くにさくロゴ
1992/04/16 第123回国会 参議院 参議院会議録情報 第123回国会 労働委員会 第5号
姉妹サイト
 
1992/04/16 第123回国会 参議院

参議院会議録情報 第123回国会 労働委員会 第5号

#1
第123回国会 労働委員会 第5号
平成四年四月十六日(木曜日)
   午前十時三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月十三日
    辞任         補欠選任
     西川  潔君     下村  泰君
 四月十五日
    辞任         補欠選任
     川原新次郎君     鹿熊 安正君
     平井 卓志君     真島 一男君
     対馬 孝且君     堀  利和君
 四月十六日
    辞任         補欠選任
     岩崎 純三君     星野 朋市君
     鹿熊 安正君     石川  弘君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         向山 一人君
    理 事
                田辺 哲夫君
                仲川 幸男君
                細谷 昭雄君
                山中 郁子君
    委 員
                石川  弘君
                鹿熊 安正君
                佐々木 満君
                山東 昭子君
                真島 一男君
                星野 朋市君
                庄司  中君
                西岡瑠璃子君
                西野 康雄君
                堀  利和君
                中西 珠子君
                笹野 貞子君
                橋本孝一郎君
                下村  泰君
   国務大臣
       労 働 大 臣  近藤 鉄雄君
   政府委員
       郵政大臣官房人
       事部長      谷  公士君
       労働省職業安定
       局長       若林 之矩君
       労働省職業安定
       局高齢・障害者
       対策部長     征矢 紀臣君
       労働省職業能力
       開発局長     松本 邦宏君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐野  厚君
   説明員
       内閣総理大臣官
       房参事官     柏崎 澄雄君
       外務省国際連合
       局社会協力課長  隈丸 優次君
       厚生省健康政策
       局歯科衛生課長  宮武 光吉君
       厚生省社会局更
       生課長      松尾 武昌君
       厚生省児童家庭
       局障害福祉課長  田中耕太郎君
       運輸省運輸政策
       局消費者行政課
       長        浅井 廣志君
       運輸省鉄道局業
       務課長      村上 伸夫君
       郵政大臣官房人
       事部厚生課長   内田 幸一君
       労働省労働基準
       局賃金時間部賃
       金課長      細野 孝雄君
       建設省道路局国
       道第一課長    松浦  i君
       建設省住宅局住
       宅建設課長    中澤 守正君
       建設省住宅局建
       築指導課長    梅野捷一郎君
       自治省行政局公
       務員部能率安全
       推進室長     遠目塚昭三君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改
 正する法律案(内閣提出)
○職業能力開発促進法の一部を改正する法律案
 (内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(向山一人君) ただいまから労働委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十三日、西川潔君が委員を辞任され、その補欠として下村泰君が選任されました。
 また、去る十五日、対馬孝且君、川原新次郎君及び平井卓志君が委員を辞任され、その補欠として堀利和君、鹿熊安王君及び真島一男君が選任されました。
#3
○委員長(向山一人君) 障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○堀利和君 御案内のように、本年は国連障害者の十年の最終年に当たります。
 この間政府としても行動計画を立て、十年間さまざまな施策を推進してきたわけですけれども、私の感想としましては、労働省として障害者の雇用対策には大変力を入れていただき、特に最近はその辺の意欲というものをひしひしと感じております。そういう点で大変私自身も心強く、また感謝申し上げているところです。
 これまで、伝家の宝刀を抜くか抜かないかということで言われ続けてきたわけですけれども、昨年伝家の宝刀を抜いて未達成企業名を公表するということで、この三月どうしても雇用率等が芳しくないということで、企業四社の社名が公表されたわけです。こういったところから見ましてもその意欲を大変感じるわけでございます。ここ十年余りの実雇用率の推移を見ましても、確かにその歩みは、推移は緩やかなんですけれども、着実に伸びてきていることも確かです。ここのところ二、三年ちょっと横ばいにはなっておりますけれども、それも雇用される一般の労働者の数がふえたということで、そんな関係で横ばいということなんでしょうけれども、今回の法の改正を見ましても、その辺の前向きのところは非常に感じるわけでございます。
 まず大臣に、この国連障害者の十年、そして障害者の雇用の対策について現状をどういうふうに認識されているか、お聞きしたいと思います。
#5
○国務大臣(近藤鉄雄君) 先生御指摘のとおり、障害者の雇用問題は、私ども労働省としても最重点政策の一つと考えておりまして、特に障害者の方々がいわゆる健常者の方々と一緒の職場でできるだけ同じような条件でお働きいただくということが大事なことであって、多少そのためにはいろいろな設備を考えるとかという形でお金がかかっても、そこはまさにもう経済大国日本でございますから、私はそれぐらいの余裕はあってしかるべきだとこう思って努力してまいったわけでございます。
 率直に言って、先生御指摘の雇用率につきましても努力してまいりました。ただ、残念ながらまだ法定雇用率からは大きく隔たっておりまして、何とか今後いろいろな措置を通じてこれを上げてまいりたいと考えておりますが、特に重度障害者の雇用改善の問題は残念ながらおくれてございますので、これからこの問題についてより一層積極的に努力してまいりたい、こういうことでございます。
 今回御審議をお願いしております障害者雇用促進法の改正の大きな目標はそこにもございますので、何とかひとつ、御審議をしていただいて重度障害者対策初め精神薄弱者、精神障害者等の対策の充実を一層図ってまいりたいと考えております。同時に、今国会でILO百五十九号条約、障害者の職業リハビリテーション及び雇用に関する条約をぜひ批准、承認していただいて、さらに国際的にも我が国の雇用障害者対策についてのいわば信任を得ながら積極的に施策を進めてまいりたいと考えておる次第でございます。
#6
○堀利和君 ただいまの大臣のお言葉にもありましたように、前向きなところとして大変評価できるところなんですが、同時に障害者の立場といいますか、またその関係者からいいますと、なかなか法定雇用率の中で実雇用率を見るとまだまだ不十分な点があることも否めない事実だと思います。
 そこで、今回の法改正の大きな意義の一つは雇用の安定というところを明確にしたというふうに、私はそこに重点を置いて高く評価しているわけです。これまでの雇用促進法ですと、どうしても雇用を進める入り口のところの助成措置、二年から三年程度の助成措置であるために、新規採用される方もいるけれども、同時に長続き、継続して雇用されるということがなかなか難しくて退職される障害者も毎年数多いわけでございます。そういう点からいいますと、雇用管理を行うことによって雇用の安定を図るということが法の中で明確に出てきているわけでございます。そういう点では、雇用の安定という点では大変重要かつよりよい方向に進むということで今回の法改正の意義を私は高く評価し、認識しているわけですけれども、この点につきましては労働省としてどのような御認識でしょうか。
#7
○政府委員(若林之矩君) ただいま先生御指摘になられましたように、従来は障害者の雇い入れの促進、入り口のところに重点が置かれて障害者の雇用対策が進められてまいりました。しかし、障害者の雇用の現状というのを見ますと、せっかく雇用をされましても短期間で離職をするという方が多いわけでございまして、そういった意味で職場においてせっかくそういう雇用の場を得た方が定着をされる、雇用の安定を得られるということが大きな課題となってまいっておるわけでございます。
 そういった意味で、事業主が障害者の雇用の安定を図るということに関しましても努力義務があるんだということを明らかにいたしますとともに、納付金の制度に基づきます助成金につきましても、障害者の雇用の継続の目的のためにも適用できるということを法定させていただきまして、障害者の雇用の安定を図るというふうに今回措置をさせていただきたいということでございます。
#8
○堀利和君 そこで、具体的に雇用の安定という観点からどのような助成措置をとられたのかお聞きしたいと思います。
#9
○政府委員(若林之矩君) 少し詳しい御説明になるかもしれませんが、現在雇用の安定という観点から事業主に対しまして行っておる助成は、重度聴覚障害者に対します手話通訳担当者の委嘱、それから重度内部障害者等に対します健康相談医師の委嘱、それから重度視覚障害者に対します介助者の設置、それから重度精神薄弱者に対する業務遂行の援助者の配置、こういうものをとりました場合には納付金制度に基づく重度障害者特別雇用管理助成金というものによりまして雇い入れ後二年ないし三年に限りまして支給をいたしているわけでございますけれども、これを今後雇用の安京という観点からいたしまして雇い入れてから最大限十年間助成金が支給できるということにいたしたいというふうに考えております。
 さらに、助成金の支給対象となりました作業設備でございますけれども、現在はこれが老朽化いたしまして効用がなくなっちゃいました場合にこれを更新するということについては助成はないわけでございますけれども、今後はこれも可能にさせていただきたいということでございます。
#10
○堀利和君 これまでは、今お話しの援助、助成というのが三年間で期間が限られておりましたけれども、これが十年ということで、勤続年数平均大体十年前後というふうにも私も理解しておりますので、おおむねこの十年というのもとりあえずは妥当かなというふうに認識しております。
 実は、私も以前当委員会で、例えば視覚障害者の介助者制度につきまして三年しかないけれども、三年たったら急に目が見えるわけでもないから文書処理等の介助者というのをもっと期間を延ばしていただきたいというようなことも取り上げさせていただき、昨年も、労働省としてはかなり大蔵の方にその点を申し入れて期間延長ということでも御努力しているとお聞きしたわけですけれども、なかなか大蔵の壁が厚くてそこを突破できなかったわけですが、こういった法改正の中で三年を十年というふうに延ばすことができたということで大変私はよかったなということで一安心しているところであるわけです。
 実は、現在三年間という従来の助成の中で今受けている方がいらっしゃるわけですけれども、こういう方に対しても、今後この期間が延びたということでさらにいわゆるトータルでいえば十年間という点ではその点も考慮されるのかどうか、お伺いしたいと思います。
#11
○政府委員(征矢紀臣君) 雇用の継続のための助成金の支給対象といたしまして、現行既に支給対象に三年間ということでなっている方について、この十年というものがどうなるかという趣旨の御質問がと思います。
 これにつきましては、例えばただいま先生お話こざいました重度の視覚障害者の方の職場介助者、これは現行り助成金が三年でございまして、現在その三年間の期間で実施しているというものにつきまして、その三年の期限が切れた後どうなるかということでございますが、期限が切れた後引き続き申請をいただきまして七年間助成を継続する、こういうことでございます。したがって、基本的には御指摘のとおり現行の対象者については引き続いてこの助成措置がなされまして、結果としては十年間の助成を行う、こういう考え方でございます。
#12
○堀利和君 今の介助制度、視覚障害者、聴覚障害者、内部障害者あるいは精神薄弱者という形があるわけですけれども、特に例を挙げてお話ししたいのが、例えば視覚障害者の介助者制度についてはヨーロッパの方でも何カ国か同様の介助者制度を取り入れておりまして、イギリスでも八二年に視覚障害者のための介助者制度を導入しまして、最初はやはり二年か三年の年数期限があって、その後はやめるまでということで期限なしというふうにイギリスでも変わったというふうに聞いております。そういうことからいっても、十年ということではもう少し足りないかなという気もしないでもありませんけれども、大蔵の厳しい壁をとりあえずは突破されたという点では、十年ということではよろしいかと思うんです。やはり三年を十年に延ばしたということは、その必要性といいますか、重要性が十分確認されたというふうに理解できると思うんです。
 きょうは自治省の方からもおいでいただいていらっしゃると思いますけれども、この介助者制度については、当然納付金制度に基づきます民間企業への助成ということであるわけですが、そういう点で制度が違いますけれども、近年特に視覚障害者あるいは聴覚障害者等地方自治体に地方公務員として採用されるケースが少しずつふえてきております。内部努力でその辺は介助等同僚の手をかりながらのカバーもされているかと思いますけれども、現在地方公務員として活躍されている障害者のこと、今後さらに自治体に一人でも多くの障害者が採用されていくことを考えれば、民間へのこういった助成措置と同様の施策が地方自治体においてもとられるべきかと思うんです。もちろんこれは任命権者である自治体自身の問題ですから、国レベルといいますか、国の方の自治省から云々ということにはなりにくいかとも思いますけれども、しかし個別の自治体に任せてばかりもおれませんので、その点、自治省としてこの辺の行政指導あるいはもう少し積極的に踏み出した施策というものを打ち出せるのかどうか、その辺ちょっとお伺いしたいと思います。
#13
○説明員(遠目塚昭三君) お答えいたします。
 地方公共団体におきましては、民間企業同様に障害者り雇用につきまして法定雇用率を達成する必要があるわけでございますが、これに関しましても公共団体ということもございまして民間企業のような助成措置は対象となっておりません。御指摘の今回の視覚障害者の問題に関しましても、基本的にはやはり地方公共団体みずからの努力で対処すべきものというふうに考えているところでございます。
 なお、障害者の雇用の達成につきましては、御案内のとおり、私どもも機会あるごとに地方団体に指導、助言をいたしておりまして、視覚障害者に関しましても昨年からかなりの団体でといいますか、まだまだ数は少のうございますけれども、いわゆる点字試験等による雇用機会の拡大ということも努力いたしております。こういったことを通じてさらに雇用者の拡大に努めてまいりたいというふうに考えております。
#14
○堀利和君 昨年は、国家公務員試験に点字受験というものが認められておりますし、地方公共団体でも大分点字の試験が、今お話しのように実施されつつあるわけです。視覚障害者を一人採用するに当たって介助者をつけなければならない、だから視覚障害者は採用したくないという、後ろ向きになってはこれは困るわけですが、民間の企業に働く視覚障害者にとって文書処理等の介助者が必要ということは、職務によっては公務員の場合でも同様に何らかの介助があることがやはり望ましいと私は思うわけです。民間企業で必要だけれども公務員では要らないかというと、必ずしもそうではないと思いますので、ぜひ自治省としてこの点について今後取り組んでいただきたいということをお願いしたいと思います。
 次に、本法律の改正のもう一つの意義はやはり障害者である短時間労働者を明確に位置づけたことであるというふうに思います。そこで、短時間労働者の対象となる障害者というものをどのように認識されているのか、お考えなのか、お伺いしたいと思います。
#15
○政府委員(征矢紀臣君) 今回、法律で考えております短時間労働者につきましては、一週間の所定労働時間が通常の労働者の一週間の所定労働時間に比して短く、かつ労働大臣の定める時間数未満である常時雇用する労働者であるというふうに考えております。
 ここで、労働大臣の定める時間数につきましては当面三十三時間とする予定でございまして、同時に下限といたしましては、過所定労働時間が二十二時間に満たない者は法の対象となる短時間労働者には含めないというふうな考え方とする予定でございます。これは、既にさきの雇用保険法の改正におきまして雇用保険制度の中でやはり短時間労働者について制度を設けておりますが、それと同じ考え方をとる予定でございます。
#16
○堀利和君 週四十四時間の四分の三から二分の一までということで、現在においては三十三時間から二十二時間という労働時間になるわけです。
 同時に、今お話にありましたように、平成元年の十月には雇用保険におきましても短時間労働者の雇用保険が創設されたという関係から、今回の法改正の中でも短時間労働者という枠組みが設定されたと思うんですけれども、この短時間労働者たる障害者の事情といいますか、そういったことについてはどういうお考えなんでしょうか。単に労働時間の説明のみでこれをお考えなのか。重度障害者が短時間労働者となるという、その障害者の事情をもう少しお伺いしたいと思います。
#17
○政府委員(征矢紀臣君) 私どもが平成三年におきまして、重度障害者で短時間雇用を希望する方を対象として行った希望理由の調査によりますと、作業に際して補助具を長時間使用すること等により身体的な負担が著しいものとなること、あるいは長時間作業姿勢を保つためには精神的な負担が著しいものとなること、あるいは通院、治療のための時間を確保する必要があること、あるいは通勤混雑時に通勤が困難であること等が重度障害者がフルタイムで勤務することを困難なものとする理由として挙げられているところでございます。
#18
○堀利和君 その辺の障害者の実態調査といいますか、障害者自身の要望なり声というものをどの程度把握されているのかお伺いしたいと思うんです。全国的なかっ本格的な調査をしたというふうにも聞いておりませんので、その辺はなかなか難しいと思いますけれども、その辺の現状把握ですね、もう一度改めて少しお伺いしたいと思います。
#19
○政府委員(征矢紀臣君) 実は、先生御指摘のとおりでございまして、障害者の方の短時間雇用について実情がどうかという点につきまして、統計的にたえ得るような具体的な調査というのは困難でございまして、実は今回の調査につきましても、各方面でそういう希望が多いということを踏まえまして、その議論をするためにいわばサンプル的な調査を行った結果、ただいま申し上げましたような理由であるということでございます。
#20
○堀利和君 そうしますと、障害者である短時間労働者の雇用に当たっては、先ほどの身体的、精神的にフルタイムとして耐え得るかどうか、あるいは病院に通っていること、あるいは混雑時の通勤の問題、こういう方がいわば対象になろうかと思うんですが、事業主が職安に短時間労働者の求人を出す際、事業主の側からその辺が考慮された形での要件で求人票といいますか、求人手続がされるんでしょうか。それとも、そういった要件を余り問わないで、一般的な形で事業主の方からただ短時間労働者を雇いたいんですよというふうになるんでしょうか。その辺の事情はどういうふうにお考えでしょうか。
#21
○政府委員(征矢紀臣君) 今回、重度身体障害者の方につきまして短時間雇用を実雇用身体障害者数へ算入することを認めるという考え方をとりましたのは、実は御承知のように公労使あるいは障害者団体の方で構成されます障害者雇用審議会の場の全会一致の意見書というものを踏まえているわけでございます。重度障害者が精神的、肉体的問題あるいは通勤、通院問題等によりフルタイムの常用労働者として雇用されることが困難な者が多く存在することを考えるとともに、これら重度障害者の方を短時間雇用する場合の事業主の負担に適切に報いることによりまして、重度身体障害者の雇用の場を拡大しようという考え方でございます。
 審議会におきましては、そういう意味で、障害者の代表の方あるいは使用者、事業主の代表の方双方から、この重度障害者の短時間雇用問題につきましては積極的に対処すべきであるという御意見がございました。もちろんこれは常用雇用ということが前提でございますが、そういうものを踏まえて実施するわけでございます。したがいまして、今後この制度に基づきまして運用するに当たりましては、求人票等につきましても、そういう意味できちんとした形での求人票が公共職業安定所の方に出されまして、それに基づいてこの制度の運用を図っていくというようなことを考えておるところでございます。
#22
○堀利和君 私も、短時間労働者の枠組みというのは本当に賛成しております。一歩前進だといろふうに考えております。
 ただ、障害者の立場からいうと、そこに同時に不安というのがまたあるわけです。もちろん身体的、精神的に耐えられ、かつ通院もしていない、さらに混雑時でもある程度通える、車等でも通うことができる、こういう方が短時間労働者として雇われることは恐らくこの趣旨からいってないだろうと思います。ただ、やはり心配、不安材料としてそういったフルタイムで働ける、あるいは働いている障害者が、言うなれば事業主の事情から短時間労働者に切りかえさせられてしまうことがないだろうかという不安があるわけです。当然、短時間労働からフルタイムなり、その逆も含めて、雇用保険では事業主が手続を変更するわけです。そういう点で、この法律の趣旨からいえば、むしろ短時間労働者をその能力に応じてできる限りフルタイムの労働者に努力しなさいというふうになるんですけれども、今言いましたように、逆があったら大変だということを感じるわけです。できましたら、こういうふうな切りかえの際には十分届け出なりのチェックということもお願いしたいと思いますけれども、その辺はどうでしょうか。
#23
○政府委員(若林之矩君) 重度障害者につきましては、障害の種類とか程度、あるいはただいまお話ございましたような通勤事情あるいは通院等でフルタイムの常用雇用として雇用されることが困難な方が多く存在するということで、今回の法改正で重度障害者である短時間労働者について実雇用身体障害者数に算入するということを認めまして、重度身体障害者の雇用の場の拡大を図ることにいたしましたが、これは特例的な措置でございまして、やはり基本は、障害者の方がフルタイムの常用雇用につくということが基本であろうかと存じます。
 したがいまして、この法律で今回こういう措置をするにつきましても、そういった点での法律的な措置をしているわけでございまして、ただいま先生御懸念のように、本人の意思に反して短時間雇用に押し込められるということがございませんように、まず一つは、短時間雇用におきます実雇用身体障害者数の算入方法につきまして、これも特別な配慮をするということにいたしておりますことが一つ。それから、本人がフルタイム雇用を希望する場合にはその移行に努めるなど、その能力に応じた適切な措置を行うことを事業主に努力義務を課しておるわけでございます。
 したがいまして、この法律の施行ということになりますれば、改正後のこの考え方の趣旨を十分に行き届くように事業主の方々、その他関係の方々に十分その点の指導を私ども進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#24
○堀利和君 あわせて、昨年の四月から在宅勤務制度がスタートしました。私も、多様な雇用の形態として通勤が困難な者にとっては在宅勤務ということを認めていただきたいということも以前も委員会で取り上げさせてもらったわけですけれども、それが昨年の四月スタートしたわけです。在宅勤務者も当然雇用関係があり、雇用率にカウントされるわけですので、これも短時間労働者という区分があるのかどうか。在宅勤務者の場合ですと、雇用主、事業主が直接労働時間を管理するわけではありませんので、なかなかそこは難しい判断が必要がなと思うんですけれども、その辺のちょっと事情をお伺いしたいと思います。
#25
○政府委員(征矢紀臣君) 御指摘のように、在宅勤務につきましては、身体障害者雇用率制度等の対象となる身体障害者の基準を示しまして、一定範囲の在宅勤務者に対しましては雇用率制度等の適用が昨年の四月から行われているところでございます。したがいまして、この基準に合致する方の場合につきましては、フルタイムの勤務形態による場合と同様に、短時間勤務の形態による在宅勤務につきましても雇用率制度等の適用を受けるという考え方をとっております。
 ただし、御指摘のように、在宅勤務のあり方につきましては実際上はなかなか難しい問題もあるわけでございますが、障害者の雇用の促進という考え方から、一定の割り切りをしながら、かつ問題があればその問題の解決をしながら進めていかなければならないと考えております。
#26
○堀利和君 いずれにしましても、一歩進んだ施策として短時間労働者の枠組みができたわけですので、これはこれで本当高く評価いたします。
 ただ、先ほどからも申し上げておりますように、何分不安は残ります。そういう点で不安がないという力強い御答弁をぜひ大臣からいただきたいと思うんですけれども、どうでしょうか。
#27
○国務大臣(近藤鉄雄君) ただいま局長からも答弁をいたしましたが、むしろ今回の法改正によって短時間雇用の障害者の方がフルタイム雇用が可能になるわけでございますので、そういう点で短時間の雇用でフルタイム雇用への移行の努力義務をむしろ事業主に課しているところでございます。
 そういうことでございますので、短時間雇用に押し込められるということではなしに、むしろ障害者が職業的に自立することが重要であるという認識のもとで、この法律の趣旨が十分行き届くように事業主に対しても周知徹底を図り、積極的な指導を進めてまいりたい、かように考えております。
#28
○堀利和君 ありがとうございます。
 そこで、同様のところにまだ問題がありますので少し質問をさせてもらいますけれども、精神障害回復者、つまり適応訓練の対象となる種類の障害者、つまりこれは分裂、躁うつ、てんかんの方になるわけですけれども、こ勿精神障害回復者の分裂、躁うつ、てんかん、この三種類に決めてあるというのはどういう事情でしょうか。
#29
○政府委員(若林之矩君) 精神障害者の回復者の方の雇用の推進ということは非常に大きな課題でございまして、そこで昭和六十一年度でございますけれども、精神障害回復者、ただいま先生おっしゃいましたように精神分裂病、躁うつ病、てんかんにかかっている方であって症状が安定をした方ということに限定をいたしまして職場適応訓練を適用してまいりました。だんだんその数もふえてまいりました。また、一般雇用に結びつく結果も出てまいりました。
 私ども、そういう実績の状況をこれまでずっと見守ってきたわけでございますけれども、ただいま申し上げたような状況でございますので、この精神分裂病、躁うつ病、またはてんかんにかかっている方で症状が安定している方というものにつきまして、職場において必要とされる措置等に対応いたしましていろいろな助成金の対象とするというこにしようという考え方でございます。
#30
○堀利和君 ただいまの精神障害回復者に対しても助成の対象にしようということで、これまた歩進んだ施策ということで喜ばしいことなんです。
 もちろん、実カウントはされないわけですけれども、短時間労働者の問題に引きつけて申し上げれば、精神障害回復者の場合、例えば小規模作業所に通って軽作業をしている方が症状も安定し、作業にもなれてきたということで近くの工場に働きに行くというケースもあるわけです。ところが、残念なことにいわゆるフルタイムで働き続ける、長く働き続けるというのが精神的な面からいっても難しいというケースがあるんですね。ですから、せっかくその作業所から通常の職場といいますか、会社に雇われてもやめてしまうというケースがあるものですから、そういうことを考えますと、たしか現在、この精神障害回復者に対しての短時間労働者への助成というような区分はないわけですけれども、雇用率にカウントされない、これはこれでまあ現段階は一応のむとしまして、精神障害回復者における短時間労働者、こういう方に対しての助成という措置をとっていただきたいと思うわけなんです。それは今申し上げたような事情があるわけです。そういう点で一つお伺いしたいと思います。
#31
○政府委員(若林之矩君) 精神障害者の方の職業的な自立ということは大変重要なことでございまして、そういった精神障害者の方につきましても、先ほど来申し上げておりますように、フルタイム雇用を目指すということがやはり基本であるというふうに考えておるわけでございます。今般、この雇用の促進を図るという観点から、精神障害者の方がフルタイム雇用として雇い入れられた場合に対しまして納付金制度に基づきます助成金を支給するという法改正をお願い申し上げているところでございます。
 ただいま先生の御指摘の趣旨は、重度の精神障害者についても重度の身体障害者や重度の精神薄弱者と同じように短時間勤務者についてもいろいろな助成を講じていくべきじゃないんだろうか、こういうような御指摘じゃないかと思うのでございます。何分にも、ただいま申しましたように、精神障害者の雇用措置と申しますか、六十一年度から職場適応訓練を始めまして、その実績を積み重ねてきておる段階でございまして、こういったフルタイムが困難な重度の精神障害者の範囲というものをどう考えるかということも、これなかなかまだ難しい問題、その精神障害者のフルタイムの方の雇用の状況をどうしていくかということが、まだ依然として試行を続けながら措置を拡大している状況だというふうに思っております。
 そういった面でこの重度の精神障害者というものを仮に考えました場合、その範囲をどういうふうにするかということも大変難しい問題だろうというふうに思っているわけでございまして、やはりその他いろいろ難しい問題があろうかと存じます。こういった点も含めまして、これはさらに研究をしていく課題ではないかというふうに考えているところでございます。
#32
○堀利和君 私の今質問したときの言い方といいますか、内容も不十分だったんですけれども、確かに短時間労働者の場合にはいわゆる重度の障害者ということになるわけです。したがいまして、精神障害回復者についても重度か否かということになるんだというのも、一つの必然的なといいますか、論理としてはそのとおりなんですね。
 ただ、精神障害者にとって重度というと、それこそ不安定な状態に陥っているわけですから、フルタイムどころか通勤も困難という状態だと思うんですね。私の知っている精神障害者も、朝起きてやはり仕事に出かける気力が出ない、休まなければならない。当然会社に電話しなきゃいけないんですけれども、その電話することすらできないという状態があるんですね、精神障害の方にとっては。私みたいに視覚障害ですと、別段それは都合で休む場合にも電話することについてはそう大して抵抗もないんですけれども、精神障害者の場合ですと、人に電話をかけるということ自体、非常に精神状態からいって困難というケースがあるんですね。
 ですから、確かに重度か重度でないかという区分が短時間労働者の問題については一つの区分として重要なんですが、私は精神障害回復者については、むしろ重度か重度でないかというような分け方をしないで、軽度と言ってもいいと思いますけれども、いわゆる状態が安定している精神障害回復者でも、やはりフルタイムで働き続けるというのが困難な方はやっぱりいらっしゃるんですね。そういうことからいいまして、ぜひ精神障害回復者については重度か重度でないかという基準ではなくて、今後短時間労働で働き、そして将来は安定する中でフルタイムヘの移行というのももちろん必要ですけれども、そういった短時間労働の精神障害回復者に対して、むしろ積極的な助成をしていただきたいなということをこれは強くお願いしたいと思います。
 次に、精神薄弱者の問題につきまして、やはりこれも法改正の中で、身体障害者同様、重度の精神薄弱者については実雇用率の中でダブルカウントするということになって、そういう点ではいわば重度の精神薄弱者の方が雇用される機会が広がってくるわけです。ただ、これも精神障害回復者の方と若干似ている側面がありまして、厚生省、都道府県における療育手帳等の基準における重度となりますと、実はなかなか一般雇用につくのが大変困難な状態の方なんですね。そういうことからいいますと、身体障害者を今身障手帳から準用した形で決めておりますけれども、精神薄弱者についてはやはり労働省として独自の基準といいますか、どういう方をいわゆる重度とするのか重度としないのか考えなきゃいけないと思うんですけれども、その点はどうでしょうか。
#33
○政府委員(若林之矩君) 精神薄弱者の方の職業的な観点から見ました精神薄弱の程度というものにつきまして、必ずしもその知能指数と完全に比例するものではないわけでございまして、従来から重度の精神薄弱者の方につきましては、個々の精神薄弱者の知能指数を基礎といたしまして、その手腕等の動作能力でございますとか、あるいは社会生活能力を勘案して判定することにいたしておるわけでございます。
 具体的には、これまでも重度障害者職場適応助成金というのがあるわけでございまして、この取り扱い等で重度の範囲を定めております。一つの基準を持っておりますが、今回こういう形で重度精神薄弱者につきましての法的な措置を講じることでございますので、これにつきましては、改めでこれまでの重度障害者職場適応助成金の取り扱いでの重度の範囲を参考といたしまして、障害者雇用審議会の御意見を伺って検討していきたいというふうに考えております。
#34
○堀利和君 そういうことから引き続きまして、実は身体障害者についても同様な観点が必要ではないかなというふうに私は思います。といいますのは、いわゆる身障手帳一、二級が重度というような区分では、職業生活、職業能力の観点から見ますと、必ずしもそれが一致しているかどうかということについて疑問があります。もちろん私におきましても、調査とか研究をしてこうであるよと示すものが残念ながらないから自信を持っては言えないんですが、しかし経験的に見まして、例えば脳性麻痺、全身性障害者の場合に、たとえ身障手帳で三級、中度というふうになるんでしょうか、重度でないということになると思いますけれども、たとえ三級でも職業能力的な、職業生活的な観点からいうと、重度にカウントされても問題はないんじゃないかな。つまり、むしろ重度としてカウント対象とすべきかなというふうなケースもあろうかと思うんです。
 そういう点で、精神薄弱者の重度についての審議会の御意見を聞く中での独自の基準をある程度お考えということでしたら、身体障害者についてもいずれこういった観点で見直しの検討に入っていただきたいなと思いますけれども、どうでしょうか。
#35
○政府委員(若林之矩君) 現在の法律におきまして重度身体障害者という区分が設けられておりますのは、ごういつ一た方々がその適性に合った職業につくことを通じて職業的自立を図ろうという場合に、能力を十分に発揮するための諸条件の整備等の必要性の度合いが特に大きいということのために職業につくことが特に困難であるということから、法律に基づきます施策についても特別の配慮を払う必要がある、こういう考え方で設けられておるわけでございますけれども、御承知のとおり、一級二級というものを重度といたしておるわけでございます。ただいま御指摘がございました脳性小児麻癖の方々の問題につきましては、当委員会におきましてもこれまでもいろいろと御議論、御指摘のあるところでございます。
 この重度障害者の区分方法を障害種類別に見直すことにつきましては、一つは身体的な障害と諸条件の整備等の必要度との関係を正確に関連づけると同時に、作業設備の開発でございますとか、あるいは改善状況等の企業側の受け入れ態勢等を総合的に勘案する必要があるわけでございます。また、雇用率制度とかあるいは納付金制度の円滑な運営を行いますためには、適正かつ簡便に判断できる、そういった基準をつくる必要があるわけでございまして、こういった点いろいろ検討すべき事項があることは御承知のとおりでございます。
 しかしまた、これも大変重要な課題であり、テーマであるというふうに私ども認識をいたしておるわけでございまして、今後これは検討をしていくべき課題であるというふうに考えております。
#36
○堀利和君 検討をしていただくということで、大変私としても力強く思います。
 そこで、障害のいわゆる医学的、解剖学的種類と程度の問題と、今もありましたように職業能力なり職業生活の観点とは私はいろいろな問題でや。はり考えていくべきことが多いだろうと思います。同時に、労働省令で除外職種、除外率の問題がございますけれども、これももう十数年、十五年前でしょうか、に定められた除外職種、除外率から見れば、企業努力の中で社会的にも技術革新が進み、雇用労働の中身もかなり変化してきていると思うんですね。そういう点で私は、除外職種や除外率ということをそろそろ見直す時期にも来ているんだろうと思っています。
 そういう点で、障害の種類や程度のことと職業的生活、職業的能力、そして労働の質とでも言いますか、そういうことでやはり総合的に考えていただきたいなと。除外職種、除外率の問題も見直すよう前向きに検討していただきたいということもこの観点に即してお願いしておきたいと思います。
 次に、精神薄弱者の雇用率の問題なんですが、前回め改正の中で、精神薄弱者については実雇用率にカウントするということになりまして、これも私は、前回の改正の中でも一歩大きな前進かと思います。ただ、法定雇用率には入れないということなんですね。要するに、義務雇用としてはなっていないわけです。現在、法定雇用率一・六%というのは、身体障害者を雇い入れるべき義務雇用としての数字なんですね。この中に精神薄弱者が入っていない。実雇用率が現在一・三二%、この中には入っているということなんですけれども、実雇用率には入れて法定雇用率には入れないという理由は何でしょうか。
#37
○政府委員(若林之矩君) 精神薄弱者の方の雇用の問題も社会的な連帯によって解決されるべき問題でございますから、理念的にはすべての事業主が精神薄弱者の雇用に努めるべきものでございまして、身体障害者の場合と同じように、働く意思と能力を持っている精神薄弱者の方につきましては適当な雇用の場を与えるという、そういう社会的な責務があるということはできようかと思います。しかし、精神薄弱者の方につきましては、雇用されて職場に適応している例も多くなってまいりました。
 近年、随分多くの方々の御努力によりまして職域が拡大してきておるわけでございますけれども、なおやはり身体障害者の方々の場合と異なりまして就業が非常に困難な職種が多いわけでございますし、また社会生活指導といった面でも特別な配慮を必要とする方々が多いといったような問題が依然残っておるわけでございます。こういった観点から、事業主に対して精神薄弱者の雇用を法的に義務づけるということよりも、何らかの形で雇用を奨励して精神薄弱者を雇用する企業の努力に報いていく。そして、企業の協力を求めるような形で雇用を進めていくということが適当であると考えておるところでございます。こういった問題につきましては、これまでもたびたび議論がなされてきておるわけでございますけれども、やはりただいま申し上げたような結論に帰するということでございます。
 今回の改正におきましても、このような考え方から、引き続き雇用義務は課しませんで、重度精神薄弱者である短時間労働者の方の実雇用身体障害者数への算入とかあるいは重度精神薄弱者であるフルタイム労働者のいわゆるダブルカウントの措置等、こういったものを講ずることとしたわけでございまして、私どもは、こういったことによりまして実質的に身体障害者と変わらない雇用の促進効果が得られるのだというふうに考えておるところでございます。
 ただいま先生御指摘の雇用義務化と申しますか、こういった問題につきましては、そういった面でなおいろんな問題があるというふうに考えておるわけでございまして、将来そういった精神薄弱者の方々の雇用に伴いますいろいろな問題が解決されていくということに対応しながら考えられていくべき問題じゃないかというふうに考えているところでございます。
#38
○堀利和君 るる御説明の中で、困難な問題というのは私も十分理解しているつもりなんです。しかし、見解としては、私は法的に義務づけるべきであると考えています。
 精神薄弱者の雇用の状況を見ますと、規模が小さければ小さいほど雇われている方が多くて、規模が大きくなればなるほど、つまり大企業になればなるほどほとんど精神薄弱者が雇用されていない、こういった実態があるわけです。そういうことに関連しまして、私は、法的に明確に義務として位置づけるべきだという観点からいいますと、四年後の法定雇用率の見直しの際に精神薄弱者を法定雇用率の中に義務として算定すれば、現在一・六%ですが、恐らく一・七%に計算上なるだろうと思うんですね。そういう点では、私は精神薄弱者も義務雇用であるという観点から、見直しの際には今言いましたような計算から一・七%にすべきだろうと思います。
 それについて、少し私の考えを説明させていただきたいんですが、法定雇用率は分数式がございまして、分母が健常者といいますか一般労働者、そして分子が障害者ということになるわけですけれども、この計算に基づきますと、昭和五十六年度のときには一・五七三%なんですね。一・五七三%のときに一・五%なんです。つまり、七三というのが切り捨てられているんですね。四捨五入というのを私も算数で習いましたけれども、通常七三まで切り捨てるというのは非常に勇気の要ることだなと私は思うんです。昭和六十一年度になりまして一・五九六%だったんです。これは近い将来一・六になるだろうという推測のもとに、このときに一・六%に引き上げて、そして平成三年度には一・六一五、したがって一・六%というようになっているわけです。この一・六%に引き上げられたときに調査しましたから、実雇用率が一・三一%で、身体障害者はそのうち一・二五%というのが明確に出ていました。ということは、〇・〇六が精神薄弱者なんです。人数からいうと九千四百人精神薄弱者が雇用されているわけです。
 こういうことから考えますと、〇・〇六%の精神薄弱者のカウントを法定雇用率に入れて、今回法改正の中では重度はダブルカウントになりますから、さらにカウントとしてふえるだろうということを考えますと、一・六一五に少なくとも〇・〇六を加えてダブルカウントも勘案すると一・七にほとんど近づくだろうと思います。したがって、計算上は私は次の見直しの際には一・七とすべきだろう。これは義務雇用という観点で考えているわけですけれども、私はそういう私なりの見解といいますか、持っております。そういう点でぜひ困難な問題は十分わかっておりますけれども、精神薄弱者も雇用義務として明確にした法定雇用率を勇気を持って打ち出していただきたいということをお願いしておきたいと思います。
 最後に、毎年六月一日に調査が行われて、十月末に雇用状況が発表されるわけです。実は、私も常々気にはなっておりまして、今回質問し、取り上げるということで数年前までの新聞記事も見ていましたら、やはり障害者の雇用の数については、いわゆるダブルカウントされた数として、総数として公表されております。これは新聞記事が悪いというか問題ではなくて、労働省の雇用状況の発表の中身が問題なんです。つまり、新聞記事もそうですし、労働省が発表する中身についてもそうなんですけれども、障害者の雇用総数が、昨年ですと総数という形で書いてあります。総数が二十一万四千八百十四人なんです。しかし、この総数という何か耳ざわりからすると、二十一万四千八百十四人雇われているように思います。詳しい雇用率がどういうことだとか事情を知らない一般の国民の方々にとっては、新聞報道を見れば二十一万四千八百十四人雇われているんだなと思いますけれども、これはダブルカウントされている計算なんです。ですから、私は実数は低いと思うのですけれども、この二十一万四千八百十四人のうち実数はどれぐらいなんでしょうか。
#39
○政府委員(征矢紀臣君) 実数につきまして手元に資料がございませんので、後ほどあれいたしますが、ただいま先生御指摘のように、毎年六月一日現在におきます障害者の雇用状況報告を事業主の方から求めまして、その集計結果を大体秋に発表いたしております。
 御承知のように、現行の雇用率制度につきましては、法衛に基づきまして重度障害者の方はダブルカウントする、したがって重度障害者の方一人は法律上二人とみなしている、こういうことで雇用率制度が成り立っておりまして、法定雇用率及び実際の雇用率の算定をそれに基づいていたしているわけでございます。したがいまして、法律に基づく雇用率がそういう仕組みで算定されるということでございますので、この数字につきましても重度の方についてはダブルカウントいたしまして、一人を二人と見てその数値を発表しているところでございます。
 ただし、御指摘のように、その数値自体がそういう意味での誤解があるという点もございますので、そういう点をはっきりさせることは今後考えていく必要があるというふうに思っております。
#40
○堀利和君 私も算数では延べ人数と実数というのを勉強しましたけれども、二十一万何がしというのはいわゆる延べ人数だと思うんです。ですか。ら、その後に括弧に入れて実数が幾ら幾らと、聞くところによると大体二割程度がダブルカウントになっていると聞きますから、二十一万ですと大体十七万が実数かなと思うんです。それは、やはりことしの十月の雇用状況の発表の際には今言いましたような形で、これはダブルカウントしたものはそれで法律として当然ですから、二十一万というのは出して当然なんですが、その後に丸括弧でも四角でもいいんですけれども、括弧の中に実数を入れて、そして新聞報道でもそういう形をとっていただければ国民にはわかると思うんです、頭数が実際何人雇われているか。
 ちなみに、昨年の全国の職安の障害者の求職者数を見ますと、五万四千二百七十六人となっているんです。これは頭数の実数なんです。登録する際に身障手帳のアンケートを書きますけれども、決してこれをダブルカウントしてやっているわけじゃないんです。少なくともこれを仮に二割増しにすると五万四千の求職者というのは六万五千近くになるんです、ダブルカウントで計算すると。求職者数は実数で出していて雇用状況の方はいわゆるダブルカウントされた延べ人数といいますか、出している。これは私は数字のマジックといいますか、底上げ風な感じがしますので、やはり実数は実数として明確に出していただきたい。これは何も労働省が怠慢だとか後ろ向きにということではないと思います。事実、雇用率なり雇われ人数も上がってきてますから、その辺の私は労働省としての意欲というものを感じますので、それはそれで胸を張って出していただきたいということをお願いしまして、終わります。
#41
○西岡瑠璃子君 最初にお断りをしなければなりませんけれども、御答弁を要請しておりました厚生省の方で、何か御都合がおありになるということでございますので、最後に予定しておりました労働省の質問を入れかえさせていただきたいと思っておりますけれども、厚生省の方お見えでしょうか。――課長さんですか。私は質問を入れかえさせていただくぐらいでございますから、政府委員の方とか責任ある御答弁を本当はいただきたかったのでございます。本当に残念ですけれども、やむを得ません。
 それでは、始めてまいりたいと思いますけれども、今日日本は国際的に経済大国だと位置づけをされており、昨日から東京で開かれております地球賢人会議におきましても、日本に対する経済的な期待が大変大きいわけでありますが、一方で、我が国の福祉政策は決して先進国並みではないというのが実情であると思うわけです。
 一九八一年は、社会参加と平等をテーマにした国際障害者年、一九八三年から一九九二年までを国連障害者の十年として各国が国連の長期行動計画に基づいて障害者対策を推進してまいりました。ことしはその最終年に当たるわけでございますけれども、先だって去る三月二十五日ですが、私どもの日本社会党のシャドーキャビネットで、人権・女性委員会、そして福祉、労働委員会の共催で、「ノーマライゼーションを語る」というテーマで全盲の前スウェーデン福祉大臣ベングド・リンドクウィストさんをお招きしたわけでございます。先ほど質問をされました堀委員のお力添えも大きくあずかて成功させていただいたわけでございますけれども、全盲という重度の障害のハンディを背負って政界入りを果たされ、主要閣僚としての要職を務めてこられたベングドさんのこのお話は、世界に先駆けて福祉国家を作りあげてきたスウェーデンならではの感動的なものがございました。先ほど同じようなお立場で、我が党の堀利和委員からも御発言がございました。障害者が健常者と同じように、人間として普通の社会生活が営めるようにノーマライゼーションの実現に努力をすることは、私ども政治の責任であると考えております。
 大変前置きが長くなりましたけれども、障害者の雇用、就労という問題について、私はそういった観点からその障害者の雇用の入り口の、まだ前段のところでの大きな問題についてまず質問をしてまいりたいと思います。
 それは、身体障害者更生援護施設利用者への費用徴収等の問題でございます。障害者の社会復帰をするための最短距離とも言える適所授産施設の利用者への費用徴収が、障害者の働く意欲、自立する意欲を大変阻害しているという問題でございます。この制度ですが、昭和六十一年の七月一日から実施されたわけですけれども、この制度の内容について、経緯も含めてまず厚生省の方から御説明をいただきたいと思います。
#42
○説明員(松尾武昌君) 身体障害者授産施設につきましては、直ちに一般企業に雇用されることの困難な障害者に対しまして必要な訓練を行い、かつ職業を与え自活させる社会福祉施設として運営しております。
 この授産施設につきましては、運営のため措置費としまして人件費や入所者の生活費を公費で負担しておりまして、他の社会福祉施設と同様な、その負担能力に応じた費用徴収義務基準額を定めているところであります。授産施設の費用徴収につきましては、障害者の工賃や年金など、全体の収入からその授産施設の特性を考慮しまして必要経費を控除して決定しております。年金等の収入が多く工賃収入が少ない場合には、費用徴収額は工賃収入を若干上回るということも出ております。
 以上のような状況でございます。
#43
○西岡瑠璃子君 厚生省の御答弁ございましたけれども、この費用負担制度の算定基準には、障害者の障害基礎年金はもちろんのこと、経済的自立にはほど遠い工賃、さらにその扶養義務者の所得まで費用徴収の対象となっているために、工賃をもらってもそれを上回る費用を徴収される。それは、今課長も申されたとおりでございますけれども、そういうケースが多々出てきているわけでございます。
 昭和六十一年の四月に開設された私どもの地元の高知県佐川町でございますけれども、実際にここの身体障害者通所授産施設、さくら福祉事業所で現実に起こった例を御紹介してまいりますと、昭和六十一年当時、ある男性は交通事故による脊椎損傷で下半身と手が不自由なわけですけれども、週三回ほどポケットティシュの袋詰め作業をして、その工賃は何と月額五千円程度、費用負担というのはそれを上回る一万二千五百円、そういう義務づけがされているわけです。当時、その施設では六十一年度分の施設利用者の費用徴収分を、これ全部で該当者の方の合計が五十四万円になったわけですが、ボランティアでつくっている後援会が肩がわりをしたという、そういう実態もあるわけです。こんなことがいつまでも続くわけもありませんし、これでは障害者の方の社会復帰を促進するという本来の目的に反するばかりでなく、障害者の働く意欲や、また自立への意欲を著しく阻害するものであると言わざるを得ません。
 こうした費用負担制度が障害者の働く意欲を著しく阻害しているという現実について、厚生省はどのように受けとめていらっしゃるのか、まずそれを伺いたいと思います。彼ほど労働大臣にも同じことをお伺いいたしますけれども、今は厚生省お願いします。
#44
○説明員(松尾武昌君) 先ほども御説明申し上げましたように、身体障害者授産施設につきましては、その運営費及び入所者の生活費につきましてまず公費で負担をするという制度をとっております。それに伴いまして、この費用徴収制度は社会福祉施設全般、老人ホーム等の施設も共通に同じ制度で運用しております。ただし、御指摘のとおり、授産施設につきましては工賃という問題がございますので、工賃の算定に当たりましては、例えば月額二万円を限度としまして控除をするとか、二万円を上回った場合はさらにある程度の控除をするという工賃の控除をして、なおかつ費用徴収をする。また、最高限度額も引き下げる。いろいろな施策をそこの中に織り込みまして、費用徴収額を定めております。
 したがいまして、工賃と比較すれば費用徴収額が上回ることもありますが、全体の運営費といいますか、措置費との絡みでそういう費用徴収制度を用いているということでございますので、現状はそういう状況でございます。
#45
○西岡瑠璃子君 地方自治体によりましては、我が高知県もそうなんですけれども、費用徴収額を免除する減免措置をとっているところもあるというふうに聞いております。その具体的な状況報告を求めたいと思うんですけれども。
#46
○説明員(松尾武昌君) 地方自治体、都道府県、指定都市でございますが、今先生御指摘のとおり、減免額を都道府県の阜県事業として実施している県が十数県あるように承知しております。
 それぞれ地方自治体の独自性でもって実施しておりますので、詳細については目下把握しておらない状況でございます。
#47
○西岡瑠璃子君 実際、時間がどんどんたっていきますので、本当はもっと私具体的に申し上げたいのですけれども、例えば障害年金一級の受給者、二級の受給者について例を挙げてみますと、工賃の収入認定がゼロの場合でも、一級受給者で二万六千八百円の負担、二級受給者で一万五千八百円の負担が課せられているわけですね。これが月五万円の工賃があるといたしますと、障害年金一級受給者で一万四千円、二級受給者の場合で一万五千円がさらに上乗せをされて徴収されるわけです。月五万円の工賃から一万四千円も一万五千円も差し引かれて、工賃の手取り分というのはもうわずか月三万五千円ぐらいになるわけですから、これでは余りにひどい話ではないかというわけでございます。
 私は、本当にビデオも持っておりまして、この方々の悲痛な叫び声をお聞かせしたい、見ていただきたいぐらいでございますけれども、一生懸命働いた月五万円というお金は健常者の何分の一になりますかね、一体何のために働いてきたのかと障害者の方が言われるのは当然であると思うんです。福祉という施設の中での作業といえども明確に就労と言えるわけでございます。費用徴収制度は、私は自己の能力を存分に生かして働く意欲を持つ障害者にとって自立意欲を本当に阻害をしていくという制度であると思うわけですが、この制度は何とか撤回をするわけにいかないものでしょうか。
#48
○説明員(松尾武昌君) この解決のためには、一つは工賃収入を引き上げるということも大きな施策を展開していく上で重要な課題だと思っておりますが、現在授産施設全般について、昨年から学識経験者あるいは施設経営者の方に入っていただきまして検討委員会を設けております。授産施設のあり方についてということで検討を現在行っているところでございまして、この中でこういう問題も取り入れまして検討していただきたいと思っております。その検討の結果を踏まえまして、また施策の中で対応していきたいと思っております。
#49
○西岡瑠璃子君 私は、これは消費税じゃございませんが、もう何としても見直してもらいたいと思うわけです。みずからの力で生きたい、働きたい、渾身の力を振り絞って生きている障害者にとりまして、家族にまで負担をさせているという内容は、もうこれは完全参加と平等の理念に反するものだと言わざるを得ません。数少ない作業所に適所をいたしますと、現状で苦しい家計からさらにさらにお金を持ち出さなければ働けない。本当にこれでは、障害者に働くなど言っているのと同じではありませんか。このような矛盾した現実に憤り、そして苦しみ、悲しみながら自立への道を断念して施設をやめていく、退所していくという人たちも出てきているわけでございます。全国的にも多数の施設利用中止者が出ているとのことでございます。このことは措置費の減額にもつながってまいりますし、施設の運営にも私は支障を来す重大な問題だと思うわけです。
 障害者の自立への意欲を損なうことのないように私は幾つかの点を御提言申し上げたいと思うんですけれども、厚生省の御見解を伺いたいのです。
 まず、一つには本人負担分の軽減の検討です。そして、二つ目には費用徴収対象経費を生活部分、食べたりすることはどこにいても食べなきゃいけませんからあれですけれども、そういった生活部分に限定することの検討。そして、三つ目には工賃の収入認定におけるところの費用徴収額の年二十四万円、月額二万円、この額の引き上げの検討です。サラリーマンでも基礎控除というのがありますね、あれは三十五万円ですか、それに特別障害者控除を加えて七十万円ほど、せめてそれぐらいの控除があってもいいのではないかというふうに思うわけですけれども、その点はいかがでしょうか。
#50
○説明員(松尾武昌君) 先生の御指摘の部分につきましては、まさに先ほど申し上げました検討委員会の中で検討を進めておる状況でございます。
 先生御指摘の中で、例えば対象経費を生活費に絞るという御提言がございましたけれども、現在福祉控除はそういう形で実施しております。したがいまして、福祉控除につきまして措置という形でなくて自由に利用できるという制度としておりまして、そういう授産施設全体のあり方とも全体として関連いたしますので、その意見の中で、先ほど申し上げました検討委員会の意見を踏まえまして十分その意見を尊重しながら対応していきたいと思っております。
#51
○西岡瑠璃子君 身体障害者福祉法の第三十一条におきまして「身体障害者授産施設は、身体障害者で雇用されることの困難なもの又は生活に困窮するもの等を入所させて、必要な訓練を行い、かつ、職業を与え、自活させる施設とする。」、このように書かれているわけです。授産施設というのは、訓練を行うだけでなくて職業を与える施設でもあるわけですから、職業を与えるということは文字どおり就労をさせていくというそういう解釈が成り立つと思うわけですね。
 この授産施設には、社会復帰を前提とした教育、機能訓練と、そして現状では雇用されることが困難な人に職業を与えていくというそういう二つの目的というか役割があるわけでございますけれども、授産施設におきまして一般企業なんかに就職を希望する障害者もあるわけでございます。そういった方々に対しては積極的な就職援助を指導することが非常に必要ではないかというふうに考えるわけですが、労働省の職業安定機関なんかとも連携をとられまして就職援助を行っていかれてはいかがかと思うわけですけれども。
#52
○説明員(松尾武昌君) 当然、身体障害者授産施設につきましては福祉施設でございますので、これから社会に復帰していくというのはもう最大の目標であると考えております。したがいまして、身体障害者授産施設につきましてはそこに専門職員を置きまして、指導員と申しておりますが、そういう専門職員が常に入所している障害者と接触をいたしまして、就職できるかどうか、あるいは社会復帰できるか、そういうことを常に相談に乗っておりまして、施設としましては判定会議というものを置きましていろいろその方の自立についての方策を策定しております。
 そういう意味で、先生御指摘のとおり、社会に復帰できるような障害者の方は当然社会に出ていただいて一般の雇用についていただくということも大いにこれから指導してまいりたいと思っております。
#53
○西岡瑠璃子君 それから、授産施設において職業能力の優秀な人たち、熟練工になったり技能訓練がすぐれている方ですね、そういう方々は施設管理上非常に大きい戦力となっているわけです。そういう優秀な人を外部に出そうとしない施設が非常に多いというような指摘もあるわけでございますけれども、厚生省はこういった指摘をどのように受けとめておられるのか。授産施設から一般企業へ就職することができる人が出てくることは私はこれは当然のことであると思いますし、授産施設の機能はそのテンポを速めることに大いに役立つはずでございます。
 この際、施設での訓練修了予定者を中心にいたしまして一般企業への就職希望調書というようなものを提出させてみることも御指導なさってみたらいかがかと思うわけですけれども、この点についてはいかがかということと、また授産施設から一般企業への就職希望者については職業安定所へ求職登録をするよう厚生省として御指導願えないでしょうか。
#54
○説明員(松尾武昌君) 先生の御指摘のとおり、身体障害者授産施設につきましても相当就業能力を持った者も存在するわけでございますが、授産施設としましても、例えば授産科目としましてはクリーニング、印刷等をやっておるわけでございますけれども、一気にそういう稼働能力といいますか、能力が高い者をどんどん外へ出していぎますと、授産施設そのものの運営というものも考えなきゃいけない問題もありますので、そこはそういう者を養成しながら、社会復帰できる者は随時社会に出していく、この方式は当然我々目標としなくちゃいけない課題だと思っております。
 そういう意味で、アンケートのお話がございましたけれども、先ほど申し上げましたように施設には指導員という形で職員を配置しておりまして、常に対象障害者からいろんな意見あるいは悩み、相談を受け谷ようにしておりますので、そういう中で就職希望については的確に把握をして、状況によっては社会に復帰していただく。
 それから職業安定所の関係でございますが、当然授産施設もそういう状況であれば職業安定所に相談をしまして、常に連携をとりながら社会に復帰していただくような形をとっていくように指導してまいりたいと思っております。
#55
○西岡瑠璃子君 最後にもう一つ厚生省にお聞きしたいんですけれども、労働省におきましては一般企業への障害者職業適正の判定を行っているわけですから、厚生省と労働省が連携をとり合いまして、授産施設での就労適正の判定の際にお互いに協力をしていかれてはいかがか、こういったことも必要なのではないかと思うわけです。そういった対応についてのお取り組みといいますか、お考えはございませんか。
#56
○説明員(松尾武昌君) 従来もそういう形で指導をしてまいったわけでございますが、ますますそういう意味での社会での障害者の雇用というのは大事な状況でございますので、さらに我々も指導をしてまいりたいと思っております。
#57
○西岡瑠璃子君 厚生省は御退席なさって結構でございます。ありがとうございました。本当はもっと私は責任ある御答弁をいただいて、障害者の授産施設に適所なさっている方々にもっと希望が持てるような、そういう明るい展望を開きたいと思ったんですけれども、また折を見て質問をさせていただきたいと思っております。
 それでは労働大臣に、先ほどるる申しました点につきましてお聞きいただいたと思いますけれども、これまでの質問に関連いたしまして、身体障害者更生援護施設利用者に対する費用負担制度の問題につきまして厚生省に対して私は幾つかの指摘をさせていただいたわけでございますけれども、お聞きのとおりに、工賃のかなりの部分あるいはそれ以上にわたって徴収される障害者にとって、このようなことで本当に自立意識が高まるでしょうか。
 普通、人は働いてその労働に対する報酬を得る、それが当たり前のことなんですね。それなのに、この方々は働くために逆にお金を取られる。本当にこういったお金を払うのはばかばかしい、いっそやめたい、やめた方がましだ、こういうふうに思うのは私は無理からぬことだと思うわけです。障害者が労働を通じて社会とかかわろうとして懸命に取り組もうとしているときに、この大きな障害、費用徴収制度は水を差すことになるのではないかと思うわけです。
 労働大臣は、障害者の職業的自立や雇用、就労問題を所管されるお立場にあられるわけですから、このことにつきましてどのような御見解をお持ちなのか、お聞かせいただきたいと思います。
#58
○国務大臣(近藤鉄雄君) 障害者の方々はまさに心身に障害をお持ちなわけでございますが、そういった方々が一般の社会人と同じような生活をされる、また同じような職場では御一緒に仕事をしていただく、こういうことがまさにノーマライゼーションという政策でございまして、私、別枠でということよりも、みんな一緒になって生活をし、仕事をしていくということだと思うわけでありますので、労働省といたしましては、まさに企業、仕事の場に積極的に障害者の方々が参加をしていただく、健常者と同じように。そのためには、やっぱりいろいろそういう障害のある方が作業しやすいような機械、設備の導入を会社がする場合にはこれに対して助成をいたしましょう、こういうことでございます。また、障害者の方々を雇っていただく企業に対しては、率直に言って障害者の方々でありますから、健常者と比較して仕事の能率がおくれる場合も当然あるわけでございますから、その分については雇用開発助成金という形で助成金を会社に出していただく。そういう形でできるだけ健常者の方と同じような雇用機会を創造させていただきたい、こういう政策をこれまでやってまいったわけでございますので、労働省は雇用政策としてこれを進めていく、こういうことでございます。
 今、先生御指摘のあった、厚生省の立場と多少立場で違うのかな。我々はあくまでも雇用確保と雇用拡大という線で、しかもできるだけ健常者と同じようなレベルで積極的にまさに生産参加していただく、そういうことで従来やってまいりましたし、これからも進めていく。さらに今度は雇用率の計算等についてもダブルカウントするという特典を企業に持っていただいて、積極的に雇用に協力をしていただく、こういうことでございます。
#59
○西岡瑠璃子君 私は、今の大臣の御答弁を伺っていますと、健常者の人が、例えば私どもがかって企業に勤めたわけですが、オフィスオートメーションとかワークステーションを使いますね。それを使うのに使い賃をくれと使用者が言いますか、言わないですよね。障害者の人が働きやすく、障害者の人が少しでもノーマライゼーション実現のためにという理由で働きやすくするために、それじゃその保証金みたいなお金を取るというのは、これは私は本当におてんとうさまが反対から出ているとしか思えない、納得いきません。この費用徴収制度の見直しについて、私は労働大臣として積極的に閣議の場で御発言をなさっていただきたい、こういうふうなことをお願いいたしたいと思います。
 それでは、最初厚生省から始めましたけれども、最初の予定の質問のところに戻らせていただきまして、障害者の雇用の動向と改正案をめぐる問題につきまして、まず今回の法改正の効果についてお尋ねをしてまいりたいと思います。
 最近の障害者雇用の状況ですけれども、先ほど堀委員の方からもちょっとお話ございましたように、身体障害者の実雇用率は一・三二%にとどまり、法定雇用率の一・六%を大幅に下回るなど停滞をしているわけです。雇用未達成企業の割合は大企業ほど高い。そして、産業別では金融・保険業などで非常に悪い状態、実態が続いているというふうに見ております。また、大企業を中心に雇用納付金さえ支払えばよいといったような風潮も変わっていないのではないかと思うわけでございます。
 今回、提出されております障害者雇用促進法改正案におきましても一定の改善はなされることにはなっておりますけれども、これで障害者雇用が飛躍的に拡大するかどうかというとちょっと心配でございます。これまで何回かにわたって改正がなされてきているにもかかわらず、障害者雇用が停滞していることや、重度の障害者の雇用が進まないという現実が実際あるわけですね。今回の改正案でその抜本的な解決を図ることができるのかどうか、私は労働大臣の御見解をまずお伺いしておきたいと思います。
#60
○政府委員(若林之矩君) 私から法改正のねらいのところだけ申し上げたいと思います。
 基本的な認識、雇用率の達成状況がなお一・三二ということでございまして、特に重度障害者を中心として雇用の立ちおくれが見られるという認識は先生御指摘のとおりでございます。したがいまして、今回の改正によりましては障害者の雇用対策基本方針というものを策定いたしまして、障害者の雇用対策の総合的かつ計画的、段階的なあり方を示すということが一つでございます。それから、第二点目といたしましては、重度化に対応いたしました障害者の雇用対策の推進を図るということが大きな二点目でございます。三点目といたしましては、精神薄弱者及び一定の範囲の精神障害者に係ります施策の充実を行いまして、障害の種類、程度に応じました障害者雇用対策をよりきめ細かく推進しようというものでございます。
 私どもは、これまでも障害者の雇用対策、重点課題として真剣に取り組んできたわけでございますけれども、今回このような改正措置を講じていただきまして、一層この障害者の雇用の促進に取り組んでまいりたいそういった中で必ずこの法律が期待しておりますところの成果が上がるものというふうに考えているところでございます。
#61
○西岡瑠璃子君 ことしの三月に法律に規定されている企業名の公表制度が初めて発動されたわけでございます。私はこのことについては高く評価をしたいと思うわけでございます。ただ、公表された企業名がわずか四社である、大変少ないという印象を受けました。雇用率を達成していない企業は大企業を中心にしまして数多くあるわけでございますから、この企業名の公表制度をもっと積極的に活用すべきかと思うわけですけれども、その点はいかがでしょうか。
#62
○政府委員(若林之矩君) 障害者の社会参加をあらわします指標であります雇用率が停滞をいたしておりまして、これまでのたび重なる指導にもかかわらず依然として雇用状況の悪い企業百十三社に対しまして指導を行いまして、結果として四社に対して公表を行ったということでございます。昨年来、これらの百十三社に対しましては一定の基準を示しました上で公表を前提とした行政指導を行ってまいりました。その結果、ちょっと数字を申し上げさせていただきますと、これらの百十三社につきましては、平成二年六月一日現在で平均の雇用率が〇・四五でございましたけれども、平成三年十二月一日現在ではこれが一・二九と、平均でございますけれども、上がったわけでございます。
 私どもは、もとより雇用率を上げることが目的でございますから、公表ということが目標ではございません。それも先生御承知のとおりでございます。今回ごういつ光ような公表ということを前提にいたしまして厳正な指導を進めてまいりまして、ただいま申しましたような結果になったわけでございまして、私ども今後引き続きこういったラインで公表を前提とした雇用率の厳正な運用に努めてまいりたいというふうに考えております。
#63
○西岡瑠璃子君 地方自治体の雇用率はどうなっているのでしょうか。
#64
○政府委員(若林之矩君) 地方自治体、都道府県と市町村があるわけでございます。都道府県の機関につきましては一・五九%、実雇用率でございます。市町村の機関につきましては二・二八%が実雇用率でございます。
#65
○西岡瑠璃子君 それから、除外率と除外職種についてお伺いしたいと思います。
#66
○政府委員(若林之矩君) 身体障害者雇用の義務はすべての事業主が平等に負うべきものでございまして、原則としてすべての事業主に対しまして一律の雇用率を適用すべきでございます。
 しかしながら、職業の中には身体障害者が就業することが困難な職種があることは否定できないわけでございまして、これらの職種に従事いたします労働者の数は業種間で相違があるわけでございます。したがいまして、社会連帯による平等負担の原則ということと実際の雇用における難易度との調和を図る、そういう調整的な措置という観点で除外率制度が設けられておるわけでございまして、それぞれの業態に応じまして除外率のパーセントが決められておるわけでございまして、その除外率のパーセントを除外したところについての人数にこの雇用率がかかる、こういう制度になっておるわけでございます。
#67
○西岡瑠璃子君 先ほどの企業名の公表制度の活用ですけれども、これからこういう公表というのは毎年実施されると理解してよろしいですか。
#68
○政府委員(若林之矩君) ただいま申し上げましたように、雇用率の公表というものを前提として雇用率制度の厳正な指導を図っていく、こういう運用につきましては今後とも変わるものではございません。
#69
○西岡瑠璃子君 企業名が公表されました後も改善が見られない企業につきましては、現行法では何らの措置もとられていないのではないかと思うわけです。労働省としては、公表された企業が何の改善措置も講じない場合はどのように対処されているんでしょうか、今現在。
#70
○政府委員(若林之矩君) 四つの企業を公表せざるを得なかったということはまことに残念な事態でございますけれども、今回初めて公表したわけでございます。私どもといたしましては、公表を一つの契機といたしましてこれらの企業が一層積極的に障害者雇用に取り組むということを期待いたしておりまして、これらの四社に対しましては今後とも求職情報の提供など引き続き指導を行ってまいりまして、少しでも早くこれらの企業が雇用率を達成してもらうように指導を続けてまいりたいと考えております。
#71
○西岡瑠璃子君 引き続き指導を行っていっていただかなければ当然いけませんけれども、やっぱりそれは具体性がないといけないと思うんです。
 それで、私は将来の検討課題として考えていただきたいわけですけれども、企業名を公表された企業が何らの改善措置も講じない場合に、障害者雇用対策を一層強化していくためにとる措置として次のようなことを考えてみたわけですが、労働省の御見解を伺っておきたいと思います。
 まず、第一点は官公庁の需要の契約とか発注を停止するという規定をつくる、創設するということですね。それから、二つ目には雇用保険三事業の給付金の給付制限をする、支払い停止を検討してはどうか。雇用保険の三事業、失業給付のほかに雇用安定、能力開発、雇用福祉の三事業があるわけですけれども、こういった三事業の給付金の給付制限と支払い停止をする。かなりこれはきついペナルティーというふうになるかもわかりませんけれども。
   〔委員長退席、理事仲川幸男君着席〕
それから、三つ目には現行五万円の額の身体障害者雇用納付金となっているわけですけれども、これをさらに特別割り増ししてもっと引き上げる、こういうことによって身体障害者の雇用の改善に結びつけていくための一つの抑止力にして使っていく、平均の実雇用率を下回っている事業所に対してもっと重く今の割り増しといいますか、あれを課してはどうかということを御提案するわけです。例えば最賃分の相当額を徴収するとか、そういったようなことを具体的に考えてみたわけですけれども、そういった点はいかがでございますか。
#72
○政府委員(若林之矩君) これは大変難しい問題、基本論といたしまして障害者の雇用というものは、事業主の社会的な責任というものを十分御理解いただいて雇用を進めていくということが何よりも重要だろうというふうに思っております。
 我が国の障害者雇用促進法は、諸外国からも評価されている制度だと思うのでございますけれども、その辺のところを非常に議論してみんなの英知を集めてつくった一つの制度だというふうに思うのでございますが、やはり事業主の方の社会的な責任というものを十分自覚していただく上で雇用を進めていかなきゃならない。押し込むということだけでは片づかない問題だろうというふうに私どもは思っております。そういった意味で、今後とも現行の制度をできる限り法の趣旨に沿って運用していくということが基本だろうというふうに思うのでございます。
 ただいま、先生御提言ございました問題もいろいろなところでこういうような議論をしてまいりました。例えば、公共の契約なんかにつきましては、我が国におきましては今度はタックスペイヤーの立場に立ちますと、一番いいものを安く入札するといいますか、そういう会計上の一つの考え方がございます。こういったものとの問題が一つございます。
 それから、雇用保険の問題、例えば雇用保険はむしろ私どもとしてはいろんな方を雇っていただきたいということのために出すものでございますから、これを切ってしまいますとそっちの方に今度は問題ができるという問題がございます。
   〔理事仲川幸男君退席、委員長着席〕
結局は、最終的に障害者の方でなくてもいろんな就職の困難な方々の雇用促進ということで進めておるわけでございますから、そういった問題もございます。
 それから、割り増しという問題も、この制度も納付金はペナルティーではないわけでございまして、いわば企業の社会的連帯責任というものを経済的に調整するという制度でございますから、それなりの一つのベースを持って、積算根拠を持ってその調整のお金をつくっているわけでございますので、そういった面からも思想的に難しい問題があるんじゃないかというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、繰り返すようで恐縮でございますけれども、私どもは事業主の方の社会的な責任というものを何としても自覚していただくということを基本に据えまして、一層指導を進めていきたいというふうに考えております。
#73
○西岡瑠璃子君 だんだん時間が押してまいりまして、外務省をお呼びしておりますので先に外務省にお尋ねをしていきたいと思いますけれども、ILO第百五十九号条約の批准について外務省にお尋ねをしたいと思います。
 国会に提出されております障害者の職業リハビリテーション及び雇用に関する条約、つまり百五十九号の締結について承認を求めるの件についてこの際質問をしていくわけですけれども、この条約を批准するに当たって国内法の整備の問題につきましてどのように対応されておられるのでしょうか、御説明を伺いたいと思います。
#74
○説明員(隈丸優次君) 先生御提起のILO第百五十九号条約、すなわち障害者の職業リハビリテーション及び雇用に関する条約の批准でございますが、この条約の批准につきましては、二月二十一日の時点でこの批准についての国会の御承認をいただくために今次国会に提出しております。
 その後の状況を申し上げれば、三月二十七日に衆議院外務委員会で御審議の後、全回一致で御承認の決定をいただき、三月三十日衆議院本会議で同じく全会一致で御承認をいただいております。同じ日付で参議院へ送付されております。現在、参議院外務委員会に付託されておって御審議をお願いしているところでございます。
 この条約とそれからその批准に必要な国内措置、国内法制のお話でございますが、この条約は現行の障害者の雇用の促進等に関する法律等関係法令によってその批准に必要な国内措置はとられているというふうに考えております。今回の障害者の雇用の促進等に関する法律の改正によりまして、障害者の雇用機会の増大及び社会における統合の促進を図ることを目的とするこの条約の趣旨に沿って我が国の障害者の雇用対策が一層充実するものと承知しております。
#75
○西岡瑠璃子君 条約推進のための国内法の整備につきましては、昭和六十二年、五年前になるわけですけれども、身体障害者雇用促進法の改正、すべての障害者を対象として障害者の雇用の促進等に関する法律という名称変更によって条件が満たされていたとも言えるわけですから、私はもっと早い時期に国会に承認を求めるべきではなかったかと思うわけでございます。外務省の御努力をお願いしたいということで、外務省、ありがとうございました。時間がございませんもので、大変走り走りでございます。
 最後の方ですけれども、今回の法案の中で職業リハビリテーションの効率的な推進を図るための国際協力業務が日本障害者雇用促進協会の業務として加えられたわけでございます。この実効を期するためにどのような取り組みをされますか、労働省に伺いたいんですが。
#76
○政府委員(征矢紀臣君) 今回の法律改正におきまして、御指摘のように、日本障害者雇用促進協会において国際協力業務ができるという改正をお願いしているところでございますが、これにつきましては特に開発途上国等におきましてやはり障害者の雇用問題が重要課題になりつつありまして、そういう観点から私どもが今まで取り組んできた障害者雇用にかかわるいろいろな対応策その他につきましてそのノウハウ等を開発途上国に広げていこう、当然開発途上国の御要望との関係を踏まえてでございますが、そういう観点から、当面この法律改正後新たに予算措置もいたしまして、当面は二カ国におきまして障害者の雇用セミナーというようなものを実施することを考えております。今後必要に応じ、この対策の拡大を図ってまいりたいというふうに考えております。
#77
○西岡瑠璃子君 それでは、最後ですけれども、もう時間がございませんので大変走り走りですが、大臣にお伺いしたいと思います。
 働く権利は基本的人権であるというふうに思うわけですけれども、障害の重度、軽度の差別なく就労したいという意思に基づき就労の機会を公平に保障していくことが政治の使命ではないかと思うわけでございます。人間が人間らしく生きられること、仕事をしたいという意思のある人に仕事をきちんと保障することのできる社会を建設していかなくてはならない、それが私ども政治の役割だと思っているわけですけれども、障害者の就労の場の拡大、そして雇用の拡大について、今後の労働大臣のお取り組みに対する決意のほどをお聞かせいただいて、終わりにしたいと思います。
#78
○国務大臣(近藤鉄雄君) 先ほど申し上げましたけれども、我が国は経済大国と言われるわけでございますが、それはそれだけの経済的なゆとりがある経済社会でございますから、そういったゆとりの中で障害を持っていらっしゃる方、重度の方、軽度の古いらっしゃいますけれども、それに応じて職業生活、職業の場の提供しながら、先ほど発言っておりますノーマライゼーション、健常者の方と同じような職場でできるだけ対等な待遇を受けながら仕事を続けていかれる。そのためには、先ほど申しましたように、そういった必要な施設、設備については助成もすれば、またいわゆる賃金についても助成をさせていただく、こういう形で会社にとっても完全に採算ベースに乗らなくてもある程度の採算についても国としても配慮しよう、こういうことでございます。
 同時に、私率直に申しまして、国ができることはできることとして、お雇いになる企業の方々も十分に御理解賜って、先ほど先生から政府関係の入札はあれしようとかいろいろ御指摘がございました。お気持ちはよくわかりますが、ただ、どうでしょう、そういう形でぎりぎり義務づけて押し込むのはどうか。私は多少考え方が甘いかもしれませんが、経営者の方々に御理解賜って、工場、会社経営としては多少あってもここは御理解をしていただいて、気持ちよく雇用していただく。国が法律や何かでがんじがらめにしてしまって強引にやって、果たしてその雇われた方がいいのかなという気持ちありますので、いろんな措置は措置として私どもこれからも考えさせていただきます。
 しかし、基本は雇っていただく方々の御理解と、やっぱりそういった方に対する愛情といいますか、そういったことがこれからもっと大事になるんじゃないか。そういう社会環境、そういう社会的な雰囲気の醸成に対しても、私ども行政の任にある者としてはこれまで以上に積極的に取り組んでまいりたい、こういう気持ちでございます。
#79
○西岡瑠璃子君 ありがとうございました。
 終わります。
#80
○西野康雄君 私は、大臣も御存じのとおり職業が講談師、寄席芸人でございます。その芸人仲間に笑福亭伯鶴という落語家がいるんですが、彼は全盲なんです。全盲で落語をやっているわけですが、その彼の趣味がスポーツの観戦なんですね。
 先日も、相撲が行われて、私、砂かぶりの席を一ついただいたものですから、相撲が好きなものですから早くから行きました。そうしたら彼が砂かぶりのところにおるんですね。それで、あんたももろたんかと言ったら、いや、私は本来立ち見席なんですけれども、前で見る方が迫力あっていいんですわ、こういうふうな返事が返ってきたんです。ナイターもちょくちょく出会うんですね。そうしたら、その彼が、きょうはピッチャーの球、走ってますなと、本当に見えているようなことを言うんです。
 ある日、若い落語家仲間と琵琶湖へキャンプに行きまして、夜の夜中に真っ暗な中でみんな泳ぎ始めたんですね。そのうちに方向がわからなくなって、どっちが沖かどっちが岸かわからなくなったときに、その伯鶴君だけが、こっち側が岸ですよと言って岸に向かって泳ぎ始めて、みんなそれで命が助かったと。どっちかわからぬまま泳ぐんじゃなくて、岸へ無事にたどりっけたという、彼がそんなエピソードを持っておるんですが、その彼がいつも、私、目見えぬけれども障害者やというのはどうも抵抗感じるんや、障害という言葉は本当に嫌な言葉ですよ、そういうふうなことを言っているんです。
 僕も常々その障害という言葉には大変に抵抗感がありまして、つい最近、我が意を得たりと思う新聞の投書がございました。それは何かと言ったら、小さい子供、障害を持つ子供がいじめられているんですね。そのはやし言葉が障害障害と。それで投書の主がそのはやし立ている子供たちに、あんたらそんなこと言うたらあかんやないのと言ったら、その子供たちがけろっとした顔で、害があるんやでと、そういうふうな返事をしてきたんです。その投書の主はやはり障害にかわるような何かよい言葉がないだろうかというふうな問いかけをなさっておられました。ああこれはもう私も常々思っていることだな、一緒だなと思ったんです。「障り」があって「害」があるというその字面ですね、我々は障害を持つ人たちとかそういうふうにふわっと何げなく使っておりますけれども、非常に不快な響きを持っていると思うんです。
 例えば、精神薄弱という言葉でも、何で薄くて弱いんだろうか。非常にマイナスのイメージの言葉が随分とつながっているんです。自立に向けて頑張っているんですから、自立努力者とかいろんも言葉があるかなと思ったりするんですが、残念ながら私の浅薄な知識ではいい言葉が浮かんでこないんです。ですから、どうでしょうか、こういうふうな障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案、こういうふうなことの機会に、労働大臣というよりも労働省だけの問題じゃないでしょうけれども、明るくて前向きな言葉を国民から募集するとか、そういうふうな活動をなさっていただきたいなと思うんですが、どうでしょうか。
#81
○国務大臣(近藤鉄雄君) 先生から大変大事な御指摘がございまして、今お話を承っても、確かに目はお見えにならないかもしれないけれども、例えば聴覚が発達していらっしゃるとか、いわば正常で非正常というものも大分ありますが、障害というと全部だめみたいですが、普通の人とは違った能力というか、そういったものを開発していらっしゃる場合もあるわけです。ただ、英語ではディスエーブルというんですか、ハンディキャップという言い方もあるんですか。いずれにしても、ディスというのはできないということです。ハンディキャップというのもこれもまた余りいい言葉じゃないかもしれません。ですから、私も少し日本語の勉強をさせていただきますが、お気持ちはよくわかるつもりでございます。
#82
○西野康雄君 ありがとうございます。
 本当に何か我々が発想するのは、英語でもそうですね、ディスエーブルという、そういうふうな発想になって、マイナスのイメージが非常に強いんです。ですから、そうじゃなくて非常に明るくて、本当に一緒に生きているんだよというふうな、そういうふうな意味合いがどこかにこもる言葉があればなと、そう思うわけです。
 障害者の日というのは大臣、御存じですか、いつか。
#83
○国務大臣(近藤鉄雄君) 十二月九日です。
#84
○西野康雄君 十二月九日でございます。正解でございます。
 私、いろんな人に障害者の日というのは何日か知っているかというので、この質問をつくるときに聞いたんですけれども、すっとお答えになる方がほとんどいらっしゃらなかったんです。ですから、国民により一層の理解を深めるために障害者の日というのを休日にするとか、何かイメージを国民に植えつけるような施策があっていいんじゃないかなと思うんですけれども、どうでしょうか。
#85
○国務大臣(近藤鉄雄君) お気持ちもこれよくわかります。私、実は知らなくて、この答弁のあれを見たら十二月九日と書いてあったんで、そんなことだったなと、大変不見識で申しわけないわけであります。お気持ちよくわかります。
 ただ、さっきの御質問に多少戻りますけれども、まさにノーマライゼーションが第一とすれば、どうでしょうね、障害者障害者ということを言えばいいんだけれども、国民の日にまですることがいいのか。できれば、いわば障害者という言葉をなくしちゃって、背が大きい背が小さいとか、重たいとか軽いとかみたいな形が望ましいのでしょうね。ですから、障害者ということよりもノーマライゼーションでみんなで一緒に仕事をするんだ。そのためのまさにハンディキャップについては、例えば設備とかそういうものを考えてあげるとか、いろんな形でということの方が趣旨かな。国民の日がふえることは、週休二日制に連続休暇をふやして、そして大いに国民の皆さんに休んでいただこうということから考えれば悪いことではございませんが、障害者の日というのを国民の休日にすることについては、これもいろいろ考えさせていただきます。
#86
○西野康雄君 ありがとうございます。
 次に、郵政省に少しお尋ねいたします。
 先日、こんな新聞記事が載っておりました。
 「郵政省の精神障害者復職審査委 「差別助長する制度」 京都・滋賀の医師、弁護士ら 撤廃を申し入れ」
 郵政職員が、精神障害のため休職となった場合、職場復帰させるかどうかを審査する「精神障害者復職等審査委員会」は、差別と偏見を助長ずる制度――として、医師、弁護士、患者らでつくる「京都・滋賀精神医療人権センター」(代表、中島俊則弁護士)が九日、近畿郵政局に対し委員会の撤廃申し入れ書を郵送した。精神障害者だけを対象にした審査制度は現在、他省庁には例がなく、専門家も「人権侵害の恐れがある」と指摘している。
 同審査委員会は一九七一年−七四年に全国十二の郵政局ごとに設置。近畿郵政局の場合、現在は部外医師一人と部内医師一人、幹部職員一人の計三人で構成。主治医の診断をもとに書類審査して復職の可否や時期などを判定する。
 四年前からうつ病などで休職した京都市内に勤める男性職員の場合、「九〇年四月一日から復職可能」と主治医の診断が出たのに、同委員会から二十日間復帰を遅らせる判定が出た。男性は人事院に判定取り消しを請求、認められた。
 中島代表は「家族や友人関係などプライベートなことまで審査対象になっており、結果として復職に高いハードルを設けている」としている。
 近畿郵政局は「スムーズな復職と、疾患の再発防止などを目的としている。差別的な制度とは考えていない」と説明している。
こういうふうな新聞記事でございます。
 この他省庁がやっておらない制度を郵政局が実施しておる。近畿郵政局は、疾患の再発防止などを目的としてと。この制度が疾患の再発防止なんかにつながるわけがないし、私自身もおかしな制度だなと思うわけですが、こういうふうな法律が出ている中で、なぜこういうものを残しておるのか、そういうふうなことも含めてちょっと制度の説明を求めたいと思います。
#87
○説明員(内田幸一君) お答え申し上げます。
 郵政事業は人力に依存する度合いが極めて高こうございまして、職員の健康管理を適切に行っていくことが極めて重要でございます。このため、精神疾患で長い間勤務できなかった休職中の職員が復帰を申し出た場合でございますけれども、職場復帰によって疾病が再発することなく職場に円滑に適応できるかどうか、この判断をする観点から医学的に復職の可否を判断するものでございまして、この目的は職員の健康保持を目的とするということでございます。
#88
○西野康雄君 人力を要するというのはどこの省庁でも人力を要しますよ。そんないいかげんな答弁ありますか。第一そんな、幹部職員一人、計三人、幹部職員がそんなもの、精神障害のそういうふうなことわかっていますのか。おかしな答弁したらいけませんよ。
#89
○説明員(内田幸一君) この復職等審査委員会の仕組みでございますけれども、部外の精神科の専門医一名、それから部内医師二名及び人事部次長が構成メンバーになっておりまして、その審査に当たりましては、当該職員の主治医の意見書、それから部内の管理医の意見書及び当該職員の所属長の意見書をもとに、原則としてその職員が従前に従事していた職務に復帰することの可否について審査すると、そういうような仕組みになってございまして、先ほど申し上げましたとおり、職員の健康保持を目的としてこの審査会は設けているものでございます。
#90
○西野康雄君 この四年前のうつ病の人は、二十日間復帰を遅らせる判定が出て、そして、判定の取り消しを人事院にしたら認められた。つまり、やっぱり復職に対してのハードルをここで設けているわけですよ。他省庁にないものをやっている。ですから、郵政の労働政策全体が三Kと、郵政の職場で。暗い、きつい、給料が安い、暗いというのが入っておるんです。汚いんじゃない、暗い。このままこんなことをやっていたら、本当に今でも郵政の事業に対して、人手不足でしょうが、第一線は。だんだんこんなのはイメージ悪うなりますよ。いろんなところで聞くけれども、郵便局へほんまに勤めさせるということが、だれも積極的に推薦しないようになってくる。全体でそういうことを考えたら、主治医がそれでぽんと判断したらいいことでしょうが。何でそんなハードルを設けているのか不思議でならぬですよ。
#91
○説明員(内田幸一君) 本件の事例につきましてでございますけれども、具体的には、京都簡易保険事務センターで平成二年四月に大規模な組織改正がございまして、平成二年四月というのは保険の営業年度が新しくスタートすること、そのため業務が非常に繁忙になり、職場全体がざわつきストレスの状態が想定されること等いろいろな影響を受けやすいことから、職場が落ちついて気持ちよく仕事に適応できるよう配慮できる時期、そういうことで二十日間復職を延伸いたしまして、復職の時期を五月からの方が適切であると、そういうふうな判断を行って認定したもの、そのように承知しております。
#92
○西野康雄君 えらいざわついている職場ですな。そんなもの理由になりますかいな。笑われますよ。人事院に判定取り消しを請求したら認められた。こんないいかげんなものをつくっておくということ自身が間違いなんだ、他省庁にないようなものを。やっぱりこういうふうなものの中で、「家族や友人関係などプライベートなことまで審査対象になっており、結果として復職に高いハードルを設けている」、その審査の中身見たらそういうふうなこともあるのかもしれません。今後そういうふうな家族や友人関係などプライベートなことまで審査対象としないとか、そういうふうなこと、制度は撤廃していくのかどうか、その辺ちょっとお聞きします。
#93
○説明員(内田幸一君) 今先生御指摘の、当該職員のプライバシーに関してでございますけれども、私どもの郵政省健康管理規程におきまして、健康管理に従事する者は職務上知り得た秘密を正当な理由なく他に漏らしてはならない、そういうふうに定めをしてございます。さらに、職員の健康に関するプライバシー保護については十分留意するようにしているところでございまして、この復職等審査委員会におきましても非公開で実施する等、その秘密の保持については万全の注意を払っておりまして、先生御指摘のように、万が一にもプライバシーが侵害されることのないように今後とも取り組んでいきたいと思っております。
#94
○西野康雄君 現実にそうだけれども、こういうふうなことが起きている、そして差別助長をする制度と、そういうふうなことで指摘をされているわけ。今後とも――何でもいろいろな事件が起きたりすると、今後ないようにします、ないようにしますというのがあなた方の答弁ですよ。ちょっとこの回答、政府委員でも何でもないですね、この方は。説明員なわけだ。もうちょっと責任ある回答を求めたいと思うんですが、理事、どうですか。
#95
○委員長(向山一人君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#96
○委員長(向山一人君) それでは速記を起こしてください。
#97
○西野康雄君 次に、「長野県歯科医師会が障害者の治療を受け入れる歯科医院の玄関先に「障害者歯科相談医」と書かれたロゴマークを掲げようとしたところ、厚生省から「法律違反」と待ったがかかった。」との報道があった。いささか時代おくれの感がございます。これがその新聞記事ですが、中身を見るというと、どうやら前向きに改正をするというふうなことも書いてございます。
 経過と、今後どういうふうに法律を改正していくのか、少し御答弁願います。
#98
○説明員(宮武光吉君) 医療法の規定によりまして、医療機関が広告できる事項につきましては、医療法の第六十九条第一項の規定によりまして決められております。これは、国民が医療について十分な知識がないという観点から、広告できる事項を限定しておるわけでございまして、今先生御指摘の障害者歯科相談医のロゴマークというのは、この法律の規定に基づいて現在のところは広告できる事項には該当するものではないというふうに考えております。
 ただ、国民の医療についての知識の向上並びに医療に対するニーズの多様化などを踏まえまして、一現在国会に提出中の医療法の一部を改正する法律案におきまして、国民に適切な医療情報を提供する観点からこの規定を見直すこととしております。これは現在衆議院で委員会に付託をされて審議されているところでございます。
#99
○西野康雄君 それにはこういうふうな障害者歯科相談医だとか、そういうふうなロゴマークも可能ということですか。
#100
○説明員(宮武光吉君) これは、現在の医療法の改正案の中に盛り込まれている点でございますけれども、厚生省令の定めるところによりまして広告の方法でありますとか、あるいは内容に関する基準を定めることができるという規定になっておりますので、所定の手続を踏まえた上でそういったことができるということになるかと思います。
#101
○西野康雄君 身障者の方にできるだけ便宜を図る、あるいはまたこういうロゴマークだとかステッカーを張ることによってお医者さん自身も非常に意欲がわくというんですか、そういうふうなこともあるかと思うんです。ですから、そういう障害者の方にできるだけいろんな便宜を図ってやっていただきたいな、そう思うわけでございまして、今ロゴマークも可能だというふうなことをお聞きしまして少し安心いたしました。どうもありがとうございます。
 大臣、雇用納付金制度でございますけれども、身体障害者の雇用促進を図るための納付金制度、原資のすべてが納付金に依存をしております。いわば何というんですか、他人のふんどしで相撲をとっている部分があるわけでございます。障害者の雇用は国政上の課題でもあります。ですから、事業主の負担だけではどうなのかな、ここも私自身も少し迷うところもあるんです。というのは、事業者にそういうふうな形で納付金制度をつけていくことによって、払うならばじゃ雇いましょうというふうな形で雇用が促進されるのかなとも思うわけですが、しかしやっぱりどこかで国がかんでこなければならないんじゃないだろうかな、そういうふうな気もいたします、それはやはり国政上の課題であるわけですから。そのあたりなんですが、現行制度、原資のすべてを納付金に依存をしているというのはいかがなものかなと思うんですけれども、どうでしょうか。
#102
○国務大臣(近藤鉄雄君) 障害者の雇用促進の助成制度、助成金は、障害者を雇われる場合のある程度の経済効率の差というようなものに対して、国としてそういうものについては一部負担をさせていただきますということでやっているわけでございます。
 それはそれとして、この財源をいわゆる障害者を雇っておられない企業からいただいて右から左へ回すということでは必ずしもないわけでございまして、それは一部であって、むしろ国としてはこういう助成金制度の中に予算として、一般会計として四十六億六千五百万円、特別会計としては二百六十三億七千六百万円を計上してございまして、これが実は主力になってまいります。ただ、雇用していただけない企業者に対してはその事実を自覚していただくという気持ちもあって一人五万円をいただいている、こういうことでございますので、国がやることをやらないで右から左へということではないということを御理解いただきたいと思います。
#103
○西野康雄君 ありがとうございます。
 その納付金の徴収対象ですけれども、現在は常用労働者数三百人以上、こういうことになっております。しかし、一人以上雇用する義務を負っているのは六十三人以上ですよね。そうすると、三百人以上というよりも、雇用機会を広げていったりそういうふうなことを考えあるいは事業主に自覚を促す、そういうふうな意味合いからすると、やっぱり一人以上の雇用義務を負っているそういうふうな企業、つまり六十三人以上の常用労働者を持っているそういうふうな事業主にまで広げていかなければならないんじゃないかな。ですから、納付金の徴収対象というのは一人以上の雇用義務を負っている六十三人以上にすべきじゃないかなと思うんですが、いかがでございますか。
#104
○政府委員(若林之矩君) ただいま先生御指摘のような御議論当然あろうかと存じます。ただ、納付金は今御承知のとおり三百人以上ということになっておるわけでございます。
 こういうふうにいたしました考え方というのは三つぐらいございまして、一つはやはり中小企業における経済的負担能力が大企業に比して大きくないということがございます。それから中小企業は全体としてでございますけれども、雇用率を達成しているわけでございます。ここのところも非常に重要なファクターだろうというふうに思います。それからやはり三百人から六十三人のところの徴収というもののコストというのもなかなか大変なものでございます。こういったこと全体を総合勘案いたしまして、三百人以下の規模の企業からは徴収しないということにいたしているわけでございまして、こういったような発足のときの考え方は今日もまだ妥当するものであろうというふうに思うわけでございます。
 現段階におきましても、やはり三百人以下の規模の企業からは納付金を徴収するということは、徴収額の仮に金額のいかんを問わないで、適当じゃないというふうに私どもは考えておるところでございます。御理解いただきとう存じます。
#105
○西野康雄君 コストがかかるということですが、どこか工夫の余地はないでしょうか。何か考えておられることでないでしょうか。
#106
○政府委員(若林之矩君) 御承知のとおり、納付金制度と申しますものは事業主の社会的な雇用の責任というものをお互いに調整するという制度であるわけでございます。そして、そういうような調整をするということに加えまして、さらに現在雇われていない人をそういう雇っでないところに雇っていただくように進めていく、そういった対策もそこに含まれているわけでございますけれども、今申し上げましたように、三百人以下のところにつきましては全体として三百人以下六十三人というところは雇用率を達成しているわけでございますので、そういった観点から申しますと、やはり引き続き現在の制度で進めるべきじゃないかというふうに考えております。これはもう累次いろいろ議論を重ねてまいりましたけれども、やはりそういう結論でございます。
#107
○西野康雄君 いささか答えには苦しいかなというそんな感じがいたしますが、しかし前向きにいろいろと、本来そういうふうな趣旨でございますから、そういうふうな工夫をまた凝らしていただきたいなと思います。
 続いて、労働省は平成三年十月十八日に政省令を改正し、雇用納付金、雇用調整金、報奨金の単価の引き上げを行いました。平成四年四月一日から施行することとしておられますが、この改正の内容と背景について御説明をお願いします。
#108
○政府委員(若林之矩君) この納付金の額につきましては、法律に考え方が定められておるわけでございまして、障害者の雇用に当たって特別に必要とされる費用の平均額を基準として定めることとなっておりまして、この法律で少なくとも五年ごとに雇用率の見直しの時期に合わせましてこの金額を見直すということになっております。
 平成三年がその見直しの年に当たったわけでございまして、納付金の基準となります特別費用の額が六十一年から上昇してまいりまして五万円を超えましたところから、納付金の額を引き上げることにいたしたわけでございます。納付金を原資として支給されます調整金あるいは報奨金の額につきましても、それぞれ基準となる額が上昇してまいりました結果に基づきまして、これも引き上げることといたしまして、具体的にはこの四月から納付金の額を現行の四万円から五万円に引き上げることにいたしました。調整金の額は現行の二万円から二万五千円に引き上げました。報奨金の額を現行の一万五千円から一万七千円にそれぞれ引き上げるということで、四月一日から実施をすることにいたしております。
#109
○西野康雄君 次に、その雇用を随分と促進しても、障害者の方にとって通勤地獄というのは、これはもう健常者でも大変でございます。そうすると、障害者採用企業に、例えば時差通勤をするとかそういうことを労働省の側が要望していく、そういうことの動きがあっていいんじゃないかなと思いますが、どうですか。
#110
○政府委員(若林之矩君) 重度障害者の方の中には、通勤等の問題で一般の雇用につくことが困難が方が随分おられるわけでございます。そこで、私どもは今回お願い申し上げておりますような短時間勤務というものを特例的な措置として認めていただくということでございますが、さらに在宅勤務でございますとか、フレックスタイム制、こういったような多様な勤務によりまして、重度障害者の方々の雇用を促進してまいりたいということで進めております。
 そこで、今回の改正に加えまして、こういったような在宅勤務を非常に活用しまして障害者の方を雇用しておられるケース、あるいはフレックスタイム制をうまく活用しまして雇用を促進していただいているケース、こういったような事例集を、好事例をつくりまして、そういったものをまた周知いたしまして、先生御指摘のような、皆さんのそういう意味でのお役に立っていきたいというふうに思って、そういうような重度の方々がそういった制度を活用してより雇用が進むように努力していきたいと思っております。
#111
○西野康雄君 通勤時間もそうですけれども、大阪なんか地下鉄にエレベーターが随分と設置されております。これは運輸省になるかと思いますが、駅機能の充実、そういったことをやっぱりこの法律で対応していかなきゃならぬと思いますが、どうでしょうか。
#112
○説明員(村上伸夫君) 今議員から御指摘がありましたように、身体障害者の社会参加と申しましょうか、ノーマライゼーションといいますか、そういった問題は非常に重要な問題であると思っております。したがいまして、鉄道サイドにおきましても、今議員御指摘のように、鉄道の駅における身体障害者用の施設の整備という必要性については、私どもといたしましても強く認識しているところでございます。
 したがいまして、身体障害者の方々に対する施設といたしましては、エスカレーターあるいは今先生が御指摘になりましたエレベーター、あるいは点字ブロックとか身障者の方々用のトイレとか、いろいろ多岐にわたりますけれども、具体的に申し上げれば、エスカレーターにつきましては、昨年の六月に一つの指針というものをつくりまして、乗降客数の多い駅あるいは高低の差が多い駅を対象として計画的な整備を進めるという指針に基づきまして、現在各鉄道事業所においてそういった整備を進めていただいておるところでございます。また、エレベーターにつきましては、御承知のように鉄道の駅の構造によりまして、大阪の場合も、御堂筋線とか鶴見緑地線とか、改良を行ったとかあるいは新線を延伸したというところに整備しておるわけでございますけれども、いろいろ問題はありますけれども、そういったものについても整備を求めてまいりたいと思っております。
#113
○西野康雄君 点字ブロックなんか、あれはホームの端なんですね。要するに入っちゃいけませんよという白線がわりに使われていたりする。あれは今堀議員にも少し聞いたんですが、大変に危ない。もう少し点字ブロックの配置というような少し工夫が要るかなと思いますが、これは回答もらわぬで結構です。そういうことを頭の片隅に置いておいてください。
 そこで、市営地下鉄なんか見ると車いすのコーナーが車両にちゃんと設置されているんですね。ですから、今度新たにバスや車両をつくるときに、そういう身障者への思いやりというものがあってしかるべきかと思いますが、運輸省としては車両に対してはどう対応なさっておられますか。
#114
○説明員(浅井廣志君) ただいま先生の御指摘のございました鉄道あるいはバスの車両の改善の問題でございますが、これまで私ども障害者の方々を含みます関係方面の専門家から成る委員会を設けまして、障害者の方々あるいは高齢者の方々、こういう交通弱者の方々でございますが、そういう方々が安全で利用しやすい車両を導入する。どういうような車両構造にしたらいいかという研究をいたしまして、平成二年でございますが、今後の車両整備の指針といたしましてモデルデザインというのを策定したところでございます。このモデルデザインにおきましては、鉄道車両につきましては、先生の御指摘の車いすのスペースだけではございませんで、乗降口の幅でございますとか、あるいは駅名の表示でございますね、こういったようなもの。それからバスにつきましても同様に乗降口の幅員あるいは高さ、車いすのスペース、それから乗降のためのスロープとかリフトといったようなものを定めているというところでございます。
 運輸省といたしましては、このモデルデザインに基づきまして利用しやすい車両の整備ということで指導を続けているところでございます。しかしながら、現状ではまだまだ整備すべきものがたくさんあるというふうに認識しておりますので、今後ともその指導に努めてまいりたいと、このように考えております。
#115
○西野康雄君 ありがとうございました。
 先ほどのとおり、少し時間を祭らせて、残りの分を午後ということでいいですね。
#116
○委員長(向山一人君) 西野君の郵政省に対する質疑は、午後郵政省の政府委員の出席した上で行うことにいたします。
 本案に対する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時四十分まで休憩いたします。
   午後零時三十八分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時四十分開会
#117
○委員長(向山一人君) ただいまから労働委員会を再開いたします。
 この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、鹿野安正君が委員を辞任され、その補欠として石川弘君が選任されました。
    ―――――――――――――
#118
○委員長(向山一人君) 午前に引き続き、障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
#119
○西野康雄君 午前中少し問題を残しておりましたことについて、郵政省にお伺いをいたします。
 「郵政省の精神障害者復職審査委」、この制度、「差別助長する制度」だと、こういうふうに新聞で取り上げられております。
  郵政職員が、精神障害のため休職となった場合、職場復帰させるかどうかを審査する「精神障害者復職等審査委員会」は、差別と偏見を助長ずる制度として、医師、弁護士、患者らでつくる「京都・滋賀精神医療人権センター」(代表、中島俊則弁護士)が九日、近畿郵政局に対し委員会の撤廃申し入れ書を郵送した。精神障害者だけを対象にした審査制度は現在、他省庁には例がなく、専門家も「人権侵害の恐れがある」と指摘している。中島代表は「家族や友人関係などプライベートなことまで審査対象になっており、結果として復職に高いハードルを設けている」こういうふうな内容の新聞記事でございます。
 その精神障害者復職等審査委員会、少し概要と、なぜこういうふうなことになったのか、その辺からお聞きしたいと思います。
#120
○政府委員(谷公士君) 私ども郵政省におきましては、いわゆるメンタルヘルスを含む職員の健康管理ということについて大変重要な問題があると認識しておりまして、従来からいろいろ努力をしてまいったつもりでございます。そういう観点から、精神疾患で長い間勤務をできなかった休職中の職員が復職を申し出ました場合に、職場復帰によりまして疾病が再発することなく職場に円滑に適応できるかどうかということを判断する観点から医学的に復職の可否を判断するということでこういう制度を設けておりまして、この制度は職員の健康保持を目的としておるものでございます。
 内容といたしましては、メンバーでございますけれども、部外の精神疾患に関する専門医、それから部内の病院の医師、それから健康管理関係の責任者といたしまして郵政局の人事部次長というものがメンバーとなっております。
 以上でございます。
#121
○西野康雄君 四年前のうつ病で休職した京都市内に勤める男性職員の場合、九〇年四月一日から復職可能と主治医の診断が出た。委員会からは二十日間復帰をおくらせる判定が出ました。この男性は人事院に判定取り消しを請求して認められました。これは、僕はやはりこの審査委制度あるいはこの審査委員会を構成するメンバーが若干行き過ぎがあったんではないかな、こう思うわけですが、どうですか。
#122
○政府委員(谷公士君) この委員会は、先ほど申し上げましたような観点で従来からも相当数の復職審査を行ってまいりまして、その限りでは職員の円滑な職場復帰に貢献してきておったと思っておるわけでございますけれども、御指摘のように、この件につきまして私どもの趣旨といたしましては、たまたまその時期職場にいろいろ業務上の問題がございましたので、その時期を避けてという指示であったわけでございますけれども、人事院の方で、この復職の制度の運用として問題があるという御判定をいただきました。この御判定につきましては、今どうしてこういうことになったかということについて、私どもとしてもいろいろ検討いたしておりますけれども、いずれにいたしましても、こういう判定をいただいておるということもございますので、今後従来以上にこの審査会の運用につきましては慎重を期してまいりたいというふうに考えております。
#123
○西野康雄君 職場状況を知る専門医が復帰予定者を面接した上で行われることが望ましいとか、いろいろと職場におけるメンタルヘルス対策について出されております。私、幹部職員一人、これが入るというのに非常にひっかかりを持っておるわけですが、やはりプライバシーにかかわる審査、受け入れ態勢が整わないというふうな判定で組織論理が運用されると大変にこれが人権侵害となるおそれがあると思います。ですから、人権侵害のおそれがないようにしっかりと運用をしていただきたいと思いますが。
#124
○政府委員(谷公士君) 職員の健康管理を預かる責任者という立場で、事務職といたしましては郵政局の人事部次長が出席いたしておりますけれども、基本的にこの場の判断は医学的な見地からの判断を中心として行っておるところでございます。
 しかし、先ほども申し上げましたように、また先生の御指摘ございましたように、こういう事例がたまたま発生をいたしました。たまたまというのはちょっと失言だろうと思いますけれども、したがいまして職員のプライバシーの問題、それから職員の円滑な職場復帰のための配慮、そういう点については今後なお一層配慮をいたしてこの運用に当たっていきたいと考えております。
#125
○西野康雄君 時間が参りましたのでこれで終えさせていただきますが、十二分にくぎだけは刺させていただきます。
#126
○山東昭子君 私は、昭和四十九年に当選をして初めて党の責任者として手がけたのが心身障害児者の問題でした。そのころから比べると社会環境も障害者もその家族たちもぐっと明るく開放的になったと思います。そして、ことしは国連障害者の十年の最終年に当たり法改正が行われるということは大変意義深いと存じます。
 そこで、労働省はこの十年の間にいかなる対策をとってきたのか、お聞かせ願いたいと思います。
#127
○政府委員(若林之矩君) 国連障害者の十年の間におきましては、重度障害者に最大の重点を置きまして可能な限り一般の雇用の場を確保することを基本方針として対策を講じてまいりました。
 具体的には、昭和六十二年に身体障害者雇用促進法を改正いたしまして法律の対象を身体障害者からすべての障害者に拡大をいたしました。また、障害者の雇用機会の増大を図りますために企業名の公表を含めました雇用率制度の厳正な運用を行ってまいりました。また、第三セクター方式によります重度障害者雇用企業の設置等によりまして重度障害者の方々の雇用の場の確保に努めてまいったところでございます。その他、各種助成金を活用しながら、必要な方には職業訓練を受講させることによりまして個別の就職先を開拓するなどのきめ細かな職業紹介を実施いたしまして雇用促進を進めてまいりました。幾つか具体的な例を申し上げさせていただきました。
#128
○山東昭子君 障害者と一口に言いましても、程度の差はもちろん、それぞれの個性の違いは想像を絶するものがあります。十数年前に大分県の太陽の家を見てまいりましたけれども、障害者に合わせた作業環境、そして実に障害者が効率よくそして誇りを持って働いているのを見まして心を打たれました。
 一方、ノーマライゼーションの理念からいえば、一般の企業に障害者がどんどん雇われることが理想だと思いますけれども、労働省としてはその辺の整理をどのようにつけて施策を推進していくおつもりかお伺いしたいと思います。
#129
○政府委員(若林之矩君) 障害者の雇用対策を進めるに当たりましては、ただいま先生御指摘のように、基本的には一般の企業において障害者の雇用が促進されることが望ましいわけでございまして、これは重度の方についても同様でございます。しかし、重度障害者の雇用の場を確保いたしますためには、御指摘のような重度障害者が多数働くことを前提とした、行き届いた配慮がなされた事業所を育成することは、障害者自身にとりましてもその能力を発揮する機会が増大することになるわけでございまして、法律の目的である障害者の職業の安定にも合致することになりますし、ノーマライゼーションの理念の実現にも資することになるというふうに考えております。
 今後とも私ども、こういったような重度障害者を多数雇用する事業所、第三セクター、こういったものを育成してまいりたいというふうに思っておりますけれども、そういった場合におきましても、ただいま先生御指摘のような、ノーマライゼーションの基本的な理念が生かされるように育成の指導に当たっていきたいというふうに思っております。
#130
○山東昭子君 最近、障害者雇用が立ちおくれている企業を悪者扱いする声もございますけれども、私は必ずしも障害者の雇用の促進にこれは役立つとは限らないと思います。むしろ、障害者雇用に積極的に取り組んでいる企業を一般人にわかるように表彰をするなどして、そのような工夫をした方がよいのではないかと思いますけれども、どのようにお考えでございましょうか。
#131
○政府委員(若林之矩君) 障害者の方の雇用を進めていただくということにつきましては、ただいまお話がございましたように、やはり何と申しましても企業の事業主の方が障害者の雇用というものについての社会的な責任を自覚していただく、そういう中で雇用が進められるということがまず何よりも重要なことだというふうに考えております。
 そういった観点から申し上げまして、障害者を積極的に多数雇用した事業所でございますとか、あるいは障害者の雇用の促進と職業の安定に著しく貢献した団体または個人及び職業更生について成果の著しい障害者の方々に対しまして、その努力をたたえるとともに、一般国民にも周知して障害者の雇用の促進と職業の安定に資するということで、毎年労働大臣の表彰を行っておるところでございます。今後ともこの表彰制度につきまして、ただいまお話がございましたような趣旨を踏まえて、一層工夫を凝らしまして障害者の雇用の促進にそういうものを活用してまいりたいというふうに思います。
#132
○山東昭子君 雇い入れの促進ということももちろん重要ではございますけれども、障害者の職場定着のための施策も非常に重要だと考えますが、今回の法改正でその点はどのように措置されたのでしょうか。
#133
○政府委員(若林之矩君) これまでは、御承知のとおり障害者の雇用、いわば入り口のところを促進していくというところが主になっておったわけでございますけれども、せっかく雇用されましても大変短い期間で離職をするというようなケースが少なくないわけでございまして、やはり定着の促進、雇用の安定ということが非常に重要な課題でございます。
 したがいまして、このたびそういった努力義務を明確にしたわけでございますけれども、具体的には、これまで例えば障害者の納付金制度に基づきます助成金でございますけれども、重度視覚障害者の職場介助者でございますとか、あるいは重度精神薄弱者の業務遂行援助者に対します助成を現行三年の助成をしておりましたけれども、これを上限十年に延長するといったような形で障害者の職場定着のための施策の充実を図りたいというふうに考えております。
#134
○山東昭子君 精神薄弱者の雇用対策の前進のためどのような取り組みをしてきたか、また今後の雇用対策をどのように進めていくのか、お伺いしたいと思います。
#135
○政府委員(若林之矩君) 精神薄弱者の方々の雇用対策につきましては、従来より納付金制度の納付金の減額でございますとか、あるいは各種助成金の支給の対象といたしますとともに、六十二年には障害者雇用促進法の一部を改正いたしまして実雇用率の算定の対象といたしますとともに、納付金制度の調整金、報奨金の対象といたしまして、ほぼ身体障害者と同様の措置をとってまいったわけでございます。
 また、精神薄弱者が身体障害者と比較しまして能力開発体制等の整備が不十分であること等の問題がございましたものですから、こういった面での条件整備も進めたわけでございます。簡単な作業を行わせることによりまして、基本的な労働習慣を身につけていただくということを目的とした職業準備訓練制度というものを実施いたしてまいっております。また、第三セクター方式によります精神薄弱者能力開発センターの育成事業も実施してまいっております。また、障害者職業訓練校におきます精神薄弱者の訓練科の増設もいたしてまいっております。
 今後におきましては、精神薄弱者につきまして、重度精神薄弱者でございます短時間労働者の実雇用身体障害者数への参入でございますとか、あるいは重度精神薄弱者でございますフルタイム労働者のいわゆるダブルカウントの措置等の措置を講ずることといたしておりまして、これまでの施策とあわせましてその雇用の促進を図っていきたいというふうに考えております。
#136
○山東昭子君 私も今まで学校や施設などを見てきて感じたことですけれども、今までは精神薄弱者のためには大変やりやすい仕事からいろんな施設なんかでやっていたわけです、シイタケづくりであるとか、あるいは焼き物であるとか。ところが、企業の方から見ますと余りそういうことは役立たない。ですから、やはりお互いに必要とするという意味では、今おっしゃられたような能力開発のいろいろ環境整備というものをきちんとしていただいて、どういうものを企業が欲しているのか、そのためにどういう技術を習得するように精神薄弱者の方も努力をするのか、そういうようなことをひとつ大いに詰めてやっていただきたいなと思います。
 それから、精神障害者の問題でございますけれども、これは今までにも数々の事件があり、こうした問題はやはり冷静に医学的あるいは科学的な見地から慎重に行う必要があると考えますけれども、プライバシーの問題なども含めて雇用対策には今回の法改正でどのように措置しているのか、お聞かせいただきたいと思います。
#137
○政府委員(若林之矩君) 今般、精神分裂病、躁うつ病、またはてんかんにかかっている方で症状が安定している方、私ども精神障害回復者等と言っておりますが、こういった方々を雇用する事業主に対しまして一定の助成金を支給するということにいたしたところでございますが、ただいまお話がございましたようなプライバシーの問題もございます。したがいまして、その場合には、この支給はプライバシー等の人権問題にも配慮いたしまして、本人が精神障害回復者等であるということを明らかにした上で、公共職業安定所に求職登録をされた方を公共職業安定所の紹介によって雇い入れた場合にのみ支給するという形にいたしておりまして、本人が精神障害回復者等であることを明らかにされない方はこれは対象としない、こういうことにいたしておりまして、そういった観点でプライバシーの問題を解決していきたいというふうに思っております。
#138
○山東昭子君 障害者雇用を進めていくためには、事業主を初めとする関係者が一丸となってこれに取り組んでいくことが大切であると同時に、国民一般の理解と協力が不可欠であろうと思います。このためには障害者の雇用促進に関するPRが大変重要だと考えますけれども、いかがでございましょうか。
#139
○政府委員(若林之矩君) 障害者の雇用の促進と職業の安定を図るというためには、何よりもやはり国民の方々、特に事業主でございますとかあるいは一緒に働く従業員の方の理解と協力が不可欠でございます。そして、関係者が一体となって障害者の雇用を進めていかなければならないということでございます。私どもは、長い間、毎年九月を障害者雇用促進月間と定めまして、いろいろなキャンペーンをやってまいったわけでございます。先ほど申し上げました表彰などもそういった機会にやらせていただいておりますけれども、こういった意味での啓発活動というものはますます強力に進めなければならないことだろうというふうに思っております。
 今後とも、こういった月間の行事を初めとしまして、あらゆる機会を通じて国民の各層に対する啓発活動を進めていくべきだというふうに考えております。
#140
○山東昭子君 障害者の雇用対策に係る国際協力を積極的に推進すべきだと思いますけれども、こうした国際協力の現状及び今後の方針はいかがでしょうか。
#141
○政府委員(若林之矩君) 国際障害者年でございました昭和五十六年に国際アビリンピックと国際リハビリテーション交流セミナーが開催をされました。六十三年には第十六回のリハビリテーション世界会議等の国際会議が開催されたわけでございまして、国際障害者年以来我が国に対しまして国際協力の要請が年々高まっております。そういったような要請を受けまして、これまで職業リハビリテーションの専門家の派遣でございますとか、あるいは研修員の受け入れ、こういった形での技術指導等を実施してまいったわけでございますけれども、今後はアジア諸国を初めといたします開発途上国におきまして、職業リハビリテーション専門家の人材育成が急務となっておるわけでございます。
 そこで、政府間におきます協力を一層推進いたしますとともに、民間ベースの協力もあわせて行うということで日本障害者雇用促進協会が国際協力業務を実施することができるように法改正をお願い申し上げているところでございます。当面は、障害者雇用でございますとかあるいは職業リハビリテーションに係りますノウハウ等の情報等を提供いたします現地セミナーをインドネシア等で開催する、こういったことを初めといたしまして国際協力を進めていきたいというふうに思っております。
#142
○山東昭子君 こうした国連障害者の十年というような問題は、次々と労働省もいろいろなお仕事がおありでしょうから、まあ十年、ここで一区切りがついたからこれでいいやということでついつい終わってしまうことのないように、今後やはり着実にこうした障害者の雇用対策を進めていかなければならないわけですけれども、それはどのように今後の対策というものを考えておられるのか、大臣にお伺いしたいと思います。
#143
○国務大臣(近藤鉄雄君) 先生御指摘のとおり、ことしか国連障害者の十年の最後の年に当たるわけでございますけれども、その間先生を初めとして国会議員の皆さんの御理解、御協力もございましたし、私ども労働省また厚生省も努力してまいりました。
 御指摘ございましたように、十年前と今と比較して、障害者に対する国民的な理解、それからいろんな意味の協力は大変進んだというふうに私どもは考えておるわけでございますが、ただ例えば雇用率なんかでもまだまだどうも私たち満足し得る段階にはないんで、これは積極的にさらに御理解をいただいて進めていかなきゃならない、こう思っておりますし、また今回国会で障害者雇用促進法の改正案を御審議いただいておりますのも、この成立を期して、これに基づいて障害者雇用対策基本方針を政府として確定いたしまして、これに基づいて障害者雇用対策を今後総合的かつ計画的、段階的に進めてまいりたい、こう考えております。
 いずれにいたしましても、働く意思と能力をお持ちの障害者の方々が健常者とともに一般企業でできるだけ同じような条件で働いていただける、まさにノーマリゼーションの理念のもとにこれからも労働省全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしく御指導のほどお願い申し上げる次第でございます。
#144
○山東昭子君 この障害者の問題というものは、過度の同情やあるいは人権問題を大上段に振りかざすのではなしに、外国へ行くといつも感じるのでございますけれども、外国の人たちは非常に淡々とそしてさりげなく健常者と障害者というものが協力し合ってやっているなということをつくづく私ども痛感をいたします。ですから、我が国もそういうふうにお互いに協力し合っていく、そんな国になっていくことを期待いたしまして、質問を終わりたいと思います。
#145
○田辺哲夫君 本法律の改正案は、国際障害者年の最終年に当たりまして障害者の社会参加を大いに前進しよう、このような趣旨でございまして、私も賛意を表したいと存じます。つきましては、法定雇用率、実雇用率を取り巻きまして納付金制度または調整金、助成金等々の制度があるわけでございますが、これに絡みまして若干質問したいと思います。西岡委員初め多数の委員から質問がございましたので、若干重複する点はお許しをいただきたいと存じます。
 聞くところによりますと、昨年の秋に政令を改正いたしまして、納付金を上げた、また支出でございます調整金、奨励金、助成金等を引き上げたわけでございますが、それにつきまして、例えば引き上げ前の平成二年度、この年度におきますところの納付金の収入と、または調整金等の支出、その合計額をお聞きしたいと思います。
#146
○政府委員(征矢紀臣君) お答え申し上げます。
 納付金会計の収入につきましては、平成二年度二百七十億七千百万円の実績でございます。平成三年度におきましては二百七十八億五千三百万円、これは実績の見込みでございます。平成四年度につきましては二百七十五億六千六百万円を予算計上いたしております。なお、御指摘のように、平成四年度におきましては納付金の月額を四万円から五万円に引き上げたところでございますが、これによりまして納付金の収入がどうなるかという点につきましては、平成五年度における額、三百四十三億八千九百万円を見込んでおります。
 それから年間支出でございますけれども、これにつきましては平成二年度二百四十七億七千八百万円の実績でございます。平成三年度につきましては三百十八億二千二百万円の実績見込みとなっているところでございます。
#147
○田辺哲夫君 値上げの後の収入と支出の総額はまだ聞いておりませんでしたが、お答えがございましたので、ありがとうございました。それで、これの管理を日本障害者雇用促進協会が担当しておるわけでございます。過去の一連の実績から、収入と支出というものが大体バランスを保っていたというように伺っておりますが、そのバランスにつきまして過去の経過をお聞きしたいと思います。
#148
○政府委員(征矢紀臣君) 失礼いたしました。収支のバランスでございますが、平成元年度の実績で申し上げますと、収入が二百四十五億円でございます。それに対しまして支出が百七十二億円でございます。平成二年度につきましては収入が二百七十億円、支出が二百四十八億円でございます。それが平成三年度につきまして、これは見込みでございますが、収入支出が逆転いたしまして、収入が二百七十八億円でございます。それに対しまして支出が三百十八億円の見込みとなっております。
#149
○田辺哲夫君 この会計でございますが、収入と支出がバランスが保たれておるときはよろしゅうございますが、例えば収入が少なくて支出が増加した、超になった、こういう場合の財源はどのような措置をすることになっておりますか。
#150
○政府委員(征矢紀臣君) 御指摘のとおりでございまして、収入と支出が完全に常にバランスするというような考え方でございますと非常にこの運営がきつくなるわけでございますが、現実の問題といたしましては、そういう点も踏まえまして平成二年度の実績ベースで申し上げますと、ただいま申し上げましたように収入が二百七十億円でございまして、支出の方が二百五十億円弱でございますが、過去の積立金の実績が三百七十八億円ということになっております。
#151
○田辺哲夫君 今お答えいただきまして、積立金が大分あると、こういうことで会計を保っておるようでございますが、仮に実雇用が法定雇用率をオーバーした、こういう状態になったらこれは極めて喜ぶべき状況でございますが、その場合には納付金というものはなくなるわけでございます。ところが、支出というものはそれだからやめようというわけにはいかないと思います。仮にそういう場合を想定いたしますと、支出というものはどうして財源を生み出すのか。国の予算を持ってくるのか、そこら辺のひとつお考えをお聞きしたいと思います。
#152
○政府委員(征矢紀臣君) なかなか厳しい御指摘でございますが、納付金制度につきましては、法律に基づきまして、事業主間の社会的共同連帯責任によりまして調整を図ると、こういう制度でございます。この調整のあり方につきましては、五年ごとに雇用率及び納付金の額について見直しをしながら運営していくと、こういう制度になっております。
 そういう観点から、昨年見直しをいたしたわけでございまして、今後五年間はこの見直しに基づいて運営していき、五年後になったらまたそこで見直すと、こういうようなことで対処してまいるわけでございますが、納付金の金額の問題とあわせて雇用率の問題も検討することになっておりまして、そういう観点でこの制度の運用を図っていくという考え方でございます。
#153
○田辺哲夫君 まず五年ごとに見直して、その調整を図る、御趣旨はよく理解できます。あくまでも私、仮定の話でございますが、納付金がなくなった場合、その場合はしからば法定雇用率を上げて納付金をまた生み出すのか。それとも今の現状であって、一〇〇%オーバーしたという場合は金がなくなるわけです。その場合の支出金というものはどうするのか、納付金がなくなった場合ですが、そういう点をお聞きしたいわけです。例えば国の予算を充当するのかとか、こういう点でございます。
#154
○政府委員(若林之矩君) 全くの仮定でございますけれども、どの企業も障害者を雇用していただけるようお状況になってくる、そういうのがほとんど一般的になってくるということになりますと、それも基本的にこの法律の趣旨がいわば実現したことになるわけでございますものですから、そういった事態になりますと、この法律制度そのものをもう一度そこで見直すということになるんじゃないだろうかというふうに思うのでございますが、現在は残念ながらそういう状況ではございません。ただいま積立金があるわけでございます。単年度におきまして支出が多いということになりましたらば、先ほど申しましたように積立金を取り崩して雇用の促進を図っていくということであろうかと存じます。
#155
○田辺哲夫君 そういたしますと、一〇〇%達成した、法律の趣旨が実現した、その時点で全体的に考えたい、このようなお考えであろうと思いますので、それにとどめさせていただきます。
 今回、政令で四月一日から上げた、そして支出金も引き上げた。この趣旨は当然わかりますが、一口で言いまして、その趣旨は何でございますか。
#156
○政府委員(若林之矩君) この納付金、調整金、報奨金の額につきましては、障害者雇用促進法におきまして、障害者の雇用に当たって特別に必要とされる費用の平均額を基準として定めることになっているわけでございまして、この法律では少なくとも五年ごとに雇用率の見直しの時期に合わせて見直しを行うということになっているわけでございます。平成三年がその見直しのときに当たっておりまして、納付金の基準となります特別費用の額が昭和六十一年から上昇してまいりまして五万円を超えたわけでございますので、納付金の額を引き上げるということにいたしたわけでございます。また、納付金を原資といたしまして支給されます調整金及び報奨金の額につきましても、それぞれの基準となる額が上昇いたしました結果に基づきまして、これを引き上げまして四月一日から実施するということにいたしております。
#157
○田辺哲夫君 今までの質問は民間でございます。官公庁の問題でございますが、先ほど官公庁のそれぞれの機関の達成率の質問がございました。ですから、具体的に達成率につきまして質問は省略いたしますが、達成してない機関があることが明白になったわけでございます。
 私は、民間におきますところの納付金制度、または公表制度、一種の制裁措置的な意味合いも含んでおるような解釈をしておるわけでございます。ところが、官公庁におきましては、達成してなくても、勧告でございますか、こういう制度を設けまして、それの担保を図っておるわけでございます。また聞くところによりますと、勧告というのは外部的にはわからない、労働大臣とその機関の中でしかわからない、このような状況のようでございます。官公庁は率先して民間よりもこの法律の趣旨を体して達成しなければいけない、このような社会的な責務があると思いますが、先ほどの質問で達成してないところがあるわけでございます。
 これは私見でございますが、何となく不合理な感じを受けます。何となく官尊民卑的な私は感じを受けるわけでございます。そこで、官公庁にもいろいろの実情もございまして、それぞれ難しい点もあろうと思いますが、民間にはそのようないろいろの制度を設けましてそれを前進させておる。官公庁でもこれを達成する一つの担保的な制度というものが必要ではなかろうか。ただ単に勧告のみならず、もう一歩前進した制度が必要である、こんなことを感ずるわけでございます。
 その場今いろいろな方法があると思いますが、例えば公表という制度もあると思います。これは官庁同士で非常に難しいこともあろうと思いますが、それも一つの制度であろう。もっと極論いたしますと、例えば地方公共団体、いろいろな自治省の行政指導に従わない場合は制裁ということで、地方交付金の交付税の減額措置等も実は行われておるわけでございます。極論いたしますと、地方交付税につきまして何か対応はできないかというようなおぼろげながらの私の感じでございますが、その点は結構でございますから、何かもう一歩前進した担保的な制度というものを考えられないか。概括的で結構でございますが、大臣の御所見を聞きたいと思います。
#158
○国務大臣(近藤鉄雄君) 先生から大変重要な御指摘がございました。私ども、民間企業の方々には法定雇用率を設定いたしましてこれを守っていただく、守っていただけない場合には納付金の徴収、そしてまた公表ということを講じてきたわけでございますが、まさに率先垂範でなきゃならない官公庁において雇用率の達成が十分でない。実は、非現業機関で特に都道府県が雇用率が低い。現業機関の場合には大体いい線をいっているようでございます。いろいろこれは理由があって、例えば学校の先生が中に相当いらっしゃるんで制約があるだとか、それから官公庁の場合にはいわゆる任用試験がございますからそこが民間とは違うという面もございますが、そうはいっても民間が一生懸命やっていらっしゃるのに政府や地方自治体がおくれておるのは決していいことじゃない。
 ただ、といっても例えばお役所に罰則を科すとか何かそういうこともいささかきついのかな。そういうことでございますので、やはりこれはまさに役所たる者率先垂範でなきゃならないわけでありますから、私ども労働省の方で関係機関に、公表の前にいちいろ実態を調べてそして御協力していただかなきゃならないところについてはむしろ勧告を申し上げ、場合によっては私労働大臣が直接いろいろお願いをするという形で、役人の中の話でございますから、もっと自主的に、いわばお役所の一つの良識にお訴えしてこうした雇用率の達成を図っていただく、そういう努力をひとつこれから着実に進めさせていただきたい、かように考えております。
#159
○田辺哲夫君 終わります。
#160
○中西珠子君 障害者の雇用促進の分野における労働省のこれまでの大変な御努力にもかかわりませず、一般の民間企業の障害者実雇用率は一・三二%にすぎない。法定雇用率一・六%にはるかに及ばない。もだ、雇用率の未達成企業の割合というのはもう半数近い四八・二%だそうでございますが、これを産業別に見ますと、どのような産業で雇用率未達成企業が多いのか、その辺の調査がございましたらお教えいただきたいと思います。
#161
○政府委員(征矢紀臣君) 御指摘の産業別に見ますと、卸売・小売業あるいは飲食店、金融・保険、不動産業など、一般的に三次産業において雇用改善がおくれているという実情でございます。
 この理由といたしましては、雇用される障害者数は全体として増加しているわけでございますが、常用労働者の増加の伸びが大きいために実雇用率が追いつかないという面がございました。それから、二点目といたしましては、これらの産業は対人業務を主体といたしましておりまして、これに見合った社会一般の認識がまだ十分に成熟しているとは言えない状況にあったのではないかというようなこともございます。また、これまでの実績から、障害者雇用のノウハウが少ないこと、そういうようなことが主な点ではないかというふうに考えられるところでございます。
 私どもといたしましては、平成元年度から、特に雇用率の低い卸・小売業、飲食店等に属する企業に対しまして第三次産業雇用率達成促進会議というようなものを開催いたしておりまして、今後とも雇用率を達成した企業からの雇用改善の経験あるいは雇用ノウハウの提供、障害者の採用についてのアドバイス等を行うことによりまして具体的な取り組みを強化させるべき強力な指導援助を行ってまいりたいと考えておるところでございます。
#162
○中西珠子君 理由も分析されて、そしてどのような指導を行っているかもあわせてお答え願いましたけれども、それでは規模別に見ますと、一般の民間企業における障害者雇用の状況はどのようになっておりますか。大企業ほど未達成企業の割合が多いというふうに聞いておりますが、それはどのような理由によるのか。どのように分析していらっしゃいますか、あわせてどのような指導を行っていらっしゃるか、お教えいただきたいと思います。
#163
○政府委員(若林之矩君) 規模別の障害者の雇用状況でございますけれども、全体は一・三二でございますが、規模の大きくなるに従いまして実雇用率が低くなりまして未達成企業の割合も高くなるという状況でございます。千人以上をとりますと一・一六%という状況でございます。
 こういうような規模の大きいところで未達成企業の割合が大きいという理由につきましては、大企業におきまして組織が大きいということで企業のトップが、この問題についての理解が、どう思っているかということが大変大きな影響力を持つと思うのでございます。そういう面では、やはりトップの認識が必ずしも十分でないというところにおいて達成がなされてないということが一つ理由として挙げられようと思います。
 また、これもやっぱり組織の大きさということにもかかわると思いますけれども、障害者雇用を推進する社内体制の整備がおくれているということが考えられるわけでございます。労働省は、雇用率の低い大企業に対しましては、雇い入れ計画適正実施勧告制度を厳正に運用いたしまして、公表を前提とした指導を実施いたしてまいりました。また、公表の対象とならない未達成の大企業でございましても、不足数の多い企業につきましては企業トップヘの個別指導を行ってまいりました。
 こういったようなことで、大企業を中心にいたしまして強力な個別指導を進めてまいっているところでございます。
#164
○中西珠子君 産業別にも、また企業規模別にも一層強力な指導をやっていただきたいと思います。
 一方、障害者の職業能力の開発についてはどのような対策を今推進し展開していらっしゃいますか、お伺いします。
#165
○政府委員(若林之矩君) 障害者の能力開発の問題でございますけれども、一つはやはり公的な職業訓練でございまして、障害者職業訓練校を中心にいたしました訓練を行っておるわけでございますけれども、精薄につきましても県の職業訓練施設でこれを専門に行っているところもございます。また、今後は精神障害者の能力開発というものも大きな課題でございまして、平成四年度からそれに取り組むことにいたしております。
 こういったような公的な職業能力開発に加えまして、民間企業のお力をいただいての能力開発を進めているわけでございまして、これは先生御承知の職場適応訓練制度でございます。こういった民間の企業のお力をいただいて、現場で指導員がついて訓練をするというようなことをいたしておるわけでございます。状況に応じましては、生活指導員などを派遣しながら訓練をするというようなことも行っておるところでございます。
 また、第三セクター方式で、精神薄弱者の方については能力開発センターというようなものを設けまして、こういったところで訓練を実施している、そういうことで公的な訓練、民間の訓練、こういったものを多様に展開いたしておりますけれども、今後ともやはり御指摘のように、能力開発を強力に進めていくということが大きな課題であるというふうに考えております。
#166
○中西珠子君 障害者の職業能力開発のために、いろいろな訓練施設並びに訓練の方法を展開していらっしゃるわけでございますが、その情報をどのように伝達なさいますか。身体障害者の人たちにはこう、精神障害者の人たちにはこう、精神薄弱の人たちにはこう、こういうふうな能力の開発のチャンスがありますよ、そこで大いに訓練すれば、あなた方は収入の得られるような雇用の機会も得られますよと、こういうふうな優しい啓発宣伝というものは、どのような機関を通じて、どのようなメディアを通じてなさっていらっしゃいますか。
#167
○政府委員(若林之矩君) 句と申しましても、私どもの職業安定所、ハローワークにおきまして専門の職員がおりまして、ケースケースでお世話をいたしておるわけでございますので、その窓口でそういったような情報を提供いたしております。また、場合によりましては安定所長の指示でそういったような訓練校に行っていただく、そしていろいろな手当てを受けながら訓練するというようなこともいたしておるわけでございます。それから、地域の職業センターというのがございまして、これは学校などとも連携をいたしまして活動いたしておるわけでございます。この地域のセンターでも、個別においでになる方につきましてはそういった情報を提供いたしますし、学校とも連携をして、学校を通してそういったような情報を提供していくというようなこともいたしております。
#168
○中西珠子君 それから、そのような身障者並びに精神薄弱者、また精神障害回復者などに対する職業能力の開発というふうな面で、やはり指導する専門の職員の訓練というものは非常に大事じゃないかと思うんでございますね。そういう人たちの訓練というものは今どのようにやっていらっしゃいますか。また、その人たちが既に訓練を受けていても、また新たなる機器の開発とかいろんなこともございますので、そういう人たちの再訓練のため、再研修のための機関、施設というものは、今も持っていらっしゃいますけれども、これから先どのようにやっていこうとお思いになっていらっしゃいますか、お教えいただきたいと思います。
#169
○政府委員(征矢紀臣君) 御承知のように、法律に基づきまして職業リハビリテーション体制、これを一元化いたしまして、ただいまお話し申し上げましたように各都道府県に職業センターを設置する、あるいは広域的なブロックでのセンターの設置、それからそれを統括いたします形で、昨年千葉県の幕張地区に職業総合センターを設置いたしたところでございますが、この総合センターにおきまして、ただいま各地域におきますセンターにおる、例えばいろんな相談をするカウンセラーの方等の研修、これを実施しよう。これは昨年発足いたしたばかりでございまして、これからの課題でございますが、そういうことで研修制度を充実し、必要に応じて研修をする体制をとっていく、こういう考え方をしているところでございます。
#170
○中西珠子君 今度批准案件としてお出しになっておりますILO百五十九号の障害者の職業リハビリテーション及び雇用に関する条約におきまして、第八条、第九条に「障害者の職業指導、職業訓練、職業紹介及び雇用に関する事業を担当するリハビリテーションのカウンセラーその他の適当な能力を有する職員を訓練すること並びにこれらの職員が利用されることを確保するよう努める。」と書いてございますね。ですから、これを批准なさるわけでございますし、私どもこの批准案件賛成でございますから、大いに労働省にやっていただきたいと思うわけでございますが、こういった人たちの訓練並びにまた障害者がその人たちのノウハウ、それから知識、そういったものを利用させていただくというふうなことが大事だと思いますので、その点に関するやはり宣伝というか、周知徹底ということをよろしくお願いしたいと思いますが、大臣いかがでございますか。
#171
○国務大臣(近藤鉄雄君) 今征矢部長から話があったわけでございますけれども、障害者の方々が健常者と同じような、言ってみれば生産性を上げていただけるために能力開発の面でのいろんな工夫も必要であれば、またお使いいただく設備、機械、これがそういった方々に適応するような、操作ができるものにしていく。私は、それなりにお金のかかることであると思いますけれども、こういったところに対しては政府はお金を惜しむべきじゃないんで、そういった能力開発、またそういった方々に適するような機械の研究開発、今の我が国のハイテク技術を駆使してやればいろんなものができると思うんです。そういうことをぜひひとつ国としてやらしていただいて、そして繰り返し申しますが、ノーマライゼーションで、一般の方と同じような仕事をして同じような収入を上げていただくということを何としてもこれまで以上に実現できるように努力をしてまいりたい、こういう考えでございます。
#172
○中西珠子君 ただいま審議しております身体障害者、それから精神薄弱者等の障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案、この中には、労働大臣が障害者雇用対策基本方針をお定めになるということになっておりますけれども、その具体的内容というものはどのようなことをお考えでいらっしゃるんでしょうか。
#173
○政府委員(征矢紀臣君) 御指摘の障害者雇用対策基本方針につきましては、具体的には障害者雇用審議会あるいは都道府県知事の御意見を聞いた上で定めるという手続になっております。
 内容といたしましては、障害者の雇用促進及びその職業の安定を図るため講じようとする施策の基本となるべき事項をこれで定める、国が障害者雇用対策を推進する上での基本方針を明らかにするということが第一点でございます。二点目といたしましては、障害者の障害の種類及び程度に応じた雇用管理を適正に実施するために必要な指針となるべき事項を定めることといたしておりまして、具体的にはこの法律が成立いたしました段階で私ども事務的に案をつくりまして、ただいま申し上げましたような手続で進めてまいりたいと考えております。
#174
○中西珠子君 障害者雇用対策基本方針をおつくりになるのは大変結構でございますし、それに基づいて大いに障害者の雇用の促進というものを図っていただきたいわけでございますが、大臣はいろいろな関係方面の意見を聞きながらやっていくということになっているらしいのでございますけれども、大臣の御抱負をちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#175
○国務大臣(近藤鉄雄君) 今度の法律改正は、従来以上にむしろ重症障害者の方々の雇用機会を積極的に開いていこう、こういうことで例えば雇用率にダブルカウントするとか、いろいろなことを考えているわけでございますが、繰り返しますけれども、そういう形での障害者の雇用促進というものを労働行政の大きな柱にしてこれから努力をしてまいりたい。
 最近、例えば公民館に参りましても、車いすで入れるようにスロープができておったり、それからトイレなんかも車いす用ができてきておりますね。新幹線なんか乗っても、そういう車いすでのトイレで、スペース的には多少むだなような気がしないでもないんです、率直に言って。ただ、私はああいうのを見て思うんですけれども、経済大国というとちょっとあれですが、これがまさに言ってみれば社会のゆとりだと思うんですね。そういう方のための多少スペースを余計とってもトイレがあるとかスロープがあるとか、そういういろんな施設ができていることがやはり国民全体の障害者の方々に対する思いやりであり、社会全体のゆとりだというふうにも思っておりますので、労働行政の面もさることながら、全体の社会的な雰囲気づくりにこれから私たちは努力していかなければならない面があると考えております。
#176
○中西珠子君 どうもありがとうございました。
 労働大臣の御決意も伺いましたし、また、労働省が今回の法改正案に盛り込んでいらっしゃる対策も大変に積極的で、そして前向きで相当思い切った対策を打ち出していらっしゃいますので、私は高く評価しているわけでございます。
 今も労働大臣が図らずも御指摘になりましたように、労働省が一生懸命になって障害者の雇用の促進のために確固たる決意を持ってなすっていても、やはり社会全体の理解と協力というものが必要ですし、また、他の省庁との協力というものが必要です。障害者の雇用の改善のためには障害者が持っている能力を伸ばさせていただいて、そしてそれを使って働かしてもらう、一般雇用の場を得てやっていって、生きがいを感じて、そして社会人として障害のない人たちとともに完全な参加それから平等、そしてノーマライゼーションの社会というものを形成していくためには、総合的な施策、体系的な施策、それは一遍にはできませんけれども、段階的にそれを追求して実現していただきたい、このように考えるわけでございます。
 今、図らずも大臣がおっしゃいましたように、いろんな公共建築物、それから民間の建築物もそうでございますけれども、そういったものに障害者が利用しやすいような設備をっくってあげるということ、それからまた雇用という問題を考えてみましても、自分の住宅から雇用の場に行く移動の手段、交通の手段、こういったものも大変大事なわけでございます。それから歩いていくとすると、道路、その道路には歩行橋というんですか、横断するために階段を上って、またおりなきゃならないというのがございますね。それから信号の問題もありますし、もう障害者が雇用の場に行き着くまでにいろんな障害があるわけでございます。そういった問題に対して、また生活の場というものも障害者に適したような住宅でなけりゃならないわけでございますが、そういった総合的な施策というものを推進していく上で、総理大臣を本部長とする障害者対策推進本部というのがあるそうでございます。
 それぞれの省庁におきまして、例えばけさ運輸省からのお話がございまして、大変よくやっていらっしゃると思ったわけでございますが、運輸省が障害者のためになすっているいろいろの御努力、交通関係、駅の関係、そういったものの御努力の目標の達成度というのはどのように考えていらっしゃいますか。運輸省の方、いらしておりますか。
#177
○説明員(浅井廣志君) お答え申し上げます。
 先生、先ほど御指摘をいただきましたとおり、現在私ども交通ターミナルのガイドラインというのをつくりまして、これに基づきまして鉄道駅等の施設の改善、それから公共交通機関の車両構造に関するモデルデザイン、これに基づきまして車両の改善といったようなことを進めているわけでございます。
 現状でございますけれども、これは国連の障害者の十年が始まりました昭和五十七年、それと私どもデータがございます平成二年と比べてみますと、例えば駅におきますエレベーター、エスカレーターの設置状況がございますが、平成二年度には九百四十駅ということで、五十七年に比べますと約二倍ということでございます。それから身体障害者用のトイレでございますが、これは千二十四駅ということで、こちらは二・四倍ということでございます。それからバスでございますが、これは床が低くて乗降口が広いといったようなバスでございますが、こういうバス車両が約四万両ございまして、これは一・六倍、こういうような状況に相なっているわけでございます。
#178
○中西珠子君 このガイドラインに従っていろいろ改良がまだできていない駅につきましては、どのような対応をなすっていますか。
#179
○説明員(浅井廣志君) 例えば、駅につきましては改良でございますとか、それからもちろん新設の駅につきましてはエレベーターとか、先ほど申し上げましたような障害者施設を整備するように事業者を指導いたしております。また、その際に、財政投融資でございますとか、あるいは地下鉄の補助といったような助成制度も活用して、そのような整備が促進できるように対策を講じているところでございます。
#180
○中西珠子君 駅員に対しては何らかの指導をしていらっしゃいますか。
#181
○説明員(浅井廣志君) 先ほども御説明しましたが、まだ鉄道駅の整備は必ずしも十分ではないわけでございますので、これは私ども事業者を通じましてお願い申し上げているわけでございますが、そういう施設が完全に整備されていないといったようなところにつきましては、できますれば事前に駅の方に御連絡をいただければ、可能な限り駅員の方で介助をするとかいうことで対応させていただいている、このような状況でございます。
#182
○中西珠子君 非常に経費もかかることですし、いろいろ難しい問題もあると思いますが、どうぞ一層この政策を推進して実施を図っていただきたいと思います。
 次に、建設省にお伺いいたしますが、道路の問題でございますけれども、欧米諸国では歩行橋なんというのがなくて、むしろ地下にスロープで入っていきまして、そしてまたスロープで上がるというふうな地下道がたくさんできていて、そして身障者が車いすで行くにも難しくないという道路もできているわけですね。ところが、日本ではなかなかそういうわけにもいきませんで、階段がいっぱいあるようなものがありますし、信号の問題、信号は警察だそうでございますけれども、信号の問題とかいろいろあるわけでございますが、どのように建設省としては御指導になっているか。また、公共建築物、それから民間の建築物についても、障害者が利用しやすいような御指導をなすっていると思うわけでございます。
 それからもう一点は、障害者のための公共の住宅というものをおつくりになる計画がおありになるかどうか。それからまた、住居が急に障害者が出たために改造しなきゃいけないなんというときに、改造の資金もないというふうなときに、ローンのような制度なり、援助をする何かの仕組みがあるかどうか。そういった点について御説明いただきたいと思います。
#183
○説明員(松浦i君) 障害者に対する道路整備上の配慮についてお答え申し上げます。
 建設省といたしましては、障害者の方々が一般の人と変わらないような安全で快適な生活を営めるように、障害者等の利用にも配慮した道路整備を進めることが重要であるというふうに認識しております。このため、道路の整備に当たりましては、障害者等の利用にも配慮いたしまして、車いすが楽に通行できるような幅の広い歩道、それから歩道の段差の切り下げ、視覚障害者誘導用ブロックの設置、電線類の地中化による電柱の撤去、それから障害者が利用しやすいような駐車場の整備、また横断歩道等の立体横断施設へのスロープの設置というようなものを推進しているところでございます。
 特に、先生今御指摘いただきましたように、立体横断施設のスロープの設置につきましては、障害者の車いす利用にも配慮いたしまして、スロープをできるだけ緩やかなものにするように努めておりますが、また必要に応じてエレベーターとかあるいはエスカレーターとかいった昇降装置の設置を心がけております。また、建築物から直接利用できるような立体横断施設、ペデストリアンデッキのようなものでございますが、こういったものの整備にも努めております。
 このように、障害者等が安全かつ快適に利用できる立体横断施設の整備を一層推進することとしておりまして、さらに地域の状況によっては、横断歩道ではなくて、先ほど先生御指摘ありましたように、地下横断歩道としても整備を推進していきたいというふうに考えております。今後とも、障害者等が安心して快適に利用できる道路の整備に努め、人に優しい道づくりを推進してまいりたいというふうに考えております。
#184
○説明員(梅野捷一郎君) ただいま御質問の中に建物の関係あるいは住宅の関係がございましたんですが、建物というものが障害者にとりまして、快適な生活をしたり、いろんな面で当然重要でございます。そのために、いろんな事業とか融資制度とか、そういうことでいろんな施策を建設省としても講じているわけでございますが、全体を通じまして建物については、その用途とか障害者の障害の種別というようなものによりまして、かなりきめ細かく配慮する必要があるというようなこともございまして、設計とか計画をされる方々にきちんとしたノウハウを持って個々の条件に合った設計をしていただくということが非常に重要だというふうに考えておりまして、そのために障害者に配慮した建築設計指針というようなものを中心に置きまして、そういう方々にそういう情報、ノウハウを十分持っていただくということを積極的にやっているわけでございます。
 そのほか、一般の民間建築につきましても、全体にわたりましていろいろな配慮をした建物というものをつくっていただくための助成といたしまして、誘導といたしまして、ハートフルビルというような名称をつけておりますけれども、そういう形で特に建物全体を対象にした融資制度もことしから設けまして、そちらの面からも促進をしようというふうに考えているところでございます。
#185
○説明員(中澤守正君) 公共住宅関係について御説明をさせていただきます。
 まず、公共住宅における身体障害者の方に対する入居についての優先の制度でございますが、これにつきましては、まず入居の資格としまして、一般的には同居親族のあることということでございますので、お一人では入れないことになっておりますけれども、身体障害者の方の場合につきましては、特に居住の安定を図る必要がございますので、お一人の場合でも入居できるようにしております。また、なかなか適当な住宅がないということもございますので、公営住宅の場合には特定目的の住宅として供給しております。過去、約一万五千戸ほどの供給実績がございます。それとともに、入居者の選考に当たりましては、新築であるとか、空き家等の場合でございますが、優先的に取り扱うような事業主体への指導を徹底しておるところでございます。
 また、設計等における配慮でございますが、まず身体障害者、高齢者等が生活しやすいように配慮した住宅を供給するために、平成三年度より公営住宅、公団住宅あわせてでございますけれども、例えば屋外通路部分におけるスロープであるとか手すりを設ける。また住居内におきましても、浴室等に手すりをつくるというようなこととか、また住居内における段差解消、敷居等の段差がございますから、そういうものを解消することを一般的な施策として実施しております。また、中層については従来エレベーターをつけておらなかったわけでございますが、身体障害者等がお入りになるものについてはエレベーターもつけるようにしております。
 その一般的な措置のほかに、特に障害者向けの公営住宅につきましては、例えば入居者が決まってからその方の体の状態に合わせまして、浴槽であるとか便器、それから流しの高さなどを決定するような設計方式でありますとか、可動式の設備、それから増改築が容易に行えるような、そういうような設計方法等も取り入れるよう事業主体を指導しておりますとともに、必要な資金について補助金の増額等を行っておるところでございます。
 以上でございます。
#186
○中西珠子君 けさもちょっと厚生省の方に西岡委員から御指摘がございましたけれども、私も大変これ気にしているところでございまして、厚生省のやっていらっしゃる福祉施設としての授産所で大変技能も磨かれた、そして一般的な雇用の場を得たいと思う人に対して厚生省はどのような対応をなさいますか。労働省と大変緊密にタイアップしていただいて安定所の方に回すとかそういうことをしていただきたいというのが私の願いなんです。その点についてちょっと、けさほどは余り芳しいお答えではなかったんですけれども、もっといいお答えをください。
#187
○説明員(松尾武昌君) 障害者に対します福祉の措置につきましては、各地方公共団体に置かれております福祉事務所が窓口となっております。障害の状況によりまして、障害者の方のニーズに適切に合った措置を行っているところであります。この場合、一般雇用の可能な障害者につきましては公共職業安定所への紹介を行って雇用の促進に努めているところでございます。
 それから、雇用につくことの困難な障害者につきましては、これらの障害者を対象とした授産施設というのがございます。障害者……
#188
○中西珠子君 それはいいんです、わかっているんです。
 もう一つ、最後に一つだけ。
 内閣総理大臣を本部長とする障害者対策推進本部が設置されておりますけれども、この設置以来、何回ぐらい会合をお開きになりましたか。また、障害者対策というのは、各省庁の総合的な施策が必要ですし、そしてそれぞれの行っていらっしゃる施策の総合調整というものも大変重大だと思うわけでございますので、今後もこの推進本部は重大な役割をお果たしになるものと考えるわけでございますが、今後の見通しについてと過去の会合についてちょっと御説明いただきたい。国連障害者の十年が終わったから、もうこれは廃止ということではないでしょうね。
#189
○説明員(柏崎澄雄君) 御説明をさせていただきたいと思います。
 障害者対策推進本部は、障害者対策に関します長期計画に係ります諸施策につきまして、その推進を図るために、昭和五十七年に閣議決定により設けたものでございまして、関係の十九省庁から構成されているところでございます。
 この本部会議自身は、節目節目に基本的な方針を定めるべく開催をさせていただいているところでごぞいまして、総理府はその庶務をいわば担当いたしているわけでございますが、国連障害者の十年の中間年の昭和六十二年には、国連障害者の十年の後期において重点的に取り組むべき施策というものを決定いたしますとともに、ことしか最終年でございますので、昨年の八月には、中央心身障害者対策協議会から最終年に向けての意見具申というのを賜りましたもので、本部会議におきまして、この意見具申を十分尊重し、これを踏まえて最終年に向けて施策の推進を図るという旨の方針を決定しているところでございます。このほかに課長レベルの会合もいたしております。
 今後の本部のあり方につきましてでございますが、先ほども申し上げました中央心身障害者対策協議会、ここにおきまして国連障害者の十年終了後のあり方についての検討が始まったところでございますもので、これらの検討の結果等を踏まえながら、障害者対策が一層推進されますよう、障害者対策推進本部の継続のあり方も含めまして検討してまいりたい、かように現時点では考えている次第でございます。
#190
○中西珠子君 どうもありがとうございました。
#191
○山中郁子君 けさほどからそれぞれのお立場から議論がございましたが、今回のこの法改正について、それ自体私は改善の部分を認めることにやぶさかではありませんが、一番大事なことは、障害者の十年の最終年に当たり、そして国際障害者年あるいはその十年が掲げた理念と具体的な目標、そういうものに照らして、余りにも不十分ということ、まだ足りない、抜本的な充実策が今求められているのが現状だと思わざるを得ません。
 それで、その具体的な抜本策も含めた政府の見解をまず初めにお伺いをしたいんです。
 それは、幾つかいろんな問題が、経過がありまして、こういう法律もできて、何回かそれも少しずつ改正されたり前進したりしてきたということは政府の今まで折に触れておっしゃっていることでありますし、ある面から見ればそういうことはあるんだけれども、国連の世界人権宣言あるいは障害者の権利宣言、そして国際障害者年の世界行動計画あるいはアメリカで制定されました障害者に対する一切の差別を禁止するアメリカ障害者法、こうしたさまざまな国際的な目標あるいはレベル、そういうものに照らして日本の実態が余りにもおくれている。それは、今申し上げましたものに照らしておくれているというだけではなくて、現実に障害者と言われる方たち、障害を持っている方たちが切実に要望している施策からほど遠いものだというこの現状認識を、私はぜひとも労働大臣に、内閣として、政府としての立場でまず明らかにしていただきたいと思います。いかがでしょうか。
#192
○国務大臣(近藤鉄雄君) ことしか国連障害者年の最後でございますが、十年の間にいろいろな施策を内閣が中心にやってまいったわけでございます。先ほどもちょっと申しましたけれども、今いろいろ地方に行っても、公民館やいろんな体育施設にしてみても、そういった車いすで御利用できるような施設ができておりますし、私は障害者に対する世間の関心、理解、思いやりが、先ほど山東先生からお話がございましたけれども、十年前と違って明るくなって、私は前向きになっていると思っているわけでございます。
 たびたび申しておりますように、雇用率の問題についてはまだ若干問題が残っておりますし、さらにいわゆる身体というか、精神薄弱者の方とか、精神障害がおありになって回復された方々に対する雇用の機会をどうするんだといった問題が残っておりますので、今度こういう法案をお出しして、ぜひ通していただきたい、こう思っております。
 また一方、ILO条約につきましても、障害者の職業リハビリテーション及び雇用に関する条約、百五十九号条約を今国会で批准していただく。こういう形で国際的な視野を持ちながら、さらに一層障害者対策を推進していきたいというのが私ども内閣の考えであり、労働省の考えでございます。
#193
○山中郁子君 もう少し端的にお答えいただきたいと思うのですが、私はやはり障害者、この法案に照らして、また当委員会の審議の任務に照らして、ある意味で限定して申し上げてもいいんですが、障害者の雇用の問題に関して言っても、日本の当事者、つまり障害を持っている方たちの切実な要求に照らして施策は余りにも不十分である。そしてまた、それは国際的なレベルないしは掲げられた理念に照らしても余りにも初歩的である。ここのところを抜本的に前進させ、改善することが今非常に求められている重要なことなのだという点についての認識はお持ちでしょうか。私と意見一致しますか。そこだけちょっと端的に教えてください。大臣に伺っています。
#194
○国務大臣(近藤鉄雄君) また局長から答弁させますが、私は基本的な考え方は山中先生と全く同じであります。
#195
○政府委員(若林之矩君) ただいまのお話でございますけれども、日本の障害者雇用対策をめぐります制度、これはこの十年、いろんな形での充実が図られてまいったものでございます。そしてまた、なかなか障害者の雇用対策の国際比較というのは難しいわけでございまして、それぞれの国のいろんな慣行の中でできてきておりますから比較は難しいというふうに考えられますけれども、OECDなどの場でのこういった議論におきまして、やはり日本の現在の障害者雇用率制度、納付金制度等を中心とします日本の障害者のリハビリテーションシステムというものは、これはまた評価を受けている点があるわけでございまして、なかなか一概に我が国が制度的に立ちおくれているとか一言うことは私は難しいんじゃないか、なかなか比較の難しい問題じゃないかというふうに考えております。
#196
○山中郁子君 私は日本の施策のどれ一つも小指のつめの先ほども評価されているところがないなどとは申し上げていない。私がお聞きしたことは先ほど大臣が答弁してくださったのでそれで結構でございます。私はそういう政治家としての見解を、認識を伺いたかったわけです。
 続きまして、今のそういう実態というのは政府自身が認めるし、労働省自身だって認めていることなんです。局長は今いろいろおっしゃって、おくれているところもあるけれども進んでいるところもあるんだよというふうなニュアンスでもって全体をならそうとなさっているけれども、そうではない抜本的な問題があるんだということが私が今申し上げている基本ですから、そのようにお聞きください。
 例えば、こういうことについては政府自身が、労働省自身が雇用率の問題なんかについても調査して報告を出していらっしゃる。平成三年度における雇用率未達成企業に対する指導結果についてという文書が三月十日に発表されております。この中にもかなりはっきり、今私が申し上げた具体的な内容についても労働省自身が認識をされてそれを発表していらっしゃるわけなので、そこの概要をお示しいただきたいと同時に、労働者千人以上の大企業ほど実雇用率が低いということが明らかになっているんで、そういう点の御認識をお伺いいたします。
#197
○政府委員(若林之矩君) 企業の雇用率の現状につきましてはただいま先生御指摘のとおりでございまして、全体の雇用率は一・六に対して一・三二でございますが、大企業、例えば千人以上の企業をとりますと一・一六でございますし、未達成の割合も、全体では四八・二%ですけれども、千人以上でございますと八二・一ということでございますから、大企業を中心として雇用率の達成状況はまだなお問題があるという認識は私ども持っているところでございます。
#198
○山中郁子君 労働省だけではありませんで、総務庁の行政監察局の身体障害者の福祉・雇用に関する調査結果報告書でもこの問題については指摘を受けているはずでございますので、その点の御認識もお伺いいたしたい。
#199
○政府委員(征矢紀臣君) 私どもといたしましては、従来から障害者の雇用問題、これを最重点政策課題といたしまして取り組んできたところでございますが、御指摘のように総務庁からの改善意見が出されました。事業主に対する指導が必ずしも十分でなかった点につきましての御指摘がございまして、それに対する対策といたしまして、障害者の雇い入れ計画作成命令の発出基準の見直しとか、あるいは雇用率の低い大企業のトップに対する局長名の障害者雇用の要請文の発送とか、あるいは不足数の多い企業に対する本省幹部によります直接指導等によりまして、雇用率未達成企業に対する指導の強化を図ってきたところでございます。
#200
○山中郁子君 企業規模が大きくなるほど実雇用率が低く、雇用率は未達成企業の割合が高くなる傾向が見られるということも明らかに指摘されておりますし、そのほか私の方から申し上げる時間はないのですが、この辺の受けとめ方はきちんとされているはずなんですけれども、対応を直ちにどういう形でされているかという、その辺の認識と対応についてお伺いいたします。
#201
○政府委員(若林之矩君) ただいま部長からお答え申し上げたこととあるいは重複するのかもしれませんけれども、大企業を中心にして依然として雇用率が低い、未達成企業の割合が大きいという問題でございまして、まさにそこに焦点を当てて雇用率の達成指導を進めてきておるわけでございます。
 一つは、百十三企業を対象にいたしまして、公表を前提とした雇用率の達成指導というのをやったわけでございます。そして、この指導の結果、平成二年六月一日にはこの対象企業の平均が〇・四五%でございましたけれども、平成三年十二月一日には一・二九%ということになったわけでございます。今後とも私どもは、大企業を中心にしてこういった雇用率の達成指導の厳正な指導を進めていくというふうに考えているところでございます。
#202
○山中郁子君 ちょっとこれは基本的な、本質的なこととしてお考えいただきたいのですけれども、これは法律で決められているわけですよね、雇用率が。それが未達成であるということが再三問題になって、それで労働省自身もそのように、先ほどあなた方が認識されたような報告もまとめなきゃいけない、あるいは総務庁からもそういう監察結果の報告がされる、勧告がされる。これは私は、法治国家である以上、企業も法定義務は当然持っていて、その企業に課せられた義務なわけでしょう。法律による法定義務なわけですね。もし普通の個人が法律を守らないで、それてそのまま社会生活を続けていくということになったも、日本というか、国のルールというものは、秩序というものは根底から崩壊していくわけですよね。
 そういう意味で、私は多くの企業が達成していないということは、企業によってこの法定が大きく破られているというか、法律が機能し得ていないという実態を今つくり出している。だからそこの問題は、労働省が監督官庁であるという立場からいうと、労働省の任務というのは非常に重要だと思うのです。
 それで、私の質問に対する御答弁だけじゃなくて、けさほど来からもいろいろお話があったんだけれども、私は端的に言えばなまぬるいと思うんですよ。ですから、法定雇用率に達してない――法定雇用率がそれで適切かどうかというのはまた話は別な問題で、これはまたいろいろ議論がありますけれども、少なくとも現在の法律で決められているものが達成できないものは、社会的責務に照らしてきちんとした公表をしてそれで反省をしてもらう、そういうことに踏み切るべきではないかと思います。少しずつ少しずついろんな迂遠な方法をとって、それでこれでも前進していますよとおっしゃるんじゃなくて、もうここのところは本当に一歩も二歩も踏み込んで、法で決められたものを守るのは個人に課せられている、やっぱり個人個人の立場で言えば法律を守らないことは許すことのできない姿勢なんですよね。だから、その法律を守らなきゃいけないというそういう立場に立つならば、企業はちゃんと法律を守る。守らない場合には、この人はもうこういう法律を守らないんですよ、この企業は、ということで反省を促すというための公表、それに踏み切るべきだと思いますけれども、その点の踏み込むお考えがおありかどうか、伺います。
#203
○政府委員(若林之矩君) この法律に基づきます雇用率制度と申しますのは、企業の障害者雇用に関します社会的な責務というものでございますから、これは当然守っていただくべき事柄であることは申し上げるまでもないことでございます。これにつきましては先生も御承知のとおり、法律で雇い入れ計画の作成というものを命令する、そしてその実施状況が悪いところについては適正実施勧告をする、そして再度特別指導をしても正当な理由がなく改善されないというところは公表をすると、こういう一つの手続が踏まれているわけでございます。
 公表しての社会的な制裁でございますが、公表が目的ではございませんで、あくまでもこれは雇っていただくということが目的であるわけでございます。そしてこの法律は、こういった段取りを踏んで雇用を進めていくということでございますから、私どもはやはりこの手続を踏んで厳正な雇用率指導を進めていきたいというふうに考えておりますし、先ほど来申し上げましたように、公表というものを前提として厳正な指導を進めております結果が、先ほどのような格好で進展をしているということが数字にもあらわれているわけでございますから、今後そういった基本方針で進めていきたいという舎つに考えております。
#204
○山中郁子君 そうしていらしても遅々として進まないというところの実情をあなた方も認識されて、御自分のところで文書に出しているとおりではないかということを私は申し上げております。同じことは繰り返しませんが、そこのところの認識は、一番最初に大臣がおっしゃったように、今非常におくれている現状だということにお立ちになるならば、もっと抜本的に発展させる行政の指導、立場が必要ではないかということを申し上げます。
 これは関連しますけれども、納付金制度です。いわゆる大企業等は納付金を納めることによって免罪符にしているという、そういう結果が私はやっぱり生み出されていると思うのです。これは非常に誤った考え方になるし、また社会通念を生み出すことになってはならないと思う。つまり障害者の就労ですね、障害者の自立、生きていく上での雇用促進でしょう。それをお金で買えるわけだから、お金によってそれを買えちゃうわけでしょう。それでもって自分たちはもう責務を果たしたんだと思わせるような役割をこの納付金制度が果たしているという現状に、私は真摯に目を向けていただきたい。
 具体的にどうするかということは、労働省の方の御見解もあればお伺いしたいんですが、納付金制度というものもそれなりに金額を引き上げでさらに有効なものに、つまりそういう納付金を納めるぐらいならその企業もちゃんと障害者を雇用するということの方が、実際問題としても自分たちの企業にとってその方がいいと思わせるように納付金自体の額についても考えるということもありましょう。しかし、私はもっと大事なことは、そういうふうにして納付金でもって事足れりとすること自体は本来のこの法律の精神にもとっているわけだから、つまり障害者の雇用を促進する社会的な任務に照らして企業はその障害者を雇用するという、それにもとっているわけだから、納付金によって免罪するのではなくて、そういう雇用率達成の上で問題のある悪質な企業に対してはペナルティー、いわゆる本当の純粋の意味での罰金ですね、そういうものを科すような考え方、そういうものに発展させていく必要があるんじゃないかと思うんですが、大臣の御見解をお伺いいたします。
#205
○国務大臣(近藤鉄雄君) 先生の御指摘よくわかります。ですから、納付金が今五万になっていますけれども、これを十万だ二十万だと、まさにもうある意味じゃペナルティー的に上げていくということも一つの考えかもしれません。
 ただ、障害者雇用というのは、法律でぎりぎりゃって罰則でやるのだという形でいいのかどうかという問題が残りまして、もう嫌々ながら罰せられるから障害者雇っているんだと。そこはいいんだけれども、嫌々ながら雇ったものだから端にやっておく、格好だけつけるということもあったら大変ですよね。ですから、多少理想に過ぎるかもしれませんが、やはり御理解いただいて、そしてそういう障害者の方々をしかるべき仕事を考えていただいて、あえて言えば大事に働かせていただけるようなそういう企業でないと、無理やりに割り振って、さあお使いくださいというのはどうかなという気が率直に言っていたしますので、いわゆる社会的な啓蒙といいますか、そういったことがまずなければいけないのではないかということを私たちは考えております。
 したがって、できるだけ世論主導型で、そして公表が目的じゃないんであって、お話ししながら、いよいよ最後に制裁の形で公表させていただく。だけれども、それはあくまで最後の手だと。いわば御理解賜って、大事に障害者の方々をお使いいただけるような、そういうことを何とか進めていきたいというのが私どもの実は苦労するところでございますので、御理解いただきたいと思います。
#206
○山中郁子君 もうちょっと議論したいと思いますが、時間が足りませんので残念です。
 一つの問題として、納付金を納めているから私の方はもうこの問題については責任を果たしたんだということは、障害者の雇用を促進するという本質の上からいって、これは大きな誤りである、そこのところは認識は一致しますね。それは危険な成り行きであるということです。そのことは大臣の御認識はやっぱり一致できるものとして承っておきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#207
○国務大臣(近藤鉄雄君) この問題、お金で済むんだということでは絶対ない、こういう認識でございます。
#208
○山中郁子君 そこで、私は本当の意味でのそれを実行しなかった場合のペナルティーとしての罰金などというこの考え方もあるのではないかと申し上げましたので、そのことについては引き続きしかるべき機会を得て議論したいと思います。
 今、大臣も触れられましたけれども、四角四面で理屈だけではいかない面があるということはこれはもう事実で、それはどなたが一番苦しんでいるかと言えば、当の障害者の方たちが一番苦しんでいらっしゃるわけです。それで私は、特に重度障害者の方たちの就労問題については、本当にもう少し立ち入った実際に解決していくための対策が必要だと思うんです。通勤時間だとか、あるいは通勤のラッシュの中で通勤できない状況だとか、そういういろんな限界があるから多面的な研究が必要だと思います。その場合に、基本は、障害者の方たちを既にある仕事に合わせるのじゃなくて、障害を持っている方たちができる仕事を開発する、こういうことが必要なんです。
 昔から私よく思うんですけれども、足をできている靴に合わせるんじゃなくて、足に合った靴を探すなりつくるなりと言いますね。特に重度の障害を持っていらっしゃる方の場合に、既成のものに当てはめようというところ自体に限界もあるし無理もあるし障害者の方を苦しめる結果も生み出す。だから、そうでない場合だってありますけれども、基本は、本当に障害を持っている方でも人間としてのいろんな才能があるし力があるし能力があるし、それから開発されていくものがあるんだという、この障害者年ないしは障害者の十年の理念に基づけば、それに見合った仕事を開発し、それからそういう地域の作業所なり事業所なりをつくっていく、そういう多面的な開発努力が今非常に求められているし、それが行政が追いつかないためにさまざまな個人的な努力で、親御さんたちの努力でそうしたものが無数につくられるという状況も生み出されているわけなんですけれども、この点についての御見解をお伺いいたします。それと、対応ですね。
#209
○政府委員(若林之矩君) 障害者の方に合わせて仕事を開発していくということは御指摘のとおりでございまして、それはやはり基本ではないかというふうに思います。ですから、私どもの方も障害者の方と企業の方とを結びつけるに際しましては、相当そういうところでその求人の企業の状況などを伺って、ほかの企業でこういうところでこういう方を使っていただいているというようなことをお示ししながら、そしてそういうことをしていただきますとこういうような助成金も使えますというような形でいろいろと人と仕事を結びっけるということをいたしております。そしてまた、企業にもそれぞれの企業の障害者の方に合う仕事を開発していただきたいということをお願いしておりまして、それも基本的には御指摘のとおりだというふうに思っております。
 また、多様な雇用形態というお話がございました。これもやはり障害者の方に合わせていろいろな多様な就業形態があるわけでございます。御質問の冒頭で、通勤等でなかなか難しいというお話がございました。そういった観点からは、やはり在宅雇用といったようなものも一つの解決策であろうかと考えておりまして、そういった面でも私ども納付金制度の適用基準などを明確にしてまいっておるわけでございます。フレックスタイム制度も同様だろうと思います。やはり障害が重度になれば、それに合わせてその勤務形態も多様にしていくということはますます重要性を増してくるだろうというふうに考えておりますから、そういった面での研究もこれからさらに進めていきたいというふうに存じます。
#210
○山中郁子君 養護学校を仮に卒業なさる、こういうところまで来て障害者の方たちが、症状にもよりますけれども、自立していく見通しというか展望というか、そういうものが持てない、希望が持てないという悲痛な声が多くの方たちの共通する気持ちなんです。ここのところを行政が責任を持つというところが問題であろうというふうに私は思います。
 それで、先ほども申し上げましたように、その点での非常におくれがあるということとも相まってでしょうけれども、いわゆる小規模作業所というんでしょうか、自発的にお母さんたちが共同で、親御さんたちが共同でつくるとか、そういう小規模作業所というのが今相当たくさんできているんです。これは、お伺いするところによりますと、厚生省の管轄だということで、ちょっと厚生省の方にお伺いをしたいのですが、これがどのくらいあって、それでこれに対するある程度の助成が行われているらしいんですけれども、それも本当にスズメの涙のような金額で運営費のほんの一部にしかならないという訴えも受けております。で、今後こうしたものに対する助成を強化していく問題、その他についての御見解をお伺いいたします。
#211
○説明員(松尾武昌君) 先生御指摘のいわゆる障害者の小規模作業所でございますが、非常に小さいものから大きいもの、たくさんございまして、正確に厚生省として把握しておりませんが、団体で把握しております地方公共団体が補助している小規模作業所というのがございます。これが全国で約三千カ所というふうに聞いております。
 厚生省といたしましては、先生おっしゃるとおり、まだまだこの補助制度を伸ばしている段階でございまして、一カ所当たり九十万円の補助額でございまして、平成四年度におきましてはこの箇所数を八百五十八から九百八十八ということで百三十カ所増をいたしております。こういう形で、小規模作業所につきましては助成の拡充に努めていきたいと思っております。
#212
○山中郁子君 この小規模作業所自体をどういうふうに解決するかという、解決というか発展的に、より障害者の方々ないしは家族の方々の期待にこたえていくように発展させるかということは一つの問題なんですけれども、今この現状がありますから、私はぜひとも積極的な厚生省の政策ないしは行政上の施策を進めていただきたいと思っておりますが、その辺の御見解をちょうだいいたします。具体的な点は今伺ったからいいんですけれども、考え方として、もう本当に切望されているわけなので。
#213
○説明員(松尾武昌君) 一つの方法でございますが、我々身体障害者福祉法に基づきます適所授産施設というのを持っております。これは定員二十人以上でございますが、こういう形で適所授産施設の法定施設に切りかえていくという指導も一つしてございます。それからもう一つ、分場方式、これは適所授産施設にもう一つ支店を設けますといいますか分場をつくる。これは定員五人以上でございますので、そういう分場方式の中に組み込んでいくという方式もあろうかと思います。
 こういうような法定施設の中に持っていくという方式と、先ほど先生にも御答弁しましたように小規模作業所に対する補助制度の充実というのも図っていきたいというふうに思っております。
#214
○山中郁子君 最後の質問になりますが、私は今この問題について厚生省にお伺いをせざるを得ないわけです。労働省の方にちょっと事前にレクを受けましたら、いやそれは厚生省のことだから厚生省に聞いてくれ、労働省ではわからないと。私はやっぱりこういうところに一つの問題があるというふうに思うんです。そういうことは、それは簡単にえいっというふうに理屈だけでいかないということを私も十八年間国会議員をやらせていただいておりますからいろいろよく知っていますけれども、しかしやっぱりこの障害者年の中で推進本部がつくられ、一元的な対応がどんなに大事かということの認識があってきていることだと思う。
 私自身も、障害者年に先行する形で国連で呼びかけられました国際婦人年あるいは国連婦人の十年、それを身をもって国会の中でも外でも体験して闘ってまいりましたけれども、そういう意味ではやはり一元的な縦割りでない実効ある行政、そういうものを求めていくことが必要で、仮に言うならばいわゆる障害者総合福祉法とでも、そういうものによって大きく前進させていくまず土台をつくることが必要ではないかと考えておりますので、その点についての大臣の御見解をひとつお伺いをいたします。
 それから、あわせてもう一点お伺いしたいのは、先ほどの御議論でもどこかであったと存じますが、ILO百五十九号が今国会で批准される成り行きになっております。この百五十九号の中での一つの大きな問題点は、精神薄弱ないしは精神障害、知的障害と直言う方もいらっしゃいますけれども、身体障害だけではない、その障害に対しても全面的に同等に扱うというILOの百五十九号の精神に照らして、この障害者の雇用促進法の条文その他についてはやはり不備がある。こういう問題については、これを一つの契機として弾みをつけ、全面的なILO百五十九号を満たす法律、国内法の整備に向けて取り組んでいってしかるべきだと存じておりますけれども、あわせて御答弁をいただきたい。
#215
○国務大臣(近藤鉄雄君) 先生御指摘のとおり、この障害者問題というのは非常に多面的な問題でございまして、社会生活のいろんな状況、条件の問題から教育の問題からいろいろあるわけでございますが、労働省といたしましては、まず障害者の方々の雇用の安定、改善、向上という、これは生活の基本でございますから、これを軸に、これがまさしく障害者の方々の一種のノーマライゼーション、一緒に働いて収入を得るということが基本でございますから、この面で積極的な努力をしてまいりまして、今度の法案もそういったことを一歩進めたい、こういうことでございます。総合的な対策としては、既に内閣総理大臣を本部長とする障害者対策推進本部が設置されてございまして、これまでいろんなことをやってきたわけでございますが、障害者の十年が終わったからこれでもうなくなるということじゃ全くないんであって、引き続いてこの推進本部を中心に総合的な障害者対策を進めていくべきである。私労働大臣もこの推進本部のメンバーでもございますので、私の立場からも積極的に発言をしてまいりたいと考えております。
 ILO問題でございますが、おっしゃるように身体障害者の場合は比較的形が見えるからいいわけでありますが、精神薄弱だとか精神障害の方、回復された方、こういう方の例えばプライバシーとかいろいろな問題もございます。したがって、一応法定雇用の中で雇用率も身体障害者の方々は義務づけておりますけれども、精神薄弱者とか精神障害回復者の方々については、そういう方をお雇いいただければそれはカウントいたします。だけれども、いわば法律でこれを義務づけていないのもそのあたりのいろんな複雑な配慮があってのことでございますが、いずれにしても今度は百五十九号条約を批准していただくわけでございますので、従来にも増して総合的な発想でこの問題に積極的に取り組んでまいりたい、かように考えております。
#216
○山中郁子君 終わります。
#217
○笹野貞子君 午前中の御議論を聞いておりましても、障害を持つ方々の雇用というのがいかに今望まれているか。これは現在に生きている人間というのは何が一番大切かというと、日本は経済大国あるい。は生活大国というふうに言っていますが、私ども連合といたしましては、やっぱり働くということがいかに人間にとって大切な価値であるか、これをゆとり、豊かさという表現で申しております。
 ゆとりというのは何かといいますと、これはただ経済的にとか物質的な面ではなくて、いろんな方と協力し合える社会、非常に他人に優しい心を持つ社会、これは先ほど労働大臣も、建築のスペースの件でもゆとりというのは優しさだという、私とその点は一致していることですし、また大臣は非常に労働行政に対して積極的なわけですから、心強くは思っております。
 そこで、私はまず総論を大臣にお聞きいたしたいと思います。と申しますのは、障害者雇用審議会が意見書を出しております。その中の1の(4)のところに「障害者雇用についての意識の啓発等」というところがあります。この意識の啓発というところに、障害者が働きやすいいろんな条件をつくるためには社会環境を整備するという、全く当たり前といえば当たり前のことが書いてあります。こういうふうに、言うはやすく行いがたいという表現なんですね。
 私は、これから御質問するんですけれども、では今みんな日本の社会は障害者に対して優しい気持ちているかという七、そうでもない現象がいっぱい出てきます。それは、最近私はまさに衝撃的だったんですけれども、私立尼崎高校における王置真人君の入学を拒否した事件なんですね。拒否した理由を見ますと、総合判定の結果身体的状況が、こう書かれておりまして、高等学校の全課程を無事に履修する見通しが立たないというのが判定の理由でした。しかし、これは裁判によって不合格を取り消しましたけれども、しかし今の日本の状況を見ますと、一番人に優しくあるべき教育の現場ですらこういう現象が起きてきているということは、何か私は大変悲しい思いがいたします。
 そこで、大臣は労働行政に非常に積極的なお考えを持っていらっしゃいますので、社会環境を整備するというこの文言、ことしは障害者十年の最後の年でもあります。たくさん労働省はやられたと思うんですが、これは非常に誇るべき行政だという何か一つだけお示しいただけますでしょうか。そして、ことしで十年が終わるのですけれども、これは残念ながら間に合わなかったということがありましたら、まず一つずつ総論としてお答えいただきたいと思います。
#218
○国務大臣(近藤鉄雄君) 先ほどもちょっと申しましたけれども、私たち公民館とかいろいろなところへ行きますと、車いすのトイレができておったり、新幹線でもできておるわけですね。昔はそんなこと考えられなくてちょっと奇異に感じた経験もございますが、最近はそういうのがあると、むしろこっち自身が余裕がある、心をほのぼのといいますか、これだけ私たちは余裕があってそういった方々の施設もできているんだ、そういう気持ちにだんだんなる。私は障害者の十年の中で、いろんな社会全般の中で障害者に対する理解と、そしてまたいろんな意味の協力体制が進んできているということを大変うれしく思うわけでございます。
 といっても、そういう方の最大の問題は、私はやはり雇用だと思うんですね。ノーマライゼーションというお話もありましたけれども、健常者と同じような職場で同じように働いて同じような収入を得る。いわば社会福祉のあれではなしに、自分で働いて収入を得るんだということが何よりも大事なんで、その方向で労働省は努力して、雇用率の達成ということをお願いしているわけであります。さっきも申しましたけれども、だからといって嫌々ながら雇ってやるけれども後ほどっかわきに置いておいて格好だけということでは困るんです。ですから、いろんな制度がございますけれども、やはり根本は企業の経営者の方々、そして従業員の方々に障害者と一緒になって仕事をするという社会的な雰囲気がないと、ただ形式的にペナルティーを科すとかということではいけないのではないかと思いますが、そういう面でも相当な進歩があります。
 今度、この国会で障害者の職業リハビリテーション及び雇用に関する条約、ILO百五十九号の批准をお願いいたしますのも、いろんな条件が整ってきて我が国として批准しても大丈夫だということでお願いしておるわけでございます。何か一つ挙げろとおっしゃられれば、私はいよいよ今度のILO百五十九号の批准まで来たんだ、ここからさらに国際的な展望で我々も大いに努力をしてまいりたい、こういうことでございます。
#219
○笹野貞子君 私も、やっぱり働くということがあまねく機会均等なそういう社会づくり、そういう社会の実現というのはこれからもどんどん推し進めていっていただきたいというふうに切に思います。
 続きまして、「障害者対策に関する長期計画」という長期展望を出しております。この中の4に「雇用・就業」というところがありますが、ここを見ますと、「雇用対策における重度障害者の範囲については職業能力の観点から見直す。」という項目があります。これは、大変私は重大な見直してはないかというふうに思います。なぜかといいますと、障害者というふうに一口に言いましても、これは訓練によってずっと変わっていくわけです。
 児島美都子さんという方が、「障害者雇用制度の確立をめざして」というレポートの中でこういう文章を書いております。「現行の身体障害者等級区分は、職業能力などとは関係なく、また、障害等級の固定化さえみられる。科学技術の導入、労働環境改善、職種の開拓、適切な訓練によって職業能力は高まってくる。職能訓練、評価機能を確立すべきである。」と、このように言っております。私はこの文章を見て、全くそのとおりであって、何も改善をしなければその機能は高まりませんけれども、みずからそういう訓練あるいは環境、そして自分の努力、いろんなことによって障害を克服して就業できるというのは当然だと思います。しかし、今の現状を見ますと、障害の程度、等級区分というんでしょうか、これは厚生省の身体障害者障害程度等級表というものによって区分されているわけです。
 そこで、午前中もちょっと話が出ましたけれども、この区分に従ってやるんでしたら、労働省は長期計画において区分を見直しなさいと言っているわけですから、やっぱり見直さなければいけないと思うんです。そこで、この見直しはどのようになっているのか、あるいは見直すとするならば、どこをどういうふうな区分で違えていくのかという具体的な作業はどのようになっているんでしょうか。
#220
○政府委員(若林之矩君) 障害者雇用促進法上の重度身体障害者の区分の問題ではないかと思いますけれども、こういう区分を設けておりますのは、これらの方々が適性に合った職業につくことを通じまして職業的自立を図ろうとする場合に、能力を十分に発揮するための諸条件の整備等の必要性の度合いが特に大きいために職業につくことが特に困難なことから、障害者雇用促進法に基づく施策に関しても特段の配慮の必要がある、こういうことで重度身体障害者の区分が設けられているわけでございますけれども、この問題につきましては当委員会でもいろいろと御議論のあるところでございます。重度障害者というのは、一級、二級を重度といたしておるわけでございますけれども、御議論では脳性小児麻痺の問題が一つの問題点として御指摘のあるところでございます。
 ここで、重度障害者の区分方法を障害種類別に見直すことにつきましては、一つは、身体障害と諸条件の整備等の必要との関係を正確に関連づけるとともに、作業設備の開発ですとかあるいは改善状況等の企業側の受け入れ体制等総合的に勘案する必要があゐということがございます。もう一つは、雇用率制度及び納付金制度の円滑な運営を行うためには、適正かつ簡便に判断できるような基準をつくる必要がある、こういうことが指摘されてきているわけでございまして、この問題は累次いろいろな形で議論がされているところでございます。
 私どもは、これはただいま御指摘ございましたように重要な課題、重要なテーマというふうに認識をいたしているところでございまして、今後そういった観点で検討を進めていく必要があるというふうに考えております。
#221
○笹野貞子君 午前中のときにも局長がそれに触れられましたけれども、重大な課題というそういう把握は私は非常に結構だと思います。しかし、検討ばかりしていてもなか在か前に進みませんし、それに障害者の十年、ことしですので、やっぱりことしじゅうには何らかのめどをつけて障害者の方が自分の能力に応じて職場で働きやすい、そういう区分に直していかなければいけないというふうに思いますので、どうぞ至急にそういう作業を終えていただきますようにお願いいたします。
 さて、精神薄弱者の職業訓練についてちょっとお聞きをいたします。
 これは、後期重点施策の中にも入っておりますけれども、「公共職業訓練施設における精神薄弱者に対する職業訓練を充実強化する」というところですが、現在は身体障害者職業訓練はありますが、これがハードの面、そしてソフトの面でもどういうレベルのところまでいっているかどうかということをちょっとお聞きしたいと思います。
#222
○政府委員(松本邦宏君) 精神薄弱者の職業訓練につきましては、昭和六十二年に身体障害者雇用促進法とそれから職業能力開発促進法の改正をいたしまして、従来障害者の範囲に入っておりませんでしたので、身体障害者の範囲に精神薄弱者も入れるということで改正をいたしました。それを契機にいたしまして、国立の障害者訓練校がございますが、そこでは六十二年度から精神薄弱者を対象とした特別のコースを設けてまいりましたで
 現在、数校についてもうできておりますが、その後、これにあわせまして都道府県立の障害者訓練校におきましても精神障害者向けの特別の訓練コースというものを設定してきているところでございまして、まだ全校に行き渡っているわけではございませんが、そういった点を充実をしたいというふうに思っております。障害の程度の低い精神薄弱者の方については、一般の障害のない方と一緒に訓練を行うというようなこともいたしておりまして、それも数十名実際に訓練をいたしておるということでございますので、今後精神薄弱者の方にも視点を十分向けて、特別の訓練コースあるいは一般の方と同じような訓練ができる人についてはそういった訓練も促進をしていきたい、かように考えております。
#223
○笹野貞子君 今回の法改正で精神薄弱者に対する対応がとられているわけですから、この点もひとつ十分御配慮いただいて、しっかりとした訓練校をつくっていただきたいというふうに思うんです。
 時間がないものですから、何か急いであちらもこちらもするんですが、国際比較の面をちょっと御質問させていただきたいと思います。
 これは、政府委員室の方を通じて、何か資料はありませんか、数字はないものかというふうに随分御請求をしたんですが、なかなか大変なんですね、国際的な比較というのは。非常にデータが難しいと思います。それで、幾つかいただいたんですけれども、足りない部分は私が独自でやりましたので、この数字がもし違っているようでしたら御指摘いただきまして、とりあえず国際比較をしてみたいというふうに思います。
 これは、どの資料にもあるんですけれども、単純に法定雇用率というんでしょうか、それは出しています。簡単に言いますと、ドイツでは六%、イギリスでは三%、フランスでも六%、オランダでは三%から七%というような、こういう率を出しております。実雇用率になりますとちょっと違いますが、しかしとりあえずこういうパーセントを出しております。経済大国日本と言われておりながら、この国際的比較の中で一・六というこの数字に対してどのように考えたらいいのか、それからまずひとつお伺いいたします。
#224
○政府委員(若林之矩君) ドイツ、フランス、イギリスの法定雇用率の数字はただいま先生御指摘のとおりでございます。この法定雇用率の数値を今おっしゃいました数字と日本とを比較しますと、さらに日本は低いということになるわけでございます。
 ただ、実はOECDでもこういった各国の法定雇用率制度などのいろいろ比較の議論をいたしておりますけれども、なかなかこれは比較が難しい問題だというのが結論でございます。こういう制度に基づきます義務の内容に差がありますとか、あるいは国によって障害者の範囲なども随分違っております。戦争未亡人などが含まれているという例もあるわけでございます。その対象となる範囲が異なっているというようなことでございまして、今申しましたように、これを一概にどこの制度がいいというふうにするのは難しいというふうに私どもは考えております。
 我が国の法定雇用率は御承知のことでございますけれども、失業者を含む全労働者の中に占めます身体障害者である失業者も含めた労働者の割合を基準として決定することにしておりまして、この法定雇用率が達成されました場合には障害者の失業率が健常者の失業率と等しくなる、障害者と健常者が同じ水準において雇用の機会が確保される、こういう理論的な前提で日本の法定雇用率はできておるわけでございます。
 そういった意味では、私どもは我が国の法定雇用率制度はこれは合理的な考え方に基づいてできているというふうに考えておりますが、いずれにしてもなかなか各国の比較は難しいということになろうかと思います。
#225
○笹野貞子君 合理的など言われるとそうかなと思うんですけれども、何かそうでもないような気がいたす事実があるんですね。それは昭和三十五年、この法律ができたときの議会の議事録を見ますと、このときは松野大臣なんです。この大臣が質問に答えてこのように回答しているんです。「本年の一・五は大体提案の当時各省一致しておりますが、この法案が通りましたら、さらにこれに応ずる計画をさっそく推進して参りたいと思います。いかんせんまだ法案審議中でありますので、各省ともいろいろな意見もございます。しかし法案が通りますれば、この法律条項に従って各省ともそれをもっと積極的にやらざるを得ませんので、願わくは法律が通りましたら御趣旨のように早い時期に三%計画を実施して参りたい。」と、このように言い切っております。これは三十五年です。そのときに労働大臣の松野大臣が、早い時期に三%にというふうにしっかりと言っております。
 そこで大臣、早い時期にというのは、昭和にすると今何年でしょうね、三十五年ですからもう三十二年たっているんですけれども、早い時期に三%というのはやっぱり三十二年後という意味なんでしょうか。
#226
○政府委員(若林之矩君) 大臣の御答弁の前に、私からその経緯だけ御説明させていただきたいと存じます。
 三十五年に身体障害者雇用促進法ができたわけでございますけれども、その当時の障害者雇用促進法の法定雇用率は、当時の現状が大体〇・七五%ぐらいでございましたので、その倍というようなことを念頭に置いて設定されたわけでございます。当時労働大臣は、イギリスの雇用率が三%でございまして、これを頭に置かれて我が国の将来の目標はここだと、こういうふうに御答弁になったんじゃないかというふうに理解をいたしておるわけでございますが、この法律ができましたときは義務制はございませんでした。
 五十一年に法改正をいたしまして、雇用率が事業主に強制的に適用されるということになったわけでございまして、私が先ほど申し上げましたように、そのときに健常者と障害者の雇用状況が同じになるような、そういう雇用率制度というものを構築したという経緯がございます。経緯だけ御説明いたしました。
#227
○笹野貞子君 経緯はわかりましたけれども、しかし一国の大臣が三%という具体的な数字を出してお答えをしているわけですから、どうなんでしょうか、大臣がかわっちゃったら前のそんなのはいいよというのが労働行政なんでしょうか。大臣はいかがお考えですか。
#228
○国務大臣(近藤鉄雄君) 大臣がかわったからいいということじゃございませんが、ただ、今局長も申し上げましたように、一応一・六という数字は、全雇用者に占める障害者の割合で計算すると一・六ということになるから、各企業が一・六で雇用していただければちょうど対象になる障害者もそれぞれ仕事におつきになる、こういうことでございますので、これが第一歩であって、さらに高い目標に向かって進むということは決して悪いことではない。
 ただ、理屈をあえて言えば、一・六でちょうど全部雇用されるわけですから、こっちが突出するとこっちが下がっていくということになりかねませんし、そのあたりは多少現実的に、しかもこれは法定雇用率できちっとした雇用義務を課しての話でございますので、達成をできるといいますか、まさに全体の割り振り、割合での一・六という数字は私はいろんな角度から検討して正しいことではないかと、かように考えておる次第であります。
#229
○笹野貞子君 別に私は意地悪な性格じゃありませんので、ここでどうこうというんじゃなくて、せっかく三十二年前にこんなすばらしい計画を立てておるわけですから、やっぱり今三十二年たった現状を三%に近づけるという努力をどうぞなさっていただきたい。物事は何でも一挙にはいきませんので、一段一段、一歩一歩ということですけれども、ぜひともこの数字を念頭から忘れないでいただきたいというふうに思っております。
 続きまして、別に私はまた意地悪するわけじゃありませんが、就業率の国際比較をちょっとしてみたいというふうに思います。今度は障害者全体と、その障害者の中の就業しているパーセントということです。
 これも随分政府委員室の方に、こういう数字はありませんかというふうにお話をしたんですが、なかなか大変なようで、私独自の数字でやってみました。間違いがあったらまた御指摘いただきたいんですが、日本の現状、六十二年の厚生省の統計を見ますと、十八歳以上六十四歳までですね、六十四歳以上は抜かしていますが、この障害者の数字を見ますと百三十四万五千人、それに対して雇用している数字は二十五万四千人である。簡単に言いますと、これは一七・六%という数字になると思います。
 そこで、日本のこの試算を見まして、外国の試算を見たいと思います。データが古くて申しわけないんですが、ドイツの一九七六年を見ますと、障害者二百十二万人、そして就業者八十六万人、就業率四一%。フランス、障害者百二十万、そして就業している者五十五万、就業率四六%。それでアメリカの場合は一千五百五十五万人の中で就業しているのは四二%という、ざっとした数字ですけれども、こういう数字が見られます。
 さて、この四〇%とか四六%という高い就業率、これはいろんな内容がありますので、一概に日本の一七・六%と比較するというのはちょっと乱暴かもしれませんけれども、しかし明らかに違うということだけはこの表からわかると思います。
 そこで大臣、どうでしょう。この原因というのはまずどこにあるというふうにお思いでしょうか。
#230
○政府委員(若林之矩君) 数字のことを申し上げますと、なかなか就業率の算出というのは難しいだろうと思います。私どもの方では一九八七年におきまして、十八歳以上の身体障害者の就業率を見ますと、二九%というふうになっております。これは十八歳以上でございます。外国の状況を見ますと、これは比較的最近出ましたOECD加盟国の雇用職業リハビリテーション政策の動向という調査をいたしておりますが、そこでイギリスの人口統計局が調査した、定年に達していない成人障害者の就業率というのが出ておりましたが、それが三一%というふうに出ておりますが、やはり障害者の範囲をどうとらえるかということで非常に大きく違ってまいりますものですから、一概に就業率を比較するというのはなかなか難しいことだというふうに思っております。
 ただ、いずれにいたしましても、それぞれの国がどのくらいそういう状況にあるかというのは、やはり私どもももっともっと勉強しなければならないことだろうと思っております。
#231
○笹野貞子君 確かに、比較するのは大変難しいことで一概には言えません。しかし、人類の歴史上、今私たちは本当にすばらしい人間の生き方というのを展望しているわけです。ですから、とれはみんなが努力しなければ、そんな簡単に高邁な哲学を人生の中に具体的にするということは大変だと思います。そういう意味では私は、一層労働行政を頑張っていただくために、粗っぽい数字かもしれませんけれども、この数字を出してみました。
 時間がありませんので、もう一つだけお聞きをしたいんですが、つまり昭和四十八年のオイルショック以降、日本は省エネ政策というんでしょうか省力化というんでしょうか、マイクロエレクトロニクス技術あるいはロボットの技術がどんどん入りました。先日の委員会のときでも大臣はこれからロボットというものをどんどん導入しなければいけないという御意見、これはこれで私はいいんですが、この障害者の問題どこういう考え方とは、雇用について私は何かマイナス、後ろ向きの問題が起きはしないかというそういう危惧を持つのですけれども、その点はこの問題に対してどのように労働省としてはお考えがありますか。
#232
○政府委員(若林之矩君) ME化の障害者の雇用というものに与えます影響というのは、もちろんプラス・マイナスあるだろうと思うのでございますけれども、私は、やはり基本的にはプラスの要因が大変大きいんじゃないだろうかというふうに思うのでございます。それは、私ども障害者の方にいろいろと仕事のお世話をしてまいっておりますけれども、そういった現場で考えましても大変ME化というものが障害者の職域を広げているというふうに思うのでございます。
 例えばプログラマーなどの職種がございますが、私ども随分訓練をいたしておりますけれども、それに対して大変就職率が高こうございます。それから、やはりME化が進みまして就労の支援に役立ついろんな機器が開発されてまいっております。そういった点がございます。それから、在宅勤務なども従来に比べますと非常にこれはやりやすくなったということもございます。ですから、基本的には大変プラス要因が多いというふうに思います。
 ただ、もちろんマイナスもないわけじゃないわけでございまして、コミュニケーション上の障害を持っておられる場合などには急速に進展する技術の発展等に対する情報の入手が困難になってくるとか、そういったような問題もございます。それからまた、新しい技術に関連します機器等の操作が障害者の利用を想定していないというようなケースがあるものでございますから、こういうことになりますとやっぱりこれはハンディキャップになると思います。私どもは、こういったものにつきましても障害者の方が使いやすいような機器の開発、これをまた一生懸命進めておるところでございます。プラス・マイナス申し上げますとそういった点ではないかということでございます。
#233
○国務大臣(近藤鉄雄君) 私は、日本のハイテク技術を駆使すると障害者の方々が健常者と同じような仕事ができるような技術開発は可能だと思うんです。それが一つ。
 それからもう一つ、午前中、西野先生からいいお話があったということで、目はお見えにならなくても非常に耳がよくて全部おわかりになる。実は私、前にパイオニアの初代の会長、松本さんのお話を承ったんだけれども、なぜ会長、こんな立派な楽器をパイオニアはつくったんですかと言ったら、自分は耳がいいんだ、いい音を聞きたい、いい音を探しているうちにパイオニアをつくっちゃったとおっしゃる。私今でも非常に印象に残っているんです。
 だから、目はお見えにならなくても耳がいいということですね。案外そういった隠れた才能、健常者と同じ形の仕事もハイテクで可能だけれども、障害があってもほかの能力をお持ちの方もいらっしゃるわけですから、それを積極的に開発することによって、例えばそういうパイオニアでいい音を聞くのなら専らそういう音の方のチェックをされる方に積極的に入っていただく。だからその持たれた能力に応じての職業訓練なり職業配置ということは私はこれからいろんな可能性があるんじゃないかと、こう思って多少楽観的なんでございますが。
#234
○笹野貞子君 終わります。
#235
○橋本孝一郎君 大臣の揚げ足をとるわけじゃありませんけれども、国連障害者年十周年で当然我が国としてその実績を御報告なさるわけだと思います。アピールする一つのポイントとしてILO百五十九号の批准、これが一つ大きなアピールのポイントだというふうなことをおっしゃられたんですけれども、それ以外に何かアピールするポイントがあるとするならばお聞きしたいんです。
 大体、我が国のILO批准というのは一応工業国、他の先進国と比べればこれだけの、私は経済大国という言葉は嫌ですから使いませんけれども、先進工業国として大国じゃない、つまり非常に批准が悪いんです。ですから、当然批准されるべきでありまして、我が国の場合はこういう批准というのは非常にパーフェクト主義でありまして、完璧主義ですから、ほかの国が私はいいとか悪いとか言いませんけれども、かえって誤解を受けている面も随分あるわけなんですね。そういう面で、今度承認するというのはアピールのポイントだとおっしゃられましたけれども、それ以外の十年の実績としてアピールする問題があるのかどうか、これは労働省としてお尋ねしたいと思います。
#236
○国務大臣(近藤鉄雄君) 具体的な形となるものとしてはILO百五十九号の批准でございますし、それから従来の身体障害者雇用法、これを一歩今回は前進をさせていただいて、いわゆるフィジカルな障害だけじゃなしに、フィジカルな重度の方、さらには精神薄弱、精神障害という方々に対する雇用機会を積極的に確保しようということが具体の形でございます。
 また、私たびたび申し上げておりますように、社会的にそういった障害者の方々をアクセプトするようないろんな雰囲気が私は十年前と比較にならないぐらい醸成されている。これは数字じゃないですが、私は日本の国民の皆さんの気持ちの中に相当大きな進歩があるというふうに考えているものでございます。
#237
○橋本孝一郎君 障害者の雇用度の国際比較ということ、先ほどからもう既に出ておりますので重複を避けますけれども、単純に数字で比較すべきような問題じゃございません。その国の歴史、伝統、風土、いろんなものが積み重なってこういったものは普及するなりあるいは水準というものが上がると思います。日本の場合でも企業の社会的責任という言葉を言いますけれども、この言葉が出てきたのはまだ三十年もたってないわけです。本当にそれが定着して、企業のヘッドに、トップの頭にそれがこびりついているかというとそんなものじゃないんですね。ただ口が先行しておる、文字が先行しておる。これは本当はもっと根本的な根っこのところを、みんなにそういうことは大事だということを本当の意味で、これは教育も含める問題ですよ、していかないとこの率というのは上がっていかない、国際的な水準というものは上がっていかない。ただ、経済大国だけならどうのというだけの問題で解決しない問題だと思います。
 そういう意味から、私はあえて国際比較の問題を聞きたかったわけですけれども、そう単純なものじゃございませんので省略いたします。ただ問題は、日本とすればそういう伝統のまだ浅い、こういう問題の扱いが薄いまだ短いという中で、これから国際的な水準に向かってといいましょうか、国際的水準というのはどれが目標になるのかわかりませんけれども、一応ハイレベルの方に持っていくとする方向をどこに求めておるのか、その点をひとつお尋ねしたいと思います。
#238
○政府委員(若林之矩君) 各国の雇用対策、制度的なものということで申しますと、これはなかなか比較も難しいことでございますし、ただいま先生御指摘のようにそれぞれの国のこれまでの歴史等がございますから基本的な考え方においてもかなり違っておるわけでございます。そういうことでなかなか比較が難しいわけでございますけれども、私どもいろいろ各国の実情などを伺いますと、やはり私ども一人一人の国民の意識と申しますか、というものがまだまだおくれているのではないだろうか。障害者の方々の問題、障害者の雇用の問題というのを我々一人一人が受けとめていくという点において、どうもこれはまだまだ各国に学びまたいろいろと進歩させていかなければならない問題ではないだろうかというふうに考えております。
 お答えになるかどうかわかりませんが。
#239
○橋本孝一郎君 抽象的な質問の仕方で申しわけなかったと思うんですが。
 さて、そういうためにいろいろと御苦労なすってリハビリテーションだとかいろんな知恵を絞られて努力されてきたことは多とするわけであります。したがって条約批准まできたことは結構なんでありますけれども、今度の改定を見ましても、六十三人に一人の企業に対して何か障害者の雇用を推進する責任者を置くとおっしゃる。これも一つの方法だと思って私は結構だと思います。
 例えば、安全の問題にしても安全管理者というのがおります。安全第一なんて言われますけれども、企業なんていうのは大体利益第一なんですから、そもそもは。でも、そういう中でも安全第一、言葉だけは先行しておるんですね。実態はそうじゃない。ところが、安全責任者がおったって、安全を自分で思うようにやろうと思っても、オーナーぐらいの実力を持っていればいいですけれども、プランニングじゃなくてラインのスタッフぐらいですとなかなか難しい。これだって私はそうなっていく危険性があると思うんです。採用のプランをつくるところの人事課長ぐらいがなるかならぬかというところだと思いますけれども、それも悪いとは言いませんが、問題はそういう者を置くなりして、先ほど申し上げましたようにトップの意識、経営の哲学というか理念というか、そういうものがやっぱりきちっと備わっていなければなかなか進まないと思うんです。
 しかし、具体的にそれを進めるところはどこかといったら、私は政治の場とするならば地方自治体がもっとしっかりせにゃいかぬと思うんです、地方自治体が。首長さんもいろいろ地方自治体で、私は日本国内でも随分差があると思いますよ、この問題に対する扱いは。その点の差について承知されておりますか。
 私は、これも一概にいい悪いは言えないと思うんです。例えば、工業中心の非常に雇用チャンスの多いところと、農林漁業主体のところとは、これは一緒にならないと思いますからね。そういう面では地域あるいは県単位、もっと地方、特に国民の地方税なり国税なり税金によってサービスを提供しておる事業なんでありますから、競争企業じゃないわけです。利潤追求の企業でないわけですから、やろうと思えばやれるはずです。それをどういうふうに掌握されておるか。そういうところからもっと地域ムードというものを興していって、一般の人にも理解させ、そしてそういうことをやらない企業こそまさにこれは反社会的だということをみずから抑え込んでいくようにしていかないと、いつまでたってもこれは上がらないと思います。そういう意味で、私は地方なり地方自治体のこういう問題に対する認識と実態はどうかということをまずお尋ねしたいと思います。
#240
○国務大臣(近藤鉄雄君) 先生からお話がございました。また、きょうはもう朝からいろいろ先生方からお話があったわけでありますが、先ほど言いましたように、たびたび申し上げておりますように、これ法定雇用率と申し上げますが、同時にぎりぎり無理をしてやっていただいて、雇ったけれども端の方に置いておくということでも困ります。だから、経営者の方々が本当に障害者雇用についての理解を示されて積極的にその方々の能力を使う、活用するということが一つ。
 実は、きょうは朝から先生方からいろいろ御質問を受けて今思ったのは、今月二十二日、水曜日の朝に労働省が中心になって産業労働懇話会という会がございまして、これは財界のトップと組合のトップの方々、あと学者の方々を集めていろいろ議論を月に一遍いたしますが、実は今度の水曜日は時間短縮の問題を中心に御議論していただこうと思っておったわけでありますが、きょうは朝から先生方からお話がございましたので、たまたま企業のトップの方々いらしゃいますから、ひとつ障害者雇用について改めて私からお願いをいたします。積極的に財界も組合も取り組んでいただくということについて、私からきょうの議論を踏まえて強くお願いするということをここでお約束させていただきたいと思います。
#241
○橋本孝一郎君 国際比較はいかぬけれども、国内的に私はできる、それをやるべきだ、そして国としてのムードをつくり上げていく。そして、それを企業にも攻め込んでいくという方法をとらないと、企業というのはこれは言うまでもなく、悪い言葉かもしれませんけれども、経営者はやっぱり利潤追求のために彼は選ばれておるわけですから、もちろんそういったことばかりじゃありませんけれども、それが一つの使命の大きな柱ですから、安全なりこんなものは柱とは私は言い切れません。だから、ぎゅうぎゅう詰めても、問題がそこに残されていくわけです。そういう意味でのちょっと要らぬことを申し上げたわけであります。
 そういう意味で、いろいろと短時間労働とかダブルカウントでもってできやすい方法あるいはできる方法をどんどんと推進されることは結構でありまするし、今度の場合でも、精薄の方にもこういった問題での緩和策がとられたことは結構だと思います。
 そこで、資料によりますと、精薄の方十万人の就労実態を見ると、半分弱の四三%が作業所で働いているというのが一番多い。ところで、この作業所というのは一体どんなものなのか、内訳はどうか、あるいは福祉工場なり授産施設で働く人がどのくらいの割合なのか、厚生省お見えになっていると思いますが、ひとつお尋ねしたいと思います。
#242
○説明員(田中耕太郎君) お答え申し上げます。
 先生ただいま御質問の数字は、私どもが平成二年の九月に実施をいたしました精神薄弱児者の福祉対策基礎調査という調査の結果だと思いますが、実はこの謝査は障害を持つ御本人あるいは御家族の方々に直接御記入をいただきまして、直接郵送でお返しをいただくという形で調査を行ったものでございまして、それからまた特に作業所自体についての細かな具体的な定義は設けておらないところでございます。したがいまして、具体的に作業所ということで御回答いただいた方々が実際にどういう場で就労しておられるかということについての内訳は不明でございますが、ただ全体として考えますと、精神薄弱者授産施設あるいは福祉工場あるいはいわゆる小規模作業所と言われるようなものがその対象になっているんではないかと考えております。
#243
○橋本孝一郎君 実際はよくわからないようでありますけれども。
 次に、厚生省の方についでにお見えになるのでお尋ねしたいんですが、身体障害者のいわゆる等級表というのがございますね。一級から七級まで分類をされておるわけでありますけれども、この区分表の基準というのでしょうか、これは労働との関係が非常に重なってくるものですから、念のためにお尋ねしておきたいと思います。
#244
○説明員(松尾武昌君) 身体障害者福祉法で定めております身体障害者についての定義について御説明させていただきます。
 身体障害者福祉法における身体障害者につきましては、身体障害者福祉法別表に定める身体上の障害がある十八歳以上の者で、都道府県知事から身体障害者手帳の交付を受けた者、こういうふうになっております。
 対象となる障害の種類は、視覚障害、聴覚また平衡機能の障害、肢体不自由、心臓、腎臓もしくは呼吸器または膀胱、直腸もしくは小腸の機能の障害となっております。
 身体障害の程度の等級の分類でございますが、長期にわたる身体障害を有しかつ日常生活活動が制限を受ける程度によりましてこれを障害の種類に応じて一級から七級に分類して程度を設けております。そういう状況でございます。
#245
○橋本孝一郎君 厚生省の分類の基準は一応わかったんですが、中心になるのは簡単に言うと生活能力に基づいて決められているような感じがするんですが、労働を行うという能力と基本的に違う部分が多分出てくるものがあるんじゃないかと思うんです。
 例えば、人さし指と中指がない人は六級であるけれども、通常の職務遂行能力にはほとんど職種によりますけれども影響がない。これに対して音声機能や言語機能を喪失した人は三級であり、職種は大きく限定されてしまいます。現行の助成措置はこれらを同様に扱っていますけれども、これに対して労働省はどう思われますか、お聞きしたいと思います。
#246
○政府委員(征矢紀臣君) 私ども法律に基づきまして身体障害者の方、重度の方につきましては区分いたしまして助成等について手厚く実施しているわけでございますが、その考え方につきましては、法律の第二条三号におきまして、「身体障害者のうち、身体障害の程度が重い者であって労働省令で定めるものをいう。」ということとされており、規則の別表第一において具体的には規定されているところでございまして、身体障害者の障害程度等級表の一級または二級に該当する障害を有する者及び同表の三級に該当する障害を二以上重複して有すること等によって二級に相当する障害を有する者と、これを重度障害者というふうに決めておるところでございます。
#247
○橋本孝一郎君 細かいことを省略しまして、結局職務遂行能力ということを柱に置いていくと、何か厚生省の基準と違うような、本当に労働というものとの密着した基準というものをもう少しつくって、そしてこれは何級何級としてハンディをつけて補助なり助成なりをやらないと、ちょっと矛盾があるような気がするんです。厚生省と労働省と見解の違いはあるかもしれませ人けれども、やはりもっと労働省はそういう面で雇用労働というものを主体にして基準をつくられた方がいいんではないかと思うんですが、その点についての労働省の御見解をお聞きしたいと思います。
 それからもう一つ、このことはただ単に定型業務で昔も今も変わらないという仕事ならいいんですけれども、仕事もどんどん時代とともに、機器の改良なり技術革新によって変わってきます。むしろ障害者はそういうふうにやっていただいた方が非常に効率がいいという実例等も、実際問題としてはかえってその方がいいんじゃないかというふうないい例をアピールするなりして、もっと他の企業にもPRしていくというんでしょうか、そういう方法とも関連してまいりますので、労働省としてのやはり独自というんでしょうか、労働省の職業能力を中心にした基準の設置ということを考えていただきたいと思いますけれども、その点についての御所見をお伺いしたいと思います。
#248
○政府委員(征矢紀臣君) ただいまの先生の御指摘、先ほど来も御指摘もございましたが、例えば脳性麻痺の方についての御議論もございました。そういう意味で、そういう問題についてこの重度障害者の区分についての基準の見直し、検討をすべきであるという御指摘でございます。ただ、他面で、これも前に申し上げましたように、その基準自体の判断をどうするか、あるいは行政を進める上である程度画一的にその判断ができ得るような基準が具体的にどうあるべきかというようなところについての議論もいたさなければならないわけでございまして、そういうことも含めまして、今後検討課題として具体的な取り組みをいたしてまいりたいというふうに考えます。
#249
○橋本孝一郎君 いわゆる等級別就業実態、実際は把握が非常に難しいようでありますけれども、そういうものをっくって、ひとつ効率を上げるようにお願いしておきたいということと、もう一つは、もう既に二、三出ておりましたけれども、在宅勤務ですね。特にそういう実例の中で、むしろ困難な通勤条件なり、あるいはその他の状況を考慮するならば、むしろ在宅の方がかえって有利で、しかもある程度の財政的なサラリーも得られる。また自分も労働の満足も得ることができるというふうな、職種というのは、これはどんどん変わっていきますから、そういう面で一つの専門的研究開発を企業なりに委託するなり、何かいろいろな方法を考えてやってみてはどうかなという気もするんです。
 何でもやれやれと言うだけじゃなくて、こういう方法もありますよということをお勧めしているずからそれを実験してみてお勧めするというのが、これは物の順序だと思いまして、そういう而からいくと、企業もそれなりの努力をしておる片思いますけれども、労働省としては何かそういう研究機関が当然あると思いますけれども、そういう研究機関があって私はいいような気がするんですね。そういう方々を雇用して、もっとやはり実験をしてやっていくというふうな方法も一つの方法だと思います。
 その中の方法が在宅勤務。在宅が雇用に結びつかないようでありますけれども、これが雇用にカウントできるようにしていけば、国際的な水準だって私は数字が上がっていくと思います。それこそ先進工業国としてやるべき仕事だろうと私は思います。
 以上、終わります。
#250
○下村泰君 大臣、これは別に質問条項には入っておりませんけれども、日本語で非人という言葉がある。非人、人にあらず。これは日本という国は中国の方から文字というものが入ってきて、日本独特の文字もつくられたんでしょうけれども、文字文化というのがありますね。その中に人にあらずなんという言葉ができたということ自体が私はおかしいと思うんです。そういうことに対して今度は人非人という言葉があります。人間にして人間でない。その人間のとった行動とかいろんな現象をとらまえて人非人という言葉がある。そういう言葉の生まれてきた日本独特の文化というのがあります。それを背景にして障害者問題は生まれてきた。ですから、そういった観念が長い歴史の中で培われてきているわけですね、人間が人間に対して。
 例えば、部落問題もあります。あの差別問題も、遠くもとをたずねればお百姓さんが一番下だと、士農工商とは言うけれども、実はお百姓さんが一番下。そのお百姓さんたちに、おまえらよりもまだ下の人間がいるのだというような制度をつくったという説もあります。
   〔委員長退席、理事仲川幸男君着席〕
 そんなような文化が日本という国の背景にあるわけです。ですから、障害者問題というのが遅々として前へ進まない。
 午前からいろいろと皆様方、諸先生方のお話を伺っておりますと、例えば国民全部が温かい心で、温かい目でそういう方たちに目を向けなきゃいけない、そういう言葉もあります。けれども、今申し上げたような言葉が生まれてきた文化を背負った国なんです、私たちの国は、残念ながら。ですから、儀礼的に言葉の上でああしなさいこうしなさい、こうもしようああもしようということは言っています。ただ、実際の面になると、ちっとも前へ進んでいないんです、言葉だけで。それはもう橋本先生がおっしゃるとおりです。
 例えば、WHOは障害のとらえ方として、まず機能形態障害、それから能力障害あるいは社会的不利という三つの側面、これから障害というものを見ているわけです。我が国の職業リハビリテーションの法律の中心である障害者雇用促進法を見ると、法第二条の定義は、一応すべての種類の障害をその障害の種類を問わず対象としているわけです。「職業生活に相当の制限を受けこということから、機能形態障害に着目しているというふうに私は思うんです、日本のあり方は。
 さらにこの雇用率制度の対象においては、その範囲を明確にしようということなんでしょうけれども、身体障害者と知恵おくれの人に限定しているわけです。私はもっと能力障害及び社会的不利の視点というもののとらえ方で、心の病のある方、あるいはてんかんの方々、それから難病に苦しむ人々、こういった障害としての職業上のQOLといいましょうか、こういうものに配慮した労働省独自の定義範囲というものをつくるべきだ。これは再三再四申し上げておるんです。今橋本先生がおっしゃったのと同一のものではありまするけれども。第二条の定義による包括的とらえ方を雇用率制度にもきちんと反映させていくべき時期に来ていると思います。雇用率制度の対象拡大の考え方があるのかないのか、また労働省独自の定義というもののとらえ方をすべきではないかと思いますけれども、この二点についてひとつお答え願いたいと思います。
#251
○政府委員(若林之矩君) 雇用率制度の対象となる障害者の範囲の問題でございますが、これにつきましては、障害者の雇用促進法の別表に定められているところでございますけれども、これは五十九年の法改正におきまして、身体障害者福祉法の改正にあわせまして、政令によっても身体障害者の範囲を定めることができることになったところでございまして、これによりまして昭和五十九年に直腸または膀胱の障害を加えまして、六十一年には小腸の機能障害を新たに身体障害として加えたところでございます。
   〔理事仲川幸男君退席、委員長着席〕
 基本的には、私ども労働省独自という御意見でございますけれども、基本はやはり福祉行政と雇用行政がいわば一体となって進めていくべきものであるというふうに考えているのでございます。
 ただ先生、たびたび御指摘がございます重度障害概念、こういったものにつきましては、いろいろと検討するべき課題があるというふうに認識をいたしております。
#252
○下村泰君 払いつも申し上げているでしょう。厚生省の認定の仕方というのはあくまでも病的な仕方なんですよ、あれは。病気、病というものを基本にしているわけです。労働省のは労働ですから、労働省独自の見方というのがなくちゃいけないと思うんですよ。
 いっかも申し上げましたけれども、わずか五メートルか十メートルを歩くのに、小児麻痺の症状を持っていらっしゃる方は五分も十分もかかるんです。これは三級なんです。ところが、車いすに乗っていらっしゃる方で上肢が完全に動く方、これが一級です。どっちがどう見たって、職業につくのに簡単なのはこっちだ。しかもこっちは重い。ところがこっちの方は軽いんだ用認定は軽いんだけれども、症状としては重い。ですから、労働省で労働省独自のそういった認定をつくらないと、これはいつまでたってもいけませんよ、厚生省の認定にばっかりおんぶしておったら。労働省独自の認定というものをつくらなきゃいけないんです。そういうことがこれからやれますか、やれませんか、やる気持ちがありますか、
#253
○政府委員(若林之矩君) 厚生省の身体障害者福祉法の障害者の概念というのは、やはり生活機能と申しましょうか、こういったものが一つの観点になって定められていると思うのでございまして、それはやはり職業生活と申しますか、職業上いう問題にもこれは密接に結びついている問題だと思うのでございます。
 したがいまして、基本はやはりこの身体障害者福祉法の障害者の概念と、それから障害者雇用促進法の概念というものとは一体となって進められでいくべきものというふうに考えておるのでございますが、先生たびたび御指摘ございます、では脳性小児麻痺の三級の人をどうするんだというような御議論でございます。これにつきましては、いろいろ難しい問題もあるわけでございます。しかしながら、この問題につきましては、やはり今後検討していくべき非常に重要なテーマであるというふうに私どもは考えておるわけでございまして、この点は今後検討を進めていきたいというふうに考えております。
#254
○下村泰君 職業安定局長なんですから、もっと自信を持ってくださいよ。何かのらりくらりと、ウナギの寝床みたいな話をしてないで、やれるならやる、やらないならやらないで。大臣、ちょっと何か一言今日ってください。
#255
○国務大臣(近藤鉄雄君) これは行政でございますから、厚生省の言う身体障害者、そして労働省め障害者、できれば同じ基準で、例えば身障者手帳の問題もございますから、ただ御指摘のとおり、労働作業という観点から見ますとおのずから違いがあるという先生の御指摘もわかりますので、この問題については検討させたいと思います。
#256
○下村泰君 恐れ入ります。少しでも前へ行くようにしてください。
 今回の法改正については、ILO条約の批准記念というふうに私は受け取っておったんですが、中身はどうも余りバーンと花火が上がるほどのものじゃないような感じがするんです。そもそも一九五五年の九十九号勧告の「ディスエーブルド」の訳を身体障害としたり、その前の一九四四年の七十一号勧告の「サービス」を施設と訳したり、その当時の意識レベルからすると、これはやむを得なかったものかもしれません。でも、そもそもこの出発点から私は今の格差が生じたと思っています。この訳し方が違っちゃったために、それが基本になってしまった。例えば、心身、心と体でなければならないものが、身体だけになってしまった。そのために、心の方がおくれた。これは、松沢病院の元院長先生がそうおっしゃっていました、はっきり。私は無学の方でございますから、そういうことはわかりませんけれども、その先生にそういうふうに教えていただきました。そのためにこういう格差が生じた。
 さて、そこで伺いたいんです。職業リハビリテーションにおける目標というのは何なんでしょうか。
#257
○政府委員(若林之矩君) 障害者の雇用促進法におきましては、職業リハビリテーションというのは「障害者に対して職業指導、職業訓練、職業紹介その他この法律に定める措置を講じ、その職業生活における自立を図ることをいう。」というふうにされておるわけでございまして、障害者の社会的自立を職業面において達成するということを目的といたしております。
 また、今般批准の承認をお願いしておりますILOの百五十九号条約におきましても、職業リハビリテーションの目的を「障害者が適当な職業に就き、これを継続し及びその職業において向上することを可能にし、それにより障害者の社会における統合又は再統合の促進を図ること」であるというふうにいたしておりまして、この条約の考え方もまた障害者雇用促進法の考え方もこれは同じことを言っているというふうに考えております。
#258
○下村泰君 私は、職業リハビリテーションの目標の中には保護雇用も当然含まれていると考えています。一九八五年のILO障害者の職業リハビリテーションの基本原則の中でも、一九五五年の九十九号勧告でも、また百六十八号勧告でも保護雇用についてきちんと認めているんですが、労働省は保護雇用についてはどういうふうにとらえていらっしゃいましょうか。
#259
○政府委員(若林之矩君) 保護雇用につきましては、これまでも身体障害者雇用審議会等におきましていろいろな議論がなされたわけでございまして、それはやはり重度障害者の方々の就業の場を確保するという意味では効果のある手段であるという意見が一方でありますけれども、一方それは結果的に一般雇用への移動を少なくしてしまって、いろいろな問題を生ずるというような意見もあるわけでございます。
 私どもは、やはりあくまでも何とか一般雇用に結びっけていきたいということでございまして、一方では重度の方々の働きやすい場をつくっていきなきゃならないということでございますので、重度の方々が働きやすい重度多数雇用事業所の設置の推進でございますとか、あるいは地方公共団体の入りました第三セクター方式による雇用の場の確保、こういったことを推進いたしておるわけでございます。
#260
○下村泰君 ノーマライゼーションの考え方は、一九五〇年代に北欧の知恵おくれの方々についてまず始まった考えなんだそうです。ところが労働省は、ノーマライゼーションを進めるというのは一般雇用や第三セクターを進めることのように盛んに言われておるんですね。今知恵おくれの方の置かれている状況を見ると、その考えにこだわり過ぎると方向を見誤るようなおそれがあります。
 保護雇用の定義や形態は、いまひとつまだはっきりしません。はっきりしないだけに、本当のノーマライゼーションとは何かについてじっくり考えられる。それにふさわしいものをつくるということも可能になると思います。所得と医療などの保障があれば、知恵おくれの方、難病の方、心の病のある方、内部障害のある方の職域も広がると思います。
 私は、そういう一つのあり方を考えているわけなんですが、大体この精神障害回復者というのはどういうことなんですかね、これは。内部障害回復者や身体障害回復者という言葉はないんですね。だから、こういう表現一つをとっても、何か企業の方にもかなり目が向いているということなのかななんというふうに私は考えてしまうんですが、当の障害のある方のことを考えた表現もそろそろ考えるときだと思います。
 さて、労働省における知恵おくれ、心の病のある人、難病の方の雇用者数を教えてください。
#261
○政府委員(征矢紀臣君) 公共職業安定所におきまして、働くことを希望し、求職登録をした障害者の職業紹介を行っておるわけでございますが、その取り扱い状況について一定の取りまとめをしているところでございます。これによりますと、平成三年三月末現在におきます安定所の求職登録者数のうち、就業中の精神薄弱者の方は七万五千四百六十五人でございまして、精神障害者あるいは難病者等であって障害者とされた方につきましては、二千六百五十五人というふうになっております。
#262
○下村泰君 労働省ではこういう方々を雇用していますか。
#263
○政府委員(征矢紀臣君) 労働省におきましては、精神薄弱者の方の雇用は現在ゼロでございます。
#264
○下村泰君 私の手元にある資料では、精神薄弱者は全省庁で二人になっています。労働省はゼロなんです。これでこんな法律をどうのこうのと言えるかなということになりますね、大臣。どうしてゼロなのか。画治体レベルでは、定員外の特別枠による雇用とか試験についての配慮をするなどして対応しているところもあります。そういう対応をしている場所があるのにもかかわらず労働省がゼロ。これはどうなんでしょうか。労働省としては人事院と話し合ってそういうことがやれるかやれないのか、これをまず一点お伺いします。
 それから、アメリカで行われている援助つき雇用のようなもの、日本でも随分中身は違いますがまねたようなものがあります。こういうものをアメリカの問題点を参考にしてよりよいものにしてやるつもりはないのか、お考えをお聞かせください。
 それから、アメリカの援助つき雇用について、その問題を整理して日本の援助つき雇用について本格的にやるつもりはないのか。この三点をお聞かせください。
#265
○政府委員(若林之矩君) 障害者の方々の官公庁への採用の問題と、一方では採用試験という問題があるわけでございまして、この問題につきましては、私どもの方も人事院の方にも折に触れていろいろとお願いをしてきておりますけれども、例えば国家公務員試験におきます点字試験などにつきましてもお願いをしてまいりまして、三年度から点字試験が実施されたということがございます。
 ただいまお話がございました、特に精神薄弱の方の雇用が進みやすいようにということでこれまで人事院の方にお願いを申し上げた経緯はございません。この辺は、いわゆる官公庁におきまじてどういう仕事が可能なのか、こういった点を私どもはさらに研究を進めてまいりたいというふうに思います。
 それから、ただいまお話がございました、アメリカで援助つきの雇用というものを進めているわけでございまして、これが成果を上げているということを私どもも聞いております。私どもの方でも、比較的似た制度をこれまで進めておるところでございます。これはこのアメリカの制度を参考にしたのでございますけれども、地域障害者職業センターにおきまして、就職が特に困難な精神薄弱者等の障害者を対象といたしまして、事業主の協力のもとに、個人の特性に合わせて職業生活指導から技術指導までの障害者の職域を開発するための援助を行う職域開発援助事業というものを試行的に実施してまいっておるところでございますが、成果が上がってきておりますので、今年度からは本格的に実施をしたいというふうに考えております。
 アメリカと違うところは、援助事業を行っている期間は雇用関係はございません。しかし、それを終わりました後、協力事業所で採用されるケースが多いわけでございまして、これを本格実施したいというふうに考えております。
#266
○下村泰君 大臣、今これゼロになっていますから、ここのところひとつ頭の中に入れておいていただいて、労働省は労働省なりの雇用の仕方があると思うんです。例えば、高級上級試験がどうのこうのとか、そういうものを外してそれを考えられて、別枠でそういう方々が雇用できるような方法をひとつ考えてみてください。労働省がこういう法案を国会のこういうところに出していて、しかも労働省がゼロというのはぐあい悪いですよ、幾ら何ぼ何でも。よろしくお願いします。
 ここで一点どうしても確認しておきたいことがあるんですけれども、今回重度障害者の短時間労働も雇用率制度の対象になりました。これはこれで評価できる点もあります。これまでフルタイムで働いていた重度障害者が短時間労働者ということに移行させられないか。その歯どめといいますか、対応はどういうふうに考えていらっしゃいましょうか。こういう立場にいる障害を持った方々が大変厳しい状況に置かれておりますので、ひとつこの点をお聞かせください。
#267
○政府委員(若林之矩君) 障害者の方々の雇用につきましては、フルタイムの常用雇用というのが基本であるというふうに思います。
 ただ、今回の改正におきましては、通勤事情等でそういったようなフルタイムの常用雇用が難しいという方が多くおられるということでございまして、こういったような短時間労働者について特例的に実雇用身体障害者数に算入するということを認めまして、重度身体障害者の雇用の場の拡大を図るということにしたわけでございますが、これはやはり特例的な措置という位置づけだと思うのでございます。
 そこで、ただいま先生御懸念をお示しになりましたけれども、本人の意思に反して短時間雇用に移行させられると申しますか、押し込められるというようなことがあってはならないわけでございまして、この点につきましては、この法律の中でも短時間雇用におきます実雇用身体障害者数の算入方法にも特別の配慮を加えておりますし、また本人がフルタイム雇用を希望する場合にはその移行に努めるというようなことで、その能力に応じた適切な措置を行うように事業主に努力義務を課しておるわけでございます。
 私どもは、ただいま先生御懸念のようなことがあってはならないことでございますので、その点十分この改正後にその趣旨が行き届くように周知徹底を図っていきたいというふうに思っております。
#268
○下村泰君 非常にごまかされやすい立場に置かれている人ですから、こういう方たちは、よろしくお願いします。
 それから、最低賃金制度について伺いたいんですが、障害を持った人に対する最低賃金適用除外申請数、それとこの許可数ですね、これを教えてください。最近ので結構です。
 それから、都道府県別のデータについてもお知らせ願います。
#269
○政府委員(若林之矩君) 平成三年におきます全国の数字、最低賃金の適用除外につきまして精神または身体の障害によるものの申請件数は全国計で三千七百七十五件でございます。
 これに対しましての許可件数は全国計で三千七百三十四件でございますが、私全国の数字しか手元にございませんで、都道府県の数字がどうなっているかちょっと承知をいたしておりませんので、後ほど調査をいたしまして、わかるものでございましたら御報告に上がりたいと思います。
#270
○下村泰君 ありがとうございます。今じゃなくても結構ですから、ひとつありましたら出していただきたいと思います。
 それで、その許可基準なんですけれども、許可基準というのはどういうものなんですか、教えていただきたいと思います。
#271
○政府委員(若林之矩君) この許可基準でございますが、適用除外の許可に当たりましては、単に障害者であるという理由で行うものでございませんで、障害者が業務の遂行に直接支障を与えることが明白である場合に限って行われるものでございまして、また許可に当たりましては、障害の程度と作業の実態等を個別的に十分調査いたしました上で、障害者の保護に触れることのないよう慎重に配慮してその運用をいたしているところでございます。
#272
○下村泰君 つまり、その八条の許可基準、いわゆる適用除外の精神または身体の障害により著しく労働能力の低い者というところのその判断というのは一体だれが何を見て行うんでしょうか。あるいは、全国統一の判断基準というのがあるのかどうなのか。それから、具体的手順、流れ、そして労働能率をどうやって図るのか。物を幾つつくれるかでははかれるものばかりじゃないと思います。実は、これは全く現場では納得いかないところが多いと言うんです。申請に対して許可件数が非常に多いんです。許可件数が非常に多い。つまり、許可されないところが非常に少ない。何で許可されなかったのかという原因がそちらにございますか。
#273
○説明員(細野孝雄君) 実際に許可申請が上がってまいりました場合には、所轄の監督署の監督官が調査員となりまして、当該事業所に出向きまして、その当該労働者に係る作業の実態等を調査いたしまして、そしてその中で許可を与えていくということでございます。
#274
○下村泰君 何かすっきりしないんですがね、何か非常にすっきりしないんです。ああそうかと納得できないんですよ、今の。何だかわけがわからない、ちょっともう一回。
#275
○説明員(細野孝雄君) お答えいたします。
 精神または身体の障害により著しく労働能力の低い者ということでございますけれども、精神または身体に障害のある労働者でありましても、その障害が当該労働者に従事させようとする業務の遂行に直接支障を与えることが明白である場合のほかは許可しないということでございます。そして、当該業務の遂行に直接支障を与える障害がある場合でも、その支障の程度が著しい場合にのみ許可するということでございます。この場合、支障の程度が著しいとは、当該労働者の労働能率が当該最低賃金の適用を受け得る他の労働者のうちの最下層の能力者の労働能率にも達しないものであるということでございます。
 以上でございます。
#276
○下村泰君 しかし、あなた自身も完全によくわかっていないみたいですね。結局、一番大事なことは、そういうのは条文的にありますよ、箇条書きに日本語が並んでいます。それが完全に現場で、現場に行ってそれを見ている人がわかっているのかわかっていないのか、それが問題なんです、私の言いたいのは。
 ですから、時によってはよく見ないで判を押しているんじゃないかと思いますよ、申請を持ってこられた、ああいいや、はいはい、ドンドンと。その晩どこかの料理屋で一杯飲まされているとか。そんなことはあってはいけないことだけれども、そんなふうな許可の仕方をしているのでなければ、九十何%なんて物すごいですよ、許可される率が。では、許可されなかったのはどこが悪かったのかということなんです。
#277
○説明員(細野孝雄君) 先ほどちょっと申し上げましたけれども、許可申請が上がってまいった場合には、個別に具体的にその事業所に出向きまして、それぞれ個々に先ほど申しましたような基準に照らして許可が妥当であるかどうか実態を調査いたしました上で許可を出しているわけでございます。
#278
○下村泰君 ただ、大臣、ここで問題が一つあるんです。今私が申し上げたようなところで働いていらっしゃる方々がいますね。中には、ここで働かせてもらえるだけでいいんだという感覚の方もおるんです、実際は。また、その周りにいらっしゃる方でもそういう考えを持った方もいらっしゃるんです。しかし、それはそれでいいというものじゃないわけですね。その最低賃金のことについても――もう時間ですね。これはまた後にしましょう。
 しかし、そういった実態を認識して、これは一体合法なのか合法でないのか、こういう状況、これをどういうふうにお考えになりますか。最低賃金以下で働かされている人もいるわけですよ。
#279
○説明員(細野孝雄君) 最低賃金につきましては、最低賃金額を下回って雇用される場合には、これは当然に許可を受けていなければ違法となります。
#280
○下村泰君 まだ、障害者の助成金の問題とか納付金の問題とかたくさんあるんですけれども、これまた後日やることにいたしまして、今までの私の質問を聞いていただいて、大臣はどういうふうに受けとめていらっしゃいますか、それを一言聞かせていただきたいと思います。
#281
○国務大臣(近藤鉄雄君) 下村先生、大変勉強になる御指摘をいただきまして、いろいろ私考えさせていただいたわけでございますが、今の最低賃金の問題なども企業の立場から考えれば、それだけの収入といいますか、採算ということなんでしょう、恐らく。だから、いろんな必要な機会については国で助成して、そしてつけるようにしていただきましょうとか、さらには一応期間を限っておりますけれども、雇用助成金をおのおのの会社にお払いをしながら、ある程度の訓練をして、だんだんなれていただいて、幾らかでも健常人並みの賃金を払っていただけるようなそういう体制に持っていこう、こういう努力をしていることだと思いますが、まだまだ十分ではないんじゃないかという御指摘は、これは謙虚に受けとめましていろいろまた勉強させていただきたいと思います。
#282
○下村泰君 ありがとうございました。
    ―――――――――――――
#283
○委員長(向山一人君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、岩崎純三君が委員を辞任され、その補欠として星野朋市君が選任されました。
    ―――――――――――――
#284
○委員長(向山一人君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#285
○委員長(向山一人君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより採決に入ります。
 障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#286
○委員長(向山一人君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、細谷昭雄君から発言を求められておりますので、これを許します。細谷君。
#287
○細谷昭雄君 私は、ただいま可決されました障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合、参院クラブ、各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
 障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議
−案−
 政府は、障害者雇用の現状にかんがみ、社会連帯の理念に基づき、次の事項の実現に努めるべきである。
 一、障害者雇用対策基本方針については、労使及び障害者団体の意見を十分尊重して実効ある内容を定めるとともに、適宜フォローアップに努めること。
 二、企業名の公表を前提とした指導を強化して雇用率制度の厳正な運用を図るとともに、そのための体制整備に努めること。
 三、公共職業安定所、障害者職業センター、障害者職業訓練校等における障害の種類及び程度に応じたきめ細かな職業リハビリテーションサービスの一層の充実強化を図るほか、技術革新の進展等に対応して、職域開発の推進、除外率制度の適正運用等に努めること。
 四、重度障害者の範囲について、職業生活における援助の必要性との関係に配慮して見直しを行うよう努めること。
 五、第三セクター方式による重度障害者雇用企業の育成等重度障害者の雇用の場の確保に努めるとともに、通勤事情等に対処するため、公共基盤の整備を含めた諸施策の推進に努めること。また、障害者の雇用の安定を図るため、助成金の活用等により事業主の努力を促すとともに、就職後の定着指導に努めること。
 六、精神薄弱者の雇用の促進等を図るため、能力開発等条件整備対策を引き続き推進し、雇用率制度の在り方の検討も含め、施策の充実強化に努めること。また、助成金の活用等により、精神障害者の雇用の促進等に努めること。
 七、障害者雇用に関する国際協力、の推進に当たっては、相手国の実情に配慮しつつ、実効あるものとなるよう努めること。
 右決議する。
 以上であります。
#288
○委員長(向山一人君) ただいま細谷君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#289
○委員長(向山一人君) 全会一致と認めます。よって、細谷君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、近藤労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。近藤労働大臣。
#290
○届務大臣(近藤鉄雄君) ただいま決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、努力してまいる所存でございます。
 なお、国、地方を通ずる政府における障害者雇用率については、特に地方自治体が低いじゃないか、こういう御指摘が田辺先生その他からございましたが、実はあした閣議がございますので、きょうこの法案を通していただいたということを踏まえて、閣議の席においても関係大臣に私の方から強く要請をいたしたいと思いますので、御理解をいただきたいと存じます。本当にありがとうございました。
#291
○委員長(向山一人君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#292
○委員長(向山一人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#293
○委員長(向山一人君) 次に、職業能力開発促進法の一部を改正する法律案を議題とし、まず政府より趣旨説明を聴取いたします。近藤労働大臣。
#294
○国務大臣(近藤鉄雄君) ただいま議題となりました職業能力開発促進法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 我が国経済社会は、今後、若年労働力の大幅減少等に伴い、構造的に労働力不足基調で推移することが見込まれる一方、技術革新、情報化等が急速に進展しております。このような中で、経済社会の変化に柔軟に対応できる人材の育成と、労働看の職業の安定を図るためには、労働者の職業能力の開発及び向上を一層促進することが必要であります。
 また、若年者を中心に、いわゆる技能離れの風潮が強まる中で、技能を尊重する社会を形成することが重要な課題となっております。
 政府といたしましては、このような課題に適切に対処していくため、事業主、労働者等の自主的な職業能力開発を促進するための支援の強化、高度で多様な職業能力開発機会を提供するための公共職業訓練体制の整備、技能を尊重する社会を形成するための技能振興施策の推進のための措置を中心として、職業能力開発促進法を改正することとし、中央職業能力開発審議会の答申をいただき、ここに職業能力開発促進法の一部を改正する法律案として提案いたした次第であります。
 次に、その内容の概要を御説明申し上げます。
 第一に、国及び都道府県は、事業主等のほか労働者に対しても、職業能力開発に関する情報及び資料の提供、相談援助の実施に努めなければならないこととするとともに、公共職業訓練施設は、職業訓練を行うほか、事業主、労働者その他の関係者に対し、情報及び資料の提供、相談その他必要な援助を行うように努めなければならないこととしております。
 また、公共職業訓練施設につきましては、職業訓練と並んで各種の援助業務を行う職業能力開発に関する総合的な施設として位置づけることにかんがみ、施設の名称を改め、公共職業能力開発施設と総称することといたしております。
 第二に、公共職業訓練の体系を、養成訓練、向上訓練及び能力再開発訓練に基づく対象者別の体系から、労働者が受講したい訓練を選択できるような、訓練内容の程度と訓練期間の長さによる弾力的な体系に再編することにより、多様で高度な職業訓練を実施できるようにするとともに、新たに職業能力開発短期大学校において、在職労働者を主たる対象とした短期間の高度な職業訓練を実施できることといたしております。
 第三に、事業主がその雇用する労働者の職業能力開発を促進する場合に講ずる措置として、労働者に各種の職業能力検定を受けさせることを規定するとともに、国及び都道府県が事業主等の行う職業能力検定に対する援助等を行うことにより、その普及促進を図ることといたしております。
 また、国は、技能を尊重する社会を形成するため、技能の重要性について事業主その他国民一般の理解を高めるために必要な広報その他の啓発活動等を行うことといたしております。
 第四に、公共職業能力開発施設等は、その業務の遂行に支障のない範囲内で、外国人研修生等に対しても、職業訓練または指導員訓練に準ずる訓練を行うことができることを明確にすることといたしております。
 その他、職業訓練指導員免許制度の改善、技能検定の受検資格の弾力化等所要の規定の整備を図ることといたしております。なお、この法律の施行は、一部の規定を除き、平成五年四月一日からといたしております。
 以上、この法律案の提案理由及びその内容の概要につきまして御説明申し上げました。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#295
○委員長(向山一人君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト