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1992/05/28 第123回国会 参議院 参議院会議録情報 第123回国会 商工委員会 第12号
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1992/05/28 第123回国会 参議院

参議院会議録情報 第123回国会 商工委員会 第12号

#1
第123回国会 商工委員会 第12号
平成四年五月二十八日(木曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月二十七日
    辞任         補欠選任
     広中和歌子君     太田 淳夫君
     橋本  敦君     市川 正一君
 五月二十八日
    辞任         補欠選任
     吉田達男君      山田 健一君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         岩本 政光君
    理 事
                中曽根弘文君
                松尾 官平君
                福間 知之君
                井上  計君
    委 員
                秋山  肇君
                井上  孝君
                倉田 寛之君
                前田 勲男君
                山口 光一君
                穐山  篤君
                梶原 敬義君
                山田 健一君
                太田 淳夫君
                三木 忠雄君
                市川 正一君
                古川太三郎君
   国務大臣
       通商産業大臣   渡部 恒三君
   政府委員
       大蔵大臣官房審
       議官       金子 義昭君
       大蔵大臣官房審
       議官       西村 吉正君
       通商産業大臣官
       房長       内藤 正久君
       通省産業大臣官
       房総務審議官   渡辺  修君
       通商産業大臣官
       房商務流通審議
       官        麻生  渡君
       通商産業大臣官
       房審議官     榎元 宏明君
       通商産業省産業
       政策局長     山本 幸助君
       中小企業庁次長  新関 勝郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 博行君
   説明員
       大蔵大臣官房企
       画官       杉本 和行君
       建設省建設経済
       局不動産業課長  藤田  真君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○特定債権等に係る事業の規制に関する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(岩本政光君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨二十七日、橋本敦君及び広中和歌子君が委員を辞任され、その補欠として市川正一君及び太田淳夫君がそれぞれ選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(岩本政光君) 特定債権等に係る事業の規制に関する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○穐山篤君 最初に大蔵省にお伺いをしますが、去年、証券取引審議会から報告書が御案内のように出ていますが、それも参考にしながら今証取法の改正が大蔵委員会で審議をされております。この「証券取引に係る基本的制度の在り方について」を読んでみますと、証券の定義について幅広く採用しようではないかということがその大宗をなしている。専門的な見地から、この答申の主要な部分について説明をまずいただきたいと思います。
#5
○政府委員(金子義昭君) 先生御承知のとおり、証取法は、投資家間を流通します可能性のある証券につきまして、投資家保護の観点からいわゆるディスクロージャー規制、これは情報を投資家に開示する制度でございますが、そういうディスクロージャー規制、それから広く一般の投資家を対象とします「何人も」という世界の不公正取引に関する規制を中心としております。これらを中心としました規制によりまして、適正な取引を確保し、投資家保護を図っているところでございます。
 今先生から御指摘のありましたように、昨年の六月に証券取引審議会が報告書を出しておりまして、これは有価証券の定義についてできるだけ幅広い定義をとって投資家保護を広く図るべきである、そういう観点から商品の内容につきまして、一つは投資性、一つは流通性、そういう性質のある商品につきましては、できるだけ証取法の枠組みの中で投資家保護を図るのが適当であるというような報告書をいただいたところでございます。その報告書に基づきまして、現在国会に証取法の改正を含みます、私たち制度改革法案と言っておりますけれども、そういう法案を提出いたしまして現在御審議いただいているところでございます。
#6
○穐山篤君 さてそこで、今大蔵で審議されております有価証券の定義、第二条第一項で若干の改正点がありますね。この改正の主なものについてちょっと御説明をいただきたいと思います。
#7
○政府委員(金子義昭君) 証取法の改正法案の中で二条一項を改正することといたしております。
 二条一項と申しますのは、証取法の対象となります有価証券の範囲を定義として定めているものでありまして、従来は伝統的な有価証券、例えば株とか社債とかそういうものを列挙しております。かつ、その最後の第九号でございますが、「その他政令で定める証券又は証書」ということで、必要に応じ追加をすることができるような規定になっておりまして、今回国会に御提案申し上げております法案におきましては、新たな商品が次々と出てきている中で証取法の対象にするのが適当と思われるものについて、投資家保護が図られますように新たな規定を幾つか設けております。
 例えば八号に、これはコマーシャルペーパーを主として念頭に置いた規定。あるいは十号で貸付債権を信託する信託の受益権というようなものも対象にできるような規定。さらに十一号としまして、従来比較的「その他政令で定める証券又は証書」と一般的になっておりましたものを、より具体的に証取法の対象とするのが適当なものとして「流通性その他の事情を勘案し、公益又は投資者の保護を確保することが必要と認められるもの」、それを政令で今後追加できるようなこととしております。大体そのような改正案を御提案しているところでございます。
#8
○穐山篤君 二条一項の中で今言われました八号、CPの発行ですね。それから十一号で前各号のほか政令で指定をする、例示として海外のCDが指摘をされています。それから第二項の第一号で住宅ローンについて改正が提案され、第三号で前各号のほか政令で指定する。こういうふうに各省庁との協議の上で指定をするというふうに弾力性があるような感じを持つわけですが、さてそこで通産省に伺います。
 通産省で、去年、ことしにかけまして、リース債権あるいはクレジット債権の問題について審議会でいろいろ勉強されました。その中の中間答申なりあるいは提言を読んでみますと、今大蔵省から説明がありましたものと多少ニュアンスの違った提言あるいは中間答申と今の分野で私は読み取っているわけです。その点について、審議会の提案あるいは中間答申について明らかにしてもらいたいと思います。
#9
○政府委員(麻生渡君) リース業あるいはクレジット業の資金調達問題、これはかねてから割賦販売審議会のクレジット産業部会、あるいは産業構造審議会のリース産業部会、あるいは産業構造審議会の産業金融小委員会、そういうようなところでいろんな形で議論がされてきております。このような議論を集大成いたしましたのが、本年の二月に産業構造審議会のリース産業部会と割賦販売審議会のクレジット産業部会の合同の提言ということでございます「リース債権及びクレジット債権の流動化に関する提言」という形になっているわけでございます。
 この提言のポイントは、リース産業あるいはクレジット産業の我が国の経済におきます役割について分析をした上で、その重要な役割を今後円滑に果たしていくというためには、これらの産業が非常に多額の資金を要するということであります。しかし、一方でその資金というのは金融機関などからの借り入れというものに大部分を依存しておるということであり、一方で今後産業資金の需給というのはBIS規制などもありましてタイト化されることも予想されるということでございまして、そのような中でこのようなこれらの産業が資金調達を円滑にやっていくというためには、調達の多様化を図っていくということが必要であり、このリース、クレジット債権の流動化、譲渡というやり方が非常に重要になってきておるということでございまして、そのための具体的な方策について答申しておるということでございます。
#10
○穐山篤君 今お話がありました債権の流動化の問題ですが、この提案の中を読んでみますと、アメリカのCPなり社債の発行のことも明らかにしながら、貸金業法で規制をしているからそれを理由にしてすべてCPあるいは社債の発行を原則禁止、一部抑制をしているわけですが、というのは好ましくないというふうに大部分の先生方が指摘をしているわけですね。その点について、大蔵省と通産省ともう一度、どこでそういう認識の違い、議論の違いが起きるのか明白にしてもらいたい。
#11
○政府委員(西村吉正君) それでは大蔵省の方から、私どもの現在におけるノンバンクのCPあるいは社債の発行に関する考え方を御説明させていただきたいと存じます。
 貸金業者、広く貸金業者の問題としてとらえますと、その資金調達のために社債発行を行う、そういうことにつきましては、出資法の第二条第三項及び同条第一項におきまして法文上禁止されておるところでございます。これは、貸金業者が社債の発行によって不特定かつ多数の者から貸付資金を受け入れましてそれをまた貸し付けに充てるということになりますと、その業務は銀行の業務と非常に似たようなものになる、その結果、信用秩序維持の観点等から問題を生じるおそれもある、そういう考え方から禁止しておるものでございます。
 次に、CPの問題でございますが、CPにつきましては法文上明確な禁止規定があるわけではございませんが、このCPというものは実質的には短期の社債と同様の経済的性格を有している、そういうことから、先ほど申し上げました社債に関する出資法の趣旨にかんがみまして現在これを認めていないというところでございます。
 ノンバンクが、国民生活や産業社会における多様なニーズにこたえていくために、かねてより短期の資金調達手段としてのCPの発行、長期の資金調達手段としての社債の発行を希望しておられるということは私どもも承知しているところでございますが、この点に関しましては銀行局長の私的諮問機関でございますノンバンク研究会が昨年四月に報告書を出しまして、そこでは次のような考え方を示しております。すなわち、「金融制度面、金融政策の有効性等の観点からの考慮が必要と考えられるが、ノンバンクが」「金融システムの中で明確に位置付けられ、それに見合った指導監督体制が整備されるのであればこ、社債とCPという「このうち特に金融変動へのショック・アブソーバーとしての機能をも有しているCPについて、その発行を政策当局において前向きに検討していく必要があると考えられる。」、こういう御提言をいただいておるわけでございます。
 このよう唐御指摘を踏まえまして、私どもとしては、当面CPについて政策当局において検討することが求められている、こう理解しておるわけでございますが、社債発行についてはもう少し慎重な検討が必要である、そういう法律的な枠組みになっておるのかな、そう理解しておるところでございます。
#12
○政府委員(麻生渡君) リース、クレジット会社のCPあるいは社債の発行の問題でございますが、これは、今大蔵省の方から答弁がございましたように、大蔵省の内部で鋭意検討が行われておるという状況でございます。当省といたしましては、大蔵省とよく連絡をとりながら適切に対応してまいりたいと考えておる次第でございます。
#13
○穐山篤君 通産省の方の産業部会が、先ほどお話がありましたように二月七日の日に提言を行っているわけです。全部を言うわけにいきませんが拾い読みをしてみますと、クレジット産業による社債発行に制限が付されているがと前置きしまして、これは必ずしも合理性があるとは言いがたいとの指摘もあるというふうに主張が述べられているわけですね。そこで、第二項のまとめとして、少なくとも販売信用業務に係る資金手当てについては早急に制限を撤廃し、社債及びCP発行が自由に行われるようにすることが期待をされるというふうに方向性を示しているわけです。
 大蔵省の方は、去年の答申、それから通産省の方はことしに入ってからの答申で時間的なずれもあると思いますが、この分野について大蔵省と通産省ではどういうふうな角度で合意をされたんでしょうか。その点をもう一度くどいようですがお伺いをしておきたいと思います。
#14
○政府委員(麻生渡君) 通産省の方はいわゆるリース、クレジット産業でございます。その発展の観点から、社債なりCPの扱い、これにつきまして今先生御指摘になりましたような方向の期待を表明しておるわけでございます。このような期待を勘案しながら、大蔵省の方にも私どもそれを伝えておりまして、それを総合的に勘案していろんな検討が内部的になされているという状態であるわけでございます。
#15
○政府委員(西村吉正君) 私どもといたしましては、出資法の規定あるいは貸金業規制法の規定、そういう現在の法体系を前提といたしまして、いわば貸金業者全体あるいはノンバンクといってもよろしいかと存じますけれども、広くそういう仕事に携わっておられる方々の資金調達手段のあり方としてどういうことが考えられるか、どういう考え方で臨むべきか、そういう観点から検討しておるわけでございますが、通産省との意見の交換も交えまして、現在鋭意検討しておるところでございます。
#16
○穐山篤君 建設省、見えていますね。――建設省の分野でしょうが、不動産の小口化あるいは債権流動化といいましょうか、こういうものについて研究もされていると思いますが、ごく簡単に研究の経過なりあるいは成果なり、あるいは現実に起きております不動産の小口化の商品がありますが、それはどういう仕組みになっているのか、その点をまずお伺いします。
#17
○説明員(藤田真君) お答え申し上げます。
 いわゆる不動産の小口化商品と申しますのは、分割された不動産の所有権を売買いたしまして、信託契約あるいは組合契約などによりまして一括経営管理いたしまして、その収益を還元するという仕組みでございます。平成四年三月現在、国内の物件で約四千億程度の市場規模に達しておるところでございます。
 この分割された不動産の売買、この売買という行為が宅地建物取引業法の対象になるということもございまして、宅地建物取引業法に基づきましてこの小口化商品についてルール化を、平成三年の五月二十一日でございますが、不動産業課長名の通達を発しまして、例えば購入者にどういう事柄を購入時点で告げるか、一種の情報開示でございますけれども、こういうルール化を行っておるところでございます。
 さらに、現在検討中でございますが、不動産業の二十一世紀に向けたビジョンを策定しつつあるところでございますけれども、この中で検討をしていただいておるところでございます。この不動産の小口化という仕組み自体は、単に不動産業の資金の回収のための方法というだけではなくて、例えば土地所有者あるいは資金提供者なども含めまして、いわゆる不動産を共同で開発し事業を進めていくというそういう観点から、今後都市整備のための重要な手法であるというふうに考えておるところでございまして、そのためのルール化づくりが必要であるというふうに考えて検討が進んでおるところでございます。
#18
○穐山篤君 建設省は、小口化商品ということになれば、それは宅建業務の範囲内で行われる。これが少しずつ進んでいきますと、小口化というよりも債権の方向にいく可能性もなきにしもあらずというふうに思います。
 それから、先日この委員会で満場一致で通りましたゴルフ会員権の問題があります。今は預託金ということになっていますが、あの法律の制定経過を見ますと、これからはゴルフ場をつくる人が相当巨額のお金を持っていてゴルフ場を造成する、そしてそれから会員の募集をする、預託金を安全に管理する、こういうことになるわけですが、ゴルフ場の会員でなくてゴルフ場の債権化をするということも理屈上はあり得るわけですね。いろんな商品というものが将来に向かって出をうな感じがするわけです。
 そこで、有価証券の定義の第二条の一項十一号なり二項の第三号には、そういうものを念頭に置きながら、これは政令で指定をするというふうに書かれているんでしょうかどうでしょうか。これは大蔵省もう一度お答えいただきたいと思います。
#19
○政府委員(金子義昭君) 証券取引法の規定につきましては、先ほどちょっと御説明しまして繰り返しになるかと思いますが、基本的には、投資性がありかつ投資者間を流通する可能性のある有価証券を対象といたしまして、ディスクロージャー規制なり、あるいは不公正取引規制なりを行いまして投資家保護を図っているところでございます。
 今、先生の方からいろいろこれから出てくる新しい商品をどう考えるかということでございますが、先生の方からお話がありましたように、第一項の十一号「流通性その他の事情を勘案し、公益又は投資者の保護を確保することが必要と認められるもの」、あるいは有価証券に権利が化体していない、紙に権利が化体していないものであって、いわゆる権利というものにつきまして二項三号「流通の状況が前項の有価証券に準ずるものと認められこ云々というような形で、一応今後新しい商品が出てきました場合に、それを証取法上どう取り扱うかというのは今後の課題でございます。ただ、基本的には、今後出てきますものについては、投資家保護の必要性の有無あるいは商品の性質等を総合的に勘案しまして、証取法の対象とするべきか否かを判断していくことになると考えられます。
 いずれにしましても、具体的な商品が出てきました段階でその商品の性質その他を十分検討して、証券取引法の対象にするのが適当かどうか判断していくことになるのではないかと考えております。
#20
○穐山篤君 わかりました。
 それで、ごく平たく言えば、投資家の保護ということはいずれの場合でも前提条件になりますが、流通をするものと売り切りのものと、大体そんなところを基準にして仕分けをするという解釈でよろしゅうございますか。
#21
○政府委員(金子義昭君) 証券取引法はあくまでも広く投資家の間を転々流通するような証券を対象に一定の投資家保護の規定を働かせるというものでございますので、確かにその流通性というのは先生おっしゃるとおり一つの大きなメルクマールだと思っております。それに加えまして、証取法にはもろもろの規定がございますので、そういう証取法の目的やそういう規定、規制に照らしまして、証取法の対象にするのが適当かどうかを考えながら、総合勘案して判断すべきものと考えております。
#22
○穐山篤君 有価証券の対応については、その程度にしたいと思います。
 BIS規制についてお伺いをしたいと思います。最近、BIS規制の問題につきましては、いろんな角度で議論をされておりますが、少なくとも来年の三月以降は八%基準以上にしなければならない申し合わせがあるわけですが、現在の状況はいかがでしょうか。
#23
○政府委員(西村吉正君) ただいま御指摘のように、いわゆるBIS規制と申しますのは、国際的な金融システムの安定性の向上を図るということと、それからもう一つ、国際的に活動しております各国の銀行間の平等な競争条件を確保する、そういう観点から一九八八年の六月にバーゼル委員会におきまして各国が合意したというものでございます。
 その合意の内容といたしましては、ただいま御指摘のように来年の三月、これは他の国、日本以外の国につきましては今年の年末ということなんでございますが、日本の場合には、決算期が三月決算なものですから、三カ月ずれまして九三年の三月末ということがターゲットになっておるわけでございますが、その段階以降、自己資本比率を八%以上に維持するということを目標としたいと、こういうものでございます。
 そこで、現在のこの規制の遵守状況でございますけれども、いわゆるBIS規制には経過基準というものがございまして、九一年の三月末から九三年の三月末までの間はその自己資本比率は八%ではなくて七・二五%以上でいいと、こういうことになっております。現在、その経過基準を適用しておる段階でございますけれども、この基準に照らし合わせますと、我が国の対象銀行はすべて自己資本比率を達成しておるところでございます。
#24
○穐山篤君 私の持っておる資料は去年の九月、ですからいささか古いわけなんですが、都銀、地銀にいたしましても、あるいは信託にしましても、私の見ている部分では、一、二の都銀は達成をしておりますが、その他のところは非常に厳しい数字になっております。最近、新聞でこの緩和を求める金融業界の御意見もあるようですが、日本から、日本の金融機関がそれを言うようなことであってはならないと思います。
 さてそこで、最近のバブルの崩壊、それからBIS規制というものもありまして、当然金融機関としてはこれからの融資の姿勢が変わってくると思うんですけれども、大体どういうような態度に金融機関はなっているんでしょうか。まず、その点を伺いたいと思います。
#25
○政府委員(西村吉正君) 先ほど申し上げましたBIS基準の達成状況でございますが、先生御指摘のように、確かに現段階で八%の最終基準を達成していないところはあるわけでございます。ただ、先ほども申しましたように、現段階は、その最終基準でなくて経過基準、途中の経過基準を達成しておればいいという状況でございまして、そういうことで考えますとすべての適用銀行がクリアしておる。しかし、来年の三月までに達成しなければいけない最終目標ということからいうと、まだ一息のところもございます。今後の努力にまつところもございます。こういうことでございます。
 さてそこで、先生御指摘のこういうBIS基準というものが銀行の貸し出し行動とどういう関係になるのか、いわゆる貸し渋りというようなものが起きておらないのか、こういう御指摘かと存ずるわけでございますが、ただいま日本の銀行は大部分の銀行が最終基準をも既に達成しておりますし、また、現在努力中の銀行もございますが、来年三月末に向けまして最終基準の達成に鋭意努力をしておるところでございます。私どもは、そういう銀行の努力は実を結ぶものと思っております。それから、そういうBIS規制という枠の中におきます銀行の行動でございますが、その貸し出しの内容といたしましては、何と申しましても銀行の営業の柱でございます国内の貸し出し業務というものを中心に、その中でも特に健全優良な貸し出し需要に対して積極的に応じていくという姿勢で各銀行とも臨んでおるところでございます。
 そういうことを勘案いたしますならば、私どもは、このBIS規制というものが銀行の貸し出し行動を通じて国内の資金需要に大きな悪影響を与える、そういうことはないものと考えておるところでございます。
#26
○穐山篤君 ノンバンクが持っております不良債権、あるいは正規の金融機関が持っております不良債権の今整理が始まっていますね。これは企業家としての社会的責任を今みずからが問われているわけですから、これはしっかりやってもらうわけですが、これからの金融機関の融資の体制というのは、必然的に選別融資にならざるを得なくなる、優良企業への融資に偏るという可能性を強く持っていると思うんです。
 卑近な例を私ちょっと申し上げますが、貸金業界、いわゆるサラ金業界がアンケート調査をやりました。融資についてのアンケート調査をやったわけですが、相当多数の業者が貸金業をやっているということで、申し込んで融資を受けようとしたんですが、頭から断られた。金融機関から、貸金業という名前でなくて別の名前を持ってきてちょうだいというふうに言われたところが多いというアンケート調査を私も今持っているわけですが、かなり風当たりは強いと思うんです。
 そこで、本法案にも関連をしてくるわけですが、これからのクレジット業界なりリース業界に対する金融機関の融資というものも相当選別をされる、優良企業に集中をする、あるいは各県にあります中小のリース業者というのはかなりそういう意味で言いますと資金調達に難渋をするだろう。これは一般的な予測でありますが、今の大蔵省の考え方、あるいは指導としてはどういうふうにお考えでしょうか。
#27
○政府委員(西村吉正君) 金融機関がどういう融資態度で臨むかということは、これは個々の金融機関が自主的に経営判断として行っていくものではございますが、一般的に申し上げまして、ここ数年来のいろいろな出来事の反省の上に立ちまして、金融機関の融資に対する態度というものが非常に慎重になっておる。特に債権の健全性を維持するために腐心をしておるということは、御指摘のとおりかと存じます。
 そういう中で、その健全性を保つためにどういう工夫、考え方をしていくか。これは金融機関それぞれがいろいろ苦労をしておるところでございますが、私どもといたしましては、金融機関の社会的な責任というものは金融の円滑を図るというところにもあるわけでございます。そういう意味で、健全優良な貸し出し需要に対しては引き続き積極的に応じていただく、これが金融機関の役目かと存じておるところでございます。
#28
○穐山篤君 さて、クレジット業界もあるいはリース業界も、個人向けの融資も行うと同時に事業者向けの金融もやっているわけですね。いわゆるノンバンクです。約百兆円という大きな金が動いたわけですけれども、これについては一応資料も持っております。大蔵省からいただいておりますから、これを議論を一々するつもりはございません。
 それから、ノンバンクに関する研究会の報告も見ておりますが、この報告書は、私に言わせますと甘い認識を持っているのではないかなと。ノンバンクに適当な地位を与えようというふうな方向に動いているやに思いますが、これは大蔵委員会で議論してもらいたいと思うんです。
 将来バブルを再び発生させないために、一つ私は提唱しておきたいことがあるんです。
 経済が大きくなっていくことは結構なんですけれども、かつてないほど始末がつかない不良債権を金融機関、ノンバンクが持っているわけですね。だから、企業の社会的責任を明らかにするためには、不良債権を公表して、国民がしっかりそれを見詰める。再びこういうふうなことはしてはならないし、しないようにしよう。そのためには、やっぱり企業の責任というものを明らかにする必要があるだろう。これがないと再び、今金利は下がっていますよ、下がっていますけれども、GNP三・五%を目指していろんな無理を重ねざるを得なくなるわけです。そこで私は一つの提案として、不良債権を公表する、そのくらいの大蔵省の監督指導があってもいいと思いますが、どんなものでしょうか。
#29
○政府委員(西村吉正君) いわゆる銀行の不良債権の公表、ディスクロージャーなどとも言われておりますが、その問題につきましては、私どもも大変に重要なことだと存じでおりますし、かねてから、例えば全銀協というような業界団体におきまして一つの基準を定めて積極的に対応しておるところでございます。ただ、昨今のいろいろな論議を伺っておりますと、より銀行の債権の内容というものについて積極的に公表していくべきではないかという非常に強い御指摘があること、私ども十分認識しております。先般の金融制度調査会の御報告におきましてもこの点を御指摘いただいたところでございまして、私どもも、具体的にディスクロージャーをどう進めていくかということについては強い関心を持っておるところでございます。ただ問題は、さてその不良債権というものは具体的にはどういうものを指して不良債権と呼ぶのか、またそれをどういうやり方で公表していくのか。この辺については、金融機関というものが信用というものを基礎といたします事業でありますだけに、なかなか慎重な検討を要するところもございます。
 そこで、私どもといたしましては、来月早々、たしか六月五日だったと存じますが、金融制度調査会の中に、特にこの問題を検討し、できるだけ早く結論を得るよう作業部会を設けまして、銀行のディスクロージャーの問題について鋭意検討を進める、こういうことで準備をいたしておるところでございます。
#30
○穐山篤君 さて、本論に入りたいと思うんですが、今回の特定債権につきまして提案をした背景、理由というものについてごく簡単に御説明をいただきたいと思います。
#31
○政府委員(麻生渡君) リース、クレジット産業は御承知のとおり、リース産業は特に設備投資の近代化及び新鋭化というために非常に重要な役割を果たしておりますし、中小企業の設備投資に占める役割も非常に大きいわけでございます。また、クレジット産業でございますが、消費生活の利便性を向上するとかあるいは質的な変化をもたらすという意味でも非常に重要な産業でございます。また、これらの産業は、その性格上非常に大きな資金を要する産業でございまして、いわば資金多消費産業であるということが言えるというふうな状況でございます。
   〔委員長退席、理事松尾官平君着席〕
 一方、このような産業が円滑に運営されていくためには当然その資金がいろんな形で調達される必要があるわけでございますが、実際にはこれらの産業の資金は、大部分、九〇%以上が金融機関からの借り入れに依存をしておるという状況でございます。したがいまして、今お話がございましたように、BIS規制の問題、あるいはいろんな預金金利の自由化等々が行われております現在の金融市場の状況を見ますと、今後のリース、クレジット産業の資金調達という点から見ますと、これは相当厳しいものがあると考えざるを得ないということでございます。
 一方、このような状況を反映いたしまして、リース産業、クレジット産業の中には既にいわゆる債権を小口化して販売をするという形で資金調達に乗り出しておるという状況でございます。その額は約一千億ぐらいに達しております。これ自体は現在の法制下では自由にできるということでございますし、また今後の状況から見ましてリース、クレジット産業はここに非常に大きな力点を置いてくるということが予想されるわけでございますが、このような小口化販売ということがずっと大量に行われ、またいろんな投資家にまで及んでいくというような状態になりました場合には、投資家保護上いろいろな問題が生じるということが十分懸念されるわけでございます。そのような状況でございますものですから、今回の法律は、投資家保護という観点から一定のリース会社あるいはクレジット会社の債権の小口販売につきまして規制を設けまして、資金調達の方法の健全な発展とそれから投資家保護という問題を十分やっていくということの両立を図っていきたいということでございます。
   〔理事松尾官平君退席、委員長着席〕
#32
○穐山篤君 金融機関から今までお金を借りていた。もっとも優良企業は、長いつき合いですからかなり金利の低いお金を借りていたんでしょう。しかし、自分で直接財源の調達をする道が閉ざされているわけですから苦労も多いと思うんですが、当然投資家の保護を念頭に置きながら法案をつくられたわけですが、客観的に言えばクレジット産業あるいはリース産業のお助け法案、法律のような感じがしてならないわけです。もう少しアメリカのようにCPなり社債がみずから発行ができればこういう手を使わなくても、あるいはこういう方法は一定の範囲にしておけばいいわけです。
 さて、そこでこの法律を読んでみますと、かなり縛りがあるような感じがするわけです。その意味で言いますと投資家保護の点が十分にうかがわれるわけですが、例えば共通した問題ですけれども、リース業者が経営が不振に陥ったあるいは倒産をしたという場合もないわけではないと思います。あるいはディーラーが倒産をしたあるいは雲隠れをしたということもないわけではないと思うんですが、こういう問題については厳重に規制をしてそれぞれ対処しなければならぬと思うんですが、そういう意味でこの法律の中では私は特色があるような感じがしますが、その点いかがでしょうか。
#33
○政府委員(麻生渡君) 投資家保護という観点から見ました場合に、今先生が御指摘になりましたように、第一のリスクといいましょうか問題は、リース、クレジット会社、これが経営不振に陥った場合ということでございます。そのために投資家に約束された償還ができていかないということでございます。したがいまして、この法律では、債権を一たん譲受会社の方に譲り渡しまして、この譲受会社がリース債権なりクレジット債権を管理しまして、そして投資家への償還ということを確実に行っていくという体制をとろうとしているわけでございます。
 したがいまして、この譲受会社が非常に健全でなければいけないということがございます。このために、この法律では、譲受会社につきまして、そもそもこの業務を始めるという参入につきましてはいろんな許可基準を設けて資本的あるいは人的な健全性を確保いたしますが、さらに進めて、このような会社がほかのいろんな事業を出して失敗をするということで償還がうまく行われないということでは非常に問題がありますから、兼業につきましても制限をする。あるいは資産の運用、一たん入りましたクレジットなりリースの利用料、手数料、これの運用の仕方を誤りますとまたこれも非常な問題になるわけでございますから、その運用の制限。あるいは合併、営業の譲渡についても制限をするという形で、いわば譲受会社ということによりましてリース、クレジット会社との関係を切って健全な形に維持しようということでございます。
 また第二番目の、今御指摘になりました利用者側が不振に陥りまして手数料なり利用料が払えなくなってくる、その結果、投資家に償還が予定どおりいかないということが十分あるわけでございますが、これにつきましては、法律の第三条に基づきましてこの債権を譲渡する際に大きく二つの観点からチェックをするということでございます。第一点は、その債権の質につきましてチェックをするということでございます。また第二番目は、質の悪いものあるいはデフォルトが中にまじっておる、デフォルトが発生するというような場合に備えまして一定のリスク補てん措置がとられておるかどうかということをチェックするということでございまして、そのような形を講じますことによりまして利用者側での不振ということが投資家の方に直接及ばないというような方法を講じておるわけでございます。
#34
○穐山篤君 両方に共通する問題として、クレジット会社あるいはリース会社が金融機関からお金を借りる、当然金利もつくわけですが、今度は、直接調達をするという意味で債権を譲渡する、小口化して投資家に買ってもらう。そうなりますと、今までの金融機関で借りておった金利よりも直接調達をする方がメリットが業者にあるということは当然ですね。それから、投資家の立場からいいますと、当然サービスなり金利というものを念頭に置きながら、これは買い得であるという認識がなければ、あるいは安定性が強いという認識がなければ飛びつくはずはないと思うんです。
 そこで、具体的な数字は別にしまして、直接金融と間接金融との格差ですね、イメージはどの程度考えておられるんでしょうか。
#35
○政府委員(麻生渡君) 御指摘の点は、そのときの金融市場の状況によって随分変わってまいりますものですから、一概になかなか言いづらい問題でございます。しかしいずれにしましても、リースなりクレジット会社から見ますと、これは銀行なりの借り入れコストよりも安くなければこのようなことをするメリットはないわけでございますし、また市場の方といいましょうか投資家の方から見ますと、これは例えばほかのいろんな金融商品、MMCとかいろいろなものがございますが、そのようなものと比べて投資効率がいいということでないと当然買わないということでございます。その間をどのようにつなげていってリースなりクレジットの小口販売の商品が利回りになってくるかということでございます。恐らく、市場に出ておるものに比べて非常に魅力的だというわけにはなかなかまいらないと思いますけれども、若干なりともそれよりも魅力的な形のものを提供しながら、しかし調達コストが安いということになるということでございまして、何%というような大きな差が出るということでは当然ないというふうに考えております。
#36
○穐山篤君 さてそこで、金融機関から間接金融でやるよりも債権を譲渡する、投資家に買ってもらうことによってコストを下げることが可能である、サービスも拡大をする、こういうふうに説明をされているわけですが、さてクレジット会社は二者問もあるし三者間のクレジットの構成があるわけですが、それぞれに対してどういうメリットとサービスがあるんでしょうか。それからリースの場合、リース業者がおる、サプライヤーがいる、ディーラーがいる、これも三角の関係ですね。具体的な数字で言えなければしょうがないと思いますが、それぞれに対してコストなりサービスが行き渡ることを期待しながらこの法律が出ているわけです。具体的にどういうふうにメリットがあったりあるいはサービスがあるのか、わかりやすく両方の業について説明してもらいたい。
#37
○政府委員(麻生渡君) まずクレジットでございますが、この法律で対象としておりますクレジット債権でございますが、これは三つございまして、いわゆるクレジット契約に基づきましてクレジットカードを利用する方に対しましてクレジット会社が有します金銭債権でございます。これに対しましてもう一つ、個別の割賦販売契約に基づいてクレジット業者が購入者に対してかわって支払うという形で持ちます金銭債権。それから、リボルビング方式の場合というようなものが想定されておるわけでございます。
 この場合に、いずれにしましてもクレジット業者の資金調達のコストが下がっていくということでございまして、その効果は、これらの金銭債権を支払わなければいかぬ方々の方にいろんな形で効果が及んでいくということでなければならないわけでございます。具体的にその場合にどのような形で効果が及んでいくかということでございますが、一つは、当然考えられますのは手数料が下がっていくということでございます。もう一つは、いろんな形でのサービスが附帯的に行われておりますが、そのようなものが充実をされるという形が考えられるわけでございます。
 では、調達コストが下がった分がどの程度手数料の下げという形になっていくのか、あるいはいろんなサービスの質の改善というようなことになっていくのか、これは非常に難しい問題でございまして、なかなかモデル的、定量的には言いづらいということがございます。ただ、いずれにしましてもこの業界におきましては、非常に活発な競争が行われておる、これがまたいろんな問題を別途生んでおるという問題がございますが、いずれにしましても非常に活発な競争が行われておるということでございますから、その調達コストが下がった場合に、クレジット業者の中にとどまるというよりも、競争を通じまして、今申しましたような二つの方向を通じまして、効果が利用者の方にも及んでいくということは十分期待できるというふうに考えておるわけでございます。
 それからリースでございますが、リースもいろんな形がございますが、結局これはつまるところ、いわゆる設備を利用します企業とリース会社との関係になってくるわけでございますが、これは恐らく、このような形でコストが下がっていきますと、相当部分は利用料の引き下げという形で競争を通じて還元されていくということが十分期待できるんじゃないかと考える次第でございます。
#38
○穐山篤君 私、今サラリーマン金融のティッシュペーパーを持っているんですけれども、随分金利が段階が違うわけです。目的別の選別でやっているわけですね。前は幾らの金利でした、今度は幾らの金利ですということが書いてあれば、サービスの分量がわかるわけです。クレジットの場合でも、あるいはリースの場合でも、こういうものは今まではこれだけの金額でしたが、今度は直接金融ですからこれだけにサービスしますよと書いてあれば、ああなるほどと思うけれども、そういう手法はとれるはずが多分ないだろうというふうに思います。したがって、気持ちはわかりますけれども、本当に動いてみなければわからないという性格だろうというふうに私は指摘をしておきたいと思うんです。
 さてそこで、クレジット事業についてあるいは債権についてまとめてお伺いしますが、クレジットの場合には小さい価格のものもあるし大きい価格のものもあるわけですね。だから、一口百万とか三百万円のものだけで債権を譲渡するわ付にいきませんから、結局まとめると思うんです。どういうまとめ方をまずされるんでしょうか、その点をお伺いします。
#39
○政府委員(麻生渡君) 御指摘のように、クレジットの場合には、非常に利用者が多様でありますし、またその額につきましても多様でございます。これにつきましては、債権を小口として販売します場合に、できるだけ大数の法則が働くように多様なものをまぜ合わせるということを考えていく必要があると考えています。と申しますのは、先ほど申しましたようにデフォルトということがどうしても起こり得るわけでございますが、このデフォルトに対しましては、リスクの補てん措置というのをいろんな形で講ずるわけでございますけれども、そのデフォルトを考えます場合に、やはりその大数の法則が健全に働きますためには、債権の内容が偏らないということが必要でございます。その意味で、利用者につきまして年齢的あるいは地域的あるいは性別というようなことにつきまして、できるだけバランスのとれた形で小口化の債権を束ねた形で組み合わせていくということを考えてまいりたいと思っているわけでございます。
#40
○穐山篤君 束ねないと、五千万円の債権というのはなかなか大変だろうと思うんですね。その点はわかりました。
 さてそこで、クレジット業界で今問題になっておりますのは、御案内のようにクレジットカードが一億八千万枚ですか発行されていると。私は銀行系のやつを一つしか持っておりませんけれども、最近はカード管理社会と言われるほどカードが出ているわけです。その話は別にしましても、過剰にクレジットを与信しているということが一つあるわけです。それと相呼応して、消費者の方もカードを持ち過ぎて、買い物を身分不相応にやって多重債務者として、自己破産の件数も二万件というふうにふえているわけです。昭和五十六年前後のサラリーマン金融のときの状況とほぼ近い状況に今あって、我々としても非常に苦慮しているわけです。
 したがって、多重債務問題につきましては、当然、事業者もしっかりしなければならないし、それから消費者、購入者も理性的に使わなきゃならぬということになるだろうと思うんですが、その点についての実情と指導監督の状況について伺いたいと思います。
#41
○政府委員(麻生渡君) まず、個人のいわゆる多重債務者との関連で指摘されています自己破産でございますが、これは大変残念なことでございますけれども、平成三年には全国で二万三千件を上回るということでございまして、前年に比べますと倍ぐらいの増加になってしまっているということでございます。また、カードの発行枚数につきましては、今先生が御指摘になりましたとおり非常に多いという状況でございます。
 この多重債務者問題でございますが、これは、まさにクレジット産業側の与信態度の問題と、それから非常に豊かな社会になりまして消費者の行動というものがやはりいろんな物を買いたい、使いたいというようなことの中で、やはり消費者のカードの使い方の自律性というものにも問題があるというふうに考えられます。いずれにしましても、カードの使用によります破産の問題あるいは多重債務者の問題というのは、消費者の保護あるいは日本の経済社会の健全な発展という観点から見ましたら、非常に重要な問題であるというふうに認識をいたしております。
 したがいまして、通産省といたしましては、多重債務の防止のために種々産業を指導してきてまいっているわけでございますが、特に現在非常に大事であると考えておりますのは、この過剰与信を何とか防止するというために与信の精度の向上を図らなければいけない。そのためには、与信をします前提となります信用情報、これをもう少し広げる必要があるというふうに考えております。現在、クレジットの分野ではCICという情報機関があるわけでございますが、これの情報はいわゆる事故情報でございまして、まだ残高情報に及んでいないわけでございます。過剰与信を防止しようとしますと、どうしても残高情報まで広げることが必要になってまいります。
 ただ一方で、消費者の方から見ますと、何も延滞も事故も起こしていないのに自分の残高がいろんな形で一カ所に集められるということは非常に抵抗感があるわけでございまして、そことの調整がいろいろ難しい点はあるわけでございますが、ともかく現在はそのような方向で動いておりまして、金融商品関連につきましては、来月にも残高情報まで登録をやっていくという方向でございます。そのほかの商品との取引関係のクレジットの問題につきましては、これもできるだけ早くこのような残高情報まで含めた形で登録をし、その利用をしながら与信の適正化を図っていくということを行ってまいりたいということで、現在業界を指導しておる次第でございます。
 もう一つは、このクレジットカードの利用限度額の問題でございます。特に若年層に対しまして、いなきり大きな限度額を設定するということは非常に問題があるということでございまして、これにつきましても、限度額の引き下げということを実施するという方向で具体的に現在業界の内部で検討をしてもらっておりまして、一部の企業では早速実施に移しておるという状況でございます。私どもとしましては、これにつきましても適当な時期にヒアリングなどをしながら、この実施の状況を確認してまいりたいと考えておる次第でございます。
 そのほか、一方の消費者啓発ということも非常に大切でございます。これにつきましては、パンフレットあるいは先日ございましたような広告によりまして、計画的な利用を消費者の皆様方に促していくというような活動を鋭意進めてまいりたいと考えておるわけでございます。
#42
○穐山篤君 大体そういうことに尽きるだろうと思うんです。先日、参考人に対しましてもその点は私どもとしては申し上げたわけです。
 私は、若い人に、と言っては語弊がありますけれども、クレジットは機能が三つありますけれども、言ってみればクレジットというのは借金なんですよと。ところが、あの券を持ちますとついつい品物を買いたがる、買うようになる。それが積もり積もって多重債務者になり、破産をしていく、こういう仕組みになるんですよと。私がよく言うのは、会員券をよく読むこと、カードは三枚以上持つな、毎月毎月の自分の残高をしっかり覚えておけ、この三つをよく言うんです。言ってもついつい、みんなだめですね。
 そのほかにいろんな事故もあります。大蔵省と通産省に両方聞いてもらいたいと思うんですが、盗まれたり、あるいは拾ったり、そういう他人の使用の問題、あるいは終電車でよく抜かれるんです。こういう問題について、圧倒的に不正使用が多いんですね。それから偽造のカードが出回っている。それから、他人にカードを使わせて、後で紛失届けを出して、被害を保険で補償してもらう。結果的にただで商品をもらうという知恵のあるやり方も今はやっているんです。それから、クレジットの方がどうしても延滞をしているものですから、その会社がキャッシングで回しをしているわけです。あるクレジット会社では、サラリーマン金融を紹介して、そこから金を借りさせて回収資金に充てる。いろんな事故、犯罪が多いんです。
 通産省と大蔵省と両方にかかわる問題ですから、一々お答えはいただきませんが、十分に対処をしてもらいたい。なお、プライバシーの保護の問題について先日業界にも指摘をしておきましたので、しっかり御指導をいただきたいと思います。
 さて、時間の都合で、リースの方に入ります。リースの場合、私の認識に間違いかなければいいと思うんですが、リース料の中身ですね、リース屋さん、リース業者のリース料の構成内容ですが、これは物件の代金は当然ですね、それから金利が入ります、税金が入ります、保険料も入る、手数料も入る、だからかなりボリュームとしては広がる代物だと、私はそう思うわけです。その点、このリース料債権の内容について、私の認識はいかがでしょうか、お伺いしたい。
#43
○政府委員(麻生渡君) リース料でございますが、物件の価格、それから金利、それから固定資産税、それから保険料、管理費、利益、そのようなものの合計であるというふうに考えております。
#44
○穐山篤君 過去の資料を見ますと、昭和五十三年ごろまではリース業界というのはかなり発展をし、収益も上げてきたわけですが、最近リース業界に参入する業者も非常に多いということで、量はたくさんありますよ、ありますけれども、収益が少ないというふうなことが言われているわけであります。
 さてそこで、今度リース債権を譲受会社に五千万円のものを持っていく、さらに販売会社が小口化をして投資家に要請をする。もう一度先ほどの繰り返しになりますが、従来同じものを、もっとも値段が毎日違うから具体的なことは無理だろうと思いますが、本当にディーラーが直接金融になって、財布に感ずるほどコストが下がり、サービスがよくなるというふうには私はちょっと思えないと思うんですが、リース料の債権の中身を考えてみますと、私はサービスは非常に困難ではないかなというふうに思いますが、いやそんなことはないというお話があれば、具体的にひとつお示しをいただきたいと思います。
#45
○政府委員(麻生渡君) リース料の構成の中で、いわゆる金利の部分、これがどの程度の割合を占めるかというのは、いろんなモデル計算をしてみる必要がございまして、一概にはなかなか言いにくいわけでございますが、例えば一つのモデルといたしまして、リース期間を七年という形で標準的なリース料の構成を分析をいたしますと、物件の価格が仮に一〇〇〇というふうに仮定いたしました場合に、金利分のものは、これに対して二七〇程度になるというふうに考えられます。
 したがいまして、この金利分のところに今回の措置によりまして影響が出てくるわけでございますが、この金利分がどの程度軽減されるかということになりますと、これはそのときの市場条件等によって変わってくるわけでございますが、いずれにしましてもこのリース料の中におきます金利のウエートというのは、非常に長期にわたります関係で、全体を累積いたしますとこのように相当大きなものになるわけでございまして、このある何%あるいは何割、一割とかというようなものが変化をしてくるということは、やはり非常に大きなコスト軽減メリットを持つわけでございます。
 したがいまして、これがどのような形で具体的にそのメリットが利用者まで波及されるかということにつきましては、これはやはり一番重要なのは競争という点でございますが、競争がきちっと今活発に行われていますから、この部分のメリットが反映されて総合的な全体のリース料は下がっていくという形になるものと考えておるわけでございます。
#46
○穐山篤君 ちょっと角度を変えて、中小企業庁。
 三月三十一日に、政府は緊急経済対策をおつくりになりました。表向きは公共事業の前倒しというものが随分新聞には出ているので、これだけかと思ったらさにあらず、中小企業庁としても中小企業に対する緊急対策を発表しているわけです。
 そこで、具体的にお伺いしますが、資本金一億円以下のリース業者に対してこの緊急対策というのはどういう分野で機能をするのか。それから、リース業者からディーラーはリースをするわけですが、このディーラーは今回の緊急対策でかなり低利の融資を受けることになるわけです。リース料率についても下げてもらえるという援助策があったはずなんですね、あるはずなんです。そうなりますと、これは次の段階に入りますが、間接金融でリース会社が財源調達をするものと、それから直接金融で債権を投資家に買ってもらうというものと、それから今回の中小企業庁が出しております低利の融資というものを比較してみて、ディーラーは、こんなうまい手があるならば中小企業庁の方のお金を借りた方が得だ、こうなりかねないものもあるやに私はこの文章を読んで思うわけです。
 その点は後ほど聞くとして、とりあえず中小企業庁の緊急対策、その中身、なかんずくリースにかかわっている中小企業の振興にかかわる部分についてお伺いします。
#47
○政府委員(新関勝郎君) 本年三月の緊急経済対策におきましては、中小企業が売り上げの減少等によりまして資金繰りがタイトぎみに推移している実態を踏まえまして、中小企業の金融対策を講じたところでございます。この中小企業というのは、おっしゃいますように資本金が製造業の場合は一億円以下、または従業員数三百人以下、あるいは卸売、小売、それぞれ中小企業の定義がありますが、それがすべて適用になるわけであります。
 具体的には、政府関係の金融機関とか信用保証協会に対しまして、既往貸付金の返済猶予でありますとか担保徴求の適切な運用など、中小企業者の実情に応じたきめ細かい貸し付けとか保証等の運営を行いますよう指導いたしますとともに、民間の金融機関につきましても、中小企業金融の円滑化に配慮するよう要請がされたところでございます。
 それから、中小企業の省力化投資につきましては、国と都道府県との協力により運営をされております中小企業人手不足対策緊急貸し付け、いわゆるこれは中小企業体質強化資金の助成制度でありますけれども、それの金利の引き下げを行いますとともに、国民公庫とか中小企業金融公庫などの労働環境整備貸し付けにつきましても対象の拡大を図ったところでございます。
 また、中小企業者の担保力、信用力の不足を補いますために、中小企業信用保険法に基づきます倒産関連保証の対象業種の追加指定を行いまして、別枠の保証がさらに受けられると、こういう格好にしたところであります。
 当庁といたしましては、かねてから中小企業施策のPRに努めてきたところでございますけれども、この対策におきましては、さらに今申し上げました労働環境整備貸付制度の周知徹底のための県ごとの連絡協議会を開催いたしますとともに、融資制度を初めとする中小企業施策の一層の普及を図りますために、中小企業庁、通産局に相談窓口を設けたりとかあるいは制度の積極的利用促進に、そういうことで努めていくということでございまして、今後とも、中小企業をめぐります経済金融情勢を注視しながら、中小企業者に対します良質かつ安定的な資金の供給に万遺漏なきを尽くしてまいる所存でございます。
#48
○穐山篤君 いろいろな政策金融をこの際やりましょうと、こうなっているわけですね。今のところ基準金利は六%ですけれども、これがどう異動するかはよくわかりません。しかし、政府系の金融というのは金利はかなり安いわけです。したがって、ディーラーの立場からしますと、人手は足りない、何とかしかし仕事はふやしていかなきゃならぬ、そうすると一番金利の安いところに注目をすることになるわけです。したがって、私は、クレジットなりリースの債権の問題は債権の問題として十分に理解はいたしますけれども、中小企業全体の立場からいいますと、この緊急対策というのは私は救いの神ではないかなというふうに思うんです。私の後援会の人にもこういう業種の人あるいはディーラーもいるわけですが、十分知っていないんですよね。そんないいうまい手があるならばということで最近勉強を始めたぐらいであります。
 したがって、この法律を契機として、債権の譲渡あるいは小口化によってコストが下がりサービ又がよくなるというものと、政策金融を見比べることになると思うんです、当然。したがって、私は、どちらに味方をするということよりも、これは中小企業のために得になるようにやるべきではないかなと、こういうふうに考えているところでありますが、これは通産省としても、大いにひとつ宣伝、啓蒙をしていただいて、せっかくの金融政策でありますから対処をしてもらいたいと思います。
 それから、リース業界というのは、先日参考人にもお伺いをしましたが、多様化が図られていくのではないかという分野と、あるいはリース専門でいきましょうというふうに分かれるのではないかというお話があったわけですけれども、その中の一つが国際化の問題だと思うんです。現に、アメリカ、イギリス、東南アジアにかなり日本の企業が、リース業者が出ております。アメリカの場合にはCPや社債の発行という道があるわけですが、これは日本の国際貢献からいいましても健全に機能するならば、私は国際化というのは当然だろうというふうに思います。
 その点についての通産省の支援対策と同時に、かつて一度ありました、あれは大蔵省の関係ですが、航空機を三十一機リースをしまして、その当時サムライリースといいまして、輸出入銀行の低利の融資を受けたことがあるわけですが、今後これからリース業の国際化に伴いまして金融対策についてどういう御見解を持っているのか、その点をひとつ大蔵省にもお願いをしておきたいと思います。
#49
○政府委員(麻生渡君) 我が国のリース産業でございますが、相当速い勢いで国際的な展開をいたしております。具体的には、航空機あるいは船舶というような大型物件の国際取引につきまして、リースを採用して各国間の取引に参加しておるというケースが非常に多いわけでございます。また、資金調達面からも海外に法人をつくっておるというようなこともございます。現在、海外の現地法人、これは二十四カ国にありまして、百七十法人に及んでおるという状況でございます。
 平成三年の産業構造審議会のリース産業部会では、このようなリース産業の動向にかんがみまして、今後のリース産業の国際社会への貢献、国際的な役割というのはどのように考えるべきかということで、これを業界としてももっといろんな形で検討すべしという答申が出ました。これを受けまして、リース事業協会の方では国際貢献委員会というものをつくりまして、今後の国際協力あるいは国際的な役割のあり方というのを検討いたしております。発展途上国向けのノウハウの提供とか、あるいは人材養成のための研修制度等のサービスの拡充を図るというような具体策を検討いたしておりまして、これの実行に移っていこうというふうな動きにあるわけでございます。
 通産省といたしましては、現在のいわゆる国際取引のボーダーレス化のもとでは今後もこのような国際展開が進んでいくと思うわけでございますが、同時に国際的な役割も忘れないようによく業界にこのような考え方の浸透をするように図ってまいりたいと考えておる次第でございます。
#50
○政府委員(西村吉正君) リース会社の国際化の契機となりましたのは、先ほど先生御指摘のように、昭和五十三年の輸銀による緊急輸入外貨貸制度の創設であったと私どもも理解しております。その後いろいろいきさつがございましたが、さらに昭和五十五年には外国為替管理法が改正されまして対外取引が原則自由化されましたことに伴いまして、国際分野におけるリース会社の活躍の場も飛躍的に進展したと理解しております。
 現在では、プラントだとか車両だとかあらゆる大型物件のクロスボーダー取引が進行しておりまして、アジア各地、欧米その他世界の金融市場の中心であるロンドン、ニューヨークにおいても現地法人の設立が行われるなど、国際的に活躍をしておられると理解しておるわけでございますが、今後ともそういう分野におけるますますの御発展ということを期待しております。
#51
○穐山篤君 最後にまとめとして申し上げておきたいと思うんですが、譲受会社あるいは販売会社に対する規制というのは法律上厳しくしてありますね、指定調査機関もあります。しかし、そのもとになるクレジット会社、リース会社については債権の譲受についての計画表だけお出しをしなさいと、自分が持っている債権以上に債権を出すようなことはないと思いますけれども、投資家にしてみると、途中も大切ですが、この品物はどこの優良債権がということが一番問題意識を持つわけです。その意味では、このもとの会社の情報公開、ディスクロージャーが不十分ではないかというのはだれでも考える問題意識だと思うんです。そこをしっかりしておきませんと、投資家は手を出さない、こういうことが当然出てきますが、その点について一つ。
 それからもう一つは、クレジットにしましてもリースにしましても、ノンバンクを兼業しているところが大部分であります。金に色目はついていないわけですから、会社の中で資金の運用というのは自由になるわけです。しかし、最近のノンバンクの状況を見ますと、不良債権を抱えてその処理に困っているという状況ですから、金に色目がないやつをどうやって節目をつけるか、このことも我々は関心を持っておりますし、投資家もそのことを非常に注目をしているわけです。その点についての通産省及び大蔵省の管理指導体制といいますか認識について、できれば大臣の御見解もあわせて伺っておきたいと思っています。
#52
○政府委員(麻生渡君) 投資家に対する第一点のディスクロージャーの問題でございます。
 債権小口化商品でございますけれども、それは御指摘のように、そのもとになっております特定債権の状況がどういうものであるかということが非常に重要でございます。したがいまして、この法律では、まず第一に法律の五十八条に基づきまして、販売業者が販売をいたします場合には、一つは債権小口化商品の利率とか満期日、こういうことは当然でございますが、さらにベースになっております組み入れ債権の種類、あるいは過去におきますデフォルト率がどの程度になっておる債権であるか、それから、それに対しまして利用者が支払い不能になってきた場合、デフォルトを起こした場合に、銀行保証あるいはその他のリスク補てん措置がどのような内容の措置が講じられておるかというようなことを義務づけておるということでございます。さらに、投資家は、販売業者のみならず譲受業者につきましても、この業務、財産の状況、これにつきまして閲覧をできるという権利も義務づけておるという状況でございます。
 それから第二番目の、リース会社、クレジット会社の兼業の問題でございます。
 御指摘のように、確かにリース会社、クレジット会社はその多くがいわゆる貸金業を兼業しておる場合がございます。これにつきましては、法律の第六条の確認手続で、小口化されていきます債権、これがリースなりクレジット業の本業のために必要な限度を超えることのないように通産大臣がチェックをするという法律になっておるわけでございます。リースなりクレジット産業はほかの業務をやっておりますけれども、しかし資金計画あるいは事業計画をチェックいたしますと、具体的にリース業、クレジット業のために必要な金額というのは当然出てまいるわけでございまして、その内数の範囲内で行われておるかどうかという形のチェックをいたしたいということでございます」同時に、法律第十条に基づきまして、通産大臣の方に報告を求めるということができる権限が付与されております。このような権限も使いまして、実際の使途につきましてチェックをしてまいりたいと考えておる次第でございます。
#53
○政府委員(西村吉正君) 大蔵省の管轄しております金融業務を担当する会社、例えば銀行とか保険会社とか証券会社、これらにつきましては、法律上他業を営むことについて制約が厳しく課せられておりますものですから、比較的業務の内容を把握しやすいわけでございますが、いわゆるノンバンク、私どもの立場から申しますと貸金業を営む方々というのは、消費者向けの無担保貸金業者から信販会社、リース会社あるいは不動産関係等の金融会社といろいろな業務を他方において営んでおられる、兼業しておられる、こういう方がおられるものですから、一口にノンバンクの融資残高が九十八兆と申しましても、他業においていろんな仕事を行っておられることとの関連というのはなかなか私どもとしても把握をしにくいし、またそれだけその他業の部分を管轄しておられる他省庁とも協力をしながら行政を進めてまいるということにふだん心がけておるわけでございます。
 さて、初めの論点のディスクロージャーの問題でございますが、私どもも、こういう非常に複雑な業態でございますので、ノンバンク、貸金業を営む方々のディスクロージャーの問題についてもいろいろとふだんから工夫、勉強しておるところでございますが、何と申しましてもまず第一には、業界において自主的にディスクロージャーの充実を図られるということが大切なことだと思っております。その他の方策とあわせまして、今後業界団体にお付る自主的なディスクローシャーの充実ということに期待をしたいと考えておるところでございます。
#54
○穐山篤君 時間が来ましたので、最後に一言申し上げておきます。
 リースの典型的な契約は、瑕疵があっても負担を負わないとか中途解約はできないとか、いろいろな契約があるわけです。公明党さんがPL法案を提出したと新聞でも報道されておりますね、製造物責任。このリースにつきましてもいずれ問題にしなければならぬと思っております。十分念頭に置いてもらいたいと思います。
 それからもう一つ、今現実に困っている問題は、リース物件が寿命が終わって、再リースするなら別ですが、広い構内に野積みをされている廃棄物の処理に今業者、業界は非常に難渋をしているわけです。お答えは要りませんけれども、そういう問題も含めて十分適切な指導をしてもらいたいということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
#55
○三木忠雄君 それでは、法律の問題にちょっと関連するような問題になりますけれども、既に商品ファンド法あるいは特定新規事業実施円滑化臨時措置法に基づいてワラント債等による資金の調達を今までやってきた。三年前にできた法律、それから昨年商品ファンドの法律をつくった。この進捗状況はどういうふうなぐあいに現状はなっているのか、まずその点について説明を願いたいと思います。
#56
○政府委員(榎元宏明君) まず、新規事業法の関係につきまして御答弁申し上げます。
 新規事業法は、御指摘いただきましたとおり、平成元年十二月に施行いたしました。以来二年余り経過しているわけでございますが、この法律に基づきまして、私ども、低温小口輸配送システム機器の製造販売事業あるいはプラスチック廃棄物の油化――油に変えるという意味でございますが、油化プラントの製造販売事業など、これまで五件の新規事業を認定しておりまして、この認定事業につきまして産業基盤整備基金から出資をし、あるいは債務保証をし、今先生御指摘のワラント債の発行の特例を認めている、こういったことになっている次第でございます。
 その五件の認定事業の中で、ワラント債の発行をしているものがどれぐらいあるかということになるわけでございますが、これにつきましては既に発行したもの、これは三件ございます。また、近々発行を予定しているものが一件ございますので、そういう意味で全体で四件ワラント債の発行をし、また意図している。それから残りの一件につきましては、普通社債の発行を予定しているわけでございます。金額でございますけれども、既発行総額は二億九千万円ということになっております。近々発行予定のものを加えますと、合計七億九千万円の規模になる、このように見込んでおります。
#57
○政府委員(麻生渡君) 商品ファンド法でございますが、昨年の通常国会で法律ができたわけでございますが、先月、四月二十日にこれが施行されております。したがいまして、施行されまして約一カ月という状況でございます。現在は、この法律に基づきます商品投資販売業者あるいは投資顧問等の許可手続に入っておるという状況でございます。
#58
○三木忠雄君 今回の法律で特定債権の流通化を図るわけでありますけれども、通産省として、こういう特定債権ですね、販売する前に、ワラント債であるとかあるいは商品ファンド、これは手始めの問題だろうと思うんです。あるいは内容はちょっと違うだろうと思うけれども、余りこれ芳しい成績ではないんじゃないかというような感じを私は受けているんですよ、実際に状態を見ておりますと。
 これ、きょうは本論じゃありませんので、イントロとして私はいろいろ聞いておきたいと思っているんですけれども、あるいはワラント債も農水省とあるいは通産省と大蔵省の共管になって、結局これから進めていくんでしょうけれども、半年しかたたないというんだけれども、何かまだ流通過程を見ても、いろいろな点でうまくいくような感じはないわけですよ。バブルが終わった後、これから個人個人がこういう特定債権なり商品ファンドなり、あるいはこういうワラント債等に手を出そうというような考え方が一般の消費者からいえば、あるいは投資家から考えてみれば、非常に時期としては余りいい時期じゃないなという感じを私はまずしているわけです。株は実際に一万七、八千円というこういう状況の中で、こういう商品化をどんどんやっていって、果たして今までやっている商品ファンドだって、これ恐らく一年、二年、三年でどのぐらい伸びるかわかりませんよ。
 これらの状況の中で、あえて特定債権をこういう方向でやらなきゃならないという特別なやはり理由、あるいはリース業あるいはクレジット業界の救済のための資金調達と勘ぐられても仕方ないんじゃないかというような感じを私は持っているんですけれども、率直な意見をちょっと聞かせてください。
#59
○政府委員(麻生渡君) リース、クレジット産業は、先ほどもちょっと申し上げましたが、非常に大量のお金を使ってクレジットなりリースの融資を行っておるという状況でございます。かねて、BIS規制、あるいは日本の産業金融全体が間接金融から直接金融へ大きな流れとして動いておるという状況がございます。現在の両産業の資金調達は、例えばリース産業の場合には九八%が金融機関からお金を借りる、クレジットの場合も九二%程度であるということで、全く昔どおりの間接金融依存型という形で行われておるわけでございます。その意味で、今の間接金融から直接金融への流れということからは随分離れておるという状況でございます。
 一方、アメリカなどの状況を見ますと、リース産業、クレジット産業は八〇年代の半ばからやはり直接金融化への動きを強めておりまして、ここで言われておりますような債権の小口販売による直接金融による直接的な資金調達ということが非常に盛んになっております。こういうような状況を見まして、この両産業とも新しい債権の小口販売による資金調達に乗り出そうということで、現に一千億程度の商品の販売を行っておるという状況になってきたわけでございます。
 そうなりますと、この資金調達のやり方、産業側はそのような事情があるのは確かでございますが、一方で投資家保護という点から見ますといろんな問題、危険性があるということでございますから、やはりこの投資家保護の観点を貫くという意味で、投資家保護のためのいろんな措置等を講じておくことが非常に緊急に必要になってきておるというふうに判断をいたしましてこのような法律を立案した次第でございます。
#60
○三木忠雄君 今もう既にアメリカでもリース債権の流動化の問題で、日本の企業が、都市銀行あるいは信託銀行等がアメリカ等に支店なり本社をつくって日本の企業のリース債権を既に売買しているわけでしょう。それから、トヨタ等によりますと、やはりこの売り掛け債権等も含めて、アメリカでそれが販売されているわけですね。そういう実態と今回の特定債権との問題点について、どう関連をさせていこうと考えているんですか。
#61
○政府委員(麻生渡君) アメリカにおきましてはそのような手法が発達いたしております。したがいまして、日本の現地法人が一部の債権を現地で販売をするという事例は確かにございます。ただ、リース、クレジット産業、これにつきましてはまだ本格的にそのような形での販売をいたしておりませんで、むしろ日本国内でアメリカの企業がアメリカでやっているような方式を何とか定着てきないかということでいろんな発行の準備をしたり、あるいは一部の企業が発行をしておるという状況でございます。
#62
○三木忠雄君 いろんな債権の発行過程がこれから多様化していくというのは、私は、もう時代の流れであるし、国際化の中だから決して否定するものじゃないんですよ。しかし、日本の流通市場の整備という問題等も含めて、やはりできるのは大体大手の債権、例えばクレジット会社にしたってあるいはリース会社にしても、特定債権販売ができる企業というのはもう限られた大手じゃないかという想定をしているわけです。そういう点について、ここのこの特定債権の市場規模をどのぐらいに考えているのか、この点についてまずお聞きしたい。
#63
○政府委員(麻生渡君) 将来この制度が具体化されました場合にどの程度の市場規模になるかということにつきましては、これは今後の金融環境あるいは景気動向、それによりますリース債権、リース事業の伸びあるいはクレジットの伸びというようなことが非常に影響いたしますものですから、一概にはなかなか言いがたいという点がございます。ただ一方で、今申し上げましたように、企業のこの方式による資金調達意欲が非常に高いということを考えますとい今後は相当な水準で進展していくことが考えられるわけでございまして、私どもの見方では、この法律が施行されるということになりました場合、その後二、三年の間に一、二兆円ぐらいの規模にはなるんではないかというふうに見ておる次第でございます。
#64
○三木忠雄君 そうすると、直接金融で二、三年で、まあ整備もかかるからいろいろあるでしょうけれども、一、二兆円というと、リース産業、クレジット産業から見たら直接金融の比率というのは限られているわけですね、一〇%か一五%ぐらいになっちゃうわけでしょう。
#65
○政府委員(麻生渡君) そうでございます。
#66
○三木忠雄君 後で譲渡会社とか小口販売会社のいろんな法的な問題を一、二聞いておきたいと思いますが、実際に特定債権を発行できる会社、今一部上場等の会社でいろいろ債権発行している部分が一千億ぐらいあるということは私も実情を一、二聞いてますけれども、これから一兆円あるいは二兆円の方向に進んでいく場合に、相当な無理というか、販売を小口化していかなきゃならないんじゃないかという問題が出てくるんじゃないか。あるいは販売制度をどういうシステムにしていくかというような問題も、これからいろいろ議論されてくると思うんです。
 その中で、先ほどもちょっと質問が出ていましたけれども、やはり特定事業者という債権を発行するところ、この会社自体がやはりどういう債務を持っているのか、あるいはどういう状況であるのかというようなことがもう少し明確に国民の前に知らされないと、消費者というのは非常に困る、あるいは投資家というのは非常に困るという問題が出てくるんじゃないか。この問題点について、外国なんかは債権のあるいは社債の格付機関を持っています。日本はそれはないですね。これからどういうふうに整備していくのかわかりませんけれども、この点がこういうバブル崩壊後の特定債権発行という問題に対して非常に重要な問題じゃないか、私はこう考えるんですが、いかがですか。
#67
○政府委員(麻生渡君) 小口販売、債権を小口化される販売の対象になっておりますのは、これはリースなりクレジットなりの債権に基づきます手数料なりあるいは返済の代金ということになるわけでございます。問題は、投資家にとりまして、ベースになっている、もとになっております債権がどのようなものであるかということが非常に重要なわけでございます。小口販売債権の流動化というこの資金の調達というのは、要するに会社の信用ではなくていわば利用者なりの信用によって価値が決まってくるということでございますものですから、この債権の内容ということが非常に重要であるというふうに考えております。
 したがいまして、投資家に対しましては、まさにどういう債権をベースにこの小口販売される商品が成り立っておるかということについて明確にしておく必要があるし、またそれに対する安全措置もどのような形で講じられておるかということを明確にする必要があるというふうに考えておりまして、この法律第五十八条によりまして、特定債権の中身あるいは過去のデフォルトの状況、それに対しまして銀行保証等のリスク補てん措置がどういうことで講じられるかということを明示するという形になっているわけでございます。
 御指摘のように、アメリカの場合には格付機関というのが非常に発達いたしまして、この格付によりまして投資家はいろんな判断をしていくということでございますが、日本はまだまだこれが未発達でございます。特に、新しい分野でございますこのような小口化商品につきましてはまだ経験がないという状況でございますものですから、この法律にございますようないろんな安全措置をとるということにふりまして投資家の保護を図っていくというやり方をとっているわけでございます。
#68
○三木忠雄君 そうしますと、これは政令やら主務官庁の省令等によっているわけでありますけれども、特定債権の譲受業者あるいは小口販売業者というのは大体どういうふうな業者が、例えば資本金だとか、どの程度の人員構成とか、あるいは規模だとか、そういう問題を想定、これは法律が通ってからいろいろやられるのはわかるんですが、あらまし、大体皆さん方の描いている規模からどういうものを想定しているのかという点があろうと思うんですが、この点についてお聞かせ願いたいと思います。
#69
○政府委員(麻生渡君) まず譲受業者でございますが、これは法律の三十三条に基づきましていろんな許可の基準が定められております。資本金、これは一千万円以上であればいいんではないかと考えております。人的な問題につきまして、従業員が何名いなければいけないというふうなことはもちろんないわけでございまして、人的な構成がいろんな一般の法律にございますような健全な形になっておるということでございます。特に譲受業者について大事なのは、会社の資本的な構成あるいは人的にいろんな過去の法律違反がないというようなことも重要でございますが、同時に、やはり業務のやり方が非常に健全な形で行われるということが必要であるというふうに考えておりまして、特に兼業とかあるいは資産の運用あるいは合併というようなことについてはきちっと制限を設けて、常に経営内容が健全であり、投資家に対して約束された資金の償還が行われるということを確保する必要があろうと考えております。
 この譲受業者でございますが、これはいろんな形でできていくものと考えておりまして、もちろん専門的な譲受業者はできてくると思いますし、あるいはリース、クレジットの中小の企業などでは共同してつくっていくということも考えられます。また、金融機関が子会社というふうな形で参入をしてくるということも十分考えられるというふうに思っているわけでございます。
 それから、販売会社でございますが、これは不特定多数の投資家に小口化商品を販売するということでございますから、財産的な基礎はもちろん非常に重要でございますが、同時に、やはりそこにいます販売に当たります人材の問題、あるいは販売態度なり販売のやり方というふうなことが、他の例えば証券会社とかいうようなものと同じようにしっかりしたものでなければいけないというふうに考えております。したがいまして、許可基準そのものは、資本基準は譲受業者よりも少し大きいものを考えなければいけないと思っておりますが、特にやっぱり人材という面で十分ここで規定されていますように、いろんな行為規制に対応できるような会社であるということが必要であろうというふうに思っている次第でございます。
#70
○三木忠雄君 私が心配しているのは、恐らく特定事業者と資本系列が一つの流れになっていく、系列的な譲受業者、小口販売業者と、こういう関係で流れていって、そして老婆心ながら、こうならなければ私は幸いだと思うんですけれども、五千万ぐらいの債権であれば一般投資家はなかなか飛びつきづらいと思うんですよ、債権のよしあしは別にしましてね。ところが、これはさらに僕は小口化されると思うんです。恐らくターニングポイントは五千万でね、皆さん方が考えている五千万のときにはそんな大きな問題は起こらないと思うんですよ。恐らくこれはアメリカと同じようにどんどん小口化されてくると。五千万を機関投資家みたいなのが証券会社へ買いに行くという、この小口販売であればそれほど問題は起こらないと思うんです。わざわざ五千万持って買いに行くんですから相当な決意が要ると思うんです。
 ところが、これ小口で、先ほど人材と言われた問題、これに当たるわけですけれども、やはり訪問販売でどんどん小圧化されて、そして店頭販売から軒先販売みたいになってくる、商品相場みたいになってくる。こういう形になったときに、これは直接金融ですから、どんどん広げたいというのは、これは債権を発行するところから考えてみれば当然の私は心理だと思うんですよ。銀行から借りるよりも自分で直接金融やった方が安いんですから、それの方にどんどんそこはやっていこう、片や販売をどんどんやっていこう、一部は系列会社でやってしまう、こういう感じになって、マルチ的じゃないけれども販売がどんどん小口化されてそういう危険性をはらんでくるんじゃないか。そこらのやっぱり商品のある程度の基準の歯どめというものをこの特定債権については持った方がいいんじゃないか。
 きょうも一部の新聞に出ておりましたね、一つの大手の消費金融が子会社を通してそこから信販会社に融資したとか何かいろいろやっている、そこがおかしくなったから大手の方もおかしくなってきそうだという、こういうことだって報道されているわけです。そういう問題を見ると、やっぱりこの系列化という問題あるいは資本参加という問題で、発行会社がいろいろな状態で、譲受会社、小口会社、小口販売業者まで系列化するような傾向になってくるんじゃないかと。私は、これ本当に心配で終わればいいですけれども、恐らくこれがどんどん過熱化してくると、サラリーローンがいろんな問題を起こした第二の問題になってくるんじゃないかという心配、この懸念を持っているんですが、その点いかがでございますか。
#71
○政府委員(麻生渡君) まず、第一点の販売単位の問題でございますが、お話がございましたように、私どもは、販売最小単位は五千万円という形で指導し、これを守った形でこの事業を始めてもらうということでやってまいりたいと思います。
 御指摘のように、この商品は今までなじみのないものでございます。その意味で、投資家の中で十分この商品の性格あるいはリスクの程度というようなもの、これについて理解が進むということが不可欠でございます。その意味で、まずこの五千万円という程度であればそんなにどんどん一般の方々に行くということはないわけでございますから、この水準によって社会的な理解が十分進んでいく、成熟していくということを見守ってそれを確かめていくということでやってまいりたいと思います。したがいまして、この五千万円、将来いろんな熟度を見ましてこれを動かすかどうかということを考えなければいかぬと思いますけれども、その点につきましては、今御指摘のありましたような点を十分考えながら慎重にやっていきたいと考えるわけでございます。
 また、第二番目の系列関係というようなことがございますが、これはまさに現状のままでありますと、ここでこの法律で予定しています特定事業者、これがいろんな形でやっていくということになりますと、これは非常に問題があるということで、譲受業者あるいは販売業者という機能を明確に規定いたしまして、それぞれに参入規制、許可条件を設け、あるいはいろんな制限、営業上の制限を設けておる。また、販売につきましては、まさに販売のやり方、広告のやり方等々につきましての行為規制を設けておるということでございまして、このようなことを通じまして、今御指摘がございましたような懸念は払拭できるような法律になっておるものというふうに考えておる次第でございます。
#72
○三木忠雄君 五千万から小口化が始まったときに、どの程度の小口化になるかわかりませんけれども、そのときは心配だろうということを老婆心ながら申し上げておきたい、そうならなければ幸いだ、こう私は思っております。
 それで、原則としてやっぱり資金調達というのは、社債であるとかCPであるというのが本来の姿じゃないか、私はこう思っておるんです。しかし、国際化の流れの中で、日本だけが孤立して、そういうものをやってはいけないという法律は何もないわけだし、資本主義市場を育てるのにはいろんな競争があっていろいろ投資家の判断というものも大事な問題ですから、決して否定するものじゃありません。
 大蔵省に聞きたいんですけれども、やはり社債だとかCPがやっぱりなかなか解禁ができないといういろんな問題で、こういう方向に走らざるを得ない、資金調達の目を開かなければいけないという方向になってきたのも一部考えられるんじゃないかと思うんですけれども、この点はいかがですか。
#73
○説明員(杉本和行君) お答えいたします。
 先生御指摘のように、貸金業者が貸付資金の調達のために社債を発行することにつきましては、出資法という法律がございまして、その二条三項及び同条第一項におきまして禁止されております。これは、貸金業者が社債の発行により不特定かつ多数の者から貸付資金を受け入れることは、銀行業務的な性格を帯びまして、信用秩序維持の観点から問題があるということから禁止されているものでございます。
 それから、CPにつきましては、同様に、実質的には短期社債と同様の性質を帯びるものではないかという観点から、出資法の趣旨にかんがみまして現状ではこれを認めていないところでございます。しかし、この点に関しましては、かねてから銀行局長の私的研究会でございますノンバンク研究会の報告におきましても、ノンバンクが金融システムの中で明確に位置づけられ、それに見合った指導監督体制が整備されるのであれば、CPの発行を政策当局において前向きに検討する必要があると考えるという指摘がされております。このような指摘を踏まえまして、CPの発行につきましては、ノンバンクの指導監督体制のあり方とともに、引き続き検討していくこととしているところでございます。
#74
○三木忠雄君 余り時間がないので、ノンバンクの問題を聞く時間がないんですけれども、結局、リース会社も含めまして、銀行系列のリース会社というのは大体どのぐらいあるんですか。今百四十社ぐらいありますか、その中の銀行系列のリース会社がありますね。
#75
○説明員(杉本和行君) いわゆるノンバンクにつきましては、当局といたしましても、銀行等に対するのと同様な一般的な指導監督権限を有しておりませんので、必ずしもその実態を承知しておりません。そういう意味で、金融機関系の系列ノンバンクがどれぐらいあり、どういうふうになっているのかということについても、必ずしも正確な情報を把握しておりません。
 ただ、その御指摘の銀行系のリース会社というものの定義をどうするかという問題もございますでしょうが、当局に届け出をしていただいております金融機関の関連会社という概念がございます。関連会社と申しますのは、金融機関が出資する会社でございまして、その設立経緯、資金的、人的関係から見まして密接な関係を有する会社でございますが、その当局に届け出ていただいております金融機関の関連会社という整理で申し上げれば、都銀、長銀、信託の関連のリース会社は十二社でございます。
#76
○三木忠雄君 銀行系のリース会社とそれから本来のリース専門の業者、これを考えますと、こういうBIS規制であるとか、あるいは株価が今こういう状況であるとか、あるいは融資が非常に厳しいという系列、あるいは銀行が今四百八十兆円ぐらい融資をしているわけでしよう。そのうち三十兆円か四十兆円ぐらいが大体焦げているわけでしょう。ノンバンクを経由し、いろいろな問題があるわけです。
 そういう問題からすると、銀行としては資金が非常に枯渇して、クレジット会社、リース会社には余り金を貸せない。こういう状態になった中で、リース業の中でも銀行系列のリース会社は、ある意味では融資が受けられる、これは系列ですから。片一方のリース会社の方は、リース会社専門でやっている。こういうところに対して、資源の供給という意味から非常に不公平な問題が起こっているんじゃないか。きょうはこんなものを議論したくありませんけれども、そういう問題について、やはりリース業と、あるいはリース業と貸金業と兼業でやっている銀行系列の問題との間はどういうふうに区別するかということは、私はこの資金調達の問題で非常に大きな問題だと思うんです。競争の問題で非常に不公平な問題があるんじゃないか。
 まあ資本主義の中だから法規制の中で許されるものは何をやってもいいわけですが、平等に資金が融資されればいいけれども、こういう不況になってくると、あるいは資金が枯渇してくると、あるいはBIS規制の八%を守らなければならないということで貸出枠が非常に少ないというようなことになってくると、やっぱりリース業と銀行系列のリース業兼務の問題で大きな差別があるんじゃないか。この点については、どういうふうに整理をしていくつもりでございますか。
#77
○説明員(杉本和行君) 今、銀行がそれぞれ融資しますときは、融資の対象を選別いたしますというか、融資の対象がどういう資金需要があり、どういう経営内容になっており、どういう資金計画、そしてどういう事業計画でその資金を使用するかということを審査しまして貸し出すという姿勢をとっております。もちろん、銀行は公共的な資金配分という性格を帯びておりますので、その資金計画の妥当性及び収益性、その他をきちんと審査いたしまして、それで融資をするかどうかを決定するというふうに私どもは考えております。先生御指摘のように、銀行の系列のリース会社とそれ以外で資金需要の審査の上に差があるんじゃないかという御指摘でございますが、銀行というものの社会的責任及び公共性等を踏まえまして、銀行におきましては、資金計画なり、それなりの妥当性云々から判断して資金供給をしておるというふうに私どもは考えております。
#78
○三木忠雄君 私は、今回のバブルの崩壊の問題にしても、金融緩和の時代に銀行のあり方というのはやっぱり一つの社会的問題だと僕は思っているんですよ、ある意味では。四百八十兆は貸し出しているけれども、結局、ノンバンクから経由してリース会社あるいは信販、クレジットヘ行っている。この中でやはり焦げづいているのは何かといえば、ノンバンクがほとんどなんです。ほとんどと言ったら言葉は悪いかもしれませんがね。
 それはなぜかというと、銀行はなかなか審査が厳しい。確かに審査体制はしっかりしている。これはこれから債権を販売するにも審査体制が一番大きな問題だと思うんです。その中で、やはり銀行系のノンバンク、銀行系のノンバンクと言うと言葉は悪いかもしれないけれども、そういうところに対する、やはり銀行では融資できないけれども、ノンバンクだ、あるいは銀行関係のリースだ、そこが非常に甘いんですよ、正直に言って。だから、これが融資の混乱を招いた一つの大きな原因なんです。これがバブルの崩壊につながってきたんですよ。焦げつきが約三十兆円で、銀行の利息から考えてみたら、年間収益は普通の銀行が大体一兆五千億円か二兆円の利益が出るというんだ。大体六%か七%が融資の中の焦げつきと考えた場合に、やっぱり同じぐらいのとんとんの焦げつきがあって延滞になっているわけです。
 そういう点を考えますと、銀行系列のノンバンクに対するいろいろな融資が今回のバブルを招いたという問題について、やっぱり銀行がそういうところをもう少ししっかりしていかないと――系列化のところだけは甘い。そういうところは、貸し出せないものは全部そういうノンバンクに逃げている。そういうところが非常に私は大きな問題だろうと思うんです。これは答弁は要らない。あなたに聞いても、あなたに文句を言っても申しわけないから、私の意見を言っておきますよ、事実だから。私は、そういう問題の実態をいろいろ調べました。また、現実にいろんな人と会うからよくわかっているんですよ。そういうところをやっぱりよくこれから銀行として姿勢をしっかりしていきませんと、問題だろうと思うんです。幸い、銀行は審査体制が非常にしっかりしている。
 時間がないので、今回の特定債権の指定機関がどういうぐあいになってくるかということが一つ私は問題だろうと思うんです。ここで大蔵と通産の審査体制の問題が、証券が流動化することによって本当に審査体制が十分になっていくのかどうか。ここらの問題について、指定機関をまた公益的な法人をつくる、そのときに規模だとか人材だとか、こういう問題についてまた大きな問題だろうと私は思うんです。それほど大きくつくらない、五千万の債権で一兆円ぐらいだからもう何社に絞るんだという考え方かもしれませんけれども、一般からすれば、これはやっぱり審査体制、検査体制というのは大変だと思うんです。ノンバンクが失敗したのは、やっぱり証券の審査体制ができなかったんです。審査する人が少ないんです、人材が。これが結局担保物件をとられて不良債権を起こした一つの原動力になってきているんですよ。機関は多いけれども審査体制ができない、こういうところに問題があるんです。
 したがって、私は従来から、佐藤総理と昔予算委員会で質疑したことがあるんですが、公益法人は簡素化しないと必ず問題になりますよとだけれども全然、一つつくれば一つ廃止するというスクラップ・アンド・ビルドでやるという話が当時あったんですけれども、時代の趨勢ですからいろんなことはあるから文句は言いません。約七千の公益法人、またこういう指定機関をどんどんつくっていくということについて人材がそれだけそろっていくか。できれば本当は大蔵と通産と、品物は少々違うかもしれないけれども、もう少し審査体制が確立できるような体制をしっかりつくっておくべきじゃないか。したがって、この指定機関についてしっかりした人材、検査体制をつくっていかないと、これは投資家に大きな損害をもたらすような一つの問題になってくるのじゃないかということを考えるわけです。この指定機関についてちょっと御説明願いたいと思います。
#79
○政府委員(麻生渡君) この指定機関でございますが、御指摘のとおり、法律の三条あるいは六条を実施いたしますために非常に重要な役割を果たすわけでございまして、この自主的ないろんな国の審査を補完するということでございます。したがいまして、この機関は、高度に専門的な知識、経験を有しておるということがまず何よりも必要でございますし、同時に、業務を行うに当たりましていろんなプライバシーの問題あるいは会社の内容というようなことにも十分触れるわけでございますから、この秘密保持ということも非常に大事でございます。
 そのようなことがございますものですから、この高度に必要な公正性ということを考えました場合には、やはりこの法人は公益法人が望ましいというふうに考えておりまして、それから指定をいたしたいと考えます。ただ、公益法人、これにつきましては、新たにこのためにつくるのかどうかということになりますと、急にそんなに人材が集められるという問題でもございませんし、また既存の法人の中にもいろんな蓄積があるということがございますものですから、この指定は既存の法人の活用も含めまして幅広く検討してまいりたいと考えておる次第でございます。
#80
○三木忠雄君 もう時間が来ましたのでやめますが、指定機関の問題については、やっぱり人材の活用というか、確かに公益法人いろいろつくらなきゃならない問題があるかもしれませんけれども、既存のものの活用を含め、あるいはこの審査というのは業界だけでの代表みたいな感じではどうにもならないと思いますし、公益法人をまたつくるといっても恐らく出資金等の問題が出てくるだろう。したがって、既存の機関等をよく検討されて、やっぱり大蔵等の知恵もかりて、金融業務というかあるいは国際金融というような問題もいろいろ出てくるだろうから、こういう問題をやはり人材をそろえる意味においてはよく検討されて失敗されないように、私は老婆心ながらこれはぜひ要望しておきたいと思います。
 いずれにいたしましても、こういう時期に特定債権のこの法律が施行されるわけですから、これは非常に延ばすのには難しい時期だと思うんです。投資者側から考えてみれば商品の多様化ということで、ある意味では選定されるかもしれないけれども、この流通市場におけるいろんな整理統合という問題を考えたときに、証券の流動化という問題は非常に私は難しい問題だろうと思うんです。あるいは販売も非常に難しい問題になってくるだろう。そのときに行き過ぎが必ず出てくるだろう。こういう問題を非常に危倶いたしているわけですよ。クレジット債権あるいはリース債権という問題について、これはよく注意していかなきゃならない問題がいろいろあろうと思いますので、その点は十分によく注意をされてこの債権発行に踏み切っていただきたいということを強く要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#81
○委員長(岩本政光君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時十分まで休憩いたします。
   午後零時二十五分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時二十四分開会
#82
○委員長(岩本政光君) ただいまから商工委員会を再開いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、吉田達男君が委員を辞任され、その補欠として山田健一君が選任されました。
    ―――――――――――――
#83
○委員長(岩本政光君) 休憩前に引き続き、特定債権等に係る事業の規制に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#84
○市川正一君 渡部通産大臣は、本法案の提案理由説明の中で、特定債権を小口化して投資者に販売することによって資金を調達する事例が増加しているが、投資者保護のための規制が存在していないとして、投資者保護を最大の目的に掲げられております。
 まさに私、その点に疑念を持つのでありますが、四月一日付の実業界という雑誌を見ますと、「大蔵省に押されっぱなしの通産省としては、ここは是が非でも新法を押し通したい」と。「「担当部局の動きをみると、必死で実績づくりに精を出しているという感じです。オリックスや日本リースが一月六日からリース債権小口化商品の販売に踏み切ったのも、通産省の思惑通りです」」と、こう書いているわけであります。
 リース、クレジット産業が多額の資金を必要とすることは、ほかの産業と変わりません。また、BIS規制もあり、銀行からの資金調達が厳しくなっていることも事実だと思います。しかし、これらノンバンクの資金不足が深刻であるとするならば、それはバブル経済のもとで株式の仕手戦や不動産関連融資で土地投機をあぶり、その破綻によって不良債権を抱え込んでいるのが主要な原因ではないんでしょうか。
 私は、そうしたダーティーな企業活動をしている業界のために、新しい法律までつくって援助する必要があるんだろうか。そうした企業行動こそ規制対象にすべきではないんだろうか。そういう点で、まず通産省の認識をお伺いいたしたいと思うのであります。
#85
○政府委員(麻生渡君) 本法の対象になっております小口化の債権、これはリース債権あるいはクレジット債権であります。いわばリース会社、クレジット会社が具体的な物の販売等に伴って必要になってくる債権の問題でございます。確かにこれらの会社の中には、いわゆる貸金業を兼業いたしておるということでございまして、その貸金業の業務量が、さきの金融緩和期に非常に拡大しておるということがございます。そんなことがございますが、この本来のリース業、クレジット業という点から見ますと、これはまさに設備投資の促進あるいは消費者利便のために非常に国民生活上にも重要な役割を果たしておるわけであります。
 これらの会社の資金調達、これは世の中の流れが直接金融から間接金融へ流れていっておるという中で、資金の大部分が銀行に依存をしておるという状態でございまして、この中でまたBIS規制も行われてくるということでございますものですから、これらの会社は債権の販売というやり方で資金調達をやろうということで現実に動いておもということでございます。そのような意味で、その流れそれ自体は理解し得るんですが、十分合理性があるのでございますが、ただその投資家の保護という点から見ますと問題があるということでありますものですから、この法律を考えた次第でございます。
#86
○市川正一君 では、伺います。
 本法案によって資金が潤沢に流れるようになりますと、再び今指摘したような、言うならば反社会的な企業行動をとる可能性もまた甚だ大きくなると思います。それを防止する具体的な規制なり指導なりを行うんですか。通産省、大蔵省、両省にお伺いしたいと思います。
#87
○政府委員(麻生渡君) この制度ができました場合に、まずリース会社、クレジット会社に従来以上にたくさんのお金が流れていくかどうかという点がございます。この点につきましては、リース会社、クレジット会社は銀行から借り入れをするわけでございますが、その場合には、リース債権あるいはクレジット債権を担保に借りておるわけでございます。したがいまして、そのように担保に入れられておる債権は小口化して販売をしていくわけにはまいらないわけでございまして、小口化しますためには、新たにやったものにつきまして、新たに発生したリース債権、クレジット債権について販売の対象にしていくということになります。逆に、そのようにしますと今度は、それはもちろん銀行からの借り入れの担保に使えないわけでありますから、銀行からの借り入れをふやすわけにはまいらないということになるわけでございます。したがいまして、全体の資金量がこれによってふえるということではないわけでございます。
 もう一つ、これによりまして調達されました資金が、御指摘のように本来のリースなりクレジット以外に使われるということにならないかという点でございますが、この点につきましては、この法律では第六条の確認手続を定めておりますが、その手続によりまして特定事業者、つまりリース会社あるいはクレジット会社から財産の状況あるいは資金調達計画などの提出を求めまして、そしてこの譲渡される債権の総額というものから見まして、リース、クレジットの事業のために必要な限度を超えていないかどうかということをチェックするという仕組みになっておるわけでございます。
 さらに第十条でございますが、これで通産大臣は報告徴収権を持っておりますから、その報告徴収権を使いまして、実際にそのような、予定どおりの使われ方になっておるかということは事後的にも確認を十分できるということでございます。
#88
○政府委員(西村吉正君) 私ども大蔵省の行政という側面からリース会社なり信販会社というものを眺めますと、リース事業、信販事業等を行っておられるその反面において貸金業というものを営んでおられる、こういう側面が私どもの行政とのかかわり合いを持ってくるわけでございます。
 これは、いわゆるノンバンクと称せられている領域の事業者に共通する問題ではあるわけでございますが、こういう観点から私どもの行政とのかかわり合いを見ますと、昨年改正されました貸金業規制法に基づきまして、私どもはその貸金業という側面について、事業報告書等を通してノンバンクの土地関連融資等いろいろな実態把握に努めるとともに、報告書の提出等の機会をとらえてその事業の適正化を図っていただくようにお願いしておるところでございます。
 具体的には、投機的な土地取引に係る融資を厳に排除するとともに、不動産担保評価の厳正化に努め、審査管理体制及び融資実行後のフォローアップ体制の充実強化に努めるよう指導しているところでございます。
#89
○市川正一君 麻生さんは全体の資金量はそんなにふえないと、殊さらにその点にアクセントを置いていらっしゃるんですが、実態はそうじゃないんです。本法の施行によって、業界は今は大体一千億程度の実績しかない債権販売高を、長期利付金融債を〇・二%上回る程度の利率でもってしても一兆から二兆の資金を調達できるというのが、これはもう業界の常識になっている。
 そこで、伺いたいのは、麻生さん自身お認めになったように、リース業界やクレジット業界は貸金業を兼業しております。今回の法律に基づいて調達したそういう潤沢な資金が不動産融資や事業融資に転用されるおそれは多分にあるんです。今両省からお答えがありましたけれども、現に先日の参考人質疑で、私どもが一つの方法として区分経理の問題を出しましたところ、両業界代表とも経理を区分するのは難しいと、こううそぶいております。
 通産省に伺いますが、そういう点でどういうふうな監督指導ができるんですか、またなさろうとするんですか。
#90
○政府委員(麻生渡君) この債権小口化によりまして調達されました資金が、本来の。目的でございますリースあるいはクレジット業のために使われるということは非常に重要な点でございます。
 したがいまして、これをどのように担保するかということで、法律の第六条でございますが、これは通産大臣の方で確認手続を行うわけでございます。その確認手続の中で、実際に特定事業者から譲受業者の方に債権が譲渡されるというその額が、リース業あるいはクレジット業の実施のために必要な限度を超えていないかどうかということを審査するということでございます。実際には、財産の状況あるいは資金計画などを提出していただきまして、そしてそれが財産の総額から借入金やあるいは社債の担保となっているようなものを除きまして、これがリースなりクレジットの事業の範囲を超えるようなものでないかどうかという形でチェックをしていくということでございまして、このような形によりまして、御指摘のございましたリースあるいはクレジット業以外のところにお金が使われていくということのないように担保してまいりたいということでございます。
#91
○市川正一君 それじゃ、そういう一つの具体的あかしとして、かなり金利負担は業界にとっては軽減されます、今度のこの措置で。ということは、リースやクレジットの利用者の金利や手数料の引き下げが可能になるはずです。具体的にどれだけ利用者の金利、手数料などが引き下げられるんですか。
#92
○政府委員(麻生渡君) どの程度、従来の銀行借り入れを中心といたしました資金調達に比べまして、この方式が実際に実施された場合に調達コストが下がるかということでございますが、これはそのときどきの金融情勢あるいは景気動向というようなことによって大分変わってまいりますものですから、なかなか一概に何%ぐらい下がるということは言えないわけでございますけれども、いずれにしましても、しかし調達コストが下がらなければリース会社、クレジット会社はこういうことをやるメリットがないわけでございますから、コストは相当下がるということを前提にこれを行うわけでございます。
 それがどのような形でリースなりクレジットの利用者に還元されていくかということでございますが、これは手数料の低下とか、あるいはサービスの向上という形でコストが下がったのは必ず反映されていくだろうと私どもは期待をいたしております。と申しますのは、これらの産業の分野は非常に競争が活発でございます。したがいまして、競争を通じましてコストの下がった分は、消費者あるいは利用者へのサービスの向上、手数料の下げという形に当然なっていくであろうというふうに十分考えられると思っておるからでございます。
#93
○市川正一君 コストは相当下がるであろうと、そして金利や手数料も必ず下がるであろうことを期待する、要約して言うとそういうことですね。
 だとすると、私はそういう点を明確にしないと、リース業界やクレジット業界が土地投機などで国民生活を混乱に陥れた上に土地投機などによる不良債権多発のそういうツケを、結局投資家である消費者や国民からの資金で解消するための法律と言われても仕方ないんです。やっぱり、通産省として利用者、消費者に対する具体的な還元対策を示すべきであろうと思いますが、いかがでしょうか。
#94
○政府委員(麻生渡君) このような方式が実際にとられた場合にコストが下がっていく、これが本来のこの産業の目的であります利用者あるいは消費者へのいろんな形でのサービスという形で還元をされていかなければならないという考え方は、これはもう当然でご言います。したがいまして、私どもは、そのような考え方のもとに各企業がいろんな努力をしてこのコストの引き下げで還元をしていくという方向で動いていくということを期待するわけであります。
 これを具体的にどのような形で一律にどう還元するということは、それはなかなか行政の立場では難しいわけでありまして、会社のそれぞれの経営方針によりまして、手数料でいくのかサービスでいくのか、あるいはそれもどの分野でいくのかというような、いろんな競争の中での戦略があるわけでございます。したがいまして、私どもは、競争を通じてそれが実現するということを基本原則としながら、このような制度ができた場合に、本来の目的であります消費者還元ということを心がけるように奨励をしてまいりたいと考えるわけでございます。
#95
○市川正一君 私は、還元の対策を奨励するだけでなしに、適切に指導すべきであるというふうに思います。だって、あなた御自身コストは相当下がる、必ずまた金利やその他手数料は下がるというふうにおっしゃっておるわけですから、そういうやっぱり指導方向を行政としておとりになるべきだと思いますが、別の角度から伺います。
 先ほど来言っておられる第六条でありますが、特定債権の取り立て、つまり回収の責任はその債権を譲渡したリース、クレジットなどの特定事業者ということになる。仮に、リース契約やクレジット契約が履行されず、その債権が焦げつきになった場合を想定しますと、特定事業者は、既に特定債権は譲渡して資金は回収済みであるので積極的に回収の努力をする必要がなくなってしまうんじゃないか。ということは、最終的にその分割された債権を買った投資家や消費者がそのリスクを負担することになってしまう、そういうケースが多くなるんではないかという懸念を持つんですが、この点はいかがでしょうか。
#96
○政府委員(麻生渡君) この制度は、特定事業者、つまりリース会社、クレジット会社が持っておる債権を譲受業者に譲り渡すわけでございまして、そうなりますと、譲受業者が本来手数料なりあるいはクレジット代金を回収するということになるわけでございますが、この法律の第六条によりまして、回収は一方的に当初契約したリース会社なりクレジット会社とかわるということは問題が生ずるおそれがありますから、回収、取り立てのところは従来どおりリース会社、特定事業者に委任をするという形になっております。
 それから、今度はその内容が悪くて投資家にいろいろ迷惑をかけるんじゃないかという点でございますが、これは大きく二つの対策を考えておるわけでございます。これは三条になっておるわけでございますが、三条で債権の譲渡の届け出が行われるわけでございますが、その際に、一つは、譲渡される債権の内容が従来の同じような債権のデフォルト率から見ましてどの程度のものであるかという債権の質のチェックをするということが第一点であります。第二番目は、そのような過去のデフォルトの不払い率をベースに、それに見合う形でのリスクの補てん措置がどのような形でとられておるかということをチェックするということであります。
 そのような形によりまして、投資家への被害というのは最小限に抑えていくというやり方で、この小口化債権が構成されるという方向を考えておるわけでございます。
#97
○市川正一君 例えば、日経の二月八日の報道を見てもこう述べています。「金融機関のリスクを一般の投資家が肩代わりすることになる」、「ジャンク債」、がらくた債ですね、「まがいの危険な商品が市場にまん延する可能性は十分にある」、こう論じております。いわば、そういう懸念は現に一般にあるんですね。
 本法案による仕組みは、リースやクレジットの利用者である消費者も分割された債権を買った投資家である消費者も、リスクを負担することはあっても大きな利益を得ることはないんです。結局、特定業者であるリース、クレジット業界や債権の譲受業者や販売業者が大きい利益を手に入れることになるんです。私は、こういう国民犠牲でリース、クレジット業界だけが得をするということになる、こういうやり方でどうして提案理由で言われる投資者の保護になるのか。やっぱり問題は解明できていないと思うんですが、この点はいかがですか。
#98
○政府委員(麻生渡君) 債権譲渡によります資金調達、これは今リースなりクレジット産業が具体的に進めようということでございます。現実には、もう一千億以上のものが発行されておるという状態になっております。
 先ほど申し上げましたように、現在あるいは将来の金融環境を見ました場合に、どうしてもリースなりクレジット産業はこのような資金調達に依存をしていくという傾向を強めていくと考えられます。現在の法制のもとでは、これは自由にできるわけでございます。ただ、自由にした場合にいろんな投資家へのリスクが生じてくるということが考えられますものですから、それを何とか最小限のものにしておくということにしなければ、将来いろんな問題を起こすということでこの法律が立案をされておるかけでございます。
 具体的には、業者が当初の予定どおりリース代金なりを支払えなくなった場合のことが一番大きな問題になるわけでございますが、これは先ほど申しましたようなリスク補てん措置ということで銀行保証をつけるとか、あるいは優先劣後と言われておりますけれども、余裕を持った債権を譲渡させておくという形によって、少なくともその過去のデフォルト率を十分カバーできるようなリスク補てん措置をとるというようなことを講じておるわけでございます。
#99
○市川正一君 では、次の問題なんですが、指定調査機関及び特定債権等譲受業者、小口債権販売業者の指定許可に関する欠格条項などが第十三条で定められております。その中に信託業法、証券取引法、出資法、割賦販売法、商品ファンド法などの八つの法律に違反して罰金以上の刑を受けた者を明示しておりますが、貸金業法、訪問販売法、海外先物取引法などの違反は対象になっていないのはなぜなんでしょうか。
#100
○政府委員(麻生渡君) 御指摘の法第十三条第一号の欠格条項でございますが、これは、本法案に非常に類似した法律に違反した考というのはまたこの法律に違反する可能性が高いということでございまして、したがいまして、この許可を与える場合にこのような類似した法律の違反者は許可の対象から外しておくという意味でこの欠格条項ができておるということでございます。
 今、先生が挙げられました貸金業でございますが、これは確かに貸金業はお金を貸すという意味て少しリースなりに似ている面はないわけではありませんけれども、今回の小口債権の販売といいますのは、これは投資商品を提供し、投資者保護を図るという形の法律でございますので、法律の性格が相当違っておるというふうに考えられますものですから、ここに列挙をいたしていないわけでございます。
 また、海外先物の法律でございますが、海外先物取引規制法というのがあるわけでございますけれども、これは本法案で予定していますような現実の投資商品の公正販売ということではなくて、いわば先物取引の問題でございますから、これも同じような類似法律ということではないという考え方のもとに対象にしていないということでございます。
#101
○市川正一君 私は、やっぱり問題があると思うんです。特に、リース業界やクレジット業界は貸金業を兼ねているという実態からも、先ほど来これは確認し合って議論を進めているんですが、やっぱり最小限貸金業法については含める必要があると思うんです。そうでなければ、本業だけは通産省、大蔵省の指導監督でまじめにやるが、括弧つきですが、貸金業で土地投機や不正貸し付けをして処分されていても許可されることになってしまうわけですね。そういうことを私は厳しく指摘しておきます。
 次に、投資家との接点にいる小口債権販売業者の業務に関連してでありますが、小口債権の大きさですね。つまり、具体的な金額はどの程度を想定していらっしゃいますか。
#102
○政府委員(麻生渡君) 具体的な販売最小単位は、五千万円を想定いたしております。
#103
○市川正一君 一言で投資家と言っても、主婦や老人から、また機関投資家と言われる巨大企業まで含まれております。ところが、第五十六条から六十二条にかけてのいろんな規定は、結局、機関投資家を想定するというよりも、一般消費者を想定しているものと理解できます。現に、藤島産業資金課長は、四月六日の「金融財政事情」において、「プロの投資家のみを対象として販売を行なう場合にはこ「審査や対抗要件の具備の義務づけは必要ない」と、こう述べておられることも逆の意味でそれを裏づけていると私は思います。
 これまでの審議の中で、一口五千万円程度ということなのでありますが、投資家は事業法人ということになるという趣旨に受けとめておりますが、金額が法定されていないために幾らでもいいことになる。現におとといの参考人質疑の中で、堺参考人は、一口五千万円だから賛成だが、仮にそれが一千万円以下になれば話は別だということを言っておられますが、政府は、この一口の金額は一般消費者には手が出ないような高額に設定するというお約束ができましょうか。
#104
○政府委員(麻生渡君) この五千万円でございますが、小口化商品、これは日本では非常に新しい形での商品でございます。また先ほど申しましたように、債権のデフォルトに対する補てん措置というようなこともございまして、その内容につきましてはよく理解をしていただくということが必要でございます。
 その意味で、まず五千万円という形でスタートをするわけでございますが、この金額でありますと、御指摘のように機関投資家とかいうことで、個人は相当の金持ちであるというふうに考えております。これによりまして、日本での販売を始めまして、やはりこの商品につきましての性格あるいは意味というものを投資家に十分よく理解していただくということが必要であろうと思います。そのような社会における認知あるいは理解というものを、熟度を見ながら、この金額は慎重に考えていかなければいかぬと考えている次第でございます。
#105
○市川正一君 時間が参りましたので、最後に、大臣に一問お伺いをいたします。
 それは、今大きな社会問題になっております多重債務者問題なんです。御承知のように、昨年一年間の。自己破産は二万四千件にも上っております。そして、八四年のサラ金問題が深刻化をした時期に匹敵する勢いを示しているわけであります。
 その自己破産者について見ますと、何枚ものカードを使って借金を重ねる、いわゆる多重債務者がほとんどだと言われております。その原因は、債務者本人の責任もさることながら、クレジット業者による債務者への過剰与信が大きいと言わざるを得ません。その結果、今やクレジットカードの発行枚数は一億八千六百九十六万枚、販売信用供与額二十六兆円、消費者金融供与額三十九兆五千億円とも言われております。
 業界には、昨年来、新規利用者や若年層の利用限度額の引き下げなどの対策を実施させておられるようでありますが、カードによる購入商品の返済のために次から次へとカードをつくり返済させていく、そういう転がしの横行があって借金が膨らんでいるのが実態であります。実際の買い物に使われる代金は債務の三割から五割程度、残りが借金返済のためのキャッシングで自転車操業になっているのが現状であります。
 これは、それぞれの業者が自分の債権さえ回収できれば、後は野となれ山となれという反社会的な営業行動が根源にあります。これに厳しいメスを入れて、そして改善させていくことが今政府に求められている緊急の課題であると所存いたしますが、大臣の所見を承って、質問を終わりたいと思います。
#106
○国務大臣(渡部恒三君) ただいま御指摘のクレジットカードの使用による個人破産者の問題は、消費者利益の保護、経済社会の健全な発展の観点からも極めて重要な問題であると認識してまいりました。通産省としては、このような認識のもとにクレジット業界に対し、業界の健全な発展のための多重債務者防止について、信用情報の拡充等体制整備策を行うように指導してまいりました。
 通産省としては、ただいま先生の御指摘にもございました、今後とも関係各省庁と密接な連絡をとりながら、関係産業団体に対し与信の健全化のための指導等を行うとともに、引き続き消費者の啓発に努めることにより、この問題に対し、先生御指摘のような問題が起こらないように積極的に指導をしてまいりたいと存じます。
#107
○古川太三郎君 わずか三十分の質問時間ですので、細かいことはお聞きできないと思いますが、この法律全体を見てみますと、確かに投資者保護という目標が大きく掲げられてはおりますけれども、その内容を子細に検討しますと本当かなというような部分も多くあるように思うんです。いま一つは、なぜ今この時期にこの法律を出されるのかということも問題になろうかと思います。そしていま一つは、そういうノンバンク業界の資金が必要だという認識はあるにしても、その経営の健全化のためにこの法律はむしろこれを弱めるんではないかという考えもあろうかと思えるんです。
 最初の投資者保護ということで、保証という面から見てみましても、譲受会社、そして販売会社、こういった会社についてはディスクロージャーの部分がございますけれども、本家本元の特定事業者のこの部分のディスクロージャーは全然ないんですね。本来ならば、こういう債権というのは一番直に管理している会社の信用でこれはもう流通するものだと思うんです。それが証拠に、株式とか社債とかあるいはCPならば直に見えるわけなんですね、その会社が、発行している会社が見えるわけです。
 この場合は、もう譲受会社、そして販売会社、何かこう別の枠をつくって、トンネルをつくって、そこからいかにも信用があるような形で出てくるような債権になっているんです。しかも、そのトンネルというのが、これは国が関与して許可した会社にそれをやらす。これは、今永田町ではやりの言葉で言えば毛針構造の法案ではないかと思うぐらいなんです。そういう意味で、本当にこれが投資家保護になっていくんだろうか、ディスクロージャーがしっかりしていないという点で御意見を伺いたいと思います。
#108
○政府委員(麻生渡君) 債権の小口化によります資金調達でございますが、今お挙げになりました社債などと根本的な性格が違うわけでございまして、社債でありますとこれはいわば会社そのものの信用をベースに資金の調達が行われるというものでございます。小口化債権の場合でございますが、これはその債権償還のベースになっておりますのはリース債権あるいはクレジット債権というものでございまして、いわば利用者の能力ということが一番根本的なベースになっているわけでございまして、会社そのものではないわけでございます。
 そのような債権をベースにした商品が現実に売り出され始めているということでございますものですから、そうしますと、投資家の保護という点から見ました場合に一番大事なのは、ベース、基礎になっております債権の内容がどうなっておるかということを十分ディスクローズする、あるいはそれに対する保証措置をとっていくということが投資家保護の本来の枠組みを有効に働かせるゆえんであるというふうに考えたわけでございます。したがいまして、今御指摘がございましたように、ディスクロージャーとけうのはこれを扱います譲受業者あるいは販売業者のところが中心になっておるわけでございまして、特定事業者そのものは社債とかああいう形と同じような形でのディスクロージャーをとっていないということでございます。
#109
○古川太三郎君 今いみじくもおっしゃいましたけれども、そういう債権ならば、債権の内容が本当にわかる層、それだけを対象にすればいいわけなんです。先ほどからも同僚議員が質問しておりますけれども、これが五千万程度ならば、それだけのことを見る能力もある人だし、またそれだけの可処分所得のある人だろうし、また本来ならば、こういうのは機関投資家が買ったりするものだろうと私は見ているんです。
 しかし、この法案が一たん通りますと、これは金額の制限がございませんから、しかもお上が関与していることだからということで、必ずどんどん細かく小さい債権になっていくだろうと思うんですね。そしてまた、小さい債権になればなるほど販売の圧力をやっぱり会社の経営者はやっていくだろう。この前も参考人がおっしゃっていましたが、これはもう会社の経営者の姿勢だろうとは思いますけれども、しかし、銀行や証券のあの不祥事を見ても、もうかるものだったらやはりそれは者やっていくんです。そして、外務員らにもそういう教育をしていくんです。何も売らない外務員を雇っている会社というのはこれはもう倒産するでしょうから、必ず小さいところまでいくでしょう。
 そして、そこら辺で一番困ってくるのは年金生活者。本来ならば郵便貯金だとか銀行に預けておけばいいというものを、少しでもこれは利益ありますよということになって勧誘されていきますと、これはとてもじゃないけれども、肩もみされたりなんかしますと、つい、それじゃ二百万ぐらいとか三百万ぐらいとかいうことで買っていくんです。あるいはまた、電話で物すごく必ずいろいろの売り込みが来るだろうと思います。
 こういったもの、お上がやっぱり関与して、それは最終的に責任を持つのなら話は別ですけれども、また、抵当証券のように元金が保証されるものなら別ですけれども、このリスクは大き過ぎるんです。本当にわずかに利息が多い、わずかだけというものであるにもかかわらず、なくなれば全部なくなるんですから、大変リスクは大きいと思うんですね。ハイリスク・ハイリターンというのは、これは大きなロットを持っている人ならば話はわかりますけれども、そういう小口債権化していくおそれが十分にある。それだけに日本の社会ではお上のやっていることなら、お上が関与したことならという安心感が必ず出てくるんです。そういうところのギャップをどうされていくおつもりかお聞きしたいと思います。
#110
○政府委員(麻生渡君) なぜ国がこのような形で関与するかということでございますが、今の状態では、これはリースなり・クレジット会社の動向を見てみますと、こういう形での資金調達をどんどんふやしていこうという動きがあるわけでございます。その場合には、いろんな形での投資家のリスクというものについて一定のきちんとしたリスクの回避対策がとられるという保証はないまま行われるということでございまして、それがいろんな形で将来問題を起こすことが懸念されるわけでございますものですから、これが今後ふえていくというに当たっては、どうしても必要最小限度のリスク回避対策を講じた形で販売されるということを制度的に確立をしておくということが必要であるということで、この法律上、先ほど申しましたようないろんなリスク補てん措置を講じるというような形の規定になっておるわけでございます。
   〔委員長退席、理事松尾官平君着席〕
 それからもう一つ、この商品のリスク性でございますが、このベースになっておりますのはどこまでもクレジット債権あるいはリース債権でございまして、これは実業に根差しておる債権でございます。確かに、その中では利用者の方で支払い不能になっていくという債権がないわけではございません。この前の参考人の話にもございましたように、五%前後ぐらいのデフォルトがあるんだというようなお話でございました。したがいまして、そのデフォルトがあるという意味では確かにリスクがあるということでございますけれども、それは何割というような形で下がっていくと、デフォルトが起こるというのは大数の法則、経験的にないわけでございます。しかもそのデフォルトにつきましては、過去のデフォルト率を見まして、それに見合うだけの銀行保証なりあるいは補てん、追加的な債権を加えていくという形で補てんをしていくというやり方をとっていこうというわけでございますから、物すごく危険な商品というようなことでは決してないというふうに考えております。
#111
○古川太三郎君 普通の株券とか、そういう直接の会社が見える形のものであれば、非常に安心して買えるし、またどういった人でも少し研究すればうまみもあるだろうと思うんですね。でも、この複雑なたくさんある債権を一つのものに束ねて売買する場合には非常に知識が要ると思います。また、金利計算も自分でやったら恐らくできないぐらいの非常に難しい計算になるだろうと思うんです。そういう人たちが本当に手を出さないとすれば、この法律は要らないんですよ。こういう機関投資家だけでやるんなら、全部自己責任でやればいいんです。何も政府が関与することは一つもないと思うんです。関与するからおかしくしていくんじゃないかと、私はそう見るんです。
 しかも、通産省の九〇年代の政策目標としては、自己責任の原則ということを高らかにうたっていられるんだ。それをうたいながら、やっていることがちぐはぐで全然別のところにいっているという法案だから、私は、とてもじゃないけれども何を通産省は目標にしていられるのかという疑問がわくんです。何といいますか、毎年出る白書なんかは本当にそのまま信用して読めるのかどうか疑問なんですが、その点はいかがですか。
   〔理事松尾官平君退席、委員長着席〕
#112
○政府委員(麻生渡君) 大変恐縮でございますが、先ほどデフォルト率を五%と申し上げましたが、これは間違いでございまして、〇・五%に訂正させていただきたいと思います。
 それから、今のお話でございますが、自己責任、これは我々の社会の最も根本をなす理念でございます。したがいまして、これを尊重するということは当然でございます。ただ、自己責任をしていく場合に、それが可能になるようないろんな環境条件を整えていくということもまた必要でございます。
 したがいまして、この法律では、何もかも国がやっていこうということでは決してございませんで、投資家の保護のためにどうしてもやらなければいかぬと考えられる必要最小限度の規制をやっていこうということでございまして、この基本的な考え方は他のいろんな金融商品と同じような思想に立っておるわけでございます。このような規制を行ったら自己責任の否定になるというふうには考えていないわけであります。むしろ、自己責任を完結するについて、必要最小限度のディスクロージャーその他の措置をとり条件を整えるという制度であるというふうに考えるわけでございます。
#113
○古川太三郎君 自己責任の範囲ならばもうこれほうっておけばいいんです。これを関与されるから、小口の投資家まで巻き込んでしまうんです。そのことだけ私は注意しておきたいと思います。それが証拠に、附帯決議案にもそういったことがいろいろ書いてあるんですよ。みんな賛成される方も、この法案はちょっと臭いぞという気持ちはあるんじゃないかなと私は思うんです。そうでなければ、こういう附帯決議案は出てこないんです。
 それは別としまして、先ほどもジャンク債というようなことも言われます。本来ならば、こういう債権の資金調達の関係は、自分が見えるところでやっぱりやるべきだと思うんです。CPとか社債を発行させるような形の方が、これは特定事業者もむしろ自分の経営努力をしていくんです。この場合は、特定事業者の経営努力なんというのは全く関係ないんです、譲受会社、販売会社を通しますから、特定事業者の営業努力あるいは財務状態を強化するというような発想に出てこないんです。これはもう確かだと思うんです。本来ならば、CPだとか社債ならば、あるいは株式ならば、そういうものじゃなくて、その会社自体がディスクロージャーもしますから、見えできますね。それだけにアメリカあたりでは、こういう金融会社の関係だけで六〇%ぐらいの資金調達をしているんです。
 日本も、そのようにCPだとか社債を発行させることによって、何もノンバンクならばこれは銀行に近づくからだめだとか、そういうくだらない議論はない時代でしょう、今垣根がなくなってきて。ならば、CPだとか社債を発行させるようにすればいい。その方が特定事業者の会社は健全に発展していくと思うんですよ。それを見えなくしてしまって、新しく政府が許可を出してつくる会社に、しかもほかの事業はやっちゃいけないよ、何をしちゃいけないよとか、そんな保護の時代じゃないだろうと私は思うんですけれども、その点はいかがですか。
#114
○政府委員(麻生渡君) 第一点の、御指摘になりました経営努力の点でございます。
 このやり方をとりました場合に、ベースになりますリース債権なりあるいはクレジット債権、これが質の悪い、あるいはデフォルト率が非常に高いものということでありますと、実際にこれに投資をする場合には保証措置をとらなければならない、リスク補てん措置をとらなければならない。リスク補てん措置は、過去のデフォルト率が非常に高いというようなものと同じような形での債権であります場合には、非常にコストの高い保証措置をとらなければいけないということになってくるわけでございまして、その意味ではこのやり方をとりました場合に、相手のリース債権あるいはクレジット債権を非常に健全なものにしなければ、非常にコストの高い形になって特定債権化は事実上できないということになるわけでございまして、そういう点から考えますと、この方式をとりますと経営努力というものがなくなるというようなものでは決してないというふうに考えております。
 それから第二番目のCPなり社債の問題でございますが、CPの発行、社債の発行という直接の担当は大蔵省でございます。ただ、CPの場合には、これはコマーシャルペーパーと言われるようないわゆる短期の資金調達の手段でございまして、大体九カ月程度のものでございます。しかし、一方でこういうものも確かに必要なんでございますが、一方でリース、クレジットが必要としていますのは、相当長期のお金でございます。その意味ではCPの解禁というのは、確かに短期の資金調達を円滑にするというのは非常に重要でございますが、本来の必要な長期資金という点では十分に対応できるやり方ではないだろうと。社債につきましては、今の社債というのは純資産というようなことでございまして、このリース、クレジット産業は非常にたくさんのお金を使うということで、いわば資金多消費型産業でございますものですから、ほかの産業と同じようなクライテリアを使いますとなかなか社債が解禁されたとしても大きな額にはならぬのでは広いかというふうに考えております。
#115
○古川太三郎君 今、ノンバンクは大変な事情にあるだろうと思うんですね。それはもう公知の事実だと思うんです。そういうところで銀行は締め出した、BIS規制もいろいろあるでしょうけれども。そして本来ならば、CPや社債とかいうものを出さなきゃならぬときにも、そういったところも今は制度上できない。
 では、どうするかといえば、やっぱりこういったものにすぐ走られると思うんですけれども、これならこれで機関投資家に買ってもらえばいいわけです、今までのように、一千億もわずかな期間に売買されているんですから。しかし、もう今はその機関投資家からもノンバンクのものは嫌だ、こういう声がやっぱりあるだろうと思うんです。そうしたら、機関投資家からも締め出されたものをわざわざ譲受会社、販売会社をつくって、そのトンネルを抜け出して、そして余り保証もないものを何か保証をつけたようにして販売していくというのは、私はこれは国が関与すべき仕事じゃない、こう思っているんですけれども、もう一度そこをお聞きしたい。
#116
○政府委員(麻生渡君) ノンバンクという言葉でありますが、これはなかなか定義のはっきりしない言葉でございまして、一番中心的なノンバンクの中身というのは貸金業ということでありまして、特に事業向けの貸金業ということであろうと思います。
 それで、それのところが金融緩和時に非常に広がったということでございますし、御指摘のようにいろんな問題があるというのもそのとおりでございます。また、そのリース、クレジットの会社の一部は貸金業を経営しておるということで、そのような問題を抱えておる会社もないわけではございません。ただ、ここでやろうといたしておりますのは、その貸金業のところにお金をつぎ込むためにこのような制度を設けようということでは決してございませんで、どこまでもそのリースなりクレジットという実業に根差したところの資金調達、この多様化を図っていこうということでございます。
 その場合に、いやもうそれはほったらかしておっていいではないかというお話でございますが、ほったらかしておったら恐らくこれは急速な勢いでいろんな形で販売が行われ始めると思うんですけれども、そうなった場合にいろんな形でいろんな投資家を巻き込んでいくということが十分考えられるわけでこざいまして、そのためにはやはりここにできておりますような最小限度の危険を回避する保護措置をとっておくということが必要だと考えておるわけでございます。
#117
○古川太三郎君 多くの投資家を巻き込むとおっしゃいますけれども、こんな難しい債権を買う人はいませんよ。本当にわずかのお金で老後を楽しもうと思っている人たちは買いません、どんなことがあるかもわからないです。金塊とか何かなら皆さん知っているから、これはいいやというような形で買う人もいますけれども、この債権というのは非常に難しいですよ。ということは、それ以上に金額は下がってこないと思うんです。私は思いますよ。そういう意味から、余り関与なさらない方がいいんじゃないかという気持ちでおります。
 いま一つはプライバシーの問題ですが、これはクレジットの契約時に残高とかそういったものを登録するというように参考人はおっしゃっていましたけれども、もしこういったことをはっきりとわかる人に告げてクレジット契約をされる場合、むしろそんなことをされるなら要らないよという人もたくさん出てくると思うんです。それでも結構だからという人なら、この債権というのは非常に危ない債権だと私は思うんです。そういう債権を束ねて人に売るような、言葉は悪いですけれども、方法というのは、これは欲しい、いやそれで結構だ、その会社の内容だとか債権の内容を調べて買う人ならば、もう何もこれは取引ですからそれを禁止する必要はございません。
 そういう意味で、物すごくクレジット債権というのは私は歩どまりが難しいと思います。これから借りる人も、あるいは借りる人のプライバシーの問題との絡み合いていけば拒否される人が多いと思います。本当にちょっと時間的に必要だという人なら別ですけれども、まずそれを登録されながら、自分のプライバシーをさらけ出しながらそういう割賦の販売に手を出す人は少なくなってくる、こう思うんですが、そこら辺の考えはどうなんですか。
#118
○政府委員(麻生渡君) クレジットの利用者のプライバシーでございますが、このような制度ができました場合には、いわゆる特定事業者のほかにプライバシーに触れる可能性がありますのは譲受業者でございます。これにつきましては七十条によりまして、この得られた情報、これについては本来の債務の弁済を調査するために、デフォルト率を調査するために必要になってくるわけでございますが、の目的外に使用してはならないということで法律的な禁止をかけて保護を図っております。また、もう一つ可能性がございますのは指定調査機関でござい良す。指定調査機関がこの法律上の三条あるいは六条の届け出確認につきまして審査の補助的な役割を果たすわけでございますが、これにつきましても、二十二条によりまして漏えいを禁止しておるという形でプライバシーの保護を図っておるわけでございます。
 このような形で、個別のリース、クレジットの利用者の名前が外に出て、そして債権の内容が明らかにされるという形には決してならないような束ね方になっているわけでございます。
#119
○古川太三郎君 時間も来ましたので、最後にもう一つだけお聞きしますが、クレジットの関係では契約規模も小さいし、また期間も非常に短いだろうと思うんです。そういうクレジットとリースとを同じような法律の枠でできるものかどうか、そういったことも若干私は疑問に思うんです。しかも、クレジットの場合ならば非常に債権が変化しますから、そういう短い期間だと思いますから、そうすると継続の開示の規定がないんですよね、ここには。そういう意味で非常に投資者保護について問題ではないか、こう思うんですけれども、そのことをお聞きして、終わります。
#120
○政府委員(麻生渡君) クレジット債権、リース債権とも、確かに長さの点あるいは一件当たりの大きさの点において違いはありますが、しかしその債権の性格といたしまして、将来にわたりまして定期的に回収されていくという性格を持っております。その意味で、このような形での小口販売の、束ねるというやり方に非常に適しているということがございますものですから、これが一般的にアメリカなんかで普及し、また日本に入ってきておるという状態でございます。
#121
○委員長(岩本政光君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#122
○市川正一君 私は、ただいま議題となりました特定債権等に係る事業の規制に関する法律案に対し、日本共産党を代表して反対の討論を行います。
 本法律案に反対する理由の第一は、高利回りをセールスポイントに、新たな金融商品の販売で一般投資家、国民に新たな被害を拡大させるものであるからであります。
 通産省は、審議の中でも、当面は本法案による小口債権の単位を五千万円とし、投資家も事業法人を対象とすると答弁しておりますが、それは法律、政令で規制されておりません。一般投資家、国民を対象にしているからこそ、法案が書面の交付やクーリングオフの義務づけなどの投資家保護を打ち出していることからも明らかなところであります。
 参考人質疑においても、最低単位が五千万円だから賛成であるが、一千万円以下になれば話は別であり、被害が心配されると述べたことからしても、一般投資家、国民に新たな被害を拡大させるおそれがあることは明白であります。しかも、重大なのは、一般投資家、国民に販売される小口債権は、リース会社、クレジット会社の原債権と連結していないことであります。
 反対する理由の第二は、リース、クレジット産業や金融業の一部大企業に新たなもうけ口をつくり出し、経済の投機化を一層促進させることになるからであります。
 リース業界、クレジット業界は不動産融資などで土地投機をあぶり、国民生活を混乱に陥れた反社会的行為に対する反省もなく、また有効な防止策もとれていないのであります。土地投機などの不良債権の多発によるツケを、投資家たる消費者、国民から資金を調達し、リース、クレジット産業の資金調達手段を拡大し、そのコスト削減を図るなど、一部の大企業に新たなもうけ口をつくり、経済の投機化を一層促進させようとするものであります。
 反対する理由の第三は、リース、クレジット利用者に対する債務の取り立てが厳しくなり、プライバシーが侵害されるからであります。
 小口債権の販売で調達した資金を不動産融資や事業融資に転用させないための保障が何らとられておりません。また、リース、クレジット会社は、小口債権による資金調達で金利負担が軽減されますが、利用者に対するリース料金、クレジット手数料の引き下げなどの還元が保障されていないことが質疑を通じても明らかになりました。しかも、法案では、取り立ての行為の規制やプライバシー保護が明確に保障されておらず、債務者である利用者の権利が侵害されることにつながるからであります。
 以上、本法案に反対する理由を表明し、討論を終わります。
#123
○中曽根弘文君 私は、自由民主党を代表して、特定債権等に係る事業の規制に関する法律案に対し、賛成の討論を行います。
 現在、リース産業、クレジット産業は、民間設備投資、民間消費支出においてそれぞれ重要な位置を占めるに至っており、国民生活の発展に大きく寄与しているところであります。今後も、企業の設備投資の円滑化、国民の消費の活性化に貢献していくことが大いに期待されるものでありますが、これうの産業の資金調達手段については、銀行からの借り入れによる間接金融にそのほとんどを頼っている現状であり、金融環境の変化等に対し、直接金融へのニーズが高まってきているところであります。
 こうした状況の中で、産業構造審議会リース産業部会等から報告が出され、これらにおきまして、リース、クレジット産業について、資金調達手段を多様化する必要性を指摘するとともに、これら産業の保有する資産の譲渡により資金調達を行うことによって、低利の資金調達が可能となること、投資家にとっても資金運用手段の多様化が図られるなど、そのメリットについて指摘しているところであります。また、資産を流動化し、健全な市場を育成するに当たっては、投資家保護に万全を期すことも提言しております。
 先般の参考人の方々の意見陳述におきましても、資金調達の多様化に資する本法律案へ大きな期待が寄せられていることが明らかとなったところであります。
 本法律案の内容につきましては、まず、リース、クレジット会社等に対し、特定債権等の譲渡につきその譲渡計画の届け出及び第三者対抗要件の具備等によりまして健全な債権の譲渡を図るよう、投資家の保護のための規制を行っております。
 第二に、特定債権等譲受業者について、開業時の許可制を導入し、不適格者の参入を排除するとともに、兼業の制限、資産運用の制限等により、特定債権等譲受業者に関するリスクに対し投資家保護を十分図っております。
 第三に、小口債権販売業者について、開業時の許可制を導入し、不適格者の参入を排除するとともに、書面の交付義務、不当勧誘の禁止、クーリングオフ等の規定により契約に際しての投資家保護が十分確保されており、投資家被害の未然の防止が図られるものと考えられます。
 以上のように、本法律案は、特定債権等の譲渡による資金調達の枠組みを明確にし、特定債権等に係る事業の公正かつ円滑な運営が図られるとともに、投資家保護に万全の配慮を払ったものとなっております。さらには、低コストによる資金調達の道を開くことによるユーザーの利便性の向上につながり、今後リース、クレジット産業が国民生活にさらに貢献することとなることが期待できるとともに、投資家の資金運用手段の多様化と金融・資本市場の国際化に対応したものにもなっており、十分評価できるものであります。
 最後に、本法律案の施行後におきましては、効率的な市場の形成と投資家保護に配慮しつつ、適切かつ機動的な運用を行っていくよう政府に要請いたしまして、賛成の討論を終わります。
#124
○古川太三郎君 私は、連合参議院を代表して、ただいま議題となっております法律案について反対の討論を行うものであります。
 この法案は、まず、自由市場経済における自己責任の原則に逆行するものであり、国の手厚い保護、監督、規制のもとで行われる経済秩序は、自己責任原則下の自由市場にはそぐわないものであります。
 アメリカでは、CPの発行残高が金融関係の事業体で五七%にもなっております。金融自由化、国際化の観点からも、新たな資金調達の手段としては、CP、社債の発行がまず初めにとられるべき手段であると考えます。
 特にバブル期において、リース、クレジット業界を含むノンバンクは、行き過ぎた無選別融資、特に土地投機や架空預金証書を利用した融資等によって国民生活を混乱に陥れ、過剰与信により多重債務、自己破産を増加させるという社会問題を引き起こしてまいりました。両業界においては、この不信感を払拭しなければならないときであるにもかかわらず、この時期において新たな資金調達手段を与えるこの法案は、業界救済のためとしか映らず、到底納得できるものではありません。
 また、本法案は、事業者ではなく債権のみに注目し、購入、販売のディスクロージャーは規定したものの、特定債権の元来の所有者である特定事業者にはその規定はなく、それだけに投資者保護からは遠いものとなっております。
 法案が一たび成立すると、必ずや一般投資家をも巻き込む危険性が多々あり、再び大きな社会問題になりかねないことを強く懸念し、私の反対討論といたします。以上。
#125
○委員長(岩本政光君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決。に入ります。
 特定債権等に係る事業の規制に関する法律案北賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#126
○委員長(岩本政光君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 福間知之君から発言を求められておりますので、これを許します。福間君。
#127
○福間知之君 私は、ただいま可決されました特定債権等に係る事業の規制に関する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    特定債権等に係る事業の規制に関する法
    律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、特定債権等に係
 る事業基盤の整備と投資者保護の徹底による市
 場の健全な育成を図るため、次の諸点について
 適切な措置を講ずべきである。
 一、債権小口化による事業資金の調達が、リー
  ス・クレジット産業の利用者に対するサービ
  スの向上に資するものとなるよう指導すると
  ともに、特定事業者が併営する金融部門へ資
  金が流用されることのないよう指導するこ
  と。
 二、特定債権等の譲渡に当たっては、債権の内
  容、信用補填の程度など譲渡計画の審査等に
  万全を期するとともに、審査を補助する指定
  調査機関については、公正な判断を担保する
  ための財政基盤の確立、専門的知識を有する
  人材の確保を図ること。
 三、特定債権等譲受業者の事業運営の健全性を
  確保するため、兼業や資産運用等による財務
  状況の悪化が生じないよう十分に監督すると
  ともに、特定事業者との関係において事業の
  公正性が損なわれることのないよう指導する
  こと。
 四、小口債権の販売に伴う事故を防止し、市場
  が円滑に発展するよう、小口債権販売業者の
  事業のあり方を十分監視するとともに、販売
  時における書面交付に際しても投資家が不当
  に不利益を被ることのないよう指導するこ
  と。
 五、投資者の投資判断に資するため、原債権に
  関する情報については、リース・クレジット
  利用者のプライバシーに配慮しつつ、可能な
  限り幅広く開示されるよう指導するととも
  に、商品の品質変化に伴う継続開示のあり方
  について検討すること。
 六、他法律の適用を受ける適用除外事業者の政
  令指定に当たっては、法令等により投資者保
  讃の観点から業務が適正に遂行されるよう本
  法と同等の規制を現に受けている者に限定す
  るとともに、これらの者の業務遂行について
  は本法と同等の投資者保護措置が実施される
  よう取り扱うこと。
 七、本法が複数の主務大臣により施行されるこ
  とにより、諸手続きの煩雑化がもたらされる
  ことのないよう、主務大臣間の十分な調整を
  図るとともに、金融の自由化に対応し、投資
  者の利便が確保された効率的な市場が形成さ
  れるよう配慮すること。
 八、クレジット取引に関連する多重債務者。自
  己破産者の増加の現状に対応し、与信の適正
  化、信用情報の一元化、広報・啓蒙活動の実
  施等業界による自主規制措置の推進を指導
  し、特に若年多重債務者の発生防止に努める
  こと。
 右決議する。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#128
○委員長(岩本政光君) ただいま福間君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#129
○委員長(岩本政光君) 多数と認めます。よって、福間君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、渡部通商産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。渡部通商産業大臣。
#130
○国務大臣(渡部恒三君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重一して本法案の適切な実施に努めてまいる所存であります。
#131
○委員長(岩本政光君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#132
○委員長(岩本政光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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