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1992/05/21 第123回国会 参議院 参議院会議録情報 第123回国会 商工委員会 第10号
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1992/05/21 第123回国会 参議院

参議院会議録情報 第123回国会 商工委員会 第10号

#1
第123回国会 商工委員会 第10号
平成四年五月二十一日(木曜日)
   午前十時八分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月十三日
    辞任         補欠選任
     秋山  肇君     高木 正明君
 五月十四日
    辞任         補欠選任
     合馬  敬君     宮澤  弘君
 五月十五日
    辞任         補欠選任
     宮澤  弘君     合馬  敬君
 五月十八日
    辞任         補欠選任
     斎藤 文夫君     井上  孝君
     高木 正明君     秋山  肇君
 五月十九日
    辞任         補欠選任
     吉田 達男君     西野 康雄君
 五月二十日
    辞任         補欠選任
     穐山  篤君     櫻井 規順君
     西野 康雄君     吉田 達男君
 五月二十一日
    辞任         補欠選任
     櫻井 規順君     穐山  篤君
     三木 忠雄君     太田 淳夫君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         岩本 政光君
    理 事
                中曽根弘文君
                松尾 官平君
                福間 知之君
                井上  計君
    委 員
                秋山  肇君
                井上  孝君
                合馬  敬君
                倉田 寛之君
                前田 勲男君
                山口 光一君
                穐山  篤君
                梶原 敬義君
                櫻井 規順君
                吉田 達男君
                太田 淳夫君
                広中和歌子君
                市川 正一君
                古川太三郎君
   国務大臣
       通商産業大臣   渡部 恒三君
   政府委員
       経済企画庁調整
       局長       吉冨  勝君
       経済企画庁調査
       局長       土志田征一君
       通商産業大臣官
       房長       内藤 正久君
       通商産業大臣官
       房総務審議官   渡辺  修君
       通商産業大臣官
       房商務流通審議
       官        麻生  渡君
       通商産業省通商
       政策局次長    藤原武平太君
       中小企業庁長官  南学 政明君
       中小企業庁次長  新関 勝郎君
       中小企業庁計画
       部長       桑原 茂樹君
       中小企業庁指導
       部長       春田 尚悳君
       中小企業庁小規
       模企業部長    石黒 正大君
       運輸大臣官房総
       務審議官
       兼貨物流通本部
       長        土坂 泰敏君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 博行君
   説明員
       公正取引委員会
       事務局取引部下
       請課長      本城  昇君
       労働省労働基準
       局賃金時間部労
       働時間課長    鈴木 直和君
       労働省労働基準
       局賃金時間部企
       画室長      朝原 幸久君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○連合審査会に関する件
○中小企業流通業務効率化促進法案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(岩本政光君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十八日、斎藤文夫君が、また、昨二十日、穐山篤君が委員を辞任され、その補欠として井上孝君及び櫻井規順君がそれぞれ選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(岩本政光君) 次に、連合審査会に関する件についてお諮りいたします。
 地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律案について、建設委員会に対し連合審査会の開会を申し入れることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(岩本政光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(岩本政光君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(岩本政光君) 中小企業流通業務効率化促進法案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○吉田達男君 渡部大臣には、先日来十九日までパリにおいでになって、OECDの閣僚理事会に御出席でございました。お伺いするところによりますと、日本に対して世界経済の牽引車の役割を期待して日本の内需拡大を強く求められたと伺っておりますが、その辺の状況を御報告いただきますとともに、大臣の見解をお伺いいたしたいと思います。
#8
○国務大臣(渡部恒三君) まず、OECDの閣僚理事会、極めて重要な国際会議に先生方の温かい御理解によって出席し、日本の立場を強く主張してまいることができましたことを心から御礼を申し上げます。
 今先生からお話しのように、出席参加国のほとんどが一〇%近い失業に悩んでおる国であり、しかもこれを打破するために経済を活性化したい、その世界的な牽引車になるのは日本であるという期待が非常に強かったことは先生御指摘のとおりでございます。ただ、共同コミュニケに当たっては、私どもは、我が国が今後の政策は判断すべきでございますから、したがって、いろんな要望は
ありましたけれども、共同コミュニケにおいては、あくまで今後の政策決定は我が国が判断すべきことであって、OECDの場で今後の我が国の経済政策が手足を縛られるようなことはあってはならないことでありますから、これは強く私ども主張をいたしまして、先般のG7における、大蔵大臣が表明した我が国の立場、そこの線で話し合いをまとめてまいりました。
 今回のOECDにおいては、そのほか環境問題について私から、今後環境問題は世界のすべての国が真剣に取り組まなければならない最大の大きな課題である、これは環境、経済成長、エネルギー、これを三位一体になって行うべきであり、我が国のきょうまで努力してきた技術、先進国のそれぞれの努力、こういったものを技術移転によって開発途上国の今後に役立たせていく、国際貢献として進んでいくべきものであると。こういうようなことについて最大公約数の理解を得ることができ、また、旧ソ連支援についてもおおむね各国の共通の考え方をまとめることができ、世界経済、貿易、環境、旧ソ連支援といった当面する課題についての最大公約数を得ることができたことは、大きな成果であったと考えます。
#9
○吉田達男君 広範にわたるお仕事をなさって議題を尽くされたのでありますが、真剣、慎重な対応をいただいたと思っています。御苦労さまでございました。
 所管の経済の活性化の問題については、強く求められたということは事実がと思いますが、大臣はそれに対して、外国の要請に軽々に応答するということではありませんが、日本の国内の現状の経済運営に当たって、世界のそういう要請が強いということを受けとめられると同時に、現在の経済運営に当たりまして、この要請をどのように政策対応されようとされるのか、この辺についてお伺いいたします。
#10
○国務大臣(渡部恒三君) 大変重要で、しかも難しい問題のお尋ねでございます。
 今も申し上げましたように、我が国と全く異なって、世界の先進国のほとんどは一〇%近い失業に悩んでおり、そして何とかこの困難な現況を打破して景気を活性化したいということであります。
 これに対して、我が国は参加国の中の唯一の経常収支における黒字国でございますから、やはり国際経済における我が国の責任というものは、求められなくても、みずから我が国として自主的な判断のもとで果たすべき大きな責任を持っておると私は考えております。また、国内経済においても、現実に今いろいろの数字があちこちから出ておりますけれども、我が国の基幹産業あるいは主要産業また中小企業、これらが昨年に比べて残念ながら売り上げも減り、利益率も減り、在庫がたまっておるということも、これ厳粛なる事実であります。
 こういう中で、今後の経済運営というものは極めて重要になってくると思いますけれども、政府としては、御案内のように三月三十一日に、こうした環境の中で政府見通しの経済成長を実現するために緊急景気対策を実施することにして、今これが実施中であります。この効果が六月、七月に出てくるわけでありますから、この効果をしっかり見詰めながら、やはり我が国の画際経済における責任、また国民の皆さん方の豊かな生活というものは、これは生活大国日本が我が内閣の最大の課題でありますが、それもやはり豊かな経済を、つまり持続的なインフレなき経済成長を継続していくことによって平和大国日本も支えられるわけでありますから、経済政策は、国民の豊かな生活を守るためにも、その前提となる最も重要なことだということで今後の経済運営に当たってまいりたいと思います。
#11
○吉田達男君 今の時期に出ておるアメリカを中心とする日本の財政出動による経済活性化、これはかなり具体的な形でアメリカからプレッシャーその他がかってくると予想されながら、議論の中でも出ております。大蔵大臣の御見解は、報道によりまして伺っております。若干ニュアンスが違いますのは渡部大臣でございまして、時差で言うと、閣僚会議に行かれる相当前になるわけでございますが、経済の刺激に当たる前倒しをやりました後、大臣は公共事業の前倒しを補う下期への何らかの手当ては必要ではなかろうかという御見解をおっしゃっておられるのを仄聞いたしまして、若干それぞれの時点は違うのでございますけれども、ニュアンスもまた違うのでございます。
 願うところの経済の活性化、また日本の落ち込みかけた経済の立て直し、この点に立って通産大臣としておっしゃった公共事業の前倒し以降についての財政措置のあり得べき状況についての推察といいますか、御見解といいますか、かねて伺ったのでありますが、それについては今どのようにお持ちでございましょうか。
#12
○国務大臣(渡部恒三君) これは政府の考え方は一致しておるのでありますけれども、ただ役所それぞれの立場がございますから、例えば経済企画庁というところはいわゆる全体の景況を統計によって数値が出てきたところで判断するわけですし、私は直接実体としての今の通商また産業に毎日接しながらそこで考えていくわけでありますから、まさに今先生おっしゃるように多少の時差はあります。
 ですから、過去の経験でも、昨年私は十一月の時点から緊急景気対策の必要性を訴えておりまして、その当時はある役所は今のまま心配ないというようなことのニュアンスの違いはありましたけれども、結果としては二月の月例経済閣僚会議では各省庁の景気に対する認識が一致して、そして三月三十一日の緊急対策にこれなったわけでありますから、それぞれの持ち分によって多少言うことは変わっていくと思いますけれども、いや変わっていることは先生御指摘のとおりでありますが、いずれこれから六月、七月に数値が出てくると全体が一致して、政府として一致した考え方でさらに景気対策に対応できるものと考えております。
#13
○吉田達男君 若干のニュアンスを質問者なりに受けとめたいと思って、期待をしております。
 それでは、本間の中小企業流通業務効率化促進法についてお尋ねをいたします。
 流通革命という言葉が起こり、改革をやろうという声は既に二十何年になるわけでございますが、日本においては一番おくれているのがこの流通改革ではないかと思われます。見るところでは、非常に古い流通慣行をもって取引をしておる実態もございますし、また最近急速に発展をしました情報機器等々を駆使しまして、物流と情報の流通とを分離しながら新しいスタイルの物の運びをやっておると、こういうことが日本経済の中で混在をしております。私どもは生きた経済界の中で商取引を見ているのでありますから、そのような生活の知恵のような商慣習もなかなか興味深いものがありまして捨てがたいと思うのでありますが、外国人等々外の者にとっては特に流通各段階における機構、価格形成等々にわたって、言うなれば不透明というような面も指摘されたりしまして、ここの流通改革ということはまさに経済の大変大きい課題になっていると思います。
 そういう今の経済をさらに発展させるという過程におきまして、この流通改革をどう通産大臣はなし遂げようとされるのか、基本的な御方針をお伺いいたしたいと思います。
#14
○国務大臣(渡部恒三君) 先生のお尋ねでございますが、消費者ニーズの多様化、国際化の進展などの中で、流通業は消費者に密着した産業として多様化する消費者ニーズに合った商品、サービスを提供することを通じ豊かな消費生活の実現を図る等重要な役割を担っておること、おっしゃるとおりでございます。また、世界各地からのさまざまな商品調達によって消費者ニーズにこたえるとともに、製品輸入の拡大にも貢献することが期待されます。
 このような流通業の役割にかんがみて、通産省としては、消費者の視点を重視しつつ、改正大店舗法に基づく適正な出店調整の実施、情報化の推進などを通じた流通システムの合理化、物流効率
化の推進、魅力ある商店街、商業集積づくりの推進、製品輸入の拡大等を初めとした幅広い流通行政を積極的に実施してまいろうと考えております。
#15
○吉田達男君 大臣の基本的な御方針の中で今議題となりました中小企業の流通業務効率化の法案が出されたと思いますが、今日まで通産省・中小企業庁は、全然そのことにお構いなかったわけじゃなくて、いろいろな手を打って、協業化したかあるいは融資措置をしたりされながら近代化、合理化に励まれた経過がございます。しかし、しかるべき成果がいまだなっていないというところで今日この法案を出されたと思うのでございますが、この法案の特に特徴的な効率化についての構想といいますか、これで決定版だというお考えで提議されたのであれば、特にその辺を重点的に御説明いただきたい。
#16
○政府委員(南学政明君) 先生の御指摘のとおり、私ども中小企業庁といたしましても、これまで中小企業における流適合理化に努力をしてまいってきたわけでありますが、必ずしも十分な成果を上げてきておりません。
 その背景を考えてみますと、まず我が国で物流というのは、これまで基本的に製造、販売等に付随する行為というような見方が主流でございました。第二に、とりわけ中小企業におきましては取引ロットが小さいというようなこと、あるいは資金調達力が脆弱であるというようなこともありまして、物流に着目してこれを積極的に合理化、効率化していこうという姿勢が必ずしも十分見られなかったということ。第三に、これに加えまして、共同化という問題につきましては、共同事業の内容の決定に当たり個々の中小企業者の利害調整を行う必要があるわけでありますが、それがなかなかうまくいかなかったというような事情もありまして今日に至っているわけであります。
 今回、私どもが法案審議をお願いいたしておりますこの法律というのは、まさに今ネックになっている幾つかの問題点に的確に対応しようというものでございます。例えば取引量が小さい、資金調達力が脆弱である、こういうような点に着目しまして、中小企業物流関係者が共同で物流・配送センターなどを建設し、流通の業務の効率化を進めていこうということを側面からバックアップしていこう、こういうものであります。まさに今、中小企業者、関係者におきましては物流問題は重要な経営上の問題という認識が深まってまいりましたので、大変タイミングいい時期にこの法律を出させていただいていると我々は思っておりますし、この法律が制定されますれば中小企業の物流効率化が大いに進展するものと期待をいたしているところであります。
#17
○吉田達男君 この法案を出されるに当たっての中小企業流通の実態の隘路というものをお示しになりまして、それを解決するために物流・配送センターという構想の中で共同事業をもって解決しようという骨子ということは伺いました。
 ただ、私が思いますに、今指摘があった資金量が足らぬとか、あるいは小口のものがあるとか、こういうこともありますが、日本の小売商慣習というのはまたそれなりの意味を持ってきたんじゃないかと思います。それは物を届ければいいというのじゃないんです。具体的な商売のやり方も言うと、問屋の方から小売店に商品を持ってきましてそれでその商品を説明して十分納得のいくように預かってもらう。場合によってはその商店の棚に自分自身が、問屋の者が並べる。POP広告ぐらいは書いてくれと言えば問屋の者が書くと。そういうことで、営業でやると同時にまた物を運んでやると。そして、そこの要望をまたフィードバックしてメーカーの方に、商品開発に返していくと、こういう機能を現在の小売商業と問屋の関係というものは維持しながら商売をやってきた。こういう点における今日の評価といいますか、そういうものを抜きにして、物だけぽんと送っておいたということでは商売は成り立たぬと思うのでありますが、その辺についてはどうお考えでしょうか。
#18
○政府委員(南学政明君) 先生御指摘のとおり、我が国の流通の実態を見ますと、例えば卸売業者の関係者が配送の際に、あわせて営業活動を行ったり、陳列の手伝いをしたり、値札づけをやったり、いろいろなきめ細かなサービスを行ってきていることは事実でありますが、現状を見ますと、人手、労働力不足というようなこともありまして、なかなかこうしたきめ細かなサービスというのもままならないような現状に相なってきているわけであります。
 しかし、こうした取引先に対するサービスというのは大変重要なことであろうかと思います。このために、今御審議をいただいております法案におきましても、事業協同組合等が効率化計画を策定する際に取引の相手方の意見を十分聞くよう規定をしているところでありまして、例えば、小売商の意見を聞いてそれに対応していくようなそういうことを期待いたしているわけであります。そして、こうしたことが行われ、物流面での効率化が行われますと、セールスマンはセールスマンとして特化いたしまして、その面でのサービスを従来に比べればより多くなすことが可能になるということも期待できるわけでありまして、そうした考え方に沿って私どもも適切な指導に努めてまいりたいと考えております。
#19
○吉田達男君 だんだんと近代化していく、合理化していくと、その過程でコストも低減をされながらサービスにつながっていくと、こういうことではあると思うんです。しかし、今私が指摘しておりますのは、そういう面にかかわらず、もう販売構造というか商売の構造そのものが変わるほどの法案の提出でありますから、このことについては無視するということはないと思いますが、それをフォローされるのに、新しい制度の中で吸収できるのか、やや長期にわたる現在の体制の中のいいところを生かしながらやらざるを得ない部分とあると思うんですね。そこのところを画一的にこれが共同化すれば百点満点だと、こういうことには私はならないのだと思いまして、商売のデリカシーというものは背景に厳然としてあるという認識が行政の方になければ、私は生きた商業活動を指導できないんじゃないかと思うんです。
 やっぱり、共同化したけれども、自分のうちの自家用車は持ちたい、自分のうちの営業マンを走らせなければならぬ。緊急にちょっと持って来いと言えば、ちょっと来いに用心しながら行かなければならぬという商売の実態をやっぱりいきなり抜きにはできないということになると、効率化一点張りでやれないのじゃないかと。ここのところを、立派な法律です、決定版です、いいんですということの自負はそれは私は評価いたしますけれども、そこのところを全責任を持たれる者としての懐の深さ、読みの深さというものをまず認識としてお持ちいただきたいと思うのでございますが、いかがでございますか。
#20
○政府委員(南学政明君) 私どもは、この法律をもって共同配送センター等の建設を促進しまして物流面の効率化は大いに進めていくわけでありますが、その際に、先生御指摘のとおりいろいろな商取引の実態等もあろうかと思いますので、その運用に当たりましては、例えば卸業者がそうした共同配送センターを建設する場合においても、その取引の相手方たる小売業者に対するサービスなどについても相手方の意見を、あるいは立場をよく考えた上で対応するように指導を行っていきたいと考えております。
#21
○吉田達男君 くどく言わなくても専門家ですからわかっていらっしゃるのですが、その意味では一つの日本の流通構造の変化になるわけですから、これは社会システムとしての流通、こういうことの近代化に踏み切る大きい組織的な経過になると私は思うのです。そういう位置づけでお取り組みをいただきたいと思うのでございます。
 そこで、そういうことに相なるというと、これに踏み切るに当たっては行政はもちろん誤りなきを期して、万全を期してやられるんですけれども、仕事をされるのは御商売の方でありますから、御商売の方がこれに乗っていかれるということについては相当のいわば支援策といいますか、そうい
うものが準備されなければならぬ。かって共同化事業等についても相当御腐心されたけれども、なおかつ問題を残して、根本的には旧態依然たるものが多く残っているという現状ですから、そこのところの厚い支援策をどういう準備をしておられるのか、お伺いをいたしたいと思います。
#22
○政府委員(春田尚悳君) ただいま御議論いただきましたように、この法案で想定しております共同配送センターは、各中小企業者の貨物の積みおろしてございますとか仕分け、あるいは値札づけとかラベル張り等の流通加工といった作業を行うための施設でございます。最近では、電子計算機や高度な物流機器を使用、設置することによりまして、これらの物流業務の効率的、システム的な機能を有する共同配送センターも少なくございません。
 そこで、このような事業に必要な資金面での支援措置といたしまして、まず中小企業事業団によります共同利用施設等に対する低利融資の拡充を考えております。これは、これまで高度化融資というのがございまして、御承知いただいていると思いますけれども、この融資比率を、これまで六五%ぐらいまででございましたのを七〇から八〇ぐらいまで上げていきたい。それからまた、中小企業金融公庫あるいは国民金融公庫によります低利融資制度の拡充、これも物流近代化資金貸し付けでございますが、これを拡充していきたい。それから三つ目といたしまして、中小企菜信用保険の付保限度額の別枠化ということで考えております。
 こういったことで所要資金の調達の円滑化を図ってまいるわけでございますが、それ以前としまして、まず中小企業者がこれを始めようというときに予算措置といたしまして、調査をしたりあるいは計画をつくったりするという段階から予算措置をしております。そして、ただいま申しましたように事業資金の確保、そしてまた税制といたしましては、共同配送センターの減価償却資産に対しまして初年度百分の八の特別償却をいたすこととしたいというようなことを、予算、金融面、税制面につきまして厚く手厚い支援をしていきたいと存じております。
#23
○吉田達男君 制度的な御準備をいただいたということでありますが、実際にこれをやろうということになると、一つの典型をもって想定すると、現在よりもどのくらいコストが、運送コストというか、そういうものが軽減されるのか。営業との関係でどうカバーされるか。こういうようなことを両にらみの中で、どちらを踏み切るかということについて経営者は判断をすると思うんです。
 この法案の骨子は、配送センターを中心に共同化の事業を展開するという仕組みのようでございますから、この配送センターの典型なるものは、一体どのような機構で、どのような大きさで、物の流れ等々はどのように管理されるのか、そのことによる経費の節減はどういう形ではね返ってくるのか、その辺について御説明いただきたいと思います。
#24
○政府委員(春田尚悳君) この法案で想定しております流通業務効率化事業と申しますのは、流通効率化に取り組むすべての中小企業者を想定しております。したがいまして、業種、地域、規模、さまざまでございまして、一概に申し上げることができなくて大変恐縮なんでございますが、いずれにしましても、発注者と受注者が情報システムを通じて緊密に連携をとりまして、そして物の流れに応じて共同配送センターの中に必要な機材を配置してまいります。したがいまして、その機材が総合的、システム的にコンピューターを利用しながら運用されていくということを考えておるわけでございます。
 今申しましたように、なかなか地方部と大都市部、それから業種、その他、それぞれでございますので、一概に申し上げられないのでございますが、大体面積としましては一ヘクタールでございます。三千坪ぐらいが一つのモデルケースでございましょうと思います。そして、これにかかります費用といたしましては、用地費はちょっと除きまして、設備代といたしまして建物、設備でございますが、大体これまでの事例を見ますと十五億円から二十億円ぐらい。ですから、面積が一ヘクタールで、設備代が、建物を含めまして十五億から二十億というような感じがモデル的に考えられるわけでございます。
#25
○吉田達男君 そのような規模の事業ということになると、これは大変に取扱量も多くなければならぬ。一軒や二軒でやれるものじゃないですね。
 そうすると、例えば二十億円をペイするということについての総取扱量の金額ですね、経営比率で見ればいいわけですから、どのくらいなければ一つのセンターとしての機能が損益分岐点にいかないのか、その辺についての試算はどうなっているのか。
#26
○政府委員(春田尚悳君) ただいま申し上げましたのは一つのモデルケースでございまして、もうさまざまでございますが、今具体的に先進事例が八戸の総合卸センター、それは東北地方の一つの地方都市の例でございますが、これは非常に先進的な、モデル的な事例でございます。それからもう一つは、東京の近辺に、横浜にございますが、こういった横浜の先進事例で見ますと、年間取扱高が平成三年度で二百七十億円でございます。
#27
○吉田達男君 そういう例の中で実感を求めながらやるわけでありますね。
 この配送センターは、配送機能を持つわけでありますから、そのものが物を運ぶいわゆる運輸の仕事に部分的になると思うんですね。本来いいますと、これをやるのは、法律の四条を見ると、効率化計画をやるのは事業協同組合になっています。だから、事業協同組合がやるんですから、今までA商店、B商店、C商店がそれぞれ車を十台ずつ持ってやっておった、それは自家用車ですから自分の車でやっていた。効率化のためにセンターをつくって、一定の貨物を一定の順路に従って方面に効率よくするということになると車が半分で済む、こういうことになれば経費の節減になり、交通渋滞等々の側面的な解決にもつながるであろうと、こういうようなメリットをねらっておられるわけです。だから、自分の物を自分で運ぶんですから、当然これは白ナンバーで事業協同組合がなしていいわけでございますね。
#28
○政府委員(土坂泰敏君) お尋ねの趣旨は非常によく理解できるのでございますが、実は、法律の書き方でございますけれども、トラックにつきましては貨物自動車運送事業法という法律で規制が行われておるわけでございますが、貨物自動車運送事業というのはどういうものかといいますと、他人の需要に応じて有償で貨物の運送を行う事業であると、こういうふうに書かれておりまして、この場合、組合が組合の構成員の荷物を運ぶという場合でございましても、法律的にはまことにあれなんですが、組合と構成員とは別の人格でございますものですから、やはり他人の需要に応じておるということに該当いたしますので、法律上は事業規制の適用を受けまして、いわゆる青ナンバーとしての事業をやっていただく必要がございます。従来からそういう格好で事業協同組合、いろんなところでトラック事業をなさっておられる例がございますが、いずれもそういうことで免許なり許可を取ってやっていただいておる、そういう運用になっておるわけでございます。
#29
○吉田達男君 法律を見ると、物を運ぶのは貨物自動車運送事業法ということでやられるんですが、この運送物を集める方がありますね。これのことについて十一条にありまして、貨物運送取扱事業法というのがある。取扱事業法で荷物を集めて、そして運送事業法で物を運ぶ、こういうことに仕掛けが、仕組みがなっているんです、業として。
 ところが、この法律によると、十一条には「貨物運送取扱事業法の特例」ということになっていて、事業協同組合の事業として貨物を集めるのは、四条の効率化計画を認定すれば、これは特例として許可あるいは登録を受けたものとみなすと、こういう扱いになっておるんです。ということは、この運送システムからいうと、運送の仕掛けから
いうと、物を集める仕事と物を運ぶ仕事と両方あって、物を集める仕事については効率化計画でよろしいと、これはもう登録も許可もあったものとみなすと、こういうふうにするのに、物を運ぶ方はどうして、片方は特例をしてみなして、片方は別に資格取得のための手続をしなければならぬような青ナンバーになっておるのか、そこがちょっと私は理解ができないんです。
#30
○政府委員(土坂泰敏君) 法律のことでございまして、少しややこしくなっておって本当に申しわけないのでございますが、事業協同組合をつくって中小の荷主さんたちがお集まりになって、ひとつ積み合わせ輸送というか共同輸送をやろうというようなことをお考えになる場合のことを申し上げますと、そういう場合に個々の荷主さんがトラックに対しましてそれぞれその都度打ち合わせをしながら、では、わしとわしの荷物は一緒に積み合わせてこっちへ運びましょうといってその都度やるというのはなかなか大変でございます。そこで、間に立つ人がおりまして、その人が一括して荷主さんとトラックの間の取り次ぎをする、仲介をする、一括してあの荷物をトラックと契約を結ぶ、こういうやり方をすると荷主さんの方も手間が省けますし、トラックの方もありがたいわけでございますが、そういう取次事業と申しますのは、そういう荷主さんの持っておられる荷物とトラックの間の運送の契約の仲介をする仕事でございます。
 それで、さっき申し上げました荷主さんが組合をつくって外部のトラックを使って共同輸送をやる場合のことで申し上げますと、それじゃその仲介の役を、すなわち取扱業を事業協同組合がやりましょう、そして構成員の荷主をトラックに仲介しましょう、こういうやり方をおとりになるのがひとつ便利なやり方である。そういうことになりますと、効率化計画の中で共同輸送というのをやります、配送センターをつくります、車両を買います。あるいは営業所をどうしますとかいろんなことがありまして、その一つとして取扱業務をやりましょうという話が出てまいります。
 そうすると、そういうもの全体を含んだ効率計画というのを出していただきまして、効率化計画がうまくいくかどうかというのを総合的に見ていく。そうすると、その一環としてなるほど取扱業務をおやりになるんですか、取扱業をちゃんとやれますかということもあわせて全体の一部として全体の中で調整しながら私どもが見させていただく。そして、全体として効率計画はこれでいいじゃないですか、十分やれますねということを私どもが認定するというときになれば、これは取扱業そのものもやれるということを認定したのと同じことでございます。そういう意味で、効率化計画の認定をもって取扱業の許可とみなすと、こういう取り扱いをいたしました。
 そういうことでございまして、ちょっとややこしくて申しわけありませんが、そういう内容でございます。
#31
○吉田達男君 協同組合法は、業者の列挙その他あって、相互扶助の精神に基づいて協同して事業を行うために必要な組織である、こういうことでありますね。相互扶助の精神に基づいて、組合員以外のよそから荷物を集めるんじゃなくて、自分たちの荷物を集めて組織的に組合員のために配送する、こういう仕掛けの中の効率化計画であれば認められると、こういうことなんですね。そうでしょう、取り扱いについては。
 だけれども、それじゃ貨物を輸送する車両の方についてはどうして、この同じ協同組合法の精神に基づいて効率化計画を立てるのに、集めるのは集めろ、運ぶのは運輸省が認可をするトラックでなければならぬと、これはおかしいじゃないか。これもともとは集めるのも運輸省の認可が要るんですね。要るんだけれども、協同組合法の精神に基づく組織ができて効率化計画の認定を受けたらみなすと言って、片方では認めているわけですね。トラックの方だけはなんてか、それは通産省の側から言うと、荷物を集めて荷物をつくってまとめて、運輸省さん仕事を下さいということでサービスをすることになるわけでありますけれども、その認可を、この効率化計画の中では通算、運輸両大臣が共管をして認定をなさるわけですね。そこのところのすり合わせがどうも私には納得がいかないんです。もう一度。
#32
○政府委員(土坂泰敏君) 不十分なあれでまことに申しわけないのでございますが、取扱業というものも、今申し上げましたように荷主さんと運送事業者の間に立って運送の取り次ぎをする仕事でございまして、これも他人の需要に応じて有償でやる場合は取扱業法で許可が要ると、こうなっております。
 今申し上げましたように、組合が取扱業をなさる場合は、本来何もしなければ取扱業法で許可をとってやっていただかなきゃいかぬわけですが、効率化計画全体の一部として取扱業をなさるという場合には、効率化計画全体を見るときに取扱業もチェックをしてみなすことにいたしましょうと、こういうふうになっておる。それで先生のお尋ねの、じゃトラックはどうしたと、トラックの実運送そのものはどうしたということになるわけですが、トラックの実運送も先ほど申し上げておるようなことでございますので、基本的には、他人の需要に応じて有償でやる場合はトラック事業に当たりますので、トラック事業法の許可が要る。
 それをじゃなぜ効率化計画の認定のときに一緒に見てしまってみなさないのかというところがポイントかと思いますが、実はトラック事業法といいますのは、いわゆる資格要件といいましょうか、業務をちゃんとやっていけるかどうかということのほかに、運行管理者をちゃんと持ちなさいとか、あるいは運行記録計を備えて運転手をどういうふうに管理しなさいとか、そういう安全関係の規制というのが非常に大きなシェアを占めておりまして、これは何というのでしょうか、トラック事業法の中で大変きめ細かくいっぱい規制がございますものですから、これを効率化計画の認定、効率化計画というのは本来やっぱり中小企業の流通業務全体をみんなで一緒に力を合わせてうまくやっていこうということをお考えになった計画でございますから、その計画の認定の際にそういう安全関係のいろんな細かい規制まで、車両の整備まで含めまして一緒に見てしまうというのは大変難しゅうございます。
 したがいまして、取扱業については、先ほど申し上げましたようなことで、そういう安全関係がございませんから、一緒に認定のときに許可ということができるんですが、トラック事業法の場合は、残念ながらそこまでできませんでしたので別途許可を受けていただく、こういう取り扱いにさせていただいたということでございます。
#33
○吉田達男君 人格が違うものを運送契約すれば、これは業としてやるんだと、こういう仕掛けはわかりますよ。わかりますが、そこが協同組合法の精神というものをどう酌むかの問題だと思うんですね。あなたのおっしゃるところをもう一度法文に照らして言うと、効率化計画の認可は通産大臣と運輸大臣と両方にして求めておいて、また配送センターに設置される車の運送についてはこれは貨物自動車運送事業法に従った認可を別にとって、そうでなければ組合員の荷物は運ばれないと、こういうことになりますね。
#34
○政府委員(土坂泰敏君) 組合が共同配送をなさる場合に、組合そのものがトラック運送をやる場合と、それから組合が外部のトラック事業を使う場合と二通りあるわけでございます。
 外部のトラック事業を使う場合には、これは組合がトラック事業の許可をとるというような手続は必要でございません。それから、組合自身がトラック事業をやる場合も、組合の中にトラック事業者を入れて、組合の構成員としてトラック事業が入ってくる、つまり、端的に言えば荷主さんとトラック事業者と両方で組合をつくる、こういう場合がありますが、こういう場合も組合はトラック事業の許可をとる必要はございませんで、そのトラック事業者を使って輸送をする、こうなります。
 それから最後に、荷主さんだけで組合をおつく
りになって、外部の人も使わない、中に組合員としてトラックも入れない、自分で新たにトラック事業をみずからやるんだという場合がこれは理論的にあり得るわけでございますが、そういう場合には、何もしなければ基本的にまず許可を、トラック事業法の許可をとらなければいけない。これは本来認定に際してみなせれば一番いいんですが、さっき申し上げたような安全関係の問題その他がありまして別途細かい規制もありますので、これはやむを得ず別の手続をとっていただく、こういうふうに整理をいたしました。
#35
○吉田達男君 新たな運輸業者としての認可を協同組合がとるということをしなければ、組合としての配送センターの業務は遂行できない、そうでなければ既存の免許のあるトラック業者に委託すればいいんだと、こういう言い方ですね、あなたは。そういうことになると、この法律を配送センター中心に出された機構について、極めて疑い深い感じがいたします。新たにトラックの運送業者としての資格を取ろうと思うと、運送事業法の六条があり、それに基づく施行規則があって、その二条なんかを読むと、それはとても厳しいことで、事務所の所在その他もありますが、格納施設ですね、自動車を入れておく施設とかあるいはその収容能力がどうあるとか、従業員のための福祉施設だとか、あるいは特別な作業機器を持つ場合にはその能力だとかいろんなことがあり、それを運転する運転者の資格に及んでも二種免許ですか、持たなければ運転できないんですね。
 そういうことになると、初め中小企業庁から概括的な構造を伺ったときには、それは共同化してそこの荷物を運ぶんだと思ったんです。実際には、今言ったような運輸業者としての許認可を得るための段取りが膨大になりまして、また資金も膨大になりまして、その上に配送センターとしての機能を持つものとして十億、二十億かけて、それで構造としては二重になると。こういうことになると、なかなか私は運用が難しくなってくるんじゃないかと思うんです。ここのところは再考を願いたいのでありますが、取り扱いの方法と同じように、効率化計画の中で協同組合の仕事としての組合員の共同利用についてはこれはみなし規定でもって貨物自動車運送事業法の許可を得たものとすると、こういうふうにならなければこの法律は円満に回転をしないんじゃないかと思うんですが、これは再考願いたいんですが、どうですか。
#36
○政府委員(土坂泰敏君) 先ほどから説明があれで申しわけないのでございますが、いわゆる事業協同組合をつくって流通業務の効率化をやる、その一環として積み合わせ輸送なり共同輸送をやる、こういう例は多いわけでございます。その例を見ますと、必ずしも荷主さんのおつくりになった組合が新たにトラック事業の許可をとってやるということではございませんで、むしろ従来から、共同輸送をする前はやはり別のトラック事業をお使いになっていることが多いものですから、そういう経緯の上で円満に積み合わせ輸送をやっていくというようなこともありまして、既存のトラック事業と契約をしながら積み合わせ輸送をやっておられるという例が私どもの把握している限りでは非常に多いわけでございます。したがいまして、事業協同組合がトラックの許可をとらなければ積み合わせ輸送なり共同輸送なり流通業務の効率化はできないということではないうまくトラック事業のノウハウあるいは経験、専門知識、そういうものも使っていただいて、両方で効率化の実を上げていただくのが私は一つのやり方ではないかというふうに思います。
 それからもう一つ。それにしても、それじゃ事業協同組合が自分でトラックをやるときに取り扱いと同じように認定をもってみなせという御趣旨は、これは先生の御指摘は十分よく理解ができるのでございますが、先ほど申し上げましたようにやはり人格が別だとトラック事業になる。それから、トラック事業というものが基本的に公益性のある仕事でございまして、公道の上を車両を使って荷物を運んでいくわけでございますから、必要な運転手の確保、車両の整備、それらを総合的に運営する運行管理者、そういったものをトラック事業をやる以上はやはりだれでも公平にきちんと持っていただくというのが、もう一つの事業規制の面からすると必要なことでもございます。そういうぎりぎりの両方の要請を考えまして、私ども取扱業についてはみなしたわけでございますが、トラックについては残念ながらやはりきちんと手続をとっていただくことをお願いしたいというふうに思うわけでございます。
#37
○吉田達男君 これは、法律を提案したときの、例えば運転手とかの労働者の確保が難しい、こういう流通業界の状況というものと照らしてまことに反対の理由をおっしゃっているんでしょう。今までのものをまとめて、中小企業者が荷をつくるから、資格のある、許認可を受けたトラック業者にそれを任せればいいと。そうすれば、そっちの方の仕事で運転手が要るんじゃありませんか。逆に中小企業の方はどうかと。中小企業の方は自家用車でもって十台使っていたけれども協業化すればもう要らなくなるんだろう、任せればいいんだから。その場合に従業員はどうするかというと、協同組合に入って配達するんですよ。協同組合に入って仕事をすれば失業しなくて済むんです。そうでしょう。これが、そういう形で運送業の資格のある者に全部任せるということになると仕事は半分になります。恐らくは、配送センターの区分けや何かに人が要りますからそっちに行くんだろうと思いますよ。思いますが、結局は人数は減ります。減ったものは運送配達としての仕事じゃなくて首を切る、こういうことになるでしょう。運送業の方は、今は人が足りないから運送業が十分に荷主にこたえられないからこういうことをやるんだと言いながら、運送業に任せればいいんじゃないかとあなたは言うんでしょう。これは理屈が合わないですよ。
 ちょっと脱線みたいでありますが、私が直面したトラブルで申し上げますが、大型トラックの、大型自動車の免許証を持っている人がいまして、その人がトラックの運転をやっていたけれどもバスの運転者の方に就職したわけです。その人は、貨物を扱ってきた人生でありますから、お客さんを扱う人生でなかったわけであります。したがって、物の言い方、接客サービス等についてはなれていない。だから、トラブルを起こして、会社はそのために謝ったりいろんなことをしました。
   〔委員長退席、理事松尾官平君着席〕
 だからそこを思うと、初めに私が言いましたように、お得意さんに物を届けるというのは単に物を届けるんじゃなくて商売をやりながら届けてきた経過を、この制度によって切りかえようとするわけでしょう。商品知識も何もない方に移すと。しかし、今まで御商売に関係した人であれば応用動作である程度のことはこなせるようになるだろう。ところが全く物を運ぶだけの人に任せるという、こういうことになると、さっき言いました、どういうふうな形で流通構造が変化しながら近代化してくるか、そこに働いていた人がどういう形で流れながら近代的な商業システムの中に組み込まれていくか、こういう絵を想定してこの法律をやってもらいたいとさっき言っておったんだけれども、あれこれ脱線しましたが、そういうことを思うと、どうも今の運輸省と通産省の法案に対しての中身の突合は私は有機的につながってこないと思います。
 中小企業庁長官、どうですか。
#38
○政府委員(南学政明君) 土坂審議官が答弁いたしましたように、貨物自動車運送事業法の許認可というのは別途これは安全性とかそういう観点からとっていただかなければならないという法体系になっておりますが、私どもといたしましては、貨物運送取扱事業法の方は二重手続の排除という観点からみなし規定を入れていただいた、これは一歩前進であろうかと思います。しかし、安全性の観点というような観点から別途の貨物自動車運送業法の方はやらざるを得ないというのは、ぎりぎり運輸省との話し合いの結果そうせざるを得ないということを私どもも認識をいたしたわけであります。
 現実に卸団地等を見てみますと、例えば八戸の卸総合センター、これは卸業者が貨物自動車運送事業法の許可をとってみずからのために運送事業を行っております。また、神奈川のケースでありますが、これは外部のトラック業者に運送を委託するというようなことで効率化を行っておりまして、ケース・バイ・ケースでいろいろな対応の仕方があろうかと思いますが、今回の法律、私どもは物流効率化のための一歩前進した措置であると、こういう認識を持っております。
#39
○吉田達男君 それじゃ、今まで中小企業のその仕事をしていた人はどういうふうな流れの中に組み込まれるということになるんでしょうか。
#40
○政府委員(春田尚悳君) 先生、この法案を私どもがそもそも考えましたその置かれた状況をるる御説明してまいったわけでございますが、その一番もとにございますのは、物流にかかわる中小企業者が、例えば配送をしていただけなくなるような、非常に深刻な経営状態に物流に関して追い込まれているという場合がある。あるいはまた、トラック業者も人手が足りなくて、配送を大変申しわけないけれども断らざるを得ないというような全体の物流をめぐる情勢の中で、とにかくそこのところを打破しなければいかぬというところで、この法案を考えさせていただいたわけでございます。
 そういうことですので、まず物流の性格から申しまして、この法案は、荷主、卸、小売、それから製造業あるいは部品メーカー、こういったさまざまな中小企業者の連携を図って、とにかく物の流れを円滑にしようという第一歩として考えたものでございます。そういうことでございますので、あらゆる中小企業者がこれによって今抱えておる経営上の問題を解決できるようになると。そのもとは、相互に連携を図ってやっていくというようなことで御理解いただきたいと思います。
#41
○吉田達男君 これが成功するかどうかは、御商売の人が、こういう共同化によってやろうということで、この法律の支援策その他恩典を十分活用するということで生きるのでありますね。そのポイントは、言われたような社会的な問題があるからうちがやろうということじゃなくて、御商売というものの動機は、やはり経費の節減になるとか、共同化することによって有利な面が商売上出てくるという、そこがポイントであります。
 例えば、青ナンバーになって、これは運送料金というのは決まっていますね、大体運送料金というのは業界で決まっているわけでしょう。私は、それは共同化によって安くなると、だからコストがどうなるのかということを聞いたんですよ。コストが安くなるから、共同化して積載率を高めてそれで効率がよくなればコストダウンするんだと、こういうふうな仕掛けで話が進んできたんですよ。だけれども、既成の運送業者に委託するということになると決まった料金を払うわけですから、そんなことだったら別に共同化したりしてコストが安くなるという理屈も成り立たなくなるんじゃないかと私は思うんです。
 片面、今日まで続けた営業の形態をぱっと急に変えるわけにはいかないですから、暫時は自分の自家用車も持って営業をしなければならぬ。お客さんが納得いくようなアフターケアもしなければならぬ。新しい商品の説明や開発にも行かなければならぬ。販売店のコーナーは、それは販売店のものだけれども、問屋にとってはそこのコーナーをどの業者がとるかということは血みどろの戦いですから、一つでもコーナーがふえるように、相手の知らぬ間に商品をよけてまで置くような過当競争の中で熱心な商業活動をやっているわけですから、そういうものとの兼ね合いを一体どういうふうに見てやるのか。そんな難しいことを言わなくたって、運送業者に委託するんだったら、それは問題ないですよ。そんなことをしなくたって、それは全然別な考え方に立つわけです。この配送センターというものが中心になって物が動く法律の仕掛けたから、こだわって言っておるんです。そこのつじつまが合わなければ、中小企業者の方も乗ってこないんじゃないかと思うんですよ。
#42
○政府委員(土坂泰敏君) もうちょっと説明をさせていただきたいのでございますが、今人手が足りないとか道路が混雑したとかいうようなことがいろいろありまして、物流というか物の輸送を前と同じようにやるということがもう難しくなってしまいました。したがって、この流通業務というのを効率化する。
 トラックに関して申し上げますと、トラックというのは従来、自分で自分の車を持ちまして、自分の好きなときに、好きなだけ荷物を運んで、好きなところへ運ぶと、こういうやり方をして使うものでございました。そうなりますと、どうしても積載効率の低い場合もある。それが、今申し上げたようなことで、いろいろな壁にぶつかってきた。だから、一つのトラックに複数の人が積み合わせをする。どうせ皆さん同じ方角へ行くなら、Aさん、Bさん、Cさんの荷物を一カ所、つまり配送センターに一回集めて、それを方面別に仕分けて、こっちの方面の人はみんなこのトラックに一台に積み合わせましょうと。そうすると積載効率が上がりますね。そうすると、人手不足だとか道路混雑だとか、そういう面からもプラスになる。そういうようなことをねらって、積み合わせ輸送というのはやろうとしているわけです。
 したがいまして、ロットがまとまりますから、今先生が御指摘になりましたように、ロットがまとまることによる単位当たりのコストダウンというようなことも期待できる。そういうようなメリットがあって、積み合わせ輸送というのはおやりになるものでございます。それを具体的に担当するのが、既存のトラック事業者であるのか、事業協同組合がみずから新しくトラック事業をやるのかという違いはございます。それはみずからやるか、他の者に頼むかということの違いでございまして、いわゆる商売上のメリットというのは、今申し上げたように、いろいろな荷主さんの荷物を一カ所にセンターに集めて、方面別に仕分けして、一つのトラックに積み合わせて、積載効率を上げて、そして社会的な問題やコストダウンを図る、そこにメリットがあってやろうとするものでございます。
#43
○政府委員(春田尚悳君) 追加的に補足的に申し上げたいと思います。
 まず、物が運びやすくなるということ。それから、例えば卸売業は小売店から、今おっしゃられましたように、商売上大変品ぞろえでありますとか棚に並べるとか、そういった微細にわたって高度なサービスを要求されている。これもまた、非常に共同配送センターによってやりやすくなるということでございます。それから、荷主としましては、ロット、輸送量を大きくすることによりまして規模のメリットを利用できるということで、大型トラックを使えるようになりますし、あるいは大型トラックで配送していただけるようになりますから、規模のメリットが非常にきいてきてコストがダウンするというようなことがあろうかと思います。
 それからもう一点は、これは物流の方でございますので、南流の方は、別途セールスマンが従来どおり飛び回りましてきめ細かなサービスをしてまいる。それに関連しまして既存の例を見ますと、例えば神奈川の例でございますと、システム化できる部分はシステム化していく、しかし、これまでの非常にきめ細かなづき合いを維持しなければならない部分はこれまでどおり南流の部分を中心に残してそれなりに対応を続けていくという、過渡的な段階を踏んでおるという具体例で処理しておるようでございます。
#44
○吉田達男君 もうこの問題については、押し問答でこれ以上こだわってもしょうがないので、まあおいて、次に行きます。
 物を配達するというときに、間違いが間々あるんです。このことは商売にとっては大変でありまして、商売の秘密を競争相手に教えることになる、仕切り書の単価がばれてしまうとか、あるいはある商品をホットコーナーに置こうと思ったのを競争相手に間違えて持っていってしまわれたら、もう大変なことなんですね。それは、自分の商売の
責任でもってやっているときにはそれで済むかもわかりませんが、人様が間違えたら済まない。こういうことがあってはならぬが、そういうことがないようにするためにどういう手だてがあるのか。例えば、もうコンピューターによる間違いないシステムが一つのモデルとしてでき上がっていて、これで間違いないと、こういうことになっているのか。あるいは職員がそういうことがないようにきちっとした研修体制に入れるような措置はどう指導されるのか。組合としてのそういう事業等々については、どういうふうに配慮されて準備があるのか等についてお答えをいただきたい。
#45
○政府委員(春田尚悳君) ただいま御指摘いただきましたとおり、検品の問題というのは大変重要な問題でございまして、この検品を非常に精度の高いものにする、あるいは小売店の店頭で長々と検品をしなくても済むようにする、これもこの流通業務効率化事業の非常に大事な点でございます。
 そのためには、今おっしゃられましたように、物流業務の情報化に当たりまして、物流は製造、販売の取引と密接に関連しておりますため、同一の得意先や仕入れ調達先を持つことの多い同業種の中小企業者の共同による物流対策におきましては、ともするとお互いの取引内容が相手に知られてしまうのではないかという懸念が生じがちでございます。そこで、この点につきましては特に慎重な配慮を行い、物流を共同化する場合におきましても、個別事業者の取引内容がその意に反して他の事業者に知られることのないように工夫を行うことが重要と考えております。
 このような取引内容のセキュリティーについての具体的な工夫の仕方につきましては、個別の共同事業の内容によりましてさまざまであろうと思いますが、例えば本法案の事業に該当する共同物流事業を実施いたしました卸団地組合の例を見ますと、構成員たる卸売業者の取引内容が他の業者に知られることのないように幾つかの配慮、工夫をしているところでございます。例えば、受発注、配送情報のデータ送信は各利用者別、端末機別にデータを格納いたしまして他企業のデータを取り出せないようにしておる、あるいは商品単価が記載された伝票類は封筒に入れ密封して商品とともに送る、あるいはまた、商品は段ボール箱におさめで配送し、種類や個数がわからないようにする、そしてまた、VAN事業を初め共同配送に携わる事業者に対しましては守秘義務を徹底するといった非常に長い経験の中から工夫を凝らしておるところでございます。こういったことが参考になると思われます。
#46
○吉田達男君 そこの仕事に従事される人の福祉の、福祉というか研修施設とか福祉の施設とか、あるいはそういう新しい作業環境なんかについてどういうふうに指導される予定なのか、この辺もあわせてお尋ねをいたしたい。
 もう一つ、時間がなくなりましたから。そういうようなことをして、結局今年度の事業計画では、法が通れば何カ所ぐらいこれをやろうという計画なのか。既にそういう希望が上がっておるのか。あるいはこういうようなものをいきなり申請をして効率化認可を受けるまでには相当な調査が要りますが、そういうようなものに対しては支援はどうなって、どのくらいやる予定なのか、あわせてお尋ねいたします。
#47
○政府委員(南学政明君) 流通業務効率化を進めるに当たりまして、流通業務に従事する労働者の立場に基づく視点も忘れてはならないと私どもは考えております。すなわち、実際に流通業務を行う労働者がいかに負担が少なく、快適に作業を行うことができるかという点も配慮することが、流通業務効率化を実効あるものにするために非常に重要であろうかと思っております。また、流通業務の効率化を行うことによりまして魅力ある職場ができますれば、結果として労働力の確保にも資するわけであります。
 このような認識に立ちまして、中小企業者が流通業務の効率化を図るに当たりましては、労働時間の短縮あるいは職場環境の改善といった観点にも十分配慮しながら事業を推進することを私どもとしては期待をいたしておりますが、行政の立場といたしましても、この法律の施行に際しまして、労働者の立場が十分配慮されるよう配慮していく考えであります。
 また、本法案が成立した場合に、どの程度の事業協同組合等がこの効率化事業を推進しようとしているかという御指摘でありますが、通産局等の調べによりますと、現在約三十の卸団地がこの法律に基づきまして流通業務の効率化のための事業を計画していると。卸団地以外にもいろいろあるわけでありまして、全事業協同組合あるいは社団法人全体を含めますと、五十ぐらいのものがこうした効率化計画を推進したいという希望を持っているやに伺っておりまして、実際にどういう助成措置を今年度講じていくかは、その事業の進捗状況に応じて対応をしてまいりたいと考えております。
#48
○吉田達男君 最後に。やっぱり法律そのものの受けた印象では、なかなかという感じでありますから、それは手を挙げてくるのは期待が多いということだと思います。せっかく成功させてもらいたいと思いますが、初めの調査ですね、調査をしなければならない。これはコンサルタントも入れなきゃならぬし、市場調査もしなければならぬし、あるいはそのものをまとめようと思ったら相当な費用もかかるし、そういうようなことについてはどういう支援があるのか。
 最後に、大臣にお尋ねいたしますが、この法律を成功させようということは、今出た新しい法でありますから、相当いわば関係者の合意が必要かと思う。組合員たるもの、お得意さんのやり方がちょっと変わりますよと、あるいは協同組合としてそれを切り回していく場合の業務のあり方等については、事前の相当の完全合意がなければトラブルのもとになってしまうんではないかという懸念をいたします。
 この法律を軌道に乗せるということになれば、最大の注意を払いながら、また厚い支援策が必要かと思いますが、大臣の御所見を伺って、終わりたいと思います。
#49
○国務大臣(渡部恒三君) 先生おっしゃるとおりでございます。これから関係者の皆さん方にこの法律の趣旨を十二分に理解していただいて、せっかく御審議をいただいてこれから通していただいたときは、この法律の趣旨が十分に生かされるようにこれは努力していくのは当然のことであります。
 特に中小企業は、これは全事業者の九九%、従業員の八〇%を占めるなど、我が国経済の活力の源泉でございます。物流の分野においても、我が国の物流量の約八〇%を占めており、物流をめぐる経済活動の主たる担い手でございます。しかも、近年の物流をめぐる厳しい状況の変化の中で、経営基盤が脆弱であり、中小企業はとりわけ深刻な影響を受けております。したがって、このような中小企業の物流問題について対策を講ずることが、中小企業に対してはもとよりのこと、我が国経済にとっても緊急かつ重要な課題であるものでありますから、今般、本法案を柱として抜本的な支援策を講ずることにしたわけでございます。
 したがって、この法案に基づく中小企業が共同して行う物流センターの建設等の取り組みについては、各事業者にとっては投資内容、規模、いずれの面でもその後の事業活動の成否にかかわる重大な問題であるため、行政としては、中小企業者の多大な資金負担を踏まえた金融面、税制面からの支援とともに、事業の実施内容や方法、実施時期、資金調達方法などに対するきめ細かな指導、助言に十分に努めることにしております。
 このほか、物流の効率化に関する人材の養成や情報の提供など、各般の施策をあわせて総合的に行っていくことにより、我が国経済の発展基盤たる中小企業が、物流問題に円滑に対応して、健全な発展を遂げていくように全力を注いでいくつもりでございます。
#50
○櫻井規順君 私は、運輸委員会の理事を務めております社会党・護憲共同の櫻井規順でござい
ます。
 きょうは、大事な時間を差しかえ質問ということでやらせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本来、本法は商工と運輸の共同審査がなじむ法案だというふうに思うわけであります。流通の効率化というものを考える場合に、物流、輸送の占める位置というのは非常に高いことは御案内のとおりでございます。そんなわけで、業としての陸上貨物輸送業の役割、あり方、そしてそこで働く労働者の問題という観点で、短い時間ではありますが、御質問をさせていただきたいというふうに思います。
 最初に、運輸サイドからで恐縮でございますが、運輸政策審議会におきまして、二十一世紀に向けまして運輸政策審議金物流部会答申というものがございます。そのタイトルは「物流業における労働力問題への対応方策について」、そしてさらに「二十一世紀に向けての物流戦略」、こういうサブタイトルがついているわけであります。それほどに、今物流業界におきまして労働力問題というのは大変深刻であります。それゆえに今回の流通業務効率化法案が出てきた一つの背景になっているわけでありますが、最初の質問でございますが、この運輸政策審議会の物流戦略、この中身は大きく言って二つございます。
 一つは、物流業における労働力確保のための方策、もう一つは、労働力不足に対応した物流効率化のための方策という二つの大きな柱があるわけでありますが、本法は労働力確保のための方策、この面はどういうふうに配慮され、かつもう一つの柱である物流効率化のための方策というものを主にこの法律に具体化したものだというふうに思うわけでありますが、この運政審答申と本法の関係をお答えいただきたいと存じます。
#51
○政府委員(土坂泰敏君) 先生仰せのように、運政審答申は二つ柱がございまして、一つが労働力確保方策であり、もう一つが効率化方策であるわけでございます。効率化方策の中身としてはいわゆるモーダルシフトとか積み合わせ輸送、労働力確保方策としては魅力ある職場の形成その他が提言されている、そういう内容でございます。
 この法律は、中小企業の物流をめぐる情勢が大変厳しい、人手の問題もありますし、道路混雑もあるし、その他いろいろありまして、従来どおりやっていくということでは、もうコストが上がったり、あるいは配送ができないというようなことまで出てまいりましたので、そういう状況に対応して中小企業がみんなで力を合わせて流通業務の効率化に取り組む事業協同組合という形で配送センターをつくって、そこでいろんな効率化をやっていく、そういうことについて一定の指針も示し、資金的にも支援をするという内容でございます。
 したがいまして、まず第一にこの法律は、基本的にやはり流通業務の効率化ということを目指すものでございまして、そういう意味で運政審答申のいわゆる物流業務の効率化、特にそのうちの積み合わせ輸送、その部分に対応するものでございますが、やはりこの法律によりまして流通業務の効率化が進めば、結果として労働条件なり職場環境の改善ということにもつながってまいりますし、また、そういうことを考えながら流通業務の効率化を進めなければ円滑にいかないというのはもう当然のことでございますので、そういう見地から流通業務の効率化に取り組んでいただく必要がありますし、またそういう観点に立った指導もやってまいりたい、そういうふうに思っているところでございます。
#52
○櫻井規順君 次に、通産省の方へ、この法律が「物流効率化対策の総合的推進について」という産業構造審議会流通部会からの答申を受けて法案化、法律化したものだというふうに理解するものでありますが、この産構審の答申と本法の関係、並びに運政審答申が言っております労働力確保、その対応という観点で本法は配慮されたものなのかどうなのか、あわせて御答弁いただきたいと思います。
#53
○政府委員(春田尚悳君) ただいま御指摘いただきました産業構造審議会、それから中小企業政策審議会の答申におきましては、最近の物流をめぐる問題点といたしまして、まず物流量の増大や物流内容の高度化とあわせまして、トラック運転手を初めとする物流作業要員の深刻な労働力不足について言及しているところでございます。特に、次のように申し述べております。「中小企業においては、勤務条件、給与等の面で大企業と比べ不利な状況にあり、また、梱包、仕分け等の物流作業について人手に頼る面が多く、省力化投資も立ち遅れているため、労働力不足による影響の程度はそれだけ大きなものとなっている。」との指摘がなされております。
 本法案は、このような中小企業におきます物流作業要員の不足という状況をも踏まえ、中小企業者が共同して行う物流センターの建設等の取り組みを支援するものでございますが、これにより流通業務の効率化、省力化が図られるというふうに考えておるところでございます。
#54
○櫻井規順君 時間が短くて残念なんですが、今物流業界、とりわけ労働力不足の深刻さという問題について、少し私もこの商工委員会の場で確認をしておきたいというふうに思うわけであります。
 その前に、この流通業務効率化というものを考える場合の運送部門のウエートというのは、御案内のように非常に高いわけで、我が国のとにかく陸上貨物の輸送の九〇・五%を貨物自動車が輸送し、今お話がありましたように、その中の本法が対象になります地場トラックのウエートは、そのまた九六・六%というふうに大変高いわけであります。
 問題は、その陸上貨物輸送自動車の今の労働時間の実態というものについて、労働省さんの方から、全産業とそれから陸上貨物輸送、それと交通・通信業という分類がありますでしょうか、その三つの分類で、昭和五十五年をひとつ起点にいたしまして、一番直近の位置で、年間総労働時間で結構ですから、現状はどうなっているか御答弁願います。
#55
○説明員(朝原幸久君) お答えいたします。
 全産業では、年間の総実労働時間は、昭和五十五年が二千百八時間、六十三年が二千百十一時間、平成三年が二千十六時間というふうになっております。
 これに対しまして、運輸・通信業でございますが、昭和五十五年は二千百七十時間、昭和六十三年が二千二百七十九時間、平成三年は二千百六十四時間となっております。
 これに対しまして、道路貨物運送業におきましては、昭和五十五年が二千五百八時間、昭和六十三年は二千六百八十七時間、平成三年は減りまして二千四百四十一時間となっております。
#56
○櫻井規順君 それは全産業の中で産業別に大分類いたしまして、一番労働時間が長い業界がいわば道路貨物運送業、これともう一つは内航海運業というのが実はあるんです。これまた運輸サイドの話になりますから省きます。さらに悪い業種があるわけでありますが、ワーストツーの業界が道路貨物運送業になっているわけであります。
 どうでしょうか、この今の数字はちょっと口で言っているからわからないわけでありますが、昭和五十五年に対して昭和六十三年はさらに道路貨物運送業は時間がふえているわけであります。そして、平成三年ですか、この数字はやや落ちてきている。いずれにいたしましても、御案内のように道路貨物運送業の長時間労働というものは抜群に大変なものであります。これを平成五年に向けて、どうでしょうか、四十四時間体制にするというわけでありますが、その見通しはいかがでしょうか。
#57
○説明員(朝原幸久君) 御承知のように、現在、法定労働時間は原則週四十四時間となっておりますが、一定の業種、規模につきましては来年の三月三十一日まで週四十六時間ということでございます。逆に言いますと、来年の四月一日からは一応基本的には週四十四時間制になるというふうに考えております。
#58
○櫻井規順君 いずれにいたしましても、荷主サイドに立ちます通産省、それからこの商工委員会のサイドからもこの実情というものをひとつごらんいただきまして、流通業務効率化という本法の審議に当たって御配慮をいただきたいというふうに思うわけであります。
 労働省さんありがとうございました。まだいっぱいありますが、一応これでやめておきます。
 次に運輸省さんに、運輸産業の労働者の定着率の問題でありますが、今どんなふうにごらんになっていますでしょうか。今のような地場の中小のトラック輸送会社が多いわけでありますが、大手の輸送会社でも定着率に対しては大変な問題が起きておりますし、特にトラック運転手というのは若年労働者が求められているわけでありますが、この定着率についていかがでしょうか。
#59
○政府委員(土坂泰敏君) その点に関しまして、ちょうど全日本トラック協会が昨年行った調査があるわけでございますが、それによりますと、トラックの運転手はいわゆる離職率というんでしょうか、年間にやはり二〇%の方が職を離れていかれるという実態が出ております。また、ちょっと前になりますが平成二年に、同じく全日本トラック協会が行った調査によりますと、これはアンケート調査でございますが、トラック運転手の五五%の方はやはり将来他の職種に転職をしたいとお考えになっているという、そういう調査結果が出ております。
#60
○櫻井規順君 本法の背景の問題でございますが、いろいろと物流の制約要因というものが深刻化してきている。第一に、通産省の方も本法の説明の中で労働力不足を挙げておりますし、道路混雑あるいは環境問題、多頻度小口化等々、ニーズの高度化の問題を挙げておられます。この本法によって、労働力不足あるいは私ども運政審の答申では魅力ある職場づくりという提起をしているわけでありますが、端的に言ってこの面にどういうふうにこたえるものになりますでしょうか。
#61
○政府委員(南学政明君) この法律によりまして流通業務効率化が推進されることを我々としては大いに期待をしているわけでありますが、具体的に申しますと、この共同配送センターをつくることによりまして、一連のコンピューターの導入によって自動化された機械等が導入される、あるいは配送面でも非常に効率化される、こういうことに相なりますと業務の効率化が図られ、労働者に対する負担が軽減されるというような効果が期待されます。また、共同配送センターの設置に際しまして、私どもとしては、卸売業者等が福利厚生施設を建設するとかいろいろなことに配慮していくことを期待いたしておりますので、魅力ある職場づくりに大いに貢献できるのではないか、このように考えております。
#62
○櫻井規順君 今度は、業としての陸上貨物輸送業、トラック業者にとってこの法律はどういうメリットがありますでしょうか。
#63
○政府委員(土坂泰敏君) いわゆるトラック業者の立場から見ましても、人手不足なり道路混雑というのは大変厳しい状況でございまして、従来のようなやり方で道路輸送というものをやっていくということはもうできなくなっているわけでございます。したがいまして、こういう法律の支援を受けながら道路輸送の効率化を図っていく。端的に言いますと、積み合わせ輸送によって積載効率を上げる。
 実例で申し上げますと、東京の堀留地区で一つ積み合わせ輸送をした実績があるわけでございますが、これによりますと、トラックの配送回数は三割減少いたしておりますし、省力化効果も二割であると聞いておりまして、そういう意味でこの法律で支援を受けながら積み合わせ輸送をやっていくということは、トラック事業者にとってもそういう人手不足なり道路混雑に対応する中で自分の使命を果たしていく上で非常に有意義なことであるというふうに考えておるところでございます。
#64
○櫻井規順君 それで、本法の中身であります共同物流・配送センターの事業協同組合の構成のパターンの問題でありますが、幾つかパターンが紹介をされております。トラック事業者でつくるパターン、それから荷主業者でつくるパターン、それからトラック事業者と荷主業者でつくるパターンと、こういうふうにあります。本法が成立するに当たって、幾つかこうしたもの、実績として事業協同組合化が実現しているというふうに思うわけでありますが、現状で今実現している協同組合のパターンはどの形が一番多いでしょうか。そして、本法では指導方向としてどういうパターンを求めておられるのか、そこら辺いかがでしょうか。
#65
○政府委員(土坂泰敏君) 事業協同組合をつくって効率化をやっていくときにいろんなやり方があるわけでございますが、トラック事業者とのかかわりで見ると、先生が今仰せになりましたように、パターンは三つに分けることは可能だと思います。
 それで、現実にまた行われているいわゆる積み合わせ輸送の例を見ましても、今仰せになりました三つのパターンそれぞれのものがあるわけでございますが、それじゃどれが一番多いのかといいますと、これは私ども必ずしも全部を把握しているということが言い切れない面がございますが、私どもが承知している範囲では、トラック事業者が自分で集まって組合をつくって荷主さんとお話をして積み合わせ輸送をやっていくという例が二〇件ほどございまして、私どもが把握している限りではこれが一番多いわけでございます。
 ただ、それじゃ今後どういうパターンが望ましいかということになりますと、これは必ずしもそれが望ましいというようなことではございませんで、それは事業協同組合がどういう荷主さんがお集まりになって何をやりたいのかということによって決まってくることでございますから、ケース・バイ・ケースで一番適切なものをお選びになる、それをやっていただくのが一番いいというふうに考えております。
#66
○櫻井規順君 この辺は通産省の方はいかがでしょうか。やっぱり、一定の指導方針を持って臨まれないといかぬと思うわけです。あわせて、この協同組合化は、業種としてはどういう業種に、そして業態としては特徴としてどういう業態に、かつまた、六大都市に集中されるものなのか全国の中小都市まで広めていくものなのか、全国的な広がり、そういう展望はいかがでしょうか。
#67
○政府委員(春田尚悳君) この法案がねらっておりますものは物流業務を効率化しようとするすべての中小企業者でございまして、地域それから業種、規模にかかわらず、今申しましたような中小企業者全般を対象としております。
 しかし、これまでの実績もございますし、卸売業者が中心になっていくということは一つあろうかと思います。しかしながらまた、小売店に卸し売りする中小卸売業者、あるいは荷主の貨物を運送する中小トラック業者というようにさまざまでございますので、地域につきましても都市部、地方部を問わず考えられるところでございます。
 具体的にもまた、先ほど申しましたが、八戸の総合卸売センターでございますとか、あるいは大都市部の神奈川の例でございますとか、この神奈川の例の場合には、日常雑貨品を扱います四社の卸売業者がやっております。あるいは八戸の場合には、非常に業種のたくさんの卸売業者がさまざまな品物を総合的に扱っておるわけでございます。
 と申しますように、あらゆるケースが考えられるわけでございますけれども、一つモデル的に申しますと、卸売業者が共通した納品先である百貨店、チェーンストアに向けての配送業務を共同で行う物流センターを設置しまして、集荷から保管、流通加工、出荷までを一元化する事業が一つモデル的に考えられると思います。あるいは、先ほど土坂審議官の方からございましたが、トラック業者がそれぞれ受注した貨物を共同施設に集荷して、方面別仕分けを行い、大型車両による積み合わせ輸送を実施する事業。あるいはまた、下請製造業者の場合もございまして、下請製造業者の組合が、各構成員から組み立てを行っております親
企業への出荷を一括して行うために、輸送業務を運送業者に委託してルート出荷を実施する事業といったさまざまな形態がモデル的にも考えられると思います。
#68
○櫻井規順君 問題は運賃のとらえ方ですけれども、物流、運送業の運賃という問題は、荷主のサイドから見ますと、これは安ければ安いほど流通合理化になるわけでありますが、我が国の場合に、この答申にありますように、物流サービスは商品であるという業者の間の認識も、これのさまざまな手続といいましょうかコスト計算、伝票の処理の問題一つ、あるいは輸送方法の問題等々からこの物流サービスが商品であるという認識が非常に欠けるわけですが、この指導というものは非常に大切だというふうに思うわけであります。問題は、適正運賃を荷主と物流業者との間でどう形成するかという指導が非常に大切になってくるというふうに思うわけであります。
 御案内のように、運輸省は届け出運賃になっております。今、届け出運賃と実勢運賃というのが乖離の現象が生まれているわけであります。これは、取引の間で届け出運賃を上回ったり下回ったりすることは、届け出運賃の制度そのものからしてあるわけでありますが、この運賃というものを適正に決めていく上において本法の実施の過程で、特にこれは通産サイドにお伺いしたいわけでありますが、配慮している問題はどうでしょうか。
   〔理事松尾官平君退席、委員長着席〕
#69
○政府委員(春田尚悳君) ただいま先生から御指摘いただきましたとおりでございまして、これまでは我が国の物流、特に中小企業の物流の場合に、生産、販売に付随するコストと、生産、販売に付随する業務というふうに見られております。あるいはまた、これまでの長いつき合いの中で、どうしてもコストを度外視して対応しなければならぬというようなことが中小企業の物流の場合に特徴的にございまして、しかし、やはりそういう情勢でもだんだんなくなってまいっておりますので、この物流コストというものをはっきりと把握しようということを先般の産業構造審議会、中政審の答申でもいただきまして、現在鋭意勉強を進めておるところでございます。
#70
○櫻井規順君 先ほど吉田委員が触れましたように、本法の十一条で、「貨物運送取扱事業法の特例」を設けてみなし事業者というものをこの協同組合に与えるわけであります。実際にみなし事業者として特例を付与するに当たって、運輸省運輸局並びに知事の方で一定の判断を下すわけであります。
 問題は、この取扱事業法施行規則第二条の「貨物運送取扱事業の適正な運営の確保等」、この指導精神というものを徹底をさせないと、このみなし事業者――そのみなし事業者のパターンにもよりますけれども、これが完全に運送事業者でない事業者である場合があるわけでありますから、その運送事業者との間で適正運賃を決める場合に、重大なやっぱり問題が発生する可能性があるわけでありますが、この施行規則第二条の趣旨徹底というものをどういうふうになさるつもりか、いかがでしょうか。
#71
○政府委員(土坂泰敏君) 大変大事なことを仰せになっておるわけでございますが、施行規則の第二条は、今お話がありましたように取扱事業というものは実運送事業の正常な運営を阻害しないようにということでございまして、これは貨物運送取扱事業法の国会での御質疑を通じて、そういうことをきちんとやるようにということが求められたことに対応して定められたものでございます。
 本法の十一条で、新しく取扱業の資格をお取りになって取扱業をおやりになる、そして実運送といろんな格好で折衝をなさる、そういう立場に立たれる方に対しましては、やはり取扱事業としてやっていただく以上は、法律のこの趣旨を十分理解していただくことは非常に大切であるというふうに私どもも思います。したがいまして、この法律が成立いたしました場合には、いろいろ説明のためのパンフレットなどもつくりますが、こういう点を十分に説明もしたいと思いますし、運輸局におきましてこの法律の具体的な運用をするに当たりましては、今仰せになりました点について十分趣旨の徹底を図るように指導をすることにしたいと思います。
#72
○櫻井規順君 その場合に大事なのは、この共同物流・配送センターという事業、とりわけその事業協同組合の構成ですけれども、トラック事業者あるいはトラック事業者と荷主業者と共同でつくるのはいいわけですが、みなし事業者として荷主業者だけでつくるこの協同組合のあり方に、かなり物流サイドから見ますと問題が起きやしないか。問題は、こうした事業協同組合をつくる場合に、原則的にと言うと言葉はきついですけれども、トラック事業者が協同組合に入るような指導を、地域にしろ、業種にしても、業態にしても推進を願いたいというふうに思うわけでありますが、この辺の指導方針といいますか、それを堅持願いたいと思いますが、いかがでしょうか。
#73
○政府委員(土坂泰敏君) 流通業務の効率化を進めるときに、中小企業が力を合わせてやろうと、それをいろんな格好で支援しようというのが法律のねらいであるわけですが、中小企業の流通業務の効率化というのはいろんなやり方があり、その多様性というのはやはり尊重しなければいけない。特に、創意工夫を皆さんがそれぞれの立場で凝らされるときには、それを大事にする必要があると思います。したがいまして、トラック事業を中に取り込む場合というのもありましょうし、トラック事業だけでやる場合もありましょうし、あるいは外部の人を使う場合もありましょうし、いろんなやり方はこれは多様性として容認をしていくべきではないだろうかと思います。
 ただ問題は、先生が御心配のように、それでは荷主だけで組合をつくって、それが取扱業などの資格を取った場合に、実運送との関係がちゃんとやっていけるのかという点に御不安があってこういう御指摘をなさっておられるものと思いますが、その点は、実は実運送法であるトラック法できちんと対応すべき問題でございまして、私どもは適正化事業実施機関あるいは荷主懇談会、いろんなやり方がございますが、いわゆるトラック事業法そのものの運用の問題として、実運送と取扱業者あるいは一般の荷主、そこは全部同じでございますが、きちんと適正運賃の周知ができるように万全の措置を尽くしてまいりたいというふうに考えます。
#74
○櫻井規順君 次に、基本指針の策定に当たって配慮願いたいことがございます。
 基本指針策定の中で、四項目目でしたでしょうか、「配慮すべき重要事項」という条項があるわけであります。その文字どおり配慮すべき事項として、効率化促進に当たって、労働時間の短縮を初め職場環境の改善について配慮するという配慮事項、これをぜひ盛り込んでいただきたい。
 次に、時間がないので恐縮ですが、実際に事業協同組合が計画作成を行う段階において、働き手の問題が重要でございますので、関係の労働組合、労働者の意見を反映するということ、なかなか該当するところはないかもしれませんが、あるところについてはきちっとそういう御配慮をいただくということ。
 それから、流通コストの適正化の支援に当たっては、時間短縮と職場環境に要するコストについて十分配慮するというふうなこと、こういう点を基本指針の「配慮すべき重要事項」としてぜひ盛り込んでいただきたいと思うわけでありますが、いかがでしょうか。
#75
○政府委員(南学政明君) 先ほどもお答えいたしましたが、流通業務効率化を進めるに当たりまして、労働者の立場というのを十分配慮していくべきことは私たちとしても当然であろうかと考えております。こうした認識に立ちまして、中小企業者自身が流通業務の効率化を図るに当たりまして、労働時間の短縮であるとか職場環境の改善等に努めていくものと私どもは期待をいたしております。
 ただ、基本指針にこれを明記すべきかどうかという点につきましては、この法案は基本的に流通
業務の効率化を促進しようとするものでありまして、基本指針にもあくまで流通業務効率化自体に関する事項を記載していくべきものと考えております。
 しかし、先ほど申し上げましたように、こうした面に各中小企業者が配慮をしていくということは極めて重要でありますので、行政といたしましても、法案の第十四条第二項に「認定計画に係る流通業務効率化事業の適確な実施に必要な指導及び助言を行う」ということが明記されておりますので、必要に応じて所要の指導、助言を行ってまいりたいと考えております。
#76
○櫻井規順君 労働時間の問題をとらえてみましても、物流業界の適正運賃というものを考えてみた場合も、これはもう荷主と輸送業者との協力が不可欠であるわけであります。
 それで、荷主と物流業者の協力の具体的な問題として荷主側の指導をひとつ通産省の方に求めたいわけでありますが、例えば、今の三K労働という実態を解消するにおきましても、こういう点を配慮すると大分前進するわけであります。一つは、トラックが荷主のところに来ました庭先の待機時間というものを短縮する指導、あるいは出荷時間というのをある程度スケジュール化、定期化するというふうなこと、あるいは計画的に、おのずから同じですが、配車を要請するというようなこと、あるいは日曜、祝日、土曜日の出荷を抑制するというふうなこと、具体的に荷主側に協力を求めたいことはいっぱいあるわけでございます。もちろん、荷役等の機械化あるいは製品の包装の一貫パレチゼーションの推進等々あるわけであります。特に、庭先待機時間あるいは出荷時間、配車要請、日曜、祝日の抑制、こういう点での御指導を求めたいわけでありますが、いかがでしょうか。
#77
○政府委員(春田尚悳君) 先生ただいま強調されました庭先待機時間、これは非常に検品の問題とも深くかかわっておる問題だというふうに理解しておりまして、そこの問題を解決しようということもこの法案の流通業務効率化事業の非常に大きなねらいでございます。八戸のセンターの場合などには検品のミスの率を一万分の三ぐらいまで縮めることができたという具体的な事例がございまして、そうしますと、庭先でほとんど検品することなく入荷できるというようなことでございます。そういったことをもろもろこの法案はねらっておるわけでございます。
 それからまた、先生おっしゃいました取引の観点からの問題でございますけれども、これも平成二年の産構審の答申以来、最近では独禁法のガイドラインに至りますまで、先生おっしゃったような趣旨を体しまして鋭意通達を発出し、あるいはその後の調査をいたすという形でもってフォローしておるところでございます。
#78
○櫻井規順君 これは運輸省と通産省の共管の法律になり仕事になっていくわけでありますが、運賃の適正価格を決めていく上でなすべき作業というのは非常にたくさんあるというふうに思うわけであります。今の一貫パレチゼーションというふうな問題は、非常に大きな問題があるというふうに思います。もろもろ機械化の問題あるいは情報の統一の問題、こうした問題について、通産、運輸の間で具体的なガイドラインといいましょうか、そういうものを前進させていただきたいというふうに思うわけでありますが、どんな取り組む方針でいますでしょうか。
#79
○政府委員(麻生渡君) 物流の効率化を図ります場合には、今御指摘がございましたように、荷主側とそれからいわゆる物流業者との間での連携が必要不可欠であります。これがうまくいきませんと、積載効率の向上とかあるいは合理的な配送というようなものが図れないということがございますし、さらに、今非常に重要になっています物流面におきます情報化の促進、あるいは規格化ということもうまくいかないということがございます。
 したがいまして、私ども通産省といたしましては、もちろん各産業ごと、これは荷主になるわけでございますが、それと物流業者との連携の促進ということにつきましては、産業の実態に応じましてこれを図るようにいろんな形で指導してまいりたいと思いますし、また、それに当たりましては運輸省さんの方とも十分連絡をとって当たっていきたいというふうに考えておる次第でございます。
#80
○櫻井規順君 時間がなくてまことにどうしようもないですが、通産大臣、貨物運送事業の労働者の労働時間というのは全く最悪な事態、それから内航海運の方もこれまた大変なもので、抜群にとにかく悪いわけであります。これは果たして二十一世紀まで働き手がもっかどうかと。それに本法が挑戦をいたしまして、全体的な労働条件の改善に挑戦される法律として私も位置づけるわけでありますが、いずれにいたしましても、これは労働省あるいは農水省あるいは建設省、経済企画庁、非常にかかわる問題で、総合的に立てないと、これ運輸サイドだけではとてもできない実情であります。
 どうぞ、そういう意味で物流産業の労働者の労働時間の短縮、それを閣僚級の懇談会をつくって対処すべき時期に来ているというふうに思うわけでありますが、ぜひ実現をいただきたいというふうに思うわけでありますが、いかがでしょうか。最後に所信を聞かせていただきまして、私の質問を終わります。
#81
○国務大臣(渡部恒三君) 今御指摘の物流問題関係閣僚懇談会を政府に置くべきか否かについては、今後の関係省庁の具体的な対策推進の過程で政府全体として検討していかなければならないと思います。いずれにしても、この施策の実施に当たっては、先生御指摘の労働力の問題、極めて当面する重大な問題でございますから、関係省庁間の緊密な連携のもとにこれを強力に推進していかなければならないと考えております。
#82
○広中和歌子君 大臣、OECD閣僚会議御出席御苦労さまでございました。さぞお疲れでございましたでしょう。
 五月十八日、十九日、パリで開催されましたOECD閣僚理事会におきまして、日本に世界の景気の牽引役を期待する声が強かったと報道されております。コミュニケの骨子にありますが、大きな黒字国は内需強化を念頭に置くべきであると明記されております。これは事実上日本を対象に内需拡大に期待となっているわけですが、大臣は、内需拡大策をどのような形で我が国に取り入れる政策をお持ちなのか、そしてことし七月の先進国のサミットに向けましてどのような具体策を提示できるのか、まずその点についてお伺いいたします。
#83
○国務大臣(渡部恒三君) 先生御指摘のように、OECDの閣僚会議で、今後の世界経済の進展に対して、我が国に対する期待は大変大きいものでございました。特に、欧州の先進国のほとんどが一〇%前後の失業ということで、率直に言って私も日本というのは大変な国になったと思うんですが、二十年ぐらい前まではこの国の政策課題が失業問題ということでありましたけれども、今、今度の予算委員会等から今日に至るまでの国会の論議でも失業という言葉は一遍も聞いたことがありませんで、時短と人不足の話ばかりこの国でやって、何か久しぶりにヨーロッパの会議に行って失業失業と政治家たちが叫ぶのを聞いたような、まさに大きな日本の存在でございます。
 ただ、コミュニケに当たっては、やはり我が国の経済運営は我が国が判断すべきことであって、よそから要請されてどうこうするものではないという信念のもとに、我が国の今後の経済運営に対してこのOECDのコミュニケで拘束されるようなことは二切排除いたしました。今度のもう一つのOECDでの前進は、今までは例えば貿易黒字の問題についても、日本に対するいろいろ批判というものが強かったわけですけれども、今度はそういう言葉はほとんど出ておりませんで、むしろ私が提唱したところの多国的な構造改善事業、つまり自分たちの経済が悪いことを、自分たちの貿易が赤字であることを、これをただ他のせいにすることでなくて、自分たちの自助努力で競争力を
強めていかなければならない、こういう方向で会合が進展していったことは大きな進展であったと思います。
 ただ、私は、共同コミュニケの場では、そういうことで環境と貿易、それから貿易と競争といったようなことで、経済の競争力というものはやはりみずからの努力によって、それぞれの国が一生懸命頑張ることによって世界全体が進展していくことであって、日本が黒字が多いからといって、それだけの理由でどうこう言われるものではないということはきっちりと申し上げてまいりました。
 ただ、そういう中で、それなら日本が何の責任もないのかといえば、これは現実に世界の中で日本が自由に貿易をすることによって今日の豊かな繁栄を築き、今またほとんどの先進国が赤字で苦しんでおるときに、日本が一千億ドルを超すところの黒字、また先進国のほとんどが失業に苦しんでおるとき、日本が今日ほとんど失業という言葉が聞かれないような現実、これはやっぱり厳粛な事実でありますから、日本が世界に対して、日本だけがいいんだからあとはおれの知ったことかということでは世界に通ずるものではありません。我が国の自主的な判断で、他から要請されてどうこうということでなくて、せっかく今アメリカもまたヨーロッパのそれぞれの国々も景気を持ち直そうとしておりますし、アジアの国々は今大きく躍動に向かって飛躍をしようとしておるときなんですから、そういう世界経済全体を頭の中に置きながら、我が国のやはり責務はみずからの判断によって果たしていかなければならないというのが私の考えであります。
    ―――――――――――――
#84
○委員長(岩本政光君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、櫻井規順君が委員を辞任され、その補欠として穐山篤君が選任されました。
    ―――――――――――――
#85
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。
 日本経済が九一年度は辛うじて三%の実質成長を維持できた理由としては、外需依存型への再転換を行ったからではないかというふうに言われております。九二年度の政府見通しの三・五%の成長は果たして可能なのかどうか、経済企画庁の御判断はどうかということを伺いたいわけです。
 エコノミストの中には、二%台半ば以下になるのではないかといった予測をする人もございます。また、二%台半ば以上を達成するならば、経常収支の黒字が百億ドルを超すことが条件ではなかろうかということを言っております。つまり、外需依存型成長による限り世界の日本への見方は厳しいわけですけれども、内需拡大による成長に導いていくための経済企画庁または通産省のお考えをお伺いしたいと思います。
#86
○政府委員(吉冨勝君) 最初に、外需依存のお話を申し上げてみたいと思います。
 九一年度の我が国の経常収支というのは、前年度の三百二十七億ドルから九百一億ドルへと五百六十四億ドルもふえたわけであります。これをごらんになられて多くの方々が、日本経済の九一年度の外需依存度は高まったのじゃないかというふうにおっしゃられますけれども、実際に黒字増分の内容を見ていただきますと、次のようなものでほとんどが説明されるということです。
 第一が、投資用金の輸入の減少であります。これは、金口座というのがございまして、これは金融取引でございますけれども、IMFベースでは、オーナーシップが移りますと貿易勘定に記録するという約束事になっておりますので、ブリヨンが動いたわけではございませんけれども金の輸入の減少という形になります。それから、円高などあるいは高付加価値化などによって、ドル建ての輸出価格が上昇している部分というのが相当にございます。円高自身は九一年度は九〇年度に比べると円高になっているわけですけれども、その影響であります。それから三番目は、原油価格の下落による部分であります。
 この三者を足しただけで、計算によりますけれども、先ほど申し上げた経常収支の増分五百六十四億ドル、そのうち貿易は四百三十六億ドルの増分ですけれども、この貿易の大部分を実は説明するわけでありますので、今の三つの要因というのは、国内の景気減速が外需依存度を高めた要因そのものではないということでございます。ただ、非常に技術的なことでございますが、GNP統計では投資用金の輸入の増減というのは輸入のところに入ってまいりますので、これが減少するという形でGNP上の外需依存度というのは高まりますけれども、実態的には今のようなことだということであります。
 それからついでに、通関ベースの数量ベースで見ましても、減速に伴って輸出がどんどん輸入の数量よりも伸びていくというようなことは、各四半期ごとを追っていきましても、今までのところはその動きは出ておりません。したがって、結論を申し上げますと、国内の景気の減速と外需依存度の高まりという間には今回は直接の関係が見られない、貿易黒字の増大は先ほどのようなかなり特殊な要因によっている、かつ一時的であるということがわかりますので、今後の貿易黒字の動向は今のような水準がどんどん膨らんでいくというようなことには必ずしもなっていないというのが、そこから出てくる結論の一つでございます。
 三・五%の成長云々ということですけれども、これはまだ新年度が始まったばかりということが一つあります。それからもう一つは、在庫調整が今非常に激しい形で行われております。
 ただ、この在庫調整をずっと長引かせる要因というのは最終需要が弱い場合でありますけれども、その最終需要を見ていきますと、まず第一は住宅の伸びではないかと思います。この住宅は、既に一−三月期には前期に比べまして住宅着工件数がふえているわけであります。前期の百三十万戸という年率から百四十万戸前後の年率にふえているということでありますから、これはやがて実際の住宅投資にあらわれてまいります。それから、先ほども渡部通産大臣からもありましたように、雇用者数というのは、現時点でも前年同期比で二・五%前後で伸びております。一人当たりの所得は雇用所得で四%ぐらい伸びておりますので、全体の雇用所得というのは堅調であるためにサービスを中心に消費が伸びているということで、これは全体の最終需要を支える要因になっております。それから最後に、設備投資でありますけれども、設備投資は今しばらく弱い傾向が続かざるを得ないというのが需給関係から判断されるところです。
 こういう中で、公共投資というのが前倒しになります。実際の施行は六月以降かと思いますけれども、したがって、六月から半年の間というのは前年同期に比べて二けたの伸びになりますのでこれも最終需要を相当支えるということで、在庫調整というのはそういう幾つかの最終需要の強さに支えられて秋口には完了するのじゃないかという見込みで、その後回復のテンポが高まれば三・五%の達成も不可能ではないというふうに見ております。
#87
○広中和歌子君 貿易黒字の原因というのはよく説明していただいてわかったわけですけれども、その解消の面につきましてはどうなんでしょうか。このまま放置しておいていいものなんでしょうか。
#88
○政府委員(吉冨勝君) GNP比率で見ますと二・五、六%ということでありますので、この九百一億ドルとは大体そのようになりますので、プラザ合意前後のGNP比四・五%前後というものに比べると相当落ちてきているということが一つであります。したがって、そういうものを評価いたしましてIMFでもOECDでも、現在の黒字水準が国際的な金融不安を呼んだり、そういうマクロ的な攪乱要因になるとは思えない、かつ世界的な資金不足の中でこの程度の黒字であればかえって世界の資金不足を緩和しているのじゃないかという評価もあるぐらいですので、これ以上余り大きく膨張していかない限りにおいては特別のマクロ経済政策が要請されるということは比較的
少ないのではないかと思います。
 ただ、黒字の存在そのものが保護主義的な動きを強めることは事実でありますので、本来はそういうことにかかわりなく進めるべきことでありますけれども、一層市場開放を含めた構造対策というのを強めていくというのが我が国の一番重要な課題ではないかというふうに思っております。
#89
○広中和歌子君 ということは、局所的に輸入拡大促進というんでしょうか、その政策を早急にとる必要があるということにはつながらないんですか。
#90
○政府委員(吉冨勝君) 通産省の方で、既にこの数年、そういう方向で特別の輸入促進策あるいは直接投資も含めた促進策というのをとっておられます。しかし、構造政策というのは、より広く国内の規制緩和、自由化ということが結果的に開放された市場を形成する。あえて言えば、西ドイツのような形になって、かつての黒字があった場合にでもよその国からはほとんど問題にされないというような真に開放されたことになっているというのは、国内の構造改善、規制緩和、自由化、それは結果としてアクセスについては自由であるということを打ち出すべきだという意味合いでございます。
#91
○政府委員(藤原武平太君) 通産省といたしましては、今後、輸入の減少といった事態が生じないようにぜひしたいと思っております。これが内需の停滞によってもたらされる可能性といったものがぜひないようにしたい。かつ、海外の景気回復がございまして輸出の強含みといったこともないように、そういったおそれが必ずしもないとも言えないということでございまして、貿易黒字の動向といったものは十分注視をしていく必要があるんではないかというふうに思っております。
 したがいまして、一層の内需主導の経済成長を遂げることが必要でございますし、先ごろ国会で、三月に成立をさせていただきました輸入促進及び対内投資の円滑化法をつくってい、ただきましたが、それに基づきまして引き続き一層輸入の拡大に努めるつもりでございます。
#92
○広中和歌子君 開かれた経済というのは、同時に消費者にとっていいことにつながるわけでございますので、ぜひ進めていただきたいとお願い申し上げます。
 日本経済というと今バブルの崩壊という言葉がイメージとして非常に広がっているわけで、実態はどうなのか私はよくわからないわけでございますけれども、そういう中で、そういうバブルそして崩壊ということから大分時間もたっておりますので、バブルの功罪ですね、プラス面、マイナス面、そういうものをちょっと御説明いただいたらどうかなと思っているわけです。というのは、もうあと二、三回バブルがあったらよかろうといったような期待の声もあるわけでございまして、私のような経済の素人にもわかるようにこのバブルのプラス面、マイナス面、そしてこれからの経済成長に向けて期待は高いわけでございますから、どのような注意を払わなきゃいけないかということも含めまして御説明いただければありがたいと思います。
#93
○政府委員(土志田征一君) お答えいたします。
 御承知のように、六十一年末以来、日本経済は長期の拡大を続けてきたわけでございます。この過程自身は、円高不況を克服する、それによって製造業が活力を取り戻す、さらに先ほど調整局長が申し上げましたけれども対外不均衡を是正する、さらに雇用機会がふえる、生活消費水準が向上するというような、そういう全体として長期拡大の効果、プラス面が大きくあったわけでございますが、その過程で長期にわたる金融緩和のもとでございますので株価、地価というような資産価額が上昇したわけでございます。通常の意味でのそういった資産価額の上昇というのは当然プラス面もございまして、例えばいわゆる資産効果で消費が拡大するとか、あるいは企業にとってはエクイティーファイナンスで低コストの資金調達ができるとか、そういうことで長期拡大のそういった側面で支えたところもあるわけでございますが、先生御指摘のように、バブルということで非常に合理的に説明できる水準以上に上がるということになってまいりますと、幾つかの問題点が出てきたわけでございます。
 その幾つかを例示させていただきますと、一つは資産格差の問題でございまして、これは例えば土地の資産を持っている人とそうでない人との格差というような問題、これが一つございます。それから二番目には、企業行動の面でやはりやや行き過ぎたところが出てきて、昨年あたり問題になりましたような金融、証券の不祥事にとっても一つの遠因になっているのではないかというふうに考えられます。さらに、現在の問題点といたしましては、いわゆる不良債権の問題というのが出ておりまして、バブルで資産価額が上がったのがまたバブルがはじけたということで下がりましたので、それが不良債権というようなことで金融機関等にとっては負担になっている、こういうふうに思われるわけでございます。
 したがいまして、やはり経済全体を考えますと、バブルというのは決して好ましいものではない、経済全体の発展に伴って資産価値も上がっていく、実体的な基礎のあるそういう資産価額の上昇というのが望ましいのではないかというふうに考えられるわけでございます。したがいまして、政策運営につきましても、バブルの発生というそういうことのないように、安定した成長を考えていくということではないかというふうに考えております。
#94
○広中和歌子君 つまりファインチューニングをした中の経済成長だろうと思いますけれども、ということで今までのお話を総合いたしますと、当面の景気回復策というのは必要ないというふうにお考えでしょうか。また、あるとしたらどのような対応があるのでしょうか。
#95
○政府委員(吉冨勝君) 先ほど申し上げましたように、景気対策をとって公共投資が今ふえていこうとしているときであり、それから所得の面、住宅の面で最終需要が強まるところがありますので、恐らくいましばらく様子を見るというのが一番正しいあり方ではないかと考えております。
#96
○広中和歌子君 大臣、経済閣僚会議に出席なさって、今、日本の経済が少なくとも先進諸国と比べて比較優位にあるというんでしょうか、非常にいい状況にあるというふうに表現なさいましたけれども、ともかく外国からも日本に対して世界経済の牽引車としての役割が非常に大きく求められているわけです。かつてアメリカがその役割をし、内需拡大をし、そして多くの輸入をすることによって、発展途上国、特にアジアNIESなどを、また日本も助けたということがあるわけでございますけれども、そういう中で日本がもっと積極的な役割をしなきゃならないんじゃないかというふうなことでございます。
 しかし、一方では地球環境問題も非常に大きく浮かび上がり、その中で資金援助をするということが、ある部分では日本の経済成長が望まれるわけでございますけれども、一方では国内でも環境論者が非常に強い発言力を持ち始めておりまして、そういう中でいわゆる持続可能な成長ということも非常に大きな声です。
 こういう成長と、それから一方では調整、そういう二つの矛盾した要素を抱えているわけでございますけれども、こういう難しい中での経済のかじ取りにつきまして、通産大臣のコメントをお伺いしたいと思います。
#97
○国務大臣(渡部恒三君) 今回のOECDの会議を振り返ってみますと、大きな前進は、環境と成長、また貿易と競争といったようなものが真剣に取り上げられてきたことであります。
 一つは、私が提唱した、先ほども申し上げました多国間の経済構造論議というものを各国が理解したこと。つまり、今までは貿易赤字国は、何かすべて自分たちのせいでなくて貿易黒字国が悪いからおれたちが赤字なんだというような傾向が多かったわけでありますけれども、これからやっぱりみずからの国の経済の構造改善事業を進めて、またそのためには、日本はいわばそういう意味で
は非常にうまくいってきた方ですから、日米構造協議のように今後はいろいろの国と協議して、我が国の経験なり知恵で役立つことがあったらば貢献しましょうということで、それぞれの国が競争力を強めるための構造改善事業にこれは努力しなければならないという考え方。
 もう一つは、今先生御指摘のような環境問題ですけれども、これも二十年前は我が国は、国内の問題として公害問題が大きく取り上げられたわけですけれども、当時、公害が大事か、経済あういは開発が大事かということで大きな議論が行われましたけれども、我が国の国論は、結局開発も大事であるし、もちろん公害対策は快適な、愉快な生活を守っていくために大事だ。いずれも大事な、しかしこれは相反する可能性のある問題をいかに両立させるかが政治であるという知恵の中で、これを技術の開発ということで産業界の皆さんも国民の皆さん方も努力をして、この国の中では、二十年前富士山が見えなかった、青空が見えなかった東京が、今天然ガスの導入によって青空が見え、富士山がくっきり見えるようになったわけです。
 今後は、こういう我々の過去の経験や知恵を、世界的な規模でこれから議論されなければならない環境問題にどう役に立てていくか。それがその次の問題になるわけですが、これが何か金のことだけで議論されているのは、私は非常に後々に災いを残すことになるので、やはりみんながそれぞれ知恵を出して努力をする。
 先般、私は中国に行って中国の最高首脳の人たちと話をしてまいりましたけれども、当然開発途上国も今の先進国に負けない豊かな生活をしていくためには、工業を発展させなければなりません。工業を発展させていくためには、エネルギーを大量に消費しなければなりません。しかし、それが一切環境問題関係なしにやったら世界は大変なことになり、地球はもう将来つぶれてしまうわけでありますから、やはりそれぞれの国が環境問題を真剣に考えて経済発展ということを考えなければならない。
 具体的な例で言えば、中国で火力発電所を、脱硫装置を取り入れないで、ただコストだけ安いからということでつくられたんでは、やはり酸性雨が日本にもやってくることになる。これからの火力発電所にはできる限り脱硫装置をつけて、空気を汚さないようにしてもらいたい。それには、我々の技術をできるだけ役立てていただけるならば提供いたしましょう。そのためのいろいろの必要なことがあれば、これは当然のことながら協力をしなければなりません。
 ですから、これから地球規模の環境問題は、初めにお金ありきということでなくて、これから先進国も開発途上国も力を合わせて、この美しい自然を我々の子孫の後々の代まで残していくためにはお互いどういう役割があるか。やはり途上国の皆さんはまず自助努力というものを優先して、そしてこれこれのことを環境を守るためにやらなければならないという計画を立てていただいて、その計画に対して、我々の過去の経験なりあるいは技術なり、そして必要な場合はODAもあるわけですし、やはり我々で協力するべき面があれば資金的な援助もしなければならないということで、これは非常に今後の世界が仲よく、しかも皆が豊かになっていくために大事なことです。
 私は、きょう通産省にも環境対策本部というものを設置して、これからは過去の二十年間我が国が産業界の人たちとともにやってきた経験と知恵と技術を国際的に役立たせていただこう、それにはやはり環境とエネルギーと経済成長と三位一体になってこれから努力していかなければならない、それにはやはり技術というものが非常に大事だ、こういうことで進んでまいりたいと思っております。
#98
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。
 日本の世界への貢献というのが問われている中で、日本にとって一番ふさわしい貢献というのは、私はやはり環境問題ではなかろうかと思います。ぜひ通産省が日本の国内においてそうした面でのリーダーシップを発揮していただくことを今後とも期待いたしまして、その点については質問を終わります。
 次に、法律の中身に入っていきたいと思いますけれども、まず中小企業対策についてお伺いいたします。
 今ゆとりと豊かさが志向される中で、中小企業は、人材難、人材確保、労働時間短縮等で大きな試練に立たされております。中小企業庁は中小企業振興のため諸施策を講じておりますけれども、最近の景気の後退で中小企業の体力がどの程度かということが問題になるわけです。まず、最近の景気動向と中小企業が抱えている問題点についてお伺いしたいと思います。
   〔委員長退席、理事松尾官平君着席〕
#99
○政府委員(新関勝郎君) 我が国経済の全体を見ますと、個人消費は基調として堅調に推移をしておりますもののこのところ伸びが鈍化をしておりますし、また在庫調整の動きから鉱工業の生産が停滞傾向で推移しておりますなど、現在経済は調整過程にございまして、景気の減速感が一般にはあるわけでございます。こうした中で、中小企業の景気を見てみますと、生産、出荷の停滞傾向でありますとか、あるいは在庫の積み上がり、利益の減少傾向などありまして減速をしておりまして、中小企業者の間に景気に対する弱気な見方が広まっているところでございます。
 こうした状況の中で、去る三月三十一日には政府として緊急経済対策を決定いたしました。その中で、中小企業分野につきましても、中小企業の金融対策、それから下請中小企業対策などを柱としたきめ細かな中小企業支援策を講ずることとしているところであります。また、これらと軌を一にいたしまして、四月一日には公定歩合の引き下げが行われたところでございます。今後とも、私どもこうした緊急経済対策でありますとか公定歩合引き下げの効果を見きわめながら、引き続き中小企業の景況等を注視してまいる所存でございます。
   〔理事松尾官平君退席、委員長着席〕
#100
○広中和歌子君 こういう難しい中で、特に人材不足というんでしょうか、待遇が余りよくないというようなことで人材不足、時短が今言われているわけですが、それの充足が非常におくれているというようなことがあるんではないかと思いますけれども、その点についてはいかがでございましょうか。
#101
○政府委員(南学政明君) 中小企業は、御指摘のとおりなかなか全体としての労働力問題の深刻化の中で、大企業と比べましていろいろな面で条件がよくないということで人が集まらないと、そういう意味で非常に事態は深刻に推移してきたわけであります。最近の景気の減速過程の中でやや労働力需給も持ち直しているやに見えますが、中長期的に見ますと、一九九五年をピークとして我が国の生産年齢人口は減少していくことは明らかでありまして、この労働力不足問題というのは、現在のみならず今後とも、将来とも我が国の中小企業にとって大きな問題であると認識をいたしております。
 こうした事態の中で、中小企業が人を集めていくためにはどうしても魅力ある職場を建設していくことが基本的に重要でありまして、昨年、国会でもって中小企業労働力確保法という法律をつくっていただきました。私どもは、この法律を柱といたしまして、今、中小企業が労働時間の短縮をするために省力化投資をやったり、あるいは福利厚生施設を充実したり、職場環境を改善したりする、そういう動きを側面から支援して魅力ある職場づくりに努め、ひいては労働力確保に努めていきたい、このように考えているところであります。
#102
○広中和歌子君 現状について、労働省、どのような分野で時短が非常に困難になっているか、実際の労働時間、特に中小企業においてはどのような現状であるかお話しいただきたいと思います。また、今おっしゃられたように労働力不足ということがある中で時短など不可能だといったような
状況もあるんではないかと思いますけれども、いかがでございましょうか。
#103
○説明員(鈴木直和君) 今お尋ねの労働時間の現状でございますが、平成三年度の労働時間の現状を見ますと、全産業では二千六時間、これは三十人以上の事業所でございますが、そういった実態になっております。その中で、やはり業種別にいろいろな差がございまして、例えば運輸・通信業、こういったところでは二千百五十三時間、あるいは建設業では二千百四十七時間、こういったことでいろいろな産業別の格差がございまして、残業時間が長いところも結構ございます。
 それから同時に、規模別の動向を見ますと、同じように規模計では二千六時間でございますが、その中で例えば五百人以上では二千十七時間になっておりますが、五−二十九大規模では二千二十六時間ということで、規模別には余り大きな差はございません。ただ、その中身を見ますと、大きいところでは、完全週休二日が普及しておりまして所定労働時間は短い、その反面残業時間が長いという実態にございます。中小企業では、逆に所定労働時間が長いんですが、残業時間が短い。結果としては、そう大きな差はないということになっております。ただ、総体として中小の方が労働時間が長いというような傾向はあるというふうに認識しております。
 こうした動向がございますので、私どもとしては、やはり業種別、規模別、そういったきめ細かな対策をやっていくことが必要であろうというふうに考えております。例えば、労働時間が長い業種につきましては、建設業とか道路貨物運送業、そういったところでは労働時間短縮のための指針というものを行政と業界が一緒になってつくって、これをもって時短を進めていこうと、そんな取り組みをしております。また、中小企業につきましては、やはり個別の企業ではなかなか時短が難しい、こういう現状がございます。ですから、中小企業、これを組織化してもらってその中で集団として時短に取り組んでもらう、そしてそのためのいろいろな支援をする、そういう形で労働時間短縮のための対策を推進しているところでございます。
 これから景気の減速という中で、なかなか難しい問題も生じるというふうに考えておりますが、さらに一層対策を強力に推進していきたいというふうに考えております。
#104
○広中和歌子君 私の調べたところによりますと、物流業界においては二千八百時間を超えているというふうに聞いているんですけれども、それは事実でございますか。もうそれは大変なことですけれども。
#105
○説明員(鈴木直和君) 先ほど申し上げましたのは、建設業の三十人以上の事業所でございます。ですから、小さい事業所等を含めますと、やはりもうちょっと長くなるという認識は持っておりますが、二千八百時間になるというふうな認識は持っておりません。ただ、いずれにしても、小規模のところではなかなか難しい問題がございますので、そこら辺を中心に対策を強化してまいりたいというふうに思っております。
#106
○広中和歌子君 多分オーバータイムを含んでいるんでしょうか、そちらの数字は入っているんですか、入っていないんですか。
#107
○説明員(鈴木直和君) 所定外労働時間を含めた総労働時間でございます。
#108
○広中和歌子君 ああそうですか。
 いずれにいたしましても、非常に機動性とか利便性が高い自動車輸送が物流全体に占める割合が多くなり、トラックの運送業者は非常に過密な労働を強いられているようでございますが、本法案が入りまして、これは物流の効率化を促進する内容というふうに理解しておりますけれども、実施されることで運輸業界を初め小売業、卸売業の中小企業にどのような具体的なメリットがあるのでございましょうか。それは時短につながるのか、また賃金の向上につながるのか、少なくとも単位時間のですね。それから、それが運賃にはね返らないのか、つまり消費者物価にはね返らないのか、そういう点についてお伺いいたします。
#109
○政府委員(南学政明君) 本法の施行に伴いまして、共同物流センター等が設置され流通業務の効率化が実を結びますと、私どもはいろんなメリットが出てくるんじゃないかと思います。
 まず、コンピューターにより一連の流通業務が計画的、システム的に処理され、これによって荷役作業を自動化する物流機械が導入されることに相なろうかと思いますし、また、立体自動倉庫とか自動仕分け装置等で貨物商品が整然と保管、出荷され、入荷されるというようなことになりまして、流通業務に携わる労働者の労働時間短縮が可能になる環境が整ってくるんじゃないかと思います。現実にそうした労働時間の短縮に結びつくよう、我々としてもできるだけの配慮をしてまいりたいと思います。また、配送センター内での職場環境の改善等にもつながっていくことが期待されますし、魅力ある職場づくりができるのではないか、このように考えておるわけであります。
 こうしたことで物流コストが現実に低下した場合、それが消費者物価にどのように反映されるか、それは個々の取引の実態に応じてどうなるかということでありまして、消費者物価に反映して価格が安くなることを我々としては期待はいたしておりますが、現実の姿というのは経済、それぞれの取引の実態に応じて決まっていくものと認識をいたしております。
#110
○広中和歌子君 かなりの投資も期待されるわけですね。特に、コンピューター情報ネットワークにつきましては、これから始まったばかりでかなりの問題もあるんじゃないかと思いますけれども、卸と小売の商品管理、なかなか私はすばらしいことだろうと思いますが、これがまだ緒についたばかりでございますので、どのように指導、育成していく方針でいらっしゃるか伺います。
#111
○政府委員(春田尚悳君) 御指摘いただきましたとおり、産業社会全般にわたりまして情報化が広く進展しておりますが、流通の分野におきましても、メーカーから卸、小売までを結ぶ受発注情報、それから物流情報に関するオンラインネットワークの構築が見られてきておるところでございます。このような流通情報ネットワークの構築は、流通システムの合理化、効率化にも資するものでございまして、一層の進展が期待されているところでございますが、中小企業におきましては支援を要する点が幾つかございます。資金調達力や情報収集能力が弱いために情報ネットワーク化が立ちおくれておりますし、このため本法案でも、中小企業が共同して流通業務の効率化を図る際、その一環といたしまして、情報ネットワーク化に積極的に取り組むよう積極的に支援しているところでございます。
 それから第二点といたしましては、個別商品に付されております商品コード、それから物流コードといったものがございますが、メーカーから小売業までの共通言語として情報ネットワーク化にこれは不可欠な情報の基盤でございます。ところが、そのデータ数は現在数百万ともいわれておりまして、また日々追加されておるわけでございますが、これが中小企業にとって大変大きな負担となっております。このため、中小企業の流通業務効率化を推進いたしますために不可欠な商品コード、物流コードにつきましての公共データベースを構築、管理し、これらのコードの普及に努めるために予算措置をしておるところでございます。
#112
○広中和歌子君 大企業は既に行っていると聞いておりますけれども、その投資額というんでしょうか、非常に大きいものになるんじゃないかと思いますが、どうなんでしょうか。それで、特にこうしたソフト面で働くシステムエンジニア、そうした人材確保ですね、かなりの高給を払わなければ来てもらえないんじゃないかというような気もするんですけれども、そういう対応も含めましてどのような実態があるのか、お伺いいたします。
#113
○政府委員(春田尚悳君) 御指摘のとおりでございまして、ただいま申しましたように、大企業の場合には自力でそういうものに取り組んでおるわけでございますが、中小企業の場合には、今申し
ましたような数百万のデータを前にするということでございまして、大変難しい問題でございます。
 そこで本法案では、これまでも中小企業施策の中で情報化の促進のために大変手厚い優遇措置を行ってきておるところでございますが、この法案におきましても、中小企業事業団によります高度化融資を利用できるようになりますとか、そういった形で情報化を積極的に推進してまいる所存でございます。
 もう一点のこの問題は特に御指摘いただきましたとおりでございまして、人材育成、人材というものが大変重要な要素を持っておりまして、中小企業が流通業務の効率化を推進いたしますためには、事業運営のノウハウや物流コストの算定方法を含めまして、広い意味で情報全般につきましての人材を育成することが重要であると承知しております。
 このため、こういった先ほど申しましたように予算措置をしております一方、一つは中小企業大学校というものが中小企業事業団にございまして、全国に今七つ、七校動いておりましてこの秋には八つになりますけれども、そのすべての中小企業大学校におきまして中小企業の経営者にこういった技術面の支援をしていきたい、研修を行っていきたいと考えております。それからまた、都道府県に公設試験研究機関というのが全国で百七十ほどございますが、そこにおきまして中小企業者が共同で物流機器や物流システムに関する研究開発を行うことにより、技術者の育成を行う事業も始めてまいろうと考えております。
#114
○広中和歌子君 これが卸業者間とそれから小売業者間とを結ぶことによって、非常に垂直的な結びつきも広がるし、また同業者間の水平的な連帯感も高まるというようなことで、いい面はいっぱいあると思うのでございますけれども、今までばらばらにやってきたことを一つに結ぶということでどうなんでしょうか。中小企業というとイメージとしては非常に独立した事業者といったようなイメージが強いので、こういう人たちが仲よく同業者としてあるいは異業種が結びつくというのは非常に言うはやすしで実際には難しいと思うのでございますが、実際の成功例などがあるんでしょうか。
#115
○政府委員(春田尚悳君) 確かに御指摘のとおり、これまでこういった共同化によります物流の効率化がなかなか進まなかった原因といたしましては御指摘のような問題がございますが、しかし、最近の経済的社会的な情勢変化の中で、物流業者も中小企業者もいよいよやらねばならないということでこの法案のニーズになってきておるわけでございます。
 そこで、特に中小企業者の場合には今おっしゃいましたような独立性が大変強うございますので、お互いの取引内容が相手に知られてしまうんではないか、特に情報化の場合にはそういった問題点があろうかと思います。そこで、この点につきましては特に慎重な配慮を行いまして、物流を共同化する場合におきましても、個別事業者の取引内容がその意に反して他の事業者に知られることのないよう工夫を行うことが必要でございます。
 このような取引内容のセキュリティーにつきましての具体的な工夫の仕方というものは、先ほど来申し上げておりますけれども、幾つかの先進事例がございまして、そこで長い間かけましていろんな経験の中から工夫を積み上げてきておるわけでございます。その一つといたしまして八戸の総合卸センターの例が私ども大変参考になると思うのでございますけれども、これを幾つか御紹介申し上げますと、受発注、配送情報のデータ送信は他の企業が取り出せないように、各利用者別端末機にデータを格納しておきますとか、あるいはVAN事業を初め共国運送に携わる事業者に対しましては守秘義務を徹底する等々、さまざまな配慮、工夫をしておるところでございまして、こういったところを十分参考にして慎重に指導してまいりたいと思います。
#116
○広中和歌子君 期待しております。
 ちょっと視点を変えまして、ジャスト・イン・タイムの方式について伺いたいんですけれども、これは自動車などで始まったらしいんですけれども、工場と、それから半製品、半加工品などをつくる下請工場との間においてジャスト・イン・タイム方式の輸送方式が使われてかなりになっているわけでございます。それを最近ではスーパーとかコンビニエンスストアが、あるいは各種外食産業なども使うようになり、さらに自動車輸送の輸送需要というんでしょうか、それがまさに小量多頻度化して、多くの問題も生んでいるんではないか。特に、交通機関、道路、交通の問題なども生んでいるんではないか。そういうようなことで、このジャスト・イン・タイムに関するお考えを伺わせていただきたい、メリット、デメリットについて。そして、これをどのような形で指導していくか。そのメリットがあるんであれば、やはりいい部分だけ残していく必要があるんだろうと思いますけれども、この点につきまして伺いたいと思います。
#117
○政府委員(麻生渡君) ジャスト・イン・タイムでございますが、これは流通全般を考えます場合には大きく三つの要因によって起こってきているものと考えております。
 第一は、消費者の所得水準が非常に高まってまいりまして、消費者ニーズが非常に多様化しておるということであります。それから第二番目は、生産段階でございますが、これは非常に生産技術が進歩いたしまして、多品種のものを少量生産しながら効率的にやっていけるという技術が確立してきておるということでございます。また三番目に、小売の末端のところでは、典型的にはPOSでございますけれども、市場の動向、在庫の動向、これを非常に迅速かつ微細に把握できるということになってまいりました。
 これらの三つの要素がお互いに重なりますと、これは、その消費者のニーズの動向を非常に敏感に反映いたしまして受発注が頻繁に行われる。また、それに対応した生産が行われて、それに対応してまた輸送も非常に多頻度化していくということになっておるということでございます。
 このメリット、デメリットでございますが、今申し上げましたように、このメリットという点は、これは何といいましても、根底は消費者ニーズに対応していくということの結果、いろんな工夫が行われてこれになってきておるということでございますから、確かに時代の一つの革新の流れの方向であるということが言えるわけでございます。ただ、デメリットという点から申し上げますと、今御指摘がございましたように、多頻度小口配送ということが物流負担ということになってきておるということでございます。特に問題の多いのは、非効率なその場の思いつぎのような発注なり輸送が行われるということがこの物流負担を大きくしているということであろうと考えております。
 このため、今後の私どもの対策の方向でございますが、大きく三つ考えておるわけでございまして、第一は、基本的には事業者の努力が不可欠なんでございますけれども、政策的には、やはり物流面におきまして、生産段階では末端の部分での情報化に対応した十分な情報化が行われていない、その結果、非常に効率の悪い輸送が行われる、積載率が悪い、低いということになるわけでございまして、その意味では、情報化関連の投資の促進あるいは情報化関連の規格の標準化ということを進めていきたいということでございます。
 第二番目に、経済システムとして見ました場合に、このような効率の悪い輸送になりました場合には、コスト的にこれが反映されるということが必要でございますが、現在のところ、物流コストにつきましてはこれはいわば生産なりの一部というようなことでございまして、十分なコスト意識がないということもございます。したがいまして、物流の使いやすいコスト算定方式の開発、普及ということを図っていきたいということでございます。
 三番目に、物流効率化、これは企業のみならず、もう少し広い意味でのインフラの整備が必要でご
ざいます。民活法等を使いまして、このインフラの整備に努めてまいるということでございます。
#118
○広中和歌子君 業界同士の力関係だとか、あるいは消費者ニーズという名のもとに、かなりのわがままというんでしょうか、そういうものが必要以上に交通量の増大とか道路の混雑、そういうものを生んでいる。ある聞いたところによりますと、例えばハイウェーにおける休憩地帯ですか、あそこがウエーティング場所になっている。つまり、公共の施設がジャスト・イン・タイムに対応するための場所として使われているというようなことも聞いているわけでございます。
 行き過ぎた便利性ということ、これは週休二日制の導入に関しても同様だったわけでございますけれども、少々不便でありましても、やはり秩序のあるというんでしょうか、ゆとりのあるといったような視点でもって経済全体を見直していくという方向が望まれるんじゃないかと思います。何かジャスト・イン・タイムを見ておりますと、今までの何か経済成長、合理化の何か象徴のような気がいたしますものですから、ぜひこの面にシビアな目を向けていただきたいなと思っております。
 もう既に同僚議員が質問しておりますのでちょっと重なりますけれども、自動車中心の物流というのが非常にふえておりまして、そろそろモーダルシフトというんでしょうか、それを始めてもいい時期ではなかろうか。そしてまた、今まで非常に非効率であった、少なくとも速度の点で遅かった海運でございますね、それが新しい小型の軽い、しかも速度の速いそうした船が出て、トラックごと自動車ごと目的地に移動してくれる、そういったような改革というんでしょうか、進歩が見られるということを聞いているわけです。もちろん鉄道輸送などもピギーバック方式ですか、そういうような形も考えられると思うのでございますけれども、それについて最後にお伺いいたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
#119
○政府委員(土坂泰敏君) 仰せのように、物流の大部分をトラックが担っておるわけでございますが、やはりいわゆる幹線と言われている部分につきましては、必ずしもトラックでなくて鉄道や海運によって対応することが可能でございますし、その場合には、人手不足とか環境問題とかいろんなことを考えますと、やはりより望ましい姿であると私ども思います。したがって、そういういわゆる幹線部分で鉄道や海運が選択されるように、利用者から選んでもらえるようにいいサービスの内容あるいは輸送力の充実、こういったようなことをやっていかなければいかぬと思っております。
 今、先生いろいろ仰せになりましたが、ピギーバックというのはトラックをそのまま鉄道に載せて運ぶものでございまして、一つの貨車で二台のトラックを運ぶことができますし、もう一つおっしゃったのはローロー船のことだと思いますが、船にそのまま荷物を積んだ貨物を載せて、そして船がそのまま別のところへ行くというやり方、そうすると、船をおりたらそのままトラックがまた目的地へ行けるということで、いわゆる幹線部分を非常に効率的な姿で運ぶというやり方。そのほかいろんなやり方がございますけれども、鉄道、海運の輸送力の充実なり便利の向上というものを図って、モーダルシフトが進むように努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。
#120
○委員長(岩本政光君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後三時三十分まで休憩いたします。
   午後一時九分休憩
     ―――――・―――――
   午後三時三十分開会
#121
○委員長(岩本政光君) ただいまから商工委員会を再開いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、三木忠雄君が委員を辞任され、その補欠として太田淳夫君が選任されました。
    ―――――――――――――
#122
○委員長(岩本政光君) 休憩前に引き続き、中小企業流通業務効率化促進法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#123
○市川正一君 法案そのものへの質疑に先立ちまして、中小企業の直面している問題に関連して、昨今一段と深刻さを増しております下請中小企業の緊急対策についてお伺いしたいと思うんです。
 政府は、三月三十一日に緊急経済対策を発表されました。通産省も、中小企業金融対策、下請中小企業対策、官公需対策を打ち出したのでありますが、当時よりも不況は深刻の度を加えつつあると思うんです。特に自動車各社が一斉に減産に動き出したのを初め、電気機械、一般機械等々、減産が広がりつつあります。
 我が党の議員団の調査でも、例えば愛知の自動車関連下請中小企業は、昨年に比べて受注が二〇%、大きいところでは六〇%減少した、こういう業者が出ております。単価の引き下げ要求が頻繁に出され、値下げを拒否するところには発注しない、本社でやりますと言われたと。これは愛知の例です。昨年に比べ売り上げは三割から五割減った、機械購入代金やリース代さえ払えないと。これは東京大田の例です。こういう事態が起こっております。
 こうした下請中小企業の窮状を打開するためには、今の対策だけでは不十分であり、新たな対策が今求められていると思うんですが、この点いかがでしょうか。
#124
○政府委員(南学政明君) 先生御指摘のとおり、中小企業をめぐる景況というのは非常に厳しいものがありまして、減速感が期を追うごとに強まっておるわけであります。こうした中で三月三十一日、緊急経済対策を決定していただきまして、金融対策、下請対策等を講ずることとしたわけでありまして、今その対策に従いまして我々全力を挙げて緊急経済対策の実施に努力をしているところであります。全体として、公共事業の前倒し等いろいろな施策が盛り込まれておりまして、その効果を我々として今見守るとともに、中小企業の動向について細心の注意を払いながら今後とも動向把握に努めていく考えであります。
#125
○市川正一君 新たな施策の具体的ないわば構想などについて、引き続きお伺いしたいんです。
 ここに持ってまいりましたのは機械統計月報の二月号でありますが、これを見ましても、輸送機械の生産は七・三%の減です。自動車部品の方は三・三%の減なんですが、下請企業の仕事量は、それ以上の二〇ないし六〇%減になっております。ということは、今まで外部に発注していた仕事を内製化している、そのために下請中小企業が苦境に立たされているということを意味すると思うんです。
 政府は、二月二十七日に、下請中小企業の受注機会の確保を図るため、親事業者に対し下請企業振興協会への登録促進などを要請しておりますけれども、自動車、電機などの大企業に対して、下請中小企業が仕事を確保できるように具体的な発注計画を出させ、それを実施させていく、そういう措置をとる必要があると思うんですが、いかがでしょうか。
#126
○政府委員(桑原茂樹君) 下請中小企業の置かれている状況については我々もいろんなルートを通じまして実態把握に努めておりますけれども、御指摘のとおり、下請中小企業の受注量は昨年と比べて減りつつある状況にあるのは事実でございます。そのような状況から、我々は、まずこの下請取引ができるだけふえるという方向に向かいまして、下請取引のあっせんを推進するというような方向によりまして下請取引の増大というものも図っておりますし、一方、こうした状況におきまして不当な親企業からの取り扱いというものが行われないように、下請代金支払遅延等防止法というものが充実され、それが徹底されるような方向でいろんな形で努力をしているわけでございます。
 いろんな形で、下請中小企業がこういうような経済状況のもとにおいてできるだけ状況が改善さ
れるよう、これからも努力していきたいというふうに考えております。
#127
○市川正一君 ところが、改善されていないのであえてお聞きしているわけです。
 今指摘した自動車とか電機とか機械、こういう大企業は対米貿易黒字を突出させてきた業種です。渡部通産大臣もいろいろ海外に出ていらっしゃるわけですが、こういう大企業に対して通産省は、ビジネス・グローバルパートナーシップとしてアメリカからの輸入促進などの自主的行動計画を提出させて、百九十億ドルの自動車部品の購入をアメリカに約束している。あるいは、このたびは日米自動車サミットが開かれて、それが具体化される。さらに十八日には、OECD閣僚会議で、フランス産業貿易相からも自動車部品の購入などの対日輸出拡大の要請を受けていらっしゃる。こういう措置は、言うならば行政指導の範囲なんですね。そういうエリアです。にもかかわらず、いわば強力な対応をやっていらっしゃる。
 いわんや、下請中小企業への発注計画は、下請中小企業振興法に基づく、言うならば法律に基づくものでありますからさらに強力な対策を実施されるというのが当然だろうと思うんです。もっとやっぱり、外国へ行っていらっしゃる間に進行しているこの危機に対して、てこ入れをなさっていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#128
○国務大臣(渡部恒三君) 御答弁申し上げる前にちょっとお願いしたいのは、これは速記録に残ることですから。通産省がアメリカに約束しておるということではございませんで、あくまでもこれは日米の経済が円満に進んでいくために、自動車工業会の皆さん方あるいは産業界の皆さん方が、これは自主的な御判断の中に、アメリカ業界の努力と相まってこういう目標で業者の共存共栄を図りたい、運びたいと、こういうものでありますから、この点は誤解のないようにお願いをしたいと思います。
#129
○市川正一君 はい、了解。そういう文脈ではなかったつもりですが。
#130
○国務大臣(渡部恒三君) はい。しかし、これは一千億ドルを超す貿易黒字が予測される中で、当然やはりビジネス・グローバルパートナーシップは今後日本が世界の経済の中に果たしていかなければならない役割でありますから、これは通産省としても強力に推進していかなければならないことであります。そういう方向の中で、この業界の皆さん方が努力をしておると。そのためにいろんなところにしわ寄せがいって、特に自動車業界の場合はこれが下請中小企業というような方々に迷惑がかかるというようなことになってはなりませんから、先生の御趣旨は十分に心得て、今通産省においてそれぞれの部門において、中小企業の振興、また下請業者の皆さん方のためにそれぞれの分野で、あるいは金融その他によってその対策を講じておるところでございます。
#131
○市川正一君 そこで、そうならぬようにという大臣の御趣旨を体して具体的に提案をいたしたいのですが、私は、本委員会で三月十二日に下請問題、二十七日に行動計画について質問いたしました。そのときにも提起をいたしましたが、例えば鋳物産業の町として知られる埼玉県の川口市では、受注減、納期の短縮、下請単価の切り下げ等々の中で、昨年は三割減の生産量に落ち込みました。川口市当局は、市の行う緊急不況対策資金融資などの対策だけでは事態を打開することはできぬということで、中小企業設備近代化資金の貸付事業を拡大する、融資限度額を引き上げる、利率の引き下げ等々を国に求めているのでありますが、こういう要望にこたえて新しく不況対策を積極的にとるべき時期に今差しかかってきていると思うんですが、この点はいかがでしょうか。
#132
○政府委員(石黒正大君) 委員御指摘の設備近代化資金あるいは設備貸与制度、これは厳しい環境変化の中で中小企業、特に零細中小企業と小規模企業が存立、発展していくための重要な制度でございまして、国、県の拠出によりまして設備の近代化の融資等をやっておるわけでございますが、先生御指摘のとおり、この際に何か前向きに緊急経済対策としてやるべきではないかという観点に立ちまして、設備貸与制度につきまして、損料の五%でございましたけれども、それを四・五%に引き下げるという措置を講じたところでございます。
#133
○市川正一君 大いに弾力的活用を目指していらっしゃることだと思って、積極的に受けとめます。
 ただ、非常に事態の深刻さに照らして、例えば中小企業体質強化資金助成制度の経営安定対策貸し付けの活用なども打ち出していらっしゃるわけですが、これを活用して都道府県が独自の緊急融資制度を実施するということをこの際認めていく必要があるんじゃないか。それからもう一点は、都道府県が原資を上乗せして基準金利五・二%を下回る独自の融資制度をつくり、各県の不況に対応していくようなことが各地で望まれているのですが、こういう点は通産省としてはどうお考えでございましょうか。
#134
○政府委員(桑原茂樹君) 中小企業体質強化資金助成制度の件でございますけれども、この制度は、従来からかなり幅広い範囲を対象にいたしまして、各県と協力をいたしましてその適用を図っているということでございます。具体的には、国の方で金利であるとか貸付限度額であるとか償還期間というようなものについて一定の大枠をまず定めまして、その大枠の範囲内で各県ごとに適当と思われるような制度にするというような形で弾力的な運用がなされておるわけでございます。
 金利の点につきましても、自分のところはもう少し金利を安くしたいということで、県の方で独自に利子補給をするというようなこともところどころで行われております。また、例えば最近で言えば長崎の雲仙の件、これは長崎というある一県だけの問題になるわけですけれども、これにつきましても相当思い切ったやり方で、普通の体質強化資金助成制度より大幅に条件のいいやり方でやっておるというようなこともございまして、全体としてはかなり弾力的に運用されているというふうに我々は考えておりますし、これからもそうした方向でやっていきたいと思っております。
#135
○市川正一君 雲仙の例などは、桑原さんがおっしゃったように、一つの典型だと思います。実は、きのう東京都が、都議会で緊急景気対策を商工振頭部長が述べておりますが、例えば東京信用保証協会の信用保証料率の引き下げとか、あるいは中小業者対象の緊急特別融資とか、かなり自治体レベルでもいろいろの施策を探求しておりますので、ぜひ通産省としても、そういう点について援助、指導等、腰を入れていただきたいと思うんです。
 最後に、この問題について締めくくり的にお伺いしたいのは、三月末の金融対策で、国民金融公庫、中小企業金融公庫などに対して返済条件の緩和について弾力的に対応する措置を指導された、これは非常に喜ばれているんです。歓迎されております。ところが、中小企業設備近代化資金の貸し付け、設備貸与に対しては返済条件の緩和について弾力的に対応する措置の指導がまだ出されていないために、窓口では返済条件が緩和されないために困っているということを私よく訴えられるんです。ですから、せっかくの中小企業金融対策がこれでは生きてこないということに相なると思うんですが、至急にこの対策を講ぜられたいと私は要望いたしたいんですが、いかがでしょうか。
#136
○政府委員(新関勝郎君) お話のありました中小企業の設備近代化資金制度でございますが、これは法律に基づく融資制度でございまして、根拠法たる中小企業近代化資金等助成法において行っているところでありまして、これは全国一律の運用を前提としている、こういうことでございますので、本件につきましては、償還条件の変更等、県の独自の判断で弾力的に運用していくということは残念ながら困難ではないかと考えます。
#137
○市川正一君 私の言っているのは、通産省の方からもそういう行政指導で緩和措置が弾力的にとれるようにひとつ検討してやっていただきたいということでございますが、これはぜひ研究していただけませんか。
 私、時間が参りましたので法案についてお伺いいたしたいんですが、本法案に私ども賛成の立場をとっているわけです。なかなか賛成質問というのは難しいものでございますが、しかしその上で幾つか問題点についてただしたいと思います。
 具体的に伺いたいのは、対象となる業種及び効率化計画を受けられる資格の最低基準についてどのように考えていらっしゃるのか、また、共同して流通効率化を受けたいと表明しておられる業種や組合などの対象はどれぐらいなのか、まずそこからお伺いしたいと思います。
#138
○政府委員(春田尚悳君) お答えいたします。
 この法律で考えております流通業務効率化事業を行います中小企業は、特に業種、地域あるいは規模といったものに限定されるものでございませんで、流通業務の効率化を行おうとする中小企業すべて全般でございます。
 それから、例えば事業形態として考えてみましても、さまざまなものが考えられるわけでございますが、卸売業者が共通した納品先である百貨店、チェーンストアに向けての配送業務を共同で行うための物流センターでございますとか、あるいはトラック業者がそれぞれ受注した貨物を共同施設に集荷し、方面別に仕分けを行い、大型車両によって積み合わせ輸送を行いますとか、あるいは下請製造業者、部品メーカーが組み立て事業者に出荷を一括して行うために行いますとか、さまざまな形態が考えられるところでございます。
#139
○市川正一君 私がお伺いしたのは、具体的に対象が業種や組合などでどれぐらいあるのかということだったんです。
 先般、レクチャーを伺いましたところによると、現在効率化計画を受けたいと表明しているのは、卸売業の組合が約三十、運送業、下請などで二十、合わせて五十程度だというふうに承知しておりますんですが、それでよければ以下の質問に入りますが。その点だけ。
#140
○政府委員(春田尚悳君) そのとおりでございます。
#141
○市川正一君 そうしますと、現在、中小卸売業は四十八万、中小企業の運送業が四万、中小製造業が八十七万、中小小売業が百六十万という、そういう中小企業者数から見ても、希望組合がふえたとしても対象になる中小企業者は非常に限られてくるということが想定できるんですが、この法案の支援措置を利用できない中小企業者や小規模企業の流通コスト上昇などによる経済圧迫に対して、どういう措置を講ぜられようとしているのかをちょっとお伺いしたいと思います。
#142
○政府委員(春田尚悳君) お答えいたします。
 先ほどちょっと触れさせていただきましたけれども、この法案は、物流にかかわる中小企業者全般の物流業務の効率化を促進することによりまして中小企業の振興を図ることを目的としております。したがいまして、支援対象は企業規模の大きさによって限定されるものではございませんで、中小零細業者による共同物流事業の参加も十分に考えられるところでございます。
 現に、八戸の卸センターでは、五十四社の中小卸売業者が共同物流を行ってございますが、参加企業の約二割程度は地場の零細卸売業でございます。また、先ほど先生から御指摘いただきました五十ほどの希望が出ておるわけでございますが、その中にも、零細な地域卸売業の集まりでございますが、大変興味を示して検討してまいりたいというところも出てきております。
#143
○市川正一君 対象になるのは、それは小さいところもそうなんだと。それはもうわかっています。問題は、その核になるところがないとなかなか寄れぬ。それで、なかなか寄れぬような小さいところは見捨てられる、切り捨てられるおそれがあるから、そういうところにはどないするんですか言って今聞いているんですが、もう私の時間もないので、そこはやっぱり目をそらさずに綿密な手当てをしていただきたいというふうに思うんです。
 そういうことと関連して、午前の質問でも同僚議員が取り上げましたジャスト・イン・タイム配送に関係しての質問に入ります。
 今日の経済成長率を大幅に上回る勢いで物流を急増させている原因は、多頻度小口配送、ジャスト・イン・タイム配送などによるものなんだということを私はまず指摘しなければなりません。御答弁の中で、消費者ニーズの多様化などへの対応としてのメリット、デメリットのお話もありました。私は、かの有名なトヨタのかんばん方式はもとより、ある大手スーパーが一日五回も搬入させるというふうな異常な事態、こういうものが、大手製造業、メーカー、流通大資本などの言うならば大手荷主が、在庫の縮小や物流コストの削減を打ち出して生産や販売側の都合によるスケジュールに狂いを生じさせないために、中小企業物流業者に物流コストを負担させて超過利潤を確保してきたというのがそのいわば本質だと思うんです。とすれば、大手の生産、販売のこういう企業姿勢にこそメスを入れる必要があるんじゃないかと私は考えますが、いかがでしょうか。
#144
○政府委員(麻生渡君) ジャスト・イン・タイムでございますけれども、これはいろんな条件が重なりまして一つのコストの合理化の方法ということで寄与してまいったものでございます。特に、生産段階のジャスト・イン・タイムということになりますと、これは在庫をできるだけ減らして生産計画をできるだけ合理的な形でやっていこうということで生じております。また、流通段階の小売ということになりますと、これは消費者のニーズに的確に対応するということから発生しておるわけでございます。ただ、このようなことに伴いまして、いろいろ下請関係あるいは物流の運送業者に過大な負担がかかるという場合もあり得るわけでございますが、これはやはり全体の経済システムの合理化という中で、お互いの協力関係あるいはコスト意識の徹底というような形で解決されていくべきだろうというふうに考えております。
#145
○市川正一君 過大な負担があり得るというんじゃなしに、現にそれが強要されているんですね。これは通産省が出された六月二十五日付の「商慣行改善指針」、このガイドラインを見ても、この中に今私が指摘したようなジャスト・イン・タイム配送、そういう方式がいかにいろんな否定的要因を生んでいるかということを指摘なさっているんです。僕は、やっぱりそういう問題に今メスを入れてその改善を図るチャンス・だと思うんですね。そういう姿勢にまず立っていただきたいというふうに思うんです。あり得るというんじゃなしに、そういう過大な負担が現に起こっているという認識はどうですか。
#146
○政府委員(麻生渡君) 確かに、言われますように、過大な負担あるいは下請なり運送の方から見たら困ったことということが起こっていることは十分承知いたしておりますし、また、経済の運営全体のシステムの中でこれをどう評価するかということについてはいろんな議論があるところでございます。しかし、これが非常に非効率的なもの、あるいは御指摘がございましたような場当たり的なものというようなことになりますと非常に問題がございます。したがいまして、一種のこれは慣行でございますけれども、この慣行がもっと合理的あるいはバランスのとれたものになるように努力をしていきたいと考えております。
#147
○市川正一君 今、私が指摘したような、メーカーや流通大資本の言うならば横暴なやり方と私はあえて言いたいんですが、そういうものに対して強力な指導をなし得るかどうかが一つのかなめになってきている。そうでなければ、この法案で中小企業者が、共同配送センターなど流通効率化を支援してコストダウンを図ったとしても、結局は取引での力関係で大手荷主、大企業に吸い上げられてしまうそういうおそれが多分にあるからであります。第十三条の「関係者の協力」条項は、そういうことにならない保証の担保になり得るんですか、その点はいかがですか。
#148
○政府委員(春田尚悳君) この法案で考えておりますのは、設備投資にまさるとも劣らない重要性をもって、ただいま御指摘いただきました取引の相手方もしくはその関係者との連携を十分に図っていくということを考えておるわけでございま
す。それで、これは流通業務効率化事業の成否を左右する意味で極めて重要であると考えまして、本法案では、まず第四条におきまして、計画段階におきまして事業協同組合等が関係者の協力を得るよう努めなければならない。次に、御指摘いただきました十三条におきまして、今度は実施段階におきまして十分な協力をするよう努めなければならないということで、中小企業者の流通業務の効率化が、この趣旨に即しまして協力関係を構築し、円滑に図られることを期待しておるわけでございます。
#149
○市川正一君 運輸省、お越しいただいておりましたかしら。
 運輸省は、九〇年十二月に貨物自動車運送事業法、貨物運送取扱事業法の物流二法で、トラック運賃を国の許可制から届け出制にするなど大幅な規制緩和を実施された、運賃も自由化されました。その結果、中小運送業者は、経営の安定化のために、長期継続的需要を確保することだとして荷主に対する系列関係が強化され、荷主や大手運送業者との完全下請関係を促進することになっております。また、荷主側では物流子会社を設立して一層のコストダウンを中小運送業者に押しつける傾向が強まっているのでありますが、そこで運輸省としては中小運送業者の経営安定化のためにどういう対策をとられているのか、それをお伺いしたい。
#150
○政府委員(土坂泰敏君) いわゆる物流二法という法律で、平成二年でございますが、従来の道路運送法から貨物自動車運送事業法になりました。その際に、御指摘のように運賃は認可制から届け出制に変わったわけでございますが、自由ということではございません。やはり届け出で非常におかしいものには変更命令がかかりますし、届け出た運賃はきちんと守ってもらわなければいけない、そういう性格のものでございます。したがって、自由ということではなくて、運賃には運賃の秩序があるわけでございます。
 また、トラック事業者は大部分が中小企業でございまして、この制度の変更以前からやはり荷主にある程度固定的な関係で、専属的な姿で仕事をするという例が多いわけでございますが、現実の経済関係、力関係でそういう場合にややもすると届け出た運賃がそのとおり取れないということが起こり得ることでございまして、私どもも残念ながらそういうことはあるというふうに認識をしております。ただ、そういうことがいつまでも続きますと、トラック事業が長い目で見て健全な発展ができませんので、ここはやはり届け出た運賃どおりきちんと取って、健全な発展ができるようにしていかなければいかぬと、そういうことを考えております。
 いろんなやり方はございますが、基本的には荷主さんの御協力を得て事業者が努力をしてもらうのですが、国としましても適正化事業実施機関というのをこのためにつくりまして、それを使った指導であるとか、荷主懇談会の場を使ったいろんな啓発活動であるとか、あるいは監査における重点項目に取り上げるとかいろんなことを運輸省としてもやりまして、御指摘のようなことがないように努力をしてまいりたいと思っております。
#151
○委員長(岩本政光君) 市川委員、時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。
#152
○市川正一君 最後に、公取委員会、わざわざお越しいただいてまことにお待たせいたしました。
 実は、公取にお聞きしたい問題は、昨年の七月の「流通・取引慣行に関する独占禁止法上の指針」では、多頻度小口配送の要請において納入業者に不当に不利益を与えるなどの優越的地位の乱用になるときは、不公正な取引方法に該当し違法となると、こうなってございます。これは、小売業だけでなしに、運送業や製造業においても対象となるんじゃないでしょうか。また、運送業における下請系列化が促進されている現状からして、下請代金支払遅延等防止法の対象に運送業を追加することを検討すべきではなかろうかと、こう思考いたしますのですが、御見解を承りたい。
#153
○説明員(本城昇君) 今さっき先生の御指摘のありましたガイドライン、これにつきましては、主として財の取引につきましての独占禁止法上の考え方を示したものでございまして、いわば運送の下請取引、これを念頭に置いた考え方を示したわけではございません。ただ基本的には、そのガイドラインの考え方というのは役務取引についても適用されていくものであるとは言えるとは思います。
 公正取引委員会といたしましては、現行の下請法の対象とならない役務の委託取引につきましても適宜その実態の把握に努めてきておるところでございまして、例えば貨物自動車運送業の委託取引については、以前に独禁法の問題のある行為が一部認められましたので、これらの行為の再発防止につきまして要望等を行っております。今後とも、こういった優越的地位の乱用に当たる行為、問題のある行為が認められる場合には、独占禁止法上の問題として対応をしてまいる所存でございます。
#154
○古川太三郎君 重複を避けたいと思いますけれども、この法律案そのものは確かに物流業の効率化を目指したもので、それ自体は、私たちは何も異議を唱えるものではございません。今まで、日本の国の経済が効率化効率化ということで進んできたことも事実なんです。その間にどうなったかと。新幹線ができたから便利になって、非常に効率もよくなった。しかし、そこで出張する人たちは、この新幹線ができたおかげで、今まで二泊三日で大阪へ行けたのに、一日で日帰りしてこいとか、こういうやっぱり労働条件の強化につながっている部分が大いにあると思うのです。効率化というのも、日本では今そろそろもう方向転換しなきゃならぬという時代であることも事実だと思うのです。
 この法案が通って、確かに物流の効率化ができ。ていろいろの条件でよくなる部分もありますし、環境面でもよくなることもあるでしょう。しかし、本当にこれができて救われるというのは、小売業者なりあるいは卸売業者なり、そういう運営している経営者と見ていいだろうと思いますけれども、その中で働く人たちの労働条件にやはりもっともっとコミットしたものでない限り、これは効率化を推し進めることによって余計に労働条件が悪くなるだろうというようなことがあってはいけないので、その点についての大臣のまず御意見をお伺いしたいと思います。
#155
○国務大臣(渡部恒三君) 先生御指摘のとおりでございまして、世の中が非常に便利になればなるほどまた一方に、すべての世の中のことは裏表ですからしわ寄せが出てまいります。ゴルフをやっている人にとってみれば、前はあの大きなバッグを電車で、背負って歩かなければならなかったのが、今はもうすぐに小口運送に頼めば向こうへ行って返ってくるわけですが、スキーでも。それだけ便利になった人の反面、今度は暮れから正月へかけてでも、あのお盆のときでも、休まないでゴルフのバッグを、スキーを運んでおる人たちの苦労があるわけでございますから、まさに今度の法案も、この効率化する中で中小企業で働く人たちの職場条件の改善ということ、当然のことながら大きな配慮を持っておるところでございます。
#156
○古川太三郎君 これは大臣でなくて結構ですけれども、その配慮していただくということは大臣のお言葉でございますが、それならばこの法案の中でどこでそういう配慮がされているのか。今までのお話を聞いていますと、大体結果的にそうなるだろうというようなニュアンスしか入ってこないものですから、結果じゃなくて、この法案自体にどこでそういう合理化との違う点で労働条件なんかの、労働者も一緒になって話し合えるというようなことの条項が一体どこにあるんだろうかと探してみるんですけれども――十三条とはおっしゃるけれども、ここら辺でそれではどういうような関与の仕方になっているのか、そのことについて御説明いただけませんか。
#157
○政府委員(南学政明君) 本法における基本指針に書き込むべき事項というのは、あくまでも流通業務の効率化自体に関連する事項であるべきであ
ると私どもは認識をいたしております。
 ただ、流通業務効率化をこの法律に基づいて関係業者が進めようとする場合に、そこで働く労働者の理解と協力が得られることが非常に事業の円滑な実施のために重要であるわけでありまして、したがいまして、事業協同組合なり中小企業者が流通業務効率化を推進するに当たりましては、当然のことながら労働者の理解と協力を得られるよういろいろな配慮をしていくものと私どもは期待をいたしております。
 法律上の条文として行政府としてどうなのかという御指摘につきましては、法案の第十四条第二項に、「国及び都道府県は、認定組合等及びその構成員たる中小企業者に対し、認定計画に係る流通業務効率化事業の適確な実施に必要な指導及び助言を行うものとする。」、こういう規定があるわけでありまして、本規定に従いまして、必要に応じて私どもは指導、助言を行っていきたいと考えております。
#158
○古川太三郎君 十四条でそのような指導をしていただけるということなんですが、そこはどういうようにかみ合っていくんですか。労働組合あるいは労働者の意見を聞くとかというようなことになるんだろうと思うんですけれども、もう少し具体例を挙げて、その関与するような方法を教えていただけませんか。
#159
○政府委員(南学政明君) これまでも共同物流センターみたいな建設が実際に行われている例が過去にございますが、多くの場合におきまして、そうしたケースにおいて労働者の福祉向上のために食堂をつくったり、あるいは休憩室をつくったり、そういうようなことが現実に行われてきておるわけであります。
 中小企業の経営者におきましても、労働者の理解と協力を得ることがますます必要になってきているという認識は非常に高まってきているわけでありまして、そうした方向でいろいろ努力がなされるものと私どもは確信をいたしておりますし、先ほど申しましたように、必要があれば、我々としてさらに指導、助言を行っていくということで対応してまいりたいと思っております。
#160
○古川太三郎君 それは結果的に経営者も潤ったから従業員も潤うという意味ならば、別に何も私はこんなことを申し上げることはないんですけれども、そういう恩恵的なものじゃなくて、せっかくそういった国の予算も使って、国もそれを推進するんだということであるならば、やっぱり従業員がかみ合う、何か意見が言える、権利として言えるようなそういうシステムというものはないんですか。
#161
○政府委員(南学政明君) 今、多くの中小企業経営者が労働者の立場を考慮しながら事業を進めつつあるということを私がお話しいたしましたが、それはまさに恩恵ということではありませんで、まさに労働力を確保するためにも、経営者自身がそういう努力が必要になってきているという時代の流れを反映しているものとも思っているわけであります。私は、そうした時代の流れを考えますと、中小企業経営者は、関係労働者の意見を聞きながらこうした流通業務効率化の事業をこれから推進していくことがますます必要になってくるでありましょうし、そう対応するものと期待をいたしております。
#162
○古川太三郎君 この法案についても、労働者の方からも相当の期待をしていることがありますので、できるだけその労働条件の改善に向かうようにやっぱり御指導をいただきたい、このようにお願いしたいと思います。
 これはちょっと私の誤解かもしれませんけれども、この法案でメリットを受けるのは中小の卸売業者とか小売業者とか、あるいは生産業者、そういった方たちで、運送業者は余りメリットを得ないんじゃないかなと、逆に。むしろ運送業者の方の競争は一層激しくなるんじゃないかなというようにも思ったりするんですけれども、そういったことはございませんか。
#163
○政府委員(土坂泰敏君) この法律で流通業務効率化全体をやっていくわけでございますが、道路運送の効率化というのもこの法律でやっていくわけでございまして、それはトラックがみずから主体となってこの法律の適用を受ける、つまり支援を受けながら道路運送業務の効率化に取り組むという場合もございます。逆に、荷主さんがそういうことをおやりになって、トラックがその取引の相手方になるという場合もある。
 いずれにしましても、トラックが今当面しておる問題といいますのは、人手不足とか道路混雑とかいろんなことがありまして、前と同じようなやり方で物をちゃんと運んでいくことがもうできなくなっておる。したがいまして、しかし物はちゃんと運んでいかなければいかぬわけですから、どうしても効率化ということをやらなければいけない。
 効率化は物流量を確保しながらトラックのいわゆる走行台数を減らしていくということに尽きるわけですけれども、そういうことを、やはりトラック事業者としても自分の使命を果たしながらこれからもやっていこうと思うと、どうしても乗り越えていかなければいけない。それをやはりこの法律の支援を受けながら取り組んでいくことができるというところに私は非常に大きなメリットがあると確信をしておりまして、ぜひ円滑に実施できるようにしたいと思っております。
#164
○古川太三郎君 重複を避けたいものですから、ほとんどもう大体皆さん聞かれていますので、この程度にいたしましょう。
#165
○井上計君 かなり法案の内容についてはそれぞれ同僚議員から詳細な質疑が行われております。非常に時宜に適した法案でありますし、また一日も早い実施が期待されるわけでありますから、もう具体的な質問は省略します。特に、大臣は何か後、外交日程があるようでありますから、早く採決をして、大臣に御退出いただく方がよかろうとこう思いますから、協力する意味でそういたします。
 それで、先ほど来いろんな質問の中で感じましたことを申し上げて、後、大臣、中小企業庁長官から御所見を伺って、さらに一層その促進をしていただきたいことを冒頭お願いをして、一、二、申し上げます。
 午前の吉田委員の質問でお見えでありますが、運輸省の土坂総務審議官、いろいろと御説明をいただきました。
 私自身が、零細な運送業者でありますけれども、二十年ほど前から顧問としていろんな面倒を見ておりまして、現地で、現場でいろんな問題をある程度承知しておるんです。その立場から申し上げますと、一つは、この今回の法律によって効率化計画が認定された場合、一つのグループができますと、率直に言って、大手企業にプラスすることがあっても、今、古川議員がちょっと言われましたけれども、従来その個々の問屋さんに出入りしている零細な運送業者は逆にマイナスになるおそれがあるんではなかろうか、この不安が一つあるわけですね。したがって、このような高度化事業がグループによってできた場合、やはりそういうふうなことのないように、ぜひ今後の指導面を運輸省も一緒になって十分お考えをいただかなくちゃいかぬ、こう思います。
 それから、その効率化計画の認定を受けた場合には、法案にありますけれども、貨物運送取扱事業法の特例は受けるけれども、貨物自動車運送事業法の特例は事実上ないわけですね。やはり、総務審議官からけさほど御答弁がありましたけれども、事実上の新免でトラック運送事業としての認可を受けなくちゃいかぬ、許可を受けなくちゃいけない。ところが、これは地域によっては、一番小さなところで今トラックが五台ですか、大きな都市では二十台というふうな規模がなければ事実上その条件に合致しないわけですから、その協同組合がトラック運送事業まで乗り出すことはいろんな面でやはり事実上不可能だと。だから、既存の運送業者と契約、提携すお以外に方法はないということになってくると思います。そうすると、一番有利なのは大手、特に路線業者ではなかろうかなという疑念があるんですね。もう御答弁要れ
ません。けれども、それらの面にも十分御配慮いただきまして、せっかくの中小企業に対する効率化の法案でありますから、それにぜひひとつ御配慮をいただきたい、こういう要望が一点です。
 それからいま一つは、これも先ほど広中議員や市川議員からも御質問がありましたジャスト・イン・タイムの問題です。私も、いろんな実情調査をしました。それで感じますことは、消費者の要望が余りにも強過ぎておる。消費者ニーズに対応するということで、百貨店あるいは大型スーパー、その他の小売商が過剰に消費者に対応し過ぎておることがいろんな問題を出しておると思うんです。
 東京湾のあのごみの埋立地を私二回ばかり視察に行ったことがありますけれども、驚くことは、産業廃棄物として毎日約四トン積みトラック八百台だそうですけれども、捨てに来ておる中の作業で一番多いのは、百貨店だとかスーパーなんかの売れ残りの食料品です。弁当の折り詰めそのまま、あるいはお総菜、そういうふうなものが大体毎日四トン積みトラックで約八百台ぐらい来るというんですね。全くむだな話です。
 なぜそういうことになっておるのかということを調べますと、いろんな売り場で出入りの納入業者に売り切れにならぬように余分なものを納めさせておるというなにがあるんですね。それは、消費者がいつ行っても買えるんだと、だから売り切れにならぬようにという消費者のニーズ、消費者の要望に過剰にこたえ過ぎておるというのがやっぱり一つの理由だと思うんですね。それからいま一つ。これは製パンメーカーから聞いた話でありますが、スーパー等から一日三回の配達を要求されると。それは、朝まず開店前に配達をする、そうしてお昼前に配達に行く、それで朝配達したもの、売れ残っているパンを引き取ってくる、それから夕方また四時ごろ配達に行って、また昼間納入したものを引き取ってくる。引き取ったパンをどうしているんだと聞くと、ほとんどが廃棄、焼却をしておると言うんですね。そんな見えないむだがいっぱいあるわけです。
 それは同時にいろんな問題を醸し出しておる。これは、排ガスによる大気汚染もあるでしょう、あるいは物資のむだ、それから同時に交通渋滞、物流の非能率化、いろんな問題全部に関係しているわけですが、私は、消費者ニーズ、消費者の要望というものを――もちろんある程度聞かなくちゃいけませんけれども、この際、通産省が中心になってそういう面についての啓蒙といいますか、是正といいますか、ぜひやっていかないと、あらゆる問題がますます深刻になってくると大きな問題になってくるんではなかろうか。だから、今、産業廃棄物の問題、ごみ処理の問題、大気汚染の問題、あるいは地球保全の問題、自然保護の問題、いろんな問題に全部影響があるわけですから、これぜひひとつ大臣、通産省が中心になってそういう面についての啓蒙もおやりいただきたいということを、かねがね思っておりますが、きょう特にまたこの法案審議の中で強く感じましたので、ぜひともその点をひとつお願いいたしたい、これを一つ要望として申し上げまして、まあ今の最後の点については省略いたしますけれども、大臣、中小企業庁長官あるいは運輸省の総務審議官からもお答えいただければお答えをいただいて、私の質問は以上で終わります。
#166
○国務大臣(渡部恒三君) 井上先生から、非常に我々がこの時期に真剣に考えなければならない大事な問題点について、幾つが御指摘を賜ったことを心から感謝申し上げます。
 本当に、今お聞かせをいただきながら、私ども真剣に心せねばならないなということを痛感いたしましたので、今後、通商産業行政はもとよりのこと、政府としても、各般にわたって今の井上先生の御趣旨を行政に反映するように全力を尽くして努力をさせていただきますし、また特に、この法案の実施に当たっては、中小企業、運輸業者の皆さん方に配慮をしてまいりたいと思います。
#167
○政府委員(南学政明君) 今、大臣から通産省の考え方の御説明がありましたが、私どもも大臣の方針に従いまして、できるだけ井上委員の御指摘に沿うよういろんな面で努力をしてまいりたいと思っております。
 本法律の施行によりまして流通業務の効率化が図られれば、井上委員の御指摘のむだを省くというような点にも寄与するのではないかと思いますし、通産省全体としてみますと、例えば過剰包装の問題についても前向きに対応いたしておりますし、古紙の回収、再生紙の利用等いろんな面での努力はこれまでもやってきたつもりでありますが、これからも努力をしてまいりたいと思っております。
#168
○政府委員(土坂泰敏君) 運輸業務を含めて通産大臣から井上先生に対してお答えがございましたので、私どももそのお答えを踏まえまして、また先生の御指摘を肝に銘じてこれからやってまいりたいと思います。
#169
○委員長(岩本政光君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 中小企業流通業務効率化促進法案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#170
○委員長(岩本政光君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 福間知之君から発言を求められておりますので、これを許します。福間君。
#171
○福間知之君 私は、ただいま可決されました中小企業流通業務効率化促進法案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    中小企業流通業務効率化促進法案に対す
    る附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の諸点につい
 て適切な措置を構ずべきである。
 一 中小企業による本法の助成策の利用を促進
  するため、基本指針の策定に当たって共同化
  計画を検討する際の適切な判断基準を示すも
  のとなるように努めるとともに、推進される
  べき共同事業の内容を多様な具体的事例とし
  て判り易く周知させるための努力を払うこ
  と。
 二 認定計画の実施に当たっては、労働時間の
  短縮、職場環境の改善等の労働条件の向上に
  つながるよう配慮すること。
 三 取引上優越した顧客による多頻度小口配送
  等の要請が、貨物運送事業者その他の中小企
  業者に対して不当に過重な負担とならぬよう
  にし、これら事業者の正常な発展を図るよう
  関係者への指導を強化すること。
 四 総合的な流通業務の効率化を促進するため
  に、関係省庁の円滑な連携・協力に努めるこ
  と。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#172
○委員長(岩本政光君) ただいま福間君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#173
○委員長(岩本政光君) 全会一致と認めます。よって、福間君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、渡部通商産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。渡部通商産業大臣。
#174
○国務大臣(渡部恒三君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重
して本法案の適切な実施に努めてまいる所存であります。
#175
○委員長(岩本政光君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#176
○委員長(岩本政光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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