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1992/03/18 第123回国会 参議院 参議院会議録情報 第123回国会 予算委員会 第4号
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1992/03/18 第123回国会 参議院

参議院会議録情報 第123回国会 予算委員会 第4号

#1
第123回国会 予算委員会 第4号
平成四年三月十八日(水曜日)
   午前十時一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月十七日
    辞任         補欠選任
     及川 順郎君     針生 雄吉君
     上田耕一郎君     近藤 忠孝君
     井上  計君     勝木 健司君
 三月十八日
    辞任         補欠選任
     櫻井 規順君     前畑 幸子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         中村 太郎君
    理 事
                井上 吉夫君
                鹿熊 安正君
                前田 勲男君
                吉川 芳男君
                梶原 敬義君
                久保  亘君
                佐藤 三吾君
                太田 淳夫君
                吉岡 吉典君
    委 員
                井上 章平君
                石井 道子君
                石原健太郎君
                遠藤  要君
                大島 友治君
                合馬  敬君
                北  修二君
                斎藤栄三郎君
                斎藤 文夫君
                須藤良太郎君
                田中 正巳君
                西田 吉宏君
                野末 陳平君
                初村滝一郎君
                國弘 正雄君
                小林  正君
                清水 澄子君
                種田  誠君
                細谷 昭雄君
                前畑 幸子君
                三石 久江君
                村沢  牧君
                森  暢子君
                吉田 達男君
                白浜 一良君
                常松 克安君
                針生 雄吉君
                近藤 忠孝君
                乾  晴美君
                高井 和伸君
                勝木 健司君
                寺崎 昭久君
                西川  潔君
   国務大臣
       内閣総理大臣   宮澤 喜一君
       法 務 大 臣  田原  隆君
       外 務 大 臣  渡辺美智雄君
       大 蔵 大 臣  羽田  孜君
       文 部 大 臣  鳩山 邦夫君
       厚 生 大 臣  山下 徳夫君
       農林水産大臣   田名部匡省君
       通商産業大臣   渡部 恒三君
       運 輸 大 臣  奥田 敬和君
       郵 政 大 臣  渡辺 秀央君
       労 働 大 臣  近藤 鉄雄君
       建 設 大 臣  山崎  拓君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣  塩川正十郎君
       (国家公安委員
       会委員長)
       国 務 大 臣  加藤 紘一君
       (内閣官房長官)
       国 務 大 臣  岩崎 純三君
       (総務庁長官)
       国 務 大 臣
       (北海道開発庁
       長官)      伊江 朝雄君
       (沖縄開発庁長
       長官)
       国 務 大 臣  宮下 創平君
       (防衛庁長官)
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長  野田  毅君
       官)
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長  谷川 寛三君
       官)
       国 務 大 臣  中村正三郎君
       (環境庁長官)
       国 務 大 臣  東家 嘉幸君
       (国土庁長官)
   政府委員
       内閣審議官
       兼内閣総理大臣  野村 一成君
       官房参事官
       内閣法制局長官  工藤 敦夫君
       内閣法制局第一  大森 政輔君
       部長
       公正取引委員会  糸田 省吾君
       事務局経済部長
       警察庁警務局長  安藤 忠夫君
       警察庁刑事局長  國松 孝次君
       総務庁人事局長  山田 馨司君
       総務庁行政管理  増島 俊之君
       局長
       防衛庁参事官   高島 有終君
       防衛庁参事官   上原 祥雄君
       防衛庁長官官房  村田 直昭君
       長
       防衛庁防衛局長  畠山  蕃君
       防衛庁経理局長  宝珠山 昇君
       防衛施設庁総務  竹下  昭君
       部長
       防衛施設庁施設  大原 重信君
       部長
       防衛施設庁建設  新井 弘文君
       部長
       防衛施設庁労務  荻野 貴一君
       部長
       経済企画庁調整  柳沢  勝君
       局審議官
       経済企画庁物価  小林  惇君
       局長
       経済企画庁調査  土志田征一君
       局長
       科学技術庁科学  須田 忠義君
       技術政策局長
       科学技術庁研究  井田 勝久君
       開発局長
       科学技術庁原子  石田 寛人君
       力局長
       科学技術庁原子  坂内富士雄君
       力安全局長
       環境庁長官官房  森  仁美君
       長
       国土庁長官官房  藤原 良一君
       長
       国土庁長官官房  森   悠君
       会計課長
       国土庁土地局長  鎭西 迪雄君
       国土庁地方振興  小島 重喜君
       局長
       国土庁防災局長  鹿島 尚武君
       法務省民事局長  清水  湛君
       法務省刑事局長  濱  邦久君
       法務省人権擁護  篠田 省二君
       局長
       外務大臣官房外  英  正道君
       務報道官
       外務省アジア局  谷野作太郎君
       長
       外務省北米局長  佐藤 行雄君
       外務省中南米局  寺田 輝介君
       長
       外務省条約局長  柳井 俊二君
       外務省国際連合  丹波  實君
       局長
       大蔵大臣官房総  日高 壮平君
       務審議官
       大蔵省主計局長  斎藤 次郎君
       大蔵省主税局長  濱本 英輔君
       文部大臣官房長  野崎  弘君
       文部大臣官房総  井上 孝美君
       務審議官
       文部省生涯学習  内田 弘保君
       局長
       文部省初等中等  坂元 弘直君
       教育局長
       文部省教育助成  遠山 敦子君
       局長
       文部省学術国際  長谷川善一君
       局長
       文部省体育局長  逸見 博昌君
       厚生大臣官房総  大西 孝夫君
       務審議官
       厚生大臣官房老  岡光 序治君
       人保健福祉部長
       厚生省保健医療  寺松  尚君
       局長
       厚生省社会局長  末次  彬君
       厚生省児童家庭  土井  豊君
       局長
       厚生省保険局長  黒木 武弘君
       農林水産大臣官  馬場久萬男君
       房長
       通商産業大臣官  山本  徹君
       房予算課長
       通商産業大臣官  榎元 宏明君
       房審議官
       通商産業省機械  牧野  力君
       情報産業局次長
       資源エネルギー  山本 貞一君
       庁長官
       中小企業庁長官  南学 政明君
       運輸省鉄道局長  井山 嗣夫君
       運輸省自動車交  水田 嘉憲君
       通局長
       郵政大臣官房長  木下 昌浩君
       郵政大臣官房経  山口 憲美君
       理部長
       労働大臣官房長  齋藤 邦彦君
       労働省労働基準  佐藤 勝美君
       局長
       労働省婦人局長  松原 亘子君
       労働省職業安定  若林 之矩君
       局長
       建設大臣官房会  近藤 茂夫君
       課長
       建設省住宅局長  立石  真君
       自治大臣官房審  遠藤 安彦君
       議官
       自治大臣官房審
       議官       谷口 恒夫君
       兼内閣審議官
       自治省行政局選  吉田 弘正君
       挙部長
       自治省財政局長  湯浅 利夫君
   事務局側
       常任委員会専門  宮下 忠安君
       員
    ―――――――――――――
   本日の会議に付した案件
○平成四年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)
○平成四年度特別会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)
○平成四年度政府関係機関予算(内閣提出、衆議
 院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(中村太郎君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 平成四年度一般会計予算、平成四年度特別会計予算、平成四年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 昨日に引き続き、総括質疑を行います。高井和伸君。
#3
○高井和伸君 連合参議院を代表いたしまして、質問させていただきます。
 昨日、国会におきまして、フジモリ・ペルー大統領の演説を聞かせていただきました。宮澤総理も渡辺外務大臣も最前列で聞いておられましたけれども、四十年ぶりの日本語を使っての演説は大変私感銘を受けました。冒頭の、私は全ペルー国民の代表として皆様にごあいさつ申し上げるとともに、一八九九年よりペルーへの移住を開始し、多くの困難を乗り越えて、ペルーで人数も多く進歩的なグループの一つとなった日本人移住者及びその子孫の代表として皆様にごあいさつ申し上げますという言葉に、私大変感銘を受けました。
 経済の再建に取り組まれまして、さらに麻薬問題の解決に立ち向かっていると訴えられ、そして友好国としての日本の支援を求めておられました。日本からペルーに既に四百万ドルの支援がなされ、四万人のペルーの児童のための学校も完成したとの報告もなされました。
 フジモリ・ペルー大統領は、日本とペルーとの新たな時代に向けて、五つの提案をされました。ペルーをラテンアメリカにおける日本型経済発展のモデルとして、ペルーと日本がパートナーとなり、ペルー発展のために莫大な資源を活用し、アマゾン地域の環境を守るために投資を促進し、効果的な麻薬対策を進め、米州開発銀行を通じての協力を行う、こういう提案がなされました。
 総理及び外務大臣はこの提案をどう受けとめられ、どう対応されるのか、お尋ねしたいと思います。
#4
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま先生からお話がありましたように、日系人の大統領が初めてできた。そればかりでなくて、フジモリ大統領は再建のために、人気取りでなくて本当に国家再建のための、国民にとっては大変苦しまなければならない一時期、そういう非常に苦難を伴う政策を実行しつつあるわけであります。
 もちろん、これに対しましては物すごい反発がございますが、全体から見ると国民の理解はかなり高い。それはやはり誠心誠意やっているというところにあるんでしょう。しかし、誠心だけではうまくいくわけがありませんので、我が国といたしましては、昨年約四億ドルの円借款と三十五億円のノンプロをやったんですが、ことしになりましてから、きのう総理からさらに一億ドルの円借款の供与をお約束し、さらに三十五億円のノンプロジェクトの無償協力資金を供与するという約束をいたしまして、大変喜ばれておるところでございます。
 私からは、向こうからそのほか希望のありました投資保護協定、これについては締結する用意が日本としてございますということをけさ申し上げました。
 もう一つは、いろんなそういうことをやるのに当たって、きのうも演説の中で日本のまねをしたい、まねと言ってはなんですが、日本を見習いたいというようなお話がございましたので、そういう御希望があるならば、我が国におけるその方の専門家、経済改革を初めいろんな専門家がたくさんおりますので、そういうような方と大いに接触を深めてください、そのための事務的な接触をぜひとも持ってぐれれば幾らでも協力をいたしますということも申し上げました。
 なお、九二年度から三年間でペルーからの研修生五百人を日本に受け入れて、お役に立つように御協力を申し上げたいということもお話しした次第でございます。
 いずれにいたしましても、私の聞いたところでは十二名の閣僚の中で日系人が四人とかおるという話を聞きました。非常にみんなでペルーの再建に頑張ろうということでございますので、できるだけ支援をして、七〇〇〇%のインフレを百何十%にまで下げたと、たった二年ぐらいの間で。でございますから、ぜひともこれを成功させるように官民を挙げて協力してまいりたいと考えております。
#5
○国務大臣(宮澤喜一君) フジモリ大統領が訪日をされましたことはまことに意義の深いことでございますし、また昨日の国会における演説も、高井委員と同様に、私も感銘を持ってお聞きをいたしました。
 昨日、会談もいたしましたが、ただいま外務大王臣からお話しになられましたような心構えで、今後とも、私どももペルーの再建のための大統領の努力にできるだけの貢献をしてまいりたいと思っております。
#6
○高井和伸君 困難な事態に敢然と立ち向かっておられますペルー国のために、さらなる支援を期待しております。
 続きまして、けさの新聞でまた少し気になる記事がございました。朝早く質問通告いたしましたけれども、毎日新聞の朝刊に、ある種の疑惑というような報道のされ方がされております。
 渡辺郵政大臣にお尋ねしたいと思いますけれども、芝公園にホテル計画の会社から献金と顧問料ということで一千八百万円ほど渡辺郵政大臣に渡っていると。これは開発規制の緩和直後の八八年からというようなことで、ある種の疑惑というふうに私はこの報道を受けとめております。職務に関連してこのようなことが行われたとすれば大変重大な問題だろうと。
 この新聞記事によりますと、特に官房副長官を退任した後に、東京タワーを所有する日本電波塔という会社、そこの顧問に就任されて、そして、そこで民活の事業の全国初のスタートということで、公園内に建築できないホテルを建築するような方向での力を注がれた云々というような記事になっています。この事実関係はどのようなことなのでしょうか、お尋ねします。
#7
○国務大臣(渡辺秀央君) お答えさせていただきます。
 まず、日本電波塔の前田社長とは私は非常に親しい友人関係であります。その因縁で昭和六十三年に顧問に就任してくれと要請されまして、承諾をいたしたわけであります。
 顧問は、昨年十一月、大臣に就任した時点でもちろん辞任をいたしております。いただいた顧問料は、私の所得としてきちんと申告をいたしております。また、前田個人からの献金でございますので、政治献金にしても政治資金規正法に従いまして収支報告書にきちんと記載をいたし、適正に処理いたしております。したがいまして、個人の献金ですから名前がきちんと収支報告書に載っていますので、そういうことでそこに絡めてその記事になっているというふうに推測されるわけでございます。
 しかしながら私は、今高井先生から御指摘記事についての御朗読がございましたが、実際残念でございます。高井先生は過去郵政マンのお一人でもあったわけでして、むしろ私は別の角度で御質問をいただいて、政策的にも御答弁させていただきたいぐらいの気持ちでございましたが、自分の不徳であるかもわかりませんし、あるいはまたこのようなことで本当に申しわけないと思っております。
 しかしながら、記事にあるように同社のホテル建設計画など、あるいは関係方面に働きかけたなど全く一切ございません。あくまでも友人としての顧問就任でありまして、常識的に考えてみましても、ある政治家が企業のためにわざわざ顧問に就任して物事を働きかけるなどということは、先生も御職業柄おわかりだと思うんですが、そんなことはあり得ないことだと思いますし、私ももちろんそんなことはしておりません。けさの記事の内容は事実に反します。あたかも不正に政治献金を受け取ったり、あるいはホテル建設に当たりまして私が関係方面に働きかけたかのような、非常に誤解を招く、あるいは誤解を与えかねないものとなっていることは残念であり、遺憾でございます。
 実は昨晩、私自身が新聞社のしかるべき地位にある人にそれを全面的に否定したのであります。にもかかわらず、こういうふうに、記事もかなり際どいところは責任逃れみたいに書いてもございまして、否定したにもかかわらず、非常に私は残念であり、報道されたことに対して新聞社に厳重に抗議をして謝罪を求めていくつもりでございます。しかし、御迷惑をかけ、あるいはまた郵政省にもかつてこの一連の報道、あるいはまた国会の審議等でいろいろ御迷惑をかけ、御心配を煩わしました。三十万の郵政マン、あるいはまた関係する機関の三十万の人たち、六十万の職員の皆さんのことを考えると本当に日夜身の細る思いでありましたが、またこのような記事が報道されたことに対して、本当に私は憤りと同時に申しわけない気持ちでございます。何とぞひとつ御推察をいただき、御了解を賜りたいと思うわけでございます。
 以上であります。
#8
○高井和伸君 あと一点だけ、今の聞き漏れがあったらいけないので確認いたしますが、芝公園にホテル計画自身はあったんでしょうか。
#9
○国務大臣(渡辺秀央君) 私は、そのことも実はよく承知しておりません。
#10
○高井和伸君 はい、わかりました。
 続きまして、このたび奈良と宮城県におきまして参議院の補欠選挙がございました。この一連の補欠選挙において、ある意味では国民の声がこの選挙によって意思表示されたというように私は理解しております。そして私どもの仲間、連合参議院に二名の議員がふえまして、私どもの日ごろの政策の主張がまた国民から認められたというような理解をしておりますが、相手方の候補が主に自民党の方でございました。そういったときに自民党総裁として、さらに総理として、この補欠選挙についてどのような受けとめ方をなされているのか、所見をお伺いします。
#11
○国務大臣(宮澤喜一君) ことしになりましてから政治につきましての暗い話題がいろいろございました。国民が政治についてのいわゆる政治改革を強く求めておられるという有権者の気持ち、それから景気も停滞しておりますので、その問題についての国民の持っておられる不満感とでも申しますか、そのようなものが選挙の背景になっておったと存じます。選挙そのものは終了いたしましたので、その結果についてかれこれ申すつもりはございません。背景としてはそういうことであったと思います。
#12
○高井和伸君 選挙の結果についてかれこれということでございましたけれども、実は新聞記事を見ますと、自由民主党の幹部の方々が大変いろいろな発言をなさっておられます。
 そこでまず、渡辺副総理に質問いたしますけれども、三月十日付の共同の配信の記事を見ますと、政府と自民党首脳会議の後、記者団にこう話られだというような記事になっております。連合参議院は市民党みたいな印象を与えているが、見方によっては無責任、連合にはっきりした政策がないと訴える必要があると語る云々という記事になっておりました。これは、こういう発言をなさったんでしょうか。
#13
○国務大臣(渡辺美智雄君) 報道があればやったのかもしれませんが、連合というのは連合ですから、各政党はそれぞれ政策を持ってちゃんと戦っているわけですから、だからその政策がどの政党と組むかによってその都度私は政策協定をきちっとやっているだろうと思いますが、そこらのところはよく見えない、そういう意味で申し上げたこどで、それ以上のことは何もございません。
#14
○高井和伸君 今の前提たる事実の発言の要旨は、そうであったかどうかということはよく理解できませんでしたが、そのとおりの発言があったという前提で質問しますが、そうすると、無責任だという言葉がありますけれども、これはどういう意味になるんでしょうか。
#15
○国務大臣(渡辺美智雄君) 無責任と言ったんでしょうかね、私も覚えていないんですが、私は大体しゃべったのをテープにとっておりますから後で調べてみますが、いずれにしても、それははっきりした政策がないということを意味しておる、はっきりしたというよりも一貫したでしょうな、一貫した政策がない。選挙中というのはいずれも多少エスカレートして物宣言わせてもらっているのは、大体与野党そう大差はないじゃないか。その点は多少ひとつ引き算をしていただきたいと存じます。
#16
○高井和伸君 選挙の多少のエスカレートということですけれども、時の副総理・外務大臣の渡辺さんが発言なさるとやっぱり記事になります。私ども連合参議院十三名といえども、やはり参議院に足場を持って、政治家として、さらに国民の代表として、ある意味では各選出県の代表として頑張っておる立場からいうと、大変聞き捨てならない言葉になるわけであります。
 そこで、今のお話の中でもう少し議論させていただきたいんですが、中身に入る前にまずちょっと形式論をいきたいんですけれども、渡辺副総理兼外務大臣は内閣の方でございます。行政の方でございます。その方が立法府の我々の議員活動について、とかくああのこうの言える立場にないと私は考えます。どうでしょうか。
#17
○国務大臣(渡辺美智雄君) もちろん私は閣僚でございますが、一般公務員じゃございませんで特別公務員、身分は衆議院議員、党派は自由民主党公認候補で出ておるわけでございまして、それは、閣僚はそこのところが一般公務員とは違うわけでございまして、党派の問題についても、あるいはいろんなことにしても、衆議院議員としてはいろんな意見を持っております。国会のこういう席でそういうことを一々は申し上げませんが、やはり議員活動はある程度制限はもちろん受けますが、私は議員としての言論の自由はあってもいいんじゃないか。ただ、連合参議院のことを私は言ったんじゃないですから、連合参議院という会派、届け出の会派を言ったわけではないので、連合の選挙を言ったのでありまして、ひとつ誤解のないように。連合参議院の方にはいろいろと今後とも御協力をいただかなければなりませんので、もし言い過ぎた点がありますれば、それはおわびして訂正をいたします。よろしくお願いいたします。
#18
○高井和伸君 おわびして訂正をいたしますということを言われますと、これ以上申すことございません。先ほどの特別公務員だということも承知しております。衆議院議員であることも承知しております。しかしながら、衆議院議員としての発言あるいは副総理としての発言はやっぱり質が違う、このように感ずるわけです。
 そこで、加藤官房長官、あなたにも同様な質問をこれからいたしますけれども、あなたの場合は日本経済新聞の三月十二日付の記事によりますと、こういうタイトルです。「自民と連合激しく火花」、サブタイトル「参院補選の余震」ということになっております。そこで私どもの連合参議院に関する発言が載っておりまして、記事は、「加藤官房長官は同日夕の記者会見で」、これは三月十一日ですが、「原子力発電や国連平和維持活動(PKOなどに連合参議院がどういう意見を持っているのか、いまひとつ明確でない気がすると政策課題に対する立場を明確に打ち出すべきなどの考えを強調し」云々、こういうふうな記事になっておりますが、こういう発言をなさったんでしょうか、そういう事実についてお尋ねします。
#19
○国務大臣(加藤紘一君) 「激しく火花」というのは新聞社の書かれな言葉でございますが、括弧つきで私の発言とされておりますのはそのとおり私発言いたしました。
#20
○高井和伸君 そこで、まず形式論からいきますけれども、この席は私の察するところ内閣官房長官として定例の記者会見の席上で、内閣を預かっている、官房を預かっている立場で記者会見なさったはずでございます。先ほどの渡辺副総理兼外務大臣と違ったシチュエーション、場所、行政府のスポークスマンとしてしゃべっておられます。そういった立場、先ほどの渡辺副総理の回答を差し引いたとしても、これはより私ども許せない。行政府が立法府に対してフライングしている。官房長官としておしゃべりになっているはずです。
 そこで言いわけを考えれば、仏とすれば私の衆議院議員としての立場で感想を申し上げましたと、記者が質問するから私が回答したまでですという、質問があるにしろもしそういったことで御回答なら、それは官房長官として非常に心得違いの話だろう、もう少し謙抑であってしかるべきだ、こう思いますが、いかがですか。
#21
○国務大臣(加藤紘一君) その記者会見に際し、その後山岸さんが、官房長官は申立てあるべきなのに政党の政策等について云々したのは言論の弾圧ではないかというようなことをおっしゃいました。私はそれを聞いて、私たちは一言論の弾圧なんぞという大げさなことを考えているつもりは毛頭ございませんで、私が記者会見で申しましたのは、政府というのは各政党間の論争というものをよく聞いて、またその政党間の論争は本来あるべきで、その論争をよく聞いてそれぞれの政党の政策を参考にしていくべきではないか。その際、各政党の主義主張、論争点というのは明確になっていた方が私たちにとっては参考になりますと。そういう面からいうと連合、その際には私は単に連合と言ったんですけれども、その連合の政策が、例えば原子力発電やなんかについていまいち明確でないような気がいたしますということを申したのでございます。
#22
○高井和伸君 今の話が平場の話なら、それは理解できます。しかしながら、これは補欠選挙が二つ終わった、宮城の補欠選挙が終わった直後の発言でございます。今のような発言は負けた悔しさの上での発言と、こう理解すればわりかし素直に聞けるんですが、そのとおりですか。
#23
○国務大臣(加藤紘一君) 悔し紛れというようなこともまあ若干あったかもしれません。それはまた論争いたしますと、今高井さん、我々は奈良それから宮城で政策を明白にしながら戦ってきたとおっしゃいましたけれども、そこで例えば原子力発電について宮城で明白になさったかという問題はあると思いますね。米についてはしっかりおっしゃったと思います。
 それで私は、昭和五十三、四年に政策推進労組会議ができました。それから民間先行ということでずっとこの運動があって、それから全民労協ができて連合ができた。そういう中でその後、政治方針をどうするかということを得本さん中心にいろいろ検討されてきた。その流れというものは、私は非常に日本の政治にとって大切な流れだと思ってずっと注目してまいりました。そういう意味ではまだその結論は得本さん中心にできていないんじゃないでしょうか。
 ですから、私はその政策は明確になった方がいいと思っていますし、それから政府にとっては参考になると思っていますし、逆に言えば、もう一つの議論は、参議院会派としての連合というものは、そういうものは明確にしないで、ある意味でのつなぎ役をするのだから政治的にはその方が機能がいいんですよという議論もされているということも聞いております。しかし、そこは政府が論ずるべきことではない。
 ただ、政府としては、会派としての連合の政策がどういうものであり、それがユニオン連合との関係でどういう力関係になるのか、それを官房長官が興味を持たないでぽやんとしていたら逆に失格ではないかと思います。
#24
○高井和伸君 こちらも、山岸連合会長の言論の弾圧だとかそういったことについて私はコメントする立場にございません。そして今、民間連合からの流れ、全民労協あるいは得本委員長というような話、これもそのとおりだと思いますけれども、しかしながら私の言いたいことは、行政の官房を預かる長としての立場の発言としては、新聞記事を見る限り連合参議院を誹謗している、行政府の立場をフライングしている。したがって、先ほどの渡辺副総理のように撤回して、ある意味じゃ謝罪を願いたい、こう思うわけですが、いかがですか。
#25
○国務大臣(加藤紘一君) 政治と行政というものはどういう関係になるのか、それはなかなか難しいところだと思います。しかし私は、議院内閣制においては現在の政府というものは自民党との政府・与党関係にありますから、非常に自民党の影響を受けるのが現在の政府だと思っております。これが社会党の政府になれば社会党の影響を受けるし、連合が政権をおとりになればそれは連合の影響を受ける。
 ただ、その際に、政策決定過程ではそれぞれ強く影響を受けますが、それが本当に国民のためにいいかどうかということは国民の判断を聞かなきゃなりませんから、したがって政府は原案をつくって、そしてそれを国会に出して、そして皆さんから衆参でそれを承認を受ければ、その後の実施については極めて中立的にやっていくというのが物事の筋ではないかなと思っています。したがって、政策をつくる段階、それから政党間の政策論争の段階では政府も非常に興味を持ってやっていかなければならないことであろうと思っております。
 ですから、私はその意味で恐らく自民党の中では政推から連合に来るまでの過程に非常に興味を持っていた人間の一人だと思っておりますので、私は早く連合の政策、それがユニオン連合であろうと参議院会派連合であろうと、ユニオン連合の政策が早く明確になった方がいいんじゃないかという意味で、何といいますか一生懸命支援しているような立場で申し上げているととっていただきたいと思います。
#26
○高井和伸君 私は、まだもう一回質問します。
 連合参議院がへなちょこな集団であるというような発言は、これは奈良県の連合の会の吉田之久さんを当選させた県民に対して大変失礼な話です。そして、宮城県の萩野浩基氏を当選させた方々に対して大変失礼な話です。政策がないような連合の会の候補者を当選させた人たちは間違っておる、こういうふうにとれるんですよ。したがって、もう一度、渡辺副総理のような素直な立場での発言を求めたいんです。
#27
○国務大臣(加藤紘一君) 私は、へなちょこというような表現は使っておりません。いま一つ明確ではないということを申し上げたのでありまして、例えば原子力発電について言いますと、ユニオン連合の方は、これは何となく、現在その三割の比重を占めているということについて認めているというような書き方をされておりますが、政策提言をずっと私は読んでいますけれども、原子力発電を明確に認めるという言葉はまだおっしゃっていません。ただ、その安全性というものが非常に重要であるということを一生懸命されておりますから、ああ、これを見ると原子力発電は認めるのだなというふうに推測して読めるような政策提言はできていますね。
 そこで、参議院の連合は原子力発電についてどういう立場をおとりになっているのか、どちらかと言えばこの場で御教示いただければ。それから、自衛隊というものについてお認めになるのか、日米安保についてお認めになるのか。例えば、この間の十チャンネルのサンデープロジェクトによりますと、山岸さんは、ううん、それは認めてもいいけれども微妙な問題だね、今ここで言うのは。ということをおっしゃいました。ですから、これはユニオンとしての連合の立場なのかもしれません。したがって、ここで参議院会派として今の点について明確に逆に御教示いただいた方がいいんじゃないかなと思っております。
#28
○高井和伸君 私の質問に答えておられません。謝罪される気はありませんかと聞いているんですから、ないならないとはっきり言ってください。
#29
○国務大臣(加藤紘一君) 私が申したのは、政府としては、各政党の政策が明確になった方が参考になりますと言って、その点でより明確な連合の意見を聞きたいと思っておりますということは、私は間違っておるとは思いません。
#30
○高井和伸君 私が言っているのは、原子力の問題が争点になった選挙ではございません。そして、私に言わせれば、これは選挙後間もない、選挙結果が出た後の発言でございます。とても今の回答は納得できません。
#31
○国務大臣(加藤紘一君) 国会の場というのは政策討論の場だと私は思っております。したがって、我々議論しますと、連合の中での問題点としては、例えば原子力発電に関する国際協定についてどう思われているのか、その辺について御議論なさるべきで、また東北という場所は原子力発電所の多いところです。したがって、東北の人間が原子力発電について政策的な関心をお持ちでないとおっしゃるのは、東北出身の国会議員としてちょっとそれはいかがなことかなと思います。
#32
○高井和伸君 私は、そんなことであなたに答弁を求めていません。そういったことの議論はまた別にやります。
 今言っているのは、私の方は米と政治改革とそして政治腐敗の問題を含め、そして先ほど総理もおっしゃられたように、あともう一つは景気の問題、そして暗い。話題が多い、こうおっしゃっておられるわけですよ。連合候補が当選したその直後での発言ですよ、官房長官としての。それは、影響力があるかないか、議論した方がいいか悪いか、そんなことはわかっていますよ。わかっていますが、官房長官としてはやり過ぎですよと言っているんですよ。
#33
○国務大臣(加藤紘一君) 同じ答弁になりまして申しわけないんですけれども、私は、ユニオンの連合の中でいろいろ政治路線を明確にする、そしてそれと参議院連合の関係をどうしようとなさっているか大変合論争をされておりますことを聞いております。したがって、それはやはりそこは明確にしない方が政治的に動きやすいという議論もあるというのも風のうわさに聞いております。しかし、それは明確にする努力を得本委員長を中心になさっているということも聞いておりますので、山岸さんもそこはサンデープロジェクトで明確にしようということをおっしゃっていますので、したがって、そこはまだ明確になっていないということは私は事実だと思うんですね。
 ですから、それは原子力発電について明確である、それから自衛隊の存在をどうするか明確であると今高井さんはおっしゃっているわけですから、その点は今逆にここで御教示いただいた方が私たちとしては参考になるんじゃないかと思います。
#34
○高井和伸君 続きまして、それでは、今のは納得したわけではありませんが、続行します。
 「国連平和維持活動などに連合参議院がどういう意見を持っているのか、いまひとつ明確でない」という言葉ですが、どういう理由からそのようなことをおっしゃるんですか。
#35
○国務大臣(加藤紘一君) 連合参議院の皆さんがPKOについてどういうお考えをお持ちなのか、正式にはまだ提示されていないと思います。しかし、事務局の方に内々にこういう考えですよということが来ているということは聞いておりますので、その点につきましては、それを読んでいなかったことは私はおわび申し上げます。
#36
○高井和伸君 官房長官、あなたそこにお座りですよ、ずっと。私は百二十二国会のときから宮澤総理に言っておりますよ、何度も何度も。そして、我々、PKO特別委員会で同僚議員も何度も言っています。そこで今渡辺副総理がうなずいておられます。外務委員会でも元り言っております。政府に我々は物すごいアピールしております。官房長官が知らない、知らない上でこういう発言されちゃ困るんですよ。そういう誤りが出てくる。あなた官房長官でしょう。そこにおられるんですよ、ずっと。私は宮澤総理と何度もやっていますよ。何のための総括質問ですか。内閣の一体性をもって時の大テーマをみんなで議論して、その議論が浸透するようにやっておられるわけでしょう、総括質問というのは。今の回答に対しては、本当に官房長官、残念です。正式に提示されていないなんということはない。議事録を調べてください。何度も言っています。わかりませんか。
#37
○国務大臣(加藤紘一君) PKO法案につきまして、そういうのが仮に正式に提示されておったんだとするなら、私の不勉強をおわび申し上げます。
 ただ、時々、私が誤解いたしましたのは、テーマ、テーマについて、参議院連合としての統一的な見解がどうかということがわからないときが私自身ありましたので、今、それを連合会派としての正式の提案だということであれば、私の不勉強であったことをおわび申し上げます。
#38
○高井和伸君 もとへ戻ります。あなたが、私たちがいない官房の記者会見場で片面的に、一方的に、時あたかも選挙の後の記者会見でそのような事実不認識の上での発言、やはり誤解を生ずるわけですよ。フライングになるわけですよ。
 もとへ戻ります。
 奈良県民、宮城県民の代表でもある我々の、連合参議院の二名を含めて、連合参議院はみんなあなたの言葉の撤回と謝罪を求めます。
#39
○国務大臣(加藤紘一君) 私が申し上げたのは、政府が各政党の意見を聞きたいと思うのは当然でしょう、そしてそれを参考にしますということで、これを私は撤回申しましたら、それはやっぱり政府はそれぞれの政党の意見を聞かないのかということになりますから、そこは私は間違っていないんじゃないかと思っておりますけれども。
#40
○高井和伸君 宮澤総理にお尋ねします。
 今までの議論を聞いていただいて、番頭である官房長官、言い逃れしておられます。選挙直後の場面で自民党・政府の重要首脳会談があって、私は、綿貫幹事長だとか森政調会長の発言は、政党人として当然それはしかるべきだと思います。ところが、官房長官が定例の記者会見で内閣のスポークスマンとしてしゃべるときのテーマではありませんし、時と場所が間違っております。そういう考えでもって私言っておるんですが、どうも官房長官に伝わらないようでございますが、宮澤総理どのようにお考えですかひ
#41
○国務大臣(宮澤喜一君) お尋ねに対しまして私が冒頭に申し上げましたことは、この二つの選挙は既に終了いたしました、それについて今私はとやかく申すことはありませんと申し上げました意味は、もとよりこの選挙によって示された国民の審判に忠実でなければならない、それを尊重しなければならない、このことは当然内閣としての立場でございます。官房長官がその結果について、それを誹謗ずるような気持ちで物を申したということはあり得ないことでございますので、どうぞ内閣の立場がそのようであるというふうにひとつ御理解を願いたいと思います。
 なお、たまたま宮城県の補欠選挙が行われております最終盤になりまして山岸会長が経済対策について意見を申したいと言って官邸にお見えになりまして、私、十分に礼儀を尽くして御意見を承りました。そのことについてやや選挙的な批判を受けたりもいたしましたが、これは公の立場における公の御意見でございますから、私としては十分に承るのが当然だと考えておりました。今もそう考えております。
 加藤君の申しましたことに誤解を生じましたら、どうぞ御理解をお願いいたしたいと思います。
#42
○高井和伸君 心情的なお言葉でございました。私ども客観的な立場からいろいろ申しましたけれども、今の総理のお言葉で、一応この場はこれにて次のテーマに移りますけれども、今後ともやはり時と場所を心得て発言されるよう注文をつけて、次の質問に移ります。
 次の質問もやはり同じ脈絡の中で出てきたことでございます。宮澤総理に質問いたしますが、三月十一日の読売新聞を見ますと、これもタイトルが華々しくついておりまして、「連合側と論争で勝負 自民が巻き返し作戦 「あいまい政策」に照準」、こういう記事になっております。そして、その記事を読みますと、「自民党は十日、連合候補の選挙母体である「連合の会」や院内会派の「連合参議院」に対し、公開討論など政策論争を積極的に呼びかけていく方針を決めた。」、こういった事実は、「自民党は」という主語になっていますが、総裁の宮澤総理は御承知でしょうか。
#43
○国務大臣(宮澤喜一君) 私はつまびらかにいたしておりません。
#44
○高井和伸君 官房長官は御存じなんでしょうか。
#45
○国務大臣(加藤紘一君) 自民党の方で、森政調会長を中心に連合の方といろいろ政策論争をした方がいいのかなというような感じの意見があることを聞いております。
#46
○高井和伸君 記事は長くいろいろ書いてありますので読み上げませんけれども、総理にお尋ねします。これだけ好き勝手に連合の金あるいは連合参議院が誹謗されるような記事が出ている以上、私ども公開討論で反論したいと思います。このような御計画をお持ちなんだろうと思います。総理、いかがですか。
#47
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほども申しましたが、私はつまびらかにいたしておりません。公にどうということになっていないのではないかと思います。
#48
○高井和伸君 官房長官、いかがですか。
#49
○国務大臣(加藤紘一君) 政党間のことでございますので、官房長官が答弁するといけないと思いますが、そういう動きがあるということは私も聞いております。
#50
○高井和伸君 最後の答弁が聞こえませんでした。もう一度答弁お願いします。
#51
○国務大臣(加藤紘一君) 党の方でそういう動きがあるということは存じでおりますけれども、御質問の趣旨は、それをやった方がいいかどうかと考えるかということでございますか。
#52
○高井和伸君 討論するなら私ども受けますのでよろしゅうと、こういうことです。
#53
○国務大臣(加藤紘一君) はい、わかりました。それは政府・与党の関係でありますので、与党の主要な政策担当の方にその旨お伝えいたします。
#54
○高井和伸君 我々も、新聞記事で一方的に言われますと、やはり片面的な立場で抗弁権というか反論権というか、それを行使しないとおさまらない立場でございます。新聞記者会見場においても同じでございますし、このように自民党首脳会議で決まったということもメッセージが伝わっておりませんので、新聞に出た以上はこういつた場面で私どもも正式に意思表示をしておきたい、こういう意向でございます。どうぞよろしくお願いします。
 それから、今までいろんな答弁の中で政党論が出ておりました。すべての政策がきっちりしておらなきゃいけないというのが加藤官房長官のお話でございました。またあるときは、余りはっきりしない方が都合がよろしいのじゃなかろうかというような気を遣ったお話もございました。しかし、今度私どもいろいろ選挙を踏まえて考えますときに、今政党政治というのはかなり限界にきているのじゃなかろうか、大きな政策課題がきちっとできない時代に来ている。あらかじめ綱領ができ、政策目標ができて、九九・九九ぐらいすべての問題に対してすべて意思表示して、それを選挙で訴えるなんということは、これはもう架空の話というか非現実的な話でございます。それを前提に先ほどから立論を官房長官なさっておられました。大変不満でございます。現実はそのような状況になっておりません。ときどきのテーマが最大のテーマになり、選挙民もそのように考えています。
 ただ、政党論という問題になればいろいろ考えがおありでしょう。しかし、自由民主党がそのような党であるかどうかは別として、選挙をする以上連合の会は政策を出し、公約をし、皆さん方に票をいただいて当選してきているわけです。その限りの立場を無視されるような発言を先ほどから私どもおかしいと、こう言っているわけです。
 そこで、総理にお尋ねしますけれども、こういう発言を伝聞ですが候補者から聞きました。奈良の候補者が言っておられましたけれども、総理が奈良県で演説された内容の中に、吉田候補が通ったら奈良がうまくいかぬよと、このような発言があったやに聞いておりますが、事実でしょうか、違うなら違うで否定してください。
#55
○国務大臣(宮澤喜一君) 事実でありません。
#56
○高井和伸君 それは総理のお言葉じゃなかったかもしれませんので、承知しました。
 それからまた、これも一方的なことでございますが、宮域県でも、萩野が当選したら飯が食えなくなるぞ、こういうせりふがやはりエキサイトした選挙の終盤の段階で大変出てきている。こういった選挙活動、まあこれは伝聞ですし、正確じゃないかもしれませんが、これで政策論争ができている選挙でしょうか。まあこれはここまでにしておきます。
 そこで私、政治腐敗の問題、先ほど宮澤総理は、暗い雰囲気を今度の選挙で感じて、それが投票結果になったのだろう、こういうことをおっしゃられました。私は、これは連合参議院が誕生しましたおよそ三年前にリクルート事件がございまして、それが私どもを押し出した一つの力でありました。政治腐敗防止あるいは政治改革というような言葉でございました。それが自民党の手によっていまだできていない。そして共和事件が生じ、東京佐川事件が生じ、いろいろ続々と出てきている。これを暗い雰囲気という表現は大変的確だろうと思います。そして、政治改革をやるというキャッチフレーズが何度も何度も唱えられております。
 しかし、私が考えますのは、基本的には日本の政治体制、戦後、自由民主党の功績かもしれませんけれども、一党の長い政権交代のない時代が続いた。簡単に言えば、二大政党がない、あるいは政権交代がない、これが基本的な政治腐敗を防止できない、予防もできない、訂正もできない、修正もできない、こういうことじゃなかろうか。私と同じ論旨を京極純一という東京大学の政治学の先生が「日本の政治」というところで書いておられました。議院内閣制においてきちっと機能するためには政権交代、これがなければもうあとは絵にかいたもちで民主主義といっても非常にむなしい、議院内閣制といってもむなしい、民選といってもむなしいというような論調でございました。
 総理、この二大政党論、政権交代論を含めて、こういった認識、現在の政治状況と政治腐敗をなかなかきれいにできない現状を見るときに、ここに根源的な原因があるとお思いになりませんでしょうか。
#57
○国務大臣(宮澤喜一君) まさに言われますように、二つの政党があって、そして国民がその間の選択ができるという状況は民主政治にとりまして一つの典型的な型であろうと思うのであります。
 ただ、その場合に、二つの政党が全く異質でありました場合には、国民が一つから片方へ選択をしていくというときに国民自身が非常に困惑をするということは時としてあり得ることでございますけれども、我が国の場合、私が若いときから今日まで経験いたしましたことは、これは誹謗というつもりではございません、誹謗というつもりで申しますのではないのですが、やはりマルクス・レーニニズムというものの影響を非常に強く受けた方々がおられて、そしてそのことが戦後の我が国の行くべき、行く手の選択について他の政党とかなり激しい対立状況になったということ、これはどちらがいいどちらが悪いということを私は今申しておりません。
 そういう非常に激しい対立がありましたものですから、国民がそういう選択を新しくいたしました場合には、全く急角度に国のコースが変わらなければならないという問題がありまして、したがいまして国民もそういう選択に踏み切れなかったということではないか。くれぐれもどちらが悪いどちらがいいと申しておるのではございませんし、また、そういう状況も最近になりまして非常に変わったということもよく存じておりますけれども、戦後最近に至りますまでの間そういう経験をお互いがしたという事実だけを申し上げたいと思います。
#58
○高井和伸君 私も大変理解できるお話でございました。
 それで、今時にいろんな、きょうの新聞でもたくさん出ておりますけれども、金丸副総裁がいろいろ発言なさり、会談での発言が報道されております。宮澤総理のもとでコンビとして自由民主党をお預かりになっている金丸さんの発言、自民党を割ってもいいだとか、あるいは連合政権をつくろうだとか、あるいは二大政党になろうだとか、そういった趣旨の発言が積極的に述べられております。今、総理のおっしゃられた異質な価値観のぶつかり合いというものがかなり影を潜め、それが先ほど加藤官房長官がおっしゃったナショナルセンターたるユニオンの、連合の流れにもそれが見られる、こういうことであろうと思います。
 そういった中で、私が短兵急に質問しましても総理はお答えにならぬかもしれませんけれども、連合参議院のよって立つ足場はやはり自民党にかわって政権を担当し得る連合勢力を樹立しよう、つくろう、そのために我々はかすがい役をやろう、これが連合の金あるいは連合参議院の基本的スタンスでございます。発生の場面におきまして、社会党、公明党、民社党、社民連の支援を受けております。そして、ナショナルセンターたる連合の支持、協力を得ております。そういう立場の中での政策形成を行い、そして今の宮澤総理のお話の中で、異質な価値観というものが労働界ではかなり緩和されてきている。そういう中での金丸副総裁の発言である。その発言は、私は本当にかなり日本の将来をおもんぱかって、私も先ほど申し上げましたように二大政党時代は日本のために必要である、ある党のために必要というよりは日本のために必要である、こういう観点から私は金丸副総裁の発言は大変興味を持って私の方も見ているわけでございます。
 総理は総裁でもあり、副総裁との間でコミュニケーションをしっかりなされて金丸副総裁の御発言を聞いておられると思うんですが、現今における現実的な、端的に言いますと夏の参議院の通常選挙後の政界再編成、あるいはそういった問題について現在どのようなお考えをお持ちなのか、できましたらお聞かせ願いたいと思います。
#59
○国務大臣(宮澤喜一君) 金丸副総裁が言っておられますことは、恐らくその背景として、先ほど私が御説明申し上げましたような価値観の問題、そしてそれについての国際的な大きな変化、またそれを受けての政治でない、民間という言葉はちょっとよくございませんけれども、労働界あるいは実業界の方々の考えの変化等々、そういうものを敏感に受け取りつつ、あすあさってのことでなく、少し長い将来にわたっての日本の政治の大局を考えて言っておられることであろうと思います。したがって、一つ一つどういうステップをとっていくかというようなことはむしろその際には二義的な問題であって、大きな大局観としてはそうなるべきではないかという呼びかけであろうというふうに私は理解をいたしております。
#60
○高井和伸君 先ほどPKO法案につきまして、中身に入らず形式論で失礼いたしました。
 連合参議院の基本的な政策は、今かなり熟しつつあるいろんな動きとマッチしているというように考えております。実は連合参議院は、第百二十一臨時国会でPKO法案が継続審議になった後にプロジェクトチームをつくりまして、キプロスのPKOの現場を五名が見てきました。そして、PKO先進国たるスウェーデン、オーストリアなどで実地調査してまいりました。その結論は、やはり自衛隊と別組織で、PKFは今は早いからやらぬ方がいい、とにかく今はやめた方がいい、そして停戦監視まででいこう、そして当然のことながら事前の国会承認が必要である、これが連合参議院の基本的なPKO法案に対する修正案でございます。
 三党合意というのが自民党、公明党、民社党によりましてできておりました。その中身を見ますと、第三項で、「自衛隊とは別個に、国連の平和維持活動に協力する組織をつくる」と、このような案文になっておりました。そして、今公明党の方からもPKF凍結論が出ております。渡辺副総理からもせんだっての外務委員会でお聞きしましたけれども、法案は通していただいて、PKFは青葉マークを張って当面は徐行運転するというような案も出ております。
 一点、私どもの別組織にするというところがなかなか不一致でございますけれども、私はこのPKOはやはり国民的なコンセンサス、そして諸外国は日本が経済大国から今度は軍事大国を目指すぞという雰囲気をみんなが敏感に感じている、その諸国に対する配慮からやはり地道なスタートを切るべきだ、こう考えているわけです。
 こういった連合参議院の政策に対しまして、まず事前に念のために防衛庁長官にお尋ねしますが、なぜにこの別組織が自衛隊に変わっていったのか、この点についてお尋ねしたいと思います。
#61
○国務大臣(宮下創平君) 国連の平和維持活動への自衛隊の参加の問題でございますが、これは申し上げるまでもなく、今回の法案は、我が国が武力の行使を目的として海外に出るものではなくて戦争終結後における状況の処理を、国際連合の要請を受け、同時に我が国の内部の国際平和協力本部というようなものを総理のもとにつくりまして、そして我が国自身の判断で、しかも相手国の要請があり、停戦の合意があり、公正申立てあり、そして同時に危険な状況、つまり紛争処理後の状況というようなものが条件が成立しなかった場合には撤退むする。しかも、武力行使はしません。自己の生命、身体を守るための正当防衛的な権利にとどめるという極めて自衛隊の平和的な業務でございます。
 今、国際的な平和の協力が求められている中で、我々自衛隊がその組織と訓練された機能と能力をもって平和的に海外で活動するということは、まことに国際的な流れに沿ったものである。私どもは、自衛隊の海外派兵ではございません、国際的な任務を果たすための海外への派遣である、このように理解をいたしまして、憲法その他に何ら抵触するものではない、こういう趣旨のもとで進めておるものでございます。
#62
○高井和伸君 憲法論議をするつもりはございませんけれども、私は諸外国等の情勢判断のもと、キプロスヘ国会議員として初めて入った、そういうふうなことでございました。トルコ兵とギリシャ兵が本当に一間、一間というと古い言葉ですが、二、三メーターで対峙して鉄砲を向け合っているような現場を通ってきました。そういったときに、軍事的な知識なかりせばやはり危ういということは体験しております。したがって、自衛隊でなければいけないという側面は理解できますけれども、やはり諸外国への配慮として別組織でいかなきゃいけない、こういうふうなのが私どもの確信でございます。
 総理、その後の心境の変化などございましたらお聞かせ願いたいと思います。
#63
○国務大臣(渡辺美智雄君) そういう御議論のあることはかねて承知をいたしております。しかしながら、せっかく形だけっくっても効果が余り上がらないというようなものであったのでは、これは意味がないことでございますから、我々としては、その紛争地域は完全に平和が回復しておって民間人がたれが自由に行ってもいいというようなところじゃございませんからね。治安が完全に回復していない。戦争は一応終わったが、まだゲリラもいるかもわからない。そういうような危険性は多少残っている。そういうところに出す組織であって、民間の人を出すとしても、身分の問題もあれば訓練の問題もあれば、そう急に一挙に訓練させるといっても、頭の上しゃわかるけれども、人が活動することですからこれは半年、一年、二年かかる話なんですよ。
 そういうことをみんな考えた末に、やはり自衛隊のように、いざというときは逃げるのも速いし、匍匐前進もできますし、年も若いし、そういう訓練を受けてきているんです。そういう方がどこの国でもそうやっておるんだからいいのじゃないか。日本だけが特殊な国民扱いされてはかりおってもしょうがないので、やはり世間と同じようなことをやる普通の国だというような形で、私は幾らでも国際間の理解は得られると。そういうことで自衛隊の参加というのはいいんじゃないか。そういうことです。
 しかも、今度の法案というものはいろいろ皆さんの御心配になっているようなことをずっと制限条項的に法案の中に書き込んであるわけですから、だから観念論だけだと私は思います。ですから、案ずるより産むがやすしという言葉がありますが、やってみればちょうど掃海艇の派遣と全く同じだと、私はそう思っているんです。
 掃海艇を思い出せばわかるように、掃海艇を出すか出さないかで大もめをしまして、それで自衛隊法違反だ憲法違反だと随分騒がれましたよ。騒がれたけれども、出かけていってみればこれは大変な評価を受けて、米英を初め皆さんたくさんの国が掃海をしたんですが、それでもやはり見つからなかったものがあって、三十数発海の中へ沈んでいるやっとかなんとか、それを自衛隊の技術で引き揚げてきたわけです。それで事故者もない。航三行の安全が図られる。使った費用は聞いてみると十三億円程度だそうです。
 一方、湾岸支援に出した金は一兆七、八千億円になるでしょう、レートで換算いたしますと。百三十億ドルですから。タックスペイヤーからすれば、一兆数千億円増税で出したものが、やれ足らないの少ないの、遅いの早いの、いるいク言われてうんざりですよ。ところが、片っ方はその千何百分の一で、世界的にこれはもうやっぱり一緒になって我々と同じことをやってくれる、しかも大変な技能を持っておるということになれば、国際貢献としてはあれと同じ考えじゃないか。
 私は、やはり案ずるより産むがやすしたと、今でもそう思っておるんです。
#64
○高井和伸君 掃海艇の派遣の問題が出てきました。私は、憲法が解釈によっていろんな面でゆがめられている。要するに行政が法律によらず行われている。解釈によって行われてしまって法律が歯どめにならない。法の支配が貫徹されていないという現象を憂えるものでございます。
 掃海艇の派遣について、私どもあれは自衛隊法の拡大解釈だという論拠で、私は当時本会議場におきまして反対の討論をいたしました。
 そこで、もう一度そのときのことをお伺いしますが、あのときの掃海艇の派遣の根拠は自衛隊法の何条だったんでしょうか。
#65
○国務大臣(宮下創平君) 根拠は、自衛隊法九十九条に「機雷等の除去」という条文がございまして、「海上自衛隊は、長官の命を受け、海上における機雷その他の爆発性の危険物の除去及びこれらの処理を行うものとする」という規定に基づいて出動したものでございます。
#66
○高井和伸君 私のそのときの反対討論の趣旨は、やはり法の支配が行われていない。九十九条という雑則の第八章にある端っこの条文で送るということは論外である。これはせめて日本海近海の機雷掃海なら許されるけれども、それ以上のことは許されない。これが、法の支配がここでスホイルされている、抜けている、法律が解釈によってゆがめられている例の最たるものだと私は理解しているんです。
 そこで、今度自衛隊法を改正しまして政府専用機を飛ばそうと。出てきた自衛隊法を見ましたら、今度は自衛隊機も邦人救出のために使える。このようなことで、法律上の改正を行うということでは法の支配はそれなりに貫徹されるような形式になっておりますが、そうしますと、掃海艇の派遣と政府専用機あるいは邦人救出のためのC130ハーキュリーズを送り出すあの行為はどのような関係なんでしょうか。同じ行為ならば、新たな立法は前の掃海艇派遣が法律解釈によってやったことはまずかったと反省の上に立っての自衛隊法の改正なんでしょうか。その点についてお尋ねします。
#67
○国務大臣(宮下創平君) 九十九条につきましては、昭和六十二年の政府に対するペルシャ湾の安全航行確保に関する質問主意書というのがございます。これは中曽根内閣当時に議論されたときの質問主意書でございますが、この中においてお答え申し上げておりますことは、「自衛隊法第九十九条に基づく海上自衛隊の機雷等の除去の権限は、公海にも及び得るが、具体的にどの範囲にまで及ぶかについては、その時々の状況等を勘案して判断されるべきであり、一概には言えない」と、こう申しております。
 今回の海上自衛隊の掃海艇の派遣も我が国が油輸送船その他、ペルシャ湾において大変な利用といいますか、あそこから相当な油を輸入しておるわけでございまして、我が国の航行の安全を確保するためにはぜひともこれは必要であるという判断に基づきまして、九十九条に基づいてやったものでございます。
 他方、今回閣議決定して国会に御提出申し上げております自衛隊機による邦人等の輸送の問題は、現在の自衛隊法の中では、緊急事態に際しまして生命等の保護を要する在外邦人の輸送を現行の自衛隊法上、一般的な恒常的な権限として規定されておりません。そのために、この輸送を自衛隊が行うことができるようにするために自衛隊法の一部を改正するものでございます。
 なお、委員御指摘の、政府専用機のみならず輸送機等々を含めた自衛隊機と規定していることについての言及もございました。これは政府専用機は二機四月から防衛庁に所属がえになりますけれども、しかしこのジャンボ機でありますと、二機でありますからあるいは修理その他で他の所要の場合に間に合わないこともございます。また、非常に大型でございますから、救出の場合に飛行場その他の問題等々もございまして、C130等の輸送をもってこの任務に充てることができると考えることが適当であると判断して自衛隊機と記述させていただいたものでございます。
#68
○高井和伸君 実態論につきましては伺っておくということにいたしまして、やはり私は法律の解釈論としては掃海艇の派遣は誤っていたと。その効果云々かんぬんということを言っているわけじゃありません。私もどちらかというと形式論は好きじゃありませんが、まずそれが日本の骨格を占めている、背骨をつくっているということで、解釈によって日本の国防政策あるいは軍事力のコントロールがないがしろになってはいけない、そこに力点を置いて質問しているわけでございます。
 この点につきましては時間も来ますのでこの程度にしておきまして、続きまして政治改革の関連で種々質問を用意しておりましたけれども、最後に、私ども今まで各政党の予算委員会における総括質問、それを聞くにつけて、政治腐敗防止を図るためにもこの国会の予算委員会の席で各疑惑事件の関係人を証人として喚問しなければいけないという確信を深めております。そういったことによりまして、腐敗の実態を知り犯罪の摘発をする、そういうことではございません。いかにして政治腐敗、暗い雰囲気を払拭するかという、やはり開かれた場所での議論をするための前提条件として事実を確認しなければならない、このように考えております。
 そういう意味から、次の証人を要求いたしますので、委員長におかれましてはよろしくお願いいたします。
 まず、宮澤総理にかかわるリクルートコスモス事件の関連では、服部恒雄元秘書、松本雅雄秘書、そしてドゥ・ベスト社の社長、それから三菱銀行の行員、これだけを求めます。そして共和事件の関係では、阿部文男元北海道開発庁長官、そして森口五郎共和元副社長、東京佐川事件関係では、渡辺広康東京佐川前社長、早乙女潤同じく東京佐川前常務、そして松沢泰生平和堂グループ代表、それから大内美知夫市原観光開発経理担当、佐川清・佐川急便会長、以上の方々の証人喚問を要求して、あと憲法論、私きょう大分やってきました。憲法論を踏まえた関連質問を同僚議員の乾晴美議員にお願いしたいと思います。
#69
○委員長(中村太郎君) ただいまの御要請に対しましては、後刻理事会において協議をいたします。
 関連質疑を許します。乾晴美君。
#70
○乾晴美君 乾でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 日本国憲法の第二十六条の二項に「すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ」、以下たくさんあるわけですが、と規定しています。また、これと同様の表現は教育基本法の中にも見られます。近年よく使われております帰国子女という言葉もございます。
 そこで、文部大臣と法務大臣にお尋ねいたしますが、こういった子女という言葉の意味と、それが憲法や教育基本法の中で用いられているという理由を説明していただきたいと思います。
#71
○国務大臣(鳩山邦夫君) 理由は私はわかりませんけれども、憲法にも教育基本法にも確かに子女という言葉が出ているわけで、これは広辞苑等の字引を引きますと、「子女」というところに最初に「むすことむすめ」と書いてあります。つまり子供、お子さんという意味なんだろうと思います。ただ、それ以外に子女というものをいわば女子、女の子という意味に使うこともあるというふうに書いてありまして、憲法にも教育基本法にも書いてある。もちろん、教育基本法の方は憲法を引っ張って同じ文言を使ったものと思うわけで、親から見て子供という適当な熟語がそれ以外になかったからではないかと私なりに想像するわけです。
 日本語の熟語のつくり方というものは、考えてみると、子女ということで「子」が男の子をあらわすのでありましょうか、「女」の方が女の子をあらわすのでありましょうか、そういった意味では、子供という意味でほかに適当な言葉がなかったというふうに考えております。
 また、学校教育法でも子女という言葉は見受けられると思いますが、ただお子さん一般を表現する場。合に、教育上は幼稚園の場合は幼児ですし、小学校では児童、中学、高校が生徒、そして大学が学生と。ですから、これを全部並べるわけにいきませんので、子供一般ということではお子さんという言い方もありますが、法律的にはなか青か表現しにくいものでありますから、子女という言葉が教育基本法にもある。ただし、学校教育法になりますと、例えば小学校だけの問題でありますと当然児童、学習指導要領等でも小学生を対象にしておれば子女という言葉は一切使わないで児童、あるいは小中ですと児童生徒、こういう表現を使っております。
#72
○乾晴美君 法務大臣にお尋ねしたいと思いますが、憲法や法律の中で子女という言葉を用いるということは、憲法第十四条で禁止している性別差別になるのではないか。女子供というような感じがしてならないわけです。帰国子女と言うよりも、帰国児童とか生徒とかと言えるのになというように思いますが、いかがでしょうか。
#73
○国務大臣(田原隆君) お答えします。
 ただいまの文部大臣の説明で子女という一般的な意味をおわかりいただいたと思うんですけれども、憲法二十六条第二項において「すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする」という規定がありますけれども、憲法は一方、十四条で法のもとの平等を規定しております。性別による差別を禁止しておる。子女の言葉があるからといって性別による差別とは到底私は考えられないと思うんです。
 先ほどの繰り返しになりますが、私どもも広辞苑を引いてみたり字源を引いてみると、「むすことむすめ。子供。女の子。女子」のこと、「子女の紅涙をしぼる」というような言葉もありますし、要するに一般的に解釈していただいていいんではないか、そういうふうに考えておりますし、法務省としても、人権擁護に関する問題ですから、今後とも女性に対する差別の解消とその地位向上については積極的に取り組んでいくという方針ておりますので、私は憲法上何ら子女というのは問題ないというふうに考えております。
#74
○乾晴美君 現実には婦人少年室というように女、子供というような言葉が残っているわけなので、子というような言葉の表現がまだ今の現実の日本に残っているということは、戦後四十数年たった今、まだ真の男女平等になっていないということの証左であると私は常々考えております。
 次に、法務大臣に再度お尋ねいたしますが、憲法十三条、十四条、二十七条にはそれぞれ「すべて国民は、個人として尊重される」とか「すべて国民は、法の下に平等であって」性別により差別されない、「すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ」とかいうのがあるわけですけれども、現在日本は男女平等になっているとお考えでしょうか。いかがでしょうか。
#75
○国務大臣(田原隆君) お答えします。
 大変微妙な難しい御質問ですが、大抵のことは平等になっておりますけれども、不平等になっている部分もあるいは少々あるかもしれませんけれども、いわゆる権利義務とかいうことになるとほとんど私はもう解消しているんじゃないかと思います。
 なお、実態の細かい点、もしございましたら、人権擁護局長が来ておりますので、実例によっていろいろ説明させます。
#76
○乾晴美君 じゃ、よろしくお願いします。
#77
○政府委員(篠田省二君) お答え申し上げます。
 法制度の上におきましては平等ということになっているわけでございますけれども、実態面についてはやはりいろいろまだ問題が残ってはいると思います。しかし、長期的にマクロの立場で見てまいりますと、やはりかなり改善されてきていると。我々といたしましても、なお一層改善していかなければいけない、そういうふうに認識しております。
#78
○乾晴美君 それでは、総理にお伺いいたします。
 総理は昨日、女性が社会で仕事をするのはもう当然の時代が来ている、そして女性が仕事をしやすいように社会とか環境を整えていかなければいけないというようにおっしゃいました。現実に社会においてまた家庭においてどれぐらい男女平等が進んでおるというように総理自身はお考えでしょうか。
#79
○国務大臣(宮澤喜一君) どれぐらいというのは大変に、どういう言葉でお答えしていいかわかりませんけれども、先ほど法務大臣の言われましたように、大部分いろんなことができてきている、しかしまだ十分とは言えない部分もあろうという、その十分とは言えない部分についてやはりこれを十分にしなければいけないという意識は男女両方ともの側に現にございますから、そういう意味では問題は正しい方向に向かっているというふうに私は考えています。
#80
○乾晴美君 それでは、労働大臣にお尋ねいたします。
 総理府が本年三月十四日に発表いたしました「女性の暮らしと仕事に関する世論調査」でも、現在の家庭での夫婦の役割分担は、既婚の男女に聞いてみたところ、掃除、洗濯、食事の支度や後片づけなどの家事については九割以上が妻とかまたは母親と答えておるわけでございます。
 そしてまた職場でも、いまだに大企業の中には結婚を機会に仕事をやめることを事実上強制しているという例がまだたくさんあるわけです。昨年の十月に発表されました労働省の平成二年度女子雇用管理基本調査によりますと、女子が定年前に退職する慣行があると答えた女性は四六%となっております。本当に企業は、女性を育てて昇進させて、そして企業を担う人材として見ているのだろうかというように私は疑問を持っておりますが、この事実をどうお考えになりますでしょうか。
#81
○国務大臣(近藤鉄雄君) 家庭のいろんなことになりますとどうも私もほとんど家内に任せておりますので、その点ではお答えする資格があるかどうかでありますが、雇用における差別、いわゆる結婚差別ということについては、先生の御指摘もございましたように、四六%が退職慣行があるというようなデータも出ているようでございます。ただ、御案内のように、現在男女雇用機会均等法が施行されてございますし、この法律の基本的な精神に基づきまして雇用管理を法の要請にのっとって改善した企業は非常に多数ございまして、一応結婚、妊娠、出産等による退職制度はほとんどの企業では現在形式的にはないと思います。
 ただ、実際そういった慣行は残っているという企業もございますので、私どもといたしましては、男女雇用機会均等法の精神に基づきましてこういったことがないようにいろいろ御指導を都道府県の婦人少年室等を中心として今精力的に行っているということでございます。
#82
○乾晴美君 雇用における男女機会均等法につきましては、また時間ございましたら後でちょっと申し上げたいと思いますが、次に夫婦別姓のことについてお伺いしたいと思います。
 法務省は夫婦別姓ということについてどのようにお考えになっておられますか。
#83
○政府委員(清水湛君) お答えいたします。
 現在の制度ですと、婚姻の際に夫の氏を称するかあるいは妻の氏を称するかどちらかを選択しなければならない、こういうことになっているわけでございます。これを夫は夫、妻は妻の氏のままで法律上の婚姻をすることができるようにしようというのが夫婦別姓問題だというふうに承知いたしております。
 選択的にそういうこともすることができるようにしようという御意見が非常に最近各方面にあるわけでございますが、法務省といたしましては、この問題の重要性にかんがみまして、現在法制審議会、これは法務大臣の諮問機関でございますが、そこに審議をお願いしているわけでございます。
 この法制審議会の民法部会の身分法小委員会でございますけれども、昨年一月以来、夫婦別姓問題も含めまして婚姻に関する規定、これは離婚の規定も含みますけれども、そういう婚姻に関する法制の見直しと申しますか、いろいろ問題がございますのでこの見直し作業に着手したところでございます。そして、でき得るならば、ことしじゅうにはこの別姓問題も含めまして婚姻法制全般についての問題点を整理いたしまして、対外的に公表いたしまして各方面の意見をお伺いいたしたい、かような作業状況で現在進めておるところでございます。
#84
○乾晴美君 この夫婦別姓につきましては、母国会ごとに寄せられる氏に関する請願の数が非常に多いわけです。請願課から調べましたところによりますと、参議院では三月十三日現在で通算では一千百二十件、紹介議員数は百四十三人に上っておりますし、また衆議院では三月十二日受理分までで件数は一千三十一件で、これは延べ紹介議員数と同数になっております。請願者数は二千九百七十人ともなっておるわけです。国立大学の教授が一九八八年十一月に、戸籍名を強制しないでほしい、通称使用を認めてほしいという裁判を東京地方裁判所に提訴いたしましたが、このように実際困っている女性がたくさんいらっしゃるわけです。
 今お聞きいたしますと、ことしじゅうにできるということなんですが、内容はどのようなものでしょうか、お教えいただけますか。
#85
○政府委員(清水湛君) ことしじゅうに問題点を整理いたしまして各方面の意見をお伺いいたしたい、こういうことでございます。したがいまして、夫婦別姓については別姓制度を導入するといたしましても、いろんな段階と申しますか、いろんな考え方があるわけでございまして、そういうそれぞれの考えにいろいろ一長一短があろうかと思うんでございますけれども、そういうものにつきましてきちっと問題点を整理して関係方面、国民の皆様方の御意見を拝聴いたしたい、こういうことでございます。
 具体的に別姓制度をどうするかということになりますと、例えばまず子供の姓はどうなるのかとか、あるいはその兄弟姉妹が一方はお父さん、一方はお母さんというふうにそれぞれ別々になっちゃっていいのかどうか、あるいは戸籍との関連をどうするのか、あるいは別姓を選択したけれどもまた今度は同姓に戻りたいとか、同姓に戻ってまた別姓に戻るというようないろんな自由な変更というものを一体認めることがいいのかどうかとか、あるいはそういう別姓夫婦が子供を養子にする場合に一体子供はどちらの姓になるのかとかそういうようなこと、あるいはより基本的に言えば、そういう選択的別姓制度を導入することによりましていろんな社会的な混乱というようなものが生ずるのか生じないのかというようなこと、いろいろ多方面にわたる議論を重ねる必要があるのではないか。
 私どもといたしましては、そういう議論を公正公平に分類いたしまして皆様方の御意見を仰ぎたい、こういうふうに考えているわけでございまして、先ほど申し上げましたように、この問題に限らず、例えば女性だけについて現在あります再婚禁止期間をどうするかとか、あるいは男女の婚姻年齢、これは現在は女は十六歳、男は十八歳ということになっておりますけれども、このような区別が合理的であるかどうか、あるいは離婚につきまして最高裁判所の判例等でいろんな別居を前提とする判決が出ておりますけれども、そういうようなものが一体法制度上いいのかどうかというような婚姻法全般についての問題点を拾い上げまして、これをことしじゅうに整理して御意見をお伺いいたしたい、こういうふうに申し上げたところでございます。
#86
○乾晴美君 それでは、既婚者はどうなりますでしょうか。
#87
○政府委員(清水湛君) 夫婦別姓制度を導入することとした場合における既婚者の扱いということでございますが、この点につきましても実は法制審議会の内部で議論が現在されているわけでございます。
 一つの意見といたしましては、こういう制度が導入された場合、これから結婚する男女についてだけ認めればいいのでないかというような御意見もございますし、こういう制度を導入する以上、そういう制度がなかった時代に婚姻をした夫婦、これはもう相当年をとった方もおられるわけでございますけれども、一定の要件のもとに別姓を選択する機会をやっぱり与えるべきではないかというような御意見もあるわけでございまして、そういうような御意見を踏まえまして問題点を整理してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#88
○乾晴美君 これから結婚しようとする人にはそういう選択もできるということですけれども、私はやっぱり一定期間の間に届けるということによって既婚者も別姓を選べるようにすべきだと思います。これは人格権という人権の問題だというように考えるからです。
 戸籍の編製法のことも考えていらっしゃいますでしょうか。
#89
○政府委員(清水湛君) 現在の戸籍は一つの夫婦及び子供、つまり夫婦とその親子、これは氏を同じくするという前提がございますけれども、そういうものを一つの単位として戸籍が編製されているわけでございます。そういう場合に、現行法ですと氏が同じであるから同じ戸籍ということが言えるわけでございますけれども、仮に氏なり姓が違うということになった場合に戸籍をどうするかというのは、実は非常に問題があるわけでございます。戸籍というのはやはり日本国民であるということを証明する手段であり、また身分関係を証明する非常に大事なものでございますので、これが乱れるということになりますと非常に大きな社会的な問題も引き起こす可能性があるということから、この夫婦別姓を認めるとした場合に戸籍制度をどういうふうにするかということが非常に大きな問題になるわけでございます。
 これにつきましては、例えば現在でも、同じ戸籍でしかも姓が違うというような別姓同戸籍と申しますかそういうような考え方、あるいはもう別姓である以上戸籍も別々にするというような考え方、非常に極端な考え方があるわけでございますけれども、そういうような問題を含めましてやはり慎重な検討を要する。特に、戸籍につきましては、現実に戸籍行政を担当しておりますのは各市町村でございますので、市町村の戸籍事務担当者等の意見もしかるべき時期に聞かなければならない。そういう組織といたしまして法務大臣の諮問機関である民事行政審議会というようなものもございますけれども、場合によってはそういう審議会で戸籍制度の面からの研究、検討もお願いする必要があるのではないかというふうに現在のところ考えている次第でございます。
#90
○乾晴美君 私は、個人主義そして男女平等という観点からは、夫も妻もそれぞれが戸籍筆頭者になれる別姓別戸籍というのがいいのではないかというように考えております。
 それでは、次に問題を移しますが、ここでちょっとショッキングなことを紹介したいと思うんです。
 私の手元に「警察官の性暴力」という本がございます。これは一昨年の一月に「愛と人権フォーラム」という団体の、この著者であります手塚千砂子さんという方が私に送ってくださった本でございます。この本の中には、警察が女性の性を凌辱して、そして母性を冒涜しているというような、この場所ではちょっと口では言えないような具体例が連綿としてつづられているわけなんです。私、これを一読してもう大変なショックを受けるとともに、日本全国の女性を代表する一人として、もう言いようのない気持ちが込み上げてきたわけなんですけれども、国家権力の名のもとで、国民の治安を守るはずの警察官が密室の中で動物でももてあそぶかのように女性を辱めて人権を踏みにじっているわけです。しかも、女性の側が泣き寝入りしているというケースがほとんどなんですね。
 こういった現実を国家公安委員長並びに総理は、一人の人間としてどのように受けとめられますでしょうか。
#91
○政府委員(安藤忠夫君) お示しの著書に記載してあります例は現在裁判で係争中のものもかなりありまして、内容も誇張や推測が入って必ずしも事実とは言えないという印象を受けております。
 もとより警察官の職務執行は適法妥当に行われるべきでございまして、仮にも性暴力と言われるような事案が生じないよう一生懸命努めてまいりたいと考えております。
#92
○乾晴美君 総理。
#93
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま政府委員は、書かれておりますことは必ずしも事実ばかりとは言えないと考えるという判断でございましたが、万一にもそういう事実がございますれば、これは厳しく処断をいたさなければなりません。
#94
○乾晴美君 これは事実に反することがたくさんあるということですけれども、現実に新聞の中にはこういった巡査部長の拘置中の女性へのいたずらというようなことが資料として集めますとたくさんあるわけでございますね。こういった問題というのは、やっぱり従軍慰安婦の問題だとか、現在多発している性犯罪、そして青少年の非行の問題と私は根っこは一つではないか、女性に対する性の差別ではないかというように思うわけです。
 日本の警察というのは非常に私は優秀だと思っています。そして治安のよさというのは誇れるべきだと思っていますし、警察官を尊敬はいたしておりますけれども、一部にこういう方がおいでであるということになりましたら非常に警察官の名誉にも傷がつく、大半のまじめな一生懸命やっている警察官に傷がつくのではないかと思います。その方々の名誉のためには、私はこの場をおかりして、一日も早いこういった警察官の性暴力に対する実態調査と、そして以後このような人権無視の行為がなくなるよう強く要望したいと思います。
 もう一度、国家公安委員長と総理の御決意をお聞かせ願いたいと思います。
#95
○国務大臣(塩川正十郎君) 国家公安委員長としてお答えいたします。
 先ほど総理もおっしゃいましたように、もしそういう女性を凌辱するようなことがありましたならばまことに遺憾でございますし、直ちに実態の調査を厳重にやらせて、将来そういう禍根のないように努めてまいります。
#96
○国務大臣(宮澤喜一君) 万一にもそういうことがございますれば、厳しく処断いたします。
#97
○乾晴美君 それでは、セクシュアルハラスメントということについて再度総理にお伺いいたしますけれども、「働くことと性差別を考える三多摩の会」というところがセクシュアルハラスメントにつきまして一万人にアンケートを配ったわけです。その有効なものが六千五百通あったということで、「働く女の胸のうち 女六五〇〇人の証言」、こういう本を出されましたけれども、御存じでしょうか。もし御存じでしたら御感想を述べていただきたいと思います。
#98
○国務大臣(宮澤喜一君) それは存じておりません。いずれまた読ませていただきます。
#99
○乾晴美君 ぜひ一度読んでいただきたいというように要望いたします。
 それから、法務大臣にお尋ねいたしますが、去る三月十二日の朝日新聞に、東京都が企業向けに具体例や基準例を盛り込んだセクシュアルハラスメント防止マニュアルづくりに取り組んでいるということが新聞で報じられておりましたが、このセクシュアルハラスメントという問題は、海外諸国のみならず、昨今我が国でも深刻な社会問題になっておると私は思っております。国としても、具体的な対策に取り組んでいくべきだと思いますけれども、取り組んでおられますでしょうか。
#100
○国務大臣(田原隆君) お答えします。
 東京都がセクシュアルハラスメントについてマニュアルづくりをやっているということはよく存じ上げております。法務省としては従来からマニュアルづくりはしておりませんが、女性問題に対しては特に気を使った啓発をやってまいっております。すなわち、女性地位の向上、男女差別解消のための啓発活動ということでやっておりますが、主なものを挙げますと、人権週間、これは毎年十二月四日から十日まででありますが、人権週間の強調事項の一つとして、女性の地位を高めようということで各種広報活動をやっております。それから特に、男女差別解消、女性の地位向上ということで講演会を種々開催しております。また、シンポジウムも実施しております。
 それから、女性のための特設人権相談所等も開設しております。それから、セクハラの被害者がおりまして、これが甚だしい場合には裁判手続を教えたりして告訴すること等を勧めるといいますか啓発しておる。それから、一番最近目立つことは、人権擁護委員が従来は男性が多かったんですが、最近相当女性が進出してまいりまして、約二〇%に達してまいりました。これはことしの一月一日現在の数字であります。
 このように、人権擁護を担当する法務省としましては、各般の方向から目を配って特にこの問題には取り組んでおるところであります。
#101
○乾晴美君 都も頑張ってやるということですから、国ももっと積極的な方策を講じていただきたいと思います。男女平等が空論に終わらないようにお願いします。
 次に、労働大臣にお願いいたしますが、先ほどもちょっと問題になりましたが、男女機会均等法というのは六年を経過したわけなんですけれども、これは依然として差別募集は技術系を中心にまかり通っているという資料もございます。それから、待遇の最も大きな柱である賃金は、均等法以後コース別の雇用制度の導入などでかえって男女格差が広がっているということもございます。そしてまた、女子の管理職登用もまだまだ非常に少ないということが現実でございます。
 それで、募集、採用、昇進、昇格、そういったものを含んだ全ステージで差別を禁止して、努力義務規定ではなくて法的強制力を持たせた、国際的に見ても特異なこととならないように見直すべき時期が来ているのではないかというように私は思っております。その際に、均等法以後に問題視されてきましたセクシュアルハラスメントの項目もぜひつけ加えるべきだというように考えておりますが、いかがでしょうか。
#102
○国務大臣(近藤鉄雄君) 先生がおっしゃるとおり、男女雇用機会均等法、もう九六年になるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、この法の精神に沿って、男女の機会平等については、我が国の企業の中で相当な改善が見られますが、なお御指摘のございます一部の雇用管理問題等については多少おくれている面もあることは事実でございますので、私どもといたしましては、まずこの法の徹底をさらに図っていくことが第一義的に重要ではないか、こう考えております。
 いろいろ検討いたしますが、御指摘のセクシュアルハラスメント、セクハラについては、これはいろいろ法務大臣からもお話がございましたけれども、どうでしょうか、法律で規定するということもさることながら、一つの社会的な常識といいますか良識の面によるところが大変大きいわけでございますので、法律でどうこうする前に、お互いの人間としての自覚といいますか、そういうことについて幅広い社会的な教育というか、社会的な意識といいますか良識の高まりに期待するところが非常に多いわけでございます。海外でもこの問題が日本企業で出ていることも私存じておりますので、法律の前にいろいろ関係者お互いの中でそういうムードづくりといいますか、そういったことについてもっと私どもは真剣にならなきゃならないのかなと考えております。
#103
○委員長(中村太郎君) 時間が来ています。
#104
○乾晴美君 時間が来ておりますのであれなんですが、今労働大臣がおっしゃいましたように、セクシュアルハラスメントというのは、そのキーポイントというのはやっぱり子供のころからの男女平等教育に根差していると思っておりますので、文部大臣に男女平等教育をどうしようと思っているか、ちょっとよろしくお願いします。
#105
○委員長(中村太郎君) 文部大臣、簡単にお願いします。時間が来ていますから。
#106
○国務大臣(鳩山邦夫君) 男女平等教育ですか。
#107
○乾晴美君 性教育も含めて。
#108
○国務大臣(鳩山邦夫君) 男女平等、人間尊重あるいは生命尊重ということは、教育が人格の完成を目指すという目的を持っている以上、大きな柱になるべきことと思っております。また、御通告をいただいておりました性教育については、これは児童生徒の発達段階に応じて科学的知識を正しく教えようということでございますが、単に科学的な知識を教え込むということでなくて、いわば性行為というものもまた愛の共同行為ということできちんと教えていけば、そのことが生。命の尊重とかあるいは男女平等とかそういうことにつながっていくと思っております。
#109
○乾晴美君 ありがとうございました。
#110
○委員長(中村太郎君) 以上で高井君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時四十八分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時一分開会
#111
○委員長(中村太郎君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 平成四年度一般会計予算一平成四年度特別会計予算、平成四年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。勝木健司君。
#112
○勝木健司君 佐川急便事件についてお尋ねを申し上げま三す。
 債務保証、直接貸し付けなど総額約五千二百八十億円にも上る空前の経済事件となった東京佐川急便事件、去る三月の六日に渡辺前社長、早乙女元常務ら四人が東京地検により起訴されたところであります。この佐川急便事件を通し、政界工作などの疑惑と並んで問題としなければなりませんのは、この佐川急便グループの事業としての違法性であろうかというふうに思います。同グループが道路運送法、労働基準法、道路交通法などを無視した事業活動を行っておる。またそれを原動力としてトラック運送業として年商売り上げ第二位に短期間に躍進したことは業界周知の事実であります。そして、その陰で睡眠四時間あるいは休日なしなどの過酷な労務管理により多くの労働者が犠牲を強いられてまいりました。
 こうした佐川急便グループの違法事業に対し過去、監督官庁による調査、処分も行われたのでありますが、そうした監督官庁の監査日程が事前に知らされておったり、あるいは内部文書が筒抜けになっていたりしたため帳簿の改ざんなどが行われておる。同グループの抜本的な体質改善には至っておらないということであります。そして、この違法行為自体は今日に至ってもなお是正されていないのであるということであります。
 そこで、まず運輸省にお伺いをいたします。
 運輸省として、過去のこの佐川グルーブ各社の違反に対してどのような措置をされてきたのか。また現在、同グループの事業内容や違法行為の実態をどのように把握をされておるのか、お伺いをいたしたいというふうに思います。
#113
○政府委員(水田嘉憲君) お答えいたします。
 佐川急便グループの貨物自動車運送事業の運営に関しまして、輸送の安全の確保という観点から監督指導を徹底する必要があるということで、運輸省といたしましては、昭和六十一年から六十二年にかけましてグループ全体に対して特別監査を実施したわけでございます。また、平成元年にも主管店を中心とした事業者十三社に対しまして特別監査を実施したわけでございます。その結果、道路運送法違反の事実が明らかになりました事業者に対して車両の使用停止等の厳正な処分を行い、かつその違法行為について是正指導というものをやってきたわけでございます。
 この処分の内容につきましては、第一回目は五千七百二十五日車の車両使用停止処分を含む処分をやっておりますし、二回目は、五百七十三日車の車両使用停止処分を含む処分をやっておるわけでございます。
 さらにその後、私どもは特別監査の結果と、さらには国会の、特に参議院運輸委員会における審議を踏まえまして、グループ各社の過労運転の防止等の適正な運行管理を行うためには、グループ全体の事業運営の問題であります賃金制度等の問題についても改善をしていく必要があるという考え方で指導をしてきたわけでございます。
 今後さらに、この過労運転防止あるいは長時間労働の問題につきまして、労働省と連携を密にしてさらに必要な指導をしてまいりたいというふうに考えております。
#114
○勝木健司君 同じく労働省にお尋ねいたしますが、この労働基準法等の違反に対してどのように対処をされたのか、また現在、同グループの労働条件を正しく把握をしておられるのかどうかお尋ねをしたいというふうに思います。
#115
○政府委員(佐藤勝美君) 労働省といたしましては、佐川急便グループの所属事業所に対しまして、昭和六十二年以降四回にわたりまして全国一斉監督を行っているところでございます。
 この結果を見ますと、労働基準法等の関係法令違反が非常に多く見受けられたところでございまして、内容的には労働時間にかかわるもの、賃金台帳にかかわるもの、就業規則にかかわるもの、こういったものに関する違反が多かったわけでございます。
 それで、平成元年には佐川急便グループを統括しております清和商事株式会社に対しまして、労働本省、労働基準局、それから京都労働基準局によります調査を行っております。また、平成元年の一斉監督、それから清和商事に対します調査結果を踏まえまして、平成元年十二月、清和商事株式会社の代表取締役社長を労働本省に招致をいたしまして、労働省労働基準局長より労働時間の適正な管理等、労働者の適正な労働条件の確保についての要請を行っておるところでございます。
 その間の経過を見ますと、当初六十二年の一斉監督の際には、賃金台帳がないとか、あるいはタイムカードがないというようなことで、労働時間管理をやる体制がほとんどできていないというようなこと、あるいは就業規則が定められていないというような事例が多く認められたわけでございますが、その後そのような違反は非常に減ってきておるというふうに認識をいたしております。
#116
○勝木健司君 トラック運送業界は、現在深刻化している労働力不足、そしてまたそれに伴う長時間労働の問題あるいは環境問題などに対応するために、物流の効率化とかあるいは輸送秩序の確立とか、労働環境改善に労使一体となって全力で取り組んでおるところであります。
 この佐川急便グループの疑惑事件が表面化した現在においても、この佐川急便グループの貨物自動車運送事業法、労働基準法、道路交通法等の違反行為が是正されているとは言い切れないような状況にあるのではないかと思います。
 例えば、昨今においては、この疑惑表面化を逆手にとって顧客や同業他社の荷主に対して、おわびセールと称して届け出運賃を全く無視したダンピング攻勢を大々的に展開しているありさまと聞いております。
 このような状況から見て、運輸省、労働省は引き続き特別監査を当然実施していくべきだと思うわけであります。お考えを聞きたいというふうに思います。
 特に、労働省においては、昭和六十一年以降、六十二年、平成元年、平成二年、三年と連続して全国一斉監督指導を実施しておるわけでありますが、主たる監督官庁であります運輸省においては、先ほども報告にありましたように、六十一年から六十二年にかけてと、そして平成元年のものと二回しか特別監査を実施しているにすぎないということであります。関係省庁は違法行為がなくなるまでは特別監査を継続的に実施すべきであるというふうに思います。また、この場合も、不信を招くようなそういう事前の通告はやめるべきじゃないかというふうに思いますので、お答えをいただきたいというふうに思います。
#117
○政府委員(水田嘉憲君) お答えいたします。
 まず、監査の問題でございますが、私どももこの長時間労働問題について、運輸省として積極的に対応していく必要があるという認識でございます。具体的には、労働省の二・九告示とか三・一通達との関係ということで、労働省との連携が必要でございます。今、先生御指摘のとおり、労働省におきまして最近の監査結果を取りまとめ中でございますので、この状況を踏まえつつ、どのような時期にどのようなことを行うことが効率的か、労働省と一緒になって対応していきたいというふうに考えております。
 それから、特別監査を行う場合に事前通告をやめるべきではないかというお話でございます。
 私どもも、書類の改ざんどか隠ぺい等を防ぐためには事前通告を行わない方がより有効であるのではないかということ、このことは事実だと思っております。ただ、監査を行った際に、当該営業所に責任者がいないというふうなことも想定されるわけでございます。限られた時間と人員のも、とで非常に多数の監査を効率的にやっていく必要があるわけでございます。先生御存じだと思いますが、トラック業界は事業者数が四万で従業員数が百万人、売り上げ十兆円の大変な業界でございまして、それ全体を日ごろの業務をやりながらそれぞれ、もちろん佐川急便のような悪質なところは重点的にやっていく必要があるわけでございますが、それ以外のところも含めましていろんな仕事をやっているわけでございまして、そういう監査を効率的に実施していくためには、やはり特別監査の際に、当該営業所の責任ある者の対応を求めて事情を聴取するということがより適切ではないか、そのための最小限の事前通告というものは必要ではなかろうかと思うわけでございます。
 ただ、最小限今犬体二、三日前というふうなやり方をとっておりますが、先生の御指摘もございますので、できるだけこれを短くできないかというふうなことを先生からの宿題と受けとめまして勉強してみたいと思います。
#118
○政府委員(佐藤勝美君) 労働省の全国一斉監督、最終のものとしては昨年の十一月に行っておりますけれども、現在その結果の分析をいたしておりますので、必要があればそれに基づきまして適切な措置をとりたいと考えております。
 なお、労働省の一斉監督に当たりましては、通常の監督の場合と同様、事前に通告をすることはいたしておりません。
#119
○勝木健司君 労働省はそういうことで通告をいたしておりませんということでありますので、運輸省も通告をしなくても、悪質ですから特別監査を行うわけでありますから、ぜひそういう二日前の通告とかそういうことはやめていただきたい。直前一時間前とか三十分前とか、場合によっては事後に報告をするとか、そういうことでぜひ、先ほどの理由では理由にならないんじゃないかというふう思いますので、事前通告をやめるという方向で検討していただきたいというふうに思います。
 それで、今回のこの東京佐川事件は空前の経済事件であるばかりでなく、資金の一部が政界工作ということで使われるなどの疑惑も指摘されておるわけでありますので、当然私どもも、東京佐川急便の前社長の証人喚問が不可欠であるということでありますが、勾留中であるということを考慮して、佐川清・佐川急便会長、湊川誠生東京佐川急便社長の証人喚問を要求いたします。あわせて、共和事件の根幹にかかわりました阿部文男元北海道・沖縄開発庁長官、森口五郎共和元副社長の証人喚問を要求いたします。
#120
○委員長(中村太郎君) 御要請に対しましては、理事会において検討いたします。
#121
○勝木健司君 次に、自民党の政治改革の基本方針等について御質問いたします。
 この衆議院の定数是正について自民党の方針では、違憲状態を脱却するための緊急措置として位置づけておられるということでありますけれども、与野党の協議が始まろうとする段階でこのような位置づけをするのは適切ではないんじゃないか。協議の出発点は、与野党多数で採択をいたした昭和六十一年の国会決議であるべきだと思うわけであります。決議は、二人区、六人区の解消を含めて、定数の抜本是正をうたっておる。与野党でこの趣旨を実現するための方法について最大限の努力をすべきだというふうに思いますので、この出発点にするのはやはり六十一年の国会決議に置くべきだというふうに思いますので、総理大臣の見解をお伺いしたいというふうに思います。
#122
○国務大臣(塩川正十郎君) 自民党の政治改革本部の提案が緊急提案として出されてまいりましたが、その中にはいろんな御意見が出ておりますけれども、こうすべきであるという基本的な決定はなされておらないように思っております。勝木さんのおっしゃるような国会決議がございました、六十一年の五月の二十一日。その案につきましても、いろんな人の名前を使っておりますけれども、自民党の政治改革本部の中の定数是正委員長の名前を使って発表されております。これも一つの案として自民党から出ておりますし、先日出されました政治改革本部からの緊急提案も自民党の提案として私たちは承っております。
 要するに、自民党の態度は、私たちに説明がございましたのは、一刻も早く政治改革協議会を開いていただいて、そこで、自民党の案があるかといえば自民党としてはこういうものを用意しておりますということで出せるものは煮詰めていきたい。したがって、あくまでも問題点を摘出して、それを自民党の考えとするならばこの程度のことを考えておるということで出しておることであって、自民党の決定版として出しておるものじゃないという説明を受けておりますので、私はそれは率直にお聞きしておるところであります。
#123
○勝木健司君 ということは、この六十一年の国会決議には抵触はしないということで、それも含んでおるということで解釈をしてよろしいんですね、抜本改正だと。
#124
○国務大臣(塩川正十郎君) やはりおっしゃっていることは、私たちは十分尊重していかなきゃならぬと思いますし、あくまでも先ほど申しました国会決議のあの案文がございますから、あれを一体今後政治改革を進めるについてどのように位置づけて検討するかという、そこから始まるんじゃないかなと思っておりますが、これは各党の協議でございますので、私ども役所の側からは言えないと思っております。
#125
○勝木健司君 私どもは、この政治改革協議会の各党協議の中では、これを六十一年の国会決議を出発点にしろということでありますから、ぜひその方向で検討していただきたいと思います。
 また、この基本方針の中では、選挙区画の変更は、原則としてできるだけ行わないこととするということであります。当然、抜本改革を行おうとすれば選挙区画の変更を行わなければできないと思うところも出てくると思うわけでありますけれども、この方針もこの抜本改革と矛盾はしないかということでお尋ねをしたいというふうに思います。
#126
○国務大臣(塩川正十郎君) 区画の変更ということになりましたら抜本的な変更になってくるということは念頭にあるんではないかと思っております。したがいまして、定数是正をまず私たちが願っておりますことは、理想としては一対一が理想でございますけれども、どの程度の許容範囲を認めていただけるか、これはまさに政治決着だと思っております。
 その次には、二人区、六人区とかいうそういうのが出てまいりました場合に、その場合には出ないようにどのように改正していくかということである。そして、過疎、過密に配慮するということが国会決議に書いてございますので、これは私は府県間調整であろうと思っておりますが、この問題をどのように扱うのかということ、そこらを一回検討材料にして、そこはまさに勝木さんのおっしゃるように、やっぱり国会の決議を原点にした議論から始まってくるんではないかと思います。
#127
○勝木健司君 総定数の問題でありますが、この自民党の基本方針では、衆議院総定数を削減の方向で最大限努力をするとされておるわけでありますけれども、宮澤総理は一体この総定数を幾つぐらいが適切と考えておられるのか、お伺いしたい。
#128
○国務大臣(宮澤喜一君) これから各党の協議会で各党の御意見も、また自民党の意見も申し上げて御協議をいただくことでございます。そしてまた、私自身は、今回のこの改正はいわゆる緊急改革でありまして、根本的な問題がなお、私はことしの十一月とか暮れごろまでにと考えて党内に要請しているんでございますが、そういうことの関連もございますので、今の御質問にただいま定数的に、数量的にお答えすることが困難でございますけれども、やはり定数というものはできるならば削減をする、それが望ましいんではないかということは、私は自分の党には強く申しておるところでございます。
#129
○勝木健司君 全然、幾らにするか僕自身はわかりませんので、自民党の総裁としての宮澤総理は、こうすべきだというある程度の考え方をやっぱり示すべきだろうというふうに思います。
 一応自民党の方針が決まったということで、近々政治改革協議会が再開される見通しとなったわけでありますけれども、二段階で政治改革を進めることを明確にすべきじゃないかということで、抜本改革の前に段階的に一段置くべきだということで、連座制の強化など腐敗防止措置の確立とか、あるいは政治家の資産公開を柱とする政治倫理の確立、政治資金規正法の改正、衆議院定数の抜本是正、この四つの課題を取り上げて精力的に協議を進めていただきたい、そして参議院選挙までに何らかの成果を上げるべきじゃないか。十一月とか暮れとか言わずにやっぱりその段階で一つの指針を出すべきであろうというふうに思いますが、その点についてお伺いしたいというふうに思います。
#130
○国務大臣(宮澤喜一君) 私は、私どもの党内におきまして、政治改革本部に対しましては、今言われましたように定数の問題、政治資金の問題、政治倫理等々の問題、国会等の運営の問題、この四つについてこの際緊急改革で実施すべき事項を、将来の抜本改正も頭に置きながらひとつ取りまとめてほしいということを要請いたしまして、一応の党内の意見の集約ができつつございますので、そういうことで各党協議に臨みまして、各党の御同意を得て成案を得たいと考えております。案ができましたものからこの国会で御審議を願いまして、その成案は、法律として必要なものは制定させていただきたい、こう考えております。
#131
○勝木健司君 そこで、衆議院の選挙制度の抜本改革を行う際には、ぜひ衆参両院の果たすべき役割を考慮した上で抜本改革を行うべきじゃないか。前回の政府案のように衆議院の選挙制度のみが先行しておるということで、やはり二院制の趣旨から見ても参議院の選挙制度改革についてはどうなっておるんだ、そういうことについての総理の見解をお伺いしたいというふうに思います。
#132
○国務大臣(宮澤喜一君) この点は、筋論としては勝木香貝の言われることが正論であると私も考えておるのでございますけれども、選挙制度審議会で全体の問題が御議論になりましたときにも、比較的最近、参議院に比例代表制を設けられるというようなことが行われたこともございまして、参議院御自身がどのようにこの問題をお考えかということについて、私どもの党内では必ずしも明確な結論が得られなかったという経緯がございました。
 参議院のことでございますから、これは参議院がどうお考えになるか、これがもう何よりも中心にならなければならない問題でございますので、私どもの党内でも、そういう意味では参議院御出身の方々がこの問題についてどう考えられるかということをまず大切にしていかなければならない、抜本改正を将来に置きまして、そういうふうに考えていかなければならないのではないかと思っております。
#133
○勝木健司君 参議院の選挙制度についても第八次の選挙制度審議会でも論議をされております。現行の拘束名簿式比例代表選挙の欠陥としての三点が挙げられておるというところであります。そして、望ましい姿として、現行の拘束式の比例代表制にかえて、個人名とかあるいは政党名の投票のどちらも有効とする非拘束名簿式比例代表制の採用が提案をされておるわけであります。しかし、自民党内の意見がまとまらなかったとか、あるいはそういうことで、さきの政府案には盛り込まれておらない、衆議院のみの改革案だけが先行して提案をされておるわけであります。
 しかし、私はこの現行の制度よりも非拘束式の制度の方が、あるべき姿から見て一歩も二歩も前進しておるのじゃないかと思うわけであります。選挙制度審議会が提案をされておりますこの制度についての総理の見解をお伺いしたいというふうに思います。
#134
○国務大臣(宮澤喜一君) 参議院が比例代表制を採用せられました後、当時の藤田議長を中心に、この問題のいわばその後の処理をどうすべきかということで、各会派におかれていろいろな御検討があったというふうに承知をいたしております。結論は、最終的には得られないままになったように存じておりますけれども、そういう御事情が参議院の中にございますので、私はやはりこの点は参議院の中でどういうふうにお考えになるかということを中心に考えていくべきではないか。先般、御指摘のように、政府が提案いたしました三案についてはこの問題に触れておりませんけれども、その点もやはりまず参議院における各会派のお考えというもの、それが集約されてくることが大事なのではないかというふうに私としては思っております。
#135
○勝木健司君 現実的には、確かにそういうことになろうかと思いますが、抜本改革をする際には衆議院と参議院、そういう二院制のあり方ということも含めて検討をされなければやっぱり不合理ではないかというふうに私は思います。
 同じく、参議院の選挙区の定数是正問題についても余り表立った問題は出ておらないわけでありますけれども、この第八次選挙制度審議会の答申の中でも、「まず各都道府県に二人の定数を割り振ったうえ、残りの定数を人口比例により各都道府県に割り振るものとする。」という具体的な是正案が出されておるわけであります。衆議院と参議院では議院の性格が違うということはあるわけでありますけれども、北海道選挙区とかあるいは神奈川選挙区など顕著な逆転選挙区も幾つかあるわけでありますので、こういう問題もぜひ早急に論議の俎上にのせて是正すべきだと思うわけであります。これについても総理の見解をお伺いしたいと思います。
#136
○国務大臣(塩川正十郎君) 御質問の中に指摘されておりますように、衆議院と参議院とは根本的に違う、それは参議院は地域性というものを踏んでおるということをおっしゃっていますように、そこを踏んまえて、いずれ参議院におきましても、逆転区がもう今六つ出てきておるわけでございますから、そういうような是正は行うべきであろう、こう思っております。
 そのためにも、まず違憲性という点におきまして、衆議院の方により以上の問題責任がかかってきておることでございますので、衆議院の定数是正をいたしまして、それと並行して議論は進行していくべきだと思っております。ついては、参議院におきますところの議論が発せられますことを私たちは期待しておりまして、それは第八次選挙制度審議会の答申の線に沿った趣旨というものが残っておるわけでございますので、そこらを踏んまえて活発な議論が起こってくることを我々も期待しております。
#137
○勝木健司君 ぜひ並行して、参議院の問題についても選挙制度改革が進むようにお願いをしたいというふうに思います。
 次に、外交、防衛についてお尋ねをいたします。
 総理は、PKO協力法案の早期成立を国際公約されております。国連の首脳が集まった中での公約というのは極めて重いんじゃないかと思われます。その成否が我が国の威信にもかかわる、国会任せで済むものじゃないというふうに思います。総理自身の責任が問われることになるというふうに思うわけでありますけれども、どのような成算があってあの発言を行われたのか、総理の真意をお伺いしたい。
#138
○国務大臣(宮澤喜一君) この法案はただいま参議院で御審議中でございますけれども、何とかこの国会で成立をさせていただきたいと強く念願をいたしております。
 先般、安保理事国の各国首脳によりますところの会議がニューヨークでございましたときに、私といたしましても、日本の国際に対する貢献の具体的な一つの道として、この法案に考えられているような貢献をぜひいたしたい、何とか必要な法律条件の具備をしたいということを申したところでございます。それは、国会にお願いをいたしまして、我が国として世界各国からも期待されておるような、また、私どもは当然我が国がなすべきだと考えておりますような貢献を、この法案の成立によりまして具体的に果たしていきたいと、こう考えておりますので、そのような趣旨のことを申したのでございます。
#139
○勝木健司君 PKOというと、国民の中にはやはり戦争をしているところに出ていくのではないかという認識の強い方がまだまだおられると思います。また、強行採決をしてまで自衛隊の海外派遣をしようとしているというイメージを、あの衆議院での強行採決によって定着させてしまった責任は極めて大きいんじゃないかと思います。
 そこで、PKOについての認識をもっと。PRすべきであるし、また、私たちが主張いたしておりますシビリアンコントロールのための国会承認事項については、どうしても私は必要であるというふうに思いますが、これらの点について、総理の見解を承っておきたいと思います。
#140
○国務大臣(渡辺美智雄君) 採決が混乱の中に行われたことは、私は結果的にいい結果にはならなかったという反省をいたしております。しかしながら、一応衆議院で成立して参議院に来たわけでございまして、この法律は御承知のとおり戦争とか紛争、戦いが終わった後に治安を確保して、市民生活が平和に行われるための手助けを国際的に。やろうという法案でありますから、戦争を起こすために行くのではなくて、戦争が終わった後片づけ、後始末、そのお手伝いをしてやるんだ、こういうことのPRが足りないことは事実でございます。
 まあ、いろいろな心配をなさる方があるものですから、あの法案の中でいろいろな原則を設けまして、言わずもがなというふうにとらえるかもしれませんが、念には念を入れて、これは中立的ですとか、国連から頼まれなければだめですとか、相手国から受け入れてもらうという承諾があって初めてやるんですよとか、非強制的なものですよとか、条件をつけてあるわけであります。そういったくさんの条件がつけられて、しかも出るに当たってはどういう行動をするかということについての要領等をあらかじめ定めた上で、それで出発をさせるんですというように規制してあったものですから、特別、国会承認を得なくともそれだけのいろいろな条件つきの中でできた法律であるならば、国会承認は要らないのではないか。国会承認を最初からつけるんだったらば、そのような細かい条件を法律の中に書き込まなくたって私はよかったんではなかろうか、そう思っておるわけであります。
 これは形式論からいえば、国会承認というのは反対する人はないと思うんですけれども、ただ、日本の今までの国会の状況を見ると、国会の召集手続、それから今度は国会をそのために開いた場合に、両院で何日間要するのかとかいろいろあって、一カ月も、場合によってはそれ以上もかかってしまうかもわからないというのが国会の現状なわけです。
 だから、事前に法律に詳しく取り決めておけば、国会でそういう議論を蒸し返してやるということでなくても済むだろうということで、国会承認ということはつけなかったんですけれども、しかし、これは衆議院における修正段階において、余り長くなるような場合は、二年を超えるというような場合は、そこで一遍見直すということで、これは実質的には、文言は違いますが、実質的には二年間やってみたけれども、これ以上はもう必要ないじゃないかということになれば、それはそれでやめてしまう、これ以上またやらせる必要があるとなれば継続するということですから、実際上のそれは事後承認であるし、二年を超えるものの事前承認でもある、あの修正案はそういうふうにも解釈できるのではないか。形式でなくて実体がそうじゃないかということで、そういう点で何とかひとつお願いしたいというのが我々の立場でございまして、今後参議院でいよいよ予算が終わればぜひとも本格審議をやらせてもらいたい、さように思っておる次第でございます。
#141
○勝木健司君 そういう話であれば、緊急の場合は私どももあくまでもすべて事前承認だということではなかろうと、原則国会承認だ、場合によっては事後もあるわけでありますから、かたくなに法律に全部入れておるから必要ないということでもなかろうと、差は詰まっていくんじゃないかと思いますので、ぜひ詰めていただきたいと思います。
#142
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは私は、今、国会でまだ審議も始まる前から予断を持って結果を申し上げることはできませんが、いずれにしてもなるべく多数の党が参加して、そして、しかも実体上支障の来さないようなことで妥協できるならば、私は多少の変更があることをかたくなに拒否するものではありません。
#143
○勝木健司君 次に、国際情勢の変化に対応した防衛費の見直しを急ぐべきだという声が出ておるわけであります。国会でも随分と論議がされておるところであります。この中で中期防の平成五年度からの見直しについて、宮澤総理と防衛庁長官の間に見解の食い違いがあるのではないかと思われる点があるわけでございますが、この中期防の平成五年度からの見直しをやるのかやらないのか、明らかにしていただきたい。総理からお願いしたいというふうに思います。
#144
○国務大臣(宮澤喜一君) 昨年の暮れに安全保障会議をいたしましたときに、私から防衛庁長官に対しまして、本来、中期防には見直しという規定もあるので、国際情勢もこういうふうに変わってまいりましたから、多少前広に見直しをしてもらうわけにはいかないだろうかということで、防衛庁長官も努力を約されまして、そういうことを安全保障会議で了承いたしたところでございます。
 したがいまして、諸般の情勢を検討しながら、できるだけ速やかにこの見直しをしようということで、防衛庁で作業を既に始めておると存じます。一つは、概算要求の時期というものも御承知のようにあるわけでございますし、いたしますが、それらのこともいろいろに考えながら防衛庁長官としては最善の努力をしつつあるというふうに考えております。
#145
○国務大臣(宮下創平君) ただいま総理の申されたとおりでございます。
#146
○勝木健司君 ということは、平成五年度の予算の中で見直しか反映されるということで解釈をしてよろしいんですか、前広に検討するということは。
#147
○国務大臣(宮下創平君) 今、総理のおっしゃられた点はそこまで明確にはおっしゃっておられないわけでございまして、総理の先ほどの御発言は、去年の十二月の二十八日の安保会議におきまして、世界情勢の変化を踏まえて前広に至急検討せよという御指示でございますから、私の方は、一月二十二日だったと思いますが、防衛力検討委員会を設けて、今鋭意検討中でございます。
 そして、総理が今概算要求の点についてもお言葉がございましたが、概算要求となれば、八月末までに大蔵省に防衛庁の概算要求を出すわけでございます。つまり、平成五年度の防衛庁予算の要求を本年の八月までになさなければなりませんが、私が申し上げている点は、八月といっても、実際防衛庁内部で中期防の見直しをそれまでに決めるということに相なりますれば、六月か七月までには方向を明確にしなければならぬ、そういうことでもございますので、なかなかそこは急に間に合うかどうかわかりません。
 そういう点でございますので、鋭意努力はいたしてまいりたいとは存じますけれども、そのことまでも総理も申し上げたものではないと思いますが、平成五年度予算、これは概算要求をして、そして同時に十二月に編成をいたすわけでございます。一方、中期防では三年後の修正、見直しということを言っておるわけでございますから、その総理の御意向に沿ってなるべく努力をいたしていきたいということを申し上げているわけで、決して総理のおっしゃられた点と私の申し上げている点との食い違いはございません。
#148
○勝木健司君 中期防の見直しを三年後にやるということは、具体的には六年じゃないんですか。だから、前広にやるということで、私どもは平成五年度から当然予算の中で入ってくるだろう、見、直しか反映されてくるだろうというふうに解釈をいたしておるわけでありますので、この前広に検討するというこの前広というのは一体どういう意味なのかお伺いしたい。
#149
○国務大臣(宮下創平君) 中期防をつくりましてから旧ソ連の崩壊等々がございました。そういう意味で、世界の情勢も大きく変化はいたしております。一方、情勢の変化というものは定着性を見なければならない面もございますけれども、私どもといたしましては、検討にとにかく精力的に対処しようということでございます。
 これは、しかし検討の内容に至りますと、組織、編成その他いろいろの問題、装備等々ございまして、広範な領域にわたるものでございますので、そのように申し上げているわけであります。
#150
○勝木健司君 安全保障会議議長の総理がこういう発言をされておるということでありますから、それを体して防衛庁も概算要求を組んでいくべきじゃないかというふうに思います。総理の発言を求めます。
#151
○国務大臣(宮澤喜一君) それは、概算要求というのは各省庁を律する制度でございますから、これ大事なことでございます。しかし、こういう大きな国際的な変動というのは、これはもう文字どおり何十年に一遍あるいは何世紀に一遍かわからないことでございますから、そういうことにどう対応して、中期防をどう変えていくかというようなことは、そうしょっちゅうしょっちゅうあることでございませんので、これはやはり大事なことでございますから、概算要求は概算要求の時期といたしまして、その間において防衛庁でできるだけ前広に急いで作業をしてもらう、そのために最善の努力をしてもらいたい、こう申しておりますことは、防衛庁長官もよく理解をしておられると私は考えております。
#152
○勝木健司君 ぜひよろしくお願いします。
 次に、昨年の十二月にフィリピン政府がことしの十二月末までにスビック基地から米軍を撤退するように要求をしておるということであります。フィリピンから米軍が撤退した場合の我が国の防衛にどう影響が出てくるのか。そしてまた、基地関係で相当の交付金を支払っていると思いますが、これがなくなった場合のフィリピン経済への影響が一体どうなっていくのか。我が国への援助の圧力が強まることも考えられるんじゃないかと思いますので、外務大臣の見解をあわせてお聞かせください。
#153
○国務大臣(渡辺美智雄君) フィリピン防衛の問題については防衛庁長官から答弁をしてもらいます。確かにフィリピン経済は少なからず影響を受けるだろうと予想されます。しかし、今のところフィリピンからはそのための具体的な経済的な援助をしてくれという要請は何も来ておりません。日本とフィリピンとの関係におきましては、フィリピンが選挙でも済んだならば、また、アジアの一角として我々と同じ共通の価値観を有する政治、経済を行っていこうとするならば、できるだけの配慮はしてまいりたいと考えております。
#154
○国務大臣(宮下創平君) 米軍のフィリピンからの一部撤退と申しますか、撤退でございますが、これにつきましては、在比米軍、在比の米軍についてクラーク基地とスビック基地がございますが、クラーク基地は昨年十一月にフィリピン側に返還をいたしております。これは背景にはピナツボ火山によって使用不能というような状況もあるやに私は思いますが、同時に、スビックの基地につきましては、フィリピン政府より米国に対しまして本年十二月末までに撤退するように通告がなされておりまして、米国もその予定だと私どもは承知しております。
 しかしながら、いずれにいたしましても、私ども日本の安全保障にとりまして、先般ブッシュ大統領が来日時に東京宣言においても再確認をされておりますとおり、米国はアジア・太平洋地域の平和と安定を維持していく上で必要な米軍の前方展開を引き続き維持することがうたわれております。したがいまして、在比米軍の移転は、これは間接的にはあるいは影響が及ぶ可能性はそれはもちろんございます。と申しますのは、その一部が暫定的に、例えば三五三特殊行動航空団司令部及び同隷下の二個飛行隊が今暫定的に、恒久の配備基地としてではございませんが、沖縄に来ておることも先生御承知のとおりでございますし、輸送空軍部隊の一部も沖縄に来ております。
 そういう意味で、いろいろ間接的に影響はございます。しかし、基本的には在比米軍の移転というものは、我が国の防衛の基本政策、つまりみずからが適切な規模の防衛力を保有し、同時に日米安保体制に依存していくというこの体制自体に直接影響を与えるものではない、このように感じておるところでございます。
#155
○勝木健司君 我が国は核武装を否定しておる、そしてその意味からもこの日米安保と日米の友好関係は重要ではないかというふうに思います。しかし、最近経済問題とか国民感情などが良好な日米関係を損なうのではないかと思われる発言がそれぞれ両国間で行われておる、大変懸念される状態ではないかと思うのであります。日米関係の改善のためのどのような方策をとろうとされておるのか、お伺いをしたいというふうに思います。
#156
○政府委員(佐藤行雄君) お答え申し上げます。
 日米関係につきましていろいろな意見が出ておりますことは御指摘のとおりでございますが、ことしブッシュ大統領をお迎えして東京宣言をまとめまして、その中で今後、先に向かってやることをアクションプランも含みましてお互いに発表したところでございます。そういう意味で、そういう約束したことを一つ一つやっていく、これがまず当面政府としてやるべきことだろうと思っております。
 また、これから先、日米関係、非常に幅の広い関係になっておりますので、いろいろな各界各層の方々を通じての意見交換、交流ということも図っていくということが大事ではないかと思っております。
#157
○勝木健司君 次に進ませていただきます。
 雲仙・普賢岳の噴火災害は、避難を余儀なくされた方々が一日も早い終息や帰られる日を待ち望んでおられるわけであります。このような状況の中で、宮澤総理が先日十四日に現地を視察された、被災地の要請を直接聞かれてきたということは、総理みずからが被災地を訪れたことは私も大いに評価をいたします。
 そこで、総理は現地で、長崎県の雲仙岳災害対策基金を六百億円に増額すること及び四月三日で切れる食事供与事業の半年間の延長などを発表されておりますが、具体的にどのような追加支援策を行うのか、この場で明らかにしていただきたいというふうに思います。
#158
○国務大臣(東家嘉幸君) お答え申し上げます。
 その前に、食事供与の延長の問題につきましては、国会の災害特別委員会初め各先生方に大変御心配おかけいたしましたし、先生はまたお隣の熊本天草でございますから、大変また御心配いただいておることを感謝申し上げます。
 まず、食事供与につきましては、やはりこれだけ災害が延長しております状況からしますれば、当然これは継続的にとり行うべきであるということの前提に立って私たちはまいりました。が、しかし、県当局、国においても、延長するについては就業の問題等々でいろいろと行政の立場で御心配していただいておりました過程がございまして、私どもの方から軽々にやりますということを、この一月ほど前、委員会が始まったときに私の立場からは言えなかったということで大変苦しみました。しかし、今日の状況を踏まえて、火山はなおまだ継続するであろうという前提、そして被災者の皆さん方があの窮屈な思いで大変御苦労、疲労しておられる状況から見れば、当然これは延長すべきであるという前提に立って、総理からも公平公正の中でひとつ実施してほしいというような要望もございました。
 ただ、私たちが心配いたしましたのは、やはり被災者の皆さん方がそうした食事供与によって狭い地域の中で溝ができるようなことがあってはいけないということも気にしたことも事実でございます。しかし、今、県の方では十分個別によっての調査で、四月四日切れますので、近々にその調査の結果による要望を私どもの手元にいただくということになっておりますので、四月四日の期限切れまでには実施できるように取り組みたいというふうに考えております。
 なおまた、今お尋ねの今後の復興復旧対策等につきましては、総理また自治相の格別の御配慮によって、基金または特別交付金等々によって、今の計画の当面実施せねばならない内容については県とも十分協議いたしまして、そしてこの枠の中で実施でき得るということを確認してまいりました。そういうことで、今後、私どもは鋭意被災者の立場に十分心して取り組んでいきたいというふうに思っております。
   〔委員長退席、理事井上吉夫君着席〕
#159
○勝木健司君 具体的にお伺いをいたしたいというふうに思います。
 食事供与事業でありますが、今現在七百八十一世帯がたしか食事供与事業の対象者になっておるというふうに聞いております。私も、災害対策特別委員会等で食事供与事業の継続を強く主張してきたわけであります。したがって、今回の宮澤総理が被災地を訪れられてこの事業を半年継続することを表明したことは確かに歓迎すべきことであります。
 災害救助法による食事の供与は、政府の従来の主張では、現に食し得ない状態にある者に供し、原材料及び現金を支給することは本制度に反するし認められないということであります。しかし、政府が予算補助として今現在実施しているこの食事供与に係る費用負担は、実質的には災害救助法の第二十三条に基づく食品の給与を金銭で行うのと全く同じ効果じゃないかというふうに思います。
 そういった意味で、宮澤総理は食事供与事業の半年の継続を約束されたわけでありますが、このようなことは総理が現地に行くまでもなく自動的に継続できるように法整備を急ぐべきじゃないか、そういうふうに法整備を行った方が被災者にとっても親切ではないかと思うわけでありますが、見解をお伺いいたします。
#160
○国務大臣(山下徳夫君) 雲仙の災害が相当長期化いたしまして、被災者の方々本当にお気の毒にたえない次第でございます。
 本来災害というものは大体一過性のものでございまして、したがって従来の災害立法というものはそれを想定してつくられているということでございます。そこで、今回におきましても避難所の設置あるいは炊き出し等、これは災害救助法でやっているわけでございますけれども、しかし今後食事供与事業をいつまでも今のような形でやれるかどうか。特に災害救助法においてこれを恒久化するということは私は困難であろうかと思いまして、現状においては特別措置としてやっている、このように御理解いただきたいと思います。
#161
○国務大臣(東家嘉幸君) 先ほどもお答え申し上げましたように、大変被災者の皆さん御苦労なさっている現場を総理もつぶさに現地の生の声を聞きながら視察されまして、そして公平公正の中で早急にやってほしい、決定してほしいということの趣旨にのっとり、このことがあくまでも原則だけにとらわれることなく皆さんに十分その意が、私たちの意が伝わるように県の方も取り計らってほしいということも要望しておりますので、今の段階でどれだけの方が対象者になるのかのことについては、近々県の方から私どもの方にお示しになられますので、私たちは公平公正の原則にのっとり、そして決して皆さん方に働くことだけを強いることのないような処置が行われるものと考えております。
#162
○勝木健司君 余り公平公正を強調されますと、逆に現地ではそういういろんな声もあるんじゃないかということを危惧するわけであります。
 そこで、今回の政府の行った食事供与事業でありますけれども、従来の災害は一過性ということでの今の法律だということでありますが、こういった意味で長期にわたる、雲仙・島原みたいに二年にまたがっておるわけでありますから、長期にわたる噴火災害等による救助としては極めて被災者のニーズの強いものであるわけでありますから、そのために現行の予算措置での対応だと被災地では政府への陳情を行わなければ、あるいは総理が行かなければ事業の対象となりにくいということであるのでは、そうすることよりもむしろきちんとそういう実態に合った法整備をすることが素直な、率直な考え方じゃないかというふうに私は思うわけであります。
 そういった意味で、一カ月以上避難を余儀なくされた自然災害に係る食事供与については、食品の供与を金銭で行えるように災害救助法で改正できないものかどうか、お伺いをいたしたいというふうに思います。
#163
○国務大臣(塩川正十郎君) 自治省の方で承っておる内容について申し上げたいと思います。
 実は食事供与の問題は、おっしゃるように一時性の、一過性のものでございますからして、継続してやっていくということは非常に難しい実態がございます。といって、一々予算措置もなかなかはかり知れないものもございますので、今回知事から総理の方に基金の増額の要請がございました。
 その増額の要請の中のファクターは四つございまして、その一つは基金が利息が低下いたしました、その補給の意味があるということ。二番目の問題といたしまして、農業者が自立するための助成の補助金の一部に充当したいということ。それから三番目の問題といたしまして、食事給与をこれから続けていく場合の補完的な給付として自由に使える金という意味であろうと思うのでございますが、補完的な措置をということでございます。それから、一般の住民の方々が自立するための融資の枠を拡大いたしますが、その融資枠拡大に相当する分の補給の財源というふうなこと、そういうようなものを全部ひっくるめまして基金を拡大し、その成果によって、果実によってそれらを賄っていきたい、こういうふうに私たちに説明がございました。
 したがいまして、この食事給与の問題につきましても、当分の間はこの方式に基づいて実施されていくべきものだろうと思っておりますが、これから以降すっと続いてどうするかとか、あるいは根本的にどうするかということは、次の政策の決定とあわせて財源の問題等に及んでくる問題ではなかろうか、こう思っております。
#164
○勝木健司君 ぜひ政策的に、根本的にそういう問題も俎上にのせていただきたいなと思っております。
 次に、防災集団移転の促進事業についてお伺いをいたします。
 長崎県の説明会で特に関心が深かったものの一つに、移転する場合に宅地や農地の買い上げについては被災前の価格で買ってほしいという要望があったと聞いておりますが、宮澤総理は被災地でこのような要請を受けられましたかどうか、お伺いしたいというふうに思います。
#165
○国務大臣(宮澤喜一君) そういう要請がございました。
#166
○勝木健司君 買い入れ価格は、この施行規則の第六条の第四号で「災害の発生するおそれがある危険区域であることを勘案して算定した価額」となっておるということで、被災後の価格は極めて安い価格に設定されることが予想をされます。現に三宅島の場合も、平米当たり七百五十円であったために、この計画に住民の同意が待ちれなかったということであります。
 国土庁は、三宅島で集団移転が円滑にいがなかった原因をどう理解されておるのか、お伺いをしたいというふうに思います。
#167
○政府委員(小島重喜君) お答え申し上げます。
 御案内のように、昭和五十八年十月に三宅島で噴火が起こりまして、そして関係戸数三百二戸の皆さん方が被災をされました。そこで、そういう区域から集団的に移転をしようという事業が三宅村を中心に行われまして、結果的には三百二戸全戸がその危険区域から区域外に出たわけでございますが、その際に一いわゆるこの法律によります住宅団地に入りました者が約半数、百五十二戸でございまして、そのほかの方々は言うならば自力でそのほかの区域に行ったわけでございます。
 今御指摘のように、この移転計画の中には跡地の買い上げの計画もございました。これにつきまして、村からの報告によりますと、一つは今御指摘のような地価が安い、こういうような問題もございましたけれども、やはり父祖伝来の土地は放したくないというような御要望、さらには将来これをもっと別の用途に使いたい、こんなお話がございまして、最終的にはいわゆる防災集団移転計画の中での事業としては行われはいたしませんでしたが、本来の目的であります。その地域から地域の外に集団的に皆さん方が移っていただくというのは、これは三宅村の皆さん方、被災者の皆さん方を初め、村、さらには都の御努力によりまして
 一応円滑に進んでいるものと私どもは考えております。
#168
○勝木健司君 今回のこの長崎県の復興計画も、確かに約三百戸が移転対象となるわけでありますが、この施行規則第一条で、移転をしようとする場合は、住居の数が二十戸を超える場合には、その半数以上の戸数が団地を形成しなくてはならないということになっております。
 私は、金の問題もありますが、この集団移転事業を円滑に実施するためには、この半数要件というものももっと緩和すべきじゃないか、この計画をうまく実現していくためには緩和すべきだと思いますけれども、見解をお伺いしたいというふうに思います。
#169
○政府委員(小島重喜君) 今御指摘のように、一応集団的に移転をするということでございますので、一定のまとまりがなきゃいけないということでございます。
 今御指摘のように、三百月余りの方々が今予定をされておりまして、二分の一要件というのがございます。過般の私ども災害対策本部の会議におきまして、地元の意向を十分に踏まえつつこの事業が円滑に行われますように、今御指摘のありましたような要件緩和については実態に即して検討をする、こういうことにいたしております。
 なお、今まで行われましたこういう集団移転事業のほとんどが半数以上の皆さん方が行っておりまして、平均しますと九割くらいの方は団地の中にお住まいをいただいているということの実態でございます。
#170
○勝木健司君 半数要件を緩和するということを検討するということでありますので、ぜひ実現をしていただきたいというふうに思います。
 さて、宮澤総理も被災前の価格で買ってほしいという要請を受けたということでありますけれどもう実際この場合はどうなるのか、検討されるのか、お伺いをしたいというふうに思います。
#171
○国務大臣(東家嘉幸君) お答え申し上げます。
 地域の復興に必要な公共事業のための用地の取得については、事業の重要性について十分御説明を申し上げ、まず関係者の方々の御理解と協力をいただかねばならないわけでございます。国土庁といたしましては、関係省庁とよく協議しながら適切に対応していきたいと思っておりますが、この事業の推進に当たりましてはやはり運用面等において知恵を出し合って、そしてどう対処していくかということを十分踏まえなければならないというふうに考えておりますので、そこは先生の方で御理解いただきたいと思います。
#172
○勝木健司君 運用面で知恵を出し合うということは具体的にどういうことが過去の事例としてあるのか、お伺いしたいというふうに思います。
#173
○国務大臣(東家嘉幸君) 先ほどの食事の供与の問題等につきましても、やはり事務当局双方で検討している段階で、私が大臣としてまずやりますということを先に言った場合には、そういう地元でいろいろと知恵を出し合って調査しておられる段階に、私は今ここで言う立場ではない。が、しかし、方向的にはそういう本当に苦労しておられる皆さんの立場に立って踏まえねばならないという原則に立ってきました。今回の今お尋ねの問題でも、知恵を出して運用面でということで、これから相当腹を決めて取り組むんだなあというところで御理解いただかなければ、具体的にどうするかということは今ここでなかなか言える問題ではない、それは御理解いただきたいと思います。
#174
○勝木健司君 僕もまだ一年生ですからよくわかりませんけれども、知恵を出し合うということですから、東家先生も熊本の同郷の先生ですから、まさかうそはつかれないだろうというふうに思います。ぜひよろしくお願いしたいというふうに思います。
 次に、労働時間の短縮の問題についてお尋ねをいたします。
 現在「世界とともに生きる日本」という経済運営五カ年計画に、年間総労働時間千八百時間の計画期間内達成が明記をされております。政府の重要課題と当然なっておるわけでありまして、この労働時間の短縮は宮澤総理の生活大国の構想の一つの大きな柱となっておるということで、重要性は一段と高まってきておるわけであります。
 しかしながら、この目標達成期限もあと一年余に迫って、その実現はこのままではもはや絶望的な状況じゃないかというふうに思います。この千八百時間の達成のためには何が必要かという点について、経済審議会の国民生活部会の報告の試算では、完全週休二日制と所定内労働時間の週四十時間の実現ということを想定をいたしております。この際に週四十時間制というのを一九九三年の四月から実施することを総理として決意されたらどうか、千八百時間達成に対する政府の責任を明らかにしていくべきだというふうに思いますが、総理の御見解をお伺いしたいというふうに思います。
#175
○国務大臣(近藤鉄雄君) 先生御指摘のとおり、労働時間短縮は生活大国をつくるための宮澤内閣の大事な課題でございます。
 現実に昭和六十三年に改正労働基準法が施行されて以来、労働時間は着実に減少しておりますが、ただ現在、依然として平成三年で二千十六時間でございますから、年間の短縮が今のところ三十時間ちょっとということでございます。これだけを引いていきますと御指摘のとおり、来年度末までに千八百時間を達成することは難しい、こういう状況でございます。そうしたことでございますが、これも先生御指摘がございましたように、完全週休二日制の普及、年次有給休暇の完全取得、そして所定外労働時間の削減に努めてまいりたい、こういうことでございます。
 しかし、いろいろ事情事情がございますものですから、これが具体的に実現するために、大企業の場合はいわば所定外労働時間、残業が長いわけでございますので、これを短くするように努力してもらう。と同時に、中小企業の場合には所定内労働時間が結構長い、具体的には週休二日制や有給休暇が取得されていない、こういうことでございますが、こういったものを実現するためにはなかなか中小企業の場合単独で実行するのは難しい、こういうことでございますので、元請、下請の関係だとか、また地域内の横並びだとか、そういったものを労使の話し合いで、しかも地域的にまた業種ごとに実行できるような、そうした条件を社会的につくるために労働時間短縮促進法を今準備してございますので、これをぜひひとつ今国会で実現させていただいて積極的に進めてまいりたい。
 同時に、時短ができるためには、例えばロボット化、合理化のための投資が必要でございまして、特に中小企業の場合にはこれをしなければならないわけでございます。現在、既に中小企業労働力確保法のもとで最低五・五%、六%の融資制度がございますが、これを普及して積極的に活用していただく、こういう形でぜひひとつ千八百時間の早期実現に向かって労使の話し合いを進めていただき、また内閣としても労働省としても積極的にバックアップをしてまいりたい、こういうことでございます。
#176
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま労働大臣からお答えをいたしましたように、これを促進するいろいろな施策等々をあわせましてできるだけ早い機会に達成いたしたいというのが政府の努力の目標でございます。
#177
○勝木健司君 努力をされておるということは私も十分認めるわけでありますが、早い機会と言わずに、週四十時間制を来年からぜひ実施できるように進めていただきたいというふうに思います。
 そこで、先ほど労働時間とか残業時間という話がありましたが、労働時間短縮の大きな三つの柱の一つに所定外労働時間の削減もあるわけであります。その対策の一つとして労働省は、「労働基準法第三十六条の協定において定められる一日を超える一定の期間についての延長することができる時間に関する指針」を定めておられるわけでありますけれども、そこで定められている目安は、今の実績である百八十時間を超えて一年間で四百五十時間とされておるわけであります。そういう意味で、千八百時間を達成するための所定外労働時間百四十七時間とは大変差があるということでありますので、やはり実労働時間、総労働時間で短縮しなければ、所定内だけで短縮をしてもトータルでは何にも変わってないということであれば問題が生じるわけでありますので、残業も含めて実績に見合うような目安をつくるべきじゃないかと思いますが、それについての見解を求めます。
#178
○政府委員(佐藤勝美君) 年間総労働時間千八百時間程度に向けてできるだけ短縮をするという目標達成のためにも、おっしゃいますように、所定内労働時間の短縮だけではなくて、所定外労働時間の削減ということが大変重要な要素でございます。
 現在の労働基準法では、その所定外労働時間の限度が労使協定によって定められることになっておりますけれども、できるだけそのレベルを適正なものにしたいということで、今触れられました大臣告示によりまして上限時間を定めているわけでございます。しかしながら、何せ実態を踏まえつつ、かつ実効のあるようにというようなことで目安時間を考えるという中で現在の告示の内容が決まっておるわけでございますが、この告示に対しましても、平成元年に現在の告示ができておるわけでございます。そのときの了解で二年経過をした時点でもう一度見直すということが決まっておりますので、現在はそれに基づきまして中央労働基準審議会におきましてこの大臣告示の見直しをお願いしておるところでございます。
 なお、それに加えまして、昨年、所定外労働削減要綱というものをまとめまして、これによりまして労使あるいは国民一般の啓発に努め、所定外労働時間の短縮がされるようにいろんな策を講じているところでございます。
#179
○勝木健司君 この所定外労働時間の割り増し率が我が国の場合は労働基準法では二五%であり、これではやはり人をふやすよりも残業で対応した方がコスト的に安上がりという計算が働くんじゃないかというふうに思われます。これでは法律が所定外労働時間をセーブする役割を果たすどころか奨励にもつながってくるじゃないかというふうに思います。
 そこで、割り増し率の点については、アメリカ等々でも五〇%など諸外国に比べては低いわけでありますので、これについてもやはり同時並行的に引き上げていくような方策が必要じゃないかと思いますが、見解を求めます。
#180
○政府委員(佐藤勝美君) 現在、我が国の労働基準法で最低基準として割り増し率二五%ということでございます。
 お触れになりましたように、先進諸国といいますか欧米等では、国によりまして全くその規定がない国もございますし、また二五%となっている国もございますし、あるいはそれより高い率を定めている国もございますが、いずれにしても、労使協定で二五%を上回る率が一般的であるというふうに私どもは承知をしております。
 この問題についてどう考えるかということでございますけれども、割り増し率を上げることによって、事業主のコストの面から所定外時間が抑制される効果を期待するという考え方は大変有力な一つの考え方であろうかと思います。一方におきまして、時間短縮そのものが、特に中小企業にとって非常なコストの問題になる上に、割り増し率を上げていくことはさらに大きな負担になるのではないかという考え方もございますし、また最近におきましては、収入よりも余暇を選ぶという方々が非常に多くなっているということは事実であるにしましても、やはり収入の面への影響ということから、割り増し率が上がった場合に果たしてどちら側に働くのかというような懸念をされる方もございます。
 この問題につきましては、そういったような多面的な考慮が必要であると思いますし、また現実に、現在各企業で行われております割り増し率は、ほとんどがこの労働基準法の二五%という線でやっておるわけであります。一部大きな企業ではこれを上回る率を定めておるところもあるわけでございますが、こういったいろんな要素を考えまして検討することが必要でございますし、現在、中央労働基準審議会におきまして、労働基準法の時間法制につきましての全体的な見直しをしている中で、今申しましたような点も含めまして、公労使三者によります真剣な議論が行われるというふうに期待をいたしておるところでございます。
#181
○勝木健司君 中小企業の問題が出ておりますので、中小企業の問題についてお伺いいたします。
 二月二十七日の報道によりますと、通産省・中小企業庁は、下請中小企業の労働時間短縮を図るために、全国の約四百二十の業界団体に対して、親企業による発注方式などの改善を徹底するよう通達したということが書かれておりました。しかし現実は、親企業の協力が十分でないからほとんど改善されていないところから今回通達を行うような運びになったと理解しておるわけであります。
 この法律によりますと、振興基準が遵守されなかったとしても、第四条による指導助言がなされるだけで、遵守しなかったことによるペナルティーは科せられておらない。せっかくこの振興基準を定めましてもほとんど無視されているのが実態じゃないか。一片の指導通達で改善できるような、そういう中小企業の生易しいものではないというふうに思います。
 そこで、私もこの法律の強化によってすべてが解決するとは確かに思いませんが、それでもこの振興基準の遵守を怠った親企業については、改善計画の作成を義務づけていく、あるいは一定期三間内に改善の跡が見られない場合には企業名の公表を行う程度の制度の強化を図るべきだと思うわけでありますが、通産大臣、見解をお願いします。
#182
○国務大臣(渡部恒三君) 昨年、振興基準を改正するとともに、下請代金支払遅延等防止法の運用基準を改正し、運用の強化を図ることにいたしました。
 下請代金支払遅延等防止法によると、中小企業庁は公正取引委員会に対し、下請中小企業に過度な負担を強いるような悪質なものについては、勧告等の措置をとるよう措置請求を行い、それに基づいて公正取引委員会は勧告を行い、勧告に従わなかった場合には企業名を公表することとなっております。
 いろいろ御指摘がございました。今後とも中小企業庁としては、振興基準の普及啓発に努めるとともに、下請代金支払遅延等防止法に基づく検査を強化し、下請取引の適正化に全力を尽くしてまいりたいと存じます。
#183
○勝木健司君 ありがとうございます。
 今春闘は時短春闘とも言われておりますように、賃金の引き上げとともに時短の促進が大きな争点になっております。
 九三年度をめどに、年間総労働時間を千八百時間に短縮するという労使の合意が特に大企業で相次いでおるわけであります。しかし、大企業における時短が進む一方で、下請企業を中心とした中小企業にはそのしわ寄せが来ておるんじゃないかと思います。労働時間のいわゆる二重構造が形成されておる。さらに、時短の進まない中小企業では、雇用が確保できないために人手不足、倒産といった事態まで発生しているのであります。
 ここで、通産省、また労働省は、親企業の発注方式の改善に向けてもぜひ腰を据えて取り組むべきだと思いますが、この決意のほどをお伺いしたいというふうに思います。
#184
○政府委員(南学政明君) 先生御指摘のとおり、下請中小企業の時短を推進していくためには、発注方式等の面での親企業の協力というのがぜひとも必要であります。
 このような観点に立ちまして、私ども昨年二月に、先生御指摘のような振興基準の改正を行いまして、例えば週末発注、週初納入など、時短の妨げとなるような発注方式を抑制してほしいというようなことを明らかにしたわけであります。
 この改善要求のその後の事態につきましては、先ほど御指摘がありましたように、必ずしも全体として改善の傾向にはないということで、去る二月二十七日にさらに通達を行ったわけでありますが、今後ともこうした振興基準の普及啓発に私どもとしては努めるとともに、下請代金支払遅延等防止法に基づく検査などを強化しまして、下請取引の適正化に努めていきたいと考えております。
#185
○政府委員(佐藤勝美君) 労働省におきましても、中小企業につきましては特に発注元との関係で時短が困難になるということを重視いたしまして、中小企業の集団としまして、発注先とその下請企業、これも含めましたグループを一つの集団としてとらえまして、週休二日制の普及等をこのグループ全体として進めるような指導援助を現在行っておりますけれども、今後ともその点につきましては十分留意をしていきたいと思っておりますのと、それから、その所定外労働削減要綱におきましても、その発注方式が特に下請企業の労働時間の短縮に非常に大きな影響があるということを指摘いたしまして、労使あるいは一般社会のこの点に対する関心について留意をするように特にお願いをするということで普及啓発に努めているところでございます。
#186
○勝木健司君 労働大臣は、先ほど今国会に提出を予定されておるということで、労働時間の短縮促進法に触れられておりますが、この労働時間短縮促進法の提出の時期とか、これを出すに至った背景、また法案の具体的内容について、簡単にお伺いしたいというふうに思います。
#187
○政府委員(佐藤勝美君) 時間短縮、特に中小企業におきまして困難とする理由はいろいろあるわけでございますけれども、特に横並び意識といいますか、自分のところだけ突出してやれないというような事情がかなり大きな要素になっております。
 最近、特にそのようなことが目立ってまいりましたので、昨年、関係審議会にお願いしまして、そういう中でどういう方策をとるべきかということにつきまして御審議をお願いしまして、ことしに入りまして建議をいただきました。その建議、これは公労使三者一致した建議をいただきましたが、これに基づきす法案をまとめまして、三月十一日に中央労働基準審議会の御答申をいただいて、それに基づきまして現在法案作成の作業、手続を進めておるところでございます。
 内容といたしましては、国が労働時間短縮推進計画をつくって閣議決定をするということ、それから企業内におきます労働時間短縮のための体制の整備を促進するということ、それから二以上の同一業種の事業主が労働時間短縮計画をつくる、これを政府が承認をいたしまして、その場合に必要となります公正取引委員会との調整を行っていく。また、そういった計画の実施に対する援助をやっていくということ。また、現在が非常に重要な時期でございますので、こういった施策を五年間臨時措置法として行うこと、こういう中身を予定しているところでございます。
#188
○勝木健司君 提出の時期は聞き漏らしましたけれども、もう一回後でお伺いしたいというふうに思います。
 労働時間短縮を労使の話し合いで推進するということもこの法案の重要な中身のポイントだというふうに思います。しかし、労使自治に任せただけでは進みにくいという現実も中小企業とか組合の組織率とかそういうこともあるわけでありますので、やはり基準法の抜本的な改正による最低基準の底上げについても真剣に取り組んでいただきたいと思うわけであります。この基準法の抜本的な改正案につきましても、次の通常国会あたりには提出へ向けてぜひ取り組みを強化していただきたいというふうに思います。生活大国の大きな柱の一つとなっておる時短でありますので、宮澤総理の御決意を承りたいというふうに思います。
#189
○国務大臣(近藤鉄雄君) 時短については真剣に取り組んでまいっておりますけれども、現在御案内のように、改正労働基準法では一応本則では四十時間になっておりますが、附則で各業種別、また企業規模別に四十四時間、四十六時間、四十八時間まで切りかえがございますが、これは最終的には労働基準法の改正を行うことでございますけれども、現実にこれを実行するためにはいろんな客観的な条件の整備がないとできませんので、それをこれまでやってまいりました。
 そして、さらにそれを一歩進めるための今度の労働時間短縮促進法でございますから、これをこの国会では近く提案をさせていただきますので、これを御審議いただいて、ぜひひとつこれを通していただいて、これに基づいて国が計画をつくり、また各企業別の委員会をつくって労使で話し合って決めていただく。組合がないときは労働者を代表する方によってそれをすることでございます。
 さらに横並び業種間、いろいろ今局長が申しましたが、そういうことでやるわけでございますので、こういう具体的なことを大至急やらせていただきまして、今度の春闘でもいろんな議論がございますけれども、幸い労働時間短縮だけは労使ともにもう一致し、これだけは進めたいと。あとは取り扱いをどうするかという問題が残るわけでありますけれども、そういうことでございますので、労働基準法の改正につきましては現在中央労働基準審議会で全体的な見直しについて御議論をいただいておりまして、恐らく年内には結論を得て答申をいただくようになっておりますので、それを見ながら次の通常国会に労働基準法改正を提案させていただく一応計画で現在ございますが、繰り返しますけれども、まずことしは実行できる具体的な体制をつくる。ことに全力を挙げて取り組ませていただきたい、こういうこどでございます。
#190
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま労働大臣が答えられましたように、いろいろ条件整備を進めますとともに、他方で審議会の審議の状況も見ながらできるだけ早く実現をいたしたいと思います。
#191
○勝木健司君 次に、介護休業問題について質問をいたします。
 寝たきり老人や痴呆性老人を抱える家庭では介護疲れのため家庭が崩壊してしまうのではないかというところまで危機に陥っているところもあると聞いております。家族の在宅介護を支援するための介護休業制度の創設が不可欠であるというふうに私は考えます。高齢化の進行、女性の社会進出とそれに伴う男女の家庭責任の分担などを背景といたしまして、今最も必要とされているのがこの介護休業制度じゃないかというふうに思います。
 私は、この制度普及には導入奨励金のような助成が必要と思うわけでありますが、かつて労働省は平成二年度の予算の概算要求で助成金の要求を行ったにもかかわらず、引き続く三年度、四年度には要求すらしておらない現状であります。この制度普及促進を言いながら、一体やる気があるのかどうか疑わざるを得ないわけであります。労働大臣はこの介護休業制度についてどのように考えられておるのか、助成金の必要性はないのか、御所見をお聞かせいただきたいというふうに思います。
#192
○国務大臣(近藤鉄雄君) 先生御指摘のとおり、高齢化社会に突入をするとおのずから要介護親族がこれからふえてくるわけでございますので、これをどういうふうにして介護していくかということがある意味では最大の社会問題であり家庭問題でございます。
 ただ現実に、そういう要望があっても、具体的に介護労働にどういう形で従事できるかということについては、よく聞かされますけれども、育児休業法の場合にはある程度期間も限られておりますし、比較的対応しやすいわけでございますが、介護の場合にはいろんなケース・バイ・ケースでございますし、現実に介護休業をやっている企業も限られてございますので、一体どういうふうにして介護休業を進めるかについてもう少しいろんな形で検討したい。
 最近、シンポジウムだとか研究会もやっておりますし、また労働省内部でこういった介護休業についてのガイドラインを作成するための検討会も行っておりまして、ひとつガイドラインでもつくってそれを実行していただく、そういう形で介護休業制度の一層の普及促進に努めてまいる傍ら、どういうふうにして介護休業をやるとすればやるかということについての少し勉強をさせていただきたい、こういうことでございます。
#193
○勝木健司君 ぜひこういうことは概算要求の中で、研究するのであれば助成金なり要求をして主張していかなければいけないんじゃないかというふうに思います。
 労働省の調査によりましても、この介護休業制度の普及率は昭和六十三年で二二・六%、平成二年度でも二二・七%ということで、わずか〇・一%しか増加していない現状であるわけであります。そこで、この制度の普及率の低さを政府はかねがね立法化の妨げとしておったわけでありますが、法律なくして制度が普及するのであれば、そもそも法律は要らないんじゃないかというふうに思うわけであります。ぜひ私は、ここは最終的には立法が必要じゃないかということで、そういう段階に今近づきつつあるんじゃないかという認識を持っておるわけであります。
 そういう意味で、介護休業制度の立法化、またその内容について念頭にあられるのかどうかわかりませんけれども、宮澤総理の基本的なこの介護休業制度についての認識をお聞かせいただきたいというふうに思います。
#194
○国務大臣(宮澤喜一君) これは御議論があることはよく知っておりますし、政府部内でもいろいろ議論をしておるようでございますけれども、ただいままでのところ、この介護休業をつくるということが本当に介護というようなもののこれからの何といいますか、厚く行われることに寄与するのだろうかどうだろうかということについて、いろいろまだ検討の余地があるということで研究をしておるように聞いております。
#195
○勝木健司君 次に、雇用保険制度が改正されると聞いておるわけでありますけれども、雇用保険制度そのものは単に失業者の再就職の促進だけではない、失業の防止あるいは雇用状態の是正をしていく、能力開発をする、あるいは福祉の増進等質量両面における完全雇用の達成を目的とした制度でありますが、今日完全雇用が達成されているとは到底言えないんじゃないかというふうに思うわけであります。そういった意味で、この雇用保険制度の果たす役割は極めて重要で、ますます重要であると考えるものであります。
 今回、政府においても雇用保険の基本問題について検討することとされておるわけでありますが、単に保険料率の引き下げだけに終わるのではいけないん。じゃないかと思うわけであります。これらのいろんな現代的な諸課題に対応し得るような制度の一層の充実強化を図る方向に持っていくべきじゃないかというふうに思うわけであります。雇用保険制度のあり方についての考え方をお聞かせいただきたい。
#196
○政府委員(若林之矩君) 今回、雇用保険制度の改正法案を提出させていただいておるわけでございますけれども、近年におきます雇用保険の失業給付の収支状況にかんがみまして、当分の間の措置といたしまして失業給付に係ります労働者と使用者の負担を軽減いたしますとともに、国庫の負担につきまして軽減しようというものでございます。あわせて給付関係についての改善を行おうということでございますが、これは平成二年度におきます収支状況を見ますと、積立金の額が二兆九千億に及びまして保険料徴収額の二・〇八ということになってまいりました。
 こういった状況にかんがみまして、当面の措置としてこのような措置を行おうというものでございますが、ただいま先生御指摘のように、雇用保険制度につきましてはさまざまな基本的な問題を持っておるわけでございまして、これらの点につきましては中央職業安定審議会におきましても今後そういったような基本的な問題について御議論をくださるということでございまして、現実に既にその議論が始められておるところでございます。
#197
○勝木健司君 中央職業安定審議会で今検討に入っておるということでありますので、この雇用保険制度の充実強化に当たって特に私として要望したいのは、育児休業期間とかあるいは介護休業期間中の所得保障制度の導入に使えないかということであります。
 確かに現行の雇用保険制度の失業給付とこの三事業という枠組みでは無理かもしれませんけれども、制度を抜本的に見直しをしていく、そして休業中の所得保障のための新たな枠組みをつくれば可能じゃないか、それこそ時代に合った施策じゃないかというふうに思うわけであります。財政的に余裕があることも大きな理由でありますけれども、制度の目的という観点からも、この雇用保険制度というのは単に失業者の再就職だけでなく失業の防止とか福祉の増進等も目的とするものでありますので、この休業中の所得保障というものはこのような目的にかなうんじゃないかというふうに私は思うわけであります。
 また、雲仙・島原の問題でもありますように、現行でも激甚災害によって事業所が休止をして労働者が休業した場合にも、失業の予防の観点から休業中でも失業給付を支給するという例もあるわけでありますので、政府としても、このような休業中の所得保障制度は雇用保険制度にはなじまないと考えておられるということではなしに、ぜひ前向きに検討をしていただきたいというふうに思います。
#198
○国務大臣(近藤鉄雄君) 育児休業それから介護休業についていろいろ御意見ございます。その間の所得保障の問題ございますので、これはなかなかいろんな論議がございますが、ひとつ前向きに検討いたします。
#199
○勝木健司君 ぜひ委員長の方からも前向きに検討するように御指導いただきたいと思います。
 景気対策についてお伺いいたしたいというふうに思います。
 民社党は、この三月二日に平成四年度の予算案の修正大綱を発表いたしました。ここには公定歩合の引き下げとかあるいは公共事業の前倒し発注などを柱とした景気対策を盛り込んだわけであります。これまでの代表質問あるいは各要員会においても同様の主張を続けてきておるわけであります。
 新聞報道によりますと、私どもの主張を取り入れて政府も七項目にわたるような総合経済対策を策定しておるということでありますが、今後この計画をいつの時点で発表され、どのように具体化していくのか、お伺いをしたいというふうに思います。
#200
○国務大臣(野田毅君) 経済の現状についていろいろ各方面から大変御心配をいただいておりまして、私どもも現在の状況がかなり減速感が広まりまた強まっておるという認識をいたしておるわけでございます。
 今お話のございました七項目という新聞報道がございましたが、これは政府としてこういうものを決めたとかいう事実関係はございません。ただ、先般三月五日に総理から関係閣僚にお呼びがかかりまして、そこで当面の景気に対する配慮が大事であるという角度から五項目にわたって当面の施策についての御指示があった、こういうことでありまして、現在それらの具体化といいますか、そういったことを中心に検討をいたしておるという状況にございます。
#201
○勝木健司君 まだ検討しておられるということで、発表できる段階ではないということで受けとめてよろしいんですね。
 しかし、こういう総合経済対策も遅きに失するんじゃないかということで、もっと早くこういう手を打っていかなければいけないんじゃないか。そういう意味では、経企庁を初めとする政府当局の経済分析の甘さというものが出ておるんじゃないかということでいろんなところからも指摘をされておるところでありますので、ぜひ前向きにどんどんいいことは早目に出していただきたいと思っておるところであります。
 さて、日銀が今月の六日に発表した二月の企業短期経済観測調査によりますと、主要企業・製造業の業況判断指数が四年三カ月ぶりにマイナスになったということであります。そういった意味では、実体の経済は落ち込みが相当深刻であります。そういうことで、仮にこの総合経済対策を実行したとしても、基本的には平成四年度の予算の執行開始後であるわけでありますし、予算の増額を含む抜本的な財政対策は含まれていないことなどありまして、本当に効果のある景気対策になっておるのかどうかということで議論の余地があるところであります。
 円高不況の際には、昭和六十一年の九月に決定された総合経済対策については本格的な財政出動を含むものであったというふうに思います。補正予算も当然組まれてきたわけであります。これと比較して今回出されるであろうこの経済対策は迫力に欠けるんじゃないかということで、景気動向によってはもっと公共事業の追加などを柱とした新たな経済対策を策定して補正予算編成を行う、そういう必要性も出てくるんじゃないかと思いますが、御見解をお伺いしたいというふうに思います。
#202
○国務大臣(野田毅君) 円高不況の当時とそれから今回の景気の調整局面ということでは、かなり異なった要因があると実は思っております。あの当時は確かに、人間の体で言えば外傷性といいますか、いわば急速な円高による輸出関連産業あるいはそれを中心とする特定の地域で非常に直撃的な要素がありました。そういう意味で、具体的な局部的な対処の仕方等々いろいろやり方はあったと思っております。
 ただ、今回はどちらかといいますと、そういう要因ということは別として、いわばかなり金融緩和ということもありまして、いわゆる経済の加熱ぎみのテンポになった要因の中に、バブルという言葉で言われますけれども、そういうような側面があり、そしてハイペースで数年続いたということから、消費の世界においてもあるいは投資の世界においてもストック調整的な要素が入っておる、こういうことでありますので、それぞれの経済の現状に即した対処の仕方というものはまたおのずから異なってくるものであると実は感じております。
 そういったことを念頭に置きながら、しかし今調整局面にあるとは言いながらも、それが余り深くなり過ぎますといろいろまた体質面にまで悪影響を及ぼしかねないわけでありますから、そういったことを念頭において、時期そして規模、内容等について十分タイムリーに手が打てるように今検討いたしておるということでございます。
#203
○勝木健司君 今回、政府は、法人特別税の創設あるいは消費税の自動車税率への上乗せなど安易な増税を行っております。私どもは、公約違反じゃないか、あるいは行革棚上げなどいろんな観点からこの施策には反対をしてきておるところであります。また、経済減速の折に、こういう増税というのはさらに景気を悪化させはしないかということで危惧いたすものであります。
 この増税というものを続ければ三・五%成長は到底無理じゃないかというふうにも考えられますが、この件について見解をお伺いしたいというふうに思います。
#204
○国務大臣(野田毅君) 予算編成の過程においていわゆる増税ムードが出てきたということは、率直に言って好ましいことではなかったと思っております。
 しかし、現実に冷静に見ておりますと、いわゆる経済効果から見ると、少なくとも法人特別税についてはいわば延長という形でございます。控除の部分が引き上がった分だけ多少の減税ということはありましょうけれども、そういう意味で、経済効果という側面からすればこれは増税ということには当たらないんじゃないか。さらにそのほか、石油関係であるとかああいう湾岸関連のものでなくなったものもありますし、それから自動車の消費税においてもいわば六%から四・五%になった。そういうことを比較してみますと、むしろ税制という側面でいえば昨年度より本年度の方が多少減税ぎみであるということは率直に言えることだと思っております。
 したがって、直ちに税制改正自体が経済の成長率と直接連動する話ではないというふうに考えております。
#205
○理事(井上吉夫君) 関連質疑を許します。寺崎昭久君。
#206
○寺崎昭久君 法人特別税及び普通乗用車に係る消費税として四・五%の特例税制を設けることによって幾らの税収を見込んでおられるのか、大蔵省にお尋ねします。三
#207
○政府委員(濱本英輔君) お尋ねの法人特別税の創設と普通乗用自動車に係ります消費税の税率の特例によります増収額でございますけれども、平成四年度の予算ベースで見てみまして、初年度分としまして法人特別税の創設で四千四十億円、平年度分としまして四千百億円を見込んでおります。少し数字が違いますのは、初年度は年度中に入らないものがございます関係でそういうことになるわけでございます。
 普通乗用自動車に係ります消費税の税率の特例によります分としましては、初年度で千億、うち一般会計分が八百億、平年度で千二十億、うち一般会計分八百二十億円と見ております。これらの数字は、平年度につきましても、先々の経済諸指標というのは今ございませんので、四年度予算の見積もりをベースにして計算したものでございます。
#208
○寺崎昭久君 大蔵大臣は、ただいまの時限措置を二年間とした理由について、平成三年度の税収減の影響は平成五年度以降も残るという趣旨の説明をされましたが、これはどういう状況を指しておられるのか、具体的に説明をいただきたいと思います。
#209
○国務大臣(羽田孜君) 具体的にといいますとこれはなかなかあれでございますけれども、大体税収の動向というのは、例えばことしの税収動向、これが一つの根っこになるわけでございまして、これは従来のあれを見ますと少なくも二年間ぐらいというもの、そういうものが尾を引くであろうということから判断しながら二年間としたものであるということでございます。
#210
○寺崎昭久君 ただいまの御説明ですと、平成一三年度並みの税収を確保するには二年以上かかりますということでしょうか。ということは、端的に言えば、バブル経済のときのような株価だとか土地、あるいは好況にならないと思ったほどの税収は見込めない、こういう説明でしょうか。
#211
○国務大臣(羽田孜君) 今言われたことに尽きるのかなという思いでございます。
#212
○寺崎昭久君 またバブル経済の再来を期待しておる、そういうふうに考えてよろしいんですか。
#213
○国務大臣(羽田孜君) 私どもはバブルをまた想定するというものじゃございませんので、今度の予算なんかもそういったことを考えながら、景気を刺激するというよりは景気に配慮した予算だというふうに御理解いただきたいと思います。
#214
○寺崎昭久君 この際お伺いしておきたいんですが、適正な地価だとかあるいは株価というものについて、大蔵大臣はどの程度が適正だと考えておられますか。
#215
○国務大臣(羽田孜君) 株価ですとかあるいは土地の価格について、大蔵大臣の立場でこのあたりがいいんじゃないのかということを言うことは避けさせていただきたいと思います。
 ただ、私ども今度地価税を皆さんにお願いするということ、こういったことのアナウンス効果ですとか、あるいは昨年の暮れに例の総量規制というものを撤廃したわけでありますけれども、しかし総量規制を続けてきたということによって、このところ地価というものも三〇%ぐらいですか下がってきておるという状況であります。
 しかし、私たちはやはりこういったものが変なふうに再燃しないように十分注意していかなければいけないという思いであります。
#216
○寺崎昭久君 ところで、消費税を導入する際、竹下内閣は、間接税収入をふやし、景気に左右されない安定した税収を確保したいと言われました。この趣旨には、景気が落ち込んで税収減になったからといって直ちに増税を行うようなことはしないようにしたいという意味が入っていると思うんですが、それに照らしていうと、今回法人特別税を設けたというのは矛盾しているんではないかと思いますが、いかがでしょうか、大蔵大臣。
#217
○国務大臣(羽田孜君) 今度の場合には、土地の取引というものが非常に減ってきたということ、あるいは株等につきましても低迷しておって株の取り扱い数量が減っておる。そういう中で税収というものが減収になってきておるという状況でございまして、私どもといたしまして、こういったバブルの崩壊というのは、バブルが相当大きかっただけにその影響というのは非常に大きいということで、やむを得ない措置として二年間こういった特別の税をお願いするということにしたことであります。
#218
○寺崎昭久君 ところで、税収を見積もる場合に幾つかの経済指標が必要だろうと思います。例えば、一般に使われる数値という程度の精度で経済成長率だとかあるいは国民所得についてどれほど先まで固められ公表できるものか、経済企画庁長官にお伺いします。
#219
○国務大臣(野田毅君) もう御案内のとおり、私ども経済見通しをつくりますときには予算編成時期に合わせて経済見通しをつくるわけでありまして、数年先まで見通すということは、率直に言って、国際経済の情勢あるいはいろんな為替のレート、あるいは石油価格の動向、あるいは国内の経済の状況、とても二年先まではなかなも言うわけにいかない。
 ただ、趨勢というような形からいえば、かねてから経済計画というものをつくって、一応五カ年間なりそういう中期的な経済展望といいますか経済計画という形でお示しをして経済活動の指針にしていただくということでやっておるわけでございます。
#220
○寺崎昭久君 通産大臣にお伺いしますが、特例税制の対象となる乗用車の需要量、取引高、これについては何年先まで予測し、あるいはガイドラインとして発表できるものなのか。できれば四年度、五年度の需要等について御説明いただきたいと思います。
#221
○国務大臣(渡部恒三君) 詳細な数字、政府委員から答弁させます。
#222
○政府委員(牧野力君) 恐縮でございますけれども、私ども中長期的な予測は特にいたしておりません。
#223
○寺崎昭久君 大変そっけない御返事を続けていただいておりましたが、なお釈然としないものが残ります。
 ということは、せっかく税収対策のために特例税制を設けようとされても、例えて言えば、川に魚が何匹いるかわかりもしないのにやみくもに投網を打つというのと同じように思えてならないわけです。
 大変恐縮ですが、大蔵大臣、もう一回、ここに魚がどれぐらいいる、よって投網を打たなければいけないんだというのを国民にわかるように御説明いただけませんか。
#224
○政府委員(濱本英輔君) 寺崎先生のただいまのお尋ねは、二年間の措置を今回お願いしている、それにはそれなりの全体の税収の見込みというものがあっての話ではないだろうかというところから御疑問が発しておるというふうに伺ったのでございますけれども、ということでお答えを申し上げてみたいと思います。
 平成三年度の税収と申しますのは、もう既に御承知おきいただいていることでございますけれども、当初見積もりに比しまして二兆八千億減収になる見込みでございます。六十一兆七千七百二十億と申しますものが当初予算でございまして、我々が見込んでおります補正後のレベルでございますと五十八兆九千九百億まで落ちます。つまり土台が落ちるわけでございます。
 平成四年度に別途お願いしております増収措置というものがもし仮にないといたしますと、やっと平成三年度の当初予算の水準の近傍にとどまるレベル、そこまでの税収しか見込めない。つまり、税収はいわば一年足踏みをする形になります。この間、落ち込み分だけ一挙に歳出サービスの方を停止するというわけにまいりません。したがいまして、どうしてもそこにギヤップが残るわけでございますけれども、平成四年度、仮に予算どおり推移したといたしましても、このような税収減のギャップの影響というものはどうしても平成五年度に尾を引くことは避けられないと見たわけでございます。
 平成五年度、その後はどうなるかという問題が残っておりますけれども、その部分にまで我々は今何らかの見通しを持つということは非常に難しいと考えておりまして、平成四年度、五年度を視界に入れまして二年度分として増収措置をお願いするというのが妥当であろうということになったわけでございます。
 ただ、これに関しまして、ただ一つ政府は財政の中期展望というものをお示し申し上げております。これには五年度、六年度、七年度に向けましての一般会計の歳出歳入の姿が示されておりまして、そういったことからごらんいただきましても財政の厳しい状況というものは推しはかっていただけるのではないかというふうに考えます。
#225
○寺崎昭久君 今の説明で納得できたわけではありませんけれども、考え方について若干お伺いします。
 普通乗用車の消費税特例税率を決めるに当たって、その決定直前までマスコミ等では六%継続というような話が流れておりましたから、結果から見ますと政府・自民党において相当御苦労もされたのかなという気はするわけでありますけれども、しかしながら当初の経緯からいってとても満足できるものではありませんし、やはり公約違反主言わざるを得ないわけであります。
 自動車のユーザーというのは、御存じのように、先進国の中でも大変高い税負担にたえております。その上に加えて一般財源としての消費税を自動車ユーザーだけにかぶせるというのは、税の公平負担という観点からも問題があるのではないかと思っているわけですが、大蔵大臣の見解を伺います。
#226
○国務大臣(羽田孜君) 自動車は確かに税が変わっておるところがございますけれども、これは自動車の場合にはまず取得あるいはこれを保有するということ、あるいは燃料の消費に着目しました各種の税というものを課しておるということでございます。
 今、よその国に比較しても少しこれはひどいんじゃないかという御指摘もあったわけでありますけれども、私どもは、この水準というのは西欧諸国と比較いたしましてもそんな過重な負担を求めているものではないであろうというふうに考えておるところでございます。
#227
○寺崎昭久君 数字の取り方にもよりけりだと思いますが、取得だとか保有、使用段階で余りにも複雑な税が設定されておりますので、この際ぜひそれぞれの段階に一種類程度の税制にしてもらいたい。あわせて軽減を御検討願いたいということを申し上げまして、次の問題に移ります。
 言うまでもなく、我が国の予算というのは、予算の単年度主義、会計年度の独立の原則に照らして運用されております。そういうことから考えてみましても、今回、先に幾ら足りなくなるのか、幾ら税収が期待できるのかというのがわからない中でこの二年の措置をするというのは少し無理があるんではないか。したがって、少なくとも一年限りにするとか、百歩譲って、平成五年度予算編成時において明るい展望が開けたならば四年度限りで終わりにするというぐらいのことは約束してもよろしいんじゃないでしょうか。大蔵大臣、お願いします。
#228
○国務大臣(羽田孜君) この問題につきましては先ほどお話し申し上げたわけでございますけれども、今の状況で行きましたときに、やっぱり次の平成五年度にも尾を引くんじゃないのかということがございますし、また二年間で変えていくことについて安定性ということを言うのはどうなんだというおしかりはあるかもしれませんけれども、やはり税の安定性と言ったときに、これは二年ぐらい、こういった特別な場合には大体その二年間で措置してくるということであります。
 ただ私ども、これがまた大きな税収が入ってきて一年でやめることができればということは考えないこともないわけでありますけれども、今の状況の中で一年間ですぐ回復するであろうということは、これはなかなか期待でき得ないことじゃないのかなというふうに思っております。
#229
○寺崎昭久君 ぜひ前向きな検討をお願いします。
 最後に、宮澤総理にお尋ねいたしますが、総理の公約というのは、例えば今回の消費税の特例税率の関係等で考えてみた場合に、税収が一定水準に回復しなければまた期間延長もあり得るという程度の軽さなのか、あるいは二年間と決めたからには絶対延ばしませんという重みのある責務の伴った公約なのか、御見解を賜りたいと思います。
#230
○国務大臣(宮澤喜一君) このたびの乗用車に対する消費税の特例あるいは法人特別税、本来であればこれはやめてしまわなければならなかった性格のものだと思っていまして、それが財政の事情で、大蔵大臣がるる御説明なさいましたように、お願いせざるを得なくなった、これは申しわけないことだと思っております。
 もともときっぱりやめるべきつもりで始めたことでございますので、そういう意味ではぜひとも御理解をお願いしたいと思っておるのでございますが、二年間ということでそういうやむを得ない事情からお願いを申し上げました。これは何としても、仏の顔も三度と申しますけれども、何度もこういうことがあっていいことだとは私は思いません。何とかして経済運営に努力をいたしまして、もう二年たちましたらこういうことをお願いしなくてもいいように、そういたしませんと、今の経済事情がそういつまでも続くということでは税収ばかりでなく各方面に問題がございますので、これは何とか経済の回復を図って、もう一度こういうことをお願いすることがないようにいたさなければならないと思っております。
#231
○寺崎昭久君 ありがとうございました。
#232
○勝木健司君 パート減税について、時間が来ましたからこれ一問だけで終わりたいと思います。
 パート減税ということで百五十万までにしろという要求を民社党は出しておるわけであります。結果的には、修正要求も野党で百十万の要求をしましたけれども、修正予算折衝の中で各党協議の場を設けて検討という回答がありたわけであります。いずれにしても、消費税についても、政府と野党がぶつかって問題が解決しなかったときには政党間協議に移った経緯があるわけでありますので、宮澤総理は自民党の総裁でもあるわけでありますから、ぜひ早期にまとまるようにリーダーシップを発揮していただきたいというふうに思っておるところであります。
 特に労働省も、平成二年度、平成三年度の税制改正要求でこの非課税限度額を大幅に引き上げること、あるいは四年度でも給与所得控除の最低控除を引き上げるような概算要求をしておるわけでありますので、ぜひその点も踏まえた総理大臣の決意のほどを伺っておきたいというふうに思います。
#233
○国務大臣(宮澤喜一君) これは政府の立場から申しますと非常に難しい問題であるわけでございますけれども、先日、三月十二日でございましたか、各党の御要求に対して自民党がお答えをいたしました。その回答を政府といたしましても誠実にまじめにひとつ検討いたしてまいりたいと考えております。
#234
○理事(井上吉夫君) 以上で勝木君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#235
○理事(井上吉夫君) 次に、鹿熊安正君の質疑を行います。鹿熊君。
#236
○鹿熊安正君 私は、北陸新幹線問題、次に科学技術の振興に関する問題、最後に原子力発電問題に関して質問をいたしたいと思います。
 まず、北陸新幹線の問題でお伺いをいたします。
 昭和六十三年八月の整備新幹線の取り扱いについてという政府・与党申し合わせの中でようやく整備三線の優先着工順位が決定されたわけですが、北陸新幹線については高崎−長野間、高岡−金沢間、そして糸魚川−魚津間が着工予定区間とされただけで、全くの虫食いだらけの着工決定であります。これでは北陸新幹線とは呼べない。中には幻の北陸新幹とさえ地元では呼ぶ人が出る始末であります。
 振り返ってみますと、約二十三年前から北回り新幹線として地元では熱い期待を寄せ、この間、沿線に係る関係県の知事さんや県議会あるいは経済界初め各界各層の方々がこの問題に精力的に取り組んでまいりました。当地を訪れられました関係大臣初め多くの国会議員の方々がこの北陸新幹線の建設を約束されたにもかかわらず、なお今日の状態が続いているということは極めて大きな政治不信でもあります。いわば政治が地元住民をだまし続けておるということは非常に残念でなりません。
 そこで、北陸新幹線の建設問題について、地元御出身の大臣であります奥田運輸大臣から、地域が国に対して不信を持ってしまっている点について御所見をお伺いいたします。
#237
○国務大臣(奥田敬和君) どうも今先生の御指摘を承って、私も同じ北陸の地元の人間として、政治家として、全く同感にたえないと言いたいところですが、今運輸行政を担当している私の立場から申しますと、先生の思いは恐らく北陸地域住民も同じ気持ちだろうと思いますけれども、これは行政を預かる立場からいいますと、東北も九州も含めてこういった皆さん方の長年の夢を何とかして十年をめどというめどを区切りまして実現したいという形の中で、苦肉の策と申しますか、そういった形の中で三線同時着工、十年をめどに何とか開通にこぎつけると。しかも、鉄道整備基金という限られた財源の中からひねり出しでやっていかなきゃならぬということです。
 この中に例外があります。恐らく先生はそれを指摘されると思います。一九九八年長野における冬季オリンピック、こういうことで大方の果実と申しますか予算は高崎−長野間に食われてしまう。あとは、特に北陸新幹の場合には情けないことにあの区間だけぼちぼちに飛んでおりまして、それで口の悪い人に言わすとあれは、ウナギが新幹線なら北陸新幹はドジョウだとかあるいはアナゴだとか、いろいろも言い方で不評を買っている点もよく理解できます。
 しかし、東北も青森まではまだら模様のようなフルとミニ規格と交互に重なっていくような形で、これも我慢していただくわけですし、九州の方も西鹿児島」八代間もスーパー特急という形で我慢していただき、何とか地域住民の願いの何十%でもやっていこうということですから、ぜひ御了承を賜りたいと存じます。
#238
○鹿熊安正君 ただいま大臣から大変詳しく御説明いただいたわけでありますが、重ねて具体的に聞きたいと思います。
 北陸新幹線構想の全体像をどうお持ちなのかということですが、高崎から長野までフル規格、長野−糸魚川間は白地、糸魚川−魚津間はスーパー特急、魚津−高岡間は白地、高岡−金沢間はスーパー特急ということであります。それぞれの間、特に長野以西のこのような現状を運輸行政を預かり交通体系を指導する立場から運輸省はどう考えておられるのか、素直にお聞かせ願います。
#239
○政府委員(井山嗣夫君) お答え申し上げます。
 先生ただいま御指摘の北陸新幹線は、確かに白地区間がまだ残っておりまして、これをどうするかという問題でございます。もちろん、私ども交通体系の整備を預かる立場といたしまして、新幹線が国土の均衡ある発展とか地域の振興開発に大変資するものだという認識で整備を進めるべきだと、そういう基本的な考え方は当然持っておるわけでございます。
 当時の六十三年八月ごろ、いろんな制約の中で皆さんがいろいろお知恵を絞られて最も現実味のある案をおつくりいただいたわけでございます。その案では、いわゆる基本スキームと我々は言っておりますけれども、北陸新幹線の中の以西につきましては部分的に改良を加えまして少しでも速い列車を走らせる、こういう基本的な考え方で先生御指摘のような形にしたわけでございます。
 一方、私どもの方といたしましても、昨年の十月に整備基金をつくりまして、ここで整備新幹線を三線五区間何とか着工できるという道もつくったわけでございます。確かに残されました未整備、未着工になっている区間につきましては、いわゆる環境調査とか地質調査とかそういう諸般の、推進準備事業と言っておりますが、こういう調査をやってあすに備えているというところでございます。
 もちろん、これを具体的にやりますには、やはり並行在来線をどうするかとか国民経済上の投資効果はどうなるのか、こういうような問題、さらに現在着工いたしましたところの整備の進捗状況、こんなものも全部絡め合わせ、さらに財源をどうするか、こういうことから総合的に考えなきゃいかぬということでございまして、そういう意味では、まだ白地は残っておりますけれども、北陸新幹線の全体につきまして私どもが忘れてしまったとか、決してそういうことではございませんので御理解いただきたいと思います。
#240
○鹿熊安正君 運輸省案は、上野−金沢間の時間短縮効果は約五十三分としていますが、これは高崎−長野、富山−金沢間の北陸新幹線ルートではなく、上越新幹線の湯沢経由で北越北線を通って富山、金沢へ入るルートで計算したものであります。
 北陸新幹線といいながら、正規のルートは整備しないで上越新幹線経由にするということでは、一体いつになったら北陸新幹線はできるのでしょうか。このことについてお考えをお聞かせ願います旧
#241
○国務大臣(奥田敬和君) これは先生大変痛いところをつかれますけれども、このルートは決定いたしましたけれども、私はこれは率直に言うんですよ、運輸大臣というよりも地元の政治家の一人として。
 今、北越北線をつくっておりますね。
   〔理事井上吉夫君退席、委員長着席〕
 本当は北陸新幹というのは大体初めから上越ルートと結ぶのが一番現実論としてのあり方だったと思うんです。ここに大蔵大臣おられますけれども、大体、長野と結んで、しかもあんなアルプスの下へ物すごい工事量と工事額でつくるようなああいうルートをとっていくこと自体が現実性に欠けておると、私はそう思っているんです。ですから五年後の、来年です、見直し期に現実的なルート選択をして、そして本当に北陸代替線としての機能を果たしながらも、北陸が東京、近畿圏、大阪と結ぶ線は何だろうということを現実に真剣に論議すべきときだろうと私は思っております。
 さりとて、やはりできるだけ将来のフル規格に対応でき得るように難工事箇所だけは整備しておくということで、金沢−高岡間と糸魚川−魚津間に着工する。難工事箇所を先に仕上げておく。
 私は先ほどドジョウと言いましたけれども、ハマチである、これは将来ブリになる。だから、そういう線によってぜひ政府への御批判をその程度にしておいていただきたいなと思います。
#242
○鹿熊安正君 奥田大臣がもう全部御存じなものですから、私が質問しようと思う先々とお答えなさるのですが、重ねてちょっと申し上げたいことは、私はオリンピックとか国体とかいったビッグイベントがないと新幹線の建設が進まないというのでは、四全総でも指摘された国土の均衡ある発展には寄与しないと思います。
 しかし、現実には東京オリンピックのためとして東海道新幹線が、また最近では山形のべにばな国体のためとして山形ミニ新幹線が着工されたことを思うと、また来年度予算において整備新幹線工事費の約八割が長野の冬季オリンピックのためと称して高崎−長野間に集中的に財源配分されていることを考えると、こういうことでいいのだろうかと思うんです。ビッグイベントがなければ新幹線はつくれないのかと。
 事実、長野のオリンピック開催が決まると同時に、それまではミニ新幹線だった軽井沢−長野間がフル規格に格上げされました。また、オリンピックに間に合わせるため集中的な財源配分をするために、東北新幹線の盛岡以北、九州新幹線の八代−西鹿児島間の工事にしわ寄せが来てしまう。さらに、ビッグイベントとは全く関係のない地域の整備がおくれるということでは、政治に対する信頼性が一層損なわれるのではないかと思います。
 運輸大臣、この点についてはどう思われますか。
#243
○国務大臣(奥田敬和君) これは本当に思いは東北も九州も一緒であろうと思います、北陸のみならず。ですけれども、長野−高崎間は、本当に努力をされて冬季オリンピック誘地に成功され、何とか内外のお客様に日本の鉄道技術の粋を見ていただきたいという願いもあり、長野までの新幹線に相当額の鉄道整備基金からの基金は投入されるわけでありますけれども、これは単に長野の行事ということじゃなくて、やっぱり日本国挙げての大きな行事ということでぜひ御理解を賜って、長野の平成十年貫通した後は、あとは全部東北、北陸、九州の整備に回すわけですから、どうかひとつよろしくお願いいたします。
#244
○鹿熊安正君 さきの昭和六十三年八月の政府・与党申し合わせの中にはこういう一項目がございます。「経済社会情勢の変化等を考慮して、五年後に見直す」というものでありますが、まさに最近の情勢は当時から大きな状況変化があったということを指摘できると思います。
 第一に、昨年十月から鉄道整備基金が発足し一兆円の特定財源が確保されたこと、第二に、新幹線の最近の輸送人員が飛躍的に増加しており新幹線の持つメリットが再認識されていること、第三に、次の世代の新幹線の開発競争が進む中で時速三百五十キロメートル、いや十年後には時速四百キロメートルだって実現可能な段階に来ていることなどです。
 したがって、新幹線の持つ役割を再認識するとともに、新たな全国新幹線網の再構築を行うと同時に、北陸新幹線全線の明確なビジョンを打ち出すべきではないかと考えます。御所見を承っておきたいと思います。
#245
○政府委員(井山嗣夫君) お答え申し上げます。
 先生ただいま御指摘の全国的な新幹線を見直すという考え方でございますが、先ほど申し上げましたように、新幹線の国土開発に占める位置といいましょうか機能というのは大変重要だということはもうそのとおりでございます。
 ただ、具体的な整備を図りますときに、私どもやはりいろいろ考えますときに一番ポイントとしては、例の国鉄改革のときに第二の国鉄はつくらないようにということで、今はせっかくJRが健全に成り立っていこうとしているところで州」ざいますから、そういう意味では収支の採算性だとか財源だとか規格をどうするかとか、並行在来線をどうしていくかと、こういう問題を総合的に勘案して考えていかなければならないと思っております。そういう意味で、現在申し上げております基本スキームもそういう観点からいろんな議論をなさっていただいて決められたものと思っております。
 私どもとしては、昨年九月に三線を着工さしていただくということで決意したところでございます。それからその他の線区としても当然勉強を今続けているところでございますので、その辺の成果を十分見まして、将来全国の新幹線はいかにあるべきかということを課題として検討してまいりたいと思っているところでございます。
#246
○鹿熊安正君 それでは、大蔵大臣にお尋ねいたします。
 整備新幹線の建設費負担の問題になりますが、いわゆる基本スキームの中ではJR五〇%、国三五%、残り一五%が地域負担ということになっております。国鉄改革の意味合いを考えますと、JRを第二の赤字国鉄にしてはいけないということはよく理解できるわけですが、余りにも地元負担が大き過ぎるのではないかという気がいたします。
 一兆円の特定財源によって実質的にはJRと国の負担は軽くなったわけです。国民全体の共有財産であるべき新幹線の売却代金のうち一兆円がJRと国の財源になるわけで、地域には何ら恩恵もないという政策ではないでしょうか。何とかもっと地域に配慮した方向は打ち出せないものでしょうか。大蔵大臣の御所見を承ります。
#247
○国務大臣(羽田孜君) 今お話がございましたように、この新幹線の果たす役割というものは、ちょうどオリンピックがあったものですがら、そういうことで申しわけないと思っておりますけれども、しかしやっぱり安全性から言いましても、また地方へ多極分散しなければならないという時代の要請、四全総の中でもそういうことがうたわれておりますけれども、その意味でも新幹線の今後果たす役割というのはさらに大きなものであろうと思っております。また、国際的にも割合といろんな国が新幹線を引こうということになって、新しい時代の脚光を浴びているというふうに思っております。
 そういう中にありまして、今御指摘のあったことでありますけれども、確かにこの一兆円の基金といいますか、それができたわけでありますが、これによって国の方とあれがというお話でありますけれども、従来、何というのですか、これをつくろうというときに地元の方でそれだけのものはひとつ負担しようという大変な実は熱意があったということでありますし、そういう中にあって、この一兆円というものができたことによってさらに全体のものが前に向かって着実に進むということが確保されたということからいったときに、ただ国とJRの負担が楽になったよというものじゃないんじゃなかろうかというふうに思っております。
#248
○鹿熊安正君 確かに、地方債の起債充当率を九〇%まで認めるという措置がとられておりますが、借金である点は変わりありません。この際、整備新幹線建設費の一定部分は地方交付税の対象に組み入れるなどの方策について検討していただけないものでしょうか、自治大臣の方からの御見解をいただきたいと思います。
#249
○国務大臣(塩川正十郎君) 結論から申しますと、前向きに検討したいと思っております。しかし、それに至るまでにいろんな条件がございまして、実は鉄道の関係と地方財政とのかかわり、特に交付税との関係は二十年間の論争が続いております。ここでちょうど私のときにこの問題は決着をつけておきたいと思っておる一つの課題であります。
 そこで、これを交付税にということで積極的に取り組みまして実現を図っていきたいと思っておりますけれども、その前にいろんな条件が実はございます。
 まず第一に、地方財政法とJRとの関係をどういうふうにするのかということが一つございます。それから鉄道と税法、特に固定資産税との関係がございます。これなんかもきちっとやっぱり基準を決め直さなけりゃならぬと思うんです。それからもう一つ、交付税を適用する場合にその対象をどこに絞るかということでございまして、駅施設に重点を置くということもやっておりますし、それから線路に対してどのように負担するかと。先ほどおっしゃいました地方一〇%の割合というのは、ちょうど私が自民党の財源調整小委員長をやっていたときの案でございました。そのときは、交付税という考え方が頭にあったわけでございます。そこで、交付税でやるとしましたその対象を含めるということと、それからもう一つはその所属、これが第三セクターであるのか、あるいは将来第三種鉄道としてJRに移管していくべきものなのか、そういう事業主体というものをこれから検討する必要も出てくるだろうと思っておりますし、その方向によりまして交付税のあり方というものはいろいろと考えられると思っております。
 しかしながら、もうこのときに私は交付税を決めたい。同時に、第三セクターとして今地方ローカル線をやっておりますが、あれなんかもやはり地方の財政に非常な負担になってきておりますので、一様に考えていかなきゃならぬと思うし、都市通勤線もございますし、そういう鉄道と地方との関係というものをこの際に根本的な見直しをきちっとした上で、その上の一つとして整備新幹線と交付税との関係をきちっと位置づけていきたい、こう思っております。
#250
○鹿熊安正君 整備新幹線の問題は、実は在来線の問題とは切り離しては考えられない、いわばセットで考えなければならないのです。九州、東北の場合もJRからの経営分離が前提となっております。その受け皿として第三セクター方式などの新しい経営形態が検討されているわけですが、いずれにしても地方自治体が主導的な役割、わかりやすく言えば相当の持ち出しを覚悟してやらねばならなくなるわけでありますので、整備新幹線の建設費負担プラス在来線の経営負担が加わってくるわけで、したがってますます地方財政を圧迫するわけですから、この問題をセットとして考えた地方財政上の措置、例えば地域総合整備事業としての起債ならば将来の元利償還費が交付税の対象になるのでしょうが、関係大臣の前向きの答弁を期待して次の問題に移りたいと思います。よろしくお願いいたします。
#251
○国務大臣(塩川正十郎君) その問題に関連しまして先ほど少し触れておいたと思うのでございますが、今まで地方財政の中の基準財政需要額の中に、鉄道整備とかあるいは地域の交通整備という問題に関しましての財政需要の見方は薄かったと思っております。これを相当な地域における財政需要として見ていかなきゃならぬと思っておりますので、したがいまして、鹿熊さんのおっしゃる方向で、名称はいかにあれ、おっしゃる趣旨はようわかっておりますので、その趣旨に沿ったもので検討していきたいと思います。
#252
○国務大臣(奥田敬和君) 在来線の支援措置として、第三セクターなんかで自治体が参画してやるという形を想定して、一キロ当たり三千万の経営基金を積むことができますし、それで五年間、いわゆる経営上の経過措置でございますけれども、赤字になった場合にはそれを見ていくという形ていろいろ自治省とも相談してまいりまして、そういった在来線安定のためにできるだけ努力をしてまいりたいと思います。
#253
○政府委員(井山嗣夫君) ちょっと大臣の補足をさせていただきます。
 今、大臣は例の国鉄から転換した鉄道の話を申し上げました。そういう意味で、これからの代替線につきましてどうするかというのは今後の問題でございますけれども、今少なくとも私どもは、第三セクターを仮につくりましたときには、JRからの技術的な援助とか人の派遣とか、こういうことでは十分御協力はできると思っております。
#254
○鹿熊安正君 総理大臣、先ほどからお願いを申し上げておる点につきまして御所見をひとつお願いいたしたいと思います。
#255
○国務大臣(宮澤喜一君) 先刻から整備新幹線等々をめぐりまして詳細なお尋ねがございました。
 なかなか政治が現実に地元の非常に長い間の御要望にすぐに沿っていけないということは残念なことでございますけれども、また私どもは私どもなりにいろいろな努力を重ね工夫を重ねております。四全総でも申しますように、やはり各地域に高規格道路あるいは新幹線等々、そういう通信、交通の手段を、ネットワークをつくりますことが日本全体の均衡ある発展のために不可欠の要件であるということは変わりません。そういう長い政治の目標は変わりませんので、私どもも一生懸命努力をいたしてまいりたいと思っております。
#256
○鹿熊安正君 よろしくお願いいたします。
 次に、科学技術の振興に関する質疑を行いたいと思います。
 申し上げるまでもなく、今日の科学技術の振興は、我が国経済社会の進歩発展のための原動力としてのみではなく、世界人類の共通のもろもろの課題解決にも大きく貢献をしております用地球環境問題が世界的関心事でありますが、この解決には科学技術並びに科学的な分析データなしには不可能であります。また近年、国民の意識の変化に伴い、ゆとりを基本に豊かさと充実感の持てる生活環境の構築が求められております。さらに、環境問題との絡みでは、CO排出規制等いわゆる化石燃料への依存を引き下げていく必要と、豊かな国民生活を維持していくための方策が必要であり、また二十一世紀を展望すると高齢化社会での健康でさわやかな福祉社会づくりが必要であり、そのためにはがんやエイズを初め難病など生命や医療面で克服すべき課題などがございます。これらの課題を解決するためには、直接間接に科学技術の研究、応用に負うところが大きいはずであります。
 科学技術の振興こそ問題解決の基礎条件だと考えますが、まず総理に基本的なお考えをお伺いいたします。
#257
○国務大臣(宮澤喜一君) 余談のようでございますけれども、昨日もペルーのフジモリ大統領が来られまして会談をいたしました。フジモリさんがモットーとしておられるのは、正直と勤勉とテクノロジーと言われました。そして、日本の明治以後の発展を何とか一つの、殊に戦後の発展を自分の政治の目標にしたい、いわばペルーもそのようにありたいということを言われまして、そして施策の一番の重点は教育に置きたいということを言われておりました。
 まさに今鹿熊委員が言われますように、どの国にとりましても基本的な教育、殊に科学技術教育は国、社会をつくっていく上の基本である。それは我が国のようにかなり高い水準に達しました国にとっても、またそうでない国にとっても、同じようにやはり私は科学技術を中心に先へ進んでいくということが国の一番大事な教育という問題の中心であると思っております。
#258
○鹿熊安正君 ただいま総理のお話しのとおりだと思います。
 若干具体的に尋ねますが、平成三年度版の科学技術白書では、「科学技術活動のグローバリゼーションの進展と我が国の課題」の項で、我が国の科学技術の今後の目標として、一つには研究開発活動が世界の研究開発のネットワークの真の一員となること、二つには科学技術活動のグローバリゼーションを支えるため、人類と地球の共存など共通の価値観や規範の確立のために我が国が積極的に参加していくことの二点を挙げております。
 私も、今日の科学技術研究が国境を越え、国際化の広がりを持っていること、また地球環境のように、そもそもが世界的テーマであることなどを承知しております。しかしながら反面では、それぞれの国の産業経済はもとより、国の栄枯盛衰すら左右しかねないと思われる科学技術研究であります。グローバリゼーションと主権国家としての国益の立場からの調整を今後どのように図ろうと考えておられますか、担当大臣にお伺いいたします。
#259
○国務大臣(谷川寛三君) お話がありましたように、科学技術は我が国の経済の発展や国民生活と社会の充実に役立つものであります一方、その成果が国際公共財といたしまして人類全体の利用に供される性格のものであると考えております。
 近年、今お話がありましたように、地球環境問題とかエネルギー問題、それから難病問題等、一国家の枠にとらわれませず、世界各国が協力して科学技術活動を進めていくべき課題が増大をしております。
 このようなことからいたしまして、今後、我が国が基礎研究を中心とする科学技術を振興していきますことは、我が国発展の原動力になるものと考えております。同時に、科学技術による国際貢献につながってまいるものと考えておりまして、一層推進していきたいと考えているところでございます。
#260
○鹿熊安正君 科学技術白書の基礎研究の水準に関する日欧比較では、三年前の調査とは違って、今回の調査の結果はほぼ互角に水準が上がったこと、また現在の技術レベルについての日米調査結果では同等と報告され、今後の動向は我が国の方がアメリカより上昇傾向が強いと予測しております。科学技術白書の報告に私は大変意を強くいたしたのですが、なお一層の御努力を政府に要請したいと思います。
 しかしながら、世間一般には我が国の科学技術、特に基礎研究分野のおくれが指摘され、その水準も低いのではないかと思われているわけです。そこで、日欧の比較はどのような分野の比較なのかお示しいただきたいのと、トータルとして見て互角であるとして、低八分野はどの分野でしょうか、そして今後どのような分野により一層力を入れなければならないのか、お示しいただきたいのであります。
#261
○政府委員(須田忠義君) 科学技術庁においては、昨年五月に、我が国の先端科学技術研究者を対象にいたしまして、ライフサイエンス、物質・材料、情報・電子、海洋・地球科学の四つの分野につきまして我が国と欧米の基礎研究の水準に関する意識調査を実施いたしました。これによりますと、米国との比較においては全分野とも米国が優位でございます。しかし、西欧との比較においては全体的にほぼ互角であるという結論に至ってございます。研究分野別の比較では、ライフサイエンス分野では西欧が優位、物質・材料系分野及び情報・電子系分野では日本がやや優位、海洋・地球科学分野では同等という結果になってございます。
 今後、政府として強化していくべき基礎研究の分野としては、本年一月二十四日の科学技術会議の本会議の答申で、十八号諮問でございますが、「新世紀に向けてとるべき科学技術の総合的基本方策について」に対する答申において、「基礎的・先導的な科学技術」として物質・材料系科学技術、情報・電子系科学技術、ライフサイエンス等八つの重要分野を示しているところでございます。
 政府としては、このような十八号答申の考え方を踏まえつつ基礎研究を推進してまいりたい、さように考えておる次第でございます。
#262
○鹿熊安正君 我が国の科学技術及びその研究のためには、研究者はもちろん、研究テーマ等に広く国際交流、国際化を進めてまいらなければならないことはさきの御答弁にもありました。外国の研究者などの意見として、日本が科学技術分野で国際的役割を果たしていくためには、一つには基礎研究を構造的に強化すること、二つには諸外国との共同研究を進めるための体制を開発整備すること、三つ目には地球環境問題のような国際的な研究課題に本腰を入れて取り組む仕組みと役割分担とをはっきりすることなどの指摘があります。
 研究開発分野はすぐれて個人的、独創的な性格を持っております。しかし、そこにはみずから限界もあるわけで、共同研究、共同開発の必要性を軽視してはならないという面もあります。外国の研究者などが指摘しておりますさきに述べた三点をどのように判断されますか。そして、体制整備に科学技術庁はどう取り組み、推進されようとしておられますか。この点、簡潔にお願いをいたします。
#263
○政府委員(須田忠義君) 我が国が科学技術の分野でこれまで以上に積極的に国際的な役割を果たしていくためには、御指摘のように、まず第一に、国内において基礎研究の強化や研究開発基盤の整備を行うことが必要でございます。このため、大学、国立試験研究機関等の研究環境を改善することが非常に大事な問題でございます。二番目としては、諸外国との科学技術協力協定等の継続的かつ組織的な交流と協力のための枠組みを整備することとともに、国際共同研究開発を積極的に推進することが非常に重要でございます。
 なお、地球環境問題、エネルギー問題等の人類共通の課題の解決に向けて横断的な研究活動を推進するとともに、これらの分野での国際協力について我が国の国際的な立場にふさわしい積極的な役割を果たすこと、これも非常に重要だと思っております。このような基本方針に沿って今後とも施策を推進してまいりたい、さように考えております。
#264
○鹿熊安正君 次に、国際化に関連してお尋ねいたします。
 我が国の場合、科学技術の研究開発が民間主導型で、この体質は容易に改善しがたいと言われており、これが国際的なグローバルな体制づくりを困難にしているのではないかとの指摘があります。実は、そのことは、裏返せば研究開発投資に対する政府の負担が十分でなかったということにもつながるかと思います。
 我が国の研究開発投資の総額は平成二年度約十三兆円で、アメリカの二十二兆円に次いで世界第二位となっております。ただし、政府の研究開発費の対GNP比は〇・五%、また政府は全体の一八%を負担しているだけとのことで、政府に関連する二つの数値は先進国の平均以下などのことです。我が国の国際的地位や科学技術分野でのそれ相応の国際責任等を考えると、十分御考慮をいただきたいと思います。
 最近問題になっております大学や公的研究施設のスペースの狭隘化、実験装置の老朽化、施設や装置等の保守体制の不備等もございます。国際化という観点からはもちろんですが、我が国自体にとっても、科学技術振興の重要性を考えると抜本的な見直しか迫られているように思われます。この点をお伺いしたいと思いますと同時に、予算のことをお伺いいたします。
 科学技術振興予算は年々増額されており、それなりの配慮と努力を政府にしていただいておることは承知しております。ここに一覧表も持参しておりますが、四年度科学技術振興費予算は五千四百七十八億円余り。伸び率が七・九七%で、伸び率は一般会計予算額の二・七%、一般歳出の四・五%を大きく上回っており、大変力を入れていただいていることは感謝しております。しかしながら、総額五千四百七十八億円は一般会計の〇・七六%、一般歳出の一・四二%の構成費となっております。この点から見ると、率直に申し上げていま一歩の御努力をいただかなければならないという気持ちでいっぱいであります。
 研究開発投資について、経済団体連合会は五年間倍増の目標を掲げて要望していることは御存じのとおりであります。そのときどきの予算を取り巻く情勢を勘案し、弾力的予算編成が必要であることも十分理解した上での質問でありますが、近い将来、科学技術振興のための予算を大幅に増額した予算編成を行うことはできないものでしょうか。相当な困難を承知の上で、そうした目標を持たないと今後の科学技術振興におくれをとるのではないかと心配しておりますが、ここは科学技術庁長官に御決意をお願い申し上げると同時に、そうした方向づけの御答弁もあわせてお願いいたします。
#265
○国務大臣(谷川寛三君) 確かに、お話がありましたように、政府の投資が私も少ないと思います。全体の研究投資のうち、日本はシェアが一八%ぐらい。アメリカは四十数%、ドイツも三十数%でございます。まだまだ努力しなきゃならぬと思っております。厳しい財政事情の中で一財政当局と相談いたしまして科学技術振興のための予算につきましては随分勉強しておるところでございます。
 今後二十一世紀に向けまして、科学技術によりまして国際社会と人類全体のために貢献していくことを基本的な考えといたしまして、私どもは「地球と調和した人類の共存」、それから「知的ストックの拡大」、先ほども御質問がありました「安心して暮らせる潤いのある社会の構築」、こういったことを目標にしまして、積極的かつ総合的な科学技術政策を展開していきたい、こう思っておりますので、今後とも科学技術振興のための予算につきましては、全力を尽くしまして拡大していくようにやっていくつもりでございます。
 なお、先ほどお話がありました国立大学、国の研究機関等の施設の老朽化、確かに予算が伸び悩んでおりまして、施設設備は老朽化をしております。これにつきましても、今も申しましたように、全体の研究投資をうんと伸ばしてまいりまして、そういった研究機関等の環境の改善をやっていくつもりでございます。
 さっきも答弁の中で出てきました科学技術会議の諮問第十八号答申「新世紀に向けてとるべぎ科学技術の総合的基本方策について」、この中でもこの問題は強く指摘されておりまして、私どもの大きな課題になっております。一生懸命やる所存でございます。
#266
○鹿熊安正君 予算の関係でいま一問お尋ねいたします。
 四年度予算編成の折にアメリカから要請があったと報じられた超電導超大型粒子加速器、いわゆるSSCの建設計画についてであります。諸般の情勢から四年度予算では見送りとのことですが、国内の研究者や研究機関には参加意欲が強いと聞いております。
 さらに、この質疑の中でもしばしば言及されております国際的な視点規模での技術開発研究は大変重要なわけですが、SSC建設の見通しと我が国の今後の対応等について、現時点での政府の考えをお尋ねいたします。アメリカではテキサス州に建設が予定され、一九九九年完成予定と伺っております。
#267
○国務大臣(谷川寛三君) お答えいたします。
 SSCにつきましては、一月の日米首脳会談でも取り上げられまして論議されたわけでございますが、物質の起源とか宇宙の起源を探る大変壮大な計画でございます。ところが、全体の建設費が、あるいは八十億ドルと言われ、百十数億ドルと言われておりまして定かでございません。そういったことも、それからまた、年々の運転費自身が相当かかります。その点も詰めなければいけませんし、また、日本が協力するとなりますと、やっぱり国際的なプロジェクトでなきゃいけませんから、それにどう乗せていくか。首脳会談では日米で合同作業部会をつくりまして、早急に結論を出そうということになっております。
 別途、科学技術会議の方で学術的、専門的にSSCの問題を取り上げて検討してもらうことになっております。何しろ国内でも、さっき議論がありましたように、基礎研究なり国際貢献の面で相当な投資が要るわけでございますから、そういうこと等もにらんでSSCにどういう協力ができるか、そういうことを詰めていくことになるわけでございます。
#268
○鹿熊安正君 外務省の方の見解をひとつお願いいたします。
#269
○国務大臣(渡辺美智雄君) 今、科学技術庁長官から話したような概要でございますが、これは二年以上前から日本に対してアプローチがあったようであります。検討をするということを言ってきたのでございますが、私といたしましては、諸般の事情を考慮いたしまして、これはこういうふうに決まったからこうやってくれと言われても、そう簡単にいきませんよと。ですから、もう一遍事務当局におろして、作業部会をつくって、どれくらいの規模でどれくらいの負担にして、どういうような国を参画させるか、そういう具体的なことをもう少し詰めようじゃありませんかということで作業部会におろした、その結論待ちだということであります。
 いずれにしても、こういう大きなプロジェクトは一国でできるわけでもございませんので、なるべく多くの国が参加することは必要だろうと存じます。しかしながら、負担の問題もございますから、向こうの希望するどおりにはなかなかいかない。もっともそれは仕方のないことであります。
#270
○鹿熊安正君 次に、去る一月二十四日、科学技術会議は総理大臣に、第十八号答申「新世紀に向けてとるべき科学技術の総合的基本方策について」を提出しております。
 その中で、二十一世紀に向けて科学技術が果たすべき目標として、一つには「地球と調和した人類の共存」、二つには基礎研究の強化による「知的ストックの拡大」、三つには健康の維持増進など、「安心して暮らせる潤いのある社会の構築」を挙げております。
 この三点のうちの健康の維持増進に関して伺いますが、今や我が国の総死亡者数の約四分の一を占めるがんの制圧は国を挙げて取り組むべき緊急の課題であります。政府は、昭和五十八年に対がん十カ年総合戦略を決め、十年を目途にがんの本態解明を図ることを戦略目標とし、がん研究の飛躍的進展に鋭意取り組んでこられました。対がん十カ年総合戦略が発足して八年を経過したわけですが、その目標設定の概要と達成の程度、すなわち戦略出発当時に描いた戦略のそれぞれは今何合目ぐらいまで進んでいるのでしょうか。まず、厚生大臣にお伺いいたします。
#271
○国務大臣(山下徳夫君) ただいま御質問にございましたとおり、昭和五十八年に対がん十カ年総合戦略を策定いたしまして、翌五十九年からこの問題に取り組んでいるわけでございます。
 そこでがんの本態解明を図ることを戦略目標といたしまして予防、診断、そして治療、これを反映させるために厚生省、文部省さらに科学技術庁の三省庁合同で集中、多角的ながん研究を推進しているところでございます。こうした戦略目標の達成に向けて第一線の研究者による八年間に及ぶ研究事業が進めてこられまして、これまで不明であった数々の発がん機構の解明がなされたことによりがんの本態に近づきつつあると承知をいたしております。
 戦略目標の具体的な達成度につきましては、残されたあと二年、この間の研究進展を踏まえて、今後、がん対策専門家会議等によって適切にこの評価をしていただくことにいたしております。
#272
○鹿熊安正君 また、科学技術庁においてもがんの本態解明に関する研究など、がん関係の基盤技術の開発並びに難治性がんへの適用が期待される重粒子線がん治療装置の建設等を進めてきたと承知しております。今後のがん研究への取り組みについて、科学技術庁長官のお考えをお伺いいたします。
#273
○政府委員(井田勝久君) お答えいたします。
 科学技術庁のがん研究に対する取り組みでございますが、がん対策の基本となります対がん十カ年総合戦略に基づきまして、ただいまお話しのありました難治性がんへ大変大きな効果が期待されております重粒子線がん治療装置の建設を積極的に進めておりまして、これとともに理化学研究所におきまして遺伝子の解明などがんの本態解明のための研究、さらに科学技術庁に一括計上されております科学技術振興調整費を活用いたしまして、各省庁連携のもとでがんの浸潤、転移に関する研究、こういったもののがん関連の基盤研究を積極的に進めているところでございます。
 今後とも関係省庁も連携協力をいたしましてがん関連研究を引き続き推進いたしまして、また平成五年度からは重粒子線がん治療装置の臨床試行く向けましての研究を推進してまいりたい、このようにしてがん制圧に向けまして一層努力してまいりたい、このように考えているところでございます。
#274
○鹿熊安正君 科学技術開発振興の分野はほとんど無限大なわけですが、がん問題の次は我が国の宇宙開発についてであります。
 平成元年六月に再改定の宇宙開発政策大綱では、ニーズの高度化、多様化への対応、国際的地位にふさわしい宇宙開発活動の展開、民間における宇宙開発活動の促進を基本方針として、宇宙開発事業団、文部省宇宙科学研究所等の協力のもとに推進されております。
 宇宙開発利用の推進は次々と新しい先端技術を生み出し、ロケットの技術などは二十一世紀にわたる世界的に注目される分野でもあります。
 そこで、人工衛星及びロケット開発の進捗状況など、我が国の宇宙開発の状況及び開発の基本方針について科学技術庁長官にお尋ねいたします。
#275
○国務大臣(谷川寛三君) 我が国の宇宙開発は、アメリカそれから旧ソ連に比べますと大分おくれて開始されました。しかし、非常に着実に進展をしてきておると思っております。現在二トン級の静止衛星を打ち上げます能力を有するHUロケット及び我が国初の二トン級の大型衛星であります技術試験衛星Y型の開発を推進しておるところでございます。これらが完成いたしますと、我が国の宇宙開発はロケット及び衛星の分野では世界的な水準に達する、こう思っておるところでございます。
 さらに、御案内のとおり、日米欧カの四極の国際協力で進めております宇宙ステーション計画に参加いたしますとともに、先導的研究といたしまして将来の宇宙輸送システムでありますHOPE、それから東京とワシントンを一時間で結びますスペースプレーン等の研究も進めておるところでございます。
 こういっただいまの研究状況でございますが、宇宙は申し上げるまでもございません、人類の夢と希望の源でございます。その開発は、国民生活の向上に大いに役立つばかりではございませんで、我が国の科学技術発展の、今お話がありましたように牽引力にもなると考えております。そこで、今後とも地球的規模の環境問題の解決に向けました地球観測の推進等、社会や国民のニーズに的確に対応していきたい、こう思っております。
 また、必要な国際的水準の技術基盤の確立に向けまして、これらの技術蓄積を踏まえまして、宇宙ステーション計画と我が国の国際的地位にふさわしい国際協力を推進してまいりたい、こういうふうに考えております。お話がありましたように、宇宙開発政策大綱の基本方針に基づきまして、積極的に宇宙開発に取り組んでまいりたいと思っております。よろしくお願いします。
#276
○鹿熊安正君 ちょうど本年は一九九二年、国際宇宙年と聞いております。これは宇宙開発に関する国際協力を一層進めるとともに、宇宙開発に関する国民の意識の高揚をもたらし、我が国の宇宙開発の一層の推進に弾みをつける絶好の機会と考えております。
 国際宇宙年にどのように取り組もうとしておられるのか、科学技術庁長官のお考えをお聞かせ願います。
#277
○政府委員(井田勝久君) ただいまお話のございました国際宇宙年でございますが、この一九九二年はコロンブスのアメリカ大陸発見からちょうど五百年に当たりまして、この一九九二年を記念いたしまして、宇宙開発を実施している各国賛同のもとに定められたものでございます。
 この国際宇宙年のテーマでございますが、一つは人工衛星を用いました地球観測等によりまして地球の温暖化等の地球環境問題への取り組みを積極的に行おう、もう一つは次世代を担います若者を対象といたしまして、宇宙に関する教育普及活動の推進を行うということになっておりまして、このようなテーマのもとに欧米諸国におきまして、国際会議の開催を初めとする各種行事が予定されているところでございます。
 我が国におきましては、まずアジア・太平洋地域の宇宙開発関係者が一堂に会するアジア・太平洋国際宇宙会議を開催するとともに、国内的には各種広報活動、特に青少年を対象といたしました各種記念行事、例えば小中高校生を対象としました作文コンテストでございますとか、巡回展示会でございますとか、セミナー等積極的に行いたいと思っておりまして、これによりまして、ぜひとも宇宙開発利用及び地球環境問題に対する国民の理解と協力を深めまして、さらには我が国の宇宙開発利用の発展に寄与してまいりたい、このように考えているところでございます。
#278
○鹿熊安正君 質問の最後でありますが、防災科学技術の振興、特に地震予知についてお伺いいたします。
 トルコの例を見るまでもなく、大地震は一度発生すれば多くの災害をもたらすものであり、同じ地震国である我が国としても一層の備えをすることが重要であります。東京を中心とする首都圏においても、直下型地震のおそれがあると言われております。今回のトルコの地震の例を見てもその予知は極めて重要な課題であると考えますが、首都圏における直下型地震の予知は現状においては困難な課題であると聞いております。
 これに対して、政府としてどのような取り組みがなされているのか、将来の見通しも含めて地震予知推進本部長である科学技術庁長官からお答えを願います。
#279
○国務大臣(谷川寛三君) トルコで大きな地震が起こりました。大変な被害が出ておるようでございまして、大変お気の毒というふうに思っております。
 私どもは、予知は最大の防災だという観念で予知に取り組んでいるところでございます。
 ところが、今お話がありました首都圏は、地表が厚い堆積層に覆われておりまして、そのほかに人間活動によるノイズが大きいということもありまして、悪条件が重なっておりますから現状では大変予知が困難でございます。そのために、政府といたしましては関係機関それから国立大学と密接な連携をいたしまして首都圏の地震予知の観測、研究を実施しておるところでございます。
 特にこの地域におきます地震予知のためには、広域にわたりまして深部のデータをとることが重要でありますので、三千メーター級の地震観測施設、それから広域の深部観測施設、これを整備しなきゃならぬと思って鋭意推進しているところでございます。
 こういったことによりまして、地震予知能力の格段の向上を図って早急に首都圏直下型地震の予知体制の充実に努めまして、皆様が安心して眠れる国土をつくりたい、こう思ってやっておるところでございます。
#280
○鹿熊安正君 今おっしゃいました三千メートル級に機械を入れる、それらの年度、今から準備されておられるようですが、大体いつごろまでにそれが設置されるものか、それらをひとつお願いいたします。
#281
○政府委員(井田勝久君) お答えいたします。
 三千メートル級の深層の観測施設でございますが、昨年穴の掘削に着手いたしまして、平成四年度にはこれを掘り終わりたい、そして平成五年度、六年度にかけて機械を設置したいと予定しております。そして、観測を開始したいと思っているところでございます。
 さらに、三千メートル級の井戸が完成した暁には、その周辺にそれは二千メートルくらいの深い穴を掘れば十分観測できるということになっておりますので、関東地域、周辺地域に二千メートル級の穴を順次掘りまして、地震予知体制がきちっとできるようこれから努めてまいりたい、このように考えているところでございます。
#282
○鹿熊安正君 日本各地で地震が発生するわけでありますが、今のその機械の設置場所は関東地域とおっしゃいましたが、まだ日本列島のほかに設置する考えはございませんか。
#283
○政府委員(井田勝久君) 地震予知でございますが、これは建設省の国土地理院の中に地震予知連絡会というものがございまして、学者の方に集まっていただきまして、いろいろデータを持ち寄りまして、日本各地の観測地域につきましていろいろ地域を分けまして、特定観測地域でございますとか重要観測地域でございますとか、そういった地域で観測の密度を高める、こういうことになっておりまして、政府といたしましてはそういった観測のデータ、学者の方々の議論に基づきましてこういった地震予知の体制を進めていくということにしております。
 現在、特定観測地域といたしましては東海地域と首都圏地域がなっているわけでございまして、この二地域が最も重点的でございますが、そのほか全国的ないろいろなところ、これも日本は地震国でございますので地震がないとは決して言えません。そういう意味で、これは国立大学でございますとか気象庁でございますとか、各機関それぞれ観測施設を持っておりますので、こういうものと鋭意連絡をとってきちっと進めてまいりたい、このように考えているところでございます。
#284
○鹿熊安正君 どうもありがとうございました。
 それでは、次に原子力発電問題について御質問いたします。
 原子力発電問題について以下数点お伺いいたします。
 第一に、資源の乏しい我が国にとってエネルギーの供給基盤の確立は不変の課題であります。
 さて、先般、総合エネルギー調査会より長期エネルギー需給見通しが発表されました。その内容は、CO2など直面する地球環境問題の解決を図りつつ、我が国のエネルギー安全保障のさらなる強化を図るため、エネルギー構成比の適正化、つまり石油への依存度を引き下げ、非化石部門比率を一〇%程度高めようとするものであります。しかし、クリーンで安定したエネルギー供給源となり得るものが原子力分野以外に見当たらないという現実を踏まえ、原発部門で二〇〇〇年度末には五千五十万キロワット、さらに二〇一〇年度末には七千二百五十万キロワットの発電能力を予定したのは十分理解できるところでありますが、その実現について支障はないのか、伺いたいのであります。
#285
○国務大臣(渡部恒三君) 先生御指摘のように、これエネルギー、まさに国民生活、経済の血液であります。これからの経済の発展、豊かな国民生活を支えるためのエネルギーの供給は極めて重要なものでありますと同時に、今地球規模での環境問題が叫ばれる中で、先生御指摘のような脱石油、新エネルギー、つまり今お話しのありました非化石燃料としての新エネルギーの開発というものに我々は真剣に取り組んでおりますけれども、現実問題としてこれから二〇一〇年までに、頑張ってみても新エネルギー」は現在の需給見通しの中で五%前後、こういうことになりますとどうしてもこれは原子力に依存せざるを得ません。
 国民生活が三十年前に後戻りするものであればこれは非化石燃料としての新エネルギー開発で間に合いますけれども、これからますます経済は豊かになり、複雑になり、高層建築も建ち、暖冷房も皆が使い、テレビもあるいはその他の電気製品も使うということになりますと、これは原子力以外に現在のところクリーンな非化石エネルギーというものはございません。
 したがって、今御指摘の目標を達成することは極めて重大な問題で、これは民間の皆さん方とも相談してこの目標を定めたわけでありますが、これを実現するためには広く国民の皆さん方の理解と良識をちょうだいしなければなりませんので、先生にも御協力、御指導を賜りますようにお願いしたいと存じます。
#286
○鹿熊安正君 次に、高度に発達した現代社会においてエネルギー消費、中でもクリーンで使いやすい電気の消費が急激な拡大をしております。早晩、化石燃料に過大な依存ができぬ時代に直面することが容易に予想され、第三のエネルギー源を確保することは急務となっております。そのために、各国とも多様なエネルギー源の最適な組み合わせによる安定供給に懸命の努力をしております。しかし、太陽熱など新エネルギーの使用には解決すべき課題も多く、当面社会的受容性に実績のある原子力発電に寄せられる期待は実に大きいものがあります。既に多くの国々で利用され、その数は四百二十二基、これは一九九一年六月末現在であります、それを数えるに至りました。
 その中で、我が国同様資源の乏しいフランスが国産エネルギーの確保のために原子力発電に心血を注ぎ、今や国境を越えて送られる電気がECの生命線にもなっている事実に学ぶべきところは多いのではないだろうかと思いますので、お伺いいたします。
#287
○国務大臣(渡部恒三君) まことに先生御指摘のとおりで、今ECにおけるフランスの経済を支えておるものは原子力発電でございまして、社会党のミッテラン政権にかわったときに世界の人たちが心配したわけですけれども、この政権がやはり原子力発電こそ今日のエネルギー源であるという良識に立ったことで今日のフランスがあると私も考えております。
#288
○鹿熊安正君 次に、今では便利で安全とされる電気も当初は危険視されましたが、今日の原子力発電も同様の実情にあります。特に、その故障、トラブルについては、一般人が理解する上で難解であるということも手伝って国民の間に不安感が醸成されやすく、さきのチェルノブイリ原発事故以来、原発反対グループによる言動は激しく、放置できぬ状態に至っております。今日、原発関係者が心配する点は、こうした動きが国民に間違ったエネルギー観を植えつけることになりはしないかということにあります。
 そもそも、放射能による影響は、自然界のものばかりか家電製品や医療検査機器からも受けております。しかし、原子炉施設はそれらの使用基準の何十分の一以下に規制されているという事実をもっと国民に周知すべきではありませんか。単なる好き嫌いの原発反対運動では済まされないのではないでしょうか。このように原子力についてPA活動を今後より一層着実に推進すべきと考えますが、政府の方針をお聞かせ願います。
#289
○国務大臣(渡部恒三君) まさに先生御指摘のとおりでございまして、専門的な必要があれば、政府委員に答弁させますけれども、放射能一つの問題にしても、我々がレントゲンで撮影をすることもこれは大変な量になっておるわけで、現実に原子力発電所についていろいろ報道をされますけれども、一般的に、自動車が事故を起こした、こういうことになれば、人に殺傷を与えたとか物を破壊したとかということになるので、運転しようと思ったときにガス欠で自動車が走らなかったという場合は、これは故障ということであります。そういう意味では、我が国の原子力発電所はただの一度もそういう意味の被害を与えたことはないわけであります。機械に事前に故障が発見されて事故に至るようなことは未然にすべて防いでおるわけでありますけれども、この故障が事故というようなことに報ぜられると非常に不安を与えます。
 私どもは、二一〇%原子力発電所については事故はあってはならないということのために全力を尽くして官民挙げて努力をしております用地元の皆さん方にも御安心を願い、また原子力発電所の建設をした地域の振興のために努力して、原子力発電所の建設をされた地域の人たちは息子や孫の時代まで、おれの町に原子力発電所をつくってよかったと、国家にも貢献し、そして地域の発展にもつながるということで全力を尽くしてまいりたいと存じます。
#290
○鹿熊安正君 次に、電力需要の伸び方が当初の予想を大幅に上回る一方、供給能力の低迷状態が続いているため、早晩電力供給に支障が生じ、エアコンのない夏の生活、コンピューターの使えない企業活動という想像を超えた事態となる懸念も出ております。しかし、既設原発地域住民の理解ある増設誘致活動にも助けられ、当面は急場をしのぎ得るとしても、長期的視点に立脚した原発立地促進策の抜本的強化の必要性は言うまでもありません。具体的には、原発関連施設の周辺住民の協力の上に築かれた豊かな日本の経済社会を来世紀にかけてさらに盤石なものにするために、従来のいわゆる電源二法による地域振興に加えて、工場やオフィスの集積からなるアトム・ポリス構想等を推進する余地があるのではないでしょうか。
 本年は長期的かつ自立的な地域づくりによる国土の均衡ある発展のスタート元年にしたいと考える者として、政府の方針をお聞かせ願います。
#291
○国務大臣(渡部恒三君) 先生御指摘の問題、これは大変重要なことで、かつて原子力発電所の立地はおおむね海岸の非常な過疎地帯でございましたから、役場の庁舎を立派に建てるとか、あるいは公民館の建設、体育館の建設とか、そういうもので地元の振興に協力をいたしたわけでありますけれども、もうそういう時代は終わってまいりました。これからは電源立地振興のための交付金も、地域の産業の発展に役に立つとか、あるいは地場産業、あるいは文化、あるいは芸術、スポーツ、地域住民の豊かなニーズに合わせるような施設をつくっていくとか、そういう多面的な面に活用していただけるように、幅広い面で努めてまいりたいと存じます。
#292
○鹿熊安正君 我が国では、原子炉等規制法及び電気事業法に基づき、原発の設計、建設、運転の各段階について幾重もの安全対策が講ぜられております。無論、原発一基が何百万、何千万個もの部品から構成されるだけに、故障ゼロは難しいものの、現在、世界で一番事故率が少なく、かつ周辺環境への悪影響も皆無という記録を更新中であります。そして、原発事故の少ないことで実証された日本の技術力の高さが海外からも注目を集めていることについて、もっと国民に知ってもらう必要がありはしないでしょうか。
 平成元年より事故の程度を示す評価尺度が公開され、チェルノブイリ原発事故がレベル八に該当することや、日本の原発事故がレベル〇から三の範囲内にあることが周知され、日本の原発の安全性が再確認されたことは今後のエネルギー問題解決の第一歩と思いますが、政府の考えを伺います。
#293
○国務大臣(渡部恒三君) まさに先生御指摘のとおり、私は今日の日本の繁栄というもののエネルギー、これは原子力発電所に大きく依存しております。この理解を国民の皆さん方に得ていくことが大変大事なことで、我が国の世界に向かって誇れることは、いまだかつて原子力発電所による事故によって生命に危険を与えるようなことはなかった。運輸省の方の所管にわたって申しわけありませんが、新幹線に全く事故がなかった。これは今日の日本の誇るべきことであって、先生御指摘のように、今後原子力の安全性に努めるととも。に、その安全についての国民の皆さん方の理解を深める努力をしてまいりたいと存じます。
#294
○鹿熊安正君 昨年二月に起こった美浜原子力発電所の事故においても、放射性物質による周辺環境への影響はなかったと聞いております。先般、原子力安全委員会の最終報告が出たことも踏まえ、本事故に関する政府の見解をお聞かせ願います。
#295
○政府委員(坂内富士雄君) お答えいたします。
 昨年二月に起こりました美浜発電所の二号炉の事故についてでございますが、先生今御指摘のように、環境に影響を与えることはなく、また原子炉の健全性にも影響がなかったということから、安全は基本的に確保されたものというふうに考えております。しかし、原子力の安全確保においては、このような基本はもとより、さらに設備の設計、運転等のあちゆる段階におきまして細心の注意を払い、トラブルの発生そのものを極力防止するということ、すなわち予防、保全に徹するということでより高い信頼性を確保することが重要というふうに認識しております。
 ただいま先生御指摘のとおり、今般美浜事故に関します原子力安全委員会の最終報告書が出されましたが、この中で、技術の進歩、運転経験等の蓄積にあわせまして安全審査のための指針類を引き続き見直していく、あるいはまた定期検査の高度化のための検討など、同種の事故の再発防止及び今後の安全確保の一層の向上のための対策について提言がなされたところでございます。
 政府としましては、これを踏まえ、今後とも原子力発電所等の安全の確保に最大限の努力を払っている所存でございます。
#296
○鹿熊安正君 最後に、我が国の原子力利用は、原子力基本法の精神に沿い、いわゆる平和利用の原則のもとに展開されております。天然資源の乏しい我が国としては、かねてより純国産エネルギーの実現を目指しており、使用済み燃料の再処理によりプルトニウムを回収し、これを高速増殖炉により利用することは長年の悲願とも言えましょう。
 ただ、プルトニウムは一部核兵器へも転用し得ることから、軍事転用を防止するため、我が国は核不拡散条約に加盟し、国際原子力機関とのブルスコープ保障措置協定に基づいて査察を厳格に受け入れるなど国際的義務を履行しております。そして、今まで築き上げてきた厳格な管理体制は国際的にも極めて高い評価を得ている次第であります。
 一方、今日大問題となっている旧ソ連の核兵器解体に伴って生ずる余剰プルトニウムについては、核拡散の懸念が生ずることのないよう、日本の最新システムを駆使し専用高速炉での燃焼による処理をし、我が国は原子力分野においても国際貢献を果たすべき時期に来ておるのではないでしょうか。
 これについてひとつ御所見を伺いたいのであります。
#297
○国務大臣(谷川寛三君) 私は、ソ連の核兵器が早く解体されることを願っておるものでありますが、解体に伴う核物質及び核兵器関連技術に関しましては、ロシア連邦等が厳格な管理を行うことがまず基本であると思っております。核拡散の懸念が生ずることのないよう適切な対応がとられることを私は期待するものであります。
 我が国といたしましては、核兵器削減の進展を見つつ、国際的な連携のもとに我が国といたしまして貢献できる協力を検討していかなければならぬと考えております。
 今お話がありましたように、核兵器の解体に伴って発生しますプルトニウムにつきましては、核兵器に再び利用できないように処理を行うことが、これは当然のことですが、大事なことでございます。現在、我が国におきまして培ってまいりました原子力平和利用技術の応用によりまして、今お話がありました原子炉の燃料として使用いたしまして発電する専用高速炉等につきまして核不拡散の観点から技術的な検討を行っておるところでございます。
 今後とも、我が国といたしましては、原子力平和利用の厳格な推進者といたしまして、国際的な連携のもと、世界の核不拡散体制の維持強化に積極的に貢献していかなければならぬと考えておるところでございます。
#298
○鹿熊安正君 エネルギーの安定的確保は、二十一世紀に向けて我が国が豊かな生活を図っていくための基本的な政策課題であります。
 このような観点から、最後に総理に、今後のエネルギー情勢を勘案した上で原子力発電をどのように位置づけ、その推進をいかに図っていくかのお考えを伺いたいのであります。
#299
○国務大臣(宮澤喜一君) いろいろな観点からの議論が可能でございますけれども、一番わかりやすい観点から申しますれば、ことしは六月にいわゆる地球環境のサミットがブラジルで開かれるわけでございますけれども、このときに、SO2の排出をどのように将来抑えるかといったような問題でもわかりますように、いわゆるクリーンエネルギーというものを持たなければならないということがそういう観点から必要になってまいってきておると思います。
 我が国ばかりではございませんが、我が国自身の今後のエネルギー需要を考えますと、先ほど鹿熊委員が各電力会社の供給予備率がだんだん小さくなってきておるというふうにおっしゃいました。そして、水力の開発地点ももう限られておりますし、そうであるといたしますと、やはり安全ということを確保した上での原子力発電というものをやっていく、それ以外に長くこれからふえるであろうこのエネルギー需要にマッチする方法はないように思われるのであります。
 したがって、その点は国民各位の十分の安全についての自信、あるいは国民に対するそういう保障と申しますか、政府側からのしっかりした措置が大事でございますけれども、しかしその前提の上で、これ以外にエネルギーを確保する方法はどうも私にはなさそうに思われるのであります。
 世界の多くの国がまた同じような問題を持っておるのであろうと思われますが、幸いにして我が国の原子力発電の安全性というものは今まで極めて高度なものでありますし、また実際年間七〇%ぐらいの平均して稼働率があるという大変に高い稼働率を確保しつつあるわけでございますから、この従来の実績の上に立って、安全を確保しながら原子力エネルギーというものをやはりつくり出していかなければならないと思います。
 先ほどソ連のプルトニウムのお話がございまして、科学技術庁長官としては、これを専用に燃焼する炉を技術的に考えておるというお話をされました。これは恐らく、ソ連の核兵ハ器解体、それをどのように推進していくか、その結果出るであろうプルトニウムをどういうふうに各国で処理をするかといういろいろ未確定の問題がたくさんあると思いますので、この点について今後どうすべきかはまだ追っで考えなければならない問題があると思いますけれども、いずれにしても、今後増大の一途をたどるであろう我が国のエネルギー需要を考えますと、地球環境との関連もあって原子力発電の確保ということが確実に必要になってくる。そのためには、またその安全を確実に保障しなければならないということであろうと思います。
#300
○鹿熊安正君 ありがとうございました。終わります。
#301
○委員長(中村太郎君) 以上で鹿熊君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 本日の審査はこの程度といたします。
 明日は午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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