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1992/04/23 第123回国会 参議院 参議院会議録情報 第123回国会 地方行政委員会 第5号
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1992/04/23 第123回国会 参議院

参議院会議録情報 第123回国会 地方行政委員会 第5号

#1
第123回国会 地方行政委員会 第5号
平成四年四月二十三日(木曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
四月十七日
    辞任         補欠選任
     陣内 孝雄君     重富吉之助君
 四月二十二日
    辞任         補欠選任
     土屋 義彦君     谷川 寛三君
     篠崎 年子君     三重野栄子君
 四月二十三日
    辞任         補欠選任
     谷川 寛三君     野村 五男君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         山口 哲夫君
    理 事
                須藤良太郎君
                松浦  功君
                野別 隆俊君
                諫山  博君
    委 員
                狩野  安君
                後藤 正夫君
                野村 五男君
                吉川  博君
                吉川 芳男君
                岩本 久人君
                上野 雄文君
                野田  哲君
                三重野栄子君
                常松 克安君
                星川 保松君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    塩川正十郎君
   政府委員
       警察庁長官    鈴木 良一君
       警察庁長官官房
       長        井上 幸彦君
       警察庁交通局長  関根 謙一君
       総務庁長官官房
       交通安全対策室
       長        賀来  敏君
       運輸省自動車交
       通局技術安全部
       長        堀込 徳年君
       建設省道路局長  藤井 治芳君
       消防庁長官    浅野大三郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹村  晟君
   説明員
       文部大臣官房審
       議官       中林 勝男君
       文部省体育局学
       校健康教育課長  富岡 賢治君
       運輸省鉄道局財
       務課長      千原 伸夫君
       運輸省鉄道局保
       安車両課長    溝口 正仁君
       運輸省鉄道局施
       設課長      山田 隆二君
       運輸省自動車交
       通局旅客課長   宮崎 達彦君
       運輸省自動車交
       通局貨物課長   石井 幸男君
       運輸省自動車交
       通局技術安全部
       保安・環境課長  小杉 昭夫君
       労働省労働基準
       局監督課長    山中 秀樹君
       労働省労働基準
       局賃金時間部企
       画室長      朝原 幸久君
       建設省道路局道
       路交通管理課長  有賀 長郎君
       建設省道路局企
       画課長      橋本鋼太郎君
       建設省道路局高
       速国道課長    荒牧 英城君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○道路交通法の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(山口哲夫君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨二十二日、篠崎年子君及び土屋義彦君が委員を辞任され、その補欠として三重野栄子君及び谷川寛三君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(山口哲夫君) 道路交通法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。塩川国家公安委員会委員長。
#4
○国務大臣(塩川正十郎君) ただいま議題となりました道路交通法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明いたします。
 この法律案は、最近における交通事故の実情にかんがみ、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため、交通事故の防止及び交通事故の被害の軽減に資するための調査分析等の業務を行う交通事故調査分析センターの指定等に関する制度を新設するとともに、仮免許の申請地の拡大、自動車教習所に関する規定の整備等を行うほか、身体障害者用の車いすの定義の明確化、消音器に係る自動車等の運転者の遵守事項に関する規定の整備を行うこと等をその内容としております。
 以下、各項目ごとにその概要を御説明いたします。
 まず、第一に交通事故調査分析センターの指定等に関する制度の新設であります。
 その一は、国家公安委員会は、民法第三十四条の法人であって、交通事故の防止及び交通事故の被害の軽減に資するための調査分析等の事業を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、全国に一を限って、交通事故調査分析センターとして指定することができることとするものであります。
 その二は、分析センターの事業として、交通事故の原因の科学的な研究に資するための調査を行うこと、当該調査に係る情報または資料その他の個別の交通事故に係る情報または資料を分析すること、交通事故一般に関する情報または資料を収集し、及び分析し、その他交通事故に関する科学的な調査研究を行うこと等を定めるものであります。
 その三は、警察庁及び都道府県警察並びに警察署長は、分析センターがその事業を行うために必要な情報または資料を分析センターに対し提供することができることとするものであります。
 その四は、交通事故の原因の科学的な研究に資するための調査に従事する交通事故調査分析センターの職員の遵守事項、情報の管理についての規程の作成及び交通事故調査分析センターの役員等の秘密保持義務について定めるものであります。
 第二は、運転免許に関する規定の整備であります。
 その一は、仮免許を受けようとする者で所定の届け出をした自動車教習所において自動車の運転に関する教習を受けている者は、その者の住所地または当該自動車教習所の所在地を管轄する公安委員会に対して当該免許の申請を行うことができることとするものであります。
 その二は、原付免許を受けようとする者は、公安委員会の行う講習を受けなければならないこととし、公安委員会は、原付免許に係る運転免許試験に合格した者が当該講習を受けていないときは、その者に対し、免許を与えないことができることとするものであります。
 その三は、免許証の有効期間の更新を受けなかった者で、その者の免許が効力を失った日から起算して六月を経過しないもの等について、運転免許試験の一部を免除することとするものであります。
 その四は、自動車教習所を設置等する者の努力義務、自動車教習所を設置する者等の届け出及び自動車教習所に対する公安委員会の指導等について定めるものであります。
 その他、身体障害者用の車いすの定義を明確化し、消音器を備えていない等の自動車または原動機付自転車の運転を禁止し、道路運送車両法第十九条等の規定を行政処分等に係る部分については道路交通法の規定とみなすこととする等所要の規定の整備等を行うこととしております。
 なお、この法律の施行日は、交通事故調査分析センターに係る改正規定については公布の日、その他の部分については公布の日から六月を超えない範囲内において政令で定める日としております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同賜らんことをお願いいたします。
#5
○委員長(山口哲夫君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○上野雄文君 それでは、私から各般にわたりまして御質問を申し上げたいと思います。
 交通事故の問題等について新聞に出ない日はない。私は、きょうこの場で御質問申し上げるについても、私自身の出身地の栃木県が前年度人口十万人当たり死者数が日本のワーストワンというのでいささか内心気が引けるような気持ちでこの質問を申し上げる、そんな気持ちになっております。何とかしなければならない、そういう気持ちでありまして、ただ、事柄が事柄だけに大変細かい話にまで及ぶことになるかもしれません。その点はあらかじめ御了承いただきたいと思いますし、きのういろいろ各省庁の皆さんと話をしておりまして、最後に大臣に対する質問はどうなんですか、こう聞かれました。私はこのことに限って大臣の答弁をというふうに特に要求しようとするものではないし、今まで何回かの委員会で大臣のお話を聞いておりまして、まさに自治の第一線で頑張ってこられた方ですから幅広く物事をとらえておられるし、私の質問でここは一言触れておきたいと大臣がお思いになったところでひとつ議論に参加をいただけばいいのではないか、こう思ったりいたしております。
 そこで、今届けられた資料によりましても、交通事故の死者の推移を見てみますと、昭和三十四年からずっと五十年まで一万人を超える死者が出ておりまして、五十一年から六十二年までは一万人を割るという数字でした。それが、ここのところ六十三年以降また一万人を超えるという数字になってきでおりまして、これも三年は二年に比べて少し減りましたが、全体的に増加の傾向と見ていいのではないかというふうに思います。実はうちの県の話をして恐縮でありますが、ことしに入りましてから物すごいピッチで死者がふえているというような状況から見ても、これはまさに非常事態宣言だけでは間に合わないのではないかというふうに思いたいぐらいであります。
 今まで、平成元年に政府は非常事態宣言というのを出したわけですけれども、三年度に第五次交通安全基本計画を発足させて、同じく三年度に第五次交通安全施設整備五カ年計画、こういうものを発足させたわけであります。今回の第五次の交通安全基本計画はどのような目標を立てどのような対策を行おうとしているのかを総務庁に、そしてまた交通安全施設整備五カ年計画ではどのような点に重点を置いて施設整備を進めようとしているのかを建設省や警察庁に、それぞれの省庁から御見解を伺いたいというふうに思います。
#7
○政府委員(賀来敏君) ただいまの御質問についてお答えさせていただきます。
 第五次交通安全基本計画についてどのような目標を持ち、またどのような施策を推進しようとしているのかということについてお尋ねでございますが、第五次五カ年計画は昨年の三月に策定されたものでございます。これは、御案内のとおり、平成七年の死者数を一万人以下にいたしたいという目標をもって定められたものでございます。この一万人以下というのは、あらゆる努力をしてその目標に抑えたいということでございますが、この計画策定の基礎になりました当時までの社会経済情勢、あるいは国民の願い、いろいろの諸情勢をかんがみましても当時の専門的な研究成果では一万三千五百人を超えるおそれがあるという見通しの分析でございました。それをいろいろな対策を講じることによって一万人以下にいたしたいというのが計画の骨子でございます。そういう流れの中で、まず国民の願いであります国民のとうとい人命を尊重するという基本的な理念のもとに、何としても死者の根絶を目指して現実の経済社会のもろもろの情勢の変化を踏まえつつ、交通事故の実態に十分に対応した総合施策を官民一体となって強力に推進しよう、そういう基本的な考え方でこの計画は成っております。
 それで、具体的な方策としては、当然のことでございますが、第四次までの基本施策というものを継続できるものは継続して、それに加えて新たに交通安全対策として、特に一つは先ほど話題になっておりますが、交通事故の総合的な調査研究の推進を進めるということと、もう一つは車両の安全性を確保するということでございます。さらにもう一つは、安全かつ円滑な道路交通環境の整備を図るということでございます。さらにもう一つは、交通安全教育の推進を図るということでございます。またもう一つは、効果的な指導取り締まりの実施を行うということでございます。また一方、観点は変わりますが、救助救急体制の整備を図るということでございます。また、交通安全推進体制の充実、強化を図るということでございます。これに加えまして、増加の顕著な事故態様及び死者数の多い事故態様に対応した諸対策、例えば自動車乗車中の死傷者を減らす、あるいは人口の高齢化に伴います高齢者の交通安全対策を進める、また自動車ブームの若者に対する交通安全対策を進める、二十四時間化によります夜間事故対策、さらには高速道路対策等々の諸施策を進める、おおむねこういう新規施策あるいは重点施策を推進することとしてスタートいたしたものでございます。
 御案内のとおり、この五カ年は既にもう一年過ぎておりますが、その間の各省庁のあらゆる努力の一つといたしまして、大臣からお話がございました事故分析センターの問題、あるいは五カ年の安全施設の計画とその実施、またシートベルトのキャンペーンの強化、また自動車安全運転センターの中央研修所における実技型、体験型の研修の実施、また先般の運輸省の技術審議会の車両の安全性等に関する答申が出されたというようなこと、また救急救助関係では、先般も試験が実施されましたが、救命士の養成等々、それぞれの省庁で、若干時間はかかろうと思いますが、制度的な洗い直し等を懸命にいただいているところでございます。引き続き一万人以下を達成するべく努力をいたしたいところでございます。
 以上でございます。
#8
○政府委員(藤井治芳君) お答え申し上げます。
 私ども道路管理者としての建設省といたしまして、道路の交通安全はまず基本的な第一の要件と認識しております。
 それで、交通安全五カ年計画は、その中で既存の道路に対する応急的な措置、こういう考え方でございまして、まずもって道路整備を通じて交通安全に役立ちたいということから、人と車をできるだけ分離していく、これが基本的な考え方でございます。その際に、さらに車でも交通渋滞等々ございますが、これは不要な車が町の中に入ってくる、その結果交通渋滞によってその箇所においてまた交通事故が起きやすくなる、こういうことから不要な車はなるべく入らないように分離していく。言ってみれば、環状道路を整備するとか誘導していく、バイパスをつくるといったようなまず基本的な整備をする。そういうことが交通安全のボディーブローになるかと思っております。
 そういうことを前提といたしまして、既存の道路につきまして、今回第五次交通安全五カ年計画とあわせて、高速道路における交通事故も非常に私ども憂慮すべき状況と認識しておりますので、そこで新たに高速道路等における交通安全に関する五カ年計画も発足させております。
 まず、第五次交通安全五カ年計画の内答でございますが、事故の状況がやはり週末と、余暇活動の増大あるいは生活時間の二十四時間化に伴い夜間にも多くなっている、あるいは高齢化社会の進展等から高齢者あるいは弱い方々が非常に事故に遣われる傾向が多い、こういうことから、例えば一番大きい問題といたしましては歩道、こういうものを最大に重要視いたしております。現在、設置率は必要な箇所の四六%でございますが、その中で残念ながら幅がニメートル以上のものは四四%にしかなっておりません。
 そこで、これを何とかさらに質をよくする、少しでも幅を広くする、こういうことに努めるわけでございますが、これは現実に用地買収その他で至難な場合もございますから、そういうところは電柱を地中化させることもあわせて、せめてある歩道を広く使えるようにする、こういうことも考えていきたいと思います。また、車いす、あるいは家から車道へ出るときに軍が入ってまいりますと、このときに歩く人に邪魔になったり、あるいはいろいろ障害があるといけませんから、歩道につきましても、従来はマウントアップ型ということで全部高くしておりましたが、しかし、高くすることは車が入ってくるのを、不法進入を防ぐという意味でございますから、車道と歩道のところの境だけを高くしてあとはフラットにする、こういうフラット型、マウントアップ型というようなものもそれぞれの地域の実態に合わせて工夫しながら、歩道整備を最重点に今考えております。
 さらに、そういう場合に歩道橋がございます。歩道橋がなかなか評判が悪うございます。高齢者の方々、身体障害者の方々に対する配慮ということでございますので、これらはなるべくスロープ化をふやしていきたい、あるいは極端なところではエレベーターあるいはエスカレーターというようなものも現実にもうついておりますが、そういうことも含めて、現実の箇所に応じた対策をこういう中でもやらせていただきたい、これが第一点でございます。
 さらに、第二点の大きなものとしては、交差点周辺がいろいろと大きい問題がございますので、交差点の改良、あるいは道路標識、道路照明の設置、こういったものを大きく重視いたしてまいりたいと思っております。昨今、私どもは、道のサービスが悪いんじゃないかということから、そういう懇談会をつくっていただきまして御答申をいただきました。その中で、ポインター計画という名前の御答申をいただきましたが、標識につきまして見やすいキロポスト、そういうものについての御提言もいただいておりますので、これらは今後大いに採用していきたいと思っております。
 さらに、三点目といたしましては、路上駐車が非常に大きな問題を起こしております。そこで、自動車の駐車場あるいは自転車の駐輪場といったようなものをこの五カ年計画の中で御採択いただける制度を創設させていただきました。第五次五カ年計画から自転車駐輪場も交通安全として実施いたします。
 さらに付加車線、長く遣い越しができないとどうしても人間が心理的にいらいらし、それが事故を誘発いたしますので、ゆずりあい車線と称しておりますもの、それから、今現在自分がどこにいるか、これがわからないと、くるくる周りを見ることによってまた事故を誘発するということから、ユーザーのための地点標、キロポスト、今までは管理者のためのキロポストでございましたが、ユーザーのためのキロポストをつくる、こういったようなことのもろもろを考えながらこれからやろう、これが第五次の主な内容でございます。
#9
○政府委員(関根謙一君) 警察庁が行っております交通安全施設等整備事業の五カ年計画に基づきます施設整備事業の内容につきましてお答えを申し上げます。
 私どもの交通安全施設整備は、基本的に交通事故防止を図るという目的から行うものでございますが、交通の事故防止を図るという施策といたしまして、私どもはまず第一に交通安全教育の充実、それから交通安全施設整備、それと指導、取り締まりという三つの事項を柱として事故防止を図っているところでございます。交通安全施設整備事業はその中の施設整備の関係でございます。
 ただいま建設省の藤井道路局長から、道路管理者の立場からの交通安全施設整備についてのお答えがございました。私どもは、道路管理者と一体となりまして、同じ目的であります事故防止のための施設整備を図っているところでございます。
 警察庁分の一番の柱は、交通管制センターの充実ということでございます。高度のコンピューターの導入を図りまして、交通安金の施策を行うための手段としたいということであります。これを使いまして、まず交差点改良に伴います信号機の高度化でございますとか、違法駐車の関係でありますと駐車場への誘導案内システムの充実、さらに違法駐車に対して警告を発するような違法駐車抑止システム、それから夜間の事故を防止するため、夜間高速で走る自動車の速度を抑制するための高速走行抑止システム、こういったものを管制センターのコンピューターの充実とあわせて行っているところでございます。
 それから、標識、標示の高度化ということも整備事業として行っております。反射式とか灯火式の道路標識を立てまして視認性を高め、運転者の事故防止意識に訴えるようなものを設けたいというようなことでございます。さらに、居住環境の改善というようなことも配慮いたしまして、信号機の押しボタン化、押しボタン式信号機の整備でございますとか身体障害者用の付加装置のつきました信号機等の整備といったような事業を行っているところでございます。
#10
○上野雄文君 また個々の問題については後ほどお尋ねをすることにいたしますが、それぞれ皆さん大変な知恵を出して頑張っておられるな、こう思うんです。
 ただ、総務庁の方で根絶を目指してというふうに言われましたけれども、言葉としては大変結構な言葉だと私も思いますのでも、根絶するといったら自動車を全部走らせるのをやめにしなければ根絶には絶対ならないだろう、私はそう思っているんです。
 ただ、けさいただいた警察庁の方からの資料を見まして、確かに事故はふえてはいますが、免許人口一万人当たりの死者数ということになってくると、三年は二年に比べて減っています、それから自動車一万台当たりのこれ、やっぱりそれなりの成果はあったんだ、その一万人という数字を基礎にしてしまうと、自動車のふえ方や免許取得者のふえ方というものを度外視して一万人ということだけの議論ではいけないのかとも思いますが、それぞれ努力をしておられるという姿は評価できるんではないか、こういうふうに思います。
 さてそこで、私はこれを見せていただいたのでありますが、警察庁高速道路課長をやっておられて、今秋田の方に行かれているそうですが、小池さんのこの分厚いもの、「西独における交通安全対策調査報告」、とても読み切れるものでありませんので、それぞれの箇所で参考にさしていただいているわけであります。これだけ車がふえ、運転免許人口がふえてきていればまさに大変な事態になってくるんだろうと思うんですが、小池さんのこの報告書の中でも、日本もだんだん、経済的にはもう超先進国のようですが、事故そのものも欧米化してきたんではないか、つまり車そのものの事故というふうになってきているんではないかと。そこで、これらに対してどういうふうな対策をお考えなのか、それぞれの皆さんの答弁を聞いていると予想外に時間を食ってしまうので細かいことは一々申し上げませんが、きのうお話し申し上げておりましたので、長官、どういうふうにこれから取り組んでいったらいいのか、お考えをお示しいただければと思います。
#11
○政府委員(鈴木良一君) 今日まで交通事故防止対策はいろんな角度から進められてきたわけでございますけれども、やはりこれからの対策は、それぞれもう少し深みを持ったやり方がどうしても必要になるのじゃないかというふうに考えております。特に、交通事故防止対策の中での事故の分析でございますが、私どもはどちらかといいますと今日まで、違反原因を中心に物を見てきたという形が多うございました。例えば、スピード違反であるとか、わき見運転であるとかというような形の見方でございまして、本当に事故が起きたときの心理状況であるとか、車の状況がどうであったのか、道路がどうであったのかというところとの関連づけが今まで十分ではなかったのではないかという反省があるわけでございます。
 その上に立って、やはり事故を減らすためにはもっと深みのある分析をして、それをいろいろの面に生かしていくということが必要であろうということで、今回交通事故の分析センターをおつくりいただくようにお願いを申し上げているわけでございますが、そういうことと同時に、やはり事故が起きる、起きないのが一番いいわけでございますけれども、どうしてもある一定の確率で起きる。起きた場合に、起きたときあるいは起きた後の被害軽減の対策というようなものもこれからどういうふうにあるべきかというところを進めてまいりませんと、なかなかこれからの事故の減少というのは難しいということでございまして、今までそういう面での、若干十分でなかったところをこれから手当てをして、さらに事故防止に邁進してまいりたい、かように考えておるところでございます。
#12
○上野雄文君 私も、最初に申し上げたんですが、栃木県は非常に事故が多い、これはマナーが悪いというようなことを去年の暮れに関係者といろいろ話し合ったんですが、よく思いやりの運転とか何かと書いてありますけれども、交通安全教育というのはみんな知っているはずのものを守らないところに問題があるというふうに思うんです。教育というのは、交通安全教育だけではなくてすべての問題がそうだと思っていますが、やっぱり小さいうちからあらゆる機会を通じて身につけてもらうということが大切なんであって、やっぱりそういうものが生きてくるような対策というのがどうしても必要じゃないか。
 栃木県は昔から、恥を言うようですけれども、教育のおくれている県だなどという指摘をされました。よその県の名前を言うわけにまいりませんから、本の売れない県はどことどことどこと、こういう何か三本指の中に入っているんだということを先輩から聞かされていましたけれども、そういう面で教育の成果というのがあらわれていないんじゃないがというようなことを話し合ったんですが、文部省ではこういうことについてどういうふうにお考えになっていますか。
#13
○説明員(中林勝男君) 学校におきます交通安全教育の実情でございますけれども、その前に、幼稚園から高校生までの死者の数でありますが、合計いたしまして、年によって差はありますけれども、八百人を超えるような状況でございまして、急増しているというわけではございませんけれども、相当の数でございまして、痛ましい現状であると、このように思っているところであります。
 御指摘の交通安全教育でありますが、小学校では体育、中学、高等学校では保健体育、そのほか特別活動などでも交通安全教育を行っているところでございます。昨今の実情にかんがみまして、安全教育の充実を図るという観点から、教師に対する指導の充実ということで指導書をつくっておるわけであります。あるいは、高等学校につきましては、交通安全そのものの指導の手引をつくって指導に努めておりますが、今回学習指導要領を改訂することになっておりまして、その学習指導要領の中には中学、高等学校の教科、保健体育の指導内容として項目を整備いたしまして、交通安全に関する事項を充実いたしたところでございます。
 今後とも、小さい段階から交通安全教育の充実を図るということで精いっぱいの努力をしてまいるつもりでございます。
#14
○上野雄文君 警察庁にお尋ねをいたします。
 さっきも触れた小池論文などでも出ているわけですけれども、交通事故防止のためにいろんな対策がとられてきたわけです。例えば、シートベルトの着用義務を事故分析から見てみると、これは警察庁の資料提供というよりも新聞に出ておりますけれども、年々減ってきているんです。どうしても面倒くさいということになるのかというふうに思いますが、初心運転老に関する新たな制度の創設、こういう道交法の改正が行われたんですけれども、西ドイツではこういったことが事故軽減に役立つ、こういうふうに言われています。こういう問題についての警察庁での分析、そしてそれをもとにした努力、こういったものはどうなっているのかお聞かせを願いたい。
#15
○政府委員(関根謙一君) 私どもがいろいろと講じております施策は、すべて交通事故の防止を図るという、その観点からでございます。ただいま先生からお尋ねのございましたシートベルトの着用の義務化の問題も、初心運転者期間制度について仕組みを設けさせていただいたということも、いずれも事故防止に資するという観点からでございます。
 ところで、シートベルトにつきましては、これもいわば事故分析の結果、シートベルトを着用していることが死亡事故の減少に確実に資するという、いわば統計的な資料をもとにいたしましてこのような制度をつくっていただくようにお願いしたところでございます。
 しかしながら、御指摘のように、このシートベルトの着用の義務化が行われました当初、つまり高速道路におきましては昭和六十年の九月から、高速道路以外の一般道路につきましては昭和六十一年の十一月からそれぞれ義務化といいますか、その担保措置として点数をつけるという仕組みを施行させていただいておりますが、当初は一般道路におきましても九五%以上、高速道路におきましては九九%以上の運転者の方々がシートベル小を着用していたのでございます。ところが、少しずつ装着の比率が低下してまいりまして、昨年の九月段階ではいずれも運転者席でございますが、一般道路では七四%強、それから高速道路におきましては八五%強といった方々がシートベルトをしているのみということで、その結果であろうかと思いますが、平成三年中における自動車乗車中の死者の中でシートベルト非着用の者が占める比率が義務化以来最高の七六・五%を占めたということでございます。私どもは、シートベルトの装着は確実に死亡事故の減少につながると確信をしておりますので、何としてでもシートベルトの装着の比率を高めるべく努力をしているところでございます。
  一例を申し上げますと、自動車販売店の関係の方々と連携をとりまして、自動車のディーラーの方々がそのユーザーである運転者にいろいろな運転者教育といいますか、自動車に乗る場合の安全な乗り方というものを指導していただくような仕組みを現在設けつつございます。その中でシートベルトの装着がいかに安全性を高めることであるかということを、私どもと自動車のディーラー団体の方々と一体となりまして自動車運転者の方々にその考え方をお示しするということを行っております。
 それからもう一つの、初心運転者期間制度の方でございます。こちらの方も統計的な資料に基づきまして平成元年十二月にそのようなシステムを設ける道路交通法の一部改正をお願いしたところでございます。この初心運転者期間制度のシステムは平成二年の九月から施行されまして、昨年の九月で満一年でございます。この初心運転者期間制度と申しますのは、西ドイツその他の国々の例を参考といたしまして、運転免許を取ってから最初の一年間は慎重に運転をしていただくような仕組みを設けまして、それにもかかわらず一定の交通達反、事故等を起こした場合には運転者教育といいますか、講習を受けていただくこととし、その場合に講習を受けなかった方あるいは講習を受けた後、さらにまた一定の違反、事故を起こして基準点数以上に達した人につきましては、その免許取得後一年を経過後にもう一度試験を受けていただくという仕組みでございます。
 平成三年九月、つまり昨年の九月に満一年が経過いたしましたので、私どもも若干統計をとって調べてみました。平成二年の九月、十月に免許を取った方々につきましてフォローしてみたわけでございますが、確実にその方々につきましては、その制度を設ける以前に免許を取って一年を経過した方々に比べますと事故の率、違反の率等すべて減少しております。このように、新しいシステムを設けることによって事故防止を図るということも非常に有効なことかと存じます。
 そのようなことで、今回も一つのシステムとして分析センター、それから運転者教育にかかわる事項、それに暴走族の抑止のシステム等についての改正をお願いしているところでございます。
#16
○上野雄文君 西ドイツの話をどうしてもこの小池論文を読みますと引き合いに出さざるを得ないんですけれども、西ドイツの場合、一九七〇年に一万九千百四十三人もいた死者が、八九年には七千九百八十五人にまで減らすことができたということが書いてあるんです。これは冒頭に述べられた中に入っておりますが、救急救命の問題とも密接なかかわりを持ってくるだろうと思うんです。私は、救急救命の問題は常松先生がずっと一貫してなにしていますから、いろんな問題はひとつそちらにお譲りをいたしますが、こういう面での考え方というようなものについてどういうふうに取り組もうとしているのか、それも触れていただければと思います。
#17
○政府委員(関根謙一君) 今回私どもがお願いをしております交通事故調査分析センターとして指定をするという仕組みの中で想定しておりますのは、ことしの三月五日に設立をさせていただきました交通事故総合分析センターについてでございます。この交通事故総合分析センターの目的と事業でございますが、これは交通事故の原因の分析を通じまして、その分析成果を広く交通事故防止の活動を行っております関係の機関、団体に提供し、あわせて広く運転者の方々、国民一般の方々の交通安全についての意識あるいは交通事故防止、交通事故そのものについての認識を高めていただくために資するという考えでございます。直接に救急医療体制の充実ということを目的としているものではございません。
 しかしながら、私どもの考えております総合分析センターの事業の中身といたしまして行います事故分析におきましては、非常に多くの項目についての分析が必要でございます。先ほど長官から御答弁を申し上げました心理的側面、道路の構造、車の構造等についての分析ももとよりでございますが、そのほかに医療関係についての分析、医療に至るまでの救急業務と申しますか、救急救助項目、医療項目、こういったような項目も分析の項目として立てているわけでございまして、これらとあわせて初めて交通事故の総合的な分析が可能であるということで、そういったことも考えているところでございます。しかしながら、救急救助体制そのものの充実ということは、私どもの分析センターの事業としているところではございません。
#18
○上野雄文君 何か非常に大切なものが抜けているような感じで受けとめているわけでありますけれども、今度の分析センターができる経過というものを私なりに見させていただきますと、交通事故による被害の実態とその軽減対策に関する調査研究、そういうことでグループで研究を始めた、対象地域も東京、神奈川、愛知、大阪、それぞれいろんなことを持ち寄りながら一定の結論を出したんだろうと思うんです。
 その結果はどうだったかというのは、私の方では、調査項目まではわかっておっても、詳細どういう議論をしてどうなったのかというのがもう一つわからないわけでありますが、今度のこの分析センターは警察庁と建設省と運輸省の共管、そうすると、自治省、消防庁は救命業務を担当するとか、あるいはそれと非常につながりのある厚生省であるとか、そういうところが最終的にここに入ってきていないというのは一体どういうことなのかなということですっきりしない感じを持っているわけですけれども、どうしてそうなったんですか。そのいきさつなどについてお聞かせいただければありがたいと思います。
#19
○政府委員(関根謙一君) 交通事故の原因を調査研究することによりまして道路における交通の安全に資するということを目的とする財団法人を設立するということが私どもの考えでございまして、そのような理由がら、交通事故の直接の原因となります人、運転者に関する事項を所管する警察庁、それと道路に関する事項を所管しておられます建設省、それに車の安全性について所管をしておられます運輸省、以上三省庁でそれぞれの資料を持ち寄りまして、それを分析し、あわせて事故現場におきまして具体的な交通事故がどういうメカニズムで発生するかについての分析も行うということをまず目的としてつくったためでございます。
 道路における交通事故の原因を分析することにより道路における交通の安全に資するという事項を所管しておりますのは、以上の三省庁でございまして、消防庁、厚生省は直接にそういった事項を所管するということではございませんから、当面、今回の財団法人の目的事業から考えて、この三省庁だけで間に合うであろうということからでございます。しかしながら、将来、救急医療体制の充実ということもこの事故分析の事業とあわせて行うというような団体をつくるということで各方面の方々のコンセンサスが得られるという事態がありますれば、救急医療関係について所管をしております省庁の御参加をいただくことは当然かと存じます。
 以上は法人の所管という観点からでございます。
 法人の所管という事柄と、その法人が行う事業活動についてどういう機関の御協力をいただくかということは、これは全く別の問題でございまして、御協力をいただく機関といたしましては、もちろん、医学についての知識のある方々、救急業務について知識のある方々を初めといたしまして、いろいろな方々の御協力を仰ぎましてこの分析センターの目的が達成できるように努力するということでございます。
#20
○上野雄文君 わかったようなわからないような、というのは、やっぱり一万人以下に抑え込もうというのであれば救急業務と切り離して物事を考えるということはできないだろうと思うんです。せっかくスタート時点ではそういった人たちも入って物事が考えられていたのに、それがなくなってしまったということの疑問はあるにしても、ただ、私なんかは県の議員をやっておって、高速道路ができて大変便利になる、結構なことだな、こう思いながらも、県警に高速交通何とか際なんというので組織をつくらせられたり、救急病院の指定をやったり、市町村では救急車の体制を整えたりというふうに、すばらしい道路ができるわけですから、それに即応した、地域もそれなりの恩恵を受けるんですから、それに伴う支出が出てくるというのは、これはある程度はしょうがないというふうに思える前もないわけではないんです。
 それは仕方ないことなんだ、こう思いますが、道路公団、建設省、それがばっとつくって、料金の設定の問題で承認をもらうということがついたりなどもしますけれども、つくった側はつくりっ放しで、その面での事故対策あるいは救命対策なんというのは、あなた方がやるのが当たり前だと言わんばかりのように、金を出す側からすれば、建設省で誤解のないように、これは素直に物事を考えればそうでしょう、今までそんなものつくらなくてもよかった、ほかにもエネルギーを使うことができるという状態にあったのが、できたからそれに即応します、自治体もそれに応じた負担もしましょう、こういうことが出てきたんだろうと思うんです。
 素人が考えても、西ドイツでヘリコプターを使った救命体制ができ上がってきた、そういうものは高速道路だけではなくて一般道路の場合だって考えられることなんで、そうなったらヘリポートを建設省あるいは警察庁が、どこが今度は救命のためのヘリを飛ばすんだから、ヘリポートをつくるのは厚生省の方の仕事ですよというような、あるいは消防庁の仕事ですよというようなことになるのかどうかわかりませんが、総合的な計画としてはやっぱりセットされなきゃおかしいことなのではないかというふうに思います。だから午後に譲りましょう。そういう点などを考えますと、何かもう一つ抜けていやせぬかという私の方の疑問点については、提起をしておきたいというふうに思います。
 そこで、分析センターはどういうやり方をするのかというのをきのういろいろ詳しくお話を聞かせていただきました。全国で二カ所、そして大体年間扱うのは一千件程度にしたい。全部で四チームぐらいの編成で、そして一チーム当たり二百五十件扱います、こういうお話です。週休二日制というのが議論になっておりまして、大体百日差し引くと二百五十日、二人で一日一件、現場にも行ったり、それから分析のための資料を集めたり、そしてさらにその集めた資料を分析したりということになったら、これは大変ハードな仕事になってしまうんではないのかなと思うんです。まさにゆとりなき活動をしなきゃならないというようなことになるんで、私たちがちょっと考えただけでも大変な仕事だなというふうに思いますけれども、これはどういうふうに、結果としてそうなっちゃったんだから、私たちはつくったからにはやらざるを得ないという使命感に燃えておやりになるにしては少しきっ過ぎやしないかというふうにも思います。
 さらに、この業務を充実していくということであれば新しい試みであるだけにぜひ成功させたい、こう願うだろうと思うんですけれども、二カ所だけでなくてもっとふやしていくとか、これは距離の問題もありましょうし、じゃ近間だけしかということになってくると、さっき申し上げた被害の実態とその軽減対策に関する調査研究でも、東京、神奈川、愛知、大阪、四カ所あったのに、それを二カ所に絞り上げるというんでは、今度は活動の分野の担当区域も物すごく限定せざるを得なくなってきてしまうんではないかというふうに思ったりしますけれども、この辺の取り組み、今想定しておられること、あるいはもう現にスタートしているわけですがその実態などについて、さらに事故調査の内容などについてもどんなことを考えておられるのか、それも一緒にお聞かせをいただきたいというふうに思います。
#21
○政府委員(関根謙一君) まず、体制についてのお尋ねでございます。
 先生御指摘になりました二カ所ぐらいの拠点を現地に置きたいというのは、そのように考えております。その一カ所でチームを二つつくりますが、一つのチームが四、五人で一つの拠点で十名、合わせて二十名体制ということを考えております。これはドイツの例なども大体四、五名といったところのようでございますし、諸外国の例等も参考にしております。その四、五名で調査のみを行うということで、分析の方は分析の専門家、これは学者の方々が中心でございますが、こちらの方は本部におきましてコンピューターを使いながら行うというものでございます。
 そこで、その調査項目、調査の内容でございますが、これはいろいろ多岐にわたりますが、それぞれの国の事情等も参考とさせていただきつつ、さしあたり五百項目ぐらいの事柄について細かい調査を行うこととしております。いろいろな客観的な環境についての調査から始まりまして、例えば人につきましては、その人が前日ぐらいからどういうような行動をとってその事故のところまで至ったかにつきましての事柄でありますとが、心身の状態といったようなことも項目としております。さらに、車の状況それから道路の状況、安全施設関係の状況、それから救急救助に関する事項、医療に関する事項、こういったものでございます。
 この項目のとり方でございますが、これは図面を一つの項目にしてしまいますと、それだけで細かく言葉で集めるということに比較いたしまして項目数が減ってまいります。ということで、これも諸外国の例等も参考としつつ、一番その目的を達成するにふさわしい調査項目につきまして調査を行うこととしたい、そのような考えでございます。
#22
○上野雄文君 大体この体制でどこまでやれるかというのは問題だと思うんですけれども、ただ、それなりの分析をすれば、それが今度は仕事としてはね返ってこなければこれはどうにもならないと思いますし、それからさらに、そういう情報というものが広く社会一般に利用されるというような成果を上げてこなければ、せっかく分析しても意味がないということになってくるんではないかというふうに思うんです。こういう問題について、後ほど自動車の構造の問題であるとかその他の問題について触れてみたいというふうに思っておりますけれども、小池論文によれば、調査結果の公開ということについて、有償で個人のプライバシーを守るという、そのことはもちろんのことでありますが、かなり細かいところまでそういった情報を出しているようでありますけれども、その辺のことについては今どういうふうにお考えになっておられるのか、それもお聞かせをいただければと思うんです。
 ついでに、おたくで出した交通事故の白書によると、厚生省とそれから警察庁での死者の数のカウントの仕方が違うというようなことも目についたわけですけれども、その辺の問題についてどんな実態なのか、それもお聞かせをいただければありがたい、こう思います。
#23
○政府委員(関根謙一君) まず、交通事故総合分析センターの事業によりまして得られた成果、分析結果の利用の仕方と申しますか、これをどのように提供するかについてのお尋ねでございます。
 原則といたしましてその研究成果はすべて関係の方々、それを求められる方々の利用に供するよにしたいと考えております。しかしながら、プライバシーの問題がございます。そこで、この総合分析センターを道路交通法上の調査分析センターと指定させていただきまして、調査分析センターとしての地位においてプライバシー条項についての規律を定めることとしていただきたいということでございます。
 この法律案の関係で申し上げますと、百八条の十七というところで特定情報についての規定がございます。この特定情報と申しますのがプライバシーにかかわる情報ということの意味でございます。これについての管理のあり方等についての規律をお願いしたいということでございます。さらに次の条文、百八条の十八で秘密の保持義務ということで、守秘義務についての規定を設けさせていただいております。これもプライバシーにかかわる事柄でございます。このような一連の仕組みを設けまして、さらに、それを守ってもらうための監督命令に関する規定、最後には取り消しについての規定等が百八条の二十二、二十三といったところで規定を置かせていただくこととしております。
 といったようなことで、プライバシーに関する事柄、それから、それと同じことでございますが、直接の生データの提供は差し控えさせていただくことといたしまして、研究の成果というものは広く利用していただくように考えたいというところでございます。
 それから、二点目のお尋ねでございますが、厚生省の交通事故を原因とする死者の統計の数と私どもの交通事故統計でお示ししております死者数についての数字の違いについてでございます。
 これは、私ども警察庁の交通死亡事故についての統計数字は、その統計を使用する目的が事故防止ということにありまして、例えば昨日の死者数が何名であったということを広く関係の方々にお示しして、必要な対策を講ずるためにお役に立てていただきたいといったような目的で統計をとっているものでございます。厚生省の方の統計は、交通事故が原因となって一年間に亡くなった方は何人おられるかということを示す統計がと理解しております。そういたしますと、例えば平成三年中に交通事故を原因として亡くなったという方の数字でも、交通事故そのものは平成二年に起こっていて、それで平成二年の交通事故が原因で三年中に亡くなったというような方もあるいは入るのではないかと思います。私どもの場合にはとにかく二十四時間でございますので、必ず事故の原因と死亡という結果が非常に密接につながっているということで、いわば政策的にそのような統計をとっているところでございます。
 しかしながら、近時、交通事故死者数についての国際比較でございますとか、いろいろな、直接の事故防止という目的以外の目的で使用される場合が多うございます。現在までのところは、世界的に承認をされております算定方式によりまして、例えば二十四時間以内に亡くなった方を基礎数とする国につきましては、三十日間で亡くなった場合に換算する方式として一・三を掛けることとするということでありますとか、六日間で亡くなった方を基礎数とするような国ついては、それを三十日に換算する場合に一・〇九を掛けるといったようなある種の換算方式がございます。それによりまして国際比較をやっているわけでございますが、それはいろいろ不便でございますので、私どもといたしましても、来年、平成五年から三十日間で亡くなった方、つまり事故の発生と死亡という結果の間に三十日以内の時間が経過した者をすべて交通事故死者数とするという統計も現在の二十四時間の統計とあわせて作成することとしたいということで現在いろいろと検討しているところでございます。
#24
○上野雄文君 それから、プライバシーにかかわってお尋ねをしておきたいと思うのは、端的に申し上げますと、自動車の車種と死亡者との関係なんというのは、本当は自動車を使う側にしてみれば非常に大切なことだと思うんです。こういったものはプライバシーに入りますか、死亡との関連について車種を公表するとかどうかというようなことは。そこのところはどうお考えですか。
#25
○政府委員(関根謙一君) これにつきまして、車種別でありますとか、要するにどの程度のことを公表するのが国際的に承認された事柄であるかということを参考といたしまして検討してみたいと考えております。
#26
○上野雄文君 これは運輸省はどうお考えになりますか、事故とメーカー別、車種別のそういうものも明らかにするということですけれども。
#27
○政府委員(堀込徳年君) お答えいたします。
 大変難しい問題でございますが、私ども今直接的にどのメーカーのどの車が事故が、死亡率が高いというデータは特に持ち合わせておりません。販売状況その他からたくさん売れているのがあるいはスピードが出るのがとか、いろいろなことが言われていますけれども、現在持っていませんで、私どもは基本的には車そのものは全部構造基準に合った安全な車である、最低限安金であるということでございまして、それ以後死亡事故とどう結びつくかということにつきましては、今後の分析センターの活用等にゆだねたいと思っているところでございます。ちょっと歯切れが悪くて申しわけございません。
#28
○上野雄文君 これは、結果としてこういう結果が出ておるという話に言い方を変えないと、死亡率が高いなんて言ったら大問題になると僕は思うよ。結果としてこういうことなんですということで事足りるんではないか、こう思うんですが、やっぱりプライバシーに入ってしまいますか、この点は。まあいいでしょう。
 それから、今つくばにJARI、日本自動車研究所、これが必ずしも同じようなことでないかもしれませんが、今度の分析センターの先を行くような形でスタートをしています。こういったものとの連携というか、一元化なんていうようなこと、それぞれが別々にお持ちになっているよりも総合的に動かした方がいいんではないか、さっきも言ったように、二カ所で非常にハードな分析をしなきゃいけないということを考えると、できるだけというふうに素人の我々は思うわけですけれども、どういうふうにお考えですか。
#29
○政府委員(関根謙一君) 日本自動車研究所、JARIでございますが、ここで行っております分析の目的は、直接には安全な自動車をつくるという観点からの分析かと存じます。交通事故総合分析センターの方は、交通事故防止を図るという観点から、自動車の安全性ももちろんでございますが、道路の構造でございますとか人の心理状態、あり方についての分析等も行いまして、運転者教育でありますとか道路の構造のあり方、あるいは交通安全施設のあり方等もあわせてそれらの研究開発に資するような資料を提供するということが直接の目的でございます。
 しかしながら、重なり合う部分はかなりあろうかと存じます。当面はいろいろと、研究機関相互間でございますので、お互いに便宜を図りつつ相互の資料の交換等を行うということであろうかと存じますが、将来統合した方がいいというような考えでコンセンサスが得られるということであれば、そちらの方向に行くこともあり得ると考えております。しかしながら、現段階では、私どもの三省庁で所管をしております交通事故総合分析センターと通産省の所管の日本自動車研究所との間では、その目的と事業が若干異なっておりますので、それぞれに存在の理由はあろうかと存じます。
 いずれにしましても、研究機関相互間の問題ではございますので、これは他の研究機関とも全く同じ関係に立つわけでございますが、一緒に活動した方がいいということでコンセンサスが得られるということであれば、そのような方向に進むのではなかろうかと考えております。
#30
○上野雄文君 次は、交通安全の意識の問題、運転者のモラル、マナー、こういったことで、さっき文部省の方から小さいうちから教育に心がけますというお話がありましたけれども、具体的に交通安全というそのことに絞ってというよりも、何か人間としての生き方の問題といいますか、そういうものが基本になってこないとどうも空回りしてしまう。成長してから、あなたが免許証を欲しければこういうことこういうことを守らなきゃだめだよと言われれば、免許証欲しさのためにこれは何でもはいはいと言うことを聞くというのはもう当たり前です。けれども、それが身についているかいないかというのが一番問題なんであって、これは交通だけの問題ではないかもしれません。しかし、最も端的に死に結びつく、一万人を超える死者が出るんだよということをも同時に教え込んでおくということがどうしても必要だろうというふうに思うんですけれども、具体的にどうお考えになりますか、文部省の立場で。
#31
○説明員(中林勝男君) 交通安全教育の具体的な中身の問題であろうと思います。
 まず、交通安全教育の基本的な考え方でありますけれども、被害者にならない、あるいは事故を起こさないという予防的な安全教育というのは、これはもう変わらず大切なことではないかと思っております。しかし、一方では事故の発生にどう対処するかという問題も今日的な課題になってきておりまして、そのことにつきましてもいろいろと施策を進めていかなければならない、このように思っておるわけであります。モラルとかマナーの問題でありますけれども、これはやはり全人的な人格を成長させていくという中に交通安全教育というものを位置づけていかなければならないわけでありまして、学校教育だけの問題ではございませんけれども、学校教育といたしましては道徳とか特別活動とか、あるいは交通安全教育につきましては保健体育などの教科を中心に、あらゆる教科と領域でもってこれを進めていかなければならない、このように考えておるところでございます。
#32
○上野雄文君 文部省、きのう私、県の教育委員会に電話をして、教育の現場でどういうふうにやっているのかというのを確かめたんです。それで、高校教育課へ電話したら、うちの所管じゃないと言うんだ。ああそうですか、どこだと言ったら、保健体育課だと。今お答えが出たように、保健体育の面で交通の問題を扱うというのはもう一つ私は実はぴんとこなかったんですけれども、そっちの方に任せておけばいいというんじゃなくて、今おっしゃったように、全人格的な形成というのであれば、交通安全教育は保健体育なんですというふうに私たちが思うでしょうか。その辺のところ、これは今こうしてくれというふうには申し上げません。ただ、もうちょっとみんなにわかるような形での取り上げ方というのが正解なんじゃないかというふうに、これは私の感じですけれども、申し上げておきたいと思います。
 それから、警察庁の自動車教習のカリキュラムの見直しという問題がここのところ新聞をずっと見ましても、三月二十五日、四月に入りましてから四月十七日、きのうというふうに出てきております。それで、きのうもいろいろお話を伺いました。最短で免許を取った人がどうも一番事故を起こすというような話もきのう聞かされまして、なるほどと、若けりゃ若いほどまた運動神経もびんぴんしていますし、物覚えも早いというようなことで、どうしても素早く免許を取るということになってくるんだと思うんです。こういうようなことなどから、今警察庁でお考えになっている教習所問題についての見直し、そんなことについてのお考えをお聞かせいただければと思います。
#33
○政府委員(関根謙一君) 先生御指摘のように、最近の交通事故の状況を分析してみますと、十代の若者が複数で事故を起こすといったバターンが目立っております。そして、その人たちにつきまして追跡調査をしてみますと、最短コースと申しますか、教習所で二十七時限ぐらいで技能試験に合格しているというケースがかなり多いということで、現在の教習所における教習のあり方そのものが既に時代に合わなくなっているのではなかろうかということから、教習所における教習カリキュラムを、現在の自動車の性能でありますとか若者の心理状況でありますとか、そういったものに合うように改正したらどうかという考えで検討を進めているところでございます。
 その中身でございますが、まず技術的な面と精神的な面と ざいます。精神的な面といたしましては、規範意識の低下でありますとか車の危険性についての認識の低下といったようなところがあろうかと思います。そういったところについての意識を高めるようなやり方というものがどういうことで可能か。現在は学科と技能というのを分けて教育をするようにカリキュラムが組まれておりますが、そのようなことでいいのかどうかという点でありますとか、その他、若者の特性を踏まえた教習項目というものを付加することとしたいというのが一つでございます。
 それから、もう一つは技術的な面でございまして、現在は危険予知でありますとか危険回避、それからパニックになった場合の応用的な操作といった点についての教習というものが欠けているように考えられます。これを満たすようなことでありますとか、それから現在の社会構造から、夜間における運転のあり方、高速道路における運転のあり方等についても教習をした方がいいのではないかといった観点からの見直し等も現在進めております。来年の夏ぐらいまでには結論を得たいと考えております。
#34
○上野雄文君 日光警察の交通警察官から聞いた話で随分古い話ですけれども、あんたエンジンブレーキかけていろは坂を下がらなくちゃだめだよと言ったら、どこについてるの、こう質問されたというんです。それから、雪道でみんな後ろにチェーンを巻いているんですね。前輪駆動車で女性ドライバーが一生懸命後ろにチェーンを巻いて、だめだと。だめに決まっているんです、前輪駆動なら前に巻かなきゃいけないのに後ろに巻いだというような笑えない話などもあるんです。こういうこと、あるいは雪道での操作の仕方などといった問題などについてもきめ細かく教えていただくような御配慮を願いたいものだというふうに思います。
 さて、あと時間も大分なくなってまいりまして、運輸省になるかと思いますが、側面衝突の基準の問題など、アメリカと日本では違うようです。このきのう出た新聞広告をごらんになりましたか、やっぱり日本とアメリカでは側面のあれが違いますよっていうのを。本田とポンテアックの比較です。随分痛いところをついてくるんだなと思うんだけれども、輸出の車には、アメリカで売れませんからちゃんとやっている、国内ではやらない。日本の国民の方は、そこのところは、横からぶつけられてもこいつはまあしょうがないんだと、あるいは日本人が丈夫なのかどうか、その辺のことについてはどうお考えですか。
#35
○政府委員(堀込徳年君) おっしゃるとおり、アメリカではそういうものを一九九六年九月から義務づけることになっております。このたびの運輸技術審議会の答申では義務づけというふうには至っておらないのでございますけれども、決して国民をないがしろにしているわけじゃございませんで、答申の考え方といたしましては、現在アメリカの事故の実態と日本の実態をもう少し詳しく調べてみる必要があるだろう。と申しますのは、日本におきます側面衝突事故の実態というものが現在必ずしも十分に把握されておらないんじゃないか。それで、今後事故実態の把握に努めた上でこれに即した有効な側面衝突対策を講ずる必要があるということが一点ございます。
 それからもう一点は、現在私どもヨーロッパと一緒になりまして国連の欧州経済委員会という場におきまして自動車安全公害専門家会議、こちらで国際的な基準を定めているところでございます。その基準を制定段階におきましては当然国内の基準に反映させなければならないわけでございまして、そういう両にらみでいっておるわけでございます。
 したがいまして、答申に従いまして今後側面衝突に対しての研究をさらに一層進めますとともに、このたびの交通事故総合分析センターにおきまして、側面衝突の事故の調査分析の結果というものを、要するに一点に集中、ねらいを定めた事故分析をお願いいたしまして、その中から効果的な対策を講じていきたい、かように考えておるわけでございます。
#36
○上野雄文君 日本の自動車はまだまだ育成していかなきゃいけないんだという段階は過ぎているんだろうと私は思っているんですけれども、メーカーの方の要請で国民の安全、自動車の運転者の安全は二の次というふうに理解していいんですか。
#37
○政府委員(堀込徳年君) 決してそのようなことはございませんで、私ども車の安全性を総合的に考えなきゃならないということで、今回も乗員の被害、あるいは歩行者の被害、あるいはトラック、夜間、若者というようなことでいろいろ考えたわけでございます。特に乗車中の事故も、先ほど来御審議いただいておりますように、近年諸外国並みに四割を超すという状況になってきておるという中で、特に正面衝突による事故というものが多いことから、こちらに対します衝突実験というものも新たに取り入れていくということで答申をいただいているわけでございます。
 側面につきましても十分必要性はあるわけでございますが、ただいまの死亡事故の中身というものをもう少し分析する必要と申しますのは、例えば乗車中の人が四割以上亡くなっている、そのうちの七割、先ほどお話しになりました七六・五%ですか、シートベルトをしておらない。果たしてドアを強化してはんばんにしたときにそれで亡くなる人が助かるのか、あるいは大部分の人が車外放出、いわゆるドアがあいてシートベルトをしないでほうり出されて亡くなっているのか、そこら辺、もう少し実態を知ってみませんと、単にドアを厚くして丈夫にしたけれども相変わらず側面の事故は減らなかったじゃないかということになりますと、何のためにやったかわからない。そんなようなことから、科学的なことをやりたいということでございますので、決してメーカーのとかいうことではございませんので、御理解いただきたいと思います。
#38
○上野雄文君 でも、こういう広告が出てくると、幾ら弁解したってこれはどうにもならなくなってくると思います。アメリカで採用しているのに日本で採用しないというのはどういうわけだということにならざるを得ないんじゃないかと思います。そういう誤解を受けないようにやっていただきたい、こう思っております。
 それから、ナンバープレートの問題で、不表示車両対策というのが今度取り入れられることになったわけですけれども、これと関連してというか、いろんな事故が起こったときに一番先に目につくのがナンバープレート。これが県単位だと思っておったら、今度は陸運事務所単位なんですね、名前が。あれは狭まってくれば狭まってくるほど――六千二百万台を超える自動車ということになってきたら、電算処理してあるから検索は割合簡単だ、こういうお話もありますが、ふるさと創生との関係があると思うんです。今度は単位をずっと小さくして市町村別に、私は栃木ですが、かつては「栃」、それが「木」が入って「栃木」、こうなりましたけれども、そのくらいの変化で、物心ついてから余りプレートの表示が変わっていない。市町村別にしてみれば、これはまたみんなの目にもつきやすくなってくるし、その地域の中でのいろんな、ナンバーを取りかえることやら何やらしてみても、いつまでもあの人は前のところのなんかやっているなというようなことにも気がつくだろうと思うんです。市町村別の表示も検討してみたらどうかというふうに私なんかは思っているんですけれども、どうお考えですか。
#39
○政府委員(堀込徳年君) お答えいたします。
 先生御指摘のように、ナンバープレートが市町村別であるということになりますと当該地域の住民にとっては非常にわかりやすいわけでございまして、現在原動機付自転車につきましては、税金の関係もありまして市町村の名前で表示されているところでございます。しかしながら、一般の乗用車につきましては、北海道から沖縄までいろいろ全国広範に移動するということから、ナンバープレートにつきましてはほかの地域におきましてもその識別を容易にする必要があるということでございまして、このため、町村というようなやや小規模の区割りでなくて、自動車の使用の本拠を管轄する各都道府県ごとの陸運支局の所在地、大体県庁の所在地になりますけれども、県庁所在地の名前あるいは一般に判別しやすい名称というものを使っているわけでございます。
 しかしながら、ナンバープレートの見やすさ、表示のあり方というのはいろんなところで御指摘を受けているわけでございまして、今後また関係省庁の御意見等も賜りながらさらに研究してまいりたいと思っております。
#40
○上野雄文君 警察ではそのことについてはどうお考えですか。考えたことはありませんか。
#41
○政府委員(関根謙一君) 私どもといたしましては、ナンバープレートが必ずつけられるようになっており、かつそれが守られているということであれば、かなりの部分それでよろしいといいますか、いわば無謀運転を抑止するような効果がそれによって生ずるということで、そういう観点からはその程度でも足りるという考えでございますが、もちろん区域が細かくなればなるほどそのような効果が生ずるということがあろうかと存じますので、それであればその方がさらによろしいのかなという印象でございます。
#42
○上野雄文君 終わりにします。
 とうとう大臣の御意見が聞けなかったんですが、野別議員の方から、今度は向こうへタッチいたしますから、どうも大変長い時間ありがとうございました。
#43
○委員長(山口哲夫君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後零時四十五分まで休憩いたします。
   午前十一時四十八分休憩
     ―――――・―――――
   午後零時四十八分開会
#44
○委員長(山口哲夫君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、道路交通法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#45
○野別隆俊君 私は、我が国の道路交通法、特に今回はその一部改正が行われて、さらに調査分析センターの設置等幾つかの新しい試みが行われるわけでありますが、この試みは当局の提案のように、あらゆる調査を行って、科学的な分析を行い、科学的なデータ等を駆使してこれから交通事故等の絶滅を期したい、こういうお考えのようであります。また、一方では交通安全の施設等も含めて安全対策、また指導の徹底等が図られるものと思っておりますが、これらのことによりこの法案に対する私も大きな期待をかけているものであります。
 そこで、まず法案を提出されるに当たって、提出者である国家公安委員長並びに警察庁長官の見解をまずお聞かせ願いたいと思います。
#46
○国務大臣(塩川正十郎君) 最近、交通事故がより以上に多発化してまいりまして、いわば交通危機の深刻さというものが異常でございます。したがいまして、この際に交通事故全体をあらゆる面から科学的に一度調査分析してその対策を講ずるべきであろう、こう存じまして、この分析センターを今回創設するということになったのでございますが、これを一つのきっかけにいたしまして、免許制度なりあるいはその他諸般の施設等を積極的に見直していきたい、こう思っておりまして、今回お願いしておりますこの法案は、交通事故対策に対する新しい時代に入っていきたい、従来の交通政策よりも一歩深く広く入り込んでいきたいというその意思の表示である、決意である、こう見ていただいていいんではないか、こう思っております。
#47
○政府委員(鈴木良一君) 公安委員長からお話がありましたように、交通事故の情勢は大変厳しい形になっております。我々もまた関係省庁と気を合わせましていろいろな施策を今日まで講じてまいりましたけれども、なかなかその増勢を食いとめるという形になっていないというところがあるわけでございます。
 私どもは、今まで我々の必ずしも十分手だての講じてなかった分野につきましても、この際さらに工夫をいたしまして、新たな出発点として交通事故防止に取り組んでいきたい、そういう形で交通事故の分析センター、また免許の関係、暴走族の関係ということで、何とかそういう面で不十分な点を補いつつ新たな出発をしたいということでお願いしておるところでございます。
#48
○野別隆俊君 我が国の交通安全対策は、交通安全対策基本法、昭和四十五年百十号に基づいて四十六年以降第五次にわたりまして五カ年計画が推進されてまいりました。特に、国の行政機関を初め公共団体、関係民間団体等においても各般にわたる施策を強力に推し進めてまいられまして、陸上、海上、航空各分野において私は着実に前進をしてきたと思っているのであります。特に、あの四十五年当時の事故数は一万六千七百六十五人も死者が出ておったのでありますが、その後五十年代に入って年々減少しまして、五十四年には八千四百六十六人、五十五年は八千七百六十人と、警察庁が目標としておりました八千人以下には達しておりませんでしたが、大幅に減少を見たことは事実であります。
 しかしながら、これはどういうことか、もちろん車の台数がふえた、ドライバーの人口がふえた、こういうこともあるかと思いますけれども、一方では道路交通等はかなり整備をされてきているわけでありまして、再び九千人台、そして六十三年にはまた一万人を突破して、平成一、二、三年と連続一万一千人台、こういう死亡者が出るというような状態でありました。また、件数におきましても、五十二年の四十六万六百四十九件から平成二年には六十四万三千九十七件、こういうふうにかなり大きく増加をしているのでありまして、一次から四次に及ぶ、当時は四次でございますから、四次に及ぶ交通安全対策があらゆる手法で進められたにもかかわらず増高してきた、この要因が私どもにはどうもまだわからない点が多いわけでありますが、ここでどういうことが大きな要因になっているのか、この点がわかればお聞かせを願いたい。これは総務庁と警察庁長官と両方にお伺いをしたいと思います。
#49
○政府委員(賀来敏君) ただいまのお尋ねにお答えいたしたいと思います。
 御案内のとおり、第一次交通戦争と言われておりました昭和四十五年当時からどんどんと時代が変わってきまして昭和五十四年には半減したということは、御指摘のとおりでございます。これは多くの国民の皆様を初め、国政に携わっておられる皆様方の御尽力のたまものであると感謝申し上げているところでございます。しかしながら、再びふえてきたということで国民の皆様も憂慮されておられるわけでありますが、やはりこれにはそれ相応の社会的な背景があるように感じられます。
 特に、昭和四十年代あるいは三十年代の後半あたりに見られましたのは、いわゆる強者である車が歩行者や自転車に衝突して事故を起こしていた、そういうことでいたいけな子供さんあるいはお年寄り、お年寄りと申しましても比較的それほど年のいっておられない年齢層の高齢者の歩行中の事故が多かったように思われます。そういうことで信号機の設置だとかあるいは横断歩道だとか道路環境の整備等々、いろいろと安全施設を含めた物的な措置が膨大な予算を投じて整備されたのも、御案内のとおりでございます。また一方、幼児あるいは小学校等の子供さんに対する安全教育も、歩行者対策あるいは自転車対策等々で急激に進んだのも事実でございます。そういうようなことで昭和五十四年あたりまではめきめきと効果をあらわした、また国民の盛り上がりも強かったのも事実でございます。
 しかしながら、このようないわゆる物的な手段で安全を確保できるもののほかに、都市効果と申しますか、車がどんどんふえ、しかもまだドライバーのマナー等もありましょうし、いわゆる社会的な状況が大きく変わってきておるのも御案内のとおりでございます。例えば、昭和五十六年と平成三年を対比いたしましても、車はわずか十年ほどの間に四割以上ふえているということでございます。またドライバーの方も同じようなふえ方をしている。それぞれ、自動車も六千万近い状況でございますし、ドライバーも六千万人を超えるというような状況、それと自転車がまた急激な勢いで、今や六千九百万台の自転車、この狭い道路に車と自転車と歩行者が混合化しておる。御案内のとおり、物流面も国鉄から貨物が道路に移りましたように、物流面も変わっておる。そういうような社会的な背景と、もう一つは、国民生活もその経済活動も含めまして夜型化しているということ、質的にも量的にも変化しております。
 それと、大変残念なことでございますが、シートベルトの着用が、皆様方に立派な法律を通していただいた直後あたりと比べますとかなり低下している。特に若者の免許ドライバーの増加の要因もあろうかと思いますが、若い人を中心にしてシートベルトの非着用の死者が増加している。また、この十年間で六十五歳以上の高齢人口が九%から今や一二%を超えてきておる。特に交通事故死者で見ますると、七十五歳以上のいわゆる後期高齢者ともいう年齢層の方の事故が多いというようなことでございます。
 こういうもろもろの要因が複雑な形で絡みまして、大変残念なことでございますが、交通事故が再び増加の傾向をたどっているという状況でございます。
#50
○政府委員(関根謙一君) 私どもも、ただいま総務庁の交通安全対策室長から御答弁申し上げましたような認識を持っております。
 それに加えまして、さらに、特に若者についてでございますが、規範意識の低下、それから車の危険性についての認識が不足しているというような点、さらに、車の性能が非常に向上してまいりましたが、それに合った技能教習がうまく行われているかどうかという点等についていろいろ問題があるのではないかという認識を持っております。あわせまして、各省庁がいろいろ所掌する責任の範囲内で努力をしているわけでございますが、それらをまとめる総合的な施策というものに、もう少し努力する必要があるのではないかという点も考えております。
 といったようなことで、今回私どもといたしましては、総合的な施策に資するための事故分析のシステムを設けさせていただきたいということと、運転者教育について工夫をするような仕組みを設けさせていただき、あわせて暴走族に対する対策の仕組みも講じることができるようにお願いしたいということで、法律案を御提出申し上げている次第でございます。
#51
○野別隆俊君 シートベルトの着用のことが出ましたから、後でやるつもりでしたがまず最初に、条文に入る前にお尋ねをしておきたいと思います。
 警察庁の資料によりますと、自動車乗車中の死者数は、検証の結果、シートベルトを着用していた人が一九・一%、二割を下回っているのであります。着用していなかった人が七七・七%、こういう高率になっているということでありますが、事故に遭った際には、シートベルトをしている方が助かる率は断然高いと私は聞いているのでありますし、またいろいろな資料を見てもそういうふうな統計数字が出ているのでありますが、着用率が下がった、これは事故者の場合もそうですけれども、恐らく事故を受けてない方でも、こんな比率にならなくても、半分ぐらいしていないのじゃないかという気がするのであります。
 一時は確かに着用率は高かったのでありますけれども、どういう理由で着用率が下がったのか、これは指導する方に問題があるのか、何かここにシートベルトをはめることの限界があるのかどうか。これは、専門の機関であります総務庁並びに警察庁両方で、どういうふうに把握して、今後対策を講ずる方法が考えられているとすれば、それをここで発表していただきたいと思うんですが、どうですか。
#52
○政府委員(賀来敏君) ただいま御指摘のように、ここ最近、特にシートベルトの着用率が落ちているということは事実であろうかと思います。警察庁の調査によりましても、また民間のJAF等の調査によりましても、数年前と比べますと落ちているようでございます。
 これはいろいろな原因はあろうかと思いますが、総理府の世論調査で、シートベルトを着用しない理由というのはどういうようなことが多いだろうかという調査をしたものがございます。それによりますと、目的地が比較的近いところだからシートベルトをしなかったというのが一番多うございます。それと、面倒くさいからということ、もう一つは窮屈だから、こういうような理由が、しない理由の大半のようでございます。しかし、シートベルトは、科学的に申しまして、やはり着用していれば相当な率のいわゆる救命をすることができるということも世界的な事実でございますし、また、我が国においてもそういうような分析がなされているところでございます。
 いろいろな今申し上げましたような心理的な理由もあろうかと思いますが、一つは、法律が皆様方のおかげで制定されたときは国民の皆さんも関心が高まったと思いますが、そういう法律も、落ちついてくるとだんだん見識が結果的に弱まるような心理的な側面があろうかと思っております。
 そういうことで、やはりシートベルトをしていれば命が助かる、あるいはけがが比較的小さくて済むんだという、そういう科学的な理解を深めるとともに、知識として持っていただくだけでなくて、それを契機にして着用していただくというように誘導していくキャンペーンを強めなければならないと考えております。そのために警察当局の指導、取り締まりとあわせまして、何としてもこれは警察のためにやるというものでございませんで、本人とか家族、あるいはまた関係者のためにやるわけでございますので、家庭とか地域とか職域で、草の根的に盛り上がるようなキャンペーンの推進をしなければならないということで、昨年来特に強化いたしておるところでございます。
 また、これは官庁だけでなくて、多くの民間の団体、多くの国民の皆さんに理解を賜らなければならないということで、ことしの一月に既にシートベルト着用推進協議会を設けるなど、効果的なキャンペーンを工夫し、一部春の交通安全運動では若い人に関心を持っていただくような形でクイズを導入したりしているところでございますが、国のレベル、地方自治体のレベル、また民間のレベル等々にも普及させるべく、今後ともキャンペーンの強化に努力していきたいと考えております。
 以上でございます。
#53
○政府委員(関根謙一君) ただいまの交通安全対策室長の御答弁のとおりに私どもも認識しておりますが、さらに取り締まりを行う立場といたしまして、シートベルトをしていないと法律面でも不利益を受けるということをわかっていただくように努力しております。しかしながら、そのような努力の結果、昨年のシートベルト非着用の取り締まり件数は、一昨年の取り締まり件数に比べまして四〇%ほど上がってはいるのでございますが、取り締まりのみによって目的を達成することはほとんど不可能でございます。
 ただいまの賀来室長の御答弁にありましたとおり、私どもも、それぞれの運転をする方々がシートベルトを着用することの効果を本当にわかっていただくということが何よりも大事なのではないかと考えております。そのわかっていただく方法といたしまして、自動車のディーラー団体の方々にもお願いいたしまして、自動車を販売する方々がそれを買われるユーザーに対して、安全な自動車の使用方法ということの一環として、シートベルトをつけることがいかに大事であるかということを伝えていただくことなどもあわせて行っているところでございます。
#54
○野別隆俊君 今、推進をしてきて一時はなかなかよかったが下がってきているというような答弁のようでありますが、そこで県別で結構でございますから、シートベルトの着用率の高いところから上位三県ぐらい、下位三県ぐらいをお聞かせ願いたい。
#55
○政府委員(賀来敏君) 今たまたま資料を持ち合わせておりませんが、シートベルトの着用の比較的よくないところは、県を挙げさせていただいて恐縮でございますが、京都府、大阪府、このあたりが余りよくないということでございます。関東周辺でも比較的いいところと余りよくないところとございますが、東京都は比較的いい方でございます。長野県とか宮城県とかというところは極めていいような地域でございます。正確な資料はまた後で。
#56
○野別隆俊君 私は、着用率を高めるためにそういった模範になるような事例等を各県に指導する、いいことはやっぱりできるだけみんなまねをしていただいた方がいいと思うものでありますから、ぜひひとつそういう事例を挙げて、そしてこういう運動を高めて事故を防ぐ。今さっき申し上げましたように、二割もしていなかったということに大きな原因があるわけでございますから、ぜひそのような指導を徹底していただきたいと思います。
 次に、今度の法改正の中身に移らせていただきたいと思います。
 まず、改正法の六章の三の交通事故調査分析センターに関する規定についてでありますが、この中に、分析センターの職員が事故例調査に従事する場合の事項が百八条の十五に規定されており、また百八条の十六には警察側の協力が規定されております。ところが、事故現場での運転者に対する規定、また不幸にして起こってしまった事故を受けた側には何らこの法では協力的なものが盛り込まれていないように見受けるのであります。これは、運転者に罰則をつけるとか強制的に協力をさせるということは余り好ましいことではありませんが、交通事故の当事者は分析センターの職員の行う調査の協力に努める、そういう努力的な条項がやっぱりあってしかるべきじゃないかという気がするのでありますが、精神規定のようなものでも盛り込んでおく必要があったのではないかという気がいたしますが、この規定に盛られなかった理由、これで十分やれるのかどうかということについてお伺いをしたいと思います。
#57
○政府委員(関根謙一君) 法律の条文に則してお答えさせていただきたいと存じます。
 先生御指摘の自動車の運転者その他の被害者に協力を求める旨の規定は、いわば裏から書いてございまして、百八条の十五の一項の規定でございます。読み上げさせていただきますと、「事故例調査に従事する分析センターの職員は、事故例調査を行うために関係者に協力を求めるに当たっては、その生活又は業務の平穏に支障を及ぼさないように配慮しなければならない。」ということで、事故例調査を行うために関係者に協力を求めるということを前提として、その場合にはその方々にいろいろな迷惑をかけることのないように配慮しなさいという形で規定しております。いわば裏からの表現でございますが、先生御指摘のような趣旨のつもりで規定を設けさせていただいているものでございます。
#58
○野別隆俊君 私は表からということを申し上げているわけでありまして、本人がそういう場合は協力をしなきゃいかぬのだという気持ちになることの方が大事じゃないか、それもあってしかるべきじゃないか、そういう精神条項的なものぐらいはつくって協力をさせる、そのことはやっぱり大事なことじゃないか。裏からおやりになって実効が上がるということであれば、私はあえて申し上げませんが、この問題については将来検討をしていただきたい、このように考えますが、どうでしょうか。
#59
○政府委員(関根謙一君) これで不十分であるかどうか、実際に運用方法を見まして、不十分であるということであれば検討させていただきたいと考えます。
#60
○野別隆俊君 次に、今度の改正案の中にも出ておりますが、消音器の取り締まりの点でございます。
 実際、私ども夜、私は神宮の方の宿舎におりますが、夜の一時、二時ごろから夜通しばあっと吹かせて通るのでございます。本当にけたたましい騒音に、いつも寝た際でございます、十二時ごろ寝ると一時、二時ごろに起こされるのであります。以前より暴走族そのものは減っているようでございますけれども、件数は少ないかもしれませんが、音は本当に激しい音で、そういう暴走族がおって住民を大変悩ませていると私は思うのであります。
 それで、今までも道路運送車両法の第四十一条や第四十四条によって保安基準に適合しない車は運行の用に供してはならないとなっておりますし、これを受けてまた道路交通法にも六十二条で規定されておりますように、これは罰則適用まで出ておるように見ているのでありますが、これでは一定の取り締まりができにくい、今度法改正をやらざるを得ないということになった理由、やっぱり今までの現行法ではこういう点が非常に悪かったのだ、今度の法改正によって、今私が申し上げました消音器を外したり、カットしたりしている、これがけたたましい音が聞こえなくなるように大体いけるかどうか、この確信のほどもついでにお聞かせ願いたいと思います。
#61
○政府委員(関根謙一君) 暴走族の数は、大体ここ数年変わっておりません。ただ、暴走族のグループがふえております。と申しますことは、一つのグループの構成員の数が少なくなっているということを意味いたしまして、それも影響があろうかと存じますが、本当に少人数で夜間迷惑を与えるような爆音を発して走るという形態の暴走行為が増加しつつございます。
 そこで、現在のこの種の事犯に対する取り締まりの仕組みでございますが、先生御指摘のとおり、道路運送車両法、この法律に基づく命令の規定に違反しているわけでございますが、それに対する手当てといたしましては、御指摘の道路交通法六十二条の規定でございまして、この規定をよく見てみますと、道路運送車両法またはこれに基づく命令の規定に「適合しないため交通の危険を生じさせ、又は他人に迷惑を及ぼすおそれがある車両」ということで、適合しないだけではこの処罰の対象になりませんで、適合せずかつその結果交通の危険を生じさせるか、または他人に迷惑を及ぼすという実質的な要件が必要でございます。取り締まりの実務といたしましては、音をはかりまして、その音が道路運送車両法とこれに基づく命令で定める基準を超える場合を他人に迷惑を及ぼすおそれがあると判断いたしまして取り締まりを行っているところでございます。ところが、音を基準とした取り締まりというのは非常に難しいのでございます。特に夜間昔を発している車を見つけた場合に、その音が犯罪に該当する音であるか否かをチェックするためには、もう一度その音を出してもらう必要があるというようなこともございます。
 ということで、いろいろ不便でございますので、とにかく道路運送車両法等の規定に違反するということ自体が暴走行為を生む、あるいは交通に危険を及ぼすおそれがあるということは客観的事実でございますので、その点に着目をいたしまして、今回、法律案の表現で申しますと、第七十一条の二という規定でございますが、消音器を外したり、あるいはその機能に著しい支障を及ぼすような改造を加えたという客観的な事実、外形を備えていれば、そのこと自体を取り締まることができるというようにしていただきたいということでお願いをしているところでございます。このような仕組みができますれば、まずそういう外形の車に乗っている人がいれば、その人が音を発しなくともまずこの規定に当たることになるということでもありますし、とにかく一々音を発してもらいまして、その音をチェックするという必要がございませんので、この取り締まり要望というのは実に国民の間と申しますか、人々の間で非常に高い要望の事項でございますが、その御要望に沿うことができるものと考えております。
#62
○野別隆俊君 言うなれば今までの法では、現物が音を立てて走っておっても、一回そこでとめて測定器を持ってきてはからなければできない。そのときに音を前と同じように出すかどうかはこれもなかなか難しい問題。今度はそれを外しているか外していないかでもとめられるということになるわけで確かに効果的であろうかと思いますが、ともあれ、今までなかなかそういう状況で取り締まりができなかったのであるならば、今後はひとつ徹底した取り締まりをしていただくようにお願いを申し上げて、次に移りたいと思います。
 次は、九十条の二、原付技能講習の法制化。今回、原動機付自転車免許を受けようとする者に技能講習が法制化されましたが、まずこの趣旨についてちょっとお伺いをしたいと思います。
#63
○政府委員(関根謙一君) 原付講習の法制化をお願いしている趣旨についてのお尋ねでございます。
 先生も御案内でございますように、現在原動機付自転車の免許を取得する際には、学科試験と適性試験のみでございまして、技能試験は課されておりませんので、原付免許を取りましてもそれだけでは実は乗ることができないということがございまして、実際上の問題といたしまして、原付免許を受ける方々は大体年間に五十万人以上ございますが、その方々に公安委員会の方で交通安全協会等に委託したりしながら、原付免許を受けた方あるいは受けようとする方に講習を行っているというのが実情でございます。この講習は、実際に一〇〇%、人によって二回ぐらい受ける人もございますので一〇〇%を超える数字に統計上はなりますが、まずまず一〇〇%の方が受けられております。
 では、そういう事情があるのであれば何も法制化する必要はないではないかとの御疑念がおありかと存じますが、これを法制化する趣旨は、一つには原付の技能講習についてカリキュラム等をきちんとしたものにしまして、それぞれの講習の内容がばらばらにならないようにしたいということが一つございます。
 それからもう一つは、一昨年、平成二年の十一月七日に神戸地裁でこの原付の技能講習につきましての判決がございました。当時、決算委員会でも取り上げられた問題でございます。その判決と申しますのは、原付技能講習はそもそも法律上根拠がないのにそれを受けさせられた。講習手数料二千五百円、この講習手数料は法律に根拠なしに払わされたのであるから返せという訴えが講習を受けた方から兵庫県を相手といたしまして神戸地裁に提起されました。その結果の判決が平成二年十一月七日の判決でございまして、それは、法律に根拠がないことであるから原告の訴えどおり返しなさいというものでございました。ということで、法律に根拠がないということでいろいろ支障がございまして、当時も決算委員会で法制化を含めて何らかの施策を考えたらどうかとのお話もございまして、私どももその御趣旨に沿うように検討いたしますと御答弁を申し上げました経緯がございます。
 といったようなことで、今回原付自転車、これはもう二千万台近くあるわけでございますが、その方々の安全意識の高揚と技術の向上を図りたい、図ることによって事故防止に資したいという趣旨から、このような仕組みを設けさせていただきたいと考えたところでございます。
#64
○野別隆俊君 次に、私はこの一帯のことでちょっと申し上げてみたいと思いますが、歩行者が横断をしているときに真横をくぐり抜けるような形で車が抜けていく、これは信号が赤の状態です。国会周辺でかなりこれが多いのでありますが、私は向こうから来ますから、国会でも陸橋から真っすぐ会館に渡るときは信号機がありまして、直進車だけでありますから、横断者の間をくぐり抜けて車が通ることは信号無視になりますからまずないのでありますが、国会図書館付近を歩きますと、交差点から会館の方に渡る場合には本当に身の危険を感ずるようなことがしばしば起こっています。人が通って青信号のときでも、車はすり抜けてぼんと出ていくわけであります。
 これは、歩いている人が言っておりましたが、最近は警察の方の方針が変わったんだろうかと。横断をしながら二、三人でそういう話をしているわけです、人の方が危ないわけですから、青信号でも。そういうことを、一つの冗談とも言えるわけでしょうが、やっぱり人よりか車の方が優先、人が通っている状態なのに、人が一人通ると車はすぐまた出てくる、こういう大変危険な状態にあります。こういったことについて、交通担当の方々はお調べになっておるのでありますか。時間がありませんから、調べているなら、これから適切な指導をお願いしたい、危険でございますから。通りがかりに私自身もそういうことを感じましたし、通っている人たちが取り締まり法が変わったんだろうか、今はもう人間じゃない、車優先になったんだというような話をしておりました。この点について伺います。
#65
○政府委員(関根謙一君) 横断歩道での車両の一時停止義務につきましては、道路交通法の三十八条一項のただし書きに規定がございます。この一時停止義務というのは重い義務であると私どもは考えておりまして、取り締まりの場合には十分念頭に置いて取り締まってもらうように指導をしているところでございます。そもそも取り締まりの基本方針は、悪質、危険、迷惑性の高い違反から順に取り締まるという方針でございまして、この一時停止義務違反と申しますのは、危険性の高い義務違反という認識でございます。
 しかしながら、取り締まりについて以前に比べて余り目立たないではないかとの御指摘かと存じますが、確かに取り締まり件数で見てみますと年々低下しております。十分この点注意いたしまして、今後さらに一層この点について配意するように努力したいと存じますが、取り締まるということの手法の一つといたしまして指導、警告という方法がございます。そのような手法を多く用いつつ、特に悪質な一時停止違反の場合には刑罰と申しますか、不利益処分をもって当たるというような方針で進めさせていただきたいと考えます。
#66
○野別隆俊君 この点について一回調査をしていただいて、今言われたように悪質でなければやっぱり指導、警告で徹底してやっていただきたい、このように考えます。
 次は、高速道における多重衝突が、この前も北海道で起きました。あれは雪も関連をして大きな被害になったわけでありますが、この起こる原因にもいろいろあると思いますけれども、警察の方としては、ああいったことの原因はいろいろあるが、どのような原因が多いのか、まずそれをお聞かせ願いたいと思います。
#67
○政府委員(関根謙一君) 高速道路での多重衝突事故は、多くの場合悪天候下で起こるということがございまして、そのような走行の環境の悪いところに適した運転をしていないということが大きな理由の一つかと存じます。
 しかしながら、そのようなこととあわせまして、車間距離の確保の問題とか、走行車線をみだりに変えないといったマナーの問題とか、幾つか問題点はあろう、このように認識をしております。
#68
○野別隆俊君 いろいろあると思いますが、車間距離の問題が一番大きな問題だと思いますけれども、最近大型トラックなどが多くなっておりまして、しかもこういう自動車に限って急いでいる自動車が多いようでございます。片方二車線の場合に、トラックが追い越し線に入ってくるのが多いんです、見ていますと。本当は普通の路線を走っていただければいいんです。前を走っているのろのろ運転のやつを追い越すために追い越し線に入ってくるならわかるんですけれども、もう追い越し線をずっと走っている、ここにも一つは問題があります。
 同時に、トラックと小型車が後ろにいるというような場合、ある程度車間距離をとっておりましても、その前の車は、小型の場合は見えにくいわけであります。車ごとにびしっとレーンを決めるということは無理といたしましても、できるだけ大型車のレーンは主としてこっちだよというようなことが指導上できないものか、この辺がないためにやっぱり大型卓の後に小さいのが並んでいるというようなことによっての事故が多いんじゃないかという気がするんですが、その辺について、こういうことができるのか、ちょっとお伺いをしたいと思います。
#69
○政府委員(関根謙一君) 大型車あるいは大型貨物車のための車線を指定することができる条件といたしましては、車線数がかなり多いという前提が必要かと存じます。現在、高速道路について見ますと、九三%以上の高速自動車国道につきまして片側二車線以下でございますので、その場合に一車線を大型貨物車用として使ってしまいますと円滑な交通流を確保するという点でなかなか困難があろうかと存じます。客観的にそのような道路構造上の条件あるいは交通量の問題等を勘案いたしまして、それでそのようなことが可能かどうかということが検討の対象になるのではなかろうかと存じます。
#70
○野別隆俊君 時間がありませんから急ぎます。
 交通安全は家庭からといいますか、教育の面から非常に重要だと私は思うのでありますが、ちょうど二年前になります。幼稚園に通っておりました四歳半の子供が、一人で帰る途中、道路横断中に車にはねられて死亡しました。私はその家庭にお悔やみに訪問したのでありますが、奥さんが私に、私が悪かった、こういうふうに泣いて言われるんです。あの暴走の車があったためにうちの子供が亡くなりました、こうおっしゃるのが大体普通の人ではないかと思ったら、私が悪かった、私が仕事が忙がしいので、朝出かけるときに、家から八百メーターぐらいしかないんだけれども、幼稚園にいつも送っていきました。また、帰りに迎えに行った。しかし、その日は迎えに行く時間が狂ったんでしょうか、一人で帰る途中に子供が横断歩道で車にひかれて亡くなりました。そのときに言われた言葉は、私が家の近くの道を子供と一緒に歩いたり横断歩道を渡る練習をしつけておけばこういうことにはならなかったかもしれない、こういうことを悔やんでおられたのであります。私もじんときましたが、本当にそうだな、三つ子の魂百までというような話がございますように、やはり小さいときに教育をすることが大事じゃないか。
 今、自家用車はもちろんですが、バスで送り迎えの争奪戦です、幼稚園でも保育園でも。どの幼稚園に行きましても皆車で引っ張っていくわけであります。それで子供は機械化されております。幼稚園へ行く。早く終わっても、自動車が来るまでは一時間でも二時間でも、おもしろい遊びでもあればいいですが、ぼうっとしているような場合が多いのであります。保育所などは大体一キロ前後につくるようになっております。余り近くでも競合しますから、間隔というものは一定度あります、八百とか千まで。ところが、それはやっぱり歩かせる方がいいんだ、教育上。その辺は警察当局では、自動車に乗せる方が安全なような気もいたしますが、どっちが正しい教育になるか、これをちょっとお聞かせ願いたいと思います。
#71
○政府委員(関根謙一君) 大変難しい御下問でございますが、交通安全教育ということで、実地に体験させながら教育を行うということが最も効果が上がる方法であるということは先生御指摘のとおりかと存じます。
 ただ、保育園との間の送り迎えの問題と申しますのは、交通安全教育とは別の要素も多々あろうかと存じますので、それぞれの御家庭で考えていただくことではないかなという感じでございます。どうも申しわけございませんが、そういう印象でございます。
#72
○野別隆俊君 確かに難しい問題かもしれませんが、道路を二人ぐらいで子供が手を挙げて、りりしいですね、本当に気持ちのいい歩き方をしている。これは一回調べてほしいんですよ、小さいときから訓練したら事故率はかえってそっちの方が少ないかもしれないと、本当に訓練がされておれば。非常に気をつけて子供は行くものです。そのかわり一人で行くよりか二人、両方でいつもどっちかを見ているような教育をする。これを小さいときにやっていないと、交通ルールがわからないために大きい子が五歳、六歳になってふらふらする。行くべきか行かぬべきか、青、赤の信号すらうまく見分けることができないような子供もいるわけであります。
 遠い保育所に、幼稚園に行く場合もありますから、それは事情によって違うケースはありましょうけれども、私は正しい教育を小さいときから親がしつける、このことを基本に置かなきゃならぬのではないかという気がしてなりません。今の時代はえてして過保護の方向をとりがちであるが、そのことが正しいと私はどうしても思えないんです。その辺については今後研究をしていただきたいと思います。
 それから、交通安全運動について、保育所とか幼稚園でどのように取り組まれているのか、小中学校における交通安全に対する教育指導の徹底はどういうふうにして図られているのか。それから、一番問題になります十六歳から二十四、五歳の青年、高校生の場合は学校でおやりになるのかもしれませんが、青年の人たちの教育というのは非常に難しいのでありますが、これは職場とか地域とかそういうところで道交法や安全運転についてのいろいろな指導をするようなことが行われているのか。もう一つは、高齢化社会で高齢者、特に六十五歳以上の事故が非常に多い、こういう状態が出ていますが、これに対する指導はどういうふうに行われているのか、お聞かせ願いたいと思います。
#73
○説明員(富岡賢治君) 先生御指摘のとおり、小さい子供のうちから交通安全指導をするということが大事でございまして、事実幼稚園での指導は、特に正しい道の歩き方とか集団の登下校とかいうようなところから始まりまして非常に多くの時間を交通安全指導に割いているという実態もございまして、これはもっと一層進めていきたい、こういうふうに思っております。
 また、小中学校につきまして、発達段階もございますから内容は多少違いますけれども、保健体育あるいはホームルーム等の特別活動で指導を進める。高等学校では、特に将来の運転者になるということを考えましてマナーというようなことを中心に指導することになっておりまして、特に今回学習指導要領の改訂というのがございまして、今までの高等学校、中学校の保健体育の交通安全の位置づけに比べまして非常に大きな位置づけをいたすようにいたしましたので、これをもとにして各地域での指導の充実に努めてまいりたい、こういうふうに思っておるわけでございます。
 なお、文部省で例えば十八歳以上の青年に対してやるということについてはなかなか先生御指摘のとおり難しい問題でございまして、特に学籍等を持たない場合には関係機関がそれぞれの役割分担で進めなくちゃいかぬかと思っておるわけでございますが、社会教育面でもいろんな学級が最近非常に盛んになってございますので、そういう中で交通安全が取り上げられるケースが多々見られるようでございます。こういうことも支援してまいりたいと思っておりますし、関係機関ともよく連携してまいりたい、こう思っております。
#74
○野別隆俊君 私は、自治省も、それ以外の総務庁も警察庁もそうでありますが、十七省庁で安全運動を春秋に全国的にやっていただいておりまして、この成果は大きいと思いますが、最近マンネリ化してきているんではないかという気もいたします。この辺で活を入れると申しますか、各自治団体あたりで広報なども毎月ないし二カ月に一回ぐらい出されていますが、その他各種団体、会社等においても交通安全に対するいろいろな指導、それから交通事故の問題など、もう少し国民的PRをすべきではないか。職場でもなかなか聞くような機会がない、地域でも余りない、そうすればどこでやるかというと、新聞のように家庭に送り込んでそういったものを見ていただくような運動をすべきではないか。一回、国民運動的に各種団体で総合的にこういう運動をやって徹底する。交通事故に対する問題や安全指導の問題について、今の春秋やっている運動とは別な次元で国民運動をみんなが一回やろうじゃないか。
 交通事故の死者が一万人を突破している現実を皆さんに知ってもらって、事故がこういうことで起こりやすいんだというようなこともPRして、特に若い人たちの事例などを挙げまして、日中よりも夜間の事故が最近多くなっている、晩の灯が入って日没から朝までの事故が大変多くなっておりますので、そういう国民運動を起こすべきではないかということについて、きょうは自治大臣もお見えでございますから自治大臣、そしてまた総務庁の見解、警察庁長官の考え方をお聞かせ願いたい。
#75
○政府委員(賀来敏君) ただいまの御質問にとりあえず総務庁の方からまず第一次的にお答えさせていただきたいと思います。
 交通安全はまさに国民的な課題でございまして、国はもとより地方自治体、民間団体、また国民の皆さんが一体となってやらなければならない対策であることは先生御指摘のとおりであろうかと思います。特に現代は車社会、車が歩行者をはねるということだけでなくて、何しろこの超過密な社会の中で車や自転車や歩く人ということでいろいろな形で車社会とのかかわり合いがございますので、国民の皆さんすべての方が被害者になり、また加害者になり得るという前提で、先ほどの御質問にもございましたような生涯教育というのがその基本の前提になろうかと思いますし、また国民一人一人がやはり他の方を思いやるというような、そういう運動が必要であろうかと思います。
 御案内のとおり春秋の交通運動も実施されておりますが、どちらかいうとマンネリ化しているのではないだろうか、惰性になっているんではないだろうか、あるいはまた安全感覚が麻痺しているんじゃないかというそれぞれの厳しい御指摘もいただいているところでございます。そういう意味で、春の交通安全運動のほかに、一部高齢者に対する安全運動も組織化されつつありますが、年がら年じゅう毎日やっておるというのもおのずと緊張感がないということで、国民の多くの活動が活発になる、例えば年末年始に焦点を合わせた運動であるとか、三月の卒業期あるいは年度末、四月の新年度に焦点を合わせたいわゆる安全運動、あるいはそのミニ版といったようなもの、またゴールデンウイーク等に対する事故の防止活動、また夏の暴走族対策等々、いろいろな形で、風のレベルで、地方自治体のレベルで、またそれぞれの地域のレベルで活動が展開されているところでございます。
 これをもう少し活性化するということと、実は私どもは上滑りしているんじゃないかというような反省もしているところでございます。と申しますのは、車が人をはねるということだけですとある程度ルールを教えるということでいいわけでございますが、今の車というのは一昔前の車よりあっと言う間に交差点に来るというようなことで、先ほどはいわゆる小さな子供さんのお話でございましたが、私どもは、小さな子供さんの事故を防ぐためにお母さん方の御理解、また幼稚園とか小学校の先生方の御理解もいただき、また実際やっていただいております。しかし、その教育も、説教上の教育から実際にグラウンドに出て、道路の交差点に出て、あるいは海外で先進国で行われているような絵本を使ってとか、より実践的なものに切りかえていく必要があるというようなことを関係省庁とも、また関係団体とも話しております。
 高齢者の方が最もおくれておるというか、諸外国よりさらに我が国は高齢化が進んでおりまして、それが急速になっておりますので、高齢者に対しまして、今の働き盛りの方は車社会の真っただ中におられるんですが、車社会を卒業されている方は、車がそんなに速いものだとか、ドライバーから見ると姿が見える状況であるかどうかなどということをいろいろ考えてみますと、まだまだ実践的な面、体験的な面、あるいは従来の教材とか資料というようなものを洗い直していかなければいかぬ。それと同時に、地方自治体あるいは地域にそういう情報を提供していくようなシステムをつくっていかなければいかぬ。それは行政のレベルだけでなくて、教育のレベルで、あるいはまた民間のいろんな各種の団体に動いていただくような形にして、いろいろな情報、実践的に役に立つような情報を提供し、また草の根的にそういう運動が進むような洗い直しをしていかなきゃならぬ曲がり角に来ているんじゃないかと思っております。
 今申し上げましたのは、総論的になりますが、総合調整官庁といたしまして国の横のレベルで、また国のレベルの安全運動も百二十数団体の協賛を得ておりますのでそういう団体への働きかけ、また自治省等もございますが地方自治体、縦の線での広がり等々、御趣旨に沿ってさらに一人でも事故がなくなるようにということを努力してまいりたいと思います。
#76
○国務大臣(塩川正十郎君) 国民的運動としての交通安全運動を展開したらどうか、私も何か機会があればそういうことも考えてもいいんじゃないかと。今の春秋それぞれやっております交通安全週間という運動は、先ほども総務庁の人が言っていますように、マンネリ化してしまいまして、かえって交通停滞したりしてみんながいらいらしちゃって、交通安全週間が始まったから早う出ていかぬと間に合わぬ、そういう程度の認識ではいかぬ。それじゃ何かに焦点を絞ったらどうだろう。例えば、一週間絶対ノー力ーデーだ、マイカーをなくすんだ、許可車以外はいかぬのだ、そういう徹底したことをやらないと、それには人権だ、いや営業の自由だ何だかんだと憲法を盾にやられますと実際できないだろうが、そういうようなドラスチックなことをやって一回意識の喚起をするということが必要だろうと思います。これはなかなか大変なことだろうと思いますが、御提案があったということで考えさせていただきます。
#77
○政府委員(鈴木良一君) 安全運動に警察も参画をして懸命にやっておるわけでございますが、お話のありましたとおり、やっぱりマンネリ化しているなどいう感じを持っております。はっきり申しまして、私どもが安全運動をやっておりましても、あるいはいろいろ交通安全教育をやっておりましても、問題のない人は集まっていただける、また御理解もいただけるし、実践もしていただくという形なんでございますが、本当に問題の人をしっかりとらまえておるかというとそうでない。例えば先ほどからお話が出ているように、暴走族というような対象を本当は一番しっかり教えなきゃいかぬということになるわけでありますが、これがなかなか呼びかけてもそう参加してもらえるものでもないというようなことがあるわけでございます。
 私どもは、今申しましたように一番問題な若い者に対して、あるいは先ほどお話の出ておりますような高齢者に対して、そういう一番問題の対象の人たちに対してどうやって浸透させるかということについて、これからもっと掘り下げた安全運動の仕方、安全教育の仕方を工夫していかなければいかぬというのが実感でございます。
#78
○野別隆俊君 次に私は、信楽高原の鉄道事故に関連して運輸省に質問したいと思います。
 昨年の五月十四日でありますが、死者四十二名、さらに六百十四名に上る多数の負傷者を出すという鉄道事故ではまれに見る大惨事を引き起こしております。あれからもう十一カ月目を迎えようとしておりますが、家族の皆さんを初め第三セクターの転換鉄道で働く皆さん、そしてまた多くの国民の皆さんもこの事故原因の調査結果を大変に待ち望んでいるというのが現状だろうと私は思うのであります。事故後、直ちに運輸省は調査検討会を発足せられ、また警察庁も捜査本部を設置して、それぞれの立場で原因調査が行われてきたと思うのでありますが、今申し上げましたようにもう十一カ月になるのでありますが、国会にはまだ今のところ私どもは報告を聞いていません。
 この前、実は国会で問題になってからでございましたが、家族の皆さんには大阪で報告がなされたということは聞いているのであります。原因調査が長引いているわけでありますが、運輸省の事故調査状況も含めて、ここで報告ができるならばちょっとお聞かせを願いたい。
#79
○説明員(溝口正仁君) お答えいたします。
 運輸省といたしましては、今回の事故原因につきましては、事故直後の五月十七日、十八日に信楽高原鉄道それからJR西日本両社に対しまして保安監査を実施いたしました。その後も引き続き原因究明のための関係書類、記録の整理、分析、関係者の供述等により調査を行っております。
 調査の内容といたしましては、日ごろの運転関係従事員の教育訓練の状況、列車運行の指揮命令系統や業務分担、安全に対する職員の意識、施設、車両の保守状況等一般的な事項、それから事故当日の要員配置とその行動、さらには出発信号の現示、事故列車の出発までの処置、特に代用閉塞方式を施行した模様でございまして、その施行の際の手続きの実施状況、それから列車の出発時刻、運転状況、信号保安システムの状況等、事故発生に至る事項について現在まで実施しております。
 調査事項がこのように非常に多岐にわたり、さらには調査を進めるに当たって、事故列車の出発に至る経緯のうち最も重要な役割を果たした職員が死亡していることもございまして、事実関係を明らかにするため時間を要しておりますけれども、できるだけ早い時期に結論を出せるよう作業を進めておるところでございます。
#80
○野別隆俊君 この事故は、信楽駅の列車が赤信号のために発車ができなかった、十一分おくれたことがあの大事故につながったというふうに聞いているのであります。そのことについては今調査が進められているということでございますが、去る二十日でございましたか各新聞が取り上げておりましたのは、なぜ赤信号のままになっていたのか、このなぞが問題あり、こういうふうに言われているわけであります。この信号システムというのはJR西日本と信楽高原鉄道が別々に工事を発注したというふうに聞いているのでありますが、今回の事故発生につなかったのも、そういうふうに別々にやってきたためにそのことが一つの問題点になっているのではないか、こういうふうにも言われていますが、この点は後でお聞かせ願いたい。
 また、信楽駅の出発信号は、事故以前にも赤信号のまま変わらなかったということが報じられていますが、一体こういうことがあったのかどうか、これが二問。
 時間がありませんから、次に、この信号システムの工事は、さっき申し上げましたように、西日本と信楽鉄道が別々に発注したために図面などの交換もしていない、こういうふうに言われているわけでありまして、図面の交換がしてありませんから業者間のそういった打ち合わせなどは当然行われていない、図面が交換できませんから接続の工事、ここの食い違いがあってもここを気づかないままに工事が行われたのではないか、それが信号トラブルを引き起こしたというような見方もあるようでございます。これが最大の要因ではないかという見方もございますが、その辺の判断はどういうふうにとらえられているのかをお尋ねいたします。
#81
○説明員(山田隆二君) お答えいたします。
 三点御指摘があったかと思いますが、まず第二点目の、今回の五月十四日の事故以前に同様の信号のトラブルがあったのかという御指摘につきましては、信号のトラブルの内容は少し違うものも含まれておりますが、それ以前に三回ございます。
 それから、御指摘の第一点、第三点をまとめてお答えいたしたいと思いますが、今回の事故原因につきましては、事故後の保安監査やあるいは原因究明のための独自の調査も行っているところでございまして、現段階における調査結果によれば、異常時における運転取り扱いの点で不道切な部分があったと推測されておるわけでございます。また、今回の事故で、今御指摘にもありましたように、出発信号機が青にならなかったことなど、信号機が正常に作動しなかった疑いもある。そういうことから、学識経験者から成ります信号保安システムの調査検討会を設置いたしまして、そのシステムの作動状況等の調査検討を現地調査も含めまして行っております。
 一般的にでございますけれども、信号保安設備等の鉄道施設を変更する場合には、その施設の変更の認可申請あるいは届け出を鉄道事業者が私どもの方にしてまいりますが、そのときに私どもとしては普通鉄道構造規則という技術基準がございまして、それに適合しているかどうかということを審査いたします。それで認められたものにつきまして鉄道事業者が工事をしていくわけですが、その実施に際しては、さらに詳細な設計図面等を準備いたしまして施工業者に示すのが通例でございます。こういうことから、複数の鉄道事業者間にまたがる信号保安設備をそれぞれの鉄道事業者が別々に発注いたしましても、それがまた異なる施工業者が施工する場合でありましても、これらの設計図面等を踏まえて鉄道事業者がお互いに連絡をとっておりますので、一般的には問題はない、こういうふうに考えておるわけでございます。さらに、運転保安に重大な影響を及ぼす工事等につきましては、鉄道施設の検査を国または指定検査機関が実施いたしまして安全の確認も行っております。
 なお、今回の信楽高原鉄道とJR西日本の間での打ち合わせ、連絡等の詳細については、現在実施中の調査の中で究明していくこととしております。
 以上でございます。
#82
○野別隆俊君 時間がありませんので、まだ何点がお聞きをしたい点がございますが、信楽鉄道の問題の最後の締めをしていきたいと思います。
 いわゆる全国三十五の転換鉄道がございますが、ほとんどこれは過疎地でございまして、他の鉄道の営利事業というようなものとは違っておりまして、地域住民の切なる願いにこたえて経営が行われている、こういう会社でありますから、三十五の転換鉄道の中で二十八線は赤字経営で苦しんでいる実情でございます。厳しい経営を強いられているわけでありまして、職員の待遇等も三割四割も他の鉄道の職員に比べて低い状態に置かれている。しかし、そういう中で地域住民の要請にこたえて一生懸命頑張っているわけであります。
 今後も、かなり無理をしている部分もございまして、仮に事故が発生するとか、または災害に見舞われるということになりますと、熊本県でも災害にやられまして三年間不通になっていたんですが、場合によっては倒産が起こるわけでありまして、これは社会問題にもなるものでございます。これは、自治省としても地方活性化の観点から、これに関連する自治省のいろいろな事業にも積極的に地域に御協力を願い、地域が活性化すれば鉄道経営そのものも豊かになるわけでありまして、地域が非常に不況な状態にありますために苦しんでいますが、今後の運輸省のこういう鉄道に対する考え方、対策について最後にお聞かせ願いたいと思います。
 以上です。
#83
○説明員(千原伸夫君) お答えいたします。
 転換鉄道等の第三セクター鉄道のその前身でございます特定地方交通線は、鉄道として輸送特性が発揮できないということから、国鉄改革の「環といたしましてバス輸送に転換することが適当とされた路線でございます。特定地方交通線につきましては、開業時にキロ当たり三千万の転換交付金が交付されまして、これによりまして将来の欠損補てんのための基金を設置し得ることとなっております。それから、開業後は五年間に限り経常損失の二分の一を国が助成するということを大前提といたしまして、地元関係者の将来にわたる事業採算性等を考慮いたしまして、開業後におきます欠損補てんは地元公共団体が責任を持って行っていただくということを確約いただいた上で第三セクター鉄道の免許がなされたものでございます。私どもでこの基金の実態を調査したところでは、地元におきまして用意いただいた各第三セクター鉄道の経営の安定のための基金というのは、全体としては予想されます欠損は十分に補うだけのものが積まれているというふうに認識しております。
 こういった転換時の経緯あるいは基金の積み立て状況から見まして、五年経過後のものにつきましてやはり地元の支援措置によりましてその運営を維持していただくべきだというふうに考えておるわけでございます。
 ただ、運輸省といたしましても何らの対策も講じていないということではございませんで、四年度予算におきまして、こういった中小第三セクター鉄道の事故の再発の防止のために安全対策の充実というのが最重点課題だということでございまして、現行の中小民鉄に対します近代化補助制度がございますが、これにおきまして、特に経営が困難な鉄道事業者が行います安全対策工事につきまして補助制度の改善を盛り込んでございます。それから、第三セクター鉄道等の技術レベルの向上を図るために、専門家による職員の講習、それから現地におきます技術指導につきまして新しい補助制度を創設してございます。それから、第三セクター鉄道の経営の負担を軽減するために、固定資産税の課税標準の軽減について関係方面に要請いたしまして、これにつきましては課税標準を従来の二分の一から四分の一に軽減するという措置が講じられたところでございます。
#84
○野別隆俊君 時間が参りましたのでこれで終わりますが、ぜひひとつ交通安全対策、さらに今申し上げました信楽鉄道の対策等についても、これからできるだけ万全の体制をとっていただきますようにお願いを申し上げて、消防庁長官には後で質問することにしておりましたが、まことに申しわけありませんがきょうはこれで時間が参りましたからやめますので、お断つ申し上げて終わりたいと思います。ありがとうございました。
#85
○常松克安君 冒頭に、長官にお伺いいたします。
 今、国民にありましては暴対法、それにまさるとも劣らないと考えられる事故分析センター、この活動というのが一日も早く待たれる昨今である、この基本的な御見識をお伺いいたします。
#86
○政府委員(鈴木良一君) 大変ありがたいお言葉をいただきましてありがとうございます。
 警察にとりましては、やはり暴力団問題と現在のような交通事故の状況、これの防止というのは最重要課題だと考えております。おかげさまで先生方の御指導によりまして、さきに暴力団対策法を成立させていただきました。このたびの法改正で事故分析センターをお認めいただきますと、私どもにとりまして二つの大きな課題に対しまして手だてを与えていただくということになるわけでございまして、それをお認めいただきました段階では、この二つの最重要課題に対しまして全力を尽くして頑張ってまいりたい、かように考えております。
#87
○常松克安君 交通局長、今冒頭から長官にお願いいたしましたことは一つの意味があるんです。どうかひとつ、きょうの答弁は少々のスピード違反は許可しますので、答弁はすぱっとスピード化して、三十五分しかありませんので、よろしくお願いを冒頭から申し上げておきます。
 まず、これの財源についてお伺いいたします。
 これは、三省庁集まってのことであります。これについての寄附金は、どういうふうな計画でいらっしゃるのか。この問題は、大体二百億をもって足りると。ところが不況になりました。百億、そのうちの五十億は自工会、これも平成七年、こういうふうな気の長いようなことであります。この事業をやるについては大変にお金が要るわけであります。よって、建設省あるいは運輸省についても、これは格段の御尽力をされた。中でも自賠責特別会計、道路特別会計、JAF、トラック・バス業界、あるいは道路工事業界、これらについてもその範疇の寄附を求めていらっしゃるかどうか、お尋ねいたします。
#88
○政府委員(堀込徳年君) お答えいたします。
 交通事故総合分析センターにつきましては、午前中からいろいろ御審議をいただいているわけですが、官民一体となって交通事故を減らすために力を合わせていこうということで、先生御指摘のように、私ども運輸省として、自賠責関係からもお願いしてございますが、広く関係する業界にもお願いするということで、交通安全に関する団体といたしまして全日本トラック協会あるいは日本バス協会、こういった自動車運送事業者関係団体、それからユーザー団体止しての日本自動車連盟、いわゆるJAFでございます、それからさらには日本自動車整備振興会連合会あるいは日本自動車販売協会連合会、こういった運輸省の関係の交通安全を一緒にやっていこうという三十団体から総額約十億円を目標に現在分析センターを通じて御協力をお願いしているところでございます。
#89
○説明員(橋本鋼太郎君) 建設省といたしましても、交通事故を防止するために官民が一体となって協力してまいりたいと思っております。このため今回のセンターの設立に際しましても、この分析センターの設立の趣旨にかんがみまして建設省といたしましても、防護さくとかあるいは標識、こういう交通安全施設の関係の団体、あるいは道路そのものを建設しております道路建設に関係する団体、例えば日本道路建設業協会、あるいは交通安金に関係するいろいろな団体について幅広く参加を呼びかけているところでございますので、今後ともそういう団体に御協力を引き続きお願いしてまいりたいと考えております。
#90
○常松克安君 目標金額。
#91
○説明員(橋本鋼太郎君) 出資といたしまして、おおむね十億円ということを考えて現在進めておるところでございます。
#92
○常松克安君 今度は警察庁になるわけでありますが、大体百億を目標にして、十億、十億、五十億で七十億、あと三十億足らぬのですが、よろしいでしょうか。
#93
○政府委員(関根謙一君) 私どもといたしましても、建設省、運輸省と一体となりまして、交通安全に御理解をいただくいろいろな業界に残りの額の寄附を仰ぎたいということで努力をしているところでございます。
#94
○常松克安君 お金のことを小ざかしく申し上げているのじゃなく、あくまでこれは国家的な国民の合意ということであれば、暴対法のときも申し上げましたけれども、寄附金をもって事を進めると、寄附を出されたところのデータが公表できないとか、ひもつきになってしまわないか、こういうふうな懸念で細部についてお尋ねをいたしたわけでございます。こういう大事業は国民挙げてのことでありますから、一千億程度政府が担当してやって当然のものであります、事業として。これを、財団をつくってそういうふうなところから寄附を受ける。後ほどまたこれは運輸省、建設省に対してデータについてお伺いいたしますけれども、ドイツの方向を見ましても、これは連邦政府の直轄であります。政府が全部賄っているわけであります。それより以上のことを委託したハノーバー医科大学については、政府からまたその金額に見合うものを全部出しているわけです。ところが、日本のは逆であります。
 こういうふうなことで果たしてこの目的というものが達せられるのであろうかという疑念を持つわけでありますから、ひとつこの意見というものがあったことを深く留意しておいていただきたい。
 次には、目的について申し上げますけれども、交通事故の防止と交通事故による被害の軽減、こう書いてありますけれども、この被害というのは人の命は入っておらぬのですか。
#95
○政府委員(関根謙一君) 御提案申し上げております法律案の第百八条の十三の規定についてのお尋ねかと存じます。
 この民法の法人は、「交通事故の防止及び交通事故による被害の軽減に資するための調査研究等を行うことにより道路における交通の安全と円滑に寄与することを目的として設立」されるものでございます。この「被害の軽減」の中には、当然のことながら人の命は最もとうといものとして想定されております。
#96
○常松克安君 人命尊重の規範なくして行政の根本は成り立たないわけでありますから、当然、今おっしゃいましたように、人命尊重の上からいっても人の今、交通事故における死者、こういうふうなことでありますが、午前中がら上野先生の御指摘になったお話、鋭くつかれる質問を聞いておりまして、果たしてそれがこの中にあるんだろうかと深く考えさせていただきました。
 物事の中途半端は、忌み嫌われる第一であります。中途半端で、事半煮えのままで効果を出せといって出せるものじゃないわけであります。そうして考えますと、例えて申しますと、調査項目は、ドイツは二千項目、日本は五百項目である。これは、スタートの段階であるからこれからいろいろふやすとしても、譲るとしても、どうしても譲ることのでき得ないのは、ドイツの一チームは、医者が一名、心理学者が一名、技術者が二名であります。これによって二十四時間体制で事故現場へ行くわけであります。そして、その事故原因を尋ねる。
 少なくとも国民から見せていただきますなら、あちらで自動車がこちらでトラックが、しかしやはり心引かれますのはその中において人が助かったか亡くなってしまったか、やはり注意はそこに集中しているわけであります。そういうふうなことを考えて、ドイツ連邦にありましてはその目的のところにはっきりと、被害軽減救助、救急医療ということを設けておるわけです。ところが、この法文にはどこからどうひっくり返してみたってさようなものはない。
 もう一遍引き下がります。一チームの中に医者が何名いらっしやるんでしょうか。
#97
○政府委員(関根謙一君) 調査を行うチームといたしまして西ドイツのハノーバー医科大学で行っているチームでは、先生御指摘のように医学生が入っていると承っております。しかしながら、この種の交通事故の原因を科学的、多角的に分析するというところは他にもいろいろあるやに承っておりまして、必ずしもハノーバー医科大学方式のみであるとは承っておりません。
 ところで、今回の私どもの交通事故総合分析センターの事業の目的は、何よりも交通事故の原因の調査と分析が主でございまして、その原因調査のチームの構成として調査事務所を二カ所設け、その二カ所の中で一カ所十名、二個班という体制で事業を進めるという考えでございます。
#98
○常松克安君 よく認識した上で申し上げているつもりでおりますので。
 私の心配をなすところは、勝田市に中央研修所ができ上がりました。看板にもパンフレットの中にも、救急医療をきちっと教えます、こういうふうになっております。現場は何もありません。それを尋ねますと、努力目標だとおっしゃった。努力目標で一番大事なのは人命じゃないかと言いました。そうしましたらお答えは、あれをつくるときの法令はここにございます。その法令には、さようなものをやるということはございません。ですから、それを現場でやるとなると法律違反ですからできませんとおっしゃった。
 私の心配いたしておりますのは、被害という中にはその概念があるんでしょうねと。ちゃんと、人命というものが一番とうといものでございます、こうおっしゃった。とするならば、法の上においてそういうふうなもののきちっと明確なものがなければ、これがここで、委員会で採決が行われた後、それを尋ねても、本法には救急医療の字句はございません、ですからさようなものはやりません、こういうふうにやられたら、何のためのこの分析センターか。せっかく汗みどろになって二年も三年もおかけになって政策立案してここまでたどり着かれた。そうしたならば、その効果を上げなければならぬ、あるいは効果を問われる、国民も待っている、そういうときに、今回こういうふうなものの中において、もしもないとするならば、これは非常に心残りがする、非常に中途半端だ、こういうふうに議論をしていかなければならなくなるわけでございます。
 ただし、救われるところは、そちらからいただきましたこのぺーパーの中に、ありがたいことには、ああ、ここでそういうふうにちゃんとお考えになっていただいておるんだなと。どういうふうに。第四番目に「業務の受託又は委託」、こうなっている。この委託のときに、午前中も答弁あそばしました。どういうふうに。そういうことが大事だとは今わかる、」しかし第一義は事故の分析です。そのことの関連をちゃんと認めております。まずこれをやらせてください。そして、それをどうしても諸団体、皆さんが声を大にして求められるならば受け入れます、やってもいいです。やってもいいですがら、そういうふうな部門については大学の医学部に委託をして、そしてこの財団がペースを進めるうちにおいて途中でそういうことも考えておりますと。こういうふうに私は善意に理解をしているんですが、これで間違いございませんか。
#99
○政府委員(関根謙一君) 交通事故総合分析センターがその目的を達成するために事業を行うわけでございますが、その目的を達成するための事業活動として必要なことは一切行うこととしたい、このように考えます。
#100
○常松克安君 それで一安心いたしました。やっとこれで少し先が見えてまいりました。しかしそのときに、もう最初のスタートのときに、例えばこの評議員の中の五十名以内と書いてある学識経験者、この中には医学部の教授がちゃんと入っておるんでしょうかどうでしょうか。
#101
○政府委員(関根謙一君) 評議員としては、交通工学関係の先生の御参加のみかと存じます。しかしながら、調査研究委員会というものが事故分析業務、研究業務についてのブレーン的な役割を果たす機関でございます。ここら辺であるいは御参加願うことを検討してみたいと存じます。
#102
○常松克安君 入っているんじゃなくて、これから検討するということでしょうか。入っていると聞いたな。
#103
○政府委員(関根謙一君) 調査研究委員会は、実はまだ研究業務に入っておりませんので、完全にでき上がっているものではございません。積極的に……
#104
○常松克安君 ちょっと後ろに聞いてください。後ろからもらった資料にちゃんと書いてある。はっきりしてよ。
#105
○政府委員(関根謙一君) まだできておりませんが、これからつくる段階でいろいろな分野の方々、総合センターの目的を達成するために行う業務に必要な知識をお持ちの先生方に御参画を願うという考えでございます。
#106
○常松克安君 じゃもう一度、ここは大事なところですから確認させてください。被害というのは人命だ、こうはっきりおっしゃいました。そして、その業務の目的の中に委託という字も入っております。人命のとうとさを認められて、それらを運営していくのにこの研究委員会が設けられる。としたならば、これは検討じゃなく、必ず入るという考えなんですか。もしかすると、自動車工学は入る、心理学老は入るけれども、医療関係は一名たりとも入れませんぞというお考えか、そこのところをはっきりしてください。
#107
○政府委員(関根謙一君) 当然に入るとの考えでございます。
#108
○常松克安君 例えて言いますと、その中で一つ、これからの検討かもしれませんが、一応今立案されましたのは、ドイツにおけるところの総合研究所なるものをもって研究され、それ以外の諸外国のものも参考にして立案されたものである。ですから、非常にドイツ形態というものの示唆が多く入っている。としますと、そういう学者の先生方に対して、ドイツでは既に救急医療というものを業務の目的にはっきり持っております。そして、どのようにしてこの人が死なねばならなかったか、この重症はどのようにして助かったか、九十二項目一件一件について全部データを集めて救命率を八四%に上げた、この行政効果が報告されております。こういうふうなところに至って研究委員会の項目の中へ入れていただけるのでしょうかどうでしょうか。
#109
○政府委員(関根謙一君) ドイツの事故分析の例を参考として調査項目を決めるようにぎせていただきたいと存じます。
#110
○常松克安君 じゃ、中に入れるということの判断で理解をさせていただきたいと存じます。
 そこにおきまして、先ほど少しこの辺のところは誤解があるんじゃないかと思いますから、ハノーバー医科大学に委託をしたものは、一チームが医者一名、そして心理学者一名、技術者二名、こういうふうにそちらは答弁されました。こちらの認識といたしましては、研究所においてもそういうふうな編成をして二十四時間体制で交通事故撲滅にかかわっている、このように理解しておるのですけれども、私の理解が誤りでしょうか。
#111
○政府委員(関根謙一君) 私どもは、ハノーバー医科大学の方のチームとしてはそのようなものと理解しておりますが、あるいは誤りかもしれませんので、よく調べて後ほど御報告申し上げます。
#112
○常松克安君 じゃ、今度は逆に言います。運輸省にお尋ねします。
 急なことで恐縮ですけれども、今そちらの答弁の中にありましたけれども、乗車中の死亡が四〇%を占める。そのときに、例えば業者をきちっと指定して、ベンツという会社は、自分のところの車が高速道路において事故を起こしたならば、政府や民間団体の依頼を受けるとすぐ飛んでいくわけです。そうして、その事故分析、人の命に関するようなものを全部対応しているわけです。逆な言い方をすると、国民の皆さんに、それほど安心であり、企業の社会貢献もこうしておりますよと。車と人との社会というものを何とかして、危険な陰気なことばかりでなく、楽しく明るくたくましくという面を突き通していきたい、ここまでしておるんですけれども、業者に対してこういう指導をするお考えはございませんか。
#113
○政府委員(堀込徳年君) お答えいたします。
 ベンツのようなやり方は、例えばスウェーデンのボルボ社、それからGMなどもやっていますし、日本でも、企業名を言うとなんでございますが、幾つかのメーカーはやはり自社の車に対しての原因追求というのは厳しくやっています。ということは、商品のイメージというものがダウンしないようにということで懸命に追求しているわけでございます。このたびの自工会からの寄附金の拠出なども、各社ともそういうデータも得られるということから前向きに協力していただいているところでございます。
#114
○常松克安君 そういう質問をしたということで、これからの質問に入るわけです。
 運輸省といたしましては、今まで自動車研究所というものに補助を出され、車の構造、それらの問題のいろんな研究をなさっています。そういうふうな中において車の構造の安全、いろいろ研さんされました。こういうデータというものをどのように分析していらっしゃいますか。
#115
○政府委員(堀込徳年君) 私どもは、四十八年から車の構造に関して事故調査をやっておりまして、このやり方はハノーバーと似たようなことで、あるいは先だったんじゃないかというようなことで自負しているわけでございます。正直言って、私どもの職員が二十四時間、警察庁にお願いしまして一一〇番が入るのを待って行くということで大変な苦労をしたわけでございますが、結局、それが我々の行政では手に負えないということで、午前中も出ました日本自動車研究所というようなところに委託しているわけでございまして、そのデータというものは車の構造上の面の、いろんな意味で過去にもかなり役立ってきておりますし、現在も規制のために活用されているところでございます。
#116
○常松克安君 国民の皆さんは不理解なところがございまして、そのデータというものは一体時速何キロでやっておるんだろう、四十キロでやっておるじゃないか。我々、高速を走るのは百キロだよ、法律で認められているのは六十キロだよと。それを四十キロでやってそのデータがまことしやかに言われる、これが国の行政の研究が、こういうふうな一部の不理解もございます。
 私は、そこを今論じているのではなくして、そういう過去のデータというものを事故分析センターのところへ全部拠出されますか。
#117
○政府委員(堀込徳年君) 事故のデータ、例えばタイヤのスリップ痕からこれは何キロでぶつかったとか、ぶつかった被害ダメージ、つぶれぐあいからこれは何キロだというようなこと、いろんなデータを私ども持っています。こういうデータは、今後の分析センターのいろんな分析の中で御提供申し上げないとうまくリンクしないんじゃないかということでございますので、当然必要に応じてといいますか、支援するために出していくつもりでございます。
#118
○常松克安君 事故分析センターとしては、運輸省のみならず各省庁にわたって事故分析のために必要とされるようなものは協力願って全部そこで集約されるんでしょうか。
#119
○政府委員(関根謙一君) 研究機関相互間の協力関係あるいは行政機関相互間の協力関係等を通じまして、できるだけその総合分析センターの目的を達成することができるように資料を集約したい、このように考えております。
#120
○常松克安君 建設省にお尋ねいたします。
 高速道路上におけるいろいろな研究をなされ、データを持っていらっしゃるわけでありますけれども、一部は公開、一部は非公開となっております。この非公開の部分のデータは何を指すんでしょうか。
#121
○説明員(橋本鋼太郎君) 今の御質問でございますが、具体的にどれが一部非公開になっているかちょっと承知しておりませんが、多分一般の例といたしましては、具体の事故の調査をした結果、個人的な関係のデータが入っているというようなことでそうなっているんではないかと推測しております。
#122
○常松克安君 こういうお話を聞いておりますのは、結局また局長の方へお願いするわけですけれども、データの公表、一般の方でも交通事故に非常に知識の深い方、学者、交通評論家、いろいろいらっしゃいますが、そういう方々が何かパネルディスカッションしてこうあるべきだと言ったときに、ただ一個人としてでもこういう件に対してのデータの公開を求めたときに、それに対応されるんだろうか。
 そこで一つひっかかりますのは、建設省、運輸省にいたしましても出せないものがあるわけです。その出せないものというよりも、建設省がオーケーしないのに当方だけでは出せません。うちは、国の補助金もろうてますから研究はしております、データもあります、しかし運輸省の親方さんの方から許可がなきゃ出せませんと。守秘義務、あるいは言葉をかえて個人のプライバシー、こういうようなことで、非常に情報公開へのこだわりが多々これから出てくるんじゃなかろうか。せっかく事故を分析し、今後それに寄与して行政面で生かしていこうとしても、だめだと。なぜだめか。そこの財団というのに警察庁が行かれ、建設省、運輸省のOBが行かれてしまったら、なおのところそこでカットされるんじゃなかろうか、こういうような危惧があったら、一体何のための、だれのデータなんだろうか、こうなってくるわけなんです。
 そこで、お教え願いたいんです。そのプライバシーに関するものというのは、一体何のデータのことをおっしゃるんだろうか、あるいは守秘義務というのは何だろうか、この辺のところを一、二例で結構ですから具体的にお教えください。
#123
○政府委員(関根謙一君) 調査項目等には、例えばその事故を起こした方の前日の行動でありますとか、隣にだれが乗っていたとか、どこに行くためであったとか、身体的特徴としてどういうものであるとが、いろいろなものが入ってまいります。そのような事柄はいわばプライバシーに属することだと思います。それから、犯罪捜査の一環として証拠として持っているようなものについて調査をさせていただくようなこともあろうかと存じます。そのような場合も、これはプライバシーではないかもしれませんが、秘密に属する事項ということで公にすることについては差し支えがある事柄だというように考えます。
#124
○常松克安君 過日、交通工学の大学教授さんがこうおっしゃいました。例えば、自動車工場においてボルト一本、これが中へ踏み込めばいいけれども、外へ出ておる。最近の交通事故で前面衝突した場合はこれがネックになって複雑骨折の原因に多々なる、こういうような指摘があるわけです。これが分析センターでいろいろ検討されるわけですが、そういう人命に関するようなことになってしまった場合の公開ということはやはり無理なんでしょうか。
#125
○政府委員(関根謙一君) 具体的事例に即して考えてみませんと公平な判断ということにはならないかと存じますが、一般的、抽象的に申し上げますと、調査、分析が学問の成果として示されたもの、そのようなものは客観的なものでございますから当然公表して差し支えないものではないかと考えます。
#126
○常松克安君 これは聞きとめておいてください、総務庁がこういうふうに勧告しておるものですから。
 「@当該各省庁の枠をこえた総合的な観点からの調査分析は行われていない、A交通工学、医学、心理学等の多方面の専門家の活用は不十分である、B専門家が直接事故現場に立入った調査分析は行われていない」、これが総務庁から出た勧告なのでございます。これはもう当然今までそれがために御苦労なさって今回三省庁で一本化して、そういうことがあってはならぬからやろう、こういうふうになってきた。こういうふうに認識しておるわけでありますから、そのデータの公開についてはどうか政令、いろいろな計らいのときに検討を十分にしていただきまして、また当委員会にも御報告いただければ幸いかと存じます。
 最後につきましては、今度はもう一段立場を変えますけれども、教習所の問題でございます。
 教習所の中で最近、早い方がいい、安い方がいい、便利なのがいい、免許取る方はそういうような感覚は常に持つものであります。そうするとどうなるかというと、教習所で大体原則論で一日二時間の実習を、うちは四時間も六時間も八時間もできますよ、お客さんどうぞいらっしゃい。その実習が時間的にうまくかみ込むならいいですが、しかしある一面からは、最近何でも実習さえよければ、点数がよければ通ってしまう。これを承知して警察庁の方もこれからカリキュラムの見直しというふうなお考え、非常に適切な結論であろうと思います。
 しかし、教える側の自動車教習所についてでありますけれども、今回の法改正で自動車教習所の法的位置づけが明確になりました。交通事故抑止のために初心者運転教育の充実を官民一体となり図らねばならないことは言うまでもございません。自動車教習所について、指定教習所と指定外教習所ともに営業ベースや簡便さではなく交通事故防止を追求するよう適切に警察庁としても指導助言していく必要があるんではなかろうか。お伺いしますと、片方は協会に入っている、片方は協会に入っていない、こういうことがばらばらで、警察庁としてもこれからきちっと事故防止のために努めようとしてもなかなかその受け皿というものの複雑性もこれありとも聞いております。協会一本化という努力も業界にしていただくとした上で、あくまで交通事故防止という立場においてこれからの指導助言というものを考えていただけないものか、こういうふうに思うんですが、いかがでしょうか。
#127
○政府委員(関根謙一君) 先生御指摘のように、自動車教習所には指定自動車教習所と指定外の自動車教習所と二種類ございます。今回お願いをしております法律案、もしこれを法律としていただきました場合には、そのいずれに対しても公平に公安委員会の方で指導助言、その他の役務の提供を行うこととしております。いずれも教習の水準を高めることによって事故防止に資したいという観点からでございます。
 そこで、指定自動車教習所につきましては一つの団体がございますが、指定外につきましてはやはり団体がございますが、そこに加盟しない方々もおられます。いろいろの役務の提供をする場合あるいは御要望を承る場合に、団体に加盟していただいて、団体を通じて意思統一といいますか、共通の意見を御提供いただき、私どもの方としても共通に公平にサービスを提供できることが最も望ましいわけでございますので、できるだけその団体に御加盟いただくようにお願いをしたいという希望は私どもも持っております。
#128
○常松克安君 もう一度最終的に大臣に。
 今分析センターの経過を全部聞かせていただきましたが、いろんな諸条件があったわけです。存じておるんです、厚生省、消防庁が参加でき得なかったというこの辺のところ。しかし、被害ということは、人命尊重の上においては救急医療といいますか被害者を救っていくといいますか、これを重大視していただきまして、この範囲をこれからまた拡大してでもその問題を中に入れていく、こういう考えで大臣の最後のまとめの答弁をお願いしたいと思います。
#129
○国務大臣(塩川正十郎君) 私も、この分析センターの今後の業務等につきましてどのように運営するかということは、隣の警察庁長官も、よく相談をしながらやっていこうと思っています、こう言っていますので、そういうときに御趣旨の点はよく生かすようにお話ししておきます。
#130
○諫山博君 交通事故調査分析センターについて御質問します。
 全国で一つだけ指定すると規定されておりますけれども、これは既に設立されている財団法人交通事故総合分析センターを予定しているのでしょうか。
#131
○政府委員(関根謙一君) 先生御指摘のとおり、現在設立されております財団法人交通事故総合分析センターを、もし法律を通していただきましたならばこの法律上の交通事故調査分析センターとして指定することを予定しております。
#132
○諫山博君 警察の文書で、交通事故の構成三要素という言葉が使われています。運転者、道路環境、車両、この三つの側面から交通事故がなぜ発生するのかということを調査研究することになると思います。ただ、はっきりしておかなければならないのは、交通事故の原因というのは技術的に解明すれば済むという問題ではないということです。
 例えば、運転者の責任、とかく居眠り運転だったのではないかとか不注意だったのではないかとか運転手個人の問題が取り上げられますけれども、運転手が事故を起こす背後に長時間労働がある、過積載の問題がある、こういう点を無視するわけにはいかないわけです。道路環境についても同様です。道路環境と大型トラックあるいはトレーラーとの利害関係というのは非常に深いものがあります。車両の欠陥が道路交通事故の原因であったかどうかという問題を考えましても、これは技術だけでは解決できません。明らかに技術的なミスがあっても、社会的な要因でこれが隠ぺいされるということは大いにあり得ることです。
 そこで、私が心配なのは、分析センターの人的な構成です。これを見ると、理事長は前人事院総裁、専務理事は前警察大学校長、そして七名の非常勤理事の大半というのは業界代表です。例えば、自動車メーカーとか損保協会とか自動車連盟とか、とにかく業界代表が中心的な役員に座っている。これでは業界寄りの原因調査にならないだろうかということが心配です。
 もう一つは財政の問題です。センターの財政は、基本財産で多数の団体に協力を要請するとなっております。恐らく資金の協力をするのは業者団体ではなかろうかと思います。業者団体あるいは業者が交通事故の責任を負わなければならないかもわからないというときに、業者代表から莫大な資金援助をもらっている、これで公正な交通事故の原因が追求できるだろうかということです。収入の問題を調べてみましても、寄附金が中心になっております。恐らく寄附をしてくれるのは自動車のメーカーとか、あるいは販売会社とか損保会社とか、そういうところが寄附をして分析センターの基本的な財政を分担することになると思います。つまり、人的な面から見ても金銭的な面から見ても、これは業者主導の調査機関にならないが。
 私は、この弊害を避けるためには、例えば役員の中に運転者の代表者、なかなか選定が難しいと思いますけれども、労働組合が組織されておりますから、労働組合の中から運転者の代表を選ぶ、あるいはさまざまな民間の調査研究機関ができておりますが、これはほとんど業者団体と関係がありませんから、こういうところから役員を選ぶということでなければ、せっかく分析センターをつくっても、警察の天下り先になってみたり、あるいは業界寄りの研究調査であったら余り効果が上がらないだろう、これが一番の心配です。どうでしょうか。
#133
○政府委員(関根謙一君) 先生御指摘のように、今回設立いたしました財団法人交通事故総合分析センターは官民挙げての組織ということで、基本財産は民間から仰ぐというように考えております。また、役員の構成は先生御指摘のような構成でございます。しかしながら、これは研究機関という性格の色濃い法人でございますから、いわばその行う事業は学問的な分析が中心でございます。そこに偏りがあろうはずがないと確信をしております。ただ、その分析の成果をどのように利用するかということで、公平性を疑われるおそれなしとしないと考えまして、その点は監督官庁でございます建設省、運輸省、私どもともども、そのような疑いを持たれることのないように、分析の成果が広く一般の方々に利用できるよう努力をしてまいりたいと存じます。
 ただ、そうではございますが、先生おっしゃられました労働組合の関係の方の参加も考えたらどうかとの御提言でございます。私どももそのように考えますので、何らかの形で検討してみたい、このように存じます。
#134
○諫山博君 労働組合の代表を検討していただくのは非常に結構です。私は質問してよかったと思います。
 もう一つは、民間のいろんな研究団体の代表を入れられないかということです。この人たちは本当にまじめに交通事故を絶滅したいというその熱意で頑張っておられるわけです。ですから、労働組合の代表を入れていただく、これはもうぜひ実現していただきたいけれども、民間のさまざまな研究機関の代表はどうですか。
#135
○政府委員(関根謙一君) 既に何人かの方に御参加いただくように考えておりますが、先生の御指摘もございますので、さらにその方向でどういう形でどういう立場で御参加いただけるか、検討してみたいと存じます。
#136
○諫山博君 なぜ私がこういう問題を提起したかというと、交通事故の原因というのは技術だけでは解決しない。やはり科学にも階級性があるわけですよ、その証拠には裁判所で技術的な鑑定がしばしば対立いたしますから。その点からいくと、やはりどうも気になるんですよ、業者代表がずらりと出てくる、専務理事は警察官の先輩方だ。そうすると、やはり交通事故の背景にある例えば長時間労働の問題とか、あるいは十ラックの過積載の問題とか、こういう問題が交通事故の本当の原因から抜けてしまうんじゃないかということを大変心配するんです。この点、長官いかがですか。
#137
○政府委員(鈴木良一君) 過積載の問題あるいは長時間労働の問題も、警察としても大変な関心を持っておるわけでございまして、やはり交通事故を分析するときにそういう背景は十分頭に置いてやらなければいかぬ、こういうふうに考えております。
#138
○諫山博君 労働省に質問します。
 貨物運送業の長時間労働というのは、これは驚くべきものです。日本の労働者が働き過ぎたというのは今は世界で有名になりましたけれども、その中でも十ラック労働者の長時間労働というのは恐るべきものです。私は、労働省から資料をいただきました。一年間に何時間ぐらい働いているのか。昭和五十五年では二千四百十八時間、昭和六十年は二千五百六十八時間、平成二年では二千五百三十八時間、平成三年では二千四百四十一時間。しかも、特徴的なのは、この長時間残業が余り減少していないことです。
 これは他の業種の労働者に比べたら、どういう水準になりますか。
#139
○説明員(朝原幸久君) お答え申し上げます。
 全産業の計で申し上げますと、先生御指摘の平成三年の道路貨物運送業が二千四百四十一時間でございましたが、全産業計では二千十六時間ということでございますから、四百時間以上長いということになろうかと思います。
#140
○諫山博君 タクシー労働者はどうなりますか。
#141
○説明員(朝原幸久君) 道路旅客運送業でございますが、平成三年で二千三百十二時間でございます。ですから、一般に比べますと三百時間ほど長いということになろうかと思います。
#142
○諫山博君 この委員会は道路交通法を議論する場ですけれども、交通事故をなくするためには、トラック労働者、タクシー労働者の長時間残業を解消することが重要な一つのかなめです。トラックに乗って長距離運送をしている人に私はしばしば会います。半ば居眠りしながら運転している人が非常に多いそうです。よく事故が起きないものだなと思いますけれども、それが実情だそうですよ。
 タクシー労働者、トラック労働者の長時間労働の実態はわかりましたけれども、どうすればこれが是正されると労働省は思っておりますか。
#143
○説明員(朝原幸久君) 基本的には最低基準であります労働基準法に基づきましての規制ということでございます。しかしながら、それだけではなかなか長時間労働が解消しないということもございまして、労働省におきましては、昭和六十三年の中央労働基準審議会からの報告に基づきまして、平成元年二月に自動車運転者の労働時間等の改善のための基準というものを告示いたしまして、これに基づきまして、労働基準法よりもさらに一層強く、トラックの運転者の特殊性等も勘案しまして、拘束時間規制等を行っているところでございます。
#144
○諫山博君 この改善基準の中には、労働基準法を守りなさいという労働基準法の水準が記入されている部分があるし、さらに労働基準法を上回る基準が示されている部分もあると聞きました。これの実施状況を労働省は検査されたようですけれども、調査した結果はどうなりましたか。
#145
○説明員(朝原幸久君) 平成二年におきます労働基準監督機関が行いました道路貨物運送業を含みます自動車運転者を使用します事業所に対して行いました監督指導結果というのを見ますと、監督実施事業所が四千九百二十八事業所でございまして、改善基準告示違反事業所が二千四百五十九事業所ということでございまして、半分程度改善基準に違反しておるという状況でございます。
#146
○諫山博君 調査して約半分が基準に達しなかったというのは、これは労働省から見たら予想した結果ですか、意外な結果ですか。
#147
○説明員(朝原幸久君) 我々といたしましては、この改善基準ができるだけ守られるようにということで指導しておるわけでございまして、この数字ができるだけ少なくなるように改善基準に基づきましてさらに一層指導を強化してまいりたいというふうに考えております。
#148
○諫山博君 約半数が改善基準に達していなかった。その中には労働基準法違反もあったはずです。こういう基準未達成に対してどのように是正措置を講ぜられましたか。
#149
○説明員(朝原幸久君) まず、この改善基準違反ということにつきましては是正勧告という手法がございまして、これは行政指導の一環でございますが、それを行ったわけでございます。
 それとともに、労働基準法違反の事業所というのもございまして、これは道路貨物運送業、道路旅客運送業合わせまして、これも平成二年の数字でございますが、全部で六千百八十四事業所を監督いたしまして、いわゆる労働基準法違反というのが四千三百十一ということですから、約七割が法違反事業所ということになります。この中でやはり労働時間関係の問題が多くて、二千六百八十三というのが労働時間関係の違反でございます。これは労働基準法違反でございます。
#150
○諫山博君 是正勧告には恐らく法的な強制力はなかろうと思いますけれども、この勧告は遵守されましたか。
#151
○説明員(朝原幸久君) 先ほど申し上げましたように、改善基準違反というのが五〇%ぐらいあります。これにつきましては是正勧告という形の行政指導を行っております。それとともに、労働基準法違反というのが四千三百十一ほどありましたが、これにつきましては必要に応じ罰則も含めまして適用していく、ただそれが軽いものにつきましては是正勧告等もありますが、最終的にはそういう刑罰を含めまして対応しているところでございます。
#152
○諫山博君 是正勧告が出た、これは確かに一つの力だと思います。問題はその是正勧告が履行されたかどうかです。確認しておりますか。
#153
○説明員(朝原幸久君) 是正勧告を行った場合でございますが、通常はその是正状況について報告を求めているところでございますが、非常にそれが守られていないというような場合には再度臨検監督を実施する等、是正の強化をしながら是正するように努力しておるところでございます。
#154
○諫山博君 やはり、労働基準監督署が是正勧告をする、それが握りつぶされたのでは全然権威がありませんから、これは必ず実現するという立場で追跡していただきたいと思います。
 さらに、その中の労働基準法違反です。これはほとんどすべて使用者に対する罰則が伴うのではないでしょうか。
#155
○説明員(朝原幸久君) おっしゃるとおりでございます。
#156
○諫山博君 そこまで追及しましたか。
#157
○説明員(朝原幸久君) この労働基準法違反でございますが、これについて軽いものにつきましては先ほど申しましたように是正勧告等ということになりますけれども、万が一是正が見られない場合等があるわけでございます。そういう場合におきましては、当然悪質と判断されるというものにつきまして司法処分に処するということも含みまして厳格に対処していくということにしております。
#158
○諫山博君 私は、このたびの質問を準備するに当たりまして労働組合の方々といろいろ話し合いました。この改善基準に大きな期待をかけているわけです。このとおり実行されていけば我々の要求というのは相当認められることになるのではないかという期待があるわけです。ところが、何となく是正勧告に法的拘束力があるとかないとか、そういう議論がいろいろ労働省からもされるようですけれども、私はせっかくこれだけのことをされたんだから、刑事罰を伴うものであれ伴わないものであれ、やはりこれは実現できるようにぜひ最後まで追跡してもらいたいということを要望いたします。どうですか。
#159
○説明員(朝原幸久君) 先生のお話のように、この是正につきましては厳正にやってまいりたいというふうに思っております。
#160
○諫山博君 それからもう一つ、それに関連しまして時間外労働の上限を指導するということはしておられませんか。これは民間では一般にやられているでしょう、残業の上限というのは大体どのくらいが望ましいんだと。念のために言いますと、運輸一般という労働組合は上限を月三十時間、年間百五十時間以内に抑えてもらいたい、年休を最低二十日は欲しい、こういう要求が提起され、これは労働省も御存じだと思います。せっかくこういう指導をされるなら、やはり上限を決めたらどうかということです。
#161
○説明員(朝原幸久君) 一般に残業につきましては目安労働時間というものを定めまして、例えばこれは月五十時間あるいは年四百五十時間というようなことで指導しておりますが、自動車運送業等につきましては非常にその時間が長いものですから、これも含めまして目安基準を定めますとその一番長い労働時間がさらに長くなるというようなこともございまして、これについては道路運送関係については適用を除外しておるところでございます。
 ただ、先生おっしゃいますように、なるべく残業につきましても短くしてもらうようなことで労使で話し合っていただければというふうには考えておるところでございます。
#162
○諫山博君 警察に質問します。
 交通達反の中で過積載というのがあります。これの違反件数なり取り締まり状況はどうなっていますか。
#163
○政府委員(関根謙一君) 過積載の件数は、平成三年の取り締まり状況で申し上げますと七万七千件余りを検挙しております。
#164
○諫山博君 これは恐らく認知した違反事件でしょうね。その中で、処罰までいったのが何件ぐらいありますか。
#165
○政府委員(関根謙一君) ただいま申し上げましたのは取り締まり件数でございますので、すべて処罰の対象となっていると理解しております。
#166
○諫山博君 私は、過積載のことを少し細かく質問したいと思うんですけれども、過積載で相当違反件数があったようですけれども、どういう内容の過積載が多いですか。
#167
○政府委員(関根謙一君) 今手元に確たる根拠を持って御答弁申し上げているわけではございません。私の印象でございますが、砂利の関係ではないかなという印象でございます。
#168
○諫山博君 要するに積み過ぎです、規定された重量以上の品物を積んだということでしょう。
 処罰されているのはどういう人たちですか。これは、運転者、運行管理者、使用者、あるいは荷主とかいろいろあり得ると思いますけれども、過積載でどういう人が処罰されていますか。
#169
○政府委員(関根謙一君) 基本的には運転者はすべてでございますが、過積載の場合には、道路交通法の七十五条の規定によりまして、その運転者を使用する者に、もしその運転者に対して過積載をすることを命令したり、あるいはその運転者が過積載をすることを容認したりした場合には、その使用者をも処罰するという規定がございます。これに該当する件数が平成三年で千三百五十一件ございます。
#170
○諫山博君 労働者の話を聞きますと、自分は規定以上の重さの品物を運びたくないけれども、雇われている以上しょうがないんだ、これを断ったら首になってしまう。使用者との関係を改めてもらわないと、運転手から見れば過積載はなくならないと言うんです。ところが、使用者側の話を聞きますと、過積載なんかやりたくないけれども、荷主さんから強要されると断るわけにはいかぬ、この品物をいつまでにどこそこに運んでくれと言われたら、この過当競争の中で断り切れない。
 こういうことで重層的に違反の責任が出てくると思いますけれども、必ず処罰されているのが運転手だ。私は、もう不合理てしょうがないんです。過積載しなかったら首になるかもわからぬというような場合に、いや私は運転しませんとは、普通の人は言えないです。この場合は、やっぱり運転手は処罰しないわけにはいかぬのですか。
#171
○政府委員(関根謙一君) 刑法の一般理論の問題かと存じますが、いわば期待可能性の問題として、使用者の方から過積載することを命ぜられて過積載で運転した場合に、運転することがいかにも無理がないというような事情があれば別がと存じますが、そういう特別の事情のない限り、法律に過積載して運転することを禁止する規定がある以上、処罰を受けることもやむを得ないことではないかと存じます。
    ―――――――――――――
#172
○委員長(山口哲夫君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、谷川寛三君が委員を辞任され、その補欠として野村五男君が選任されました。
    ―――――――――――――
#173
○諫山博君 期待可能性の理論を持ってこない限り、運転者の責任は逃れられないというのは、余りにも気の毒です。期待可能性なんというのは、日本じゅうの犯罪事件で一年間に一件か二件判決が出るかどうかというぐらいのものでしょう。せっかくこれから科学的に交通事故の原因を調べようとするのであったら、私は期待可能性の理論に期待するのではなくて、やはり強制された運転者には刑事責任がかからないというような新たな立法を考えないとだめだと思います。今結論を求めませんけれども、私は今度の質問を準備するに当たって一番痛切に感じたことの一つはそこです。
 そこで重量制限の問題ですけれども、車両運送法で二十トンという限度が決められているんですか、ちょっとそれを教えてください。
#174
○説明員(小杉昭夫君) お答えいたします。
 道路運送車両の保安基準におきましては、車両総重量が二十トンというふうに決まっております。
#175
○諫山博君 じゃ、運輸省に。二十トン以上の品物は積んではならない。これが原則。ただ、緩和規定があるようですね。例えば単体物を運ぶ場合には、一定の手続きを経て二十トンを超しでもよろしい。この単体物というのは、一つで二十トンとか三十トンとかの重さがあって、分けられないような品物のことを言うんでしょう。
#176
○説明員(小杉昭夫君) 二十トンをやむを得ず超える場合につきましては、先生今御指摘のとおり、どうしても分割できない、やむを得ず二十トンを超えざるを得ないという物品に限って基準の緩和という形で認めているところでございます。
#177
○諫山博君 この点も私はタクシー運転手から聞いてなるほどと思ったんですけれども、例えば緩和措置を受けて四十トンぐらいの品物を運ぶ。単体物として緩和条件が認められている。ところが、実際は単体物を運ぶのではなくて、ばらばらに分解できる品物をたくさん積んでいる、これが相当横行しているそうです。これはどういう法律に違反しますか。
#178
○説明員(小杉昭夫君) 二十トンを超える単体物品を専ら運ぶという基準緩和の認定に当たりましては、私ども申請時におきまして、輸送依頼者からの当該輸送物は、単体重量物品であるという旨の書面等を提出させまして、厳正な審査を行い、積載物品の限定等保安上の制限を付して認定を行ってきているところでございます。
 今御指摘のように、単体物品以外の分割できるものを輸送するという違反行為が判明した場合におきましては、基準緩和の取り消し等の行政処分等を行ってきているところでございます。
#179
○諫山博君 道路運送車両法には違反しますか、そういうやり方は。
#180
○説明員(小杉昭夫君) 今言いましたように、基準緩和の条件違反ということで、直ちに車両法違反に当たるというふうには考えておりません。
#181
○諫山博君 条件違反というのは、言葉をかえれば、許可手続を得ずに二十トン以上の品物を運送することになるんじゃないですか。道路運送車両法には違反しませんか、罰則があるかないかは別として。
#182
○説明員(小杉昭夫君) 保安基準の緩和に違反した場合は、私どもまず手続きとしまして、認定を取り消すということにするわけでございます。自動車検査証に基準緩和車両につきましては、一定の条件が書いてあるわけでございますが、この認定の取り消しの際、自動車検査証の備考欄に書いてありますいろんな条件を消却するということによりまして、当該使用者は当該車両を使用できないという状況になるわけですが、そのような状況に至っても、運行した場合は、車両法違反ということで所要の措置がとられるということになるわけでございます。
#183
○諫山博君 警察に質問します。今私が言ったようなやり方で単体物でないものを四十トンぐらい運ぶというのは、道路法に違反するんじゃないですか。
#184
○政府委員(関根謙一君) 道路法を直接所管する立場にないので正確かどうかわかりませんが、道路法の規定による限り、道路法四十七条の二の規定で、基準緩和を受けた場合には、車両総重量二十トンを超える重さとなる場合にも道路管理者の付する条件のもとで通行することができるという規定がございます。
 そこで、そのような道路管理者による許可手続を経ずにもしそのような事態があったとしたならば、道路法の規定に違反するということになるのではないかと存じます。
#185
○諫山博君 道路交通法にも違反しますか。
#186
○政府委員(関根謙一君) 道路交通法の場合には、積載重量の最大限は道路運送車両法の車検に記載する重量、これを超えない限り違反に当たらないということになりますので、もし車検証にその重量が記載されていれば道路交通法違反には当たらないということになります。
#187
○諫山博君 なぜこんな細かい法律議論を聞いたかといいますと、トラックの運転手に聞きますと、明らかに単体物として緩和条件を得ているのにばらばらに分解できる品物を積んで、警察は全然取り締まらない、警察で取り締まる権限はないんだといって見逃すという不満があるんです。だから私は、そんなはずはない、明らかに法律に触れるわけですから、刑罰に触れないとは考えられないと思って聞いたんです。そういうのを警察が知らずに通せば別として、現認すればやはり刑事事件として検挙すべきではないでしょうか。
#188
○政府委員(関根謙一君) 道路法の規定に違反した場合には、その違反行為に対して罰則がございますので、これにつきましては刑罰を適用するということになろうかと存じますが、道路運送車両法の規定違反ということでありますと、先ほどの御答弁のとおり、罰則規定がないとのことでございますし、またその場合には道路交通法違反にも多分当たらないのではないかと思いますので、その規定違反ということの検挙ということはないと存じます。
#189
○諫山博君 運輸省に質問します。
 トラック労働者が過積載をやめるためにはやはり過積載であるかどうかが自分にすぐわかるような器械が欲しいという希望があるんです。例えば自重計というのがあるそうです。車に装置して何トンの重さになっているかを自重する、これを早く開発してもらいたいというのが要求ですけれども、どうなっていますか。
#190
○説明員(小杉昭夫君) 先生ただいま御指摘のとおり、トラックの積載重量を正確かつ客観的に把握できる機器、いわゆる自重計と言われておりますが、これの整備が過積載の防止に役立つものと私どもも認識しておりますが、現在開発されている一般のトラック用の積載重量計につきましてはまだまだ精度等に問題があるという点が指摘されておりまして、現実にはなかなか普及していない状況にございます。このため、先般私どもの省内に大型トラック積載重量計調査研究委員会を設置しまして、積載重量計に関します現在の技術水準等の問題点を把握するとともに、その実用化の可能性について現在鋭意検討を進めているところでございます。今後この検討結果を踏まえ、所要の対策を講じてまいりたいというふうに考えております。
#191
○諫山博君 建設省に二点質問します。
 これも労働者の要求ですけれども、重量計というのがある、数が非常に少ない、もっとこれをたくさんつくってくれ、自由に重量計で自分ではかれるようにしてもらいたい、もう一つは高速道路で駐車しようと思ってもなかなか駐車場がない、非常に困る、駐車場をもっとたくさんつくってくれという要求がありますけれども、どうですか。
#192
○説明員(有賀長郎君) 過積載の車両の通行でございますが、これはもちろん道路の交通上危険でございますけれども、それだけではなく、道路を傷めることにもなるわけでございまして、その防止というのは極めて重要な課題であると認識いたしておるわけでございます。
 御指摘のように、従来からも重量計の設置に努めておるわけでございますけれども、さらに今後とも重量計の整備には努めてまいりたい、かように考えております。
#193
○説明員(荒牧英城君) 高速自動車国道におきます休憩施設の整備につきましては、過労運転の防止とか交通安全の確保のために重要であるというふうに認識しておりまして、このような観点から、サービスエリア、パーキングエリアにおきます駐車外についてもその増設に努めておりまして、平成三年度におきましては全国で千五百二十八台分を増設したところでございます。
 特に交通量が多く休憩施設が混雑しております東名・名神高速道路の休憩施設の駐車升について申しますと、供用当初の昭和四十四年の段階では四千五十五台分の駐車外でございましたけれども、平成三年度末には八千六百六十七台分ということで約二倍となっております。このうち、特に大型車用の駐車外につきましては重点的に整備をしておりまして、この間約三倍の増設となっております。平成四年度以降につきましても、混雑状況を把握し、サービスエリア、パーキングエリアにおきます駐車外、駐車スペースの整備を計画的に進めてまいりたいと考えております。
#194
○諫山博君 次は、佐川急便の関係で質問します。
 佐川急便でさまざまな労働基準法違反、労働安全衛生法違反というのが以前から指摘され、さらに一番新しい資料も、きのうですか、公表されたようです。これを見て驚くのは、例えば割り増し賃金違反というのがあります。平成二年では全国平均九%、佐川グループで検査した事業所では一五・四%、こういう数字が出ていますけれども、一番新しい調査結果はどうなっていますか。
#195
○説明員(山中秀樹君) 私どもも、昨年の十一月、佐川急便グループの所属事業所五十一事業所に対して、先生御指摘の労働安全衛生法あるいは労働基準法の違反状況について臨検監督を実施しております。その結果、御指摘の割り増し賃金を適正に払っていないという違反に係るものにつきましては、五十一事業所のうち十三事業所ございました。率にいたしまして二五・五%でございます。
#196
○諫山博君 そうすると、平成二年よりかずっと率はふえているわけです。
 そこで、割り増し賃金違反の内容が労働省の資料で発表されておりますけれども、これを見ると、所定の割り増し賃金を払っていない、深夜労働をさせていながら、それに見合う割り増し賃金を払っていない、こういうことになっているようですけれども、これは賃金の不払いですから、残業させてまともに残業手当を払わないというんですから、大変悪質だと思いますけれども、こういう違反行為が出てきたら、どうしているんですか。
#197
○説明員(山中秀樹君) 先生今御指摘のとおり、今回の臨検監督で、割り増し賃金の違反で時間外の労働分を払っていないというものや、あるいは深夜労働をやらしたのに割り増し賃金を払っていないという事業所がございました。これにつきましては、その違反については、通常私ども臨検監督をする場合はそこでそれを改めるという是正勧告を出します。それにつきまして、ある一定期間経過後、その状況を監督署の方に報告させております。その意味で、これについては直っているものというふうに理解いたしております。
#198
○諫山博君 就業規則に関する違反というのも結構多いです。これも例えば平成二年を見ると、全国平均では一六%だけれども、佐川グループでは三八・五%という数字が出ました。今度はどうですか。
#199
○説明員(山中秀樹君) 今回の十一月の臨検監督では、基本的に就業規則を作成し、それを監督署に届け出なければならないという法律になっておりまして、それに関する違反が五十一のうち三十四事業所ございました。率にして六六・七ということで非常に高率であったわけですが、就業規則については、これはちょっと特殊事情が一つございまして、実は佐川急便グループはボーナス制度を新たに導入いたしまして、それについて変更届を監督署に届け出なければならないんですがそれを届け出なかった、大半の事業所はそういう違反で基準法違反というふうになっております。
#200
○諫山博君 賃金台帳違反というのも多いです。全国平均に比べてはるかに率が高いでしょう。こういうのは全部罰則の伴う違反ではないんでしょうか。
   〔委員長退席、理事野別隆俊君着席〕
#201
○説明員(山中秀樹君) おっしゃるとおり、賃金台帳は適正に所要事項を記載して備えつけるということで、罰則もございます。これにつきまして、従来は賃金台帳もなかなか上手に整備されていなかったんですが、だんだんと整備されてきておりまして、今回の違反状況を見てみますと十一事業所ございましたが、どうもその書き方、書く内容が、例えば残業をやったのにもかかわらず残業の賃金が書いていなかったりという記載漏れとかというような違反が多うございました。
#202
○諫山博君 いろいろ労働基準法違反についてやむを得なかった事情を弁護してあげているようですけれども、しかし、とにかくこれは刑罰の伴う犯罪行為なんでしょう。問題は、これに対して労働基準監督署が厳正な処理をしてきたかどうかです。私の資料によれば、佐川グループで労働基準法違反として送検された例というのは極めてまれでしょう。この数年間どのくらいありますか。
#203
○説明員(山中秀樹君) 最近ですと六十一年に二件書類送検をいたしております。
#204
○諫山博君 それ以後はありませんか。
#205
○説明員(山中秀樹君) ございません。
#206
○諫山博君 六十一年に違法な時間外労働をさせた疑いで二件送検した。しかし、違法な時間外労働というのはその後もずっと続いています。数を挙げますと、労働省が認知しただけでも、昭和六十二年に二十六件、平成元年に十二件、平成二年に十二件、これは全部送検した事件と同じような労働基準法違反。二件送検して事足りるとするのではなくて、なぜもっとこういう問題をその都度処理していかなかったんでしょうか。
#207
○説明員(山中秀樹君) 先生御指摘のように、六十一年に二件書類送検いたしました。それ以降、私どもは四回にわたり全国一斉ということでこの労働基準法等について法違反が認められるかどうかということで臨検監督を実施してまいりました。今回こういう結果で私どもまことに遺憾だというふうに思っております。
 基本的に、私どもがこういう臨検監督をやりますと、先ほど申し上げましたが、そこで是正報告を出させまして、それで、そこについて是正されたということを確認することになっております。その意味で是正されれば基本的に違法状態がなくなりますので、そういう意味で指導の範囲内でございますが、ただ、この労働基準関係法令、罰則つきでございます。私どもは、重大悪質な事業主に対しましては司法処分を行うということで厳正に対処するという方針で従来から対応いたしております。
#208
○諫山博君 是正勧告をした分については是正された。しかしほかの職場で同じような違反が新たに発生しているということになるんですか。
#209
○説明員(山中秀樹君) 労働問題、これは日々の問題でありまして、なかなか毎日毎日追っかけておるわけにもいきませんが、基本的に私どもは全国に監督官を配置いたしまして、各事業所を臨検監督して、その違法状態の是正を図っているということでございます。
 先ほどのまた繰り返しになりますが、そういう違反について、悪質な問題事業主に対しては司法処分という形で対応いたしておるというふうに御理解いただきたいというふうに思います。
#210
○諫山博君 一般論はわかりましたけれども、佐川にそういう措置をとったことがありますか。
#211
○説明員(山中秀樹君) 佐川急便について六十一年以降司法処分に付してはおりません。その意味で是正方等、一定の努力をいたしておりますので、悪質なという、司法処分を行うに至っていないというふうに考えておりまして、司法処分を六十一年以降行っていないという御理解をいただきたいというふうに思います。
#212
○諫山博君 昭和六十一年以来三回にわたって全国一斉調査を行ったと報道されていますけれども、こういう企業はどこにでもたくさんあるんですか。
#213
○説明員(山中秀樹君) 私どもは今まで四回全国一斉監督という形で対応いたしておりまして、ある意味でこういう形でやるのは異例だというふうに御理解いただきたいと思います。
   〔理事野別隆俊君退席、委員長着席〕
#214
○諫山博君 そうすると、異例な調査をやられたわけですから、以前から相当悪質な企業だという認識を持っておられたんですか。
#215
○説明員(山中秀樹君) 私どもが全国一斉監督をやるというのは、ある意味で繰り返し非常に労働基準法違反を犯す可能性があるということで、こういう異例な形でやってきたということでございます。
#216
○諫山博君 その中で、総勘定元帳が紛失したということが随分問題になっていますけれども、その事実は御存じですか。
#217
○説明員(山中秀樹君) ちょっと私、承知いたしておりません。
#218
○諫山博君 そうですか。これは運輸省は承知していますか。
#219
○説明員(石井幸男君) 新聞で読んでおります。
#220
○諫山博君 総勘定元帳が紛失するということは、これは相当大きなことで、何か不正行為が絡むとか、そういうことでないと通常起きないことですけれども、どういう実態だったのか調査しましたか。
#221
○説明員(石井幸男君) 私ども貨物自動車運送事業法という法律を所管してございます運輸省におきまして、そこでトラック事業を営む者に関するさまざまな許認可等を行っておりますけれども、直接総勘定元帳等とかかわりがあるようなことについてはその貨物自動車運送事業法でいろいろ規制する範囲外のことだというふうに理解しておりまして、特別、調査はいたしておりません。
#222
○諫山博君 これは随分前から問題になって、しかもこの一部がマスコミの間にも出回っているということで問題になったわけです。運輸省でどこかそういう問題を調査している機関はないんですか。
#223
○説明員(石井幸男君) 特にないと承知しております。
#224
○諫山博君 警察庁長官、大体お聞きだと思いますけれども、これほど問題になっている佐川急便で総勘定元帳が紛失をした。この中にたくさんの政治家の名前も出てくる、暴力団がうごめいているというようなことも言われていますけれども、これは大臣よりか警察庁長官の方で御説明願いましょうか。
#225
○政府委員(鈴木良一君) これは、総勘定元帳が紛失といいますか、盗難がよくわかりませんけれども、そういう状況になっているということがございまして、お話のとおり、盗難かもしれない、あるいは暴力団の関係もあるかもしれないというようなことで、関係の警察では捜索をしたという段階でございます。
#226
○諫山博君 これは、事実は警察庁はつかんでおりますか。
#227
○政府委員(鈴木良一君) 私も、まだちょっと定かに報告を受けておりませんけれども、今申しましたような形で、いろいろ犯罪に結びつく可能性があるので捜索を実施したという段階でございます。
#228
○諫山博君 これが恐喝の材料にも使われたと報道されているわけですよ。三つでどうだと政治家に話を持ちかけたという話は随分前から広がっているわけです。そうだとすれば、これは明らかに恐喝未遂でしょう。だからこれほど大きく報道されて、きょうの読売にも「三つでどうだ」という題で報道されているんです。これは恐喝未遂されたとすれば被害者は政治家のようですから、私は警察庁が何らかの形で事実を調べて、しかるべく糾明しなければならないと思いますけれども、どうでしょうか。
#229
○政府委員(鈴木良一君) 今お話しの点も含めて調査をいたしております。
#230
○諫山博君 次に別な話です。
 私は、トラックの労働者と話してなるほどと感心したことがある。それは、土曜日と日曜日はトラックや大型トレーラーなどは走らせない日にしようじゃないか、そういう運動を始めているんです。政府に対してもそういう陳情が出ているはずです。週休二日というのはこれは世界の流れだし、日本でも広まってきたし、公務員も週休二日になります。だから、土曜日と日曜日は仕事をしないんだ、静かな町を取り返すんだという立場で土曜日曜はトラックを走らせないようにしようじゃないか。しかし、これは私は一省庁の力ではできないと思います。第一、使用者だけではなくて荷主の関係をきちんと解決しないと処理できないですね。これはどこの所管か知りませんけれども、音頭をとるとすれば私は運輸省だろうと思います。そういう要求が組合から出ていることは御存じだと思いますけれども、どう思われますか。
#231
○説明員(石井幸男君) 先生も十分御承知のことと存じますけれども、トラック運送事業、これは我が国の物流の大宗を担っております基幹産業でございます。国民経済あるいは国民生活に欠くことのできないものであることは言うまでもないことでございます。したがいまして、一律に土曜日曜の走行を強制的に禁止するというふうなことはなかなか難しいのではないかというふうに考えております。
 しかしながら、トラック業界におきまして週休二日制の導入を促進していくというふうなことは非常に重要なことだと考えております。それは安全でかつ良質な輸送サービスを提供するというふうな観点からも重要なことでございますし、またもう一つ、平成二年十二月に私どもの運輸省の審議会でございます運輸政策審議会、こちらから御答申をいただきまして、その中にも提言されておりますけれども、貨物自動車運送事業の今後の健全な発展ということを考えますと、それには優秀な人材確保ということが不可欠でございます。そういった意味からも週休二日制の導入の促進というふうなことは重要なことだと考えでございます。
 私ども運輸省の調査によりますと、何らかの形で週休二日制を導入している比率というものほかなり伸びてきてございます。しかしながら、全産業に比較するとまだその導入はおくれている状況にある、こういうふうに認識してございます。
 そこで、運輸省といたしましては、これまでも業界団体に対しまして地域別の一斉休日の実施でございますとか週休二日制の導入、これにつきまして指導してきておりますけれども、今後とも完全週休二日制の実施が行われますようにそっちの方向を向いて指導してまいりたい、かように考えてございます。
#232
○諫山博君 この問題は、業者だけに任せておくと独禁法との関係などで複雑な問題が出てくるようです。業者が話し合って何々のことを決めてしまったという言い方をされますから、やはり運輸省が主導的にそういう問題が起きないような措置をとっていただかないと公取から文句を言われるという状況もあるようですから、これは検討してください。
 もう一つ、タクシーの運賃値上げの問題です。前回のタクシーの一斉運賃値上げのときに、運賃値上げの理由は主として労働条件改善のためだということが言われました。そして、タクシー運賃を値上げして、増収した分は原則として労働条件改善、特に賃上げに充てるべきだという指導がされております。そして、運輸省が随分努力されたことを私はよく知っております。
 ただ、こういう指導に頑として反対する企業があるんです。福岡に第一交通という企業があるのを御存じだと思います。もう数十回にわたって裁判所から不当労働行為の認定を受けながら、絶対に裁判所の言うことを聞かない会社です。現在福岡県乗協の会長です。支配下にある会社は六十社、従業員は約六千人、日本の業界で第三位だと言っているそうです。これほど大きな会社で、福岡県乗協の会長をしている社長さんが全然賃上げをやっていないようです。もっとも、労働組合があって頑張っているところは幾らか賃上げをしたそうです。しかし、これはほんのわずかです。そして、今どう言っているかというと、労働条件が悪いから早く運賃値上げを認めてもらいたいというようなことを県乗協の会長として言っているそうです。恐らく、例外的な存在だろうと思いますけれども、そういう実態を御存じなのかどうか、そしてこれに対してどうされようとしているのか、聞かしてください。
#233
○説明員(宮崎達彦君) ただいま先生御指摘の福岡第一交通、グループということで全国的にも六十社ぐらいあるわけでございますけれども、大体の先生の御指摘の状況は承知いたしております。
 ただ、前回の運賃改定に伴います労働条件改善につきましては、その後も、そういった労働条件改善が運賃改定の主たる目的であるということから、強力に関係事業者を九州運輸局の方で指導いたしました。その結果、この第二交通グループの中で所期の水準に達しない労働条件改善状況というのが報告されてまいりました。ただ、ほとんどがそうだという実態は若干認識が違っておりまして、わずかにあったわけでございますけれども、それにつきましても運輸局の方で当該社長を二度、三度運輸局の方に招致いたしまして説得いたしました結果、年末一時金で処理いたしまして、ほぼ所期の水準に近い形で解決が図られたという結果でございます。
 ただ、先生おっしゃいますように、県のタクシー協会の会長という立場で、いわば率先垂範してそういった労働条件改善に他のタクシー会社の模範としてリーダーシップを発揮していただきたいと我々も思うわけでございまして、今後ともその会社の動向につきましては注視してまいりたいと考えております。
#234
○諫山博君 国家公安委員長と警察庁長官に最後に聞きます。
 私は、交通事故は一日も早くなくしたいと思います。ただ、交通事故がふえたについては非常に複雑な社会的な背景があるわけです。例えば、一番簡単なのは運転手がもっと気をつげればいいじゃないかとか、通行人がはねられないようにもっと注意すればいいじゃないかとか、そういう議論もありますけれども、やはりその背後にあるのは社会的な情勢、もっと言えば政治だということです。
 だから、今後交通事故の原因もいろいろ究明されるそうだし、その究明に基づいて事故絶滅に努力されるんでしょうけれども、交通事故が生ずる社会的背景という問題にメスを入れないと、結局弱い者いじめになりかねないということを私は痛感するわけです。これは交通事故に対する基本的な考え方の問題として、警察庁長官と国家公安委員長の見解をお聞かせください。
#235
○政府委員(鈴木良一君) 交通事故の原因は、おっしゃるとおり単純なものではないと思います。いろいろな問題を頭に置いて分析をいたしませんと深みのある分析にはならない、またそこから対策も生まれないということでございますから、そういうもろもろのことも十分頭に置きながら交通事故の分析に当たってまいりたい、かように思います。
#236
○国務大臣(塩川正十郎君) 仰せのとおり非常に多層的、そして複雑化しておることでございますから、そういう意味におきましてもこの交通事故調査分析センターの役割は一層大きくなると思っております。そういう社会的、経済的、文化的、科学的なあらゆる面からの交通事故対策というものを考えていかなければならぬのは当然であります。
#237
○星川保松君 今回の道路交通法の改正によりまして、交通事故調査分析センターというものができるということは大変結構なことだ、こう思っております。
 私は、いわゆる職業的な運転手の皆さんというのは、その職場から、またいろいろな面から防止策がとられるわけでありますので、事故からいいましても非常に少ないと思うんです。一般の人がやはり極めて多いと思うんです。
 私自身、普通免許を取ったのが昭和二十九年でございます。大体もう四十年ほどになるわけであります。決してずっとペーパードライバーではございませんで、最近は専らペーパードライバーでございますけれども、そうした経験からこの事故防止について今まで考えてきたことを申し上げながら質問をしたいと思います。ということは、今後この交通事故調査分析センターというものがどういうことをやるのかちょっと存じませんが、その中でいろいろやってもらいたいということも含めて質問をしたいと思います。
 今まで交通事故防止の施策というものはいろいろあるわけですけれども、それを見ておりますと、ほとんどが運転者なり歩行者なり、とにかくその人々の感情に訴えたものが圧倒的に多いわけです。今大分看板がなくなりましたけれども、交通安全協会あたりがさまざまな運転手なり歩行者の感情に訴えた看板がよくありました。結局、感情に訴える、注意力を喚起するというのはだんだんエスカレートしていくんです。どぎつくなっていくんです。血をばっと飛び散らしたようなのがあって、そこに危険とか何か書いてあるというものもあったわけですけれども、感情に訴える注意力喚起というものは、やはり斬新なものが出てまいりますと、警察官の人形が立っていたりパトカーのなにがあったりしますと最初はあっと驚くんですけれども、だんだんなれできますともう慢性化してまいりまして、そういう意味では感情に訴える注意力喚起の防止策というのは限度がある、こういうふうに思うわけです。
 それで、やはり感情だけでなく理性に訴える、そういう事故防止策をもっと強化しなければいけないのではないかということを私もつくづく今まで感じてまいったわけでございますが、まずその点についてどのようなお考えでしょうか。
#238
○政府委員(関根謙一君) 交通安全について、私どもは交通安全教育、指導、取り締まり、それから交通安全施設整備等を中心にいろいろの施策を講じてきているところでございますが、特に運転者に対する注意喚起ということで、先生御指摘のような感情に訴えると申しますか、視覚、聴覚といいますか、五感に訴える手法というものもとっております。これはこれで交通安全を図るという観点からは一応の効果はあるものと存じますが、しかしながら、それとあわせまして交通安全を図るためのいろいろな分析の結果と申しますか、交通安全教育の手法というものは、そういう感覚に訴えるものと並んで必要なものであると考えております。
 今回、私ども交通事故総合分析センターにつきまして、調査分析センターとして指定するために法律を提案しているわけでございますが、この分析センターが目的としております事故防止の活動の一環といたしまして、運転者教育に資するというための資料の提供というものもあるわけでございます。いろいろな心理的な手法、技術的な手法、あるいは知識による手法等あろうかと存じます。そういったものを併用して交通事故防止が図られるように努力したい、このように考えます。
#239
○星川保松君 事故の生じたところに、これはやっているところもあるようですけれどもピンを立てていきます。そうすると、ある一定のところにピンが集中して立つというところが出てくると思うんです。そうした場合はそこは事故多発する何かの原因があるわけですから、そういうところを重点的に科学的に分析して、その原因を突き詰めて、その原因は一つでないかもしれません、道路事情もあるかもしれません、運転者が錯覚を起こすようなこともあるかもしれません、いろいろあると思いますけれども、それでその原因除去のために、例えば道路を改良すべきであるというようなことを道路の管理者に対して勧告するとか、あるいは運転者が何か錯覚を起こすようなことがあるとすれば、そこに防止のための対策をするとか、そういうことを私はやるべきだということを前から感じておったわけです。そういうこともこのたびの分析センターではやるということなんでしょうか。
#240
○政府委員(関根謙一君) 分析センターは、道路の改良とか交通安全施設の配置の関係とか運転者教育とか車の安全性確保のための改良とか、そういった各種の施策に資するための材料を提供したいということで、ただいま先生御指摘になられましたような事故多発地点についての分析等を科学的、多角的に行うものでございます。総合分析センターの成果を交通事故防止のための手法の開発のために活用したいということで、今回この法律を御提案を申し上げているというところでございます、
#241
○星川保松君 一般的な安全のための注意の仕方とか運転者の心がけというようなことはかなり安全教育という中で行われておるようですけれども、これは科学的に分析したその結果を難しくなく易しく、運転者が理解できるような形でどんどん学習の中に取り入れていっていただきたいと思うんです。
 ただ、一般的な危険に対する安全対策というのはそういうことでもいいんですけれども、その地域地域にそういう箇所があるわけです。そこのところを、年じゅう通っている人はそれはわかっているかもしれませんけれども、今度初めてそこを通るようなドライバーの皆さんはそれがわからないわけです。それで、危険という表示はよくありますけれども、それが単なるおどかしのようなものなのか、あるいはそこは事故多発で本当に危険なのか、危険としても、どういう事故が起きているのか、どれほど危険なのかということがわからないわけです。
 それで私は、これは科学的にかなり分析をした上でなければできないと思いますけれども、何らかの形で危険度というものを、地震のように震度何ぼというようなことでもいいですから、危険度というものをまず色ででも、赤色は最高危険だ、それから桃色は何だとか、そういうような一日で危険度がわかるような表示がなされれば、初めて通るドライバーにとっては安全運転のために非常に参考になる、そんな考えを今まで持ってきているんですけれども、その点についてはどうお考えでしょうか。
#242
○政府委員(関根謙一君) 事故分析の成果といたしまして、そのようなことが科学的、学問的にも可能であるということであれば、先生御指摘のような手法ということもあり得るかと存じます。さしあたりは、そこまでの確たる根拠というものを持ち合わせておりませんので、注意をする場合、ただ単に危険というだけではなしに、なぜ危険であるということを示すような、例えばカーブであるとか、何か危険である理由を示すような警戒のマークと申しますか、そういうものを多く用いる方向で検討してみたいと存じます。
#243
○星川保松君 今までは道路環境ということが主であるという話でありましたが、二番目は、運転者の心理が非常に大きな事故の要素になっていると思うんです。それで、自分も運転してみて、職業運転者の場合は健康管理とか何かも方法はあるわけです。ところが、全くの普通の一般のドライバーにとってはだれも健康とか何かについては心配してくれませんから、常に心理状態も自己診断をしなければならないわけなんです。それで、いろんな心理状況で車を運転しているわけなんです。例えば、どこかへ行ってけんかをしてきた、そうするとやっぱりいらいらしながら車を運転しているわけなんです。それから貸し金を取りに行ったけれども取れなかったということでかりかりしながら運転する、それから身内のだれかが急病になった、これは大変だということで心配しながら運転をする、どういう場合に運転しちゃいけないなんて言ってくれる人いないわけです。かなりこういう心理状態も事故につながっていると思うんです。
 私は、事故は起こしたことありませんけれども、実は違反を二度ばかりやりました。一回は一時停止のところを停止しないで行ってしまったこと、それから右折禁止のところを入っていってしまったんです。そのときのことを自分で考えてみますと、やはり何かあって正常な心理状態でないようなとき、かっかしているような状態のときにそういうことをやってしまうということなわけです。それで、何とか心理状態と危険との関係を科学的に分析してそれをよく運転者にわかるようにできないものか、こういうふうにも思っているんですが、その点についてはいかがでしょうか。
#244
○政府委員(関根謙一君) 今回の総合分析センターで行います事故分析は、先生御指摘のような心理学的な面、医学的な面、工学的な面等々あわせまして多角的に分析をするというものでございます。そして、その分析の成果につきましては、この法律の条文の中にもございますが、広く一般的に「交通事故に関する知識の普及及び交通事故防止に関する意識の啓発を図る」という観点で活用させていただくというものでございます。心理的にどのような場合にどの程度危険であるかというのは個人によって随分違うかと存じますが、それもまた何らかの学問的な成果として客観的なものが示されるということであれば、ぜひ広くこのような手法を通じてドライバーの方々にお示ししたい、このように存じます。
#245
○星川保松君 この間ある駅で電車待ちの時間がありましたのでお土産屋さんのところをのぞき込んでおりましたら、ストレス測定のおもちゃみたいなもの、それはそこのところへ指を何秒間か当てていますと、信号機みたいに赤と黄と音とありまして、そこへストレスがあらわれてくる、そういうのがあったんです。だから、今いろんなものが発達していますから、まず車に座ったらそこへ指でも当てて、表示、運転不適とか、こういうふうに出てくるようなものがあれば、そういうものも私は難しいことじゃないというような気がするんです。そうして、常に自分のストレス状態を知りながらやるということになればもっともっと事故は防げるんではないか、こんな気もしておりますが、そういうのは今はないんでしょうか。
#246
○政府委員(関根謙一君) 現在はそのような機器が開発されたというようには聞いておりません。しかしながら、事故分析の成果といたしまして、それを活用する方法の一つとしてそのような活用方法をすることがあるいはあり得るかもしれないということで期待はしておりますが、現在のところそのようなものが開発されたとは聞いておりません。
#247
○星川保松君 ぜひそういう研究に応援をしてやっていただきたい、こう思っております。
 それから三番目は、いわゆる車の問題でございます。私どもの四十年ほど前の車というのは極めて単純な構造をしておりまして、エンジンの調整なんかは自分でやらなきゃならない。タペット調整とかいろんなことを自分でやる。ディストリビューターは分解して自分でポイントを磨くとか、エンジンがかからなければクランク棒を持ってきて前から差し込んで回すというようなことで、当然車の構造やなんかはよく知っていないと車は動かせないんです。エンジンがスムーズに回転している状態を維持するためにかなりの技術が必要なわけです。それから、今度は運転して走るのに、ダブルクラッチを使わなければギアが入らないわけなんです。それで、今みたいに坂道なんか走るようになっていませんから、力も弱いものですから、かなりギアチェンジをうまくやって惰力をつけていかないと坂道も登れないわけです。私なんかは、中古車に乗りまして、がたがた道で溝に落っこちたらホイールがすぽっと抜けまして、ホイールだけがちゃちゃちゃっと走っていったことがありました。それから、ギアのチェンジ棒がすぼんと抜けてきたり、ひどい車だったわけです。
 しかし、今から考えてみますと、それだけに車の構造なり性能というものをよく知っておったという気がするんです。ですから、道路の状態に合わせてチェンジもしていかなきゃならない、運転もしなきゃならない、アクセルも踏まなくちゃならない、ブレーキも使わなくちゃならないというようなことで非常に運転が面倒だったわけですけれども、今の革はそうじゃないんです。もう何もしなくてもいいというようなことで、そのためにパンクしてもタイヤ交換もできない方が今大勢いるんだそうです。この間自動車屋さんから聞いたんですけれども、自動車屋さんに走っていくというんです。私らではとても考えられないような状況なんですけれども、そういうことで車の性能はよくなってきている。
 さらには、きのうあたりの新聞によりますと、車自体が、コンピューターだと思うんですけれども、道路の状態、カーブの状態なり全部感知して、そして名運転手のような調整をやってくれる車が今開発されている、こういうことですけれども、そういうことになりますと、車の知識、運転の知識がだんだん薄れていって、むしろ危険性が大きくなっていくんじゃないかという感じもするわけです。ただ、車自体が、エアバッグができたりいろんなものができる。そして、ドイツの車などは、衝突しても人はもう死なないというようなことにしようということで大分開発が進んでいる。だから、そうすることによって安全のための車のコストは上がるけれども、いわゆる安全のコストを考えればそれは引き合うんだ、こういうことを言われているんですけれども、どうもその割には日本では車の安全度を高めるというのはよその国並みに進んでいないような感じがするんですが、それについてはどんなお考えでしょうか。
#248
○政府委員(関根謙一君) 車の安全性については私どもの所管するところではございませんが、今回の交通事故総合分析センターの成果は、車の安全性向上のために役立てるということが一つの目的でございますのでその安全度を高める、これは国際的に比較してみてなお最も安全な車を開発するということにも役に立つと考えております。
#249
○星川保松君 車のメーカーさんに聞いてみますと、あなた方はどういう考えで車をつくっているのかと言いますと、青年たちが、若い人たちが女の子を乗せまして格好よく走れるような、女性にもてるようなそういう車が売れるんだ、だからそういう売れる車をねらってつくっているんだ、こういう話なわけです。そうすると、メーカーはとにかく売れる車ということになっていきますと、安全性の方は、その安全の施策をやっている方からやはり強い注文を出していきませんとなかなかそっちの方向には力を入れてくれないのではないかという気がするわけです。そういう見地からどのような考えか、お聞きしたいと思います。
#250
○政府委員(関根謙一君) 現在は、各メーカーとも安全性ということがセールスポイントであるという意識のもとに、安全度の高い車の生産について競争をしているように伺っております。この傾向は、私ども交通安全について所管をしております立場からは極めて望ましい事態でございますので、その方向をさらに進めていただくように努力してみたい、このように考えます。
#251
○星川保松君 あなたは、メーカーが格好よりも安全の方に進んでいる、こういうふうにおっしゃいますけれども、私らから見ますと、ドイツとかそれからスウェーデンあたりの車の安全性を高める努力からしますとまだまだ足りないんじゃないかという気がしています。ですから、そういう点もよく外国の方とも比較をしてくださって、もっともっと安全という方向で車をつくるということに努力されるように、なおひとつ頑張っていただきたいと思いますが、それだけ聞いて終わります。
#252
○政府委員(関根謙一君) 今回のこの総合分析センターは、外国における交通事故に関する調査研究機関との間において情報交換を行うこと等もその業務の一つとしております。国際的な比較ということを含めて、地球的規模で交通事故防止に役に立つような材料を得たいというのが今回の法人の目的でございますので、先生御指摘の方向で努力をしてまいりたいと存じます。
#253
○委員長(山口哲夫君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 道路交通法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#254
○委員長(山口哲夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、野別君から発言を求められておりますので、これを許します。野別君。
#255
○野別隆俊君 私は、ただいま可決されました道路交通法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    道路交通法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の諸点に留意し、その実効に遺憾なきを期すべきである。
 一、最近の厳しい交通事故増加の現状にかんがみ、一層の交通安全施設の整備、道路交通環境の改善・充実等を図り、交通安全対策に万全を期すよう努めること。
 二、関係各省庁は、緊密な連携のもとに、交通事故調査分析センターの事業が民主的かつ適正に行われるよう配慮するとともに、同センターによる事故調査及び分析の成果が、効果的な交通安全対策の樹立等に生かされ、ひいては交通事故の減少に結びつくよう努めること。
 三、国家公安委員会は、交通事故調査分析センターに対し、その業務の運営に際して個人のプライバシーの保護には万全の配慮をするよう指導すること。
 四、国家公安委員会は、交通事故調査分析センターが行う毎年度の事業計画等の作成に当たっては、本法改正における当委員会の審議内容が反映されるよう配慮するとともに、適宜その活動状況について報告すること。
 五、原動機付自転車技能講習については、原動機付自転車の事故防止が図られるようその内容の充実に努めること。
 六、交通事故調査分析センターの事業を行うに当たっては、救急医療の充実にも配意すべきこと。
 七、警察行政の推進に当たっては、常に市民の意見の反映に努めること。
 八、本法の運用に当たっては、施行前に国民への十分な周知徹底を図るとともに、本法に係る政令等の制定及びその運用に際しては、本委員会における議論を十分踏まえること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ皆さんの御賛同をお願いいたします。
#256
○委員長(山口哲夫君) ただいま野別君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#257
○委員長(山口哲夫君) 全会一致と認めます。よって、野別君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、塩川国家公安委員会委員長から発言を求められておりますので、この際、これを許します。塩川国家公安委員会委員長。
#258
○国務大臣(塩川正十郎君) 道路交通法の一部を改正する法律案につきましては、大変熱心な御討議をいただき、御可決いただき、厚く御礼申し上げます。
 政府といたしましては、審議過程における御意見並びにただいまの附帯決議の御趣旨を十分尊重いたしまして、交通安全対策の推進に万全の措置を講じてまいる所存でございます。
 今後とも御指導、御鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。
#259
○委員長(山口哲夫君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#260
○委員長(山口哲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後四時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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