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1992/05/14 第123回国会 参議院 参議院会議録情報 第123回国会 法務委員会 第9号
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1992/05/14 第123回国会 参議院

参議院会議録情報 第123回国会 法務委員会 第9号

#1
第123回国会 法務委員会 第9号
平成四年五月十四日(木曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         鶴岡  洋君
    理 事
                野村 五男君
                林田悠紀夫君
                北村 哲男君
                中野 鉄造君
    委 員
                加藤 武徳君
                斎藤 十朗君
                下稲葉耕吉君
                中西 一郎君
                福田 宏一君
                山本 富雄君
                糸久八重子君
                千葉 景子君
                深田  肇君
                橋本  敦君
                萩野 浩基君
                紀平 悌子君
   国務大臣
       法 務 大 臣  田原  隆君
   政府委員
       法務大臣官房審
       議官       本間 達三君
       法務省刑事局長  濱  邦久君
       法務省入国管理
       局長       高橋 雅二君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        播磨 益夫君
   説明員
       法務省入国管理
       局登録課長    山崎 哲夫君
       厚生省保険医療
       局疾病対策課結
       核・感染症対策
       室長       堺  宣道君
       自治省行政局行
       政課長      蓼沼 朗寿君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○外国人登録法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(鶴岡洋君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 外国人登録法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○千葉景子君 おはようございます。
 きょうは、前回に引き続いて、少し細かい点になろうかというふうに思いますけれども、これまでに質問されていない部分などを中心に少し聞かせていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 そこで、まずきょうは今回初めて導入といいましょうか、システムとして取り入れられることになりました家族登録の問題についてお尋ねをさせていただきたいというふうに思います。
 その第一点ですけれども、家族事項の登録、これを導入することになった理由といいますか必要性、これについてまず御説明をいただきたいと思います。
#4
○政府委員(高橋雅二君) 今回この法案を提出いたしました目的の一つは、同一人性の確認の手段として指紋押捺にかわるものをどういうものにするのかということでございまして、これは昭和六十二年の外登法一部改正のときの附帯決議で政府に課せられた義務でございましたので、それでこの指紋押捺にかわる手段を開発したわけでございます。
 それで、今までは同一人性の最終的な確認というのは指紋によってきたわけですが、指紋押捺を廃止する場合、これにかわる同一人性を確認するものとして何が一番正確で信頼でき、かつ外国人にとっていろいろな意味で心理的な負担の少ないものがあるのかということを研究いたしました。その結果、写真とそれから署名、これに加えまして、この家族事項の登録というのを加えることによって、この三つを複合的に使うことによりまして指紋にかわる同一人性の確認手段として有効ではないかと、こういう結論に達したわけでございます。そして、家族事項を登録することによりまして、写真や署名によってももし同一人性が確認し得ない、あるいは人物の同一人性に疑義があった場合には、登録されている者の家族に照会することによって同一人性を確認することが可能となるというふうに考える次第でございます。
 そういうことから、外国人登録に家族事項を記載するということは、人物の同一人性の確認に十分役に立つ、ほかの手段とあわせて指紋の押捺にかわるものである、こういう結論から新しく家族事項の登録ということを取り入れたわけでございます。
#5
○千葉景子君 例えば、この家族事項の登録の際に、単身者、親族がいないというような者も当然おりますが、それについてはどうお考えですか。
#6
○政府委員(高橋雅二君) もし単身者の方でございまじたら家族がございませんので、家族事項の登録のところはないということになります。
#7
○千葉景子君 そういうケースは、多分その署名、サインと写真ということでいわゆる同一人性の確認に足りるというふうにお考えになるんだと思うんです。そうなりますと、この単身者などを考えたときには、家族事項というものが必ずしも不可欠なものなのかどうか。写真、サインというようなものがそろうことによって十分に同一人性の確認、まあ指紋と同様なものとは当然言えませんけれども、そういうふうにも言えるのではないかと思いますけれども、その点についてはどんなふうにお考えでしょうか。
#8
○政府委員(高橋雅二君) 私たちこの指紋押捺にかわる新しい同一人性確認手段を開発するに当たりましては、いろいろな国の事情、慣行等を調べました。
 それで、やはりこの写真と署名というだけでは、そういう国もございますけれども、必ずしも指紋にかわり得るという確信が得られませんので、やはりこれについてはいろんな国で採用している家族事項というのも一つの参考になるんじゃないかということで検討した結果、今先生御指摘のように、家族がいない場合にはこれは役に立たないわけでございますけれども、類型的に言いまして永住者あるいは特別永住者の方はその社会に定着しているということでございまして、家族事項を登録してもらうことによって、この三つ組み合わせれば、指紋というようなある方々にとっては心理的負担のあるものにかわり得るという結論に達したわけでございます。
 ほとんどのケースの場合は、先生御指摘のように写真と署名、あるいは写真だけでもいいのかもしれませんけれども、指紋にかわるほどの正確性というものを考えた場合に、やはりこの三つの組み合わせが必要ではないか、こういう考えでございます。
#9
○千葉景子君 現行の制度と比較してみたいと思うんですけれども、現行の登録においても世帯主の氏名あるいはそれとの続柄ですね、そして取り扱い要領などにおいて、世帯主の登録原票備考欄には同居する世帯員全員の氏名、生年月日、続柄を書くということが指示されております。一般に各自治体においては世帯ごとに原票が整理されておりますから、世帯員といいましょうか、一応その親族あるいは家族というものの把握というのは現行の制度の中でも十分にできているのではないかというふうに思うんですね。
 今回は、それにさらに別居の両親とか配偶者というところまで場合によっては必要となってくる。なぜ現行以上に、確かに今お話にありましたように同一人性の確認ということがあろうかというふうに思いますけれども、単身者などにおいてはそれすらなくても何とか確認をしようという中で、現行をさらにプラスするような必要があるのかどうか、その辺についてはいかがでしょうか。現行の制度と対比をいたしまして、そんなに必要性があるのかどうか、お聞きしたいと思います。
#10
○政府委員(高橋雅二君) 現行の制度におきましても、世帯主のある場合には世帯員の氏名とかいろいろ登録していただいていますので、そういうものを使って同一人性確認というものは確か可能でございます。先ほど先生御指摘になりました単身者といいますか、家族のない人についてはそういうものを通じて同一人性確認を行うということができるかと思いますが、それじゃ今度指紋を廃止した場合、なぜどうしてさらに家族が必要なのか、家族事項が必要なのかというのが先生の御質問でございますが、これはどの程度の正確性をこの外国人登録法に期待すべきかということに帰着するのではないかと思われます。
 私たちとしては、やはり外国人登録法をきちっと執行するためには、正確性が極めて高い、信頼性のあるものでなければならない、こういうふうに考えておりまして、そして指紋にかわるものというには、先ほど来申し上げましたように、写真と署名に加えましてやはり家族事項というものも登録していただいて、それで本人の同一人性を確認するということがこの制度の信頼性を保持するために必要だと、こういう考えでございます。
#11
○千葉景子君 制度として一番正確だということになれば、指紋というもの自体を放棄した以上は、どこかにやっぱり不明確なものが残り始めてきたわけですね。それにもかかわらず、正確性ということによって、そのあいまいな目的によって非常に負担がふえる、あるいはそれぞれのプライバシーなどの問題にもかかわってくる。こういうことを安易に取り入れていくというのは、大変疑問が残るところではないかというふうに思うんですね。
 それから、仮にもしそういう趣旨である、理由であるとしても、本当にこの家族事項で同一人性を確認する実効性が上がるのかどうか。これは指紋の場合と同様に実際に担当するのは自治体の窓口ということになりますね。そうしますと、家族事項をきちっと同一人性確認のために把握する、あるいはそれによって同一人性を確認するとなると、これは大変な作業でございまして、実質的に本当にそういうことができるのかどうか。指紋の場合も、実際に窓口で、じゃ指紋と指紋を照合して同一人性が確認できたなどという、そんな話は聞いたこともないわけです。
 そういうことを考えますと、これは結局指紋のときと同様に、目的あるいは制度の趣旨としては同一人性の確認と言われておりますけれども、その機能としては何だかやっぱり、その人を家族事項を登録させるということによって管理をする、あるいは非常に自由を奪うといいますか、そういう意識を植えつける、こういうことになりかねないんじゃないか。指紋が廃止をされたけれども結局はまた同じような機能を果たすことになる、こういうことにつながるのではないだろうかと危惧をするわけです。そういうところは心配なさいませんか。
#12
○政府委員(高橋雅二君) 私たちも新しいシステムを開発する段階におきまして、この新しい指紋にかわる手段というものが新たな負担、心理的、物理的な負担を外国人の人たちに、また実施に当たる市区町村の窓口の人たちに負担増になる、心理的にも仕事の上でも。そういうものになるかならないか。それと、今度指紋押捺という制度を廃止することによって得られるプラスといいますか、そういうものを比較考量して、かつ行政行為として正確性が保たれみかどうかということ。今、先生が御指摘なされたそういう点も十分考えまして検討したわけでございまして、この三つをいろいろバランスして考えたところ、写真と署名に加えて家族事項の登録と、この三つを組み合わせることによって指紋を廃止するということになれば、全体としてプラスではないか、こういう結論に達したわけでございます。
 今、先生が御心配になられたような点がございましたけれども、そこを全く無視したわけではなくて、そこもいろいろ考えた米こういう結論に達したということを御理解いただきたいと思います。
#13
○千葉景子君 御理解いただきたいといっても、なかなか理解をしにくいわけでございまして、今回指紋を廃止してそれにかわる何かシステムをと考えるときに、基本的にやはり外国人の人権をきちっと保障していこう、こういう視点が一つは全く欠けているのではないか、こういう感じがいたします。
 それから、常にバランスとかそれから正確性とかいうことをおっしゃられるわけですけれども、そのバランスとか正確性という意味では、結局はもう程度の問題ということに帰着をするのではないかというふうに思うんですわ、指紋以外では。サインであろうが、あるいは写真であろうが、そして家族事項であろうが。
 そうなりますと、どうも私が受けとめるところでは、指紋をやめるのだからできる限りたくさんのもので確認できるようにしておこうと。署名はある、写真もある、しかしまだ何かもう一つ加えておこう、どうもこういう考え方が底流にあるのではないだろうか。そんな気がしてなりません。
 現在、日本の中でも同一人性の確認と言えば基本的には写真があれば、よっぽどぼけたピンぼけでない限り、普通にはそれによって確認をしたりしております。それにさらに署名ということになれば、十分な確認ができるであろう。万が一というときは、その同一人性の確認というのは他のいろいろなもろもろの手段を講じて、御本人だってそれは自分がこういう人物ですということを当然主張されるであろうし、そういう意味では、今回指紋を廃止するためにむやみに、何か実効性が上がりそうにない、しかし何かたくさんそろえておこうということで、この家族事項というものが加えられている。そういう気がしないでもありませんが、どうでしょうか。
 その点については、もう少し外国人の皆さんのプライバシーとか人権とか、そういうことを視点に入れながらこういう取り扱いについてももう一度考えてみよう、こういう気持ちはございませんか。
#14
○政府委員(本間達三君) お答えいたします。
 先生の御指摘は、現在私どもが採用しようというふうに考えております家族関係の事項について、プライバシーとの関係でもう少し配慮ができないか、こういう御指摘かと思いますが、この家族事項を一つの手段として採用したというのは、写真だけでは容貌の変化とかあるいは他人のそら似とか、いろいろそういう問題があって、それは必ずしも十分な手段とはなり得ないであろう、それだけではなり得ない。
 それから、もう一つの署名についても、時間の経過とともに人の署名が変わり得るということも避けられないところがあるということとか、比較的偽造もしやすいという面があるというようなことで、署名、写真という二つの方法では同一人性確認という登録制度の基本というものをそこに据えるということはかなり困難である。到底、指紋押捺に準ずるあるいはこれにかわり得る制度ということにはなり得ないという私どもの判断で、そこで人の情報というものによって同一人性の確認をするすべをとろうということで家族事項ということを入れたわけでございますけれども、人的情報といいますと、これは家族のみならず友人、知人等々限りなく広がる可能性もございます。
 そういう大きな範囲の中で、できるだけ御本人の負担、それから関係者のプライバシーの問題、そういうことも種々考慮いたしまして.最低限の範囲ということで本邦におられる父母の方、それから配偶者、そういう限定したところで家族事項の範囲というものを定めようと、こういうふうに考えたわけでございます。そういう意味で、プライバシーに対する配慮ということにつきましては私どもも最大限行つたということだけを申し上げておきたいと思います。
#15
○千葉景子君 この家族事項の中身なんですけれども、現在例えば事実上婚姻関係にあるとか、それら今大変問題になっておりますけれども非嫡出の子供がいるとか、そういうケースがございます。例えば、ことしから健康保険の被保険者証などでは、法律婚、事実婚の区別をせずに夫、妻という表現がされるようになったり、あるいは嫡出、非嫡出を区別せずに一律に子という記載をするとか、こういう考え方が出てきております。それから、既に政府の中でも民法そのものの見直しなども始められている。そういう中でとワわけ非嫡出子の問題などについても議論が進められているやに聞いております。
 そこで、今回のこの家族事項の登録の際、事実上子供である、あるいは夫、妻であるという形で日常通用している、そういう続柄で申請ができるのかどうか、その点についてはいかがでしょうか。
#16
○政府委員(高橋雅二君) 家族事項の具体的な記載要領につきましては今後通達で定めることとなりますが、世帯主との続柄の表示に関して、今先生御指摘の事例に即して申しますと、例えば事実婚の場合には妻(未届け)とか、それから非嫡出子の場合は、先生今おっしゃいましたけれども、ただ子と書くとか、そういうようなことで記載するというようなことではいかがなものかと、そういう方向で検討しておるところでございます。
#17
○千葉景子君 先ほどお話にございましたように、この家族事項というのはいずれにしてもできる限りその人の同一人性をこれによって確認をしようというための手段ということであろうかというふうに思うんですね。そうしますと、この人がどういう日常の事実上の人間関係、身分関係があるかということが実際にわかればいいということであれば、やはりこの際事実婚であるとか非嫡であるとか、そういう差別につながるような取り扱い、記載、こういうものはできる限り廃止していただきたいというふうに思うんですね。
 何か事実婚などの場合は未届けというような記載もされるような感じもいたしますけれども、この点については、通常夫であり配偶者であるということがわかればそれによってその人の夫だとか妻であるとか確認はできるわけですから、そういう記載がまた新しい差別などにつながらないように、あるいは不利益につながちないような取り扱いを今後ぜひ検討いただきたいというふうに思います。
#18
○政府委員(高橋雅二君) この要領を定めるに当たりましては、今、先生御指摘のようなことも十分念頭に置きまして、プライバシーとか本人の不当に不利益にならないような方法で記載していく、こういう方向で検討していきたいと思っております。
#19
○千葉景子君 それでは、次にお尋ねしますけれども、最近、国際結婚とか国籍の壁を越えたいろいろな関係がふえております。そういう中で二重国籍ということもふえてきていることはもう当然御承知のとおりだというふうに思います。
 例えば、永住者の家族である日本人あるいはその子供で日本国籍と外国籍の二つを持っている場合、こういう場合に結局この家族登録の関係で外登法の対象に入ってくるわけですね、こういう日本人の方も。そうすると、定住外国人の日本人家族というのは、そういう意味では戸籍で一つはきちっと身分が確認をされている。それにプラスして外国人登録法の範疇でまた身分関係が確定をされるといいますか管理をされる、二重の管理関係というものが出てくるんじゃないだろうかというふうに思います。この点についてはどんなふうに認識をなさっていらっしゃるんでしょうか。
#20
○政府委員(本間達三君) お答えいたします。
 日本人がこの外国人登録法によって管理されるのではないのかという御指摘でございますけれども、日本人がこの登録事項に入ってくるというのは、本人すなわち外国人との一定のかかわりの中でその外国人の同一人性確認のための情報源としての日本人という形で入ってくるわけでございます。当該日本人をこれによって管理する、そういう目的ではございませんで、その外国人の同一人性確認に必要な情報を提供していただく方ということで登録をお願いするということでございますから、先生御指摘のような外国人登録法によって日本人を管理するということにはならないと私どもは考えるわけでございます。
#21
○千葉景子君 今の御説明、確かに外国人の方の身分を確定するというために、日本人家族もその対象といいますか、そのために登録事項に入ってくる、こういうことで、それが目的ではないということではありますけれども、実際には自分の身分が戸籍上の登録とそれから外登法の中で一定の登録事項の中に記載をされるということではやはり二重という内容は変わらないというふうに思うんですね。
 特に、それに関連してこれから登録事項というものが、これまでもそうですけれども、コンピューター管理というものがなされていくはずでございます。法務省入管局などでコンピューターによって一括処理をされる、こういうことになってきますと、やはりそこには戸籍とは別に日本人も新しくコンピューターの情報としてそこに登録がされる、情報が管理をされるということになってまいります。戸籍の場合はコンピューター化するという話もないわけではありませんけれども、これについては当然反対もありプライバシーの問題もあり、コンセンサスはまだ得られていないという状況でございますし、住民票についてむコンピューター管理などがありましてもそれは自治体レベルでそれぞれが管理をしている、こういうことになります。そうすると、日本人、日本国民がコンピューターなりで情報を管理されているというシステムは、日常にはないわけです。犯罪の捜査とかそういう部分では別ですけれども、一般にはコンピューターで管理をされる情報が国の中に蓄積をされるということはないはずですね。
 ところが、この外国人登録法を通じて、その人を目的としているのではないにしても、やっぱりその情報がコンピューターの中で、そして国に情報として蓄積をされていくということになります、結果的にね。これについてはプライバシーそれから多くの国民のコンセンサスとしては問題があるのではないかと思いますけれども、どうお考えですか。
#22
○政府委員(高橋雅二君) 今先生のお考え、非常に興味深く伺いました。
 確かにそういう御指摘はあり得るかと思いますが、ただ先ほど来申し上げましたとおり、この外国人登録法上登録の対象となる日本人というのは何らかの形で当該外国人との身分関係がある方でございまして、その当該外国人の同一人性確認の手段として今度はこの家族事項が入るわけでございますけれども、それをコンピューターで今度管理するということでございましても、私たちとしてはこの行政の目的からいいまして問題はない、むしろ相当なことではないかというふうに考えているところでございます。
#23
○千葉景子君 相当なことでは困るわけでして、これが本当に当該の者にとってきちっと人権が守られているとこれで言えるのかどうか、大変疑問に思います。
 こういうことを考えてみますと、この家族登録の制度というのは、確かに同一人性確認の手段として他の署名やあるいは写真、そういうものにプラスされて、より一層同一人性確認に寄与をするというような側面があるのかもしれませんけれども、ただそれにもかかわらず実効性の点では大変疑問があるし、それから、こういう日本人の場合の弊害とかあるいはまた単身者の問題、いろいろ総合して考えてみますと、何かどうもこの制度、実際に取り入れる必要があるのかどうか。余り効なくして弊害ありと、こういう実態になるんではないだろうかというふうに思わざるを得ません。
 これは今後、また検討課題として私どもでもたび重ねて問題を取り上げさせていただきたいとは思いますけれども、ぜひこういう問題があることをまず頭に置いておいていただきたいというふうに思います。
 さて、次の課題に移りますけれども、これまでもたび重ねて指摘がされております指紋情報の廃棄について、これについて再度確認をさせていただきたいというふうに思います。
 指紋原紙につきましては、その廃棄の状況はいかがでしょうか。
#24
○説明員(山崎哲夫君) 過去に法務省に送られてきました指紋原紙で、切りかえ等が済みまして確認済みのものは順次廃棄しております。
#25
○千葉景子君 登録原票の方についてお尋ねをしたいんですけれども、これもこれまでも質問などが出ているようでございますが、登録原票については、技術的にも指紋を廃棄するというのは大変困難であるというようなお答えも出ているやに聞いております。いかがですか、実際に。
#26
○政府委員(本間達三君) 指紋押捺制度が一部廃止になって、その対象者となる方の登録原票中の指紋の問題でございますが、これは現在順次、本省において保管をしているもののうちからマイクロフィルム化しまして保管しているというような状況で、そのマイクロフィルム化したものについては廃棄ということになっております。
 したがいまして、現在保管しておりますところのそのマイクロフィルムに入っているものの中の指紋部分を廃棄できるかどうかという点につきましては、非常に細かい作業で、技術的な面からいいますと相当の手間暇がかかる作業を要するということで、今直ちにこれが可能かどうかということについてはまだまだ少し検討してみないといけないなというふうに考えているところでございます。
#27
○千葉景子君 今、まだまだ検討してみなければいけないというお話ですけれども、その検討されているというのは廃棄をするということを検討されているわけですか。
#28
○政府委員(本間達三君) これは、その費用対効果その他の面もございますけれども、技術的に非常にミクロの問題でございますから、指紋部分を削除ということによって他の重要な部分に傷がつく、あるいは同時に抹消されてしまうというようなおそれもある問題でございますので、非常に困難な作業であるというふうに私どもは感じておりますけれども、技術の進歩というのは日進月歩でございますから、そういう細かいものでも容易にかつ費用が安く簡単にできるんだというようなことにでもなれば、これは可能であろうと思いますが、まだまだ私どもはこれを直ちにできますということはなかなか申し上げにくいので、検討中というふうにお答えさせていただきました。
#29
○千葉景子君 しつこいようですけれども、要するに廃棄のために今その技術とかあるいは作業の仕方とかを検討されているという趣旨ですか。廃棄を目標として、それに向かっていろいろなことを今検討されていると、そういう趣旨ですか。それともあるいは廃棄できるかどうかわからないから、どっちにしようか検討されている、そういう趣旨でしょうか。
#30
○政府委員(本間達三君) 用済みのものはこれは要らないわけでございますから廃棄ということになります。
 ただ、この指紋原票と一体となっているものでございますので、すべてこれを、一部といえども廃棄するというのがいいのかという問題もございますけれども、特にその部分を容易に廃棄できるんであれば廃棄してもいいんではないかという感じもしますので、そこらあたりは検討してみたいということでございます。ですから、技術的な面も含めまして検討中ということでお答えいたします。
#31
○千葉景子君 どうもいま一つはっきりしませんけれども、これについては技術の進歩もあるというお話ですから、ぜひ廃棄ということを目標にして、そして技術の検討などをしていただきたいというふうに思うんですが、仮にそうするとしてもあしたすぐ廃棄というわけにはどうも技術的にはいかないようでございます。だとすれば、これが他に転用されたりすることのない実際の担保といいますか、そういうことが必要になってくるだろうというふうに思います。そのためにどんなことを考えていらっしゃるのか、省内の基準とか何らかの基準などをつくって、それが絶対に閲覧とかあるいは照合などがされないような、そういう措置を講じられるのかどうか、その点はいかがでしょうか。
#32
○政府委員(高橋雅二君) この指紋の取り扱いにつきましては、これはこの指紋の押捺の目的が同一人性の確認ということでございますので、それ以外の使用にわならないように従来から厳格に取り扱ってきたところでございますが、今後も引き続き指紋がほかの目的に使われないように厳格にやっていきたい、こういうふうに考えているところでございます。
#33
○千葉景子君 ところで、今回指紋押捺義務が一定の範囲で必要がなくなったわけでございますが、現在指紋押捺を拒否していらっしゃる方、これがかなりの数おいでのはずでございます。
 まず、この状況についてお伺いをしたいというふうに思いますけれども、その人数そして国籍の別、そしてその皆さんが今回の法改正に該当する方かどうか、その点についてまず基本的な、ちょっと資料をお伝えいただきたいと思います。
#34
○政府委員(本間達三君) 指紋押捺を拒否されている方の数でございますが、平成四年、本年三月三十一日現在で百七十七名となっております。国籍別で申し上げますと、韓国・朝鮮の方合わせまして百六十七名、米国三名、中国二名、そのほかといたしましてフランス、英国、ニュージーランド、ドイツ、スペインがそれぞれ一名となっております。
 それから、在留資格の点でございますが、このたび指紋押捺義務が廃止されますところの特別永住者及び永住者について申し上げますと、特別永住者が百六十一名、永住者が五名というふうになっております。
#35
○千葉景子君 そうしますと、百七十七名のうち百六十六名ですね、もうほとんど大多数の方が今回の永住者、特別永住者に該当してくるということになってまいります。
 そうすると、この改正案が仮に施行がされるということになったとすれば、この指紋押捺を拒否されている方についてどういう取り扱いをなさるのでしょうか。
#36
○政府委員(高橋雅二君) この指紋押捺を拒否されている方は、現行の法律が機能している間は、これはこの法に従わないということでございますので違法な状況をつくっているわけでございますから、やはり指紋押捺をしていただかなければならないということでございます。これを不問に付するというわけにはいかないわけでございます。ただし、この改正案が成立いたしますと、この方たち百六十六名でございますか、この方々は法案が施行されると同時に指紋押捺の義務がなくなるわけでございます。その点を境として義務がなくなるわけでございまして、しかしその前は義務があると、こういうことでございます。
 実際の運用に当たりましては、その辺を考慮に入れた扱いをすべきではないかなという感じはしておりますが、やはり法の適用という意味におきましては、改正法が施行されるまでは指紋押捺の義務があるということでございます。
#37
○千葉景子君 次に、今回、署名、サイン、この制度が導入をされることになりましたが、ちょっとその署名が困難なケース、こういうことについてお尋ねをしたいと思います。
 現行の外登法、そしてその関連の政省令においては、身体の障害などによって指紋が押捺できない人、そういう方の取り扱いは実際にどうなっているでしょうか。
#38
○政府委員(本間達三君) 身体の故障とかによって署名ができないということになりますれば、これは署名をできないのはやむを得ませんが、同一人性確認手段の一つの柱が抜けるわけでございますので、次回の確認期間の短縮という措置を講ずるということにこの改正法案、第十一条の第三項でございますが、に規定させていただいたところでございます。
#39
○千葉景子君 これまでも身体の障害などによって指紋押捺できない方については、それ自体は免除されている。今回それが署名ということになりましても、また同じように署名が身体の理由などで困難だとか、あるいはまた場合によっては文字が書けない、こういう方もいらっしゃるかと思います。こういう場合、今回はどのように取り扱いされるのでしょうか。
#40
○政府委員(本間達三君) 署名をなさらない方のその理由というのは、いろいろあろうかと思います。極端な例は署名をしたくないという拒否をされる方もおられると思いますけれども、先生がおっしゃったような字が書けない、どうしても署名しようと思ってもできないという方もおられますし、したいけれども手が故障で動かないというような例もございますし、いろんな事情がございましょう。いずれにいたしましても、署名がないという事実には変わりがございませんので、その意味におきまして取り扱い上は、先ほど申し上げましたとおり次回確認申請期間の短縮という措置をとるということに相なります。
 ただ、確認期間の短縮の程度ということにつきましては、法務省令で基準を定めまして、この基準に従いまして市町村長が個別に指定するということになるわけでございます。この基準の定め方ということにつきましては、それぞれ、署名ができないあるいは拒否だとか、そういった事情というものを考慮した基準というものを定めるということにしたいと考えております。
#41
○千葉景子君 こういうケースとしてちょっと具体的な例を触れさせていただきたいというふうに思うんですが、きょう厚生省の方にも来ていただいております。
 現在、ハンセン病の方がいらっしゃいますけれども、この人数、それから年齢層、それから国籍の構成、このあたりについてちょっと現状を御報告いただけませんでしょうか。
#42
○説明員(堺宣道君) ハンセン病で療養所に入所している患者の数、それからその年齢あるいはその国籍というお尋ねでございます。
 平成四年四月一日現在で療養所に入所している患者数は、国立の療養所に入所している患者が六千三百七人、私立の療養所に入所している患者数が六十四人、合計いたしますと六千三百七十一名でございます。
 このうち六十歳以上の患者数というのは、国立が五千四十八人、私立が四十四人で、それぞれ七八・九%、六七・七%ということになりまして、全体では七八・八%でございます。
 また、外国籍患者数といいますのは、国立が三百四十人、五・三%、私立が三名で四・六%、全体で三百四十三人で五・三%というふうになっております。
 また、平均年齢ということで見てみますと、国立は六十七・四歳、私立が六十九・一歳で、全体で六十七・四歳でございます。
#43
○千葉景子君 その国籍の関係ですが、韓国・朝鮮籍の方はどのくらいいらっしゃいますでしょうか。
#44
○説明員(堺宣道君) 韓国の国籍の方が、国立が三百、私立が三、それから朝鮮の国籍の方が、国立に三十七、私立にはいらっしゃいませんが、そういう数になっております。
#45
○千葉景子君 今の数字からかなり平均年齢も高くなっているということが言えると思いますが、例えば韓国・朝鮮籍の方もかなり高齢になられているというふうに推測してよろしいでしょうか。
#46
○説明員(堺宣道君) 今までるる御説明申し上げたようなデータから類推いたしまして、そのようなことであろうかというふうに存じております。
#47
○千葉景子君 そこで、このハンセン病の皆さん、従来どういう取り扱いになっていたのでしょうか。身体の理由あるいはその他の理由があるかどうかわかりませんけれども、かなり指紋が免除をされていたケースが多いやに聞いておりますが、その点について何か確認されていらっしゃるようなことございますか。
#48
○政府委員(高橋雅二君) ハンセン病患者につきましては、外国人登録法の指紋に関する政令及び外国人指紋押捺規則の規定に照らしまして当該疾病が治癒するまで指紋の押捺が猶予されているところでございます。この場合、次回確認申請までの期間は当該疾病が治癒するまでの時期などを考量勘案いたしまして一年から四年までの期間が指定されるということになります。
 なお、これが治りまして退所した際には、療養所からそういう伝染の可能性がない旨を明記した診断書の提出があった場合に限り当該外国人に対して指紋の押捺を求める、こういう扱いにしているところでございます。
#49
○千葉景子君 この皆さんですけれども、先ほどの国籍別の数を考えてみましてもかなりの皆さんがいらっしゃいます。それから年齢構成ですね、これを見ましてもかなり高齢になっていらっしゃるのではなかろうかと推測されます。
 そういう中で、今回はそうなりますとこれまでの押捺から署名ということにかわられる方も多いのではないかと推測されますが、その場合にどういう取り扱いになりますか。
#50
○政府委員(高橋雅二君) 今後、この法改正に伴いまして新しい規定をつくらなければいけないわけでございますが、考え方といたしましては、署名をしていただく、しかし署名が非常に困難である、できないという場合はこれは免除するということにいたしまして、その再申請の確認期間についてその事情を考慮して一年から四年の間で決める、こういうような扱いになろうかと思いますが、今先生の御指摘のように、そういう当該の人たちのいろいろな事情も考えた措置にしていきたい、そういうふうに考えております。
#51
○千葉景子君 これまでも、事情、背景もございますけれども、指紋が猶予されている。それから、期間も一年から四年という間でほとんど五年に近い多分期間を設定をされていたんだろうというふうに思います。そういう意味では高齢ということも考えられますし、それから文字の点についてもいろいろ歴史的な事情もあり、識字能力がないという方も多いかと思いますので、この点については今回の制度の変更が逆に負担増なりにならないようにぜひ措置を講じていただきたいというふうに思います。
 それでは、次の問題に入りたいというふうに思います。
 ところで、今後この法の施行などを考えたとき、実際にいろいろな対応を行うのは自治体の窓口などになってくるわけですね。このときに今回は大変複雑な制度になってまいりましたので、いろいろなトラブルとかあるいは要求とか、御当人からの問い合わせとか、そういうことも大変多くなってくるのではないだろうかというふうに思います。
 そんな観点から何点がお聞きしたいというふうに思います。これだけ制度も変わり、それからできる限り外国人の皆さんにも余り負担がない形で生活をしていただこうという時代ですから、やはり負担軽減ということも考えていただきたいというふうに思います。
 まず一点目は、現在、指紋がカードの表に転写されております。これをできる限り裏にするとか、あるいはすぐに見えにくい形にするとか、やっぱりこの指紋ということが非常な心理的な負担になっていらっしゃる方が多いわけですね、プライバシーの問題にもかかわり。そういう意味ではこのカードのつくり方などにも工夫を凝らしていただきたいというふうに思うのですが、その点についてはいかがですか。
#52
○政府委員(本間達三君) 現行の様式におきましては、表面に指紋を転写しているということでございます。先生の御指摘は、例えば裏にそれを持っていってはどうかというような御指摘でございはす。実は、今度登録証明書は新しい様式といたしますが、その表面は一般的な登録事項等の記載、それから写真の転写、こういうこと、それから指紋もここに転写するということを一応私どもは考えております。裏面の使い方というのは、現行もそうでございますけれども、各種の資格の変更あるいは在留期限の更新の問題とかいろいろ変更事項等をそこに多数書かなければいけないということの制約として十分そこの記載欄をとっておく必要がありますし、また裏面の記載を容易にするための特殊の加工を施す必要がございます。そういう技術的な面から考えまして、指紋だけを特に裏面に転写するということは困難だというふうに私どもは考えております。
 ただ、先生は御本人の心理的な負担の問題ということを御心配でございますが、現行制度におきましても指紋部分が隠れるような登録証明書のカードケースというものを交付いたしておりますが、これと同様の措置をしたいというふうに考えております。
#53
○千葉景子君 この問題は技術的な問題とかということではなくて、やはり本人、外国人の方の基本的な人権という視点に立って、少し技術が難しければその技術を開発をするとか、そういうこともやりながら、できる限り配慮をしていく必要があるだろうというふうに思います。
 それから、代理申請ですね、その範囲についてももう少し柔軟に考えてもよろしいんではないかというふうに思うんですね。例えば、非同居の家族からの申請、こういうものも一定の範囲で認めてよいのではないかと思います。何が先ほどの家族事項になりますと非同居の人も出てまいりまして、今度こういう申請などになると非同居家族というものが排除されるという非常に不均衡というところもございます。そういう意味ではそういう範囲を広げる。あるいは、もう高齢の方ですね、例えば八十歳を超えるような方であれば確認申請というものを一定免除するとか、そういう措置も考えていくことができるんではないかというふうに思います。
 それから、現在、登録証明書の受領のためにもう一度行かなければいけない、二度の来庁という非常に負担がございます。これについてもやはり書留郵便で送付をするとか、御本人が私は参りますというような場合ならば別でございますけれども、書留郵便を使うとか、そういう形で負担を緩和する、こういうことも検討していただきたいというふうに思います。
 今、ゆとりの時代といいますけれども、仕事をされている方も多いわけですから、それを二度の手間をかける、しかも何かそれによって楽しいことのために行くというのであればまた話は別ですけれども、こういう何らかの強制された義務を履行するという場合ですから、できる限りその点についての負担緩和を図るべきではないかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
#54
○政府委員(本間達三君) まず、代理申請の範囲の問題でございますけれども、先生御案内のとおり、外国人登録法の十五条にその点の記載がございます。同居をされていない親族の方もというお話がございましたが、これは十五条の二項の範囲で記載されております限りにおきまして、その方も代理ということが一定範囲でできるわけでございます。そのほかに同居者ということになっております。――ちょっと誤りましたので訂正させていただきますが、十五条の規定によって同居人による代理申請を認めているところでございます。先ほど同居人でなくてもと申し上げましたのはちょっと誤りでありますので、訂正させていただきます。
 この同居人以外の者の代理申請の範囲というものを広げてはどうかということでございますけれども、当該外国人に関する種々の身分事項等の申請にかかわる事項でございますので、正確性を期するという点から申しますと、これを安易に広げるということについては慎重でなければいけないと我々は考えているところでございまして、現時点においては現行の範囲で代理を認めるということが適当であるという考え方でございます。
 それから、切りかえの義務に関連して高齢者については免除させるなどの配慮ができないかということでございますけれども、外国人登録制度の趣旨から申し上げまして、高齢者についてこれを免除するということは適当でないという考え方でございます。なお、疾病その他身体の故障によってみずから申請等ができない者については同居する親族というものの代理申請ができますので、この制度によっていただきたいというふうに考えております。
 それから、登録証明書の交付に際して郵便による交付というようなことを先生は御指摘になったかと思います。二度にわたる出頭というものによる手間を省いてはどうかということでございます。現行は、御本人がみずから市区町村の窓口に出頭していただくという取り扱いでございますが、これを仮に郵便による交付ということにいたしますと、郵便というのはやはり事故がないとは言えない制度でございますし、必ず御本人に手渡せるという絶対的な保証というものもないわけでございますので、特にこの登録証明書は常時携帯を義務づけられている関係もございまして、常時携帯義務の履行という観点で悪い影響があってはいけないと考えておりまして、その点から郵送による交付というのは現時点では適当でないという判断でございます。
 なお、昭和六十二年の外国人登録法の一部改正におきまして、新たに交付される登録証明書の受領の場合には、修学上の都合その他やむを得ない事情によってみずから市町村の事務所に出頭できないというときは、本人と同居する者による受領ができるように外国人の便宜を図る趣旨の規定を設けだということは先生御案内のとおりでございます。
#55
○千葉景子君 何か今こうやって細かいことをお尋ねしていますと、実際にお答えになるにも何か一々調べてみないとなかなか細かい点ほどうもわかりにくいとか、非常に何か微細にわたって、何のためにこんな細かいことをやっているんだろうかと本当に率直に言ってそういう気がしてくるわけですね。
 例えば、郵便は間違いもあるかもしれないなどというお話もありますけれども、今実際そんなに郵便事情というのは悪いわけではありませんし、もし届かなかったら、逆に言えば届かない御本人が届かないよと、そういう話を持ってこられるでしょうし、何か全部悪い方へ悪い方へ、そういうことを考えつつ、細に入り微に入りがんじがらめにしてしまっている。逆にそれによって窓口であり、御本人であり、負担がふえてしまって大変嫌な思いをしている、どうもこんな気がしてなりません。
 やはりもう一度基本的に、今後、一体どうやって外国人の皆さんに対する対応を考えていこうかということをもう根本的に考えなければいけない、あちらこちらに矛盾が出てきているんではないだろうかな、そんな気がいたします。
 ほかにもお尋ねをしたいことはあるのですけれども、時間の関係もありますし、また他の同僚議員からも質問があろうかと思いますので、これまでの議論とか、それからきょう私が質問させていただいた問題などを含めて大臣にお聞きしたいんですけれども、今後この外国人登録の問題あるいは在留の外国人の皆さんに対する行政のあり方、こういうことをここで一度抜本的に考え直してみる、こういうおつもりはないでしょうか。
 と申しますのは、ずっと審議の中でもあるいは参考人の御意見の中などからも、結局、今回指紋を一部廃止して家族登録などを導入する、それによって制度自体が根本的な目的からだんだんずれてきている、あるいはいろんなところにほころびが出ているということが指摘をされるようになってまいりました。国際的なこういう時代ですし、それぞれの人権などを配慮して考えたときには、そろそろこの法律も、ここを少しずつ直していく、それによってまた片方にほころびが出る、こっちに手をつければまた反対側からほころびが出てくるということを繰り返すのではなくて、根本的に原則を定めて、そしてそれにのっとった新しいシステムを検討していく、こういう時代ではなかろうかというふうに思いますが、大臣としてはどういう今後脚認識でこの問題に対処をされていくのか、そのことをお聞きして私からの質問は終わりにしたいと思います。
#56
○国務大臣(田原隆君) お答えします。
 今回こういう法改正を出させていただいたというのは、やはり世の中が変わってきたということを反映しているわけでありますが、これからもどんどんすばらしい勢いで変わっていくだろうと思いますので、そのことは常に念頭に入れてなければいかぬと私は思うのでありますが、指紋という万人非常に固定的な、特定の時代も何も影響ない、変わらない、こういうものが今まで利用されておったのですが、これを人道的な立場、人権的な立場等から廃止するとなると、今の段階では、いわゆる三点セットと称するものがこの場合最高であるということで出させていただいておりますけれども、これを実施してみればまたそれなりのいろんなことがわかってくるし、それから時代がまた変わってくるし、そしてその結果を踏まえて、よりいいものにしていかなければいかぬということになるのだろうと思います。
 ただ、私は、指紋を百点とした場合に、三点セットが百点に限りなく近いものだと思うんです、統計的な考え方ですけれども。これは、今先生から御指摘があったような点も確かに感じられる点でありますので、念頭に置きながら検討していくべきではないかというふうに考えておりますが、何よりも大事なことは、私はやはり血の通った、外国人の立場にできるだけ立った運用をしていくべきだと、そういうふうに現在考えている次第であります。
#57
○千葉景子君 終わろうと思ったんですけれども、どうも大臣、その程度の御認識じゃ、これからの新しい問題に対しては私は対処していかれないと思いますね。やはり人間、基本的に人権が保障されていく。そして、日本人であれ外国人であれ平等にやはり生きていくことができる。こういうきちっとした視点を持って、そして新しいシステムを考えていく、こういうことでなければ、とてもとてもこれから出てくる問題などには対処をしていくことができないだろうというふうに私は思います。ぜひ、大臣にはもう一度勉強もしていただいて、そして基本的な考え方をまとめていただきたい、こういうことを要望させていただきたいと思います。
#58
○国務大臣(田原隆君) おっしゃることはよくわかります。私も、外国人と内外平等である、ただし、日本に来られておる外国人の方は日本人ではないという点だけが違うのであって、そういう点で、こういう制度のもとで同一人性を確保するということだけが問題であります。
 ただし、気持ちの上では、先ほども申しましたように、血の通った、外国人の立場に立った気持ちで運用してまいって、情勢の変化に応じていく体制をつくっていこうというふうに申し上げておるわけでございますから、考え方は同じだと思いますけれども。
#59
○千葉景子君 終わります。
#60
○深田肇君 先輩の千葉議員の方から詳細にわたって御質問があり、私もそばで聞いておりまして、どうもやっぱり大臣の答弁はいただけないなと率直に感じたことを申し上げた上で、ちょっと本論に入る前に、大変恐縮ですが、次のことについて法務省の方から御説明なり釈明をいただきたい。
 いわゆるこの改正案を衆議院に提出、まあ我々もいただいたわけですが、そのときに法案上のミスがあったようですね。そしてそれを衆議院では、資料によりますと修正をする際にうまく法務省は一括でぱっと法案を手直しされているようなんです。そういうことが事実あるのかないのか、あるならこれはどういうことなのかということについで、大臣御存じかな、大臣御存じないんじゃないかと思ったりしておりますけれども、御説明いただきたいと思います。
 率直に申し上げますと、改正案では現行法四条の十号のところが全部削除になっているんですね。削除しますと、そこのところは「上陸した出入国港」の定義規定のところを全部切っちゃったわけですから、そうしますといわゆる第十二条の方は不的確になっちゃうわけですね。そこで衆議院の修正案を見ますと、修正案の中では、これは修正だからあっちの議院の方がやったのかどうかいろいろありましょうけれども、いわゆる修正案のところでは、私が聞くところによると必ずしも公式的に公開討議を余りやったようには聞かないんだけれども、法務省は定義の規定のところをつけ加えてそして修正案として成立させているということのようです。これは事実かどうかを聞かせてもらって、事実なら今日段階で法務省どう考えているのか、参議院の法務委員会できちんとした釈明をいただきたい。
 時間がないからちょっと次にどんどん行きたいんですけれども、まずこれを先に、大臣が本当は答えるのがいいことなんだよ。
#61
○政府委員(高橋雅二君) 今回、政府から提出いたしました改正法案においては、従前規定されていた、今御指摘のとおり出入国港に係る定義規定が削除されてしまいまして、この十二条における「出入国港」というところの定義規定がなくなったということになるわけでございます。
 私たちといたしましては、このミスに気がつきまして修正のときに申告いたしまして、修正の話が出たときにこれはこういうのがございましたので入れていただきたいとお願いして、これで修正案のときに四党で、自社公民四党の共同提案による修正案の中に定義規定を入れるというのが入って、審議の上、同修正案が全会一致で可決されたところでございます。当初案にミスといいますか、定義規定をきちっと入れておかなかったということは非常に遺憾に存ずるところでございます。
 ただ、衆議院でこれが訂正されましてきちっとした形でこちらに送られてきたということにつきましては、我々としても非常に感謝しているところでございます。
#62
○深田肇君 これ以上その問題を申し上げる時間もありませんから、ひとつミスであったことを認められて感謝しておられるのであれば、今後とも慎重にやっていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 そこで、大臣、ちょっと本論に入りますが、私は今回の政府提案、今の削除のところのことは別にして政府提案、そして衆議院における審議、それから修正をした内容、それから附帯決議を含めて決まったこと、これをどういうふうに受けとめるべきかということでそれなりに勉強させてもらいました。同時にまた、本委員会における糸久議員の質問も勉強させてもらったし、先ほど来は法律の専門家の千葉議員の方から実に詳細にわたって質問をされているけれども、どうもやはり法務省の説明については納得できないということを率直に申し上げておきたい。そういう意味からしますと、どうも衆議院で決まってきたことのようでありますが、賛成ができないということを私は最初に申し上げた上で、少し一、二の問題について御質問してみたいと思いますので、時間がありませんから私も早くやりますから早く答えてもらって、多くのことが討論できますようによろしくお願いしたいと思います。
 そこで、まず最初に大臣に聞きたいんです。これはもう大臣ですよ。
 四月十七日、この日ば衆議院の段階で修正可決された日ですよ。この日の夜、いわゆる「外国人登録法の抜本的改正を求める中央集会」というのがあって、そしてどういう方がその集会に集まってどういうことを討論してというような内容について報告が上がっていますか。
 なぜこれを聞くかといったら、これは大変なことなんですね。こんなに、衆議院で全会一致なり満場一致なり、それからいろんな表現はあろうけれども、それについて当事者だとか一緒に人権問題を考える方々にとっては、驚くような意見の違いがここで明らかになったと思いますから、必要なら後で説明しますけれども、報告が上がっているかどうかをひとつ大臣から聞きたい。
 それに関連して、四月十七日以降きょうまでの間に、いわゆる法務省、これは大臣は忙しいから法務省でいいと思いますけれども、在日の外国人の方々やそういう団体、それから人権問題を考えてこの外登法の問題について真剣に考えたり生活して頑張っておられる方々の陳情だとか要請だとか、中には言葉では抗議とかいろいろありましょうけれども、そういったのを四月十七日以降どのくらい法務省にはきておりますか、この二つについて教えてください。
#63
○国務大臣(田原隆君) 先ほどの集会の件については新聞報道で確かに見た記憶がありますが、事務的には報告は上がっておりません。
 それから、詳細については後ほど政府委員からお答えしますが、陳情は私に対して二件ございました。
#64
○深田肇君 次に、五月十二日に本委員会で参考人の先生方にお出かけいただいて長時間にわたって御意見を伺ったんですが、そのときは大臣は衆議院の方のためにここにいらっしゃらなかったんですけれども、このときの話も正確に報告が上がっていますか。上がっていたら、それに対しての感想をどういうふうに今大臣は持っておられるか、これをちょっと聞いておきたいのであります。
 私はどうも、本当に意外と言っちゃ失礼かもわからぬけれども、参考人五人の方のうち四人は今回の政府提案、もっと言えば衆議院での修正可決含めてこれはあかんでと、こういうふうにおっしゃった。しかも、その中には外国人の方が二人いらっしゃる、こういう状況ですよね。そして、同時にまたもう一人の方は、やっぱり将来的には指紋制度はなくした方がいいと思うよと、ここまでおっしゃる。もう五人全部そうなんです。こういう報告を正確に聞いておられるかどうか。聞いておられたら、今大臣はこの委員会でどういうふうに自分の感想や考え方も言ってくれるか、ひとつ聞きたいと思うんです、大臣に、大臣に。
#65
○国務大臣(田原隆君) 正直に申しまして、私は連日何らかの委員会に出されておりますし、その他の公務で、まだ報告を受けておりません。いずれこういうことは必ず受けるはずでございます。(「いずれじゃ遅いじゃないか」と呼ぶ者あり)しかし、まだ現在受けておりません。
#66
○深田肇君 これが問題なんです。これは局長を初めとする皆さん方の批判をしてもしょうがないんだけれども、それはきょうはちゃんと聞いてもらって、大臣を含めてこういう質問が出ることはわかっているんだから。もっと言えば、きのう質問をとりに来られた方に私説明したんだから、これを聞きますよと言って。そうしたら、大臣の方は忙しいかもわからぬが、報告を聞いていませんと正直におっしゃる。また適当に局長が答弁してごまかそうと思っているかもわからぬけれども、そうはいかない。その点については別の機会がありましょうから、きちんとしたそのことについての御意見をいただきたいと思います。そのことを申し上げて、もう時間がありませんから、次々とたくさん言いたいことがありますから、その次に入りたいと思います。
 そこで、この機会に、四月十七日のことは新聞報道で見られたと、正確な意味においては報告は上がっていないということですから大変恐縮ですけれども、自民党の先輩、同僚の議員の方々にも御理解いただくことが大変大事なことだというふうに思います。
 ということは、前段申し上げたように、四月十七日はいわゆる我々の同僚でもある衆議院において満場一致で可決されてきたということになっているものですから、それについて、冒頭申し上げたように、意外と言っちゃ失礼なのかもしれないけれども、そこにいらっしゃる方々なり、それから外の方がそれを聞いたら怒られるかもわからぬけれども、本当にもう全面的な違う意見を持って怒りを込めて集会をやっているんですね。この事実は、少数意見だとかそんなものは問題にならぬというふうにあなたが言うかどうか知りませんけれども、これはとんでもない事件が今起きていると考えにゃいかぬ、これは深刻に考えにゃいかぬというふうに私は議員の末席を汚す立場としても感じるし、日本の国民の一人として人権問題はもっと深刻にまじめに取り組まないとこれはいかぬぞという感じを持っているわけでありまして、その上に、前段申し上げた参考人の話をここでじっくり聞かしてもらって、参考人の方々があれだけはっきり物を言われたということになると、これはひとつもう一遍考え直したり見直したりすることが必要なんじゃないかと思っています。
 そのことを申し上げた上で、ちょっと時間がありませんけれども、ぱっぱっぱとやりますからおつき合いをいただきたいというふうに思います。いわゆるその集会には、もう一遍言いますけれども、指紋制度廃止ですね、それから常時携帯制度を全廃せよ、「外国人登録法の抜本的改正を求める中央集会」、名前だけでなくたくさん人が集まっておられる。これは会場や等々は言いませんが、これはちゃんとした公開の場でやっているんです。それが開催された。そこではアメリカの方、スペインの方、中国の方、韓国の方、朝鮮の方、朝鮮の方は十六歳、それからビルマの方、ドイツの方、こういう方々が出席して発言をされる。もちろん、それと連帯している人権問題を考えている日本の方々がたくさん参加している。しかも、はっきり申し上げますが、日本社会党はそこへちゃんと主催者及び来賓祝辞で行っている。そして他の会派の方々もそこに出られるという状況での集会なんですということを、まずイメージとして頭に入れてください、時間がありませんから。
 そこで、そういう意味合いの中で、ちょっとこれは大臣にはこれから正確な報告が上がると思うけれども、この機会にちょっと簡単に一つ二つ御披露申し上げておきたいのでありますが、その集会の実行委員会を代表した人、固有名詞は言いません。その実行委員会を代表した人はこう言っているんです。「政府・法務省の外登法「改正」案は、本日午前の衆議院・法務委員会において修正、附帯決議が加えられ可決された。 私たちは、この内容を残念に思う」、これが第一行です。ばしっと一発入っている。これは私も、この文章なりそのとき耳に聞いて驚いたわけでありますが、同時に「政府・法務省の「改正」案は」というところから本人たちの主張がそこに入るわけでありますが、「在日外国人と私たちの運動の、真意をくみ取らず」、「真意をくみ取らず」、これ文章に入っちゃっているんだからね、印刷物ですから。もしこれを酌み取っているんだというんなら酌み取っていると反論せにゃいかぬし、それであなたたちは間違っていると言わにゃいかぬ。私は、きのうまでの説明を聞いておっても、今の千葉議員とのやりとりを聞いておっても、これは本当に真意は酌み取っていないというふうに彼らが言うのはもっともだと思うし、日本政府は考えにゃいかぬ、我々議会側も考えにゃいかぬということを感じているということで、ここで強調しておきたい。
 また、こういうことも書いてある。「国際人権規約に基づき、法のもとでの平等を実践するために在日する欧米人諸国との協議も行うことがなかった」、協議がなかったらしいですね。欧米、いわゆる韓国、朝鮮の方以外の欧米の方々との、日韓覚書の関係がありますから、そこだけだということをちゃんと指摘されちゃっている。これはもうはっきり言わしてもらえば、きのうも参考人おっしゃったけれども、差別発言を使っちゃいけませんからちょっと微妙な言い方をしますけれども、やっぱり不十分だね、対応の仕方が。全体の世界の国との間をどういうふうに日本が対応するか、この国際社会において日本が平和国家として人権国家として登場していこうとするなら何をすべきかということになってきたら、やっぱりはっきり申し上げて日韓の覚書に基づくようなそこだけじゃいけないじゃないかということは、これは彼らが指摘するのは当たり前のこと。それはこれだけの国の方が集まっているわけですから。まあ時間ありませんから。
 そういう意味では、本人たちはおっしゃっているのでありますが、一九八〇年の在日韓国人が「たった一人の反乱から」という言葉でやってきたものだと。これは韓国人、朝鮮人の、いわゆる良心と人間の尊厳をかけた闘いであったと、そう思っている。我々もそう思っている。私は議員になるまでこれ一緒にやってきた方だから、国民運動局長というポストにいてやってきたからよくわかりますが、本当に彼らの叫びは、本人たちの問題だけじゃないんです。日本はこうあるべきだ、世界は平和のためにこうあるべきだ、人間社会はこうあるべきだと叫び声を上げているんだから、単なる要求闘争じゃないんです。これは参考人の方もおっしゃったけれども、もう思想の問題なんですよ。
 だから、国際情勢が変わってきたと大臣はおっしゃるけれども、変わってきたことを認めた上でも、ただ変わってきたから量的に何とかしたらいいという問題じゃなくて、もう抜本というかな、全面的に見直すか、やり直さにゃいかぬというのが今の我々の指摘だ。このことをまたせっかく決めたその日の晩にそれはあかんぜと言われているということについて反省せにゃいかぬと思いますね。
 以上申し上げた上で、時間がありませんから、本当に立派なことをちゃんと言っておられますよ、間違いは一つもない。「共に生きる」社会を創造しようとしてやっているものであって、私個人が、我々在日の外国人が差別されているというそこだけを言っているんじゃない、「共に生きる」社会をつくろうとしてやっているんだよということをちゃんと言われている。そういう状況の中で、指紋押捺、常時携帯の義務と重罰を廃止した抜本改正がなくちゃいけない。これは我々の要求であるし、我々の気持ちであるということもきちんと書いておられますね。
 そういう意味からすると、私は主催者側が開会に当たっての話を一、二ここに挙げましたけれども、時間がありませんから多く言えないんで、いらいらしながら言うのですけれども、こういう指摘もあるんですよ。戦前の植民地支配によって在日を余儀なくされた韓国・朝鮮人に対するものがあるじゃないか、この歴史的な責任を認めなきゃならない。それを全然認めてないじゃないかと、今度の改正案は。こうなると、竹下元総理大臣からこの前の海部総理大臣もいろんなことでアジア諸国に対して、南北の朝鮮に対して発言したことなんていうのはどこに生きているのか、法務省はどう考えているのかという指摘をまたされちゃう。こういうことを私はそのときの印象としてたくさん持ったということを申し上げておきたいと思います。
 こんな機会でありますから、大変一方的にしゃべって申しわけないんですが、おとといも参考人の方に聞きましたけれども、一、二外国の方々の生の話を申し上げておきたい。
 ことし日本で生まれた娘が十六歳になります。指紋押捺の時期になっております。自分の意志で日本永住を選んだ私とは、また別の立場で押捺を強要されることは納得がいかない。これは本当に正直な話でしょう。これはどうするのかと、技術論じゃなくてね、技術論は千葉議員がどんどんやられましたから、そこはそれにして。
 それから、私は二十五年間日本に滞在しておりますが、指紋を九回ほどもとられました。毎回押捺を拒否してきたということで指紋押捺制度の終止符を打ついい機会だと思うから、今度の改正案を期待しておったが、やっぱり残っちゃった、こう言われているんですね、外国の方が。それは一人二人の声じゃなくてここにもたくさん列挙されているけれども、たくさんのものがある。
 それからまた、こういうことがあるんですよ。常時携帯義務は指紋押捺以上に屈辱的な強要だと思います。それは本人がそう思っているんだと反論されるかもわからぬけれども、思っている人が事実いるんだから。しかも、本人が堂々と発言され、堂々と印刷物になっているとするならこれに日本の政治はこたえにゃいかぬと私は思います。
 いろんな例をたくさん挙げたいのでありますけれども、時間の関係ありますから、省略をせざるを得ないのでありますが、一回大臣の部屋へ行ってこれ全部渡したいと思っているんだ、私。
 とても厳しい審査を受けて、今は永住資格を持っています。外登証の切りかえに指紋が不必要になるのはうれしいのですが、それが限られた人たちだけの特権ではうれしさが半減します。在留資格と期限更新時にいつもとても厳しく審査した結果の在留許可なのですと。想像できますね、審査された結果の上での在留許可です。指紋は嫌がらせ以外の何物でもありません。人権に鈍感な日本人の意識はいつ目覚めるのでしょうか。あきらめずに声を私は出し続けるしかないと思っています、ということをやはり外国人の方に言われちゃう。
 これも一部の声というかもわからぬが、私は一部でないということをよく書類を上げてもらうと同時に、大臣にこの機会にお聞きいただいて大変恐縮ですけれども、先輩議員、同僚議員の皆さん方にもお聞きいただいたわけであります。
 以上申し上げた上で、その集会でもちろんのことでありますが、四・一七集会宣言というのがここに印刷物があるんです。これも長くやると時間がありませんから、かいつまんでポイントを言います。もちろん今申し上げたような経過での集会で集まった方々がいろんな討論をされて、まあちょっといいんじゃないかという意見もあるわけですね。そうじゃないじゃないかという意見もある。そういうことをずっと集約した文章としての結語ですから。結語はこうですね。
 「今回の「改正」案が改悪でしかないとして、あくまで反対してきた私たちはこれに強く抗議すると共に、参議院での廃案を目指して、更に継続した闘いの決意をあらたにするものである」と、外国人の方と日本人の方が一緒になって決議して我々にそのことを要請されているということを、政府に今この場をかりてもう一遍申し上げておきたいと思います。
 そういうことの中から、彼らはずっと分析をして、自分たちが今申し上げたようなことを全部分析する中から、これがどうして改正ということができるんでしょうかと、こういう結びに入っていくんですね。
 それから、三月二十七日から始まった法務委員会の審議の中で政府・法務省は、これはもう先輩議員なり同僚議員がどんどんやられましたが、今までは永住者だからこそ指紋が必要だと言ってきた従来の答弁を臆面もなく変えて、永住者は定着性があるからいいんだ、非永住者は定着性がないから指紋でなけりゃ同一人性が確認できないという言い方などをやってきたときは、もう何を言っているのかと私たちは思いましたということをもう明確に、言葉の使い方は慎重にやりたいんですが、はっきり言えば、原体験者であるけれども、法律的にも政治的にも素人でいらっしゃるかもわからぬが、その方々がもうこれを見抜いちゃっているんですよ。そして、こういうことがやられているよと。こういうものが公然と集会で確認され、日本のマスコミがそのことを知っているとなったら、やっぱり本委員会も考えにゃいかぬし、政府はもっと責任を自覚するべきじゃないかということを私は強調しておきたいと思います。
 たくさんのことをしゃべりたいのでありますが、そういったことを含めて、もちろん彼らは衆議院における参考人の発言なんかも皆引用されていますから、そういう意味合いの中で言われていることは本当にもっともなことが多い。これは、同僚議員も何回か今までの質問の中でも話があったり、参考人との意見交換の中でもおっしゃっていましたけれども、できることならもう一遍出直すことができないのか。ここで今回のことは本委員会の中で附帯決議をやるとかいろいろなことがあるだろうけれども、もう一遍ひとつ十分我々と政府が話し合いをして、こういう声にこたえるためにはどうしたらいいのか、急ぐことないじゃないか、秋の国会でやったっていいじゃないかということまで実は感じていることを申し上げて、とりあえずその辺について、大臣でも、これは局長がやるなら局長でも結構ですが、ちょっと御答弁いただきたいと思います。
#67
○政府委員(高橋雅二君) 四月十七日の会合につきましては、先ほど大臣からお話がございましたが、そういう会合があるということは新聞で知っておりましたけれども、どういう結果になったのかというのは直接伺っておりませんで、今その結果を伺いまして、非常にありがたいと思っております。
 その後、四月十七日以降に法務大臣あてに要請書二件あったということを大臣から先ほど申し上げましたが、その要請書の中でも、今先生おっしゃったような趣旨が盛られております。すなわち、すべての外国人に指紋を廃止すべき、それから外国人登録証明書の常時携帯・提示義務の適用を廃止すべき、それから罰則を行政秩序罰程度にとどめるべき、こういうのが主たる内容で、私たちもそういうふうに受け取っておりますし、そういう代表の方々ともお話をしております。そういう御意見は十分拝聴すると同時に、この法案改正に至る経緯、それから内容等につきましていろいろ理解を求めるべく私たちの方も御説明したところでございます。
 いろいろ御批判はあるかと思いますが、先ほど大臣から申し上げましたとおり、この政府案というのが一番我々としては現時点における最善のものというふうに考えてお出ししているわけでございます。
 それから、韓国との関係で二年以内に、すなわち来年の一月十日までにいわゆる在日韓国人の方々の指紋押捺を廃止するという、こういうコミットメントがございますので、今の案、衆議院で修正されておりますけれども、この案に基づきましてできるだけ速やかにこれを成立させていただきたい、こういうふうに切に願うところでございます。
#68
○深田肇君 言葉のやりとりを余りやるのは私は好きじゃないからあれなんだけれども、あることは報道で知っておったと。知っておったけれども、きょう私が言うまでは調べてもいなければ事情聴取もしていない。これが問題なんだよ、これが。あんたたちは一番自分が正しいと、専門家と思っているかもわからぬけれども、対象者がだめだと言っているんだから、その会合が四月十七日にあるとわかっていたんなら、十七日の真夜中でも十八日の朝でも、それはマスコミでもいいし、皆さんを使って、深田どうなっていると聞いてくれても結構だし、当事者のところに行ってもらってもいいわけなんだよ。それがいわゆる人権問題なんだろう。
 だから、大臣が言うみたいに血が通うといったって、血は通っておらぬじゃないか、これじゃ。今の局長の答弁、私は言葉を抑えるわけじゃないが、あることは知っておったと。で、きょうまで別だと、こう言うんだろう。この姿勢じゃ血の通うという法務大臣の気持ちは全然局長には通じてないと私は思います。本当にこの点は、まあやりとりしてもしょうがないけれども、よくお考えいただいて対応した方がいいんじゃないかと思います。
 それから二つ目の問題は、これも言葉の問題かもわからぬけれども、よりいいものをつくろうとしているんだから、それは二年間の約束があって、来年の一月に間に合わそうと思ったらここでやっちまわにゃいかぬということがあるかもわからぬけれども、今PKOでもお互いに苦しんでいるわけだから、それと同じように、よりいいものをつくろうというんだからいいじゃないですか。韓国政府によく話をして、どこかで約束してことしやっちゃうと言ったかもしらぬけれども、秋には最大努力するからと。それで韓国は絶対だめだと、約束違反だと、日本政府けしからぬと言って抗議文が来るのかな。私はそんなことないと思うな、よりいいものをつくろうというんだから。あそこに書いてあるとおりのことをもっともっと具体的にやろうと思っているんだと。やるなと向こうが言っているなら別だよ。指紋押捺制度を残せと言っているなら別だよ。それをなくしましょうと書いてあるんだから、海部総理が行って。
 だから、そういうことなんかもどうも私は、これは先輩議員の前で申しわけないんだけれども、一年生議員だからこういうことを言うのかもわからぬが、どうも議会のやりとりというのは大衆や民衆から見たらわからぬことが多いよ、言葉のやりとりは。今の説明なんか黙っておったらそれで終わっちゃうんだよ。黙っておれない、私はそういうことは。こんなものは集団交渉をやったり、それから労働組合での団体交渉なんかやったらそんな言葉ではおさまらないよ。そちらも上品におっしゃるしこっちも上品にやっておかにゃいかぬから、上品に会議が終わっちゃうから、委員会というのは。だからそれで終わるように見えるけれども、これが本当の現場でのやりとりだったら今の説明で終わらないと私は思いますよ。
 したがって、そういうところはやはり、このいわゆる開かれた政治であるし、それから議会というものが大衆とともにやっていく、民衆とともに一緒に議会制民主主義を確立していくということであるなら、私のように大きな声で言葉を強く言うのはいけないことだというふうに反省しますけれども、やっぱり中身はもっと、これも叫び声として聞いてくださいよ。こういうのはもっと深刻に真剣にまじめに、言葉を返すようだけれども、血の通う政治をやるというならこれをやらにゃいかぬだろうと今思っておるということを申し上げておきたい。
 最後に全部まとめて大臣からいいお話をいただきたいと思いますが、時間がありません、次に行きます。
 次に、これはちょっと外務省とも話をしたりいろいろしていましたけれども、いわゆる一九九〇年の九月二十八日、これは日朝関係に関する三党、いわゆる自民党さんと日本社会党と朝鮮労働党、三党が共同宣言をサインした日なんです。内容は省略しますか、今日まで北京で、きょうもやっておりますが、数度にわたる両国政府の交渉がありますけれども、外登法関係についてやりとりがあるだろうと思います。これはどういうことのやりとりがあるのか。昨日ちょっと伺うところによると、どうも外務省に聞いても何かわからぬとおっしゃるけれども、それも私は先に言っておくが、外務省に聞かなきゃわからぬじゃ困るので、外務省も法務省に言わにゃいかぬし、法務省も外務省に言わにゃいかぬだろうと思っている立場を先に言っておきます、時間がありませんから。ここで駆け引きをしてあなたの言葉を引き出してもしょうがないことだから、そういう意味では、ひとつどういうことが今やりとりがあるかということを一言でいいですから簡単に聞かせてください。
#69
○政府委員(高橋雅二君) いわゆる日朝交渉において具体的にこの外登法の問題が提起されているというようなことは私たちとしては聞いておりません。
#70
○深田肇君 じゃ、日本社会党という立場で申し上げますけれども、外登法問題については第三回目ぐらいのときに正式に朝鮮民主主義人民共和国の方から外登法問題が今日本の中で論議をされているようだという意味合いで提起をされているということは我々聞いています、これは党の関係で。したがって、ぜひひとつ調べていただきたい。
 私は、日韓覚書との関係を含めて、いわゆる国連加盟をされておる朝鮮民主主義人民共和国との今国交正常化に向かって話をしている過程ですから、そこで三党共同宣言は、きのう法務省の方が御存じでいらっしゃるのか謙虚な顔でおっしゃったものですからコピーをして差し上げました。いろんなことがありますが、時間がありません、これも省略しますけれども、新聞報道にたくさん書かれたように、戦前三十六年間の日本のいわゆるあの植民地支配に対しての反省をする、戦後の今日までの間におけるいわゆる差別を初めとするいろんな問題についてもこれも反省をして謝罪をしなきゃならぬ、償いもしなきゃならぬということを三党確認をした。なおかつそれに基づいて、御承知のことと思いますが、元総理大臣の竹下さんが予算委員会でそのことを発言される、その後海部総理大臣が親書を、当時の肩書は元副総理ですが、金丸先生に託されて、そして相手方にそのことをやっていくと。もう三党共同宣言の文書の中に入っているんです。こんなものは本当は共同宣言に入らぬものだと思ったけれども、自民党さんも入れてもいいだろうと、自分から入れようとおっしゃるものだから入っちゃったんで、そういうことまで書いてある文書がある。
 その中でのくだりを、前提を申し上げた上で具体的なことを紹介しておきますが、四の項目に「三党は、在日朝鮮人が差別されず」、「されず」ですよ、「その人権と民族的諸権利と法的地位が尊重されるべきであって、日本政府は」、ここに「日本政府」が入っている、「日本政府は、これを法的にも保証すべきであると認める」ということを金丸信さんがサインした。一個人でやったと言いますか、自民党がやったんで政府は関係ないとおっしゃいますか、そうはいかぬでしょう。と考えますから、そうなると「政府は、これを法的にも保証すべきである」ということを確認したのが今から一年半、二年ちょっと前ぐらいになる九〇年の九月二十八日であるということになり、今日まで約七回、八回にわたってのいわゆる交渉があるとするならば、今回の、本当のこと言えば今回の皆さんが出す案のときにはこのことも十分参酌されてやっておられるんじゃないかと思いますが、これはもう全然気にもとめなかったことですか、とめられて案をおつくりになったですか、事務的に教えてください。
#71
○政府委員(高橋雅二君) 直接的には、今回の改正案は昭和六十二年の一部改正案の成立の際の衆参両院法務委員会におきます附帯決議及び日韓の覚書に基づくものでございますが、この案の作成の段階におきましてはいろいろな意見とかいろいろな考え方、いろいろな情勢を考慮いたしたところでございまして、当然この三党の共同声明といいますか、こういうものも一つの参考とさせていただいたところでございます。
 それで、三の提出しました内容は、いわゆる在日韓国人に限らず特別永住者及び永住者というものに新しい制度が適用されるということになっておりますので、今先生のおっしゃいました三党の声明に反するものではないと、こういうふうに考えておるところでございます。
#72
○深田肇君 時間がなくなってしまったんで残念なんでありますが、これもまも言葉の問題ですけれども、参考にしたということはまあまあ言うところの、日本語で言えば参考にされたんでしょうけれども、参考にしたということになると本当に不十分だと。参考にしていないと言われればそうかと、じゃ参考にしてもう一遍考え直してはと法務大臣に言おうと思ったが、参考にしたとなると、参考にしたんならこれはもう不十分きわまるなというふうに私は逆に言わにゃいかぬということを、今私の意見として申し上げておきたいと思います。
 そして、残り時間あと一、二分でありますが、今は四月十七日の話を中心としてやってまいりましたけれども、五月十三日の日付で、在日大韓基督教会の総会の名前で私どものところに要請書が来ました。これも明確ですね、四月十七日よりももっと鮮明だと言ってもいいと思うけれども、これもう明確に書いてありますね。
 「四月十七日、衆議院において」云々とありまして、この決定は「倫理的誠実さと正当な論理に欠けた「改悪」法案だと言わざるをえません」と、ここまで決めつけられているんだからね。これは大臣、深刻に考えにゃいかぬ。これは間違いなら間違いと言わにゃいかぬ。間違いがあるならどうするのか。それは衆議院の附帯決議、五年後にはもう全部おっしゃるとおりなるでしょうという約束できるかどうかということにも関連する。私は、五年などと言わずにもう今取り下げてやり直したらどうですかと言っているんだが、それはまあいろんなことがありましょうから私の意見として言っておきますけれども、私は、ここまで当事者の方々がおっしゃっているとするならば大変なことだと思います。
 しかも、もうどこの団体なりどこの個人の方もおっしゃいますけれども、長期滞在者、永住者だからこそ指紋が必要だとしてきた答弁に変えてこうなったことは、全く論理的に破綻をした説明であって、繰り返してこれはどうにももう信用できないと言っちゃっているんですよ。これじゃだめだな、ここまで思われてしまってはと、私は率直に思います。
 あとは重複項目だから省略いたしますが、そこで附帯決議に関連をしてこれまたしっかりと書いておられるんですね。衆議院の附帯決議において施行後五年を経た後に速やかに制度のあり方を検討するとされているけれども、一体いつまで私たちはこの排外主義、それは自分がそう思うんだとおっしゃるかもしらぬけれども、私は本当に日本の政治の方が誤りがあると思う。彼らの指摘を認めざるを得ないと思っているから言うんだけれども、いつまで私たちはこの排外主義、差別的な管理、抑圧制度のもとに生きなければならないのでしょうかと質問されたら、私は本当に彼らの気持ちをわかるだけに、これ何とかせにゃいかぬと。いつまでということがあるんだから早い方がいい。早いうちに何とか出るよと今大臣から言葉をもらえるなら安心だけれども、いつまでたったってそれは物の考え方の違いだというんであれば、これは大問題だと私は思います。
 時間がありませんからこれでやめますが、本当は一九八七年の衆議院、参議院の附帯決議と今日の関係、そしてせんだっての衆議院における附帯決議をどういうふうにこれからやるべきかということなどについて話をしようと思いましたが、持ち時間参りましたのでやめますが、最後に申し上げましたように、五月十三日の在日大韓基督教会総会の決議というものは、より私は深刻に受けとめて対応すべきものだと思うということを最後に申し上げて、大臣に積極的なお言葉をいただければありがたいと思います。
#73
○国務大臣(田原隆君) ただいま深田先生から、大変短い時間でございましたが、いろんな点を御指摘いただいて大変ありがとうございました。私ども、運営に当たりまして、できるだけ先生のお気持ちを尊重しながら、血の通った人道的な立場で運営に当たりたい、そういうふうに考えております。
#74
○深田肇君 終わります。
#75
○委員長(鶴岡洋君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十七分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二分開会
#76
○委員長(鶴岡洋君) ただいまから法務委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、外国人登録法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#77
○野村五男君 質問させていただきます。
 外国人登録法の改正案の審議が現在行われておりますが、外国人登録法に限らず、現在外国人に関する各種の立法は、我が国の国際化に伴う在留外国人の増加とその活動内容の多様化に伴い、本来その法の予定していないような状況が生じるなどして、対応に苦慮するようなさまざまな問題が生じてきております。
 これは外国人登録や入管行政に限らず、労働、福祉、厚生、治安その他いろいろな行政分野においても同様でありますが、こうした状況のもとでこうした問題に対する対応はいかにあるべきかについて、国民さらには諸外国の関心が非常に高まってきており、このような状況のもとで行われている今回の外国人登録法の改正もまた非常に注目されているものであります。
 どころで、外国人登録法の目的を見ますと、「在留外国人の公正な管理に資する」とあります。この規定は、外国人登録法制定から現在に至るまで変わっておりませんが、制定当時と現在とでは在留外国人の数も活動内容も全く異なっているのではないかと思います。
 そこで、まず最初に、二十年前と比較した我が国での外国人登録数の推移について、国籍別、在留資格別を含めてお聞きします。
#78
○政府委員(本間達三君) お答えいたします。
 平成二年末現在におきまして、外国人登録者数は百七万五千三百十七人でございます。二十年前は昭和四十六年でございますけれども、このときの登録者に関する統計がございませんので、恐縮でございますが、二十二年前、昭和四十四年の統計によって申し上げますと、当時の外国人登録者数は六十九万六千四百五人となっておりまして、平成二年末現在の数は二十二年前に比して五四・四%増加しているということでございます。
 次に、国籍別で申し上げますと、二十二年前の昭和四十四年におきましては、韓国、朝鮮が六十万三千七百十二人でございまして、次に多いのが中国の五万一千四百四十八人、次いでアメリカが二万六百四十四人、次にイギリスが二千八百五人というふうに続いております。韓国、朝鮮の方々の占める割合は全体の八六・七%に及んでおりました。
 平成二年末現在におきまして、韓国、朝鮮の方々が六十八万七千九百四十人でありまして、以下、中国が十五万三亘二十九人、ブラジルが五万六千四百二十九人、フィリピンが四万九千九十二人、アメリカが三万八千三百六十四人という順になっております。全体的に見まして、韓国、朝鮮の方は全体の六四%を占めて、依然として多いわけでございますけれども、中国、ブラジル、フィリピン、アメリカといった登録者数の方が増加しているという傾向が見られます。
 次に、在留資格別で見ますと、昭和四十四年には、戦前から我が国に在留している韓国・朝鮮人の方とその子孫の方々などの永住者等の数が六十一万二千九百六十八人と最も多く、次いで、現在で言いますところの家族滞在といいますか、要するに在留資格を有する者の被扶養者の資格を持っておられる方が九千六百七十六人、次いで宗教活動が五千五十二人、留学生が三千六百八十二人、商用入国者が二千九百九十四人というふうに続いておりまして、永住者等が全体の八八%を占めておりました。
 他方、平成二年末では、永住者等が六十四万五千四互二十八人でございまして、次に多いのが就労が認められている者で六万一千五百六十五人、次いで留学が四万八千七百十五人、それから就学が三万五千百九十五人、研修が一万三千二百四十九人でありまして、全体的に見まして、永住者等の数が全体の六〇%という割合で、依然として多いわけであります。他方、留学等一般の在留者の外国人登録者数の数が、合わせまして四十二万九千八百七十九人となっておりまして、構成比の面で、二十二年前の二一%から四〇%に増加しているという状況が認められるわけでございます。
#79
○野村五男君 あわせて、新規に我が国に入国する外国人数の推移についても、同じく二十年前と比較して、国籍別、在留資格別を含めて説明願います。
#80
○政府委員(本間達三君) 平成三年中の統計で申しますと、平成三年中の外国人の新規入国者数は三百二十三万七千八百七十四人であります。二十年前、すなわち昭和四十六年におきましては五十二万五千九百六十三人でございましたから、約六倍の増加となっております。
 二十年前、昭和四十六年の新規入国者数を国籍別に見ますと、米国が二十六万七千二百九十二人と最も多く、以下、韓国、台湾、英国、旧西ドイツという順になってございます。
 欧米諸国からの入国者が全体の七割弱を占めていたわけでございますが、平成三年の新規入国者を国籍別に見ますると、韓国が七十九万五千四百九十六人と最も多く、以下台湾の六十三万六百十九人、米国の四十九万五千八百四十二人、以下、香港、タイ等の順になっておりまして、アジア諸国からの入国者の増加が顕著になっております。すなわち、アジア諸国からの入国者は二百十万五千五百七十三人で、全体の六五%を占めるに至っております。
 また、新規入国者を在留資格別に見ますと、二十年前の昭和四十六年には、通過、観光目的の者が三十六万八千三人、構成比としましては七〇%でございました。これが最も多く、次いで英語教師等特定の在留活動を目的とする者で法務大臣が特に認める者というものが六万七千二百六十六人、短期商用等を目的とする者が四万七千八百五十三人、長期商用を目的とする者が一万四千六百十三人という順序になっておりました。
 平成三年には観光、商用等を目的とする短期滞在者が二百九十七万九千五百四十七人、全体の九二%に及び最も多くなっておりまして、これは傾向としては二十年前と変わっておりませんが、他方、興行あるいは人文知識・国際業務、企業内転勤等、就労があらかじめ認められている一般的な在留資格で入国している者が十一万一千七十三人、また研修が四万三千六百四十九人、日本人配偶者等の在留資格を持っている者が二万二千八百二十人、就学が二万六百五十四人と、その活動内容が多様化しているということがあらわれております。
#81
○野村五男君 かように我が国での登録外国人数及び新規に入国する外国人数とも大幅に増加しており、また、これらの人々の在留活動の態様も大きく変化してきているのでありますが、かかる情勢の変化をも踏まえて、外国人登録制度がどうあるべきかについて検討されていかなければならないと考えるものであります。
 今回の改正案は、昭和六十二年の外国人登録法の改正の際の衆参両院法務委員会における附帯決議と、昨年一月に海部前総理が訪韓した際に決着した日韓法的地位協定に基づく日韓両国間の協議の結果を踏まえたものであるという改正の経緯はこれまでに何度もお聞きしているところでございますが、具体的に昭和六十二年の改正以後、どのような検討作業が行われてきたのか、その概略についてお尋ねしたい。
#82
○政府委員(高橋雅二君) お答えいたします。
 今回の改正案の策定に当たりましては、前回の改正の後から、法務省内における検討委員会等の場で指紋押捺にかわり得る新たな同一人性確認手段の研究開発に着手する一方、その過程で、制度全般にわたる意見交換の場として有識者で構成される懇談会を設けまして、あるいは地方自治体や各種外国人団体等からも幅広く意見を聴取しているところでございます。さらに、改正案策定のため参考とする月内で、諸外国における外国人登録の法制度に関する調査を実施したところでございます。
#83
○野村五男君 今回の改正案は、指紋押捺にかわる手段を写真、署名及び家族事項登録の複合的手段としているわけですが、これが外国人登録制度の同一人性確認手段として合理性を有するものであるとするならば、諸外国においてもこのような手段を採用している国がかなりあるはずだと思います。もちろん、外国人登録制度は外国の特性や歴史性を反映しており、全く同じ制度というものは考えられないわけですが、我が国の外国人登録制度を諸外国から見た場合、外国人の人権に十分配慮した合理的なものであるという印象を与えるか、あるいは何となく理解しがたい制度であると感じさせるかどうかは、我が国の制度が諸外国においても類似のものがあり理解しやすいものであるかどうかということがかなり影響すると考えます。世界に全く例のない制度であれば、諸外国にその制度を理解してもらうだけでも大変であり、無用の誤解を生む可能性も否定できません。
 こうした点を考えますと、今回の制度改正を行うに当たっても諸外国の外国人登録制度について調査されたと思うわけですが、いかがですか。調査されたとしたならば、どのような諸国を調査されましたか、お伺いします。
#84
○政府委員(本間達三君) お答えいたします。
 平成二年度でございますけれども、外務省を通じましてアジア、ヨーロッパ、南北アメリカにわたりまして計四十六カ国につきましてそれぞれの外国人登録の方式あるいは外国人登録における同一人性確認の手段等に関して調査を行いました。
 その調査の結果として、指紋押捺制度を採用している国といたしましては、米国、メキシコ、韓国、インドネシア、エジプト、ポルトガル、スペイン等の十九カ国であるということが明らかになりました。
#85
○野村五男君 その調査の結果、指紋押捺制度を有する国はどの程度ありましたか。また、その主な国の名を幾つか挙げていただきたい。
#86
○政府委員(本間達三君) 失礼しました。
 ただいまお答え申し上げましたとおり、指紋押捺制度を採用している国といたしまして、米国、メキシコ、韓国、インドネシア、エジプト、ポルトガル、スペイン等十九カ国がございます。
#87
○野村五男君 もうちょっと大きな声で答えてください。
 外国人に指紋押捺をさせるのは法のもとの平等に反するとか、外国人の品位を汚す行為であり国際人権規約B規約上も問題であるという議論がありますが、私は、指紋押捺というのは外国人の同一人性を確認するための極めて技術的な制度であって、国際人権規約B規約に抵触するところはないと考えています。今説明された指紋押捺制度を採用している国は、国際人権規約B規約に加入していない国ばかりなのですか。加入している国があるとすれば、その国では指紋押捺は品位を汚す行為だから国際人権規約B規約に違反するとされているのでしょうか。そうではないでしょう。国際人権規約B規約には違反しないとされているのではないですか。
 そこで、今説明があった、指紋押捺制度を採用している国の国際人権規約への加入状況を教えていただきたい。
#88
○政府委員(本間達三君) 先ほどお答えいたしましたように、四十六カ国を調査いたしまして、そのうち十九カ国において指紋押捺制度を採用しているわけでございますが、その十九カ国のうち、国際人権規約B規約の締約国といたしましては、韓国、フィリピン、エジプト、ポルトガル、スペイン、メキシコ、ブラジル、チリ、コロンビア、ペルー及びベネズエラの十一力国がございます。
 締約国でない国は、アメリカ合衆国、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、シンガポール、タイ及びアルゼンチンの七カ国となっております。
#89
○野村五男君 やはり私としましては、指紋押捺制度の採否は国際人権規約B規約とは関連がないという意を強くしております。
 また、今回新たに採用する写真、署名及び家族事項登録という複合的手段をとっている国の数を幾つか代表的な国名とともに教えていただきたい。
#90
○政府委員(本間達三君) 先ほど申し上げました調査の対象といたしました四十六カ国について見ますと、写真、署名及び家族事項を同一人性の確認手段として採用しております国は、インド、イスラエル、フランス、ドイツ、ハンガリー、オランダ、アイルランド、スイス、ギリシャ、スウェーデン、英国等の十四カ国でございました。
#91
○野村五男君 家族事項の登録を採用している国における登録すべき家族の範囲など、具体的な内容がわかれば教えていただきたい。
#92
○政府委員(本間達三君) お答えいたします。
 登録事項としております家族、その範囲につきましては各国によりまして区々にわたっておりますが、一、二例を申し上げますと、例えばフランスの場合ですと、両親の氏名、配偶者の氏名、国籍、滞在許可の種類、滞在許可番号、それから十六歳以下の子供の数、それから身分事項、すなわちフランス国民かフランス生まれかあるいは単なる滞在者か、そういったものを登録するということになっているようでございます。英国の場合ですと、配偶者の氏名と登録番号が家族事項として登録するということになっています。それから、ドイツの場合ですと、家族の氏名、旧姓も含めまして登録するようでございますが、その家族の氏名あるいは通称名、あるいはその生年月日、性別、学位、出生地、国籍、宗教、続柄、婚姻年月日及びその場所、それから同居していない配偶者の氏名、生年月日、住所、宗教、そういったことが登録事項というふうになっているようでございます。
#93
○野村五男君 外国人登録証明書の携帯義務の有無については調査したのでしょうか。調査しておればその概要について説明願いたい。
#94
○政府委員(本間達三君) 調査いたしました四十九カ国について外国人登録制度に類する制度を採用しております国は四十六カ国ございまして、そのうち外国人登録証明書、これはこの中には旅券も含みますが、そういった登録証明書等の携帯・提示制度を採用しております国は三十八カ国に及んでおります。このうち旅券の携帯・提示制度を採用している国は、アイルランド、フィンランド、スウェーデン、ドイツの四カ国でございます。提示制度を採用している国は八カ国、そのうち旅券の提示制度を採用している国は二カ国あります。
 各国の法令を見て言えますことは、いずれの国におきましても、在留を許可されている外国人であるか否か、またどのような在留資格を持っている人であるかということを明らかにするために、外国人登録証明書もしくはこれに類するもの、または旅券等の携帯ないし提示義務を課しているというのが一般的でございます。
#95
○野村五男君 そこで、ただいま当局から説明があった在留外国人の大幅な増加という現在の状況、さらには諸外国の外国人登録制度の実情を踏まえ、法務大臣として今後の我が国の外国人登録制度のあり方についての抱負をお聞かせ願って、私の質問を終わらせていただきす。
#96
○国務大臣(田原隆君) お答えします。
 外国人登録制度は、内外の諸事情の変化に応じ、それに適応したものであるべきことは当然であります。今回の法改正作業におきましても、先生御指摘の諸事情等を踏まえて検討した結果、この案が現在の時点において最善の法案であるとの確信を持って今国会に提出させていただいたわけであります。
 今後は、この法の趣旨を踏まえて外国人登録法の定めるところにより外国人登録行政の適正な運営に努めたいと思いますが、その運用に当たっては、午前中も申しましたように血の通った運営といいますか、外国人の立場に立って十分人権を尊重した運営に努めたい、そういうふうに考えておりますし、また、これを適用し運用した結果いろんなことがわかってくれば、それはいろんな面で次の機会に反映させるというようなことに努めてまいりたい、こういうように考えております。
#97
○中野鉄造君 私は、前回に引き続きお尋ねいたしますが、過日の参考人の質疑の折に、現在法務省に保管されている指紋原紙の件についてどういうようにした方が皆さん方としては一番納得されるでしょうかというような意味の質問をいたしました。そのときに、これは本人に返すべきだというような参考人の陳述がございました。この取り扱いについてどういうお考えを持っておられるのか。
 それと、二点目として、衆議院の委員会の議事録を見ますと、五年後には全部これが入れかわってしまえば、法務省にある指紋原紙というのが余り持っていても意味がないのじゃないか、こういったような答弁がされておりますけれども、全部入れかわるということは一体どういうことなのか。全部入れかわらなければいつまでも処分できないというのかどうなのか、その辺のところをお尋ねいたします。
#98
○政府委員(高橋雅二君) 指紋原紙の取り扱いにつきましては、これは指紋押捺そのものの目的は本人の同一人性確認のために押捺を求めているわけでございますので、今度は新しい制度によりまして、写真と署名と家族事項の登録というこの三点セットによって指紋にかわり得るわけでございますので、これが適用される人につきましては指紋というものは不必要になるわけでございます。
 そういたしますと、この法律が改正されまして、五年の間に永住者、非永住者の人はすべて新しいシステムにかわりまして、すなわち登録に当たっては家族事項とそれから署名をしていただく、それから写真を出していただく、こういうことになりまして、もう指紋は必要なくなる、こういうことでございます。これの最後が、確認期間が五年ということになっておりますので、五年後に最後の人が確認を行って、それで理論的にはその時点におきまして指紋というものは永住者及び特別永住者にとっては法務省としては本人の確認手段としてはもう必要がない、こういう状況になるわけでございます。そういたしますと、その必要がなければこれを持っていても保存という意味がないんじゃないか、こう思うわけでございます。それで、そういう観点からいたしますと、今私たちとしては指紋原紙をどうするかということをこれから検討するわけでございますが、必要がないものを持っていても持つ理由がございませんので廃棄するという方向でこれを検討したいということでございます。
 なお、先生が御指摘になりました参考人の方々の中で、指紋原紙は返してほしいという意見がございました。それから、私たちの陳情に来られた方もそういう意見をされた方もございますが、これはそういう方々から見ますと、これは自分のプライバシーの一部だから返してほしい、こういう論かと思いますが、これを返すべきものであるというふうには今のところ考えてはおりませんが、廃棄する方向で考えたいと思っております。
#99
○中野鉄造君 返してもいいんですね。返しちゃまずいという理由が何かあるんですか。
#100
○政府委員(本間達三君) 指紋原紙は登録制度の運営のために必要であるということで、国が必要性を認めて、これを作成し、そし保管していく、制度維持のために利用したものでございます。
 一般的に言えば、国が制度上必要として保管し、これを使用してきたものを一般的に廃棄する場合にその当該関係者本人に返すべきかどうかという一般論もございますけれども、国の制度として維持してきたものを制度が変更になり、不要になった公記録をどう廃棄するかということにつきましては、国が責任を持ってこれを廃棄するというのが一般でございますので、それに従いたいというふうに考えているわけでございます。
#101
○中野鉄造君 そこで、今回のこの法案が可決されて、そして新しい法律が施行されるまでの経過措置として、施行されるまでの期間の問はどういうような処置をとられますか。今までどおりでしょうか。それともそれに準じたような何か方策を考えておられますか。
#102
○政府委員(本間達三君) 新しい制度に完全に切りかわるまでの原紙の取り扱いについては、これは厳重に保管し、本来の目的以外には一切使用させない、使用しない、そういう形で責任を持って保管するつもりでございます。
#103
○中野鉄造君 とりあえず、今回の措置は永住者等の指紋押捺廃止というのを第一のステップとして、近い将来には第二のステップとして在留資格による区分を撤廃する道につなげるべきだというふうに思うんですが、その点はいかがでしょうか。
#104
○政府委員(高橋雅二君) 事務的な答弁で恐れ入りますけれども、現在私たちといたしましては特別永住者及び永住者につきまして、指紋押捺を廃止して新しい制度を適用するということが現在における最善の策でございまして、何とかこの法案を通していただいて、こういう新しいシステムを実施したい、こういうふうに思っているわけでございます。
 将来の姿はどうであるかということにつきましては、先ほど来大臣から御答弁申し上げましたように、新しい制度を実施する過程におきましていろいろな問題が起きますので、これを参考にしつつ検討していきたいと思っております。一般論といたしましては、指紋押捺というものは、確かに、押捺を求められる人にとっては心理的負担があるものであって、かつ、これが人権の問題であると感じておる方がおられるということも事実でございますので、もし指紋押捺にかわる同一人性確認の手段として有効なものができれば、これに変えていくというのは望ましいのではないかということは一般的には言えるかと思いますが、現時点においてはこれが最善のものと考えておりますので、何とかこの法案を成立させていただきたいというところでございます。
#105
○中野鉄造君 大臣からもお願いいたします。
#106
○国務大臣(田原隆君) 長期滞在者の方についてのことだと思うのですが、今政府委員からお答えしましたように、現時点では指紋押捺にかわるいわゆる三点セット、これが一番いいものだということで出させていただきましたが、技術の進歩もあり得るし、また、いろんな変化もあり得ますから、同一人性を確認する手段として将来これよりもとにかくいいものができて、そして指紋押捺にかわる定着性のない定住者の方にも適用できるような程度の高いものができたときは、当然廃止していく方にいっていいのではないかと、そういううふうに考えております。
#107
○中野鉄造君 私が聞いているのは、在留資格による区分を撤廃することをお考えになっているかと、将来的に、その点をお尋ねしたい。
#108
○国務大臣(田原隆君) 結局、つまるところ、指紋が要る方と要らない方というのは区分で出てきますが、その指紋にかわる手段が本当にもっと程度の高い、定着性のない人にもそれでいいという方法が開発されたら、その時点では区分を全部なくしていいのじゃないかと、そういうふうに申し上げているわけですから、先生のおっしゃることと同じではないかと、そういうふうに思います。
#109
○中野鉄造君 指紋にかわるべきとこう簡単に申しましても、そういうのはまずないんじゃないでしょうかね。あり得ないと思うんです、この間も参考人のいろいろな開陳の中でも再三申されておりましたけれども。
 ところで、署名についても、署名ができない外国人についてはどういうように対処されるのか。窓口において、署名をしない人と、署名をしようにもできない人とがあると思うんですけれども、その辺の判断をどういうふうにされるのか。また、署名ができない者が苦痛を感じないような、屈辱を感じないような、そういうような何かお考えを持っておられるのか、その点をお尋ねします。
#110
○政府委員(本間達三君) 署名をしていただかなければいけない方が種々の理由によって署名をしないという場合が考え得るわけでございまして、先生御指摘のように、書こうにも書けない、いわゆる無筆の方という方もおられましょうし、あるいは体の故障があって書けない場合もありましょう。また、あえて署名をしないという方もおられましょう。いずれにいたしましても、署名がないということは同一人性確認手段の一部が欠けるということでございますので、これらの方々につきましては次回確認期間の短縮という措置をとるということで、改正法の中で明らかにしたところでございます。
 署名できない人なのか、あるいはあえてしない人なのかの区別をどうつけるかということでございますけれども、これは現場の窓口での状況いかんによって判断をせざるを得ないわけでございます。
 署名をできるのにあえてしない、こういう方々につきましては、単なる確認申請の短縮にとどまらず、不署名という犯罪を構成するということもございますから、そういう点ではその区別というのは非常に重要な点と思いますが、窓口事務におきましては、行政上の手続として確認期間の短縮ということがなされるということで対処するということにいたしておりますので、その点の厳密な認定といいますか、これはそう難しい問題にはならないんではないかというふうに予想しております。
#111
○中野鉄造君 ちょっと語尾が余りはっきりしませんで、もう少し堂々と答えていただきたいと思うんですけれども。
 どうも現場では、本当にこの人は書けない人なのか、まあ、わざとする人も少ないかもしれませんけれども、書けるにもかかわらず署名したくないということのゆえに、おれは書けないんだ、こういうようにおっしゃるのか、その辺の判断というものがいろいろ地方の末端の窓口ではそこらでいろいろなトラブルが起こってくるんじゃないかというようなことも懸念されるんですけれども、そこらの判断をどうするのか。署名ができないならば仕方がない、それじゃ同一人物だということは写真でということだけで、それでいいのかどうか、その辺いかがでしょうか。
#112
○政府委員(本間達三君) 窓口の問題でございますから、これはどういう対応をするかというごとは、私どもよくその点を指導して、市区町村の方に的確な態度をとっていただかなければいけないというふうに思いますが、一般的に申し上げれば、署名をしていただくについては十分その御協力が得られるように説得していくという以外に道はないと思います。その際に、署名をしないのかできないのか、そういうトラブルといいますか問題が全くないのかどうかという点になりますと、これはちょっと何とも申し上げられませんけれども、窓口のところでは、いずれにしましても署名を求めて、しかもどうしても本人が納得されないということであれば、それはそれでそれなりの、確認期間の短縮という措置に移行していくということになるものと考えております。
#113
○中野鉄造君 そういうことになると、今度は頼るべきところは写真だということになるでしょうけれども、その写真にしても、今度はいろいろ様式が変更されるように聞いておりますが、大きい写真を持ってこられて、これは小さ過ぎてだめだというようなことで、何回も足を運ばなくちゃいけないというようなことで、また要らざるトラブルが起きるというようなこともこれはあり得ると思いますので、鮮明なということであるならば、やつぱり市町村の窓口にそれなりの写真を撮るためのあるいは設備を備えるとか、そういうようなことは考えておられませんか。
#114
○政府委員(高橋雅二君) 確かに、新しい制度に移行しまして、新しい制度が指紋押捺の廃止というプラスの面を損なうようなマイナスの面が出てくるということになりますと、せっかくの制度改正の趣旨が損なわれますので、この新しいシステムによって新たな負担にならないように、混乱が生じないように、そういうことでやるべきことは当然でございまして、そのように努めたいと思っております。
 写真につきましては、規格については撮影画の期限、その地大きさとかそういうものにつきまして法務省令において規定する予定にしております。
 それから、具体的には外国人の負担も考慮しまして、旅券発給申請の際に提出する写真と同じ大きさとするほか、鮮明な写真を確保する観点から、無背景のものに限定することなどを考えております。
 また、市区町村において写真を撮るということも考えられないかということでございますが、これは予算の関係とか、それから場所の関係とか、そういう観点もございまして、地方入国管理官署におきまして無料で写真を撮ってあげるという、そういうシステムにいたしたいというふうに考えておるところでございます。そこでは官側が撮影してそれを提供する、こういうことにいたしたいと思います。もちろん、それでなくて自分でおやりなる方は、法務省令に規定する規格に沿ったものを出していただければよろしいわけでございますが、その規格もできるだけわかりやすく、それから余り世間の常識に反しないようなものにいたしたい、こういうふうに考えております。
#115
○中野鉄造君 次に、罰則についてお尋ねいたしますが、居住地等の変更登録義務違反に対する罰則について自由刑を廃止する修正が行われたということは、これはまあある程度評価できるわけです。
 そこで、私、参考までにお尋ねいたしますが、諸外国といってもいろいろ差異があると思いますが、まず、さしあたって韓国あるいは朝鮮、そういうところにも私たち日本人の同胞が居住している、滞在しているという方々が多くおるわけですけれども、その人たちに対するこういう入国管理上のいろいろな義務違反と申しますか、こういう外登証の不携帯だとか、あるいは指紋押捺拒否だとか、あるいは虚偽の申告をしたとか、そういったようなときの罰則というようなものがわかっておるならば、参考までにお尋ねいたします。
#116
○政府委員(高橋雅二君) それでは、韓国におきます取り扱いにつきまして御説明させていただきたいと思います。
 韓国におきましては内外国人の出入国管理、外国人の在留管理、外国人登録を出入国管理法という法律によって規定しているところでございますが、この法律によりますと、韓国への入国の日または韓国での出生等の日から九十日以上滞在することとなる者は入国管理事務所へ居留申告を行うべきこととされておりまして、居留申告を行った外国人は居留申告の日から十四日以内にその者の居住する市、まあ市といいましても中に区とかいろいろあるようでございますが、その長に外国人登録を行う義務があるほか、居留地等の変更申告の義務等が課せられております。
 これらの義務に対する違反につきましては、居留申告を行わなかった者及び外国人登録をしなかった者につきましては、三年以下の懲役もしくは禁錮または三百万ウォン以下の罰金に処せられることとなっておるようでございます。
 それから、居留地の変更申告、居留地からの転出とか新居留地への転入の申告でございますが、これをしなかった者や、それから居留地以外の居留申告事項の変更の申告を行わなかった者は二十万ウォン以下の罰金に処せられるということになっておるようでございます。
 また、外国人には旅券または居留申告書、これは居留申告を行った者に発給される証明書でございますが、これの常時携帯の義務が課されております。これに違反いたしますと二十万ウォン以下の罰金が科せられるというふうになっているということで承知いたしております。
 それから、指紋押捺についてでございますが、十四歳以上の外国人で在留期間が一年以上となる者が指紋押捺の対象となっておりまして、居留申告に際して十指の指紋を押捺することになっております。これを拒否する者についての罰則は定められていないものの、先ほど申しました法律の三十一条第四項で、居留地管轄事務所長、これは入国管理事務所長と同じ者でございますが、この管轄事務所長は指紋押捺を拒否する外国人に対しては在留期間延長許可等この法による許可をしないことができるとして、行政上の制裁措置を課することができる旨規定していると、そういうように承知しております。
 なお、百ウォンは現在十六・九円ということのようでございます。
#117
○中野鉄造君 朝鮮はわかりませんか。
#118
○政府委員(高橋雅二君) 北朝鮮につきましては、そういう資料を持ち合わせておりません。
#119
○中野鉄造君 この間の参考人の質疑のときも、私、この点についてお尋ねいたしました。参考人からのお答えは、韓国では悪法を平等に今行っておるというような個人的な見解をお述べになった参考人がいらっしゃったわけです。
 確かに、率直に申しまして、今日本人の中にも、今お答えがあったようなそういう韓国でもかなり厳しい罰則が適用される、また指紋押捺も行われておるというようなことから見て、韓国、朝鮮の方々が他にそれを求めるならば自分たちもやっぱり多少改めるべきではないかというような、そういう考えを持った国民も少なからずいるということもまた事実なんですが、そういう方々に対して今回のこの改正法をめぐってどういうような説明をされますか。
#120
○政府委員(高橋雅二君) お答え申し上げます。
 この外国人登録制度を持つべきか、また、外国人登録制度を有する場合にどのような手段でどのような方法でやるかということにつきましては、その国の置かれた国際的な立場、国際情勢、歴史、文化等いろいろございまして、一概にこういうのが理想的と、こうあるべしということはなかなか言いにくいことでございまして、それぞれの国の事情があり、それを尊重すべきだと考える次第でございます。
 我が国の法律の中におきますこの指紋押捺制度との関連で申しますと、今、相手国との関係でどう考えるかというのが御質問の趣旨だと思いますが、私たちとしては、この指紋押捺制度は同一人性確認の手段の技術的な方法と考えておりますので、これを相手国がとっているからそれとの比較でどうだということには必ずしもならない。私たちは私たちの考えで、日本として必要であり、あるいはこれがほかのものにかえられればかえていくと、そういう態度で臨むべきではないかというふうに考えておりまして、質問があればそのように答えるということにしておるところでございます。
#121
○中野鉄造君 この間の参考人の方の中にも、経済大国と言われる今の日本がそういう寛容な姿勢を率先してまず履行していただくならば、韓国を初めほかの国々もまたそういうものに応じてくるんではないでしょうかといったような趣旨のお話もあっておりました。
 それはそれとして、外国人に登録証明書の携帯を求めることの意義を改めてお尋ねしたいわけですが、それと同時に、警察活動において登録証明書の提示を求めるのはどういったような場合が想定されるでしょうか。
#122
○政府委員(本間達三君) お答えいたします。
 外国人登録証の携帯を義務づける理由でございますけれども、外国人の方につきましては、もう前にも何度か御議論がございましたとおり、日本の国家の許可によって初めて在留することができるという資格でございますので、そういう方々であるということを現場においてといいますか、常に把握できる状態にしておくということが必要だということで携帯を義務づけているというふうに理解しているところでございます。
 それから、提示を求める場合、例えば警察官の場合にどういう場合が考えられるかということでございますけれども、これは外国人登録法の規定の中にもございますとおり、警察官等の官憲がその職務の執行を行うに当たって提示を求めることができるということが規定されているわけでございます。その職務の執行というものが、本来適正な職務の執行を行うべき理由があって、そしてその方に何らかの質問をするとかそういう形になったときに提示を求めるというふうに理解されるわけでございます。典型的な場合といたしましては、何か犯罪を犯したんではないか、あるいは犯罪について知っているんではないかというようなことで警察官職務執行法上の職務質問を行うという場面が想定されるわけですが、そういう場面において、あなたはどなたですかということでその登録証の提示を求めるという場面が考えられると思います。
#123
○中野鉄造君 韓国では、この間の参考人の話の中にもありましたけれども、この外登証の証というのを例えて、これは犬の鑑札だというようなことさえ言われておるそうですが、この携帯制度について、今お話があったようなことで、違反者に対する罰則規定の運用についてはこれを慎重に誤らないようにすることが必要であるのは当然ですけれども、外国人に対してそういう提示を求めてみたり、あるいはそういったようなときに不愉快な気持ちを与えないような運用に対する決意と申しましょうか、そういう点についてお聞かせいただきたいと思います。
#124
○政府委員(本間達三君) 提示を求める権限の幅というのは、かなり広い権限の幅といいますか権限を有する人たちというのが列挙されているところでございます。したがいまして、それぞれの所管といいますか、例えば警察官でございますと警察庁という中央機関がございますので、そこを通じてその運用のあり方については常識的ないわゆる行き過ぎというもののないような運用をするようにということをお願いし、その指導をしていただくということが必要だというふうには考えております。
 また、私どもの所管で言いますと、入国警備官というものも種々の活動の中で提示を求めるという場面がございますので、これにつきましては常日ごろ十分指導をしているところでございます。今後ともそういう点については先生のお言葉のように十分注意して運用に努めてまいりたいというふうに考えております。
#125
○中野鉄造君 終わります。
#126
○橋本敦君 続きまして、私からも質問をいたします。
 前回、私は指紋押捺制度は全廃さるべきであるという立場から質問をしたわけでございますが、それは基本問題で、また次回にもその問題について触れる予定をしておりますが、きょうはその押捺された指紋の廃棄処分の関係、それから指紋にかわる写真、家族事項登録、署名、こういった手段にかかわる問題に絞って質問をしたいと思います。
 まず第一の、新法が施行された後不要になった指紋原紙の廃棄処分ということでありますが、これは指紋をとられた皆さんにとっても非常に大事なプライバシーにかかわる問題でありますから、その処理は、これはそういう立場を踏まえて厳格にやる必要がある。ただ、廃棄処分ということではあっても、その問題については、責任ある法務省の答弁として局長から答弁がございましたが、私は法務大臣御自身のお考えも含めて、廃棄処分ということは間違いなくやるということなのかどうか、まず、この点お伺いしたいと思います。
#127
○国務大臣(田原隆君) お答えします。
 永住者及び特別永住者全員が新制度に移行した後におきましては、登録原票及び指紋原紙の取り扱いをどうしたらいいかということについては、午前中も検討中であるというふうに申し上げたわけでありますが、指紋原紙は同一人性確認のために使用しないことになるわけでございますから、これについては国が責任を持って廃棄する、こういうふうに先ほど説明員からも答弁しましたけれども、そのように私も考えております。
#128
○橋本敦君 その廃棄処分に関して、これから切りかえが行われていきますが、全部が終わるのが五年と、こうなりますね。順次切りかえが進むわけです。したがって、切りかえた人についてはその都度廃棄処分にしていくということでいくべきであって、五年間全部終わるまで待っていて、そしてまとめて全部廃棄するということではおかしいので、私は切りかえが済めばその人の分については順次廃棄処分をしていくという体制をとるべきだと思いますが、局長いかがですか。
#129
○政府委員(高橋雅二君) 五年と申しましたのは、五年たてば永住者及び特別永住者の方々についての指紋はもう必要でなくなるという意味で五年と申しましたが、この指紋原紙の廃棄を五年間待つかどうかにつきましては、これはこれから検討していきたいと思います。
 五年間待ってまとめてやるのか、今先生のおっしゃったように、もう用済みのものから一定の分量が集まったらそこで廃棄していくのか、その辺は弾力的といいますか、固定観念にとらわれないでやっていきたいというふうに考えております。
#130
○橋本敦君 局長、そこのところ少しはっきりしたいのは、新法の適用があって、もう指紋原紙の廃棄処分をするというようになるのは、国が法的にそれを保管しておく理由も権限もなくなった部分なんですね。そういうことが明らかなものですから、五年間まとまるまで持っておくということは必要のない、法律上理由のない保管行為を続けることになるんです。だから、その都度、原則的には廃棄処分にするというのが、これは原則でなければならない。それが一々というか、あるいは自治体によって一カ月なら一カ月まとまったという単位にするか、これは私はあり得ると思う。しかし、五年間まとめてというのは、これは検討すべきじゃない。順次原則的にやっていく方針で考えなければ、法律上根拠のない保管行為が続くというのは、これは国として不法行為になるとまでは言いませんけれども、法的根拠のない保管行為なんですよ。という意味ですから、原則的に順次廃棄するということは、そういう方針で検討すべきだと思いますが、もう一遍お考えを聞きたい。
#131
○政府委員(高橋雅二君) 法的に根拠がないかどうかはちょっと私もその辺はよくわかりませんが、確かに法律的にはもう意味のない文書といいますか、物を保管しなければならない義務を負うというのは、保管をする者にとってもこれは不必要な義務でございますので、その辺は先生のおっしゃるところは確かにそういう点はあるかなと思います。
 そういうことでございますので、検討に当たっては今先生のおっしゃいましたような観点も十分念頭に入れましてやっていきたい、こういうふうに考えております。
#132
○橋本敦君 そこで、もう一つの問題は同僚委員からも質問があったわけですが、今度は指紋原紙じゃなくて、それが転写をされているマイクロフィルム化された登録原票の関係です。その登録原票に指紋が残っておるその部分をマイクロフィルムからどう消すかということ、それから、登録原票それ自体に残っている指紋をどう処理するかということが残る、これについてどうお考えか、もう一遍ちょっと御説明ください。
#133
○政府委員(本間達三君) まず、登録原票の一部となっている指紋でございますので、まとまった一つの記録の一部の廃棄という形になりますので、若干先ほどの独立した指紋原紙の廃棄とちょっと違う面がございます。
 ただ、いずれにしましても、もう当該指紋部分というものは現実には利用価値がないというものでございますから、もし容易にこれが廃棄できるというのであれば、それはできないわけじゃございませんけれども、先生御案内かと思いますが、マイクロフィルムの中の極めてミクロの世界の中のものでございますので、その部分だけを削除するという手間暇といいますか、技術的な問題というものがございますので、そこで、前にも御答弁申し上げましたとおり、ちょっと検討させていただくことにしているというふうにお答え申し上げたということでございます。
#134
○橋本敦君 具体的に切りかえ申請が行われたら原票は切りかえ原票で、指紋のない写真を貼付し、署名がある新しい原票をつくるんじゃないんですか。
#135
○政府委員(本間達三君) おっしゃるとおりでございます。
#136
○橋本敦君 だから、指紋のない新しい原票ができるわけですから、前の原票それ自体はどうするつもりですか。旧原票は。
#137
○政府委員(本間達三君) その方の過去の在留歴といいますか、これを示すものとしてやはり重要な記録であるというふうに私どもは考えておるわけでございます。
 また、その間の同一人性というのはずっと確認されてきたわけでございますから、新しい原票とのかけ橋というものも一応それを確認して新しいものができたということでございますけれども、その方の在留の歴史というものがそこにすべて記録されている重要な記録として私どもは保管させていただいておる、こういうことでございます。
#138
○橋本敦君 その旧原票というのは、それ自体はマイクロフィルム化されてしまうんじゃなくて、旧原票としてあるわけですか。
#139
○政府委員(本間達三君) 登録原票の記載がいっぱいになりまして、回収といいますか、法務省の方に送られたものにつきまして順次マイクロフィルム化しているということでございますから、法務省で保管中のものは原則マイクロフィルムによる保管と、こういうことになります。
#140
○橋本敦君 マイクロフィルムによらない、もとの原票というのはどこにどうあるんですか。
#141
○説明員(山崎哲夫君) 御説明いたします。
 マイクロフィルム化をして用済みになりました登録原票というのは廃棄をしております。
#142
○橋本敦君 それでわかりました。
 それは廃棄される。だから、残るのはマイクロフィルム化されたその部分なんですよ。そこで技術的にその一部分を消すという方法があれば消すけれども、その点の検討はこれからなんだと、こういう話なんですね。
 そこで、技術的にそれを消すということが可能であるための研究は積極的にやるんですか、やらないんですか。
#143
○説明員(山崎哲夫君) これまでといいますか、この問題が国会等で取り上げられまして、私どもも専門家であるマイクロフィルムの専門会社等々を調査しましたんですが、現在の技術では、例えば十枚とか二十枚という数についてやるということは可能であるが大量には非常に難しい。といいますのは、マイクロフィルムから指紋の部分を削除する場合には、その周りに銀紙といいますか保存をしまして、その指紋の部分だけを除光液で取り、さらに今度は保存液をかけて水洗いをする、しかも非常に微細なところをやらなきゃいけない。液が少し横へ漏れますと記録の部分が損傷してしまうということで非常に慎重にやる必要がある。ですから、数が少ない場合に時間をかければ可能ではあるが、大量にやるというのは非常に、やってやれないということはないが、ほとんど不可能であろうというのが今のところマイクロフィルム会社からの回答でございました。
#144
○橋本敦君 だから、やってやれないことはないという一つの話があるんで、時間をとり予算をつくり検討して順次やっていくという方針を法務省として立てるということなら、その方針はきちっと立てたらいいんですよ。今すぐ全部というのは技術的に無理だということはお話のとおりだとすれば、方針を立てて予算をつけてきっちりやればいいんですよ。
 というのは、これはもう何度も議論されているように、指紋をとられた人たちのそれぞれの人権にかかわる重要な問題だという大論議を国内的にも国際的にもやり、今も現に進め、そして人権問題としてどうするかということで重要な論議をやっているわけでしょう。だから、技術的な問題に解消しちゃいかぬわけですね。
 だから、そういう意味で、日本の政府が人権の尊重ということを断固として貫くという姿勢に立つならば、法律上不要になって当然廃棄をするという方針を大臣以下お持ちになっているその部分の廃棄については、廃棄をするという方針で予算もつくり検討するということを省の方針としてこれはきっちりやったらいいと思うんです。また、やるべきだと思うんですね。大臣、いかがでしょう。
#145
○国務大臣(田原隆君) 橋本先生のお話、論理的に大変明快でございますが、現在のところ技術的にというのがこちらの答弁でございますけれども、ただ、ほうっておけばいつまでたってもそのままですから、その研究を続けることについて検討をちょっとさせていただきたいと思います。
#146
○橋本敦君 ぜひ検討してください。
 そこで、そういったものが残っておる限りにおいて、この点も大事なので大臣に、局長の答弁でも結構ですが、はっきりさせてほしいのは、旧原票の閲覧とか写しの交付とか、どこかほかの官庁から求められるか他の人から求められるかどういうことがあるかわかりませんけれども、これはもう絶対にそういった閲覧、照会等に供すべき性質のものでないわけですから、そのマイクロフィルムに残った指紋の照会などということはプライバシー保護の観点から法務省としてはもう一切それはやらせないということは確信を持って御答弁いただけますか。
#147
○政府委員(高橋雅二君) 指紋に係る取り扱いにつきましては、この法律で定めております同一人性確認のための手段として以外は、他の転用する取り扱いはとっておりません。今後、その必要がなくなればそういう指紋を利用する、使用する必要もなくなるわけでございますので、そのほかのものに使うということはしないというこの政策は今後とも厳守していくつもりでございます。
#148
○橋本敦君 絶対に他からの照会に応じないということはお約束できると、こういう意味ですか。
#149
○政府委員(高橋雅二君) 目的外のためには、これは必要がなくなったわけでございますから、そのためにはもう利用はさせないといいますか、そういうことはしないということでございます。
#150
○橋本敦君 そこで、もう一つ伺いますが、今度はプライバシー保護の観点からそうだということで言ったんですが、犯罪の捜査に関連をして警察庁あるいは検察庁から、指紋原票はもうないんですよ、それがマイクロフィルムに残っている可能性がある、その指紋を照合したい、こう言って照会があった場合に、法務省は保管されているそれについてどうされますか。
#151
○政府委員(本間達三君) 今の御質問につきましては、完全に指紋がなくなっているという前提のもとで事務をとるというのが本来なのかもしれませんけれども、事実として指紋が残っているということでありますと、その取り扱いということはやはり一つの検討事項だろうというふうに考えております。
#152
○橋本敦君 問題なんですよね、審議官。
 私は、それをきょうのテーマにしたがった。検討事項だとおっしゃるんでしょう。ところが、私が指摘したように、切りかえの都度原則的に新法のもとで不要となった指紋原紙を廃棄していくと。本来ならマイクロフィルム化された登録原票の指紋も消さなきゃいかぬし、消すべきなんだが技術的な理由で残っている、こうおっしゃるんでしょう、たまたま残っていると。たまたま残っていることを利用して、指紋照合の照会があった場合に法務省がそれに対して応ずることになるということは、これは理屈に合いませんよ。本当なら消し去って処分してしまうはずのものなんだから。
 それを処分するまでにたまたま保管をしているから、研究中で保管をしているから、そういったまたま保管しているときにどうするかというのは、すぐに照会に応ずるとはおっしゃらないんで、おっしゃらないが、その点について検討事項である、こうおっしゃった。慎重な答弁なんですよ。それは検討するまでもなく、本来的にはやっちゃならぬことじゃないんですか。はっきりしているんじゃないですか。
 私は、これは非常に明確であると思うし、このことをはっきりしないと、この問題についてはまさに国家権力の、国家の側における法的根拠のない捜査に対する追随行為として違法に収集された証拠ということになるかもしれぬし、法廷でどんな弁論あるかわかりませんよ。私は、人権上の大問題になるし、刑事訴訟法の手続上からいってそれが適正かどうか大問題になると思う。
 これは大変大事な問題ですから、検討するとおっしゃったけれども、やはりしっかりした法務省の見解を、今すぐでなくてももう一遍次の質問の機会がありますから、それまでに検討してしかとした方針を法務省として私に答弁をしていただくようにしてくれますか。局長いかがですか。大臣いかがですか。
#153
○政府委員(高橋雅二君) 今の御指摘の点は、我々の実務をする場合についても確かに先生の御指摘のとおり、非常に重要なところでございますので、十分に検討いたして次のときにお答えいたしたいと思います。
#154
○橋本敦君 これは地方自治体との関係においても法務省がどういう見解を持っているかということは非常に大事なんですね。実際の窓口が地方自治体になっていきますので、地方自治体でいろんな登録原票を扱う場合があるわけですしね。そういったこと等も含めて地方自治体に対する関係でも法務省の姿勢は大事でありますから、この点については次回に責任ある御返答をいただくようにお願いしておきたいと思います。
 そこで、もう一つお伺いしたいのは、今おっしゃった廃棄処分をやる場合のこれからの研究についてですけれども、先ほどおっしゃったのは、数が少なければできるというのは、少ない数を順次長期間かけてやっていけば全部終わるという意味なのか、それとも数が多ければできないというのは、一遍にできないので少しずつやればできるという意味なのか、どういう意味でおっしゃったのか、ちょっとわかりかねたので答えてください。
#155
○説明員(山崎哲夫君) これはマイクロフィルム会社の説明によりますと、普通でしたらほとんど不可能でしょう、しかし、試験的にやってみた場合、絶対不可能かというと、こういう方法がありますと、ただし、それは一日に何こまというくらいしかできないでしょうということであります。
#156
○橋本敦君 そうすると、時間をかけ、費用をかけてということも含めて、先ほどお話をした、これからの方針での検討ということをやはり可能なものとして、私はお願いしておきたいと思います。
 きょうは時間が来ましたので、これで終わります。
#157
○委員長(鶴岡洋君) この際、午前中の大臣の答弁に関し、大臣から発言を求められておりますので、これを許します。田原法務大臣。
#158
○国務大臣(田原隆君) 午前中の千葉景子委員及び深田肇委員の御質問に対する私の答弁に言葉足らずで不正確な点があり、誤解を招くこともあったかと存じ、おわびいたしたいと思いますので、よろしくお願いします。
 改めてこの点にお答えさせていただきますが、両委員の御質問の趣旨は、政府答弁は十二日に行われた参考人の意見陳述及びいろいろな機会になされた各方面の意見を踏まえたものかとのことであったと思いますが、これに対して私はあたかも参考人の意見を考慮することなく本日答弁いたしているかのごとく受け取られる発言をいたしましたが、これは不正確でありましたので、取り消させていただきたいと思います。
 本日の朝、入管局長と本日の答弁ぶりを勉強いたしましたときに、参考人の御意見と各方面の反対意見、修正意見について謙虚に耳を傾けたとしても、政府としては現在御審議いただいている案がベストであるとの結論に達しましたので、そのような考えから答弁しているわけでございまして、参考人等の御意見も十分に参考にさせていただいた上での答弁でありますので、その旨よろしく御理解いただきたいと存じます。
 なお、仮に本法案が原案どおり成立いたしましたとしても、内外の諸情勢、各般の御意見等を踏まえ、引き続き外国人登録制度のあり方については十分検討してまいる所存でありますので、よろしくお願いします。
#159
○萩野浩基君 けさほどの大臣の方からの答弁ですと、これは私もかなり考え方を変えなければならないと思いましたが、今そのようにおっしゃいましたので、少し質問の内容を変えてまいります。
 五人の参考人の方々に対して長時間にわたって我々質疑を行って、そこの問題点というのが非常に今回のこの外登法に関して浮き彫りにされたわけでございます。特に、お二人の外国人の方がいらっしゃいまして、一人は国際基督教大学教授で韓国の姜参考人でございました。それからもう一人は、東北福祉大学教授のジョン・スティーブンス参考人、これはアメリカでございます。白人でございます。そのときに、特に具体的に、お二人のこの外国人の方は自分の体験に基づいて今回のこの外登法に関して言われました。
 姜参考人の場合は、自分が高校生、十六歳になったときに、あるとき先生から呼ばれて、そして指紋押捺というようなことがありましたと。また、ジョン・スティーブンス参考人の場合には、自分の息子が証明になるものを持っていなかったということで警察から呼び出されたと、何で自分が警察に呼ばれたのか本人十六歳ではなかなかわからなかったと、こういうような生々しい体験、そういうものをここでお話があったわけでございます。
 そういうもろもろのことを踏まえまして、本日も、同僚の深田委員初めいろんな話があったんですが、その辺の食い違いに関しまして、今大臣の方からそういうお話がありましたので、先ほど休みの間に原稿を書いたんですけれども、少し方向を変えたいと思います。
 この参議院の存在というのは、これは英語に訳すと、いろんな訳し方があるんですけれども、ハウス・オブ・カウンセラーズと言われているのであります。すなわち、衆議院に対して、アメリカで俗に言われておりますアッパーハウスとしてのチェック機能、すなわち良識あるデシジョンメーキングといいますか意思決定を行う、そういうやはり主体的、自主的な意思決定というものを下すところに意義があるのでありまして、今回外登法が全会一致でもって可決されておると、それから、現在考えられる最高のものであると、それは自信を持って法案はもちろんお出しになったことと思いますけれども、この参議院というのは――ちょっと静かにしてもらえないですか。この参議院の存在というのは、特に私など連合参議院といたしましては衆議院の方にメンバーズを持っておりません。ですから、今回この法案がここに出されてきたときに、私、これは一回目でもう質問しておりますから、もう同じことをいろいろ言いたくないのでございますけれども、この前、白人であるジョン・スティーブンス教授とそれから姜准教授、このお二人が、まあ白人とそして東洋の方と、こういう方両方いらしたわけですが、そこでも特にジョン・スティーブンスさんが言っておられたのは、これはやはり、日本が前向きに、何といいますか新しい国際を舞台にして新たな国際政治関係というものを確立していくこのときにあって、この法改正が世界に認められるようなものとなるべきだということを言われました。これまではともすると自動車のテールランプを見て走っておればよかったんですけれども、今度はテールランプではなくてヘッドランプをアップにして、やはりリーダーとして進まなきゃならない。
 そういう観点から、今回の外登法に関しましても最初私が期待しておりましたのは、多分全廃の方向でいくんだろうと、このように期待して待っておりましたら、今回のようなものが出てきたわけでございます。
 そしてまた、衆議院において附帯決議が出たわけでございますが、五年後に速やかに適切な措置を講ずるということに関しましても、延々とここでここまで議論を進めてまいりましたが、何にもそこには明確なものが見えてこない。
 先ほど大臣の言葉にもありましたが、新しい同一人性の確認の手段として今これは仕方がないんだと、これから新しいものが開発されるかもわからない、こう言っても、これは先ほど同僚議員の中野先生の方からありましたが、私は多分そう簡単には、こんなもの五年間でできっこないと思うんですね。
 ですから、私はこの五年間というのがもっと明確性を持ってはっきりとしなければ、これは参議院として、やはりそれぞれ党派に所属されている方もいらっしゃるかと思いますが、私は同僚の議員諸君皆さんに訴えたいのでありますが、やはりアメリカにおきまして二院制でもってデモクラシーが確立されておるのは、下院と上院は異なった決議もされております。そういうところにこのデモクラシーが守られていく、そういう面もありますので、私はここで声を大にして言いたいのでありますけれども、今回のこの問題においては、今までるる同僚議員からも議論をしてまいりまして、問題はもう明白になっております。簡単に言えば、外国人の立場を配慮した外国人登録制度の明確化、これがどうなのかということ、それから常時携帯問題、それから罰則、刑罰問題、これは人の痛みというものをどのぐらい解するか、やはりこういう点にはっきりと集約されるんではないか。そういうことをもとにしますと、この問題というのは非常に重大な問題でありまして、先ほど、過去にとったものをどのように処理するかにしてもまだ明確化してない。
 こういう点からちょっと総括的な質問になりましたけれども、今回のこの外登法は一体何の目的のためにこのように変えるのかということを、もう一遍原点に返って私はまず質問をさせていただきます。
#160
○政府委員(高橋雅二君) 原点に返って、何ゆえにこのような改正案を提出したかということでございますが、これはそもそも指紋押捺制度というものにつきまして、指紋押捺を求められる人にとりまして心理的な抑圧、圧迫感があるということと、それから、これは人権の侵害ではないかと感じられている方があるという、そういうことを背景といたしまして、六十二年の法改正のときに指紋押捺にかわる手段を開発すべきであるという決議がなされたわけでございます。その際、特に日本の社会に長く住んでおられる外国人の方のそういうことにも考慮すべきであるというのが入っているわけでございます。
 それから、日韓の交渉におきまして、在日韓国人については指紋押捺を廃止してほしい、そういう韓国側からの要望もございました。
 それで、私たちといたしましては、この法律を執行する者といたしまして、やはりできるだけ対象となる人にとって心理的な圧迫感のないような、そういうものが望ましいという観点からこの法案を準備いたしまして提出したということでございます。
#161
○萩野浩基君 これは前の答弁とほとんど同じ、繰り返しになりますから、次に移らせていただきます。
 先ほど、国際人権規約のB規約ということにつきましては、私もこの前、B規約の二条並びに二十六条、こういうものと、それから憲法の第十三条、第十四条における整合性、そういう点からやはり合理的な整合性ある区別とはこれは言えないんじゃないかと言いましたが、先ほどデータを挙げられました。これも私、国際政治や国際関係論の比較政治の方においては、よく何カ国はどうだというデータをもとに言いますけれども、これは中の質的な違いがたくさんあるわけですね。ですから、果たして何カ国か、ちょっとメモをどこかへやりましたが、たしか十九カ国とおっしゃいましたけれども、やはり日本がこれからの国際舞台の中で活躍する、そういうことを前提にして考えたときに、先ほど挙げられたのはフィリピンを初めそういう国々が多いわけですね。ですから、この前の参考人の方々も言っておられましたが、日本がこれからの国際社会に向けて名誉ある行為を今回されれば、これがすばらしいメリットとして世界に認められる、そういうぐあいにしたらどうだというような意見も出ておったわけでございます。
 それで、私がここで申し上げたいのは、このB規約に基づいて第三次報告を提出されましたね。そこで述べられておる問題は、基本的人権の尊重、それから国際協調主義を基本的な理念とする憲法の精神に照らし、例えば参政権等のように、その性質上、日本国民のみを対象としている権利、そういうものを除き、他の基本的人権の享有というものは外国人にも保障され、内国民的待遇といいますか、やはりそういうものが平等に扱われなければならないんだ、そのようにたしか記されたと思いますが、一言でいいです、そのとおりですか、どうですか。
#162
○政府委員(高橋雅二君) 外務省が国連に提出した文書にはそのような記載があるということは我々も承知しております。
#163
○萩野浩基君 外務省が提出したといいましても、日本国憲法の九十八条におきましても、御案内のとおりに「条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。」というのは、これは建前でございます。ですから、外務省と、それからこれはまあ法務省の関係というのは非常に重大な関係でございますから、この辺から考えても、今回のこの外登法というものが十分整合性を持ちながら、どうなっていくんだろうというのを私ら考えるときに、そこに整合性というようなものがなかなか見出せないので困っておるわけです。
 そこで、これを一つ質問しておきたいんですが、外国人登録法というのは日本に生活する外国人の身分関係及び居住関係を明らかにするために立法されたものである、私はそのように考えておるんですが、これについて、もう一言でいいです。
#164
○政府委員(高橋雅二君) 外国人登録法の目的につきましてこの登録法の一条に書いてございますが、一言で言いますと先生のおっしゃったことと同じことじゃないかと思います。
#165
○萩野浩基君 次に、ちょっとディテールにわたりますけれども、地方自治法の第十条にやはりこれは大きく関係してくるだろうと思われるわけでございます。これは住民の意義それから権利義務、それから第二項の中に御案内のとおり、「住民は、法律の定めるところにより、その属する普通地方公共団体の役務の提供をひとしく受ける権利を有し、その負担を分任する義務を負う。」、このように地方自治法に非常に崇高な理念が掲げられております用地方自治法といいましても、これは憲法の中から別に定めるというので地方自治法ができておるのでありまして、ここで外国人というのが住民から外されるということになるということは、これは差別とか、またそういうようなものがどうしても私は出てくるんじゃないか。例えば、道路の公共性を受けているんではないかとかいろんなことは、それは理屈は通るかもわかりませんけれども、私はもっと高いディメンション、レベルにおいてこれは当然考えられるべきと思いますが、この点について、関係省、御答弁をお願いします。
#166
○説明員(蓼沼朗寿君) ただいま先生御指摘の住民の権利義務のところ、第十条の問題でございますけれども、第二項に「法律の定めるところにより、その属する普通地方公共団体の役務の提供をひとしく受ける権利を有し、その負担を分任する義務を負う。」という規定がございます。
 この規定は、公の施設の利用等地方公共団体が提供する各種便益につきまして住民が平等に取り扱われることを定めております。そしてまた、その便益の提供を受ける住民がそれらの便益の経費について負担を分かち合うことを定めておりまして、この点につきましては外国人についても平等な取り扱いがされておるわけでございます。その他外国人につきましてはいろいろございますが、それぞれの法律においてその趣旨、目的に応じた扱いが定められているというふうに考えております。
#167
○萩野浩基君 おっしゃるとおりでございます。
 そのように考えていきますと、日本に住んでおられる、特に私申し上げたいのは、百日以上そして三年未満のこういう間の中に十六歳を迎える三カ国を除く方々、こういうような家族の中に例えば多感な子供たちもおるわけですね。そういう中におきまして、この前もジョン・スティーブンス氏が言っておりましたけれども、彼なんかとっても日本のファンなんですよ。こういう大学の教授で来ている人たちが母国に帰って、また彼などいろいろなところに出かけておりますが、この日本ということをプラスの意味で、メリットの意味において宣伝をしてくださる、そういう人たちに非常に不愉快な思いをさせるというのは、これはデメリットを逆に増す。
 そういうような意味で、今回せっかくここまでこの改正案を出されたのだけど、あともう一歩のところです。衆議院で附帯事項がつきましたけれども、この附帯事項の中で、先ほど申し上げました五年を経た後に今のところでは一体どのようになるかはどうも明確でない。この前の五名の方々、それぞれ若干の差はありましても、最終的には、午前中質問されました深田委員または千葉委員もおっしゃっておられたと思いますが、小此木参考人もそうだったと思いますが、やはり全廃の方向で行くべきだというような最終的には結論であったと、私はそのように聞いております。
 そういうものを踏まえて、やはり参議院とすれば良識の府として衆議院とは違った一つの我々は判断を出さねばならないときもあると思うわけですね。だけど、この法律が以前よりは前進であることは認めるわけです。一遍に十段階、二十段階と跳べないという現実もあることは私もわかっております。そういう意味で、どこまで譲れるかというのを大臣に聞くのはどうかと思いますけれども、この五人が我々の前で延々とそれぞれ答えられた中の結論はやはり全面廃止という方向に向かって進むんだということであったわけです。
 ですから、局長、大臣にこの辺はひとつ前向きに答弁をしていただかないと、これは暗礁に乗り上げてしまうんではないかと私は危険を感ずるのであります。ひとつよろしくお願いいたします。
#168
○政府委員(高橋雅二君) 先ほど来申し上げましたように、この法案は現時点における私たちとしては最善のものを出したわけでございますが、衆議院におきましては、五年間の実施ぶりを見て早急に検討すべしという附帯決議がついております。
 そういうことで私たちといたしましても、現在はこういう案でございますが、これを実施に移しましたならば、その五年の間にいろいろ我々もノウハウを積むでありましょうし、技術の発展もございますでしょうし、日本を取り巻く国際的な状況、また国内の状況もいろいろ変わってくると思います。そういうことで方向は見えるんじゃないかということもおっしゃられるかもしれませんが、現在においてはこれを一生懸命実施していく、こういうのが事務当局としての答弁にならざるを得ないんじゃないかと思います。
#169
○国務大臣(田原隆君) ただいま入管局長がお答えした事務的答弁の真意は、私が政治的に私なりに解釈いたしますと、やはり五年間無為徒食する、遊んでおくというわけじゃなくて前向きに……
#170
○萩野浩基君 全廃に向けてですか。
#171
○国務大臣(田原隆君) 全廃という用語はちょっと……。できればそこまでに代替のものが開発されるとかいろいろなことがあればいいですが、そういう方向に向けて前向きにいくということ、そのための五年であろうと私は解釈しております。
#172
○萩野浩基君 じゃ、時間が参りましたので、終わります。
#173
○紀平悌子君 時間が余りございませんので、端的に法務当局にお伺いをいたします。
 この外国人登録法の一部を改正する法律案の中の永住者と特別永住者と他の非永住外国人を区別して管理すべき具体的なメリットあるいは合理性があるのか、例を挙げて指紋押捺維持の正当性について改めて御説明をいただきたいと思います。
 これは十二日の姜参考人の御意見の中でしたけれども、韓国にも同じような法律があるが、外国人に対しては一応平等に行われているということで、たとえ法律に問題があったとしてもそれが平等に行われるということが一つの大原則ではないかというような、言葉は違いますけれども、そんな御発言もありました。私も法律は専門ではございませんけれども、その辺のことからもいかがでございましょうか。
#174
○政府委員(高橋雅二君) 指紋押捺を求めるというのは、参考人の方は悪法だという評価をされましたけれども、これはいろいろな立場がございますので私はそういう表現は使いませんけれども、確かに指紋押捺を求めるということにつきましては、特に最近におきまして心理的な圧迫感といいますか、抵抗感を持つ方が多くおられる。それから、これは人権の問題であると感ぜられる方がおられるということが背景にございまして、それがゆえに六十二年の改正のときに、衆参両院の法務委員会でもって指紋押捺にかわる手段を早期に開発せよという附帯決議が出たわけでございまして、それで私たちとしては指紋押捺にかわる手段を開発してきたわけでございます。
 それで、今度開発いたしました写真、署名、それから一定の家族事項の登録というのはこれは指紋押捺にかわるものとして考えたわけでございますが、これを見てみますと、社会に定着している永住者につきましてはこれはほぼ指紋にかわるものであるということは言えるんですが、それ以外の人については若干有効性の証明といいますか、言えないということで区切ったわけでございます。
 そういう観点から、確かに外国人在留者の中で不平等といいますか区別されていることは事実でございますが、これはこの手段の性格からいってやむを得ないものであって、ぜひ関係者の方々に御理解をいただきたいというところでございます。そういうことからいいまして、必ずしもこれは不平等に、差別して取り扱っているということにはならないというふうに考えておるところでございます。
#175
○紀平悌子君 少しく私、違う意見がございますが、次に参ります。
 今回の改正において心配をされるものの一つとして、既にお話は出尽くしているかと思いますけれども、市区町村の窓口での署名の取り扱いとその処理がございます。永住者について、指紋に取ってかわる条件中、署名については旅券に署名したものを原則使用するという御答弁がたしかあったと思いますが、市区町村などの機関窓口において、外国語による署名がそのまま使用された場合に、図案とか図形以外の何物でもないという解釈もできる。また、その言葉が読み取れる係官とそうでない方もおられるだろう、その差も生じるだろう。こうした図形化された署名はどのように窓口担当者に読み取らせるのか、読み取っていただくのか。また、外国人申請者に文書を交付する際に、どうやってその申請者が申請者本人であるかということを確認するのか。法務省のお考えを伺いたいのですが、法案の中で、窓口の混乱が生じないように法定すべきではないかというふうに考えますが、この点についてのやり方ですね、いかがでしょうか。
#176
○政府委員(本間達三君) お答えいたします。
 署名でございますが、市区町村の窓口におきまして登録原票とそれから署名・原紙の双方に自署、すなわち御自分で署名をしていただくということになるわけでございます。
 先生の御質問の、窓口においでになった方が登録証明書をお持ちになっていて、それに転写された署名があるという場合に、本当に登録された方なのかどうかということをどうやってその署名によって確認するんですかという御趣旨かなと思いますが、通常の場合、指紋の場合もそうでございますけれども、第一次的にはやはり肉眼による対照ということに相なるわけでございますので、署名の場合も同様の方法で、要するに形状等が同様であるかどうかということによって同一人性というものの確認をするというのが通常の形、通常の方式になると思います。厳格にその筆跡鑑定まで行うというようなことは極めて希有の事例で、通常は考えられないだろうというふうに思います。
 また、署名による方法の具体的な手法、例えば確認の仕方とかそういう問題について、重要なことだから法律に規定すべきじゃないかという御意見でございましたけれども、その内容というのはかなり技術的な事柄でございますので、事項といたしましてはやはり政令に規定するのが相当ではないかと私どもは考えております。いずれにしましても、政令の策定に当たりまして、市区町村の窓口で混乱が生ずることのないよう、その内容については十分配慮してまいりたいというふうに考えております。
#177
○紀平悌子君 肉眼による読み取りというのは相当正確に読み取れるのでしょうか。先ほど図形化とか、つまり外国語で書かれている文字、象形的なような文字もございますね。相当正確度が高いと、だから大丈夫だということでございますか。
#178
○政府委員(本間達三君) 目に見ての、これは窓口の方は素人でございますので、やはり目で見て同じと認定し得るかどうかという極めて常識的な判断といいますか、これが普通であろうと思います。
 先生、同一人性確認の場合に通常まず写真で行いますので、多くの場合は写真でほとんど同一だなということ、それから登録事項の符合性といいますか、そういうことで大体決着がつくわけでありまして、プラス署名の方はどうかというところで確認をさらに補充するというような形になりますので、そういう意味で、仮に多少形が変わっていたといいましても、これは経時的な変化とかそのときの気分による変化というものは一般的に考えられるわけでございますから、厳密な意味で全く同一かどうかということを専門的な鑑定まで持っていって同一人性を確認する事例というものはめったに起こらないといいますか、極めてまれな例になるかなというふうに予想はしております。
#179
○紀平悌子君 今回の改正によりまして、端的に申し上げますと、永住者は写真、署名、家族事項を本人確認の手段とし、非永住者は写真、押捺指紋、こういうふうになるわけだと思いますが、歴史的な事情があるにせよ、永住者について署名と家族事項で本人の確認がとれるのであれば、非永住者とて同じ外国人であるならば、署名、家族事項の二要件でも代替できるというふうに常識的に考えますけれども、やはり外国人の中に管理上二種類の方法を設けることで新だな差別を生むということもあり、また、一つの家族の中で永住者と非永住者が同居するという現実を前に、家族の中に指紋をとられる人ととられない人が生ずるという変則的な状況も生じたりするのは非常に不可解な現象であるなというふうに思います。
 非永住者の側からは、指紋をとられる合理的な理由というものが今回の制度改正で、これは永住者の方は指紋は必ずしも要らなくなったんだからということで合理的な理由が消滅を来したというふうに意見が出されるのは当然のように考えますが、この辺はどういうふうにはっきりわかるような御説明がされるのでしょうか。
#180
○政府委員(高橋雅二君) この法案の作成段階におきましては、今先生の御指摘されましたようなケースにつきましてもいろいろ検討を加えました。同じ外国人でありながら、一方は指紋押捺がなくて、一方は指紋押捺が必要である、それから写真だけでいい人がいる、いろいろあるわけでございます。そういうやり方が行政的な事務としてもいいのか、それから、外国人の人権といいますか、外国人の便利、そういう観点からも好ましいのか。また、実際に仕事に当たる地方市区町村の職員にとってもどうなのかという点も十分検討いたしたところでございます。
 今回開発いたしました写真と署名と家族事項というものが指紋と同じ程度有効であるというのは、やはり地域社会に定着した永住者には言えるけれども、そうでない人には残念ながら言えないと、こういうことでございますので、今の対象になっておる人から、その新しいシステムが有効であるという特別永住者と永住者については新しい制度に移行するけれども、それがまだうまく機能しないその他の外国人については今までどおりとすると、こういうことになったわけでございますので、そこは十分わかりやすく理解していただくように説明をして御理解を得たいと思っているところでございます。
#181
○紀平悌子君 昨年の十二月二十六日に、政府は指紋押捺制度の廃止について法務省、自治省、警察庁等の関係四省庁による事務次官会議をお持ちになりました。廃止の適用範囲をそこで決定したというふうに伺うんですが、そのときの法務省の出席者、そしてその出席者の御意見、どんな御意見を陳述されたのか、概要についてお教えいただきたいと思います。
#182
○政府委員(高橋雅二君) 平成三年十二月二十六日に今先生が御指摘になりました四省庁、法務省、外務省、自治省、警察庁等の会議を行いまして、法務省からは根來事務次官が出席しております。
 その会議におきましては、これまで事務的に積み重ねてきましたいろいろなことにつきまして検討を加えた結果、この新しい同一人性確認手段でございます写真、署名、それから家族事項の登録というものについて検討した結果、これは長年本邦に在留し社会への定着性を深めた永住者及び特別永住者に限ってこれは適用するのが妥当であるということにつきまして確認といいますか、意見の一致を見たということでございまして、そういう結果となったわけでございます。そこでこの方針が決定といいますか確認され、この法案の原案を提出したということでございます。
#183
○紀平悌子君 外国人登録証の携帯義務についてでございますが、ここ五年間登録証明書の不携帯による送検、起訴件数はどういう推移を経てきておりますか、御説明いただきたいと思います。
 また、昭和六十二年九月に、外登法の携帯義務及び提示義務に関する規定の適用について常識的かつ弾力的にこれを行うことという衆参法務委員会のつけた附帯決議と、送検、起訴の数の推移は大いに関連がございましたでしょうか、そうでなかったでしょうか、法務省の御見解をお伺いしたいと思います。
 大変稚拙な質問でございますが、そもそもなぜ外国人は常にその携帯を義務づけられているんでしょうか。合理的な根拠、行政上の必要性をお答えいただきたいと思います。
#184
○政府委員(濱邦久君) 私からは罰則の運用の観点からお答えを申し上げたいと思います。
 まず、一番最初のお尋ねの中で、最近五年間の携帯義務違反の件数等についてのお尋ねでございますが、検察統計の上では外国人登録法違反の罰条ごとの受理・処理状況は把握しておらないわけでございますが、特に私どもの方で今回最近三年間の受理・処理状況を調査した結果を御説明申し上げたいと思います。
 平成元年は、受理人員が二百十八名で、起訴人員が二十一名。平成二年は、受理人員が八十六名、起訴人員が九名。平成三年は、受理人員が四十三名、起訴人員が五名という状況になっております。
 それから、今委員の二番目のお尋ねは、携帯義務違反による受理及び起訴件数が減少していることと、第百九回国会における衆参法務委員会における附帯決議との関連はどうかというお尋ねであったと思うわけでございますが、検察におきましては、第百九回国会での外国人登録法の一部改正に当たりまして携帯義務違反等の規定の運用について衆参各法務委員会でなされました常識的かつ弾力的に行うべきであるという趣旨の附帯決議を踏まえまして、各事案に応じて適切に対処しているものと考えているわけでございます。
#185
○政府委員(高橋雅二君) 今、先生のお尋ねのありました三番目の点でございますが、常時携帯を義務づける合理的な根拠とそれから行政上の必要性ということでお尋ねでございます。
 それについてお答えいたしますと、外国人は日本国民と異なりまして、本邦に在留するためには日本国政府の許可を必要といたしまして、かつ在留できる期間及び在留活動について制限を受ける立場でございます。このように、外国人の入国及び在留は日本国政府の許可に保っているものでございますので、本邦に在留している者が許可を受けている者であるか、許可を受けた者である場合には許可をされた期間内にあるかどうか、また許容された活動をしているか、それを逸脱していないかどうかを現場において即時的に確認できるということが必要でございまして、そのため在留中の外国人の居住関係及び身分関係が即時的に確認できるよう登録証明書の携帯が義務づけられているということでございます。
#186
○紀平悌子君 最後に、法務大臣に御所信を伺いたいと思います。
 先ごろから各委員からも御発言が続いておりますように、現在世界の中で日本が果たすべき役割は大変急激に変化を来していると思います。つまり、大いなる期待が寄せられているというか、あるいは注目されているということでございますけれども、新たな国際秩序を建設していくという中に日本が大変重要な立場として関与していくということが今問われているところだと思います。そのことがいろいろな法律案の提出あるいは審議にもかかわってきていると思いますけれども、近くアジアを見ますと、特にアジア地域での難民発生の可能性が非常に高いということが言われております。例えば、中国の政治が乱れればタイに一千万人、インドネシアに一億人、香港に五十万人の難民が流出するやも知れない。これは中国の最高指導者がおっしゃった言葉でございますが、非常に耳に残る言葉ではございます。
 そこで、今回の外登法の一部改正におきましても、その内容は、永住・特別永住資格者約六十四万人を他の外国人からいわば区別し、指紋押捺を廃止することで優遇するものであるにせよ、残り三十二万人の非永住者については指紋押捺制度を存置しているのは、日本が在留外国人に日本人に対しては犯罪の被疑者以外には適用されない指紋押捺という手段で義務を押しつけるという点で、国際化という傾向からは明らかに相反する面があると指摘をされてもやむを得ないことではないかと思います。
 日本は静かなアパルトヘイトの国だということも言われているそうでございます。今回以降、指紋押捺の全廃あるいは外登法の常時携帯義務廃止等につきどういうプロセス、機関のもとに進めていかれるのか、見通しをぜひ聞かせていただきたいと思います。法務大臣に現行制度についての評価とともに、開かれた外登法の実現について御所信というか、これは腹を割って伺いたいと思います。事務当局の御答弁のようでなく、よろしくお願いいたします。
#187
○国務大臣(田原隆君) 今、御注文が最後にありましたけれども、完全に事務当局ではないでしょうけれどもやはり政府の一員ですから、その辺は踏まえてお話し申し上げたいと思います。
 先ほど入管局長からお話がありましたように、外国人は日本人と異なって日本国政府の許可を得て在留できるわけですから、いつでも同一人性の確認をすることがされてもしょうがないし、することが必要であるという原則は私はあると思うのですが、そのやり方が指紋という従来万全の手法があったのですけれども、これは人権的に問題があるとか侮蔑的であるとかいうような理由から反対をされてきた。しかしこれは、これを一〇〇%とするならば、他の方法を開発したとして、三点セットですか、これが本当に一〇〇%に近いかというと、九九・何%かもしれません。ただ、定着性のある人にはいろんな情報がありますから、これを補うとほとんど指紋と同じになってくるわけで、定着性のない人にとっては情報が少ないですね、これは統計的に見て。ですから、少し落ちるので、そこに悩ましいところがあって今の永住者、特別永住者と差をつけざるを得なかった。
 しかし、今後その情報に匹敵するような他の方法とか、もうちょっと社会情勢が変わったりしてくると変わってくるわけで、先ほど五年で云々ということがありましたが、私もこれは五年という期限を入れたのは、何も後ろ向きのために五年入れたのじゃないと思うのですよ。五年間で研究していろんなことをさらにいい方に進めていこうということで決めた五年で、衆議院の附帯決議もなされているわけでございますが、私も今後システマティカリーにこういう問題について研究してまいり、先ほどの萩野先生の言われた御精神などにも劣らないような方向でいける方向を模索したいと、こういうふうに考えております。
#188
○紀平悌子君 時間が参りましたので、ありがとうございました。
#189
○委員長(鶴岡洋君) 御苦労さまでした。
 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後三時十一分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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