くにさくロゴ
1992/06/02 第123回国会 参議院 参議院会議録情報 第123回国会 建設委員会 第10号
姉妹サイト
 
1992/06/02 第123回国会 参議院

参議院会議録情報 第123回国会 建設委員会 第10号

#1
第123回国会 建設委員会 第10号
平成四年六月二日(火曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月二日
    辞任         補欠選任
     松本 英一君     野別 隆俊君
     市川 正一君     上田耕一郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         山本 正和君
    理 事
                井上 章平君
                石井 一二君
                種田  誠君
                山田  勇君
    委 員
                石原健太郎君
                石渡 清元君
                坂野 重信君
                西野 康雄君
                野別 隆俊君
                渡辺 四郎君
                中川 嘉美君
                上田耕一郎君
                山田耕三郎君
   委員以外の議員
       発  議  者  青木 薪次君
       発  議  者  穐山  篤君
       発  議  者  岩本 久人君
   国務大臣
       建 設 大 臣  山崎  拓君
   政府委員
       国土庁土地局長  鎭西 迪雄君
       国土庁大都市圏
       整備局長     西谷  剛君
       建設大臣官房長  望月 薫雄君
       建設省建設経済
       局長       伴   襄君
       建設省都市局長  市川 一朗君
       建設省住宅局長  立石  真君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        駒澤 一夫君
   説明員
       通商産業省立地
       公害局立地政策
       課長       安達 俊雄君
       自治大臣官房審
       議官       松本 英昭君
       自治省行政局行
       課長       蓼沼 朗寿君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法
 律案(青木薪次君外二名発議)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(山本正和君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案(閣法第七二号)並びに都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案(参第四号)、以上両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○野別隆俊君 私は、都市計画法の権限移譲問題、さらに開発許可の権限、市町村のマスタープラン等について、幾つか質問をいたします。
 政府案でいきますと、住環境の保護等を図るという趣旨から住居系の用途地域を細分化していますが、これに関する都市計画決定については現行法のままとなっております。すなわち、首都圏整備法の近郊整備地帯など、大都市圏の区域等では用途地域を都道府県知事決定にし、かつ建設大臣の認可を要することになっております。これ以外の地域については市町村決定で知事の承認を得るということになっておりますが、大都市圏の区域におい文用途地域を知事決定にして、かつ建設大臣の認可を必要としている、その理由についてまずお尋ねをいたします。
#4
○政府委員(市川一朗君) 大都市圏におきましては、実態上の都市が行政区域を越えて発展しておるわけでございまして、市町村相互に緊密な関係を有していると考えております。したがいまして、用途や容積率を決定するに当たりましては、一つの市町村の区域を越える広域の見地から調整を図る必要があるとされておりまして、知事が用途地域を決定することとなっているところでございます。
 知事が決定することになります都市計画のうちで三大都市圏の既成市街地等につきまして、特にいわゆる都府県の区域を越えた調整が必要な区域という認識もございまして、こういったものにつきましては建設大臣の認可を要する、そういう考え方で整理されておるものでございます。
#5
○野別隆俊君 建設省では、用途地域に関する都市計画を認可する段階で具体的にどのような観点で調整がなされているのか、この点をちょっとお伺いいたします。
#6
○政府委員(市川一朗君) 先ほど御答弁申し上げましたように、かなり広い意味での広域的な調整の必要性、あるいは国土政策上の重要な地域であるというところで建設大臣が認可を要するということになっておるわけでございまして、したがいまして、その建設大臣の認可に当たりましては、そういう観点から、まず基本的には全国総合開発計画、あるいは首都圏整備計画といったような計画が三大都市圏では定まっておりますが、そういった上位計画との整合性を持った都市機能が適切に配置されることとなるものであるかどうか、あるいは特に大都市地域におきましては住宅供給という極めて重要なテーマがあるという考え方に立ちまして、住宅供給の促進に資するものであるかどうかといったようなことが建設大臣が認可に当たりまして配慮をしている観点でございます。
#7
○野別隆俊君 建設省は、地区計画や地区計画における誘導容積制度を弾力的に運用することによって市町村がその地域の実情に合ったきめ細かな建築規制を行うことができるとしておりますが、そもそも用途地域の決定権限が市町村にあるとすれば、権限を市町村に移譲した方がきめ細かい運用が十分可能になるのではないか、この点についてはどうですか。
#8
○政府委員(市川一朗君) 用途地域につきましては、地区レベルのきめ細かな土地利用計画を定めることを目的とするよりは、むしろその都市全体の観点から、あるいは先ほど申し上げましたようなもう少し広い広域的な観点から、人口、産業等の将来の見通し等を踏まえまして、都市基盤施設との整合を図りながら、住居、商業、工業その他の用途及び密度の配分を定めることによりまして都市の規模も定めていく、こういう考え方に立つ都市計画でございます。
 したがいまして、そういったようなところで大枠が用途地域で定められている中におきまして、地区ごとといいますか、地域の特性に応じたきめの細かな土地利用規制としての地区計画等が行われるということが、トータルとしてのバランスのとれた町づくりができるという考え方に立っておるところでございます。
#9
○野別隆俊君 この点につきましては、社会党案は、市町村の自主性、自立性を尊重したものとなっていると思いますが、用途地域などの決定手続についてどのようになっているのか、この点をお伺いいたします。
#10
○委員以外の議員(岩本久人君) 私どもの社会党の案では、既にお配りしておりますから御存じかと思いますが、国や都道府県知事がこの問題に関与するのは、すべての市町村で都市計画区域全体のマスタープランにおける土地利用の方針まででございまして、具体的な用途地域を決定するのは市町村であるというふうにいたしております。また、市町村が決めるに当たりましては、いわゆる公聴会等を通じて各市町村ごとのマスタープランを設定し、そして議会の議決を経て基本方針を決める、このような手続にいたしております。
 したがいまして、こういうことをいたしますと、第一にそれぞれの町の将来のあるべき姿について地域住民のコンセンサスを得ることができるんではないか、これが一つです。
 そして、具体的な用途地域を決めるに当たっても、私たちの案では、用途地域も特別用途地区も市町村の権限として、地区計画と同様に住民参加や議会の権限を拡充した手続によって進められることで、その内容についてもきめ細かな運用が可能になるのではないか、このように考えております。
#11
○野別隆俊君 社会党案は、用途地域の見直しについて政府案よりさらに細分化をして、住居系にかかわる多様なニーズにこたえられるようになっておるようでありますが、政府案と同様にメニューをふやしても用途地域の決定権限が市町村になければ何にもならないのでありまして、基礎自治体の自主性、自立性を尊重する上でこれらの権限を基礎自治体に移譲すべきである。行革審においても地方分権の立場から検討が進められておりますが、この際、都市計画に関する権限の移譲を行い、地方のきめ細かな町づくりに資するようにしたらどうかと思うのでありますが、この点について建設省並びに自治省の見解をお尋ねいたします。
#12
○政府委員(市川一朗君) 都市計画は町づくりの最も基本的な手法の一つでございまして、地方公共団体、特に御指摘がございましたように基礎的自治体である市町村が住民の意見を十分反映させながら主体的に推進していくことが重要であると考えております。
 こういう考え方に立ちまして昭和四十三年の現行都市計画法の施行の際に、従来国が行うこととされておりました都市計画決定を原則として市町村が行い、広域的、根幹的なものにつきまして都道府県知事が行うということにいたしまして、決定権限はすべて地方に移譲されておるところでございます。
 市町村と知事の権限配分も含めました都市計画の権限配分につきましては、従来より地方の自主性尊重の観点から必要な見直しも行ってまいってきたところでございますが、今回の改正案におきましては、市町村の都市計画に関する基本的な方針の創設等、市町村の権限の拡充に極力努めたつもりでございます。今後ともこういう方向に沿いまして一層の権限移譲等に努めてまいりたいと考えております。
#13
○野別隆俊君 自治にはお見えになったら伺うことにして、次に、開発計画の権限について幾つかお尋ねをいたします。
 建築基準法四条第一項の規定で建築主事を置くことになっておりますが、市の人口を二十五万人とした理由、この点をお尋ねいたします。
#14
○政府委員(立石真君) まず、建築基準法第四条一項によりまして人口二十五万以上の市について建築主事の設置が義務づけられております理由でございますけれども、人口二十五万人以上という市であるならば当該地域における建築活動は活発である、そしてまた職員の配置あるいは能力等から見まして行政上も財政上も執行能力が期待できる、そういうようなことを考慮して定められたものでございます。
 なお、この規定が置かれました昭和四十五年当時におきましては、人口二十五万人以上の市については六〇%以上の市が建築主事をそれまでに設置していたという状況を踏まえまして、過半が建築主事を置いているのであるならばという見解から二十五万人以上と定めたところとなっております。
#15
○野別隆俊君 では、建築基準法第四条二項の規定によって特定行政庁となっている市はどのくらいあるのか、お尋ねをいたします。
#16
○政府委員(立石真君) まず、先ほど申し上げました設置が義務づけられている二十五万人以上の市で、特定行政庁となっている市が七十九ございます。そしてそれ以外に、十万人以上二十五万人未満の市は百二十七市ございますが、そのうち特定行政庁となっている市は八十二市でございます。
 なお、この場合、特定行政庁には二種類ございまして、義務づけられている市と同等の権限を有するいわゆる一般特定行政庁は五十市、また、小規模の建築物に限ってだけ建築確認等の事務を行ういわゆる限定特定行政庁が三十二市ということで、八十二市が特定行政庁になっているところでございます。
#17
○野別隆俊君 そうなれば、十万人以上の市が加わったが、人口十万人以上の市に限定した理由をお聞かせ願いたい。
#18
○政府委員(立石真君) 今のは建築主事の話で十万人以上に限定した理由ということでございますか。
#19
○野別隆俊君 はい。
#20
○政府委員(立石真君) 建築主事を置く特定行政庁につきましては、十万人以上というような限定はございませんで、十万人以下の市であっても建築主事を置くことができることになっておりまして、十万人以下の六十七市町で特定行政庁が置かれているところでございまして、全部を合計いたしますと、二十五万人以上が八十一、十万人から二十五万人未満が八十三、十万人未満で六十七特定行政庁がございますので、現在二百三十一の特定行政庁が置かれている状況でございます。
#21
○野別隆俊君 自治省が来られたようでございますから、再度質問をいたします。
 社会党案は、用途地域の見直しについて、政府案よりさらに細分化して、住居系にかかわる多様なニーズにこたえられるようになっておるわけでありますが、政府案と同様にメニューをふやしても、用途地域の決定権限が市町村になければこの効果は上がりませんので、そこで、基礎自治体の自主性、自立性を尊重する上で、これらの権限を基礎自治体に移譲すべきである。行政改革審議会においても地方分権の立場から検討が行われてきていると思いますが、この際、都市計画に関する権限の移譲を行って、地方のきめ細かな町づくりに資するようにすべきである、このように思うのでありますが、自治省の見解をお尋ねいたします。
#22
○説明員(松本英昭君) お答え申し上げます。
 行政事務につきましては、先生御指摘のようにできるだけ住民に身近なところで処理をしていく、そして住民のそれぞれの意思が反映しやすいようにしていくということが適当である、これはもうかねてから私どもの主張でございます。また、国土の均衡ある発展ということを考えてまいります際に、国から地方への権限移譲を行って、地方が多様な国土づくり、地域づくりができるようにしていくということも大切ではないかと考えているわけでございます。
 そういうことから、先生御指摘のように、できる限り市町村に事務を移譲していくという方向は、私どもとしてもこれまでもさようなことで努めてまいってきたつもりでございます。特にこのような観点から、二十一次の地方制度調査会におきましても、都市計画等に係る権限の移譲を答申されているところでございますし、また行革審におきましても、国から地方への権限移譲等を進めるべきとされ、さらに国と地方の機能分担等に当たっては基礎的自治体の役割を重視すべきであるという答申がなされているところでございます。
 さような観点から、御指摘のような点も含め、都市計画の体系全体の中で今後さらに市町村への権限移譲等を進めるべく、私どもも努力してまいりたいと考えている次第でございます。
#23
○野別隆俊君 建築行政を行っている市については、建築行政と開発許可等を連動して運用する方が望ましいと思います。建築確認を行うことができるのであれば相当の能力があるといってもよいのではないか。したがって、人口十万人未満の市あ場合でも、その市が希望すれば、開発許可による事務を委任することを可能にすべきではないか。
 いずれにせよ、事務処理能力の問題であろうと思いますが、法律で人口十万人以上の市に限定することにしたことは、私はこれは合理性に欠けるものだと思いますが、この点についてお伺いいたします。
#24
○政府委員(伴襄君) 現在、都市計画法上、開発許可に関する権限は人口十万以上の市に限っておりまして、建築確認行政とは違う点を今御指摘でございますけれども、実は開発許可に関する事務をこういうふうに十万以上の市に限っておりますのは、この開発許可に関する事務が非常にいろんな知識、経験を必要とする、例えば都市計画とか土木とか建築とか、あるいは法律等々広範にわたる事務でございますし、したがって専門職員の確保等執行体制の整備が非常に難しいということ、それからもう一つは、事務執行の統一性、公平性という観点からも余り小さな市にまで委任するといろいろ問題があるということからでございます。
 現に現在政令市を除きます十万人以上の市、これは百九十六ございますが、今十万以上は全部おろせるわけですけれども、開発許可に関する事務が全部委任されている市は百九十六のうち三十五市でございまして、したがいまして一八%にすぎないわけでございます。残りの八二%は全面委任されていない。一部委任されている市がございますが、それを合わせましても百三十二市でございますから、それでも全体の三分の二。したがって、全体の三分の一は全く委任されてないという状況でありまして、十万人以上の市でも十分委任されてないという状況にあるわけでございます。
 建築確認事務と開発許可事務のお話がございましたけれども、御案内のとおり、建築確認事務は建築物に関する規制、開発許可事務は開発行為という宅地造成に関する規制を主な内容といたしまして、したがって事務の内容は同一ではありませんし、実務上も別な課や係でやっております。
 したがって、建築確認に関する事務を行っているからといって開発許可を担当することができる体制が整っているということは直ちに言えないんじゃないかなという気がするわけです。特に開発許可という事務は、技術基準の審査、技術的定型的な処理だけでなくて、許可していいかどうかという立地要件の審査が大変難しいというようなことでございます。したがって、今人口十万人以上の特定行政庁の市であるにもかかわらず開発許可の委任がなされてない市が四十四市もあるわけであります。
 もう一つは、実際に開発許可に関する事務を都道府県知事が市に委任するという場合には、事務引き継ぎとか研修というようなことが必要なわけでございます。そのために県から市に対していろんな支援をするわけでございますが、通常どうやっているかと申しますと、まず委任予定市の職員に県へ来てもらいまして研修をやる、その後、委任市になってから今度は県の方から委任市の方に数年間県の職員が行くといったようなことをやりまして、その後も定期的あるいは継続的に研修を行うといったようなことをやっておりまして、大変事務引き継ぎや研修に非常に労力も時間も要するわけでございます。したがって、十万人未満の市に委任するとしてもかなり実際の人材確保の支援が難しいんじゃないかなという気がいたします。
 そこで、建設省としましては、十万人以上の市が今十分に委任されておりませんので、その委任を第一義にまず進めていきたいというふうに考えております。
#25
○野別隆俊君 次に、市町村のプランについてお尋ねいたします。
 特にこのマスタープランは都市づくりの憲法であると言われておりまして、これを充実、拡充をするためには、都市の将来像と地域における都市づくりの課題と整備の方針を明らかにすることは極めてこれは重要なことであります。
 そのために、都市計画の中央審議会答申では、線引きに際して都道府県知事が定める「整備、開発又は保全の方針」、いわゆる整・開・保の充実、新たに市町村のマスタープランの創設を提言されておるわけありまして、これを受けて政府改正案には市町村のマスタープランが盛り込まれております。しかも、衆議院においてもさきの国会で「定めることができる」ということから、社会党案にあるように「定めるものとする」、こういうふうに策定が義務づけられることになったと思います。
 そこで、建設省として、市町村におけるマスタープランの推進について市町村をどのように指導していかれるつもりか、また、全国の市町村で策定が完了するのにどの程度の期間を要するのか、お伺いをいたします。
#26
○政府委員(市川一朗君) 市町村の都市計画に関する基本的な方針、いわゆる市町村のマスタープランにつきまして、ただいま先生から貴重な御指摘をいただいているわけでございます。
 私どもといたしましても、この新しい制度ができるだけすべての市町村において活用されるように期待しておるところでございまして、そのためには、建設省といたしましては、何といいましてもその制度の趣旨、内容について十分に市町村に理解していただくことが一番大事だと思っておりまして、説明会はもちろんのこと、職員の方々に対します研修なども含めましていろいろと工夫してまいりたいと思っております。
 特に、そのマスタープランが実効性があるものといいますか、私どもが期待する線に沿ったものとなるためには、それぞれの市町村の特性に応じました自主性といいますか、創意工夫がなされることが必要でございますし、また、それに関します市民の方々の御理解、コンセンサスということも極めて重要であると思いますので、その辺につきましても情熱を傾けて各市町村で取り組んでもらいたい、こういうふうに思っているところでございます。
 したがいまして、いつごろまでに全国の市町村で策定事務が完了するのかというお尋ねに関しましては、できるだけ早くやってもらいたいという気持ちがないわけでもございませんが、むしろ、それぞれの市町村の実態、地域の実情に応じた内容のあるものにしていただきたいということでございまして、いたずらに形式に走るようなマスタープランではまた策定の意味もございません。そういう意味におきまして、私どもといたしましては、いついつまでに定めるようにとか、そういったような形で市町村を指導するというよりは、内容めいいマスタープランづくりに努めてもらいたいということで指導してまいりたいと思っております。
 そういう意味では少々時間がかかってもやむを得ないのではないかなというくらいの気持ちで取り組みたいと今のところは思っているところでございます。
#27
○野別隆俊君 次に、本法案の十八条の二の第四項には、市町村が定める都市計画はマスタープランに即したものでなければならないと規定をしています。
   〔委員長退席、理事種田誠君着席〕
これら都市計画を定める市町村はまずマスタープランを策定しそれに即して都市計画を決定できますが、既に都市計画を決定している町村においては、逆に都市計画に即してマスタープランを策定しなければならなくなってくるのではないか、この四項の規定はマスタープランの内容にどのような拘束力を持つのか、建設省の見解を伺いたいと思います。
#28
○政府委員(市川一朗君) 第十八条の二の四項に「市町村が定める都市計画は、基本方針が定められているときは、当該基本方針に即したものでなければならない。」というふうになっておりまして、先生の御質問はその点に関するお尋ねと思います。
 私どもといたしましては、まず初めにマスタープランありきでございまして、そのマスタープランに従って具体の都市計画が決まっていくということが、市民レベル、住民レベルにおきましてもこの都市計画の持つ本来的意味が理解できるというふうに考えておるわけでございます。
 ただ、経過的な問題といいますか、そういったようなところで、現在はこの基本的な方針がまだないわけでございますので初めに都市計画が先行しておるわけでございます。したがいまして、この基本的な方針、マスタープランを定める過程で具体的なビジョンが出てまいりまして、その基本的な方針の内容から見ますと、現在定められている都市計画の内容がそれに合わないという場合も考えられるわけでございます。
 そういう場合におきましては、せっかく定めるマスタープランであり基本的な方針でございますから、それに合ったような形で具体の都市計画も変更するといったようなことが必要になってくるのではないか、そういうふうに思っておるところでございます。
#29
○野別隆俊君 次に、都市計画中央審議会の答申では、市町村による都市計画のマスタープランにおいて地区計画等の策定を推進すべき地区を明示する必要がある、このように提言しているのでありますが、地区計画制度の積極的活用を図るためにもマスタープランの中で地区計画を策定すべき場所等を明示するよう指導すべきと考えますが、建設省と社会党のマスタープランの違いを建設省はどのように考えているか、お伺いをいたします。
#30
○政府委員(市川一朗君) ただいま御指摘ございましたように、市町村の都市計画に関する基本的な方針であるマスタープランにおきまして、それぞれの市町村が地域の特性に配慮しながら町づくりのビジョンを具体的に定めていく過程におきまして、地区計画につきまして、その地区計画等を策定すべき区域を明示するといったようなことは重要なテーマである、できるだけそういうふうにすべきであるというふうに考えておりまして、この点に関しましては、今後通達等によりましてさらなるアピールをしてまいりたいと思っておるところでございます。
 その点におきまして基本的な考え方はそう違っていないと思いますけれども、社会党案の場合には、その中で期間の定めがあるように理解をしております。
 しかし、私どもといたしましては、余り特定の期間内に地区計画を策定すべき区域を明示するということになりますと、地区計画の策定をすることが望ましい、すべきであるというところで処理していただきたいというのが、逆にその地区計画の策定がある程度予定されているところに限定されていくということもございますので、その辺につきましては、できるだけ将来にわたって策定すべき地区を網羅的に明示することの方が意義があるのではないかと考えておるところでございます。
 この辺が果たして私どもの案と社会党案とが食い違っているのかどうか、基本的な考え方につきましてはそう食い違っていないと思うのでございますが、あえて申し上げまするならばそんなところがちょっと違うかなというふうに思っているところでございます。
#31
○野別隆俊君 市町村のマスタープランが創設されることに伴いまして、都市計画のマスタープランは、都道府県知事が定めるマスタープランの整・開・保と、市町村が定めるマスタープランの基本方針、この二本立てとなっておるようでありますが、両マスタープランの関係、位置づけを建設省としてはどのように認識しておられるのか、また市町村のマスタープランが創設されることによって都道府県知事が定める整・開・保の内容はどう変わることになるのか、この点についてお伺いいたします。
#32
○政府委員(市川一朗君) 市街化区域及び市街化調整区域の区域区分を都市が決定する際に、その内容として「整備、開発又は保全の方針」を定めるということになっておりますので、このいわゆる整・開・保は都市計画区域全体の観点から定めるマスタープランでございますし、また線引きの内容としての意味も強く持っておるものでございます。
 それに対しまして、今回創設することとなります市町村の都市計画に関する基本的な方針は、それぞれの市町村の具体的な町づくりのビジョンを明確に示す非常に地域に密着している計画、方針であるというふうに考えておるところでございまして、そういった点でもやや内容が異なってくるわけでございますが、別な観点から見ますと、いずれも地域の町づくりという観点では同じ方向を向いておるわけでございまして、お互いにそこのところは整合性がとれるものと思っておるところでございます。
 ただ、二つのものとをあえて比較いたしますと、市単位あるいは町単位の都市計画に関する極めて具体的な方針につきましては、今後は市町村の基本方針の方に具体的に書き込まれ定められていくということになると思いますので、その限りにおきまして、今までの「整備、開発又は保全の方針」の中でやや個々の市町村といいますか地域に密着した事項が定められている部分があるとするならば、そういったようなものは今後は市町村のマスタープランの方に移行していって、いわゆる整・開・保の方は都市計画区域全体についてのビジョンといったようなことでお互いが整理されていくようになるのではないか、またその方がよろしいのではないかというふうに考えておるところでございます。
#33
○野別隆俊君 市町村のマスタープランは、当該市町村の建設に関する基本構想に即して定められることになっておるわけでありますが、この基本構想とマスタープランの性格や内容の違いについて建設省と自治省はどのように考えておられるか、お伺いいたします。
#34
○政府委員(市川一朗君) 自治省の審議官が見えておられますので後ほどより専門的な御答弁がいただけるかと思いますけれども、市町村の基本構想は地方自治法に規定されておるわけでございますが、私どもの方で考えております市町村の都市計画に関する基本的な方針につきましては、政府案を決める際に、自治省とも十分協議しながら、地方自治法に基づく基本構想に即して定めるということにさせていただいておるところでございます。
 市町村の基本構想は、当該市町村の振興発展の将来図といいますか、あるいはこれを達成するために必要な基本的な事項、大綱を定めていくものと理解しておりますが、市町村の都市計画に関する基本的な方針の方につきましては、最終的に個々の都市計画で具体的に決められていくことになります。その内容につきまして、将来の市町村がどういった形で町づくりがなされるのかということがこの基本方針で明らかにされて、そしてその具体的な都市計画がそういう意味でどういう位置づけになるのかということがよく理解できるような、そういう非常に具体的なビジョンづくりといいますか方針ということを考えておりますので、その辺がまず違ってくると思います。
 現実にでき上がったものを比べてみるとよくわかると思いますけれども、どちらかといいますと、市町村の基本構想はやや文章中心の基本方針になっておるのではないかと思いますが、この都市計画に関する基本的方針は、仮に文章が多いといたしましても、最終的にはやはり図面表示によって極めて明確にわかるような内容でなければ余り意味がないといったふうに考えておりまして、両方できてまいりますと、その辺が違いとしてかなり明確に違いが出てくるのではなけかというふうに思っておるところでございます。
#35
○説明員(松本英昭君) お答え申し上げます。
 市町村の基本構想は、先生御指摘のように、議会の議決を経て定める当該地域における総合的かつ計画的な行政運営のための計画でございます。基本構想におきましては、当該市町村の存立しております地域社会についての現状認識とか、あるいは将来への見通しを基礎といたしまして、その地域の振興発展の将来図及びこれを達成するために必要な施策の大綱が定められていることになっております。
 したがいまして、市町村の基本構想は、第一に、市町村の運営、経営の最も根幹的かつ総合的な構想であるということ、それから第二に、行政の分野や地方公共団体の活動の性格、例えばそれがハード事業であるとかソフト事業であるとかということなどを問わないでカバーするものであるということでございます。ただ、その具体的な内容や表現の方法については、これはあくまで市町村の自主的な判断にお任せするということにいたしておるところでございます。
 一方、今回の改正案によります都市計画に関する基本方針は、ただいま建設省の方から御答弁があったとおりではないかと思う次第でございます。
 したがいまして、この点につきましても、ただいま都市局長の方から御答弁がありましたとおり、具体性あるいはその表現の方式等において一般的な差異はあろうかと考えておるところでございます。
#36
○野別隆俊君 次に、市町村のマスタープランは地域の整備、開発の指針となるものであるだけに、住民の意向を十分反映していかなければならない、このように私は考えるわけでありますが、本法案の第十八条の二の第二項には、「市町村は、基本方針を定めようとするときは、あらかじめ、公聴会の開催等住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。」、こういうふうに規定されているのでありますが、公聴会の開催はマスタープラン策定上極めて重要なことであると思いますが、建設省のこの点についての御見解、また住民の意思を反映させるためには公聴会のほかにどのような措置を考えているのか、この点についてお伺いをいたしたいと思います。
#37
○政府委員(市川一朗君) 御指摘ございましたように、市町村の都市計画に関する基本的な方針につきましては、この方針の内容が実効性を高めるという意味合いも含めまして、住民の意見を十分反映させながら定めることが極めて重要であるというふうに認識しておる次第でございます。したがいまして、十八条の二の第二項におきましても、そういった住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるということにつきまして、義務づけ的な規定も設けられておるところでございます。
 この場合におきまして、公聴会の開催ということが一番代表的な例示として挙がっておりますけれども、私どもといたしましては、公聴会の開催も念頭に置きながら、それ以外のいろんな方法、公聴会以外でございますと例えば説明会とかあるいは地区協議会の開催、場合によりましては審議会を設けましてそこへ付議する、あるいはアンケートの実施、意見書の提出、その他まだまだいろんなことが考えられると思いますが、そういったことを講ずる。
 それぞれの市町村の実態に応じまして、また市町村の規模の大小によりましてもかなり違いが出てくる、影響してくると思っておりますが、そういった相違も含めまして、市町村が自主的な判断をなさいまして最も的確な措置が講じられるようにしていただきたいというふうに考えているところでございます。
#38
○野別隆俊君 次に、用途地域の指定のない区域の規制についてお尋ねします。
 これまで、用途地域の指定のない区域すなわち白地地域における形態制限は、非常に甘かったと思います。この点については今回の政府案は改善が図られておりますが、まだまだこれには踏み込みが足りないのではないか。そのこともあって、衆議院において修正がなされたようでございますが、それでもまだ政府案と社会党案にはかなりな開きがあります。
 そこで私は、この容積率、建ぺい率の指定手続についてお尋ねをしてみたいと思います。
 政府案においては、用途地域の指定のない区域であっても、一部の地域においては容積率や建ぺい率の制限を強化したりできるとされているわけでありますが、こうした地域の指定手続は法律上はどのようになるのか、この点についてお伺いいたします。
#39
○政府委員(立石真君) 今回の政府改正案におきましては、容積率、建ぺい率の制限をそれぞれ二〇〇%、六〇%に強化することができることとしたところでございます。そして、先生御指摘のように、衆議院の修正におきまして、さらに厳しいメニューが追加されたところでございます。
 まず、これらの制限の強化の仕方についてでございますが、政府案の段階では、特定行政庁が都市計画地方審議会の議を経て指定する区域内では通常四〇〇、七〇にかわって二〇〇%の容積率と六〇%の建ぺい率を適用することとしていたところでございます。しかし、これに加えて、衆議院でより厳しいメニューが追加されたということでございますので、メニューの選択の仕方が手続の中に組み込まれまして、衆議院の修正の結果、適用すべき容積率、建ぺい率の数値につきましても、特定行政庁が都市計画地方審議会の議を経て定めることとなったところでございます。
#40
○野別隆俊君 次に、手続の問題でありますが、用途地域が指定される場合と比較してどのように異なるのか、そして、住民の意見を反映する手続などは法律上定められているのではないか、用途地域を指定する場合に比べて均衡を失することにならないのか。この点と、さらに、原則的には容積率、建ぺい率がそれぞれ四〇〇%から七〇%が維持されるわけでありますが、特定の行政庁が例外的にこれを低い率に定めることになると、これは非常に消極的なものになるおそれがあるわけでありますが、この点についてはいかがですか。
#41
○政府委員(立石真君) まず、区域の指定に当たりまして住民の意見をどのようにくみ上げるかという手続についてでございます。
 法律の中では住民の意見の反映についての手続は定められていないところでございますが、行政実務上こういうようにしたいということで考えているところを述べさせていただきたいと考えております。
 まず、用途地域の指定のない白地地域で容積率と建ぺい率を強化するに当たりましては、先ほど申し上げましたように、都市計画地方審議会の議を経ることになっているところでございますが、これに加えて、必要な手続については特定行政庁がその規則で定めることになっているところでございます。
 用途地域の指定のない区域でそれではどのように具体化するかということでございますが、地域の実情に即しまして、特定行政庁が一定期間の縦覧の実施をするなどの必要な手続を規則で定めて地域住民の意見を十分に反映するように特定行政庁を指導してまいりたいと考えているところでございます。
 また、第二点の、一般的には原則緩やかな制限しかなされないので消極的になるのではないかという御指摘についてでございます。
 大規模なリゾートマンション等が無秩序に建って土地利用の混乱があるというような白地地域におきましては、白地地域の性格上この区域がどのような土地利用をすべきかということが明確に示されていないという地域になるわけでございますので、こういう地域につきまして一律に強化した数値を適用するということは必ずしも適当でないものと考えているところでございますが、今回いろいろな容積率、建ぺい率を指定することができるということになりましたならば、それぞれの地域の無秩序な建築の状況をしっかりととらえまして、特定行政庁が指定する区域において適切な容積率制限等を行うように指導していきたいと考えているところでございます。
#42
○野別隆俊君 社会党にお尋ねいたします。
 社会党案では、都市計画区域内の用途地域が指定されない区域において容積率や建ぺい率の制限を強化する場合の手続はどのようになっているのか、お伺いします。
#43
○委員以外の議員(岩本久人君) いわゆる白地地域についてでございますが、実際にどういった地域にどのような容積率が指定されるかということは、具体的な一つの都市計画であります。したがいまして、用途地域を指定する場合と同様に、具体的な案の縦覧から意見書の提出を経て、さらに市町村の議会の議決を経て定める、こういうことになろうかと思います。
#44
○野別隆俊君 以上質問申し上げましたが、何といいましても住みよい地域づくりを進めていく上においては住民参加が極めて重要であります。そして、住民の意思を十分取り入れて、また中央の権限をできるだけ地方に移譲して、そして住民の意思による地域づくりを進めていくことが今日ほど重要なときはない、このように考えるわけであります。
 こういったことを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
#45
○西野康雄君 先週に引き続きましての建設委員会の質問でございます。労働委員会の方で、二週間ほど質問がないならばおまえ建設委員会の方に回れ、こういうことでまたここで質問をさせられるわけで、市川局長に言わせると、とんだとばっちりで、こういうことになるわけでございますが、おかげさまで質問のためによく勉強もさせていただきました。
 僕は町を見るのが好きでして、いろんな町を眺めて、講演なんかをする場合でも会場まで行くときにはタクシーに乗らずにできるだけ歩いて町を見るというふうなことで、そうすると、何か町づくりだとかいろんなものがどこかで硬直化しているなというふうに思うことがあるわけです。例えばこの間も、近鉄の奈良線に乗って富雄という駅におりました。駅前にバスターミナルがあってタクシー乗り場があって再開発ビルがあってというふうな感じで、そして富雄川という川が流れておりますが、これまたコンクリート固めで魚一匹おらない。歩きながら、これは困ったことだばと思いました。この間も、沖永良部へ行きまして、知名町といつところへ行きました。ずっとぶらぶらと海岸を歩いておりますと、船一そう停泊していない港がめったんですね、住吉港という。地元の人に、この港使っているんですかと聞きますと、いや、もつ使っていないんですよ、それどころか大変な塩害でございまして、と言う。テトラポットだとかあるいは埠頭がコンクリートなものですから、波が当たるんですね。波が当たって、それが風に運ばれていって近所の田畑に落ちて、大変な塩害を引き起こしている。コンクリートで固めていくと、えらいこういことになる。
 セメント業界の懇親会の出席者リストを見たりするとさもありなんと思いながらも、ところが、まだそこには別個の港を今つくっておるんですね。何というむだなことをするんだろうかと思ったりもしております。
 石川県の羽咋市というところへ行きますと、ここはまだそういうふうなことがないのかなと思って商店街を通ると、金物屋さんがあって、きれいな水が流れている川がある。そしてお寺があって、その前に地鳥を売っている鳥肉屋さんがある。お寺の裏には神社がある。大体そういうふうなことで個性のある町はわかるんですね。この間、これは質問じゃないんですけれども、アイデアとしてこれはおもしろいなと思ったのは、芦屋を歩いておりましたら、打出というところを歩いておりますと、ビルの壁面なんですけれども花がいっぱいなんですね。花が咲いている。今までビルの壁面にツタをはわしているというのはよく見ることがあったんですけれども、そうじゃないんですね。そばに寄ってじっとどういう装置なのかなと見てみると、塩化ビニールのパイプが通っているんですね。そこの中に恐らく土か土状のものを詰めてあるんでしょうね。そしてその間から草花の根を生やしているんですね。もちろんネットを張ってある。液肥かなんかを下から吸い上げているんでしょう。
 これは町づくりにはいいアイデアだな、大都会がヒートアイランド化している中で熱の吸収源にもなるし、実にいいアイデアだ、園芸技術がここまで進んだんだなと私自身感心して見ておりました。ツタをはわすというのもいいんですけれども、都会では花畑みたいなものは平面ではもうできへんのですから、これは建設省が音頭をとって、園芸技術家を呼んで、どこまで可能なのかわかりませんけれども、やってみたらどうですか。実にいいビルの壁面づくりをそこはしていたんですね。
 そういうふうなことをやっていると、町じゅうがいろんな花であふれてくる。あるいは、道路の橋脚というんですか、あれだって、コンクリートむき出しのところですから、ああいうところにうまくそういうふうな花をくっつけていくとか。
 今まで、こんなポットをつるしているのはありますけれども、そうじゃないんですね。これはいいアイデアだなと思ったものですから、頭の片隅にちょっとだけ置いておいていただきたいなと思うわけです。こういう町づくりというんですかビルづくりをしている例もあったということだけ、御報告いたします。
 何でごちゃごちゃしゃべっているかというと、前の質問者がちょっと早う終わりましたんで、これは時間稼ぎせんならぬなと思ったものですからお話ししたわけですけれども。
 本法案の政府案の眼目は、土地利用を規制する用途地域を現行の八種から十二種に拡大をしておりますが、これはよりきめ細かく規制をして投機を防いで良好な町づくりを進めるところにねらいがあると思うんですけれども、どうですか。
#46
○政府委員(市川一朗君) お許しをいただきまして、ただいまの御質問にお答えする前に、その前の部分につきましてちょっと私の方からもコメントさせていただきたいと思いますが、大変貴重なアドバイスをいただいたと思いますし、またそういう場所があるという御指摘をいただきまして私どもも大変感激して聞いておったわけでございます。
 実は二年前に大阪で花と緑の博覧会を開きまして、その博覧会が成功裏に終わりました。私どもは、その理念をどういうふうにして今後継承させていくべきかということにつきまして、最も一番ポイントはそういった町づくりに花と緑のテーマを継続させていく、それがヒートアイランド化の方向にもつながるということであるというふうに認識しております。実は私、あの花博のときに、今まで花や緑は土に育つものと思っておったわけでございますが、あの花博に向けた技術開発の過程で土にかわる素材といったものがいっぱい開発されまして、それをうまく活用いたしますと、屋上とかあるいは壁等でも花や緑を育てることができるということで、本当にびっくりいたしました。
 ちょっと我田引水でございますが、緑化推進機構という組織も早速つくらせていただきまして、そこを中心にしてこれからの重要なテーマとして取り組んでいこうということをやっているやさきでございましたので、ただいまの西野先生の御指摘を早速伝えまして、これが全国的な展開になるように私ども頑張ってまいりたいと思う次第でございます。大変ありがとうございました。
 それで、お尋ねの件でございますが、この用途地域を現行八種類から十二種類に拡大いたしまして、さらに特別用途地区というのも二つ新しく設けました。そういったようなことによりましてよりきめ細かな規制をいたしまして、投機的な取引等も封じ込めながら良好な町づくりを進めていく、そういったような観点で御提案申し上げているところでございます。
#47
○西野康雄君 良好な町づくりあるいは投機を防ぐということはお答えでわかったわけですが、ところが、本法案を見ておるとやっぱり日本全国金太郎あめかなという感が免れないんですね。どんな町づくりを目指しているのかという理念みたいなものが見えてこない。もう少し理念みたいなものがはっきり出てくるようにならないかなと思うわけですが、一体、政府としてはどんな町づくりをしていこうというか、どんな理念を持っているのかということをお聞かせ願いたいと思いますし、これは発議者の社会党にも聞きたいと思っております。
#48
○政府委員(市川一朗君) 私どもの用途地域の細分化につきましては、発想の原点が今回の地価高騰を背景といたしました住宅地の地価の上昇あるいは都心の空洞化といったようなことに都市計画としてもっときちっと対応すべきではないかといったところにございましたので、そういう意味におきましては、特に東京を中心とする大都市における現象に対応するといったようなところが一つの出発点ではなかったのかなというふうに思っているわけでございます。
 したがって、今回の用途地域制度が私どもが想定しておりますような形で適切に都市計画決定されまするならば、また新しい地価高騰等のおそれが出てまいりましたときに事務所ビル等が住宅地へ無秩序に進出して住宅地の地価が上がる、そして住宅が追い出されて事務所ビル化していくと、結果として夜間人口が減少し、都心が空洞化していく、こういったようなことを都市計画のサイドから食いとめることができるのではないかというふうに考えておるわけでございますが、こういったのは大体かなり大きな大都市の問題だと思います。
 それから、地方におきましてもこれからはいろんな町づくりが展開されてまいるわけでございますが、何といいましても地方の持つ魅力の一つに住宅という問題が私どもあると思っております。その住宅は、価格という面で地方は大都市よりも圧倒的に優位に立つわけでございますが、住環境という面におきましても現在より以上に良好な住環境が確保されるということが極めて重要であろうと思っておりまして、そういう意味におきましては現在既に低層の住宅街として確保されておるようなところにつきましてよりきめ細やかな都市計画を行いまして、それが良好に継続的に確保されるというようなことが望まれてくるのではないかと思っております。
 それやこれや大都市と地方の違いを申し上げましたが、またそれぞれの都市におきます歴史的な面あるいは自然的な条件の違いもございますので、そういったようなところにできるだけきめ細かく応じていただきまして、地域特性に応じた都市計画決定をしていただくということになりまするならば、ただいま先生が御懸念なさいましたような、全国金太郎あめ的な都市づくりということにはならないで済むのではないかというふうに考えておる次第でございます。
 少なくとも建設省がいろいろと今後都市計画行政を指導していく場合におきましては、そういったふうにならないように十分念頭に置きながら、むしろ個性豊かな町づくりの方向に進むように今回の制度改正を十分活用してもらえる、特にそういった意味合いにおきまして市町村のマスタープランづくりといったものが極めて重要に機能してくるというふうに考えておる次第でございます。
#49
○委員以外の議員(青木薪次君) 個性ある町づくりということは、今、西野委員が非常にユニークな発想のもとにお話しになりましたけれども、私も実は感心をいたして聞いておりました。
 日本の都市づくりということを考えてみますと、戦前は近代化のために欧米先進国に追いつけ追い越せという考え方、戦後は焼け跡からの復興ということで、どうしても画一的な町づくり、これに金太郎あめという名前をつけられたわけでありますが、なるほどなと聞いておりました。
 一面、それが経済的には効果的であり今日の経済大国をつくり上げる原動力になってきたということも否定できないじゃないかと思うのでありますが、昔、田中角栄さんが日本列島改造論というものを出しまして、日本全国を鉄とコンクリートで固めてしまう、非常に暗い、かたい、頑固なイメージというものをまき散らしました。
 このごろ、いろいろ車で私も静岡県を歩くわけでありますが、五百三十キロという海岸線でありますから東京から大阪までを私は実は歩くんでありますが、例えば岸壁を見ますと、そこにちゃんとペイントでしっかりと絵をかいて、そしてコンクリートの上に実は樹木を植えて、これが本当の岸壁かいなというようお感じのするところがございます。町の方にはちゃんと絵によって、例えば静岡県の由比でしたならばここの産物はビワとナツミカンとサクラエビですよというようなことが非常に嫌みのない形で皆さんにアピールしている。それが交通渋滞でいらいらするドライバーの目を誘って非常に心豊かに安らぎを与えるというようなところがあります。
 国民は、戦災復興計画や新幹線の駅ビルに代表されるような全国どこへ行っても同じような町並みということではなくて、個性ある町づくりをみずからの手で進めたいと願っているのではないでしょうか。近年のリゾート開発による乱開発に対して自治体が独自の条例などで対抗してきたことはこうした住民自治の高まりがその背景にあってのことだと考えているわけであります。
 社会党案では、分権と自治の理念を基本に、都市計画決定の権限をできるだけ市町村に移譲し、住民参加を拡大するとともに、開発許可の技術基準についても全国一律の基準の上に自治体が独自に条例に上乗せできることにしてあるのでありまして、こうした改正によってそれぞれの地域の気候や風土などの特性に適合した個性ある町づくりが可能になると考えているわけであります。
 今は、高架橋に、高速道路もそうでありまするけれども、ちゃんとペンキでもって山あり緑あり富士山ありというようなことがかかれておるわけでありまして、そういうようなことが、ゆとりと豊かさといいますか、安らぎといいますか、安心と安全を担保できるような個性ある町づくりのために一翼を担っているということで、まだ申し上げたい点もたくさんあるわけでありますが、私は、西野委員の適切な質問に対して以上お答えいたしたいと思います。
#50
○西野康雄君 萩だとか津和野へ行くと、小京都という言葉を耳にいたします。ところが、最近は小京都ならぬ小東京というんですか、リトル東京とでも申しましょうか、そういうふうなことがあちらこちらで出てきている。多極分散型国土形成を何年もうたいながら、相も変わらず東京一極集中である。
 そういうふうな、原因の多々ある中で地方での魅力のある町づくりをするときに、中央からの統制がきついんじゃないだろうか、一度、地方に権限を思い切ってどんと移譲してみる、そして、うちはこんな町づくりをしていますというふうなことでお互いに競い合いをさせる、また、そんな中からいろんな町があそこの町づくりを見習おうだとか、そういうふうなことがあってしかるべきじゃないかなと思うんです。
 そういうふうなことの方向性というんですか、思い切ってどんと権限を移譲する、そういうところからいい町づくりが生まれてくるんではないか、かように思うわけですが、政府はどういう御見解でしょうか、また対案の発議者である社会党はどうでしょうか。
#51
○政府委員(市川一朗君) 都市計画といいますか町づくりにつきましては、本当に先生御指摘のとおり、それぞれの地方におきまして創意工夫してアイデアを出して個性豊かな町づくりを進めていくことが、その町の魅力を高めることになり、ひいては若者にとりましても定着性の高い町になるというふうに私ども考えておる次第でございます。したがいまして、制度的には昭和四十三年に、何回も御答弁申し上げておりますように、市町村が都市計画決定できるようになっておるわけでございます。
 ただ、広域的、根幹的なものというのはどうしてもあるわけでございまして、それは知事が定めるということになっておりまして、言ってみますと県と市との関係をどういうふうにするのかという問題は、地方自治の大きな枠の中でもなかなか難しいテーマであるというふうに思っておる次第でございます。しかし、都市計画は市町村ができるだけ中心になって定めるべきであるというふうに私どもも考えておる次第でございます。
 今回の改正案の中で特に再度強調させていただきたいと思いますのは、市町村の都市計画に関する基本的な方針、いわゆるマスタープランづくりという中で自分たちの町をどうしたらいいのかということについてはある意味で全く自由に描けるような仕組みをつくらせていただいているつもりでございますので、これを十分いい内容に仕上げる過程におきまして、都市計画とか町づくりとかいうことに関して住民の方々が積極的に興味を持ち、御意見を発表していただいて、そしてそれが具体的な計画内容にまで発展するという方向にぜひ持っていっていただきたいと心から念願しておる次第でございます。
#52
○委員以外の議員(青木薪次君) 先ほども申し上げましたけれども、全国一律の都市計画、それに伴う全国一律の規制というものは、高度成長のためには効果的であったと思いますが、今日ではマイナス面の方が大きくなってきていると思うのでございます。東京の一極集中も、経済成長のためには有効だったかもしれないけれども、今日では道路の渋滞や通勤地獄、ごみ問題など、経済面からしても集中の弊害がむしろ大きくなってきているのではないかと思うのであります。
 地方自治体において町づくりの権限がないことが東京一極集中の原因の一つではないかとの指摘がございましたが、同感であります。
 先般、本委員会において地方拠点都市法が審議されましたけれども、この法律において地方拠点都市地域の指定や基本計画の策定といった重要な問題が地方の権限とされているのも、地方独自の町づくりが東京一極集中是正のために必要だという認識が建設省においても根底にあるからではないかと思っているわけでございます。地方に権限を移譲した場合、確かに不安も大きいと思うのでありまするけれども、一方で、自治体もその責任が重大であることにより、住民、議員、自治体の職員等も真剣に町づくりに取り組んで所期の成果を上げられるものと考えられております。
 今日においても、例えば一村一品運動が全国に広がったように、各自治体の創意工夫が相互に交流され個性ある町づくりというものが進んでいると思うのであります。
 私は四日前に、実は東洋一の湧水、富士山の湧水が出る柿田川というところ、沼津と清水町の間をせがれと一緒にずっと見て歩きました。もう一面に、これこそ一日に何十万トンという湧水が砂を吹き上げておりまして、決して濁らない。しかもアユが越冬する。アユは一年ごとに死んでしまうわけでありますが、越冬する。そこには湿地帯もあるし、雑木林がずっとつながっておって、そして皆さんが打ち興じている。この姿を見たときに、私は現代的なユートピアの社会だというように感じました。鳥が舞い、そしてチョウが踊っている、トンボが舞っている。こういうようなところがまだある。
 これを地元はトラスト運動として大切にいたしてまいりました。この付近にそれこそ何百人、何千人の人がその地域を汚すことなく、みんなでもってみんなの共通の広場、共通の財産として守っている。ここに定住しておる人は非常に喜びと誇りを感じている。少ない財政の中で市町村がこれを共通の広場として守っている、こういうようなことも私は見てまいりました。
 あるいはまた、沼津の東名の取り入れ道路にグルメ街道というのがあります。このグルメ街道の道路の区分帯やその他のところに絵を描いてちゃんと張ってあるというようなことを見たときに、私は、ここだなと思って、こういう点を非常に私は今日特筆大書いたしまして皆さんに訴えているわけであります。
 そういう意味で、東京一極集中というものは東京だけ悪いんじゃなくて、地元がそういうような環境をつくらなかったところにも問題があるというように考えているわけであります。
#53
○西野康雄君 今、東京一極集中の話が出ました。東京圏には人が寄っている、しかし都心には人が住まないというふうな矛盾を抱えております。しかし、今回の改正の中の誘導容積制というのは都心に人を張りつける有効な手段だというふうに私自身は思うわけでございますし、そういうふうに位置づけていらっしゃると思いますが、この手法によってどのような町づくりをしていこうとしているのか。衆議院の方の参考人の御意見の中で、慶応大学の伊藤滋さんが、この手法によって都市の中に村社会、輪中的な町をつくれる可能性がある、こういうふうなことをおっしゃっていましたが、政府としては具体的にどのようなイメージを持っているのか、お聞かせを願いたいと思います。
#54
○政府委員(市川一朗君) 誘導容積制度につきましては、本来土地の有効高度利用が必要という観点に立ちまして、例えば用途地域の中で定められております容積率の何百%とかいったような形で高い容積率が定められているところにもかかわらず、道路等の公共施設が不十分なために現状は低利用にとどまっておる、特に我が国の大都市では既成市街地の中で低層高密な木造住宅密集市街地といいますか、あるいは木造賃貸住宅群といいますか、そういったところがあるわけでございまして、そういったようなところで公共施設の整備も図りながら土地の有効高度利用も図っていくということをやる場合に、極めて有効に働く制度として御提案申し上げた制度でございます。
 したがいまして、ただいま御指摘ございましたように、大都市の比較的都心に近いところにそういった場所が多うございますので、そういったようなところが地区施設としての区画道路等も整備しながら土地の有効利用を図られ立派な市街地ができていく、そういったようなことを期待しているわけでございまして、その際、その制度は地区計画という仕組みで実行されますので、この地区計画はやや小さい範囲でございますが、その地区内の地権者の方々ができまするならば全員の合意の中でそういう計画内容を定めてそれでそれを実行に移していく、こういうことになるわけでございます。
 そこに住む地域の方々がそういうふうに極めて具体的な、しかもその地域の将来にわたる内容についてまでしっかりとした話をしていくということは、大都市におきまして今失われつつあると思いますコミュニティーの新たな創生といったようなことにもつながると私どもも思っておりまして、慶応大学の伊藤教授の御発言も、そういったようなところに対する評価ではないかなと思っておる次第でございます。
#55
○西野康雄君 町づくりというのは、今おっしゃったとおり、地域住民の合意というんですか、いろんな地域住民の声を生かして初めて本当に町づくりができていくんだと私も思います。
 その誘導容積制度ですけれども、区域の特性に応じて定める容積率が現に指定されている容積率を超えて定められる場合はどんな場合なんでしょうか、理由もあわせてお伺いをいたします。
#56
○政府委員(市川一朗君) 現に定められている容積率を超える場合といいますのは、二通りあるというふうに考えております。
 一つは、誘導容積制度の中の問題でございますが、その地区計画で定めます場合に、ある程度の地区をとりますと、こちら側のサイドはどちらかというとオープンスペースを中心にするとか、あるいは場合によりまして若干昔からの建物も残っておりますから、しかもいいものであるとするならば、そこはある程度その環境は生かしながらやっていく、逆に片側の方はもう少しその有効利用を図っていく、しかし、全体としては現に定まっている容積の範囲内で定めていく、こういうことになりますので、どちらかといいますとその地区全体の中で幹線道路に面しているようなところが容積率の高いものとして定められる、こういった傾向が強く出てくるのではないかと思っておる次第でございます。
 それからもう一つは、これは誘導容積制度そのものではございませんが、誘導容積制度を地区計画で定めます際に、あわせまして用途別容積型地区計画という制度がございます。これは、特に都心部で住宅を建てる場合には地価等の問題もございますので、住宅に限りましては現在定まっている容積率の一・五倍までは容積率をアップできるという制度でございます。
 誘導容積制度とこの用途別容積型地区計画制度をうまく活用すれば、住宅も十分確保をされたすばらしい地区計画内容となり、市街地が形成されていくというふうに私どもとしては期待しておるところでございます。
#57
○西野康雄君 その容積率ですけれども、住宅用途の建築物に対する容積率が非常に緩和の方向にここ数年ずっと向かっておりますが、誘導容積制度や容積率の適正配分の制度があわせて適用された場合に指定容積率の何倍まで緩和が可能になるのか、その根拠もあわせてお伺いをいたします。
#58
○政府委員(市川一朗君) 基本的には、まず誘導容積制度を使いまして、適正配分という形で容積率をアップするのにつきましてはこれは地区全体の現に定まっております容積率の総量の範囲、そういうことになりますので、現在の定まっております容積率によって計算される容積の総量の範囲ということに現在なっております。
 それから、用途別容積型地区計画というのを使いまして、特に住宅に関しまして容積率の緩和を行う制度とあわせて活用いたします場合には、現在定まっております容積率の一・五倍が限度であるというふうに思っているところでございます。
#59
○西野康雄君 住宅用途の建築物に対する緩和とあわせて適用する場合、大都市の住宅供給といっても、現に指定されている商業地域並みの容積率をさらに緩和して目いっぱい使うような住宅開発というのは、これは都市づくりとして余裕がないんじゃないか、満足に人の住める住宅が果たしてできるんだろうかというふうに思うわけで、大都市における居住水準をどう考えておいででしょうか。
#60
○政府委員(立石真君) これまで、大都市地域の既成市街地におきましても良好な住宅供給を進めるために各種の政策を進めているところでございます。
 例えば、市街地住宅総合設計制度等を活用して、都市計画とかあるいは建築規制制度を生かして住宅の供給を図るとか、あるいはまた公営住宅、公団住宅等を、例えば他の事務所等を低層部分に置いて地価等を吸収しながら供給を図る仕方であるとか、さらには市街地再開発事業等を活用して市街地の再開発とあわせて住宅の供給を図る、こういうような形でこれまでも既成市街地において良好な住宅、そしてまた良質な住環境のもとでの住宅供給を進めてきたところでございます。
 これらのうち、例えば市街地住宅総合設計制度におきましては、容積率の緩和を行うことができるわけでございますが、その条件といたしましては、公共施設とか公開空地を自分の敷地内に整備するとか、あるいはまた壁面の位置を制限するとか、敷地内に空地を確保するとか、そういうような良好な居住環境の確保が行われた場合に容積率を確保するというような制度となっているところでございます。
 今回の制度におきましても、例えば誘導容積制度におきましては、暫定容積率を指定いたすわけでございますが、それによって容積率を一たんは引き下げるけれども、道路、公園等の地区施設の整備が進んできて、かつ良好な市街地環境の確保が図られる、そういうように認められたならば目標容積率の使用を認めるようにしようとしている。あるいは容積の適正配分に当たりましても、良好な市街地環境の確保を図るという考えから、壁面の位置を制限するとか、あるいは敷地面積の最低限度を定める。そういうように環境に配慮いたしまして、これらの制度を運用することになっているところでございます。
 二番目の御質問の大都市における居住水準についての考え方でございますが、当然、大都市におきましても良好な住環境のもとで良質な住宅に居住できることを目標としているということは変わりないわけでございます。
 これを数値的に申し上げますと、現在の第六期住宅建設五カ年計画の考え方では、平成十二年度に全国について半数の世帯が誘導居住水準を実現するということでありまして、例えば四人世帯なら都市型の共同住宅ですと九十一平米程度と考えておりますが、そういうように西暦二〇〇〇年を意識しているところでございますけれども、どうも大都市地域につきましては二〇〇〇年、平成十二年を目標としたのではまだ達成し切れないというよう有情勢がございますので、西暦二〇〇〇年の後できるだけ早期にすべての都市圏でも半数の世帯が誘導居住水準を確保できるようにしたいという目標を据えているところでございます。
 また同時に、大都市地域に重点を置いて最低居住水準未満の世帯の解消に努めることとしているところでございます。
 個別の住宅になりますと、個々人の世帯の状況やら所得やら居住を希望する住宅の形式やら、例えば家計の中でどういうような支出に重点を置くかとか、いろいろな実現の仕方があろうかというように思うところでございますが、行政の面からは、第六期住宅建設五カ年計画での住居水準に係る目標を実現すること、そしてまた、大都市法に基づきまして定められております大都市地域の住宅及び宅地の供給に関する計画に基づいて、各施策を総合的に活用して実現に努めてまいりたいと考えているところでございます。
#61
○西野康雄君 答弁を聞いていて、自動車と道路の関係をふっと私は思っておったんですが、住宅供給がふえる、容積率を緩和する、そうすると、また結局、集中してくるんじゃないかな、そのことによって地価を上げるんじゃないかなというふうなことを思ったわけです。
 都市全体でトータルに住宅がふえれば需給関係で住宅価格が安定するかというと、そういうものじゃないのではないかと思うんですが、例えば東京二十三区でどの程度の需要があると考えておられるのか、逆にどの程度の供給があれば需給バランスがとれると考えておられるのか、その辺をお伺いいたします。
#62
○政府委員(立石真君) 勤労者が良質な住宅を確保できるようにするためにはその需要に的確に対応した供給を進めることが必要であることは、論をまたないところでございます。
 まず、全体的な見方といたしましては、大都市法の供給基本方針におきましては今後十年間に東京圏で四百三十一万戸の住宅供給を行うこととしておりますが、この方針に基づきまして東京都が策定した供給計画では、十年間に人口及び世帯数の動き等を勘案しまして二十三区内では百二十一万戸の住宅供給を見込んでいるところでございます。
 先生お尋ねの、既成市街地において土地利用を高度利用すればそれだけ今度は人が集まったり需要がふえるのではないかというような御指摘ではございますけれども、これらの二十三区内において百二十一万戸の住宅を供給しようといたしますと、大体、住宅の価格の高いところでございますので、供給する住宅についてできるだけ供給価格を安くする、そういうことが必要でございますし、それと同時に、環境も整備しなければならないということですので、相当いろいろな積極的な施策を講じでこれだけの住宅が供給できるのではないかと見ているところでございます。
 例えば今回の改正案において提案されております用途地域の細分化によって、住宅をできるだけ確保する、事務所やなんかに追い出されないように、また必要以上に住宅が外に出されないように住宅を確保する措置をとる、また土地の有効高度利用を図って住宅供給の促進を図る、そしてさらには、それ以外にも融資とか税制とか各種の事業とかを総合的に施策を展開する、そういうことによってこれだけの供給が可能なのではないだろうかというように考えておるところでございます。
#63
○西野康雄君 私は、少なくとも誘導容積制度や容積率の適正配分の制度と住宅用途の建築物に対する緩和、これは同じ地区内では適用すべきではないのではないだろうか、こんな思いをしているわけですが、局長はどういう見解をおとりですか。
#64
○政府委員(市川一朗君) 誘導容積制度の活用に際しまして、特に住宅用途の建築物の建築を促進するという意味合いから、また住宅を呼び戻すという意味合いから、用途別容積型地区計画制度をあわせて活用するということが私どもは極めて必要ではないかというふうに思いまして御答弁申し上げておるところでございますが、もともと、その土地が有効に利用できるようになりますとその分だけ価格が上がるということは経済現象として否めない事実だと思っております。
 ただ、問題は、それが住宅の用に供するとしての値段であるのか、業務ビルとしての問題であるかといったようなところは、私どもとしては、都市計画をきちっと定めることによりまして、現在住宅があるところあるいは将来住宅として予定されておるところが実は将来業務ビルを建てるためのものとして地価が上がっていくといったようなことはぜひ避ける必要がある、そういうふうに思っておるわけでございますが、そこのところは、今回の用途地域の細分化というものとの組み合わせによりまして、ただひとり誘導容積制度のみが動くのではなくて、そういう組み合わせによりまして、きちっとした都市計画をしていくことによりましての誘導容積制度の活用でございますので、先生御懸念の点は、都市計画の実務上の面におきまして十分カバーし得る問題というふうに思っておる次第でございます。
#65
○西野康雄君 容積率の適正配分の制度ですが、政府は、都市全体のトータルでは容積率は変わっておりません、それだから緩和ではない、こうたびたび答弁をしておられますが、そもそも現在の指定容積率は、いわゆる歩どまりというような理屈で全部は使い切れないということを前提にしていたはずだと思いますが、東京の場合、長期的に見た都市施設の整備水準と容積率の指定水準はバランスがとれているというようなことですが、さあ、それでは、その現在の指定容積率をすべて使い切ることを意味しているのか、長期的な整備水準が達成されるのはそもそも何年後なのか、お伺いいたします。
#66
○政府委員(市川一朗君) 基本的には、現在指定されております容積率は、都市全体の観点から長期的目標を立てまして、公共施設の整備水準も計画目標を立てまして、それに見合った形での土地利用というところで定められておりますので、長期的な観点からいいますと望ましい土地の利用水準と考えておりますから、当然使い切るということを前提に考えておると思う次第でございます。
 ただ、しかしながら、御指摘がございましたように、その計画された公共施設の整備なかんずく街路等の道路の整備がなかなか整備するのに時間がかかるという面もあるわけでございます。これは、都市ごとのテーマでございますので全国一律のことを論ずるのはなかなか難しゅうございますが、例えばこの問題を東京都の区部というところに限定して考えてみますと、東京都では区部の都市計画道路の第二次事業化計画というものを持っておりまして、それの内容といたしましては西暦二〇二〇年を整備の最終目途にしております。
#67
○西野康雄君 そもそも、個別の敷地の条件によって全部使い切れないはずの容積率を全部使い切れるようにしてしまう弾力的な運用というのは、都市の一層の過密化と地価の高騰をもたらすのではないかな、そう感じるわけですが、その辺はいかがですか。
#68
○政府委員(市川一朗君) 長期的な目標としての公共施設の整備というものとの整合性が保たれませんと、御指摘の過密化といった問題が生ずると私どもは思っておる次第でございます。したがいまして、あくまでも公共施設の整備と見合った形での土地の有効利用といったようなことが容積率政策の背景にあるというふうに考えておる次第でございます。
 それで、土地の有効高度利用が図られるということに関しまして、特に住宅を意識したしました場合におきましては、東京等の大都市におきましては需給バランスが崩れているということが極めて大きな要因であると思いますし、それがさらには職住の遠隔化という形で長時間の通勤をやむなくされるといったような事態も生じているところでございますので、有効利用を図るべきところをきちっと有効利用するということによりまして需要に見合った住宅地の供給を行うということは、都市全体としての地価水準、用途に見合った適正な地価水準の実現という面において寄与するというふうに考えておるところでございます。
#69
○西野康雄君 よく言葉で出てまいりますめり張りというんですか、全体の容積率が同じであれば幾らでもめり張りがつけられるという考え方自体、少し首をかしげたくなるんです。その土地土地の状況で判断をすべきではないかな、こうした考え方を導入することで現に指定されている容積率などを既得権のように考える人が多く出てきはしないだろうか、それは今後都市計画制度をより一層環境とのバランスに配慮したものに改善していこうとするときに問題になるんじゃないかな、こう懸念をするわけですが、その辺はどうですか。
#70
○政府委員(市川一朗君) 容積率の規制といいますのは、あくまでも都市全体を考えまして、それで高密度に住む場所あるいは疎に住む場所といったようなことをバランスよく、その建物の用途も含めまして、ここは住宅地、ここは商用地、あるいは工場地帯、そういったようなことを考えて配置する、その中で決められていくものでございますので、そういう意味におきましては、そこに権利を持っている方々の既得権といったような形で理解されるということにつきましては、私どもとしては最も警戒しなきゃならない問題だと思っております。
 都市計画制度の中でこの容積率規制はある意味で厳しい私権の制約、財産権の制約になるものでございますが、都市全体、いわゆる公共の福祉という観点に立ちまして、そういう定められた土地の規制の範囲内において自分の土地であっても利用が制約されるということにつきましては、いわば憲法上財産権に内在する制約として認められておるものでございます。
 そういった意味におきましては、具体の都市計画決定におきまして、その市町村の総意のもとでいろいろと容積率に関しましても引き上げたり引き下げたりという変更も十分あり得るわけでございますが、そういったようなことが既得権化する形で硬直化するということにならないように配慮する必要があると思いますし、今回御提案申し上げております容積率の適正配分の問題も、むしろそういったような問題に対しましてはそうならない方向で機能できるのではないかというふうに考えて御提案しているつもりでございます。
#71
○西野康雄君 この容積率の適正配分という制度は、考えてみると、簡単に再開発できる大きな土地を買い占めることのできる資金力のある企業とか金持ちのための制度ではないかな、必要でありながら再開発が難しいところの使われていない容積率を大企業などが計画しているところに集めてくる方便ではないか、そんな気もするんですけれども、その辺の懸念に対してはどうでしょうか。
#72
○政府委員(市川一朗君) 制度でございますので、その制度の活用といいますか、運用に当たりまして、関係する者がしっかりとした心構えを持って対処いたしませんと、いろいろ御指摘がありましたような懸念される事態というものは生ずるわけでございますが、基本的にはこの誘導容積制度は地区計画という形で、その地域内に住んでおるといいますか権利を持っております地権者の方々の総意、合意でもって成り立っている制度を前提としておるものでございますので、その方々の全体としての考え方が那辺にあるかといったようなところがどうしてもベースになる次第でございまして、できるだけよい町づくりに資するような方向で活用されるようにと念ずる次第でございます。
#73
○西野康雄君 容積率とか誘導容積制度の理念とか、そういうのをお伺いしていると、都心に人を張りつけよう、あるいは、村型社会あるいは輪中的な町づくりというふうなことで都会に潤いをもたらすという、そういうふうなことも入っているかと思うんです。
 東京新聞のことしの三月六日を見るというと、「千代田区立永田町小の廃校問題」、「自民党本部移転説に付近住民がピリピリ」と、こういうふうな見出しで出ているんですけれども、私は、千代田区が今行おうとしている公共施設適正配置構想、これはもう都心に人を張りつけようとする誘導容積制の理念と大きくずれているんじゃないかと思うんです。先ほどから答弁の中でも、潤いがあってとか、あるいは地域の人たちの意見を十二分にくみ上げて町づくりをしていくとか、そういうふうなお話がありましたけれども、伝統ある学校を残しておくということは村型社会、輪中的な町づくりに役立つのではないだろうかと思いますし、これは国による地上げではないだろうかと思うんです。
 千代田区方式を認めてしまうと、これが東京全区に広がって、投機の対象として学校がねらわれているな、これはもう目に見えておるんではないかなと思います。都市づくりの点から、非常にまずいものをこの千代田区の公適配というのは含んでいるんじゃないかなと思います。もちろん、第一義的にはこれは学校設置者である千代田区の問題なんですけれども、都市づくり、土地政策の面から、建設省のこの千代田区の公道配についての御意見をお伺いしたいと思うんです。
#74
○政府委員(市川一朗君) 千代田区の公共施設適正配置構想につきましては余り詳しくは承知してはおりませんが、基本的には千代田区で現在いわゆる空洞化が進んでおりますので、そういう意味での定住人口の回復とか、あるいは区民サービスの向上ということを念頭に置きながら、公共施設の統廃合等による区有地の有効高度利用を図るということではないかと思う次第でございます。
 今回の私どもの法改正の目的の中にも、さきの地価高騰によりまして結果的に都心部の空洞化に拍車がかかりましてそれがさまざまな問題を惹起しておりますので、これに都市計画のサイドから的確に対応できるように制度の改正もお願いしておるところでございまして、基本的な考え方としては、私どもの考え方と千代田区の考え方は同じ方向になっているのではないかという感想を持っておるわけでございます。
 学校の問題につきましては、学校の教育水準の問題等もございますでしょうし、どういうふうに持っていくべきかということにつきましては、いろいろ専門的な立場からの慎重な配慮が必要だとは思いますけれども、都市計画という都市づくりの観点から申し上げまするならば、東京の都心三区と言われます千代田区、中央区、港区におきますいわゆる夜間人口、定住人口の減少といいますのは極めて著しいものがございまして、そういった夜間人口、定住人口を前提として成り立っております地方自治の行政がそういう意味におきましていろんな問題に突き当たっておるということでございまして、そういうところをきちっと対応いたしませんと町づくりという観点からも大変な問題がいろいろ出てくるというふうに思います。
 私どもといたしましては、それぞれの特別区あるいは都におきましてそういった問題に積極的に対応しているという姿勢はそれなりに評価すべきものではないかというふうに思っておる次第でございます。
#75
○西野康雄君 町づくりから見るというと、これはまあこんなところに住みはるやろかと思うような、例えば神田司町の例を見るというと、下に道路を通して上を人工地盤にして、そこに学校の校庭を、それで小学校も中学校も皆入る、図書館、幼維園、それから地域のストックヤード、こういうふうなものまで入ってくる、下は道路が通っている、こういうふうなところで、児童公園はもうつぶしてしまう、校庭を公園のような感じにしてしまうという構想ですよ。しかし、これ見ていると、ちっちゃな子供たちが今まで公園で遊んでいたのに、学校の校庭使いなさいと言ったって、これは無理な話ですよ。クラブ活動もあるだろうし。
 この千代田区の公適配の跡地の利用、永田町のこれは、跡地をどう利用するかまだ定かではないというふうなことですね。土地がないのかというと、私が何年か前に国公有地の問題を質問したときに、かなり余裕があるということも指摘してまいりました。町づくりの面から見てもこれはもう一遍吟味する必要が絶対にあると思いますし、これは投機の対象になると思います。
 もう一遍答弁お願いします。
#76
○政府委員(市川一朗君) 町づくりの際に、特に大都市ほど重要なのは公有地の確保であり、その公有地の有効活用であるというふうに考えておる次第でございます。
 ただいま千代田区等で進められております問題につきましては、子細に承知しておりませんので、的外れな答弁にならないことを期するために慎重な表現にならざるを得ないことをお許しいただきたいと思いますが、基本的に、区有地といいますか、そういった公有地につきまして、施設の統廃合等によりまして余裕が生じたといたしまするならば、それをまた公共の立場で不足するものに積極的に活用する、こういう考え方は極めて重要であると思いますが、それが先生御指摘のように地上げの対象とか投機の対象になるような形で活用されるということになることは、それは慎重に対応すべきなのではないかというふうに思う次第でございます。
#77
○西野康雄君 投機の対象になるようなことで慎重な対応という言葉が出てまいりましたが、そのとおりで、私も慎重に対応せないかぬなと思うんです。
 社会党の発議者にお伺いをいたします。
 誘導容積制度、これは社会党案ではございませんけれども、どういう理由からでしょうか。
#78
○委員以外の議員(青木薪次君) 私たちの案で誘導容積率や容積率の適正配分の制度を採用していないのは、この制度が東京などの大都市では道路もごみの処理も既に満杯なのに、げに指定されている容積率をそのままよしとした上で、それを限度いっぱいまで使い切ることを可能にするものだからでございます。
 また、容積率を緩和する根拠としてトータルが変わらなければ緩和にならないという理屈を採用していることは、敷地ごとに前面道路の幅員や車線制限などによって容積率が自主的に制限されることで辛うじて保たれてきた都市全体のバランスを破壊するものであるというほかに、将来、ダウンゾーニングなどを採用しようとする場合の障害にもなりかねないと考えるからでありまして、さらに容積率の緩和によって得られる開発利益の還元という点では、再開発事業などの手法と比べて、一律の規則緩和を実現しておきながら公共施設などに対する応分の負担が不明確であるなど、地価対策上も問題であると考えているからであります。
#79
○西野康雄君 大阪湾ベイエリア開発構想というのが打ち上げられてまいりましたが、私のところにも多くの自然保護団体等が、これはどういうことなんだ、瀬戸内海をもう一遍埋め立ててもよいのかというふうなことで、大変な反対運動も起きております。このままいってしまうというと、この構想と住民運動がもろにぶつかってしまうというふうな、そういう懸念すら今出てきております。
 まず、大阪湾ベイエリア開発構想について国土庁の御見解をお伺いしたいと思います。
#80
○政府委員(西谷剛君) 大阪湾のベイエリアにつきましては、六十二年に決定されました四全総で一定の方向づけがなされております。そこでは、国際機能の強化を図り大阪湾の湾岸部及びその周辺に位置する諸都市を一体的にとらえた都市圏の整備構想を推進する、このようにうたわれているところであり、当該地域はそういった意味で非常に重要な役割を担う地域であると認識しております。
 こういうことですので、国土庁といたしましても、関係省庁と共同で長期的かつ公益的な観点から当該地域の総合的な開発整備を推進していきたいと考えているところでございます。
#81
○西野康雄君 私も開発そのものを否定しようとは思わないんです。しかし、今、環境問題が随分とやかましくなってきておりますが、環境への配慮だとかそういうふうなものがない、そしてまた、住民との話し合いとかそういうふうなものが全くない。唐突な感じがするわけですね。大阪湾はだれのもんや、財界のもんなんか、国土庁のもんなんか、こういうふうな声が上がっているわけです。
 ですから、やはりいろいろな住民の声を生かしていく、住民の声を聞く、そういう作業が重要ではないかなと思うわけです。住民参加のないままというふうな表現はおかしいかもしれませんけれども、推進をしたいという国土庁の方向というのはどうも私自身は疑問に思うわけですが、その辺はどうですか。
#82
○政府委員(西谷剛君) 環境問題、これは極めて重要なことだと存じます。また、もう一つ御指摘いただきました住民参加、これにつきましても、当然、地元の御意見を十分反映した上でこの整備を進めていくということは肝要なことだろうと存じます。
 そういった意味で、私どもも、とりわけ地元自治体の御意見も十分伺いながら今後の具体的整備方策を検討してまいりたい、このように考えております。
#83
○西野康雄君 自治体の意見はようわかるんです、もう自治体は全部推進でやっておるわけですから。住民の声を聞いていたらそんな作業は進まへんのや、目標のところまではいけへんのや、もうそんな声は聞いてられへん、自治体の意見聞いていたらそれでええねん、自治体はもう議員から成っていてその議員は皆からの投票やねんから、自治体の意見、議会の意見、これを聞いていたらもうそれでええねんというのが今までのやり方だったわけですよ。
 しかし、それで果たしてよいんだろうか。これ大阪府民だって兵庫県民だって、この計画そのものの実態だとか、そんなのわからないですよ。住民を置いてきぼりにして自治体の意見だけ聞けばよいというのでは、それこそ先ほど私指摘したように、住民運動とこの推進派とがもろにぶつかり合って余計にこの計画が遅延をしていくんじゃないだろうか。
 そこで、国土庁に要望するのは、自然保護団体だとかそういうふうな皆さん方の意見を十二分に取り入れられるような、それだけの度量というんですか、話し合いの度量というんですか、それを持っていただきたいなと思うんですが、いかがですか。
#84
○政府委員(西谷剛君) 先ほど地元自治体と申し上げましたのは、やはり何といっても地域住民の意見を最もよく聞き得る立場にある、これが自治体だという意味を込めて申し上げた次第でございます。
#85
○西野康雄君 私の持ち時間がやってまいりましたので、終わります。どうもありがとうございました。
#86
○理事(種田誠君) 午前の審議はこれまでといたしまして、午後一時に再開することとし、休憩といたします。
   正午休憩
     ―――――・―――――
   午後一時一分開会
#87
○委員長(山本正和君) ただいまから建設委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案(閣法第七二号)並びに都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案一参第四号)、以上の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#88
○種田誠君 本法案も、質疑を行い、さらには昨日参考人の方々からそれぞれ貴重な意見などをいただき、いよいよ終盤に向かいつつあるところでありますけれども、冒頭、私はけさの各新聞を見ておりまして、ああ、困ったな、そういう印象を持った記事がございました。
 神奈川県の逗子市で違法工事に対抗するために市が下水道のマンホールにコンクリートを流し込んで使用できないようにしたということで、写真を見ますと、手前でマンホールにコンクリートを入れている写真、そしてその先の方では建築業者の方が下水管に接合している、こういう皮肉な写真が写っております。このこと自体が直ちに何らかの形でこの法案の問題にかかわってくるというものではないのかもわかりませんけれども、都市づくり、町づくり、骨格は都市計画法という法の中で行われているわけであります。
 そこで、急な質問で正確な情報も少ないかと思いますけれども、なぜこういうことが起こっているのか。法の仕組みを知らない人にとってみれば、この写真を見て、何ということだろう、こう思わざるを得ないと思うんですが、御説明をお願いしたいと思います。
#89
○政府委員(立石真君) けさ新聞で見たところで完全に詳細なところまでは聞いていないんですが、これまで知っているところでお答えさせていただきたいと思います。
 まず、御指摘の逗子市のこのマンションでございますが、市の開発指導要綱に基づきましてマンションの高さを制限せいということを要求していたようでございます。この指導に対しまして業者が従わなかったということから、工事を進めてきてほぼ完成しているマンションの下水道への接続を阻止するために、下水道管をコンクリートで封鎖したものだというように聞いているところでございます。
 逗子市のこれまでの取り扱いでは、千平米以上の開発行為とか中高層建築物の建築の際に市長との事前協議、あるいはまた汚水管を既設公共下水道に接続する際の市長との協議を行わなければならない等を決めていると聞いているところでございます。
 この案件につきましての神奈川県に照会したところでの考え方でございますが、建築基準法等の関係法令には適合しているということで神奈川県の建築主事により確認されまして建築されたものであり、適法なものであると聞いているところでございます。
#90
○種田誠君 私も、建築基準法上の視点から見まして、この建築は合法的なものであろうと思うわけであります。ところが、逗子市は、町の一定の景観、とりわけこの地域は海岸から五十メートルぐらいの場所で、しかも景勝地になっていて、市街化区域の中であるようでありますけれども、町としてはよりよい環境を保全していきたいというところから開発指導要綱をつくって、建築基準法上は三十二メートルの高さのものもクリアできると思うんですけれども、そこを住民の合意で高さ十五メートル以内に限ろうではないか、こういう形で指導をしているわけでありまして、開発指導要綱に従って道路等のインフラも町は総合的に対応してきているわけであります。
 建築基準法上は、今、局長述べられたように決して間違いはない。しかしながら、町が住民の合意の上に指導要綱をつくって一定の景観を保ちながらの開発をしようとしている。このままいってしまった場合、一体どういう結論が出るか、その辺の予測について述べていただきたいと思います。
#91
○政府委員(立石真君) 市が定めた指導要綱でございますから、住民の合意が土台になっているだろうとは思うわけでございますが、こういう指導要綱につきましては、各市町村の状況によりましてやむを得ないという面もありますし、また、地域の特性に対応したものである、個性ある町づくりに寄与するものであるというそういう有効な面も持っていると考えております。しかし、その一方で、その内容が非常に抽象的な言葉等で述べられているものもございまして、建築主等に対して過大な制限となる等の不適切な場合があることもまた考えられるところでございます。
 それで、この具体的な案件についての考え方でございますけれども、このマンションが建てられている地域は住居地域で容積率二〇〇%、建ぺい率六〇%の制限の地域と聞いているところでございます。用途地域で住居地域内でございますから、もし十五メートル以下に抑えたいとかそういうものがございましたら、当然、例えば市町村が風致地区をかけることもできます。事実、先生から御指摘がございましたように、新聞等を見てみますと、すぐそばまでは風致地区がかかっているということでございまして、風致地区を知らない市ではないというように思っております。また、高度地区を定めることもでき、高さ制限を行うことも可能であろうかと思うわけでございます。
 いろいろな制限がかけられるわけでございますので、この高さ制限をかけることがもし都市計画上合理的であるということであるならば、指導要綱というような手だてにとどまらないで、法令に基づく制度があるわけでございますので、法令に基づく制度を活用していただくということが行政の基本なんではないだろうかというように私は考えているところでございます。
#92
○種田誠君 まさに今局長述べられたように、この地域は市街化区域であって住民地域でもございますけれども、町としては高度地区の指定をして一定の高さ制限もできないわけではない。もちろん風致地区の指定もできないわけではない。しかし、今日そのようなものが行われていないところに限って新たな開発が行われようと競い合っているような状態もあるわけです。
 問題は、そういう制度があるにもかかわらず、なぜ町などの地方自治体が開発指導要綱というのをつくってやっていくような、こういう仕組みにならざるを得ないのか。その辺のところはどのように分析しておりますか。
#93
○政府委員(立石真君) 現在、法令に定められている制度がいろいろあるわけでございまして、大体のところはこういうような基本的な法令によって実現しているというように聞いているところでございます。したがいまして、通常の都市におきましてはそれほどこういう問題が生じていないのではないだろうかと思っているところでございます。
 では、逗子市の場合に、なぜそばまでかけてある風致地区がかけてないのかどうか。あるいはまた、例えばそれほど環境を残したいということであれば、住居地域よりさらには一種住専、二種住専とかの用途も絡めながら、地区計画を絡める等も含めて、もう少しきめ細やかにできるはずなのになぜ逗子市の場合にはしなかったのか。その辺について私はまだ詳細を存じないものでございますので、ここでは感想を控えさせていただきたいと思います。
#94
○種田誠君 いずれにしろ、決してこれは逗子市だけの問題ではないと思います。開発指導要綱というものに従って町づくりを行っているところも現にあるし、むしろこの方が別な角度から見れば、先ほど局長が述べられたような方向を目指すよりは運用上のメリットがある、そういうふうな認識もあるのかもわからない。ということは、もうひとつ法令の持っている目的なり理想とするものが自治体に十二分に理解をされていない、また理解が非常に難しい、そういうことになっているところからこういうことが発生しているかもわからないと私は思うんです。
 いずれにしろ私は、この種問題がこれから指導要綱もしくは条例という形でむしろ積極的に町づくりを進めようとする自治体において頻発してくるんではないか、そういう一つり物の見方も持たざるを得ないわけでありますけれども、ぜひともこれらの問題に関して適切な指導を、すなわち町づくりというものの考え方を押さえ込むような形での指導ではなくて、そういう視点に立ってより適正的確な方向の指導をしていただきたいと思うわけであります。
 先ほど来のお話で、建築基準法上この建物が合法であることはわかりました。今、指導要綱が法令との関係で幾つかの問題点があることもわかりました。しかしながら、今私が申し上げたような視点に立って建設省として指導をしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#95
○政府委員(市川一朗君) ただいまの問題につきましては、先ほど住宅局長も答弁申し上げましたとおり、都市計画の制度の中でもう少ししっかりとした対応をすることによりまして、市全体としての町づくりの意向を個別の地権者の方々にあらかじめ示すことができたのではないかといった部分もあるように思う次第でございます。
 確かにこういった開発指導要綱というものの効用というものあるいはその存在というものにつきましては、私どももある程度の必要性は認めるわけでございますが、この具体的な事例に即して見ますと、そこはどの程度のマンションが許容されるのか、これ以上はだめなのだといったようなことを市の町づくりとしてしっかりとやっていくとするならば、そこは、都市計画の中で用途地域制度その他の制度があるわけでございますので、そういったようなところをしっかりと活用してやっていただくことが基本ではないかと思うわけでございます。
 そういったようなこともいろいろ考えますと、やや我田引水で恐縮でございますが、今回御提案申し上げております市町村の都市計画に関する基本方針、そういったものをしっかりと策定する過程でそういったようなところについての市民の中での合意形成というものをやっていく、そういうことの方が極めて大事でございまして、指導要綱というのはそういう意味では行政部内で定めるものという意味での限界があるように思いますので、それらを含めまして長期的にはしっかりとした対応ができるように私どもも指導してまいりたいと思う次第でございます。
#96
○種田誠君 今、都市局長の方から、今回の都市計画法の改正の中で、マスタープラン、基本方針、こういうものが各市町村につくられていくことによって開発、規制、また成長、抑制、そういうめり張り、それから住民との合意、全体の景観の中における町、そういうものがしっかりと位置づけられていくだろう、そういうふうにこれから一層この法改正の制度を活用していきたいということですが、私もまさにそういう視点でこの問題にぜひ取り組んでいただきたい、こう思うと同時に、それゆえに、昨日の参考人の先生方の意見の中にも、またきょうの同僚委員の意見の中にも、マスタープランに対する期待するところがかなり大きいわけで、十二分にこれにこたえていただきたい。
 しかも、きのうの質疑にもありましたように、マスタープランは都市像とか都市のあるべき道筋をつくるという大きな課題と同時に、個別具体的にも地区計画などを誘導していく、地区計画などに関するより推進を図る、こういう大きな役割も担っているということでありますから、マスタープランにつきましては、ぜひとも今後の運用において、今局長が述べられたような視点で御努力をお願いしたいと思うわけであります。
 そこで、マスタープランについて伺いたいのでありますけれども、衆議院における政府提案の段階では、マスタープランに関しまして、「定めることができる。」、こういうふうな規定に結びがなっていたと思うんですが、それが「定めるものとする。」、こういうふうに衆議院で修正をされているわけでおります。これは当初の考えと修正後の考えに、私は言葉の持つ意味からしても制度的な意味での大きな違いというのが生まれてくるような気もするんですけれども、この点については政府の方ではどのように理解をしておりますでしょうか。
#97
○政府委員(市川一朗君) 衆議院の御審議の際に御答弁申し上げたことでございますが、私どもも、市町村の都市計画に関する基本的な方針は基本的には市町村が任意に定めるものであって、特に義務づけということは考えておりませんでしたのですが、ただ、それはあくまで市町村の自主性に任せたいという考え方からそういう御提案を申し上げておりましたのでございまして、私どもの願いといたしましては、都市計画を定めるすべての市町村においてこういった基本的な方針を策定されることが望ましいものと考えておった次第でございます。
 したがいまして、ただいま御指摘ございましたように、衆議院の段階で「定めることができる。」というのが「定めるものとする。」という形に修正をされまして、策定義務が明確化されたことになりまして、その結果といたしまして都市計画を定める市町村すべてについて基本的な方針の策定義務が課せられたことになったことでございますので、私どもといたしましては、そういう意味におきまして、政府の考え方もある程度認めていただいた上で、なおさらなる位置づけを明確にしていただいたのかなというふうに積極的に評価しているところでございます。
#98
○種田誠君 そうしますと、より一層市町村においてマスタープランというものをつくっていく責務というのは明確になったということでありますので、責務ということになりますと、これは言葉として義務とはまた違うような認識を持つわけでありますけれども、責務という概念のものであったとした場合、私は一定のマスタープランをつくる上での国からの支援策、こういうものに対する配慮もある程度していかなければいけないと思うんですが、その辺のことについてはどのように今お考えでしょうか。
#99
○政府委員(市川一朗君) 具体的なこれからの市町村の都市計画に関する基本的な方針の策定の促進につきましては、法案成立後の課題といたしましていろいろと検討していきたいと思っておったところでございますが、ただいまの御指摘もございましたように、位置づけがより強められたということも踏まえまして、行政レベルにおきましても、市町村がよりこういった方針の策定がスムーズにいきますように、どういう手だてが考えられますか、いろいろ工夫しながら、場合によりましては予算面の助成措置等も含めましていろいろ検討する必要があるのではないかというふうに考えておるところでございます。
#100
○種田誠君 このマスタープラン、中身についてはまだはっきりしているものではないかと思いますけれども、当委員会の質疑の冒頭で石井先生の方からもマスタープランのイメージなどについての質問などもありましたし、石渡先生の方からもあったような記憶をしているわけでありますけれども、私どもが説明を受けた中で、図表示などを設けてある程度市民の皆さんにも一日して自分たちの町が将来どのようになっていくのかわかりやすいような形のものもつくり上げていきたい、そしてまたいろいろな角度からの支援をしていきたいということでありますけれども、そうなってきますと、私はいよいよ市町村において都市計画の専門家と言われるような方々を育成していく必要があるだろうし、そのためにも新たな財政的なバックアップを明確にしていく必要もあるんではないだろうかな、こう思うわけでありますけれども、特にその人材の養成についてはどのようなお考えがありますか。
#101
○政府委員(市川一朗君) 今回の法改正もございますけれども、まず基本的に、都市計画制度の的確かつ実効性のある運用を図っていきます場合におきましては、都市計画を担う地方公共団体におきます専門職員の養成、あるいは執行体制の充実ということを図ることは極めて重要であるというふうに考えております。
 建設省におきましては、例えば附属機関であります建設大学校の研修におきましても地方公共団体の職員の方々を対象といたします都市計画専門研修は極めて重要なコースの一つとして位置づけておるところでございますし、また、そういったもの以外にも人事交流という形をとったり、あるいは特に都市計画に関しましては、必ずしも専門の職員の方々というだけではなくて、市長さんとかそういう責任のある方々の御理解ということが極めて大事だというふうに考えておりまして、毎年、数泊していただいて、かなりの長い時間、都市計画に関しますいろんな御議論をいただく場としてのトップセミナー等もやらさせていただいております。
 そういった形でいろいろと努力しておるところでございますが、ただいま先生から御指摘ございましたように、市町村のマスタープランという制度がこういう形でスタートすることになりまするならば、なおさらのこと、市町村レベルにおきます都市計画に関する人材の養成とか都市計画制度に関する理解といったものの深度ということが重要になってまいると思う次第でございまして、これもいろんな方法を講じながら、そういった方向で人材の養成、都市計画制度の理解の浸透といったようなことについて努めていく必要があると考えております。
 具体的にどんなことがあるのかなという意味の御質問じゃないかと思いますが、やはり研修制度の充実等がその際まず思い浮かぶ一番重要なファクターだと思っておる次第でございます。
#102
○種田誠君 さまざまな角度からの今後の検討をお願いして、ぜひマスタープランが制定された目的が一日も早く達成されるように努力をお願いをしたいと思います。
 次の質問に移りたいと思います。
 けさほども野別委員の方からの質問にもございましたが、用途地域の指定のない区域に関する建築の制限に関しまして、政府提案では容積率四〇〇、建ぺい率七〇を二〇〇、六〇、こういう予定で当初あったのが、衆議院の方で容積率に関しては四〇〇、三〇〇、二〇〇、一〇〇、建ぺい率に関しては七〇、六〇、五〇、このように修正をされたということであります。この修正をされたことによって政府としてはどのような新たな施策の展開が可能になるか、また、どのような効果がもたらされるものと認識をしておりますか。
#103
○政府委員(立石真君) 用途地域の指定のない区域にリゾートマンション等が無秩序に建築が見られる地域について、これらの地域についての建築活動をコントロールするために、また、良好な市街地環境の確保を図るために、政府案といたしまして従来の四〇〇%、七〇%以外に二〇〇%、六〇%の制限を適用できるようにしたいと考えたところでございますが、御指摘のとおり、衆議院において政府案の内容についてより厳しい容積率あるいは建ぺい率がメニューとして追加されたところでございます。
 これらの措置は、無秩序な開発を防止するために地域の特性に応じてより詳細な制限を定めることとすべきであるという国会の御審議の結果であろうかというように考えておりまして、真摯に受けとめているところでございます。
#104
○種田誠君 まさにこの白地地域におけるよりきめの細かな施策の展開を図っていく、そしてまた、同じく今回改正が提起されております調整区域外の建築に関する規制、こういうものが今日提起されたこと自体は、私は、大きな社会背景、かつさまざまな自治体の要望にまさに前向きにこたえていこうという姿勢のあらわれと思って高く評価をしたいと思うわけであります。
 今までこれらの問題に関しましては、どうしても法の空白地帯ということで法の規制というか指導というのが及ばなかった地域でありますので、これからの運用においてぜひとも慎重をきわめられまして、自治体のニーズに、かつまた住民のよりよい住環境をつくっていく、地域のことは地域で一つの手法をもって町をつくっていく、こういうのにこたえるような運用上における指導などをお願いをしたいと思うわけでありますけれども、この点に関しての質問はこれで終わりにしますので、局長の方の決意をいただきたいと思うんですが。
#105
○政府委員(立石真君) 先生御指摘のように、地域ごとに自分の町づくりあるいは地域を特性のある、そしてまた非常に環境のよい地域にしていきたいという声は強くあるところでございまして、都市計画、建築行政を通じましてそういう声にこたえていくことが必要だろうと思っております。
 今回のも先生に今評価していただきましたが、これまで都市計画区域内の白地地域についてはその土地の利用について一体どういうふうにするかということが都市計画の中では決めていない、そういう中でいろいろな形態制限をかけることは一体いいのかどうかということも大きな議論としてございましたし、また都市計画区域外について今回のような規制ができるかどうかということについても大変議論があったところでございます。
 しかしながら、先ほど先生のおっしゃられましたように、地域の特性に従い地域の土地利用を方向づけていく、そして個性的な地域をつくっていく、そういう面からは何らかの建築規制が行われることが必要だというふうに考えて今回の提案をしたところでございまして、さらに衆議院での的確な御修正をいただいたところでございますので、それらの精神を生かしまして、今後、都市計画、建築行政を進めていきたいと考えております。
#106
○種田誠君 ぜひとも今の局長の決意のもとに法の運用をしていただきたいと思うと同時に、まだまだこの点については我が党が提起している開発全体を規制していこうという物の見方からは距離があると思いますので、一層のこの辺に関する発想の転換を含めた御努力をお願いしたいと思います。
 次に細かい点について、衆議院における修正箇所のことについて質問をさせていただきたいと思います。
 まず、開発許可関係における開発登録簿の記載事項が追加されたわけでありますが、都市計画法の四十一条二項ただし書きや四十二条一項ただし書きの関係で、これが追加記載されたことによってどのような効果がもたらされるというふうに認識をしておりますか。
#107
○政府委員(伴襄君) 開発登録簿は善意の第三者の権利、利益の保護を主たる目的としましてできているものでございまして、現状では開発許可の内容とかあるいは市街化調整区域内の開発区域について知事が特別に建ぺい率を定めますので、そういった制限の内容を記載いたしまして、これを一般の閲覧の用に供して取引の安全等を図っているというものでございます。
 今回の修正によりまして開発登録簿に新たに二つの事項をつけ加えるということになったわけでございますが、一つは、市街化調整区域内において開発許可の際定められた建ぺい率の制限がもともとあって、それをいろんな事情で知事が特別許可をして別の許可を与えた場合その旨を記載するというのが一点でございます。もう一点は、開発許可に伴って予定建築物があるわけでありますが、それ以外の建築物をこれまた知事の特別許可を得てつくった場合に、そういう予定建築物以外で知事の特別の許可を得てつくったものだということを記載する。この二点でございます。
 現行の開発登録簿におきましてこれらの事項が書かれておりませんでしたのは、もともとの制限内容は登録簿や法律に明記されていますので第三者の取引の安全の保護が図られているからということで書いていなかったと思いますが、今回、修正することによりまして、実際につくった建物と登録簿に記載されている制限内容とが違っているわけですが、その違っているのは、これはきちんとした知事の許可を受けたものだということが明らかになりますので、一見して法令に適合しているかどうかということがわかるわけでございまして、第三者への情報の開示をより一層充実させるという意味で非常に意味があると思っております。
#108
○種田誠君 第三者に対する情報の提供を一歩進めるもので非常にいいことであると同時に、今、局長述べられたように、登記簿と実際の建物がそごをしているというようなことがわかってくれば、むしろ逆に今度は行政の方としても一定の指導なり監督なり処罰なりをしていかなきゃならない、こういうふうな責務もより明確化してくるだろうと思うんです。そういう意味で、細かい要件がたくさん入ってくれば入ってくるほど事務的には大変なことになるかと思いますけれども、今申されたようにいわゆる国民に対するサービスでもあるものですから、ぜひこの充実なども図っていただきたいと思います。
 それからさらに、またまた細かい修正点で恐縮でありますが、十二条の五項に関しましても、特定行政庁の台帳整備関係の点が修正されております。このことに関して、この修正の目的や効果についてどのように認識をされておるか、お願いしたいと思います。
#109
○政府委員(立石真君) 建築物を建てるときには、建築確認また竣工検査等によってそれが図面どおりできているかどうか、そういうことがチェックされるわけでございますが、それが実際に使われるようになったときに用途転用が行われる場合があるわけでございまして、それが違法な用途転用になることは建築行政全体の秩序がおかしくなるというふうに考えているところでございます。
 特に、例えば前改正において用途別容積型地区計画制度、また今回の改正案におきましても用途地域の細分化あるいは中高層階住居専用地区の指定制度等が制度化されますと、さらに一層違法な用途転用を防止する必要があるというように考えております。
 そのためには、特定行政庁が日常パトロールを行うわけですが、これを強化することによって建築物の利用状況を的確に把握していることが重要であると考えているわけでございます。この的確なパトロールを行うということは、先ほどの開発登記簿の場合と同じでございますけれども、執行体制の整備と同時に、建築確認等の処分を行った場合に建築物に関する台帳を整備しておくということが効果的であると考えているところでございます。
 衆議院における台帳整備に関する事項が追加修正されたところでございますが、必要に応じて当該措置を講ずべきであるという趣旨が法律上明確化されたところでございまして、これらによりまして体制整備や台帳の整備その他の措置の具体化が促進される等の効果が上がるものと考えておりまして、これらの措置によりまして、違反の防止あるいは是正に適切に対処するよう特定行政庁を指導してまいりたいと考えております。
#110
○種田誠君 さらにもう一点、定義に関しての修正がなされました。
 括弧書きとして「これに類する構造のものを含む。」という言葉が新たに挿入されたようであります。自動車の車庫がこの改正の前提に論じられた、こういうように聞いておるわけでありますけれども、この辺のことについて、どうして屋根及び柱または壁を有するものについてこれに類するものという概念をさらに加えたのか、この点について説明をしていただきたいと思います。
#111
○政府委員(立石真君) 今回の衆議院におきます修正は、主としていわゆる自走式自動車車庫が建築物であることを明確化するという観点から確認的に建築物の定義を改めたものであって、土地に定着する工作物のうち「屋根及び社もしくは壁を有するもの」については、これに類する構造のものを含むものとしたものでございます。
 いわゆる自走式自動車車庫と申しますのは、町中で先生もごらんになっているかと思いますが、乗降に際しまして駐車空間の内部及び上部を人が歩く、あるいはまた車を収納する機能を持った空間を形成する、こういうことから見まして、他の一般的な建築物と同様の使い方がなされているというように考えまして、建設省としては、従来から建築物として取り扱って安全性とか良好な市街地環境の確保を図るという措置を指導してきたところでございます。
 しかしながら、一階の屋上部分の床板といいますか屋根といいますか、に穴があいた鉄板を使う等の車庫が非常に多く出回ってきております。そして、これは穴があいているんだから雨露をしのぐことができないから屋根ではないというような言い方をいたしまして、一部業者がこれは建築物ではないからしたがって建築基準法に定める建築物に係る安全基準とか用途規制に従う必要がないとして建築している実態がございまして、建築行政の方は建築物として取り扱うべきであるというような措置をとろうとしたところからいろいろとその解釈をめぐってトラブルが生じていたところでございます。
 今回の修正によりまして、はっきりとこのような自動車車庫が建築物であることが明確化されることによりまして、無用のトラブルが防止できるものと考えているところでございます。
#112
○種田誠君 私としては、自走式車庫がこのような形で建築物に入ってしまうと非常に困ることもあると思うわけです。現にそういうことで裁判を行っている方もおるわけですね。私自身この自走式の車庫を見たときに、一体これが我々が普通建築物としてイメージをしたものと果たして同じものと言えるものかどうか。むしろ私は今回、これに関しては、建築物とは異なった、屋根とか柱とか壁という概念ではなくて別個な規制をしていく、安全基準をつくっていく、こういう方が正しかったんではないだろうかなという認識も持っているところであります。
 というのは、余りにも建築物から隔たったものを「これに類する構造のものを含む。」というような形で入れてしまった場合、これから一体この概念はどこまで膨らむんだろうか、何でもかんでも建築物に入ってしまうんじゃないか、こういうふうなことにもなりかねないと思うんですが、この歯どめはどのように考えておりますか。
#113
○政府委員(立石真君) まず第一に、この建築物についてどういう考え方で建築規制をしなければならないかということでございますが、町中で特にたくさん人の集まるパチンコ店とかスーパー等のわきにつくる場合が多いわけでございますけれども、その場合には、まずは安全性の面あるいはまた市街地の環境、特に景観や排ガス等に伴う環境面等から何らかの建築規制が行われた方が妥当であるというように考えて、建築規制をすべきであると考えたところでございます。
 これが建築物でないということで何らの規制も行われないままに無秩序に建てられたものも最近は相当出てきたところでございますので、建築行政上は建築物と解釈して、建築物として何らかの規制を行う必要があると考えたところでございます。
 しかしながら、これらの建築物につきまして従来からと同じように自動車車庫についての比較的厳しい防火上の制限等をかけますと、なかなか今度は自走式自動車車庫がうまくつくれなくなる可能性もあるわけでございます。
 そこで、今回の改正案におきましては、建築基準法の八十四条の二におきまして、壁を有しない自動車車庫、あるいは屋根を帆布としたスポーツの練習場等については簡易な構造の建築物であるというようにして、通常の建築物とは違って防火上、安全上の基準等についての緩和を行いたいという提案をさせていただいているところでございますが、これらの措置によって簡易な構造の建築物として過度の制限にはならないのではないかというように考えているところでございます。
 それから、それでは膨らむことを防止できるのかということでございます。
 今回、定義で「これに類する構造のもの」として入れたところでございますけれども、「これに類する構造のもの」としては、今のところは、自走式自動車車庫のほかには、例えば東京ドーム等の空気膜構造の建築物も考えられるわけでございます。空気膜構造の建造物は、初めに膜をつくっておきまして中から圧力をかけてふわっと風船のように膨らませたものでございまして、言うなれば、屋根、柱または壁で囲った空間というにはちょっとはっきりしないですが、しかし、その利用形態としては建築物としての利用が行われるというように考えておりまして、これらのものが含まれると思うところでございます。
 これらについては建設省は従来から建築物として取り扱ってきているところでございますので、特にこれによって何らかの拡大をするというようなものではないと考えているところでございます。
#114
○種田誠君 実は私がこれを聞いたのは、建築基準法というのは一定の規制とか規制に伴う処罰とかさまざまな強制力を伴っているものですから、こういう法律が「これに類する構造のものを含む。」というかなり多様なものを飲み込んでしまうような定義をつくりますと、今後混乱をもたらすおそれがあるんじゃないかと思うからです。
 今、局長がおっしゃっておったように、空気圧でふわっと膨らました大きなドームみたいなものを建築物というふうにしていくんならば、むしろそういうものを特定したり自走式自動車車庫を特定してと、こういう非常にわずらわしい、その都度法の改正、改廃を伴わなきゃならないことになるわけでありますけれども、建築基準法などは私はそういう形でむしろ維持していく法令に入るんではないだろうかなと思うんです。刑法なども同じでありますけれども。
 そういう意味で、「これに類する構造のものを含む。」という概念は、今回はとりあえずやむを得ない状態の中での私は修正だったんじゃないかなと思うんですけれども、今後もう少しこの辺は、法全体の役割、機能、法の持っている性格等との関係で検討していただきたいな、こう思うわけでありますが、いかがでしょうか。
#115
○政府委員(立石真君) 先生御指摘のとおり、建築基準法は建築物に関連しましてかなり強い権利の制限にもなるものでございますので、慎重に運用していかなければならないものだと考えております。
 現段階において先ほどのような表現とさせていただいたわけでございますが、建築技術がさらに発展していきますと、もっと変わったものが出てくる可能性もあるわけでございます。これらについて、どうも物理的に表現するということが難しい場合もあろうかと思いますが、基本的な考え方といたしましては、形態的には屋根、柱、壁に類似する構造部分が一体となって物理的に外界と区分して形成される空間で、人が何らかの用途に利用するものとなっているかどうか、それが建築物であるかどうかを判断するどうも基本ではないかというように考えているところでございますが、今後とも慎重に扱っていきたいと考えております。
#116
○種田誠君 次に、昨日の質問にも一部重複するかとも思われますけれども、開発許可関係に係る技術基準において、きのうも伴局長の方から説明を受けておるわけでありますけれども、確認をしておくというか、お願いをしておくというか、そういう視点からの質問をさせていただきたいと思うんです。
 むしろこれらの基準はこれから、全国一律的な性格を持たせるんではなくて、できる限り各地域の風土、気候などさまざまな要素を十二分に考慮しながら各自治体においてこれを決めていく、そういうふうな方向が望ましいんじゃないか、私自身はきのう質疑が終わった後もそういうふうに思うわけであります。したがいまして、この辺については今回改正の中でどうこうせいというわけじゃなくて、今後の一つの流れとしてどのような考えを持っておるか、局長の方の見解などを聞かせていただければと思うわけです。
#117
○政府委員(伴襄君) 現行の都市計画法に基づく開発許可制度で特に技術基準の適用でございますけれども、これはもともと都市の健全な発展と秩序ある整備という公益の目的がございまして、その公益の目的を実現するために本来自由なはずの財産権の行使に一定の制限を加えて一定の水準に持っていこうというようなものでございまして、開発行為による機会に市街地として一定の技術水準を確保しようというねらいがあるわけでございまして、一定の基準に適合する限りは許可しなければならない、そうなっているわけでございます。
 したがって、今の開発許可基準で、別に例えば各公共団体が条例等によりまして上乗せ制限を付加するといったようなことになりますと、現行の開発基準が既に開発区域の周辺の状況等を勘案してとなっておりまして、地域の特性が考慮された基準になっておって、しかも必要かつ十分な最大の規制になっておりますので、したがって、基準に適合する限りは許可しなければならないという建前からいいましても、制限の付加をするのは過大な権利制限になるのじゃないかなというふうに思っているわけでございます。
 加えて、余りいろんな制限を付加することは、もともと特に勤労者に対して低廉な住宅宅地を供給するというもう一つの使命があるわけでございますので、そういったことによって余りコスト増になって価格上昇をもたらすというのもいかがか、そういうふうに考えておるわけでございます。
 ただ、御指摘のとおり、地域の特性をいろいろ勘案してやるということは大変必要かと思います。現に現在の技術基準の政省令におきましても、例えば住宅の敷地に接する道路の幅員、これは原則六メートルとなっておりますけれども、例えば雪が多い地帯というようなところでは交通確保のために六メートルを八メートルにするというふうなことになっております。また、樹木の保存等をすべき開発区域の面積というのが決めてありますけれども、これは原則一ヘクタールでありますけれども、都道府県の規則で一定の範囲内で規模を下げることができるといったようなものもありまして、地域特性を踏まえた運用ができるようになっておるわけでございます。
 したがって、先生御指摘のような点につきましては、今後、今回の法改正などを踏まえまして開発許可の技術基準に関する政省令を改正する必要がありますので、その際に、先生が今御指摘のような地域特性を勘案し運用を行うべきだというお話を、貴重な御意見として十分その中に配慮して一いきたいというふうに考えております。
#118
○種田誠君 今も局長の方から事例的に述べられておりましたけれども、道路の問題、それから樹木の保全の問題、表土の保全の問題とか、一定の一ヘクタールという面積が決められているにしても、さらに今度は地域の実情によって、決して一ヘクタールでなく一でも、もっと少ない例えば〇・七ヘクタールでも必要な場面があると思うんです。そういう必要性の判断とか適正の判断というのは、私はむしろ各自治体でそれぞれ行われている立場によって違ってくるものがあると思うんです。
 もとより、先ほど局長もおっしゃっていたように、勤労者にできる限り負荷の少ない住宅を供給していくという意味においては余りがんじがらめにそれをするのも問題だという、そういう視点ももちろん重要でありますけれども、今ちょっと述べた例のように、まさに町をつくっていくという視点からいって逆に地方におろした方が妥当なんじゃないかというのが幾つか検討する中に出てきていると思うんです。
 そういうことに関して、今、局長は、今回の改正に伴って見直しなども行っていくということでありますので、ぜひとも政省令の改正などを通じながら、自治体の規則などに含めた自治体への移譲などもお願いをしたいと思うわけでありますが、その点いかがでしょうか。
#119
○政府委員(伴襄君) これ、一定の技術水準を守るということでかなり強い私権制限になっていると思いますので、したがって制限内容を余り個々にばらばらに運用するというのは望ましくない。最大のところ枠は決めておくという必要があると思いますけれども、それは公平性あるいは統一性の観点も大変大事なことだと思っておりますので、その大枠の中で、したがってそれの上積みというのはなかなか難しいかと思いますが、今おっしゃったように今の技術基準でもその地域の特性等を考慮して運用できるようになっておりますので、技術基準の検討、特に政省令で技術の細目を見直すわけでありますから、先生の今の御指摘の点につきましてもぜひとも十分に検討させていただきたいと思っています。
#120
○種田誠君 最後に大臣の方にもお伺いをしたいと思います。
 今回の当委員会における都市計画法の改正に関する質疑、私どもは政府案とは対峙するような形で地方分権、都市計画は地域のことは地域の手でという視点に立った法案なども準備させていただいたわけであります。質疑の内容、そして参考人の先生方の御意見、さらには行政改革審議会のこれまでの答申、またこれから予想される最終答申などにおいても、できる限り国の権限の見直しを図る中で地域の活力を取り戻し日本の美しい国土を地域からつくっていこう、そして二十一世紀には私たちが本当に住んでよかった、また私たちの子供たちにもこの町を継承させてよかった、こういうふうな町づくりができるような法案をつくるための審議をさせていただいたわけであります。
 私は、率直に申し上げまして、今回の改正は一歩も二歩も前進した改正であろうと思うんですが、しかしながら、今申し上げたような大きな歴史の流れの中で、今、日本の都市計画も変わろうとしておりますので、早い時期にもう一度省庁の皆さん方の英知を結集して、地方分権、そして地域のことは地域に、そういう視点に立った法律をつくっていただきたい、このように大臣に対しては最後のお願いをしておきたいと思うんですが、よろしくお願いいたします。
#121
○国務大臣(山崎拓君) いろいろと質疑を承っておりまして、大変勉強させていただいたところでございます。
 最後に社会党案が政府案に対決してというおっしやり方をされましたが、私どもはそのように受けとめておりません。地方分権について特に社会党案が留意してあるということはよく理解できますが、もともと政府案もその点に関しましてはやぶさかでないと思うわけでございます。それは都市計画の制度自体が地方分権といういわば基本的な考え方がございまして、都市計画は基本的には市町村が定めるということはもう繰り返し申し述べてまいったとおりかと存じます。
 ただ、今後とも地方分権を取り進めてまいるにいたしましても、このたびの委員会で地方自治体における都市計画の専門家の養成が必要ではないかという御指摘が与野党通じてしばしばあったところでございます。そういう点も十分しんしゃくしながら、これから都市計画が円滑に効果的に取り進められるように基本的に地方分権という精神のもとに取り進めてまいりたい、かように考えておるところでございます。
 そのほか、住民参加の問題についても御議論がございましたし、あるいは成長管理という考え方もございました。
 成長管理につきましては、政府側の答弁といたしましては、世論の動向を見つつ、あるいは世論の熟成を待ちまして対処したいと申し述べましたところでございますが、都市計画が成長管理的な意味合いを持つ部分も随分ございますので、それをさらに強化充実するかどうかというのは世論の動向等を踏まえまして今後とも点検をしてまいりたい、そのように考えておるところでございます。
 住民参加の問題は、何回も繰り返して申し上げましたとおり、今回の法案でマスタープランづくり等で一定の前進を見たわけでございますが、今後とも、住民の住民による住民のための都市計画、そういう基本的な精神で取り進めてまいりたいわけでございますが、一方におきまして円滑な都市計画の樹立、決定ということも同時に必要なことでございますので、その点も十分考慮しながら、先生方の御指導を得ながら、今後とも都市計画についての円熟した水準引き上げに取り組んでまいる決意でございます。
#122
○種田誠君 最後に、社会党の方で今回対案を出していただいて、大変ありがとうございました。ちょっと時間がオーバーしてしまったものですから、お礼だけ申し上げまして終わりたいと思います。
#123
○中川嘉美君 前回の質問に続きまして、都市計画決定と住民参加の関係についてまず伺っていきたいと思います。
 都市計画というものは、制度がいかにすぐれたものであったとしても、的確な運用がなされなければ無に等しいのではないか、このように思います。
 そこで実際の都市計画決定の手続について触れてみたいと思うわけですが、都市計画決定手続に住民参加の方向を強く打ち出すべきだという主張がよく言われております。外国においても住民参加の積極的な活用による成功例というものが報告されておりますし、また私も、住民の参加保障、これを明確にすべきであるというふうに考えます。しかし、実際には個々の住民の声に耳を傾けることによって所期の目的と食い違う結果を呼ぶことが間々あることも、事実であります。それは、昭和四十五年当時の市街化区域と市街化調整区域の線引きに際して市街化区域が過大に設定されたという事実に照らしても、明らかではないかというふうに思います。
 ここでは、この新都市計画法制定後の線引きに当たって過大に市街化区域が指定された背景、これを伺っておきたいと思います。
#124
○政府委員(市川一朗君) 昭和四十三年の現行法の改正に際しまして、市街化区域及び市街化調整区域の制度が導入されたわけでございます。
 その際にいろんな御議論がございまして、具体的には法施行の一年後の昭和四十四年から数年かかりまして対象となる市町村を含めました線引きが行われたわけでございますが、ただいま先生が御指摘なされました過大な市街化区域の設定ということに関しましては、当初、事務的に考えておりました人口密度との兼ね合いにおきまして、将来想定される人口からして幾ら幾らという面積をある程度想定しておったわけでございますけれども、現実に指定されましたのはそれよりやや数量的に多い面積が市街化区域に指定された、それを過大な市街化区域設定という指摘をなさっておられると思う次第でございます。
 それにつきましては、具体的な線引きの過程におきまして、市街化調整区域に入るか市街化区域になるかということにつきましては、特に市街化調整区域に位置づけられますと当分の間そこは開発ができなくなるというような観点から、ある程度開発を予定されておられたようなところとの調整の問題とかいろいろございまして、結果として当初数字的に計算しておった面積よりは多目の面積が設定された、そういう経緯があったのではないかと理解しておるところでございます。
#125
○中川嘉美君 今回の制度改革を実行に移す段階でも、すなわち用途地域の指定見直し等に当たっては、それが個々の土地の評価に直接影響を与えるものだけに、地権者が高い関心を示すことになるだろうと思うわけです。住民参加が個人の権益を擁護するためだけに機能することとなれば、地域の土地利用のあり方の全体像が見失われることになる。そこには、住民の声を都市計画に反映させるとはいいましても、異質の性格のものが入り込んでくる、このように言わざるを得ないわけです。
 政府に対してはうまく機能するような住民参加の制度を案出されることを望むわけですけれども、ここでは建設省の将来展望をできれば示していただきたい、また自治省に、住民参加のあり方について見解を持っておられるということであれば伺っておきたいと思います。
#126
○政府委員(市川一朗君) 都市計画の決定手続におきましては、公聴会の開催等も含めまして住民参加の手続がいろいろと工夫されているところでございますが、私どもといたしましては、都市計画の内容はかなり広い範囲にわたりまして地域住民の方々にいろんな形で影響を与えるものでもございますし、また、それがどういった形で内容が固まり機能するかによりましてそれぞれの市や町が良好な環境で整備されていくかどうかということにも深くかかわってくる問題でございますから、できるだけ住民の方々の合意のもとで都市計画が決定されていくべきであるというふうに考えている次第でございます。
 ただいま先生から御指摘ございましたように、住民参加の問題とそういう厳しい規制が働くという問題は、なかなかお互い難しいテーマ、ある意味では相矛盾する部分も含んだテーマでございまして、難しい面を含んでいるということは重々承知の上で、しかし、やはりこういった問題は住民参加の中で手続としては決められていくべきものという基本的な信念のもとに今後とも進めてまいりたいと思っている次第でございます。
#127
○説明員(蓼沼朗寿君) 自治法上の住民参加の制度でございますが、御承知のように、我が国の地方自治では公選の議長、それから公選の長という代表民主制をとっておりまして、補完的に住民参加の仕組みがございます。
 条例の改廃請求等の直接請求制度、あるいはリコール、また、このほか議会の委員会が直接住民の要望、意見を聞くために設けられております公聴会、あるいは参考人制度というのが制度としてはあるわけでございます。
 そうした制度のほかに、最近では八一般的な行政に対して住民の意思を反映させる、あるいは反映させて運営していくということが強く求められておるわけでございますけれども、そうした制度の活用、それから重要な事業等の決定につきましてはできるだけ審議会等を設けて住民の参加を求めて積極的に推進していく必要があるのではないか、そういうふうに考えております。
#128
○中川嘉美君 ここで、社会党案について二点だけ伺います。
 現在、地区計画の策定状況が一%強であることは御承知のとおりでございます。地区計画の策定を推進することば至上命題である、このように言えると思いますけれども、三分の二以上の住民の同意で地区計画策定を求めることができるとした点、これはかなり大胆なものと言わぎるを得ないと思います。
 実際の適用においては、地区計画のように住民に密接な関係のある計画について市町村が策定する場合には、ほとんどの場合、全員に近い住民の同意を得て初めて策定にこぎつける、こういう状況のようでありまして、その現実の運用と比べますと、社会党案はかなり思い切った手段をとったということになるかと思いますけれども、下手をしますと三分の一未満の住民の切り捨てともなりかねない、こういう要素を持っているんじゃないか、このように私は思います。
 そこで、この要件の三分の二以上というのはどこからはじき出されたものか、その辺の根拠をひとつお答えいただきたいと思います。
#129
○委員以外の議員(青木薪次君) できるだけ地域住民の意見を都市計画に反映しようとする趣旨でありますが、全員の同意が必要であるということになれば発議制度として現実にはなかなか機能しなくなりますし、かといって、賛成者が少ない段階で発議されても成案を得るのは難しいだろうと考えられます。
 そこで、基本的な考え方として、一定の割合の合意を要求することにより、地域住民が地区計画の案をまとめていく過程において、できるだけ合意を得たいという努力を重ねながらさまざまな住民の意見をしんしゃくして案をつくり上げるということを期待したものであります。
 三分の二という数字の根拠でありますが、建築協定は、全員の合意をもとに縦覧後に認可を受けるとはいえ、都市計画の手続を経て市町村の議会が関与し条例によってその権限が定められる地区計画とは異なるものと考えております。また、強い私権制限を伴う地区計画を要請するものとはいえ、土地区画整理事業であるとか市街地再開発事業など現に存在する建物を取り壊すような事業の組合の設立認可の要件が三分の二であることを考えれば、これより多くの同意を要求するのもどうかと思います。三分の二という数字が適当かどうかということについてはさまざまな意見があることと思いますが、こうした制度とのバランスを考えてこのように定めたものでございます。
 また、運用面で実際に機能するかという御質問がと思いますが、もとより実際には住民のまとめ役となるような専門家の協力が要るかと思いますし、そうしたアドバイザーを派遣する制度も出てきているようでございますが、実際に法律によらない地域の自治会などによる任意の住民主体の町づくり協定が現に少なくないことを考えれば、ある程度の期待はできるんじゃないだろうか、こう考えているわけでございます。
#130
○中川嘉美君 一応、今の御答弁を社会党さんの御見解という形で受けとめておきたいと思います。
 次に、用途地域に関係してですが、今回の地価高騰のメカニズムの代表的パターンとして用途規制の甘さがよく挙げられるわけですが、新都市計画法が制定されてからも用途メニューは増加の一途をたどっているわけでありまして、土地利用の純化は地価抑制との関係でどのような意義があるのか、この点を伺いたいと思います。
 本改正案においても、現行の住居地域は第二種住居地域として残名こととなっているわけで、このことはすべての用途地域において許容用途の純化を図れるわけではないことを示しているわけでありますが、政府は、都市における各地軸の許容用途のあり方について果たしてどのような構想を持っておられるのか、また、用途の純化を図ることが必ずしも万能ではない点に対してどのように対処するのか、あわせて御答弁をいただきたいと思います。
#131
○政府委員(市川一朗君) 用途地域制度につきましては、今回御提案申し上げておりますのは主として住居系の用途地域の詳細化でございまして、そこでねらっております基本的な目的といたしましては、ただいま先生の方でもお触れになりました点でございますが、用途の純化を図りましてその用途に見合った地価形成といったようなところで適正な地価水準を確保していきたい、そういう観点が地価問題という点ではあるというふうに理解しておるところでございます。
 しかし、こういった用途の純化という用途地域制度のみによりましてすべての問題が解決できるものではないわけでございまして、地価といいますか特に住宅地等の価格の問題につきましては、いわゆる需給バランスの確保といったようなことも極めて重要であるというふうに思っているところでございます。
#132
○中川嘉美君 その用途地域については、都市計画中央審議会の答申で追加する必要があるとされていたメニューが最終的にはすべて法案に盛り込まれたわけではないわけです。一部、特別用途地区として実現が図られているものもありますけれども、答申と法案で差が生じている。その差が生じた経緯及び理由、この辺を伺いたいと思います。
#133
○政府委員(市川一朗君) 基本的には、都市計画中央審議会の答申に沿いまして政府案を策定したつもりでございます。ただ、具体的な案を固める段階におきまして、特別用途地区に持ち込んだものが三種類あったわけでございますが、法律上はそのうち二種類を提案してございます。
 その中で一例を申し上げますと、中高層階住居専用地区という特別用途地区でございます。これは主として商業系の用途地域のところにおきましてある一定の階数以上は住宅として確保するという場合に使われる制度として御提案申し上げているわけでございますけれども、基本となるのは、商業系の用途地域の中で使われるものであるから、そういう意味では特別用途地区という制度の方が制度的にはなじむのではないか、いわば商業地域と住居地域のあいのこみたいな用途地域という制度を設けることはかえって混乱を生ずるのではないかというところが第一点。
 それからもう一つは、そういった中高層階住居専用地区というようなものの考え方が必要となる都市は極めて限られるものでございますので、そういった非常に具体的に限られる都市の限られる場所、大都市の都心部といったようなところでございますから、そういったようなものにつきましては規制の内容等につきましてもいわゆる条例等でやっていただいた方が都市計画のあり方としてもいいのではないか、別室言い方をしますと、一般化するよりはむしろ特定化した方がいいのではないかというような議論もありまして、これは特別用途地区にする。
 そういったような議論の積み重ねの結果として、答申の内容と若干異なった政府提案になっておりますが、御提案申し上げております考え方は、あくまで住居の環境の保全、確保といったところでございまして、これにつきましては答申の線と全く同一の線にあるものと私どもは理解しておるところでございます。
#134
○中川嘉美君 そうすると、ちょっと確認の意味で伺いますが、新設予定の今言われた特別用途地区は法定される中高層階住居専用地区、それから商業専用地区、もう御答弁の中にあったとおりですが、これだけなのかどうか、これを機に政令で定める特別用途地区のメニューをふやす予定はあるのかどうか、もう一回確認しておきたいと思います。
#135
○政府委員(市川一朗君) 政令で予定しておりますのは、研究業務地区というのがございます。今は商業系、住居系、工業系、こう分けておるわけでございますが、例えばイメージとして一例を申し上げますと、筑波研究学園都市のようなところで研究所だけがずっとあるような場所がございまして、これをどういう名前で用途地域として位置づけるか、工業系と言い切るにはちょっとあれでございますし、商業系と言うのにもなじまない、そういう意味で新しい用途地域が必要ではないかという議論が審議会でもあったわけでございますが、先ほどちょっと答弁漏れして失礼いたしましたけれども、これにつきましては、そういったものの必要性は認めながらも、現時点においてはそういった地域は極めてレアケースではないかというところから、特別用途地区というところで対応しようということになった次第でございます。
#136
○中川嘉美君 この用途地域の指定基準について、関連して伺います。
 今回この用途地域のメニューがふえるわけですけれども、指定の見直しかなされなければ、制度が変わっても状況は従来と変わることはないということになります。そこで、今回の制度改正以上にその運用が重要なものということになるわけです。
 この用途地域の指定基準はまだ具体化していないとのことですけれども、どの程度の厳しさを持って臨むものか。この用途地域の指定に際して、現状に対する許容度を大きく持たせるのか都市のあるべき姿を追求するのかというジレンマが常に出てまいりますが、現状追認ということになると、結局、用途の混在を広く認めることにつながる。今回の指定基準の策定に当たってはどのような点に留意すべきであると考えておられるか、御答弁をいただきたいと思います。
#137
○政府委員(市川一朗君) まず、今回の改正によります用途地域に関しましては、附則の第二条によりまして、法施行後三年以内に新しい用途地域に塗りかえなければならないということになっておる次第でございます。
 したがいまして、当然そういう作業が行われなければならないというふうに私ども理解しておるわけでございますが、その際、今回の法改正の趣旨は適切に住環境の保護を図るということを目的といたしまして住居系の用途地域の細分化ということを主眼にしておるものでございまして、特別用途地区についても御指摘がございましたが、これはただいま申し上げました附則によります都市計画の決定の義務という意味では外れるものでございまして、それぞれの地方公共団体におかれまして必要とあるならばそれを採用していただくということになるわけでございますが、用途地域全体につきましてはそういう観点で新しい御提案を申し上げておりますから、それを今後法施行後三年以内で各地方公共団体で塗りかえていただくということになるわけでございます。
 先生も重々御承知のとおり、我が国の都市も大都市から地方都市まで、また地方都市におきましてもいろんなレベルの都市がございまして、そういったような中で、今回の改正案につきましても、それを一律に適用するということはかえって現状に合わないということになりますから、できるだけその都市における実情に即しますように指定していただきたい。
 そういう意味では、国といたしましては地方公共団体の自主性を尊重しながら対応したいというふうに考えておりますけれども、少なくとも東京を中心とする大都市等におきましては、地価問題という極めて深刻な問題が現実に発生し、また将来も起こり得るわけでございまして、それによります都市環境の悪化という問題は極めて重要な問題でございますから、用途地域の改正、改定に当たりましては、そういった今回の法改正の趣旨というものを十分達成できるような形で取り組んでもらいたいというふうに思っている次第でございます。
 私どもといたしましては当初からそういう考え方を持っておりましたので、一年かけました審議会の議論の中でも、そういった代表的な地方公共団体の責任ある方々に直接審議に参加していただきまして、適用可能な制度といったものについて十分工夫したつもりでございますので、必ずや所期の目的が達成されるものと思っておる次第でございます。
#138
○中川嘉美君 この制度がどのようになるかということと、その運用がどのようになされるのかが重要性において甲乙つけがたいわけであります。また、用途地域の指定について個々具体の地域の指定の前提には指定基準が存在するわけであって、それは法規範としても法律事項と紙一重であるというふうに考えます。
 この指定基準を法律案に盛り込むことまでは無理かもしれませんけれども、この法案審議の際には明確にしておいてもらって参考にすることができるようにしておいていただきたい、こんなふうに思います。そうでなければ新しい用途メニューについての具体的なイメージがわかないわけでありますが、この点についてはどのようにお考えかをお聞かせいただきたいと思います。
#139
○政府委員(市川一朗君) 都市計画法におきまして新しく改正されましたいろいろな用途地域につきまして、その用途地域はどういう性格のものであるかということにつきましては法律事項として規定しているところでございます。
 確かにかなり抽象的な表現でございますから、それだけでは必ずしも明確にならないわけでございますが、基本的にはそういった用途地域ごとに、具体建物について許容されるものあるいは認められないもの等につきましては、別途また建築基準法の別表の中でもかなり詳しく書かれておりますので、そういったようなところで、我が国の都市計画制度の中ではこの用途地域制度に関しましては具体の建築物の範囲まで含めまして、都市計画法と建築基準法の組み合わせではございますが、かなり詳しく決められておる典型例ではないかなと思っている次第でございます。
 しかしながら、現実ではそういったようなことではございましても、なお詳細にわたりましていろいろ疑義が生じたりするものでございますから、その辺につきましては、すべて法施行の段階におきまして政令、省令、通達等でしっかりと明示する必要がある。
 そういう意味合いからいたしますと、この法律公布後一年たって施行というのは、施行のための準備段階としても私どもとしてもそれはぜひいただきたい期間である、そんなふうに思っている次第でございまして、ただいま御指摘ございましたように、指定基準等についてできるだけ明確にするということにつきましては私どもとしてもきちっと対応してまいりたいと思っておるところでございます。
#140
○中川嘉美君 それでは次に、マスタープランの充実問題について、いろいろ今までも御議論が出ておりますが、二、三点確認の意味でもまた伺っていきたいと思います。
 まず、整備、開発、保全の方針はマスタープランとしての機能を負うべきであるとされながら十分に機能してこなかった点が指摘されておりますが、建設省では、現行の整備、開発、保全の方針がどのように機能してきてどの部分が足りなかったと評価しておられるのか、まず伺いたいと思います。
#141
○政府委員(市川一朗君) 「整備、開発又は保全の方針」は、市街化区域及び市街化調整区域の区域区分を都市計画で決める際にあわせて都市計画で決めるものでございまして、その内容といたしましては、都市計画の目標から始まりまして、土地利用の方針、交通体系の整備の方針、あるいは自然地の保全、公共空地の整備の方針、それから再開発の方針、その他都市計画区域全体にわたるビジョンを示すということになっておるわけでございます。
 したがいまして、それがどの程度機能してきたかどうかということについてはいろいろと御議論もあるわけでございますが、基本的にはそういった方針に基づきまして具体的に市街化区域及び市街化調整区域の線引きがなされているわけでございまして、これは我が国の都市計画制度の根幹をなすものでございますので、私どもの理解としてはこの「整備、開発又は保全の方針」は都市計画の最も大事な基本となる部分についてはそれなりに機能しておるというふうに思っておるわけでございます。
 別の観点から申しますと、したがいましてこれは線引きが定められた都市計画区域の中で決められる方針でもございますし、また都市計画区域全体にわたるマスタープランでございまして、いわゆる線引き、都市計画区域は、かなり広域にわたる都市計画区域として広く設定されているところが結構多うございますので、具体の市町単位に見ますと、その市町が具体的にそういう意味でのマスタープランを持っているというふうにはなかなかならないわけでございます。その辺が一つの都市計画のマスタープランとしては限界があるのではないかというふうに思っておるところでございます。
#142
○中川嘉美君 今回、市町村マスタープランを策定することになっている点は評価したいと思いますけれども、整備、開発、保全の方針について定める第七条が手を加えられていないわけです。この点は運用によって改善を図るということになるというふうに思いますけれども、どのように対処されるつもりか、伺いたいと思います。
#143
○政府委員(市川一朗君) 今回の新しい制度ができますと、各市町村単位で具体的な都市計画に関する基本方針を定めることになると思います。
   〔委員長退席、理事種田誠君着席〕
その過程におきまして、「整備、開発又は保全の方針」の内容が場合によりまして修正を要する場合が出てくるかもしれません。その場合はそれをできるだけ早い機会に正すといったようなことが必要となってくるわけでございまして、その辺が運用の問題という意味では運用の問題でございますが、ただ、基本的には「整備、開発又は保全の方針」と市町村の都市計画に関する基本的な方針とは整合性がとれている必要があるわけでございまして、「整備、開発又は保全の方針」はかなり都市計画の根幹にわたる問題についての方針でございますので、市町村の具体的なマスタープランづくりにおきましてはできるだけ「整備、開発又は保全の方針」というものを尊重しながら定めていくことの方がむしろ私は現実的なのではないかなというふうに思っております。
 それでも現実には大分前に定められた方針のためにちょっと矛盾する部分が出てくるということもあり得ると思いますが、そういう場合はちゅうちょなくその「整備、開発又は保全の方針」を改正するということも適宜行うように指導してまいりたいと思っておる次第でございます。
#144
○中川嘉美君 ただ、この整備、開発、保全の方針が線引きに付随するものであることから、未線引きの多くの都市計画区域においてはこのマスタープランに当たるものは存在していないということになります。この点は運用によっては対処し切れない部分であると思いますけれども、その機能は市町村マスタープランでカバーすることを意図しておられるかどうか、この点はいかがですか。
#145
○政府委員(市川一朗君) 未線引きの都市計画区域につきましては、大体都市計画に関する基本的な方針としては今回の市町村のマスタープランでカバーしていただきたいというふうに思っておる次第でございます。
#146
○中川嘉美君 市町村マスタープランについては衆議院で修正がなされて一応の義務規定となったわけですが、ただ疑問として残るのは、この法文において「当該市町村の建設に関する基本構想並びに市街化区域及び市街化調整区域の整備、開発又は保全方針に即しことされている点であります。すなわち、市町村の基本構想と整備、開発、保全の方針の両方がなければこの市町村のマスタープランも定めることとならないというふうに解する余地もある点であります。
   〔理事種田誠君退席、委員長着席〕
 先ほども述べたように、未線引き地域はたくさん存在して、それらの都市計画区域では整備、開発、保全の方針も存在しないわけであります。したがって、その場合には「即し」と言っても即しょうがないということになりますけれども、それがマスタープランが拘束を受けないことを意味するのか、あるいは定めてはならないことを意味するのか、この点について御説明をいただければと思います。
#147
○政府委員(市川一朗君) 私もちょっと自信がないものですから今後ろで確認したんでございますが、ない場合はないといいますか、そういうことを前提として定めることができるというふうに理解しておるところでございます。
#148
○中川嘉美君 この点はこの程度にしておきまして、次に誘導容積制度についてです。
 誘導容積制度が適用されて土地の有効高度利用が図られますとその土地の価格が上がるかもしれないということは、これは都市局長も認めておられるところです。そして、それでも住宅等の供給が増加することは住宅価格の安定につながるというふうな、そういうことで言っておられるわけですが、私はこのように需給バランス論だけに依拠することは危険なことではないかというふうにも思うわけです。
 その土地の価格の上昇が住宅供給増で相殺されるとしても、地価上昇の周辺への波及までは解消できないんじゃないだろうか、このように思いますが、その点も想定の中に入れておられるのかどうか、この点はいかがか、お答えをいただきたいと思います。
#149
○政府委員(市川一朗君) 地価上昇に関しましてはいろんな原因が考えられると思いますが、少なくともその土地が現在利用されておる状況を超えて将来の土地利用の状況を想定として地価が上がるような場合に、ある程度都市計画の中できちっとその目的が定まっており将来の土地利用の状況も定まっておりまするならば、その地価は当然その計画で予定されている土地利用に即した地価になるであろう、こういう想定があるわけでございます。
 そういう意味におきましては、地区計画というもので建物の形態まで含めて定めまするから、そこが高度利用をされるということによりまして、高度利用をされる前に比べますれば地価は経済原則としては上昇すると思いますけれども、しかし、どういう形に最終的になるのかという最終のでき上がりも計画の中ではっきりと明示されておりますから、それを超えて投機的な地価上昇ということは防げる。そういう意味におきまして、適正な用途に見合った地価水準が確保できるという面は今回の誘導容積制度にはきちっと担保されているというふうに私ども理解しておるところでございます。
#150
○中川嘉美君 誘導容積制度の最大の目的というものは、東京において住宅床面積の増加を図ることによって土地の有効利用を図るとともに、住宅の価格の安定を目指すというように理解していいものかどうか、この点はどうですか。
#151
○政府委員(市川一朗君) 基本的には先生おっしゃるとおりなんでございますが、我が国の例えば東京都に訪れてまいります諸外国の方々の印象としてよく出ますのは、日本の東京の土地が必ずしもしっかりと利用されていないではないかという指摘をよく受けるわけでございます。また、私どもの実感といたしましても、現実に低層の木造建築物を中心とした密集市街地というものが比較的都心に近いところで多く存在しておる、そういった建物が老朽化するに従いまして市街地としてもどんどん環境が悪くなっていく、さらには、東京では何といいましても慢性的な住宅地不足という状況がございます。
 そういったような状況の中で良好な環境を確保しながら土地の有効利用を図っていくということは極めて重要なテーマである、都市行政においても避けて通るべきでないテーマである、そういうふうに私は思っておる次第でございまして、そのことと昨今大変重要なテーマになっております東京一極集中問題という問題はなかなか難しい問題でございますけれども、両方相改善しながら推し進めるということが重要である。
 そういう認識に立ちまして、本来土地の有効高度利用が必要であるとされているにもかかわらずそれがされておらないところ、しかも市街地の環境が徐々に悪化しつつあるようなところ、そういったようなところをきちっと改善していくという手法として誘導容積制度はかなり有効に働くのではないかというふうに思いまして、御提案を申し上げた次第でございます。
#152
○中川嘉美君 供給がふえればトータルで住宅価格の安定につながるという点については留保が必要ですけれども、その点は認めるとしても、少なくとも東京においては高度利用によって新たに供給されるフロアが住居用途に使われなければならない、このように思います。まずその点を確認しておきたいのが第一点です。
 また、そうであるとするならば、誘導容積制度を適用する際には商業業務用途を排除する必要があるということになりますが、それは通常の用途地域による用途規制で対応するのかどうか、この点はいかがでしょうか。
#153
○政府委員(市川一朗君) 基本的に、誘導容積制度は用途地域で現在定められている容積の範囲でございますから、適正配分といいましても容積の総量の範囲を超えるものでございませんので、そういう意味におきまして、都市のトータルの容量として住宅の床面積はどうなるのか、業務ビルはどうなるのかといったようなことは用途地域の設定段階のレベルの問題というふうに思っておる次第でございます。
#154
○中川嘉美君 この容積率ですけれども、この容積率は個々具体の地域で設定され、その際に勘案されるのはその地域における公共施設の整備状況であります。前回も触れたことですけれども、東京一極集中との関連で容積率を考える場合は、この各地域ごとの容積率とは別に都市の広がり全体を見据えて総量を規制することも考える必要があるんじゃないか、このように思います。これはこれまでの都市計画にはなかった視点であると思いますけれども、この観点からの規制を図る手だてはないものかどうか、この点はいかがでしょうか。
#155
○政府委員(市川一朗君) 都市計画制度として御提案申し上げておりますので、その都市計画を決定する権限は市町村または知事ということになりますが、今回のこの御提案も含めまして都市計画制度としての用途地域制度は、どこを住宅にするか、あるいは商業業務系にするか、あるいはそのボリュームはどうするかといったようなことにつきまして用途、容積率という形で決めていくことになりますので、手法としては一種の総量規制的な方向で活用しょうと思えばできる制度であるというふうに私どもは理解しておるところでございます。
#156
○中川嘉美君 土地の高度有効利用を図る場合の都市計画上の手法について伺いますが、インセンティブを与えるさまざまな手法の中でもボーナスとして容積率を増加する方法がとられることが多いわけです。常套手段と言ってもいいだろうと思います。これは容積率がふえれば土地の価格も増すものとだれもが考えるからでありますが、当然のことながら地価上昇につながるものである、このように思います。
 ボーナスの乱発は地価高騰の種をまいているようなことになりますけれども、もっと適当なインセンティブの与え方がないものか。容積率をプラスのインセンティブとして用いることは、容積率を与えることが土地の価値を増大させるものであることを正面から認めるようなものであります。確かにそのことは事実として間違いではないわけですけれども、地権者の容積率についての既得権意識を強めることになってしまうのではないか、このように思うわけですが、この点はいかがでしょうか。
#157
○政府委員(市川一朗君) 御提案申し上げております誘導容積制度は、基本的には現在あらかじめ定まっております用途地域の容積率の範囲内で考えておる制度でございますので、必ずしも容積率にボーナスを与えることによってインセンティブとなるというだけではないというふうに理解はしてございますが、適正配分を行います際には、地権者によります地区内での調整ということではございますけれども、御指摘のような容積率がボーナス的に付加されるということが結果として出てくると思う次第でございます。
 そういったようなことにつきましてもっとほかの考え方はなかったのかということにつきましては、正直申し上げまして、いろいろな考え方はあり得ると思う次第でございますけれども、今回はこの程度の御提案になったというところで御理解賜りたいと思う次第でございます。
 それから、こういったことを設けることはいわゆる容積率についての既得権意識をより高めることになるのではないかということの御指摘でございますが、これにつきましては、むしろ適正配分といったようなものの考え方が地区計画の中で十分こなされていくならば、逆にそういったものについての既得権意識というものは弱まることもあり得るのではないかと思っておる次第でございます。
 そもそも都市計画によって定まっております用途、容積率等はあくまで都市全体の公共の福祉の観点から定められるものでございますから、具体の土地の地権者にとりまして絶対にそれは守らなければならない既得権というふうにとらえられるようになりますと、都市計画の変更は全くできない硬直化したものになるわけでございますから、ただいまの先生の御指摘は、都市計画行政に携わるものとして最も基本的な問題点ということで私どもも厳しく受けとめまして、今後の対応の一つの指針としてまいりたいと思う次第でございます。
#158
○中川嘉美君 今後都市計画制度が進んでいく方向というものは、都市の成長管理であると私は思います。アメリカにおいては、そのための手法として御承知のとおりのダウンゾーニングが用いられています。今回の誘導容積制度もある意味ではタウンゾーニングヘの第一歩を踏み込んだものと理解をしておりますが、都市の成長管理のためにはどうしてもこの容積率に手をつけることを避けて通れないと私は思います。そのためには地権者のこの指定容積率に対する既得権意識が障害になるだろうというふうにも思うわけですが、この既得権意識を薄めるための方策は考えられないものかどうか、この辺はいかがでしょうか。
#159
○政府委員(市川一朗君) なかなか難しい問題だと思います。アメリカの方で行われておりますダウンゾーニングというのは私も必ずしも正確に理解しておりませんで、もし間違えておりましたら恐縮でございますが、大ざっぱな理解として申し上げますと、日本の制度に置きかえました場合には、現在定まっている用途地域あるいは容積率をある考え方に基づきまして容積率をダウンさせる、そういう都市計画の変更を行うという仕組みでございまして、そういう意味におきましては、ダウンゾーニングは、アメリカにはあるが日本にはないというものではなくて、日本でもやろうと思えばできる仕組みになっておるわけでございます。しかし、なかなか日本ではそういうことが行われないというのは、先生先ほど来御指摘の一つの既得権意識的なものがあるいは背景になっているのかもしれません。
 私の個人的な理解といたしましては、日本の都市は今までどちらかといいますといわゆる成長を続ける過程であったというふうに思っている次第でございまして、先ほど建設大臣も御答弁を申し上げましたように、これからの日本の社会は、先生の御指摘にもございましたが、成長し続ける段階からもう少し安定的な段階に入っていくのではないかという長期的な見通しのもとでは、御指摘のような成長管理的な考え方が国民の中でも理解されるようになりつつあるのではないかというふうに思っている次第でございます。
#160
○中川嘉美君 それでは、時間もだんだん迫りましたので、端的に伺っていきます。
 容積の適正配分制度について伺いますが、適正配分制度の運用は実際にどのようになされるのかがよくわからないわけです。典型的な事例としてどのようなものを予定しておられるのか、ちょっとこの点を説明いただければと思います。
#161
○政府委員(市川一朗君) まず、場所といたしましては、比較的高い容積率が設定されておるところで木造建築物等を主体として低利用にとどまっている場所を想定しております。そういったようなところで地権者の方々が話し合いをいたしまして、そこを市街地改造を行うという際に容積の適正配分という制度を活用します。
 例といたしましては、ある部分を低層で確保した方が全体としてのその市街地の形成としてはいい環境が確保できるというような場合におきまして、その部分を低層にして、そこである程度余裕が出た容積を、高層にしてもいいような場所、一番イメージとして考えておりますのは幹線道路沿いのような場所になると思いますが、そういったところはやや高層にして建てていくということでございます。これを用途地域の変更でやろうと思えばやれないこともないと思いますが、極めて小さな地区レベルでありますと、地区計画の方がいわば小回りがきくというように考えておりまして、そういったようなところを想定しているところでございます。
#162
○中川嘉美君 地区内で容積率にめり張りをつけることがいわゆる良好な都市環境の形成を図る上でプラスになるというのはどのような場合か、この辺もよくわからないわけです。これは、トータルの容積率には手をつけないとしても、土地の有効高度利用を図ることしか念頭にないんじゃないかというふうに思いますけれども、この点はどうですか。
#163
○政府委員(市川一朗君) 基本的には高い容積率が設定されているにもかかわらず土地の有効高度利用が進まないというところをイメージしてございますので、先生の御指摘の部分もあるわけでございますが、しかし、地区計画で期待しておりますのは、あわせて周辺の地区の必要な公共施設の整備、地区施設まで含みましたきめの細かな街路その他の整備もあわせて行う場合に限ってこの制度は動くわけでございますから、単にその土地が高度利用されるということだけではなくて、良好な市街地環境の形成といったようなことをむしろ大きな目的としているつもりでございます。
#164
○中川嘉美君 この容積の適正配分を行うときにだれがそのイニシアチブをとって進めるのかという問題ですが、実質的には容積率の移転がなされるわけで、地権者間では容積の売買を行うということになるんだろうと思います。そこで、この地区計画策定の端緒はどこから出てくることを予定して。おられるのか、伺いたいと思います。
#165
○政府委員(市川一朗君) この都市計画は地区計面として市町村が定める制度でございますので、基本的には市町村が直接及び間接に住民の方々の意見を聞きつつ定めていくということを想定しておりますが、要請制度も設けてございまして、住民の方々がぜひここはそういう制度を使って改造していこうということになりましたならば、それを住民の方々の発意でもって市町村に地区計画設定を要請するという形で動き出せるようにしてございますので、端緒という意味におきましては住民の方々からの働きかけということも十分あり得るというふうに想定しているところでございます。
#166
○中川嘉美君 もう時間がございませんので、あと一問だけになるかと思います。
 用途地域の指定のない区域内の建築物の容積率ですが、これについては衆議院の修正で「十分の十」、「十分の三十」がメニューに加えられたわけです。この点は、社会党案とメニューの数が異なるだけでなく、その指定の仕方が違うわけですね。すなわち、政府案では特定行政庁が都市計画地方審議会の議を経て指定する区域について特別メニューを定めることができるというふうにしているのに対して、社会党案では、メニューを並列して、その中から選んで都市計画で定めることとしておられる。
 この定め方についてはそれぞれ一長一短があると思いますけれども、最後に、政府案とそれから社会党案、それぞれのお立場でみずからのアピールポイントを示していただければ、その点をお伺いして質問を終わりたいと思います。
#167
○政府委員(立石真君) 政府案とそれに加えまして衆議院での修正案において新たに設けられる容積率と建ぺい率の指定に当たってでございますが、こういうような現時点で具体的にどういうふうになるかということまでイメージとしてはできておりませんけれども、定性的には道路等の基盤施設の整備水準、あるいは既存の建築物の現況だとか建築活動の動向、こういった地域の特性を踏まえて適切に定められることと考えているところでございます。
 この場合、容積率、建ぺい率、いろいろな種類があるわけでございますが、例えば容積率二〇〇、三〇〇、それのどちらでも建ぺい率の五〇でも六〇でもいいというように自由に掛けることができるわけでございます。
 しかしながら、それらを指定するに当たりましても、一応こういう建築の形態制限と申しますのは一定の市街地像というようなものを想定して指定することになろうと思いますから、例えば、極端な例でございますけれども、具体の指定に当たりまして、容積率を最も緩い四〇〇%にしておいて建ぺい率を最も厳しい五〇%にするというようなものは恐らく適切ではないんじゃないかというように思っているところでございますが、制度上は自由な選択というふうに考えているところでございます。
#168
○委員以外の議員(青木薪次君) 御指摘のように、これまで開発が想定されなかった未線引き都市計画区域までも開発の波が及んでまいりました。こうした地域での乱開発をいかに防止するかという問題が今回の改正の大きな課題とされているのであります。
 政府の改正案では、いわゆる白地地域の規制のメニューとして、当初、容積率で二〇〇%、建ぺい率で六〇%ということが加えられているものでありました。しかし、これでも十数階建ての高層マンションが建築可能であることは御案内のとおりでございまして、そこで、衆議院において行われました修正によって容積率で一〇〇%と三〇〇%、建ぺい率で五〇%がメニューに加えられました。これによって白地地域の規制も相当程度実効性が担保されるのではないかと評価いたしておるのでございます。
 社会党案においては、メニューをふやすとともに、その裏づけとして市町村の定めるマスタープランにおいて当該地域の将来像についても明らかにすることといたしております。
 お尋ねの点は、メニューの数が多過ぎてはかえって使いづらいのではないかということかと思いますけれども、当該白地地域を将来優良な低層住宅地として発展させていきたいという地域住民の大方の希望が集約できるならば、現行第一種住居専用地域並みの容積率で五〇%、建ぺい率で三〇%という規制をかけることもあり得るし、あってよろしいのではないだろうか、こう考えておる次第でございます。
#169
○中川嘉美君 終わります。
#170
○上田耕一郎君 私、前回、今度の法案の用途地域の細分化が、特に東京などにおいては従来の一種住専から新しい中高層住専、これまでの二種だった分、そこへの指定がえのねらいがあるのではないかと質問をしたところ、市川都市局長は、大阪では一種住専はゼロだということまで引いて、都心に近い地域では低層住宅の土地利用はなくす方向を目指すべきだという趣旨の答弁をされました。私は、この答弁は、今度の用途地域の一斉指定がえの案が一部積極的意味を持つものはありますけれども、全体としては東京などでの過密を促進するものだということをあらわしたものだと思うんです。
 今度読んでなかなかおもしろくて参考になったんですが、岩波新書で「都市開発を考える アメリカと日本」という本が出ました。著者は東京都都市計画局の課長補佐の大野輝之氏とアメリカ都市計画学会会員のレイコ・ハペ・エバンスという両氏なんですが、この中で非常に興味ある分析があります。
 というのは、これまでよく東京の土地利用はニューヨーク、パリ、ロンドンなどに比べて低密度だという主張がありました。両氏は都市の密度を比較するならば同じ面積で比べなければ意味がない、対象を東京二十三区の範囲くらいに面積をそろえて比べると東京は高密度だという結論を出しているんです。昼間の就業人口、夜間の居住人口、いずれも東京が多い。一ヘクタール当たり合計人口は東京二百四十人、ニューヨーク百三十八人、パリ百二十六人、ロンドン百五人、東京の人口密度が圧倒的に高いというふうに書いてあるんです。建物の床面積についても、同区域の総面積に対する割合で見ると東京が一番高い。
 結局、東京は建物階数は低い、床面積で見れば極めて高密に高度に利用されている都市だ、なぜそうなるかというと公園や道路などのオープンスペースが格段に小さいからだというんです。それで、両氏はこう書いていらっしゃる。「ニューヨークやパリを例にとって主張すべきなのは、東京において、道路や公園の整備を進める必要があるということであって、建物床面積を増やせということではない。」というんです。
 こういう分析から見ると、都市局長の主張は、結局、東京の過密を激化することになるほかはないと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#171
○政府委員(市川一朗君) ちょっとこの本はまだ読んでおりませんので恐縮でございますけれども、確かに御指摘のように、その都市が密度が高いかどうかというのはどの範囲をとるかによって違ってくる面はあろうと思います。特にヨーロッパ等の都市、アメリカも含めまして欧米都市と言った方がいいのかもしれませんが、につきましては、いわゆる城郭都市的な思想が基本的にございまして、かなりある程度の狭い範囲内において、そこへ住みかつ働くといったような歴史的な傾向がございます。
 そういう意味におきまして、範囲を広くとりますとその都市の外周部まで入ってしまいますから、それで面積を比較いたしますと御指摘のような違いも出てくると思いますが、私どもといたしましては、都市の中心的な市街地ということの想定でまいりまするならば、東京の場合も含めまして、日本の都市はヨーロッパ、欧米諸国に比べまして利用の仕方としてはそれほど高利用されておらないという見解を持っているところでございまして、その辺はもう少し勉強したいと思っておる次第でございます。
 先生が御指摘ございました第一種住居専用地域が大阪市にないということにつきましては、これも範囲の問題だろうと思います。私などが想定しておりますのは東京といいましても例えば山手線の中とかそういったようなところを想定しておりまして、山手線の外のいわゆる二十三区といいますと世田谷区とか練馬区とかいうところがみんな入るわけでございますが、そういったところは、現在でもまだ御案内のとおりに市街化区域ではございますが農地もあるわけでございまして、今回の生産緑地で指定されるところもいろいろございますので、そういったようなところまで全部くるめて低層住宅がふさわしくないなんというふうには全然思ってないわけでございます。
 しかし、ある程度のところにつきましては、パリの例などを見ましても、いわばその国のVIPこそむしろ中高層住宅に住んでおられるし、ロンドンのバッキンガム宮殿でも中高層化されておるわけでございまして、長い歴史を持っているヨーロッパの都市におきましては、その都市の中心部におきましては良好なすぐれた住宅も低層ではなくて中高層化されておるといったようなところを見るわけでございまして、私はそれが必ずしも日本人の感覚に合うというふうには思ってないわけでございますけれども、大都市での住まい方の問題としては参考にしなければならないテーマなのではないかというふうに思っておりまして、一例として申し上げた次第でございます。
 それを強く推し進めるという意味合いまで含めて申し上げたつもりではなかったんでございますが、その辺、舌足らずの部分もあるいはあったかもしれません。
#172
○上田耕一郎君 住まい方の問題はいろいろあると思うんですけれども、この法案全体が例えば東京の過密を進めるのか、それとも本当に環境のよい人間らしい都市づくりに役立つかどうかということを私は問題にしているわけです。
 誘導容積制度、これが今度盛り込まれまして、暫定容積制度と容積配分制度、二つが新設されているんですが、どちらも指定容積率を目いっぱい活用していこうというもので、過密を促進する役割を果たす以外にないと思うんです。これは九〇年の数字ですが、東京二十三区の概算容積率は一〇四・六、指定容積率の平均二五二の四一・五%が使われているわけです。それでもニューヨーク、パリ、ロンドンよりも過密なんですから、もしこの誘導容積制度で皆さん方がねらっているような考え方、つまり二十三区全体で指定容積率いっぱいに使ったら、建物床面積はどのぐらいになるでしょうか。
#173
○政府委員(市川一朗君) ただいま先生御指摘ございましたように、現在が一〇八%ぐらいでございまして、それが現在指定されておりますのが約二五二%でございますから、目いっぱい使いますと二五二%になるわけでございまして、そういったような単純計算させていただきますと、四万五千ヘクタールぐらいの床面積の増加になるということになるようでございます。
 ただ、私どもの考え方といたしましては、指定容積率と建築基準法との絡み合いでなかなか目いっぱいの建物は建たないということが基本的にはあるわけでございますので、地区単位におきましてできるだけ有効利用を図られるような制度としての誘導容積制度を提案したということでございます。単純な数字としては、先ほど申し上げたような数字があるわけでございます。
#174
○上田耕一郎君 東京都の「均衡のとれた都市づくり検討プロジェクトチーム」というのの中間報告が去年の十一月に出まして、この指定容積率問題についての総括が書いてあるんです。
 一九六五年、昭和四十年にこの容積率規制の大枠を決めた、当時の容積率指定は、「@土地の高度利用は道路や公園などの都市基盤施設の整備と調和を保って進む、A高い容積率が指定されている地域においても住機能の立地が確保され、区部中心部においては職と住の近接した土地利用が行われる、などの想定に基づいて行われた。」、ところが、この想定が全部狂ったということを書いてあるんです。また、二十七年間に区部の道路面積が一・五倍になった、ところが同じ期間に建物床面積が二・五倍になった、指定容積率四〇〇%のうち当時の想定では八割以上は住宅用途に使われるものとされていたが現実には住宅用途は四割程度、だから職住分離はむしろ進んでしまったというんです。
 結局、容積率指定のあり方や使われ方の計画的な誘導に新たな工夫が求められるようになっているというのが、東京都の問題なんです。だから、現実から見ますと、東京の指定容積率、これは土地利用が低いというんじゃなくて、指定容積率が高過ぎたんですね。そういうことがその後の二十七年間で非常にはっきりした、そう思うんです。
 今、単純計算で四万五千ヘクタール増加することになると言われましたけれども、もちろん道路、公園等のオープンスペースがふえればそれは減りますけれども、かなり床面積はふえてくる。過密につながりかねないというよりも、つながることは確実だろうと思うんです。だから、指定容積率を目いっぱい使おうという政策は正しくない、私はそう思うんです。
 暫定容積率制度、これはどうも読んでいてわからないことがあるんですが、答申の方を見ますと、公共施設の整備状況がおくれているところに暫定容積率の指定、地区計画などが策定された場合、公共施設が整備された場合は指定容積率を適用、そういうことが書いてあるんですが、これは、ある程度高度利用を考えようとするところで、計画的な土地利用を進める効果はあるんだろうと思うんですね。
   〔委員長退席、理事石井一二君着席〕
 これを読んだときは、そうすると、東京の場合は、東京都がある地域に対して、都市計画上、暫定容積率と指定容積率を決めておいて、そこで公共施設の整備が進み、あるいは地区計画がつくられれば指定にするんだ、そういうふうに読んだんです。ところが、法案を見ますと、地区整備計画でやるということになっているんですね。
 そうすると、地区計画をつくる前は指定容積率でしょう。地区計画で暫定を決めると、そこは下がっちゃうわけですよ。地価も下がりかねませんし、そういうことを一体その地域の地権者は望むかな、市町村がそういうことをやるんだろうか、ちょっとそういう疑問が生まれたんですが、答申と法案との違いとして私は受け取ったんだけれども、御説明いただきたいと思います。
#175
○政府委員(市川一朗君) 都市計画審議会におきましてはいろんな議論がございました。昨年夏の中間報告というのがございまして、そのときは大臣の指定という考え方でございました。それから、最終答申では用途地域の指定ということでございまして、それを私ども政府提案としては地区計画、これはいわば市町村決定ということになったわけでございます。
 私どもの考え方と審議会の考え方で基本的な差異はないのでございますけれども、容積率の定め方の問題に関しまして、どのレベルで定めるのが最もふさわしいかという議論の中で、今回の法案全体についての御議論もいろいろある中で、できるだけ住民に身近な基礎的自治体である市町村に定めるようにするべきであるという考え方もいろいろございました。
 そういったような考え方で、地区単位でできるだけきめ細かな都市計画として構築して市町村レベルで決めるというふうにやった方がよろしいのではないか、別な言い方をしますと、余り上位計画的に定めていくというやり方はいかがかといったところで、こういうふうな形で御提案申し上げている次第でございますが、一方で、午前中の御議論にもございましたように、厳しい都市計画制限を伴う計画をそういった住民レベルといいますか市町村レベルで果たしてやり得るかという問題は、非常に難しいテーマとしてあるわけでございます。
   〔理事石井一二君退席、委員長着席〕
 その辺は重々認識しながらも、できるだけ今回、都市計画制度につきましては市町村中心の制度で御提案申し上げようということで、こういう制度にした次第でございます。
#176
○上田耕一郎君 できるだけ住民に身近な市町村でという考え方はいいと思うんだけれども、さっき私が言ったように、じゃそうなった場合、暫定容積率、名前だけは残るけれども、果たしてやれるかどうかという危惧が生まれるという指摘もありますので、この問題は指摘だけしておきます。
 次に、容積配分制度の問題。
 これは当然地価にも影響するし、土地所有者の利害関係にもかかわる問題です。先ほども市町村がよく住民の意見を聞いてということを言われていたけれども、まとまるのかどうかという問題が提起されてくると思うんですね。結局、指定容積率より上乗せになる土地の地権者、それから低い容積率の地権者、両方できる場合、容積率の売買、買収、こういう問題が生まれて、何らかの補償、対価提供、そのことによって地区計画で地区全体をまとめるということになるのではないかと思うんですけれども、市町村がそういう対価の問題も売買の問題も考えてまとめるといってとを想定しているんですか。
#177
○政府委員(市川一朗君) 基本的には、その地区の良好な環境の形成、保護を図るということが目的でございますので、その地区計画に際しまして、地区レベルで、いわゆる公共施設等も含めました地区施設の整備を図りながら建物等も建築していく、こういった内容の計画を策定する際に容積の移転ということもあった方が現実的である、こういう考え方でこの容積の適正配分というものを組み合わせとして御提案申し上げているわけでございます。
 こういったある意味で便利な制度は、運用の仕方によりましていろいろと悪用されるという危険性もあり得るわけでございまして、それを私どもの立場で否定することは不可能でございますけれども、しかしこの制度は、そういった地区単位でいい町をつくっていこうという住民の方々の合意といいますかコンセンサスを背景としてでき上がるものでございますから、それが容積の売買というようなところで、いわば経済行為的な方が先行するような形で利用されるということにはならないように配慮しなきゃなりません。その場合は、都市計画を決定する立場にあります市町村、東京の場合は特別区ということになるわけでございますが、区長レベルにおきましてその辺のところをよりよく見きわめていく必要があるテーマだと思っております。
#178
○上田耕一郎君 法律時報のことしの三月号が「空中権の展開と課題」という特集をしているんですね。空中権というのはアメリカで生まれたもので、これを読んでみますと、建設省空中権研究会というのがあって、「空中権――その理論と運用」という本も出ているそうです。私、まだ読んでいませんけれども。
 だから、そういう経済的な売買行為が全体を悪くしないように進めていきたいというお答えたけれども、こういう制度として容積率のそういう配分が生まれましたら、日本は資本主義社会ですから、この空中権というアメリカで生まれたもの、既北日本でも売買が行われ始めているんだけれども、さまざまな場所で生まれる空中権、その一つとしてこの容積率の移転問題、売買問題というのは当然生まれてくるわけで、容積の移転で金銭的取引が行われてくると、容積率指定制度の根本にかかわる大きな新しい問題が出てくる。これに対する研究、それから正しい対処、それも必要となるような新しい制度だということを提起しておきたいと思うんです。
 新たに導入された誘導容積制度、これは、先ほどもダウンゾーニングの話が出ましたけれども、その手法に似ているかのようでそうではない。そうではなくて、土地の高度利用を強制する効果を持っている。特に容積配分制度はこれまででも高過ぎる東京などのような指定容積率を限度いっぱい使おうというもので、東京の過密をさらに激化する、そういうものになっている、そう言わざるを得ません。
 次に、東京の事務所規制の問題を取り上げたいと思います。
 東京の一極集中の解決は、大臣は北風と太陽で太陽の方がいいとおっしゃったんだけれども、太陽も時にはいいんですけれども、なかなか言うことを聞かない場合には北風も使わないと進まない。これまで進まなかったんですからね。ということが必要だと思うんです。
 東京都が四月四日に平成三年度事務所統計調査速報というのを発表したんです。それを見ますと、前回調査八六年後のこの五年間で東京区部だけで就業人口が六十三万人増加したと。これは八五年までのデータを使った東京集中問題調査報告書が予測している数字の二・一八倍なんです。東京都自身が行った予測の二倍を超える速度で東京における就業人口が増加しているんですね。このままだと、私ども試算をしましたが、二〇〇〇年の区部のオフィス従業者が、八五年は約三百万人だったんですが、二〇〇〇年には四百十五万人近くなるだろうと思うんです。八五年の一・四倍です。国土庁が八七年に予測した数よりも二割前後多くなる、そういう大変な数字になる。
 去年の十一月に出た産業構造審議会産業立地部会の中間報告では、今後十年間に二十万人程度の業務人口を地方圏に定着させる、それが前回の地方拠点都市法案の提案にもなっているんですけれども、区部だけでも五年間に就業人口が六十三万人も増加、その勢いですとこんな施策では足りないということは数字上も明らかだと思うんです。だから、都心に対する立地を抑制するという強力な方策が東京の場合はどうしても必要になっていくと思うんです。
 通産省お見えになっていますね。
 中田審議官が、今度の衆議院の審議でも、東京への立地規制に反対で、それをやると日本経済全体の活力が低下する、そう言われている。しかし、むしろこの限界点にまで達した東京一極集中が活力を損なう原因になっているというのが真実だと思うんです。その点では四全総でも、表現が弱められたとはいえ、「東京中心部等に立地する事務所の費用負担の在り方も含め幅広い観点から、適切な措置を検討する。」、こう言っていたわけです。それからまた五年たって一極集中はさらに加速した。
 通産省は活力をそぐおそれがあると言ってきたんだが、どんな具体的な検討をやったのか、規制が何で日本経済の活力を損なうのか、具体的にお答えいただきたい。
#179
○説明員(安達俊雄君) 御指摘の点でございますけれども、昨年秋に産業構造審議会の産業立地部会におきまして相当議論をさせていただいたわけでございます。この問題というのは、いろんな切り口での検討が必要なわけでございます。私どもとしては、産業立地という立場から、産業構造審議会に議論をお願いし、かなり多面的な検討を行ったわけでございます。
 そういった中で、一つの結論でございますけれども、何らかの形での東京での対応ということを含めまして、先般の地方拠点法での審議の中でもお答えさせていただいたとおりでございますけれども、移転誘導といったこと、それから地方での受け皿の整備ということに加えまして、東京での何らかの対応というものが必要だ、そういったものが三位一体で対応されていくということが必要だということにおきまして、私ども考え方も同様でございます。
 ただ、それを具体的にどういう対応でやっていくかということにつきまして、産構審は、各界の代表者においでいただきましてかなり突っ込んだ、また活発な議論をいただいたわけでございますけれども、残念ながらといいますか、直接規制につきましてはよほど慎重でないといかぬということで、一応この答申の形で基本的な考え方ということでいただいたわけでございます。
   〔委員長退席、理事石井一二君着席〕
 私どもといたしましては、地価税を含めまして、また既存の税制の運用面にでの対応というようなこともいろいろ検討され、方針も出されという中でございまして、そういった方向でひとつ様子を見ていきたいということが一つでございます。
 東京一極集中こそが活力を損なうではないかという御指摘につきましては、確かに一極集中で効果を上げている部分もございますけれども、逆にここまで集中することによって、例えば勤労者の通勤時間というのは欧米に比べまして大変長い時間になってきておる。例えば都心に働く人たちの通勤時間でございますけれども、三十分以内というのが実に数%、これがヨーロッパ各国で大体押しなべて七、八割というような状況で一時間以内が九五%という状況でございます。日本は九五%のカバレージに達するためには二時間以内というようなことになっておる。
 こういった中で非常にいびつな構造もつくり上げていることも事実でございまして、長期的に見た場合に日本経済の活力というのが余りにも一極集中し過ぎることによってかえって損なうのではないかという御指摘も我々は真剣に考えなければいけないというふうに思うわけでございます。
 そういった点も含めまして、相当の議論があったわけですけれども、なお一層研究させていただきたいということでございます。
#180
○上田耕一郎君 どうも通産省は、一極集中問題についてもういろんな部門、いろんな組織からこれをとめるためには企業立地規制が必要だということが出ているのに、それに対して抵抗していると思うんですね。
   〔理事石井一二君退席、委員長着席〕
 山崎建設大臣は、前々回私がそういう主張をしたら、上田さんは企業悪論に立っている、そういうお答えを言われたんですけれども、これは不当だと思うんですね。
 東京における企業の立地規制というのは私だけが言っているんじゃなくて、日本共産党だけが言っているんじゃなくて、例えば経済審議会、臨時行政改革推進審議会、こういうところも言っているんですね。
 経済審議会二〇一〇年委員会報告、これは九一年六月です。「一〇一〇年への選択」の中の「バランスのとれた東京圏の実現」というところで「都心部では業務立地の抑制を図るとともに」、はっきり答申ではそう書いてある。それから、「東京都区部等での事務所の立地抑制」というところがあって、「現在の状況の下では、今後問題はますます深刻化するものと考えられ、事務所の立地抑制・分散を早急に推進していく必要がある。具体的な施策としては、事務所に対する税・賦課金の導入、都市計画的手法の活用、東京圏(東京都区部等)における事務所の新・増設に対する規制の三つが考えられる。」。
 経済審議会の委員会で私と同じことを言っているんですから、これは企業悪論に立っていないですよ。建設大臣もよく読んでいただきたいと思います。
 それから、これは臨時行政改革推進審議会、三十一ページ、「東京圏からの機能分散」、@が「行政機関の移転」、Aが「高等教育機能の分散」、Bぽ「オフィスの分散」であります。「オフィスについては、住居地域への進出防止など都市計画との連携に配慮しつつ、新増設の抑制や地方分散方策についての具体的な検討を急ぎ、早期に実施する。」。
 ところが、この前の地方拠点都市法は、地方分散方策だけは取り上げて、新増設の抑制は入ってないんです。
 、だから、これはもう党派を超えて、超党派的に指摘されている国民的課題であり方策だということを指摘したい。
 今、通産省の方は通勤時間の問題なども言われました。
 東京大学の大西隆助教授が「地域開発」という雑誌に「オフィス立地の新展開」という連載をずっと書かれている。
 これ、なかなか詳細な分析をしていますが、その前に、二〇一〇年委員会でも、東京のオフィス集中でオフィスがどれだけコストが安くなり、公共投資がどれだけ費用がかかり、これからどれだけかかるかということを書いてあるところがあります。
 四十八ページの「東京問題と社会資本整備」というところ、「東京圏の過密の弊害を緩和するために必要な社会資本整備量をいくつかの部門について試算すると、少なくともおおまかに一〇〇兆円台と現在の投資規模と比較して巨額なものと見込まれる。」、だから「社会資本整備のみによって過密問題に対応することには、資源の配分上も時間的にも厳しい限界があると言わざるを得ない。」。百兆円、それだけこれから金かかる、こういうことになっているんです。
 大西助教授の分析は相当詳細にこれを書いてある。オフィス立地によって必要な社会的負担を企業が負担していない、それを公共や従業員の負担にしている、そのために東京の立地コストが一番安くなっている、それが東京集中の要因となっている、「過度の集積により社会的費用が増大するが原因者たる企業が社会的費用を負担していないのである、そう言っておる。安いからどんどんどんどん東京へ来るわけですから、社会的コスト、これは公共と従業員、それが負担しているんです、長時間の通勤で。それから住宅だとか道路だとか、あるいは交通だとか、そういう企業が負担すべきものを東京都や国民が税金で負担しているんです。
 この助教授は詳細なグラフを書いています。これを見ますと、住宅を除いて道路と鉄道だけで東京の事務所従業員一人当たり年額四百万円以上かかっている。東京の事務所の区部のオフィス従業者数三百万人としても、年額十二兆円。本来企業が負担すべき十二兆円を公共で負担しているんです。
 私、この建設委員会でもかつて指摘したことがあるんですけれども、一九七二年の経済白書で、都心に就業人口が千人ふえると社会資本整備に三十四億円かかる、そういう試算が出たことがあります。デフレーターでずっと二・五倍しますとこれが八十五億円になるんですけれども、区部の事務所従業者がこの五年間で二十八万人ふえたと推定して二兆円なんです。とにかくそれだけの負担を公共と従業員がかぶっている。その分が安いわけだから、企業は東京にどんどんどんどん来るわけなんです。ですから、経済学的に言って、法則的に言って、こういう事態を是正するためにこの二〇一〇年委員会等々で言っているような事務所立地の規制のために負担金を課することがどうしても必要なんです。企業自身が持つべき当然のコストを持たないで社会的費用を大もうけしているわけだから、当然負担させるということがこの企業の東京の一極集中を是正する上で確実に効果のある方策なんです。
 東大の大西助教授はこの連載で「オフィス立地の社会的費用」というところで、最後にこう書かれている。「このメカニズムを断ち切るには、集積がもたらす混雑などの外部不経済を、立地企業に負担させたり、通信手段を活用するなど業務形態を改革するなど相当大胆な現状変革が必要と見られる。」。私はこの結論はもう動かしがたいところにまで来ていると思うんです。
 建設省は責任を持っている役所なんですから、そういう大胆な方策に踏み出すべきだと思うんです。
 四全総の原案にはこの負担金、入ってたんでしょう。それが結局財界の要望でとられちゃったんです。それも私はここで指摘したことあるんだが、こういう多くの研究、それから経済審議会の二〇一〇年委員会まで述べているような大企業への負担金を課することなどの方策、この当然の方策をとって東京一極集中を是正する段階にいよいよ来ているんじゃないかと思うんですが、建設大臣、いかがでしょ。うか。
#181
○国務大臣(山崎拓君) 先ほど、私が企業悪論に立っているという発言をしたとおっしゃいましたが、ちょっと私記憶がございません。いずれにいたしましても、私が言ったとすればどういう文脈で言ったか、後で調べてみたいと思います。
 まず先生が御指摘の、この法案では太陽はあるが北風はないじゃないか、北風が必要じゃないかというお話でございました。それは拠点都市整備法のときにそういう議論をいたしたわけでございまして、この都市計画法の中では、北風とまでは言えませんけれども、要するに用途地域を新しく細分化いたしましたことによりまして、いわゆる地価負担力のある業務施設がどんどん住宅地へ進出して住宅を排除していった過程を、今度の新しい用途地域を適用することによってそれをやめさせよう、こういうねらいがあることは事実なんです。
 私は答弁の中で、どなたの御質問に対する答弁か忘れましたけれども、私自身、九段の議員宿舎に二十年住んでるんですが、その間に、最初に参りましたころ住宅地でありました九段周辺が最近では事務所地域に一変しているという私の実感も申し添えて、それは今度の都市計画法の改正によってひとつ是正できるんじゃないかということを申し上げました次第でございます。
 それからさらに、企業に負担をというお話でございますが、確かに内部経済と外部不経済の問題はかねてから議論されてまいったところでございます。それは最近は、企業の弁解を私がしてやるわけではございませんけれども、十分企業の方でも考えるようになっておるわけでございまして、内部経済を追求する余り、外部不経済を生ずることは企業が社会的な存在として許されることではないという認識は少なくとも一流の経営者であれば皆持っておるところでございます。あるいはその一端がフィランソロピーでありますとか、あるいはメセナでございますとか、そういうところにも企業の純企業活動以外の活動として出てきておるところでございます。
 企業の負担といたしましては、本来、例えば事務所をつくりました場合には当然固定資産税がかかるわけでございまして、それが企業の負担でございますが、さらに最近は地価対策もございます。新しく地価税を課しておるということも事実でございまして、企業は東京という一極集中の集積のメリットを求めて確かに集まってきた要素もあるが、同時に、そのためのコストもただいま申し上げましたような税金を払って負担をいたしておるという事実もあるわけでございまして、先生がおっしゃるように、全く内部経済を一方的に追求してみずからの負担はやらない、外部不経済を顧慮しないというようなことではないと考えておるわけでございまして、なおこれ以上新しい負担を企業に課すべきであるかどうか、その手段をもって追い出しを図るべきかどうか、こういうことについては、これは都市計画上の観点もございましょうが、日本経済の全体、国民経済全体から見まして、どういう方策をもって国土の均衡ある発展を図り、あるいは健全な企業活動を維持し、よって我々の生活水準を高めていくかという総合的な議論が必要なのでございまして、当面はこの都市計画法の改正をもちまして一定の効果が上げ得るものと考えて提案をさせていただいた次第でございます。
#182
○上田耕一郎君 繰り返しませんけれども、私は東京における企業の立地規制に踏み切らなければ東京の一極集中は必ず進むということだけはもう確実だと思うんです。その点では建設省も大臣も責任を必ず問われると言っておきたいと思います。
 最後の問題、住民参加の問題に移りたいと思います。
 前回、日本の都市計画制度に二つ問題点がある、一つは町づくりは住民と自治体の手でという原則が極めて不徹底だということを指摘しました。
 先ほど「都市開発を考える」を褒めたんですが、山崎大臣も市川都市局長もまだお読みになってなければぜひ読んでいただきたいと思うんです。私もこれを読んで、アメリカの都市計画、アメリカという国は妙なところもあるけれども、やっぱり長い歴史と民主主義的な闘いの中で進んだところもあるんだなと感心しました。ドイツについても、皆さんもそうでしょうけれども、暉峻淑子さんの本なんか読んで感心しましたが、これを読むとやっぱりアメリカの都市計画制度、住民参加は日本よりはるかに進んでいると改めて思いました。
 「アメリカ都市計画の常識の一つであるプランニング(都市計画)はプロセスなり」と。都市計画はプロセスだ、そういうことを言っている。それで、情報公開、環境アセスを中心にした開発許可制度――この本では、日本の最大の問題はアメリカのような開発許可制度が存在しないことである、多くの場合いきなり建築確認の段階に入ってしまうということまで指摘されているんです。
 それから、都市開発の計画については、第三者の監視、住民代表が参加した都市計画委員会、ここで必ず審議する。最終決定は市議会だというんです。そして、都市づくりの主体が市民だとすれば市民の意見を十分反映するのに最も適した公共機関は身近にある自治体だと言っている。用途地域、ゾーニングもみんな市町村、自治体でやっているというんですね。
 日本のように都市計画法、建築基準法で全国一律に決めちゃってそれを押しつけているというのじゃない等々、相当やっぱり違うんだということが私もこれを読んでよくわかった。
 それで建設省に御質問があります。
 都市計画中央審議会の答申は、市町村による都市計画のマスタープラン、これは今度の法案で評価すべき点ですが、「市町村による都市計画のマスタープランの策定に当たっては、住民や土地所有者の意向が計画内容に十分反映されるよう、住民参加の仕組みを導入するべきである。」と書いてあも。住民参加の仕組みというのは今までないから新しく導入しるというのが答申です。
 ほかのことは大体答申どおりいろいろやったけれども、肝心かなめのここの仕組みを導入しないで、単純に「あらかじめ、公聴会の開催等住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。」と。今までどおりじゃありませんか。この点は社会党案の方がはるかに今の時代の要請にこたえたものだと思うんです。なぜこの答申の住民参加の仕組みを導入すべきだというのを取り入れなかったんですか。重大問題だと思います。
#183
○政府委員(市川一朗君) 都市計画中央審議会の議論の中で住民参加の問題も大きく議論になったのは、そのとおりでございます。この中で議論になりまして最終的に答申という形で表現されておるわけでございますが、結論としては、住民参加の仕組みを具現する意味において市町村の都市計画のマスタープランという制度を創設するという提案になったわけでございます。
 それはどういうことかと申しますと、我が国の住民参加の手続に関しましては、現行の都市計画制度の中にもかなりの制度が織り込まれておるわけでございまして、審議会の御議論としては、それはそれなりに住民の意見の反映という仕組みとしては評価されているわけでございますけれども、何といいましても具体の市町村の将来のあるべき方向についての議論が我が国の場合は不足しておるわけでございます。
 したがって、どうしても都市計画に関します個別の利害関係による議論が中心になり、その前提として、この都市計画を決めることによってその町はどういうふうな方向になるのか、つまりある意味で自分たちの公共の利益とは一体何だといったようなところに対する理解が不十分なのではないか、したがって議論があくまで総論賛成、各論反対というような形で展開していくという我が国の現状から考えるならば、その都市計画の前提となるマスタープランというような形が、単なる技術上の存在ではなくて、都市計画法の仕組みの中でしっかりと位置づけられることが肝要なのではないか。
 そういうことで、住民参加に基づきます市町村の都市計画の基本的方針、いわゆるマスタープラン、そのマスタープランを定めるについてもディスカッションも高めながら、なおかつ具体の都市計画のプランニングにつきまして住民の立場での幸福、全体の利益という立場からの議論と個別の利害との調整といったような議論がいい方向で高まっていくのではないか。
 そういう御議論であったというふうに私どもは受けとめておりまして、この答申におきましても「都市計画の決定手続」という表題にはなっておりますけれども、具体的な提案としては市町村による都市計画のマスタープランを創設することが必要であるというふうになっておる次第でございまして、私どもはそれを受けまして御提案申し上げた次第でございます。
#184
○上田耕一郎君 やっぱり「住民参加の仕組みを導入」と言っておりまして、新しい仕組みを導入しなければならないのにそれをオミットしたというのが事実だと思うんですね。住民参加だけでなく、この法案によりますと、市町村の基本方針は知事が定める整備、開発、保全の方針に即して定めなければならないということになっている。ところが大都市地域では知事決定の都市計画というのは大臣の承認事項ですから、結局、市町村も基本方針をつくるのに上からの計画に事実上縛られるということにならざるを得ないと思うんです。
 社会党案ではこういう問題についてどのように考えていますか。
#185
○委員以外の議員(青木薪次君) 市町村の定めるマスタープランについて、社会党案としては、市町村の定める都市計画の一部をなすものと明確に位置づけておるのであります。したがって、市町村のマスタープランを策定する場合にも通常の都市計画決定手続、すなわちマスタープランの案の縦覧と公聴会の開催、意見書の提出、これを受けた市町村による報告書の作成などが行われることとなります。御指摘の住民参加は十分保障されると考えております。
 第二に、知事権限との関係ですが、社会党案では、知事が都市計画を策定する場合には市町村の作成した原案に基づくこと、決定に当たっては市町村と協議することを義務づけております。また、国や都道府県が都市計画施設等を設置する際にも当該市町村と協議することといたしております。したがって、市町村がこうした国や都道府県の行う都市計画決定や事業に対し原案を提出し、あるいは意見を述べる際には、市町村マスタープランに基づくこととなります。住民参加が保障され、市町村議会が議決した市町村マスタープランが当該市町村の町づくりに、国や都道府県知事の権限との関係でも重要な役割を果たすことは当然であると考えております。
#186
○上田耕一郎君 私は、この点では社会党案は政府案と決定的に違ってすぐれていると思うんです。
 私は都市づくりの権利を自治体に認める、これが日本の都市計画、都市政策の上で非常に重要な課題になっていると思うんです。それが、もう明治以来のことですけれども、自治体に認められていない。そのまま来ている。それで、事態に押されて、今度、マスタープランを市町村がつくれるようになり、以前にも地区計画が出ましたけれども、そういう方向をもっと大胆に一歩進めて、都而づくりの権利を自治体に認めるというところまで進める必要があると思うんです。
 具体的に、いかに基礎的な自治体が都市づくりの計画で困っているかという例の一つとして、私は三多摩に住んでいるのですが、JR中央線の三鷹−立川間の連続立体交差事業の問題を取り上げてちょっと質問したいんです。
 この連続立体交差事業はもちろん必要なことで、私どももぜひ推進しようと思っていますし、協力することにやぶさかでないんですけれども、最近いろいろ問題が起きている。私は国立市なんですけれども、この立体交差が進められている自治体のところから問題が持ち込まれてきた。
 どういうやり方に在っているかというと、東京都は連続立体交差事業のための沿線の町づくり構想の策定を都市計画協会というところに委託した。この協会は協会内にJR中央線沿線町づくり委員会というのを設置した。その構成員は建設省郡市局の職員三名、JR東日本旅客鉄道の職員二人、沿線六市の都市開発部長などを委嘱している。都の職員が協力委員になっておる。
 それで、結局、都が委託した都市計画協会の内部機構で、事実上、沿線市町村がいろいろ指示される、それで、急に町づくり計画の手直しを迫られているという異常な事態が起きているんです。東京都は連続立体交差事業の申請を六月に建設省に行うために、沿線市町村の熱意を示せということで新しい面的整備の計画をつくれと言って迫っている。それで、この沿線の六市は、これまでのものではだめだ、再開発ではなく区画整理でなければだめだ、一千万円から二千万円の調査予算を組め、五月中に都市計画協会に随意契約で委託せよ、いろんなことを言われているんです。
 市の開発部長が呼びつけられて、一市ごとにどういう新しい面的整備をやるのかと詰められている。それで、市町村ではもう慌てて予算を流用したり、立川市ではこのために臨時議会まで開かれている。
 これまでの市の計画にはないものを急につくれと言うものですから、一般的には基本構想に乗ったけれども当面すぐに着手する予定はなかったのに、それをもう前倒しもひどいもので、やらないと格好がつかない、とにかく線を引いて都市計画協会に委託するというような事態が生まれている。
 なぜこんな異常な事態になるかというのを詰めていくと、どうも建設省に責任があるようで、東京都は建設省からこう言われているんです。連続立体交差事業の採択のためには道路だけでなく沿線の町づくり計画がなければだめだと、他のところでも希望が多いから熱意を示さねば指定の優先度が落ちる、そう言われたためのようだと言うんです。私はまだ詰めてありませんけれども。どうも今までの調査ではそういう問題がありそうなんで、ちょっとこの問題は調査していただきたいと思うんです。
 そういう、市の自主性を無視した、今度の法案でうたっていることと大分違いますよ、これは。本当に市町村の自主性を尊重するのだと言いながら、実際にはこういうやり方が押しつけられている、新しい面的開発の策定が押しつけられている。住民には一言も知らせないまま事業調査の委託をする。そういうやり方は、後でも問題になるし、混乱をかえって生むのではないかと思うんです。
 この事業は重要な事業であるだけに、調査して不適正な問題があれば是正をしていただきたい、そう思うんですが、いかがでしょうか。
#187
○政府委員(市川一朗君) JR中央線の三鷹から立川間の沿線市町村で、全都市でございますが、八市ぐらいになりますか、相当広範囲の鉄道の連続立体交差事業につきまして検討されていることは事実でございます。
 連続立体交差事業と申し上げますのは、御案内だと思いますが、鉄道の立体化を行うことによりまして多数の踏切を一挙に除却するということで、基本的には道路交通の円滑化ということになりますが、従来鉄道によりまして分断されておりました市街地の一体化を図るという意味におきまして、極めて有効な町づくり手法ということで、最近では全国で非常に重要視されてきております。
 それで、いろいろとそういう事業の実施例もあるわけでございますが、大体私どもが拝見いたしまして、効果があったなというふうに思いますところは、連続立体交差事業とあわせまして一体的な市街地の整情事業も行っているところが、非常にその後の町づくりに有効に働いております。
 この連続立体交差事業といいますのは、今正確な数字は持っておりませんが、大変金額もかさむものでございまして、この中央線の三鷹−立川間でございますと、一部地下化も含む事業でございますから、相当の巨額の資金が投入されますので、そういった資金の投入は、単なる鉄道の立体化で踏切が除却されるというだけで終わったのでは極めてもったいないといいますか、せっかくのチャンスを失うことになるのではないかということから、そういったような問題につきましては、こういう機会にいろいろと各市沿線が抱えておりますテーマにチャレンジするいいチャンスではないかという問題意識は、私も会っております沿線の市長さん方みんなひとしく持っておるというふうに私は確信しておるところでございます。
 私自身も市長さんと直接お会いしながらいろいろお話もお伺いしているところでございますが、御指摘の調査の段階でのいろんな議論のやりとり等はまだあると思います。
 しかし、やはりこういう機会に、このような東京の市街地改造というのはなかなか簡単にはできる問題でもございませんので、十分ディスカッションをしまして、もちろん賛成の意見だけじゃなく、反対の意見もあろうと思いますが、そういったような議論をしながら、この機会に三鷹から立川までのあの三多摩の市の市街地、特に駅前を中心とする市街地をどういうふうにして改造したらいいかということにつきましては、どうかひとつ地元の先生でございます先生におかれましても高い見地からの御指導を賜って、いい成果を上げていただきたいというふうに思う次第でございます。
#188
○上田耕一郎君 連続立体交差事業がよい意味での面的な都市開発と結びつくことがいいという一般論は私もわかるとしても、さあ六月までにやれということで、それをやらないと採択がうまくいかないぞというようなことで、いろんなところで自主的な町村の政策とぶつかるようないろいろな混乱が生まれているんですね。そういうことは、やっぱり避けなきゃならぬと思うんです。
 そういう点で、都市局長はいい話ばっかり聞いているかもしれないけれども、私のところには問題が持ち込まれるというように立場の違いもあるかもしれませんけれども、問題点があるかどうかをもう一度実態をぜひ調べていただきたいと思うんです。
#189
○政府委員(市川一朗君) 国会開会中でございますので、なかなか私も市長さん方と会う機会がないんですが、ちょうどたまたま五月の連休の合間に沿線の市長さん方とお会いする機会を得まして、個別には前に何回も会っておりましたが、いろいろと御議論をさせていただきました。市長さん方はむしろ私がびっくりするくらい、それぞれの市で、名前を挙げてもいいんですけれども、沿線の市すべてでございますが、この機会にきちっとした町づくりをしたいという意欲に燃えておると私は思った次第でございます。
 重々そういったような観点で、あるいはその具体のやりとりの中で、専門家同士の議論の中で、そんなことではだめだとか、そういう議論はあるいはやっているかもしれませんが、基本的に建設省側がその市町村の町づくりの方向についてぎりぎり押しつけるというようなことは万々ないと思う次第でございますが、今後ともそういうことがないような方向で、ぜひいい町づくりという前向きの姿勢で対処していただけるように、私から改めてまたお願いしたいと思う次第でございます。
#190
○上田耕一郎君 もう時間が参りましたけれども、日本の都市づくり、住民参加の都市づくり、自治体を本当に尊重した都市づくりに大きな問題が幾つかあることが私の質問からも出てきたと思うんです。
 先ほど紹介したこの「都市開発を考える アメリカと日本」という本には、非常にすぐれた例としてサンフランシスコの有名なミッションベイ開発の例が出ています。
 これは十年かかって最終案まで行った。最初は平均所得層が住める住宅がゼロだったのが十年間に三千戸の計画になった。オフィスの床面積は最初は九十ヘクタールだったのが四十三ヘクタールに減らされた。オフィスの最高高度は、最初は二十五階の案、その次四十二階の案、最終的には八階になったというんですね。公共のオープンスペースは四ヘクタールだったものが二十六ヘクタールにふえた。開発費用合計三億ドル、そのうちディベロッパーの負担は二億三千百万ドル、基本インフラ、鉄道貨物輸送、オープンスペース、コミュニティー施設、開発者負担金、交通負担金、三億ドルのうち二億三千百万ドルを負担しているんです。
 つまり、開発に必要な諸費用を徹底して分析して、住民参加で、議会も参加して、本当に共同で推し進めることのできる計画とし、費用負担も決めている、採算が合わなければ再検討、こういうやり方をやはり日本も学ばなければならぬと思うんです。アメリカやドイツでやっていることをなぜ日本でできないのかという根本の問題を私どもは取り上げなければならない。そうでなければ、世界一の過密都市、巨大都市東京の問題点を解決できないまま、さらに激化させていくということを放置することになってしまうと思うので、この点でこの法案の問題点を指摘して、質問を終わりたいと思います。
#191
○山田耕三郎君 私は、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案並びに社会党案に関連をして質問いたします。
   〔委員長退席、理事石井一二君着席〕
 先日、ある新聞に「もう一つの対決法案」なるタイトルで次のように報道をされております。
  PKO協力法案と違って知る人は少ないが、
 政府・自民党と社会党が激しく対立している重
 要法案がある。都市計画法・建築基準法の二十
 四年ぶりの改正案だ。町づくりの権限をどの程
 度地方自治体にまかせるか、が争点になってい
 る。
 このような対立は私は幾らあってもよいと思います。この積み重ねが立法府としての本来の姿を取り戻していく道順を確立していく一里塚としての意義は大変大きいと思います。
 私たち連合参議院は、その意味から議員立法を重視し、先輩の諸政党の協力を得てその対応を進める中で、かつてアメリカの国会を訪問、調査をいたしました節にも、アメリカの議員の意見として、我々もお互いに恥をかき合いながらやっております、との言葉が今も耳に残ります。暮らしと関係の深い町づくりは地方分権の最適のテーマであり、第三次行革審でも権限移譲の目玉に上げられた経緯もあります。今回の社会党の法案提出の勇気に敬意を表する意味からも若干の質問をいたします。
 報道は次のように続いております。
  都市計画関係では初の野党提出法案といわれ
 る社会党・進民連案は、市町村が議会の議決を
 経て都市計画一マスタープラン一の原案をつく
 り、知事が市町村と協議して決定するなど、市
 町村の権限を大幅に認めている。政府案にも市
 町村がマスタープランをつくることが盛り込ま
 れたが、計画を決定するのは基本的に国であ
 り、全国一律のメニューを用意して自治体に選
 ばせる構図は変わらない。とあります。
   〔理事石井一二君退席、委員長着席〕
 すなわち、社会党案では、地区計画を住民から発議できるようにするとか、市町村の定めるマスタープランの内容も明確であるとか、地方自治体や議会の権限を拡大し手続の民主化を図るということでは合理性があると思いますが、地方自治体の権限の拡大や住民参加の拡充などについて社会党はどのように考えておいでになりますのか、まずお尋ねをいたします。
#192
○委員以外の議員(岩本久人君) 地方自治体における都市計画の権限の拡大についてでありますが、基本的には、いわゆる高度に発達しておる中央集権体制下にあるということでありますから、そのことをまず問題視しなければならない、このように思っておりますが、まずできるところからと考えまして、用途地域の計画決定をすべて基礎的自治体である市町村のものとするということに今回はいたしました。
 これは、現行制度にもあります「整備、開発又は保全の方針」の中に定められているような人口であるとか都市計画区域全体の土地利用の方針であるとかが国や都道府県によって調整されるのであれば、用途地域などは実際の運用を見ても現在もそうなっておりますので、市町村の権限で十分であろう、このように考えたからであります。さらに、政府や都道府県も、制度の運用を工夫することによって市町村や住民の意見をできる限り酌み取ろうという努力はされておるわけでありますから、その実績についても今回明確に私たちは法律の中に位置づけるということにいたしました。
 また、住民参加の拡大の問題についてでありますが、まず議会からと考えまして、直接の発議制度などは最も住民に密接な地区計画に限定して始めたものであります。
 自治体の権限拡大も住民参加も、現状を考えながら一歩一歩着実に進めていきたいと考えております。
#193
○山田耕三郎君 今回のこの改正は、大都市問題への対応ということもさることながら、近年各地で問題になっておりますリゾート開発などに伴う乱開発にどう対応するかということも大きな問題だと思います。政府案も社会党案も問題の認識は同じだと思いますが、その対応に対する考え方の差、解決策として提案されている法案の差は、主としてどこにありますのか、まず社会党案提案者にお伺いをいたします。
#194
○委員以外の議員(青木薪次君) まず、都市計画区域を拡大して計画と規制の関係を明らかにした上で、自治体の実情を踏まえた許可制度の運用が行われるようにすることが第一番です。第二番に、いわゆる白地地域についても容積率から高さ、日影制限に至るまで現行の第一種住居専用地域程度の制限を可能にするなど、きめ細かな規制を自治体が行えるようにすることがリゾート開発に対する私たちの案の考え方であります。
 こうした考え方の基本となっておりますのは、これまでに各地の自治体が要綱や条例などで積み重ねできたものを支援したいということであります。
 こうした要綱や条例の数字だけ見て住居地域程度の数字で間に合うと政府は考えるのかもしれませんが、一要綱などで指導できるものには限界があるのであります。本当に地域で必要とされているものは何か、それを自治体が選択できるように考えたのが私たちの案であります。
#195
○山田耕三郎君 ただいまの御答弁は理解できますが、私はさらに、今回の政府案と社会党案の間に差の出てくる原因は、政府案の考え方の中に自治体に対する不信感があることが最大の原因だと思います。例えば、地方には計画をつくる能力に問題がある、地域エゴに振り回されはせないか、計画決定にも時間がかかる等で、特に地方議会の関与に懸念を持たれるようでもあります。
 確かに一理はありますが、今日のように権限も財源も制約されたままで町づくりの能力が育つはずはありませんと思います。住民参加など計画決定によし時間がかかりましても、決まった後の進行はかえって速い場合もございます。何よりも町づくりの関心が多様化し、全国一律のやり方では住民のニーズにこたえられなくなってきております用地価の高騰や環境悪化を防ぐため独自対応を模索する自治体がふえてきております。こういった芽を育てていかない限り地方の実情に合った町づくりはできないと思います。
 私ごとで恐縮ですけれども、私の市長就任のころ、今から二十年前でございますが、県庁所在地の都市ですら建築確認の事務の試行がようやく始まったころでございました。私の就任と同時に、建築確認事務の指導のために県から派遣されていた建築指導主事を県が引き揚げてしまいました。もちろん建築確認事務と都市計画の仕事とは、その難易度には格段の違いがあります。比較的安易な事務でありました関係もありましたが、何の支障もなく遂行することができました。
 まず発想を転換して、欧米並みの自治体主権の町づくりに踏み切られるべきときではないのか。「必要は発明の母」とのことわざもあります。過渡期には多少の問題もあるかもしれませんが、そう案じたものではないと思います。
 社会党案発議者の所見を求めますとともに、なぜ地方自治体に権限を移譲することにちゅうちょをされておられますのか、建設省の所見もあわせて承りたいと存じます。
#196
○委員以外の議員(岩本久人君) 地方自治体の能力の問題等もあって権限移譲の問題に若干の懸念を表明されていたというふうに思うんですが、今御指摘をされましたような例えば大型の建築確認とかあるいは都計法の二十九条とかといったような大型の開発許可の問題、そういったような問題、さらには地方自治体が幹線道路の工事を実際に地方自治体が行うということになれば能力論というのも私は議論のうちに入るだろうと思っておりますが、現在私たちが提案をしております住民に密接な地区レベルの土地利用計画は実質的にも市町村の権限でなされている部分もかなりある、そういった意味から、今回明確に法的に位置づけよう、こういうことでございます。
 さらにまた、今回、用途地域の見直しということも提案をされているわけでありますから、そのことからいっても今私どもが提案をしているこのことはより自然体に近づくのではないか、このように考えております。
 また、地方議会の能力の中で言っておられました地域エゴという問題につきましては、先般も申し上げましたが、自治体の規模が小さくなればなるほど一人一人の議員のよって立つ基盤からしてどうしてもそのようなことが現実に存在することは否定できませんが、しかし、より高度に発達をした地方自治を目指していく、あるいは広範な自治体住民の意見を吸い上げてその任務を全うしていくという上からいえば、先ほど言われましたように、少々の失敗を恐れていたのでは一つ一つの自治体の能力は一つも前進していくことはできない。そこのところは、大きな立場から失敗を恐れずに権限を移譲して、そして的確に指導していくという姿勢はとても意義あることだ、このように考えております。
#197
○政府委員(市川一朗君) 都市計画につきましては町づくりの最も基本的な手法の一つでございまして、私どもも基礎的自治体である市町村が住民の意見を十分反映させながら主体的に推進していくことが重要であるというふうに考えております。
 この辺の考え方につきましては、長い歴史的な経緯もあったわけでございますが、昭和四十三年の現行の都市計画法施行の際にはっきりと法律上も意識されまして、原則として市町村が決定する、広域的、根幹的なものは知事が行う、それで知事が行うもののうち国の利害等に関係してくるようなものについて大臣認可にする、この仕組みができた次第でございまして、まず仕組みがそうなっておりますことと、現実の都市計画の決定の件数を見ましても全体の都市計画決定の約三分の二が市町村で決定しておりまして、残りの三分の一が知事の決定でございます。それで知事が決定しておるもののうちの約半分が大臣認可になっておるということで、もちろん事の重要性等の違いはございますが、単純な件数の比較におきましてもかなり市町村中心に全体の実務は移行していると思う次第でございます。
 しかし、ただいま先生から御指摘がございましたように、行革審等でもそういう議論がなされ、今回の審議を通じまして本院でもいろいろそういった御指摘がなされ、ただいまさらに先生からも国の方の考え方に地方におろしたくないという考え方があるのではないかという御指摘を受けていることに関しましては、私も含めました都市計画行政に携わる者の心構えといいますか、そういった問題もかなり深層の問題としてあるためにそういう印象も強く与えているのかなと思う次第でございますが、いわゆる制度の仕組みとしてはほかの行政に比べましても都市計画はかなりそういった形では市町村におりております。
 ただ残っております問題は、一番大きいのは市町村と県との配分の問題、もちろんその中に機関委任事務とか団体委任事務とかという議論はございますが、これは主として地方自治法の世界の問題でございますから、実質的機能の問題としては、県と市町村をどうするかというような問題と、それから、知事が決めるということになってしまいますとまず知事の分を市町村におろしますともうそれで終わってしまうんですが、知事決定の場合には大臣の認可にしておりますからその大臣の認可の部分をどの程度するかというような議論でございまして、今回の改正でも新しくできました制度は、先ほども誘導容積制度等で審議会の答申と違うじゃないかという御指摘もございました。
 そのくらい私どもとしては新しい制度はほとんどすべて今回市町村決定として創設させていただいておりますし、そういう気持ちを十分持って対応しておるつもりでございまして、根底に市町村に対する不信というものが重苦しく横たわっているということではないということにつきましては、今後、私どもの言動も含めた心のあり方も含めまして、反省をしながら対応をしたいと思いますが、ぜひ、市長さんをおやりになりました山田先生におかれましても深い御理解を賜りたいと思う次第でございます。
#198
○山田耕三郎君 次は、最近は若干鎮静化いたしましたとはいえ、近年の地価の高騰に伴います乱開発、開発ラッシュと環境破壊に対して自治体や住民の危機感は強まっております。市町村が乱開発や環境破壊から町を守るためにとってきた手段は、御承知のとおり国の法に独自の規制を上乗せをすることでした。政府は、これには否定的な姿勢で臨んでこられたように思います。最近は自治体の議会も協力をし、要綱や内規よりさらに拘束力の強い条例で独自政策を進める機運が強くなってきております。しかしながら、法の制約は今も重く自治体にのしかかっております。
 例えば、この委員会で御論議の中にその固有名詞も出ましたように、大規模マンションに対して水源不足を理由に給水拒否を通告をしました福岡県志免町や、環境条例に基づいてマンションの新築に対し少し低くするよう行政指導をして建築確認がおくれました山梨県等では、今年の春、相次いで敗訴をしております。
 古くはなりますが、東京武蔵野市の元市長に対する罰金刑が最高裁で確定をいたしております用地方自治体が法との接点を探りながらぎりぎりのところで選択をいたしました独自行政も、土地利用を含む都市計画の策定権限が市町村や県に十分与えられていなければ、効果を上げることは非常に難しいことを示しておる事例でございます。これらの判決は、改めて都市計画法の抜本改正がいかに必要かを自治体に認識をさせる契機ともなりました。
 特に、山梨県の場合には、国の法律でもまだ十分に保護されていない景観という新しい概念に対する初の判決でありましたことから、裁判所が景観条例に対してどう判断をするのか、どこまで踏み込んだ判断をするのかに私は期待を持っておりましたが、全くの期待外れで、これでは何の問題解決にもなりません。結局は、法的拘束力のない市町村の開発指導要綱や県の景観条例を理由にした対策は、建築基準法第六条違反であえなくついえ去り、市町村の職員、わけても市長には住民訴訟に対する弁護士報酬を含みます応訴費用の莫大な自己負担金が残されただけで、問題解決には役立っておりません。
 このように、自治体の長が地方公共団体としての意思形成に関与した面にまで個人としての応訴活動が要求されている結果、多額の応訴費用が長の個人負担となり、職員の職務に対すると気にも重大な影響を惹起をし、公務執行にも支障を来すことが危惧されております。
 今後の住民生活の高度化は、景観、給排水、ごみ処理、騒音等、問題のふえる中で、権限も財源も与えられない地方の対応はどうすればよろしいのか、まず建設省の感想を求めます。法律問題は別として、勝訴しても敗訴しても、すべての費用を全部自己負担を強要される現状に対し、心情的にでも結構でございますから、感想をお示しをいただきたいと思います。
#199
○政府委員(立石真君) 今先生御指摘のとおり、各地方がそれぞれの地域の特性に対応して個性ある町づくりを推進していきたい、あるいはまた環境を守りたいということは、非常に重要な課題であるというように私も認識しているところでございます。
 こういうような観点から、先生からは感想だけということでありましたが、内容問題について若干御説明させていただきますと、いろいろな行政を進めるたあには現行の都市計画法、建築基準法にもいろいろな手段があるところでございまして、例えば、都市計画法、建築基準法によりますと、地区計画、特別用途地区、風致地区、美観地区、さらにはまた例えば森林法等の規定等いろいろなことができるところでございますが、こういうものを積極的にまずは活用してそれに対応するようにすることが基本なんではないかというように考えているところでございます。
 しかしながら、先ほど先生御指摘のところでございますが、例えば景観あるいは給水等につきまして、それぞれいろいろ難しい問題を持っていると思うところでございます。
 景観そのものをどうするかということですが、景観というものについては、考えてみますと、例えば地域の自然の環境とどう調和するか、あるいはまた周辺の建築物群、市街地とどう調和できるか等々具体的に考えていくと、景観も具体的にどういう形にすべきかということが議論できるのではないかというように考えているところでございます。
 こういう問題に対しましてはこれまでも、例えば開発許可の体系の活用につきましても、開発許可を受ける開発区域内の建築制限等がいろいろと付加できるような部分もございまして、これらを活用するとかなりの程度対応できるのではないかと見ておるところでございますが、今回、それでもまだ不十分ということもございますので、都市計画区域外についての建築規制、さらには白地地域の建築規制等について制度化を図ろうとするものであり、これらを活用すればかなりの程度対応できるのではないかとまず思っているところでございます。
 また、給水関係につきましては、必ずしも私の方からお答えし切るだけの力がないと考えておりますが、まあこれは、具体的に給水問題としてそれぞれの市町村の成長をどうしていくのか、あるいはマスタープラン等によってどういうふうな発展をするか、そういうことによってやはり具体的に都市の姿を描いて必要な制度を活用し規制を行っていくことが妥当なのではないだろうかというように基本を考えているところでございます。
#200
○山田耕三郎君 次は、自治省にお願いをいたします。
 各都市における今日の行政活動は市民要望の多様化と市民意識の変化に伴い広範多岐にわたっており、地方自治体の関係者は大変な苦労を強いられております。一方、これを背景に、行政活動に起因する係争事件も増加をしております。その対応に日夜苦労しているのが実態でございます。
 そこで、住民訴訟における応訴費用の公費負担制度の創設についてお尋ねをいたします。
 既に全国市長会から要望が出ておりますことでもあり、私のごとき法律の素人には理解が十分できない点もありますので、概要を簡略に申し上げます。
 住民が執行機関または職員の地位にある個人を被告人として当該地方公共団体に代位し損害賠償等を請求する地方自治法第二百四十二条の二第一項第四号訴訟、いわゆる代位請求訴訟に関して、訴訟の確定により当該職員の職務行為が正当とされた場合においても当該職員が負担した範囲内において弁護士報酬を含みます応訴費用を地方公共団体が負担をするという応訴費用の公費負担制度を創設されたいとの願いであります。
 ところが、現行のこの法律では、公費負担することは違法な公金の支出に当たるとして、訴訟結果、職員の職務執行の合法性が認められた場合、すなわち勝訴の場合でも個人負担になっているとのことでございます。ところが、この法律による住民訴訟の対象が財務会計上の非違を是正することに限られているのにかかわらず、現行は地方公共団体としての意思形成に関与した面にまで個人としての応訴活動が要求されている結果、応訴費用が個人負担となり、訴訟費用が高額になっている今日、市長、知事といえども到底負担に耐えがたいこともあり得ると思われます。
 法律とは、理解が難しいのは、この場合、訴訟した人すなわち原告が勝訴した場合は地方公共団体に弁護士報酬が請求できることになっておるのです。この法律にある住民訴訟制度をこのままにしておいては、地方自治体の職員の士気にも影響することはもちろん、何よりもこの法律は不合理と思いますが、自治省の御所見と今後の方針について承りたいと存じます。
#201
○説明員(蓼沼朗寿君) 地方自治法二百四十二条の二の第一項第四号の問題であろうかと思います。
 確かに、現在の法律では地方公共団体の住民が地方公共団体に代位いたしまして違法な公金の支出等による損害賠償等の請求ができることになっています。この場合、訴えられた長あるいは職員というのは、機関としての長、補助職員ではございませんで、個人になっておるわけでございます。個人の責任が追及できる、そういう制度でございます。こういう地方公共団体に代位して請求するという制度の性格からして、訴えられた長または職員の弁護士費用等の応訴費用はあくまで個人として負担するということで、地方公共団体が負担するのは適当でないということに現在ではなっております。
 しかしながら、現在、先生も御指摘のように、いろいろ昨今は住民訴訟というものがふえております。そしてまた、この特に四号訴訟に係る事案もふえてきておるという傾向でございます。また、金額の方でも百万とか三百万、あるいは時には一千万を超えるというように弁護士費用等もかなり高額になってきているということで、いろいろ地方公共団体の現場において行政をする者にとっては問題が起きているという事実は先生が御指摘のとおりでございます。
 そして一方において、訴訟をした四号の原告の方は、仮に裁判において勝訴いたしますと地方公共団体に対して全部弁護士費用、訴訟費用を含めて請求できるという規定がございますので、被告の方が勝ったら弁護士費用も払ってもらえずに個人負担、原告の方は勝ては弁護士費用も請求できるという、ちょっと均衡がとれないという問題もございまして、市長会の方からそういったことについての改正の要望がございます。
 この問題につきましては、住民訴訟の根本的ないろいろな問題がございます。
 自治省においては、現在の住民代位訴訟制度の仕組みを、仮にこれを前提といたしましてそういう制度の改正ができるのか、あるいはできるとしても一体どの範囲に公費負担を求めるのか、どういう場合に認めるのか、あるいは、現在、株式会社法におきまして商法の株主の代表訴訟における問題がありますが、これとの均衡をどう考えるかなどいろいろ問題がございますので、難しい問題がありますけれども、その辺も念頭に置きながら対処してまいりたい、そのように考えております。
#202
○山田耕三郎君 私は、昨日の参考人の意見陳述において、石原参考人から指導要綱が条例化されたり法的拘束力を持てば地方のエゴがまかり通りかねないことを危惧する旨の御発言があったように記憶をいたしております。私はこの意見とは事実認識を異にいたしますとともに、このような意見を持たれます方が政府の意思決定にかなり深くかかわっておられますことがわかっただけでも収穫だったと思っておりますけれども、どうしてこの事実が認識をしていただけないのだろうか、まことに悲しく感じました。
 ただいま御答弁をいただきました答弁、これが限界だろうと思いますので、非常に不合理な面を持っておる法律であるということも答弁された方もお認めになっておいでになります。私たちの言葉に「過ちては改むるにはばかることなかれ」ということわざもございます。やっぱり、本人にすれば、今おっしゃいましたけれども、数千万円はおろか億に近い負担もせなければならぬような事案もあるようでございますので、その本人の苦労を考えていただいて、こういったものが一刻も早く合理的に直されますように要望をいたしまして、私の質問を終わります。
#203
○山田勇君 先般の委員会に続きまして質問をさせていただきます。
 従来なら重複を避けてということでございますが、あえてこの法案については重複を恐れることなく質問をしていきたいと思います。その重複しているところが当法案のポイントではないかなというふうに存じております。
 先ほど山田耕三郎委員の方から、いわゆる国の権限のお話が出ておりました。これはもう先ほど来十分に局長の方からのお話もありましたので避けさせていただきます。
 そこで、地域計画制度についてお尋ねをいたしておきます。
 町づくりにおいては、地域レベルで計画の策定というものが重要であります。現在、日本にはドイツのFプランとかBプランなどを手本としたいわゆる地域計画制度が導入されておりますが、これがうまく機能すれば都市の美観、総合的な居住環境の向上、また町づくりへの住民参加を契機とした地域コミュニティーの連帯意識の高揚といったことがある程度図られると思いますが、残念ながら、この地域計画制度は現在までのところ全用途地域のわずか一%しか策定されていません。
 確かに、日本のように土地に対する権利意識が強いところでは拘束力を持つ地域計画制度の策定は難しいと思いますが、その策定を促進するようなシステムがどうしても必要ではないかなと思います。政府案には特にそのような規定が見られないんですが、地域計画制度の意義、また今後いかにして計画の策定を進めるおつもりかをまずお聞かせいただきたいと思います。
#204
○政府委員(市川一朗君) 地区計画制度につきまして評価をしていただいたわけでございますが、私どもも地区計画制度はいわゆる詳細な土地利用規制を行う手法といたしまして、地区レベルにおきまして住民のコンセンサスを図りながら行うということで、これはこれから大いに普及していってしかるべき制度と思っておりますので、これが積極的活用につきましては、今後とも十分の配慮を図ってまいりたいと思っておる次第でございます。
 今回創設いたします市町村の都市計画に関する基本的な方針におきましても地区計画等を策定すべき地区を明示することとしているところでございまして、これによりまして地区計画の一層の推進が図られるのではないかと考えておる次第でございます。
 しかし、ただいまの先生の御指摘は甘い甘いと言っているような感じがするわけでございまして、私どもといたしましては、例えば地区計画制度を活用するためのコンサルタン十を派遣するために若干の助成措置を講じたり、そういう予算面の配慮もいういろしてございますし、また、地方公共団体における執行体制の充実も重要だと思いますし、さらには地区計画制度の具体的な事業への結びつきという点でのもう少し思い切ったアイデアも必要なのかなといろいろ思っておるところでございまして、今後そういうもろもろの方向を含めまして、地区計画が推進され促進されるようなシステムづくりにつきまして、御提案の線も踏まえながら積極的に対応してまいりたいと考えておる次第でございます。
#205
○山田勇君 次に、社会党案に対しまして質問をしたいと思います。
 この都市計画のマスタープランには、町の将来像を明らかにすることによって住民の都市計画に対する理解と参加を容易にするといった機能があると思います。しかし、現行の都市計画には、マスタープランの下にいわゆるゾーニングといいますか、用途地域と特別用途地域というものが地域の土地利用の基本としてあり、その上さらに詳細な計画としての地域計画があり、大変わかりにくい面もあります。都市計画は合意形成のプロセスだとも言われておりますが、一般市民にもわかりやすい制度のあり方が望まれます。
 社会党案では、マスタープランの用途地域や特別用途地域や地域計画など、これら三つの役割分担といいますか、総合の運用といいますか、これらについてはどのようにお考えになっておりますか、お伺いをしたいと思います。
#206
○委員以外の議員(穐山篤君) お答えをいたします。
 私は、実は戦前は山梨県の甲府に住んでいました。戦後は静岡、豊橋、愛知、東京を二回、そして今、山梨県の甲府に戻っております。ですから、四十数年の間に六回も世帯を移動したわけですが、それぞれ歩いてみますと、町に顔があります。スタイルもみんな違うんですね。それから町の機能がそれぞれみんな違うんです。ですから、そういう意味で言うと町が生きているわけです。
 例えば、砂漠の中にラスベガスをつくったように、都市計画方針と実施計画があればラスベガスのようなものはつくれるわけです。ところが、現実に市民が生活をしているし、町が生きている中に都市計画をつくろう、都市の改造をしよう、そういうことになるわけですから、非常に問題が多いというふうには思います。
 しかし、衆議院では、いろいろな議論を重ねた結果、与野党とも良識を発揮して一定の修正をしたわけです。一番問題になるところは、市町村あるいは地区のプランの決定の過程といいますか、あるいはそれに伴う権限の問題について意見の一致がなされずに修正がされなかった。そこで、私ども社会党としては、二十一世紀を眺めて考えてみた場合に、一番生活をしているところで計画をつくる、決定をするという必要を痛感をしたので、この間からあえてその問題について注視をしていたわけです。
 あえて補足をしておきますと、私の後輩なんかも県庁あるいは市町村で土木、建築関係の仕事をやっている人が多いんですが、異口同音に言いますのは、都市計画を考えるときに三十何本以上の法律を頭の中に入れておかないと計画ができないという一つの大きな問題があるわけです。都市開発法だとか、最近では拠点整備法、生産緑地法というもの、次々出るわけです。法律の立法の精神なり性格によって違うからそれは一まとめにすることはできないと思うけれども、もう少し何とかしてもらいたいな、そうしないと地方で町づくりをするのに大変な労力がかかるという意見が圧倒的に強いわけです。
 これは何も行政のみならず、地区でプランを立てるときに意見を出しますと、それは河川法にひっかかります、これは何とか法にひっかかりますよといって、規制が町の総意を全部つぶしてしまうことに現実にはなっているわけです。ですからそういう意味で、きょうただいま改正するということは難しいと思いますが、二十一世紀に向かってそういう問題についても議会も行政も十分に考える必要があろうというふうに思います。
 それから、二つ目の問題は、それぞれ御意見をいただいておりますけれども、地方自治団体に力量をつける、それは権限の問題もあるだろうし財政上の問題もあると思いますが、もう一つは、住民と地方自治体が下からプランを決定して順に上に上げていくという訓練あるいは習熟をする、それが町づくりの基本であるということが常に念頭になければならないし、それを繰り返していきながらいい町づくりをしていこう、そういうことにならなければならぬと思うんです。
 そこで、今、先生が言われました問題について、政府案でも私の方でも、多少は難しさはありますけれども、これからは、政府なりあるいは都道府県というのは地方で決めていく段取りの骨格を決めるという程度にして、あとは創意工夫をして町づくりの中に衆知を集めていく、そういうことが私は欲しいと思うんです。そういう意味では、社会党案を賛成していただければ結構ですけれどもそうはなかなかいかぬと思いますので、将来的には用途地域も特別居途地域もあるいは地区計画も同じような方向で進んでもらいたいな、将来方向としては今私が申し上げたような方向に全体がいってもらえるとありがたいな、こういうふうに考えているところです。
#207
○山田勇君 ありがとうございました。次に、これも午前、午後を通じて何度か問題になりました誘導容積についてお尋ねをいたします。今回の政府案では誘導容積制度が提案されておりますが、本法律の改正に当たっては土地の有効利用の促進が強く求められております。
 この土地の有効利用に関しては指定容積率と平均利用容積率との格差が大きな問題であります。例えば、東京二十三区では指定された容積率のうち実際に利用されているのは約四割であり、こうした低利用地の有効利用を促進するためにもダウンゾーニング的手法もある程度の効果を持つものと考えるわけですが、都市計画中央審議会の中間報告の段階では、この制度は市街化区域内の建設大臣の指定する地域につき適用されることになっていたのが、今回これを地域計画の区域内での策定に切りかえられたことにより、この制度が活用されるチャンスがほとんどなくなってしまったんではないかなと思うんです。
 建設省としてのこの制度の普及ということについてどういうお考えをお持ちか、お聞かせを願いたいと思います。
#208
○政府委員(市川一朗君) 誘導容積制度の前提といたしまして、容積率を二重に定めまして、公共施設が未整備な段階では低い容積率を定め、公共施設の整備に応じて目標とする容積率を適用するという制度が誘導容積制度の一つの骨組みでございます。
 この制度を考えるに当たりまして、都市計画中央審議会におきましてはさまざまな議論がなされておりました。中間報告の段階では、この低い容積率を適用する考え方としては、基本的には現状に凍結するというような考え方も提示されておりまして、極めて厳しい権利規制になるものでございますので、なかなか地域住民の方々の合意という手法では難しいのではないかというところから大臣の指定ということになりました。
 それから、先ほども御答弁申し上げたんですが、最終答申におきましても、基本的には現在知事決定になっております用途地域の中で処理をするという御提案でございましたが、政府案を固める段階におきまして、地区計画という制度にいたしまして市町村決定ということになった次第でございます。
 これにつきましては、御指摘ございましたように、これが適用されますと、暫定にしろ一度容積率がダウンする効果が出てまいりますので、なかなかそういった制度を地区住民の方々の合意の中で適用していくというのは難しい面があるのではないかという御指摘でございました。私どももその辺は十分そういうおそれはあるということを思っている次第でございます。
 しかし、こういった地区計画の策定というプロセスを通じて、自分たちの町をよりよいものにするにはどうしたらいいかという合意形成の積み重ねをしていくことが、長期的な我が日本の町をよくしていくいわば一つのプロセスになるというふうに考えまして、私どもが今回御提案申し上げております新しい制度は、すべて市町村の決定する制度ということにいたしたいという気持ちも含めまして、あえてこの制度の市町村レベルで決定する地区計画として御提案申し上げた次第でございます。
 そうなると果たしてうまくいくのかという先生の御懸念に対しましては、私ども原点はそこに置きながら、できるだけうまく活用させていただけますようにいろんな形で努力してまいりたいと思う次第でございますので、どうか、先生の方からも深い御理解をいただきまして、また御支援のほどよろしくお願い申し上げたいと思う次第でございます。
#209
○山田勇君 この誘導容積制度の普及に当たっては、土地問題を誘発する危険性もあり慎重な対応が必要だと思います。これは午前中も御論議がありましたが、例えば、目標容積率を指定容積率より上積みしてボーナスとしての性格を持たせるのではないかなとの指摘もあるわけですが、そうしたことがあり得るのか、また、あるいは目標容積率はおおむね現行の指定容積率と同じと考えてよいのかどうか、また、この誘導容積制度の実際の運用においては、暫定容積率から目標容積率への移行の時期というのが大変私は難しいと考えるんですが、その点は混乱を来さないようにするのに具体的にどのような方針で臨むおつもりか、お聞かせいただきたいと思います。
#210
○政府委員(市川一朗君) 誘導容積制度の基本的な考え方は、あくまで現在用途地域で定まっております容積率の容積の総量の範囲内ということでございます。それに対しまして、既にできた制度といたしまして用途別容積型地区計画という制度がございまして、この地区計画を定めますと、住宅に係る部分につきまして容積率の緩和を行うことができる仕組みになっております。
 この用途別容積型地区計画と今回御提案を申し上げております誘導容積制度を組み合わせることによりまして、目標容積率が指定容積率よりも上積みすることが可能になるというふうに考えておる次第でございます。したがいまして、もう一度申し上げますと、指定容積率よりも上積みした形で目標容積率が出てくるのは住宅の供給に資する場合ということに限定されるというふうに基本的には理解しておる次第でございます。
 それから、暫定容積率から目標容積率に切りかわる時期、移行する時期につきましては、地区計画において定められております地区施設、いわゆる公共施設関係の整備が進んだ段階というふうに考えておる次第でございまして、その期間はある程度の期間かかるとは思いますけれども、事業の実施期間というふうに御理解いただきたいと思う次第でございます。
#211
○山田勇君 次は、容積率の適正配分についてお尋ねをしたいと思います。
 政府案によりますと、地域計画の区域をさらに細かく区分して、その間で容積の適正配分ができる制度が提案されておりますが、この制度は、将来容積率の権利、空中権の売買といったことが横行し、また規制緩和が進められ特定都市への業務集中を助長するのではないかなといった心配があります。また、区域内の総容積には、外周道路の中心線までの指定容積が含まれることになると予想されるため、そうした末利用容積を配分することにより、指定容積率の倍近い目標容積率が指定されるのではないかなといった心配があります。
 現在でさえ、開発許可、建築確認などのその弱さが指摘され、建築物が道路や鉄道の混雑にどう影響し、また廃棄物などについてどの程度負担がふえるのかなと全く考慮されていないのに、この容積率の適正配分はそうした都市問題を一層ひどくさせる可能性も強く、地方独自の町づくりといった所期の目的達成は困難になると考えますが、建設省としてはこの問題を防ぐためにはどのような歯どめといったことをお考えになっておられますか。
#212
○政府委員(市川一朗君) 容積の適正配分につきましては、土地の合理的な利用を促進しながら良好な都市環境の形成や保護を図るために、地区単位で既に都市計画で決定されている容積の総量の範囲内で地区内の建築物の態様に応じてきめ細かく容積率を配分する制度でございます。そういう意味では、基本的に歯どめは容積の総量の範囲内ということになるわけでございます。具体的には、地区施設の整備促進、住宅供給の促進、緑地空間の確保など良好な都市環境の形成が図られる場合に限り市町村が地区計画を策定いたしまして、地区内の容積率にめり張りをつけるものでございます。
 したがいまして、御指摘ございましたようないわゆる空中権売買のように、単に土地所有者間で合意されればそれによって容積が移転されるという仕組みではございませんので、そういったようなおそれが全くないということではございませんけれども、そういう経済行為のみによってこの仕組みが利用されるということにならないように十分配慮してまいりたいと思っている次第でございます。
 また、道路の中の問題につきまして御指摘がございましたが、道路内につきましては、建築基準法上は原則として建築物の建築が禁止されておりまして建築敷地として利用できませんので、容積の適正配分を行うに当たりまして道路上の容積を地区の総量の範囲内に含めて容積の配分を行うことは適当でないと考えておる次第でございます。
#213
○山田勇君 昨日、当委員会で五人の参考人の方に出席をいただき、貴重な御意見をいただきました。その中にあって、賛否はともかくとして、五人の参考人の共通した御意見の中に、先ほど来も申し上げておりますとおり、いわゆる住民参加ということを非常に強く皆さん方は要望をなされておられました。午前、午後を通じて、住民参加という問題も随分出ております。
 きのうも申し上げたんですが、住民参加というと、反対ありきという形の中で、地方自治体の中でもやや何かこうアレルギーな面もあるんではないか。そういう意味ではなく、地域住民の参加ということによってこそこの法律が真っすぐに歩んでいくんではないかなというふうに思っております。
 大阪の例を一つ申し上げますが、アメリカ村というのがここ数年前から大阪の中に突然として出てまいりました。もうそのアメリカ村が誕生するまでは、普通のといいますか、そんなににぎやかでもないし、そんなに購買力のついた地域でもないんですが、若者の集いの町みたいになりまして非常に効率を上げております。
 当初は歩道なんかに出店を出したりして、道路を不法占拠したりしますが、行政指導で奥へ入りなさいとか、そのうちに利益が上がるもんですからその町並みの店舗を少しずつ借りたりして、ややそういう規制はされたものの、依然として活力はあるわけです。
 大阪市がそれに対して、一時、建築法上の違反もありましょうしいろんな意味で無理があるんで手入れをしようと言ったときに、私は大阪市に、これは市民がつくった町だからまあ目ざわりなところもありましょうがもうしばらく辛抱して見てやってほしい、そのうちに町づくりというものはできてくるんだからというふうに申し上げまして、そんなにきつい規制をかけないで、まあ放置したと言えば語弊がありましょうか、多少は若者の町として認めていった。
 それよりむしろ、アメリカ村が御堂筋に向かって右にあるならば、左にヨーロッパ村をつくろうといって、これは大阪市が計画をしまして、歩道をれんが敷きにしたり街路樹にヨーロッパ調の木を持ってきたり、街灯もエトランゼチックなものを立てたり、スズランの電気をつけたりしてヨーロッパ調にしたんですが、もう一つ笛吹けど踊らずで、もう一つ効果がない。全然効果がないとは申しませんが、ある程度の効果はあるんですが、何にも手をつけていない汚い混然としたアメリカ村の方が購買力は依然として非常に持っているというようなことがあります。
 だから、これからの町づくりというのは、住民の参加も必要だし、そうして地域の住民がつくっていくということも大切ではないかなと思います。
 そこで、私は、一〇〇%という法律はまずないと思います。都市も生きておりますし、そして法律も生きておりますし、その中にあって、一たんつくった法律だから何が何でも、法律を改正するということは国家の権威にかかわる、建設省の権威にかかわをというような古いお考えはよもやお持ちじゃないと思いますが、後ろには若いこれからの建設省を担う人たちがおられますけれども、やっぱりそれに適応させて法律はどんどんと改正していってもいいんではないかなと僕は思います。
 最後になりましたが、建設大臣の御所見を伺いまして、私の質問を終わりたいと思います。
#214
○国務大臣(山崎拓君) 町づくりを推進する上におきまして、住民の声を十分尊重し踏まえて行うということは当然でございますし、また大切なことであると考えております。また、貴重な実例もお示しいただきまして、大変参考になりました次第でございます。
 このたびの法改正におきましても、たびたび論ぜられておりますように、マスタープランを市町村につくっていただくことになりまして、これを衆議院の審議におきまして「定めることができる。」となっておりましたものを「定めるものとする。」という表現に変えていただきましたのでございますが、そういう次第で、住民の皆様方がマスタープランをつくり、さらにその際には公聴会の開催等、住民の声を吸い上げる努力も行うという新しいシステムをつくりました次第でございます。
 もちろんこれが十分のものとは考えておりませんで、建設省の若き俊秀たちが後ろに控えておりますが、先生方の御議論を血となし肉となしまして、この法案の実施を通じまして将来さらに改正すべき点が出てまいりましたときには改正いたしまして、住民の声を十分反映する都市計画の制度をつくり上げてまいりたいと考えているところでございます。
 ただ、一点だけ申し上げておきたい点は、住民の声を反映させるということは当然でございますけれども、住民といっても一部の住民と全体の住民という視点ももちろん重要でございまして、住民全体が支持する都市計画ということになりました場合に、これは一〇〇%ということはなかなかございませんし直接的な利害を持った部分もございますので、そこは円滑に都市計画が定まっていくということも一方において必要なことでございますから、そこでいろいろ苦慮、苦心いたしておるところでございますが、今回の法改正でその辺のところも十分考慮しながら御提案をさせていただいた経緯でございます。
 どうぞよろしくお願いいたします。
#215
○山田勇君 ありがとうございました。C委員長(山本正和君) 他に御発言もなければ、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案(閣法第七二号)に対する質疑は結局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#216
○委員長(山本正和君) 御異議ないと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時九分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト