くにさくロゴ
1992/03/27 第123回国会 参議院 参議院会議録情報 第123回国会 地方行政委員会 第2号
姉妹サイト
 
1992/03/27 第123回国会 参議院

参議院会議録情報 第123回国会 地方行政委員会 第2号

#1
第123回国会 地方行政委員会 第2号
平成四年三月二十七日(金曜日)
   午前九時三十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 二月二十七日
    辞任         補欠選任
     星川 保松君     磯村  修君
 二月二十八日
    辞任         補欠選任
     藤田 雄山君     土屋 義彦君
     櫻井 規順君     岩本 久人君
     磯村  修君     星川 保松君
 三月十二日
    辞任         補欠選任
     篠崎 年子君     小川 仁一君
 三月十三日
    辞任         補欠選任
     小川 仁一君     篠崎 年子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         山口 哲夫君
    理 事
                須藤良太郎君
                松浦  功君
                野別 隆俊君
                諫山  博君
    委 員
                後藤 正夫君
                重富吉之助君
                下条進一郎君
                土屋 義彦君
                吉川  博君
                吉川 芳男君
                岩本 久人君
                上野 雄文君
                篠崎 年子君
                野田  哲君
                常松 克安君
                神谷信之助君
                星川 保松君
   国務大臣
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    塩川正十郎君
   政府委員
       警察庁長官    鈴木 良一君
       警察庁長官官房
       長        井上 幸彦君
       警察庁警務局長  安藤 忠夫君
       警察庁刑事局長  國松 孝次君
       警察庁刑事局保
       安部長      関口 祐弘君
       警察庁交通局長  関根 謙一君
       警察庁警備局長  吉野  準君
       自治政務次官   穂積 良行君
       自治大臣官房長  森  繁一君
       自治大臣官房審
       議官
       兼内閣審議官   谷口 恒夫君
       自治省行政局公
       務員部長     秋本 敏文君
       自治省財政局長  湯浅 利夫君
       自治省税務局長  杉原 正純君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹村  晟君
   説明員
       法務省刑事局公
       安課長      馬場 義宣君
       法務省刑事局参
       事官       新庄 一郎君
       大蔵省主計局主
       計官       原口 恒和君
       厚生省保険局国
       民健康保険課長  辻  哲夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○警察法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
○地方自治法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(山口哲夫君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 これより地方税法の一部を改正する法律案、警察法の一部を改正する法律案、地方自治法の一部を改正する法律案、以上三案を便宜一括して議題といたします。
 まず、地方税法の一部を改正する法律案及び地方自治法の一部を改正する法律案の趣旨説明を政府から聴取いたします。森自治大臣官房長。
#3
○政府委員(森繁一君) 初めに、大臣が定刻に参れませんことを深くおわび申し上げます。
 委員長のお許しをいただきまして、両法案の趣旨説明をさせていただきます。
 ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案及び地方自治法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。
 まず、地方税法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨につきまして御説明申し上げます。
 最近における社会経済情勢等にかんがみ、地方税負担の適正合理化を図るため、個人住民税所得割の非課税限度額の引き上げ、住宅及び住宅用土地に係る不動産取得税の税率等の特例措置並びに三大都市圏の特定市の市街化区域における特別土地保有税の特例措置の適用期限の延長等を行うとともに、非課税等特別措置の整理合理化等所要の改正を行う必要があります。
 以上が、この法律案を提案いたしました理由であります。
 次に、この法律案の要旨につきまして御説明申し上げます。
 その一は、道府県民税及び市町村民税についての改正であります。
 個人の道府県民税及び市町村民税につきましては、低所得者層の税負担に配慮するため、所得割の非課税限度額の引き上げを行うことといたしております。
 その二は、事業税についての改正であります。
 事業税につきましては、医療法人等が行う指定老人訪問看護事業に係る老人訪問看護療養費について課税標準の算定方法の特例措置を講じるとともに、新聞業等七事業に係る非課税措置の廃止に伴う経過措置を一年度間延長する等の措置を講じることといたしております。
 その三は、不動産取得税についての改正であります。
 不動産取得税につきましては、住宅建設の促進を図るため、住宅及び一定の住宅用土地の取得に係る税率等の特例措置の適用期限を三年延長することといたしております。
 また、国の行政機関の作成した計画に基づく政府の補助を受けて取得する農林漁業経営の近代化等のための農林漁業者の共同利用施設に係る課税標準の特例措置等の整理合理化を行うほか、農地保有合理化法人が土地改良法等に基づく創設農用地換地を取得する場合について、一定の要件のもとに納税義務を免除する等の措置を講じることといたしております。
 その四は、自動車税及び自動車取得税についての改正であります。
 自動車税及び自動車取得税につきましては、昭和六十三年以降の自動車排出ガス規制に適合するトラック、バスについて、昭和五十四年自動車排出ガス規制に適合するディーゼルトラック、ディーゼルバスを廃車した者が当該自動車にかわるものとして取得した場合には、その税率を二年度間に限り軽減するほか、メタノール自動車に係る税率の軽減措置を二年度間延長する等の措置を講じることといたしております。
 また、自動車取得税につきましては、平成五年自動車排出ガス規制に適合する自動車の取得に係る税率の軽減措置を講じることといたしております。
 その五は、固定資産税及び都市計画税についての改正であります。
 固定資産税及び都市計画税につきましては、公害防止設備に係る固定資産税の課税標準の特例措置等の整理合理化を行うほか、電気通信基盤充実臨時措置法に規定する認定計画に従って新設された一定の電気通信設備に係る固定資産税の課税標準の特例措置を創設する等の措置を講じることといたしております。
 また、三大都市圏の特定市に所在する一定の市街化区域農地に対して課する平成四年度分の固定資産税または都市計画税につきまして、当該市街化区域農地が平成四年十二月三十一日までに一定の事由により市街化区域農地以外の農地となることが確実であると市長が認める場合には、農地課税相当額を仮に算定した税額として徴収することができることとする等の措置を講じることといたしております。
 その六は、特別土地保有税についての改正であります。
 特別土地保有税につきましては、三大都市圏の特定市の市街化区域内において取得される一定規模以上の土地に係る課税の特例措置の適用期限を一年間延長する等の措置を講じることといたしております。
 その七は、事業所税についての改正であります。
 事業所税につきましては、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に規定する登録廃棄物再生事業者の事業の用に供する一定の施設に対する資産割及び新増設に係る事業所税の課税標準の特例措置を創設する等の措置を講じることといたしております。
 その八は、国民健康保険税についての改正であります。
 国民健康保険税につきましては、課税限度額を現行の四十四万円から四十六万円に引き上げることといたしております。
 以上が、地方税法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。
 続きまして、地方自治法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。
 この法律は、国の行政機関と並んで地方公共団体についても完全週休二日制を実施することとするため、地方公共団体の休日に関する地方自治法の関係規定を改正しようとするものであります。
 次に、この法律の内容について御説明申し上げます。
 地方公共団体においても完全週休二日制を実施することとするため、地方公共団体が条例でその休日を定める場合、土曜日についてはすべての土曜日を定めるものとしております。
 また、別表の規定の改正等所要の規定の整備を行うこととしております。
 なお、この法律は公布の日から起算して六月を超えない範囲において政令で定める日から施行することとするとともに、地方公共団体の休日に関する条例が改正施行されるまでの間について、必要な経過措置を定めております。
 以上が、地方自治法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#4
○委員長(山口哲夫君) 次に、警察法の一部を改正する法律案の趣旨説明を政府から聴取いたします。鈴木警察庁長官。
#5
○政府委員(鈴木良一君) ただいま議題となりました警察法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。
 最近における暴力団情勢にかんがみ、警察における暴力団対策の総合的かつ効果的な推進を図るため、警察庁刑事局に暴力団対策部を設置し、その所掌事務を定めるとともに、最近の警衛を取り巻く情勢にかんがみ、事務のより効果的な推進を図るため、警衛に関する事務を警察庁刑事局保安部から警備局に移管するほか、所要の規定の整備を行う必要があります。
 以上が、この法律案を提案いたしました理由であります。
 次に、この法律案の要旨につきまして御説明申し上げます。
 まず第一に、暴力団対策部の設置についてであります。
 これは、警察庁刑事局に「暴力団対策に関すること」を所掌する暴力団対策部を新たに設置するものであります。
 第二に、警衛に関する事務の移管についてであります。
 これは、警衛に関する事務を現在の警察庁刑事局保安部から新たに警備局に移管するものであります。
 その他、この法律案では、警察庁の長官官房、局または部の所掌事務の一部を総括整理する職の設置に関する規定を整備すること、警察官をもって充てることとされる警察庁に置かれる職に警察庁の部長を加えること等所要の規定の整備を行うこととしております。
 なお、この法律は、公布の日から施行することとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同賜らんことをお願いいたします。
#6
○委員長(山口哲夫君) 以上で三案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 なお、地方税法の一部を改正する法律案に対する政府委員からの補足説明につきましては、理事会で協議いたしました結果、説明の聴取を行わず、会議録に掲載することといたしました。
 これより三案について質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○岩本久人君 おはようございます。
 最初に自治大臣にお伺いをしたいと思っておりましたが、おられませんので、その理由と、どういう見通しなのか、それで自治大臣に対する質問はどこでやらせてもらえますか、最初に委員長にお聞きいたします。
#8
○委員長(山口哲夫君) ちょっと速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#9
○委員長(山口哲夫君) 速記を起こしてください。
#10
○岩本久人君 それでは、自治大臣関係は最後に回したいと思います。
 最初に、警察庁にお伺いいたしますが、少年法の関係についてかつての委員会でも私が取り上げましたいわゆる簡易送致手続のことでございます。
 その後、どういうような対応がなされているかということを冷静に見ておりますが、どうも私が期待したような動きになっていないと思いますので、もう一度、簡易送致手続というのはどういうことなのか、また、それは具体的にはどういう指導でやってきておられるのか、まずお伺いしたいと思います。
#11
○政府委員(関口祐弘君) お答えをいたします。
 簡易送致の問題でございますけれども、少年法では、少年事件につきまして捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑があると認められる場合にはすべて家庭裁判所に送致するということが規定されているわけでございます。その送致の方法につきましてでございますけれども、通常の事件送致と、いわば例外的なケースとしまして、一定の単純軽微な少年事件につきまして、最高裁判所、最高検察庁、そして私ども警察庁の三者協議の合意に基づきまして運用されている簡易送致と言われる手続があるわけでございます。簡易送致は、書類を簡略化して、事件を一月ごとに一括して送致をするというふうなことでございます。
 それでは、具体的にどういう事件、事案について簡易送致かということでございますけれども、今申し上げましたように、捜査した少年事件のうち、その事実が極めて軽微であり、犯罪の原因なり動機等から見て再犯のおそれがなく、刑事処分または保護処分を必要としないと明らかに認められる事件について、簡易送致できる罪種なり被害等の程度の基準が示されているところでございます。
 より具体的に申し上げますと、例えば、窃盗罪につきましては被害額または贓物の総額が五千円未満のもの、あるいはまた恐喝罪につきましてはおおむね千円未満のもの、そしてまた傷害罪は傷害の程度がおおむね全治十日以内のものなどでございます。ただし、こうした基準以内の事件でありましても、被疑事実を否認している場合等につきましては簡易送致ができないというふうなこととなっております。
 そうしたものが簡易送致の制度の話でございますけれども、私どもとしては、少年法の建前というものを十分に尊重しつつ、そしてまた、こうした軽微の事案につきましては簡易送致の制度も認められているということを踏まえて、全国的にばらつきのないようにということで指導をしているということでございます。
#12
○岩本久人君 その指導は、具体的にどういう指導方法になっていますか。
#13
○政府委員(関口祐弘君) 具体的な事件を取り扱う場面というのは第一線でございまして、ケース・バイ・ケースでそれぞれ異なるということだろうと思いますけれども、基本的に申し上げれば、少年事件についてこういう処理のシステムがあるんだぞということを、取り扱う少年係の者等々につきまして私どもの学校教養等なり、あるいは現場においての職場教養なりで個々の警察官を指導、教養するということでありますし、また、私ども各種の会議を持ちましてそうした趣旨等の徹底というものを図っているということかと存じます。
#14
○岩本久人君 そういう一般論でなくて、私が言いたいのは、例えば、去る何月何日の全国の県警本部長会議だとか保安部長会議だとか、そういったところでこういうことについてこういう話があったとか、だからその趣旨が生かされるようにしっかりそれぞれの県警本部の中で、あるいは現場の警察で徹底をしてほしいというようなことを具体的にやっておられますかということを聞きたいわけです。
#15
○政府委員(関口祐弘君) 具体的な日時等はちょっと資料がございませんので恐縮でございますけれども、私どもでは防犯・保安関係、私どもの所掌している部分でございますけれども、これにつきましてはそれぞれの府県で防犯部長あるいは保安部長という者がおります。こうした者につきまして全国会議というものを年一回は必ずやっております。それからまた、少年警察を担当する少年課長等の会議も、これは年数回やっているところでございます。
 それが全国版の話でございますけれども、地方へ行きますと、それぞれの都道府県警察におきまして防犯担当の課長会議なり、あるい世もう少しレベルを落としまして担当者の会議等を持ちまして徹底を図っているということでございます。
#16
○岩本久人君 それでは後からで結構ですので、いつの会議でどういうことを言われたのか、それには誰が参加してきたのかをひとつ聞かしていただきたい。
 それと、やはり今も言っておられましたが、具体的には第一線のママポリスさんとか警察官の方が対応されるわけですから、やっぱりそこのところで簡易送致という手続がある、そしてその趣旨はこういうことだということが十分わかるように指導しておいていただかないと、今第一線の警察官の皆さんに課された任務というのは大変ハードだから、ついつい安易に全面的に送致してしまうというふうに流れている、私は現場を見てそんな感じがしてならないものだから特に今回再度取り上げたということでございますけれども、どうかそういった点についてのきめ細かな教育、研修というものをぜひともお願いしたいと要望してこの問題をおきたいと思います。
 次に、年長少年の凶悪犯罪の問題について取り上げたいと思います。
 去る三月六日の十九歳の少年による市川の一家四人殺害の事件とか、あるいは一月末の北海道での十九歳の長女による両親の殺害事件とか、あるいはまた、少し前になりますが、女子高生のコンクリート詰め殺害事件、名古屋のアベック殺害事件など、少年による凶悪犯罪が世間をまさに震憾させております。
 少年事件の最近における推移、特に年長少年による凶悪犯罪事件の現況、例えば三十年前、二十年前に比べてどうかということもお伺いしたいと思います。
#17
○政府委員(関口祐弘君) 少年非行の最近の推移ということでございますけれども、若干歴史的にさかのぼってみますと、昭和二十年代におきましては、当時の社会的な混乱と経済的な窮乏を背景といたしました非行が激増したということが言われております。その後、昭和五十年代以降につきましては、少年の低年齢化とか、あるいは普通の家庭の少年の非行が増加するという一般化の傾向が見られみというふうなことが言われるところでございます。
 そうした中で、平成三年中の少年非行の状況というものを見てみますと、平成三年中の刑法犯少年の数でございますけれども、前年に比べましてやや減少しております。ただ、成人を含めましたところの刑法犯の総検挙人員というものに占める少年の割合というものは三年連続して半数を超えているというふうな状況でございます。
 それが一般的な状況でございますが、その中での凶悪犯というものをとらえてみまして、平成三年に殺人、強盗等の凶悪犯で補導した刑法犯の少年の数というものは千百五十二名でございます。十年前に比べますと八百六十三人ほど減少しておるということが言えるかと思います。ただし、殺人についてだけを見ますと、平成三年は七十六人ということでございまして、過去十年間の平均が年間八十六人程度でございますので、おおむね横ばいの状況にあるということでございます。
 さらに、先生お尋ねの年長少年というものはどうかということでございますが、今申し上げました凶悪犯の少年の中で約四割が十八歳、十九歳の少年の犯行という状況でございます。
#18
○岩本久人君 マスコミで大きく報道されている割には事件そのものの数というのは増加していなくて、かえって減少しているという意味のことであったかと思うんですが、しかしその事件の質、これを見るとまさに言語道断、被害者の遺族等の気持ちを考えるとまさにざんきにたえない中身になっている。少年によって地球より重たいと言われる命が去年一年でも七十六名失われた、こういうことなんです。
 だから、そういったことを思うにつけ、例えば昔のこの種の事件というのは、その根本的な背景にいわゆる貧困というものがあったと思うんですが、今はそうではないということを考えた場合、なおさらどこに問題があるのかということもやはり究明していかなければならないと思いますが、そういった点についてのお考えをお伺いしたいと思います。
#19
○政府委員(関口祐弘君) 先生御指摘のとおり、最近の市川の事件なり、あるいは高校生が自分の実の妹を殺すというふうな事件等々、私ども少年警察を預かる者としましても本当に驚きというか、慨嘆と申しますか、そうした感を強くしているわけでございます。
 それで、それぞれの事件を起こした原因、動機というふうなものにつきましては、いろいろと事情があろうかと思いますけれども、私ども全般的に申しまして、少年の規範意識というものが低下をしているんじゃないかというふうなことも考えるわけでございまして、そうした点を踏まえながら、私ども警察としても、またさらには地域社会の皆さん方、そしてまた家庭なり学校の皆さん方ともども各種の対策というものを進めていかなければいかぬというふうな感じもいたしているところでございます。
#20
○岩本久人君 現在の少年法では二十歳未満の者を少年としているわけですね。しかし、他の法律では必ずしもこれが同じということになっていないものもある。例えば、児童福祉法とか労働基準法というところでは十八歳未満の者が少年の扱いになっている。少年法でも旧法ではそうであったと思うんです。
 そこで、現行の法律で二十歳未満の者は少年だと位置づけたその理由は何なのか、また諸外国ではこの点がどのようになっているのか、お伺いをいたします。
#21
○説明員(新庄一郎君) 本来、青少年課長の上田が御説明申し上げる予定でございましたが、ストの関係でちょっと間に合いませんので、かわりに私の方から御説明させていただきます。
 今、委員御指摘のとおり、旧少年法では十八歳未満の者を少年としていたのでございますが、現行少年法制定の際にその年齢を二十歳まで引き上げたのでございます。
 その理由は、科学的な個別処遇の場を前進させようとする刑事政策的な配慮というものが基本になっておったのですが、当時十八歳、十九歳の者の犯罪が増加、またその犯罪も悪質化しておりまして、そのような原因は、当時は主として復員の少年兵など、戦場の異常体験を経た者により、しかも敗戦直後の混乱した社会環境と深刻な経済情勢というものを背景にして発生したものが多くて、多くは深い悪性に根差したものではないということから、刑罰によって対応するよりも保護処分によってその改善を図る方が適切であろう、こういうことを考慮して十八歳から二十歳に年齢を引き上げたということでございます。
 次の御質問の諸外国の立法例でございますが、十八歳未満の者を少年としているものが比較的多いと承知しておりますが、韓国のように我が国と同様、二十歳未満の者を少年としている国もございます。
#22
○岩本久人君 去る三月六日の例の一家四人殺害事件の容疑者である十九歳の少年というのは、報道によると、身長が百八十センチで体重が八十キロ、肩幅ががっちりとした体だ。定職にはつかず、親や親族から金を無心したり、高級車を乗り回したり、ギャンブルや女性との交際に金を使うとか、さらに暴力団との交際がある、こういうことでありますから、どう見てもそういったような人をいわゆる少年扱いにするということ自体客観的にいかがなものか、こう思うんです。世間の常識から考えれば私は大いに疑問があるというふうに思うんですが、その点はどのようにお考えですか。
#23
○説明員(新庄一郎君) お尋ねの事件につきましては、現在捜査中でございますので、捜査中の具体的事件についてお答えするというのはちょっと控えさせていただきたいと思います。
 ただ、一般的に申し上げますと、身体的な発育の状況でありますとか生活状況のみならず、精神的な発育状況というものも考慮に入れまして全体的な社会的な成熟度というものを基準に見ていく必要があるのではないかと考えております。現行の少年法も、このような観点から一般に二十歳未満の者を少年として取り扱うことが妥当である、こういうことで制定されたものであります。
#24
○岩本久人君 実は私は、今のところを課長さんに聞きたかったんですが、代理で出られたあなたに余り厳しく言ってもなんですから。
 しかし考えてみると、あなたは、さっきストライキのために来られない、こう言われましたが、そういう理由はまたいかがなものかと私は思うんです。きょうストライキがあるということはもう全国重大関心事であって、ストライキのために交通機関がストップするということは事前に十分予測できたことだ。予測できることであるならば事前にそれを回避するための努力がなぜとれなかったのか。そのような考えない人にはとてもとても大事な任務は任せられないと私なんかは思うんです。だから、その点はよろしく伝えておいてもらいたいと思うんですが、その点はまた課長さんとも話をしてみたいと思います。
 それで、私が一番言いたいのは、犯罪を起こしても少年と位置づけられた者はいわゆる子供だ、少年だということで保護される。ところが、被害者の人権というものは全く考えられていないということがそこでは反対の思想としてあるんです。十八歳未満の者が少年として保護されるというのは、今の世の中でそれなりに私は理解できると思うんです。十八歳以上の者については、被害者の人権ということを考えた場合、もっともっと考慮すべきではないのか、私は法的に問題があると思うからあえて取り上げているところなんです。その点で被害者の気持ちを考えてみたときにどうかということについて、先ほどの参事官からもう一度その点についての法務省としての見解を賜りたいと思います。
#25
○説明員(新庄一郎君) 御指摘のとおり、刑罰法令の適用に当たって、犯罪の被害者の悲しみあるいは苦しみというものに十分な配慮を払うべきことは大切なことであるし、また必要なことであろうと考えております。
 ただ、現行少年法におきましても、死刑、懲役または禁錮に当たる罪についてその罪質及び情状に照らして刑事処分を相当とする場合については、十六歳以上の者については家庭裁判所から検察官に対する送致、いわゆる逆送決定と言われておりますが、がなされ、検察官において訴追することによって刑罰が科される、こういう形になっておりまして、その刑罰を科す量刑の事情の中で被害者の悲しみあるいは苦しみというものが十分考慮される、こういうことになっております。
#26
○岩本久人君 と申しますのも、これも報道によるとということしかわからぬのですが、この少年は昨年の暮れにタクシーの運転手をナイフで傷つけるという事件を起こしているわけですね。しかし、そのときの対応というのも、少年法の精神にのっとってということでそれなりの対応にしかなっていない。その彼自身の内面的な甘えの構造が今回のこういった事件に発展をさせたのではないかと思うからであります。
 その意味で、そのような精神的な面がどのように機能するかということについて、少年だということで保護するということだけを前面に出しているこの少年法というものはいかがなものかということを再度お伺いしたいと思うんです。
#27
○説明員(新庄一郎君) ただいまの先生の御指摘の傷害の点については、具体的な事件の話でございますし、現在調査中でございますので、その点はちょっと答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
 先生の御指摘は、少年法の理念というものが逆に少年の甘えによって利用されていて、結局少年の間に犯罪を犯すということが顕著になっているのではないか、こういう御指摘かと思いますが、統計的には、任意に選択した年次の少年の世代別非行率というものをとっておりまして、十二歳だった者が十九歳に至るまでいつごろに非行の割合が高いのかというのを何年かの年次でやっておるわけでございますが、それを見ますと、十四歳から十六歳にかけまして非行率が高くなりまして、その後は年齢を増すごとに低くなっております。このことから、少年は十四歳から十六歳にかけて非行に走る傾向が強いけれどもその後ほどんどんと非行を犯さなくなる、成長するに従って非行から遠ざかるということがわかるわけでございまして、普通、甘えということであれば、だんだん知能が高くなる十九歳、年長にいくに従ってそれを利用した非行がふえていくということになるのではないかと思いますが、必ずしもそうではないということにかんがみまして、現行少年法の理念及びその運用が直ちに少年の甘えの構造を生じさせているというふうにはなっていないのではないかというように考えております。
#28
○岩本久人君 私は、今のように直ちにどうこう言っておるわけじゃないよ。そのように一〇〇%切り返されるととても残念でならぬので、やはり課長に出てもらわなきゃいかぬ、こういうことになるわけです。
 それで、私が言うのは、そういった問題もあるのではないか。少年法の立法の理念、これはやはり崇高なものを含んでおります。しかし、最近における頻発するまさに極悪非道な殺人事件、十八歳、十九歳になれば、あなたが言われたように理性的に近づくこともあるでありましょう。しかし一方で、十二歳、十三歳ではできなかったことが十八歳、十九歳と成長するにつれて、体も大きくなり力もつくということだから、それだけ凶悪犯罪も可能になるということなんですね。だから、そういった意味でもう少し総合的に判断をしてもらいたいと思うんです。
 ところで、昭和五十二年に法制審議会が中間答申しております。ここでもこういった問題が取り上げられているというふうに伺っておりますが、その後この改正の動きはどうなっているのか、特にこの年長少年の問題はどうなっているのかをお伺いしたいと思います。
#29
○説明員(新庄一郎君) 少年法の改正につきましては、御指摘のとおり昭和五十二年六月に、「現行少年法の基本的構造の範囲内で、差し当たり速やかに改善すべき事項」につきまして法制審議会の答申がございました。これを受けまして、答申に則した改正を行うべく関係機関等と意見の調整を続けてきたわけでございますけれども、その間に少年非行の情勢に相当の変化が見られるなどの事情もありまして、これは先ほど警察庁の方から説明があったとおりでございます。
 それからまた、答申に基づく少年法の改正に対する反対意見というものも認められるところでございます。少年法の改正というものは、次代を担う少年の健全育成上極めて重要なことであることにかんがみますと、その改正に当たってはできる限り大方の合意を得てこれを実現するということが望ましいことから、反対意見についても十分な考慮を払いつつ、現在も作業を続けているというところでございます。
#30
○岩本久人君 この問題の最後に、法務省の見解とそれから警察庁長官の見解を伺いたいと思います。
 現行の法律では、十九歳の少年なら現行の法律の範囲内でも極刑にすることはできます。私が死刑廃止論者だとか否かは全く別にして、単に法律の中がどうなっておるかということを言えばそういうことであります。しかし、実際の裁判の場ではどういうことになっておるんだろうか。一部には、少年だということで刑が甘いのではないか、結果として、という意見もあります。例の女子高生のコンクリート詰め殺害事件の主犯格の少年は、先般懲役二十年という刑が出ました。しかし、これがもし少年でなかったらどういうことになっていたのだろうかと私は疑問を持っております。
 そこで、少年法の特に年長少年の問題でありますが、年長少年も保護するという少年法の建前から、私がさっきから言っているように、この理念に対する甘えもあるということで非行少年が増長しておるのではないか、犯罪を甘く見る傾向が生じているのではないか。例えば、暴走族の少年の中の日常会話の中では、二十を過ぎても暴走族でおるということは、それはばかめられている。二十になってもおまえまだ暴走族がい、こういうような風潮が支配的だということなんです。
 同時にまた、今問題になっております暴力団も、十八歳、十九歳という少年をまず予備軍というふうに次々にからめ捕るというようなことを考えた場合、今のような少年法のそのままでいいものかどうか、そしてそれに対してのこの運用を放置していていいものかどうか、その点で私は大いに疑問を持つものです。
 どうかその点についての法務省の見解と、最後に、今後の少年犯罪対策について、善良な市民の生活をいかに守っていくかということについての警察庁長官の見解を伺いたいと思います。
#31
○説明員(新庄一郎君) ただいまの先生の御指摘でございますけれども、先ほども御説明申し上げましたとおり、十六歳以上の者については逆送決定という形で刑事訴追の可能性があるということと、それからもう御案内のとおり、罪を犯したときに十八歳以上の少年については極刑も科し得るということでございます。甘えというものが多少そういう少年犯罪にあるのかどうか、ちょっとその辺のことはよくわからないところでもございますけれども、刑事訴追を行うということであれば、その過程の中で、量刑上、甘えてその犯行に及んだという安易な動機というものは十分悪い状況として考慮されるでございましょうし、それから被害者の人権というものを軽視するというか、そういう情状もこれまた不利に扱われるでございましょうし、刑事訴訟の中で十分に目的を果たし得るのではないかと考えております。
 また、その前提といたしまして、確かにいろいろな巨悪事件というものが発生はしておるわけでございますけれども、統計的に見ると巨悪犯全体というものは昭和四十年代から相当数減少しておる、こういうことでございまして、減少している中であえて法改正というのもいかがかと。この辺はまた先生方の御意見も十分尊重いたしまして法務当局としても考えなければいけないことだとは思いますが、現在の時点では、先ほども改正の関係で申しましたとおり、皆様方の御意見を十分尊重しながら、大方の方々の賛同するような形でまとめていきたいというふうに考えております。
#32
○政府委員(鈴木良一君) 大変貴重な御意見を賜りました。
 少年の犯罪には二つあると思います。お話のように、どっちかといいますと年少の少年は初発型の非行ということで割合に軽い犯罪が多いわけでございますが、十八、十九という年長少年につきましては、特に無職の少年につきまして我々の本当に予想しおいような凶悪犯が出るわけでございまして、この点については大変頭を悩ませておるわけでございます。確かに規範意識の低下というものも見られますし、また一部の少年にはやはりおっしゃるとおりの甘えがあると思います。そういうことで、私どもの立場からいいますと、やっぱり少年法は見直すべき時期に来ておるというふうに私は思います。そういう点、また、我々の現場の意見もいろいろ集約いたしまして、問題点も摘出いたしまして、法務省等関係省庁といろいろ検討してまいりたい、かように考えております。
 また、これからどうするかという問題でございますが、今申しましたように、法律自体はそういうことで検討を進める必要があると思いますけれども、警察といたしましては、非行少年の補導活動を、先ほど言いましたように二つのパターンがあると思いますので、そういう点を十分踏まえましてやっていく必要があると思いますし、また、今度は逆に少年の福祉を害する犯罪というものもしっかりと取り締まっていかなきゃいかぬ、こういうふうに思います。それからまた、少年を健全に育成するという意味でも、やはり社会参加活動あるいはスポーツ活動等も警察でできる範囲ではいろいろお手伝いもいたしまして、少年の規範意識の確立ということに努めてまいりたい。やはり総合的な施策をさらに強力に進めていかなければならないんではなかろうか、かように考えております。
#33
○岩本久人君 ありがとうございました。
 それでは質問を次に移します。
 自治大臣が来られましたので、まず自治大臣にお伺いします。
 現在審議中の平成四年度予算案、地方交付税の削減の問題が八千五百億円出ているようでありますが、現在までのこの委員会でのいろんな質疑、それから本委員会とか本会議場における塩川自治大臣の大変な決意、こういったものから見るとえらい話が違うではないか、こういうふうに思うんですが、どのような経緯でそうなったのか、今後どうされるのか、そういった問題で基本的な見解をお伺いをいたします。
#34
○委員長(山口哲夫君) 大臣の答弁の前に一言大臣に注意をしておきたいと思います。
 きょうの委員会はいつもと違いまして九時半から開会するということは、事前に連絡をしてあるはずであります。たとえ閣議の事情がありましても、今後遅刻をすることのないように十分ひとつ注意をしていただきたいと思います。
 また、趣旨説明につきましては、大臣にかわりまして森官房長と鈴木警察庁長官から趣旨説明を代理として行っていただきました。この取り扱いにつきましては、あくまでも前例にしないという理事会の決定に基づいて行ったことでございますので、政府側といたしましてもそのようにひとつ御理解をいただきたい、かように思います。
#35
○国務大臣(塩川正十郎君) 答弁いたします前に一言、先ほど山口委員長から申されました点につきまして、お礼を兼ねましておわび申し上げたいと存じます。
 実はきょう、閣議は定例の九時からいたしまして九時二十分で終わってこちらの委員会間に合うように、官房長官もそういう配慮のもとやってくれておったのでございますが、その前段に実は経済関係閣僚会議がございまして、非常に活発な議論が行われました。それがため閣議が十分間開会がおくれるというような事態になりましたので、これでいらいらしておったのでございますが、そこへ閣議に入りまして冒頭から、年度末でございますので決裁案件が七十数件ございまして、この決裁案件を済ませて閣議が終わってすぐにこちらへ出席させていただいた、こういうことでございます。その間におきまして約束の九時半は十分承知しておりまして、官房長官もそれを承知の上でいらいらしておったんでございますが、おくれましたことをまことに申しわけないと思っております。
 それにもかかわりませず、前例としないということでございますが、委員長初め委員の皆さん方、特に理事会の先生方の御理解を得まして、とりあえず定刻に開会していただいたということは、私にとりましても非常に貴重な御配慮をいただいたと思って感謝いたしておるところでございまして、改めましてお礼申し上げたいと存じます。今後とも御指導をひとつよろしくお願いいたします。
 さて、今岩本さんからお尋ねの地方財政の関係についてでございますが、地方財政が苦しい、そして、交付税は絶対に維持すべきであるということを強く言っておりながら、八千五百億円の大量の資金を国に貸し付けるというような措置をしたことは非常に矛盾しておるじゃないか、この点についての質問であろうと思っております。
 おっしゃるように、決して地方財政は楽ではございませんで、その中で八千五百億円を国に貸与するということは、確かにこれは非常な決意のもとで行われたものでございますが、実は、御承知のように、数年前から地方財政の収入構造は非常に大きく変わってまいりまして、いわば構造改善があった、収入の方の構造は変わったにかかわらず、支出の方の、つまり財政需要の方の構造というものの変化がそれに相呼応していなかった、少しのずれがございました。そのずれが、いわば余裕があるのではないかというふうに見られてしまったといえばそれまでのことかもわかりません。
 しかし、私たちといたしましては、収入構造が変わったことに伴いまして財政支出構造もそれにマッチしたものにいたすわけでございますので、そういたしますと、地方財政には全く余裕がないということになってまいります。しかし、平成四年度に限りまして、その間におきますところの若干の国との間における調整が必要であろうと思っておりました。
 そのことは、要するに、国の方といたしましても地方財政の中で、例えて申しますと、まあ少しは待ってくれてもよさそうなものがあるではないか、だからそこは少し猶予して国に回してほしいという、そういう要望も実はございました。その中の一番大きなものは財政特例債の償還であったと思っておりますが、こういう資金があるならば少し待ってくれて、ちょっと国に貸してくれぬかということになってきた。それを累計いたしますと、こちらもできるだけセーブいたしましたけれども、八千五百億円相当額になってきたということでございまして、いろいろと世上うわさされておりますけれども、実際はそうじゃございませんで、私たちが大蔵との間で交渉いたしましたのは、実額を詰めた上であの金額になったということでございまして、政策的にああいうものをとっていったということでは決してございません。
 そこで、それじゃこれからの地方財政の運営をどうするのかといいますと、私が先ほど申しましたように、基準財政需要額を中心といたしました地方財政の需要というものをこの際しっかりと新しい時代に即したものに見直していくべきときだと私は思っております。現在自治省におきましては非常な精力を傾けましてその作業に取りかかっておるところでございまして、その中心となりますものは大きい柱として二つあると思っております。
 一つは、政府が既に公表しておりまして、現在実施段階に入っておりますところの公共投資計画でございます。十カ年で四百三十兆円という公共投資計画でございますが、これと地方自治体とのいわば仕事の分担ということ、あるいはそれに伴いますところの資金の分担ということ、これは将来におきますところの地方財政の需要額を見はかっていく非常に大きい要件になってくると思っております。
 それからもう一つは、福祉ゴールドプランとよく言われております十カ年計画でございますが、これを実施に移していきます場合に、実際に地方と国との負担というものをどの程度にはかるべきかというのは一切不明であります。これを早急に洗い直して、きちっとした計画の中の分担を決めていかなきゃならぬと思っております。
 そうした場合に、私は中心となるのは地方自治体ではなかろうかと思っておりまして、そういたしますと、それに伴って権限と財政支出というもので相当の話し合いをして、それで円満に福祉がそれぞれの地方自治体の独自性を持った福祉として実施されていくようにしなきゃならぬ。私は、この二つの柱は当然政府部内としても全力を挙げて、政府部内の問題として解決していかなきゃならぬ、こう思っております。
 それからもう一つは、別な観点でございますけれども、戦後四十数年たちましたが、やはり依然として地方自治体の中に国の出先機関なんだという意識が相当根強いと思うのでございますが、数年前から、自治省が実施いたしましたふるさと創生事業等、これが一つのきっかけとなりまして、やはり自治体はおれたちのものなんだ、おれたちがやるものだという意識が非常に強くなってまいりました。それに伴いまして、地方自治体がいわば固有の事業としてやっていくべきものの発掘をこれからやっていくべきだと思っております。
 そういう独自性あるいは豊かな個性を出すためのいわば新しい需要というものが当然考えられる。それは、今までのできるだけ町村の自主性ということを抑えまして、平等平等という意識のもとに全国の均等を図っていくということに重点を置いた地方行政から、個性を生かしていくということになるならば、新しい需要を認めていくということもやらざるを得ないのではないか、私はこう思います。といいますのは、私は、これからの地方財政は、堅実とは申しましても決して余裕のあるものではない、非常に窮屈な状態の中で進めていかなきゃならぬだろうと思っておりまして、今からその対策を十分に勉強しておるというところでございます。
#36
○岩本久人君 経過と決意についてはしかと承りましたが、決意はともかく、経過の部分、結果についてかなりの部分で反論がありますが、今それやっていたんでは時間がありませんので、また次回にそれは譲りたいと思います。
 そこで、地方税法の一部を改正する法律案の方に質問を移します。
 まず最初に、自治省にお伺いいたしますが、憲法八十四条では租税法律主義ということが明確に決められております、当たり前のことでありますが。地方税の課税について、これは地方団体であるということもあって、地方税条例主義ではないかということも言われております。自治省はどちらの見解をとられますか、まず伺いたいと思います。
#37
○政府委員(杉原正純君) 地方税法では第三条で、御案内のとおり、地方税の賦課徴収に関しますことはそれぞれの地方団体の条例で主要なことは書くべきである、こう定めておるわけでございますが、一方で、同じ地方税法の第二条あるいは地方自治法の二百二十三条にも同様の規定がございますが、地方団体は法律の定めるところにより地方税を賦課徴収することができるということが書いてあるわけでございまして、いわば条例主義ではございますが、事課税ということになりますと、国全体、国と地方の事務配分あるいは地方団体相互問あるいは住民の負担、そういったこともあるものですから、地方団体の課税権につきまして、いわば法律で一定の枠を定めまして、その枠の範囲内で条例で課税することができる、こういう仕組みになっているものと理解しているわけでございます。
 したがいまして、地方税法において地方団体の選択を認めてないと解されるような事項、例えば税率が一本に、一定税率でございますとか、あるいは住民税で申しますと、基礎控除が三十一万円であるとか、そういったようなことにつきましては条例でこれと別の規定を定めるということはできない、かように考えておりまして、あくまでも法律の枠内で地方団体が条例で基本的な課税要件を定めるということであろうと思っております。したがいまして、条例主義ではございますが、いわば一種の、先ほどお触れになりました憲法八十四条の租税法律主義の一つの変形であろうか、かように考えておるわけでございます。
#38
○岩本久人君 時間がありませんので、早速この法の中に入りたいと思います。
 この関係資料の十ページから十一ページにこういうことが書いてありますね。自動車税の2のところに、「昭和六十三年自動車排出ガス規制に適合するトラック若しくはバス又は平成五年自動車排出ガス規制に適合するトラック著しくはバスに係る標準税率は、昭和五十四年自動車排出ガス規制に適合する」云々と、十人の人が読んでほぼ十人近い人が何のことがわからない、こういうふうなことが書いてある。それはそれとして、これを読み切る名人がおるとして、百歩譲りましょう。
 そこで、附則第十二条の三の関係だということで、私も附則第十二条を一生懸命研究しました。ここに書いてあるトラック、営業用年額三千二百円、自家用年額四千円。バス、営業用六千円、一万三千二百円、一万六千五百円、こういろいろあります。これは、地方税法の十二条の三の附則はもとより、おろかといいますか、本則である第百四十七条の二のトラック、営業用年額一万八千五百円、自家用年額二万五千五百円、これをここにかえるというふうに読むのが私は常識だろうと思うんですが、それでいいんですね。
#39
○政府委員(杉原正純君) 今お示しの十ページ、十一ページにつきましては、今回改正を、いわば新しい排ガス規制適合車に早く買いかえてほしい、それが公害対策、いわば環境対策にも資するということで御提案いたしておるわけですけれども、例えば今お触れになりましたトラック、営業用三千二百円、これはトラックで言えば一トン未満のもの、いわば標準的といいますか、一番典型的なものにつきましてここで、法律で書きまして、トラックも大変たくさんの種類もございます。したがいまして、それにつきましては条例で均衡を失しないように定めることができるとなっておるものですから、その条例につきまして、条例を具体的に定める場合の参考ということで内節という形でいつもお示しして、関係地方団体においてしかるべき改正措置をしていただく、こういうことで今までも措置いたしておりまして、今回もそのような流れの中で、一環でこのような御提案を申し上げておるわけでございます。
#40
○岩本久人君 局長、私が質問していることにそのまま答えてください。答弁になっていませんよ。私が言ったのは、この三千二百円、四千円は、地方税法百四十七条一項二号のトラックのこれをこのように読みかえるんですか、こう聞いておるんですよ。
#41
○政府委員(杉原正純君) そういう意味では、その六千五百円につきまして、ほぼ半額にいわば軽減するということで三千二百円に今回提案をさせていただいている、こういうことでございます。
#42
○岩本久人君 その六千五百円というのはどこに書いてあるんですか。この百四十七条には一万八千五百円と二万五千五百円、附則には全くないんですね。それ、どこにあるんですか。
#43
○政府委員(杉原正純君) 六千五百円につきましては、ちょっと失礼申し上げましたけれども、先ほど申し上げました通常の場合は、トラックにつきましては四トンから五トンという標準的なものにつきまして本則の方で一万八千五百円というのが書いてございますが、今回の買いかえの対象になりますようなものが一番典型的で多いのは一トン未満ということで、それにつきまして半分にするわけですが、その半分にする根っこの六千五百円というものは確かに法律に書いてございません。これにつきましては、先ほどの四トンから五トンという一万八千五百円とのバランスをとりまして、これは実は内簡で地方団体にお示しした数値でございます。それに対しまして、今回の買いかえの最も対象になります一トン未満につきまして、その六千五百円の半額に相当します三千二百円というのをここでお示しした、こういうことでございます。
#44
○岩本久人君 つまり、今回のこの特例措置を創設するための提案となった法律の根拠の六千五百円というのは、法律で決められたものではない、こういうことですね。
#45
○政府委員(杉原正純君) おっしゃる意味ではまさにそのとおりでございます。
#46
○岩本久人君 もしそうであるならば、委員長、この提案そのものが全くでたらめだということになるんです。全く根拠がないものを、法律で決まってないものをもとにして、この提案は、特例措置で二分の一を掛けるということだけはある。それで、法律で決まったのは、ここに書いてありますように、百四十七条でトラックは一万八千五百円、これを二分の一にするからこうくるというなら話は合いますよ。法律で決まってないわけだから、今局長が言ったこの六千五百円というのは。だから、その点ではやっぱり提案をし変えてもらわないといけない、こう思うんですが、その点について委員長の御配慮と、それから再度局長の答弁を求めたいと思います。
#47
○政府委員(杉原正純君) 確かに、三千二百円の倍になります六千五百円そのものは法律で現在規定はいたしておりませんが、先ほどの本則の百四十七条の五項でございますか、そこで、百四十七条のところで一万八千五百円というのを標準税率としてお示ししておりますそれとの均衡をとって具体的に条例で書いてくださいという、その条例の御参考までに内節で示した数値、それとの均衡をとっていわば半額を、今度一トン未満というのが今回の買いかえの対象として一番想定されるものでございますから、それを今回、規定という形で提案さしていただいておるものでございまして、御了承いただきたいと思っております。
#48
○岩本久人君 それで、どうか委員の皆さんも考えてもらいたいんですが、今言われた内簡というのは一体何ですか。どういう法的拘束力を持つんですか、内簡はだれが出すものですか、だれの権限で出すものですか、それをまず聞きたいと思います。
#49
○政府委員(杉原正純君) 内節というのは特に法律上の定義がございません。また、おっしゃいますように法的拘束力を持つものではございません。一般的に、地方団体につきまして技術的な指導をしますとか、助言をしますという形のものを書簡といった形で文書でお示ししますものを、内簡として行政庁の補助機関であります局長あるいは課長といった名前でお出ししているわけでございます。
 内簡にもいろいろございますが、御指摘いただいておりますこの自動車税の関係につきましては、乗用車はずばり全部法律で税率を課していただいておりますけれども、トラックとかバスとか、さらにいろんな特殊用の自動車になりますと物すごく種類、形態あるいは仕様がさまざまでございますものですから、これを全部法律で書くことは実際問題として困難でございます。
 そこで、現在も地方税法の百四十七条の五項に、標準的なものにつきまして法律で書いてある車の税率との均衡をとって条例で書いてくださいという規定があるわけでございます。その条例を書いていただく場合の一つの御参考としてお示ししておるものが内節でございますので、あくまでもその内簡は一つの参考として地方団体で御判断いただいて条例で規定していただく、こういうものでございまして、おっしゃる意味ではその法的拘束力はございません。
#50
○岩本久人君 今明確に局長が言われたように、法的拘束力は全くないという自治省税務学府県税課長指針を内簡という形で出したと。そして、それは単なる参考ですから、今も局長言われたように、百四十七条の五に「道府県はこ「自動車の諸元によって区分を設けて、自動車税の税率を定めることができる。この場合においては、前各項の規定を適用して定められる税率と均衡を失しないようにしなければならない。」、こういうことを書いてある。そのことを今言われた。
 しかし、均衡を失しないとそれぞれの地方自治体が判断をしたら、大臣わかりますか、判断をしたら、それがある地方団体は今自治省が期待するように六千五百円とするかもしれない。しかし、ある自治体は総合的に考えて全く問題ないということで、六千五百円でなくて七千円にするかもしれない。あるいは六千円にするかもしれない。そういうことがこの法律で認められておるわけ。にもかかわらず、今回出てきたこの法律案は、全国の地方自治体に一県も狂うことなく六千五百円で決めてもらっている。今後決めてもらえるということを基本的な大前提にして、二分の一を掛けて三千二百円と、こうきておるでしょう。だから、私は、これは議案を提案をされる基本的なところで瑕疵がある、だからこの点についてはひとつ提案をやり変えてもらいたいということを特に提案いたします。
#51
○委員長(山口哲夫君) 答弁ありますか。
#52
○政府委員(杉原正純君) 先ほども御答弁申し上げましたように、この六千五百円は確かに法律で書いてございません。内簡でお示しして条例で具体的に書いていただいているものでございますが、ちょうどこの六千五百円に相当します最大積載量一トン以下といった営業用のトラックが、今回新しい排ガス規制の適合車に買いかえていただくという対象に最もなっているものでございますから、それを、今回その二分の一の三千二百円というのを法律で御提案申し上げているわけでございまして、御了承をいただきたいと思います。
#53
○岩本久人君 この法律を素直に読めば御了承できないから言っておるわけです。提案をしてはならないことを認めておりながら、御了承を得たいなんと今言われるんでしょう。法律に書いてないわけだから、全く法的拘束力のないわけのわからない指針だと言われた内簡をもとに各地方自治体に送る。それは、地方自治体固有の課税自治権だから、百四十七条の五に書いてある課税自治権がある。そういうことだからこういう形で出さざるを得ないということ、それはわかります。しかし、さっき私が言ったように、均衡を失しない、総合判断でこれでいいということで決められた額がそうでなかった場合どうなるんですかということを聞いておるわけですよ、六千五百円で決めてなかった場合。
#54
○政府委員(杉原正純君) 六千五百円はいわばガイドラインとしてお示ししているわけでございますが、個々の地方団体、具体的にどういう税率を書かれておるか、全部は当たっておりません。おりませんが、多分そのお示ししたガイドラインに沿って大体条例をお書きいただいておるものと思いますが、今回、それの二分の一の三千二百円、先ほど御指摘になりまして、また私も御説明申し上げましたが、これも一つの標準税率としてお示ししているわけでございますので、そこは地方団体におかれましても趣旨をお酌み取りいただきまして、二分の一程度の軽減になるような具体的な税率を条例で設定していただけるもの、こういうふうに思っております。
#55
○岩本久人君 今、局長は提案をし変えられたわけですね。この三千二百円、四千円、六千円、一万三千二百円、一万六千五百円も標準税率としてお示しした、こう言われました。そんなことはここには書いてない。それじゃ書きかえてもう一回出しかえてもらわぬと困る。その点について委員長において御判断いただきたい。
#56
○政府委員(谷口恒夫君) 若干技術的な規定でございますので、私から補足的に御説明したいと思います。
 御質問の十ページに自動車排ガス規制に適合するトラック、バス、こういうものを書いてございますが、実際問題、この六十三年とか平成五年とかこういった排ガス規制に適合するトラック、バスというのは一トン以下のものしかございません。したがって、そういうものについて二分の一の税率を頭に置いて、そして三千二百円あるいは四千円というものを書いておるわけでございます。したがって、別途に六千五百円とかそういうものは法律上規定がなくても、これらに該当するトラックについては三千二百円を標準税率として決めますというふうに書いてございます。二項のところに標準税率はこれこれであるということでございます。したがいまして、各地方団体につきましては、一トン以下のこういう該当するトラックについて標準税率として三千二百円をお決めください、こういう規定でございます。御理解いただきたいと思います。
#57
○岩本久人君 言われれば言われるほどだんだんおかしくなるんだよ。それじゃ自治省から出されたこれにどう書いてあるんですか、二分の一にすると、こう書いてある。二分の一にするということを書いて三千二百円、こう書いてあるわけだから、今あなたが言われたのは覆るのですね。二分の一ということが書いてあって三千二百円が書いてあるわけだから、もとが幾らでもいいんですということにはならぬですよ、これは。だから、そんなことは言わない方がいい、だんだん苦しくなるから。
 いずれにしても、私が言いたいのは、今局長が言っておられたように、法律にない金額をもとにして二分の一で三千二百円、こう提案されているから、この特例措置の提案はおかしい、こう言っておるわけなんです。私が納得する答弁が全然ないわけですよ。答弁も苦しいから、何とか御理解を、こう言っておられるわけでしょう。そこのところを委員長、ちゃんと判断してください。
#58
○委員長(山口哲夫君) 答弁、今の質問に対して明確にできますか。
#59
○政府委員(谷口恒夫君) 六千五百円というのは確かに法律の本則の方には書いてございません。これは二号に書いてありますように、例えば四トンから五トンまでのトラックについての標準税率を書いて、そしてそれとの均衡上一トン以下のものは六千五百円とか、こういうものを内簡で参考にお示ししている、こういう性格のものである。ところが、先ほど言いました排ガス適合のバス、トラックというのは一トン以下のものしかございませんから本則上にはあらわれてこない、しかし思想的にはそういうバランスのとれた六千五百円というものを半分にする、排ガスに適合するものだから半分にするという思想で三千二百円というものを標準税率として掲げた、こういう考え方でございます。
#60
○岩本久人君 委員長、今の答弁でいいのですか。思想的にという言葉を言ったんですよ。そんなことで提案できるんですか、国民から税金取れるんですか。さっきから私が言うことに局長答弁しておられるように、答弁になってないわけですよ。それ、なるわけないでしょう。私も、十年間税金やっていましたから大体わかるんです。そんな提案の仕方はおかしいですよ。
 内簡は、今局長が言われたように、公文書ではない、私文書だと。だからそのときの、ここにも私コピー持っていますが、こういうことが書いてあるでしょう。内簡の冒頭の書き出しは、「拝啓時下ますます御清栄のこととお慶び申し上げます。」、これこれで、最後には「御自愛専一の種お祈り申し上げます。」。それで別添で、ごく参考の参考ですが、課税自治権のある自治体においては参考にしてもらえませんかということで、今の中に全く法的拘束力のないと言われる六千五百円も入っておるわけです。そのようなことで全国の三千三百の自治体を練る、この委員会でもって、ということは納得できない。
 どうか休憩にして、ひとつ提案をし変えてもらいましょう。
#61
○委員長(山口哲夫君) 提案者とそれから質疑者との間に提案の内容、仕方についての意見の根本的な違いもあるようでございますので、提案の仕方のことについて理事会の方で後刻ひとつ協議をさせていただきたいと思います。
 そういうことで質問を続行していただきたいと思います。
#62
○岩本久人君 それは根本的な問題だから後刻ということではならぬですよ、これ。恐らくほかの人も質問継続ということにならぬと思いますよ。だから休憩してひとつ協議してください。
#63
○委員長(山口哲夫君) ちょっと速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#64
○委員長(山口哲夫君) 速記を起こしてください。
 暫時休憩いたします。
   午前十時五十五分休憩
     ―――――・―――――
   午前十一時十八分開会
#65
○委員長(山口哲夫君) それでは、ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 岩本委員の方から提起ございました件につきまして、理事会を開きまして検討いたしました結果、岩本委員のおっしゃる点については理解できる点もございます。
 したがいまして、自治省の方から平成四年一月の日付で「地方税法の一部を改正する法律案の概要 資料2」として出されておりますけれども、この中の3の(1)の三行目「自動車税の税率を二分の一とするとともにこというふうにはっきりと「二分のこという数字を出していることについては、各自治体に対しても非常に誤解を招く点もございますので、書かれているこの数字を削除することについて、自治省側の方としてそういうことができるかどうか、ここでひとつ御答弁をいただきたいと思います。
#66
○政府委員(杉原正純君) ただいま委員長から御発言ありました御趣旨に沿いまして、お示しの法律案の概要としてつくっております事項の中で、「二分の一とする」というところを、おっしゃるような誤解を招きやすいという趣旨がございますものですから、これを「税率を軽減する」という形で修正させていただきまして、今後これにより地方団体を指導させていただきたい、かように考えております。
#67
○委員長(山口哲夫君) 今の自治省の説明について、岩本委員の方で御意見ございますか。
#68
○岩本久人君 今の点については了解をします。
 それで、私が今回提起をしたかった一番の問題は、内節とか通達行政というものが持つ大変多くの問題を取り上げたかったということでありますので、この次の機会にその点については十分お願いをいたしたいと思います。
 以上で終わります。
#69
○篠崎年子君 初めに、警察法の一部を改正する法律案についてお尋ねをしたいと思いますが、その前に自治大臣にお尋ねをいたします。
 去る三月二十日でしたか、金丸自民党副総裁が演壇上で銃にねらわれるという事件がありました。幸い弾がそれておけががなかったのは本当によかったことだと私ども安心をいたしましたが、九〇年の一月に長崎の本島市長が狙撃をされましたことが思い出されるわけでございます。こういったようなことを考えますときに、我が日本の国は民主主義の国である、言論の自由は民主主義の根幹をなすものであると思うわけですけれども、そういったような言論を暴力で封殺するというようなことは絶対に許してはならないことではないだろうかと思うわけでございます。
 一方、我が国では銃の所持は一般的には許されていないはずなのに、右翼や暴力団の間でこのように銃が使われるということについては、国民生活の安全を守る上からも今後大いに注意をしていただかなければならないし、厳重に取り締まっていただかなければならないと思うわけでございますけれども、このことについて国家公安委員長である自治大臣の御所見と今後の取り組みの御決意を承りたいと思います。なお、後で警察庁長官の方も御所見を承りたいと思います。
#70
○国務大臣(塩川正十郎君) まず、金丸副総裁がけん銃の狙撃を受けましたことにつきまして、先生から非常な指摘を受けました。お見舞いの言葉もいただきましてお礼を申し上げます。私も、けが人がなくて本当によかったと胸なでおろしたのでございますが、何と恐ろしいことをやるという感じが先走っております。
 こういうことが行われますと、確かに民主主義そのものが崩壊してくることでございますので、
 こういう暴力による言論の封殺ということに対しましては全力を挙げてこれに抵抗していくという処置をとっていきたい、こう思っております。暴力を完全に防ぐ手段につきましては、あらゆる手段を講じたいと思っております。
 なお、けん銃の普及と申しましょうか、けん銃が異常な数が日本にはびこっておるんではないかということでございますが、私もそのような感じがいたしておりますのでございますから、警察の方もこれはしょっちゅうこういう兵器に対する取り締まりを強化しておりますけれども、今回警察庁の方が主導いたしまして、各所轄等にけん銃の摘発活動を新しく警察の主要な業務として行わせようということになっておるところでございまして、そういう点につきましても、後で警察当局の方から答弁させます。
 そういう努力を重ねていきまして、今暴力団の対策が急がれておりますが、同時にこの陰に隠れた右翼なりあるいは極左の活動に浸潤されるようなことがあっては困ると思いますので、両方にらみながらその対策を講じていきたい、こう思っております。
#71
○政府委員(鈴木良一君) このたびの事案は、まことに重大なことでございまして、国民の皆様に大変不安を与えたことを申しわけなく思っております。
 銃に関しては、暴力団も右翼も大変いろんな場で使われるようになっておりまして、これを厳重に取り締まることが何よりも必要だと考えております。今、国家公安委員長からお話がありましたように、銃の専従班を各府県でつくってもらいまして、これによりまして一層強力な取り締まりに当たってまいりたいと思います。
 それからなお、昨年おつくりいただきました銃刀改正法、これはやはり銃が国外から密輸入されるということが非常に多いという現状にかんがみまして、この法律を適正に運用してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、銃に対する取り締まりと、それから現場におきます警衛警護につきまして銃のことを頭に置いた体制をしっかりとって進めたいというふうに考えておるところでございます。
#72
○篠崎年子君 十分に取り締まりを厳しくしていただきたいと思うんですけれども、一方考えますと、そういったような取り締まりを厳重にする余りに、一般の住民までが非常にそういったところに行きにくいとか、あるいは警察官からいろいろな尋問を受けて嫌な思いをするとか、そういうことがあってはならないと思いますので、そこのところの兼ね合いは非常に難しいと思いますが、十分心してやっていただきたいと思うわけでございます。
 それから、銃のことですけれども、これは先般、今お話がありましたように、銃刀法が成立したわけですが、銃が国内に入ってからでは遅いので、入る前に何とかとめる方法はないだろうかと思うんですけれども、この点についてはどういうふうな対策をとっていらっしゃるのでしょうか。
#73
○政府委員(関口祐弘君) お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、毎年千丁ほどのけん銃を私どもは押収しているわけでございますが、そのほとんど九割以上が真正けん銃であり、かつまた外国で製造された製品が密輸入されるものでございます。したがいまして、けん銃の対策の大きな問題というのは、その供給側を絶つと申しますか、そうした対策が大変重要であろうというふうなことでございまして、昨年の銃刀法の改正に当たりましてもそうした状況を踏まえて、従来は密輸の輸入罪だけの規定しか置かれてなかったわけでございますが、それに加えまして輸入の予備罪、あるいは輸入をするに当たりまして資金等を提供する資金提供罪というものを新たに設けていただいたわけでございます。
 私どもとしては、こうした法令を有効に活用いたしまして、水際作戦と申しますか、日本の国内に持ち込ませないというふうな方策を関係行政機関等とも力を合わせまして強力に推進してまいりたい、かように考えておるところでございます。
#74
○篠崎年子君 ただいまの御決意を十分活用していただきたいと思うわけでございます。
 ところで、警察庁の本庁を初め、警視庁、各県警所属の警察官の皆さんが日夜国民の生活を守るために非常に努力をしていらっしゃるということについては、深い敬意を表したいと思います。一部時々不心得の人があったり、一昨日の新聞でしたか、行政サービス評価下位スリー、おいこら警察などと書かれておりまして、最近は随分民主的な警察になったけれども、まだここら辺が直っていないのかなと思いながら見ていたわけでございまして、今後の御努力を期待したいと思うわけでございます。
 そこで、まず初めに、今回の警察法の改正に伴いまして、警察庁内の組織変更があったということで今御説明をいただきました。その中で、いろいろ内部の組織変更でまだ表に出ていないところもあるかと思いますけれども、私がいただきました資料の中で、審議官を五名から四名にする。監察官を二名から一名にする。また、暴力団対策室、生活経済課の二つを廃止する。次に、保安部に属していた不正商品取締官一名及び交通局に属していた暴走族対策官を一名廃止するというふうに見たのですけれども、間違いないでしょうか。
#75
○政府委員(井上幸彦君) お答えいたします。
 今回の組織改編は、昨年の通常国会で全会一致で成立させていただきました暴力団対策法の施行というものを中心とする暴力団対策を総合的かつ強力に推進するという目的のもとに、暴力団対策部を刑事局に設けていただくということを最大の眼目とした組織改編でございます。ただいま委員の御指摘のとおり、これに伴いまして一方では、行政改革の折から組織の膨張を抑制するという要請もございます。そのような観点から組織の再編合理化を含めて行ったところであります。
 そこで、今回お認めいただくようになる組織というのは、暴力団対策部を置くことと、そしてそのもとに暴力団対策一課、二課というものが置かれるということ、それから審議官が五名から四名というふうにおっしゃいましたけれども、実は審議官は四名が三名になるということでございます。それから、お話のありました人事課に置かれております監察官が二名から一名になる。それから暴力団対策室が、形の上では昇格する形で暴力団対策部の中に消化され、暴力団対策一課、二課になるということ、それから不正商品取締官がスクラップされる、暴走族対策官がスクラップされる、これらが主なものでございます。
 なお、保安部に置かれております生活経済課、この事務が保安課にほとんど移りまして生活保安課として業務が行われる。それに伴いまして生活経済対策室というものが置かれる。それから交通局の関係では、高速道路課を都市交通対策課とすること、それから暴走族対策官がお話のとおりスクラップされますが、これが交通指導課の中で課長の一元的な処理のもとに仕事が行われるということであります一
 いずれにせよ、我々は一部のスクラップ減というものを出しているわけでありますが、あくまでも組織の再編合理化というものを図り、事務がなくなるわけではございませんので、よりこの機会に智恵を働かして警察事務の遂行の上に支障のないように、かつ国民生活の安全を守る等の立場から支障のないように今後とも全力を挙げて対応してまいる所存でございます。
#76
○篠崎年子君 今御説明いただきまして、十分に今後も支障のないようにするということでございますけれども、ちょっと監察官のことについてお尋ねしたいと思います。
 今回の改正で、今お話がありましたように減った。この仕事はほかの人たちも十分にできることだろうと思いますけれども、今まで監察官の仕事というのは大体どういうふうな任務を持っておやりになっていらしたのですか。
#77
○政府委員(安藤忠夫君) 警察部内の規律保持、さらには積極的な事務の合理化等についても担当をいたしているところでございます。
#78
○篠崎年子君 警察部内の規律の保持ということでございますけれども、これは最近の新聞の切り抜きでございますが、一々は申しませんけれども、やはり警察官の中にはいい警察官もいらっしゃるけれども中には不心得な人たちがいるということ、こういったようなことがいろいろ出てきているわけですね。そういったようなことから考えましたときに、監察官は一名ということでは足りないのではないだろうかと思うんですけれども、これは何かほかの部と一緒になってカバーをされるのでしょうか、お尋ねしたいと思います。
#79
○政府委員(安藤忠夫君) 警察の規律を保持していく上で確かに監察官の任務は大きなものがございますが、監察官がそのすべてを担っているわけではなくて、むしろ人事教育制度あるいは給与、厚生制度全般で展開していくべき問題だというふうに考えております。したがいまして、今後とも警察官の人事教育制度あるいは給与、厚生施設を充実させまして、生きがいややりがいを引き出す、あるいは使命感を持たせるための施策を積極的に展開してそうした不祥事の未然防止の方に力を注いでまいりたい、かように考えております。
#80
○篠崎年子君 一人ではできないことですから、他の部署と一緒になって十分な指導をしていただきたいと思うわけでございます。
 次に、生活経済報のことでございますけれども、先ほどの説明では、生活保安課というものをつくって、その中に生活経済対策室というものを設ける、そういうことでこのことに対応していくというふうな御説明であったかと思いますけれども、この点につきましては、最近でもやはり新聞をにぎわしております海外先物買いとかココム違反とか、あるいはそのほかいろんなキャッチセールスとか非常に経済事犯というものがふえてきていると思うわけですね。この点につきまして、個々の課で今後どのように充実した指導あるいは啓発をされるのかということについてお尋ねをしたいと思います。
#81
○政府委員(関口祐弘君) お答えをいたします。
 先生御指摘のとおり、いわゆる悪徳商法とかあるいは不正商品の問題というのは、国民の生活に直接かかわると申しますか、非常に大きな影響を及ぼす事案でございまして、私どもかねがね力を尽くしているところでございます。
 ところで、今回の内部組織の見直しということに当たりまして、従来、生活経済課におきましては、こうした悪質商法や不正商品の取り締まり、そうしたものとあわせて質屋古物営業のような行政事務と申しますか、そうしたものも持っていたわけでございますが、質屋古物の問題というのは盗犯予防というふうなものが主眼でございまして、これはむしろ防犯企画課に移しかえをした方がよかろうというふうな一つの判断をいたしました。そして、この悪質商法なり不正商品というものは、その他の日常的な市民生活の安全と保護を図るというふうな観点からいたしまして、生活保安課という新たなところでまとめて所掌するというのが適当であろうというふうな判断をいたしたわけでございます。
 しかもまだ、この種の取り締まりというものに当たりましては、いわば捜査の手法と申しますか、から考えまして、特に金融・証券事案というふうなものにつきましては、現在捜査二課で詐欺とか横領とか背任というふうな事件を所掌しておりますが、そうした事件等の手法的なものにも非常に関連をするということで、そうした部分については捜査二課の方でもやるというふうなことにいたしたわけでございます。
 今後とも、それぞれの事案の本質というものを十分に見きわめながら適切な対処をしてまいりたい、かように考えているところでございます。
#82
○篠崎年子君 このことにつきましては、生活に非常に密着しておりますので特に生活保安課の方でされるということですけれども、やはり警察の力ということから考えまして、一つの生活経済についての特別の部というか働きというか、そういうものをやはり別にしておいた方がいいんではないだろうかというような気もするわけですね。
 最近の新聞で見ましても、先ほども申しましたように、いろいろな種類の不正悪徳商法というのが出てきておりますが、その中でも特に多いのが海外先物取引問題、にせブランド商品問題あるいはマルチ商法とか訪問販売法とかあるいは原野を売るとかということが出てきているわけですけれども、こういったようなことにひっかかっている人たち、被害を受けた人たちというのは弱い立場の人たちが非常に多いわけですね。そういうふうな被害を受けてもどこにどう持っていったらいいかわからないで、ほかの人たちがそういうことを大きな問題に取り上げたときに、ああ私もそれにひっかかっていたんだといったようなことがある。この中には女性の皆さんがひっかかっている問題というものが非常に多いわけですね。その中で特ににせブランド商品の問題が出てきているわけです。
 これは、にせブランドを使って悪いとは言いませんけれども、にせブランドなのに本物のようにして高い金額で売りつけて、後で気がついたらそれはにせブランドだった。これを追及しようと思って行ったら、そこはいつの間にやら消えてなくなっていたとか、あるいは通信販売でそういったことを出していたので、これは通信販売をするからには信用できるところだろうと申し込みをした、そうしたら商品が送ってこなかったとか、あるいは送られてきたものは非常に粗悪なものだったとか、こういうのがあるわけです。
 これは通産省の方でも関係があるかと思いますけれども、やはりこういったようなものになってまいりますと警察の捜査の手というのが伸びなければこれを根絶することはできないじゃないだろうかと思うわけです。この点につきまして、さらに皆さん方の方で御努力いただきたいと思いますけれども、どういうふうにしていったらこういったようなことをなくすことができるかということについてさらに御決意を承りたいと思います。
#83
○政府委員(関口祐弘君) 先生御指摘のとおりでございまして、にせブランドにいたしましてもその他のいわゆる悪質商法、インチ羊商法と言われるものにしても、本当に社会的に弱いと言って表現がよろしいかどうか、例えば老人の方とかあるいは主婦の方とか、そうした方をねらい撃ちのような形でこうした商法が横行しているという状況かと思います。
 それに対しまして、私どもは取り締まりというのを主眼にし、それから関係の行政庁では消費者保護というふうな形で行政を進めておられるということでございまして、私ども取り締まりに当たりましても、そうした各行政機関とのいろいろな連携というものも必要だろうと思います。
 それから、私どもでは早い時期にそうした訴えが欲しいということでいろいろ、悪質商法一一〇番なんということを言っておりますけれども、各警察本部なりあるいは警察署にそうしたテレホンコーナーのようなものも設けておりまして、そうしたところで皆さん方から早い訴え出を受け、そしてそうしたものを端緒として悪者を退治するということを今進めているわけでございまして、さらにまた、先生のただいまの御指摘を踏まえまして、今後徹底をしてまいりたい、かように考えます。
#84
○篠崎年子君 庶民の立場からしますと、弁護士さんに御相談をするというようなことはなかなか思いつかないし、またお金もかかるということで、そこまでいかないわけですね。今おっしゃったように、悪徳商法あるいはいろんなそういうふうな初歩的な問題があったときに、どこに電話をすればいいかといったようなことをやはり広く国民に知らせておくことが必要ではないだろうか。これはおかしいと思ったらすぐここに電話すればいいということの宣伝をしていただきたいと思うわけですね。
 その宣伝をするのにはどういう方法が一番いいか。一番いいのはテレビの中にコマーシャルとして出していただくのが一番いいんではないだろうか。そういうことをたびたびすることによって、消費者を守るということにもなるし、またそういったような悪徳行為をする人たちにも、ここまで警察が本腰を入れているとすればこれは余りやれないぞ、そういったような間接的な威圧ということになるんじゃないかと思いますが、そういう点について思い切ってお金をかけてテレビのコマーシャルなど流されるといったようなことをお考えになりませんか。
#85
○政府委員(関口祐弘君) 各種のマスメディアを使っての啓蒙、啓発活動という御指摘かと思います。
 国の段階におきましては政府広報等の場面というのもございますし、それからまた各都道府県におきましてはそれぞれの警察において、そして特に地元のテレビ局等の御支援、御協力も賜りまして、そうした方向でまた仕事も進めてみたいというふうに思っております。
#86
○篠崎年子君 次に、暴走族対策官のことについて。
 先ほど交通取り締まりの方で一緒にするということでございましたけれども、最近の暴走族の状況はどんなふうでしょうか。
#87
○政府委員(関根謙一君) 最近の暴走族の状況でございますが、ここ数年暴走族の数は余り変わっておりません。大体三万五千人くらいでございます。これは構成員の数でございますが、暴走族の団体の数は少しずつふえております。昨年が七百二十二団体でございます。これに対して国民の方々からの苦情の数でございますが、これは徐々にふえてきておりまして、平成元年から十万件を超えておりまして、昨年が十二万件くらいでございます。そして、暴走族に対する取り締まりの件数でございますが、これも平成元年からふえてきておりまして、大体一一〇番の数に対応する数、十二万人くらいの暴走族を検挙しております。
 暴走族の最近の状況で特に変化のございますのは、平成元年に毎日新聞の論説室顧問の方が暴走族に殺されたという事件がございまして、それ以来世論も沸騰いたしましたし、取り締まりの強化を求める声が高まってまいりました。そういうことを背景といたしまして、平成元年からの取り締まり件数はそれ以前に比べてふえております。
 以上の状況でございます。
#88
○篠崎年子君 暴走族につきまして、実は私の家が道端でございましたので、今は違いますけれども、夜中に走っていく爆音がすごいわけですね。どうしようかと思っているんですが、夜中ですから番号は見えませんし、それから気がついたときにはもう走り去ってしまっているからどうしようもないということで、近所の人たちも会うたびに、困りますねと言いながら泣き寝入りをしている、あきらめているという状態でございます。
 このことについては、今お話がありましたように、人数的にもあるいは団体の数もふえているということですけれども、だんだん悪質化してきているんじゃないだろうか。皆さんは、もしも自分のところの前を通ったときに通報をしたということがわかったら仕返しをされはしないだろうか、そういう心配が非常に多いということで仕方がないなというふうなことであきらめている件が多いんじゃないかと思うわけでございます。
 この点につきましても、暴走族を事前に取り締まるということはできないと思いますけれども、ある程度の暴走族の団体の傾向というものは事前に警察の方では察知できるんではないだろうか。これもやはり人権との問題も絡みますので、非常にここのところの兼ね合いは難しいかと思いますが、例えば集合しているところの様子とか、あるいは車の変え方とか、そういうふうなことでできるだけ事前に察知できないものだろうかと思うんですけれども、これはいかがでしょうか。
#89
○政府委員(関根謙一君) 先生御指摘のとおり、現在の法律の仕組みによりますと、夜中に走っている暴走族のその騒音を理由にする取り締まりというのは非常に困難でございます。ただ、現在も音が迷惑だということで一一〇番がかかってくる件数が非常に多いことは先ほど申し上げたとおりでございます。
 現在の取り締まり方法は音を基準にしておりますので、その現場に警察官が出向きまして、これを取り締まるという場合に、もう一度音を測定し直す必要がございます。そうしますと、真夜中に爆音走行をしていた車をとめて、また音をはかるというんでもう一度音を出せということになりますと、隣近所に非常に迷惑ということもございまして、そういう点でも取り締まるのがなかなか難しいということがございました。
 そこで、現在この国会に私ども御提案を申し上げております道路交通法の一部を改正する法律案におきまして、そういう音を基準にする取り締まりではなくて、外形でございますね。暴走族は九〇%以上の二輪車について消音器を外しておりましたり、消音器を切ったりしております。それから、二輪車の場合には、ほぼ一〇〇%近くがナンバープレートを外しております。そういう消音器を外している二輪車に乗っている人、あるいはナンバープレートを外したり隠したりして乗っている人について取り締まることができるようなシステムを設けていただければ、これは事前にも取り締まることができるということでございますので、そのような仕組みをお願いしているところでございます。現状では、先ほど申し上げましたような理由で、その行為を取り締まるというのはなかなか困難でございます。
 ただ、先生御指摘のような集合の場所というのは私どもにもわか久ますので、そのような場合には指導と申しますか、そういうことで、迷惑をかけることのないように、解散するように警告したりしているところでございます。
#90
○篠崎年子君 十分取り締まりを進めていただきたいと思います。これもお金がかかることかと思いますけれども、最近は特に警察の方でもいろいろ、無人カメラとかあるいは測定機器が研究されていると思うわけですね。今おっしゃったように、騒音だけで、騒音出していったから、おまえもう一遍もとに戻ってこんな騒音出してみると言ったって、そのときにはどこかへ行ってしまっているし、また再び騒音を出させるということになるとそんな騒音は出さないと思うんですね。ですから、暴走族が走行する場所というのは大体決まっているんじゃないか。そんなにどこでもここでもめちゃくちゃに走り回っているということはないだろうと思うのですけれども、そういったようなところに無人カメラとか、あるいは無人騒音キャッチ装置とか、そういったものをあわせ置いて、特にナンバープレート、これはつけなきゃならないことになっているから、これはもう法律違反ですからほかのところでも見つけることができると思うんですけれども、今の騒音と、それから走行速度といったようなことで、夜中にでもはかれる、そういう装置を各地につけることはできないでしょうか。
#91
○政府委員(関根謙一君) 確かに先生御指摘のように、暴走族の集まる場所というのはございます。現在は、そういうような場所には二輪車通行どめというような仕組みを設けたりして追い散らすことをしているわけでございますが、そうしますと、今度は別のところに行ってまた爆音走行をするというようなこともございます。
 そこで、暴走族行為というのは近所に対する非常な迷惑でもございますし、また交通の安全と円滑を図る上からもまことに不都合な行為でございますので、何とか取り締まることができるようにしたいということでいろいろと努力しているわけでございます。
 無人カメラとかその他の機器で取り締まれないかとのことでございますが、現在は速度を感知する車両感知器が開発されております。その速度とそれから信号機を連動させまして、一定の速度を超える、法定遠度を超える速度で走っている車について感知いたしまして、少し先で警告を発するようにしまして、それでもなお速度を異常に高くして走行する場合には、その先で信号を赤にしてしまうといったような、そういう異常な高速走行を抑止するシステムというものは開発されております。ただ、ナンバープレートを隠したりというようなものについて、それをキャッチするような、そういうシステムというのはまだ開発されておりません。
 しかしながら、何とかそういうものも努力いたしまして、この暴走族行為が現在のように迷惑をかけることのないよう努力をしたいと考えております。
#92
○篠崎年子君 次に、暴力団対策で今回の改正についてお尋ねしたいと思いますけれども、今回の改正で、先ほど御説明ありましたように、暴力団対策として暴力団対策部第一課、第二課というふうに設けられたと御説明がありましたけれども、それぞれの任務について御説明いただきたいと思います。
#93
○政府委員(國松孝次君) 御説明いたしました課の中身でございますけれども、暴力団対策一課におきましては、暴力団の指定、それからこれも新しく全国に設置されてまいるようになります暴力追放運動推進センター、これを中心とする暴力排除活動の推進といったような仕事が任務になってまいります。暴力団対策二課におきましては、暴力団犯罪の取り締まりというものを担当してまいる予定でございます。
#94
○篠崎年子君 そうすると、それぞれの課の人数は何人ずつぐらいでしょうか。
#95
○政府委員(國松孝次君) その体制につきましては、現在平成四年の予算案といたしまして御審議をいただいておるところでございまして、まだ私どもここで具体的に何名ということを申し上げるまでに至っていないわけでございますが、もし私どもがお願いをしておりますとおりにおつくりをいただけるということを認めていただきました場合には、暴力団対策一課が十六名、暴力団対策二課が十四名という体制になるものと考えております。
#96
○篠崎年子君 今まで暴力団対策はいろいろされていたと思うんですけれども、暴力団対策の方にほかの部から応援を受けられるというようなことはなかったでしょうか。
#97
○政府委員(國松孝次君) 現実に、今暴力団対策というものにつきましては、刑事局に捜査二課というものがございまして、その課に暴力団対策室というものがございましてやっておるわけでございますが、そこの人員は必ずしも十分ではございませんところへ、昨年暴力団対策法が成立いたしました。その準備作業等もございますものですから、局内地課はもとより他の部門からも御協力をお願いいたしまして、若干の応援をもって暫定的にやっておるという事実はございます。
#98
○篠崎年子君 三月一日からいよいよ暴力団対策法が施行されることになりまして、総力を挙げてこれに取り組んでいかれることと思いますけれども、これにつきましてどのような手続で指定をされようとしているのか、今までの進捗状況を御説明いただきたいと思います。
#99
○政府委員(國松孝次君) 暴力団対策法を施行されまして、まず最初の手続が暴力団の指定ということでございまして、現在関係県において準備を進めておるところでございます。
 私どもといたしましては、最近寡占化の著しい団体でございます五代目山口組、稲川会、住吉会というこの三つの団体につきまして第一次的に指定を行っていこうという予定でございまして、それらの組を担当いたします兵庫県公安委員会及び東京都公安委員会におきまして、聴聞の通知及び公示はもう既に行いまして、この三団体に対しまして四月十日に指定のための聴聞を行うという予定になっております。以後、法律の定める手続に従いまして国家公安委員会に設置されている審査専門委員の意見の聴取を経まして国家公安委員会における確認をいたすわけでございますけれども、そういった手続が順調に推移いたしました場合には、五月中には指定の公示が行われる予定になっております。
 なお、その他京都を本拠といたします会津小鉄という組がございます。山口を本拠とする合田一家、福岡に本拠を置く工藤連合草野一家、広島の共政会等、それぞれの関係県において指定を急ぐ必要がある暴力団につきましても、四月の後半から順次聴聞を開いていこうという予定で今作業を進めているところでございます。
#100
○篠崎年子君 本法の趣旨が生かされますように、十分御努力いただきたいと思います。
 最後に、この本法律案とちょっとそれて申しわけないんですけれども、駐在所勤務の警察官の妻の処遇についてお尋ねいたしたいと思います。
 私は、先日警察の方から「赤い門燈」というこの御本をいただきまして、行き帰りに読ませていただきました。「外勤警察官・家族の体験記」というふうな副題がついているわけですけれども、私も選挙で県内を回りましたときに、本当に山の中とかあるいは小さな島の中にとか駐在所があって、御夫婦の勤務じゃありませんけれども、そこに御夫婦でお住まいになって警察官の勤務、仕事をしていらっしゃるという御様子を見て大変だろうなとは思っておりました。しかし、これを読ませていただきましたときに、警察官の方はもちろんですけれども、その家族の協力というものが非常に大きな力を持っているんではないかというふうなことを痛感したわけでございますし、特に駐在所の勤務というのは二十四時間体制だと思いますので、その妻の仕事というものが非常に大きく力を添えていくんだと思うわけです。
 その中の一節にこんな言葉がありまして、「事件は昼、夜関係なく赤い門燈目がけてやってきます。そしていつも主人がいない時が多いのです。」ということで、これずっと読みましたけれども、皆さんそのことを書いていらっしゃるわけですね。
 これから考えますと、夫と一体となってそこに勤務をしているといっても過言ではないと思うわけでございますが、こういったような駐在所勤務の妻に対してはどのような処遇をしていらっしゃるのか、お尋ねいたします。
#101
○政府委員(安藤忠夫君) 駐在所婦人、ただいまお話しのように、文字どおり職住一体で、勤務員が警ら等で不在のときは各種の警察事務を事実上代行いたしております。また、地域のコミュニティー活動等もだんなさんと一緒になって行うなど、その地域の治安維持に大変大きな貢献をしていただいております。
 こうした二十四時間気の休まることのないような婦人の労苦に報いるために、平成四年度の地方財政計画におきまして、関係機関にお願いいたしまして、駐在所報償費、いわゆる奥さん手当と称するものでございますが、現行月二万八千円のものを倍増していただきまして、五万六千円まで引き上げていただいたところでございます。
#102
○篠崎年子君 倍増して五万六千円ということですけれども、やはり五万六千円ではまだ少ないんじゃないでしょうか。というのは、今もお話がありましたように、これは妻として家の中にいるんではなくて、警察官の夫と一緒になって仕事をしていると言っても同じだと思うんですね。ですから、この点につきましてはさらに御検討いただきたいと要望いたしておきます。
 ちょっと今から話がありましたけれども、パート減税のいっぱいいっぱいぐらいまではこれを伸ばしていただきたいと要望いたしておきます。
 次に、地方税法の一部を改正する法律案についてお尋ねいたしたいと思います。
 このことにつきましては、昭和六十二年の税制改正でマル優制度が廃止されまして、利子に対する分離課税が行われることになりました。そこで、所得税と並んで住民税においても利子割として徴収することになったわけですが、この利子課税は通常の給与と分離して課せられることになりました。税率は国税が一五%、それから地方税が五%、合わせて二〇%ということですけれども、しかし、このような分離課税ということは、低所得者も高所得者も同じように分離課税で税率は同じだということですけれども、その人の収入全体から考えていくと大きな差があるのではないだろうか。それはちょうど消費税が一律三%かけられまして、低所得者にとりましてはその三%の消費税は非常に大きな負担になる、高額所得者にとりましては三%はそれほどでもない、そういったことと同じようなことではないだろうかと思うわけでございます。
 私は、こういったような場合、六十二年の租税特別措置法及び地方税法の附則で五年後に見直すことが定められておりまして、来年がその年に該当するわけでございますけれども、その点につきまして、どのような課税についてのお考えを持っていらっしゃるのか、お尋ねしたいと思います。
#103
○政府委員(杉原正純君) 利子所得の課税につきましては、今御指摘になられましたように、六十二年九月の改正によりまして六十三年四月から地方税につきましても、それまでほとんど課税できなかった、総合課税の場合はできていたわけでございますが、分離課税を所得税でされますと地方税ではいわば課税できないという状態でありましたのを、今お示しのように所得税一五%に対しまして住民税、都道府県の利子割という形で五%ということで、分離課税によりまして課税できるという形になったわけでございます。
 このことにつきまして、今御指摘のありましたように、そもそも利子に対する課税というものが分離課税でよろしいのか、あるいは他の所得と合算いたしまして総合課税がよろしいのか、いろんな議論が税制調査会でもございます。また、課税技術上のお話もございますし、納税者といいますか、あるいは金融機関の便宜、簡便さといった点からの要請もありまして現在のような姿になっているわけでございます。
 この点につきまして、まさに今御指摘になりましたように、六十二年の地方税法の一部改正法の附則に条文が一項入っておりまして、「総合課税への移行問題を含め、必要に応じ、この法律の施行後五年を経過した場合において見直しを行う」、こういうふうにされているわけでございます。また、それと関連いたしまして、六十三年の法律改正におきましても、株式等の譲渡益に対する地方税の課税のあり方につきまして、同じように「利子所得に対する地方税の課税の在り方の見直しと併せて見直しを行う」、こういうふうにこれも条文で規定されているわけでございます。また、国会等の御決議もございます。といったことで、ことしの秋からがこの見直しの御検討いただく時期になると思います。
 したがいまして、私どもこういった法律の附則に書かれております規定の趣旨、あるいは当委員会も含めましての国会の御決議の趣旨などを十分踏まえまして今後税制調査会などで御検討いただきたい、かように考えておるわけでございます。
#104
○篠崎年子君 この総合課税につきましては、今もお話がありましたように、事務の煩雑化とかその他いろいろの問題点があるかと思いますけれども、結局名寄せができないというようなこともネックになっているんではないかと思うわけです。そこで、私ども総合課税という方向に持っていっていただきたいと要望しているわけでございますけれども、この場合にプライバシーには十分配慮するということが必要だと思いますが、背番号制をある程度考えなければならない時期に来ているんじゃないかと思います。
 例えば、納税者の背番号制につきましては、アメリカ型とか北欧型とかイタリア型とかいろいろな型があるわけですね。このことについて、政府税調の方でも今納税者背番号制度の小委員会が設けられて検討をされていると承っておりますけれども、どのような検討を今なされているんでしょうか。今も御答弁があったと思いますけれども、再度お尋ねしたいと思います。
#105
○政府委員(杉原正純君) ただいま御指摘いただきましたように、総合課税という形態をとりますときには何らかの形でやはり名寄せということが必要になってくるわけでございます。その場合の一つの有効な手段としては、納税者番号制度的なものがありますと手がかりになるということで、納税者番号制度につきましてはお話のように税制調査会の中にそれのための特別の専門委員会が設けられまして、各方面にわたりまして検討をしております。また、政府部内におきましても各省庁関係のところが相寄りましていろいろ検討を重ねております。
 その際問題になってまいりますのは、少しお触れになられましたように、まずはやはりプライバシーのお話があろうと思います。これを本来の行政目的以外に使われない、プライバシーを保護するような担保措置がとれるかどうか。それから、ある程度国民といいますか、その方々にそういったものの導入についてのいわばコンセンサスといいますか、そういったものを得られるようなことを考えなくちゃいけない。場合によりましては、導入に伴いますメリットも何かあってもしかるべきじゃないだろうか、こんな御議論もございますし、単に税制だけに用いるのではなくてほかの用途に用いるということが果たして考えられるのかどうかといったこともございますものですから、関係省庁相協議いたして今検討をいたしております。
 また、導入するにいたしましても、おっしゃいましたように、アメリカ型のような既存の社会保険関係の番号をそのまま使うという方式と、それから北欧式といいますか、新たに国民が生まれたときから全部いわば総背番号というご士になりますが、そういうものをつける、それぞれメリット、デメリットがあるようでございます。そういったいろんな課題を持ち寄りまして、専門の学識経験者の方の御意見も伺いながら今まさに検討をいろいろ重ねている段階でございまして、当然のことでございますけれども、まだ結論めいた形にはなっていないというのが実情でございます。
#106
○篠崎年子君 時間がありませんので、次を急ぎたいと思います。
 固定資産税の評価のことについてお尋ねしたいと思います。
 固定資産税につきましては、評価の均衡化、適性化については私どもも審議のたびに申し上げておることでございます。三年ごとに評価がえがあったといったようなことが今回五年というふうに延ばされてきているかと思いますけれども、固定資産税の評価が大都市圏では公示地価の一割ないし二割にすぎないと言われておりまして、今実態を改めて公示地価の七割を目標に評価しようとしているとちょっと聞いたのですけれども、これはそのようにお考えになっていらっしゃるのかどうかということと、それから現実には、固定資産税の評価の対象となる土地は一億四千万筆ぐらいあると言われていると思いますが、公示地点はわずかに一万七千地点、そういうことでは非常に差異が出てくるのではないかと思います。この二つについて御答弁いただきたいと思います。
#107
○政府委員(杉原正純君) 固定資産税の評価がえ、土地家屋につきましては三年に一度やっているわけでございます。次なる評価がえの年が、平成三年度にやりましたから平成六年度でございます。
 ところで、固定資産税の評価、特に土地、その中でも宅地の評価につきましては、いろいろ問題点が指摘されております。
 一番の問題は、市町村間あるいは市町村内の各筆間で非常にアンバランスである、しかも相対的に極めて、仮に地価公示価格というものを物差しに比較いたしますと、水準が低いということでございます。公的な評価につきましては、ほかに相続税評価はもちろん公示価格等ございますが、それらの評価の間のバランスというのをとることがやはり必要ではないだろうかということは、まさに土地基本法にもそのような趣旨がうたわれておりますし、国会でも評価の均衡化、適正化、今御指摘になられましたように、いろいろ指摘も受けているわけでございます。
 私ども、固定資産税の評価をきちっとやる、バランスのとれた均衡化、適正化を図るということがやはり固定資産税に対する信頼、納税者の信頼を得ることにもつながるということで、評価がえに当たりましては、評価の均衡化、適正化をぜひ回らせていただきたい、このように考えております。その基本的な方針といたしましては、御指摘になられましたように、地価公示価格といったものを一つの物差しにいたしまして、平成六年度におきましてはそれのおおむね七割程度を目途に評価の全国的な均衡化、適正化を図りたい、こういうことで地方団体とも十分な意見交換をしてまいりまして、そのような基本方針で現在準備作業を進めているわけでございます。
 そこで、地価公示価格の七割程度と申しましても、これも御指摘ございましたように、固定資産税の方は標準地だけでも四十万地点ございます。全国で一億数千万筆ということでございますが、地価公示の地点はわずか一万七千でございます。今度の予算が認められますと、国土庁でもこれを大体二万点ぐらいにちょっとふやすということをお考えのようでございますが、それでも圧倒的に少ないわけでございます。
 そこで、固定資産税の地価公示価格を物差しにしながら均衡化、適正化を図るという場合に、まず地価公示地点がありますところではその地価公示価格を当然参考にさせていただきますが、そのほかに都道府県の地価調査地点というのがございます。それをもちろん活用することといたしております。しかし、それでも足りません。それでも四万点あるいは四万数千点ということでございますから、一割強ということでございます。したがいまして、それ以外の標準地につきましては、市町村で不動産鑑定士あるいは鑑定士補、そういう方々の御協力をいただきまして鑑定評価をしていただく、そういった予算、財政的なバックアップをいたしまして、それによりまして今の地価公示価格の七割程度を目途という評価がえ作業を着実に進めていきたい、かように考えているわけでございます。
#108
○篠崎年子君 進行に協力する意味でこれで終わります。
#109
○委員長(山口哲夫君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時二十分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時開会
#110
○委員長(山口哲夫君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、地方税法の一部を改正する法律案、警察法の一部を改正する法律案、地方自治法の一部を改正する法律案を便宜一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#111
○野別隆俊君 まず、地方財政の現状認識と景気の動向等についてお伺いをしたいと思います。
 地域振興と取り組む自治体財政というものは裕福である、大蔵省の見解ではこういうふうに言われているのでありますが、今日の日本経済はバブルがはじけて、平成景気も陰りが見えております。そして、政府の経済見通しの三・五を割るのではないか、こういう状況も出ておりまして、特に今まで景気のよかった都市部におきましても、大変厳しい状況が出ております。また、今年度の予算を見てみますと、政府はかなり楽観的な税収を見込んでいるわけでありますが、見通しとしては非常に厳しい、このように言われているわけでありまして、そのことが地方における平成四年度以降の財政に影響が出てくるのではないか。特に心配されるのは、地方税、法人税、住民税等に影響が出てくる、このように私は考えるわけであります。特に、地方財政の収支のバランスの維持をどれだけ守れるのか、これからの先行き不透明な状態の中で大変厳しい状況に今日ある、このように私は見ているわけでありますが、地方財政に対する大蔵省並びに自治省の見解をまずお聞かせ願いたいと思います。
#112
○政府委員(湯浅利夫君) 明年度の地方財政を展望いたしますと、御指摘のように、景気の陰りが出てきている関係もございまして、税収についてはかなり厳しい状況が予想されるわけでございます。平成四年度の地方財政計画を策定するに当たりましても、その点は特に留意をいたしまして税収の見積もりをしていただいたところでございまして、現在御審議をいただいております地方財政計画におきまして地方税の見通しを見ますと、特に都道府県におきましては法人関係税が前年度を下回るということを予測いたしまして、これをもとにして税収の見積もりをするというようなことで、かなり厳しい見方をとりながら税収見積もりはしているところでございます。
 したがいまして、現在の状況というものを踏まえて、経済見通しというものが、当初政府見通しにある諸指標に基づいて推移するとすれば、明年度の税収につきましても何とかなるのではないか。特に地方税の場合には、法人関係税は前年を下回る。それから、住民税については前年の所得を使うということもございまして、今年度の国の所得税の動向なども勘案いたします関係もございますし、また非常に景気に安定的な固定資産税というような税収もございますので、このまま経済見通しの諸指標がまいれば、何とか地方財政計画上の説あるいは交付税の収入枠の確保は可能なのではないかという感じがするわけでございます。
 ただこれはマクロの見方でございまして、地方財政計画上、全体としてそうなってくるかもしれませんが、個々の地方団体におきましては、やはりかなり税収動向にばらつきが出てくる。特に法人関係税に依存している自治体におきましては、今年度におきましてもかなり税収が鈍化しているということもございますので、明年度もこういうことをよく注意いたしまして、個々の地方団体について財政運営の支障のないように、そういう注意を特に払ってまいらなければならないというふうに考えているところでございます。
#113
○説明員(原口恒和君) 今自治省の方からも御答弁がありましたように、平成四年度の地方財政計画に計上されました地方税の収入見込みにつきましては、法人関係税、個人住民税等も平成三年度の動向等を十分勘案して積算する等、最近の課税実績あるいは平成四年度の見通しにおけるいろんな指標をもとに、個々の税目ごとに最も適切と考えられる方法によって見込んだものでございますので、全体としてはこの地方財政計画上の地方税収入につきましては確保し得るものと考えております。
#114
○野別隆俊君 ただいま御答弁をいただきましたが、全国三千三百余の自治体の中で、大蔵省が言っている、地方財政は豊かだと言われるのは恐らく二割五分前後ではないか。九百団体程度までは一定度の財源的な弾力性を持っているようでもありますが、残りの七五%の二千三百前後の自治体というものは、私は極めて厳しい財政状況に置かれている、このように判断しているわけであります。大蔵省は余裕がある、豊かだというふうに見ておりますけれども、先ほども申しましたが、バブルが崩壊して大都市の東京都のようなところでも税収の影響がやっぱり出ているわけでありまして、特に地方の農山村地帯では高齢化が一層急速に進んでいます。そしてまた、経済も後退して税収も年々下がっている、こういう実態にあるわけでありまして、地方税そのものの税収の占める比率を見ましても、一〇%以下の町村が既に今年度は七百四十四団体に及ぶ、一〇%以下でございますよ、こういう状態に来ているわけでありまして、そういう団体に限って今度は公債費が非常に膨れておりまして、借金は年々ふえていく。ひどい自治体になりますと一五%から二四%も公債費比率が高まってきている。こういうふうにもう危険信号をはるかに超しているわけでありまして、こういう自治体に限ってダブルパンチを受けている実態にもあるわけであります。
 そういう現象を自治大臣はどういうふうにとらえておられるのか、ここで明確にひとつしていただきたいと思いますし、また、大蔵省もこの点について、豊かだ豊かだというのはどこを見て豊かだと言っているのか、ここを明確にしていただきたいと思います。
#115
○政府委員(湯浅利夫君) 先ほども御答弁いたしましたとおり、全体の地方財政計画の中の税収の見通しなどは、やはり最近の景気動向を踏まえてかなり厳しくなってきているというような問題もございまして、マクロで見ましてもこれからの新しい財政需要、いろいろ増大する財政需要というものを考えていった場合には、これはかなり地方財政も厳しいのではないか。今御指摘のような余剰があるとか豊かだというようなことではなしに、これからの新しい財政需要、多種多様な財政需要というものを考えてみますと、かなりこの点も厳しいのではないかという感じがするわけでございますし、また、今御指摘のように、個々の地方団体を見ましても、都市部におきましては景気の後退によりまして法人関係税の鈍化、それからそれぞれの地方団体においては、税収の比率の非常に低い団体かむしろふえてきているというようなこともございまして、税収のウエートの低い団体ほど公債費の負担比率も高いというような状況も出ているわけでございます。
 こういうマクロの問題、それからミクロの問題、両方ともあわせてよく見ながらこれからの地方財政の運営を考えていきませんと誤るんではないかということで、ちまたに言われる地方財政余裕論というようなことは、私どもはそういうふうなことは考えていないわけでございまして、今後の地方財政の運営をより的確に、円滑に運営できるようにこれからも努力してまいらなければならないと思っているところでございます。
#116
○説明員(原口恒和君) 全体で三千三百の地方団体の集合でございますので、それぞれの財政状況にかなりの相違があるということで、一概に言うことは難しいと思っております。
 ただ、地方財政全体、マクロの地方財政計画ベースについて申し上げますと、公債依存度、公債残高、公債費比率等、そういうものの指標いずれをとりましても、これは国の厳しい財政と比べてでございますが、良好な指標となっておりますので、そういう意味で地方財政は国の財政と比べると総体的に健全な状況にあるのではないかというふうに考えております。
 ただ、個別に公債費比率が非常に高い団体というものがある、あるいは全体として五十年代のいろいろな地方債の借金の残高が残っておるということは我々十分認識しておりますので、毎年の地方財政計画の策定に当たりましても、財源対策債償還基金でございますとか、あるいは平成四年度の臨財債償還基金というようなものを設置する等、将来の公債費の負担の軽減というものにも十分意を用いているところでございます。
 いずれにしても、国と地方を通じて全体の行財政改革をやっていくということは必要だというふうに考えております。
#117
○野別隆俊君 ここで、自治大臣の地方財政に対する見解と、今後の地方財政をどのように運営していくかという問題についてまず伺っておきたいと思います。
#118
○国務大臣(塩川正十郎君) 今役所の方がそれぞれ立場をかえまして説明いたしましたが、私は地方財政の現状は決して楽なものではないと思っておりまして、先ほどもちょっとお答えいたしましたように、これからの地方財政の果たすべき役割というもの、この認識をしっかり持つことがまず何としても取り組む一番根本ではないか、こう思っておりまして、これは御説明の重複を時間がございませんので避けたいと思います。
 そこで、現在をどう見るかというお話でございますが、現在地方団体は三千三百幾つございますけれども、その中で一番割を食っているというか一番苦しいのは、私は本当は標準団体ではないかと思うんです。それ以外の過疎団体あるいは都市団体というのは、それなりにそれぞれのメリットを受けております。過疎団体におきましては非常に手厚くあらゆるものが措置をなされておるのでございます。だからといって十分と言っておるわけではありませんで、十分に行き渡っておるわけではございませんけれども、措置は講じてあるわけなんであります。そして一方、都市団体におきましては自然に財政が豊かになる、そういうように仕組まれておるようなことで、一番割を食っておるのは標準団体だと思います。そこで、私は最近も、基準財政需要額を見直す際に、その見直しの中心は標準団体に手厚くなるような方法を考えてやってくれということを申しておるのであります。
 それでは過疎地域はどうなのかということでございます。私は、これはどんどんと過疎化が進んでまいりますし、過疎といわば産業で生きていきますところの都市との関係というものは、だんだんと差があらけてくると思います。ですから、これはほっておいては大変な状態になっていくんではないか。そこで、市町村の財政が一律まんべんにということにはいかないのではないか。でございますから、交付税の運用というものをどういうふうに均てん化させていくかということでございますけれども、その均てん化の重点をどこに置くのかということは、これは非常に重要な問題として検討すべきものではなかろうか、私はこう思っております。
 その中の一つの方法といたしまして、過疎地域等を中心といたしまして、この際、自治体がやっておりますところの広域行政圏構想、これによりましていろいろ整備いたしておりますが、まずはとりあえずこういう広域行政圏の中にシビルミニマムがどのように達成されておるかということをしっかりとつかんでほしい、それに至らないものに対しては全力を挙げてその達成に努力をしようではないか、その中の一つの過疎村落といいましょうか、それの救済は、その広域行政圏の中に包み込んで考えてもちいたい、私はそのようなことを言っております。それはある面からいえば過疎の集約化ということになるかもわかりませんけれども、しかし、過疎の地域を、地区でございますから、村そのものよりも地区で分散しているのが多いと思いますので、まずその地域、地区の分散をある程度集約化していく、そして過疎市町村団体というものは広域行政圏の中で温かく包んでいって自立できるようにしていくべきだ、こう思っておりまして、私の考え方では、あくまでも広域行政圏に対する財政援助といいましょうか、措置というものは十分にやっていきたい、都市よりも、都会よりも、むしろそちらの方こそ私は整備を急ぐべき問題ではないか、実はそう思っております。
#119
○野別隆俊君 ありがとうございました。特に大臣の今の見解については、非常に共鳴する点と、また今後問題として意見を申し上げなきゃならぬ問題もございます。これは次の機会に延ばしてまいりたいと思います。
 次に、地方税改正案中の固定資産税の評価がえの問題についてお伺いいたします。
 平成六年の固定資産税の土地評価がえの作業が本年七月ごろから開始される、このように聞いておりますが、この評価がえまでに至る県や市町村の作業、この手順は一体どういうふうになっているのか、その点についてまずお伺いします。
#120
○政府委員(杉原正純君) 三年に一度でございます次なる評価がえの年でございます平成六年度に向けましての作業でございますが、今お話がございましたように、今年の七月一日を基準日といたしまして評価がえの事務を進めるということで現在万端の作業を進めているわけでございますが、基本的な評価がえの方針、つまり地価公示価格の七割をめどにといったようなことは既に地方団体に対しましても通知いたしておりますし、さらに徹底を図ってまいりたいと思っております。これを受けまして、地方団体におきましては、まず各都道府県におきまして土地評価協議会といったものの設置を、そして各市町村におきましては基準日現在におきます鑑定評価価格を把握するための準備作業、例えばでございますが、地元の不動産鑑定士などと日程の協議などを既に進めているところでございます。
 今後でございますが、平成四年度に入りますと、年度当初から不動産鑑定士との間に鑑定評価につきましての委託契約などの締結がございます。また、先ほど申し上げました土地評価協議会におきまして鑑定評価価格相互のいわば調整といったものを進めていただきまして、基準地、標準地といったものの評価がえ作業を順次進めていく、こういうことに相なろうと思っております。
#121
○野別隆俊君 この評価基準を出すための公示価格、さっきの御答弁によりますと七割程度を見てそれを評価基準にしよう、こういうことになるようでございますが、今回の改正は、これで進みますと大体三五、六%のアップになるんではないか、そしてまた五千億程度の増収が見込めるのではないか、こういうふうに聞いておるわけであります。評価額の問題は、各県によっても随分違いますが、全国的に非常に格差が出ておりまして、私は数字をとったんでありますが、京都市では、ここは非常に格差が少ない古い町ですから余り大きな変動がないのかと思うんでありますが、一四・六%であります。ところが、東京都に近い甲府市では五九・二%も格差が出ている、こういう状態でございまして、この評価額の引き上げと各地の標準地ごとのバランスにこういう大きな差が出ているわけですから、これは今後の評価額を決める決め手としての調整方法ですが、負担調整をどのようにするのか。評価額で調整するのか、または税率の調整で行うのか、この辺をお聞かせ願いたい。
#122
○政府委員(杉原正純君) 平成六年度評価がえにおきましては、まさに今委員御指摘になられましたような山梨の例あるいは京都の例がございます。それは、平成三年度の、前回といいますか、今のですが、評価がえの際の県庁所在都市の基準地におきます固定資産の評価額の平成元年度公示価格に対する比率がと存じますけれども、まさにお示しのとおり非常にばらつきがあるわけでございます。ここにまさに固定資産税の評価におきます課題があろうと思っております。
 先ほど申し上げましたように、まずこの大変な地域的なばらつきそのものが固定資産税の評価というのは一体何をしているのか、こういう不信感につながりまして、また市町村税の根幹であります固定資産税制度そのものに対する不信ということになりますものですから、ぜひこの評価がえに当たりまして、特に宅地でございますけれども、固定資産税の土地の評価の均衡化と適正化というものを進めさせていただきたいということで現在作業を進めているわけでございます。
 そこで問題は、まさに現在の評価水準が非常にばらばらでございます。そこへ公示価格といったものを物差しにいたしまして、おおむね七割ということで評価をきちっとやっていただくということになりますと、いわば評価アップ、評価上昇といいますものがかなりな率になろうかと思います。それも、地域によりまして現在、もともと根っこがばらばらなものですから、評価倍率というのはかなりになろうと思います。ただ、ことしの七月一日から評価がえ作業を始めるものですから、地価公示価格あるいは県でやっております地価調査の動向がどうなるかということと大いに関連はいたします。したがいまして、今後評価がえ作業を実際進めていきますと、現実にどの程度の評価上昇になるかというのはわかってくるかと思います。
 その場合に、問題は負担のお話だと思いますが、私どもやはり今回の評価がえは、その評価の適正化、均衡化ということ、それ自身が大いなる目的である、かように考えておりまして、評価がえに伴いますいわば増税、増収といったものをねらっているわけではございません。したがいまして、この評価がえに伴います納税者の負担が急激に変わることのないような、適切な調整措置を講じなくちゃいけない、かように考えております。ただ、具体的にはこの七月から評価がえ作業が実際に始まるものですから、どの程度の評価上昇になるのか、そしてほっておいたら一体どの程度の急激な税負担になってしまうのかというデータがこれから集まる話でございますので、そういった行く末を眺めながら、できましたら平成五年度改正に向けて具体的な調整措置を講じさせていただきたい、かように考えております。
 その調整措置の方向につきましては、特に問題となっておりますような住宅用地に力を入れた配慮をしていかなくちゃいけないだろう、これは当委員会の決議でもお示しになっておられますものですから、そういった点を十分念頭に置きながら、調整措置につきまして検討を進めてまいり、また御審議を煩わしたい、かように考えております。
 ただ、具体的な調整の場合に何をもって調整するのか、こういうお話がございましたが、一つは今評価額で調整するというふうにたしかお聞きいたしましたけれども、そうしますと評価そのものをしっかりやろうということが無意味になりますので、評価額そのものを調整するということではなくて、評価に伴います負担増を別途の形で調整する、こういうことになろうかと思います。例えば、現在、住宅用地につきまして四分の一とか二分の一とかいったいろいろな特例措置がございますが、そういったものにつきまして、これでいいのか、さらに拡大する必要があろうかといったようなことが検討の主題になろう、あるいは現在よりもよりなだらかな負担調整措置、段階的な調整措置といったようなものも念頭に置かなくちゃいけないだろうと思っております。
 もう一つお示しの、税率でというお話がございましたが、これはひとつ私どもとしては避けたいと思っておるわけでございます。固定資産税の税率は、土地、家屋、償却資産につきまして、一体として一本の税率で課税をしている仕組みでございます。固定資産税収入のうちで土地は四割でございます。そのほかに家屋が四割、償却資産が二割ということで、つまり、土地以外に六割のウエートを占めております家屋とか償却資産というものがあるわけでございます。こちらにつきまして同じように税率を下げてしまいますと、大変ないわば減収になるわけでございまして、特に家屋のウエートが高い、あるいは償却資産のウエートが高いといった市町村では大打撃になるわけでございます。
 また、税率につきまして、では家屋、償却資産はそのままにしておいて土地だけでというお話もあるいはあるかもしれませんが、土地の中でも問題になっておりますのは宅地でございまして、農地とか山林とかいうものにつきましては、従来どおりの方向で評価の均衡化、適正化を図ればよろしいと思っておるわけでございますから、そちらについてまで税率を下げるという必要性は認められないわけでございます。されば、宅地だけ税率を下げるということになりますと、では農地と山林は税率が高いのかというようなことで、これもなかなか一般の納税者の御理解が得にくいというようなこともございまして、やはり税率で調整するということは考えられないというようなことで、何らかの課税標準の特例といったような形で、例えばでございますけれども、そういった負担の調整措置を今後考えてまいりたい、かように考えております。
#123
○野別隆俊君 公示価格のない標準地がございますが、こういったところの土地鑑定作業を行うに当たりまして、これはこれからやられるわけで、平成六年には実行段階に移るわけでございますから、その間に市町村の職員の研修などをやらなきゃならぬ。相当数に上ると思うわけでありますが、これにどういう対応をするのか。市町村の職員を研修してやるのか、また人員増の方法もあろうかと思います。それから、不動産鑑定士にどういうふうに協力を求めていくのか。不動産鑑定士がいない町村がありますね。こういうところは一体どのような対応をしていくのか、この点についてまず伺いたいと思います。
#124
○政府委員(杉原正純君) 地価公示価格の七割をめどと申しましても、地価公示地点そのものが現在は一万七千余点、来年度の予算が議決されますと国土庁では二万点ほどにふやしたいと言っておりますけれども、それでも固定資産税の方の標準地だけでも四十万地点あるわけでございます。固定資産税の土地の全筆が一億数千万筆、こういうことでございますから、とてもとても足らないことは事実でございます。
 そこで、ふえまして二万点でございますが、そういった地価公示価格のみならず、県知事がやっております地価調査、これも当然活用させていただく。それ以外に、標準地につきましては四十万地点でございますが、これにつきましては市町村で不動産鑑定士などに鑑定評価を依頼しまして、それを評価の基準として参考にさせていただく、こういうことを考えているわけでございます。そのための財源措置なども講じさせていただいておるわけでございますが、じゃ鑑定士がいない市町村があるのではないかと今お話がございました。まさにそういう市町村もあることは承知いたしております。
 そこで、都道府県におきまして、鑑定評価導入に関しまして不動産鑑定士等のいわば地域分担でございますとか、あるいは作業スケジュールなどについて調整を行っていただきまして、各市町村におきまして組織的、計画的な取り組みが可能になるように進めていきたい、またそういうふうに現在準備作業は進めているわけでございます。
 同時に、市町村の職員自身の問題がございます。これにつきましても、やはりお話のございましたような研修を徹底することはもとよりでございますが、さらに増員等につきましても、事務処理体制、執行体制が十分整備充実されるように努めていただきたいというようなことで、市町村に対しまして指導をさらに強めてまいりたい、かように考えているわけでございます。
#125
○野別隆俊君 評価がえに当たりまして一番問題になるのは庶民の小規模住宅等の問題でございますが、この用地の評価がえが大変な負担増になってくるのではないかという心配があるわけであります。都市部ではこの税金を追い出し税金だ、こういうふうな言い方もあるくらい非常に問題のある改正であります。
 そこで、私は、このような改正に当たってそういう庶民の住宅、特に都市部における庶民の住宅に対する負担緩和の対応をどのようにしていくのか、こういった調整措置を考えているのかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。
#126
○政府委員(杉原正純君) 先ほども御答弁申し上げましたが、この評価がえに伴います納税者の負担につきましては十分配慮が必要であろうと思っております。特に、御指摘になられましたような小規模な住宅用地につきまして、現在も四分の一でありますとか、あるいは小規模の規模を超えましたところにつきましては二分の一といったような特例措置は講じておりますけれども、今回の評価がえの結果大変な負担増になるということが仮に想定されるといたしますならば、現在のそういった特例措置では不十分であろうと率直に考えております。まさに当委員会での特別決議でも指摘されておりますように、やはり住宅用地につきましては、お話のような追い出し税というようなことになることは大変なことでございますから、そういったことにならないように、現在の軽減措置をさらに拡充するなども含めました納税者の負担に十分な配慮を検討してまいる必要があろうと思っています。
 ただ、具体的には、先ほどから申し上げておりますように、これから評価がえ作業が始まるものですから、その推移を眺めまして、一体どの程度の評価アップになるのか、そしてそれが現行制度のままであったらどの程度の負担増になってしまうのかということを見定めまして、具体的な、いわば定量的といいますか数量的といいますか、そういった調整の中身につきましては今後検討をさせていただくことになろうと思っております。
#127
○野別隆俊君 次に、特別消費税問題についてであります。
 今消費税の税率は三%でありますが、今年度の予算の中で観光業界に対しては二%、それから環境衛生業界に対しては一%の振興助成交付金というのがこれは補助で出されることになっておるようでありますが、そうなりますと、これまた逆不公平になるのではないか、こういうふうに思うのです。また、この観光関係と環境関係、これが総額でそれぞれどのくらいの補助金額になるのかを明確にしていただきたい、まずその点をお伺いいたします。
#128
○政府委員(谷口恒夫君) お尋ねの観光事業振興助成交付金、また環境衛生営業振興助成交付金、御質問のとおり、特別地方消費税のそれぞれ二%及び一%をめどに都道府県において予算化をしていただきたい、このようにお願いをしておるところでございまして、したがいまして、マクロで平成四年度ベースでいきますと、トータルで約四十億ぐらいになる、こういうベースのものでございます。
#129
○野別隆俊君 私は、補助金を出すのが悪いと言っているのではありません。しかし、住民が三%をあれだけ反対して、しかも食料品を全段階非課税にしろという要求をしておりまして、政府もかつては食料品は非課税にするというぐらいまでこの論議は相当尽くしてきた問題であります。そこで、こういったことをやった裏には、この措置は業界の反税運動に対して運動を和らげる見返り金ではないかという見方があるのでございます。そういう見方が大変広がるということは問題でございますから、この点について政府税調はどういうかかわりを持ってきたのか、この点と、こういった補助金を出すという根拠、これについて説明を願いたいと思います。
#130
○政府委員(谷口恒夫君) まず、お尋ねの両交付金でございますが、この根拠は地方自治法第二百三十二条の二に基づきます都道府県の補助金として交付されるという性格のものでございます。したがいまして、この交付金は税制上の仕組みとして設けるというようなものではございませんで、各都道府県で歳出面で措置するというものでございますから、政府税調においての検討はお願いしておりません。
 また、なぜこの交付金を設けるかという御質問でございますが、最近における我が国の消費生活が非常に質的に充実、向上しておる。そういう中でそれぞれの地域におきます環境あるいは観光、そういった事業の振興を図る必要が大いにある。こういうことで関係省庁から自治省に対して、地方団体に対してそういう交付金制度を設けてほしいというような要望がございまして、種々話し合いをし、検討した結果、地方団体の協力のもとにそういう交付金制度を設けて、適切な運用を通じて地域の振興と活性化を図っていくということで設けたものでございます。
 したがいまして、これらの交付金を交付する対象も公益的性格が十分に担保できる団体に限らなければならない。そういう意味で社団法人である都道府県の観光協会、あるいは財団法人である都道府県環境衛生営業指導センターというのがございますが、そういった法人格を持った団体に交付するというようなことにもしておるわけでございます。そういうことによりまして、地域の観光あるいは環境営業事業、こういうものが一層振興するような事業を行っていくという性格のものでございます。
#131
○野別隆俊君 この問題もまだ掘り下げて私は討論をしたいわけでありますが、時間の関係で、ほかの予定しております問題がございますからこれは次回に回すことにいたしまして、次に移りたいと思います。
 次に、完全週休二日制の実施についてであります。
 週休二日制関係法案は、これは公務員の願いであると同時に関係団体や我々も一致して要求をしてきた問題であります。今国会の後段になるのではないかと思っておりましたが、国会対策委員会等の御努力によって、これは日切れ法案で処理するというようなことで急浮上してまいりました。先ほどから本委員会に提案されているわけでありまして、これらの問題を慎重審議をして今夕の本会議で決まることになるかと思います。この法案は、閣議決定以来非常に速い速度で来まして、三カ月でいよいよ本国会で決まることになりますが、これによって、公務員を初め国民の皆さんの期待に十分こたえることができたと非常に私どもも喜んでいるわけであります。
 このことについて、この法案の提出者であります自治大臣の方で、この法案に対する見解と今後実施段階に入るまでどういうお考えで推進をされるのか、お伺いをしておきたいと思います。
#132
○国務大臣(塩川正十郎君) 御承知のように、地方公務員の週休二日制は国の制度と並行して実施していくという、この基本線は堅持していきたいと思っております。したがいまして、週休二日制の法案を早期に成立させていただきましたならば直ちに公布の手続をとり、そして自治体、地方団体等におきましては六月のそれぞれの議会がございますので、でき得ればその時期に条例制定をしていただければいいかなと思うたりいたしております。しかし、これはそれぞれの自治体の方の準備のかげんもあったりいたしますので、あえて強制的にそういうことが言えるべきものじゃございませんけれども、でき得ればそういうふうな時期に合わしていただければ私は幸せだなと思ってそのいきさつを見ておるところでございまして、何といたしましても早く公布をしてやるということまではこちらの責任として強力に推進していきたいと思っております。
#133
○野別隆俊君 本法案は急げば五月からできるわけでありますが、地方の議会が既に大部分終わっているというような状況もございますから、おそらく六月議会で審議になると思いますが、これは最低七月実施にはいけるというようなことで自治省としても全力を尽くして、国民のコンセンサスはもう得ているわけでありますから、あと実施段階の事務的な手続が中心と思いますから、そういった考え方で強力にこれに取り組んでいくというお考えはありませんか、そしてまたそれを推進するお考えはありませんか、お伺いします。
#134
○国務大臣(塩川正十郎君) できるだけ強い指導をもって推進していきたいと思っております。
 ついては、適当な時期に各団体に対しまして、週休二日制の条例策定とか、あるいはその準備段階等はどうなっておるかということ等を踏まえまして各団体の意見を聞きながら、そのことがすなわちひとつの強力な行政指導にもつながるんではないかと思っておりますので、そういう措置もあわせて並行して実施していきたいと思っております。
#135
○野別隆俊君 次に、週休二日制を実施するに当たりまして交代制勤務の職場がございますが、ここの取り扱いについてであります。普通の業務の場合は閉庁できるわけでありますけれども、病院であるとか、清掃工場であるとか、消防署であるとかいうような場所は閉庁ができないわけであります。
 この交代制職場に対する考え方についてでありますが、これはなかなか厳しい取り扱いになりまして、職員の皆さんがみずからローテーションを組んで話し合いをしながら週休二日制という一つの方向として進んでいるようであります。普通の皆さんは土曜、日曜は休みでありますけれども、この人たちはそういうわけにまいりません。そういう場合に、同じ一週間に二日休みにしても飛び休では困るわけでありまして、やっぱり二日は連休にする。土曜、日曜が使えない状態まで出てきているわけですから、そういった面の配慮をどのようにしていくのか、見解をお伺いしたいと思います。
#136
○政府委員(秋本敏文君) 御指摘がございましたように、完全週休二日制を導入する場合に交代制等の職場の職員の勤務時間の割り振り等、これは大きな問題になろうかと思います。交代制等職場におきましては、ほかの職場と同様の画一的な勤務時間の割り振りということは現実には難しくて、やはり弾力的な形態の勤務割ということにならざるを得ないだろうというふうに思います。
 そういう場合に、勤務条件の基本としてまず勤務時間ということがございますけれども、勤務時間につきましては他の職員と同様に措置をするということにすべきである。そしてまた、あと休日の問題でございますけれども、連続した二日の休日がとれるかどうか、それはそれぞれの職場によってやはりいろいろな事情があろうかと思います。私どもは、できれば連続した休日をとることができればいいなと思っておりますけれども、それぞれの職場の中でひとつ十分検討、工夫をしていただきたいと思っております。
#137
○野別隆俊君 職場条件等で幾らか違う面もあろうと思いますけれども、できるだけ連続休暇で二日なら二日は休む、こういうことで進めるような指導をしていただきたいと思います。
 次に、これも交代制職場になるわけでありますが、昼も夜もやっていて仕事の中断ができない、病院等もそうでありますが、そういう場合に週休二日をやったためにサービス低下になっては大変でございますから、サービスは下げられない。こういうところに対して人員が今のままで休めるのかということになると、これまた大変厳しい難しい問題であります。ところが、人員増加をしないという基本方針があるようであります。
 これはやはり大臣、ケース・バイ・ケースで考えていかないと、しゃくし定規でいけば、例えば二交代制、三交代制の職場についてはとても週休二日は実行できないということになりまして、同じ公務員でも差別を受けるということになるわけでありますが、この辺について一定度の余裕を持った弾力性のある考え方で進めるべきではないかという気がするのでありますが、その点についてお伺いします。
#138
○政府委員(秋本敏文君) 完全週休二日制の導入に当たりましては、今御指摘ございましたように、行政サービスを極力低下させない、そしてまた予算、定員の範囲内で行う、こういうことを昨年末の国家公務員の完全週休二日制導入の閣議決定でもうたっているわけでございます。これは、例えば予算、定員の範囲内でといったことにつきましては、民間における週休二日制あるいは時間短縮が大変厳しい合理化努力の中で実施をされているというようなことを考えますと、住民の皆さんの理解、協力を得ながら実行していくためにもそういう努力が必要であろうということでございます。
 ただ、そういう中におきましても行政サービスを極力低下させないということの努力もまた必要だということでございまして、それぞれその職場あるいは団体によっていろいろな事情があろうかと思いますが、そういう三つのことをどういうふうにしてうまくかみ合わせていくかといったことについての工夫、努力をしていって、そしてまた皆さん方の御理解を得て導入するということにしていかなきゃいかぬだろうと思います。私どももそういったことに関連して、必要な情報の提供などにつきましてはできる限りの努力をしていきたい、こういうふうに考えております。
#139
○野別隆俊君 次に、警察庁長官にお伺いをしたいと思います。暴力団法の関係です。
 昨年の五月に暴力団対策法が成立を見まして、いよいよ三月一日から実施に移りました。この法律につきましては、国民の皆さんも大変な関心と期待を持って見守っておられるわけであります。警察庁は、今回の暴力団対策法を初め、さきに審議が行われました改正銃刀法の問題、それから麻薬取締二法等の問題、これらを駆使して暴力団の徹底排除を行う、こういうことになっているわけでありますが、ここで、これからこの法律をどういうふうに適切に駆使して国民の期待にこたえることができるか、長官の決意のほどをまずお伺いしたいと思います。
#140
○政府委員(鈴木良一君) 昨年、暴力団対策法と銃刀法の一部改正を成立させていただきました。また、厚生省関係で麻薬二法が成立をいたして、これは夏ごろには実施になるようでございます。また、今回組織の関係で暴力団対策部をお願いいたしておりまして、これをお認めいただけますれば、組織体制、法律の問題というのがそろうわけでございます。またあわせまして、法律の中にもあるわけでございますが、民間の暴力追放組織も着々とできてまいります。そういうようなことで、民間の方々と一体となりまして、また私どもの方の組織も刑事局、直接の担当の部局だけじゃなくて、総力を挙げまして暴力団の壊滅に臨んでいきたい。
 私どもは、今暴力団対策はまさに新しい出発を迎え、また正念場を迎えておるというふうに考えておりまして、法律の円滑な運用はもとより、取り締まりの徹底を期していく、また、そういう意味で、もろもろの民間の方々の御協力も得まして総合的な対策を進めてまいりたい、かように考えております。
#141
○野別隆俊君 暴力団の組織の実態と資金力の問題についてお伺いしたいと思います。
 警察庁が平成元年に行った調査しか私は見ておりませんが、最大の山口組が二万六千百七十人、稲川会が八千二百五十三名、住吉会が八千百九十九名、この三団体の勢力を初め、ほかに三千五百五団体、これは両方合わせてでありますが八万八千二百六十人。しかも、この人たちの稼ぎ高というのは一兆三千億、また一兆五千億とも言われるようなことでありまして、一体この資金源の主なるもの、どういうところからこれだけの金を集めているのか、わかっておればまずこれをお示し願いたい。
#142
○政府委員(國松孝次君) 資金源の内訳といたしまして、私どもが行いました調査は平成元年のものがあるわけでございまして、ちょっと古い数字になるわけでありますが、一兆三千億円という数字を私ども申し上げております。内訳といたしましては、約半分が暴力団のいわば伝統的な資金獲得活動でございます覚せい剤の密売、それから賭博、のみ行為というようなものでございまして、あとの約二割が一般市民の日常的な民事取引や企業の経済取引等に介入する、いわゆる民事介入暴力とか、あるいは企業対象暴力といったようなものの収益になっております。また、彼らはいろいろと企業経営をいたしておりまして、それによる収益が一割ほどあるというようなのがざっと申し上げた内訳でございます。
#143
○野別隆俊君 今説明を聞きましたが、最近の特徴として企業経営に乗り出している、例えばゴルフ場をやるとか証券を買うとか、たくさんそういうことをやってきているわけでありますが、この比率が年々増加をするんじゃないか、今の傾向からいけば。これは正常な企業経営の中まで入ってくると大変なことで、正常にやればいいんですが、不正常にやることは間違いないです。今度の証券だって、ああいったあおりをやっているのはやっぱり暴力団が中心になってやっていると言ってもいいぐらいやっているわけですから、こういった方向に進むということになると大変なことであります。
 それから、非常に巨大化するような状況に行くのじゃないか。今さっき申し上げましたように、三つの団体で約半数ですか、四万二千六百人ぐらいになるわけです、八万八千人ぐらいの暴力団の中で五〇%弱でありますけれども。こういった状態、寡占化の方向に進んでいって巨大な暴力団になっていくと、もう警察の力ではやれなくなっていくんじゃないかという心配すら起こるくらいそういう方向に進んでいるわけであります。こういったさなかでありますから、今度の新法というものは極めて重要な役割を持つと思いますが、そういう状況をどのように見ておられるか、今後の暴力団の方向、それに対応する警察のこれからの取り組み、この辺についてお聞かせ願いたいと思います。
#144
○政府委員(國松孝次君) 先ほど資金源の内訳というので、企業対象暴力といったようなものは大体二割というようなことを申しましたが、これは平成元年の調査の数字でございまして、今は委員御指摘のとおり、この部分がかなり増大をしておるということは十分に予想されるところでございます。
 寡占化につきましても、御指摘のとおり、今全体の暴力団の約半数は山口組、稲川会、住吉と三つの団体で占められるわけでありますけれども、こういった勢力の寡占化が起こりますと、より大きな利権が暴力団に入る。そして、より豊富な資金を獲得することができるというメカニズムが働くのであろうというように思うわけでございまして、そうした豊富な資金力を背景として表の経済活動へますます進出をしてくるということになるのだろうと思います。
 したがいまして、より寡占化が進めば、より大きな資金力を持って暴力団が一般の経済取引に介入してくるという関係が生まれてくるであろうということでございまして、現実に昨年の稲川会前会長による東急株の大量株取得の問題はまさにその一つの証左であろうというように考えておるわけでございます。
 私どもといたしましては、そういう意味で何としても寡占化を防ぐというのが暴力団対策の一つの大きな柱になるわけですから、新しくできました暴力団対策法の運用につきましても寡占化をストップするという意味で、寡占化の激しい山口、稲川、住吉といった三団体を重点的にまず第一次といたしまして指定をしていこうということにしておるわけでございます。
 そのほか、犯罪の摘発にいたしましても、私ども資金源犯罪という形で取り上げております彼らのいろんな犯罪形態があるわけでございますが、こういうものにつきましては新たな私どもの捜査能力、特に財務解析能力とかそういったものも十分にこれから研さんを積みまして、彼らの新しい知能化する資金源活動といったようなものに十分対応するように努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。
#145
○野別隆俊君 時間が参りましたので、あと三、四点ございますが、これは次回に回しまして質問することにいたしますが、特に暴力団法は国民が安心して生活ができる状態をつくるためには重要な法律でございます。しかしまた、この法律はいろいろ人権問題等も考えられる面もございますから、十分その辺を配慮しながら、しかも国民の期待にこたえられる、また国民の協力をいただく、こういうことでこれから徹底して推進を図っていただきますことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#146
○常松克安君 冒頭からでありますが、大臣、たってのお願いがございます。この席を暖めるにつきまして、渡部大臣以来四代目にこうしておつき合いをさせていただきます。十人十色ながらいろいろな御見識を承ってまいりました。しかし、今度の大臣はちょっと違うぞ、政治家としての哲学をお持ちである、こういうような感じを私は受けました。来たるべき日に、改めまして、私の与えられた質問時間を半分以上カットしてでも、大政治家塩川先生のひとつ国家永遠に残る文言句々をお残し願いたい、まじめにそういうふうに思っておるんです。そういうようなことでいつの日か、その点御要望いたしますので、よろしくお願いいたします。
 質問に入ります前には、どうかひとつ親切な答弁よりも的確な答弁ということでよろしくお願い申し上げます。
 まず、週休二日制の問題でありますが、市役所とは市民にお役に立つところ、町役場とは町民にお役に立つ場所、このように私は考えておるがゆえに、行政とは最高のサービスの場所である、献身の場所である。としますと、この週休二日制という問題に関係いたしまして、もう既に地方では、土、日に役場じゃなくてわざわざスーパーまで出かけて、そこで、町民の皆さんのお集まりをいただきやすい場所で行政サービスに努めていらっしゃる。そうしますと、週休二日制は、働いていらっしゃる方も大変である、努力も大変と思いますが、それ以上に市民サービスのこのことと絡みがある。共稼ぎで、土曜日や日曜日にやっているのをせっかくいいと思っているのに、それがカットされてしまいやしないかという一部に声あり、これらをどうしますか。
#147
○政府委員(秋本敏文君) 地方公共団体で完全週休二日制を導入いたします場合に、ただいま御指摘がございました住民の皆さんに対するサービスの確保ということは大変大きな問題になろうと思います。地方団体で週休二日制を導入しますためには条例改正という手続が必要でございますが、その場合に、当然その点について住民の皆さんの理解を得られなければならないだろうと思います。
 土曜日が休日ということになりますと従来の日曜日、祝日と同様でございますから、現在ほとんどの団体で閉庁土曜日の窓口サービスというのは基本的には実施をしておりませんけれども、しかし今お話がございましたような住民へのサービス確保などから、日曜日におきましてもいろいろな窓口サービス等を実施している団体もございます。
 今回、完全週休二日制を導入した場合に、そういったような団体がどういうことになるかということでございますけれども、週休二日を導入する場合に、住民に対するサービスを極力低下させないようにということが当然大きな課題になると思いますので、こういったことをどうするかは、やはりそれぞれの団体で諸般の事情を総合的に判断して決定することではございますけれども、ただいま申しましたようなことからいたしますと、従来行っておりますようなサービスを今回この完全週休二日制導入の機会にやめるといったようなことはなかなか難しいのではないだろうか、従来同様ということになるのではないだろうかというように考えます。そういったようなことを含めて、サービスを極力低下させないということについては、地方団体がそれぞれ努力をされるものだと思います。
#148
○常松克安君 よくよくその辺のところをきちっとしていただきたいと思います。いろいろな努力の結果、非常に明るくなっておりますが、いまだに不親切だ、わかりにくい、どこへ行きゃいいのか、判こを何遍も持ってこいと言うと。市民の声というのは常にそういう要求が大きくもなりますが、やはりそれに対する行政サービスというものは断じて低下させてはならない、こういうふうなことを基本に置いていただきたいと思います。
 次に、国保の方で少しお尋ね申し上げます。
 今回、法案を見せていただいて、四十二万から四十四万、四十四万から四十六万、毎年二万ずつ。これはどうしてもうなずけない、どんな計算しても。しかし、国保という問題は一面またいろいろ努力され、地域住民の健康という問題で一生懸命やっていらっしゃる。中でも国保財政安定化支援事業ですか、これで一つの大きな効果がこれから出されることは適切な判断であった、かように思います。
 しかし、大臣もけさ方おっしゃったあの三点は、物すごく大事な示唆に富んだ御見解でございました。高齢化という問題で、厚生省としてはこれよりまた、ただ単純にゴールドプランというものではなくして、高齢者保健福祉推進十カ年戦略、こういうふうな構想を持っていかないと、これはきのうきょう出た赤字を埋めるどうのこうのの政治判断だけでは許されない時期にきておる、こういうふうに考えております。
 そういうふうな考えのもとで、改めて医療保険の一元化問題を含めて審議できるよう医療保険審議会を、仮称ですが、設置しようとされている。その中で何を提議されようとされているのか、端的にお願いします。
#149
○説明員(辻哲夫君) 御指摘の点のうち、医療保険審議会についてお答え申し上げます。
 現在国民健康保険制度につきましては、そのあり方を審議する専門の審議会はございません。このたび、現在御審議を賜っております健康保険法等の一部改正におきまして、新たに医療保険審議会の設置をお願いしておりまして、これができますと国保を含めまして医療保険全体について御審議をいただけることになっております。
 審議内容につきましては、審議会が設置された段階で関係者の御意向を踏まえながら具体的に進んでいくものと考えますけれども、少なくともかねてよりの国民健康保険制度の検討課題となっております保険料税の平準化、これはもとより、医療保険制度の一元化との関連で給付と負担のあり方などについて幅広い観点に立った検討が行われることになるものと考えております。
#150
○常松克安君 その議題の中で、かねがね提案いたしております給付内容の改善という問題。国民健康保険組合の中に、別に職域といいますか、十割給付をしておる、こういうふうな優秀な組合これあり、片一方では赤字赤字、徴収が悪いと補助金カット、地方はたまったものじゃない。
 給付率の問題でありますけれども、その中にいろいろな組合があるんでしょうか。
#151
○説明員(辻哲夫君) 国保制度の中には国民健康保険組合という制度がございます。国民健康保険組合は、いわゆる同種同業と申しておりますが、被用者保険、健康保険制度の適用されない自営業の同業の方々の組合を地域保険として従来より認めてきているものでございます。これにつきましては、御指摘のとおり、同種同業の組合ということで、沿革的に、例えば組合員十割給付、家族については八割とか七割といったような給付内容をもったものも事実としてございます。
#152
○常松克安君 どういう組合があるのか列挙してください。
#153
○説明員(辻哲夫君) 自営業でございますので、典型的には飲食店の関係の方々、それから医師、歯科医師、薬剤師といった方々、それからさまざまございますけれども、建設業関係、俗に言う一人親方と言われております方々、こういった零細といいますか、被用者保険が適用されない、事業所の形態をとっていない自営業の方々でございます。
#154
○常松克安君 この方々にやっぱり四十六万という最高の法令はひっかかるんですか。
#155
○説明員(辻哲夫君) この方々につきましては、基本的には保険料は規約で定められることになっております。ただ、平均の保険料を見てみますと、市町村国保は一人当たり六万二千円程度になっておりますのに対しまして、この国保組合の関係は八万五百円といった水準になっております。
#156
○常松克安君 じゃ、これからどんどん、健康な者、金持ち皆集まれ、そして組合つくって、それでやってもいいですか。
#157
○説明員(辻哲夫君) この国保組合でございますが、これは昭和十三年にできた国民健康保険制度創設のときから、地域の中で職域と職域以外の地域という二本立ての制度でできたという沿革から、その沿革を引き継いで現在に至ってきているものと承知いたしております。しかしながら、新しい皆保険のもとにおける国民健康保険制度につきましては、市町村公営ということが原則でございますので、この国保組合につきましては基本的には新設を認めないということで、新設につきましては抑制的に運用されております。
#158
○常松克安君 一口で言ってみれば既得権ですな。既得権のために認めるという、厚生大臣並びに各局長の承認するという、以後はこれは絶対認めないという公文書がございますか。
#159
○説明員(辻哲夫君) 形式は今ちょっと私の手元にございませんが、昭和三十八年に基本的に新設を認めないという方針を公にいたしておりまして、この点はここでも御報告できることでございます。
#160
○常松克安君 それはそれなりにわけあっての歴史的な背景、いろいろな既得権と申しますか、そういうような流れでありましょうけれども、今の時点にしてみれば国保という問題で、そこで働けるときはずっと働いて例えばお医者さんならお医者さんがやめてしまう。やめてしまったら、はいどうぞ国保、これは国保赤字の上で余計困りますな。そうして、その中に介入するという今の制度の中では相当厳しい審査がある。健康で働いておって所得が何ばで、はいいらっしゃい。それ以外の方はどうぞ国の方に国保がございます。四十六万はそっちでどうぞ。
 例えばそういうふうなことが事実であれば、非常にこれは国民全体のバランスからいって、低所得者、この言葉は失礼な言い方、そして老人ばかり、老人が生きておってはならぬみたいな言い方で、老人の固まりで低所得者で金が集まらぬ、そういうようにイメージが悪い。それを何とかして払拭するような改革の提議が審議会でされようと思います。
 給付率の問題でも、健康保険では、けがしたときはちゃんと六割傷病手当がいただける。国保の場合は、散髪屋さんのおやじさんがかみそりで手をきって、職場はあかん、その人はまじめな人。で、健康保険でもらっておるので私ももらえると思ってもらいに行った、しかられて帰ってきた。
 こういうふうなことというものは、いろいろ難しさはございましょうけれども、やはりもっと国民として参加しやすいそうした中において、始付率アップなんてそんなことしたら大変です。大変ですけれども、事業家の方はちゃんと税金を納めておる。納めておる税金はサラリーマンと違うんですから低いかもしれないが、その税金をもとにして計算して、ちゃんと給付率をアップしていけばいい。それはもう赤字でもちませんと。もたなきゃ五カ年計画として、そういうふうに国家ですべからく誘引する意味において、五年後には、皆が参画していろいろな問題を検討する、あわせて一元化も。どうかひとつ、厚生省の方では課長さんですから政治的判断の答えはできませんので、こういう声がかねがね強烈にあるということを忘れないよう上の方へお伝えくださいませ。
 今度は自治大臣の方に。大臣は政治家でございます。大臣をおやめになっても議員の職場がありますけれども、役人の方はここで間違ったことを言って首が飛んだら全然行くところあらしません。大臣の政策決断を求めなきゃこれはもうどうしようもない。
 そうすると大臣、私は毎回申し上げるんですけれども、国保税だけが自治省で、金を集める方、出す方の監督、ところが医療の方は厚生省、全くこれは明確に両またかけておるわけでございますね。
 長年関西であの大きな行政をまとめられた手腕のある先生でありますから、その辺のところを、あの大阪の布施を中心にしたいろんな問題を苦労された経験もございますので、こういうふうな立場において、これからこれを自治省に一本化してしまう、お医者さんから医療関係から何もかも。そしてすっきりしたもので対応する。あるいは、もう税も保険料として厚生省でみんなやれと、おまえの方で。そういうふうに国民の方からも目に見える制度というものを、この十カ年戦略ということをお考えになれば、第一歩として大英断があってもしかるべきかな、こういうふうな気持ちで提言するわけでございますが、御意見をちょうだいします。
#161
○国務大臣(塩川正十郎君) 私も、この国民健康保険というのをいつでも妙な保険だなと実は思っておるんですよ、私は国民健康保険に入っておるわけでございますから。それまでは厚生省のやっておられます普通の健康保険、私は中小企業でございましたのでそれに入っておったんでございますが、その保険がかわって保険庁だと思っておったところが市役所でございますね。これらの保険、おかしな保険なんだなという感じは私も同じように持っております。
 ただし、国民健康保険が発足しますときには国民皆保険、要するにわしらも保険に入らないかぬのかということから、どうしても徴収が非常に心配であったんではなかろうかと思うんです。そこで、みんなに負担していただくのだからということで税ということになったんだろう。しかし、私らのところでは税と料と両方ありまして、私らの町では料になっておるんです。そういうところがあるので、これはやはりいずれは統合された方がいいんじゃないかと思っております。
 それよりも、もっと根本的に、保険の一元化は一刻も早くやるべきだ。年金が一元化して昭和七十年をめどにということでやっておりますが、保険も一元化すべきときだろう。そして、保険の中でも特に高齢者の老人保健法というのは、あれはもう保険でやるんではなくして福祉でやるべきものだろう、私はそういう考えを持っておるんです。そうしないと、保険の意味がもう今ではぐちゃぐちゃになってしまっていて、何かもうびほう的にちょっと突き合わせて間に合わせているというふうな制度でございますから、私は、いずれは福祉を全面的に国の政策として出すとするならば、年金は一応制度的に固まってまいりましたので、今度は保険制度、医療制度を抜本的に考えるべきだと思います。そのときにこそ税と料の関係もきちっとして、これはやっぱり社会保険の一環としてやるべきものではなかろうか、私はそう思っております。
#162
○常松克安君 じゃ方向を変えます。
 昨年の地方税法の審議で、私は、高齢者保健福祉十カ年戦略の推進のため、老人保健施設について固定資産税を軽減すべきであるとの観点から質問を行ったものであります。
 昨年の質疑を振り返りますと、厚生省は認めず、家屋、償却資産に限って取得後五年間固定資産税を軽減する減免措置を講ずるよう通達を出すことで決着したと記憶しております。今日、一年たって、どのくらいの市町村がこの軽減措置を条例化したのか、お教えください。
#163
○政府委員(杉原正純君) ただいまお話がございましたような通達を出しております。
#164
○常松克安君 何カ所かで結構ですよ。
#165
○政府委員(杉原正純君) これは、対象が昨年の四月一日以降建設されてこの四年度から初めて新たに課税対象になるものについてまけるという話なものですから、現在、悉皆調査で出てきておりませんが、ちなみに十カ所くらい抽出をして急遽調べてみましたら、老人保健施設に対しましていずれも減免するということを回答、口頭の回答でございますが、得ております。
#166
○常松克安君 私が申し上げているのは、そんなものは厚生省と自治省と張り合うてけんかしておらぬと、どっちかではっきりせいと。そんなものを下へおろすことが、こういう気持ちがあるんです、根底に。
 あわせて、私はこれだけは譲れぬ。救急救命十養成施設に関すること。一定の公益法人が取得する救急救命士養成施設にかかわる不動産取得税、固定資産税、都市計画税及び特別土地保有税を減免することが、昨年の老人保健施設の固定資産税非課税措置と同じように都道府県市町村において自主的に処理する事項になったと聞いております。この件については、厚生省と自治省とで決着できなかったため自治体に判断を任せることにしたと聞いているが、そうなんですか。
#167
○政府委員(杉原正純君) 厚生省から当然御要望がございました。
 この救急救命士養成施設、ほとんどが実際には地方団体で設置しておるものでございますから人的非課税ということで、あとは財団法人として新しく設置するものにつきまして問題が生じている、こういうことでございます。
 これは、今申しましたように、設置場所も極めて限定されておりますし例外的なものであるというようなことで、通達によって減免をお願いするというようなことで措置をさせていただきたい、こういうふうな考え方でございます。
#168
○常松克安君 これは、来年度から自治省できちっと減免措置できませんか。地方に任せぬと、上で。
#169
○政府委員(杉原正純君) 財団法人なものですからなかなか法律的な規定ぶりその他の問題があるということと、実態的に、先ほど申しましたように一カ所あるいはたかだか二カ所という話なものですから、ぜひ当該地方団体において減免の措置をお願いしたいということで臨みたいと思っております。
#170
○常松克安君 ここでまた問題が広がってくるんです。
 実は、予算委員会の一般質問で自治大臣に、私は私の考えを申し上げました。自治大臣も意のあるところで、平成六年度からまたその考えを入れて検討をというお答えもちょうだいしておる。
 といいますのは、救急救命士の養成というのは、今財団法人で多摩の方と関西の法で実施しております。あとは小さな横浜市だとか名古屋市だとかいろいろあります。しかし、よくよく考えてみますと本当はそちら側の話じゃないですけれども、わけありですから聞いてくださいね。でありますが、中央で救急救命士の試験を通った者が例えば新潟へ帰る、あるいは北海道から来た人が試験に合格して帰る。それは、地元サイド、医療関係者、はっきり言うなら医者です、ドクターの皆さんとそれをどういうふうに業務のところでかなえていくか、トラブるんです、物すごい難しい問題があるんです。
 いま一つは、救急振興財団が、それは大きなウエートで押さえ、またその経営参加の中でも結構だから、各都市において医科大、そういうところで十二分に、大臣も、消防学校ちゃんとありますとおっしゃいましたが、そういうところで、連携した施設の中で大いにこれを養成していくことを、平素も医療関係者とコミュニケーションがとれて、そこで育った者は即戦力になるという一面もあるから、ひとつ考えを広げていただきたい、検討しろということですよ。
 そういうふうになってまいりますと、これは自治省にとっても二分の一世紀以来の大法案なんですよ、救急救命士に関連する消防庁を抱えている一つの省庁といたしまして。でありますから、国家的な、人の命に対する事業ならば、それを一々何だかんだと言って地方に落とすようなことじゃなくして、自治省としての考えの中でこの問題を深く検討して再考していくべきじゃなかろうか、こういうことを御提案申し上げております。
#171
○政府委員(杉原正純君) 当面問題になっております、先ほどおっしゃいました八王子でございますが、これは既に土地を取得してやっているものですから先ほど申し上げましたような対応でさせていただきたいと思いますが、さらなる将来の話につきましては検討をさせていただきたいと思います。
#172
○常松克安君 それでは、警察庁の方へ参ります。
 まず、ひとつ私の考えを申し上げます。
 四十七都道府県で基金をつくられました、つくられました基金の民間拠出寄附金、総トータルはお幾らでございましょうか。
#173
○政府委員(國松孝次君) 今のところ、本日までに大体十九の県におきまして財団法人が設立をされているところでございますが、その額というのはまだちょっと確定をされません。これからもありますので、もう少し一段落つきましたときに、どういう構成になるかということにつきまして御質問がございましたら御答弁申し上げたいと思います。
#174
○常松克安君 いや、その金額云々、会社名云々と申し上げているんではなくして、もうこれほど重要国民課題の一つとして警察庁の総力を挙げていくときに、国民のコンセンサスを受けたとして全額税金でこれに対応していくということが国民の総意であったのではなかろうか。たとえその中で十万でも百万のお金でも民間の会社から、地方の都道府県本部の中において違ったもので財団をつくられて基金の中に入ってくるとなると、善意のひもつきじゃないか。悪いことをした者を罰するのに、あるいはそれを行政的にしっかりするのに、そんな一部の者から寄付を受けてやる、資金力をもってやるとは一体何事なんだ。また逆に、そうして基金に納めた会社が、何か事あったときに守られ、優遇されるんじゃなかろうか。入ってないやつはあかん、入ったやつはええぞと。こういうふうにまことにお金にまつわることは、庶民というのは考えをいろんなところへ波及するものでございます。
 こういう懸念というものの払拭を、本当を言うなら、これは全額を交付税でしておけばよかったんではなかろうか、後の祭りのような言い方をいたしますけれども、こういう見解を持っておりますが、いかがでございましょうか。
#175
○政府委員(國松孝次君) そういう御意向がありますことを、今後のいわば財政基盤をつくっていく上でいろいろと私どもも参考にさせていただきたいと思います。
 ただ、先ほど数字は出ておらないと申しましたが、民間からも浄財を拠出していただくことになっておりますが、県あるいは市町村の方からも大変御理解を得て、補助金であるとかそういうのをいただいておりまして、全体の大体七割ぐらいまではそういった公的な資金になるのではないのかなというように思っております。今のところ、ちょっとトータルとしては出ておりませんが、そういった公的なお金というものを、いろいろ都道府県、市町村の御理解を得まして、得ているところでございますので、民間だけに頼るとか、民間の方がむしろ多くなってしまっているというような実態ではないのではないかと思いますが、ちょっと今数字が全部出ておりませんので、はっきりいたしません。
#176
○常松克安君 それからいま一つ、やっぱりあくまで市民の方々の協力なくしては行政効果も上がらない面もこれあり。やはり現実問題として、何かそういう目に遭うた、警察の方へ通報する、そのときにどうしてもたじろいでしまう。
 例えば、それは具体的に通報した、待っている方はもう恐怖心でがたがた震えておるものですから、三分が三十分ぐらいに感ずるものです。恐怖心で。結果として、刑事さんが来てくれるのが遅かった、だからもう二度と言わないとか、こうなってくる。そしてまた、非常に限られた人員の中で、刑事の第一線の皆さんが制服を着てはっと走っていくことを、病気で倒れているくせに、救急車のサイレンをとめてやってきてくれという厚かましい考えと一緒で、私服で来てもらえぬかということも厚かましいと思うんですね。考えが甘いと思うんです。
 しかし、ある程度これが国民の皆さんに、本当に警察庁の歴史の中において総力戦なんだぞ、今日までこんなに汗かいて、苦労して、立法して、賛同を受けてやったことが、これからやるんだぞというときにやっぱり第一線でとちるとそういうふうなことにもなりかねない。よって、これは失礼でありますけれども、刑事さんを増員するという計画はございませんか。
#177
○政府委員(國松孝次君) これまでそういった警察に対する通報ですとか困り事相談におきましてやや適切を欠くようなことがあったということの御指摘であろうと思いますので、それは私どもこの暴対法の施行を契機にいたしまして、暴力相談につきましては適切な運営と申しますか、相手方の身になりまして相手の心情を十分に配慮した迅速的確な処理に努めたいというふうに思っております。この点につきましてはへ塩川大臣からも大変強い御指摘を受けておるところでございますので、私ども何とか一線の理解を得ましてそういう御批判を受けることのないようにいたしたいと思っております。
 私服でいろいろやる者につきましても、これまでもいろいろやっておるところでございます。私は、これは数の問題と申しますよりもやはり心構えと申しますか、打ては響くような我々の心構え、対応の問題であろうというように思いますので、限られた陣容ではございますが、そういった心構えをきちっと、この際やはり暴対法の施行と同時にそういうふうにやっていくんだという気構えがあれば、そういう御批判を受けるようなこともなくなってくるんではないかというように思っておりますので、今後一層努力をしてまいりたいと考えております。
#178
○常松克安君 大阪府警ではビデオをおつくりになりまして、これがまた大反響でございまして売れに売れておると、一本三千円。どれぐらい売れておるんでしょうか。
#179
○政府委員(國松孝次君) それは、ちょっと私数までは、見ることは見ましたんですけれども。売っておるのかどうかも、ちょっと私は存じておりません。また調べておきます。
#180
○常松克安君 私も一本買い求めますので、後ほどよろしくお願いいたします。
 非常にマスメディアの時代と申しますか、映画も封切りが近くなりました。こういう問題が映像化されていて非常にわかりやすい。出演していらっしゃる方は全部現職の府警の方なんですよ。ところが、見ておりますと全くあちらさんかと思うくらいの名演技で、真に追っているのですね。やはり庶民だとか大衆というのは、こういう流れにおいて立法がこうやとかああやとかわかりゃせぬのですわ。しかし、こういうふうなまとめたもの、これは金賞ものだと思いますよ、大阪府警は。
 それでお尋ねするんですが、よその都道府県ではどういうふうな考えをもっていらっしゃるのですか。
#181
○政府委員(國松孝次君) これは大阪の映画の例を引かれましたけれども、各県いろいろと努力をいたしておりまして、ビデオ制作をしているところも埼玉県とか兵庫県とかほかの県も、いろいろなところでつくっております。そのほかいろいろなポスターあるいはパンフレットなどもやっておりまして、今そういった各県でできましたものを私どもの方で一種の資料としてまとめまして、ほかの府県にも貸し出すというようなことをやっていこうと思っております。今のところまだ全体としてそういった資料センターのようなものはできておりませんけれども、逐一、できましたものについて私どもの方に一部もらいまして、これからそういうものを貸し出していこうと思いますが、かなりの県でビデオ、パンフレット、そういったものでなかなかいいものもできておりますので、また御披露する機会があれば御披露したいというように思っております。
#182
○常松克安君 これは少し角が立つような言い方になるかもしれませんけれども、私がずっと前から申し上げておりますように、法を逃れるためにその組員を破門するぞ、こういう声が多々耳に入ると。ところが、刑事局長さんの方は、その世界におきまして破門というようなことがありましたら一生きずもので、そんなことができるような簡単な団体ではございません、たとえさようなことがありましても、との答えをいただきました。ところが、今やっぱりあっと驚く破門が二百名とか、あっちは百名だとかいうようなことが、実態はどうあるかは私は確認をしておりません。
 しかし、こういうふうなこともあり得ますので、これは答えは要りませんが、今まで当委員会でいろいろな先生方の御意見の集約もしていらっしゃることですから、あえてそれを言葉で、いやそれはこういう経過でこうというんじゃなくて、十二分に素直に受けとめていただきたい。やっぱり予想もつかないような悪知恵を発揮されました。これに対してはこうた、こういうぐらいの対応でお願いしたいと思います。
 運営に協力いたしまして質問を終わります。
 ありがとうございました。
#183
○神谷信之助君 最初に、国民健康保険問題についてお伺いしたいと思います。
 自治省の方ですが、国保加入者で所得が三百万円以下の人たちの構成比、これはどれぐらいになっておりますか。
#184
○政府委員(谷口恒夫君) 平成元年度分の国保税に関して申し上げますと、総所得金額等が三百万円以下の世帯の構成割合は八二・三%となっております。
#185
○神谷信之助君 それじゃ次に、厚生省にお伺いしますが、所得階層別で所得に占める一世帯当たりの国保調定額の割合、これはどうなっておりますか、三百万円以下で結構ですから。
#186
○説明員(辻哲夫君) 国民健康保険実態調査報告によりまして御報告申し上げたいと思います。世帯の刻みが、報告が細かくなっておりますので細かくなりますことを御了承願いたいと思います。
 二百五十万円以上三百万円未満がその所得の平均額に対しまして保険の調定額の割合が九・〇%という形でございまして、以下同じように二百万円から二百五十万円未満が九・四%、百五十万円以上二百万円未満が九・七%、百万円以上百五十万円未満が一〇・一%、八十万円以上百万円未満が一一・一%、六十万円以上八十万円未満が一一・六%、四十万円以上六十万円未満が一二・八%、二十八万円以上四十万円未満が一四・六%、二十八万円未満が二二・四%というふうになっております。
#187
○神谷信之助君 だから、現在は百五十万円未満は一割、二十八万円未満の世帯で二二・四%、二割を超えている、そういう状況になっています。
 そこで、時間の関係もありますから、私の方から。
 厚生省の報告によりますと、その三年前の昭和六十一年、一九八六年度の所得に占める国保調定額の割合を見ますと、二十六万円未満が一九・二%、二十六万から四十万が一二・七%、四十万から六十万が一一・一%、六十万から八十万が一〇・二%、八十万から百万が九・七%、百万から百五十万が九・三%、百五十万から二百万が八・九%、二百万から二百五十万が八・五%、二百五十万から三百万が八・一%という報告を受けています。これで比較をしますと、いずれの層をとりましても八九年度の方が三・二%から〇・八%負担が重くなっている、そういう状況が明らかであります。
 当時、八六年の十月二十八日の百七国会で衆議院の社労、地行の連合審査で我が党の経塚幸夫議員が質問をいたしました。当時の斎藤十朗厚生大臣は、「保険料も相当引き上げられてきて、なかなか限界に近い状況にきているように私は感じております。」と、お答えになっています。
 今、厚生省が答えたように、それが三年後の八九年度は所得三百万円以下の世帯が全体の八二%余りを占め、そして二十八万円未満の世帯で保険料が三万二千七百四十円、所得の二二・四%、二割を超えるという状況になっています。だから、百五十万円未満をとりましても一割は超えている。そのうちの所得が低い世帯ほど負担が重くなっているというのが現在の姿であります。
 このようにどんどん負担が低所得者に大きくなってきている、重くなってきているという状態について、自治大臣の率直な御感想をいただきたい、こういうふうに思います。
#188
○説明員(辻哲夫君) ちょっとその前に私どもの方から説明を少しさせていただきたいと思います。
 所得が低くなります方が保険料の占める割合が高くなっている、これはもう全く御報告したとおりでございます。ただ、その内容の評価といたしまして、それが高くなっておりますのは、国保につきましては応益保険料と応能保険料という構成になっておりまして、応益保険料が契約でございますことから相対的にウエートが高くなっているということでございます。
 ただ、この所得の評価といたしまして、これは税法上の所得でございまして、例えばサラリーマンにつきましては給与所得控除がございますし、年金受給者がこのような所得階層の方には多いわけでございますけれども、公的年金等控除ということで、例えば六十五歳以上の場合は最低百四十万円控除されるといったような、そういう控除後の額に対しての割合であるということと、例えば所得二十八万円未満の世帯で見た場合でも、実額の保険料を見ますと三万二千七百四十円でございますけれども、月掛けに換算いたしますと千七百円弱というようなことで、私どもといたしましては相互扶助の考え方に立って社会保険方式をとる国保制度におきまして、だれにもひとしく医療を保障し、この制度を長期的に安定させていくということから、この程度の負担はやむを得ないというふうに理解しておるものでございます。
#189
○神谷信之助君 時間がないので、がちゃがちゃ言う必要ないんだよ、わかっているんだ。
 いずれにしても、三年の間の比較を見たって、先ほど言ったように、三・二%から〇・八%負担が上がっていることは事実だ。それは低所得者ほど多いんですよ。所得が高くなれば率はずっと下がっている。そのことが低所得者の生活に大きな影響を与えることは事実なんだ。だから、そのことについては、御感想はいかがですか。三年前には斎藤大臣はもう限界に近いと言っていたんです。
#190
○国務大臣(塩川正十郎君) 厚生省の課長が言っておりますように、これは保険である以上はどうしてもそういう現象が出てくるんです。これを解決するのには、やはり一つは応能制による計算をうんと入れるかどうかということが一つの解決だと思いますし、そうではなくして、現状のままでも、要するにあとは負担に対する行政措置でもって加入者に対してどういう措置をするかということ、予算措置をもってするかということ、いろいろあると思います。そういうことをいろいろ考えてみますと、私は先ほどもちょっと言いましたように、医療保険というものを根本的にどう考えるかということが今非常に大事な問題になってきておるように思うんです。
 例えば、今若い人たちに減税減税と言いましても、減税なんてだれも余り興味を持っておりません。それよりも社会保障関係の費用を下げてほしい、こういうふうに言っている。これが非常に負担になってきておる。私たちの耳によく入ってきておりまして、今おっしゃるような矛盾が確かに出てきておる。だからこそ、この保険制度というものは根本的に考えるときが来ているんではないか、私はそう思っておるんです。
#191
○神谷信之助君 今、大臣もおっしゃいましたけれども、応能割とそれから応益割があります。それで、応益割が今三六%ぐらいですか、応能割が六四%、平均が。ただ、今厚生省が指導をしているのは応益の方、今大臣も応能の方をふやした方がええと言うんだけれども、応益の方が二〇%前後のところもあるんです。だから、平均の三六に早う上げいという指導をやっている。だから、こうなると低所得者の方の負担が大きくなってきますね、大臣。この問題はきょうはやるつもりにはしていなかったんで、今おっしゃったから、ちょっと申し上げておきたいと思うんです。
 そこで、これは厚生省ですが、過去五年間で国保料を引き下げた地方自治体の数は幾つありましたか。
#192
○説明員(辻哲夫君) 申し上げます。
 昭和六十二年度が十一市町村、六十三年度が三十四市町村、平成元年度が六十八市町村、平成二年度が百五十七市町村、平成三年度が二百五市町村となっております。
#193
○神谷信之助君 だから、昭和六十年以降の五年間で合計四百七十五自治体で国保料の引き下げが行われました。
 ところで、ことしの一月二十二日付ですか、厚生省保険局長の各県知事あて内簡「平成四年度国民健康保険の保険者の予算編成について一という中に、国保税料の安易な引き下げを戒めておられます。安易な引き下げというのは、大臣、どう見ていらっしゃいますか。
#194
○説明員(辻哲夫君) 平成四年一月二十二日、厚生省保険局長名の予算編成についての通知の中で、「安易な保険料(税)の引下げには充てないこと。」といった、今御指摘のような趣旨の文書が出ておりますが、この考え方、安易とは何かということについて御説明申し上げたいと思います。
 基本的に、国保制度はまさに相互扶助の考え方で加入者の保険料納付を前提とした社会保険システムによって成り立っておるということから、住民の健康を守るために、これを長期的、安定的に運営することが基本的に重要でございますので、保険料につきましては将来の財源見通しもなく安易に引き下げるべきではないと考えております。
 その安易なということにつきまして、今回の予算編成方針は、それを従来の考え方に立って確認したものでございますけれども、具体的には、将来への明確な財政見通しもないままに行ってはならないということは、将来の所得の動きとか医療費の動きを勘案した中長期的視点で見た予測のもとでの財政運営が必要でありまして、保険料引き下げに伴い単年度収支が赤字になったり、相当額の積立金が保有できなくなったりすることが見込まれる場合は安易な引き下げに当たるものと考えております。
#195
○神谷信之助君 現在までにそういう安易な引き下げがあった事例はありますか。
#196
○説明員(辻哲夫君) 今までの引き下げは、今申しましたような数字があるわけでございますが、今までの例といたしましては、これは保険者の名称を申し上げることは控えさしていただきたいと思いますけれども、例えば、財政収支が赤字の状態である、そして、基金保有額もないという状態のもとで、次の年の医療費の伸びがさらに伸びるといったことが予測される中で、あえて保険料を引き下げた例がございます。
#197
○神谷信之助君 そうすると、今おっしゃったように、保険財政が赤字でない、黒字である、そして保有額もちゃんと持っておる、それから給付が伸びるという差し迫った見通しはない、それは伝染病が急にばっとなったとか、地震があったとかなんとかは別として、普通にいってそういう状況もないという場合には引き下げてもいいんですね。
#198
○説明員(辻哲夫君) その前提でございますが、中長期的視点ということで、その年に赤字がないという意味ではなくて、引き下げを行うことによって中長期的に見て赤字に落ち込むことはないか、あるいは相当規模の積立金を保有することが前提になっておるわけですが、相当規模の積立金が保有できなくなることはないかということでありまして、その年に、あるいはその次の年に赤字でないということが、直ちにその場合に保険料を引き下げてよいということには全くならないと考えております。
#199
○神谷信之助君 今おっしゃった中で、客観性を持つのは相当規模の保有金というのがありますが、そうすると、相当規模の保有金というのはどういうことを言うんですか。
#200
○説明員(辻哲夫君) 私ども、予算緑成方針につきましては、最低五%以上ということを言っております。
   〔委員長退席、理事野別隆俊君着席〕
 あと、その五%以上でございますが、国保につきましては、保険者の規模が非常に大きい保険者から、小さい保険者につきましては数百人に至るまで分散しておりますので、相当額というのはやはり保険者の規模によってまたまちまちになるものと考えております。
#201
○神谷信之助君 厚生省の方は、本来的に、基本的に一たん引き上げた国保税は引き下げることを大体禁止するというか、抑えるという立場に立っているんじゃないですか。例えば昭和六十二年度、一九八七年の内節では、特に保険料の引き下げの措置が行われるようなことがないよう厳重に指導し、引き下げの内議があったときは当課に報告せよ、そう出ています。ことしの内節はそこまで言わないで、充当しないようにという程度で終わっています。だけれども、一貫してやっぱり国保税、国保料の引き下げには反対だ、これは認めないという立場に立っているというように受け取れるんだけれども、そうではありませんか。
#202
○説明員(辻哲夫君) 実は今御指摘の点の「保険料(税)の引き下げの措置が将来の財源見通しもなく安易に行われることがないよう指導しこというくだりが今年度の通知にもやはり記述してございます。それで、その意味といいますのは、安易な引き下げをしてはならないということで、私どもは今申しましたように一定の中長期的な財政的な見通しがあればそのことを直ちに全面的にすべて禁止するという意味ではございませんで、何といいましても社会保険システムのもとで給付と負担が結びついた仕組みでございますので、保険料の設定というものはもう基本的な制度の根幹にかかわりますので、設定していただくためにその点を十分に御留意いただくように毎年度同じように指導させていただいているものでございます。
#203
○神谷信之助君 次、同じように自治省に聞きますけれども、九二年度の地方財政計画で国保財政安定化支援事業、この経費として一般会計から国保会計に一千億円繰り出すというのを計上した。これで国保財政のてこ入れになるということで自治省も自画自賛なさっているようですけれども、きょうはこの問題を突っ込んでお尋ねする時間がありません。
 しかし、ただ、これに対する二月四日付です。か、自治省財政局調整室長通達、これによりますと国保料の安易な引き下げに充てられることを想定していないとわざわざ強調されていますが、ここで言う安易な引き下げというのは今厚生省がおっしゃったような意味と同じですか。自治省の通達ですよ。
#204
○政府委員(湯浅利夫君) 平成四年度の地方財政対策の中で、今御指摘のように、国保財政の安定化支援事業を導入いたしました。これは私ども自画自賛ということではございませんで、むしろ国保財政が地方財政に非常に大きな影響を与えるということで、やむを得ずこういう措置に踏み切らざるを得なかったということでございまして、本来でございますればやはり国保財政というものは国費と保険料で賄う、これが基本原則でございますから、この基本原則を踏まえながらこの支援事業というものをこれからも考えていくべきだと考えているわけでございます。
 そういう観点から二月四日に財政局調整室長から御通知を各地方団体に差し上げましたが、この中で今御指摘のように安易な保険料税の引き下げに充てられないようにお願いをしたということでございまして、その安易な引き下げという点につきましてはただいま厚生省から御答弁のございましたようなそういうものを私どもも頭に描いてこの文言を入れさせていただいたものでございます。
#205
○神谷信之助君 今国保税が非常に高過ぎるということで、全国的に国保税を引き下げてほしいという運動あるいは要求、声というのが非常に大きくなっている。それはやっぱり低所得者層に負担がどうしても大きく出ているというところに問題があろうと思うんです。
   〔理事野別隆俊君退席、委員長着席〕
 実は、一例を私の方の地元の現状等で申し上げてみたいと思います。
 京都府下の兵庫県境の久美浜町ですけれども、昨年の暮れの十二月議会で、一世帯当たり二万円の国保料引き下げを求める請願というのが審議をされました。このときに、久美浜町議会の議員同志会所属の自民党のNさんという町会議員さんですが、国保で二億円も黒字をため込んで、さらにもうけの一部を他の会計に流用している。国保の加入者は社会の一番の弱者だ。その保険料を他の目的に流用するのはどう考えても問題だ。筋を通して保険料を下げるべきだ、そういう主張をなさいました。この請願は、文教厚生委員会では採択すべしと決議をされましたけれども、厚生省方針を忠実に守っている京都府などが猛烈に巻き返し工作をやりまして、本会議では九対十、一票差で否決されてしまいました。
 それじゃ、久美浜町の国保会計は一体どうなっているのか。確かにかつては一億八千万の累積赤字がありました。そこへ臨調・行革による国の補助金が四五%から三八・五%に引き下げられました。そのことと相まって赤字解消のために八六年から三年間連続して保険税の税率を引き上げてまいりました。その結果、赤字を解消しただけではなくて黒字がふえ続けて、九〇年度末で約二億円の基金をため込んだ。加入世帯は二千二百四十ですから、一世帯当たり約九万円ということになります。今年度の決算見込みでも千九百万円を積み立てる、その積み立てをやっても四千三百万円余りが黒字になる。さらに、それだけでは足らぬということで、この積み立て千九百万円以外に別会計の国保久美浜病院に経営安定化資金として九〇年度は三千万円、今年度は四千万円、来年度は四千七百万円繰り出す予定になっています。言うならば黒字隠しをやっている。
 ですから、さきに明らかにしましたように、所得二十八万円未満の低所得者の世帯でもその二二・四%と二割を超える重い負担をかけながら、片一方では国保税を引き上げていって、そして黒字をふやす。こんなひどいことが私は許されるのかというように思うんです。高過ぎる保険料を下げるというのが一体なぜ悪いんだろう。そういう状態であれば、どんどんふえているんですから、どんどんたまってきよるんですから、自分ところの会計だけで置いておいたら黒字が大き過ぎるから、だから別の会計に繰り出しをする。そうまでして保険税を高く取らなきゃならぬのか、こういう疑問を私は強く持つ、怒りを覚えるんです。
 この点についてひとつ自治大臣の所見をお聞きをしておきたいと思います。
#206
○国務大臣(塩川正十郎君) 今お聞きしましたので事実関係はわかりませんので、私から一回直接よく調査いたしまして返事いたします。
#207
○神谷信之助君 これは久美浜町だけではありません。京都府下でもあっちこっちの町議会で今そういう請願が審議されるという状況が起こっているわけです。だから、全国的に今、一時確かに赤字ができましたけれども、国庫補助金が四五%から三八・五%でしたかに下げられるというとき以降、毎年のように国保税の引き上げがあっちこっちで起こっておる、そして今黒字に転化してきたところがずっとふえてきているのは事実ですね。
 それで、さっき言いましたN町会議員さんですが、こう言っているんです。保守系の議員でもみんな国保税引き下げには賛成しておる。ただ、町長が何とか頼むというので、よう賛成しなかっただけだ。その町長も、府からたびたび、国保会計にこの先いつどんなことがあるかわからぬからとくぎを刺されているわけですと。こう言っておるんですけれども、高齢化社会にどんどんこれから進んでいく今日、宮澤内閣が本当に生活大国を目指すとおっしゃるならば、この保険料負担が年々重くなっているのを軽くする方法、そういう手を打つべきだというように私は思うんです。
 そこで、厚生省に聞きますが、こういう保険料の負担を軽減するために、政府として一体どんな手を打ってきたのかという点はいかがですか。
#208
○説明員(辻哲夫君) 保険料負担の前提でございますけれども、国保は特に高齢者の多い制度でございますが、医療費が上がり、従って保険料が上がるという前提は、高齢化が進んで若い方の四、五倍の医療費が必要となるお年寄りの数が、そして割合がふえてまいりますので、高齢化が進むことによって負担がふえるというのは基本的な構造にございます。
 高齢化に伴って負担がふえるというのは、これは国全体の動きでございまして、厚生省としては、医療費もそうでありますし、それから年金もそうでありますし、高齢化に伴って徐々に若い世代と高齢者の負担の割合、すなわち若い方の負担が徐々に上がっていくということはいたし方ない、また必要なことだということで政策が進められておるわけですが、それについて合理的な負担によって国保の負担を軽減していく、総体的に上がるものを軽減していくということが必要であろうということで政策が今まで強く取り組まれてまいりまして、特に老人保健法の導入あるいは退職者医療制度の導入、これらは高齢化に伴う医療費の負担についてのより公平な負担という形で国保の負担を総体的に安定化させるというような取り組みをいたしてまいりました。
 そして、これからはまた医療費がふえる要素としましては、日常生活動作能力と呼んでおりますけれども、寝たままとか体の不自由なことで随分医療にかかっているわけですけれども、より不自由でなく自立して地域で生活できるというような保健、福祉、医療を総合した政策、すなわち十カ年戦略といった政策を進めることによって医療費の安定化を図るといったこともあわせまして、高齢化に対応する費用負担の安定化に努めているところでございます。
#209
○神谷信之助君 いや、国保問題は外れているんだね。大体国がやってきた仕事といったら何かといったら、国の負担を減らしていわゆる国庫補助を減らして、そしてそれを地方自治体と住民に転嫁をするということをやってきただけじゃないですか。問題は、やっぱり一つは課税限度額を引き上げないと低所得者の負担が増大する、こういうことでほぼ毎年課税限度額を二万円程度引き上げてまいりました。その結果、それじゃおっしゃったように低所得者の負担は減ったんですか。一体どうなんだ。結果を見たら、実際は低所得者の負担が増大した、先ほども申し上げたとおりです。すなわち、七五年は十二万円だったのが九二年度は四十六万円の最高限度額になっている。そして、それで保険料全体を引き上げる条件がつくられた。そして低所得者ほど所得に占める保険料の割合が増大をするという結果を生んでいる。
 もう一つは、たびたび行われた制度改正です。特に八四年の国庫負担率を医療費の四五%から三八・五%へ引き下げる。八八年度には保険基盤安定制度を創設する、これによって地方負担の増大を引き起こす。そして国庫負担は削減をする。だから、これによりまして国保財政に占める保険料の割合は一九八三年は三六%でしたが、九〇年度は三九%と暗大をしているんですよ。一般会計からの繰入金の割合は八三年度が二・九%だったのが九〇年度は五・三%と倍近くふえてきています。国庫負担の方はどうかというと、八三年度は五六・一%だったのが九〇年度は三八・八%と大幅に激減しているわけですお。減少しているわけです。
 そこで、自治大臣、最後にお聞きをしておきたいと思いますが、問題は、だから国庫負担を臨調・行革のあの路線で削減したところに問題があるので、これをもとに戻すということ、そして、低所得者に対する国保の負担の軽減の実現に向かって、内閣の一員として、閣僚の一人として努力をするということ、この辺についてのお約束あるいは決意をしていただけませんか、いかがでしょうか。
#210
○国務大臣(塩川正十郎君) 国保財政を見ていますと、各団体によって随分と格差があるんです。要するに、一つは、軽減、減免措置の強い運動をして圧力を役所にかけておるところは非常に悪いです。一方、素直にと言ったらおかしいですけれども、その運動を余りやられないところは財政は比較的余裕を持っておるというように、市町村の行政のやり方、運営によっても随分違ってきておると思うんです。私は、機関委任事務の中でこれは実にちょっと殺生やなと思っている一つが実は国保なんです。ですから、この際、国の保険制度は一体どうするのがいいのかという根本に戻ってくると私は思うんです。したがって、そこらの方をしっかりしないで、ただびほう的にやっていってもこの問題は永久に追いかけっこになる。医療はどんどんと進んでいきます。だって医療のサービスというものは十年前と比べたら物すごいサービスを提供していますから、これはこれなりで保険料が上がるのは当たり前のことなんです。
 それじゃ、その保険を負担するのはだれが負担するのか。これは根本が保険でございますから、みんなやっぱりできるだけ均等、先ほど私が言っていますように、いわゆる応益制を中心にせよ、それでいいのかということが今検討される重大な要件ではないかと思っておるんです。ですから、ただ単に低所得者の方をどうするかというだけではなくして、保険制度全体を一体どうすりゃいいのかということに戻ってこの問題を考えていきたい、こう思っております。
#211
○神谷信之助君 この制度自身は、国とそれから保険に加入している人たちで支える財政構造なんですね、本来は。だから国の責任というのは大きいんですよ。だから、高齢化社会を迎えれば迎えるほど国の責任というのは重くなるんで、その重くなっていこうとする高齢化社会に向かって、国の責任として四五%出していたのを三八・五に減らすんだ、それは保険に加入している組合員の方はたまったものじゃない、こうなってくる。だからこの辺は十分考えてもらいたいと思います。
 あと、人件費の問題とか助産婦補助金の一般財源化の問題があるんですけれども、もう時間がありませんのでまたに譲ります。
 最後に一つだけ、これもまた引き続いてやりたいと思うんですが、固定資産税の評価の問題です。
 次の評価には、今のとは違って公示価格の大体七割を目指すというか、それに近づけていく、こういう状況ですけれども、当然その措置によって大幅な負担増というのが起こってこざるを得ぬと思うんです。だから、結局増税ということになるんじゃないですか。この辺はいかがですか。
#212
○政府委員(杉原正純君) 評価がえの結果どの程度評価アップになるかはこれからの話でございますけれども、単純な推定といたしましては、確かに地価公示価格に対して一律七割水準に評価をそろえますと、現在の評価レベルが大変低いのがほとんどでございますから、その評価アップ分だけ現行制度のままでいけば負担の増になると思います。
 しかし、これは繰り返し申し上げておりますように、今度の評価がえといいますのは、評価の適正化、均衡化、そのこと自身が目的で、増収、増税を図っているものじゃございませんから、その評価がえに伴います納税者の負担が急激にならないような十分な配慮をこれから考えていかなくちゃいけない、かように思っているわけでございます。
#213
○神谷信之助君 それで、時間が来ましたからあれですが、評価の問題では地域的なアンバランスがありますね。八九年の地価公示と比較をしますと、甲府市で五九・二%、京都市が一四・六%、これを一律七割でいくと甲府は一・二倍だけれども、京都市は四・八倍になる。地域的アンバランスもぐっとあります。それらをどう調整するかという問題もあるし、増税をする目的でやるんじゃないとおっしゃるんだけれども、実際問題として、今三六%ぐらいですか、それを七割まで上げるとなったら、結果として上がらざるを得ない。増税にならないようにするというのは手品みたいなことをやるんだと思うんだけれども、実際に結果として増税になるということにはならないのかという点、もう一遍念押して聞いておきます。
#214
○政府委員(杉原正純君) これから評価がえが実際に始まるわけでございますので、評価がえの作業の状況を見きわめてそのデータを蓄積いたしまして、それに対して調整措置をいろいろ工夫しながら、今申しましたように、負担が急激に変わらないようなことを十分配慮していく覚悟ております。
#215
○諫山博君 自民党の金丸副総裁に対するけん銃発射事件が起こりました。極めて重大です。右翼が武装を強め始めたのではないかということが憂慮されています。
 右翼によるけん銃使用事件が過去五年間に十八件発生したと聞きました。それ以前の五年間には何件発生しましたか。
#216
○政府委員(吉野準君) 三件でございます。
#217
○諫山博君 右翼団体から押収したけん銃の数は、過去五年間に九十三丁だったそうです。それ以前の五年間は何丁ぐらい押収しましたか。
#218
○政府委員(吉野準君) 過去五年間で九十三丁でございます。
#219
○諫山博君 九十三丁というのは過去五年間。私が聞いているのはその前の五年間です。
#220
○政府委員(吉野準君) ちょっと手持ちに資料がございませんので、しばらく御猶予いただきたいと思います。
#221
○諫山博君 いずれにしましても、右翼のけん銃使用事件が激増した。恐らく押収事件も激増したと思います。
 暴力団については、一組員に一けん銃ということがよく言われます。警察庁もこの数字は否定されていないようです。
 右翼団体の数は約九百八十団体で十二万三千人と聞いています。この右翼団体の闇にどのくらいけん銃が出回っているかわかりますか。
#222
○政府委員(吉野準君) 右翼団体の数は九百八十団体で十二万人でございます。ただ、その中でいろいろございまして、過激なもの、総体的に比較的穏健なもの、いろいろございまして、過激なものをとりますと約七百五十団体、一万五千人程度でございます。
 御質問のけん銃でございますが、これは残念ながら正確な数はわかりません。ただ、先ほど来の御指摘にもありますように、相当、けん銃の事件がふえておりますし、押収もふえておりますので、かなりの数が出回っているというふうに私どもは見て、警戒いたしているところでございます。
#223
○諫山博君 この問題で、私は警察庁に要望します。
 暴力団については一人一けん銃ということがよく言われますけれども、右翼についてどのくらいけん銃が出回っているかということは、警察庁にいろいろ聞きましてもよくわからないようです。右翼がけん銃を発射する、絶対に許すことのできない事件ですから、右翼が今どのように武装しつつあるのか、この問題に対して今後どう対処するのかということを真剣に調査して対策を立てるということを要望いたしまして、次の問題に移ります。
 次は、暴力団とか右翼の取り締まりに関連しまして拡声機規制条例の問題です。
 最初に、私は塩川さんにお聞きします。これは、国家公安委員長としての塩川正十郎よりか政治家塩川、自治大臣の塩川として、私が提起する問題をどう考えるのか、お答えください。
 憲法は、言論、表現の自由を規定しております、基本的人権の保障があります。この中でも、言論、表現の自由、政治活動の自由というのは、あらゆる自由、あらゆる基本的人権の中でも最も根源的なものだ、これは多くの憲法学者がそう言っていますし、その立場の裁判所の判例も幾つもあります。政治家の演説あるいは執筆活動、こういう問題に国家権力、とりわけ警察がみだりに介入してはならないと私は考えます。
 警察法第二条を読みますと、警察官は憲法の保障する個人の権利及び自由の干渉にわたる等の行為があってはならない、こう書かれております。当たり前のことですけれども、警察官は国民の言論の自由に対して極めて慎重でなければならないという一般論をお認めになられますか。
#224
○国務大臣(塩川正十郎君) おっしゃるように、言論の自由、表現の自由ということは最大限尊重しなければならぬことだと思います。
#225
○諫山博君 私は、すべての国民が尊重しなければならないけれども、とりわけ警察官は尊重しなければならないという答弁を期待していたんですけれども、次の問題に移ります。
 全国で、今九つの県で拡声機規制条例が制定されました。条例案が議会に提案されているところもあります。提案が準備されているところもあります。この条例の内容はほとんど全国共通です。これは警察庁が制定を推進しているんでしょうか。この条例に対する警察庁の立場を御説明ください。
#226
○政府委員(吉野準君) 私ども、いわゆる暴騒音規制条例と呼んでおりますが、拡声機の暴騒音を規制する条例、これが岡山県から始まりまして、本日現在までに制定されている県は十一県ございます。これは言うまでもなく地方自治体で、地方議会において、県議会において制定されるものでございまして、住民の方々の御意思に基づいて県議会が制定するものでございまして、別に警察庁が指示をしてやらせているという種類のものではございません。
#227
○諫山博君 警視庁で今重大な問題が発生しております。警視庁の警察官が拡声機規制条例を制定する請願書を都議会に提出するように働きかけています。請願書の文案まで警視庁の警察官がつくってやりました。これは請願運動を事実上警察が組織しているわけであります。しかも、警察官は東京都議会の各会派を回りまして、請願の紹介議員になるように頼んで回っております。共産党の都会議員のところまで来ました。そして、共産党の議員が、どういう条例を考えているのかと聞きますと、石川県と宮城県の条例を持ってきております。紹介議員になってくれるなら請願者に会わしてもよろしい、こういうことまで言っているんですよ。警察庁は、自治体の条例制定に関与していないと言われますけれども、東京都では現にこういうことが行われております。いかにも請願が住民の声であるかのように警察がリードしているわけですね。
 警察がどういうことをやれるかということは、警察法の中に規定されております。警察の職務というのは制限的に列挙されています。そして、警察の活動は前項の責務に限られるべきものである、こういう規定もあります。つまり、警察官がむやみにいろんなところに出しゃばることを法律は禁止しているわけですよ。警察法の中に不偏不党の規定があることは言うまでもありません。
 警察が拡声機規制条例をつくりたいからといって請願活動まで組織する、こういうことはあるべからざることだと思いますけれども、これはやめさせたらどうですか。
#228
○政府委員(吉野準君) ちょっと誤解がおありのようなのでこの間の事情を御説明いたしたいと思います。
 東京都におきましては、昨年の七月に三鷹市で開催されました全日本教職員組合定期大会、いわゆる全教の定期大会、これをめぐって相当右翼が騒ぎました。それから、昨年の九月以降、世田谷区内でございます。これは、パチンコ店の新しい景品交換方式をめぐって右翼が大挙して押しかけまして、拡声機の音を異常に高くして街頭宣伝を行いました。いずれの場合におきましても、暴力的な騒音に悩まされました両地区の住民の方々が警察に対して何とか……
#229
○諫山博君 私が知りたいのは、請願運動を組織するようなことはやめなさいということです。その経過を聞いているのではありません。
#230
○政府委員(吉野準君) やはりこの辺はちょっとお聞きいただかないと事情はわからないと思いますので、かいつまんで申し上げます。
 そういうことで、住民の方々から警察に相談がございました。それで、これは都議会の方に働きかけたいがどうしたらよろしいか、こういう話でございましたので、それは請願を出されるという方法がありますねと、こういうお話をいたしました。ではどうすればいいのか、こういう話でございまして、議会というのは国会でも都議会でもなかなか敷居が高こうございまして、手続その他いろいろ難しい面もございます。頼られましたのでいろいろと説明をいたしました。そうした際に、請願を出すには紹介議員が要るという話になりまして、それではひとつ橋渡しをしてくれないか、こういう話でございましたのでお手伝いをした、こういうことでございまして、あくまで真意は住民の方々の御発議によるということでございます。
#231
○諫山博君 いずれこの問題は東京都議会で論争されると思います。
 ただ、今のあなたの御発言では、警察庁はそこまで出しゃばってはいないし出しゃばるべきものではないというのが伏線にあるように聞きましたけれども、それでいいですか。
#232
○政府委員(吉野準君) これは、騒音問題というのはやはり国民全体の大きな悩みでございます。私が騒音問題と申しますのは右翼の騒音でございまして、これを何とかしなきゃいけないというのは各地でいろいろ声が起こっております。それがこういう条例になってきていると思うのでありますけれども、私どもの立場としては、取り締まるにしても有効な法令がない現実にかんがみまして、こういう条例ができるというのは大変結構なことではないか、こういうふうに思っております。
 そういう観点から、各県警から相談がありますれば全国的な見地から、既に条例を制定している県の例などを御紹介して相談に乗るというのが私どもの立場でございます。
#233
○諫山博君 いろいろ相談が来た場合に相談に乗るということはわかりました。ただ、いろいろ都議会に働きかけたり、住民に請願運動を組織するようなことはすべきではないということを要望しまして、次の質問をします。
 この条例に基づいて現在までに停止処分が百一件行われた、勧告が百十七件行われた、立ち入りが七件行われた。これは間違いありませんか。
#234
○政府委員(吉野準君) そのとおりでございます。
#235
○諫山博君 法務省に質問します。
 拡声機規制条例で起訴されたのは、現在まで四件だそうですね。右翼の宣伝車が対象だったと聞いております。略式命令書を見ると、百七ホンの音量、百十一ホンの音量、こういうのが規制の対象になっているようですけれども、起訴されているのは大体このような音量ですか。
#236
○説明員(馬場義宣君) お答えをさせていただきます。
 御指摘のとおり、既に起訴されました事件、停止命令に違反したという事犯は二件でございまして、今委員御指摘のように百十二ホン、百五ホンの事例でございます。
#237
○諫山博君 従来、右翼の暴騒音に対しては軽犯罪法が適用されてきました。今私が指摘したような百七ホン、百十一ホン、こういう音が発せられるとすれば、何も拡声機規制条例を持ってこなくても、軽犯罪法で取り締まろうと思えば取り締まれるんじゃないですか。軽犯罪法の静穏妨害罪の成立要件は三つです。異常に大きな音を出して静穏を害する、近隣に迷惑をかける、公務員の制止を聞かない。この条件に当たれば軽犯罪法で処罰できるわけで、現に軽犯罪法でしばしば右翼を処罰しております。
 私は、拡声機規制条例て取り締まられたような事件はこの条例を持ってこなくても軽犯罪法で処理できる、こう思いますけれども、法務省はと、つ思いますか。
#238
○説明員(馬場義宣君) 委員御指摘の軽犯罪法でございますが、第一条の十四号で、「公務員の制止をきかずに、人声、楽器、ラジオなどの音を里常に大きく出して静穏を害し近隣に迷惑をかけた者」、これを処罰するという形になっております。法定刑は拘留または科料ということになっております。したがいまして、御指摘のように、これに当たる事例につきましてはこの罪で処罰することも可能かというふうに考えます。
#239
○諫山博君 私は、右翼であれ左翼であれ、街頭宣伝を軽犯罪法で取り締まることには本来反対です。ただ、今の法律では取り締まれないから治安立法的な条例をつくる、このやり方に反対している。
 そこで、警察庁の茂田忠良という人の書いた論文が公表されております。執筆当時は、警察庁警備局警備課長補佐です。「車両街宣に伴う騒音取り締まりの問題点」、警察学論集に出ております。
 私は警察庁に、この本について質問するからあらかじめ調べてもらいたいと要望していましたけれども、これによりますと、昭和五十五年一月、高知県で右翼団体の日教組教研集会妨害を軽犯罪法として検挙して科料三千円が言い渡された、同年八月、右翼による岩手県における日教組大会妨害事件を軽犯罪法で検挙して科料三千円の言い渡しかあった、こういう記載がありますけれども、これは間違いありませんか。
#240
○説明員(馬場義宣君) お尋ねの点につきましては調べておりませんので、この席でそのとおりということはちょっと申し上げかねるわけでございます。
#241
○諫山博君 私は、この論文をきのう指定して、この論文について質問するから調べておいてくれと要望したんです。しかし、これは警察学論集に載っていますから、そしてこれはその後取り消されておりませんから、その前提で質問を続けます。
 この本によりますと、昭和五十一年から五十七年までの間に右翼、極左暴力集団の車両による街頭宣伝が軽犯罪法で二十七件検挙された。略式命令で有罪になった者が十件十一名。これも調査を求めていましたけれども、どうですか。
#242
○説明員(馬場義宣君) 私どもは、実はその警察学論集の論文につきましては事前に伺ってないものでございまして、そういう意味で調べていないところでございます。まことに申しわけございませんが、そういう意味で御確認することができません。
#243
○諫山博君 警察庁長官にお聞きします。
 委員会では質問取りということで、議員が何を質問するかいろいろ聞きにこられますね。このときに、この論文について聞くから調べておいてくれときのう言ったばかりですよ。調べなかったら論議が発展しないじゃないですか。そこはどうなっているんですか、警察庁は。
#244
○政府委員(吉野準君) 私ども警察庁では、たしか委員の方からそういう御指摘を受けました。茂田君というのは今も私どもの局の警護室長というのをやっていますので、よく知っている男でございます。この論文も以前から読んでおります。
#245
○諫山博君 じゃ、今の私の質問に対して答弁してください。
#246
○政府委員(吉野準君) 御指摘のとおりでございます。
 ただ、一つつけ加えさせていただきますと、委員は軽犯罪法の有効性を大変強調されておりますが、高知県の例で申しますと、二名検挙しましたが、起訴猶予処分となっているものもあるということでございます。
#247
○諫山博君 私が指摘した論文には、昭和五十一年から五十七年までの件数が出ております。それ以前はどうです。やはり、軽犯罪法で検挙されていますか。
#248
○政府委員(吉野準君) 五十一年から五十七年までは御指摘のとおりでございますが、それ以前についてはちょっと手持ちの資料がございません。
#249
○諫山博君 どうも調べていないということで議論がかみ合わないんですけれども、私が言いたいのは、右翼のあのでたらめな暴走を取り締まろうと思えば今の法律でできるじゃないかということを言っているんです。一番今までに活用されたのが軽犯罪法です。先日、奄美大島で右翼が暴れたことがあります。これもやはり軽犯罪法で処理されております。
 そのほかに、例えば音による暴行罪が成立するということが最高裁判所で言われております。音による威力業務妨害罪が成立するということも言われております。例えば、全教の組合大会を粉砕する、こういうことで右翼が妄動します。地方自治体が会場の使用を認めていたのに、これを取り消す。まさにこれは威力業務妨害じゃないですか。
 もう一つは、道路交通法です。本当に右翼を取り締まろうとすれば、道路交通法を駆使すると簡単にできるはずです。
 私は、一昨年の京都における教研集会のことを思い起こします。あのときは右翼が車を連ねてわざと蛇行行進をするわけですよ。わざと繁華街で車をとめて、警察の指示には従わない。ところが、警察は、検挙すればできるはずだと思うけれども、検挙しませんでした。
 ただ一つ検挙したのがあります。それは、日本皇民党という右翼団体が京都府警に抗議に来たときです。警察に抗議するとは何かということで、右翼団体がこの抗議行動のために逮捕されました。教研集会が開かれたときは、逮捕された十名はまだ勾留中だった。こういう状態があったのを御存じですか、警察庁は。
#250
○政府委員(吉野準君) 承知しております。
#251
○諫山博君 繰り返しませんけれども、新しい条例をつくらなくても右翼は取り締まれるんですよ。右翼が警察に集団で押しかけてきたら直ちに検挙したんです。一般市民が被害を受けておるとぎにはなかなか警察は動かない。そして、音に対する規制が法律上不備であるから新しい条例をつくってもらいたいというのが今の警察の動きです。
 そこで、この条例でだれのどのような行為を取り締まろうとしているのか、これを説明してください。
#252
○政府委員(吉野準君) 全国十一県で条例ができておりますが、みんなそれぞれ違います。違いますので、共通点というところで、代表的なところで福島県の例を申し上げたいと思いますが、この基本となるところは、第三条の「拡声機による暴騒音の禁止」という項目でございまして、「何人も、拡声機を使用して、別表上欄に掲げる拡声機の使用方法の区分に応じ、それぞれ同表下欄に定める測定地点において測定した音量が八十五デシベルを超える音(以下「暴騒音」という。)を発してはならない。」、これがポイントでございます。
 こういう暴騒音が出た場合は、今度は第四条に参りまして「停止命令」ということですが、「警察官は、前条の規定に違反して拡声機による暴騒音を発している者があるときは、その者に対し、当該違反行為の停止を命ずることができる。」、これが次のポイントでございます。
 それで、いろいろございますが、これに従わない場合は罰則がございまして、「第四条の規定による警察官の命令に違反した者は、六月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。」、こういうことになるという次第でございます。
#253
○諫山博君 そんなことは私はよく知っておる。私が知りたいのは、結局これで取り締まるのは拡声機を使った街頭演説、拡声機を使った屋外集会、この二つが典型ではなかろうかと思いますが、どうですか。
#254
○政府委員(吉野準君) そういうことでございます。
#255
○諫山博君 八十五デシベルというのは全国共通しているようですね。
 私たちが日常街頭演説をしているときにどのくらいの音を出しているかということを何回も私たちは調査しました。ほとんどすべて八十五デシベルをはるかに超しますよ。
 例えば、ことしの二月二十六日にJR和歌山駅頭の街頭演説を弁護士と医師が調査しました。汐見医師の調査によれば九十三デシベルから百デシベル、市野弁護士の調査によれば八十五デシベルから百デシベル、これは全部条例にひっかかるわけです。こういう街頭演説をやめろというんですか、何をやめさせようとしているんですか。
#256
○政府委員(吉野準君) どういう状況で、どういう騒音計を使ってはかられたかちょっとわかりませんけれども、私どもが調査をした限りでは、普通の従来型の街頭演説、右翼以外のものでございますが、そんな高い音は出ません。
#257
○諫山博君 私は、政治家としての塩川正十郎さんにお聞きしますけれども、我々は新宿駅頭で街頭演説をやります。渋谷でも街頭演説をやります。八十五デシベルなどはすぐ超えますよ、現実に。そうすると、新しい条例によればこういう街頭演説を警察が規制する、こういうことになりますけれども、大臣、こういうことを容認できますか。これは何も右翼だけに適用されるのではありません。共産党もねらわれるし、場合によったらあなたの街頭演説だって規制されるかもわかりません。どう思いますか。
#258
○国務大臣(塩川正十郎君) 諫山さんがえらい執念を持って拡声機規制をおっしゃいますけれども、ねらっておるところはもう十分御存じで聞いておられると思うんです。
 右翼の最近の宣伝カー、あのボリュームは、共産党が使っている宣伝車だとか、自民党が使っている宣伝車の機械と全然違いますよ。だから、それはデシベルが違うと言っておるんですよ。ですから、私たちは正常な政治活動をやっておられるのを、共産党が演説しておられるのをとめに行ったことがありますか。そんなことありませんよ。そうではなくして、あんなものすごい音のテープを流してやっておる、その市民の迷惑というものは大変なものです。冒頭におっしゃったじゃないですか、言論の自由、表現の自由はある。あることはあります。尊重しなければいけません。しかしながら、これはあくまでも多くの他人に迷惑をかけない範囲内において保障されるべきものであって、自分ひとりよがりのああいうことはやられたら迷惑だ、こういうことです。
 でございますから、私は、条例がどうしてやっておるのか、今進行しているのか、その中身は不勉強で知りませんでしたけれども、もし万が一この条例によって正当な政治活動の演説を停止さすとか、あるいはそれに類した行動をやるということになれば、それは国会で問題になってしまってとてもできるものじゃないと思います。そんな自由を束縛しようとか制限しようとか、そんな考えでは絶対ないということだけはひとつ信じていただきたい。
#259
○諫山博君 それは、私から見るときれいごとなんですよ。街頭演説で除外例が規定されております。それは選挙運動期間中の選挙活動です。もう一つは、選挙運動期間中の政治活動です。つまり、限られた政治活動、選挙活動には適用しない、こうなっていますけれども、私たちが日常街頭演説をやっているのを適用しないとは書いてないんですよ。
 そこで、今の説明をさらに念を押して聞きますけれども、私たちがしばしば新宿などでやっている街頭演説は取り締まらないと聞いていいですか。
#260
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、それは演説をやったり、あるいは停車、駐車禁止のところで車をとめられてはんばんやられる、選挙中じゃないんですからそこはやっぱりあるだろうと思いますけれども、選挙中はそんなことは絶対やっていません。これは当然のことです。しかし、それでも駐車禁止のところ、停車禁止のところに対しては注意をした力しています。ましてや、ふだんの日に交差点のど真ん中でやられて、それで大衆の迷惑を考えないで演説する、そんな無神経なことはおやりにならぬと思いますけれども、もしそういうふうなことがあった場合に、ちょっと移動してくださいとか、それは注意しておるかもわかりません。しかし、それは常識の話であって、正常な状態で演説している者をとめるということは私は考えられないと思います。
#261
○諫山博君 今の国家公安委員長の説明は、道路交通法の問題であって音量規制の問題ではないんですよ。だから、本当に右翼を取り締まろうとするんだったらこんな条例は必要ない、道交法でやれるじゃないかと言ったんですけれども、あなたが私の発言を裏づけてくれました。
 そこで、今度は警察庁長官、塩川自治大臣が言われましたように、私たちが日常やっている街頭演説は取り締まりませんか。
#262
○政府委員(鈴木良一君) 正常な政治活動につきましては、これを取り締まるなんという考え方は毛頭ございません。
#263
○諫山博君 正常か正常じゃないかというのは警察が中身について判断することはできないと思いますよ。我々が日常新宿でやっている街頭演説は八十五デシベルを超すと思いますけれども、警察はああいう行為を取り締まるつもりはないと断言できますか。
#264
○政府委員(鈴木良一君) 先ほども警備局長が申しましたように、異常な暴騒音を取り締まるということでありまして、通常の政治活動につきまして出しております音というものは取り締まりの対象にならないというふうに考えます。
#265
○諫山博君 それなら何で八十五デシベルという基準を決めるんですか。問題はここですよ。我々の街頭演説はしばしば八十五デシベルを超える。国家公安委員長の説明では、あれは正当な政治活動だ。だとすれば、ああいうものは取り締まりませんと確認できますか。
#266
○国務大臣(塩川正十郎君) デシベルを正確に調べさせてもらいます。
#267
○政府委員(吉野準君) 調べますが、九十、百というのは、演説会、これ右翼はございますが、いわゆる正常な従来型の正当な政治活動でそういう例は私どもは聞いておりません。通常八十五デシベルぐらいでございます。八十五はどうして、
#268
○諫山博君 それはもうわかっています。
#269
○政府委員(吉野準君) そういうことでございます。
#270
○諫山博君 今大臣は、調べると言われましたね。
#271
○国務大臣(塩川正十郎君) そうですよ。
#272
○諫山博君 私は、警察に一緒に調べに行こうじゃないかと提案したんですよ、測量計を持って新宿に調べに行こうじゃないかと、何だったらその場で私が街頭演説をやりましょうと。警察は乗ってきませんでしたよ。
#273
○国務大臣(塩川正十郎君) それは、妨害したらいかぬと思ったからですよ。そこまで配慮しているんですよ。
#274
○諫山博君 弁護士と医師が現に調べたわけですよ。ところが、百デシベル出るんですよ。だから、この条例がつくられて、そしてこれが警察官によって運用されれば、あなたの街頭演説だってできなくなりますよ。
#275
○国務大臣(塩川正十郎君) それはどうもならぬ。
#276
○諫山博君 もっとも警察はなかなか党派性がありますから塩川さんの演説までは規制しないでしょうけれども、そういう条例が今つくられようとしている。私が言いたいのは、基本的人権にかかわるようなこういう問題については、どうしても規制したいというんだったら、なぜ法律でやりませんか、国会で堂々と議論しませんか。国会で法律をつくろうとせずに、一自治体の条例でこれをこっそりつくる。全く卑劣ですよ。これは。基本的人権が警察によって侵害されるじゃないですか。なぜこれを地方自治体でつくらせようとしているのか、この点を説明してください。
#277
○政府委員(吉野準君) 地方自治体でこの条例をつくられることにつきまして、私どもは国の機関としてこれはいいとか悪いとかいう立場にないというのは法律家である委員よく御存じのことと思います。
 なぜ国の法律をつくらないかということでございますが、実は全然ないことはないわけでございまして、一つございます。国会議事堂周辺地域及び外国公館等周辺地域の静穏の保持に関する法律というのがございまして、この保護地域は、保護される場所は三つございまして、一つは当国会周辺地域、それからもう一つは政党、これは政党大部の周辺でございまして、日本共産党を含む政菅本部周辺を全部保護いたしております。これは政党本部の申し出によってやっているわけでございますけれども……
#278
○諫山博君 よく知っています。
#279
○政府委員(吉野準君) それからあとは外国公館の周辺ということでございまして、これは国会なり政党本部なり、それから外国関係の強い御要望があってできましたので……
#280
○諫山博君 私たちが反対した法案だから、よく知っていますよ。
#281
○政府委員(吉野準君) それで、法律は、国民の御要望なり大方の御要望があればつくらせていただくにやぶさかじゃございません。
#282
○諫山博君 私は法律をつくれと言っているんじゃないんですよ。どうしてもやりたいんだったら、なぜこそこそと自治体でやらせるのかといって批判しているわけです。
 もう一つ聞きますけれども、この条例ができたら街頭演説を録音しますか、録音はしませんか。
#283
○政府委員(吉野準君) そういうことはやりません。
#284
○諫山博君 音量は記録しますか。
#285
○政府委員(吉野準君) 取り締まりには音量を記録しなければいけませんが、それは先ほどから再三申し上げておりますように、正常な政治活動とそうじゃないものは一見して区別がつくわけでございまして、取り締まりの対象になるのは正常でない活動でございまして、そういうものを対象に音量を計測する、こういうことになろうかと思います。
#286
○諫山博君 これは、警察官が我々の演説を規制する、集会の演説を規制する、こういう内容ですよ。実質は治安立法ですよ。
 そこで、私は、こういう制定に強く反対し抗議すると同時に、最後にもう一つだけ聞きます。
 正当な演説は規制しない、こう言われましたけれども、あなたが規制しないという街頭演説というのはどういうものですか。
#287
○政府委員(吉野準君) 正常な政治活動、市民運動、労働運動などもそうでございますけれども、それはやっぱり社会通念上認められるもの、国民なり住民の理解と支持を得られるもの、こういうことになろうかと思います。
#288
○諫山博君 ここに各党派の議員がおられますけれども、みんな規制の対象になるんです。
 そこで、抽象的には正常な演説を規制するつもりはないと言いましたけれども、しかし何が正常かという点は具体的に言われませんでした。今我々が日常やっているような演説は規制しない、これはどうですか。
#289
○政府委員(吉野準君) これは平たく申し上げますと常識の問題でございまして、やはり国民の理解と支持がある、国民のひんしゅくを買わないようなもの、こういうものは適用の対象にしない、こういうことでございます。
#290
○諫山博君 時間のようですから終わりますけれども、我々が日常やっているような演説は規制いたしません、これは正常なものです士あなたは最後まで言わなかったけれども、こういう条例を塩川国家公安委員長のもとでぞくぞくつくられる。これは汚名を後世に残しますよ。こういうやり方は政治家としてもっと敏感に対応していただきたい。こんな、我々が街頭演説するのを八十五デシベル超えたか超えてないかというようなことを測定する、超えたら弁士中止ということができるような仕組みになっているんです。弁士中止に従わなければ処罰されるんですよ。戦前の治安維持法と同じじゃないですか。私は、この立法に強く抗議したいと思います。
 以上です。
#291
○星川保松君 初めに、PKOの中のいわゆる文民警察についてちょっとお尋ねをしたいと思います。
 いわゆるPKOの中にはいろんな仕事があるわけでございまして、今回のカンボジアのPKO、いわゆるカンボジア暫定行政機構、UNTACと言われておるようでありますが、この仕事の中は国連の事務総長の発表によりますと七つの部分から成っておりまして、まず第一に人権、二番が選挙、三番が軍事、四番が行政、五番が警察、六番が難民帰還、七番が復旧というふうになっておるようでございます。
 その中のいわゆる軍事部門、平和維持軍、PKFというのが一万二百人、それからその補給、支援などの要員が一万五千五百人、それといわゆる軍事監視要員、これが四百八十五人、これが停戦監視などをやるわけでありますが、そのほかに選挙部門では最大時に千四百人の要員が必要だということであります。行政部門では三百人から三百五十人、そして警察部門では三千六百人が派遣される予定だというふうになっておるわけでございます。
 それで、今PKOの問題いろいろ論議されておるわけでありますけれども、国連平和協力は、平和協力をすることについてはだれもが一致している点だと思いますけれども、その方法についていろいろ論が分かれておるわけでございます。それで、私どももPKOのプロジェクトチームをつくりまして、ヨーロッパの方を視察してまいりました。立ち寄ったのはスウェーデン、オーストリア、デンマーク、ギリシャ、それで現場としてはキプロスを見てまいりました。それで、向こうの方でどこの国も共通しておりましたことは、国論完全一致でこのPKOの仕事をしておるということなわけでございます。スウェーデンなどは、いわゆる国の外交政策として中立政策というものを打ち出している、その中立政策の一つの仕事としてPKOの仕事を国民みんなが世論一致のもとに送り出しているという姿を見てきたわけでございます。
 それで、オーストリアでも同じでありますけれども、いろいろお話を聞いてきましたが、我々の悩みもいろいろお話をしました。そうしましたら、国民みんなが一致できる、そういうやれることからやったらいかがですか、そういう話なんですね。それで、PKOの先進諸国も、オーストリアでしたか、ここでは衛生兵をまず送った、それからだんだん野戦病院などをつくったりずっとやってきて今日に至った、こう言うんですね。それを、どうも日本の場合を見ると初めから完璧なものをやらなくちゃという構えのように見える。それで、私たちも徐々に国民の理解を得ながら今日に至っているんですから、やれるところからやったらいかがでしょうかということをお聞きしまして、大変感銘してきたわけでございます。
 そういうことから考えますと、この場合は特に警察ですが、PKOの場合は現場でも文民警察、これはいわゆる軍事警察、MPに対してそう言うのじゃないかと思いますけれども、ミリタリーポリスに対してシビリアンポリスと言うんでしょうか、それで文民警察、こう言っておりますが、この仕事なら私はPKOの仕事として我が国でもだれも異存はないのではないか、こういう気持ちがするわけでございます。
 そういう点で、警察官を文民警察としてPKOに派遣し、国際平和協力をするということについてはどのようなお考えをお持ちでしょうか、お尋ねしたいと思います。
#292
○政府委員(井上幸彦君) 私どもといたしましても、PKO業務の重要性については十分認識いたしておるところでありまして、警察官としてふさわしい協力業務ができるならば応分の協力をするのにやぶさかではございません。ただ、現行法上PKOの遂行というものは警察の事務とされておりません。したがって、私どもといたしましては、現在国会にかかっておりますPKO法案の成立を待って必要な要員を派遣するということになるわけであります。したがって、PKO法案が成立した暁には、警察官の身分を持った者が派遣先国の警察事務についての指導であるとか助言であるとかあるいは監視であるとかの業務を果たすという立場で派遣できることになるものと理解しております。
#293
○星川保松君 大分積極的なようでありますが、それではPKOに文民警察を派遣した場合はどういう仕事になるのか、そういう調査をしておられますでしょうか。
#294
○政府委員(井上幸彦君) 昨年であったと思いますが、私どもの警備局の課長が外国に行って必要な調査を遂げてきております。我々としても、それらを参考にしながらどういうような業務ができるのかということをいろいろ考えておる、こういう状況でございます。
#295
○星川保松君 その外国というのはどの辺ですか、差し支えなかったらお願いします。
#296
○政府委員(井上幸彦君) たしかオーストリア、スウェーデン等を含めて回ったと思いますが、キプロスにも回ったかもしれません。ただその際に、ナミビア型とキプロス型の二つのPKOというものがあるようでありますが、ナミビア型のものが我々として果たし得るものなのかな、こういう印象を持って帰ってきたようであります。
#297
○星川保松君 私どもは、いわゆるキプロスの文民警察の皆さんといろいろお話をしてきました。あそこに派遣されている文民警察は、オーストラリアの現役の警察官でございました。それで、女性の方と男性の方とまじっておられました。十数人だったと思いますけれども、活動なさっておられました。
 PKOの場合は各国で事情がみんな違うわけですけれども、例えば、キプロスの場合はいわゆるギリシャ系の人々とそれからトルコ系の人々とが武力衝突をして、それを国連が引き分けて、その中へ入っているわけですね。それで、いわゆるバッファーゾーンという緩衝地帯を設けている。緩衝地帯というのは、その島をちょうど真ん中から二分するような形で走っておりまして、狭いところは数メートルしかありません。広いところは数キロに広がっているわけでして、その中に農家なんかもありますし畑などもあります。
 そういう緩衝地帯を挟んでPKOの活動をやっておるわけですけれども、文民警察というのはどういう仕事をやっているんだと聞きましたら、いわゆる向こうの住民とこっちの住民との間のいろいろな問題、それからPKOの派遣されている皆さんと住民との関係、その関係を担当してやっているんだと。最近やった仕事はどんなのがありますかということを聞きましたら、トルコの方の羊が、羊はバッファーゾーンも何も知りませんから、こっちの方へ、ギリシャの方へぞろぞろと越えてきたというんです。それで、向こうで捜しているけれどもこっちへ来られないわけですよ。頼まれて、それを捜して向こうの方に引き渡してあげた、そんな仕事を誇らしげに話をしてくれたわけです。そんなささいなことでもやはりその緩衝地帯では大きなトラブルに発展するおそれがあるんだということで、文民警察の小さな仕事でも大変重要なんだということで誇りを持ってやっておられました。
 私どもは、これは日本の警察でもできることだな、こう思ってきたんですけれども、ただ、オーストラリアは英語の国であります。やはりPKOの皆さんはみんな英語で連絡したり話をしたりしているわけですね。そうしますと、日本の場合はそこが隆路だな、こう思ったわけですよ。例えば、日本で文民警察を派遣するという場合、英語に達者でそういう任務につけるという入が今集められる可能性はありますか。
#298
○政府委員(井上幸彦君) 私どものなし得る業務ということになりますと、今委員いろいろと例をお引きになったわけでありますが、現在国会にかかっておりますPKO法案の我々に期待する仕事というものは、派遣先国の警察事務に関して指導、助言、または監視を行うということを内容とするものであるというふうに理解しております。
 そして、今お話のありましたすぐにそのような要員を選定し、派遣できるか、法案が成立した暁ということであろうと思いますが、おっしゃるような言葉の問題もございます。それから、法案の中にも書いておりますとおり、事前の十分なる教養訓練を行うということがうたわれておりますが、やはりおっしゃるような語学的な面に我々は注目をして要員の選定を行わざるを得ませんし、同時に、派遣先国の実情等についても、またなすべき業務についても、事前の十分な教養訓練というものが必要であろうというふうに理解をいたしております。
#299
○星川保松君 もし行った場合は、現地の警察官を指導する、そういう仕事だというふうに考えておられるようでありますけれども、そういうこともあるかもしれませんが、それはごく少数で足りると思うんですね。やはりそうじゃなくて、現地に行ったら現地の住民と直接接触をして、その住民間のトラブルなどの解決に当たる、そういう仕事をやるんだと私は思うんですよ。ですから、このUNTACの場合も三千六百人というのを想定しているのは、恐らくそういう直接住民と触れる仕事をするんじゃないか、こう思いますけれども、それらのこともやはり調べておいていただいた方がいいのではないか、こう思います。
 それから次に、これは通告してありませんでしたが、このUNTACが進んでいきますと、来年の五月までには総選挙を実施したい、こういうことなわけです。そうしますと、先ほど申し上げましたいわゆる選挙の組織や監視に当たる行政部門の人員も必要になってくるわけなんですね。これが選挙部門では最大時に千四百人の要員が必要だ、こういうふうにあるわけですけれども、この選挙監視については前にもう経験があるわけですね。これについては自治省の方はどうお考えですか。
#300
○政府委員(森繁一君) 選挙につきましては、かってナミビアに選挙の協力を申し上げた例がございます。このときには、私どもの選挙部の職員とあわせまして地方の選挙管理委員会の実際の選挙の事務に堪能な方数名をナミビアに出しまして、選挙の協力をしたことがございます。
 今後の問題でありますけれども、とても我が国だけでその千数百名というわけにはまいらないわけでございますけれども、国際協力というのはどうしても必要な課題でございますし、地方団体、選挙管理委員会とも十分相談いたしました上で必要な御協力は申し上げたい、こう考えておるわけでございます。ただ、身分関係は、ほとんどの方が地方公務員でございます。外国へ行っております間に、例えば不慮の事故が起こった場合にその災害補償を一体どこでやるか、いろいろ難しい問題がございますが、そういう問題を整理いたしました上で御協力をすることにいたしたい、こう考えております。
#301
○星川保松君 それから、これは文民警察、選挙監視の要員、両方を通じて言えることでありますけれども、ヨーロッパの諸国に行ってみますと、このPKOの仕事というのは大変とうとい仕事であるという国民のコンセンサスがありまして、それでこれに応募してくるということになりますと、その後はみんなが率先して、かわりの人をその仕事につけたりしてやってくださるわけです。そして、今度帰るときには、もう必ず、その期間その仕事をやっていないということがあっても、不利益をこうむらないようにきちんと復帰させるという体制ができているわけですね。そういう体制ができているから応募者も大変多いわけですよ。
 スウェーデンの場合ですけれども、お医者さんでさえも一〇〇%を超える応募者がいるというんです。その裏をよく調べてみますと、そういうふうに出てくるのに皆さんが喜んで送ってくれるし、帰ってきたら不利益ということ一切なしに、むしろすばらしい仕事をやってきたというのでその人はみんなから尊敬されるというんですよ。そういう場にちゃんと迎え入れてくれるということなんですね。ですから、どんどん応募者がいるという裏があるわけです。そういうこともやはり出す際はきっちり考えておいてあげなくちゃいけない、こう思いますが、それについてのひとつお考えを。
#302
○政府委員(森繁一君) 今、先生のお話のとおりでありまして、せっかく職員が国際協力のために参るわけでございます。帰ってもとの職に復職いたしました場合にいやしくも不利益になるようなことがあってはならない、こう存じておりますし、むしろ国際協力の機運が今後ますます高まってくると思います。地方も国際化の時代を迎えております。そういうことを考えますと、今後へ国際協力で参加した職員が胸を張って仕事ができるような、そういう職場環境をぜひともつくりたいものだ、こういうふうに考えております。
#303
○星川保松君 それじゃ、文民警察関係はそれぐらいにいたします。
 先ほども質問が出たわけでありますけれども、金丸さんが右翼のテロに遭われたわけでございます。最初、私見たとき、あれはおどかしの空砲ではないかと思っておったんですが、そうじゃなくて、弾が実際飛んでいった実砲であったわけで、びっくりしたのであります。それで、何でこんなことが起こったんだろう、こう思ったわけです。これは、警備の方でちょっと手薄だったのではなかろうか、こう思ったんです。新聞等の報道によりますと、警備の警察官が百数十人いらっしゃったという報道でありますので、百数十人の皆さんがいらっしゃってなぜこういうことになってしまったんだろう、こう不思議に思ったわけでございますが、その点についてはどのようなお考えでしょうか。
#304
○政府委員(吉野準君) この事件につきましては、重大な事態であるというふうに私ども深刻に受けとめている次第でございます。
 今、委員の方から警備が配置になっておるのにどうしてこういう事件が起こったかというお尋ねでございます。
 確かに、金丸自民党副総裁につきましては、前にも事件がございましたので警備を厳重にいたしておったところでございます。言いわけするつもりはございませんが、本来政党の演説会と申しますのは、民衆と政治家が自由に触れ合う場でございまして、どうしても警備を厳重にするということはその自由な触れ合いの障害になるという面もございまして、とかく遠慮しからという面もございます。
 当日は、私どもの方の右翼対策係、私どもと申しますか、栃木県警の右翼対策係がいろいろ目を光らせておったのでございますけれども、残念なことに、地元の右翼ですとある程度わかったわけでございますが、東京から来た右翼であったので、まず顔がわからなかったということが一つでございます。それから、もちろん入る方に対して、そのときは手荷物とか身体検査をやっておりませんので、けん銃を隠し持っておったのがわからなかったということが二つ目でございます。それから、水際対策ということで、これは私どもの反省でございますが、近くにも何人か配置しておったのでありますけれども、やはりこの配置の仕方にいま一つ工夫がなかったと申しますか、そういうことでとっさに飛び出す者に対して追いすがるのにちょっと時間が足りなかった、こういうことでございまして、これを教訓として、今後二度とこういうことのないように措置を講じてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#305
○星川保松君 ある事件のときに、国家公安委員長のお話として、今までは刃物に対する警備ということであったけれども、今後はピストルに対する警備というふうに変えていかなければいけないというような談話が載っておったわけですけれども、やはり今までは刃物に対する構えでいらっしゃったんですか。そしてまた、今度ピストルに対しては別の構えになるのか、どういうふうになるのか、それを御説明願いたいと思います。
#306
○政府委員(吉野準君) 御説明するまでもないと思うのでございますけれども、刃物ですと近くまで寄らなければ危害は加えられないわけでございますが、ピストルですと、かなり遠くから危害を加えられるおそれがあるということが大きな違いでございます。
 従来は、どちらかというと刃物が主流でございまして、けん銃というのは意外に少なかったわけでございますし、特に今回のように至近距離まで寄ってけん銃を撃った事件というのはなかったわけでございますので、やはりけん銃の出回りというものも踏まえまして、これは対応を新たに工夫していかなきゃいけないなというふうに決意を新たにしているところでございます。
#307
○星川保松君 私などはまだ要人でないからねらわれるということはあり得ないと思いますけれども、もしピストルでねらわれるようなことがあったら、さてどうしようかと考えることもあります。
 ですから、やっぱり国会議員になったらピストルで、あるいは刃物でねらわれた場合にとっさにどういう避難措置をすればいいのか、これは警備の方はそのノウハウは十分お持ちだと思いますので、ひとつお聞かせをいただきたいと思います。
#308
○政府委員(吉野準君) ピストルは飛び道具と申しますぐらいに非常にスピードがありますので、なかなか対応が難しい面がございます。しかし、一応私どもは、当然予想していろいろ訓練をやっております。例えば、防ぐ道具なども要所要所に配置いたしております。しかし、とっさの場合、やはり何と申しましても体で、要人にはSPと申す警護員がついておりますが、体でかばうというのが一番早いわけでございまして、人間の盾ということになりますが、そういう訓練と心構えをしつけております。
 おっしゃるように、VIPの方もいろいろ御協力願わないといけませんので、例えば今度の場合がそうでございましたが、とりあえずああいう場合は伏せていただくとか、そういうふうなことでいろいろと御協力いただくように願っておるところでございます。
#309
○星川保松君 ついででありますけれども、今のピストルというのはどのぐらいの威力があるものか、それもひとつお聞きしておきたいと思いますが、どのくらいの破壊力があって、どのような距離から撃てはどのぐらい当たるのか。
#310
○政府委員(井上幸彦君) 命中率ということであろうと思いますが、これはけん銃の性能、新しさ古さ、あるいは手入れのぐあいとかというようなものもあろうと思いますが、それと使う者の技量、それから使用状況というものによっておのずから違ってくるものかというふうに思います。
 それから、破壊力の点でありますけれども、十五フィートの距離から撃った場合に、二・五センチメートルぐらいの松の板三、四枚を撃ち抜くほどの威力を持っておるというふうに我々は理解しております。
#311
○星川保松君 そういうピストルが随分日本に入ってきておるようでありますけれども、これは何とかしてやはり入る前に防がなければならない、こう思うんですが、今一番どういう国からどういう経路でピストルというものが入っているんでしょうか。
#312
○政府委員(関口祐弘君) お答え申し上げます。
 平成三年中には千三十二丁ほどけん銃を警察で押収しておりますが、そのほとんどが外国製でございます。これらの銃の製造国別などを見ますと、中国製が二百八十一丁、アメリカ製が二百六十二丁、フィリピン製が八十丁などとなっております。
 それで、製造国からどの国を経由して我が国に密輸入されたかという点でございますけれども、私どもが摘発をしておりますけん銃のほとんどというのは、海空港を通った後に国内で発見をされ、あるいは押収をされているということでございますので、なかなかどういう国を経由してという実態がつかみがたいところでございます、
 ただ、私ども密輸入罪で検挙をした事例というものを見ますと、フィリピンとかアメリカなどがけん銃の仕出し国となっているという例が多いという状況にございます。
#313
○星川保松君 最後に質問をいたしますが、このテロの犯人がどういう理由で金丸さんをねらったんだろうと思って新聞を見ておりましたら、いわゆる男を上げるために、金丸さんが国賊だというような話を聞いてねらった、こういうことなんです、私たちにはどういう意味がわからないんですけれども。いわゆるあの人々が男を上げるということはああいう犯行をやってどういうことになるんだろう、こう思いますが、それわかったら教えていただきたいと思います。
#314
○政府委員(吉野準君) 取り調べは現在厳しく進行中でございまして、なお全容が判明するまでには時間がかかると思いますが、確かに委員御指摘のように、そういう供述をいたしております。
 この心理というのはなかなか私どもにはわかりかねるわけでございますが、右翼全般にやはり反体制という機運が高まってきております。従来はどちらかといいますと、反共産主義と申しますか、反共という立場が強かったわけでございますが、御案内のように、ソ連、東欧の共産主義が崩壊いたしましたので、対象が反共から反体制の方に移ってきまして、そういうことで要人をねらうというふうな風潮が出てまいりました。この中でやはり推測するに、要人をねらって危害を加えて、平たく言えば、これによって名前を上げよう、こういうことかなという感じがいたします。
 いずれにいたしましても、民主主義の根幹を揺るがす事件でございますので、決して許せないことだと思いますし、今後はこういうテロを行う右翼に対して厳しく取り締まってまいりたいというふうに決意をいたしているところでございます。
#315
○委員長(山口哲夫君) 他に御発言もないようですから、三案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより、地方税法の一部を改正する法律案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#316
○諫山博君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました政府提出の地方税法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 反対する第一の理由は、国民健康保険税の課税限度額の引き上げであります。
 課税限度額の引き上げは、七五年度十二万円だったのがほぼ毎年二万円引き上げられ、九二年度の引き上げで四十六万円になろうとしています。こうした政府方針のもとで、保険税は所得の伸びを無視した引き上げが相次ぎ、八四年度の国民健康保険の国庫補助負担率の引き下げ以降は特に大幅な保険税の引き上げを余儀なくされ、八六年度には当時の厚生大臣が国保税について限界に近い状況と国会で認める岩でになりました。その後、八九年度の所得に対する保険税の占める割合はどの所得階層でも八六年当時より上回っており、保険税負担の限界に近い状況はさらに進んでいるといえ、保険税の引き下げは地域住民の切実な願いとなっています。そのために、国庫負担率をもとに戻し、加入者の命や健康を守り、社会保障及び国民保健の向上に寄与するという制度本来の運営が求められているのであります。
 第二の理由は、担税力のある大企業を優遇する課税の特別措置を新設、温存しているからであります。
 テクノポリス法、頭脳立地法、民活法など大企業を優遇する法律に基づくものや、電力会社、第一種電気通信事業者、造船会社、航空会社、輸入輸送会社などへの特別土地保有税、不動産取得税、固定資産税及び都市計画税などの課税標準の特例など、大企業優遇税制を延長していることであります。また、電気通信基盤充実臨時措置法に規定する認定計画に従って実施する施設整備事業について、固定資産税の課税標準の特例措置を新たに制度化し、電力会社、第一種電気通信事業者など大企業優遇税制を新設していることであります。
 こうした大企業優遇税制の新設、温存に比べ、個人住民税は生活保護基準以下の低所得者まで課税されることを避けるため、非課税限度額をわずかに引き上げる当然の措置をとったにすぎないということであります。担税力のある大企業に対する優遇税制をやめ、生活保護基準に近い低所得者まで課税しないように、個人住民税の課税最低限を大幅に引き上げることを強く要求します。
 第三の理由は、みなし法人課税制度の廃止であります。
 みなし法人課税制度は、法人化したくてもできない個人事業者に対しての負担軽減措置として七三年度に創設されたものであります。青色申告者の個人事業主を法人とみなした課税方式で、事業主報酬の支払いによる給与所得控除が認められ、約十七万人が選択しています。
 この制度の廃止のかわりに、新たに青色申告特別控除を創設する租税特別措置法の改正案が提案されていますが、みなし法人課税を選択する個人事業者への負担増は必至であります。また、自家労賃を認めてほしいという中小零細事業者の切実な要求をも踏みにじるものであります。
 以上、反対の主な理由を述べましたが、最後に、固定資産税の評価を地価公示価格の七割程度に引き上げる問題で、固定資産税がこの評価がえによって増税にならないような制度改正を強く求めで反対討論を終わります。
#317
○委員長(山口哲夫君) 他に御発言もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 地方税法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#318
○委員長(山口哲夫君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、野別君から発言を求められておりますので、これを許します。野別君。
#319
○野別隆俊君 私は、ただいま可決されました地方税法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
   地方税法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、今後ますます増大する国際化・高齢化社会等に対応する行政需要、引き続き厳しい地方財政の状況等にかんがみ、次の諸点についてその実現に努めるべきである。
 一、地方団体の自主的かつ責任ある行政運営を推進するに重要な自主財源である地方税源の拡充を図るため、国と地方の機能分担に応じた税源の再配分を検討するとともに、総合課税への移行を展望しつつ、利子課税。株式譲渡益課税等について適切な見直し等の措置を講ずること。また、地方団体の行政需要の増加にかんがみ、住民負担に配慮しつつ課税自主権の強化に努めること。
 二、税制の簡素化・税負担の公正化を図るため、非課税等の特別措置については、引き続き積極的に整理・合理化等の見直しを推進すること。とりわけ、事業税の社会保険診療報酬に対する非課税措置については、所得課税との均衡を図るとともに、いわゆるマスコミ等七業種に係る非課税措置の廃止に伴う経過措置についても、その適正化を図ること。
 三、事業税の分割基準については、税収の地域間格差の拡大に対応し、地方への配分を強化するため見直しを行うこと。また、法人事業税について税収の安定的確保を図るため、地方団体の要望も強い外形標準課税の導入を積極的に検討すること。
 四、土地税制については、引き続き資産に対する適正な課税に努めるとともに、評価の適正化を図り財源の安定的確保に資すること。なお、固定資産税の評価替えに当たっては、住宅用地・居住用家屋等に対する負担軽減措置を講ずること。また、都市計画税についても、住宅用地に係る負担の軽減を検討すること。
 五、国民健康保険会計に対する市町村の負担の増大の現状にかんがみ、国保財政の安定化並びに加入者負担の抑制に資するため、国はその責任を果たすべく一層の努力をするとともに、国保財政安定化支援事業等の趣旨に沿って、一般会計からの適切な繰入れを推進すること。
 六、個人住民税については、負担分任の性格を踏まえつつ、中低所得者の税負担の軽減を図るため、引き続き課税最低限の引上げ等の検討に格段の努力を行うこと。
  右決議する。
 以上であります。
#320
○委員長(山口哲夫君) ただいま野別君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#321
○委員長(山口哲夫君) 多数と認めます。よって、野別君提出の附帯決議案は、多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、塩川自治大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。塩川自治大臣。
#322
○国務大臣(塩川正十郎君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重し、善処してまいりたいと存じます。
#323
○委員長(山口哲夫君) 次に、警察法の一部を改正する法律案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 警察法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#324
○委員長(山口哲夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、地方自治法の一部を改正する法律案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 地方自治法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#325
○委員長(山口哲夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶものあり〕
#326
○委員長(山口哲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後四時三十三分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト