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1992/05/14 第123回国会 参議院 参議院会議録情報 第123回国会 外務委員会 第9号
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1992/05/14 第123回国会 参議院

参議院会議録情報 第123回国会 外務委員会 第9号

#1
第123回国会 外務委員会 第9号
平成四年五月十四日(木曜日)
   午後一時三十一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月十四日
    辞任         補欠選任
     原 文兵衛君     藤田 雄山君
     宮澤  弘君     合馬  敬君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         大鷹 淑子君
    理 事
                成瀬 守重君
                山岡 賢次君
                松前 達郎君
                高井 和伸君
    委 員
                合馬  敬君
                岡部 三郎君
                久世 公堯君
                原 文兵衛君
                藤田 雄山君
                久保田真苗君
                田  英夫君
                堂本 暁子君
                矢田部 理君
                黒柳  明君
                立木  洋君
                猪木 寛至君
   国務大臣
       外 務 大 臣  渡辺美智雄君
   政府委員
       宮内庁次長    宮尾  盤君
       外務大臣官房審
       議官       津守  滋君
       外務大臣官房審
       議官       畠中  篤君
       外務省アジア局
       長        谷野作太郎君
       外務省北米局長  佐藤 行雄君
       外務省条約局長  柳井 俊二君
       外務省国際連合
       局長       丹波  實君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        辻  啓明君
   説明員
       外務大臣官房審
       議官       野村 一成君
       大蔵省主税局国
       際租税課長    志賀  櫻君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○所得に対する租税及びある種の他の租税に関す
 る二重課税の回避及び脱税の防止のための日本
 国とルクセンブルグ大公国との間の条約の締結
 について承認を求めるの件(内閣提出、衆議院
 送付)
○所得に対する租税に関する二重課税の回避及び
 脱税の防止のための日本国とノールウェー王国
 との間の条約の締結について承認を求めるの件
 (内閣提出、衆議院送付)
○所得に対する租税に関する二重課税の回避のた
 めの日本国政府とオランダ王国政府との間の条
 約を改正する議定書の締結について承認を求め
 るの件(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(大鷹淑子君) ただいまから外務委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、宮澤弘君が委員を辞任され、その補欠として合馬敬君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(大鷹淑子君) 所得に対する租税及びある種の他の租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とルクセンブルグ大公国との間の条約の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とノールウェー王国との間の条約の締結について承認を求め谷の件、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国政府とオランダ王国政府との間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件、以上三件を一括して議題といたします。
 趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○松前達郎君 租税条約三件をきょう審議するわけでありますけれども、大臣、最初に、これは前もってお願いしてありませんけれども、一月に通産大臣がサウジアラビアを訪問されましたね。そのときにサウジアラビアとの租税条約ということについて締結するという動きがあったというふうに聞いているのですが、その点はどうなっていますか。
#5
○国務大臣(渡辺美智雄君) 事実関係つまびらかでありませんので、野村審議官から答弁させます。
#6
○説明員(野村一成君) お答え申し上げます。
 サウジアラビアとの間に我が国としましても二重課税の防止を通じまして経済的あるいは人的交流を一層進めていきたいということで検討を進めていくのが有意義であるということを考えておりまして、そういった趣旨の立場はもう既に従来からサウジアラビア側にも伝えてきているところでございますけれども、ただいま先生御指摘の渡部通産大臣サウジ訪問の際にもこういった立場を改めてサウジアラビア側に説明いたしております。
 私どもの承知しているところ、サウジアラビア側も基本的には賛成と申しますか賛意を示しておるわけでございますけれども、何分まだ具体的な交渉には入っておらないという、そういう現状でございます。
#7
○松前達郎君 我が国が締結しているこの種の条約、これは数にすると三十九カ国との間に締結をしているということになるのじゃないかと思うのですが、これはこれから後さらにあちこちと締結をしていくと思うのですね。今のサウジアラビアも恐らく入ると思うのです。その状況、見通しというのはどういうふうになっておりますか。
#8
○説明員(野村一成君) 御審議いただいております租税条約、やはり国際的な二重課税を排除することによって交流を促進するということから、政府としましてなるべく多くの国との間にこういった枠組みを設定したいというように考えておりまして、現在、トルコそれからアルゼンチンとの間で新しい条約の締結交渉を行っております。また、これは何分古い条約で改正したいという申し出もございまして、ニュージーランド、マレーシア、インドネシアとの間で今ある条約の改正交渉を行っているというのが今の交渉レベルでの現状でございます。
 さらに日本との間に締結を申し出ている国としまして、フィジーとかチュニジアとかアルジェリア、クウエート、サイプラス、バルバドス、ポルトガル、モーリシャス、マルタ、アラブ首長国連邦、パプアニューギニア、モンゴル、イスラエルといったかなりの国がございまして、それからさらにそれに加えまして先ほど御説明しましたサウジアラビアのような国もございます。また、改正
ということで交渉の申し出のある国としましては、アイルランド、スリランカ、ルーマニアといったところがございまして、非常に多くの国との間に何と申しますか、条約をつくっていくというそういうニーズというのがあるわけでございます。
 何分これはどうしても交渉事でございますのでプライオリティーその他がございますし、やはり現実に二国間の関係の現状、あるいはこの租税条約の場合には相手側の税制がどうなっているのかということをよく調べないといけないというような点もございまして、そういった点を勘案しながら、冒頭に申し上げましたように、なるべく多くの国とこういう条約が結べるように努力してまいりたい、そういう基本的な考え方で対応している次第でございます。
#9
○松前達郎君 今おっしゃったように随分あるのですね。それぞれの国と結んでいくとこの種の条約というのは物すごい数になると思うのですが、大体この内容はどこもそんなに大きく違っていない、それぞれの国のいろいろ問題になるところだけが追加されてそれ以外はほとんど基本的な内容というのは大体同じじゃないかと思うのです。恐らく今後もそういうふうなことで進むと思うのですが、いかがでしょうか。
#10
○説明員(野村一成君) 基本的には、先生御案内のとおり、OECDのモデル条約というのがございまして、特に先進国との間での租税条約につきましては基本的にはそのモデル条約に沿った内容になっております。他方、開発途上国との間ではやはりできるだけ自分の国の何と申しますか、課税の範囲をふやすような考慮というのが必要になってまいりまして、そういった点が多かれ少なかれ入られれているということでございます。
 基本は、先生御案内のとおり、やはり国際的な二重課税を防止することによって経済、人的交流を進める、その点についてはすべて共通していることでございます。
#11
○松前達郎君 それでは、今回の議題になっております三条約に関連して今からお尋ねをさせていただきます。
 まずルクセンブルグとの協定です。これは内容を見ますとルクセンブルグヘの企業進出というものが中に入っていますね、企業進出の問題、企業の問題。この企業進出、一体ルクセンブルグに関してはどういう現状になっているのか、それからこの協定が持つ意義、これについて簡単にひとつ説明していただけませんか。
#12
○政府委員(津守滋君) まず本邦企業のルクセンブルグヘの進出状況でございますが、昨年十月現在二十八社、うち銀行、証券関係が九社でございますが、二十八社の本邦企業が進出いたしております。
 次に、この協定の持つ意義でございますが、その目的は、ほかの国との間の租税条約のそれと同様に、経済交流、人的交流等の促進を図る上で障害となる国際的な二重課税を除去する、そうして金、物、人、資本、物資、人的資源の円滑な交流のための環境を整備するということにございます。
 ルクセンブルグとの間でこの条約を締結することによりまして二重課税回避を目的とする各種の所得に対する両国の課税権の調整が図られることとなり、我が国とルクセンブルクとの間の資本、物資、人的資源の円滑な交流の促進が期待される次第でございます。
#13
○松前達郎君 企業進出の現状を今伺ったのですが、二十八社ですか。そうしますと、このルクセンブルグとの協定に関しては一般的にさっき野村さんおっしゃったようなごく原則的な条約の内容ですね、それ以外に何か特別な特徴はあるのですか、特にないのですか。その辺いかがでしょう。
#14
○説明員(野村一成君) ルクセンブルグとの条約につきましては、基本的にはOECDモデル条約のラインを踏襲いたしております。したがいまして、特段何と申しますか、目立って違うという点はございません。
#15
○松前達郎君 それでは次に、ノルウェーとの協定の御題ですが、これは全面的改定というふうに聞いているのですけれども、改定しなければいけないようになった経緯、これについてまずお伺いしたいのと、それからとりわけ北海の石油開発が大分中身に入っているわけです。これが関係すると思われるので、これについても我が国とどういうふうな関連があるのか、特に企業などがどう関与しているのか、それらについてお願いしたいのです。
#16
○政府委員(津守滋君) ノールウェーとの間の協定の全面改定の経緯でございますが、現行の協定は四十二年五月に署名されたわけでございます。その後、北海油田を擁するノールウェー側から六十三年四月以降累次にわたってこの沖合における資源の探査開発活動に係る沿岸国の課税権、これを確保したいということで条約の見直しの申し入れが行われてきたわけでございます。我が方としましても、こういったノールウェー側の申し入れを契機といたしまして、現行の条約の全般的な規定ぶりを七七年に制定されたOECDの新たな条約によって改善された規定、これに則しましてノールウェーとの条約を改正するということでこれに応じたわけでございます。
 そして、平成三年十一月及び平成四年一月と二回の交渉を行いまして最終的に案文の合意を得て、本年三月四日オスロにおいて我が古沢井大使、先方ヴィンデネス外務次官との間で本条約の署名が行われました。
 次に、日本企業の北海油田との関係でございますが、四件ございましていずれも八八年に関係が生じております。アラビア石油がギダ油田の鉱区権を取得、三井石油開発がギダ油田の鉱区権を取得、出光興産がスノーレ油田の鉱区権を取得、それから出光石油開発が大陸棚の二鉱区の開発権を取得いたしております。これらはいずれも現地法人でございます。
#17
○松前達郎君 それが特に今回改定をしなければならないというのは、今の油田関係、沖合の資源ですね、この問題が入っているのだろうと私は思うのですが、今そういう内容について御説明いただきました。
 今度はオランダですが、オランダとの租税条約については今回の改定議定書を見ますと、親子関係にある会社の間で支払われる配当、この配当に対して課税の限度税率を現行条約の一〇%というのを五%にしようという、何かそういうふうなことが中に入っているわけです。この限度税率について、これはさっきからずっと話題に出ているOECDモデル、この条約に留意してそういうふうに決めたのだろう、私はそういうふうに考えているのですが、今回の改正によってOECDモデルの原則に従うことになると思いますね。この改正をする背景というのは何か特別あったのですか。その点いかがでしょうか。
#18
○説明員(志賀櫻君) お答え申し上げます。
 OECDのモデル条約におきましては、配当の支払いに関し限度税率の定め方が二つございます。一般の配当の支払いに関しては一五%、それから親子間の配当の支払いに関しては五%というふうに定められております。
 この一五%、五%という組み合わせにつきまして、我が国は従来一五%、一〇%というふうに条約を締結する条約例でございました。これは実は我が国の法人税制におきまして配当軽課制度をこれまでとっておりましたので、支店形態における進出とあるいは子会社形態における進出というもののバランスをとるというために、特にOECDのモデル条約に留保を付しまして今までは五を一〇という形で限度税率を定める条約例であったわけでございます。ところが、御案内のように、先般の抜本税制改正におきまして法人税の配当軽課制度が廃止されましたので従来の留保を維持する理由がなくなりました。それで、御指摘のように、一〇%という税率を五%に引き下げるということにいたしたものでございます。
#19
○松前達郎君 ノールウェーとオランダの条約、これは議定書も含みますが、その中にたしか租税
徴収共助という言葉が使われているのですね。そういう条項があると思いますが、これは一体どういうことなのか、わかりやすく説明してもらえますか。
#20
○説明員(志賀櫻君) 租税の徴収共助の条項が入っておりますが、本条の趣旨は、条約締結国間でそれぞれ相手国で条約を不正に利用して免れた租税の徴収を協力し合うということが趣旨でございます。これによりまして租税条約の不正利用を未然に防止し、適正公平な課税を確保するということを目標としておるわけでございます。
#21
○松前達郎君 そうすると、一言で言うと脱税防止の協力ということですか、税の徴収に関して。
#22
○説明員(志賀櫻君) そうでございます。
#23
○松前達郎君 わかりました。
 ヨーロッパは今、ECの統合が進みつつあるわけですが、これが進みますと世界のGNPの二五%程度を占めることになるからこれは大変な経済的勢力である、こういうことがよく言われているわけです。これはパワーとしては非常に大きなパワーになるのですね。こういった大きなパワーに我々日本として今後どういうふうに対応していくのか。これは経済的な問題なのですが、その点とういうふうにお考えになっているか。
 また同時に、企業進出が随分行われているわけですが、日欧間の経済関係、これについての今申し上げた見通し等について、あるいは我が国としてどう対応するかということについてお聞かせいただきたいのです。
#24
○国務大臣(渡辺美智雄君) 御承知のとおり、ECの統合ということについて我々は歓迎という姿勢でございます。日本・ECの共同宣言の趣旨にのっとりまして包括的な協力関係を今後も促進していくことが非常に重要であると同時に、やはり日本とECという大きな経済ブロックといいますか経済地域、これとの緊密な連携ということも重要でありますから、今後進めてまいりたい。
 言うまでもなくECは、今言ったように、約六兆ドル、世界全体の二六%を占めるという大きな経済地域でございます。ECが統合して貿易のいろいろな障壁というものが取り払われ、域内の関税、非関税障壁が取り払われてそこに非常な活性化が生まれることは、私は世界全体の貿易という点からも非常にいいことであると、かしうに考えておるわけであります。ただ、ECが一つのブロック化をして排他的なことになっては困るわけであります。そういうことになるとアジアの中からも抵抗が出ることが考えられますから、やはり開放的な非常に生産性の高い経済ブロックというか経済地域になってもらいたい、そういうように思っておる次第でございます。
 ECとの貿易の量あるいはその他につきましては、必要があれば事務当局から具体的に説明させます。
#25
○松前達郎君 ECの統合が行われる、そういうふうになってきますと、今、各個にそれぞれの国との間に条約を結んでいるわけですが、これがどんどん数がふえてしかも内容はそんなに変わらないということであるとすれば、個別に締結されている租税条約、これについて均一化といいますかそういうものが恐らく図られでいいのではないか、またそういうふうになるのじゃないか、こういうふうに思うのです。
 将来の統合されたECとの間に単一というか一括してこういった条約を結ぶという、こういう事態ができるだろうかということなのですが、これはいかがでしょうか。もしかそうであるとすると非常に簡単になるのですね。いかがでしょうか。
#26
○政府委員(津守滋君) ECがほかの国との間で統一して租税条約を締結するためには、租税の賦課に関する権限がEC各国からEC自体に移譲される必要があるわけでございます。昨年十二月オランダのマーストリヒトでEC統合に関する欧州連合条約が締結されたわけでございますが、この条約の中には今言った点に関する規定はございません。
 将来、この租税の賦課の面でもECの統合が進むかどうか現時点では確定的なことは申し上げることはできないと思います。したがいまして、現在我が国がECの各国と締結しております租税条約は、その枠組み、これは当面変更することはないものと考えております。
#27
○松前達郎君 先ほどからOECDのモデルというそういうふうなものについてのお話があるわけですが、EC間ではどういうふうになっているのですか。やはりそれぞれ各国とも内容的に多少違ったものがお互いに締結をされているのか、その辺はどうなのでしょうか。
#28
○説明員(志賀櫻君) 少しずつ各国の国情を反映しまして違う内容になっておりますが、基本的には同様の内容と申せると思います。
 EC加盟国すべてOECD加盟国でございますからそれぞれに租税条約のネットワークを結んでおりまして、ただ税制が少しずつ違いますので、それを反映いたしまして内容の違う条約になっているわけでございます。
#29
○松前達郎君 この条約等について最後になりますが、ルクセンブルグとの条約、これの第二十一条、ここに「大学、学校その他の公認された教育機関において教育又は研究を行うため」というふうな目的を持ってその国に入っている人についての二年を超えない期間の滞在、これに対する個人の場合の対処の仕方が出ているのですね。これは確かに今申し上げたルクセンブルグだけじゃなくて他の国とも同じようなものが条項として入っているわけですが、ノールウェー王国との間の条約を見ますとこれがこういう文章では入ってない。
 第十四条に、十二カ月の期間それを継続する場合、「合計百八十三日を超える期間当該他方の締約国内に滞在しない限り」、こういうふうに書いてあるのですが、期間的にちょっと違っているわけですね。これもやはり内容的には同じことを指しているのでしょうか、これがちょっとよくわからないものですから。
#30
○説明員(野村一成君) 特に今、先生御指摘の教育または研究に従事する者の報酬に対する課税の扱いでございますけれども、若干違った面がございます。
 OECDモデル条約案にはこういった規定はないわけでございますけれども、特にノールウェーについてはそういうルクセンブルグにあるような規定が設けてないというのは実は事情がございまして、ノールウェーの方から、教授とか教諭、教員を特別扱いするということについては若干国内的に批判がある、そういうことからノールウェーが最近締結した条約においてはそれを規定しないというのを方針にしているというような主張がございまして、我が国の条約例でも例えばカナダとかスウェーデンなんかについてはそういう条項を設けてないものがあるということにもかんがみまして、ノールウェーとの条約につきましては先方の主張を取り入れましてそれを設けなかった、そういうことでございます。
#31
○松前達郎君 そうしますと今、私申し上げた十四条というのは違うのですね、対象が。ルクセンブルグの場合の二十一条とはちょっと内容が違うというふうに解釈してよろしゅうございますか。
#32
○説明員(志賀櫻君) 百八十三日間の規定のあります条項は、一般の給与所得者に対する課税の原則を定めた条項でございます。ルクセンブルグの例に見られますようないわゆる教授条項はこれの特則をなします。
 それで、ルクセンブルグに関しましては教授条項がありますので、この条項の要件に該当する方々にはこの特則が適用になるということでございまして、OECDのモデル条約案にはこういう教授条項というのはございませんのですが、文化交流と申しますか、教授、教官の学術文化交流という観点からこの条項を入れる条約例が比較的多うございます。
 ただ、ノールウェーの場合、ノールウェー側の国内条項によってこの特則を設けるのはどうもうまくないというような一種の要望がございまし
て、それではということで入れないことにしたわけでございまして、先ほど御答弁いたしましたように、そういう条約例もあるわけでございます。
#33
○松前達郎君 そうしますと、さっき私が申し上げたのはちょっと間違っていて、ノールウェーの場合そういうものが特別設けられていないということに解釈していいわけですね。
#34
○説明員(志賀櫻君) さようでございます。
#35
○松前達郎君 わかりました。
 条約についてはそのぐらいのところで質問を終わらせていただきまして、あとは田先生の方からひとつよろしくお願いいたします。
 私は終わります。
#36
○田英夫君 条約について松前委員から御質問いたしましたので、その他の問題について質問させていただきます。
 最初に、天皇訪中について外務大臣に伺いたいと思います。
 ことしは日中国交回復二十周年という日中間の一つの節目の年でありますし、江沢民総書記あるいは万里全人代委員長といった中国の要人が相次いで来日をする。中国側の意気込みといいましょうかは相当なものだと思うわけです。最近、天皇訪中の問題について外務大臣は大変積極的な態度をとっておられるように思いますが、与党自民党の一部に反対の御意見があるというようなことで宙に浮いた形になっております。天皇というお立場のことですからこの問題が変な形になるのはよくないというふうに思いますし、外務大臣から、反対をしていらっしゃる御意見も含めて今のこの問題についてのお考えを聞かせていただきたいと思います。
#37
○国務大臣(渡辺美智雄君) ことしは日中の友好、正常化して二十周年記念ということでございまして一つの区切りでございます。したがいまして、多くの人たちの人事往来があるわけでございます。我が方としてもこの二十周年を記念していろいろな行事が催され、また中国においても二十周年という一つの節目を迎えてより一層日中の友好関係を二十一世紀に向かってしっかりしたものに築いていこうというような努力がなされていることは事実でございます。
 かねて、できることであるならばぜひとも天皇陛下が中国を訪問されることを強く期待申し上げますというような御希望が述べられたことももう周知のことでございます。特に本年秋に御訪中いただければというようなお話もございまして、天皇様のことでございますので我々は日本においても中国においても非常に祝福された雰囲気の中で実現されることが一番望ましい、そう考えております。
 したがいまして、政府といたしましては、目下のところ諸般の事情をいろいろ勘案しながら慎重にかつ真剣に検討をしているさなかである。これ以上のことは申し上げることはできません。
#38
○田英夫君 中国側は、今おっしゃったとおり、大変熱心に訪中を要請しているという状況だと思いますが、天皇訪中問題以外に日本政府として二十周年ということで何らかの行事とか行動をお考えでしょうか。
#39
○政府委員(谷野作太郎君) 日中関係、幅広い関係でございますから政府に限ることはできませんけれども、政府側におきましては、例えば九月二十九日が正常化の日でございますから、そこで北京あるいは東京におきましてそれぞれの大使が主宰されて大きな祝賀のパーティーを計画いたしております。それから郵政省の方で記念切手を発行するという御計画もありますし、他方いろいろな映画祭とか絵画展とかそういったものに対しても政府の方から積極的に助成をさせていただいております。
 委員長がおられますけれども、その一環といたしまして先般、北京それから東北地方、大連、長春等で李香蘭というミュージカルを上演いたしまして、これは私どもの大使館からの報告によりますと大変大きな反響、好評だったようでございます。これに対しましても国際交流基金の方から大きな助成をさせていただきました。
#40
○田英夫君 中国とは、政治構造、考え古いろいろ違いはあっても歴史的に非常に古いつき合いでもあり大切な関係ですから、大切にしなくちゃいかぬ。
 天皇訪中について一部の方の間で天皇を政治に利用するなというようなことも言われておりますけれども、皇室外交とか王室外交とかいうことで諸外国も皇室、王室を持っておられるところはそうした意味で友好を進めるためにみずから訪問をされるというようなことはしばしばあることでもありますし、私は実は天皇が今秋にも訪中されるということに賛成であります。そういうことで、本当に中国の民衆が歓迎をするということが大前提でありますけれども、そういう上に立って訪中されることはいいことだというふうに思っているわけです。
 そこで、宮内庁の次長もおいでいただいているわけですが、今のいわゆる象徴天皇と言われる制度が新憲法でできてもうかなり長い年月がたつ、半世紀近い年月がたってまいりました。昭和天皇の場合はかなり前半の御人生の中では厳しいことがありましたけれども、後半の象徴天皇になられる、同じ方がかわられたわけでいろいろ御本人を含め周囲の方も御苦労があったと思いますが、現天皇の場合は象徴天皇という制度の中で育たれたわけでありますから、そういう中での今の天皇のさまざまな御行動とかあるいはそれを取り巻く周囲の国民、そして政府、そういうことで宮内庁としてまさに憲法にふさわしい状況になっているというふうにお思いになりますか。
#41
○政府委員(宮尾盤君) 天皇陛下は、これは憲法に規定をされておりますように、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴である、こういうお立場にあるわけでございまして、そういうお立場から憲法で定める国事行為を行われましたり、あるいは国際親善等のことも含めまして国内におきましてもさまざまな儀式とか行事というものを行われあるいは各種行事にも御臨席になる、こういうことをなさっておいでになるわけでございます。
 それで、こういった憲法に定められてある国事行為あるいはその他の各種儀式、行事等へのお出ましに際しまして、陛下のお気持ちは、たびたび記者会見等でもおっしゃっておられますように、常に国民とともに歩む、歩んでいきたい、こういう考え方に立たれまして、皇室も国民とできるだけ深いつながりを持ちながらいろいろな御行動をなされておるというふうに承知をいたしております。
 宮内庁としましても、そういう陛下のお気持ちを外しまして、いろいろな意味で国民と接する機会があればできるだけ積極的に接しられていただいて国民に敬愛されるような皇室になっていくことが必要だ、こういう考え方でお世話申し上げている次第でございます。そういう点では大変両陛下とも国内行事あるいは国際的な親善の問題につきましても立派にお務めを果たしておいでになられるというふうに私どもは思っておりますし、宮内庁としても一生懸命お手伝いをしなければいけない、こういうふうに考えておる次第でございます。
#42
○田英夫君 まさに次長の言われたとおりだと私も拝見をしておりますが、問題はその周囲ですね。周囲で特に今度の天皇訪中に反対をするような意見の人たちの中に、再び旧憲法時代の天皇のような方向へ持っていこうとする考えがあるのではないかということを私は懸念いたします。
 例えばこれは宮内庁だけの御責任ではないと思いますが、天皇が出かけられるときの警備の問題。これは現皇太子がイギリスの留学から帰られたときに、日本の警備は厳し過ぎる、こう率直に言われでいろいろ問題があったことは承知しております。私も全くそのとおりだと思います。そういうことも一つですし、先日も新聞に出ておりましたが、福岡での植樹祭に際して、天皇、皇后両陛下がおいでになるということが大きな原因だろうと私は思うのですが、植樹をするのに四千本の木を切ったというまさに漫画のような話が現実に
起こっている。こういうことも誤った天皇観といいますか、そういうものがいまだにあるのじゃないだろうか。思い過ごしかもしれませんが、そういう気がいたします。
 警備の問題についても、あの昭和天皇が終戦直後いわゆる人間天皇と言われたときに、もう民衆の間にもみくちゃにされながら各地を御訪問になった。あのときが私は昭和天皇の御一生の中で一番楽しいときだった、楽しいという言い方はあれかもしれませんが、私はそういう気がいたします。それがだんだん人間の周りに菊のカーテンを周囲の人がつくり始めてしまって、現在そのカーテンが次第に厚くなってきているのじゃないだろうかという気がいたします。それは今も次長言われたとおり、天皇御自身の御意思とは全く逆の方向に行こうとしているのじゃないですか。
 ちょうどたまたま私の住んでいる前に東京ローンテニスクラブというテニスコートがありまして、両陛下、時々ここにおいでになります。そのときには白バイは先導していますが、車一台で非常に簡素な形で来られて、聞くところによると赤信号ではとまられるという話も聞いております、それは確認しておりませんけれども。非常に楽しそうにおいでになってテニスをプレーしてまた帰られるという、これが本当は御自身の望んでおられる姿じゃないでしょうか。公式行事の場合、外国の人と会われるというようなことの場合はそう簡単ではないかもしれませんが。
 そういうことをあわせ考えますと、今の状況というのと天皇訪中に反対する声というものをあわせて考え、私は憲法の象徴天皇ということに対していささか現状は危惧をせざるを得ない、そういう状況にあるのではないかと思います。
 もう一つ宮内庁にお聞きしたいのは皇太子妃の問題ですけれども、率直な言葉で言えばなかなかお決まりにならないということで恐らく皆さんも苦慮しておられるでしょう。ここで現在の状況をといつでもお答えになりにくいし、マスコミさえもこの問題については協定を結んでいるというような問題ですからそうここで現状ということは申しませんけれども、私の方から実はむしろ宮内庁に聞いていただきたい意見を申し上げます。
 今申し上げたような人間天皇、人間的な皇室というそういう方向がどんどん進んでいれば、お妃問題もこんなに難航しなかったのではないかという感じを持っています。つまり再び皇室が雲の上に上がっていこうとしていることを皇室のことをよく知っている人ほど感じ取っているから、御自身や自分の娘さんがその雲の上に上がってしまうというようなことに対してお断りをするという結果になってしまっているのではないかという感じを私は持っております。これは次長のお立場からすればノーとおっしゃりたいだろうと思います。
 しかし、現皇后のあの御成婚の前に、私も新聞記者でまさにお妃班というものに属してやっていたときに、小泉信三さんとか入江侍従長とかいう方々が大変、初めてのことでありますから、新しい制度の天皇制の中での初めてのことですから非常に苦慮をされて、そして結果的に今の皇后に決まられたという経緯を考えますと、それだけの大変な御苦労があっだろうと思います、新しい皇室のあり方ということについて。入江さんからその詳しい内情を後でお聞きしたこともあります。
 これはしたがって、私は質問という形にはいたしません。ぜひそうした皇室のあり方ということから考えないとお妃問題というのは容易に解決しないであろうと、こういう言い方がいいかどうかわかりませんが、私はそういう感じを持っていることを申し上げて、この問題は終わります。ありがとうございました。
 次に、きのうから日朝、日本と朝鮮民主主義人民共和国の第七回目の交渉が北京で始まっておりますので、この問題についてお聞きしたいと思います。
 今度の交渉は相手側の責任者が孝三魯さんにかわって初めてということでありますから、そういう意味では顔合わせ的な意味もあると思いますのですぐに結論が先に進むというふうには私も思いませんけれども、きのうの最初の第一日目のこと、新聞にも出ておりますが、アジア局長からひとつ簡単にお答えいただきたいと思います。
#43
○政府委員(谷野作太郎君) きのうきょうということでございますから今この時点でもまだ続いておりますが、昨日はしたがって総論的なやりとりと主として国会でも大変御関心のある核の問題についてのやりとりをいたしました。
 総論的なやりとりは省略いたしますとして、核の問題につきましては、確かに御案内のように、昨年の秋ごろから大変歓迎すべき動きがこの問題について始まっておると思います。中平代表の方からそういった最近の一連の動き、すなわち朝鮮半島の非核化に関する共同宣言というのが御記憶のように大みそかに署名されましたけれども、そういったこと、あるいはその後北朝鮮が懸案でございましたIAEAとの保障措置協定、これの発効の手続をとりましたが、そういった一連のことについて日本として歓迎の意向を申し述べました。
 しかしながら、すべてがこれで終わったわけではございませんでさらに北朝鮮側においてなさっていただくことがまだ残されておりますので、IAEAによる査察の完全な履行を含めてそれに向けてより一層の取り組みを強く要請して、その結果、いずれにしましても、この北朝鮮をめぐります核兵器開発に関する国際社会の持っております懸念というものを一日も早く払拭してほしいということを要請したわけでございます。
 北朝鮮側は、これでこの問題についてはもうすべてやることはやった、後は日本側のその他の問題についての積極的な対応を待っておるというようなことのようでございましたが、私どもは引き続きこの問題についての北朝鮮側の対応を関心を持って注意深く見ていきたいと思います。
 その他いろいろなことをやっておるわけですが、その一つとして今後この北朝鮮との関係をとういうふうな原則で律するかというような議論もしておりまして、その文脈の中で御案内のような過去の例えば併合条約についての認識の仕方あるいは北の管轄権をどうするかというようなことも議論をいたしておりますが、細かいことでございますので内容は省略いたしたいと思います。
 非公式会談で副団長の間で例の失踪しておる女性の問題についてもこちらの関心の次第を述べました。北朝鮮側は、これは前回も申しておったことでございますけれども、大韓航空機のあの事件というのは全く南のでっち上げである、したがってこの問題についての調査に応ずる立場には全くないというような応答であったように報告を受けております。
 いずれにいたしましても、まだ途中でございまして、まとまったところでまた全体の評価も含めて本委員会でも御報告の機会を得たいと思います。
#44
○田英夫君 核の問題が一つの大きな障害になっていたわけですが、北朝鮮はIAEAの査察を受ける、もう来月にも受けるということのようですから、ただこれで査察を受ければ解決するということではないという、今も若干そういう意味のことを言われましたけれども、そういうふうに思っていいわけですか、この核問題。
#45
○政府委員(谷野作太郎君) 査察を受けていただいてそれによって、先ほど申し上げましたように、国際社会全体としてこれをめぐる北朝鮮の疑惑というものが払拭されたという認識に立てはそれはそれでよろしいのだと思います。
 他方、日朝をめぐる問題はこればかりではございませんから、それで一気にすべてが解決の方に向かってまっしぐらというわけにはもちろんまいりませんけれども、この問題は国会の御意思も受けて私どもは強く北朝鮮側に要請してきたことでありますから、これについてトンネルを抜ければ間違いなく日朝交渉については一つのこれを進め
る上でのよい環境をそこでつくるというふうに認識いたしております。
#46
○田英夫君 核の問題は、実はこのごろプルトニウムあるいは核、具体的にはむしろプルトニウムですが、これが外交問題になってきているというふうに言ってもいいのじゃないかと思います。その意味では、いずれ時間がありましたら日本のプルトニウムの問題を取り上げてその問題だけで政府のお考えをただしたいくらいに思います。
 といいますのは、北朝鮮に核再処理施設があるのではないか、つまりそれは原爆、核兵器をつくることに結びつくのではないかというアメリカの疑惑、疑念ですね。アメリカは恐らく偵察衛星で映しているのだろうと思うのですけれども、そこが発端になってあたかも北朝鮮はすぐにでも、韓国の方の情報によるともうつくっているという情報まであるようですが、そういうことになりますと、これは北朝鮮が言っているとおり、日本は一体どうなのだと。日本人は日本が核兵器をつくるとだれも思っていないのでこの問題を非常に大きく取り上げるという人はいないわけでありますけれども、仮に外から見れば、現に北朝鮮もそのことを言っておりますし、韓国の学者も具体的に雑誌その他で、日本は二〇〇〇年ころには七十トンのプルトニウムが蓄積されるから当然その意思さえあれば核弾頭が千数百個できるであろうという、こういう論文を書いている人もいるわけですね。
 大体プルトニウム八キログラムで一個の原爆ができる。長崎の原爆は御存じのとおりプルトニウム爆弾であります、広島はウラン爆弾ですけれども。現にそういうことで日本に当てはめますと千数百個の核弾頭ができる。それもこの秋にイギリス、フランスからプルトニウムが返ってくる。一船ごとで、船一回で一トンというふうに言われているわけですから相当な分量が急速に蓄積される。一方で、これを使うはずの動燃の「もんじゅ」は果たして運転ができるのかどうか。フランスの例では、私も見てきましたが、スーパーフェニックスという高速増殖炉は運転が中止されておりました。そういうことからすると、こんなにたくさん、恐らく結果的には世界一のプルトニウム保有国に日本はなるわけですね。その日本が北朝鮮に対して、おまえさんのところは再処理施設を持っているのじゃないか、核兵器をつくるのじゃないかと言ってそれを国交正常化交渉の大きな関門にしているというのは、実は笑い話のような話になるのじゃないかと客観的に言えば言えるのじゃないでしょうか。
 そういうプルトニウム外交という、プルトニウムというものが外交の一つ大きなテーマになってきているということもぜひお考えをいただきながら、同時に前から私が言っているように、ソ連との交渉でも北方領土問題というものを入り口に置いて、これが解決しなければ平和条約は結びませんと。これはヤコブレフさんが私に言った言葉ですが、日本政府はどうも交渉しようというとドアの入り口に何か石を置いて中に入れないで、この石をどけたら中に入って交渉する、こういう言葉を言いました。なるほど北朝鮮で言えばかつては例の漁船員の問題、そして今は日本に比べればはるかに少ない、あるかどうかわからない核施設の問題、こういうものを入り口に置いて、交渉には入っていますけれども、それが解決しなければだめだというそういうやり方の外交というのはいかがなものかな、こういう感じを持ちながら日朝交渉を見ております。
 最後に外務大臣に、今のやりとりをお聞きになりながら、日朝交渉というのを本当に前にお進めになるのかどうか、大変失礼な質問ですけれども、最後にそのことをお答えいただきたいと思います。
#47
○国務大臣(渡辺美智雄君) 我が国は、御承知のとおり、立派な非核原則というものを持っておりますから、しかも国際原子力機関の自由な査察を受け入れて、世界の方が皆、日本にプルトニウムがあったとしてもそれが軍事利用されるというような懸念はだれも持っておりません。こういうようなことでございますので、北朝鮮におかれましても、今まで何のために平和利用のそれだけの施設もないのに核の開発をするのかというようないろんな疑念を持たれておったので、残念ながらそれらについて我が国は立証する力、能力がありません、したがってこれは国際機関の査察に任せるほかないということでありまして、その査察を受け入れて国際社会の疑念を晴らすということがまず大前提であろうと存じます。
 その後の問題につきましてはいろいろ交渉のやり方もございましょうが、日韓条約交渉というようなものもあったこともございますし、そういうものを頭の中に入れてやれば、日韓条約は十三年もかかりましたが、しかしそれによって一つのルートといいますかそういうものが現にできているわけですから、私はそういうような方法を考えていただけばそんなに長い時間はかからずに済むのじゃなかろうか、やはりなるべく早い時期に北と日本との国交正常化ができることは望ましいことである、そして南と北の正常化が進むこと、これも非常に望ましいことであると、そういうように思っておる次第であります。
#48
○田英夫君 終わります。
#49
○黒柳明君 続いて日朝交渉のことですが、アジア局長、けさですか一部の新聞ですけれども、韓国の首相補佐官が北には再処理施設があるのだとコメントをした、こんな報道がされていました。これについては外務省はどの程度情報をキャッチされているのでしょうか。
#50
○政府委員(谷野作太郎君) 外務省として、正直申し上げて有権的にこれだという十分の判断は持っておりませんけれども、先生も御案内のように、先ほど来の田先生のお話がございましたが、これに対する非常に強い国際社会の関心が表明されて、その結果、最近北朝鮮は、御案内のように、放射性科学実験施設、実験のためのそういった施設、これはプルトニウムの分離を目的としたものだということのようでございますけれども、それが問題の寧辺というところにあるということを明らかにいたしました。
 さてそこで、これがいわゆるアメリカがかねてからいろいろな手段を使って結局アメリカは再処理施設を少なくとも北朝鮮側は建設の途次である、それも完成は間近いという判断のようでありますけれども、そういうものなのか、それとも北朝鮮の言うように単なる実験施設にすぎないのか。しかし、風説によりますと、なかなか分厚いコンクリートに囲まれた施設だということをアメリカ側は言っておりまして、実験のためにそれほどの大仰なものが必要なのかどうか。いずれにいたしましても、近々IAEAによる査察のチームが入りますのでそこではっきりすると思います。
#51
○黒柳明君 既に北鮮側からIAEAに自己申告で査察の対象を出して、寧辺付近の施設もその中に入っていると、こういうことですね。
 そうすると、大臣が今おっしゃったように、国際的なIAEAの査察が入ればこれはわかる、疑惑は晴れる。六月には査察が行われるのではなかろうか。そうすると、査察の対象には少なくとも寧辺付近の施設が入っているからそれによって核疑惑は解明されるという判断があるわけですか。あるいはまだそのほかにどこかに隠しているものがあるのではなかろうかと、こんなことも思って今の交渉の中でも核疑惑というようなことも意見を出しているのですか。
 そうではないのですね。もう既に申告の中あるいは査察対象の中には当然入っている、だから今、大臣おっしゃったように、IAEAの査察が入ればはっきりする、日本側の疑惑も晴れる、こういうことで考えているのですか。それともほかに何かまだ隠したものがあるのじゃなかろうかという疑惑もあるのですか。どうでしょう。
#52
○政府委員(谷野作太郎君) 少なくともただいまの黒柳先生から関心が示されました再処理絡みの施設につきましては、仰せのように、今般十六カ所の施設のリストを出してきたわけでございます
が、その中に放射線科学実験施設建設中として場所は寧辺だということになっておりますので、六月になりましょうか査察が入ればこれは対象になります。北朝鮮側もそのつもりで出してきたのだと思います。
#53
○黒柳明君 そうするとその結果、どういう結果になるかわかりませんが、きのう施政権の問題もすれ違いであるというような報道がされておりました。それと核の疑惑、向こうはもう解決済みだと、こう言っていましたけれども、そうするとIAEAの査察が入って結果が出れば核疑惑に対しては解消するという可能性が強い、こう私たちは推測していていいのですか、期待していていいわけですか。
#54
○政府委員(谷野作太郎君) これは私どもというより専門家の方々がどういうふうに判断されるかということであろうかと思いますが、疑い出せば切りがない話ではございます。
 IAEAの査察というのは、IAEAの場でいろいろ議論されておりますように、いろいろな抜け道がある、イラクのケースにおいてそれが如実に示されたということがございますけれども、査察が終了して確かな目を持った専門家のグループがどういうふうに判断されるかということだと思いますが、いずれにいたしましても、これを取り巻く疑惑というものが解消の方向に向かうというのが私どもの期待でもございます。
#55
○黒柳明君 大臣、これは交渉ですから、外交交渉というのは時間がかかるしお互いの忍耐も必要ですし、結論がどうなるかということはこれは両国のあるいはいろいろ国際的な雰囲気というものもあるかと思いますが、一つ核の疑惑が一応晴れたとなると相当日朝正常化への大きな関門は乗り越えることができるのじゃなかろうか。今、大臣おっしゃったように、そんなに時間がかからないのかな、そんなこともそれに伴って考えられるのではなかろうか、こんな感じがするのです。
 それももう五月の半ばですから六月行われるとすると半月足らずで、その結果どのような分析をされるかわかりませんが、それを踏まえて大臣もそんなに時間がかからない、今こんなお考えも吐露されたわけでしょうか。核疑惑も国際的査察が入れば疑惑も晴れるのじゃなかろうか、となると正常化の大きな突破口ができる、時間がそんなにかからないのじゃなかろうかという、大臣のコメントはそこらあたりにもあるのですかね。
#56
○国務大臣(渡辺美智雄君) まず核疑惑が晴れるということが大前提でありますから、それが専門家の国際的な機関によって解明されるということがあれば私は大きな関門は一つなくなると思うのですね。
 あとは今までの何といいますか、戦前からのいろいろ請求権をどういうふうにするのかあるいは協力体制でいくのかというような具体的な問題に入ってまいりますので、これについて我々が考えていることと非常にかけ離れたことがあれば時間がかかるかもしれないし、しかしながら一つの前例というものは日韓の間で行われておって、そういうようなものが基本的に受け入れられればあるいは比較的早く進むのか、これはもう向こうの具体的な要求とか交渉とかにぶつかってみないと実際何とも今の段階では申し上げられません。
#57
○黒柳明君 当然そうだと思います。
 PKOのことを聞きたいのです。時間がありませんのでちょっと国連のことを一、二聞きたいのですが、当然国連中心の我が国の動きであったし、これからもますますPKO等含めて国連主義というものが私は大切な外交、日本外交の基軸になると思うのですけれども、先週ですか先々週になりますか、ゴルバチョフ元大統領がアメリカで演説しまして、日本、ドイツ等は常任理事国に当然なるべきだ、こんな発言もしました。そんなこともここで論議もされたことがありますが、大臣、どうでしょうか、もうそろそろ我が国も常任理事国の仲間入りする、こんなような国際的な雰囲気といいますか、根回しといいますか、努力といいますか、実績といいますか、それを前提にしてそういう方向に向かっていかなきゃならないときが来ているのではないかという感じがしますけれども、どうでしょう、日本の外交のかじ取りとしまして。
 こんなものは一年か二年ですぐというわけにいきません。やっぱりそういう方向を決めでそれなりの環境をつくらないと世界各国も受け入れてくれないわけですから、もうそろそろ戦後というときも相当長い時代だったわけでありますし国際的仕組みも変わりましたから、これだけの日本が常任理事国に入ったって何にもおかしくもない、こういうような感じもしますが、ひとつ外務大臣のときに何かそこらあたり大きく、国際貢献はさることながら、要するに国際的に本当の日本が力の発揮できるような責任と場をから得るためには常任理事国に加盟するぐらいのことももうそろそろする方向にいっていいのじゃなかろうかなという感じがするのですが、いかがでしょうか。
#58
○国務大臣(渡辺美智雄君) かねて日本が常任理事国になる希望を持って努力してきたことは事実でございますが、余りここで自分の国のことだけをしてくれと言って走り回るということはいかがなものであるか。現実の問題として国連憲章の見直しということは、当然これだけ世の中がらっと変わってしまったわけでありますから見直されなければならないと私は思っておるのです。
 そういうような中にあって、なるほど日本はこれだけ国連に対していろんな面でこれはもう財政的にもまた人的貢献においても人並みのことはやっておるし、少しも危ない国家ではない。したがって、敵国条項なんというものは日本が入る前からできておるようなものであって、現在、現に死文化しているというものも含めまして、もうだれ言うとなく本当は自然な形で日本が迎えられるということが一番私は望ましい姿であろうかと、そのように思っております。
#59
○黒柳明君 それで一つ希望がありまして、もう来月の地球サミット、これは日本が相当力も入れていますし、今までの国連と言いますといろんなところにおいて活躍していますけれども、中心は安保理事会であったわけです。国際紛争、平和、これも非常に中心であるのですが、湾岸戦争の例を見ましても、地球の汚染といいますか環境問題といいますか、これはもう安全保障と二つのこれから大きく世界が取り組まなきゃならない問題ではなかろうか。
 そうなると、ただ単に思いつきということではありませんが、局面局面でその汚染なり環境なりの問題を考える、国際会議を開く、こういう形じゃなくて、国連の中に安全保障会議と同じぐらいこの環境問題の理事会をつくってこの二つを柱にして平和と環境とこれを取り組んでいって将来の人類あるいは地球を守っていく、このような時がもう来ているのじゃなかろうかなと。当然あの憲章の変更ということも考えなきゃならないときでもありますし、これを二つの柱にしながら国連が進んでいくときではなかろうか。
 これは来月のあの地球サミットで日本が議長国になってやるようなときに、秋の国連のときあたりにそういう提案をするとか、あるいはそういうことについてどこの国もそれを拒否する国なんかないのじゃないかと思うのですよ、そういうものをつくろうということについては。ひとつそういう常設的な理事会でもつくってそれで徹底的に地球の環境を守っていく、こういうような先頭を切って日本が提案する。そのためにはやっぱりその会をつくる、その機関をつくる、そこから始めていく必要があるのではなかろうか、こんな感じもするのですが、いかがでしょうか。
#60
○国務大臣(渡辺美智雄君) 日本は、この前から言っているように、武器輸出をしないというようなこともありまして武器の移転等について旗を振るだけの資格があると。そのように、環境問題についても完全ではありませんが、先進国の中ではトップを切って環境のことについては注意を払ってきた国であるし、いろんな公害を克服してきた国である。これも事実でございますから、これらについて旗を振ることはできるわけです。
 全く水や空気には国境はありませんし、男女の愛情に国境がないと同じようなもので。しかし、男女の方はいいけれども、水や空気の方は悪いものを流されたのでは、国境を越えてやられたのでは、放射能も同じですから大変なことになって、地球は狭くなってしまったということなのでどうしても国際的にこれはみんなで相談をしていかなければならぬと。そういうためにブラジルの六月の世界会議も行われるわけですから、そういう場所を通じまして御趣旨のようなことについて今後も努力をしていきたい、そう考えております。
#61
○立木洋君 租税条約の問題についてですが、これらの問題についてはこれまでも、近年、当委員会でインドあるいはベルギー、タイその他の租税条約について審議をしてきました。
 その際に私の方でも繰り返し問題点を指摘してまいったのですが、日本の外国税額控除制度というのが御承知のように一括限度額方式をとっているわけで、結局は国別の控除額あるいは所得区分別の控除額、これが算定できないような状態になっている。この問題については大蔵省の幹部の方々の中でも、こういう問題はいろいろ問題が起こりかねないということで内部的にも指摘されてきた点がありますし、また税制調査会においても、このような日本の外国税額控除制度については国際的な二重課税の排除という制度の本来の趣旨を超えたそういう控除が行われる点で問題があるのではないかということさえ指摘されていた。これはもう大蔵大臣をやったことがあるのだからおわかりだろうと思うのです。
 それで、数年前に一定の改正をやりましたけれども、しかし根本的にはこの外国税額控除制度というものの一括限度額方式というのは変わっていないわけですからどうなのか、この問題も引き続いて検討いたしますと当時の大臣、中山外務大臣だったのですが、そういうふうな答弁もいただきました。
 あるいはまた、もう一つの間接税額控除制度の問題については、外国に出た支店形態と子会社形態、これの均衡を図る上で、いわゆる子会社の場合も二五%の株を持っている親会社についての間接税額控除制度を認めるというふうな内容になっている。この点についても、やはり親会社、子会社というのは別法人ですし、これを支店形態と同じような形にするのは国民感情からしても税の公正という見地からしても問題があるのではないかという問題等も述べてきた点です。
 これらについても引き続いて税制調査会等での御審議をいただきたいというような御答弁をいただきました。これらの問題はその後どういうふうな検討がなされているのか、その経過についてお述べいただければありがたいと思うのです。
#62
○説明員(志賀櫻君) 最初に、外国税額控除制度における一括限度方式についてお答え申し上げますが、御案内のように、我が国は外国税額控除制度における控除限度額の算定方式として一括限度額方式を採用しております。この方式のもとでは、ある国で高率な課税を受けてもあるいは他の国で課税されなかったりすると海外での税負担が平準化されるのでその分だけ控除される額が大きくなるといった問題の指摘があることは御指摘のとおりでございます。
 それで、昭和六十三年の税制改正におきまして三つほど改正を行いました。それは控除限度額の計算の基礎となる国外所得から外国で課税されない所得の二分の一を除外する。それから第二に一定の高率の外国の租税を控除対象から除外する。それから第三に繰越余裕額枠等の繰越期間を五年から三年に短縮する。この三つの内容から成る改正でございました。さらに本年度の税制改正におきましては、今申し上げました第一の項目に該当します外国で課税されない所得の除外割合を二分の一から三分の二に引き上げるという改正を行っておるわけでございます。
 こうした一連の措置を講ずることにより、ほかの方式とのバランスを図っているということでございます。
 それからお尋ねの第二の点でございますが、間接外国税額控除制度のお尋ねと存じますが、間接税額控除そのものは企業が支店形態と子会社形態で海外進出した場合の課税上の不権衡を少なくするためという先ほど御指摘のとおりの考え方によって設けられているものでございまして、外国税額控除制度という方式をとって二重課税を排除していくという場合にいわば論理的な帰結としてこういうものが必要になってくるというふうに考えておるわけでございます。
 また、したがいまして諸外国におきましても、例えば英国、米国等におきましては我が国と同様の間接税額控除制度を採用しておりますし、フランス、ドイツにおきましてはむしろ原則として海外子会社からの受取配当を非課税とするというような形になっているところでございます。
#63
○立木洋君 この問題に深入ってこれ以上お尋ねするということはいたしませんが、根本的にはこれによって一括限度額方式というのがなくなるわけではなくて、これまで指摘されてきた点が改正されるということにやっぱりならない。もっと公正な税のあり方の問題、特に今、多国籍企業が海外に進出してさまざまな問題があるわけですから、この問題については引き続き今後私の方でいろいろと機会あるごとにお尋ねしていきたいというふうに思っております。
 それでお聞きするのですが、今、多国籍企業、これが海外に進出しでのさまざまな事態というのが非常に多くなってきている。つまり横暴なやり方、特別な優遇を受けてのそういう事態というものが頻発しているわけです。これに対して一定の民主的な規制の措置ということが必要ではないか、全く野放しで果たしていいのだろうかという問題があるのですが、その基本的な考え方について、大臣、一言。多国籍企業の海外進出について一定の規制措置というのは必要があるのではないかという考え方、全く必要がないというふうなお考えなのか、その基本的な点について大臣に。
#64
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは難しい質問でして一概に言えないと私は思うのですね。
 一方においては日本の直接投資を望んでいる発展途上国はたくさんありますし、先進国の中でも日本の企業の資金とノウハウが欲しいというところもある。それに応ずることがやっぱり国際貢献になるところもございます。しかしながら、企業のことでございますから慈善事業じゃありませんから、行ったためにうんと損をするとか非常に不利をこうむるというふうなところでは政府が命令して行かせるわけにはまいりません。
 税の不公平問題というのが一方にあるかもしれませんが、何をもって不公平と言うか。私は、これだけ資本の持ち出し持ち入れ自由ということになりますと税制そのものの国際化、税率とかなんかについても日本だけ高い課税をすれば海外に資本逃避をしてしまうというようなこともあるわけですよ。だから余り公正公平ということだけを、日本だけがそういうような観念でやれば日本の富が外国にみんな移ってしまうことにもなりかねないし、資本の逃避、産業の空洞化を招くこともある。
 全体のことを見て考えなきゃなりませんから、これは実務者あるいは税の専門家等により広範な立場から高度な立場から御検討をもう少しいただいた上で結論を出したいと考えております。
#65
○立木洋君 多国籍企業が戦後次々と形成されて進出して、世界じゅうで十万ぐらいの系列会社を持つ約二万の多国籍企業、これが結局、国際貿易品のおよそ七〇%を占めていますね。それから輸出作物用の耕作地、そのおよそ八〇%を支配しているということが国際消費者機構の文書で示されているわけです。一九七〇年代から見てみますと、これらの多国籍企業の進出によって開発途上国がさまざまな被害を受ける、内政干渉的な事態が起こり、いわゆる腐敗行為等も続発するというふうなことでの厳しい指摘がなされております。
 これはもう大臣御承知の、チリに対して米国系
の多国籍企業の一つであったITTが内政干渉してそこでのアジェンデ政権の阻止をねらったという政治的な介入の問題があって後、開発途上国における多国籍企業の進出についての批判の声というのは急速に高まりました。もう一つは国際消費者機構、ここでやはり大きな問題が提起されてきている。多国籍企業の悪弊から世界の経済と消費者を守るルールをつくるべきだという意見が出されております。
 最近また大きな問題になっているのは、環境破壊にかかわる多国籍企業の進出の問題です。日本の問題で見てみましても、マレーシアに合弁進出した三菱化成による放射性廃棄物の不法投棄、これによって周辺住民の健康被害等々大きな問題になりました。また、フィリピンに進出した丸紅、住友商事、伊藤忠、これらの合弁事業である銅精錬工場が引き起こしている環境汚染の問題もあります。また、森永や雪印、明治などの粉ミルク会社による世界保健機構が決めている販売基準を無視した強引な売り込み等々が大きな問題になってきているのです。
 こういっただ単なる他国との関係ではなくて、そこのこれまでのあり方を見てみると消費者あるいは環境の問題あるいは開発途上国とのあり方の問題、今後この多国籍企業の問題については一定のきちっとした民主的なルールがない限りやっぱり大きな問題として避けられない事態になってきている。ですからそれは一定の規制の必要性はお考えになる必要があるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
#66
○政府委員(畠中篤君) ただいま先生が御指摘になりましたような点を踏まえまして、もう先生御存じのことではございますけれども、国連の多国籍企業委員会というところで一九七七年、もう随分前からでございますけれども、多国籍企業の行動規範というものを国連の場で議論してまいりました。
 この多国籍企業行動規範につきましては、申し上げましたように、七七年以来検討が続けられてまいりましたけれども、先ほど大臣の方から答弁申し上げましたが、途上国側は、多国籍企業の活動を規制するというような立場から行動規範で多国籍企業にどういう義務を課していくかという観点からの議論を随分してまいりました。他方、先進国側は、多国籍企業による資本、技術、経営ノウハウの移転というものがその国の開発にも資する面がございますので、多国籍企業の受入国側の義務、どういう保護が受けられるといったような点をどう盛り込んでいくかということで議論してまいりました。
 この議論につきましては、基本的には今も途上国側、先進国側の立場の調整がついておりませんでこの規範についてはまだまとまっておりませんけれども、この間の議論の中で最近の変化といたしましては、途上国側の中でも最近の状況を踏まえまして徐々にではありますけれども、今までの従来の非常に厳しい姿勢から、やはり多国籍企業を受け入れて開発を進める必要があるという面も認識されつつありまして、先進国側の主張にも徐々に理解を示す国が出てまいっております。また、今まで途上国側で受け入れる側であった国の中には多国籍企業として出ていくような立場になってきた国も出ております。
 そういうこともございまして議論が少しずつ変化しております。その過程でまだ議論は続いておりまして、今年の秋の総会にもできればまとめて議論するということで、六月か七月にでもこの委員会が開かれる予定はございますけれども、今議論が続けられておるところでございます。
#67
○立木洋君 この問題は非常に重要な問題なので十五分ぐらいの短い時間で議論し尽くせる問題ではないと思うのですが、ただ最後に、大臣、どうしても申し述べておきたい点は、この多国籍企業に関する行動規範が長年にわたって議論されてきている経過というのも一定程度私も理解しております。何が問題になったか問題点も一応わかっているつもりです。ところが、去年の四十六総会で多国籍企業行動規範の最終案が提出されたのですが、このとき日本としては消極的な態度をとっている。言うならば賛成の姿勢ではなかった。この点について国際的にも批判が出ているのですね。
 日本は一昨年まで基準案に大筋賛成していた。その後、理由を明らかにしないまま急速に態度を変えた。そして基準採択に消極的であった。多国籍企業委員会の事務局である多国籍企業センターのピーター・ハンセン所長が、日本はアメリカに追随して規範反対に回ったのではないか、こういうふうな指摘さえしているわけです。
 ですから私が主張したいのは、七月に交渉が再開されますけれども、今秋それできちっとしていいものをつくり上げるという点、日本の政府としては、やはり今までいわゆる開発と環境保全の問題とのかかわり合いについての考え方もいろいろなところで議論がされていますから、新しい視点に立って私はこの問題については積極的な姿勢をとっていただきたいということを特に秋の議論の際には求めておきたいのですが、最後、大臣に述べていただきたい。
#68
○政府委員(畠中篤君) 先生御説明のありました前回の議論でございますけれども、私ども日本が特に消極的な立場をとった、そのときに態度を変更したということではございませんで、やはりそのときには途上国側も含めましてもう少し議論をしてみたい、特にUNCEDあるいはウルグアイ・ラウンドといったような重要な関係する協議も行われておりますので、そういう議論を踏まえた上でもう一度議論したいということで先送りになった状況でございます。
 我が国といたしましては、先ほど来御説明してまいりましたように、国際投資環境の健全な発展に資するような規範というものをつくる方向で積極的に協議には参加しております。
#69
○国務大臣(渡辺美智雄君) 今、担当審議官から説明のあったようなことで今後とも取り組んでまいりたいと思います。
#70
○立木洋君 最後に一言だけ。
 この問題、私が特に租税条約の問題のかかわりで述べたのは、いわゆる外国に進出する大企業や多国籍企業に税制上過当な優遇措置をとるということは重大な問題を引き起こしかねない、だから税制上のきちっと一定の規制が必要だということが私は指摘したくてこの問題で関連して述べさせていただいたわけです。
 以上で終わります。
#71
○高井和伸君 この租税条約三つの審議に当たってちょっと総論的なことをお尋ねいたします。
 オランダ、ルクセンブルグ、ノールウェーの税制というのは日本とは当然一致するわけはないですけれども、こういった租税条約を締結あるいは改正することによってどのぐらいバランスいい二重課税の回避ができるのかということになろうかと思うのですが、まず各国の税制と日本の税制の大きな違いというのはワンポイントで言うとどのぐらいあるのでしょうか。特に所得税で結構です。
   〔委員長退席、理事山岡賢次君着席〕
#72
○政府委員(津守滋君) お答えいたします。
 ルクセンブルグ、ノールウェー、オランダとも我が国と同様、自国の居住者については全世界で得る所得に対して課税を行い、非居住者については自国での源泉所得についてのみ課税を行うことを原則としております。この点は我が国と同様でございます。
 次に、この三カ国の個人所得税、法人税の概要を申し上げますと、まずルクセンブルグにつきましては、個人所得税については扶養家族の状況、年齢等によって複数の課税表がございますが、それぞれ六一%までの累進税率が適用されております。法人税は一律三六%の税率でございます。
 次に、ノールウェーにつきましては、個人所得税には国税、県税、市税がございます。国税につきましては九・五%から十三%の税率、県税につきましては七%、市税については一四%の税率がそれぞれ適用されております。法人税については
県税と市税がございまして、県税については七%、市税につきましては一四%の税率でございます。
 最後に、オランダにつきましては、個人所得税は所得額に応じて最高六〇%の累進税率が適用されております。法人税は法人所得額に応じて四〇%、これは所得二十五万ギルダーまででございますが、二十五万ギルダーを超過する分については三五%の税率がそれぞれ適用されることになっております。
#73
○高井和伸君 それぞれの国の状況によって差はあるということはわかっておりますが、直間比率というのは大体どれぐらいになっているのかというのはおわかりでしょうか。
#74
○説明員(志賀櫻君) ルクセンブルグとオランダは今現在ECのメンバーカントリーでございまして、それからノールウェーもEC加盟をにらんでおるというような状況でございまして、国でそれぞれ違いますけれども、非常に大ざっぱな言い方をさせていただければ直間比率が半々というようなことかと思っております。
#75
○高井和伸君 そうしますと、もう一回総論的な質問になりますが、この租税条約によって二重課税は、各国の税制によってバランスは違うわけでございますが、大体どれぐらいクッションとして吸収できるのか、こういう質問をした場合とんなお答えになりますか。
#76
○説明員(志賀櫻君) 非常に学問的にも興味の深い領域でございます。各国間の税制がどういうふうに調和していくかという大問題ともかかわります。
 今、租税条約が取り扱っておりますのは、各国の租税制度がそれぞれ所与としてその間に外国税額控除とかあるいは租税条約による調整を図っていくという形になっておりまして、そういう意味ではインバランスの是正ということについてはそれほどの効き目はありません。ありませんが、同時にそれとは全く別の観点から考えまして、こういうボーダーレスエコノミーと言われるようなところで人、物、金の流れが急速に増大することによって税制が相互作用を受けていくという事態が生じております。
 特にECの税制の調和というのはこれの典型でございまして、今ブリュッセルにおいていろいろなハーモナイゼーションということを一生懸命やっておるわけでございます。一方同時に、イギリスの女王陛下の大蔵省が常に言うのですけれども、税制の調和というものは国境における障害がなくなるにつれておのずと収束していくのだからブリュッセルの官僚が中央集権的にやるべきではないというような議論を展開しておりまして、そういうような考え方にあらわれておりますように、人、物、金の流れによって税制が一つの方向に収束していくという面はあるのではないか。例えばレーガノミックスである程度トラスチックなレーガン税制改正が行われたときにもそれが各国に影響を及ぼしました。
 そういうふうに眺めていきますと、これは非常に興味の深い領域ではないかと思います。
#77
○高井和伸君 先ほども外務大臣が税制の国際化ということをおっしゃられました。いろいろな面で摩擦という現象があるということは承知しておりますし、しかしながら各国の情勢もあるという難しいテーマだろうと思います。
 そこで、ちょっと各論的な質問でございますが、航空会社が稼いだ金の税制の仕組みはどの制度をとっても各国同じようにモデル条約どおりにいっているようでございますが、これのベーシックな事実関係というのですか了解事項は、どういうふうに受けとめたらよろしいのでしょうか。
#78
○政府委員(柳井俊二君) ただいま御指摘の所得はいわゆる国際運輸所得と言っておりますけれども、これは企業が船舶、航空機の国際間の運航によって取得するわけでございます。
 そこで、通常こういう運輸業と申しますのは国境を越えて行われるものでございますので、企業の居住地国以外の国で正確な課税所得を算定するということは非常に難しいわけでございます。そのような事情がございますので租税条約上特別の取り扱いを行っておりまして、具体的にはこの種の所得につきましてはOECDモデル条約においても企業の居住地国においてのみ課税するという制度になっております。したがいまして、今回御審議いただいております三つの条約におきましても、このような考え方に基づきまして企業の居住。地国においてのみ課税するという規定になっている次第でございます。
#79
○高井和伸君 オランダの租税条約の改正の中で徴収共助規定が追加されたと。今までなかったということが前提になるわけでございますが、あとの二つにはそれはもともとある。ースイスとの間に租税条約は結ばれておりますね。スイスとの間ではこういった徴収共助あるいは情報交換といったものはないというように物の本の解説にございます。これは各国の法制の違いがあるようでございますが、スイスのこういった情報交換あるいは徴収共助というのは、スイスの銀行でよく言われるように、あそこの銀行が裏金をうまくちゃんと隔離してくれるから大変秘密が厳格だからというようなことがどうもリンクして言われているようなスイス国の態度のようなことでございますけれども、こういったことでいいのでしょうか。それとも違う理由があるのでしょうか。
 それからもう一つ、スイス以外にそういった理由で自国のいろいろな情報管理の事情から情報交換を拒否するというか徴収共助を嫌がったりする国というのは多いのでしょうか、少ないのでしょうか。
#80
○説明員(志賀櫻君) OECDのモデル租税条約におきましては情報交換規定が入っておりまして、それから徴収共助条項は入っておりません。それで、OECDの二十四カ国との条約締結状況を見まして、今現在で情報交換規定が入っていないのはスイスのみでございます。
 これは御指摘のようなスイス側の状況というものが反映していたのではないかと思いますし、それからオランダも今回この改正をいたしますまでは入っておりませんでした。これはもう明らかにオランダサイドの事情によって今まで入れてもらえなかったわけです。そういう状況にありましたが、今回条約を改定するに当たって、やはりこういうモデル条約に沿ったこのラインは必要ではないかということでオランダ側も応じてくれまして入れることに成功いたしました。スイスにも機会があればそういう情報交換規定を入れることについて働きかけていかなければいけないと思っております。
   〔理事山岡賢次君退席、委員長着席〕
 それから徴収共助条項は今のところモデル条約には入っておりません。入っておりませんが、我が国はどうもやっぱりこういう条項があって条約の不正利用を防止していくということは必要ではないかということで、極力交渉に際して入れてもらいたいというような形で交渉を続けてきておりまして、今回の三本の前には、米、韓、パキスタン、フィンランド、この四カ国とこの条項を入れることに成功いたしました。
 それで、今後ともこういう条項はあった方が条約の厳正な運用ということでいいだろうということで今回も三カ国と交渉いたしますときに申し込みを行いまして、快くというか先方側の同意を得まして入れていきたいというふうに考えましてこういう形になっているわけでございます。
#81
○高井和伸君 徴収共助という場合は、日本の税金も取るけれどもその相手国の税金も一緒に取ってあげるということなのだろうと思うのです。これは条約上の規定としてはわかるのですけれども、現実の運用の中では、日本国においてよそのあらゆる租税条約の上での実績というのはいかばかりなのでしょうか。
#82
○説明員(志賀櫻君) 御指摘の点でございますが、実はこれまで徴収共助条項の発動があった例はございません。解釈ですけれども、徴収共助条項があること自体が一つの抑止効果を持っ
ておるのではないかというふうに考えております。
#83
○高井和伸君 それからこの条約すべて二重課税の回避ということが主要なテーマになっておりますけれども、逆に脱税というかタックスヘーブンというか公正な課税を逃れるというか、そういった側面への配慮も当然この三条約の中に裏返しの意味で入っているのだろうと思います。こういった条約の中には移転価格の問題というものはどのように盛り込まれているのか、それは盛り込めないのか、盛り込もうとしても限度があるのか、そこらについてお尋ねします。
#84
○説明員(志賀櫻君) 移転価格に関しましては、移転価格税制はそれぞれ国内法で対応する前提となっております。ただ、ある片方の国で移転価格税制の執行があります場合にそれに対して対応的な調整を他方国において行わない場合には二重課税が生じますので、対応的調整と申しますが、それに関する条項が必ず設けられております。今の条約では九条がその対応的調整に該当する条項でございます。
 それから脱税の防止というお尋ねでございますが、脱税の防止は当然各条約の前提になっておりまして、この情報交換条項及び徴収共助条項そのものがそのためのものでございます。また、OECDの中では一部にはこの二重課税の回避ということとあわせて条約のタイトルに脱税の防止というものを入れるべきではないかというような議論も萌芽としてはございます。
#85
○高井和伸君 ありがとうございました。
#86
○猪木寛至君 先週、環境のことにちょっと触れましたが時間がなくて、きょうはその環境のことについてお話をさせてもらいたいと思います。
 先ほどもお話がありましたブラジルにおける環境会議、それからまたニューヨークで先日開かれました気候変動枠組み条約交渉で、新聞記事によりますと、規制値は示されなかったものの合意が成立、二酸化炭素、CO2排出抑制が世界各国の共通の課題として認知されたという記事があるのですが、一方で、最大のCO2排出国である米国が目標値を持たないという不十分な合意であり温暖化防止の効果は薄いというような記事があります。
 我々は今、グループで研究を続けておりました一つは大気汚染の問題、それから水の問題、水でも幾つかの種類があります。先日もちょっと申し上げたのですが、ある添加剤を投入することによって油の質を変えるということで大変燃焼効率を高める。この間、私はブラジルの方をずっと回ってまいりました。これは二月二十四日のブラジルのトヨタが出した結果なのですが、八百キロ走った車、そして九百二十キロその添加剤を投入して走りまして一ニ・五%向上。これはスモークテストというのですかね、煙ですが。それで、三千八百二十キロ走った段階で一七・一四という大変結果としてはすごい数字が出ているのですが、これは燃費も約一〇%伸びる。
 いかに燃焼効率を一〇〇%に高めるかということによって、そこから出てくるばいじん、ばい煙あるいはNOx、SOxというような、NOxに関しては非常に人体に悪影響を起こす問題であり、一つは大気汚染の要因と言われる窒素酸化物、NOx、この基準が達成されないのが今の現実であるといわれます。こういうものに対して我々いろんな人の意見を聞いたり研究をしてきた中で、この添加剤を投入するということ。前回申し上げた、外国での車検制度がないあるいはそういう公害基準がないあるいはまたそれを測定するものがないというようなことで、本当に日本のレベルでとても話ができないような今の世界の現状じゃないか。特にアメリカがまだそういうものに積極的でないというような問題も抱えております。
 これは大臣、環境会議に行かれるのかどうか知りませんが、一つ提言として申し上げますが、これはもとの油を変えてしまう。きょうはちょっと技術的なことまで触れられないと思いますが、通常わかりやすく言うと、この間、丸太とかんなくずの比較で言いました。従来ある油が丸太だとしますと、火をつけて燃やしても大変火力が弱い、煙も出る。だけれども、かんなくずにした場合にはマッチ一本で火をつければ燃えていく、非常に火力が高まる、それがこの添加剤を入れたときの状態です。だから入れないときが丸太であり入れたときの状態がかんなくずという理解をしてもらうとよくわかるのじゃないかなと思うのですが、そのためにより完全燃焼に近くなるということでそういう排出物がすごく下がる。
 そういうことで走行うストもやりまして一〇%ぐらいの距離が伸びるということで、これはコスト的にも大変採算性の合うものなのですね。ですからこのトヨタの最後の報告によりますと、大変いい結果が出て非常に有効であるということと、一つ問題は使用方法に複雑な難しい点があるということで、一台一台車に入れていくというのは大変な問題ですからメーカーあるいは国レベルでやっていただくとこれは本当に有効に機能するのじゃないかという意見が述べられているのです。
 そういうことで今回メキシコの方からも一行が来ておりましてちょっと話を続けておりますが、そういういろんな技術がたくさんあるにもかかわらずまだまだ大変これは、環境庁というものができて二十年でしょうか、大変縄張り的というかまだ未成熟の部分、情報が不十分であるとか、非常にそういう環境庁における行動というものが、我々いろいろ提言したとしてもそれを受け入れるだけのまだあれができていないような気がするのです。
 この環境会議の行われるリオにグアナバラ湾という大きな湾があるのですが、ここの汚染が非常に進んでおりまして、JICAが今それの水質調査を始めたところなのです。この間行ったときにブリゾーラという知事とも会いましてこの話をしまして、私どもは無償でいいですからこういう技術があるからやりましょうという話をしたところ、大変これはありがたいということで話が進んでいたのですが、JICAの人間がそんなものはインチキだと見もしないでそういうことを知事に話をいたしまして、結果的には知事がどういうものだろうと。非常にそういうJICAの援助も受けないといけないという状況で我々の意見はなかなか聞き入れられないような、非常に迷っている状態です。
 そういうことはいいのですが、やはりこういうこれからの微生物の働きというのは、本来持っている自然環境の力をより回復させるということが技術なのですね。お金をかけてやる方法は日本にも幾つもあると思いますし、それ相応に適用というか、そういう場合にやればいいわけですが、しかし今、開発途上国というのはまさにお金がないし、そういうようなことをやれといったってできない。だから今のこの添加剤に関しても触媒をつけて、例えば所得が年間何十万あるいは何万円しかないところにそんなことができるはずがないわけですから、そういうような本当に自然環境にマッチした安いコストでできるような応援をしていただいたら一番喜ばれるのではないか。
 今、国際貢献ということで多方面で日本は要求されるわけですが、PKOの問題、同時にこういう環境問題で本当に日本が公害先進国としてやってきた技術というのはたくさんありまして、私は、自分たちで研究しまたあるいはいろいろ集めた情報というのは大変これから有効である、それをぜひ国で取り上げてもらいたい、もっともっと積極的に。
 それでもう一つ、役所の考え方は完璧じゃなきゃいけないという発想。完璧なものというのはないと思うのです、まだ。恐らくないのかもしれない。やっぱり一方でそういうものを、未成熟でありながら今やらなきゃいけないということで実施するということが必要じゃないか。国連もあるいはPKOにしてもまだまだ完成されたものじゃない。この環境問題にしても、そういう技術というのは害がないということがわかるのであれば積極的にそういうものをやっていくという姿勢なり
勇気が必要じゃないかなと思うのです。
 この間、私は、九州の柳川というところに水郷があるのですが、この水郷は日本で一番水質が悪いということで、じゃそこの水質の悪いところで実験をいたしましょうということで、実験を去年の十月から始めまして約三週間やりました。今度は水です。さっきは大気汚染、今度は水の件ですが、微生物を使った実験をやりました。そのときの現地の新聞に全部出ておりますが、ちょっと記事をあれしますと、参議院議員のアントニオ猪木さんが十六日、柳川市が町のクリークに試験的に取りつけているバイオテクノロジーの水質浄化システムを視察しましたと。我々関係グループがやっているのですが、その中で水質実験効果ということで柳川市も、これは自分の市役所の中で別にヘドロを入れた水を実験いたしまして、本当に一日か二日でにおいが消えて、三週間後には大変水がきれいになってきたということを認めているのです。
 我々としてもボランティアでやるのはもう精いっぱいなのですが、そういうようなことで今いろいろなところから引き合いは来ているのですが、やはりなかなか公的じゃないものは取り上げないという。しかし、いろいろな町の中にいろいろすばらしいものがまだたくさんあります。
 そういうことでぜひ大臣に、今回の環境会議に臨まれるかどうかわかりませんが、もし臨まれたら、本当に今、世界じゅうを見渡したら川の汚染、湖の汚染、もうすべて汚染の進み方というのは目に余るものがあるわけですね。そういうことで、私はきょうはもうお答えは要りませんが、こういうことを今やっておりますし、そしてこういう効果が、決して実験じゃなくて、もう既に研究、実験の段階を過ぎて実行ができるような状況にあります。ぜひこれは世界をあるいは地球を守るために利用していただきたいなと思いましてきょういろいろ資料をいっぱい持ってきました。テストの結果もいっぱい持ってきたのですが、テストも申し分ない。この大気汚染に関しては日本鋼管あるいは三菱重工とかそういうところが今採用しておりますし、また一部採用しようというような中でやっております。
 そういうことで、何としてもこの環境会議が成功するようにと。そして一つは、やはり会議の結果というのは何となく私は見えるような気がするのです。確かに会議は盛り上がりいろいろみんなが環境に熱を入れるのですが、終わってしまったときに熱が冷めてしまう。そして、じゃ本当に今までやってきた環境に対するいろいろな考え方はどうするのか、それを一つ私は危倶するわけです。
 私もできればこの環境会議に参加させてもらいたいなと。そして、ブラジルで今、私の方でやらせていただいているのが、やはりディーゼルエンジンの排気というのが一番大きいわけですね。そのディーゼルエンジンを使っているバス一万台以上持っている会社があるのですが、ひとつその期間中、我々が紹介できる添加剤を投入してもらってそれで走ってもらおうと。そういうばい煙、スモークを出さないような運動をひとつしてもらおうじゃないか。これは一つにはブラジル政府が環境会議の主催国でありながら、主催国というか、国連が主催ですが、主催地ですね、その国が何にも公害に手を打っていないというのが今の現状なのですね。ですからひとつブラジル政府に、我々としても環境にこれだけ一生懸命頑張っていますよというデモンストレーションというか、そういう意味でも私の方はボランティアでやらせてもらいますからどうぞひとつ大いに使ってくださいということで話をさせてもらっているところです。
 また改めて時間があるときにゆっくり細かい数字について御説明させていただきたいと思います。
 終わります。
#87
○委員長(大鷹淑子君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#88
○委員長(大鷹淑子君) 御異議ないと認めます。
    ―――――――――――――
#89
○委員長(大鷹淑子君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、原文兵衛君が委員を辞任され、その補欠として藤田雄山君が選任されました。
    ―――――――――――――
#90
○委員長(大鷹淑子君) それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#91
○立木洋君 私は、日本共産党を代表して、租税条約三件についての反対討論を行います。
 反対の理由の第一は、国内における活動より以上に特別な高利潤を追求することが海外に進出する大企業の目的であり、こうした特別な利潤に対しては、それに見合う適切な課税を行うべきであります。しかし、本件租税条約では、二重課税を排除して内外中立の原則を適用することにより、実際にはほとんどが大企業の海外における特別な利潤にかけられる税額を減免する措置となることが本質的な問題であります。さらに、日本の子会社が親会社に払う配当については間接税額控除が適用され、国内の大企業優遇税制と一体となってその利益を保護するものとなっていることであります。これはOECDモデル条約にもない大企業優遇税制であり、なおのこと賛成できません。
 第二に、二重課税の排除は国外投資の障壁を除去する一助となるものであり、強力な多国籍企業などの資本が進出することに対し、税制面から民主的な規制を行うことを困難にする点であります。
 政府が国連での多国籍企業行動規準の再検討に際し、多国籍企業の活動を公正な規準に基づくようにする積極的な対応を求めて反対討論を終わります。
#92
○委員長(大鷹淑子君) 他に御発言もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#93
○委員長(大鷹淑子君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 まず、所得に対する租税及びある種の他の租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とルクセンブルグ大公国との間の条約の締結について承認を求めるの件の採決を行います。
 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#94
○委員長(大鷹淑子君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とノールウェー王国との間の条約の締結について承認を求めるの件の採決を行います。
 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#95
○委員長(大鷹淑子君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国政府とオランダ王国政府との間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件の採決を行います。
 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#96
○委員長(大鷹淑子君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、本件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じます
が、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#97
○委員長(大鷹淑子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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