くにさくロゴ
1992/02/25 第123回国会 参議院 参議院会議録情報 第123回国会 文教委員会 第1号
姉妹サイト
 
1992/02/25 第123回国会 参議院

参議院会議録情報 第123回国会 文教委員会 第1号

#1
第123回国会 文教委員会 第1号
平成四年二月二十五日(火曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
  委員氏名
    委員長         大木  浩君
    理 事         木宮 和彦君
    理 事         田沢 智治君
    理 事         小林  正君
    理 事         森  暢子君
                井上  裕君
                石井 道子君
                世耕 政隆君
                真島 一男君
                森山 眞弓君
                柳川 覺治君
                会田 長栄君
                肥田美代子君
                安永 英雄君
                針生 雄吉君
                高崎 裕子君
                乾  晴美君
                小西 博行君
                今泉 隆雄君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         大木  浩君
    理 事
                木宮 和彦君
                小林  正君
    委 員
                井上  裕君
                石井 道子君
                世耕 政隆君
                真島 一男君
                森山 眞弓君
                柳川 覺治君
                会田 長栄君
                肥田美代子君
                安永 英雄君
                針生 雄吉君
                乾  晴美君
                今泉 隆雄君
   国務大臣
       文 部 大 臣  鳩山 邦夫君
   政府委員
       文部政務次官   松田 岩夫君
       文部大臣官房長  野崎  弘君
       文部大臣官房総
       務審議官     井上 孝美君
       文部大臣官房会
       計課長      泊  龍雄君
       文部省生涯学習
       局長       内田 弘保君
       文部省初等中等
       教育局長     坂元 弘直君
       文部省教育助成
       局長       遠山 敦子君
       文部省高等教育
       局長       前畑 安宏君
       文部省高等教育
       局私学部長    奥田與志清君
       文部省学術国際
       局長       長谷川善一君
       文部省体育局長  逸見 博昌君
       文化庁次長    吉田  茂君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        菊池  守君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国政調査に関する件
○教育、文化及び学術に関する調査
 (文教行政の基本施策に関する件)
 (平成四年度文部省関係予算に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(大木浩君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る一月二十三日、笹野貞子君が委員を辞任され、その補欠として乾晴美君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(大木浩君) 次に、国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、教育、文化及び学術に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(大木浩君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(大木浩君) 次に、教育、文化及び学術に関する調査を議題といたします。
 まず、文教行政の基本施策について、鳩山文部大臣から所信を聴取いたします。鳩山文部大臣。
#6
○国務大臣(鳩山邦夫君) 第百二十三回国会におきまして、文教各般の問題を御審議いただくに当たり、所信の一端を申し述べます。
 教育は、我が国が創造的で活力ある文化の薫り高い国家として発展し、世界に貢献していく基礎を築くものであり、我が国の将来は、究極のところ、教育の成果に帰するものであります。「人づくりなくして国づくりなし」と申し上げているように、国づくりの基本は人づくりであり、二十一世紀はもとより二十二世紀をも視野に入れた国づくり、人づくりに向けて、文教行政の果たす役割はますます重要なものとなっております。
 私は、このような文教行政に課せられた使命に思いをいたし、個性や創造性を伸ばし、日本人としての自覚に立って国際社会で活躍し貢献できる、心豊かでたくましい青少年の育成と、活力と潤いに満ちた一層充実した国民生活の実現を目指し、教育、学術、文化、スポーツの振興のための各般の施策の推進に全力を挙げて取り組んでまいる所存であります。
 以下、主要な課題について私の基本的な考え方を申し述べます。
 第一は、生涯学習の推進についてであります。
 すべての国民が、自分自身をより豊かにするために、生涯を通じていつでもどこでも学ぶことができ、その成果が適正に評価される生涯学習社会を実現することが、今日の我が国の重要な課題となっております。
 現在、生涯学習審議会において、今後の社会の動向に対応した生涯学習の振興方策について御検討をお願いしており、この夏にも答申をまとめていただけるものと期待しております。文部省としては、その審議等を踏まえつつ、学習情報の提供、学習相談の充実、必要な施設の整備など生涯学習の一層の振興のための施策を積極的に講じてまいります。
 また、特に学校の持つ機能を生涯学習に活用する観点から、大学等における社会人のリカレント教育の推進、公開講座や学校体育施設の開放の促進、放送大学の整備充実、専修学校教育の振興等に努めてまいります。
 さらに、生涯学習における社会教育の重要性にかんがみ、青少年の学校外活動の充実、長寿社会
への対応、女性の社会参加の促進、ボランティア活動の推進、家庭教育の充実や社会教育施設の整備充実等に取り組んでまいります。
 第二は、初等中等教育の充実についてであります。
 これからの初等中等教育においては、豊かな心を持ち、たくましく生きる人間の育成や、社会の変化に主体的に対応できる能力の育成を図るとともに、基礎的、基本的な内容を重視し、個性を生かす教育の充実を図ることが重要です。このような考え方のもとに改訂された学習指導要領も、いよいよ本年四月に小学校から全面実施されることになります。学習指導要領に基づき、その趣旨に沿った教育の実現に全力を挙げて取り組んでまいります。
 特に、児童生徒の人間形成に重要な役割を果たす道徳教育の一層の充実に努めてまいります。
 また、高校教育については、今日、中学校卒業者のほとんどの者が進学する一方、中途退学者が十二万三千人に上る状況にあります。このような状況を踏まえ、中央教育審議会の答申においても提言されているように、生徒の多様な個性や社会の変化に柔軟に対応し、生徒の個性の伸長や学習の選択の幅の拡大などの観点から、魅力ある高校づくりを推進してまいります。
 学校週五日制については、協力者会議の検討結果を踏まえ、学校、家庭及び地域社会が一体となって次代に生きる子供の望ましい人間形成を図る観点に立ち、適切に対応してまいりたいと考えております。
 生徒指導については、人間味のある温かい指導が行われ、国民や保護者の理解が得られるものとなるよう、一層の指導の充実に努め、今日大きな問題となっている登校拒否等に対しても対応の充実を図ってまいります。
 さらに、幼児をめぐる社会や環境の変化を踏まえた幼稚園教育の推進、心身障害児の社会参加を目指した特殊教育の充実についても積極的に取り組んでまいります。
 また、子供の心身の健全な発達と、生涯の各時期を通じた国民の健康の保持増進に資するため、社会教育との連携を図りつつ、学校保健、学校安全、学校給食など健康教育の一層の充実に努めてまいります。
 第三は、教育諸条件の整備についてであります。
 教育は人なりと言われるように、学校教育の成果は児童生徒の教育に携わる教員の資質能力に負うところが極めて大きく、その向上を図ることが不可欠であります。このため、初任者研修制度の円滑な実施を図るほか、養成、採用、現職研修の各段階を通じた総合的な施策を講じてまいります。
 学校においては、校長のリーダーシップのもとに全教職員が一致協力し、活力と規律ある学校運営が行われる体制の確立に努めてまいります。また、今後とも住民の意向を反映した生き生きとした特色ある地方教育行政の展開を図るため、教育委員会の活性化を図ってまいります。
 教育諸条件の整備につきましては、個に応じた教育など緊急に対応すべき事項について教職員定数の充実を図るとともに、コンピューター等の教育設備の整備を進めてまいります。また、公立学校施設につきましては、必要な量的整備の確保に努めるとともに、ゆとりと潤いのある教育環境づくり、教育方法・内容の多様化、弾力化への対応等の観点から、質的整備の充実を図ってまいります。また、今後とも、義務教育教科書無償給与制度を堅持してまいります。
 第四は、高等教育の充実と改革についてであります。
 我が国が、今後ともあらゆる分野で活力を維持し、積極的に世界に貢献していくためには、高等教育の充実と改革を不断に推進することが重要であります。
 このため、現在、大学審議会において、大学等の教育研究の高度化、個性化、活性化を図る観点から、高等教育改革の諸課題について御審議をいただいているところであります。文部省においては、昨年、大学審議会の答申を受けて、大学設置基準の大綱化や自己評価システムの導入を初めとする高等教育全般にわたる制度改正を行いましたが、引き続き、大学審議会の審議を踏まえつつ、高等教育の充実と改革に積極的に取り組んでまいります。
 国立大学については、基礎研究の推進と有為な人材の養成に資するため、大学院を中心とする教育研究条件の整備、社会的要請の強い分野に係る人材養成等、その充実に努めてまいります。また、国立学校特別会計に特別施設整備資金を設置し、この資金の仕組みを活用して国立学校施設の老朽化、狭陸化を解消するための特別施設整備事業を実施するなど、教育研究施設の充実等についても一層の努力を重ねてまいりたいと考えております。
 さらに、大学入試については、国公私立を通じた大学入試センター試験の円滑な実施と有効な活用を図るとともに、国公立大学における分離・分割方式の採用を促進するなど、関係者の努力を促しつつ、着実な改善に努めてまいります。
 第五は、私学の振興についてであります。
 私立学校は、初等中等教育、高等教育において、それぞれの建学の精神に基づいた個性豊かな教育研究を実施し、我が国の学校教育の普及、充実に多大に貢献しております。このような私学の果たす役割の重要性にかんがみ、引き続き私学助成の充実など私学の振興のための諸施策の一層の推進に努めてまいります。
 第六は、学術の振興についてであります。
 大学を中心とする学術研究は、人類の知的共有財産を創造し、社会の発展の基礎を形成するものとして、その振興は極めて重要であります。また、近年、我が国の国際的役割の増大に対応して独創的、先端的な学術研究をより一層推進し、世界の学術研究の進展に積極的に貢献していくことが求められている一方、各方面から、大学の研究環境の低下が指摘され、今後の学術研究の水準確保について懸念が表明されております。
 文部省においては、現在、学術審議会に。二十一世紀を展望した学術研究の総合的推進方策について審議をお願いしているところであり、その審議等を踏まえつつ、今後とも科学研究費補助金の拡充、若手研究者の育成、重要基礎研究の推進等、学術研究基盤の整備を重点的に推進してまいります。
 第七は、スポーツの振興についてであります。
 国民の心身の健全な発達と明るく豊かで活力に満ちた社会の形成に資するため、広く国民に対し生涯にわたってスポーツに親しむための諸条件を整備するとともに、本年開催されるバルセロナオリンピック等、国際競技大会に向けて、日本選手の競技力の向上を図ることは極めて重要であります。その意味で、一九九八年に第十八回オリンピック冬季競技大会が長野市で開催される運びとなったことは、まことに意義深いことであり、文部省としても必要な支援をしていくこととしております。
 今後とも、スポーツ振興基金による助成を含め、生涯スポーツ、競技スポーツ、学校における体育・スポーツの各面にわたるスポーツの一層の振興のための諸施策の推進に努めてまいります。
 第八は、芸術文化の振興についてであります。
 国民の文化への志向の高まり、文化面における国際交流の推進への要請に対応するためには、我が国古来の伝統文化を継承しつつ、芸術文化の創造発展を図り、その成果を積極的に海外に発信することが重要です。このため、芸術文化振興基金による助成の活用とあわせて、芸術家等の人材の養成や芸術創作活動の助成に努めるとともに、各地域における多様な文化活動の振興を図るため、特色ある文化施設の整備を含めた基盤の整備を積極的に推進してまいります。
 また、国民共有の貴重な財産である文化財の保存と活用のための諸施策を一層推進し、我が国の文化の向上、発展に努力を払ってまいります。
 最後に、教育、学術、文化、スポーツの国際交流の推進についてであります。
 今日、大きくかつ激しく変わりつつある国際社会の中にあって、我が国の役割は飛躍的に大きくなっております。我が国が、国際社会において積極的にその役割を果たし、諸外国とともに相互理解を深め、信頼を基礎とした友好関係を築いていくためには、教育、学術、文化、スポーツの各分野における国際的な交流、協力を一層積極的に進めていくことが極めて重要であります。
 学術研究の面においては、地球環境問題など人類共通の課題の解決のために尽力し、国際共同研究の推進、研究者の派遣、招聘などの学術交流の拡充を図ります。外国人に対する日本語教育についても各般の施策を通じてその一層の改善充実に努めてまいります。
 また、留学生交流について、二十一世紀初頭における十万人の留学生受け入れを目途に、大学等における教育指導体制の充実はもとより、私費留学生に対する支援、宿舎の安定的確保など、留学生受け入れ体制の総合的な整備に努めるとともに、我が国から海外へ留学する学生等が増加していることを踏まえ、その援助体制の整備に努めてまいります。
 日本人学校等の在外教育施設における教育の充実と現地社会との交流の推進、海外での貴重な体験を生かす教育の充実などについても努力してまいります。
 さらに、芸術文化交流や文化遺産の保存修復に対する国際交流、協力を推進するとともに、スポーツの国際交流の充実に努めてまいります。
 以上、文教行政の当面する諸課題について所信の一端を申し述べました。
 文教委員各位の一層の御理解と御協力をお願い申し上げる次第でございます。
#7
○委員長(大木浩君) 次に、平成四年度文部省関係予算について、松田文部政務次官から説明を聴取いたします。松田文部政務次官。
#8
○政府委員(松田岩夫君) 昨年十一月に文部政務次官を拝命いたしました松田岩夫でございます。
 微力ではございますが、大臣を補佐し、全力を尽くして我が国の教育、学術、文化、スポーツの振興に努力してまいる所存でございます。
 委員長並びに各委員の皆様方の御指導、御鞭撻をお願い申し上げます。
 平成四年度文部省所管予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 平成四年度文部省所管予算につきましては、我が国が、来るべき二十一世紀に向けて、創造的で活力ある文化の薫り高い国家として発展し、世界に貢献していく基礎を築くとともに、国民一人一人が生きがいと潤いを持って一層充実した生活を営むことができるよう、教育、学術、文化、スポーツの文教施策全般にわたり、その着実な推進を図ることとし、所要の予算の確保に努めたところであります。
 文部省所管の一般会計予算額は五兆三千百九十四億六千六百万円、国立学校特別会計予算額は二兆二千百七十二億六千九百万円となっております。
 以下、平成四年度予算における主要な事項について御説明申し上げます。
 第一は、生涯学習の振興に関する経費でございます。
 まず、生涯学習推進体制の整備充実につきましては、地域における生涯学習に取り組む体制の整備、多様な学習情報の提供、社会教育主事等の養成確保に努めるとともに、生涯学習社会における放送大学の将来の運営のあり方について所要の調査研究を行うことといたしております。
 次に、生涯学習機関としての学校の機能の充実につきましては、大学等における社会人の再教育機能を高めるとともに、公開講座や学校の開放を促進するほか、放送大学の整備充実、専修学校教育の振興を図ることといたしております。
 また、社会教育の振興の面では、公民館、図書館等の公立社会教育施設の整備、多様な学習機会の整備充実に努めるほか、家庭教育の振興、青少年の学校外活動の振興、長寿化対策事業の促進等を図ることとし、所要の経費を計上いたしております。
 さらに、国立オリンピック記念青少年総合センターの整備を進めるなど、国立社会教育施設の整備充実に努めることとしております。
 第二は、初等中等教育の充実に関する経費であります。
 まず、義務教育諸学校の教職員定数につきましては、新学習指導要領への対応、外国人子女への日本語指導など、緊急に対応しなければならない課題について所要の教職員配置の充実を図ることといたしております。
 次に、教員の資質の向上を図るため、初任者研修制度を平成元年度より学校種ごとに実施してきております。平成四年度は、新たに特殊教育諸学校において本格実施することで、初任者研修制度を完成させることといたしております。また、新たに幼稚園新規採用教員に対する研修を実施するなど教職員に対する研修の充実を図るとともに、教員の海外派遣、教育研究団体への助成等を行うことといたしております。
 教育内容につきましては、新学習指導要領の趣旨徹底を図るたあ、引き続き講習会等を行うことといたしております。
 また、理科教育における観察、実験を重視するため、小学校の設備基準を改訂し、その整備を図るほか、情報化への対応を円滑に進めるため、教育用コンピューターの整備等を推進するとともに、我が国社会の国際化への対応のため外国語教育の充実に努めていくことといたしております。
 学校週五日制につきましては、社会の変化に対応した新しい学校運営等に関する調査研究の一環としてさらに研究を進めることとし、調査研究協力校の拡充を図ることとしております。
 また、中央教育審議会の答申の趣旨を踏まえ、高等学校教育改革につきまして、調査研究の委託、研究指定校の指定など、その推進を図ることといたしております。
 なお、義務教育教科書の無償給与につきましても、所要の経費を計上いたしております。
 次に、児童生徒の登校拒否等の問題について適切に対処するため、適応指導教室についての実践的研究を拡充するなど、学校不適応対策事業の一層の充実を図ることといたしております。また、児童生徒の健全な育成を図るため、自然教室推進事業等の施策を実施することといたしております。
 道徳教育につきましては、今後の道徳教育の参考に資するため、新たに道徳教育推進状況調査を実施するなど、その一層の充実を図ることといたしております。
 幼稚園教育につきましては、幼稚園就園奨励費補助を充実するとともに、幼稚園教育振興計画を推進するなど、一層の振興を図ることといたしております。
 特殊教育につきましては、心身障害児の指導方法等の調査研究を行うとともに、特殊教育就学奨励費を充実するなど、一層の振興に努めることといたしております。
 また、海外子女教育、帰国子女教育につきましては、日本人学校の増設、児童生徒数の増加に対応し、派遣教員を増員するとともに、在外教育施設における現地社会との国際教育、文化交流等を一層推進するほか、中国等帰国孤児子女教育研究協力校を拡充することといたしております。
 さらに、児童生徒等の健康教育の充実に努めるとともに、豊かで魅力ある学校給食を目指して、その充実を図ることといたしております。
 次に、公立学校施設の整備につきましては、小中学校校舎等の新増改築事業を中心に事業量の拡充を図るとともに、屋外教育環境整備費補助制度の継続等を行うこととし、これらに要する経費として、平成三年度に対して二百十八億円増の二千五百六億円を計上いたしております。このこととも関連し、国と地方の役割分担のあり方の見直しり一環として、義務教育費国庫負担金のうち共済費追加費用等について段階的に一般財源化を図ることといたしております。
 なお、定時制及び通信教育の振興、産業教育の振興、地域改善対策としての教育の振興など各般の施策につきましても所要の経費を計上いたしております。
 第三は、私学助成に関する経費であります。
 まず、私立の大学等に対する経常費補助につきましては、平成三年度に対して四十二億円増の二千六百一億五千万円を計上いたしております。このほか、教育研究装置施設整備費補助及び研究設備等整備費補助についても、それぞれ増額を図るなど教育研究の推進に配慮いたしております。
 また、私立の高等学校等の経常費助成を行う都道府県に対する補助につきましても、平成三年度に対して二十四億円増の八百二十三億円を計上いたしております。
 日本私学振興財団の貸付事業につきましては、六百七十億円の貸付額を予定いたしております。
 第四は、高等教育の整備充実に関する経費であります。
 まず、高等教育の高度化等の要請にこたえ、大学院につきましては、大学院研究科等の新設整備、大学院を中心とする高度化推進特別経費の新規措置及び大学院最先端設備の充実など、各般にわたる整備充実を図ることとし、所要の経費を計上いたしております。
 国立大学につきましては、その教育研究環境の改善充実を図るため、国立学校特別会計に特別施設整備資金を設置し、この資金の仕組みを活用して、特別施設整備事業を実施するなど、国立学校施設の整備充実を推進するとともに、国立学校財産の有効活用を図る等の業務を行う機関として国立学校財務センターを創設することとし、所要の経費を計上いたしております。さらに、教育研究基盤の充実、学部の改組など、教育研究上緊要なものについて整備充実を図ることといたしております。
 また、附属病院につきましては、看護婦等の増員を図るとともに、救急医療等の社会的要請の強い分野に関する診療組織の整備を行うことといたしております。
 なお、国立学校の授業料につきましては、諸般の情勢を総合的に勘案し、これを改定することといたしております。
 次に、育英奨学事業につきましては、大学院博士課程学生の貸与月額を増額するほか、看護学部・学科の学生生徒の貸与人員の増員を図ることとし、政府貸付金七百三十九億円、財政投融資資金三百七十六億円と返還金とを合わせて、千九百一億円の学資貸与事業を行うことといたしております。
 また、公立大学につきましては、医科大学、看護大学等の経常費補助及び教育設備整備費等補助について所要の助成を図ることといたしております。
 第五は、学術の振興に関する経費であります。
 まず、科学研究費補助金につき要しては、独創性に富むすぐれた学術研究を推進し、我が国の学術研究を格段に発展させるための基幹的研究費として引き続きその拡充を図ることとし、平成三年度に対して五十七億円増の六百四十六億円を計上いたしております回
 次に、学術研究体制の整備につきましては、研究組織の整備、すぐれた若手研究者の養成確保に資するための特別研究員制度の拡充、研究設備の充実、学術情報システムの整備、大学と産業界等との研究協力の推進など各般の施策を進めるとともに、地球環境に関する諸課題の解明に資するための研究の推進を図ることといたしております。
 また、天文学研究、宇宙科学等のそれぞれの分野における研究の一層の推進を図ることとし、これら重要基礎研究に要する経費として五百四十六億円を計上いたしております。
 第六は、スポーツの振興に関する経費であります。
 広くスポーツ施設の整備を進めるため、社会体育施設及び学校体育施設の整備に要する経費として百九十六億円を計上いたしております。また、学校体育につきましては、学校体育指導の充実を図るため所要の経費を計上いたしております。
 さらに、生涯スポーツ推進の観点から、指導者の養成確保など、幅広く国民のスポーツ活動を助長するための諸施策の一層の推進に努めることとし、所要の経費を計上いたしております。
 次に、競技スポーツの振興につきましては、日本オリンピック委員会が行う選手強化事業を引き続き実施するとともに、スポーツ科学の推進を図るため、国立スポーツ科学センター(仮称)の建設に伴う事前調査を行うほか、国民体育大会への助成など、所要の経費を計上いたしております。
 また、一九九八年に長野で開催される第十八回オリンピック冬季競技大会の準備を推進するため、所要の経費を計上いたしております。
 第七は、芸術文化の振興と文化財の整備活用の推進に関する経費であります。
 まず、芸術文化の振興につきましては、若手芸術家の育成に資するため、国内外における研修の機会を提供する芸術フェローシップ事業の拡充を図るほか、すぐれた舞台芸術活動への支援の推進、地域の文化振興のための新文化拠点推進事業等の諸施策につきましても、所要の経費を計上いたしております。
 次に、文化財の整備活用につきましては、史跡の整備、公有化の促進、国宝・重要文化財の保存整備等の推進を図るとともに、国分寺・国府跡等の史跡を地域住民の生活、文化の触れ合いの場として活用を図る地域中核史跡等整備特別事業を実施することといたしております。
 第八は、教育、学術、文化の国際交流、協力の推進に関する経費であります。
 留学生交流につきましては、二十一世紀初頭における十万人の留学生受け入れを目途に、国費留学生受け入れの計画的整備、私費留学生に対する援助施策の充実、宿舎の安定的確保、大学等における教育指導体制の充実など各般の事業を積極的に推進するとともに、円滑な海外留学を促進することとし、そのために要する経費として三百四十七億円を計上いたしております。
 さらに、外国人に対する日本語教育の充実を進めるとともに、識字教育事業に対する協力などユネスコを通じた教育協力等もその推進を図ることといたしております。
 次に、学術の国際交流、協力につきましては、諸外国との研究者交流、各種の国際共同研究、発展途上国との学術交流、国連大学への協力等を推進することといたしております。
 また、文化の国際交流につきましても、優秀な芸術家の招聘、海外フェスティバル等への参加公演、文化財保存の国際協力など各般の施策の充実を図ることといたしております。
 ただいま御説明いたしましたように、教育改革の着実な推進を図るため所要の経費を計上いたしておりますが、このほか、文教政策の企画立案のための総合的調査研究等の経費を計上するとともに、国立教育研究所における調査研究機能の強化を図るため、引き続きその整備を進めることといたしております。
 以上、平成四年度文部省所管予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第であります。
 何とぞよろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
#9
○委員長(大木浩君) 以上で文部大臣の所信及び平成四年度文部省関係予算の説明の聴取を終わります。
 本件に関する質疑は後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時二十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト