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1992/04/16 第123回国会 参議院 参議院会議録情報 第123回国会 運輸委員会 第4号
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1992/04/16 第123回国会 参議院

参議院会議録情報 第123回国会 運輸委員会 第4号

#1
第123回国会 運輸委員会 第4号
平成四年四月十六日(木曜日)
   午後二時三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月十日
    辞任         補欠選任
     木庭健太郎君     片上 公人君
 四月十五日
    辞任         補欠選任
     鹿熊 安正君     川原新次郎君
     堀  利和君     対馬 孝且君
 四月十六日
    辞任         補欠選任
     川原新次郎君     鹿熊 安正君
     寺崎 昭久君     三治 重信君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         峯山 昭範君
    理 事
                上杉 光弘君
                松浦 孝治君
                櫻井 規順君
    委 員
                鹿熊 安正君
                片山虎之助君
                野沢 太三君
                二木 秀夫君
                稲村 稔夫君
                佐藤 三吾君
                対馬 孝且君
                渕上 貞雄君
                小笠原貞子君
                吉田 之久君
                三治 重信君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  奥田 敬和君
   政府委員
       運輸大臣官房長  豊田  実君
       運輸大臣官房総
       務審議官
       兼貨物流通本部
       長        土坂 泰敏君
       運輸省運輸政策
       局長       大塚 秀夫君
       運輸省鉄道局長  井山 嗣夫君
       運輸省自動車交
       通局長      水田 嘉憲君
       海上保安庁次長  小和田 統君
       気象庁長官    新田  尚君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        長谷川光司君
   説明員
       建設庁河川局河
       川計画課長    市原 四郎君
       建設省河川局治
       水課長      松田 芳夫君
       自治大臣官房参
       事官       鈴木 良一君
       消防庁防災課長  広瀬 経之君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○運輸事情等に関する調査
 (局地的集中豪雨の観測予報体制に関する件)
 (運輸省の許認可のあり方に関する件)
 (通学定期乗車券の購入手続きの簡素化に関す
 る件)
 (第三セクター鉄道の経営改善策に関する件)
 (JR北海道の安全対策に関する件)
 (JRのエスカレーター・エレベーター整備に
 関する件)
 (プルトニウム輸送の護衛問題に関する件)
○海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一
 部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(峯山昭範君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十日、木庭健太郎君が委員を辞任され、その補欠として片上公人君が選任されました。
 また、昨十五日、堀利和君及び鹿熊安正君が委員を辞任され、その補欠として対馬孝且君及び川原新次郎君が選任されました。
 また、本日、寺崎昭久君及び川原新次郎君が委員を辞任され、その補欠として三治重信吾及び鹿熊安正君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(峯山昭範君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(峯山昭範君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に片上公人君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(峯山昭範君) 運輸事情等に関する調査を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○櫻井規順君 きょうは、気象庁に質問を集中させていただきまして、最後のくだりで大臣のこれからの気象行政や関連したもろもろの運輸行政、水防行政にわたる面でのまた御指導を得たいということで発言を求めたいと存じます。
 最初に、これまで二度ばかり委員会でこの問題を取り上げてきたわけですが、少々時間が足りなくて言葉足らずでありました。きょうは、この問題で四十分ほど時間をいただきまして質問させていただきます。
 中身は、集中豪雨、局地集中豪雨というものに対してどうできるだけ早くとらえて、気象庁のもろもろの気象業務と関連させながら国民、住民の安全を守るかという観点で質問をさせていただきたいと思います。私は、決して地元の問題という発想ではなくて、我が国の集中豪雨というものに対してどう対処していくかという観点で取り上げていきますので、よろしくお願いいたします。
 ここで、私が直接こういう問題提起をするに至った一つの集中豪雨の例をちょっと最初に取り上げてみたいというふうに思うわけであります。(図表掲示)
 これは、御案内のように、平成三年の九月十日から十一日の間に伊豆半島の南部に集中豪雨があったわけであります。そして、死者が四人というような非常に局地的な集中豪雨があった。
 これの特徴ですが、集中豪雨のあった地点は下田市、緑色で囲んだのが下田市ですが、この部分に集中豪雨があったわけであります。御案内のように、ここに、伊豆半島の先っぽに気象台の石廊崎の測候所があります。ここに集中豪雨があったのは九月十日の実は午後二時半から三時半に百二十六・五ミリという集中豪雨があったわけで、この一時間当たりの雨量というのは、理科年表によれば、我が国の集中豪雨で長崎に一九八二年七月二十三日、百二十七・五ミリ、これが六位になるわけですが、七位にランクする集中豪雨であるというふうに記録されているわけであります。
 そのときにこの石廊崎の測候所がどうだったか
といいますと、九月十日の一時から四時くらいまでは雨量ゼロであります。ここの下田の市役所でどうかといいますと、雨量は二時から四時までの間てたしか五ミリ、二時間の降雨量が五ミリということ。しかし、ここでは百二十六・五ミリという集中豪雨が降ったわけであります。
 もう一つの特徴は、この集中豪雨がそんなわけで十日の三時ごろに集中して降るわけでありますが、三時という時点に一人の区長さんが監視中に水害に見舞われて亡くなるわけです。気象台の洪水警報が出たのが三時十五分という時間であります。そして四時台にはここにある二つの橋が落ちるというふうな状況があるわけであります。ですから、非常にとらえにくい集中豪雨であったわけでありますが、気象庁としては三時十五分に洪水警報をお出しになっている。
 問題は、私が言いたいのは、二時半から三時半に集中豪雨のピークがあった、そして気象台は三時十五分に洪水警報を出している。その前後にばたばたと災害が起きているわけであります。とにかくピークの時点、私は今まで橋が落ちる前に警報が出されたということは非常によかったと、こういうふうに言ってきたわけでありますが、願わくはもっと早くにこの警報が出せないものかというのが私の一つの問題意識であります。
 ちなみに、洪水注意報は十二時二十分でしたか十五分でしたか早く出ております。私が問題にしたいのは、洪水注意報はそういうふうに早く出ているわけでありますが、そして初動態勢に防災は入るわけでありますが、仰せここでは雨量ゼロ、ここでは雨量二十ということで、極めて対応としてはゆったりしていたものがあっただろうと思うんです。
 この集中豪雨の重大性という問題について、そして警報というものをもっと早く出すということが技術的に可能なのかどうなのか。顧みて、あるいは現在冷静に見て、今後の集中豪雨に対処するに当たって、まずその辺からお聞きしたいと思いますし、この集中豪雨の特徴について何か評価があればお聞かせいただきたいというふうに思います。
#7
○政府委員(新田尚君) お答えいたします。
 ただいま先生御指摘の集中豪雨につきましては仰せのとおりでございまして、我が国におきましては梅雨末期を初めといたしまして、こういったタイプの、いわばゲリラ的と申しましょうか非常に不意打ちを食らうような集中豪雨が非常に多うございまして、この場合もそのうちの一つだと思っております。
#8
○櫻井規順君 どうですか、もっと早期に洪水警報を出せるという、何といいましょうか、能力といいましょうか、その辺はどうでしょうか。
#9
○政府委員(新田尚君) 雨の監視につきましては、気象庁におきましてアメダスのほかレーダー、衛星を用いましてそれぞれの観測の特徴を生かしながら総合的に実施いたしております。
 今回の局地豪雨に対しましても、これらの観測データを組み合わせることによりまして現象の推移を把握しておりましたところでございます。
 先ほど先生御指摘のように、注意報はそういう意味で、十二時二十五分でございますが発表いたしましたが、警報に踏み切りますためには警報の基準というのがございまして、私どもの判断ではまだそれに達するのには時間があるということで、三時十五分に警報を出したわけでございますが、今後とも技術を高めまして、先生御指摘のように、もっと早く出すように努めたいと存じます。
#10
○櫻井規順君 三時十五分に警報が出されたわけですが、三時十五分にその警報を出す基準の何をクリアしたわけですか。
#11
○政府委員(新田尚君) 大雨の警報の基準と申しますのは、場所によってその雨の降り方に特徴がございますので違っておりますけれども、静岡県におきましては、一時間雨量としまして平地で四十ミリ、それから山地で六十ミリ、それから三時間雨量で平地で八十ミリ、山地で百二十ミリ、二十四時間雨量といたしまして平地で百五十ミリ、山地で二百五十ミリを超えるおそれがあると判断いたしましたときに出すようにいたしております。
#12
○櫻井規順君 十分おそれがあると判断できたのではないでしょうか、もう三十分くらい前には。
#13
○政府委員(新田尚君) そう言われますと言葉がないのでございますが、私どもといたしましてはその時点におきましてベストを尽くしたというふうに考えております。
#14
○櫻井規順君 結局、この地点の雨量測定ができないわけですから、判断の目安もなかっただろうというふうに思うわけであります。
 どうでしょうか、ここの赤いポイントがアメダスの雨量観測所になっているわけですが、これは教えていただいたように十七キロ四方というメッシュでおつくりになっている。ちょうどこの中心点には雨量観測所の測点がないわけです。もしここにあったら、もっと一時間くらい前に早く出すこと、四十とか五十というのはもう二時台の初めのころから降っているわけですからとらえられたというふうに思うわけでありますが、アメダスの観測所があるかないかということによって決定的なものがあるのではないでしょうか。
#15
○政府委員(新田尚君) 仰せのとおりでございますけれども、このたびの十五時十五分の警報の発表に踏み切りました判断の材料といたしましては、大島の南東風が強まったことによりまして雨が持続するという、あるいは南伊豆からの湿った空気の流入あるいはアメダステータによります強い降雨ということもございましたが、さらに賀茂郡河津町の消防署に問い合わせました結果、強い雨が、十四時から十四時二十五分までの間に二十ミリの降雨があったという回答を得ましたので踏み切ったわけでございます。
#16
○櫻井規順君 アメダスの雨量観測所があったならもっと早く出せたのじゃないでしょうか。そして、このメッシュというものをもっと気象庁としては縮めるということはいかがでしょうか、縮めていただきたいというふうに思うわけですが。
#17
○政府委員(新田尚君) 先ほども申し上げましたけれども、私どもといたしましては面的に雨量分布をとらえますために、これまでも静止気象衛星「ひまわり」の三時間ごとの観測を一時間ごとに、あるいはレーダーにつきましては一時間ごとの観測を七分ないし十分ごとにいたすなど強化をいたしておったわけでございますが、この集中豪雨的な雨といいますのはかなりゲリラ的に発生するものでございますので、今後ともそういった局地集中豪雨的な雨の観測を強化いたしますために、レーダーの性能向上と技術的な検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
#18
○櫻井規順君 アメダスの測点がふえればもっと正確にはかれるというものでしょうか。
#19
○政府委員(新田尚君) 御案内のように、降雨といいますのは非常に局地性の高いものでございますので、全国をくまなくカバーするというのは非常に難しゅうございます。
 レーダーは、その意味におきまして面的に雨の分布をはかるものでございますので、アメダスのデータとレーダーのデータを組み合わせますことによりまして面的な雨の分布を把握するのが一番よろしいんじゃないかというふうに考えております。
#20
○櫻井規順君 経済的な事情でアメダスをこれ以上全国的バランスを考えて置けないということでしょうか、それともレーダー観測でもってアメダスはこれ以上は必要ないという判断でしょうか、どうですか。
#21
○政府委員(新田尚君) 現在のアメダスの観測点の間隔につきましては事前に十分な技術的な検討を行った上で定めたのでございまして、気象庁では、レーダーによる面的観測と合わせまして五キロメッシュで雨量の分布を把握して即時的に集中豪雨などの監視をいたしたいということでございます。
 アメダスは、先ほど先生御指摘のように、十七キロメッシュでございますけれども、このようにレーダーのデータと合わせることによりまして五
キロメッシュということで監視をいたしておるわけでございます。
 なお、県等で保有しておりますデータにつきましても現在既に活用しておりますけれども、今後とも部外の機関の資料もあわせて活用に努めてまいりたいと考えております。
#22
○櫻井規順君 結局、アメダスについてはこれ以上置く方針はないといいましょうか、必要がないとは聞こえませんが、方針はないと。レーダー装置の機能を強化していきたいと。それから、自治体のそういうテレメーター情報というものを生かしていきたいというふうに聞き取れました。
 今度の洪水警報をお出しになったときに、地元の静岡県にサイポスというテレメーター情報があるわけですが、このサイポステレメーター情報というのは生かされているのでしょうか、どうでしょうか。
#23
○政府委員(新田尚君) 先ほど申しました河津の観測データもサイポスに入っているのではないかと存じますけれども、現在のところは――失礼いたしました。河津町の消防署のデータはサイポスに入ってないそうでございますけれども、私ども河津消防署と協定を結びましてそういうデータをいただくようにしておりますが、今後は、県とよく相談いたしまして、サイポスのデータも取り込むように検討してまいりたいと存じております。
#24
○櫻井規順君 長官、こういうことですね。この青いのが県のサイポスのテレメーターの雨量観測所になっているわけです。これでもここの集中豪雨の地点は拾ってないわけです。拾っているのは、この下田と二町が一部事務組合で消防組合をつくっておりまして、それがこの緑色の観測点を、これは升ではかる自動記録計がついているやつですが、電話で消防署へ連絡するシステムになっているわけです。この落合浄水場に設けられた下田の消防署の雨量計が時間雨量百二十六・五というのを記録しているわけです。
 問題は、こういう自治体などが持っている情報を気象台とつなげば、かなり有効な判断ができるというふうに思うわけであります。そういう自治体が持っているものについて有効に活用できるのではないかというふうに思うわけでありますが、この道というのは可能でしょうか。
#25
○政府委員(新田尚君) その前に、先ほどちょっと私間違えましたのは、サイポスのデータも含めまして、それから今先生御指摘のデータも含めまして、現在のところは防災無線等で必要に応じてデータをいただいております。
 今、先生御指摘のお話は、システムとしてつなげばどうかということでございますが、これは私どもの持っておりますシステムとサイポス及びサイポスに入っておりませんそういった消防署のデータとのやはり技術的なつなぎの問題というのはかなり難しい問題があるかと思いますけれども、いろんな手段を使いまして、なるべく活用するようには努めてまいりたいというふうに存じます。
#26
○櫻井規順君 時間がないんですけれども、ちょっと角度が変わりますが、結局、集中豪雨のピークのやや後ですけれども、洪水警報が出された。一体、それを早めるためにはどうしたらいいかということを考えると、素人判断では、富士山レーダーというのは雲の流れも当然とらえる、「ひまわり」は半球といいますか地球の気象条件をつかむわけで、画像化するにも相当の時間がかかるというお話ですけれども、富士山レーダーがどのくらい雲の形成をとらえるか。
 実際に地元の人たち、特に年寄りの方が言うのですけれども、集中豪雨のあるときの雲というのはキノコ雲といいましょうか垂直にだあっと天井まで伸びるような大きな雲が発生するということなんです。大雨が降るぞとか軽いぞというふうなことを海岸地帯なので言うそうでありますが、これだけの日本の雨量観測史上七位と言われるようなこういう大量の局地集中豪雨をもっと早期に積乱雲の形成過程からつかむということに挑戦されているのかどうなのか、その辺いかがでしょう。
#27
○政府委員(新田尚君) お答えいたします。
 ただいま御指摘の局地的な積乱雲の発生、形成過程の観測でございますけれども、「ひまわり」によります雲観測は、先ほど申し上げましたように、常時一時間ごとに行っております。またレーダーによりまして七分ないし十分ごとに雨の強さの観測を実施いたしております。その結果、積乱雲の発生、発達につきましても、これらの観測の成果に基づきましてその推移を把握いたしております。
 なお、これも先ほど申し上げましたけれども、このレーダの観測とアメダスの観測を合成いたしました五キロの間隔のレーダーアメダス合成図というものによりましてきめ細かく雨量分布を把握しております。
 富士山レーダーにつきましては、現在約十分間隔で観測いたしまして、それらのデータは気象資料伝送網を通じまして即時に地方気象台の方に配信して、予報、警報の発表に活用いたしております。
#28
○櫻井規順君 要領を得ないですが、またやりたいと思います。
 いずれにいたしましても、早期に発見するということは、早期に集中豪雨をとらえるということは、一つは気象台が技術的にとらえるということと、そして気象台に情報が集中する、あわせて市町村に、水防管理組合に情報が集中するということが必要だというふうに思うわけです。
 今度の場合も実は消防組合でそういう雨量計を設けていたわけですが、雨が強いがために、電話は切れる停電になるということでもって消防署の本部に測定した結果も報告できないし、現地の情報も報告できないという状況を迎えたわけであります。そういう意味で、テレメーター化し無線化した情報集中というものを水防管理組合、市町村にどう集中するかということを考え、そこで早期に状況をつかんで水防団が出動するという対応をする必要があるということを教えていることではないかというふうに思うわけであります。
 もう一度、市町村の関係については後で触れたいというふうに思いますが、少し角度を変えまして、気象業務法と水防法の関連でお伺いをしたいというふうに思います。
 御案内のように、建設省の所管で水防法があるわけであります。そして、その水防法は基本的には市町村に水防の責任を負わせているというふうに思います。国直轄河川の建設大臣の所管あるいはそれに準ずる知事所管の河川等あるわけでありますが、基本的には市町村に水防の責任を負わせているように思うわけであります。国の水防警報にいたしましても県の水防警報にいたしましても、実際にどうでしょうか、気象庁が果たす役割なんですけれども、気象庁から洪水予報が出されて初めて、国は直轄河川を気象庁と全く電話でリアルタイムに連絡して共同責任で判断していますからよろしいといたしましても、県知事が管理する河川の水防警報の発表あるいは市町村が水防警報に準ずる判断を下すとき、それはもう決定的に気象台の洪水予報が出発になっているのではないかというふうに思います。
 しかし、水防は、洪水警報を出すあるいは水防上の非常態勢を整えるのは、これはまた独自の水防法の判断で、一定の水位を越せばその河川の管理責任者は警戒態勢に入らなければいかぬと思うわけであります。しかし、現実にはすべての我が国の水防のための、要するに洪水警報の発動にしても気象台の洪水予報というものが大前提になっているのではないでしょうか。
 その辺は、まず気象庁の方からお伺いしますけれども、いかがでしょうか。
#29
○政府委員(新田尚君) お答えいたします。
 先生御指摘のように、注意報、警報の発表は防災活動の立ち上がりよりも先行する例が多いというふうに理解いたしております。気象庁は、先ほど申し上げましたように、注意報、警報は災害の発生のおそれがあると予想した場合に発表しているわけでございますが、地方公共団体はこれらの注意報、警報の内容及び水位、雨量等の状況から判断して適切な防災活動を実施しておられるものと理解いたしております。
#30
○櫻井規順君 建設省さん恐縮でございます。
 建設省から見ていて、実際に河川の通報を建設省がじきじきにやっているのは、そんなわけでリアルタイムに消防庁とやっているわけですが、実際に建設大臣が指定した県知事所管の河川の水防警報が発表される時点の判断で気象台の洪水予報というのはどういう位置づけになっているのか。
 もっと言いますと、一定の水位を超した場合に通報義務が、関係団体に通報するという仕事があるわけです。一定の水位を超したときの通報ということは水防法独自の河川管理者の責任になるわけでありますが、これは気象台の洪水予報、警報を待たないでやったという事例というのは一つくらいはあるんでしょうか。
#31
○説明員(松田芳夫君) ちょっと手元に適切な資料がございませんので、私の経験から御参考になればとお話ししたいと思いますが、やはり建設省といいますか現場の河川管理者あるいは水防管理者が御自分の判断で気象台の予報に先行して判断して何か対応をとったという事例は非常に少ないかと思っております。どちらかと申しますと、水防あるいは洪水対策に従事している人間は、河川に洪水が出てきて川の水が上昇してきてああ洪水になったなということから一般的に判断あるいは行動を起こしておりますので、そういうふうに事前に察知してうまく成功したという事例は私の知っている限りでは余りないかと思っております。
#32
○櫻井規順君 それから、水防警報の法律上といいましょうか実際の運用なんですけれども、これはもう完全に国直轄河川で建設大臣と気象台が、要するに国の直轄河川も洪水予報河川あるいは水防警報河川というものは河川が指定されていて、その指定された河川以外の一般河川、市町村管理の河川、水防管理団体として指定されている河川もいっぱいあるわけですが、この水防警報というのは洪水予報河川と水防警報河川に限定されたものなんでしょうか。
#33
○説明員(松田芳夫君) 一般的に水害防止のために、主としてそれぞれの都道府県で毎年洪水対策計画書あるいは災害関係の法律に基づきます災害対策計画書というようなものをあらかじめこしらえて、それぞれの河川の観測をしたり雨量を観測したりしている観測所のデータをそれぞれの土木事務所あるいは市町村にどう伝えるかという計画を一応定めてございます。
 しかし、現実に現在我が国におきましては国直轄の一級水系が百九、あるいは二級水系いろいろありますが、河川数にしておおよそ三万ほどの河川がございますので、そのすべての河川についてそういう洪水対策あるいは災害対策計画書の中に盛り込まれているかと申しますと、盛り込まれていない部分が非常に多いのではないかというふうに考えてございます。
#34
○櫻井規順君 御案内のように、洪水予報河川というのは極めて限定された河川であるわけです。静岡県の場合だったら天竜川だけです。今度は、水防警報河川になりますと建設大臣所管のもの知事管理のものと結構広がってまいりますが、それでも国の直轄河川だけでありまして、極めて限定される。指定水防管理団体というものが、静岡県で言いますと九十本ほどの河川が指定されて水防管理団体が形成されているわけでありますが、この指定水防管理団体が管理する河川全部は水防警報の対象河川に入りますでしょうか。
 ちょっと行政的にはわかりにくい私の質問がと思いますので、言い直します。県知事と建設大臣に水防警報を発表する権限は集中しているんですか。市長とか今の指定水防管理団体――おびただしい河川、静岡でいったら九十本ですが、そういう河川を管理する長もまた水防警報というものを発する権利といいましょうか、それがあるんでしょうか。
#35
○説明員(松田芳夫君) 水防警報を出す役割分担でございますが、建設大臣が管理しておる河川につきましては建設大臣が水防警報を出し、都道府県知事が管理されております河川については都道府県知事が水防警報を出すということに定められてございます。
#36
○櫻井規順君 法律を読む限りにおいては、実際の運用を見る限りにおいては、今おっしゃったように、極めて限定された国直轄河川が洪水予報の所管の河川になっているというふうに理解するしかないというふうに思っています。実際また水防警報河川という河川名もきちっと挙がってやっているわけなんで、おびただしい河川というのは国または知事のそういう非常警戒の体制下にないといいましょうか、ちょっと外に置かれているなという感じを強くするわけであります。
 それで、建設省に引き続いて質問するわけでありますが、建設省は水防上の観点から雨量観測を非常に積極的にお進めになっているように思うわけであります。今の建設省の雨量観測のシステムというのは現状はどんなぐあいになっていますでしょうか。
#37
○説明員(市原四郎君) 御説明いたします。
 建設省におきましては、河川管理上または水防上の観点から雨量観測、水位観測等をやっておるところでございますが、それに加えて河川管理、また水防のより一層の適切を図るために雨量レーダーも設置して観測しているところでございます。
#38
○櫻井規順君 レーダーによる雨量観測、レーダー雨量情報あるいはテレメーター雨量情報という非常に情報収集が建設省は進んでおるわけであります。この建設省の雨量情報の収集あるいはテレメーターでの雨量情報の収集というのは、気象台とはどこかでリンクをしているんでしょうか。
#39
○説明員(市原四郎君) ちょっと突然の質問で、完全に正確かどうか疑問な点もございますが、先ほども申し上げましたように、建設省におきましては河川における河川管理、また水防の万全を期するためにという目的のもとにテレメーター観測なりレーダー雨量観測をやっておるわけでございます。そういう形で行っておるところでございます。
#40
○櫻井規順君 私は、まだ建設省のレーダーシステムの方はパンフレットで読むだけですけれども、地元等で水防警報河川、安倍川の場合ですけれども、雨量観測所というものを承知しているわけであります。雨量観測所の全国の設置地点の数などはわかりますか。そして、そのテレメーター化率といいましょうか雨量観測所の総数に対するテレメーター化した比率といいましょうか、そういうものはわかりますか。
#41
○説明員(市原四郎君) ちょっと突然の御質問でございますのであれでございますが、建設省の雨量観測所は全国で約千八百ぐらいがテレメーターでございます。全体の雨量計は約二千八百で、そのうち約千八百がテレメーター化しております。
#42
○櫻井規順君 建設省のテレメーター化率をやはり一〇〇%に近く引き上げていく必要があるのではないか。それから、雨量観測所のポイントも結構多いというふうには思うわけでありますが、さっきの伊豆の例から見ましてもまだまだ少ないのではないかという感じがするわけであります。テレメーター化率あるいは観測所のポイント数というのはなお拡大する方向にありますでしょうか、それはぜひ拡大願いたいと思うわけですが。
#43
○説明員(市原四郎君) まず、テレメーター化率でございますけれども、建設省で雨量を観測しておりますのはこういった大雨のときの水防だとかそういうことと同時に、いろいろ治水に対する計画を立てるための資料としても利用しておるわけでございます。
 そういった観点からつくっている観測所もあるわけでございまして、すべてをテレメーター化するかどうかということには問題があろうかと思いますが、少なくとも現在の社会にふさわしいようにオンラインということでテレメーターをふやしていくということは、その方向であることは間違いないと考えておりますし、また全体の雨量計の数もこういった幾たびかの雨の特徴を、よくそういったものを実績として保管するような形で充実していくということは非常に重要なことだと認識しております。
#44
○櫻井規順君 河川の水防の責任は、圧倒的に国
直轄河川以外の一般河川がたくさんあるわけですが、市町村長が責を負わされているわけであります。水防の義務もまた市町村長のところにあるわけでありますが、気象庁から見まして、市町村の水防に気象台としてどのくらいどういうふうに具体的に貢献しているというふうにとらえていますでしょうか。
#45
○政府委員(新田尚君) 気象庁におきましては、気象災害をもたらすような雨の監視をいたしまして、アメダスのほかレーダー、衛星等からの観測データで把握しておるわけでございますけれども、こういったデータを用いました結果につきましては、気象業務法に基づきまして一般の利用及び水防利用に供するために周知いたしております。電話等でやるものもございますけれども、警報等につきましては、都道府県、日本電信電話株式会社等に通知いたしておりますし、市町村へは県及びNTTから直接通知されております。そのほか、住民に対しましては御案内のように報道機関からの放送ということもございます。
#46
○櫻井規順君 いざ、洪水、大雨という段階で災害が発生する、そういう事例が多いわけですが、そのときに気象台としてそれに関与している、支援している具体的なものといったら、私は洪水注意報と洪水警報を県知事を介しておりてくるテレファクスかその情報だけなんじゃないかというふうに思います。どうでしょうか、この認識は間違いでしょうか。
#47
○政府委員(新田尚君) 先生が申されたとおりでございます。
#48
○櫻井規順君 私は、例えば建設省が建設省所管の河川を管理する上においては、これは非常に流域に広大な影響力を持つ河川ですから当然ですけれども、建設省はレーダー雨量情報というものを全国的にネットワークをつくりテレメーター雨量情報というものをめぐらしているわけでありますが、おびただしい中小河川を管理する市町村の雨量情報にしても気象情報にいたしましても、全くさっき言ったようなわけで、市役所に雨が降っていなければ自分の同じ市の中でも態勢が整わないというような現状があるわけであります。
 そこで、現在のところ、もし建設省がおわかりでしたらお伺いしたいのですが、県のレベルでみずからの雨量情報を集めてテレメーター情報でシステム化している県あるいはその県の中での雨量観測所というものが全国ではどのくらい置かれているかということがおわかりでしょうか。
#49
○説明員(市原四郎君) 全国で都道府県が管理しております雨量観測所の数は約二千四百カ所だと認識しております。そのうちテレメーター化されておりますのは千三百カ所だと認識しておりますが、情報システムとして完備している都道府県数というのは、ちょっと手元に正確な資料ございませんが、私の記憶では十六都道府県ではなかったかと認識しているところでございます。
#50
○櫻井規順君 自治省さん、恐縮でございます。所管じゃないかもしれないけれども、自治省が各公共施設の管理はされていると思うので、市町村の段階で雨量観測所あるいはそのテレメーター化したシステムを持っている、三千三百余の市町村のうち幾つか持っているというふうな何か資料はおありでしょうか。
#51
○説明員(広瀬経之君) 先生の御質問でございますが、市町村におきましても集中豪雨等に備えまして独自の雨量観測体制を整備している、そういうところでございますが、私どもといたしましてはその自治体の数について今のところ承知をいたしておりません。
#52
○櫻井規順君 これは、気象庁の方ではそういう点はわかりますでしょうか。
#53
○政府委員(新田尚君) 気象庁以外の政府機関または地方公共団体が気象の観測を行います場合には、御案内のように、その旨を気象庁に届けていただくことになっております。
 市町村の気象観測につきましても、リアルタイムの利用を目的としていないものあるいは学校に設置されているものを含めまして、平成三年十二月三十一日現在、全国で二千六百二十四カ所の観測所が設けられております。そのうち静岡県では百三カ所の観測所がございまして、このうち六十一カ所で雨量の観測が行われております。
#54
○櫻井規順君 今の静岡県の百三カ所、県のサイポスが七十カ所近くありますが、それは全部包含されているわけですか。
#55
○政府委員(新田尚君) サイポスも含まれているというふうに理解しております。
#56
○櫻井規順君 百三から七十引きますと三十三で、国以外のものが入っていれば、かなり限定されてくると思います。さっき言った下田の消防組合の四カ所というのもその中ヘカウントされているのかどうか。
 時間がないのでちょっと急ぎますけれども、いずれにいたしましても、市町村で雨量情報システムを、テレメーター情報を持っているところは極めて少ないということが言えるというふうに思うわけであります。これはぜひ気象台あるいは県、建設省、こういうレーダi情報、テレメーター情報というものがキャッチできるような端末機を市町村に置けるような御指導を私は求めるものであります。
 自治省さん、こういう水害が非常に多いわけでありますが、市町村の役割というのは非常に多いわけですが、これは何らかの交付税対象あるいは補助の対象として現在あるのかどうなのか、その辺いかがでしょうか。
#57
○説明員(鈴木良一君) 市町村の防災の中の、特に水防関係の業務につきましても地方交付税で一般的に所要の措置はしておりますけれども、今お尋ねございました特に雨量観測の関係であろうかと思いますが、雨量観測の関係につきましては河川管理の一環ということで、都道府県につきましては一定の交付税措置をいたしておりますが、市町村につきましては雨量観測機器等の整備、こういう形では特に個別には交付税の積算はいたしておりません。
 ただ、水防用の備品等の購入のためにということで、標準的な団体で申し上げますと約七十六万ほど、平成三年度で申しますが措置をいたしておるところでございまして、市町村の実情に応じまして雨量観測機器等を購入している例もあるのではないかというふうに考えております。
#58
○櫻井規順君 気象庁にお伺いしますが、市町村に対する支援ということで今後の何か方向、方針はお持ちでしょうか。
#59
○政府委員(新田尚君) 先ほども先生の御指摘ございましたように、気象業務法に基づきまして一般の利用及び水防活動の利用のために大雨洪水に関します予報及び警報を発表しております。これは直ちに県に対しまして気象台から直接通知いたしておるわけでございます。さらに、市町村がそういった施設をおつくりになります場合には、できる限り技術的な支援をいたしたいというふうに考えております。
#60
○櫻井規順君 持ち時間がなくなりましたが、運輸大臣、そんなわけで市町村の管理する河川、水防責任を負わされた河川が非常に多いわけです。そういう観点で言いますと、何だか建設省のような話になりますが、その水防の出発は雨量情報の正確な把握から始まるわけであります。
 そういう意味で、気象庁の果たす役割、雨量情報をいろんな形で集めて市町村に集中するということが犠牲を少なくする上において決定的に私は大切だというふうに思うわけでありますが、大臣、今議論を聞いていてどんな所感をお持ちでしょうか、最後に聞かせていただきたいと思います。
#61
○国務大臣(奥田敬和君) 集中豪雨の下田の例を御引用なさっての先生の先ほどからの御質疑を聞いて感じたことですけれども、率直に申して、やっぱり静岡は今伊豆下田の予期される地震災害も含めて、先生の気象情報、気象予知に関する該博な知識の御勉強ぶりに実はびっくりしておったような次第です。
 ですけれども、とりあえず水防問題一つとらえてみても、私も今長官に言っていたんですけれども、情報は交換している、しかしリンクしてない
と。私は、これは現在のシステムからいえば市町村自治体も含めて、府県は当然でございますけれども、建設省のそういった観測状況等々も当然リンクしたデータで、これは決してそんな大した経費がかかることじゃありませんし、やるべきじゃないかなということを思っておりました。
 私、自治大臣のときに、衛星で今全国の府県は防災無線システムをほとんどもう使っております。それで、これに対する措置は交付税措置で膨大な投資が行われておるわけでありますが、これらも気象庁とともかくネットをリンクさせることによって従来の観測体制をさらに強化させることができるなど、先ほどからの先生の御質疑を通じてつくづく大事なことだなと、余り縦割り行政の弊をこういった気象観測なり予知なりの面でやって、国民の安全に万が一にも時間がおくれたりすることは大変なことだなという思いで勉強させていただきました。
#62
○櫻井規順君 終わります。
#63
○稲村稔夫君 きょうは、私の持ち時間はもうほんの少しなわけでありますので、運輸行政における許認可の権限問題に絞ってお伺いをしたいと思います。
 早速お伺いしたいと思うんですが、私は運輸委員会に所属いたしまして最初に戸惑いを感じました。とはいっても、初めてのところでありましたから、かわったばかりのときは戸惑いばかりありましたが、特に戸惑いを感じましたのは、許認可事項というのが物すごく多いわけであります。
 ちょっと私の手元にあります資料で計算をしてまいりましても、現在でも運輸省は許認可の事項数では千九百八十八、約二千でありますね。政府全体で一万五百八十一の許認可事項のうち一八・八%、約二割ぐらいのものが運輸省一つであるというんですから、もうちょっと驚きなんですよね。
 この点につきまして、なぜこんなに許認可事項が多いのか、そしてまた、許認可をそれでは必要とする理由というのは一体何なのか、この辺のところをまずお伺いしておきたいと思います。
#64
○政府委員(豊田実君) お答えいたします。
 運輸省の行政というのは非常に幅広い行政でございまして、またその行政の中身も国民生活、日常生活に非常に密着した行政であるという特質が第一にあると思います。
 したがいまして、安全問題とか環境問題あるいは輸送サービスの安定的供給というようなことで、おっしゃるようにかなり許認可等に係る事項が多いというのは事実でございます。
 具体的な数字で今先生お話ありましたが、実はその後、一年後の平成三年三月末で幾分減少の努力をしまして千九百六十六件という数字にはなっておりますが、いずれにしろ非常に大きい数字でございます。
 類型別にこれを見ますと、まず非常に大きなウエートがありますのは、安全、環境規制でございまして、例えば自動車の検査であるとか船舶の検査あるいは空の方で言いますと航空機の耐空証明であるとか鉄道工事の施行の認可というような、安全とか環境の関係が非常にウエートが大きくて全体の四四%を占めております。
 また、もう一つの分類であります利用者との関係で安定的な輸送サービスを確保するという観点から、事業の開始の免許であるとか休廃止の場合の許可あるいは運賃・料金の認可というような、事業規制と私ども称しておりますが、これが全体の三一%という状況です。
 そのほか、私どもの行政の特色としまして自動車とか船舶とか航空機、これが登録制度がありまして、いわゆる所有権を公証するというような制度がありまして、これらも今言いました許認可等の件数の中へ入りまして、今言ったような非常に大きな件数になっているという実態でございます。
#65
○稲村稔夫君 まず第一は、今の確かにその一年前の資料ということでいけば多少の減少にはなっている。しかし、ほんのわずかですよね、全体の。二千の中の二十二減ったというだけの話ということになります。
 そして、その安全の問題については私もこれは非常に大事なことだと思いますから、これを手を抜けとは言いません。こういうものはむしろ強化をしなきゃならない。一般的に許認可の規制を緩めるという、そういうことが言われるけれども、事安全ということに関しての規制を緩めるということについては、私は必ずしも賛成ではありません。ですから、そういう点できちっとしておくということは非常に大事です。
 しかし、それにいたしましても抜群にこれ多いわけですよね。この抜群に多いということは、私はまたいろいろと問題があるというふうに思うんですよ。今は特に事業認可などの問題なども言われましたけれども、この事業認可の問題などについてはまだまだいろいろな工夫の仕方でもって規制を緩和をするところはできる、あるいは逆に強めなきゃならないものもある、こんなことがあるんじゃないだろうかというふうに思うんです。
 それにいたしましても今後の方向というのは、そうするとどういうふうに今お考えになっているのか、そこのところをちょっとお聞きをしておきたい。
#66
○政府委員(豊田実君) 行政の簡素化という観点でこの許認可等の件数を減少させるというのは、私ども毎年努力はしてきております。
 一般論で言いますとそういう方向でございますが、いろいろ中身について個々に当たってまいります場合に、繰り返しになりますが、私どもの行政が陸海空と非常に幅広いということで、関係する法律もかなりの本数になっております。そういうようなことで、絶対値そのものは御指摘のように各省庁の中で非常に多い数字になっているのは事実ですが、中身については極力利用者に無用な負担をかけるというふうなことのないようにこれからも努めてまいりたいと思っております。
#67
○稲村稔夫君 それにいたしましても、そうすると種類としては免許、許可、認可などというのがありますね、そして届け出と。少なくとも許可をするまでの間は権限でやるとしても、それを許可をしたからには許可をした責任というのがあるんですよね。許可をした責任というものをきちんとやっぱり負っていかなければならない、こういうことになると思うんですね。たくさんあればあるほどその責任を全部負わなきゃならないんですよ。その責任を今の運輸省は本当に負っていると思われますか、その点はどうですか。
#68
○政府委員(豊田実君) 御指摘のとおり、事業免許ということで事業開始について免許を出す、免許するという行為があれば、当然その休廃止につきましても私どもはチェックしなければいけないという義務を負うわけです。ですから、大変いろいろ交通手段について廃止とか休止する場合、地域に非常に御迷惑かけるわけなんで、その辺はやはり私どもきちんとチェックをした上で処理をしなくてはいけないというふうに思っております。
#69
○稲村稔夫君 処理をしなければいけないということと、きちっとしているという過去のこととの違いというのはまたあると思うんですよね。今までどうであったかということ、きちっとしてこられたと確信を持っておられますか。
#70
○政府委員(豊田実君) 私どもの行政組織としては全力を挙げてきちんとやってきたつもりでおります。
#71
○稲村稔夫君 それではちょっと具体的なことで、この場合はどうなっているかわからないから教えてもらいたいんですが、佐川急便、今いろいろと物議を醸しておりますが、あの佐川急便の水戸の貨物ターミナルの問題、いろいろと話題になっていますね。あれに対してどういう措置をとっておられて、運輸省の責任を明確にしておられますか。
#72
○政府委員(水田嘉憲君) 佐川急便の問題で、特に水戸のターミナルで都市計画との関係の調査が不十分なまま営業所の設置の許可等を行ったのではないかということで佐藤先生から御指摘いただきまして、チェックをいたしているわけでございます。
 我々運輸省の法律関係については完全に処理したつもりでございますが、他省庁の関係の法律について十分その役所との情報交換といいますかそういう面で不適切な面があったということは、おっしゃるとおりだと思います。その後、この問題について是正をさせていただきましたし、同種のことがほかにないかということについて現在調査もさせていただいているところでございます。
#73
○稲村稔夫君 今調査をしているという話はわかりました。
 これは、そうすると他省庁のということですが、確かに建設省の都市計画法違反というかかわりです。ところが、この都市計画法は残念ながら今やった違反については罰則が適用にならないようであります。罰則というものはないようでありますが、そうすると、これはやり得ということになってしまうんですか、結果として。
#74
○政府委員(水田嘉憲君) 都市計画法の体系そのものは、罰則がついた方がいいかとかつかない方がいいかとかというのは私どもが言える立場ではないと思いますが、私どもも関係の業界が都市計画法を守るように目を光らせていくということは必要なことだと思います。そういう意味で、我々なりの対応をしていきたいと考えております。
#75
○稲村稔夫君 明確にもう違反しておることはわかっているわけでしょう。そうしたら、これは何かの行政措置をやるんですか。運輸省の立場で行政措置をやるんですか。
#76
○政府委員(水田嘉憲君) 違反に対しまして、先般申し上げましたが、私どもは是正指導をして是正してもらったというふうに思っております。
 そういう意味で、それ以上この会社について、例えば道路運送法で何らかの処分をやるかどうか今のところは特に考えておりません。
#77
○稲村稔夫君 おかしいんですよね。だから私は、こういう許認可というのがあったときには認可をしたという責任があるんではないですかというふうに伺っているんですよ。
 例えば、学校一つ考えてごらんなさい。常識でいきます。霞が関の常識ではなくて庶民としての常識ですね。そうすると、例えば学校で子供の体育の時間に水泳の訓練することを校長先生が許可した。そこで、もし不適当な指導のために事故があったといったときは校長先生まで責任を問われますよ。
 社会の一般的常識というものは、許可をしたら許可をした者の責任というものをきちんとしなきゃならぬということになるでしょう。そのことをやらないでいて、それで許認可のことだけを、これはいろいろなあれがあるからやむを得ないんですということにはならぬと思うんですよ。許認可というのはそのために必要なんでしょう、どうなんですか。これは大臣にひとつ、その辺はどうお考えになっていますか。
#78
○国務大臣(奥田敬和君) 許認可業務をたくさん抱えている役所だけに、その責任において処理方法が誤った場合には、責任は明確にすべきであるというのは当然のことであります。
 今のこの茨城佐川の問題に関しましても残念なことに、佐藤先生の御指摘のもとで実態調査の結果、確かに認可ミスがあったという実態を踏まえまして、営業所の取り消し処分、そして登記等々の変更というかもとに戻すという形で、実態はそういった形で正されたわけでありますけれども、もし御指摘がない場合にはそのままずるずるという形で残念ながらあったかもしれない。ということになると、やっぱり法の谷間にありまして、ちょっと都計法との絡み等々で私たちも事情を聞いてみると、ああこういう、このミスは建設省の方とあるいは自治体との間で起こり得る可能性のある問題であったということにおいては同情する面もありますけれども、しかし、はっきりミスであるということである以上、それに対しての責任は明確にしなきゃならぬと思っているところでございます。
#79
○稲村稔夫君 そういうふうにきちんと責任を明確にしていただきたいと思います。
 そして、私が許認可のことでこういうふうにお聞きをしておりますのは、そうは言うけれども、この実際は二千もある許認可事項で全部責任をその辺できちっとしていこうといったって容易なことじゃないと思うんですよ。もう一つ運輸省ぐらいの人員がなきゃきちんとした確認なんかなかなかできっこない非常に難しい問題、大変な問題ということになるんですよ。そうすると、この許認可のあり方についてもう少し本当に掘り下げて工夫をしていく必要があるんじゃないかというふうに思います。
 私は、佐藤委員が前に厳しく追求しましたさっきの佐川のあのターミナルの問題なんかも、これは違う言い方をすれば、その地元の自治体の者ならみんな知っているんですよ。そしてまた、他省庁との関係というのが非常に難しいことは私もよくわかっています。私はよくこういうことを言いますけれども、キャッチボールというんですよ。それがよく役所の中には起こるんですよ。自分の権限の範囲、その範囲で落ち度がないようにしなきゃならぬ、一生懸命やりますから。範囲外のものはできるだけ知らないということに、知らないといった皇言葉が悪いですけれども、そっちの方は。ところが、向こうは向こうでもってうちの権限じゃない。そうすると今度は、キャッチボールの結果、エアポケットができる。こういうキャッチボールの結果のエアポケットというのも、実は地方の人間はよく知っているんですよ。
 ですから、私は、差し支えない権限というものはどんどん地方自治体に渡していくべきだと思うんです。いかがわしいことをやれば地方自治体の老はすぐわかるんですよ。県は県でよく押さえているでしょうけれども、県でもわからないところ随分あります。しかし、それは市町村みんな知っているんですよ、市町村と県というのはすぐツーツーで通ずるんですからね。そういうふうに考えていきますと、私は少なくとも権限の大幅な地方への移譲ということをやるべきである。運輸省に一極集中してくると今のようなこと、監督不行き届きになることというのはこれからも絶えないのではないかということを懸念いたします。
 その辺は大臣はどのようにお考えになりますか。
#80
○国務大臣(奥田敬和君) 何分にも先ほども官房長からお話ししましたように、陸海空にわたる広範な、しかも人、物の安全を第一に考えた輸送業務でございますから、これにかかわる許認可業務というのはある意味において全国一律、あまねくどこでもという形でやっていかなきやいかぬことはよくわかります。ですから、他省庁より許認可件数が多いじゃないかという点はひとつお認め願わなきゃならぬ。
 しかし、今御指摘のあったような問題、例えば建設省の所管である都計法等々と、やっぱり運輸省の所管である許認可業務の所在地業務の問題点等々については、確かに自治体の人の方が明々白々なことであっても、そういった連絡ミスなり手違いで責任を回避するような形であってはならないと思います。
 そういう点において、先生の御指摘どおり、仕事の抱え過ぎにならないように、重大なことは百もわかりますけれども、そういうことのないようにしていくために地方自治体に、でき得れば全国一定でなきゃいけませんけれども、そういった形の権限移譲という形は時の流れでもありますし行政の簡素化の趣旨に照らして抱え過ぎにならないように、地方自治体にお任せすべき許可権限はそういう形の方向で努力してまいりたいと思います。担当の局長はどう言うか知りませんけれども、これはいわゆる簡素化、移譲というのはとても大切なことだろうと、そういう方向で検討させます。
#81
○稲村稔夫君 ぜひ、その点は早急にしかも慎重に努力をしていただきたいというふうに思います。
 というのは、私は、運輸大臣は自治大臣もやられたわけです。地方自治体というのはあれほどたくさんのいろんな仕事を抱えて持っていながら、それじゃ自治省の持っている許認可の権限という
のはどのくらいあるかといったら、さっきは一年前のことを言いましたから今度は平成三年度の場合で言って、一年前と同じようでありますが百三十一というのが私の手元にある。これはもし違っていたとしても幾らも違わないと思いますね、その程度の許認可権限ということなんでしょう。そうすると、自治大臣として仕事をやられていた当時のやっぱり多様性というのは十分に御認識になっていらっしゃると思うんですね。そうしたら、確かに運輸行政というのは陸海空ということでいろんな分野にわたっているということはありますけれども、少なくとも地方自治体との関係の中で調整をしていけばできる権限はいっぱいあるはずです。
 例えば、今の交通事情のことでいけば、県内の交通あるいは市町村だけに限る問題というものについてはかなりのものが移せるところもあるでしょう。ただし、それはもちろん各県にわたったりなんかということはあるでしょうけれどもね。
 私は、自分の経験でいきましても、新潟に運輸局がありますが、新潟の運輸局は、例えば私の住んでいる町の事情なんてこれは全然わからないんですよ。まず全然わからないと言っていいでしょう。そうすると、何か例えば私の町から新規の業務の申請が仮に上がったという、それが認可のものであったとします。そうすると、その業者が果たして適当であるかどうかということについても、これは県を通じて市町村にでも問い合わせをして聞いてもらわなければわからないということになるんです。ところが免許の時代に、実は私が市長をやっていたときにそういう問い合わせは一度もないんですよ。私の町からちゃんと免許の申請が上がった場合にも、本当に的確かどうかということの問い合わせがないんです。
 これは、私はやっぱり今までの体制の中ではいろいろな面でやむを得なかったところはあるでしょうけれども、しかし今の時の流れというのもありますし、それから今後の課題として、今の権限の許可をしたり認可をしたりということの責任を明確にしていくためにも、そういう意味では地方へ最大限おろせるものはおろしていただく、移譲していただくということが喫緊の課題になっているというふうに思うわけであります。
 したがいまして、私は、特に自治大臣をやられたというその御経験を大いに評価しながら、特に大臣の任期中にその一つの仕事としてやり遂げていただきたいというふうに思うのですけれども、いかがでございましょうか。
#82
○国務大臣(奥田敬和君) 許認可業務も各法律に基づいてのそういった形になっており、今すぐここで、じゃこれをこうしますという即答はしかねますけれども、全般において見直すべし、そしてできるだけ移譲すべしというこの二つの基本点に立って、今先生が御指摘されようというのは、いわゆる許認可の中でも特に陸上輸送の面に関してのことあるいはタクシー等々のそういったことを論点にされているかと思いますけれども……
#83
○稲村稔夫君 まだありますよね、国際ホテルだとかいろいろとあります。
#84
○国務大臣(奥田敬和君) そういった面についてもひとつ洗い直して、各局で地方自治体に権限移譲をこれはしてもよろしいという形のものをつまみ出してみるというか、そういう検討作業に入らせます。
#85
○稲村稔夫君 それは、ぜひお願いをいたします。
 それといいますのは、私は今大変心配をしているところが幾つもあるわけでありますけれども、特にこれから先、運輸を中心にいたしましてサービス関係で運輸省がかかわっている許認可のものについて今後優良な労働力を確保していくという、そういう側面からいきましても非常に大事なポイントになってこようかというふうに思いますので、ぜひその点をお願い申し上げまして、私もっと伺いたいことが幾つかあったのでありますけれども、これだけで時間が来てしまいましたので、きょうはやめさせていただきます。ぜひ、きょうの要望が実現いたしますようによろしくお願いをして、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#86
○小笠原貞子君 まず最初に、高校生の通学定期券を煩雑な手続を抜きにして簡単に身分証明書だけで買えるようにしていただきたいと、もう何回も質問をさせていただきました。その後の御検討はいかがになっておりますでしょうか。
#87
○政府委員(井山嗣夫君) 前からこの委員会で御指摘をいただきまして、私どもJRといろいろと相談をしてまいりました。
 その結果でございますが、まずJR北海道におきましてはことしの四月から手続の簡素化を図りまして、新学期におきまして最初だけは学校の通学証明書をいただきますけれども、後は、更新のときは前の券を見て引きかえて販売すると、こういう方式をとっております。これを四月から始めております。
 それから、そのほかの会社につきましては、JR東とか東海、西でございますが、これにつきましても簡素化を図ることといたしまして、今各県の教育委員会とかそういうところと具体的な相談をしております、どういうのが一番いいかということで。それで、これは何とか今月中にめどをつけたいということでございまして、その後具体的に駅への指示とか各学校への周知を図りますので、さらに二月ぐらいかかるのじゃないかと思いますが、いずれにしても近々そういうことで簡素化を図りたいということで進めております。
#88
○小笠原貞子君 大体二カ月くらいというふうに見ていてよろしいんでしょうか。
#89
○政府委員(井山嗣夫君) 今月中に話をしてさらに二カ月ですから、二カ月から三カ月見ていただければ大丈夫だと思います。
#90
○小笠原貞子君 次に、第三セクターの問題でございます。
 第三セクターの場合に経営は大変深刻な状態になっておりまして、私も再三取り上げてまいりました。
 まず一つの問題は、欠損補助金が五年で切れてしまう。そこで、補助の継続を含めた対策をしていただきたいということと、固定資産税の減免措置を緊急課題として自治大臣と協議し対応していただきたいと、こうお願いをいたしました。前の村岡運輸大臣は、固定資産税については税制改正要望として自治大臣に会う前にこちらで検討してまいりたいというようなお答えをいただきまして、いろいろ御検討いただいていると思いますけれども、その結果もお知らせいただきたいと思います。
#91
○政府委員(井山嗣夫君) まず、固定資産税の話でございますが、確かに前からそういう御議論がございまして、私どもの方は四年の税制改正で転換鉄道に対し、いわゆる第三セクター鉄道でございますが、これについての固定資産税につきましては最終的には課税標準を、現在二分の一でございますのをさらに半分にいたしまして四分の一に軽減する措置をとるということで合意いたしまして、既に地方税法の改正を行っているところでございます。
#92
○小笠原貞子君 どうもありがとうございます。
 それで、その固定資産税の減免措置をしていただくということになりますと、減免額としてはどういうふうになるわけですか。
#93
○政府委員(井山嗣夫君) 今、私ども平成二年度現在で各事業者にアンケート調査を行いました。現在、納めていらっしゃいますのが約三億円でございます。これはいわゆる転換鉄道三十五社につきまして調査をしたところでございます。この中には、実は三十五社の中に既に地元の鉄道ということで減免をしていただいているところもございます。そういうのをそのままの形で集計いたしますと、約三億円弱というのが二年度の納付額でございます。ですから、二分の一にいたしましてその半分でございますので、来年度というか今年度からはその半分、約一億五千万円ぐらいが減免される、こういうことでございます。
#94
○小笠原貞子君 固定資産税の方をそういうふうにしてやっていただきましたけれども、運営費補
助の問題についてはまだ具体的にこうということにはなっておりませんですね。
#95
○政府委員(井山嗣夫君) 運営費補助につきましても先生からも御指摘いただきまして、私どもいろいろ検討させていただきました。これは五年間を延長できるかどうか、あるいはなかったときに第三セクター鉄道が一体どうなっていくんだろうかということを個別にいろいろチェックしたわけでございます。その結果、結論的にはなかなか五年間以降も延長するのが難しいなという結論に達しました。
 なぜかと申しますと、まず最初に、第三セクター鉄道が転換いたしますときには、先生御承知のとおり、キロ当たり三千万の転換交付金というのを差し上げております。それに地元からの出捐がありまして、皆様いわゆる経営安定基金みたいなものを既にお持ちでございます。それを使いまして、その果実で赤字を埋めるあるいは新しく車両を買うなら車両を買うお金に充てるということで事業採算をとっていこうと、こういう見通しがありまして、私どもそれじや鉄道としてオーケーといいますか免許をしたと、こういう経緯がございます。
 そこで、具体的にそれじゃ大丈夫かということをチェックいたしました。
 細かいことは省略いたしますが、全国の第三セクターで民営会社になったのが二社ございまして合計三十三社、現時点で二百八十五億の基金がたまっております。これを仮に六分六厘か六分五厘で回したといたしますと、約十八億から十九億の果実が出てまいります。二年度の決算の赤字が、赤黒全部合わせますけれども、全部で十五億ぐらいでございます。そういたしますと、マクロで見ますと、これは全部赤字自体は埋められるということなものでございますから、これを理由に五年間さらに延長するというのはなかなか難しいなということでございます。
 そのかわりといってはなんでございますが、四年度予算では、前に第三セクター鉄道の安全性がどうかという御議論もございましたので、私どもまず一つは今の中小民鉄に対します設備投資の近代化補助という制度がございます。その中に、特に転換鉄道を含む経営がなかなか難しいという事業者が行う安全対策工事、これについては補助制度を改善いたしまして補助率のアップと額のアップを図ったところでございます。これは先般成立させていただきました予算に組み込まれております。
 それからもう一つは、やっぱり安全上の人的な技術レベルを上げたいということで専門家による職員への講習、それから現地での現地に即した技術指導、この経費を計上いたしまして、これも新しい制度でございますが四年度からスタートをする、こういうことで転換鉄道につきましてもこういう安全対策をいろいろやっていきたい、こういうことでやっております。
#96
○小笠原貞子君 いろいろと大変だということは私も重々承知しておりますけれども、それ以上に大変なのは運営している方の会社と、そしてそれを利用する地元住民でございますので、どうか奥田運輸大臣も難しい中で知恵を出し合って、そして大きな運営に対してのお力添えをいただけますようにお願いしたいと思います――いいですね。うんじゃ議事録にならないんです。一言言ってください。
#97
○国務大臣(奥田敬和君) 本当に第三セクター方式で生活に直結した足を守っていく、この運営に対しましては最大限注意を払っていきたいと思っております。
 そこで、先生も御提案いただきましたように、固定資産税の軽減策ということで二分の一から四分の一に持っていったわけでございますし、それで運営のそういった形での延長という問題については延長しなくてもやっていけるという見通しに立っておりますので、今後とも注意してやってまいります。
#98
○小笠原貞子君 次は、JR安全問題で伺いたいと思います。
 JRは発足後五年たちました。鉄道事業の最大の使命は言うまでもなく安全とサービスにあります。具体的問題として伺うわけですけれども、JR北海道の札幌近郊における安全サービス問題なんです。
 札沼線は新興住宅がたくさん建ちました。そして、北海道教育大学の移転や高校の増設などによって今は学園都市線と言われるようになりまして、利用者が急激にふえてきております。千歳線、函館線も同様な状況の中、踏切事故、駅構内の事故というようなことも起きているわけです。私も昨年の十一月にJR北海道にも指摘してまいりましたが、北海道運輸局が調査されております。その内容と結果についてはどのように報告されておりますでしょうか。
#99
○政府委員(井山嗣夫君) 北海道運輸局におきましては、従来からの管内の鉄道事業の実態把握ということで職員を随時派遣しまして現地調査をいろいろやっているところでございます。二月でございましたでしょうか、やはり現地に行きましていろいろと実態を調査してきているところでございます。
 調査の結果、ホームの幅員が基準に外れているとかいうようなことは特にはございませんでしたけれども、気がついたところはしかるべくJR北海道の方にも指導するというようなふうに聞いております。
#100
○小笠原貞子君 私どもで調査をした、その結果のアンケートというのがたくさん出ているわけでございます。
 先ほど言いました学園都市線八軒駅、それから釜谷田駅、これは無人駅でございます。ホームの幅は三メートル、上下線が同時に駅に入ると大変な混乱、身動きができないような状態、危険な状態になります。この駅を利用するのに、跨線橋がないために、乗客はその線路、軌道を横断してホームに上がらなければならない。しかも、その路線横断をとめる遮断機もない。大変危険な状態でございました。現に女子高校生が列車に接触して事故を起こしております。釜谷田駅では狭いホームの部分というのが一・五メートルしかないというようなこともございます。ここは高校生が約七百名利用しております。生徒の肩が列車に触れるような状態という中で列車が発着をしているわけです。校長先生も、幸いなことに事故のない今のうちにホームを広げてもらえないかと、こういうふうに発言されております。これは学園都市線だけではなく千歳線の平和駅などを中心に同様の状態がございますし、函館線の稲積公園駅などにも同様の問題が起こっております。
 まとめて申し上げますと、ホームの幅が非常に狭い、そして拡幅対策が今すぐ必要だということです。二番目には、線路を横断するシステムをとりながらその安全対策がない、跨線橋の設置や緊急措置として遮断機の設置が今必要なのにそれがない。三番目には、無人駅を有人化させるということが必要だ。四番目には、放送施設というのがございますのですけれども、これを全部調査したり地元の方たちの意見を伺いますと、これが活用されていない、聞こえないというような状態に置かれております。
 こういう問題を具体的にどういうふうになさるおつもりか御答弁いただきたいと思います。
#101
○政府委員(井山嗣夫君) お答え申し上げます。
 先生、今御指摘の各駅でございますが、お客様がふえたあるいは学校ができるというようなことで比較的最近つくりました新設の訳かと存じます。
 JR北海道はもちろん安全対策第一ということでございますが、まずホーム拡幅につきましてはお客様のふえ方といいますか、これに応じて平成三年度も既に発寒中央駅というのをやったり、四年度でも、先生先ほど御指摘のありました平和駅とか稲積公園駅などもホーム拡幅を何とかしたいという計画を持っているところでございます。その他の駅につきましても、当然御利用の方々の動向に合わせ、あるいは高架化などの計画もあるようでございまして、そういうのに合わせまして順
次きちんと整備していきたい、これは私どもにそういう申し出がございます。
 それからもう一つ、駅構内に跨線橋がないためにちょっと危険があるんではないかということでございますが、今無人駅には、列車が近づきますとブザーが鳴って、それから電気が点滅するという装置を原則として設けることにしております。ところが、一部またそれが設置されていない、お客様が比較的少ないところでございますがあるので、これは私どもの方としては至急つけろということを指示し、JRもそのつもりで工事をやろうとしております。
 そういうことで、お客様に危険が出るというのは非常にまずいわけでございますので、そういう施設の改善につきまして、機会をとらえましてJRには指導していきたいと思います。
 なお、案内放送でございますが、今先生おっしゃったのは音が小さいということでございましょうか。
#102
○小笠原貞子君 いえ、聞こえないと言うの、みんな。
#103
○政府委員(井山嗣夫君) わかりました。それはちょっと私どもも調べますが、音が多分小さいのかもしれません。それは音量をふやすというような、大きくする何か工夫はあると思いますので、ちょっと検討させてください。
#104
○小笠原貞子君 済みません。余り早口ではっと言われたから初めちょっと聞こえなかったんだけれども、千歳線の平和駅、函館線の稲積公園駅などのホームは広げると。
#105
○政府委員(井山嗣夫君) 広げる計画を持っております。
#106
○小笠原貞子君 それで、二メートルだったところを――それおっしゃいました、そこを言ってください。何だかぱっと飛ばされちゃったからわからない。
#107
○政府委員(井山嗣夫君) 失礼いたしました。
 私、メートルはちょっと個人的に全部つかんでおりませんけれども、危険がないように拡幅する計画を持っていると、こういうことでございます。メートルまではちょっとつかんでおりません。
#108
○小笠原貞子君 メートルまで準備されているはずなんですから後で伺いますが、じゃ、その拡幅するということと有人化もこれからの問題として検討する、それから放送を聞こえるようにする、よろしくお願いします。いいですね。
#109
○政府委員(井山嗣夫君) わかりました。
#110
○小笠原貞子君 それじゃ、もう時間がないんですが、また例のエスカレーターの問題を伺いたいと思います。
 JRに五カ年計画を初めてつくらせてくださった、大変結構だと思います。しかし、その中身を見せてもらいますと、非常に問題が山積しております。ガイドラインが出されまして、これで五メートル、五千人というのが決められて、ここにはエスカレーターをつけなさい、十年以内にというふうに書かれておりますが、この駅の数が四百二十八駅ございます。この設置計画を見ますと五年間で六十九駅を設置する、年平均にしますと十三駅の設置と、こうなるわけですね。そうしますと、年間十三駅ですと、この四百三十八駅をつけるためにはどれくらいかかるかといいますと、これは十三駅というと三十四年かかりますよね。大変なものですね。
 問題は、その四百三十八駅、このうちの半分に当たる二百十一駅という大量の駅、これを除外しておりますね。というのは、これは大幅改良しなければならないという駅だから除外されているわけなんですね。そうしますと、この除外されているということが一つの問題なんですけれども、これを除外したとしても随分、十七年くらい時間がかかりますよね。そうすると、おおむね十年以内に整備をするようにというふうになっているわけなんですけれども、これやっていけませんが、どういうふうに考えていらっしゃいますか。
#111
○政府委員(井山嗣夫君) 先日先生の方にお出ししましたのは、まさに大改良をする駅につきましてはどういう形でいつごろできるかというのがまだJRとしても確定しておりません。そのうちで、今の時点で見てすぐできそうな訳といいましょうか大改良が直接今すぐ必要ではない、それでもできそうだという駅について六十九という数字をお出ししております。これは現にある。
 ですから、このほかに大改良がありましたら、どんどんこれに追加していくわけでございますが、そこまでまだ申しわけございませんが詰まっておりませんので、こういう数字になっているということをひとつ御了解いただきたいと思います。
#112
○小笠原貞子君 だから、これだけつくりなさい、十年以内にと言われるけれども、二百十一というのは大幅改良をする必要があると、それは時間がかかってもしょうがないよというので抜かされちゃっているわけですよね。十年以内にまではやるということにはならないわけでしょう。それを抜かしても、つけるためには大変な時間がかかるんですけれども、この抜かしても時間が長くかかるということについてはどういうふうに考えていらっしゃるんですか。
#113
○政府委員(井山嗣夫君) 先生にお出ししました案はあくまでも現時点のものでございます、現在の時点にJRが考えているところでございます。したがいまして、先生おっしゃるとおり、この毎年何駅というペースでいけば、おっしゃるとおり十年内には完成しないかもしれません。
 そこで、私どもとしては、これは現時点でございますから、さらに毎年度具体的な計画をつくるときにどんどんふやしていってもらうという方向で厳しく指導してまいりたい、こういう今考えております。
#114
○小笠原貞子君 そこが大事なんですよね。計画は立てたけれども、それ除いちゃって、大改良するということはいつまでに大改良しろということにはならないわけですからね。そうすると、いつまでも取り残されていってしまうということに、残されちゃうわけでしょう、大改良するまではつけなくてもいいと。その大きな改良するというのがいつまでに改良しなさいということでもなかったら、結局それはずるずる延ばされていってしまうということを私は心配するわけなんですよね。
 北海道で見た場合でも十四駅、あれに出された適当な駅があるんですよ。そのうち十一が大改良するということで今の計画の外に出ているわけですよ。そうすると残りわずか三駅ですよ。三つの駅にエスカレーターつけるのに十年間ということになるわけですよね。十年間で三つしかつけないということになるわけですよね。だから、ガイドライン出されたのは結構な面もあるけれども、これによって延ばされることもまた認められるということになるから、これはブレーキかかるような結果になるんじゃないかということなんです。
 時間もなくなりましたからこれでおしまいにいたしますけれども、その辺の中身を大臣、よく御検討いただきたいと思うんです。やっぱり必要だから計画立てたんだから、その計画が実施できるように御努力をいただかなければならない、そう思うわけなんです。
 この前、大臣、五千人と五メートルにはこだわらない、五千人を切っても利用者が必要だという場所にはそれは当然つける努力をしなければならないと、大変御理解のある御答弁いただきましたので、このガイドラインの数字をごらんになって、どこを押さえたらいいかということで御努力いただきたいということを最後にお願いして、終わりたいと思います。よろしいでしょうか。
#115
○国務大臣(奥田敬和君) これはガイドラインを一応示しましたけれども、基本的には障害者に「やさしい」駅づくりという形を全駅やってほしいというのが願いでございます。
 ですから、そういったことで、モデル的にコンクールをやって、「やさしい」駅づくりをしたところの表彰も考えておるわけですけれども、改良、新築は、これは義務化する、もうエスカレーター、エレベーターいずれかを。そして、既存駅で、非常にこれは経費等、既存の建物の一部をやっぱり
壊してあれせにゃいかぬものですから相当な金がかかる。そういった形の中では、これを十年をめどにやりなさいよという形でのガイドラインでございます。
 したがって、今回の予算はJRの経営状態にもよりますけれども、できるだけそういった方向で駅舎づくり、十年をめどに全駅エスカレーターくらいはつけなさいよ、障害者に「やさしい」駅にしなさいよということを指示しているわけであります。
#116
○吉田之久君 きょうは、プルトニウムの輸送船の護衛について若干お伺いをいたしたいと思います。
 まず、前回一九八四年にプルトニウムが運ばれているわけでございますが、このときは米仏海軍の援護を受けております。まあ常識的に見まして、今の世界で極めて重要なものを運ぶ場合、米仏海軍の援護を受ければそれにこしたことはない、一応普通の人間ならばそれで安心できたわけでございますが、このときの米仏海軍が援護してくれた隻数とその装備のトータルは大体どのようなものでございましたでしょうか。
   〔委員長退席、理事松浦孝治君着席〕
#117
○政府委員(小和田統君) 海上保安庁は、今御質問の点については直接担当ではございませんので、明確なお答えをいたしかねますけれども、私どもの聞いておるところによれば、米国あるいはフランスに対して我が国からの要請は行っていないと承知しております。
#118
○吉田之久君 そうすると、お願いもしないのに勝手に守ってくれたということになるんでしょうかね。ちょっとその辺が私ども解せないんですが、全然お願いもなしに勝手にやってくれるんですか。
#119
○政府委員(小和田統君) 手元の資料によればそのようになっておりますけれども、先ほど申し上げましたように、私どもその問題につきましては担当でございませんので、大変申しわけございませんけれども、お答えを遠慮させていただきたいと思います、
#120
○吉田之久君 担当外でございますから、またの機会にその関係ある方々に御質問をいたしますが、常識的に、先ほども言いましたとおり、だれかが要請したのか自発的にやってくれたのか、余りにも日本の大事なプルトニウムを運ぶことに心もとなくて国際的に協力してくれたのか、その辺は後でまたお教えいただきたいと思うんですが、一応それは安全の措置だったと思うんです。
 ところで、今度海上保安庁が新しく巡視船をつくってそれで守ろう、その意気たるやまことに壮なるものがあるのでございますけれども、私どもの常識からいえば外国の海軍に守ってもらった経過がある、それがいつまでもお願いできないならば日本の海上自衛隊、自衛艦があるんですが、そういうものに守ってもらうのが普通の常識だと思うんですが、それをしないで海上保安庁自身が新しく船をつくってその護衛を買って出る。その辺のいきさつ、経過について、海上保安庁としてはどういう考え方からこの決断をなさったのかお聞かせをいただきたいと思います。
   〔理事松浦孝治君退席、委員長着席〕
#121
○政府委員(小和田統君) 御承知のとおり、平成元年十二月に関係閣僚問でこの問題について検討いたしまして、今回のプルトニウム海上輸送につきましては海上における犯罪の予防及び鎮圧が海上保安庁の任務であるということから、海上保安庁の巡視船を派遣するということを申し合わせたわけでございます。
 海上保安庁といたしましては、そのような政府の方針に基づいてこの護衛のために必要な巡視船の建造を行ったということでございます。
#122
○吉田之久君 政府の方針に基づいてそういう道を選ばれたようでございますから、それはそれでいいといたしまして、さて、国際法上公船にすぎない巡視船で、しかもその装備も三十五ミリ・バルカン砲一門と二十ミリ機銃一丁、しかも一隻ですね。それで護衛しようということでありますが、何にも問題が起こらなければそれはそれでよろしいのでございますけれども、こういう場合には最悪の事態も予想して対応しなければならないという、極めて重要な課題であると思うわけなんです。
 そこで、この機会に、海上保安庁の歴史と申しますか気になる事例が一、二ございますので、その点についてお伺いをいたしたいと思います。
 昭和二十九年の二月二十日に、かなり古い話ではございますけれども、李承晩ライン付近でパトロール中の巡視船「さど」が韓国の警備艇に拿捕されております。それで、その付近にいた巡視船の「くさかき」があえて韓国側に攻撃しないで、むしろ帰投というんですか帰ってしまったという事例があったはずでございます。一体、このときの経過の概要あるいはこのことを受けてのその後の海上保安庁の反省とかこの種の問題に対する防止策とかをどのように考えてこられましたかお伺いいたします。
#123
○政府委員(小和田統君) 若干古いことになって恐縮でございますけれども、海上保安庁が昭和二十三年に発足をいたしました当初、巡視船には武装がございませんでした。けん銃だけ持っていたという状況でございます。そして、昭和二十五年に朝鮮動乱が勃発し、さらに昭和二十七年の一月に李承晩ラインが宣言されたわけでございますけれども、そのような状況のもとで、昭和二十七年の五月に巡視船の行動に関しまして、関係国を不必要に刺激しないように、それからまた、当方は武装していないわけでございますので、正当防衛のような場合やむを得ず所持しているけん銃を使うことは別にいたしまして、実力は行使しない建前で行動すべきである、こういう閣議の了解事項がございます。
 それに基づきまして、先ほど先生御指摘のとおり、二十九年の二月二十日に巡視船「さど」が韓国警備艇に拿捕されたというようなケースが確かにございましたけれども、これは今申し上げましたような発足以来の状況あるいは国際環境の中で、政府全体の中で関係国を不必要に刺激しないという方針に基づいて行われたものでございます。
 なお、若干前後いたしますけれども、その少し前から巡視船にもそれ相当の装備が必要ではないかという議論がございまして、順次、巡視船に機銃あるいは一部機関砲を装備するということがその直後から始まっております。
#124
○吉田之久君 海上保安庁の揺籃時代と申しますか、敗戦直後まだ日のないころでございまして、まさに丸腰の巡視警備の時代だったとは思うわけなんでございますが、それにしても彼らは李ラインを勝手に引いて、そしてみずから韓国の領海と認識して臨んできた。彼らの国内法を適用して日本の巡視船を拿捕したと。また一方、我が方の巡視船の船長も国内法である海上保安庁法第二十五条、「この法律のいかなる規定も海上保安庁又はその職員が軍隊として組織され、訓練され、又は軍隊の機能を営むことを認めるものとこれを解釈してはならない。」という厳しい規定がございますが、そういうことが念頭にあって黙って拿捕されざるを得なかったということになるんでしょうか。
 その国内法の二十五条の問題等がこの事件にかかわっておるのかどうか、ちょっと念のために伺っておきたいと思うんです。
#125
○政府委員(小和田統君) ただいま先生引用されました庁法の二十五条は、海上保安庁の発足以来庁法にある規定でございまして、保安庁の基本的な性格を規律しているものでございます。
 当初、巡視船は武装していなかったというのがその庁法の規定をもとにしているのかあるいは当時の国際情勢をもとにしているのか必ずしもつまびらかにいたしませんけれども、いずれにしましても、先ほど先生が御指摘になった巡視船の問題は、閣議の了解事項に基づき全く丸腰の巡視船としてやむを得ざることであったということかと考えております。
#126
○吉田之久君 当時、非常に微妙な国際情勢のもとで、かつ極めて慎重に対応しなければならない
我が国の立場から申しましてやむを得なかった措置ではないかとも思われるわけなんでございますけれども、しかし当時、韓国と北朝鮮とが戦争状態にありまして、あの場合もしも我が国の海上保安庁が応戦反撃した場合、軍艦でないものが交戦国の艦艇に対して敵対行動をとったとして国際法上違反に問われたであろうかどうか、そういう国際法上の問題は当時念頭にあったのかどうか、その辺もちょっと伺っておきたいと思うんです。
#127
○政府委員(小和田統君) 巡視船が関係国を不必要に刺激しないように、あるいは実力は行使しないようにという基本方針をつくるに当たりましては、当然関係省庁とも協議したはずでございますので、その際、国際法上の問題あるいは外交上の問題等も考慮事項にあったと思いますけれども、今先生が御質問の、国際法的に見てどういう観点からこの基本方針が立てられたのかという点につきましては、恐縮でございますけれども、外務省の方にお尋ねいただければと思いますが。
#128
○吉田之久君 そういう点で、機会を見てまだ外務省にもお伺いをいたしたいと思いますけれども、やっぱりこういう国内法、国際法を十分踏まえて今度のプルトニウムの輸送船の護衛をどうするかということ、特にそれが軍隊とみなされない海上保安庁の公船をもってそういう護衛に当たるとするならば、今後非常にかかわりある重要な問題の一つではないかと思うわけなんでございます。
 そこで、もう時間がありませんのでまたの機会にいたしますけれども、だんだんやっぱり国際的に核ジャックと申しますかそういうものを行う集団がもしもありとするならば、彼らが持っておる攻撃能力あるいは機動力というものもかなりやっぱり向上してきていると思わざるを得ない状況でございますね。だとするならば、せっかくつくられるこの巡視船ではありますけれども、先ほど申しましたような三十五ミリ・バルカン砲一門や二十ミリ機銃一丁で、しかも一隻で本当に護衛し切れるのかどうか。万に一つそれが核ジャックされるというような事態が起こりましたら、これは海上保安庁だけではなしに我が国の威信にもかかわり、また世界的な大問題になると思うんでございますね。
 だから、そういうことに十分、万が一の場合に耐え得る護衛であるかどうか、この辺は大臣、大いにひとつあらゆるデータを収集されて、そして、まずはこれで間違いないという十分な自信があって措置されませんと取り返しのつかないことになってはと大変色倶いたしております一人でございますが、その辺につきましてちょっと御見解を大臣みずからにお伺いできれば大変ありがたいと思います。
#129
○政府委員(小和田統君) 先生御指摘のとおり、核拡散防止の見地からこのプルトニウムの海上輸送を安全に行うということは大変重要なことでございますが、その際海上輸送に伴う危険、どのような危険が想定されるかということにつきましては、米国を初めとする関係国政府あるいは国内関係省庁とも十分な協議、検討を行いました。
 想定される危険は、国家レベルのものではなくてテロリストグループによる攻撃等の危険というふうに想定されております。今回建造いたしました巡視船は、もちろん想定される危険に十分対応できるような構造、装備を持っております。なおかつ、それに加えまして輸送経路の選定あるいは日本まで途中寄港せずに輸送する。そのほか武装海上保安官を警乗させるといったような万般の防護措置、安全措置を講じておりまして、私どもとしてはこれで十分だと考えている次第でございます。
 また、御承知かと思いますけれども、米国初め関係国におきましても我が方のこの輸送計画をもって十分であるというふうに評価しておりますし、その点は先日来アメリカの国務省の副報道官あるいは二、三日前にはタトワイラー報道官の記者会見においても明言されているところでございます。
#130
○国務大臣(奥田敬和君) 船のことに関しては、軍艦と言っていいんでしょうか、吉田先生はもう専門ですからそれはあれですけれども、私もそっちの方の知識は別として、先般この「しきしま」の装備、内容を含めて見てまいりました。大変立派な、はっきり言ってお金もたくさん、普通の巡視船の何倍かかかっておる船でございますけれども、素人目でも最新鋭船だなと。艦と言ったら語弊がありますから、新鋭船だなと。
 今、頼りないバルカン砲とか機銃とかと言っておられましたけれども、これが前と後ろについて、それで全面回転で、もう操作も全部コンピューター、レーダーをテレビ映像でやっている。まさにそういった部屋なんか見るとびっくりするくらいに、これは昔の、人がのぞいて撃っているようなそんなのじゃなくてすばらしいものでございました。
 私は、その内容は知りませんけれども、ともかく一万二千名の職員の中から厳選して選んだあの百名のそういった、選手といったらおかしいですけれども、選ばれた精鋭でございますし、私も司令なり船長なりをこの間、「しきしま」に乗船するそれを任命したところでありますけれども、士気旺盛であるし、まあこれだけの警護船と申しますかは、なかなかそのままでもあらゆる形で機能は持っておると。ヘリコプターも二機ですけれども、これも普通の巡視船の着艦のあれをまた全然性能をよくして立派な対応ができるだろうということを期待いたしております。
 万々にも核ジャック、そういった海賊的な行為に対して間違いのない形で対応していただけるものだと確信をいたしております。
#131
○委員長(峯山昭範君) 本日の調査はこの程度といたします。
    ―――――――――――――
#132
○委員長(峯山昭範君) 次に、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、政府から趣旨説明を聴取いたします。奥田運輸大臣。
#133
○国務大臣(奥田敬和君) ただいま議題となりました海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 海洋汚染の防止につきましては、各国が協調して取り組むことによって初めて十分な効果が期待できるものであるため、我が国といたしましては、従来より国際的な動向に対応しつつ、海洋汚染防止対策の充実強化を図ってきたところであります。
 アラスカ沖で発生したタンカー座礁事故に伴う大規模な油流出事故を初めとする最近の船舶からの油排出事故の状況から、事故の発生時においては乗組員の行動の指針となる手引書が必要であるとの国際的な認識が高まった結果、千九百七十三年の船舶による汚染の防止のための国際条約に関する千九百七十八年の議定書について、油濁防止緊急措置手引書を船舶内に備え置くことを義務づけるとともに、当該手引書について船舶検査の対象とすることを内容とする改正が行われ、平成五年四月に発効することとなっております。
 このため、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正し、同議定書の改正に伴い新たに必要となる国内法制の整備を図ることとした次第であります。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 第一に、船舶所有者は、一定の船舶ごとに油濁防止緊急措置手引書を作成し、これを船舶内に備え置かなければならないことといたしております。
 第二に、船舶所有者は、その油濁防止緊急措置手引書が技術基準に適合していることについて、運輸大臣が行う定期検査、中間検査等の検査を受けなければならないことといたしております。
 以上がこの法律案を提案する理由であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
#134
○委員長(峯山昭範君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する自後の審査は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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