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1992/03/27 第123回国会 参議院 参議院会議録情報 第123回国会 運輸委員会 第2号
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1992/03/27 第123回国会 参議院

参議院会議録情報 第123回国会 運輸委員会 第2号

#1
第123回国会 運輸委員会 第2号
平成四年三月二十七日(金曜日)
   午前十時二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 二月二十七日
    辞任         補欠選任
     櫻井 規順君     岩本 久人君
     堀  利和君     菅野  壽君
     三重野栄子君     渕上 貞雄君
 二月二十八日
    辞任         補欠選任
     岩本 久人君     櫻井 規順君
     菅野  壽君     堀  利和君
 三月四日
               補欠選任
                鳩山威一郎君
 三月二十五日
    辞任         補欠選任
     堀  利和君     浜本 万三君
 三月二十六日
    辞任         補欠選任
     櫻井 規順君     梶原 敬義君
     浜本 万三君     堀  利和君
 三月二十七日
    辞任         補欠選任
     梶原 敬義君     櫻井 規順君
     片上 公人君     及川 順郎君
    ―――――――――――――
 出席者は左のとおり。
   委員長          峯山 昭範君
   理 事
                上杉 光弘君
                松浦 孝治君
                櫻井 規順君
   委 員
                鹿熊 安正君
                片山虎之助君
                野沢 太三君
                二木 秀夫君
                稲村 稔夫君
                梶原 敬義君
                佐藤 三吾君
                渕上 貞雄君
                堀  利和君
                及川 順郎君
                小笠原貞子君
                吉田 之久君
                寺崎 昭久君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  奥田 敬和君
   政府委員
       運輸大臣官房長  豊田  実君
       運輸大臣官房総
       務審議官   
       兼貨物流通本部
       長        土坂 泰敏君
       運輸省運輸政策
       局長       大塚 秀夫君
       運輸省鉄道局長  井山 嗣夫君
       運輸省自動車交
       通局長      水田 嘉憲君
       運輸省自動車交
       通局技術安全部
       長        堀込 徳年君
       運輸省海上交通
       局長事務代理   和田 義文君
       運輸省海上技術
       安全局長     戸田 邦司君
       運輸省港湾局長  上村 正明君
       運輸省航空局長  松尾 道彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        長谷川光司君
   説明員
       警察庁交通局交
       通指導課長    人見 信男君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○特定船舶製造業経営安定臨時措置法を廃止する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○運輸事情等に関する調査
 (運輸行政の基本施策に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(峯山昭範君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二月二十七日、三重野栄子君が委員を辞任され、その補欠として渕上貞雄君が選任されました。
 また、本委員会は二月二十六日以来一名欠員となっておりましたが、去る四日、鳩山威一郎君が選任されました。
 また、昨二十六日、櫻井規順君が委員を辞任され、その補欠として梶原敬義君が選任されました。
 また、本日、片上公人君が委員を辞任され、その補欠として及川順郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(峯山昭範君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 狩野明男君の逝去に伴う理事の補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(峯山昭範君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に上杉光弘君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(峯山昭範君) 特定船舶製造業経営安定臨時措置法を廃止する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。奥田運輸大臣。
#6
○国務大臣(奥田敬和君) ただいま議題となりました特定船舶製造業経営安定臨時措置法を廃止する法律案の提案理由につきまして、御説明を申し上げます。
 特定船舶製造業経営安定臨時措置法は、二度にわたる石油危機等経済的事情の変化による世界的な新造船需要の減退、急激な円高等により外航船舶の建造を主体とする特定船舶製造業における経営が急速に悪化したことにかんがみ、計画的な設備の処理等を促進するための措置を講ずることによりその経営の安定を図ることを目的に制定されたものであります。
 この法律は、施行日である昭和六十二年四月一日から五年以内に廃止するものとされていますが、最近における特定船舶製造業をめぐる状況にかんがみ、この法律を規定どおり廃止する必要があります。
 すなわち、この法律のもとで計画的な設備の処理、事業提携等の経営の安定のために必要な措置が実施された結果、昭和六十二年当時の年間生産能力の約二割を削減したこと、グループ数を二十一グループから八グループに集約したこと等により、産業の体質の改善、安定的な経営基盤の確立が図られてまいりました。こうした対策の成果と海運市況の好転とが相まって、ほとんどの企業が経常ベースで黒字に転換するとともに、約二年分の手持ち工事量を抱えるなど、特定船舶製造業における経営状況は著しく改善してきております。
 また、今後を展望してみても、タンカーの代替需要を中心におおむね現在の供給力に見合う安定した需要が見込まれることから、この法律のもとで実施したような抜本的な対策を再び講じなくとも特定船舶製造業における経営の安定が図られていくものと考えられます。
 以上申し述べました理由から、特定船舶製造業経営安定臨時措置法を規定どおり平成四年三月末までに廃止することとし、本法律案を提出した次第であります。
 以上がこの法律案を提案する理由であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成ください。ますようにお願いを申し上げます。
#7
○委員長(峯山昭範君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#8
○稲村稔夫君 今回の特定船舶製造業経営安定臨時措置法を廃止する法律案について、こうした法律案がつくられて実施されてきたというその成果というものをやはりきちんと踏まえた上で、当然廃止をしてもいいか悪いかという判断がされるということになると思います。
 そこで、判断のひとつ資料にしたいということでいろいろとお伺いをしたいと思うわけであります。
 第一は、この今の廃止をしようとする法律案が制定されて今日まで、今大臣の趣旨説明にもありましたけれども、二十一グループを八グループにしてというようなことでいろいろと合理化等の努力をしてこられたようでありますが、現在のそれでは八グループ二十六社の黒字と赤字、これらの関係はどういうふうになっておりましょうか。
#9
○政府委員(戸田邦司君) お答え申し上げます。
 この法律が制定されました昭和六十二年当時を見てみますと、この二十六社の中の十五社が赤字でありました。現状を見てみますと、平成二年度から三年度にかけましておおむね各社とも黒字化してまいっているという状況にあります。
#10
○稲村稔夫君 おおむね黒字化をしたということでありますが、それではそのそれぞれ造船部門だけで見ていった場合には、その黒字と赤字というのはどんなふうになっておりますか。
#11
○政府委員(戸田邦司君) 各社とも他の部門を抱えているというようなことで部門別の損益が公表されていないという状況にありますが、造船の専業度が高い中手以下につきましてはおおむね企業損益が造船部門の損益と考えてよろしいんじゃないかと思います。そういったことから推定しましても、造船部門の経営状況が好転していると判断して差し支えないものと考えております。
 大手につきましては造船の比率がかなり低いということから、企業の損益イコール造船部門の損益とは言えませんが、どちらかと言えば中手よりも大手の方が造船部門がよくなっているというようなこともありますので、中手同様あるいはそれ以上に損益が改善されていると考えております。
#12
○稲村稔夫君 私は、ちょっと今の御答弁では納得ができないわけです。
 これは造船業が、造船部門が長い間不況で落ち込んできていて厳しい状況の中にあった。それを言ってみれば支えていくというか、そのために制定された法律ということになりますね。言ってみれば政府の側が投資をしていることと同じです。その投資をしているものがどのように効果があったかということ、これをやはり私はきちんと掌握することが大事なんだと思うんですね。グループの中で中手以下のところがいいから、まあ大手の方もそれ以上に伸びているから大体造船がいいんだろうなどというアバウトなことでは私はおかしいと思うんですけれども、その辺はどういうふうにお考えになっておりますか。
#13
○政府委員(戸田邦司君) 船舶の受注を考えてみますと、これは国際的な単一のマーケットの中で行われるという状況がありまして、大手、中手の別を問わず経営状況が非常によくなってきているわけであります。正式な発表はありませんが、各社とも部門別の損益を内部で出しておりまして、それを考えますと、大手につきましても造船関係が他の部門を抜いて最近経営状況がよくなっている、黒字化しているというような状況にあると聞いております。
#14
○稲村稔夫君 聞いているじゃ困るんですよね。具体的にそういうふうに内部でちゃんと報告があるんであれば、当然その報告はとっていなきゃならないでしょう。その報告を私たちもいただきたいと思いますけれども。
#15
○政府委員(戸田邦司君) 現在の会計関係の仕組みからいいまして部門別が公表されていないというようなことでありますが、私どもとしましては各社から経営の状況をお伺いしました。それで、一社ないし二社ぐらいを除きますと、最近すべて造船につきましては黒字化しているというふうに聞いているわけであります。
#16
○稲村稔夫君 この法律を制定して、それによっててこ入れをしてという、言ってみれば国民の税金を間接的であっても使っているわけですから、そういってこ入れをしたものがどういうふうに効果があるのかということをきちっと掌握しなかったら何かアバウトで、これで大体いいんだろう、あとは聞いておりますという程度のことでは私は極めていいかげんなことになってしまうというふうに思うんですよね。そんないいかげんなことでいいんでしょうかね。
#17
○政府委員(戸田邦司君) 経営状況につきましてはただいまお話し申し上げましたとおりでありますが、一つは造船業が長期的に安定していけるかどうか、それが一つの柱、大きな問題点であろうと思われます。
 現在の状況を考えますと、先ほど大臣からもお話し申し上げましたように、二十数%、正確に言いますと二四%弱になりますが、それだけの設備を削減いたしまして、需給が現状では非常によくバランスしているということでもあり、また船価の面で見ましても、六十二年当時と比べまして、大ざっぱに言いまして六〇%の船価上昇をしているというようなことで、採算上は全く問題ない状況になっだということも把握しております。
#18
○稲村稔夫君 私は、造船の各社がよくなったということについては、それは大いに評価をします。よくなったということは本当にいいことなんですよ。でも、こういう政策を進めたら、その政策に対してどういう効果があったのか、そういうことをきちんと掌握しなきゃいけないでしょう。
 お医者さんに例えて言えば、本当は胃が悪かったんだけれども、腸の薬をやっていた。だけれども、腸が丈夫になってきたら胃の方もちょうどよくなってきたというようなことがあるかもしれないんですよ。そうしたら、その薬は胃に効く薬というふうにきちんと認定ができますか。こういう施策をやったら、その施策がどういうところで効果があって、どういうところに反省をしなきゃならない問題があるかというようなことというのは、やっぱりきちんと掌握しなきゃならぬでしょう。運輸省の行政というのはこんなにいいかげんなものなんですか。
#19
○政府委員(戸田邦司君) この法律の骨子といいますのは、運輸大臣が海運造船合理化審議会の答申を受けまして造船業に対する指針を出す、その指針に従ってそれぞれ各社が合理化を進めていくということであったわけでありますが、その指針の一つが先ほど申し上げました能力の削減であります。それで、それは二四%ほど削減して、現状はバランスが非常によくなっているということであります。
 それからもう一つは、これまで多数の会社が、言うなれば足の引っ張り合いといいますか受注競争に走ったというようなことでその集約化を進めておりましたが、合併、系列化、共同受注、こういったことを考えて四十四社二十一グループが二十六社八グループになって過当競争体質を脱却できたというのがもう一つの点であります。
 それから、先ほど申し上げました船価が上昇してきているという点であります。
 それから、会社の経営状態を考えますと、昨年あるいは一昨年あたりまでは前に安値受注したような船もありまして、経営の状態が必ずしも全部黒になるというような状況にありませんでしたが、現在受注しているものを考えますと、これからは経営上は全く問題がない状況になってきた。こういった点をかんがみましてこの法律の廃止が可能になった、そういうふうに認識しております。
#20
○稲村稔夫君 どうも局長にいろいろと御答弁いただいても、何か私の真意というのが十分にわかっていただけていないような気がしてならないわけなんで、大臣にちょっと伺いたいんです。
 私は、これは局長もわかっているはずだと思うんですが、造船業界が今のように黒字基調に転じてきているということはいいことだと言っているんですよ。ただ、こういう政策展開に当たって、その政策を展開していったときには、それが今のわずかな造船部門でどの程度の利益が出てきたのかとか造船部門がこれによってどういう効果があったのかということをきちっと掌握していくような、そういうことが必要なんでしょうと。経常利益だけで大手の場合も中手と比べたらという程度のことで判断をするというんではちょっと余りにも粗っぽ過ぎるんじゃないですか。政策を展開するからにはそういうきちっとした対応が必要でしょうということを私は聞いているのに、同じようなことを繰り返しているんですよね。大臣、その点はどうお考えですか。
#21
○国務大臣(奥田敬和君) 御指摘のとおりに、この法案をつくったときは造船業界がいわゆる過当競争、そしてもういたずらに安値たたきと申しますか、そういった形の中で海運市況の不況と相まちまして大変業界が厳しい円高の影響もございました。いろいろな要素の中から、まさに競争の条件がもう最悪の方向に来ておったという時期でございました。
 そこで、この法案によって業界安定を図ろう、過当競争から何とか脱却しなきゃいかぬということで合理化審議会の指針に基づいて法を制定したわけでありますけれども、この五年間の間にこの法の目的が達成された。今、先生の言われるのは、具体的に一体どうだったんだ、成果はどうか、効果はどうか、今後の見通しはどうか、そういったことを念頭に置いた上でこの法を廃止に持っていくということに慎重を期したのかどうかという御意思であろうと思います。
 この五年間に労使間で全く厳しい血の出るような合理化努力をなさったことは事実であります。しかも、三K企業と、その最たるものと言われる非常に危険な厳しい労働環境の中にありまして、この合理化改善に労使とも真剣に取り組みました。そして、船台を少なくする方法等々あるいは省力化の設備の改善等々によって、今やまさに日本の造船業界は依然として世界一のシェアを誇っておりますけれども、前のように人手も多く設備もどうのこうのと批判されるような状態ではなくて、どこから見ても、現在船台をふやさず、しかも四百六十万トン生産ペース、世界一のシェアを確保できる。さらに、合理化、省力化、近代化によって労働条件の改善も含めながら、ピーク時には五百二、三十万トンペースまでいけるという実態というものがはっきりいたしてまいりました。そして、この問題は、法律を廃止するに当たって合理化審議会の学識経験者を含む御意見、その中には造船メーカーもみんな組合関係も入っておるわけでありますけれども、これらの御答申の内容も検討いたしました。並びに造船メーカー、経営者、組合等々の御意見もよく実態の把握に努めました。
 その結果、受注も多いところは三年間、大体平均して二年近い受注の予備を持っておるということ、そして、かつてのようないわゆる安い船価による受注ではなくて、ある程度の日本のハイテク機能を生かした一適正な船価での受注、そういった形の実態が確認されましたので、今後も労働環境の改善を含めながら、労働時間千八百時間も来年度ペースにおいては間違いなく実施段階に移れる等々の諸要素を大体うまくやっているし、経営者自体も間違いなく安定経営に持ち込んでやっていくという形をはっきり明言されておりますので、そういった形で業界自体がこの法の大体目標は達成されたということで、自分たちとしては、また二度と繰り返してはならないことではありますけれども、この法の一応成果というもの、目標というものは完遂されたということを理解していただきまして法の廃止に踏み切ったという次第でございます。
#22
○稲村稔夫君 大臣のお答えになっている、結果がこういうふうになって、そして今非常にいい状況になってきているからと。しかも、これは五千トン以上の大きなものをつくる、言ってみれば大手、中手というところだけが対象ですからということで、むしろ、中小はまだ問題があるからこれからまた伺わなきゃならぬのですけれども。
 ということであっても、結果がそうだからということがあっても、私が申し上げているのは、今回それじゃこれを廃止するのを認めるといたしましても、こういう政策誘導的なものでもって政策を展開していくという、その政策を展開するに当たっては、それなりに目的が達成できるように具体的にいろいろな調査だとかなんとかというものをしていかなきゃいかぬのじゃないですか。私は、かなり表現は悪いけれども、ついそう言いたくなる。そんなルーズでいいんですか、大づかみなことでというふうに申し上げたわけです。これからまた違う形で似たようなどこかの業界でそういう誘導政策が展開されるときにも、私はやはりきちんと調査をし科学的な根拠に基づいたものができるように、対応できるようにということが必要なんだと思うんです。
 私がなぜこんなことを伺っているかといったら、今運輸省は佐川の問題だとかなんかでいろいろと言われているでしょう。運輸の行政というのがルーズじゃないかということを言われているでしょう。言われているだけに、その辺のところをきちんとしなけりゃならない問題があるんじゃないか、そう思うんです。だから、私は余り声を大きくして言うつもりじゃなかった、さっとここのところはいくつもりだったのに、もう時間がこんなになっちゃったんですけれども、そういうことをもう一度大臣、御答弁をいただきたいと思います。
#23
○国務大臣(奥田敬和君) これは本当に先生の御指摘のとおりに、政策は機動的に対応して、そして成果の確認に関しての具体的な科学的な、いわゆるきっちりした数字による調査というものは、政策を提案している責任ある運輸省において調査しなきゃならぬことは本当に当然であります。
 局長からの答弁には至らぬ点があったと思いますけれども、この法案の成果が確認されて廃止されるまでに至った過程においては、各企業、各団体、各組合のそれぞれの個別的な調査もはっきりできておるわけでございます。その形において今各企業ごとの資料はどうなんだ、数字はどうなんだと言われたことに局長の方では答弁に窮したわけでありますけれども、これらの実態調査の積み重ねの結果、詳細に検討したわけでございますので、また先生の方に資料として、あるいは御報告事項として報告させたいと思っております。責任を持って対応したということだけはっきり申し上げておきます。
#24
○稲村稔夫君 それじゃ、大臣の御答弁のように、公表できないという部分があるというのであれば、それなりに納得がきるような後で対応をしていただければというふうに思います。
 これだけでもう随分時間をとってしまいましたので、先をちょっと急ぎます。
 この法案を廃止いたしまして、造船業のこれからの状況を見てまいりますときに、海造審の答申を見てまいりますと、これから先の造船関係はかなり受注がふえていくということになっております。現在の設備能力をある程度超える受注が予想されるという時期があるわけであります。しかも、その時期というのは多分、老朽船である一定の時期にかなり集中的に進水したものが多かった。その老朽船の解撤などとかがみんな条件になってくるような感じがいたしますけれども、特にVLCCとかULCの建造のし直しといいましょうかというようなことが起こってまいりますと、私は、ここで推計をされたようなグラフにあるようなものよりもさらにもっと需要という観点で言ったら出てくる可能性がある。その需要にこたえられないというときに、これは非常にまた問題が起こってこようと。
 そして、一定の時期を過ぎてあれしますと、今度はそのときにまだ古い船が残っておれば、その古い船を使うとかなんとかいろいろして切り抜けるんでしょう。切り抜けて一定の時期を過ぎてしまうと、今度は受注が下がってきます。まるで私は、昔農水におりましたが、農水ではよくビッグサイクルと言いまして、豚肉の上下が非常に激しいということが問題になっていますが、何か船も同じような感じがするわけです。
 そういたしますと、造船能力というものとのかかわりで、これからの造船業界の見通しというのにはいろいろと課題があるのじゃないだろうかと思うんですけれども、その辺はどういうふうに掌握しておられますか。
#25
○政府委員(戸田邦司君) この問題につきましては、海運造船合理化審議会の場におきましても相当の議論がございました。問題になりましたのは、先生御指摘のとおりに、タンカーの代替あるいは大型バルクキャリアの代替が相当出てくるのじゃないかと。これらの船はいずれも一九七〇年代に建造されたもので船齢がだんだん近づいてくる。そういったことで、それらのことを考えますと、今後大体二〇〇〇年前後まで需要が上昇していく。その後はそれらの代替時期を終えまして、需要が緩やかに下降していくのではないかと思っております。
#26
○稲村稔夫君 私の聞いているのは、増加していくということは、これはグラフにも出ているんですよ。でもそれは能力を超えることがあるんじゃないですか、まずこれを聞いているんです。言ってみれば、能力を超える受注があるときにはどういうふうになるんでしょうか、造船業界はどういうふうに対応しようとして、また、させようとしているんですか、こういうことになるわけです。
 そして、そのときを越えたら今度は下がるときがあります。下がっていくということになったら、そのときはどう対応するつもりですか。これに答えていただかなきゃ質問に対して答えたことにならぬじゃないですか。
#27
○政府委員(戸田邦司君) 現在の設備能力が四百六十万CGTということになっておりますが、ピークのところで五百三十五万CGTになるという予想になっております。これらにつきましてはコンピューターその他を大幅に導入しまして自動化していく、能力、能率を上げていく、そういうようなことで十分対応が可能であろうと思っております。その後の需要の下降期のことを考えますと、できるだけ人員をふやさないでそういった切り抜けをやっていくべきであるし、またそれが可能であると考えているところであります。
#28
○稲村稔夫君 ということになりますと、大手の自動化というのはかなり進んでいるというふうに聞いております。中手の方は大手に比べるとかなりおくれている、自動化という点では格差があるというふうに聞いておりますけれども、そうすると中手に対する何か特別な対策というのを立てられているんでしょうか。
#29
○政府委員(戸田邦司君) 自動化の技術開発につきましてはCIMというシステムについて現在研究開発を進めているところでありまして、大体二年後あるいは三年後ぐらいから相当大幅にそれが活用できるんじゃないかと思っております。
 先生御指摘のとおり、大手は非常に進んでおりますが、中手がおくれているということに対応するためには、そのグループ内で大手が指導しながら中手の自動化も相当進めていく、グループ内でのそういうような大手の指導を通して中手の技術レベルも上げていくというようなことを我々としては指導していきたいと思っております。
#30
○稲村稔夫君 大体、頭に描いておられることがわかったような気がしますが、そうすると、ほぼ現在の八グループというのは八グループとして固定化して考えていくということでいいんですか。これから先、またグループの再編成みたいなことはないですね。今のようにグループの中でいろいろとやるということになると、それは大体固定化していくということになりますね。
#31
○政府委員(戸田邦司君) 現在のグループはできるだけ維持していきたい。さらに、将来技術提携などを通じまして、そういう技術レベルのアップに努めていくような形もとっていければというようなことを考えております。
#32
○稲村稔夫君 そういたしますと、またさらにピーク時でみんながもうフル生産をしているという時期は、これは比較的問題はないでしょうけれども、また下降時期に入ってくるとお互いの競争などというのが出てくる。そうすると、グループ間の競争などというのもまた当然起こり得るというようなことなども考えたりすると、いろいろとまた問題もあるような気がいたします。
 しかし、もうそれに触れている時間がございませんので、およそのお考えを伺ったところで次に移らせていただきましょう。
 ということで、自動化を中心にして考えていくといたしましても、造船関係の労働者の労働条件、労働環境、これはまだかなり克服しなきゃならない課題がいっぱいあるのではないだろうかというふうに思います。
 きょうは、私鉄総連が足の方でなかなか頑張っておられるようでありますけれども、造船も去年の賃上げ状況は必ずしもそうよかったということが言えるわけじゃありませんし、この辺のことを考えていくと、これから先造船労働者は平均年齢も高いですし、造船労働者を確保していく、しかも夢を持って新しく若い労働力がどんどん入っているというような状況をつくっていかなければ、これから先の造船業の見通しというのはなかなか問題があると思うんですが、その辺のところ非常に幾つもの問題があると思いますので、私の方から幾つかの点についてお伺いをしますから、それにお答えをいただきたいと思います。
 まず第一は賃金水準、平均年齢が随分高いですから、この賃金水準について現状をどういうふうに考えておられますかということです。
 それから次に労働時間、これは政府は、一応一九九二年度末までに千八百時間という目標を掲げておりますが、特にこの造船労働者というのはこれとの比較を考えていったときにどうなんであろう。
 三番目は、そういう条件の、どっちを見ても条件というのは必ずしもいいとは言えないんだがということになれば、かなり計画的にきちんと労使の間で話をしながら目標に近づくような努力をしてもらわなきゃならないが、そういう指導方向というのは検討しておられるんですか。この三つの点についてお伺いしたいと思います。
#33
○政府委員(戸田邦司君) まず、労働者の平均年齢を考えてみますと、大体平均が四十二歳というようなことで、これは他の製造業に比べましても造船の高齢化が進んでいるということが言えます。
 そこで、賃金の問題ですが、昨年、それからことしの春闘などで相当の修正をしてまいってきているわけでありますが、昨年の水準でいきますと製造業の中で、たしか私の記憶ですと十六位、非常に低いところにあります。そういったことで使用者側も相当の努力をしていくというようなことの決意を述べておりまして、これは今後の船価状況なども考えましてかなり急ピッチで改善していくべきものであろうと思っておりますし、ことしの春闘の結果などもそうなっていると私は考えております。
 それから労働時間の問題ですが、平成四年度末までに千八百時間に向けてできる限り時短をしていくという目標を掲げております。
 これは別の面を考えてみますと、時短をして、それから労働環境をよくしなければ若い技能労働者を確保できないという面がありますので、そこはもうどうしても達成しなければならない一つの大きな目標であろうと思っております。その解決策としては、これからやはり工場などの生産設備などに対する設備投資もさることながら、労働環境の改善のための投資も相当しなければならないんじゃないか、こう思っております。そういったことで工場の生産性の向上、これは先ほど申し上げましたように、やはり自動化を相当進めていく、それから効率化を考えていく、そういう方向でやっていかなければ今後の造船業は将来を見通しての安定した運営が可能にならないというふうに考えております。
#34
○稲村稔夫君 私は、今こうした優遇措置である臨時措置法を廃止できるような状況になってきている、そして二年先まで受注残を持っている、こういうような時期でなければそういう労働条件の改善というような問題についてはなかなか取り組めないと思うんです、現実の問題として。
 そうすると、今は一番大事なときだというふうに思うんですが、そのためにも積極的な指導もやはりやっていただかなきゃならない、こんなふうに思いますので、これを要望として申し上げておきたいと思うんです。でも、それについてもやっぱりまだ心配が残るんです。
 というのは、先ほど七〇年代に建造された船、これが老朽化をしていくということ、これで建造がえの受注というのが急速に進むだろうということで造船の受注がふえるであろう、こういうことは言えますけれども、それにもう一つ加わってIMOの決議というのがありますね。このIMOの決議によって二重船体になるということになれば、それだけ仕事量はかなりのものがふえるということになるんです。これと労働力の関係、設備の関係というふうに考えていったとき、局長の言われるように、いろいろとこうしてもらいたいという希望はあるとしても、その希望というのがなかなか厳しいんじゃないかなという感じがするんですけれども、その辺はいかがですか。
#35
○政府委員(戸田邦司君) IMOの動きにつきましては、先日海洋環境保護委員会というのがありまして、そこで海洋汚染防止条約の改正を行っておりまして、それで先生お話しになられました二重船体構造がこれから強制されるという状況になってきておりまして、そうなりますと造船所の仕事量も相当ふえるなということでありますが、その点につきましては海運造船合理化審議会で検討された段階でもそういうことが既に予想されておりましたので、先ほど申し上げたピークの五百三十五万CGTの中にはそれらの要素もすべて織り込んだ上で予測を立てております。
 そういったことで、今後のそういうような仕事の増大に対しましては可能な限り機械化、自動化で対応していきたいし、それが可能だと考えております。
#36
○稲村稔夫君 そうすると、ちょっと教えていただきたいんですが、この海造審の答申で出された中でそういうことがみんな織り込まれている、こうおっしゃるわけです。そうすると、当然織り込まれた答申をしていなきゃいかぬのだと思いますけれども、例えば二重船体にして船価がそのままというわけにはいきません。必ず船価というのはアップされます。その船価がアップをされるということの影響、今度は海運業界ですね、それとのかかわりでということをあわせて考えていかなきゃならぬのでしょう。
 そして、船価が上がるということと、もう一つ老朽船がいっぱいあるということ、老朽船がいっぱいあって、それがまた使えるという状態だと逆に倹約をして使えるだけまだ使っていく努力、辛抱して使おうかということだって起こり得る。いろいろそういう出てくる影響があるわけです。
 私は、一つの出てくるであろう可能性がある影響について今申し上げたんだけれども、幾つもそういう影響というのは出てくると思うんです。この辺のところは、そういうものを全部見込んで海造審が出されたとすると、時間がありませんから、例えば今の一つのことでいいです。船価が上がったということでどういう影響が出てきて、それにどう対応するからこういうふうにできると、こういうふうになったのかちょっと教えていただきたい。
#37
○政府委員(戸田邦司君) 大体、二重船体にしますと船価が約二割程度アップすると考えております。それで造船所の仕事量もそれなりに増加するということでありますが、先生から御質問のあります海運への影響などを考えてみますと、大体輸送コストから考えますと一割前後輸送コストが上昇するのではないかと考えております。それで、それが輸入の原油の価格でどれくらいの影響があるかというところまで考えてみますと、せいぜい一%というようなことではないかと思っております。
 そこで、この二重船殻を強制されますと老朽船が出てくるわけであります。古い船につきましては船齢をあるところで切って、具体的に言いますと二十五年から三十年で二重船殻にしなければならない。そういうことを考えますと、二重船殻というのは実際上改造は不可能であると考えられますので、そこでスクラップが出てくる。それでスクラップに対する対応がまた必要になってくる、そういうふうに認識しております。
#38
○稲村稔夫君 時間の関係がありますから、スクラップ問題はまたこれから伺いたいんですけれども、そこでもう一つだけ伺っておきたいのは、順番にうまく数字並べていくとそういうふうになるでしょう。そういうふうな答えにもなるでしょう。
 しかし、例えば我が国だけはそういうことを守りましたといっても世界というのは人間の集団なんですから、人間の集団の中で必ずしもすべてがきちんと守られ得るのかどうかということはいろいろ問題があります。我が国だけはといったって我が国の中だって守らない者が出てくる可能性だってあります。今のように船が残っていれば、違反だと知っていても残っていればそれで使う。入港を許してもらえれば、入港できればそれでもってやってしまうということだってあり得るでしょう。そんなことなども考えていくと、やっぱり古い船はそうするとみんなつぶさなければならないということになります。
 アメリカあたりは何か日本で開発した技術によるものは一つは認めないとか何とかというようなことがあったつなんかするようでありますが、そうすると、国によってそういうきちんとした対応がされていると、それはそれなりの問題あると思いますけれども、それなりにやみで古い船を使うなんということはなかなかできないということになりましょう。でも、そうみんながどこの国もなるわけじゃないです。我が国のやつを使ってもらおうと思ったって、またそうもならないです。そうすると、船を解体しなきゃならぬが、これだけの膨大な解撤というものを我が国はできるんでしょうか。
#39
○政府委員(戸田邦司君) 正直申し上げまして、老朽船の解撤問題は我々としても現在頭の痛い問題であります。国内での解撤の能力を考えますと、我が国が持っている船だけでも処分できない。世界的に考えましても解撤の能力は不足していると考えております。これは我が国のような場合に、人手不足でもう解撤をしている余力がなくなってきているというような問題と、それから一時解撤の量が非常に少なくなったために、昔東南アジア諸国で解撤をやっていた事業者が皆やめてしまった、そういうふうな状況があるわけです。
 そういう状況の中で、これから相当の解撤を進めていくとなりますと、これは世界的な規模で考えなければならないわけでありますが、我が国の立場としましては我が国の持てる技術力、特に解撤につきましては安全の問題もありますし、それから解撤した場合に汚いものが出てくる、そういう汚染の問題もあります。
 そういった問題も解決しながらその解撤の能力をふやしていくというようなことをかんがみますと、我が国と解撤に関心を持っている東南アジア諸国、そういったところとの連携でこの解撤の事業がスムーズに進むようなことを考えていかなければならないと思っておりまして、そういうようなことで我が国でシンポジウムを開いたりあるいは解撤に関心を持っている国とバイでいろいろ話を進めたりというようなことをやっておりまして、今後できるだけ早い時期にそういうことが具体化できるような、そういうことで相当の努力をしながら取り組んでまいりたいと思っております。
#40
○稲村稔夫君 我が国で解撤の作業が非常に難しくなってきたというお話、これは今理由はある程度出ましたので、わかりました。人手不足だとかなんとかということがありましたが、今まで解撤に取り組んでいたほかの国が解撤から撤収していったという理由は何なのでしょうか。そして、そういう解撤に伴っている問題点は何なのでしょうか。どういうふうに理解をしておられますか。
#41
○政府委員(戸田邦司君) アジア諸国で解撤から撤収していった理由の一番大きなものは、解撤する船が非常に少なかった、需要がなかったというのが一番大きな原因だと思っております。
 それで、今後そういった諸国に関心を持って進めていただく場合には、我が国が持てる技術力、それとそういった設備、一定の施設が要るわけですから、そういったものに対する投資の問題、こういったものを考えてやらなければこの問題は前に進めないんじゃないか、そういうふうに認識しております。
#42
○稲村稔夫君 そうすると、大体お考えはわかりました。我が国は人手不足が中心で解撤はとてもやれる状況ではなくなりました。だから、できれば国際分業みたいな形でやれたらいいと思いますと、こういうお考えだと思うんです。
 そうすると、それに伴ってやっぱり出てくる問題点が幾つもあります。今のお話ではいろいろな、例えば「地球にやさしい」技術ということでしょうか、廃油が出ないだとか騒音をできるだけ減らすとか、今いろんな我が国の技術を駆使してやれるように、そういうことをしていかなきゃならない、当然そうだと思うんです。そうしたら、その場合には当然経費が伴うんです。我が国の場合には、解撤を促進していくというんでしょうか助けていくために解撤の基金などというものが準備をされたりしたという経過がありますから、よその国にやってもらうときにも何かそういうものでもなかったら、解撤だけでもって何とか食っていってくださいというのはなかなか難しいんじゃないかというふうにも思うんです。
 そうすると、我が国の船なら船を持っていって解撤してもらうというんだったら、我が国の船を解撤したときにはこういう経済的なちゃんとした援助がもらえますというような形のものがあわせて政策的にできていなかったら分業というものは成り立たないと思うんですけれども、その辺はいかがですか。
#43
○政府委員(戸田邦司君) その辺の具体化のために、まず第一のステップとしまして、現在造船界、海運界、これがどういう可能性があるか協議をしております。それらの結論にまつところも大きいわけでありますが、やはり発展途上国のことを考えますと、相当の我が国からの技術的あるいは実質的援助が必要であろうと思っております。その辺については、可能な限り早期に結論が得られるように考えていきたいと思っております。
#44
○稲村稔夫君 もうほとんど私の持ち時間がなくなってまいりましたから、本当はここのところでもっともっと伺いたいことがあったんですが、私の意見の方を申し上げておきたいと思います。
 それは、解撤作業というのは危険も伴いますし、それから非常に汚くなるとか騒音が出るとかいろんな問題点がいっぱいあるんです。我が国でも人手不足というけれども、それをやると採算が合わない。そういうものにたくさんのものを投資したのでは間に合わないというところもあるんです。
 それからもう一つは、この解撤したスクラップの使い道というのも大きな問題なんです、マーケットとしての。こうしたスクラップ化された鉄のマーケットをきちんと開発して開拓していくという、そういうための援助もあわせてやっていかなかったら、これはそれこそよその国に我が国の汚い部分をやってくださいと押しつけるということになってしまうんです。ちゃんとできたもの、スクラップしたもの、そのスクラップをされた製品をさばく場所まできちんと考えなきゃならない。
 それを考えたときに、例えばまた、我が国の建築はJIS規格でなければコンクリートの骨も使えません。だけれども、それらの国だったらJIS規格でない規格外のものだっていいですよなんというようなことは通らないんです。我が国と同じように、やっぱりちゃんと対応できるような対策を立ててやらなきゃならない。非常に困難な大きな問題がいっぱいあると思うんです。その辺のところもあわせて私はきちんと対応を考えていただきたい、こんなふうに思います。
 最後に、もう一分切れましたから大臣に伺いますが、こうした中で私は、中小の、特に内航船だとか漁船だとかつくっている造船界は厳しい状況にあると思います。大手の方が終わったのであれば、まさに今これから中小のてこ入れを積極的にやってもらわなきゃならない、そういう時期に来ているのではないだろうか。そして、今申し上げたような、同時にあわせて出てくる解撤問題なども国際分業を考えるとしたら、我が国がぐあいの悪いものをよその国に押しつけたという形にならないような対策をきちんと立てていただかなきゃならないんじゃないだろうか。そしてそれが我が国のまたさらに労働条件の改善とかハイテク化への対応とかいろいろ今我々がぶつかっている課題解決とあわせて進めていかれなければならないという形になっていると思いますけれども、運輸大臣としてその辺についてどのような展望をお持ちになっているか、大変申しわけありませんが簡単にお答えをいただきたいと思います。
#45
○国務大臣(奥田敬和君) 極めて重大な御指摘をいただきまして、本当に勉強になりました。私はつくる人きれいな方だけ、あなた壊す人汚い方だけというわけには、それはまいらないことは事実であります。
 したがって、先生の御提案の中には、幸い中国なりインドネシアなりベトナムあたりが特に熱心にこの解撤の作業に関して日本の技術の援助、資金の援助、そういった指導のもとにやりたいという形の申し入れもございますし、そういった形に関しては二国間で海洋の環境保護の立場、また途上国援助という大きな目的も達成できるということにもなりますので、これらに関しては資金的にも技術的にも合弁企業で我が国企業も参画していくという形の中で相手の国のそういったスクラップ資源保護にも通ずるような方向で援助して御指導してまいりたい、業界をそういう方向に持っていくように努力をいたします。
 また、特に中小造船の中で、大手は終わってもまだ終わってないよという形の中では、確かにそういった傾向もございます。そういった方向での構造改善、労働環境改善、こういったことに取り組みまして、魅力のある造船業、これは大手のみじゃなくて中小もそれに当然参画して恩恵が受けられるような、そういった魅力のある造船業の方向に指導してまいりたいと存じます。
#46
○稲村稔夫君 終わります。
#47
○及川順郎君 まず最初に、特定船舶製造業経営安定臨時措置法を廃止するということでございますけれども、大臣の先ほどの趣旨説明、提案理由の説明で、施行期日の満了ということが一つの理由であり、さらにまた産業体質の改善及び安定的な経営基盤の確立、こういうことが一つの背景となりまして、海運市況の好転の状況をにらんで期日どおり廃止するという、こういう御説明がございました。
 やはり、臨時措置法を立法するときに私も造船不況の現地を見てまいりまして、そのときに非常に今もって忘れられないのは、職場を失って去る人たちの悲哀、これを本当に痛いほど感じましたし、やはり造船の日本と言われているこの我が国の生きざまというかそういう状況の中で二度とこういう悲哀を繰り返してはならない。そのためには、長期的なしっかりとした見通しを立ててこの業界に対する国の指導というものを確立していかなければならない、このことを強く感じておりました。
 今、同僚委員の質問にございましたが、そういう意味で、臨時措置法が施行されました期間に実施されました施策の成果をどのように評価し、そして完了したものと今後に残すべきものと、今後に残すというのは今後の国の施策の中に繰り越して組み入れるべき内容、これをどのように整理されているのかもう一回承りたいと思うわけでございますが、この点からお願いいたします。
#48
○政府委員(戸田邦司君) 要点だけを申し上げさせていただきますが、完了したという認識につきましては、先ほどもお話し申し上げましたように、造船業全体の経営状況が非常によくなっている。それから、一つの大きな柱でありました設備の削減を行った結果、需給が非常にうまくバランスしてきた。それらは船価の面などに非常にはっきりと出てまいっておりまして、受注船価を見ますと、六十三年と平成三年を比べてみますと約六〇%ぐらいの上昇になっておりまして、もう以前のような赤字受注というようなことがなくなった。それに、グループ化して過当競争の体質が全くなくなった。そういったことから考えて、この法律が目途とした結果を見てみますと、海運造船合理化審議会などでも指摘されておりますが、十分にその務めを果たしたというふうに認識しております。
 それで、今後の問題ですが、日本の造船を考えてみますと、非常に長い間過当競争が激しかった。それも、設備を拡大しながらの過当競争というような形だったわけですが、今後世設備はできるだけ現状を堅持して、今後の需要の増には自動化などで対応しながら、各社八グループあるわけですが、それらが協調すべきところは協調して今までのような過当競争体質というものを払拭していく、それが今後一番大きな課題ではないかと思っております。
#49
○及川順郎君 この造船業界の状況を考えますと、今過当競争の部分を非常に強調されておられる。これはやはり経営者、経営する側に立った視点にやはり重点が置かれているんじゃないかという感じがするわけですね。やはり建造需要の見通し、需給見通しという、こういう状況も大事でありますが、この業界を支えるマンパワーとその育成、そしてその育成したマンパワーの業界に就職した人たちに対する雇用の改善、これがやはり総合的に機能していかないといけないと思うんですね。
 そういう意味で、確かに過当競争という意味での、言うなれば臨時法としての役割は終わったと思いますけれども、私はこの期間、造船不況から得た教訓というものをもとにしてこの業界に対する国の指導という面での総括は、非常にそういう意味ではまだまだ完全に詰めていない感じを率直にぬぐい去れません。これは今からでも遅くありませんので、その点はしっかりと総合的に総括をしていただきまして、そして残された部分は今後の施策の国の指導の体制に生かしていく、この点をぜひ要望いたしておきたいと思います。
 そこで大臣、二十一世紀を展望しまして、世界の中の日本の造船業界の位置づけというものは大臣になられてどのように描かれておられるのか、その点をまず確認しておきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#50
○国務大臣(奥田敬和君) 私も昨年十一月に運輸大臣を拝命して、今造船を中心に海の問題に触れられておりますけれども、我が国が今日のひとつの経済大国の地位を確保し国民にこれから豊かな生活志向を与えていく、そういった大きな目的を達成するために、私は日本は本当に海に囲まれている恩恵というものを改めて見直さなきゃならない大事な時期だと思いました。
 現実に日本に輸入される総貨物資源量と申しますか八億総トン、そして日本から海外に輸出される製品が八千万総トン、こういった形の中で私たちの国が支えられておる。しかも聞いてみますと、一日に運ぶ、いわゆる船によって運ばれる量が二百二、三十万トン、一日当たりにすると函館から鹿児島まで十トントラックで数珠つなぎにしてそれくらいの量を毎日運んでおる、こういった中でこの国が支えられておる。
 そういうことを思いますときに、これからの海運、そして造船、これらに対してはもう本当に我々は絶えざる目でこれらの業界の安定、また海運市況の安定、こういったものには政治の舞台の中でも何よりも最重点に取り組まなければならぬ重大なる課題であるなどいう認識で、今日の法律問題も含めましてそういった認識の上に立って海運行政というものを進めてまいりたいと思っております。
#51
○及川順郎君 ぜひ、四万を海に囲まれた日本でございますので、やはり世界のトップを行くというか、その気構えというものを持ちながら、それにふさわしい体制整備というものを念頭に取り組んでいただきたい。大臣、期待しておりますのでよろしくお願いしたいと思います。
 政府に具体的な問題でちょっと確認をさせていただきたいと思います。
 現在のVLCCのドック、これは大手造船に一基ずつしかありませんけれども、これで海運業界の需要を満たしていけるのかという不安がやっぱりございます。供給不足による船価の大幅な上昇を招いて、そして海運業界に大きな打撃を与えるんではないか、そういう心配が一部にございますが、この点に対する見通しとあわせまして、二〇〇〇年前後のピーク時の見通しで海造審の答申に盛り込まれております五百三十五万CGT、この見通し、これが果たして確実なものか、将来的に修正される可能性を残しているのかどうなのかというクエスチョンがあるわけですけれども、この点に対する政府の見通しはいかがでしょうか。
#52
○政府委員(戸田邦司君) VLCCの代替期に入って、VLCC用のドックが間に合うかどうかというところにつきましては、これまた海造審での非常に大きな問題点だったわけです。我々としましてもVLCC一隻一隻の船齢などを調べまして、それでどういうふうにドックに入っていくか、そういうところまで一応詰めてみて、これでやれるんじゃないかというような結論になりまして、現状の設備を基本的には維持していくべきだというようなことを考えたわけであります。
 ただ、長期的な見通しですから、そこに若干の食い違いが出てくるというような余地が全くないわけではありませんので、そこにつきまして先ほど先生から、五百三十五万CGTというのは確実がというような御質問だったわけですが、それらの点もあわせまして二年ないし三年置きにその需給の動向を海運造船合理化審議会で見直ししていく、そういう動向をきちっとウォッチしていくというようなことで答申をいただいておりますので、二、三年ごとの見直しを確実に実施していきたい、そう思っております。
#53
○及川順郎君 ぜひ、そうした動向が就労者に対する待遇、それにしわ寄せにならないように配慮をしっかりしてかじ取りをお願いしたいと思います。
 中手クラスの造船所から若干声が寄せられておるわけでございますけれども、やはり既にこれも指摘されておりましたが、この中小クラスの経営改善とあわせまして、そこに就労している人たちの待遇改善、三Kという話が先ほど来出ておりますけれども、この脱却に向けて具体的な考えを今お持ちでありましたらお示しいただきたい。
#54
○政府委員(戸田邦司君) 中小造船、一口に言いましてもかなり大きいものから非常に小さいところまであるわけであります。いわゆる中手関係について考えてみますと、中手の造船というのは全部が全部そうだとは言いませんが、大部分のものは割合設備も新しいものもありまして生産性も高い、工場もきれいである、そういった状況にあります。
 そこで、三Kをどうやって追放するかというようなことでありますが、この三Kのイメージの払拭につきましては、やはり労働環境、労働条件、それから造船所のイメージとしまして、非常に技術力が高いとか将来の新しいものを開発していくとかあるいは環境保全技術などにも真っ正面から取り組んでいくとか、そういったことで造船所のイメージを新たにしていく、そういうことが必要であろうと思っております。
#55
○及川順郎君 この点もちょっとまだ詰まってない感じがいたしますので、中小に特に次はぜひ手厚い、内容を分析いたしまして、対応をお願いしたいと思っております。
 やはり、事業をするにはまず人づくりからということがありますけれども、さきの造船不況のあおりで大学工学部では造船学科が相次いで名称変更をしたり大学の学部名から消え去ろうというような、こういう動きがあるわけでございます。
 そこで、造船学の人づくりを学科の点からちょっと伺いたいわけでございますけれども、現在、大学、高校の教育体制で、言うなれば世界のリーディングカンパニーたる日本の造船技術の承継、こういう点で、造船不況から非常に教育部門が縮小される中で危機感を持っている。しかも、高度化される技術に対する対応ということから考えますと、やはり若手の人材育成というのは非常に大事な要素になってくるわけでございますが、この点に対する見通しはどのようにお持ちでございましょうか。
#56
○政府委員(戸田邦司君) まず、大学関係でありますが、先生のお話ありましたように、学科の名称は前は船舶工学科とか造船科とかそういう名称だったんですが、最近は海洋関係全般に間口を広げまして、海洋船舶工学科とかそういった名称に変わってきております。
 そこで、そういうところを卒業した人たちがどういうような就職状況になっているかについて見てみますと、数年前まではいわゆる金融関係に相当の人が流れていたというような状況もありますが、最近の状況を見ますとかなり造船所に就職する人がふえてきているというようなことで、大学関係に関する限りは今後も学科の維持発展が可能であろうと考えております。
 もう一つ問題になりますのは高校の例なんでありますが、これにつきましては今まで造船関係の学科を廃止してきた高校が相当あります。
 今後の問題としては、やはりそういった高校がある地元との関係も非常に大事かと思いますが、我々も実態をいろいろ聞いておりまして、陳情を受けたりしております。我々の方からもこれまでも文部省にお話し申し上げてきましたが、これからもそういった実態をなるべく辞しく調べた上で文部省などに逐次要望を出していくということをしたいと思っております。
#57
○及川順郎君 これは長期的に取り組んでいきませんと間に合いませんので、状況に気がついてからばっとすぐというわけにはまいりませんものですから、長期的な取り組みの中で教育部門の充実、人材教育の面での充実はぜひ力を入れていただきたいと思います。
 造船業に関連いたしまして、地球環境保金問題からのかかわりがやはり注目されております。船舶からの排ガス規制につきましてはMARPOL条約に一九九五年をめどに規制が盛り込まれる見通しとなりまして、環境庁等でも日本の船舶の取り組み等について検討している、こういうような状況も承知しておりますけれども、この経過と導入の見通し、日本政府としての対応、それについての見解を承りたいと思います。
#58
○政府委員(戸田邦司君) 船舶からの排ガス問題につきましては余り一般では議論されていないような状況もありましたが、北欧諸国などは前から相当これに注目しておりました。また、我々も技術的に考えまして船舶からの排ガスというのは、大体地球全体の排ガスの中で二〇%ないし二五%ぐらいは占めているんじゃないか、こう考えておりまして、今後早急な対応が求められているわけであります。
 海事関係の国連の専門機関であります国際海事機関でも、この船舶からの排ガスを減少させるための何らかの手だてが必要だというような決議もされておりまして、これにできるだけ早急に取り組まなければならない、こう考えております。
 運輸省としましては、平成三年から平成九年まで約七年間の計画で排ガス問題に取り組んでいくための技術開発を進めることになっておりまして、平成三年に初めて実態を調査したりしているところでありますが、これもできるだけ早い時期にそういう技術が可能になるように、また技術が可能になったところでそういうような規制を国際的に課していくというような方向で考えていきたいと思っております。
#59
○及川順郎君 時間が参りましたので、大臣に最後に一つだけ伺っておきたいんですが、運輸省でテクノスーパーライナーの開発、これに取り組んでおりますけれども、大臣はこの開発についてどのようにお考えになっておられるのか、この点の所見を承りまして、私の質問を終わります。
#60
○国務大臣(奥田敬和君) 大変、テクノスーパーライナーの実用化には大きな関心と期待を持っております。
 これは平成六年の実験段階までに今予定どおりスケジュールが進められておりますけれども、「海の新幹線」と申しますか、物の流れ、人の流れにおいて画期的な役割を果たすであろう。大体時速九十キロから百キロをめどにして一千トン以上の貨客を運ぶことができる。一日の日帰り圏で物が運べ人が利用できるという形になりますと、陸上の今日の交通状況のいわゆる飽和状態にも近い状態を考えるときに、このテクノスーパーの実現によって日本は本当に、先ほど先生が御指摘されたように、四方を海に囲まれているその立地条件と申しますか、そういったことをフルに生かすことによって北海道から沖縄という細長い列島の構造、これが海路を利用することによって私はすばらしい国づくりができると大きな期待を抱いております。
#61
○及川順郎君 終わります。
#62
○吉田之久君 略称経営安定法、五年間実施されまして所期の目的を十分に達成した今日、これを廃止しようということでございますが、結果的に見て実に見事な経過をたどってきたと一応は言えると思うのでございます。しかし、こんなにうまくいくということは非常に珍しいことでありまして、いわば極めてラッキーであったと言うべきであろうかと思うわけでございます。
 大臣の御説明の中にも、こうした対策の成果と海運市況の好転とが相まってここに至ったとおっしゃっているわけでございますが、こういう海運市況の好転が五年前にどこまで見通せたのか、そういうことを十分織り込んでこの対策が進められてきたのか、計画されてきたのか、その辺を伺いたいと思います。
#63
○政府委員(戸田邦司君) 五年前のこの対策を実施に移した段階でありますが、そのころの状況を考えますと、海運につきましてはまだまだ船腹過剰の状態で市況が低迷しておりました。それから、その後の海上輸送量の伸びなどにつきましても、実績を見て感ずることでありますが、相当大幅な伸びを示したという状況にありますが、そのころの見通しがら考えますと海上輸送量の伸びもあれほど大きくなるとは思えなかったんじゃないかと思います。そういうようなことで、海運の好転につきましてはかなり悲観的な見方をしていたと思っております。
 それから、海運の影響を直接受ける造船につきましても、五年間でこれを何とか達成しなければならないという目標はありましたが、このような相当いい結果になるという予想は一〇〇%はしていなかった。正直申し上げましてそういう状況ではなかったかと思っております。
#64
○吉田之久君 率直な御分析だと思うんですが、だとするならば、こういう予想外の好転がなかったら経営安定法は今日ここで終わることができなかったかもしれないというような気がするわけでございます。
 それはともあれ、これからの予想も極めて重要でありまして、特に先ほどから同僚委員も申しておられましたけれども、タンカーを二重船体構造に変更していくべき時代の要請、これは世界的な要請だと思うのでございます。公害予防のためのまさに急務であると思います。そういうことを進めていくとするならば、かなりそれに対応する造船業界の能力は備わっているのかどうか、もしも不十分であるとするならば国家として何らかの助成が必要なのではないか、この辺についてはいかがお考えでしょうか。
#65
○政府委員(戸田邦司君) タンカーの二重船殻構造の問題につきましては二つの問題があろうかと思います。一つは、技術的に我が国の造船所でそれが問題なく建造されるかどうかという点、それからもう一つは建造能力の面で、キャパシティーの面で問題がないかどうかという点であります。
 第一の点につきましては、既に二重船殻構造のタンカーを建造しているところでありまして、この問題は完全にクリアできたと思っております。第二の問題につきましては、我々の予想では、具体的なそれぞれのタンカーの代替を考えて予測したところでも我が国の能力をもって十分にこなし得ると考えているところでありますが、これにつきましては先ほども申し上げましたように、海造審で指摘されておりますように、もし供給力不足というような事態に立ち至ると大問題でありますから、二年ないし三年の間隔を置きながら現実の状況を見詰めていきたい、そういうふうに考えております。
#66
○吉田之久君 なお、先ほど来各委員の御質問の中でも造船業界における今後の人手不足は極めて深刻なように思います。三K職場の代表のようにさえ思われている面がある。先ほどの御答弁でも、この人員不足の招来が解消できないようであるならば造船業界の安定化にはならないとお答えになっておりますだけに、極めて重大な問題だと思うんです。
 今、現状の中で造船業界で働く人たちの中に外国人の労働者がどのくらい入っておられるのか、あるいは今後そういう外国人労働者が入ってくる可能性が大いにあると思われるのかどうか、あるいはその対策について。
#67
○政府委員(戸田邦司君) 現在、外国人労働者がどれぐらい入っているかということにつきましては、各社いろいろ話も聞いておりますが、外国人労働者といいますか外国からの研修生が相当入ってきておりますが、それらの方々は一定期間たちますとそれぞれの国に帰っていくというようなことで研修しているわけでありまして、それ以外につきましては、大手、中手考えますと外国人労働者が入っている状況にはありません。小造船所でないかと、こう言われますと、その辺については若干確信がありませんが、やはり非常に技能を要求されるというようなことですので、恐らくないだろうと思っております。
#68
○吉田之久君 ありがとうございました。
 終わります。
#69
○寺崎昭久君 平成三年十二月の海造審答申によりますと、「過当競争からの脱却が図られるまでになった。」と記載されているわけでありますが、運輸省の判断もこの点については同じなのかどうか。もし同じ認識を持っておられるとすれば、何をもって過当競争から脱却が図られたと判断されたのか。さらに言えば、適正な競争と過当競争の境目というものをどのように理解されているか、そこまで言っていただけるとありがたいんですが。
#70
○政府委員(戸田邦司君) 過当競争からの脱却というようなことでありますが、過当競争、表面から見ますとなかなかわからない問題でありまして、やはり当事者の造船所から事情を聞いて、一つの商談について幾つかの造船所が競い合い、その場合に安値でも無理やり受注する、とってしまうというようなところが過当競争でありますが、そういうことについては最近ほとんどといいますか皆無になってきているということで過当競争がなくなった。それは現象面で考えますと、船価にあらわれてきておりまして、最近はかなりいい船価でないととらない、余り安いところで競い合ったりして安値受注などは絶対にしないというような体質になったというところであります。
 その過当競争と適正競争の境はどうだと、こう聞かれますと、これは大変難しい問題でありますが、いずれにしましても、その競争が不当に安値受注などでほかの商談などを妨害したりしないということが適正な競争ではないかと思っております。
#71
○寺崎昭久君 造船業には昭和四十三年以来、いわゆる船腹調整制度というのが認められておりますけれども、この今の海造審答申によりますと、需給の安定に対しては事業者みずからが責任を持って対処するべしという文言も見当たります。
 この需給安定について行政というのはどういう立場に立っているのか、この点は基本的な問題なので運輸大臣に御答弁をお願いしたいと思いますが、よろしくお願いします。
#72
○国務大臣(奥田敬和君) 御指摘のように、長期にわたる需給安定の見通しというのは何よりも重要だと認識をいたしております。
 したがいまして、先般海運造船合理化審議会の答申においても、従来のように造船業者みずからが再び設備過剰の状態で過当な競争に陥ることの絶対ないように、二度と繰り返さないというこういう教訓の上に立って、これからの需要に関して設備を、船台をふやしていたずらに需要に即応した体制ではなくて、現在の体制をより近代化し環境改善してこれに柔軟に対応していく、二度と過ちは繰り返さない。あれだけ過去において構造的な過剰状態、不況状態を経験して労使とも血の出るような経験の中で今日の合理化を達成して、陰には涙も悲哀も経験した上で今日の状態になってきている。労使双方とも、二度とこれは繰り返さないでおこうと。
 したがって、もうハイテク技術を駆使した高度な、三K産業からの脱却と同時に労働環境も待遇もよくしていく方向の中で、こういった方向で労使一体体制で努力したいという強い決意でございますので、そういった形の対応で再びそういった状態を繰り返さないように、私たちとしても需給バランスを含めてよく指導してまいりたいと思っております。
#73
○寺崎昭久君 構造的な不況時における政府の産業に対する指導というのと、経営が一定の安定度を増した状態の中における行政指導というのはおのずから異なってくるべしと考えます。
 そういう意味で、今後造船事業に期待すること、指導すべき重点課題、ただいま大臣の御見解の中にも触れられておりましたけれども、改めてお伺いしたいと思います。
#74
○政府委員(戸田邦司君) 今後の造船業の運営の最大の眼目といいますと、やはり市況の安定、事業運営の安定、これが最大の眼目であろうと思います。
 そういった目的達成のために、一つは造船業の活性化を通じた国民生活の向上などに役に立つような技術開発などを進めていく。また、そういった技術開発を進めることによって造船業を活性化させ、雇用の面でも若者たちが魅力を持てるような造船業にしていくというようなことが大事であろうと思います。
 それからもう一点は、やはり世界の造船業の五〇%、造船供給の五〇%を担っているという立場から考えまして、国際協調を進めていく、これらのことが今後の重点的な事項であると理解しております。
#75
○寺崎昭久君 取り巻く環境が大変厳しい中で、造船労使の努力によって今回の臨時措置法が廃止されるまでになったということはまさに御同慶の至りと言うべきであろうと考えておりますが、まあしかしながら、これから先もいろいろ難しい問題が起こるんではないかというのがこの業界の一つの特色であろうと思うんです。
 そういう意味で、行政におかれましても、今後、適切な指導、支援を心からお願い申し上げまして、私の質問といたします。
 終わります。
#76
○委員長(峯山昭範君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより採決に入ります。
 特定船舶製造業経営安定臨時措置法を廃止する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#77
○委員長(峯山昭範君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#78
○委員長(峯山昭範君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 午前の審査はこの程度にとどめ、午後零時三十分まで休憩いたします。
   午前十一時三十七分休憩
     ―――――・―――――
   午後零時三十一分開会
#79
○委員長(峯山昭範君) ただいまから運輸委員会を再会いたします。
 運輸事情等に関する調査を議題とし、運輸行政の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#80
○佐藤三吾君 きょうは、朝目が覚めて私鉄総連のストライキで随分私も参りましたけれども、ある意味では春闘の山場だなということを実感したんです。これは、運輸大臣の所管のくるまへんの皆さんがこの後次々出てくるんじゃないかと思いますが、まず、ことしの春闘に対して大臣の認識というかどういう理解を持っておられるのか、そこからひとつ入ってみたい、このように思います。
#81
○国務大臣(奥田敬和君) ことしの春闘は本当にバブルが崩壊して、各企業も大変厳しい見通しの中でこういった春闘を迎えたわけでありますけれども、私たちの想像以上に今度の賃上げをめぐるベースに対しては経営側も非常に厳しい姿勢での対応が迫られたように感じます。組合側もベース面ばかりでなくて、労働時間の短縮や労働条件の改善等々厳しい環境の中で話し合われたのだと思っております。
 残念でしたのは、私鉄関係においては長年の定着した形がことしはどうしてもまとまらなくてストに突入したということはまことに残念ではございましたけれども、しかし午前中に労使双方の努力で収拾に向かったということはまだしも救われた感じがいたします。この間、大変な影響力のある私鉄関係だけに、本当に早く収拾できてよかったと思っております。いずれにしても、これからの豊かな生活大国を目指すという宮澤政権のキャッチフレーズではございますけれども、本当にゆとりと豊かさが実感できる前に、我々としては今後とも労働条件や環境改善にお互いに真摯に取り組んでいかなきゃならぬなと。お互いに労使双方の間で良識が芽生えて、そういったことに真剣に取り組んでいくという風潮はぜひとも定着させていきたいなと願っております。
#82
○佐藤三吾君 ことしの春闘は、私は端的に言って、日経連の会長の永野さんとソニーの盛田さんとの間に論争がありましたように、今国際的にも日本が経済摩擦の原因になっているように、異質じゃないかと言われる中での論争だったと思うんです。その一番大きな原因は何かといえば、やっぱり労使の間の力関係もありましょうけれども、余りにも労働分配率にしても労働時間にしても国際的な常識から外れておるというところに私はあるんじゃないかと思うんです。
 とりわけ、今政府は、大臣もそうでございますが、景気浮揚をどうするかということで懸命な議論をなさっておるわけです。その一番大きなのは何かといえば、内需ですね。そういう意味でことしの春闘というのは、私はやっぱり期待が大きかったと思うんです。それがまた相も変わらずという格好になった、たまらずに私鉄がストライキに入った。こういうのがけさのストライキの実情じゃないかと思うんです。
 その辺は、単に公共事業の前倒しをするのが政府ではなくて、やっぱり行政のつかさとしてそこら辺の問題について国際的に異常な点があれば労使にきちんと指導をしていくのも、これは私は運輸省なり大臣の役割の一端じゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#83
○国務大臣(奥田敬和君) やはり経営の内部干渉はするわけにはまいりませんけれども、私も民鉄協会の会長や理事長さんともお会いし、なおかつ私鉄の田村委員長を初め皆さんともお会いする経緯の中で、できるだけぎりぎりの接点をめぐっての話し合いにはなるんでしょうけれども、何としてもやっぱり影響するところ大でございますから、経営側にもできるだけそういった大きな労働条件の改善やそういった視点に立って、譲るべきところは譲り、また組合側も、そういった今後の機器の近代化等々に協力して、省力化にも大変協力して労使一体で実を上げていただいているんですから、その点はひとつ良識のある方向でぎりぎりの話し合いを進めていただきたいということは懇ろにお話し合いをいたしました。
 今後とも、いわゆる私鉄関係においては労使関係はきっといい方向で前進をしていっていただけるであろう、きょうのことはきょうといたしましても、そう願っております。
#84
○佐藤三吾君 イギリスの労働組合のように、すべての中小を含んで、官も運輸一般労連という格好で、そういうくるまへんが全部総結集した中の賃金闘争というのではなくて、日本は個々ばらばらでやりますから、中小にいくほどその度合いが強いわけです。
 そこで、きょうはひとつ東京のタクシー運賃の改定問題を含んで、二、三聞いておきたいと思うんですが、これをよく調べて聞いてみると、やっぱりこれはある意味では、ある意味と言っては申しわけないんですが、運賃の改定じゃなくて春闘ですね、タクシー労働者の。
 そういう意味で取り上げてみたいと思うんですが、一つは、タクシーの実態を今度勉強させてもらいまして驚きましたのは、佐川問題にもちょっと驚いているんですけれども、そことは直接結びつかぬのですが、例えば一般的に新聞報道で言われますと、乗車拒否をやるとか余り芳しくない声が聞こえますね、タクシー関係で。かっては神風タクシーというのもあったようなこともあるんですが、最近の中で、これは運輸省にちょっとお聞きしたいのは、タクシーの運塩手になり手がなくなっちゃって、そして絶対数が不足している。そのために年齢は平均で四十七、八歳という高齢化になっている。しかも、東京では三千台、全国では三万台の車がやむなく代車状態に遣い込まれておる、こういうとなんですが、これは事実ですか。
#85
○政府委員(水田嘉憲君) タクシーについての御質問でございます。
 先生御指摘のとおり、労働力不足問題というものがタクシーにも及んでおりまして、運転手が足りないということで車が稼働していないという状況がございます。先生御指摘のようなことでございまして、そのために現在稼働率といいますか実働率といいますか、こういうものがいっときに比べて非常に落ちております。通常九〇%台の上の方に普通は稼働率はあるわけでございますが、車検等でやむを得ない場合稼働しない車を除きまして、原則としてほとんど稼働しているのが通常の状態でございますが、東京周辺等におきましては、その稼働率が八〇%台の下の方に落ち込んできておるというような実情になってきておりまして、私どもといたしましてもこの運転手不足といものは何とか解消するように努力していくべき問題だというふうに考えております。
#86
○佐藤三吾君 そうすると、全国で三万台、そういう理由で代車しておる、これもそうですか。
#87
○政府委員(水田嘉憲君) 正確な数についてはちょっと把握しておりませんが、そこら辺の数字だろうというふうに理解をいたしております。
#88
○佐藤三吾君 これはどういう理由ですか。三K職場ということになるんですか、タクシー労働者は。私は、やっぱり賃金と労働時間に深くかかわっておるんじゃないかというような気がするんですけれども、全産業の男子労働者の賃金と対比して見ると、数字で見ると賃金が年収で約七十万から百万ぐらい低いように感ずるんです。それから、労働時間が驚いたことに年に二千六百時間というのが挙がってきておるんですが、これは事実ですか。そしてこの原因は何ですか。
#89
○政府委員(水田嘉憲君) タクシー労働者の労働条件の問題でございますが、私どもは労働省の統計等から把握をいたしておるわけでございますが、まず賃金につきましては、一般の労働者に比べまして二割ぐらい安い、低いという状況にございます。それから他方、労働時間につきましては一割ぐらい多いというような、ちょっと今細かく数字を持ち合わせておりませんが、大まかに言いましてそんなような状況にあるというふうに理解をいたしております。そういうふうに労働条件が非常に悪いわけでございますので、自然と運転者が集まりにくいということでございます。
 当然のことながらタクシー事業といいますのは、コストを見ますと大半が人件費でございます。その人件費について合理化の余地がほとんどないというふうなこともございましてタクシー経営そのものが苦しくなってきておる、そして労働者が今申し上げたような労働条件になっているというのが実情ではなかろうかというふうに思っております。
#90
○佐藤三吾君 大臣はこういう実態を承知しておるんですか、どうなんですか。
#91
○国務大臣(奥田敬和君) 労働力不足、タクシーの運転手さんの不足状況、そしてその原因が労働条件といいますか待遇が悪い。前回の東京のタクシー値上げ、全国一律でやりましたけれども、そのときも労働条件の改善にこれを振り向けるということを理由で値上げを了承した。ところが聞いてみますと、増収率を九・六%くらい見込んで、これだと平均して年収入に換算して六十万くらいの増額に振り向けられるであろうと思っておったところが、実際にはこの値上げによって予定の増収ができない、六%くらいの増収にとどまった。ですけれども、これによって平均三十六万程度の年収に換算して運転手さんの条件改善には役立ったということでございます。
 要するに、私たちも今度のタクシー値上げの申請が今出ておる段階でございますけれども、これを了承するためには労働条件の改善に充ててもらう、そうして労働力不足の解消に役立ててもらわなければ意味ないのであって、この点を経営陣に対しても、間違いなくこれが労働条件の改善に向けられていくべしという形の中での今細かいチェックをやっておるという形であって、巷間何か私が非常に厳しい形で値上げは一切だめだと、こう言っておるように伝えられておりますけれども、むしろそういった果実を労働条件改善に振り向けていただくという形を経営サイドにもはっきり念達した上であの措置をとらにゃならぬなと私は今思っておるところでございます。
#92
○佐藤三吾君 これは今大臣いみじくも言いましたが、今度の運賃改定の申請の中で大臣のひとつの決意というかそういうように私は承ったんですが、これは運輸省、今度の改定の中ではそれが具体化するとどういうふうに労働条件が改善されるんですか。例えば、週四十四時間の時短なり、東京の全産業労働者の平均賃金、年収との対比を見て、これが期待どおりこの申請によってできる、こういうふうなものと受け取ってよろしいのですか。どういうふうに認識しておるんですか。
#93
○政府委員(水田嘉憲君) 東京のタクシーの運賃改定でございますが、昨年末から本年初めにかけまして各事業者から出てきておるわけでございます。平均一九・五%の改定という形になっているわけでございますが、これを受けまして運輸省といたしましては鋭意審査を行ってきておるところでございまして、さらに経済企画庁とも協議を今やっているところでございます。
 先生御指摘の、その労働条件の改善がどういうふうになるかということでございますが、直ちに現在の差、一般労働者との差が埋まるかというと、申請自体もそうなっていないわけでございます。ただ言えることは、今度の改定では週四十四時間、タクシー関係については平成五年の四月から週四十四時間にするというふうに労働省の関係の法令でなっているわけでございますが、それを前倒ししましてことしの四月から四十四時間にしたい、そういうふうに短縮するというような申請の内容になっております。
 そういう問題も含めまして、現在私ども、先ほど申し上げましたとおり、経済企画庁と協議しながら審査をさせていただいているところでございます。
#94
○佐藤三吾君 最後の方がちょっとむにゃむにゃむにゃで聞こえなかったんです。局長、むにゃむにゃじゃ困るんで、私が今聞いているのは、週四十四時間はわかりましたが、労働条件は、賃金の部分はどういうふうになるんですか。今度の申請が許可されるとどこら辺にいくかということがきちっと描かれておりますか。今、大臣は全部労働条件の改善に入れるというお話のようでもございましたが、その点はどうなんでしょうか。
#95
○政府委員(水田嘉憲君) 今回のタクシー申請の理由は、今先生御指摘のとおり、今後の労働条件の改善というものを一つの柱といたしているわけでございますが、さらに今まで、去年の運賃改定からことしにかけまして労働条件の改善というようなものもやってきているわけでございまして、その結果、事業経営が非常に悪くなっているというような問題もございます。そういうふうなことも柱として申請が出てきているわけでございまして、私どもといたしましてはその申請を受けてどういうふうに、何%どうするかというのは今後経済企画庁と調整して整理をさせていたださたいというふうに思っております。
#96
○佐藤三吾君 仮に一〇〇%、平均して一九一五%ですか、それで許可になったという段階でもこの中に含まれている労賃というのは二年前の全産業男子労働者の平均賃金と同様である、こういうふうに私は承っておるんですけれども、そういうことですか。
#97
○政府委員(水田嘉憲君) 今、先生おっしゃったような計算は特にいたしておりませんが、先ほど申し上げましたとおり、全般的にタクシーの労働者の平均賃金は他の一般産業の労働者に比べて二割ぐらい低いわけでございますので、二割ぐらい上がればほぼ似たような数字になるということは言えようかと思います。
#98
○佐藤三吾君 大臣、今局長が答弁したように、この申請の中には、今言ったように平均して一九・五%の運賃引き上げの中で二割ぐらいの賃金格差を埋める、そういう意味でのタクシー労働者の労働条件の改善と四十四時間週労働への改善、これが込められておる、こういうふうに今答弁いただいたんですが、同時にこれを見ると、四年三月九日に東京乗用旅客自動車協会と労働七団体との間にもそういったぐいの覚書協定が取り交わされておるわけです。
 そういう意味で出されておるわけでございますが、さっきは大臣、決意をいただいたんですけれども、これは完全に変な方向に流れずにきちっと守れる、そういう保証というか、これはよほど大臣の方でも運輸省の方でも指導の面で徹底をしていかないとこれが守れなくて別の方向に流れるという、そういう前歴もあるようでございますから、ここら辺について認識と同時に大臣の指導への決意もいただきたいと思うんです。
#99
○国務大臣(奥田敬和君) 前回も指導したところでございますけれども、大体増収のおおむね八〇%を、引き上げの八〇%をそっちの方に振り向けるように指導してまいったところでございますので、そのことはおおむね実行されておると。しかし、さっき言ったように、収支予測の点において思惑よりも厳しい結果になった。その結果、双方の期待した改善額には至らなかったということも事実であろうかと思います。
 今回、全部振り向けろと、こういう形で私が答えたということでございますが、そんなことはないんであって、主として労働改善、いわゆる条件改善に向けぬかと。そのおおよそのめどはじゃどれくらいかということになれば、やっぱり引き上げで要望してきている形の中の八〇くらいをめどにすべきじゃなかろうかなと、そういう形を念頭に置いてお答えしたわけでございます。
 ところで、やっぱり引き上げといいましても、これは利用者の立場も考えなきゃなりませんし、かといって引き上げたら、今度はタクシーから利用客の足が遠のくようなそういう形になってもこれまた意味ありませんから、その辺の形をよく見きわめまして先生の御指摘の趣旨に沿うように、労働条件の改善、主たる目的をそちらの方に向けて検討してまいるということでお答えにさせていただきたいと思います。
#100
○佐藤三吾君 ここに覚書という協定があるのを見ると、協会側と労働者側の間にそういう取り決めが交わされておるようです、申請が認可になった場合にはこうするということをね。その約束の中でパーセンテージが出ておるということですから、それを大臣の方で、また運輸省の方で認識をしておると思いますけれども、ぜひひとつそれが実行できるようにお願いしたいと思うんです。
 そこで、この運賃の申請に対する大臣の認可というのはいつごろ御決断なさいますか。
#101
○政府委員(水田嘉憲君) 運賃認可の時期の問題でございます。先ほど私どもは鋭意検討しておるということを申し上げたわけでございますが、こういう東京地区のタクシー運賃改定につきましては、経済企画庁との協議を調えた上で、さらに物価問題に関する関係閣僚会議の了解も得る必要があるわけでございます。
 したがいまして、今後。スケジュールについても経済企画庁と協議しながら決めていきたいという。ことでございまして、現在のところ具体的に何月何日にどうするというふうなことは言えないわけでございますが、鋭意作業をやっていきたいというふうに考えております。
#102
○佐藤三吾君 まあ、これは閣僚会議もありましょうが、大臣が実力大臣ですから一声で決まるたぐいのものだと私は思うんで、これはひとつ、今言うように労働時間の問題もことしの四月一日からという前提に立っていますから、それから今言う賃金の問題もことしの春闘の一環ですから、そこら辺をこれは大臣はひとつ誤らないように適切に期待にこたえてほしいと思うんですが、よろしいですか。
#103
○国務大臣(奥田敬和君) 先生の御趣旨を踏まえまして、時期を、そうした誤らないような方向で努力をいたします。
#104
○佐藤三吾君 どうもありがとうございました。
 そこで、今度は、この問題は一応おきまして、車検の問題にちょっと行かせていただきたいと思うんです。
 たしか二月二十日ごろの新聞で行政改革審議会じゃなかったかと思うんでございますが、車検制度の見直しについて議論をされておるということを拝見しました。これはどの程度の議論になったのか、どういう方向で議論しておるのかちょっと教えてください。
#105
○政府委員(堀込徳年君) お答えいたします。
 行革審、臨時行政改革推進審議会でございますが、こちらの方の世界の中の日本部会という部会におきまして車検の緩和等についての審議が二月二十六日から開始されておりまして、第一回目が二十六日に行われまして、そのときに現状説明をいたしまして引き続き討議することになっております。
#106
○佐藤三吾君 いや、討議をするのは二月二十六日から討議するんですね。その方向というのはどうなんですか。例えば、現行の前整備後点検というのを前点検後整備、こういう方式に改める、こういう方向ですか。
#107
○政府委員(堀込徳年君) お答えいたします。
 前整備後点検、後検査というようなことも踏まえまして、検査全般、整備も含めまして現在委員の方からの質問に対して私ども現状説明をしておるところでございまして、まだ引き続き審議会が持たれることになっております。ですから、まだただいま現在審議中であるということでございます。
#108
○佐藤三吾君 ちょっと要を得ませんね、審議中であることは間違いないようですがね。一時、今の三年じゃもう短過ぎると、性能がよくなったから五年にしろとかいろいろ議論があったでしょう。そういう議論も含めて議論しておるわけですか、どうなんですか。
#109
○政府委員(堀込徳年君) 十年ほど前に第二次臨時行政調査会におきまして、最近の技術に合わせて車検を見直せという答申がございまして、それを受けまして五十七年に法律改正をしまして、乗用・車については従来二年であったものを三年にしているわけでございます。今回の行革審におきましては、その後十年たったということで、自動車の技術の進歩あるいは使用実態等の実情を踏まえまして、全般的に諸外国の情勢等を踏まえまして見直しか今討議されつつあるというところでございまして、具体的に何年にしろというようなことはまだ言っておりません。
#110
○佐藤三吾君 なかなか口が重いようですから。
 これは、運輸省はどういう態度ですか。
#111
○政府委員(堀込徳年君) 先ほどから御説明いたしていますが、審議会で取り上げられ議論している段階でございますので、私どもといたしましてはその行革審における審議状況あるいは関係の皆さん方の御意見等を踏まえまして、あるいは最新の技術進歩、使用実態というものの推移を見守りながら検討していくということでございます。
#112
○佐藤三吾君 なかなか口が重いですね。討議状況でなかなかそこら辺がはっきりできない点もあるんでしょう。
 いずれにしましても、この見直し論についてヨーロッパなどの外国の場合はほとんど日本と違って前点検後整備、こういうことのようですから、そこら辺はひとつ、私はそれの方が合理的なような感じがしますから、ここらについてもしおたくの方で御意見があるのならお聞かせ願いたいじ、なきゃそれでいいと思うんですが、いかがでしょう。
#113
○政府委員(堀込徳年君) 先生御指摘の点につきましても委員の方から指摘されまして、私ども現在点検整備をした後に検査をするという意味におきまして非常に安全面の点検整備の実施率というものが担保されるという考え方がございます。
 しかしながら、御指摘のように、検査をしてから整備をしたらどうだという意見もございますので、今後引き続き先生方とそういう功罪についてあるいは安全面において後退することがないかどうかも踏まえまして検討させていただくことになっております。
#114
○佐藤三吾君 それ以上言ってもなかなかこの問題は進まぬでしょうから、これはここら辺にしておきますけれども。
 そこで大臣、前回の私の質問から約四カ月ぐらいたちましたね。そこで、問題の成田のシンポジウムを五回ですか。このうちの三月十九日の議論を見ますと、だんだんかなり話がかみ合ってきつつあるような感じを受けます、これはマスコミを通じてのことですけれども。いかがでしょう、どういう認識をなさって対応なさったのか聞かせてくれませんか。
#115
○国務大臣(奥田敬和君) 二十年余にわたる本当に不もの対決と申しますか、そういった中からいわゆる隅谷委員長による話し合いの場を設けていただく形がようやくスタートにつきまして、本日までに五回のシンポが開催されました。
 六回以降に関しては問題意識を絞りまして、そして運輸側並びに反対者側からの総括の意見の中で焦点になった分野を隅谷委員長のもとで引き受けていただいて、そこで両者に偏らない一つの中間的なきちっとした結論を出そうという形で、多少六回目のシンポ開催までには時間がかかるようでございますけれども、しかし四月中にいわゆる拡大的な役員会、そして五月には第六回のまたそういった問題をテーマにしたシンポ開催に持っていくという形で、今先生が御指摘になったように、当初の感情的なお互いのぶつけ合い、そこから反省、そして問題点を絞る、その問題点に関する双方の意見、それに今度は調停案的なそういった運びになってきて、まきに論議がかみ合ってきたと思っております。
 そういった形の中で、私たちが今まで地中に滞らせて外に出なかった問題意識が外に出てきた。そして、それに関する対応というものに対して着実に前進、和解の方向に向かっているという形については大変ありがたいことだと思っております。
 したがいまして、隅谷委員会のそういったいろいろな中間的な結論を待って、運輸省としても、我々の願いは二期工事の円満な完成の方向にどういう形で協力の糸口が探れるかということでございますので、なおそういった面については慎重にかつ謙虚に耳を傾けながら、和解に向かって努力をいたしたいと思っております。
#116
○佐藤三吾君 私も先日の際にも申し上げましたが、この問題は、率直に言って人間関係が損なわれてしまって、不信ですね。そして、そこから憎しみがわき出して固定化していったという歴史がありますから、やっぱりその主な責任者はだれかといえば運輸省であり政治家であり、権力を持つ側だと私は思うんです、この問題に限って言えば。
 ですから、やっぱりそこが本当にそうじゃなくて、同じ日本人として信頼関係を取り戻す、そういう意味でどう信頼されるか、こういうところが解決の一つのかぎじゃないかと私は思っておるわけです。ですから、そういう面で再び何か裏切るようなことをやれば、これはもう取り返しかつかなくなる、そういったぐいだと思うので、これは大臣、ひとつあなたも慎重にそこら辺を御検討いただ。いてなさっているようでございますが、何といっても岡山の県警本部規模がそっくりあそこにつかなければ飛行場が開けないなんというこんなもうばかげた状態というのは世界どこへ行ったってないと思いますし、それが全部政治の責任で起こっているわけですから、そういう意味でぜひこの問題の解決になお努力いただいて、できるだけ早くひとつ信頼関係を取り戻す作業をお願いしておきたいと思います。
 この問題と関連して私は国労問題を出しましたが、いずれにしましてもそこら辺について大臣は、四カ月の感触で成田問題はかなり今のお話を聞きますと自信が出てきたような感じがするんですが、そう受け取っていいですか。
#117
○国務大臣(奥田敬和君) 自信が出てきたと言うと、大変また問題も惹起するかと思います。
 ただ、先生も御指摘になったように、話し合い解決で問題点を率直に話し合って問題点の所在が明らかになるにつれて我々として反省すべき点は反省しながら、今一例を挙げられましたけれども、ああいった警察警護の体制の中で異常な雰囲気を与えているという空港の恥ずかしい実態がお互いの和解の話し合いの中で警護体制も半分に減らすような方向にも来ていますし、いろいろな意味でそういったいい方向の芽が出てきた。それに私たちも喜んでおるし、またその方向を大切にしながら、後慎重にこの種を大事にして話し合い和解にこぎつけたいということでございます。
#118
○佐藤三吾君 大臣、あなたもご存じのとおりに、隅谷先生方が学者グループを組んで、この先生方に対する信頼が一つの道しるべとして生まれてきておると思うんですね。しかし、この先生方が終始この問題を担当するわけにはいかないわけで、やっぱり皆さんの方が、運輸省なり大臣なりが隅谷先生と同じ心境というかそういう信頼関係を取り戻す作業をやらないと、これは問題解決にならぬわけですから、そこはひとつぜひ誤りのないように私の方からもお願いしておきたいと思います。
 さてそこで、国労問題に入りたいと思います。
 これは大臣、この間も私申し上げておったんですけれども、あの大臣と私がやりとりした翌日に中央労働委員会の会長が、もう今は年度末ですが、この年度末までにひとつ問題解決をする、こういう会長声明を出しまして作業が進んでおると思うんですが、これはいかがでしょう。
#119
○国務大臣(奥田敬和君) 今、本当にデリケートな時期だと思うんです。先生との質疑の中で、ともかく三月末、年度内をめどにいわゆる中労委側でせっかくの和解案と申しますか、そういった形のことで汗をかいておられる段階ですから、これに関して余り立ち入ったことはいかがかなと。
 とは申しながら、やっぱり私は私なりにあの先生の御提示に従って汗をかいてみようという気持ちになって、その後各方面と接触をいたしましたことも事実です。ただし、あくまでも中労委側のそういった御努力に水を差すことがないように、むしろ何かの側面からお手伝いができないだろうかなという形での可能性を探っておったという形でございます。したがって、この年度末にいかなる形の御提案が出てくるか、私としても目下熱い気持ちで注目をいたしておるという段階でございます。
#120
○佐藤三吾君 この問題は、私が先ほど申し上げた中にございますように二つあるんですね。
 一つは、千四十七人ですか、国鉄労働者で職を失っておる方々、これを再就職を含んで救済するという問題が一つです。もう一つの問題は、いわゆる地方労働委員会が不当労働行為の救済命令を出した。その不当労働行為の救済命令が、結局使用者の方の拒否によって中央労働委員会に持ち込まれておるということなんですね。しかもそれが二年有余たつと、地方労働委員会、これはほとんど全国の地方労働委員会がかかわっておりますから機能麻痺に陥っておるわけです。権威もなくなってきておるわけです。事が不当労働行為でなきゃ私はそうは言いません。あっせん、調停失敗というならこれは当然のことでしょうが、不当労働行為に対してはある意味では労働裁判所的な役割を果たしておるわけです。そこにまた地方労働委員会の権威があったわけです。ところが、それが今まさにこの国労問題で権威そのものが崩壊しようとしておるんです。
 そういう意味での処理の問題ですから、私は率直に言ってこの問題は、運輸省が所管省であると同時に深く国鉄、国鉄といえば鉄道省というように前々から運輸省の分身みたいなものですよね、言いかえれば。そういったぐいの内容のものですから、私は傍観者であってはいかぬと思うんですよ。そうじゃなくて、ある意味では加害者でもあり、ある意味ではこの問題を解決しなきゃならぬ本当の役割は運輸省であり運輸大臣である、政府である、そういう認識のもとにこの問題に対応していかないと私はいけないんじゃないかなと、こう思っておるわけです。
 中央労働委員会の事務局長のお話を聞いてみても、随分大臣汗をかいていただいたんでしょう、環境がよくなったと言っています。環境がよくなったと言っておりますが、なお今大詰めの段階に来て、そこら辺にもう一つ、二つ、三つという難所があるような感じがします。それだけに私は、運輸省、大臣が何か他人ごとという格好ではなくてみずからこの問題の解決の主導的な役割をするんだと、こういうものでない。とこの問題は片づかないという性格を持っておりますから、そこら辺はひとつ大臣の方で受けとめていただいて、もう全力を挙げた御努力をお願いしたいと思うんですが、いかがでしょう。
#121
○国務大臣(奥田敬和君) 全力を挙げて努力いたしたいと思っております。そのためにもこの年度末いっぱい熱い期待を持って見守っておるわけでございますけれども、中労委の御見解を承りたいなと。
 その前に、事前運動と申してはあれですけれども、各JR企業の経営者ともこの問題について懇談もいたしましたし、そしてまた当事者である清算事業団の再就職経緯等も個別問題に至るまで果たして誠意に欠くるところがなかったかどうか、まあいろいろな問題、また個別の解雇者にもお会いをいたしまして、そしてJR企業以外に他企業で働くという形に対してどういうお気持ちなのかどうか、こういった点等々もできるだけお気持ちと実態を把握しようと思って努力はいたしました。
 しかし、あくまでもこれは表に出す問題ではございませんから、私の場合に水の中で手足を動かしてきたということが実態でございます。決して傍観者の立場で我が方にはもう関せずといったような形は毛頭とるつもりはございません。何としてでも、汗と知恵を出してでもこの問題解決の糸口を見つけたいという気持ちは今もいささかも変わっておりません。
#122
○佐藤三吾君 大臣の誠意はわかります。中労委の事務局長も随分環境がよくなってきた、こういうことを言っております。しかし、やっぱり難しい問題ですが、例えば何というんですか、解雇というか解雇者の総数で見ると国労が圧倒的に多いとか、一いわゆる予断と偏見があった処理の仕方が歴然と出ておる。ですから地方労働委員会は、それは不当労働行為だという断定をせざるを得なかった、こういったぐいで救済命令が出たわけです。
 そういうことから考えると、やっぱり私は単なる労使関係じゃなくて、人間不信がそこにもあふれておるということを感じます。それとやっぱり、それをだれが解きほぐしていくのかということでは中央労働委員会は余りにも力不足、率直に言って。中央労働委員会で努力していただいているけれども、力不足である。やっぱり、言うならば加害者である、もっと言うと国鉄時代の本来的な責任者である政府なり運輸省がこの問題について責任ある解決をするという立場を堅持なさっていかないと、この問題に限っては解決できないんじゃないか。例えば、貧金引き上げとがそういう問題になってくれば、いわゆるJRの会社側の方の労使関係の中でできるかもしれませんよ。しかし、この問題はそういうものを引いておりますから、そこら辺が私は、運輸省、大臣のこの問題に対する熱意がかなり大きなウエートを持っている、こう思うんです。
 ですから私は申し上げておるんですけれども、何とかひとつ、もう年度末が近づいておるわけでございますから、お聞きしますと、中労委の方も年度末に向けて全力を尽くしてきたけれども、ひょっとしたら四月に延びるかもしれない、こういうことも言っておるようでございます。これは、せっかくここまで積み上げてきたんですから、大臣が今おっしゃったような決意のもとに何とかぜひひとつ解決する、こういう決意をいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#123
○国務大臣(奥田敬和君) 中労委の御見解を待って、何としてもそういった解決の方向で努力をしたいという誠意は変わりませんし、またその基本姿勢で臨みたいと思っております。
#124
○佐藤三吾君 ぜひひとつ、よろしくお願いしておきたいと思います。
 そこで、時間もございませんが、もう一つ聞いておきましょうか。
 佐川の問題です。これは予算委員会でも払お尋ねしたんですが、なかなか時間がなくて、また飛び飛びで要を得なかった部分もあるんです。どうも大臣、私はこの佐川問題を勉強していくと、単に政治家に金をばらまいたとか、それから何というんですか暴力団にかかわっている部分とか、これがマスコミでは強くアピールされておるんです。しかし、三十年で業界の第二位になっていった過程を追ってみると、やっぱりこれは率直に言って佐川の東北の会長なり北海道の社長なりをやった経験者の話などを聞いてみてもおわかりのように、やっぱり法律違反の連続の中で成長していった、こういうことで、どの企業でもああいうふうなことがまかり通って許されることならば皆ああなるだろう。
 なぜ佐川だけにそれがあったのかといえば、やっぱり官界の協力なしにはできなかったんじゃないか。官界の協力というのはどこかといえば、一番大きいのは、やっぱり一番中心なのは運輸省でしょうし労働省でしょうし、それから国税庁だろうし、さらに交通関係の警察があるんだと思うんです。この点については運輸省が、そこら辺について絶対にそういうことはないと言うんですけれども、私はやっぱりそれがぬぐい切れない。そこで、いろいろ出てきておるので、水戸のターミナル問題について私は予算委員会で出したんですけれども、これも余りまた調査しておらぬので結果的にしっかりとした回答をいただかなかったままに終わっておるわけです。これはいかがでしょう。
#125
○政府委員(水田嘉憲君) 水戸のターミナル問題につきまして先般先生から予算委員会で御指摘がございましたが、私ども調査に余裕がないということで、その場でお答えできなかったことについて申しわけなく思うわけでございます。
 その後いろいろ調べ、かつ是正させるべきことは是正させるというふうな措置も講じてきているわけでございまして、若干、内容について、その後の経緯についてかいつまんでお話をさせていただきたいと思います。
 まず、水戸のターミナルにつきましては、路線業者でありました東日本運輸興業という会社がみずからの路線トラック用に使用する施設ということで施設を整備しておったわけでございます。建設しておったわけでございます。その場所が先生御指摘のとおり市街化調整区域内にあったわけでございます。これをその後、北関東佐川急便という会社、これは路線業者でございますが、この会社が譲り受けでみずからのターミナルにしたいということで平成三年八月に事業計画変更の認可申請が出ておったわけでございます。これは関東運輸局に出されたわけでございます。
 で、その内容をチェックいたしましたら、そのターミナルを全部北関東佐川急便がみずからの施設として使用するということではなくて、その一部だけを使用して、残りはいわゆる区域業者であります茨城佐川急便に貸して使用させるという形になっておったわけでございます。このような使用形態につきまして都市計画法上の問題がないかということについて建設省に照会いたしたわけでございますが、建設省側からは消極的な見解が出たわけでございます。
 そこで、私どもは北関東佐川急便にその旨を話しましたところ、北関東佐川急便からは一たんこの事業計画変更の申請が取り下げられたわけでございます。これが平成三年十一月の話でございます。その後、取り下げた後、平成三年十二月に再申請がなされたわけでございます。再申請の内答を見ますと、今度は北関東佐川急便が全部水戸ターミナルをみずからの路線トラック用に用いるという形になっておるわけでございます。したがいまして、この件につきましては、水戸市からの問い合わせ、路線トラック用施設に該当するかどうかという問い合わせについては、確認書の交付という形で水戸の方にお知らせしたわけでございます。
 一方、茨城佐川急便からこれと別に、平成三年八月に、これは先ほど申し上げましたとおり区域業者でございますが、八月にこの水戸ターミナルを借り受けて本社営業所として使用したいと、そのための事業計画変更申請というものが出ておったわけでございます。茨城陸運支局へ出されておったわけでございます。これに対しまして、茨城陸運支局は、水戸市が発行いたしました建築確認書あるいは東日本運輸興業との賃貸借契約書が添付されていたということで、実はこの事業計画変更の認可を去年の十二月、平成三年の十二月付で行っておったわけでございます。
 これはまさに部内の連絡の不徹底によるもので、私どもとしては全く適切さを欠いておるということで、この茨城佐川急便に対する事業計画変更の認可というものは、これは全くまずい措置であるというふうに考えたわけでございます。そこで、この是正措置を至急講ずる必要があるということで早速対応をさせていただいたわけでございます。
 それで、その結果でございますが、茨城佐川急便側からは、一たん受けた事業計画変更の認可というものについてもう一回もとへ戻す、もとのターミナルに営業所の機能を移すということの申請を出してもらいました。事業計画変更のまた認可申請という形になるわけでございますが、もとのターミナル営業所の機能を移すという申請を出していただきまして、実は同日付で認可をさせていただいたわけでございます。
 ただ、事実行為としてまだその水戸のターミナルを茨城佐川が使っておるということは、これは都市計画法上問題があるわけでございまして、これについても私ども茨城佐川を指導しておりまして、順次改善しつつあるというふうに聞いております。
 以上でございます。
#126
○佐藤三吾君 どうも局長のは、何かこう要領が悪いのか、皆さん聞いておってわからなかったでしょうね、率直に言って。
 問題は、水戸の市役所なりの皆さんに聞いて不思議でならぬのは、県を通じて運輸省に問い合わせたところがそれはだめだと、したがって申請を取り下げるという指導をしておる。そこで市の方は佐川の方にそれはだめだという話をしたところが、佐川の方が、いや御心配なく、もう間もなく許可が出るんです、こういう何といっか態度を表明して、そんなばかなことはないじゃないかと言ったら、関東運輸局の方から許可しましたと。こういうふうに、いわば佐川の方が行政よりも非常に精通しておるわけですよ、言いかえれば。それを歴然と示しておるわけですね。
 よくこれを考えてみると、宮澤内閣ができてから変わったような感じもするんですよね。そうすると、奥田さんが運輸大臣になってから変わったのか、変わったとすれば一体そこに問題があったのか、こういったぐいの疑問を持たざるを得ないんですね。大臣、これは笑い事じゃないんですよ、あなた。そこで、日にち的に見るとそういうふうになる。この辺がすかっと今の局長の答弁聞いておってもしない。やっぱり、局長自身が説明しながら、心の中ではこれは本当に説明しにくいのうというふうにつぶやきながら説明しているような感じがするんだね。
 やっぱりそういうものは、私は何もこの問題で佐川を責めようとかそういったぐいじゃないんです。今言うように、自治体の側から見ればはっきりと運輸省に問い合わせた結果、それはできません、路線じゃないからできませんし、佐川にできませんから取り下げを申請するようにして一おりますと、こう言ったのに、佐川の方がいやそんなことはない、間もなく認可されるはずです、そうしたらそのとおりになってあらわれてきた、これは厳然たる事実で、私も直接水戸の市役所の皆さんからそういう意見も聞いておるわけですが、ここに問題があるんですよ。すっきりと皆さんにわかるような答弁できませんか。
#127
○政府委員(水田嘉憲君) 前の予算委員会で種田先生からも同じことを言われまして、説明が下手でまことに申しわけございません。
 登場する会社が二つあるわけでございます。北関東佐川という路線業者と茨城佐川という区域業者、二つあるわけでございます。それで、水戸市から問い合わせを受けたのは北関東佐川、路線業者の方の北関東佐川に関する部分でございます。この関係は、実は私ども建設省とも十分調整をして問題ないように措置をしているところでございます、ただ、この北関東佐川についても現在まだ新しい営業所の設置について――荷扱い所になるんですか、の設置について認めたわけではございません。認めたわけではございませんが、水戸市に対しては、路線業者が使う路線施設でありますよという形の書類はお渡ししているわけでございます。
 一方、茨城佐川という区域業者、これが別途自分がこの施設を使うんですよという形で申請してきておったわけでございますが、これについては私どもの全くのうっかりミスといいますかという形で認めてしまったということでございまして、これは非常に我々としてはおかしなことでございまして、これは至急是正する必要があるということで、茨城佐川という区域業者が施設を使うということを我々が認めたということは、これは行政として不適切であるということでございまして、この点につきましては至急是正させる必要があるということで、先ほど申し上げましたとおり、是正指導をいたしました結果、もとの場所に戻る、水戸ターミナルは使わないという形で申請が出てきておりまして、それを即刻認可するという形にさせていただきました。
 それから、事実行為として茨城佐川がこの水戸ターミナルを使わないようにということも我々指導いたしておりまして、順次改善を見つつあるというふうに聞いております。
 大体以上の状況でございます。
#128
○国務大臣(奥田敬和君) 先生から、何が私が十一月に大臣拝命以来この水戸ターミナルの問題が突然浮上してきたというような形で、誤解を与えちゃいけませんのではっきり申し上げますけれども、大。体このターミナル使用の申請が行われたのは、厳密に言えば平成三年の八月十二日でございます。
 したがって、こういった形の中のいろいろな経緯を今ごちゃごちゃと説明しておりましたけれども、要は茨城佐川が使っていけない形の中に営業所をつくってきた。しかも、建設省では同意を与えることができないという形の趣旨徹底を欠いて茨城の陸連の方がそれでもいいような返事をしたというような経緯でございました。先生の御指摘されたとおりに、これは許してはいけない事実であったわけであります。
 したがって、その事実認定を承りまして、直ちにもとの法に適合するような形で茨城佐川の営業所を撤去しなさい、そしてもとの営業所在地に変えなさい、そういったことはまかりならぬという形で、今局長に厳しく命じて徹底して指導しているところでございます。
#129
○佐藤三吾君 それは、私が指摘した後の指導ですか。
#130
○国務大臣(奥田敬和君) そうです。
#131
○政府委員(水田嘉憲君) 先生から調査するようにということで、事実関係を関東運輸局あるいは茨城支局の方に調査させたわけでございます。
 その結果、そういう茨城佐川急便が現実にこのターミナルを使っている。それから、区域業者である茨城佐川急便が事業計画の変更の許可をもらっておるということでございますので、これは完全に都市計画法の趣旨に反するということで是正させる必要があるということで指導をして、今順次是正を見つつあるというふうに理解をいたしております。
#132
○佐藤三吾君 そうすれば、私が指摘した点はそのとおりだったわけですね。その上で是正した。それを早くおっしゃらぬから何かこう、何を言っているやらさっばりわからぬ、――わかりました。
 大臣、そのようにやっぱり不可思議なことが、これは水戸は二つの例です、多過ぎるんですよ。だから、そういう意味でこの佐川問題に対してやっぱり解明をしていかないと、単に政治家が金をもらったということだけじゃなくて、国民の皆さんからますますこの行政に対する不信も出てくるだろう、こういう感じがするので、私は労働省にきょう来てもらって思ったんですが、何というんですか、労働基準法違反であるとか労働安全衛生法違反であるとかいろんな事象が運輸省の行政処分の問題を見ましても、いわゆる六十二年以後に皆起こっておるわけですね。やられておるわけです。
 それまでの間は一体何があったのか。あれだけの暴走しよる佐川急便に運輸省自体が気がつかないはずはない、なぜこの状態をそこまで放置してきたのか。そこのところがどうもやっぱり疑問でならぬし、きょうはその問題に入ると時間がございませんから、また予算委員会に戻ってひとつこの問題、全般的な議論をしたいと思いますので、きょうはこの程度にとどめますけれども、ぜひひとつ大臣、この問題は単にそういうところでなくて、行政の面からも一遍見直してみるというか点検してみるというかそうしていかないと、他の業界の皆さんも、いろいろの事柄が私も耳に入ってきますけれども、そういうものがあるとどうしてもやっぱりそこの疑点が晴れないんです。その点を一つ申し上げて、きょうはこの程度にとどめておきたいと思います。
 労働省に入りたいけれども、時間的なあれがございましたから予算委員会ではひとつゆっくりやらせていただきたいと思いますので、堀さんに譲ります。
 どうもありがとうございました。
#133
○堀利和君 私は、モビリティーハンディキャップ、移動制約者に対する公共交通機関のあり方について質問したいと思います。
 昨年夏、まだ記憶にも新しいかと思いますが、熊谷駅におきまして車いすの女性の方が十四時間半もエレベーターの中に閉じ込められた事件、さらには新潟県におきまして越後線で重度の車いすの障害者が定期券を買おうとして断られるという事件がありまして、本委員会でも私は取り上げさせていただいたわけです。このことが一つのきっかけにもなったかと思いますが、ことしの一月二十日にJR東日本が人にやさしい駅づくり委員会というのを設けました。これは私は高く評価いたします。
 そこで、運輸省にお願いしたいのは、他のJRの会社あるいは大手民鉄に対しまして同様の委員会を設けますよう行政指導していただきたいということをまずお願いしたいと思います。
 それでは、リフトつきバスについてまずお伺いしたいと思います。
 きょうはたまたま、東京都が超低床リフトつき路線バスを運行させました。既に昨年の十一月からは大阪あるいは京都、横浜、そして今後計画では名古屋、神戸でもリフトつき路線バスを運行させるということになっております。
 こういうハンディキャップを持つ者が安心して。乗れるリフトつき路線バスの運行の普及について、まず運輸省の御見解を伺いたいと思います。
#134
○政府委員(水田嘉憲君) リフトつきバスにつきましては、我が国では昨年の十一月に路線バスとして大阪市交通局において最初に車両として導入されたわけでございますが、先生御指摘のとおり、これに東京あるいは横浜、京都を加えた合計四都市において現在二十五両が運行されている状況でございます。
 リフトつきバスというものは、車いすの利用者にとって大変利便の高いものであるということが期待されているわけでございますが、まだ運行実績が乏しいということによりまして、今後運行状況を見ながら改善すべき点はないか、あるいは道路状況等により利用者に支障が生じることがないか等の問題について検討を進めまして、必要に応じて他の事業者にもこの導入を図るよう指導してまいりたいと考えております。
 なお、特にリフトつきバスの導入につきましては、一つは改造に多額の費用が必要であるということと、もう一つは停留所周辺に駐車車両等があった場合にメリットが減殺される、かえってお客さんに不便を与えるとか安全性の問題も出てくるというようなことがあるわけでございまして、これらの問題につきまして適切な配慮をすることが必要であるというふうに考えております。
#135
○堀利和君 確かに困難な点はあろうかと思いますが、ぜひ積極的に運輸省としても前向きな姿勢でお願いしたいと思います。
 そこで、このリフトつきバスは通常のバスに比べまして確かに高額であるわけです。聞くところによりますと、二倍近い二千五百万から三千万ほどするというふうに聞いております。実は自治省が来年度から特別交付税で、リフトつきバスを購入する際に差額の二分の一を補助するというふうにしましたので、公営バスについてはリフトつきバスの運行が促進されると思います。しかし、その他の民営につきましてはこういう措置はとられませんので、運輸省として同様の補助措置がとられるようにされることが必要かと思いますが、いかがでしょうか。
#136
○政府委員(水田嘉憲君) 先生御指摘のとおり、公営バスにつきましては特別交付税の措置が講じられているというふうに私ども聞いております、
 一方、民営バスでございますが、今のところリフトつきバスは導入されていないわけでございますが、今後車いす利用者の利便の向上を図る観点からはその導入を図ることが今後の方向としては望ましいというふうに私どもは認識しているわけでございます。一方では、先ほども申し上げたとおり、高価なもので高額なものでございまして、非常に厳しい経営環境、経営状況にある民営バスにつきましては経営を圧迫するという問題もございます。
 このような状況のもとにおきまして、御指摘のリフトつきバスに関する助成の問題につきまして、今後こういう公営のバスの導入状況あるいは民営への導入の可能性、さらには改造費の今後の動向等を見きわめながら検討してまいりたいというふうに考えております。
#137
○堀利和君 自治省が特別交付税でこういう措置をとりましたので、運輸省としても民営のバス路線に住んでおられる車いすの方々、お年寄りの方々が同じように利用できるようにぜひお願いしたいと思います。
 そこで、もう一つ関連してお伺いしたいと思いますが、昭和五十三年に自動車局長通達ということで、車いす障害者のバスの乗車に際しまして介護者を同伴させなさいという内容の通達が出ております。国連障害者年はことし最終年ですけれども、昭和五十三年の通達以降およそ十年にわたりまして国連障害者の十年、さまざまな施策が組まれてきているわけです。ノーマライゼーションということも国民の中に大分浸透してまいりました。
 そういうことからいいまして、バスに乗れるのか乗れないのかというそういった状況判断をし決定するのは、やはり私は障害者当事者であるべきというふうに考えております。行政の側が一方的に介護者をつけなければ乗せないと言うのは、私はもはやこの時期においては考え直すべきではないだろうか。しかも、リフトつきのバスが徐々に運行され始めてもおります。こういう時期ですからこそ私は、五十三年のこの通達を再検討し見直すべき時期が来ていると思いますけれども、いかがでしょうか。
#138
○政府委員(水田嘉憲君) 車いす利用者の乗り合いバス乗車につきましては、車いす利用者の安全かつ円滑なバスの利用という観点から、車いすの固定場所を確保するとか介護人を同伴していただくとかという一定の基準を設ける通達が御指摘のとおり出ているわけでございます。この通達に従いましてバス事業者を指導してきたところでございます。
 介護人につきましては、車いす利用者の乗降の補助あるいは乗降中の車いすの固定、さらには運転者への合図といった車いす利用者の乗車中の安全とか利便の確保を図るためにその同伴をお願いしてきたということでございます。
 最近、車いす利用者にとって利便性の高いこういうリフトつきバスが導入されつつあるわけでございますので、今後は、このリフトつきバスによりまして介護人の同伴なしに車いす利用者の安全性等が確保されるかどうかということを十分見きわめながら、通達の見直しについて検討してまいりたいと考えております。
#139
○堀利和君 やはりもうこの通達を見直して、ハンディキャップを持った方々が安心して乗れるような前向きな姿勢を示す意味でも、ぜひもう十二、三年前のこの通達の見直しに前向きに取り組んでいただきたい、このことを強くお願いいたします。
 それから次に、鉄道におきまして、やはり駅舎には階段というものがつきものでございます。エレベーターがあれば安心してスムーズに電車に乗ることができるんですけれども、エレベーターのないところでは車いすの障害者は駅員の方や一般乗客の方々にお願いして車いすごと持ち上げていただいて、あるいはおろしてい」たたいて乗るということもしているわけです。そういう中で、エレベーターのない駅ではいわゆるステッピングカーというんですか階段昇降機というものを利用しているところがあります。ステッピングカーというのはキャタピラがついて階段を上っていく、まあブルドーザーみたいなものでしょうかね。その上に車いすごと乗って階段を上りおりするわけですけれども、これがJRあるいは大手民鉄の幾つの駅に何機ほど設置され使われているのかお聞きしたいと思います。
#140
○政府委員(井山嗣夫君) お答え申し上げます。
 先生がただいまお話しになったのはステッピングカーというものだと思いますけれども、これは車いすに乗ったまま階段を上っていただけるという機械で、大体一人または二人で操作できるということでかなり普及しているものでございます。三月一日現在調べましたところ、JRの場合五社で五十二駅五十六台が既に導入されております。それから大手の民鉄の方を調べますと、六社二十一駅で二十一台、合計七十三駅で七十七台が稼動しているというふうに聞いております。
#141
○堀利和君 これは比較のしようがありませんで、これが多いのか少ないのか判断しかねるところですが、実は私はまだ乗ったことがないんで何とも言えないんですけれども、このステッピングカーに乗った仲間の方から聞きましたら、大変怖いものだというふうに言っておりました。上る際にはまだ目の前が階段といいますか近く見えますけれども、おりる際には下が全く見えない状態で自分が宙に浮いているようになってしまうというんですね。非常にやはり恐ろしい、不安であるということを言っておりました。確かにエレベーターがない駅で駅員や一般乗客の方々に担ぎ上げてもらうよりはステッピングカーがいいのか悪いのか私自身は判断しかねますけれども、私は原則といいますか、できれば安心して不安のない状態で垂直移動ができるようなエレベーターというのがやっぱり必要だし、そうあってほしいと願っております。
 実は、京王線の北野駅で、私の仲間でもあります車いすの障害者の方がやはりステッピングカーの使用の際、階段下から三段程度のところでこのステッピングカーが滑って傾きまして落ちるという事故が起きてしまいました。そして入院もしました。これが高いところからでしたら、大変な大きなけがになってしまうわけです。本当に偶然低かったところでよかったなと安心もするんですけれども、このステッピングカーの、階段昇降機の安全性というものを運輸省としてどのように認識されているのか、把握されているのか。聞くところでは、きのうですか京王線の八王子駅で公開の実地調査、検査がなされたというふうにも聞いております。このステッピングカーの安全性というものはどういうものなのか、どこでこの安全性の保障といいますか確認されて、その安全性のぐあいもどんなふうになっているのかお聞かせ願いたいと思います。
#142
○政府委員(井山嗣夫君) お答え申し上げます。
 ただいまお話し申し上げましたように、鉄道駅でかなり普及をしておりますが、このステッピングカーの原型といいましょうか、もとは昭和五十年代の前半ごろからやや小型のものだそうでございますが、やはり階段を使うところでかなり普及をしているというふうに聞いております。具体的には、例えば市役所でございますとか教育委員会、それから学校、病院とかでかなり普及しておりまして、やや小型のものですから国内でももう一千台ぐらいは使われているだろうと。これに目をつけまして、鉄道の方でやはりどうしても、先ほど先生おっしゃったように、エレベーターとかエスカレーターとかそういう専門の施設があればよろしいのでございますが、なかなか一遍にはできないということで、階段を上るときに何とかスムーズに上れる、これをもう少し大型化できないかということで、たまたまちょうどいいというものがあったものですから、それを採用してだんだん普及してきております。昭和六十年ごろに最初のものを入れたようでございます。
 この安全性でございますが、実は私ども調べましたところ、今までに京王線の先生御指摘の事故以外には大きな、何といいますか、特に大変なことになったという事故は実は聞いていないのでございますけれども、昨日、先生先ほどおっしゃいましたように、皆さんと一緒に、これは大学の先生なども入っていただいて京王帝都で具体的にこのものに人を乗せて上がったりおりたりして実験をしてみたようでございます。
 その結果を申し上げますと、直線、階段にほぼ垂直に真っすぐ上がっていくときにはまず問題ない。それで、実験の方に乗っていただいて体をわざと揺すってみた。かなり揺すったけれども、それは安定していた。ただ、何かの拍子で階段に斜めといいましょうかの角度になりますとぐらっとひっくり返る危険性がある、こういうことがわかったわけでございます。
 そこで、京王帝都電鉄でことしの二月に先ほど先生御指摘のようなけがをなさった方がいらっしゃるというのは、そのときの状況がこの機械の構造上の問題でこういうことが起きたのかあるいはその取り扱い上何かふぐあいを、まずい取り扱いをしてやったのかということを今一生懸命いろんな角度から調べておりますが、現在のところ構造上特にどうしても、何といいましょうか、危険だというふうには思っておりませんし、非常に便利な機械でございますので、私どもとしては慎重に安全性を確かめながら使っていくという方向で指導していきたいと、今のところはそういうふうに考えております。
#143
○堀利和君 安全性を確かめれればということなんですけれども、これはそういう、確かめたというような認識なんでしょうか。
#144
○政府委員(井山嗣夫君) これは専門的に実験場とかそういうところでやったわけではございませんが、少なくとも今までの使用実績と昨日のあれで見てみますと、普通に階段に直角といいましょうか垂直に上がっていく分にはまず問題はないだろうというのが私どもの認識でございますし、昨日お立ち会いいただきました電気大の先生とか病院の先生なんかのお話でも、これ自体が即危険だというようなお話はなかった。やはり使い方をきちんとしなければいけないなということで、安全には安全を重ねて慎重に取り扱っていけば、それ自体は非常に有効ではないか、こういうふうに判断しております。
#145
○堀利和君 そうしますと、このステッピングカーを駅に置いているJRないしは民鉄の場合、これを運輸省として各社が使用方法について駅員に対する研修というんですか指導というのをやっていることなどを含めて、どういう形で現場では取り扱いを含めて危険のないような形でやっているかというようなことは把握されていますでしょうか。
#146
○政府委員(井山嗣夫君) ただいま先生の御指摘の、各駅の実態的に何時間どういう教習をしてというのはつかんでおりませんけれども、少なくとも今まで聞いている語では、その機械を導入するときに、それに携わるであろう職員は必ず操作の訓練を受けておると聞いております。
 ただ、今回のようなことがございますので、私ども早速、使っている事業者、全事業者にもう一度この使い方について習熟をするようにすぐ指示を出し、たところでございます。そういう意味で、今後とも十分安全を保つように指導してまいりたいと思います。
#147
○堀利和君 このステッピングカーの安全性が本当に確かめられない限り、物を運ぶのと違いまして、その上に人が乗って階段を上りおりするわけですから、今言いましたように、本当に安全かどうか確かめられるまでは私はその使用を控えた方がいいのではないかなというふうにも思っているわけです。まあ運輸省としてはその使用を禁止するところまではいかないということですね、改めてちょっと確認しますけれども。
#148
○政府委員(井山嗣夫君) いわゆる禁止といいましょうか一切使ってはならないということになると、ちょっと問題が出てまいるわけでございます。先生御承知のように、現在駅員の数がどこの駅でも割と少のうございまして、今の電動の車いすの方が見えたときには、やはり相当の数の人で担ぎ上げなきゃいけないということで、この機械自体は大変そういう意味ではありがたい機械なんでございます。
 もし、今これを使うなということになりますと、それ自体また御利用の方に御不便をかけちゃったりするということもありますので、そういう意味では私ども安全性を確かめながら、教育訓練をしながら、安全には安全を重ねて使う、こういうことで今やっていかざるを得ないなということで、その旨を至急指示したところでございます。
#149
○堀利和君 わかりました。本当にこれは、京王線の北野駅では二段か三段という本当に不幸中の幸いで、低いところでの事故でしたからよかったんですけれども、これが最後の上り切る寸前だったらということを考えたときに大変心配になりますので、くれぐれもこういう事故の起きないように、各社にきちんとした指導といいますか運輸省としての責任をとる形でやっていただきたいと思います。私は、こういったステッピングカーをやむを得ず導入せざるを得ない状況もあるわけですから、そういった鉄道会社をあるいは京王帝都を責めているわけではないわけです。やはり本当に安心して安全に使えるということが第一ですから、そういうこと運輸省の積極的な対応をお願いしたいと思います。
 では次に、新聞にも出ておりましたし来年度予算の中にもございましたけれども、主要駅の「やさしさ」総点検ということで、予算上は一千九百万円ついておりますけれども、この「やさしさ」総点検の目的、そして具体的にだれがこの総点検を指揮監督し実際に行うのか、その点をお伺いしたいと思います。
#150
○政府委員(大塚秀夫君) 我が国がこれから真に豊かな社会を実現していくためには、高齢者の方、身体障害者の方など交通弱者の方々にとっても利用のしやすい、「人にやさしい」交通体系を提供し、魅力ある快適な公共交通機関を実現することが必要でございます。
 このために運輸省では、平成四年度において、利用者の方を中心に関係者から成ります委員会を設置し、鉄道、バス、ターミナルなどの代表的な交通施設について利用者の立場から見た「やさしさ」の程度を表現します指標とも言うべきものを設定いたしますとともに、委員会のメンバーの方が実際にその指標を用いて既存の代表的な交通施設の「やさしさ」の程度の点検を行うこととしており、またあわせて交通事業者自身が自主点検を行い、これらを通じて「やさしい」交通体系の構築のための施策を展開してまいる考えでございます。
#151
○堀利和君 「人にやさしい」とか「地球にやさしい」って、最近「やさしい」ばやりなんですけれども、言葉だけが先走ったようなことで、実は「やさしい」というのはどういう意味なのか、今まで、本当にどういうふうなものなのかなと感じるわけですね。
 「やさしさ」総点検では指標とか指数を出すということなんですけれども、この辺の指数の出し方、どういう形で出すかということについての目安等のところはもう検討されているんでしょうか。
#152
○政府委員(大塚秀夫君) 「やさしい」という言葉を使ってございますが、その内容としましては、交通弱者の方々の利用のしやすさという意味に私ども理解しております。
 この点検につきましては、今申し上げましたように、委員会を設置してその指標とも言うべきものの内容等を検討することになっておりますので、専門の方々、当然交通弱者の方々にも参加していただく委員会の中で検討していきたいと考えております。
#153
○堀利和君 こういう総点検は、当然その後に改善ということがあるわけですね。改善の目的もなくいたずらに点検するということはないわけです。そうしますと、この総点検、それなりに指標、指数であらわしていくことができるとなれば、やはり今度は、具体的にどう改善すべきかというところにいくと思うんです。
 したがいまして、運輸省としては、各鉄道事業者に対しましてこういった総点検の後の指数、指標に基づいて、具体的に今当面何をどう改善できるのか、あるいは二年、三年後には何がどういうふうにできるのかということで、短期、中期、長期にわたった具体的な改善のアクションプランのようなものをつくって」いただきたいなと鉄道事業者にお願いし尤いわけですけれども、このことにつきまして運輸省としてどうお考えでしょうか。
#154
○政府委員(大塚秀夫君) このような利用しやすさを点検いたしまして、そういった点検結果を踏まえながら、具体的な改善方法について従来以上にその措置を検討していきたいと考えております。
#155
○堀利和君 余り満足のいく答弁ではなかったんですが、そこで大臣にお伺いしたいんですけれども、ことし一月に障害者の皆さんがぜひ奥田大臣に会いたいということで、会っていただきました。障害者の方々が直接運輸大臣に会うということはもう初めてのことで、ほとんど不可能に近かったんですけれども、大臣に快く引き受けていただきまして、本当に会えただけでも喜んでおりましたし、また大臣が大変力強く、かつ理解のある内容の話をされて、皆さん本当に感激して帰りましたし、私も非常によかったなと感謝しております。
 今の答弁から引き続きまして、私は、鉄道事業者が具体的な改造プランをつくってほしいと思いますし、そのためには「やさしさ」総点検もあることでもございますので、運輸省としていわゆるシビルミニマムのようなものですね、交通利用の際にハンディキャップの方々が本当に「やさしい」駅と感じるためにも一定の水準といいますかシビルミニマムというようなものを運輸省として策定していただきたい。こういうことで鉄道事業者も具体的に努力する目標がわかるわけです。シビルミニマムは今までありませんので、何とか策定する方向でぜひ大臣に御理解いただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#156
○国務大臣(奥田敬和君) 総じてお年寄りや身体障害の皆さん方を指して交通弱者という形で呼ばせていただきますけれども、これに対する優しさ、いたわりという形、これを「やさしさ」の指数であらわすという形については、確かに先生の御指摘のように、ガイドラインなり一定の何か点数をつける指数がなければならぬと思います。
 その点の細かいサイドにつきましては、関係する私的な委員会ではございますけれども、ここに諮って、今先生から御指摘があったような一つのシビルミニマムと申しますかそういった形を示そうと思います。特に、こういった形の中で御努力いただいておる各駅にとって、先生の御趣旨を踏まえまして、「やさしい」駅として国が表彰できるようなそういった形の中で民鉄各企業も「やさしい」駅、「やさしい」施設づくりに競争してやっていただけるような、そういった形もやってみたいなと。
 いずれにしても、今ほど言われました御提起の趣旨をよく外しまして、一つのシビルミニマム作成に努力をいたしたいと存じます。
#157
○堀利和君 本当にありがとうございます。
 運輸省の役人の方々よりも大臣の方が非常にいい答弁をいただけますし、わかっていただけますので、もう少し甘えさせていただきまして、大臣にまたぜひお考えいただきたいと思いますのは、何分こういった駅舎の改善なりあるいは先ほど来申し上げましたように、リフトつきのバスを通行させるにもやはりお金がないとできないことです。幾らやりたいというようなお考えがありあるいはやるに際しても、なかなか実際のところ財政上の問題が解決つかないと実効が上がらないというのが、これがまた現実でございます。
 アメリカで制定された障害者法では、民間企業が責任を持ってやるということになるわけです。これはアメリカと日本の政治あるいは行政のまた違いでもあるわけです。日本の場合ですと、どうしても国なり行政がある程度の財政的な負担も含めて一歩踏み出しをしないと、なかなかやはり民間レベルでは全部その責任を持ってやるというには難しいところがございます。
 そこで、できましたら、運輸省、国として何らかの助成システムを創設していただきたい。例えば、基金のようなものをつくって積極的にモビリティーハンディキャップの方々が安心して利用できるために改善するところには助成するという、そういったやはりシステムというのもつくっていただければなと思うわけです。
 鉄道整備基金が今すぐ運用できるかというと難しいと思いますけれども、例えばこういった鉄道整備基金を利用するなり、あるいはつい先日予算委員会で郵政省の貯金局長の答弁によりまして、また新聞にも報道されて、「睡眠貯金」というような言い方をされておりましたけれども、十年間出し入れのない、問い合わせのない貯金については郵便貯金特別会計の方の雑収入に入れるというふうにしてきて、この四十年間で六百三十九億円ほどあったというふうに聞いております。そして九〇年度には四十八億円ほどあった。これを今まではもちろん貯金されている方々に対してのサービスに使途されたわけですけれども、郵政省としては大蔵省との話、法改正も含めて福祉や国際協力の方にこの使途を向けていきたいというふうにもしております。
 そこで、人の懐を当てにするわけではありませんけれども、奥田大臣は力もございますので、ぜひ大蔵省との話の中でも、この一年間四十八億というこれを何かうまい方法で基金等にして、今言いましたような助成システムをつくっていただきたい。何らかの形で基金創設というのをお願いしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
#158
○国務大臣(奥田敬和君) 今、郵政省に眠っている睡眠貯金と申しますかこういった形に対して、交通弱者対策にも応用、利用できないだろうかという御趣旨の御提起だったと思いますけれども、私は、こういった睡眠している貯金、それの有効な活用の手だて、お年寄りや身体障害の皆さん方にする手だてはまたいろいろ郵政省は郵政省なりで考える道があろうかと思います。
 私自身、かつて郵政大臣のときに視覚障害の皆さん方にも安心して利用できる郵便局ということにするために、点字の証書を発行したり、あるいは点字の貯金通帳をつくったり、あるいはATMなりキャッシュディスペンサー、CDをいわゆる点字をお使いになる方が利用できるようにしたり、郵便局には必ず点字を理解できる人を配置する、そういった形でもいろいろ方途を講じました。そういったこと等からいうと、睡眠貯金は睡眠貯金でそういった人たちに対する制度充実に全力を払うべきであろうと思います。
 私の方は、今度は今各駅あるいは施設に対して助成が可能かということであろうかと思いますけれども、これは交通全利用者が、その駅に出入りする人みんなが、正常者であれ何であれほのぼのとした気持ちになる優しさの満ち満ちた駅だなというのは、今ほど言われました交通弱者にいたわりと優しさがこもっておる駅であるかどうかということで、一般の正常者、利用者も本当に温かい気持ちになり得るときにはそういった人たちに対する施設がやっぱり整っている、そういった施設であり駅でなければならぬと基本的には思います。
 そのことは、企業自体の一つの姿勢でもあります。ですから、これらの私鉄企業が新しい設備を改善するときには、地下鉄でありますれば助成制度もございますし、また私鉄線については今言った整備基金の中からも一部補助しているわけですし、また開銀融資等々の政府系融資を含めていろいろな設備の改善にはそういった資金融資の道が開けておるわけですから、また、これは余り褒めたことではありませんけれども、運賃を改定する、上げるという場合でも、交通弱者に対する「やさしさ」施設に対してどれぐらいそういった形の改善に投資をするか、こういったこともそういった参考の指標にもなるわけでございますから、いろいろな意味において、先ほど言いました「やさしい」駅の表彰とかあるいは「やさしさ」指数の立派になったのは国民の皆さんに御紹介するような形とか、やるべき方途はいろいろあると思います。
 いずれにしても、交通弱者に対するそういった施設を一日も早く完備できるように、民鉄、JRすべてを含めての交通機関に対し、そのような基本姿勢で指導してまいりたいと思っております。
#159
○堀利和君 終わります。
#160
○松浦孝治君 先般行われました大臣の所信表明におきまして、鉄道整備に対する基本的な方針は打ち出されておるのでありますが、鉄道を取り巻く現状は非常に厳しいものがございまして、難問が山積をいたしておるところでございます。
 そこで、鉄道をめぐる諸問題について少しお伺いをいたしたいと思います。
 国鉄が分割・民営化されましてから五年の歳月が経過をいたしておるわけでございますが、この間JRの輸送量も予想以上に増加をしておりますし、収益面でも総じて順調に推移しておるところでございまして、この面から見ますと国鉄改革は大成功であったと思うわけでございます。ただ、国鉄の長期債務の処理につきましては、最近の金融情勢とか不動産を取り巻く環境の変化がございまして、債務の累積が懸念をされておるところでございますし、先行き見通しは決して楽観できない、こう考えるのであります。
 この点につきまして大臣にお伺いいたしますが、国鉄改革の進捗状況とその評価、さらに今後の対応等についてどう考えておられるのか、まずお聞きいたしたいと思います。
#161
○国務大臣(奥田敬和君) 私は、この民営化五年の成果というものを高く評価いたします。六つのJRに分かれ、今、東あるいは西、東海、主力三社は立派な営業実績を上げておりますけれども、そればかりでなく、北海道においても九州においても四国においてもそれぞれの大きなハンディキャップを抱えながら、労使一体体制の中でやはり新たな民営鉄道としてのサービス、安全、こういったものに全力投球しておる形が実績において率直にあらわれてきておると思っております。
 そういった点において、今御指摘いただいたように、清算事業団にがっぽり大きな借金が残っておるわけでございますけれども、この六つのJRは国鉄改革の趣旨をよく踏まえまして、それぞれの地域事情に応じた中で懸命の努力をやっている。これはまさに新しい意識改革と同時に、労使一体で頑張っておる、地域に貢献しておる、そしてまた幸いなことに鉄道への見直しと申しますか鉄道への回帰という、やっぱりひとつの国民的な風潮と相まちまして、今後とも鉄道の果たす役割というのは大変明るい方向にいっておるだろう、そういうぐあいに私は高く評価をいたします。
#162
○松浦孝治君 私も、大臣がおっしゃられるように、国鉄改革は非常に成功であったし、また最近車の交通渋滞等のために鉄道が非常に見直されてきておるわけでございまして、そういう点で民営化された各社それぞれ努力をされておることも評価をいたしておるところでございます。特に、平成二年度での決算状態を見てみますと、JR全体としては約四千億弱の経常利益を出しておりまして、経営は順調である、こういうように言えると思います。
 しかし、今大臣からもお話がございましたが、それぞれ各社努力をしていただいておりますけれども、北海道、四国、九州三島のJR各社においては営業損益は依然として赤字になっておるわけでございまして、経営安定基金の運用益によって辛うじて赤字を埋めておるというのが現状であろうと私は思うわけでございます。その中で、特にJR四国におきましては今後高速道路が次々に開業する予定になっておりまして、経営を取り巻く環境は非常に厳しくなってくるであろう、そう思っておるわけでございます。
 そこで、JR四国の経営の現況、それと将来の見通しについてお伺いをしておきたいと思います。
#163
○政府委員(井山嗣夫君) お答え申し上げます。
 JR四国につきましては、ちょうど発足して一年後の昭和六十三年の四月に本四架橋が開業いたしました。それを機に列車の大増発あるいはサービス改善に努めまして、また橋を見に来られるお客様が四国内を旅行していただくというようなことで大変順調に輸送量が伸びておりまして、平成二年度におきましても元年度に比較して二%を上回る二十億七千万人キロという輸送量が見込まれておるわけでございます。
 それで、さらに会社といたしましても経費節減に努めたとかあるいは営業努力をいろいろおやりいただきました結果、例えば平成二年度の収支でございますが、営業収益は四百八十億円、元年度を四十二億円、九・六%上回るという好成績を出しております。それから経常利益も八十四億円ということで、元年度を二十三億円、約三七%上回った、こういう実績でございまして、そういう意味では当初考えておりましたよりも大変大健闘をしていただいていると言っていいんではないかと思います。三年度でございますが、まだ会社の決算が出ておりませんけれども、やはり事業計画で見込んだ輸送量、それから経常利益、三年度の場合七十二億円ぐらいを見込んでおりますが、これはおおむね達成できるというふうに現時点では見込んでおります。
 ただ、今まではこういうことで順風に追われて非常に結構だったのでございますが、先ほど先生お話がございましたように、高速道路が四国内でもどんどん開業いたします。その場合に鉄道がどうなるかということは大変JR四国としても気になるところのようでございまして、そういう意味で、会社としては今比較的良好なうちに前向きの積極的な投資あるいは積極的な営業努力をしてお客様に乗っていただく、あわせまして会社の経営基盤の強化に努める、こういうことで頑張っておりますし、私どももその方向で今指導しながらやっているところでございます。
#164
○松浦孝治君 四国のJR会社の経営状態、確かに予定されておった以上の効果を発揮しておる、非常に御同慶にたえないところであるし、またその点については大臣からもお話がございましたように、労使。一体となった全体の努力が実っておると私も評価をいたしておるところでございます。
 しかし、今お話がございましたように、やっぱり瀬戸大橋の開通というふうな大きな効果、これが出てきておるわけでございます。したがって、今まではそういうことで順調な状態を続けられてきた。しかし、これも先ほど言いましたように、四国は高速道路網がまだ未整備でございまして、今着々とそれをやっており、既に若干の供用が始まっておるわけでございますが、この高速道路との競合がこれからますますその完成によって出てくるであろう、そう思っております。そうしますと、やっぱり鉄道が二十一世紀に向けて生き残っていくためには、在来線の近代化、高速化、これをもっと積極的にやっていく必要があると思うわけです。
 四国の鉄道の現状を見ますと、御承知のように電化率では全団平均が五二・七%です。四国は一三・五%しかございません。また、複線化率も全国で三二・七%でありますが、四国はわずか五。三%、こういうふうに整備がおくれておるわけでございます。これは四国全体でそうでございますが、その中でも特に徳島、そして高知県の南四国地域は鉄道整備の面で全く取り残されておる、こう言ってもでない地域であります。
 そこで、お伺いいたしますが、JR四国の在来線の整備について、民営化されてからどのような整備を行ってきたのか。あるいはまた、今後どのような対策、整備を行っていこうと考えておられるのか、できるだけ希望の持て具体的な御説明をいただきたいと思います。
#165
○政府委員(井山嗣夫君) 先ほど申し上げましたように、JR四国は大変順調に業績を伸ばしてきておるわけですが、今後いろいろと課題があるかと思っております。いずれにしましても、鉄道が現在いわゆる見直しをされておりまして、安全性と利便性に非常に富んでおるということで皆さんに再認識していただいているということは大変ありがたいこと。でございます。
 四国の場合も、やはり今後ともそういう方向で地元の皆さんによく乗っていただける鉄道にしなきゃいけないわけでございますけれども、従来。会社ができましてからやってまいりましたことを二、壬申し上げますと、一つは、車両と駅をリフレッシュと、こう会社では言っているようでございますが、いたしました。リフホームとかリフレッシュとか言っておりますが、車両は大変新しいものをどんどん導入しておりましてスピードアップも図っております。従来、例えば特急などが表定速度で、平均速度でございますが、七十キロ台であったものを八十キロ台に上げてくるとか、これは予讃線の例でございます。それから、キ讃線の例でも六十キロ台が七十キロ台に上がる一それから、高徳線、高松−徳島間でございますが、このあたりも五十キロ台のものが六十五キロぐらいのスピードで走れるようになる、こういうようなことでかなり改善を図ってきております。
 それからもう一つ、将来の話でございますが、先生先ほどもおっしゃいましたように、電化を図りまして、特に高速道路と厳しい競争関係になるであろうということで、高松付近は今電化が終わっておりますけれども、さらにこれを松山の方へどんどん延ばしておりまして、一部松山近辺は既に開業しております。これは最終的には平成五年には全通させまして、ここで快適なサービスを提供しようということでございます。さらに、高知の方の関係等におきましては、強制振り不気動車と言っておりますが、ディーゼルカーの新しいものを開発いたしまして、これによってさらにスピードアップを図っていこう、こういうようなことでお客さまにできるだけいいサービスをやるということで、非常にJR四国は熱意に燃えて今努力をしております。
 何とか、そういうことで地域の皆さんにかわいかっていただける鉄道にしたいというのがJR四国の願いと孝之ております。
#166
○松浦孝治君 今それぞれの努力をされておる報盲をいただいたわけでございますが、何といっても四国はまだ社会資本の整備がおくれておるわけでございまして、それを活性化していくためにはどうしても鉄道の使命というものが非常に重要でめると思います。その中で電化も、そしてまたアィーゼルカー、これの改良等も行っていただいて、やはりスピードアップを図っていただかなければいけないと思うわけでございます。
 そういうふうに在来線の積極的な整備をやっていただいて、そして四国の活性化に大いに寄与していただきたい、このように大いに期待をいたしておるわけでございますが、御承知のように、先ほどいろいろお話がございましたように、やはりJR四国は経営基盤が極めて脆弱な会社と私は思っておるわけでございまして、どうしても国の積極的な支援がなければなかなか鉄道の整備、近代化、高速化ができなんじゃないか、このように思いますので、その点十分御配慮を国の段階でもいただきたい、こういうように要望をしておきたいと思います。
 それでは次に、空港関係の諸問題について質問をさせていただきます。
 国際化、情報化が現在非常に進展をいたしておりまして、諸活動がグローバル化してきておるわけでございますが、そういう中で足となっておるのが空港であります。二十一世紀に向けて空港大国日本を建設するためには、空の表玄関であります成田空港の完全空港化、これが不可欠であろうと思うわけでございます。
 先ほども御質問があり御答弁もありましたが、昨年の十一月から始まった成田空港問題シンポジウム、これも五回をもう既に行っておられて、大臣みずからも御出席されるなど、解決に向けて非常に積極的な取り組みをしていただいており高く評価をいたしておるところでございますが、現在までの空港二期施設の進捗状況、これはどうなっておるのか。また、今後の対応を示すことができるのであれば、二期工事で結構でございますが、完成の見通し等についてお聞かせをいただきたいと思います。
#167
○政府委員(松尾道彦君) 成田空港は五十三年に開業いたしまして、既に適正能力の限界に達しております。このために、昨年の十一月に閣議決定されました第六次空港整備五カ年計画でございますが、この五カ年の中に三大プロジェクトの一つであります成田空港の二期施設を完成する、こういうことになっているわけでございます。現在、千六十五ヘクタールのうち二%の二十一ヘクタールがまだ未買収で残っているわけでございまして、今先生の御指摘のとおり、昨年の十一月から地元関係者め努力により、また隅谷先生を初めとする中立の学識経験者によりまして現在五回の公開シンポジウムが行われ、これに向かいまして関係者が一致して具体的な意見の議論が公式の場で行われるようになったわけでございます。大変ありがたいことだと感謝いたしております。
 こういう場を通じまして積極的に解決を図ってまいりたいと考えておりまして、二期施設でございますが、残る新B滑走路あるいはC滑走路がございますが、ことしの暮れにまず旅客に御不便をおかけいたしております第二ターミナルビル、約三十万平米の大きな建物、これの供用をまず行いたいということで段階的な整備を図って段階的な運用開始を行いたい、こういう段階でございます。さらに引き続き新B滑走路、C滑走路の二本の滑走路についてもこの五カ年の中で予定どおり何とか地元の御理解をいただきながら供用開始に全力を挙げて進めてまいりたいと考えております。
#168
○松浦孝治君 五回にわたるシンポジウム等も開かれて、先ほど大臣の方からもお話がございましたが、明るい方向へ向かって話し合いがなされており、今御答弁いただきましたような計画内でうまく完全空港へ持っていっていただきたいなと、これは期待をいたしておきたいわけでございます。
 そういう状態ではございますが、なかなかこれも時間もかかる状態かもわかりませんし、また非常に能力もいっぱいの状態に今あることを見ますと、どうしても関西新空港の整備を急いでいただいて日本の国の国際空港としての役割を担っていただくようにしていただかなければいけないと思っておりますし、また関西圏の者にとりましてはそれを大いに期待を実はいたしておるわけでございます。そういう点で、関西国際空港の整備は順調にいっておるとお聞きをいたしておるわけでございますが、どういうような状況になっておるのかあるいは予定どおり開港は可能なのかお聞かせをいただきたいと思います。
#169
○政府委員(松尾道彦君) 御指摘の関西国際空港でございますが、我が国の二十四時間運用可能ないわゆる国際ハブ空港として今早期完成を目指して一生懸命建設中でございます。平成六年の夏開業ということでございまして、今の進捗状況からいけば何とかこれに間に合うのではないかというふうな予定を考えております。現時点でいけば、昨年の十二月に五百十一ヘクタールにわたる世界でも初めての海上国際空港という格好でこれが既に埋め立てが終わっておりまして、今はこの上物施設、ターミナル設備とかあるいは私どもの管制塔庁舎などの建設に入っております。また、連絡橋につきましても構造物ができ上がっておる段階でございまして、今のような状況からいけば何とか平成六年の夏に開業し得る、このような格好で全力を挙げている段階でございます。
#170
○松浦孝治君 空港本体の整備、まことに順調にいっておるということで、しかも平成六年の夏には待望の開港ができる、こういうような御答弁をいただいて安心をいたしたわけでございますが、空港の完成も必要と同時に、空港に結ぶアクセスがそれにも増して私は重要である、こう思っております。この関西新空港へのアクセス網、これは計画どおり進捗をしておるのか、あるいはその中で、地元のことを言って恐縮ですが徳島県とのアクセス、これはどう考えておるのか、認可基準とかスケジュールなどについて今お示しできる範囲でお答えをいただきたいと思います。
#171
○政府委員(松尾道彦君) それでは、まず私の方から全体的なことについてお話しさせていただきます。
 関西国際空港にどうしても必要なのは関連のアクセスの整備でございまして、まず道路関係でございますが、近畿自動車道の和歌山線、阪神高速道路湾岸線の整備。それから鉄道でございますが、JRの阪和線日根野駅から前島経由で空港に至る鉄道。それから私鉄関係でございますが、南海本線で佐野駅から空港に至るルートの整備は何とか開業に合わせて整備できるというふうに考えております。
 これによりまして、例えば大阪の難波と空港との間が三十分程度で直結できます。それから、JRで行けば新大阪まで約五十五分で接続できる、こういうふうな方向で現在アクセス関係についても開港に合わせて整備が進んでおる段階でございます。
#172
○政府委員(和田義文君) 海上アクセスの件につきましてお答え申し上げます。
 徳島県と関西国際空港を結ぶ海上アクセスにつきましては地元で高速船による運航が計画されておりまして、現在近畿運輸局を含めました関係者間で輸送需要に対応した高速船の具体的運航形態について既存の定期航路事業者が運航する方向で検討を進めているところであります。
 航路を開設する場合の認可等の基準は、海上運送法第四条に掲げられているとおり、需要に対して著しく供給過剰にならないこと、輸送の安全の確保、利用者利便への適合、経理的基礎が確実であることなどが要件となっておりまして、関西国際空港との航路の開設に当たりましてもこれらの基準に従って適正に審査することといたしております。また、今後のスケジュールにつきましては、航行安全対策の検討状況等の状況にもよりますけれども、早ければことしの秋ごろに認可等の処分を行いまして、平成六年夏の関西国際空港の開港に間に合うように所要の手続を進めてまいる所存でございます。
#173
○松浦孝治君 関西新空港へのアクセス網、陸上あるいは海上ともそれぞれ計画どおり進められておるということで、これも大いに期待をいたしておきたいと思います。
 最近、首都圏、関西圏での空港制約が東京、大阪ともあるわけでございますが、そういう中で、一方地方空港の国際化の進展ということが思いかけないメリットとして今生まれて岩でおるわけでございます。千歳空港、新千歳空港初め多くの空港で次々と国際定期便が開設をされております用地方空港の国際化ということは、地方都市における利用者の利便はもとより、産業立地や観光などの面でも国際化が図られ、極めて有意義なことと私は思うわけでございますが、こういう状況について大臣の御所見はどういうことであるかお伺いをさせていただきたいと思います。
#174
○国務大臣(奥田敬和君) 御指摘のとおり、新東京国際空港や二年後に開港を待たれる大阪国際空港の整備も含めまして、さりとてこれらの拠点空港だけではとてもじゃないですけれども、これからの国際化進展の波に応ずることはできません。したがって、地方空港の国際化という形を最大の急務として今推進してまいろうと努力しているところであります。一現状においては、年々そういった定期路線を初めとしてチャーター優等々がもう相当な大きな数字になってあらわれております。もちろん、千歳、名古屋、福岡というところばかりでなくて地方ローカル空港の国際化というのも数字的にははっきり指摘できます。
 細部についての現状については、航空局長から答弁させます。
#175
○政府委員(松尾道彦君) 今、大臣から総括的なお話がございましたが、大変今地方空港に乗り入れる国際線がふえておりまして、現在空港の数が成田、羽田、大阪一などの主要なところを除きまして、いわゆる地方空港で十二空港に定期便が入っておりまして、近くこの四月、来月になりますとさらに大分とかあるいは高松にも新路線が入る計画が具体的に決まっております。
 年間でいきますと、大体平成二年度で扱い量が四百三十万人ぐらい、全体の扱い量では一四%ぐらい、便数でいきますと週間便数で約三百六十便程度ですから全体の二割程度、こういったものが今地方空港で国際定期便が活用されている、こんな状態になっております。
#176
○松浦孝治君 今、国際化、情報化の時代でございまして、地方においてもそれを積極的に進めておるわけでございます。そういう中で、やはり地方空港の果たす役割は大切であるし、今御答弁がございましたように、十二に及ぶ各地方空港において四百三十万人もの国際旅客を扱っておるということで非常に結構なことだと思うわけでございますが、そういう中で出入国手続とかあるいはまた検疫とかそういうことで、やはり地方空港にとって整備をしなければならない問題も多く抱えておると思います。そういう点でも積極的な整備を図っていただいて地方空港の国際化が十分できるように御努力をいただきたい、このように思います。
 今、国においては東京一極集中を排除して多極分散型の国土を形成しようと努力いたしておるわけでございますが、そのためにはやはり都市との距離感を解消することが私は必要であると、こう思っております。
 その方法として、空港の整備によるジェット機の大型化と増便でありますが、特に首都東京の空の玄関である羽田空港での受け入れ態勢、これが必要であります。そういう中で、今沖合展開がなされておるわけでございますが、これについて順調に工事が進んでおるのか、また、それによって空港能力がかなりアップするのかお聞きをいたしたいと思います。
#177
○政府委員(松尾道彦君) 羽田の沖合展開は三期に分けて工事が進められておりまして、いわゆる第一期は現在の新A滑走路が既に六十三年の七月に供用開始いたしておりまして、第二期計画として来年の夏ごろ、西側地区におけるターミナル施設の整備を今工事中でございまして、これも大体予定どおり整備ができると思います。能力的には、全体が完成するのが大体平成七年ごろと考えておりまして、これを三期計画と孝之ております。新C滑走路、新B滑走路の整備でございます。
 これによりまして、現在実際の扱い量が、定期便が一日約五百回、全体の扱い量が三千八百万人ぐらいの輸送になっておりますが、将来これで十八万回ぐらいの年間処理能力からおおむね五万回増の二十三万回程度にふえるわけでございまして、これが完成すれば地方空港と首都圏との直通化はさらに増大することが可能であろう、こんな感じでございます。
#178
○松浦孝治君 三期工事が完成するのが平成七年、まだ三年が実はあるわけでございます。そのことについて地元のことで恐縮でございますが、御質問をさせていただきたいと思います。
 羽田空港と地方空港を結ぶ路線につきましては、この二、三年の間に増便やダブルトラックが次々と行われてきておるのでありますが、徳島−東京便は五便のまま据え置かれており、かつ日本エアシステム一社だけの運航体系になっておるわけでございます。同じ四国の高松や松山空港と比べてかなり見劣りする状態にあります。無論、増便やタブル化については一定の基準があることも十分承知をいたしておるのでありますが、現在の使用機が五便のうち三便も小型ジェット機であるということが私は一因であるとも考えるわけでございます。徳島−東京便をすべてA300にすれば潜在需要を誘発し、すぐにダブル化の基準に達すると私たちはそう思っております。
 この五便全便をA300にすることについての見通しがあるのか。また、七十万人という基準に達すれば速やかにダブル化が図っていただけるのか御答弁いただければ幸いだと思います。
#179
○政府委員(松尾道彦君) ただいま徳島−東京路線は先生の御指摘のとおりでございまして、A300で今二便でございますが、近く本年夏ダイヤでもう一便ふやして三便にこの大型化をしたい。増便問題でございますが、先ほどの羽田の空港制約要因がございまして、これが将来整備されてくれば増便は必要に応じて随時できるというふうに判断いたしております。
 それから、現在のお客の輸送実績が東京−徳島路線は約五十五万人でございまして、これは大型化することによって恐らく乗客はふえてくると思います。この大型化につきましては、エアラインにおける機材繰りあるいは乗員繰りの判断を待たなければならないというふうに考えておりまして、エアラインにおきましても一生懸命勉強していただいている段階でございます。将来、七十万というふうな基準に達すれば、かつ羽田の処理能力がふえていけば私どももできるだけ早い機会にダブルの方向で勉強していきたい、このように考えております。
#180
○松浦孝治君 この夏一便ふやしていただくというか大型化をしていただけるということで非常にありがたく思っておりますが、できるだけ大型化ができるように御努力をいただきたいし、また七十万に達すればダブル化をお願いいたしたいと思います。
 今、徳島空港におきましては、国内定期便は東京と大阪便だけでございまして、地元では名古屋便とか福岡便の航路開設を強く望んでおります。航空会社は、採算性を重視してなかなか路線開設に踏み切ろうといたしません。当初は不採算と思われる路線でありましても他の採算性のよい路線とセットにして路線開設を認めるなど、運輸省も恵まれない地域の活性化のためにもう少し工夫していただければ幸いだと思うわけでございますが、政治的な判断で大臣の御見解をお伺いいたしたいと思います。
#181
○国務大臣(奥田敬和君) もうかっておる路線と並行してもうからぬでも地方振興のために定期路線を拡大すべきじゃないか、政治家としての立派な御意見ですけれども、これはやっぱり企業運営しておる各社に対して採算を無視して新しい路線を飛ばせといっても、なかなかこれは一言うにやすくして実行は難しいだろうなと。
 今、徳島からの東京便への需要が非常に大きいということもよく聞きます。そしてまた徳島からさらに、御指摘ございましたけれども、名古屋。なり福岡なり恐らくは需要はあると思います。そういった形の御希望でございますけれど、これは当たってみますけれども、まあ各社の状況からいうと、この徳島−福岡というのは、これは私の勘ですけれども余り近過ぎて恐らくこれは採算に合わないんじゃない。かな、乗る人はおいででも。それでまあ名古屋、これなら可能性があるなど、名古屋の空港余力も含めて。徳島−名古屋路線というのが地元の大きな御熱意であるとするならば、この路線にどこか就航してくれるそういった形のものは検討に値するなど。恐らく徳島−名古屋においてはやっぱり相当な需要客が見込まれるんじゃなかろうがな、そういったことで今聞いておりました。
 また御指摘、地元の御要望の面があれば、航空当局に交渉もさせますし、御相談にも乗りたいと思います。
#182
○松浦孝治君 大臣より本当にありがたいお話いただきました。福岡便といいますと確かにそういうことでございまして、今やはり中部に対する名古屋便というものを地元としては非常に期待を実はいたしておるわけでございますが、お話にもございましたように、やはり採算面を無視してということを大きく希望いたしましてもそれには限界があろうかと思います。しかし、地域の活性化を図るために、あるいはまたおくれておる地域を活性化するためには、やはりそういう都市との連携というものを空港によって図っていかなければなかなか活性化ができませんので、どうかその点いろいろ御推察をいただいて、御配慮を賜れば幸いだと思う次第でございます。
 ありがとうございました。
#183
○及川順郎君 大臣所信の質問に入る前に、鉄道事故処理問題で一、二点質問をさせていただきたいと思います。
   〔委員長退席、理事松浦孝治君着席〕
 昨年の五月十四日に起きました信楽高原鉄道株式会社の事故の問題でございますが、死傷者六百五十六人、死者四十二人、負傷者六百十四人と大変大きな事故でございましたけれども、その後の状況といたしまして、昨年の十二月八日ですか運転を再開したというぐあいに伺っておりますが、事故の原因究明やさらにはまたこの被災者の補償問題等、あるいはまたそれを教訓とした今後の改善等について現在どういう取り組みをなさっておられるのか、この点から承りたいと思います。
#184
○政府委員(井山嗣夫君) 三つ御質問があるかと存じますが、一つは、事故の原因調査の話でございます。
 これは私ども事故直後から現地に入りまして、会社の関係者、それから車体そのものとかいろんな観点から調査をしたわけでございますが、現時点のところまだ最終段階に至っておりませんけれども、二つ大きな問題があったと思います。
 一つはそのメーンの話でございますが、信号が赤のままになっていたときに、はっきり言いますと無理に列車を出してしまったと、ここのところに人為的な関係がと思いますが、この辺あたりに問題がないのかということがまず一点ございます。
 これにつきましては、日ごろ従業員にどういう教育訓練をしていたかとか列車運行の指揮命令系統がどうなっていたかとか、それから当日の要員がどう配置されてどういう役割を果たしていたかということあるいは列車の具体的な運行状況などにつきまして具体的にいろいろ調べたわけでございます。現在の時点の若干推察が入りますが、どうもその異常時においてそういう運転取り扱いの点で不適切な部分があったというふうに推測しでおるところでございます。
 それからもう一つの、これは間接原因ということ」になるかと思いますが、その信号機が赤のままで変わらないというところで、信号機が正常な動作をしなかったのではないかという疑問がございます。
 この点につきましては、学識経験者から成ります信号保安システムの調査検討会というのを部内に設けまして作動状況の調査検討を進めております。現地調査を数回やりましたし、また検討会も五、六回やりまして、いろんな角度からこの信号保安システムの設計がどうなっていたか、それからリレーといいますか継電連動装直の配線だとか軌道回路がきちんと工事上施工されていたかどうか、それから実際にどのような動作をするのかというようなことにつきまして相当細かい資料も収集いたしまして、現在その整理分析をして何とか原因に至る、ところを勉強して、早く結論を出したいということで今頑張っているところでございます。これらが原因調査の関係でございます。
 それからもう一つは、先生御指摘の補償の問題でございますが、補償につきましては事故の発生直後から私ども、やはり被害に遭った方々、亡くなった方のお気持ち、それから遺族のお気持ちを考えてとにかく最大限の努力をするということで、信楽高原鉄道、実は高原鉄道はかなりの社員が亡くなったりしておりますので、具体的には滋賀県が大株主でございますので滋賀県、それとJR西日本、この両者を指導いたしまして御被災者相談室ということで約七十名のスタッフで補償のいろんな交渉をさせていただいております。
 現在までのところで申し上げますと、亡くなられた方が四十二名ございます。このうち職員が五名おりますので、一般の方は三十七名の方でございますが、その方につきましては約五名の方と今のところ示談が成立しております。それから、けがをなされた方が六百十四名おったわけですが、現時点では四百十五名の方と示談が成立しておるところでございます。
   〔理事松浦孝治君退席、委員長着席〕
私どもも、これは信楽鉄道自体がスタッフの数、それから財政力が非常に乏しいので、滋賀県に特にお願いいたしまして滋賀県に面倒を見ていただく、それからJR西日本は関係者でございますので、これもしっかりやれということでございまして、例えば病院の入院費の立てかえとか葬祭料とか、それから一時的なお見舞いの手当て等々は全部JR西日本の方に負担をさせてやっている、現時点ではそういうところでございます。
 それから第三点の、この事故を契機にどういう再発防止対策を考えたかということでございますが、私どもはこの事故がやはり単線で、かつすれ違い運行する鉄道というところが問題だということで、全国のこの種の百三十三の鉄道に緊急総点検を求めまして、全社的に点検をしてもらいました。それから幾つかの会社、特にこういう第三セクター会社につきましては私どもの職員が直接会社に行きまして、その会社について安全上の問題がないかということを徹底的に洗い出したわけでございます。その結果、おおむね良好ということでございますが、ただこういう緊急時の、何といいますか対応策のマニュアルと言っておりますが、これがちょっとわかりにくい、理解しにくいようなものがあるというので、これにつきましては改善をしてもらってわかりやすいものに直してもらったというようなこともございます。
 それから、ざらに今後の再発防止の対策で一つ問題になりますのは、やはり財政基盤が乏しいとどうしても安全の方にお金をかけないんじゃないかというおそれもありますものですから、特に赤字の会社が安全関係の投資をするときには、従来、近代化投資の補助というのがございますが、この制度を拡大いたしまして補助率も若干アップする、それから金額的にもふやす、こういうことを現在お願いしております予算の中で組み込んでおります。
 それからもう一つ予算の中では、そういう中小の鉄道の技術レベルを上げなければならないということで、これは専門家の一種のチームを組んでもらいまして各会社に一定期間滞在いたしましていろんな角度から点検していただく、あるいは社員の教育をしていただく、こういうことの予算も組んでおります。
 こんなことで、今後この種の事故がないようにということでいろんな各般の努力を今積み重ねているところでございます。
#185
○及川順郎君 事故原因調査のための調査検討会、この結論はいつごろ出るという見通しを立てておられますか。
#186
○政府委員(井山嗣夫君) これはいつという具体的な日時を申し上げるのはあれなんでございますが、この鉄道が昨年の五月の事故でございます。そのちょうど一年たったあたりというのがひとつの我々の目標といいましょうか、で考えておるところでございます。
#187
○及川順郎君 先日の一般紙にこの事故車の車両の解体の動きがあって、遺族の会から文書で抗議が出されたという報道がされておりました。それで、やはり調査検討会で事故の原因解明の結論が出る前にこの事故車の解体をしようというのはこの報道どおりなんでしょうか。それとも、これは報道の範囲であって実態はまだないという状況なんでしょうか。
#188
○政府委員(井山嗣夫君) 今度の事故では信楽高原鉄道が四両編成、これはこの会社の全車両でございますが、この四両で大破したのが二両、それから修理を必要とするものが二両でございます。それから、JR西日本の車両も三両が破損いたして、そのうちJRの方はやっぱり二両につきましては修理をいたしまして、実は信楽の方は既にその二両で昨年の十二月八日から運転を再開しているところでございます。
 これにつきまして、これをどうするかという問題でございますが、これは秋ごろまで警察が一応証拠保全ということで検証のために領置処分をしておりまして、いろいろ調べられたようでございますが、昨年の十二月に警察から信楽高原鉄道とJR西日本それぞれに、これはもうはっきり言いますと、調べるものは調べ尽くしたので還付するからという通知をいただいております。今警察の施設のところに置いてあるようでございますが、持っていっていただきたいというのが非公式に表明されているようでございます。
 それで、私どもの方も、この車両を事故原因との関係でどうするかということを議論いたしておりますが、今までのところこの車両自体とその事故原因とは直接の関係はないのではないかというふうに判断しております。そういう意味で、この事故車両をどうしても事故原因調査のために保存しなければならないとまでは考えていないわけでございます。
 いずれにしましても、この車両をどうするかということは、最終決定は所有者であります信楽高原鉄道とJR西日本が判断することということでございますが、遺族の方が裁判所の方にも何かお申し立てをなすっているということもございますので、その辺も考えまして事業者の方ともちょっと相談してみたいと思います。
#189
○及川順郎君 きょうの質問で大体今までの取り組み状況が私も理解できたわけでございますが、遺族の方々には示談の作業も進めておられるようでございますけれども、事故原因の解明等につきまして中間報告等はおやりになっておられますか、今まで。
#190
○政府委員(井山嗣夫君) 現在までのところ遺族の方あるいは一般の方を含めまして、いわゆる中間報告という形でやったことはございません。ただいまのところまさに調査中でございまして、いろんな微妙なところもあるものでございますから、今のところ中間報告はやらせていただいておりません。
#191
○及川順郎君 やはり遺族の心情を考えますと、中間報告が欲しいというのは、これは自然の気持ちだと思いますね。その中間報告もされていない、それでしかも、原因究明の最終的な検討会の結論が大体一年間をめどにということで作業が進んでいる、警察は一応調べの段階が終わったのでという、こういう状況がございますが、やはり少なくとも途中における中間報告、あるいはまた原因解明の検討会の結論、事故発生から一年後をめどに今努力をされている渦中でございますから、これが出るまでやはり保存をして、そして遺族の人たちが、やはりきちっと必要に応じては見たいという人もいるでしょうし、そういう状況に応じられるように誠意を尽くすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#192
○政府委員(井山嗣夫君) 二点あるかと思います。
 中間報告は、おっしゃるとおり私どもも遺族の方の御心情を考えますと早くしたいのでございますが、実は私どもの調査は鉄道事業法という法律に基づきまして一種の任意調査といいましょうか、相手との関係では任意調査でございます。この原因調査をいろいろやっていきますと、結局、代用閉塞と我々申しておりますけれども、赤信号のときに無理に出した、そのことについて個人の方の、お一人お一人の方の判断がよかったのかとか行動がよかったのかというようなあたりで、はっきり申しますと刑罰と直接触れてまいります、発表の仕方いかんによりましては。そこら辺はもし間違いなどございますと大変失礼なことになりますし、そういう意味で、比較的我々慎重に個人の方の行動といいましょうか動きとか、こういうものにつきましては細かく慎重に調べているということで、なかなかすばっと中間報告という形がしにくいということを御理解いただきたいと思います。
 それから、もう一つの車両の方の話でございますが、私、現地の情勢を細かく存じておりませんけれども、今先生のおっしゃったようなそういう遺族のお気持ちということも含めまして、ちょっと持ち帰りまして考えてみたいと思います。
#193
○及川順郎君 やはり中間報告できる部分とできない部分があると思うんですね。それはよく理解できます。ですから、どうしても微妙な点、今後の原因究明とあわせまして捜査の過程でちょっと今の段階では公表できないという部分は部分といたしまして、できるものからやはり中間報告をする努力をぜひしていただきたいということが一つでございます。
 それからもう一つは、これはやはり事故としてはかなり大きい要因をはらんでおりますので、今後の再発防止を含めまして、原因究明の検討会で結論が出た段階で所管の当委員会でもきちっと報告をするような、そういう手続を踏んでおかれた方がいいんではないかと、こういう思いが強くいたしますけれども、この二点について最後に承っておきたいと思います。
#194
○政府委員(井山嗣夫君) 先生おっしゃいましたように、その原因究明をやりますときに私どももやはり一番の問題は、その原因そのものもさることながら、同種の事故がまた起こらないということにとにかく非常に効果的に機能してほしいという思いでございます。もちろん、先ほど申し上げましたように、事故直後に同種の鉄道に対しては直ちにいろんな手を打っておるわけでございますが、今度調べました結果で、やはりまたさらに追加して指導をしなきゃいけないポイントが出てくるんじゃないかと思っております。
 そういう意味で、その場合には必要な情報をいわゆる公表をしなければなりませんし、そういう意味では中間報告はきちんとまとめたいと思っております。それで当委員会、その他関係の委員会、衆議院にもございますが、そこに何らかの形で調査結果を御報告申し上げることは全くやぶさかではございません。その方向で検討させていただきます。ただ、発表の仕方が先ほど申しましたようにやや微妙なところもございますので、そこら辺はちょっと検討させていただきたいと思います。
#195
○及川順郎君 ぜひ、その点の誠意ある対応を強く要望いたしておきます。
 次に、大臣の所信に関しまして質問させていただきますが、大臣は宮澤総理が示されました生活大国の実現にとりまして運輸行政の果たす役割、これが非常に大きいという、こういう認識を持って所信を述べられたと、こういうぐあいに私は理解をしておるわけでございますが、陸海空にわたる効果的な交通体系の形成を目指す、言うなれば方針といいますか指標といいますか、それを宮澤総理の生活大国との関連でどのようなことを念頭に置かれて所信でお述べになられたか、その点をまず率直に承りたいと思います。
#196
○国務大臣(奥田敬和君) 私は、運輸大臣を拝命いたしまして、運輸行政の果たしていくべき役割というものを改めて勉強させていただきました。そして、この運輸行政をやっていく形の中で海陸空と申しますか、物流も人の流れも含めまして全部背負っておる行政が運輸行政だなと。そして、我が国のこの一億二千万余の国民が平均してなべて豊かな生活を送るためには、物の流れも情報の流れも人の流れも均一に、要するに頭からつま先まで隅々にまで行き渡るようないわゆる運輸政策を欠かすことができない。
 そういった意味合いにおいては、陸の鉄道の整備はもちろんでございますが、こういった形の中で、頭から手足に至るまで生活圏が拡大されて、そして一日で行きたいところに行ける、そういったことはもちろん必要でございますし、また空のネットワーク、これは国内の神経に通ずるようなネットワークも必要ですけれども、国際的な外に向けてのネットワークも、これは世界の中の日本として空の国際的、国内的なネットワーク網も完全につくっていくということがいかに大事であるか。また、海運を含めての海という形を考えますと、これは午前中にも述べましたけれども、四囲を海に囲まれた我が国といたしまして、すべての資源がほとんどといっていいくらい海外から海のルートを伝わって入ってくる。そして、八億トン輸入して八千万トンの輸出で国の経済を支え、生活を支えておるという実態。
 したがいまして、海陸空のこの運輸行政のネットワークが本当に完備する形になって初めて豊かな生活大国としての国民指標が達成されると。運輸行政はまさに国民生活の根幹にかかわっておる大事な行政であるという視点に立って今後進めていきたいと願っておるわけでございます。
#197
○及川順郎君 その点については私も全く同感でございまして、ぜひ大臣、頑張っていただきたいと思うんです。
 予算の総括質問で、実はその中で特に首都圏の通勤通学等を含めた問題を取り上げさせていただきました。
 それで、首都圏の特に旅客輸送、この面について快適輸送というものが生活大国の中でどの辺の指標を持っておられるのかという感じ、これを聞きたかったのでございますが、なかなかぴんという感じが私は承れなかづたんです。この点について、現在検討の過程でも結構でございますので、担当部署でそういうことを研究されているとか既に快適指標的なものはここまでと、そういう状況、目標に向けて現在取り組んでいるとか、こういうような動きは行政当局としてはございますでしょうか。
#198
○政府委員(井山嗣夫君) ただいま先生がおっしゃいましたのは私どもの行政をやるときに大変重要なポイントでございまして、ネットワークを組む鉄道を整備する場合にもその辺をまず第一にポイントに置かなきゃいけないと思っております。
 今、私ども運輸政策審議会の鉄道部会というところで、二十一世紀を踏まえまして一種の鉄道整備のビジョンみたいなものを検討してもらっております。そのときに、いわゆる整備水準と我々言っておりますが、どの地区にどういうような鉄道を引いて差し上げたらいいかという議論をするときに、やはりひとつの快適ということに直接当たるかどうかわかりませんが、混雑度というものが一つの快適性の基準であると思います。
 それから、お乗りいただいているときに例えばクーラーが入っているとか、妥当な温度のクーラーという意味ですが、それはどうあるべきかとか、それから一種のスピードといいましょうか、例えばだんだん遠距離化してまいりますと到達時間が長くなるわけであります。そのときにスピードアップをしてなるべく速く都心まで来ていただくにはどうしたらいいかとかこういうことで、いわゆる先生のおっしゃる、河上いいましょうか数字化した指標というのがなかなか難しいのでございますが、少なくともそういうことをポイントに鉄道網のネットワークを整備するということで、今学者の先生も交えましてけんけんがくがく議論をしているところでございます。
 そういうようなものを踏まえまして鉄道整備をやっていく、こういう基本的な態度で今勉強しているところでございます。
#199
○及川順郎君 混雑度、混雑率のお話が出ましたので、二五〇%、二〇〇%、それぞれのパーセンテージでどういう状況かということの急所のところだけちょっと私は出したのでございますが、やはり何らかの形でそういう状況を示していかないと利用者にはわかりにくいんじゃないかという感じがいたします。
 利用者の側にしてみますと、少なくとも一時間以上の旅をするときに立ちっ放しという状況がないような、座って旅ができるというような、こういう状況を今後の検討の中の一つのポイントに私は置いていただきたいと思いますし、まあ理想的に言えば座って旅ができる、それをまず出発点に置いて周辺の快適性というものをぜひ考えていただければと思っております。
 それからもう一つは、物流に関しまして、これは大臣に政治性を含めて伺っておきたいのでございますが、やはり物流、これは陸海空ともにそうなんでございますけれども、現在いろんな問題、一般の貨物、それから農産物の輸送、そういう状況を考えましても、非常に問題になりますのは流通機構の複雑さ、これが実際に泥にまみれて生産している人に安く、消費者のところには非常に高く、中間での費用が大変高くなっているのが要因になっているという、こういう指摘が強いわけでございます。
 この陸海空にわたる輸送のあり方につきまして、流通改善に実効性のある輸送単価の安い物流を目指すような方向でぜひ御検討いただくときにそこに大きな一つ重点を置いていただきたいというぐあいに私は思うのでございますが、大臣はこの点についてはどういう見識をお持ちでしょうか。
#200
○国務大臣(奥田敬和君) 大変不勉強な分野の御質問でございますので満足なお答えにならないかと思いますけれども、確かにこれだけ多くの物が国民生活の豊かさを追い求めていく過程の中でますます増大一途になっていくと思います。
 その流通の過程が複雑であればあるほど、それは国民生活の負担に還元されてくるわけですから、できるだけわかりいい、そしてスムーズな形でやっていくためにはどうするかということになりますと、まず運輸行政を預かる立場から言えば、できるだけ手続と申しますか分野の区分、そういった形の許認可行政と言われておるこの運輸、物流、流通の中でできるだけそういった障害を少なくしていくことも大変大事であろうと思いますし、また、これから陸上の交通の煩雑さ、いわゆる込み合い状況を見ますと、できるだけ海から陸へと、陸から海へと、そしてまた空と、そういったものを一体的に利用していくためにはいろいろな運送の形態、モーダルシフトと申しますかそういった、ローロー船の活用なりあるいは新しいテクノスーパーのような形の高速船と地上の高速とをうまく結びつけるとか、そういった形のいわゆる体系が一体的に運営されていく、そのことによって国民に安全、低廉かつ迅速に物から物が運送されていくという形が一番理想的ではないかなと。
 我々としては、とりあえず複雑な許認可業務をできるだけ簡易化していくという形に力を注ぎ、また流通自体、物流自体に当たっておられる皆さん方にもできるだけ空海陸の一体体系を阻害しないような方向で行政の運営に当たりたいなということを基本的に念頭に置いております。
#201
○及川順郎君 非常に示唆に富んでおりますので、ぜひ行政当局の方は大臣の趣旨を踏まえまして、今後取り組みをお願いしたいと思っております。
 私は空港と、それから鉄道輸送について質問を幾つかつくっておりましたが同僚委員の質問に出ましたので、若干整理をいたしまして角度の違うところだけを数点承りたいと思います。
 関西国際空港のお話が先ほど質疑の中で大変出されておりました。この関西国際空港の位置づけというのは非常に私は大事であると。関西の経済圏がここ、ある意味では少し落ち込んできているという、これを上昇させる意味ではこれが非常なポイントになるという、こういう見方もあるわけでございます。全体構想が実現すれば三本の滑走路と、こういう状況でございますが、この全体滑走路三本の完成、これは先ほどの御答弁の六年開港とあわせて、どういうぐあいに今設定されておられますでしょうか。
#202
○政府委員(松尾道彦君) 今御指摘の全体構想でございますが、中身は今先生がお話しのとおりでございます。昨年十一月の第六次空港整備五カ年計画の閣議決定の中で、関西国際空港の全体構想につきましてはこれから本格的な調査を行うという趣旨で閣議決定されております。
 予算的にも、ただいま国会で御審議いただいております予算の中でも、来年度予算で全体構想調査に三億五千万の予算を計上していただいておりまして、例えば海上からの音波探査による地質調査などを含めて、地元と協力しながら本格的な調査を行うと、こういう格好になっておるわけでございます。
 私どもは、まず第一期計画である三千五百メートル一本の滑走路を、平成六年の夏ごろ開業に全精力を挙げてこぎつけたい。引き続き、今の全体構想の調査をこの五カ年計画の中で逐次実施していきまして、将来の需要動向を勘案しながら具体化を進めさせていただきたいと、このような考えでございます。
#203
○及川順郎君 非常に今のお話ですと国際空港としてアジア地域の少なくともポイントになるという、こういう状況が完成のときにはちょっと色あせてくるんじゃないかという心配がございます。
 と申しますのは、一九九七年ごろにソウルの空港は四千メートルの滑走路を二本で開港するということが伝えられておりますね。ソウルを初めとして東南アジアのそれぞれの国際空港整備というものが進んでくる。日本とソ連、アジアの関連というものも米ソの冷戦時代が終わりましての経済交流の活性化という状況の中で、今まで想定し得なかったような状況で展開してくる。こういう状況を考えると、やっぱり関西空港は三本一緒にやった方が経費も少ないし、やはり国際空港としての体制からいうならば、そこに取り組みのポイントをきちっと定めるべきだと、こういう御意見が強いわけですね。
 関西の財界人では、もう三本でもだめだ、やっぱり国際空港は五本なけりゃだめだと、こういう指摘をしている人もおるわけでございまして、やはりせっかくとうとい財を投入いたしましてつくった空港も時代の流れの中で対応し切れないということであるならば、これはいけないことでございまして、ぜひこの点は今後の方向の中で一回計画の見直しをして、そして関西空港のあり方、これをしっかりと時代に沿うような形で建設を進めていく、こういう方向に再取り組みをすべきではないかと、このように思うんですが、いかがでしょうか。
#204
○政府委員(松尾道彦君) 今の関西国際空港は、この滑走路一本で当分の間はアジアにおける国際ハブ空港としての機能を十分持っていると理解しておりますし、関西経済圏における経済力からすれば、我が国のアジアのゲートウェーとしての機能も十分発揮できるだろうというふうに考えておりますが、今先生の御指摘のとおり、将来における国際需要に対応し切れるのかというと必ずしも十分ではない、こんな観点から確かに早急に勉強する必要があろうかと思います。
 ただ、この第一期計画の事業費も実は一兆五千億近い事業費でございまして、民活方式の関西国際空港株式会社という民営による採算を十分考慮しながら施設整備を行っていくという観点から、将来の需要の動向を考えつつ採算的な面も考慮して十分検討していく必要があるのではないかと、そのように考えておるところであります。
#205
○及川順郎君 その点の時代の転換と国際情勢の変化、これはぜひにらんだ上で取り組みをお願いしたいと思っております。
 大空港時代が始まろうというぐあいに言われておりますけれども、例えばアメリカと欧州と並んで世界の経済の三極構造、これに対して日本が一つきっちりと位置しているという状況の中で、例えば欧州なんかだとドイツのフランクフルトが自国のベルリンやハンブルクに競り勝ってロンドンと並ぶ国際金融センターとしての上がり、その中心の空港として大きく機能を発揮しようとしている。こういう国際情勢の変化というものがあるわけですね。各国ともにこういう取り組み方をしているわけです。
 私は、総括質疑の中で日本海の地域活性化について質問をいたしましたが、大臣、関西財界め人たちの発想というのは、やはりもうそういう時代をにらんで関西の経済圏の中でその機能ができるような空港を望んでいるんではないかなと、いろいろ発言等を聞いておりますとそういう感じがするわけですね。時代を先取りするというかそういう考え方を持っている。そういう状況の中で成田の国際空港の状況もある。しかもこの間、私、羽田の沖合展開の状況を視察した折にも言っておりましたけれども、沖合にあれだけ出しても実際は足りない状況だという現場の御説明でございました。
 そうしますと、成田、羽田、そして関西国際空港、そして中部新国際空港の話も出ている、そういう状況の中で北海道と九州の国際空港のあり方が問われてきている。加えて、日本海、この日本海沿岸の中心となる、キーポイントとなる国際空港のあり方というものも国土の構成の中で考えていかなければならないというようなことがいろいろと考えられるわけでございますが、この大空港時代に臨みまして、大臣の将来展望を踏まえた所見を承りまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。いかがでしょうか。
#206
○国務大臣(奥田敬和君) 私は、この関西国際空港、これは一期工事の段階では確かに一本の滑走路ということでございますけれども、世界で初めてのこれだけ広大な人工島による、しかも二十四時間体制の空港で、機能的には一本の滑走路とはいえ実に大きな機能を果たすことができるであろうと期待をいたしております。もちろん、先生の言われるあの二期工事等々の完成によって施設、いわゆる受け入れ便数とも最高のものに将来はしていかにゃいかぬということは当然でございます。
 そして、この関西空港に対する期待度というのは、私は今当面の大臣の立場でおりましても非常に大きいことを肌で感じます。ということは、成田乗り入れを希望している国々は新規で四十三カ国まだ乗り入れできない状態におりますし、現在入っている航空各社でも増便を要請しておる。それらの人たちがいずれもこの関西空港の平成六年夏をめどにして新しく入れてくれという形が殺到してきておるというのが偏らない現状でございます。
 そういったことからいうと、関西復権、関西空港の、完成によって必ず国際的なハブ空港として大きな機能を果たすであろう。と同時に、成田とこの関西だけでは足りません。北海道の千歳空港などは、あれにおいてはもう新たにことしからまた三千メートル級の滑走路を一本しますから、これは自衛隊との共用であるとはいえ、四本のあの大きな三千メートル滑走路を持っておるという現状、そして将来極東に対するひとつの交流等々を考えますと、これまた国際的なハブ空港としての機能は十分果たしていかにゃいかぬ。そうすると、今のように成田によっての一極集中的な国際的な拠点空港が関西にも北海道にも、また将来においては中部、これはこれからの計画でございますけれども、そういった形になればまさに多極的な構造の中で世界に対する大きなルートが開けてくる。
 そういうことになりますと、我が国の国際的な拠点空港として、第一段階は成田、羽田の沖合展開、関西空港ということになっておりますけれども、さらに視野を広げていく形の中で、私は日本が文字どおり経済的。に責任を果たす大国として、物の拠点、金融の拠点がつ人の流れの拠点になり得る、そういった形で二十一世紀に夢がつなげるであろう、その道に向かって整備をしてまいらなきゃならぬ、まずこういうぐあいに思っております。
#207
○及川順郎君 終わります。
    ―――――――――――――
#208
○委員長(峯山昭範君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、梶原敬義君が委員を辞任され、その補欠として櫻井規順君が選任されました。
    ―――――――――――――
#209
○小笠原貞子君 まず最初に、千四十七名に及ぶ解雇された国鉄労働者、この方々の問題について伺いたいと思います。
 国の政策によって国鉄が民営・分割化されまして、五年たちました。その途上で多くの労働者が解雇されております。この人たちは、全く仕事も与えられぬまま清算事業団で三年間、そしてまた解雇されて二年、精神的苦痛ははかり知れないものがございますし、それに伴う生活の苦しみ、家族を抱えて大変深刻になってきております。
 地方労働委員会は、JRの不当労働行為であり、直ちに職場に戻すようにという救済命令を出されたわけでございます。それを受けて労働者も、そして家族たちもいつか国鉄に帰れる、早く帰りたいという中で頑張っております。もうその中で五人が死んでいるわけなんです。この人たちがどんなに無念な思いで死んだのだろうかと思うと、やり切れない気持ちがいたします。人権問題にもつながる、私はそう思っております。
 この問題について奥田大臣は、解決に向けてJRへの働きかけも含め汗をかきたいという言葉でお述べになっていらっしゃいます。中労委も今月中に解決の努力をしたいという状態になってきているというふうに伺っております。これ以上長引かせては、私はいけないと思います。この問題の発端となった政策の責任者としても、運輸大臣としての御決意のほどを今の段階でお伺いしたいと思います。
#210
○国務大臣(奥田敬和君) 清算事業団からいわゆる解雇手続をとられた千四十数名の皆さんに対しまして、本当にいろいろなこの間苦労があったと思いますし、今でも続いておるその苦しみの立場を思うときに心が痛むことは事実でございます。と同時に、現在中労委において、もうしばらくでございますけれども、懸命に和解案と申しますかそういった形で御努力を重ねていただいておるときでありますから、私が今その内容に立ち入っての形は差し控えたいと存じております。
 私が、御指摘ございましたように、この問題に関しては汗もかかなきゃいかぬ、知恵も出さなきゃいかぬと思っておることは事実でございます。現実に、もちろん一部の一部でございますけれども、個別的に清算事業団から解雇の処分に遭っておられる家族の一部の皆さんの御意見も承りましたし、また受入れに対して厳しい姿勢をとっておるJRの各企業責任者、もっと具体的に言いますと北海道JR、そして九州JRという、千四十数名のほとんどがこの九州、北海道の皆さんでございますから、こういった形の経営責任者にもお会いをいたしまして話も聞きました。
 各企業実態からいうと、もうちょっと受け入れられないかという要望に対して、もう既に千名以上の両方とも民間出向者を抱えて、実際、経営上はこういった過剰な形も抱えながら苦労しておりますという実態でございました。そしてまた、清算事業団の方に対して個別に一体どういう形の就職あっせんをしたのかという形で、その形において誤りがなかったのかどうかということも事業団の責任者からもそういった情報を聴取いたしました。
 いずれにしても、私がこの間陰で、もちろん陰でですけれども、汗をかいた過程の中でわかり得たことは、この九州なり北海道のあの解雇処分を受けた皆さん方は、本当に国鉄時代の誇りを持って、そしてまたJR以外の企業にはほとんど就職に魅力がないという人たち、そしてまた、北海道を離れてほかの土地へ行くとか九州を離れてほかの土地へ行くという形でなく、非常に土着性と申しますか土地を愛する気持ちの非常に強い人たちであるということを認識いたしました。
 できるだけ、今後とも誠実に対応してまいります。
#211
○小笠原貞子君 今までも御努力いただいたと思いますけれども、やっぱり今の段階でまたいろいろお知恵も出していただいてお力添えをいただきたいと、そう再度お願いをいたします。
 次に、佐川急便をめぐる問題というのが今政治家や暴力団の介入などもあり運輸行政のあり方が厳しく問われ、大きな問題となっております。国会でも佐川グループをめぐる運送法上の問題がかなり論議されてまいりました。運輸省もこの間、佐川グループに対して改善措置の指導をしてこられました。しかし、実態は驚くべき違法が次々と行われているという問題がございますので、以下、具体的にお伺いしていきたいと思います。(写真、資料を示す。
 ちょっと写真を見ていただいたわけでございますけれども、これは北海道佐川と北海道貨物というのが札幌市内の中心部の路上や駐車場で積みおろし作業名やっているわけです。また、それはたまたまではなくて恒常的に夕方とか朝方とかやっているわけです。その車が出ておりますけれども、一つは佐川が集配してきた荷物を北海道貨物の大きな十一トン車が母船のような役割を果たしまして、佐川が集めてきたのをそれに積み込みます。そして、いっぱいになったらターミナルに持っていくわけです。それが一台ではないんです。その二枚目の写真をごらんになるとわかるんですけれども、こっちの道路側に何台かいる、こっちの道路側にいる、ちょっと向こうにもいる。そして、ひどいのになりますと警察の派出所の前でも堂々とそれをやっているというようなことでございます。
 何でこのようなことが道路上で起きるのかといいますと、佐川の集配する車は郊外のターミナルまでわざわざ一台すつ行っておろさなくて、その町の中でどんどん待っているのに積み込んでいくわけです。そうすると、距離的にも二時間くらいの時間が節約できて、その分大いに稼げると、こういう状態になっているわけなんです。やっぱり頭いいですよね、もうけようと思ったらすごい頭だと私は思いました。こういうことが現実に行われているわけです。
 そうすると、届け出までしなければならないターミナルとかそういうものが何のためにあるんだというのが問題になってくるわけですし、また、それは確かにいいですよね、母船がいて、そしてちょっちょっと行って、そしていっぱいになったら行くという形だったらすごく活動しやすい。これはいいことだなんてほかの会社もみんなやり出したら、これは路上で大変なことになるという問題で、これはもうずっと私も行って見てきまして、一日や二日のことではないということなのでいぜひそういうことについて毅然とした措置をとっていただきたいということを簡潔にお答えいただきたいと思います。
#212
○政府委員(水田嘉憲君) 先生、北海道の方に行かれまして佐川の問題いろいろ御調査いただいたそうでございまして、どうもありがとうござます。
 ただいま御指摘の路上におきます積みかえ行為の問題でございますが、貨物自動車運送事業者は事業計画で営業活動とともに貨物の積みおろしか行われる場所という考え方で営業所とか荷扱い所を定めているわけでございます。本来、これらの場所で行われるべき事業活動が先生御指摘の道路とか公共の場所を占有する形で恒常的に行われる、そのことによって事実上、営業所あるいは荷扱い所の機能をそこで果たすということであれば、やはり貨物自動車運送事業法違反となるおそれが十分あるというふうに考えております。いずれにいたしましても、そのような行為がどのような状況のもとでどのような形で行われているか、具体的なケース・バイ・ケースの問題であろうかと思います。
 もう一つは、貨物自動車運送事業法の問題もございますが、さらに道路交通法の問題もあろうかと思います。この辺の問題につきまして、さらに警察と、関係機関と連絡をとって適切な対応を図ってみたいというふうに考えております。
#213
○小笠原貞子君 警察、いらっしゃっていますね。その、何というんですか荷物を積みおろすためにとまっている時間というのは大体五分というふうに言われておりますが、調べますと三時間くらいとまっているんです。悠々とやっているんです。これはまさに今おっしゃったように、悪質な道路交通法違反だというふうに素人でもそう思いますけれども、専門家としてもそうお思いになると思いますし、そうだとすれば適当な措置をとっていただきたい。これは直ちに指導いたしますとか調べますとかというふうに、なるべく簡潔にお答えください。
#214
○説明員(人見信男君) お答え申し上げます。
 駐車につきましては、先生御承知のとおり、道路交通法の二条一項第十八号に規定がこざいまして、貨物の積みおろし、五分を超えない範囲内のものであれば違法ではございません。私ども、違法駐車の取り締まりに当たりましては、悪質、危険、迷惑性の高いものを重点に置きまして、厳正、公平に今後とも取り締まってまいる所存でございます。
#215
○小笠原貞子君 じゃ、よろしくお願いをいたします。
 次に、事業計画違反が次々とございますので、それを取り上げます。
 第一に、運行回数の違反というのがございます。ここに北海道貨物会社の「路線運行台数記録表」というものをもらってあるわけです。認可を受けた事業計画とは全く違い、でたらめほうだいの運行をやっているわけなんです。運行系統で札幌−北見とか札幌−旭川というふうにずっとあるんですけれども、例えばこの運行系統の出されている記録表、認可を受けた事業計画というものが札幌−岩見沢は運行回数が一回となっているんだけれども、実際には六回も七回もやっている。札幌−北見、運行系統のこの届け出られた中での回数は三回となっているのに、これまた倍くらいの六回、七回やっております。札幌−旭川も四回で届けられているのが六回くらいやっております。札幌−帯広も三回のところが六回。札幌−釧路、三回となっているのが八回やっています。札幌−函館一回、これも八回やっています。札幌−苫小牧、これは二回になっているのが五回になっているというふうに。
 こちらの細かいのを見ていただいても、これはもらってきたんです、具体的なのを。そしたら、届け出が三回とか一回とかになっているのに、二倍ぐらいならまだかわいいところあるけれども、これは倍どころではないですね。こういうふうなことをやっている。これは貨物運送取扱事業法第七条、運送事業者は、「その業務を行う場合には、事業計画」「に定めるところに従わなければならない。」と、こう書いてあるわけですね。それに全然従ってないということは、これはいけないですね、違反ですね。はい、じゃ、うんというのをちょっと声で一言。
#216
○政府委員(水田嘉憲君) 私どもに出ております事業計画と異なった運行がなぎれているということであれば、違反だということになろうかと思います。
 具体的に今先生から資料を見せていただいているわけでございますが、どういうふうに実際の運用がなされているかにつきましては、さらに勉強させていただきたいと思います。
#217
○小笠原貞子君 これも一日だけというのじゃなくてずっとやっていますから、聞いて調べていただけばこういうのがいっぱい出てくると思います。まさに事業計画に違反するということを言わざるを得ないので、これもお調べいただいて御指導いただきたいと思います。
 運行回数違反しているだけじゃないんです。運行日以外の運行違反というのも、これずっと見ていったらあったわけです。つまり、「運行系統」というこの資料をいただいたときに、起点がここで終点がここ、運行する日、「運行日」という中に「年末、年始、日曜、祝日、お盆を除く毎日」と、こうなっているわけです。つまり、だから年末年始、日曜、祭日、お盆というときにはやっちゃいけない、運行してはいけない、こういうことになっているわけなんです。それが、これも一番新しいのを持ってきたわけですけれども、大臣、さっきお渡ししましたところの三月一日というのがたまたま日曜日だったんです。だから、日曜日は運行してはいけない、こういうことになっているわけでしょう。ところが堂々とやっているわけです。
 三月一日ロ曜日、旭川に五回運行しています。岩見沢五回、室蘭に三回など、時間がありませんからみんな言えませんけれども、どの路線も運行している、こういうことなんです。これも単純な、こういう日はやっちゃいけないというのに違反しているということになると思いますが、そうですね。
#218
○政府委員(水田嘉憲君) お答えいたします。
 運行日というのが事業計画で出ておるわけでございますが、その出された運行日以外に運行させることは当然できない話でございます。
 ただ、ここで言っている運行日といいますのは、いわゆる特別積み合わせ、従来の路線事業のためのいわゆる地点間を結ぶ路線運行者の話でございますので、路線運行者以外の卓が、例えば集配車のような車が動くことは禁じているわけではございません。
#219
○小笠原貞子君 これはだけれども路線なんですよ。だから、やっぱり違反だということになろうかと思いますが、これもひとつ一緒にお調べいただきたいと思います。
 次々出てくるんです。まだあるんですね。これは名義貸しの疑いというのがあるわけなんです。わずかこれだけ出されたのにいろんな違反みんなわかっちゃうわけですね、これを見ますと。
 つまり重大なことは、事業計画に基づいて許可を受けた今まで言いました運行路線、運行日、運行回数ですね。そして今度は運行日に見合う車両です。そしてドライバーなどが、これも許可の対象になっているわけですね。しかし運行実態を見ると、ここに札幌−釧路というのがあります、この紙の左の下の方にちょっと赤いのでありますけれども、札幌−釧路というところを見ていただきますと、一日八回走っているわけなんです。
 これはもう決められたのでは三回なはずなのに、三月二日では一日八回運行しているんですね。そして、その八回運行しているその中で北海道貨物という自社で運行しているものは一つもない、八本とも。ここに何ですか大壮運輸だとか「ほくうん」だとか北友リンクス、東栄運送、それから大三運輸というようにいろんな会社の名前が書いてあります。北海道貨物が出しているというものは一例もない、みんなよその会社のを出しているんですね。
 これは今たまたま釧路を申し上げましたけれども、これはほかの路線もみんなそうですね。多くの路線の中で一つか二つ北海道貨物が加わっているのがありますけれども、全く自社のが一つもなくて全部ほかの会社の車一ドライバーを使ってやっているというのが出ているんですね。これは他の路線も余り変わらない。これは名義貸しということになるんじゃないですか。
#220
○政府委員(水田嘉憲君) 運送の引き受けをした後でほかの事業者に荷物を回すというのは、いわゆる貨物取扱業の一つの形態でございまして、通常の場合には貨物取扱業として登録を受けていれば許されることではなかろうかと思うわけでございます。
#221
○小笠原貞子君 確かに下請だとか庫車だとかいうのがあって、北海道貨物が取扱事業というものを申請して、これも事業の範囲に入れましたよね。だから、そういう形でやっているということは一つ道理があるかと、そう思うわけなんですよ。しかし、取扱事業でやっているときに、この会社が方々へ行くわけです、地域ではなくて。そうしますと、下請、庫車などの会社は、地域の免許でなくて路線の免許がなければもうあちこち路線を飛んで歩くということはできないわけでございましょう。
#222
○政府委員(水田嘉憲君) 路線の免許のない会社が実質上路線と同じ営業をすることは許されないことだというふうに理解いたすわけでございますが、ただ、路線業者が集めた荷物をまとめて他のトラック業者、区域業者に輸送をお願いするというふうなことは、先ほど申し上げました貨物取扱事業の登録を受けておれば許されることでございます。
 したがいまして、具体的に今先生がおっしゃっているような事案が実質上路線業に当たるような中身のことであるのか、それとも貨物取扱業的なものであるのか、その辺の実態についてもう少し調べてみたいと思うわけでございます。
#223
○小笠原貞子君 ちょっと調べ出したら次々に出てきまして、私の方は素人ですから、もうあっぷあっぷしているんです。だから、おたくは専門家だからそういうことをちょっとお調べになるとおわかりだと思います。
 例えば、リヴアストゥンというのが千歳まで札幌から行っているんですね。これなんかも路線免許ないところですよね。――札幌−千歳ならいいんですか。ちょっと陸運局の範囲内で外に出るというような路線にまで出ていくというようなことがこの会社全部見たらいっぱいあるんですね。そういうことを私は問題にしているわけでございますので、これについてもどうぞお調べをいただきたいと思います。
 それじゃ次の問題は、無免許運行という問題なわけです。
 路線免許にかかわってお伺いしたいんですけれども、先ほど事前にいただきました資料を見ますと、ここで挙げられた以外の路線は免許がないというふうに理解していいんでしょうか。ここに挙げられていますね、例えばこういう表が札幌を起点にしてここまでというのがありますね。これに載っていないというところは免許がないから入っていない、これは免許があるから札幌−北見、札幌−岩見沢、札幌−名寄、旭川−名寄というふうに、これ全部路線の運行の系統というのが出ていますよね。これに書いてないというところは路線の免許がないというふうに考えていいのか、それとも免許はあるけれども運行していないからここに出していないんだということになるんでしょうか。
#224
○政府委員(水田嘉憲君) 私どもは、路線について系統ごとに免許を、今許可と言っておりますが許可をいたしているわけでございますが、その内容について、どういう車の走らせ方をするかということが事業計画の内容として出ているわけでございます。
 通常は路線の系統について事業許可を受けたものについてすべて事業計画に掲示されると思いますが、全く休眠状態にある場合もあり得るわけでございますので、その辺の今先生がおっしゃっておられる資料についてちょっと私確認しておらないものですから、そこに書いてあるものがすべて路線の系統の許可を受けたものであり、それ以外はないとここではっきり申し上げられないのが残念でございます。
#225
○小笠原貞子君 ちょっと私の説明が悪かったのかもしれませんが、運行系統というのを北海道貨物は持っておりますね。札幌からどこどこ、ここからここまでという運行系統というのを持っているわけなんです。これに書いてない運行の線というのは、これに書いてないということは免許が出されていない。免許が出されている場合には当然運行系統として承認されていると思うんですけれども、その辺の理解をどういうふうに考えたらいいですか。
#226
○政府委員(水田嘉憲君) 先生おっしゃっておられるのは、我々が許可をした、まあ昔の免許でございますが、事業許可をした運行系統以外は運行できないんでは、ないかという御趣旨ではないかと思うんですが、路線としてはそのとおりでございます。
 ただ、区域事業として、いわゆる積み合わせではなくて区域事業としてほかのところを車が通ることまでは否定しているわけではございません。
#227
○小笠原貞子君 今私が言っているのは、区域ではなくて全部路線なんです。それで、私が何でこの問題がわからなくなってこれは違反だと、こう言いたいかといいますと、札幌−深川という路線があるわけです。札幌を起点に今度は中標津、右側の上の方にあります。道東の上の方に中標津というのがありますね。それから千歳、それから江差、深川というのがあるわけなんですけれども、これらの例えば中標津とか札幌−深川とか札幌−江差というようなのは運行系統には書いてないわけです。
 そうすると、運行系統がないのに走らせているということになると、これは無免許運行だというふうに私は言えるのではないか、そう思うわけです。もしも、こういう系統で事業をしますというふうに決められているのに、これに書いてないところをどこでも走っていいということになったら、もう何も決めることないですね、勝手に全部飛んで歩くと。だから、この運行系統に書いてないところを実際に車の行方を探してみると走っているということは無免許運行だと言わざるを得ないと思うんですが、そういうふうに理解してよろしいでしょうか。
#228
○政府委員(水田嘉憲君) 路線の運行車として走っているということであれば先生おっしゃるとおり無免許、いわゆる無許可の営業ということになろうかと思います。具体的な実態については、私どもなりに少し調べさせていただきたいと思います。
#229
○小笠原貞子君 大急ぎで具体的に問題を提起いたしました。具体的事実に基づいて貨物運送事業法に違反する指摘を私は今までやったわけなんです。
 佐川グループをめぐるこうした悪質な行為は、今まで国会でも何度も論議になっておりますし運輸省も監査に入るなど、改善措置を指導してこられております。六十二年にグループ全体の一斉監査をし、七十七社に五千七百二十五日の車両停止処分をしていらっしゃいます。しかし一方で、私がちょっと見ただけでもこんな法違反と言えるような現実が現在起こっているということを考えますと、これだけ指導もされたし注意も勧告もされているのに平気でどんどんやっているということは、この佐川急便というのは運輸行政をなめているな、私は本当に調べていって腹が立つわけでございます。平成元年に主管府十三社のみの監査を行っておりますが、それ以後三年たっております。労働省も昨年末に一斉の監査を行っていらっしゃるわけです、労働問題も含めて。
 そこで、最後に大臣にお願いをしたいんですけれども、運輸行政のあり方を毅然と今示さなきゃ、これだけ佐川問題になっているんだから。そういたしますと、私は北海道佐川急便、北海道貨物、地元だからこれはもう何としてもやってもらいたいと思うけれども、そんな場合じゃないと。全国的にこういう問題いっぱい出てくると思うんです。そういう北海道佐川急便、北海道貨物を含めてグループ全体の監査を、監督をしてお調べいただきたいということを最後にお願いしたいと思うんですが、いかがでございますか。
#230
○政府委員(水田嘉憲君) 大臣からお話をする前に私から一言ちょっとお話をさせていただきたいと思います。
 いろいろ今まで指導してきたわけでございますが、それにもかかわらず先生を初め各方面から問題があるということで提起がなされていることについて、私どもとして非常に残念に思っているわけでございます。今後、特に長時間労働の問題について従来から佐川急便についているいう言われておったわけでございますので、この点を含めて私どもとしては積極的に対応していく必要があるというふうに考えているところでございます。特に労働省との連携が必要だという理解でございまして、労働省の監査結果を現在整理していただいているところでございますので、その辺を踏まえながら、どのような時期にどういうことをやったらいいか、労働省と一緒になって対応していきたいというふうに考えております。
#231
○小笠原貞子君 とりあえず、今具体的に申し上げました。それについてはお調べいただけると思います。いいですね、大臣。
#232
○国務大臣(奥田敬和君) 先生の綿密な調査に基づくデータでございますから、真剣に取り上げてまいります。
 特に、この写真の現物提供の中ですぐわかることは、路上をターミナル化して母船方式をとって、しかも長時間こういった行列をつくっておるという形は、これはまことに遺憾でございますし、そういった点等々も踏まえまして関係省庁ともよく連絡をとって適正に調査いたしたいと存じます。
#233
○小笠原貞子君 信楽鉄道、及川先生がずっと私の言いたいことをみんなおっしゃっていただいたんだけれども、その中で、一年目の五月をめどにして報告を出したら私たちにも報告いたしますと、こういうふうにさっきおっしゃいましたね。きょうも運輸委員会の理事会の席でお話し合いをしたんですけれども、あの事故については国会でも超党派で取り組んでやってきましたし、五月に最終報告まとめたら教えてやるよというんじゃなくて、今までの段階でどういう経過で、今現実にどこまでやっているんだと。そして、先ほどおっしゃいましたね、局長、いろいろとこういう問題が難しいと。じゃ、こういう問題が難しいというのはさっき聞いただけじゃちょっとわかりませんので、どういう問題が難しいのかというような経過を先ほど理事会でもお話しして、ぜひ委員会に御報告いただきたいということを御相談いたしました。
 そして、やっぱり遺族の方々が本当にいら立つのは、そういう経過が十分にきちっと話されていないという中でいろいろな心配が出てくると思います。車体をもう壊しちゃえなんて、いや、壊しちゃえなんという感覚がそもそも、あそこの中でうちの夫が死んだんだよとかどうとかというそういう心情を考えれば、やっぱりあれは先ほど及川先生もおっしゃったように、すぐ壊すなんていうことをしないでいただきたい。
 どうぞ中間報告、我々のところにも経過として御説明いただきたいということをよろしくお願いいたします。
#234
○政府委員(井山嗣夫君) 今、先生御指摘のあれでございますが、私が大変難しいと申し上げたのは二つございます。
 一つは、特に信号システムの方ではなくて人の動きでございますが、どうしてもAさんがこうやった、Bさんがこうやったということになるわけです。それが事故につながっている動き。そうしますと、Aさんの行動がいろいろと他の法規との関係が出てくる。それからもう一つ難しいのは、一番大事な方が、いわば安全の責任者があの列車に乗って亡くなっちゃっていると。そこら辺で、その方に聞けば多分すぐわかることがなかなかわかりにくいというようなことがありまして、時間がかかっております。
 そういうようなことでございますので、またうちの中でもちょっと検討させていただきます。
#235
○吉田之久君 けさから私鉄の一部がストライキに突入いたしております。労働組合にとってもかなり思い余っての行為だと思うわけなんですが、そのようにして今このシーズン、労働者もサラリーマンも少しでも生活の向上を求めたいという思いで懸命に労使交渉、ぎりぎりの状況を続けていると思うんです。しかし、ここに来て経営者のトップにも労働組合の幹部にも、これほどお互いに労使ぎりぎりの対決をしながら賃上げをから取っても、そのから取った賃上げ分が本当にどこまで生活者としての生活の部分を潤わせているだろうかという重大な疑問が起こり始めていると思うんですね。
 要するに、先ほど及川委員の質問にも大臣お答えになりましたが、社会的コストがどんどん高まってきておる流通過程をもっと簡素化すること、スムーズにすること、あるいは大臣は許認可の面に対しても運輸省としてとるべきいろんな検討事項があるとおっしゃいました。敬意を表する次第でございますが、そのようにして運輸行政の中でさしあたり現実に国民生活にどう寄与、貢献していくかというような点につきまして、再度大臣のお考えをお伺いいたしたいと思います。
#236
○国務大臣(奥田敬和君) 一番大切なことは国民に対するサービス、この視点に立ってどうあるべきかということを考えるのがやはり基本であろうと思います。そういった点も、効率、安全、国民に対するサービスの視点を十分踏まえながら、できるだけ許認可件数を減らしていく、こういった形の中で行政の効率化を図っていきたい、そしてまた、国民にとってもわかりやすい運輸行政の基本的な姿勢をとっていきたいというのが私の考え方の基本でございます。
 細部に関して、現実にはここ四、五年の間に随分許認可件数は減らしてまいりました。今後とも引き続き努力してまいるということでお答えにさせていただきます。
#237
○吉田之久君 そういう大臣の御努力の中で、個々具体的に三年ないし五年の間にどこまで許認可件数が減ったか、あるいは今後三年ないし五年の間にどこまでなお絞り込んでいこうとなさるのか詳しくお答えをいただきたいと思います。
#238
○政府委員(豊田実君) お答え申し上げます。
 私ども運輸省としまして許認可件数をカウントする場合に、総務庁の方で毎年度統一的に物差しをつくりましてまとめている数字がございますので、それを使わせていただきたいと思いますが、許認可等件数といいまして、許可、認可のほかに報告とか届け出も含めた数でございますが、昭和六十年十二月末が起算点になっていまして、当時二千十七件ございました。昨年度末でございますが、その数字が千九百六十六件という減少をしております。
 減少の数自体は非常に少なくお感じと思いますが、実は、私どもの許認可の中身としましては、いろんな機会に申し上げておるわけですが、安全確保であるとか環境保全というような規制が非常に大きなウエートを持っておりまして、また同時にそういう安全とか環境という面では国際条約に基づく規制というものを国内法化するというようなことで増加要因もあります。
 それで、私どもの大きな努力の成果として、実は物流業について規制緩和というものを行いました。トラック事業について免許制から許可制にするとか運賃の認可制を届け出制にするというようなことでございますが、総務庁のカウントの方法としまして、免許から許可へ実質緩和になっておりますが、件数としては一件ということで減少にはなっていないということで、件数としては今申しましたように努力して少なくはしておるんですが、全体としては余り大きく減少していない。ただ、中身としましては、今申しましたようにいろいろな工夫をして簡素化を図ってきております。
 今後とも、社会経済情勢の変化とかあるいは技術革新というようなものを十分念頭に置きながら、同時に国民に対するサービスの低下というものを来さないように注意しなくちゃいかぬと思いますが、許認可の規制のあり方について随時見直しを行っていくように努めてまいりたいと思っております。
#239
○吉田之久君 御説明で、数の面ではなかなか前途いまだしの感ではありますが、内容の面では逐次緩和、減少の傾向をたどるべく努力はなさっていることはわかります。今もおっしゃいましたとおり、絶えざる努力、見直しを続けていかなければ時代の進歩に伴わないと思うわけなのでございます。
 そこで、絶えず問題になりますのは、例えば自動車の車検でございますね。さきにも同僚委員からも御質問がありましたが、もともと安全規制という面でやられたはずのこうした規制が、いつの間にか事業者保護になっているのではないだろうかというような感じを国民は次第に受け取っている部分があります。だから、新車については車検期間を二年から三年に延長されましたけれども、さらに延ばし得る余地はないだろうか。ともかく、この規制緩和というのは企業における原価低減活動のように、一度やればそれでいいという問題ではなしに絶えず究極まで努力を積み重ねていくという性格のものだろうと思うわけなのでございますが、こういう点についてはいかがでございましょうか。
#240
○政府委員(堀込徳年君) お答えいたします。
 ただいま車検というものが安全規制という名のもとに事業者保護になっておるんではないかという御指摘でございますが、私ども車検につきましては、先生御指摘のとおり、安全性の確保あるいは公害防止、そしてまた不正改造防止というようなことで大変社会的に役立っている制度だと認識しております。
 しかしながら、先生御指摘のように、その車検の過程におきます検査にかかわる整備におきまして一部不必要な整備をしておるとか整備料金が高いとかという問題がございますので、整備事業者に対しましてそのようなことの言われることのないように十分指導してまいっているところでございますし、また今後とも指導してまいりたいと思っています。
 後段の車検の延長につきましては、ただいまの交通事故の発生状況あるいはまたNO、を中心とします環境問題、さらに交通渋滞のもとになります故障の発生等を踏まえますと、技術的進歩は見られますけれども、やはり現在におきまして車検制度というものは十分機能しておりますし、また大事な要素であると思っておるわけでございます。
 先ほどお答えいたしましたけれども、この関連につきましては、現在行革審におきまして技術進歩等に合わせて見直すという審議中でございますので、またそちらの状況等も踏まえて対応してまいりたいと思っています。
#241
○吉田之久君 なお一層の努力をよろしくお願いいたしたいと思います。
 次に、内航海運カルテルの見直しについてでございますが、フェリーとかローロー船などの輸送機関の転換ですね。これは、環境問題あるいはエネルギー問題あるいは交通渋滞等の観点から逐次ディーゼルトラックの規制が行われようとしている状況でありますけれども、そういうことにかんがみて船腹調整制度の緩和も急ぐべき時期に来ているのではないかというふうに思うのでございますが、いかがでございましょうか。
#242
○国務大臣(奥田敬和君) 御指摘のとおりであると思います。内航海運の中で特に弾力的な運用が必要な時期が来たなと。特にディーゼル車の規制もございますけれども、コンテナ船とかあるいはローロー船、こういった形の船腹制度に関しましては大幅な緩和を図ることは必要であろうと思っております。
 こういった点のことを踏まえまして、造船審議会等々に答申をお願いして、答申をいただいたところでありますけれども、今後の内航海運対策のあり方について検討をお願いいたしましてこの大幅緩和策ということの御提言もいただいておるので、こういった方向に沿って措置してまいらなきゃならぬと思っております。
#243
○吉田之久君 次に、JRの問題についてでございます。
 このJR、要するに国鉄の民営・分割、それはまさに行革の最重点課題であったわけでありますが、ここに来て格段の努力が払われていることは国民がすべて認めているところではあります。しかし、問題の清算事業団の要処理債務がほとんど減少していないように思うわけなのでございます。例えば、旧国鉄用地の処分等につきましても、それを処分することによって他の地価に著しく変動を与えてはならないという配慮もありまして、それをおくらせた経過がございます。
 ところが、このたび国土庁が地価公示の調査を行いましたところ、全国的に下がってきておる傾向にございます。地価そのものが下がっていくことは大変いいことなのでございますが、こういう現実は債務処理の面から見れば若干のそごを来すことになりはしないか、そういう問題につきましてどのようにお考えでございましょうか。
#244
○政府委員(井山嗣夫君) 先生、今お話しいただきましたように、JRができましてJRそのものは大変順調な歩みを見せておるわけでございますが、その債務のかなりの部分を引き受けました清算事業団のいわゆる要処理債務、これにつきましては確かに御指摘のとおり順調に減っていっているとは言えないわけでございます。
 もともとこの清算事業団の債務、具体的には金額では二十五兆円余を引き受けたわけでございます。この考え方としては土地、それから株式、JR株式でございますが、これを売却いたしましてできるだけ返していく、どうしても残ったものは国民負担にするという枠組みでスタートしたわけでございます。それで、土地を売り始めまして、これはただ売るわけにまいりませんで、基盤整備と申しまして更地にしたりして順次処分しようとしていたところでございますが、少し軌道に乗りかかりましたときにちょうどあの地価高騰にぶつかりました。それで、いわゆる一般競争入札は非常に制限的に運用してきたわけでございます。最近地価が下がってきておりますので、我々としては競争入札の制限を少し緩和できない。かなとは思っておりますけれども、これもやはり地価対策との関係で慎重にいかなきゃいかぬとは思っております。
 それから、株式につきましても、昨年度売る準備はしたのでございますが、なかなか株式市場の状況から見て一応三年度はあきらめまして、四年度にぜひ処分をいたしたいと思っております。
 そういうことで、スタートの時点でこういう土地、株式の処分につきましてちょっとストップがかかったといいましょうか、ややブレーキがかかったものですから減っておりませんけれども、今年度以降はいろんな工夫をいたしまして、順調に債務が償還ができるよういろいろな工夫をしながらやっていきたいと、こういうふうに思っております。
#245
○吉田之久君 株式の方も国民は大変心配をしているところでございまして、NTTの株が今や完全に国民の期待を裏切りまして、非常に多くの国民は悲憤憤慨している現状にあります。それを横に見てJRの株式をどのように上場していくか、発行していくか。八百二十四万株と聞いていますが、一株額面五万円として、これ自身はもう膨大な株式の中でのシェアを占めることになると思います。いつまでも出さないわけにいかず、出すとすれば順調に出し得る状況にあるのかどうかもう少し御説明をいただけませんか。
#246
○政府委員(井山嗣夫君) JRの株式でございますが、株式を売却して上場を考えておるわけでございますが、上場する場合には、特に東京証券取引所などが決めた基準がございます。これは、いろんな細かいところがございますが、要するに、しかるべく配当ができていて将来も配当が続けられるとか、それから株主の期待を裏切らないような純資産がきちんと確保されているとかいろんな基準がございます。この基準に対しまして本州の三会社、JR東日本、東海、西日本はこの三年度の決算でほぼ上場基準は達成すると思います。
 そういう意味で、いわゆる売る候補になるわけでございますが、これをどういう順番で売っていくか。例えば、先生今おっしゃるように、八百二十四万株をいきなり全都市場に出した場合に市場がそれだけの受け入れ能力があるかどうかとか、それから値段がどういうふうについて、ほかの株にどういう影響を与えるか、いろんな難しい問題があるようでございます。
 そういう意味で、私どもはいずれ、専門家の方の御意見も聞きつつ今まで勉強してきたところでございますが、さらに証券業界の動きとかあるいは専門家の意見を聞いて、清算事業団に資産処分審議会という審議会がございますので、そこでもいろいろ御研究をいただいて、決して国民の皆様を裏切ることのないようなきちんとした株の売り方をしていきたいと思っております。
#247
○吉田之久君 ところで、現在建設が計画されております整備新幹線について、これが再びJRの経営を圧迫する要因とならないかどうか。レール部分につきましても駅舎の部分につきましてもJRが五〇%の負担をしなければなりませんね。その辺の見通しについてはいかがですか。
#248
○政府委員(井山嗣夫君) 新幹線を考えますときに、それはやはりせっかく発足しましたJRの経営を圧迫して、いわば第二の国鉄といいましょうか昔のようなことにならないようにというのがもう大前提でございます。
 そこで、私ども分割・民営化が始まって以来、いろんな角度から研究をさせていただきまして、その結果出ましたのがいわゆるフル規格の新幹線、それから幅は新幹線と同じですけれども、車両自体は少し小ぶりの在来型の車両を使うといういわゆるミニ新幹線、それから路盤だけは将来に備えて新幹線規格でつくりますが実際は狭い幅、現在の幅の車両がかなりなスピードで走る、いわゆるスーパー特急と言っておりますが、こういうものなどを考えまして、それから財源としまして、今具体的に既存の新幹線を売りましたいわば差益といいましょうか、時価評価しましたのと債務額との差額の部分を使いましてやれる範囲でやるということで、昨年の秋でございますが、御承知のように軽井沢−長野、それから盛岡−青森、それから八代−西鹿児島、そのほかに金沢−高岡等につきまして着工しようということを決意したわけでございます。
 その場合に、あくまでもやはりJRの経営に悪影響を与えないということで、JR各社の意見も十分聞きました。私どもの収支試算等も全部見せまして、向こうの収支試算も突き合わせまして、そういう意味で決して将来負担にならないということを確認した上で着工することに決めたわけでございます。
#249
○吉田之久君 次に、国内航空路線についてお伺いをいたしたいと思います。
 一つは、一極集中とか二極集中とか言われておりますが、その集中を排除する点からも地方空港間を結ぶ路線の開設、拡充が要求されていると思いますけれども、今の運輸省の考え方をお伺いいたしたいと思います。
 また、小型機を使ったコミューター航空を今後さらに拡大していくべきなのかどうなのか、その経過等をかんがみてどうお考えになっていらっしゃるか。
#250
○政府委員(松尾道彦君) ただいま先生の御指摘のとおり、地方航空路線の運用につきましては私ども全く同じ認識を持っております。やはり地方航空路線の開設につきましては、今一極集中排除の立場もございますし利用者利便の向上という立場からも考えて必要だと思っております。
 ただ、羽田あるいは大阪、成田、こういった路線につきましては空港制約要因がありますので、こういった空港制約要因のない地域につきましては、事業者の方から申請がございますれば航空局といたしましても積極的に支援をしてまいりたいと、このように考えております。
 それから、一つ答弁漏れいたしまして、済みません。小型機の利用でコミューター航空でございますが、これは需要規模の小さい航空路線につきましては、その規模に応じた適正な規模の機材を導入するという立場から現に六十席以下のコミューターにつきましてはそういった路線も徐々にふえつっございます。なかなか収支採算上難しい路線が多々ございますけれども、こういったきめ細かい路線の拡張についても今後必要になろうかと、このように考えております。
#251
○吉田之久君 その点をよく配慮されながら御指導いただきたいと思うわけなんでございますが、ざらに一点は、現に先ほどもお触れのとおり、東京−大阪間等の場合は新幹線と飛行機とが激しく競争し合っておるという現状にございます。地方に建設される整備新幹線と地方空港間を結ぶ航空輸送というのも、次なるそういう競争原理の中で激しく争われるかもしれないわけなんでございます。
 そこで、大臣は、それはもう陸も海も統括される交通運輸の一番責任者でございますが、こういう空と鉄道との輸送網をどう整備しながらどうバランスをとっていくか、大変難しい問題だと思んのです。大臣がお考えいただかないと、各局長はそれぞれの思いのところで頑張ると思うんです。そういう総合調整能力を大きく発揮されないと、大変これから随所でいろんな摩擦や混乱が起きやしないかという点を心配するわけなんでございますが、いかがですか。
#252
○国務大臣(奥田敬和君) 今御指摘されましたとおり、鉄道局と航空局がそれぞれ国民のサービス、国民のそういった機関を利用される視点に立って行政努力を重ねておることは事実でございます。
 しかし、確かに御指摘のように、鉄道は鉄道のよさがあると思います。大量性とかあるいは正確性とか、また乗った形の中のゆとりと申しますか、そういった形において鉄道はまた飛行機と違った意味の特性を持っておる。飛行機は二点間のスピード性においてはすぐれておるけれども、そこはやはり鉄道のように地についたという形の安心感、そう言うとまた飛行機の人に怒られるかもしれませんけれども、そういった形においては鉄道は立派な特性を持っておると。特に最近は、そういった形でゆっくりした旅を楽しむ、そういった情緒的な面からいうと、鉄道への回帰という形で最近利用客が非常に多くなってきておる、このことは大変喜ばしいことだと思います。
 また、航空は今言いましたような鉄道にない適性を生かしてこれからますます需要が拡大されていくと思います。そしてまた、貨物にしても付加価値の高いものはやはり今後ほどんどん陸上輸送から航空輸送へとかわっていくという新しい時代を迎えておりますので、それらの点にバランスのとれた形で行政展開を図ってまいりたいと思っております。
#253
○吉田之久君 最後に、都市交通の問題でございますけれども、主要都市における地下鉄あるいはバス路線はかなり発達した現状にあると思うのでございます。しかし、タクシーについては随分問題が残っておる。これは既に他の委員からも御質問のあったところでございまして、いろいろ就労者の労働状況の過酷さとかいろんなマンパワーの面で問題がこれからも残ると思うんです。
 それにしても、深夜とかあるいは急に夜中の雨の激しいとき、あるいは新幹線がちょっとした故障を起こしてうんと延着して夜の一時、二時ごろ東京駅へおりたり大阪駅へおりたり、あるいは地方の町でもそうでございますが、せっかく私鉄で最寄りの駅までは早く帰れたんだけれども、雨が降ったらもう延々長蛇の列、タクシーは逼迫してなかなかやってこない。それはサラリーマンにしたって普通の国民にしたって、あのいら立ちというか、それはとても容易なものじゃないと思うんですね。最近はやりの過労死の原因はその辺にもあるんじゃないかと思うほどでございます。
 さて、眠れる車はいっぱいあります、個人の革も含めまして。特に、外国から来た人がこの発展進歩した日本の東京駅へ着いて、夜中に一時間も二時間も見知らぬ土地でただ立っているというのは、これは非常に気の毒だと思うんですね。何かそういう特殊な時間あるいは天候異常とかあるいは交通事故でおくれて何とか救済しなきゃならぬというようなときに、JR側や私鉄側がみずからなすべき努力の方法があるんじゃないか。それがどうしても無理ならば、そういうときに限ってボランティアというか在来の個人自タクというか、何か登録制を用意してでも秩序が乱れない範囲でそういう困っている人たちを一時救済する交通体系というものがそろそろ考えられてもいいんじゃないかと、私はいつもそう思うのでございますが、どなたかお答えいただけますか。
#254
○政府委員(水田嘉憲君) 先生御指摘のとおり、深夜の輸送力対策というものが都市活動の二十四時間化というものに伴いまして大変重要になってきているわけでございます。運輸省としても終電の延長とか終バスの延長もやっているわけでございますが、おっしゃるようにタクシーの問題も大変重要な問題だと思っております。
 夜間の一定の時間帯に限って稼働するいわゆるブルーラインタクシーというふうなものを導入したり、拡充するとかさらには計画配車等もやっているわけでございますが、このほか乗り合いタクシーなんかも導入いたしたりしているわけでございますが、そういうようなもので深夜のタクシー不足の解消に努めているところでございます。
 御指摘のように、臨時にタクシー行為を白の卓に認める、正式に認めるということにつきましては、旅客の安全の確保という面で問題もいろいろあると考えております。しかし、深夜輸送力の確保の問題というのはいろいろ知恵を絞ってやっていくべき事柄でございますので、先生の御指摘も一つのアイデアとして受けとめまして、今後とも需要に即応した各種の施策を推進して深夜輸送力の確保に努めてまいりたいと考えております。
#255
○吉田之久君 ありがとうございました。
#256
○寺崎昭久君 大臣の御所見は一番最後に伺うことにいたしまして、まず営業倉庫の料金について質問をさせていただきたいと存じます。
   〔委員長退席、櫻井規順君着席〕
 平成元年十一月二日に発表された行革審公的規制の在り方に関する小委員会報告によりますと、「倉庫事業に係る料金届出制の運用の改善」という指摘項目がございます。これはどのような状況とか内容を指摘したものか、運輸省の受けとめ方、認識を伺いたいと思います。
#257
○政府委員(土坂泰敏君) 今仰せになりました答申で指摘されておりますことは、倉庫業の料金の届け出制につきまして「制度本来の趣旨に削った運用の徹底」を図るとともに、料金の「多様化」を図るということが指摘されているところでございまして、これを受けまして料金の幅の拡大等の措置を運輸省として講じたところでございます。
#258
○寺崎昭久君 また、同小委員会報告によりますと、今触れられました「料金届出制の制度本来の趣旨に削った運用の徹底」ということが「推進課題」として挙げられているんですが、今の御説明では、「制度本来の趣旨」というのは幅を持ったという、そういう意味なんでしょうか伺います。
#259
○政府委員(土坂泰敏君) 届け出制といいますのは、先生御案内のように、行政庁の処分をまつことなく、事業者の届け出が受理されればその効果が発生をするということでございまして、倉庫業法の場合には、その届け出制に加えまして、届け出た料金が不当なものとならないような変更命令をすることがあるという制度になっております。
 それで、答申で指摘されました「制度本来の趣旨」といいますのは、事業者の届け出た内容が不当なものでない限り効果が発生をするようにしていく、それによって多様な料金の設定が可能になっていく、そういう趣旨であろうというふうに考えておるところでございます。
#260
○寺崎昭久君 多様な料金になっているかどうかというのは大変大事なことだと思いますが、昭和六十三年十二月の公的規制の緩和等に関する行革審答申を見ますと、「同一地域内同一料金となっている実態にかんがみ、多様な料全体系の設定を促進する。」という一文がございます。これは今おっしゃられた趣旨とは違って、各社ごとの料金ではなく地域ごとに同一料金になっているのが実態である、よってこれは適正じゃないから変更しろ、こういう内容だと理解してよろしいでしょうか。
#261
○政府委員(土坂泰敏君) 倉庫の料金の実態を御説明させていただきますと、倉庫の料金は倉庫の建設費あるいは運営のための人件費を反映して設定されるわけでございますが、こういった建設費なり人件費なりが地域ごとに差がございますので、現実の料金の設定も、従来の沿革などもありまして地域ごとに異なった料金を決めるということで行われておるわけでございます。
 その地域ごとの料金がどういうふうに決められておるかといいますと、これは届け出られた料金が当該地域ごとに同じ内容の届け出が出てきておる、それが全事業者の九割ぐらいは同じ届け出が出てきておるという実態でございます。
 ただ、倉庫料金というのは今申し上げましたようなことで、逆に言えば一割はそうでない届け出になっておりますのと、それから届け出た料金の内容も一〇%の幅を持ったものでございまして、その幅の中では具体的にどの料金をとるかというのは各事業者にゆだねられているわけでございます。
   〔委員長代理櫻井規順君退席、委員長着席〕
そういう意味で、同一になっておりながら現実にはある程度多様性もあるという運用になっておるものと承知をしております。
#262
○寺崎昭久君 今のお話ですと、全部が全部同一料金ではない、一割ぐらいは一定の合理的価格の幅の間に入っているというお話なんですが、しかし、同一料金と合理的な幅の間には発想の出発点において月とスッポンぐらいの違いがあるのではないかと思うんです。髪の毛を長くしていれば全部女性であるというぐらい乱暴な言い方ではないかと思うんですけれども、今運輸省はこの料金について問題があるとお考えなのか、全く問題ない合理的な決め方がされているという認識に立っておられるのか、もう一度お伺いいたします。
#263
○政府委員(土坂泰敏君) 最初に申し上げましたように、料金は届け出制でございますので、まず基本的には事業者が荷主との関係を考慮して自分で適切であると思うものを届けてこられる、それに対してそれが不当である場合には変更命令がかかる、こういうことになっておるわけでございます。
 現実に出てきております料金は、今申し上げましたようなことで大部分の方が同じ金額の料金を届けておられるということでございますが、これは事業者の方でそれが適正であるという御判断のもとに出してこられたものでございますし、それが不当であるという場合は別といたしまして、それによって円滑に市場が動いでいくということであれば、これはこれで受けとめていくべきことではなかろうかというふうに考えておるところでございます。
#264
○寺崎昭久君 なかなか理解が難しいおっしゃり方をされているんですが、改めて伺いますけれども、倉庫料金の構成要素というのは何でしょうか。保管コストを倉庫料金を算定する際の基礎に使っているのかどうか、原価主義をベースにして料金を決めているのかどうか、その辺を伺いたいと思います。
#265
○政府委員(土坂泰敏君) 倉庫料金も料金でございますので、基本的には原価を反映したものでなければなりません。先ほどから変更命令のことを申し上げておりますが、原価と適正利潤というもの、それを著しく上回るというような場合には変更命令がかかるというようなことになっておりまして、そういう意味で料金はコストに基づいて適正に決めていただくようにしていかなければならないと思っております。
#266
○寺崎昭久君 原価をベースにして料金を決めるということであれば、同一地域において九割が同じというのはやはり不自然じゃないかと思います。法律の趣旨とはちょっと違う実態があるのかなと思うわけでありますけれども。
 ところで、料金にかかわる商慣行の中に、従量制、従価制、期制あるいは級地制というんですか、そういう制度があるそうですけれども、簡単に御説明いただけますか。
#267
○政府委員(土坂泰敏君) 今仰せになりました、まず料金の具体的な算定の仕方といたしまして、量に応じて、具体的には体積なり重量に応じてトン当たり幾ら容積当たり幾らという料率で料金を計算するというやり方が一つと、従価といいまして、物の値段をベースにいたしまして、それに対して幾らというふうに単位当たりの金額を掛けて料金を計算するやり方、二つございまして、現在はほぼ従量、従価、フィフティー・フィフティーで計算いたしましたものを合算して料金を出しておるわけでございます。そういう意味で、従量、従価というのは料金の計算の仕方のことを言っておるわけでございます。
 それからもう一つ、級地という言葉を仰せになりました。級地というのは、先ほど申し上げましたように、地域によって建設費なり人件費の差がございますので、料金の立て方も、例えば大都市であるとかあるいは中規模の都市であるとかその他の都市であるとか幾つかに地域を分けまして、その地域ごとに料金を決めておるわけでございますが、その地域ごとの分け方のことを級地というふうに言っておるわけでございます。つまり、料金の立て方の単位のようなものでございます。
 それからもう一つ、期制ということをおっしゃいましたが、期制といいますのは、これは具体的に料金の算定の仕方を、一月を三つに分けまして十日単位で料金を計算するというやり方をしておりますので、その一つの料金の計算の仕方としてそういう期制というものをとっておるということでございます。
 いずれも料金の計算なりあるいは立て方の技術的な要素でございます。
#268
○寺崎昭久君 例えば従価制を採用しますと、物価が上昇すれば寄託価格も自動的に上昇するわけです。したがって保管料収入もふえるということになるわけで、これは余り原価主義とは関係ないんじゃないかと思います。期制についても、荷物というのは必ず十日ごとに出し入れするとは決まっているわけじゃないんで、これも原価主義に反するんじゃないか。それから級地制というのも、いつ倉庫を取得したか、それは倉庫ごとに違うと思いますから、それによって取得原価も当然異なるわけで、これも原価主義とはなじまないんではないかと思うわけです。
 したがって、原価主義を根拠として料金を決めるとおっしゃられますけれも、やはり疑問が残ります。現状の倉庫業界においては届け出料金が守られていない、あるいは過当競争のためにダンピングが頻発して業績が低迷しているという話も聞いておりますけれども、それはそれとして、やはり同一料金というのはどうも納得いかないなと思うわけでございます。原価主義をベースにして決めるべきものが同一料金になっているということ、これから発展させて考えますと、場合によっては独禁法に抵触するおそれがあるのではないかと思いますが、この辺の御判断はいかがですか。
#269
○政府委員(土坂泰敏君) 料金が届け出制でございまして、どういう料金をお決めになるかは事業者が第一義的に判断をなさることでございます。従来から長い沿革あるいは荷主との関係がありまして、結果として同一になっておるわけでございますが、あくまでも事業者がそれぞれの立場で自主的に判断してお出しになっておるものというふうに承知をしております。
 現実の料金の届け出も、いわゆる一括申請というようなことではございませんで、個々の事業者がそれぞれにみずからの判断で出してこられるというふうになっておるところでございます。
#270
○寺崎昭久君 今のお答えは別の言い方をすると、横並びもあるかもしれないなと。これも業者の判断で決めていることだから介入する話ではないということに聞こえますけれども、そういうことですか。
#271
○政府委員(土坂泰敏君) 横並びということが適切かどうかわかりませんが、どういう料金をおとりになるかということは、やはり事業者が自分のいわば商売の問題として荷主との関係あるいは従来の沿革などを孝之て御自身の判断でお決めになり、それを個々に出してこられているというふうに考えておるわけでございまして、それが結果として一致しておるわけでございますが、あくまでも自由意思によってお出しになっておるものというふうに考えております。
#272
○寺崎昭久君 倉庫業法第六条第二項によりますと、運輸省は、不適正な料金と認めた場合には変更命令をすることができると。これは先ほどの御説明にもございましたけれども、この変更命令ができるということを踏まえて言えば、届け出というよりは許認可料金と考えた方がいいのかなと思うわけであります。許認可料金の場合には、料金を審議する審議会等の議決を経て決めるわけですが、そういうことも行われていない。どうもこの届け出制ということ自体の位置づけが不明確であり、このことがあるいは同一料金を生む下地、素地になっているのではないかという気すらするわけですけれども、そんなことはありませんか。
#273
○政府委員(土坂泰敏君) 届け出といいますのは、一番最初に申し上げましたし先生も御案内のことと思いますが、いわゆる免許あるいは認可と違いまして行政庁の処分がなくても届け出が受理されると効果が出るというところに一つ大きな違いがあるわけでございます。
 これに変更命令がついておりますのは、そうはいってもやはり荷主との関係で余りにも不当なものであったりあるいは超過利潤を得るというようなことになると金その仕事が公益的でありますからやはり問題があると思いますので、そういう場合は変更命令をかけることがあるということで、そういう二段構えになっておるわけでございますが、免許や認可と違って、第一義的にはあくまでも届け出さえすれば、受理されればそれが効果を持つというところに大きな違いがあるように考えております。
#274
○寺崎昭久君 変更命令を出した実績はございますか。
#275
○政府委員(土坂泰敏君) 変更命令を出した実績はございません。それはどういうことかといいますと、具体的には事業者から事前に変更命令が出されないことが確認をされてから実際の届け出が行われるという実態にございますので、結果として変更命令が出ていないということでございます。
#276
○寺崎昭久君 今、簡単な問題を幾つか並べてきたわけでありますけれども、この倉庫料金というのは原価主義をベースにしているといいながら、実態はどうもそれを反映しているとは思えない。同一地域同一料金が九割も占めるということを考えると一場合によっては独禁法に触れるのかなという懸念もなしとしない。届け出制とはいいながら実質許認可制になっている。審議会にもかけられていない。
 そういうようなことを考えてみますと、この倉庫料金というのはいろんな問題を含んでいるように思うんです。だからこそ行革審なども、多様な料金の形成のために努力をしろという指摘をされているのだと思いますけれども、運輸省の御見解、今後の取り組みというものを伺いたいと思います。
#277
○政府委員(土坂泰敏君) 届け出制というものの「本来の趣旨」といいますのは、事業者の自由な意思というものがなるべく反映するようにしていくというところにあるのであると思います。ただ、それが余り不当であればそれは困るわけでございますが、そうでない限り自由意思が尊重されていくというのが届け出制の趣旨であり、それによって多様なニーズに応じた料金が設定されていくようにということが、その「趣旨に削った運用」を図るようにという行革審の指摘でもあったというふうに思っております。
 今、先生いろいろ御指摘になりましたけれども、先生の御指摘も踏まえまして、多様な料金の設定が可能になるように、運輸省としても倉庫業法の運用に当たって十分配慮してまいりたいと考えております。
#278
○寺崎昭久君 最後に、大臣にお伺いします。
 物流について責任を持っておられる官庁として、この倉庫料金を含めて物流コストの低減とかあるいは物流の安定というのは最も大事な分野であろうと思うんです。そういう意味から具体的な問題でいろいろ伺ってきたわけでありますけれども、大臣も今やりとりした中身を聞いておられて、やっぱり問題があるとお感じなのではないかと思うんです。
 運輸省は、とりわけ許認可等を多く扱っているところでもございますし、今後豊かな暮らしを築く上でも、こういう許認可であるとかあるいは規制緩和ということも前向きに取り組みながらお仕事を進めていただきたいと思うのでございますが、最後に大臣の御所見を伺って、終わりにしたいと思います。よろしくお願いします。
#279
○国務大臣(奥田敬和君) 物流の何か根幹に触れられておる問題提起であったように感じます。と同時に、今当面する運輸行政、許認可官庁と別名言われるような形の中で、この倉庫業の実態というものがそういう形で決められておったのかなと、改めて私も勉強しました。
 そして、個別申請という建前はとっておりますけれども、本来は多様な料金、そしてある程度の自由な競争原理に置かれなきゃいかぬわけでありますけれども、私らもこの倉庫業というやっは、田舎でも倉庫業をやっているのは大体古いうちで安定した形で、一番言ってみると安全で確実な企業なんだなと思っておったわけでありますけれども、今こういった実態指摘を見てみますと、やっぱり長い沿革の歴史があるにしろ何か法の保護と申しますか、そしてある意味においては安定しておる原因はこの辺にあるのかなと。
 ですから、結局今建前どおり個別の申請である。そして、同一地域同一料金、九割を限度としてということでありますけれども、この限度をもう少しふやすとか、そして本当に名実ともに個別申請でそういった選択の範囲で許容するのか、何か同一料金を役所が裏で指導しておるようなもしあり方があったとしたら、それは許せないことだなと。できるだけ多様な競争の中で国民生活に低廉なサービス、プラスをもたらすような方向であの業法のあり方自体も検討してみたいと思います。
#280
○委員長(峯山昭範君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
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#281
○委員長(峯山昭範君) この際、理事の補欠選任についてお諮りいたします。委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#282
○委員長(峯山昭範君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に櫻井規順君を指名いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
  午後五時十三分散会
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ソース: 国立国会図書館
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