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1992/04/16 第123回国会 参議院 参議院会議録情報 第123回国会 商工委員会 第7号
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1992/04/16 第123回国会 参議院

参議院会議録情報 第123回国会 商工委員会 第7号

#1
第123回国会 商工委員会 第7号
平成四年四月十六日(木曜日)
   午前十時三十二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月十五日
    辞任         補欠選任
     吉田 達男君     肥田美代子君
 四月十六日
    辞任         補欠選任
     梶原 敬義君     山田 健一君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         岩本 政光君
    理事
                中曽根弘文君
                松尾 官平君
                福間 知之君
                井上  計君
    委 員
                秋山  肇君
                合馬  敬君
                倉田 寛之君
                斎藤 文夫君
                前田 勲男君
                山口 光一君
                穐山  篤君
                梶原 敬義君
                肥田美代子君
                広中和歌子君
                三木 忠雄君
                市川 正一君
                古川太三郎君
   国務大臣
      通商産業大臣    渡部 恒三君
   政府委員
      通商産業大臣官
      房長        内藤 正久君
      通商産業大臣官
      房総務審議官    渡辺  修君
      通商産業大臣官
      房商務流通審議
      官         麻生  渡君
      通商産業大臣官
      房審議官      中田 哲雄君
      通商産業省立地
      公害局長      鈴木 英夫君
      通商産業省機械
      情報産業局長    熊野 英昭君
      資源エネルギー
      庁公益事業部長   川田 洋輝君
   事務局側
      常任委員会専門
      員         小野 博行君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○計量法案(内閣提出)
○金属鉱業等鉱害対策特別措置法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○特定債権等に係る事業の規制に関する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(岩本政光君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨十五日、吉田達男君が委員を辞任され、その補欠として肥田美代子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(岩本政光君) 計量法案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○福間知之君 まず、大臣に、この計量法の審議に際して、冒頭一、二お伺いします。
 この法律の目的、さらには今回全面的な改正が行われるということによる国民生活に与える影響というものについてお伺いをしたいわけですけれども、現行法におきましても法の目的について、適正な計量の実施あるいは経済文化への寄与という点がうたわれております。
 しかし、国民生活の安定、消費者の利益保護については言及されていないのであります。だが、このことは極めて重要なことだと考えますので、今回目的規定にやはり明記をすべきではなかったかなと思うわけですが、それは必要ないと考えられた理由は那辺にあるのか。また、今回の全面改正で国民生活に大きな影響を与えることになると思うわけですから、今回の法律の改正規模の大きさを考えますと、国民生活に混乱を招来するような懸念がなきにしもあらずだというふうにも思われます。そういう懸念はないのでございましょうか。
 以上、お伺いをしたいと思います。
#5
○国務大臣(渡部恒三君) 先生のただいまの御質問、大変重要なことでございます。
 今回の法改正は、経済社会の変化に対応して時代に即した計量制度の構築を行うため、国際化、技術革新への対応及び消費者利益の確保の三つの視点に基づいて、広く計量法全般にわたり見直しを行うものであります。
 具体的には、第一に、計量単位について国際的な整合を図るための措置を講じ、第二に、一定水準の製造・品質管理能力を有すると認められた指定製造事業者の製品については検定を免除する制度を導入するなど、計量器に関する規制の一層の合理化を図り、第三に、計量器の校正に用いられる計量標準を国から産業界に確実に供給し、かつ、国とのつながりを対外的に証明する制度を創設することとしております。
 今後は、計量単位を取り扱う業界、検定などに従事する機関への影響なども十分に踏まえ、円滑な制度運営に努めるとともに、改正内容の周知徹底を図るべく国民へのPR活動などを積極的にしてまいります。
 また、御指摘の国民生活の安定及び消費者利益の保護については、目的規定の文化の向上に含まれるためあえて明記はしておりませんでしたが、今回の法改正に当たっては消費者利益の確保に十分な配慮をいたしております。
#6
○福間知之君 これからの法の運用面で、今指摘された、また説明された精神を十分ひとつ尊重して遺憾なきを期していただかなきゃならぬと思うんです。法文にうたっている、うたっていないは二の次としましても、今申されたことはまことに結構だと思うんですが、その精神で運用に当たっては十分配慮を願いたいということを要望しておきたいと思うんです。
 ところで、計量法というのはもともと何かわかりにくいと、こういう気がするわけでございますね。当局の皆さんも専門官でなかったらなかなかこれわからないと。大臣は言うに及ばずとは言いませんけれども、私自身もかく言いながらもなかなかわかりにくい。したがって、そもそも計量法の体系が非常に複雑でございますし、さらにはまた、関係政省令にゆだねるところが多いということもわかりにくさを加重しているんじゃないかという気がします。
 例の計量行政審議会ですか、ここにおきましてもその答申の中に、法令条文の簡素化に努めるべきだという趣旨がありまするし、計量法のわかりやすい実施ということに留意をしろと、こう指摘
されているわけです。この法律案で、政令委任条項が先ほど言ったようにやっぱり多いんですね、今度の改正案でも。そうすると、この法律全体の具体的なイメージといいますか、そういうものが少しわかりにくくなっておるような気がするんです。
 そもそも、この法律の中身が、かなり技術的な側面が多うございますからそういう理由はあるにしても、生活への影響というようなものが重視されなきゃならぬという観点からいうならば、やっぱりもう少しわかりやすくこの法律自体をするべきではないのか。これは今回までの改正の都度指摘されてきたことでもございますが、今回は全面的な改正ということでもあるし、そういうわかりやすさという点についての配意はなされたのかどうか。なされたとしたら、今までの法律でこうだったけれども今度はその点はこうなったと、具体的に言うことができる箇所があれば教えていただきたい。
#7
○国務大臣(渡部恒三君) これは、まさに先生おっしゃるとおり、なかなかわかりにくい専門的な法律であります。私も、この法律がいかに重要であるかということをやっとわかったところで、この計量法は国民生活全般に関係する法律であることから、わかりやすい法律にすることがまさに先生御指摘の何よりも重要であるということを考えまして、法律改正作業を行ってまいりました。このため、全文改正という形をとり、条文の整理や簡素化のための改正もあわせて行うなど、できる限りの努力を行ってまいりました。
 しかしながら、今先生が御指摘のように、内容が技術的、専門的であり、規制内容を厳密に規定する必要があることなどのために、法律が大変複雑なものにならざるを得ない面があることは先生にも御了解いただけるものと思います。このため、今先生から御指摘のありましたように、法律の施行に当たっては法改正の内容をわかりやすく説明して、関係者への周知が徹底するようなPR活動に努めていくことが何よりも大事であると考えております。私なども専門的な知識はない方に属する方ですから、せめて政令等を出す私が十分わかる内容であれば大部分の国民の皆さんにわかっていただけるんじゃないかなと今考えておるところですが、まさに先生御指摘の点は大変重要でございますので、この点をしっかりと今後の施行に当たっては念頭に入れて努めてまいります。
 また、専門的な点がありましたら、政府委員から答弁させます。
#8
○政府委員(熊野英昭君) ただいま大臣から申し上げましたように、今回の法改正に当たっては一生懸命できるだけわかりやすいということに努めたつもりではありますけれども、そういうことで、例えば条文の整理等も、旧法では二百数十条にわたっておりましたものをこの改正法におきましては附則を別といたしまして百八十条程度に整理をしております。それから、規定につきましても、できるだけわかりやすいようにということで、わかりにくい規定は書きかえたり、あるいは条文をまとめて整理をしたり、そういうこともしたところでございます。
 それから他方、大変技術的な問題が多うございますし、技術はまた日進月歩で非常に進んで、進歩のテンポが早うございます。したがいまして、そういう意味におきまして、どうしても技術的な基準でありますとか技術的事項だとか手続事項等につきましては、社会情勢、技術革新の変化に柔軟に機動的に対応していくために政省令へ委任せざるを得ないところが出てくることもぜひ御理解を賜りたいと思います。ただ、そういう場合には、できるだけ政省令をわかりやすく書くように私どもとしても努めたいと思いますし、それから政令の主なものについては、計量審議会にお諮りをいたしまして十分関係者の御意見なども聞きながら、中身はもちろんでございますけれども、表現等についても心してまいりたいと考えております。
#9
○福間知之君 趣旨はよくわかりましたが、とにかく今提起されているここの計量法の関係資料一つ見ましても、これ通産省からちょうだいしているんですが、恐らく今国会で出されている各種の法律の中で一番これ分厚いだろう、こう思うんですね。局長も今答弁されましたように、政省令など審議会の意向も反映してやるとおっしゃっていますが、ぜひひとつわかりやすい表現を使っていただくことが必要であろう、こういうふうに思います。
 そこで、大臣の御答弁にありましたように、国民に対するPRですね、これがやはり大事だと思うのでお聞きをしたいんですけれども、この計量法案が提出されるまでの過程におきまして、いわゆるSI単位に関連した一部の報道記事等において、熱量単位がカロリーからジュールにかわって食事管理が困難になる可能性があるとか、あるいは体重の単位がキログラムからニュートンになる、リンゴのニュートンのようですけれども、などの報道がなされたことがありました。国民の中には計量法案をしたがって誤解をしているというふうな懸念も感ずるんです。
 こういう状況に加えまして、先ほど言ったように、どだいわかりにくさが法案にあるものですから、問題は法案成立後の国民各層に対する十分な周知徹底の活動というものが必要だろう。本法案が一年六カ月を超えない範囲という長い周知期間を置いておることもそういう趣旨だろうと思うのでございますけれども、局長、これ具体的なPR活動は今どういうふうな手法を考えておられますか。
#10
○政府委員(熊野英昭君) 今回の改正は、先ほど大臣から全般的な御説明を申し上げましたように、計量単位でありますとか、計量器の規制方法の見直しを目的としておりますので、広く国民各層への影響が予想されます。したがって、PRが大変重要になってくるわけでありますけれども、そのPRにつきましては、パンフレット、ポスターを配布するとか、あるいは各地域での講演会を実施するとか、そのために一般会計の予算も一応一千万円を用意しておりますし、地方公共団体に九千万円程度の予算をあわせて御用意をいただいております。また、いろんな計量関係の団体もございますので、こういう団体の御協力も得ていろいろ広く国民にPRをしてまいりたいと思います。
 それから、間違った報道等に対しましては、大変私どもの至らざるところで申しわけなく思っておりますけれども、その都度十分に御説明をいたしまして誤解を正し、誤解を正した訂正をしてもらうなり、その執筆者に十分御説明し、あるいはその当該報道された機関にそういう対応をしてまいっているところでございます。したがって、今御指摘の例えば体重がニュートンになるというようなことはないわけでありまして、体重というのはあくまでも質量でございますから六十キログラムの体重は六十キログラム、こういうことでございます。
#11
○福間知之君 局長、それと関連して、これ文部省に聞くべきことなんですが、きょうは文部省を呼んでいませんので、通産当局としての見解をお聞きしたいんですけれども、いわゆる教育面における周知徹底についてどういうふうに考えるかということなんです。
 今、ことし以降ですか、実施される教科書検定基準におきましても、「「計量法」に規定する計量単位を用いること。ただし、当該計量単位の中に国際単位系(SI)の単位がある場合には、原則としてこれによること。」と検定基準ではされているようであります。しかし同時に、「特定の目的に慣用上又は学術上認められる単位で、計量法の規定に抵触していないと認められるものは用いることができる」、こういっただし書きもあるわけでございます。
 私、詳しくは知らないんですが、現在の教科書でも、今改正されようとしているこの法案の先取りの形で既に記載されているというふうにも聞いているんですけれども、これは文部当局に聞けば一番いいんですが、まあ通産当局も当然御承知だと思いますので、ちょっとお聞きをしておきたい
と思います。
#12
○政府委員(熊野英昭君) 計量単位を国際的に統一するということは、経済の発展でありますとか、あるいは学術、技術の振興といったものの基礎になるものでございますから、そういう観点で極めて重要なものであります。今回の改正は、そういう趣旨に沿っても国際単位系の単位へ統一することを目的としているわけであります。
 他方、計量法が規制対象としておりますのは、取引上または証明上の計量に用いる計量単位でございますけれども、先ほど申し上げましたように、計量単位の国際的統一を推進するという計量法の全般的な目的にかんがみますと、教育分野におきましても、国際単位系の使用を進めていただくことが基本的には望ましいのではないかというふうに考えているわけであります。
 教科用の図書検定基準におきましても、ただいま福間先生御紹介のありましたように、「「計量法」に規定する計量単位を用いること。ただし、当該計量単位の中に国際単位系(SI)の単位がある場合には、原則としてこれによること。」というふうに、現に国際単位系を優先して使うような、これは既にそういう規定になっておられます。そういうことで、基本的には私どもの計量法改正の趣旨に合致しているものと承知しておりますし、具体的な計量単位の使用につきましては、いろいろ文部省の方で教育という観点から、小学生ではどの程度のものを教えていく、中学生ではどの程度のものを教えていく、あるいは高校の段階で物理学、化学という教科ならどうする、理科の場合にはどうするというふうに、いろいろ細かく検討していただいているところでございます。いずれにいたしましても、そういう意味で教育段階に応じた配慮が必要でございますし、適切な指導がなされていくものと考えております。
 今後私ども、先ほども申し上げましたように、いずれにいたしましても、無用な混乱が生じないように十分なPRも進めてまいりますし、また文部省を初め関係省庁とも十分意見交換をしながら進めてまいりたいと思っております。
#13
○福間知之君 次に、この法律と他省庁の法律との関係についてお尋ねしたいと思います。
 先般、気象庁が気圧の単位の呼称を現在のミリバールにかえまして、ミリバール、テレビで我々よく耳にすみ単位ですけれども、このミリバールにかえましてSI単位であるヘクトパスカル、ちょっと聞きなれぬ言葉なんですけれども、ヘクトパスカルにかえる予定云々ということがマスコミで報ぜられたのでございますが、このミリバールのように、現在通産当局を含めて多くの省庁の所管分野において非SI系の単位が数多く存在しているのではないかと思います。したがって、各省庁所管の法律におきまして単位が統一されるということは望ましいことではありましょう。各省庁所管の非SI系単位の今後の取り扱いはどういうふうになるんだろうか。また、一応SI化への統一を考えるということであるわけですから、そうであれば、いつごろまでにそれをなし終えようとするのか、お考えをお聞きしたいと思います。
#14
○政府委員(熊野英昭君) 今回の計量単位の改定内容につきましては、従来から関係省庁と密接な連絡会議を持ちまして十分検討し、また調整を行ってきているところでございます。計量単位ごとに三年、五年、七年という猶予期間を定めておりますけれども、この猶予期間内に必要な関係法令等の改正を行うということで、関係省庁、基本的に御了解をいただいているところでございます。
 今後、通産省といたしましては、各面への混乱が生ずることのないよう、各省庁所管の法律等で使用されております計量単位の国際単位系への移行が円滑に進みますよう、その具体的なやり方等につきましては十分連絡をとって対処してまいりたいと思っております。
 どのくらいの期間がということでございますけれども、ただいま申しましたように、単位によって三年、五年、七年としておりますけれども、一番長いもので猶予期間を最長七年間というふうに設定をしておるわけであります。したがって、段階的に法定計量単位から削除されていくわけでございますけれども、七年ということは使用期限で申しますと、一九九九年の九月三十日とい、つことになります。したがって、大ざっぱに申し上げますと、今世紀中というふうな感じで対応していけるんじゃないかというふうに思っております。
 今回の猶予期間というのは、先ほども申し上げましたように、それぞれの単位について関係のある省庁と十分議論をした上で設定をしておりますので、猶予期間内に必要な法令改正等は完了するものと期待をしております。
#15
○福間知之君 それに関連して、今我が国が法改正をやろうとしておりますが、先進国ではこの点はどういう状況になっているか、おわかりだったら御説明願いたいと思います。
#16
○政府委員(熊野英昭君) 国際単位系につきましては、ほとんどの国でその採用を進めてきております。ただ、先生も御案内のように、日本は今回これで国際単位系への統一を本格的に進めるわけでありますけれども、英米において必ずしも進んでいない、いわゆるヤードポンド法がかなり使われていることは事実でございます。
 しかしながら、既に例えば、日米構造協議の場におきまして計量単位の国際的統一の重要性を私ども主張をしておりますし、また、アメリカの経済や産業が発展していくためにも本来そうすべきではないかという主張を強くしているところであります。こういう努力は私どもとしても引き続きやってまいりますけれども、現にどういうふうになっているかと申しますと、イギリスは、ECの理事会指令に基づいて一九九九年までにメートル法化することを既に決めております。それからアメリカは、メートル転換法という法律によりまして、連邦政府の物資調達、連邦政府がやる物資の調達業務等につきましては、一九九二年の九月末までにメートル法化することにしているところでございます。
 ただ、御案内のように、アメリカの民間におけるメートル法の進展というのは必ずしもはかばかしくないものがあるわけでありまして、先ほど申し上げましたように、私どもとしては、SII協議の場等においてさらにそういうことを説得もし、また理解もさせるべく努めてまいりたいと思います。
#17
○福間知之君 そういうことですか。多少国によって時間の長短はあるけれども、一応それぞれがそれに向かっていると、遅くても今世紀末と、こういうことをターゲットに置いてやっているというふうに承知していいわけですね。
 ところで、今お話がありましたように、ヤードポンドの話が出ました。さらにまた、日米構造協議でも話題になっているという話も今出ました。
 そこで、輸入品に関しての措置なんですけれども、世界的なSI化というものの進展する中におきまして、この日米構造問題協議における日本政府の要求にこたえまして、アメリカ政府は国際競争力の向上等のためにメートル法の使用を奨励するとの内容を最終報告に盛り込んでおりますね。輸入品に関しましては、本法案でヤードポンド法等の併記を認めることとなっておりますが、日米構造問題協議の今後の進展を考えてみて、ヤードポンド法等を認めないという姿勢を我が国が示すことが事柄の促進を一層早めるのじゃないかと思うんですけれども、そういう見地に立つ考えはありませんか。
#18
○政府委員(熊野英昭君) 原則として法定計量単位というのは国際単位系ということで考えているわけでありますけれども、幾つかの点で例外的にいわゆるヤードポンド法の使用を許容しているところでございます。
 例えば、輸出入の貨物に係る計量等につきましては、例えば輸入食料品のオンス表示ということにつきましては、最近の輸入品が増大していることでありますとかあるいは輸入に障壁はできるだけ設けないようにという配慮でありますとか、そういうことで表示の書きかえを強制いたしますと輸入事業者の負担がかさんでしまうというような
ことで、当分の間暫定的にヤードポンド法の単位の併記を認めているところでありまして、グラムを書いていただくことはお願いをいたしますけれども、併記そのものも削除するというところまではお願いをしていないわけであります。
 そのほか、航空に関する計量につきましては、依然として世界的にヤードポンド法が現実として圧倒的に使用されている状況にありますので、これを強制することになりますと、かえって特に航空という状況でありますから大変不都合も生ずるということで、これにつきましても暫定的にヤードポンド法単位の使用を認めているということで、一方で国際単位系の推進を進めなければなりませんけれども、他方で現実の状況を踏まえながら一歩一歩前進をさせていく。
 アメリカにも、ただいま先生御指摘のありましたように、SII協議の場等において繰り返し私どもとしては主張して、現にメートル法の重要性をアメリカ側も認識をしてきているわけですから、そういうアメリカ側の努力を今後とも慫慂してまいりたいと思います。
#19
○福間知之君 これは、遊びの場合だったら、例えばゴルフ場へ行ったら必ずヤードとあるいはメートルが併記してあるところがありますが、アメリカのゴルフ場はメートルは書いてないんですか。アメリカのゴルフ場、私記憶がないんですが。
#20
○政府委員(熊野英昭君) 私も、出張の際にアメリカのゴルフ場で一、二度プレーをしたことがございますが、正確なことは記憶しておりませんけれども、多分一般的にはやはりまだメートル法の併記がないのかもしれません。
#21
○福間知之君 これは、遊びですから特段にとやかく言うことはないと思いますけれども。
 次に、計量器の検定制度の見直しか行われるわけです。そのことが中小企業にどのような影響を及ぼすだろうかという懸念でございます。この法律は、一定水準の製造・品質管理能力を有すると認められた指定工場の製品につきましては、自主検査にゆだねる、検定を免除する指定製造事業者制度を新設するということになっておるわけであります。
 この制度が導入された場合に指定工場として認められるのは、事実上、その技術や設備等を有しておって自前で検定作業を行うことができる比較的規模の大きい企業ということになるんじゃないかと思われるわけですけれども、通産当局は、中小企業の技術開発の支援について今日さまざまな援助措置等を講じておるわけですね。しかし、同制度の運用いかんによりましては、特定企業にのみ集中するという可能性が考えられます。したがって、同制度の厳正かつ公正な運用の必要性、及び中小業者への対応ということについての見解はいかがでございますか。
#22
○政府委員(熊野英昭君) ただいま御指摘の指定製造事業者制度と申しますのは、一定水準の品質管理能力を有する事業者でありますならば、大企業であれ中小企業であれ、何らの差別なく指定を行おうというものでございます。
 指定の基準となります一定水準の品質管理という中身でございますけれど、具体的には、製造工程ごとの製品の検査、最終段階における基準器等を用いた最終製品の検査、不合格品の適切な処置、それから検査記録の保存等を予定しておりまして、いずれもちゃんと計量器をつくることをまじめにやっていけば当然にやっていくようなことを内容としているわけでありますから、中小企業にとって特に対応が困難な事項を含んでいるわけではないというふうに考えております。また、指定製造事業者としての指定を契機といたしまして、最新の検査設備の導入等の品質管理体制の整備に取り組みたいという中小企業もあることと思われますので、このような事業者に対しましては、中小企業金融公庫等の融資でありますとか、あるいは特別償却等の中小企業施策の活用をしていただくべく考えているところでございます。
 なお、指定製造事業者制度は、特定企業への優遇になるといったような性質のものでは本来ないことはもちろんでございます。また、本制度の運用に当たっては、制度の本来の趣旨に従いまして最大限公正に運用してまいりたいと考えております。
#23
○福間知之君 そういう点をあえて指摘したわけですけれども、どうもやっぱり、中小企業がそういう適正に運用されると言われるけれども、実態としてはそうじゃないんじゃないかという危具を持ちますので、十分配慮をお願いしておかなきゃいかぬと思ったわけであります。
 次に、この計量法が計量各機器の輸出入に与える影響ということについてお伺いします。
 今週、ちょうど十三日の月曜日でございましたけれども、発表されました貿易統計によりますと、昨年度の我が国の貿易黒字は史上第二位の八百八十三億ドルに上ることが明らかになっております。我が国が一層の内需の拡大や市場開放、輸入拡大努力をしたがって求められているわけでございます。
 計量計測機器の輸出入状況を見ますと、輸出輸入それぞれ拡大しておりまして、しかも今後も相当程度拡大すると見込まれております。ちなみに、ここに持っている資料でいきましても、平成元年度で製造出荷額が、電気計測器製造あるいはその他の計量器、測定器、分析機器、試験機製造、測量機械器具製造など、締めて二兆四千八百九十三億円、二兆五千億円になんなんとする製造出荷額になっております。しかも、この輸出入動向の指数もあるわけでございますけれども、通産当局としてこの計量法の改正でこういう輸出入に影響がどういうふうにあらわれると考えておられるか、お聞きをしたいと思います。
#24
○政府委員(熊野英昭君) 昨年、平成三年におきます計量計測機器の貿易額を見てみますと、今先生御指摘の資料には平成元年度までしか輸出入動向が出ておりませんけれども、輸出額で約四千六百億円弱、輸入額で二千六百億円弱の程度に平成三年の実績はなっております。推移でございますけれども、輸出入とも、ほぼまあ横ばいから微増くらいのところで推移をしているんではないかと思います。しかしながら、いずれにいたしましても貿易活動は大変活発化しているわけでありますし、我が国経済の国際化が進んでいく中で、輸入拡大というのは、通産省としては大変大きな政策課題として掲げているわけであります。
 そういうことで、今回の法改正におきましては、検定基準のそのものを国際的にできるだけ整合化する、あるいは外国製造事業者への指定製造事業者制度の適用等といった措置も盛り込んでおりまして、国際的にもできるだけ開かれた制度にしたいというふうに考えてきているわけであります。したがいまして、輸入につきましても輸出につきましても、いわばこの計量法が障壁になるようなことにならないよういろいろな配慮をしてきているところであります。
 したがって、影響いかがかという御指摘について申し上げますと、それ自体としてはできるだけニュートラルになるように、しかし万が一にも障壁にはならないようにということで、いろいろ配慮した規定を設けているところでございます。
#25
○福間知之君 五十八年の法改正によりまするこの型式承認制度、そして今回の指定製造事業者制度など、外国製造事業者への適用拡大の対外開放措置が講ぜられているとは思うんですけれども、これら制度に対する相互の理解の食い違いなどがあらわれないだろうか。いわゆる通商摩擦を引き起こすおそれというものはないんだろうか。そういう点、日米構造協議がかしましい時期でもございますので、十分な対応が運用に当たっては必要じゃないかと思いますが、その点はいかがですか。
#26
○政府委員(熊野英昭君) 先ほどもちょっと申し上げましたように、今回の検定制度の見直しに当たりましては、国際化への対応ということを大きな課題としていろいろ勉強、検討してきたところでございます。
 例えば、我が国の計量器の検定制度における技術基準につきましても、国際法定計量機関、OI
MLと略称しておりますけれども、この国際法定計量機関におきますところの国際基準を十分踏まえまして、国際的な整合性の確保に努めているところでございます。また、今回の法律改正によりまして、海外においてつくって我が国に輸出する計量器の製造事業者を対象といたしまして、先ほど申し上げましたように指定外国製造事業者制度を導入して、外国製造事業者に対しましても、国内の事業者が活用できると同じような、検定が免除される措置を講じているところでございます。
 ただ、これらの措置が十分その目的を果たすためには、外国関係者による正しい理解が国内と同様に大変重要になってまいります。そういう意味において、海外に対する積極的なPR活動も進めていく必要があると思っておりまして、まずは通産省に対応いたしますような計量関係を担当している行政、国の役所がございます。それからその関係で、いろんな例えば計量研に対応するような研究所でありますとか、あるいはその検定を行っているような機関とかたくさんございます。それから先ほど申し上げましたような、そもそも計量関係には幾つかの国際機関がございます。そういうところを通じまして、私どもの今回の法改正の趣旨を十分まず連絡をしてまいりたいと思いますし、他方、在日の例えば商工会議所の皆さんにもPR活動をしたり、あるいはジェトロの一般的なPR活動の一環としても、十分計量法の改正の趣旨、特に外国の人たちに関係の深い部分を丁寧にPRをしてまいりたいというふうに考えております。
#27
○福間知之君 ぜひ、対外的なそういう摩擦の起こらないような配慮をお願いをしておかなきゃならぬと思うんです。
 先ほども局長の方から数字の説明がありましたけれども、計量計測機器の輸出入の金額を見ますと、平成元年度で輸出額が四千百二十四億円、それに対して輸入額は二千四百十五億円。輸出に対して輸入は六割程度の額になっておりますね。まあ私の数字が間違っておりましたら御指摘いただきたいんですが、通関統計のこれ数字です。したがって、どうしてもこういう面でも輸出の方がかなり多いということですから、特に留意を喚起しておきたいと思います。
 次に、指定検定機関制度の運用につきましてお伺いをしたいと思います。
 この指定検定機関制度は、その導入の際におきましても問題になったところでございますが、その活用のメリットと同時に、検定の信頼性や既存検定機関への影響など、慎重に対処しなければならない点も多いかと存じております。そこで、具体的に民間検定機関を指定する際に、いわゆる日電検との関係をどういうふうに考えればよいのかをまず伺いたい。
 また、全国一律に厳正かつ公正な検査を実施し得るような検定主体というものがあるのかどうかお伺いをしたい。
 現在、指定検定機関として指定されている機械電子検査検定協会、この協会の実情と今後の位置づけはどういうふうに考えておられるのか、お伺いをしたいと思います。
#28
○政府委員(熊野英昭君) ただいま福間先生の御質問、幾つかの点があったと思いますので、順次お答えをさせていただきたいと思います。
 まず、指定検定機関制度を活用すること、日本電気計器検定所との関係という御趣旨の御質問があったと思いますけれども、現在、日本電気計器検定所、いわゆる日電検が行っている業務のうち、電気計器の検定、それから型式承認に係る試験事務につきましては、技術的かつ定型的な業務であるということから、従来より既に、一定の技術的能力等を有すると認められた指定検定機関を活用して検定業務を行うことができるような仕組みは旧法の段階からできているわけであります。指定機関の指定は、計量器の数とか種類の増加に伴いまして行政ニーズが大変増大をしておりますので、民間機関の活力を活用しながら適切に対処していく必要があるということで、指定検定機関の仕組みを今回設けているわけであります。指定を行うことによりまして、既存機関を含めまして検定業務が円滑な実施に著しい支障を生ずることのないよう、いろいろ配慮していく必要があるというふうに考えているわけであります。
 日本電気計器検定所は、指定検定機関と同様に電気計器の検定業務を行うことに加えまして、この検定所は高度な技術的能力、それから公正、中立性を持っておられますので、計量制度の根幹となります型式承認制度の承認行為でありますとか、あるいは検定、定期検査等に使います基準器検査の実施の主体として業務を行っているところでございます。計量法改正後も、引き続き国に準ずる機関として大きな役割を果たしていただくことが期待されているものと認識をしております。
 それから、指定機関として全国一律にということでございますけれども、ただいまも申し上げましたように、指定検定機関の指定は計量器の種類ごとに、それぞれいろんな計量器ございますが、この種類ごとに計量器関連技術の蓄積を有しますところの民間機関、原則として公益法人でございますけれども、この公益法人の申請を受けまして、その技術的な能力はどんなものであるか等を十分調べて、考慮した上で指定をしていくものでございます。したがって、現在の段階でどういった検定主体が全国一律に厳正かつ公正な検査を実施できる指定検定機関となり得るかをあらかじめ想定することはなかなか難しいわけであります。ただ、例えば現行法におきまして、ただいま先生の御指摘もありましたように、濃度計と騒音計の指定検定機関として、この二つの計量器の指定検定機関として財団法人機械電子検査検定協会が指定をされ、全国一律に厳正、公正な検査を実施しているところでございます。
 この財団法人、ただいま申し上げました財団法人機械電子検査検定協会とはどういうものかと申しますと一これは計量法に基づきますところの検定や電気用品取締法に基づく試験業務といった機械電子関係の試験検査を中心にいろいろ多くの業務を行っている公益法人でございまして、昭和三十二年に設立されております。人員は約六百名強、予算は、年間の予算が平成三年度におきまして九十億円弱、基本財産が四十二億、約四十三億円弱、事業所も東京、大阪、九州、愛知等に持っております。計量法に基づく業務といたしましては、昭和四十八年から指定検定機関といたしまして、ただいま申し上げました濃度計、騒音計の検定業務、それから型式承認制度に係る試験業務を行っているところでございます。
 したがって、この協会は、新しい計量法のもとにおきましても、濃度計及び騒音計の指定検定機関として引き続き指定されていくことになると思っておりますけれども、同協会の計量器に関するすぐれた技術と能力にかんがみまして、今後とも計量行政においては重要な役割を果たしていただきたいというふうに考えているところでございます。
#29
○福間知之君 それは、今御説明されたようなことはわかっているわけですけれども、私のお聞きしたいのは、日電検とこの機械電子検査検定協会、これは競合関係にありはしないかと、また仮にそうだとしたらそれはそれで結構なんだという考えなのかどうか。日電検の立場で考えても、仕事量の問題とかあるいは働く人たちの雇用の問題とか、そういう問題がクローズアップする可能性がなきにしもあらずなんです。その点を多少心配してお聞きをしているわけです。だから、機械検定協会の方のこれからの位置づけ、日電検についてはますますひとつ国に準ずる機関として頑張ってもらいたいという期待を持っておる、こういう話ですけれども、実態としてその競合関係はどういうふうになっていくのかということ、これについてはどう見ておられるかということです。
#30
○政府委員(熊野英昭君) それぞれ大変能力を有しておられるわけでありますから、それぞれ特色を生かしながら、物によっては場合によって競合するところもあるかもしれませんけれども、十分な何というか意味のある競争関係をやって計量関係にそれぞれ重要な役割を果たしていただきたい
と思います。
 ただ、機電検そのものについて申し上げますと、先ほど年間の予算約九十億円と申し上げましたけれども、現在検定関係で上げております収入はそのうちの六億数千万円程度でございますから、実は非常に広い活動も行っております。それから、計量器にはいろんな分野の計量も、いろんな分野の何というか種類もたくさんあるわけでございます。それぞれ得意とするというか、それぞれが専門とするようなものもございますので、そういう意味でもそうですが、それから今回の法律改正におきまして検定制度だけではなくて、新しく標準供給の問題でありますとか、あるいはもとからありますところの型式承認の業務でありますとか、いろいろな新しい行政ニーズが出てきているわけでありますから、そういう中でそれぞれ効率的な業務の充実を図っていただければというふうに考えているわけでございます。
#31
○福間知之君 この機械電子検査検定協会というのは、例の民活の流れの中で誕生したと承知をしております。したがって、しにせである日電検という存在なり、その活躍、活動している意義というのは依然としてこれは大きいものがあると思いますので、一定の競合ということはこれは決して悪いことではありませんけれども、計器類は多種多様にわたって、しかも数量も非常に多いわけですから、効率的な運営ということだけじゃなくて、より正確な検定ということが必要だろう、そういうように思いますので、ひとつ十分配慮をしていただきたいと思います。
 次に、法定の計量器から特定の計量器への移行ということの妥当性についてお伺いをしますが、現在の法律におきまして規制の対象となっている計量器は現行法十二条に規定されているんですが、今回の法案の第二条は、規制の対象となる特定計量器の範囲を政令により定めることになっている。これによって計量器の使用実態に迅速に対応できる等のメリットがあるとの御説明のようですが、一方デメリットもあるんじゃないかというふうにも考えられます。
 例えば、国民に何が規制対象となっているのかわかりにくいという面があるんじゃないかと思うんです。政令によりまして改廃が安易に行われるということはそんなにはないと思いますけれども、安易に行われる可能性があるということだけは確かですから、そのために国民や検査体制などに一種の混乱が起こったり、あるいは不利便が起こったり不利益が生じたりということがないだろうか。さらに、法律委任の限界を逸脱しているのではないかという法律論上の問題点もないことはございません。これらについての見解はいかがかということでございます。やっぱり今の法律で、政令に委任しないで法律上明記をするという姿が必要じゃないかなという観点から申し上げているわけです。
#32
○政府委員(熊野英昭君) 特定計量器の定義は、ただいま先生御指摘のように、旧法におきましては法律で定義をされていたわけでありますけれども、今回の改正では、その内容が大変技術的、専門的な事項でもありますし、また技術も変わっていくというようなこともありますために、一般的な基準をまず法律に明示した上で、具体的な規制対象品目については政令事項とすることが適当ではないかと考えまして、こういう形にさせていただいているわけであります。特に、規制対象品目は、計量器の使用状況等に応じまして適時適切に改正していく必要がございます。これに柔軟に対応していくという観点からも、政令で定めることが適切ではないかというふうに考えたわけであります。
 ただ、どの計量器を特定計量器とするかというのは大変重要な問題でございますので、ただいま先生御指摘のように、万が一にも安易な政令改正が行われるといったことは避けなければなりませんので、特定計量器を定める政令を制定するに際しましては、広く関係者からの意見も十分聞くように、計量行政審議会へ諮問することを法律上義務づけております、法律的な諮問事項として。その中には、消費者代表の方もいらっしゃいますし、それから大学の先生方といった専門家もおられますし、それから関係業界の方もおられますし、いろんな広く学識経験者も参加していただいておりますので、その場において十分中身を御検討いただいて、それを踏まえて政令改正を行うということになっているわけであります。
 そういうことで、特定計量器につきまして法律で一般的な基準を示した上で、具体的な規制対象品目は政令に委任している仕組みについての、法律からの委任がどうかということでございますけれども、この点については、十分法制局と検討の上でこういう判断は妥当なものということになっております。事実、他の法律におきましても、例えば消費生活用製品安全法、液化石油ガス法のような、これらの法律を見ましても、具体的な規制対象品目は政令事項としているものが多い状況にあるわけであります。そういう意味では、地法とのバランスもとれた規定にしたわけでございます。
#33
○福間知之君 御説明のように、諮問機関に諮っていくということで一つの歯どめにはなっているかと思うんですけれども、またすべて政令に任すのは悪いということも私は思っていないんです。特に、計量器のことでございますので、技術革新も激しい時代ですから、新しい製品というものが次々開発されるというふうな事情も考えますと、なるべく国民にその都度わかりやすく対処してもらうことが必要だ。また、国民の側の、あるいはユーザーの側の意見を反映する、それは諮問機関でやる、こうおっしゃっているわけですから、ぜひひとつそれは心してやってもらいたいと思います。
 次に、今回の法律上での罰則についての妥当性に関してお伺いをします。
 今回の法案で、罰則について現」行法と若干異なる取り扱いがなされております。例えば、不正な計量器の使用等を行う者への罰則が、現行の計量法のもとでは最高懲役三年となっておりますが、本法案では最高懲役六カ月に軽減されております。この点はどういう理由でこうなったのか、全体として罪責刑罰は本法案の程度で妥当だと考えておるのかどうか、お伺いをしたいと思います。
 また、昔の昭和三十四年のメートル法完全実施という時期におきましては、鯨尺等の使用について罰金の適用が話題となったことがありますが、今回の計量法でもそのようなことがあり得るのではないかと思いますけれども、その点の対応はいかがですか。鯨尺という懐かしい名前で、永六輔さんあたりが使っていたことを思い出すんですけれども、そういう点です。
#34
○政府委員(熊野英昭君) まず、罰則の一般的な規定についてでございますけれども、これにつきまして、罰則とか量刑に関する規定の見直し、あるいは改正全般につきまして、他の法律とのバランスを十分考慮いたしまして、また当然でございますけれども、法務省とも十分協議の上、法制局審査の過程で議論されたものでございます。その結果として罰則、量刑を決められておりますので、総体として妥当であるというふうに考えております。
 ただいま先生御指摘の、不正な計量器の使用に対する懲役三年という規定が今回改正になっているわけでありますけれども、この規定は、現行計量法が昭和二十六年に制定された当時のいろんな状況を反映してそのとき決められたようでございまして、最近におけるいろんな他の立法例と比べると著しく重いものになっているということでございまして、法制局あるいは法務省等の指摘等も踏まえ、他の法令との関係、あるいは計量法の中における他の罰則との量刑のバランス等を考慮いたしまして、懲役六カ月とすることが妥当であるとの結論を得てこの改正案をお願いしている次第でございます。
 それから、昭和三十四年の法改正におきまして、メートル法完全実施の前後問題になった鯨尺等の使用の問題でございます。これにつきましては、いわゆる非法定計量単位を付した計量器の販
売は、それが取引、証明に用いられることを目的としていない場合でありましても、そういうものが出回りますといろいろ問題がありますので、影響の大きさにかんがみ計量法上は認めていないわけでございます。こういう従来の基本的な考え方は、今回の改正後も同じでございます。変更はございません。
 しかしながら、ただいま御紹介になりました尺貫法に基づく間隔の目盛りを付したいわゆる鯨尺とか、そういう尺貫法の関係のことでありますけれども、これにつきましては、尺貫法に基づく間隔の目盛りを付した上で、例えば一尺に相当するところに三・三分の一メートルというようなメートル法による表示を付した計量器、これを尺相当目盛り付計量器と呼んでおりますけれども、この尺相当目盛り付計量器につきましては、メートル法による計量器とみなしても計量法の趣旨、目的に照らして問題はないんじゃないかということでその販売を認めているところでございます。
 いずれにいたしましても、法定計量単位自体を使うのは取引・証明でございますから、趣味とか学術等に非法定計量単位を使うことは結構なわけであります。趣味で行います和裁等に際しましては、ただいま御紹介申し上げました尺相当目盛り付計量器によって十分対応がなされているのではないかというふうに考えております。ただ、実態として申し上げますと、例えば和裁学校等におきましても、最近は既にいわゆる尺貫法ではなくてメートル法で相当程度行われております。私どもが取り寄せたいろんな教科材料等を見ましても、全部メートル法になっているものが多うございます。そういう意味で、着実にメートル法がだんだん浸透しでいっている現実は十分進んでいるものと思っております。
#35
○福間知之君 わかったような気がしますけれども、実際はなかなか国民もちょっと理解がいかない点があるんですよ。だから、今おっしゃったようなメジャーならメジャーの目盛りが、メインはメートルでおってサブが尺貫だというふうなのはもろろん問題はない。今局長はその逆のことをおっしゃいましたけれども、逆のことでもいいとおっしゃるんだから、これは問題はないはずです。しかし、車ほどさように、計量法の改正だということで一つまずびんびんとくるのは、これは一体どうなるのかな、生活に不便が起こらぬかなというふうな懸念です。
 俗っぽい話ですけれども、我々は人間が古いのかもしれませんけれども、平米という単位が今本則としてあるわけです。ところが、家一つとっても、家の建坪は百二十平米だと言うけれども、一たん中へ入るとこの八畳の間は、この六畳の間はというふうになっちゃうわけです。この八畳は何平米の部屋とは言いませんからね。これはやっぱり八畳は八畳、六畳は六畳、そういうふうに我々、笑っている方も決して新しい方じゃないんでございまして、そうですね。これは、計量器じゃないから問題はないと言ってしまえばそれまでですけれども。だから、我々の日常の生活に不便を来さないようにだけはどうしても考えていかなければならない。新しい次の世代の方がどういう単位で表現をするのが、これは知りませんけれども、今はやっぱりまだそこまで一気にいかないわけですね。これは俗っぽい話で恐縮でしたけれども、感想を申し上げた次第でございます。
 次に、検査体制の合理化の影響という点でお伺いをします。
 検査体制の効率化、機械化等の合理化の推進というのは、臨調行革審でも指摘されてきたところでございますし、新しい今回の法律適用に当たっても検査体制の制度面はもちろん、運用面での合理化が一層促進されるように伺っているところでございます。その前に、既存検定所の設備状況、財務体質、職員の勤務体制、雇用問題等にもかなりの影響を受ける可能性があるわけでございます。一部では、職員が将来に対して大きな不安を抱いているとも伝えられております。そこで、具体的に都道府県等の計量検定所、さらに先ほど触れました日電検など既存の検定機関への影響と、それに対する対応はいかがでございますか。
#36
○政府委員(熊野英昭君) 今回の法改正におきましては、一定の品質管理能力を有しますところの製造事業者に自己認証を行う指定製造事業者制度を導入していることは先ほど来申し上げているとおりでございます。
 これに伴い、検定業務が一部合理化されることになるわけでありますけれども、その一方、他方で精密計量に対応したような計量標準の供給業務、それから指定製造事業者に対します検査業務等、新たなニーズに対応した業務も実は今回の改正で拡充されているところでございます。したがって、計量関係に携わっております行政機関そのもの、あるいは行政関連の機関等にとりましては、今回の法改正は、単なる業務の合理化ということではなく、全体としてむしろ業務の効率化を図りながら、先ほど申し上げましたように新たな行政ニーズに向けて業務の実質的な充実を図っていくようなものになっているものと考えております。
 今回の指定製造事業者制度の導入に当たりましては、なお急激な変化を避けるというような意味もございまして、計量器ごとに五年を限度とした準備期間を設けているわけであります。制度改正に対する関係機関の円滑な対応が可能となるように、こういう点でも配慮をしているところでございます。今後、十分その実態を踏まえながら、それぞれの地域、それぞれの機関、それぞれのいろんな状況があると思いますので、これらを踏まえながらただいま申しましたような中で対応をしてまいりたいと思っております。
#37
○福間知之君 猶予期間も今おっしゃったように五年余りあるということですから、ひとつそれは当局としても現地との円滑な推進のための努力を要請をしておきたいと思います。
 次に、型式承認検定の期間の設定などについてお伺いをします。
 型式承認制度におきましては、対象品目を特定計量器全体に及ぼすとともに、その有効期間を設定することとしております。そこで、この型式承認を初めとする検定有効期間、定期検査の周期のあり方と関連しまして、計量器の適正な機能維持、計量器ユーザー、消費者の利益保護をどういうふうにして確保していくお考えがお聞きをしたいと思います。
#38
○政府委員(熊野英昭君) ただいま御指摘の型式承認の有効期間でありますとか、あるいは検定の有効期間、あるいは定期検査の周期等々につきましては、今回の改正案におきましては政令で具体的に期間を定めていくこととしているところでございます。これは先ほど来申し上げておりますような計量器の製造技術の動向でありますとか、使用状況の変化等に柔軟に対応するということが重要であります。それが計量器をつくる人、計量器を使う人、そして消費者の利益保護といったような観点を十分柔軟に対応していける趣旨ではないかということで政令事項とさせていただいているわけであります。
 そこで、具体的な期間の設定に当たりましては、それぞれの計量器ごとの特性もございます、技術的な特性もございます。それから、使用の頻度でありますとか使用の状況等、いろいろな使用によってどの程度その間に劣化が起きるかとかあるいは摩耗が進むかとか、そういうこともあります。そういったことをそれぞれの計量器ごとに十分検討する必要があるわけであります。その過程で、ただいま申し上げましたように、計量器にかかわる人々、ユーザー、消費者を初め、あるいは計量器をつくる人等も含めまして、いろいろ関係の方から意見を十分に聴取をいたしまして、最終的には消費者の利益ということを根本に置いて、適正な対応を図ってまいりたいというふうに考えております。
#39
○福間知之君 今回の検定制度の見直しと手数料収入に関して実はお聞きしたいんですが、どういう影響があるとお考えでしょうか。それによって生ずる既存の検定機関等への影響、どういうふう
に買込んでおられますか。
#40
○政府委員(熊野英昭君) 今回の法律改正におきましては、先ほど来申し上げておりますように、一定の品質管理能力を有する事業者について検定を免除する制度を導入し、計量器に関する規制の合理的なあり方を図っているところでございます。
 定量的には明確ではございませんけれども、これらの措置によりまして、これまでと比較いたしますと、検定業務そのものに係る手数料収入は減少せざるを得ないことが予想されるわけであります。しかしながら、他方におきまして、今回の法律改正におきまして、計量標準供給業務でありますとか、あるいは仕組みを変えた指定製造事業者の指定に係る検査業務があるわけでございます。こういう業務であります等、新たなニーズもたくさん出てきておりますので、こういう対応を可能にすることとしているわけであります。
 それからまた、先ほど申し上げましたように、新制度の導入が円滑に行われますよう一定の準備期間を設けることとしているわけでありまして、既存の検定機関等の業務が急激に減少するといったふうな支障が生ずることのないように、十分な配慮を図ってまいりたいというふうに考えているわけであります。
#41
○福間知之君 じゃ結論としては、手数料そのものは減るけれども、その他の部門でカバーしていける、こういう判断でいいわけですね。
#42
○政府委員(熊野英昭君) 検定業務に関する手数料はある程度減らざるを得ないけれども、ほかのいろいろな仕事というか、場合によって手数料と呼ばれるものもあると思いますけれども、ほかの今申し上げましたような標準供給業務とか検査業務等で収入は出てくるのではないかと、こういう趣旨でございます。
#43
○福間知之君 その点で、通産の方でそういう判断をされているのは結構としても、日電検にしてももう一つの検査協会にしても、そんなに大きな規模の団じゃありませんね。だから、多少私どもでは気になる点があるからお聞きをしたわけでございますけれども、ぜひそういうことのないように、しかも仕事は効率化し、新しい法律の円滑な運用が実を上げるようにしなきゃなりませんので、両面をひとつ考えていただきたいと思います。
 次に、立入検査などの活用につきまして、この法律では全体として規制の緩和、民間活力の活用という形でもって業務を推進していくという内容になっているわけですけれども、一方で自主検査等における不適正な管理体制が顕在化するおそれはないのか。そのため、この法律における立入検査、各種改善・適合命令、報告徴収等適正化措置を活用する必要があると考えられますが、運用についての御見解を伺いたいと思います。
#44
○政府委員(熊野英昭君) まず、指定製造事業者につきましては、検定にかわって自主検査をやっていただくわけでありますから、その検査記録の保存を義務づけているわけであります。そういうことで、自主検査の不合格品を出荷するといった不正行為が行われないように、その不正行為の防止を図っているわけであります。
 さらに、今回の改正法案におきましては、不正行為の防止に万全を期するために、指定を行った事業者から定期的に報告を徴収、第百四十七条でございますが、するとともに、立入検査、百四十八条に規定しておりますけれども、行いまして、この立入検査も随時行っていくと。それから必要に応じ改善命令、第九十八条に規定をしておりますけれども、これを改善命令を出すなどの措置を適宜講じてまいっていけるように規定を置いてあるところでございます。指定製造事業者制度の実施に当たりましては、ただいま先生御指摘のようなことを十分念頭に置きながら、これらの措置を適切に運用して、適正な計量器が確実に供給されていくように努力をしてまいりたいと考えております。
#45
○福間知之君 最後にお伺いをしますが、このSI単位系への移行についての反対意見というものが一部とは存じますが、ないことはありません。各方面から当局としては意見の聴取を行われたと思いますけれども、反対意見というのにはどういう意見がございましたか。
 先ほど来の御説明のように、施行に当たって最長七年の猶予期間というものが設けられておりまするし、猶予期間終了後においてもSI単位への移行は困難だと、こういう場合にはさらに一定期間に限ってSI単位との併記を認める、非SI単位系との併記を認めるという措置も講ぜられておるようでございますが、そういうことで例えば反対意見があったとすれば、それに対応することになるんでしょうか。
#46
○政府委員(熊野英昭君) 今回の計量単位を見直すに当たりましては、広く関係省庁はもとよりでございますけれども、学会、日本学術会議でありますとか、あるいは産業界等々に十分事前にお諮りをいたしまして、合意を基本的にちょうだいをしておるところでございます。
 ただ、しかしながら、今回の改正の対象となりますところの非SI単位の中に、建築、土木の分野で広く用いられておりますところの力の単位であります重量キログラム等をニュートンに変える、これが含まれているために、一部の少数意見として反対意見が出ていることは事実でございます。
 これまで通産省としては、これらの人々に対して十分いろいろ御説明もしてまいっておりますし、それから学術会議におきまして、建築でありますとか、学術会議には土木関連の土木学会だとか建築学会等々も含まれておりまして、そういうところでも十分御議論をしていただいた上で、先ほど申し上げましたようなこの改正案に賛成である旨の合意をちょうだいしているわけであります。ただ、今後とも、十分これらの関係のところとは調整を図って、協力しながら単位の統一の努力をしてまいりたいと思います。
 そういうふうな一部の少数意見の方々の御意見もございますので、これらに配慮いたしまして、移行に当たりましては猶予期間を設けたわけでありまして、重量キログラムにつきましては七年の最長の猶予期間を設けているわけであります。したがって、この猶予期間内に新しい単位が定着するように、関係方面ともどもいろいろ努力をしていきたいと思っております。
 ただ、万が一にもそれぞれの猶予期間内にこの新しい国際単位が定着しないというような事態が生じた場合には、その猶予期間終了後の時点において、旧単位の使用を一律に禁止することは事実上大変困難であるというふうに判断されるような場合には、期限でありますとか使用分野等を限定した上でさらに猶予期間を延長する等の措置も講じ得るような規定を設けて、そういう万が一の事態にも対応するような規定を設けているところでございます。
 しかしながら、いずれにいたしましても、まずは猶予期間内に関係者にもいろいろお願いをしながら、新しい単位が定着するように努力をしていくことがまずは重要である、こういうふうに考えている次第でございます。
#47
○福間知之君 終わります。
#48
○委員長(岩本政光君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時まで休憩いたします。
   午前十一時五十五分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時開会
#49
○委員長(岩本政光君) ただいまから商工委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、計量法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#50
○三木忠雄君 それではまず最初に、この計量法案の改正に伴う主な目的と、その改正に伴う影響、それをどのように大臣は認識をされているか、まず最初に御答弁願いたいと思います。
#51
○国務大臣(渡部恒三君) ただいま三木先生お尋ねのこの法案の目的と影響でありますが、今回の
法改正は、経済社会の変化に対応した、時代に即した計量制度の構築を行うため、国際化、技術革新への対応及び消費者利益の確保の三つの視点に基づいて、広く計量法全般にわたり所要の見直しを行うものでございます。
 具体的には、第一に、計量単位について国際的な整合を図るため、計量法上取引・証明に使用することが認められている法定計量単位を、原則として今世紀中に国際単位系に統一し、第二に、最近における工業生産技術の向上を踏まえ、製造、修理、販売事業者に係る登録制を届け出制とするとともに、計量器の検定については、型式承認制度を活用することにより、一定水準の製造・品質管理能力を有すると認められた指定製造事業者の製品については検定を免除する制度を導入するなど、計量器に関する規制の一層の合理化を図り、第三には、先端技術分野を中心とした高精度の計量に対応するため、工業製品の生産に欠かせない計量器の校正に用いられる計量標準を国から産業界に確実に供給し、かつ、国とのつながりを対外的に証明する制度を創設することとしております。 今回の改正案は、計量行政審議会、日本学術会議など広く関係者の意見を踏まえて御提案申し上げているものでありますが、改正の対象となる計量単位を取り扱う業界、検定などに従事する機関への影響なども十分に踏まえて、円滑な制度運営に努めるとともに、改正内容の周知徹底を図るべく国民へのPR活動などを積極的に進めてまいる所存でございます。
#52
○三木忠雄君 具体的に、今の中で国際化の問題ですか、アメリカあるいはECはどういうぐあいに統一されるようになっているんですか。
#53
○政府委員(熊野英昭君) ST単位系への国際的な統一は世界各国で進んできておりますけれども、例えばアメリカにつきましては、一九九二年の九月末までに連邦政府が調達するようなものについてはこれに統一をすることということで、一生懸命アメリカにおいても立法化が進められているわけであります。それからイギリスにおきましては、EC理事会指令によって一九九九年までにメートル法化を進めるということになっております。そのほかの国は、大体SI化がむしろ進んでおるということでございます。
#54
○三木忠雄君 そうすると、国際的には二〇〇〇年から大体同じようなペースで主要国はいくということですね。
#55
○政府委員(熊野英昭君) 正直に申し上げますと、アメリカの状況というのは、今九二年の九月末と申し上げましたのは連邦政府の調達等に係る部分でございますから、アメリカにおける民間のヤードポンド法がメートル法化するについては、必ずしも現状進んでいる状況ではございませんので、そこまで含めて二十一世紀においてSI単位が完全に普及するということを見通しとして申し上げる自信は必ずしも今のところはまだございません。
#56
○三木忠雄君 詳細余り細かく聞くつもりはないんですが、この改正、私たちも基本的には賛成でありますけれども、いろんな意見が一部外から聞こえてくるわけですね。この問題に対する対応、土木の測量ですか、そういう方面をやっている業者であるとか、あるいは電子体温計とそれから血圧計とかそういう問題等についてもこの法案にいろいろ絡みがあるし、苦情処理等も過去にもいろいろあった。そういう問題点については、どういうふうにクリアしているんですか。
#57
○政府委員(熊野英昭君) 力の単位につきましてキログラム重というのが土木とか建築で広く使われておりますので、そういう関係で実は土木、建築学会等のごく一部にキログラム重をなお使っていくべきではないかという御意見があることは十分承知しております。しかしながら、私どもといたしましては、本件の国際単位系への統一に関しましては事前に十分学術会議にもお諮りをいたしまして、正式にお諮りをいたしました。それで、学術会議の方では、学術会議の中に土木学会でありますとか建築学会でありますとか、当該の専門の研究者、学者がお集まりになっているようなところでも検討された結果として、原則としてこういう方向で計量法の改正をすることは結構であるという趣旨の御返答をちょうだいしてこの改正に踏み切っているわけであります。
 したがいまして、そういう点につきましては、今後ともいろいろPR等も進めてまいりますし、それから他方、猶予期間をそういう観点から設けておりまして、それぞれの単位の普及の実態でありますとか機器の耐用年数でありますとか、そういうことを勘案しながら三年、五年、七年というものを設けておりまして、ただいま申し上げましたキログラム重について申し上げれば七年という猶予期間を設けているところでございます。この間に、関係者の御努力あるいは我々の努力によってこのSI単位が完全に普及することをまずは目指してまいりたいというふうに考えております。
 しかし、万が一にもこの期間が終了した時点においてなおそれを完全に法定計量単位としてそれだけにしてしまうことに問題があるような状況で仮にありましたら、その時点において、範囲とか期間を限定いたしまして猶予期間の延長をすることができるような規定もこの改正法の中に設けているところでございます。
#58
○三木忠雄君 法改正ですから、プラスになる方向ですから、デメリットどんな問題があるかと聞く方がやぼかもしれませんけれども、やはり国民の負担がどういうぐあいになってくるのか、あるいは中小企業に対するこういう問題の影響はどうなってくるのか。規制の合理化によって不正等が行われる、ないと信じたいんですけれども、やっぱり規制の合理化等によって手抜きが行われないんだろうか。こういう問題点については、どういうふうな認識をされておりますか。
#59
○政府委員(熊野英昭君) 例えばこういうことは、新しく法定計量単位について国際単位系への統一を図ってまいりますと一先ほど大臣からも御答弁申し上げましたようにいろんなところに影響が出てまいりますので、それらについては、計量行政審議会において一年間十分実は御議論をいただいたところでございます。そういう中で、いろんな中小企業の代表者でありますとか消費者の代表者も入っていただきまして、そういう観点の御議論をいただいてこの法改正案を準備してきたわけでありますけれども、特に中小企業への影響について申し上げますと、中小企業団体からも十分に意見を聴取してきているところでございます。
 それから、計量器をつくる側の中小企業だけではなくて、計量器を使う立場の中小企業についても配慮いたしまして、例えば非SI単位を付した計量器を現に使用しているユーザーは、これが円滑に変化に対応できますように、例えば計量器の耐用年数あるいはその使用頻度等を考慮いたしまして、先ほど申し上げましたような猶予期間も設けているわけであります。それから、新しく計量器を買いかえる必要等に対しましては、中小企業金融公庫の融資でありますとか、その他特別償却等の中小企業関連施策を活用していただけるように配慮してまいりたいというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、内容をよく理解をしていただくことが重要でございますから、この一年半の間に十分PR、普及にも努めてまいる必要があろうかと思っております。
#60
○三木忠雄君 この規制の合理化によりまして、指定製造事業者がふえできますね。そうしますと、例えば一般国民から苦情が出てくる、いろんな問題が。その苦情処理機関というのはどういうふうな形に、今までどおりですか。この点はいかがなものですか。消費者利益のためになる、こういう法案ですけれども。
#61
○政府委員(熊野英昭君) 計量法の施行に当たりましては、もちろん私どもの方の計量行政室が担当しておりますし、それから各県でもかなり手広く実は一緒に仕事をやっていただいております。したがって、いろいろ御不満とかあるいは御不明な点がありましたら、私どもの方でももちろんでございますし、各県のそういう計量行政を担当し
ておるところに対応していただくことも十分できます。その他、計量思想の普及に関連する民間の公益法人として、計量協会というようなものも各都道府県等にかなり広くできておりますので、そういうところでもそういうお手伝いはできると思います。その他、いずれにいたしましても、何かありましたらその件その件に応じて対応してまいりたいと思っております。
#62
○三木忠雄君 こういう計量器だから、国民は専門的にはわからないけれども、その部分だけは非常によくわかる人がいるわけですね。例えば、体温計あるいは血圧計、こういう問題で新聞等で私たちもいろいろ資料をいただいたこともありますけれども、やはり水銀柱の体温計と電子ディジタル計では何か大分差が出るそうですね。あるいは血圧計にもいろんな差が出る、ヘルスメーターにいろいろ違いが出るという、こういうふうな問題がいろいろ過去にも苦情、問題があると。こういうものについての、例えばいろいろ意見があった場合に、新しい法改正のときに苦情処理機関をしっかり当初は置いておいた方が、やっぱりこの指定製造事業者なんかの指導をする場合にも私は大いにプラスになってくるんじゃないか。こういう問題をこれからクリアされるのかどうかということですね、この点についていかがですか。
#63
○政府委員(熊野英昭君) ただいまも申し上げましたように、私どもの通産省では、そういう御不満なり御意見なりありましたら十分いつでもお聞きをするつもりでございます。それから、地方におきましては、都道府県でそういう担当をしているところもございますし、さらには計量行政審議会の中には消費者団体の代表の方にも五名ばかり入っていただいております。したがって、例えばそういう消費者団体を通じてそういう御意見を従来もちょうだいをしておりますし、審議会の席でもちょうだいしておりますし、審議会を通じないでも、日常の業務としてもちょうだいをすれば、それをいろいろ行政に反映していくことはやってまいるつもりでございます。
 それから、ただいま体温計について、電子式体温計のお話が出ました。体温計は、実はいわゆるガラス式の体温計と電子式の体温計というのがございまして、現在ガラス式のものが一千万個ぐらい、それから電子式のものが六百万個とか七百万個、そういう感じで使われて、売られているようでございます。
 予測式と申しますのは、実測をするのではなくて、一分間なら一分間だけはかって、そしてそれをあらかじめ組み込まれた計算式によって体温を算出する、そういう仕組みのものでございます。ただ、体温計というのは、先生方もいろいろ御経験がおありだと思いますけれども、わきの下ではかったり、口の中ではかったり、はかる場所によっても、そのときによって違いますし、それからはかる熟練度というか、看護婦さんがはかった場合と、それから子供がはかった場合、同じ時間に同じ人のをはかっても違うとか、実は専門家によりますと、そもそも正確にはかることはかなり難しいもののようでございます。したがって、そういう体温計でございますけれども、予測式は今申し上げましたように、最初にはかってそれを延長するということでございますから、どうしても製品ごとに予測方法についても差がございますし、あるいは人によって体質のばらつき等もございますから、測定結果に差が生ずることも事実あるようでございます。ただ、大変便利な点もあるわけであります、十分間かけるべきところを短時間で体温がはかれるわけでありますから。そういう利便性もあるわけでありまして、先ほど申し上げましたように非常に普及をしてきておりますから、その使用方法等に誤解が生じないように、これはこういう使い方をしなければいけない、そして予測式であるということをつけた説明と申しますか、表示を明確に行われるような措置をやることが重要ではないかというふうに思っております。
 従来、実は現行法では検定のための体制が必ずしも十分に整備しておりませんでしたので、検定対象からこの電子体温計は除外されていたわけでありますけれども、今回の法律改正に際しましては、今申し上げましたようないろんな問題点も十分に配慮して、実測機能について新たに検定対象にするということを今考えて検討しているところでございます。
#64
○三木忠雄君 これは、ぜひとも検討して、政令か省令になるわけですね。
#65
○政府委員(熊野英昭君) はい。
#66
○三木忠雄君 次に、指定製造事業者の問題で一、二ちょっと伺っておきたいんですけれども、何か検定が三千七百万個あるんですか、聞くところによると。それを規制の合理化あるいは機械化された中で、いろいろ対応されることは私は十分考えられるわけでありますけれども、この表を見ると、指定製造事業者の認定をしますと、この三千七百万個、例えば三千七百万個がどういうふうなぐあいに分かれてくるんですか。大体どのくらい今通産省としては指定製造事業者になると想定をされるのか、この点についてお伺いします。
#67
○政府委員(熊野英昭君) 三千七百万個ぐらいの検定をしていることは事実でございます。平成二年度におきましては、三千八百七十万個が検定対象機器の合計になっております。非常に多いのが積算体積計、これが千五百万個ぐらい、それから電力量計とか最大需要電力量計、無効電力量計といったふうな電力関係のものが九百万個ぐらい、それから温度計が八百万個強、それから質量計、いわゆるはかりでございますけれども、これが百四十万個ぐらいというふうに、主なものはそういうものでございます。
 それで、こういうふうにたくさんございますので、一つは検定を免除する仕組みをして、一定の十分な条件を備えた者については指定製造事業者ということにいたしまして、その指定製造事業者においては検定を免除する制度を一つ設けるということで、こういう状況に対応していきたい。それからもう一つは、この検定を行うことが、都道府県等が例えばやっている場合、都道府県においては非常に行政上の負担にもなっている側面もございますので、そういう点においては新たに、民間の非常に能力を持っているところがありましたら、そういうところを指定検定機関に指定をいたしまして、検定にも対応できるようにしようという、いろんなことをこの新しい法律の中で考えているわけでございます。
#68
○三木忠雄君 具体的な数字は聞いても仕方ないんですけれども。そうすると、例えば指定検定機関とか指定製造事業者とかいろいろふえできますね。こういう問題で不正が行われたりなんかした場合に、今度の法律によると罰則が何か軽減されるんですか。何か罰則規定を読むと、今までは三年だったのが、今度は懲役刑六カ月になると。この罰則が軽減されるというのは、何か特別な理由があるんですか。
#69
○政府委員(熊野英昭君) 罰則の規定につきましては、この法案を検討する過程におきまして他の法律とのバランス等十分考慮しながら、法務省とも十分に協議を行い、また法制局の審議の中でただいま申しましたような観点から十分な検討を行って、罰則、量刑の程度を定めてあるわけであります。
 ただいまの先生の罰則が軽減されるのではないかという御指摘は、不正な計量器の使用に対する罰則の規定が現行法では懲役三年となっているものを六カ月に改正法で改めております。実は、その三年という規定は、昭和二十六年という今から考えますと四十数年前の時点において、その当時のいろいろな社会状況とか当時の法律相互のバランス等で定められているものでありますけれども、この際見直してみますと、他の立法例と比べますと著しく重いものになってきております。したがいまして、他法令との関係とか計量法の中におけるほかの罰則とのバランスとかそういうことを考慮いたしまして、慎重に検討した結果として懲役六カ月ということが妥当であるとの結論を得てこの改正を提案させていただいたわけでございます。
#70
○三木忠雄君 横並びでいろいろ審議をされたということですから、余りこんなことで細かく根掘り葉掘り聞くつもりはないが、やっぱり指定業者あるいは指定機関がふえてくるし、それから外国からの不良品が大分入ってきているというふうな点もいろいろ報道されているわけです。こういう問題等も含めて、やはり今厳正なチェックが行われなきゃならないと思います。こういう点の自主チェック等も含め、それから外国業者の今後参入の問題について、やっぱり型式認定だとかこういう問題になってくると、自動車の認証じゃありませんけれども、また貿易障壁とか何だかんだという問題は起こらないのかどうか、この点についてはどうお考えでございますか。
#71
○政府委員(熊野英昭君) 今回の計量法の改正というのは、国際化に対応するということが、最初に大臣が申し上げましたように三つの眼目の一つの大きな眼目でございます。そういう意味で国際単位系を導入するわけでありますけれども、同時に今先生御指摘のような、計量法の規定が外国事業者の参入の障壁になったり、あるいは輸入を妨げる輸入障壁になったりすることがあってはならないということを十分配慮しながらいろんな規定を検討してまいっております。
 いずれにいたしましても、そういう観点から、いろんな基準につきましても国際基準をまず踏まえて、国際基準を踏まえておれば基本的に共通なわけでありますから、単位のみならずいろんな計量器の、例えば検定制度における技術基準につきましても国際法定計量機関という国際機関の定めました国際基準を十分踏まえて国際的な整合性の確保に努めるとか、そういう形で国際化に対応するということを主眼にしております。
 また、今回の法律改正により、海外において我が国に計量器を輸出しようとする製造事業者を対象といたしまして指定外国製造事業者制度というのを導入いたしまして、国内の製造事業者と同棲に外国製造事業者におきましても検定が免除されるような措置も設けているところでございます。
 いずれにいたしましても、計量制度全般にわたって諸外国との制度のできるだけ共通性というか、国際性を図りながら考えてまいりたいと思っております。
#72
○三木忠雄君 もうあと五分しかないので、具体的にタクシーの問題について一、二ちょっと聞いておきたいんです。
 タクシー、これから料金値上げしようと、今恐らく陸運局に保っていろいろやっていますが、今回の法改正によってタクシーの料金メーターはどういうふうな認定基準になってくるのか、どういう手続が要るようになるのか、もっと簡素化になってくるのか、その点についてお伺いしたい。
#73
○政府委員(熊野英昭君) タクシーメーターの検定というのは、実はタクシーメーター自体と、タクシーのメーターがタクシーにつけられた状態と二つあるわけでございます。そこで、計量器本体の検査、その計量器そのものとしての本体の検査を頭部検査というふうに呼んでおりますけれども、こういう検査と、それから計量器をタクシーなどの車体に取りつけた状態で行う検査、走行検査と呼んでおります。この両方を検定に際して行っているわけでございます。
 頭部検査につきましては、通常、国において当該計量器の構造についてまず型式承認を行いまして、承認を受けたものは都道府県において器差検査を受けて、都道府県で器差が大丈夫かどうかの検査を受けまして、これに合格したものは頭部検査合格というやり方になっております。それから、頭部検査にただいま合格しました計量器はタクシーといったふうな車両に取りつけられまして、都道府県において実際に車両の車輪を回転させた状態でタクシーメーターの器差検査を行いまして、これに合格したタクシーメーターには検定証印を付すると、こういう仕組みになっているわけであります。こういうふうにタクシーメーターは、その頭部検査、走行検査の両方の検査に合格して検定証印が付されたものでなければ計量器として使用することはできないというのが計量法上の仕組みでございます。
 そこで、簡略化があるのかという御指摘でございますけれども、先ほど申し上げました頭部検査については、計量器単体の検査でございますから、指定製造事業者制度等の活用によりまして検定を免除することには対応できるような仕組みに新法ではなっております。
#74
○三木忠雄君 そうしますと、走行検査ですね。この行政審議会の答申なんか読んでみますと、走行検査が料金の値上げから実施までの間に完了しないという問題がやっぱりあるそうですね。それからメーターの不合格、走行検査の不合格が非常に多い――非常にという言葉がいいのかどうか、比較的不合格が多いというんです。こういう走行検査の問題についてはどういうふうに考えて対応するのか、これが一点。
 もう時間がないのでまとめて言います。それから、タクシーの料金メーター、これだれが乗ってもいろいろ感じられていると思うんですけれども、やっぱり付加機能がついているわけです。料金メーターのほかに深夜メーターと、三分間なら三分間停止したらくるっと回る付加機能がどんどんついてきているわけです。昔は料金メーターだけだったんです。それが今度、時間制だとか深夜制だとかいろんな付加機能がついてきている。これは答申等を読んでみると、やはりタイヤが悪いとか運転手のどうだとかいろいろあるけれども、これ付加機能があった場合の計量法の検査体制はどういうふうになっているのか。
 この二点だけお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
#75
○政府委員(熊野英昭君) まず型式承認の時間、どのくらいの時間がかかるかということでございますけれども、型式承認の審査とかあるいは検定にどの程度の時間を要するかと申しますと、そのときの認可の内容次第でございますけれども、十分に運輸省とも事前の協議をしながら料金改定の実施に間に合うように対応できることになっております。現在申請されておりますことは、当然のことながらまだ現行法で対応するわけでございます。それから念のために申し上げますと、現行法におきましては、型式承認については申請の受理の日から三月以内、検定につきましては申請の受理の日から二十日以内に承認を行う旨の規定が定められております。ただ、新法におきましては、この期間は省令で定めることになっております。
 それから、いずれにいたしましても、現在新聞報道されておりますような話でございますならば、十分に対処できるものと確信をしております。
 それから、ただいまいろんな付加機能とかそういうお話がございましたけれども、これはむしろ、どういう料全体系をとるかということは運輸省の担当でございまして、運輸省の方でお決めになる、その料金をどういう仕組みで、どういう付加に対してどのくらいの料金か。そういうものに合わせてそれぞれのメーター製造業者がそれをはかれるというものを出してくるわけでありますから、それについて計量法を担当する側では、それがそのとおりに正確に計量できるような仕組みになっているかどうかというふうなことを型式で見たり、その型式承認どおりに構造がなっているかどうか、あるいは器差がちゃんと許容の範囲におさまっているかどうかを検定するというのが計量法を受け持っている私どもの側の役割でございます。
#76
○三木忠雄君 もう一問だけ。
 メーターの検定有効期間は、タクシーは一年ですね。これは今度も変わらないんですか。これはそのままでいいのか。付加機能は運輸省が決めるんだけれども、国民サイドから見ると、メーターに何種類も付加機能がついたって、ある場合はわからないんで、からゃっと夜中に入れられたとか、あるいはふだん同じ道を通ってきているのにどうしてこんなに違うのかという、やっぱりそこらの機能検査の問題が、今度は指定製造事業者の体制になってきたときに、そこは厳重にやってもらわなければ、厳重にやることは間違いないと思
うけれども、そこらの問題が非常に国民にわかりづらいんです。そこらの問題をもう少しわかりやすくしてあげる努力はされた方がいいんじゃないかということを私は老婆心ながら申し上げておきたいと思います
#77
○政府委員(熊野英昭君) 一年は当面そのとおりでございます。それから、先生ただいま御指摘の点につきましては、運輸省の方にも先生の御指摘を伝え、また運輸省とも十分協議して対応できる点については最大限の努力をしてまいりたいと思います。
#78
○市川正一君 最初に、まず確認をしたいんですが、この法律で定める計量単位は、証明や取引の際に使用を義務づけられるけれども、それ以外の場合はどんな単位を使おうと自由であるというふうに理解をいたしますが、間違いございませんか。
#79
○政府委員(熊野英昭君) 法定計量単位という意味は、ただいま先生御指摘のように取引及び証明に使用する場合に義務づけているわけでございます。しかしながら、計量の単位というのは科学技術でありますとかいろんなものの基礎になっておりますから、やはり共通の単位が使われていることの方が国際的にもそれから我が国の経済発展や生活発展にも望ましい方向であろうと思います。
 しかし、例えば趣味でありますとかあるいは伝統的なものでありますとか、あるいは遊び、ゲームとか、そういうことに法定計量単位以外のものが使用されても法律上とがめるとか、そういう趣旨のむのではもちろんございません。
#80
○市川正一君 計量単位には、この法律の第二条と第三条及び第五条第一項で定めるもののほかに、第五条第二項の政令で定められるものがあります。第二条及び第三条で定められていない計量単位が、日常的にそれを使用している人々にとって従来どおり使えるかどうかというのはまことに重大な関心を持っております。
 私のところにも、例えば、東京の台東区の宝石商を営む業者の方々から、ダイヤモンドのカラットは、これはどうなるんだろうかという問い合わせが来ておるんです。ですから、この第五条第二項で定められる計量単位にはどんなものが含まれているのか、具体的に安心されるようにひとつ説明を願いたいんです。
#81
○政府委員(熊野英昭君) 第五条第二項の規定に基づきましていずれ政令で規定することになろうかと思いますけれども、その政令で規定することが予定されております、現在私ども予定しております計量単位及び用途は十二項ございます。全部申し上げた方がよろしゅうございましょうか。
#82
○市川正一君 単位だけで結構です。
#83
○政府委員(熊野英昭君) 海面及び空中における長さの計量に使用する海里でございます。それから、光学及び結晶学において長さの計量に使用されますオングストロームという単位。それから、宝石の質量の計量に使用されますカラットという単位。それから、真珠の質量の計量に使用するもんめ。それから、航海及び航空に係る角度の計量に使用いたします点。それから、土地の面積の計量に使用いたしますアール。それから、船舶の体積の計量に使用いたしますトン。それから、航海及び航空に係る速さの計量に使用するノット。これは海里の系みたいなものでございますけれども、ノット。それから、測地学または地球物理学に係る加速度の計量に使用するガル。それから、血圧の計量に使用いたします水銀柱メートル。それから、医療における圧力の計量に使用いたしますトル。食品の栄養価、その他栄養に関する事項に関する熱量の計算に使用されますカロリー。これは大変一般的だと思いますけれども、カロリー。以上の十二項目を現在予定しております。
#84
○市川正一君 あわせて、再確認のようなことでございますが、かってその取り扱いが問題になって、通達まで出して対応しましたあのかね尺と鯨尺です。午前中も同僚委員からも質問がありましたが、これも従来どおりというふうに理解してよろしゅうございますか。
#85
○政府委員(熊野英昭君) 尺相当の目盛りを付した上で、例えば一尺に相当するところに三・三分の一メートルというふうなメートル単位表示を付した、いわゆるこれを尺相当目盛り付計量器と呼んでおりますけれども、これは販売をこれまでも認めておるところでございますし、今回の計量法改正によってもこの点を変更する予定はございません。
#86
○市川正一君 わかりました。
 ところで、今回の法改正の目玉の一つは、指定製造事業者制度の創設だと思うんです。この制度は、計量器の製造業者が同時にその計量器の検定を実施するという制度なんです。ですから、本来なら公的機関ないしは第三者機関のチェックを受けるべき計量器製造事業者が、今回の法改正でそれが免除され、みずから検査するということになります。
 計量器製造事業者は、これは本来利益を追求する民間企業であります。ですから、自分がつくった製品はすべて出荷したいという要求がいわば基本的に内在しておることは、これは否定できないんです。そうすると、企業任せにすれば不正確な計量器が市場に出回る危険性がある。これを防止して、公正厳正なチェックを保証する法律的な仕組みはどういうことになっているのか、確認をしたいと思います。
#87
○政府委員(熊野英昭君) ただいま御指摘の指定製造事業者制度は、最近におきます計量器の製造技術でありますとかあるいは品質管理能力の大き一な向上を踏まえまして、一定品質の品質管理能力を有する製造事業者が製造した計量器については検定を免除しょう、こういう制度でございます。
 したがって、まず指定製造事業者を指定する際に、この指定される事業者が製造する計量器の適性を担保するために指定要件を定めてございます。これは、工場あるいは事業場を指定するわけでございますけれども、その工場なり事業場における品質管理の方法がちゃんとしているように通産省の省令で定める基準に適合すること、これを法律では第九十二条第二項に定めております。それから、これらの工場あるいは事業場における品質管理の方法につきましては、都道府県知事もしくは日本電気計器検定所の検査または指定検定機関の調査を受けることということが、第九十一条第二項に定められております。したがいまして、こういうことを十分に、基準に適合する義務でありますとか、あるいは調査、検査を事前に受けるということを指定要件としているわけであります。
 指定された後におきましても、製造されます計量器の適正を担保するために、一つは、製造する特定計量器が通商産業省令で定めますところの技術上の基準に適合し、かつ、その器差が通産省令で定める検定公差を超えないことという義務を第九十五条の第一項に規定をしております。それから、製造する特定計量器については、全数検査をしてその記録を保管することと、ちゃんと検査をして、よかった、あるいは不良品があったという記録を保管することを第九十五条二項で義務づけをしているわけであります。
 さらに、指定製造事業者がこういった義務に違反している場合に対応するために報告徴収というか、違反しないようにフォローし、かつ、万が一にも違反している場合にはそれに対応するために、まず第百四十七条において報告徴収をできるようにしてございます。それから、第百四十八条に基づいて立入検査を行うことができます。それからまた、第九十八条で改善命令を出し、あるいは指定製造事業者としての指定そのものを取り消すことも第九十九条において定めております。
 こういった以上申し上げましたような、指定に際しての規定、それから指定された後での規定、それからそれをフォローするための規定等々あわせまして、指定製造事業者の製造する計量器の適正を担保するための法律的な措置を講じているところでございます。
#88
○市川正一君 今詳しくこの法の網の目、御説明いただいたんですが、では、お話が今ございました第九十五条に基づく基準適合義務ですね、これ
を遵守しているかどうかというのは、どういうふうに確認なさるんでしょうか。
#89
○政府委員(熊野英昭君) 先ほど申し上げましたように、ちゃんと守っているかどうかをフォローするために第百四十七条で報告徴収をいたしますし、それから場合によっては第百四十八条に基づき工場なり事業場に立入検査をいたしまして、ちゃんと技術基準に適合、守っているかどうかをチェックできるような規定がございます。
#90
○市川正一君 そうすると、その百四十七条の報告の徴収、それから百四十八条の立入検査ですね、これはどのくらいの周期で実施することになるんでしょうか。公的なチェックなしで計量器が出荷されるわけですから、国民のところへそれが届くわけですから、故意であれ過失であれ不正確な計量器が市場に出回った場合、ユーザーの受ける被害は非常に大きくなることが予想されます。そうした事態を防ぐためには、私は可能な限り短い周期が望ましいと思うし、また期間や方法についてどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか。えらい次から次へ追い込むようで申しわけないんですが、そういう点をあわせてお聞かせ願いたい。
#91
○政府委員(熊野英昭君) 指定製造事業者の制度はこれから新法において導入されるわけでありますから、どのくらいのタイミングでどのくらいの数が指定されていくか、またそれ自体が確定しているわけではありません。したがって、製造事業者の数にもよりますし、それからそれを実施してどういう状況が出てくるかといういろんな現実に生ずる状況にもよろうかと思います。他方、いろいろそれをチェックする側の都道府県でありますとか、そういった行政側の負担とかの問題もあろうかと思います。
 そういうことを勘案しながら現実には対応していくことになろうかと思いますけれども、事のそごが起きないようにできるだけ期間をあけないで、例えばある一定の期間には周期的に回るような仕組み等も含めまして、十分計量行政審議会の御意見も伺いながら対応してまいりたいと思っております。
#92
○市川正一君 チェックの仕組みというのは、今いろいろお話を伺いましたが、それだけではなしに、例えば私の提起したい問題としては、指定製造事業者の社内の体制にまで行き届かせる必要があるんじゃなかろうかと思うんです。例えば、計量器の製造部門と検査部門がそれぞれ独立した権限を持つものにする。あえて申すならば、検査部門の権限が製造部門のそれよりもいわば強くなるというようなチェックシステム。あるいはまた、検査部門は自主検査にかかわる問題については経営首脳部に対しても独自の発言権といいますか、そういうものを持つというような措置を視野に入れた、政令や省令をつくられる場合のそういう必要な配慮があってもいいんじゃないかという、これは私の提起でありますが、いかがでございましょうか。
#93
○政府委員(熊野英昭君) 先ほども申し上げましたように、指定製造事業者に係る指定につきましては、その製造する計量器の適正を担保するために、指定の際に、当該工場あるいは事業場における品質管理の方法が通商産業省令で定める基準に適合することということを第九十二条第二項で指定要件としているところでございます。
 この中には、通商産業省令で定める品質管理の方法の内容としては、例えば製造工程ごとの製品の検査でありますとか、製品の最終検査のやり方でありますとか、そういったことを定めるわけでありますけれども、それと同時に、品質管理に関する組織や体制についても定めること老予定しているところでございます。
 したがいまして、ただいま先生御指摘の社内体制のあり方、例えば検査部門を独立させるのも一案かと思います。一案がどば思いますけれども、いろんな対応の仕方があると思います。そういうことも含めまして、社内体制の整備というのはこの省令上の重要なチェックポイントにしておりますので、そういうものを活用しながら、品質管理の方法が十分に行われるように対応してまいりたいと考えております。
#94
○市川正一君 続いて伺いますが、今回の改正では検定や定期検査などを指定機関に委託できることになっておりますが、そこの公正、中立性をどのように確保するというお考えなのか、承りたいと思います。
#95
○政府委員(熊野英昭君) 指定検定機関は、通商産業大臣の指定を受けて検定を行う民法上の公益法人でございます。したがって、その指定については、適正な特定計量器の供給を確保するという検定制度の意義にかんがみまして、指定を受けようとする機関が、まず第一に、民法第三十四条の規定により設立されました公益法人であって、その役員または社員の構成が検定の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないこと、第二十八条第三号の規定でございます。それから第二に、検査業務以外の業務を行っている場合には、その業務を行うことによって検定が不公正になるおそれがないこと、第二十八条第四号の規定でございます。それから、検査業務を適確かつ円滑に行うに必要な経理的基礎を有すること、第二十八条第五号の規定でございます。こういったものを指定の基準としているところでございます。
 それから、こういう基準で指定されました指定検定機関が、指定後におきましてこれらの指定の基準に道合しなくなった場合には、当然のことでございますけれども、通商産業大臣が当該基準に適合するような必要な措置をとるべきことを命ずることができるようになっております。第三十七条でございます。それからまた、第三十八条の第四号に基づきまして、この命令に違反した場合には指定を取り消すことができるような規定になっております。
 そのほか、指定検定機関に対しましては、検査業務に関する規定を定めまして、通商産業大臣の認可を受けることを義務づけておりますし、帳簿を備え、これを保存することも義務づけております。さらに、役員の選任、解任については、通商産業大臣の認可を受ける必要があることになっております。等々によりまして、指定検定機関の公正性、中立性を十分に担保することができるのではないかと考えております。
#96
○市川正一君 もう一つ大事な問題と私思うのは、今回の法改正で、計量業務を担当してきた工業技術院の計量研究所、これは大阪と九州、それから中部、各センターを含みますけれども、そのほか各都道府県の計量検定所、特定市町村の計量検査所、こういうところの業務にも影響が出てくると思うんです。業務にはどういうふうな変化をもたらすんだろうか、その御認識をひとつ承りたいと思います。
#97
○政府委員(熊野英昭君) 先ほど来御議論いただいておりますように、今回の法改正におきまして、一定水準の計量管理技術を有する製造事業老に対しましては一指定製造事業者制度という制度を導入することによって検定を免除するという仕組みを導入することになっております。例えば、こういうことによりまして検定業務については一部合理化が図られるところがございます。他方、一方におきまして、精密計量に対応した計量標準の供給業務でありますとか、あるいはその指定製造事業者に対しまして指定に当たっての、先ほど御紹介申し上げましたような検査業務等いろいろ新たな行政ニーズに対応した業務が拡充されることになります。したがいまして、全体としては、最近における新しい計量分野での技術の発展、あるいはそれに即応した行政ニーズに対応できるような適切な行政体制になるのではないかと思います。
 ただ一口に計量行政にかかわる行政関係機関と申し上げましても、通産省の工業技術院にございます計量研究所、あるいは日本電気計器検定所あるいは都道府県、それぞれ役割、立場が少しずつ違いますから、必ずしも一概に論ずることはできないと思いますけれども、総じて申し上げますと、先ほど申し上げましたように、全体として新しい計量分野における行政ニーズに対応した効率
的な体制をつくっていくべきであろうと思っております。
#98
○市川正一君 その場合に、計量研究所について申しますと、工業技術院傘下の試験研究機関の再編成問題も別途抱えておりますし、地方自治体の検定所や検査所の体制も今回の法改正で大きく変更される可能性もうかがわれます。これらの計量行政機関の将来展望を私はこの際明確にしていく必要があると思います。
 そこで、業務量が減れば人員削減、業務内容が変われば配置がえ、転勤などということも予想はされますけれども、対応について十分検討されているかどうか。少なくとも、今回の改正で職を失うようなことがあってはならないし、新しい仕事につくとしても十分な準備や養成の期間や手だてが必要だと思うんです。これは非常に関心が関係者の間で持たれるところでありますので、機情局長及び公益事業部長の対応をこの際確認をさせていただきたいと思います。
#99
○政府委員(熊野英昭君) 繰り返しになって大変恐縮でございますけれども、今回の法改正で、一定の品質管理能力を有する製造事業者に自己認証を行う指定製造事業者制度を導入することにしております。これに伴いまして、検定という業務がある程度合理化されることはそのとおりだろうと思います。しかしながら他方におきまして、精密計量に対応した計量標準の供給業務といったふうなものを新しく例えば指定校正機関として対応するところもございますし、逆に計量研のような場合には、研究業務に追われて必ずしも十分にこたえることができなくなっておりますので、新たに例えば日電検のようなものをそういう指定校正機関として活用する必要もあろうかと思います。
 それから、指定製造事業者制度を設けることによって、その事前のための検査でありますとか新たな行政のニーズも出てくるわけであります。したがいまして、こういうそれぞれの計量関係の行政機関によって少しずつある立場は違うと思いますけれども、単なる業務の合理化ということではなくて、むしろ全体として業務の効準化を図り、分担を合理的に行い、国、それから国に準ずる機関、それから都道府県あるいは民間の公益法人等々で仕事を合理的に効率化を図っていくということで対応していくことが必要ではないかと思います。
 ただ、今回の指定製造事業者制度の導入に当たりましては、いろいろ右から左にということにも問題があろうかと思いまして、計量器ととに五年を限度といたしまして準備期間を設けることとしております。それで制度改正に対する関係機関の円滑な対応がこの期間に可能となるよう、そういう配慮もしているところでございます。
#100
○政府委員(川田洋輝君) 日本電気計器検定所について申し上げます。
 この検定所は、これまで電気計量の検定等の業務でございますが、この業務の実施を通じまして世界でも有数の電気計器関連の技術研究レベルを達成するに至っているというように私ども認識をいたしております。一方、計量器のエレクトロニクス化が進んでおりまして、この検定所の有しております技術が他の分野に応用されるケースも増大をして、電気計器検定所の有する技術、ノウハウに対するニーズは著しく高まってきているのではないかとも考えております。
 このような状況の中で今回の法改正が行われるわけでございますが、法改正をめぐる論議につきましてはただいま機械情報産業局長から御説明申し上げたとおりでございます。私どもとしては、日本電気計器検定所が今まで蓄積してきております技術を一層活用していくという観点から、業務の拡大あるいは計量をめぐる状況変化に応じて新たに生じております行政ニーズに積極的に対応していっていただきたいということを期待いたしております。
#101
○市川正一君 以上、質疑の中でも触れましたけれども、この法案において指定製造事業者制度が新設される、そして事業者の自主検査に任せるということになります。その場合に、公正で厳正な運営が確保され保証されることが強く求められていると思います。
 そこで伺いたいんですが、最近、社会的な問題になりました雑誌「輪際」をめぐる事件に関連して、通産省はこの座談会に出席したり企業に広告出稿を要請したことなどに対して、六日、綱紀問題委員会を開き綱紀粛正を決めた、こう承知しております。渡部通産大臣も記者会見その他で陳謝表明をなさるなど、ほかの省庁と比べる中ではいち早い対応を示されておりますが、何が綱紀に照らして問題であったのか、また今後どう綱紀を粛正されようとしておられるのか、この際、大臣の決意をお伺いいたしたいと思います。
#102
○国務大臣(渡部恒三君) 対応についてはお褒めをいただいてありがとうございました。
 今お尋ねの雑誌「輪際」の平成三年度新春号に掲載の座談会に関連して、協力金への言及がなされるなどの不適切な文書が発出されたことは軽率であったと私は考えます。通産省では、他に二度とこのようなことがないように、こういうことで四月六日に次官を委員長とする綱紀問題委員会を開催して、座談会、講演などに出席する場合の文書による上司の了解制などのルールを作成いたしました。今後は、本ルールに従って、まさに行政は常に公正であり公平でなければなりませんから、一層厳正な綱紀の保持に努めてまいる決意でございます。
#103
○市川正一君 他の省庁に比べてということを私申し上げたのであります。重要なことは、臭い物にふた式にあいまいにするんじゃなしに、事実は事実としてはっきりさせなければならぬと思います。
 今回の計量法においても、こういう公正で厳正な立場を貫くというのは不可欠の前提だと思います。計量行政を所管なさっておられる機械情報産業局としては、ただいまの大臣の決意をも踏まえてどのような姿勢で臨まれるのか、最後にお伺いをして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
#104
○政府委員(熊野英昭君) 改正法の中に新たに設けました指定製造事業者制度でありますとか、あるいは指定検定機関制度でありますとか、いろいろなものの運用に当たりましては、社会の不信を万が一にも招くことのないように法の厳正な運用に最大限の配慮と努力をしてまいりたいと考えております。
#105
○古川太三郎君 二、三の質問をさせていただきます。
 規制対象になる特定計量器ですけれども、これは現在あるものがもうその必要性がなくなる、あるいはこれからまた新しいそういう規制対象の特定計量器が必要になってくるというようなことが恐らく起こってくるだろうと思うんですが、そういう判定の基準がどのようになされているか、いま一度お聞きしたいと思います。
#106
○政府委員(熊野英昭君) 規制対象となります特定計量器の選定は、まず取引または証明に用いられる蓋然性の高い計量器、例えば電気とかガスとか水道のメーターのようなものでございますけれども、そういうもの、それから主として一般消費者の生活の用に供される計量器のうちで、その構造及び器差について規制を行うことが必要であると認められるか否かが基準となるわけであります。後者の一般消費者の生活の用に供される計量器としては、例えば血圧計でありますとか体温計でありますとかヘルスメーター、あるいはキッチンスケールといったふうなものが考えられるところでございます。
 具体的には、これらを政令で個別品目を規定することとしております。第二条第四項の規定でございますけれども、この政令の制定に際しましては、計量器のそれぞれの特性でありますとか使用実態について十分な検討を行った上で、どの品目を特定計量器とするか決定することにしたいと考えております。
#107
○古川太三郎君 私は、その選定する基準をどのようなといいますか、変えていく場合に、民主的にだれが見てもこれは納得するんだというような
形で変えていけるものかどうか。
 これは例としては非常に適切でないかもしれませんけれども、今の印鑑証明のことですけれども、自分を証明するのにいまだに何ら自分とは関係ない印鑑で証明してしまう。こういったことは本当はもう変えていっていいんじゃないか、そういう気持ちもあるわけなんです。ましてや、今時代が進歩していろいろの計器もできてきた。声紋であろうがあるいは指紋であろうが、あるいはサインでしょうが、こういったものは、自分で本当に証明できるような科学的なものも持っている。しかし、印鑑証明なんというのはいまだにそういう、本当にいいのかなと、むしろ偽造されるようなものが残っている。一たんこうやって決められると、そうなかなか変化していかないというのが今の現状だと思うんです。
 こういうことも一たん決められると、業者の圧力といいますか、業界の利害が非常に恐らく出てくるだろうと。そういう関係で、そういったものを本当に排除しながら国民が要求するようなものに変えていけるシステムがあるのかどうか、そのことをお聞きしたいと思います。
#108
○政府委員(熊野英昭君) 特定計量器の対象の基本的規定は先ほど申し上げたとおりでございますけれども、この選定は大変技術的あるいは専門的な分野にも及びますし、それから計量器の使用状況等に応じて適時適切に対応していく必要もございます。ただいま先生御指摘のとおり、そのときの状況に合わせて削除するものはむしろもう削除していって、それで新しい状況に対応して追加すべきものは追加するという適時適切な対応が必要なわけであります。そういう意味で、政令でこれを定めることとさせていただいているわけであります。
 そこで、その政令で定めるに当たりましては、しかしながら万が一にも恣意的になるようなことがあってはいけませんので、広く関係の学識経験者の御意見を聞くということで、この特定計量器を定める政令の制定とかあるいは改廃の決断をしようとする際には、あらかじめ計量行政審議会に諮問しなければならないということで、法第百五十七条第一号の規定でございますけれども、法定諮問にしているわけでございます。そういう形で、特定計量器の選定につきましては、広く関係者の御意見も聞き、また逆に特定の業界の利害が反映されたりすることのないように十分なシステムを考えているところでございます。
#109
○古川太三郎君 いま一つ、指定検定機関の検定について、その手数料なんですけれども、一たんこの手数料が決められると、なかなか恐らく低くなっていかない。特にその検定機関が公益法人というような形になりますと、これは半独占的になる。本当はこういう検定というのは、今までの目視ではなくて、どんどん機械化されていく、スピードも出る。こういうふうなことで非常に私は原価が安くなってくるだろうと思うんですけれども、何といいますか運輸省が航路を認可して運賃を決めてしまうような形で、なかなか下がちないとかいうようなことが間々起こるんではないか。私は、こういうものはむしろ合理化ができる部分だと思うんですが、先ほど同僚議員からのお話もありましたように、これを合理化することによってまたそこの従業員の方が非常に迷惑をこうむるとかいうようなこともございます。それがなかなかしにくいようで合理化ができないようじゃ困ると思うんですが、そこら辺のことはどのようになっていますか。
#110
○政府委員(熊野英昭君) 指定検定機関の検定手数料につきましては、業務規程の記載事項ということで通商産業大臣の認可の対象としているところでございます。したがいまして、指定検定機関が不当に手数料を高くすることはできないような基本的な仕組みになっておると思います。
 私どもといたしましても、業務規程等の認可に当たりましては、その手数料の額が実費に比較いたしまして適正なものであるかどうかを十分にそのときどきの実費に対応して慎重に検討いたしまして、ユーザーが不当に不利益をこうむることがないように対応していくことはもちろんであると思っております。他方、今回の指定検定機関の制度の拡大等に伴いまして、検定機関とそれから都道府果でありますとか、ある程度の競争関係と申しますか、完全な独占でない分野もやがて出てくることによって、ただいま先生御指摘のような不当なことの起きないことも一方で行われるんじゃないかということを期待しているわけでございます。
#111
○古川太三郎君 最後に、大臣にお聞きしたいと思いますが、この計量器の規制ですけれども、通産省では九〇年のビジョンとして、基本姿勢といいますか、自己責任の原則というものを明確に打ち出していらっしゃる。この計量器の規制は、確かに国民の非常に利益になることではございますけれども、余り規制をし過ぎても、これまた国民が甘やかされる部分もあるし、製品が高くなる部分もございます。そういうことから、今まで二、三お聞きしたんですけれども、この自己責任の原則と計量器の規制についてどのような調和をおとりになるお考えか、そのことをお聞きして、終わりたいと思います。
#112
○国務大臣(渡部恒三君) ただいま古川先生のお尋ねは、極めて重要なものであると認識いたしております。
 計量器の規制のあり方についての検討過程においても、例えば計量行政審議会において自己責任原則を重視すべきではないかとの指摘がございました。今回の計量法改正に際しては、消費者保護の必要性も十分に留意した上で、自己責任原則の考え方も積極的に取り入れたわけであります。
 具体的には、事業者登録制度を届け出制に改めるなど規制の緩和を進めたほか、一定の品質管理技術を有する事業者に対しては計量器の検定を免除し、自主検査にゆだねる指定製造事業者制度の導入を行うことにしたところでございます。
 計量行政を行う立場としては、適正な計量器が供給されるよう万全を期すのはもちろんのことでございますけれども、また過度の規制は行政の不効率を招くなど弊害を有することを十分に念頭に置きながら、適切に対処してまいりたいと存じます。
#113
○委員長(岩本政光君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#114
○委員長(岩本政光君) 速記を起こしてください。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 計量法案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#115
○委員長(岩本政光君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 福間知之君から発言を求められておりますので、これを許します。福間君。
#116
○福間知之君 私は、ただいま可決されました計量法案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、連合参議院及び民社党・スポーツ・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    計量法案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の諸点につい
 て適切な措置を講ずるべきである。
 一 計量法の運用に当たっては、国民生活等へ
  与える影響にかんがみ、計量単位の国際単位
  系への統一、特定計量器等新制度の導入等に
  つき国民への理解と、その意向の反映に努め
  ること。
 二 「指定製造事業者」制度の導入に当たって
  は、既存の検定所、ユーザー等に与える影響
  及び一般消費者の利益保護に十分配慮するこ
  と。また、外国製造事業者への適用に際して
  は、制度の理解についてそごを来さないよう
  努めること。
 三 「指定検定機関」、「指定定期検査機関」等
  の指定に当たっては、公正・公平な業務が確
  促されるよう努めること。
 四 型式承認、検定の有効期間及び定期検査の
  周期の設定に当たっては、計量器の適正な機
  能の維持、消費者の利益保護に十分配慮する
  こと。
 五 計量法の適正な運用を図るため、立入検
  査、各種改善命令・適合命令及び報告徴収等
  適性化措置の積極的な活用に努めること。
  右、決議する。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#117
○委員長(岩本政光君) ただいま福間君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#118
○委員長(岩本政光君) 全会一致と認めます。よって、福間君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、渡部通商産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。渡部通商産業大臣。
#119
○国務大臣(渡部恒三君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重して本法案の適切な実施に努めてまいる所存であります。
#120
○委員長(岩本政光君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#121
○委員長(岩本政光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#122
○委員長(岩本政光君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、梶原敬義君が委員を辞任され、その補欠として山田健一君が選任されました。
    ―――――――――――――
#123
○委員長(岩本政光君) 次に、金属鉱業等鉱害対策特別措置法の一部を改正する法律案及び特定債権等に係る事業の規制に関する法律案を便宜一括して議題といたします。
 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。渡部通商産業大臣。
#124
○国務大臣(渡部恒三君) 金属鉱業等鉱害対策特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 金属鉱山等においては、閉山後におけるカドミウム、砒素等の有害物質を含む坑廃水が半永久的に流出する場合があり、このため、鉱山保安法は、閉山後においても鉱業権者にその処理を義務づけております。
 さらに、昭和四十八年には、金属鉱業等鉱害対策特別措置法が制定され、閉山後の坑道及び捨て石等の集積場の使用終了後における鉱害防止事業について、鉱山保安法と相まってその確実な実施を図るため、鉱害防止積立金制度の創設等所要の措置が講じられております。
 しかしながら、金属鉱山等の閉山が進んだ結果、鉱山活動に伴う事業収入を持たない鉱業権者に鉱害防止事業の継続を期待することが困難となってきており、鉱害防止事業の確実かつ永続的な実施を図る上で、資金及び実施体制の確保につき大きな問題を抱える状況になってきております。
 このため、金属鉱業等鉱害対策特別措置法を改正し、地域住民の健康の保護及び生活環境の保全という観点から、汚染者負担の原則にのっとり、確実かつ永続的な鉱害防止事業に必要な資金を確保するとともに、所要の実施体制の整備を図るため、基金制度及び指定鉱害防止事業機関制度の創設等所要の措置を講じる必要があります。
 本法律案は、このような観点から提出した次第であります。
 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一は、鉱害防止事業に関する基本方針の策定内容の拡充及び鉱害防止事業計画の届け出対象の拡大であります。特定施設、すなわち坑道及び捨て石等の集積場の使用終了後における鉱害防止事業全般について通商産業大臣が基本方針を定め、鉱業権者は、これに沿って使用済み特定施設ごとに鉱害防止事業計画を作成し、鉱山保安監督局部長に届け出ることとしております。
 第二は、鉱害防止事業基金制度の創設であります。汚染者負担の原則にのっとり、指定特定施設ごとに、鉱害防止事業を確実かつ永続的に実施するために必要な費用の拠出を鉱業権者に義務づけることとしております。
 第三は、指定鉱害防止事業機関制度の創設であります。指定特定施設については、通商産業大臣が指定する指定鉱害防止事業機関が基金の運用益の交付を受けてその施設の鉱害防止業務を実施することとしております。
 以上がこの法律案の提案理由及び要旨であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、御賛同賜りますようお願い申し上げます。
 次に、特定債権等に係る事業の規制に関する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 近年、リース産業、クレジット産業において、自己の保有するリース債権、クレジット債権等の特定債権等を小口化して投資者に販売することによって資金を調達する事例が増加しております。一方で、不適切な販売行為が行われた場合等において投資者が不測の損害をこうむる危険も増大しております。しかしながら、現在のところ、こうした債権小口化販売に係る投資者保護のための規制が存在しておりません。
 こうした状況にかんがみ、特定債権等に係る事業を営む者の業務の適正な運営を確保し、もって当該事業を公正かつ円滑にするとともに、投資者の保護を図るため、今般、本法律案を提案いたしました。
 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、リース・クレジット会社等の特定事業者による債権譲渡について、当該債権譲渡計画の届け出及び第三者対抗要件の具備を義務づける等投資者保護のための所要の規制を行うこととしております。
 第二に、特定事業者等から特定債権等を譲り受けてこれを行使する特定債権等譲受業者について、開業時の許可制を導入し、不適格者の参入を排除するとともに、兼業の制限、資産運用の制限、合併・事業譲渡の認可等投資者保護のため、所要の規制を行うこととしております。
 第三に、小口債権を販売する小口債権販売業者について、特定債権等譲受業者と同様、開業時の許可制を導入し、不適格者の参入を排除するとともに、顧客に対する書面の交付義務等投資者保護のため、所要の規制を行うこととしております。
 以上がこの法律案の提案理由及び要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#125
○委員長(岩本政光君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 両案に対する質疑は後日行うこととし、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十五分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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