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1992/05/12 第123回国会 参議院 参議院会議録情報 第123回国会 文教委員会 第6号
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1992/05/12 第123回国会 参議院

参議院会議録情報 第123回国会 文教委員会 第6号

#1
第123回国会 文教委員会 第6号
平成四年五月十二日(火曜日)
   午後一時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月十一日
  委員今泉隆雄君は逝去された。
 五月十二日
    辞任         補欠選任
     真島 一男君     藤田 雄山君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         大木  浩君
    理 事
                木宮 和彦君
                田沢 智治君
                小林  正君
                森  暢子君
    委 員
                井上  裕君
                石井 道子君
                世耕 政隆君
                藤田 雄山君
                真島 一男君
                柳川 覺治君
                会田 長栄君
                肥田美代子君
                針生 雄吉君
                高崎 裕子君
                乾  晴美君
                小西 博行君
   国務大臣
       文 部 大 臣  鳩山 邦夫君
   政府委員
       文部大臣官房長  野崎  弘君
       文部省生涯学習
       局長       内田 弘保君
       文部省高等教育
       局長       前畑 安宏君
       文部省体育局長  逸見 博昌君
   事務局側
       常任委員会専門  菊池  守君
       員
   説明員
       法務省入国管理
       局入国在留課長  小山  潔君
       農林水産省畜産
       局家畜生産課長  菱沼  毅君
       農林水産省畜産
       局競馬監督課長  田原 文夫君
       運輸省鉄道局施
       設課長      山田 隆二君
       建設省道路局国
       道第一課長    松浦たかし君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○長野オリンピック冬季競技大会の準備及び運営
 のために必要な特別措置に関する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(大木浩君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 議事に先立ち、一言申し上げます。
 本委員会委員今泉隆雄君は、昨日、急逝されました。まことに哀悼痛惜にたえません。
 ここに、皆様とともに、同君の長年にわたる御功績をしのび、謹んで黙祷をささげ、心から哀悼の意を表し、御冥福をお祈りいたしたいと存じます。
 御起立をお願いいたします。黙祷をお願いいたします。
   〔総員起立、黙祷〕
#3
○委員長(大木浩君) 黙祷を終わります。御着席願います。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(大木浩君) 長野オリンピック冬季競技大会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案について、政府から説明を聴取いたします。鳩山文部大臣。
#5
○国務大臣(鳩山邦夫君) このたび、政府から提出いたしました長野オリンピック冬季競技大会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 昨年六月、平成十年に開催される第十八回オリンピック冬季競技大会の開催地が長野市に決定いたしました。
 政府といたしましては、招致に当たり、平成元年に閣議了解を行っているところであり、さらに、開催決定後、大会の準備及び運営を行う財団法人長野オリンピック冬季競技大会組織委員会の理事に内閣官房長官及び文部大臣が就任しているほか、平成四年二月には、長野オリンピック冬季競技大会の準備に関し国の施策に関連する事項について連絡調整を図るため、長野オリンピック冬季競技大会準備対策協議会を設置し、国の協力体制を確立したところであります。
 今回の法律案は、同大会の円滑な準備及び運営に資するため、このような政府による支援の一環として必要な特別措置を定めようとするものであり、その内容の概要は、次のとおりであります。
 第一は、この法律案の趣旨が、同大会の円滑な準備及び運営に資するため必要な特別措置について定めるものであることを明らかにしたものであります。
 第二は、寄附金付郵便葉書等の発行の特例を定めるものであります。お年玉付郵便葉書等に関する法律に規定する寄附金付郵便葉書等は、同法に規定するもののほか、組織委員会が調達する大会の準備及び運営に必要な資金に充てることを寄附目的として発行することができることとするものであります。
 第三は、組織委員会の職員に係も退職手当の特例等を定めるものであります。組織委員会に対しては、国家公務員及び地方公務員が派遣される予定であり、これらの職員について、国家公務員退職手当法、国家公務員等共済組合法及び地方公務員等共済組合法の規定の適用の特例を定めるとともに、組織委員会の理事等は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなすこととするものであります。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださるようお願いいたします。
#6
○委員長(大木浩君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#7
○小林正君 先日終わりましたフランスのアルベールビル・オリンピック冬季大会でございますけれども、史上最大六十五カ国、二千二百人の選手団、こういうことで開催をされ、成功裏に終了をいたしました。
 国際情勢がオリンピックに政治の影を落とすということがかつてあったわけでありますけれども、冷戦終えん以降、特に東欧圏、さらには旧ソ連圏の独立諸国の参加というような問題も含めまして、また新しい時代のオリンピックの幕あけと
いうことが指摘をされておりますし、夏のバルセロナ・オリンピックもそうした延長線の中で平和の祭典としての競技大会が開催されるという見込みになっております。
 過去、モントリオールの大会でアフリカ諸国がボイコットをするというような事態もありましたし、アフガン紛争の中でモスクワ大会をボイコットする、さらにはその影響でロサンゼルス・オリンピックにおきますボイコット問題といったようなことが繰り返されて、オリンピックの危機と言われた時期もありましたけれども、そうした点を克服してことしを迎えだということは、平和の祭典としてクーベルタン男爵が近代オリンピックを構想されて、それに基づいて平和の祭典として位置づいて間もなく百年を迎えるという段階で、そうしたさなかに長野オリンピックの招致決定ということで、大変歴史的にも意義のある時期を迎えているなという気がするわけでございます。
 アルベールビルのオリンピックでスローガンとして「自然への回帰」というようなことが言われました。特にこの地域のサボア県という県の中で、自然、エコロジーを非常に大切にしながら鉄道ですとかあるいは道路建設、さらには地域によって浄水化の装置あるいはごみの焼却施設といったようなものも新たに建設をしながら、地域の要望も生かしながら自然に細心の注意を払う中でこの大会が行われた。伺いますと、それだけで費用として十七億ドルの資金が投入をされたということも伺っているところでございます。
 そして、この大会の特徴として、IOCとのプレゼンテーションの段階で分散方式で開催をするということについての事前の合意があって、十三の会場施設にこれが分散をして行われるということでありました。既設のものを生かしながら、しかも一カ所に集中して自然破壊等の問題が生じないようにという配慮からのことであったというふうに思いますけれども、この点積極的な側面もあろうかと思います。
 IOCとして、一都市、一国に限らず二カ国に分けて分散して開催をするというような方向についても今後対応するというような話も出ているわけでありまして、かなり広域的な開催ということが一つの流れとして今後出てくるのかなという気もいたしますが、しかし、問題点もかなりあったということも伺っているわけであります。
 その一つが、開会式は全体としての選手団交流の場になり得たわけですけれども、以後の各個別の競技というものが分散して開催をされますと、それ以降のアフターファイブといいますか、交流という点で言うと、各国間の若者の交流が競技の枠を超えてなかなかできなかったというようなお話も伺っているわけであります。
 さらに、個別の競技会というようなものは国際大会としては既に冬季の種目の中でそれぞれ行われているわけであります。そういう点考えると、オリンピックで一堂に会してそれぞれ別々の会場で個別競技を行うという形で、しかも以後の交流がないということになりますと、一体個別の国際競技大会とオリンピックの違いは何なのかといったような点でかなり不満も残したということも言われておりますし、かなり広域に分散をして開かれたために会場とのアクセスの問題、輸送に相当の時間を要したということ、そのための綿密な事前の計画という点では大変なエネルギーを使わざるを得なかったということも言われておりまして、分散方式のあり方というか問題点というようなことも相当指摘をされたところでございます。
 さらに、二年後にノルウェーのリレハメルで冬季大会が行われて、冬と夏のローテーションをそこから変えていくというようなことがこれから行われて、長野が六年後、こういうことになったわけでありますけれども、次の大会のノルウェーが次期ホスト国としてこのアルベールビル大会で非常に好成績を残されたということも高く評価をされているわけであります。そういたしますと、やはり冬季競技大会を招致するホスト国としての資格要件といいますか、というのはないんだろうと思いますけれども、冬季スポーツに対する関心とそれから技術的な積み上げというものが大会の成績に反映をされていく非常に重要な要素なんだなということを今度のノルウェーの結果を見まして改めて感じたわけであります。
 次に、日本の成績の問題なんですけれども、冬季オリンピックが開催をされまして二回大会から十三回、全体で七個のメダルをとった。そして今回、一回の大会で七個のメダルをとる。非常に画期的な好成績をこの大会でおさめられたことに、関係者の御努力とこの間の御尽力に本当に敬意を表したいというふうに思います。
 私、テレビで見ておりまして、優勝したりあるいは好成績でメダルをとったメダリストたちの表情が、国の名誉をかけて悲壮感で戦っているというよりは自分のこれまでの研さんを最大限力を発揮するということで、屈託のない明るさといいますか、今までのオリンピックの表情とは非常に違っている日本選手の様子を見まして、これが好成績にもつながったのかなという気がしているわけです。余り日の丸と国の名誉の重みというものに押しつぶされないで、やはり新人類、若者の最近のそうした明るさというものが好成績にも結びついたのかなというようなことも感じているわけでありますけれども、こうした幾つかの点につきまして、アルベールビル・オリンピックを振り返って、今後招致国という立場からどのような御感想をお持ちなのか、文部大臣からお話を承りたいと存じます。
#8
○国務大臣(鳩山邦夫君) 小林先生の今のアルベールビルを振り返ってのいろいろなお話、すべて感銘深くまた共鳴する部分極めて多く聞かせていただいたわけであります。
 今回、長野にオリンピックを招致することができた。大変喜ばしいことであって、東京オリンピックあるいは札幌冬季オリンピック、これらのオリンピック競技大会を節目として日本のスポーツに対する水準から、興味から、大きく飛躍をしたと思っておりまして、偉大なる契機に東京も札幌もなったわけであります。しかし、当時はまだ我が国の経済成長が続行中でございまして、いわば先進国に追いつけ追い越せ、まあ追い越せまでいかない、追いつけという時代でありましたでしょう。例えば東京オリンピックとともに首都高速道路ができたというようなことが私どもの少年時代の思い出に残っているわけであります。
 ですから、スポーツの世界で申し上げれば、今回の長野オリンピック冬季競技大会が我が国民のスポーツに対する興味や関心を増大せしめたり、あるいはスポーツの一層の普及振興とかあるいは競技力の向上に結びつけなければいけないということは当然でございますけれども、これだけの経済大国となった日本でオリンピックが行われるということでありますから、世界じゅうが日本はどんなにかすばらしいオリンピック冬季競技大会を長野でやってくれるだろうという期待が高まっていると思うわけであります。それは、ちょっと言い方は、本当はこういう言葉を使ってはいけないのかもしれませんが、いわばスポーツの世界での一つの国際貢献というんでしょうか、日本がどの程度立派な大会をやってみんなを喜ばせてくれるかというような、そういう観点も出てきていると思います。
 ですから、できるだけ諸先生方の御協力もいただいて、文部省も全力を尽くして内閣一体となってこの長野オリンピック冬季競技大会が成功するように努力をしなければいけないなと思っております。
 今、小林先生がおっしゃったようにメダルを七個とりました。橋本聖子さんは女性としての初めてのメダリストでありましたし、伊藤みどりさんもすばらしいヒロインとして誕生しましたし、ノルディックでの活躍も目立ったわけでありまして、今までの総計と同じ七個のメダル、金一個、銀二個、銅四個を獲得したということが、ウインタースポーツに対する日本国民の興味というものを非常に増大せしめたということはいい結果だったなと思いまして、長野オリンピックにつながる大きな要素があると確信をいたしております。
 私は、日本橋で行われましたアルベールビルの壮行会に参りましてそこでごあいさつをしましたのは、今小学生とかあるいは中学生になったばかりぐらいの方が、皆さんの活躍を見てちょうど長野オリンピックのときに脂の乗り切ったメダルをねらえるような選手になるんだから、そういう方たちのためにもアルベールビルで頑張ってきてほしい。「ザ モスト インポータント シング インジ オリンピック ゲームズ イズ ノット ツー ウイン バット ツー テーク パート」という、私が高校一年生のときに国立競技場で電光掲示板に鮮やかに浮き出たクーベルタン男爵の言葉は、今小林先生が雄弁に指摘されましたように、国際交流あるいは世界平和のために大きな役割を果たしているわけであります。しかし反面、やっぱり勝つ、メダルをとるということが国民の意識を鼓舞したりその国でのスポーツの高揚につながることも間違いない一面でありますので、予想よりもはるかに多かった七個のメダルは、私はリレハメルを通じて今度は長野オリンピックでの我が国の選手の大きな期待につながるものと考えております。
 なお、先生は、今回のアルベールビルのときに「自然への回帰」というか環境に優しいということで新しい側面も見られたということをおっしゃいましたが、長野オリンピックもそうでなければならないと思います。もしお尋ねがあれば私なりの持論を申し上げたいと思いますが、多分二十分ぐらいかかると思いますから、終わらせていただきたいというふうに思います。
#9
○小林正君 ぜひお伺いしたいなという気がございますけれども、時間の制約もありますので片りんをお示しいただければというふうに思います。
 そこで、長野オリンピックに向けて日本が大変厳しい競争の中で招致に成功したということで、この間の経過も含めましていろいろお尋ねをしていきたいというふうに思うんです。
 長野オリンピックの現地のパンフレットを見ますと「友好と平和」、こういうタイトルがついておりました。「自然への回帰」というアルベールビルに対して「友好と平和」。アジアで行われます特に冬季大会で長野としての思いがこの言葉に込められているんだろう、こういうふうに思います。やはり何といってもオリンピック精神というのは平和、世界の若者が戦場で出会うのではなくて同じスポーツ、競技を通して出会って切磋琢磨し合う、そういう人間本来の関係を取り戻す大変重要な場面でもあるというふうに思いますので、こうしたテーマを設定されたということも大変意義のあることだなというふうに考えているところでございます。
 もう一つは、今大臣も仰せられましたけれども、環境の問題というのが最近特にオリンピックを招致するに当たって各国で出てまいるわけでございますが、このことにつきまして自然保護に対する細心の注意というものも払っていかなければならないだろう。
 そして三点目として、オリンピックが済んで後のことですけれども、招致した都市なり地域社会というものがこれを発展の契機にすることができるかということが後に残る。宴の後は惨たんたるものだったというようなことになってはいけないだろうというふうに思います。したがって、招致した地域社会の発展に寄与し得るものにどうできるかということもまた重要なテーマではないかなというふうに考えているところでございます。
 そこで、まず一つは、この「友好と平和」というのを長野が提起しているわけですが、これは大会の今後のスローガンという形で引き続きいくようになるのかどうかという点と、それから自然環境の問題で、例えば志賀高原の岩菅山をやめて八万尾根に移したというような問題もあるわけですけれども、そのほか地元から幾つかの問題点が指摘をされておりますが、クリアすべき課題はどういうものが今あるのかという点についてお尋ねをしておきたいというふうに思います。
#10
○政府委員(逸見博昌君) 先生御指摘のとおり、長野オリンピックにつきましては、その招致の段階から友好と平和の大会とするということを目指しておりました。そのとおりでございます。
 ただ、それとともに環境保護、これはもう今や全世界的な課題でございまして、オリンピック憲章におきましても環境問題への配慮が求められているということから、長野オリンピックにおきましても「地球時代の美しい冬季オリンピック」ということを招致スローガンとまたしてきておるところでもございます。
 今後の競技施設の整備に当たりましても、長野県に自然保護に関する検討委員会、こういったものを発足させるということで、環境保護へ万全の体制をとって進めていこう、こういったふうな体制が整っているということを聞いておるところでございまして、私どもこの点につきまして大いに期待をかけておるところでございます。
#11
○国務大臣(鳩山邦夫君) 先般、この法律案の衆議院での審議の際に共産党の方から御質問を受けましたので、白馬村のジャンプ台をつくるに当たって、ギフチョウのイエローバンド型が絶滅というか大変大きな被害を受ける可能性について私なりに私見を申し述べました。異見があるわけではありませんが、私はその辺の昆虫の世界の事情をよく知る者として、でき得れば自分で現地へ行ってみたいというふうに思っております。まだまだ幾つかそういう問題点があろうかと思いますので、私が今問題にしておりますことについては衆議院の議事録をもってお読みいただければありがたいと思っております。
 ただ、新聞でごらんいただいたかと思いますが、全国植樹祭は大変立派な行事ではありますけれども、植樹祭のために木を何千本も切り倒すというようなことさえうっかりすると行われる国でありますから、まだまだ十分気を引き締めていかなければならないと思います。
#12
○小林正君 実は大臣の衆議院における議事録を読ませていただきまして大変感銘を受けたわけでございますけれども、小さい命に対してそうした思いをはせて計画自体を変更するというようなことまでフランスの場合には行われたということも聞いております。やはりオリンピックの精神というものがそういう形で発揚されるというのは非常に重要な課題だなということを思ったわけであります。
 地域社会の発展にどう寄与するかという問題についてこれから幾つかお尋ねをしていきたいというふうに思います。
 第十八回オリンピック冬季競技大会を長野に招致するに当たって、この間関係者が招致委員会を中心にして大変御尽力をされて、IOCにおけるいわゆるプレゼンテーションといいますか、開催条件を提示してそして幾つかの競争に打ち勝って招致を決定されたということですが、この内容について、一体どういう点が特にIOCのそれぞれの皆さん方の御賛同を得た結果につながったのか、招致委員会でこの間やってこられた立場から、どういう点が評価されてこの決定につながったのかというようなことについてお伺いをしたいというふうに思います。
#13
○政府委員(逸見博昌君) 第十八回オリンピック冬季競技大会長野開催決定は、御案内のとおり、平成三年六月十五日、第九十七次IOCバーミンガム総会、ここにおきましてIOC委員の投票によって決定したところでございます。
 この決定は、総会におけるプレゼンテーションという今先生御指摘がございましたが、これだけではなく、プレゼンテーションにおける伊藤みとりざん、小谷実可子さんたちのかわいらしい活躍ぶり、大変効果的であったろうなということも私ども思っておりましたが、これだけではなくて、例えば長野が提出いたしました開催計画に対するIOC委員の評価、それから地元を初めとする招致関係者の御熱意と御努力のたまもの、こういったふうに理解しております。
 具体的に申し上げますと、関係者が一体となりまして招致に注いだ多大なる情熱、大会開催に際しての自然環境への配慮を重視した計画、交通の利便性とコンパクトな会場の設定、アジアにおけ
る冬季スポーツの拠点を目指すという長期的な視点、二十年以上アジアにおいてオリンピック冬季競技大会が行われていなかった、こういった事情、それから東京、札幌両大会の実績に見ます我が国の組織運営力、これらが総合的に評価されまして長野オリンピック決定を見たもの、こういうふうに確信しておるところでございます。
#14
○小林正君 最終的に決選で長野とソルトレークシティーが残った。そして八十八人の委員のうち四十六対四十二という、まあ言ってみれば薄氷の勝利といったような状況であったというふうに思うんですけれども、大変スリリングな結果と言ってもいいんでしょうか、そういう状況であったわけですから、関係者の皆さん大変御心配をされただろうというふうに思うんです。
 一方、この招致委員会の招致運動資金といいますか、これも衆議院段階でも問題にされていたわけで、日本が十九億六千万円というお金を使い、ソルトレークシティーは六億三千万円、エステルスンドが三億四千万円なんという、どこからはじいた計算かはちょっと僕もわからないんですけれども、そんなようなことが言われて、資金量に物を言わせて勝利をおさめたというようなことでマスコミ等からもいろんな角度からの指摘もあるんです。
 私としては、そのプレゼンテーションの中で大変この間の経過で御尽力をされた、その結果として受けとめたいという気持ちもありますし、お金がかかったということも、日本というのはアジア大陸の端にあってなかなかヨーロッパ諸国とは違ってロケーションの面からいっても大変不利な立場にありますから、行き届いたPRをするためには相当お金もかかっただろうということも理解するんですけれども、マスコミで指摘されているような事態があって、それが今後もオリンピック招致にかけてエスカレートしていくというようなことになると、これはオリンピック精神の基本にかかわる問題としていろいろ問題が出てくるだろうというふうにも思いますが、そうした点についてどのように受けとめられているか、お伺いをしておきたいと思います。
#15
○政府委員(逸見博昌君) 各都市の招致活動、それぞれの国の国内オリンピック委員会の指導のもとに立候補都市が行うものでございますけれども、複数の都市が立候補いたしました場合、大変熾烈な競争が行われるということ、そして大変大きな金がだんだんかかってきておるという状況、これは事実であろうと思うわけでございます。
 ただ、招致活動といたしましては、概要計画書の策定、九十名を超えますIOC委員等への説明、それからIOC総会におきますプレゼンテーション、こういったことで大変金のかかる仕組みに基本的にはなっておるところでございます。
 したがって、こういった問題につきましては、それぞれ立候補した都市自体にも問題があるぞということを十分に認識をしておったわけでございますが、IOCそのものにおきましても、これではいけないというふうな反省に立たれたようでございまして、今後の招致活動におきます経費増大等を抑えますため、ことしの二月、まさにアルベールビル・オリンピックが行われておる最中でございますが、第九十八次IOC総会におきまして一つの招致活動に関する新規定を採択いたしております。
 これを見ますと、大変恥ずかしくなるような内容が書いてあるわけでありますが、例えば立候補都市に関する項目では、IOC総会等の各種会議に代表を派遣する場合は六人までとする。IOC委員への贈り物は二百ドル、約二万五千円を超えない。IOC委員を訪問する際はIOCへの事前報告が必要であるというふうなこと。それからIOC委員に関する項目といたしましても、立候補都市への訪問は一回限りで、原則として三日以内とする。それから航空券はIOCが用意する。当然と思われるようなことまで列記をいたしまして、これを今後守っていこう、こんなことになっておるようでございますので、今後はこの規定にのっとりましてより適切な招致活動が行われるものと期待しているところでございます。
#16
○小林正君 IOCで一たん決定をされて、以後地元の立場からどうしても受け入れられなくなっちゃって返上したというのが過去デンバーでございましたね。ああいうようなことも含めて考えると、IOC内部での検討というものが、立候補しているそれぞれの都市についての吟味と、それからそういうものを受け入れる条件がどう整っているか、特にこれからの問題としては自然環境の問題等含めまして非常にいろいろ問題があるわけで、やはり専門家集団によってそれぞれの都市の実態、内政干渉にわならない範囲でのさまざまな情勢の分析等もあわせて行って、客観的な物差しで適切な選択ができるというような方向性というものをやっていかないと、今指摘されているような事態が起こらないとも限らないと思うんですね。
 また、日本については、金持ちの国で札束で誘致したような言い方までされているということについても避けることができるわけで、我々としてはアジア近隣諸国との交流はありますけれども、ヨーロッパ、アメリカ大陸ということではやはり相当距離的にも遠いということで日常的な交流がなかなか困難な地域でありますから、そういう点で言うと世界の国々の若者に集まってもらいたいという強い願望があるわけですから、ぜひそういう意味で誤解を与えないような対応が今後も求められるだろうという点を一つ御指摘しておきたいというふうに思います。
 それから、準備状況の問題について幾つかお尋ねしたいと思うんですけれども、このプレゼンテーションの中でも交通の問題ですとかいろんな条件についてお約束をされているわけですから、それらについて具体的にその約束どおりにいくようにしなければならないだろう、このように思います。
 きょう運輸省にもおいでをいただいておりますので、特に足回りの関係について、会場とそれから東京、それぞれの地域との関係を結ぶ一つの大きな問題点となっておりますのは、北陸新幹線の関係とそれから高速道路等の問題があるわけですけれども、これらについて今の状況についてお知らせをいただければと思います。
#17
○説明員(山田隆二君) お答えいたします。
 今先生お尋ねの北陸新幹線の今の状況でございますが、まず高崎−長野間のうち高崎−軽井沢間につきましては、平成元年の六月に工事実施計画の認可を行いまして同年の八月に着工しておりまして、現在鋭意工事を進めているところでございます。現在、工事総延長の約八割の用地が既に確保されております。また、トンネルとか橋梁などの工事につきまして着手しておりまして、工事の最盛期を迎えているところでございます。
 次に、残る軽井沢−長野間につきましては、昨年の八月に工事実施計画の認可をいたしまして、同年九月に着工いたしております。現在ほとんどの地区におきまして地元説明会を終えまして、用地買収のために必要な測量等を開始しております。また、五里ヶ峰トンネルを初めとする主要なトンネルで本格的な掘削を始めるための準備を行っているところでございます。
 今後は地元の皆様方の協力を得つつ、認可の日からおおむね六年という時期を目途に工事の進捗を図っていくようにしております。
#18
○説明員(松浦たかし君) 冬季オリンピック関連の高速道路の整備状況ということでございますが、建設省といたしましては、特に首都圏と長野を結びます道路につきまして重点的に整備を進めるということで考えておりまして、現在、長野県内の高速道路のうち関越自動車道の上越線及び中央自動車道の長野線の整備を進めております。このうち関越道の藤岡インターチェンジから佐久インターチェンジ間七十キロメートルと中央自動車道の豊科インターチェンジから須坂のインターチェンジ間五十九キロメートルにつきましては、平成四年度、今年度の供用を目途に鋭意整備を進めております。
 また、関越道の残りました佐久のインターチェ
ンジから更埴のジャンクションの間四十七キロメートル及び須坂インターから中野インターの間十一キロメートルの延伸でございますが、これにつきましては現在用地買収及び文化財調査を進めますとともに、一部工事に着手しております。しかし、オリンピックが開催されます平成九年までにこの道路を供用するためには早期に家屋移転や文化財調査を進める必要がありまして、引き続き地元のより一層の御協力を得ながら整備を進めてまいりたいというふうに考えております。
#19
○小林正君 北陸新幹線の長野までの完成はいつということですか。
#20
○説明員(山田隆二君) 私ども、工事実施計画の際につけました工期につきましては認可の日からおおむね六年ということにしておりますので、今まだ具体的な月まで確定する状況じゃございませんが、平成九年のうちには開業に至れるという目標のもとに今やっているところでございます。
#21
○小林正君 そうしますと、平成十年の二月開催ということで、平成九年内には完成するということでよろしいですか。わかりました。
 それから高速道路については、中央高速道路から松本から上っていく部分がありますよね。それと今おっしゃった関越自動車道で行って藤岡から入るルートということで、この完成の時期をそれぞれどういうふうにお考えでしょうか。中央高速の関係と。
#22
○説明員(松浦たかし君) 先ほど申し上げましたが、中央高速の松本から北へ上がっていく道路でございますが、須坂のインターチェンジまで、これにつきましては今年度供用したいというふうに考えております。
 それからまた、関越道の藤岡のインターチェンジから中央道に向けての間で藤岡から佐久のインターチェンジ、これ約七十キロありますが、これについても今年度開通させたいというふうに考えております。
 それから残りました関越道の上越線のうちの佐久から更埴のジャンクションの間、これにつきましては現在用地買収等を進めております。それからまた須坂のインターチェンジ、これは中央高速の中野線でございますが、須坂から中野の間十一キロありますが、これについても用地買収を進めております。これを平成九年までに何とか供用開始させたいということで現在用地買収とそれから文化財の調査を進めております。これからまだいろいろ地元の協力を得なければなりませんので、ぜひとも地元の協力を得ながら整備を促進させたいというふうに考えております。
#23
○小林正君 それとあわせて、選手村から例えば白馬村とか飯綱高原とかあるいは志賀高原という、いわゆるオリンピック関連道路といいますか、選手を輸送するための道路についての計画はどのようになっているんでしょうか。
#24
○説明員(松浦たかし君) オリンピックの関連の道路といたしましては、国道十九号の長野市の七二会から長野市の青木島間、それから国道二百九十二号の中野市の夜間瀬から山ノ内町、志賀高原の蓮池の間、それから主要地方道、長野大町線の長野市安庭から美麻村の青貝の間等を関連道路として今整備を進めることにしております。これらにつきましては、県が施行するところ、それから市町村が施行するところ、それからまた建設省が直轄で施行する区間がありますので、今後とも県、市町村と十分調整を図りながらそり整備に努めてまいりたいというふうに考えております。
 しかしながら、この中には国道十九号の長野南バイパスの青木島地先とか、あるいは笹平改良等、今年度に新規に事業着手するところがございます。これらにつきましてはこれからまた用地買収等を進めていくわけでございまして、これらについてもやはり地元の協力を得ないとできませんので、これからできるだけ地元の皆さんに協力を得ながら整備を進めてまいりたいというふうに考えております。
#25
○小林正君 それから、運輸省の方にお伺いしたいんですけれども、松本空港の関係なんですけれども、松本空港が現在千五百メートルでYSの離着陸ということを、ジェット化ということで既に許可がおりて現在進行していて、平成六年に完成をするということで今進めているというので、航空局の方にはきのういろいろお伺いをしてあるわけですけれども、そのことで今後進められるということの確認をこの場でいただければというふうに思うんです。――おいでになるということにはなっていませんでしたので、運輸省としてお答えいただければと思ったんですが、そういう権限でなければ、という確認をいただいておりますということだけ申し上げておきたいと思います。
 それから法務省、おいでになっていますか。
 松本空港がジェット化されて、チャーター便等の問題、さらには海路といいますか、直江津港を通り海外からの選手団がお見えになるということが仮にある場合、地元要望としては、言ってみれば選手等の入国手続の臨時の審査所の開設ということについての要望もされているわけですけれども、これについてお伺いしたいと思います。
#26
○説明員(小山潔君) 入国管理関係でございますけれども、平成四年度予算におきまして、実は東京入国管理局長野出張所の設置が認められてございます。したがいまして、現在その長野出張所の開設に向けて準備を進めているところでございます。そのような関係でございまして、長野オリンピックの開催に伴いますところの松本空港での入国審査ということが必要になりました場合には、この長野出張所から職員を派遣して対応に努めてまいりたい、このように思っておるわけでございます。
 それから一方、直江津港の方でございますけれども、この直江津につきましては、現在も東京入国管理局の直江津港出張所というのが地元にございますので、この出張所において審査の方は対応できるだろう、そのように考えております。
#27
○小林正君 どうもありがとうございました。
 それでは建設省、運輸省、それから法務省、結構でございます。
 財政問題で今問題になっておりますのは、平成元年の六月六日の閣議了解というのが話題になっているわけです。これは名古屋のオリンピック招致の閣議了解とほぼ同じ内容だというふうに思うんですが、同じ冬季大会でも、かなり前ですけれども、札幌のときの条件と比較すると、この平成元年の閣議了解というのが大変内容的に厳しくなっているというふうに思うわけです。そういう点で地元へのかなり大きな負担増ということが出てきているわけでありますが、この問題について今閣議了解をこの時点で大臣としてどう受けとめておられるのかお伺いしたいと思います。
#28
○国務大臣(鳩山邦夫君) 平成元年六月六日の閣議了解はもちろん現に生きているわけでございまして、この閣議了解のもとで長野オリンピックを招請、招致することを認めておるわけであります。
 衆議院の文教委員会での審議のときにも、ややこの悪名高き閣議了解のような表現を叱って、私が答弁したのじゃありません、そういう雰囲気で質問を受けまして、私なりにいろいろ読ませていただいておるわけですが、なかなか厳しい書き方になっております。これはまた我が国の財政事情等もありましょうから、当然のことでもあったのでしょうが、この閣議了解を私が変更する力を持っているわけではありませんが、ただ、いろんな読み方というのは今後検討できる部分があるんではないだろうか。何というか、非常に厳しく書いてありますけれども、解釈や読み方でどの程度のところまでできるのかということを検討してみたいなというふうに思うわけであります。
 それでもまだ問題が残るとか、これではなかなか長野のオリンピックの競技場あるいは施設あるいは周辺整備が進まないというようなことが起きるのであれば、そのときはそのときでまたいろいろ検討しなければいけないかとは思いますが、現在はこの閣議了解のもとでその読み方、解釈の仕方の柔軟性をある程度認めていただくような形で進めていくことはできないだろうか、そんなふうに私は考えております。
#29
○小林正君 このプレゼンテーションで、海部首相以下質問に答える形でいろいろな約束をされているわけですね。この約束はやっぱり国際公約的な要素があるわけで、当然のこととして万全を期して体制をつくらなければいけないということで、予算があるからないからということではないだろうというふうに思うんです。
 特に、この中で出てきている文言で、「国の所要経費は将来にわたり既定経費の合理化により賄うものとし、特別の措置は一切講じないこと。」、特別の措置は講じないという言葉が二回出てくるわけで、お金をかければいいということではもちろんないわけですけれども、必要な経費はやっぱり避けて通れないということで考えなければならないというふうに思います。
 長野の場合は国の直轄は一つもないということでもありますし、負担の割合が札幌の場合は三分の二、これが今度は長野の場合ですと「二分の一以内とする」ということになっているわけですね。そうすると、以内というのはどこまでを言うのか。ちょっきり二分の一なのか。以内なら限りなくゼロに近いところまでが以内だということにもなりかねないわけで、この辺が今の大臣の極めて弾力的なお答えにもつながっているのかなというふうにも思うんですけれども、以内というのはいかにも幅があり過ぎやしないかなというふうに思うんですが、この点いかがでしょうか。
#30
○国務大臣(鳩山邦夫君) 確かに閣議了解の別紙一は、「二分の一以内」と書いてあるわけですが、アイスホッケー場の整備に国庫負担をいたしておるわけですが、これはきっちり二分の一を出すわけでありますから、これからも二分の一まで出すという、そういう意気込みでやっていきたいとは思っております。
#31
○小林正君 わかりました。大変心強い御答弁をいただきまして、ありがとうございました。
 それで、メーンスタジアムの関係というのは、アルベールビル・オリンピックのあの開会式のセレモニーを見ておりましても、非常に華麗でしかもエスプリに富んでいる演出が行われたわけでして、言ってみればオリンピックの顔、花であるわけですけれども、そういうメーン会場について、五万人収容の施設として建設をするということになっている。先日、長野の方に伺いましたら、今後長野市で五万人の人を集めてやるイベントというのはほとんどないということで、以後の跡地の有効利用も含めて考えると、三千人規模の本格建築とあとは仮設で対応するのが将来を考えてみても、あるいは維持管理ということを含んで考えてみても重要だというようなことを述べておられたわけです。
 そういう点を考えますと、これも聞いた話なんですが、実はその本格建築の部分については国の二分の一の問題が出てくるんだけれども、仮設部分については対象にならないんだと。どういう積算か知りませんが、その方のおっしゃっているのは、仮設部分については約二百億の金がかかるんだということで、これは大変な額なんですけれどもそれが対象になっていない。これでは地元負担が極めて大変だ。今の制度からすると、どうも仮設部分にまで国が補助するというようなことはルール的にあり得ないんだという話も実は伺っているんですが、じゃ本格建築で五万人のものをどんとつくれば出すのかといえば、それは制度的には出るという話なんですね。しかし、後の有効利用まで考え、地元の負担や維持管理を含めて考えると、仮設でやった方が将来的にはなおより有効に活用できるんだということで、仮設にするとそれは出せませんよと、こうなってしまう。いかにも聞いていて矛盾だなと思うんですが、この辺はいかがでしょうか。
#32
○政府委員(逸見博昌君) 今先生御指摘のとおり現在の補助制度は運用されておるところでございまして、この競技施設は社会体育施設整備費補助金、この一環として整備するものでございます。この補助金は一時的に教育施設に付設されるものは除きまして、今後も引き続いて社会体育施設として利用計画のある恒久的施設、これについて国庫補助の対象とするという現在の補助制度のもとでは、仮設のものにつきましては、今先生がおっしゃったように、私もこれはそれで当たり前だという気は毛頭起こらないわけでございますけれども、現在の補助制度のもとではそうなっておる、こんなことでございます。
#33
○小林正君 いや、だからそうなっているわけなんですけれども、そうなっているから、じゃ一体どうするのかという問題が今大変大きな問題になっておりますし、私は何か知恵を出す要素がないのかなというふうに思うんです。
 例えば、仮設部分というのは確かに終わってしまえば取り壊されるわけですから、大会運営全体の構想の中でどういう位置づけの中で地元負担が軽減できるのかという知恵の出し場はないのか、制度的に絶対だめだというのであれば、そういうことについての知恵の出る要素はないかどうかお伺いしたいと思うんです。
#34
○政府委員(逸見博昌君) 施設整備費として出します場合にはもう一切だめだと、こういうことでございますが、例えば今先生が御指摘のお言葉を拾いますと、広く大会運営費というふうな形で拾いまして何らかの形で国としても、国としてといいますか、公的な補助でもって何かできないか。これは検討の余地が全くゼロということではございませんけれども、今のところ、私はこういったことで確信ありというふうなことが申せる立場でもございませんのでちゅうちょしておるわけでございますが、別途、検討は全くしないということではございませんで、検討はしてみたいと思います。
#35
○小林正君 組織委員会のメンバーの中には文部大臣も参画をされておられるわけですからぜひ――先ほど私は長野オリンピック開催の三つの問題点を申し上げましたけれども、三つ目の終わった後地域社会の発展に寄与し得るという部分で言いますと、余り後年度にわたって負担を強いるようなことであってはいけないだろうというふうに思うわけです。そういう点で、組織委員会の中で特に大会運営費として、まだこれからの御検討になるので余り踏み込んだ御答弁は必要ないんですけれども、ぜひ知恵を出していただいて、地元負担がこの制度面の壁で要望が入れられないとすれば、それにかわるべき対応を、ぜひ御検討賜りたいというふうに御要望だけ申し上げておきたいと思います。
 競技施設とかそれから選手村の問題についてもいろいろ論議はあるようですけれども、その問題は置きまして、次に選手の養成の問題について若干お伺いしておきたいというふうに思います。
 スポーツの問題でよく言われますのは、余りにもエリート養成を焦って、大事な人格の形成そしてまたその可能性の全面的な開花というような面でゆがんだ人間をつくってしまうというようなことも指摘をされるわけですけれども、やはりその可能性を開花させる、そういう意味で言いますと、素質に恵まれる、指導者に恵まれる、それから機会に恵まれるというようなことも一つは偶然的な要素としてもあるんだろうというふうに思います。
 だれでも可能性があり、意志がある者についてそうした機会が与えられる関係というのが我が国におけるスポーツ振興の基本でもあるわけでありまして、そういう幅の広い、そしてすそ野の広い中から、すぐれた素質を持った者がその人格の完成と可能性の開花という面でオリンピックで自分の可能性のぎりぎりを追求していけるという条件を整えていくということが大事だろうというふうに思います。
 そういう点で、そうした選手養成の今後の対応とそれから選考に当たっての客観的な基準というものが、ここのところで言うとバルセロナへ向けていろいろ話題を生んだ部分もあったわけですけれども、こうした問題について、どういう選考の客観性といいますか、そういうもので問題にならないような対応というのを求めていこうとされているのかという点。
 まとめてさらに伺いますと、選手養成に焦っで
健康管理の面がおろそかになってしまうというようなことがあってはいけないだろうというふうに思います。
 先日、これはNHKの教育テレビですけれども、「女性とスポーツ」というテーマで行われました討論の中で、各国の代表がいろんな意見を述べられていた中でこういうことがございました。女性の場合は、ハードトレーニングをやって、しかも健康面でも問題がなく、結婚して出産して子供を産めるというようなことでなければならないということを指摘されておりました。
 これに対して、司会をやっていた松平さん、あのバレーボールの監督でしたね、彼が、オリンピックで日ソの対決で東洋の魔女と言われた日本の女子の選手がその後結婚してすべて出産をして子宝に恵まれているということを言われておりました。やはりそういうような面で健康管理というのは、ハードトレーニングの問題ともあわせまして非常に重要なテーマでもあろうというふうに思います。
 その点についてもお伺いしたいと思いますし、その選手たちが仮に事故に遭った場合の保険といいますか、その補償は、特にオリンピック選手に限ってお伺いをしておきたいというふうに思うんですけれども、どういうシステムになっているのか、それらについてまとめてお伺いをしておきたいと思います。
#36
○国務大臣(鳩山邦夫君) ほとんどは逸見局長から御答弁申し上げますが、とりわけ小林先生御指摘の人間形成とか人格の完成の部分についてのみお答えを申し上げたいと思います。
 と申しますのは、保健体育審議会も指摘をいたしておりますように、スポーツというものは心身の両面に好影響をもたらすものでなければならない。スポーツというものはそういうものであり、そういうものでなければいけないというふうに私は解釈をいたしております。
 したがって、スポーツをやっているからあの人は立派だ、いろいろな意味で人間形成上プラス面が大きく働いている、そういう評価できるようなスポーツでなければならないわけでありますから、何というんでしょうか、スポーツは確かになかなかのものであるがその他のすべては犠牲になってしまったというようなことは、スポーツの本来の意義を失わせしめるものと思っております。
 ただ、逆に申し上げますと、オリンピックのような極めて高いレベルで競技が行われる場合には、心身の心の方の発達も相当なし遂げられておりませんと、結局はいい成績を残せないのではないかというふうに感じることがあります。
 先般、アルベールビルのオリンピックが開催をされましたけれども、先ほども御答弁中に申し上げた壮行会、選手をアルベールビルに送り出すその壮行会において、これは余り比較論をここでぶつのはいけないのかと思いますが、私はその壮行会が始まる前、あるいはみんな集まってきて壮行会をやって、終わってみんな帰っていくという、そのすべての場面をじっと見ておって、伊藤みとりざんという人が一番礼儀正しい方だな、実にしっかりとした信条の持ち主なんだなと、正直言ってそう思いました。余り比較論を言うのはよくないのかもしれませんが、でも例のトリプルアクセルをああいう状況の中で決めて銀メダルに輝いだというのは相当な人物でなければできなかったことなのではないか、そんなふうに考えますと、心を鍛えることがある意味では好成績にもつながることなのかなと、印象としてはそんなふうに考えております。
#37
○政府委員(逸見博昌君) まず、選手の養成におきます選手の健康面についての配慮でございますが、各競技団体におきまして種々の配慮が行われているということでございますが、文部省としても大変重大な関心を持っておりまして、日本体育協会が行いますオリンピック代表選手のメディカルチェック等の健康管理事業、これに対しまして例えば補助を行うというふうなことを行っておりますし、また文部大臣認定のコーチ養成カリキュラムではスポーツ医学、スポーツと栄養、こういった健康に関する専門科目を含めまして指導に当たっているということでございます。これらの科学的な知識に基づきまして健康面にも十分配慮するというふうな努力をしておるところでございます。
 女子選手につきましては、男子選手に対します配慮のほかに、例えば生理とか貧血、こういった問題への対処ということで特に留意されているというふうに承知をいたしております。
 それから、選手が練習中にけがをするあるいは活動中にけがをするという場合でございますが、これはスポーツを行う者がみずから加入する傷害保険といたしまして、財団法人のスポーツ安全協会によりまして設けられているスポーツ安全協会傷害保険というものがございます。これは本人がけがをしました場合の傷害保険、それから人にけがをさせる、あるいは物に損害を与えるという場合の賠償責任保険、それから死亡してしまう場合の共済見舞い金制度、これら三つを組み合わせたものでございまして、現在競技者約八百五十万人が加盟しておるところでございます。
 加入者の負担金、掛金でございますが、活動の種類によりまして、例えば安いものは年額三百六十円、高いものは九千九百円と大変差がございますが、補償の内容といたしましては、例えば死亡の場合で最高一千四百万円、こういった状況でございます。このほかに、競技団体独自に傷害見舞い金制度を設けていたり、団体独自で傷害保険に加入しているという例もございます。
 それから、オリンピックの代表選考の問題でございますが、一部の競技におきましてその選考方法等につきまして委員の間で批判的な意見があったこと、よく承知しておるところでございます。その競技団体におきましても所定の手続、これまで定められた手続に沿って行われたものでまことに正しいものというふうに私ども思っておりますけれども、こういった誤解を与えた以上、これをこのままでいいということではなく、今回の事件を契機といたしまして再検討しようということになっておりますので、一層適切な、世人の誤解を招かないような、そういったより適切な選考方法が行われることを期待しているというところでございます。
#38
○小林正君 最後に、ボランティアの問題について、これもプレゼンテーションの中でも触れられているわけですけれども、例えばカルガリーのオリンピックのときにチーム88というボランティア活動が行われて、今度のアルベールビルではエキップ92という約一万人のボランティアが活動されて、これが大会成功へ導く大変大きな力になったということが言われておるわけです。オリンピックは参加することに意義があるというお話もありますけれども、やはり日本で、この長野で行われる場合におけるボランティア活動について、どういうような組織化と対応をお考えなのかお伺いしておきたいと思います。
#39
○政府委員(逸見博昌君) 近年のオリンピック大会の運営、これは通訳だとか案内だとか輸送、式典、さまざまな分野で大勢のボランティアが協力をしているというのが現状でございます。そのために、住民の参加意識の高揚、それからオリンピック機運の高揚、こういったことを図りますとともに、優秀なボランティアの育成活用が大会を成功に導くために欠くべからざることであると思っておるところでございます。
 例えばアルベールビル大会では約八千人、それからカルガリー大会では約九千四百人、これだけ多数のボランティアが参加したと伺っております。現在、長野オリンピックにおきましてはボランティア約一万人は必要であろうというふうに見込まれていると伺っております。組織委員会を中心にいたしまして、地元の自治体、関係団体と協議を進めながら、大会運営時におきますボランティアの種類、組織方法等全体計画の策定を今後行っていかれるわけでございますが、私どもは適時適切に協力してまいりたいと思っております。
#40
○小林正君 長野というのは、日本アルプス、日
本の中では三千メートル級の山々が連なる最も自然の豊かな美しい四季折々の変化の非常に見事な地域でもございます。日本人が全体として長野に行く方々が大変多いということも伺っておりますし、特に若い人は、山岳志向の中で若いときに忘れ得ぬ思い出を多く持っている方も大変多いわけで、長野というのが一地域ということよりもやはり日本の貴重な地域としての位置づけというものもあって、この選考の中で指名をされてきただろうというふうに思います。
 そういう意味で、冒頭申し上げましたように、地域社会に全部転嫁をすることなく、国の事業としてできるだけの支援体制をもって事に当たっていただきたいというふうに思います。ちなみに、私は山が大好きですからよく長野の山には登ってまいりましたし、私の父も長野の出身で、実は私ごとを申して失礼ですが、私のワイフも長野でとれたということで、戦時中は長野に疎開していたという、言ってみれば第二のふるさとということで、島崎藤村が大好きということで、我がことのように長野オリンピックに関心を持っておりましたのでいろいろ御質問申し上げました。ありがとうございました。
#41
○肥田美代子君 私は、小林議員の質問の関連質問ということで一競技スポーツと生涯スポーツの関係についてお伺いしたいと思います。
 まず、文部省は競技スポーツと生涯スポーツの関係についてどういうふうにお考えでしょうか。
#42
○国務大臣(鳩山邦夫君) これは車の両輪というふうに考えておりまして、スポーツの目的は何かという哲学的な議論をすればまたとどまるところを知らないのかと思いますけれども、スポーツというのは大変楽しくてそして健康にいいという、そういう二つの要素を持っている。スポーツが楽しくて健康にいいわけですから、できるだけ国民の間に普及すべきであって、それがまさに生涯スポーツというような考え方になってまいります。
 ところが、国民がスポーツに興味を持って関心を持ってスポーツをやりたいと思うようになるためには、大変競技力の高い人のプレーというものを見たりあるいは教えてもらったりする必要があるわけですから、当然その国のスポーツでの競技力が極めて低いというような場合には、なかなか国民的な人気を盛り上げることはできなくなるのでありましょう。ですから、競技スポーツと生涯スポーツの関係というのは、やはりすそ野が広くないと山は高くならないというか、高い山があるとすそ野が広くなるというんでしょうか、アルベールビル・冬季オリンピックで七つの、メダルをとったことは必ずウインタースポーツに参加する日本人の数をふやすだろう、私はそれは間違いないことであろうと思っております。
 行政の分野では生涯スポーツ的観点でやることと競技スポーツ的観点でやることは当然いろいろ差がございます。差がございますが、それは実は極めて密接不可分に考えておりまして、どっちがどうだと言われれば、車の両輪であって、片側の車だけではストップしてしまうとしか言いようがないと思います。
#43
○肥田美代子君 競技スポーツの振興は国民の期待を受けたものであると言ってもいいわけですけれども、そこに参加しているのは本当に一部のトップレベルの選手のみでありまして、競技スポーツの振興が広く市民とか国民の各層に生涯スポーツの振興に結びついていくことの方が望ましいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
 私の質問の意味がちゃんと通じなかったようですので、もう一度別の問い方をさせていただきます。
 広く市民とか国民各層のスポーツ振興に結びつくために、ただすそ野を広げるために競技スポーツがあるのかどうかということなんです。例えばいわゆる競技スポーツという観点で見ますと、国民の生涯スポーツの振興についてどういうふうな施策をもう少しやっていけば、いわゆる国民すべての人たちがスポーツ好きであるということに対する満足が得られるかどうかということなんです。ちょっとややこしい聞き方で済みません。
#44
○国務大臣(鳩山邦夫君) 先生の御質問の趣旨を十二分に理解しておらないかと思いますが、競技スポーツと生涯スポーツというのは、実は本当は分けることはできないのかもしれません。私が今御答弁申し上げましたのは、いわゆる競技スポーツと申し上げているのは、競技力の向上というんでしょうか、そういうような観点、プロスポーツも含めましてそのスポーツの競技力が高いことを申し上げているわけです。
 例えば高校野球の甲子園ぐらいですとこれは確かに競技スポーツかもしれませんけれども、各地域の大会ということでいえばいわゆる学校スポーツでございます。これは競技力の高い方もおればそれほどでない方もいるわけでしょうから、実は実態としては生涯スポーツ的な観点で学校の運動部等もとらえることができる場合が多いのではないかというふうに考えております。
 ですから、私の答弁もわかりにくいかと思いますが、競技スポーツと生涯スポーツというのはどこかで線をはっきり引けるものではないと思いますが、私が先ほど申し上げたのは、競技力の向上というのか競技力の高さというものは必ず国民の幅広い関心に結びついていきますから、そういう意味でトップレベルにある方々をより育てていくということ、オリンピックでもできるだけ勝ってメダルをとるということが今後のスポーツ大国をつくるというのか、スポーツ競技人口をふやすためには必要だということを申し上げておるわけです。それ以上の深い意味の御質問であったとすれば専門家から答弁させます。
#45
○肥田美代子君 余り深い意味の質問じゃございませんでして……。
 そうしますと、数年前に文部省はスポーツ課を競技スポーツ課と生涯スポーツ課にお分けになりましたけれども、この両者の関係について文部省の考え方に、何らかの考え方の変化ができたわけでしょうか。
#46
○政府委員(逸見博昌君) 社会環境の変化に伴いまして、国民のスポーツヘの関心がぐっと高まってまいっておる。そういった状況を踏まえまして、スポーツに対するニーズが大変多くなる。それと同時に多様化してくるということでございまして、国民が生涯にわたってスポーツに親しむ機会、これを国として何とかしてそういった環境整備を行っていきたい、こういった配慮が昭和六十年を境といたしまして文部省の中に出てまいりました。これが生涯スポーツにこたえようという一つの立場でございます。
 それとともに、世界の競技水準が著しく向上していきます中で、例えばソウル・オリンピック等を契機といたしまして、それからアジア大会等の結果を見まして、我が国の競技水準がどうも総体的には低下しておるんじゃないか、もう少し競技力の向上を図ることも必要ではないかということがまた別に起こりました。そういった意味で、競技力の向上のためより一層の振興策を図る必要があるということで競技スポーツ課というものが生まれてまいったわけでございまして、私は、この二つは先ほど大臣がお答えいたしましたとおり車の両輪でございまして、どちらが大切、どちらが大切でないというふうなことではないと思っております。
 例えば、先生の先ほどのことにお答えするということでもございませんが、競技力の向上ということで、東京オリンピックで女子バレーが金メダルをとりました。優勝いたしました。それを契機といたしまして、それを見ておった家庭の主婦等が発奮いたしましてママさんバレーというのがうんとふえてきたというふうな状況も例えばあるということのようでございます。
 こういったふうに競技力の向上ということが我が国の生涯スポーツの振興ということにとってぐっとこう大きな力を果たす。生涯スポーツの振興ということですそ野を広くとればまた競技力の向上に資するというふうなことで、まことに両者は車の両輪、どちらが主、どちらが従ということでもない。そんなふうな意識で私どもこの競技スポーツ課、生涯スポーツ課、二課を運用しておる
ところでございます。
#47
○肥田美代子君 今ちょうど東洋の魔女の話をしていただきましたが、本当にあのときはみんながバレーができるんじゃないかという気持ちになりまして、とっても明るくなったことを今思い出しております。
 それで、今そういうことをおっしゃっていただいたんで、もう一つ伺いたいんですけれども、ほかにそういうことがございましたでしょうか。例えばオリンピックで大変人気のあったのがどんどん市民の感情に近くなったというようなチャンスが、例えば東洋の魔女のチャンス以外にございましたでしょうか。
#48
○政府委員(逸見博昌君) 具体の競技種目につきまして、こういったことがあってこうなったということでは即ございませんけれども、例えば私ども、オリンピックのメダリストであった柔道の山下選手であるとか、その他幾人かの方々をスポーツ功労特別指導員というふうな形で都道府県に派遣いたしまして、講演とか実技指導をお願いをするというふうなことを通じまして、競技力の本当に立派な方々、世界的な大変な評価を受ける方々を各都道府県に派遣をすることによって、各都道府県におきます。その競技に対する興味と関心をぐっと高めさせる、こんなふうな施策も今講じておるところでございます。
#49
○肥田美代子君 今局長がおっしゃいましたように、指導者については、トップレベルの選手を指導するために必要な資質とそれからスポーツ愛好家を指導するために必要な資質とは必ずしも一致しないかもしれないけれども、しかし、例えば子供たちが長島茂雄さんに指導をしてもらうと、一生忘れなくて恐らくその子の人生の中で何かの思い出に残ったいい部分ができるんじゃないかということを考えますと、トップレベルの方々が次の世代を担う子供たちに幾らかの貢献の気持ちでもって指導してくださるということはとっても大切なことだと思うんです。
 重ねてお聞きしますけれども、そういうシステムは、ぼつぼつなろうとしているのでございましょうか。
#50
○政府委員(逸見博昌君) 例えば、これまではプロとアマ、こういったものが峻別されておったのがオリンピックの姿でございましたが、オリンピックにおきましても幾つかの種目につきましてはプロの参加を認めるという状況になってきております。それは、オリンピックというものがそのときにおきます最高の競技者、これが競い合う場であるというふうな形でオリンピックをとらまえますと、プロ、アマを問わず参加させよう、こんな状況になってきておるわけでございます。
 そういった状況の中で、我が日本におきましても、アマはアマ、プロはプロという峻別をすることではなくて、アマの力を高めるためにもプロの力をかりる、また、アマのいい部分をプロにも反映させていただくというふうなことで、したがって競技力の極めてすぐれた人とそうでない方々の交流を密接に行うこと、相互交流を行いますことによって両方とも高めていこう、こういうふうな施策を今講じ始めているところでございます。
#51
○肥田美代子君 各競技団体の中で、トップレベルの選手を養成するとか強化する部門とそれから一般市民にスポーツを普及させる部門と二つあると思うんですけれども、その両者の関連づけについて、文部省はJOCとか体協とかそれから各競技団体にどのように指導していらっしゃいますか。
#52
○政府委員(逸見博昌君) 我が国りスポーツ界、これは大きく二つに分けておりまして、国民のスポーツの振興、これは日本体育協会が図っていく。それから競技力の向上につきましては財団法人日本オリンピック委員会、これが担当するということで、両々相まって我が国全体の競技力の向上を高めていく、スポーツの振興を図っていく、こういったシステムになっていることは御承知のとおりでございます。それら体協、JOCの指導のもとでオリンピック代表選手の強化というものから一般的な指導者の育成、一般スポーツ愛好者への普及事業、こういったものを幅広く行ってきております。
 文部省といたしましては、競技スポーツ、生涯スポーツにつきまして、両者の連携を図りつつ一体として推進していくべきものと考えておりまして、今後とも体協、JOCの事業への援助、それからスポーツ振興基金によります競技団体の事業への援助等をこういった観点から適切に行ってまいりたい。また、体協、JOC等にもこういった私どもの基本的な構えを十分御理解いただいた上で事業を行っていただくよう指導してまいりたいと思っているところでございます。
#53
○肥田美代子君 トップレベルの競技のためにオリンピックや国体に向けて整備した施設や設備を競技大会の後に市民スポーツのために利用することについて、文部省の考え方はいかがなものでしょうか。
#54
○政府委員(逸見博昌君) オリンピック大会、それから国体等、大変立派な競技大会に使われました施設、これはそういった立派な競技者が使うものであって一般の市民の使うものではない、こういった意識を持ってやっていらっしゃる地方公共団体はないというふうに理解をしておるところでございます。したがいまして、大会後市民のスポーツ活動に供する。例えば長野の場合であっても、そういったことに十分に意識して施設づくりを行っていただいておるというふうに考えているところでございます。
 現に、例えばそういったオリンピックに使われた競技場、国体等に使われました競技場が、各競技団体の行います競技大会、こういったものの利用に供されることは当然でございますけれども、それ以外にも例えば全国のスポーツ・レクリェーション祭あるいは県民体育大会、こういったレベルのものにも十分利用しておられますし、周辺住民等の一般の市民のスポーツ活動についても広く利用されているというのが現状であると思っております。
#55
○肥田美代子君 スポーツ関係者の間からは、世界のトップレベルであってこそ国際交流ができる、そういうふうにおっしゃる方もいらっしゃいます。ですから、水準が低いと国際交流のために役に立たないというような考え方も一面ではあるようです。しかし、スポーツの国際交流は教育や文化と同じでございまして、一部のトップレベルの人たちがするのではなくて、いわゆる広いすそ野である市民スポーツにかかわっている人たちが本当の国際交流にかかわるべきだと思うんですけれども、そのための施策はどのように講じていらっしゃるか。私は、ひょっとするとトップレベルの国際交流を優先していらっしゃるのじゃないかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#56
○政府委員(逸見博昌君) 国際化が最近進んでまいります中で、例えば指導者の方々の国際交流も当然広く行われておりますが、それとともに地域の人々、市民と言われる方々がスポーツを通じまして諸外国の人々と友好を深める機会を拡大すること、これは大変重要なことであると私ども考えているところでございます。
 こういった観点から、文部省の補助事業でございますが、例えば我が国とアジア諸国等の間で市民レベルのスポーツ交流大会等の事業を行う、このために必要な経費の一部を市町村に対して補助する、こんな事業を行っております。これもつい平成二年度まではアジア地域に限定しておりましたけれども、平成三年度からはアジア諸国及びもっと広く開発途上国を対象としようというふうなことで対象範囲を広げております。
 それからまた、スポーツ振興基金によりまして、スポーツ団体の行います市民レベルの国際スポーツ大会、これにも助成を行うということでございまして、何もトップの競技者のみの国際交流を図る、これでいいということではなくて、それの下を支えている一般の市民の方々の国際交流、これも大変重要であるということで、これらの施策の充実を図ってまいりたいと考えておるところでございます。
#57
○肥田美代子君 今スポーツ振興基金のお話が出
ましたのでちょっと伺っておきたいんですけれども、あの振興基金の交付の割合というのは、競技スポーツとそれから生涯スポーツが三対一というととになっているようですけれども、この根拠はどこにあるんでしょうか。
#58
○政府委員(逸見博昌君) これは、私ども文部省ではなくて日本体育・学校健康センター、ここに基金を配分するための委員会を設けまして、その委員会におきまして、またこれは始まったばかりでございますが、現状においてはともかく三対一という比率で始めてみようと。これは絶対固定のものではなくて、変えることもあるべしということでございますが、ともかく三対一で始めてみよう、こういったことでございます。
 特に、これが始まった直後にアルベールビル・オリンピック、バルセロナ・オリンピック等も控えておりまして、これらに大変多額の経費を要するということもございましたでしょうが、ともかくこういった形で発足してみようということでございまして、固定的なものではないということでございますから、今後再検討はあり得るというものでございます。
#59
○肥田美代子君 それでは、ひょっとすると今後は半々になるとか一対三になるとか、そういう可能性もあるということで伺っておきます。
 次の質問に入ります。
 先日、伊藤みとりざんが引退されましたけれども、これは報道を見る限り御本人の主体的な選択によるとは思いますけれども、伊藤選手の場合はともかくといたしまして、優秀な選手が選手生活をあきらめて引退する場合、選手生活を続けることに何らかの問題があることを理由とする場合も少なくないと聞いております。
 それで、スポーツは本来個人の自発的な意思でもって活動するものでありますから、トップレベルの選手については、国がどうのこうのということじゃないとおっしゃるかもしれませんけれども、国民の期待が随分大きいことでもございますし、それから行政上の援助もそれまでにはいろいろ行われているわけでございますから、文部省は一般にトップレベルの選手が安んじて競技生活に打ち込めるようにするという観点からどの程度の援助を行うべきだとお考えでしょうか。また、実際にはどのくらい援助されていますでしょうか。
#60
○政府委員(逸見博昌君) 先生御案内のとおり、平成二年度からスポーツ振興基金の助成活動を行っておるところでございますが、この中で選手、指導者に対します活動助成ということを始めたところでございます。例えば平成四年度の場合でございますが、二百七十八人の個人を対象といたしまして三億二千八百六十二万円、これだけの経費でもって選手活動が必置きなく行える、そういった助成をしておるということでございます。
 ちなみに、これはいろんなランクを設けておりまして、A、B、C、D。例えばAランク、これはオリンピック等で金メダルをとれそうな可能性のある人ということで、この場合には月額二十万円を支給する。それから入賞可能であるという方々の場合には、Bランクといたしまして十万円を支給する。そのコーチに対しても同額支給をするというふうなことでございます。それからCランクの場合には五万円、Dランクの場合で三万円、それぞれのランクづけをいたします。
 これはオリンピックとアジア大会等、それから国内のさまざまな競技大会等の成績を客観的に評価いたしまして、これは文部省が行うものではございませんで、さまざまな委員会等でこの者はAランクとしてよろしい、この者はBランクとしよう、この者は現在ではDランクだというような形で位置づけまして、それにふさわしい金額を支給することによって選手活動、コーチ活動を滞りなく行っていただく、こんなふうなシステムが現在振興基金の中でできておるところでございます。
#61
○肥田美代子君 オリンピックを初めとして、国際的レベルの競技会を実施した場合には、これに参加する選手本人だけでなくて、指導者とか役員とか審判などが本当に自発的に協力をしてくださるわけです。この中には、オリンピックに向けた強化活動の中で休みをどうしてもとる必要があって自分の本職と両立が不可能になっておやめになった方もあるように聞いておりますけれども、行政がこういう人たちにどの程度援助すべきだとお考えでしょうか。
 私は、それは大変難しい問題ではあると思うんですけれども、オリンピックに国が援助するとなれば、そういう縁の下の力持ちに対しても何らかの援助が必要だと思うんです。その辺のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#62
○政府委員(逸見博昌君) 先ほど選手とそれからそれに対しますコーチ、個人に対する助成費、これについて御説明申し上げたところでございますが、それ以外の役員だとかその他の審判だとかスタッフ、こういった方々に対しても、例えばスポーツ団体の行います大会あるいは強化合宿、そういった合宿等で行われますところの審判とかスタッフ等の活動、これに対しましては現在、スポーツ振興基金から謝金等、これについて助成の対象とするというふうなことでお報いをしておるところでございます。まだ十分であるとは考えておりませんが、こんなふうな仕組みもとれておるということでございます。
#63
○肥田美代子君 最近はいろんなスポーツの種目でトップレベルの選手がだんだん年齢が下がってまいりまして、これに伴って引退の年齢がまた随分早まっているわけですけれども、引退後の選手の生活について、生活の安定化とか保障、それから専門的能力の後々の活用であるとか、そういうことについていろいろ検討すべき問題があると思うんです。例えばこの専門的能力の活用については文部省はどのようにお考えでしょうか。
 世界的レベルの選手は、トップレベルの選手の養成という観点だけでなくて、知名度も高いし、さきにるるおっしゃっていただきました市民のスポーツ振興に関してもトップレベルの選手を活用させていただくというのはちょっと言葉が悪いかもしれませんけれども、どう生かしていただくかということについてもう少しお話しいただけませんでしょうか。
#64
○政府委員(逸見博昌君) 例えばオリンピック等で立派な活躍をされた選手、オリンピックに限りませんけれども、そういった方々をどういうふうに活用しているか、活用という言葉は悪うございますけれども、こういった方々を日本のスポーツの振興のためにどういうふうに役立てているかということでございます。
 現在、十人のスポーツ功労特別指導員というふうなものをお願いをいたしまして、この方々はそれぞれ競技団体の指導者でございますから大変お忙しい中ではございますけれども、各都道府県の御依頼を受けて派遣し、講演のみならず実技指導まで行っていただくということを通じまして、広くさまざまな県におきますさまざまなレベルの人たち、これらの意欲の発掘、新しい選手の発掘というふうなことにもつながるようなそんな活動を現在行っておるところでございます。
 これらの施策を今後とも一層充実してまいりたいと考えておるところでございます。
#65
○肥田美代子君 さっき鳩山文部大臣がスポーツの定義についてもお話しいただいたんですけれども、スポーツに関する世論調査というのがございますね、総理府から出ております。その調査結果というのは、私も一生懸命読んでみたんですけれどもなかなかどういうふうに読み取ったらいいかわからないわけです。世論調査の結果をどういうふうに読み取って、日本のスポーツの現状をどのようにとらえていらっしゃるかお聞かせください。
#66
○政府委員(逸見博昌君) 先生のおっしゃっておりますのはスポーツに関する世論調査ということでございますが、具体的には総理府の「体力・スポーツに関する世論調査」というものがございます。
 これによりますと、一般的には近年の余暇時間の増大、高齢化社会の進展ということで、スポーツに親しむ人がぐっと次第にふえていっているで
あろう、私どもこう思っておったところでございますが、これの読み方でございますが、例えば一年間に運動やスポーツを行ったことのある者の比率が平成三年度で六五・七%、人口規模で大体六千万人の方々が一年間に運動やスポーツを行ったことがある者。これは一回でも行えばこれに当たるわけでございます。ところで、そうではなくて、一週間に一日以上、すなわち年間継続してスポーツを楽しんでいるという人がどれぐらいあるかということでございますが、これが二七・九%、二八%でございます。一年間に運動やスポーツを行ったことがある者というものは漸増傾向にあるわけでございますが、残念ながら一週間に一日以上運動やスポーツを行った者、これはこのところ、例えば昭和五十七、八年ごろからずっと一貫して大体二七、八%というラインを示しておるところでございます。
 それじゃ、なぜそんな低い状況が定着してしまっているかということでございますが、スポーツをやらなかった主な理由といたしまして、忙しくて時間がないからという者が圧倒的多数でございまして、四九・九%。それ以下になりますと、例えばスポーツの機会がなかった一三・二%、ぐっと激減いたします。それから、運動、スポーツは好きではない一一%というふうなことでございまして、時間がないからということでスポーツに親しむことがないという方々が圧倒的でございます。
 ただ、私どもこれを分析いたしまして、時間がないというのは、本当に忙しいから時間がないというのか、そうではなくて本当に自分が親しみたい競技の施設がないから、あるいはそこへ行っても適当な指導者がいらっしゃらないから、だから励む気にもなれないというふうなことでおやめになっている方々が多いのではないか、身近に施設がない、適切な指導者がいないということがこういったふうな状況を来しているのではないかと思って反省をしておるところでございます。
#67
○肥田美代子君 私、二十年前にやはり総理府から出されました世論調査を拝見したんですけれども、スポーツをすることで不便を感ずることはどんなことですかという質問で、場所や施設がないというのがやっぱり一番でございまして、その次が指導員がいないということでございました。ですから、今局長がおっしゃっていただいたことを聞いておりますと二十年間余り変わらてないんだという感じを持ちましたんですが、そうはいたしましても、いろんな努力をされておりましてどんどんと施設もふえてまいりましたでしょうけれども、現状の施設の数なんかについて、それから施設の種類といいますか中身について教えてください。
#68
○国務大臣(鳩山邦夫君) 資料を探している間に御答弁申し上げますが、私は、先ほどから肥田先生と体育局長の質疑応答を聞いておりまして、いろいろと立派な御指摘があったと思いますが、とにかく生涯スポーツという観点で物事をとらえた場合には、いつでもだれでもどこでも勉強できるのが生涯学習社会でありましょうから、生涯スポーツ社会というのは、なかなか難しいことですが、できるだけいつでもどこでもだれでも自分のやってみたいスポーツをやれる条件があるかどうかという、やるかやらないかは本人の意思でございますから、できるだけの条件を整えるということが政治の第一の仕事ではないだろうかと思います。
 例えば早朝野球というのは今でも盛んですが、早朝野球のグラウンドというのは極めて乏しい。早朝野球のグラウンドをとってあげると都心部では選挙で神様のように敬われて一番票になる。こんな悲しいばかな話はないわけで、そういうことが票になるようではいけないわけですが、実態はそういうことでございます。
 これから本当にスポーツ大国を目指すのであれば、私は、ゴルフというスポーツに関しては学生時代熱中しておりましたが、今はやや批判的な面もありますけれども、それは占める面積とプレーする数の問題がありますので、いろいろ考えますけれども、結局はやはり国民がいつでもできるスポーツの施設というもの、これをどこまで整備できるかというのが日本が本当にスポーツ大国になれるかどうかの境目だと思うわけです。
 今先生が二十年たってちっとも世論調査の結果変わってませんねと。二十年前というと先生の小学生時代がどば思いますが、そのころと今とちっとも変わっていないというよ力はむしろ条件は悪くなっているかもしれない。都市化現象が進むに従って、野球等の一定以上の面積を必要とする施設は余計っくりにくくなってきております。河川敷に一生懸命つくったりということはありましょうが、この辺は今体育局長が御答弁申し上げるでしょうが、私は、それこそ十年計画、二十年計画で社会体育の施設がどこまでできるか、立派なものをどこへつくるかという、長野のアイスホッケー場の話じゃなくて、気軽にできるテニスコートとか卓球台が置いてある体育館とか、そういうものがどれくらい整備できるかということが、これはもう本当に真剣に調査して計画を立てるべき事柄だと思います。
#69
○政府委員(逸見博昌君) 昭和六十年調査の我が国の体育スポーツ施設の現況調査、これによりますと、その時点で全国で二十九万二千カ所のスポーツ施設がございます。
 このうち学校体育施設、例えば小中高等学校、高等専門学校、大学、これが有する施設でございますが、約十五万八千カ所、五四・一%でございます。それから公共スポーツ施設、地方公共団体が建てるものでございますが、これが約六万一千カ所、二〇・八%。それから職場スポーツ施設、会社等がつくるものでございますが、約二万九千カ所、一〇・一%。それから商業スポーツ施設、例えばゴルフ場等は典型的なものでございますが、約二万七千カ所、九・三%。それから民間非営利スポーツ施設、約一万七千カ所、五・七%となっております。
 これを、ちょうど二十年前ということではございませんが、ほぼ二十年前の昭和四十四年の調査と比べますと、施設の総数で約十五万カ所が二十九万カ所ということで約二倍にふえております。それから設置者別に比べてみますと、学校の体育施設、学校はそれほどふえるものではございませんで、これの伸び率が一番少のうございますが、十万七千カ所から十五万八千カ所ということで約一・五倍の増。それから公共スポーツ施設、これが約一万カ所から約六万カ所と六倍の増。それから商業スポーツ施設、約四千カ所から二万七千カ所、約六・五倍の増。それから民間非営利スポーツ施設が約二千五百カ所から約一万六千カ所ということで、六・六倍の増というふうなのが現在の状況でございます。
#70
○肥田美代子君 今伺っておりまして、じゃ二十年間で倍になったんだから、あと二十年たったらこのまた倍になるかな、私はそこまで生きていられるかななんて考えながら今ちょっとしんみり聞かせていただいていたんですけれども。
 実は、今大臣がおっしゃいましたように、少し発想の転換をしたらどうかと思うんですね。広場とかそれから子供たちが駆け回るところ、私、この間、皇居前の芝生のところを通っておりまして、あそこに「入るべからず」と書いてあったんですけれども、やっぱり芝生というのは子供が入りなさいと書いてあればいいなと思ったんです。そういうことも考えますと、やっぱり施設だとかそれからスペースだとかというのは少しずつ発想の転換が必要なのかなというふうにも今思っております。
 それで、ちょっとこの間からの新聞の中で少し気になったことをお尋ねさせていただきたいんですけれども、全国十二都道府県に朝鮮の中学校、高校があるわけですけれども、その中で、いわゆる高体連への参加を認められているのが八府県なんですね。四府県ではまだ認められていないんでしょうか。ちょっとこの辺の事実、私しっかりつかめていないんですけれども。
 それで、都道府県のレベルの参加を認められていないということは、多分そのそれぞれの組織に
お任せになっているということでお答えになるかなと思うんですけれども、たださっきからスポーツのお話のやりとりをしておりまして、スポーツというのは国際的な共通のルールを持ったものでございますし、これこそが国際的な一つの親密さとかそれから理解とかを高める大変大きな文化ではないかと思うわけです。ですから、国籍とか人種の差別でもって参加できないとかできるとかいうことになると、これはやはり大変な問題だと思うわけです。その辺のことについてちょっとお聞かせくださいませんか。
#71
○政府委員(逸見博昌君) 現在、朝鮮高級学校がある都道府県、これが全部で十二でございます。このうち、例えば高体連の加盟を認めておるもの、これは現在ございません。ただ、体育大会の参加を認めておりますものが九道府県ございます。
 これらにつきましては、先生自問自答していただいたところでございますけれども、各団体が主催する大会の参加につきましては大会の趣旨等に照らしまして当該団体が自主的に判断していただき、しかもその際には時代の流れを踏まえつつ適切に行っていただきたいというのが私どもの各団体に対しますアドバイス、指導の姿でございます。
#72
○肥田美代子君 今局長はそうおっしゃっていただいたんですけれども、それでは、例えば今度の小錦の問題ですけれども、あの場合、私、過去のあれを繰ってみますと、文部省が相撲協会の役員を呼びつけて、公益法人の名にそぐわないもうけ主義であると批判して改善要求されたことがありましたね。その後、そのことが国会を動かすような騒ぎに発展したわけですけれども、そういうことがございまして、やはり文部省は言うべきことはおっしゃっている。指導すべきことは指導していらっしゃる。
 今回の場合も、いわゆる小錦事件については、私は人種差別の問題というふうには決して思いませんし、そうではないと信じておりますけれども、例えばこういうことについてはっきりとやはり文部大臣の方から一つの考え方をお出しになった方がいいんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#73
○国務大臣(鳩山邦夫君) 小錦の横綱昇進問題について人種差別的な観点と絡んでの発言がいろいろ報道されているのですが、私は、文部省としては、自分が横綱になれないのは人種差別があるからだというような発言というものは承知していないんです。そういう報道がなされているんですけれども、自分が外国人だから日本の相撲で横綱になれないということですね、そういう発言は、私は調べたところ承知していなくて、例えば文芸春秋に載っておりますように、いわゆる外人横綱不要論というようなものが日本の中にあるとすればそれは人種差別じゃないかと。こういう小錦関の意見は全く正しいですね、もしそういうものがあるとすればそういうことになってしまうわけですから。
 ですから、私はそういった意味で、小錦関が自分が外国人であるために横綱になれないということをおっしゃっているとは承知しておりませんし、現に財団法人日本相撲協会において、従来から規則上もまた協会の方針も、横綱を初めとする力士の昇進には国籍のいかんは全く関係ないとされている、こういうふうに聞いておりますので、基本的にはまだ大きな問題があるとは考えておりません。
 ただ、スポーツというのは、先ほどからスポーツ論議をいろいろしておりますが、やはりトッププレイヤーというのか、そういういつも注目されている方々の一挙手一投足というのはとても大切だと思うので、小錦関においても誤解を招くような言い方があったとすればそれは今後は誤解を与えないようにしていただきたいと思います。
 それと、これは全然小錦さんとは関係ない話ですけれども、例えばばくちをやっておったというようなことで何人かの方が問題になりましたね。私は非常に悲しいことだというふうに正直思います。やはり注目されるスポーツの一流選手あるいは一流選手であった方たちにはそれなりの、我々は政治倫理というのがあるんでしょうけれども、やっぱりそういう注目された方々はそれだけの、ノーブレスオブリージではありませんが責任というものがあるだろうと思いますと、スポーツ界の皆様方には特にいろいろな行動についてみずからを戒めていただきたいなと私は思うことがあります。
 そして、相撲界のことについて私は軽々に発言をしてはいけないのかもしれませんが、いわゆるマスコミの報道を見ますと、ガチンコ力士だとか、何というんですか、注射を受けるとか受けないとかという何とか力士というようなことが盛んに報道をされる。報道が間違いであればいいなと強く願うものです。でも実際そのガチンコ力士、すなわち八百長を絶対やらない人はだれとだれなどということが平気で語られるとすれば、これはもう恐ろしいこと、まことに悲しいことだというふうに思いますので、そういうことが絶対語られないような相撲協会であってほしいなと。これは小錦関とは全く無関係ですが、私はマスコミの報道を見ながらつくづく今そう思っております。
#74
○肥田美代子君 今の小錦関のことに関してはよくわかりました。
 それで、質問を舞い戻ってもう一度お聞かせいただきたいんですけれども、小錦関のことについてもそうやってはっきりと大臣おっしゃっていただいていますし、やはり文部省が一つの指針を出さないと地方自治体の方ではとても動きにくいということがございます。各組織に任せて、同じ年齢の高校生たち、そして同じように日本に住んでいる高校生たちが一緒に競技できない事態というのはやっぱり私はゆゆしい変則な事態だと思うわけです。ですから、私は大臣の方から、スポーツには国境もないし差別もないしということで、ましてや、学校、各種学校ということの区別というふうにおっしゃるかもしれませんけれども、やはり突き詰めて考えますと私はそこに国境があるんじゃないかなというふうに感じますので、どうでしょう、やっぱり文部省がこういうことについては率先して自治体の方に指導されることが必要じゃないんでしょうか。
#75
○国務大臣(鳩山邦夫君) 先ほど逸見局長がお答え申し上げましたように、各団体が主催する大会への参加については当然その団体が自主的に判断をされることでありましょうし、文部省は御相談を受ければ相談には応じるということでありましょう。
 したがって、いわゆるインターハイ、全国高等学校体育連盟の問題も、あるいは日本高校野球連盟の甲子園の春夏の選手権にいたしましても、そうした主催者がいろいろ考えて今日までやってきておられることと思います。できるだけ、国際的な問題でも肥田先生がおっしゃるような方向に行くことを私は悪いこととは思っておりませんが、ただそうなりますと専修学校、高等課程の方々をどうするかという、いわゆる専修学校、各種学校という問題も出てまいりますので、その辺のバランスというものを考えて皆様方が、それぞれの団体が適切に対処していただければありがたいというふうに念願をいたしております。
 文部省としては相談を受けることはあるわけで、直接どうしろこうしろという命令を発する官庁ではありませんけれども、私どもなりに問題をよく整理して勉強して、また先生方の御意見というものをちょうだいをして、例えばそういう方々からお話があったときの物の言い方というのを考えていきたいと思います。
#76
○肥田美代子君 大臣、そうおっしゃいましたが、文部省というのは指導とか命令とかする官庁じゃないというふうに今たしか伺ったんですけれども、何となく私、すとんと胸に落ちませんのは、やはり文部省というのは指導や命令されていらっしゃる部分もあるわけでございます。この部分についてはしない、それからあっちの部分についてはどうのというのはやはり少し違うんじゃないかなという感じも持ちますけれども、それはまだ私もこの委員会に入らせてもらって未経験でございますので、これからじっくりそういうことも勉強させていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
    ―――――――――――――
#77
○委員長(大木浩君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、真島一男君が委員を辞任され、その補欠として藤田雄山君が選任されました。
    ―――――――――――――
#78
○針生雄吉君 最初に、都内北区に建設予定のスポーツ科学センターに関する質問でございますけれども、ちょっと確認をしておきたいんですが、このスポーツ科学センターは国立てよろしいんですか。――国立ですね。
 国立スポーツ科学センターに関する質問でありますけれども、最初に、政府のスポーツに対する基本的な政策、あるいはスポーツ行政の基本といったこと、なぜスポーツをするかというスポーツの目的ととっていただいても構いませんけれども、スポーツに対する基本的な政策、スポーツ行政の基本というものをお示しいただきたいと思います。
#79
○国務大臣(鳩山邦夫君) スポーツ行政の基本と申しましても、どういう観点からお答えすればいいのかと思いますが、私は、短い言葉で言えば、スポーツ大国をつくるために行政の分野でできることについて全力を尽くすことというふうに考えております。先ほどの車の両輪論でお話を申しましたように、そういう意味では競技力の向上もなければいけないし、生涯スポーツ、いつでもだれでもできるだけ多くの人が手軽にスポーツに親しめるようなそういう世の中もつくっていかなければなりませんし、――先生はスポレク祭にはお越しになったことはおありですか。
#80
○針生雄吉君 ありません。
#81
○国務大臣(鳩山邦夫君) 私も昨年初めて実は見に行ったわけでございますが、新しいスポーツがいっぱいできているわけです。それほど体力のない方でも楽しめるような新しいメニューというのか新しい競技というのが考案されておりまして、例えば野球が、あるいはサッカーのワールドカップが、大相撲が、オリンピックの冬季競技大会が、バルセロナがというのと離れて、体を動かして健康になるという意味だったらもっといろんなスポーツがあっていいんじゃないかという色彩がスポレク祭は相当強いというのを見て、なるほどスポーツの別の一面というものを見せつけられたような思いがいたしました。
 国民が健康になる、体力が向上する、青少年だけじゃなくて人間みんなの人間形成にもなるとか、あるいは体を動かすというのは人間の本源的な欲求にこたえるものであって、爽快感、達成感、知的満足感といった精神的な充足感や楽しさや喜びも与えるものであると文部官僚の方は書いてきてくれているわけでありますが、これも全くそのとおりでございます。難しい言葉で言うとそういうことになろうかと思いますが、私は、要はスポーツを通じてみんなが健康になり、精神的にも豊かになっていく、そのためにやれることを一生懸命やるのがスポーツ行政の要請だと思います。
#82
○針生雄吉君 今大臣がおっしゃったことがそのままスポーツ振興法の中にも書いてございます。
   〔委員長退席、理事木宮和彦君着席〕
もう古く一九六一年に制定されましたスポーツ振興法の第一章第一条第一項の目的のところに、「この法律は、スポーツの振興に関する施策の基本を明らかにし、もって国民の心身の健全な発達と明るく豊かな国民生活の形成に寄与することを目的とする。」、国民の心身の健全な発達をサポートするためにスポーツの振興を国としても力を入れていきましょうという、こういう基本的な姿勢が書かれているわけでございます。
 国立スポーツ科学センターの構想が現在の形に定着するまでには、先ほどからもお話ありますように、ロサンゼルス・オリンピックとか前回、前々回のアジア大会での日本勢の成績不振を契機として、競技力向上のため、つまりできるだけ多くメダルを獲得するために、その目的を持ってスポーツ科学の研究や科学的トレーニングの研究が必要であるという、そういう発想が出てまいりまして、以前からありました国立総合体育研究研修センター構想というものが再検討されたという過程があるのではないかと思っております。
 こういう競技力の向上ということは、大変必要な重要な国立スポーツ科学センターの目的にはなりますけれども、それとともに、心身の健全な発達を促すことに役立つ、そういうスポーツにするための研究をするスポーツセンターでなければならないということも議論の余地はないと思います。
 私は、それからさらにもう一歩踏み出して、心身の健全な発達を促すそういうスポーツにするためには、当然スポーツをすることによってかえって健康を害したということがあってはいけないわけでございますので、そういうスポーツによる障害の発生の予防というようなものも研究すべきだと思いますし、あるいはどういうスポーツをやれば、あるいはどんなスポーツのやり方をすれば心身の健全な発達が逆に阻害されてしまうかというようなことも研究してもらわなければいけないと思います。そういったことを広く国民大衆にフィードバックするということを常に考えてスポーツ科学センターというものを運営していただきたいと思います。
 いずれの考え方にいたしましても、柔軟な目的と柔軟なソフト面、ハード面での構想を持ってスタートをしていただきたいというふうに思っております。
   〔理事木宮和彦君退席、委員長着席〕
スポーツ科学あるいはスポーツ医学というそういう分野にとどまらずに、国立スポーツ科学センターの役目としては、必要があれば厚生省や場合によっては科学技術庁などとも協力して、あるいは既存の大学とか既存の附属研究所などの枠にもとらわれないで自由な展開を期待したいという気持ちがあるのでございます。例えば心理学的な研究の分野として、気力の研究だとか根情の研究なんというのがあってもいいんじゃないか。あるいは医学治療の面で言えば、効果的な疲労回復の研究であるとか痛みの研究、あるいは老化、ぼけ、スポーツの効果ということからスタートしまして、ぼけとか老化の予防とか原因の追求というようなそういう分野でも活躍をしてもらえる余地があるのではないか、可能性があるのではないかと思うわけであります。
 ですから、このナショナルスポーツセンターの規模ということで言えば、広さは制限があるわけでありますので残念でございますけれども、いろいろな検査とか実験の施設を導入する場合にしても、より精度の高い国際的なレベルのものを導入してもらえるような、直ちにそういう国際的なレベルまでにはいかないと思いますけれども、将来にわたってそれぐらいの大きな構想を持ってスタートをしていただきたいと思います。また、ソフト面においても、優秀な人材を招くことができるような機構、体制でスタートをしていただきたい。今の大学とか研究施設なんかで見られるようなぎくしゃくした人事の交流関係なんかがないような、国内はもちろん国外からも優秀な人材をどんどん招くことができる体制でやっていただきたいというふうに希望をするわけであります。
 そういうような私の希望があるわけでございますけれども、それはそれといたしまして、現在、この国立スポーツ科学センターの構想というものがどういうふうな構想で進んでいるか、ハードの面とソフトの面、どういう進捗状況であるかということをひとつ教えていただければと思います。
#83
○政府委員(逸見博昌君) 国立スポーツ科学センターの構想、これは随分前に着想されたものでございますが、予算の都合上等によりまして随分おくれたことになって宿ります。ただ、現時点では少なくとも平成八年度には設置を終えたいという
ことで努力を続けておるところでございます。先生御指摘のように、施設の面でも人の画すなわち研究者の面でも機能運営の面でも世界に誇るような立派なものをという御指摘でございますけれども、私どもつくる限りは当然そういった立派なものをつくりたいと考えておるところでございます。
 そして、例えば地元の利用者、地元の住民に対して開かれたものとすることは当然私ども現在基本として考えておるところでございますが、先ほど先生御指摘の、研究者についても開かれたものとするようにという御指摘でございます。そういったところにも十分配慮しながら今後このセンター、立派なものをつくり上げていく努力を続けたいと考えておるところでございます。
#84
○針生雄吉君 聞くところによりますと、研究部門としてはスポーツ生理学研究室あるいはバイオメカニクス研究室それからスポーツ心理学研究室というような分野が設置されるようでございますけれども、こういった各研究室に来ていただく人材の選考というようなものはもう始まっているのでございましょうか。
#85
○政府委員(逸見博昌君) まだそこまで至っておりません。
#86
○針生雄吉君 そういう場合に着眼点としては、優秀な人材であれば日本人に限らず外国からも招鴨するというふうなこともあり得る、そういう可能性、あるいはそういう人材がいればそういうふうなことも考えられますでしょうか。
#87
○政府委員(逸見博昌君) そういった方々をどういった形式で処遇するかということは別といたしまして、外国の優秀な方々もぜひ研究に参加していただくということは考えているところでございます。
#88
○針生雄吉君 ついででございますけれども、そういう研究室の陣容というのは各研究室大体何人ぐらいの研究員が配置される予定でございますか、おわかりになれば。
#89
○政府委員(逸見博昌君) まだ大変未熟な構想の段階でございますが、先生先ほどおっしゃいましたが、現在では、スポーツ科学研究部、スポーツ医学研究部、スポーツ情報部それに事務部というふうな四つの部制を考えておりまして、私どもの希望としましては合計で三十名ぐらいの職員構成でできればと考えておるところでございます。
#90
○針生雄吉君 平成八年を目指して、最初からそんなに完璧な陣容、完璧な施設でというわけにはいかないと思いますけれども、このナショナルスポーツセンターが、ただ単に国際的な競技力を向上させるという意味だけにとどまらずに、あるいはいろいろな国際競技のレベルを国民にフィードバックするということだけに限らずに、そういう基本的な、医学あるいは生理学、心理学というようなものの基本にまで研究の手を、研究の分野を広げられるようなそういう構想のナショナルスポーツセンターであっていただきたいというふうに思いますけれども、大臣、そういう考えはいかがでございましょうか。
#91
○国務大臣(鳩山邦夫君) 平成八年の完成を目指しておりまして、国立スポーツ科学センター、当初はスポーツ医科学センター、医もつけて呼ぼうかというようなことも大分言われておりましたから、当然医学的なことについても研究をいたすわけでございましょう。逸見局長が申し上げましたように、まだ構想の完全に詰まっていない部分等もございますし、医師としての針生先生のただいまの大変興味深いさまざまな御見解というものを確実に今後構想を固めていく段階でそれなりの担当者に伝えていきたい。例えば今先生は気力とか根性とかそういうものだって科学的な研究ができるかもしれぬよというふうにおっしゃった。まことに興味深いことでございまして、担当者には伝えていかなければならないと思います。
#92
○針生雄吉君 この国立スポーツ科学センター建設に伴う問題として、もう一つ確認をしておきたいことがございます。
 それは、現在地域住民の方々、年間延べ五十万人以上の方々が国立西が丘競技場の諸施設をスポーツ教室とかスポーツクラブその他の活動で利用しております。このスポーツ科学センター完成後、それらの住民の方々の利用が保証されなくなるのではないかというこういう問題があるわけでございますが、その点に関しましてはいかがでございましょうか。
#93
○国務大臣(鳩山邦夫君) 私は選挙区が隣接したところなんです。私の地元の隣の選挙区なわけでございまして、実はそういう周辺の方々の利用の問題ということについては私もいろいろな方々からお話を承っていることがありますので、できる限り逸見局長から色よい答弁をしてもらおうと思っております。
#94
○政府委員(逸見博昌君) 地元の方々がこの新しい施設をつくり変えるということでもって大変疑心暗鬼でいらっしゃるわけでございますが、私どもこれによりまして新しい施策を始めたいということは当然でございますが、しかし、これまで地元住民の方々に御利用いただいてきたもの、これも可能な限り継続したいということ、これは私ども本当に考えているところでございますので。
 ただ、今建っております施設よりも若干大きな施設が建ちますので、例えばテニスコート等何面かがつぶれるというふうなことはございますけれども、その他の点につきましては地元の方々の利用は恐らくこれまでと変わらない、そういったものが維持されるのではないか。まだ確定的に申し上げられる段階ではございませんが、そんなふうになるのではないか、そんなふうにしたいということでもって取り組んでまいりたいと思っております。
#95
○針生雄吉君 まだ未確定、計画が煮詰まっていない段階であろうかと思いますけれども、地元の方の要望の一つとして、テニスコートが半分とは言いませんけれども減らされるわけでございます。それでテニスコートを夜間も利用できるようにナイター、夜間照明施設を新設していただきたいという声がございますけれども、それは組み入れていただけそうでございましょうか。
#96
○政府委員(逸見博昌君) テニスコートは十六面ありますものが三面だけ残念ながら施設が拡大することでなくなるということでございます。
 今先生御指摘の夜間照明等をいたしますと、利用の効率が高まることはそのとおりでございますが、ただ、テニスコートは二面ございまして、そのうちの一面がどうも住宅地に隣接したところにあるということでございます。そちらの方に照明施設をつけること自体、施設の利用ということにとっては大変よろしいわけですが、地元住民のお立場から見てどうか。そういった調整を要する点もまだございますのでこれまでの地元の方々の利用の実態、それからそういった夜間照明の隣接の周辺地に及ぼす影響、こういったものを十分考えながらベストな形で解決をしたいと思っております。
#97
○針生雄吉君 それから、地元の方々をも加えてスポーツクラブ等を組織して、一流選手がそういったスポーツクラブに招いても指導してくれるというこういう構想が示されておるわけでございますけれども、その方向性に変わりはございませんですね。それを確認したいと思います。
#98
○政府委員(逸見博昌君) 可能な限りそういったものがかなえられるような方向で私どもは努力をしたいと思っております。
#99
○針生雄吉君 目指すところが世界的なレベルの研究であっても、そういう足元の問題があっては困りますので、大臣の地元に近いということでございますけれども、長野県の白馬の視察も大切でございますけれども、西が丘の視察の方もひとつよろしくお願いしたいと思います。
 長野オリンピック冬季競技大会に関して少し御質問をいたします。
 東京オリンピックの代々木第一体育館が今では音楽イベント会場として活用されていますように、大会終了後の後利用のことに関連いたしまして、各種施設の有効活用を見通した構想というものを持つべきだということは今までも話題に上っていることでございます。長野県の場合に、生涯
スポーツと競技スポーツの機会が得られるような地域づくりを目指した競技施設と住宅団地をセットしたようなそういうスポーツ村を建設すべきであるという考えがありますけれども、いかがでございましょうか。そういう計画について文部省としてはどうお考えでしょうか。
#100
○政府委員(逸見博昌君) どういう競技施設をつくるか、それは当然その後利用をどういうふうにするかということを前提にお考えいただく、これは文部省が考えることではございませんで、御案内のとおり、地元の市町村、組織委員会が協力してお考えになることでございます。
 地域スポーツの中核の施設として夏季、冬季を問わず年間を通してずっと使えるような、多目的に利用できるような、そんなふうなものになってもらいたいということを片や考えておりますし、それから一方では世界選手権、ワールドカップなり、そういったもの、すなわち国際的な立派な競技にもだえ得るような、そんなふうな施設、そういったふうなさまざまな欲張ったことを考えながら、今後地元でさまざまな御工夫をいただければと思っておるところでございます。
 先生今おっしゃったスポーツ村の構想でございますが、私、今初めてここでお伺いするわけでございますが、今後地元の市町村あるいは組織委員会等にそういった構想をぶつけていただきまして、あるいは先生から具体の構想をいただきましたら、それを地元に還元いたしまして、そういったものがどういった形で生かせるのか、可能な限り生かしていただくような方向で私ども努力してみたいと思います。
#101
○針生雄吉君 もう一つ、長野オリンピック冬季競技大会に関連して、必要経費が七百六十億円以上ということでございますけれども、そういった場合、スポーツ振興基金からもその助成が出るのではないかと思われます。恐らく一千万円ぐらいだというふうな話も聞いておりますけれども、スポーツ振興基金への民間からの応募が余り期待したほどではないという話でございます。この際、日本に進出しているたばこ企業みたいなそういう多国籍企業からもっとスポーツ基金へ寄附していただくという、そういう考えで強力にプッシュしてはいかがかと思いますけれども、いかがでございましょうか。
#102
○政府委員(逸見博昌君) 私どもこれまで、我が国内におきます大変立派な企業約二百社ばかりをめぐりまして寄附を募っておったところでございますが、今先生の御指摘のように、その対象となるものは私どもの方では選べませんので、今後とも引き続きまして、目標としては百億というふうな目標を掲げたわけでございますが、それに向けまして今後ともさまざまな方向へ努力を続けてまいりたいと思っております。
#103
○国務大臣(鳩山邦夫君) この件は私も努力をしなければならないと思っておりまして、現在四十三億円が予約されておる。実際に入っておるのはまだ二十億ぐらいに聞いておりますから、二百五十足す民間の二十、四十三はいただけることになっておりますから二百九十三。やはり三百五十ぐらいを目標にしたいし、それは国の増資というのか出資をさらにいただければいいんですが、なかなか予算上もそう簡単な情勢にはない、補正予算でどかんといただけるというような状況はなかなか再びやってこないかもしれないと思いますと、民間からの御寄附にお願いをしなければならないと思っております。
 正直言って、いろいろとお話し合いをしておるんですが、芸術文化振興基金のときに出したよとか、あるいはほかにもいろいろな基金が国にはありますし、いわゆるメセナというようなことで一生懸命やっているからとか、またうちは冠大会をやっているからとか、確かに企業にいろいろとお願いをしていることが大分ふえてきておりますので、なかなか楽でなくなってしまった。これは正直言ってバブルの崩壊との関係もなきにしもあらずでございますので、先生のただいまの御意見等も参考にさせていただいて、一層の努力をしなければいけないと思います。
#104
○針生雄吉君 ありがとうございました。
#105
○高崎裕子君 さきのアルベールビルの冬季オリンピックでは、札幌オリンピック以来、久しぶりにノルディック複合団体で日本選手が金メダルを獲得する。あるいは先ほど来出されておりますが、伊藤みどり選手、橋本聖子選手の活躍など日本選手の活躍が明るい話題になりました。
 しかし、全体としては近年オリンピックなどでの日本選手の成績が振るわないということが言われておりますが、この原因についてどう考えておられますか。
#106
○政府委員(逸見博昌君) 我が国におきましても競技団体、それから文部省、体育協会、オリンピック委員会、さまざまな立場で選手強化の努力を続けておるところでございますが、先生御指摘のとおり、一般的には総対的に競技力の低下ということが指摘されているところでございます。それは、例えば選手個人について申しますと、体力とか技術、戦術、精神力、そういった全体をとらまえました競技力、特に精神力について、我が国の選手の場合には本番に弱いのではないかというふうな指摘があるわけでございます。
 それから、選手の強化体制につきましては、例えば先ほどから出ております国立スポーツ科学センター、そういったふうなスポーツ医科学の成果を競技力の向上に生かすというふうなことが立ちおくれておるという御指摘がございます。それから、選手に対します、ジュニアですね、若いころからの一貫した指導体制、これに欠けるところもあるというふうな御指摘もございます。それから、選手とかコーチに対する支援体制がこれまで十分でなかったのではないか、こんなふうな御指摘もあるところでございまして、今私どもこれらの欠点を補うべくさまざまな努力を続けておるところでございます。
#107
○高崎裕子君 そういうことを前提にこれから質問していきたいと思うんですが、まず大臣にお尋ねいたします。
 北海道では、六年後の長野オリンピックを目指して選手強化の試みがもう既に始まっているんですが、これはアルペンスキーの場合ですが、北海道の歌志内市のかもい岳レーシングチームの斉藤さん、それから小樽のレーシングチームの佐藤さんが中心になって、長野オリンピック強化プログラムというものを打ち出しました。レーシングチームというのはアルペンスキーの選手を育てることを目的にしたもので、女子体操で有名な朝日生命クラブとか水泳のスイミングクラブと同様のものなんです。日本のアルペンスキーの第一人者の岡部哲也選手あるいは女子の川端絵美選手はこの北海道のレーシングチームの出身なんです。
 この斉藤さんや佐藤さんは、オウンピック強化プログラムを始めた理由として、長野オリンピックというのは自分がコーチとして地元の日本で開催するオリンピックに選手を送れる最後のチャンスだと、だからこれまでの自分が勉強してきたことを全部子供たちに教えて何とかいい選手を育てたいということで始めましたということです。
 だから、強化プログラムでは、長野オリンピックに向けメダルをとれるような選手になるためのジュニア選手の指導を行うということで、オリンピック適齢年齢の十三歳から十六歳の優秀なジュニアの選手を対象に、月一回の強化合宿を行うというものです。そしてヨーロッパ合宿も計画されています。この強化合宿の費用はすべて自己負担で、国内だけでも十八万以上かかる。そしてヨーロッパに遠征となると六十万ぐらいかかる、こう言われています。しかし、斉藤さんはこれぐらいやらなければだめだ、これはうちだけではなく全国でもやる必要がある、世界で金メダルをとる選手を育てることを夢見てきたわけだから、この最後のチャンスを逃したくないんだ、何としても生かしたいということで、自分自身も苦労しなければならない、本当に大変だと思うけれども相当の覚悟はしていると、こうおっしゃっていました。
 お話を伺って、本当に優秀な選手を育てるということは大変なことなんだなと改めて感じて帰ってきたわけですが、一部の指導者の献身的な努力
とか多くの自己負担で進めなければならないという実態を改善する必要を私は痛感しております。
 斉藤さんは、アルペンスキーの場合、ジュニアに対するしっかりした指導者がいない、指導内容がはっきりしていなかったり、何を教えていいかわからない人が多い。職場を別に持ち、ボランティアで指導しているため中途半端になっている。欧州ではコーチに国家資格を与え、系統立った指導体制を確立している。長野オリンピックに本気で取り組むなら指導者の身分保障を含めた体制づくりに着手すべきだと、こう強調されました。
 それから、他方、練習条件の話も出され、民間のスキー場で練習しているそうなんですが、今はスキーブームということで一般の人がスキー場を多く使って、狭くて危険で満足な練習ができない。関係者からはこれではもういつまでたってもヨーロッパに太刀打ちできないんだ、アルペンスキー用の専用バーンがあったら一般の人を気にしないで十分な練習ができる、そういう専用バーンをつくってほしいという切実な要望も出され、さまざまな点で抜本的な改善が必要だ、そうでなければ本当に金メダルをとれる優秀な選手が育たないということが強調されております。
 このオリンピックに向け、地元日本開催ですから、選手強化のための条件整備を今こそ真剣に考えるべきだと思うし、そういうチャンスだと思いますが、大臣いかがでしょうか。
#108
○国務大臣(鳩山邦夫君) 先ほどから繰り返し御答弁申し上げておりますように、参加することに意義のあるオリンピックではあっても、そこでメダルをとることができるか、勝つことができるかどうかは我が国がスポーツ大国化の道を歩むことができるかできないかの大きな岐路になっていると思うわけでありまして、そういう観点からできる限りの活躍を願っております。
 今高崎先生御指摘のように、長野冬季オリンピックが二十世紀最後の冬の祭典になりますし、また日本国内で冬季五輪が行われるのは、その後何年先になるかわからないということであれば、この機会にできる限りの好成績を残してもらいたいと願うのは、ひとり私だけではなく日本国民みんなの共通の思いであろうと思っております。そういう中で、選手強化についてどれだけの条件整備をすることができるかということを真剣に考えていきたいと思っております。
 スポーツというものは、プロスポーツではありません、アマチュアスポーツの場合はスポーツは金なりではないわけで、大変純粋なものでなければいけないのですが、条件整備のためにはどうしてもお金がかかるわけであります。体協やJOCの皆様方が選手強化という観点も含めて、あるいはこれは生涯スポーツの普及ということも含めて、例えばサッカーくじなどというものはどうだろうかと真剣に訴えてこられておりますのも、私は中立的でまだ考えを決めておりませんけれども、なるほどそういう観点なのかなと合点もいかないわけではありません。
 ただ、誤解なくお聞きいただきたいのですが、実はアルベールビルのメダルに対して御褒美が出ましたよね。そのことに関して、私は意外と批判の声を耳にするわけです。つまり、選手の方が条件よく訓練を受け、日々を暮らして試合に臨むことに関しては国民の疑問の声というのはないんですけれども、じゃメダルで金メダルだから幾らですかということになると、どうも納得できないなという気持ちが国民の一部にあるようです。私もよく考えてみると、別に考えをまとめているわけではありませんが、そういう国民感情はわからないわけでもない。
 ですから、やはりスポーツというものは、とりわけアマチュアスポーツというものは条件を整えてやることに全力を注ぐべきであって、御褒美よりは条件を整えることが第一だと思いますから、先生のおっしゃる事柄でどこまでできるか考えていきたいと思います。
#109
○高崎裕子君 総理府の世論調査でも、公的な援助が必要だという方が八四・八%など、本当に公的な援助を求める声が大きく広がっており、それが毎年数としてもふえておりますので、ぜひ大臣の強力な御努力をお願いいたしまして、次の質問に移ります。
 これに関連して、ジャンプのことなんですけれども、長野オリンピックを控えて五十メートル級のジャンプ台を札幌に設置してほしいという切実な要望があります。
 国内唯一のラージヒル、九十メートル級が大倉山シャンツェにあるんですが、日本のジャンプ競技のメッカとも言われている札幌で五十メートル級、ミディアムヒルというジャンプ台がないのが唯一弱点と言われており、数年前から設置の要望が出ていました。先般の冬季オリンピックで日本のジャンプ陣が久々の活躍を見せたことから、選手らの間で改めて練習とか調整にこの手ごろな五十メートル級の設置を望む声が極めて高まっている。
 高校生以上の場合は、シーズン当初の練習とか不調の際の調整に使用するのに七十メートル級の宮の森では難し過ぎる、そして今ある新井山の三十五メートル級とか二十五メートル級のものでは物足りないというのが現状です。少年の場合は現在三十五メートルで練習をしていて、次は五十メートルがないのでいきなり七十メートルということになると、恐怖感とか事故の心配で負担がきつい。その結果、これまでも多くの有望な豆ジャンパーが途中挫折しているということがあるわけです。
 しかし、この建設には億単位の費用がかかるということでなかなか進まなかったわけですが、オリンピックも六年後に迫ったという時期で、札幌市もことし建設することを前提に調査を始めているわけです。関係者からは早期着工が望まれているわけですが、この点についても国の援助がどうしても必要なわけで、積極的に対応されることを要望したいのですけれども、いかがでしょうか。
#110
○政府委員(逸見博昌君) 地方公共団体が行われます競技施設の建設、これにつきましては、先ほどから言葉で何度か出しておりますが、社会体育施設整備費補助金、こういったもので対応しておるところでございます。
 そして、札幌オリンピックのときから、実は冬季競技スポーツ施設といたしまして練習用ジャンプ台、これも対象としようということになっておりまして、したがいまして、今後北海道教育委員会からそういった御要請が現実のものとして出てまいりますと、私どもそれに対して適切に対応してまいりたいと考えておるところでございます。
#111
○高崎裕子君 三月のワールドカップのフライング大会で優勝した葛西選手が、このミディアムができれば、五十メートル級ができれば、不調のときの調整を図ることができるし、選手層の拡大にもつながるんだというお話を道新に寄せているということもありまして、札幌市としては積極的に進めていきたいという意向のようですので、具体的になりましたら、ぜひ文部省としても積極的に対応していただけますように重ねてお願いをいたします。
 次に、指導者の問題なんですけれども、選手養成は、選手本人の努力は言うまでもないわけですけれども、指導者にかかっていると言っても過言ではありません。この点で、先ほど御紹介いたしましたかもい岳レーシングチームの斉藤さんは、ボランティアでは指導に限界がある、スキー少年団や教員などに対する指導者研修をもっともっとやってほしい、こういうふうにおっしゃられました。きょうは、この点に関連してスポーツ少年団の指導員の問題に触れたいと思います。
 北海道には二千三百余りのスポーツ少年団がありまして、五万八千人の子供がそこでスポーツに親しんでいます。その子供たちを教える指導員は八千九百人の方がいるわけですけれども、この指導員の方はボランティアで活動されている方々なんです。そのほとんどが無報酬で活動をされているということです。
 例えば札幌のあるサッカー少年団の例なんですけれども、ここは全国大会に出られるようなレベ
ルの強豪チームと言われている。だから、言ってみれば恵まれているところなんですけれども、そういうチームでも、試合は向こうから来てくれるのでまだ助かっているけれども、市外での試合、札幌から出ていく、室蘭とか苫小牧とか、遠く函館などに出ていく場合はこれは別途負担になってしまう。指導者の報酬はないし、仮に全国大会に出られるとしても、スポンサーがつかなかったら全額自己負担になる、これでは本当に大変だという状況が話されました。練習の後、例えばスポーツドリンクなど飲料水を子供たちに与えるなど目に見えない負担もある。大変な苦労をして活動されています。好きでボランティアをやっているのだからと割り切っているけれども、やっぱり大変ですというのが本音だというふうに思います。
 私の息子も少年野球をやっているんですけれども、火木土、朝練で五時半から七時まで、そして土日は毎回試合ということで、私も母親として、時間を割きながら試合について歩くというようなこともやりますけれども、本当に子供が好きでスポーツが好きでなければこの指導員、監督やコーチは勤まらないなということで、親としても大変感謝しているんですけれども、それでいいのかという自問自答を、特に文教委員でもありますので、常に感じているわけです。
 そしてまた、北海道のある町の水泳のスポーツ少年団の例なんですが、この指導員の方は、日曜を除いて毎日四時から六時まで練習をするということで、水泳指導員の資格といってもただ泳げればいいということだけが条件で、それ以外の条件はない、だから科学的なスポーツ指導が本当にこれでできるのか自問自答しながら活動しているというふうにもおっしゃいました。
 日本人初のプロサッカー選手の奥寺康彦さんが、小中高校生への指導の仕方、指導者の育成は今は十分とは言えませんと言い切っています。今の指導者の多くは勝負にこだわり過ぎて技術的にはおろそかになっている。だから技術の中途半端な選手が現在は多い。勝つことよりも、そのときどきで選手の成長を考えていくプロセスが技術的に優秀な選手を育てていくことになる。そのためには一貫した指導が重要で、指導者の育成が重要だということを強調されております。
 その指導員の資質の向上と同時に、やっぱり指導者が報われるシステムという点での待遇改善ということ、あるいはボランティア指導員の研修や活動に対する助成ということについて、国が補助制度を確立する時期に今なっているのではないかというふうに思うわけですが、スポーツ全体の底上げということも含めて考えていただきたいという点で、この点いかがでしょうか。
#112
○政府委員(逸見博昌君) 今先生御指摘のスポーツ少年団でございますが、かつてここで活躍した人たちが多くオリンピック等でも活躍するというふうな、そういったすばらしい歴史を持ったものである、スポーツ少年団はそんなものだというふうに理解をいたしておりまして、この活動を本当に尊重したい、大切に育てたいと考えておるところでございます。
 ただ、これまでは指導者というものはボランティアとして手当、活動費、これの助成を全く受けないという形で御活躍いただいてきたわけでございます。そして、ボランティアとして少年スポーツ振興に当たっていらっしゃるということでございますが、私どもは、例えば手当の面とそれから実費弁償的な活動費の二つに分けて考えることが可能だ 。と思います。
 手当につきましては、少なくとも、例えば本来で言うボランティアということでございますと、これは自発性、無償性ということを原則とするということでございますので、ボランティアの基本的性格から手当を差し上げること、これは現時点でどうであろうかというふうに考えておるところでございます。
 そして、指導者の活動費につきましては、これは現在、スポーツ少年団が基本的にはスポーツ指導者とそれから少年たちの自発的な活動ということでございますけれども、多くの場合、少年の父兄を含めましてこれに参加する人々が協力して負担をしているというふうに承知をしております。これはそれでもって適切な対処の仕方ではないかと考えておるところでございまして、大変重要なスポーツ少年団の活躍ではございますけれども、それでもって国からの何らかの助成を考えるというところには今まだ至っていないというところではないかと思っております。
#113
○高崎裕子君 これは月刊誌「健康と体力」の九二年度四月号の中で、日本体育協会の指導者育成部長が、従来のようなボランティアとして協力を求めるのではなく、指導、活動に応じて適切な報酬が支給できるように組織的に整備し、指導者の経済的安定を図るのが今後の最重要課題だということも指摘されておりますし、保健体育審議会の四十七年度の答申でも、その指導にふさわしい適切な報酬が考慮されるべきであろうと明確に述べてもいるわけですから、これはぜひ国の補助制度を確立する方向で検討していただきたいというふうに思います。
 最後に、農水省の方いらっしゃっていますね。スポーツ関連ということで競馬の問題を最後にお尋ねいたしますけれども、現在問題となっている中央競馬会が計画している外国産馬の出走制限緩和五カ年計画でございます。
 これは現在、外国で出走していない外国産馬が出走できる競走を九一年度の三〇%から五カ年で九六年には六五%まで緩和する、また、重賞レースについても現行の五十からサラ系重賞百八レースのうち百五レースまでふやす、ダービーなどのクラシックレースの出走も認めるという内容です。これについては、日本の競走馬の生産者団体である軽種馬農協はこの案が実施されれば日本の競走馬生産は大打撃を受けるということで計画の白紙撤回を求めているわけです。
 私ども先日、日本の競走馬生産牧場約二千のうちの八割を占めている北海道の日高にお邪魔して軽種馬農協の方や牧場主の方からお話を伺ってきました。
 日高の浦河に荻伏牧場というところがあるんですが、ここの牧場主の方は、我々は競馬の国際化は絶対だめと言っているのではない、日本の競馬がどう発展していくかを考えるから反対しているのだ、こうおっしゃっていました。ここの牧場は従業員が八十三人と浦河でも最大の牧場、従業員の勤務時間は生き物相手ですから午前五時から夜の八時まで、大変な長時間労働で、人が集まらないので福利厚生施設も完備しなければと女子寮も完備しているそうです。馬が好きだからどんな環境でも我慢せよという時代ではもうないんだということでいろんな努力もされています。
 そして、外国産に太刀打ちするには土地改良と規模拡大、生産環境など緊急に必要なお金は五百億要る。これに毎年二百億程度の生産者対策が必要で、生産者の設備投資の繰り返しでプラスになることはないのだと。長い間かかって再投資、再投資で馬が強くなっていく、昭和三十年代と比べて、やっと父を国産馬に持つ馬の勝率が最近高くなってきている、長いスタンスが必要なんだということもおっしゃっていました。
 まだここは大きな牧場なんですけれども、日高を見ると大部分は家族だけで経営する小規模の牧場ということで、軽種馬農協の参事さんも、牧場というのは夢多く楽しい場所と思われがちだけれども、現実の生活は厳しい、三K産業の一つなんだと。後継者がいないというのが二一%、未定が四六%ということで、経営規模的に見ても、全体の五三%は繁殖牝馬十頭以下の零細牧場、繁殖牝馬を二十頭以上所有し、どうにか諸外国と並べられるのが約半数だと。経済面においても、現在日高の生産者全体で約五百億円近い負債がある。
 この上、さらに外国から安価でしかも強い馬が大挙して輸入されることになれば、国際競争力に乏しい日本の生産地は、産駒の売れ行き不振に陥って再投資の意欲は削がれ、改良どころか生産基盤の根幹そのものを揺るがす大問題となることは明らかだと、こうおっしゃっていました。
 長い間大変な苦労をしてきてここまで来たわけ
ですが、先日、天皇賞で無敗のトウカイテイオーと最強馬と言われるメジロマックイーンの対決で大いに全国の競馬ファンを沸かせました。天皇賞で優勝したメジロマックイーンもこの浦河の吉田牧場のものなんですけれども、昨年春と二連覇しています。これも昭和二十九年にアラブ一頭から始めた牧場なんです。馬を始めて、水田が減反になって、四十年から軽種馬を本格的にやり始めて、五十二年にメジロファントムが初重賞をとって以来、重賞優勝は五回目、他のレースも通算十九回目というところまでこぎつけましたと本当に関係者は喜んでいる。
 私、この一月にオグリキャップに会って記念写真も撮ってきたんですけれども、ここの優駿というところの牧場主さんも、本当に大打撃を受けるから何とかしてほしい、超党派でやってほしいということを強調されていました。空前のブームと言われる今日の競馬の発展を支えてきたのは、こうした生産者の方々の御苦労があったればこそというふうに思ってきたわけです。
 そこで二点伺いますが、こうした状況を考えれば、国際化ところか現状ではまず軽種馬農家の生産基盤の強化こそが必要ではないのだろうか。そしてもう一つは、アメリカなどから要求があるから開放するというのではなくて、生産者を守るという立場を農水省はとるべきなわけですから、この立場で中央競馬会を指導すべきではないかと思います。白紙撤回を指導すべきという点でいかがでしょうか。
#114
○説明員(菱沼毅君) お答えをいたします。
 ただいま先生御指摘のとおり、軽種馬農家は全国に約二千ございます。ただ、繁殖牝馬の飼養頭数が十頭以下というのが、これも御指摘のとおり八割ということ。また土地が比較的狭くてなかなか欧州あるいはアメリカに太刀打ちできない、基盤はまだ弱いなという感じを持っております。
 そこで、これまたオリンピックと同じでございますが、いずれにいたしましても、馬に求められているものは、より速く、より強く、こういうことでございますので、私ども農林省といたしましては、とにかくいい草をつくるというための助成、あるいは先ほどいろいろございましたけれども、施設投資その他に対する公庫資金でありますとか農林中金の低利の各種制度資金の貸し付け、あるいは伝染病、特に馬の伝貧というのが非常に重要な病気でございますが、これも私ども国の事業といたしまして、防圧なり予防ということに努めておる。
 また、中央競馬会におきましても、生産者団体たる日本軽種馬協会に対して、種馬所というのがございますけれども、ここに種牡馬をつなぎまして安い種つけ料でもって農家にサービスすることでありますとか、あるいはまた調教育成ということ、訓練ですね、これが非常に重要でございますので、そういった施設に対する助成。あるいは改良関係ですと、データといいますか血統登録、そういうものが非常に重要でございますので、データバンクの整備でございますとか、それにかかわるいろいろな調査研究でございますとか、それをさらに農家にフィードバックするといったようなもろもろのこともやってございまして、逐次いろんな面で生産基盤の改善努力をしておるということでございます。今後とも関係団体、関係者の御意見を伺いながら関係者と詰めて、とにかく速くて強い馬をつくりたいということで努力をいたしたい、かように考えておるところでございます。
#115
○説明員(田原文夫君) 後段の点でございますけれども、中央競馬会の番組編成の問題ということになるわけでございますけれども、日本中央競馬会では、先生御案内のように、昭和四十六年に馬が自由化されまして以降、外国産馬が出られます混合競争、これを段階的に制限緩和ということでやってまいりまして、ただいまは先生がおっしゃられましたように約三〇%が開放されている。それから重賞では五十レースというふうなことで外国産馬が出られるようになっているわけでございます。
 こういった点につきましては、これまで中央競馬会でも生産者団体とは十分話し合いながらやってきたという経緯がございます。
 昨年競馬会が示しました、先生が御指摘になりました五カ年の計画案でございますが、基本的には国際化の潮流と申しますか、こうした国際化の要望等々がある。国内的にもファンサイドからはいいレースを欲しているという期待等がございます。こうした状況を踏まえまして、年度ごとに制限緩和をやっていくというのではなくて長期的に示した方が生産者の方々にも生産計画が立てられるんじゃないかという趣旨で出したということで我々は聞いているわけでございます。
 ただ、御指摘のように、いろいろ生産者サイドあるいは他の方面からもいろんな御意見が出ておりまして、私どもも先月から中央競馬会、生産者、馬主あるいは学識経験者の方々に非公式に集まっていただきまして、いわば番組面での国際化、これをどういうふうにやっていくべきかということを内々懇談会形式でやっているところでございます。
 いずれにいたしましても、関係者の方々が十分納得が得られる形でこうした番組編成が進むようにということで私どもも十分に対応していきたい、かように考えておる次第でございます。
#116
○乾晴美君 よろしくお願いいたします。
 オリンピックといえば、スポーツを愛好している方々は一度は現物を見てみたい、できることなら参加してみたいというように思っている方が多いんじゃないかと思います。
 私も小さいころから非常にスポーツが好きでしたんですけれども、私が学生時代だとか小さいときにイメージしておりましたオリンピックと現在のオリンピックとでは大変大きくさま変わりしてきたのではないかというふうに思うわけです。例えば、オリンピックはアマチュアスポーツの頂点であるというように思っておりましたけれども、それがアマチュアスポーツの最高峰というよりも最高の技術に変わってきたというように思われます。
 そこで、このオリンピックについて体育の授業の中で指導するときに、オリンピックとのかかわりでどのような指導内容になっていくのかなというように思います。例えばスポーツマンシップとオリンピックというようなことだとか、スポーツアマチュアリズムだとかプロフェッショナリズムというようなことをどのように指導していったらいいかなというように思いますが、いかがでしょうか。
#117
○政府委員(逸見博昌君) 現在、オリンピックの問題につきましては、体育の授業では特に教えるということで具体的な内容を定めているわけではございません。ただ、体育に関する知識や体育理論というものの中で、現代社会に招きます体育、スポーツをめぐる事項として各学校で適宜それを教えていただくということをまた禁じておるところでもございませんで、適時適切にやっていただくことを期待しておるというところでございます。
 その際には、先生御指摘のような観点からの指導もございましょうし、私ども何よりもやはりオリンピックの基本的なあり方を明示しておりますオリンピック憲章、そういったものを教材にするなど適切な指導が行われることを期待しているところでございます。
#118
○乾晴美君 オリンピックを教えなくていい、そういうことが指導要領に載ってないからいいんだということじゃなくて、せっかく長野でやるということですから、この機会に広くスポーツに対する理解を深めるとか興味を持たせるというような意味で何らかの形で指導する絶好のチャンスであるというように思うわけです。
 長年の夢でありました長野オリンピック冬季競技大会が決まったわけなんですけれども、先ほど大臣の方からもアルベールビルの壮行会でお話をなさったこともるる聞かしていただきましたけれども、我が国の青少年に及ぼす影響、それの文部省の御見解と、どんなオリンピックにしたいとお考えなんでしょうか。どんな姿になったときにこ
の長野オリンピックは成功したというように評価なさるのでしょうか。IOCのあり方、オリンピックのあり方、どのような理念で成功させたいとしているかということをお答えいただきたいと思います。
#119
○国務大臣(鳩山邦夫君) 大変難しい御質問でございまして、私、きょう小林先生の御質問のときにお答えをしましたように、オリンピックが行われるということは国民にとって、またとりわけ青少年にとりまして――少年少女と言わないといけないんですか。
#120
○乾晴美君 いや、いいんです。
#121
○国務大臣(鳩山邦夫君) 青少年はいいんですね。
 青少年にとりまして非常に生涯の記憶に残る大きないわゆるエポックメーキングと言うんでしょうか画期的な、生涯印象に残る出来事だろうと思うんです。
 したがって、東京オリンピックも札幌オリンピックもそういういろいろな影響をもたらした。あるいは二つのオリンピックが日本の社会の変化という面でも一つの節目の役割を果たしたというふうに思うんです。したがって、長野冬季オリンピック大会が行われる一九九八年、平成十年、これは恐らくその後二十年三十年たってみると、あの長野冬季五輪からこういうふうになったねという、そういう会話が交わされるようになるだろうと思うと、とにかく成功に導かなければならない。
 ただ、東京オリンピックのときのように先進国に追いつこうというそういう時代と違って、経済大国として、またある意味では国際摩擦があったりPKOの法律もなかなか通らないで世界からの信用にも疑問が出てきたりといういろんな状況の中で、やはり国際貢献を求められていく、そういう世界注視の中で行われるオリンピックになるとするならば、やはり立派なものをやって、国内的な影響だけでなくて国際的に諸外国に対してどうだ日本はいいものをやるだろうと。それは設備がいいとか豪華だということだけでなくて、とにかく長野オリンピックは経済大国にふさわしい立派なオリンピックだったというふうに皆さんに評価してもらえるような、そんな形にしなければならないと思いますと、東京オリンピックや札幌オリンピックよりも我々に課せられた課題はより大きいものがあるのではないだろうか、そんなふうに考えます。
 したがって、どういうときに成功ですかと、こういうふうに言われますと、これは国内的にも大きな意義を持ち国際的にも評価される、そういう冬季オリンピック大会をできたときではないかと思うんです。
#122
○乾晴美君 私、もっと中身を聞きたかったわけなんです。どういうときに立派と言っていただくか、どういうときに評価されるのかということを聞きたかったんですが、時間がありませんので次に参りたいと思います。
 長野オリンピックを機会にスキー、スケートだけでなしに、六種目やられるということですから、あとの四種目に関心を持たせるのもやっぱり学校教育の中で大きな意義があるだろうというように思います。
 学校の保健体育の中では、自然とのかかわりが深いスキーとかスケートというような指導につきましては、従来は地域や学校の実態に応じて加えて指導するというようになっておったと思うんですね。それが今度改訂されまして、積雪地だとか寒冷地などに対して地域の実態、学校の実態に応じて積極的に行えというようになったと思います。これは現在の生徒を取り巻く社会環境の中で、自然とのかかわりを深める教育が有効であるというようなことだとか、諸条件の整っている学校においてスキー、スケートなどの屋外での運動を積極的に奨励しようという意味合いからそういうふうになってきただろうと思うんですが、現実に全国でどのくらいの小中高校がスキー、スケートの授業に取り組んでいらっしゃるんでしょうか。
#123
○政府委員(逸見博昌君) 昭和六十一年の調査によりますと、スキーの授業を実施している学校は、小学校六年生で一六・九%、中学校におきましては男子が一年で七・八%、女子は一年で七・七%、さらに高等学校におきましては男女とも一年で七・一%という状況でございます。
 スケートにつきましては、小学生におきまして六年生では五・五%、中学校では男子は一年で一・一%、女子は一年で一・三%、こんなふうな状況でございます。
#124
○乾晴美君 非常に低い数値でないかと思います。殊に、まだスキー、スケートができる地域はいいんですけれども、その他の学校ですね、どのような働きかけをしているか。例えば徳島県や高知県のように一年じゅうほとんど雪が降らないというような地域に、雪と戯れるというか積雪とのかかわりですね、そういうものをどのような形で深めようとなさっているかなというように思います。
 徳島県は、昭和五十五年から、今まで行っておりました修学旅行をスキー研修に変えている学校もあるわけです。ちなみに、全日制で四十一校あるわけですが、そのうちの十二校がスキー研修を昭和五十五年から徐々に行ってきて、今十二校ぐらいになっていると思います。このような例がほかにもあるのか。そして、長野オリンピックにちなんで、この際雪に対する、スキーに対する指導をどうされようとしているのかお聞かせいただきたいと思います。
#125
○政府委員(逸見博昌君) 学校におきまして、例えば授業時間等にスキー、スケートを教える、あるいは授業時間等でなくとも学校行事等でそういったものを行っていく。これは雪がないところでは大変難しい問題でございますし、現にたくさんの旅費と手間暇をかけて雪のある地域へ行かなければいけないということで大変制約があるわけでございましょう。
 そういったことで、もしこういった徳島のようなところの方がスキー、スケート、特に天然の雪等に触れますスキー等に親しむためには、長期休業日等に、例えば冬休み等に、それを大変愛好していらっしゃる先生の御指導のもとに遠くへ出かけてスキーに親しむというようなことが精いっぱいではないかな、私、端的にそういうふうに思うわけでございまして、雪のない地域におきます子供たちにスキーを教えること、これは大変難しいというふうに感じております。
 したがいまして、スキーを愛好される特殊な先生がおられて、熱心な先生がいらっしゃって、長期休業日等に、冬休みの期間中等に子供たちをそういった雪のあるところへ案内をしてスキーを、授業としてではなく、学校活動としてではなく行わせるというふうなことが精いっぱい取り組める姿勢ではないかと思います。
#126
○乾晴美君 直接触れさせなくてもいろいろ学習の方法もあるのではないかと思います。
 例えばスキー、スケート以外の、スキー、スケートというのは南の国の子でもどんな種目でどうするのが競技なのかというのは知っていると思いますけれども、アイスホッケーとかバイアスロンとかボブスレーとか、今度行われますリュージュとかいったことについて学習させるのに、例えばスライドだとか映画を見せるだとか八ミリにするだとかビデオにおさめてやるとか、いわゆる学習編を作成して全国各地にそれを回して、今度長野で行われる六種目というのはこういう種目でこういう楽しみ方があって、こんな見方があるんですよというようなことを学校に配布したり、そういうことで盛り上げるといいましょうか、よりオリンピックに対する関心が抱けるようなそういう御計画はおありでしょうか。
#127
○政府委員(逸見博昌君) 現在そういった計画は持っておりませんが、もし各都道府県、各市町村におきます学校で先生がそういったふうな目を持たれて、意欲的にそういったスライドを集めいろんな授業を展開されるということになれば大変いいことだなと今聞いておって感想を持った次第でございます。
#128
○乾晴美君 先ほどからのお話の中で、やはりスポーツに関心を持たせるには、すそ野が広ければ高い山が築けるんだというような話があったり、ハイレベルの競技力を持った人がスポーツに関心を持たせたり、また非常に興味を持たす大きな力になるんだということであったわけですから、そういうことになってくれば、先ほどからのほかの議員さんもおっしゃっていますように、指導者というのが非常に重要になってくるだろうと私も思います。
 それと同時に、施設はどうなのか、財政的なものはどうなのかということもあるわけなんですが、オリンピックというのは四年に一回するということはわかっているわけなんです。ですから、急にやっていくということでなくて、すそ野を広げることもさることながら、オリンピックに対する、いわゆるチャンピオンシップというか、チャンピオンをつくっていくためにどのような国は計画をお持ちなんでしょうか。長期的視点に立って、計画性がある一貫性のあるものをつくっていかなければいけないと思いますけれども、御見解はいかがでしょうか。
#129
○政府委員(逸見博昌君) スポーツの振興を図りますために短い期間の計画と同時に中長期的な計画を持つこと、大変大切なことであろうと思っております。
 私どもの文部省におきましては、そういったことにつきまして保健体育審議会というものがございまして、そこから例えば「二十一世紀に向けたスポーツの振興方策について」というふうな御提言を平成元年十一月に受けておるところでございます。ただ近視眼的に施設整備ということではなくて、二十一世紀における子供たちのあり方、青少年のあり方、競技スポーツのあり方、そういったものを見越した上で各施設を整備すべし、あるいは指導者を整備すべしというふうな御提言をいただいておるところでございますので、私ども現在はこの褒言の御趣旨に沿いまして、乏しい予算ではございますが、一歩一歩積み上げを行っておるというところでございます。
#130
○乾晴美君 一歩一歩計画的にやっていくということなんですけれども、やっぱりチャンピオンシップをつくるというかメダリストをつくっていくというためには、長期的な計画も要るだろうと思いますし、コーチをどうするかということで、このコーチも固定化というか、その選手がどんな個性を持っているか、それからどんな特徴を持っているかということを熟知するためにはずっとつきっきりでやっていかなきゃいけないだろうと思います。そういうことになってくると、コーチがとても大勢の方は教えられないというようなことがあると思います。それから費用の問題もあると思います。
 それから、日本の国だけでなくて、海外遠征もしなきゃいけない。先ほど高崎委員もおっしゃっていましたように、海外へ行かなきゃいけないということになりましたら、十五人の選手を一回海外に送るよりも五人に絞ってそしてその人を三回やらした方が効果があるとか、いろいろあろうかと思います。そういうふうになってくると、ただでさえ選手の層が薄いのに、絞ってこなきゃいけないということになると、またいろいろ問題点が出てくると思います。
 そこで、長期的展望に立った選手の指導強化に一貫性を持たせるために、やはりスポーツを支援するシステムづくりということが不可欠なんでないだろうか。ここら辺をどのようにお考えになっていらっしゃるか、お聞かせいただきたいと思います。
#131
○政府委員(逸見博昌君) これまでの日本におきます学校教育は、体育、スポーツにつきましては基本を教えるという場でございますけれども、それと同時に、例えば中学校、高等学校になりますと、全国のさまざまな競技種目ごとの大会がございます。そういったことのために例えば中学校では中学校で精いっぱいコーチの先生が御指導なさる。高校へ行けばまた別のコーチに当たる先生が精いっぱい高校生としてコーチをなさるというふうなことで、一人の優秀な資質を備えた児童生徒を、一貫性を持って長期的に見守りつつどの時点でどういう訓練を行えばどういうふうにこの子が一番伸びていくかというふうなことについての細やかな配慮なく指導が行われておるということが、我が国におきます学校教育の場における指導の大変大きな欠点であるということは言われておるところでございます。
 したがいまして、私ども生涯スポーツ社会というものを構築するということに当たりまして、学校におきましてそういったふうに体育、スポーツの指導の先生が基本的なことをきちっと教えていただきつつ、その子供たちが、例えば学校週五日制等になるということで時間等もこれまでよりできるということになりました場合、それらが活動する場が今度は学校ではなくて地域のクラブのスポーツ施設というふうなもの、地域のクラブ、スポーツクラブ、そういったところに所属いたしまして、そこには優秀な施設もあれば優秀な指導者もいらっしゃるということで、すくすくと一貫性を持った子供の指導ができる。常に小学校、中学校、高等学校の先生方と連携をとりながら一貫した指導をとるというふうな例えばコーチのシステムができないか、そういったものができないかではなくて、ぜひつくってまいりたい。
 生涯スポーツ社会になった場合には、そういった施設づくり、身近な施設があると同時に、そういう指導者がきちっとそういった施設にはいる。そんなふうな生涯スポーツ社会における施設づく力、コーチづくり、そういったものを行ってまいりたい。現在、端緒についたばかりでございますが、そういったふうな方向を目指して一歩を踏み出そうとしているところでございます。
#132
○乾晴美君 よくわかりました。
 でも、昔と違って児童を取り巻く環境もいろいろ違いますから、学校に対するニーズも強いだろうし、社会体育的なところでもしっかりやっていただけたらいいのになと思うんです。
 私も高等学校で長いことお世話させていただいたんですけれども、もう現実には、部活といいますが、運動部の活動に情熱を燃やしてひたむきに努力をする生徒がずっと減少傾向にあるわけですね。それはどうして部活をやっていかないかというと、やっぱり高等学校及び大学の入学者選抜におけるスポーツ活動歴みたいなものを配慮する面が欠けているからだと思うんです。以前も私申し上げましたけれども、やっぱり学歴偏重の入試制度だとか入社制度を変えない限り、我々の理想とは相反する方向に進んでいってしまうんじゃないかなと思いますけれども、いかがでしょうか。
#133
○政府委員(前畑安宏君) 御指摘の問題、直接に大学入試の選抜方法とかかわりがあるかどうか私ども具体に把握をいたしておりませんが、御指摘のように、大学の入試がもっと学力偏重ではなくて多様な能力判定によって行われるようにならなければならないということはお説のとおりだと思います。
 私どもも毎年度入学者選抜実施要項というのを定めて通知をいたしておりますが、その通知に当たりましても、まず「下記の事項に留意の上、なお一層の工夫・改善を進めるよう」ということで、記の一といたしまして、「入学者選抜の内容や在り方等の研究を更に進め、評価尺度の多元化・複数化を含め、一層の工夫・改善に努めることが望ましい」という指摘をいたしております。また、具体の実施要項におきましても、今御指摘ございましたが、「大学が適当と認める資料により、入学志願者の能力・適性等を合理的に総合して判定する方法によるものとする。この場合、スポーツ・文化等の各種分野における諸活動を適切に評価することが望ましい。」、こういうふうに指摘はいたしております。
 しかしながら、具体にはなかなかそれが進展かしないというのは、これはさきの中教審の答申でも指摘がなされておりましたが、やはり入学者裡抜の公正、公平といいますか、そのことについての非常に難しい問題があり、どうしても学力検査偏重にならざるを得ないという状況があるんだと
思います。
 ただ、具体には、例えば推薦入学につきましても、これは定員枠の問題はございますが、実施している大学、学部ということを取り上げてみますと、大学の数では八九・六%、平成三年度でございます、学部の数にいたしますと七九・五%の学部が推薦入学を取り入れているというようなことで、今先生御指摘のようなことがだんだんと世の中に広く理解されるようになりますと、学力検査による一点刻みだけが公平あるいは公正であるというようなことでなくなればだんだんとおっしゃるようなことが進んでいくんではなかろうかと思っております。
 私どもも努力をさせていただきたいと思いますが、今後とも御指導をお願い申し上げます。
#134
○乾晴美君 それから、先ほどのお答えの中で地域社会の中でもそういう施設な力また指導者があればということなんですが、教委の社会教育主事ですね、地域にかかわる。社会教育主事の資格取得のことなんですけれども、徳島県は小中学校で九十三人現在社会教育主事の資格を持っている方がいらっしゃるわけです。その方が、五十歳以上の方が六三%です。高等学校では社会教育主事をお持ちの方が九十四人です。これが五十歳以上の人が七二%ということになっている。高齢化しているなというように思います。
 これは、社会教育主事を取るときには大体長期の休みのときですから、四国四県が持ち回りになっていると思います。それで四十日間ぐらい、愛媛へ行ったり高知へ行ったり香川へ行ったり徳島へ行ったりということなんですが、そのときに出張扱いになっているかとか、それからそれを取ろうとされる先生の負担、自己負担になっているのではないかとかいろいろ思うわけなんです。これから生涯スポーツを進めていく中でも、この社会教育主事の資格を取らす、そしてそのために国が何か支援をできるというようなことにはなりませんでしょうか。どういうような対応をなさいますでしょうか。
#135
○政府委員(内田弘保君) 社会教育主事につきましては、今先生御指摘のように地方公共団体における社会教育行政の専門職員として社会教育活動の振興を図る上で極めて重要な役割を果たしております。具体的には、地域社会で生涯スポーツのみならず、社会体育のみならず、社会教育全般についての指導もやっているところでございます。
 この資格取得者につきましては、一つには大学における養成コースで養成される、もう一つには文部大臣が大学その他の教育機関に委嘱して実施される社会教育主事講習、大きく言いますとこの二つのコースで養成されて、大体推計でございますが毎年五千人近くの方がこの資格を取って養成されているというふうに考えます。
 この数につきましては十分であるのか不十分であるのか明確にはわかりませんが、社会教育主事のポストそれ自体は大体五千三百人ぐらいでございますから、まあ不十分な数とは考えていないところでございますが、今御指摘のように社会教育主事、大変社会教育のあるいは生涯体育の上で大きな役割を果たしておりますので、その養成、充実に努めていきたいと思っているところでございます。
#136
○乾晴美君 私十五分までと言われておりますのでもう終わりますけれども、この長野のオリンピックにつきまして、自然破壊をしないように、自然保護に力を入れていただきますようにというように思っていたわけです。
 植樹祭がありまして、そのときの新聞を見ましたら、約四千四百本ですか、正確には四千三百八十六本もの木を切ったということで、これはけしからぬと思っていましたら、昨日の新聞に、文部大臣がすばらしいことをおっしゃっていただいた。雑木だからといって切ってはだめなんだというすばらしいごあいさつをなさったということで、さすがだなと非常に感服いたしましたわけです。こういうことをおっしゃる大臣ですから、きっと長野オリンピックにつきましても自然保護については十分御配慮の上なさっていただきますようにお願いいたしまして、私の質問を終わります。
 どうもありがとうございました。
#137
○委員長(大木浩君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#138
○委員長(大木浩君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより。討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 長野オリンピック冬季競技大会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#139
○委員長(大木浩君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 小林君から発言を求められておりますので、これを許します。小林君。
#140
○小林正君 私は、ただいま可決されました法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    長野オリンピック冬季競技大会の準備及
    び運営のために必要な特別措置に関する
    法律案に対する附帯決議(案)
  政府及び関係者は、スポーツを通じた国際的
 な相互理解と世界平和に貢献するオリンピック
 の重要性にかんがみ、次の事項について特段に
 配慮すべきである。
 一 長野オリンピック冬季競技大会の円滑な準
  備及び運営に資するため、国による援助その
  他の効果的な支援に最大限の努力をするとと
  もに、競技施設等の整備に当たっては、自然
  環境の保護に万全の措置を講ずること。
 二 スポーツの振興を図るためには、その裾野
  の拡大とともに国際的競技力の向上が重要で
  あることにかんがみ、生涯スポーツはもとよ
  り、競技スポーツについても、財政その他の
  支援に努めること。
 三 競技スポーツの在り方及び行政の関与の在
  り方について、オリンピックの商業化が指摘
  されることなど、競技スポーツをめぐる環境
  の変化をも踏まえつつ、総合的かつ継続的な
  研究に努めること。
 四 日本体育協会や各競技スポーツ連盟が、ス
  ポーツを愛好する国民を広範に組織する団体
  であることにかんがみ、その運営や役員選考
  等に当たっては、国民各層の意見が反映でき
  るよう配慮すること。
  右決議する。
 以上でございます。
#141
○委員長(大木浩君) ただいま小林君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#142
○委員長(大木浩君) 全会一致と認めます。よって、小林君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、鳩山文部大臣から発言を求められておりますので、これを許します。鳩山文部大臣。
#143
○国務大臣(鳩山邦夫君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと考えております。
#144
○委員長(大木浩君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#145
○委員長(大木浩君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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