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1992/03/24 第123回国会 参議院 参議院会議録情報 第123回国会 予算委員会 第8号
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1992/03/24 第123回国会 参議院

参議院会議録情報 第123回国会 予算委員会 第8号

#1
第123回国会 予算委員会 第8号
平成四年三月二十四日(火曜日)
   午前十時一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十三日
    辞任         補欠選任
     鎌田 要人君     尾辻 秀久君
     林  紀子君     山中 郁子君
     乾  晴美君     吉田 之久君
 三月二十四日
    辞任         補欠選任
     斎藤 十朗君     野村 五男君
     成瀬 守重君     斎藤栄三郎君
     清水 澄子君     篠崎 年子君
     吉田 之久君     乾  晴美君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         中村 太郎君
    理 事
                井上 吉夫君
                鹿熊 安正君
                前田 勲男君
                吉川 芳男君
                梶原 敬義君
                久保  亘君
                佐藤 三吾君
                太田 淳夫君
                吉岡 吉典君
    委 員
                井上 章平君
                石井 道子君
                石原健太郎君
                遠藤  要君
                尾辻 秀久君
                大島 友治君
                合馬  敬君
                北  修二君
                斎藤栄三郎君
                斎藤 文夫君
                須藤良太郎君
                関口 恵造君
                田中 正巳君
                野村 五男君
                國弘 正雄君
                小林  正君
                櫻井 規順君
                篠崎 年子君
                種田  誠君
                細谷 昭雄君
                前畑 幸子君
                村沢  牧君
                森  暢子君
                吉田 達男君
                白浜 一良君
                常松 克安君
                針生 雄吉君
                山中 郁子君
                乾  晴美君
                高井 和伸君
                吉田 之久君
                井上  計君
                寺崎 昭久君
                西川  潔君
   国務大臣
       内閣総理大臣   宮澤 喜一君
       法 務 大 臣  田原  隆君
       外 務 大 臣  渡辺美智雄君
       大 蔵 大 臣  羽田  孜君
       文 部 大 臣  鳩山 邦夫君
       厚 生 大 臣  山下 徳夫君
       農林水産大臣   田名部匡省君
       通商産業大臣   渡部 恒三君
       運 輸 大 臣  奥田 敬和君
       郵 政 大 臣  渡辺 秀央君
       労 働 大 臣  近藤 鉄雄君
       建 設 大 臣  山崎  拓君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣  塩川正十郎君
       (国家公安委員
       会委員長)
       国 務 大 臣  加藤 紘一君
       (内閣官房長官)
       国 務 大 臣  岩崎 純三君
       (総務庁長官)
       国 務 大 臣
       (北海道開発庁
       長官)      伊江 朝雄君
       (沖縄開発庁長
       官)
       国 務 大 臣  宮下 創平君
       (防衛庁長官)
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長  野田  毅君
       官)
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長  谷川 寛三君
       官)
       国 務 大 臣  中村正三郎君
       (環境庁長官)
       国 務 大 臣  東家 嘉幸君
       (国土庁長官)
   政府委員
       内閣法制局長官  工藤 敦夫君
       内閣法制局第一  大森 政輔君
       部長
       人事院総裁    弥富啓之助君
       人事院事務局   森園 幸男君
       給与局長
       総務庁長官官房
       審議官      小山 弘彦君
       兼内閣審議官
       防衛庁参事官   三井 康有君
       防衛庁防衛局長  畠山  蕃君
       防衛庁経理局長  宝珠山 昇君
       防衛施設庁建設  新井 弘文君
       部長
       経済企画庁総合  長瀬 要石君
       計画局長
       環境庁長官官房  森  仁美君
       長
       国土庁長官官房  藤原 良一君
       長
       国土庁長官官房  森   悠君
       会計課長
       外務省アジア局  谷野作太郎君
       長
       外務省経済局長  小倉 和夫君
       外務省条約局長  柳井 俊二君
       外務省国際連合  丹波  實君
       局長
       大蔵省主計局長  斎藤 次郎君
       文部大臣官房長  野崎  弘君
       文部省初等中等  坂元 弘直君
       教育局長
       文部省高等教育  前畑 安宏君
       局長
       厚生大臣官房総  大西 孝夫君
       務審議官
       厚生大臣官房老  岡光 序治君
       人保健福祉部長
       厚生省健康政策  古市 圭治君
       局長
       厚生省社会局長  末次  彬君
       厚生省年金局長  加藤 栄一君
       社会保険庁運営
       部長       奥村 明雄君
       兼内閣審議官
       農林水産大臣官  馬場久萬男君
       房長
       農林水産大臣官  山本  徹君
       房予算課長
       農林水産省農蚕  上野 博史君
       園芸局長
       食糧庁長官    京谷 昭夫君
       通算産業省通商  岡松壯三郎君
       政策局長
       通商産業省産業  山本 幸助君
       政策局長
       通商産業省機械  熊野 英昭君
       情報産業局長
       運輸省運輸政策
       局次長      向山 秀昭君
       兼内閣審議官
       郵政大臣官房長  木下 昌浩君
       郵政大臣官房経  山口 憲美君
       理部長
       労働大臣官房長  齋藤 邦彦君
       労働省労働基準  佐藤 勝美君
       局長
       労働省婦人局長  松原 亘子君
       労働省職業安定  若林 之矩君
       局長
       建設大臣官房会  近藤 茂夫君
       計課長
       建設省道路局長  藤井 治芳君
       建設省住宅局長  立石  真君
       自治大臣官房審  遠藤 安彦君
       議官
       自治省行政局公  秋本 敏文君
       務員部長
   事務局側
       常任委員会専門  宮下 忠安君
       員
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○平成四年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)
○平成四年度特別会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)
○平成四年度政府関係機関予算(内閣提出、衆議
 院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(中村太郎君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 平成四年度一般会計予算、平成四年度特別会計予算、平成四年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 昨日に引き続き総括質疑を行います。山中郁子君。
#3
○山中郁子君 大変限られた時間でございますので、私はきょう労働時間短縮問題について絞ってお伺いいたします。
 初めに宮澤総理にお伺いいたします
 政府が四年前の一九八八年に閣議決定いたしました経済運営五カ年計画では、年間労働時間を千八百時間台までに短縮する計画を出していたわけですけれども、五カ年計画の最終期限は来年の三月末です。あと一年ですけれども、政府の統計、労働省の統計によってもまだ二千時間を超えるという実態で、その実現がだれの目にも困難だという、そういう事態に今立ち至っています。
 そこでまず、宮澤内閣の政策看板とも言うべき生活大国の実現、それにとって時短は不可欠であるということは言うまでもありません。総理が五カ年計画にかわる新しい経済計画をつくると所信でも述べておられますけれども、現在の時短計画が達成できなかった原因はどこにあるのか、その責任はどこにあるのか、そういうことが明らかにされないままにまた新しいものをつくってもそれは作文だけになってしまうのではないか、まずそこが明確にされることが必要だと思いますので、総理の明確な見解をお示しいただきたいと思います。
#4
○国務大臣(宮澤喜一君) 過般の施政方針演説におきまして、私わざわざその点に触れまして、生活大国との関連において、労働時間の短縮について述べたことは御指摘のとおりでございます。新しい経済計画につきましても、この点はむしろもはや当然の前提といたしまして諸般の問題を考えていただくように、実は昨晩も関係の方々と自由討議をいたしましたときにも申し上げたのでございますが、それは全員がそういうつもりでおります。
 おっしゃいますように、千八百時間という目標そのものは今の時点で達成ができておりませんので、これをできるだけ早く達成するということについて決意を新たに一層努力をしていかなければならないと思っておりますし、また業種ごとの労働時間の短縮につきまして、これはやはり横並びというような習慣があるところもございますので、政府の努力を援助の形であらわしますための法案につきましても先ほど閣議決定をいたしたところでございます。
 なぜ、この目標そのものが達成できなかったかということにはいろいろ事情があろうと思います。要すれば、労働大臣から御説明を願いますが、かなり好況でもあったということ、また先ほど申しましたように、殊に中小企業において横並びの問題がある、また働く方の立場においてもやはりいろいろな問題意識が十分でないというようなこともあったんであろうと思いますが、しかし大勢はもうはっきりいたしておりますので、私は、これからこの目標を達成するということはもうそう難しいことではない、むしろ過去においてあった障害がだんだん一つずつ克服されっっあるというふうに考えております。
#5
○山中郁子君 働く側に問題があったというのは聞き捨てがならない話でありまして、昨日の当委員会での細谷委員の質問に対しても総理大臣は、日本人が持っている人生観だとか、あるいは過労死の問題もその人自身の人生哲学の問題であろうなどということを述べておられる。私はこれはもってのほかだと思うんですよ。短い時間で私は具体的ないろいろなことについて申し上げられないのは大変残念なんですけれども、少なくともこれは政治の問題であって、主要には政治の問題であって、宮澤内閣が今おっしゃったような約束を守って実現していくんだとおっしゃる限りは、こういう認識を改めていただかなければならない、そのことは明確にお約束をいただきたい。
#6
○国務大臣(宮澤喜一君) 誤解がないように申し上げておきますけれども、働く側云々と申しましたのは、やはり超過勤務というようなことについて、殊に中小企業の場合にありがちなことでございますけれども、それだけの所得をやはり欲しいという、それは当然のことでございますが、そういうことを考える人たちが現実にいたということを申しましたので、意識の云々ということを私申すつもりで言ったのではございません。
#7
○山中郁子君 それで、ただいま、きょうの閣議で時短促進法、いわゆる時短促進法と言われておりますけれども、これを決定したというお話がございました。ごく柱で結構でございますので、お示しいただきたい。
#8
○国務大臣(近藤鉄雄君) このたび国会に提案させていただいて御審議いただきます時短促進法でございますが、三つの柱がございまして、一つは、内閣において労働時間短縮基本計画を策定いたします。それから第二点は、個々の企業の中で経営者側と労働側の協議で会社ごとの時間短縮計画をつくっていただきます。それから第三点は、今総理からお話がございましたけれども、なかなかなぜできないかということの大きな理由の一つが我が国における横並び意識とか競争意識とか、そういったものがございますので、同一業種の中でグループでそういう時間短縮実施計画をつくっていただきまして、それが実行できるようないろいろな指導を国において行う、こういうことでございますが、これはいろんな各関係業界それぞれ特殊な問題を抱えておりますので、労働大臣、労働省としても、それぞれ関係いたします行政機関と十分に御相談をさせていただいて、具体的な時短が実施できるような体制をつくっていきたい、こういうことでございます。
#9
○山中郁子君 きょう決定されたものでございますから、また引き続き議論する場所を得たいと思いますけれども、今の労働大臣の御説明でも、法定化によってオーバーワーク、長時間労働の根源であるオーバーワークを規制するというお考えはないということがはっきりしているんですけれども、その点はいかがですか。
#10
○国務大臣(近藤鉄雄君) 最初に、先生御質問ございましたけれども、なぜ千八百時間の目標を現在達成することが困難かという御指摘があったわけでございますけれども、実は昭和六十二年に労働基準法が改正されて以来時間は確かに短縮しております。大体年間三十七、八時間ぐらいずつ減ってまいったわけでございますけれども、しかし現在でもまだ二千時間を超えておる、こういうことでございますから、この率で時短が進んでも来年度末までには達成できない、達成は難しい、こういうことになっておるわけでございます。
 そこで、今申し上げましたような時短促進法を御審議いただくわけでありますけれども、実はこれは、歴代内閣の中で宮澤内閣ぐらい時短に熱心な内閣はないと私どもは自負しておりますが、片方において、例えば今度の春闘なんかを先生ごらんになっても、賃上げ率その他についていろんな議論がございますけれども、少なくとも時短に関しては労使が完全に一致しておりまして、そして日本を代表する大きな会社が二年、三年後には千八百に達するための具体的なプログラムまでも労使の間で話し合いがついているような状況でございますし、これは経済の今の情勢の中で経済調整が行われている、生産調整が行われているということが、一方で大企業における時短ができなかった大きな原因である超過勤務が削減できるような、そういう客観的な経済情勢が醸成されている。片方では、中小企業を通じてももう週休二日にしなければ、有給休暇なければ若い人が集まらない、こういうことをみんな意識しておりますので、そちらの面からも時短というものをしなきゃならない気持ちにはみんななっているわけでありますから、先生のお言葉でございますが、これ強制的にどうこうということではなしに、時短をしなきゃならないというそういうコンセンサスが労使の間、社会的にもう広がっておりますので、それができるような例えば金融だとか財政的な、また制度的な措置を我々準備をすればいい。イソップの比喩じゃありませんけれども、北風ではなしに南風でおのずから時短というものは実現できる大勢に今あるので、私は十分、現在御審議をお願いすることになります時短促進法で、一定の期間をいただければ我が国の時短が大きく前進をすると確信を持っております。
#11
○山中郁子君 法制化というのは強制するというのじゃなくて、あなたが今おっしゃった理屈の基本を探っていくと労働基準法はそれじゃ一体何のためにあるのかという問題になるんですよ。最低限これは守らなければならないというのが、それが労働基準法の精神だし実体でしょう。そこのところでオーバーワークの上限規制をするということが今どうしたって求められている、このことを私申し上げています。
 それで、労働省に伺いますが、九一年、昨年八月一日に発表されました労働省の所定外労働削減要綱ですけれども、この中で今やりとりしている問題についてどのように述べているかお示しいただきたい。
#12
○政府委員(佐藤勝美君) 所定外労働削減要綱自体は大変長いものでございますけれども、今、先生御質問の要点は、一つは時間外労働を当面年に一〇%ずつ削減しよう、それからサービス残業をなくそうというようなことが骨子になっておるわけでございます。
#13
○山中郁子君 ちょっと見当が違っているところですが、申し上げますと、「労働基準法により、法定労働時間を超えて時間外労働を行う場合には、労使協定が必要である。これは本来、協定を要件とすることによって長い時間外労働を抑制しようとするものであるが、現実には必ずしもその機能が果たされていない。」と述べておられる。これは間違いないですね。
#14
○政府委員(佐藤勝美君) 労働基準法は三十六条で法定時間を超える労働時間の上限を労使の間で決めるということを期待しているわけですが、実態としてはなかなか高いレベルで決まるということがございますので、労働省としても従来から所定外労働時間の上限の目安等を通じまして適正な労使協定が結ばれるような指導をいたしておるところでございます。
#15
○山中郁子君 私が言ったことは間違いないのね。きのう申し上げておいたから確認してください。
#16
○政府委員(佐藤勝美君) 労働基準法自体では、これは御承知のように所定外労働の上限のレベル自体を規定しているわけじゃなくて、今申しましたように労使協定で決めるようになっているわけでございますけれども、そのレベルは今後時間短縮をさらに進めていくというためにはまだまだ高いレベルであろうというふうに考えております。
#17
○山中郁子君 私が問題にしているのは、そういうものなんだけれども現実には必ずしもその機能が果たされてないと労働省のこの報告で書いてあるんです。そこのところを確認を求めているんです。
#18
○政府委員(佐藤勝美君) 労働基準法が三十六条により協定の範囲内で法定時間を超える労働を許しているといいましても、これはあくまでそういった労働というのは必要最小限にとどめるべきだと、こういう考え方で立法がされていると思います。現在の協定の中にはそういう観点からいうと不十分なものがあると思います。
#19
○山中郁子君 だから、この問題で私が言いたいのは、あなた方自身も、労働省自身も時間外労働規制の法定の必要性ということを含めた調査結果になっている。労働大臣、そのように受けとめるべきではないでしょうか。
#20
○政府委員(佐藤勝美君) 大臣の前に一言申し上げますけれども、御承知のように、日本の場合に、景気の繁閑に伴います生産量の調整は労働時間でやるということで、そのために不況になった場合でも労働者を解雇するということを最大限避けようとする雇用慣行がございます。そういうことからいいますと、労働時間の上限を何時間というふうに法定することがいいのかどうかという議論はいろいろございます。そういうような機能を考えつつ現在のような制度になっているというふうに理解をいたしております。
#21
○国務大臣(近藤鉄雄君) 先生御案内だと思いますけれども、現在、労働基準法でも労働時間は四十時間ということに原則はなっているわけでございますが、附則で政省令に基づき業種別、また規模別に四十六、四十八まで決めているわけでございますから、まず今度の法案で現実的に四十時間、千八百時間に持っていっていただいて、労働基準法全体の見直しにつきましては現在中央労働基準審議会で議論していただいておりますので、いろんな角度から議論して御結論を得て、それに従ってまいりたい、こういうことでございます。
#22
○山中郁子君 労働省が必ずしもそのことが機能していないという御報告を出しているということは肝に銘じてください。
 次に、通産省にお伺いいたしますが、通産省の産業政策局長の研究会報告には、国際的責任を果たす上での時短の必要性かるいは時短のための市場条件の改善として幾つかのことが述べられていますけれども、それをお示しいただきたい。
#23
○政府委員(山本幸助君) 今、先生からお話のあった研究会は、通産省が提唱してつくられた私的な研究会でございます。その中で時短の必要性につきましては、御指摘のように、一つが国際協調の観点から早急に実効のある推進が必要である。そのほかに二つ目として日本経済の活力の維持、三番目に社会の活力の維持、こういう観点からぜひ必要であるというふうに述べております。
 また、時短の推進のためには幾つかの対応すべき課題がありますが、その中の一つとして市場条件の改善が必要である、これによって労使の自主的な努力が促進されるというふうに述べておりまして、そのため具体的な例示として三つほど挙げておりまして、こうした点について今後の検討を促しているわけでございます。
#24
○山中郁子君 これは皆さんのところに資料としてお配りさせていただきました三の一と二となっております抜粋のコピーの中に含まれている問題であります。
 それで、今のお話のほかにもさまざまなことが指摘されておりまして、「この意味で労働時間の短縮は我が国の安全保障にまで関わる国家的な課題であり、早急にその実効ある推進を図ることが不可欠である。」とまで述べておられる。この点についての通産大臣の認識と姿勢、時短問題ですね、これは宮澤内閣ほどよくやったところはないと近藤さんおっしゃっていらっしゃるので、ぜひ積極的な御答弁を期待をいたします。
#25
○国務大臣(渡部恒三君) 今、政府委員からも説明がありましたけれども、世界の中の日本、その我々の果たすべき役割の中で時短というものが国際協調の上でも大変重要なものでありますし、また総理が常に申しておる生活大国日本、このためにも働く人たちの一労働条件がよくなることは大変大事なことでありますし、また我が国の経済の活力を進めていくためにも、働く人たちの職場条件がよくなることは大変大事なことであります。
 ただ、自由主義経済の原則は、労働条件は本来労使の話し合いによって進んでいくものでありますから、この労使の自主性を尊重しながら私どもは、産業界、特に中小企業の皆さん方が経営と労働条件の緩和を両立できるような諸条件をつくっていくために関係省庁とともに連携をとりながらしっかりとやってまいりたいと思います。
#26
○山中郁子君 労使の協議ないしは労使の話し合いということは当然のことであります。そこで解決できない問題がさまざまな問題として、今、長時間労働、過労死などとして社会現象化している、あるいは国際問題化しているということは私が申し上げるまでもなく御存じのところです。
 ところで、政府統計そのものに問題があるので、私はぜひこの点を明らかにしたいんですが、お配りいたしました資料の一、これは平均の労働時間が左の一番上の調査産業計となって二千十六時間となっております。だけど、この中にはパート労働者あるいは法律上は残業が規制されている部分が多い女性労働者、そういう人たちも入って一人当たりを出しているので、当然実態より短くなっているわけね。ここのところは、男子のところを見ていただければわかりますが二千百十四時間となっていますね。だから千八百時間に足りなくて二千時間をわずかにオーバーしているという言い方があるけれども、実際はこれはパートや女性も含めて全部のならしになっているから実際一人一人の労働者のものじゃないんですね。そこのところに私はこの数字のからくりがあると思うので、ここのところは明確にすべきじゃないでしょうか。その辺の見解はいかがですか。
#27
○国務大臣(近藤鉄雄君) 先生御指摘のとおり、毎月勤労統計調査の中にはパートタイマーや女子労働者も含めての常用労働者全体についての労働時間を出しているわけでございますので、一応私、どもが目標千八百時間と申し上げるときはこういう統計上の約束事で話をさせていただいておりますので、確かにパートが入ればその分だけ平均が落ちるということはあるかもしれません。
 ただ、一応そういうことで目標を設定しておりますので、いずれまた細分化する必要があればまたその目的に応じてそういう形のデータを、先生も出していただいたわけでありますけれども、出すことは構わないわけでありますが一応はパート従事者を含めた常用労働者の総労働時間という計算をしているわけでございます。
#28
○山中郁子君 皆さんのところに二としてお配りしました資料は、注の一のところに毎月勤労統計調査にはパートタイム労働者を含んでいるとなっておりますので、参考のためにお配りしたわけです。ですから、ここのところは今労働大臣もお認めになりましたけれども、ひとつぜひ総理、ここの数字のからくりというか、事実との乖離があるわけですよ。二千十六時間といっても、実際には片方ではもういろんな問題になっている三千時間を超えるようなオーバーワークも現実にはある、サービス超勤もある、こういう問題があるということをぜひ総理も御認識いただきたい。
#29
○国務大臣(宮澤喜一君) それは今労働大臣が言われたとおりわかっております。
#30
○山中郁子君 私が申し上げたことは、そういう実態があるんだということは、総理としても時短を実行していく上でちゃんと認識していただきたいということです。しているのか、していないのか、おっしゃってください。
#31
○国務大臣(宮澤喜一君) わかっております。
#32
○山中郁子君 労働大臣にちょっと率直に伺うんですが、労働省の中では、こういう統計をとっているから、だからパートがふえたり女性労働者がふえていく、現にふえていますね、そうすれば必然的に平均労働時間というのは減っていくんだ、時短は実際には数字の上では短縮されていくんだという、こういう話さえ行わ札でいるということが実態なんですよ。こういうことについては肝に銘じてもらいたい。つまり、数字だけのもてあそびでこのことが進められてそれで時短が進んだみたいなようなことに絶対にならないような、そのしっかりした立場を明確にしていただきたい。
#33
○国務大臣(近藤鉄雄君) 先生お話しのことは私もよくわかるわけでございますが、いわば約束事でデータをとって、そして千八百を目標にしているわけでございますから、その内容が多少変われば平均が変わることはもう十分私もわかった上での話でございます。
#34
○山中郁子君 私は初めから現在の五カ年計画が達成できないという問題についての政府のいろいろな責任について申し上げてまいりましたし、総理も見解を述べられました。今後引き続き新たな五カ年計画を策定するんだと、そう所信で表明されているわけですけれども、これの具体的な内容などについて経企庁からお示しいただきたい。
#35
○国務大臣(野田毅君) 具体的には先ほど総理から申し上げましたように、現在、経済審議会に総理から諮問をいただいて鋭意精力的な検討を積み重ねておる段階であります。一応このまとめは本年夏ごろをめどに努力をしていただいておるわけですが、基本的には先ほど来いろいろございました議論を中心的に踏まえながら勉強してもらっておるわけです。一応そういう今状況にございますが、具体的な段取りについてはまだ審議会で勉強中でありますので、今ここで申し上げる段階にはございません。
#36
○山中郁子君 プログラムについてだけでも結構です。それから、具体的にひとつ千八百時間がそのまま踏襲されるのか、あるいはそれが何らかの改定がされるのか、そのあたりだけでも例えれば。
#37
○国務大臣(野田毅君) 先ほど来御議論がございましたように、残念ながら千八百時間という目標が現行経済計画の中では達成できにくい状況にあることは御指摘のとおりであるわけでありまして、したがって、新計画の中でその総労働時間をどういうふうな表現をするかということを含めて今勉強していただいておる最中であります。
#38
○山中郁子君 今、新しい計画をつくる過程だということですので、ぜひここで労働大臣並びに総理にもお約束いただきたいのですが、約束事とおっしゃったけれども、約束事で真実が見えないのでは困るので、現実の労働実態、オーバーワークの実態、長時間労働の実態を把握するということに誠意を持って努力していただきたい。このお約束をいただきたい。
#39
○国務大臣(近藤鉄雄君) 毎月勤労統計は統計として、先生おっしゃるようないろいろな具体な実態についてさらに統計的な事実を確認しろ、こういうことでございますれば、私どももそういう面でいろいろな角度から労働の実態を把握してまいりたいと考えております。
#40
○国務大臣(宮澤喜一君) わざわざ施政方針の演説で申し上げたほどでございますから、一生懸命これは達成をいたします。
#41
○山中郁子君 上限規制や割り増し率の引き上げなどを重点にした労働基準法の改正を急ぐべきではないかということを私は最後に提起いたします。
 我が党も、せんだってこれらの点を含めて労働基準法の抜本的改正についての提案を発表いたしました。今までもそれらについて努力してまいりましたけれども、今後とむその実現のために全力を尽くす所存でございますが、その法的改正ですね、労働基準法の最低基準を守るんだという、そこの精神にのっとってこれらの点についての法定化の準備、その準備を急ぐべきではないか。見解をお伺いいたします。
#42
○国務大臣(近藤鉄雄君) 先ほど申し上げましたけれども、労働基準法の全体の改正につきましては、現在、中央労働基準審議会で議論していただいてございますので、その先生方の御議論の結論を待って対処してまいりたいと思います。
#43
○委員長(中村太郎君) 時間です。
#44
○山中郁子君 最後に一言。
 過労死の問題を初めに申し上げましたけれども、今こういった実態と数字との乖離の中に、一つはそこが過労死の温床になっているのね。そういう見方をやはりしなきゃならないと思うんです。ぜひそういう立場に立って、本当に生活大国を誠意を持って宮澤内閣が取り組むということを具体的な政策によってお示しいただきたい。そのことを強く申し上げまして、私の質問を終わります。
#45
○委員長(中村太郎君) 以上で山中君の質疑は終了いたしました。(拍手)
#46
○委員長(中村太郎君) 次に、吉田之久君の質疑を行います。吉田君。
#47
○吉田之久君 おはようございます。連日、総理初め皆さん大変御苦労さまでございます。
 私、今度おかげさまでこちらのハウスで皆さん方にお目にかかることになりました。何とぞよろしくお願いいたします。
 まず初めに、農水大臣にお伺いいたしますが、今度、昨年の九州地方の稲作不振などの事情にかんがみ、減反緩和対策が打ち出されました。十三万ヘクタールの減反の方針はそれなりにわかるのでございますけれども、しかし都道府県や市町村あるいは農協等では大変困惑の気配をみせておるようでございます。一年間だけの復田では大変やりにくいという事情のようでございますが、この辺につきまして大臣のお考えをお伺いいたします。
#48
○国務大臣(田名部匡省君) まずもって、おめでとうございました。
 お答えを申し上げますが、転作目標面積というのは極力変動のないようにすべきだと、こう考えております。今回の十三万ヘクタールの軽減措置についても、できる限り転作営農の確保にも十分気を配りながら、一方では米の円滑な需給操作というものをしていかなければならぬ。非常に苦しいところを選択をしているわけでありますが、いずれにしても今回のこの措置というものは緊急で応急的な措置として、農家の皆さんにも大変御無理なことでありますけれども、しかし何とか協力してほしい。必要最小限の面積を実は緩和いたしたものであります。
 御案内のように、後期対策終了後も米については潜在的な需給ギャップというものが残っているわけでありまして、農家の皆さんにすればもっとつくりたいという気持ちはわかりますけれども、これがまた過剰になりますと、あれは昭和五十四年から八年ごろでしたでしょうか、二兆円かけて処理した、そういうこともありはすので、何とか最小の規模でお願いをしておる。しかし、先ほど申し上げたように農家の皆さんの立場を考えると極力変動のないものにしたい、こういう思いはあります。
 いずれにしても、四年産米の作柄あるいは在庫、需要の動向というものを見きわめて、水田農業確立後期対策の推進状況もありますし、あるいは関係者の意見も十分聞いて慎重に進めていきたい、こう思っております。
#49
○吉田之久君 政府管理米百万トンの水準を維持しようということはわかるのでございますが、しかし農業と申しますものは、特に水田稲作は工場生産のように簡単に生産をコントロールすることは非常に難しいと思うのでございます。しかも地方自治体や農協は今懸命に政府の指示に合わせるべく転作指導など鋭意努力をしている最中でございます。ところが、急にこの計画を変更されるとリズムが狂ってしまうということで困惑しているようでございます。
 だから、当初から若干の変動を十分織り込んで、そういう余裕を見越しての計画を立てて、一たん立てた計画は三年間ならば三年間どのような事情変化があろうともそれで押し切っていくというぐらいの姿勢がないと、またしても猫の目農政だと、農民の政治に対する不信は高まるばかりだと思うんですが、いかがですか。
#50
○国務大臣(田名部匡省君) おっしゃるとおり、農家の皆さんの話は直接私も聞いております。去年は台風も来る、低温もある、あるいは日照不足もあったというかつてないほどひどい状況だったんですね。そういう中で不足を来すのではないかということでのお願いでありますが、いずれにしても、さっき申し上げたように潜在的な需給ギャップというのがある限りは生産調整をしていかなきゃならぬということであります。
 ですから、農家の経営安定とか長期的な農政の推進ということから考えると長期間やった方がいい、余りころころ変わるのはやりにくいということはそのとおりだろうと思うのでありますが、一方では米に対する需要というものは年々低下しているわけですね。そこを余り長期にしておきますと、どう変わっていくかというのが今の状態では見通しがつかない。
 一方では、最近日本食というものは見直されているということもあります。きのうも古橋JOC会長と会いました。アルベールビルには米を持っていったと。何か缶詰の米を持っていったんだそうでありますが、非常に古くてまずかった、こう言っておりました。しかし、選手たちはやっぱり米が一番いいということで、今度のオリンピックにも大量にやっぱり日本食を持っていく、こういうお話をしておりました。
 いずれにしても、どうなるかというのが的確に見通すことができない状況の中で余り長くこうやっておきますと、農家の皆さんもときどきにまた変えられるということになると困るでしょうし、やっぱり三年ぐらいでこうしてそのときどきに合うように見直していくということがいいのではないか、こういうことで今私どもは進めておるわけであります。
 いずれにしても、さっき申し上げたように、調整規模対策期間、こういうものは関係者の皆さんの意見を十分聞きながら今後どういう方向に進むかということを明らかにしていきたい、こう思っております。
#51
○吉田之久君 例えば八十三万ヘクタールの転作目標面積ですね。今度はこの四年分だけ七十万ヘクタールに変更しようと。私は、そうするんだったらむしろ四年、五年、六年の三年間を七十五万ヘクタールで押していく。何も一挙に百万トン戻らなくてもいいんですから、そういうことができないものかどうか。
 それから、例えば三年区切りの見直しかやっぱりちょっと短期間過ぎるという声もありますので、できれば五年に延長するとか、そういう工夫も要るのではないか。
 それから、こういう減反面積が変わる都度、政府の買い上げ米の割り当ても変わるはずでございますが、それを直ちに引き上げることを猶予するとか、いろいろ配慮しませんと、割り当てに応じなければペナルティーを科すぞとかいうようなやり方ではやっぱり農民もやりにくいと思います。一また、一年間の復田というのは非常に効率的に考えてもむだな経費がたくさん要ると思うので、その辺の配慮を今後に向かってお示しいただきたいと思います。
#52
○政府委員(上野博史君) 転作等面積の緩和の考え方といたしましては、大臣から先ほどお話がございましたように、まず昨年の不作に伴います需給安定的な在庫を確保していく上での必要な調整をする必要があるということを考えたわけでございまして、ことしどういうような作柄になるか、これはわからないわけでございますけれども、連年の不作にも耐え得る程度の在庫の確保を早急に図る必要があるというようなことも考えたわけでございます。
 そうなりますと、この十三万ヘクタールの緩和によります生産の増というのは約六十五万トンぐらいになるわけでございまして、その分が言うなれば消費よりも生産の方が多い数量になるわけでございます。これを何年も続けるということになりますと、平年作が続けばという前提ではございますが、過剰を来すわけでございまして、先ほど大臣が申し上げましたように、過剰が生ずるということもまた安定的な米の需給操作を続けていく上で大変な問題でございます。その辺を勘案して最小限の十三万ヘクタールというものを設定いたしたということでございまして、農家の側から見て安定的な営農を続けたいという要請は我々も重々承知をいたしております。
 来年度の平成五年以降の米の生産の規模、裏返しで言いますと転作の規模につきましては、これはその辺も考慮しながら、先ほど大臣がお答え申し上げましたような諸般の事情を勘案いたしまして考えてまいりたい、かように考えているところでございます。
#53
○吉田之久君 今後とも十分、農業従事者の思いを配慮して、懇切丁寧に支障のないように進めていただきたいと思います。
 次に、同和問題についてお伺いをいたします。
 私は、過去の歴史が犯した間違いが数百年たってもなおその影を引きずっている、そういう最もあしき典型がこの徳川時代に制度化された身分社会だと思うんです。その犠牲になった人たちが全くいわれなき差別に今日もなおもだえている。こういう問題を解決するには、やっぱり挙げて現在の政治がその先頭に立って解決する以外にないと思うのでございますが、この点につきまして、総理、どのようにお考えでございましょうか。
#54
○国務大臣(宮澤喜一君) 御指摘のとおりと存じております。政府もこの問題につきましては、御承知のように、長いこと真剣に取り組んでまいりました。また、法律を新たに延長することによりまして、さらに残された仕事につきましても誠意を持って処理いたしたいと考えております。
#55
○吉田之久君 去年、平成三年十二月十一日に地域改善対策協議会、磯村英一先生が会長をお務めになっておりますが、それが意見具申をされました。これを受けて平成三年十二月二十日に政府は大綱を了承されております。そして近く、この三月の二十六、二十七日あたり、衆議院と参議院においてそれぞれ地対財特法をなお五年延長することが決められると承っております。そういう大事な時期でありますだけに、残された物的事業、残事業と申しておりますけれども、これを迅速かつ計画的に実施に努めて早期解決を目指すべきであるということは極めて重要なテーマになってきたと思います。
 そこで、この意見具申の中でも、今後の施策の重点課題として、就労対策、産業振興、教育、啓発など非物的な事業に重点を置いて施策の積極的な推進を行うことが重要な課題であると指摘しているわけでございます。この就労対策等につきまして、あるいは産業振興あるいは教育の啓発等いろいろないわばソフトの事業の面がこれからの重要なテーマになってきたと思うわけでございますが、この点につきまして、まず厚生大臣はどのようにお取り組みなさるでございましょうか。初めにそれじゃ総務庁長官の御意見を。
#56
○国務大臣(岩崎純三君) 先生御指摘をいただきましたように、同和問題は人類普遍の原則でございます人間の自由と平等にかかわる極めて大切な問題である。そのために古い差別の歴史に一日も早く終止符を打たなきゃならない。それに向かって今日まで、総理から御答弁ございましたとおり、昭和四十四年以来二十三年、懸命に努力をいたしてまいったところでございます。
 しかしながら、御指摘の物的事業につきましても、また啓発等非物的な事業につきましても、引き続いて推進をし努力をしていかなきゃならない。そうした状況にあるところでございますけれども、御指摘のように昨年十二月に地域改善対策協議会の意見具申を受けまして、政府といたしましては地域改善対策に関する大綱の取りまとめを行ったところでございます。そこでは物的事業も相当あるわけでございますが、就業就労対策あるいは産業の振興、教育、そしてそれらを含んだ啓発等、非物的な事業にこれからは重点を置いて推進していこうじゃないか。そのため、平成四年度の予算におきましては昨年の予算に比べまして増額をいたし、それに取り組む意思を打ち出しておるところでございます。
 さはさりながら、同和問題というのは永続的に行うべき性格のものではないんじゃないだろうか、こうした意見具申も地対協からいただいておるところでございます。そうしたものを受けまして、先生お話のあったとおり、事業を迅速に実施いたしまして、そしてできる限り早い時期に一般対策に移行できまするよう、現在提案をいたしております地対財特法の一部改正法案を国会に提出いたしておるところでございます。
 今後とも、啓発等非物的な事業につきまして、先生の御指摘も踏まえ、また今日まで政府が懸命に取り組んでまいったその歴史も踏まえ、同和問題の厳しくも苦しかった長い長い歴史の解決に向かって、まさに二十一世紀に差別を残してはいけない、そうした決意を持って今後とも精いっぱいの努力をいたしてまいりたい、かように考えておるところでございます。
#57
○吉田之久君 厚生大臣にお伺いいたしますが、特に大規模に集中している同和地区などに対しましては、福祉活動を推進するための専門ワーカーの養成とか配置も必要だと思いますし、医療機関の整備も必要でありますし、また隣保館、集会所などを拡充してコミュニティーセンターのごとき総合的な機能を持たせなければなりませんし、そういうところには指導的能力のある専門職員を配置する必要もあると思います。
 また、文部大臣にも関係がありますが、高校でも進学校への進みぐあいが非常に少ないというような問題もあります。なお、将来の問題として、大学の教員養成学部に同和問題に理解を深める特別の措置が必要ではないかというふうに思うのでございますが、厚生大臣、文部大臣の御答弁をお願いいたします。
#58
○国務大臣(山下徳夫君) この隣保館につきましては、生活相談やあるいはまた啓発広報活動等を行うものでございまして、現在も幅広くこれは活動いたしておりますが、地域におけるコミュニティーセンターとして運営されていることは御承知のとおりであります。また、隣保館に指導的能力を持った職員が配置されるように、その館長あるいは指導職員の資格を定めるとともに、その人件費については国庫補助を行っているところであります。また、隣保館につきましては逐年運営費の補助の改善を行ってまいりましたが、今後とも適正な運営を確保するため各般の配慮をいたしてまいりたいと思っております。
 次に、医療機関の整備につきましては、各都道府県における医療計画により、病院または診療所が不足している地域がまだございますので、そこらあたりに思いをいたしながら地域的な整備もまた行っていかなければならぬと思っております。
#59
○国務大臣(鳩山邦夫君) 吉田先生には、文部省として考えなければならない同和問題についての二つの側面を両方御指摘いただきました。
 最初の進学卒等まだ差がある点については、いわゆる進学奨励金というんでしょうか奨学金というんでしょうか、そうしたものの単価アップ等も図っておりますが、今後引き続き努力をいたしまして、そういう地域と他の一般と全く同水準になるまで努力を続けなければいけないと思っております。
 それからもう一面は、二十一世紀まで差別を残してはならないということは、二十一世紀に生きる日本人の心の中には毫もそういう不合理あるいは不当な差別意識があってはいけないということでありますから、したがいまして同和教育の重要性というものについては私もよく認識しているところでございまして、教育は教師なりという部分が強うございますので、同和問題に関する正しい知識を持った教員を育てていくということは大変重要でございます。
 現在、国立の教員養成大学学部四十九ありますが、その中で三十四大学がいわば同和教育に関する授業科目を開設いたしておるわけであります。こうした割合をもっともっとふやすように努力をしてまいりたいと思っております。ただ、大学の自治という面もありますので文部省が強要するわけにはまいりませんが、指導してまいりたいと思っております。
#60
○吉田之久君 二十一世紀まであと八年でありまして、この地対財特法が五年間延長されても残りは三年あります。だから、よほどそういうソフトウエア、ソフト事業の方の問題あるいはマンパワーを確保する問題に鋭意努力されなければならないと思いますし、やっぱりそういう面での法的措置も必要だと思うのでございますが、時間がありませんので、それはまた今後の問題とさせていただきたいと思います。
 さて、カンボジアのフン・セン首相がお越しになっておるようでございまして、私も三年前に櫻内団長のお供をいたしましてカンボジアに入ってフン・セン首相にお会いいたしました。総理や外務大臣もお会いになったと思うのでございますが、日本の自衛隊が来てほしい、要するにその胸の思いはやっぱり地雷除去ではないかと思うのでございますが、その辺についてはどんな感触をお持ちでございましょうか。
#61
○国務大臣(渡辺美智雄君) 地雷除去はもちろん立ち上がりのために一番必要なことですから、そういうものも含めてという思いでしょうが、ともかくほかの国の軍隊がたくさん国連の旗のもとに来てカンボジアで働いてくれる。日本にはいろいろな経済的な支援をしてもらって大変ありがたい。しかし、非常に日本とは親しい中にあって、ただ日本の日の丸だけ、日の丸という言葉はつきませんが、日本の国旗が見えない。日本が目に見えないのは寂しい。ですから、できるだけひとつ人的な面でも他国と同じように、それ以上に御貢献をいただけないかというのが趣旨でございます。
#62
○吉田之久君 ただ、日本もつき合ってほしいというような思いもさることながら、やっぱり本当に日本に何を助けてほしいか、他の国には何を援助してほしいか、どこをカバーしてほしいか、いろんな計画を持っているはずだと思います。その辺を聞いて、今PKO協力法案の審議前でございますから立ち入ったことは聞きはしませんけれども、やっぱりその辺の構えをどうするか。
 それから日本の自衛隊が仮に派遣されるという事態が生じた場合、そういう処理能力はあるのかどうか。この辺も、プラスチック爆弾がある、だからプラスチック地雷というのはあるんでしょうが、そんな探査能力があるのかないのか。いろいろ検討されなければならないと思うんですが、防衛庁長官いかがですか。
#63
○国務大臣(宮下創平君) 委員ちょうどカンボジアにも行かれた様子で、よく御存じかと思いますが、かなりな地雷がございます。今、外務大臣がお答えになりましたように、フン・セン首相との間で地雷だけが問題でなかったというお話でございますが、私もそうだと思います。自衛隊も地雷処理能力は我が国の有事の場合に備えて持っておりますけれども、そしてまた訓練もいたしておりますが、率直に申しましてあらゆる地雷、例えば今プラスチック製の地雷にお触れになりましたけれども、世界の相当種類のある地雷に全部それを保有して対応し得る能力があるかといえば、私は限定的なものだと思います。
 そういう意味で、PKO法案が通って国連からの要請がある、そうした場合には現地の状況等もよくこれを知って、その上で我が国の能力、そしてまた安全の上にも安全を重ねてこれに対応していくということが必要だと私は考えております。
#64
○吉田之久君 時間が参りましたので終わります。
 ありがとうございました。
#65
○委員長(中村太郎君) 以上で吉田君の質疑は終了いたしました。(拍手)
#66
○委員長(中村太郎君) 次に、寺崎昭久君の質疑を行います。寺崎君。
#67
○寺崎昭久君 最初に、宮澤総理にお伺いします。
 日米構造問題協議、SIIがその最終報告をまとめてからやがて二年になろうとしております。私は、日米二国間の貿易インバランスの縮小の有無をもってSIIの成果を云々する立場にはありませんけれども、このところ貿易収支も均衡のとれた方向に向かっており、大変結構なことだと思いますが、このSIIは全体として日米両国の経済成長及び生活先進国づくりに寄与していると評価しているわけであります。
 最初に、宮澤総理に、SIIの意義並びに総括的な成果に対する評価をお尋ねしたいと思います。
#68
○国務大臣(宮澤喜一君) 寺崎委員が言われました基本認識は私も同じでございますが、やはり日米という合わせまして世界のGNPの四〇%を占める二つの国、しかも価値観を同じくし、市場経済、自由貿易を信じております親しい仲の二つの国が、かなり立ち入ってお互いの経済社会の持っている問題について自由に物を言い合い、そして自由にひとつ分析をしながら改めるべきことは改めようではないかという、そういう合意に基づく協議がSII協議であると私は考えておりまして、そういう意味では、我が国自身の国民生活の質の向上あるいは消費者の立場から見て好ましいことであると考えております。米国にとりましても同様でございます。
 九〇年の六月に最終報告がございまして、その後、昨年の五月に第一回のフォローアップの年次報告がございました。現在は、本年夏に第二回の年次報告を今取りまとめようと両国でしておるところでございます。
 これまでの成果について見ますと、例えば我が国での場合は、いわゆる公共投資基本計画、四百三十兆のことでございますが、それから大店法の規制緩和、あるいは独禁法及びその運用の強化等に向けて顕著な進歩がございました。米側におきましても、財政赤字の削減あるいは競争力の強化等々、いろいろな措置が期待されておりまして、これは我が国としても日米双方のためになる、あるいは世界の自由貿易のために両国がこういう努力をいたしますことは大切なことでありますし、また効果を発揮しつつあるというふうに評価をいたしております。
#69
○寺崎昭久君 外務大臣にお伺いします。
 SIIの日本グループの代表という立場で具体的な問題を伺いたいんですが、この二月にSIIの実施評価が行われて、その要旨が発表されております。時間の関係でアメリカ側の措置についてのみ伺うわけでありますが、特に企業の投資活動と生産力の項目、それから企業行動に関する項目、この二点についてお伺いしたいと思うんです。それは具体的な項目に対する評価が一つと、今後アメリカ側に特に要望したい内容、それについてお伺いしたいと思います。
#70
○国務大臣(渡辺美智雄君) アメリカ側に対しましては、かねてから財政赤字を縮小してくださいとか、貯蓄をもっと奨励してくださいとか、過大な役員報酬は改めていただきたいとか、メートル法を導入してくださいとか、そういうようなことを要求しております。
 今言った具体的な問題については、事務当局から説明させます。
#71
○政府委員(小倉和夫君) ただいま先生の御質問の企業の投資活動と生産力、あるいは企業ビヘービア、そういった点の問題でございますが、これは私ども非常に重視しております。といいますのは、これからの日米構造協議問題の一つの大きな中心テーマは両国におけるビジネス環境と申しますか、企業環境及び企業ビヘービア、これの問題であるというふうにアメリカ側も思っておりますし、日本側もそういう感じを持っておりますので、そういう意味におきまして、まさにおっしゃいますように、これからの重点事項の一つだと思います。
 アメリカ側につきましては、今も大臣からもお話がありましたように、例えば企業ビヘービアといいましても、政府とビジネス界との関係強化、あるいはアメリカの企業の競争力強化のために米国政府としてどういうことができるのか、政府間同士の話でありますので企業ビヘービアないしビジネス環境と申しましても、政府として何ができるのかというところに一応議論の焦点を絞りませんといけませんので、もちろん過大な役員報酬の是正とかそういったようなこともございますけれども、資本コストの引き下げのための措置あるいは貯蓄増強、そういったものを含めて広い意味での政府のできる措置、それからアメリカにおける政府とビジネスの対話の増強、あるいは長期的視野に立った米国企業の戦略、短期よりも長期に立ったもの、そういうことになりますと、例えば四半期ごとの報告制度がどうか、それが果たしていいかどうか、そういったことなどを中心にこれから議論していったらどうかというふうに考えております。
#72
○寺崎昭久君 SIIの実効が今後とも上がるよう一層御努力いただきますことを要望申し上げたいと思います。
 ところで、ことし一月に東京で日米首脳会談が行われました。宮澤総理は、八十点のできばえであったということを言われたようでございますし、先日も、東京宣言は今後長きにわたって日米関係を律するであろうという趣旨の御発言もされました。しかしながら、国民の目にどういうふうに映ったのかということになると、これはまた別ではないかと思うんです。ブッシュ大統領がやってきて、自動車だとか部品だとか買ってくれとかなり強引に言っていった。日本の方はそれにこたえるべく譲歩して受け入れだというのが大部分の国民の印象として残っていることではないかと恐れるわけであります。
 そこで、総理に三点お伺いしたいんですが、例えば日米貿易インバランスの問題について、その原因だとか今後の対策に、つまり基本、本質に触れる問題についてどこまで御論議されたのか、できれば具体的な例を挙げて御説明いただければありがたいんです。二つ目は、今回のアクションプランを取り決めるに当たりまして何を留意されたのか。あるいは三つ目ですが、このアクションプランの履行を通じてアメリカ側に期待されていることは何なのか。以上、三点をお伺いします。
#73
○国務大臣(宮澤喜一君) 一月のブッシュ大統領の訪日につきまして、私はやはり一番大事な問題は、今後を展望した日米間のいわば地球的責任と申しますか、いわゆるグローバルレスポンシビリティーと言われたものについての合意、認識であると思っておることには変わりはございませんが、委員の言われますように、経済問題が大変に表に出まして、それは御指摘のとおりでございます。それにつきましては、殊に自動車業界には非常な理解と協力をいただいたこともそのとおりでございます。
 そういうことが表に出まして、その報道が、いわば将来に向けての日米関係についての考え方が隅の方に置かれたという感じは否めませんでした。しかしながら、日米が今後長きにわたって協力関係を続けなければならないという事実には変わりがございませんので、この東京宣言というものは、やはり長く両国の関係を象徴いたします指針になると思っております。
 それで、第一の日米の貿易のインバランスのことでございますけれども、ある程度のものは、つまり我が国からの輸出がアメリカの経済の中に既に、殊に生産に組み込まれている部分というものは、これはアメリかが自国で生産をする、あるいはよその国から輸入をするということでありませんと、これはそう簡単には輸出を取りとめることができないという性格を持っておると思います。これはお互い認識していることでございますが、しかし基本的にありますものは、ブッシュ大統領が自身で言っておられますように、アメリカ自身の競争力というようなことが一つ問題であろうか。これは私が申すというよりは、ブッシュ大統領の言っておられることでございます。
 それから第二に、アクションプランというもので何を一番中心に考えたかということでございますが、当面の我が国が協力すべき事項、具体的な御承知のような問題がございますものの、やはり私は両国が世界成長のための共通の戦略を考えようではないかと言っていることが一番大事なことではないか。
 第三の点につきましては、ほぼ第一の点にお答え申し上げましたようなことであろうと思います。
#74
○寺崎昭久君 通産大臣にお伺いします。
 三月二十一日の当委員会で、自動車の対米輸出枠を決められることに関して苦悩の選択であった、あるいは日米が共存共栄するための措置であるという趣旨の御答弁がございました。しかしながら、アメリカの議会だとかあるいは自動車業界の中には百六十五万台では不十分だ、もっと減らせというような声もあるやに聞いております。
 そういうことを考えますと、果たして御苦心だとかあるいはその意図が正確にアメリカ側に伝わったのかどうか不安になるわけでありますけれども、この点に関して通産大臣はどのように伝わっているとお考えなのか、お伺いします。
#75
○国務大臣(渡部恒三君) 先生御指摘の問題ですけれども、アメリカ側がはっきりと我が方に対してこういうふうにしろ、あるいはこういうふうにしてほしいという御意見がある中で、我々がそれに対して対処するものであればこれは極めて簡単なわけですけれども、そうでなくて、先生これはもうご案内のとおり、アメリカにもそれぞれの意見があるわけですし、また我が国の国内の業界にもいろいろの意見があるわけですから、その中で、この前申し上げたように、四つの残された選択肢の中で我が国の業界もぎりぎりのめる、またアメリカ側も最大公約数で評価していただけるであろうという選択をしたわけでありますけれども、これについては今いろんな批評が耳に入っております。これは肯定的なものもあれば否定的なものもあり、懐疑的なものもある、先生御指摘のとおりであります。
 しかし、大きな目で考えていただければ、了メリカ側にも我が国の業界の皆さん方にも、日米関係を大事にするというこの国の方針、また我が国の自由主義経済、特にこれは日本の自動車業界の開かれた最大のマーケットがアメリカである。今後世界の経済を担っていく両国の基幹産業である自動車業界の発展のために、ベストとは言えませんけれどもベターの判断であったということは、私は国内業界の皆さんからもまたアメリカの皆さんからも御理解いただけるものと考えております。
#76
○寺崎昭久君 今の問題に関連して、アメリカには日本の現地生産車を含めて総量規制をもっと厳しくするべきだというような声もあるやに聞いております。この種の問題にはある程度の政治判断というのが加わるのは私はやむを得ないと思うわけでありますが、その場合でも、やはり自由貿易主義を擁護するという立場はきちっと守っていかなければいけないと思うんです。そういう意味において、この総量規制という考え方には私は否定的なわけでありますけれども、通産大臣のお考えを伺いたいと思います。
#77
○国務大臣(渡部恒三君) これは先生のお話のとおりでありまして、今回の私どものとった処置も、アメリカの中に起こっておる保護主義の動き、あるいは地域主義の動き、今先生から御指摘のあった総量規制等、そういうようなことをなくしていただくために、自由なお互いの貿易ができるためにやった処置でありますから、これは先生
のお考えと同じであります。
#78
○寺崎昭久君 この自主規制というのが管理貿易になるのかどうか、これは大変問題点だと思います。
 自動車の輸出自主規制というのは一九八一年から始められておりますが、そのときのいきさつというのは、通産省とUSTRの間の交渉で緊急避難的措置として始まったと思います。それから、今回の百六十五万台というのは、前年の実績を下回っている数字であるわけです。そういうことを考えますと、管理貿易ではないのかという見方もされないわけではないと思います。
 そこで、通産大臣に三点お伺いしたいんですが、管理貿易の定義あるいは状況、それから今回の措置がそういったものに当たるのか当たらないのか、これが第一点。それから第二点は、ウルグアイ・ラウンドの包括合意案の中では自主規制というのは原則禁止の扱いだと思いますが、これとの関係をどうお考えなのか。あるいは自動車なんかのほかにも、管理貿易とみなされやすい、あるいはそのおそれのあるものが日本とほかの国の間にあるものかどうか、あればその中身を教えていただきたいと思います。
#79
○国務大臣(渡部恒三君) これは非常に難しいお尋ねでありますけれども、今回私どものとった処置は管理貿易にならないようにと、こういうことのためにこれはとった処置であります。
 また、第二番目の点でありますけれども、これはウルグアイ・ラウンドが円満に各国の合意を得られて、これが締結されることになれば、当然そのような問題についても、そのウルグアイ・ラウンドの基本的な方針の中で対応をせられるべきものと思います。
 三番目の点でありますけれども、我々の国にとって、少なくとも私の担当する中では、世界に対して今や最も開かれた市場になっておる。ただ、国際社会の中で、今我が国が一千億ドルを超す黒字になるだろう。また、対米黒字の割合も非常にふえておるという状態の中で、やはり各国協調をして皆が繁栄に向かって進んでいかなければならない、そういうためのそれぞれの努力も行っております。
#80
○寺崎昭久君 ところで、今回の日本の自主規制に対して、ECあたりでは貿易ルールの原則である多国籍主義に反するのではないか、あるいは日本の日ごろの主張と違うのじゃないかというような問題意識から、ECの担当者レベルでの緊急会合が行われたとか、あるいは日本とECの間で昨年協定が結ばれたわけでありますけれども、アメリカ並みの削減を求めたいという問題意識から、この削減問題について、あるいは合意の内容についての見直しをしたいという声もあるやに聞いておりますが、そういうような状況にあるのかどうか、これは通産省にお伺いします。
#81
○政府委員(熊野英昭君) 自動車の輸出につきましてECとの関係を申し上げますと、九三年から我が国が講じる措置を昨年の七月末にECと合意をしているところでございます。
 これは状況を申し上げますと、現在一部のEC諸国でとられておりますところの国別の輸入規制措置が、ECが御案内のように九三年から完全な市場統合を行いますと、その国別の規制を撤廃せざるを得ないというEC側の事情によりまして、EC側から我が国に求められた協力措置でございます。そういう観点から九三年以降、自動車輸出につきまして措置をとるということを決めて合意しているところでございます。
 したがいまして、これと対米の輸出自主規制とは直接の関係はございません。また、お尋ねのように、現在のところECから見直し等の要請は私ども受け取ってはいないところでございます。
#82
○寺崎昭久君 もう一度通産省に伺いますけれども、最近出版されている雑誌だとか各種の論文を見ますと、米国の自動車産業が競争力をつけないのは、利益を上げても、例えば本業以外の分野に投資をするからだとか、ユーザー嗜好に合わせた製品をつくらないからだとか、あるいは品質だとか信頼性の向上について日本ほど熱心じゃないとか、役員が報酬を取り過ぎるからだとか、余りいいことを書いてないわけであります。
 アメリカ大統領選挙に当たりまして、ソンガス候補も問題は国内にあるんだというようなことを訴えて支持を集めているようでありますけれども、品質だとかあるいは企業行動の面で、日米で比較した場合に、異なった特徴等があるのかどうか、その辺を通産省に伺います。
#83
○政府委員(熊野英昭君) 自動車の品質につきましては、いろんな要素によって決められるものであると思います。例えば、自動車メーカーにおきます設備投資をどれだけしてきたか、あるいは研究開発をどれだけしてきたか、さらには生産システムのあり方でありますとか、完成車をつくるメーカーと部品産業の協力関係あるいは役割分担のあり方、あるいは消費者のニーズにどういうふうにこたえていくか、あるいはマーケットにおける消費者のニーズの方向でありますとか、いろんな要因を反映して決められるものであると思います。したがって、この要因というふうに一概に申し上げることはなかなか難しいと思います。
 また、品質に関しましても、ユーザーによりましたりあるいは専門家、いろいろな評価をしておりますので、私どもが一概に日本車と米国車を比較いたしましてこうだと言うのはなかなか難しい問題だと御理解いただきたいと思います。
#84
○寺崎昭久君 最後に総理に伺います。
 一九八〇年代の初頭にも今のように日米間の緊張が高まりました。ダンフォース議員などが相次いで相互主義法案などを議会に出しましたし、一九八二年二月には自民党の江崎ミッションもアメリカに派遣されました。それで当時のボルドリッジ商務長官からもっと劇的な措置をということを要求されまして、その後牛肉・オレンジの自由化に踏み切ったような経緯があります。その後、もう言うまでもなく、自主規制を続けたり市場開放をやったり、あるいはプラザ合意で円高にしても依然として日米間の貿易インバランスというのは期待されるほど解消していないわけで、今日また再び同じ問題を繰り返しているわけです。いつまでたっても同じ繰り返しては私はいけないと思うんで、この際、今までのアプローチとは違った何が新しい考え方を入れないと難しいんではないかというようなことも考えております。
 何かというのは大変難しいところでありますけれども、例えば産業のすみ分けが必要なのかなとか、あるいはもっと企業の合併だとか提携だとかそういったものも考えなくちゃいけないのかとか、国境措置を取っ払うというようなことも考えなくちゃいけないのかとか、いろんなことを考えるわけでありますけれども、同じことをこれからも繰り返さないためにどうしたらいいかということについて総理に伺いたいと思うわけであります。貿易摩擦に対する基本的な認識あるいは今後の日米関係のキーポイントといったものについてお伺いして、まとめにさせていただきたいと思います。
#85
○国務大臣(宮澤喜一君) 確かに長いこと両国の間で努力を続けてまいりまして、その間、今寺崎委員の言われましたような幾つかのことが起こりました。いろんな努力もされましたが、現在まだ日米間の貿易のインバランスは金額としては改善を見ていない。そうでございますが、しかしこういう努力がお互いの間になかったといたしたならば今どうなっていたであろうかということも考えてみる必要があるであろうと思います。
 それで、今日の事態になって思いますことは、確かにアメリカも非常な努力をしてきたと思いますのは、貿易赤字が千億ドル台でございましたものが初めて六百億と七百億の間ぐらいに改善をいたしておる。財政赤字はなかなかいたしませんけれども、貿易赤字はかなり改善の兆候がございますし、我が国に対する輸出も五年間で倍になったのでございますから、これも両国の努力の私は証左であると思います。
 それで、こういう冷戦後の時代になってまいりましたので、アメリカ自身が軍事費負担等々、いろんな意味で財政、経済が回復に向かう兆候もございますし、また米国自身が非常な努力を行っているという点がございます。これは、先ほどもお話がございましたSIIによる両方の、お互いの協調、協議というものもあずかって力があると私は思っております。
 それがアメリカ側の状況でございますが、他方我が国の側も大変に長いこと努力をいたしてまいりました。また、現在も各業界にいろいろな御協力を願っておりますが、同時に、いろいろお話しになっておりますいわゆる内需振興というものが生活大国というような形で我が国の中に広まっていくことによりまして、我が国のいわば、どう申しますか、輸出に対する過度の依存といったようなこともおのずからそういう形で直っていく。そういうことで両国間の関係というものが、経済関係というものが改善されていくというふうに考えており、また努力をいたさなければならないと思っております。
#86
○寺崎昭久君 ありがとうございました。
#87
○委員長(中村太郎君) 以上で寺崎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#88
○委員長(中村太郎君) 次に、西川潔君の質疑を行います。西川君。
#89
○西川潔君 西川潔でございます。よろしくお願いいたします。
 今回もお年寄りの皆さん方の福祉、また障害者の皆さん方の福祉についてお尋ねをしたいと思います。
 暖かくなったりまた雪が降ったり、大変気候が不順でございますが、こういうときにはお年寄りは大変でございます。
 まず、総理にお伺いしたいんですが、きんさん、ぎんさんは御存じでしょうか。
#90
○国務大臣(宮澤喜一君) はい。せんだってきんさんののどに魚の骨がひっかかりまして、大事にならずによかったと思っております。このごろはあのお二人ともなかなかタレントで忙しいようでございまして、これならもっと若いうちからもてればよかったと言っておられるそうでございますが、いろいろ出演料などもありまして、せんだっては税務署に納税の申告もしていただきました。こういうところへ来たのは百年目と言われたんじゃないかもしれません、初めてだと言われたそうで、御動静はよく知っております。
#91
○西川潔君 お忙しい政務の中、そしてワイドショーもごらんになっているということで安心をいたしました。
 でも、私も思うんですけれども、我が家にも私の両親と家内の母親、もう二十四年一つ屋根の下で生活しておるんですが、このごろはあっちのぐあいが悪いこっちのぐあいが悪いということでございましたのですが、きんさん、ぎんさんが画面に登場いたしまして、いや、百歳のおばあちゃんには負けていられないということでございまして、最近随分元気になりました。私も、私は男ですから、百歳になったときにきんさん、ぎんさんのように元気な楽しい老後を送りたいな、おじいちゃんになってもきんさん、ぎんさんのようになりたい、こう思うのでありますが、総理はお二人をごらんになって、御自身がどういうふうな百歳を迎えたいなと思われますか。
#92
○国務大臣(宮澤喜一君) やはりこれは、我が国が迎えなければならない高齢化社会の大変にいい姿をあのお二人が示していただいていると思います。殊に私は、ただ年をとられているんではなくて、何かやはり社会に関係をして生きていかれる、生きがいを持って生きていかれるということは大変大事だと思って拝見をしております。
#93
○西川潔君 そこでお尋ねをしたいのですが、やっぱり老後を元気に明るく暮らしたい、これはもうだれもが願うことなんですけれども、今日本は本当の長寿社会を築く、また築かなければいけない時期にあると思います。
 総理がお述べになられました施政方針の演説の中で、少し抜粋してまいりました。
 高齢者の豊富な人生経験や知識は、我々の社会
 にとって貴重な財産であります。私は、高齢者
 の方々がこれを社会で生かしつつ、生き生きと
 安心してその人生を送ることができるような社
 会をつくりたいと考えます。そのため、雇用・
 就業環境の整備などにより社会参加を促進する
 とともに、揺るぎない年金制度を確立し、ま
 た、適時に適切な保健、医療、介護が安心して
 受けられるような社会の実現に向けて真剣に努
 力してまいります。
 私は、この「生き生きと安心して」というところに大変感動するわけでございますけれども、総理が「生き生きと安心して」と。死はだれにでも訪れてくると思うんです。でも老後の不安な生活が人間は一番嫌ではないかなと思うんですけれども、この「安心」という二文字、本当の安心となってこそ高齢化社会をみんなで喜べ、明るい長寿社会が実現するのではないかなと思うんですけれども、医療、年金、住環境、総理がおっしゃる生活大国の具体像をここで改めてお聞かせいただきたいんです。
#94
○国務大臣(宮澤喜一君) 御指摘のように、年金、医療、保健、あるいは長期的な安定と公平な運営が図られるように、そういう制度の確立に向けた取り組みをしなければならないと思いますし、またいろいろな在宅、施設、サービスの拡大等、私どもが申しております高齢者の保健推進十カ年計画、ゴールドプランでございますが、これを策定いたしまして、今まだ初めの何年間がでございますけれども立派に完備をしてまいりたい。
 大事なことは、高齢者が元気でいていただくことでございます。つまり一つは、なるべく自分の家族と近いところにいたいという気持ちをだれもが持っておられますし、また自分の生まれたところにいたい。ただ生きておるということではなくて、そういう意味での安心感。それ分らもう一つは、自分が何か社会の役に立っているという、これは生きがいという観点になると思うのでございますけれども、なるべくならそういうことの中で生活をしていただくことが大事じゃないかと思います。
#95
○委員長(中村太郎君) 西川君、しばらくお待ちください。
    ―――――――――――――
#96
○委員長(中村太郎君) この際、御紹介いたします。
 今般、本院議長のお招きにより来日されましたパキスタン・イスラム共和国上院のワシーム・サシャード議長の御一行が、本委員会傍聴のため、ただいまお見えになりました。
 御起立の上、拍手をもって歓迎の意を表したい、と存じます。
   〔総員起立、拍手〕
    ―――――――――――――
#97
○委員長(中村太郎君) 西川君、質問を続けてください。
#98
○西川潔君 今、総理がおっしゃいました、年をとっても何か目的を持って生活をしなければいけない、また家族と一緒に暮らしたい。きのうの新聞にもたくさん報道されておりましたが、なかなか都会の方では一緒に暮らすことができないということで、年をとってまいりますと心配事がだんだんふえてまいります。
 首相、一国の総理ということを忘れていただいて、宮澤喜一個人にお返りになりまして、今、何か心配事はございますか。
#99
○国務大臣(宮澤喜一君) それは申せば限りがございません。
#100
○西川潔君 いや、いわゆる政治改革、PKOなどすべて忘れて、失礼ですが七十二歳でございますか――失礼になってはいけませんので先を続けさせていただきます。
 お金のこととか、そしてまた住環境のこととか、年をとってまいりますと本当に心配事がふえるわけです。病院へ参りましても初診料七百円、また科が変わりますと九百円。九百円、九百円とお金のことも考えるわけですけれども、高齢化社会に向けて国がこれくらいは絶対保障します、年金は例えば食費までとか家賃、光熱費を含みます、病気になってもお医者さんが訪問看護制度の
ようにおうちまで参りますよというようなところまでケアしていただくと、これは本当にありがたいことなんです。
 まず、お年寄りが病気になり、寝たきりになった場合、そしてまた痴呆になった場合、そしてまた介護する場合に、将来どれだけの安心を準備されておられるのかということをお伺いしたいのです、
#101
○政府委員(岡光序治君) お話がありましたように、お年寄りが介護を必要とする状態になりましても、できるだけ住みなれた地域とか家庭で家族や友人と暮らし続けられるようにするということが重要だと考えております。
 それで御指摘がありました、自分のうちで生活なさっている寝たきり状態にあるお年寄りにつきまして、一つは身体機能の回復なり維持をするためのリハビリ訓練、あるいは保健婦さんによる訪問指導、あるいは看護婦さんなどによる訪問看護、こういった保健サービスをひとつ提供しよう。あわせまして、家庭を訪問して介護を行うホームヘルパーのホームヘルプサービス、あるいは日帰りで介護サービスを行うデイサービスあるいは入浴サービス、あるいは日常生活に必要な用具を給付する、こういう福祉サービスを提供しております。
 それから、生活がしやすいように自分の住宅を改造する、手すりをつけるとか段差を解消するとか、こういうふうな住宅改造のお手伝いをしております。
 それから、あわせまして、いろんな相談が必要になってまいりますので、身近なところでいつでも専門家による介護の相談あるいは指導が受けられるような拠点をつくりたい。それから、家庭で介護なさっている家族の方は大変でございまして、そのリフレッシュのための事業も展開したりしております。
 こういったことをやっておりますが、あわせまして、在宅の痴呆状態になっているお年寄りにつきましては、こういった施策のほかに、相談をしたいということでありますので、老人性痴呆疾患センターという専門の相談センターをつくりまして相談体制を整えておりますのと、それから毎日利用できるようなデイサービスセンターを来年度はひとつお願いをしたい。あわせまして、市町村の保健婦による訪問指導も行う。それから、非常に困ったときにそういう痴呆性の老人を専門に受け入れるような特別養護老人ホームであるとか精神病院などの専門の受け皿の整備もしたい、こんなふうなことを万般行いたいと思っております。
#102
○西川潔君 ありがとうございました。
 次に、在宅に関することをお伺いしたいんですけれども、病院へ入院をいたしましたおばあちゃんの病状が安定して、家庭に帰っできます。あるいはまた、遠く離れて暮らしていたおじいちゃんの介護が必要になる。そういう場合には、息子のおうちに帰ってきたり娘のおうちに帰ってきたりするわけですけれども、そういうときには家庭の中は大変でございます。我が家もそうでございますが、部屋はどうしよう、夫婦の部屋を提供するのか、子供たちの部屋を提供するのか、またおふろはどうしよう、布団にするのかベッドにするのか、それはもうおうちの中は大変でございます。夫婦は共働きで、どちらが休めばいいのかとか、いろいろな問題が生じてくるわけでございますが、その立場にならないと実際は本当にはわからないわけです。
 三年ほど前に本委員会におきまして、高齢者総合相談センター、シルバー一一〇番の電話番号が全国ばらばらでございまして、全国に講演に参りましたとごろ、やっぱり一番困っておられるのは妻であり嫁であり、そういう方々でございまして、どうぞ潔さん、ひとつ一一〇番のように、また一一九番のように全国どこからかけてもお年寄りのことがすぐに相談ができるような電話番号をつくってもらえないかということをお伺いいたしまして質問させていただきましたところ、厚生省、郵政省のお力をがりましてつくっていただいたわけです。プッシュホンでシャープを押しまして八〇八〇、老後八〇八〇というお名前をつけていただいたんですけれども、これも知っていると知らないとでは随分遣うんです。
 地元の大阪でも聞いてまいりましたが、シルバー一一〇番の場合は電話相談件数が余りふえていないそうでございます。プッシュホン回線の普及率がまだ三割ということでございますので、電話機がプッシュホンであっても回線がまだダイヤル、そういうおうちがまだまだあります。こういう課題をクリアしていただくために、一層の充実を、周知の徹底をお願いしたいんですけれども、厚生大臣、いかがでしょうか。
#103
○国務大臣(山下徳夫君) 先ほどから、ぎんざん、ぎんさんのお話もございましたけれども、私の周辺を振り返ってみて、やはりお年寄りを大切にして、何くれとなく相談する、そういった社会づくり、そういう環境をつくることが一番いいことだろうと思います。そういう意味におきまして、何かあればだれに相談すればすぐわかるという、そういう社会的な仕組みをつくっていくということでございますから、今お話がございました総合相談センターというものはこれはお年寄りに大変喜ばれているし、御相談の件数もふえております。
 私が答弁することまで全部言ってもらいまして、八〇八〇の問題あるいは一一〇番の問題もしかりでございますけれども、とにかく身近に相談をする、そういうところをきちんとつくっておいて、行きやすいような、そしてまた、そこに行けばちゃんと親切に教えてくれる相談員なり、また総合相談センターにはちゃんとした所長さんもおるわけでございますから、そういうものをさらに普及して全国的にそういった相談業務というものが行き渡る。また、至らないところは逐次振り返って、ここはこう改善しようといってだんだんそういう施策を高めていくということが大切であろうと思いますが、一生懸命とにかくそういうことをやっていきたいと思っております。
#104
○西川潔君 どうぞよろしくお願いいたします。
 本当に老後をそういうふうに二十四時間体制で、福祉の出前というんでしょうか、お助けいただく、皆さん方から本当にそれが一番私たちは困っているんだということをお伺いするんです。
 そこで、在宅介護支援センターについてお伺いしたいんですけれども、二十四時間でもって福祉の出前をする、うどんやおすしを持ってきてくださいというような軽い気持ちで、まじめに福祉の出前をしていただくというこの介護支援センター、二十四時間体制で地域の方々の支援をするということでございますが、どういう内容ですか。少しプログラムを御説明していただきたいんです。
#105
○政府委員(岡光序治君) 在宅介護支援センターは、今御指摘ありましたように、二十四時間相談できるようにということでございますので、病院であるとか特別養護老人ホームであるとか、二十四時間動いておるそういった所に併設をするものでございます。そして、例えばソーシャルワーカーと保健婦さんというふうに保健関係の職種と福祉関係の職種とがペアになりまして相談そのほかに応じよう、こういうふうな仕組みで考えているものでございます。
 具体的な中身でございますが、地域の介護を要するお年寄りの実態を把握して、こういうサービスがあるんですよということを広報、啓発してもらおう。それから、具体的な相談がいろいろありますので、そういう相談に応じよう。それから、市町村で用意をしております公的なサービスがございますので、そのサービスはこんなものがありますよということと、それから具体的にこうやればそのサービスを受けられますよというサービスの調整をしてもらおう。それから、介護機器を展示して具体的な紹介をしようじゃないか、あるいは使用方法についても指導をしよう。それから、お年寄り向けの住宅の増改築、これについての助言、指導をしよう。こんなふうなことを考えております。
 こういったものを支えるために、地域の民生委員の皆さんやあるいは地元の商店など、こういった方々を在宅介護相談協力員という格好でこのセンターの周辺に配置して、それでセンターの紹介を行っていただこう、こんなことを考えようとしております。そして、二〇〇〇年までに全国で一万カ所、おおむね中学校区に一カ所配備をしたい。身近なところでこういう相談ができるようにということを考えておるわけでございます。
#106
○西川潔君 その介護支援センター、本当に皆さん方が期待しておられます。どうぞひとつよろしくお願いいたします。
 そして、いいお答えをいただいた役なんですけれども、別にいちゃもんをつけるわけではないんですが、このセンターに二十四時間体制で従事される職員の方がたったお二人ということでございます。そうなりますと、施設や病院の職員の方々に大変負担が重くなるわけですね。平成十一年までに、今おっしゃいましたように中学校区に一カ所設置するということでございますが、この職員の問題をもう少し何とかしていただけないでしょうか。
#107
○政府委員(岡光序治君) おっしゃいますように、このセンターがうまく動いていくような対応が必要だと思っております。
 したがいまして、来年度もこの運営事業費を引き上げる、あるいは夜間対応のために専門の人と結べるようにポケットベルを購入して連絡ができるようにするとか、あるいはこのセンターというのは先ほど申し上げましたように病院等に併設をするわけでございますが、その整備費も充実していこうということで、できるだけこのセンターが広く行われて、かつ職員もうまく動いていくようにということに配慮しているつもりでございます。
#108
○西川潔君 次に、ホームヘルプについてお尋ねいたします。
 共働きの世帯が寝たきりあるいは痴呆症などで常に目が離せないお年寄りと一緒に生活をすることになった場合のホームヘルパーによるサービスについては、来年度予算で四万六千四百五人、ゴールドプランでは平成十一年までに十万人の増員ということでございます。どこでもいつでも利用できるサービスとして我々も期待をしているわけですけれども、こうした家庭に対してホームヘルプサービスが提供していただけるのは一週間のうちどの程度の日数ですか。それともまた、どれくらいの時間になるのでしょうか。今まさに十万人に達成されたとしてお答えをいただきたいのです。
#109
○政府委員(岡光序治君) 利用の回数は、十万人体制が整えば、例えば在宅の寝たきり老人の場合には週四回から六回は利用できると思っております。
 それから利用の時間でございますが、これは介護の必要に応じまして時間は長くてもよろしいわけでございますが、大体標準的には一回当たり二時間から三時間ではないだろうかというふうに考えております。
 それと、このホームヘルパーによるサービスは福祉的なサービスでございますが、あと保健婦によるサービスであるとか看護婦によるサービスであるとか、そういう保健的なサービスをミックスして、介護を要するお年寄りの必要に応じたサービスが提供できるようにということを考えておるわけでございます。
#110
○西川潔君 四回から六回、四日から六日、時間にして二時間から三時間ということは、本当に大変ありがたいことだと思います。
 次に、公的サービスについてお伺いしたいんですが、その他の公的サービスにつきましては、先日発表されました福祉マップではデイサービスの実施市町村はまだ約三割ということですが、ショートステイなどの他の公的サービスにつきましてもゴールドプラン実施後ほどの程度利用できるようになるのでしょうか、これもお伺いしたいと思います。
#111
○政府委員(岡光序治君) 同じように在宅の寝たきり老人を念頭に置いてその実施状況を申し上げますと、日帰りで介護サービスを受けるいわゆるデイサービスは、週一回から二回は利用できると思っております。
 なお、いわゆる痴呆性のお年寄りについては毎日利用できるものも考えていきたいというふうに考えております。
 それから、特別養護老人ホームなどに短期間滞在するいわゆるショートステイでございますが、これは二月に一回程度、大体一週間から二週間というのが標準でございますが、そういった程度利用できるようになるものというふうに想定しております。
#112
○西川潔君 次に、ホームヘルパーさんの問題についてお伺いしたいと思います。
   〔委員長退席、理事井上吉夫君着席〕
 お年寄りを現場で実際に介護していただくホームヘルパーさんや福祉職員の給与、勤務体制などの処遇改善の問題でありますが、前回も人事院の方々にお願いいたしました。俸給表に福祉職というのをお願いしておりますが、ホームヘルパーの給与の中で研修期間中無給であった手当を何とか、無給であればホームヘルパーさんもいわゆる減収になるわけです。僕は、二十五年、二十六年ずっと現場を、今も回らせていただいているんですけれども、福祉というのはやっぱり現場の人は本当に安い給料でもって頑張っていただいています。そして、潔さん、本当に台所が火の車で、自分が安い月給で、夫婦でけんかをしながら、親子の問題があって、なかなか人様に真心を尽くすことは難しいんだと。ひとつ研修期間中も手当を支給すべきではないかということを昨年の三月の本委員会で質問させていただいたんですけれども、その後いかがなっておるんでしょうか、お伺いしたいと思います。
#113
○政府委員(岡光序治君) 西川議員の御指摘を踏まえまして、平成三年度から採用時の研修も含めまして、研修の参加期間中の手当を支給できるようにいたしました。
#114
○西川潔君 ありがとうございました。
 通産大臣、何か一言お願いします。
#115
○国務大臣(渡部恒三君) 今お聞きしておって、西川委員の社会福祉のための一つ一つのこの委員会での発言が具体的な政策として一歩一歩実現しておることを、西川委員とともに、また福祉を望んでおる国民の皆さんのために喜んでおったわけでございます。
#116
○西川潔君 ありがとうございました。
 次に、福祉人材確保についてお伺い。したいんですけれども、人材確保法案を今国会に厚生省は提出なさっておられるわけです。私も早期に成立をさせていただきたいと願っておりますが、ここで厚生大臣にその決意を賜りたいと思います。
#117
○国務大臣(山下徳夫君) 急速な高齢化社会の出現に対しまして私どもいろいろな施策をやっているわけでございますが、やはり何といっても十分福祉を増大していくためには、福祉マンパワーといいましょうか、社会福祉事業従事者の確保が第一の問題でございます。
 したがいまして、社会福祉事業法及び社会福祉施設職員退職手当共済法の一部を改正する法律案、こういうものを今国会に御提案申し上げているのでございますが、その趣旨とするところは、まず、人材確保の基本的な指針というものをはっきり決めてかかろうということでございます。その次に、人材センター、これを指定していく。それから、ホームヘルパーへの退職手当の支給、これはやっぱり十分やらないとなかなか確保ができないものでございますから、そういう処遇の改善等も今回の法律の改正に織り込んでいく、こういう内容でございますから、できますればひとつ皆様方に十分御審議いただきまして、早期の成立をお願い申し上げたいと思います。
#118
○西川潔君 ぜひよろしくお願いいたします。
 次に、家族による介護、そして今御説明いただきましたが、公的なサービスによってフルタイムの介護ができないとすれば、今度はその残る空白の時間をどうすればいいのかという問題が残るわけですけれども、地域住民による協力あるいは民間サービスにお願いするのか。公的サービス、地域住民の協力、そして民間サービス等、それぞれの役割について厚生大臣はどのように考えておられるのか、お伺いしたいと思うんです。
#119
○政府委員(岡光序治君) 高齢者保健福祉推進十カ年戦略を初めとするさまざまな公共サービスの充実によりまして、お年寄りが安心して老後を送れるように、基礎的なサービスは公共サービスで確保したいと考えております。
 一方で、お年寄りのニーズは多様化し高度化をしているという状況もございますので、そういった部面につきましては、公的な施策の補完という格好で民間事業者の創意工夫を大いに活用したいと考えております。
 それから、近年、地域住民の参加によるいわゆる福祉公社のような住民参加型の福祉サービスが非常に活発化しておりますが、こういったものは介護に国民総参加してもらう、あるいは地域における相互扶助、こういったものを進めるという意味で非常に私どもは有要だと考えておりまして、こういった福祉公社タイプのものも大いに支援をしていきたい、こういうふうに考えております。
 繰り返しになりますが、基礎的な福祉サービスにつきましては、全国どこでも対応できるように公的サービスでカバーをする。そして、よりサービスの利便性なり快適性を求める、こういった部分につきましては、民間の創意工夫を活用する。それから他方で、住民相互の連帯意識、あるいは自発性に基づく住民参加型のサービスもやって、地域において潤いのあるような福祉社会をつくっていこうではないか。こんなふうなことで、三者両々相まってサービスの確保ということを考えたいと思っております。
#120
○理事(井上吉夫君) 西川君の残余の質疑は午後に譲ることとし、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十三分休憩
    ―――――――――――――
   午後一時一分開会
#121
○委員長(中村太郎君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 平成四年度一般会計予算、平成四年度特別会計予算、平成四年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き、西川潔君の質疑を行います。西川君。
#122
○西川潔君 午後からもよろしくお願いいたします。
 午前の予算委員会のテレビ中継をごらんいただいた方からお電話をいただきまして、総理大臣の最近の国会の中でのこんなすばらしい笑顔を見たのは珍しいと。きんさん、ぎんさんのお話のときの総理のお顔が大変よかったという私の友人からの電話もございましたですが、将来高齢化社会に向かってまじめに、また心ある御答弁をいただいて、ひとつ前に進めていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 まず、午後からは厚生大臣に、介護実施普及センター、これについてお伺いしたいと思います。
 お年寄りのためにボランティア活動をしたい、潔さん、一体どこへ行けばできるのですかというお便りをたくさんいただきます。来年度の新規事業である介護実施普及センターは、介護技術や知識の普及を図り、福祉機器や介護用品などの展示、相談も行うということです。私もさきの国会でお願いをいたしましたわけですが、この介護実施普及センターとはどういうセンターでございましょうか、御説明をお願いいたします。
#123
○政府委員(岡光序治君) 今お話がありましたように、市民各層に対しまして老人介護の意識の啓発とか、あるいは介護の基本的な知識、技術の修得のための実習を行う、あわせまして福祉機器等の展示とか、これにつきましての相談、指導を行う、そういう拠点をつくりたいというものでございます。
#124
○西川潔君 概算要求額では二億二千万円が一億七千九百万円に減額になっております。初年度は全国で七カ所でスタートするということをお伺いしております。この国会内のうわさでは、今回は税収も少ないということでございまして、これはほとんどつかないということでございましたんですが、随分厚生大臣に頑張っていただいたと思うんですけれども、全国に普及すべきだと思うんです。
 厚生大臣、どんどんとふやしていただきたいんですが、ひとつ決意を。
#125
○国務大臣(山下徳夫君) これは新しい事業でございますので、今お話のございますまず七カ所の箇所づけをいたしておりますが、これはゴールドプランの中にもちゃんと位置づけされております。したがって、今後ゴールドプランの進捗とともにこれらもさらに整備をされていくことと思っております。
 私どもは、地域においてお年寄りをみんなが支えていくという考え方が進んだらば、地域地域にこういう一つの拠点をつくって、それを中心に地域の住民がみんなお年寄りに対してそういうことをやっていく、そういう方向でやっていきたいと思っております。
#126
○西川潔君 これはみんなが厚生大臣にお願いしたことであり、また僕も厚生大臣室まで陳情に参りました。多分だめだろうと思っておりましたが、厚生大臣が頑張ったことを評価したいと思います。
 次に、介護休業制度についてお伺いしたいと思うんですけれども、家庭で介護を行うようになったときに今の仕事が果たして続けられるだろうか、これが大きな心配であるわけです。介護のために仕事をやめたり勤務先や勤務条件等を変更した者が四割近くを超えております。今、介護休業制度の導入が検討をされているわけですが、労働省はその内容をどのように評価されているのか、御説明いただきたいと思います。
#127
○国務大臣(近藤鉄雄君) 午前中にも先生からいろいろ御指摘がございましたが、いわば要介護者の介護について、社会的また公的な福祉制度で行うということももちろん大事でございますけれども、やっぱり身内、肉親によって面倒を見ていただきたいという気持ちを持っておられる方々が多いわけでございますので、まさに介護休業というものが今クローズアップされているわけでございます。
 私ども調査をいたしますと、平成三年二月で従業員三十人以上の事業所の二二・七%が介護休業制度を実施している。いろいろ程度の差はございますが、そうなっております。労働省としては、これをさらに推進をしていきたいということで、現在シンポジウムや研究会、いろいろ開催をいたしまして介護休業制度導入の社会的機運の醸成に努めております。そして、具体的に企業内福祉制度、この介護休業についてどうするかということについてガイドラインを策定しようということで、今検討会議を開催しておりまして、これができましたらこれに基づいたモデル事業を実施することで、さらに介護休業制度の一層の普及に努めてまいりたいと考えております。
#128
○西川潔君 どうぞひとつよろしくお願いいたします。
 以前、本委員会でございますが、前総理の海部総理大臣にお尋ねいたしました。年をとったときには、そして自分が寝たきりになったときにはどなたに介護していただきますかと申しますと奥さんと、奥さんが悪くなったらどなたにとお尋ねいたしますと娘にと、こうおっしゃっておられましたが、宮澤総理はいかがですか。
#129
○国務大臣(宮澤喜一君) やはり家内ということになると思います。ちょっと、娘はおりませんから。
#130
○西川潔君 もし大変失礼があったらお許しいただきたいんですが、奥様もぐあいが悪い、実はそういう方々が全国には何十万人といらっしゃるわけです。百万人を超えていらっしゃるわけです、御夫婦で。そういう場合は、公的なところでしたら総理はどういうところを御利用なされますか。
#131
○国務大臣(宮澤喜一君) 実はそういうことも考えますと、こっちが光とばっかりは決まらないものですから、どうもあれこれいろいろ心配でございます。
#132
○西川潔君 こっちが光とばかり。今テレビ見てましたら奥さん怒りますよ、それは。
 それでは奥さんは先にお亡くなりになるということでございますので、これは平均をとりますと……
#133
○国務大臣(宮澤喜一君) 介護です、介護。
#134
○西川潔君 介護でございますか。どちらが先にとおっしゃったものですから。
 現実に家庭で高齢者の介護をしている大半は、総理、実は八三・四%が女性でございます。女性です。百人おれは八十三人以上が女性です。介護のため仕事をやめなければならない、あるいは転職をしなければならない女性がたくさんいらっしゃるわけです。家庭内で高齢者の介護が必要になるたびに女性にばかり負担をかけております。我が家も類に漏れずそうなんです、申しわけないと思っているんですけれども。こういう社会、僕は本当はよくないと思います。女性の負担を軽くするために私たち男性がその負担を担って、それがまた当たり前であるというような社会意識に変えていかなければいけないと思います。
 介護のために、フレックスタイム勤務や短時間勤務を認めるなどの労働時間面での配慮がすべての職場で制度化されることが必要だと思いますし、そのために法制化、企業に対する助成が必要でないかと僕は思うんですけれども、政府の考え方、今後の具体的な取り組みを労働大臣にお伺いしたいと思います。
#135
○政府委員(松原亘子君) お答えいたします。
 先ほど労働大臣からも答弁申し上げましたけれども、現在、介護休業その他労働者が介護をする場合に、企業の中で支援する制度全般にわたってガイドラインを検討いたしているところでございます。その中では、先生から今御指摘がございましたような勤務時間について配慮するということも一つ非常に有効な対策だというふうに私どもも思っておりまして、それについても検討いたしているところでございます。今後それらも含めましてガイドラインをまとめていただき、またガイドラインの検討会で報告が出た後私どもとしてガイドラインをまとめ、それに基づいた強力な指導をやっていきたいというふうに思っております。
 今御指摘ございました法制化の問題とか助成措置の問題につきまして、確かにこれは非常に研究に値するテーマだというふうに私どもは思っておりますけれども、当面はガイドラインに基づいた指導を強力にやっていくということを第一義としたいというふうに思っているところでございます。
#136
○西川潔君 ぜひよろしくお願いいたします。
 今後、介護問題が重要になることを考えますと、例えば若いときから自分の将来の介護費用を積み立てるとか、また援助あるいは介護費用のための公的融資、こういうことも考えていただきたいと思います。また、減税ということも考えられると思うんです。今のところ介護手当の支給ということがクローズアップされているわけですけれども、厚生大臣、いかがでしょうか。
#137
○政府委員(岡光序治君) 介護手当の趣旨をどう考えるかという問題が一つございます。
 といいますのは、介護に携わってそれだけ御苦労であるというので、いわば慰謝激励をする、そういう趣旨が一つございます。それから、介護労働に従事したために働けなくなっちゃった。働けたならばそれだけの所得が得られたであろうというので、その部分を補てんするという意味もございます。それから、実際介護をした場合にいろんな費用がかかりますので、そのかかった費用を補償しよう。いろんな趣旨があるんだろうと思いますが、そこのところがまだ定まっておりません。それからまた、そういうことで介護手当を支給した場合に介護サービスに結びつくのかどうか、その辺も見きわめる必要があろうかと思っておりまして、もう少しこれは検討させていただきたいと思っています。
 今必要なことは、必要な介護サービスが実際に受けられる、そういう体制を整えることではないだろうかというので、いわゆる十カ年戦略の実現に全力を尽くしておるというところでございます。
#138
○西川潔君 厚生省にお願いすることばかりで申しわけないんですけれども、今やっておかなければ本当に間に合わないと思うのであります。
 次に、お年寄りの住宅のことについてお伺いしたいんですけれども、既に建設省では、すべての新築公的住宅を高齢化対応にするという方針を打ち出されておりますが、積極的にひとつ取り組んでいただきたいと思います。
 お年寄りのひとり暮らし、高齢者だけの世帯が本当にふえております。居住水準の問題や住居費の上昇と幾つもの問題が指摘されておりますが、高齢化社会における住宅問題の重要性については国民全体の共通の認識であると思います。公的住宅の果たす役割を含め、その基本的な考え方を建設大臣にお伺いしたいと思います。
#139
○国務大臣(山崎拓君) 先生御指摘のとおり、高齢化社会を迎えまして、高齢者向けの公的住宅をいかに供給していくかということは非常に重要なテーマであると存じます。
 このため、高齢者世帯向けの設計をいたしました、また設備を備えました公共賃貸住宅を的確に供給いたしますとともに、入居者の優遇措置を講じたいと考えております。また、子供夫婦との同居、近居あるいは隣居等に配慮いたしました施策を展開いたしたいと考えております。また、ケアつき住宅の供給等、医療福祉施策との連携を持った施策を推進したいと考えております。
 そこで、平成四年度政府予算案におきましても、高齢者向け借り上げ公共賃貸住宅制度の拡充、それから住宅金融公庫融資における高齢者用施設に対する割り増し貸付額の引き上げ、医療福祉サービスの提供、住居費の一括払い方式等の措置を講じましたシニア住宅の供給の推進等の施策を盛り込んでいるところでございます。
#140
○西川潔君 そこでお伺いしたいのはシルバーハウジングについてです。ひとり暮らしの高齢者、また高齢者夫婦のみで生活をしている本人はもとより、離れて生活している子供たちにとっても緊急時の対応が本当に心配なんですが、厚生省、建設省両省でお取り組みいただいておりますシルバーハウジングとはどういうところでございましょうか。
#141
○政府委員(立石真君) シルバーハウジング事業と申しますのは、先生御指摘のように、高齢者の単身世帯あるいは高齢者夫婦だけの世帯、こういう世帯の居住の安定を図るために厚生省と協力いたしまして公営住宅等を供給する、それとあわせまして在宅福祉サービスの提供を行う事業でございまして、昭和六十二年度より推進してきております。
 この制度におきましては、公営住宅につきましては、まず屋内の段差をなくすとか、あるいは廊下、階段に手すりを設ける、そういうように高齢者の生活に配慮した構造、設備を備えた住宅を供給いたしますとともに、ライフサポート・アドバイザーと言っておりますが、高齢者の生活を援助する人を常駐させまして、高齢者に対して日常の生活相談、無事に過ごしているかどうかということについての日常的な確認、緊急時における対応等のサービスを提供するものでございまして、具体的には、建設省におきまして公営住宅、生活相談室等の建設とか、あるいは緊急通報装置等のハード部門の整備に対しまして助成をいたしますとともに、厚生省の方からライフサポート・アドバイザーの派遣費用等について助成している制度でございます。
#142
○西川潔君 こういう住宅がふえると本当に老後は安心だと思います。まず、一日二十四時間の生活の中で必ず安否の確認があるというようなところは本当にございません。どうぞ、どんどんとふやしていただきたいと思います。岐阜とか大阪にもできておりますが、今後は兵庫県で積極的にやっていかれるそうです。
 実はこのシルバーハウジング、今御説明いただいたんですが、例えば病気で入院をした場合に長
期間シルバーハウジングを不在にすると使用許可が取り消されるかもわからないということをちらっとお伺いしたんですけれども、本当でしょうか。
#143
○政府委員(立石真君) お答えいたします。
 公営住宅におきましては、入居者が引き続き十五日以上使用しないときには届け出をすることが義務づけられております。正当な理由なく長期にわたって住宅を使用しない場合には明け渡し請求をされる場合があるわけでございます。こういう規定になっておりますので、管理人等に入院とか旅行をするんだという正当な理由を付した届け出をすれば公営住宅の不使用を理由とする明け渡し請求はされないことになっております。各地方公共団体に照会しておりますが、これまでも管理人に不在する旨を、口頭でも結構でございますので、通知してあれば正当な理由があるものとして取り扱っておりまして、これまでこういう事情で明け渡し請求をされた事例はございません。
#144
○西川潔君 安心いたしました。よろしくお願いいたします。
 次に、医療、年金、住環境と続きますが、今度は大阪市住吉区の方からいただきました手紙をちょっと読ませていただきたいんですが、年金についてです。
  実は、主人は六十五歳、ある会社で事故にあ
 い、下半身マヒの身障者一級です。九死に一生
 を得たことに感謝し、今日迄必死で生きてきま
 した。少額の障害年金では、生活できず、姑が
 あちらこちらにお願いして、手書きの塾広告を
 張り、生計をたててきたそうです。
  私は股関節脱臼で、「大人になったら、肢体
 不自由児の施設で働きたい」と思ってたのです
 が、ふとしたことで主人と知り合い、姑が「お
 母ちゃんが死ぬ時は博を先に殺してから死ぬつ
 もりやねん。旅行もこの子を置いてはどこへも
 行かれへんし、せめて器の良い物を買って旅館
 のつもりで食べてんねん。誰か博のお嫁さんに
 なってくれる人があれば安心して死ねるんやけ
 ど……」と話されたのです。私は家に帰り早速
 両親を説得し、昭和三十八年四月結婚、四十二
 年長男誕生、四人の生活が続くある日、国民年
 金の集金人の方が姑と私の集金に来られ、(当
 時は三カ月毎)「ご主人は国民年金は……」と
 言われ、「厚生年金の障害年金を受けてるから」
 と言うと、「両方貰えるから掛けるように……」
 と。「いざ貰う時になってやれない」と言われ
 ないかと念を押すと、もう一度区役所へもどっ
 て上の方にたずねてくると言われ、再度来られ
 「絶対両方貰えるそうですよ。お上がうそをつ
 きまっかいな……」と言うことで、しかも強制
 だと言われ、任意加入でないから最初からの約
 十年分を当時の四百五十円で(最初百五十円に
 もかかわらず)払うようにとの事、苦しい家計
 から借金をし乍ら、老後の為と、全額さかの
 ぼって支払いました。当時は私どもにとっては
 大金でした。その後、昭和六十一年迄きっちり
 掛けました。それから待つ事五年、やっと去年
 の九月、満六十五歳で国民年金が支給されると
 待ちましたが来ないので社会保険事務所でたず
 ねると「一人一年金で、大正十五年四月二日生
 まれ以前の人は両方貰えるがあなたは障害年金
 のみですよ。六十一年に法律が改正されたので
 お気の毒ですが……」との事。
  区役所の方も「まちがって掛けていただいた
 と言う事で、掛けた金額を還付金として返金し
 ますので了承してください」との事で、昨日
 やっと手続きに行ってきました。私たちは、六
 十五歳になれば障害年金(年額百二十万円)と
 国民年金で息子の負担にならずにと、必死で英
 数塾で頑張ってきたのです。主人は、「貨幣価
 値が変わっているのにそのまま合計されて還付
 金六十万円余り、約束の終身年金が一年分にも
 満たないなんて、どうして弱い者いじめの政治
 しかできないのか、政治を信じて障害年金を貰
 い乍ら国民年金を掛けてきた人の人数は少ない
 だろうし、約束通り支給しても日本の国が傾く
 こともないだろうに、何も文句を言えない弱者
 を犠牲にするなんて……」
と、こういう手紙が来ております。ほんま、涙出ますわ。
 あきらめきれずストレスで胃かいようになり、
 二週間前から入院して了いました。
  西川先生、私たちの悔しい気持お解かり下さ
 いますでしょうか。
  利予めつかない銀行くお金を預けていたと
 思ってあきらめるより仕方がないのでしょう
 か。そして、任意加入の筈なのにと言われて、
 も、まちがったのは区役所の方で、私たちは言
 われる通り払っただけなのに、生活設計が変
 わって下ったのです。国民年金が支給されるよ
 うになったら、仕事も卒業して静かに余生を送
 ろうかと考えていたのですが……
  お忙しい先生の時間を(長々と書いて)さい
 て頂いて申訳ありません。どうぞお許し下さ
 い。
  どうか今後共、福祉の為にお骨折り下さいま
すことをお願いしてペンを置きます。という手紙ですけれども、厚生大臣、感想いかがですか。
#145
○国務大臣(山下徳夫君) 私もこの手紙を拝見いたしました。まことに遺憾に思う次第でございます。
 こんなことはもうあってはならないことでございますが、私は県と国と区の違いはあっても、この制度の最高責任者として深くおわびを申し上げる次第でございます。
 もしも今後またこのような間違いがあって、加入者の方につらい、悲しい思いをさせないように、しっかりとこんな間違いがないように監督してまいりたいと思います。
#146
○西川潔君 ありがとうございます。もうこれ以上はお伺いすることはやめておきます。
 本当は総理にも言いただきたいんですけれども、国の最高責任者にこういうことを御答弁していただくということは、総理自身も立場としてつらいと思いますから、やめておきます。
 次に、年金支給日についてお伺いいたします。
 年金の支給日、偶数月の十五日にただいまなっておりますが、この十五日が休日だった場合はその直後の休日等でない日となっております。そうした場合は休日の前日払いにするべきではないかなと思うんですけれども、こういう御意見をたくさんお年寄りの方からいただきます。以前、厚生年金の支払いは一日払いでしたから、前にすると前月払いになるわけですからこれは不都合もあると思うんですけれども、今は一律十五日になっているわけです。公務員の場合は先に払い込まれるわけですが、民間の場合はどうして後になるのでしょうか。休日の場合の支払いを繰り上げて前にしていただきたいのですが、いかがでしょう。
#147
○国務大臣(山下徳夫君) ただいまの年金の支払いの問題につきましては、受給者のお気持ちも察しながら事務処理をこれは改善しなきゃならぬと思っております。
 受給者サービスの向上を図ることはもとよりでありますが、ただ、事務処理形態の変更やこれに伴う費用等の問題もございます。そして関係機関、これは主に金融機関でございます。あるいは若干の関係の役所もございますが、この金融機関ともよく相談しながらやらなきゃならぬと思っておりますが、御趣旨に沿うような線でなるたけ早く解決したいと思っております。
#148
○西川潔君 どうぞよろしくお願いいたします。
 次、母子家庭の年金、手当についてお伺いしたいんですが、定期的に母子家庭のお母様方の集いに参加させていただくんですけれども、そちらでいつもお伺いする問題ですが、遺族基礎年金、児童扶養手当などが満十八歳で今打ち切られる。この満十八歳というのは誕生月によっては高校在学中の場合も大変多いわけです。そこで母子家庭にとっては経済的にも大変でございまして、これからの年金、手当などの支給期間を高校卒業時まで、十八歳の誕生日を迎えた年度末まで、高校を卒業するまで延ばしていただけないかということをよくお伺いするんです。
 こちらの方でもよく問題にもなっておりますが、まず人事院にお伺いしたいんですけれども、国家公務員の場合は昭和六十三年人事院勧告により、満十八歳で打ち切っていた扶養手当を満十八歳に達した日以後その年度末まで支給できるような改善を勧告され、平成元年四月一日よりそのように改正されておりますが、この改善を勧告した理由をお聞かせいただきたいと思います。
#149
○政府委員(森園幸男君) 今御指摘のとおり、平成元年の四月一日から今日のような状態になっておりますが、私ども、公務員給与におきます扶養手当の支給対象となります扶養親族の範囲、年齢、これにつきましては、民間企業におきます従業員賃金の取り扱い実態等を参考といたしております。
 昭和六十三年の勧告に際しまして民間の状況を調べましたところ、十八歳の誕生日以前、誕生日までで打ち切っているところが約四割程度にすぎませんでしたものですから、これを改めさせていただくということにいたしたわけでございます。
#150
○西川潔君 もう今や高校進学は九五%にもなっているわけですから、高校在学中、満十八歳まで何とかこれを延ばしていただくわけには、総理、まいりませんでしょうか。
#151
○政府委員(加藤栄一君) ちょっと現在の状況を御説明申し上げます。
 遺族基礎年金等の支給要件についてでございますけれども、年金制度の場合について申し上げますと、学生の方もありますが、ほかに若干でありますがもちろん勤労青少年の方で御遺族の子の加算の対象になられる方もおられるわけでございます。子の年齢到達を年金制度といたしましては遺族基礎年金の場合の子供の加算の基準の一つとしているところでございまして、十八歳未満を要件としておりますのは、同じように十八歳未満を要件として給付を考えております制度はほかにも共済年金でありますとか労災補償等広範囲にわたっておりますので、これらほかの制度とこの制度におきます子の範囲のバランス等も考えなければなりませんが、また社会的にも今先生がおっしゃいましたような状況も進んできておることも私ども念頭に置いておりますので、今後の検討課題とさせていただきたいというふうに考えているわけでございます。
#152
○西川潔君 ぜひこれはお考えいただきたいと思います。
 次に、もう一通お手紙をいただいておりますが、私のおいは五年前に池でおぼれて重度の脳障害児となってしまい、現在寝たきりでございます。高速道路を使用しまして一日に往復が福岡まで二万円、ガソリン代を入れて三万円ほどかかるそうです。月三十万円近くになります。家のローンもあり、治療やリハビリの費用もかかります。障害者の高速道路の通行料金割引は障害者自身が運転している場合でなければ受けられないと言われましたが、本人は免許も持っておりません。全く動けない状態なので、横になってしか行けないわけで、バスや鉄道でも行けないそうでございます。高速道路を使わなければ行けないということでございますので、何とかこれをお願いできないかということでございますが、いかがでございましょうか。
#153
○国務大臣(山下徳夫君) このことにできましては、ちょうど一年前に下条厚生大臣からも御答弁があっておりまして、前向きに検討いたしますということで、早速建設省にもお願いをいたしまして、ただいま意見の交換を行っておりますが、建設省としてはいろいろこれは諮るべき審議会がございますから、その審議会とも既にお打ち合わせになっておるようでございますから、あとしばらくお待ちをいただきたいと思います。
#154
○西川潔君 建設大臣、一言お願いします。
#155
○国務大臣(山崎拓君) ただいま障害者をお持ちの方のお手紙をお読みになりましたが、大阪からはるばる福岡まで、私の選挙区福岡でございますが、運転を介護者がしておられるということ、非常に強い印象を受けましたのでございます。有料道路の割引制度、身体障害者について既にございますが、これは肢体不自由者本人のケースでございますが、それに今のところ限られておるのでございます。こういった問題は、障害者福祉施策全般の中で措置されるべき問題であると存じますけれども、有料道路におきましてもこれらの問題に取り組んでおるところでございます。
 ただいま厚生大臣が申されましたとおり、道路審議会に本件を含めまして今審議をお願いいたしておるところでございます。いずれ道路審議会の考え方がまとめられますので、それを受けまして前向きに対処してまいりたいと考えております。
#156
○西川潔君 どうもありがとうございました。
 どうぞ、最後にお願い申したいのは、本当に死はだれにでも訪れてまいります。老後をみんなが安心して暮らせるような国づくりを皆さんにお願いして質問を終わります。
 ありがとうございました。
#157
○委員長(中村太郎君) 以上で西川君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 これにて総括質疑は終了いたしました。
 本日の審査はこの程度といたします。
 明日は午前十一時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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