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1992/05/19 第123回国会 参議院 参議院会議録情報 第123回国会 逓信委員会 第8号
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1992/05/19 第123回国会 参議院

参議院会議録情報 第123回国会 逓信委員会 第8号

#1
第123回国会 逓信委員会 第8号
平成四年五月十九日(火曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月十五日
    辞任         補欠選任
     藤田 雄山君     陣内 孝雄君
 五月十八月
    辞任         補欠選任
     井上  孝君     斎藤 文夫君
     谷川 寛三君     尾辻 秀久君
     高井 和伸君     中村 鋭一君
 五月十九日
    辞任         補欠選任
     陣内 孝雄君     野村 五男君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         粕谷 照美君
    理 事
                尾辻 秀久君
                斎藤 文夫君
                大森  昭君
                中村 鋭一君
    委 員
                岡野  裕君
                沢田 一精君
                関根 則之君
                野村 五男君
                平野  清君
                守住 有信君
                及川 一夫君
                國弘 正雄君
                三重野栄子君
                山田 健一君
                矢原 秀男君
                吉岡 吉典君
                足立 良平君
                下村  泰君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  渡辺 秀央君
   政府委員
       大蔵省理財局次
       長        吉本 修二君
       郵政大臣官房長  木下 昌浩君
       郵政省簡易保険
       局長       荒瀬 眞幸君
       郵政省通信政策
       局長       白井  太君
       郵政省電気通信
       局長       森本 哲夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大野 敏行君
   説明員
       大蔵大臣官房参
       事官       村木 利雄君
       大蔵省証券局流
       通市場課長    高木 祥吉君
   参考人
       日本電信電話株
       式会社代表取締
       役社長      児島  仁君
       日本電信電話株
       式会社代表取締
       役副社長     澤田 茂生君
       日本電信電話株
       式会社取締役国
       際部長      戸田 秀明君
       日本電信電話株
       式会社取締役移
       動体通信事業本
       部副本部長    武内 宏允君
       日本電信電話株
       式会社取締役   井上 秀一君
       日本電信電話株
       式会社取締役電
       話サービス推進
       本部電話サービ
       ス部長      井関 雅夫君
       日本電信電話株
       式会社理事労働
       部長       和田 紀夫君
       日本電信電話株
       式会社電話サー
       ビス推進本部情
       報案内営業部長  福元 俊久君
       国際電信電話株
       式会社代表取締
       役社長      市原  博君
       国際電信電話株
       式会社代表取締
       役副社長     奥田 量三君
       国際電信電話株
       式会社常務取締
       役        山口 武雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事辞任の件
○理事補欠選任の件
○参考人の出席要求に関する件
○日本電信電話株式会社法等の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(粕谷照美君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十五日、藤田雄山君が委員を辞任され、その補欠として陣内孝雄君が選任されました。
 また、昨日、井上孝君、谷川寛三君及び高井和伸君が委員を辞任され、その補欠として斎藤文夫君、尾辻秀久君及び中村鋭一君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(粕谷照美君) この際、理事の辞任についてお諮りいたします。
 岡野裕君及び守住有信君から、それぞれ文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(粕谷照美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(粕谷照美君) 委員の異動及び理事の辞任に伴い、現在理事三名が欠員となっておりますので、この際、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(粕谷照美君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に尾辻秀久君、斎藤文夫君及び中村鋭一君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(粕谷照美君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 日本電信電話株式会社法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に日本電信電話株式会社代表取締役社長児島仁君、同社代表取締役副社長澤田茂生君、同社取締役国際部長戸田秀明君、同社取締役移動体通信事業本部副本部長武内宏允君、同社取締役井上秀一君、同社取締役電話サービス推進本部電話サービス部長井関雅夫君、同社理事労働部長和田紀夫君及び同社電話サービス推進本部情報案内営業部長福元俊久君、国際電信電話株式会社代表取締役社長市原博君、同社代表取締役副社長奥田量三君及び同社常務取締役山口武雄君を参考人として出席を求めたいと
存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(粕谷照美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#9
○委員長(粕谷照美君) 次に、日本電信電話株式会社法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案については既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#10
○三重野栄子君 ただいま議題になりました法律案につきまして質問をいたします。
 まず、法案提出の理由についてお伺いいたします。
 郵政省にお尋ねしたいんですが、これからの発言の便宜上、日本電信電話株式会社はNTT、国際電信電話株式会社はKDDと呼ばせていただきたいと思います。法律内容の質問に先立ってのことでございますけれども、法律案の提案の理由に、先日伺いましたところ、「国際化の進展」と一言述べられておりますけれども、一九八〇年代の特徴は以前から国際化、情報化、高齢化と指摘されておるところでございます。NTTやKDDという事業そのものは先見性を持っておりますし、最先端を行く事業体だと承知しております。そういう状況の中で、一九八五年、昭和六十年の電気通信制度の改革からまだ七年でございますけれども、そこへ国際化の進展というだけで提案理由が説明されておりますので、いささか納得いきませんので説明の補足を大臣にお願いしたいと思います。まず大臣にお願いしたいと思いますが、いかがですか。
#11
○国務大臣(渡辺秀央君) 今回提出いたしておりますNTT法の一部改正案は、御案内のように、外国人などがNTTあるいはまたKDDの株式を五分の一未満の範囲内で所有できるようにすることがまず第一点でございます。第二点は、NTTがいわゆるエクイティーファイナンスを円滑に実施できるように政府保有の株式数の算定方式の特例を定めるということが主な内容になっているわけで、非常に大きなこれからも投資をしていかなければならないNTTに対して、資金の円滑な調達といいましょうか、そういうものの環境をつくっていくということが今回の法案の一つの目的であると思うわけでございます。
 六十年の電気通信制度改革以後、我が国の国際化が進展して、NTT及びKDDも国際化への対応を積極的に進めているところでありまして、海外においても電気通信分野における資本交流が進んでいることから、両社の株式について外国人の所有を一切認めないという現行の制度ではいかがかということで見直しをし、世界の先進国にふさわしい制度にしようといたしているわけでございます。
 あるいはまた、NTTはディジタル化の推進のため先ほど申し上げた資金の確保が大切であるということでございまして、こういうことを効果的に、しかも安定的に行おうということがねらいであるわけでございます。この法案をぜひひとつ御理解、御賛同賜りまして、世界的にも大切な電気通信企業として、あるいはまた我が国の基本企業として非常に大切な両企業の円滑な、健全な発展を促していく、そういう環境づくりの一助にいたしたい。よろしくひとつ御指導と御理解を賜りたいと思うわけでございます。
#12
○三重野栄子君 国際化の進展という関連では少し私は理解しにくかったわけですけれども、一昨年の十二月にNTT株が第一次放出時の価格を下回って低下をしておりますし、二年連続して売却できないという状況のときに、大蔵省と郵政省が発表いたしました株主対策、その中に外資規制の見直しやエクイティーファイナンスの円滑な実施への配慮があったと思っております。今回の法案がNTT株のさらなる下落をしてから提出されたという状況の中で、今株価は少し持ち直しているようでございますけれども、今回の法案と株主対策との関係についてどのような見解を局長お持ちでございましょうか、お伺いしたいと思います。
#13
○政府委員(森本哲夫君) 冒頭の御質問も含めまして、この法案を提出させていただいた六十年以降の大きな変化、もちろん国際化という言葉で表現をしておるわけでございますが、一つは、我が国全体が大変国際化の進展していく中で、今回法案をお願いしておりますKDD、NTTとも例えば資本調達、これは民営化以前に比べますと今四倍ぐらいの規模に年平均なっております、海外からの資金調達あるいは資材の調達でございます。交換機であるとか各種の電気通信設備の調達についても、これも数倍になっておるわけでございますし、また各地にNTT、KDDが現地に法人をこさえたり、あるいは支店をこさえたりということも随分この数年活発になっておるわけでございます。
 それからもう一つ着目すべきは、この電気通信改革の法案をお願いしましたのは昭和五十九年ごろでございます。そのころ、この電気通信というのは一国の防衛だとか外交だとかと並んで国家が直接かかわるものだという認識が非常に各国強うございまして、ほとんど国営独占という格好でやってまいったのでありますが、我が国が着手をいたしましたころには、開放しておりましたのはイギリスぐらいなもの、アメリカはもともと民間資本の国でございますから。しかし、そういう競争原理も導入し、海外からの資本も入れようという動きが世界各国で非常に顕著になってまいりました。
 そうした状況を受けまして、逆に日本の市場にアメリカの各電話会社の株式だとか、あるいはさっき申しましたイギリスのBT、ブリティッシュ・テレコム、日本のNTTみたいなものでございますが、これが東証市場で取引をする、こんな資本交流も大変活発になってまいったわけでございます。私どもとしては、制度改革七年を経ました今日、いつまでもNTT、KDDを外国人には一切株式を保有させないという現行制度については、将来を見渡した場合いろいろ不都合があるだろう、そういう意味でこの際これまでの制度を改めたいと、こういうことで御提案をお願いしておるわけでございます。
 この株価をめぐっていろんな折にこうした問題、私らの望むところではございませんですが、新聞報道等で、株が下がるのなら外国人にも持たしたらどうか、そうするとみんな買ってくれるから株が上がるんじゃないか、こういう議論なども確かにこれを検討する過程で出てまいりました。しかしこうした問題は、今申し上げましたような日本の国際化あるいは電気通信市場の基本的なあり方、こういうことから観念すべきあるいは議論すべき事柄であって、単にこの株価対策という狭い視野の問題で考えるべき筋のものではないということで、かねがねこの問題については現行制度を改めるべきかどうかということを大変慎重に検討してまいりました。電気通信審議会にも議論を長期間お願いをしたりして、その結論のもとに今回法案を提出させていただいたと、ちょっと若干長くなりましたが、背景は以上でございます。
#14
○三重野栄子君 大変理解を深めることができました。今伺いましたので大体概括がわかったように思いますが、今の問題を今度は企業の側から御説明をいただきたいというふうに思います。
 昭和六十年の電気通信制度改革以来七年たっているわけですけれども、最も基本的と思われるような今度の法案の二項目でございますので、一般的に見ますと、七年ぐらいでは法律は改正されないというのが実情のようでございますが、今局長から伺いましたように、世界的に非常に激動しているという状況からだと思いますけれども、七年間の間にどのように変化があり、これからどのように飛躍していくかという立場でNTTの側からの御説明をいただきたいと思います。
#15
○参考人(児島仁君) NTTの立場からお答え申し上げます。
 先ほど大臣からお話がありましたように、私ども設備産業でございますから大変膨大な建設投資資金が必要でございます。年々歳々借入金あるいは債券で資金を調達しておりますが、簡単に申し上げますと、外国で調達した金額の方が国内で調達した額よりも多いという年が二年ばかりありますし、それから年間二千億を超える調達ということもありました。ただし、その場合には債券による調達だけでありまして、いわゆるここで言うようなエクイティーファイナンスというふうなことはできませんでした。
 一兆九千億、二兆円に近いお金を調達するというケースでは〇・一%の金利もゆるがせにできないわけでありまして、できるだけ安い資金の調達で設備をつくっていくということは、間接的にはユーザーへの還元とコストを上げないということになるわけであります。重大な関心を持っております。今回こういった措置をとられることは私どもとして大変ありがたい、直ちにやれるという市況にはないと思いますけれども、いつでもやれるというこの構えが大変私どもにとってはありがたいことであります。
 それからもう一つ、外国人保有の問題でございますが、これも大臣、局長から既にお答えがありましたので簡単に申し上げますけれども、世界の電気通信事業者はすべて国際戦略に今走り回っております。そういった中で、当面はないと思いますが、一緒に手を組んでやっていく、あるいは敵対関係になるというケースがあると思うのですが、そういった場合にある会社に共同で出資する、あるいは株の持ち合いをするというふうなことがあります。そういったときにNTTだけは外国人に株を持たせないということでは仲間にも入っていけないということだろうと思います。今回の御措置は私どもにとって大変ありがたいことだというふうに思っております。
#16
○三重野栄子君 どうもありがとうございました。
 質問は同じような趣旨でございますけれども、KDDの方からもお答えいただきたいと思います。
#17
○参考人(市原博君) 今回株式の外国人保有が可能になりますと、国際化の中で会社の開かれた企業のイメージというものを持っていただけるようになりますとともに、実務面におきましても、海外での資金調達の多様化、調達コストの削減の可能性も出てまいりますので、より機動的な事業運営に資することができると考えております。また、当社の基幹的国際通信事業者としての役割、経営の自主性の確保等の面から外国人の株式保有に一定の制限も加えておられまして、全体として今後の事業運営にとって好ましいものと考えております。
#18
○三重野栄子君 以上の立場に立ちまして、これから法改正の中身について一、二質問をいたします。
 改革の折、NTTは基幹的電気通信事業者として中枢的な役割を担っておるから、その経営に対して外国からの影響を強く排除する必要があるというようにして外資規制が設けられたと聞いております。そこで政府としては、我が国の通信主権を守ることとして附帯決議が行われているそうでございますが、今回の外資規制の規定が設けられた趣旨、それからその基本にある通信主権についてどのように考えて改正をされたのか、そのあたりの経過などを伺いたいと思います。
#19
○政府委員(森本哲夫君) 五十九年十二月に本院のこの逓信委員会で御指摘のように当時の電気通信関係法律の制定にかんがみまして附帯決議がつけられておりまして、「情報通信をめぐる国際競争が激化する情勢にあって、国際電気通信条約等国際約束を遵守して、我が国の通信主権を守り、」「電気通信の発展基盤の強化に努めること。」、こういう御指摘がございます。
 ここで言うこの通信主権について、今の御質問は本当に守っていることになるのかと、こういうことかと思うのでありますが、基本的に通信主権という言葉でございますが、もともと国際間で自由濶達に通信が行われなきゃならないものでございますから、大変長い間の歴史を持っておるわけでございますが、国際電気通信連合というのがございます。これは日本も明治の時代から加入をいたしておるわけでありますが、こうしたITUの基本的な協約でございます国際電気通信条約という条約の前文に、各締約国はこの条約を締結するに当たって、各国に対してその電気通信を規律する主権、ソビリンライトを十分に承認する、こういう規定が前文に置かれているわけであります。
 言いかえますと、この規定は要するに、各国が電気通信を自由に国際的に行うためにこういう協約をつくるが、それに当たって、電気通信に関して各国が国内にどう規律するかは各国の主権にゆだねられると、こういう趣旨を書いたものと私ども考えておるわけであります。そういう意味合いで今回の外資規制の措置というのも、先ほど申し上げましたようにこの七年間の大きな変化、法律制定からは八年になるわけでございますが、この間の状況の変化というものを踏まえまして、NTT、KDDの株式について外資に門戸を開くと同時に今後の資金調達の多様化を図る、こういうことをお願いをするわけでございます。これはあくまでも政府としてこういう客観情勢を自主的に判断してこういう法案の提案をお願いをしているわけであります。
 また同時に、その法案の中身にもごらんいただけますように、外国からの影響力ということはやはり十分考慮に入れなきゃならないことでございますので、外資開放をするにしても、外国からの影響力の排除については十分意を用いなければならぬということで、今回お願いをいたしておりますように、外国人の保有限度は五分の一未満、あるいは外国人の役員就任についての制限を設けるということもあわせまして、KDD、NTTともこうした開放体制の中でなお経営の自主性というものを確保してもらえるような筋道をお願いしたい、こういうことでございます。
#20
○三重野栄子君 そういたしますと、外国からの影響を強く排除する、強くというか、外国からの影響というものも考えた上でこの法案が提出をされた。したがいまして、私といたしましては、今御説明のありました外資規制の五分の一未満まで認めるということでございますけれども、NTT株の政府保有義務は三分の一でありますし、また第一種電気通信事業者の外資規制も三分の一ですから、日本の企業は非常にいろんなところで規制が多いというふうに言われている中で、民主化を進めている政府の考え方としては三分の一でよいのではないかというようなことも考えたりするんですけれども、今御説明になりましたように、五分の一が適当だというふうにお考えになっているということなんでしょうか。
#21
○政府委員(森本哲夫君) 六十年の改革で多くのニューカマー、新規参入が実現したわけでございます。これについては御案内のとおり三分の一まで開放するということで、これは、できるだけ開かれた制度にすべし、しかし通信自体は一国の安全にかかわる重要な社会資本でございますから、それにはおのずから制約があるということで三分の一でスタートさせていただいて、その結果、現に多くの新規事業者の中にはその限度いっぱいまで資本が参入しておって、今いわば外資合弁とか日米合弁、そう称しても差し支えない程度の資本参加をしながら現に各般の営業活動を行っているわけであります。
 今回、NTT、KDDにつきましては、こうした一般の事業者と異なり、この両社はいずれも日本の基幹的通信事業者として今日までいわば独占のもとに、多くの国民の協力を得ながら全国に展開するネットワークの構築、あるいは全世界の対地とどこでもほとんど通話ができる体制を構築してまいったわけでございますから、さらにこうした外国の影響力の問題については十分考慮をする必要があるだろう。
 そこで、海外の状況をも子細に調べてみたのでございますが、一番オープンだと考えられますアメリカにおいても、こうした通信事業者の保有制限はやはり五分の一未満、そして外国人の役員就任を禁じているということもございましたし、そうした視点で、こうした開放で外国から非常に閉鎖的だという非難は決して受けない、しかしその中で目いっぱい開かれた制度にしてあるという理解は得られるものだろう、こう考えて御提案をさせていただいているところでございます。
#22
○三重野栄子君 それでは次にエクイティーファイナンスの問題について質問をいたします。
 まず第一に、政府の株式保有義務について特例を定めるものでございますけれども、この特例を定められた理由、それからこのことは国民的にメリットはどのようにあるのかということについてお尋ねをいたします。
#23
○政府委員(森本哲夫君) 先ほど大臣も申し上げましたように、あるいは社長からも申し上げましたように、電気通信事業というのは大変設備を多額に要する産業でございます。ネットワークの高度化、ディジタル化、新しいサービスをいたしますには大変な投資が今後とも引き続き大変重要な状況になっておるのは御案内のとおりでございます。このためには、先ほどNTT社長からも申し上げましたように、従前の社債とか借り入れ以外に、いわゆるエクイティーファイナンスという形で新株を発行したり、あるいは転換社債を発行したり、あるいは新株引受権付社債の発行といったような資金調達手段の多様化が大事でございます。
 ところが、現行の制度で政府が三分の一保有ということに相なっておりますので、今のままでまいりますと、もしこうしたエクイティーによって株数が増加いたしますとするならば、その三分の一に見合う分だけまた新たに政府が予算措置をするなり法的な措置を講ずるなりして手当てをしなければならないということになるわけでございます。そうなりますと、市場の動向を見て機動的に資金調達を行いたいというときに、いわば前年に国会の承認を得た予算の中で措置をしてあるということが前提になるとするならば、大変機動的な調達手段という意味でうらみが出てまいるわけでございまして、こうした障害を除くべく、当分の間、資金調達を円滑に行うために新株を発行してもその三分の一の数には入れなくてもよろしい、こういう特例をお願いして、新株発行に伴う新たな政府保有分の発生を抑制して、結果として資本市場に機動的な対応ができるようにということをお願いしているわけでございます。
 同時に、先ほども申しました。外国人にも株式保有は可能になるということになりますと、海外市場においてのエクイティーファイナンスも可能になるわけでございますので、いずれにいたしましても、こうした形でできるだけ今後のNTT、KDDの経営の向上を図りたいという趣旨でお願いをしておるところでございます。
#24
○三重野栄子君 非常に多額のお金が要るということを伺いましたんですが、私の考えでは、とにかく三年連続売却をされておりませんし、それから凍結された部分もあるわけですから、なぜここでエクイティーファイナンスのことをやらなくてはならないかというふうには思いました。
 しかし、今の御説明で理解ができましたんですけれども、それでは当分の間というのはいつまでで、どのくらいのことも指しておられるのでしょうか。それからまた、当分の間が終わったときに政府の今までの株式保有義務の三分の一というのはどうなっていくのでしょうか。今おっしゃるように、膨大な新株が発行されてまいりまして、その当分の間の後に三分の一というのはすごく大きくなっていると思うんですけれども、政府の株式保有義務とその当分の間が終わったときの関係はどうなるんでしょうか。そこらあたりをお尋ねします。
#25
○政府委員(森本哲夫君) これは先ほど来話に出ておりますように、昭和五十九年のときの法律で政府は三分の一を保有するという形で民営化の枠組みがスタートしたわけでございますが、NTTの持っております非常に重要な公共的役割に照らしまして、特定の者にNTTの経営が支配されたりあるいは株主権が乱用されたりすることがないように、常時政府が発行済みの三分の一の株を保有することによって安定株主として会社の経営の安定とか適正な事業運営を確保する、こういう趣旨で設けられたのだと思っております。
 特に三分の一という意味合いは、先生御案内のとおり商法で、三分の二というのは特別決議という形で、大きな会社の経営の動向を左右する際には特別決議というのがございます。そういう意味で、いわば政府としてあるいは日本のNTTとして容認しがたい特別決議の成立を阻止する、排除ができる、こういう意味の三分の一であろうかと考えるわけでございます。
 そうしてみまして、現在の売り出し以降の状況を見ましても、御案内のとおり百七十万人近い株主がおられるわけでございますが、こうした株式の保有状況というようなことを参酌しました場合に、現実の株主総会において三分の一の議決権の確保は十分可能であろう。また、これから売却予定にいたしております株が三分の一保有とはまた別に五百万株あるわけでございますし、これの議決権の行使というものは当然のことながら政府保有の分と合わせて議決権も行使されるわけでございますので、そうした意味合いで現実にこの三分の一を切るということは想定しがたいだろう。したがって、こうした問題に厳密な運用を図るよりは、むしろ先ほどから申しております資金調達の容易化、円滑化ということをこの際ぜひ確保する必要があるということで、当分の間三分の一については今言ったような形でお願いをしたい。
 三分の一がその先についてどうなるかという御質問でございますが、私どもとしては当分の間今言いましたような趣旨で問題は生じないものと考えておりますが、万が一将来改めてこの問題について必要が出てまいりますならば、その際に、もとの原状に復帰する三分の一にするか、あるいはそのときの状況に応じて政府保有をどういうふうに判断するかはまた改めてその時期にいろいろ御検討の上御判断をお願いしたい、こういうふうに考えておるとごろでございます。
#26
○三重野栄子君 それでは、少し視点を変えて三つほどお伺いをいたします。
 電気通信事業にかかわってでございますけれども、まず第一に、八四年のNTT法制定のときに附帯決議がございました。その二項目に「高度情報社会の形成を展望し、プライバシー保護、情報公開などを含む情報基本法の制定に積極的に努めること。」という附帯決議があったと思いますが、そのことについて質問をいたします。
 既に改革後七年間を経過しておりますが、積極的に努力をしてこられたのでしょうか。どういうふうになっているかという現状でございます。それから今後の見通しはどうなっているだろうか。電話の普及、この事業がどんどん進展をしておりまして、もう既に各地でこの問題については個人のプライバシーの問題あるいは犯罪の問題が起こっておりますし、NTTとしても把握されていると思いますけれども、例えばNTT和歌山支店とかあるいはNTT倉敷支店などでは、既に新聞報道もあり、しかもそれは犯罪行為につながるというような状況でございますので、特にこの情報基本法を制定することによって国民のプライバシーといいましょうか利益を守りたいというふうに思いますので、その点の現状とこれからの制定に向けての方向をお尋ねいたします。
#27
○政府委員(白井太君) ただいまの先生のお話の冒頭の部分についてお答えを申し上げたいと思います。
 情報基本法を検討すべきではないかという御意見はしばしば出されたところでありますが、このことにつきましては、主としてその情報に関し個人を守るというようなことを基本にこのような問題が提起されたのではないかと理解をいたしております。ただいま先生お示しになりました五十九年十二月の本委員会における附帯決議も、どちらかというとそういう観点を中心にしてなされたものであろうかと思います。
 そのような方向に沿うものといたしまして六十三年に新たな法律ができたわけであります。行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律がこれでありまして、この法律が六十三年にできたわけであります。しかしこの法律だけでは、情報基本法が必要だという御意見の中で指摘されているあらゆる問題をカバーするというものでないこともまた当然のことでございます。個人情報の保護でありますとか情報公開などの問題は極めて広範多岐にわたる問題でありまして、当然のことではありますが、ひとりこの電気通信にかかわるもののみではないということも申し上げるまでもないわけであります。
 そこで私どもとしては、私どもの受け持ちの分野であります通信について、その秘密を守る、秘密を保持するということに万全を期するというような考え方をまずはとりまして、これからますます社会の情報化が進むというような中で、個人のプライバシーの保護でありますとか、あるいはこの情報の取り扱い万般にわたりまして、そのあり方はどうすべきかということについて世間の動きなどにも十分関心を持ってまいりたいというふうに思っております。
 申し上げるまでもないことでありますが、情報の取り扱いというのはいろいろな意味で大変慎重な取り扱いを要するという問題でもありますので、すぐに具体的な動きとしてこの措置をとるということができなかったということもあるわけでございます。我々としては、しばしば再三にわたりまして個人情報の保護などが必要だとかいうような御指摘がなされてきていたということについては、十分念頭に置きまして事態の推移を見守ってまいりたいというふうに考えております。
#28
○三重野栄子君 なかなかこれは難しい問題でございまして、私どもも、じゃどういうふうにしていいかという具体性というのはまだ持ち切れないと思っているんですけれども、しかしやはり事業主体といたしまして、また郵政省の方としてもこの点について積極的に、情報がいっぱい集まってくるわけでございますから、できるだけ早く制定されるようにお願いしたいと思います。
 二番目は、NTTの方にお伺いしたいんでございますけれども、九三年三月期の経常利益は前期と比べて推定二〇%以上減少となるとか、あるいは役員の皆さんの報酬の減額だとか、あるいはことしの採用人員を減らすとかいうことを新聞などで知っているわけでございますけれども、こういうことではなかなか大変だろうと思うわけですけれども、これからの事業の進展というものも含めまして、この二つの法案によりますとこういうことが解決するのかどうか、うまくはいかないかわかりませんけれども、そのあたりの御説明をお願いしたいと思います。
#29
○参考人(児島仁君) ただいま私どもが直面しております財務の状況は、このエクイティーファイナンスあるいは外国人持ち株の制度によって解決するというものではございません。到底構造的にそういうことにはならぬというのをお答えせざるを得ないんでございます。
 今回、今先生御指摘のようないささか乱暴な措置をとりましたのも、競争が非常に激しくなってまいりましたのと景気の不調というようなことで、一方設備投資をやっていかなくちゃいかぬし、合理化もかなりの勢いで進めておりますが、簡単に申し上げて帳じりが合わないということです。その帳じりが合わなくなってきている上に、新しく商売をお始めになった方々、新規参入の方々、ニューカマーズと申し上げさせていただきますが、その方々がまた二十円の料金値下げをなさるということになりますと、私どもとの料金格差は最遠距離で六十円になります。二百四十円で六十円違うというのは大変な差でありますから、これを放置しますともうお客様全部とられてしまう。今でも相当の勢いで流れておりますのがもうとめどなく行ってしまうということで、社内で何度も何度も討議をいたしました結果、私どもも値下げに踏み切るということで今認可申請をしておる最中でございます。
 値下げをしていって財務ががたがたになっていいというわけではございませんので、できるだけのやっぱりきちっとした数字の維持をしたい。痛むことは痛むけれども、最小の痛みにしたいという中で緊急の措置としてとったことでございまして、採用数毎年千名がいいとも思っておりません。それから管理職のベースアップを毎年とめるということも決していいことだとは思っておりません。緊急の措置として今回やらせていただいて、料金値下げをした後の結果を見つつ今後の運営について基本的に考えていきたいというふうに考えておるわけでございます。
#30
○三重野栄子君 大変努力をされていると思いますが、さらによろしくお願いします。現場で働いている皆さんは今でも大変だ大変だと言っているのに、さらに採用が少なくなって人員が減るということになると大変な状況でございますので、御存じとは思いますけれども、よろしくお願いしたいところでございます。
 最後にKDDの方にお伺いしたいと思いますけれども、今のような形の事業運営の基本的考え方、短時間で大変申しわけありませんけれども。それと五月十五日に新聞報道されましたロシア極東に設立される通信会社の内容、簡単で結構です。それと現在のロシア極東地域との通信の現状。それから、新会社設立によりまして具体的にどういうところが改善されるだろうか、そういう面についてお願いいたします。
#31
○参考人(市原博君) お答え申し上げます。
 国際通信市場におきましては、昨今の内外の経済動向の影響を受けまして昨年来国際通信市場のトラフィックの成長率はやや鈍化する傾向にございますけれども、市場全体としての需要の伸びは依然として拡大傾向にございます。こういった中で、基幹サービスであります国際電話サービスにつきましては、競合、競争に入りまして当初は急激なシェアの移行が見られましたけれども、その後の数次にわたります料金格差の縮小、当社のサービスの拡充、営業努力そして経営の効率化を進めまして、現在ではシェアにつきましても安定化の方向をたどっておりまして、今期は昨年度よりも経常収支の状況もやや増加の傾向になりました。
 競合他社との今後の競争につきましては、料金値下げを中心とした競争から、多様なサービスメニューの展開、それから品質などを含めました本格的なサービス競争の時代に入ると考えております。今後の事業運営に当たりましては、従来より進めておりますサービスの多様化、さらなる営業力の強化、企業体質の強化などを図りまして、国際通信市場全体の拡大を図りまして競争に対応する諸施策を推進してまいりたいというふうに考えております。特に今日の競争環境下におきましては、非常に競争力を持った通信料金の設定なり維持はもとより、それ以上に当社の蓄積してまいりました従来の技術力、ノウハウによりまして競合他社にまさるいい品質の、しかも信頼性の高いサービスの提供に努めまして、世界の広範な地域との間に多種多様なサービスをより多くのお客様に使っていただけるよう社会的使命を果たしてまいりたい、こういうふうに考えております。
 次に、ロシア極東における通信会社設立の事業について、昨今報道されましたが、この問題について少し説明させていただきます。
 ロシア極東地域と我が国との国際通信は、主として同地域の国内通信網の整備のおくれから接続に大変困難な状態が続いております。平日の昼の時間帯で約四、五時間待たないとつながらないという状況にございました。したがってKDDは、このような通信事情を改善するために昨年六月から、ロシアの極東地域にインテルダリ・テレコムという会社がございますが、そことの間で衛星回線によりまして国際電話サービス開始に向けて準備を進めてまいりました。この間、先方との協議の中で、同地域の国際通信事情を迅速にそして抜本的に改善するためには日本からの出資、技術協力が最も望ましいという結論に達しまして今回新会社への合弁参加ということになったわけでございます。
 この新しい会社は、ウラジオオトクに国際通信用の衛星地球局を建設し、また国際交換機を設置いたしまして、インテルサット太平洋衛星を経由しましてKDDとの間に直通回線を設定いたします。主に極東地域のお客様を対象に国際電話サービスを専用ネットによって提供するというものでございます。
 KDDとの直通電話回線は、サービス開始時に約三十回線を設定いたしまして、日本中継によりまして、日本との間はもちろんでございますが、この回線を通じてロシアの極東地域から世界の各国へ国際ダイヤル通話が可能となりまして、ロシア極東地域との接続状況の改善と品質が格段に向上するということを期待いたしております。
 このほか、ロシアの極東地域の通信事情を早期に改善いたしますために、この新しい合弁会社による通信改善は来年の一月に開始されますので、それまでの間、本年六月稼働を目途にウラジオストク、ハバロフスク、ユジノサハリンスクの三都市に海事衛星用の携帯用の地球局を貸与いたしまして通信改善に努めたい、こういうふうに思っております。
 以上でございます。
#32
○三重野栄子君 終わります。
#33
○及川一夫君 参考人として出席をされましたNTTの児島社長、KDDの市原社長、大変御苦労さまでございます。せっかくの機会でもありますし、日常、事業を運営されて功罪それぞれあると思うんですが、御意見としては御遠慮なく、どんなことでもずばずば切るようにひとつお答えいただけると大変ありがたいと存ずる次第です。
 私は、この法律案はかねがね我が党としても強く要求をいたしておりました法律でございますから全くもって反対はございません。賛成をするという立場であることを鮮明にいたしながら、法律案自体について一点に絞って、これからのことを考えて質問をさせていただきます。
 同時に、外資が入ってくることだけではどうもこの論議は国民の目から見ても済まされない。特にリアルな問題としては、NTTの株の動向というものが広義の意味で言うと政治的、ずばりそのもの言えば社会的な問題になっていることでありますから、どうしてもNTT事業の今日の現状というものをしっかり踏まえて国民の疑問にいろいろと応じていかなければいけない、こういうふうに思っておりますので、ややそちらの方に重点があるということを大臣も御理解いただいて、とりわけ電気通信事業、郵政事業を含めた長にある大臣としてそれこそ的確なお答えを願いたいということをまずもって要望いたしておきます。
 第一にお聞きしたいのは、外資導入というものを図るわけですが、せっかく外資の導入をしてもそれがまた他国間とのトラブルになってはいけない、こう私は率直に思います。そこで、電気通信審議会の答申の資料に「主要国の外資規制の概要」というやつが載せられておるわけでありますけれども、これを見ますと、アメリカではFCC決定ということで、外資の導入は一五%とは書いてないんですが、一五%以上はFCCに対する報告の義務があると書いてあるわけであります。ですから、一五%まではいいが一五%以上になったら報告の義務があるという意味は、一五%を超えることがあるというふうにこの字面を読むと理解できるわけですけれども、ということは、日本との関係では、我が国が二〇%、ですから五%外資の開放が大きいということになって、何ら変更する必要はないんじゃないか、これで十分じゃないかという気もします。しかし、それ以上の場合報告義務と、報告ですから、だからそれ以上の実態に仮に今アメリカでなっているとするならば、また日米関係の中で、自由主義経済の日本でありながら閉鎖性がなどという問題が提起されないとも限らない。
 それからカナダの問題を見ますと、二〇%以下に制限されております。そういう点では我が国と同じということになるんですが、一方テレクローブ・カナダ法というのがあって、ここでは電気通信事業者によるカナダ社の株式の取得を禁止しているという問題もありますね。我々は禁止してないんですからとやか三言われる筋合いはないぞと思うんですが、これは一体どういう意味を持つのだろうか。
 さらに英国のBTの場合に、これはまた定款上一五%以上の株式所有を禁止いたしております。ですから一五%ということになるが、問題は、二名以下の取締役を指名する、こうなっておりまして、我が国の今提案されている法律案からいえば、取締役、監査役はだめ、こう提起されていると理解するので、ここで差が出てくるということだと思うんです。
 フランス、ドイツの場合には独占ということが大前提になって、移動体通信とか衛星通信の分野に競争の導入をしておって、これだけ見ると外資を導入しているのかどうか定かではありません。いずれにしても国際的なレベルに達しているが、しかし今回初めて我々はやるわけでして、英国や米国、カナダの場合には前々からやっているということになると、摩擦がそれでなくてさえあるものですから、絶対にそういうことが起こらないように、起こしてはならないという立場で今申し上げたことをお尋ねしますから、自信のあるところをひとつお答え願いたいと思います。
#34
○国務大臣(渡辺秀央君) 前段私の方からお答えをさせていただいて、補足を森本局長からいたさせます。
 今、及川先生おっしゃいましたように、米国、英国の外資規制、あるいはまたドイツ、フランス、カナダ、それぞれその国の特徴といいましょうか、あるいは国策と言っていいと思うんですが、あることは御案内のとおりでございます。アメリカでは、今おっしゃった外資が二〇%を超える会社、役員が一人でも外国人の会社、こういったところは電気通信の無線局の免許を取得、保有できないとまで連邦通信法によって明らかに規定をしているわけです。イギリスは、今おっしゃったようにBTなどは明らかに二名以下の役員の政府指名がある。一五%以上の集中の禁止、業務執行会長職への外国人就任禁止とかいろんなことが規定されております。
 前段先生の方からお触れになりましたが、日本の電気通信関係においては、いわゆるウルグアイ・ラウンド、あるいはまた日米摩擦等におきましてはまさに理想的ないい形になっている。今まで先輩の皆さん、あるいはまた、六十年の改正を一つの契機といたしまして、非常な努力でこの開放政策をやってきておる。私が就任いたしましてからも、アメリカから参りますいろんな人たちは、あるいはまたヨーロッパからも参りましたが、日本の電気通信関係における国際化は非常に順調にいっているという、手前みそではございませんが、これは今申し上げた大変今までの努力だと思うんですけれども、評価をいただいているわけであります。
 かといって、今回の法改正に我々はそういったところを無視してかかっているのではなくて、今お触れになられましたが、まさに外国との関係をバランスを見ながら、あるいはまた摩擦を生じせしめないようにこの法律をつくり上げてきた、作業を仕上げてきたということだと思うんでございます。今日でも米国の電気通信所管庁、あるいは昨年九月の電気通信審議会の答申後も特段の異論は外国からは来ておりません。そのように私も承知いたしております。
 とりわけ、先ごろヒルズ代表が初めて郵政省に来られまして、私も実は初めてヒルズさんにお目にかかったんですが、ウルグアイ・ラウンドにおける問題等もございましてかなりアメリカ側の考え方もおっしゃられましたが、私としては、日本の電気通信関係の国際的な牽引車としての役割をこれからも務めていきたいという決意を述べて、がつ、日本とアメリカとECとの三極の話し合いをひとつ積極的にやることによってウルグアイ・ラウンド全体のエネルギーにしようではないかというほど、日本の電気通信関係は、御存じだと思うんでありますが、NTTの経営者あるいはまたKDDの経営者、そして、これはまさに大先輩であられる及川先生の後輩の皆さんといいましょうか、いわゆる労働組合の皆さんが、本当に会社に対する将来性、あるいはまた国家的な電気通信基盤の高度情報社会に向けての責任感、使命感とい
うものを背景に持った労使一体の努力が、国際化の波の中にありつつも、今日の電気通信業務というのが極めて順調に推移しているというふうに私は考えておりまして、今日のこの状況をしっかりと踏まえながら、これからのいわゆるきめの細かい政策の実現、あるいはまた電気通信事業の環境整備に当たってまいりたいと思っておる次第でございます。
#35
○及川一夫君 対外的な関係でトラブルが起これは我々もそれにさらされるわけですから、ぜひ大臣がお述べになった点をしっかり踏まえてこの法律の運用というものをお願いしておきたいと思います。
 そこで、国内におけるNTT株の問題を中心にひとつ質問をいたしたいのでありますが、最初にNTTの方にお伺いしたいんですが、収支構造のアンバランスということで資料をちょうだいいたしております。市外が一兆四千五百一億。市内通話が一兆五千七十五億、基本料が一兆五百二十七億、公衆電話が三千四億、番号案内が五十八億、これ締めますと二兆八千六百六十四億。これがいわば俗に言う市内サービス事業というトータルと、こうお伺いしておるんですが、それを合わせて四兆三千百六十五億という数字が電話事業直接の収入というふうに理解いたしますと、その他の収入というのは、トータルで六兆五千億ぐらいに私は受けとめておったもんですから、数字を計算してみますとおおむね二兆円程度がその他の収入ということになるんですが、それでよろしいかということをまずお聞きしておきたいと思います。
#36
○参考人(井上秀一君) お答えいたします。
 今先生のおっしゃった収支というのは、直接的な電話サービスの収入でございます。その他に専用線だとか、移動体だとか、そういうものがございまして、トータル的に六兆円といった形になってございます。
#37
○及川一夫君 それで株の値段は、けさの新聞は見なかったんですが、きのうの新聞によると大体六十四万円ということになっているようでございます。いずれにしても、第一次放出、六十一年に放出をしましたが、百十九万七千円、これで買った人はだれもおられないで、上場して初値から始まるんだろうと思いますが、百六十万で株の欲しい人は取得をしたということが残っておって、わずか六十二年の十月から六十二年の十一月にかけて二百五十五万にはね上がって、最高値で三百十八万までいったんですが、六十三年の十月時点では、第三次放出というものが行われましたけれども、その時点では百九十万円ということで、さらに下がって冒頭申しました六十四万と。
 上昇機運というのがなかなか出てこない、こういうことにあるんですが、証券業界その他通じて、いずれにしてもNTT株というのは一体どうなっているんだと。しかも、私は日本の証券業界、株市場というものを考えますと、NTTの株ほど株取得の大衆化というんですか、株に大変な関心が沸いて購入された人が非常に手広いだけに、値下がった、動かないということに対するやはり不満というのは相当多数あると、こう見ておるわけであります。
 大蔵の方はおいでになっていますか。大蔵にお聞きしたいんですが、これは直接的には大蔵が放出をしていったわけですから、同時にまだ持ち株を一千四十万株ほど持っておられるわけでありますから、政府という立場から見ても、株価を勝手に操作するわけにはいかないことはわかっておりますけれども、一体どういうふうにこの問題を把握して、問題意識を持っているのか、まずその点からお聞きしたいんです。
#38
○政府委員(吉本修二君) ただいま御指摘ございましたように、多くの一般投資家の方々が株価の動向に大変な御不満というかいら立ちをお持ちであるというようないろいろの声も伺っております、御指摘もいただいているというところで、私どもも正直申しまして大変苦慮しているところでございます。
 この株式の売却につきましては、何よりも国有財産である、国民共通の財産であるということから、まず最初は、適正な価格形成というものがなされていない状態ということもございまして、御案内のとおり、一般競争入札ということで昭和六十一年に価格の形成を行ったところでございます。そして百十九万七千円という価格で第一回の売り出しを行ったということでございます。その後は市場に上場されまして、市場の判断で価格が形成されてまいった、こういうことでございます。
 ただいま御指摘のとおり、現段階におきましては株式市況全体が非常に軟調でございます。その中でNTTの株も現在六十万円台で推移しておるという、まさに御指摘のとおりの状態でございます。
 株式市況全体が軟調であるというようなこと等いろいろございますが、NTT固有の原因としましては、業績見通しの不透明性や経営形態をめぐる不透明性等が指摘されていると伺っておりますけれども、この株価全体について、NTTの株価がどうかというようなコメントは私どもできる立場にないということはひとつ御理解いただきたいと思います。
 なお、大蔵省としましては、三月に策定しました緊急経済対策等が市況全体の活性化につながることを期待しておりますし、かつNTTの株価につきましても、その将来性が市場において適切に評価されるようになることを強く期待しているところでございます。
#39
○及川一夫君 大蔵に対する厳しい批判というのはあるんですが、例えば売り抜いたなんという言葉で、大体百十九万七千円が、それだけの価値のないものを価値あるようにして売り抜いた、それで政府がそれこそ十兆円の金を手にしたというようなことなどを最高にして、さまざまなやっぱり疑問というものが実は持たれているわけですよね。実際に買った人は株を持っているし、値上がる、あるいはもっとよくなると思ったのが、どんどんどんどん下降するだけでどうにもこうにもならないというような状況にあって、本当に株式に対する不信も相当なものだと言われているんですよね。
 ですから、日本の株式市場はもうここ数年どうにもこうにもならぬのではないかと言われるような状況にあるし、株式が低迷していることは日本の経済にも大変な影響を与えるということで、経済界、政府部内、それから政権与党である自由民主党の会合の中でも、何とか対策を立てようじゃないか、立てるべきではないかということで幾つかの具体案みたいなものが並んでいるんですけれども、それを紹介してもらいたいということであります。
#40
○政府委員(吉本修二君) NTTの株価が多くの一般投資家を呼び込み、大きな影響を与えるという点はまさに御指摘のとおりだと思います。ただ、市場全体で多くの株が大幅な下落を見ておるというようなことでございまして、全体として株式投資に対する信頼を回復するなどの中長期的な観点に立ってやっていくことが何よりも基本的に大事なことではないかというふうに考えておるところでございます。
 ただいま御質問にございましたNTT自体に関する株価対策というようなことで、マスコミなどにおきまして種々の案が取りざたされていることは私どもも承知しております。無償増資であるとか低廉譲渡であるとか、あるいは分割であるとか、あるいは増配であるとか、いろいろなことが言われているということは承知しておりますが、私ども政府の方といたしまして特定の銘柄につきまして何らかの対策を考える。検討するというような立場にございませんということをぜひ御理解をいただきたいと思います。
 私ども国有財産を管理処分する立場といたしまして、第一に、これは国民共通の大事な財産でございます。その管理あるいは処分に当たりましては適正、公平、国民全体のためという視点に立つことが何よりも肝要でございます。これは財政法にも規定がございます、国有財産法という法律もござ互いますが、そういう観点に立って大切にその仕事をやっていかなければならないというふうに考えておるところでございます。
 第二に、かつてフィーバーが起きましたときにも冷静に考えてほしいというようなことは申し上げたことがあるわけでございますけれども、株式というものは市場が上がり下がりするということから自己責任原則ということでやられている世界でございまして、そういう証券投資における自己責任原則というものに反するような考え方はとることはできないということが何よりも大事な第二点でございます。
 第三点といたしまして、現在の競争政策の推進と民営化の趣旨等々を踏まえまして、NTTに対する一般的な財政援助というような形はとるべきものではないであろうというような基本的な考えでおるところでございます。そうは言っても株価が下がっていろいろ御不満があるということがございます。かねてから株主に対する利益還元策というような声があることも承知しております。こういう問題につきましては、何よりも第一に自主的にNTTみずからが経営上の判断でお考えいただくことではないか。私どもとしては、平成二年三月の政府措置の趣旨を踏まえまして、そういうNTTの意向があります場合にそれに対して配意する、こういう立場であるということを申し上げさせていただきたいと思います。
#41
○及川一夫君 もう少しはっきり答えていただきたいと思うんですが、立場上答えられないというんでしょうから私の方から言いますが、例えば政府保有分のNTT株を現在の株主に無償ないしは額面五万円で割り当てなさいという、そういう意見も出ましたよね。それから、一〇〇%子会社であるNTTデータ通信株式会社というのがありますが、これを分離分社するときのことを含めてでしょうが、NTTデータ通信の株をNTTの株主に優先的に割り当てなさいと、これも一つの方策ではないかと思います。あるいは五万円の額面を五百円ぐらいに分割してみたらどうだというような意見も出ていましたよね。
 おおむね代表的に言えばそういったところだろうと思うんです。NTTの会社の方はこれとはちょっとニュアンスが違うのがもう一つあるわけでありますけれども、いずれにしてもこの種のものが仮に正当な対策だと一正当か不当かというような問題、今の商法に基づく株式取引の禁止事項というものがございますね、大体十一項目並んでいるようですが。今三つ申し上げましたけれども、この三つのうちどれが違反しないでどれが違反するかということを一般論として言った場合に、大蔵省、これはどうなるんですか。出ている意見は全部これは商法に違反してだめだというふうに大蔵は考えているというふうに理解してよろしいんですか。
#42
○政府委員(吉本修二君) 厳密な意味におきます商法とか証券取引法違反云々の問題以前の問題として、私が先ほど申し上げましたような原則に立って考えるということが何よりも肝要かと思います。そういう立場に立ちますと、例えば株主に無償で譲渡するあるいは低廉で譲渡する、お話のございましたものといいますと、実質的に損失補てん的なニュアンスが濃厚になります。そういうことで、これは法律違反というよりも、自己責任原則の趣旨をやはり逸脱しているのではないか、こういうふうに考えられます。
 残余の点に関しましては、特に子会社問題、私どもよくまだわかりません。これはNTTの方で御検討いただく話であると思っております。
#43
○及川一夫君 わかってないというのはうそだろうけれども、わからないで大蔵の業務ができるわけないんだから、それは公式の場だから云々の話だろうと思います。
 いずれにしても、例えば政府の保有分をまくといったって、インサイダー取引とかそういうものにみんなどうしてもひっかかるものだと思うんですよ、今まで出ているやつは。NTTデータの発行株をNTTの株主にまくといったって、こっちの方は一千五百六十万株。一千二十万株ぐらいですか、今実際に放出しているのは。しかし、データ通信株といったって二十万株しかないですね。どうしようもない、配りようがないです。
 そういうふうに考えていきますと、正攻法で物を言うならば、やっぱりNTTの業績ということに焦点を合わせたりあるいはKDDの業績に焦点を合わせた立場で、どなたの目から見てもこの事業はと目につくような発展というものをさせないと、あるいはまた、五年先十年先ということを含めていいから、この事業というのは大変な発展性があるぞということを大衆の心理として、また一人の事業家として見た場合もそうだと言えるようなものにしていくことが正攻法だと思うんですよ。
 そこで、保険局長にちょっとお聞きしたいんだけれども、けさの新聞で、まあ資産の運用ですからいういろお考えになることは結構だと思うんだが、大体今の時期に考えてみたらどうもNTT株対策ではないかという、そういうことから出てくる見方が一つあるし、同時に、生命保険で集めたお金を財投とそれから資金運用と振り分けるわけだが、その資金運用で仮にNTT株を百六十万で買っておったとしたらこれは大騒ぎでしょうね、郵政省の中は。同時にまたここでも問題になるでしょうね。三分の一にいずれにしても資産としては減るわけですから、大変なことだということになる。
 一般論として、資産運用として株を対象にするかしないかという問題は、ある意味ではタブーみたいな議論がありまして、それで電電債券であるとか地方債であるとか、そういうものを主体にして運用しているように思うんですが、新聞に発表されたことを論議をし、検討し、将来提起をしたいということは事実かどうか、それをちょっとお聞きいたしたい。
#44
○政府委員(荒瀬眞幸君) 本日の朝刊で簡保資金による株式運用について報道されました。昨日私の定例の記者会見がありまして、その席で簡保資金による株式運用についての基本的考え方というのを御説明いたしました。それと、最近公的資金についての株式運用が話題になっているということで、簡易保険局に各社から問い合わせとか取材が相当数ございまして、そういう中で簡保資金についての資料提供というものを相当行っています。そういったものが総合されて記事になったものと考えております。
 簡易保険の株式運用につきましての私どもの基本的な考え方は、従来から、生命保険事業の資金として、将来の保険金等の支払いに備えた長期資金であり、毎年着実に増加していく資金でございますから、安定・継続的な投資、長期保有を原則として株式投資をするということについては意義があることであると。歴史的にも、株式運用をいたしておりましたし、戦後何回か株式運用をいたしたいという要求をいたしております。
 その場合に、特に当面の課題としまして、金融自由化が非常に進展しておりまして、資金運用制度を改善して資金運用の範囲を拡大していく必要があるということで毎年度いろんな形で制度改善を行っておりますが、今後の課題の一つとして株式というものが考えられるという考え方を持っております。
 その際に、ある特定銘柄を購入するといった方式については、株価操作あるいは相場形成につながるということで公的資金としてはふさわしくないのではないか。運用するとした場合には、諸外国の公営生命保険事業の例等からいきまして、電力、ガス、鉄道、自動車、海運、港運、航空、貨物運送あるいは電気通信、こういったものの社債が運用対象になっておりますので、こういったものについて検討することが適当ではないだろうかというふうな問題意識を持っておるということでございます。
 ただし、ただいまお話がございましたように、株式というのは非常にリスクが大きいということで、問題点、課題点あるいは議論が非常に多々あるということは、これは現在に限らず従来からそういった問題がございますから慎重に検討しているわけでございますけれども、具体的に制度要求するかどうかということにつきましては、郵政省全体の要求の中で、簡易保険制度の問題をどういうふうにやっていくか、出すか出さないか、何を出すか、どうするかといったことは毎年度の客観情勢の中でケース・バイ・ケースで決めておりますから、平成五年度以降につきましては全くまた勉強中という段階でございまして、白紙で考究中といったところでございます。そういったものが大きく報道されたということでございます。
#45
○及川一夫君 答弁は長いけれども余りぴんと来ない。
 それで大臣、これからの問題でしょうが、貯金にしろ保険にしろ、いわば国民全体から集まった金というのは、やはり政府事業である限り還元は国民全体に返していくという原則があります。国民生活の中で、これとこれとこれは福祉という問題でやらなければならないが金がない、そのときに貯金、保険で集まったお金を低利で貸しながら、しかし金利の自由化もあるから、プラスアルファをつけて貸すからやらないかとか、何かやっぱり国民生活に意義のあることに使っていく、投資をしていく、そして何とか資金運用をしていくというのが大体原則的に確立された物の考え方なんですよね。言葉の端をとらえるわけじゃないけれども、何かやけっぱちに、金利の自由化だからこの際株式投資だみたいな、そういうふうに受けとめられるようなお考えは非常に危険だと私は率直に思います。
 ですから、新聞見ても、やっぱり投資先というのは、株式投資だと言いながら、電力あるいは電気通信とか非常に公共性、公益性の高い事業にと。というのは、そういうものは信頼できるからという意味があって立てた一つの考えだと私は思うんですよ。ところが、信頼しなければならぬ電気通信、業績全体としてはあるんだけれども、株の値段だけで言うとがたんといっていますから、とてもじゃないが、そういうことに安易に金利の自由化だということで議論を拡大させてやるということはいかがなものかと、こう思いますので、一言。
#46
○国務大臣(渡辺秀央君) いろいろ御指導いただきましたが、けさの新聞紙上の問題、今局長から答弁がありましたような趣旨で記者会見をやったものがああいうふうに集約されたということは、いわゆる郵政三事業の中で貯金と保険というのは郵政省の心臓部であるわけでありますから、そういう意味で、今日的な課題の中で何らかの活力あるいは活性化といいましょうか、そういうことを考え、研究をしていく時期かな、そこら辺が少し強く出過ぎた感じではないかと私は今の局長の答弁を聞いておって素直にそう思いました。
 私は、けさの定例記者会見で全く及川先生のおっしゃったような趣旨を実は申し上げたところでして、国民がいささかも郵政事業に対して不安感、あるいはまた不信感を持つようなことがあってはならない、これまでの百年の伝統で積み上べてきた国民との信頼関係というものを持続するのには、今日的な課題と取り組むということとは若干違う角度で検討し、研究をしていかなきゃいかぬ慎重を要する問題だという趣旨を実は申し上げたところでございます。
 NTT株の問題というのは、いろんな議論がございますが、御案内のとおり郵政省は業務を監督する側にあるわけであります。株の問題は大蔵省が所管をしているわけですが、さればといって、所管の役所における大臣としての私の責任は、であるから傍観することは許されない。現実に、私のところに参ります手紙の相当なものは実はこの問題でございます。これはもう国会でも答弁をしているとおりでありまして、国民がいかにNTT株そして政府のとってきたことに対して、ここにあります資料から見ますと約百五十万が一株の株主であります。そうなりますと、さっきの大蔵省の答弁のように、個人の責任だ、あるいはまたNTTは国民の共有財産だ、そして国は特別のNTTに対しての財政措置はとらない、さっき私もメモしましたが、この趣旨をおっしゃっておられますけれども、決して大蔵省に文句を言うわけじゃありませんけれども、しかし政治としては一体それをそのまま見ておっていいのかねということであります。
 御案内のとおり、月例経済閣僚会議で私は、株価の数字の問題だけでとらまえては困る、言うならばNTT全体の置かれている環境、あるいはまたこれからの経営方針、あるいはまた体質の強化、すなわち合理化あるいはまた活性化、こういう全体の中で株というものが期待されたり、あるいはそういうものができ上がっていくはずであるので、株価だけでNTTを論じてもらっては困るという趣旨を申し上げてきたわけであります。その席上、総理から与党の方にも少し勉強してくださいという趣旨でお話があり、今やっているようです。しかし、これは与野党を挙げて、やはりある程度の合意点の中で行っていかなければならない一つの課題ではないかという感じがいたします。これからも政治として間違いのない措置、財政法もあったりしてなかなか難しいようですが、しかし検討、研究はしていかなきゃならないことではないか。
 余りこれ以上突っ込みますと、株価に影響が出ちゃいけませんので、お許しをいただきたいと思います。
#47
○及川一夫君 今のお話なら下がらないと思いますが、しかし上がるという保証は余りないですね。私にとっても同じ問題でありますから、今の大臣の答弁をとりあえず子として前へ進めたいと思いますが、いずれにしても、確かに株の値段だけで今のNTTの業績というものを卑下したりすることはできないと思います。
 そこで、ちょっとKDDにお聞きしたいんですが、KDDの株の値段は、六十一年あたりには最高値で四万四千七百円、安値でも二万八千五百円ということで、これを昭和三十年から平成四年までずらっと並べてみても、高値でも最高だし、安値でも最高の数字に案はなっているわけですよ。
 ところが、今度は業績の方はどうかなと思って会社業績の推移というやつを昭和六十年から見させていただいておるわけですが、例えば一株当たり利益という立場で分析されておるんですが、六十一年の期末でもって二百十六円という数字が出ております。しかし平成三年にはこれが二百十八円、つまり同額程度になっているんですね。業績がもろに影響するとすれば、六十一年の業績のときに株の最高値が出ているという理屈からいえば、もう少しこの辺あたりがぐんと上がらないといけないんじゃないかと思ったりするんですよ。つまり業績の方は膨れ上がってきているわけですからね、伸び伸びで大体きているわけでして。
 ところが、実際には物価とか経済指標とかいろんなことがあるから一概には言えないけれども、どうもこれ全体を見ると業績に直結して上がったり下がったりしているというようなものではない。今現在は、五月時点で九千百円という数字になっていますから。これまた、NTTがでかいものだから、それに隠れているとは言いませんけれども、かなり同じような問題を抱えているというふうに思うんですが、KDDとして株価と業績の関係というのをどういうふうに大体考えておられますか。
#48
○参考人(奥田量三君) 御説明申し上げます。
 ただいま先生おっしゃいましたとおり、株式の価格と申しますのは私どもが見ておりましても大変複雑多岐な要因によって左右されるものでございまして、会社の業績が株価にそのまま連動するというふうには率直に申しまして考えられないところでございます。もちろん業績も株価を形成する一つの大きな要因であることは間違いないとは存じますが、それがそのまま株価に連動しているというふうには考えられません。
 当社の株式の価格にいたしましても、市場での取引が開始されまして三十有余年たっておりますが、最初の十年間くらいは額面五百円に対して六百円から七百円くらいでずっと推移をいたしております。その後次第に上げてきております。ある意味では会社の業績の向上、業容の拡大という基調の中で動いてきたとは存じますけれども、特にただいま御指摘の昭和六十年、六十一年の時期の三万円あるいは四万円、四万円を超えるという株価につきましては、率直に申し上げまして、業績にはかかわりのない当時の市況その他いろいろの要因で高い価格を呼んだというふうに考えているところでございます。
 最近の状況につきましては、御指摘のとおり、特に一昨年来の市況全般の低迷に伴いまして我が社の株式もやや下落傾向をたどっておりまして、最近では九千円から九千五、六百円の間で推移をいたしております。これを先生御指摘のように高値の昭和六十一年前後の、例えば一株当たり利益その他いろいろの指標で見ましても、率直に申し上げまして、その辺について数字的な説明が成立するというふうには考えられないわけでございまして、主として市況全体の大きな推移の中で動いているというふうに考えております。
 しかしながら、ただいま先生からも御指摘いただきましたように、私どもの会社もここ数年来の競争状況で厳しい経営状態にはありますものの、全体としてこれからますます拡大していくであろう国際通信市場の中での日本における基幹的な事業者としての役割は引き続き大きなものがございますし、私どもとしては、競争開始前後からの数年来の経営努力による業績についても、率直に申し上げましてもっと御評価をいただければというふうには考えているところでございます。
 そのためにも、営業努力、経営効率化等に努め今後一層業績の向上を図りまして、そのあたりが株価にもいい影響を与えるように努力ないし期待してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#49
○及川一夫君 次に、NTTの業績についてお伺いしますが、過日市外料金の四十円の値下げを発表されましたが、もう郵政省の方には申請をされたのでしょうか。申請をされたされないにかかわらず、発表された内容をお聞きしたい。それが一つ。
 さらに、値下げの理由は先ほど同僚議員にお話しになられたようですから、それは頭に置いてありますからごく簡単にお願いしたいということ。
 それから必要財源の問題、さらにはその財源の捻出、それから、これが実行されますと事業には当然影響があらわれるんですね。したがって次年度事業計画というものが慣例に従って恐らく逓信委員のところには配られているんだろうと思いますが、その事業計画として配られた事業内容との関係、これらは一体どうなるんだろうかということについてお話を願いたいと思います。
#50
○参考人(井上秀一君) 料金値下げについては民営化後数度やってきました。昭和六十年度に最遠距離で三分四百円だったのが、今現在二百四十円まできております。ただ、私の方が下げるとNCCも下げるということで料金の値下げがずっと続いてきておりまして、先ほど社長からも話がありましたように、今年にはNCCの方はさらに二十円下げるという形で六十円格差ができました。それでは競争が到底できないということで我々の方で今進めておりますのは、三分二百四十円というものを二百円に下げようということで今取り組んでおりまして、これについては近々郵政省の方に認可申請をしていくという形にしております。
 その財源といいますか、値下げでどのぐらい影響が出るかということでございますが、いわゆる平年ベースというか通年ベース、これ一応考えておりますのは六月の下旬でございますので、フルに年度当初からやったとしたら値下げ額として大体千二百億ぐらいの値下げ財源が要る。実際には若干の戻りがありますが、マクロ的にはそのぐらいの数字になります。
 今年度分でございますが、今年度分は値下げ原資としては九百億ぐらい必要でございます。それが若干値下げによって戻りがあるだろうということで、大体八百億ぐらいのものが一応経営状況全体については影響してくるというふうに考えております。
 そうしますと、経常利益が三千五百十億という形で年度当初組みました。これに対して移動体分で大体百億近い経常利益の減が見込まれております。それにさらに料金値下げの影響で八百億近いものが見込まれるという形になりますので、これについては先ほど緊急対策ということで、年度当初の三千五百十億にプラスして、さらにベアのカットだとかその他の経費の削減によりまして、相当額の財源を生み出そうということで今進んでおりまして、マクロ的に見れば、先行きのいろいろな努力によるのですが、三千億を下回っていくのじゃないかということで、今にろいろさらなる改善について取り組んでおるということでございます。
#51
○及川一夫君 もう少しはっきりさせたいのですが、千二百億年間で財源がかかるということは、今の収入が動かないという前提に立ては、要するに一千二百億支出が余計かかるということと同意語で理解してよろしいでしょう。それか結論的にどこに数字がいくかということになれば、経常利益というところにそれがいくという理解でよろしいですか。
#52
○参考人(井上秀一君) 値下げによりまして、例えば競争のシェアが戻るとかそういうことがない、さらに、NTTとしてこういう値下げをするに際しましていろいろな経営改善努力をしておりますが、そういうものがなければおっしゃるとおりでございます。
#53
○及川一夫君 それでは社長にお聞きしたいのだけれども、社長が全責任を負っていずれにしても発表されたことですから、これはもう社会的に確認をされたものと同じような意味を実は持っているわけですね、細かいところはともかくとして。あの発表された中には収入を拡大していこうというどうも字句というか説明がなかったように新聞紙上では受けとめているのてすが、それは事実ですか。
#54
○参考人(児島仁君) お答え申し上げます。
 正直にあの時点では増収で幾らのお金を得るかという見通しが立っておりませんでしたから、静止画面のような形での数字の切り分けをしております。ただ、それと相前後しまして割引制度の新しいサービスを行いましたし、今度二十円までの格差になりますと、先生御存じのとおり足回り料金の関係がございますので、私どもの競争領域としましては、大体ざっと平均値的に申しますと、六〇%から七〇%程度が私どもの有利領域に入ってくるだろうという想定をしております。
 したがいまして、今、井上取締役が言いましたように、静止画面のように数字を切り分けますと利益は今後二千五百億ぐらいまで落ちてしまうわけでありますが、それを何とかリカバリーしていきたいと思っております。その有利領域に入りましたところのお客様に対しては、いささかオーバーでありますが、ローラー作戦みたいな格好で、全職員を動員して私どものお客様にもう一度戻っていただく。その場合には客観的に、こういうケースではうちがお得で、こういうケースではうちが損ですということも正直に申し上げて、お客様の利用実態に最も合った使い方はこういう形でございます、その場合にはお返り願いたいというふうな営業努力は今後徹底的にやっていきたいと思っております。
#55
○及川一夫君 その点が必ずしも鮮明ではありませんでしたから、非常におかしいな、大体社員の肉をちぎって血を流してサービスの方に回すような話というのは、一体経営として本来あるべきかというむしろ疑問の方がぽっと出たんです。うそでもいいからという言葉は必ずしも適切でないかもしらぬけれども、やはり収入増を図っていくという中に合理化とか節約という言葉が入っていく。支出増の部分と収入増の部分を、そのためにみんな決起するんだ、働くんだ、サービスを向上させるんだというふうにしないとなかなか相償う格好に私は率直に言ってならないというふうに思ったものですから、今の社長のお話を聞いて、迫力はともかくとして大体理解できますよ。しかし相当の迫力入れないと、それこそ本当に静止画面になるという感じを私は持っていますので、そういったことを指摘をしておきたいと思います。
 もう一つは、これはお互いに考えなきゃならぬことなんですが、今の形がどんどん進められていくということになると、言葉は悪いけれども値下げ競争になりますよね、どう見たって。どっちが参るかまでいくんですよ、このまま野放しで置けば。そういう料金政策を仮に政策官庁としての郵政省がお考えになるとしたら、果たしてこれでいいのかということが必ず問われてくるというふうに私は率直に言って思います。談合はいけませんよ。公取がいるんだからそんなことはできません。
 私は、公共料金という立場で電力とかあるいはガス、水道、さらにはJR、私鉄料金、十分ではありませんけれどもそれなりに調べてみたんです。電力か場合には地域独占で、全国的には九電力ということになって会社別になっています。したがって収支も別です。したがってその地域の状況が反映されて料金が高かったり安かったりするけれども、それは本当に私は公共性というか、公益性という意味から言える幅だと見ています。JR、私鉄料金だってそうなんです。ガス、水道だって、自治体別に集めてみたって私は微々たるものだと思っています。
 思い切って、タクシー料金というのもあるけれどもと思って調べてみたんです。あれは地域統一料金になっています。私はかつて決算委員会でやったことあるんだけれども、独占禁止法違反だと言ったら、公取委はいやあれは運輸省の認可料金なんですからそうなりませんというお答えだった。私は満足してないんだけれども、しかしそれはさておいて、それを調べてみたんです、基本料金を。北海道の札幌から福岡の博多まで並べてみたんです。これまた二〇%も差のあるような料金にはなってないんです。五%、六%、二%という、あっても大体そういう差であったというふうに、私が集めた資料の中ではそうなっているわけです。
 そういう目から見ると、公共料金の最たるものであるにもかかわらずひとり電話料金だけが何で二〇%も差があるんだと、そんな差があったら、サービスが同じだったら安い方に流れていくのは当たり前だろうというふうに思うんです。だから私から言えば、NTTが何ぼ踏ん張ってみたって流れをとめることは絶対できない。どんどん流れっばなしということになる。そういう危機感があったから、多少社内では意見のあったところだろうと思うけれども、そういう危機感で四十円の値下げをしたんだろう、社長がいわばけっぱったんだろうと思います。しかしまた二十円値下げでしょう。二〇%が一〇%に縮まっただけの話です。これで何とかなるかなという思いはあるかもしらぬけれども、そんなに甘くないぞというふうに僕は思っています。したがって、料金のあり方の問題として、これはNTTが考えることじゃない。NCCが考えることじゃない。ある意味では政策官庁が国民生活や産業や経済に対する影響などを考えてやらなければいけないものじゃないかと思います。
 もう一つ大臣に申し上げておきたいんだが、NTTに料金というのがあって一体何種類あるんだと、これは大臣御存じでしょうか、まあ御存じないでしょう。百八項目あるんです。そのうち認可料金はどのくらいだと思いますか。私の数え方が間違っていなければ八十二項目が認可なんです。非認可はわずか二十六項目です。いわば八〇%が郵政大臣が判こをつかないとNTTの方の料金は勝手に決められない。
 これはNTTと関係ないんだけれども、今地方をちょっと歩かせていただいているものですから聞きますと、地方自治体などでは直ちに問題になるんですよ。地方自治体ではかなりの部分コンピューター化する、そしてできれば電話回線をつないで云々というふうな話があって、財源はやっぱり税金ですからむだ遣いできない。したがってやっぱり一番目は信用がくるんです、信用という言葉が。そうなると長年やっているNTTがという話が出て、ある程度話がわかり合ったところで他の民間企業にも働きかけて競争入札をさせるというやり方なんですね。
 巷間言われるように、一円の契約をしたということで新聞紙上をにぎわしたことがあるでしょう。ああいう行為はよくないと思うが、いわば自由にできないというのはNTTの場合には相当数になっているんです。今になって大蔵省が国民の財産であるとか、経営の主体性が見えないとか、業績がこっち向いたとかいうようなことを言っておられるけれども、言ったとおりやってごらんと僕は思うんです。どちらにしても、そういうような経営の自主性という問題がないとなかなかもって業績をよくするということは、後ろ向きにはできても前向きにできないというような感じです。
 それから、多くの評論家の評論を株の問題に関連をして見ましても、かなりの人たちが経営の自主性がないとか、これを本当の意味で与えないととてもじゃないが業績はよくならぬ、要はそれをきちっとすることだという評論もまた多いんですね。そういったことを考えますと、郵政大臣、この問題五年、六年たってきているんで、そういう意味での見直しというやつが私はどうしても必要だという感じがいたしているのでありますが、いかがですか。
#56
○政府委員(森本哲夫君) 現行の法律の問題にもかかわっているかと思いますので、大臣の前に私から今の後段の認可の問題についてちょっと現行の状況を御説明させていただきたいのであります。
 今お話ございましたように、勘定の仕方というのは確かになかなか難しゅうございますが、今NTTがサービスを提供しておりますのは電話とか電信とか、あるいは専用線とかディジタルデータ伝送とかいろんな種類別に分かれておりますし、電話の中には加入電話とか自動車電話というふうに分かれておりますから、勘定の仕方によってはいろいろに勘定できるかと思います。いずれにいたしましても、現在の電気通信事業法によりまして、NTTだけではなくて新しく新規参入いたしました事業者もひとしくこの電気通信役務に関する料金については郵政大臣の認可を得なきゃならない、こうなっておるわけです。その認可の際にはそれぞれ必要な法律の考え方が付されているわけです。
 結局こうしたことを決めましたのは、競争が進展する中で競争相手をつぶせばいいという競争も起きがちだ、あるいは独占している分野でもっと引き下げられるのに不当に高い利益を乗っけた料金でいってしまう、こうしたことに対する心配に対しての措置だろうと思っておるわけであります。とりわけ電気通信というのは国民生活に非常に大事な料金でございますから、ましてこの電気とかガスとか水道なんかもやはり国民生活に日々関連してまいる、こういう視点で同様な扱いになっておるわけであります。
 経営の自主性という言い方で、こうしたことが障害にならぬかという御心配でございますが、我々行政をあずかる立場として、NTTができるだけ自主的に決められる料金、例えば利用者の範囲が非常に狭い料金だとか、あるいは利用頻度がそれほど多くない、みんながみんな使わない、例えばキャッチホンだとか転送電話だとかいう料金、あるいは局内の工事費だとかいう手数料その他に類する料金、こうしたものは法律上も認可不要という形で省令で具体的にうたっておるわけであります。
 認可につきましても、基本的には今言った視点で法律は設けられているものと考えておりますので、あくまでも料金改定は事業者みずから経営状況を判断の上自主的な判断でおやりになる。そして認可申請がある。それについて私どもとして料金が適正に算定されている限りはこのまま尊重して措置をいたしておるわけてあります。ここ数年見ますと年間約十件から十四件ぐらいの申請がNTTから出ておるわけで、先ほどの引き下げについても近々ということになっておりますが、そういう意味では大体月一回程度かと思うのであります。これは他の事業者も同様な申請が行われているわけであります。
 いずれにしても、こうしたものが設けられたのは消費者の利益というものを考えてこういう法制になっておるものと思いますので、私どもとしては、今御指摘のように、NTTの経営活動の自主性と同時に、消費者の利益を最大限に尊重するという趣旨で今後この法律に基づく認可については適切な運営を図ってまいりたい、こう考えておるところでございます。
#57
○国務大臣(渡辺秀央君) 非常に今難しい時期だろうと思うんです。NTTにしましてもKDDにしましても、言うならば競争条件というものを付加して、そして国民の利益をそがないように、かつまた利用者のサービスに努めて、そして今の新しい環境の中で二十一世紀に向けた高度情報社会の基盤としての役割を果たしていく。この六、七年というのは非常に私は難しい時期に来ているという感じがしてなりません。
 そういう中でも、私ももちろん素人の域はまだ出ないのかもわかりませんが、やはり共存共栄あるいは競争的共存というようなことが健全に行われないと困ると思うんです。今先生もおっしゃったように、言うならば競争し合ってお互いに共倒れというか、まさに大蔵省が言っている国民共有の百年の財産がおかしくなってしまうということであっては二十一世紀も望めないということになるわけで、私は、ここは経営者の経営方針、あるいはまた今後の経営の進路というものに対しての信頼をぜひひとつ置かせていただきたいと思っております。
 もう一つは、新しい競争者として存在しているところが、市場を広げるがためにそういう焦りというか、もちろん計画をきちんと立てておやりになっているんでしょうけれども、そういうところもきちんと責任を感じながらやってもらいたい。現実にやっておられます。一つは例えば、この不況時における設備投資をひとつ頑張ってくれと。実は郵政大臣としてNTTあるいはKDD、NCCに要請したのは郵政省始まって以来だそうでございます。ある意味において、NTTは一兆九千億からの資本投下ということになるわけですから、国としてあるいは国民として期待しているものを所管大臣として正式にお願いをするというのは筋道だと思ったんですが、今までどうもそういうことはやってないようです。私も正式に頭を下げて、そして今日の国内的な期待感と国際的な期待感に対応してほしいというお願いをして、先般御案内のとおり一連の行いがなされて、そういう中でもNCCもかなり頑張ってくれてます。
 そういう意味では私はわかるんですけれども、しかしさて待てよと。本当に競争力がついているのか、ついていて下げているのかどうなのかという問題は、一方が不利益をこうむっていて一方が利益をこうむっているということだけでの現象的な面のとらえ方というのはどういうものか、こう政治家として私は感じたりいたしましたので、そういうことは事務当局にも率直に言ったりいたして、言うならば健全な競争、競争的健全な共存というもの、ぜひ郵政省としてその環境づくりに努めてまいりたいと思っておる次第でございます。御指導をお願い申し上げます。
#58
○及川一夫君 最後に一言だけ。
 この問題になるとNTTの側からも発言はあると思うんですが、いずれこの問題を集中的にやる機会があると思いますから、ひとつ考えていただきたいんですが、いずれにしてもやっぱり結果を重視するという立場での監督官庁であるべきじゃないか。いろんな制約、いろんなことがありますから、それは十分踏まえながらも、やっぱり結果から問題を提起して、次にはというふうにするようなものでありたいと思います。
 いずれにしても、きょうは時間がもう過ぎてしまいましたからここで終わりますが、郵政大臣、最後に申された点はぜひそういう立場でこれからの指導に当たっていただきたいということを申し上げて、終わります。
#59
○委員長(粕谷照美君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時一分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時六分開会
#60
○委員長(粕谷照美君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、日本電信電話株式会社法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#61
○矢原秀男君 日本電信電話株式会社法等の一部を改正する法律案について質疑をさせていただきます。
 午前中の質疑を伺っておりまして、重複する面があろうかと思いますけれども、お許しをいただきたいと思います。
 まず、この日本電信電話株式会社法等の一部を改正する法律案の提出を理由として、最近の電気通信事業における国際化の進展にかんがみまして、外国人等が日本電信電話株式会社及び国際電信電話株式会社の株式をその議決権の五分の一未満の割合の範囲内において所有できるようにするとともに、二番目には、これに伴い両会社及びその他第一種電気通信事業者の株券等の保管振替制度の利用に関し所要の規定を整備するほか、三番目には、日本電信電話株式会社の資金調達の円滑化に資するため、当分の間の措置として政府が保有しなければならない当該会社の株式の数の算定方法の特例を定める等の措置を行おうとするものである。こういう理由と思っておりますけれども、これらにつきまして、簡単で結構でございますけれども御説明をお願いしたいと思います。
#62
○政府委員(森本哲夫君) 幾つか法の改正の内容とするポイントについてお話がございました。
 先生御案内のとおり、現在の日本電信電話株式会社法で株式は日本国民に限り所有することができる、こういう法制になっております。また、昭和二十七年にできました国際電信電話株式会社法も同じ形で今日まで推移をしてきておるところでございます。
 先ほど矢原先生お話しございましたように、内外の自由化あるいは国際化が大変進展をいたしておりますので、この法制を今後とも温存しておくということは日本あるいは電気通信全体の発展のために必ずしも適当ではない。今後の日本の国際化の対応のためには、この部分について外国に開放をする必要がある。ただし、電気通信は一国の基盤設備とも称すべき大きな社会的役割を担っておりますので、外国の影響からの独立ということをやはり考慮する必要がある。そういうことで、お話しのように議決権の割合について一定の制限を設けよう。これを担保いたしますために、外国人の株主の方が不用意に買ってみたら五分の一以上になっている、こういったときには外国人の権利を侵害する、せっかくお買いになったのが株主名簿に登載されないという懸念もございますので、今お示しのような形で五分の一以上にならないように株主名簿について記載してはならないと同時に、これについてあらかじめ前広に公告をして権利確保についても保全を図っていこう、こういう趣旨合いが現在お願いをしておる法案の主要ポイントでございます。
#63
○矢原秀男君 重ねて伺いたいと思いますけれども、第四条の二第二項関係ですね、「外国人等の取得した株主の取扱い、これ今お話伺っておりますけれども、法律的にちょっと深く御説明をお願いしたいと思います。
#64
○政府委員(森本哲夫君) 今お尋ねの第四条の二の中身でございますが、法律技術的な形で正確を期するために難しゅう書いてございますが、「日本の国籍を有しない人」あるいは「外国政府又はその代表者」、「外国の法人又は団体」、「前三号に掲げる者により直接に占められる議決権の割合が郵政省令で定める割合以上である法人又は団体」ということで、要するに、外国人ないしは外国政府の株式を取得された方から株主名簿に記載の請求がある場合に、法律が五分の一未満と書いてありますので、五分の一以上になるときは会社はそれを記載しちゃならない。結果的に法律に違背する形になるものですから、法律で五分の一未満と決めた規定を担保するために、この法律の遵守が
できるようにいわば会社に義務を負わせておるというのがこの規定の趣旨でございます。
#65
○矢原秀男君 この問題について午前中も質疑がございましたが、「主要国の外資規制の概要」における米国、カナダ、英国、フランス、ドイツ、これらの点を見ながら、また質疑を通しまして、第九条第一項関係ですね、取締役及び監査役の欠格事由、こういうことを含めて、国の基幹的な事業分野等の中で非常に制約を厳しくされている面があるわけですけれども、こういう点は、国際化がさらに進んでいく、そういうふうな中でやはり一部は改正をしなくてはならないというふうな点も、将来は他の国々に先駆けてやはりそういう検討も僕は出てくるんではないかなと思うんですけれども、その点は大臣どうなんでしょうか。
#66
○政府委員(森本哲夫君) ちょっと各国の現状を大臣の答弁の前に御説明させていただきたいと思います。
 先生御案内のとおり、通信というのはとりわけ国民統合のための重要な手段でもございますので、長らく世界的には国営独占でやってまいっております。しかしこの例外というのは、いわばアメリカが一つ例外と言ってもいいぐらいの形で、電信電話事業が民間で始まったという歴史で、アメリカが一種独特な形で動いておるわけであります。
 しかし、午前中も御議論ございましたように、そのアメリカが二〇%以内で、外国人の役員就任は認めないという形の一つ例がございます。多くの国は今申しましたように独占でやっておりまして、主としてヨーロッパでは、各国の制度が若干まちまちなものでございますから、今度統合を控えましてECでは各国に指令という形で、これは拘束力があるそうでございますが、各国まちまちであるが、ECの中でできるだけ人あるいは資本が自由に行き来できるためには電気通信制度のある程度足並みをそろえる必要があるということで、基本的に電気通信の独占を認める。しかし、例えば自動車電話であるとかあるいは衛星通信であるとか、電話以外のものについてはできるだけ競争原理を入れるべしである、こういうことになっておりまして、ドイツ、フランス等はまだ基本的にはほとんど外資も入らない仕組みになっておるわけでございます。
 唯一の例外はイギリスでございまして、イギリスが電気通信のBTの民営化という形でやりましたが、これについての外資規制は、確かに条文上はアメリカみたいに二〇%という数字は抑えてないんでございますが、朝からお話がございましたように、国の安全確保のために必要な場合、大臣は電気通信事業者に命令を出せるとか、あるいは定款について、黄金株というものを政府が一つ持って、会社の重要事項についてはその黄金株の同意がなくては重要な決定はできない、こんな構造にしてあるわけでございます。
 世界各国を見ますれば、おおむね私どもの日本のこの新しい制度については各国が異論を唱えるような状況には今とてもないだろう、こう思っておりますが、今後次第に開放されました場合に、こうした仕組みをどう考えるかということについては、そのときそのときの国際情勢全体の推移ということを見なきゃならぬと思います。
 なお、この問題に関しては、ガット・ウルグアイ・ラウンドでもいろんな議論が交わされているのは先生御案内のとおりでございます。いずれにしましても、現況は以上のような状態でございます。
#67
○国務大臣(渡辺秀央君) 今、森本局長から答弁いたしたとおりでございますが、将来この種のことの堅持ということだけでいけるかどうか、あるいはまた法律改正という問題が出てきやしないかというお話でございますが、現状におきましては、私先ほども答弁させていただきましたように、いわゆる電気通信分野は日本の貿易摩擦関係のいろいろ言われている中においても極めて見本的に、モデル的に非常にうまくいっている分野でございます。それだけに、この法律をまとめるときにもかなり各国の様子を調査し検討いたしまして、我が国における現状、遠い将来は別といたしまして、少なくとも中期的に見てもこれぐらいのところでこの法律をお願い申し上げれば、今の段階では日米関係あるいはまたEC関係の方からそう大きな異論というのは出ないのではないかと、案の定おかげさまで今日そういう声は聞こえないというわけでございまして、しばらく、しばらくというか、これからお願いをして法案を通していただくわけでありますから、今からちょっと将来の法律改正という予測は何とも言いがたいところでございますが、今まとめましたこの法律で何とか御賛同をいただきまして、そして日本の電気通信分野における国際化の方向性、あるいはまたこれからのそういう分野、国際化の方向の中での電気通信分野というものの位置づけが各分野における牽引車的な役割を果たしていけるような努力を一層いたしてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
#68
○矢原秀男君 NTTの経営の現状と将来について伺ってみたいと思うんです。
 NTTは、九二年三月期当初の経常利益は三千七百五十億円、これが経営悪化により三千二百億円に下方修正を余儀なくされ、さらに九三年三月期においては経常利益は二千数百億円まで落ちると危機感を深められて、今年度からは事業部制を導入。県内の通話を担当する地域通信事業部、二十一万九千人の方々ですね。県外通話を担当する長距離通信事業部、一万六千八百人の二部門に分けて経営の活性化に努め、さらに四月八日には長距離通話料金の値下げと合理化計画を発表されたのでございますけれども、こういう中でNTTの将来的な方向というものはどういうところに形づくっていかれるのかなと思っているわけですけれども、この点お願いしたいと思います。
#69
○参考人(児島仁君) 先の見通しを明快に申し述べることはなかなか難しいのでございますが、私の願望としてお聞き願えれば結構だと思いますが、現状における問題は今先生御指摘のとおりでございます。二千数百億円まで利益が落ちるということを覚悟しておりますが、これをどういうふうな格好で財務の面でさしあたって持ち直すかということでありますが、一つはNCCとの競争が一種安定状態に入るということが一つの条件だろうと。それからもう一つは、私どもの増収努力というものを相当に加味していきたいというふうに考えます。
 ただし、正直申しましてそれだけではいささか限界があるように現在感じておりまして、市内の中で、市内の収入に計上している中で基本料の部分と番号案内の部分がございます。この基本料の部分は、毎度申し上げますように、電話局から各お客様の家庭まで線を引いていって電話をつけるという創設費と、それから電話をおつけした後の利用料金の回収その他の事務経費の分でございますが、これが赤字の構造になっております。それから番号案内部門が、やはり今後も合理化は続けていきますけれども、最終的に赤字を丸ごと消し込むということはできないだろうと考えております。
 そういった数を足しますと、大体大きく見て五千億円、小さく見て四千億円ということになってくると思います。これはなかなか合理化という手段では料金構造的に変えることはできないものでありますから、何とかこれはいろいろと世間の御意見を聞きながらある種の調整ができないものかなというふうに考えております。かつ、これを調整いたしませんと、せっかく事業部別に組織を分けましたのですが、市外の利益から市内に補てんをせねばならぬということになりますればニューカマーとの競争力も長距離部門が失ってしまう、そうすると競争も沈んでまいるということでありますから、料金の構造的な修正というものを将来はお願いせざるを得ないのではないかと考えております。
 なお、ちょっと長くなって恐縮でございますが、ただ財務はそうでございますけれども、会社の理想としてどういう会社に仕立てていくかという点でございます。最低の義務は日本国じゅうの基本的なサービスを完全に推持する。平たく申しますと、電話はもう必ずつながるということだと思います。現在時点ではファクシミリもほとんど基本サービスの域に達しましたので、このファクシミリも完全につながるようにするということ。その後、ISDN回線なんという言葉が出ておりますが、もう今や基本サービスから平常サービスになりそうな雰囲気のあるもの、これについて日本経済の効率化のためにどうしても提供していかなくちゃいかぬ。まず国内業務の完全を期したいと思っております。これは日本国じゅうにあまねく公平に提供するんだというふうな義務がございますから、それをぜひやっていきたいと思います。
 もう一つは、やはり技術開発でございます。今回、通信主権を守るために外国人の持つ株式数を五分の一に限定する、あるいは役員を入れないということになっておりますが、それは組織上大変ありがたい防護措置でございます。同時に、研究開発を怠って世界に冠たる技術、商品というものを失いますと、何年か後には外国から安い交換機を買わざるを得ないということになってくると思います。交換機を買って日本じゅうが外国の交換機で満たされるということになりますと、これはまさに実質的な通信主権を失うことになるわけでありまして、何としてもこの研究開発で世界じゅうの超一流の座を占め続ける、こういう義務もあろうかと思います。これはぜひともやり抜いでいきたいと思っております。
 あと長くなりますので簡単に申し上げますが、世界じゅうの有力キャリアが世界戦略の中に出てきて世界を自分たちの領域の中に加えようとしておる中で、日本としてといいますか、NTTとして申し上げるのか、まあNTTはその一角だけの仕事でございますが、そういった国際戦略の中、国と国の通信を結ぶようなKDDの領域ではなくて、外国の国内で電気通信事業を展開するというふうな国際化、こういったものについてもやはりやっていかないと将来の事業領域の問題あるいは世界的な競争という面で負けていくのではないかと思っております。
 そういった点を目標に置きながらやってまいりたいと思いますが、財務の点から申しますと先ほど冒頭に申しましたように非常に難しい状態にあるということでございます。
#70
○矢原秀男君 郵政大臣にお伺いしますけれども、今御答弁をいただきましたんですけれども、郵政大臣としてはNTTの将来像をどういうふうに具体的に考えていらっしゃるのか、重ねて伺います。
#71
○国務大臣(渡辺秀央君) 昭和六十年の四月に電気通信制度改革を行って競争原理を導入いたしたわけでありますが、NTTの民営化による高度情報社会の対応を図ることを一番大きな一つの基盤とした目的に据えたわけであります。制度改革後七年が過ぎて、そしてこの電気通信市場における競争も徐々に先ほど来の御答弁にございましたように高まってきている。
 NTTにおいては、NCCと競争していくためにも長距離料金の値下げを行ったり、あるいはまた緊急措置的な経費の削減を実施するなどというようなことで、いわゆる経営の健全化を目指して大変な努力をしてきておられるわけでありますが、昨今、御報告を今それぞれされましたように、民営化後の伸びは言うならば増収減益という形になってきているわけであります。
 この経費の伸びに対して最大限の努力をしていかれるということと、電気通信事業は各産業に対してその活動を支える通信基盤、産業基盤の中の最も大切な通信基盤を提供しているわけであります。それに加えてディジタル化やISDNなどの将来に向けての投資を着実に推進していけば、このNTTを中心とする電気通信事業というものの将来性の展望というのは極めて有望なものがあるというふうに私は思っているわけであります。しかし、もちろんこれには自助努力ということが大切でございますし、活力の中に合理化対策であるとか、あるいはまたお客様の多様化されたニーズにこたえていく技術的な開発進歩、あるいはまたその環境整備、そしてまたともにやっていく労働者の労働条件の整備、そういったことが全部相まちましてこの事業の将来性というものが約束されることであろうと私は考えている次第でございます。
 そのためにも郵政省として、所管行政機関として、そういった経営者の皆さんや、あるいはまた職員の皆さんが目的に向かって前進していきやすい一つの環境あるいは条件というものをさらに努力をして整えてまいることが、国の基幹産業であるこれらの電気通信産業というものの大きな前進と将来に役立っていく足腰を整えていくということになると思いますので、努力をいたしてまいりたいと思います。
#72
○矢原秀男君 今世界戦略として一つの技術開発の戦いというものが高度情報化で進められていると思うんですけれども、NTTとして世界的に今こういう面は研究開発で着実に進んでいると、発表でさるところまでで結構でございますけれども、そういうのがお話しいただければ結構だと思います。
#73
○参考人(児島仁君) 二、三につきまして、世界のトップで争っている事象について申し上げたいと思います。
 一つは次世代の交換機でありますが、AT&T、これはアメリカでございますが、それと私どものNTTとはちょうど横一線で今競争状態にあると思います。これに勝ちますれば一番いいわけでありますが、ほとんどきびすを接して開発が進むということになれば、これは世界じゅうではなかなか負けない。同時に、その交換機は私どもが売るわけではありませんが、メーカーから世界に売れていくものであろう。これに力を入れて、一応目標を五年後に置いていますが、正直に申し上げて五年はちょっと難しいかなと思っていますが、アメリカのスピードも大体そんなようなところだと思っております。
 もう一つは、これはなかなか大変なんでありますが、今はやり言葉のように光ファイバー、光ファイバーと言っておりますけれども、あれもなかなか厄介な代物でございまして、光そのものを交換してやる。先ほどの交換機のもう一つ次の交換機になるんですが、今は光を電気に変え、電気をまた光に変え、また電気に変えというふうな過程の中で交換をしたり転送しだりしているんですが、光をそのまま生で交換をしてやるというふうな技術がございます。同時に、その光が長いこと走らせますと途中で力が弱りますので、これをまた元気をつけて送り出してやる、それを距離を長くするなどということも大体現在は世界の一流のところをいっていると思います。
 LSIにつきましては、素材を中心として、これはメーカーも既に力をつけておりますから世界一だと思っておりますが、基本的技術、それからそれを商品化していくテンポ並びに品数というものは、現在までのところ大変ありがたいことに世界の一流であるというふうに考えております。
#74
○矢原秀男君 いろんな難しい問題あろうかと思いますけれども、どうか頑張っていただきたいと思います。
 それから、経営問題の一つとしてリバランシングの問題、市内の値上げの問題。市外は今お話あったように値下げの問題。非常に国民生活も大変な状況であり、諸物価というものも値上がっている。そしてバブル経済の崩壊。いろいろな問題がございまして、中小零細の倒産というものが非常に多くなって、ダブルパンチぐらいになるというような状況ですが、今非常に文化生活の中でお電話使っていらっしゃる情報交換、これはもうお仕事、生活の関係でも一番で大きいわけでございますけれども、今市内電話で値上げをされると困るなというふうな声が非常に方々から多いわけですね。それは郵政省もNTTも、やはり国民生活の中で電話の置かれた地位というものが非常に重要であり、深いものであるからそういうことはない、こういうように言っているわけですが、今もちょっとお伺いしますと、これは将来またそういう御家庭の皆さんの不安というものが現実になってくるんではないかなとお話伺いながら思ってい
るんですけれども、市内電話をそのままにするのか、それとも値上げをするのかというこの二点だと思うんですけれども、この点について郵政大臣とNTTとお願いしたいと思うんです。
#75
○参考人(児島仁君) 先生御指摘のように、市内料金は上がらなければ一番いいというのはそのとおりだと思います。ただ、これは郵政省の方からお答え願った方がいいのかもわかりませんが、料金政策上しまして、当時独占で電気通信の提供者は電電公社ただ一つ、逓信省時代からそういうことでありましたから、総合原価主義という名のもとに、いわゆる平たい言葉で言うとどんぶり勘定でございまして、そのどんぶり勘定の基本的な思想をなしますものは社会政策的料金である。過去には、電話の使い方が市内は非常にたくさんの庶民の方がお使いになって、長距離電話は大きな会社が使うというふうな性格もございましたので、長距離料金は高く市内料金は安くという、そういった社会政策的な判断もあっての料金構造になっておったと思います。
 ところが、現在時点競争が現実のものとなってまいりまして、その競争も相当激しくなっておる。その競争は市外部門だけで起こっておるという状態でございます。したがいまして、先ほども申し上げましたように地方事業部と長距離事業部に分けておるわけでございますから、その間私どもとしては、たくさんのもうけが欲しいということではございませんで、コストに忠実なる料金にやっぱり近づけるべきであろう。そうでありませんと、民営化め際に大変学者の先生から、内部相互補助はいかぬ、サービス別にコストをきっちりして分計していかないと公正な競争にはならぬではないかというふうなこと等もおしかりを受けました。そういった道筋でこの事業部制も参っておるわけであります。
 したがいまして、そういった考え方をきちっと整理するということになりますと、市内の料金構造というものに何らかのやっぱり改善なり新たな考え方を持ち込まなきゃいかぬということになります。もちろん私どもは徹底的な合理化をすることによって、調整をするとしてもその幅をできるだけ小さいものにしたいと思っておりますけれども、正直に申し上げまして、この道はどうも避けて通れないのではないかという感じでございます。
#76
○国務大臣(渡辺秀央君) これはどうも政治家が発言すると大分アバウトになりまして、こういうときはむしろ事務方が答弁した方が社長の答弁の後でもありますからいいのかもわかりませんが、矢原先生からせっかく大臣どうかということでもありますので、あとは事務方に補足をしていただきますけれども、基本的には、国民生活やあるいはまた経済活動に影響するような料金引き上げというようなことは、これはもう常識的に安易に考えるべきではないことであろうと思うんです。
 しかし、何といっても、民営化されてから今日まで市内料金というものが、今社長言われたように、コスト体系の中で料金というものの体制にまだ入っていないという一面があることは否定できないわけですが、しかし民営化されてから今日まで市内料金というのがどうもまだそういう見直しの中に入ってこなかったと、言うならば長距離の方へ依存しておったということなんでしょう。
 しかし、私がここで社長の言ったことをごもっともですねと、こうなっちゃうとこれは市内料金値上げの方向になってしまいますしね。そういうことではなくて、やっぱりNTT自身の体質の強化、企業の健全化といいましょうか、そういう方向をにらんで御努力をいただく。そして、その期待にこたえられる競争、命内料金の場合には今の段階で競争はないわけですから、しかし、かといって長距離の方では競争が出てきている、それに対応しなきゃならぬというその矛盾点の中にある。
 行政機関として、我々としてはそこを、NTTの経営陣の一つの将来像、あるいはまた経営の方針、そういったものをよくよく聞かせていただいて、そしてこれはやっぱりみんなが納得する料全体系というものを公社のときから民営化された今日の中で築き上げていかなきゃならぬ。なかなかそれは一気には難しいだろうと思います。そこのところの時間的な余裕を政治の面でも、あるいはまた利用者の面でも与えていくべきではないかなと。それが一つは先ほど申し上げている健全な発展の条件、あるいは環境をつくり上げていくということを私は考えながら先ほども答弁させていただいたわけです。
 詳細にわたっては局長から答弁をさせます。
#77
○政府委員(森本哲夫君) 大臣から総括申し上げましたようなことに相なるわけでありますが、若干事務的に補足をさせていただきますと、先ほどから社長からも申しておりますように、端的に言えば、NTTの料金というのは公社独占の時代からの体系を引きずっている。そういう意味で、コストなど余り意識していなかった時代というのが、今日いろいろ考えなきゃならぬということで、ただ、具体的に料金値上げということをどうしようかというところまで私どもいっていないという認識で、ただ、今のコスト構造というものについての指摘があるんだと、こう思っておるわけであります。
 ただ、一面考えれば、物の値段というのは果たしてコストだけで決まるのかという見方も一つございましょうし、仮にコストだとして、そのコストが本当に競争原理が働く中で目いっぱいの容認されるようなコストになっているかどうか。とりわけNTTは先ほどお話ございますように競争部門がある反面、全然競争のない部門もございます。競争の働かない部分というのはなかなかそういう意味ではコストを引き下げるインセンティブが働きにくいということも、これは一般的な常識でもございますし、そういう意味で、一体そのコストが果たして十分な営業努力というか増収努力、アメリカの電話なんかは日本の三倍も使われているというようなこともございます。そうした合理化努力、営業努力、こうしたものに立って必要な努力なのかどうか。
 それからもう一つ、これなかなか経営学的に難しい問題でございますが、一つの大きな会社が行っているサービスをどういう構造単位に切り分けるかという問題はなかなかまだ一般的に定着していないわけでございまして、現在その努力を一生懸命やっているさなかでございます。今回、事業部制が発足するというような形でそうしたコストも社会的にも明らかになっていくという過程の中で、先ほどから議論がありましたような点について、十分徹底した合理化の上で世間が理解してもらえるかどうかという点がやはりこの問題の大きなポイントになろうかと考えておるところでございます。
#78
○矢原秀男君 この問題につきましては、家庭でももう五千万台以上も利用されている、こういうふうな中で利用者の皆さんの声を、地域的な合理化をすれば案外落ちつく問題等もございますけれども、よくこれは利用者の声も十分聞いていただいて検討していただかなければいけないと思っております。
 ちょうど時間参りましたので、他の問題も数点質問する予定でございましたけれども、これでやめないとまた違反になりますので、来ていただいている皆さんには申しわけないと思いますけれども、これで終わらせていただきます。
#79
○吉岡吉典君 電電公社の民営化の際に私どもはいろいろな不安を持ちましたが、その後私どもの持っていた不安が当たっていたんじゃないかと思うことがいろいろあらわれてきています。その一つが今回の法案だというように私どもは思っています。
 そのまず第一の不安というのは、NTTが発足するときに外資参入は禁止した。これが今回、一定の制約は設けられておりますが、取り払われて外資の参入を認めるという問題です。
 最初に、午前も論議になった点でありますが、外資参入をNTT発足時に、つまり現行法で禁止した理由はいろいろあるかもしれませんが、最大のものは通信主権の問題であったと私は理解しております。これはその後の電気通信審議会の答申等でも、我が国の神経系統としての基幹的通信事業に対する外国からの影響を強く排除する必要から生まれたものだというふうに指摘されている点からもそうだと思いますが、簡単に結論だけでいいんですけれども、そういう通信主権の問題が最大の理由であったというように受け取ってよろしいかどうか。
#80
○政府委員(森本哲夫君) 通信主権ということについては先ほどもやりとりございましたんですが、要するにその国の通信法制をその国が独自の判断で決め得るというのが私どもの通信主権という普通の使われ方かと思っておるわけであります。そういう意味合いで、当時の改革に当たって、長らく百年以上準国営の形できた通信事業を民営化するに当たって、そうしたこれまでの経緯、それから、初めての民営化だということで、外国からの影響力についての懸念をして現在の法制になって、これについては国会の同意をいただいて現在定着しているわけでありますが、そういうふうに理解をいたしておるところであります。
#81
○吉岡吉典君 あなたの答弁、答弁になりません。通信主権の解釈を僕は聞いたんじゃありません。なぜ外資の参入を禁止していた、排除していたのかということを僕は聞いたわけで、そんな我が国が決めれば通信主権は守られるというような答弁というのは、何を決めようと日本政府が決めれば通信主権は守られたということであって、これは返答になりませんよ。ともかく当時は外資の参入を認めないという形で通信主権を守ろうとした、それは一連の当時の審議から見ても、今言った答申から見ても明らかです。それを変えなくちゃならないほどの特別の事情があったかどうか、私はこれまでの答弁を聞いていてもあったという納得いく答弁は見出せません。
 国際化ということでいろいろな説明がありました。しかし、国際化すれば外資の参入を認めなくちゃならない、認めなければ国際化に反するという理由は私はないと思います。世界じゅうでまだ外資の参入を認めていないところもある。そういう国に何も国際的な非難が集中しているというわけでもありませんし、それからまた、日本でNTTが発足した時期に既に外資の参入を認めていた国もあって、先進国がその後どんどん外資の参入を認め出したから我が国も認めなきゃならないという大きな事情の変更があったとも私は思いませんし、強いて考えれば、この間に日米構造協議等で、最終文書には織り込まれてはいませんが、アメリカ側からそういう意向があったということぐらいかなということしか念頭に浮かんでこないんですけれども、日本が外資の参入を認めなくちゃならないような特別の強い変化というのがあったんですか。
#82
○政府委員(森本哲夫君) 法律ができました五十九年から勘定すれば八年目に相なるわけでありますが、朝からも述べておりますように、NTT、KDD自体が事業経営をやっていくのに当たりまして、国内だけの市場に資金であるとかあるいは資材であるとかを求める状態ではとてもいかなくなって、海外にも大きく依存をせざるを得ない。これは日本経済全体の国際化のあらわれでもあろうかと思うのが一点でございます。
 同時にまた、今御指摘もございましたが、立案当時の海外における通信事業のいわば開放のぐあいというのは全体的には限定的でございました。その後、カナダは国営の国際通信会社であったテレグローブ・カナダというものを民営にもいたしました。競争原理も導入いたしましたし、ニュージーランド、オーストラリア、こういったところも思い切った競争原理を入れておるわけであります。さらにECについても、先ほどから話が出ましたように、一部独占は認めるができるだけ競争を入れなさいという指令が出ておるわけであります。これは端的に言えば、非常に重要な通信ではあるが国家独占のもとに置いておくだけでは高度の発展を促すのに不十分であろう、できるだけ競争原理を入れて自由濶達な競争の中で料金をできるだけ低廉化する、多彩なサービスを実現する、あるいは今後の情報化社会の起爆剤になるような通信事業について、活力ある形にするためには目いっぱい入れられる限りの競争を導入する方が得策であろう、こういう判断が働き、ある意味の世界的潮流になっているということが言えようかと思うのであります。同時にまた、スペインでありますとか、カナダでありますとか、イギリスでありますとか、アメリカでありますとか、こうした諸外国が開放した部分は、日本の東証市場にも続々と登場をしたのもこの数年間の変化でございました。
 いずれにしましても、こうした大きな国際潮流の中で現行の法制をこれから先も依然としてまだ守っていかなきゃならないというふうには非常に考えがたい。また、今後の日本の発展のためにもできるだけ門戸を広くする、そういう必要があろうかということで今回御提案をさせていただいているわけであります。
#83
○吉岡吉典君 この間に大きく門戸を開放したとおっしゃるんですが、アメリカでもカナダでも英国でも日本のNTT法が制定された当時は外資の参入は認めていたわけです。その復そういうふうになったというふうに聞こえるような答弁ではだめですよ。いずれにせよ、外資の参入を認めることが日本の通信主権に影響を及ぼすという考えに立っての今の法案の改正というのは、私は、ここでとまるものでなぐ、さらにこれが外資の影響を受けるというところへいきかねない危険を持っているというふうに言わざるを得ないと思います。
 というのは、この答申を見ましても、今度の法案で盛り込まれているような規定というのは、何も科学的な根拠があって決まったものではなくて、わかりやすく言えばアメリカとフランス、ドイツの真ん中をとるぐらいな発想ですよね、答申によれば。ですから、こういう調子で外資の参入を認めるということになれば、NTT発足の当初においては通信主権の問題が大きく取り上げられた。それを崩していくことになりかねないという不安を私は一層強めざるを得ないということを最初に申しげておきたいと思います。
 その次の問題は、当面というふうには言っていますが、新株等の増加に伴っての特例措置として、政府が保有することを義務づけていた三分の一という計算の中に入れないと。これは私は、日本のNTTの公共性を担保するためにそういう規定が設けられていた、それの後退だというふうに言わざるを得ないということもあわせて申し上げておきたいと思います。
 「当分」というようにここには書かれておりましたけれども、午前の答弁ですとこの当分というのは、短い意味の当面いうようなことではなくて、いつまでか見通しのつかない意味の当分だというふうに私は聞きましたけれども、当分というのは非常に短期間という意味ですか。午前の答弁だとそうじゃないと思いますが、はっきりしておいていただきたい。
#84
○政府委員(森本哲夫君) もともとこの三分の一を決めました理由は、政府が常時総数の三分の一以上に当たる株式を保有して安定株主になる、そしてNTTの経営の安定と適正な事業運営を確保する、こういう目的であったわけだと思っております。
 今回の改正については、NTTがエクイティーファイナンスを実施しましても、確かに政府保有義務になる三分の一は増加はいたしませんが、現在政府がこの義務を履行するために保有している五百二十万株の株式は、引き続き保有義務の対象にしていることには変わりはございませんし、同時にまた、現在売却予定になっておって国債整理基金特別会計で保有している株、これも御案内のとおり五百万株ございまして、これは保有義務の対象ではございませんが、売却を完了するまでの間は、その議決権の行使については三分の一の保有と同じ扱いになることは当然でございます。
 いずれにいたしましても、現在の株式保有の実態から見ても、この三分の一が非常に行使が難しくなるという事態は当分の間考えられにくいだろう。エクイティーファイナンスをやるにいたしましても、新株を発行いたしますれば当然NTTとしてそれに対して配当負担を伴うものでございますから、多くの民間会社がやっております実態を見ましても、急激にエクイティーを実施して株数が増加するという事態はほとんど見当たらないわけでございます。そういう意味で、現実の状態では当分の間というのは、この議決権行使の三分の一が非常に変動するということになるとはちょっと考えにくいことではあろうと。しかし、これを厳密な形で運用してまいりますればエクイティーファイナンスの適正な運用に障害が出るので、この部分を当分の間という期間に限ってできるだけ対処を円滑にしてまいりたい、こういう趣旨合いでございます。
#85
○吉岡吉典君 そうすると、三分の一という義務規定が崩れることはないということですね、将来とも。その点だけきちっとしてください。
#86
○政府委員(森本哲夫君) 本則では三分の一はいじってないわけで、附則の方で当分の間三分の一についてはこの限りでないという扱いでございますので、法律の考え方としては、三分の一を修正したという発想ではないことは先ほどから申しているところでございます。
#87
○吉岡吉典君 先ほどの答弁の中で競争を導入すればサービスが向上するという話がありましたね、料金の低下等。そうでない問題も起こっている点として、NTTをめぐって私らが持っていた不安が現実のものになっていたという点です。それは民営化後公共性よりももうけ第一というところへの姿勢の大きな転換があったと見ざるを得ない事実があらわれているからです。
 例えば、電話事業創業以来百年間続いてきた電話番号案内の有料化、あるいは赤字を理由にした電報の夜間取り扱いの廃止、こういうのは競争を導入すればサービスがよくなるなどということのあらわれだとはとても思えませんので、私はそういう点からも幾つか問題を感じざるを得ないわけです。時間の関係もありますから、民営化NTTになってから持っている不安の一つとして、最近マスコミでもいろいろ話題になっています分社化、子会社化という問題についても解せないのでお伺いしたいんです。
 NTTにお伺いします。子会社化という計画は、今何を考えておられますか。
#88
○参考人(児島仁君) 現在考えまして進行中のものは、移動体に関するもの、つまり自動車電話、携帯電話、この分野につきましては分社化をしたいというふうに考えております。手はずが整いますれば、七月一日以降、新たな事業体として効率を上げさせるために別会社にしたいというふうに考えております。
#89
○吉岡吉典君 それだけですか。
#90
○参考人(児島仁君) まだ企画の段階でございますが、建築あるいは電力部門の分社化が可能であるかどうかということを現在検討中でございますが、その前提として私どもが考えておりますのは、NTTの名において、NTTの手で事業をやっていく分野というものは一体どうあるべきだろうか。電話あるいは電報とか市外通話、こういったものは当然やっていくわけでありますが、附帯業務のようなもの、あるいは目的達成業務のようなもの、あるいは新たに急激に展開をしていくためには本体に残しておかない方がいいもの、そういったものをずっと検討いたしまして、正確に言うと四つ五つになりますが、大別しまして二つあります。
 一つは、新しい分野を求めて私どもの人材なり技術力なりノウハウというものをもって新たな展開をしていくという子会社。もう一つは、私どもの仕事の一部を分担してもらう中で、外から仕事をとってきて収益を上げ効率化を図っていくというふうに二つに考えております。今たまたま二つ出ましたが、自動車電話の方は、これはむしろ私どもが事業として行ってきたものでありますけれども、既にほかの会社がたくさん出てきておりまして、これとイコールフッティングで競争していくというためには、本体から切り離してある種の身軽さと柔軟性を持って運動を展開するというのが至当であろうということで切り分けるものであります。
 もう一つ、建築・電力につきましては、バックヤードといいますか、そういったものにつきましては、本体の中に抱え込んでその仕事のワン・オブ・セムとしてやっていくよりは、むしろ特化した会社として切り出した方が効率が上がるだろう、そういった観点から現在検討中でございます。
#91
○吉岡吉典君 電力・建築部門の分社化というのは、できるかできないかをまだ検討している段階だという話ですが、それはその程度で、どうなるかはまだまだ答えは出ないという程度のものですか。
#92
○参考人(児島仁君) 現在の進行状況を申し上げますと、現在企画会社をつくりましていろんな評価、検討をしておりますが、現在時点ではほぼ会社化が可能であるというふうなことまでまいりまして、でき得べくんば今年中にもそういった会社をつくっていきたいというふうに考えております。
#93
○吉岡吉典君 さっきの答弁は、まるで今やれるかやれないか検討しているんだというような、そういういいかげんなことは言わないでいただきたい。
 分社化という場合、その内容ですが、電力・建築部門についてですが、設備も人も新しい会社へ行く方針なんですか、設備は残して人だけ行くということになるんですか。そこらはどうですか。
#94
○参考人(井上秀一君) 今社長が言いましたように、内容的にはいろいろ検討をしております。ただ、やり方としましては、設備を持っていくものと、NTTに設備を残しておいて、メンテだとかそういうところだけ持っていった方がいいというようなことを具体的に判断して決めていきたいというふうなことでございまして、新会社としてどちらがいいか、経営の安定はどうだとか、今後の発展はどうだとか、NTTのサービスとしてどうなのかというような面から今具体的に検討を進めているところでございます。
#95
○吉岡吉典君 私は、その問題でよくわからない、どうしても疑問を抱かざるを得ない問題が二つ出てくるんです。
 一つは、電力部門の分社化というのは、なぜそういうことをやらなきゃいかぬのかという疑問です。というのは、電力というのを電気通信の本体と切り離すということをなぜやるのか。一体化していると何か都合が悪いんですか。切り離さなきゃいかぬのかどうか、どうしても私は解せないんですね。
#96
○参考人(児島仁君) もちろん電力を本体の中に抱えて仕事をしていくという考え方もあろうかと思います。ただ、電力といいますのは、私どもの会社で大変に合理化をして集約をいたしまして、拠点拠点から保守をしているというふうな状態にまできております。一方、その話とは全く別に、最近インテリジェントビルというふうな言葉でいろんな建物が建っておりますが、かつて建築物はコンクリートの箱だけというような建築物でありましたけれども、今やビルというものが非常に知能を持ったビルでなければいかぬということで電気通信技術とのドッキングがきております。
 そういったことでございますから、私どもの建築部門の人材とノウハウとそれから電力、これは強電から弱電まで扱っておりますが、そういったものに交換の能力のあるものを加えて、私どもの仕事の保守もしてもらうけれども、新たな仕事の展開に向かっていくということは私どもにとっていい道ではないかというふうに考えた次第でございます。
#97
○吉岡吉典君 後の問題、新しい分野への進出という問題が出ていよいよ私は疑問が深まるんですが、その前に、電力部門の切り離しですけれども、私専門家ではありませんが、私が聞いたところでも、電力部門というのはやはり通信の心臓部である、そういうふうに聞いております。一体化してこそ本当の機能が発揮できる。
 電力部門というのは、各種の通信機器に必要な電源を供給する電力設備、各種装置の保守、設計工事、それから設備関連、そういう業務を行っている。それは緊急非常時、災害時はもちろん平時においても、通信電源の安定的な供給とその維持管理は公共的な電気通信事業を担うNTTの責任であり、これを下請にし別会社にすることで本当に成り立つのかどうなのか。これはやっぱり根本的な問題を含んでいると私は思うんですね。
 電気通信事業は、言いかえれば、NTTが線だけでなく通信用電源とそれを安定的に保守する職員を持ってこそ成り立つ、そういうふうに言えないんですか。切り離した方がいい、ないしは切り離しても何の不都合もない、そうおっしゃるんですか。
#98
○参考人(児島仁君) 今先生御指摘の点は私どもまことに同感の部分がございます。確かに電力は私どもの通信事業にとって大変重要でございます。ただ、その電力の供給に関しましては非常に技術革新が進みまして、既にもう二十年前ぐらいでありますけれども、革命的なのは、オールフロートの形にいたしまして常に充電しつつ放電をするというふうなメカニズムをつくり上げました。それを保守していくためのノウハウあるいは遠隔制御ということもかなり投資もいたしましてやってまいりました。
 ただ、私は、やはり電力部門の諸君にさらに力を出していただくためには、交換技術の中でのつまり縁の下の力持ち的な仕事、通信の機械に電力を供給するだけの仕事というよりは、もっと幅広い仕事をぜひしてもらいたいというそういった職員感情の面も考えていかなくてはいかぬと思っております。
 したがって、先生御指摘のとおり、電気通信事業にとって電力をたゆみなくしかも正常に供給するというのはまことに大事だと思いますが、これは別会社にしたから直ちにそこにそごが来るというふうには考えておりません。むしろ別会社できっちりした運営をやってもらう方が、責任を持って運営をしてもらってやる方がいいと私は現在考えております。
#99
○吉岡吉典君 技術革新が進んでいるということはおっしゃるとおりだと私も思います。しかし、それによっていろいろな故障が発生するということがなくなったというわけでもありませんし、その与える影響は非常に大きい。そういうときに、そういうところの部分を本体のNTTでなく別会社の責任にしてしまうということで成り立つのかどうか。例えば、故障をめぐって苦情が来ても、それはうちの責任じゃない、別会社の下請の責任だと、そういう体制になってもやむを得ないということをおっしゃるということですか。
#100
○参考人(児島仁君) 電力に障害が起こりまして、そのことがうまくいかないためにユーザーの方に大変御迷惑をかけたというようなケースは、当然にそれはNTTの責任だと思っております。一つだけ例を申し上げますと、現在、電報の配達部門は全部委託をしてNTTの社員でない方に配達をしてもらっておりますが、たまたま電報が着かない、あるいはおくれたというふうな責任はすべてNTTそのものの責任だというふうに私どもは考えておりまして、そのように対処をしております。
 したがいまして、運用上先生御指摘のような点は十分注意してまいりますが、本体におるときよりも外に出た方がやりにくくなった、あるいは非常に問題が起こったということのないようには十分配意をいたしますが、責任はNTTの名においてとっていきたいというふうに考えております。
#101
○吉岡吉典君 新しい分野で力を発揮してもらいたいということを繰り返しおっしゃったんですけれども、私はそれがまた奇異に聞こえるんです。
 NTTというのは、午前中からずっと論議が続いていますけれども、基幹的電気通信事業体であるということで大変高い位置づけで、国際的にもいろいろな競争もしなくちゃならないし、国内的にも役割を果たさなくちゃいかぬということが論議されていましたが、そのNTTが今度はそういう電気通信分野だけでなく日本国内で新たに建築部門に進出しよう、こういうわけですか。
#102
○参考人(児島仁君) 私どもの会社は伝統的に建築部門に非常に強力な部隊を持っておりまして、一級建築士だけで千人を超すような状態であります。したがいまして一般の建設会社と同じように、一級建築士事務所、これは専門用語でございますが、建築、建設をやれるという資格を持った会社でございます。したがって、今まで私どもの中の建築部という名において仕事をやっておりますが、実は建築会社と同じ機能でございまして、私どもの建物の基本設計あるいはメンテナンスということをやっております。場合によりましては、私ども電電公社の中身でありますからみずから業は行いませんが、委託を受けた場合にはある種の設計をしてさしあげるとか、あるいは場合によっては工事の監督を請け負って、委託を受けて行うということをやっておったわけでございます。
 したがいまして、同じことを繰り返すようで恐縮でございますが、その建築部門につきましては私どものビルの面倒も見てもらいますし、新たにつくるときにはまたこれの力もかりたいと思っています。同時に、インテリジェントビルということを言い出したのは私どもの会社が初めてではありませんが、相当早期に言い出したことであります。建築部門と電力あるいは交換というものをドッキングして新たなビルをつくっていくという、そういった思想で今までやってきておりますので、そういった思想の財産というものもあると思っています。そういったものを有効に役に立てたいというふうに考えておるわけであります。
#103
○吉岡吉典君 電気通信産業の分野での競争だけでなく建築部門にも進出していこうということになると、新会社の主要な事業はどっちになるんですか。電気通信関係の方を主としてやる会社ですか、新しい仕事が主な会社になるんですか。
#104
○参考人(井上秀一君) 現在主に考えておりますのは、NTTビルを中心に考えています。
#105
○吉岡吉典君 この問題はいろいろまだ聞きたいことがあるんですが、時間がありませんので、これに関連して次の問題ですが、要するに、そういう形で分社化、子会社化するということになると、今NTTで働いている労働者にとって大変重要な問題が出てくるわけです。それはどういう形で新しい会社に移ることになるんですか。
#106
○参考人(和田紀夫君) お答え申し上げます。
 社員の出向形態につきましては、内規であります就業規則等によって定めておりますけれども、電力及び建築・ビル管理業務の事業化に伴う社員の移行形態につきましては、現在のところ在籍出向ということで考えております。
#107
○吉岡吉典君 在籍出向ということなんですね。
 そうしますと、私はそこでお伺いしますが、NTTの就業規則、それから出向規程というのを私見せていただきました。そこには、出向の場合には本人の意向を十分に尊重するとか、出向期間というような問題が具体的に規定されておりますが、これはそれに沿って行われることになりますか。
#108
○参考人(和田紀夫君) お答え申し上げます。
 出向期間は一応出向規程によりますと三年から五年をめどにするということでございますが、なお業務上の必要性がある場合にはこれを延長することができるというのがその内容でございます。私どもこの線に沿ってやってまいりたいと思いますし、それから移行に当たりまして社員に意向確認をするということもルールとして決めております。それに従ってやってまいりたいと思います。
#109
○吉岡吉典君 最初の出向期間の方ですが、この規程に沿って延長をするということはあるかもしれないけれども、基本的にはこれに沿ってやる、そういう答弁だととってよろしいですか。
#110
○参考人(和田紀夫君) 電力及び建築・ビル管理業務及びそれに従事する社員というものは、今回の分社化でほとんど新社会の方に移行するという方向で検討を深めております。そういたしますと、残る業務というのは非常にわずかなものでございます。そういう考え方から、今回につきましては延長をしていくということが基本になろうかというふうに考えております。
#111
○吉岡吉典君 帰ることのない延長だと、そういう意味ですか。
#112
○参考人(和田紀夫君) この新会社はNTTのグループの一環として設立するものでございますので、その仕事の内容あるいは双方の仕事の必要性等によりましては人事交流というのはある程度はあろうかと考えております。
#113
○吉岡吉典君 はっきり質問に答えてください。人事交流があるかないかということではなく、私が聞いたのは、あなたはほとんど出向しっ放したという意味のことをおっしゃるから、帰ることはないのかと聞いたわけですよ。出向という形式をとるならば、やっぱりれっきとしたNTTがつくっている就業規則、出向規程をきちっと守っていくのが本筋じゃないかと私は思います。出向規程のうち、期間だけはこのとおりにはやれないということですか。
#114
○参考人(児島仁君) 歴史的に申しますと、私ども電電公社は大変にたくさんの職員を抱えまして実にいろんな仕事をやっております。したがいましてそこに従事する職員の職種も非常に多様でありまして、働きざまも多様でございます。私は思想的には、大艦巨砲主義の時代は過ぎた、やはり機能に応じて機動的に動ける船団方式で事業をしていきたいと思っております。そういった意味では、私どものグループの中の一つの重要な存在だと認識しておりますので、そちらの会社で定着をしていただくことを望んでおるものであります。
#115
○吉岡吉典君 我々は時間の制約がありますから、質問に答えてください。要するに、出向規程のうち期間についてはそのとおりにやれない、そういうことですか。
#116
○参考人(児島仁君) これは労働組合とも話し合った上でつくったものでありますから、それを全く無視する気持ちはありませんが、私どもとしてはその運営とおりに個人の意向に従ってやってまいりますが、私の希望としてはそちらの会社で生きがいを見つけてもらいたいというふうに考えております。
#117
○吉岡吉典君 それでは、同じ労働条件にかかわる問題ですが、新しい会社へ在籍出向した場合の賃金、労働時間、退職手当、福祉、厚生及び共済関係等、これも規定がありますが、これは今より悪くはならないというふうにきちっと保証されることになりますね。
#118
○参考人(和田紀夫君) お答え申し上げます。
 在籍出向としました場合には、新会社へ出向する社員はNTTと新会社双方との雇用関係を有するということになりますので、労働条件等につきましては持ち込みを考えております。
#119
○吉岡吉典君 ちょっと最後のところをもう一度。
#120
○参考人(和田紀夫君) NTTと同じ労働条件を持ち込むということを考えております。
#121
○吉岡吉典君 持ち込むということですね。それはきちっと保証されますね。出向した後の保証が何によって担保されるか。
#122
○参考人(和田紀夫君) 出向期間中は守られます。
#123
○吉岡吉典君 こういう重大な問題ですから、私は当然これは労働組合とも協議して最終的に決められる性質のものだと思いますが、労働組合との協議というのはもう進んでいるのか、その合意によってやるのかやらないのか、その点お伺いします。
#124
○参考人(和田紀夫君) お答え申し上げます。
 NTTには複数労働組合がございますが、それぞれと協議を進めている段階でございます。
#125
○吉岡吉典君 合意はできているのか。
#126
○参考人(和田紀夫君) 労働協約の適用につきましては、過半を持っております労働組合との協約が適用されますので、それについて現在詰めておる段階でございます。
#127
○吉岡吉典君 最後に、冒頭この問題の質問のところで検討段階だというところからかなり進んでいるという話に変わってきたんですけれども、これは当然郵政大臣の認可を得てやることになると思いますが、そういう手続はいつごろやろうという計画ですか。
#128
○参考人(児島仁君) 認可事項になるかどうかも現在勉強中でございますけれども、いずれにしても郵政省の御指導を受けながらやっていきたいというふうに考えております。
#129
○吉岡吉典君 終わります。
#130
○足立良平君 私は外資規制の緩和の関係でまず初めに質問をいたしたいと思うわけでありますが、今回NTTとKDDの外資規制を緩和いたしたわけであります。米国でも既にATTが五分の一ということで同じ比率であるということは十分理解をいたしておりますが、国内での問題として、NCCが三分の一ということになっておりまして、同じ通信事業者でありながら、NTTなりKDDが五分の一、そして一方ではNCCが三分の一というふうに外資規制を変えていることについて、一体どういう理由からこういう状況になっているのかちょっとお聞かせ願いたいと思います。
#131
○政府委員(森本哲夫君) 通信事業者である限りにおいては、先生の御指摘のように、日本の国のいわば経済の基本を支えるそういう役割を通信が担っている以上、開放するにしても、やはり無防備に外国の影響を丸々受けてしまう、その事業者が日本の国民生活向上のために十分な経営の自主性の確保ができないということであってはならぬことは共通して同じだろうと思うのであります。ただ、NTT及びKDDにつきましては、これは独占的にこれまで長い間他の事業者の存立を許さないで、いわば一手引き受けで、しかも国民がその資産についてもネットワークの構築についても半はお手伝いをしてきながら、いわば国民の共有財産としてくるような形でNTT、KDDのネットワークの構築が行われてきた。したがいまして、他の通信事業者、新規事業者と違いまして、日本じゅうありとあらゆるところにネットワークを構築し、しかも、警察であるとかあるいは消防であるとか、大きな基幹的な国家の安全あるいは秩序の維持に当たるような事業もこうしたネットワークに依存せざるを得ないところも多々あるわけであります。そうした意味合いで、KDDが世界じゅうの対地とほぼ通信ネットワークの構築を現在可能にしているのもそうしたゆえんであろうと思いますので、特に両社が持っております基幹的通信事業者としての役割に思いをいたしましてこういう措置にいたした次第でございます。
 なお、通信と並んで非常に重要な放送事業、民間の放送会社でございますが、あるいはCATVもこれと同じ規制になっておるわけでございます。こうしたことも参考にいたしたところでございます。
#132
○足立良平君 ちょっと今の答弁を聞いていまして、実態論としてはわかるんです、現在の実態としてですね。ただ、NTTが民営化をされて、そしてNCCが新たに発足をして、そしてある面においては、現実的にこの通信事業の民営化あるいは自由化というもの、これはNTTの場合には今森本局長が指摘をされましたように百年の歴史を持って相当の蓄積を持っているわけです。
   〔委員長退席、理事大森昭君着席〕
しかし、今NCCは新たに発足しているが全く蓄積はありません。そうなってくると、役割からすると今おっしゃるような意味は私はわかるけれども、通信の自由化というものを進めていって、しかもそれが同じレベルで、既にいろんな議論がされているように競争条件の中で国民的なサービスというものを向上させていこうという基本的な考え方からしますと、将来的にNCCがさらに伸びていって本当にいい意味での競争、いい意味での共存共栄関係が成立したときに同じようなことが言えるのかどうなのかというと、私はいささか今の答弁の考え方というのはちょっと将来的な展望を欠いているのではなかろうかなという感じを受けるんですが、その面でもしあればお聞かせを願いたいと思います。
#133
○政府委員(森本哲夫君) もちろん冒頭に申しましたように新規参入も重要な通信の役割を担っておることには変わりないわけでございますが、今申しましたように、NTT、KDDがそうした経緯を踏まえたゆえに現在でも商法上の単なる会社じゃございませんで、NTT法、KDD法という特別な法律に基づき、政府保有があるとかあるいは特殊法人としての役割にかんがみた体系になっておるわけでございます。現実の問題を踏まえ、そういう体系になっているところを踏まえて、今回のような形で五分の一として、既存の新規事業者と同じ扱いにはやはりするわけにはいかないだろう。おっしゃるように将来長い目で見てどういうふうになるかというのは、これはいろんな考え方もございましょうし、特殊法人としての位置づけがどうなるかというようなこともございましょうが、現下の自由化を考えるとすれば、こういう状態でお願いするのが一番よかろう、こう思ってお願いをしておるところでございます。
#134
○足立良平君 今の答弁でわかりました。将来的にはNTTなりあるいはまたNCCなり、そういういわゆる競争の条件というものがきちんと整っているときにさらに変化してくるものだというふうに私は実は理解をいたしておりますから、そういう観点でこれからもいきたいと思います。
 それで次に質問を進めたいと思うんですが、一九八六年にガット・ウルグアイ・ラウンドにおいて初めて取り上げられたことでありますが、電気通信に関するサービス貿易交渉、今までの交渉の経過及び現在の状況について簡単にひとつ説明を願いたいと思います。
#135
○政府委員(森本哲夫君) 電気通信を初め、海運とかあるいは弁護士事務であるとか、あるいは金融であるとか、これまでの物の貿易からさらに一歩進んでサービスの貿易を国際的にもっと自由化しようではないか、こういうことで今お話しのようにウルグアイ・ラウンドのサービス貿易交渉というのが始まったわけでございますが、現在のところ、このサービス貿易の一般的なルールでありますサービス貿易協定、そしてこれに附属をする形でございますが、電気通信なら電気通信というふうに各サービスごとの特殊性を反映しました附属書、アネックスと言っておりますが、こういう作成作業が行われてきたわけでございます。
   〔理事大森昭君退席、委員長着席〕
同時にまた、各国がそれぞれのサービス市場に外国からの参入を認めるに当たりまして留保する条件というのもあるわけでございますので、これをいわば明らかにする約束表というものを作成するための交渉がまた今行われておるわけでございます。新聞紙上は初期コミットメント交渉なんというようなことを言っておりますが、中身はそういうことでございます。
 電気通信の分野については、今申しました附属書をつくりました。そして各国が自由化についての初期コミットメント交渉を行ってきたわけでございますが、この三月に至りましてアメリカがいわば基本電気通信を含む最恵国待遇義務の免除リストを提示いたしたわけでございまして、アメリカについては各国でもっと自由化をしてくれ、端的に言えばそういうことでございます。そうでない限りは最恵国待遇扱いしません、こういう免除リストを十二カ国に対して、日本を含めてでございますが提示をしたわけです。ECを中心としましてこの問題に関して各国大変反発をいたしまして、交渉は今のところ膠着状態にある、こういうことだと考えます。
#136
○足立良平君 米国の要求してきた背景あるいは米国のねらいといいますか、それは一体どういうところにあるというふうに日本として、とりわけ郵政省として受けとめておられるのか、そして日本としてこれからこれに対して一体どのように対応しようとされているのか、その考え方をちょっとお聞かせを願っておきたいと思います。
 同時に、もし仮に我が国の通信市場が米国の要求を入れましたときに一体どのように変化をしてくるんだろうか、とりわけ国民生活に与える影響は一体どういうものがあるというふうに郵政省として認識をされているのか、お聞かせを願いたいと思います。
#137
○政府委員(森本哲夫君) 背景というものを、アメリカという大きな国が具体的な提案をなしたということを私どもの立場で客観的にこうだというふうに明確に説明するわけにはいかない次第でございます。
 ただ考えられることは、アメリカは前から基本電気通信市場といっておりますが、国際通信あるいは国内の長距離通信、こうした市場を、自分は自由化してないくせにこういうサービス貿易交渉の結果アメリカの市場に参入するというのはどうも均衡を欠くのではないか、こういう主張が前々からあったわけでございます。そういう意味で、ウルグアイ・ラウンドの交渉が終わった後の二国間交渉によりまして他国の電気通信市場の開放を求める余地を残す、こういうねらいというものも一つ考えられるのかな、こう思っておるわけでございます。
 いずれにしても、今アメリカの提案しておりますような最恵国待遇の例外というふうなことは、もともとこういうウルグアイ・ラウンドをやろうという精神にいわば大変違背をするような話になるわけでございますので、日本としてもできるだけアメリカに翻意を促して、何とかこの交渉を各国のコンセンサスが得られるように努力を十分やってまいりたいと思うのであります。
 先ほどからも議論ございますように、日本の市場の開放というのは決して世界的に見ましておくれをとったということじゃなくて、むしろアメリカと並んで最も開放された市場になっている。今回の改正もその内容の一つだと考えているわけでありますので、アメリカに対しても十分こうしたことも訴え、何とか世界の貿易を律するサービス貿易協定の作成に向けて努力をしてまいりたい、こういうのが我々のスタンスでございます。
#138
○足立良平君 今局長の方から答弁ありましたが、私も全く考え方は一緒でございまして、米国との二国間協定という問題を含めまして、例えば通信衛星の問題一つとりましても、ちょっとこれは今までの協定からするといかがなものかなという感じを率直に私は受けておりますから、そういう面では筋目をきちんと通していっていただきたい、このことをお願いしておきたいと思います。
 それから、外資の参入の状況について考え方等をお聞きしていきたいと思うわけでありますが、これは結論的にはNTTとKDDさんの方にお聞きをいたしたいわけです。今回の外資の規制緩和の問題で考えてみますと、第二種の場合は相当数ありますからこれはもう一々申し上げるまでもありません。第一種の電気通信事業だけをとってみましても外国資本が日本の資本市場に相当入ってきている。日本通信衛星にいたしましても、これはもう既にアメリカのヒューズ社が三〇%も持っているわけです。あるいは日本国際通信の場合もBTそれからFT、合計いたしますと五%外資として入ってきている。あるいは国際デジタル通信におきましても、英国と米国合計いたしますと約二八・一%ぐらいこれまた既に外資が入ってきております。それから東京テレメッセージにおいても九%これは入っている。このように外国の資本というのは既にもう日本には相当入ってきている、第一種の場合ですね。NTTなりKDDは別として、そういう状況。
 一方において、日本から外国の事業に資本が参加をしているというのは、KDDが米国のインフォネット、こちらへたしか五%くらい出資をされているというふうに私は承知をいたしておりまして、ほとんどはもう出資はしていない。日本国として考えてみますとそういうふうな状況になっているんではないかという実態であろうと思います。
 そうしますと、これは事実なのかどうなのか私全部現認をいたしておりませんが、昨年来マスコミ報道等をずっと整理いたしておりますと、NTTが外国国内の通信事業に参加をするという観点からタイの民間電話会社へ投資をしようということで入札をして、それは敗れてしまったかどうかわかりませんが、一応そういうこと。あるいはブラジルのセルラーにもそういう動きがあった。あるいはインドネシアの電話拡充プロジェクトにもNTTはそういう動きをしていた。あるいはオーストラリアの通信会社にもそういうふうな動きをしている。
 それから、これは今申し上げたこととはいささか違いますけれども、企業のグローバルネットワーク構築の支援などの国際通信事業という観点で、国際通信サービス、シンコーディア社の問題であるとか、あるいはまた国際電子メール・サービスの問題であるとか、あるいはKDDさんがオーストラリアの民営の通信会社へ出資の計画を持っているとかいうふうに、東南アジア、CISも含めまして相当マスコミを今日までにぎわわしている。
 電気通信の自由化、いわゆる通信が自由化し既に民営化をしてきたことによって外資が相当入ってきているけれども、日本からは余り今まで出ていっていない。しかも、今までNTTなりKDDなり、あるいはそれぞれの連合の状態の中でもいろんな試みをしたけれども、結果としてはほとんどそれはうまくいっていない。こういう実態の上に立って私はお聞きいたすわけでありますが、外国事業へ参入していこうとするNTT、KDDの事業計画というものは、一体どういう計画あるいはまたどういう経営戦略というものをお持ちになってこういうふうな動きをされているのか、これをお聞かせ願いたいと思います。
#139
○参考人(児島仁君) 簡単に歴史を一、二分で申し上げたいと思いますが、私ども電電公社時代にも国際の業務はやっておりましたが、非常に断片的でございました。つまり、政府の要請を受けたりあるいは向こうの会社との協定によりまして、ある設備の設計の委託を受けて設計だけをやりました。あるいは向こうの機械の保守をする職員の訓練だけをやりますというふうなことはずっとやってまいりました。ところが、電電公社からNTTに変わりましたころから急速に開発途上国を中心として、その国の国の中の電気通信設備をつくって、かつ運営そのものを任すという動きが大変出てまいりました。これはその国における資金の問題、人材の問題があってのことでございます。したがいまして、私どもは電電公社時代にはそういった意味での国際化というのは全く想定をしておりませんでしたが、各国から要求があるにつきましてはまさに個々に対応してきたわけです。したがいまして、先ほど御指摘ありましたように、タイでもファイナルで敗れるということになっております。
 現在私どもは、NTTにおける国際業務というのはいかにあるべきかということでシンクタンク二社からいろんな勉強もさせてもらったり私どもなりに勉強しておりますが、今先生がおっしゃいましたように、NTTとして国際化戦略の程度と幅あるいは深みというのはどの程度のものかという御質問に対しましては、現在トータルの絵図面を持っておりません。したがって非常に申しわけない状態でございますが、ただ世界の動きが非常に急速でございますので、その全体像を考えて、私どもの考えを郵政省さんにも聞いていただきたいと思いますが、せつな的な照会あるいは引き合いというものに対してはほっておくわけにはいきませんので、現在三、四点の接触は試みている状態でございます。
#140
○参考人(市原博君) KDDの対外投資の考え方でございますけれども、KDDの事業領域の拡大、経営資源の有効活用等に資すると見込まれる分野に対しまして積極的に事業展開を図っていきたいと考えております。ただし、海外における通信関連事業への投資につきましては、国際通信が外国側との共同事業という性格を強く持っておりますことからくる相手側通信事業者への配慮、相手国の規制の動向、投資規模などを十分に調査検討した上で実施することが必要であると考えております。
 現在我々がやっております外国事業への参入についてでございますが、経済のグローバル化が進展するに伴いまして、海外における通信及びその関連分野でのお客様への支援が強く求められてきております。そのようなニーズに積極的にこたえることを目的に海外主要都市に現地法人及び海外事務所を設置しております。特に、欧米等日本企業の海外進出が著しく、通信にかかわる幅広いニーズのある地域におきましては、これらのニーズを対象としてお客様への端末の販売、保守等を行う会社テレコメットを設立いたしております。あるいは通信設備用のフロアスペースの提供等を行うテレハウスという会社を設立いたしまして積極的な事業展開を行ってまいりました。テレコメットは英国、米国、ドイツ、シンガポール、香港にございますし、テレハウスの会社は米国はニューヨーク、英国ではロンドンにございます。また発展途上国との間では、通信事情の改善を主要な目的といたしまして、海外研修員の受け入れ、専門家、青年海外協力隊員の派遣、通信網建設等にかかわる総合的な技術コンサルティング、通信用機材の供与などさまざまな海外協力活動を行っております。
 さらに、けさほど少しお答えいたしましたけれども、ロシア極東地域におきます通信改善を目的とした現地通信事業者との合弁事業も計画いたしておりまして、既にこの会社はロシアの極東地域と日本との間の現在の通信事情の改善に大いに役立とうということで、海外での通信事業へ乗り出す最初の事業でございます。今後も引き続き事業性とリスクに十分配慮しながら、世界のあらゆる地域との通信を確保するというKDDの広域的な使命を全うするためにさらにこれらの活動の幅を広げていきたい、こういうふうに考えております。
#141
○足立良平君 今NTTの児島社長は、ちょっとすべて私メモし切れませんでしたけれども、いろんな今日までの経過を踏まえて、長期的な経営戦略というものは持っていない、当面する問題は一応いろんな対応をする、こういうふうにおっしゃった。私が承知をいたしておりますのは、ことしの四月にNTTとして国際事業部というものを創設して、そしてまた、国際的な対応というものをNTTとしては本腰を入れてやっていこうというふうに社内における機構改革も行われているやに承知をいたしておりますから、いささか今の答弁と私の受けとめ方は違っておりますが、きょうは参考人として出席をしていただいておりますから、そのことについては私はさらには求めません。
 その上で私は児島社長にお考え方をちょっとお聞きをいたしたいと思うんです。略称で申しわけございませんがこのNTT法、これの目的及び事業ですね、この法律の第一条を見ておりますと、国内の電気通信事業を経営することを目的としておるとはっきりしているんです。NTTという会社が国内の電気通信事業経営を目的とする。もちろん、KDDというのは国際電気通信事業の経営を目的とするとはっきり区別されておるわけです。そういう面で、国内という解釈を一体どのようにNTTはされているのかということを私はお聞きいたしたいわけであります。
 読み方によりますと、このNTT法の国内の電気通信事業という場合に、それは海外のある国ですね、A国ならA国、B国ならB国、それを国内と言うのか言わないのかという問題は、これは言ってみたら詭弁かもしれませんが、そういう解釈をとってとれないことはないのかもしれないけれども、本来的にこの法律が想定をしておる国内電気通信事業云々という考え方は、日本国内を前提に置いてこの法律というものは第一条に明確に記されているというふうに私は理解をいたしておりますが、そういう面でちょっと考え方をお聞かせ願います。
#142
○参考人(児島仁君) 法律に書かれております国内はまさに日本国内だと私も思っております。ただ、先ほど申しましたように、訓練の委託を受けるとか、あるいは外国で工事が起こったときにNTTに工事の監督をしてくれというふうな仕事は、委託を受けて附帯業務として行うという条項の適用をもって行っております。したがって、現行法はそのままであるにもかかわらずNTTが今度は外国の国内で電気通信事業を行うのは一体どういうことかということですが、これは郵政省さんの方は大変御困惑の種だと思いますが、あえて私は外国でもやらなくてはいけないというのを、法律を乱すことになるのかわかりませんが、附帯業務の一部として、ちょっと幅は大きくなるかもしれませんが、そういった解釈の中でやらせてい
ただけるであろうと。
 もうちょっと簡単に申しますと、外国で日本が資本を出してその会社を実質的に運営をしていくということは、拡張工事もございますし、料金徴収もありますし、いろんなことの展開があります。そういったことはやはり日本の国としてやっていく、やっていく場合にNTTというキャリアがその使命を果たすべきであろうというふうに考えております。
 その法の解釈等については、今後も郵政省の御指導を受けながらやっていきたいと思っております。
#143
○足立良平君 わかりました。
 それでは、これは大臣にちょっと考え方をお聞かせを願いたいと思うんですが、NTTの児島社長の方の判断は、附帯業務等云々という相当限定的なお考え方をされているようであります。しかし、実際的に例えば一国のインフラを整備をしていくといいますと相当大きな投資になりますし、長期的な問題になってくるでありましょう、現実問題としてですね。そうしてまいりますと、こういう場合に考えていかなきゃいけませんのは、先ほど来ずっと議論されておりますけれども、このNTTの収入というのは郵政省がそのほとんどを認可した公共料金であります。例えば一般の商社であるとか私企業のメーカー、これがいろんな投資をするということはリスクも一方では伴います。あるいはまた、特にインフラを整備していかなきゃいけないということは、そういう面では大変にカントリーリスクの高い国が中心になってくるわけでありますから、そうなってくると相当リスクというものを一方では頭の中に置いていかにゃいかぬ。
 そのときに、今申しましたように、許認可を中心とした公共の料金であるNTTがそういう投資をしていく、そういう面での問題点といいますか、これを郵政省として、郵政大臣として一体どういうふうにお考えになるのか。とりわけ、NTT法の十一条の中で、NTTは毎営業年度の開始前に郵政大臣に事業計画を出してその許可を受けにゃいかぬわけです。そうしますと、仮にNTTがカントリーリスクのあるところへ投資をして、そして大変な問題が起きたとしますと、これは郵政大臣、あなたの責任になっちゃう、ある面においては。それは実際的にはNTTの責任もあるんでありましょうけれども、一般の私企業と違う公共事業体というものがそういうことを行ったときに、一体これはどのように郵政大臣としてお考えになっているのか、ちょっと考え方をお聞かせ願いたいと思います。
#144
○国務大臣(渡辺秀央君) お答え申し上げますが、さらに詳しくということでしたら局長の方から答弁させますが、基本的にKDD法、NTT法に基づいてとにかくその業務を遂行している、これはもう当然のことだと思うんです。しかも、一方においては我が国の国際化に対応していく、あるいはまた国際的に貢献をしていく、いずれにしても何らかの形でいろんな分野において役立っていかなければならないという今の我が国の国際的な立場というようなことを考えてみますと、国が株を保有しているのにいたしましても、民間企業として今その企業活動をやっているNTTが、おっしゃられるように国内の電気通信事業を経営することのみをということで果たして国内最大、あるいは世界的にも最大と並び称される企業としての責任性というか社会性というものはどういうものだろうかというものが一つあると思うんです。
 それからもう一つは、KDDの方は、これはもう国際的な電気通信分野における我が国と外国との路線をつなぐ役割としての一面がある。そこで、さっきNTTの社長が言われた海外における活動分野というのが、言うならば全く無制限に、しかも認可事業として徴収されている料金を基盤とした経営収益活動、こういうものを背景として海外に投資をし、あるいはまた海外経済活動というのを思い切りやれるのかというと、私はやっぱりそこにはある種の限度というのがあると思うんです。
 私は、実は就任いたしましたときにもこの問題の質問がございまして、NTTが海外活動をやることを全面的に否定はできないし、あるいはまた、一〇〇%肯定して大いにやりなさいということも現行法においてはなかなか言いがたい。しかし今の日本の国際的に置かれている立場から考えると、世界で最も技術開発が進み、あるいはまたソフト面においてもハードの面においても持っているこの技術というのは、あるいはまたこのノウハウというのはやはり世界に貢献すべきだと、私は実は先生率直にそう思っています。
 ですから、経営の限界を越えない限りで、しかも国際的に貢献していくという我が国の今の立場から、日本の国内の最大のカンパニーとしての責任と使命感から余り憶することなく堂々と、大いにやれるだけやりなさいということは言いにくいですけれども、しかし許される範囲において、郵政省との連携をとりながら大いに国際的な役割を担って御努力をいただきたい、こう思っています。
#145
○足立良平君 時間もございませんから、法的な解釈の問題も含めて相当これは問題のあるところだろうと思いますから、また別途なにさせていただきます。
 もうあと五分しかございませんから、一括して質問して考え方をお聞きしておきたいと思います。
 今大臣の答弁の中にもございましたけれども、NTTとKDDという国内と国際の二本立てになっている。この二本立てになっている国というのをざっと一回探してみたんですが、そうすると従来オーストラリア、イタリア、カナダがあったようであります。それがオーストラリアとイタリアは既に国内部門と国際部門と合併をしてしまった。それからカナダも今統合に向かっているということを承知いたしました。KDDとNTTというものは従来の歴史を私は十分承知していますから、一緒になったらいいとか別れた方がいいとかそんなことを今ここで予見をするような気持ちは持っておりません。ただ、先ほども大臣は認識されているし、あるいはまたずっと朝から議論がされておりますように、この電気通信事業というものは大変に国際的な戦略の中で各国は今せめぎ合いをしているというのが私は実態だろうと思うんです。そのように私も認識をいたします。
 そうすると、現実問題として、ATTなりあるいはまたBTなり、米国、英国も含めまして国内と国際の通信事業が一体のものとして国際的に今ぐっと出てきている。そういう面からして、今は国内、国際ということで住み分けをしているけれども、そのままでは本当にどうなのだろうかなと。これは既に矢原質問の中で、ちょっと視点が違いますけれども、現行法で国際的な自由化には十分対応できますよという、これは大臣でしたか答弁がございましたけれども、通信のそういう面における日本の国際的な戦略というものを考えてみたときに、一体いかなるものなのかなと、ちょっと今ここで余り言い過ぎると問題あるのかもしれませんが、そういう点の考え方が一つ。
 二点目にちょっとお聞きをしておきたいと思いますのは、これは日本の基本的な姿勢の問題なんです。いわゆる通信主権といいますか、あるいはまた国内における通信というものが国家としての基幹であるとか、いろんなことがずっと議論をされてまいりました。海外からその種の資本が入ってくる。あるいは技術的な問題が入ってくる。児島社長もおっしゃいましたけれども、機器が全部向こうの機器になってしまったら一体問題はどこにあるのかという問題も私はそのとおりだと思うんです。
 そうすると、これは立場をかえて言いますと、例えばインフラを要する発展途上国において、日本が丸々どかんと行ってそして全部やっちゃうよと。その機器も日本が有名なメーカーから全部持っていきましょう、技術レベルも高いですよと。全部やっちゃうということは、今まで我々がここで議論をいたしておりますように、その一国の通信主権的なものを確保しなきゃならないという考え方と、向こうの国へ行ってどかんとやっちゃって、それでこれはもう日本として全部やっちゃうんですよというなにとは全然議論として合わない。ですからそういう面では、日本としてこれからそういう相手国の通信主権というものを一体どのようにきちんと確保しながら、認めながら、そしてきちんとやっぱり国際的貢献の面を含めてやることはやるし、ビジネス的にもある程度やらなきゃいけない。この大変難しい問題をいとも簡単に通信主権のようなことで議論されていますが、これからの姿勢として日本はどうなければならないのか、この点についてお聞かせを願いたいと思います。
#146
○政府委員(森本哲夫君) 二点ございました。一つは国内、国際の切り分けでございますが、これはやはり昭和二十八年からこういう形をとっているわけでありますが、御案内のとおり国際通信事業というのは共同事業である。相手国があるわけでございますから、ある意味では非常に専門的な性格があるということ。それから国際間の取り決めがなきゃできないわけでございます。それからまた国際間の情勢を機動的ににらんでなきゃならぬ。こういうような背景で国際電気通信事業専業のKDDが生まれた。自来、六十年の改革のときにも論議をした上で現行体制がよかろうということで今日まで終始をしているわけであります。これから先を見ましても、私どもとしては、現在の区分が国際的なネットワークの構築に重大な支障になっているとか、進展の妨げになっているというふうには判断は今してないと。短い時間でございますからまず一点申し上げます。
 同時に、先ほどの質問にも関連いたしますが、そういう切り分けをしているだけでございますので、NTTが海外の国内電気通信事業に進出することについては法的に何らの問題はありません。
 それから投資に関しましても、ちょっと疑念がございましたけれども、これは別に認可にはなってございません。子会社の設立と同じでございます、海外投資も。かつて公社時代には投資については認可事項になってございましたが、そういう意味では法律的には特段の制約は設けてない。ただ、内在的に料金が公共料金であるとか、今御指摘ございましたような、大臣からも御答弁申し上げたような形の制約はいろいろ考えにゃならぬ。
 とりわけ、今二点目の御質問でございます受け入れ国側の事情でございます。これは自動車等の物の輸出と違いまして、その中にネットワークとして根をおろすわけで、その地域から切っても切り離せない性質のものでございますから、相手国側の感情ということは十分考慮しなきゃならぬと思うんです。特にこの際指摘をしておかなきゃならないのは、今までNTTもKDDも相当ODAとかあるいは専門家の受け入れ、コンサルトというような形でやってまいりましたが、こうした大規模な設備投資を求める動きが参りましたのは最近のことでございます。これは途上国が発展の上でやはり通信設備というものをきちんと整備しない限りは国力の発展は望めないという認識に立って急激に今こういう情勢になってきていると、これが背景にあろうかと思います。御指摘のように、受け入れ国側の事情を大国の自制という形では十分考えてまいらなきゃならない問題だと思っております。
#147
○国務大臣(渡辺秀央君) ちょっと一言だけ。せっかくの大事な機会ですので。
 局長が答弁したことで尽きますが、要するに能動的であるか受動的であるかというところも一つ問題があると思うんです。やっぱり国際貢献をする。外国からあるいはまた途上国から我が国が期待されて、要請されて、そしてなおNTTもKDDもいろいろ国内法のこういう問題があるからというようなことで出れないという、あるいはまた協力できないということはないですね。海外国際貢献あるいは海外協力という面は、これからも先ほどお話があった限界を超えないで大いにやっていってもらわなきゃいかぬ。また期待される会社として、日本の最大の企業としての役割を果たしてほしいというのが私の考え方であります。
#148
○足立良平君 終わります。
#149
○下村泰君 質問をさせていただきます前にちょっとお断りをさせていただきますが、この法案について勉強はしたんですがさっぱりわかりません。かつてテレビの番組に週一度のレギュラーで株式という番組を担当したことがあるんですが、一年間やったんですが結果は何にもわからない。私は余り金銭に執着のない方でございまして、金は欲しいんですけれども、もうけ仕事をしようなどという考えは全然ございません。一年間株式の番組に出演させていただいて最終的にわかったことは何だと言ったら、素人は株に手を出すな、株に手を出すならば安定銘柄を売買しないでずっと持っていなさい、その会社がもうかれば配当が来る、それ以外はやりなさんなということが一年間番組を持ってわかった結果なんです。まことに恥ずかしい話ですが。
 一夜漬けでお尋ねするのはまことに失礼でございますので、私は私の視点からいろいろとお伺いしてみたいと思います。どのくらいの株があるのかわかりませんが、外国資本で五分の一という株を持っていただくほどの額に相当するより、私がお願いすることははるかに低い額だと思います。障害者のことでございますので、それほどの額にかかわるようなことはないと思いますので、よろしくお願いします。
 先般も、アメリカのADAのような電話リレーサービス、日本ではファクスと電話のリレーサービスというようなことになるんでしょうか、これをNTTにやってほしいと申し上げました。そのときのお答えをいただいたのが、コストにかかわる問題で、すべての通信事業者にそういう義務を負わせるということにしますと、今民営という形で競争原理を導入してやっているという体制の中では無理でしょう、ただし、通信事業が広く国民の福利、福祉にかかわっているサービスでありますだけに、大変大事なことだと思いますし、行政としてもできるだけそういうものを要望してまいりたい、こういう御返事をいただいたわけですが、大変ありがたいことだと思います。
 そこで、きょうはもう一歩進まないかなと思って伺うんですが、私の手元に四十七都道府県の電話中継サービスのアンケートの調査があるんです。これは九一年の十月なんですけれども、二十六の都道府県で実施されておりまして、その実施主体は聾唖関連の団体がほとんどです。しかもほとんどボランティアです。NTT、しかも子会社がかかわっているのは一県だけなんですよ。義務化が無理でも、NTTや新電電への要望は強くお願いしたいし、郵政省の施策として何か考えてもらえないかということなんですが、厚生省も一部今年度より始めることについては前にも申し上げました。ADAのよさの一つは、これを福祉対策ではなくて当然の権利としてとらえているということだと思うんですが、大臣、いかがなものでしょうか、もう一歩踏み込めないものでしょうか。
#150
○政府委員(森本哲夫君) せんだっての議論で先生からの御指摘もございまして、その後アメリカの状態というものも見ておるわけでございますが、やはり目的がいいとしても現実の経済的な裏づけというのは大変難しいようでございまして、現在もAD法に基づく電話リレーサービスについて、あのときにも問題になりましたが、オペレーターの費用をだれが負担するかという負担のあり方についてはいまだ引き続き継続審議中だというふうに伺っております。一九九三年七月までにという予定だということなんですが、なかなかやはりこの負担の問題の明確化というのは結論が得られないという状況のようでございます。
 ただ、先生のかねての主張のとおり、すべての方々が日常生活の重要な通信手段である電話サービスについてその便益の供与を受けるということは大変望ましいことは言うまでもございませんで、NTTとしてもこれまでシルバーホンとかいろんな形の福祉機器で精いっぱい努力をされておるというふうに考えております。そういう意味合いで、残念ながらどこかの限界があるということは先生もお認めいただいているとおりでございまして、私どもとしては、まず事業者において目いっぱいどこまでできるかということを十分注目しますと同時に、アメリカのこうした制度がどういうふうな動きになってまいるか、行政として、日本としてこういうことに対してどう考えるべきか、引き続き十分注意を払ってまいりたいと考えておるところでございます。
#151
○下村泰君 全然そんなことはできませんというお答えよりははるかに私の方はありがたいことだと思いますけれども、こういう要望が非常に多うございますので、ひとつよろしくお願いをいたしたいと思います。
 それから、三月十日に、いわゆるファクス一一〇番、一一九番、緊急ファクスの料金について、現在実際行っているところでは有料、無料といろいろあって、聴覚障害者がファクスを利用して知らせる場合も、ぜひ健聴者が電話で一一〇番、一一九番するとき同様に無料化してほしいと申し上げたところ、全く無料だとお答えをいただいたんですが、実際払っているところもあるわけなんです。この質問の後そちらから資料もいただいているんですが、そのあたりの事情についてひとつ正確に御答弁ください。
#152
○参考人(井関雅夫君) お答え申し上げます。
 前回十分な時間がなくて説明ができなかった部分もございますので、きょうは補足も含めて再度説明させていただきたいと思います。
 ただいま先生からお話がありましたいわゆる緊急通報用の電話とファクスにつきまして若干詳しく説明させていただきたいと思いますけれども、いわゆる緊急通報用の電話といいますのは、警察、消防等が利用しています一一〇番と一一九番でございますけれども、この電話につきましては御案内のとおり、警察、消防からの要請に基づきましてNTTと警察、消防が協議いたしまして設置いたしておりまして、これにつきましては通話料あるいは設置費等もすべて無料になっているわけでございます。
 先生から御質問がございましたいわゆる緊急通報用のファクスにつきましてですけれども、前回一一〇番、一一九番につきましても通話料は無料でございますというお話を申し上げました。この緊急通報用のファクシミリにつきましては、現在一一〇番と一一九番にファクスを設置した場合につきましては、これは当然無料になっております。
 しかしながら、現実的には一一〇番と一一九番に直接ファクスを接続している例というのがほとんどございませんで、特別にファクシミリ用の回線を引きまして、それで言葉や耳の御不自由な方からファクスで受けているというのが実態でございます。これにつきましては、警察、消防機関からの要望がありました場合には、緊急通報用のファクシミリといたしまして通信料だけは無料にしてございます。前回にもちょっとお答えしたかと思うんですけれども、これに伴います設置費と基本料につきましては警察、消防からはお支払いいただいているということです。
 それから、一部地域でファクシミリとして耳の不自由な方あるいは言葉の不自由な方から受けている機関があったんですけれども、それにつきまして先生が御指摘のとおり有料なところがあったんじゃないかということでございました。これにつきまして精査しましたところ、NTT側が警察、消防と協議していないため普通のファクシミリか緊急通報用がわからなかったということがございまして、御指摘の後、協議いたしまして、緊急通報用といたしまして通信料は無料とすることに変えさせていただきました。
 以上でございます。
#153
○下村泰君 ひとつ周知徹底してください。そうしませんと、せっかくこれだけのことが利用できるのに、利用し損なって腹を立てるなんという方もおるとかえってつまらぬことになりますから。
 そのときにもう一点、ファクス一一六番について、ごく一部、練馬などでは無料になっているんですが、これを全国にしてもらいたいと言いましたときに、当然無料でございますという御答弁があったわけです。これはその時点ではそうではなかったと思うんですけれども、この後指示されるというふうに伺ったんですが、その事実関係等ひとつ正確にお願いしたいと思います。
#154
○参考人(井関雅夫君) お答え申し上げます。
 先ほどの警察、消防機関についてもう一点触れますと、先生からの御指摘がございまして以降、NTTといたしまして、こういった形で緊急通報用のファクスを警察、消防署からの要望があったら直ちに応じられるようにということで、今全国に指示して関係機関と対応中であります。
 御指摘の一一六につきましては、前回も一一六につきましてもファクスで受けた場合には無料でございますというふうに御答弁させていただきましたけれども、これにつきましては、一一六の回線が複数回線あるために、現実には一一六という番号でファクスを設置しているところばございません。これはなぜかと申しますと、一一六をかけたときにファクシミリなのか音声でお答えしていいのかということはちょっと選別できませんので、練馬のようにファクシミリ専用の回線を引いてそれで受けております。
 これにつきましては、通信料はお客様の方からちょうだいしないということで、着信無料という形で対応させていただいておりまして、練馬につきましては二十四時間体制でやっておったわけでございますけれども、今後これをもっと広めようということで、東京ではこういった受け付け体制を整備いたしまして無料で受け付けられるような、一元的に受け付けられるような体制にしたところでございます。
#155
○下村泰君 この間たまたま時間切れになりましてそのお答えが得られなかった。二カ月ぶりで解決しました。ありがとうございました。
 さて、街頭や公共施設にはこういうものはたくさんあるんですけれども、ファクスの設置というのが大変少ないんですね。この増設についてお考えを持っているのか、これは単に聴覚障害者だけの問題でもないと思うんですが、例えば公衆電話十台につき一台ぐらいファクスが設置できないか、設置するお考えはないか、できないんならその理由というのはどういうことが理由なのか、教えていただきたいと思います。
#156
○参考人(澤田茂生君) お答え申し上げます。
 ファクスにつきましては私ども利用を大いにふやしていただきたいという考えがございまして、NTTといたしまして今やっておりますのは、NTTの営業窓口一千四百カ所ございます。ここにはファクスを置きまして御利用していただくということをいたしております。また、NTTではございませんけれども、街角ファクスと申しましょうか、コンビニエンスストアとか文房具屋さん、そういうところにも現在およそ約三万のファクスが置かれている、そしてこれがまたいろいろな形で御利用いただいているというのが実態だと思います。
 もう少し公衆型のファクスというようなことについてもどうだという御質問でございますけれども、これはいろいろ管理の問題がございまして、発信専用ですから紙の問題は要らないとは思うんですけれども、手数料をどうするかとか、実際試験的にやったこともあるんですが、残念なことにかなりいたずらとか何かで壊されるというようなことがございまして、これはとてもちょっと今の時点では御使用いただくわけにはまいらないなというようなことで、今のところそういうことは考えてないということでございます。
 ただ、新しい公衆電話といたしましてディジタル公衆電話というのがございます。これは少しずつ皆様のお目にとどまるようなことになっているかと思うんですが、自分で持っていったファクスをつなげるとか、あるいは小型の手帳型のパソコンみたいなものをつなげるとか、そういうう音声以外のデータ伝送というようなこともできるようなもの、こういうものも置いてございまして、そういう形での御利用の仕方ということもできるかと思っております。
#157
○下村泰君 例えば国会の中でも、それぞれ個人個人とか各お部屋にとかそれはありますけれども、これが公共的なところというと国会の中にもないわけですよね。
 視覚障害者の人たちの要望として、墨字で送られてくる郵便などをファクスで送って、その内容を教えてもらえたらというんですが、NTT神奈川じゃ今やっていますね。新聞とか辞書の代読、こういうことをNTT神奈川がやってくれていますが、私の知る限りでは現在京都のライトハウスですか、こういうサービスをしていると思います。こうしたサービスについてもNTTなどが率先してやってほしいと思うんですが、そのためにファクスを利用するわけですし、電話も利用するわけです。そうなりますとこれは営業拡大につながると思いますけれども、今後そういうことをお考えでしょうか。
#158
○参考人(澤田茂生君) 今先生お話しございましたが、神奈川の方でリーディングサービスというのがございます。これは実はNTTのOBの方、退職をされた方々のボランティアという形で新聞を希望に応じて代読をする。こういうものでございまして、ボランティアにお願いをしているということでございます。今先生がおっしゃいましたように、これを代読をというようなことになりますと、その方々にも先生の御要望をお伝えは申し上げますが、プライバシーの問題とかいろいろとそういう問題もあろうかと思います。そういうことは一応検討するようにお伝えはいたしたいと思います。
#159
○下村泰君 ありがとうございます。
 次は、これはもう大臣は聞きなれない言葉だと思いますけれども、学習障害児、LD児というのがあるんです。このことについて伺いたいんですが、実はNTTが持っていらっしゃる病院に伊豆逓信病院というのがございますが、大臣、今私が言いましたLD児、学習障害児という言葉をお聞きになったことがございますか、なきゃなくて結構ですけれども。
#160
○国務大臣(渡辺秀央君) はい、あります。
#161
○下村泰君 それなら結構です。
 本来はこの委員会に持ち出すべき問題ではないんでございますけれども、実はNTTの逓信病院がこれを扱っているんですよ。私にとりましては質問をする時間がそうあちらこちらにもあるわけじゃございませんので、少しでも関連していればと思いましてこの委員会でも取り上げたいと思います。
 おわかりにならない方がいらっしゃるといけませんので御説明しておきますけれども、学習障害児、LD児というのは、知能的にさほどのおくれがないにもかかわらず、中枢神経機能の偏りから思考や行動にアンバランスが目立ち、学習面のおくれや問題行動を生じやすい子供たちです。そのため、いじめや軽べつの対象にされることが多く、本人の理解力は決して低くはないのでより一層傷つき苦しんで、二次的に情緒障害や登校拒否を起こすケースも多く見られます。
 今から五年前に、ニューヨークにカニングハム久子さんという方がいらっしゃいまして、この方が日本へもいらして、実はそれが今ニューヨークで大きな問題になっていると。と申しますのは、日本の商社の子供たちが向こうにいるわけですね。こういう症状を起こす子供がいるわけです。アメリカではもう既に十五、六年前からこういう研究をなさっていらっしゃる。それでこれはLD児だ、学習障害児だと認定されるんですよ。日本の文部省関係には全然ないんです、これは。そのために親が驚くんですよ、別に異常があるわけじゃないんですからね、今申し上げたように。
 どういう症状がというと、例えば怒りっぽいとか、ここにもありますが、聞く、話す、読む、書く、計算する、それから何かを考える、こういう能力を習得したり用いたりすることに著しい困難を示す子供さんがいるんですよ。読み書きとよく言いますけれども、読ませると読めるんですよ、本を。それを書かせると書けないんです。こういう子がいるんです。そういうのはそのころ文部省あたりではなかった。そのために親御さんがびっくりするわけですね。
 そうすると、そういうふうに認定された子供というのは二回の教育を受けなきゃならないんです、普通学校と今度はその子のための学習。これは英語でやられますから、こっちから行った子供はわからぬですよ、日本語しかわかりませんから。物すごく精神的に負担がかかるんですね。それでそのカニングハム久子さんという方が五年前にいらっしゃいまして、何とかして日本からも学習指導してくれる先生を送ってくれと。当時文部大臣は今はお亡くなりになりました中島源太郎先生でした。で、お話をいたしまして、やっとこちらから先生がニューヨークへ行きましてそのお子さんたちの指導をするようになったんです。
 実は私は驚いたんですが、文部省はやっと去年から始めたんです。私が初めて質問したときは全然文部省知らないんです。厚生省はもちろん知らない。厚生省はことしからです、研究対象になったのは。文部省は昨年から久里浜の養護学校、あそこで始めたんです。驚いたことに、今申し上げました伊豆逓信病院、ここが何と一九七五年、今から十七年も前から研究なさっているんです。すごいものですよ、逓信病院は。私もびっくりしたんです。実は、逓信病院でいろいろとそういった子供さんを診てもらっている親御さん方がえらく心配なさったんです。それで訴えが来たわけなんです。それで私も初めてわかりました。うかつでしたよ、こんなところでこういうことをやっているとは。
 伊豆の逓信病院というのは大体五日間に分けてやるんですね。一日目が入院で受理面接、その一日の行動を観察しているんです、その子がどういうことをするか。二日目が学力検査をやります。そして脳波をとります。医学的検査をやります。三日目が心理検査、一日の行動観察を行います。四日目が心理検査をやりまして、全員が集まって評価会議をやります。五日目が退院です。その退院するときに、このお子さんばこれこれこういう指導を先生にお願いしますというふうに、つまりカルテを渡すわけです。そうしますと、そのお子さんを送った家庭あるいは学校の先生方がそれに従って教育をするわけです。これを何回か繰り返すうちにその欠陥がなくなっていくお子さんもある。
 この逓信病院では、スタッフ全員、臨床心理士、ソーシャルワーカー、看護婦、医師、こういう方が集まりまして一生懸命やってくださるというんです。朝起きてから寝るまでの間のさまざまな場面での行動を検討し、これを検査にフィードバックし、検査結果を行動観察にフィードバックするという形で診断を進めていく。ただ残念なことに、検査の対象になる子供の数が四人ぐらいしか面倒を見られないんです。こういう子供というのはまとめて面倒を見れないんですよ、一人一人行動観察してないといけないから。ですからその収容力がない。
 LD児の中には、てんかん、脳梁欠損、もやもや病など、薬学的手法によっておさめられる子もいるわけです。ところが一番問題なのは、今申し上げましたように、読むことはできるが書くことができない、書くことはできるが読むことはできない、足し算はでさるが引き算はできない、掛け算はできるが割り算はできない、こんなんです。こういう子供さんというのは、もう反復反復で教育していかないとなかなか教育が徹底しない。しかし、それをどういう形で発見するか、どういう子がLD児でどういう子が普通の子なんだということは、これは文部省いまだにわからないんです。医学的にどういうふうに区別するか、これはいまだにわからないんです。
 ところが最近になりまして、まことに悲しいことにスタッフが縮小されまして、せっかくやってきたんですけれども昨年の秋ごろこれが縮小されました。診療報酬との関連で、これは健康保険なんかききませんから、学習障害のこういう子供たちがだんだん難しくなっているんですね。面倒見るのが、採算がとれないがために。これは私拝見していまして大変な事業であり仕事だと思うんですよ。
 もう一つ恐ろしいことには、こういうお子さんというのは二、三%いるんですよ。百人いれば二、三人いるわけですよ。それで計算していきますと、今の実際の小学校に就学している児童の中の一体どのくらいの数に当たるかということ。そういう子供さんたちがいろんな仲間外れにされたり、いじめられたりしているわけです。一説にはアインシュタイン、エジソンもこのLD児ではなかったかというんです。つまり天才的な頭脳を持っているんですよ。天才的な頭脳を持っているんだけれども、今申し上げたように読み書きがだめなんです。最近になってこのLD児を研究していらっしゃる方々の中でひょっとしたらエジソンもそうでないか、アインシュタインもそうでなかったか、そうでなきゃあんな頭持っているわけがないと変な理屈をこねている方がいるんですけれども、そういう状況になってきているんです。
 そこで、まことに申しわけないことなんですが、これはこういう子供に対する基礎医学的研究なんです、逓信病院が今やっていることは。文部省が去年から始めたというのに、十七年も前からやっている。そのスタッフが縮小されるということはゆゆしき問題だと思うんですが、大臣、お話聞いていていかがでしょうか。
#162
○国務大臣(渡辺秀央君) 後でNTTの担当の方から御答弁していただきたいと思うんですが、NTT直轄による逓信病院と郵政省直轄の逓信病院、これどういうわけなんですかね、そのうちにきっときちんとなるだろうと思うんですけれども、今お話を聞いておりまして、伊豆の逓信病院が今先生おっしゃった学習障害児、そういうことを早くから手がけているということは大変喜ばしいことですね。本当にすばらしいことだと思います。
 ただ、詳しくは答弁していただきますがハマンツーマン方式なのかどうかわかりませんが、なかなか今先生おっしゃったように大変であると。それから、どうも聞いてみますと、内部をむしろ充実するためか、あるいは規模をどうするためかわかりませんが、その辺も御答弁いただきますけれども、改築を計画中だということが若干今先生が危惧されている面と時間的な誤差があるのではないかというふうに思いますが、いずれにしてもNTTにおいて適切な運営に取り組んでいただくことを期待をいたしたいと思いますし、お願いを私からも申し上げる次第でございます。
#163
○参考人(和田紀夫君) お答え申し上げます。
 NTTの伊豆逓信病院は、伊豆という非常に温暖な立地条件ということもありまして、小児リハビリテーション以外にも、高機能のリハビリテーション専門の病院として特色を持った運営をさせていただいております。
 先生おっしゃいましたとおり、経営的な面から見ますと、確かに病院全体の収入単金平均からはかなり劣るものでございますが、私ども先生の御指摘とちょっと違う感じを持っておりますのは、この本科につきましてはおっしゃられるとおり他の医療機関に類を見ないという診療部門でございますし、それから五十六年から一般の皆様方にもお使いいただくということで開放いたしておりまして、御家族からの強い御要望もあるということで、診療体制を縮小するというような考えを持っておりませんで、今後とも充実させていきたいと思っております。
 現在、リハビリテーション科と小児科を合わせまして、混合病棟ということで二十床の病床をもって運営しておるわけですが、今大臣の方からお話がございましたように、この秋ごろをめどに、三診療科を合わせまして、病床の有効利用度を上げるということで改築作業に入っております。そういうことで、私どもとしてはもう少し能率を上げた効率的なものにしていこうということで取り組んでおるところでございます。よろしくお願いいたします。
#164
○下村泰君 ついでに伺いますが、こういう子供を面倒見るのは大変なんですけれども、三人か四人しか面倒を見切れないというんですが、行く行くはどうなんでしょうか。
#165
○参考人(児島仁君) 実は私、先生御指摘の前に、偶然なんでございますが逓信病院に参りましたことがございます。院内全部見ましたときに、率直な感じで、これは絶対に支出は収入の二倍か三倍かかるな、永遠に黒字にはならぬなという印象を持ちました。ただ、やっております内容は、今労働部長が申しましたように、社会的にはなかなかやれないことばかりをやっておるわけでありまして、私今考えておりますのは、少なくとも縮小しないでやっていこう、余りけちらないでやっていこうと思っております。
 私どものような全国で商売させていただくような会社は、ある種そういった使命もあるのではないかと思っております。ですから、厳しいところは厳しく収支はやっていきますけれども、こういったところは赤字をむしろ覚悟するということも必要かと思います。ただ、程度がありますので、その限度はわきまえていきたいと思いますが、できるだけ先生の御要望に沿った方向でやっていきたいと思っております。
#166
○下村泰君 余り限度をわきまえないでください。この程度の限度でつぶれるようなNTTじゃないと私は思いますよ。
 先ほども申し上げましたけれども、今逓信病院でやっているこの研究のデータがしっかり出ますと、教育の指針になるわけですよ。これは粕谷先生おわかりだと思う、教育者だから。こういう子供に接したときにどういう教え方をしていいのか、どういう交わり方をしていいのか、一番出先の先生がわからないで今困っているんです。それだけに、こんなものを十七年も前からやっていられた研究というのは私はすごいと思うんですよ。この研究成果がきちんとデータが出まして、こういうタイプの子供には、こういう子供にはというのがもし出たら最前線にいる教育者というのは楽じゃないんでしょうかね。それを逓信病院がやっているんですよ、まだ文部省がやっていないというのに。ですから、限度はあるなんということをおっしゃらないで、限度を超えてやってみてください。お願いします。
 次は、一〇四の有料化についてちょっとお伺いします。
 平成二年十二月でしたか、一〇四の番号案内サービスが有料化されました。その後の実績、利用状況を教えていただきたいんです。そしてそのとき、円滑な実施を図るためにNTTにおいて実施されるとした措置四項目がございますね。どういうふうに対応したか、ひとつお答え願いたいと思います。
#167
○参考人(福元俊久君) お答えいたします。
 番号案内に係る費用負担の適正化は平成二年の十二月に実施いたしたわけでございますが、番号案内はそのときからおおむね三〇%ほど利用は減少してまいりました。しかし最近は徐々に回復する傾向にございます。
 ただいま先生御指摘の四項目について御説明いたします。
 まず一点目は収支状況についてでございますけれども、適正化前の平成元年度はもちろん収益ゼロでございます。費用が二千五百億円かかっておりまして、したがいまして収支差が二千五百億円でございましたが、平成二年度は収入が五十八億円、費用が二千三百三十一億円で、収支差額は二千二百七十三億円の赤字となっております。
 二点目の合理化でございますけれども、これにつきましては、費用負担の適正化に伴います番号案内件数の変化に対応いたしまして要員配置の適正化を図っておりまして、元年度におりました二万一千五百人から、二年度には一万九千五百人にオペレーターを減らしているところでございます。
 三点目の専用端末の配布でございますが、これは自分で端末をたたいて番号を検索できるというものでございますが、これの配布につきましては平成二年度に十万台、平成三年度にも十万台配布いたしておりまして、そして当初約束どおり三年間に配布するということでございまして、今年度さらに五万台を配布するということで対応してきているところでございます。
 四点目の電話帳の無料配布ということでございますが、これにつきましては他府県版のハローページ、いわゆる五十音別の電話帳でございますが、これにつきましては希望をされる方に対しまして送料だけ実費いただいて無料で配布するということをやっておりまして、これも既に実施しているところでございます。
 以上のとおりでございます。
#168
○下村泰君 それから、障害者向け料金免除制度の概要、これの手続の方法、利用状況をひとつ教えてください。
#169
○参考人(福元俊久君) お答えいたします。
 費用負担の適正化を実施いたします際に、目の御不自由な方でありますとかあるいは上肢の御不自由な方で電話番号帳が見れないという方々につきまして無料案内の措置をいたしているわけでございます。これにつきましては、まず手続といたしましては、私どもの窓口に身体障害者手帳あるいは戦傷病者手帳を御持参いただくか、あるいはコピーでも結構でございますが、それと同時に、私どもの所定の用紙に必要な事項を御記入いただいてお持ちいただくという方法か、あるいは郵送をしていただくということで対応をしているところでございます。
#170
○下村泰君 以前指摘を申し上げたんですが、申し込み用紙の記入が面倒なんですね。それで点字の申し込み、電話依頼もだめだということでしたけれども、その後の改善状況を教えてください。そしてその成果はどうなっていましょうか。
#171
○参考人(福元俊久君) 手続につきましては、無料案内をお申し込みになられる方々に過度の負担にならないようにということと、弊社が判定を客観的、公正かつ容易にできるということを念頭に置きましてできるだけ簡素なものとしているところでございまして、個々の受け付けに当たりましては、画一な応対とならないよう重々指導しているところでございます。
 具体的に申し上げますというと、個々のお客様の事情をしんしゃくいたしましてきめ細かな応対をしますと同時に、私ども弊社の社員が申し込みの代筆を行いましたり、場合によりましてはお申し込み者のお宅を訪問してやっていくというようなことで、ケース・バイ・ケースでお申し込みになられる方の御不自由にならないようにいたしているところでございますので、御理解いただきたいと存じます。
#172
○下村泰君 その辺まで丁寧にやっていただければ喜びますわな。
 それで、四月二十三日の各新聞に「一〇四、深夜廃止と値上げ検討」というのが出ているんですね。
 NTTの児島社長は
 二十二日の記者会見で、年間で二千億円以上の
 赤字を出している「一〇四番」の電話番号案内
 サービスの合理化策として、深夜サービスの廃
 止と、値上げの検討を進めており、今後、利用者
 の理解を得ながら実施に移す考えを明らかにし
 た。というんですが、こういうのはどうなりますか。
#173
○参考人(児島仁君) たまたま記者会見で収入支出の話になりまして、なかなか市内関係の収支が相償わぬという話になりまして、そのときに、どうしても手の届かないものに二つがあってということで、けさ方も申し上げましたが、基本料の世界と一〇四の世界がなかなか合理化という格好では赤字をつぶし切れないんだということになりました。したがいまして、私の考えといたしまして、私どもも合理化をして何とかコストを今二百円のを百円に近づけたいと思うけれども、お客様にも少しの不便を忍んでいただいて、結局はそこが値上げになるという格好を避けたいんだということであります。
 例えばということで、夜の夜中、ほとんど八五%がかなりお飲みになったお客様が飲食店の案内をということで、これはちょっとやめさせていただいてはいかがなものかということと、あるいは五十円ぐらいいただくということになると手帳に書いていただけるんではないかということを申し上げましたら、値上げの示唆ということになったのが実態でございます。
#174
○下村泰君 不要不急じゃありませんわな、その時間は。
 さて、先ほど来いろんな点で、いわゆる障害のある人がハンディを背負わされていることを申し述べてまいりましたけれども、こういうのがあるんです。「身障者用の無料番号案内 利用回数チェック」というのが問題になっているんです。
  身体の不自由な人たちに無料で電話番号の案
 内サービスをしている日本電信電話が、サービ
 ス対象者の利用回数をチェックしていることが
 分かり、徳島市の「NTTの一〇四番有料化に
 反対する市民会議」というのがあったんです。
  NTTは昨年十二月、番号案内「一〇四」を有
 料化した際、視覚障害一−六級と肢体不自由一
 −二級の人を対象に「ふれあい案内」を実施し
 た。このサービスはあらかじめ住所、氏名、暗証
 番号を登録しておき、一〇四をダイヤルした際、
 オペレーターに自分の電話番号と暗証番号を告
 げると無料で番号案内が受けられる仕組み。
 NTTはこのサービスの不正利用を防ぐため利
 用回数を記録するソフトを電話交換機に組み込
 み、ことし四月からこれまでのデータに基づき、
 利用回数が月百回以上の人は「◎」、五十回以上
 は「○」などの印を内部資料に付けて登録者を
 ランク分けした。
  NTTは四月中旬からランク分けを取りやめ
 たが、利用回数の記録は続けているという。NTT本社の話として、
 趣旨からしても、不正利用されないために利用
 回数の把握は必要と考えている。これは何でもないような記事なんですが、お体の不自由な障害者の方々が不正利用ってどういうことなんでしょうかね。まさか、おまえがかけると無料だからと、健常者が百人も二百人も寄ってたかっておまえこれ聞けやこれ聞けやって、そんなこと考えているわけじゃないでしょう。
#175
○参考人(福元俊久君) お答えいたします。
 ただいまの先生の御指摘の点につきましては、先ほどから申しております無料番号案内をなさる方、これを私ども、一々無料ということをおっしゃっていただくのはなんでございますので、ふれあい案内という愛称をつけましてそれを申し出ていただくことにしているわけでございますが、その御利用の際にはあらかじめお客様が登録していただいておられますいわゆる暗証番号をおっしゃっていただくわけでございます。その暗証番号をお聞きしまして、これてあらかじめ登録していただいたかどうかということを私どもの方で判断するわけでございますが、ただいま御指摘の利用回数の把握につきましては、二重マルとか何とかということで表面に出すということは、最初やったけれども現在はいたしておりません。
 それで、私どもの方は個別に把握しておるわけでございますが、費用負担の適正化は結局、無料でやらせていただくということはほかの方の負担にやはりなるわけでございますので、万一例えば暗証番号などがだれかに漏れて使っておられるということがあるといけませんので、暗証番号などにつきましてコンサルティングさせていただくとかそういう意味でやっているわけでございまして、これを御利用なさる方々を疑うというわけじゃ決してございません。しがもまたこれにつきましては、個々のオペレーターがお客様から受けるたびに画面に出るということじゃございませんで、統計用端末にいたしまして、しかもIDを入れないとわからない、そういう統計的な処理をしているものでございまして、十分にプライバシーも配意しているものでございまして、ぜひとも御理解賜りたいと思います。
#176
○下村泰君 もう時間ですから終わります。ありがとうございました。
    ―――――――――――――
#177
○委員長(粕谷照美君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、陣内孝雄君が委員を辞任され、その補欠として野村五男君が選任されました。
    ―――――――――――――
#178
○中村鋭一君 お疲れだとは思いますが、しばらくよろしくお願いをいたします。朝来の質問と重複する点もあるかと思いますが、これもお許しを願います。
 まず、外国人等が占める議決権の割合でございますが、五分の一未満ということになっておりますが、この二〇%という率はどのような根拠で設定されたのですか。
#179
○政府委員(森本哲夫君) 昭和五十九年に現行法が制定されたNTT、それから昭和二十七年のKDDともずっとこれまで外国人は株は持てないということでまいりましたが、先生御案内のとおり今日急速な国際化が進んでおるわけでございますので、これについて一定の開放をいたそうと。しかし、通信は非常に重要な国家の機能でございますので、外国の経営からの独立ということ、経営の自主性ということを確保しなきゃならぬ。そういう意味で二〇%未満というふうにいたしたんですが、これに対しては、国の文化のありように極めて密接に関連いたします放送事業、民放はやはり同じ内容の規制に相なっておるわけでございます。さらにまたCATV事業も同じ規制で今日まで推移をしてきております。
 同時に、世界的にはまだまだ開放の例は少ないんでございますが、一番進んだとされるアメリカにおきまして、アメリカの電気通信事業者は外資が五分の一以上のところ、あるいは外国人の役員がいるところには無線局の免許をいたさない、つまり電気通信事業が行えないと、こういうことになっておりますので、こうしたことを参酌いたしまして、我が国の開放の体制というものをひとつこういう形で御提案をさせていただこう、こういうことに相なっておるわけでございます。
#180
○中村鋭一君 そうしますと、言葉じりをつかまえるわけじゃないんですけれども、外資の議決権の割合をふやす方が進んだ形である、そのようにあなたはお考えなわけですか。今アメリカのような進んだところは開放の割合がと、こうおっしゃいましたが。
#181
○政府委員(森本哲夫君) もし変なことがありましたら訂正させていただきたいんですが、世界的に見て多くの国は通信を国営で、なおかつ独占で、競争も一社も入れないという国がまだ多数ございます。そうした中で、アメリカというのは非常に特異な例でございますが、民間のベルという会社でスタートいたしたということでございまして、ずっと私的な経営で電気通信を行ってきたという特殊な形がございます。そのアメリカの法制がそういうふうになっているということでございますので、こうしたことも参酌の材料になったと、こういうことでございます。
#182
○中村鋭一君 一番最初のあなたのお答え、後で議事録でよく見てください。ちょっとそういうふうにおっしゃっていますからね。
 というのは、その二〇%というパーセンテージが、これが三〇%になる方がいいのか、一〇%になる方がいいのか。それで、二〇%という設定がされたことについて、今あなたは民放とかアメリカの例をお答えになったわけでございますが、もっと的確な形で二〇%がいいんだという説得力のあるパーセンテージの設定の説明はできませんでしょうかね。先ほどから参酌してというのを二回おっしゃいましたけれども、ほかを参酌してというのだけれども、それはあなたの方で最も妥当なものを考えるのが私はしかるべきものだと思うんです、よそ様を参酌するより。その辺をもうちょっとわかりやすく教えていただきたい。二〇%にした理由です。
#183
○政府委員(森本哲夫君) 基本的には、できるだけ外国の方にも株式を開放するというのが基本の精神でございますが、反面この通信というのは国家の安全という問題にも深くかかわっているわけでございますので、外国の影響力といいますか、経営の自主性の確保ということにも思いをいたさなきゃならぬと、こういうわけでございます。
 これには確かにいろいろなレベルがあり得ると思うわけでありますが、先生御案内のとおり、昭和五十九年当時に競争原理を入れて新規事業者も導入させようと、そういったときには三分の一という形でスタートいたしました。これは、商法上の規定にありますとおり、三分の二というのは特別の意味合いがございます。したがって、商法上の視点からも三分の一というのも一つあり得るわけでございますが、既にNCCはこういう形で展開をしてまいりまして、現に三分の一まで目いっぱい外資が入りましてたくさんの事業展開をいたしておるわけでございますが、何といたしましてもNTT、KDDは長い歴史と経験とに積み上げられて日本の国内の隅々までの通信ネットワークを構築し、あるいはKDDの方は世界じゅうのほとんどあらゆる対地とネットワークが構築されておるわけでございます。
 一種事業という意味では同じ位置づけではございますけれども、他のNCCグループと違ってまさに我が国の基幹的電気通信事業者でございます。今後とも国の災害とか安全とかに深くかかわるということになれば、さらに特段のこうした留意が必要であろうということで、先ほど申し上げましたような形で、諸外国の事例にも照らしましてこれが不当に狭いものではない、それからまた放送という非常に重要な事業についても同じような規制をいたしておる、こういうことから今回の提案をいたしたと、こういうことでございます。
#184
○中村鋭一君 私も別に皮肉を言っているつもりはないわけなんです。ただ、何%かという尺度は、実はそれは本当に難しい点だと思うんですね。私もっと明確に示せと言いましたけれども、それはやっぱりいろいろありますからね、いいんですよ、大分御苦心なすったと思いますので。
 アメリカとそれからヨーロッパについて、資料もいただいておりますけれども、議事録にとどめるためにも、規制の概要を御説明願えますか。
#185
○政府委員(森本哲夫君) アメリカでは、連邦通信法によりまして、外資が二〇%を超える会社あるいは役員が一人でも外国人の会社は電気通信事業用の無線局の免許を取得あるいは保有できないということで、事実上これが電気通信事業の外資に対する規制に相なっておるわけでございます。同時に、連邦衛星通信法に基づいて、特殊法人でございます衛星通信会社についても外資は二〇%以下、役員は米国市民に限ると、こういう規定になっております。
 それからヨーロッパでございますが、昭和六十二年のことでございますが、EC統一を控えて各国の電気通信の制度がまちまちでございましたので、ヨーロッパ内の移動の自由といいますか、資本を初めサービスの自由化に対してECがグリーンペーハーというものを出しまして各国に指令をいたしました。その中身は、基幹的な電気通信網、これは独占でよろしい。それから電話サービス、これも基本的なシビルサービスだから独占でもよろしい。しかし行政と規制とはできるだけ分離をしなさい。こういうことでございました。その他の部分についてはできるだけ参入を認めたらどうですと、つまり自動車電話であるとかあるいは衛星通信であるとか。電話とか基幹網以外については競争をする、こういう構造で指令をいたしたんですが、既に英国は早くから自由化をいたしております。しかし、残りましたフランスとかドイツとかそういうところは、ほぼこの指令どおりに基幹的事業については外資はいまだに参入をいたさない、こういうことでございます。
 なお、イギリスの方は、直接外資の規制をする具体的な数字はございませんが、電気通信法によりまして、国家の安全の確保のために必要な場合は所管大臣は事業者に命令を出せるという措置がございますのと同時に、BTにつきましては、その定款におきまして、政府が黄金株を一株だけ保有する、そして二名以下の取締役を指名する、あるいは一五%以上の株式所有は一の者によっては所有してはならない、外国人は業務執行職、最高職には就任できない等々の定款を置いているところでございます。
#186
○中村鋭一君 今の御説明でも随分違うわけですね。アメリカは今御説明のように割に厳しくしているわけですが、イギリスはほとんどもう自由開放といいますか、規制の法律がないわけですから顕著な違いがそこにあるわけですが、例えばアメリカとイギリスを比べたら、どこにそういう違いが由来していると理解をしておられるのですか。
#187
○政府委員(森本哲夫君) なかなか各国の国情の違いは難しゅうございますが、私ども思いますのは、イギリスは、長い間労働党政権と保守党が国有化政策の違いをめぐっていろんな政策が行き来しておったというふうに承知をいたすわけであります。サッチャー政権になったときに、イギリスのたくさんの国有化企業がございましたのを民営化いたそうということで、御案内のとおりロールス・ロイスであるとか、あるいはエアロスペースであるとか、あるいは英国ガスとか英国航空とか、BTと並んで民営化いたすときに思い切った開放をいたしたと。ただしそこには、各国とも心配をいたしますように、経営に対する外国の干渉というものについてぜひそれなりの配慮が必要だということで、それはお国ぶりとして、いざというときには国家が事業者に対して関与できると。
 それから同時に、黄金株といったった一株でございますが、つまり政府が持っている株の同意がない限りは定款の自由な変更はできないという形で、当初の目的とした民営が国益に沿うように配慮をしたと、こういうのがイギリスの制度でございます。米国とはその辺、民営から出発したのと相当事情を異にするのではないかと考えておるわけであります。
#188
○中村鋭一君 日本が二〇%。アメリカが二〇%ですね。それからフランスは外資は参入できない。ドイツは外資は参入できない。イギリスは反対に規制する法令はない。こういうことで、随分先進国でも全く真っ向から相反するような外資規制を行っているわけであります。ということは、それぐらいこの外資の参入というものについてはいろいろな考え方が実はあるんだということが証明をされていると思うんですね。
 ですから、冒頭にもお尋ねしたように、なぜ二〇%に我が国はしたのかと、こう言われでもあなたの方は、それはだからこれこれかくかくしかじかの理由があって二〇%だという説明は、それはしにくいだろうとは思います。そのことは私は理解できるんですが、今のその黄金株ですね、ゴールデンシェア。先ほどから一株とこうおっしゃっていますが、私は株についてはアウトサイダーでありますからよくわからぬのですが、これはどういうことなんですか、ゴールデンシェアというのは。どこから出てきた単語で、一株というのはイギリスでだれが考えてこういう制度を採用したんですか。ちょっと参考のために教えていただけますか。
#189
○政府委員(森本哲夫君) 私も商法の専門家ではございませんので、我が国の会社法にはこんな制度は確かにない、英国独特の制度だと理解をいたします。さっき申しましたように、経緯的には、国営企業を民営化するについて、当該企業に対する政府の一種の行政目的を達成できるような支配権を確保しておこうと。いずれにしても、さっき申し上げましたように、国営企業はイギリスをしょって立つ大企業でございますから、そうした趣旨合いで、一番初めにこういうものが設けられたというのは、ケーブルアンドワイヤレスという英国の国際通信を行う会社が民営化になったとき、これは一九八一年でございますが、それが初めだというふうに伺っております。
 その内容を今のBT、ブリティッシュ・テレコム、つまり日本のNTTに相当する民営化のときの定款によって見ますと、BTの授権資本といいますのは、普通株式が二十億株、優先株式七億五千万株、それから額面一ポンドの特別株式一株、一ポンドといいますのは二百数十円だと思うんでありますが、その一株を定款に定めて、その一株の特別株式は貿易産業大臣、国務大臣または政府の代理人のみが所有することができるものとすると。実際は通信事業を所管しております貿易産業大臣が現に所有しておるそうでございます。
 この特別株主の権限としては、さっき申しましたように、定款の重要事項変更についてはこの特別株主の書面による同意がなければ定款変更はできない、そしてまた、特別株主として二名以下の取締役をその株主の権限として指名できる、こういうことが定められていると、こんなふうに概略承知をいたしております。
#190
○中村鋭一君 大蔵省の古来ていただいておりますね。このゴールデンシェアのゴールデンというのは、貴重なという意味でゴールデンとついたんでしょうかね。
#191
○説明員(村木利雄君) 私もその辺については専門家でございませんので、大変申しわけありませんがそれについて承知しておりません。
#192
○中村鋭一君 それは結構です、たまたま聞いただけですから。
 保管振替制度ですが、このメリットはどのようなものがあるから今回この改正を施されたんですか。
#193
○説明員(高木祥吉君) お答え申し上げます。
 株の保管振替制度のメリットでございますが、証券保管振替制度と申しますのは、保管振替機関、現実には財団法人の証券保管振替機構が株券を集中保管いたしまして、株主が株式を売買した場合等に現物株券の受け渡しをしなくても口座間の振替で処理を行うという制度でございます。
 この制度にはいろんなメリットがございますが、株主にとりましては幾つかございます。一つは今申し上げました制度、当然のことでございますが、売買取引等に伴う受け渡しが口座振替によって処理されますので簡単、迅速かつ安全に行えるというものでございます。
 さらに、当該株券は証券保管振替機構の名義に書きかえられまして集中保管されることとなっておりますので、株主自身が名義の書きかえを請求する必要はなくて、名義書きかえをしないまま株主の権利を行使できるということで、名義書きかえが不要になるというメリットもございます。したがいまして、従来名義書きかえ期間中には売却ができなかったわけでございますが、名義書きかえが不要となりますため、いつでも売却可能になるというメリットもございます。
 また、発行会社にとりましても、保管振替機構での集中保管によりまして株券の不発行あるいは大券化が可能となりますので、株券発行費用の軽減が図られるというメリットもございます。
 また、先ほど申し上げましたように、機構の保管する株券につきましては機構名義となりまして、売買等が行われたといたしましても基本的に名義の書きかえが必要でないわけでございますので、発行会社といたしましても名義書きかえに伴う事務量の削減が図られるということでございます。また、証券会社にとりましても、証券会社間の株券の受け渡しが口座間の振替で行われるわけでございますので、株券の保管、受け渡し等の関係事務の合理化、費用の軽減が図られるわけでございます。
 さらに、特別な株主といいますか、金融機関にとりましても、例えば株券を担保とした融資を行う場合に、保管振替制度を利用いたしますと株券の現実の受け渡しを行わなくても担保にとることができるということで、事務の合理化、費用の軽減が図られるということでございます。
#194
○中村鋭一君 その限りでは大変いいことばかりだと思うんですが、心理的な問題ですけれども、株券も、持っている特に個人の人なんかにとりましては貴重な財産価値のあるもので、例えばパスポートもどんどん今小さくなっていますね。そうすると、昔は外国へ行くというのは大変なことですから、パスポートはそれだけに持ち重りのするような立派なデザインのずしっとするようなものがよかったんでしょうが、世の中変わればパスポートもどんどん小さくなる。同じ意味で、今の預託制度がこれからどんどん便利になっていけば、将来的にはもう株券というものがほとんど不要になる。そういった場合に、いわゆる株主の、特に個人株主の心理的な問題として、やっぱり金庫の中にしっかりした紙質のいいデザインの株券をしまっておきたい、こういう心理が働きはしない
かと思うんですが、そういう心理的傾向についての考察を大蔵省はなさっておりますか。
#195
○説明員(高木祥吉君) 保管振替制度の導入によりまして、今先生おっしゃいましたように、基本的には株券の相当部分を発行しなくてもいいとか、あるいは先ほども申し上げましたけれども大券化できるというメリットがあるわけでございます。しかしながら、今先生がおっしゃったように株券をぜひ持ちたいという方も当然いらっしゃいます。そういうことで、保管振替制度を利用する場合には所有者である株主の承諾が必要となっておりますので、承諾なしに振替機構に預けるということはできない仕組みになっております。また、一度保管振替機構に預けられた株主におかれましても、現物が欲しいというふうに思われた場合にはそれを引き出すことも可能な仕組みとなっております。つまり、株主は株券を機構に預託することも現物で所持することも可能な制度となっております。
#196
○中村鋭一君 NTTさん、実は私も株主の一人でございまして、数株所有させていただいて、安定的な株主としてNTTのさらなる発展に寄与したい、そう実は常々思っているんですが、現実を申し上げますと、実は私二回目の二百五十五万円の株券を二株所有しているわけです。ですから五百十万円でございましたが、最近は新聞の株式欄も見ておりませんが、見るも無残な値段であるということは承知をしているんです。
 大蔵省どうですか、この二回目の二百五十五万という設定は非常に妥当なものであったと今でも思っていらっしゃいますか。
#197
○説明員(村木利雄君) 先生御承知のように、一回目の売り出しにつきましては、これはまだ上場されておりませんものでしたから、いわゆる一般競争入札を行いまして、そこで定められました加重平均価格といいますか、百十九万七千円で売り出したわけでございます。
 先生がお買いになられました二回目につきましては、これは既に上場されておりましたので、これは民間のいわゆるエクイティーファイナンス等のときの値決めも同じでございますが、東証なら東証のある日の終わり値、これを一定の割合でディスカウントしまして、通常三・五%となっていますが、この価格が二百五十五万円で設定されたわけでございまして、私どもとしましては市場価格を尊重した価格だったというふうに考えております。
 ただ、御承知のように今六十四万円ぐらいになっておりますけれども、結果といたしまして株価が大幅に売り出し価格を下回っておりまして、いろんな方々が御心配されておられるということにつきましては私どもも十分承知しておりますし、また私どもも苦慮しているところでございます。
#198
○中村鋭一君 NTTは今日このような六十数万円まで下がるということは放出のときから少しは予想しておられたんですか。それともこれは全く予想外のことであって、予想外のことであったとすれば、何でここまで下がったか、NTTとしての責任はあるのかないのか、その辺についてお伺いをいたします。
#199
○参考人(児島仁君) かなり下がることもあり得るとは考えておりましたが、六十数万円まで落ちるとは当時予想はしておりませんでした。これにはいろいろ事情があると思いますが、各社平均株価が最高値の三分の一というのが大体平均値で、五分の一というのもございますが、そういうふうな状態になっておりますので、全体の株式市況の問題が一つ大きいと思います。
 それからもう一つ、私ども会社固有の問題といたしまして、今競争が非常に激しくて、新聞でもいろいろ取り上げられておりますが、先行きの運営が不透明である、本当にもうかる会社なのか、あるいはもっともっと成長していける会社なのか、そこが見えないということだと思います。
 それから、政府の持ち株がいつ売り出されるか、これもわからない。場合によっては冷やし玉的な効果になるかもわからない。ですから、そういった点を株主さんがいろいろと考慮されまして積極的な買いに出れないと。株式市況とそれから私ども固有の問題とあわせ考えて、そういったものが私どもの会社の株価に大きなダメージを与えているんだろうと思っております。
 ですから、私どもがやれることは、業績の早々とした回復と、もう一つは財務内容を立て直した後の株主さんに対する何がしかめ優遇策というものを考えていかなくちゃいかぬというふうに考えております。
#200
○中村鋭一君 株価が下がった理由の一つに、NTTが余りにも巨大になり過ぎだから、これはひとつ近い将来に幾つかの会社に分割をした方がいいじゃないか、こういう論がありまして、そのことが株価に一つの不安材料となって株価が下がった。ですから、NTTの方からすれば、うかつに分割論なんかは言わないでもらいたい、このような受けとめ方はございませんか。
#201
○参考人(児島仁君) 世間の中では今先生御指摘のような御意見がたくさんあるように伺っておりますし、現実に東証あるいは私どもに電話で苦情等がありますときにそういったお申し出もございます。したがって、世間ではかなりの卒を占めておるのかなと思っています。そういった観点からしました場合、その認識に対してはやっぱり分割は避けるべきだろうということになりますが、しかし、やはり分割問題というのは基本的に我が社がどうあるべきかという将来の運営の問題から考えるべきであろうと思っています。
 ただ、そういった点から考えますと、ちょっと言い過ぎになるかもわかりませんけれども、けさほど来の国際化戦略の問題でありますとか、あるいは全国で仕事をしている場合にある種の社会貢献的な、福祉も含めたある種の諸活動もしていくような社会的使命もあるだろうということになれば、やはりユニットとして大きいもの、研究開発もございます。そういった方が社会貢献の度合いが大きいのではないかというふうに私どもは考えております。
#202
○中村鋭一君 大蔵省さん、今度の法改正は株価の上伸に影響があると思われますか。それともこれは織り込み済みであるのか。あるいは法改正と株価とは何の関係もないというふうに理解をしておられますか。
#203
○説明員(村木利雄君) 一般的には、株価は業績や金利水準等さまざまな要因に基づきまして市場において形成されるものでありますことは先生御案内のとおりでございます。したがいまして、今回の法改正によりまして株価にどう影響するかということは、なかなか予測しがたいところがあろうかと思います。
 また、大蔵省自体としましては御案内のように政府保有株式の売却の当事者の立場でもございますので、NTT株価の見通しにつきましてコメントすることは株式市場に予断を与えることにもなりかねないということがございますので、コメントを差し控えさせていただくことにつきまして御理解を賜りたいと思っております。
 ただ、いずれにいたしましても今回の法改正、すなわち外資保有規制の緩和、それからエクイティーファイナンスの弾力的な実施を可能にするというこの法改正によって、NTT株式に係る規制が緩和されてNTTの経営の向上に資することになる点につきましては、大蔵省としましても積極的に評価しているところでございます。今後、NTT自身の一層の経営努力と相まちまして、市場におきましてNTT株に対する適切な評価が得られることを期待しているところでございます。
#204
○中村鋭一君 どうもありがとうございました。
 移動体通信の今の契約状況、それから営業内容等について、わかる範囲で結構でございますから教えてください。
#205
○政府委員(森本哲夫君) お尋ねは移動体通信ということで、日本全体のお話かと思いますので私から答えさせていただきますが、移動体と申しますのは、自動車電話といわゆるポケベル、無線呼び出しの二種類がメーンになるかと思います。この分野には相当参入いたしまして、まず自動車電話につきましては、NTTのほかに十一社の新規事業者が現在入っておりまして、そのうち八社が営業をいたしております。全体としては、平成三年度末におきまして百三十八万台、対前年度の伸び率は五九%の伸びになっております。トータルの百三十八万台のうち約三九%を新規事業者が占め、残りをNTTが担当している、こういうことになります。
 それから、ポケベルの方は、大体地方に行きますと県に一つずつぐらい、関東とか広いところはエリア全体というふうな形で三十六の新規事業者が参入しております。一地域にはNTTと新しい事業者の二社体制で競争が展開されておりまして、平成三年度末でポケベルの総台数は五百九十一万台、対前年度の伸び率は一六%でございまして、NCCは全体の三五%近くを保有しているというふうな状況でございます。
#206
○中村鋭一君 NTTさんはどうですか。今十一社で、そのうち八社が既に営業を始めているということなんですが、NTTとしては猛追を受けているという理解ですか、それとも平和裏に共存をしてうまくいっていると思っていらっしゃいますか。
#207
○参考人(武内宏允君) お答え申し上げます。
 競争は相当機能しているというふうに存じますし、私どもといたしまして大変厳しい状況であるというふうに受けとめてございます。
#208
○中村鋭一君 私もポケベルそれから自動車電話ともにNTTのものを利用させていただいております。NTTのファンです。しかし事と次第によっては、新規参入の会社の方がデザインといい、色合いといい、そしてその性能といい、やっぱりこっちがいいとなれば、そっちに乗りかえるのにちっとも私はちゅうちょはしないつもりでございます。せっかく御努力をお願い申し上げなきゃいけない、こう思うんです。
 そこで、これ毎度お尋ねすることなんですが、盗聴防止装置ですね、おととしでしたかつけていただいたんですね。あれFですか、押すんですね。二つ押す部分があるんですが、そうするとディジタルの米印の部分が明滅をして、これで防止装置が働いているということなんですが、この防止装置が働きますと何か音が回ってくるようになって、どうもスムーズな通話が不可能な場合が多いんですね。人が電話をかけるときにはやっぱりクリア、相手の言っていることが明確に聞き取れるということが大事なものですから、スクランブルをかけるとそういうふうな障害が割に起こって、しかも声がアンクリアになるものですから、つい防止装置をかけるのが面倒になるわけですね。
 これではやっぱりぐあいが悪いと思うんですが、これまでの質問に対して、これ一つの追っかけっこだということをおっしゃいましたね。確かにそうなんですね。大阪で日本橋、それから東京で秋葉原あたりへ行きますと、もうそれはどんどん小型化して、これさえつければポケベルも自動車電話も完璧に聞き取れるという装置をどんどん売っていますものね。だから常にそういう研究はしていらっしゃると思うんですが、現在のNTTの盗聴に関する認識それから防止装置の開発について、今のものでいいと思っていらっしゃるのか、それともさらに研究を続けていらっしゃるのか、その辺についてお伺いをさせていただきます。
#209
○参考人(武内宏允君) お答え申し上げます。
 現在の自動車電話等につきまして、いわゆる盗聴ができないようにスクランブルをかけるわけでございますが、そういたしますと今先生御指摘のように音質が若干悪くなるというのはやむを得ない状況に今ございます。通話に支障があるというところまで劣化しているというふうに認識はしておりませんが、本質的にそういう問題がございます。
 秘話につきまして、盗聴につきましての認識ということでございますが、これはやはり通信でございますから極めて重要な機能だというふうに認識しておりまして、現在の秘話機能でございますが、アナログの携帯電話、自動車電話につきまして、アナログの段階では今相当高いレベルにあるというふうには認識しております。そういうことから、今この秘話自体が破られているというようなことにつきましては、まだそういうことをお聞きもしておりませんし、ないものと思っております。
 ただ、今御指摘ございましたように品質の問題とかございますが、これからアナログからディジタルに置きかわってまいります。ディジタルになりますと、今の品質の劣化の問題につきましても対応が比較的アナログと違いましてやりやすうございまして、この辺の研究については我々重要課題として取り組んでございます。今後ともこういったことについては重点的に取り組んでまいる所存でございます。
#210
○中村鋭一君 KDDさん来ていただいていると思いますが、ます郵政省に現在の国際電話の各社の参入状況について御説明をお願いいたします。
#211
○政府委員(森本哲夫君) 国際通信の分野はこれまでKDDだけでございましたが、新たに二社参入いたしております。一つはITJ、日本国際通信という会社、それからもう一社はIDC、国際デジタル通信ということで、それぞれもう既にサービスを開始いたしております。このニューカマーの二社は当初米国とか香港とかだけの通話対地でございましたが、現在では我が国の取扱量の九割以上に当たる五十カ国近くに達しておるわけでございます。
 ついでに、シェアといいますか、どのくらいを占めているかということを申しますと、平成三年度中間決算によりますと、国際通信市場全体の約一八%をこの両社が占めておる。残りをKDDが持っているわけでございますが、いずれにしましても、新規参入によりまして、かつて千五百円以上いたしました、例えば三分間アメリカに電話しましたらそういう料金になったわけでございますが、現在は六百八十円、六百七十円という料金でサービスを提供いたしております。そういう状況に相なっております。
#212
○中村鋭一君 最後にKDDにお尋ねをさせていただこうと思うんですが、今の後発参入の会社はもう既にテレビコマーシャルを展開していて、田村正和さんが何か平均台みたいなところからぽんと上がって、ソファに安着して、かけてみょうかと、あれはITJですかね、やっているわけで、これはテレビの視聴者、市民からいたしますと、国際電話をかけるのにKDDがあることは十分承知しているんですが、そのITJとかまた別の一社とか、そういうものが入り乱れてコマーシャルを展開いたしますとちょっとわかりにくいような点があると思うんですが、そういう点ではやはり各社が努力をして特徴の違いを際立たせる、こういうことが必要です。やっぱり利用する人にわかりやすい説明をしなければいけない、こう思うんです。
 そこでKDDさんとしては、この後発参入の会社がこうやってテレビコマーシャルを展開して盛んに頑張っているわけでございますが、先ほどNTTさんにもお尋ねしたんですが、KDDとしてはやはり強力なライバルでありますから、これをこれからもたたき落とすために頑張られるのか、それとも平和場裏に平和的競争並びに共存に邁進をされるのか、その辺をお伺いして私の質問を終わりたいと思います。
#213
○参考人(市原博君) 日本の国際通信分野におきまして競争が本格化してから約二年半が経過いたしました。この間KDDは、日本の国際通信のリーディングキャリアとして、世界の広範な地域へ多種多様なサービスを提供していくという社会的使命を果たすべく努力をしてまいりました。昨今競争という面が強調されがちでございますが、KDDはお客様の利便の向上を第一義に考えるという一貫した企業姿勢を保っております。特に国際電話サービスにおきましては、過去数次にわたります料金値下げを行うことによりまして、料金レベルも世界的に最も低い水準になっております。今後も厳しい競争が続くことを覚悟いたしておりますが、三社で切磋琢磨いたしまして、競争しながらも共存していくということによりまし
て、日本の国際通信事業がますます発展していくよう努力したいと考えております。
 ただ、KDDの場合は競争二社と違いまして電話以外のあらゆる国際通信のサービスを全世界に向かって行っておりますので、そういった意味合いからも、お客様の多彩なニーズにミートしながら公共的使命を果たして、我が国の国際通信の発展に向けて努力してまいりたい、こういうふうに考えております。
#214
○中村鋭一君 ありがとうございました。
#215
○委員長(粕谷照美君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#216
○委員長(粕谷照美君) 御異議ないと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#217
○吉岡吉典君 私は、日本共産党を代表して、日本電信電話株式会社法等の一部改正法案に対する反対討論を行います。
 反対する主な理由を述べますと、第一に、NTTの発足に当たっても確認された外資参入禁止による通信主権の原則に反して外資参入を認めることは、NTTの公共性と我が国の通信主権を一層後退させることになるからであります。NTTは、日本社会の神経系統とも言える電気通信ネットワークを所有し、各家庭や事業所までの市内網から全国への電気通信を一体的にサービスしている唯一の電気通信事業者であり、高度な公共性が求められる事業者であります。それゆえに、政府もその経営に対する外国からの影響を強く排除してきたのであります。これを、最近の電気通信事業における国際化の進展という理由づけで、外資による資金調達を期待し、外資規制の規定を削除することは認められません。また、KDDも我が国の基幹的電気通信事業であり、外資参入には賛成できません。
 第二に、円滑に新株の発行等を行えるための特例措置は、「当分の間」としてはいますが、資金調達のためNTTの公共性をみずから後退させていくものと言わざるを得ないからであります。一たびこのような特例措置を認めれば、政府のNTT株式三分の一以上保有義務も崩れざるを得なくなるのであります。
 以上、反対の主な理由を述べ、私の反対討論を終わります。
#218
○委員長(粕谷照美君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 日本電信電話株式会社法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#219
○委員長(粕谷照美君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#220
○委員長(粕谷照美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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