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1992/05/14 第123回国会 参議院 参議院会議録情報 第123回国会 厚生委員会 第8号
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1992/05/14 第123回国会 参議院

参議院会議録情報 第123回国会 厚生委員会 第8号

#1
第123回国会 厚生委員会 第8号
平成四年五月十四日(木曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二十二日
    辞任         補欠選任
     真島 一男君     田代由紀男君
 五月十三日
    辞任         補欠選任
    日下部禧代子君     篠崎 年子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         田渕 勲二君
    理 事
                西田 吉宏君
                前島英三郎君
                竹村 泰子君
                高桑 栄松君
    委 員
                尾辻 秀久君
                木暮 山人君
                清水嘉与子君
                田中 正巳君
                宮崎 秀樹君
                菅野  壽君
                篠崎 年子君
                浜本 万三君
                木庭健太郎君
                沓脱タケ子君
                粟森  喬君
                勝木 健司君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  山下 徳夫君
   政府委員
       厚生省生活衛生
       局水道環境部長  小林 康彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        滝澤  朗君
   説明員
       環境庁企画調整
       局環境管理課長  熊谷 道夫君
       環境庁水質保全
       局海洋汚染・廃
       棄物対策室長   木下 正明君
       環境庁水質保全
       局土壌農薬課長  細田 敏昭君
       通商産業省立地
       公害局環境政策
       課公害防止指導
       室長       湯本  登君
       通商産業省機械
       情報産業局電気
       機器課長     青柳 桂一君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進
 に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(田渕勲二君) ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る四月二十二日、真島一男君が委員を辞任され、その補欠として田代由紀男君が選任されました。
 また、昨日、日下部禧代子君が委員を辞任され、その補欠として篠崎年子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(田渕勲二君) 産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○竹村泰子君 産業廃棄物の量と申しますか総排出量が大変にふえているんですね。昭和五十五年には二億九千二百万トンだったけれども、六十年度においては三億千二百万トン、ざっと五年間で七倍になっているんですね。この量を見まして、そしてこの増加していくありさま、それから残余容量などを見ていますと、残余容量は産業廃棄物では一億六千七百万トン、残余年数は一・六年分しかないという、こういう数字を見ておりますと、何かもうそれこそ日本はごみだらけになってしまうのではないか、こういう調子で伸び率で増加していきますと本当に大変なことになるのではないかと心配されるわけですけれども、これまでの政府の対応と申しますか、どんな計算をしておられたのか、厚生大臣の御所見を伺いたいと思います。
#5
○国務大臣(山下徳夫君) 私が厚生大臣を拝命いたしましてから、私も厚生行政につきましては以前にもある程度タッチしてまいりましたが、まず驚いたのは産業廃棄物のことでございました。したがいまして、今日までの経過につきましても関係者から十分いろいろ聞いたわけでございますが、産業廃棄物につきましてはあくまで事業者責任ということは、これはもう変わりない、これは大原則であるということは当局の、私の方の責任者たちが言うとおりだ、私も今日なおその気持ちは変わっておりません。
 ただ、これに対して、地方公共団体もその処理ができるという、そこが幅を持たせた制度でもございますが、このような制度を前提といたしまして、今日まで広域臨海環境整備センター、つまりフェニックス計画でございますが、それの制定とか、あるいは昨年制定いたしました産廃の処理法改正に対します廃棄物処理センター制度の創設とか、公害防止事業団等による各種政策融資あるいは税制上の優遇措置、さらには産業廃棄物の処理施設の整備の促進等やってまいってきたわけでございます。しかしながら、産業廃棄物は事業者責任とはいいながら、それでいいのか。今申し上げた点についてはいろいろやってまいりましたけれども、一体この問題についてはどこまで政府、行政が関与すべきであるか、あるいはサポートすべきであるか、こういう問題であろうかと思います。
 そういうことで、今御指摘のとおり、なかなかうまくいかないということであれば、ただ単に事業者責任ということでは済まされない、できるだけのことをやらなきゃというのが今回の法の改正の趣旨でございます。したがいまして、私どもはそういう立場から今後一層この解決に努力をしてまいりたいと思っております。
#6
○竹村泰子君 この法案の趣旨を簡単に言えば、モデル的な産業廃棄物処理施設には特別の融資をしましょう、それから債務の保証、税の優遇などを行うこととしましょう、そしてそのような良好な施設をふやすことを通じて市民の不安や不信をなくしていこうという、こういう内容だと思いますけれども、大臣、そのように理解してよろしいでしょうか。この法案のねらいといいますかポイントといいますか、簡単に御説明願えますでしょうか。
#7
○国務大臣(山下徳夫君) 大筋としては先生のおっしゃるとおりでございます。
 そこで、本法案の骨子につきましてかいつまんで申し上げますと、昨年の廃棄物処理法の改正におきましても各種規制の強化などを図ってまいりました。最終処分場など産業廃棄物の処理施設の整備の促進については、しかしながらまだ残された問題となっておるんでございまして、先ほど申し上げましたように事業者責任でございますけれども、周辺の地域に迷惑をかけるようなことがあってはならない、そこまで事業者が責任を持つべきである、こういう考え方に立って今回の提案が行われているわけでございます。
 本法案は、このような課題にかんがみまして、従来排出事業者、産廃物の処理業者等が専ら行ってきた産廃物の処理施設の整備に当たって、国及び地方公共団体が支援できる枠組みというものを提供いたしまして、その促進を図ろうということでございます。あくまで事業者責任ということは変わりございませんけれども、行政がどこまで関与するかというのは先ほど申し上げたとおりでございまして、これが解決のためには、ただ単に事業者責任ということで能事足れりということではなくて、我々も精いっぱいの努力をしてまいる。
 本法案の制定に伴いましてNTT・Cタイプの融資制度、周辺公共施設の一体的整備等の支援措置を講ずることによりましてモデル的な産業廃棄物の処理施設の整備が促進され、これにより全国の施設のレベルアップが図られることが期待されるわけでございます。また、新設する産廃物の処理事業の振興財団による債務保証などの業務を通じて優良な処理業者が育成されて、産廃処理への信頼が向上するというふうにねらいをつけて私どもこれを推進していかなければならぬと思っておる次第でございます。
 これらによりまして不法投棄の減少あるいは処理の費用の高騰の抑制が図られ、良好な生活環境の保全と円滑な産業活動の確保に資することとなるものと考えておる次第でございます。
#8
○竹村泰子君 非常に高度な発展を遂げてきた我が国の経済状態と申しますか、ハイテクノロジーとも言われるそういう産業あるいは経済の中で、こういったことは十分に予測をされていたことではないか。遅きに失したという、そういう感もしないでもないんですけれども、しかしできるだけ早く手を打たなければならないということは国民の共通した思いであると思います。
 今大臣に御説明いただいたような、そういうことだといたしますと、じゃ一体モデル的な産廃処理施設というのはどんな施設なんだろうかという基本的な方針が問われることにならないでしょうか。大臣、いかがでしょうか。モデル的な産廃の処理施設というのは一体どういうものであればよろしいのでしょうか。
#9
○国務大臣(山下徳夫君) 先ほど申し上げましたように、あくまで事業者責任とはいいながらも、これに関連する一部の施設と申しますか、そのものだけではなくて周辺との調和を図ることが一番大切であり、施設の周辺に迷惑がかからないためのことを整備する、これが一つのモデルでございましょうが、これに対しては政府が応援していかなければならぬ。したがって、ただ単に事業者責任ということではなくて、今申し上げました一部の施設について政府もしっかり応援していこうということでございます。
 そこで、特定施設とは第三セクターまたは民間産業廃棄物処理業者により設置される一部の施設、今申し上げたとおりでございますが、二種類以上の産業廃棄物の処理施設については、これはもう御承知のとおり必須の規定でございますが、さらに産業廃棄物の処理技術にかかわる研究開発施設あるいは研修施設、展示施設あるいは会議場等、そんないろんな施設を周辺に備えていくということであり、さらにこれらと一体的に設置される緑化施設であるとか集会施設、あるいは周辺にスポーツやレクリエーション施設をつくるとか、そういった教養、文化の面まで含めて構成されることが私は理想的な施設であると思う次第でございます。
#10
○竹村泰子君 なかなか理解しにぐいお答えなんですけれども、一部の施設ということを出しておられるわけですね。図解をすると割とよくわかるのかもしれないんですけれども、言葉で言うとなかなかわかりにくいと思うんですが、簡単に言いますとこういうことなんでしょうか。これまでの処理施設とは違って附属の研究所や研修所などを持つこと、それから周辺にスポーツやレクリエーション施設などを整備すること、さらに地元自治体も周辺の道路や公園の整備に努めること、このようにすればいわゆる産業廃棄物処理施設のイメージもがらっと変わった明るいものになって市民の支持も得られやすくなる、ざっと言うとこの一部の施設というのはそんなふうなことをねらっておられるのでしょうか、いかがでしょうか。
#11
○国務大臣(山下徳夫君) おっしゃるとおりでございまして、産業廃棄物の処理施設というそのもの自体との一つの調和を図ると申しましょうか、そういう意味においていろんなものを附帯的にその周辺につくりまして、そして環境をよくしていく、これが先ほど私がいろいろ申し上げました、例えばスポーツ施設等に至るまでその周辺に整備をしていくということが先生おっしゃるとおりの一部の施設だと私は理解をいたしております。
#12
○竹村泰子君 ところが、産業廃棄物処理施設の確保が最近の土地利用の高度化に伴う用地難、それから環境問題による周辺の住民の反対などによって非常に困難になっているということがあるわけですよね。特に大都市圏ではそうである。不安や不信をなくせるような施設はどうあるべきかという政府案の基本的な視点はもっともだと思いますけれども、そこでこれに対して用意されました一部の施設なるもののあり方が果たして適切かどうかちょっと疑問に思うところもあるわけです。
 これを考えていくために、これまでの産業廃棄物処理施設に対して多くの人々が不安を抱き、また施設設置者である事業者やこれを許可する都道府県に対して不信感をこんなに持っているのは一体どういうことなのか、政府の受けとめ方を聞かせていただけますでしょうか。
#13
○政府委員(小林康彦君) 近年、産業廃棄物の処理施設に対しまして住民の方々の不安あるいは不信、不満というものが各地で表明されておることは先生の御指摘のとおりでございます。こうした背景には、産業廃棄物の不法投棄等の不適正な処理が増加をしておりますことによりまして、産業廃棄物の処理施設の設置に対します。辺住民の信頼性が失われているという状況がございます。また、処理施設の整備に伴いまして周辺の生活環境が激変をするのではないかと、こういう懸念から処理施設の設置に対しまして周辺の方々の御理解がなかなか得にくくなっているという状況と私どもは考えております。
#14
○竹村泰子君 今御説明いただきましたけれども、遠隔地へ産廃が持っていかれるというふうな産廃の移動というような、広域的な移動が非常に多くなっていて、他方でまた都道府県の県外からの受け入れを拒否するような状態も招いている。それから不法投棄の多発による生活環境への影響とか、処理費用の高騰によう産業活動への影響とか、いろいろなことが受けとめられていると思うんですけれども、今産業廃棄物の受け入れ拒否、事実上の受け入れ拒否ですね、産廃の広域移動規制要綱などを制定している都道府県は幾つありますか。
#15
○政府委員(小林康彦君) 産業廃棄物の処理施設の設置あるいはその処理の業の実施に当たりまして、都道府県が要綱等を定めておるところは相当数ございます。平成三年十二月現在で二十三道県こうした要綱等を定めているところがございます。
#16
○竹村泰子君 二十三の道県で受け入れ拒否をしているわけですよね、事実上。そのようなこともあり、産廃の処理の仕方というのは非常に不安や不信、そして受け入れ拒否などなど厳しい状況にあると思いますけれども、今御説明いただきましたように、産廃の処理施設のそれらの問題のほかに、今おっしゃったようなことのほかにこんなこともあるんじゃないでしょうかね。
 例えば設置反対運動の背景には、有害物を埋め立ててはいけないとされている安定型、管理型、そして遮断型と、この三つの方法で処分をすると聞いておりますけれども、この安定型、管理型の最終処分場のいずれにも有害廃棄物が持ち込まれているのではないかとか、有害物専用の遮断型の最終処分場でさえも有害物が周辺の土壌や河川、さらには地下水に浸出してきたり、大気中に飛散してくるのではないかなどと、そういう不安があるのではないかと思われますけれども、このことに対してお答えいただきたいのと同時に、安定型、管理型、遮断型という捨て方ですね、これの御説明を願いたいと思います。
#17
○政府委員(小林康彦君) まず、三種類の最終処分場の内容、構造でございますが、遮断型の処分場は有害な産業廃棄物を埋立処分いたしますためのもので、一定の強度及び厚さを有しますコンクリート製の仕切りによって外部と遮断をされるなど、及び雨水の流入防止の措置がとられているということで、外界と遮断をされた形の構造でございまして、地下水を汚染するおそれのない構造というものでございます。
 安定型の処分場は、地下水汚染のおそれがない廃プラスチック類、ゴムくず、金属くず、ガラスくず、陶磁器くず及び建設廃材を埋め立てるためのものでございまして、その構造土地すべり防止や沈下防止のための措置等が講じられているものでございます。
 管理型処分場は、以上二つのその他の産業廃棄物を埋立処分するためのものでございまして、遮水工――地下水に水が行かないような遮水のための工法がとられ、それからその埋立地の中の水を集めますための集水設備、その水を処理いたしますための浸出液処理設備等が設けられ、地下水汚染を防止するための措置が講じられたものでございます。
 お尋ねの遮断型の安全性、地下水汚染につきましての可能性でございますが、最終処分場につきましては、施設の構造基準が定められておりはして、遮断型処分場につきましては、有害廃棄物が生活環境保全上支障を生じさせることのないよう、科学的データに基づきまして、厚さ十五センチ以上のコンクリートで地下水と遮断するなど特に厳しい基準を設けているところでございます。また、維持管理につきましても、定期的な点検の実施等、厳格な維持管理基準が設けられておりますことから、地下水汚染のおそれはないというふうに考えております。こうした基準の遵守が重要でございますので、今後一層指導の徹底を図ってまいることにしております。
 安定型の処分場に安定型に入るもの以外のものが入って問題を起こしているのではないかと、こういうお尋ねがございました。私どもの調査では廃棄物処理法に基づきまして設置届が出されております安定型処分場、平成二年四月現在で全国千三百七十七施設ございます。一方、少し時点がずれますが、平成元年十二月に昭和六十一年四月以降の事故事例について全国調査を行っておりますが、十二件の不適切な事例というものが挙がっております。
 このような不適切な事例あるいは事故の原因といいますのは、本来安定型処分場に持ち込まれてはならない産業廃棄物が搬入されたことによるものと考えておりまして、搬入する廃棄物の管理の徹底、処分場の維持管理体制の強化など、これを通じまして防止できる性格のものと考えております。このため厚生省では、平成二年四月に都道府県、政令市に対しまして、施設に対します実態把握及び監視、指導の徹底を指示したところでございまして、最近におきましても平成三年十月、本年の一月及び二月の全国会議におきまして安定型処分場への搬入物管理の維持管理の徹底を繰り返し指示したところでございます。
 以上でございます。
#18
○竹村泰子君 ちょっとお伺いいたしますが、その十二件の例、どのようにしてチェックされたのでしょうか。安定型処分場の管理をもっと厳しくしたいというふうに今部長お答えくださいましたけれども、どんなふうな管理を日常しておられるんでしょうか。例えば一年に一回地下水の検査をするとか何か、そういうことがおわかりでしたら教えてください。
#19
○政府委員(小林康彦君) 調査はその指導監督の任に当たっております都道府県に対しまして状況を把握するために厚生省で行ったものでございます。都道府県保健所設置市では報告の徴収あるいは立入調査等の手段を使いながら指導監督をしておるところでございまして、こうした事故、不適切な事例といいますのは、周辺の方あるいは市町村からの通報等もございまして、そういう状況のときには都道府県が立入調査をし、その状況の把握及び原因の究明、支障の除去のための適切な方策と指示などを行っておるところでございます。
 具体的に申し上げますと、例えば処分場から色のついで水が出るというような形の状況がございますと、その原因を追求し、搬入された廃棄物が遣切であるかどうかを調査をする、そんなような手法をとっておるところでございます。
#20
○竹村泰子君 事後のことなんですね、多分。ですから、何かおかしいぞと御近所の人たちが変なものを持ち込まれているぞ、あそこに捨てていいものだろうかというふうな通報があったりとか、あるいは色のついた水が出てきたりとか、この安定型処分場に捨てられるものの中にはプラスチック、ゴムくず、金属くず、ガラスくず及び建設廃材というのがあるんですね。
 この建設廃材というのが大変気になりますし、廃掃法の審議のときにも随分とこの委員会で問題になっておりましたけれども、当然アスベストがたくさんくっついているということが考えられるわけですね。そういう地下水に変なものが出てきたり、大気中にアスベストその他のものが飛散してくるという、そういう不安が周辺の住民たちを非常に処理場に対する不信感を抱かせているというか、そういうことではないかと思うんですけれどもね、いかがでしょうか。
#21
○政府委員(小林康彦君) 都道府県等の指導は表にあらわれました正常でない状態のほか、その搬入物についても適正管理の観点から、予防的な観点で指導を徹底しておるところでございます。
 安定型処分場に対しまして、そこに持ち込まれるべきでないものがまざっているという事例が存在したことは事実でございまして、そうしたことを繰り返さないよう搬入されます廃棄物の管理、安定型には安定型に適した廃棄物が搬入されるよう指導の徹底を期しておるところでございます。
#22
○竹村泰子君 特定施設整備促進事業というのは、最終処分場等の産業廃棄物処理施設のモデル事業を展開しようというものですね。大臣そうですね。どうやったら模範的に処分できるだろうかと。そうであるならば、特定施設の設置に当たっては三十ヘクタール以上の廃棄物処分場に限定した現行の閣議アセスと申しますか、そのような規定にかかわらず、十分な環境アセスを義務づけるべきではないでしょうか。このことを、そしてこの法案の基本指針にきちんと記載すべきであると思いますが、大臣どういうふうにお思いになりますでしょうか。
#23
○政府委員(小林康彦君) 廃棄物処理施設にかかわります環境影響評価につきましては、昭和五十九年の閣議決定、環境影響評価実施要綱に基づきまして、ただいまお話ございました三十ヘクタール以上の最終処分場について実施をしておるところでございます。
 また、本法の特定施設につきましては、基本指針の内容といたしまして必要に応じて環境に与える影響を調査、検討し、その結果を特定施設の整備に反映させていく旨記述することについても検討しているところでございます。
 なお、産業廃棄物処理施設につきまして、環境影響評価を法律上義務づけることあるいは規模を引き下げることにつきましては、現時点では閣議決定の趣旨及び他の開発事業との並び、バランスから困難であるというように考えております。
#24
○竹村泰子君 どういうふうに困難なんですか。閣議で決められたからなのですか。
 環境庁にもおいでいただいていると思いますけれども、環境庁はこういった三十ヘクタール以下の産廃処理施設には環境アセスメント要らないんですよね。こういうことに対して環境庁はもっと強く主張されるべきではないかと思いますが、いかがですか。
#25
○説明員(熊谷道夫君) お答え申し上げます。
 環境アセスメントにつきましては、ただいま厚生省からも御答弁ございましたように、昭和五十九年の閣議決定の要綱をもちまして現在そのアセスを進めておりますほか、地方公共団体が独自に条例なり要綱なり、そういったものに基づきましてアセスメントを実施しているところでございます。今回の産業廃棄物処理施設整備促進法案によります特定施設につきましても、こういったような閣議決定なり、あるいは都道府県等の制度の対象になる場合には当然アセスメントが実施されるものでございます。
 また、これ以外の廃棄物処理施設につきましては、閣議決定に基づくアセスの対象にはなってないわけでございますけれども、今申し上げましたしように、多くの地方自治体におきましては条例、要綱等によりまして独自のアセスを行っているわけでございます。
 さらに、本法案の特定施設につきましては、ただいま厚生省からも御答弁ございましたように、この基本指針の協議の中で環境保全に十分意を肝いる、このようなことになっておりますので、環境庁といたしましては、この基本指針の協議が主務大臣から環境庁に対してあることになっておりますので、その中で十分環境保全が図られるように調整を図ってまいりたい、このように考えております。
#26
○竹村泰子君 環境庁は、いわゆるアセスメント法案、これは前に提案をしようとして出せなかったということがありますけれども、再度提案を考えているというふうに聞いているんですけれども、いかがですか。
#27
○説明員(熊谷道夫君) 現在、御承知のように地球サミット等を控えまして、環境法制の基本的なあり方につきまして私どもの中でいろいろ検討している段階でございまして、アセスの法案等につきましては現在の閣議決定のアセスの運用状況等、そういうものを十分配慮しながら基本法制とあわせまして検討してまいりたい、このように考えております。
#28
○竹村泰子君 ぜひこれは提案したいのですというふうな意欲的な思いは環境庁としてはおありにならないのでしょうか。どうでしょう。
#29
○説明員(熊谷道夫君) 今お答え申し上げましたように、全体的な環境に対します法制といいますか、基本的な法制を含めて全体的な検討をしているわけでございまして、その中で検討する、このようなことでございます。
#30
○竹村泰子君 ここでお答えをそれ以上求めても無理だと思いますけれども、環境庁はこういったことに対して、やはり環境を汚すおそれのある場合、そういったときにきちんとした主張ができるような、そういう総合的な観点から強い御主張を願いたいと私どもも思います。
 大臣、お聞きになっていて、大臣は厚生省というのは非常に幅が広くていろんなことを管轄なさらなければなりませんから、このようなことを余り御存じなかったかもしれないけれども、三十ヘクタールというのはかなりの広さですよね。この三十ヘクタール以上のものについて国はアセスメントの必要性を閣議で認めて、それ以下のことは都道府県なりあるいは事業者団体なり商工連合なり、そういったところが随時やりなさいというふうなことになっているわけですけれども、大臣、これは所管大臣として基本指針にきちんと、いかなる場合にも環境アセスメントを義務づけるべきであるというふうなことをお考えになってみてはいかがでしょうかね。
#31
○国務大臣(山下徳夫君) 何せ一年間に産業廃棄物だけで三億トンから出ているという状況でございますから、ただこれはきつく制約することだけでごみ処理ができるかというとなかなか難しい問題だと思います。したがいまして、この三十ヘクタール等につきましても、諸般の実情等を十分踏まえながら国としての措置をとったということで、やはり適正なる規模かなというふうに私は考えておるわけでございます。
#32
○竹村泰子君 その広さが適正かどうかということよりも、私が今言っているのは、それ以下のものは環境にそれほど気を使わなくてもいいという、そういう国の方針が見えるから言っているわけでありまして、これは大臣またお考えおきいただきたいと思います。
 産業廃棄物処理施設を設置しようとする者は都道府県知事の許可を受けなければならないということになっているんですけれども、特定施設も産業廃棄物処理施設でありますから、厚生大臣の整備計画の認定とは別に、前回の廃棄物処理法の改正で都道府県知事の許可を受けなければならないことになったはずでございますが、その際の許可要件に三十ヘクタール以下の廃棄物処分場についても周辺住民の意向を十分反映する環境アセスメントの実施を義務づけることは可能であり、そうすべきではないかと思います。
 大臣、もう一度いかがでしょうか。
#33
○国務大臣(山下徳夫君) 環境問題がこれだけ行政の上でも政治の上でも取り上げられているときでございますから、ごみ処理等につきましては念には念を入れて方策を講じながら前向きに検討していく必要があると思いますので、御指摘の点も十分私も理解できますから、あらゆる面に配慮しながら進めていかなければならぬと思っております。
#34
○竹村泰子君 産業廃棄物処理施設の設置につきましては、前回の廃掃法の改正でせっかく都道府県知事の許可制になったのですから、従前の届け出制よりも周辺住民の不安の根底にある環境汚染の危険性が少なくなるように運用されなければならないと思うんですけれども、そのためにも、自治体の指導要綱などに基づいた事前協議、これは大変重要であると思います。
 厚生省としても、許可制にしたがために自治体、地域住民と特定施設を設置しようとする者との事前協議が妨げられることのないように考えていただきたいと思うんですが、私の持っております。ある資料によりますと、実際には自治体ごとの指導要綱に基づいてかなり厳しい事前協議がこれまではされてきた、しかし厚生省のある方のお話では、許可制にした場合は原則的には事前協議的なものは認めない方針だというふうなことを言っておられる方があるんですけれども、どうですか、そのようなことは事実でしょうか。それとも事実ではありませんでしょうか。
#35
○政府委員(小林康彦君) 現在、産業廃棄物施設の設置届け出に際しまして相当数の都道府県について行われております事前協議制といいますものは、設置が届け出制であるという現在の法律を前提として当該都道府県の自主的判断により行われているものでございますが、法改正、改正されました廃棄物処理法が施行されまして、施設の設置が届け出制から許可制へ移行した後についてこれをどうするか、これも都道府県が自主的に判断することになる事柄というふうに考えております。
 厚生省といたしましては、廃棄物処理法の趣旨に反しない限り、都道府県が改正廃棄物処理法の施行のために講じます方策につきましては、要綱を定めることもある、事前に打ち合わせ等の規定を入れることもあるというふうに考えております。
#36
○竹村泰子君 事前に打ち合わせ、事前協議が必要なこともあるというお返事ですね。そうしますと、さっきのこの私の持っております資料のように、原則的に事前協議的なものは認めない、そういうことは厚生省では考えておられないわけですね。
#37
○政府委員(小林康彦君) 事前協議と言われますものが強制力を伴いません行政指導にとどまっております限りは、廃棄物処理法に違背するとは言いがたいわけでございまして、厚生省としては、こうした状況のときは都道府県に対して特段の指導を行うことは考えていないことでございます。
#38
○竹村泰子君 ちょっとよくわからないのですが、今の部長のお答えによりますと、何か事前協議というものはしない方がいいように聞こえるんです。しない方がいいけれども、仕方がない場合は別に構わないよというふうに聞こえるんですけれども、そういった事前の打ち合わせ、協議、しっかりした相談、下打ち合わせというものはあった方がいいのではないですか。何か妨げがあるのでしょうか。
#39
○政府委員(小林康彦君) 施設の許可の申請に当たりまして、事前協議が必須の条件というようには考えておりません。そのため、法律上もそうした規定を置いてないところでございます。しかし、円滑に法律を施行いたしますために手順等を決めましたりします要綱等を定めますことは、それぞれの県の行政を円滑に進める上での判断でございまして、それについて厚生省がとやかく言う必要はないという立場でございます。
#40
○竹村泰子君 それでは、自治体が必要あると思ったときには別に妨げられないということでよろしいですね。
#41
○政府委員(小林康彦君) 廃棄物処理法の趣旨に沿っております限り、妨げるものではございません。
#42
○竹村泰子君 わかりました。
 さっき安定型、管理型、遮断型の三つの規格があるというふうに御説明をいただきましたけれども、この安定型、管理型の最終処分場は、有害物質の地下水の浸透などによる環境汚染の被害が後を絶たないというふうに聞いております。廃棄物の最終処分場の規格をもう一度見直して、安定型のような環境対策が不十分な最終処分場、これは廃止すべきではないかと私は思うんですけれども、どのような報告を受けておられますでしょうか。安定型、管理型の地下水などの浸透による汚染などの報告を厚生省はどのくらい受けておられますでしょうか。
#43
○政府委員(小林康彦君) 安定型の処分場について申し上げますと、平成元年十二月に昭和六十一年四月以降の事故事例について調査を行っておりますが、十二件の事例が挙げられております。
 その具体的な内容といたしましては、汚水が河川に流入をした、あるいはBODの高い水が河川に流入をした、あるいは浸出水によりまして地下水ににおいを与えるような汚染を生じた、このような事例でございます。
#44
○竹村泰子君 そのようなことが、さっきも御報告いただいたけれども、十二件報告があったわけですね。それは水質検査というか、流れ出てきたものはもちろん都道府県、自治体などで検査をされたのかなと思いますけれども、その成分とかはわかりますか。
#45
○政府委員(小林康彦君) 成分は、主としてBOD、有機物によります汚染でございまして、これらのケースにつきましては、沈殿槽の設置でございますとか、水処理施設の設置でございますとか、対応策を講じさせますとともに、廃棄物の搬入の管理の徹底を指示しているところでございます。安定型処分場の構造あるいは維持管理の基準に起因をするというよりは、持ち込まれました廃棄物の内容によるトラブルというふうに私ども考えておりまして、搬入管理を徹底させるという管理体制の強化が必要な事例というふうに判断をしております。
#46
○竹村泰子君 特定施設はモデル事業として廃棄物処理施設の模範的な施設でなければならないわけですから、一部の施設に少なくとも素掘りの安定型処分場は含むべきではないのではないかと思いますが、さっきお聞きするのを忘れましたけれども、安定型処分場というのは素掘りなんですよね。その上にゴム引きのシートをお敷きになるというふうなことだと思うんですけれども、このような不完全な形での処分場というのはモデル事業としてはふさわしくないのではないかと思いますが、これは十二件とはいえこれからふえてくる可能性もありますから、こういった不十分な最終処分場をどうお考えになるんでしょうね。環境汚染につながっていくおそれがある、今のうちに廃止をなさるべきだと私は思いますが。
#47
○政府委員(小林康彦君) 安定型処分場につきましての問題は、その構造面あるいは管理の基準にあるのではなく、そうした基準に合わない行為が行われた、すなわち搬入をいたします廃棄物の管理が十分でなかったと、こういう理由で生じておるものでございますので、処分場の維持管理体制を整備するという点が重要というふうに思っております。
 全国的に産業廃棄物の処理施設が不足をしているという状況でございますので、安定型は決して環境に対してトラブルを生ずる施設ではない、その運用の仕方に問題があるという状況でございますので、適切な運用、維持管理を前提といたしまして、安定型を含めました最終処分場の整備を本法で言います特定施設の一部として整備していく必要性が強くございまして、それをこの特定施設から排除することは適切ではないというふうに判断をしております。
#48
○竹村泰子君 即やめますというふうにはおっしゃらないと思いますが。
 さっきから同じことを繰り返しお答えいただいていますが、管理を十分にすると、中身ではなくて管理体制を十分にすればこれは防げるのだというふうにおっしゃっていると思うんですけれども、確かにそれはチェックを厳しくすればいいかもしれないけれども、じゃ建設廃材にアスベストがついているかどうですかということを、搬入されるときに管理をきちんとして一〇〇%それを排除されるのでしょうか。もしそうだとすれば、これまでの十二件だって起こらなかったわけですし、じゃこれまでの管理体制がルーズだったのかというふうにお聞きしなければならなくなってしまいます。
 人間のやることですから完璧ということはないわけで、管理体制を十分にすれば全部防げるという、そういうお答えではちょっと私は納得しかねますね。少なくとも十二件、そういった被害がもう既に出てきている。
 ですから、例えば産業廃棄物の搬入に当たって安定五品目以外の物質が紛れ込まないように分別を徹底させるために中間処理施設の併設を義務づける、必ず中間処理施設をしてそこで徹底分別をさせる、そういうことを考えるべきであると思いますけれども、いかがですか。
#49
○政府委員(小林康彦君) 安定型処分場に搬入されます廃棄物のチェックは、その処分場の入り口、と同時に搬出されます場所、廃棄物が動き始める場所におきましてはっきり安定型に適したものとして運び出されることがもう一つの大きなポイントというふうに思っております。したがいまして、維持管理体制の徹底という内容には、最終処分場の管理をしている段階及び排出者に対する指導も含めて行われるべきものというふうに考えております。
 そういう観点からいきますと、安定型処分場に適切な廃棄物が搬入をされる体制ということになりますと、安定型の処分場そのものに今の選別施設を義務づける必要はないというふうに考えておりますが、事業者が廃棄物の選別のためにそうした施設を設置し的確な廃棄物の区分を行う体制を整備することは、大変歓迎すべき方向だというふうに考えております。
#50
○竹村泰子君 ちょっとよくわからなかったんですが、中間処理施設のようなものを設置する必要はないとおっしゃいましたね。入り口できちんと管理をすればということですか。しかし一般の業者が、民間の業者がそういった分別の処理施設をきちんとつくることは歓迎するという意味ですか。
#51
○政府委員(小林康彦君) 安定型の処分場に選別施設を設置して安定型の処分場に持ち込まれた廃棄物を選別すると、法律上そういうことを義務づけるということは適切でないというふうに考えております。
 その前の段階で選別の施設を使いまして廃棄物を選別し、安定型に行く廃棄物は安定型へ、管理型に行く廃棄物は管理型へ、再生利用するものは再生利用すると、こういうようにその前の段階で流れを幾つかに分けるということは、これからの廃棄物処理の行政にとりまして極めて有意義な方向というふうに考えているところであります。
#52
○竹村泰子君 それはそのとおりなんですが、国がそういうことを、分別を徹底させる中間処理施設のようなものを義務づける必要はないということですね。
#53
○政府委員(小林康彦君) それぞれの最終処分場で受け入れる廃棄物の種類、性状というものは定めておりますので、それに適するような状態で持ち込むというのが法律上の規定でございます。安定型の処分場にそうした設備を義務づけることは適当でないというふうに考え、お答えをしておる次第でございます。
#54
○竹村泰子君 分別を徹底させることがいかに難しいかということは厚生省が一番よく御存じなんじゃないですか、これまでの経過から。それを完璧にできるから、そうすれば必要はない、しかも法律上適切ではない、そういう答えは私にはちょっとよくわからないですね。そういう分別を徹底させるために必要であれば、しかも周辺の環境を、あるいは住民に不安を与えない、不信を与えない、そのためにはきちんとした分別をして、そして処分場に運び込まれるようにするべきである。それを国が指導して、基本指針にもそういうふうにお決めになるということがなぜそんなに難しいのかなと思うんですが、予算上のことですか。
#55
○政府委員(小林康彦君) 管理型の最終処分場に行くべき廃棄物と安定型の処分場に行くべき廃棄物が混合している状態でございますと、これは管理型で処分をするべきものでございます。こうしたような状況を考えますと、事前に選別施設を設けまして分けて、まざっていれば管理型に行くべきものが、安定型に行けるものが出てき、あるいは再生利用の促進に役立つ、こういう効果もございますので、選別施設そのものの効果あるいはそうした施設整備の必要性、促進につきましては私ども今後大いに進めていかなくてはいけない、こういうふうに考えておるところでございます。
#56
○竹村泰子君 特定施設の最終処分場もいずれは埋め立ての残余容量がなくなって最終処分場としての寿命が来るわけでありますけれども、その後の跡地管理についても特定施設としては模範的なものでなければならないというふうに思います。そんな意味でも、今の分別を徹底させて捨てておかなければ、やがて後の世代、子供たちや孫たちの世代になっていろいろなものがしみ出してくるというようなことでは大変に困ると思うんです。特に土壌汚染、環境基準等の土地汚染対策、それから環境庁において検討中と伝えられます土壌汚染防止法案、これとの整合性を十分確保すべきであると思いますけれども、基本指針にはこの趣旨を記載なさいますでしょうか、どうでしょうか。
 それと、環境庁で検討中、五月八日の朝刊に出ておりましたけれども、土壌汚染防止法案、環境庁からこの御説明もいただければと思います。
#57
○政府委員(小林康彦君) 御指摘の土壌汚染防止法案につきましては、これからの問題かと思いまして、現在のところ私どもその内容を承知しておるところではございませんが、本法案の基本指針におきまして「環境の保全その他特定施設の整備に際し配慮すべき重要事項」を定めることとしておりますほか、基本指針を定め、あるいは変更しょうとするときはあらかじめ環境庁長官に協議をすることにしておりまして、両者の関連、連携はとれる形態になっておるところでございます。
 特定施設につきましても、廃棄物処理法の規制は当然でございますが、このほか各種公害関係の規制が適用されることになっておりまして、特定施設の整備に当たりまして、生活環境の保全に万全を期すべきことは、先生の御指摘のとおりと私ども考えておるところでございます。
#58
○説明員(細田敏昭君) 御説明申し上げます。
 土壌汚染対策に関しまして、まず農用地の土壌につきましては、農用地の土壌の汚染防止等に関する法律に基づきまして制度的な取り組みを行ってきているところでございますが、農用地以外の市街地等の土壌につきましては、近年の産業活動の活発化に伴いまして新たな化学物質による環境汚染の懸念、あるいは急増する廃棄物の処理問題に関連しまして、土壌汚染に対する関心が高まっておるところでございますし、また、市街地の再開発等に伴って、過去に蓄積した有害物質を含む土壌の存在が明らかになるといった場合が見られるわけでございます。
 こういう状況に対処するために、昨年の八月に土壌の汚染に係る環境基準を設定しまして、この達成維持に向けての汚染原因者等による自主的な取り組み、あるいは公害防止事業団による市街地土壌汚染対策に係る融資制度の活用等の指導を行っているところでございますが、環境基準、まだ昨年八月告示したばかりでございまして、今後の環境基準の運用の推移や土壌汚染の実態把握の進展ぐあいによりましては、現行の法制度のみでは調査や環境基準の達成が十分行われなくなる事態も想定されますことから、土壌汚染の防止あるいは汚染土壌の回復対策を内容とする法制度の必要性について、各方面から指摘を受けているわけでございます。
 こういう状況でございまして、必ずしも直ちに法制度化を前提とするものではございませんけれども、今後、土壌汚染に関してどのような対策が必要であるか、また、その内容はいかにあるべきか等につきまして、関連の諸施策あるいは外国の制度の例等につきまして、学識経験者の意見等も参考にしながら、このほど検討会を開催したところでございまして、まだ法案等といった具体的な検討には及んでいないという状況でございます。
#59
○竹村泰子君 新聞にはかなり詳しく法案の大筋が出ているんですけれども、まだそこまでいっていないということですか。いつごろ出される見込みとか、そういうことも全然決まっていないんですか。
#60
○説明員(細田敏昭君) いつまでにどのような結論を出すかについて、期限を区切って検討を開始しているわけではございません。取りまとめ可能なものが検討の過程で得られれば、その段階で取りまとめをしまして、所要の施策に反映できるよう努力してまいりたいというふうに考えている段階でございます。
#61
○竹村泰子君 この土壌汚染防止法というのが、法案が提出されてもしも、もしもということで仮定で申し上げて申しわけないんですけれども、きちんと国会を通過したときには、この基本指針はやはり厚生省もこの土壌汚染防止法に沿ったものというふうにお変えになる気持ちはおありですか。
#62
○政府委員(小林康彦君) 公害関係の規制、現在でも大気汚染防止法等ございまして、それに該当いたします施設につきましては、それらの規制に従うのは当然のこととしております。
 土壌につきましても、新たな法制度ができました場合には、それに従っての施設整備、運営が行われるべきものというふうに私ども考えているところでございます。
#63
○竹村泰子君 先ほどのアセスメント法案にしましても、今度の土壌汚染防止法案にいたしましても、私たちの環境、そして将来の未来世代といいますか、そういう長いスパンで見た場合に非常に重要な私は法案になるというふうに思いますので、環境庁、頑張っていただきたいと思いますけれども、そういう希望を申し上げておきます。
 地域住民の産業廃棄物処理施設に対する不安は、最終処分場だけではなくて中間処理施設についても随分あるようですね。特に焼却施設やアスベストの処理施設については、大気汚染の問題や健康被害の問題がつきまといます。産業廃棄物処理事業振興財団が債務保証してつくられた特定施設が、もし公害をまき散らして地域住民に甚大な被害を及ぼし、膨大な損害、賠償責任を負ったときには、産業廃棄物処理事業振興財団の責任はどうなるのでしょうか。きちんと対応できるような仕組みになっているのでしょうか。
#64
○政府委員(小林康彦君) 廃棄物処理施設、中間処理施設も含めながら、住民の理解を得ながら適切な施設整備を図り、信頼性の高い施設にしていくということは重要であるというふうに考えております。そうした観点から、この制度のもとで支援策を講じておるところでございますが、ぎりぎりの責任の所在ということになりますと、それは施設を設置し運営をしていく人の問題というふうに考えております。いわばそうした者の責任が全うされるよう支援のための整備を図るというのがこの法律の目的、意図というふうに考えておるところでございます。
#65
○竹村泰子君 支援のためには法律をつくってきちんと整備するけれども、もしも何か損害や賠償責任を負ったときには国は知らないということですか。
#66
○政府委員(小林康彦君) 現在の改正廃棄物処理法によりましても、そうした環境を配慮しての規制を強化しておるところでございまして、適切な計画、適切な整備、運営を行いますれば環境上支障を生ずることはないというふうに考えておるところでございますが、振興財団等の事業の運営、例えば債務保証につきましての審査等に当たりましても、環境に対する問題を十分配慮しながら審査をし事業の運営を行っていくべきものというふうに考えております。
 しかしながら、法律上の責任というような事柄になりますと、これは融資をしあるいは融資を保証した人というよりは、その施設を設置をし運営しておる者が負うべきのが一般のルールでございますし、その責任体制を中途半端にすることは不適切なものというふうに考えております。
#67
○竹村泰子君 そういうことがないようにもちろん願いたいですけれども、しかし一〇〇%大丈夫という保証はないわけでして、環境が汚染されてからでは遅いのですから、やはりきちんと対応していただきたいです。
 しかし、もしもそのようなことがあった場合には、技興財団がきちんと対応できるように、それを受けて立てるようになっているのかということが非常にこの法案からは読み取れない、わからないんですね。それでお聞きしているわけですけれども、局長のお答えは、とにかくそういうことは起こらないように、起こらないはずですということでありますし、そのときの責任はその事業者が当然とるべきでありますということで、国の責任というのはほとんどおとりにならないような雰囲気ですね、感じですね。そういうふうにとれるんですけれども、いかがですか。
#68
○政府委員(小林康彦君) 今回の法律で予定をしています支援策は、そこまでの責任を分担をしようというもの、そういう制度ではございません。現在のそれぞれの責任分担のもとで廃棄物処理施設の設置、管理をする人の円滑な事業が、あるいはより適切な施設整備が促進をされるための支援策を講じているというのが法律の性格でございます。
#69
○竹村泰子君 わかりました。
 それでは、不法投棄の環境被害の防止ということでお尋ねをしたいと思いますけれども、不法投棄の原状回復については、前回の廃棄物処理法の改正のときに、参議院の修正によりまして、「廃棄物が不法に処分された場合における適切かつ迅速な原状回復のための方策について、速やかに検討を加えるものとする。」と、附則第二条がつけ加えられました。また、その際の厚生委員会の附帯決議では、附帯決議の十番ですけれども、「廃棄物が不法に処分された場合における適切かつ迅速な原状回復のための方策について検討する場合には、行政措置、民事上の賠償責任、費用負担等のあり方について幅広い見地から総合的な検討を行うこと。」と、これは九一年十月一日、附帯決議をつけて要望したところであります。
 さらに、今回のこの法律案の衆議院の厚生委員会の附帯決議においても、また重ねて「改正廃棄物処理法附則第二条の規定を踏まえ、不法投棄産業廃棄物に係る原状回復措置、汚染修復措置のための方策を速やかに実施できるように検討を進めること。」というふうにされております。
 九一年十月から七カ月たちましたけれども、政府の検討状況、重ねてのこういった要望についてどういうふうになっておりますでしょうか、御報告をいただきたいと思います。
#70
○政府委員(小林康彦君) ただいまお話のございました改正廃棄物処理法の附則のほか、昨年十月の廃棄物処理法の改正におきまして措置命令の要件の緩和あるいは罰則の強化等不法投棄対策の強化が図られているところでございます。
 現在、改正廃棄物処理法の政省令の制定作業を進めておるところでございますが、その中におきまして、不法投棄対策につきましては未然防止が第一であるとの観点から、排出事業者が産業廃棄物処理業者に産業廃棄物の処理を委託する場合の委託基準の強化などの適正処理確保のための方策について検討を行っているところでございます。
 附則第二条に、あるいは附帯決議に直接関連をいたします検討といたしましては、平成四年度の予算におきまして、汚染の修復のための技術開発を行います研究費補助金として一千万円を計上しているところでございますが、これらの技術的な研究のほか、不法投棄をされました廃棄物の原状回復のための行政措置、民事上の賠償責任、費用負担等のあり方につきまして、今後諸外国の例を参考にしながら幅広い見地から総合的な検討を進めてまいることとしておるところでございます。
#71
○竹村泰子君 この附則には「速やかに」というふうな言葉が入っているんですね。そして「迅速な原状回復」という言葉も入っておりますけれども、全国のあちこちで産業廃棄物の大量な不法投棄が野積みにされて環境汚染を起こしている例がもう十指に余る数で報告をされていることは、厚生省は一番よく御存じであると思いますけれども、そういうことをどのぐらいの意気込みで考えておられたのか。七カ月たってまだ何の方策もできてないというか、いろいろ検討はしておられるようですけれども、具体的な行動に何一つ移っていないということを非常に私たちは不満に思います。
 不法投棄による環境被害を防止するためには、不法投棄された廃棄物が直ちに回収されて原状が回復される必要があると思うんですけれども、そのための費用負担は汚染原因者の特定を待っていては手おくれとなるのではないでしょうか。だからこそ私たちが何回も何回も繰り返してこうやって適切かつ迅速な原状回復のための方策を速やかにというふうに要望をしてきたところでありますし、私たちのそれぞれの議員の地元からも強い御要望が出ているところであります。
 ですから、財源が問題なんだろうと思うんですけれども、財源として例えば原状回復のための基金のようなものを設立してその運用益で一たん立てかえて、汚染原因者を特定した後、求償権を行使して、いわゆるPPP、製造物責任というかそういうことをともせる。そういう方法でもとらないと、なかなか事業者の、汚染者の特定と、そしてその責任を追及していたのではなかなか原状回復できない、いつまでかかるかわからないと思いますけれども、その辺はいかがですか。
#72
○政府委員(小林康彦君) 原状回復のための方策につきまして早い時期に具体策を固めることの必要性は、先生御指摘のとおりでございます。
 お話のございました基金を造成し、それによります原状回復をしという方策、一つの有効な方策というふうに考えておりますが、そのためにはだれがそれではどういう額を基金に拠出をするか等、制度として御提案をいたしますまでには解決しておく課題がたくさんございますので、それらにつきまして現在検討を進めさせていただいておるという段階でございます。
#73
○竹村泰子君 大臣、これひとつ思い切った御英断をしていただいて、国が一度は除去する、財源大変だけれども一応一度は立てかえて除去する、後でその費用はきちんと汚染原因者が回復、あるいは自治体とかの協力を得て求償をしていく、そういう方法を考えるというふうな思い切った行動をとっていただかないと、これは大変なことになっていくんじゃないでしょうかね。
 こういった不法投棄などが、絶対にないようにするという部長のさっきからのお言葉ですけれども、それは全国に目を見張らせて見張り番を立てておくわけにもいきませんから、不心得な人たちがいてこう。いったことが起きないとも限らない。そういうことに対して国がよしと立ち上がって、もう既に起きてしまったこれらの非常な環境被害、これに対して、よしひとつじゃ運用基金をつくろうじゃないかというふうな御英断をしていただけませんでしょうかね。
#74
○国務大臣(山下徳夫君) 冒頭にお答えいたしましたように、産廃につきましては、これは事業者責任という建前は今日まだ崩してないわけで、またそれが当然であると思っております。しかしながら、そのことによって、不十分な措置によって及ぼす一般に対する影響ということは、それ以上に大切なものであることはよく承知いたしております。
 そこで、こういった問題についてはやや後追い行政という面があるか、しれません。我々はこれで十分だと思いながら急激にふえてきた。したがって、それに対して早急に対処すると、早急に対処するということは、見方によっては後追いになるかもしれませんが、いずれにいたしましても、現在政府としてでき得る一つの限界というのはもうこれまでだという、私どもはそういう考えを持ってぎりぎりの線で今回提案をいたしておるわけでございますけれども、先生の御意見も大変結構な御意見であると思いますし、今後とも御参考にしてまいりたいと思います。
#75
○竹村泰子君 きのうからのニュースでもう御存じのとおり、PCBが出てきたわけですね、捨てられていた。それはもう捨てることもできない、きちんと永久管理しなければならないというふうに決められていたはずのものが捨てられていて、土壌汚染あるいは環境汚染につながっている。こういうこともあるわけですから、これはこれからのことはともかく、もう起きてしまったことについては、ひとつ勇気を持って、環境庁とも十分に連絡をとっていただいて、協力をしてきれいにしていただくという方法を考えていただきたいと強く要望しておきます。
 そこで、通産省にお尋ねをいたしますけれども、真に不法投棄をなくすためには製造の段階からこれが再生できるかどうか、リサイクルできるかどうか、そして再生しやすくするためにはどうつくればいいのかというところから考えていかなければならないと思うんですね。先日テレビで拝見しましたけれども、ドイツの自動車工場ではこれを再生するためにいかにびょうを少なく打っているか、そういうつくり方をもう既につくるときから考えているというお話を、ほかでもいろいろ聞きますけれども、通産省その点についてどんなふうに考えておられますでしょうか。
#76
○説明員(湯本登君) お答えいたします。
 昨年十月に施行されました再生資源利用促進法におきまして、生産、流通、消費の各段階にさかのぼって資源の有効な利用を図るとともに廃棄物の発生の抑制等に資することを目的といたしまして、事業者の再生資源の利用の努力を最大限引き出すということで各種の措置を講じているところでございます。
 具体的には、再生資源の原材料としての利用の促進ということで、紙の製造業とかガラス瓶の製造業を指定いたしまして古紙の利用の促進あるいはガラスのカレットの利用の促進に努めているところでございます。
 それから、御指摘のリサイクルしやすい製品づくりに向けた工夫といった点では、自動車、大型家電を指定しましてリサイクルしやすい製品づくりに向けての事業者の努力を要請しているところでございます。さらに、分別回収を容易にするための表示の義務づけ、あるいは工場、建設現場等で発生いたします副産物の再生資源としての利用の促進といった措置をこの法律を通じて行っているところでございます。
 私どもとしましては、この再生資源利用促進法の適切な運用を通じまして、リサイクルの一層の促進に努めてまいるというふうに考えているところでございます。
#77
○竹村泰子君 再生資源利用法にょっていろいろ工夫をしておられることは聞いているんですけれども、もう少しはっきりと国民にもわかる、そして生産者にもわかるというふうな形で、材料、素材の段階からこれは果たして困らぬか、またまた私たち買い物に行きますと、このプラスチックの瓶は一体どこへどういうふうに捨てたらいいのだろうかと思うようなものが山ほどあふれていますよね。牛乳なんかだって、ほとんどが箱になりましたけれども、しかしまだプラスチックにわざわざ入っている牛乳もたくさんあります。ビールなんかもそうですけれども、そういうもっと直接的に再生できない、再生が非常に難しいものを材料としては使わないという、そういう思い切った政策を提示していただくようなわけにはいかないでしょうか。もうしておられるんでしょうか。それとも何か御方策があるんでしょうか。
#78
○説明員(湯本登君) それぞれの素材にはいろんな特徴がございまして、なかなか一概にこういった素材がいい悪いというのは決めがたい点もいろいろとございます。そういった意味で、私どもとしましては一先ほど御答弁申し上げました再生資源利用促進法を通じまして、分別回収のための表示をきちっと義務づけていくなり、あるいはリサイクルしやすいように事業者に製品づくりに当たって十分な配慮を求めていく、そういった措置を通じてリサイクルを大いに進めるという目的を実現してまいりたいというふうに考えております。
#79
○竹村泰子君 一層強くその方針を出していただけるように私たちからもお願いしておきます。
 それでは、マニフェスト制度についてちょっと伺いたいと思います。
 廃掃法のときに、このマニフェスト制度のことは随分この委員会で取り上げました。地域の人々の不安や不信を解消するためには産業廃棄物、とりわけ有害産廃のマニフェスト制度が必要不可欠であると思いますけれども、いかがでしょうか。
#80
○政府委員(小林康彦君) 昨年十月の廃棄物処理法の改正によりまして、特別管理産業廃棄物についてのマニフェストの制度化がされたところでございまして、今後その着実な実施を図ってまいることとしております。そのほかの産業廃棄物につきましても、行政指導によりますマニフェストの普及、定着を図っていく所存でございます。改正廃棄物処理法の附則第二条でこの点での検討も規定をされておるところでございますので、その趣旨を踏まえまして廃棄物処理の実態、行政指導によりますマニフェストの普及、定着状態を勘案しつつ、産業廃棄物のマニフェスト制度について今後とも検討を加えていくこととしておるところでございます。
#81
○竹村泰子君 改正された廃棄物の処理法、これは七月四日施行ですか、それに向けてマニフェスト制度の適用品目、具体的な実施方法などの検討状況をもう少し具体的にお聞きすることができますでしょうか。生活環境審議会で検討中ということをおっしゃるかと思うんですけれども、当局としての方針をお持ちでしたら明らかにしていただきたい。適用することとした品目、したい品目は幾つなのか、そのあたりもお聞かせ願いたいと思います。
#82
○政府委員(小林康彦君) 改正廃棄物処理法は七月四日までの政令で定める日から施行するということになっておりますが、マニフェスト制度の適用につきましては、その対象となります特別管理産業廃棄物を政令で定めることとしておりまして、その指定対象の検討を行っておるところでございます。
 この適用範囲につきましては、改正廃棄物処理法の審議のときにお答えをしておりますとおり、現在有害産業廃棄物として規定をしておりますもの、感染性廃棄物、アスベストを含みます廃棄物、これらを対象といたしまして現在最後の詰めを行っておるところでございます。
#83
○竹村泰子君 お答えは半分しかいただいていないんですけれども、どのようなものを幾つぐらい特別管理廃棄物とされるのですか。
#84
○政府委員(小林康彦君) 現在、有害産業廃棄物として規制をしておりますものが十種類ございます。それに感染性、アスベストを入れまして、この区分をどうするか、今検討しておりますので、数としては整理が終わった後でないと申し上げかねるわけでございますが、今回の改正廃棄物処理法の施行ではこれらを対象にいたしまして現在検討しておるところでございます。
#85
○竹村泰子君 その十種類教えていただけますか。
#86
○政府委員(小林康彦君) 産業廃棄物のうちで水銀等を一定の基準以上か状態で含んでおるものでございまして、その成分といたしまして水銀、二番目がカドミウムまたはその化合物、三番目が鉛またはその化合物、四番目が有機燐化合物、五番目が六価クロム化合物、六番目が砒素またはその化合物、七番目がシアン化合物、八番目が。PCB、九番目がトリクロロエチレン、十番目がテトラクロロエチレン、以上の十種類でございます。
#87
○竹村泰子君 わかりました。
 市民の不信感を軽減するためには、施行後マニフェスト制度が確実に実行されているかどうか厳密にチェックをして、その実施状況を公表して、説得材料にこれを使うことができ得るようにならなければいけないと思うのですけれども、マニフェスト制度の実施状況をどのようにチェックされるおつもりですか。
#88
○政府委員(小林康彦君) 特別管理産業廃棄物のマニフェストの実施状況は、マニフェストの交付を行います排出事業者が、このマニフェストに関します報告書を作成いたしまして、これを都道府県知事に提出することとされております。この報告書等によりまして必要なチェックが行われることになるわけでございます。行政指導によりますマニフェストの普及、定着の状況は、必要に応じまして事業者や処理業者から情報の提供を受けることなどによりまして行政が把握し、その運用なり今後の方策を検討することになると考えておるところでございます。
#89
○竹村泰子君 さきの廃棄物処理法改正のときに議決されましたこの委員会としての附帯決議の第四項は、マニフェスト伝票については、「知事への報告書の様式及び事業者の保存期間などについて、実効性を高めるための措置を講ずること」を政府に求めています。これは、今私が述べましたマニフェスト制度に対する行政チェックの手段としても重要な点だと思いますけれども、これらの点についてどんな準備を進めておられますでしょうか。
#90
○政府委員(小林康彦君) 改正廃棄物処理法に規定されますマニフェストに関する必要な事項は厚生省令で定めるということにしておりまして、現在、お話のございました都道府県知事へ報告をすべき期限、事業者の保存期間、記載事項等について検討を行っておるところでございます。その検討を急ぎまして、できるだけ速やかに成案を得、省令にしたいというふうに考えております。
#91
○竹村泰子君 検討していらっしゃるのはわかるんですよ。どんなチェックの方法を手段として考えておられますかと聞いているんです。
#92
○政府委員(小林康彦君) チェックの手段といたしましては、先ほどお答えをいたしましたが、排出事業者からマニフェストに関する報告書を都道府県知事に提出させる、こういうことになっておりますので、定常的にはそれをベースにいたしましてチェックをし、必要がありましたらさらに詳細な報告を排出事業者から求める、あるいは環境衛生指導員が立入検査をいたしまして状況を把握する、こうした手段を用意しておりますので、これらの方法を通じましてマニフェストの適切な運用が図られるよう今後努めてまいりたいと思っております。
#93
○竹村泰子君 保存期間はどうですか。
#94
○政府委員(小林康彦君) 現在、何年という具体的数字で申し上げられる状況ではございませんが、適切な保存期間、その必要性及び保存に要します事務量あるいは保存期間の効果等も考えながら、年数の検討を進めておるところでございます。
#95
○竹村泰子君 七月はもうすぐなんですけれども、間に合うんですかね。何か余り具体的に準備ができていないように聞こえるんですけれども、どうですか。
#96
○政府委員(小林康彦君) 七月までには十分間に合わせなければなりませんので、その日程で準備をしておるところでございます。都道府県を初め関係者の意見等も現在調整中という段階でございますので、具体的な年数を申し上げられない、こういう状況でございますが、検計の準備といたしましては十分スケジュールに間に合うようなテンポでやっておるつもりでございます。
#97
○竹村泰子君 ところで、この法案の対象となる特定施設に持ち込まれる産業廃棄物に関しては、モデル施設にふさわしく、周辺の人々に安心してもらえるように、素性のはっきりした廃棄物に限定すべきではないでしょうか。すなわち特定施設に持ち込める産業廃棄物にはすべてマニフェスト制度を適用すべきではないでしょうか。いかがでしょうか。
#98
○政府委員(小林康彦君) 特定施設の運営、管理に当たりまして、十分その廃棄物の流れに留意し、情報が把握できるような形で運営をしていく必要があるわけでございますが、法律の上でマニフェストを規定するかどうかということはまた別の問題があるというふうに私どもは考えております。
 マニフェストの制度そのものは、産業廃棄物の処理の委託を行います排出事業者が委託後の廃棄物の流れを把握いたしますとともに、処理業者に産業廃棄物の性状等に関します情報を正確に伝達することを目的とする制度というふうに考えております。
 この目的に照らしまして、改正廃棄物処理法におきましては、廃棄物処理に要します事務的な負担が過大なものとならずに合理的な範囲にとどまる必要があると考えておりますこと、諸外国におきましても、マニフェストシステムの適用が有害廃棄物の処理に限られていることなどから、産業廃棄物のうち、人の健康または生活環境にかかわります被害を生ずるおそれがある特別管理産業廃棄物についてのみマニフェストの使用を義務づけることとしたところでございます。
 したがって、特定施設に持ち込まれるすべての産業廃棄物につきまして法律上マニフェストの使用を義務づけることは困難でございますが、特別管理産業廃棄物以外の産業廃棄物についても、従来から行っております行政指導によりますマニフェストの引き続きの普及促進に努め、制度全体の今後の検討が進みますれば、当然この特定施設にも持ち込んでの適用という、そういう手順を考えておるところでございます。
#99
○竹村泰子君 特定施設に持ち込める産業廃棄物にすべてマニフェストをつけるということが無理だ、できないということだと思うんですけれども、それはどうしてなんでしょうか。排出をするときにはどこへ捨てられるかわからない、つまり分別がわからないからなんですか。
#100
○政府委員(小林康彦君) マニフェストの目的、性格が排出事業者から始まりましてその廃棄物がどこに流れていくか、この流れをきっちり管理することというのが一つの目的でございます。この流れが、今回法律で言います特定施設だけに向かうものではございませんで、排出事業者から出ます廃棄物は特定施設に行くものもございますれば、それ以外の処理業者の施設に行く場合も十分予想されるわけでございます。そうしますと、制度として義務づけるといたしますと、全般に対する流れの管理、こういう観点で整理をする必要がございまして、流れのうちの一つの流れだけフォローするために現在規定しておりますマニフェストを適用するということは適切でないものでございますので、順序といたしまして、全体的な制度の検討が先行すべきものというふうに考えているところでございます。
#101
○竹村泰子君 そうですかね。マニフェストがついていても別に邪魔ではない。つけてあって違うところに行ったとしても別に邪魔ではない。特定のものに関してはきちんと出どころがわかるということは大事なことで、素人考えかもしれませんけれども、非常に重要なことだというふうに思います。どこへ流れていくかわからないから特定のものについてだけマニフェストをつけるわけにはいかないというのはちょっと私、納得できないんですが、もう少し説明していただけますか。
#102
○政府委員(小林康彦君) 特定施設に搬入されます産業廃棄物がどこで発生をし、どういう性状、どういう量のものであるか、こういう情報を管理し、把握することは大切な事柄というふうに思っております。ただ、その把握のための手段として改正廃棄物処理法で規定をいたしましたマニフェストを義務的に適用するのは適切でない、こういうお答えを申し上げているわけでございます。
 マニフェストを義務的に設定いたしますと、その排出事業者から起こしました伝票のすべてが管理できる体制ということがマニフェストの目的でございますので、その行き先全体が法律上もマニフェストによって管理ができる体制を整える必要がある、さもなければ、一部のものは義務的で一部は途中で義務が免除される、あるいは義務がないというような形が制度といたしまして整合性のあるものでございませんので、マニフェスト適用廃棄物以外は義務的なマニフェストという制度でなく、情報がきっちり把握できる、指導によりますマニフェストでございますとか、そういうことによりまして流れを押さえていきたい、こういうふうに考えているところでございます。
#103
○竹村泰子君 どうもよくわからない。
 そのために特定のものを、きちんと適用する品目をお決めになるんだけれども、しかし、特定施設に持ち込まれる産業廃棄物、これはもうさっきから何回も言っているようにモデル処理施設ですから、このモデル処理施設に持ち込まれるものは少なくともマニフェストがついていてもいいのではないかというふうに思います。今部長のお話によりますと、これは確かにガラスとかプラスチックとかゴムぐずとか、そういったものが一々マニフェストをつけて捨てられるとすれば、これは大変なことになるというふうな、そういう面倒なことも出てくるのかもしれないと思いますけれども、しかし模範事業でなさるわけですから、これはやはりできるだけ、マニフェスト制度を余り邪魔者扱いしないでつけていただいてもいいのではないかなと、私はしつこくそう思いますけれども、いかがでしょうか。何かお答えありますか。
#104
○政府委員(小林康彦君) 先生のマニフェストと言われます趣旨が、法律に基づきます義務的なマニフェストに行政指導によりますマニフェストを含んでおる広い意味のマニフェストということでございましたら、お話しのとおりでございます。
 私が今まで少しくどくど申し上げておりましたのは、法律に基づく義務的な制度としてこの特定施設のみ対象物を広げるということは制度の整合性の上からいって適切でない、こういうことを申し上げておるわけでございまして、指導ベースのマニフェスト、情報管理という点につきましては、特定施設の性格からいたしまして十分徹底するような形で今後指導をしていきたいというふうに考えております。
#105
○竹村泰子君 わかりました。それを言っていたんです。
 それでは、次に参ります。
 実態の把握ですけれども、廃棄物行政に対する不信感、これはもう政府も自治体も廃棄物の排出、移動、処理、再生などの状況を厳密に把握できていないところにも原因していると思うんですね。いかがでしょうか、これに対して。
#106
○政府委員(小林康彦君) 廃棄物の排出処理の実態につきまして、従来、それに要します費用あるいは人手等の観点から、産業廃棄物の排出及び処理の状況につきまして五年に一回調査をするという体制をとってきたわけでございますが、昨年の改正廃棄物処理法で、新たに国の責務といたしまして、廃棄物に関する情報の収集、整理及び活用を図ることが規定され、審議の過程におきましても情報の把握の重要性ということが指摘されてきたところでございます。
 このため厚生省といたしましては、今後産業廃棄物についての実態の把握を強化することとしておりまして、これによりまして継続的に情報の収集、整理及び提供を含めての活用を図ることを予定しておるところでございます。
 平成四年度の予算におきまして、産業廃棄物の種類別、排出業種別の排出状況、処理の状況、広域移動の状況等を把握いたしますため、産業廃棄物排出処理状況調査費一千二百六十二万円を計上させていただいておりまして、先生御指摘の方向で実態の把握、情報の整理に今後一層努めていきたいというふうに考えております。
#107
○竹村泰子君 廃棄物に関する実態調査や、これは今おっしゃいましたけれども、統計のあり方、さきの廃棄物処理法改正に際してもこの委員会で問題にされまして、附帯決議の第一項は、政府に、「廃棄物に関する統計を整備し、国民の使い捨て意識の変革などの啓発を行うこと。」というのがついているわけですけれども、五年に一度という今の実態調査、これを改善するために統計のあり方についてもどのような検討ないし努力をされたでしょうか。
#108
○政府委員(小林康彦君) まず、五年に一回という間隔が現在の時代の流れからいきまして非常にあり過ぎるという状況になってきておりますので、毎年調査を実施する、これをベースに今後の実態把握を考えていきたいというふうに思っておるところでございます。
 内容的には、種類別、それから排出します者の業種別、広域移動の状況等、そうした状況が的確に把握できるような調査項目を組みまして、極力その集計にも迅速に当たるような体制を組みたいというふうに考えております。
#109
○竹村泰子君 もちろんそのための予算措置もおとりになりますね。
#110
○政府委員(小林康彦君) 平成四年度におきまして千二百六十二万四千円をこのための予算として計上しておりますので、今後とも予算措置を確保しながら統計整備について努めてまいりたいと考えております。
#111
○竹村泰子君 政府としてこの統計を国の指定統計または総務庁による承認統計として、いわば格上げをして毎年度実施するようにすべきだと、私はそう思うんですけれども、そのように改善するためには何が障害なのでしょうか、具体的に教えていただけますでしょうか。
#112
○政府委員(小林康彦君) 廃棄物の実態を中心にいたします統計整備につきまして、お話のございます統計報告調整法に基づく調査にするかどうか、そうした制度面でのあり方も含めまして検討いたし、最も適切な形で今後の調査方法を決めていきたいというふうに考えております。
#113
○竹村泰子君 私が今お聞きしましたのは、国の指定統計とか承認統計とか、そういう形にして毎年度実施するようにするために、もしそうするとすれば何が障害となるんでしょうかということをお聞きしているんです。
#114
○政府委員(小林康彦君) 承認統計あるいは指定統計にはそれぞれの要件等もございますので、そうした要件にかなう調査であるかどうか、直接それらの統計を所管しておりますところとも十分協議しながら最も適切な方法を採用していきたいと考えております。
#115
○竹村泰子君 最も適切な方法を考えていきたいというふうにおっしゃいますけれども、今五年に一度という実態調査では不足だし、統計のあり方も今のままでいいとは思っていらっしゃらないと思うんです。そのように改善をしていくために検討していきますというお答えですけれども、何が今までそうすればこれでいいとされていたんでしょうかね。
#116
○政府委員(小林康彦君) 今まで五年に一回といいますのは、必ずしもそれで一〇〇%満足というふうに私ども担当として思っておったわけではございませんが、精密な調査をいたしますには都道府県を初め、各方面の人手を煩わす必要がございますし、そのための予算措置を講ずる必要もあるということから、従来五年に一回精密に調査をするということで来たわけでございます。
 昨今の状況からいきますと、その間隔は余りにも長いという状況になっておりますので、今後原則として毎年度状況が把握できる体制を整えるべきである、こういう方針を立てまして予算も計上いたし、今後具体的な調査のあり方も固めながら、本年度からより定期的に密度の高い調査を実施するよう検討していくこととしている、そういう状況に立っているという段階でございます。
#117
○竹村泰子君 それでは、もう余り時間がなくなってしまったんですけれども、私どもは昨年の十月一日にこの参議院の厚生委員会で廃掃法の一部改正に対して附帯決議をおつけしていることはさっきから言っております。
 今統計のことをお聞きいたしましたが、二番目に、「事業活動に伴う廃棄物の処理費用については、事業者が適正に負担するよう指導すること。」というふうな附帯決議をつけておりますが、これについてはどう指導の方法を考えておられますでしょうか。
#118
○政府委員(小林康彦君) 産業廃棄物の処理に当たりまして、適切な費用を負担いたしますことは適正な処理の上で極めて重要な案件でございますので、今後排出事業者がその処理に要する費用を負担しながら適正処理のための責任を果たすように指導を徹底する予定でございます。
 ただ、個々の処理料金のような点につきましては、いろいろの問題がございますので、なかなか個々の料金にまで立ち至っての指導は困難と考えておりますけれども、物の考え方、基本的な方向といたしまして、事業者が適切に負担するような指導の強化を今後考えてい。きたいというふうに思っております。
#119
○竹村泰子君 次の三番目ですが、これはとても大事なことだと思いますが、「一般廃棄物については、分別収集、減量化・再生利用対策の推進を含めた適正な処理が行われるよう市町村の体制整備に努めること。」ということを言っているんですけれども、このことについては何か新しい体制整備への努力があったでしょうか。
#120
○政府委員(小林康彦君) まず、改正処理法のもとで市町村が一般廃棄物処理計画を策定することになっておりますので、その策定に当たりましてお話のような観点を織り込むよう規定あるいは指導する方向で準備をしておるところでございます。
 また、平成四年度につきまして都道府県及び市町村が廃棄物の減量化のために行います施策に対しまして新たな補助制度も設け、再生利用を中心といたします施設整備ということでリサイクルセンターの施設整備を新しい補助対象として取り上げるなど、平成四年度の予算の中で措置したものもある状況でございます。
#121
○竹村泰子君 私たちの身の回りを見ても、分別収集、減量化というのはなかなか難しい、徹底してないですね。時々ごみ箱を通りがかりにちらっと眺めても、雑多にもういろんなものが一緒くたに入っている。そして、あの廃掃法のときにもこの委員会でも随分問題になったと思いますけれども、いまだにきちんとそれに対して行政が缶を捨てるものあるいは瓶を捨てるもの、紙くずを捨てるものというふうな並べ方をしてないんですね。
 あれから七カ月たちましたけれども、なかなかそういうふうに徹底した、時たま地方へ行きまして、ああこの町はすごいな、徹底しているなと思うようなところもありますけれども、東京なんかはまだまだ全然分別収集が徹底してない。一つしかごみ箱がなかったら何でも捨てるのは当たり前なんですよ。物すごく単純なことなんですね。ごみを持ってあるいは缶を持って、これはアルミ缶だからきちんとリサイクルのところへ捨てたいなと思って持ち歩いてもなかなか捨てるところがなくて、結局袋に入れてうちへ帰ってくるみたいな、そういうことはもうしょっちゅうありますね。
 もう少しその辺の指導を徹底していただきたいと思うんです。自治体の自覚ももちろんですけれども、罰金を取るなんということはできないけれども、何かもっと国民の意識を高めるような方法を徹底して考えていただきたいなと、もちろん国民の側の努力が第一だとは思いますけれどもね。
 それから、四番目のマニフェストについてはさっき大分お聞きいたしましたけれども、五番目の「廃棄物処理センターについては、公共性・公平性を確保するとともに、業務が適正に実施されるよう、指導監督及び必要な支援について十分配慮すること。」、これについてはいかがですか。
#122
○政府委員(小林康彦君) 廃棄物処理センターにつきましては、地方公共団体の関与の度合いをしんしゃくいたしましてセンターを指定することとしております。指定そのものは改正法が施行になりましてからでございますからこれからでございますが、センターの公平性、公共性が確保できるよう、そうした観点に留意をしながら、センターの指定希望者及びセンターに関係の深い地方公共団体等に対しましても指導を徹底したいというふうに考えておるところでございます。
#123
○竹村泰子君 次の「最終処分場を確保するとともに、跡地管理が適正に実施されるよう十分配慮すること。」、これは大分今聞いてまいりましたから、その次の「市町村の廃棄物処理施設の整備を推進するため、必要となる財源の確保に努めること。」、これはいかがですが。
#124
○政府委員(小林康彦君) 廃棄物処理施設の整備に当たりまして、予算を上回る市町村の要望があるという状況がございますので、平成四年度予算で他省庁計上分も含めまして、対前年度比一四・二%増の合計一千六億円を施設整備の補助として計上したところでございます。今後とも、処理施設整備のための補助金の確保につきまして、厚生省として努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#125
○竹村泰子君 次の「バーゼル条約に加入できるよう国内法制の整備を急ぐとともに、特別管理廃棄物の指定をできるだけ拡大すること。」、これはいかがですか。
#126
○政府委員(小林康彦君) バーゼル条約に加入するための国内法の整備につきましては、厚生省のほか通産省、環境庁、これら三省庁が共同して取り組んでおるところでございまして、できるだけ速やかに国内法制の整備を実現したいというふうに考えております。
 特別管理産業廃棄物につきましては、改正法の施行にあわせまして、当面、先ほどお尋ねがございましたお答えのとおり、有害物、感染性の廃棄物、飛散性アスベストを指定する方向で現在細部の詰めを行っておるところでございます。
 また、バーゼル対象となっておりますものにつきましては、これらよりも範囲が広いわけでございますが、年次計画を策定いたしまして、調査を行った上で対処方針を決めたいということで、調査に取りかかるということにしておるところでございます。
#127
○説明員(木下正明君) バーゼル条約についてお答えいたします。
 バーゼル条約が対象としております有害廃棄物の国境を越える移動に伴う環境汚染問題は六月の地球サミットでも取り上げられる重要な問題でございます。このため、環境庁といたしましても、この条約の重要性を十分認識しておるところでございます。今後とも関係省庁との調整を一層進め、できるだけ国内法の整備が進められるよう努力してまいりたいと思っております。
#128
○竹村泰子君 今それをお聞きしようと思っていたんですけれども、この六月のサミットではこのことをかなり厳しく追及されますよね、きっと指摘されますよね。だから、このバーゼル条約は、今国会中にとか次の国会中にとか来年の三月にはとか、いろんなことを国会の中で聞いておりましたけれども、結局まだ国内法の整備その他のことで実現をしていない。非常に残念に思いますが、できるだけ早い機会に、私たちもそのための努力を惜しみませんので、締結をしたいというふうに思います。環境庁の一層の努力をお願いいたします。
 最後に、それでは「廃棄物の処理作業従事者の安全衛生を確保するための措置を講ずること。」、これは非常に大事なことなんですけれども、このことについて厚生省、どのような措置をとられましたでしょうか。
#129
○政府委員(小林康彦君) 安全衛生につきましては、従来から注意の喚起、指導の徹底を期してきたところでございますが、昨年十二月、廃棄物処理事業における爆発火災防止対策の徹底について通知をいたしまして、さらに労働安全衛生の確保につきましての指導の徹底を期してきたところでございます。
#130
○竹村泰子君 いろいろお聞きしてきましたけれども、私どもがつけました附帯決議については、半分ぐらいしかまだまだ実現を見ていない、検討しているところでありますとか、そういうお答えが多かったということをとても残念に思うわけです。
 七カ月といえば長いようであるいは短いのかもしれないけれども、しかし七月から施行されるわけですから、これらのこともきちんと国会の中で審議されて議決されたことですから、前向きに急いで迅速に対策を講じていただきたいと強く要望して、私の質問を終わります。
#131
○委員長(田渕勲二君) 本案に対する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   正午休憩
     ―――――・―――――
   午後一時六分開会
#132
○委員長(田渕勲二君) ただいまから厚生委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#133
○高桑栄松君 それでは、質問させていただきます。
 同僚委員の先生からの御質問と大分ダブるところがあるかと思いますが、今チェックするわけにもなかなかいきませんので、その辺をひとつお含みの上御答弁いただければ幸いです。
 最初に、この施設整備法と、それから昨年改正されました廃棄物処理法との関係について質問をしたいと思います。
 廃棄物対策というのは、大気汚染であるとか水質汚濁のような直接健康にかかわりのあるものではないということから置き去りにされてきたような感がなきにしもあらずであると思われるわけです。しかし、今や深刻な問題になってきておりまして、いわゆる公害問題の終着駅かというふうにも言われているわけであります。これをまたグローバルに見ましても、量的に非常に処理困難な。課題であるということでクローズアップされているように私には思われます。そして、産廃は廃棄物の大半を占めているわけでございますが、昨年秋の処理法を受けまして、公共関与による施設整備の促進のための制度的な枠組みの確立を図ることが今回の整備法であると思いますが、これはしかし去年、ことし始まったわけじゃなくて、もう数年来課題としては挙がってきておったわけでございます。したがって、もう十年おくれているんじゃないかというようなことを言う方もおられるわけであります。
 そこで、昨年の改正法を受けまして、本来一緒に出すとこれで表、裏一緒というか、一本でいいわけですが、どうして一年、一年とまではいきませんが、要するに一年年度をおくれて出されたのか。このおくれた理由と申しますか、そういったことについての御見解を大臣に伺いたいと思います。
#134
○国務大臣(山下徳夫君) 率直に申し上げまして、先生の御指摘、全く私どももこれは違うということは決して申し上げません。おっしゃる点は十分わかります。ただ、前回の廃棄物処理法案の改正につきましては、どちらかと申し上げますと廃棄物の処理に対する規制の面を非常に多く取り上げております。そこで、これを補うために今回の法案となっておるわけでございますけれども、今回の法案は適切な施設の整備を国も応援していこうという、この前の規制に対して今度は助成という面を強く取り上げてまいります。そこで、現制と助成の両面からより生きものにしてこれから対応していこう、こういうことでございますから、御了解をいただきたいと思います。
#135
○高桑栄松君 そういうことで、これから助成関係が出てくるということ、整備なんでしょうからそういうことかと思います。
 次に、「産業廃棄物の排出量が増加するとともに」というように法律の「目的」にうたわれておりますが、増加していることは認識されているわけで、その増加率も非常に急激であるということでございます。その実態について承りたいと思いますけれども、私の前の質問者の先生から残余容量のお話が出ましたが、キャパシティーの残余年数というふうなことを含めて実態について承りたいと思います。
#136
○政府委員(小林康彦君) 産業廃棄物の排出の状況でございますが、我が国の経済規模の拡大や産業構造の変化などを背景といたしまして、産業廃棄物の排出量が増大をしております。昭和六十年度に約三億一千万トン排出されておりまして、昭和五十年度が二億三千六百四十八万トンでございますので、十年間で三二%の伸び、こういう状況でございます。
 三億一千万トンの処理の状況につきましては、このうち一億三千万トンが再生利用されておりまして、約九千万トンが中間処理により減量の対象となっております。これらの再生処理を経まして最終的に埋立処分をされております量は、排出量の約三割に当たります九千万トンでございます。今後、産業廃棄物の排出がどうなるかということで幾つかの前提を置き予測しておりますが、西暦二〇〇〇年に約五億トン排出されるのではない。か、こういう予測をしております。
 増大いたします産業廃棄物を適正に処理いたします施設でございますが、廃棄物処理法に基づいて届け出がなされております産業廃棄物中間処理施設が九千百八十五カ所、最終処分場が二千五百十五カ所となっておりますが、用地難あるいは産業廃棄物処理施設に対する地域住民の不安、産業廃棄物処理業者の資本力の不足などから設置が困難になっているという状況でございます。
 このような状況を踏まえまして、産業廃棄物の処理施設の充実、安定した供給あるいは産業廃棄物の適正処理の推進を図りますためこの法律案を提出させていただいておるところでございます。最終処分場、全国的に極めて逼迫しておりまして、全国ベースで産業廃棄物の埋立処分場の現在ございます、残っております容量、約一・五年分程度という極めて逼迫した状況でございます。
#137
○高桑栄松君 今の残余年数一・五年分というのは一九九〇年の推計ですね。
#138
○政府委員(小林康彦君) 一九九〇年断面の数字でございます。
#139
○高桑栄松君 そうしますと、今一九九二年でございますから、もうないわけだ。いかがでしょうかね。
#140
○政府委員(小林康彦君) その後新規に整備をされているものが加わってはおりますが、一九九〇年時点よりはなお逼迫の度を加えているというふうに考えております。
#141
○高桑栄松君 そこで、これも前質問者の竹村委員からの御指摘がございましたが、調査が五年ごとである。これは私も前回のときに指摘をして質問いたしましたが、五年ごとというのは、算術級数的であれば延長線上で考えられますけれども、幾何級数的というのか、もう大変な増加率でありますから、これはまめに調査をしなければいけないのではないかと思います。
 それで、前回の政府答弁を見ますと、統計の回数をもう少し増そうとか、間隔を短縮するとか、内容を検討するとかという答弁があったかと思いますが、また修正の中でも、情報を収集し、整理し活用するとあるわけで、そのためには根拠となる資料が要るわけですね。資料は、全数調査というのは時間もかかりますから、恐らくサンプリング調査ということだと思うんですが、サンプリング調査で、ランダムサンプリングでやれば一応母集団を推計できるわけですから、そうすれば毎年でもできるはずだと思うんですけれども、これに対する取り組み、そして予算措置はどうなっているか、この辺伺いたいと思います。
#142
○政府委員(小林康彦君) 産業廃棄物の排出及び処理の状況につきましては、従来五年に一回行ってきたわけでございますが、審議の過程での御質疑、御指摘ございますし、ただいま御紹介ございました廃棄物処理法の改正におきまして、「廃棄物に関する情報の収集、整理及び活用」が国の責務として加えら九たこともございまして、私ども産業廃棄物につきましての実態の把握を強化したいということで検討してきたところでございます。
 平成四年度予算におきまして、産業廃棄物の種類別、排出業種別の排出状況、処理状況、広域移動状況等を把握いたしますために、産業廃棄物の排出処理状況の調査費一千二百六十二万四千円を計上いたし、平成四年度これにて調査をすることにしております。平成五年度以降も毎年一回必要な情報は調査整理ができるようなことで体制を組んでいきたい。
 その調査の方法につきましては、従来の五年に一回のとき、大口は極力押さえまして、小口につきましてはお話しのように抽出的な調査を行う、業種別あるいは階層別のような統計として十分信頼性が得られる調査方法を検討いたし、それに沿いまして実施の体制を組み取り組んでいきたいというふうに考えております。
#143
○高桑栄松君 サンプルサイズはどれくらいをお考えなんですか。
#144
○政府委員(小林康彦君) 調査の方法も含めましてこれから業種のくくり方、階層の層別の区分の仕方、そのそれぞれごとの抽出率及び調査の項目につきまして検討いたし、統計として連続性のあるフォローが十分できるような形の調査内容が得られるような方法を検討していきたいと思っております。
#145
○高桑栄松君 ちょっと批判をさせていただきますと、予算があるわけだから、予算の範囲内でおやりになるという話だから、本来スケジュールがあってこれを予算請求なさるのかなと僕は思ったんですが、これから検討される、まあ結構ですけれども、予算があるんだから頑張っていただきたいと思いますが、精度をなるべく落とさないようにひとつ心がけていただきたい、こう思います。
 次に、また「目的」に「国民経済の健全な発展に寄与する」とありますけれども、「健全な」というのはどういうことか、ちょっと伺いたいんですね。
#146
○政府委員(小林康彦君) 産業廃棄物の処理につきましては、排出量が増大しております一方、減量化、再生利用が停滞をしておりますこと、周辺住民の反対、各種規制の存在などが支障となりまして、処理施設、特に最終処分場の整備が進まず処理施設が不足をしておりますこと、広域的な移動が増大をいたしますとともに、不法投棄等の不適正処理が多発しておりますこと、産業廃棄物処理業者の信用力、資本力が不十分なこと等によりまして、新規の産業廃棄物の処理施設の整備が滞っていること、あるいは産業廃棄物処理に対する信頼性が低下していることなどの問題がございます。これらをそのまま放置いたしますと、処理施設が不足するという事態になりまして適正処理の困難性が増大をし、かつ産業廃棄物の処理コストの高騰を招く等円滑な産業活動に支障が生ずるおそれがある、また経済発展に与える影響も大きいという事情がございます。
 この法律が制定をされまして各種の施策が実施されることによりまして、産業廃棄物の処理施設の安定的な供給及び産業廃棄物の適正処理の推進が図られることになりますと、これらの問題の解決に資するわけでございまして、それによりまして「国民経済の健全な発展に寄与する」ところから御指摘の「経済の健全な発展」という文言が規定されているものでございます。
#147
○高桑栄松君 今のお話を伺っていますと、「国民経済の」というのにかえて廃棄物処理の健全な発展に聞こえちゃったんですけれども、処理を健全にというんじゃなくて、これは経済の健全ですから、私は今地球サミットで言われでいるサステーナブルディベロップメントということを受けているのかなと思って実は質問をしたんです。「経済の健全な発展」ということで、経済をディベロップさせるためにはごみの処理は大切だという部分になってくるのだろうかな、こういうふうに私は見たんですが、ただ、「経済の健全な発展」というようなことは今までの厚生省の法律では珍しい表現ではないか、経済にいよいよ厚生省も入ってきたかということをつらつらと思ったわけなんです。
 そういうことで同じ目的の中で「生活環境の保全」というのと並列になっておりますね。これ両方が書かれております。だから、さっきもちょっと申し上げましたけれども、公害の陰に隠れてごみ処理は置き去られたのではないか。今、言葉をかえますと、経済発展の陰に隠れて、そして環境汚染、廃棄物がそれぞれタイミングをおくらせながら処理されてきつつある、その意味で廃棄物が一番最後に残されたのではないだろうか、こう思うんですが、もとへ戻りまして、経済の健全な発展と生活環境の保全、もしどちらに重点を置くと言われたらどちらになるのか、伺いたいと思うんです。
#148
○政府委員(小林康彦君) 産業廃棄物の適正な処理が図られない場合には、生活環境の保全上大きな問題が生ずることになりますので、産業廃棄物の処理施設の安定的な供給が生活環境保全に資するという意味で極めて重要な案件でございます、このため、この法律におきましても、生活環境の保全に資するということを目的としてうたっておるわけでございます。
 一方、産業廃棄物の処理施設あるいは処理といいますのは経済活動の一環をなすものでございまして、ここの処理が不適切でございますと、その経済の活動というのは決して健全な姿ではないわけでございます。最後の廃棄物まできっちりした処理が行われるというのが経済の円滑な発展のためにぜひ必要な案件でございますので、その側面を見まして、「国民経済の健全な発展に寄与する」という側面を規定しておるところでございます。
 光の当て方によりまして役割なり資する側面が異なっておりますけれども、廃棄物の処理が国民生活、生活環境の保全の上でも経済活動の上でも重要であるという観点から二つのものが並んでおるわけでございますが、廃棄物の処理といいますのは広く詰めていきますと、生活環境の保全のために行う行為でございまして、その行為が行われることによって経済活動の基盤も強化をされ、全体としての社会経済活動が健全な姿になっていくものと、こういう理解をしておるところでございます。
#149
○高桑栄松君 どっちがと言われると、政府側としてはどっちと言いにくいことはよくわかっていて質問したんですが、しかし法律の名前が廃棄物処理施設整備でございますから、この法律の第一義的な目的は生活環境の保全だと、二次的にというか、その影響するところが経済にある、しかし経済が非常に重要だとおっしゃったんだと、これは私の解釈でございますが。
 そこで、廃棄物問題と経済問題ですが、現在の経済五カ年計画を見ても、それから新しい経済五カ年計画を見ても、その中にこみ、廃棄物の問題というのは触れられていない。だから、今おっしゃったのと非常に矛盾をして、経済発展側はごみは無視したというふうに、きつく言えばそうなるかなと思うんですが、しかし、一般住民というのは廃棄物の処理に非常に現実に困ってきているわけですね。そういう意味で私は大事だと思うので、宮澤内閣は生活大国を掲げて登場しているわけで、生活大国の中にこみ処理という、私は下水だって同じだと思っていますが、東京都が九〇%下水が整備されたと新聞に出ていましたね。それは相当なものだと、うまくいっているなと思いますが、下水処理というのは非常に重要なことで、今ごみ処理というのは改めて今度新しいテーマで出てきたわけで、非常に下水と同じように水に流すというわけにいかないものですからね、これは非常に問題になるわけで、残せばごみごみするだけでございますがら。
 そこで、生活大国の実現を掲げる宮澤内閣の中で、経済五カ年計画の中に過去も現在も、ひょっとしたら未来もごみ問題は書かれないのかということで、これはやっぱり大臣にお願いをして、ちゃんと経済五カ年計画の中の重要な一つの柱として取り組んでいただく必要があるのではないか。大臣にその御見解、頑張っていただきたいと思って今聞いているんですが、伺いたいと思います。
#150
○国務大臣(山下徳夫君) 廃棄物の問題は、御指摘のとおり経済社会全般について大きなかかわり合いを持っていると私も思っております。したがいまして、私はそういう観点から経済審議会に対して積極的に働きかけてまいりたいと思います。
#151
○高桑栄松君 ぜひこれは大臣に大変力を入れてやっていただきたい問題ではないかと思ってお願いしたわけです。
 それで次に、この法律が成立をした暁にはどれぐらいの実効性があるだろうかということなんですが、先ほど来、処理施設の安定的な供給を目的とする、こうおっしゃっているわけで、安定的な供給が最初の前提条件でありますが、もしそういうふうにいった場合に、安定的な供給ですが、中間施設と最終処分場ですが、どれくらい確保できるという予測をしておられるのか。それからまた減量化だとかリサイクルの率はどれくらいを予測値として持っておられるか、これを伺いたいと思います。
#152
○政府委員(小林康彦君) 今後の産業廃棄物の処理施設の整備の必要量でございますが、今後十年間に必要となります処理施設の整備の建設費を産業廃棄物の排出量が西暦二〇〇〇年に五億トンになる等の仮定を置きまして、第七次五カ年計画策定時の数字を根拠にいたしまして試算をいたしますと、公共関与によります建設整備費が八千八百五十億円程度、民間の産業廃棄物処理業者によります施設建設費が二兆八千四百億円程度というように試算をされております。このうち、今回の制度に基づきますNTT・Cタイプ融資の対象となる事業としては一第三セクターによりますものが千二百五十億円程度、民間産業廃棄物処理業者によりますものが六百二十五億円程度というように試算をされております。
 以上がマクロの試算でございますが、具体的には現在第三セクター等によりまして産業廃棄物の処理施設を一部の施設として設置をする計画が複数ございますことから、当面年間五、六件以上の特定施設整備計画の認定が行われるものと見込まれております。これは現在動いておるものでございまして、法制定後その制度を見ながら準備をされます方も出てまいりますので、具体的な姿で実績が見込まれておりますのは当面のところ以上のような状況でございます。
 それから、産業廃棄物につきまして減量化等の目標につきましてのお話がございました。一般廃棄物につきましては、第七次五カ年計画におきまして減量のための目標を置いておるわけでございますが、産業廃棄物処理施設につきましては、五カ年計画が公共及び公共が関与してという前提のもとでの計画でございますので、産業廃棄物全体の減量目標を置くことはしておりません。
 改正されました廃棄物処理法におきまして、都道府県が作成をいたします産業廃棄物処理計画について、産業廃棄物の減量その他その適正な処理に関する事項を定めることというように、都道府県の産業廃棄物計画の中で減量を定めるという規定が今回入っておりますので、産業廃棄物の排出抑制及び中間処理により減量化が図られることを前提といたしまして、全国的な目標数値として産業廃棄物の減量目標の数値の設定ができないだろうかという点で、現在目標につきましての検討をしておる段階でございます。
#153
○高桑栄松君 今の第七次整備計画との関係を今お話しされたわけですが、第七次整備計画の方での投資規模は、産廃ですが、五年間で千六百九十八億と資料に載っていますね。そうすると、十年間でという先ほどの試算があったわけですね。十年間というと、残った五年でそれだけの差額が出るのかなと思ったわけですが、八千八百五十億から千七百億を引くと七千百億程度ですよね。次の五年間でそんなに上がるんだろうかと、ちょっと私数字がこれでいいのかなと思ったんですが、どうなんでしょう。
#154
○政府委員(小林康彦君) 十年間で八千八百五十億円につきましては、西暦二〇〇〇年に五億トンになる等の仮定のもとに算出をしました建設費のうちの公共関与によります施設整備費の分でございます。一方、七次五計で計上をしております投資規模は千六百九十八億円でございまして、これは公共分といえる投資額でございまして、ベースのところで少しずれがございますので、千六百九十八億が同じベースで八千八百五十になるというものではございません。ですが、今後この公共が関与して、あるいは今回の新法に基づきまして整備を行われる必要量がふえていくという状況にあることは確実でございます。
#155
○高桑栄松君 第七次計画、つまり平成三年から七年までの五カ年ですが、一般廃棄物については目標値が出ているわけですね、排出量、それから減量化。ところが、一般廃棄物には出ていて産業廃棄物の方には出ていないというのは、これはどういうことかなと。出たとこ勝負では、本来予算の計上というのは面倒なんで先ほど来申し上げておったわけですけれども、私は政府側は目標値を定めると変わったとき困ると思っておられるのかと思うんですが、推測というのはあくまでも仮設が入っての話ですから、その仮設が状況が変わってくればこれは仕方がないことなんで、むしろ正直に仮設が変わったという条件を設定さえしておけば、この条件が変わったから予測はこうなりましたと、これはちゃんとした科学的な答弁になろうかと思うんです。
 ですから、目標値は出たとこ勝負で決めていくんでは困るんであって、予算というものが十年計画がある、五年計画がある、それは予測値があって言っているわけです。人口も厚生省も担当なわけで、人口推計というのはしょっちゅう毎年変わりますからね。こんなに変わるんだろうかと思うんだけれども変わるんですね。どこの仮設が変わっていくのかなと思うんですが、経済発展すればするほど子供を産まないのかなと、いろんな要素が出てきますね。
 ですから、推測ということの意味は、現時点で何を一応の目標とするのがということでありますから、今、急に答弁求めていくとお困りでしょうから、そうじゃなくて、私は仮設に基づく目標値は持っておられた方がいい、こう思って今申し上げたんです。
 したがいまして、産廃についても一般廃棄物と同じように推測的な目標値があって、そしてそれに基づいて全国規模での整備計画を計画していくということが必要なんだと思うんですが、全国的な計画はお持ちなんでしょうね、どうでしょうか。
#156
○政府委員(小林康彦君) 廃棄物処理施設整備計画、いわゆる第七次の五カ年計画におきましては、お話しのとおり、産業廃棄物についての減量目標値というものは示しておりません。これは一般廃棄物は市町村が処理をしておりますというところでほとんど全部をこの計画の対象にしておりますので、目標値を設定し、掲げておるわけでございますが、産業廃棄物は民間の事業を除きまして公共が関与する分についてのみこの五カ年計画に計上したと、部分的だというような事情もございまして五カ年計画の時点では示していないところでございます。
 しかしながら、産業廃棄物につきましても減量化のための目標値を示しますことは、今後の施策の方向を明らかにする上でも、あるいは都道府県が策定をいたします産業廃棄物の処理計画を指導します上でも重要な項目であるというふうに私どもも認識をしておりまして、今後どのような数値を目標として掲げるのが施策にとりまして、あるいは事業の推進にとりまして有効であるか検討しながら、減量化の目標値の設定に向かいまして努力をしていきたいというふうに考えております。
#157
○高桑栄松君 それでは、処理施設の建設に関係した質問をさせていただきますが、処理施設を建設するに当たって、先ほど厚生省側の御答弁でもあったようですが、住民といろいろな意味でのトラブルというか、トラブルというより話し合いというかな、いろんなクレームがあったりやっているわけでありますので、まあこのごろ医学の世界でもインフォームド・コンセント、それから家族の同意だとか本人のリビングウイルだとか、いろんなことがありますが、同じことだろうと思うんですね。インフォームド・コンセントというのは情報を公開して、その情報とはアセスメントだと思うんですね。アセスメントをして、それを公開する。インフォームド・コンセントですよ。そして住民の同意が得られるかと。これはリビングウイルなわけですね。そういう意味で住民の同意とアセスメントというのは、これからのもう現代民主主義社会の基本的な条件に今なりつつあって、これがなければ物事が進まないのではないかと、こう思います。
 この法律によりますと、住民の同意と私が今申し上げたんですが、行政レベルでの同意を求めているようでありまして、県とか市町村の同意。だけれども、市町村は本来住民の同意をもとにしなければならないわけで、私はこれははっきり住民の同意というふうなことが制度的にも保障された方がいいのではないかと、こう思いますが、いかがでしょう。
#158
○政府委員(小林康彦君) この法律に基づきます特定施設の円滑な運営のためには、特定施設が設置をされます地元市町村周辺の方々の理解と協力が不可欠であるというふうに私どもも認識をしておるところでございます。このため、整備計画の認定に当たりまして都道府県及び市町村の意見を聞き、その意向を十分反映することとしておりまして、この手続を通じまして地域の実情に応じた認定がなされるものと考えております。
 法律あるいは現在行っておりますような閣議決定に基づきます環境影響評価、そうした法律上の義務としてアセスメントを位置づけたらどうか、こういう御意見でございますが、閣議決定によります要綱に基づきまして三十ヘクタール以上の最終処分場について環境影響評価を実施することは当然でございます。また、本法の特定施設につきまして、基本指針の内容といたしまして、必要に応じて環境に与える影響を調査、検討し、その結果を特定施設の整備に反映させていく旨記述することを予定しておるところでございます。
 しかしながら、制度上位置づけるという点につきましては、この特定施設の整備のみを対象にいたしまして義務づけるといいますのは、現時点においては閣議決定の趣旨及びアセスメントの制度といいますのが全体の事業の環境に与える影響等を考えながら一つのバランスをとったところで対象事業を設定している、こういうような事情もございまして、他の開発事業との並びから、この件のみを法的な義務づけをするということは困難であるというふうに考えております。
 政府全体として検討がなされます場合には、当然その中でバランスのとれた形での新しい方法が出てまいりますと、それに従うことは当然といたしまして、現時点でこれのみ対象にしての法的な義務づけというものは困難ということで、先ほど申し上げましたような措置を規定し、環境に対する配慮を行っていくこととしておるところでございます。
#159
○高桑栄松君 ただいまのお話があった昭和五十九年閣議決定ですね、アセス実施要綱、これでは三十ヘクタール以上が対象であると、こうなっておりますけれども、産廃最終処分場のうちでその三十ヘクタール以上というのは何カ所ぐらいあるんでしょうね。
#160
○政府委員(小林康彦君) 三十ヘクタール以上の産業廃棄物の最終処分場の数でございますが、全国で三十一カ所、五月の十三日にさらに一カ所を追加の予定、現時点で三十二カ所というように承知をしております。
#161
○高桑栄松君 三十一カ所というのは二千五百十五カ所のうちですね、産廃。そういうことですね。
#162
○政府委員(小林康彦君) お話のとおりでございます。
#163
○高桑栄松君 二千五百のうち三十というと大体一%ぐらいですね。それから三十ヘクタールというのは、羽田空港が三百五十ヘクタールだそうで、すね。そうすると、大ざっぱにあの十分の一ですよね。そんな広いところがこれからあるんでしょうかね。三十ヘクタール以上というのはこれから土地として求められるんだろうか。いかがでしょう。
#164
○政府委員(小林康彦君) 規模がごく大規模なものはそれほど今後大きくは見込めないというふうに思っております。三十一のうちで現在海面で占めておりますのが二十というように、比較的大規模なものは海面の埋め立てによるものが多いというのも実情でございます。
#165
○高桑栄松君 今最初の数値で申し上げましたけれども、二千五百のうち三十二カ所、一%というんじゃ、九九%がアセス対象になっていない。これではアセスというのは色があせてしまうのではないかと、こう思って今伺ったわけであります。色あせないためのアセスメントには三十ヘクタール制限というものをもう少し緩和するなり、撤廃するというのはこの二千五百やるのは大変かもしらぬから、順次処置が要るんだろうと思いますが、三十ヘクタールというのだけでは九九%が対象にならないという意味で私は問題があろうかと思うんです。
#166
○政府委員(小林康彦君) 三十ヘクタールといいますのは、各種の開発事業を並べましてそのバランスの上に決められた数字でございまして、全体としてアセスメントの対象が動く、制度的に全体的に調整をしていこうという時期になりましたら、廃棄物処理施設についてもその中での変更はあり得るものと考えておりますが、現在の対象事業の中で廃棄物だけ取り上げてそこだけアセスの制度の制度的な強化をするということは私ども適当でないと考えております。
 しかし、環境に対する配慮は十分行う必要がございますので、環境影響評価という制度、きっちりした制度ではございませんけれども、内容的な環境に対する配慮が行えるような規定を置きまして、環境に対する配慮を的確に行っていくようにという制度にしておるところでございます。
#167
○高桑栄松君 私が申し上げたのをおわかりになったと思うんですが、経済の健全な発展と同時に環境の保全ということが大きな柱なわけでありますから、どちらかといえば第一義的には環境保全ですよね。その意味で、事業体のバランスをお考えになっているというのはどうしても経済優先の感じがするわけで、我が厚生省はそうではなくて、生活する側、住民の健康を守る側、こういう形でお考えをいただくのが趣旨ではないかというふうに私は思います。
 これは議論しておっても時間があれですから、私の意見として申し上げておいて、次に行きたいと思うんです。ともかく三十ヘクタールというのは大き過ぎますよね。一%というのは私は問題にならぬと思うんです。量的にいかにもやったように見えますけれども、問題にはならない。庶民の側、市町村サイドで考えますと、三十ヘクタールなんて町村で出せる場所なんてないわけだから。そういう意味で、もう少し自治体側にも目を向けて、もうちょっと小さい面積もアセスの対象にしてやるのが本当でないかと、こういうふうに思います。
 その次、産廃の広域移動についても、これも竹村さんが御質問になったので省こうかと思ったのですが、ちょっとだけ言わせていただきます。
 一般廃棄物は自分の自己区域内で処理をするということで、越境事件が非常に、一遍もめましたけれども、だんだんなくなったのかなと今思っておりますが、産廃は越境するというのが前提なんでしょうか。いかがでしょう。
#168
○政府委員(小林康彦君) 一般廃棄物につきましても、自分の行政区域内の中で最終処分ができずによその市町村の区域で埋立処分をされている事例が、特に大都市圏で発生いたします場合に、相当数ございます。産業廃棄物につきましても、考え方といたしまして、廃棄物の発生した地点及びその近くで処理をされますことが好ましい姿という方向は持っておりますが、経済活動の中で行われるということもございまして、特に市町村の区域あるいは県の境を意識して産業廃棄物の処理につきましての指導制度をつくっておるわけではございません。
#169
○高桑栄松君 先ほどの政府側の答弁にもありましたが、受け入れを規制している県が二十三道県だと、こういうお話でしたね。二十三というのは都道府県の数でいくとちょうど半分ですが、半分が受け入れを規制しているというわけで、こういうときにトラブルが今まで幾つかあったようでありますが、こういうときの厚生省の役割というのは産廃の広域移動についてはどういう役割を持っているんでしょうか。
#170
○政府委員(小林康彦君) 都道府県によりまして要綱等によりまして指導をしておるところが先ほどの数でございます。その要綱の中に県外から入りますものに対しての規制を強めているものがあるというのも事実でございます。これは大都市圏を中心にいたしまして処理施設の不足等から広域的に廃棄物が移動し、かつ処理施設周辺の住民の感情等もございまして、県としての判断で行われておるところでございます。
 今後、産業廃棄物の移動がどうなるか完全な予測は難しいところではございますが、今後ともある程度の広域的な移動といいますものは不可避という状況にございますので、廃棄物処理法の改正におきましても、厚生大臣が都道府県知事に対しまして産業廃棄物処理計画の作成に当たって全国的な産業廃棄物の発生及び処理の状況につき必要な情報提供等を行うことができることとされたところでございます。
 法律上の国の役割というものはそういう規定でございますが、本法案に基づきまして民間の産業廃棄物処理業者や地方公共団体が関与いたします第三セクターが行ってきました産業廃棄物の処理施設の整備に当たりまして主務大臣が認定をする制度、NTT・Cタイプを初め積極的な融資によります支援措置、こうした制度をつくることによりまして施設整備を促進し、全国的にモデルとなるような整備を行うことによりまして処理施設の全国的なレベルアップを図るとともに、地元での受け入れが難しいというような要件を排除する役も果たさせて、適切かつ円滑な広域移動が行われる条件を整える必要がおるというふうに考えておるところでございます。
#171
○高桑栄松君 昨年秋の改正で届け出制が許可制になったということについてですが、この字面を見ていると届け出というのは勝手に届ければいいように見えるんですが、この中には事前審査が厳しく行われているというふうに承りましたが、許可制というのは非常に難しいのかとも思いますが、一方では何かこうちゃんと書類上きちっとしていればオーケー、こういう許可なんだろうかというちょっと疑念がありまして今伺うわけですが、許可制になって厳しくなるのか、もとと同じなのか、もっと緩くなるのか、これが一つ。
 それから、処理施設の技術上の基準が省令にゆだねられているとありますが、これは許可制の中で緩和されるのか、今言ったように三つですね。同じなのか、厳しくなるのか、こういったことについて伺いたいと思います。
#172
○政府委員(小林康彦君) 現行の産業廃棄物処理施設の届け出制につきましてでございますが、これは届け出があれば中身を問わず受け付ける、こういう制度ではございませんで、届け出を受けた後、技術上の基準等に基づきまして審査をいたし、その基準に合わないものについては計画の変更あるいは計画の廃止を求めるというような内容を伴った届け出制でございます。
 今回、許可制に切りかえまして都道府県の規制の強化を図ったわけでございますが、届け出制から許可制に付随をしますものも含めまして申し上げますと、許可要件といたしまして技術上の基準が整備をされ、産業廃棄物を適正に処理できる構造となるよう審査が十分行われるようにいたしましたこと、また最終処分場につきましては、災害防止計画の作成が義務づけられたこと、これによりまして内容の充実を図っておるところでございます。また、施設の使用前に都道府県知事によります検査を義務づけたことによりまして、この検査によりまして適正な施設でなければ稼働してはいけないという形で一つチェックの過程を加えておるところでございます。
 許可制で新たに加えました要件は、設置の許可に際しまして必要に応じ生活環境保全上の条件がつけられることということになりましたので、地域の実情に応じまして知事の判断の余地が広がった、条件をつけられるという条項を一つ加えておるところでございます。
 それから、許可になりましたことによりまして、施設の構造または維持管理が技術上の基準に適合。していないと認められますときは許可の取り消しかできる、届け出の場合にも改善命令とかいろいろの措置がございましたが、許可にすることによりまして、不適正な場合には取り消しかできるということになりまして、これらによりまして都道府県知事の規制力といいましょうか、規制が強化をされたという状況でございます。
#173
○高桑栄松君 では次に、構造の関係ですが、安定型最終処分場というのは、これは素掘りに近い構造なわけで、午前中の御質問の中でもこれが指摘されておったわけです。搬入される廃棄物の中身の分別チェックが非常に難しいということがあったわけで、そういたしますと、安定型というものが有害物が混入するかもしらないということを前提に置いた構造であった方がいいのではないかと思います。構造設備基準等見直すということがあるわけで、つまり管理型の基準に近づけてはどうかということを私は考えたわけであります。
 浸出液処理設備があるかないか、それが素掘りの場合問題になるわけですから、そんなことを考えているわけです。そしてこの際やはり水質検査の義務づけを行う必要がないのか、あるのではないかと思うわけですが、いかがでしょうか。
#174
○政府委員(小林康彦君) 安定型の処分場は構造及び維持管理の基準を守り、それに適した廃棄物が搬入されます場合には環境上の問題を生じないというふうに考えております。
 そのために、搬入されます廃棄物の管理が重要なポイントというふうに思っております。廃棄物が管理型に行くべきものが安定型とまざっております場合には、基準といたしましては厳しい方の基準が適用になり、管理型処分場に処分しなければならないということで、混合状態が分離ができないような状態のものについては管理型に入れるということになりまして、先生のお話のような結果が、少し考え方あるいは指導の仕方が異なりますけれども、結果としては同じ形になるものと考えております。適切な廃棄物の搬入管理が行われれば安定型も十分な構造でございますので、安定型のすべてを管理型に近いレベルまで引き上げる必要はないというふうに私どもは考えております。
#175
○高桑栄松君 極めて政府は国民を信頼しておられるようでありますから、信頼されているにしては不法投棄が多いというのはどういうことかなと思うわけで、ですから搬入が適切であればというのが仮説でございますから、その辺をお考えいただくという意味で申し上げたんです。
 そこで、安定型と管理型で大きさが何か決まっていましたね。三千平米以上というのと、管理型は一千平米以上のものというような最終処分場の区分けされた中でのすそ切りがあるわけですが、先ほどの三十ヘクタールと同じように、大規模のものについてはチェックが行われているが、小規模のものについてはチェックをしないというのは、私はきめ細かな行政という意味からは離れていくのではないか、こういう意味で私は小規模処分場のまず実態を把握して、そしてそれに応じて今のすそ切りを考えていく、例えば一千平米をとりあえず半分の五百平米まで下げていくとか何かそういうことで生活環境を守るという配慮が要るのではないか、こういうふうに思うんです。いかがでしょうか。
#176
○政府委員(小林康彦君) 現在、埋立地の規模を問いませんで、廃棄物を処分いたします行為全体について適用されます処分の基準がございます。これが一律にすべてにかかっておる基準でございます。施設につきましては一定規模以上、先生お話がありましたような規模以上のものを廃棄物処理施設といたしまして、構造からさらに厳しい規制基準を設定しておるところでございます。
 その厳しい方の基準の適用範囲を広げるべきではないかという御指摘でございますが、廃棄物処理法改正の時点でも御指摘をいただいておりますので、処理施設の許可の対象となります範囲のあり方につきましては、関連をいたします制度、例えば処理業の制度でございますとかいろいろの内容がございますので、それらの制度との関連も含めまして総合的な検討が必要であると考えまして、現在鋭意検討しておる段階でございます。
#177
○高桑栄松君 それでは、今の施設の建設の最後の質問なんですが、水質試験の話をさっきちょっと質問の中に入れましたけれども、水質試験をすべきである、した方がいいんじゃないかというふうに申し上げたんです。
 これの溶出試験の条件のことですけれども、これは環境庁にお伺いをいたしますが、我が国では今の場合にpHがどうなっているのかということ、そしてpHが大体中性あるいは弱アルカリのようでございましたが、自然界の状況は今かなりいろんな意味で変わってきているし、なるべく自然の状態に近いところでこの溶出試験をしないとイオンが出てこないんじゃないかということが考えられるわけで、例えば米国ではどうなっているんだというような例をもしお持ちであったら承りたいと思います。
#178
○説明員(木下正明君) 産業廃棄物のうち水銀、カドミ等を含む廃棄物につきましては、含有される有害物質による環境の汚染を防止するために、一定の試験によりましてその有害性を判断し、有害なものにつきましては、その他の廃棄物に比べましてより厳しい規制をかけております。具体的には遮断型の埋立地に処分するというようなことが規定されてございます。
 その試験方法でございますが、具体的には埋立処分及び海洋投入処分の形態に応じまして、溶出試験または含有量試験を用いております。例えば埋立処分につきましては、最終処分場から溶出いたします有害物質によります水質汚濁を防止する観点から、溶出試験を判定の際に用いております。
 その胆のことでございますが、現在の総理府令の規定によりますと、埋め立ての場合には画は五・八から六・三で行うようにいたしております。アメリカの例を少し調べてみますと、アメリカにおきましては、大体画五前後で行うということでございまして、先ほどの五・八から六・三に比較しますと若干の差がございます。
 私どもの判定方法につきましては、昭和四十八年の総理府令で決められたわけでございますが、そのときの考え方では、自然の埋立地における条件を再現したいということからこういった面を設定してございます。先生の御指摘のように、最近酸性雨等の状況もございますので、そこら付近はもう少しこれから調査研究をしていきたい、このように考えております。
#179
○高桑栄松君 残念ですけれども、ちょうど時間になってしまいましたので、あと環境庁と法務省にも来ていただいておったんですが、申しわけありませんが、これは次回に譲らしていただきますので、御足労願ったのをおわびをいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#180
○沓脱タケ子君 それでは、お伺いをしたいと思います。
 地球環境に対する国民の関心というのは大変高まりまして、まさに国民は地球規模で考えて、行動は草の根からという形で大変真剣な取り組みが進んでまいっております。産業廃棄物は企業の利潤追求のための事業活動を通じて生じるものでありますから、本来的に事業者みずからの責任で対処すべきものである、これは廃掃法にも明記をされているとおりであります。
 しかし、客観的に見ますと、産業廃棄物の量は大変激増いたします。また広域的なごみの移動も大変多くなってまいっておりまして、現在の産業廃棄物の受け入れを実質上拒否するという形で防衛を図る府県が、先ほどからの御答弁でもありましたように二十三道県に広がっている、まさに問題は山積をしているという事態だと思うのであります。さらに深刻なのは、不法投棄が激増しているということでありまして、しかも産廃の最終処分場というのは、資料を拝見いたしましても、あと一年半しかもたない。しかも、新規の処分場建設というのは遅々として進まないという状況であります。
 報道によりますと、二十五道県九十カ所で計画がおくれて、九県十七カ所がこの一年に撤退に追い込まれるという事態が起こっております。こういう計画がおくれたり撤退せざるを得なかったりする、その主な原因は何なんだろうかということでございます。それと関連して今回の法案が出ていると思うので、まずその点をお伺いしたいと思います。
#181
○政府委員(小林康彦君) 計画が途中で廃止になりましたり計画の期間が延びております事例、全国的に幾つかございますが、共通的にその状況を整理してみますと、産業廃棄物につきまして、不法投棄等の増加等によりまして産業廃棄物の処理に対します信頼性の低下が挙げられるかと思います。また、処理施設の設置が行われますと生活環境が変化するんではないか、こういう懸念から周辺住民の理解が得にくくなっている状況、これが原因の第一に挙げられるものだろうというふうに思っているところでございます。
#182
○沓脱タケ子君 そういった中で今回の特定施設をつくって模範的なものをつくろうというわけでございますが、今度の法案でお考えになっておる特定施設は産業廃棄物総量のどの程度をカバーしようと考えておられますか。
#183
○政府委員(小林康彦君) 制度が動き始まりましてから具体化まで準備の期間もございますので、現時点で正確な予測というものほかなり困難でございますが、現在のところの見通しといたしましては、必要な処理施設の一割程度の部分を分担するということで予測をし準備しておるところでございます。
#184
○沓脱タケ子君 一割程度はカバーできるようにやっていく。先ほどもお話がありましたように、計画がおくれたりあるいは計画を撤退しなければならない主な原因というのが、住民の合意が得られていないというあたりが一番大きな原因になっておるようでございます。したがって、私は今後この一割程度であろうと特定施設を進めていく上でもこれは本当に考えなければならないなと思うんですね。本来企業が適正に処理すべきものであるという原則を堅持しながらも、一定の処分場整備はある程度必要だというのは客観的に私どもも認識をいたします。しかし、この場合にも公費をつぎ込むということは本来考えてはならないんじゃないか。それからもう一つは、何としても促進をさせていくためには住民合意は決定的に大事だということを改めて痛感しています。
 そこで、時間の都合もありますから、具体的にちょっと伺っておきたいんですが、徳島県吉野町に産業廃棄物処理工場を民間業者が建設する問題で、当初町長が建設を容認する意見を県に上げられたんですね。ところが住民から激しい反対運動が起きた。当初計画予定地が水源地ということもあったので、地元では環境を守れ、水を守れということで人口九千人ほどのところで二千五百人も集まるような反対集会が開かれるという事態が起こり、知事に対しても陳情が千数百名で行われるというふうなことがありまして、その結果町長が辞任せざるを得ないという事態が起こっている、まさに政治問題に発展をしているわけでございます。
 今ちょうど選挙中のようですけれども、きのうあたりから選挙が始まっているんですが、こういう政治問題にまで発展させる、やり方いかんによってはそういうことが起こるということが一つの実例だと思うんです。したがって、住民合意を得るというのも、単に形式的や手続的に意向を聞くというだけでは解決しないということをこの徳島の例は示していると思うんですが、そういうふうに見て間違いありませんか。
#185
○政府委員(小林康彦君) 徳島県の事例といたしまして、産業廃棄物の焼却施設の設置に対しまして地元の住民が反対をされている状況及び町長が辞任をされましたという点については徳島県より聞いておるところでございます。
 ただ、辞任の理由につきましては、何によるものかについては私ども詳細には承知をしていないところでございます
#186
○沓脱タケ子君 それではあかんのですよ。廃棄物処理場の建設をめぐって町長がやめざるを得ないというところまで追い込まれるというような政治的な混乱を引き起こしているということさえあることを御承知いただいて、下手をやるとそういうことになるんだという立場で対処をされるということが極めて大事だと私は思うのでわざわざこの実例を引用したんですが、そういうふうに御理解になりませんか。
 町長やめたのは知っているけれども何でやめたか知りません、それではこんなもの、特定施設をつくっていく上で大変不安でございます。その点どうですか。
#187
○政府委員(小林康彦君) ただいまの件につきまして、廃棄物の処理をめぐりまして町長を含め地元でかなりの議論があり、それも一つの理由ということは確かでございます。ただ、そのほかにどういう状況があったかについて、私ども全体としての姿を十分承知していないという状況でございます。
#188
○沓脱タケ子君 それはそれしか言えないのかもしれません。私はそのことは客観的な事実だということを一つは御認識いただきたい。住民合意というのは大事だなと思うんですよ。あそこは町長が結構ですと言うたんですわ。それで県が許可したんですよ。ところが、町長の意見を聞いたことも市町村の意見を聞いたということになるわけです。しかしそれだけでは、私先ほど申し上げたように、形式的な意見の聴取の仕方というのはあかん。これは形式的、手続的な意向で解決するというんじゃなくて、本当に町長はもちろんのこと、議会あるいは住民団体等の合意を得るというふうなことが非常に大事だなということをこの実例で感じたんです。
 たまたまそういうことでうまくやったという実例もありますね。これは埼玉県の寄居町というところで、公害防止事業団から融資を受けて広域廃棄物処理施設をやっているんですが、ここは計画発表から十四年かかっているんですね。十四年かかったけれども、住民が直接参加をする公害防止細目協定というのを結んで、ついに地元の振興策として周辺整備もやって解決をしたという実例がございます。
 こういうふうに見てまいりますと、この種の施設をつくっていく上で実質的な住民合意を本当に得ていくということがいかに大事かということを改めて痛感をさせられるものでありまして、法的にはこれは規制されてないんですよ。やらなきゃいかぬとは書いてない。だから町長が、はい、結構ですと言うただけで、本来それでもいいんですよ。しかし、それではだめなんだということが明らかになっているので、その点を特に強く要望しておきたいと思いますが、いかがですか。
#189
○政府委員(小林康彦君) 今回の特定施設の整備に当たりましては、ただいまお話しございました埼玉県のうまくいった方の事例でございますと、これは民間任せにしないで地方公共団体が積極的に動いたというのが一つの要因であろうというふうに私ども理解をしております。そうした全国的な動向も見まして、処理業者のみによります活動ではなかなか地元の理解、協力が得にくいという状況がございますので、地方公共団体を含めまして支援の体制を組み、それに対します財政上の措置等も入れての制度でございます。
 さらに、地元の関係につきましては、特定施設の設置が生活環境等に影響をもたらす場合があることにかんがみまして、主務大臣は都道府県に対し、また都道府県を通じ地元市町村に対しても意見聴取を行うこととしておるところでございます。これは地域の生活環境への影響や地域社会との調和等に配慮をいたしまして、円滑な処理施設の設置を図るための手続でございまして、この過程を通じて地元の意向が十分反映されるものになると考えております。
 本法の施行に当たりまして、この趣旨が意見聴取等に十分反映されますよう都道府県に対する指導に努めてまいり、円滑な施設整備が進められるよう努力してまいりたいと考えております。
#190
○沓脱タケ子君 たくさんお話をしてくださっておるんだけれども、言わんとするところのポイントをきちんとつかんでほしいと思うんです。これから一割、一割をつくろうということだから、特にわざわざ法律をつくって新たに特定施設つくるんだから、少なくともそういうことでトラブルを起こさないためにはここが一番大事だということをわざわざ申し上げているんですから、ポイントをつかんでいただきたい。大臣そうじゃないでしょうか。
#191
○国務大臣(山下徳夫君) 現在の廃棄物の処理は本当に大変な環境問題で、今一番大切な政治問題であることは十分承知をいたしております。
 しかしながら、あくまで地元の納得を得る、そして慎重に慎重を期するという意味で届け出制から認可制に変えたと私は思っておるのでございますが、だからといって公害の起こらないような十分な設備があるにもかかわらず、一部の住民が反対だというので一々それはだめだよということになると、一体三億トンのごみを国内でどこにどうやって捨てるんだというと、これまた一つの大きな問題であります。したがいまして、公害の起こらないような十分な施設も整っておるというようなことでありますれば、やはり地方自治体の長も今度は一部の人が反対するならば、その方々に対する御理解を求める努力もまたやらなきゃならぬ、両方相まってやらなければなかなか、反対したからすぐだめだということになると私はごみの捨て場がなくなっていくんじゃないかという心配も一方ではしなきゃならぬと思うのであります。
#192
○沓脱タケ子君 時間が余りありませんからあれなんですが、実際にはこの種の施設をつくっていこうと思いますと、住民合意が一番必要であり、もう一つは安心できるアセスメント、影響評価ですね、これをやるということ、それから立地条件というものを本当によく見きわめるということが非常に大事だと思うんです。
 これは前回、昨年の廃掃法の論議のときにも申し上げたんですけれども、廃掃法の改正をせっかくやったんだけれども、地方自治体には立ち入り権がないんでしょう。だから住民は、例えば問題があると、不信が起こるという場合に県に言っていくんじゃないんですよ。やっぱり市町村に物を申すんです、こんなんだけれども何とかならないかと。ところが、市町村は現場に立入調査をする権限を持たないものですから、県に言うわけでしょう。県は、ちゃんと人がいっぱいおって待っているという状態じゃありませんから、お願いをしてもなかなか来てもらえないというふうなこともあって、非常に現場の住民との間では円滑さを欠くという問題も起こるので、せめて立入検査の権限ぐらいは市町村に与えたらどうだろうかということを私前回にも申し上げたんですね。
 これは市町村、かなり公式にも御要望になっておるところでございますけれども、この辺は法律を改正してとは言いませんけれども、指導を強めてそういうことを必要なときにはやらせるというあたりは踏み切ったらどうかと思うんですが、いかがでしょうか。
#193
○政府委員(小林康彦君) 産業廃棄物の処理施設につきましては、廃棄物処理法上、都道府県知事及び保健所設置市の市長への届け出、これは今度許可制になるわけでございますが、とされておりまして、都道府県知事等は廃棄物処理法の施行に必要な限度において産業廃棄物処理施設に対して立入調査ができることとされております。
 一方、保健所設置市以外の市町村につきましては、産業廃棄物処理法上、産業廃棄物の処理に関します特段の権限が認められていないということから、立入調査に関する規定は行われていないところでございます。
 今回の法律では、特定施設につきまして、認定に際して都道府県が市町村の意見を聴取し、それを含めて国に上げる、こういう手続がございますので、地元市町村との調整が十分に行われ、地域の実情に応じた施設の整備が行われるものと考えておりまして、一般の処理施設の整備よりは市町村の関係を深めた制度としておるところでございます。
#194
○沓脱タケ子君 立入調査の問題というのは、前回も私るる申し上げたように、市町村が非常に要望が強いんですよ。そのことをひとつしっかりと一つかんでおいていただきたい。
 例えば、もう一つ申し上げておきたいのは、さっきも申し上げたように、この種の施設をつくっていく上で住民合意の問題、それから立地の問題ですね。大体このごろ三十ヘクタールもという土地を確保しようと思ったら大概山、谷ですわな。山と山の谷あるいは川のそばという、そういうところになってくるので、水質汚染の不安というのがその付近住民の非常に大きな不安になってきていると思うわけですね。ですから立地について、特に今回の法律でつくります特定施設の場合に、水源の上にこんなごみの施設をつくられた、つくるんだということで、反対運動がわあっと火がつかないように立地条件をかなり考えていくということ、住民の飲料水源にそういう立地条件を認めるというようなことは、特に許可制ですからね、やらないという立場をおとりになる必要があるんじゃないかなと思うんですよ。
 というのは、いや十分な施設だから大丈夫です大丈夫ですといっても、これはだめなんですね。この間も報道されておりましたけれども、東京都の多摩地区でしたか、日の出の廃棄物最終処分場では汚水を遮断するゴムシートにいっぱい穴があいていたと言うんですね。それは三年も前から修理を続けていたけれども、住民には知らせていなかったというようなことも起こっているわけですよ。ですから、飲料水の水源地あるいは取水口の上流というような、そういうところの立地というのはやらせてはならないということで立地制限を考えるべきではなかろうかと思いますが、いかがでしょうか。
#195
○政府委員(小林康彦君) 産業廃棄物の処理施設は、設置場所のいかんを問わずに、生活環境の保全に支障を生じないよう適切な設置、運営が求められているところでございます。昨年、改正をいただきました廃棄物処理法によりまして、施設の設置を従来の届け出がち許可制にいたしましたこと、許可の審査に当たりまして技術的な基準に基づく審査を行うほか、最終処分場につきまして災害防止計画についても審査を行うことといたしましたこと、あわせて許可に当たって生活環境の保全上必要な条件を付すことができることとしましたほか、施設の使用前の都道府県知事等によります検査の受検を設置者に義務づけるとともに、産業廃棄物処理施設の設置者は当該施設に係ります。辺地域の生活環境の保全及び増進に配慮する、こうした規定を入れたところでございます。
 これらの規定を適切に運用することによりまして、産業廃棄物の処理施設の設置についての信頼性及び安全性の向上に努めてまいり、信頼性の確保を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
#196
○沓脱タケ子君 たくさん言ってくださるんだけれども、そういうことでやっていけるので、住民の飲料水取水口あるいは地下水、そういうものに影響するようなところに立地をさせることにはならないんだということで理解ができるんですか。ちょっとわからぬですな、丁寧には言ってくれているけれども。そのとおりやったら、そんなところにつくるはずがないんだというふうに理解をしてよろしいですか。
#197
○政府委員(小林康彦君) 個別の案件に基づきまして、その施設がその計画のもとでは生活環境の保全上不適切であるという場合には、都道府県知事は必要な条件を付す権限を与えられておりますので、支障が出ますような場合には都道府県知事の許可の裁量が働くという規定にしたところでございます。
#198
○沓脱タケ子君 それじゃ、そういう危ないということになったら、意見を出せばいけると、そういうところへは立地しないというふうに知事が裁量してくれるということですね。そういうふうに断定的に承っておいてよろしいか。これはもう非常に大事なところなんです。言い過ぎかな。
#199
○政府委員(小林康彦君) 心情的な不安というところまでは考慮をしておりませんが、それによりまして客観的に生活環境の保全上必要であるという措置につきましては、知事は条件として付し、そのような施設にさせることができると、こういう規定でございます。
#200
○沓脱タケ子君 それから次に、必須条件であります環境アセスメント、これも同僚委員からたびたび言われておりますので詳しく申し上げる必要はないと思いますが、三十ヘクタール以上の最終処分地についてはアセスメントを実施すると、こうおっしゃるんですね。さっきの御答弁を伺っていると、三十ヘクタールというのは処分地だけの面積ではなしに、周辺整備を含めて三十ヘクタールということだとおっしゃったんですが、そうですか。
#201
○政府委員(小林康彦君) 私は先ほど範囲につきましては申し上げておりませんで、最終処分場の面積が三十ヘクタールということでございまして、周辺の緑地とかそういうものは通常含めておりません。
#202
○沓脱タケ子君 そうしますと、現在の処理場がおよそ二千五百カ所、そのうちの、さっきの御答弁では、三十二カ所しか三十ヘクタール以上の処理場はない。そんなわずがしかないような三十ヘクタール以上だけをアセスメントをやる、それ以外の九割以上がやらないということは、これは住民の納得は得られないです。
 ついせんだって、これ環境庁の人おってくれたらよかったんだけれども、環境庁所管の公害防止事業団法の改正で、あれは今環境事業団や、そこでやっぱりこの特定施設色つくるそうですわな。それで売るのか、頼まれてつくるというようなやり方でつくるんだそうですけれども、環境庁では十ヘクタール以上はやると言っているんですよ。環境庁は十ヘクタール以上をやるし、厚生省が三十ヘクタール以上というようなことでは困るんで、整合性を持たせるという意味からも、省庁御相談をいただいて、できるだけ十ヘクタールにやるというんなら十ヘクタールにせめてアセスを実施するというふうにやるべきではながろうかと思いますが、いかがですか。
#203
○政府委員(小林康彦君) 三十ヘクタールにつきましては、閣議決定によります環境影響評価実施要綱に基づいて実施をする対象範囲でございます。それ以下のものにつきまして、必要に応じまして環境に与える影響を調査、検討し、その結果を特定施設の整備に反映させていく、こういうことにしております。
 要綱にとらわれず広い意味でのアセスメントということになりますと、ただいま私が申し上げましたような調査、検討、反映、これも一般用語としてのアセスの範囲ではございますが、一般的にアセスの対象と言っておりますときには、厳密に要綱に基づく手順を経てのアセスと、こういうことでございますと、三十ヘクタールで切り、この三十ヘクタールは開発が環境に与える影響を考えながら、事業間のバランスを考えながら設定されたものでございますので、今回の特定施設につきましても実施要綱に基づきますものは三十ヘクタールのところまで、それ以下につきましては環境に対する影響の調査、検討、反映と、こういうことで対処していきたいというふうに考えております。
#204
○沓脱タケ子君 私は、それだけではないと思うんです。十ヘクタールでそれで結構だと思ってないんですよ。しかし環境庁が十ヘクタール以上はやりますとこう言う、厚生省はいやもう閣議決定の線で三十ヘクタール以上やと、こういうことでは、同じものをつくるのに省庁によってアンバラがあるというのはよくないので、整合性のとれるようにしてもらいたいというふうに思うんです。これだけでもまだ不十分なんですね。これはもう御案内のように、森林法では一ヘクタールを超える森林開発の場合にはきちんと許可を受けて規定どおりやらなきゃいかぬというような規定がありますね。
 それから、もっと言いますと、産業廃棄物の処理というのは随分ひどい。ひどいというか相当なことをやっているんです。例えば栃木県の那須町、これは県の指導要綱が、安定型は千五百平米、管理型は五百平米以下は事前協議が不要だと、こういう要綱を出したんですね。そうしたら、その町の中の穴という穴、へこんだところといい谷間といい、その小さなところへ次から次、全部ごみで埋めていく。那須町といったら那須御用邸のある地域ですよ。そんなところへそんなことをやっているというわけですわな。だから、そういう小規模のものについても本来市町村が一番ようわかるんですよ。県が幾ら指導要綱をつくっていると言うたって、あっちの穴ぼこにとにかく埋めている、こっちのくぼみに埋めている。そういうことが見えるのは市町村なんですよ。
 そういう点で、そういう細かいところまで本当は目を光らせていける行政指導というのは極めて大事だと思うんです。これは奈良と大阪、京都の間にもありましたが、三十ヘクタールの用地を設定して、一遍に三十ヘクタールをやらぬわけ。一ヘクタールずつやって二十年ほどかけてやろうかと、こういうことになったらこれまたかからへんでしょう。そういうことで、なかなか知恵を働かしていろいろおやりになるわけですから、それに対して行政がきちんと対応する、できるようにするということが極めて大事だと思うわけで、その辺のところは小規模のものについても地域住民に影響のあるという場合には、影響評価という要綱に基づくような大層な形でなくても、少なくとも地域住民に及ぼす影響というようなものを行政は知ってないといかぬと思うんですね。その辺はどうですか。
#205
○政府委員(小林康彦君) まず、規模を非常に細かく割りまして法律の規制を逃れようと、こういう点についてのお話があったわけでございますが、法律の適用に当たりましては全体を対象として把握し、そのもとで適切な規制、指導をしていくということにしておるところでございます。したがいまして、意図的に細切れにしながらという行為がありましても全体を見ながら法を適用していくという方針でございます。
 廃棄物処理施設なり、あるいは廃棄物の処理、不法投棄等につきまして関係者の間で協力体制あるいは連携体制を整えていくというのは非常に重要なことでございまして、かなりの県におきまして、市町村をも含めてそういう連絡体制をつくっておるところもございます。今後とも廃棄物の、特に産業廃棄物の処理につきましてきめの細かい監視、情報収集、指導ができますよう私どもとしても指導に努めてまいりたいと考えております。
#206
○沓脱タケ子君 同僚委員からも御意見が出ておりますように、特別管理廃棄物についてはマニフェスト制度があるわけですが、今度の特定施設にはそんなものやらぬと、同じようにはやりませんという御答弁があったんですが、私そのことについてお聞きをしたいと思ったんだけれども、時間の都合があるので一つお伺いをしておきたいのは、昨年の秋、九月の二十四日にも本委員会でお尋ねをしたんですが、香川県豊島、ごみの山、あれはその後どうなっていますか。
#207
○政府委員(小林康彦君) 豊島に放置をされております、あるいは保管をされております廃棄物につきましては、処理業者及び排出をしました事業者の手により適切な処理ができるよう香川県を中心といたしまして関係の府県協議をしながら対応策を協議し、できるものから着手しておるという段階でございます。
#208
○沓脱タケ子君 これは念のためにと思って会議録を見てみましたが、昨年の九月二十四日に小林部長が私の質問に対して、その分野ですよ、「関係者の協議の場を設けましたり、指導を強化することによりまして、極力迅速に原状回復が行われるように努力しているところでございます。」というんですがね、現状はどうですか。もう時間の都合があるから私が言いましょう。
 現状は何も片づいていないんです。シュレッダーダスト十七万トンがそのまんま。それから製紙汚泥、これが一トンや三トンや言っていますけれども、それもそのまんま。製紙汚泥はダイオキシンが出るおそれがあるけれども、この調査もしていない。あげくの果てに県がもうどうにもしょうがないと、どうにもしょうがないから改めてそこへ処理場、処理施設をつくったらどうやと、そういう御意見も町民団体のところへ持ってきておられるということが新聞でも報道されておりますし、県議会でもお述べになっているわけです。
 考えたらどうですかね、こんなばかげたこと。不法投棄をしてごみの山にしたと、持ってきた人は確かに検挙されたけれども、それをもとへ回復する能力がない。ごみを出した業者も自分で解決をするという責任がない。法的根拠がないからやりませんということになっている。そしたらそれは不法投棄やり得なんですよ。住民はたまったもんやない。どうにもしょうがないからということで今度は。最終処分場を新たにそこへつくって、もっとごみを集めたらどうやというようなことを県が指導せんならぬというところまで来ている。こんなばかげたことは黙って見ちゃおれないと思うんですよ。
 だって小林部長、この前そうおっしゃっているんだからね。関係者集めて協議をしたり、できるだけ迅速に原状回復が行われるように努力していきたいとおっしゃっている。何にもできてない。これでは厚生省、この廃棄物対策でなめられますよ。法律的にもないんてしょうがないんですと言ってますわ、県の役人がね。そんなことではなしに、やはり廃棄物対策について国民の信頼を回復していくという立場をおとりになるなら、少なくともこういった問題についは毅然とした態度をとって、こうなるんだと。やり得、捨て得で、ごみの山へもう一遍ごみの処理場を持ってこなきゃいかぬという、住民の感情を逆なでするようなことまで県が言わなくちゃならないところまで追い込まない、ここが私は非常に大きな問題だと思うんです。
 マニフェスト制度の問題を触れたいと思ったのは、捨てたら、ごみを出した業者が私は法的な責任がないから知りませんといってやらぬわけでしょうがな。そしたら捨て得なんですよ、やり得なんですよ、困るのは住民だけと。こんなことを黙って許しておったら、産廃対策というのは国民の信頼の得られる姿にはならないであろうということを私は非常に憂えます。
 したがって、この豊島の問題についてどうですか、毅然とした態度で対処なさいますか。
#209
○政府委員(小林康彦君) 豊島につきましては、お話がございましたように、関係者の協議の場所を設ける、あるいは県の相談に応ずるという形で部分的には動いておるわけでございますが、まだ未解決の問題がございますので、厚生省といたしましても真剣に取り組んでいきたいというふうに考えております。
#210
○沓脱タケ子君 もう時間ですから終わりますが、大臣、お聞きのとおりなんです。今後の特定施設はそんなことはやりませんというお立場であろうとは思いますけれども、しかし、それは産廃物質のせいぜい一割程度です。それ以外のところはそれでカバーができない。そうすると、従来のやられている姿というのは依然として続くという心配があるわけでございますので、特にこういう社会問題化したような大変な事態、しかも未解決のままでストップしたままという状況、こういうものについては厚生省としては毅然とした態度で対応していただくということの御決意を伺っておきたいと思います。
#211
○国務大臣(山下徳夫君) いろいろお話伺いまして、一番問題は違法性があるということでございますから、それについては毅然たる態度でやっていかなければならないと思います。
 ただ、公有地であるとか国有地であるとかいうものはその管理者なり、所有者が指示してできるんでございますけれども、民有地において全く瑕疵ある施設でない、あるいは計画ではないというものをやたら制限すうどか、いろいろやっていくことは非常に難しい問題が私はあるんじゃないかと思います。そのために今度は許可制にしたんでございますから、そういう面も十分考慮しながら妥当な認可ということをやっていく、法的に見てもこれならよろしいという確信のもとにやっていく、そしてまた違法性があるものは徹底してやるということはそのとおりだろうと思います。
#212
○粟森喬君 今回の法制定に当たって、いわゆる産業廃棄物に対する企業の責任というのはどう変わっていくのか、基本的には過去の法律なんかでもこれは明らかになっておるわけですが、産業廃棄物は事業者責任だと、事業者責任という規定もこれは製造者なのか、排出者なのかということですけれども、その都度述べられています。
 私は今回の法律の中で、振興財団をつくるのに国が二億、地方公共団体が三十億、これは交付税で措置するということですから実質税金で賄われるということです。基金を出すに当たっては損金算入をするというのは、損金算入をしない場合は当然これは税金なりになって国に入ってくるわけです。そうすると、この間の産業廃棄物の扱いの中で、いわゆる業界と言われるところから事業者責任ということをあいまいにするような審議会の答申、あるいはPL法と言われます製造物責任法とか、回収の費用を乗せるためのデポジット制などが決まらないのに、出口の最終処分のところでこういう格好をしていくということはかなり問題があるのではないか。
 そうすると、事業者責任というのは本来的にこれからも守られていくのかどうか、同僚議員の質疑にもありましたように、しょうがないから最後は県がやれとか国がやれとか、そういう話に変質をする。この事業者責任というのを今後どうやって貫いていくのか、この辺の見解についてまずお尋ねをしたいと思います。
#213
○政府委員(小林康彦君) 産業廃棄物の処理に関しましては、廃棄物処理法で事業者処理責任をうたっておるわけでございます。
 この事業者処理責任は、排出者が責任を持ってみずからの廃棄物を処理するということという規定でございまして、具体的にはみずから処理することのほか、他の者に適正な料金をもちまして委託をすみこともできる、こういう制度でございます。また、その処理費用につきましては、PPPの原則に基づきまして排出事業者にその処理費用を負担させ、外部不経済を内部化することによりまして事業者間の公平を図るとともに、資源配分の的確性を維持しよう、こういう原則で、廃棄物処理法はその精神のもとで組み立てられておるものでございます。
 今回の法律におきましても、その精神、規定を踏まえまして事業者処理責任についての変更を予定をしておるものではございませんで、事業者処理責任が処理施設の不足等によりまして果たしにくい状況がございますので、その事業者処理責任が果たせるような環境整備といいましょうか、状況の整理をしようと、こういうことで新しい法律の内容が整備をされておるところでございます。
#214
○粟森喬君 何となく苦しい答弁だと思います。
 私は、お金の問題で、具体的にそういう金を出すというのが事業者責任なら、そんな金出す必要ないんで、事業者が全責任を持って出すべきなんだけれども、こういう格好をやっているということは事業者責任をあいまいにするという意味で、これからもうちょっとちゃんとやってほしい。
 しかし、いずれにせよ出口の最終処理のところを何とかしなきゃならぬという意味では、私どもはこの法律をもう一面で評価するのは、現実に問題が起きていることを処理するという意味では大切なことだと思いますが、これをまさに公費で負担しようとしたらこれは大変なことになるわけだから、その辺のけじめをこれから明確にしてもらいたい。
 それからもう一つは、私は入り口のところは業界なり通産省マターというんですか、そっちがやられて、厚生省も最終処理場の責任を持つとすれば、どんどんどんどんそこへ行って、例えばPL法の問題一つでも早くやれとか、そういうことをけじめとしてこれから当然つけてもらいたいという意味で、もう一つのことをお尋ねします。
 リサイクル法がたしかできました。私は中間の廃棄物の収集業者の皆さんに聞いたら、もう最近は古紙を集めるとか空き缶を処理するとか、それから自動車なら自動車を引き取れといったって、とてもじゃないがコストが大変だと、こういう話なんです。そうすると、あの法律がつくられたときに、私どもがある種の懸念を持っておったこと、厚生省も今の状況で、中間処理に一つの役割を果たしているというふうに評価しているのかどうか、その辺についてお尋ねをしたいと思います。
#215
○政府委員(小林康彦君) リサイクルの状況につきましては、例えば鉄くず価格の低落によりまして、市町村や住民が回収をしました空き缶等の鉄くずにつきまして引き取り費用を要求される。俗に逆有償というふうに言われておりますが、そういう事例も多くなってきておりまして、そのための予算措置と市町村の負担が増大していることは、廃棄物の適正処理の観点あるいはリサイクルを安定的に推進する上で重大な問題というふうに認識をしております。
 このため、厚生省といたしましては、市町村において関係者との協力によりまして、回収、再生体制の合理化を図るように指導いたしますとともに、原料としての利用が促進をされますよう関係業界、関係省庁に働きかけているところでございます。廃棄物の分別収集の推進でございますとか、市町村の行う廃棄物の減量化・再生利用対策事業に対する財政的な援助あるいはリサイクルセンター整備に対します補助等によりまして、廃棄物の再生を推進いたしますとともに、再生品の利用の促進に必要な施策を講じてまいり、リサイクル法の施策と相まってリサイクルの促進に廃棄物の行政としても力を入れていきたいというふうに考えております。
#216
○粟森喬君 今の御答弁を聞いておって、大変むなしい思いがします。といいますのは、何となく言われたことと現実に起きたことがどのぐらい解決できているのか、私はかなりミスマッチが多いと思います。
 いずれにせよ、その問題はこれからの課題の中で当然整理をしていかなければならぬわけですが、同僚議員からも言われたように、分別収集しましょうといったって、地方自治体、地方公共団体を含めて全体の体制もまだ十分じゃない。それから産業廃棄物にある種のマニフェスト制みたいなものを、今特定有害物質というふうに言っているけれども、かなりきっちり入れていかなかったら、結局もう国か地方公共団体が面倒を見方ければいけない。さっき一番最初に言った原理原則から見て絶対の矛盾した状況だということを認識していただいて、これは大臣にも当然そういう意味のこれからの法整備には特段の御配慮をお願いしたいと思いますが、いかがですが。
#217
○国務大臣(山下徳夫君) 今おっしゃるとおりであろうと私も思います。私は法律は守らなきゃならぬ、これはもう国民としての大前提であります。それを平気で犯すような者は、まず罰則を強化する前にさらに指導をし、命令し、それでも聞かない場合は、これがだんだん広がっていくならば、罰則の強化ということもある時点においては考えなきゃならぬ。
 また同時に、業者責任という原則はもう変えることはできません。これは絶対そのとおりでありますが、公共事業体とか地方自治体とかその他でもって、この原則に立った上でもっと守れる方法はないかということも、これも知恵を出して協力するということも大切かと思います。両々相まって今おっしゃるようなことのないようにしていかなきゃならぬと思います。
#218
○粟森喬君 先ほど同僚の竹村泰子議員からも、マニフェストのこれからの実施の段階のそれぞれ種目を言ったときに、PCBと言われましたね。PCBはたしか二十年前に製造が禁止をされているのに、今マニフェストをやらなければならないというのは、事前にも申し上げでありますが、報道機関でも幾つか報道されていますように、二十年前にPCBの問題が出まして製造禁止になった。ところが、それを処理する方法が、これはたしか一部の企業がこれを熱処理しましたが、あと残ったものをとにかく業者が保管をしている、そのうちに追って保管したのをどうするかということを決めるということになっておるわけですが、その時点でどのくらいのPCBが残っていて、現状の保管というのはその数字との間でどのぐらい合致したものになっているのか。
 これは通産省も来ていただいておりますし、厚生省が家電製品の一部についてそういう通達を出しておりますが、その保管状況、それを厚生省と通産省はどういうふうに実態を把握しておるのか、まずそれをお尋ねしたいと思います。
#219
○政府委員(小林康彦君) PCBに関します今までの処理の体制につきまして、私の方から御説明をしたいと思っております。
 家電製品にPCB入りコンデンサー等の部品を使用いたしますことは、行政指導で昭和四十七年に、その後四十九年に化審法と言われる法律ができまして禁止となっているところでございます。しかし、それ以前に製造されました製品にはPCBが入っているということがございまして、廃棄物処理法でも規制の強化を図り具体的な処理の体制を整備したところでございます。
 関係者と協議をいたしまして、PCB使用部品を含みます家電製品の廃棄処分に際しまして、メーカーの責任において家電製品からPCB入り部品を除去すること、そしてそれを適切に保管することということを原則にいたしまして、具体的には家庭にございますテレビ等につきまして、メーカーが連絡を受けPCB使用機器の有無を点検いたしまして、それがあります場合にはそれを抜き取ってPCB入り部品がないことを証明する証紙を張ること、あるいはその市町村が集めましたテレビ等の家電製品、その集めた場所にメーカーから来ていただきましてPCB入りの部品を除去する、こういう二つの制度をつくりまして、除去されましたPCB入りの部品につきましては財団法人電気絶縁物処理協会において処分の検討が行われる、こういう制度をつくったところでございます。
 状況、数字等につきましては通産省からお話があると思いますので、とりあえず全体といたしまして制度はそんなことでやっておるところでございます。
#220
○説明員(青柳桂一君) 家電製品に内蔵されておりますコンデンサー等の部品の状況についてはただいま御説明がございましたので、私の方からはPCBを使用しております自家用電気工作物に含まれておりますトランスとかコンデンサーの保有状況について御説明を申し上げたいと思います。
 現在まで私ども通産省といたしましては、使用済みのPCB使用電気機器、具体的にはコンデンサーとかそれから変圧器とかそういった機器になるわけでございますが、昭和四十七年並びに五十一年の局長通達等によりまして、適切な場所における保管、管理責任者の選任、管理台帳の整備、PCB使用電気機器であることの表示等につきまして事業者に要請を行ってきているところでございます。
 現在のところ、財団法人の電気絶縁物処理協会というところでそこの保有台帳を持っておりまして、その保有台帳によりますと、現在の保管管理状況、平成四年三月末現在でございますが、事業所でいきますと全国ベースで約十三万六千六百カ所、この中でコンデンサーにつきましては約三十三万五千個、それから変圧器については三万三千個が保管されておるという状況でございます。
#221
○粟森喬君 私、台帳のことを聞いているんじゃないんです。現実にそういう保管についてちゃんとやられていると、今、協会の名前言われましたが、そこが責任持ってやっていますか。それは行政として責任を持てるんですか。この間私が見たレポートなどによると、例えば業者が倒産している、それからいつの間にかなくなったというのがあるんですよ。台帳が残っているけれども、現実はないという実態があるわけです。そういうことについて通産省なり行政というのは、その都度そういう処理について報告を求めているんですか。
#222
○説明員(青柳桂一君) 事業者が管理中に紛失あるいは損傷した場合におきましては、事業者に対しまして届け出を、これは通産局に対してでございますが、届け出を要請しておるところでございます。同時に、廃棄物の規制当局でございます都道府県にもその旨通知するよう指導しておるところでございます。
#223
○粟森喬君 これは有害として指定されたんでしょう。紛失したのを届け出ると言ったって、紛失そのものが問題なんですよ。事業者が倒産したらそれはもう報告もないですよ。にもかかわらず今のようなことで、それは行政として責任を持ったことになるんですか。その辺ちゃんと答えてくださいよ。
 現実にあのときの報告では、倒産とそれから紛失というんですか、報告なんかすることも知らないとかね、いや、これはさわっちゃいけないと言われたと。例えばノンカーボン紙一つとったって、各オフィスでとっておけと、そのうちこれの始末の仕方は教える。私どもが知っている事務所なんかに聞いたって、いや、あの当時は大騒ぎしてとっておいたけれども、今はどこにあるかわからぬ。これが実態ですよ。
 そういうPCBならPCBの管理が今もうずさんというか、私どもの推量で申し上げてなにですが、これは行政にやってもらうしかないからあれですが、二十年で二〇%どこへ行ったかわからないとか、ひょっとするとあるのかもしれないけれども、とにかく行方不明とか、紛失届けといったって、紛失するということは違法な処理がされておるわけでしょう。そういう状況を放置したままおるということは適当ではないと思うんでございますが、この辺のところは通産省に、後追いの点検を改めてやるのかやらないのか、まずお尋ねしたいと思います。
#224
○説明員(青柳桂一君) このたびの自治体のいろんな調査結果があるわけでございますが、その結果につきましては、私ども通産省といたしましても大きな問題であるというふうに認識しておるところでございますが、これは廃掃法上の産業廃棄物の不法投棄状況との関連の中で、厚生省等との関係省庁との連絡を密にしながらこの問題を積極的に検討してまいりたいというふうに思っているところでございます。
#225
○国務大臣(山下徳夫君) こういうものが紛失しているということは、行方不明になるということは重大な問題だと私は思うんです。したがって、通産省だけではなくて厚生省としても早急にこれは調査しなきゃならぬと思っております。
#226
○粟森喬君 ぜひとも調査をして、マニフェストもやるということでございますから、とにかくこの問題はこれから非常に重要でございますから、まず現状を確認していただく、紛失したと言われるものも、それからノンカーボン紙の扱いも含めて当面の実態を、私どもがいろんな数字を聞いても大分差が出てきているような感じがいたします、それをしていただくことが前提です。
 ところで、いつまで保管をしていても、これは何らかの格好で最終処理をしてしまわなきゃならぬ。既にカネミの問題にこれが関係をしたわけですが、当時のたしか鐘化が膨大なお金をかけて処理をしたと思うんです。今残ったものを全部処理するとすると相当のお金がかかるわけでございますが、この処理施設が今、日本にないわけですね。日本にないわけでございますからとにかく保管をしていて、もうそれは民間の業者の方が保管をしておるんです。これは市町村がちゃんと保管していろんならまだ信頼性というのはいろいろ言ったつであると思う。これをまず保管して次に早急に処理をする。そうすると、処理のための施設が必要だと。これでまたさっきの話じゃないですが、事業者責任なのかどうかとか、そんなこと言っておってもなかなか解決しない。だとすれば、この問題について例えば二十年前のことが今保管をされて残ったものがある程度掌握できた段階で、次の段階でこれを処理する施設を早急にやっていただきたいと思うんですが、このことに対して厚生大臣、見解をお尋ねしたいと思います。
#227
○政府委員(小林康彦君) お話のとおり、液状の廃棄物につきましては一部を熱分解によります処理が行われたところでございますが、廃家電のPCBあるいはPCB入りの感圧紙につきましては、現在処理設備がないということから遣切な保管という指導をしておるところでございます。保管だけでは問題の解決になりませんので、その処理施設の整備につきまして具体的にどのような方策で取り組んでいくのがいいか、関係いたします省庁とも協議をいたしながら私どもも施設整備及びその適切な処理につきましての方法を検討していきたいと考えております。
#228
○粟森喬君 もう検討するというか、実態を皆さん調べていただいたらわかると思うんです。二十年前に保管をしろと言った、保管の状況がそのときに想定をした残量から見るとかなりの分が行方不明になっている。これをさらに厳重に、適切になんて言葉じゃない、厳重に管理しろと言ったって罰則も何もないんだから、私は罰則規定、明確にあれば悪質な場合はできることになっていたと思いますが、もう責任者もどこにいるかわからないというような状況ですから、いずれにせよ早い段階で財政措置をどうするかということを含めて早急なそういう見通しを立てなきゃならぬと思いますが、大臣、このことについて、これからの責任者としてどうお考えか、明確な回答をお示しいただきたい。
#229
○国務大臣(山下徳夫君) 先ほど申し上げましたように、行方不明になったりするということ、これは重大な問題でございますからきちんとしなきゃならぬ。きちっとするならば最終処理まで政府が責任があると思うんでございますから、今後のそういう処理の仕方については早急に詰めてまいりたい。また経費等についてどうするかということもよりより協議をしてやってまいりたいと思います。
#230
○粟森喬君 この際PCBに関連をして、コプラナ毒性ということについて多少私の意見と厚生省の見解をただしたいと思います。
 東京都の衛生局がハマチについて調べたらコプラナPCBという毒性が出た。それから一方で、新聞に出ていたんですが、母乳からもいわゆるコプラナPCBというんですか、あす学会があってこのことについて研究をされた方が報告するという新聞報道を私もいただいています。
 これはダイオキシンに似たかなり毒性の高いもので、私は実はこれで資料要求したわけです。厚生省はコプラナ毒性についての資料もありませんと、これは問題外に置いておった、こういうことでございます。欧米の場合見ても、このことについて一定の研究などが進んでいるのに、厚生省にそういう体制がない原因はどこに起因しているのか、このことをまずお尋ねしたいと思います。
#231
○政府委員(小林康彦君) お話のございましたPCBが変化をしてコプラナPCBになるというような調査研究がございますことは私も承知をしております。
 現在、そうしたものは調査研究の段階にあるということで、廃棄物の観点かもいきますとPCBというくくりで対処するという段階でございまして、そのPCBの中身、細かく分けました形でのPCBの処理というところまでは入っていない。廃棄物の立場からいきますと、全体としてのPCB対策によりまして環境への廃棄物によりますPCBの流出を防止する、こういう観点で施策を進めていければというふうに考えておるところでございます。
#232
○粟森喬君 先日も食品衛生にかかわる問題で、特に厚生省のガイドラインというのが大変甘いというのか、新しいいろんな有害な物質が発見をされたりして、まず対応できないというのが一つの原因と私も思います。しかし、一方では何となく因果関係が余りはっきりしてないときに、これは大変だ大変だということだけでも適当ではないという厚生省の答弁があったわけでございますが、この種のことについて徹頭徹尾追求していくというか研究していくというか、そういう研究のすそ野を広げていかないと、今食品に対するさまざまなポストハーベストの問題を含めましていろんな問題が出てきているわけでございます。
 したがって、今後の問題としてこの種のことについて、きょうは担当の局呼んでいませんので、大臣に、コプラナ毒性について一定の見解なり検討をこれから指示するというつもりはあるのかないのか、そのことをお尋ねしたいと思います。
#233
○国務大臣(山下徳夫君) コプラナ毒性というんですか、コプラナPCB、実はまことに私不勉強でございましてよく内容を承知しておりません。しかしながら、御指摘の点もございますので、よく勉強して対処しなきゃならぬと思っております。
#234
○粟森喬君 ぜひともそういう意味で、この問題についてはこれから調べていただきたいという意味で重ねて申し上げたいと思います。
 そこで、もう一遍本論に戻って幾つかのことについて確認をする意味で質問してみたいと思います。
 建設残土いうのは、これはどこへ持ち込むのが厚生省は適当と考えているのか。私も事前に調べてみたんですが、これは極めてあいまいな処理を現状はしてきているんではないか、こういうふうに私は認識をしています。といいますのは、建設残土というのはいろんなものがあります。そのまま土に戻してもいいというものから、コンクリート状に近いものや、そういうものがまざったものやいろんなものがあるわけでございますが、これを私どもは規制の対象にすべきではないか。その規制をするときに、どこが、だれが、いかなる責任を持ってやるのか。何となく今まではこれは建設省だということですが、最終処理というのは少なくともこれから厚生省がある意味で非常に大きなウイングを持ってやろうとしているときに、この種のことについて厚生省としての見解なりこれからの検討の方向などについてお尋ねをしたいと思います。
#235
○政府委員(小林康彦君) コンクリートの破片等がまざっておりますものにつきましては、これは建設廃材として廃棄物として規制をし、先ほどございました安定型の最終処分場で埋立処分をする、こういう廃棄物の処理の体系でございます。そうしたものを含みません建設残土、通常土砂でございますので、土砂につきましては廃棄物処理法の廃棄物としては規制をしていないところでございます。
 これは通常の盛り上あるいは埋め立て、土地造成等大量の土砂が移動をしておるところでございますが、そういう状態のものを廃棄物として規制する必要がない、そうした土地造成の行為として適切に行っていただければいい、こういう観点に立つものでございます。
 しかし、最近土砂、特に残土処分につきまして都道府県等地方公共団体におきまして条例などでそうした建設土砂の埋め立て等につきまして制定をいたしまして、その行為の指導、規制をしておるところがあるということは私どもも承知をしておるところでございますが、全国的に建設土砂を廃棄物処理法の対象としていくべき状況とは現在考えていないところでございます。
#236
○粟森喬君 対象にされないというところがちょっとひっかかるんです。現実には、例えばコンクリなどが入っている状態にもよるわけですが、住民サイドからの苦情というのは、その処理基準というのは行政はこういう基準ですよと言うけれども不法もある、それから処理の仕方についても明確じゃない。結果的にそれは住民の方から見ると、私も現実に立ち会ったことあるんですが、業者はこの程度はどこへほうってもいいんですよと、あっち側へ行っちゃう。いやその判断というのはだれが持っているんだといったときに、いやだれかと、それで市役所へ聞いても、すぐ来るということならいいけれども、ならないと。
 そういうように、何となく適切に処理をされているという認識というのは、厚生省もうちょっとこの辺のところはいわゆる住民の側に立った判断基準を常に持ちながら、適切なのかどうかということを持っていないと、地方公共団体といえども、厚生省はどういうふうに考えているかとか建設省はこう言っているとか、それだけでなし得ないことがあるわけですから、これはぜひともこれからの中で解決をしていただきたいと、こういうふうに思います。
 それから次に、今回の法律によって一部の施設ができるようになります。このときの責任者というのはだれなのか。
  〔委員長退席、理事竹村泰子君着席〕
例えば産業廃棄物を最終処分するための処理なんだけれども、住民と合意を取りづけるというのは、これは地方公共団体がやるのか、第三セクターがやるのか、それから建設主体になった民間業者がやるのか、ここについての見解というのは、皆さんはちゃんとしたものをお持ちでしょうかどうでしょうか。
#237
○政府委員(小林康彦君) 一部の施設の場合に、建設主体が一つでございますれば先生の御懸念の問題はないというふうに思っております。建設の主体が複数入る場合、これも想定できるわけでございまして、複数の場合には、まず形の上ではそれぞれの設置主体ごとに責任を有しておるところでございます。しかし全体としての計画でございますから、その建設の主体が共同して全体の計画をつくる、あるいは共同して周辺住民の理解と協力を得る、あるいはその中でリーダー的な者が出て取りまとめながらいく、それらにつきましては、それぞれのケースに応じまして混乱のない形で、かつ責任が不明確にならないような形で体制を組む方向を指導していきたいと思っております。
#238
○粟森喬君 私は、今のところを一番最初の質問とオーバーラップして考えていただきたいと思うんです。産業廃棄物は事業者の責任なんでしょう。いつの間にか第三セクターとか地方公共団体がその地域社会における住民の説得の役割をやらなきゃいかぬというのは、どこかですりかえと肩がわりになるんじゃないか。
 産業廃棄物についての一方の側の事業責任が明確じゃない段階で、そういうやり方をやるというのは好ましくない。地方公共団体がむしろ第三者的に全体に事業責任みたいなものをちゃんとしていく段階までは、あえて余り住民合意の側に回るべきではない。住民の側に立つ立場も用意をしておかないと、ほかの一般廃棄物のときでも、公共団体がもうとにかく皆さん、町全体の問題だから、この地域の人に申しわけないけれども頼むというのと、産業廃棄物というのは私は性格が違うと思う。違うという視点を持ったら、そういうあいまいなゾーンをつくることによっていつの間にかそういうふうに変わっていくというのは私は適当ではないと思います。
 さらに、今後地方公共団体というのはむしろ住民の側にあるべきではないか。何かつくるということがすべてに先行するというやり方は、果たして本当にそれがこれからの地方公共団体の果たすべき役割なんだろうか、こういう意味もありますので、その辺のところの見解を最後にお尋ねをして、私の質問を終わります。
#239
○政府委員(小林康彦君) 産業廃棄物につきまして、排出しました事業者がみずから物理的にも化学的にも処理ができるということが可能でございますれば、それが一番適切な制度というふうに考えております。しかし処理につきまして、専門性がございますとか、あるいは排出事業者は規模に小さなものもございまして、かなりの部分は他の者に委託をして処理責任を果たすと、こういう道も不可欠でございます。
 このため、適切な受託の体制を整えるということが産業廃棄物の処理を適正に行い、生活環境を保全する上で非常に重要な条件になっておるわけでございますが、処理業者だけの努力では適切な整備が難しいという状況にございますので、地方公共団体も支援体制を組みながら適切な施設整備を支援し、そして産業廃棄物の適切な処理が図られるような整備をしていきたいというのが本法案でございます。
 そうしました場合に、市町村あるいは都道府県といいますものは、一方で第三セクターあるいは周辺の公共事業の計画等におきましては、事業を推進するという側での努力という側面と、もう一つは周辺の環境保全という面から、その地域社会のためのマイナスの影響の除去あるいはプラスの要素の増進というその地域としての立場の面と、二とおりの面を持つ性格になろうと思っておるところでございます。
 本法の制度の中ではそうした都道府県、市町村の二つの面をそれぞれの規定の中で置きまして、調和のとれた形で適切な処理体制の整備が図れるようにこうした制度として御提案をしておるところでございます。
#240
○粟森喬君 私は対立する関係があると思うんです。調和するというのは、その対立する二つの真ん中に立つんだけれども、地方公共団体、地方自治体の性格というのをどう位置づけるかという問題もいろいろあるんで、ここは見解の分かれるところだが、これからのケースによって、そのことについてPPPの原則をどこかできっちりしたことを念頭に置いてやっていただくということをお願いして、私の質問を終わります。
#241
○勝木健司君 我が国の廃棄物については、一般廃棄物また産業廃棄物も、いずれもその処理とか処分が今麻痺寸前になっておるんじゃないかというふうに思います。地球環境問題が現在脚光を浴びているときでありますが、それと相まちまして廃棄物の減量化運動とかあるいは廃棄物の再資源、再利用の活発化、あるいは処理施設の更新、新設の増加など盛んに取り組まれておるわけでありますが、依然として廃棄物は増加傾向にあって深刻な事態が予測をされておるわけであります。
 そこで、今回の廃棄物処理施設整備法案によりましてどの程度廃棄物の処理施設の整備が進むと青写真を描いておられるのか、まずお伺いをしたいというふうに思います。
#242
○政府委員(小林康彦君) 今後十年間に必要な産業廃棄物処理施設の建設費を、産業廃棄物の排出量を二〇〇〇年に五億トンになる等の仮定のもとに、七次五カ年計画で用いました数字を使いながら試算いたしますと、公共関与及び民間産業廃棄物処理業者によります施設整備費、総額で三兆七千億円程度というふうに試算をしております。このうち、この法案の特定施設の認定制度及び振興財団の債務保証制度によりまして、少なくとも一割程度の施設について整備を促進することができると考えております。
 具体的に施設整備の計画がどのような形で進んでいくかにつきましては、法律の制定後計画が固まり、審査をすることになるわけでございますが、現在第三セクター等によりまして産業廃棄物の処理施設を一部の施設として、この法律で予想しておりますような特定施設のような形で計画をされておりますところが複数ございますから、年間五、六件程度の特定施設の整備計画の認定が行われるものと見込んでおります。
 本法案に基づきます措置と、それから改正廃棄物処理法によります規制の強化によりまして、産業廃棄物処理施設に対します。辺住民の理解の向上が図られることによりまして、産業廃棄物の処理施設の整備が推進されるものと期待をしておるところでございます。
#243
○勝木健司君 本法案がモデル的な処理施設の整備を目指しておるということであれば、一割という数字は若干少ないのではないかというふうに思われますが、それについての見解をお願いします。
#244
○政府委員(小林康彦君) 産業廃棄物、民間のみの努力で整備される余地というのも今後さらに追求をしていく必要がございますので、そうした中で今回の特定施設の整備がその模範になるような形、全体としてのレベルアップに役立つようにという趣旨も込めておりまして、現在のところ一割程度の整備でそうした効果を果たし得るものというふうに考えておるところでございます。
#245
○勝木健司君 本法案の特定施設の設置者についてお伺いいたしますけれども、改正廃掃法で規定された廃棄物処理センター、そしてまたその他の第三セクター及び産業廃棄物処理業者など、産業廃棄物の処理を業として行うものを想定しているということでありますが、この中でも廃棄物処理センターというのが特定施設の設置者のメインになるのかどうか。そしてまた、廃棄物処理センターと特定施設との関係についてもお伺いをしたいというふうに思います。
   〔理事竹村泰子君退席、委員長着席〕
 あわせて、平成四年度に着工が予定されております四カ所についてはその設置主体はどこが当たるのか、お伺いをしたいというふうに思います。
#246
○政府委員(小林康彦君) 特定施設の設置主体につきましては、お話にございましたように、第三セクターあるいは民間の処理業者を問わない制度でございますが、現在準備が進んでおります状況を見ますと、特定施設の設置者として当面廃棄物処理センターが先行するというふうに私ども見ております。
 この第三セクター方式によりまして、廃棄物処理法で指定を受けます廃棄物処理センター、平成四年度に指定を受け、さらにこの法律に基づきまして特定施設の計画に着手できる体制のところといたしまして、具体的に岩手県、福岡県等で準備が進んでおるところでございまして、ほぼ本法律に沿っての準備状況というふうに私ども承知しております。
#247
○勝木健司君 この法案によりまして特定施設の整備が推進されることになるわけでありますけれども、先ほどからもありますように、現在既に条例、要綱という形で産業廃棄物の流入を規制する条例、要綱というのが相当数あるわけでありますが、それとこの法案との関連はどのように考えたらいいのかお尋ねをしたいというふうに思います。
#248
○政府委員(小林康彦君) 現在の都道府県の要綱は現行の廃棄物処理法に基づくものでございまして、改正されました後の廃棄物処理法につきましてどのようにいたしますかということは、都道府県の自主的な判断に任されておるところでございます。
 しかし、要綱の中にございます産業廃棄物の流入を抑制しようという部分につきまして、この法律との関係を申し上げますと、この法律では産業廃棄物処理施設の設置促進のために主務大臣の認定によります特定施設の設置促進、緑化施設等の周辺整備施設の整備によります地域住民の理解の増進、都道府県によります特定周辺整備地区の指定と公共施設の整備によります立地上の支援、指定地域内におきます各種規制との整合性の調整、さらに振興財団等が行います債務保証業務等による処理施設の建設の支援などの措置を講ずることにしております。
 こうした施策によりまして、産業廃棄物処理のモデルとなるような施設の整備が進められ、産業廃棄物処理施設の全体的なレベルアップが図られることによりまして、産業廃棄物処理に対する信頼性が向上し、都道府県等が要綱等によって流入規制を行う背景の解消に資する、こうした役割を期待しておるところでございます。
#249
○勝木健司君 決して私も地方の独自性を阻害するわけではありませんけれども、廃棄物処理のための全国的な国家、国民的な視点に立って積極的に地方公共団体の調整を行政として実施してもいいんじゃないかというふうに思うわけでありますが、もう一度お答えいただきたいと思います。
#250
○政府委員(小林康彦君) 改正されました廃棄物処理法の中で、国が産業廃棄物の計画に対しまして情報の提供等援助する規定も置かれておるわけでございます。さらに、今回の法律で特定施設を中心にいたしまして適切な産業廃棄物処理施設の整備、これを地域の理解と協力が得やすい形で進める制度も御提案をしておるところでございまして、この二つの流れを合わせまして、広域的な移動が必要な場合にはそれが円滑に進むよう、そうした方向に資する方向を目指したいというふうに考えておるところでございます。
#251
○勝木健司君 産業廃棄物の処理施設を整備する上で地域住民の理解を得ることは非常に重要な問題だと思います。本法案におきまして主務大臣が整備計画を認定するに当たり、都道府県や市町村の意見を聞かなければならないということになっておるわけでありますけれども、この意見を聞くとは一体何についての意見を聞くのか、お伺いをしたいというふうに思います。
 衆議院での質疑においては、周辺住民の同意取得の可否というものは意見聴取の内容とはしないというふうに厚生省は答弁されておるわけでありますので、都道府県や市町村の意見を聞いたが地域住民の理解を得られなかったケースの場合に、特定施設の整備が行われないと考えていいのであるのか、お伺いをしたいというふうに思います。
#252
○政府委員(小林康彦君) まず、特定施設の認定に際しまして都道府県に意見を聞くという制度を入れておるわけでございますが、その意見を述べます都道府県の役割という点には幾つかの要素があるというふうに考えております。
 一つは、知事は廃棄物処理法十一条に基づきましてその区域内の産業廃棄物処理計画を定めるという役割を負っております。また、産業廃棄物処理業の許可や産業廃棄物処理施設の設置の許可、これは都道府県知事が行うこととされておりますので、いわばこれらは産業廃棄物の処理という立場での知事でございます。
 また、都道府県知事は都道府県公安委員会あるいは教育委員会等行政委員会も含めまして、各種の規制あるいは指導権限を有しますとともに、公共施設整備に係る事業を実施しているところでございます。こうしたさまざまな要素を含んだ知事に意見を聞く、こういうことにしておるところでございます。したがいまして、特定施設に係ります整備計画の認定に際しましては、この産業廃棄物処理計画等との整合性を図り、また都道府県行政との間で調整を図ることができるよう、主務大臣は都道府県に対して意見を聴取し、その意見が十分に反映されるよう努めなければならないこととしたところでございます。
 地元住民の強い反対があった場合どうかというお尋ねが後半にございました。特定施設の整備に当たりまして、地元の理解と協力を得ることは大変重要なことと考えております。このためには、ただいま申し上げました特定施設の整備計画の認定に当たりまして、都道府県や市町村の意見を聞き、その意向を十分に反映させた認定を行うこととしております。
 また、制度といたしまして、産業廃棄物の処理施設と一体的に整備される緑化施設、集会施設、スポーツ、レクリエーション施設等の周辺整備施設に対しましてもNTT・Cタイプの融資を受けられるようにして、周辺住民の意向を踏まえました施設を産業廃棄物の処理施設とあわせて設置することができることとしております。さらに、都道府県が道路、公園等の公共施設を一体的に整備することによりまして、特定施設の立地に対する理解を得やすくするようにしているところでございます。
 これらの手続や措置によりまして、地元市町村との調整が十分行われ、地元の理解と協力が得られる整備計画が認定されるものと考えておりまして、そうした効果をねらって幾つかの施策を組み込んでおるところでございます。
#253
○勝木健司君 ただいま特定周辺整備地区の指定についてお答えいただいたわけでありますが、特定施設の整備によってその生活環境等が著しく変化するおそれがあると認められた地区で、その変化による影響を緩和するために公共施設の整備を図ることが適当と認められるものに対して指定するということで書いてありますが、そこで、特定施設の整備によって生活環境等が著しく変化しない地域などあり得喝のかということでありまして、都道府県はどういう基準で生活環境等が著しく変化をするおそれがあると認定されるのか、お尋ねをしたいというふうに思います。
#254
○政府委員(小林康彦君) 特定周辺整備地区の指定は、特定施設の整備によりまして生活環境が著しく変化するおそれがあると認められる場合に、その変化によります影響を緩和するため関連公共施設の整備を図ることが適当と認められる地区について都道府県知事が指定する、こうしたねらいのものでございます。
 具体的に地区の指定を行います判断につきましては、例えば特定施設が立地することによりまして、収集、運搬のための車の交通量が増加するために交通の安全確保等の観点から道路を拡幅する、そうしたような状況、あるいは特定施設の立地との関係で生活環境等への著しい影響を緩和いたしますために公共施設の整備を図ることが適当と認められるか否か、こうした点を基準とすることとしておるところでございます。
#255
○勝木健司君 本法案の第三条では基本指針を定めるものとなっておりまして、第三条の第二項では、第一号から第七号まで基本指針の内容となる各事項が書かれておるわけでありますが、そこの第六号には「環境の保全その他特定施設の整備に際し配慮すべき重要事項」という規定があります。ここで言う「重要事項」としては、特定施設の整備に際して環境の保全、災害の防止等に配慮すべきこと等を定めるとのことでありますが、基本指針の内容として、特定施設について必要に応じて環境に与える影響を調査、検討する旨の記述をするということについて現在検討しておるということを承っておるわけであります。ここで言います必要に応じてということは一体何を意味するのであるのかお伺いしたい。
 廃棄物処理施設の環境アセスメント、影響評価について、三十ヘクタール以上の最終処分場について環境アセスメントを実施しておりますが、必要に応じてということは、それ以下の広さでもアセスメントを行うという意味も含まれておるのかどうか、お伺いをしたいというふうに思います。
#256
○政府委員(小林康彦君) 三十ヘクタール以上の最終処分場につきましては、閣議決定に基づきます環境影響評価を実施するものでございます。
 本法案の特定施設につきまして、基本指針の内容として、必要に応じて環境に与える影響を調査、検討し、その結果を特定施設の整備に反映させていく旨記述することも検討しているところでございますが、三十ヘクタール以上のアセスの実施はこの中に含まれておりますが、それ以下のものにおきましても、必要に応じてといいますのは、特定施設の立地、規模、施設の種類などの内容や受け入れる産業廃棄物の種類や量などに応じて個々具体的に判断され、必要なものにつきまして調査、検討し、その結果を施設の整備に反映していくこととしておるところでございます。
#257
○勝木健司君 時間の関係で次に進ませていただきますが、最終処分場のうち安定型処分場においては、施設が完了して満杯になった後もそこから排出される汚水が大問題になってさまざまなトラブルを巻き起こしておるところであります。これについて厚生省は、安定型の最終処分場から出る排水で問題がある場合は、そこに搬入される廃棄物に問題がある場合であって、管理を徹底することによって安定型処分場の本来の機能を果たさせたいというふうに答えられておるわけでありますが、管理を徹底するということは具体的に一体何を意味しているのか、管理徹底によってこうしたトラブルを本当に防ぐことができるのかどうか、お伺いをしたいというふうに思います。
#258
○政府委員(小林康彦君) 安定型処分場に搬入できます廃棄物は、一般に安定五品目と言われております建設廃材等の品目でございます。これらが搬入されております限りは汚水の浸出等によります環境上の問題は生じないというふうに考えております。
 ただ、現実にはそれらに混入をいたしまして有機物の多いものがまじっている等の事例がございまして、私どもの調査でも、昭和六十一年四月以降平成元年十二月の調査時点まで全国で十二件、周辺に対します汚水の流出等の事故があるわけでございます。このため、安定型処分場に搬入されます廃棄物につきまして、その管理の徹底、指導、監視を指示してきているところでございまして、搬入されます廃棄物の管理の徹底で本来の安定型処分場としての機能が環境上問題ない形で果たし得るものと考えております。
#259
○勝木健司君 具体的にお伺いいたしますけれども、東京二十三区の一般廃棄物の全量と産業廃棄物の一部分は東京湾の中央防波堤外側処分場というんですかで処理をされておりますが、ここはうまくいっても一九九五年までしかもたないと計算されておるというふうに聞いております。
 そこで、東京湾の中央防波堤外側処分場の沖に新処分場の建設が予定されておるというふうに聞いておりますが、建設のめどについて一体どうなっておるのかお聞きしたい。
 そして、あわせて東京フェニックス計画のめどについてもお伺いしたいというふうに思います。
#260
○政府委員(小林康彦君) 東京都では、現在使用しております最終処分場、中央防波堤外側埋立処分場が平成七年度で終了予定ということもございまして、次の最終処分場の整備の計画を検討しておる段階でございます。
 場所といたしましては、中央防波堤外側沖の海域を計画いたしまして、必要な手順を踏みながらその具体化を図っている段階でございまして、本年五月八日に東京都港湾審議会におきまして港湾計画の一部を変更いたしまして、新しい処分場を港湾計画に位置づけることが適当ということが認められたわけでございます。東京都が今後踏みます手順といたしましては、関係者との調整及び環境アセスメント、公有水面埋立免許の取得、こうした手順を踏みながら平成六年度から建設着工する予定で進めているというふうに私ども報告を受けておるところでございます。
 東京湾のフェニックス計画の進捗状況についてのお尋ねがございましたが、首都圏におきます廃棄物の適正処理を広域的に確保し、あわせて東京湾におきます港湾区域の秩序ある整備を図りますために、厚生省では運輸省と共同いたしまして東京湾フェニックス計画に係ります基本構想を昭和六十二年四月に作成いたしまして、その具体化につき関係地方公共団体に働きかけ協議を進めておるところでございます。これを受けまして現在は七都県市の首脳会議、先般まで六都県市でございましたが、いわゆる首都圏サミットで基本構想の取り扱いが検討されました結果、この首都圏サミットの会議の下部組織でございます廃棄物問題検討委員会が廃棄物の広域処理に関します検討を行います中で基本構想を検討することとされておりまして、現在同委員会を中心に検討が進められている段階でございます。
 現在、まだ首都圏共同して広域最終処分場の整備に進もうというところまで至っておりませんけれども、地方公共団体との協議を進め、首都圏におきます広域処理の早期具体化に向けまして、厚生省として努力してまいりたいと考えております自
#261
○勝木健司君 次に、リサイクルとの関連についてお伺いしたいというふうに思いますが、産業廃棄物の問題を根本的に解決するためには減量化、再生利用を徹底的にあわせて進めていく必要があるんじゃないかというふうに思います。本法案は最終処分場の確保を促進するために提出されたものではありますが、結果として減量化や再生利用の動きに水を差すものであってはならないというふうに思うわけであります。この点について厚生省の御見解をお伺いしたい。そして本法案では減量化やあるいは再生利用についてどのように配慮をされておるのか御説明を願いたいというふうに思います。
#262
○政府委員(小林康彦君) 増大をいたします廃棄物にとりまして、リサイクルの推進、そのリサイクルを念頭に置きました社会経済システムの構築といいますのは今後極めて大きな課題と認識をしておりまして、昨年十月の廃棄物処理法の改正でもその方向を強く打ち出させていただいたところでございます。
 今回の法律もその理念に基づいておるものでございまして、リサイクルの促進に努めながら、かつ廃棄物の適正処理も進めていこう、その適正処理の一環といたしまして、この計画に基づきます特定施設の整備計画には産業廃棄物の再生という機能、再生をするための処理施設ということも含めることができることになっておりまして、それらに対しましても本法案に盛り込まれました種々の措置が講じられ、リサイクル関係の整備も促進できるという制度になっておるわけでございます。
 これに関連をいたしまして、再生資源利用促進法、いわゆるリサイクル法の第二条第二項の政令で定めます再生資源に係る特定業種を所管いたします省庁のリサイクル法に基づきます再生利用の取り組みにも配慮いたしまして、そうした施設整備も含めて行うことも想定をし、特定施設の主務大臣を定めておるところでございます。
 こうした状況でございますので、本法案は減量化、再生利用にも資する内容を持っておるものと考えております。
#263
○勝木健司君 経団連が昨年の十一月に発表いたしました「産業廃棄物に係る最終処分場確保のための課題」と題する中間報告におきましては、今後跡地管理が厳しくなっていく、そして長期管理の必要性も増すと考えられることから埋立処分のコストはさらに上昇すると予想されておるということであります。
 その一方で、再資源化のコストは技術革新や処理規模の拡大に応じて将来低下をしていくであろう、その結果再資源化コストと埋立処分コストの差は狭まってくるであろう、最終的には一致すると予想されておるわけであります。現在はコスト面からいって、リサイクルコストよりも埋立処分コストの方が安いことが産業廃棄物の再資源化が円滑に進まない要因とこの中間報告でも指摘をされております。
 このような将来のコストを考慮して、環境負荷を最小限にする廃棄物処理システムをつくるためには、埋立処分よりも再資源化により力を入れるべきであるというふうに考えますが、厚生大臣の考え方があれば、聞かせていただきたいというふうに思います。
#264
○政府委員(小林康彦君) 廃棄物処理につきましては、コストが増大しておりますし、お話しのように技術的な進歩もございまして、リサイクルのコストが低減することも期待をされるわけでございます。廃棄物処理の立場からも、リサイクルが促進をされ、出てきます廃棄物が減少することは歓迎すべきことでございまして、リサイクルの促進に大いに力を入れていくべきと考えております。
 しかしながら、リサイクルを徹底いたしまして出る量が減りましても、廃棄物として処理を要する量が存在することもまた確かでございますので、リサイクルの推進とともに廃棄物の適正処理の体制をあわせて整備していきますことが生活環境保全上からも必要なことと考えておりまして、私ども常々車の両輪という表現を使わせていただいておりますけれども、車の両輪として取り組んでいくべき課題というふうに認識をしております。
#265
○勝木健司君 厚生省は現在、生活環境審議会の中に廃棄物減量化・再利用専門委員会を設けておられる、そして廃棄物処理法の改正を踏まえて廃棄物の減量化、再生利用対策の進め方について今月中をめどに中間報告を取りまとめる予定ということでありますが、具体的にはそこでどのような方策が取りまとめられる予定であるのか、中間報告の概要とか、今後の方針についてお伺いをしたいというふうに思います。
#266
○政府委員(小林康彦君) お話のございました専門委員会におきまして、廃棄物処理法の改正を踏まえまして廃棄物の減量化、再生利用対策の検討をお願いしておるところでございます。近く一般廃棄物のごみに対します検討結果を取りまとめていただける予定でございまして、その後産業廃棄物につきまして引き続き検討していただくこととしております。
 ごみに対しましてこの委員会に私どもまとめていただきたいと思っておりますことは、ごみの減量化、再生利用を必要といたします背景をまず正確に分析整理をしていただきたいということ、それからごみの減量化対策に取り組みます場合の基本的考え方をお示しいただきたいこと、そして、具体的にごみの排出抑制目標及び再生目標をお示しいただきたいこと、さらに排出抑制及び再生利用のための具体的方策についての提言をまとめていただきたいこと、このような中身で検討をいただいておるところでございます。
#267
○勝木健司君 リサイクルを支えるいわゆるリサイクル業者も、産業廃棄物の処理業者と同様にその多くが中小零細企業から成り立っているのが現状であるわけであります。しかし、最近その一部に廃棄物処理等を初めとする他部門への進出によりまして企業体質の強化を図っているものもあるということでありまして、これは最近のリサイクルブームをビジネスチャンスとして先取りをしていこうという動きと言えるものでありますけれども、本法案によりまして産業廃棄物処理業者の育成策が講じられるわけでありますが、同時にこうした零細リサイクル業者の育成も念頭に置かなければいけないんじゃないかと思います。その辺の考え方についてお伺いします。
#268
○政府委員(小林康彦君) この法案では、産業廃棄物の再生を含めました処理を行う業者の大部分が現状といたしまして中小企業で信用力、資本力が不十分な状況であることにかんがみまして、産業廃棄物処理事業振興財団を制度化いたしまして、中小零細の再生業者を含めた産業廃棄物の処理業者に対します支援措置を講ずることとしたものでございます。
#269
○勝木健司君 そこで、振興財団についてお伺いしたいというふうに思いますが、今回官民の共同によって産業廃棄物処理事業振興財団を設立することになっておりますが、この振興財団の業務内容について簡単に御説明願いたいと思います。
#270
○政府委員(小林康彦君) ただいま御指摘ございましたように、産業廃棄物の処理で重要な役割を担っております処理業者の大部分が中小企業であり、信用力、資本力が弱いことなどのために処理施設の整備が円滑に進められていないという状況がありますことから、産業廃棄物処理業者等に対します事業振興措置を行います産業廃棄物処理事業振興財団を新たに設立いたしまして、この法律において厚生大臣の指定法人としてまず位置づけることとしております。
 この財団が行います具体的な業務といたしましては、法に基づきまして厚生大臣等主務大臣が認定を行いました計画に基づいて施設整備を行います事業等のために必要な資金借り入れに係る債務保証が一つ大きな業務の柱でございます。次に、産業廃棄物に係ります高度技術の開発を行う者及びその事業化を行う者に対します助成金の交付で、技術開発及び初期的な事業化というものに対する助成策でございます。三点目は、産業廃棄物に係ります高度技術の開発や利用に関する研修指導等、産業廃棄物の処理を受託いたします人を中心にいたしまして、技術開発あるいは研修等を共同部に行う者に対する援助でございます。
 なお、これらの業務を行いますために、財団におきまして国、地方公共団体、民間事業者等の拠出によります基金を造成することとしているところでございます。
#271
○勝木健司君 産業廃棄物の処理事業の振興のために政府主導の新たな財団法人ができるわけでありますけれども、今お伺いした範囲ではわざわざ新しくこうした財団法人をつくる必要性が本当にあるのかどうかと思うわけでありまして、行革の精神からすれば既存の組織で何とか活用できなかったのかとも考えられるわけでありますが、もう一度現在の組織ではなかなか難しいという御説明をいただきたいというふうに思います。
#272
○政府委員(小林康彦君) 産業廃棄物の処理業者は大部分は中小企業でございまして、信用力、資本力が不十分でございます。また、産業廃棄物処理施設の特性といたしまして、金融機関が貸し付けを行います際に担保権を設定のしにくい資産であるという特性がございますので、処理業者が施設を設置するための借り入れに当たっての担保が不足しているという状況がございまして、これが産業廃棄物処理施設の設置が大変困難になってきている要因の一つと考えております。
 したがって、産業廃棄物処理施設の整備に係ります借り入れに対して専門的に債務保証を行う制度を創設することが処理施設の円滑な設置のために不可欠でございますが、現状においてこのような機能を果たします制度が、適切な組織が現在存在していないという状況でございます。このため、この法案におきまして民間事業者の拠出に国庫補助及び地方公共団体からの協力金を加えて基金を設けまして、産業廃棄物処分業者等の施設整備のための資金借り入れに係る債務保証等を行う財団法人を新たに設立をし、これを厚生大臣の指定法人として育成していくこととしたものでございます。
#273
○勝木健司君 この振興財団でありますが、国、地方公共団体及び民間事業者の拠出によって五年間で総額百二十億から百三十五億円程度の基金を造成することとなっておるわけでありますが、本法案の成立後、この基金のための資金確保に焦点が移るとも報道されておりますけれども、果たして民間からそれだけの厚生省が期待するように資笠を集めることができるのかどうか。経済界は、聞くところによりますと、土地の確保あるいは採算性等々の面で本当に出資に見合った利益が得られるのかどうか確信が持てないと主張しておるというふうに聞いております。現在、経済界との出資交渉はどうなっておるのか、厚生省の計画どおり出資を引き出すことができるのかお伺いしたいというふうに思います。
#274
○政府委員(小林康彦君) 産業廃棄物の処理につきましては、排出事業者責任の原則をとっておるところでございまして、排出事業者がその産業廃棄物をみずから処理をするかあるいは適正な処理費用を負担いたしまして産業廃棄物処理業者に委託をして処理することとされておるところでございます。
 振興財団は、産業廃棄物の処理施設が著しく不足をしている状況におきまして、排出事業者がこのような責任を十分に果たすための環境整備を図るものでございます。さらに、排出事業者にとりまして、この財団の行います債務保証等によりまして特定施設の整備の促進が図られますれば、規模の経済等が働いて処理の効率性が向上をし、産業廃棄物を適正に処理するために要する費用が軽減されるという期待が持てるわけでございます。
 また、特定処理業者への支援を行う場合と比較をいたしますと、リスクの分散あるいは効果的な資金援助が図られること等のメリットも期待できることでございまして、これらも考え、拠出金について税制上損金算入の特例も受けられるということにしてございますので、排出事業者の責任の観点及びこの事業によります効果もあわせ、相当額の拠出金を集めることができるものと考え、そのための理解と支援といいましょうか、尽力を現在要請しておるところでございます。
#275
○勝木健司君 もう時間になりましたので、最後に、平成二年の十二月の生活環境審議会の答申におきましては、産廃「処理業者への委託料金が適正処理コストを下回るような実態を是正するため、委託契約において排出事業者に適正な処理コストを負担させるような制度が必要である。」と指摘しておるわけであります。しかしながら、さきの廃掃法改正時におきましては、私契約の自由との兼ね合いもあって適正処理コスト負担に係る規定の導入には踏み切れなかったわけであります。廃掃法改正時には処理費用適正化の啓発に努めると厚生省は答弁をされておりますが、その後、この問題についてどのような指導を行ってきたのかお伺いしたい。
 本法案によって処理業者の育成策として振興財団による債務保証等の諸施策が講じられるわけでありますけれども、処理費用の適正化なくして優良な処理業者の育成はできないと考えますが、厚生大臣、御見解をお伺いしたいというふうに思います。
#276
○国務大臣(山下徳夫君) 産業廃棄物の処理料金につきましては、原則としては排出事業者と処理業者との間で自由な取引により決められるべきものでございます。そういうことで処理施設の需要と供給の関係の変化により影響を受けることはまた当然でありますが、個別の処理業者について見ても処理方法、取扱量などにより処理にかかる経費は異なってまいりますが、それらの点から料金の額について直接指導することは独禁法等の問題もありなかなか。難しい問題であると思っております。
#277
○委員長(田渕勲二君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十分散会
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ソース: 国立国会図書館
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