重だということはわかったわけでありますけれども、環境税とか炭素税とかあるいはECを含めてエネルギー税だとか、あるいはやや広くあれすると国際貢献税なんていうこと、まだ税があるわけじゃありませんけれどもいろんな報道がされております。そういう中で燃料課税というのが果たして妥当かどうかということを私は今エネルギーの質問をしながら非常に疑問に思っているんです。
 ということは、今原油がバレル十八ドルだとしますと、概算いたしますと日本の油に対する課税がもう二十一ドルなんですね。それにまたさらにそういう目的税でかけるということが果たして産油国との安定供給の面で、一つじゃないよ、いろんなものがまざり合わさってそうなってしまうという意味ですよ、非常にそれは問題ではないかということが一つ。非常に高い税率ですので価格弾性値が非常に少ない燃料課税ということになってしまいます。ですから、そういったようなことを環境のためにというのは結構なんだけれども、妥当かどうか私非常にそれを常々疑問に思っているんですけれども、その辺の考え方はいかがでしょうか。
#201
○国務大臣(中村正三郎君) 実はそこいらをちょうどG7の環境大臣会議でいろいろ話をしてきたところでございますのでちょっとお話しさせていただけたらと思います。
 今実は、石油製品に対する日本の課税はかなりされておりますけれども、世界で八番目ぐらいで高い方ではないんですね。それを連中も調べて知っておりますからそういう数字を持ってくるんですが、今一番燃料の中に含まれる税が高いのはイタリアで、これはいろんな数字の出し方があるから多少違うかもしれませんが七六・七%、ノルウェーが六七・五%、スウェーデンが六七・三%、フィンランドが六〇・六%、ポルトガルが七二・六%、アイルランドが六六・一%、デンマークが六七・六%、日本が四四・九%であります。カナダが四四・一%、米国が三一・八%。
 ただ、ドイツの方たちなどがECで今ちょうど炭素税を考えていると。バレル当たり三ドルぐらいのものを炭素の量としてかけたいということであります。そのときにあなたはどうしますかというお話だったんで、それは日本はちょっと税のストラクチャーが違うんですと。あなた方の負担が非常に高いのはVAT、いわゆるバリュー・アディッド・タックスの部分が高い。日本は消費税がたった三%です。国によっては二〇%とか十数%かけておるわけですから、そういう面であなた方の方の負担が高い。
 日本はちょっと内容が違うんで、それじゃ税を上げましょうというときに、消費税を上げたらいいだろうとあなたたちに言われてもそう簡単には上げられない。ストラクチャーの違いがあるから難しいと申し上げているんで、税負担そのものが日本が特に重いということではないと存じております。
#202
○石渡清元君 重いか軽いかというのは、まさに各国の税構造にもよりますからなかなか単純にあれですけれども。
 いわゆる二〇〇〇年の環境基準達成のために大いに頑張っていかないと、今まで申し上げましたとおり、かなり基本的なことに触れながら、提言をしながら、影響を及ぼしながらやっていかなければいけない。特に経済社会とか国民生活のエネルギー、いわゆる生活自体のソフトウエアをもう変えていかなければ根本的には直らないんじゃないか。エネルギーも有限でありますし、そういう面で二〇〇〇年に向けての大臣の決意をお伺いし、質問を終わります。
#203
○国務大臣(中村正三郎君) 難しい時代、大変大切な時代に環境庁長官を拝命いたしまして、極めて微力でありますが、今委員からいろいろ御指摘がありましたような考え方をじっくり頭の中に入れさせていただきまして精いっぱい努力してまいりたいと思いますので、どうか御支援を賜りたいと思う次第でございます。
#204
○広中和歌子君 けさからこの法案につきまして審議が行われているわけでございますけれども、少し別の視点からというか話題を変えまして、まず地球サミットに関連する質問をさせていただきます。
 先日、地球サミットに向けて日本のイニシアチブによって開催されました賢人会議でございますけれども、成果をどのようにとらえていらっしゃいますでしょうか、環境庁長官にお伺いいたします。
#205
○国務大臣(中村正三郎君) やはりUNCED、地球の環境が大変緊急な課題となってきていろいろ具体的な対策を講じなければいけないということで、長い経緯を経てこの地球サミットの開催ということになってまいったわけだと思います。
 そして、その中で気候変動枠組み条約だとか生物多様性に関する条約だとか森林に関する合意文書、また地球憲章というようなもの、いろいろなものを合意を得ていこう。そして、その中でやはり発展途上国にいろいろな対策をしていただくのに、発展途上国では資金も技術も不足しているだろう。それをどうやって先進国から発展途上国にお渡ししていくのかというような枠組みをつくろうという会議であります。それに向けて準備会合がそれぞれたくさん開かれてまいりましたけれども、やはり準備会合で各国の政府が出ていってそこで論議いたしますと、現実を背負った各国の内閣の人たちが出ていって論議をするわけですから意見をまとめるといってもなかなか大変なことになる。
 特にその中で資金の問題というのが極めて重要な問題なわけでありますから、その資金の問題等につきまして世界の、あれは賢人と言ってますけれども向こうの言葉ではエミネントパーソンと言っておりまして、総理経験者の方だとかいろんな国際的なそうしたファイナンスのフィールドにおられた方とか、そういう方が集まって大所高所からどうあるべきかということを御提言いただくということで開かれた会議であります。それを国連から日本で引き受けてくれないかと頼まれまして、そこで竹下元総理、そして海部前総理、それから経団連会長がホスト役を務めて、そして主催は国連でやった会議でございます。
 そこでいろんな意見が出て、その意見を集約いたしまして、ある一定の考え方としての方向性を出した。今いろいろな、この間は発展途上国の環境会議もございました、それから先進国の環境大臣会議もございました。そういうところでやはり東京エミネントパーソンミーティングの結論はどうだったんだろうということが常に引き合いに出され、そういった方向を頭に入れながら国と国との間の交渉が進められるという意味で一つの方向性を示唆してくれた。そういう意味で、また日本で開催されて日本の貢献というふうにもとらえることができると思いますし、そうした意義があったと思うわけでございます。
#206
○広中和歌子君 日本としては日本の貢献、なかんずく資金面そして技術貢献、そういうものへの期待を痛いほどお感じになったんだろうと思います。
 このたびの地球サミットに環境庁長官も御出席になりますね。それで、日本がとるべきイニシアチブというのはどのようなものになるのか、お伺いしたいと思います。
#207
○国務大臣(中村正三郎君) これは大変日本の国民の勤勉性、またいろいろ技術開発をし工業発展をし経済を発展してきたというそのおかげだと思いますけれども、やはりどういう会議に出ましても私どもの発言というものが重視していただけるような時代に入ってまいりました。
 そういう中で、例えばこの資金のお話をしておりましても、このエミネントパーソンミーティングでも総理から世界で枠組みを決めたら日本は応分の貢献をしますよということが言える。また発展途上国会議におきましても、世界で枠組みをつくって皆さんもきちっとやってくださるという中で、私どもは国力に応じた応分のことは考えてまいります、技術的にも貢献をしていけますということが私どもの国として表明できる。そういうことをなかなか表明できない国もあるわけでございます。そういう面で、日本だけでもちろんやれることではございませんから、枠組みをつくって世界協調してやることでありますけれども、その中で一つのリーダーシップをとっていけるというようなこともあるかと思います。また技術面では、国連環境計画の機関を大阪の方に二カ所ばかりつくり、そこで発展途上国の方たちの技術研修だとか技術の御指導、また資料の公開と申しますか、いろいろなことをやろうという計画。そして今まさに、このサミットは終わっておりませんけれども、中国だとかそれからインドネシアでしたか、それからタイ、そういったところで環境センターのようなものをつくって資金並びに技術的な面の御援助をしていく。かなりの多くの国からうちも頼むというお話が来ております。そういう面でも今いろいろリーダーシップがとれていく。そして、この間から行われます会議でも、やはりECの方からも御相談がありますし、またアメリカの方とも御相談しながら動いていきますけれども、やはり日本がこれだけの経済力を持っているということと、過去大変な公害を経験してきてそれをある程度克服してきたという技術力を持っていること、いろいろな面でイニシアチブが発揮できるのではないかと思って努力をしているところでございます。
#208
○広中和歌子君 国際的な枠組みさえできれば積極的に貢献できるんだと。そのことを言えることだけでも大変に幸せであるというようなお言葉でございましたけれども、さらに一歩踏み込みまして、日本が積極的にリーダーシップを発揮し、むしろ枠組みをつくることに関しましてよりよいものをつくるリーダーシップを発揮していただきたい、そういうふうに思っているところでございます。
 国連本部で開かれていた地球温暖化防止条約の政府間交渉、五月九日の全体会議で条約が採択されたわけでございますが、これを受けて六月にブラジルで開かれる国連環境会議で各国が署名することになっている。日本も当然署名なさるんだと思います。
 その内容でございますけれども、特に先進国では一九九〇年代末までに九〇年の排出水準に戻すことを努力目標としているわけで、目標であることから少し内容は弱まったというふうに言われておりますけれども、日本の場合はこの努力目標の努力の部分、十分に発揮していただいてこの目標は達成されるのでしょうかということ。そのためにどのような行動計画を進めていく方針か、そしてその達成は可能かどうか、お伺いいたします。
#209
○国務大臣(中村正三郎君) この条約の採択に向けての過程でございますが、これは先ほど申しませんでしたけれども、日本は二〇〇〇年までにおおむね一九九〇年の排出レベルで安定させるという政府の方針を持っております。その政府の方針が日本はあるんだということを申せましたこと、これは大きなイニシアチブになっております。
 そして、いろいろな案がございまして私どもも懸念したんですが、ここでまとまった。それは、これでは少し緩くなったと言う方もいらっしゃるかもしれませんけれども、より多くの国々が入るということ、これは抜ける国があったら実効あるものができないわけでありますから。そうした中でぎりぎりの線でまとめ上げて、そしてその条約の中にこれからやらなければならないことを厳格に書き込んだ。そして、その目標だとか何かも含めて見直しかできるというような条項も書き込んだ。でありますから、これを有効なものにしてやっていこうと。
 この間のG7の会議でも、フロントスタートということを皆で申し合わせましたけれども、早くこれを実効あるものにしていこう。と申しますのは、これを採択してサインいたしましても、各国サインすると言っていましたけれども、それを批准していきますと二年ぐらい批准に手続が、五十カ国批准で発効ということになっておりますからかかるということでありますから、そういうことに対してこれからフロントスタートをしていこうという準備に入ろうというような話し合いをしていたところでございます。
 それと、我が政府といたしましては、政府の方針の二〇〇〇年までに一九九〇年で安定させるということにつきまして近く閣僚会議を開きます。五月の二十二日に閣僚会議を開きまして、そこで今までやってきたこと、これからやることをまた洗い直しまして、政府の方針として堅持してこれを達成していこうということでございます。
 いろいろ長くしゃべって恐縮でありますが、この間の会議でも、イタリーの代表が各国本気でやるなら日本のように政府の方針というものを持ってやるべきだという発言が出たというようなことがありまして、十分これが日本のイニシアチブになっているかと思います。
#210
○広中和歌子君 通産省の方はいらっしゃいますか。
 この条約の達成に向けてニネルギーの需要供給政策の見通しを検討していると聞いておりますけれども、どのような改善策を進めるおつもりでしょうか。
#211
○説明員(近藤隆彦君) それにつきましては必ずしも十分な払お答えを申し上げられないのでございますけれども、通産省としましては長期需給見通しというものをつくっておりまして、それに基づきまして二〇〇〇年ないしは二〇一〇年のエネルギーの供給というものにつきまして考えております。
 そういった観点から、できるだけ環境問題についてそういう中で配慮しながら、エネルギーの適正の供給を図るべく、代替ニネルギーの問題でありますとかそういう方向で考えているわけでございます。
#212
○広中和歌子君 これは総合的に考えなきゃならない大きな問題でございまして、十分な質問通告もしていなかったのでまた次回に持ち越すといたしまして、次にCO2などの温室効果ガスの排出権取引の導入についてちょっとお伺いします。
 さきの地球環境賢人会議の東京宣言にも取り上げられております。その部分を読ませていただきますと、
 効率性向上、汚染抑制への市場メカニズムを活用する手段として、排出権取引の利用について引続き検討を行うべきである。これはさらに、途上国の環境保全対策のための外部資金の財源ともなり得るであろう。ということがあります。排出権取引とはどのような制度であるか。そして日本でこれについてどのような検討がなされているか、お伺いいたします。
#213
○説明員(加藤三郎君) 排出権の取引制度と申しますのは、まだ国際的には必ずしも定着いたしておりません。アメリカの大気清浄法、クリーン・エア・アクトのもとでこういう制度がアメリカの国内では実施されておりますが、国際的にはまだ検討の段階でございます。
 考え方といたしましては、国ごとにいわば排出する排出総量のようなものをある一定の方式によって割り当てる。その割り当て方としては、例えば人口別で割り当てるのかGNP別で割り当てるのかあるいはそれをミックスするのか、あるいは国土の広さなどを勘案するのか、いろんな考え方が出ておりますが、何がしかのクライテリアに基づきまして排出総量をいわば国ごとに割り当てます。例えば日本には幾ら、中国には幾ら、アメリカには幾らというぐあいにCO2ならCO2の排出のトン数を割り当てます。
 それで、ある国が割り当てられたよりも少なく出している。例えば開発途上国などがそうでございますけれども、まだ開発が十分でないために排出総量が必ずしも割り当でよりは低い。余裕がある場合にはそれを余裕のないところに売る。そういうことによっていわば世界じゅうの総量規制が理論的には可能になる。かつ、開発途上国がまだ十分な開発段階に達しておりませんので排出権に余裕がございますので、外国から外資を導入することができるということで、途上国に資金を移転する一つの制度としてあり得るということであります。
 これは国際的にもここ二、三年随分勉強されておりまして、日本の学者の中でもこれが最も有効なものなんだというふうに主張していらっしゃる有力な先生もいらっしゃいます。しかし、まだ国際的にはそういったものを実施するにはいろんな検討すべき課題が多々ある。例えば排出権の割り当てをどういう基準で割り当てるのか。人口をベースに割り当てるのか。GNPで割り当てるのか。それを一つとっても大論争になりますので、今のところ検討課題ということでございます。
#214
○広中和歌子君 私も大変にこの問題に興味を持ちまして、今後とも勉強していきたいと思っておりますけれども、ともかく地球規模では取引可能な排出許可証的なもの、これは大変おもしろい問題だと思います。
 国内におきましてはいわば環境税的な考え方だと思いますけれども、どのような検討をなさっていらっしゃるか。そして今まで同僚議員の質問に多少お答えになっているわけでございますけれども、国内での炭素税についての取り組みについてお伺いいたします。
#215
○国務大臣(中村正三郎君) 正直申しまして全く今基礎的な検討を、どういうような税が考えられるかとか外国の考え方がどうかというような勉強をしているところでございまして、環境庁として、また政府として何か案をつくるというような段階にはなっておりません。
 そして一つは、ECで炭素税を導入しようということで、ECがこれをOECDに持ち込んでOECDで今年末までこの問題を討議しよう、検討しようということで結論を出そうというような動きもあります。OECDということになると日本も入っているわけで、そこで協議をしていかなきゃならないことにはなると思いますけれども、日本は欧米と違って極めて低い消費税です。向こうは二〇%とか二四%ぐらい取っているところがある。フランスやなんかでも十数%というところで、これは向こうでは統一した税率にしようとしている。ところが、ベースになる消費税が日本は三%しかないわけですから、そういう上で向こうの人たちと一緒に論議するのはなかなか難しいという感じを受けて、そのことはECの方たちには申し上げてまいりました。
 でありますから、どうなるか、まさにそういうところを今勉強中でありまして、一つの案を持っているということにはまだ到底至っておりません。
#216
○広中和歌子君 例えば先ほど出ておりました軽油の税金でございますけれども、非常に低いということですが、これなんかは一つの候補になりますでしょうか。
#217
○国務大臣(中村正三郎君) これはこうしたエネルギー税という候補というよりか調整すべきものということで考えております。
 どうしても環境の面から考えれば、何回もお答えさせていただいたかもしれませんけれども、これはディーゼル促進税制なわけですね。難儀なことには、ガソリンの方は国税であり軽油引取税は地方税であるということで、簡単に言えば非常にやりにくい感じのところでありますけれども、先ほども申しましたように、これでディーゼル車、軽油の販売というのを促進するような税制をとりながら、それじゃガソリン車を買いなさいよという税制措置は私はとり得ないと思うんです。これを調整してくださいということを財界の人、石油業界の人に公式にお話をいたしました。
 そうしたら、石油とガソリンの価格の差がまずいということは認識していますと。それには本来の価格に差がついちゃっている。それは石油ショックのときに片方を安くしてくれよということで安くした、行政指導によってそうなりました。それを戻す努力はいたしますと。それから、税金についてもこれを調整して同じような負担にするということは賛成です。しかしながら増税しないようにしてくださいということでありましかので、これは通産省に公式にそういう方向で調赦してくださいということを申し入れまして、通産省が直接の監督官庁でありますから、これをどらされるか今見守っているところでございます。
#218
○広中和歌子君 それでは、自動車から排出されるNOxの削減に関する法律について、質問に入らせていただきます。もう既に同僚議員から非常にいい質問、しかも多岐にわたって出てまいりまして、私残念ながら重なるところが多くて一部同じ質問というようなこともあるかと思いますけれども、よろしくお願いいたします。
 大気を汚染し、ぜんそくや酸性雨の原因となっている窒素酸化物、NOxの多くは車から排出されている。特に東京、大阪のような大都市圏ではその大半が車によるものでございます。本法案では、車種規制の形で自動車の使用者にNOx排出量の多いディーゼル車から他の車種への転換、低NOx車種への転換を義務づけているわけでございますけれども、環境庁はこの規制が実施されると西暦二〇〇〇年にはディーゼル車は四二%減少、特に直噴式のディーゼル車は六三%の減少と試算されております。
 しかし、これは現状からの減少ではなくて、八年後に現在のまま放置すれば多分使用車数が非常にふえるのであろう。それが六三%あるいは四二%削減するということでございますね。ですから、現状と比べてどのくらいディーゼル車などが、つまりこの法案の対象となっている車が減少するのかということに絞ってお答えいただいたら、どういうことになりますでしょうか。
#219
○政府委員(入山文郎君) この車種規制によってディーゼル車が将来どのような減少を示すのかという御質問がと思いますが、少し具体的な数字を挙げて御説明させていただきたいと思います。
 現行の総量規制三地域におけるトラック、バス等の登録台数は、一九九〇年のときで全体で百四十五万二千台でございます。そのうち八十六万一千台がディーゼル車でございます。なお、さらに三十八万九千台が直噴式の車であるという数字になっております。現状における台数の伸びを勘案いたしますと、トラック、バス等の登録台数は二〇〇〇年においては全体で百五十二万八千台となる見込みでございます。仮に何もこの対策が講じられない場合には、ディーゼル車は百二十四万四千台、そのうち直噴式が五十九万六千台ということになるわけでございます。
 この車種規制を実施いたしますと、ディーゼル車が百二十四万四千台と申し上げましたけれどもそれが七十一万九千台、いわば半分になる。ほっておけば百二十四万台になるものが、規制を講ずることによりまして約半分の七十一万九千台になるというような試算をしているわけでございます。
#220
○広中和歌子君 現在の汚染というものが大変であるから今このような法案をつくられたわけでございますね。それで、法案ができて実際にどのくらい二酸化窒素が減るんでしょうか、現在あるいは二年後、八年後に。どのくらい実効性があるかということをNOxに限ってお答えいただければと思います。
#221
○政府委員(入山文郎君) NOx、窒素酸化物の削減の量でございますけれども、二年後、八年後と年ごとに刻んでの詳細につきましてはこれからさらに精査をしたいと思っているわけでございますが、二〇〇〇年にはどのくらいに削減されるのかということで申し上げますと、使用車種規制によりましておおむね一割から二割の排出量の削減が見込まれるというように私どもは試算をしております。
#222
○広中和歌子君 そうすると、今〇・〇六PPM以上の地域がかなりあるわけでございますけれども、その地域というのはどのくらい減少するというふうに予想されていらっしゃいますか。
#223
○政府委員(入山文郎君) そういう超えた地域と申しますか、環境基準を達成できない地域が幾つかある。幾つかあるというよりは、むしろ大都会におきましては特に自動車の測定局におきましてはほとんど達成されていないという現実でございます。こういった測定点ごとにそれではどうなるかということは、今現在詳細に試算しているわけではございませんけれども、全部をきれいにしたいというそういう意気込みではございますが、一部やはりどうしても残るものはあろうかと思います。
 その理由は道路の構造上の問題とか立体交差の問題とかいろいろあるわけで、そういう例外的なものを除けば私どもは達成できると思っているわけでございます。そのための削減量がどうかということで計算をした数字が先ほど申し上げました車種規制については一割から二割ぐらい。そのほかいろいろ、例えば低公害車の導入によっても一割近くは削減されるわけでございますし、人流対策、交通流対策等によりましてもそれぞれ数%ずつ削減される見込みでございますが、車種代替ということで申し上げますと今のような数字であるということでございます。
#224
○広中和歌子君 問題は特定地域で現実に下がるかどうかということで、総量だけの問題ではないんじゃないかなと思います。しかし、この問題は毎年きちんと観測しながら、さらに必要な施策をとっていただかなければならないんではないかといった感じを持っております。
 先ほども質問に出ましたけれども、ディーゼル燃料の低硫黄化でございますが、これはEGRですか、私はよく存じませんけれども、排ガス再循環装置の導入をしていくためには今までのディーゼル燃料の硫黄分が非常に問題であったということでございますが、今までそういうことが問題にならなかったというんでしょうか。低硫黄化の努力が今までどうしてなされなかったのかということ。その問題点は何であったのか。取り組みがおくれた理由は何か。この三点についてまとめてお伺いいたします。
#225
○国務大臣(中村正三郎君) これはちょっと私の権限を越えるかもしれませんが、石油業界の方から聞きましたけれども、そういうことをすると脱硫する装置をつけなきゃいけない、そうすると値段が上がるというコストの問題があるんだというお話を伺いました。それで、努力をしていなかったんじゃなくて、ことしも〇・二%まで下げる。十月には下げるということで目標を持ってやってきているんですが、それにはやっぱりコストがかかるということがあったと思います。
 そして、私が長官になりましてからその問題を指摘して業界の人に直接お願いしたところ、それはいいことを御指摘いただいた、すぐかかりますということで、通産大臣に私はお願いを申し上げまして、そして通産省で御指導いただいて、五年をかければできるということを業界の方は言っていました。ほぼそういう方向でいけるというお話を伺っております。ただ、これはアメリカに一歩越されまして、アメリカは来年から〇・〇五に下げるということだそうであります。
 今EGRのことを申されましたけれども、EGRもですけれども、S分が多いということはSOxが出てくるわけですから、そもそもS分の含有量が多いということは悪いということと、すべてのほかの排気対策に悪い影響を与えてしまうので、S分が〇・〇五ぐらいまで小さくなることが長期目標を達成するような対策をする上で必要不可欠であるという話があったので、私はこれを力を入れてお願いしたような次第でございます。
#226
○広中和歌子君 先ほどから伺っていまして、この環境庁長官のイニシアチブ、リーダーシップに大変に感銘を受けたわけでございますけれども、せっかく通産省の方にいらしていただいておりますので、この点について通産省と石油業界との話し合い、そしてさまざまな施策とか見通しとかそういうことについてお伺いいたします。
#227
○説明員(近藤隆彦君) 今、長官からお話しされましたとおりでございますけれども、まず〇・二%、質量ベースでございますけれども、軽油の中のS分を〇・二%にすべく過去努力をしてまいりまして、この十月にはそれが実際に出荷できるように今最終的な準備をしている状況でございます。通産省としましては、この間、税制上あるいは予算上の助成とか低利の融資等で応援をしてきまして、できるだけ早くこれが実現するように今まで助成をしてまいったわけでございます。
 それからまた、さちに長期的には〇・〇五%という目標を持っておりまして、これは中公審でも具体的に指摘がされておりますけれども、パーセントとしまして〇・〇五%にすべく今業界も積極的に対応しております。具体的には、通産省からも〇・〇五にすべく早急に努力を開始するように申し入れをしまして、それに対しまして業界としましても積極的に対応するというふうに表明しておりまして、少なくとも五年経過後には〇・〇五%の軽油が出荷できるように今準備をこれからするようにしております。
 通産省としましては、これに対しまして従来に引き続きましていろいろな助成をしまして、これができるだけそのとおり実現できるように万全を期したいと思っておりますので、そういうつもりで官民挙げてこの問題に取り組んでおるという状況でございます。
#228
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。期待しております。しかも、前倒しでお願いできたらと思います。つまり、五年先ではなくて、もっと早くそれが実現されればもっといいんじゃないかと期待しております。
 私はこの法案を見て確かに一歩前進だと。そして環境庁の御努力を大変評価いたしますけれども、大気汚染の元凶であるディーゼル車のまず車種の規制から始めるということですね。そのやり方は主として買いかえるということですが、買いかえはどういう形で促進されるのでしょうか具体的にお伺いしたいのと同時に、車の耐用年数はどのくらいなんでしょうか。
#229
○政府委員(入山文郎君) より公害の少ない車種に買いかえていただく、それからそういう車種がない場合には最新規制のものにかえていただくということを考えているわけでございます。
 先生から今御指摘いただきましたような車齢と申しますか車の寿命と申しますか、そういったものともやはり関係があるわけでございまして、私どもできるだけ早く買いかえていただきたいと思うわけでございますけれども、生産と申しましょうか、需給の問題その他いろいろございますので、スムーズに買いかえが行われるように関係の団体あるいは省庁とも相談をしながら実施してまいりたいと思っているわけでございます。
#230
○広中和歌子君 車を持って運転している人にとっては財産ですよね、言ってみれば。それをある種の強制とか何かなしで、あるいは何かのメリットなしで買いかえが促進できるんでしょうか。
#231
○政府委員(入山文郎君) 私ども基本的にはやはり国民の皆様がこの問題について理解を深めていただいて、また一人一人の方が責任があるということでこの大都市の窒素酸化物問題には取り組んでいただきたいと思っているわけでございます。そういったことで、何のメリットもなくということをおっしゃったわけでございますけれども、これは非常に大きなメリットがあるという認識でまずはやっていただきたいと思うわけでございます。
 それから、メリットという意味では小さい意味になるかと思いますが、例えば買いかえることによる経費の問題があるわけでございますから、その点につきましてはスムーズに買いかえが行われるような形でいろんな施策を考えていきたいというように思っているわけでございます。例えば税制面の問題でございますとかいろんな援助の問題等あろうと思いますので、そういったことにつきましてもこれから詰めてまいりたいと思っております。
#232
○広中和歌子君 税制面があるといっても、いずれにしたってコストがかかるわけですね。それが多少経費の中から落ちるという程度であったら、果たしてそれがインセンティブになるかどうかということが問題ではなかろうかと思います。
 というよりは、むしろ先ほどから長官もおっしゃっておりますように軽油がガソリンに比べて非常に安いということ。軽油は一リットル当たり二十四・三円。これは軽油取引税でございますが、ガソリンは一リットル当たり五十三・八円。私はこの議論を昭和六十三年三月に当委員会でしておりまして、ともかくディーゼルオイルが安いこと、それがむしろ車の使用を促進しているわけでございます。ですから、この軽油取引税をガソリン並みに、先ほど出ましたけれども上げるのかあるいはガソリンの方を下げるのか、ともかくバランスをとらない限りこの法案で買いかえを促進するといってもちょっと難しいような気がするのでございますけれども、どうでしょう、長官。
#233
○国務大臣(中村正三郎君) 常にその問題に突き当たるわけでありまして、ディーゼルエンジンを使いやすくするような税構造になっている。軽油の方がずっと安い税負担をしている。しかも過去の経緯によって、石油ショック以来のことで、そもそもの価格に差があって、ガソリンで石油メーカーはもうかるんだけれども軽油で損して出しているという現状だということを監督官庁から私は伺っております。
 では、なぜそんなになったかというと、やっぱり軽油だとか灯油は安くしておいてくれという行政指導があったということを業界の人は言うんです。それプラス税金ですから非常に差がある。一方では、中小企業の方たちが乗っているような小さいディーゼルを乗っちゃいけませんよ、ガソリンにシフトしなさいと言って、そういう人たちがガソリンにシフトした場合には高いガソリンを買わなければいけないという逆の効果を持った税制の上に乗っかってやるんですから、大変なことは確かです。
 ですから、私どもはこれをすべてとは言いませんで、そういうことはいろいろ対応が難しいので、こういうことをまずやっていただいて、業者の方に車検というようなことで担保をして車種の切りかえをやっていっていただく。そうして、この税のことに関しては業界の方からもじっくりお話を聞いた上、今直接監督官庁である通産省にお願いをいたしまして、これについてはひとつ環境の立場からすればガソリンと軽油の価格の差というのをなくしてもらわなきゃいけないということを申し入れまして、今検討をいただいているところであります。
 これは結果的に見ますと世界じゅう、こうやって世界の人と会うんですが、やっぱりみんな悩みは同じでして、軽油とガソリンの税金に差をうんとつけたところはディーゼルが物すごくふえちゃってNOxで悩んでいるわけです。同じ税金にして販売価格がガソリンと軽油がほぼ同じというカナダ、アメリカにおいてはディーゼル車は減っておるんです。トラックもアメリカでは相当な大型なものまでガソリンで動いているという現状を考えますと、委員御指摘のことは私どもも十分問題視をし、行動を起こして今通産省にお願いしているところでございます。
#234
○広中和歌子君 よろしくお願いします。
 それで、軽油取引税に関しましては地方税ということで、自治省にいらしていただいておりますので伺いますけれども、この税率はどこでも一律ということでございますね。そして、その税率を変える権限は自治省にございますでしょうか。
#235
○説明員(瀧野欣彌君) 地方税の税率でございますけれども、基本的には地方税法で税率を決めております。その場合に、税率の決め方といたしましては標準税率、一般的な税率を決めまして、それに対して一定の枠の中で超過課税をするのを認めております税目もあります。例えば固定資産税でありますとかあるいは法人の住民税でありますとかそういったものにつきましては、標準的な税率を決めまして、一定の制限の中で超過課税を認めるというシステムになっております。
 軽油取引税につきましては、この軽油というものが全国的規模で転々と流通する、そういった中で地域間で税率に差がおったのでは流通に混乱を生ずるのではないか、あるいは不公平な事態が生ずるのではないかということで、先ほど申しました標準的な税率ということではなくて一定税率、決まった税率にしておるわけでございまして、そういう面では自治省で決めておるということでございます。
#236
○広中和歌子君 私がこんなことを言いましても効果があるかどうかわかりませんけれども、むしろ権限は地方に移譲されまして、そして一律ではなく特に大都会、大阪とか東京圏とかそういうようなところではディーゼル車、ディーゼルオイルは割高になると。つまり東京に地方から入ってくる車がディーゼルオイルを買うというときには余計にお金がかかるといったようなシステムにするというのも一つの手ではないかと思うんです。むしろ地方への権限移譲で各地方地方で自分たち住民に最もふさわしい形で環境を推進できるようなそうした力、権限を与えていただくような方向に考えていただけないかということを御提案したいのでございますが、自治省並びに環境庁長官のお考えをお伺いしたいと思います。
#237
○国務大臣(中村正三郎君) これは税の問題がありまして大変難しい問題を含んでおります。さっきからお話し申し上げておりますように、租税法定主義ですから法律をつくる政治の場のハウスのお考えもあるでしょうし、またいろいろな官庁の考えもある。そして手続としては政府の税調の考え方もありましょうし、いろいろあると思います。
 ただ言えることは、これが軽油促進税制。国民から見れば地方税も国税もわかりませんから、同じですから一ですからそれでディーゼル促進税制になって、それがNOxの排出量をふやしているというのは事実だと思います。ですから、ちょっと脱線になるかもしれませんが、大阪市長さんがこのディーゼル車の歯どめに税金を上げろと言うなら、これは自治省にお話されたらいいかなということもちはっと冗談半分に考えたりするのでございます。
 やはり根本のところをこういう税制にしておいて、それと反する税制、例えばディーゼルはなるべくやめるんですよというような税制を入れるということは私は不可能だと思うんです。片方の税制で優遇しておいて、片方の税制でほかのものを買いなさいという税制は不可能ではないか。むしろ環境という面からいえば、本当ならガソリンの方を政策的に安くして、ディーゼルからガソリンにシフトを促すというのが本当でございましょう。
 でありますが、これを直接監督する省庁は通産省であり、そこには経済性の問題だとか産業のあり方とかいろんなものが入ってくると思いますので、私どもは環境の観点から、これは調整をして、同じような負担にし同じような値段にしていただくということがどうしても必要なんだということをお願いしているわけであります。自治省にも非公式にでありますけれどもこういう話を私は何度もしたことがございます。大蔵省にも非公式ではありますが何度もしたことがございます。
 こうしたことを話すときにいつも問題になるのは、ディーゼルの方が燃費がいいよという話であります。ところが、さっきからお話ししているように具体的に話を聞いていただければわかると思うんですが、セドリックの二千CCの車に相対するディーゼルは二・五リッターであります。二五%増の容積。しかも走らせたらトップスピードはガソリンの方が出るし、加速はガソリンの方がいいんです。
 だから、ガソリンと同じ車格の二・五リッターのディーゼルを比べれば、ガソリンの方が一五%ぐらい恐らく燃費は悪くなるでしょう。しかし、快適性がディーゼルの場合は削減されているわけでありますから、そういうことも勘案し、ガソリンなら容積は少し小さいのにして、そして加速は多少悪いよということにすればガソリンは決してCO2の排出が多くはならないということなのでありまして、そういう論理に迷わされないで、やはりディーゼルの減少を図るというのがまじめに環境政策を考えたときは必要だと思うのでございます。
#238
○説明員(瀧野欣彌君) 地方税の税率について、ただいまは軽油の税率でございますけれども地方に任せたらどうかという御質問でございました。
 先ほど申し上げましたように、軽油の流通というものが全国的な規模で行われておるわけでございまして、そういった中で税率に違いを設けますと、安い方で給油を受けるとか、あるいはそういうことができない人は不公平に高い税率のところで軽油を買わなきゃいけないとかいろいろな問題が出てくるわけでございます。そういったことを考えますと、現在のような一定税率ということでやむを得ないのではないかというふうに考えております。
#239
○広中和歌子君 私の意見を言わせていただきますと、むしろ軽油の税金は高くした方がいいんじゃないかと思うんです。というのは、ガソリンは十分に値段が高いので、それで今のレベルで自動車の使用がとまっているんじゃないか。さらにまた、ガソリンが高いために非常に燃費がいい車が開発されたんではないか、そんなふうに思っております。
 軽油の税金をぜひ上げていただきたいし、その上げた分に関しましては環境のためにどのような形でも結構でございますけれども使われるような、少なくとも道路対策であるとか他の流通対策などによって交通渋滞が起こらないような形で例えば使っていただくといったようなことで、もちろんこれは地方税でございますから地元でお使いいただいてもいいんじゃないかと思いますけれども、そういう形で、特に今環境税が問題になっているときでございますので、そのような財源にしていただければいいんじゃないかというふうに希望して、この問題は終わります。
 次に、自動車NOxの総量の抑制のための検討会の中間取りまとめには、自動車排ガスの総量規制、それから排出量の大きい自動車の使用規制によりより低公害な車種へのいわゆる自動車使用車種規制、それからステッカーを貼付することによってある種の車は市内に入ってくるのを妨げるといったような三つの提案があったわけでございますけれども、実際に導入されたのはこの二番目の車種規制にすぎなかったわけです。
 総量規制でございますけれども、この総量規制こそNOx削減にはすぐに効果があるにもかかわらず、できなかったというその理由は何でございますか。どのような努力をなさった結果としてだめだったんでしょうか。
#240
○政府委員(入山文郎君) 検討会の中間取りまとめて御指摘のような三つの方策がたたき台という形で出されたわけでございますが、私どもはその甲から車種の代替というものを選択したわけでございます。総量規制方式を取り入れなかったという理由で。ございますが、これは例えば固定発生源と同じようなやり方で工場、事業場にこの総量を割り当てたといたしましても、自動車からの排出に関してとり得る措置というのは結局のところ車種の代替とそれから自動車使用の合理化といった二点に限られるわけでございます。それ以上の削減を求めるということは困難であるわけでございます。例えば固定発生源の場合のように、自分でその発生源を調節するといったようなことはできないわけでございまして、販売されているエンジンのついた車を購入する以外にないわけでございますから、そういった面でこの二点に絞られてしまうということでございます。
 それから、総量規制方式を行おうといたしますと、まずその対象でございますが、大きいところも小さいところも含めて一〇〇%網をかけるということはこれはなかなか難しいわけでございまして、勢い一定規模以上の事業者に限られてしまうということがございます。しかしまた、その一定規模以上の大規模な工場、事業場でございましても、例えば自分のところの車を使わないで、委託輸送でございますとかあるいは取引先に依頼して輸送するといったようなこともかなり見受けられるわけでございまして、自分で支配し切れない発着自動車が多くあるということも一つあります。
 そんなことで、効果的な制度としてはなかなか仕組めない、いろんな問題が多過ぎるということでこの方式は見送ったわけでございます。
#241
○広中和歌子君 NOxの問題というのは全国的な問題も多少あると思いますけれども、今時に問題にしたいのは、健康被害に直接かかわってくるところの特定地域、NOx濃度の高い特定な地域であろうと思います。
 そういう地域への対策ということになりますと、やはりきめ細かく地方自治体がそうした対策をするべきではないかというような気がいたします。今お答えの中から出てきましたけれども、固定発生源から発生するばい煙などに対する規制の権限は都道府県知事にございますね。ところが、自動車のような移動発生源というんですか、それに対する権限というものは知事にはないのでしょうか。なかったとしたら、むしろその権限は地方自治体に移譲されるべきではないかと思いますけれども、お考えはいかがでしょうか。
#242
○政府委員(入山文郎君) 国の権限、地方の権限、いろんなケースによりまして異なってくるかと思いますが、例えば車種規制のようなものを私ども考えておりますようにきちんと車検で担保するという、いわば非常に強制力の及ぶやり方で実施しようとしているわけでございます。そういったことにつきまして、地方が上乗せをすると申しますかそういう規制を例えば条例等で書けるといったようなことはこれは難しいのではないかと思います。他の法律から見て必ずしも適合しないのではないかというように私どもは思っております。
#243
○広中和歌子君 単に健康被害だけじゃなくて、地域の環境に与える被害なんかもあるわけでございますね。例えば国立公園における大型車の進入規制であるとかそういったようなのはよその国では当然行われておりまして、日本でも一部行われるんじゃないかと思いますけれども、もっと規制の視点からの、いわゆるあめとむちであればむちの部分というものをふやす。それは地方の自治体の長がそうした権限を持つ方がもっときめ細かく住民の立場からやれるんじゃないかと思います。
 先ほどからのお考えをいろいろと聞いておりますと、よく国民のコンセンサスという言葉が出てくるわけです。こんなことを言うと大変失礼ですけれども、日本の行政の方がお使いになるコンセンサスというのは、何か業界のコンセンサスとか御理解とかというようなことが非常に重きをなしているんじゃないかと思うんです。住民のコンセンサスを感知するところの地方でさまざまな規制あるいは促進、そういうものをすることによって環境を競争的に推進していくという意味でも地方にもっと大きな権限が与えられてもいいんじゃないか。そして、何事もすべて一緒じゃなくてもよろしいんじゃないか。
 これもちょっと行き過ぎた考えになるかもしれませんけれども、スパイクタイヤの廃止に関する法律も最終的に全国的なコンセンサスができるまではそれが施行されなかった、実施に移らなかったということで、私はもう非常に驚き、あきれたわけでございます。問題のある地域というと主に大都会でございますけれども、例えば札幌とか仙台とかそういうところが中心になって、まず自分たちで権限を持って廃止していく。
 そういうような地域中心の規制、そして規制がかかればその規制の形も、行政による規制もありましょうし、あるいはコスト的に高くつくといったような形の非促進的なやり方もあると思います。そうしたフレキシビリティーというんでしょうか、柔軟性をもっと与えていただくような形で環境庁御自身というのは各省庁を調整しながら全国的な視野でなされるところだと思います。
 各省庁の調整だけではなくて、地方におけるいろいろな実情を踏まえて、もっと権限についても配慮をした行政をしていただけないかというふうにお願いしたいわけでございますけれども、環境庁長官はどのようにお考えでございましょうか。
#244
○政府委員(入山文郎君) 先ほど申し上げたわけでございますけれども、もう少し一般的な問題としてまとめてお答えさせていただきたいと思います。
 まず、一般に地域の環境施策として国の法律に抵触しない範囲で汚染物質の排出を規制するということにつきましては、これは自治体が条令を定めることができると私ども思っております。しかしながら、排出を削減する目的のものであっても、車の乗り入れ規制でありますとか自動車の台数制限のような形をとるものとすれば、これは道路交通法あるいはまた道路運送事業法に抵触するのではないかという疑いを生ずるということでございます。これが一般的な考え方でございます。
 今、先生御指摘されましたように、いろんな問題について地方がそれぞれの地域の実情に応じた対策をとるということにつきましては、私どもはそれは十分にとり得ると思っているわけでございますが、権限というものについて申し上げますならば今申し上げたようなことになるわけでございます。
#245
○委員長(渕上貞雄君) 長官、御意見ございませんか。
#246
○国務大臣(中村正三郎君) 権限の問題ということになりますと私こういう経験があるんです。
 昔、補助金の制度の変更をやっていましたときに地方で公聴会をやりました。地方で公聴会をやりまして、ある党の方がお招きになった公述人の方が地方とあれの業務委任といいますか権限の問題の話になったときに、これは事実でありますからそうお聞きいただきたいんですが、やはり国できちっとした統一のものを持ってやってくれと。では何でそうですかと質問したら、地方個々へ任せると何をやるかわからないからと、こういうお答えがあってびっくりしたことがあるんですね。ですから、地方はその地方の実情がよくわかるということ、また国は広い視野でもって多くのことを統一的に見ることができるということの特性をどういうふうにあれしていくかということだと思うんです。
 そこで、今局長が申しましたような、法律的には権限としてはそうでしょう。言ったとおりでしょう。だから、例のスパイクタイヤのとき、委員も外国で御生活でしたが、アメリカはあれは禁止ですから、チェーンも禁止ですから、凍るとばっかんばっかん車がぶつかっていますね。ぶつかっても平気です、連中。どんどん後ろからぶっかっても、ああまたぶつかったというような調子で見ている。ところが日本においては、その地域の安全性をとるか、あれから出てくるほこりの公害の危険性をとるかというトレードオフの問題が出てくると思うんです。だから地方を重点にしたああいうような地方の意見が入るような格好で、地方のあれがなければ指定できないようになっていたということだと思います。
 ただ、これがNOxの技術的なことになりますと、法律的なことはこちらに任せますけれども、これは健康のことでありますからなかなかそうは言っていられない。科学的知見に基づいて定めた環境基準を達成するようにということで、そのぎりぎりの線は守るような方向で法律を組み立てていかなきゃいけない、そのように思うんですが、お答えになりましたか、どうですか。
#247
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。
 質問を終わります。
#248
○沓脱タケ子君 それではお伺いをいたします。
 WHOは去る三月四日に地球サミットに向けた健康と環境に関する報告を発表いたしました。特にその報告は、都市人口の急増が環境悪化を促進し、十億人以上の都市居住者が高い濃度の大気汚染にさらされていると述べておりました。
 我が国でもそうなんですが、今回提案をされております自動車排ガスのNOx削減の特別措置法案の政令部分での特定地域、東京、大阪、神奈川等に加えて埼玉、千葉、兵庫の一部、それぞれ加えますと対象人口というのはほぼ二千万人を上回るという状況になろうかと思うわけでございます。今提案をされている法案というのは、都市部に住む二千万人を上回る住民の健康と生活環境にかかわる極めて重要な法案であると認識をいたしておりますが、それは間違いないですね。
#249
○政府委員(入山文郎君) 予想される特定指定地域というものにつきましては、まだ確定しているわけではございませんので、人口がどのくらいになるかということは実はここに資料を持ち合わせておりませんが、非常にマクロな見方で申し上げればほぼそのようなことになるのではないかと思います。
#250
○沓脱タケ子君 そういう二千万人の健康と生活環境に影響の及ぶ非常に大事な法案という立場でお伺いをしていきたいと思います。
 大都市での大気汚染の主役と見られるNO2、特に今日ではディーゼルからの排出ガスが中心になっておりますが、NO2の環境基準は御承知のように一九七八年に随分国民から強い反対があったのを押し切って実は二ないし三倍に緩和をされたんですね。そのときに、新しい環境基準は七年後の一九八五年までに達成させるんだというお約束であったんです。ところがこの約束は果たすことができなかった。
 そこで、八五年には三年後に達成をめどということで三大都市を中心とした中期展望の策定というのをおやりになった。ところが、これも達成ができずに新中期展望を掲げられた。ところが、これも達成できずに今日の状態になっているという状況でございますからNO2の環境基準を緩めてから今日まで十四年間未達成のままここまで来ているということなんですね。
 私は、今回出ている法案で環境基準達成の目標が二〇〇〇年と言われるわけですから、これは改めてその大変さを痛感しておるわけです。なぜかといいますと、この十四年の間に大気汚染公害で住民は随分苦しんでいます。現に認定されている住民、これは指定地域打ち切りで新しい人たちが該当しておりませんが、それまでの公害認定患者だって今日なお九万五千を超しております。加えて、国がカットして以後、地方自治体で年齢制限がありますけれども救済措置をとっているのが十三自治体で約四万四千人。あわせて、現在何らかの形で認定なりなんなり公的な施策を受けている住民が今なお十四万人近いという状況になっているわけでございます。
 そこまで来ている。十四年間どうにもならなかった。やっと重い腰を上げられて、これは九〇年の十一月に排ガスの検討会が中間取りまとめとして三つの方策を打ち出されて、これが入ったら何とか期待が持てる、こう思っていたわけでございます。その後、昨年の十月に最終報告書というのが出てきて、これがさっきからも指摘がされているように後退をし、念らに法案になるときに政府案にはまた若干訂正があって、目標達成の二〇〇〇年までに七八年から見ますとちょうど二十二年になる。
 私は、政府機関が法律でもって国民の健康を守るんだ、生活環境を守るんだという任務を持って一貫して施策をおやりになってこられて今なお環境基準が守れない、一体どうなっているんだと言いたいです。いや、その他いろいろと新しい事態が出ましたというのは、それは言いわけですよ。一般の民間企業だったらこんなものもたへんですよ。目標を決めたけれども、とにかく間に合わぬ。十四年間やっても間に合わなかったと言ったら大体首ですわ。恥ずかしいと思いませんか実際。
 それほど大事な段階へ来ているときの法案なんです。十四年も約束、目標値を掲げて達成できなくて、今日になってやっと法案提出に踏み切った。こんなのは恥ずかしいと私は思うんだけれども、長官どうですか。何ともないですか。
#251
○国務大臣(中村正三郎君) 弁解がましく聞こえたらお許しをいただきたいんですけれども、私は十年前に環境委員会にいたときにこれを取り上げまして、ディーゼルのことについて随分うるさく環境庁に迫った経験がございます。しかしながら、結果としていろいろな対策を講じたにもかかわらず今NOxに限って申しますと環境基準が達せられなかった。
 それは今委員からおしかりを受けましたけれども、これほど自動車交通というものが発達して、これほどの自動車の所有台数になろうということは思わなかった。そういうことを予見できなかった。また、それについていけなかったと言えばそういうおしかりを受けると思いますが、そういう大きな経済発展の中で、私どもの選挙区へ行きましても、農家でも車がもう二台も三台もあるという時代です。そうした生活の利便性との間で、こういうような経済の規模が大きくなり、そういうものが大きくなってきて結果的に達成をされていないということであります。
 でありますから、これからまさに環境を視点に置いた行政をやるということに御理解がますます得られる時代に入ってきたと思いますので、そういう時代に入って、なお一層環境庁としては御理解を得、環境基準の達成に向けて努力をするということを申し上げるにとどまらざるを得ないと思うのでございますが、一生懸命やってまいりますのでよろしくお願い申し上げたいと思います。
#252
○沓脱タケ子君 一遍やっぱりきちんとやらないと格好悪いですね。ですから、そういう立場からいって、本法案の施行で本当に二〇〇〇年には環境基準の達成が保証されるのかどうか。やっぱりこの法案を扱うに当たって一番そこが大事だと思うんですが、その点を明確にお聞かせいただきたいと思います。
   〔委員長退席、理事西岡瑠璃子君着席〕
#253
○政府委員(入山文郎君) この法案におきましては、総量削減基本方針、総量削減計画の策定、それから特定自動車に係る窒素酸化物の排出規制、物流の合理化等に係る事業所管大臣の事業者に対する指導等のいろんな施策を盛り込んでいるわけでございます。これらの施策を関係の省庁と協力して、また地方公共団体とも連携を図って強力に推進していくということによりまして、二〇〇〇年までにはこの環境基準のおおむねの達成を実現できるものと私どもは考えております。
#254
○沓脱タケ子君 それはそう言ってもらわなかったら何してるのやらわからへんですよ。私はやっぱり今までの経過がありますから不安を感ずるので、少し具体的にお聞きをしておきたいんです。
 環境庁のNO2排ガス抑制検討会の九〇年十一月の中間取りまとめのときには、言われているように、一つは工場、事業場ごとの総量規制、面規制、それから二つ目が使用車種の規制、三つ目がステッカー方式による規制、こういうことであったわけです。これは関係者から大変遅きに失したけれどもということで評価を受けておったところでございます。
 ところが、中間取りまとめに対する各関係団体のヒアリングの結果、昨年の十月に同じ検討会から最終報告が出たところが、一と三が抜けて二だけが残ったという結果になっているんです。これで随分がっかりして、関係団体、住民あるいはマスコミからも後退についての批判が強く出たというのは御案内のとおりでございます。検討会の最終報告でそれで終わりかなと思ったら、さらに法案の段階でもう一つ緩められたというふうに私は思っているんです。
 検討会の最終報告では、中間取りまとめにありました排出量の規制による事業所ごとの削減義務、これが業者の自主設定に後退をしたんです。さらに政府の今回の法案では、事業所単位の規制の考えが消えてしまって、車を使う事業者と荷主には抑制計画をつくることも自治体に提出することも全くしなくてよくなったんですね、内容を見たら。そういうふうになったんですね。間違いありませんか。
   〔理事西岡瑠璃子君退席、委員長着席〕
#255
○政府委員(入山文郎君) 御指摘の中間取りまとめと最終報告と今度の法案の間には、今御指摘になったような点について変わった点と申しますかはあるわけでございます。それを後退したという表現でとらえる方もおられるわけでございますが、私どもといたしましては後退というふうには考えていないわけでございます。
 最初の中間取りまとめの段階では、一つのたたき台として三つの案を出した。それをさらに検討会で議論を重ねた結果、最終報告書のようなものになった。そして、さらにそれを法案にする段階で関係の省庁ともいろいろと協議をしていたわけでございますが、関係の省庁からも非常に強く協力をするという意思表示がございまして、それぞれ所管の大臣が指針をつくって指導するということによって、今まで考えておりましたような方式より以上の効果が得られるというふうに私どもは確信をした次第でございます。
 そうした結果で今回のようなこういう法案の形にさせていただいたわけでございまして、私どもはこの法案の早期成立によりましてできるだけ早い機会に、いろんな政省令等に移す事項もございますが、それらを煮詰めてまいりまして、先ほどから申し上げておりますように二〇〇〇年には環境基準をおおむね達成したいというふうに思っているわけでございます。
#256
○沓脱タケ子君 たくさん言ってくださったけれども、私が指摘をしたとおりですね。
 それで、環境基準の達成ということで、今度の総量削減によって環境庁は当面大体三〇%ないし四〇%カットしなければならない。それで、車種規制をちゃんとやっていけば二〇〇〇年までに環境庁の予測では一〇%ないし二〇%、または一五%の削減と言っておられますね。きょうもずっと言っておられたわけです。ところが、同じようにやると大阪府では七%しかカットにならない。東京都では七・九%しかカットできないということになっておるようですね。そういうふうに報道されています。
 そういうことになると、環境基準が本当に二〇〇〇年の段階で確実に達成できる見通しは持てるんだろうかということになってくるわけでございます。せっかく特別措置法をつくるんだから、国民の各層から後退をしたなんというようなことを言われるような法案を何でつくったのかというふうに私は率直に思っておるんです。なぜこういうふうに次から次に変わったのかということが国民の中では大変問題になっています。
 そこでちょっとお尋ねをしておきたいと思いますが、これは情報によりますと、昨年の三月十三日、自工会の富永専務理事を招いて、ヒアリングで三方式を自工会にお示しになった。特に「自動車の総量規制は物流など社会経済全般に与える影響が著しく、適切でない」と言って反対の意向を示された。面的規制の考え方も事実上は拒否されたというのが報道されております。
 次に、全日本トラック協会でもヒアリングをおやりになられて、トラック協会では最終報告に対してそのときのヒアリングでも御意見が述べられておりますが、その後、最終報告に対して全国トラック協会が去年の十二月十六日に意見書を出してきておられますね。それによりますと、総量規制計画については「各自治体がバラバラの総量抑制計画を策定されることは問題である」と。同じく事業者のNOx抑制計画の策定についても「実効面からも問題が多い」、こ至言って、結局特に事業者の計画の策定というふうなことについて反対をしておられます。
 これは事実ですか。私ども報道でしかわからな。いんですね。例えば自工会のヒアリングではこういう御意見が出たんですか。トラック協会からもこういう御要望が出ているんですか。
#257
○政府委員(入山文郎君) 自動車工業会あるいは全日本トラック協会といったような関係のある団体といろんな話し合いをしてまいりました。また、ヒアリングというような形で意見を聞いてまいりましたが、断片的にとらえてそういう話が出たか出ないかということについてはちょっとお答えしかねるわけでございますが、総体といたしましては、両方の団体ともこういう環境の問題については積極的に対応していかなければならないという結論と申しますか、そういう意見表明をしていただいたわけでございまして、私どもは協力を得られると判断いたしましてこういう法案の提出にこぎつけたわけでございます。
 トラック協会あるいは自動車工業会等がいろいろと意見を言って、有効であるべき、本来とるべき方策について環境庁が妥協して折れた、やめたといったようなことはありませんので、御理解をいただきたいと思います。
#258
○沓脱タケ子君 いや、何も妥協して折れたと私が思おうと思うまいと、客観的にそれがなくなっていっているんだからね。ヒアリングをしたか接触をしたかどうしたか知りませんが、発生源ですよ、相手は、公害から言うたら。発生源企業に対してヒアリングをやったり協力を求めて会ったりして、いろいろ文句を聞かされたから中間取りまとめまでまとめ上げられていたものを一つ一つ外してきたということになりますと、国民の側から言うたら、この大切な段階へ来てやっぱり企業寄りの対策しかようとれないのかと。これでは環境庁じゃ話にならぬじゃないかということを率直に感じるのはそこなんです。
 なぜかといいますと、私こんなことを言うつもりはなかったんですけれども、だって公害対策基本法はもう御承知のように経済との調和条項が外されて、「公害対策の総合的推進を図り、もって国民の健康を保護するとともに、生活環境を保全する」ということが目的の第一条なんですよ。「総量規制は物流など社会経済に与える影響が著しく、適切でない」とか経済の動きを中心に環境庁というのは対策を立てるべき筋合いにはなっていない。忘れぬようにしてほしいですね。
 そういう点では発生源寄りだ、企業寄りだというふうに見られてやむを得ないというふうな結果になったのは極めて残念だと思っていますが、御見解があればひとつ言ってください。
#259
○政府委員(入山文郎君) 先ほども申し上げたわけでございますが、そういう妥協をしたとか折れたとか後退をしたとかということは私どもないつもりでいるわけでございます。案としては、より効果的な実効の上がるものができたと思っているわけでございます。
#260
○沓脱タケ子君 それはそういうふうに言われたから折れたなんて国会で言ったらえらいことですから、それは言われまへん。仏その点は厳に覚悟を決めて取り組んでいただきたいと思うので、特別厳しく申し上げている。
 特にステッカーについて、「流入規制に警察庁が猛反対した。「監視の人手がない」という警察庁に、環境庁は「高速道路に監視機械を設置したら」と提案。しかし「環境庁がその予算を出せるのか」」などと言って反対をしたと報道されているんですが、警察はそんな生意気なことを言っているんですか。事実かどうか、ちょっと聞いておきたいんです。
#261
○政府委員(入山文郎君) ステッカー方式を採用いたしますと、やはりそれをチェックするということからすれば警察とも非常に関係が深いわけでございます。いろんな議論は内部的にもあったかと思いますが、このステッカー方式を最初は案として掲げながら採用しなかったことにつきましては、検討会内部で十分に議論をした結果、なかなか実効が上がりにくいという理由で採用しなかったものでございます。
#262
○沓脱タケ子君 いよいよ問題の核心の単体規制なんですが、中公審の答申によって出ている技術評価検討会の報告書を見ますと、車両の二・五トン未満については、開発中の二十五車種の中でクリアしているのはNOxで十二車種、PMで九車種、黒煙で十車種と、大体達成率五〇%ですね。それで車両の重量二・五トン以上は、同じく二十五種類のうちでそれぞれNOxでは八車種、PMでは十二、黒煙では九と、大体五〇%以下ですね。
 それで、このことについてちょっと聞こうと思ったんですけれども時間がないから具体的に聞きますが、環境庁が許容限度の設定目標値ということで短期目標を掲げておられますね。この短期目標の車種というのは大体平成四年ないし六年には開発、達成するというふうに聞いていますが、それは間違いありませんか。
#263
○政府委員(入山文郎君) 御指摘のとおりでございます。
#264
○沓脱タケ子君 そうしますと、六年にその短期目標がクリアできる車ができて、それを全部転換していくのに四年か五年か六年かかるということになりますと、この短期目標達成が大体一九九九年か二〇〇〇年がというところへいってしまうんですね。そんな勘定になりそうなんですが、平成六年といったら再来年でしょう。それから五年、六年といったらもう二〇〇〇年です。そんな勘定していていいんですか。
#265
○政府委員(入山文郎君) そのころには短期規制の効果が十分に浸透してくると思っております。
#266
○沓脱タケ子君 それで、長期目標の車はこの間参考人の方も今検討中だと言っていました。めどが立っていない。これはめどがやっぱり立っていないんですか。ちょっとそれだけ聞いておきます。
#267
○政府委員(入山文郎君) なかなか技術的にも難しい点がございまして、現時点ではめどが立ったとは言いがたい状況にございます。
#268
○沓脱タケ子君 それで、長官、本当に本腰を据えてほしいと思う。私は長い間公害関係に携わってきていますけれども、例えば五十一年規制を五十三年から実施しましたね。乗用車の五十一年規制のときだって、どんなにトヨタ自動車や日産や本田やマツダなんというのは抵抗を示したか。それでもあのときにはマスキー法の外圧もあったので、やっと二年おくれでも達成できたんです。あれを達成したから約九割クリアできたんでし。よう。今度は外圧ないんだな、残念ながら。
 それだけじゃないですよ、私の経験では。例えば一番最初の脱硫装置をつくるんだって、電力企業だって技術的には開発できていないとかできているとか言ってなかなか簡単じゃなかった。脱硫装置がやっとできた。今度は脱硝装置は、大変長い間、技術的にどうでこうでと言ってやらなかった。やっとできて総量規制が固定発生源に適用できるようになったんです。これは環境庁も御努力をされ、国民の非常に強い要求もあって、行動もあって、世論の支持もあってやっとそこへ来た。
 五十一年規制のときに、私はああなるほどなと。日本の科学技術の水準というのは随分高い。そこをクリアしたから日本の車は外国へ大きな顔して売れるんじゃないですか。どんどん売れるのもそういうのをクリアしたせいですね。だから、ディーゼルだって、いやできませんなんていうようなことを黙って見ているんではなしに、今日の日本の技術水準でいつできるかわからぬなんというふうなばかげたことを言わしちゃならぬと思う。
 だって、S分を含んでいる軽油に五年もリードタイムをくれというのは、アメリカは来年できるんですよ、〇・〇五。大体貿易黒字で困っているんだから、もう輸入したらどうですか、石油業界がごちゃごちゃ言うんなら。そのくらいの腹をくくってやらなければ、国民の健康を守るという環境庁本来の任務が守れないんだということをひとつしっかりとつかんでいただきたいと思うんですよ。これはさっきもどなたかがおっしゃっていたけれども、本当にできへんのかなという気がするんです。
 八六年の「いす々技報」を見ますと、こないに書いてあるんですよ。「DECSの成功により小型トラックとしては世界一厳しい加州規制に十分な余裕を持って適合可能なC223搭載KBDを商品化することができた」。これが輸出されていると言っている。これは長官はいやそれはガソリン車でしょうと先ほど御答弁になりましたけれども、一遍確認してみてください。これは「いす々技報」の八六年の「排ガス制御システムの開発」という欄に書いてあるんです。
 だから、石油業界がS分を〇・〇五にするのに五年もかかる、三千億も金出せというようなことをぬけぬけと言うんなら、アメリカができているんだったら買うたらよろしい。買う言うたら慌ててやりますよ。それはやっぱり国民の健康を守るためには最大限の努力をする、できる限りのあらゆる手段を尽くしてやるんだというかたい立場をお持ちいただかないと、いやそうは言っても難しいんやと。物流の関係もあるし何やらもあって難しいんや難しいんや言ってたら、これはいつまでたっても環境基準達成にこぎつけることはできないと思うんです。
 今東京都の都政モニターのアンケートでは、九七%の方々が早急な大気汚染対策をとってほしい。何らかの対策をとってほしいと九割以上の人にちが切望しています。大臣も東京都内のひどいところに住んでおられるとおっしゃいましたね。私はやっぱりそこだと。だから、私きょうは時間がないかもと思ってこの前のときに言うたんだけれども、どんなに排ガスが人体にひどい被害を及ぼすかということ、小学生がどういう状態になっているか、あるいは沿道の人たちが心配しておるかんの発生なども、NO2だけではないかもわからぬ。
 しかし、私ども空気を吸うのにNO2とPMとを分けて吸うというようなことはできへんのです。やっぱり一緒に吸うんです。それが一緒に人体に入れば、動物実験ではもう十匹のうち一割は肺がんになるという実験だって、こんなもの公式の学会で発表しているわけですね。それが幾つも出ているという状況だから、いや余りわからぬ、人体への被害はよくわからぬからというようなことでお逃げにならずに、そういう発表があればすぐにそのことをきちんと追求をし、そして国民の健康と生活環境を守るために、環境庁設置法と公害対策基本法の目的、これに立ち返って対応をお願いしなければならない。
 そうでなかったら、この法案をせっかくつくってもやっぱり底抜けになるのではないかということを私心配いたしますので、そういう立場で腹をくくって対応をお願い申し上げたいと思いますが、大臣のひとつ御見解、御決意のほどをお伺いしたいと思います。
#269
○国務大臣(中村正三郎君) 沓脱委員がおっしゃられましたとおり、私もあの当時ガソリン車の排気ガス規制からディーゼルのことから取り上げてやってまいりました。そして、確かにガソリン車は非常に厳しい規制を突破してまいりまして世界一されいなものになった。
 それで、当時を私思い起こしますと、あの時代はまだガソリン車というのはぜいたく品で悪者だ、だからガソリン車にはきつくという思想がなかったとは言えないと思うんです。それで、ディーゼルの方はどちらかというと商用車に使われるというので、今回じ三千CC以上のガソリン乗用車があれば、これは八万円の税金を取られるんですよ。ところがトラックだったら八千円しか取られないんですね。それは工場だったら同じような税金でいって、一たび走り出したらこういう税金の差があっていいのかというのを疑問に感じる人は少なくないと思うんですね。
 それから、排気ガスの規制にかかわる軽油とガソリンの税金の差にしても、こういう根本的なところを指摘されながら今までなかなか対応ができなかった。それにはやっぱり産業だとかバスだとかそういうところに使われるものは政策的に軽減してやるんだということがあったかもしれない。しかし、当時はディーゼルからこんな悪いガスが出てくるとはわからなかった時代もあった。だんだんわかってきたら、悪いものがこう出てきて今委員が御指摘になったように非常に深刻な状態になっている。
 私は長官になりましてから自動車業界の方たちを呼びましてお話をしまして、いろんなことで御理解いただきましてと言うから、私は理解なんか全然していませんということで対策をお願いしているわけであります。私は技術屋じゃないから申しわけないのですが、構造的にディーゼルの場合は非常に対策がやりにくいということなんですね。ですから、そういうことだったら、こういうことで総量規制をやって小さいものはガソリン車に買いかえていってもらいましょうということも必要だと思うんです。これは委員御指摘のことは全く同感でありますから、力いっぱい頑張ってまいりたいと思います。
 そして、これは総量規制だけではいけませんから単体規制をする。それのいろいろな力づける措置として税金の問題、また価格差の問題もきょうも随分取り上げていただいたわけですから、今通産省にもお願いしておりますが、あらゆる面から国民の健康を守るということで頑張ってまいりたいと思います。
#270
○沓脱タケ子君 それじゃ、終わります。
#271
○中村鋭一君 ただいま中村長官の誠実な答弁を伺っておりますと、もうお任せしておいたら大丈夫と。私質問をやめようかと思ったんですが、せっかくの機会でございますから重複を恐れずにお尋ねをさせていただきます。
 今回のこの措置法、朝来、委員方お尋ねでございますが、環境基準の達成は二〇〇〇年に可能かどうか。それは十分に可能なのか、本当に自信があるのか。それとも、ある種これは努力目標であるのか。その辺からお願いいたします。
#272
○国務大臣(中村正三郎君) やはりこの法律をつくり、すべてのいろいろな施策を講じましてこれを達成していかなければいけないということだと思います。そして、今までの時代よりか今地球の環境というのが非常に差し迫った重要課題になってまいりまして、世界的に世論も高まり、国民の意識も高まってきたという中で私は一生懸命努力をすれば達成できない数字ではないと思うわけであります。
 今申しましたこういう法律、またこの法律を強化するという時代も来るかもしれない。また、単体規制の技術開発もしてもらうかもしれない。税制のいろんなこともやるかもしれない。そういうことすべて人事を尽くしましてこの目標を達成していきたいということで努力をさせていただきたいと思います。
#273
○中村鋭一君 これは新聞報道でありますけれども、大阪府の試算によりますと、車種規制によるNOxの削減は、環境庁予測は上限二〇%なんですが、その半分以下の七%しか期待できない、こういう試算が出ております。また、東京都も七・九%とほぼ同様の予測でございます。自治体側はそう言っているわけですが、環境庁はこれに対してどのようにお答えになりますか。
#274
○政府委員(入山文郎君) 御指摘の報道のような自治体における車種規制の効果の試算は、車種規制について独自の仮定等を置いてなされたものでございまして、自治体においても今後車種規制の具体的内容が煮詰まったとこうでもう一遍計算をすることにしているように伺っております。
 私どもといたしましては、いつも申し上げておりますが、現段階でおおむね一割から二割削減できると思っておりますけれども、今後政令等車種規制の具体的な内容を固めた上でさらに詳細な見積もりをしていく必要があると思っております。その段階で自治体の予測の前提条件などとも十分なすり合わせをしてまいりたいと思っているわけでございます。
#275
○中村鋭一君 こういった調査というのは、この間参考人に来ていただいたときにも感じたんですが、あれはたしか日本弁護士連合会の試算だったと思うんですが、一番大きなディーゼルの場合はガソリン車のたしか九十何倍というようなデータが出ているんです。こういうパックデータのとり方は大変だろうと思うんですが、環境庁としてはこういったデータのとり方に一つの基準というものは設けていらっしゃるんですか。
#276
○政府委員(入山文郎君) 基準と申しますか、そのデータのとり方についての一般的な基準といったようなものは当然あるわけでございますが、この問題につきましては新しい問題が次から次へと出てきているわけでございまして、必ずしも一定の固まった基準というものがない、そういうデータもあるわけでございます。こういったことの積み重ねによりまして基準もそのうちにできるものもあろうかと思いますが、私どもといたしましては現在の技術で最善と思われる方法でやらせていただいているということでございます。
#277
○中村鋭一君 あいまいなデータのとり方をしますと、やはりお互いに自分にとって都合のいい数字をどうしても引用するということになります。まして環境庁が調べるような場合には、その数値にやはり客観的な現実性、説得力があるような、どこからつつかれてもちゃんと説明できるようなデータのとり方をひとつしていただきたい。そのことをお願い申し上げておきたいと思います。
 それから、今回のこの法案の中に国民は窒素酸化物の排出の抑制に努めるとしておりますが、現実に環境庁はどのようにこれをPRしたりあるいは周知徹底を図られるおつもりでございますか。
#278
○政府委員(入山文郎君) この自動車排出窒素酸化物の排出を抑制するためには国民一人一人の自覚と協力が不可欠であるという趣旨で、この法案にも御指摘の国民の責務規定といったものを設けたところでございまして、国民の皆様一人一人に自分の問題として自動車による大気汚染の現状を理解していただき、これを解決するにはどうしたらいいかということを考えていただくように呼びかけていくということは、これは極めて重要なことであると認識いたしております。
 これまでも、窒素酸化物による大気汚染が著しくなります十二月を中心とした大気汚染防止推進月間のキャンペーン行事の実施でありますとか、あるいは低公害車フェアでありますとか、さらにはまた、首都圏における水曜日交通量対策あるいは大阪市等のノーマイカーデーの実施といったようなことが行われているわけでございます。こういった実施の例も参考としながら、地方自治体とも連携をいたしまして国民の皆様へのPRと周知徹底をより強力に進めてまいりたいと思っております。
#279
○中村鋭一君 これも一つの理念規定だと思うんですが、責務規定としてこれは幾ら条文に書かれたってこんな法律を国民は絶対読みはしませんね。ですから、せっかくここで規定した法律であるならば、それはやっぱり国民が理解をすることが必要なわけでありますからわかりやすい言葉で、環境庁はそのために予算をおとりになっていろんな形でPRされるということは大変結構なことだと思いますから、その面で大いに国民にはそうしなければいけない義務や責任があるんだということをわかりやすく訴えてもらいたい、こう思うんです。
 今ふと思いついたと言えば語弊がありますが、環境庁はテレビコマーシャルなんかをやるための予算というのはお持ちだったですかね。
#280
○国務大臣(中村正三郎君) 今、委員御指摘の点は私も同じことを感じまして、あれはたしか総理府だったと思います。総理府の予算の中でうちの枠をとれということで今頑張っておりまして、こうしたNOxの問題また地球環境汚染のCO2の問題、こういったものに関するPRをやっていこうということで準備を進めているところでございます。
#281
○中村鋭一君 この間も逓信委員会で、私は郵政省の方をなかなか話がわかると褒めさせていただいたんです。大阪で今トミーズの雅というなかなか人気のある漫才師がおりますが、彼が簡保のコマーシャルをやっているんですね。大阪で人気のある漫才師が大阪弁で「簡保」、こう一声言っているわけです。そういうコマーシャルがどれだけ例えば関西地区の人への簡保のPRに役に立っているか、親しみを持っているかというようなことを考えますと、環境庁も、今大臣おっしゃいましたけれども、ひとつ予算をおとりいただいて大いにPRをしていただきたい。これからまた絶滅法の審議にも入りまして、ああいう法律ができたら、これもこういういい法律ができたということで国民の皆さんに協力してもらわなきゃいけませんから、お願いをしておきたいと思います。
 現実に不適合の車が出た場合、この取り締まりはどうするわけですか。これは既成の法律で間に合わせるんですか。警察に任せるんですか。
#282
○政府委員(入山文郎君) 事業者や国民の責務規定はそれ自体罰則等をもって強制するというものではございません。しかし、こうした責務を背景に、車種規制でございますとかあるいは自動車使用の合理化指導等具体的な義務に関する規定を設けてあるわけでございます。
 責務の内容といたして、窒素酸化物の排出が増加するような不正改造といったようなこと、そういったことは許されないというのはもちろんでございますけれども、こういったことは道路運送車両法等において当然処罰されるそういう対象になるわけでございます。それからまた、車検をもって車種規制を担保しているわけでございますが、車検を通らないような車の運転が許されないことはこれまた当然でございます。
 その罰則等について環境庁が直接やるのかどうかというふうなお尋ねかと思いますが、これはその法律の所管の省庁とも十分に相談をしながら適切に対処してまいりたいと思っております。
#283
○中村鋭一君 よろしくお願いいたします。
 この総量削減計画の策定に関して調査審議を行うため、関係機関、市町村から成る総量削減計画策定協議会を都道府県に置く、こうなっておりますが、これでいわゆる地域へのブレークダウン、これは十分に果たし得るとお考えですか。
#284
○政府委員(入山文郎君) 地域における地方公共団体の削減目標量を達成するためには、物流、人流、交通流といった各般の施策を盛り込んだ実効のある総量削減計画を策定、実施していく必要があるわけでござますが、このためには都道府県知事を中心といたしましてこういった問題に関係する機関がそれぞれ積極的に抑制方策を出し合って、そして効果的な計画の策定、実施に十分な努力を傾けていく必要があるわけでございます。
 このためこの法案におきましては、関係者から成る総量削減計画策定協議会を設けまして、総量削減計画の策定、推進体制を強化することとしたものでございまして、これによりまして都道府県知事のイニシアチブのもとに実効性のある計画の策定、そして推進が可能になるものと私どもは思っております。
#285
○中村鋭一君 環境庁の検討会のファイナルレポートで挙げております自治体が事業者と荷主に排出抑制計画をつくらせる、こういう方策が今回法案からは消えているわけですが、これは何で消えたんですか。
#286
○政府委員(入山文郎君) 検討会の最終報告では、環境庁内部の検討会の報告ということもございまして、環境庁の権限あるいは所掌事務の範囲で制度を考えざるを得なかったということがございます。いささか間接的な感はあるものの、都道府県知事が個別事業者に対して窒素酸化物抑制に関する計画の提出を求める等の仕組みを提言していたわけでございます。
 これに対しまして、その後御指摘のように事業者指導の仕組みとなったわけでございますが、これは、関係各省との法案の調整を通じまして、事業所管大臣の協力を得ることによってさらに効果的な制度とすることができたというように私どもは考えているわけでございます。
 具体的には、この自動車使用の合理化を効果的かつ円滑に進めていくためには、個別の事業者の努力に加えまして、物流施設の適正配置等のイフラ整備でございますとかあるいは合理化の支援策等をあわせて講じていくとともに、中小事業者をも含めて業界全体を通じた指導による対応を図る必要があるといったことから、各事業を所管する大臣がこれらの観点を踏まえて指針の策定それから指導等を行うことによりまして効果的に推進されると思っております。
#287
○中村鋭一君 この環境庁が目指した具体的な総量規制方式、環境庁はそれをずっと言っておられたというんですか努力をしておられた。しかし、今回車種規制、これだけではなかなか達成が難しいだろうとは思うんですが、これもなぜもっと強力な案にできなかったんですかね。
#288
○政府委員(入山文郎君) 総量規制方式とおっしゃいますのは、工場、事業場ごとの排出ガス量を割り当てるといった方式のことを指しておられると存じます。
 この方式につきましては、工場、事業場ごとに排出量を仮に割り当てたといたしましても、自動車からの排出に関してとり得る措置というのは、結局のところ私どもこのたびの法案にも盛り込みました車種の代替とほぼ同じようなことになろうかと思います。それから自動車使用の合理化といったようなことに限られるわけでございまして、それ以上の削減を求めるということは現実の問題としては困難であるということがございます。
 例えばそういったことをいわゆる総量規制力古で行おうといたしますと、まず対象を一定規模以上の事業者に限らざるを得ないということが一つ。それから大規模な工場、事業場と申しましても、委託輸送や取引先による輸送などみずから支配し切れないような発着自動車というものがたくさんあるだろうということがございます。こういうことで、効果的な制度として取り上げていくにはいろんな問題点があるということでございます。こういったことから検討会の最終報告では、総量規制方式によるのではなくて車種の代替とそれから自動車使用の合理化、この二つの方策をそれぞれ直接に進めることが効果的なものと判断したということがあるわけでございます。
 環境基準の達成のためには、車種規制だけではなくて、物流、人流、交通流の各般にわたる総合的な対策の推進を図るということが必要であると私どもも考えております。そのため、この法案におきましては、これらの対策の効果的な推進を図るために総量削減基本方針、それから総量削減計画、この枠組みが設けられておりまして、これによって国、地方を通じて関係の機関が一体となって充実した対策を推進してまいりたい、このように考えているわけでございます。
#289
○中村鋭一君 この一体となってという中で先ほどノーカーデーのことをおっしゃいましたが、昨年十一月からことし一月までの首都圏で実施された調査によりますと、このノーカーデーに疑問が提出されているんですね。
 このノーカーデーの試みについて、首都圏の各都市のNO2の濃度は〇・〇三七PPMで前年の〇・〇三六PPMから逆に微増した、こういう報告があるわけです。さらにまた、このノーカーデーに具体的に協力をしたとアンケートに答えたものは全体の事業所のわずか八・九%であった、こういう調査結果が出ているんですが、これをどのようにお考えになりますか。
#290
○政府委員(入山文郎君) 冬の季節には気象条件等によりまして窒素酸化物による大気汚染状況が悪化するわけでございますが、そういったことかい、こう思います。
 ありがとうございました。
#291
○山田勇君 同僚の西野委員並びに中村委員の方からノー・マイカーデーの話が出ておりましたが、局長は高くノーマイカーデーを環境という立場から評価していただいております。そういう中で大阪府知事が聞いたら涙を流さんばかりの評価をしていただいているわけです。
 その実施効果というのは先ほど来出ておりますが、いみじくもきょう二十日はノーマイカーデーでございます。そこで、大阪府は思い切ってきょう大阪千里からミナミまで行きます大幹線道路であります新御堂筋を一車線閉鎖しました。これは一石二鳥で、工事を兼ねて通勤時間帯の八時三十分ぐらいまで思い切って道路を一車線閉めだということです。私はどの程度のカーが規制されたかその辺まだ報告を受けておりませんが、これは最初は大気汚染というものよりむしろ駐車問題からノーマイカーデーをつくっていったと思うんです。
 御承知のとおり、東京圏でございますと通勤交通網の発達があります。距離的に長いものですから大量交通輸送手段を持っている。大阪の場合はわりかた都心に近いところからマイカーで入ってきます。マイカーで入ってきて、マイカーを不法駐車して事業所の営業車に乗っていくものですから、もう市内は車だらけということからひとつ車を規制しよう、不法駐車をなくそう、それと大気汚染というものもお考えになった。
 それで、きのう大阪を出てくるときに大阪府に申し上げました。きょうやります規制がどのくらい効いたのか、どのくらいの車が大阪市内で規制されたのか。それによって、各監視地域のデータが上がってくるものですから、少しでも大気の汚染濃度が低くなっておればそれだけ効果があったということです。しかし、この問題はきのうもテレビで取り上げて、私も知事の代弁者みたいなもので、これはする必要があるんだということをテレビでもやってまいりましたけれども、大阪府民にすれば何をするのやというような立場で、通勤時間帯に一車線閉めるというようなことはどうや、日曜日に工事やったらどうやと、ぼんぼん電話がかかってまいりました。
 しかし、これはこれとして、そういう思い切った手段をもってやらなければならないということでございます。ここ二、三日中に大阪府のきょうの大気汚染の濃度が出て報告も来ると思うので、また機会がありましたら長官にも御報告をさせていただきたいと思います。
 そこで、この法案についてお伺いをいたしますが、我が国として現在世界的に地球環境問題がクローズアップされている中で、先進国は大量生産、大量消費、大量廃棄に基づく経済成長至上主義から脱却をし、経済社会活動の中に環境保全コストを織り込む必要があるといった指摘も中央公害対策審議会などからあるわけでございますが、今後中成長の経済発展を維持するためにはどのような環境対策が望ましいか、環境庁としての基本的なお考えをお聞かせ願いたいと思います。
#292
○国務大臣(中村正三郎君) 環境政策を進めていきます上で今委員御指摘のような大きな問題としてとらえていくということになると、国際的に共通な認識として持続可能な開発、サステーナブルディベロプメントというのが、これが地球サミットでも一つの命題になっております。環境の保全が長期的に見た健全な経済活動の基盤として不可欠であるという認識に基づくものでございます。こうした考え方を踏まえて、今後とも積極的に環境保全を進め、その上での経済発展ということを考えていかなければいけないと思います。
 今の御指摘のように、環境保全のコストをどう負担していくかということでありますけれども、これはまだこれから未知の分野に入っていく問題だと思います。持続可能な開発ということで、経済成長をしながら、なおかつ地球を安全に保って後世代に贈っていこうということで今やっているわけでありますけれども、それがどうしたらできるのか。できないのかどうか。そういうことに突き当たって、地球サミットというようなことを行いまして全世界のコンセンサスを得ていこうということだと思います。
 コスト負担をどうするか、こういう身近な問題になりますと、それは今ヨーロッパが考えておりますように、汚染を出す炭素には税金をかけるとかいうCO抑制的な問題もございましょう。それから、各種のいろんな工場でもって手当てをすると、その製品が高くなるなり工場の収益率が下がる。そういったものがひいては国民の負担になっていくんだというような負担もございましょう。
 こういうことをいろいろ考えますと、まさに持続可能な開発という考え方に立ったこれからの経済のやり方を今から勉強して、それを突破していかないと人類の永続的な地球での安全な生活はないという時代に入ってきたと思いますので、これからいろいろ勉強してまいりたいと思っております。
#293
○山田勇君 コストの問題は本当に難しゅうございます。私も先日ある大学の経済学部の先生とお話をさせてもらったら、今までどおりのコストの出し方、減価償却のあり方とかいうのは非常に出しにくいということでございます。企業責任という形の中で多少はコストの中にそれを含んで消費者にも理解をしてもらうという立場をとっていかなければ、これからのコストの算定も難しいというようなことを聞いてまいりました。
 次に、環境問題を考える場合、これを解決するためには単に法的な規制だけではなく、国、自治体、事業者、個人を問わず国民一人一人の理解と協力が不可欠であると考えます。
 最近行われたある調査、これは電通が環境問題への取り組みを男女一千人に聞いたデータでありますが、環境問題に関心は高いが具体的な行動になるとごく身近な範囲、いわゆる空き缶のリサイクルだとか、ごみをなるべく出さないだとか、洗剤などの詰めかえを活用するなど地域の活動への参加といった組織立った活動には控え目で、積極的ではない結果が報告をされております。
 環境庁として、今後国民の意識改革と申しますか、先ほど来同僚議員が申しております啓蒙運動と申しますか、この点にどう取り組んでいくのか。重複した質問になりますが、お答えをいただきたいと思います。
#294
○国務大臣(中村正三郎君) 今、委員御指摘の空き缶のリサイクルや洗剤の詰めかえだとかいろいろなことが身近にあると思いますが、私はそれはそれで大切なことだと思います。
 この間私新聞で、環境対策というのは大切だということ、それはどこがやるんだというようなアンケートをちょっと見た記憶があるんです。完全に確かな記憶じゃありませんが、その中で、やっぱり環境保全ということは大切だというんですが、風民の一般的な意識は、それをだれがやるんですかというと、それは政府がやることだ、行政自体がやることだろうというような感覚がどうしてもあろうかと思います。しかしながら、それだけではできない問題。それから今のディーゼルのことでいろいろ言っても、国民の御理解が得られなきゃできない問題があるわけでありますから、まず身近な生活の中で始めるということは重要なことだと思います。
 環境全体に対するPR、中村先生からも御指摘がありましたけれども、また教育を通じてのPRと申しますか啓蒙と申しますか、こんなことについても文部大臣にお願いをしておりますけれども、やはり国民の意識を変えていただかなければいけない時代になっていると思いますので、あらゆるところで環境に関心を持っていただき、その対策にも積極的にみんなで参加していくのだというような時代にしていきたいものだと考えております。
#295
○山田勇君 我が国のNOxによる大気汚染度は世界的に見てどのくらいのレベルにあるのか。また人体への影響はどの程度あるのか。さらに、世界でも例を見ない車種規制によるディーゼル車対策を必要とする背景について、できましたら御説明を願いたいと思います。
#296
○政府委員(入山文郎君) 我が国NOxによる大気汚染の状況でございますが、これはOECDの資料によりますと、東京、川崎等の大都市はロサンゼルス、ニューヨーク、ロンドンよりは低いが、他の西欧諸国あるいはまたカナダ等の都市よりは高いという状況でございます。
 現在のNOx汚染によってどのような健康影響がどのくらいあらわれているかということ、これは残念ながら明確にすることはできないわけでございます。しかし、昨年の十二月に発表いたしました調査でも、二酸化窒素の環境基準を達成していない地域は達成している地域と比較をいたしますと新規発症率が高い傾向にあり、大気汚染とぜんそく様症状とが何らかの関係を有している可能性は否定できないという結果になっております。
 それからもう一点でございますが、東京、神奈川、大阪等の大都市地域はNO2についての環境基準の達成率が低くて、依然大気汚染が深刻な状況にあるわけでございます。早急に環境基準を確保すべき対策を講じていく必要があるわけでございますが、大都市地域におけるNOx汚染の主たる原因は、これは自動車、特にディーゼル車からの排気ガスによるものでございます。これらに対する抜本的な対策の実施が不可欠であるということで、世界にも例を見ない車種規制によるディーゼル車対策を必要としているというふうに思っておるわけでございます。
#297
○山田勇君 環境問題に対応するためには莫大な開発費や設備投資を必要とします。したがって、環境対策を促進するためには、単に自動車産業の自主性や主体的な取り組みにゆだねるだけではなく、国としての環境づくりを行うべきではないかと思います。例えば国家レベルの共同開発の推進、また環境対策に対する税制優遇措置、低利融資等助成措置を考えるべきだと思いますが、その点いかがでしょうか。
#298
○政府委員(入山文郎君) 自動車排出ガス規制などに必要となる技術開発につきましては、我が国の自動車業界が世界的な産業であり、また十分な技術開発力を有しているということ、それから環境負担のできる限り少ない自動車を供給する社会的な責務を本来有していると考えられることから、今後とも、第一義的には自動車メーカー相互の技術開発競争を通じた自主努力により、適切に進められていくべき問題であると認識をいたしております。
 しかしながら、政府といたしましても、自動車業界の自主努力を側面的に支援するとともに、環境規制の円滑かつ的確な実施を図るために、一つは国立研究機関などにおいて基礎的、支援的な技術研究を進めているわけでございます。それからまた、税制優遇措置につきましても、最新規制適合車の開発普及、低公害車の開発普及、それからディーゼル燃料である軽油の低硫黄化などを促進するためいろんな措置を講じているわけでございます。それからさらに、低利の融資につきましても最新規制適合車の購入資金に対して実施をしているところでございます。
 環境庁といたしましては、今後とも自動車メーカー各社の環境対策技術に関する技術評価を行うことによりまして自動車産業の競争原理に基づく自主開発努力を促進しながら、あわせて適切な行政上の支援対策を講ずることによりまして自動車環境対策の着実な推進を図ってまいりたいと思っております。
#299
○山田勇君 二点お尋ねしまして、私の質問を終わります。
 対策を講ずるべき地域の指定に関連してお伺いをいたします。
 自動車は都道府県の範囲を越えて広く移動するものであり、地域指定ということは本来なじみにくいんではないでしょうか。指定地域と実効車両の関係をどのように担保していくのかお聞かせを願いたい。これが第一点。
 次に、第二点目は都道府県知事の総量削減計画作成に関連してお尋ねをしておきます。計画作成を都道府県ごとにゆだねることによって規制値にばらつきが出ることも予想されますが、計画作成り際のガイドラインになる総量削減基本方針策定り考え方、また具体的な基準について御説明を伺いまして、私の質問を終わります。
#300
○政府委員(入山文郎君) 第一の点についてお答えを申し上げます。
 自動車から排出される窒素酸化物による大気汚染は、大都市等の特定の地域でまず環境基準の達帆を図るべき問題でございまして、その意味で地以的な課題でございます。自動車は広域的に移動するものではございますが、特定地域の問題の軽減のために走行の可能性のある全国の自動車を規制等の対象にすることは行き過ぎではないかと思っております。
 一方、特定地域内に使用の本拠を有する自動車はその地域内を走行する蓋然性が非常に高いということがございます。そしてまた、地域内の大気汚染への寄与も大きいと思われるわけでございます。データ的に見ましても、地域内の自動車交通に占める地域内に使用の本拠を定めて登録している車両の割合が約八割という高い率になっているわけでございます。したがいまして、地域のNOx削減の観点からも地域内に使用の本拠を置く自動車に対する実効のある規制が重要であると思っているところでございます。
 第二点でございますが、自動車の排出する窒素酸化物による大気汚染の改善を図るためには、自動車単体規制を初めといたしまして低公害車の普及拡大、物流の合理化の推進など、物流、人流、交通流等の各般にわたる施策を窒素酸化物対策の観点から総合的、計画的に推進していく必要があるわけでございます。このためにこの法案におきましては、特定地域においてこれら関係各省庁の所管にわたる各般の施策を総合的かつ円滑に推進するために、施策の全体像を取りまとめた総量削減基本方針といったものを策定することにしているわけでございます。
 この総量削減計画でございますが、この基本方針に基づいて策定すべきものとされているわけでございまして、地域によっては大きな違いが出ることがないものと考えておりますが、環境庁といたしましては総量削減計画の承認に当たって、基本方針に基づいて各地域に応じて適切な内容の計画が策定されるよう必要な助言、指導等を行っていきたいと思っております。
 また、基本方針には、二〇〇〇年において環境基準のおおむねの達成を図ることなど総量の削減に関する目標、総量の削減のための施策に関する基本的な事項等を定めることとしております。そして、今後関係の省庁と協議をするとともに、関係地方公共団体の意見も聞きながらその内容を具体化してまいる所存でございます。
 以上でございます。
#301
○山田勇君 ありがとうございました。
#302
○委員長(渕上貞雄君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 本案の修正について沓脱タケ子君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。沓脱君。
#303
○沓脱タケ子君 私は、本案に対し、日本共産党を代表いたしまして修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。
 これより、修正の要旨を申し上げます。
 窒素酸化物による大気汚染は、特に東京、神奈川、大阪の総量規制三地域とその周辺では深刻なものとなっており、国や関係地方自治体の種々の苦心の対策にもかかわらず改善の兆しか見えず、法律による新たな対策は緊急の課題となっております。一九七八年に、政府は、二酸化窒素に係る環境基準を大幅に緩和し、その際に公約した達成期限である一九八五年に至ってもその基準を達成することができず、以来、環境庁も窒素酸化物対策に腐心し、各種の施策を進めておりました。
 その中でも、一九九〇年十一月には窒素酸化物自動車排出総量抑制方策検討会が「総量抑制方策の在り方について(中間取りまとめ)」を公表しております。この中間取りまとめでは、自動車排出ガスの総量抑制方策について、@固定発生源に対する総量規制と同様に、規制地域内の工場、事業場ごとに自動車排出ガスの許容限度を割り当てる工場、事業場に係る自動車排出ガスの総量規制、A規制地域内を使用の本拠とする自動車について、窒素酸化物の排出量の大きい自動車の使用を規制し、より低公害な車種への代替促進をさせる自動車使用車種規制、B一定の基準に適合した自動車のみに規制地域内の走行を認めるステッカー方式による走行規制、以上の三つの具体策が提示されておりました。
 この中間取りまとめの三つの具体的方策は、関係の自治体や住民などからその実効性が期待されていましたが、今回のこの法案では自動車使用車種規制のみが採用され、工場、事業場に係る自動車排出ガスの総量規制とステッカー方式による走行規制が採用されておりません。
 環境庁は、この法案の施行により、従来の対策の充実強化とともに、全体として効果を発揮していくことによって二〇〇〇年までにはおおむね環境基準の達成が可能としております。
 しかし、東京、神奈川の規制地域で見ると、窒素酸化物排出量を達成目標年で三〇ないし四〇%削減することが必要とされ、その要削減量のうち一〇ないし二〇%を本法案の自動車使用車種規制で見込み、また数%を物流の合理化などに期待し、さらに数%ないし一〇%程度の削減効果を低公害車の普及で見込んでいるとしておりますが、前述の工場、事業場に係る自動車排出ガスの総量規制とステッカー方式による走行規制が除外されているもとでは、環境基準達成の確たる保障はないものに等しいと言わざるを得ません。一刻も早く汚染状況を改善するため、実施可能な方策としてまとめられた中間取りまとめの三式を総合的に導入すべきであります。
 修正案の主な内容は次のとおりであります。
 第一に、特定事業所に係る自動車排出窒素酸化物の総量規制についてであります。
 すなわち、原案の総量削減基本方針及び総量削減計画の後に「特定事業所に係る自動車排出窒素酸化物の総量規制」を行う新たな節を設け、「都道府県知事は、特定事業所総量削減計画を作成し、特定事業所に係る自動車排出窒素酸化物総量規制基準を定めること」及び「都道府県知事は、指定自動車の台数の削減、運行の方法などを勧告、改善命令することができること」等を加え、地方自治体の権限を強化することにより総量規制の実効化を図るものです。
 第二に、ステッカー方式による運行規制についてであります。
 すなわち、原案の「特定自動車排出基準」の後に「指定地域における指定自動車の運行規制の措置」を行う新たな節を設け、「内閣総理大臣は、指定地域を指定し、指定地域排出基準を定めること」、「指定自動車は、指定地域内においては、指定地域排出基準に適合したものでなければ運行の用に供してはならないこと」及び「都道府県知事は、指定地域排出基準に適合する自動車の使用者からの申請に基づき、その旨の標識を交付すること」等を加え、指定地域に流入する自動車から排出される窒素酸化物を削減するものです。
 その他、経過措置、罰則等について所要の規定を設けることといたしております。
 以上が修正案の趣旨と内容であります。
 委員の皆様方の御賛同をお願いし、趣旨説明を終わります。
#304
○委員長(渕上貞雄君) これより原案並びに修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法案について採決に入ります。
 まず、沓脱君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#305
○委員長(渕上貞雄君) 少数と認めます。よって、沓脱君提出の修正案は否決されました。
 それでは次に、原案全部の採決を行います。本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#306
○委員長(渕上貞雄君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、西岡瑠璃子君から発言を求められておりますので、これを許します。西岡君。
#307
○西岡瑠璃子君 私は、ただいま可決されました自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 以下、案文を朗読いたします。
    自動車から排出される窒素酸化物の特定
    地域における総量の削減等に関する特別
    措置法案に対する附帯決議(案)
  窒素酸化物による大気汚染については、二酸
 化窒素に係る環境基準の達成期限とされた昭和
 六十年から六年余も経た現在においても、大都
 市地域を中心として改善が大幅に遅れ、依然と
 して深刻な状況にある。かかる状況に対する国
 の責任は極めて重大であることにかんがみ、政
 府は、本法の施行に当たり、次の事項につき適
 切な措置を講ずべきである。
 一 自動車交通量の増加・ディーゼル化の進展
  による大気汚染状況を改善するため、自動車
  交通量抑制対策その他の総合的な交通政策を
  強力に推進すること。
 二 特定地域の大気汚染の改善に資するため、
  特定地域外のディーゼル車についても最新規
  制適合車への代替の促進を図るなど、実効性
  のある方策を検討すること。
 三 自動車排出ガス規制に係る「長期目標」の
  早期実現に努めること。
 四 本法による窒素酸化物削減効果の予測につ
  いて一層科学的に精査するとともに、本法に
  基づく施策を含め、遅くとも二〇〇〇年まで
  には環境基準が達成されるよう、最大限の努
  力を行うこと。
 五 電気自動車等の低公害車の実用性の向上に
  全力を挙げるとともに、その普及の促進を図
  るための制度を確立し、また、自動車の低公
  害化や燃料の費用について環境保全上の見地
  を加味した公平な負担を図ること。
 六 国及び地方公共団体は、率先して、電気自
  動車等の低公害車の導入に努めること。
 七 事業所管大臣は、本法に基づく事業者に対
  する指導等を行うに当たっては、これまでの
  地方公共団体における交通公害対策の実績を
  踏まえて、都道府県知事の求めに応じた環境
  庁長官の要請事項の確実な実施に努めるこ
  と。
 八 大気汚染健康影響継続観察調査結果におい
  て、二酸化窒素濃度が高い地区では喘息様症
  状の新規発症率が高率になる傾向が見られた
  ことを踏まえ、窒素酸化物と疾病との関連性
  について引き続き調査に努めること。
 九 道路の建設に関する環境影響評価について
  は、予測交通量をもとに行われた大気汚染、
  騒音等の予測・評価の結果が建設中及び供用
  後においても確実に維持されるよう、その
  フォローアップに努めること。
 十 二酸化窒素に係る環境基準の早期達成を実
  現するため、環境に配慮した自動車利用のあ
  り方について、自動車の製造業者、運送業者
  等を含めた国民的コンセンサスを得るための
  方策を確立すること。
  右決議する。
 以上でございます。
#308
○委員長(渕上貞雄君) ただいま西岡君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#309
○委員長(渕上貞雄君) 全会一致と認めます。よって、西岡君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、中村環境庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。中村環境庁長官。
#310
○国務大臣(中村正三郎君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして努力いたす所存でございます。
#311
○委員長(渕上貞雄君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#312
○委員長(渕上貞雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#313
○委員長(渕上貞雄君) 次に、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。中村環境庁長官。
#314
○国務大臣(中村正三郎君) ただいま議題となりました絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 野生動植物は、人類の生存基盤である生態系を構成する基本的な要素であるとともに、人間生活にさまざまな恵みをもたらすものであり、絶滅のおそれのある種の保存は喫緊の課題であります。
 現行制度においても、すぐれた景観や自然環境を有する地域の保護を目的とする自然公園法や自然環境保全法のほか、鳥獣の保護及び狩猟の適正化を目的とする鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律がありますが、これらは、絶滅の危機に直面する野生動植物の種の保存をその直接の目的とする制度とはなっておりません。また、ワシントン条約や幾つかの二カ国間の条約等により国際的に保護することとされている本邦内外の動植物については、絶滅のおそれのある野生動植物の譲渡の規制等に関する法律及び特殊鳥類の譲渡等の規制に関する法律により本邦内での譲渡等の規制を行っておりますが、これらは国内の動植物の種の全体に及ぶ制度とはなっておりません。本法律案は、こうした状況を踏まえ、本邦及び本邦以外の地域における絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存を図る体系的な制度を整備するものであり、種の保存を通して良好な自然環境を保全し、もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものであります。
 次に、法律案の主要事項について、その概略を御説明申し上げます。
 第一に、種の保存に関して国、地方公共団体及び国民の責務を定めるとともに、希少野生動植物種保存基本方針を閣議決定をもって策定することとしております。また、絶滅のおそれのある野生動植物の種のうち、本邦に生息するものを国内希少野生動植物種、ワシントン条約等により国際的に保存することとされている種を国際希少野生動植物種として指定することとしております。
 第二に、希少野生動植物種の個体の捕獲、譲渡、輸出入、陳列等は、学術研究などやむを得ない場合等を除き、原則として禁止することとしております。ただし、国内希少野生動植物種のうち商業的に繁殖させることができる種については、特定国内希少野生動植物種に指定して、その個体の譲渡等の事業を届け出制にすることとしております。また、国際希少野生動植物種については、現行の絶滅のおそれのある野生動植物の譲渡の規制等に関する法律から引き継いで、個体の登録制度を設けることとしております。
 第三に、国内希少野生動植物種の個体の重要な生息地については、生息地等保護区として指定し、工作物の設置、土地の形質の変更等の改変行為を許可制または届け出制とし、これを保護することとしております。
 第四に、国内希少野生動植物種については、その個体をふやすための積極的な事業として、保護増殖事業計画を定めて、保護増殖事業を推進することとしております。
 このほか、定期的な調査、希少野生動植物種保存取締官、希少野生動植物種保存推進員、罰則等に関し所要の規定を設けることとしております。また、この法律の制定に伴い、絶滅のおそれのある野生動植物の譲渡の規制等に関する法律及び特殊鳥類の譲渡等の規制に関する法律は廃止することとしております。
 なお、この法律案につきましては、基本方針の策定及び希少野生動植物種の指定に必要な規定は公布の日から、その他の規定は平成五年四月一日から施行することとしております。
 以上が本法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#315
○委員長(渕上貞雄君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時五十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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