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1992/05/19 第123回国会 参議院 参議院会議録情報 第123回国会 厚生委員会 第9号
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1992/05/19 第123回国会 参議院

参議院会議録情報 第123回国会 厚生委員会 第9号

#1
第123回国会 厚生委員会 第9号
平成四年五月十九日(火曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月十四日
    辞任         補欠選任
     篠崎 年子君    日下部禧代子君
 五月十八日      
    辞任         補欠選任
     尾辻 秀久君     谷川 寛三君
     田代由紀男君     大島 慶久君
    日下部禧代子君     肥田美代子君
 五月十九日
    辞任         補欠選任
     大島 慶久君     藤田 雄山君
     谷川 寛三君     狩野  安君
     肥田美代子君     堂本 暁子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         田渕 勲二君
    理 事
                西田 吉宏君
                前島英三郎君
                竹村 泰子君
                高桑 栄松君
    委 員
                小野 清子君
                大島 慶久君
                狩野  安君
                木暮 山人君
                清水嘉与子君
                田中 正巳君
                藤田 雄山君
                宮崎 秀樹君
                菅野  壽君
                堂本 暁子君
                浜本 万三君
                肥田美代子君
                木庭健太郎君
                沓脱タケ子君
                粟森  喬君
                勝木 健司君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  山下 徳夫君
   政府委員
       内閣官房内閣外
       政審議室長
       兼内閣総理大臣
       官房外政審議室
       長        有馬 龍夫君
       内閣総理大臣官
       房審議官     高岡 完治君
       外務大臣官房審
       議官       津守  滋君
       外務省アジア局
       長        谷野作太郎君
       厚生省保健医療
       局長       寺松  尚君
       厚生省生活衛生
       局水道環境部長  小林 康彦君
       厚生省年金局長  加藤 栄一君
       厚生省援護局長  多田  宏君
       農林水産省食品
       流通局長     武智 敏夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        滝澤  朗君
   説明員
       環境庁水質保全
       局土壌農業課長  細田 敏昭君
       法務省民事局第
       三課長      房村 精一君
       外務大臣官房審
       議官       竹中 繁雄君
       外務大臣官房審
       議官       小西 正樹君
       外務省国際連合
       局経済課長    花角 和男君
       外務省国際連合
       局人権難民課長  吉澤  裕君
       大蔵省主計局共
       済課長      五味 廣文君
       大蔵省主税局税
       制第一課長    尾原 榮夫君
       農林水産省食品
       流通局企業振興
       課長       高橋 徳一君
       通商産業省基礎
       産業局化学品安
       全課長      佐々木修一君
       通商産業省機械
       情報産業局電気
       機器課長     青柳 桂一君
       運輸省港湾局環
       境整備課長    門司 剛至君
       建設大臣官房技
       術調査室長    青山 俊樹君
       建設省建設経済
       局調整課事業調
       整官       土屋  進君
       建設省建設経済
       局建設業課長   風岡 典之君
       自治大臣官房地
       域政策室長    伊藤  廉君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進
 に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(田渕勲二君) ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十四日、篠崎年子君が委員を辞任され、その補欠として日下部禧代子君が選任されました。
 また、昨日、尾辻秀久君、日下部禧代子君及び田代由紀男君が委員を辞任され、その補欠として谷川寛三君、肥田美代子君及び大島慶久君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(田渕勲二君) 産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律案を議題とし、これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○竹村泰子君 初めに、私どもが懸念をしていたことが起きてしまったのですけれども、御案内のとおりですが、西多摩郡日の出町というところで、管理型のごみ処分場、特定施設にプラスチック製品の添加剤で天然には存在しない物質が検出された。これは医療法人の南分会環境監視研究所というところ、大阪の団体ですが、ここが調査をした結果、TCEPやTBXPと呼ばれる化学物質、これが四二OPPtに及んで出ていたということで、きのうからずっとテレビ報道されております。新聞の扱いは余り大きくないんですけれども、「多摩地区のごみ処分場 下流に汚水漏れ?」と。これはずっと私たちが問題にしてきた管理型なんですね。そしていわゆる素掘りの上にゴムシートを敷くという。
 このゴムシート、テレビの報道によりますと一・五ミリ。これは厚生省基準だそうですが、そうなのでしょうか。
#5
○政府委員(小林康彦君) お尋ねの一般廃棄物の最終処分場でございますが、十分の遮水性を保つということで、その一つの方法としてシートの方法がございます。シートの代表的なものは厚さで言いますと一・五ミリ程度のものでございます。
#6
○竹村泰子君 テレビの報道によりますと、処理業者の方が、一・五ミリメートルで十分だと思うかというインタビューに答えて、そう丈夫だと思わない、けれどもこれは厚生省の基準だから、そして破れたってそのまま埋めてしまうよというふうなことを処理業者の方が自分で言っておられるんですね。
 私、NHKに問い合わせをいたしました。そうしましたら、私が幾らかけてもそもそも取材班に電話がつながらないんです。どうしたことかと思ったら、全国に似たようなケースがたくさんあって、ひっきりなしに電話が入っていると。同じようなことがうちのところにもある、うちの近所にもある、そういう電話がひっきりなしだったということなんですけれども、このことをどう思われますか。
#7
○政府委員(小林康彦君) 御指摘の報道にございました物質につきましては、広く使われております化学物質でございますが、環境中での存在の状態あるいは挙動ということが明らかでないために、それらの物質が処分場の周辺地下水から検出されたことをもって直ちに遮水シートに穴があいている、あるいは地下水を汚染していると結論づけることはできないというふうに考えております。
 厚生省といたしましては、今後とも東京都と連絡をとりつつ情報収集に努め、当該最終処分場周辺の環境保全に万全が期せられるよう指導してまいりたいと考えております。
#8
○竹村泰子君 この検出されたプラスチック添加剤、燐酸トリェステル系の物質なんですけれども、処分場周辺の八カ所を調査したところ、下流の井戸、池の三カ所から出てきているんですね。井戸といえば飲料水ですよ。そして、地下水が汚染している指標として使われているというふうに報道は伝えています。これは東京都の管理のもとにあるわけですけれども、東京都は徹底的に調査をすると言っているんです。
 私もこの前の質問のときにこの問題を指摘しております。ただ素掘りでゴムシートを敷いただけで大丈夫なのかということを聞いたわけですけれども、破れれば漏れること、いろんな雑多なごみが入ってくるわけですから、これはもう前提だと私なんかは素人考えで思うんですけれども、破れるかもしれない、そのときにはというふうなお考えはないのでしょうか。
#9
○政府委員(小林康彦君) 最終処分場に用いられます遮水シートにつきましては、材料の選定に当たりまして腐食性や耐女性を十分に考慮いたしますとともに、遮水工の下地、シートの下の地盤の状況を整え、あるいはそのシートの上の保護層の整備を十分に行い、また、埋立作業時にシートを損傷することなく埋め立てる、こういう方法を採用すること等によりましてその遮水効果を十分に発揮することができるものと考えております。
 なお、有機物によります汚染が問題となる家庭ごみ等の一般廃棄物からの浸出水につきましては、土の中を浸透する過程で土壌によります浄化や吸着が期待できることから、最終処分場は一定以上の遮水性があればよいものとされております。したがって、地下水の賦存状況や埋め立て時の構造等に配慮して施設整備を行いますれば、浸出水によります地下水への影響を防止できるものと考えております。
 今回の報道の部分につきましては、今までの調査につきましては、状況を聞き、地下水の汚染を疑わせる状況はないというふうに判断をしておりますが、ただいまお話しになりました物質等につきましては、東京都等の情報入手を積極的に行っていきたいと思っております。
 今後、最終処分場に係ります施設の構造や維持管理についての実態を把握しつつ、適正な施工や運用がなされますよう地方公共団体に対するきめ細かい指導に努めてまいることにしたいと思っております。
#10
○竹村泰子君 住民やその周辺の方たちの不安をどう解消すればよいか。今回の法律も特定施設の環境対策は十分かということをずっと私どもは追及してきたつもりなのですけれども、こういうことが起きてしまった。安定型、管理型というこういう不十分な最終処分場は廃止すべきだと私もこの前言いましたけれども、少し乱暴な意見かもしれないんですけれども、この日の出町、つまり東京都の方からは厚生省に対して何らかの御報告があったんでしょうか。それとも問い合わせをされて何か調査をされておりますか。
#11
○政府委員(小林康彦君) 日の出町の最終処分場は東京都の三多摩地域広域処分組合が設置をしておるものでございますが、この処分場におきましてシートの破損の疑いがある旨の報道がなされておりますが、それを契機に状況の報告を厚生省としても求めております。
 今まで処分場の維持管理の状況あるいは水質検査の結果に照らしますれば、現段階では特に環境保全上の問題を生じていない旨の報告を東京都を通じて受けているところでございます。今後とも当該処分場の状況につきまして適宜報告を求め、施設の安全性の確保が図られますよう必要な指導をしてまいりたいと考えます。
#12
○竹村泰子君 何か非常に管轄外だから直接の責任はないような言い方に聞こえるんですけれども、これはモデルケースですよね。日の出町というのはモデルケースですから、掘ってみてもしゴムシートが破れていた、穴があいていたということになると、これはもう全国の安定型、管理型の処分のあり方を考え直さなくちゃいけないと私は思うんですけれども、何か割と報告があれば受けるというふうな感じで、厚生省は東京都と一緒に調査するというそういうことはお考えになっていませんか。
#13
○政府委員(小林康彦君) まず、直接の管理の責任は組合でございますし、この施設の指導監督は東京都がまず行うという権限を持っておりますので、東京都の調査あるいは報告を待ちまして、国として必要があればその必要な検討を行いたいと思っております。
#14
○竹村泰子君 大臣、掘ってみてもしこのゴムシートが破れていたら、そして住民や何かに、周辺に住む方たちに影響のある非常に有害な物質が流れ出していたとしたらどうなさいますか、こういう拾て方を実行なさいますか。
#15
○国務大臣(山下徳夫君) ゴムのシートがこのように張りめぐらされているということは、水が漏らないようにという意味ですから、これは漏っではいけないことは当然であります。しかもこれが漏るということは大変大きな問題だと思いますので、東京都に厳重に警告をしたり指導したりしながら、こういうものは防止しなければならないことは当然であると思っております。
#16
○竹村泰子君 ぜひ十分な調査をしていただきまして、徹底的に調査をすると東京都がもう言っておりますから、厚生省の指導も十分に願いたいというふうに強く要望しておきます。そして、その結果をまたこの委員会に御報告いただきたいと思います。
 産業廃棄物の広域移動の問題が大変気になっているところなんですけれども、この広域移動の実態は把握できておりますでしょうか。
#17
○政府委員(小林康彦君) 厚生省では産業廃棄物の広域移動状況につきまして平成元年度から調査を行い、その実態把握に努めているところでございます。
 今後のことでございますが、改正廃棄物処理法におきまして、都道府県の産業廃棄物処理計画は県域を越えて移動する産業廃棄物の状況を勘案して策定することを検討しているところでございます。産業廃棄物の個々の移動につきましては、改正廃棄物処理法附則第二条におきましてマニフェスト制度の適用範囲について速やかに検討すべきものとされていることにかんがみまして、従来から行っております行政指導により引き続きマニフェストの使用の普及、定着に努めますとともに、その状況を踏まえてマニフェストに関する法制度の適用範囲についてさらに検討してまいることにしておるところでございます。
#18
○竹村泰子君 産業廃棄物のうち都道府県を越境する分についてはマニフェストが義務づけられる特定管理廃棄物を除いて統計が整備されていない、数字があるいは状態がよくわからないと思うんですけれども、この点はいかがですか。
#19
○政府委員(小林康彦君) 現状において広域移動の状況把握が完全かと言われますと、必ずしも完全でない状況ではございますが、今後、改正廃棄物処理法の報告等も活用しながら広域移動の状況につきまして積極的に把握していきたいと考えております。
#20
○竹村泰子君 そういったことが把握できないうちに今度の法律案が出ているわけなんですね。
 そこで、広域的処分地の確保は果たして不法投棄の減少をもたらすんだろうか、処分地の確保が非常に難しいわけですけれども、やっと処分地を確保できた、それならそれですべての問題は解消するんだろうか、不法投棄は果たして減っていくんだろうかという疑問が残るんですね。不法投棄も本当に大きな問題で頭を抱えてしまうようなことなんですけれども、この不法投棄をなくすというか、少しでも減らしていく方向へ持っていきたいと厚生省も頭を痛めておられると思いますけれども、これが不法投棄の減少となるんでしょうか。どう考えておられますか。
#21
○政府委員(小林康彦君) 不法投棄の原因といたしましては、その動機を調査した状況によりますと、処理経費節減のため、あるいは処分場が遠距離またはないためなどの理由が挙げられております。最終処分場の不足のみが不法投棄の原因ではございませんけれども、大きな原因の一つであることは確かと考えております。
 厚生省では、改正廃棄物処理法によります罰則の強化等の産業廃棄物の処理に対します規制の強化と相まって、本法案に基づきます産業廃棄物の処理施設の整備を促進することにより不法投棄防止策に万全を期してまいりたい。最終処分場の整備といいますのが不法投棄の要因をなくすかなりの部分を占めるというふうに考えておるところでございます。
#22
○竹村泰子君 必ずしもそうなっていない現状があるんじゃないでしょうかね。広域的な処分場を考えるということが果たして不法投棄を少なくするのかということについては非常に疑問が残るし、そういう文献もたくさん出ていると思うんですけれども、いや、広域的なあれさえつくれば大丈夫、減らせる原因の一つであるというふうな厚生省のお考えはちょっと甘いんじゃないでしょうか、どうですか。
#23
○政府委員(小林康彦君) 最終処分場を初め処理施設が不足をしておりますと、そのために処理コストが上がり、あるいは遠距離の移動が必要になり、あるいは都道府県におきましても指導する際に、例えば事業者からではとこへ持っていったらいいかと、こういうようなときになかなか適切な指導がしづらい、こういうような状況がございます。処分場の確保が不法投棄をなくす上で極めて重要な案件であるというふうに考えております。
#24
○竹村泰子君 確かに重要な案件ではありますね。
 次の質問に行きたいんですけれども、そういったことから、処理の料金、委託処理費用の実態は把握できておられるんでしょうか。
#25
○政府委員(小林康彦君) 委託処理につきましては、業界団体等を通じまして実情につきまして概略の状況については把握しているつもりでございます。
#26
○竹村泰子君 私が心配しているのは不法投棄の温床となるダンピング、これを防止するために料全体系の整備を図るべきではないかと思うんです。つまりダンピングと同時に、特に最近最終処分場における処分料金が首都圏では建設廃棄物の処分料金ここ二、三年で二、三倍となっている。有機性汚泥の処分料金は毎年トン五千円から一万円値上げが行われる、直近ではトン当たり二万五千円から三万円の声もあるという調査の数字が出ております。こういうことを野放しにしておいては非常な料金の変動が起きてしまう、しかもダンピングも起きてしまうということで、私は料全体系の整備という意味で最低料金、これ以上下がっちゃいけませんよという、最近では鉄くずの問題なんかが少しいろいろ取りざたされておりますけれども、最低料金というのを決める必要があるのではないかと思いますが、いかがですか。
#27
○政府委員(小林康彦君) 排出事業者が排出事業者責任に基づきまして処理業者に委託いたします場合には、適正に処理するための費用を負担することは当然のことでございまして、この趣旨の徹底に努めてまいることにしております。
 ただ、最低料金等の具体的な料金の指導に関しましては、処理料金が原則といたしまして排出事業者と処理業者との間で自由な取引によって決められるべき性格でありますこと、処理施設の需要と供給の関係の変化によって影響を受けますものでありますこと、個別の処理業者について見ましても、処理の方法でございますとか取扱量などによりまして処理にかかる経費が異なりますこと、このようなことから、料金の額につきまして行政が直接指導をしますことは独占禁止法等の関係もございまして問題が大きいと考えております。当面、排出事業者が廃棄物の適正処理のためには経費がかかるということの趣旨を徹底することに力を入れていきたいと考えております。
#28
○竹村泰子君 行政がそういう個別の処分業者への介入ということになるとまずいと思うんですけれども、しかし、余りにひどいダンピングが行われた場合とか、これ以上下げちゃだめよ、ここは守りなさいというくらいの指導をする必要があるのではないかと思うんですね。だから、その辺ちょっと今後の問題としてお考えいただきたいなというふうに思います。
 産業廃棄物の処理業の信用力、資本力というか、その実態をどう把握しておられるかということで、本法律案の産業廃棄物処理業の育成策、これは有効なんでしょうか。どう育てていけばいいだろうかということで、法律の中にかなり出てまいりますけれども、これは有効なのでしょうか。どう考えておられるでしょうか。
#29
○政府委員(小林康彦君) 処理業者の資本力、信用力の実態につきましては、処理過程におきます経済実態調査を行うなどによりその把握に努めてきたところでございまして、今後とも業界団体等を通じまして必要に応じまして処理業者の実態の把握に努めてまいりたいと思っております。
 産業廃棄物の対策といたしまして、廃棄物の減量化、再生を推進いたしますことは重要な課題でありますことから、産業廃棄物の再生を行います処理施設については今回の特定施設の中に含まれるとするとともに、産業廃棄物の再生処理を行います。者につきましても、産業廃棄物処理事業振興財団によります債務保証等の対象としてその育成に配慮してまいりたい、今回の法案が再生業の育成にも資するものと考えております。
#30
○竹村泰子君 例えばトラック一台でも開業できるんじゃないですか。どんな条件がどんなふうにあるんでしょうか。そして全国でどのくらいの処理業者とか、そういったことをつかんでおられるんですか。
#31
○政府委員(小林康彦君) 処理業者の業種別によります事業数等私ども毎年把握をしております。
 それから、今回の法律では施設の整備に対します融資でございまして、収集、運搬だけ行っております人たちに対します制度ではございませんで、施設整備の区分でいきますと中間処理及び最終処分、ここを受け持っております育成というのを中心に置いての法案でございます。
#32
○竹村泰子君 ただ、つながっていますよね。そこだけの法律でありますとおっしゃるけれども、その人たちだけでできる仕事じゃないわけですよね、鎖のようにつながっているわけですから。
 そこで、次の質問もその範疇ではございませんと言われちゃうかもしれないんだけれども、例えば収集、運搬業とか再生業とか、そういう人たちの育成策はあるんですか。
#33
○政府委員(小林康彦君) 再生業につきましては、施設整備を行いながらの場合にはこの法律の特定施設の一部として想定しているものでございます。
 収集、運搬業につきましては、いろいろ問題が多いところでございまして、昨年十月の廃棄物処理法で収集、運搬と処分と業態を明確に分ける、収集、運搬は収集、運搬としての業を的確に行う、こういう制度にさせていただいたところでございまして、収集、運搬につきましても適切な設備を持ち適切な人員を配しての業、適切な能力を有する業として育成及び反面規制を加えていく、こういう制度にさせていただいたところでございます。
#34
○竹村泰子君 ただ、私どもがこの法律を読んで非常に何といいますか、物足りないなと思いますのは、プロジェクトで育成、指導されるのは一割ぐらいですよね。九割ぐらいの人たちについては債務保証とかその他のことがあるんですか。その辺はどうなんですか。
#35
○政府委員(小林康彦君) この制度以外に公害防止事業団からり融資でございますとか、金融機関からの融資でございますとか一般的な融資の制度がございます。私どもの意識といたしまして、収集、運搬の能力が現在の日本で足りないという意識はございませんで、現在足りないところは施設の面、したがいましてこの施設の整備に力点を置いて支援策を講ずる、こういう整理をしたところでございます。
#36
○竹村泰子君 そこで、融資、税制上の措置を少し伺いたいと思うんですけれども、特定施設整備事業に対する融資制度、これはどんなふうになっておりますか。
#37
○政府委員(小林康彦君) 特定施設に係ります政策融資といたしまして、NTT・Cタイプの融資及び日本開発銀行特別金利融資がございまして、最終処分場または廃油、廃酸、廃アルカリもしくは特別管理産業廃棄物、これらの中間処理施設、こうした施設のうち二種類以上の処理施設、研究開発施設及び研究施設等の共同利用施設を含みます特定施設がその対象となるところでございます。
 NTT・Cタイプ融資につきましては、第三セクターが設置をする場合には施設の種類に応じまして無利子融資または低利子融資、民間処理業者が設置をいたします場合は低利子の融資、こういう制度でございます。
#38
○竹村泰子君 それでは、周辺の公共施設整備に対する政策的な配慮ということで、地方財政の措置と国庫補助の内容を自治省、建設省、農林省に伺いたいと思います。
#39
○説明員(伊藤廉君) 産業廃棄物処理施設の周辺の公共施設整備につきましては、御提案申し上げております法律案第十三条におきまして、特定周辺整備地区における公共施設の整備の促進について配慮する規定が設けられているところでございます。
 自治省といたしましては、当該特定周辺整備地区において地方団体が国庫補助を受けて実施する事業や単独で実施する必要がある場合につきましては、いわゆる地方負担につきまして地方債なり地方交付税による財源措置によって配慮してまいりたいというふうに考えております。
#40
○説明員(青山俊樹君) 建設省といたしましても、都道府県が定めます施設整備方針に基づきまして道路や公園等の公共施設の整備を促進することとなっておりまして、所管の補助事業に対する予算配分上の配慮を行っていくということになると思います。
 具体的には、他省庁とも十分連携を図りながら必要な周辺施設の整備促進が図られるように道路とか公園整備等積極的に対応をしていく所存でございます。
#41
○政府委員(武智敏夫君) 農林水産省関係につきましてお答えいたしたいと思います。
 農林水産省関係の産業廃棄物でございますが、そのほとんどを土地還元いたします家畜ふん尿等もあるわけでございますけれども、そのほかに食品産業関係で例えば汚泥等が二千万トン強ぐらいございますし、それからまた本質系の廃棄物が三千万立米ぐらいございます。
 ただ、さっきからのお話のとおり、これらを処分いたします最終処分場がいろんな理由で設置が非常に難しくなってきておるというような実情にございます。そういったような状況も踏まえまして、特定施設を設置する場合において必要な場合には農林水産省所管の公共施設の整備につきましても積極的にやってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
 具体的な必要な公共施設でございますけれども、それぞれの地区の実情ですとかあるいは整備されます産業廃棄物処理施設の規模等によってもかなり異なるんではないかというふうに考えておりますが、我が省関係では、通常の場合では用排水路ですとかあるいは集落排水施設などがこういったことの対象に考えられるんじゃないかというふうに思っております。
 これらの事業につきましては、それぞれの土地改良法に基づいて実施されておるものでございますので、それらの優先採択等を通じましてこれらの公共施設の整備が促進されるように努めてまいりたいというふうに思っておるところでございます。
#42
○竹村泰子君 それでは、特定施設に対する国及び地方公共団体の指導や助言、その内容を知りたいのですが、特に処理料金の適正化と、それから先日もお聞きしましたけれども、二十三ですかの道県で受け入れ拒否をしているんですよね、広域移動に対して。そういったことに対する指導、助言、これはどうなっておりますでしょうか。
#43
○政府委員(小林康彦君) この法案におきましてNTT・Cタイプ融資の政策融資あるいは周辺公共施設の一体的整備、振興財団によります債務保証等の支援措置が講じられることになりますので、広く一般の需要に応じられる公共性のあるものであることが必要でございまして、これが確保されますよう整備計画の認定等を通じまして指導してまいりたいと考えております。
 料金につきましては、処分場の料金はコストを償う必要がございまして、健全な運営ができるレベルを保っ必要があるわけでございますが、料金全般につきまして最低料金等を定めますことは、先ほど申し上げましたような理由で独占禁止法等の問題もございまして困難な課題と思っておりますが、この特定施設の設置によりまして廃棄物の適正処理が図られますよう国としての指導をしていきたいと考えております。
#44
○竹村泰子君 それでは、先日来いろいろ問題点を指摘させていただいたり、お尋ねをしたりしているんですけれども、改めまして、全般的に少し確認の意味も込めてお聞きしてみたいと思います。
 特定施設整備事業によって模範的な処理施設の普及を図るという本法の趣旨なんですけれども、特定施設の設置に当たっては小規模最終処分場といえども必要に応じて環境アセスメントを実施するように指導してほしい、環境の保全に万全を期してほしいというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
#45
○政府委員(小林康彦君) まず、ベースといたしまして、この法案におきます特定施設につきましても、昨年十月に改正をされました廃棄物処理法の強化された規制を受けるものでございますが、さらにこの法案におきまして、基本指針を主務大臣が環境庁長官その他関係行政機関の長と協議の上、作成することとしておりまして、この指針の中で環境保全の配慮に関する事項を定めるとととしております。
 また、本法案の特定施設につきましては、基本指針の内容として、必要に応じて環境に与える影響を調査、検討し、その結果を特定施設の整備に反映させていく旨記述することについても検討してまいりたいと考えております。
#46
○竹村泰子君 整備計画を認定するに当たって、都道府県等への意見聴取手続を通じて地元の意向を十分に尊重してほしい、いろんな意見が出されておりますから、これは十分尊重してほしいと思いますが、いかがでしょうか。
#47
○政府委員(小林康彦君) 特定施設につきましての整備計画の認定に当たりましては、都道府県及び市町村に意見を聞き、その意向を十分反映しながら地域の実情に応じた認定を行ってまいりたいと考えます。
 また、特定周辺整備地区の指定及び施設整備方針の策定に当たりましては、都道府県が関係市町村や港湾管理者の意見を聞き、その意向を十分反映することとされておりまして、地元の意向も十分に踏まえた公共施設の整備が行われるものと考えております。
#48
○竹村泰子君 産業廃棄物最終処分場の残余状況にかんがみまして、周辺住民の理解と協力が得られるように、特に特定周辺整備地区における公共施設の整備についていろいろ今お聞きしましたけれども、地方自治体を積極的に支援してほしいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#49
○政府委員(小林康彦君) 特定周辺整備地区におきます公共施設の整備は、施設整備方針に基づきまして都道府県、地元市町村が行うものでございますが、それに要します費用につきましては、国や都道府県により地方単独事業に対する地方財政措置や補助事業に対する国庫補助の配分等により配慮されることとなっているところでございます。
 また、当該特定施設によって利益を受けます処理業者及び排出事業者等からの出捐によります基金を設けまして、地元市町村等が行います公共施設の整備に対してこの基金から寄附を行うことができ、これにより市町村等の財政的負担の軽減に資することとしておるところでございます。
 このような措置を通じまして、特定周辺整備地区におきます公共施設の整備について地方自治体に必要な支援措置が講じられるものと考えております。
#50
○竹村泰子君 周辺住民との公害防止協定の締結をあっせんするなど特定施設の円滑な設置が図られるように政府としても努力をされたいと思うんですね。本法の趣旨に沿う限り、この間お聞きしましたら事前協議を妨げることはないというふうにおっしゃったと思うんですけれども、それは妨げられないと考えてよろしいですね。
#51
○政府委員(小林康彦君) この法案の中におきましても、特定施設を設置しょうといたします者は、基本指針に基づきまして環境保全にも配慮した特定施設の整備計画を作成し、さらに主務大臣は計画の認可の際に環境保全への配慮を含みます基本指針に照らして審査を行い、特定施設の位置、規模、運営などについて環境保全への配慮を行うこととしております。
 また、特定施設の整備に伴います生活環境等の変化によります影響を緩和いたしますための公共施設の整備を図りますため、都道府県によります特定周辺整備地区の指定制度を設けておりまして、これらの措置を利用いたしまして、生活環境を保全しつつ特定施設の円滑な措置が図られるよう努めてまいりたいと考えております。
 また、それぞれの地域ごとに行われます施策あるいは方策につきましては、本法及び廃棄物処理法の趣旨に沿うものでございますと、個別での施策を妨げるものではないものと考えております。
#52
○竹村泰子君 特定施設に搬入される産業廃棄物については、特別管理産業廃棄物以外の産業廃棄物についても行政指導によるマニフェストをつけてほしい、適用してほしい。これは排出者責任の原則といいますか、だれが何をどこへ捨てるか、これをきちんとやっていただかないと、いろんな問題がこれまでにも起きているし、これからももっともっと起きていくだろうと思うんですけれども、搬入される廃棄物の内容、排曲事業者を明らかにして搬入管理体制を徹底させてほしい。この前、私の質問に対して小林部長、行政指導ならマニフェスト制度の適用も結構ですというふうに答えておられるんですが、それと同時に搬入管理体制をきちんとすれば大丈夫ですというふうな答弁をなさったと私は記憶しているんです、まだ議事録ができておりませんから見ておりませんけれども。
 これは建設省にもお聞きしたいと思いますが、調べようがないんじゃないかと思うんですね。山のような廃棄物の中にちょっぴりもしかしたら有害廃棄物が入っているかもしれない。どうやってこれを調査するんですか、その辺のことを両方にお聞きしたいと思います。
#53
○政府委員(小林康彦君) まず、最終処分場の運営に当たりまして、排出事業者あるいは搬入者との契約関係をきっちりいたすことによりまして、どこのどういう廃棄物が最終処分場に搬入されるか、それを事前に把握し、その契約に基づいて搬入の管理を行う、これが一つのポイントであろうと思っております。
 さらに、搬入されました廃棄物につきまして、その廃棄物が当初の契約どおりのものであるか、お尋ねのようにそれ以外の廃棄物の混入がないかどうか、これをチェックする制度も組みまして、不適切な廃棄物が搬入され、環境問題を生じないよう、管理の体制を整えるよう都道府県等を指導してきたところでございますが、今後もその指導を徹底したいというふうに考えております。
#54
○説明員(風岡典之君) 建設省におきましては、建設廃棄物の適正処理については従来から市街地土木工事公衆災害防止対策要綱というものを定めまして、これによって指導してきたところであります。また、昨年三月には建設省として建設廃棄物対策に関する当面の推進方針というものを定めました。これに基づきまして、建設廃棄物の処理に当たりましては、まず発生量を抑制するということ、それから再生利用を促進する、それから最終的に処分に至るものにつきましては適正な処理を推進する、この三つの方針のもとに指導してまいりました。
 特に、排出事業者である建設業者に対しましては、まず現場で建設廃棄物の分別の徹底をさせること、それから廃棄物処理業者に適正な契約に基づいて委託をするように徹底をしております。さらに、廃棄物の保管あるいは収集、運搬、処分方法、そういったものを定めました施行計画の策定というものを指導しております。
 また、特定施設への搬入につきましては、その施設の機能に合致した廃棄物を搬入するということが必要であります。このため、現場におきまして建設業者が分別の徹底を図ることが最も必要であるというふうに考えておりまして、特にそういった点を中心に指導をしているところでございます。
#55
○竹村泰子君 建設省、建設廃材は安定型のところに処分されるわけですよね。もしその建設廃材にアスベストがついているのがわかったらどうしますか。
#56
○説明員(風岡典之君) 先ほど申し上げましたよつに、どういうものが含まれているかということが一番大事でございますので、まず現場におきまして分別の徹底を図るわけでございます。その中に、例えば御指摘のようなアスベストというような有害廃棄物というものが入っていれば、これにつきましては厚生省の方で指導基準というのが出されておりますので、私どもそれを受けまして建設業者にはそういった適切な処理をするように指導している、こういったことでございます。
#57
○竹村泰子君 指導していらっしゃるでしょうけれども、それをきちんと分離して有害廃棄物として扱うようにという、そういう何か通達とか書類とか、そういうのがあるんですか。
#58
○説明員(風岡典之君) 厚生省の方におきまして、たしか昭和六十三年の七月というふうに承知をしておりますけれども、技術指針というのが公表されております。これにつきましては厚生省の方から建設省の方にも通知をされておりますので、これを受けていろんな機会に私ども業界に対しては指導しているということで、特に文書で通達という形をとっておりませんけれども、廃棄物対策全般の中でそのことについても指導しているつもりでございます。
#59
○竹村泰子君 排出責任省庁としてはそこまでやっていただきたい。これだけごみの問題が地球的な規模で非常に議論がされている中ですから、今後ぜひそこまで指導を徹底してやるということをできればお答えいただきたいんですが、いかがでしょうね。
#60
○説明員(風岡典之君) 御指摘の問題、非常に重要な問題だというふうに私ども承知しております。厚生省の方とも十分調整を図りながら私どもの立場でもこれからも十分な指導をしてまいりたいというふうに思っております。
#61
○竹村泰子君 それでは、有害廃棄物のことが出たところで、通産省にPCBのことを少しお聞きしたいと思います。
 先日、粟森議員によってPCBの問題がこの委員会で取り上げられましたけれども、PCBというのはどんなものに使われたんですか。
#62
○説明員(佐々木修一君) お答え申し上げます。
 PCBにつきましては、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律によりまして、昭和四十九年六月から原則的に製造、輸入及び使用を禁止しているところでございます。このような使用の規制がなされる前におきましては、PCBは電気機器、熱媒体、ノーカーボン紙等に使用されていたものと承知しております。
#63
○竹村泰子君 先日、この委員会で取り上げられましたのは変圧器、コンデンサーなどで、これらの数字はお聞きしましたけれども、もう一度聞かせていただけますか、変圧器、コンデンサー。
 それから、今お聞きしたところによりますと、電気機器以外に熱媒体とかいろいろなものに使われている。しかもPCBは液体だけではないというふうにもお聞きしますけれども、どんなものがあって、どんなふうな形で現存しているか。そしてわかっているものは数字を教えてください。
#64
○説明員(青柳桂一君) PCB使用電気機器でございますが、自家用発電設備の中に含まれておりますトランスとコンデンサーにつきまして私ども保管台帳がございまして、それによりますと、平成四年三月未現在におきましては、事業所数で約十三万六千カ所、コンデンサーが三十三万五千個、それからトランス、変圧器でございますが、これが三万三千個という状況になっております。
 ほかの機器につきましてはちょっとデータを今時ち合わせてございません。
#65
○竹村泰子君 どんな形で、固体とか液体とか、そういうことを教えていただきたいんです。どういう形で今現存しているのか。コンデンサーや変圧器だけじゃないでしょう。
#66
○説明員(佐々木修一君) コンデンサーにつきましてはただいまお答え申し上げた。とおりでございます。
 熱媒体につきましては、この法律を施行する前に、昭和四十八年二月に通商産業省の方でメーカーに対しまして回収の命令を下して回収しております。その液状PCBにつきましては……
#67
○委員長(田渕勲二君) ちょっと聞こえにくいですよ。はっきり言ってください。
#68
○説明員(佐々木修一君) 昭和四十八年二月にメーカーに対しまして熱媒体に使われている液状PCBの回収命令を下し、それに従いましてメーカーが回収をいたし保管をいたしておりました。その後、液状PCBにつきましては無公害に焼却をいたしております。
#69
○竹村泰子君 そんなこと聞いてないですよ。今どういう形であるのかと聞いているんです。コンデンサーの中に入っているのもあるでしょう。しかし紙に塗られていたりあるいは固体になっていたり、そういうものもあるんじゃないか。ちょっと素人だからわからないんですけれども、教えてください。
#70
○説明員(佐々木修一君) ただいま液状PCBについては申し上げたとおりでございます。
 ノーカーボン紙につきましては、感圧紙でございますが、インクを紙に均一に塗布する、そういう媒体として使われているものでございまして、現在ノーカーボン紙の形で厳重に保管管理いたしてございます。
#71
○竹村泰子君 それだけですか、電気機器とカーボン紙と、簡単に言えば。
#72
○説明員(佐々木修一君) 大きくは以上でございます。
#73
○竹村泰子君 ああそうですか。
 いずれにしても、カーボン紙の方はどのぐらいどこにあるかということはわかっているんですか。
#74
○説明員(佐々木修一君) ただいまその正確な数字は持ち合わせておりません。
#75
○竹村泰子君 今持ち合わせていないけれども、省に帰ればおわかりになるんですか。
#76
○説明員(佐々木修一君) 持ち帰りまして、調査をいたし、御説明申し上げたいと思います。
#77
○竹村泰子君 先日の粟森委員に対するお答えでも、コンデンサーだけでも三十三万五千三百ですか、変圧器が三万三千三百、事業所で言えば十三万六千何がしと今おっしゃいましたけれども、大変な数なんですよね。
 そして、紛失届がかなり出ていると。紛失届というのはどのぐらい出ていますか。これは厚生省ですか。
#78
○政府委員(小林康彦君) 紛失届といいますか、東京都あるいは岐阜県におきまして調査をしたところ、保管されているべきものが不明等の件数が八%程度あるという調査があったということは私ども承知をしております。
 全国的に現時点でどういう状況かということは、現在私どもまだ把握をしておりません。
#79
○竹村泰子君 ちょっと恐ろしい状態ですね。あれだけの公害を出したそのもとになるPCBですから、もっと厳重管理をしていただかないと困ると思います。大臣はこの間調査をしますとはっきりとお答えくださいましたけれども、これは国の責任はないんですかね。通産にお聞きしてもいいかげんな答えしか出てこないし、厚生省にお聞きしてもよくわからないし、紛失届はかなり出ていると思うけれどもわからないと。
 これ、何年かたって、あすにも起こるかもしれないけれども、ああいった公害病的な被害が出てきたら一体だれがどこで責任とるんですか。これはPPPの原則といいますか、使用した人の責任に今任せているわけですよね。それはでも暫定的な処分の仕方だったわけで、当分の間、国のきちんとした処分方法が出るまでという話だったんですよね。これ、いつどんなふうにするんですか、どこが責任あるんですが。
#80
○説明員(青柳桂一君) 私ども通産省では、PCB使用電気機器につきましていろいろと検討を進めてきたわけでございますが、これまででございますが、基本的には最終処理が最善の方法であろうということで、最終処理を目指しました技術的検討、あるいは必要なプラント施設の立地について努力をしてきたところでございます。この結果、安全に処理できる技術につきましては、これはほぼ確立しておるというふうに言えるかと思いますが、しかしながら、最終処理施設の立地につきまして、候補地の地元関係者の合意が容易に得られず二十年余が経過してしまったというのが事実でございまして、まことに残念であるというふうに思っておるわけでございます。
 ただ、今後通産省といたしましては、このような実態も踏まえまして、集中保管管理方法とかあるいは効率的な処理体制の整備を含めまして、有効な回収処理方法について厚生省等の協力も得ながら早急に検討を進めてまいりたいというふうに思っているところでございます。
#81
○竹村泰子君 大臣にもう一度お聞きしたいと思いますけれども、大変な有害廃棄物がこういう無責任状態で野放しにされているんですね。これは廃棄物の所管省庁としても、通産省としっかりと連携をして早急に処分の仕方あるいは調査、それから回収、こういったことをきちんとしていただきたいと思いますが、いかがですか。
#82
○国務大臣(山下徳夫君) まず、処理施設の整備がまだ整っておりませんので、その保管の指導をしてきたところでございますが、改めてこの問題についてはきちっと調査をしなきゃならぬと思っております。同時にまた、その処理の対策につきましては、まだ我が国においてはきちっとしたものができておらない、管理の徹底を何とかもっと指導しながら、当面通産省と協議しながらこの問題に取り組んでまいりたいと思います。
#83
○竹村泰子君 回収の責任がどちらにあるか、あるいは国にはないとおっしゃるのかもしれないけれども、ほっておいたらこれは大変なことになると思うんですね。ですから、調査は大臣お約束をしてくださいましたけれども、これは早い時期に通産大臣とぜひ相談をしていただきたい。そして次の機会にはきちんと国の責任においてこういうふうな措置をとることができましたということを伺いたいと思いますけれども、大臣もう言いかがですか。
#84
○国務大臣(山下徳夫君) 保管と管理につきまして指導するとともに、徹底的にこの問題につきましては調査もし、通産省と連携をしていかなければならぬ、当面、保管と管理が一番大事でございますから。さらに、その施設の整備につきましても、先ほど申し上げましたように、もう一回改めて調査をした上でこの問題については個々の業者を指導してまいらなければならぬと思っております。
#85
○竹村泰子君 大臣御在任中にぜひ結論を出していただきたい、強く要望しておきます。
 それでは続きまして、産業廃棄物処理法及び再生資源利用促進法に基づく措置との連携を図りながら産業廃棄物の減量化、再生利用の推進に積極的に取り組んでいただきたい。それぞれの産業廃棄物固有の事情を踏まえながら、社会的、経済的に安定したリサイクルシステムの構築を図るなど、総合的かつ効果的な廃棄物対策が行われるよう努めていただきたいと思いますが、厚生省の御決意を伺いたいと思います。
#86
○政府委員(小林康彦君) お話がございましたように、限られた資源をできる限り有効に利用していきますことは現代社会に課せられた重要な課題でございますし、廃棄物につきましてもその排出を抑制いたしますとともに、再生利用を進めることにより減量化を図ることが極めて重要というように考えております。
 改正法におきまして、都道府県知事の定めます産業廃棄物処理計画に産業廃棄物の減量に関する事項を織り込むことといたしましたほか、都道府県知事は産業廃棄物の多量排出者に対します減量化、再生利用に関する事項を含む処理計画の作成を指示できることとするなど産業廃棄物の減量化、再生に関します規定が前回の改正廃棄物処理法で盛り込まれたところでございますので、これらを利用いたしまして関係者を適切に指導してまいりたいというふうに考えております。
 また厚生省におきまして、現在、減量化、再生利用に関する研究に取り組んでおりますほか、生活環境審議会の専門委員会におきまして産業廃棄物の減量化、再生利用の進め方について御検討をいただくこととしておりまして、その結果を踏まえさらに必要な対策を講じてまいりたい、このように考えております。
#87
○竹村泰子君 廃棄物処理業に対する委託基準、先ほどどんな条件かと言いましたけれども、これを強化するほか、改正廃棄物処理法附則第二条の規定を踏まえて廃棄物が不法に処分される場合における適切かつ迅速な原状回復措置及び汚染修復措置、これが実施できるよう速やかに検討していただきたいと思います。
 その際、基金の設立を含めた行政措置、民事上の賠償責任、費用負担のあり方などについて総合的に幅広い見地から検討をしていただきたいと思いますけれども、この点はいかがですか。
#88
○政府委員(小林康彦君) 厚生省では平成四年度予算におきまして、汚染の修復のための技術開発を行います研究補助金一千万円を計上しているところでございますが、これらの技術的な研究のほかに、お話ございましたような不法投棄されました廃棄物の原状回復のための行政措置、民事上の賠償責任、費用負担等のあり方につきまして、今後諸外国の例も参考にしながら幅広い見地から総合的な検討を進めてまいる所存でございます。
#89
○竹村泰子君 廃棄物問題が国民的な課題となっている現在、先日お隣の高桑議員の方から出されておりましたけれども、非常に大事な点だと思うんですが、廃棄物対策を経済五カ年計画など政府の経済政策に十分反映させたらどうか、それは検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#90
○国務大臣(山下徳夫君) 本年の一月に経済審議会に諮問されました長期経済計画は、生活大国の実現を目指して一二十一世紀に向かって生活大国の実現を目指す、こういうテーマでございます。そこで、我が国経済社会の発展基盤を整備するとともに、地球的規模の課題に積極的に取り組み、世界に貢献していくという、そういう指針でございます。
 厚生省といたしましては、このような諮問の考え方に沿って廃棄物対策の推進も重点事項の一つとして位置づけて、同審議会の生活大国部会に対しまして二つの点を取り組むように我々の考え方を提示いたしておるのでございます。その一つは、急激にふえておりますこの処理につきましての設置促進を図るということと、廃棄物の減量、リサイクルに向けた社会経済システムを構築するための取り組みを進めていく。こういう基本方向について御説明をし、委員の御理解をお願いしたところでございます。
#91
○竹村泰子君 廃棄物及びリサイクルに関する統計を整備して、廃棄物に関する情報の収集、活用に努めて、国民の啓蒙及び廃棄物行政の厳正な執行を図っていただきたい。
 リサイクルのことを先日からずっと言っておりますけれども、排出者の責任ということで、ドイツなんかは包装廃棄物政令というのがあるんだそうですね。包装といっても別に包み紙だけのことじゃなくて、トレーだとかいろいろなそういった細かい物を包んでいるもの、それも全部企業が回収をしなければならない。もちろん自動車なんかをつくるときにも再生、リサイクルのときのことを考えてつくるという、そこまでの責任体制をとって、そういう生産体制を法律としてとっている国もあるんですけれども、そこまでいくのは大変としても、排出者の責任ということをもう少し指導をきちんとしていただきたいということを強く要望して終わります。
#92
○高桑栄松君 それでは、質問をさせていただきます。
 先ほど竹村委員からも冒頭に質問をされておりましたが、日の出町の管理型最終処分場からプラスチック添加剤の汚水が漏れていたという御指摘が、報道されておったということで質問がありましたが、私が追加したいのは、これまでにそのような管理型の処分場で、汚水を遮断するはずのゴムシートが破れて漏れていた、こういった事例はどれくらいあったのでしょうか。
#93
○政府委員(小林康彦君) 昭和六十年七月に八王子市戸吹の最終処分場より流出したと思われます汚水によって下流の河川が汚染された事故というものを承知しております。
 この件について申し上げますと、事故原因を断定することは困難でございましたが、昭和六十二年二月に提出されました八王子市の調査委員会の報告によりますと、何らかの理由によりまして、埋立地内の浸出水集水装置、遮水ゴムシートが破損し、その結果浸出水系の汚水が地下水系の地下水管に浸入をいたしまして、調整池で雨水と合流した結果、河川を汚染したものと推定されております。このため、この最終処分場では、地下水について全量を浸出水処理施設で処理することとして対処しました結果、その後に放流されました処理水水質については基準を超過するものはなかったと聞いております。
 この事故例に見られますように、万が一ゴムシートの破損等が生じました場合は、まず地下水の集水管により集水されている水質に異常が見られることになるというふうに考えております。
#94
○高桑栄松君 今何カ所あるかというのも伺ったんですが。
#95
○政府委員(小林康彦君) 私ども把握しておりますのはただいまの件でございます。
#96
○高桑栄松君 昨日の新聞報道によりますと、今年三月には、ゴムシートが破れたり傷ついたりして過去三年間で合計百八カ所が修理されているとなっておりますが、御存じですか。
#97
○政府委員(小林康彦君) ただいま挙げていただきました数字は、日の出の処分場でその数の破損箇所があった、こういう報道というふうに承知をしておりまして、全国の処分場での数という報道ではないというふうに私ども聞いております。
#98
○高桑栄松君 いや、私はもう数が多いですから、これは当然全国がどこかかと思ったんですが、日の出だけで百八カ所もあったんですか。それでは日の出というのは何なんですかね。
#99
○政府委員(小林康彦君) 日の出町の最終処分場は、東京都三多摩地域広域処分組合が設置、運営をしております一般廃棄物の最終処分場でございます。ゴムシートを敷きます前の下地の整備あるいはゴムシートを敷いた後の保護工等しておるわけでございますが、ゴムシートの補修をしました箇所が百八というふうに私ども聞いておるところでございます。
#100
○高桑栄松君 いや、今聞いて実は驚いたんですけれども、一カ所でそんなに故障が起きるというのは、三年間で百八というと平均すれば九日に一回ずつ何か修理しているということになるわけで、これはもう不完全なんというものじゃなくて、管理型の意味がないのではないかと今思ったんですよ。
 それから、修理をするというのは、ごみが少なければそれはできるかもしらないが、非常にたくさん堆積をされたら、ひっくり返すんだったらやめてしまった方がいいくらいで、これはもう大変なことで、構造を見直す必要がある。日の出というと、日の出山荘の日の出ですね。そうすると、米国の大統領などがおいでになって汚水の入った水を差し上げたかどうかなどと気になったところでありますが、いかがですか、構造を見直す必要はありませんか。
#101
○政府委員(小林康彦君) 百八カ所につきましては、組合に確認をいたしましたところ、埋立作業開始前に予防、保全のために百八カ所補修をしたとの報告を受けておるところでございます。
 遮水シートによります遮水性の向上につきましては、構造指針の中で適切な工法を指示しておるところでございまして、なお詳しい内容につきましては広域処分組合で調査中であるというように報告を受けておりまして、その調査結果をもとに厚生省としても適切な指導を考えたいと思っております。
#102
○高桑栄松君 余り厚生省を追及することも意味がないと思いますけれども、適切な指示があったんならこういう事故はないわけなんですね。今度起きたのというのは適切でない指示であったと、ちょっと言葉じりをとらえて申し上げればそうなる。
 しかし、完全ということは難しいことはわかっています。私が申し上げたいのは、管理型が安全であるということではないのではないか、したがって構造そのものの基準を見直す必要はないか、こういうふうに申し上げたんです。
#103
○政府委員(小林康彦君) この遮水シートといいますのは、遮水性を向上させるための措置でございまして、このシートそのもので強度を持たせるというものではございません。したがいまして、シートの接着等埋め立て前に補修を要するところが生ずることもあり得るわけでございまして、全体といたしまして遮水性が保てるということが重要と思っております。
 具体的にどういう場所で補修を要したかといいますと、シートの下の地山に石が突出しておりましたような場合に、穴があき、それを補強する、こういう行為でございまして、全体といたしましての遮水性向上策としてシートが有効というように考えておるところでございます。
#104
○高桑栄松君 汚水が漏れることがあり得るというのは、あり得ることが前提でこういうことをやるのはどうもおかしいわけで、あり得てはいけないという前提で構造自身を見直す必要があったのではないかと、最初からそう申し上げたんです。同じ答弁が返ってきておりますから、これはもうこれぐらいにさせていただきます。
 それでは、次の質問に入りたいと思います。
 土壌汚染についてなんですけれども、アメリカのラブキャナル事件等がありまして、最終処分場の埋立地跡が住宅地などに使われるおそれがあることを私はもう随分前から指摘してまいりました。昭和五十九年、六十一年と環境特別委員会で質問をいたしました。環境庁は、私のこの提案を受けてだというふうに御返事をいただきましたが、平成元年十一月に廃棄物の最終処分場跡地の管理等について記録を保存する、それを引き継ぐという通知を出しましたということを私は聞いております。厚生省も昨年秋の改正で、埋立処分終了時に届け出る、台帳を作成する、閲覧をしてもらうということが法律になったわけであります。
 ここで法務省に承りたいんですが、法務省に前にも承ったんですが、その当時はどうしても難しいような話でした。今や環境庁も厚生省もこの件については非常に前向きに、ステップを踏みながらだと思いますが、前向きに考えておられることがわかってまいりました。不動産登記の上で、つまり土地の戸籍台帳をつくれということを私は数年前から主張してまいりましたが、最終処分場跡地を不動産登記上記載すべきであるという考えなんですが、法務省の御見解を承りたいと思います。
#105
○説明員(房村精一君) 先生御指摘のような問題があることは法務省としても承知しているわけでありますが、前回及び前々回におきましても御説明いたしましたように、現在不動産登記簿には不動産の土地を特定する項目として地番、地積と並びまして地目を記載するということにしております。この地目は、土地の現況及び利用目的に応じまして田、畑、宅地、山林、こういったような二十一種類が定められております。土地の現在の利用状況を示すということであればその地目欄が考えられるわけでありますが、この地目は、今も御説明いたしましたように、現在の状況を示す、こういう目的で設けられておりますので、過去その土地が産業廃棄物処理場として用いられていたというような過去の利用形態を公示するというのは地目欄では、現在の不動産登記法の考え方からいってどうも難しいと思われるわけです。
 それ以外に、過去この土地が産業廃棄物処理場として用いられていたというようなことを登記する事項というのは現在の不動産登記法においては予定していないものですから、なかなか不動産登記簿にそのようなことを公示するというのは難しいのではないかということを従前お答えしておるわけですが、今回もどうも変わらない答弁でまことに申しわけないんですが、そういうことで不動産登記法上はどうも難しいということを言わざるを得ません。
#106
○高桑栄松君 法律屋さんは、ここにもたくさんおられるかもしれませんが、過去の法律を大変大事になさって、これは大事なことだと思いますけれども、現在までであって将来がなかなかない。しかし私たちは国民の健康にどういう影響があるかということを考えてきているわけで、今や産業廃棄物にしても埋立地跡の問題にしても、汚水そのものだとか土地そのものから出てくる有害ガスといったことがもうあちらこちら、日本だけじゃなく、むしろ外国でも問題になってきている。
 ラブキャナル事件は、御承知のように、大統領命令で一つの町を、千何百戸かを全部動かしたというようなことがあったわけです。それはもう当然住民に健康障害が出る前にそれをあらかじめ予測するとか考える必要があるんで、そういう意味では環境庁及び厚生省は一歩も二歩も、法律上からいえば数歩進んでいるのではないか、こう私は思うんですが、法務省にはこれは考えてもらわなきゃいけないんじゃないか、こう思います。
 それで、厚生省に伺いますが、そういう埋立地跡というものが宅地に変わりますと、転売をされると全部わからなくなってしまうということがあるわけで、処理業者に帳簿を作成させるとい、つことになっていたわけですが、半永久的に保存をしてもらう必要がないか、法務省にかわってそういうことが要るのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#107
○政府委員(小林康彦君) 最終処分場に関しまして、それを閉鎖後届け出台帳を整備し、保管することになっておりますが、保管の期間につきましては現在検討中でございまして、先生のような御意見のあることも承知をしておりますので、内容について適切な期間を定めることにしたいと思っています。
#108
○高桑栄松君 では、次は環境庁に二、三伺いたいと思います。
 昨年の八月、環境庁は土壌汚染の環境基準を策定いたしましたが、ごみの最終処分場というのはそれ自体汚染源になっているわけで、環境庁はこの土壌汚染の環境基準を処分場跡地に適用することになっているんでしょうか、いかがですか。
#109
○説明員(細田敏昭君) 土壌の汚染に係る環境基準は、原則としてすべての土壌に適用することとして設定されたものでございます。この場合に、廃棄物の埋立地等環境基準の対象物質の処分を目的として現にこれらの物質を適正に集積している施設に係る土壌につきましては、一般環境中の土壌とは区別して取り扱うことが適切であると考えられることでございますので、適用の除外としているところでございます。
 お尋ねの廃棄物の埋め立てが終了し閉鎖した後の跡地土壌につきましても、その施設の管理や構造、機能の点で引き続き一般環境から区別されている場合につきましては環境基準を適用しないこととしておるわけでございますけれども、当該跡地がほかの用途に利用される等によって一般環境との区別がなくなった場合には、この跡地土壌にも環境基準が適用されることとしております。
 この環境基準の維持達成につきましては、とりわけ過去の土地利用の経過の把握や土地利用転換の際の土壌調査が重要でありますので、これらの点や汚染土壌が明らかになった場合の対策の適切な実施等につきまして、都道府県等を通じ指導しているところでございます。
#110
○高桑栄松君 環境庁にもう一つ伺いますが、これも竹村委員が質問されたことで、私も答弁も承知しておりますが、もう一度聞きます。
 新聞報道によりますと、土壌汚染防止法の成立を期しているというふうなことが出ておりましたが、法律を制定するというのは、全く何も考えていないのがぽっかり出るということはないわけで、何かお考えなんだろうと思うんです。これについての見通しというか意欲というか、そういったことを伺いたいと思います。
#111
○説明員(細田敏昭君) 昨年八月に、先ほど申し上げました土壌の汚染に係る環境基準を設定いたしまして、この達成維持に向けての汚染原因者等による自主的な取り組み、あるいは公害防止事業団による融資制度の活用の指導に当たっているわけでございます。
 しかしながら、今後の環境基準の運用の推移あるいは土壌汚染の実態把握の進展いかんによりましては、現行の法制度のみでは調査の実施あるいは環境基準の達成が十分行われなくなる事態も想定されますので、土壌汚染の防止、汚染土壌の回復対策等を内容とする法制度の整備の必要性について各方面から指摘も受けているところでございます。
 こういう状況で、必ずしも直ちに法制度化を前提とするのではございませんが、今後、土壌汚染に関してどのような対策が必要となるか、またその内容はいかにあるべきか等につきまして、関連の諸施策、諸外国の例、学識経験者の意見等も参考にしながら、法制度の面も含め所要の検討に着手したところでございます。
 ただ、いつまでにどのような結論を出すといったような期限を定めて検討を開始しておるわけでは必ずしもございませんし、まだ法案等といった具体的な内容に検討が及んでおるわけでもない状況でありますけれども、今後の重要な問題であると認識しておりますので、検討を急ぎまして、その過程で取りまとめ可能なものが得られれば関連の諸施策に反映してまいるよう努力してまいりたいというふうに考えております。
#112
○高桑栄松君 公害基本法ができて、日本は公害を七つの項目で定義をしたわけでしたけれども、この中で残っていた問題が土壌汚染だったと思うんですね。これだけが取り残されていた。ですから、公害対策というのは完結をしないんですね。土壌汚染防止法というのはその締めくくりの残された公害対策では非常に大事なポイントになっていると私は思います。
 新聞報道では三年と書いてありましたね、まあ予定でしょうが。今期限を決めてないとおっしゃったけれども、石の上にも三年とかと言いますから、頑張って三年以内ぐらいでやった方がいいですよ。もたもたしているとまた事情が変わってまいりまして、環境庁が非難を受けることになるのではないかというふうに思います。
 それで、不法投棄の問題を厚生省と環境庁に伺いたいんですが、その原状回復に係る費用については、昨年の秋の改正のときに参議院の修正、衆参の附帯決議等を受けているわけですが、この見解を厚生省と環境庁、それぞれ費用負担はどうなっているか伺いたいと思います。
#113
○政府委員(小林康彦君) 昨年十月に改正されました廃棄物処理法の附則によりまして、「廃棄物が不法に処分された場合における適切かつ迅速な原状回復のための方策について、速やかに検討を加えるものとする。」との検討条項が規定されたところでございます。
 現在厚生省では、平成四年度の予算案におきまして汚染の修復のための技術開発を行います研究費補助金一千万円を計上しているところでございますが、これらの技術的な研究のほかに、不法投棄をされました廃棄物の原状回復のための行政措置、民事上の賠償責任、費用負担等のあり方につきまして、今後諸外国の例も参考にしながら幅広い見地から総合的な検討を進めていくこととしておるところでございます。
#114
○説明員(細田敏昭君) 汚染土壌の回復対策に要する費用につきましては、基本的には汚染原因者が負担すべきものと考えておるわけでございます。
 しかしながら、一般に土壌汚染の発生といいますのは、過去の長年にわたる事業活動に起因する場合が多いわけでございまして、そういう蓄積型の公害につきまして、その対策の円滑な実施に必要な手続のあり方とか原因者の特定あるいは関係当事者の費用負担割合、とりわけ原因者が現時点では存在しない、どこにいるかわからないといったような場合もあり得るわけでございまして、そういう場合の費用負担のあり方について検討すべきであるという指摘もいただいておるわけでございます。
 この点、環境庁としても重要な検討課題と受けとめておりまして、先ほど申しておりますような検討の過程で、関連の諸施策あるいは諸外国の例、学識経験者の意見等も参考にしながら今後検討を進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#115
○高桑栄松君 それでは、次に医療廃棄物について伺います。
 医療廃棄物は昨年の改正の折に特別管理廃棄物として指定をされているわけですが、例えば血液のついたガーゼは特別管理の一般廃棄物である。注射針などは同じ特管でも産業廃棄物である。ところが、いずれも感染性であるということにおいては同じわけですので、これは区別をしないで一緒に処理した方がむしろ目的に合うのではないかと思うんですが、どうお考えでしょうか。
#116
○政府委員(小林康彦君) 医療機関から排出されます感染性の廃棄物は、お話がございましたように、一般廃棄物と産業廃棄物の混合物となる場合が多いと考えておりまして、御指摘のとおり感染性という点では同じ特性を有しているというふうに考えております。
 医療の現場で、例えば手術の際、一般廃棄物でございますがーゼと産業廃棄物でございます注射針とを同時に排出いたします場合に、一般廃棄物と産業廃棄物に分別して処理することは合理的でない場合もあると思いまして、先生御指摘の点も踏まえまして検討を深めてまいりたいと考えております。
#117
○高桑栄松君 ガイドラインによりますと、感染性廃棄物は原則として施設内で滅菌処理、焼却処理等をするということになっているわけですが、小規模の医療機関ではなかなかこれは現実的には難しいということで、調査を見ますと、一般の診療所では五五%、歯科診療所では七二%が市町村にゆだねているということであります。そうしますと、むしろ市町村での医療廃棄物の処理体制を確立する、指導するということが目的に合うのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#118
○政府委員(小林康彦君) 感染性廃棄物の処理は、医療機関みずから行います感染性を失わせる処理あるいは広域的に感染性廃棄物を専門的に取り扱うことができる処理業者によります処理、それから市町村によります処理、これらのいずれかで行われることになるわけでございます。このため、民間処理業者の育成及び廃棄物処理センターの設置によります処理の推進にも鋭意努めてまいりたいと考えているところでございます。
 ただ、小規模な医療機関での問題もございまして、小規模な医療機関におきましても感染性廃棄物の処理に困難を来すことがないように、地域の実情に応じまして市町村によります処理体制の整備も含めまして検討を深めてまいりたいと考えております。
#119
○高桑栄松君 それでは、公共施設の整備に関係した質問をさせていただきますが、本法の第二十七条によりますと、建設、自治、農水、運輸、この各省は特定施設の整備計画の認定については主務大臣に加わるということになっております。第十三条によりますと、国、地方公共団体は公共施設の整備促進に配慮するというふうになっております。
 そこで伺いたいのは、きょうは四つの省それぞれにおいでいただいて、オンパレードで、主務省としてどんな頑張り方をなさるのか、コンテストではございませんが、ひとつ伺いたいなと思ったわけです。
 建設省、自治省、農水省、運輸省、順番は問いませんが、我と思わん方から手を挙げていただいて、各省それぞれこの配慮というのに応じまして予算、制度面でどのような企画を持っているか伺いたいと思います。
#120
○説明員(土屋進君) とつ初めに建設省からお話しさせていただきます。
 ただいま御審議をいただいております法律案では、関係大臣が定めます基本指針に基づきまして、都道府県が当該特定施設の整備により生活環境が著しく変化をするおそれがある、そういうふうに認められます地区で、その変化による影響を緩和するということから特に公共施設の整備を図ることが適当である、そういうふうに認められるものを特定周辺整備地区として指定をいたしまして、当該特定周辺整備地区の施設整備方針を定めることができるというふうになっているわけであります。
 それで、国及び地方公共団体はこの施設整備方針に基づきまして道路や公園等の公共施設の整備を促進することとなっておりまして、建設省といたしましても、所管の補助事業に対します予算配分上の配慮を行うということになろうかと思います。今後関係省庁とも十分連携を図りながら必要な周辺施設の整備促進が図られますよう所管事業の予算執行に当たり積極的に対応をしてまいる所存でございます。
 以上でございます。
#121
○説明員(高橋徳一君) お答えいたします。
 特定周辺整備地区内におきまして具体的に必要な公共施設はそれぞれの地区の実情やあるいは整備される産業廃棄物処理施設の規模等によって異なると思われます。
 農林水産省としましては、本法第十一条第一項において定められております特定周辺整備地区の整備方針におきまして、農業用用排水路や集落排水施設などの当省が所管する公共施設の整備等が必要となった場合に、補助金の配分に当たっての配慮等を行うことによりましてその施設の整備を積極的に推進してまいりたいというふうに考えているわけでございます。
 以上でございます。
#122
○説明員(門司剛至君) 運輸省は、特定施設の整備計画の主務大臣といたしまして、本法第十一条一項におきまして定められております特定周辺整備地区の整備方針におきまして、港湾施設、緑地、広場、道路等の運輸省が所管する公共施設の整備が必要となった場合には、運輸省におきましても特定施設の整備を促進する観点からこれら施設の整備を積極的に支援してまいりたいと考えております。
#123
○説明員(伊藤廉君) 委員御指摘のように、本法第十三条におきまして特定周辺整備地区におきます公共施設整備の促進について配慮する規定が設けられているところでございます。
 自治省といたしましては、地方団体が必要に応じ特定周辺整備地区において国庫補助を受けて実施する事業、さらには単独で事業を実施する場合におきまして、その事業が適切にかつ円滑に実施できるよう、その地方負担につきまして地方債や地方交付税による措置を講じることにより、地方団体の財政運営に支障が生ずることのないよう十分配慮してまいりたいと考えております。
#124
○高桑栄松君 私は質問を申し上げるときに予算面ということを申し上げたんですが、各省そろって予算のことが全く触れておられませんでした。この法が成立して初めて予算の要求になるとすると一年おくれますね。これは私よくわからないんですけれども、予算のことに触れられなかったのはどういうことなんでしょうか、承りたいんですが。
#125
○説明員(土屋進君) 予算につきましては、先ほども若干触れたように思っておったんですが、建設省の所管の補助事業、道路とか公園とかいろいろあるわけでございます。そういう事業に対しまして都道府県がそれぞれの地区ごとの施設整備方針を定めるわけでありますが、そういう施設整備方針が定められた場合に、必要な所管の補助事業に対します予算配分上の配慮を行っていく、こういうことでございます。
#126
○説明員(高橋徳一君) 当省関係では農業用用排水路の整備等が考えられるわけでございますが、これらの代表的な事業としましては、かんがい排水事業がありまして、平成四年度予算におきましては総額で二千百六十三億円計上されております。これらの大部分は枠予算でございますので、予算執行上の配分に当たりまして配慮することによりまして、これらの施設の整備の促進が図れるものと考えております。
#127
○説明員(門司剛至君) 運輸省所管の予算につきましては、先ほど申しましたように港湾の施設あるいは緑地、広場、道路等がございます。これにつきましては、私どもも公共事業の枠の中でこの施設の状況を見ながら積極的に配分等に配慮していきたいと考えております。
#128
○説明員(伊藤廉君) 自治省でございますが、地方公共団体におきましては、先ほど申しましたように国庫補助金を受けて地方団体において予算を計上し実施、または国庫補助を受けずに単独で事業を実施する場合があるわけでございます。それらにつきまして、地方負担部分について地方債の許可、これは自治省の予算には計上しておりませんが、地方債の許可、さらには将来の元利償還について地方交付税措置等を講ずることによって当該地方団体の事業実施、さらには財政運営に支障が生ずることのないよう措置をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#129
○高桑栄松君 再び法の精神にのっとったお話で、精神訓話ばかりだったように思うんですが、大臣がにこにこしておられるので、何か御意見がありそうな気がいたしますので、ひとつ閣僚ベテランの大臣に何かコメントをいただきたいと思います。
#130
○国務大臣(山下徳夫君) 各省から今それぞれ御説明がございましたが、実際問題として、これらの予算につきましては、これは各局、課でもっていろいろ配分されておりまして、いきなり先生の御高説に対して、御高説というかそういう御質問に対して的確に答えるのは無理かなと思って、私もそういう意味で実は若干笑った点があるんでございますが、そういう点で各省庁一生懇命やってくれると思っておりますから、どうか御信頼いただきたいと思います。
#131
○高桑栄松君 大臣がそうおっしゃるんで、皆さん一生懸命やってくださるということで一応了解させていただきます。
 その次ですが、地球環境保全について、私は、我が国に対する期待が大きいと質問で実は言おうと思ったんですけれども、期待が大きいというのをいろいろ孝えてみたら、我が国のお金に対する期待のように思うんで余りおもしろくない。これは余計なことでしたが、まあ言っちゃったんですけれども。そうじゃなくて、地球環境保全について先進国として我が国が果たすべき役割が大きいと、こういうふうに私は思って今申し上げるんです。
 ところで、我が国はまだバーゼル条約に加入していない、地球サミットも目の前に迫っておる、先進国として我が国はそれでは恥ずかしいのではないだろうかと思うんですが、外務省に伺いたいんです。加入を前提とすれば国内法のいろんな整備などが必要であろうと思うんです。そういうことを踏まえて加入の手続をいつごろをめどに考えておられるか、伺いたいと思います。
#132
○説明員(花角和男君) 外務省としましては、この条約は国際的に協力いたしまして有害廃棄物の国際的な枠組みを定めるものでございまして、人の健康、生活環境の保全にとりまして極めて重要な条約であると認識しております。また、六月にブラジルで地球環境サミットが開催されますなど、地球環境問題に関する国際的な関心が高まってきておりまして、できる限り早期にこの条約を締結することが望ましいと考えております。
 また、本条約を締結するためには、我が国が条約上の義務を履行するための国内法制の整備を行う必要がございまして、今政府部内で鋭意検討を行っているところでございます。外務省としましてはできる限り早期に政府部内における調整を下しまして、本条約締結の御承認をお願いしたいと考えているところでございます。
#133
○高桑栄松君 地球サミットに間に合わせるというお考えだったんでしょうか、どうでしょうか。
#134
○説明員(花角和男君) 現段階では、今政府部内で鋭意検討中でございますので、国会への提出時期等について具体的に申し上げる段階ではございませんけれども、できるだけ早期に検討を下するよう鋭意調整を進めたいというふうに考えております。
#135
○高桑栄松君 それでは、ちょうど時間になりますので、大臣にまとめていただきたいことを申し上げたいと思います。
 昨年の改正で産廃の排出事業者の処理責任を合うさせるために必要な委託基準、処理基準を政省令で定めるということになっております。これは大変重要な課題であると思いますが、厚生省はしっかりこれに取り組んでもらいたいと思います。
 なお、先ほど触れましたが、公害の中で取り残された対策の中で、土壌汚染であるとかあるいは有害物質の産廃処理などが残された課題の大きなものだと思います。これらの多くの課題の解決に向けての大臣の御見解、御決意、そういったことを承りたいと思います。
#136
○国務大臣(山下徳夫君) ただいまおっしゃいましたとおり、廃棄物の処理法の施行期日が七月の四日でございます。この日までに政令を整備しなきゃなりません。しかし私は、七月四日までにすればいいんだという考え方じゃなくて、一日も早くこれは成案を得るべきだということで厚生省内の担当者を今指導いたしております。
 それから、今おっしゃいましたその中でも、特に土壌の汚染等につきましては、先ほど答弁がございましたけれども、これは古くからの歴史的な経緯と申しますか、そういうものがあるものもあるし、工場がつぶれて一体だれに言っていいのかわからぬというのもあります。あるいは汚染物質が最近判明したということもございます。いろんなケースがありまして、これらを今直ちに製造者の責任であるということで製造者を早急に探し出すということは実際的に不可能な面がございます。だからといってこれを全部国の責任とするならば、それに要する費用というのは莫大なものが必要でございます。
 ただいま申し上げましたようなそれぞれの問題につきましては、今後なるだけ早くなるだけ正確にその原因を究明いたしまして、未解決の問題の多いこの問題については通産省等とも共同で調査を進めて、先生の御趣旨のようにこれが解明に努力をしてまいりたいと思っております。
#137
○高桑栄松君 ありがとうございました。
#138
○沓脱タケ子君 それでは、同僚委員からもう既にお話がありましたんですが、多摩の日の出の処理場における事故の問題であります。
 これは私一言だけお聞きをしておきたいなと思いますのは、実はちょっと驚いたんです。というのは、ここの日の田地域というのは二十七地方団体のいわゆる組合方式ですね、一般の民間の処理施設ではなくて自治体の広域処分組合という形でやっているところであって、しかも一廃だと。地方自治体の一廃での集積の中でこういう汚染が起こったということで、これは非常に大変だなと思ったんです。
 というのは、地方自治体の組合でやっているんだから民間よりはちょっとはましかと思うわけでしょう、公的な要素があるんですから。もしこういう組合立の処理場でこういうことが次々起こる、しかも一廃で起こるということになれば、民間業者がやっているところではもっと起こっているんではないかという心配をするわけですけれども、その点は先ほどからの御答弁を聞きましても、そういう事故がどれぐらい起こっているかというのはよくわかっていないというお話でございましたね。これは放置できないのではないかと思いますが、対応をどうお考えになりますか。
#139
○政府委員(小林康彦君) お話のように、日の出町の最終処分場は一部事務組合の形態での設置、運営でございますので、性格といたしましては市町村と同じものでございます。個々の市町村では最終処分場が求められないという状況がございまして、一部事務組合を結成し、東京都の指導を受けながら最終処分場の整備、運営を図っているケースでございます。
 構造、あるいは施設につきましてレベルの高いものでございまして、私ども今まで受けております報告から判断をいたしますと、地下水汚染の状態に至っていないというふうに判断をしておりますが、報道等もございますので、東京都を通じまして状況の把握及び組合を中心にいたしまして行われます調査等につきまして十分状況を把握し、必要な場合には指導をしたいというように考えております。
#140
○沓脱タケ子君 多くを申し上げようと思っていないんですが、民間の最終処分場で起こったというのはこれは幾らもある。しかし、東京都の御指導のもとに一部事務組合で、しかも管理型形式の一廃処理場でしょう。だから、そういう点では堅牢だ、確実だというふうにお考えになっておられたところで起こっているという点では、これはよく御調査をいただいて、他のところはどうなんだろうかということを心配をいたしますから、大して何にもなかったんだと、あるいはあったんだということであれば他の民間の一廃処理場についても放置できないのではないかと思います。その点のお考えがあれば伺っておきたいと思います。
#141
○政府委員(小林康彦君) まず、この件につきまして正確に実情がどうであるか、地下水汚染の懸念があるかないか、そうした実際の状況を正確に把握することが第一というふうに私考えております。その結果、一般的に注意を喚起するあるいは指導を強化する必要がありますような要件がございましたら、これを契機に指導の強化に乗り出したい。現状といたしましては、まだどういう状況であるか、果たして地下水汚染があったのかなかったのか、その辺の事実関係の究明、整理がまず第一というふうに考えております。
#142
○沓脱タケ子君 それじゃ、本題に入りますが、本法案に絡む問題ですが、産業廃棄物の事業者の責任というのは明らかに法律で明記されておりまして、排出責任者は適正な処理をみずから責任を持って行うということが大前提であるということは明らかであります。
 今回の特定施設の整備では、一定の公的関与をしてモデル的な施設をつくるんだということが前回もいろいろと御開陳があったわけでございますが、一方では、どんどん激増する産業廃棄物の量からいたしますと、私、この前お聞きをいたしましたら、全体の産廃物質の全量から特定施設がカバーできるのはせいぜい一割程度だというお答えでございました。そうなってまいりますと、残りの九割というのは従来どおり民間の施設で対応されざるを得ないということになるわけですね。
 そういう点では、時間が非常に短いですから、私まとめてお聞きをしたいと思っているんですが、一方では民間も含めて処理場が大変逼迫をしている。だから、また勢い、当然の成り行きだと思いますが、不法投棄が続いていく。
 不法投棄の状況というのは、警察庁の資料によりますと平成元年から二年までの間に重量ベースで二倍以上ふえているという、こういう激増ぶりでありました。そういう点で、国民の廃棄物に対する印象というのは不法投棄を通じて非常に不信感を持っていると思いますので、その辺について少しお聞きをしておきたいと思うんです。
 例えば、これは前回も私最後に申し上げましたが、香川県豊島の例ですね、昨年九月の廃掃法の改正のときにお聞きいたしまして御指摘を申し上げました。そのときに部長はこういうふうにお答えになっておられる。もう一遍言いますわね。「関係者の協議の場を設けましたり、指導を強化することによりまして、極力迅速に原状回復が行われるように努力しているところでございます。」と。
 それは九月二十四日のことでございますが、今どういうふうになっているか、御承知でございましたらちょっと簡潔に御報告をいただきたい。
#143
○政府委員(小林康彦君) 香川県豊島の件でございますが、厚生省も協議の場所の設定等に力を入れまして、関係県の打ち合わせ、事務の分担等を図ってきたところでございます。そういたしまして、排出企業あるいは途中の中間処理業等処理の体制が組めますところにつきましては処理の体制を組み、協力、問題解決に努めてきたところでございますが、残念ながら現在の時点で全体につきましての解決の方策がまとまり切ったという状況ではございません。引き続き関係者との協議を通じながら問題解決の道を香川県を中心に探っているという段階でございます。
#144
○沓脱タケ子君 それで、現場の報告等を聞きますと、私も現場へ行ってきたのでよく存じておりますが、一番量の多かったシュレッダーダスト、依然として十七万トンがそのままだと。それから製紙汚泥は、県の御意見では一万トンだとおっしゃっておりますが、三万トンだという意見もある、現場では十万トンもあるんではないかというふうに言われておりまして、製紙汚泥からはダイオキシンの浸出する心配もあるのではないか、検査を県に要請するというふうな意見も出るなどということが今なお続いております。
 そこで、なぜ原状回復が簡単に進まないのかということなんです。これは兵庫県警が摘発をしていろいろやられたようですけれども、立件ができなかった。排出業者に対する法的責任も問えなかったといういろんな状況がありまして、県が県議会でどう言っているかというと、非常に厳しい状況でございます、そういうことで全面撤去に関しては法的責任が問えないとするならば事業場内で現状でどうするかという問題があり、私どもの解釈としては、法的な枠内では一応豊島問題についてはこれ以上追及できないのではないかと思っておると。だからしたがって、これはもう原状回復のしょうがないので、どういうことを言っているかというと、その十七万トンや製紙汚泥を封じ込めるかあるいは現場で焼却するかということを考えて、焼却するというのなら焼却施設をつくって、いっそのこと西日本のシュレッグーダストを全部持ってくるような新たな施設をつくったらどつかなどということを言うたということをこれは県ではお認めになっています。現場の島の方々は、原状回復をとにかくやってほしい、撤去してほしいというのが最大の要望であって、ごみの山をつくられてそこへまたごみの処理場を持ってこようかなんというのは、これは巨町民の感情逆なでもいいところなんで、何としても原状回復をやってほしいということを強く要請をしているようであります。
 なぜこれがうまく進まないのかということについてはどういう御見解でございましょうか。
#145
○政府委員(小林康彦君) 原状回復につきましての第一の責任は、その原因をつくった者でございます。さらに、委託業者に委託をいたしまして処理をさせました場合、適切な委託でない場合には排出事業者にもその責任を問うことができる、こういう制度でございます。
 現在のところ、その責任を、全体の処理を行いますのに必要な経費、これを負担するだけの状況にないというところが一番の原因であろうと思っております。そのため、処理費用の負担をどうするかという点も含めまして引き続き香川県を中心に検討が続けられているところでございます。
#146
○沓脱タケ子君 結局そうなんですね。排出者は三社やそうですけれども、二社は法的に責任ないんだから知らぬと、一社は少々の金は出すけれども大して間に合うほどの金は出せないと言っているわけでしょう。それで豊島観光の立件された御本人は、これはもう金もないし、どうにもようしない。そうしたら、もうやり得やられ損というままで原状回復ができないという結果になる。
 私はこういうことがなぜ起こるか、そして原状回復をどうするかということを本気で考えないと、新しい特定施設はどんどんきれいなのをつくりますと言われても、国民はなかなか信頼できないということになると思うんです。
 これは、一つは排出責任者が本当に責任を負えるように、今度の廃掃法では負えるんですな、きちんと。もう一つは、同僚委員からも大分言われましたけれども、マニフェスト制度が、特定物質だけではなしに産廃についてはどこの業者がどの手を通じてどこへ持ってきたかということがきちんとわかる制度が確立をされるということが非常に大事ではないかと思うんです。その点についてはどういうふうにお考えですか。
#147
○政府委員(小林康彦君) マニフェストにつきましては、改正廃棄物処理法におきまして特別管理産業廃棄物に適用することとなっておりますが、その他の産業廃棄物につきましても行政指導によります普及、定着を図りまして、その状況を見ながらマニフェストの対象につきましては検討をしていきたいというふうに考えております。
#148
○沓脱タケ子君 それで、事業者の責任というのは、排出者の責任でということになるんですが、そうじゃないんですか。その辺のところがどうもちょっとよくわからない。
 金がないから原状回復できないんだというんですね。シュレッダーダストといったら、御承知のように自動車のボディーが中心でしょう。自動車のダストですよね。それが金がないから原状回復できないと言うんだけれども、そうすると、法律に明記されております事業者というのはだれを指すんですか。
#149
○政府委員(小林康彦君) 廃棄物の処理の形態、段階によりまして事業者がだれに当たるかというのは判断されるものというふうに考えております。自動車を解体し、シュレッダーするという処理を考えますと、まず第一は、その解体をいたします者がそこから出ます廃棄物につきましても責任を持って処理をする、これが第一の考えというふうに考えます。
#150
○沓脱タケ子君 私は、排出者あるいは事業者といえば、自動車なら自動車の製造者かと思っていて、これは私の誤解でありましたけれども、自動車を解体してそしてシュレッダーダストを出した業者がここで言っている事業者なんですね。
 だから、そういうシュレッダー屋というのはどんなことになっておるのかということなんですが、京都の八幡市にありますもぎとりセンターという有名な自動車の解体の広大な地域があるんですが、たくさんの会社がありますが、私、その実態を見て驚いたんです。それはもうあらゆる自動車がありますし、部品はありますし、型式が古くてないようになった部品でもそこへ行ったら大体手に入る。それを全部もぎ取って、そして後はシュレッダーにかけて、シュレッダーダストをつくっているわけです。
 そこの社長がこう言っていました。こんなことをやられたんじゃたまらない。その一つは、うまいことを言うたと思ったんですが、つくりっ放し、使いっ放し、捨てっ放したと、そして後始未を私どもにこうして押しつけられていてたまらない。そしてアメリカのくず鉄が下がったからということで鉄がどんどん値段が下がる。これではなかなか責任を持ち切れないんだということを言っておりました。これはそのとおりだと思いました。
 この辺については、原状回復をそういうシュレッダー屋さんに排出者だということでやらせるということだったら、何億、何十億とかかる原状回復のための経費というようなものはできないのではないかと思いますけれども、その辺はどう考えているんですか。
#151
○政府委員(小林康彦君) 自動車の解体につきましては、解体をし、そこから有用物を取り出し、不要の部分を廃棄物として処分する、これは一つの事業でございます。したがいまして、解体業につきましても、適切な廃棄物処理をする責務を負いながらの事業というように考えております。
 ただし、最近の部品の構成の変化あるいは鉄くずの市況の低落等によりまして、かつてはどんな廃車でございましても買い取って解体をしても採算に合うという状況もあったわけでございますが、最近はその状況が崩れまして処理料金をもらわないと業として成立をしない、こういう状況に一部なっております。こうした点もございまして、路上での放置自動車もふえるという状況になっておりますので、路上に放置をされました自動車につきましては、市町村がそれに関与して処理をいたします場合には、自動車メー力一がしかるべき寄附をすることによって費用を負担するという制度も動き始めたところでございます。
 しかしながら、事業といたしましては、それぞれの事業の場面場面で廃棄物の処理も的確に行っていく、これが廃棄物処理の上では原則というように考えております。
#152
○沓脱タケ子君 私は豊島の問題については、これだけ全国で有名になっておりますから、住民の要求に基づく原状回復ということについては強力な指導を行って、ぜひ実現をしてもらいたいと思います。これをまずお聞きをしたいんですが、どうですか、簡潔に。後で大臣にまとめてちょっと聞きますから。
#153
○政府委員(小林康彦君) 私どもといたしましても、香川県の検討を中心にいたしまして、この問題の解決に力を入れていきたいと思っております。
#154
○沓脱タケ子君 時間がもう迫ってまいりましたので、通産省もおいでをいただいていたんですが、通産省にお聞きできないかとますけれども、私は厚生省の廃掃法あるいは今度の特定施設でも、今の日本の国における生活の中の後始末だけやっているわけですね。後始末をやるためには流れの根元をきちんとしてもらうということをもっと積極的にやらないと、とにかく流れてくるのをどうしようかと、少しでも減らしてもらいたい、いや何とか辛抱してもらいたいというようなことでは間に合わないんじゃないかと思うんです。
 というのは、解体屋の社長が言うたつくりっ放したと、つくる方は最後の捨てっ放しになったものについての責任を負わない。こういう状態というのがだめだということでリサイクル法も昨年成立をしているわけですけれども、我が国は資源の乏しい国で外国からどんどん輸入をしないと資源がないわけですから、そういう資源の有効利用ができるように、自動車にしても家電にしてもすべての物質にしてもそういうことが必要であろうと思うんです。
 私、路上の放置自動車の問題だとか、あるいはモデルチェンジなんかももう本当に早いんです。これはお聞きして御意見を聞こうと思いましたけれども時間がありませんからやめますが、何しろテレビでもVTRでも掃除機でも通産省が御調査になったのを見てみたら大体一年未満でモデルチェンジをしているんですよね。洗濯機でも一年半という状態。モデルチェンジしたら利用者にとってはまた型が占うなったということになる。あんまり古くなると部品はなくなるということで、部品がなくなったら廃棄物になるんですよ。御指導は通産省に積極的な対応をお願いしたいと思うんですけれども、きょうお聞きする時間がありません。
 厚生大臣、産廃にしても一廃にしてもそうなんですが、根元からどういうふうにして減らしていくかという点について、先ほどもお答えになっておられましたけれども、企業が自分の責任で最終処分まで考えて再利用あるいは研究開発、そういったものをもっと積極的にやってもらわなかったら、埋め立てる場所を探したり、少々周りに緑をつくって格好つけてみたって、この狭い日本はごみの山になってしまうと思うんですよ。
 その辺のところを、各省の共管にもなっておるようでございますけれども、何といっても厚生大臣が主管大臣でございますから、通産省などに積極的に働きかけて、そういうごみの根元を、製造、販売の段階からきちんと減らしていく、減らすことのできる体制、これを強力にやっていただく以外に道はないのではないかと思いますが、御決意をお伺いしておきたいと思います。
#155
○国務大臣(山下徳夫君) すべて物は最後は廃棄物になると思うんです。例えば変な例ですけれども、人間にしたってそうですよ。私は運輸大臣をやりまして、救急車が来て、息が切れていると救急車が帰って霊柩車が来る。霊柩車はトラック協会なんです。あれは貨物自動車として扱っておるということでございますから。人間ですらそうですから、したがって物はすべてごみになる。
 こういう判断に立つならば、まずそれをつくった人の責任であることは当然でありますから、廃棄物になったらどうしようかということよりも、今申し上げたように、つくるときの責任をもっと明記し、強く打ち出さなければならぬと私は思う。
 さっき車の話がありましたが、横浜市において路上に放置された廃車を調査したら千三百何十台あったということでございまして、自動車が置き去りにされているのを一体そこまで厚生省がやるのかねと、実は私も首をかしげたんでございますが、現行制度ではそうなっているということでございますから、私は通産省とよく協議しながら、すべてはごみになるんだから、まず最初にそれをきちんとすべきである、そういう考え方に立って物をこれからつくり売るという体制をつくるべきだと思うんです。
#156
○沓脱タケ子君 終わります。
#157
○委員長(田渕勲二君) 本案に対する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十五分まで休憩いたします。
   午後零時十五分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十六分開会
#158
○委員長(田渕勲二君) ただいまから厚生委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#159
○粟森喬君 まず最初に、厚生省並びに厚生大臣に見解をお尋ねしたいと思います。
 一つは、今度の法律で財団ができることになったわけでございますが、この財団に民間の拠出分としてたしか八十億ですか、金額が明示されています。そこでお尋ねをしたいんですが、私が見た一つの雑誌でございますが、厚生省が財界に対してこの八十億円の出資を経団連と交渉したという記事を見ました。
 私は二つの意味で問題があると思います。一つは、法律がまだ通ってないにもかかわらず、そういう交渉というのが果たしてあっていいのかどうかというのが一つ。二つ目に、そもそもこの種の基金というのはどういう基準で拠出をしていただくかということについて全く明確じゃない。それにもかからわず、仮に経団連七その種の交渉をしたとしたら、これはいかなる法や論理に基づいてやられたのか、このことについて、あったのかどうかを含めて、まずお尋ねしたいと思います。
#160
○政府委員(小林康彦君) この法律の中にございます産業廃棄物処理事業振興財団に対します拠出でございまして、法律は審議をいただいておるところでございますが、国といたしましてはこの助成のための予算措置もしておりますし、地方公共団体においても準備をしておりますので、内々の説明及び法律が通りました後、ぜひ協力、参画をいただきたいということで、経団連に対しまして現在提出をさせていただいております法案の内容及びその後の進め方について説明をしておるところでございます。
#161
○粟森喬君 いつといつ、だれとだれがやったのか明らかにしてください。
#162
○政府委員(小林康彦君) 日にちは、何回かやっておりますが、私どもの方は私、部長、課長、室長、そのレベルで説明をしておるところでございます。
#163
○粟森喬君 相手。
#164
○政府委員(小林康彦君) 相手は、経団連の事務局及び経団連の中に廃棄物のための部会が設けられておりますので、その部会長初め部会のメンバーの方々でございます。
#165
○粟森喬君 経団連の責任者はどなたですか。
#166
○政府委員(小林康彦君) 本件の責任者ということではなくて、経団連としての意思決定なり判断をされるということになりますと会長であろうと存じますが、私ども、会長ということでなくて、事務局及び廃棄物専門の部会に説明をさせていただいているところでございます。
#167
○粟森喬君 私は、折衝をしたときの相手の責任者の名前を教えてくださいと、こう言っているんです。
#168
○政府委員(小林康彦君) 事務局としては、内田常務理事でございます。
#169
○粟森喬君 何回かやられたということでございますが、まず私は、法律も決まってないのにその種の財界との折衝があっていいのかどうか、これは重大な問題だと思います。少なくとも皆さんが法に基づいて忠実に行政をやるのは結構だが、まだ決まってないのに、今、部長も含めまして、相手も常務理事だと、それぞれの実質的な決定権を持った方々が法律も決まらないのにそういうことを折衝して果たしてよろしいものなのかどうか。このことは私は法の精神、行政のあり方から見たら問題があるのじゃないかというふうに思いますが、このことは部長と大臣から見解を求めたいと思います。
#170
○国務大臣(山下徳夫君) ただいまのお話はごもっともでございますが、ただ、こういうものはやれば早急になるだけ早くやらなきゃならぬという気持ちを我々はもちろん持っております。したがいまして、御指摘のとおり、通りもしないものを先約束は何だということでございますが、これはあくまで、もしこの法律が通過したら御協力願いたいと、こういう立場で現地に出向いて御相談をしたことだと思っております。
#171
○政府委員(小林康彦君) 補足的に申し上げますと、この法律では振興財団の指定の規定でございまして、財団の設立そのものは民法によります設立ということでございまして、この法律において設立されるという行為ではございません。そういうこともございまして、法律の御審議と並行しながら今後の進め方につきまして協議をしますことは、私ども許容される範囲というふうに判断をして説明をさせていただいてきたところでございます。
#172
○粟森喬君 民法の規定だと言われますが、じゃ今度の法律が通らなくてもこの財団法人はつくられたりつくったりできたのですか。そしてまたこういう拠出をやることが、今言われたように、民法上の別の規定で任意にできるんだからこの法律は関係ないという見解でやられたんですか。
#173
○政府委員(小林康彦君) 形式上は民法により設立することができるわけでございますが、その設立の流れといいましょうか、ねらいはこの法律の指定を受けてという流れの中での設立てございますので、設立とこの法律とは密接な関係がございます。
 ただ、内容的にいろいろ準備をいたします点につきましては、国の予算もそうでございますが、法律の内容をある程度予想しながら内々の準備を進める、相談を進めるということは、この問題が非常に緊急を要しているという点もございまして、その手順を並行しながら進めてきたというところでございます。
#174
○粟森喬君 私は今の説明を聞いてどうしても納得できないのです。というのは、その種のことについては、法律が決まってからやるのは当然必要ならしなきゃならないと思います。
 それからもう一つは、集め方の問題も含めまして基準が明確にならないのに、この種のことで少なくとも責任者たる部長と相手の方と会ってそういうやりとりをするということが、特に行政と財界のあり方だとか、お互いにそれぞれのあり方が今問題にされておるときに、皆さんがそういうふうに正当化するんでしたら問題ですよ。私はこういうことは基本的には適切じゃないという立場で答弁をきっちりしていただかなければならないと思いますので、そこを大臣を含めて見解をいただきたいと思います。
#175
○国務大臣(山下徳夫君) 先ほど申し上げましたように、おっしゃる趣旨はよくわかるんでございますが、産業廃棄物というのは企業の責任でございます。したがいまして、企業の総元締めは経団連でございますから、まずこの法律が通ったならばそういう意味において代表である経団連でお願いしたいという趣旨であったろうかと思いますので、どうぞひとつ御了解いただきたいと思います。
#176
○粟森喬君 大臣、今言われたのと大分ニュアンスが違うと思います。何回か会って具体的な詰めをやっておるわけです。まさに言われるように、産業廃棄物は事業者責任だし財界の責任者は経団連だと言うけれども、経団連というのを政府が一つ一の交渉団体として指定したのなら別ですよ。少なくとも任意に割り当てる、経団連というのは私は任意団体だと思っています。そういうところとの交渉を了解をしてくれということでは私は納得できません。少なくともこういうやり方は適当じゃないという立場で、そこは見解をいただきたい、こういうふうに思います。
#177
○政府委員(小林康彦君) 私ども、経団連に対して説明をしておりますのは、国でとりました予算措置及び法案の内容、予想されます制度の枠組み、こういう点でございまして、お話のございました割り振り等につきましては経団連が中心になっての検討ということで、私どもまだその検討に加わっている状況ではないという段階でございます。
#178
○粟森喬君 中身を聞けば聞くほどわからないというのは、少なくとも産業廃棄物が事業者責任だというなら、どういう立場で、どういう人に、どのくらいの割合で、どうもらうかということが行政的見解も明確にされなきゃならぬ。経済界ということで経団連にどんぶりでぼんという、果たしてそれが本当に適当なのかどうか。といいますのは、比較的多く出す部分と出さない部分と、そういう基準があって、それぞれ私の知っている限りじゃ産業廃棄物のための業界も幾つかございます。そういうところも含めていろんな関係調整をどうやってやるかということについて、行政と業界の関係がそんな不透明なままでこの問題が処理されるというのは私は適当ではないと思う。
 さらに答弁を求めます。
#179
○政府委員(小林康彦君) 関係する業界、いろいろのものがございますが、私どもといたしましては経団連が中心になって検討していただくのが適当であろう、こういうことで全体の枠組みの説明をまず経団連にさせていただいている、こういう段階でございます。
#180
○粟森喬君 大臣。
#181
○国務大臣(山下徳夫君) 先ほどからるる御答弁申し上げたんでございますが、とにかく早く通して早く実施に移したいというひたむきな純情な気持ちでやっているんでございますから、どうかその点はひとつ善意に御解釈を願いたいと思いますが。
#182
○粟森喬君 お互いに守るべき原則というのははっきりしていると思います。
 法ができてないまだ国会で審議している。それで、そういうことについてそういう発言を是認しろというのは、国会の審議を何だと思っているんですか。通さなくてもよろしいんですか。じゃ、私どもはそういうことについて、皆さんが準備だといっていろんなこと宣言いながら基準も明確にしないことについてやるのは、それは国会軽視と違いますか。もう一度お尋ねします。
#183
○国務大臣(山下徳夫君) ただいまの件は、今申し上げたように、これはまだ審議中で通っておりませんから、もしも国会を通過して実施の段階になったときにはお願いしますという前提でお願いしたと思いますから、その点は誤解のないように。
#184
○粟森喬君 私は、厚生大臣の認識と部長が現実にやっていることとは大分答弁聞いておったらニュアンスが違うと思います。こういう法案を用意して準備しているから、これから財界にお願いしますという一通りのごあいさつというのも、これも適当な度があるけれども、そんな程度の話ではないと思う。数回にわたって相手の責任者と部長が会って、そのことについて論議をしているということは、私はやり方として、法律といいますか、国会の審議のあり方との間でこういうやり方を十分注意をしてやってもらいたい。そういう意味で言っておるんですが、何となく理解願いたいと言うだけではちょっと認識違うので、そこはもう一遍ぴちっと整理してください。
#185
○国務大臣(山下徳夫君) 先ほどから申し上げるように、御趣旨はごもっともでございます。若干そういう面においては配慮が足りなかった面があるかもしれませんが、気持ちはひとつどうか御理解いただきたい。
 今後こういう点は十分注意してまた運んでいかなきゃならぬと思います。
#186
○粟森喬君 気持ちの部分というか、今、大臣が直接衝に当たっている段階ではございませんから、それは部長に対しても十分、法律以前にそういうお金にかかわる問題や業界との意見調整というのは、こういう格好で論議があり、いろんな問題があるときにはやってほしくないという希望を申し上げて、具体的な中身に入ります。
 今のこととも関係をするんですが、今度の財団の性格にもかかわるんですが、民間拠出というのは、どういう基準で、何を物差しにして、どの業界に、どの程度の拠出を、これはあくまでも私は任意だというふうに理解しています。任意だとしても一定の見解というものをきちんと示さなかったら、本当は適当じゃないと思っております。産業廃棄物は排出者責任といいますか、間接的には製造者責任も含めてあるわけでございますから、それぞれの人たちに対してその種の負担の原則みたいなものがある程度明確じゃないというやり方は、これからの産業廃棄物に対する基本的な原則や、いわゆるPPPといわれる原則を含めまして、あいまいにしてしまうんではないか、こういう気がいたします。したがって、今後のこの基金なり、先ほどから同僚議員から最終処理にかかわる費用負担の問題について出ているんですが、この種のことについて政令やその他でどういうふうに具体的に基準なりガイドラインをつくっていくのか、その辺の見解をお尋ねしたいと思います。
#187
○政府委員(小林康彦君) 振興財団の基金につきましては、総額百二十ないし百三十億円を予定しておりまして、その内訳といたしましては、国及び地方公共団体で四十億円、民間から八十ないし九十億円という予定といいますか、見込みを立てておるところでございます。
 この財団の設立はこの法律に基づくというものではございませんので、国がその割り当てにつきまして、この業界に幾ら、この業界に幾らというふうな、国として金額を示して協力を求めるというよりは、産業界が話し合いによりまして拠出の具体的な内容をまず御検討いただくのが適当ではないか、こういうように考えまして、現在経団連が中心になりまして拠出金の具体的な割り振りについての検討に入っている状況でございますので、その結果を待って厚生省としての努力をしたいというふうに思っております。
 産業界におきましては、産業廃棄物の排出量あるいは委託処理量などの要素を勘案して検討が進められているというように聞いておりますが、まだ内容的にこういうことでという案をいただいている段階ではございません。
#188
○粟森喬君 今後この問題については、一定程度の経過が煮詰まった段階でさらにお尋ねをしたいと思いますが、私はいろんな問題を現実に内包していると思います。
 債務保証をするために、民間業者なら民間業者が特定施設をつくるときに債務保証をしてもらう。ところが、処理の仕方に問題があったり、倒産をする。そういう問題になったら、債務保証をしていたら当然それを払わなければいけませんね。倒産をするような状況のときは、おおむねさまざまな懸念があるように処理が適当でないというケースは幾つか出ておる。そうすると、そういうものを含めて、総体的に結果として最終責任はそこが負う。したがって、その負い方について国や地方公共団体もかかわっていたら、当然それが分散して、またしてしまう。逆のそういう立場から考えるとかなり問題があるだけに、私はお金の負担の仕方の中で、単に民間業者が利益を得るだけではなく、将来のそういう起こり得るさまざまな懸念に対してもちゃんと対応できるような、政府なり地方公共団体の指導が絶対に必要だと思いますので、念を押してそこは申し上げておきます。
 ほかの質問に時間の関係もありますので移ります。
 次に、今度の法律の中で産業廃棄物は広域処理、つまり国内で言えば、私どもの理解で言うと生産や消費と関係なく、そういう産業廃棄物の施設を提供してもよいという地域に対して都道府県を越えてそれが運ばれることになります。本来、一般生活廃棄物というのは、東京の例が象徴的に言われるように、自分のところのごみは自分のところで処理をするということで区内処理も含めてけんけんごうごうやっておった。産業廃棄物は、これは一般の廃棄物と違うから広域処理をしてもいいんだという前提でやったら、私は生産なり消費が多いところ、いわゆる首都圏ですね。それからそうじゃない地方都市、過疎と言われているところです。ごみだけむしろそっちがふえていって、一極集中なり人口の集中するということについて一定の社会構造上の問題もある。
 そのときに、産業廃棄物と言われるごみが特定のところに集中するようなことを何らかの格好で都道府県調整というのを将来やっていかなかったら、私は今四カ所という話を聞いて、例えば岩手県なら岩手県という一つの例がございます。私は岩手県のどこが場所になっているかは承知していません。しかし、恐らく今後考えられるのは、この制度がつくられることによってそういうことが起きる懸念、このことに対して一定の調整機能なりあり方について考えていかないといけないという次の問題を私は持っていると思いますが、このことについてまず部長の見解をお尋ねしたいと思います。
#189
○政府委員(小林康彦君) 廃棄物は、その排出をしました場所あるいはその周辺で処理することが望ましいことか多いわけでございますが、産業廃棄物のように生産活動に伴って生じます廃棄物は、量が多いということ、その生産しております地帯、地域の土地利用が非常に進んでおるということで、物理的に近隣で確保ができないというのも現実でございます。
 そのため、広域的な移動、広域的な処理につきましても、これはやむを得ない、それに対しまして廃棄物処理の上で支障が生じないよう、また処理施設の設置場所での理解と協力が得られるような形で施設整備を進めていきますことが、生活環境の保全及び経済活動の上でも必要であると、こういう認識を持ちまして、なるべく地域的にバランスのとれた形を考えながら、全国的に処理施設の整備の促進に努め、産業廃棄物の適正な処理を推進していくことが、産業廃棄物の行政の上で重要なことと考えておるところでございます。
#190
○粟森喬君 東京で生産なり消費されたものが東京で処理できるということが現状じゃないことはわかっている。しかし、全く都道府県の垣根なしに一つのビジネスとして成立すれば、どこでも持っていってもいいということを全く自由に認めるというのは、それぞれの地域社会における問題を考えたときに、果たしてそれで適当なのだろうかどうか。これは大きな次の社会問題になることは必然的に目に見えていると思います。
 したがって、今後都道府県間調整というのを何らかの格好でやっていくということも必要なんではないか、こういう立場でお尋ねをしているつもりでございます。大臣、この部分いかがですか。
#191
○国務大臣(山下徳夫君) 私もごみの処理については余り今まで知識も見識もございませんでしたが、ただ、佐賀県で一つの問題が起きたときに、山を持っていて、自分の山の所有地の谷間を埋めて上にゴルフ場か何かつくりたい、持ってこい持ってこい、じゃおれが持っていくよというわけで、お互いに民間同士の話し合いならば、その所有権その他について憲法で保障されたことでございますから、そこに地方行政の入り込む余地がないと、最初はそう簡単に考えておりました。
 しかし、もちろん、公害的に汚水か流れるとか悪臭がするとか、いろんな問題が起これは、当然それは規制すべきでありますが、基本的にはそう考えておりましたから、私は当初これを知事の認可ではなくて届け出としたのを、原則これは認可と申しますか、原則的にはこれは認める、そういう方針のもとで行われるべきであったし、それは私は適当だと思っておりました。
 しかし、今お話がございましたように、それではいけないよというような問題がだんだん起きてきまして、きょう午前中に竹村委員もおっしゃったように、処分地の確保が非常に難しいという表現でおっしゃいました。まさに今日がそのとおりでございまして、当初私が認識していたのと随分違って、えらいこれは難しい簡題だなと思っております。さらに聞くところにょりますと、北朝鮮から、一部灰にしたものならばよろしいとかいろんな、これが国際的な問題にまで発展するとは考えておりませんでした。
 したがって、私は、今御指摘のように、今後はただそういうことではなくて、おれと相手の間に合意し、公害がなければいいやという問題ではなくて、さらに進んで何らかの調整その他がこれから先のある段階においては行われてもいいかなという感じがいたしております。
#192
○粟森喬君 そういう前提で企業同士が話がついたり業者同士が話がついたらいいというだけでなく、地方公共団体と国のかかわり方をこれからも検討していただいて、次の社会問題とならないよつにぜひともやっていただきたいと思います。そこで、ここはお願いをしたいわけですが、一赦廃棄物のときにも申し上げたように、どのぐらいのごみが、どういう種類で、どう出たかという調査、情報のとり方の問題でございます。先ほどもアスベストの話を竹村委員がされたように、情報のとり方の分類点、分岐点というのは非常にとりにくいというのがわかりますが、問題のあるところをちゃんと摘出して、今後の処理がそこで的確に迅速にやれるようにしておかないと、いろんな問題が現実に起きているわけですから、今後この法施行以降、そういう情報掌握、調査の仕方などについてより厳密なものをするという立場でお考えかどうか、この辺の政府の見解をお尋ねして、私の質問は終わります。
#193
○政府委員(小林康彦君) 産業廃棄物の排出量が増大をいたしまして、質も多様化する一方でその排出経路も複雑化しておりますことから、産業廃棄物に関します情報の整理、管理といいますものは今後の廃棄物行政を推進する上で重要なものと、先生御指摘のとおり私ども認識をしておるところでございます。
 昨年十月の廃棄物処理法の改正におきましてもこの点での規定が入ったところでございますし、マニフェストというような個々の物の動きにつきましての制度及び最終処分場の台帳の調製等、情報管理に関します規定が導入されたところでございますので、これらの制度を適切に運用するとともに、従来五年に一回というような頻度の実態調査でございましたものを、さらに調査期間を短縮するなど経常的な情報管理にも力を入れ、さらに産業廃棄物に関します情報ができる限り体系的に収集整理及び活用されますようなシステムについても検討を進めてまいり、この産業廃棄物の行政の基盤的な部分といたしましての情報管理システムを整備するために力を入れていきたいと考えております。
#194
○勝木健司君 現在、産業廃棄物の最終処分場の確保というのが極めて困難になっておるということでありまして、民間のある処分業者の例では、計画立案から二年間で地権者や周辺住民の九割の同意を得られたけれども、残りの説得に苦労して全員の同意の取りつけには八年間かかったという事例もあるわけでありますが、このように最終処分場の確保が大変厳しくなっておる。難しくなった原因を厚生省はどこにあるのか、どう分析されておるのか、まずお伺いしたいというふうに思います。
#195
○政府委員(小林康彦君) 最終処分場の確保が困難となっております原因といたしましては、産業廃棄物が昭和六十年度に全国で三億一千二百万トン排出されておりますが、近年さらに排出量が増大しておりますことに伴い、最終処分を必要とする量も増大しております。
 一方、全国的に土地利用や開発が進みまして、最終処分場として使用可能な空間が減少しておりますこと、さらに不法投棄や施設の管理に対する懸念から周辺住民の理解を得ることが困難になってきていること、また産業廃棄物処理業者の信用力、資本力の不足にょりまして施設整備が進まないこと、このような点が原因として挙げられるのではないかというふうに見ております。
#196
○勝木健司君 産業廃棄物の処理施設の整備については、従来から排出事業者処理責任の原則のもとに民間事業者が主体となって行ってきたわけでありますけれども、政策的融資を初め公共の支援方策が十分でないこともこの整備が進まない大きな原因の一つであるというふうに言われておるわけであります。これを踏まえて、本法案に関連して新たに各種の財政上あるいは税制上の優遇措置が講じられるようでありますが、さらに公共事業として産業廃棄物の処理施設を整備するなど、抜本的に対策を進めていかなければなかなか間に合わないのじゃないかというふうに思うわけでありますが、見解をお伺いしたいというふうに思います。
#197
○政府委員(小林康彦君) 産業廃棄物につきましては、排出事業者がみずから、または適正な処理費用を負担いたしまして産業廃棄物処理業者に委託して処理することとされておりますことから、公共事業として産業廃棄物処理施設の整備をいたし、実質的に国が処理費用の一部を負担することは適当でないというふうに考えております。そのため、この法律で御指摘のございましたような公共によります支援措置を講じ、排出者処理責任を貫きながら施設整備を進める方策を御提案しているところでございます。
#198
○勝木健司君 特定の周辺整備地区の指定によって周辺公共施設整備が図られることになるわけでありますけれども、これらの施設の整備につきましては、単なる予算配分上の配慮規定だけでは不十分じゃないかというふうに思います。財源的に行き詰まる場合も考えられるんじゃないかということで、例えば電源開発交付金のような強力な支援措置を考えるべきではないかというふうに思いますが、お願いしたいというふうに思います。
#199
○政府委員(小林康彦君) 周辺公共施設の整備につきましては、関連いたします事業につきまして、国庫補助事業についての予算配分上の配慮、地方単独事業につきましての地方財政措置、周辺整備基金の設置によります地方公共団体の負担軽減策等をお話ございましたように講じたところでございます。
 電源開発交付金のような支援措置を講じたらどうかとの御意見でございますが、民間処理業者が整備をいたします産業廃棄物処理施設の場合に、独占的な公益事業でございます電気事業が、電源開発施設を整備する場合における税及びこれを財源とする交付金制度と同じような制度を設けることができるか否かは、十分検討を要する幾つかの課題を残しておるテーマであろうというふうに考えております。
#200
○勝木健司君 この法案は主務大臣として多数の省庁がかかわっておることでありますので、特に特定施設の認定手続が煩雑となったりあるいは認定に時間を要することが、そういうおそれがあるんじゃないかということと、そしてまた認定の責任の所在というのもあいまいになるんじゃないかということも考えられるわけでありますので、これらのことを防止するために厚生省が主管省として他の省庁を取りまとめていく、そして認定を行うようにすべきであるというふうに思います。他省庁との関与あるいは連携体制をどのように整理をしていかれるのか、お伺いをしたいというふうに思います。
#201
○政府委員(小林康彦君) 厚生省といたしましては、関係省庁との連絡を密にいたしまして、協力体制を確立しつつ各省庁の中心となって調整を行い、特定施設の整備が円滑に行われるよう、先生の御意見を踏まえて努力をしていきたいと考えております。
#202
○勝木健司君 産業廃棄物の処理施設については、安定型の最終処分場へ木くずとかあるいは細くず、汚泥等の管理型の最終処分場へ処分されるべき産業廃棄物が混合して処分されやすい、あるいはまた廃棄物処理法などに届け出対象とはなっておらないような、そういう小規模な処理施設が数多く整備される傾向にあることなどによりまして、その設置に伴って、生活環境保全上の支障が生じやすいというふうに言われておるわけであります。これが住民の不安を募らせていく、そして産業廃棄物に対する不信感とかあるいは嫌悪感、これを増長させているというふうに思います。本法案の特定施設につきましては、この規模やあるいは設置に関する構造基準が基本指針に当然定められてしかるべきじゃないか、そしてまた、認定に当たっての生活環境保全上十分な配慮が行われるべきだというふうに思いますが、見解をお伺いいたしたいと思います。
#203
○政府委員(小林康彦君) 本法案に基づきます基本指針には、特定施設全体としての機能が効果的に発揮できる配置でありますこと、地域の円滑な産業活動の確保に資するものでありますこと、十分な公害防止用設備を備えていること等の特定施設の配置や設備に関する事項を規定することを予定してございます。
 新法の特定施設を整備いたします事業者は、このような基本指針に則して整備計画を作成し、主務大臣は、整備計画の認定に当たっては、都道府県の意見を聞きました上で、この基本指針に照らして審査することとなっております。
 なお、昨年十月の廃棄物処理法の改正におきましても、産業廃棄物処理施設につきまして、届け出制を許可制に移しましたこと、許可の際に生活環境保全上必要な条件を付すことができることとしたこと、設置者が施設周辺の生活環境の保全及び増進に配慮することなどの規制の強化を図りまして、生活環境保全上万金を期すこととしたところでございますので、この二つの法律の規定を活用いたしまして生活環境の保全に万全を期してまいりたいと考えております。
#204
○勝木健司君 リサイクルについてお伺いしたいというふうに思います。
 我が国のリサイクル循環の実態を見てみますと、産業廃棄物、また一般廃棄物合わせて、最終的には総廃棄物量の約六%程度がリサイクルされているにすぎないわけであります。
 こうした実情の中で、産業廃棄物にあっては、再資源化の進展が若干見られるものの、全体としてはまだまだ排出が依然として大量であるために、中間処理の効率向上あるいは発生の抑制及びリサイクルの推進の必要性というものが残っておるわけであります。一般廃棄物についても、その特性としての散在性あるいは粗大性、あるいはさまざまな複合材料の使用に起因する処理困難性があるために、リサイクルする上での大きなネックになり始めておるわけであります。
 このようなリサイクルに当たっての問題点について、政府はどのように認識をされておるのか、お伺いしたいというふうに思います。
#205
○国務大臣(山下徳夫君) 住民の間に、まぜればごみ、分ければ資源、こういう意識がもっともっと高まるような方策を講じていかなければならないと思います。国としては、こうした機運の高まりにこたえて、さらにしっかりと根をおろすような、そんなできる限りのことをしていく。今申し上げましたように、住民の意識の高揚がまず大事であり、それから他の施策を順次さらに拡大し、充実していかなければならぬと思っております。
#206
○勝木健司君 次に、具体的な条文についてお伺いをしたいというふうに思います。
 廃掃法の二十条の二でありますが、廃棄物再生事業者を政令で知事登録とするというふうにあるわけでありますけれども、この政令についてはいつごろ決まるのか、お伺いしたいというふうに思います。
#207
○政府委員(小林康彦君) 廃棄物処理法の改正は、昨年十月五日に公布され、その施行は「公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。」こととされておりますが、厚生省では、現在できるだけ早期の施行に向けまして、鋭意作業を進めておるところでございます。
#208
○勝木健司君 知事登録を受ける基準についてお伺いをしたいというふう。に思います。
 相当規模の機械設備を保有することを基準にすると一部言われておるわけでありますが、事実だとすれば、例えば東京都内の再生事業者の約八割は知事登録が受けられないおそれが出てくるんじゃないかというふうに思われるわけでありますが、この知事登録を受ける基準についてお伺いをしたいというふうに思います。
#209
○政府委員(小林康彦君) 廃棄物再生事業者の登録の基準につきましては、法律の中におきまして、「その事業の用に供する施設及び申請者の能力がその事業を的確に、かつ、継続して行うに足りるものとして厚生省令で定める」ということになっております。厚生省で定めます施設及び申請者の能力の基準の具体的な内容につきましては、再生事業者の実態も十分調査をしながら、現在鋭意検討を進めているところでございます。
 法律上、登録の要件といたしまして、施設及び申請者の能力が一定の基準を満たすことが必要であること、また、登録再生事業者に対して市町村が再生に関し協力を求める場合があることを想定しておりますことから、一定の施設を有しない事業者まで登録できるような基準を設定することは法律の趣旨から困難である。むしろ事業の実態をその基準に適合するような形で向上させていただく方策をとるのが、法の精神に沿うものとの理解をしております。
#210
○勝木健司君 この知事登録のある業者の具体的なメリットは一体何なのか。例えば税制上とか財政上の措置についてはどうなるのか、お伺いしたいというふうに思います。
#211
○政府委員(小林康彦君) 都道府県知事の登録を受けました再生事業者に対しましては、その事業用用地について、事業所説及び特別土地保有税が減免されることとされているところでございます。また登録再生事業者につきましては、施設及び人的能力が一定の基準を満たすものとして公的な信用が付与される、こうしたメリットもあるというふうに考えております。
#212
○勝木健司君 再資源回収事業は、近年、自治体も積極的に取り組み出しておるわけでありますが、この自治体直轄方式と再生事業者との協力方式の二つに大きく分けて分類できると思うわけでありますが、再生事業者の育成を阻害しかねない。自治体の直轄方式に果たして向かっていくのか、それとも既存の業者との協力、育成によるリサイクル事業の推進を図るべきなのか、厚生省の見解をお伺いしたいというふうに思います。
#213
○政府委員(小林康彦君) 資源ごみの回収につきましては、現在それぞれの市町村におきまして、自治体直轄方式、または再生事業者との協力方式、あるいはその組み合わせなどさまざまな取り組みが行われておるところでございます。回収を効果的に行いますためには、市町村が住民の理解と協力を得ながら、また廃棄物再生事業者の実態を勘案しながら、その地域の実情に最も適した形で実施するのが望ましいわけでございまして、一律に方式を定めることは困難というふうに考えております。
 厚生省といたしましては、ごみ減量化対策の補助金の活用等によりまして、市町村のごみ減量化や再生への多様な取り組みを積極的に支援してまいりたいと考えております。
#214
○勝木健司君 次に、今後廃棄物の減量化とかあるいは再資源化を緊急に推進したといたしましても、最終処分場の容量ゼロの日と、そういう危機が解消されるわけではないんじゃないかというふうに思います。
 そうなりますと、この最終処分場をあるゆる努力をして建設を進めていくのか、あるいは廃棄物の海外への持ち出しという問題も起こってくるんじゃないか。最終処分場の国内での建設が容易ではないとすると、そういった意味でのごみ輸出の問題が具体性を帯びてくるのではなかろうかと懸念されるわけであります。現時点におきますごみ輸出についての政府の考え方をお聞きしたいと思います。
#215
○政府委員(小林康彦君) 産業廃棄物の処理施設の安定した整備につきましては、なお時間を要する事柄であろうとは思いますが、日本で排出されます産業廃棄物につきましては、日本の国内で適切に処理をする、これを基本として今後の行政を進めていくべきものと考えております。廃棄物の輸出入につきまして、我が国におきます廃棄物の増大及び処理施設の不足、それらに対応いたします規制の強化等を背景といたしまして、近年廃棄物を輸出しようとする動きが強まってきておるところでございます。このような状況を踏まえまして、国際的にもバーゼル条約の動きもございますので、そうした方向に合致する形で厚生省といたしましては廃棄物の輸出入に関するルールを早急に確立することが必要であるというように考えております。
#216
○勝木健司君 前回の国会でも今国会におけるバーゼル条約の批准を約束されたわけでありますが、先ほども外務省からの答弁では鋭意ということで、鋭意の乱発をされておったわけでありますが、本当に今国会で批准できるのかどうか、バーゼル条約批准のための国内法の整備の進行状況とあわせてお聞きをしておきたいというふうに思います。
#217
○政府委員(小林康彦君) バーゼル条約を批准いたしますための国内法の整備につきましては、厚生省、通産省、環境庁の三省庁が共同して取り組んでいるところでございまして、できる限り速やかに国会に提出できるよう努力してまいりたいと考えております。
#218
○勝木健司君 この改正廃掃法では現在既に有害物として規制をされておりますカドミウムその他の健康にかかわる被害を生ずるおそれのある物質を含む廃棄物を特別管理産業廃棄物として指定するとされておるわけでありますが、そこで、この特別管理産業廃棄物の指定に当たりまして、現在の検討状況についてはどうなっておるのか、お伺いしたい。
 また、バーゼル条約の廃棄物リストに掲げられているものについては、厚生省は年次計画を策定して調査を行った上で必要なものを特別管理産業廃棄物として指定することとなっておるわけでありますが、この調査の状況についてもあわせてどうなっておるのか、結果的にどれほどの有害物質がさらに規制されることとなるのか、お伺いをしたいというふうに思います。
#219
○政府委員(小林康彦君) 特別管理産業廃棄物の指定につきましては、現在施行令の改正のための作業を行っているところでございますが、対象といたしまして、当面、現在既に有害物として規制をされておりますカドミウムその他の健康にかかわる被害を生ずるおそれのある物質を含む廃棄物、従来有害産業廃棄物としてくくられていたものでございます。これに加えまして、従来からガイドラインを作成いたしまして、適正処理を指導しております感染性医療廃棄物、飛散性アスベストを含有する廃棄物、ごれなどを指定することを検討しておるところでございます。
 バーゼル条約の廃棄物リストに掲げられております品目につきましては、順次調査を進めることとしておりまして、そのため、平成四年度予算において新たに産業廃棄物の処理基準等設定費を計上したところでございまして、今後計画的に調査を進めてまいりたいと考えております。
#220
○勝木健司君 我が国は現在のところ廃棄物の輸出は行っておらないわけでありますが、廃棄物と似たようなものの輸出はあるんじゃなかろうかというふうに思います。
 例えば、タイのバンコクの水上生活者のボートのエンジンやあるいはバッテリーは、ほとんどが日本車の中古エンジン、バッテリーであって、相当数のタイ人を初め東南アジアから購入のため来日しているとも言われておるわけであります。この中古のバッテリー等の輸出が資源再利用の一環なのか、あるいは廃棄物の輸出に当たる性格なのか、意見が分かれるところであるわけでありますが、この問題に限らず、今後廃棄物輸出は確実にクローズアップされてくると思われます。後手後手に回らないためにも、今のうちに有害な廃棄物、有害な物質については、有害廃棄物越境規制法というようなものを制定すべきであるというふうに考えるわけでありますが、見解をお伺いしたいというふうに思います。
#221
○政府委員(小林康彦君) バーゼル条約の規制の対象には、廃棄物処理法で規制をしております廃棄物のみならず、お話がございましたような再生資源として利用される各種金属スクラップなどの有価物も含まれているところでございます。このため、バーゼル条約に加入するための国内法を整備することは、御指摘のような問題の解決にも資するものと考えておるところでございます。
 厚生省といたしましては、通産省、環境庁とも緊密な連絡をとりながら、国内法の整備が速やかに行われますよう努めてまいることとしておるところでございます。
#222
○勝木健司君 最後に、財団についてお伺いをしたいというふうに思います。
 厳正なる運用が当然望まれてくるわけでありますが、債務保証に事故が生じて基金を取り崩さなければならない場合が生じることも考えられるんじゃないかということで、この振興財団をどのように安全性が高くかつ優先度の高い施設を選定していく考えなのか、一点はそういうことであります。
 もう一点は、この財団の公平性と公開性についてお伺いをしたいというふうに思います。この基金は、国と地方公共団体、そしてまた民間事業者の拠出により造成されるものでありまして、その大半を占めるのが民間事業者からの拠出分であります。そのため、産業廃棄物の適正処理の確保のためには、振興財団の業務の公平性と公開性を確保することが不可欠であると厚生省も言っておるわけでありますが、それを維持するために、具体的にどのような対策を講じていくつもりなのか、お伺いをしたいというふうに思います。
 厚生大臣の厳しい監督下に振興財団を置かれるということでありますが、ぜひ民間の採算性の論理ばかりで運営されることのないように留意をしていただきたいと考えますが、厚生大臣の見解をお伺いしたいというふうに思います。
#223
○国務大臣(山下徳夫君) 御質問の中で、公開性、公平性のことにつきましては、これは大切な問題でもございますし、また当然その方向に向かっていくべきであると思いますし、私は公開性等につきましてはそのように進めてまいりたいと思います。
#224
○政府委員(小林康彦君) 前段のお尋ねに対してお答えをいたします。
 振興財団の債務保証事業につきましては、保証を受けようとする者が借入申し込みをいたしました金融機関を通じて申請し、当該金融機関が調査意見書を振興財団に送付することとしております。これが第一のチェックの機能でございます。また、振興財団はその申請を受けまして、内部に債務保証事業の対象とするプロジェクトの選定を行います審査委員会を設置し、ここでチェックをする、このような二段階にわたって十分な審査を行い、安全性及び優先度の高い施設が遺漏なく選定されるよう配慮してまいりたいと考えております。
#225
○勝木健司君 終わります。
#226
○委員長(田渕勲二君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
    ―――――――――――――
#227
○委員長(田渕勲二君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、谷川寛三君が委員を辞任され、その補欠として狩野安君が選任されました。
    ―――――――――――――
#228
○委員長(田渕勲二君) これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#229
○委員長(田渕勲二君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、前島君から発言を求められておりますので、これを許します。前島君。
#230
○前島英三郎君 私は、ただいま可決されました産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 以下、案文を朗読いたします。
    産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備
    の促進に関する法律案に対する附帯決議
    (案)
  政府は、速やかに次の事項の実現に努力すべ
 きである。
 一、特定施設の設置に当たっては、必要に応じ
  て環境に与える影響を調査、検討し、その結
  果を特定施設の整備に反映させるよう指導し
  環境の保全に万全を期するとともに、整備計
  画の認定に当たっては、都道府県等への意見
  聴取手続きを通じて地元の意向を十分尊重す
  ること。
 二、特定施設の設置について、周辺住民の理解
  と協力が得られるよう、特定周辺整備地区に
  おける公共施設の整備について地方自治体を
  積極的に支援し、特定施設の円滑な設置が図
  られるよう努力すること。
 三、特定施設に搬入される産業廃棄物について
  は、搬入される廃棄物の内容、排出事業者等
  を明らかにして搬入管理体制を徹底させると
  ともに、特定施設周辺の環境が汚染されるこ
  とのないよう、また最終処分場の跡地管理が
  適正に実施されるよう必要な指導監督を行う
  こと。
 四、産業廃棄物処理事業振興財団については、
  事業者責任の原則に照らして、関連事業者等
  から応分の拠出を求めるとともに、産業廃棄
  物の再生業の育成に十分配慮すること。
 五、特定施設における産業廃棄物の処理費用に
  ついて、排出事業者が適正に負担するよう指
  導するとともに、特定施設の設置に伴って、
  他の産業廃棄物処理業者の経営が圧迫される
  ことのないよう配慮すること。
 六、改正廃棄物処理法及び再生資源利用促進法
  に基づく措置との連携を図りつつ、引き続き
  産業廃棄物の減量化、再生利用の推進に積極
  的に取り組む七ともに、それぞれの産業廃棄
  物に固有の事情を踏まえつつ、社会的・経済
  的に安定したリサイクルシステムの構築を図
  るなど、総合的かつ効果的な産業廃棄物対策
  が行われるよう努めること。
 七、廃棄物処理業者に対する委託基準を強化す
  るとともに、特別管理産業廃棄物以外の産業
  廃棄物についても行政指導によるマニフェス
  トの普及定着に努めるほか、改正廃棄物処理
  法附則第二条の規定を踏まえ、廃棄物が不法
  に処分された場合における適切かつ迅速な原
  状回復措置及び汚染修復措置が実施できるよ
  う、速やかに検討を進めること。その際、行政
  措置、民事上の賠償責任、費用負担等のあり
  方について幅広い見地から総合的な検討を行
  うこと。
 八、PCBを含む廃棄物の管理状況について早
  急にその実態調査を行い、所要の措置を講ず
  るよう努めること。
 右決議する。
 以上でございます。
#231
○委員長(田渕勲二君) ただいま前島君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手一
#232
○委員長(田渕勲二君) 全会一致と認めます。よって、前島君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、山下厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。山下厚生大臣。
#233
○国務大臣(山下徳夫君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして努力いたす所存でございます。
#234
○委員長(田渕勲二君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#235
○委員長(田渕勲二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#236
○委員長(田渕勲二君) 戦傷術者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#237
○浜本万三君 本日は戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する。法律案の審議でございますが、まず最初に、この法案につきまして私の考えを申し上げたいと思います。
 本法案は恩給法の恩給の引き上げ額に準じまして三・八四%引き上げることになっておりますので、本法案につきましては別に反対をするものではございません。しかしながら、まだ改善する点が多いと思いますので、今後一層ひとつ検討いただきまして改善をしていただきますように希望を申し上げておきたいと思います。
 さて本日は、我が国の戦後補償、厚生省ではあるいはまた関係省庁では戦後処理とも言われておりますが、この問題について質問をいたしたいと思います。
 最近、従軍慰安婦等いわゆる戦後処理の問題が大きな政治課題になっておることは御承知のとおりでございます。最近、我が党におきましても戦後補償対策特別委員会を設置いたしまして当面の課題について検討をしておるところでありますが、私どもの認識と政府の認識が大きく相違いたしましても問題の解決にならないと、かように存じますので、この際政府のこれらの問題に対する認識を承っておきたいと思います。
 既に関係省庁、内閣、総理府、外務、厚生、各関係省庁に対しまして、その省庁が認識されておる問題についてお話をいただくように要望しておりますからお答えをいただきたいと思います。
#238
○政府委員(谷野作太郎君) 私からまず御答弁申し上げるのが適当かどうかわかりませんけれども、お話をさせていただきたいと思います。
 我が国が多くのアジアの国々と過去の一時期において持ってしまった不幸な関係、それを通じて我が国が与えた多大な苦痛、損害ということにつきましては、これを深く反省する、二度とこのような不幸な歴史を繰り返してはならないということにつきましては、国会におきましても総理以下いろいろな機会にそのような決意をるるこれまで述べてこられたところでございます。
 そこで、さはさりながら、先ほどお話がございましたように、最近幾つかの事例をめぐりまして、このような我が国の過去の行為に起因いたします被害をめぐる問題につきまして、相手国の方々から訴訟が提起されておるということは私どもも承知しておるところでございます。
 他方、国と国との関係ということになりますと、私どもは、日本国はこれまでアジアの国々、大きく分けまして連合国側に立った戦勝国といった一つの分類がございます。それから戦後我が国より分離して独立された国々がございますが、そういった国々との間の賠償とか請求権とかいう問題、これらの問題は、細かくお話しする時間はございませんけれども、サンフランシスコ平和条約を受けまして二国間の平和条約あるいはいろいろな賠償協定、韓国との間では関連した基本条約その他、そういった二国間の条約を通じて誠実に処理し対応してきておると思います。
 他方、第三点、さはさりながら、その復そういう国のレベルでの処理はいかあれ、人道的にお気の毒だという事例が幾つかございまして、例えば、先生も御案内と思いますけれども、韓国におきましては被爆者の方々への一定の手当、あるいは台湾の方々の元日本人兵の方々への一定の弔慰金等の支払い、これはこれで政府としてさせていただいてきておるところでございます。
 いま一つ最後に大きく残っておりますのは、このような戦後処理の文脈の中で処理が残されておりますのは、申すまでもなく北朝鮮、朝鮮民主主義人民共和国との関係でございまして、これは御案内のように目下そのようなことも含めて先方政府と私ども日本政府は誠実にこの問題の解決に向けて現在交渉が進行中ということでございます。
#239
○政府委員(高岡完治君) 総理府といたしまして、いわゆる戦後処理問題としてどういうものを所管しているかというお尋ねであろうかと存じます。
 総理府で現在いわゆる戦後処理問題として取り扱っておりますのは、まず第一に、引揚者等に対する特別交付金の支給に関する法律、これは昭和四十二年の法律でございますが、この法律に基づきまして引揚者等に対する特別交付金の支給事務を行っております。
 第二は、平和祈念事業特別基金等に関する法律、これは昭和六十三年の法律でございますけれども、この法律に基づきまして、いわゆる恩給欠格者、それから戦後強制抑留者、それから引揚者、こういった三つのタイプの方たちを対象とする関係者に対しまして慰謝の念を示す事業を行っておるところでございます。
 それから第三でございますが、これはただいま外務省の方からもお話がございましたように、台湾住民である戦没者の遺族等に対する弔慰金等に関する法律、これは昭和六十二年の法律でございますが、この法律及び特定弔慰金等の支給の実施に関する法律、支給手続法でございますが、この法律に基づきまして台湾住民でございます戦没者の遺族等に対する弔慰金等の支給事務を行っております。
 それから第四といたしましては、旧日赤救護看護婦、それから旧陸海軍従軍看護婦に対する慰労給付金の支給事務を行っております。
 それから第五でございますが、一般戦災死没者に対する慰霊に関する事務、こういったものを行っているところでございます。
#240
○政府委員(有馬龍夫君) 基本的認識につきましては、政府として先ほど外務省の政府委員から申し上げましたとおりのことでありまして、総理大臣等が累次それを公にしておられるところでございます。また、個々の戦後処理問題につきましては、ただいま関係省庁から御紹介いたしましたような問題がありまして、担当のところで今後とも取り組んでまいるということでございます。
 先生が御指摘になりましたいわゆる従軍慰安婦問題につきましては、朝鮮半島のこの問題については、昨年暮れから内閣官房におきまして関係があると思われます省庁において調査を行っているところでございまして、今後ともこの調査を誠心誠意行ってまいる所存でございます。
#241
○国務大臣(山下徳夫君) ただいままでにそれぞれ所管する各省から御説明がございましたが、厚生省といたしましては、まず中国残留孤児を初めとする引揚者の援護措置、それから戦没者の遺族を中心とする遺骨収集、慰霊巡拝のこと、それから戦傷病者、戦没者遺族等の援護措置あるいは原爆被爆者に対する医療等の給付、以上の点でございまして、今後ともこれらの問題に真剣に取り組んでまいる所存でございます。
#242
○浜本万三君 今報告をいただきました内容は、それぞれ内閣で措置されておる問題について、また措置しようとする問題についてお話がございました。
 私どもが先般いろいろ検討いたしました中には、それらの問題を含めまして、これから戦後処理として問題にすべき課題が合わせまして二十五から三十件ぐらい掘り起こされたわけでございます。そういうまだ手をつけていない問題について、今後私どもは適切な措置をしてもらうように特に要求をいたしたいと思っております。
 なぜそのように我が国の場合には戦後処理の問題が多く残っておるかということを考えてみますと、結局戦争責任に対する国民的な厳しい追及と、国民としての戦争に対する十分なる反省ができていないところに最大の原因があるんではないかと、かように思っておりますが、私の見解に対して何かお答えがございますか。
#243
○政府委員(谷野作太郎君) 先ほど申し上げましたように、政府の側におきましてはいろいろな機会に総理大臣以下が過般の不幸なアジアとの関係において持った過去ということにつきまして、反省の念を厳しくいろんな機会に述べてきておられます。しかしながら、確かにただいま先生仰せのように、これは政府だけの問題ではございませんで、生意気な言い方かもしれませんけれども、ひっきょう私ども日本人一人一人の心の問題だと思います。先生もそのような御趣旨でお話しになったのだと思います。
#244
○浜本万三君 厚生大臣、何かありますか。
#245
○国務大臣(山下徳夫君) 一つは、我が国が敗戦国であって、占領軍の占領下にあって我が国の行政、立法その他すべてが及ばなかったという点で、その後占領解除になってからかなり時間がたったということで事実の確認が非常に難しくなってきたということでございますし、そのことによってそれらの問題に対する対策がおくれたことは間違いないことでございますが、これからもさかのぼってできるだけの資料等を集めながら、これらの未解決の問題については格別の努力を払っていきたいと思っております。
#246
○浜本万三君 厚生大臣は、敗戦国であったということと、戦後相当時間が経過しておるというお話なんですが、それではというので私ちょっとお尋ねしたいのは西ドイツとの比較なんですよ。
 大臣も御承知のように、西ドイツの場合には、ナチスの残虐行為に対しまして厳しい国民的反省をいたしまして、国籍を問わず、つまり賠償というよりも補償という立場で戦後処理の制度というものができ上がっておると私は思うわけなんです。だから日本も戦後早急に戦争の反省をいたしまして、そういう措置を講じておれば今のような非難を受けることはなかったと、かように思うわけでございます。
 日本の場合には、先ほど外務省からもお話がございましたように、二国間ですべての問題を賠償問題、その他の問題は人道問題として解決をされてきておるわけなんでございまして、いわゆる近隣諸国に対する侵略戦争に対しましても、賠償制度というものを重視いたしまして補償の概念というものがないところに最大の原因があるんではないかと、私は西ドイツと比較いたしましてそういう気がするわけなんです。
 これは特に外務省と厚生大臣にお尋ねをいたしたいと思います。
#247
○政府委員(谷野作太郎君) 西ドイツの例が国会でもたびたび議論になるわけでございます。特に、私もこの言葉には非常に深い感銘をもって受けとめておるわけでございますけれども、西ドイツのワイツゼッカー大統領が言われたという有名な言葉、すなわち「過去に目を閉ざす者は現在にもまた盲目になる」ということでございますけれども、そのような考え方は、私ども日本人として多くの日本人が共感できるものだと思います。
 さて、賠償のお話がございましたけれども、これは御案内とは思いますけれども、私どもは他方、アジアの国々の中で戦争、交戦関係にあった国々との間では誠実に相手国とのお話し合いを通じまして賠償という形でこれを処理してきたと思います。ミャンマー、かつてのビルマでございますが、あるいはベトナム、インドネシア、フィリピン等の事例がございまして、これらの処理について今それ自体を不足であったとか、そういう形で相手国政府から問題の提起を受けておるということではないと思います。
#248
○国務大臣(山下徳夫君) 私の答弁が的確であるかどうか、随分前のことですから私もよく存じない点がありますが、基本的な違いは、ドイツ全部がみずからの祖国が戦場となったということ、日本は国内においては若干の被爆等は受けましたけれども、主たる戦場とかそういうことにほとんどなっていなかったという、その違い。そのことによって、ドイツの方は祖国が早く戦禍から復興するという、そういう点が違った。ということも一つでございましょう。
 それから、占領下にあったということについて、ベルリンを切り離したりいろいろありましたけれども、十分私は承知をいたしておりませんが、少なくとも日本の場合は相当長期にわたって司法、立法、行政が及ばなかったと、ここらあたりの違いもあるんではなかろうかと思います。いずれにいたしましても、そういうことについて措置がおくれたということは否めない事実だろうと思います。
#249
○浜本万三君 我々が考えますのに、日本の場合は確かに戦後五十年近くたちまして、経済的にも復興をいたし、むしろ経済大国として世界の人々とつき合っておるわけなんでございますから、国際貢献はもちろん必要だと思うんでございますが、それと同時に忘れてならないことは、過去の過ちに対する償いも十分しなきゃならぬという気を私は持っておるわけなんですね。そのことが並行して行われることによって初めて外国から日本に対する尊敬と信頼をから得ることができるのではないかというふうに思うわけなんです。
 そういう意味で戦後処理問題、私はたくさんあると思っておりますので総合的に調査検討するための何か委員会を設置してはどうかという気がするんですが、その点外務省ないし厚生大臣、いかがでございましょうか。
#250
○政府委員(谷野作太郎君) そのようなお考えもあろうかと存じます。ただ、他方、当面例えば従軍慰安婦の問題につきましても、これは内閣のもとに関係省庁が随時副長官のもとに集まりまして懸命な対応をしておるわけでございまして、そのような仕組みで関係省庁挙げて取り組んでおるということでございます。
#251
○国務大臣(山下徳夫君) 私に御指名がありまして、私がお答えするのは適当であるかどうか存じませんが、いずれにいたしましても今日までの過去を振り返ってみまして、それぞれの問題につきましては先ほど来各省から御答弁がございましたように、誠意を持って私は対応してこられたと思っております。今後とも今までのような、各省がそれぞれ所管についてやり、適宜連絡会議等を開いて意見を交換しながらやっていくということ。であれば対応し切れるのではないかと思うのでございます。私の答えは不十分かもしれません。
#252
○浜本万三君 私はこれからだんだんたくさんの問題が出てくると実は思っているんですよ。それを早く適切に解決していかないと国際的信用もから得ることができないと思っています。そういう意味で、閣僚の一員であります厚生大臣も積極的に、総合的に調査検討する委員会でもおつくりになるような運動をぜひ起こしていただいて、後世に名の残る厚生大臣になってもらいたいと、かように思いますが、いかがでございましょうか。
#253
○国務大臣(山下徳夫君) ただいまのお言葉は御意見として承っておきまして、あるいはまた私としてできることは率先して推進してまいりたいと思います。
#254
○浜本万三君 それでは、時間が大分経過をいたしましたので、次は毒ガス障害者の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。
 まず最初に、大久野島毒ガス工場の実態につきまして大蔵省の方からお答えをいただきたいと思います。
#255
○説明員(五味廣文君) 戦前から戦中にかけまして広島県の竹原市忠海町大久野島、ここに東京第二陸軍造兵廠忠海里造所というものがございまして、ここで昭和三年から十九年にかけまして国際条約で禁止をされております化学兵器、いわゆる毒ガス類でございますが、これが製造されていた。
 それから、同じく旧陸軍の広島兵器補給廠忠海分廠というところでつくられました化学兵器、すなわち毒ガスの保管あるいは輸送、こういったことが行われていたということを承知いたしております。
#256
○浜本万三君 その工場で働いておりました従業員、従事者の状況はどうでございましたか。
#257
○説明員(五味廣文君) 当時の記録が実は本件については残っておりません。
 そこで、詳細は定かでございませんけれども、相当数の従事者が化学兵器を製造していたということで、一部に言われておりますところでは、毒ガスの製造に従事をした人の数が大体平均で五百人から六百人ぐらい常時おったのではないか。また、最盛期にはそれ以外の仕事をしている方も含めまして三千人あるいはそれ以上の方が働いておったのではないか、こういうようなことが言われております。
 何分資料が不備でございまして、その程度のことしかわかりません。
#258
○浜本万三君 あなたの今の答弁と若干事情が違ったり不十分な点がありますので、私の方でちょっと承知しておることを申し上げますと、この大久野島の軍事秘密工場、つまり毒ガス工場というのは昭和四年に完成をいたしまして、終戦までホスゲンという窒息剤、それからイペリットガス、青酸ガス等びらん性のガスをつくっておった、最盛期には年間千二百トンぐらいつくっておったということでございます。
 その工場に大体六千人程度の従業員がいたということでございますから、相当の規模の毒ガス工場であったということが言えるわけでございます。六千人の内訳は、大蔵省が所管されております共済組合員が約五千人、周辺から国家総動員法で動員されました学徒動員などが約一千百人だというふうに言われておるわけなんでございまして、相当数の方々がたくさんの毒ガスをつくっておったということだろうと思いますが、間違いありませんか。
#259
○説明員(五味廣文君) 何分資料が毒ガス製造という条約違反の話でございますのできちんとしたものが残っておりません。ただ、私今申しましたように、最盛期で三千人超というお話もあるということでしたが、五千人というような話も聞いておりますし、今お話のありましたような規模というのは、大いにあり得ることだろうと思っております。
#260
○浜本万三君 もうそういう資料はきちっと出ているんだから、正直に答えたらよろしいと思うんですよ。
 それから、次にお尋ねするんですが、この毒ガス工場で働いておった方々がガス被害に遭っておるという報告がありますし、また私も直接お目にかかっておるんですが、その被害者の内訳として、死没者の数、亡くなった原因、それから生存者はどういう被害状況であるのかということについて、大蔵省と、厚生省の所管の方は厚生省の方から御説明をいただきたいと思います。
#261
○説明員(五味廣文君) まず、大蔵省で所管をしております旧陸軍共済組合に係る従業員に関しましてでございますが、昭和二十九年に救済措置ができまして以降統計をとっておりますが、この間亡くなりました方の累計が九百六十七名でございます。
 この方たちの主な死因でございますが、実は後ほど厚生省さんの方からお話があると思いますが、厚生省が委託調査をしておられまして、その調査によります学徒動員などを含んだところでの主な死因といたしましては、呼吸器系で亡くなられた方が二六・一%、消化器系で亡くなられた方が二五・八%、循環器系で亡くなられた方が二四・八%、こうなっております。
 それから、現在、平成二年度末の時点でとりました統計で、救済の対象としていろいろな手当てを現に受けておられる方、生きておられる方でございますが、この方が二千百九十八名この共済組合関係でおられます。この方たちの被害状況といたしましては、慢性気道炎といったような呼吸器の系統の疾患が多いということになっております。
#262
○政府委員(寺松尚君) それでは、私、厚生省の方からのお答えを申し上げたいと存じます。
 厚生省が広島県に委託いたしました調査によりますと、毒ガスの障害者のうち旧令共済の対象外であります動員学徒等の死亡者というものは、昭和二十七年から平成二年末までにおきまして三百五十一名となっております。
 その主な死因は、先ほど大蔵省の方から御説明があったように、込み込みでありますが、お話のようなとおりでございます。
 それから、最近の新規登録者につきまして見れば、動員学徒等の生存者の被害状況というものにつきましては、大体慢性気管支炎等の呼吸器疾患というものに罹患している者が多いということでございます。
#263
○浜本万三君 これはちょっと外務省に伺うんですが、毒ガスは大体つくってはいけないんじゃないですか、国際法上。
 私が調査したところによりますと、大正十四年六月十七日のジュネーブ議定書というんですか、「窒息性ガス、毒性ガス又はこれらに類するガス及び細菌学的手段の戦争における使用の禁止に関する議定書」というのがございまして、日本政府もこれに署名をしておるというようなお話を伺っておるわけですが、どうでしょうか。
#264
○説明員(小西正樹君) 今お尋ねの御質問でございますけれども、先生がおっしゃられました「窒息性ガス、毒性ガス又はこれらに類するガス及び細菌学的手段の戦争における使用の禁止に関する議定書」というのが正式な名称でございまして、この議定書においては、こういった毒ガス及び類似のものを戦時において、戦争において使用することを禁止したものでございます。
 それでありますので、先生が冒頭におっしゃられました製造すること、つくることはどうかという御質問でございますが、法律的に申します限り、つくることについての禁止はこの議定書で対象になっていないというふうに言えるかと思います。
#265
○浜本万三君 そういう御答弁があるんじゃないかと思っておったんです。使用しないから国際法に違反しないということは、議定書からいえば確かにそうなんですが、つくる以上は使用の目的がありましてっくったんじゃないでしょうか。基本的には国際法に違反する行為をやっておったんじゃないでしょうか。
#266
○説明員(小西正樹君) 先生が今おっしゃられましたとおり、軍縮の取り決めというものは本来的にその使用というものを、最終的に戦時における使用というものを防止し、あるいはそれによる被害を最小限にするという目的を持って作成されるものでありまして、そのねらいがその使用の禁止にあるということでございますが、その使用に生産とか開発とか研究とか、そういうものが必然的につながってくるという、そういう認識のもとに軍縮の各種の取り決めがつくられておるわけでございます。
 まさにそういう認識に立ちまして、現在ジュネーブにあります軍縮会議において包括的な化学兵器、すなわちこの毒ガス、今問題になっております毒ガスも含めまして、開発とか生産、製造あるいは取得、保有、こういった一切の化学兵器に係る活動について禁止をするという条約の作成作業が鋭意行われているわけでございます。
#267
○浜本万三君 要するに国際法に違反するごとき毒ガスを製造した。そして、この製造に従事した方は、身分関係も共済組合員であるとか、あるいは総動員法で動員されて従事しておった学徒であるとかいうことを考えますと、これはいずれも国家との因果関係、身分関係が明確に存在するというふうに私は思っておるわけなんですよ。そういうふうな犠牲者の方々に対しまして、これまで政府はどのような援護措置を講じてこられたのか、その内容についてお話をいただきたいと思います。
#268
○説明員(五味廣文君) まず、共済組合の対象の方たちでございますが、この忠海里造所などでガス製造などに直接従事をしていた方々、このうち共済組合員であるという方について、ガス障害者救済のための特別措置要綱というものを作成いたしまして救済措置を講じております。
 内容といたしましては、医療費の支給あるいは健康管理手当といったような各種の手当、こういったものの支給などでございまして、平成四年度の予算におきましては、このために十六億四千万円が計上されております。また、このほかに毎年対象の方々の健康診断を実施いたしております。
#269
○政府委員(寺松尚君) 厚生省所管の場合は、動員学徒とか、それから女子挺身隊員等についてでございますけれども、それにつきましては厚生省の毒ガスの障害者に対します救済措置要綱というものによりましてそれぞれ対策を講じているところでございます。
 平成三年三月末現在でございますが、対象者は二千五百二十九人でございまして、この方々に対しまして毎年健康診断を実施しますとともに、このうち慢性気管支炎等の疾病にかかっている方につきましては医療費の給付、健康管理手当の支給というようなことを行っておるわけでございます。
 平成四年度におきましては、六億三千五百万ほど予算を計上いたしておりまして、健康管理手当等の額を引き上げておるということもございまして、今後とも施策の充実に努めてまいりたい、このように考えております。
#270
○浜本万三君 ガス障害者救済のための特別措置要綱というもので援護の措置を講じておるというお話だったんですが、これは何か私は援護法をつくってもらいたいという希望はあるんですが、法律できちっと援護措置を講ずることはできないんでしょうか、援護法のような。
#271
○政府委員(多田宏君) 毒ガスの製造従事者に対しての戦傷病者戦没者遺族等援護法の適用の問題でございますけれども、内地軍属や国家総動員法に基づいて動員された人々、被徴用者、動員学徒、女子挺身隊員等、こういった方々につきましては援護法上の準軍属ということに該当いたしますので、これらの方々が戦争公務によって第五穀症以上の障害になった場合には障害年金、戦争公務により死亡した場合には遺族給与金が支給される、援護法の関係ではそういう体制をとっておるところでございます。
#272
○浜本万三君 今のお話のように、結局障害者の救済の場合には、確かに腕が一本なくなったとか足が一本なくなったとかいうような障害は目に見えて非常に五穀症以上の適用になりやすいんですけれども、毒ガス障害というのは結局体の内部でいろんな障害を起こしておるので非常に難しいわけですね。いわば診断の結果を待たなきゃならぬという事情もあるわけなので、現行の要綱による援護措置では不十分だという意見が被害者の中から今起きておるわけなんですよ。
 そういう方々の希望としては、したがってぜひとも援護法をつくっていただいて適切な援護措置を講じてもらいたい、こういう希望があることは間違いないんですけれども、その点いかがですかね。
#273
○国務大臣(山下徳夫君) ただいまの御質問で私も初めて知った次第でございまして、ひとつこの問題は勉強させていただきたいと思います。
#274
○浜本万三君 今の問題以外にいろいろな問題がございますのは、例えば旧令共済の適用者と、それから厚生省関係の動員学徒の適用条件というものが不平等ではないか、格差があるんではないかと。いう声が非常に強く叫ばれておるようでございますが、その点についてはどのようなお考えを持っていらっしゃいますか。
#275
○政府委員(寺松尚君) 厚生省の施策の対象としております動員学徒等につきましては、実際携わった作業が、私ども承知しておりますのは、風船の爆弾の袋張りというような極めて危険の少ないようなものであったというふうに聞いておりまして、長期にわたって直接毒ガスを製造するというような仕事に従事いたしました旧令共済組合員とは作業内容が異なるということ、そういうふうなこともございまして重篤な患者に対します措置等、旧令共済によります施策との間には差があることは事実なんでございます。
 しかしながら、旧令共済組合員以外の方にも重篤な病状の方がいるという、先生今御指摘いただきましたが、そういうようなこともございまして、私ども、旧令共済組合員とそれ以外の方々との間で慢性気管支炎あるいは悪性新生物の有病状況及び死因等において差があるのかどうか等につきまして今専門家の方々の研究をお願いしているところでございます。時間も相当かかっておるんでございますけれども、なかなか難しい問題でございまして、先ほど申し上げたように時間がかかっておりますが、現在もその作業を進めておりまして、その結果を待ちましてまた考えてまいりたい、このように思っております。
#276
○浜本万三君 その差異の一つにさらに意見として出ておりますのは、動員学徒の皆さんの場合には手帳の申請手続をいたしましてもその交付が非常におくれておる、もう少し早く手帳交付ができるように検討してもらいたい、こういう要望が強く出ておりますが、その点はいかがですか。
#277
○政府委員(寺松尚君) 先生御指摘のとおり、事実旧令の共済組合員に対します施策とは違いまして、認定審査会において医学的に毒ガス障害の有無を確認した上で医療手帳の交付を行うというようなことをやっておりますこともございまして非常に時間がかかるわけでございますが、この手続を変更することはなかなか難しいんでございますけれども、実際、実行上いろんな形でこの手続を少し迅速化するというようなことはまた関係県ともお話をしながら相談してまいりたいと、このように思っております。
#278
○浜本万三君 年をとれば病気が多くなるというのはもうわかった話なんですが、特に毒ガス障害者の方は内臓が非常に侵されるわけでございますから、したがいまして外見ではわかりにくいんでございますが、病状は相当進行しておるという事情もございます。そういう事情から援護の対策を強めてもらいたい、こういう声がございまして、既に要望書も大蔵省と厚生省に出ておりますから、ひとつ検討いただぎまして善処をしていただくようにお願いをいたしたいと思うわけです。
 それからもう一つは、これは大蔵省の方にお願いをしておるわけなんですが、相談員制度をつくってもらいたい。厚生省の学徒動員の方には相談員制度というものがございまして大変皆さんの頼りにされておるわけなんですが、大蔵省関係、旧令共済関係にはこの制度がございません。そういう希望に対しましてどのように善処されますか。
#279
○説明員(五味廣文君) 旧令共済の場合には、現在この救済措置の実務を国家公務員等共済組合連合会が行っております。この連合会、全国に直営病院たくさん持っておりますので、私どもはこの連合会の組織を活用いたしまして、今までいろいろな御相談を承るということを一つ行っております。障害者の方が多い広島県内を中心にいたしまして、全国で現在四十九の公的な病院及び連合会の病院を指定医療機関として指定をいたしまして、ここにそういった御相談事を承る組織を設けております。
 それからもう一つは、これとは別に特に障害者の多い地区を選定いたしまして、平成元年度からでございますが、各地でこの連合会の本部の職員によります臨時の相談会というのを開催しております。元年度は竹原市、三原市、因島市ということでございましたが、大体毎年二カ所ないし三カ所ぐらいの感じで今までやっております。
 今後こういった制度を活用いたしまして、どうしてもお尋ねは手続という関係のお尋ねが多いんですが、療養ですとかあるいは生活相談ですとか、こういったようなより身近な問題にも対応するということで今指導もいたしておりますので、この辺を充実して対策の遺漏なきを期したいと考えております。
#280
○浜本万三君 ぜひひとつ相談のための窓口を強化してもらいたいというふうに思います。
 それから、これも大蔵省の方に検討を願いたいんですが、所得税の問題なんですが、原爆被爆者と同様の特別障害者控除制度というものをぜひ設けてもらいたい、こういう希望がありますが、これについてはどのような御見解ですか。
#281
○説明員(尾原榮夫君) ただいまの先生の御提言は、障害者控除の対象となる範囲に毒ガスの障害者の方も含めよということだろうと思います。
 少しく税の考え方を簡単に御説明させていただきますと、御承知のように、税務当局が身体や精神に障害を有するかどうか、またどのような方を範囲にするかということを具体的に認定するのは困難でございます。そこで、基本的にはまず第一番目に、国の福祉関連の法律で障害者として位置づけられている、そして身体障害者手帳等の交付を受けた者をもってその対象としておるわけでございます。
 それで、お尋ねの原爆の関係でございますが、この原爆被爆者の方、この特別の法律の対象となっています方はこの控除の対象となっております。これは原爆という特別な事情を考慮して、法律を設けた上でこの対象が定められているということでございます。したがいまして、同じようなこのような状況に残念ながらこの毒ガスの障害の問題は位置づけられておりませんので、税制の方からだけで手当てをするというのはなかなか難しい問題があるなど。ただ、障害者控除といいますのは、例えば寝たきりの方とか一般の障害の方も対象になっております。そういうところのチェックとでも申しましょうか、そういう道での対象になることは当然でございますので申し添えさせていただきます。
#282
○浜本万三君 これもさっきお話がございましたように、内臓疾患の場合なかなか認定しにくいという事情もあるんではないかというふうに思いますが、ぜひひとつ検討していただきますように希望をしておきたいと思います。
 最後になりますが、東京第二陸軍造兵廠曽根製造所、それから旧相模海軍工廠の毒ガス障害者の問題がことしの春ごろから新聞をにぎわしておるわけなんですが、これについてはどのような調査ないしは考え方を持っておられますか。
#283
○説明員(五味廣文君) 東京第二陸軍造兵廠曽根製造所、この件につきましては、ここで毒ガス弾を製造しておったという話がある、あるいはそのために障害を負った人たちがおるということが御指摘のように報道にも載っております。私ども、本件につきまして手に入り得る資料ではいろいろ調べてもおりますし、これからも新しい資料が出てくるようでございましたらこれを精査をしてまいりたいと存じます。
 ただ、現状におきましては、大変古い話でございまして、特にこの曽根製造所については公的な記録がほとんど何も残っていないという現状でござ、います。したがって、具体的にどのような作業が行われていたか、あるいは毒ガスに被爆するという危険性がどの程度あった職場であったのか、こういうような事実の確認で大変に難しい問題がございますし、またさらに、それに加えて医学的な毒ガスとの因果関係のようなものも難しいということがございます。現在はこういった難しい問題がございまして、救済の対象として考えるというのは難しいというのが実情でございます。
 また、もう一つの旧相模の海軍工廠、こちらについてはほとんど何も資料がございません。そこでこれも大変事実確認困難でございまして、救済の対象とはいたしておりません。
#284
○浜本万三君 旧相模の場合にはなかなか資料がないし、また問題を提起した方が他の救済措置によって最近要望を差し控えられたという事情はございますが、曽根製造所の場合には相当明確な生き証人という方々がいらっしゃるわけなんですよ。しかもそこの工場長が相当確実な情報も提起をされておるわけです。ですから、この工場が存在しておったということは明らかだし、この工場で従事し、そして指揮しておった者も明らかでございますから、私は証言をとれば相当確実な情報をキャッチすることはできるというように思っております。
 今、資料がないということを強調されておりますが、当時の状況からいえば、早く関係資料を処理しないと例えば戦犯になるぞとか、とがめられるとか、そういう話があったのでみんな関係資料を焼却ないしは廃棄しておるわけですね、破棄しておるわけですよ。そういう事情が大蔵省にもわかっておって、なおかつ資料がないということで救済の措置を講じられないということはちょっと不誠実ではないかと思いますが、どうですか、その点は。
#285
○説明員(五味廣文君) 今お話のありました証言というようなお話も実は報道にございまして、私どももこの証言というのがどういうものであるか、実は今いろいろ調べて精査をさせていただいております。何分にもこの仕組みが全額国庫の負担で行われるものでございますから、やはり救済の対象としてこの製造所を認定するというためには、かなりいろいろ詰めなければならない点が多いわけでございまして、救済するつもりがあるとかないとかいう問題ではございませんで、詰めるべきことはきちっと詰めたいということでいろいろ調査もいたしておるところでございます。
#286
○浜本万三君 それじゃ、時期を切ることは困難かもわかりませんが、早急に調査をする、こういう約束は今していただいたわけですね。
#287
○説明員(五味廣文君) 現在、手元にあります資料は新しく出てきたものを精査しておりますし、今後いろいろ資料が出てくるということでございましたら、これはできるだけ早く中身を検討いたしまして、それがどういう根拠につながっていくかはできるだけ早くやってまいりたいと思っております。
#288
○浜本万三君 時間ですから終わります。
#289
○木庭健太郎君 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案を審議するに当たりまして、最初に、先日台湾人元日本兵訴訟の最高裁判決がございました。この訴訟は、第二次大戦中に旧日本軍の軍人軍属として死傷いたしました台湾人の元日本兵とその遺族が、援護法や恩給法の国籍条項は法のもとの平等を保障した憲法十四条に違反するということで、国に補償を求めたものでございます。
 提訴から十五年ほどたちましたけれども、四月二十八日が最高裁の判決でございました。判決は厚生省もごらんになっていると思いますけれども、一応国の措置については合法ということを言っておりますけれども、判決理由の中で、台湾出身の軍人軍属に対していかなる措置を講ずるかは立法政策に属する問題というふうに結論づけておりました。これは、いわば見方を変えるならば、戦後補償問題を立法政策にゆだねたと見ることもできるわけでございます。
 厚生省として、この判決をどう受けとめていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。
#290
○政府委員(多田宏君) 私ども、所管しております援護法に関しまして、この判決でございますが、援護法に国籍条項を設け、台湾住民である軍人軍属を援護法の適用から除外したことには十分な合理的な根拠があり、憲法十四条に違反するものではないという判決をいただいたというふうに承知しておりますので、援護法を所管する当省といたしまして、当省の立場から特段め対応を今とるというふうには考えておらないところでございます。
#291
○木庭健太郎君 そうおっしゃると思うんですけれども、ただ、この訴訟の経過は厚生省も御存じだと思います。六十年八月、第二審の高裁判決のときでしたけれども、このとき判決理由の中で、原告が著しい不利益を受けているのは明らかで、外交上、財産上の困難を越えて早急に不利益を取り除くよう尽力すべきだという異例の指摘があったことも御存じだと思います。これを受けて、議員立法で台湾人元日本兵に対する特定弔慰金支給法を成立させたという経過もあるわけでございます。それでもなお原告が上告をされたということを私は厚生省は重く受けとめるべきだと思っております。
 これは厚生大臣とは見解が異なりましたけれども、過日、外国人労働者の医療保障問題を取り上げました。そのときに私が訴えたのは、社会保障における国際化というのは、すなわち国籍要件の撤廃の問題というのは世界の潮流でもあり、また我が国がどこまで真に国際人になり得るかどうかの試金石がこういう問題にあるんだということを訴えたかったわけでございます。
 昭和五十七年、難民条約の批准以来ずっと国民年金法、それから社会保障各法において国籍要件、というのが撤廃されてきた事実もあるわけでございます。その中で残っているのは援護法、恩給法と生活保護法とこの二つが残っていると私は認識しております。私自身は、援護法に国籍要件というのを付することは、すべての人を平等に取り扱おうという、ある意味では国際的な潮流に反していると思います。まして、援護法の対象となっている人々が日本兵として戦ったわけでございますし、またそして亡くなった方々だと。これらの人々をどうして外せるのかと私は思います。実際に他国を例に挙げるならば、アメリカもイギリスも、諸外国では外国人元兵士に対しても自国民と同様の一時金または年金を支給しているわけでございます。
 そういったことも考えた上で、私はこういう国籍要件というのは撤廃を行うべきだと考えますが、厚生省の考えを聞きたいと思います。
#292
○政府委員(多田宏君) 私どもの所管しております援護法、これは恩給法に準拠して制定されたという経緯がございまして、恩給法と同様に対象者を日本国籍を有する者に限定しているところでございます。
 また、我が国といわゆる分離独立地域との財産請求権の問題、この問題につきましては、サンフランシスコ平和条約によって特別取り決めの主題にするということにされておりまして、そういう扱いの中で、韓国との間では既に四十年の日韓協定で補償の問題は法的に解決済みという形になっているという状況でございます。こういった状況から考えまして、援護法で今国籍要件を撤廃するということは考えていないところでございます。
#293
○木庭健太郎君 今、韓国の問題もお取り上げになりました。私はこれもよく理解できないわけでございます。在日韓国人に対しては援護法は適用されてないですね。しかも、今言われた日韓協定以降は、その前までは帰化すれば法の適用を受けるということになっていたけれども、日韓協定以降は帰化しても法の適用を受けることができないというふうになってしまいました。
 日韓協定は在日韓国人の財産権及び利益に影響を及ぼすものではないというふうに規定しているわけでもございます。なぜ日韓協定を境に取り扱いを変更するのか、私は理由はないのではないかと思います。そして、もし仮に北朝鮮籍の人であれば今日でもなお帰化すれば援護法の対象となるわけでしょう。そういう同じようなある意味では一つの朝鮮半島を考えた場合、そこの中で差が出てきてしまう。これは矛盾だらけじゃないかと思いますけれども、いかがですか。
#294
○政府委員(多田宏君) 在日韓国・朝鮮人への援護法の適用という御指摘でございますが、この援護法適用問題で請求権の取り決めというのはサンフランシスコ平和条約によりまして特別取り決めの主題というふうに位置づけられて、そしてその交渉が韓国との間では既に行われて、その時点で最終的に処理が終わったと、こういうふうにされているわけでございますので、そこで解決のついたものについてはこれ以上特別の措置を講ずることはできないということでございます。
 なお、先ほど先生の御指摘ありました台湾の方々あるいは北朝鮮の方々、この方々についてはまだ特別取り決めが行われておらないという、解決済みでないという扱いでございますので、帰化されますと日本の法が適用になる。最終的に解決になる前の韓国の方々につきましても、まだ解決されていないという状況で日本国籍を取得されますと、今後外交交渉で韓国側が何らか措置するといっても日本国籍を取得してしまえばもうその道はあり得ないことになりますので、そういう状況にある方には帰化されれば援護法の適用をすると、こういう扱いをしてきているわけでございます。
#295
○木庭健太郎君 外務省にちょっとお尋ねしておきますけれども、今、日朝交渉が始まっているわけでございます。この日朝交渉の問題、いろんな複雑な問題、大きな問題もいっぱいあるわけです。そうは言いながら、一つ援護法の例を挙げましたけれども、こういった戦後処理の問題というのが私は個々人にかかわる非常に大きなテーマの一つだろうと思っています。そういった問題がきちんと解決されなければいけないと思いますし、逆に言えば、こういう交渉を進める中で今言った日本における制度の問題もきちんと相手側に理解させ、なおかつこういう訴訟ざたにならないふうな形でのことをきちんと処理しておくべきだろうと考えておりますが、日朝交渉の中においてもこういう問題をきちんと取り扱っているかどうかということを聞いておきたいと思います。
#296
○説明員(竹中繁雄君) 日朝国交正常化交渉では議題が四つございますけれども、その議題の二におきまして国交正常化にかかわる経済的諸問題につき議論をしているところでございます。
 その両国間の経済的諸問題の扱いでございますけれども、今交渉の中ではこれを財産請求権の問題として処理すべきか、あるいは補償、賠償の問題として処理すべきかという原則論におきまして日朝双方の立場が対立しているところでございまして、したがいまして、個々の具体的な請求につきましては突っ込んだ議論を行うには至っておりません。
#297
○木庭健太郎君 そういうことになるでしょうけれども、しかし、こういう問題をやっておかなきゃまた同じ問題を繰り返すわけですよね。そういうことはぜひ避けていただきたいし、こういう問題も取り扱っていただきたいということを要望します。
 そこで、大臣にこの問題ひとつ伺っておきたいんですけれども、私は戦争で傷ついたこういう在日韓国人の人々、まさにある意味では命を投げ出して我が国のために戦って、今日我々と同じように税金を納めている方々でもあるわけです。それにもかかわらず、韓国における補償の対象とはならず、我が国においてもその対象から除外されている。従軍慰安婦問題だけじゃなくて、さまざまな角度から戦後処理問題の抜本的かつ総合的な解決が求められておりますが、一番いいのはこの際援護法の国籍要件撤廃をやっていただきたい。とりわけ、こういう谷間になっている在日韓国・朝鮮人への補償の問題については、いろいろやり方はあるでしょうけれども、とにかく真剣にかつ早急に検討を行う必要があるのではないかと考えますけれども、大臣の見解をお伺いしておきたいと思います。
#298
○国務大臣(山下徳夫君) 先ほどから御意見また政府側の答弁等を私も聞いておりまして、本当にこれは難しい問題だなと思っております。問題は国家間の取り決めの問題でございますから、これを簡単に変えるということは容易ではない、率直なそういう感じを持っております。どうかそういう点は御理解いただきたいと思います。
#299
○木庭健太郎君 大臣のお気持ちもよくわかりますけれども、大臣がどう考えるかで随分変わってくるんですよ、こういう問題というのは。厚生省は非常にかたいガードでやるでしょうけれども、この前も話しましたけれども、じゃ人権という立場からやるか、それとももう決まっているんだからしょうがないんだという立場からやるか、その辺の判断ができるのがある意味では大臣なんですよ。そういう認識もぜひ持っていただきたい。答弁は求めません。
 もう一つきょうお聞きしておきたかったのは、沖縄の厚生年金格差の問題でございます。
 この問題、今月の十五日に沖縄が復帰二十周年という大きな節目を迎えました。この日を迎えるに当たって、沖縄県民の多くの方々がかたずをのむ思いで注目してきたのが沖縄の厚生年金格差是正の問題でございます。この問題については、既に宮澤総理が高い政治的レベルであると認識しているという答弁もなさっておりますし、これは衆議院の方でございますけれども、四月二十一日に沖縄・北方特別委員会が、沖縄の厚生年金格差是正に対して高度の政治的決断による措置を求める申し入れも行っております。さらに、十二日のこの沖縄・北方特別委員会の中で厚生大臣が、現行の制度では解決できないから年金制度以外の超法規的方法で解決したい、復帰二十周年の五月十五日までに何らかの方法を見出せるよう関係大臣との間で最大限の努力をするとおっしゃったというふうに私は新聞報道で見ましたけれども、もし事実であるならば、その趣旨についてお伺いをしておきたいと思います。
#300
○国務大臣(山下徳夫君) 今の御質問の前段についてちょっとお答えをいたしておきたいと思います。
 それほど私も本当に心を痛めながら苦労をしてきたことは事実でありますが、超法規的に解決するということではなくて、何せ国会というのは立法機関でございますから、それを初めから法律問題を抜きにしてということは、これはあり得ないことでございます。ただ、こういう問題もありとあらゆる面から考慮するという、その一つとして超法規的なということも含めて考慮すると、こう申し上げたつもりでございますから、決して私はへ理屈を言うわけじゃございませんが、その点は御理解をいただきたいと思います。
#301
○政府委員(加藤栄一君) 今、大臣から御答弁があったとおりでございまして、私どもといたしまして、年金制度ではこれまで最大限の措置をとってきておりまして、これ以上の対応は困難でございますので、検討の場の設置を含め種々の可能性を検討することについて五月十五日までにでき得る限り努力したいと、こういう考えを大臣からお答えされたものだと理解しております。
#302
○木庭健太郎君 これを受けて、五月十四日でしたか、沖縄の厚生年金に関する諸問題についての関係省庁検討会の設置についてということで関係事務次官の申し合わせがなされて、この問題について関係省庁検討会が設けられるという運びになったと聞いております。
 ただ、この関係事務次官申し合わせというのは、私たちはこの問題について一つの政治的な決断を求めたわけでございます。また、私は総理の御答弁も大臣の御答弁もそういう趣旨でおっしゃったと思っておるんですけれども、それとこの事務次官の申し合わせは何か趣旨が随分がけ離れているような気がしてならないわけなんです。あの大臣の答弁の趣旨をきちんと受けた形でこの関係事務次官の申し合わせができているのか。いわば大臣答弁がきちんと貫徹されているのかどうか、この事務次官申し合わせの中で。その点をお伺いしたいと思います。
#303
○政府委員(加藤栄一君) 先日の大臣の答弁の趣旨を踏まえまして、現時点での関係省庁間の最大限の努力の結果といたしまして、五月十四日の関係事務次官申し合わせにより検討会を設置したところでございます。今後何らかの対応があり得るかにつきまして関係省庁等と協力いたしまして鋭意検討を進めてまいりたいと考えております。
#304
○木庭健太郎君 まさに局長おっしゃったんですけれども、私が非常にこの問題で不満に思っているのは、今おっしゃいましたよね、諸問題に関する関係省庁検討会の設置についてと次官申し合わせの中にもあるんですけれども、何らかの対応があり得るかについて検討するとおっしゃるんですよね。
 そうじゃなくて、今の時点というのは、さっき大臣もおっしゃったけれども、何らかの対応があり得るかじゃないんですよ。何らかの対応をしなくちゃいけない、それがどう出るがわからないけれども何らかの対応をしなくちゃいけないということで答弁をされ、この事務次官の申し合わせにつながっていかなくちゃいけないのに、何か聞いていて情けない気がしたんですよね。ある意味じゃ事務レベルじゃ無理だからもう少し高度なレベルでやってみたい、こういう言い方をしたら沖縄県民の方たちは私は怒ると思いますよ。
 私ここできちんと確認しておきます。じゃ、検討会を設けた、検討会を設けて検討の結果何の対応もあり得ないということがこれだったら起こり得るわけですよね。そういうことはない、一つの結論を出すために一生懸命ここでやっていくんだと、そういうことなのか、検討した結果何もないよということをおっしゃるつもりなのか、そこをはっきりお聞かせ願いたいと思います。
#305
○国務大臣(山下徳夫君) 率直に申し上げて、私が答弁申し上げたのは、何らかの対応をしたいという、もう精いっぱいそういう気持ちでやっているわけでございますから、現時点においてそれ以上申し上げることはこの問題をかえって難しくするような私の気持ちなわけであります。確かに先生、一つの流れからすれば私の答弁その他については隔靴掻痒の感があられると思いますが、あとしばらくひと。つどうかこの程度の答弁でお許しをいただきたいと思いますが。
#306
○木庭健太郎君 じゃ、局長の方にちょっと聞いておきましょう。
 この検討会というのは、構成はどうされるのか、構成員というのはどんなふうになるのかという点が一つ。それから検討会としていつまでに結論を出していこうとするのか。
 少なくとも私の認識が間違っていなければ、検討会というのは別にこの問題のゴールではないわけですよね。これができて始まりであって、今から前向きにどうするかという問題について取り組んでいこうということだと思っております。それならば、できるだけ早く精力的にいろんな検討を進めていただきたいし、各省庁ありますから大変だと思うんですけれども、そういうこともやっていただきたい。ある程度めどをつけるなら、大体このころまでには結論を出せるように努力したいというお考えがあるならば、そういう構成、構成員の問題、そしていつまでの時期というのを考えながらやっていくのかという点について、お考えがあれば聞かせておいていただきたいと思います。
#307
○政府委員(加藤栄一君) 検討会におきましては、内閣内政審議室、沖縄開発庁及び厚生省により構成することとしておりまして、検討会の出席メンバーといたしましては局長クラスをメンバーにするという予定でございます。
 検討会におきましては非常に難しい問題をこれから検討していくこととなります。したがいまして、結論を取りまとめる時期についてはただいま申し上げることはできないわけでございますけれども、先ほど来申し上げておりますように、鋭意検討を進めまして、その進捗状況を見ながら判断してまいりたい、かように考えております。
#308
○木庭健太郎君 一つ心配しているのは、そういうレベルの人たちでやるから、この前発足しましたよね、五月十四日がこれは決定ですよね。そうすると、一体次回をいつやるかもなかなか決まってないというような話もちょっと聞いているんですけれども、その辺月に一回ぐらいはできるようなベースでやっていただけるんですか、どうですか。
#309
○政府委員(加藤栄一君) 関係次官の申し合わせをいたしました直後でございますので、これから関係省庁等とも御相談いたしましてこれからの運営につきまして決めてまいりたい、そういう段階でございます。
#310
○木庭健太郎君 まあ大臣、勘弁してほしいということでございましたけれども、最後にぜひこの問題についての決意を聞かせておいていただきたいわけでございます。
 私たちは、この問題については事務レベルを越えたものだと正直言って思っています。最大限努力していろんな経過があってこうなったわけです。困難な問題があることも事実です。しかし、願いは願いとしてやっていこうという一つの大臣として決断もされたんだろうと思いますし、この問題に対する今後の取り組み、大臣の決意を最後にお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
#311
○国務大臣(山下徳夫君) もう先生のお気持ちはわかり過ぎるほどわかるわけでございまして、私自身もこの問題についていずれにしても早い決着をつけなきゃならぬと思っております。先ほど月に一回ぐらいはどうだとおっしゃいましたが、私も、これは全体的な各省庁の会議ですからどの程度やってくださいということは、差し出がましいことは言えませんけれども、少なくともその程度は精力的にやっていただきたいなという希望は持っておりますし、そういうことでとにかく早く決着をつけなきゃならぬという気持ちは精いっぱい持っております。どうぞ御了解いただきたいと思います。
#312
○木庭健太郎君 ありがとうございました。
#313
○沓脱タケ子君 それでは、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案の審議に当たりまして、私も大変限られた時間ではありますが、戦後処理に関する問題をお伺いしたいと思っております。大変短い時間で、各省庁の方々においでをいただいているのかもしれませんが、これはなかなかお聞きをする条件がなかろうと思いますので、主として政治的にひとつ大臣にお答えをいただきたいと思っているところでございます。
 その第一は従軍慰安婦問題でございますが、従軍慰安婦問題というのは、政府、軍が関与して戦争遂行の国策の一環として推進をされてきたということはもう明白にされております。ところで、十四日の新聞報道によりますと、国連として初めてこの問題の調査に乗り出す可能性が出たということが具体的に報道されておりますが、外務省の方おいでになるんでしたら、それは事実かどうかをひとつ確認させていただきたい。
#314
○説明員(吉澤裕君) 御指摘の報道でございますけれども、国連の奴隷制の現代的形態に関する作業部会、これは国連の人権委員会の差別防止・少数者保護小委員会の下にあります作業部会でございますけれども、これが十三日に採択いたしました報告の中に、売春に従事することを強要された女性の状況に関して、作業部会が受け取った情報を重大な人権侵害の犠牲者に対する補償等についての権利に関する特別報告者に提出するよう国連事務総長に要請すると、こういう記述がございます。
#315
○沓脱タケ子君 そういうふうに国連の調査の問題にも、課題にもなってくるということになりますと、明らかに過去の我が国の軍国主義の犯罪あるいは最も恥部が国際的にも明らかにされるということになるわけでございまして、国連調査ということが具体化すれば、日本政府としては誠実に対応しなければならないのではないかと思いますが、その点はどうでしょう。
#316
○説明員(吉澤裕君) ちょっと事実関係でございますので、私の方から答えさせていただきますけれども、国連の先ほど私が申し上げました報告の中には、その報道にございますような調査ということまでは書いていないわけでございますけれども、今後国連の差別防止・少数者保護小委員会あるいは特別報告者というものがこの作業部会の報告をとらえまして、どのように対応していくのかということにつきましては、外務省といたしましても注視していきたいと、このように考えております。
#317
○沓脱タケ子君 いずれにしても、これは当然誠実に対応していかなければならない課題だと思うんです。
 最後に、大臣に政治的に対応の御見解を伺いたいと思いますのは、既に我が国でも韓国でも調査が進められているところでございますが、調査が終わったら当然補償問題というのが課題に上がってくると思いますが、今日の政治情勢の中で誠意を持って対応されるべきだと思います。その点についての御見解をお伺いしておきたいと思います。
#318
○国務大臣(山下徳夫君) 実は先週でございましたか、在日韓国の大使がほかのことでお見えになりました。しかし、その機会に私は二人で懇談するときにこの問題を私から申し上げて、これは何か私ものどに詰まったような気がするから、早く解決したい気持ちでいっぱいであるということを申し上げておきましたけれども、その気持ちに変わりはございません。今後とも努力をしてまいりたいと思います。
#319
○沓脱タケ子君 ぜひ誠実に対応していただきたいと思います。
 次に、先ほども課題になりましたが、沖縄県の厚生年金問題、これは既に詳しく質疑がありましたので簡潔にお願いをしたいと思いますが、御承知のとおり、年金に格差がありますよね。資料によりますと、これは県の資料でございますが、厚生年金の老齢年金ですが、平均の年金月額が全国平均では十三万八千円で沖縄では九万円ということになっております。この格差があるというのは加入年数の違いなんです。全国では二十六・六年で沖縄では十一・一年ということになっておるわけでございます。
 沖縄における年金制度の発足がおくれたからこういうことになっているということはもう周知のことでございますが、しかしおくれた責任というのは県民にはないわけです。その辺が私は大事じゃないかなと思うんです。当時はもう御案内のように沖縄の施政権はアメリカでありました。サンフランシスコ条約四条でアメリカが施政権を保持するということで施政権をアメリカに渡していた時期でございますから、我が国の政府はそのことを認めてきた。問題の四十五年以降ということで、加入年限がおくれた原因は県民の責任ではなくて政府のこういう施策に根源があるわけです。したがって当然これは政府の責任で解決をしなければならないということで随分社会問題化してきている。
 大臣も何とかしたいとさっきもお話でございましたけれども、まさに政治的な決断によって解決をしなければならない課題であろうと思うわけでございますが、その点はもう間違いないですね。
#320
○国務大臣(山下徳夫君) この年金格差のよって来るゆえんはもうるる御説明申し上げ、先生のおっしゃるとおりでございます。
 そこでただ、さはさりながら現在の年金の法規上これ以上、二回いろいろ特別措置をとりましたから、やることは困難であるということは、大方野党の先生方もお認めだろうと思います。そこで超法規的なこと、政治的な問題をすべて含めて何かあるかなということで今一生懸命やっているわけでございまして、あと若干の時間をお与えいただきたいと思います。
#321
○沓脱タケ子君 そういう御決意を伺いまして多とするわけですが、政府内に、さっきもお話がございました検討会を設置されたようですけれども、私はこの問題は検討会をつくったということで問題の解決をおくらせないようにぜひやってもらいたいなと思います。
 それからもう一つは、この検討の方向ですね。年金ではなじまないというようなことも総理もおっしゃったようですが、しかし解決の場合にぜひ考えておいていただきたいと思いますのは、特別の一時金だとか、あるいは握り金だとかというような形での処理というようなことにならないようにぜひお願いをしたいなと思いますのは、沖縄県知事名で既に昭和二十九年にさかのぼって対応してもらいたいという要請が政府へも出ておりますが、そういう点をきちんと踏まえて解決の方途を検討していただきたいと思うんです。
 私ども本土におる者にとりましても、こんなことで一生につながる年金に差別が出るというのはたまらないなと率直に思うんですね。政府といたしましても、政府の御都合で、ちょっと嫌みになりますけれども、例えば年金への国庫負担を繰り延べたり、あるいはそれを返すんでなく、ちょっと流用したりというような財政上の措置はかなり御都合のよいようになさっておられるという実態を我々存じ上げておるものですから、こういう政府の責任で起こってきている問題というのは県民要求に沿って解決をぜひ早期に実現がなされるように検討を進めていただきたい。これはやはり政治的解決以外にないと思うんです。その点でもう一回大臣の御見解を伺って、この問題を終わりたいと思います。
#322
○国務大臣(山下徳夫君) 先ほどから政府委員も答弁いたしておりますように、この問題は既に関係省庁の検討会にゆだねるということになっておりますので、その経過並びに結果を見た上で、私がすべき措置を精いっぱいやってまいりたいと思います。
#323
○沓脱タケ子君 もう一点、戦後処理問題いろいろありますが、沖縄戦中マラリアの犠牲者問題、三千余名の遺族の方に対する補償の問題というのが出てまいっております。
 これは私五年ほど前だったかと思いますが、本委員会で取り上げたことがございます。非常によく存じているんですが、その当時波照間というところの島の方々がおいでになって具体的なお話を伺いましたけれども、私も医者の端くれて、聞いて驚いたんですけれども、あんなマラリアで一家全滅をしたとか、あるいは八人兄弟が私一人しか残らなかったとか、そういうひどい被害を受けておられるわけで、私が質問をした当時には軍の方針でやられたということが鮮明になっておりませんでした。しかし、県の調査によりますと、基本的には政府の海軍省、陸軍省の方針に沿って強制退去をさせられた結果であるということが明らかになってきております。
 こういった問題も大変難しい問題とは思いますけれども、ぜひひとつ戦後処理問題として誠意を持って検討をしていただかなければならない課題ではないかと思いますが、これにつきましての御見解を伺っておきたいと思います。
#324
○政府委員(多田宏君) この問題につきましては、総理府、沖縄開発庁、厚生省三者で、沖縄県の方のいろいろ調査の結果もあるようでございますから、そういうのをよく伺ってその上でまた考えていくということで連絡会を設けておりますので、その動きの中で考えていくことになると思います。
#325
○沓脱タケ子君 その三省庁連絡会議をつくっておられるのはよく存じております。私は五年前に波照間から来られた方々をお連れして陳情もしたことがある。そのときに関係省庁が言われて、これは関係省庁がともに相談をするという段取りにしなければどうにもならないなということを当時おっしゃいました。それがやっと実現をしてきているんだなということで、この機会にぜひそれをやってもらったらありがたいなと思っているんです。三省庁が相談をするとおっしゃいますけれども、私、復帰二十年を迎えたこの機会に、年金と一緒にこのマラリア犠牲者の問題も早期に解決をなさるべきではないかなと思うんですね。
 軍隊の時代というのはひどいもので、これなかなかおもしろいんですよ、退去は守備隊長の命を受けて警察署長等の指示によって実施され、命令は口頭で伝達されることが規定されていると、文書を残すなということでございました。私が伺った方々のときには、軍曹が日本刀を抜刀しながら退去を命じたということでございました。ひどいことをやるものだと思いましたが、その軍曹が異常な人でそういうことをやったのかという感じもあったんです。
 しかし、そうではなくて軍の命令で刀を抜いて住民を退去させるというふうなことまでやって、しかも犠牲者が三千余名という方々に及んでいるということでございますから、三省庁の連絡会ということだけで遷延をさせずに、復帰二十年を機会に政治的にひとつ大臣、御解決を進められるように特に要請をしたいと思います。見解を伺って終わりたいと思います。
#326
○国務大臣(山下徳夫君) 私もかつて波照間島には行ったことがございます。たしかあそこは日本の最西端だったですか最南端だったですか、行きました。それで、非常にへんぴなところでございますし、その慰霊の碑にも参りましたけれども、今おっしゃる趣旨は私もよくわかります。何せ終戦のちょっと前の非常に混乱した、日本がもう負け戦の最中でございますから、今の常識で考えられないようなこともあったかもしれません。しかしながら、当時のことをよく調査しながら、また先生の御意思は十分私もできるだけのことはいた一したいと思います。
#327
○沓脱タケ子君 終わります。
#328
○粟森喬君 今回の援護法を改正する趣旨については、国家の責任でやった部分について明確に責任を持って、ほかの制度から見れば比較的よく整備をされているし、当然だと思います。問題は、今、戦後処理ということでいろんなことが問題になっているので、あえて幾つかのことについて、重なる部分もございますが、お尋ねをしておきたいと思います。
 まず、沖縄の年金問題でございます。
 この問題は、私も過日予算委員会でも取り上げたりもいたしましたが、具体的な事実認識で厚生省にお尋ねをしたいんですが、まず一つは、格差があると言われている。これは年間五十万とも七十万とも言われておるんだけれども、おおむねそういう認識でよろしいのかどうかということについてまずお尋ねをしたいのが一つ。
 それから二つ目に、過去二回の措置をやってきた。これは制度の枠内の措置だったと思います。法律としての措置もその枠ではないかというふうに思うわけでございますが、二回の措置をやったにもかかわらず、今、復帰二十年のこの段階でこういう意見が出てきているのは、この二回の措置そのものが一定の限界というか問題があったんではないか、こういうふうに思っているわけですが、まずその点についてお尋ねをしたいと思います。
#329
○政府委員(加藤栄一君) まず、年金に格差がある、こういうことでございます。
 これまで国会等で御論議のときに引かれました数字いろいろございますが、一般的に引かれておりますのは平成元年度末の数字で、沖縄県の年金受給者の平均年金月額九万円、それから全国の平均年金月額十三・八万円、こういうことでございますが、確かに年金額に差はあるわけでございますが、このうちいかほどのものがいわゆる沖縄の年金の特殊性に対応するものであるかということは、これは今後検討会等でも検討の一つの課題になるのではなかろうかと思っております。
 何となれば、現在の被保険者の全国の平均標準報酬月額でございますが、二十六・二万円でございます。沖縄の現役の方の平均標準報酬月額の平均は二十一万二千円でございまして、この点についても差があるわけでございます。その他、雇用期間でありますとか、そういうことを全部見ませんと、このうちどの程度が、格差というもの自体がどういう定義であるかということすら分明ではありませんが、そこら辺も慎重に検討してまいらなければならないというふうに考えております。また、それぞれモデルを考えまして、年町どのくらいの年金収入になるのかというようなものがいろいろございます。これはいろいろございますので、それぞれにつきまして個別に見てまいらないと何とも申せないかと思っております。
 それから二回の措置でございます。この二回の措置につきましては、社会保険制度をとります年金制度といたしまして、過去にさかのぼって適用する、字義どおり適用するということは大変、大変といいますか、社会保険としての年金制度の趣旨にもとるわけでございますので、それはとり得なかったわけでございます。したがいまして、中高年齢層の特例という本土にあります措置をさらに有利に沖縄には適用いたしまして、加入期間につきましての特例というものを、年金計算上特例を設けたわけでございまして、それを第一回目は復帰時にとったわけでございます。
 しかしながら、それは定額部分につきまして二十年分を確保するということでございまして、その上の報酬比例部分につきましては実加入年数に対応したものでございましたので、年金額といたしましては本土よりも、同じような状態にある方よりは有利でありますが、本土よりは低くなるということでありまして、そういうことにかんがみまして、平成二年度より報酬比例部分につきましても実加入期間をさらに超えまして十五年分の加入期間に対応する報酬比例部分の年金額を算定するという特例措置を講じたわけでございますが、これは平成二年度から五年間を申請期間としておりまして、現在申請を受け付けているところでございます。
 したがいまして、先ほど申しました資料につきましても、これは平成二年度以降の措置の影響というものはまだ生じておらないものでございまして、今後見ていかなければならないというふうに考えております。
#330
○粟森喬君 私、今の答弁で、問題は年金制度という年金に係る法があって、その法の根幹を変えないということでは、私は沖縄の問題は絶対に解決しないと思う。すなわち、いわゆる復帰がおくれたわけでございますから、その間自分が掛けたくても掛けられなかったということについて、そこに立法の根拠を置かなかったら絶対だめなわけです。既存の年金法を前提に置くというのは絶対にだめなんで、むしろここは厚生省なら厚生省がそこにこだわることに大きな問題があるんじゃないか。
 もちろんこれは当時の雇用主負担をどうするのかとか、政府負担をどうするのかとか、いろんな問題がございます。これは過去国鉄年金の救済など全制度を活用してやったことなどから見たら、沖縄に対する対応として、まず厚生省のこの問題に対する担当のところで見ている本質は基本的に私は違うような気がするんですが、この辺、大臣いかがに思っていますか。
#331
○政府委員(加藤栄一君) 今お話しのございました国鉄共済とも関連しております制度間調整制度につきましては、年金制度の二元化というものを目指しまして、本来公的年金制度が目指す道に沿った考え方で対応していただく、そういうことでございます。
 また、過去に鉄道共済におきまして一般の他の公的年金制度の被保険者よりも有利であった、あるいは運営上いろいろと、何といいますか、取るべき十分な保険料を徴収していなかったとか、そういう指摘されます問題点に対応するところまで助けるとか、そういうものではございません。同じ条件下で見て、現在の被保険者がどの程度の負担をしているかということを押さえまして、それを公平にするという趣旨でございますので、本来的に年金制度の進むべき道に沿ったものと考えているわけでございます。
 また、この沖縄の厚生年金に関連する問題につきましては、今般沖縄の厚生年金に関する諸問題についての関係省庁検討会を設けることとしておりますので、この中で鋭意種々の可能性を検討してまいるということにされたところでございます。ただし、社会保険としての厚生年金保険制度が何と申しますか、成り立たないといいますか、そういう趣旨にもとるというような形での対応策というものは、これは大変無理なんだと思います。そういうことを勘案しながら、いかなる対応策を講ずるかということを検討してまいるということでございます。
#332
○粟森喬君 私、今の政府委員の答弁、問題にならないと思っています。私らが考えたって現行制度じゃ難しいんだ、だから特別立法か何かをして、ここだけは特例をやらなかったらどうしようもないという認識ですよ。ところが、政府委員の答弁は絶対に現行の年金法の枠を超えない、そんなことで解決する方法ありますか。それこそ、過去いろんな話があったように、何か長期国債出すとか金杯を出すとかホールを建てるとか、そういう問題に本質があるんじゃない。
 制度として何とかするときには特別立法しかないんだけれども、私は厚生省の今日までの過去二回の対応を含めて、格差という認識、それで総枠で、もしそれぞれが私はその格差に該当するからと言ったときどのぐらいの原資が要るかということも含めて、ちゃんとしたものを持っていて言うんならいいけれども、とにかく現行の年金法だけしか守らない。沖縄に対する認識は、これは担当者だからそこしか言わないのかもしれぬけれども、厚生省というものがいわゆる戦後処理のことについて重要な役割を果たしているときに、厚生大臣としてもこの問題の処理の基本的な考え方として、今の政府委員の答弁の枠を超えないんでしたら、とてもじゃないが何もできません。
 だから、何とかするということで、事務次官会議から関係大臣が集まってよりよき方策を考えなけりゃならぬわけですが、その辺について大臣の見解をお尋ねしたいと思います。
#333
○国務大臣(山下徳夫君) 先ほどちょっと委員からお話がございました国と雇用者ということでございますけれども、さらに内地の加入者の問題まで及ぶということでございますから、はっきり申し上げてこれは大変なことだろうと思います。しかし、とにかくお気の毒だという気持ちには変わりはないのでございます。ですから、過去二回特別の措置をやったということは、法律を改正しないで何とかできないかということで、ぎりぎりの線までやったことはもう御承知のとおりでありますが、もはやこれまでだよという限界まできていることもそのとおりでございます。
 そこで、今回は二十周年を記念して、ぎりぎりのところまできているがほかに方法がないかということを各省庁でもう一回検討しようという、それが発足したわけでございますから、あとしばらくその成り行きを見るという意味においてお時間をちょうだいしたいということであります。
#334
○粟森喬君 また改めて論議をする機会もあると思います。
 私はあえて申し上げますが、さっき国鉄年金のことを言ったのは、あれもある種の超法規的な側面があったと思う。現行の厚生年金から見ると、あれはいろいろあったから、その上の上積みみたいなところだからという話はあったけれども、あれだって、基本的に年金制度からいったら、ああいうやり方をやるなんていうのは果たしてどうだったのかというと、そういう意味でいったら問題あったんですよ。しかし国鉄の当時の、今年金受給者見たって、戦後帰ってきて国鉄に雇用された人が膨大にふえて、その分が年金としての負担の問題になったことも事実だと思う。それをお互いが、年金を掛けている人たちが共有して何とかしようではないかとやったんだから、これはやる気になれば当然私は政府が立法措置なら立法措置やればできることだ、こういうふうに確信していますから、くどいようですが何遍もこれは申し上げておきます。
 時間がございませんので、いわゆる戦後処理の問題で二問一緒にやらせてください。
 一つは、中国残留者の問題で身元引受人制度ができて、それで帰国できる制度もできましたが、残留者の関係者がなかなか名のりにくいという現状も潜在的にある。帰国往来自由みたいなのをするときに、一人一人のいわゆる残留孤児と言われる人たちの財政負担、これは日本の政府負担というものはよりよき制度として充実していくべきではないかというのが一つ。
 それからもう一つは、里帰り問題と似たような問題で、北朝鮮の問題があると思います。
 北朝鮮の問題というのは、これは外務省が扱っているということでございますが、北朝鮮へ戦後みんなお帰りになった。しかしいろいろ国内の事情やいろんな事情から里帰りするということは、これは北朝鮮の政府の方針だと思います。認めていないということがありますが、ここは外務省サイドだけでなく厚生省がこの種の問題について今後検討もしてみてほしいし、何らかの格好でこれに道を開くように厚生省から働きかけていただきたいと思いますので、この二点について質問をして、終わります。
#335
○政府委員(多田宏君) 中国残留孤児の問題につきましては、先生御承知のように年々いろんな点でその支援策を強化してきておりますし、また残留婦人の問題につきましても引き続き強化を図ってきております。今後ともその点についてはできるだけのことをしていきたいというふうには考えておるところでございます。
 それから、北朝鮮の帰国の問題でございますが、この問題については、私ども厚生省が担当しておりますのは引き揚げ援護というところから始まった仕事でございまして、それ以降の問題につきましては外務省がというふうに分担を分けておりますので、私どもの方で直接手がけるということではなく、やはり外務省の方でやっていただくということになろうかと存じます。
#336
○勝木健司君 援護法については、昭和二十七年の制定以来、給付水準が逐次改善されてきたことは大変喜ばしいことであるわけでありますが、しかし一方、戦後四十七年を経た今日でもいまだに障害年金などの請求があるようでありまして、実際その数は平成元年、二年の二年間で四百四十四件もあったと聞いております。
 そこで、援護法の対象者は高齢化をしてきておるということでありますので、潜在的な受給者が速やかに請求を行えるように、より一層の制度の周知徹底を図っていただきたいと思うわけでありますが、お伺いしたいというふうに思います。
#337
○政府委員(多田宏君) 援護年金の受給資格者が確実に年金を請求できるように制度の周知徹底を図るということにつきましては、私どもも意を配りつつやってきておるつもりでございます。実際に会議の場等では毎回そういうことを強く都道府県等にも指示をしておりますし、「民生委員児童委員のひろば」というものに広報記事を掲載するといったようなことでも周知を図ってきておるところでございますが、なお最近になって申請も出てきているという先生の御指摘の状況もございますので、一層この徹底に努めてまいりたいと考えております。
#338
○勝木健司君 次に、中国残留孤児の対策についてお伺いします。
 私自身も中国の大連の引揚者ということでありましてとても人ごととは思えませんので、毎年質問をさせていただいておるわけであります。今なお多くの残留孤児、残留婦人がおるというふうに聞いておりますので、帰国を希望する方々については一刻も早く帰国をさせてあげたいと思っておるわけであります。
 そこで、中国残留孤児のうちの身元判明孤児は身元未判明孤児と比べて帰国が在日親族の側の事情でおくれているやに聞いておるわけであります。在日親族関係者が帰国に反対しているため帰国が困難となっている者についてはどのような対策を講じておられるのか、今後どのような対策を講じられるのか、お尋ねをしたいというふうに思います。
#339
○政府委員(多田宏君) 身元が判明しました孤児の帰国に関しましてはできる、だけ在日親族が受け入れるということが望ましいということでございまして、受け入れに難色を示している親族に対しましては個々に都道府県を通じて説得に努めているという状況でございますが、こういう説得によってもなお理解が得られないという場合も先生御指摘のとおりあるわけでございまして、そういう場合には親族の意向にかかわらず帰国手続を進めるということで、親族にかわって帰国手続及び帰国後の定着、自立に必要な相談、助言を行う特別身元引受人制度というのを平成元年の七月から設けさせていただきまして、身元判明孤児の帰国の促進を図ってきているという状況でございます。
 今後ともこの制度を活用して推進してまいりたいと考えております。
#340
○勝木健司君 永住帰国を希望されております残留婦人の中には、生活様式が一変したり言葉が不十分であったりしてなかなか生活上の不安を持つ人がいると思うわけであります。そういった意味で、残留婦人等の帰国に対しても残留孤児と同様に手厚い施策を講じていただきたいと思うわけでありますが、残留婦人の帰国に対しての施策についても見解をお伺いしたいと思います。
#341
○政府委員(多田宏君) 永住帰国を希望されます残留婦人の中には、おっしゃるとおり生活様式が一変したというようなことやら、日本語や生活習慣についてうろ覚えで生活上不安があるといったような方も少なからずおられるというふうに考えております。
 こうした御婦人方に対して、従来から帰国孤児と同様に自立指導員の派遣というようなことで日本語や生活習慣等の相談、指導を行うという施策、それから自立研修センターや日本語教室等において日本語の指導を行うというような施策を講じておりますが、なお必要であれば今後とも新たな援護措置も含めて研究をしてまいりたいと考えております。
#342
○勝木健司君 今もありましたように、定着促進センターとかあるいは自立研修センターを設置されて一年にわたる自立支援体制をとっているということでありますが、そこで、自立研修センターの整備状況とその指導内容についてまずお尋ねをしたいというふうに思います。
#343
○政府委員(多田宏君) 中国帰国者の自立研修センターでございますが、昭和六十三年度に全国十五の都市に設置をいたしまして、またさらに平成元年度には就労相談員というものを各センターに配置いたしまして、地域交流事業の充実というようなことも進めてまいっておるところでございます。
 また、自立研修センターでは、定着促進センターで四カ月の研修を修了した帰国孤児世帯の方々に対しまして、適所によって八カ月間日本語の指導だとか生活指導、就労指導、それから地域住民との交流事業、それから日本と中国の学制の違いにより大学進学が困難となっている帰国孤児の子供に大学進学の道を開くための大学進学準備教育といったようなことを施しておるところでございます。
 なお、平成四年度からは、帰国孤児等の安定した就労を促進するため、センターの就労相談員が就労後一カ年定期的に職場を訪問いたしまして指導を行う就労安定化事業というのを新たに実施することといたしましたところでございます。
 こういったことで、早期定着、自立のために一層努力してまいりたいと考えております。
#344
○勝木健司君 自立研修センターは、地域に定着する帰国者の総合センターとして今後とも強化されることが求められていると思うわけであります。現在全国で十五カ所に設置されているということでありますが、これで果たして十分と言えるのかどうか、活動状況も含めて見解をお伺いしておきたいと思います。
#345
○政府委員(多田宏君) 自立研修センターにつきましては、身元未判明孤児の定着先の確保、それから受講対象者に応じた効率的な配置、さらには都道府県の要望等を勘案いたしまして、全国十五の都市に設置いたしまして積極的に活動していただいておるところでございます。
 今後、見込まれます帰国者につきましては、現在のところ、この自立研修センターでおおむね対応できるのではないかというふうに考えております。
#346
○勝木健司君 自立研修センターは適所施設であるわけでありますが、適所できない方々についてはどのような対策を講じられておるのかお伺いしたいというふうに思います。
#347
○政府委員(多田宏君) 自立研修センター設置都道府県でございましても、交通事情によってセンターに通うのがちょっと無理だというようなケースあるいはセンター未設置の都道府県に定着する世帯というのも若干ございます。そういった世帯に対しましては、帰国一年目の自立指導員の派遣回数をセンター適所世帯よりも三回多い月七回ということにいたしまして、重点的に派遣指導をするというような措置を講じて日本語指導、生活指導、就労指導の充実を図っているところでございます。
#348
○勝木健司君 最後に、山下厚生大臣にお伺いしたいというふうに思います。
 日本と違った文化を持つ帰国者を日本社会に円滑に定着させるために、早期の自立に導くためには、もちろんハード面での支援も大事でありますけれども、内面的な支援というものも今後ますます重要になってくるのではないかと思われます。そこで、地域での交流事業などのソフト面での支援とかあるいは官民一体となった支援体制の強化など今後も一層の努力が求められておるんじゃないかというふうに思いますので、援護行政全般の推進について大臣の決意のほどをお伺いしたい、こういうふうに思います。
#349
○国務大臣(山下徳夫君) 戦後四十六年もたちまして、これを一日も早く解決すべきこと、これは国民的課題だと思っております。そのためには、ただ単に定着促進のためのいわゆる施設をつくればいいということだけではなくて、その定着のためにどうすればいいかという、いわゆるソフト面における事業をしっかりとやっていかなきゃならぬ、このように理解し、そのように努力をしてまいりたいと思います。
#350
○勝木健司君 終わります。
#351
○委員長(田渕勲二君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
    ―――――――――――――
#352
○委員長(田渕勲二君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、肥田美代子君及び大島慶久君が委員を辞任され、その補欠として堂本暁子君及び藤田雄山君が選任されました。
    ―――――――――――――
#353
○委員長(田渕勲二君) これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#354
○委員長(田渕勲二君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#355
○委員長(田渕勲二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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