くにさくロゴ
1992/04/15 第123回国会 参議院 参議院会議録情報 第123回国会 国民生活に関する調査会 第2号
姉妹サイト
 
1992/04/15 第123回国会 参議院

参議院会議録情報 第123回国会 国民生活に関する調査会 第2号

#1
第123回国会 国民生活に関する調査会 第2号
平成四年四月十五日(水曜日)
   午後一時二分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    会 長         遠藤  要君
    理 事
                清水嘉与子君
                及川 一夫君
                刈田 貞子君
                近藤 忠孝君
                乾  晴美君
                寺崎 昭久君
    委 員
                大塚清次郎君
                鎌田 要人君
                関根 則之君
                野村 五男君
                宮崎 秀樹君
               日下部禧代子君
                谷畑  孝君
                堀  利和君
                前畑 幸子君
                村田 誠醇君
                池田  治君
                西川  潔君
   事務局側
       第二特別調査室  宅間 圭輔君
       長
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国民生活に関する調査
 (派遣委員の報告)
 (内外価格差問題に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○会長(遠藤要君) ただいまから国民生活に関する調査会を開会いたします。
 国民生活に関する調査を議題といたします。
 まず、先般本調査会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。清水嘉与子君。
#3
○清水嘉与子君 御報告申し上げます。
 去る二月十七日から十九日までの三日間にわたって、大島理事、近藤理事、寺崎理事、谷畑委員、三重野委員、池田委員と私、清水の七名は、国民生活に関する調査会の委員派遣として愛媛県及び広島県に出向き、産業の動向、流通構造、社会資本整備等国民生活に関する諸問題について実情調査をしてまいりました。
 以下、その概要について御報告申し上げます。
 まず、愛媛県であります。同県は変化に富む多様な地形を持っており、また東西が二百四十キロメートルと南北の三倍もある等の地勢上の制約が、行財政の運営にもさまざまな影響を与えているとのことであります。
 現在同県においては、県都松山への一極集中の実態にかんがみ、県内における分散及び立ちおくれた地域に対する十分な財政投資、県内における交通基盤整備、松山から高松、高知、徳島への時間距離の短縮、近隣の各県が広域的に連帯、発展していくための西瀬戸経済圏の形成等が課題として挙げられております。
 県民経済、産業の概況でありますが、愛媛経済はおおむね全国の一−二%の範囲にありますが、県民所得、賃金水準は全国平均より低い水準にとどまっております。
 農業については、果実、畜産、米の三部門に特化しておりますが、特にミカンの生産量は全国一を誇っており、現在かんきつ類の自由化に対応するため、高品質品種の生産、流通の合理化等に力を注いでいるとのことであります。なお、昨年の第十九号台風により農作物に甚大お被害を受けております。次に、林業については過疎化、高齢化に伴って後継者不足が課題となっております。さらに水産業は、漁業生産額で全国第三位を占めており、今後生産調整や加工技術の研究が課題となっているとのことであります。
 なお同県から派遣団に対して、第二国土軸構想の推進、本州四国連絡道路西瀬戸自動車道の建設促進、国土開発幹線自動車道等の建設促進、食糧管理制度の堅持及び米の市場開放阻止及び自由化に対応した果樹、畜産農業の振興対策の五項目について要望がありました。
 次に、愛媛県における視察地について申し上げます。
 まず、愛媛県農業試験場を視察いたしました。同試験場は、明治三十三年に創設されて以来九十余年の歴史を持っておりますが、昨年暮れに現在の北条市に全面移転したもので、単独の試験場では西日本屈指のものであります。現在、バイオテクノロジー部門を強化するとともに、低コスト高品質作物の開発、減農薬、有機栽培の研究にも力を入れ、また県民に開かれた試験場として開放実験室の拡充に努めているとのことであります。視察団は、説明会の後、各実験室、試験温室等を見てまいりました。
 次に、愛媛県青果農業協同組合連合会を訪問いたしました。同連合会は、八農業協同組合組合員約四万人から成り、果樹の生産、営農の指導、青果の流通、出荷、販売のあっせん、ジュースの製造販売等を行っており、愛媛ミカンとポンジュースで全国的に知られております。同連合会では説明を受け懇談した後、松山工場を視察しジュースの製造過程をつぶさに見てまいりました。同連合会は、本年四月からの果汁の自由化に備えて、高品質化、鮮度の保持、コストの低減、販売力の強化等に取り組んでいるとのことであります。
 次に、広島県について申し上げます。同県は中国ブロックの中心として行政、経済機能が集積し、空港、道路等高速交通の拠点ともなっております。今後広島市の中枢機能の強化、中核都市の育成及び過疎地域の人口定着によって県全体の発展を図ってまいりたいとしております。
 また同県は、工業出荷額が全国第十位と西日本有数の工業県であり、自動車、鉄鋼、一般機械、造船等幅広い高度技術が集積しておりますが、一方では重厚長大産業からの転換が要請されているとのことであります。
 現在の課題としては、平成六年の第十二回アジア競技大会の開催を契機とした国際交流の活発化及び基盤整備、国際協力を推進するための国際協力センターの整備、平成五年末の新広島空港の開港に向けての整備と国際空港化の推進等が挙げられております。
 同県から派遣団に対しましては、第十二回アジア大会の開催に伴う運営資金の確保への配慮、公共投資基本計画における事業の重点配分及び中山間地域の活性化方策の推進の三項目について要望がありました。
 次に、広島県における主な視察地について申し上げます。
 最初に、派遣団は宮島町を視察いたしました。同町は、昨年九月の第十九号台風の強風、高潮によりまして、枕崎台風以来と言われる大きな被害を受けました。特に厳島神社においては、被害額は七億二千万円に達しております。能舞台は全壊し、ほかの部分も至るところに倒壊、床板のめくれ等の跡も生々しく残っており、自然災害のすさまじさを目の当たりにいたしました。速やかな復旧が望まれるところであります。
 次に、広島広域公園であります。同公園は、広
島市が二十一世紀を目指して町づくりを進めている広島西部丘陵都市の中心に設置され、広島都市圏に暮らすすべての人にとって憩いの場になるよう整備を進めているものであります。面積は約六十ヘクタール、アジア競技大会の主会場ともなるもので、五万人収容の陸上競技場や二つの球技場などの建設が急ピッチで進んでおりました。
 次に、広島大学を視察いたしました。同大学は、現在東広島市の西条キャンパスヘの統合移転を進めており、平成六年末には当面予定されたすべての移転を完了し、一大学園都市が誕生することになっております。統合移転のメリットとしては、カリキュラムの有機的結合、学生を含めた研究者の協同、交流、広々として緑が豊かな環境等が挙げられております。大学側からは、研究機器の不足から設備費の増額が必要であること、また研究機関の整備が必要であるとの指摘がなされました。
 次に、広島中央サイエンスパークの造成地を車中から視察いたしました。この研究団地には、国税庁醸造試験場、テクノプラザ等の立地が決まっており三月には土地造成が完了する予定であります。
 以上で視察を終了いたしましたが、今回の派遣で寄せられました要望等につきましては、今後の調査の中で十分参考にしてまいりたいと考えております。
 最後に、今回の派遣に当たりましては、愛媛、広島両県並びに関係各方面から多大な御協力をいただきましたことに対し、厚く御礼申し上げまして報告を終わります。
 ありがとうございました。
#4
○会長(遠藤要君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#5
○会長(遠藤要君) 次に、内外価格差問題に関する件について意見表明を行います。
 本調査会は、これまで三年間内外価格差問題をテーマに調査を進めてまいりましたが、このたび最終報告書を取りまとめるに当たり、本日は、これまでの調査を踏まえ、内外価格差問題、土地住宅対策について委員各位の御意見を伺いたいと存じます。
 御意見のある方は順次御発言願います。
#6
○清水嘉与子君 日米構造問題協議をきっかけに、私たちは内外価格差の原因が、日本経済の構造的あるいは制度的な仕組みの中から生じているということを知りまして、豊かな生活を享受するためにはその是正がどうしても必要だというふうに感じてまいりました。調査会もまとめの段階に入りまして、これまでの調査会の議論を通しまして、感想を含め幾つかのコメントをしたいと存じます。
 まず一つには、内外価格差の実態の比較の問題でございます。
 日米価格調査、これは通産省、大蔵省、農水省、厚生省、運輸省、郵政省、あるいは鉱工業品これは通産省、医薬品、医療機器これは厚生省、酒類については大蔵省、食料品は農水省、交通運賃につきましては運輸省等といった省庁の関係によりまして内外価格差の実態調査が行われ、私どもは、その調査によりまして先進主要都市との価格の差を知ることができました。それぞれの説明によればかなり慎重に調査を行ったということは理解できますけれども、これらの価格差が人々の生活にどのようなかかわりを持っているのかという点になりますと、どうもそういう感じが読み取れないわけであります。価格水準の差というのは、これはもう日本の都市の間にもあるわけでありますけれども、このような数字で比較するという風習を私たち持っていないということもありますし、また、行ったこともないような都市の中での人々の生活像というのが浮かんでこないということにも原因があるというふうに思われます。
 例えば自動車の価格差が示されます。しかし、どの程度の人がその国ではその車を買っているんだろうか、あるいは野菜とか肉に価格差があることはわかっても、それが普通の家庭ではどのくらい食べられているんだろうか、あるいはそれがどのくらい家計を圧迫しているんだろうか、あるいはブランド志向というのは日本が際立っているんだろうかどうだろうか、あるいは土地や住宅は何歳で年収の何倍でどのくらいのものが買えるんだろうか、一年のうちにレジャーに費やす時間あるいは費用はどうなんだろうかといったようなことが、こういう数字だけからでは浮かんでこないということでございます。
 経済企画庁からは国民生活指標という形で工夫していることも聞いておりますけれども、いわゆる宮澤内閣が提唱しております豊かさを実感できる生活大国のイメージを、先進国の人々が今享受している豊かさと比較することによりまして、もう少し立体的に描けるような調査方法の研究ができないだろうかという問題がございます。例えば、同じような家族構成の家族が一年間にどのくらい働いて、どのくらいの収入を得て、何にどのくらいの消費をし、どのような生活をエンジョイしているのか、どのような家に住んでいるのかといったような比較調査もできるんじゃないだろうかというような感じがいたします。
 また、価格情報につきましては、今は各省庁が独自のルートを活用して調べているというわけでございますけれども、通産省が国内では既に消費者モニター制度を使って成功しておりますように、常時世界各地で価格をモニターし、そして定期的に情報を流すようなシステムが必要ではないかというふうに感ずる次第でございます。
 次に、独占禁止法の運用の強化の問題でございます。
 独禁法につきましては運用の強化が求められてきたわけでありますけれども、公正取引委員会におきましても、昨年七月の流通・取引慣行に関するガイドラインの策定でありますとか、あるいは悪質な独禁法違反に対する刑事告発あるいはカルテル行為に対する課徴金の引き上げなど、最近ではかなり積極的な措置をとってきているというふうに思います。けさもちょうど公取の方から、これまでも内外価格差の一要因と指摘されてまいりました再販適用除外制度の見直しの方向について話を聞いてきたばかりでございます。それによりますと、現在指定されております品目の約半数程度が適用除外を外すことになるそうですが、これまで独禁法で禁止しておりました再販制度の適用除外になっておる一般用の医薬品だとか、千三十円以下の化粧品について、半分ぐらいを適用除外を外すという方針が示されております。残りのものにつきましても、今後全般的に廃止の方向だということでございます。
 さらに、今国会におきましては、刑事罰の罰金の額を五百万円から一億円にするという独禁法の一部改正法案も出されているところでございます。そういうことで、自由経済社会の中で公正な競争が行われることを担保するこういうような取り決め、動きにつきまして、ぜひ公正取引委員会が適正に運用をして本来の機能を発揮してほしいと願うところでございます。
 次に、独禁法の適用拡大と国際間の調和の問題でございます。
 今月の初めでございましたが、アメリカの司法省が反トラスト法の域外適用拡大の方針を打ち出したことが報じられました。これは、各国の国内法の適用と国際的な整合性の問題が浮上してきたんだというふうに私は受けとめました。例えば、我が国に進出しておりますアメリカ企業が、反トラスト法の違反行為で輸出が制限されているといったような被害を受けたときに、我が国の企業を摘発できるというようなことでございまして、これまではアメリカの消費者の利益を損なう場合だけに限定するというチェックがあったわけですが、それがその方針を外してしまったということでございます。
 我が国の市場を開かれたものにするという必要は当然あると思いますけれども、こういったようなアメリカの一方的な方針の変更というのは、やはり各国の主権侵害になるおそれもありまして慎重に対処するべきものと思われます。しかし、こ
れまでどおり各国が白国の独禁法に基づきまして対処するという方針をもし貫くのでありますれば、当然それぞれの国の独禁法の国際的な調和を図る方向で検討がどうしても必要になってくるのではないかというふうに思います。
 最後に、豊かな消費生活の問題について触れたいと思います。
 消費行動の中で今求められておりますのは、確かに価格の節約、安いものをというものもありますが、それだけではなくて、やはり資源の節約あるいは安全性の問題、あるいは環境に優しい商品といった問題ではないかというふうに思います。買い物のごみをどう捨てていくのか、使った入れ物だとか缶をどうやって回収するのか、価格に転嫁される過剰包装をどこまで抑えるのかということについて、女性を中心に非常に関心が今集まっているというふうに思います。また、残留農薬やポストハーベストあるいは有害添加物のない安全でヘルシーな食品をどうやって手に入れるか、あるいは空気や水をどう汚さないようにしたらいいのか、生活雑排水の処理などにも大変気を使うようになってきているというふうに思います。
 ちょうど環境問題につきまして世界のサミットも開かれるわけですから、非常にタイミングがいいと思います。こういう問題につきまして、一層消費者に認識を新たにしてもらう必要があるのではないかというふうに思います。多少コストがかかっても、安全性や環境保全に役に立つものであれば仕方がないというか、受けとめようという理解が得られるようになりつつあるのではないか。したがいまして、規制の緩和というだけでなくて、安全性確保のためには、たとえ価格が高くなりましても規制をむしろ強めるというような場面も出てくるのではないかというふうに思います。
 また、別の問題といたしましては、内外価格差の代表商品のように言われておりましたお酒なんかが、今並行輸入でかなり安く手に入るようになりました。一面、それは非常にいいことではありますが、手に入れやすくなったことによって、また若者たちがこういうものを好んで手に入れているという問題にも私たちは注意を喚起しなければいけないのではないかというふうに思います。
 アルコール、たばこの宣伝を日本ではどんどんやっているというようなことでございまして、未成年者の飲酒禁止法だとか、あるいは喫煙禁止法なんかがありましても全くそれが使われていないといいましょうか、ざる法になっているというようなことでございまして、そういった面についての教育といったものももっとしなければいけないのではないかというふうに思っております。したがいまして、商品、製品については価格だけではなくて回収の方法でありますとか、安全性の問題でありますとか、健康への有害性の問題でありますとか、そういったことも含めて、情報を広く国民に流す必要があるのではないかというふうに思います。
 そういう意味で、昨年の本調査会の中間報告の中に、情報伝達の手段として新聞の折り込みチラシというものが具体的に挙げられているんです。広告コストの価格への転嫁でありますとか、私自身、チラシが全くごみのもと以外の何物でもないというような意識もありまして、ちょっとこれは賛成しがたいので、ぜひ御検討いただきたいというふうに思っております。テレビとか電話で十分情報が伝達できるのではないか、なるたけごみを出さない情報を使えないだろうかということでございます。こういう視点で開発されました技術というのは、遠慮なく世界の国々へ輸出しても経済摩擦は起きないのではないか、こんなふうに感じているところでございます。
 以上でございます。
#7
○鎌田要人君 私は、この調査会でこれまで鋭意検討を進めてまいりました土地問題につきまして、若干の意見を表明させていただきます。
 御案内のとおり、去る三月二十七日の各新聞の朝刊はいずれも一面に大見出しで、十七年ぶりで公示地価が下がった、こういうことでございました。全国平均で対前年比、宅地が五・六%、商業地が四・〇%、東京圏の宅地は九・一%下落、こういうことでございまして、公示地価制度が発足いたしまして、昭和五十年、一九七五年列島改造ブーム後に景気が沈滞をいたしました。そのときに地価が下がりましてから十七年ぶり、こういうことでございました。
 しかしながら、御案内のとおり、下がったと申しましても今度の高騰直前の一九八三年、昭和五十八年と比べますと、東京圏でも大阪圏でもまだ宅地の上がりぐあいは二・三倍ということでございました。政府が当面目標といたしております平均的なサラリーマンの年収七百三十五万でございますか、これの五倍程度で七十平米ほどのマンションが買える、こういうのにはまだほど遠いようでございます。
 これは新聞の記事でございますが、現在都心からゼロないし十キロのところで十六・二五倍、あるいは十キロから二十キロのところで十一・六五倍ということでございますので、もっともっと地価がやはり下がらないと、平均的なサラリーマンで五年分の年収で七十平米のマンションというのはまだ高ねの花、こういうことでございます。したがいまして、十七年ぶりに公示地価が下がったからといってここで気を緩めて、総合的な土地対策要綱、せっかくこの一月に決めました、これを緩めるようなことがあっては再びまた狂乱地価の再現ということがおそれられるということでございますので、ここで気を引き締めて、緩めることなく土地対策について、これは文字どおり国も地方もあるいは民間も一丸となってさらに当たってまいらなければならないということをまず痛感する次第でございます。
 そこで、今度のこの地価の下落の背景にありますものは、御案内のとおり、バブル経済の中で上がり過ぎたいわばそのとがめが出てきていることは間違いないわけでありますが、その引き金になりましたものは、何と申しましても一番有効であったのは金融の引き締め、融資のいわゆる総量規制、これが非常に効いた。それから地価監視区域、これの拡大ということで、御案内のとおり、届け出に対しまする知事の行政指導、これもひとつ効いた。それから一連の土地税制の改革が行われました。地価税はことしの一月からでございますが、あるいはまた固定資産税につきましても、相続税につきましても、さらには譲渡益課税、所得課税、こういった面での課税の適正化というものがやはりかなりの補完的な機能というものを果たしたことも間違いはない、こういうことでございます。
 そこで、ちょっとくどくなりますけれども、今度のこの狂乱地価の中での政府においてとられました一連の施策というものを振り返ってみました場合に、一つはやはり土地の供給サイドの面、これにおきましてこれまでいろいろの施策が講ぜられてまいりました。あるいはまた需要の面でのいろいろの規制といいますか、対応も講ぜられてきた、そういったものを痛感いたしまして当調査会でも論議になりました土地の利用を促進する、あるいは計画的な利用、適正な利用を図っていく、こういう面で、例えば都市計画上の土地利用規制に当たりまして用途地域の細分化を図るべきである、あるいは土地利用計画の詳細化を図るべきである、こういった指摘に対しましては、政府におきまして今国会に都市計画法あるいは建築基準法の改正が上程をされておるところでございます。あるいはまた投機規制のための土地取引規制、先ほども申しました監視区域制度の活用、これもかなり有効であったと思います。
 また、土地関連融資規制につきましても、これも極めて効果を発揮いたしました。これにつきましては、平成三年の十二月で一応総量規制それ自身は当面やめることにいたしましたが、今後状況に応じて機動的にこれを発動するということで、やはり今後少しでもかま首をもたげてくるようなことがありましたならば、これの活用ということが必要であろうと思うわけであります。あるいはまた、税制の面におきましても地価税、一部の新聞等を見ておりますと、これだけ地価が下がって
きたんだから、地価税については例えば初年度〇・二%、平年度〇・三%の税率を初年度のまま据え置いたらどうだ、あるいはその他の負担軽減等の声が不動産業界の一部からあるようでございます。
 これらも私が冒頭申し上げました、若干地価が下がったといってもそれはまだまだ上がる前の水準からすれば高いのだから、ここで気を緩めるようなことがあってはまたもとのもくあみということでございますので、ここはひとつ厳に税制等についても緩めることなくこれを強化していくべきだ。あるいは固定資産税の評価につきましても、相続税の評価につきましても、相続税はことしから早速公示価格の八割、固定資産税は次の評価年度、平成六年度から七割に上がるわけでございますが、適切な負担調整措置を講じながら、やはり税の面での土地対策ということもゆるがせにできないと思います。
 それから、この総合的土地対策の中で特に土地に関する情報の整備、あるいはこれの公開、こういったことが大きな課題として取り上げられております。また、この点につきまして公示地価制度、あるいは都道府県知事が行います地価情報等につきましても、これの内容の適正化を図ってまいらなければなりませんが、それとあわせまして、当調査会でも私も御要望を当局に申し上げた地価の速報体制、少なくともいわゆる基準点をつくって、それでこの三大都市圏を初め主要な宅地でこの速報を少なくとも毎四半期ごとぐらいにやって、それでいわば地価の動きを未然に察知をしながら時を移さず手を打っていく、こういったことが必要ではないかという点につきましても、平成四年度の予算におきまして四半期ごとの地価動向調査ということを国土庁において予算化をしておられる、こういうことでございます。
 あるいは土地情報の公開に関連しましての公的な土地評価に当たっての相互の均衡と適正化、この点につきましても、先ほど申しましたように、土地について一物四価ということが言われるわけでございますが、少なくともこの相続税、固定資産税、地価税、これは公示価格の一定割合をとる、あるいは公示価格そのものずばりでとると、こういうことで、この点につきましては少なくとも課税につきましては一応の統一が図られる、これも大きな前進であろうと思うわけでございます。
 そのほか、借地借家法の改正等も行われたわけでございますが、特にこれから私どもが取り組んでいかなければならない課題といたしまして、三大都市圏内の市街化区域内の農地につきまして、いわゆる農地として保全すべきものはそのまま農地としての軽課でいくけれども、農地上して保全しない、いわゆる生産緑地として残らないものについては固定資産税を宅地並みにちょうだいをすることによって宅地の供給促進を図っていく。
 これは年来の懸案でございますが、これにつきまして早速一部の地方自治体で、農地として保全しないものについて宅地並みに課税をするけれどもその税金相当分は別途上げますという、こういう住民にこびた施策をやっておる、まことにこれは残念であります。私どももせっかくみんなの意見で宅地の供給促進ということで、それを通じて地価を下げようということで現にやってきておる。これを実質的に穴をあけるようなこういう施策は、幾ら地方自治という建前であっても個々の自治体でやられるようなことがあっては、これはやはりまたもやその実効性を失わせる結果になる、こういうことを極めて遺憾に存じます。
 時間が参りましたので、結論的には公示地価が下がったといっても、これはもう全く五十八年以前の、今度の高騰前に比べれば依然として二・三倍という高いところでありますので、ここで気を緩めることなく地価の低下、鎮静化ということにさらに一丸となって努力をすべきだと。そのためにはせっかくこの土地対策要綱としてとられておる、これを後退させるようなことがあってはならないということを力説いたしまして、私の意見表明とさせていただきます。
#8
○及川一夫君 一九八九年から、第百十五回国会そして今日の百二十三回国会まで九回にわたって内外価格差の問題、さらに土地、住宅の問題についてこの調査会が取り上げてまいりましたが、その間二回の中間報告を終えて今回一つのまとめにするという時期に到達をいたしてきております。
   〔会長退席、理事情水嘉与子君着席〕
 したがって私は、そういう経過の上に立って、どのように総括をして国会に報告をすべきなのかなという観点から申し上げてみたいというふうに思うのであります。
 その一つは、少なくとも次の点で各党各会派を超えて認識が一致したのではないかということをまず取り上げてまいりますと、一つは内外価格差というものがまさに存在をしているという事実が確認できたし、その差も決して小さいものではないという点でも意見の一致を見たのではないかというふうに思います。さらに、国民生活の豊かな生活を構築するという立場から見ますと、この内外価格差の問題とか土地住宅問題というのは避けて通れない問題ではないか、政治として責任を負うべきものだということについても、調査会全体として受けとめることができたのではないかというふうに思っております。
 そして三つ目には、それぞれ主義主張、立場の違いはあるんですが、解明された原因あるいは問題点というものに対しては、国民生活向上という立場から見て、お互いが努力し合っていかなければならないということについても認識が一致できるだろうと、こう思うのであります。したがいまして、国会それぞれの委員会あるいはこの調査会自体も、これら指摘をされた問題点や原因について共通の場を、共通の土俵をお互いつくり合って解決のために努力をすべきだという点が、私は意見の一致を見る問題ではないかというふうに思います。
 さらに土地住宅問題を考えてみますと、多くの意見がこの問題に、私は集中しているというふうに会議録を見ても理解できるのであります。
 第一点としては、土地そのものが商品化されているということについて問題ありとする意見があるのでありますが、しかし社会全体としてはそれが何となく常識化している、こういう事実についても反省しなければいけないということが会派を超えて認識が一致できるところではないかというふうに思いますし、内外価格差という観点から土地、住宅というものを見ると、我が国の価格は余りにも高過ぎるということについても認識の一致を見ることができるというふうに思います。そして三点目に、こういった土地の価格の高さが住宅建設の問題はもとより、都市の計画を進める上に当たっても大きな障害になっている。社会的政治的問題として、政治家自身が真剣になって取り組んでいかなければならない問題だという点で完全に意見の一致を見たのではないかというふうに私は受けとめたところでございます。
 したがいまして、土地住宅問題や内外価格差解消のためにということで、独占禁止法に基づく競争市場の促進あるいは維持促進、経済附規制の緩和の問題であるとか、流通機構の改善と商取引の透明性、商慣行の是正、輸入の促進、そして消費者の意識向上と行動という問題をとらえて検討できたことは大変有意義だったというふうに、まず大きく包んで私の意見といたしたいと思います。
 そこで第二点ということになりますが、問題は、こういう総括に至って結論部分に取り入れてもらいたいという意見を申し上げますと、一つには内外価格差をいかにして縮小するのかという立場から、次のことをぜひ早急に検討して結論を求めるべきではないだろうかというふうに思うのであります。
 その一つとして、流通機構に対する他国との関係におけるこの問題のとらえ方は、どうも根本的に違うというふうに私は受けとめざるを得ないような気がいたします。まずもって、余りにも流通機構が多段階であるということに対する他国からの目というのは、これを肯定的に見るというよりも批判的に見られているのではないか。そのこと自体が価格への大変な影響を与えているという立
場から、諸外国から批判の目が注がれているということを見逃してはならないのではないか。我々自体が現状でいいとするなら、現状について説得できるだけの論理性と実態を備えているかどうかということを含めて、この問題は早急に検討されるべき問題ではなかろうかというのが一つ。
 かてて加えて第二点としては、我が国にある他国から見れば特異な形だと言われる系列問題、このことに対しても、我々が現状を容認するにしても改革をするにしても、いずれにしても問題のメスを入れていかなければならない。日米構造協議でも大きな一つの問題点と指摘されているだけに、この問題の解決を私は急がなければならないのではないかという二点を指摘しておきたいと思います。
 さらに、土地問題、住宅問題では、ただいまも両先生から御指摘がございましたが、それ自体私は反対ではございませんけれども、しかし根本的な解決という角度から見ていくと、それだけで十分な対応と言えるか言えないかということになりますと、やはり諸外国に比べて私有制という問題が余りにも強固に制度化されているといいますか、それこそ一〇〇%を超えて私の権利というものが強過ぎるということが率直に言ってあるのではないか。社会を構成していく上で、このことにさわらずに問題の解決を求めても到底結論を出すことができないという感じがしますし、同時に一極集中の分散とかあるいは都市計画づくり、過疎対策、住宅問題の解決のためにも、多少時間がかかっても私有制という問題に焦点を合わせた論議というものをやっていくべきではないだろうかということを土地問題、住宅問題では感じます。
 さらには、住宅の購入問題では、大方の先生方もおっしゃっておられますが、年収の五倍と、これはもうおろしてはならない一つの目標というふうに私は位置づけるべきだ。年収五倍でもって自分の土地と家が取得できるという、そういうものにふさわしい土地であるべきだし、同時にまた住宅の値段であるべきだという前提で、これは国民総意の目標というふうに打ち立てて、これを絶対曲げないと。それにどう近づけるかという立場から問題をとらえていくべきではないのかというふうに思います。
 そして、あわせて住宅の問題ということになりますが、やはり賃貸住宅につきましても月収の一五%というのが、大方の先生方もおっしゃられていると思うし私どもも賛成なんでありますが、いわばそういう住宅、三DKを最低にして建設をしていく、そして、国民一人一人が住宅を求めた場合にそういう賃貸住宅にいつでも入られるような住宅政策、住宅の建設というものをぜひ行っていくべきだ。そのための政治の運営というものを図っていくべきだというふうに考えます。
   〔理事情水嘉与子君退席、会長着席〕
 そういった点では国有地の全面提供という問題を、各地域ごとにそれぞれいろんな問題点はあるでしょうが、国有地の全面提供の問題を真剣に考えるべきではないだろうか、こう私は思うのであります。
 そして、大項目の第三点目といたしましては、自民党の先生方もお触れになりましたが、独占禁止法の問題について、競争市場の維持促進ができるようにという前提を踏まえながら、いずれにしても、法人罰則の強化の問題であるとか再販売価格維持の縮小の問題、不公正取引の禁止の問題、公正取引委員長等の選任の基準の問題、裁判権の専属所管廃止の問題の五項目を柱とする独占禁止法の強化策というものを私は考えていくべきだろうと思います。
 時間の関係がありますから、各項目についてその意味するものを触れることは避けますが、率直に申し上げまして、我が党も他党の皆さんと同じように独占禁止法の改正という問題について提起していることを御理解いただきまして、検討の一つの提案にしていただきたい、こういうふうに思うところであります。
 最後になりますが、政府の施策の達成状況、いろんな施策がこれまで行われてきておりますし、またこれから改革のための改善策というものも決められていくわけでございますが、こういったものについて公正な目で検証できるように、有識者、消費者のメンバーが過半数を占める内外価格差解消のための調査とか監視機関というものを監督官庁の経済企画庁の責任で設置する、あるいは拡充すべきだという意見を持っているところでございます。
 以上、私の意見にいたしたいと存じます。
#9
○刈田貞子君 私も、内外価格差問題を当調査会が取り上げてからずっとかかわってきた者の一人でございまして、当調査会が大変熱心にこの問題に取り組んでまいりましたことに敬意を表するものでございます。
 まず、内外価格差問題の一角を占めると同時に、直接、間接に関連いたします土地住宅問題の方から私の意見を述べさせていただきます。
 一昨日の新聞で、日本の九一年度の貿易収支の大幅黒字の問題が大きな活字となりまして、史上第二位という形のものが報道されました。私は、この問題をいろいろつぶさに分析してみるに当たって、日本のいわゆる経済構造問題というものを長いことやってきたにもかかわらず、我が国がこうした形の結果を得たことについては種々原因がそこに提示されておりましたので、それはそれなりに納得をいたしておりますけれども、言ってみるならば前川リポートでいろいろと提唱されましたところのいわゆる内需拡大策というのは、加速を加えていわゆる民間投資型の内需拡大策へと偏っていった嫌いがあったのではないかということを考えました。この民間設備投資による内需拡大が大きな我が国の内需を支えていたのであり、バブルがはじけたというような兆しを見せた九一年度、こうしたものに大きな変化があらわれた結果がこの黒字というものになってきたのではなかろうかということを考えます。
 したがいまして、私ども日米構造協議を通して内需拡大を実際に進めるに当たっては、やはりもっと国民生活にじかにかかわりますところの社会資本の整備でありますとか、あるいはまた当委員会で大いに論議をいたしました住宅投資へ力点を置いたそうした政策がもっと進んでいたならば、あるいは結果がこうした形になってこなかったのではないかということを考え良した。
 今地価の公示価格が下がった、地価は鎮静化の兆しを見せたというようなこともあって、大蔵省は不動産融資に対する総量規制を撤廃いたしましたが、私は、これはいま少し持続をすべきではなかったかという意見を持っております。また、バブルが崩壊した後の景気対策として金利の引き下げ等を行いましたし、その後の株価の低迷というような環境は、実は再び不動産投資を喚起するような、そうした問題へと事が動くのではないかという国民の土地問題に対する大きな不安が依然としてあるのでございます。
 昨年、総務庁が行いました土地対策に関する勧告によりますと、監視区域の評価も含めて土地問題に関しては継続的に十分な監視を進めていくべきであり、現時点においてはその監視が不十分である旨の勧告をしていることから推しても、土地問題には私どもはまだまだ大いなる関心と、それから政策を持ち続けなければならないのではないかと思います。
 そこで、国土利用計画法に基づく規制区域や、監視区域の指定要件となる届け出対象面積の適正な設定や、いわゆる先行指定、あるいは価格審査の厳正かつ的確な運用を図ることによって監視を続けることがさらに必要であろうというふうに思います。
 また、土地にかかわって申し上げますと、先ほどお話も出ましたけれども、せっかくの改正が行われた生産緑地法やあるいはまた借地借家法が有効に宅地の供給のために働くように、私どもは十分に注意をしていかなければならないというふうに思いますとともに、これもまたお話にございましたが、国公有地や未・低利用地の有効利用も含めて、まず土地利用計画を進めていくことが今後の大きな課題だろうというふうに思います。そし
て、その金融面とそれから土地の利用計画を一体化した一つの側面的な制度として、土地に関する税制も今までにも増して強力な仕組みを考える必要がさらにあろうというふうに思っています。
 それから、土地は鎮静化したとはいってもまだまだ高値安定という状況にあり、それはそのまま東京、大阪など大都市地域を中心にした深刻な住宅事情をもたらしております。平成三年度国民生活白書では、東京圏の畳一枚当たりの面積価格を三千七十三円とし、それに比較して北九州市の平均が千五百九十三円であると指摘して、東京圏での住宅の狭さと同時にその家賃の高さを指摘しております。こうした中にあって、私ども公明党では住宅基本法を六十一国会以降重ね重ね提案をしてまいりましたが、そこでは、十分な公的賃貸住宅の供給を図るとともに、所得制限を設けた上で民間家賃住宅のいわゆる家賃控除や家賃の手当制度など補助制度を訴え続けてまいりました。昨年度より一部の助成制度が実現してはまいりましたが、まだ十分とは言えないと思います。むしろ各地方自治体の条例によりまして独自のこうした住宅費補助制度が有効に動いていることをお訴えしたいと思います。
 また、持ち家住宅対策に当たりましては、住宅取得促進税制、いわゆる住宅ローン減税でございますが、こうしたものの拡大や、生活権を保障するという見地から、一定率以下の居住用宅地にかかわっては固定資産税や相続税の減免措置をきめ細かく講ずるべきではないでしょうか。地価高騰が固定資産税負担を年々重くし、居住用住宅を相続のために売却しなければならないのがごく普通の常識になってしまっているような今日の状況は、決して普通の状況ではないと私は考えます。さらに、老後の住宅の保障は社会福祉の基盤であるとの認識のもとに、ペア住宅とかあるいはケア住宅も含めて、高齢者の同居できる三世代用居住住宅や高齢者の専用住宅を優先的かつ計画的に確保し、これらを含めて基本的方途を明確にした高齢者住宅法というようなものも私どもは考えておるところでございます。
 土地住宅問題について以上、私今までの当委員会で言い足りなかった部分のところを申し上げました。
 それから内外価格差の問題に関しましては、先ほど来同僚の委員の方からお話がございましたように、我が国が内外価格差をもたらしておる要因というものはまだ確実に存在しているということが言えるのではなかろうかというふうに思います。いわゆる市場メカニズムを十分に働かせることのできない阻害要因、競争阻害の行為、システム、そういうものがあるということを申し上げます。それは、公的規制の見直しあるいは公共料金の見直し、あるいは常々言われておりますところの商取引あるいは商取引の慣行、そうしたものの不透明性、こうしたいわゆるアクセス改善をしなければ、まだまだこの内外価格差というものは決して解消できないのではないかというふうに思います。
 先ほど清水先生の方からもお話がございましたけれども、日米構造協議のいわゆるフォローアップ会議で、先般、飼料や自動車部品あるいはガラス業界などがそのメカニズムの検討対象になりました。また、アメリカの反トラスト法のいわゆる域外適用強化方針、この是非は別といたしまして、こうしたものが動き始めだということが、いわゆる米企業からの訴訟多発を懸念して各業界がこれに少しずつ呼応している、動き出しているということは私はまことに皮肉な現象だというふうに思います。我が国特有の系列化や取引慣行、多くの指摘を長く受けてきながら今なお現存しておるそのものが、今国際協調とかあるいは外圧というような形で見直しか進もうとしているのは、まことに不名誉な話だというふうに思います。例えば電機業界における占有率リベート制の改善、これは既にこの業界が改革を意思表示いたしております。また、他社の車を扱う際の事前協議制撤廃に踏み切った自動車業界等、これらも皆アメリカからのこうした反トラスト法の動きが一つのきっかけになったと聞いております。
 しかし、商品の取引にかかわるこうした系列制というようなもの、これは今改善が少しずつ進もうといたしておりますけれども、部品系列に及んでは、そのことが難しいの一手でなかなか進んでいないのが現状ではなかろうかというふうに思います。私どもは、こうした問題は、業界自身が国際協調を踏まえつつみずからこうしたものの改善を進めていくべきではなかろうかというふうに主張するものでございます。
 最後に、こうした内外価格差の問題を考えるに当たって、消費者意識、消費者行動の問題があろうかと思います。消費者教育ということが言われて久しいわけでございますが、現在こうした消費者教育を支える消費者教育支援センターが南新宿にございますが、この消費者教育支援センターは、経済企画庁と文部省の生涯学習局がその後援をいたしておる財団法人でございます。しかし、私は消費者教育、消費者意識、あるいは生活の中の価値創造を進めていく生活者を育てるためには、やはり子供のころからこうした消費者教育というものが必要であろう、生活の質の追求をするためにも子供たちにそうしたものをぜひ進めてもらいたい、子供の教育の中で進めてもらいたいと思うものでございまして、この消費者教育支援センターのバックに、生涯学習局だけではなく初中局もかかわっていくことを提案したいというふうに思います。
 さらには、我が国の流通の中で過剰サービスという問題がございますが、これは、消費者がこうしたサービスに関するコスト意識というものをどのように持つのか、それは自分たちの生活の質にどうかかわってくるのかという問題を考えたときに、内外価格差を下敷きに置きながら、正しい消費者意識の判断というのも私は持つべきではなかろうかというふうに思います。包装や輸送あるいは情報伝達、こうしたものもただではございません。私どもは、こうした正しいコスト意識を持つことによって、消費者自身がみずから自分たちの生活の質を高めていくための適正価格をそこに見定める、そうした生活の感度も大切なものだと思います。
 しかし、いずれにいたしましても、内外価格差問題をめぐってはまだまだ多くの課題を持ちつつこれからさらに検討が必要であろうということをつけ加えさせていただきます。
 ありがとうございました。
#10
○近藤忠孝君 最近の内外価格差は、一九八五年のプラザ合意以降の円高が急速に進展した当時と比べまして縮小の傾向が見られますが、しかし、東京の生計費全体の物価水準、これは購買力平価割る為替レートでありますが、物価水準は、欧米の諸都市に比べてもなお三割程度割高になっております。引き続きその解消のための対策が強く求められております。
   〔会長退席、理事情水嘉与子君着席〕
 内外価格差を貿易面での購買力平価で換算して測定した経済企画庁の資料では、日本の生計費の物価水準はアメリカのそれより一貫して割高であり、特に急速な円高の進展によって内外価格差は大幅に拡大いたしました。したがって、内外価格差の解消対策としては、プラザ合意以降の円高によってもたらされた価格差の大幅な拡大部分と、それ以前から続いている必ずしも為替レートの変動には左右されない価格差部分との両面の対策が必要だと思います。
 第一の方の対策は、急速な円高の進展及びその後の円高基調によってもたらされた巨額の差益を全面的に価格に還元し、国内物価を引き下げさせることだと思います。
 日銀調査統計局の各年版物価指数年報によりますと八五年平均を一〇〇として、同じ年のプラザ合意以降、急激な円高の進展により、輸入物価指数は八六年六月には六〇を割りて五〇台前半まで低下いたしまして、その後今日まで六〇前後で推移しております。ところが、八五年以前は輸入物価指数と余り差がなく推移しておりましたその他の指数は、輸出物価指数が八六年には八〇台前半
まで低下し、八七年には七〇台に低下、国内卸売物価指数は九〇台前半までゆっくり低下しているものの、輸入物価指数との間には指数にして三〇から四〇の開きが生じて、最近のデータでもその差はほとんど縮小しておりません。また、同じ統計の製造業総全部門投入・産出指数の推移で見ましても、プラザ合意以降同様の傾向の動きを示し、投入と産出の間には指数にして約一〇ポイントの差が生じ、それ以後縮小しておりません。これは、プラザ合意以降の急激な円高のもとで、大企業には巨額の円高差益が生じましたが、十分価格に還元せず、国内向け製品は高く、輸出製品は安く価格を設定して利潤を増大させているからではないでしょうか。したがって、急激な円高と関連した内外価格差の大幅な拡大部分の解消対策は、この大企業の巨額な円高差益のため込みを全面的に吐き出させ、国内物価を引き下げさせることであり、これこそが現時点での焦点だと思います。
 このため、我が国の全製造業について、プラザ合意以降の円高差益とその還元状況を厳しく精査し、ため込み差益を全面的に価格に還元させ、国内諸物価を引き下げさせることが最大の課題だと思います。本調査会においても、この点を十分調査、検討し、適切な提言を行うよう強く要請するものであります。
 第二の対策は、円高など為替レートの変動には左右されず、以前から存在している内外価格差の解消対策であります。これは、大企業による流通支配と不可分の関係にあります。まず、大企業による流通の系列支配と結びついて、建て値制と呼ばれるメーカー希望小売価格の強要など、不当な独占価格の押しつけによる高価格推持を規制する、そして監視をしていくことが必要だと思います。
 また、大企業が系列支配下にある流通業者に対して、その支配の維持のために、利潤の一部または労賃など必要経費の一部に食い込んで削減し、これをリベートという形で支払う慣行や、独占価格の維持などの不当な目的のために支払うリベートなどは、適正な市場価格の形成を妨げ大企業に独占利潤をもたらす仕組みでありまして、こうした不明朗な構造にも抜本的なメスを入れる必要があると思います。
 さらに、流通段階だけでなくメーカーの価格政策、とりわけ大企業の独占価格にメスを入れこれを規制する必要があります。このため、独禁行政に大企業などの資本力、市場支配力を乱用した不当な利益の追求を規制する権限を持たせ、大企業に対して各種製品の原価、資金運用などの報告を義務づけ、適切な形で公開させること、または、カルテル価格や同調値上げ価格に対しても価格引き下げ命令が行えるようにすることなど、独禁法の抜本的な改正、強化が必要だと思います。
 料金の認可制など一定の価格規制が実施されている業種については、大企業の値上げ申請をうのみにするのではなく、原価や経営状況の報告、適切な形での公開を義務づけ、厳格な運営に努める必要があります。競争政策を阻害する要因などという口実で規制を緩和、撤廃するならば、大企業の自由な価格つり上げに道を開く危険があることを指摘せざるを得ません。
 第三に、輸入ブランド品については、欧米メーカーが日本市場向けに高価格を設定する販売政策をとり、輸入総代理店制を採用することから輸入販売権の独占、流通ルートの限定、製品差別化、並行輸入の妨害などでブランドイメージや高価格の維持が図られるケースが多く、ブランド品メーカー等に超過利潤をもたらしていると言われております。したがって、輸入総代理店制を採用した海外メーカーの独占的な販売戦略に対しても、独禁法違反行為の取り締まりと監視の強化はもちろん、同一製品の海外市場での販売価格や製品原価などの報告を義務づけ、適切な形で公表させるとともに、価格引き下げ命令権などの措置がとれるよう独禁法を改正、強化する必要があります。
 なお、卸、小売業の多段階性、零細性、非効率性、高流通マージン率などの弊害を指摘する向きもありますし、現にありましたが、諸外国の実情と比べても必ずしも非効率、高マージン率では狂いこと、長い歴史を経て形成されてきたそれなりの合理的側面を持っていること、大企業、大流通資本による流通構造再編のために中小零細業者を犠牲にするための口実である等の見解もありまして、これらは慎重に研究すべき問題であることを指摘しておきます。
 また、消費者利益の立場に立ってということを殊さら強調しつつ、競争政策の障害になるとの口実で公的規制を緩和せよという主張がありますが、各種規制の緩和は中曽根内閣の民活政策以来、国民生活と環境などを犠牲にしつつ、大企業の利潤追求活動をやりやすくしてやるための方策となっておりまして、大企業の横暴を許す結果となっている点に留意する必要があります。
 例えば財界などは、米など日本の農産物は割高だと攻撃して輸入自由化が必要だと主張しておりますが、内外価格差が顕著なのは大企業がつくっている農用資材の方であります。国内価格百七十二万円のトラクターはアメリカに八十五万円で輸出され、化学肥料の硫安の国内価格は輸出価格の三倍であります。米の生産費の六割を資材費が占めている現状から、この農用資材の内外価格差を解消させることは安い農産物の供給を可能にするかぎだと思います。
 また、消費者利益を守るためと称して、大規模店舗法の運用緩和や改悪が実施されましたが、東京都の価格調査でも、スーパーの品物より中小小売店の品物の方が安い例が多かったことでも明らかなように、一般的には大型店の価格が安いとは言えないこと、力のある大型店の進出で一時期の安売りがあっても周辺商店街の衰退が進み、結局は地域的独占による価格のつり上げに導くおそれが強いことなどの弊害も大きいことから、現行大店法の届け出制を許可制にするなど、諸外国並みに規制を強化する必要があることも指摘しておきます。
 次に、住宅土地問題についてであります。
 一九八五年以降に東京都心部から広がった地価高騰は、東京圏、大阪圏で二倍から三倍を超す異常さでありました。最近の地価動向で下落傾向が見られるといっても、もう既に指摘があったように、この期間の大幅な上昇率と比べれば微々たるものであります。依然として勤労者がマイホームを持てる水準にはないことも既に指摘があり、問題解決にはほど遠い実態には変わりはありません。
 今日における問題の焦点は、勤労国民の住宅の確保であり、住宅のための土地の確保こそ最大の政策課題だと思います。東京など大都市の地価が途方もなく上がって、勤労者がマイホームの夢を無残に打ち砕かれている今こそ、低家賃の公共賃貸住宅の大量建設は住宅対策のかなめであり、また住宅のための土地の確保という視点に立ってこそ、地価対策も実効あるものとなると思います。
 この点で、ヨーロッパでは戦後の住宅建設のうち、イギリスは六割、西ドイツは四割が公共住宅であることなど、政府が責任を持って国民の住宅を保障しているのに対し、日本では政府が責任を負っておりません。公共住宅は一割にも満たないのであります。その上、最近の公営住宅の建設は年間四万戸程度、公団住宅はわずか二万戸台であります。そして、わずかばかり建てられた公共住宅も、新設は月十万円を超える高額家賃となっているのであります。こうした貧困な住宅政策を根本的に転換し、政府が国民の住宅の確保に責任を負うという、どの国でもやられている原則をしっかりと確立し、低家賃で良質な公共賃貸住宅の大量建設を住宅政策のかなめに据える必要があります。
 また、収入に応じた家賃制度を採用し、特に低所得者への減免制度の拡充、また今最も困っている老人世帯の優先入居を進める必要があります。この点を大前提として確認した上で、次の三点の指摘を行います。
 第一に、住宅のための土地を確保するため、国公有地の民商売却を即時中止し、住宅、公園用地
に充てるとともに、国鉄清算事業団用地は適正価格で地方自治体に売却させることが必要であります。このため、売り主に自治体との優先協議を義務づけるのみの現行公有地拡大法を改めまして、協議期間の延長、合理的な価格設定方式、財源の保障を含む抜本的な改正を行い、自治体の先買い権を確立するとともに、大企業が保有する未利用地、遊休地を原価プラス利子、管理費の適正価格で強制買収できる権限を保障することが必要と思います。
 第二に、家賃負担の一定割合超過分を所得、住民税の課税対象から控除する家賃減税制度の新設、住宅ローン減税の欧米並みへの改善、老人世帯、低所得世帯が住みなれた町に住み続けられるよう家賃補助制度の創設と追い出しの防止、借地借家人の権利を大幅に制限する改悪借地借家法の施行の見送りと抜本的再検討が必要と思います。
 第三に、固定資産税等の保有課税や相続税等については、土地の評価を時価方式から収益還元方式に転換して、銀行やオフィスビルは高収益に応じて高く、一般商店は低く、庶民の住宅用地はさらに低くなるように、使用目的に応じて差を設ける方向で法改正を行うべきだと思います。また、現行法でも軽減特例を設けている二百平方メートル以下の小規模宅地は、将来非課税を目指すなど、生存権的土地所有の税負担を大幅に軽減すべきであります。
 市街化区域内の農地や雑木林は都市計画の中にきちんと位置づけ保存すべきであり、営農意思のある農家への宅地並み課税や相続税の課税強化はやめるべきだと思います。
 このようにして住宅や家賃の内外価格差の解消はもちろん、東京など大都市部の住宅土地問題のかなりの部分が解決されるはずであります。
 以上をもって私の発言を終わります。
#11
○乾晴美君 私は、まず内外価格差問題から申し上げたいと思います。
 一九八五年九月のプラザ合意以降の円高による内外価格差問題は、その是正を図るために七年間近くも多くの論議が交わされました。例えば、内閣総理大臣官房広報室では物価問題に関する世論調査だとか、または経済同友会それから経済審議会構造調整部会とか、いろいろあるわけです。また、ユニオンの連合の方でも連合政策資料というのも出しておりますし、物価レポートというのもありますが、それらを全部読ませていただきますと、提言とか方針というのは一定に示されてきたと思いますけれども、一向に格差が是正されてない、そういうまま現在に至っているのではないかと思います。このような状態が今後続くとするならば、国民の政治や行政への信頼はますます低下して、日本の国際的位置づけにもかかわってこざるを得ないのではないかというように心配いたします。
 我が国が生活大国への道を歩もうとするならば、内外価格差解消を阻害する問題点で、いまだに実現されていない事項を速やかに実施に移すことが大切であるというように思います。
 私も、これまで本調査会でいろいろと意見を述べさせていただきましたけれども、引き続き検討を要する問題点について少し意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず、独占禁止法に基づく競争市場の維持促進についてですけれども、現行の独占禁止法を改正するために、この百二十三回国会に私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案というのが商工委員会に提出される予定でありますけれども、ともすれば、これまでの同法の適用は消費者にとって理解、満足するようなものではなかったのではないかというように思うわけです。ですから、改正案の成立後には消費者利益に寄与できるように、厳格でかつ機動性を持って運用していくことが極めて重要であると考えます。例えば、ビールとか、新聞購読料だとか缶入り飲料などの価格改定を見ましたら、これは法違反ではないというように言われていますけれども、到底納得のできるものではないというように思うからであります。
 次に、経済的規制の緩和が必要であると思います。規制緩和によって、当該産業の崩壊それから縮小や地域社会の存立に影響するというようなものについて、例えば食糧などということは慎重に対処しなければならないと思いますけれども、これらを除くもので規制を緩和することによって内外価格差問題に有効な効果をもたらすものは、もう既に明らかにされている方針に基づいて、消費者の声にこたえて速やかに実行に移すことが強く迫られているのではないかというように考えます。
 また、流通構造の改善と商取引の透明性、商慣行の是正についても、これはどの提言を読ませていただきましても、もう既に問題点は明らかにされていると思います。ですから、要は速やかな実行あるのみだなというように思っております。
 次に、消費者行動と消費者教育についてですけれども、過剰サービスや必要以上の包装などにより、結果として価格に転嫁されていると同時に、限りある資源や大切な労働力が浪費されているということはもう消費者も十分わかっているのではないか。これらを消費者行動や消費者意識に反映させるためには、やはり価格縮小幅の大小にかかわらず、まず現実に消費者の目に見える形で実現しなければならないだろうなと。そのためには、消費者に対する情報提供だとか、消費者教育それから啓発の充実も必要だと思います。基本的には商品、サービスの提供側や消費者自身の問題にもかかわっているわけなんですけれども、政府、行政としてのリードがその成果を左右するということを私は強く主張したいと思います。
 また、土地住宅政策に関しましては、我が国の国民が豊かさを実感できない最大の理由というのは、諸先生もおっしゃいましたけれども、大都市圏の土地、住宅の高騰による住宅の取得困難、それから過度な住宅ローンや高い家賃、さらに国の住宅政策や生活関連社会資本整備の立ちおくれによる貧困な住生活、それから住環境のためであるというように思います。とりわけ東京への一極集中による長距離通勤、そしてまた交通渋滞、都市環境それから防災対策なども大きな問題であると思います。ゆとり、豊かさを実現するためには、土地基本法の理念及び総合土地政策推進要綱に沿って、政府、各自治体が一体となって総合的な土地住宅政策を推進する必要がやはりあるなと思っております。その際、現在の異常な地価というものを、少し下がったとはいいますけれども、その地価を昭和五十八年から五十九年当時の水準まで引き下げて、大都市圏で勤労者が年収の五倍以内で住宅を確保できる、また良質な賃貸住宅に年収の一五%以内の家賃で入居可能とするというような政策目標と達成年次を、やはり明確にする必要があるのではないかと思います。
 これらを実現するためには、まず総合的な土地税制の見直しが必要であると思います。地価をもっとさらに引き下げるために、地価税の税率を一%に引き上げて、また遊休土地保有税の強化など、土地保有税を強化すべきであると思います。
 また、固定資産税についても、一般居住用宅地は減免しつつ、評価額を実勢価格に近づけて課税強化を図り、その見合いで住民税減税を行うべきであると思います。土地課税の適正化を図るため、土地の公的評価額を早急に一元化し公表すべきであるというように思います。さらに、公共投資等の社会資本整備に伴う開発利益の社会還元を図る新たな制度を確立する必要があるのではないかと思います。
 二番目には、公的賃貸住宅を初め良質な勤労者住宅の供給を促進する必要があると思います。公共投資基本計画を初め第六期住宅建設五カ年計画、それから大都市法による住宅供給基本方針の総合化と完全実施を図る具体的な年次目標を明確にすることが必要だと思います。また大都市圏では、持ち家政策偏重から公共賃貸住宅優先政策に転換する必要があろう。そして、良質な勤労者用住宅の大量供給を行うとともに、賃貸住宅政策の充実を図るため家賃控除制度というのを新設する必要があると思います。さらに、これらの総合的
な住宅施策を推進するために、高齢化社会への対応を初め、ライフサイクルに応じた豊かな住生活ができるよう国民の居住権を確立し、住民参加と自治体を主体とする地域重視、そして社会的公平の実現、公的主体の役割強化など、新たなる住宅理念を明示した住宅基本法というものを制定すべきであると思います。
 最後に、土地関連融資の適正化を図るべきであることを申し上げたいと思います。地価、土地取引、土地関連融資等の動向に対応して、ノンバンクを含め金融機関による土地関連融資への総量規制の再発動や、地価高騰のおそれのある特定地域に限定した規制発動など、きめ細やかな対策を行う必要がある。また、行き過ぎた土地担保融資を抑制するため土地担保融資額に一定の制限を行うなど、土地関連融資の適正化を図るべきであると思います。以上でございます。
 あと個々につきましては、同僚の池田議員から述べていただきます。どうぞよろしくお願いします。
#12
○池田治君 総論につきましては乾議員が述べましたので、私は、具体的な品目について申し上げます。
 まず、牛肉についてでございますが、同質の牛肉百グラムが東京では三百八十三円、ニューヨークでは百二十九円、経企庁平成二年十一月発表であり、これも内外価格差が著しいものがございます。完全な輸入の自由化ができれば安い牛肉が輸入されるので、小売価格も引き下げられるだろうということは自然の原理であります。ところが、昨年四月一日より牛肉輸入は自由化されましたが、関税が最初の年は七〇パー、翌年は六〇パー、その翌年は五〇パーといった具合にかけられておることもありまして、国内の小売価格は急激な下落はしておりません。自由化前の輸入牛肉は、畜産事業団によって輸入量が管理され、輸入業者も事業団の指定を受けていた商社三十六社に限られておりましたので、需給のバランスはとれておりました。
 自由化でこのコントロール機能が消え、需給のバランスは不安定となってきました。特に影響を受けたのは食用去勢ホルスタインであります。このホルスタインは質的に輸入牛肉に似ており、市場での競合関係にあるので、自由化された後は大幅な値下がりがあってもよいのに小売価格への影響は少ないものでした。それにもかかわらず、生産者のホルスタイン初生牛価格が一頭十三万円もしていたのが、現在では五万円程度に大幅な値下がりとなっております。畜産農家を不安がらせているのもこの点であります。上質な和牛肉につきましては、消費者の嗜好もありまして自由化はそれほど影響はしておりません。
 また、自由化直後の昨年四月、五月は、一カ月で冷蔵牛肉の輸入量は一万トンと言われていたのにもかかわりませず、一万四千トンもの輸入実績となりまして、供給過剰により相場は大きく変動いたしました。しかし、この相場の暴落の影響を受けたのは輸入業者と畜産農家だ付で、消費者の望む小売価格への影響は少ないものでございました。
 自由化によるメリットは、日本の消費者に人気のあるステーキ用のローイン系の部位が大量に輸入できるようになったことであります。畜産事業団に管理されていた輸入では、消費者のニーズにこたえた食肉部位の輸入が困難であったとのことでございます。
 大手スーパー等はこの点に目をつけまして、アメリカ等の生産地の加工業者と直接提携いたしまして、輸入業者を飛び越えて輸入するシステムを完成し、大量販売に成功しております。このシステムを利用すれば、輸入業者による中間マージンの支払い分だけで小売価格が下落するはずでございますが、その割には小売価格が下落していないのも不思議であります。
 したがって、牛肉の小売価格を引き下げるためには、現在六〇パーという関税を引き下げることが一番効果的のようでもありますけれども、畜産農家の保護という政策的配慮がございますので、関税率を引き下げることはできません。
 畜産物の価格安定等に関する法律による安定価格制度は撤廃したらどうかとも言われておりますが、しかし、去勢牛肉安定上位価格は千二百五十円、安定基準価格は九百六十円と決められていた昨年十一月の東京での卸売価格は千百七十七円、農水省食肉流通統計であり、この制度を撤廃したからといって、小売価格が引き下げられるとは考えられません。
 外国からの輸入は自由という流通過程での改革はなされてきましたが、国内における生産者、家畜商、屠場、卸売、小売、輸送等の各段階において不透明な価格形成がなされておるので、小売価格が下がらず、消費者物価の引き下げには至っていないのではないかと考えます。早急に国内での流通経路の合理化と改善をして、生産者と消費者間に介在する業者の中間マージンを削減していかなければ、内外価格差の解消はできないであろうと思います。
 次に、酒類についてでございますが、経企庁物価レポートによりますと、平成三年四月の調査では、ヨーロッパから輸入した酒類の小売価格をアメリカを一・〇として比較してみますと、ウイスキーA銘柄が一・六二九、B銘柄が一・二二、ワインが一・四七九、ビールは一・二三九となっていて、いずれも割高となっております。アメリカ製ビール一缶の小売価格は、東京で二百四十円、ニューヨークで三十八円、ロンドンで五十四円、パリで三十八円となっておりまして極端な内外価格差がございます。
 我が国の酒類が諸外国と比較して高価であるのは、輸入業者、卸売、小売、輸送等の流通段階にも問題がありますが、公的規制が強過ぎる面もございます。
 酒類の製造、販売には免許制がとられております。明治三十二年に制定された酒税法により、これまで自由に製造、販売されていた酒類は、税務署の免許を受けた者でなければ製造も販売もできなくなりました。商品としての酒に税をかけるだけでなく、税の取りはぐれをなくするために、自分で飲むためだけの酒をつくることまで一律に禁止しておるのでございます。
 かくして、明治政府は国家財政の三〇%を酒税で賄うことができたと言われるほど、酒税は税収全体の中で重要な地位を占めておりました。しかし、経済社会の進展した今日におきましては、酒税は全体の、ただの三%にすぎません。酒税の占める重要性が時代とともに変化した以上、免許制による強い規制は徐々に緩和されてしかるべきでございます。商品としての酒類製造には免許制を維持しながら、自家用酒製造は自由とし、小売販売店の免許制も許可基準を見直すべきと考えます。諸外国では、自由製造を認めている国が多いのであります。例えばドイツのワイン法、イギリスでは一九六三年から、アメリカでは一九七九年から自家用ビールの製造は自由とされております。
 また、税率の見直しも必要であります。現在の小売価格に含まれる酒税の負担率は、ビールが四四・一%、ウイスキーが三六・三%、しょうちゅうが二一・三%、清酒が一六・四%となっておりますが、ビールの負担率は突出して、小売価格の半分近くは税であります。諸外国と比べてみますと、イギリスは税が三〇%、ドイツは一七%、フランスも一七%、アメリカは一一・七%の税負担率と比べて日本のビールの税負担率は異常であるのは明らかであります。バブル経済の崩壊した直後で、税収不足に悩む大蔵省に対して、嗜好品であるビールの税率を今直ちに下げよと提言しても無理だとは思いますが、近い将来は規制の緩和と税率の見直しを図らなければ、消費者重視の政治の実現はできないし、内外価格差の解消にもならないと考えます。
 まだありますが、時間の関係がありますので、これで終わります。
#13
○寺崎昭久君 内外価格差の実態だとか、あるいは解決策につきましては、既に出尽くされた感じもありますし、ただいま各委員からもそれぞれ適
切な御意見が述べられておりますので、私はこの際焦点を絞りまして、内外価格差の問題では一つだけ意見を述べておきたいと思います。
 それは独占禁止法の厳格な運用ということでございます。そしてこれに関しては、今後の課題という意味で三点意見を述べておきたいと思います。
 その第一は、独禁法の刑事罰の罰金の上限の引き上げということでございます。ことし三月二日に、公取委からこの上限額を一億円にする必要があるという研究会報告が提出されておりますが、私はこの際、欧米並みの上限にしてもよろしいんではないかと考えております。ちなみに、アメリカはおよそ十三億円程度が上限、カナダが十一億円程度、ヨーロッパも二億円程度が上限になっているのが実態でございます。
 それから第二は、行政罰の強化ということでございます。現行の行政罰は、課徴金と勧告、警告、排除命令、この四種類から成っているわけでありますが、法律の実効性を確保するということを考えますと、この際、営業停止だとか、あるいは免許剥奪というようなもう少し重い行政罰も検討するべきではないかと考えております。となりますと、今の公取委の機能とか構成だけでは対応し切れない問題があると思います。したがって、この際、公取委の調査機能あるいは処分権限を拡大する方向で体制あるいは構成といったものを見直すべきではなかろうかと思います。
 この観点から、現状の公取委の委員長、委員の構成を見ておりますと、歴代ほとんどの方々が大蔵省、通産省といったいわゆる業界育成の衝に当たってこられた省庁の出身の方々でございます。
   〔理事情水嘉与子君退席、会長着席〕
 今後公正な競争条件を確保するということを考える場合に、育成指導とあわせて罰則、ペナルティーによって自戒を促す、この二つが必要だと思いますので、この際、公取委については行政からの独立性を強めること、したがって、人事の面でも省庁出身者というよりは法曹界、学識経験者、有識者、そうした人をもって構成するような公正取引委員会に改組していくべきではないかというように考えております。
 次に、土地住宅対策について二点申し上げたいと思います。
 その第一点は、地価税の問題でございます。地価税を導入する際、政府は地価対策のために地価税を創設したいという趣旨の説明をなさいました。したがって、国民の方は、地価税で入った財源は地価対策のために使われるだろうという期待で見ているに違いないんです。しかし、大蔵省の最近の説明によりますと、地価税をつくること自体が地価対策なんだというようなニュアンスを強めているように思います。だから一般財源にして広く地価対策に使えるんだというような説明になるのかなと思います。これも間違っていることではないと思いますが、現行においてサラリーマンがなかなかマイホームを持てないということを考えますと、徴税することによって地価対策を行うだけではなくて、一般財源として徴税された地価税相当分についても、地価対策のためにこうやって使われているんだというのが国民にわかるようにするべきではないか。つまり、目的税的な使い方に限定してもらいたい、これは要望でございますが、そういうふうに思っております。
 それから三つ目は、金融機関による不動産担保融資、とりわけ土地担保融資の問題でございます。
 昭和三十六年に、朝日新聞の論説主幹をされていた笠信太郎さんが、地価の高騰はそれだけでもう立派な物価騰貴である、地価上昇が不動産を担保とする銀行融資を可能にして、こうしてつくり出された銀行信用の膨張がその事業内容のいかんにかかわらず、使われ方いかんにかかわらず、経済成長の火を燃え上がらせるためのふいごの役割を果たしたのではないかというような趣旨のことを言われておりますが、私も全く同感でございます。
 欧米の金融機関が融資する場合に、ほとんど担保をとらないというやり方が一般的だと聞いております。となりますと、我が国の土地担保融資というのは極めて異例なわけでありまして、これから国際社会の中でこういうやり方が果たして通用していくんだろうかということもあわせて考えなければいけません。担保さえあれば、事業のいかんを問わず何にでも融資をするというやり方が今回のバブルを生んだし、バブル経済の温床になっているんだろうと思います。
 しかし、大蔵省はこのことについてどれほど問題意識を持っておられるのか、私は甚だ疑問に思っております。去年の十二月二十日に通達が出されました。それによりますと、不動産担保融資を行う場合は価格の妥当性を十分チェックすること、適正な掛け目に基づいて担保権を設定することという趣旨の通達でございます。つまり、相変わらず土地担保による融資を当然視しているということが言えるんだろうと思います。
 一連のバブル経済、それから銀行の融資姿勢を云々する昨今でありますけれども、そうしたことを考えた場合に、私は土地担保融資については中長期的にはなくす方向に持っていくべきだろうと思っております。すぐにそれを実現しろといっても土地に対する価値観がありますから、そうはいかないでしょうから、例えば担保融資の掛け目については公示価格を基準にして、五年間でそれの五割ぐらいまで落とすというようなことを考えなければいけないのではないか。しかし、余りそのことを大蔵省等が通達等で出しますとまたいろいろ問題もございますから、一つのガイドラインというような示し方をして、あわせて銀行の融資姿勢を正すということを考えるべき時期に来ているんではないか、そのことが結果として土地住宅対策にもつながるのではなかろうかと思っている次第でございます。
 以上です。
#14
○西川潔君 宮澤総理は生活大国を目指す、こうおっしゃっておられるわけですが、確かにいつの時代でもゆとりのある生活はだれもが期待するところだと思います。しかし、現実には地価の高騰に象徴される資産格差の影響は、土地が少し下がったと言われる今でもなお強く残っていると思いますし、これはまた二十一世紀に迎える高齢化社会にとって極めて深刻な問題も残すと思います。すなわち、土地や住宅を持つことができなかった世代がある。高齢化社会において、その生活基盤をいかに築いていくかという問題についての対応のおくれとかまずさが、将来の日本の高齢化社会を暗い不安なものにしないかということを大変心配しております。
 日本の貯蓄率の高さは先進国の中でも高く、その理由の一つには老後の備えということが挙げられますが、これを裏返せば、現在の年金などによる老後の所得の水準が必ずしも十分ではないということを意味しているのではないかなとも思います。
 消費生活及び消費構造につきましては、世代間、年齢層によりまして当然違ってくるとは思うんですが、今後寿命が延び、余暇時間が増大することによりまして、また高齢者全体から見ると老人会青年部ができるほど皆さん方お元気でございます。いわゆる活動的高齢者が多いことでございます。消費活動も活発に行われるであろうと予測もできます。それが十分可能となる社会づくりが求められていると思いますし、したがってそういった社会をつくるためには、安定した物価水準が維持されることや正しい消費者への情報提供が前提として考えられると思います。
 日本の物価水準は旧西ドイツと並んで比較的安定はしていると思いますが、その中にあって内外価格差がクローズアップされ、その解消に向けての努力がさまざまになされてきたところですが、もちろんその効果は今後の推移を見る必要もあると思いますが、必ずしも順調とは言いがたいようにも思います。
 すべての内外価格差を一概に論じることは、その国々の特徴、地域性とか国民性もあるわけですから十分このあたりも配慮して考えなければいけ
ないと思います。むしろ、ここで大切なことは、品目ごとに丹念な比較、分析のもとに、不当、不合理な価格差がないかを明らかにし、個別に対応することが大切ではないかと思います。
 そして、その上で重要なことは、資産格差の是正とともに、収入、所得面における保障だと思います。年金の持つ重みは今後ますます増大していくでしょうし、貯蓄率の高さ、個人年金加入率の伸びを考え合わせますと、どのような所得保障が必要かについて十分な議論を重ねることが重要だと思います。特に、現在年金への不信も根強く、年金制度をより確かなものにするためにも国の取り組みはその責任を増しておると思います。
 生活大国を私なりに言いかえれば、老後の安心ということでもあると思います。老後の豊かさは、これまで申し上げたように、年金、物価などの安定とさまざまな福祉とサービス、そして住環境の整備が強く求められると思います。これは、単に資産格差を指すのではなくて生活拠点としての安住の場を確保することであると思います。いわば極めて基礎的な絶対条件と言えます。
 年老いて、なおかつ住みなれたところでみずからの人生を全うできることは大変幸せなことであると思います。それを目指して在宅や地域福祉は歩みを速めております。土地住宅対策は、こうした二十一世紀の高齢化社会像を念頭に置いたものでなければいけないと思います。それは、「住宅の問題ではなくサービスも含めた町全体のあり方の問題であると思います。政策立案に関しましても国全体の問題としての認識と取り組みが必要と考えます。
 二十一世紀に確実にやってくる高齢化社会は決して恐れるべき惨めな社会ではなく、私たち人類、日本人の賢明な選択と不断の努力によって明るく活性のある社会となると思います。そのための基盤整備こそが今求められていると思います。当面の問題にとらわれることなく、長期的な視点からそのあり方を考えてみることが大切だと思います。
 消費者教育も子供のころからの取り組みが老後に生かされるのではないか、このあたりも十分に考えられると思います。
 高齢化対応住宅の標準化は、当面のコスト面での多少のアップはあっても、二十一世紀におきましては有効な対応として評価されると思います。
 こうした幾つかの例にも見られるように、内外価格差にしろ土地また住宅問題にしろ、いずれも今後の高齢化社会をきちんと見据えた上で対応することが賢明な選択につながるものと確信をいたします。
 どうぞよろしく。ありがとうございました。
#15
○会長(遠藤要君) 以上で意見表明を終了させていただきます。
 本日述べられました皆さんの御意見は、後日理事会において作成いたします報告書案に反映させていただきたいと存じます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト