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1992/05/28 第123回国会 参議院 参議院会議録情報 第123回国会 地方行政委員会 第9号
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1992/05/28 第123回国会 参議院

参議院会議録情報 第123回国会 地方行政委員会 第9号

#1
第123回国会 地方行政委員会 第9号
平成四年五月二十八日(木曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月二十七日
    辞任         補欠選任
     石渡 清元君     青木 幹雄君
     下条進一郎君     星野 朋市君
 五月二十八日
    辞任         補欠選任
     青木 幹雄君     野村 五男君
     篠崎 年子君     穐山  篤君
  出席者は左のとおり。
    委員長         山口 哲夫君
    理 事
                須藤良太郎君
                松浦  功君
                野別 隆俊君
                諫山  博君
    委 員
                狩野  安君
                後藤 正夫君
                重富吉之助君
                野村 五男君
                星野 朋市君
                吉川  博君
                吉川 芳男君
                穐山  篤君
                岩本 久人君
                上野 雄文君
                篠崎 年子君
                野田  哲君
                常松 克安君
                神谷信之助君
                星川 保松君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  羽田  孜君
       自 治 大 臣  塩川正十郎君
   政府委員
       法務大臣官房審
       議官       本間 達三君
       大蔵大臣官房総
       務審議官     日高 壮平君
       大蔵大臣官房審
       議官       薄井 信明君
       大蔵省主計局次
       長        田波 耕治君
       厚生省生活衛生
       局水道環境部長  小林 康彦君
       林野庁次長    赤木  壯君
       自治大臣官房長  森  繁一君
       自治大臣官房総
       務審議官     滝   実君
       自治大臣官房審
       議官       遠藤 安彦君
       自治大臣官房審
       議官       石川 嘉延君
       自治省行政局公
       務員部長     秋本 敏文君
       自治省財政局長  湯浅 利夫君
       消防庁長官    浅野大三郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹村  晟君
   説明員
       国土庁地方振興
       局総務課長    斉藤 恒孝君
       国土庁地方振興
       局離島振興課長  吉田  博君
       大蔵省主計局主
       計官       原口 恒和君
       文部大臣官房審
       議官       岡村  豊君
       文部省生涯学習
       局社会教育課長  鬼島 康宏君
       文部省生涯学習
       局青少年教育課
       長        遠藤純一郎君
       文部省初等中等
       教育局特殊教育
       課長       霜鳥 秋則君
       厚生省健康政策
       局指導課長    今田 寛睦君
       厚生省社会局施
       設課長      松本 省藏君
       厚生省児童家庭
       局育成課長    弓掛 正倫君
       運輸省航空局審
       議官       望月 鎭雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○地方行政の改革に関する調査(地方行財政の拡
 充強化に関する決議の件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(山口哲夫君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨二十七日、石渡清元君及び下条進一郎君が委員を辞任され、その補欠として青木幹雄君及び星野朋市君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(山口哲夫君) 地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○篠崎年子君 ただいま議題になりました平成四年度分地方交付税法等の一部を改正する法律案についてお尋ねをいたします。
 まず初めに、大臣にお尋ねしたいことがございます。
 平成四年度分の普通交付税の算定の基準につきましては先般御説明がありまして、その中で生活全般あるいは環境、福祉等の経費が挙げられていますが、その中に地域社会における国際化及び情報化への対応に要する経費の財源等への措置というものが入っておりまして、これは大変結構なことだと思うわけでございます。今、日本の国際化あるいは国際貢献が叫ばれているときでございますので、この点については十分に措置をしていただきたいと思うわけですが、国際貢献といいますとどちらかというと今までは外に向かっての国際貢献ということが華やかに取り上げられておりまして、では国内では国際貢献あるいは国際交流というものについてはどうだったかというと、幾らか外に向かっての貢献よりも落ち込んでいるところがあるんではないだろうかと思うわけです。私は、国際貢献という場合にはやはり国外へ向けての貢献と国内での貢献と両方が相まっていかなければならないと思うんですが、この点について大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#5
○国務大臣(塩川正十郎君) おっしゃいますように、国際化が進んでまいります。その道程におきまして、外との交流を深めるということと、内にあっての国際化への対応をとっていくということと並行していかなきゃ意味がないと思っております。それは当然私たちもそこに視点を置きまして、まず国内においてできることは何だろうかということをいろいろ考えまして、文部省と共同事業のようなことでございますが、外務省の支援もいただいて今御承知のようにJETプロジェクトというのをやっておりますが、これは外人教師を高校に招聘いたしまして英語の会話を身につけるということでございます。そのほかに、各自治体におきまして外人労働者の多い地域等につきましては外人の生活相談所を設けるように指導もしておるところでございまして、それに対する交付税措置も考慮いたしておるところでございますが、その適任者がなかなか今急に育ってまいりませんので目立たないようでございますけれども、各自治体がこれに真剣に取り組んできておるので実績は上がりつつあると思っております。
 それからまた、北海道におきましては、特にロシアとの交流を深めるためにいろいろと事業を進めておられます。その中の一つとして、過般も北海道の方々が北方領土をビザなしで行かれる事業がございましたが、北海道庁と自治省と協議いたしまして外務省の事業がスムーズにいくように支援をしておるというようなこともございまして、そういうふうないろんな面で私たちは交流を深めていきたい。それともう一つは、それぞれ姉妹提携しておるのがたくさんございますので、その姉妹提携の中にもっと実質的な本当に血のつながった交流ができるような施策を講じたいと思っております。この都市提携につきましても、かなりの額の交付税措置がされておるところでございますが、今後そういう国際交流の事業の進展に伴いまして当然財政的な負担もカバーしていきたい、こう思っております。
#6
○篠崎年子君 大変理解のある、そして心強い御発言いただきまして、私も大変うれしく思っておりますが、これから先も交付税等での措置を大いに広げていただきたいと思うわけでございます。
 そこで、今大臣の御答弁の中にもありましたけれども、国際交流が頻繁になって地域社会とのいろいろな問題も生じてくるかと思いますけれども、その中にあってやはり言葉の問題というのが一番大きくなってくるんじゃないかと思うわけです。日本の英語教育、これは戦前も行われておりましたし、戦後も行われておりますけれども、今までの英語教育がどっちかというと書く、読むという方が主になっていて、話すということになってくるとどうしてもこれは落ち込んでいたんではないだろうか、そういうことで日本が国際社会に進出していった場合に非常にマイナスになっている面が多いと思うわけです。そういうときに、自治省が外国の青年を日本に呼んで学校で英語を教える事業、外国青年招致事業というものを行っておられるということは大変結構なことだと思いますけれども、現在までの実績、どのような国からどのような人たちが見えて、大体どの地方に行ってその事業をしていらっしゃるかということについてお尋ねしたいと思います。
#7
○政府委員(滝実君) この事業は大臣からもお話がございましたように、文部省と外務省の三省で実施してまいりまして、昭和六十二年度から行っているものでございます。
 現在の状況を見ますと、平成四年度、これからでございますけれども、平成四年度につきましては英語圏から六カ国、それにフランス、ドイツを中心にいたしまして約三千三百人を今年度はすべての都道府県に配置する、こういう予定にいたしております。それから、本年度から新たな国といたしましては中国から四人、これは既に四人特別に四つの県に着任をいたしておりますけれども、そういうことを四年度の新規事業としてやっております。
 全国的なあれから申しますと、大体人口にスライドするわけでございますけれども、ただ六十二年からの実績もございますので、必ずしも人口によっていないところもございますけれども、大体人口にほぼスライドするような格好で三千三百人を配置している。この三千三百人の中身でございますけれども、主体は今先生の仰せのように、外国語の指導助手という格好でやっておられるのが大半でございますけれども、ごくわずかでございますけれどもそのほかに地域の国際交流のお手伝いをする、こういうようなことを主たる任務とする方が大体百五十人から二百人ぐらい、年によって違いますけれども、そういうような人たちもこのJETプランの中に含まれている、こういう状況でございます。
#8
○篠崎年子君 今、大体人口にスライドして各地域にということですけれども、この場合の人口というのは何を基準にした人口でしょうか。
#9
○政府委員(滝実君) おおむねその地域の、その県の人口でありますとかあるいは学校の数でありますとか、そういうようなことを一つの基準にいたしまして配分の数字を出す、こういうことで出しております。
#10
○篠崎年子君 それが一番基礎的な人口になると思うんですけれども、地域的に外国人が集中的に入っている地域というのがあるわけです。だから、そういうところでは特に、先ほどからお話がありますように、学校の仕事だけではなくて交流センター等の仕事というのが非常に重要な役目を果たすんじゃないかと思いますので、その点も今後考慮の中に入れておいていただきたいと思うわけでございます。
 それから、英語圏、仏語圏あるいはドイツ、中国というふうに広がってきているようですけれども、今後、今ちょっと落ちておりますのが、あれ何圏というのでしょうか、例えばポルトガル語とかあるいはブラジルの言葉、そういったようなところの人たちももっとたくさん日本に呼んでいかなきゃならないと思うんですけれども、こういうことについての御計画はおありでしょうか。
#11
○政府委員(滝実君) おっしゃるように、ブラジルとかペルーとかというのが最近、地域的に限定されるわけでございますけれども、数多くおいでになっている、こういう状況でございますから、今仰せのように、ブラジルでございますとポルトガル語ということになりますので、そういった点はひとつなるべく早い時期に検討してまいりたい、こういうふうに考えております。平成四年度では、すぐに間に合うことはできませんけれども、外務省とも相談をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
#12
○篠崎年子君 それでは次に、大村難民一時レセプションセンターのことについてお尋ねをいたしたいと思います。
 これは、私の地元の県内にある町でございますので、飛行場の行き帰りによくここを通るわけでございますけれども、ここのことについてお尋ねをする前に、まず難民の定義というものについて御説明いただきたいと思います。
#13
○政府委員(本間達三君) お答えいたします。
 我が国におきまして難民と言われる者といたしまして、条約難民と言われる者とインドシナ難民と言われる者、この二種類がございまして、まず条約難民と申しますのは難民条約に規定されているところでございまして、人種、宗教、国籍、特定の社会的集団の構成員であること、または政治的意見を理由として迫害を受けるおそれのある者を言っております。
 それから、インドシナ難民と申しますのは、一九七五年の旧サイゴンの陥落及びこれに続いた混乱を逃れてインドシナ三国から脱出してきた者の総称でございまして、この中にはただいま申し上げました条約上の難民に当たる者と、そうではありませんけれども国際社会においてひとしく保護を必要とすると考えられる者、この双方を含むものでございます。
#14
○篠崎年子君 そうしますと、これを受け入れている大村難民一時レセプションセンターの役割というのはどういうことなんでしょうか。
#15
○政府委員(本間達三君) ボートピープルとして我が国に難民が到着するというケースが典型的な場合でございますが、そのような者につきまして現在は、一九八九年六月に行われましたインドシナ難民国際会議における合意というのがございまして、この合意によって難民性の有無について審査を行うということになっております。現在、その審査するという手続を行うために一時そういった難民の方々を庇護しておく、いわゆる仮上陸と我々呼んでいますけれども、仮上陸の許可を与えて一時難民の方を収容する施設ということでこの大村の難民一時レセプションセンターというものがあるわけでございます。
#16
○篠崎年子君 そうすると、仮上陸させて一時庇護をするということですね。そうして、その後はどういうふうになるんでしょうか。
#17
○政府委員(本間達三君) ただいま申し上げましたとおり、仮上陸の許可を行って収容した方々につきまして、センターにおきまして難民性の有無にかかわる審査、いわゆるスクリーニングと言っておりますが、これを行います。その結果として難民性の認められる者につきまして一時庇護のための上陸を許可するわけでございますが、難民性の認められないという者につきましては退去強制手続をとって本国への送還を促進するということになります。
 一時庇護のための上陸の許可を受けました者につきましては、アジア福祉教育財団が運営する定住促進センターやあるいは日赤等の民間の施設など、他の難民一時滞在施設。に移しまして、その後、本人が我が国への定住を希望する場合には審査の上定住者としての在留を許可することといたしております。また、第三国への定住を希望する者につきましては、当該第三国への受け入れというものを待つことになるわけでございます。
#18
○篠崎年子君 そうしますと、今まで大村に収容された人たちの数というのは、三年ほど前でしたか、一時ベトナムからのボートピープルを装って中国の人たちがたくさん入ってきたという時期がありまして、大村がパンク状態になったようなときもありましたけれども、今までここに収容された人数というのは大体どのくらい入っているわけですか。
#19
○政府委員(本間達三君) これまでの累計という御質問と理解させていただきましてお答えいたしますと、本年の五月十八日現在で入所者の累計が七千二百五十五名、退所者の累計が七千九十一名というふうになっています。
#20
○篠崎年子君 そうすると、今の数からするとまだ入所している方がかなりいるわけですね。現在の数というりは、今ちょっと調べましたので百六十四というふうになっていますけれども、それは間違いないでしょうか。
#21
○政府委員(本間達三君) 先ほどは五月十八日現在の数を申し上げましたが、五月二十五日現在も変わっておりませんで、百六十四名でございます。
#22
○篠崎年子君 そうすると、この人たちの中で短い期間で次のところへ移されていく方もあるでしょうし、またあるいはもう少し長くいるという方もいらっしゃるかと思いますけれども、短い方でどのくらいか、長い方でどのくらいか、その点おわかりでしょうか。
#23
○政府委員(本間達三君) 短い方というのはちょっと正確な数字ではございませんが、おおむね百日ぐらいが最も短いものでございます。本年の四月末現在の在所者について調べますと、平均在所期間でいきますと四百三十日という数字が出ております。
#24
○篠崎年子君 一番長い人は。
#25
○政府委員(本間達三君) 最長は七百二十五日でございます。
#26
○篠崎年子君 そうすると、平均四百三十日ということは一年以上ですね。そうして一番長い人は七百二十五日ですから二年近くということになります。短い人は百日ぐらいで次へ行くから三カ月ぐらいで移っていくわけで、まあまあいいと思うんですけれども、平均が四百三十日というのはかなり長い人が多いと思うんです。最長が七百二十五日ということですが、なぜこんなに長い期間かかるのですか。
#27
○政府委員(本間達三君) 先ほど御説明いたしました難民性の審査、すなわちスクリーニングがございますが、この手続の過程におきまして、私どもとしては国連難民高等弁務官事務所の立ち会いを許し、またその意見の提出を認めるということにいたしております。したがいまして、最終的に難民性の有無の判断をするに当たりましては、国連難民高等弁務官事務所の意見提出を待つということにいたしております。
 現在おります収容者につきましては、一応私どもの調査も終えておりますが、まだ難民高等弁務官事務所の意見提出が得られていないという状況でございます。遅延する原因というのは、やはりそういった事情があって長期化している、こういうことでございます。
#28
○篠崎年子君 今、難民高等弁務官事務所の審査がかかっているということですけれども、よくわからなかったんですが、一番長い期間そこにいなければならないという理由で最も大きな理由というのは何ですか。
#29
○政府委員(本間達三君) 今申し上げましたとおり、手続的にはすべての方について同じような手続を行っているわけでございますので、私どもの審査の期間、調査の期間、そしてまたそれに基づく一応の判断をする、それに基づいての難民高等弁務官事務所の調査とその意見提出、そういった一連の手続に時間がかかっているということでございますので、最長の方について特別ある事情があってこれだけおくれたというふうには私どもは理解していないわけでございます。
#30
○篠崎年子君 特別の理由がなくて長くかかっているということで言うと、結局、書類とかあるいは職員の数とか、通訳も必要だと思うんですけれども、そういったようなことは原因になっているんでしょうか。
#31
○政府委員(本間達三君) 端的に申し上げますと、国連の、ただいま申した難民高等弁務官事務所の職員が非常に少のうございまして、少数の方で多くの審査案件を持っている、こういう状況でございますので、国連側の事情というのがこの遅延については大きく作用しているというふうに私どもは認識はしております。
#32
○篠崎年子君 そうすると、高等弁務官事務所の方というのは国連からの出向というんでしょうか、給与の面では国連の方から来ていると思うんです。今、日本国内に何人いらして、それでどういうところでどんなふうに配置されているのでしょうか。
#33
○政府委員(本間達三君) スクリーニングを専門にしている職員は一人でございますけれども、そのほかに他の業務と兼ねてスクリーニング関係も担当されるという方が二名おられる、こういった状況と承知しております。
#34
○篠崎年子君 ちょこちょこと聞いて申しわけないんですけれども、今、一人あるいは二人、加えて三人ですね、それは日本国内全部でなくて大村だけなんですか。
#35
○政府委員(本間達三君) これは大村のみならず、日本全体の難民の問題についての担当ということでございます。
#36
○篠崎年子君 聞いて驚いたんですけれども、日本国内にかなりの数の難民が一時入ってきましたね。それから、そういうことでなくてほかの理由でもいろんな国から入ってくる人がいると思うんですけれども、それに対してその人数というのは余りにも少ないんじゃないかと思いますが、そういうことについて日本の国から国連の方へ何らかの要請をされたことはございますか。
#37
○政府委員(本間達三君) 先生おっしゃるような特別の要請ということはいたしたことはございません。
#38
○篠崎年子君 そうすると、法務省の方では、大村に平均四百三十日も入っている、長い人は二年近く入っている、そういうことについて、その人たちの人権ということについてはお考えになったことはないんでしょうか。
#39
○政府委員(本間達三君) 確かに、長期間不安定な状況で置くということについては、人権上問題があるというふうには思いますけれども、現状が国連側の事情というのもございますが、これは一つは財政的な面が大きいかと思います。そういった事情もありますので、現状においてはやむを得ないかとは思いますけれども、先生御指摘の点を十分踏まえまして、今後このスクリーニングの早期決着ということについては努力をしてまいりたいと思っております。
#40
○篠崎年子君 日本はかなり国連にお金を出しているわけです。だから、こういうときにこそそういうふうな人たちの人権ということを考えて、もっと人数をふやすように努力をしていただきたい、これは要望いたしておきます。
 ところで、そういったようにして入ってきて長くいる人たち、これは家族単位の人もいるし単身の人もいるし子供もいると思うんですけれども、その状況はどんなふうでしょうか。
#41
○政府委員(本間達三君) 年齢別に申し上げますと、未成年の方というのが男で四十三名、女性で三十一名という状況でございます。
#42
○篠崎年子君 今の中で、払お尋ねしたのは、家族単位ということでどのくらいか、それから学齢期、例えば六歳から十六歳未満、そういったような数はおわかりになりませんか。
#43
○政府委員(本間達三君) 何家族がおられることは事実でございますけれども、現在手元に家族数の資料がちょっとございませんので、恐縮でございます。
 それから、学齢期の方でございますが、六歳以上十六歳未満の方は十八名となっております。
#44
○篠崎年子君 ちょうど学齢期の子供さんたち、これはたとえ難民であってもやっぱり子供として教育を受ける権利があると思うんですね。
 難民の地位に関する条約の第二十二条の中に「締約国は、難民に対し、初等教育に関し、自国民に与える待遇と同一の待遇を与える。」というふうに書かれております。大村にいる人たちは確かに難民と認定はされていませんけれども、一年以上二年近くいるということの期間を考えると、その期間中、子供たちをそのままにほうっておくというのは、やはり少し酷ではないだろうか。しかも、教育というものは、大人になってからいろんな教育を受けるよりも、ちょうど適したときに適した教育を受けるということが非常にこれから先必要になってくると思うんです。日本が国際化すればするほど、ここのところで日本がどういうふうな国際貢献をするかということは大変大切になってくると思います。
 私がちょっと前に聞きましたところでは、大村で前に、これはボランティアですけれども、学校を退職された方が子供たちがああやってじっとしているのほかわいそうだということで、日本に住みつくか、ほかの第三国に行くかわからないけれども、しかしやはり日本にいる間は日本語の教育がなんかしてやろうじゃないかというので、自分たちで教科書やノートや鉛筆その他の文房具等も持ち寄って教育をしていた期間があったそうでございます。それが昨年ぐらいからとぎれてしまっているわけです。これはどういう事情がということを聞いてみましたら、場所がなくなったからといったようなことが言われているようですけれども、こういうことについてやはり国として、たとえここが一時レセプションセンターであったとしても、やはり手を差し伸べていくべきではないだろうかと思うのですけれども、この点についてお考えはいかがでしょうか。
#45
○政府委員(本間達三君) 一時レセプションセンターの性格といたしまして、スクリーニングのための施設でありますので、国といたしましては現在特に児童の教育のための措置というものを予算その他の面において手当しているということはございません。難民高等弁務官事務所におきましても同様であるというふうに承知いたしております。先生御指摘のとおり、その間の教育というものはやはり一つの大きな問題だろうと思いまして、ただいま御紹介ありましたとおり、昨年の七月までは退職された教職員の方々と地元のボランティアの方にお願いいたしまして、日本語教育等の教室を設置いたしまして児童の教育を行っていたということがございます。その後、センターの収容人員が著しく増加したということで、教室に充てる部屋がない等の事情がございまして中断し現在に至っているところでございますけれども、先生御指摘の点もございますので、今後センター内の状況等見ながら、そういったボランティアの方々にお願いいたしまして、この種の教育について配慮するよう努力をしたいと思っております。
#46
○篠崎年子君 よく行政は大変冷たいという声を聞きますけれども、やはり行政というものは国民にとりましては一番頼りになるべきところですし、また外国から入ってきた人たちにとっても大切な場所だと思うんです。だから、その行政がただ法律上の問題だけでそういうことを切り捨てるのではなくて、やはりできるところ、血の通った行政、そういったところにこれから先も手をつけていただきたい、今御決意のほどわかりましたので、早速これは始めていただきたいと要望いたしておきます。私も行き帰りに寄りますので、どんなふうな状況かということを今後も見させていただきたいと思うわけでございます。
 ところで、これは難民の問題ですけれども、最近では外国人登録をして日本の国々に入ってきている方々が大分人数がふえてきているわけですね。この外国人登録の問題で、群馬県の大泉町というところでは、平成四年の三月一日現在で、町の人口は四万六百二人のうちに外国人登録をしている外国人の数が二千二百六十八人、総人口の約五・六%を占めているということで、ほかのところと比べると非常に多いと思うんですね。これは、ある会社がまとめて雇っているということからそういったような状況が出てきているのではないかと思いますけれども、これは外国人登録をしている人の数だけであって、観光ビザで入国して、不法就労という言葉は使いたくありませんけれども、そういったような形で一緒にそこで仕事をしている人もあるかと思うわけです。そういった場合に、外国人がある一カ所に非常にふえてまいりますと、いろんな問題が起こってくるかと思うんですけれども、大体どういうふうな問題が起こってくるのでしょうか。
#47
○政府委員(滝実君) 私どももこれは断片的にしか状況を承知いたしておりませんけれども、関係団体からの情報によりますと、例えばまずごみの問題でトラブルが多いとか、あるいは水道代がかさむのに水道を出しっ放しにして、後で支払いが困難を来すとか、そういうような日常生活の違いというものがかなり見られる、こういうような意見が一つございます。それから、市町村の窓口がなかなか対応できない。例えば、一時に集中して外人登録の窓口にやってこられると、言葉の通じない問題もございまして、なかなかさばきに苦労している、こういうようなこともございます。それからあとは、保育園でありますとか小学校でありますとか、そういうような子供同伴の方々が相談に、そう人数は多くないようでございますけれどもおいでになりますので、そういったときにどう扱っていくのか、こういうことで苦労をしている、こういうようなことは私どもも聞いております。
#48
○篠崎年子君 生活習慣の違いというものは、よその国に行って一遍に直そうとしてもなかなか直せないものですし、またわからないところが非常に多いと思うんですね。ですから、例えばごみの出し方はこういうふうにするとか、あるいは水の使い方はということを教えてさしあげるというか、そういうことをしていかなければならないわけですけれども、それにしても、やはりそういったようなことをだれがするかということになってくると、言葉のわからない人が言葉がわからない人同士でこうこうと言っても、手まねで通じることもあるでしょうけれども、やっぱりそこは言葉が通じなければ十分な説明もできないと思うんです。
 特に大泉町というところでは、やはり今の環境の問題、毎日の生活の問題とそれから言葉の問題で非常に苦労したということが、これは「町村週報」というものの千九百七十二号の中に出ておりまして、ちょっと時間どってと思いますけれども、「いちばん苦労した言葉の問題」というのが出ているわけです。その中で、「こうした外国人の急増で町がいちばん苦労したのは、言葉の問題だった。ブラジルから働きに来た人たちはほとんどが家族連れで、当然、学校教育が必要となる。町には小学校が四校、中学校が三校あり、そこに八五人の南米のこどもたちが通っているが、言葉がほとんどわからない状態だった。そこで、平成二年からポルトガル語の話せる指導助手を採用し、さらに日本語学級を設置して日本語や日本の慣習を教えだしたのである。」。このときに、こうした子供たちへの指導をするということについては、ポルトガル語がわからなければいけない。そうしたら、幸いその町に、役場の方も同じようなことがあると思うんですけれども、日系二世のブラジル人の方がいらしていて、この人が半分ボランティア、あるいは町からの少しの補助というような形でここに入ってきて指導をしてくれたので大変助かったということがここの中に出ているわけですね。
 これから先、私たちが国際化ということを叫んでいるときに、日本には多くの外国人の人たちが入ってきます。もちろん言葉も一つ一つ来た国々で違っているわけですけれども、やはり外国人登録をする人たちというのは一応役場に参ります。そのときに役場で言葉のわからない人がいるということになってくるとなかなか十分なことはできませんので、そういう人を雇おうとすると、どうしてもこれは町の費用で単独で出さなければならない。あるいは、大きな町、大都市では何とかなるかもしれないけれども、小さい町になればなるほどその負担がかさんでくるわけです。そういうことについて、やはり国としては、地方交付税の中にそういったようなことを含めて基準財政需要額、これは人数は変わっていくからいつも同じにするということはできないけれども、前年の実績を見て、何とかそういったようなことに取り入れていくというようなことはできないものだろうかと思うわけでございます。
 この問題の最後ですけれども、国際化に対応した地域づくりの一環として、今申し上げましたような通訳とか相談所の設置など、特に国際交流ということの中でこれを取り上げていっていただきたいと思うわけですが、それにつきましても、やはりこれは自治体の中に職員としてその人が存在をするかどうかということ、そういう言葉のわかる方が正職員として入っているかどうかということが大きく影響してくるかと思うんです。この問題では国籍条項等があって公務員になかなか採用できないということはございましたけれども、最近では町や市が単独で職員として採用をしているということがあるようです。
 大臣に最後にお伺いしたいと思いますが、今後の課題として、自治体職員の採用の場合に、国籍条項を外して必要な人はそこの中に入れていく、それは国の交付税の中でも見ていく、こういったようなことになるように御努力できないものでしょうか。大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
#49
○国務大臣(塩川正十郎君) 公権力の行使に伴いますところの行政部門に関係する職員につきましては、これはやはり国籍条項を除却するというか適用除外にするということはできません。やっぱり国籍条項は厳然として適用される、こういうことでございますけれども、それ以外の部門、例えば業務だけを担当するというような部門につきましては、ケース・バイ・ケースであろうと思います。職員の採用の形態はいろいろあろうと思うわけでございますが、それぞれ市が苦労して自治省あるいは外務省と相談してやっておると思っておりますので、その点につきましての身分につきましての問題は今後ケース・バイ・ケースで処理したい。
 ただ、財政上そういう職員を嘱託であれあるいは臨時採用であれ、いろんな形にいたしましても、その採用いたしました費用等につきましては、ある程度これは今までも見てきておりますが、今後も交付税等で措置できるものはしていきたいと思っております。
#50
○篠崎年子君 今の大臣のお言葉で安心いたしましたけれども、十分に安心はできないわけですが、そういったような方法ができるのだということを各自治体の方に御通知いただいて、採用できるときには採用するということの御努力を今後も進めていっていただきたいと要望いたしておきます。
 次に、私は、立ちますたびに島原雲仙・普賢岳災害のことばかり申しまして大変申しわけないと思いますけれども、やはりこれはもう避けて通れない問題でございますので、今回は普賢岳の問題につきまして、特に仮設校舎の問題についてお尋ねをいたしたいと思うわけでございます。
 先般の委員会のときには仮設住宅のことについてお尋ねいたしまして、大変おふろが狭くて、隣の声ももう間近に聞こえて非常に生活上にいろいろ故障が起きてきているということを言っておりました。
 最近、私は、深江と島原の仮設校舎に行ってまいりました。ちょっうどお天気のいい日でしたけれども、その前二、三日は余り火砕流も起こらなかったということで灰は余り降り込まなかったということですけれども、しかし仮設校舎の中にかなりやはり灰が入ってきているということが出てきているわけです。これは校舎だけではなくて、その辺の住宅全体、全部同じような影響をこうむっているわけですから仕方がないといえば仕方がないわけですけれども、仮設校舎であっても教室の中に灰が入らないように十分な措置をしていただきたいと思うわけです。
 ところが、灰が入らないようにするには窓を閉め切らなければならないわけです。窓を閉め切りますと、もう今の気温ですと長崎の方は昼間でも二十七度ぐらいになるときがありますので非常に暑くなるわけですね。もとの学校が一つありますと、ちょうどその隣に仮設校舎が建っているわけです。こちらの方のもとのちゃんとした当たり前の学校から仮設校舎に一歩足を踏み入れますと、もう足を踏み入れた途端にむっとするような熱気が通ってくるわけです。クーラーは入っていないんですかと言ったら、間もなく入れてもらえるようにはなっているようですがまだ入っておりませんということで、できるだけ早く措置をしていただぎたいと思うわけです。
 もう一つ問題なのは騒音の問題なんです。これは騒音と言っていいかどうかわかりませんけれども、実は第二中学校の中に第三中学校が入っておりまして、その第三中学校が子供たちに、今あなた方が一番困っていることは何か、あるいは問題と考えていることは何かということを自由記述でアンケートをとっているわけです。その中で一位を挙げてみますと、まず第一に音ということが出て、もうこれはほとんどの子供たちが音について書いているわけです。雨の音や外の騒音で先生の話が聞こえにくいとか、それから廊下を通る足音が歩くたびに校舎全体に響き渡って非常に勉強がしにくいとか、勉強に集中ができないというのがほとんどの子供たちが書いている意見なんです。
 その次に書いてありますのが、やはりこれはもっともだと思いますけれども、二中の人とけんかしたくなるけれどもそれを一生懸命我慢しなければならない、これはもう子供の正直な言葉じゃないだろうかと思うわけです。
 私は、実は戦前から教師をしておりまして、戦前の空襲で学校が焼けまして、残っている学校に三校が一緒に入ったことがございます。そのときに、残っている学校はコンクリートの建物の学校でしたので木のきしみというのは聞こえませんでしたけれども、逆に今度はコンクリートの部屋の中の騒音というのがやかましくて、私は入った方の学校だったんですけれども、ちょっと子供が騒ぎますともとの学校の先生から、どこどこの学校は非常にやかましい、あの学校は走り回っている子が多いとか、あそこはしつけが悪いとか言われるわけで、そういう教室と教室との問のあつれきがある。それから今度、子供たちは子供たちで、よその学校に行っているものですからおとなしくしておかなきゃいけないけれども、子供ですからそんなにしょっちゅうおとなしくしているわけにいかないんで、つい暴れてしまう。そうすると、あそこの子供はまた暴れているぞというふうなことで非常に摩擦がひどいわけです。それはわずかに四カ月ぐらいだったんです、そこへ入っているのは。それでもそんなにあったんです。
 ところが今、島原ではもう、一年にはなりませんけれども、十カ月ぐらいになるわけですね。そういう中にあって一生懸命我慢をしている子供たちあるいは教師というものは、これは本校の人もやはり同じ悩みを持っているんじゃないかと思うわけです。
 そういうことから考えまして、仮設校舎、確かに今の島原の状況では本校舎の建設ということは難しいかと思うわけですけれども、仮設校舎の中で今困っている騒音の問題についてだけでも何とか手を加える方法はないでしょうか。このことについて、これは市が単独でやれるというものではございませんので、国の交付税等々あるいは補助金等で見ていってもらわなければならないと思うんですが、文部省の方はいかがでしょうか。
#51
○説明員(岡村豊君) 先生から御指摘ございましたように、このたびの雲仙岳噴火に伴いまして、島原市、深江町の小中学校については、当面別の敷地に移ってそこに仮設校舎を立てて授業等をいたしているわけでございます。そして、この仮設校舎建設後の期間の経過等に伴いまして、御指摘のような騒音あるいは灰が入ってくるといったような事態も生じているやに聞いているところでございまして、そのため、地元におきましてもその対応について種々検討しているところであるというふうに私どもは承知しております。
 今後、地元の具体的な意向を勘案いたしまして、必要に応じまして適切に対応してまいりたいと考えている次第でございます。現在の段階では、地元の具体的なこうしたいというものがまだ必ずしも固まっていないようでございますので、この場で、国としてどういう面でどういう御協力ができるか、あるいはお金がどうなるかというようなことについてはお答えしにくうございますが、できるだけ地元の要請を踏まえて適切に対応してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#52
○篠崎年子君 こう言っては大変失礼かと思いますけれども、検討するとか適切に対応してまいりますとかいう言葉はよく皆さんがお使いになるんです。ところが、本当に検討なさるか適切に対応なさるかということになってくると、それまでに、適切に対応していただくとしても期間が非常にかかるとか、あるいはその前にいろんなクッションが出てくるとかということで問題になっているんじゃないかと思うわけです。
 それともう一つは、やはり島原の皆さんにとりましても、いろんなところにいろんな補助をいただいているので、もうこれ以上申し上げては大変申しわけないというお気持ちもおありになるんじゃないかと思いますので、ここのところは、地元の方から要望がなくても、文部省なり何なりが調査にいらして、なるほどこういう状況か、それならばもう少しこの辺を何とかしてやってやろうではないかと、そういうところに心配りをしていただくのが行政の側の国民に対するサービスではないだろか。行政というのは公僕なんですから、向こうから言われる前にやはりその仕事をなさるということに十分心していただきたいと思うわけですね。
 実は島原の中学校の廊下というのは、ベニヤ板をそのまま一枚、もちろん下にはちょっと補強材がしてあると思うんですけれども、ベニヤ一枚張ってあって、それを二枚くぎで打ちつけてあって、それがずっと通っているわけです。私は、ちょうど授業中でしたので、足音がしないようにと思ってスリッパでそっと歩きましてもギシギシという音がするわけなんです。一人が歩いてもそういうふうな状況ですから、何十人という子供が歩けばどんなふうな音になるかということは御想像がつくと思うんです。ですから、そういうことについて今後できるだけ地元の方にも安心して国に要望を出しなさい、そうしたら国の方では何とかしてあげるよというふうなことをお伝えしていただければ、地元の方も安心をするんじゃないかと思います、これはお願いでございますけれども。
 次に、島原の方では大変自分の住宅から学校に来るまでの距離が遠くなりまして、小学校では実際にバスを使って通学をするわけですけれども、四方八方に帰らなくちゃいけません。それで、一年生が入ってまいりますと、子供たちの送り迎え、まあ朝は親が乗せてくれたとしても、帰りは先生があるところまで送っていかなければならないということで、非常に教師の数が足りなくなってきている。それから、出入りが非常に多いものですから事務も非常にふえてきている、あるいは子供たちのいろんな問題も出てくるので、どうしても教職員が今までの数だけでは足りない。そこで、県の方が県単で二十人ぐらいの人数ですか、ここに配置をしているということで、これは大変いいことだと思うんですけれども、これは県単でございますので、例えば二十人配置をすると一億何千万というふうな、何千万まではなりませんか、そんなふうな金額になるかと思うわけです。そのことにつきまして、やはりこれは地方交付税なりあるいは特交で見ていただく、そういったようなことはできないものだろうかと思うんですが、いかがでしょうか。
#53
○政府委員(湯浅利夫君) 教育のために本来の定数だけでは不足だということで今お話しのような県の単独の職員の加配というようなものがあるということでございますが、こういう問題については災害対策全体の問題として、昨年もそうでございますが、いろいろな形で特殊な県あるいは市町村の財政需要を報告していただきまして、それに基づいて交付税の措置を昨年もいたしました。今年度につきましてもどういう財政需要がこれから出てくるのかという点についてまだ詳しいお話は伺っておりませんけれども、よく県の事情をお伺いいたしまして、財政運営上支障のないように努力をしてまいりたいと思っております。
#54
○篠崎年子君 要望やら何やら申しましたけれども、特に普賢岳の噴火というものはいつおさまるかわからないという状況の中で、住民も大変ストレスがたまってきていろんないら立ちが募ってきている。こういうときにはやはり行政が一番頼りだけれども、やはりその行政を束ねる政府の力というものに頼るのが最後の頼みの綱でございますので、災害復旧ももちろん大事でございましてこれも手を抜いてもらっては困りますけれども、同時にやはり毎日の生活の中にあって少しでも安心して暮らせる、そういったようなことが教育の面でも毎日の生活の面でもできるように大いに御努力をいただきたいと思います。
 少し時間が残りましたけれども、これで終わります。
#55
○野別隆俊君 私は、前段で地方交付税を中心にお尋ねをいたしたいと思います。質問の内容は、前のおさらいが随分ございますのでその点を御理解をいただきたいと思います。
 基本的なことからまず伺いますが、地方行政委員会で以前から論議をされてきたことでございますが、地方自治の本旨とは何ぞやということであります。塩川自治大臣は、憲法で規定されている地方自治体の本旨というのは、団体そのものも自治権があるし住民の団体に対しての自治権もある、自治の両面があるということから自治の本旨となった、こういうふうに説明をされておられます。また、地方自治とは、地域住民の幸せをどう実現するか、これが地方自治の本旨だということを星川委員がさきの委員会で質問されまして、自治大臣も全くそうだと、こういう同意をされているのであります。そうなりますと、これに関連して考えますと、憲法でうたわれている地方自治の本旨とはどのように実現されるであろうか、そういうことが私は重要なことだと思いますが、そういった意味で地方自治は国家とは別人格を有する独立の地域団体の存在である、これを認めることは、これはもう皆さんひとしくそういうふうにお考えになっていると思います。
 そこで、地方自治体というのは、国とは別に首長があり議会がありそれぞれ首長も議員も選挙によって選ばれてきておるわけでありますから、こういった事務処理をすることも保障されていますし、また税金も、地方税においても独自の歳入の道が開かれています。そして、交付税の財源は国が地方にかわって徴収して、地方の固有財源であるということは、これはもう日本国憲法の要請に基づくものであると私は思うのであります。自治大臣にもう一回ここを確認をしておきたいと思いますが、そういうふうに私は判断しておりますが、自治大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#56
○国務大臣(塩川正十郎君) 今のお話の中に、地方自治体は国とは全く違うものだとおっしゃいましたが、正確に言いますと国の機関とは別の団体である、こういうことでございますね。これだったら私も安心いたしました。国から離れての自治体はないと思っておりますのでございますから、憲法の許される範囲内において、地方行政をやはり自治の本旨を生かしながら法律に基づいて忠実に施行していく団体である、こう思っております。そして、国としても、いわば中央の行政機関としても、地方の自治が顕現できるように最大の配慮を払っていくべきである、これはもうおっしゃるとおりだと思っております。
#57
○野別隆俊君 次に、衆議院の地方行政委員会で、大蔵事務当局のこの問題をめぐっての答弁で、大蔵大臣と相談をされた結果、大蔵省の政府委員は、「昭和四十四年の福田大蔵大臣の国会答弁以来、歴代の大蔵大臣が御答弁申し上げているように、地方交付税については、特定の国税の税収の一定割合が国から地方に交付されることが決まっていることから、地方から見ていわば権利のある金であり、そういう意味において固有の財源と言っても差し支えない」との考えを示されておるわけでありますが、そこで問題なのは、地方から見て権利があるということは、そういう意味において固有の財源であるというふうに一つの限定をされておるわけであります。固有の財源とした点で、地方から見てということは明らかに国から見たら違うということを言外に言っているようにも私どもは受け取るわけであります。そういうことではないということをこの際ここではっきりと大蔵省に確認を求めておきたいと思います。地方交付税はあくまでも地方の固有財源であるというようにもう率直にお認めになることが正しいんではないか、このように考えますので、御答弁をお願いします。
#58
○説明員(原口恒和君) 御指摘の点につきましては、昭和四十四年の福田大蔵大臣の国会答弁以来、歴代の大蔵大臣が御答弁申し上げているところでございますが、この点につきましては、先日当委員会においても当初より、「地方交付税については、特定の国税の税収の一定割合が国から地方に交付されることが決まっていることから、地方の権利のある金であり、そういう意味において固有の財源と言っても差し支えないものと考えておる」というふうに御答弁も申し上げたところでございますし、今先生のおっしゃったとおり、「地方から見て」ということは、我々他意があって入れた言葉ではございませんが、そういう誤解を招くという御指摘もございますので、そこは落とさせていただきまして、「地方の権利のある金でありこという御答弁を申し上げたところでございます。
#59
○野別隆俊君 今の答弁で、国から見てもやっぱり固有の財源であるというふうになったと理解をして、次に移ります。
 次に直入問題であります。
 この問題も以前から論議をされてきたところでありますが、従来から地方団体、自治省、地方制度調査会などはそういう提案をしておりまして、私はこれも先ほど触れた憲法の要請している地方自治のための財源確保の観点から考えますと、毎年度国において一般会計に実額が計上されて、特別会計に繰り入れられるといった、そのときどきの事情によって一般会計に計上されたりされなかったりするというような性質のものではない、こういうふうに考えますが、全然一般会計に計上されないということは現在のやり方を踏襲してみてもあり得ないわけでありまして、理論上は一般会計に計上して初めて認められるという形式に現在はなっております。
 しかも、国税に占める一定割合も交付税法によって明記されているものでありますから、国税収納金整理資金から特別会計に直入しても技術的に問題がなければ直入して差し支えないのではないか。いや、むしろ憲法が保障する地方自治の本旨を具現するためには直入が求められていることではないか、このように思っておるのでありますが、これは自治大臣はいかがにお考えでございますか、お伺いをいたします。
#60
○国務大臣(塩川正十郎君) 私たちも、かねてから、国税収納金整理資金を通らないで直入してもらいたいということは要望はいたしております。しかし、国の予算の立て方上ずっとまいりましたことは、これは先ほど質問の中でちょっと私意味がわからなかったのでございますが、この地方交付税だけは一般財源と別にして立てておるというところでございます。
 御承知のように、一般財源とそれから地方交付税とそれから国債費というふうに大蔵が立ててきております。その点から見まして、やはり交付税等特別会計というのはいわば国から見ましても一般歳出じゃないということは、これは私たちも理解しておるところでございますので、したがいましてこの交付税が地方の自主的財源であるということは、いわば国民全体がもう既にそう認めておるという既定の事実がここに確立されてきておると私は思っております。
 したがって、直入されることはこれは私は望ましいことだと思いますけれども、直入されないから国の会計上の問題があるとか、あるいは地方財政上に支障を来すというような、そういう深刻な面では私は受け取っておらない。ただ、直入されればそれにこしたことはない、望ましい状態であるということで、努力を重ねておるところであります。
#61
○野別隆俊君 この点について、大蔵省も専門官でございますから、ちょっとお尋ねをいたしておきます、大蔵省の見解を。
#62
○説明員(原口恒和君) お尋ねの直入すべきではないかという御指摘でございますが、地方交付税を一般会計から交付税特会に繰り入れるという現行制度は、御案内のように二十九年度の地方交付税制度創設以来とられている制度でございまして、また、昭和十五年に創設された配付税制度のもとにおきましても同様の取り扱いがなされているところでございます。これを変更するということについては、国の予算制度あるいは会計制度にも大きな影響を及ぼすというものでございまして、問題が多いのではないかと考えております。
 具体的に申しますと、現行方式、現行の地方交付税が一般会計予算に計上されているという方式、これによって歳入面では税制の根幹をなす所得税、法人税といったものの税負担の状況、また歳出面では国、地方相互の財源配分の状況といったものをそれぞれ一覧性のある姿で示す、そういうことによりまして国及び地方を通ずる財政運営の総合的調整を行うための有効な資料なりそれに対する国民各位の理解、判断を求めるという意味においてすぐれた面を持っている。また、そういう制度をずっと続けてきているということがございますし、また一方で、やや技術的な面でございますが、交付税特会に直入するということになりますと、交付時期についても実際に収納したものしか地方に支払えないというような、地方財政に対しても影響を与えるというようなことがございますので、交付税特会へ直入するというのはいろいろ問題が多いのではないかと考えている次第でございます。
#63
○野別隆俊君 この問題については大蔵省とはまだかなり隔たりがございますから、我々、これからも運動の中で詰めていくようにしたいと思います。
 時間がありませんから次にいきます。
 平成元年度から三年度までの各年度における後年度加算は、平成三年度から八年度ぐらいの比較的近い年度に多く積まれているために、国から地方への返済は比較的早目に返してもらえるように思っていたのであります。ところが、今年度の加算の仕方を見ますと平準化と称して、大変言葉はきれいでありますが、要するに平成五年から平均割りで十三年までで十年間三千七百億円程度の返済額になるようであります。これは法律上規定されておりますからそういう方向で進むと思いますが、自治省の答弁は、十年単位で展望して交付税の安定確保を図る観点から平準化を行ったと述べられておりますが、この三千七百億円前後の加算は大蔵省と自治省の間の話し合いで来年度から着実に見通しを立てられていると受け取っているわけでありますが、ここで確認をしておきたいと思います。
#64
○政府委員(湯浅利夫君) ただいま御指摘のように、平成四年度の特例措置を講ずるに当たりまして、この特例措置額八千五百億円を後年度以降で加算していただくという段階で、これをどういう形で毎年度実質的な返済をしていただくかということを検討いたしました結果、ただいまも御指摘のように、これからの十年間というものを見通しますと、公共投資の基本計画に基づく各種の社会資本整備の充実でございますとか、あるいはゴールドプランの着実な推進というような問題がほぼ十年という計画で実施を予定しているというようなこともございまして、これからの地方の財政需要が非常に大きくなるだろうというふうに予想しておりますので、これのために交付税の総額が安定的に確保できるように平準化をいたしまして、ほぼ毎年度同額の加算をするような法律措置を今回の交付税法の中に入れさせていただいております。
 この点については、この貸し借りでございますが、過去におきましても返済予定を一部変更するということはございましたけれども、返済を免除したという例はございませんので、この交付税法の定めるところによりまして確実に国から返済を受けられるというふうに私どもは考えているところでございます。
#65
○野別隆俊君 返済見通しにつきましては、自治省のこれまでの答弁では、今おっしゃるように減額をするようなことは起こらぬということでありますが、今までの計画は次々に先送りになっております。四千五百億円のうち今年度加算される分は恐らく三百六十億円のことと思いますが、これはきちんと加算されるということを発言されております、今まで。しかし、平成三年度に加算される二千五百四十五億円については全額六年度から十一年度に繰り延べられております。四年度に加算されるべき三千二百四十五億円は、そのうちたった二百十億円しか加算されていないのです。これは、加算されるはずの六・五%分にしかすぎないのでありまして、このような経緯の中で考えますと、今年度にこれは確実に返してもらえるかどうか、どんどん先送りになっていくようなことでいくのではないか。
 そうなると、地方財政は、これは平準化で完全にこのとおりやっていただければ、これが守られれば問題ないといたしましても、次々に来年度はこれがまた減らされてずっと後に延ばされる、こういうことにはならないのかどうか心配になりますので、もう一回お尋ねしておきたいと思います。
#66
○政府委員(湯浅利夫君) 御指摘のように、今回、今年度といたしましては二百十億円を加算しましたが、これは昨年の四千五百二億円の減額の特例措置、これに伴います加算額が三百六十億円でございますが、実は昭和五十九年度に減算精算をしなければならない分が百五十億ございまして、この分を加味いたしました結果、三百六十億から百五十億を減算して二百十億円を加算するということになったわけでございます。
 今後の問題につきましては、法定加算の分について毎年度の加算額を法律で明確に規定をいたしておりますので、この明確に規定されたものについては、これを毎年度確実に各年度の交付税に加算してもらうようにこれから努力をしていかなければならない問題であるというふうに考えているところでございます。先ほども申し上げましたとおり、貸し借りの関係で多少返済予定を変更したことはございますけれども、これが返済を免除したという事例はございません。これからもそういうことで対処してまいりたいと思っているところでございます。
#67
○野別隆俊君 まあ多少とおっしゃるけれども、私もずっと昭和六十三年から平成元年、二年、三年、四年、こう今までの実績をとってみたんですが、特に平成二年度などは前段にずっと支払い額を多くしていただいておったんですね、これは。平成二年度の分は二千二百七十九億円、この分でも最初の年、ここには二千五百億から二千八百億とか、こういう数字になっていたのであります。が、こういうのが次の年になると、今度はまた平準化ということで平成三年、四年と先送りにずっとなっていっているものですから非常に心配されるので、法律に規定されているから総額は返すということになるかと思いますが、その年その年に平準化を図ったらこの額がないとやっぱり国の予算とのつじつまが合わぬようになってきますので、今後ぜひひとつ御努力を願いたいと思います。
 次は、自治省の今までの答弁の中で、法律上明記されていますけれども、そのときの都合によって変わるということにはならないと。そして、平成五年度から十三年度までをトータルした金額は三兆三千三百四十八億四千万になっておりまして、この払いを非常に心配いたしておるわけでありますが、今お尋ねをいたしましたけれども、これは大臣にもう一回、どうも心配になるわけです。毎年ずっと今までどおり、計画どおりいっておりませんので、こういうことにならないように、今度は平準化と決めたらこのとおりやらせるように大蔵省とも協議をして地方に安心をさせていただきたいと思いますが、この点について大臣の御見解を。
#68
○国務大臣(塩川正十郎君) これは法律で決めておるのでございまして、今御審議していただいておる法律案の中にうたってございますので、したがって法律を破るということは大蔵はやらないだろうと思いますし、過去においてもそういう例はございませんで、やはり法律に明記されておるものは、ちゃんと貸し借りの返済は確実に履行されております。自治省の方も過去におきまして借り込みが随分ございました。自治省の方もきちんと返すものは返しておりますので、その点につきましての確約は私はできると信じております。
#69
○野別隆俊君 じゃ、次に移ります。
 地方によりますと、各自治体が知恵を絞って地域に合った独自の社会福祉事業等に力を入れております。これらを見ますと、従来の国からの補助金による事業よりも地域の実情に合った、密着した事業が展開されるという状況に最近発展をしてきておりますが、これは大変私も望ましいことだと思います。また、ふるさと創生一億円事業の中でも、地域ではいろいろな研究をされて地道な地紋福祉を手がけているところもたくさん出てきておると思います。国といたしましても、こういう事業をうんと後押しをしていただかなければならぬと思いますが、そういう意味で、平成三年度予算で創設された地域福祉基金というものは大変時宜にかなった制度であると思います。まだ始まったばかりでありますが、この事業が現在どういう状態にあるのか、各地方自治体はこの事業をどのように活用しているか、自治省としてどのように把握されているのか、お伺いをしたいと思います。
 前回の委員会で、自治省が、二千百億円を予定しておりましたが、全自治体合計ではこれを三百七十二億上回る二千四百七十二億円の基金が積まれているというふうに伺っておりまして、その運用益は民間を支援することにもなっておるようでありますが、どのようなものにこれをまた利用されるのか、二、三事例でもあればお聞かせを願いたい。
#70
○政府委員(湯浅利夫君) ただいま仰せのように、地域におきますいろいろな福祉施策をその地域地域の実情に応じて展開していくというためには、やはり地方が単独でいろいろと仕事をできる、そういうお金が必要でございます。特に民間福祉活動を活発化するというようなこともその中には非常に大きな要素として入ってくるわけでございますが、こういうことに使えるようにということで、平成三年度と平成四年度において地域福祉基金を設置するように財政計画で計上いたしまして、これを交付税の基準財政需要額に算入したわけでございます。
 ただいま御指摘のように、平成三年度の積み立て状況を見ますと、地方財政計画で二千百億円を計上いたしましたのに対しまして、実際に三年度末で積み立てた金額が二千四百七十二億円ということで、三百七十二億円上回っているところでございまして、各自治体が積極的にこの基金の積み立てに対応していただいたということがうかがわれるわけでございます。
 この基金につきましては、この基金の運用益を使いましてこれを各種の地域の福祉活動に使っていただくということでございまして、当初は民間の福祉活動の支援ということで考えたわけでございますが、そういう適当な民間の福祉団体がないという場合には地方団体がみずから行うことも当然これは可能なわけでございまして、そういうようなものを含めましてそれぞれの自治体で適切な対応を行っていただいているというふうに考えております。
 二、三の例を申し上げますと、在宅福祉と申しますか在宅介護の必要な方々に対しまして、介護技術の講習会を行うとかというような在宅福祉の普及のためのいろいろな経費、それから高齢者の方々の健康や生きがいづくりを進めるためのいろいろな事業に充てるとか、あるいはボランティア活動を行ってもらうためにいろいろな財政的な支援をするとか、こういうような形のものにこの運用益を充てているというのが事例としては多いようでございまして、こういう活動がもっと積極的に行われることを私どもも期待してまいりたいと思っております。
#71
○野別隆俊君 次に、この基金は段階補正と態容補正があるようでありますが、人口による規模と高齢化の度合いを補正して交付税で算定されておる。
 私は、私の県の一番高齢化の進んでいるところ、ちょっと事例を申し上げて質問いたしますが、北郷村という村がございまして、ここは人口二千四百三十八名であります。六十五歳以上の人口の割合は二四・九%でありまして、日本でもかなり高い方ではないかと。三年度の二千百億から実際この村にどれだけ基金として交付されるかを考えてみますと、段階補正で、人口四千人未満であると最低の部類に入りますから一千万円程度になります。それに態容補正が加わるわけで、これを二四・九%の高齢人口比率を使って計算いたしますと、この村に交付される基金は千三百五十四万円程度になろうかと思います。四年度では二千七百十万円になると思われますが、両年度を合わせますと四千六十万円基金があるということになれば、年五%の金利としてみまして運用益が二百万円であります。六十五歳以上の人が六百六人おりますから、一応これを単純計算いたしますと、一人当たり年三千三百円程度にしかならない。
 このような過疎化の進んでいます人口規模の小さい町村はなお一層手厚い交付税措置が必要ではないか、このように考えているわけでありますが、この点について自治大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#72
○政府委員(湯浅利夫君) 今仰せのように、基準財政需要額の算入につきましては、単純な人口比例ということではなしに、かなり段階補正で傾斜的な要素も入れまして算入したわけでございます。さらに高齢人口の比率も用いまして算入をいたしておりますので、単純な人口比例に比べますと相当傾斜的に基準財政需要額が算入されているということはおわかりになろうかと思いますが、御指摘のように金額ベースで申しますと今のような金額でございます。
 この金額が多いか少ないかという点についてはいろいろの御議論があろうかと思いますが、いろんな積極的な福祉活動を地域が行っていただくというために、これからもこういう問題について私どもも積極的に対応していかなければならないと考えております。福祉基金だけではなしに、社会福祉費などにおきましても老人人口比率を使いまして単独の施策ができるような経費も計上いたしておりますので、そういうものもあわせてお使いいただくということも考えられますし、今後とも地域福祉のためのソフト関係の経費をどう充実していくかということについては積極的に私どもも努力をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#73
○野別隆俊君 今回のこの福祉基金については、いろいろ地域の実態を考えていただいて、補正係数等もいろいろな段階補正などまで取り上げて対応していただいておることには、これはもう非常に私どもこの措置に対しては感謝をしているわけであります。
 発足したばかりでありますから、まだどういうことをどうこうということは申し上げてもどうかと思いますが、前年度が全体で二千百億円ですから、人口十万都市の標準団体でいきますと八千万円、こういうことになります。年五%の金利で運用を考えると年間四百万円になるわけで、厳密に申し上げれば、年度途中の交付税配付でありますから、今年度はその半分、二百万円程度の運用益にしかならない、このようになるのでありますが、今年度から三千五百億ですから、標準団体で一億六千万円程度になります。今年度の八千万円と合わせますと基金総額は二億四千万円程度になりまして、年利五%で運用益が千二百万円生ずることになりますが、実際にそうなるのは平成五年度になってからではないか、このように思うのです。
 この年千二百万円でも、人口十万人の地方自治体では思い切った福祉の展開をやるのには金額的にはなかなか厳しい状況でありますが、自治省として最終的に十万人の標準団体でどのくらいの基金を造成していこうと考えておられるのか、お伺いをしたいと思います。
 そしてまた、三年度も四年度も一応単年度限りでありますが、財政的に今後どういう措置を考えているのか。自治省のお考えだと、十年間のゴールドプランということもあるわけでありまして、十万人の標準団体の総基金額がどのぐらいあれば一応一定の対応ができる、こういうことになるのか、この点についてもう一回お伺いしたい士思います。
#74
○政府委員(湯浅利夫君) 地域福祉基金の規模をどの程度までしたらいいかという点についてはいろいろな観点からの御議論がまたあろうかと思います。
 今御指摘のように、平成三年度は二千百億円、それから平成四年度におきまして三千五百億円、合計五千六百億円の基金措置を講じたわけでございますけれども、これに伴いまして、人口十万の標準団体で両年度合わせまして私どもの計算では約二億四千万程度の基金の総額になろうかと思いますが、そうなりますと、毎年度の運用益は大体一千万をちょっと超えるぐらいではないか、こんな感じでございます。一千万円の事業をこの人口十万の団体でやっていただくということでございますので、これからの高齢者福祉に対するニーズがますます大きくなるということを考えますと、これで十分かどうかという点についてはまだ議論の余地があろうかと思います。
 先ほども申し上げましたとおり、福祉関係の経費は、この地域福祉基金のほかに社会福祉費の中にも単独で実施できる経費をかなり計上いたしておりますので、この分と合わせでいろいろな福祉をやっていただきたいというふうに考えておりまして、基金の総額について、これは関係省庁もいろいろと御関心のあるところでございますので関係省庁の御意見もいただきながら、また地方団体の御意見も伺いながら、これからの基金の積み増し問題について十分検討してまいりたいというふうに考えております。
#75
○野別隆俊君 次は、国有林の問題を中心にお尋ねをいたしたいと思います。
 国有林のまず貢献度についてでありますが、森林が果たしている役割は、議会のたびに私も申し上げてまいりましたが、特に大別して申し上げますと、一つは公益的機能、これがやっぱり森林が果たしている一番大きな役割ではないか。前も述べましたように、水資源の涵養であるとか土砂の流出防止であるとか土砂崩壊防止、健康休養機能の問題、野生鳥獣の類の保護、酸素供給、大気汚染浄化、こういうことが森林が果たしている公益的機能であります。
 私は、先般の質問でも申し上げましたが、昭和六十年で、その当時の調査が三十一兆六千億円でございますから、今はまたかなりこれは高くなっていると思います、三十数兆円になっているんではないか、公益的機能は。そこで、国有林の場合にどの程度あるのかというのをこれははっきり国有林として分けてございませんが、山の面積からいって国有林は民有林に比較をいたしまして人工林が非常に少ないわけです、天然林が主体でありまして、しかもさっき申し上げました公益的な機能を果たさなけりゃならない保安林、こういうものも民間の方に比べて多いわけであります。そういうものを引きますと、やっぱり公益的機能は十五兆円ぐらいは国有林が果たしているんじゃないか、このように考えるわけであります。
 また、今林野庁は独立採算制をとっておるわけでありますが、山の収益は国内全体では一兆二千億前後、こう言われておりますが、林野庁の山で上げている収益というのは二千億円でございますね。今から十年前に比較いたしますと、約五、六百億ぐらい下がっているわけであります。そういうことで二千億円程度ではないか。それから、その他山村地域の振興、活性化、国有林があるためにその地域でいろいろ山林に働く人たちを使っていただいているし、また山があるために製材所ができたり、いろいろなことで貢献を果たしているわけであります。また、山村の文化の面にも貢献をしていると思うのでありますが、この点の比重を林野庁はどのように考えておられるのか、まずお尋ねをいたしたいと思います。
#76
○政府委員(赤木壯君) 国有林野事業は森林面積の約三割を占めております国有林野の管理経営をやっておるということでございまして、それぞれの時代の国民の要請にこたえる形でいろいろな役割を果たしてきているというふうに思っております。特に最近の国民の森林に対する期待というのは、木材の生産はもちろんでございますが、国土の保全だとか水資源の涵養の機能を高度に発揮させていただきたいというような要請が多いわけで、さらに原生的な森林を保全していくとか、あるいは森林空間を利用したレクリエーション利用や文化活動の場としても提供を求められているということで、その要請が多様化あるいは高度化しているというふうに思っています。
 国有林といたしましても、平成二年十二月に林政審議会の答申をいただきまして、森林がいろいろ多くの機能を持っているわけですけれども、その中で重点的に発揮されるべき機能によって、国有林野を、国土保全林、自然維持林、森林空間利用材、木材生産林の四つのタイプに分けて、それぞれの機能の発揮を、それにふさわしい林業技術を適用することによって管理経営していくということで森林の機能を最高度に総合的に発揮させるようにしていきたいというふうに思っております。
 国有林だけがどれぐらいの機能かということはよくわかりませんけれども、先ほど先生おっしゃったとおり、保安林も多いわけでございますし、森林の約三割を国有林が占めているということを考えれば、大変いろんな面で大きな公益的機能を発揮している、担っているというふうに認識しておるところでございます。
#77
○野別隆俊君 国有林は七百六十万ヘクタールあると言われておりますが、この中で保安林が三百九十八万ヘクタールですか、これは半分は保安林ということですから、山を安全にするためのいろいろな施策で簡単に切れないような山であろうと思います。それから、天然林が四百六十万ヘクタール、人工林は二百四十万ヘクタールでありますから、国有林の中の三割近くの金を上げる人工林、まあ人工林だけが金になっているかというとそうでもないですけれども、天然林も一部ありますが、それから天然林はどんどんどんどん切らさせない方向に、国民の要請がそういう方向にいきますから、やっぱり人工林しか切れないんじゃないか。こういうふうに考えてまいりますと、今国有林は大変な状況にございますけれども、一番大きいのは、やっぱり国有林の半分は保安林、そしてまた天然林が相当面積ございます。
 こういうことで、私は国有林の機能というのは山の材で収入を上げることが中心的機能ではない、これは後で答弁を願いたいと思いますが、今、保健休養、健康運動等で山に行く人も相当ふえておりますが、本によりますと一年間に延べ二億人という本もあります。これは一億何千万とかいう数字も出ておるわけでありますが、山が国民に大きな貢献をしてきている、こういったことを、これから申し上げますけれども、国有林再建についても十分考えていかなきゃならぬのではないか。自治大臣の方は御理解をいただいておりますが、大蔵省もこの点については、これは答弁は後で結構ですからまとめてやっていただきますが、もう一回、国有林の今の実態からいって国有林の任務の一番大きいのは何なのか、公益的機能で国民にこたえているのではないかと私は思うんだが、その辺。それから、一年間に山に入ってきた人たち、保養とかレクリエーションとかスキーとかいろいろございますが、十年前と今日でどういう状態になっているのか、お答え願いたいと思います。
#78
○政府委員(赤木壯君) 今十年前との比較を御質問なされたわけですが、その計数的なもの今ちょっと手元に持ち合わせてございませんが、保安林は確かに国有林面積の五四%を占めるということになっています。このほかにも、レクリエーションの森が千二百三十カ所ぐらいはつくられてございます。年間一億八千万人が現在利用しているというような状況にもなってございますし、また保護林というのが二十八万四千ヘクタールもあるわけで、こういう面では公益的機能も大変多く発揮しているというふうに思っております。
 ただ先ほど申し上げました四つの機能類型別に分けた場合の森林を考えてみますと、半分を超えるものが木材生産林という分類の中に取り入れられるわけでございますし、また保安林等の中でも水源涵養保安林等で通常の伐採行為は非常に規制された形ではございますけれども、森林の場合、木材の生産というのも一定の範囲内ではできることになっています。やはり木材生産機能というのは大きな分野を占めているというふうに考えてございます。
 ただ機能は先ほどから申しておりますように、いろんなものが同じ山で重なって発揮しているということでございますので、国有林野事業経営ではこれらがそれぞれの機能を最高度に発揮するように管理、経営していきたいというふうに考えております。
#79
○野別隆俊君 次に、国有林事業の改善計画、まだ出て長くたっていないのでありますが、これについて私は抜本的に見直すべきである、こういう立場で質問をしたいのであります。
 せっかく再建計画が立てられて進んできているのでありますが、林野庁としてもこれは必死になってこの計画を労使一体になって樹立して進められておるわけでありますが、私に言わせますと、当初から余りに大蔵省の型に遠慮をした計画じゃないのか、こういう心配がされるのです。また、もとのもくあみにならないように健全再建を図っていかなきゃならぬ、こういう立場から私は指摘をしたいのであります。
 それは何かと申し上げますと、まず抜本的な改善が必要だというのは、収入の面から見まして、これはもう大部分が木材の販売した代金の収入でございます。あとは土地代とか余剰土地を販売するとかそういったものが中心でございまして、切った材の収益はさっき申し上げましたように、わずか二千億程度でございますから、これはなかなか容易じゃありません。
 そこで今大切なことは、大蔵省から、一般会計からことしも三百億余り繰り入れが行われております。ところが、今までこの林野庁の山というのは道路、林道を整備するのでも作業道を整備するでも、そのほかこれはまだ保育期でございますからほとんど、九〇%はまだ伐期に達していないわけで、そういった費用に、植えつけとか間伐とか除伐、こういうことをやるために相当の金が、資本投下が要るわけであります。
 ところが、この金を借りるにいたしましても、林野庁は七%台の金利のつく金を借りてやってきたわけです、今度改善されましたけれども。民間の場合は三%ぐらいの、半分の金利で借りられる。こういう状態ですから、林野庁は大変厳しい状況にある。しかも民間は、人工林はやっぱり収益が上がるようなところにほとんどつくっていくわけでありますが、国有林の場合はそういうわけにはまいらない。遠くても、輸送、搬出にどれだけ金がかかっても、そこにやっぱり木を植えているわけです。
 そうしますと、間伐なんかはほとんど国有林では道路沿いにないような、国有林はもう金にならないようなところが相当あるわけです。国有林もですが、民有林も既に百四十万ヘクタールというのは間伐ができない状態に今ある。これは労力がないためにできないわけでありますが、これはもう災害につながってくるような危険もあります。
 そういったことで、国有林の場合は金を借りるにいたしましても大変な金利を払ってきた。そのために、既に平成二年度は二兆二千五百億でございましたが、現在はもう二兆六千三百億であります。こういうことになっていくと、これを払うために計画どおりに進めようとすれば、まだ大部分の山が伐期に来てないものですから五十年の木を切っていく。五十年以上のできるだけ長伐期に林野庁の山はすべきでありますが、しかし、五十年以上の山を切ってたんじゃ全然採算ベースに入らないものですから、もう既に地方では四十年生の山を切らざるを得ない状態、あと二十年置けば四割も収益が高まるのに、今売ったんじゃもう材質が四十年ぐらいの木ですと半値なんです。もう少し待ては金になるんですが、今言うように、半分国が、一般会計で大蔵省から見ていただくようになったものだから、林野庁は無理をし過ぎているのではないか。大変な無理をしている、私から見たらそうですが、この辺について御答弁をお願いします。
#80
○政府委員(赤木壯君) 国有林野事業につきましては、昨年、国有林野事業改善特別措置法を改正して、新たな国有林野事業の改善に関する計画を昨年七月につくったわけです。この中でいろいろな制度も取り入れていただいたわけでございまして、現在この計画に基づいて累積債務とそれから経常事業部門とを区分して、経常事業部門につきましては、平成十二年度までに財政の健全化を確立するという考えの中で対応しておるわけでございます。
 先ほど二兆二千五百億というようなお話があったわけでございますが、これは累積債務部門でございます。累積債務についても、林野あるいは土地売り払い等の資産処分収入をもって充てるというほかに、また一般会計からの繰り入れを行って円滑に処理していくという考えの中で今後対応することになってございます。
 平成四年度の予算でも財政厳しい中でございますけれども、やはり国有林野事業の経営改善を図るという観点から、累積債務対策といたしましても、一般会計から対前年三〇%増に当たる百二十九億円を計上したところでございまして、この中身も、従来の利子補給に比べまして、退職手当とか借りかえにかかる借入金の償還金に対しても対象にしていくというような考えで対応しておるわけでございまして、いずれにいたしましても、いろいろ自主的努力もやりながら所要の予算措置も講じていくという考えで対応していきたいというふうに思っております。
#81
○野別隆俊君 続いて、これとあわせてまた質問いたします。
 累積債務処理と借入金の依存体質から脱却しなければ、国有林はなかなかこれは軌道に乗らないと思います。ことしも二千九百九十億でしたか、借り入れがなされております。年々借り入れが増大して、昨年よりも何十億かは今度また借入金がふえているわけです。二千九百八十八億円、借入金が総予算額の中の四二%を占めているわけです。そしてまた、返済の方でも今累積赤字や借入金の返済、これに四〇%充てなきゃならぬ、こういう厳しい状況に私は現実にあると思っているんですが、これはどうですか、そういう状況にありますか。
#82
○政府委員(赤木壯君) 経営改善計画をつくった時点で見ましても、確かに先ほど先生おっしゃるとおり、現在の時点ではいろんな経営改善努力をするわけでございますけれども、急にはそれが収支面にあらわれるということにはなりませんので、従前と同様な形での借入金はあるわけでございまして、ここら辺を先ほど申し上げましたとおり、経常事業部門につきましては、平成十二年度末までに借り入れに依存しないような財政の健全化を確立するふうな形での経営改善を図っていこうということで計画をつくっておるわけでございます。
 このためのいろんなことをやっていかなきゃいけないということで、事業の民間実行の徹底だとか要員規模の適正化を図っていく、あるいは組織機構を簡素化・合理化していくとか、あるいはさらなる自己収入の確保を図っていくというような自己努力を大いにやっていかなきゃいけないというふうに思っておりまして、平成四年度は経営改善の第二年目になるわけですけれども、これらの計画に則して着実に実行していきたいというふうに考えてございます。
#83
○野別隆俊君 さっきからの質問の中でお答えのない部分もございます。四十年生あたりを切っている、こういう状態もありまして、私はここで大蔵省にも自治省にもお伺いしておきたいと思いますが、このままの林野庁の計画で進めば、今土地を売って、それは大都市の中にも林野庁は大分土地を持っていることも私は知っていますが、これはなかなか簡単には、土地はあるけれども、これを売らなきゃ金になりません。しかし、それはまた売れないところも随分ある。まだかなり売れるところもありますけれども、これはどこにでもぽんぽん売れるものじゃないわけですね、公共用地ですから。
 だから、そういうことを考えていくと、今の収支状態からいくとよほど節約をして予算組んだものを残しても、これは二年、三年たつに従って、赤字が出るんじゃないか。というのは、木材価格は既に一五%下がっているんですよ。あなた方がこの計画を立てられたときに仮に六千円したものは、今は五千円もしないわけです。そういう状態に下がっているんですよ。
 そこを今度は、例えば百立方切るはずのものを若木にして百二十立方切っていくということは、これは大変な問題。国有林はできるだけ長伐期で残すことが大事でありまして、これを早く切る、計画以上に早めるというようなことになれば、せっかくの財産を価値のないままに売っていかなきゃならぬ。こういうこと等を考えれば、これはもう一回再検討しなければ、今出発したばっかりですから、林野庁は、これは御答弁は、はい、そうですと言うことはできないと思いますけれども、あと五年たったときには、ここで質問したことがそのとおりになったということになる、私はこういう確信を持って今皆さんに訴えているわけでございます。
 そこで、大蔵省にここでお伺いしたいのは、かくかくしかじかな状態でとてもじゃない。今三百億だから、私はもう少し国民的ないろいろな実態を大蔵省も御理解をいただいて、一般会計から少なくとも五百億ぐらいずつ投入しなければ、それともう一つ大変な問題は借入金、累積債務をどう処理するか、これができれば私はかなりいけるんじゃないかと。
 今の場合は、借入金を払うための額と人件費とがほとんど変わらないですね。年間二千四、五百億払っていかなきゃならない、人件費も二千三百億ぐらい払わなきゃならない、こういう状態にあるわけです。これを高い七パーもするようなものを借りておるためにこういう赤字を抱えてきたわけですから、一回これを凍結するか、またはその分の元金を消すということはなかなか厳しいことでしょうが、利子を何とかするようなことを考えるとか、そういうことをやらなければ、林野庁がどうおっしゃってもこの問題は、これは林業白書でもそういう指摘をしているんですよ。去年の林業白書も大変危険でございますと、こういうことはもう少し的確に見積もっていかなければ大変な方向に行くのではないかと、こういう心配をされています。大蔵省としては、この点について今後どういうふうにされるのか、実態はそういう状況でございますから、お伺いをしたい。
#84
○説明員(原口恒和君) 国有林野事業の経営改善対策につきましては、先ほどから林野庁の方からも御説明がありましたように、国有林野事業の改善に関する計画に即しまして、引き続き、要員規模の縮減、組織機構の簡素化、自己収入の確保等の実質的改善努力を尽くすとともに、その上で所要の財政措置を講ずるということにしておるわけでございます。
 国有林野事業特別会計における平成四年度の累積債務対策につきましては、従来の利子補給に加えまして、経営改善の円滑な実施のために、新たに退職手当、及び借りかえに係る借入金の償還金についても一般会計繰り入れの対象とするというふうなことで、前年度に比べ約三〇%増の百二十九億円、また、特会全体に対する一般会計の繰り入れにつきましても、非常に厳しい国の財政事情の中ではございますが、前年度に比べ二一%増の三百三億円ということに増額したところでございまして、この点については御理解いただきたいと思います。
 今後につきましても、今後の予算編成の問題でございますので、その中で林野庁の自主的な改善努力を見守りながら協議をしていきたいと考えております。
#85
○野別隆俊君 林野庁の収支を見てみますと、昭和五十四年とか五十五年当時には林業収入というのは大体二千九百億から二千八百億ぐらいございました。ところが、今日では、平成二年は千八百億ですよ。平成三年も大体そうでしょう。今年あたりから少し減っていくんじゃないかという心配を私はしているんです。無理して若木を切ってでも出すということになれば量は二割、三割上がるかもしれない。そうなると今度は、これから次の木が育っていかぬのです。こういった実態は数字的に見ても大変厳しい状況にございますから、情勢の変化の部分についてはこれからもう一回林野庁は大蔵省とも相談をして、材価が下がっているとかそういうことも含めて理解をしていただかないと、やっぱり大蔵省も財源が厳しいけれども、ある程度の対応を検討していただく必要があるのじゃないかということを申し上げておきたいと思います。
 それから、林業労働力の確保についてであります。
 ふるさと創生なども農山村に相当進められております。過疎対策についても、私はちょうど一週間前に、衆議院の方々が中心でしたが、有機栽培農業の調査に宮崎に行ったときに知事と会いました。林業に十年間で八千億円も入れた、林業だけじゃない、過疎対策も含めて。ところが、大変言いづらいことだけれども、実際過疎の対応はできておりません。人は減っていく。あそこは中山間地帯で、何かここは考えなきゃならぬということで反省をして、今新しい農業を考えている。花をつくるとか高冷地野菜をつくるとかいうことを考えて、新たな対応で高千穂あたりでも過疎がとまって人がふえ出した、こういう話をしておりましたが、全県的にいくと今大変な状況にある。
 それから、私はやっぱりふるさと創生の基本というのは人だと思います。そこに人がいなければ何も新しいものを創生じていくことにはならない。今まで施設を中心に金が投下されてきておりまして、施設ばっかりできた。ところが、その施設はだれが利用するか。そういうところに年寄りや老人の施設をつくったり温泉みたいなものをつくったりしております。ところが、青年を中心に村のいろいろな人たちを集めるための施設をつくったが、利用が非常に少ない。また、そういう集まりをしているような暇がない。実は人が少ないものですから、もう毎日、日曜祭日どころじゃないです。そういう状態ですからなかなか後継者もできないんです。
 そこで、私は自治大臣と林野庁にこの点についてどういうふうに考えているのか、お伺いをしたいんです。
 やっぱり何としても後継者の身分安定をやらなきゃならぬ。これもずっと言ってまいっておりますが、身分が安定してない、全く臨時的雇用のような状態ですから。これに役場や農協のような形の年金などが保障できるような一つのそういう福祉、年金等も含めた賃金保障をやる、こういう体制をやっぱりつくっていかなければ、小手先の対応ではもう林業労働者を残すことはできない。
 それから労働条件の整備、やっぱり週に一回ぐらいは休める、こういうことを行政等が中心になって進めてやらなければ、もう忙しいからやるんだということでは山には人がいなくなってしまいます。山が守れないということは国民の水が守れない、空気が守れない、また災害から守れない、こういうことにもつながっていくわけですから、この辺について、労働力確保の対応についてお伺いをしておきたい。
 以上です。
#86
○政府委員(赤木壯君) 御質問は、林業労働力の確保の問題だと思うわけですが、今後、優秀な林業労働力を育成確保していくということは極めて重要な課題であるというふうに我々は認識してございます。
 こういう課題に対処をしていくためには、労働条件の改善といった直接的な労働対策だけでなく、先ほどおっしゃったように、林業労働者を雇用している林業事業体の体質強化というものも図っていかなきゃいけないし、さらにはそういう林業事業体が活動する場の生産性の高い林業生産活動を可能とするような基盤整備というものもやっていかなきゃいけないというふうに考えておるところでございます。
 このため、先般も森林法を改正していただいて、民有林、国有林を通じて流域を単位とした森林整備をやっていく、あるいは林業生産等を効率的に推進する体制をつくっていこうというふうに考えております。同時に、雇用の安定だとか就労の長期化等の条件整備を進めることも必要ではないかというふうに考えております。
 こういうものを総合的に推進していくという考えで、一つは生産性向上を図るという意味では林道等の基盤整備事業をしっかりやっていく、あるいは事業体の育成強化のためには事業の協業化とか多角化等というようなものも進めて事業体の体質強化を図っていかなきゃいけないというふうに考えています。特に、森林組合が生産部門ではいろいろな部門を担当していただいているわけですけれども、これも森林組合の合併を促進しながら体質強化を図っていく必要があろうということで、今国会では森林組合合併助成法も延長していただきました。
 それから同時に、林業はなかなか天候に左右されたりするわけでございまして、就労の機会を周年化する必要があるということで、広域の就労の促進あるいは雨降り時での就労施設の整備も必要だということで、こういうことをやることによって雇用の長期化安定化あるいは休日や労働時間の適正化を図っていくことも必要だというふうに考えてございます。また同時に林業労働、大変苦しい労働強度の高いものでございます。そういう意味では機械化の促進等によって労働強度の軽減とか、あるいは労働安全衛生の確保という面でもいろいろ努力していかなきゃいけないというふうに思っています。もちろんそのための技術研修、こういうものも必要でございます。あるいは山村で生活する場合の生活環境整備というものも進めていかなきゃいけないんじゃないかというふうに考えてございまして、こういうことを総合的に推進していくということによって担い手を確保していくということができるんではないかというふうに思っています。
 特に平成四年度では、先ほど申しましたように森林組合合併助成法の期限を延長していただいて、森林組合の広域合併を促進していくということで、そのための森林組合合併促進等特別対策事業というのもやるようにしてございますし、あるいは先ほど言いました作業の間断時の就労施設を整備したり、あるいは高性能の機械を入れていくというようなことで森林組合等の林業事業体の就労条件を改善するための林業就労改善促進対策事業というのも新たに実施することにしております。さらに、高性能林業機械等に対応した安全管理手法の定着のためのモデル事業等も実施しておるわけです。こういう予算措置もそうですし、予算、金融、税制等さまざまな手法を活用しながら林業の担い手の確保というものに努めていきたいというふうに思っております。
 ただ、どの業界でもそうでございますけれども、担い手確保というのは大変重要です。労働力不足というのは一般的に見られることですが、林業についてもこういう面での一層の努力は必要だというふうに考えてございます。
#87
○政府委員(湯浅利夫君) 林業の問題につきましては、かねてから先生からいろいろと御指摘をいただいているところでございまして、山村地域の振興に当たりまして具体的な施策をどう持っていくかということで、今内部でもいろいろと検討させていただいているところでございます。
 具体的には、専門の林野庁の御意見もお知恵も拝借しながら、地方財政で受け持てる分野というものがどういうところにあるかということをよく見きわめながら、この点については積極的に検討してまいりたいと思います。先ほどもお触れになりましたように、この森林の振興のために既に一部の町村ではふるさと一億円の事業でかなりの事業をやっているところもあるようでございますし、先生からもこの前の委員会で御指摘いただきました第三セクターをつくりまして林業労働者を確保しているというような実態も私どもも調べさせていただいております。こういうようなものをよく全体的に検討いたしまして、地方財政の立場から支援できる分野については積極的に対応してまいりたいと思っております。
#88
○国務大臣(塩川正十郎君) この問題は人材養成が一番中心でございまして、山は金を入れる前にやっぱり相当の作業員の確保が必要でございます。これにつきましては、かねてから私たちの方で申しておりますのは、山を管理していく、あるいは造林していく体制を地元で早急に確立してほしい。そのためには、例えば県を中心といたしまして、林野庁ともっとしっかりとした人材養成の道をつくってほしい、あるいは片一方におきましては、県を中心とした森林組合がございますから、これの強化、育成を図る。先ほど財政局長も第三セクターをもって人材養成の機関をつくるとか言っておりますが、まさにそのとおりのことでございまして、そういう制度がきちっと固まってまいりましたら、こちらの方としての財政措置はしやすくなるということでございまして、そういう点を早急に確立してもらうようにこちらの方も関係省庁に働きかけていって、ともどもにこの問題は積極的に解決への努力をしたい、こう思っております。
#89
○野別隆俊君 大変立派な答弁をいただきまして感謝申し上げますが、特にこの林業問題はこの前からも申し上げておりまして、今大臣が言われるように、私は、今の森林組合とか、それからこの前申し上げました宮崎の諸塚とか愛媛の久万町とか高知の大豊町、熊本の小国町、こういうところは第三セクターで森林組合もこれに加盟しているが、それぞれの地域に合うような体制、組織、技術者を養成して、そして今言われるような機械化もやる、こういうことで対応していかなければもうやっぱり山は守れないと思います。この前句か調査もするということでございました。自治省と林野庁と国土庁で今協議が始められておると思いますが、これをひとつぜひ積極的に進めていただきたい。
 それから、林野庁の方は、私はもう遠慮せずにやっぱり大蔵ともう少し、さっきの再建問題も含めまして詰めて、これは大事なことですから、またもとのもくあみに返るようなことになるとせっかく出した金が実を結ばぬようになるわけですから、自信を持って、五年後に、ああ言ったけれどもとうとうだめだったじゃないかというふうにならないような再建策をひとつ講じていただきたい、こういうふうにお願いをしておきたいと思います。
 また、林野庁も大変御苦労をいただいております。これはもう労使一体で今必死になってやっていることもよくわかるわけですが、やっているけれども、あなた方から見ているのと我々が見ているのは再建計画の中では少し違う、やっぱり私は林業白書の方が正しいという見方をしておりますから、そういう面で努力をしていただきたいと思います。
 次は、これは自治省に環境問題についてお伺いをしたいと思います。
 環境保全関係、これはこの前当委員会でいろいろ参考人の先生方に来ていただいて、市長さんや町長さんに来ていただいて出た中身が主でありますが、ごみ処理場の補助金等について、今度の廃棄物の問題でございますが、地方六団体から私どもは強い要請、陳情を受けておるところであります。地財計画では環境保全の経費を充実したということでかなり環境予算はふえていることも事実でありますが、この内容がどういうふうになっているのか、それからこの経費はどのようなものに使っていくのか、それで相当大がかりな予算を組まれているわけでありますが、この点についてまずお聞かせをいただきたいと思います。
#90
○政府委員(湯浅利夫君) 平成四年度の地方財政計画におきまして、環境関係で地方が独自に行える経費を計上いたしました。これは従来の産業公害型のものに加えまして、最近では生活に身近な問題で環境問題というものはいろいろ出てきているというようなこともございまして、地方団体がこの住民の環境問題に対していろいろと取り組んでいかなければならない、そういうための経費を地方財政計画で計上すべきであるという認識からでございます。かねてから平成三年度までは公害対策費という形で地方財政計画で六百六十七億を計上しておりましたけれども、これを全面的に改めまして、関係省庁の御意見などもいただきながら、環境保全対策経費として一千七百億円、実質的には一千億円増額をいたしまして環境保全対策経費を地方財政計画に計上いたしまして、これを地方交付税の基準財政需要額に算入することにいたしているところでございます。
 この経費につきまして、具体的にどういう事業をやるかという点について、これはなかなか一律にこういう経費ということは言えないわけでございまして、その地域地域におきます実情に応じましてこの経費を環境対策の特にソフトの経費として使っていただければというふうに私ども期待しているわけでございます。
 例えば、地域住民に対する環境問題に対する啓発の問題、あるいは環境管理計画を策定するというような問題、それから先ほどもちょっと出ましたごみの減量化あるいはリサイクルの問題、あるいは緑化の問題、花いっぱいの問題、あるいは河川の浄化というような問題、それぞれの自治体で抱えているこういう環境問題につきましてこの経費を充てていただければということで今回計上させていただいたものでございます。
#91
○野別隆俊君 どうもありがとうございました。
 次は、これも参考人の質疑のところで出てきたのでありますが、ごみの減量化のためのリサイクル、分別収集をやったところが非常に効果があった、ごみの量が何か四〇%近く減った、こういう答弁がなされておるわけであります。分別収集しますから、燃やす物、燃やさない物、こう分別したら量は減った、ところがこの分別収集に対してかなりな経費がかかる、こういうことがこの前も出てきたのでありますが、こういったリサイクル、分別収集のための経費は、今お話がございましたが、これは画一的じゃないんでしょうが、交付税で何か措置がされているのかどうか、これは厚生省がやるのか、この辺ちょっとお聞かせ願いたいと思います。
#92
○政府委員(遠藤安彦君) 交付税の単位費用の技術的なことが含まれておりますので私から御答弁をさせていただきたいと思います。
 御指摘のとおり、分別収集あるいはごみのリサイクルといった問題が環境保全の立場から非常に重要視をされてきて、それを実施する地方団体もふえてきているというような状況を踏まえまして、平成四年度の交付税の算定に当たりまして、市町村分の清掃費という費目がございますけれども、その単位費用の積算の中にこの廃棄物減量化省資源対策費というものを新設いたしまして、例えば分別収集だとか廃棄物の減量化のための啓発用のパンフレットの経費でありますとか、それからごみの集積場を整備しなきゃならない経費でありますとか、それから集団で回収を実施する町内会とか団体とかそういったものに対する助成でありますとか、きめの細かな部分も含めて経費を計上いたしました。これは人口十万人の標準団体で大体千六百万円ぐらいの金額になりますけれども、これを清掃費の中に単位費用を入れて設定いたしました。全国規模では約三百億ほどの基準財政需要額を確保いたしたところであります。
 また、この問題につきましては、やはり人員の増というのもあるだろうということで、この経書の中に全国ベースで、市町村分については七千三百人ぐらいの増員をする、標準的な先ほどの十万人の市で四人を措置するというような措置を講じたところでございます。
#93
○政府委員(小林康彦君) 近年におきましてごみの排出量が増大をし、それに対応いたしますため、また環境保全に関します内外の世論の高まりを受けまして、市町村におきましてごみ減量化を図るための分別収集あるいは集団回収への取り組みが全国的に進みつつある状況でございます。
 このため、厚生省といたしまして、ごみの減量、再生の推進を一つの柱といたしました廃棄物処理法の改正を行いますとともに、こうした市町村におきます取り組みを支援いたしますため、本年度の予算で、市町村が実施いたします空き缶等の分別収集の推進や住民によります集団回収への支援体制の整備、廃棄物の再生事業者、住民団体等との協力関係の整備、都道府県が実施いたします市町村への支援事業など、地方公共団体が実施いたします廃棄物の減量化、再生利用推進のための事業に対する助成制度を創設したところでございます。
 さらに、従来リサイクルプラザという形で施設整備を進めていたところでございますが、新たにリサイクルセンターを廃棄物処理施設整備の助成の対象とすることによりまして、市町村におきますリサイクルのための施設整備を進めることとしておるところでございます。
 今後とも、地方公共団体が行いますリサイクル推進のための取り組みに対する支援を充実いたしまして、効果的なリサイクルシステムの確立に向けまして最大限の努力をしてまいるつもりでございます。
#94
○野別隆俊君 鉄くずの問題や省エネの問題やらたくさんまだ抱えておるんですが、もう一点だけ聞いて、あとはもう次に残したいと思います。
 まず、ごみ処理の補助金が非常に不足をしている、これも六団体の陳情の中にございましたが、平成三年度に行われた緊急措置についての説明をまずしてほしいんですが、これは一括その中で答弁をしてもらいたいと思います。
 厚生省の方で今年度もこの緊急措置で施設をつくるわけでありますが、補助金が少ないために次年度に一年延ばすとか、それから補助金の比率が七%に下がっておるようでございますが、こういった状態になると、二年でやるやつがまた来年へと三年に延ばす、またさらに延びるようなことになるとこれは市町村は大変困るわけです、ごみの問題だから。ほかの、体育館をつくるとかそういう問題とはちょっと違うものでございまして、緊急を要していることもおわかりと思いますが、どれくらいの要望があって、また全国でどのくらいの施設の件数があって、どのくらいの金額が要求されて、そのうちどのくらいの予算化ができたのか、この辺をちょっとお聞かせ願いたい。
#95
○政府委員(小林康彦君) 廃棄物処理施設整備費のうちで、し尿処理施設及びこみ処理施設につきましての平成四年度の市町村からの要望は、新規で約百四十一億、箇所数で二百六十六でございます。継続分で九百四十三億、箇所数で二百七十五、合わせまして一千八十四億円の要望がなされておるところでございます。これに対しまして平成四年度の予算額は、新規、継続合わせまして八百九十八億円が計上されておるところでございます。
 市町村におきまして昭和四十年代後半に集中整備をされました施設の更新期のピークを迎えている状況にございましてこのように要望が強く出ておるわけでございますが、このピークがここ数年の間にはまた平常に戻るという見通しもございまして、継続事業につきまして工事期間内で事業量を少し後年度におくらさせていただいたこと、それから、新規の事業につきましては、初年度の着工率を縮減いたすことなどによりまして事業量の平準化を図ることとしたところでございます。
#96
○野別隆俊君 もう時間が来ましたのでこれでやめますが、これは七%ですから、九三%が先送りということになっておりますので、緊急を要する事業でもありますから、今までも御努力をいただいておりますが、厚生省も積極的に、また自治省もこれにお力をかしていただいて、地方の今の一番大きな廃棄物処理問題、これが完全に軌道に乗りますことを心から期待をいたしまして終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#97
○委員長(山口哲夫君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時三十一分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十分開会
#98
○委員長(山口哲夫君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#99
○常松克安君 まず、冒頭からでありますが、自治大臣並びに消防庁長官、財政局長及び厚生省所管の皆様に心より深く御礼を申し上げます。
 五月二十二日、救急救命士国家試験を終えまして、第一期生といたしまして数千名の方、なかんずく三百五十名からなる救急隊員の方が合格率九九・九%と言っていいほど精励され、ここに誕生されましたことで、私が死しても五十年、百年どこの法律は国家の法律として残り、一人でも多くの方々のとうとい人命が危機一髪のところで助けられ得る。願わくは、これより先に救急車が街角で走ったとき、それを周知された国民の皆さんが頑張れよと言って手を振っていかれるようなことを目に浮かべながら感動をいたすわけでございます。
 改めて、今日までの御苦労をかけましたことを御礼申し上げます。まことにありがとうございました。
 なお、その中の内容はどういうふうな合格者になっていらっしゃるか、まず厚生省にお尋ね申し上げます。
#100
○説明員(今田寛睦君) 御指摘のように、おかげさまをもちまして四月十九日に全国八カ所で試験を実施いたしまして、五月二十二日に合格発表を行ったところでございます。
 全体の合格者数三千百七十七名でございますが、その内訳につきましては、救急隊員が該当いたします法第三十四条第四号の受験資格に基づく者が三百五十一名でございます。それから、看護婦あるいは自衛隊員等が該当いたします附則第二条の受験資格に基づく者が二千八百二十六名となっております。
#101
○常松克安君 ただ、ここにもう一つ、合格したからといって直ちにその業務に入るということは許されないわけであります。これは、実務あるいはそれに対する医療機関の先生方のいろいろなフォローアップを受けながらしていかなきゃならないことは当然でございます。ひとつ、医者でも国家試験を通ったからすぐに医療行為がやれるか。できない。認定というものがこのはざまに入ってくるわけであります。
 聞くところによりますと、この認定が多くの場合非常に長くかかる、これはもう当然でございましょう。しかしながら、救急隊員につきましては三百五十一名、どの地方、どの県にありましても、きょうきょうと待っておるようなさなかでありますので、実務の上においての人命ということのつながりから速やかに認定が決裁していただけるようにお願いしたいわけでございます。どれぐらいかかるものでございましょうか。
#102
○説明員(今田寛睦君) 国家試験を合格されました場合に免許申請をしていただくわけでございます。合格された方は、既に多数の方が免許申請書の提出をなさっていらっしゃいますけれども、提出をなされました場合には、当然のことながら必要な審査を行った上で登録することになります。登録をされた時点で救急救命士の業務を行うことができる、このようになっておるわけでございます。
 免許証そのものの送付につきましては若干の時間を要するわけでございますけれども、登録された時点から業務を行うことができるということから登録証明書を発行いたしております。この登録証明書につきましては、先ほど申し上げました申請書が出されましたら速やかに交付するということでございますので、著しく時間を要するということがないように運営をしていきたいと思っております。
#103
○常松克安君 甚だ恐縮でありますが、申請いたしまして一応そういう証明書が出る。この出るまでの期間、申しわけございませんが、二週間以内ぐらいに何とかならないものかと考えておるんですが、いかがでございましょうか。
#104
○説明員(今田寛睦君) 申請をされます方は合格者個々人でございますが、その個々人が申請書を提出した場合には、数日間をもって登録証が送付できるようにやっていきたいと思っております。
#105
○常松克安君 よろしくお願いいたします。
 つきましては今度、運輸省の方にお尋ねいたしますが、過日、五月五日、連休の日でもありました。いずれにいたしましても、ノースウエスト航空の従業員である日本人職員が二十三歳にして転落死という事故に遭ったわけであります。このことについてどのような見解をお持ちでございましょうか。
#106
○説明員(望月鎭雄君) お答えいたします。
 今回のノースウエスト航空機の駐機場における作業員事故につきましては、多数の人々が働いている空港の設置、管理に係る立場といたしましても、まことに心痛むところであり、残念なことであった、かように考えております。
#107
○常松克安君 この辺のところで、前回の予算委員会総括のときにこの問題を、日本における空港の救急医療体制というものが行政のはざまで問題解決を非常に待たれることが多々ある、こういうように指摘しました。外国の飛行機と日本の飛行機の中、外国にはいろいろな医療、ドクターコールにたえられるような医薬品が積まれている。しかし日本は積まれていない、これを手がけたものでありますから、これは残っております。
 御案内のとおり、これにつきましてはICAO、すなわち国連の組織下におきまして国際民間航空機構、こういうふうなところで世界のどこにおいても主要なるものはこうあるべきだというものを定めております。日本政府もこれに加盟いたしております。よって、それはそれなりの批准をされたものの中に、空港の中の救急あるいは防災、消防はこういうふうな規格の中に置かれている。
 しかし、ここでひとつ問題の提起は、公団が持っている救急医療というのは消防車あり、あるいは救急車あり、テントあり、いろんな設備もセットされている。しかし、救急業務においては、その地域は成田市消防本部の救急業務の中の一環にある。その地域にダブっているのであります。そして、消防署と空港公団との間に協定といいますか、そういうものを結ばれて、少なくともまだまだ未熟ではあるけれども、救急業務についてはひとつ消防署の方で頼む。我々としてはまず国際機関の許される法条の中で定めたところによって、飛行機事故を起こした場合は消防及び救急が入る。一般の乗客がいろいろ救急で倒れた場合は消防本部の方で頼む、こういうふうな流れの一環もあり得る。といいますのは、私が八カ月前にこの成田空港の現場へ一日行ってまいりましていろいろな方々から、いろいろの関係者から現場というものの調査をしてまいってそのときに教えられた一つの流れでございます。
 さて、ここで問題になりますのは、医者の処置が、五メートル以下に落ちちゃった、頭から打って鼻血を出した、耳から血も出した、そういう者に対してドクターがついて酸素吸入をした、医療行為があったとあるんですが、そこまでしておるんだったら、その医者が最後までなぜできなかったか。そこで離しちゃった。じゃ、このドクターは外国のドクターなのか日本のドクターなのか。あるいはまた、ドクターコールを受けてノースウエスト、その機内にいた人が出動したのか。ちょっとその辺のところは不鮮明であります。それは現実はどうなのでございましょうか。
#108
○説明員(望月鎭雄君) お答えいたします。
 先生の御指摘の点につきましては、ドクターコールにより、ノースウエストのたまたまその飛行機に乗っておりました二名の日本人の医師によりまして酸素吸入等の手当てが行われた、かように聞いております。
#109
○常松克安君 そこまではしたけれども、後は飛行機に乗って飛んでいっちゃったということなんでしょうか、そのドクターは。
#110
○説明員(望月鎭雄君) ドクターコールでお願いしたお医者さんは、一応酸素吸入、それから鼻血が出ておられたようでございまして、鼻血をとめる措置に努めていただいたということでありますが、その後はもう直ちに一一九番をいたしまして、地元の病院に運んで治療を受けるという態勢に移したということで、そのお医者さんがそのまま引き続きけが人を診たということではないようでございます。
#111
○常松克安君 もう一つどうしても納得いかないのには、公団の中にも診療所あり、空港の中にも診療所あり、あるいはまたJAL、全日空にも診療所あり、三層になっているんですが、その起こった労働災害というものに対しては、そういう診療所の医師配置というものが一体どうなっているんだろうと理解がしがたいんですが、これはどうなっておるんでしょうか。
#112
○説明員(望月鎭雄君) 空港内の医師の配置状況につきましては、まず基本的には旅客ターミナルビルの中に空港内クリニックというものが設けられておりまして、地元の病院と提携いたしまして、そこに医師一名、看護婦数名というもので、基本的にはそこに配置されている。それからそのほかに、日本航空それから全日空、この二つのエアラインの部内の職員対応のものではございますけれども医療施設が設けられておりまして、医師、看護婦等が配置されている。それからそのほかに、空港の検疫所には、これは常時医師一名が配置されているというふうに聞いております。
#113
○常松克安君 配置についてと問うからそうなるんでしょうけれども、そこまで三層にわたって配置されているドクターが、こういう場合、もっと言い方をかえれば、平成三年度の、乗客じゃなくしても、労災事故として件数というものが上がっているわけであります、そういうときに、こういう方々の出動がないのか。すべからく何でも労災が起きたら救急車で十五分も十六分もかかる、救急医療は四分が命取りの戦争でありますから。
 そう考えてみますと、この方が落ちちゃった、診た医者は飛行機で飛んじゃった、後は一一九番に任せた。それより、目の前でそうなっているときに、ドクターがなぜ空港内にいながら行かなかったのか。逆に推測しますと、連休がためにこの三つの医療施設のドクターというのはだれもいなかったのか、こういうふうに思うわけです。もしもいないとするなら、空港内において設けなきゃならぬということがわかっていていないということになれば、訴訟問題になるわけです、医療訴訟。こういうふうに一つの人の命というものは、最近非常にこだわりといいますか、持たれて、だれもが、どこでも急に倒れたときは、何とかしていただく体制というふうな法の整備を求められている。
 もう一度聞きます。配置はわかりました。そのときに医者も看護婦もいなかったんでしょうか、いたんでしょうか、どっちなんでしょうか。
#114
○説明員(望月鎭雄君) 一応、空港内のクリニックには、基本的には医師、看護婦を配置しておりますけれども、時間帯によりまして、常に二十四時間シフト制で配置しているという体制はとっておりません。
 空港の中における急病人とか、あるいはけが人が発生いたしました場合につきましては、これは空港公団と地元の成田市消防本部、成田市さんとの間で協定を結んでおりまして、通常、例えば鉄道の駅とか、いわゆるバスのターミナルとか、そういった交通機関のターミナルにおける場合と基本的には同じ発想に立ちまして、地元の自治体の消防機関にフォローしていただくということで体制を組んでおるわけでございます。
 したがって、一応、救急車で可及的速やかに重病の場合あるいは重症の場合に運ぶというのが基本になっておりまして、この場合もそのように処置したわけでございますけれども、確かに先生御指摘のとおり、たまたま救急車が駆けつける時間が十五、六分かかったというようなことがございまして、これは命にかかわる重大な時期に非常に問題ではないかとおっしゃるなれば、まことにそのとおりであると思います。
#115
○常松克安君 まず明らかになったのは、そこのところはまだ確認済みでないのか、確認された上なのかは別にいたしまして、ドクターが駆けつけていくにはドクターがいなかった、こういうふうに認知せざるを得ないわけであります。ここに一つの規制がかかっているわけですね。各航空会社のドクターは、乗務員並びにそういう人のためだという目的です。あるいは空港の場合は、今度は逆に乗客のためにあるんですとか、いろいろ目的目的によって違った面でありますからこれは出動できない。ところが、そちらが今おっしゃいました、救急車が十五、六分かかる、これは今度は消防庁長官の方の領域の問題になるわけです。
 それよりもう一つ戻して、あの空港には私も見聞いたしましたけれども、自衛消防として、消防車から、あるいは救急車まで備えていらっしゃいまして、七、八名の方を並べて敬礼して迎え入れられました。その救急がどうなるのかも全部聞いてまいりました。
 ここで一つひっかかってくるのは、自衛消防としての国際連合に加入した中において、そういうふうな消防が救急に出動し得なかった。一一九番かけて十五、六分かかるよりはそこにおるわけですから、目の前に、一分もせぬうちに、そこにおるわけでありますから、それが出動をし得なかったということは、たとえ法の規制がどのようなことにあろうとも、今救急医療充実を汗みどろになって構築しておる時代には、少し時代おくれな対応である。そこへあの成田においては、一日八万人の方が毎日毎日出入りのあるところです。少なくとも飛行機事故のときには出動するが、そういうときには救急車に任じている。これは縦割りなことのために、一人のそこに倒れた人の命というものの対策をしようという考えではどうもならぬわけであります。
 現実問題として、御家族のお気持ちとすれば、二十一時五十五分に亡くなっていらっしゃる。事故を起こした時刻は夜中でもないんです。二十四時間体制がとれてないというふうな断りができないんです。昼間なんです、これは。病院へ運ばれて二十一時五十五分に亡くなられている。
 そこでお伺いしますけれども、じゃ、救急車が十五、六分かかって来られたときの症状については、どういうふうに認識していらっしゃいますか。
#116
○説明員(望月鎭雄君) 私どもが確認いたしましているところでは、意識はしっかりしておられた。それで鼻と口から血を出しておられて、一応酸素吸入後の状況でありますから、見かけはそれほど、もうぐったりしてもう全然口もきけないというようなことではなかったようなことは聞いております。
 ただ、それはそうといたしまして、ただいま先生御指摘の点、私どもは、空港公団はもうすべて地元自治体に救急業務全部をお任せして、傍観者として何もしないということでは決してないわけでございまして、そうあるべきだと考えているわけでは毛頭ありません。空港の設置管理者として、不測の事故が発生いたしましたときには、当然のことながら、地元の消防機関の御判断、御指導等を仰ぎながら、可能な限りの対応をするべきものである、かように今心得ております。
 今回の場合も、事故関係者の一一九番通報の後、公団は消防機関から連絡を受けました。連絡を受けた内容は、場内の誘導等の協力をしてくれということで、これにつきましては所定のあらかじめ協定したとおりのやり方で御協力申し上げたということでございます。
#117
○常松克安君 ちょっと待ってくれませんか、結構です。
 消防庁長官に聞きます。通報を受けて行ったときの、その患者の状況を簡潔にお願いします。
#118
○政府委員(浅野大三郎君) 私どもが報告を受けておりますところでは、ちょうどノースウエスト航空職員に介抱されておったという状況でございます。それで、意識障害などもあったようでございます。ただ、呼吸、脈拍は正常であった、こういうふうに見ておったようでございます。
#119
○常松克安君 どこの病院に搬送されたのでしょうか。その病院には脳外科専門医はいらっしゃいましたでしょうか。それからいま一つ、亡くなられたときの病名診断は何という病名でしょうか。
#120
○政府委員(浅野大三郎君) 搬送いたしました先は成田日赤病院でございます。病院収容時に診断をお聞きしておりまして、それは外傷性のクモ膜下出血というふうに救急隊員は聞いております。
#121
○常松克安君 脳外科はあったんですか。
#122
○政府委員(浅野大三郎君) 恐縮でございます。ちょっと私ども脳外科があったかどうか、確認しておりません。
#123
○常松克安君 審議官。ここのところ、細部について云々じゃなくして、大きな、今ちなみにそちらからもおっしゃいましたけれども、公団としての救急医療という立場において、今の定めの方がたとえどうあろうとも、成田からの消防署の応援も、当然だれが助けてもいいんですから、しかし、事人の命は一刻を争っているわけであります。今後こういう人たちを助けていくためには、今の法を改正をするという作業に入らざるを得なくなるわけであります。この結論なんです、ここは。
 失礼でございますが、クモ膜下とくしくもおっしゃいました。救急隊員が症状を見てもそうなんです。サイレンを鳴らして来ぬといてくれ、近所があるから、そう言われても鳴らしていかざるを得ません。七十の人は元気よう担架に、もう担架なんか要らぬ要らぬ、大げさや、わしはこんなに丈夫や、そんなもの要らぬと言っても乗られる。クモ膜下は乗って五分で全部倒れて即死するんです。こういうふうなことは、失礼でございますが、審議官の方としても医療関係はあんまり問うてはならぬ、専門の立場じゃございませんから。人の傘となってくるとその対策というものは相当厚目にこれをしていかなきゃならないわけです。
 でありますから、これは今日概略的なことをお尋ねいたしました。改めて、次の予算委員会で提案してこの法改正に迫っていくつもりでおります。その法改正というものの立場に立っての簡潔な御見解を承っておきます。あと私五分しかないもので、短く結論だけお願いします。
#124
○説明員(望月鎭雄君) 私どもといたしましては、今般の事故も大変重要に考えております。
 実態的な対応策としては、まず地元の地方自治体の救急隊、それから救急車が空港内に常置できるような体制づくりを今具体的に成田市さんとの間で協議して進めております。既にもう基本的な方針も決まりまして、再来年の三月には大体供用できるような形になるかと思います。これでもう至近の距離で対応できる体制は一応は整うんじゃないかと思います。
 それからもう一つ、それまでの間ももちろん十数分かかっていいということではございませんので、先生御指摘の方法で可及的速やかに対応できるようにもっと連携、連絡体制を緊密にしながら、空港内に常置している医師等の協力も得やすいような形に体制を持っていきたい。これにつきましては、もう既に公団にもよく指示いたしまして、関係各機関との協議を進めるように話もいたしております。
 それから、つけ加えますと、第二旅客ターミナルビルがおおむねことしの年末には供用開始されると思います。その時点以降につきましては、この第二旅客ターミナルビルの中に、これは三百六十五日二十四時間体制で医師が張りつけるような形に持っていきたいということで、今その準備作業を進めております。具体的な形はまだ固まっておりませんけれども、そのような実態面におきましても、時間が長引いたために、あるいは十分な措置ができなかったために人命失われるというようなことのないように最大限対処してまいりたい、かように考えております。
#125
○常松克安君 一言だけ言っておきます。大事なことは、消防庁に任せるんじゃなくて、公団として十二分な対応をきちっとしなきゃなりません、そのためには法改正が必要です、このことを明確に申し上げておきます。
 今ある消防の方は三名は事務局にいるんです。現場におる人は皆アルバイトなんです、救急車でもってやっていらっしゃる人は。そういう方は救急救命士の実務の経験もなければ、去年一回出動しただけで怖くて、行って拾ってくる、患者を連れてくると責任を問われてかなわぬのでよう出動せぬ、こうおっしゃるんですから。こんなことでは人の命は守れませんよということを最後に明確に申し上げておきます。
 では、国土庁に離島問題で結論だけいきますけれども、前回から積み残しております救急の問題での自己負担、これはどうなりましたでしょうか。検討した結論をお願いします。
#126
○説明員(吉田博君) 御説明をいたします。
 長崎県、鹿児島県等につきまして、件数等は調査をいたしましたが、個人負担の問題等については今詳細把握されておりません。そういうことで早急に調査をかけてまいりたいと思っております。
#127
○常松克安君 では消防庁長官。平成元年度からずっと事あるたびに提起しておりますが、これからの時代、二十一世紀に向けて女子救急隊員を養成していくというのが時代の流れである、これに関しての御見解をお願いします。
#128
○政府委員(浅野大三郎君) 女性を救急業務に活用するということにつきましては、傷病者に対するより細やかな対応も可能ではないかというような面もございます。これは十分今後考えていかなければいかぬ課題だと思います。
 一つの問題は、深夜作業の問題がございます。これにつきましては、今関係の省に対しましてその見直しをお願いしておるところでございます。ですから、その動向とそれから女性が入ってくるということになりますといろいろ条件整備ということも必要でございましょうから、そういうものを今後さらによく検討していきたいというふうに考えております。
#129
○常松克安君 その深夜勤務はどこへ相談なりをかけているんですか。それだけを確認しておきます。
#130
○政府委員(浅野大三郎君) これは労働省の所管の問題でございます。労働省の方に制限解除の検討をお願いしておるということでございます。
#131
○常松克安君 総理府はよろしいですか、関係ないですか。労働省だけでいいですか。
#132
○政府委員(浅野大三郎君) 私は労働省にお願いして、それでいいのではないかと実は認識しておりましたけれども、もう一度さらに必要ないかどうか、よくチェックいたします。
#133
○常松克安君 私が総務庁と言いましたのは、過去のいきさつがあって、この問題をたぐっていきますと、総務庁がかんかんに怒っておるんですわ。女子のそういう特別勤務の人を女性の地位向上のために、進出のために広げますぞと、各省庁に言うたと。警察もその所管のところは皆言ってきた。消防庁はそんなこと何も言ってこぬと。そのときの先の見通しが悪い、今さらになって女子、そんなこと言ったって絶対聞きませんなんて、私は怒られたんです、私が。それが心配だったものですから、労働省はええけど、総務庁はよろしいんかと、いいところまできて総務庁の横やりが入ってつぶれるんじゃ困る。老婆心で申し上げる。よろしいんですか、間違いないか。
#134
○政府委員(浅野大三郎君) これは実現することが大事でございますので、今御指摘いただきましたので、総務庁の方にもよく御理解をいただくように努力いたしたいと思います。
#135
○常松克安君 以上です。
#136
○諫山博君 公務員部長に質問します。
 前回地方公務員の時間外労働、とりわけ労働基準法三十六条との関係について質問しました。詳細な答弁を受けましたけれども、なかなかわかりにくい点がありますから、きょうは一切の説明抜きで結論だけを聞きます。
 これは前回も質問しましたけれども、昭和二十七年十月二日自行公発第六十二号、兵庫県人事委員会事務局長あて、公務員課長回答「地方公務員法の解釈について」です。
  照会 地方公務員法第二十四条第六項の規定
 による職員の勤務時間等に関する条例におい
 て、超過勤務及び祝日勤務について別記のとお
 り規定を設けた場合においても、労働基準法第
 三十六条による書面の協定をなさない限りにお
 いては、超過勤務又は祝日勤務を命ずることは
 できないか。
  回答 労働基準法第三十三条の規定に該当す
 る場合を除き、設問の協定を要するものと解す
 る。これは昭和二十七年ですけれども、この立場は現在も自治省で維持されていますか。結論だけです。
#137
○政府委員(秋本敏文君) その実例は現在も変更いたしておりません。
#138
○諫山博君 この回答では、「設問の協定を要するものと解する。」、こうなっていますけれども、「設問の協定」というのは照会に出ているように、労働基準法第三十六条による書面の協定、こう解釈すべきでしょうね。異論ありますか。
#139
○政府委員(秋本敏文君) 「設問の協定」は労基法三十六条に基づく協定であると考えております。
#140
○諫山博君 別の問題です。
 前回「地方公務員法制定時参考資料 こというのを引用して質問しました。これは国会図書館の本で、発行の場所も年月日も書いておりません。どうもいわゆる想定問答集のようです。この中に国務大臣答弁資料という項目があります。この中の二カ所について、この立場は現在も自治省で維持されているのかどうかを質問します。
 読み上げます。
 第三十六条の協定は、原則的な労働条件の決定に関して行われるものではなく、使用者は、必ずしもそのような協定をしなければならないのではない、いいかえれば、この協定がなければ、労働時間なり休日なりの定めがなし得ないというわけでなく、一定の条件の下に、労働時間を延長し、又は休日労働をさせるためにのみ、協定が必要であるのである。その限りにおいて、このような協定は、いわば補足的のものであって、労働条件対等決定の原則を否定することと全面的に両立しないものではない。
この立場は、現在の自治省の立場と同じですか。
#141
○政府委員(秋本敏文君) 引用になりましたのは、お話のございましたように法律制定に当たっての想定問答であろうと私ども存じます。
 この趣旨は、その三十六条を適用するという……
#142
○諫山博君 趣旨は結構です。今も維持されているかどうかを答えてください。
#143
○政府委員(秋本敏文君) わかりました。
 詳細なことを今全部検討し尽くしているわけではございませんが、基本的にはここにございますように、時間外勤務イコール三六協定ということではないけれどもという意味で書かれておる考え方は今も間違ってないと思っております。
#144
○諫山博君 発言
 職員が、その職員の団体を通じて、地方公共団
 体の当局と団体協約を締結することは認められ
 ていないとしても、第五十五条第二項の趣旨に
 もかんがみ、職員の団体との間に、勤務条件に
 関して、法の定める範囲内で、一定の協定をす
 ることまでもが、団体協約禁止の規定に触れる
 とは考えられない。更に、この規定は、以上の
 ように、理論的に、公務員関係の基本と矛盾す
 るものではないとともに、実際上においても、
 公務員関係に不必要な混乱を惹起するおそれも
 なく、職員の勤務条件の保護という観点からも
 必要である。第三十六条を適用することとした
 のは、この理論的及び実際的の両方の理由によ
 るものである。
これは正確に読み上げましたけれども、この立場は現在の自治省においても維持されているのかどうか、結論だけ御説明ください。
#145
○政府委員(秋本敏文君) 三十六条の規定を適用するという趣旨としてはここに書いてあるとおりであると存じております。
#146
○諫山博君 前回私は、いわゆる現業労働者に対する三六協定適用の問題を質問しました。これに関しまして、昭和二十六年五月一日の行政実例があります。関係部分を読み上げます。
 「「現業の職員」の範囲は、その機関に勤務するすべての職員であり、個々の職員の業務によって分割することは認められない。」、以上です。
 これは、私が前回指摘したと同じ内容だと思いますけれども、この立場は現在も自治省で維持されておりますか。
#147
○政府委員(秋本敏文君) 三十六条の規定の適用は事業場単位ということは、労働省にも確認いたしましたけれどもそういうことのようでございますので、そのようなことを踏まえて、今引用された実例が出されております。したがって、それぞれ労働基準法の八条の三号から十号までだったかと思いますが、そういう三六協定締結の事業場であれば、そこにいる職員について非現業の職員は州と、そういうことではないという意味におきましては、その考え方は今も変わっておりません。
#148
○諫山博君 今度は自治大臣です。
 前回、地方公務員に非常に長い残業があるという問題を私は質問して、大臣もこれは何とかしなければならないという立場で答弁されたと思います。今民間労働者では時間外労働の上限を規制しようということで労働省が動いております。既に具体的な目安も示されました。ところが、労働省が示した時間外労働の目安は長過ぎるというので、改めて再検討の作業が始まっているようです。報道によれば、来月にも協定の指針を改正する方向だと。つまり、労働省が民間労働者について残業の上限の目安を決めたけれども、さらにこれを短くしようという動きが出ている。
 そこで、私は、地方公務員についてもぜひこういう努力を自治省の方でやっていただきたい。長時間労働という点からいえば、明らかに地方公務員の方が民間労働者よりか長いわけですから、労働省に負けずに自治省でも何らかの上限の目安をつくっていただきたいということをお願いいたします。
#149
○国務大臣(塩川正十郎君) 十分省内で検討し、また地方団体の担当者ともよく相談いたしまして、御趣旨をお聞きいたしました以上、その成果を上げるように努力はしていきましょう。
#150
○諫山博君 私からは終わります。
#151
○神谷信之助君 きょうは、いよいよ学校の週五日制が実施されますが、その中で、特に障害者の教育の問題ついてお尋ねをしたいと思います。
 障害児が、放課後あるいは長期休暇中、夏休みなどで一般の健常な子供に比べて非常に貧しい生活を送らざるを得ないということはよく御承知のとおりだと思います。肢体障害があって思うように外出もできない、歩けても発達障害がある、安全に外で遊ぶことができない、だから障害者をよく理解した分助者や指導者がどうしても必要であります。同じ人間でありながら、本人や家族が希望したわけでもないのに障害を持つ、そして障害者に対して配慮が乏しい社会環境の中で、遊ぶ自由や外出する自由が奪われるという状況が起こっています。
 都市圏では、昼間、家庭で養育が困難な子供たちのために学童保育所だとか児童館がありますけれども、障害児の場合はその障害を理由に入所を断られる。例えば、京都市でも最近まで学童保育要項に障害児の排除規定がありました。今は削除されましたけれども、そういう状態がありましたし、あるいは就学をしている学校の教育委員会の管轄が違うということで断られる。例えば、養護学校は府立だ、学童保育所は市立だ、だから養護学校の子供は市立の学童保育所では受け付けない、こういうような状況もありました。こういう状態は徐々に運動の中で改善をされてきていますけれども、障害者に対する教育の問題では今なお多くの問題があります。だから、きょう取り上げる問題もすべてを議論するというわけにはいきません。その中の幾つかの問題を取り上げてみたいと思います。
 まず、文部省にお伺いしますが、平成四年二月に学校週五日制のために二つの協力者会議が「審議のまとめ」を公表しています。そのうちの青少年の学校外活動に関する調査研究協力者会議、これが二月二十六日にまとめを発表しておりますが、「休日の拡大等に対応した青少年の学校外活動の充実について」、というのがあります。その中で、心身に障害のある子供に対する配慮についてどのように述べていますか。それと、それに対する文部省の対応はどうされていますか。
#152
○説明員(遠藤純一郎君) ことしの二月に、御指摘のように、学校週五日制等もにらみまして「休日の拡大等に対応した青少年の学校外活動の充実について(審議のまとめ)」が調査研究協力者会議から出たわけでございますけれども、その中では何点か心身に障害のある子供に対する配慮ということが提言されておるわけでございます。
 例えば、このようなことが提言されておるわけでございます。「学校外活動の充実を図る上で、心身に障害のある子供に対する配慮も重要である。これらの子供達が地域における活動に参加しやすいようその運営上の種々の工夫を行ったり、利用の便を図った施設の整備を行うことが望まれる。このため、学校も含めた関係機関・施設。団体の相互の連携・協力が求められる。」というようなこと、あるいは「心身に障害のある子供の参加に配慮した活動プログラムの開発」、これも重要だというようなことで、四点か五点同様の趣旨が述べられておるわけでございます。
#153
○神谷信之助君 京都の幾つかの養護学校の先生方に集まってもらいましていろいろ現場の状況をお聞きしました。
 それによりますと、職員会議で学校週五日制の問題がまだ一度も議論されたことがない、そういう話です。九月から月一回、とにかく養護学校も週休二日制になる。実際は七月、八月は夏休みですから、現場では六月じゅうに具体的にどうするのか、その方針が必要になってきています。ところがそれに対して、文部省の方針が余りにも一般的で抽象的だ、特に障害児は多くの課題が予想されるのに、この障害児の教育について、学校週五日制の実施にどんなプランを考えているのかわからない、こう言っています。文部省の方はとりあえず九月からは月一回やって段階的に進めていこうというような計画のようですが、文部省自身の計画、プランといいますか、そして完全に週五日制になるのはいつごろという目安で進めようとなさっているのか、この辺をお聞きしたいと思います。
#154
○説明員(霜鳥秋則君) 先生お尋ねの学校週五日制に関する問題でございますが、これは、お話にございましたような協力者会議の「審議のまとめ」というものをいただきまして、今後完全学校週五日制も視野に入れた学校週五日制を段階的に導入するための基本的な考え方というのを示していただいたところでございます。
 学校週五日制は、特殊教育の諸学校も含めまして本年の九月から毎月の第二土曜日を休業日といたしまして、幼稚園、小学校、中学校、高等学校と並んで同時に実施するという考え方ております。
 お尋ねの、完全実施というお話でございますが、この学校週五日制の問題につきましては、教育問題だけにとどまるものではございませんで、国民生活に大きな影響を及ぼす問題でございます。学校、家庭、それから地域社会の教育をめぐるいろいろな問題を総合的に検討してその導入を決定すべき問題だと考えております。
 先ほど御紹介いたしましたその「審議のまとめ」というものにおきましては、こういうような事柄につきましての現状から見まして、まず第一段階といたしまして月に一回の学校週五日制を導入し、その過程において出された問題を解決しながら次の段階に進むということを検討すべきであると提言されておるところでございます。したがいまして、完全学校週五日制という問題につきましても今のような考え方、子供たちがみずから学んで主体的に考え判断し行動できる資質やその能力の育成という学校五日制の問題、目的が十分に理解、浸透し、それから次の段階に進むという考え方でございますので、そのような状況をつくり出すということが大事なことかと考えております。
 私ども文部省といたしましても、このようなステップ・バイ・ステップと申しますか、そういう段階を経まして今後検討される課題だと考えておりまして、現段階で具体的な完全実施のスケジュールというのを明確化することは難しいと考えております。
#155
○神谷信之助君 五日制になって休みが二日になる、一日休みがふえます。結局、文部省の方でも、ふえた休みの障害児に対する手当てというのは家庭と地域社会で面倒を見てくれ、こういうことなんですね。しかし、現実には先ほど言いましたように、児童館やあるいは社会福祉会館なりそういうところで一般の子供たちと一緒に遊ぶというのが望ましいけれども、なかなかそう単純にはいかない。結局は、やっぱり毎日通いなれている学校へまた行かざるを得ない、タクシーやなんかでとにかく学校へ行かなきゃいかぬ、そうするとだれかが面倒見なきゃいかぬ、それには指導員が要る、そういうことのようで自治省の方もそれで財源措置を考えておられるようですけれども、そういう障害児に対する指導員は当面全体で何人必要というように自治省の方では想定されているんですか。
#156
○政府委員(湯浅利夫君) 障害児の関係につきましては、養護学校、これは県分でございますが、県分の指導員については標準団体で百二十七人を予定いたしておりますけれども、全体の数字については現在精査中でございます。単位費用に盛り込みます標準団体ベース、人口百七十万人の府県におきまして百二十七人の指導員を予定しているところでございます。
#157
○神谷信之助君 おかしいな、事前に聞いておる話では九千四百七十人でしたよ。違いますか。
#158
○政府委員(湯浅利夫君) 恐れ入りますけれども、私どもの手元にございますのは標準団体ベースの数字でございまして、全国ベースに置き直した数字はちょっと手元にございませんので確たることは申し上げられないので、至急聞いて調べますけれども、現段階では標準団体ベースで百二十七人ということでございます。
#159
○神谷信之助君 おかしな話だね。これ提案されておる交付税法改正案で交付税措置しているんでしょう。その積算基礎はわかりますわ。それが集まって全体として何ぼ見ているんや、何人やと言ったら九千四百七十人。それが、今局長の答弁では、もうひとつはっきりせぬというようなことでは非常にはっきりせぬのですけれども、それはひとつはっきりさせてくださいよ。
 次、文部省です。指導員ですが、社会教育の指導員、これを養成していくんだというお話ですけれども、現在それは何人確保できるというようにお考えですか。結局は、実際には教員の方々にお願いをするというようにせざるを得ないのではないかと思うんですが、その辺の見通しはどうですか。
#160
○説明員(霜鳥秋則君) 特殊教育諸学校の場合でございますが、先生のお話にありましたように、月一回土曜日に学校がお休みになるわけでありまして、基本的な考え方といたしましては、ほかの子供たちと同様家庭や地域社会におきまして主体的に生活することが基本になると考えでございますが、特殊教育諸学校の場合には、特にそうやって外なり地域社会で生活することが困難な児童生徒もおるわけでありまして、当面まずは、学校などが中心となりまして必要に応じて遊びあるいはスポーツ、文化活動などを学校とか地域社会において行っていくことが必要だと考えでございます。その財源措置につきまして、お話にありましたように、地方交付税におきまして指導員の謝金とかあるいは必要な場合のスクールバスの運行、推進のための委員会の設置など、その措置をお願いすることとしておるところでございます。
 お話の指導員でございますが、一応参加する児童生徒数というのを、今までの実験の結果、学校の子供たちの大体三割程度ということで推定いたしまして、三人に一人の指導員をつけるという考え方で積算をしたものでございます。実際に指導員がどのくらい集まるか、またどう対応するかということでございますが、一つは、幾つかの学校でボランティアの方を集めてやっていたり、どうしてもというときには先生方にも御参加をいただくというような形で面倒を見たというケースもございます。今現在の時点で何人ぐらいどのように必要かということはなかなか難しいわけでございますが、学校が中心となって地域社会でそれぞれの都道府県なり市町村とよく御相談をいただいて、実態に合った形で円滑に進めてまいりたいというふうに考えております。
#161
○神谷信之助君 さっきのは、一校当たり十人として九百四十七校で九千四百七十人だというのは文部省の方の数字ですね。そういう話でした。
 それで、結局、ボランティアの人たちや大学の学生なんかを募集する、お願いをするということになるわけですね。それで足らぬ部分は教員にやってもらわなきゃしょうがない。だから、そういう点では、教員の週休二日制というのは崩れできますね。
 それで、京都の乙訓の経験を聞きますと、大学の学生さんなんかが一緒にそれに参加してやってくれる。初めは何にもわからぬけれども、だんだんやっているうちにそれに情熱を感じ出し、そして非常に積極的にやってくれるそういう人も生まれてきている、全部が全部じゃないけれども。そういう話も聞いていますから、そういった点での努力をしてもらわなきゃいかぬと思うんです。
 そこで、自治省の方に聞きますけれども、交付税措置の問題です。
 資料を見ますと制度の概要という項目があって、幼稚園、小学校それから高校及び特殊教育養護学校、これについて措置するとあるけれども、中学校が抜けているんですが、これはどういうことなんでしょうか。
#162
○政府委員(湯浅利夫君) 学校週五日制に伴いまして、土曜日に家庭にいても保護者がおられないという子供たちのための財政措置といたしましては、文部省と御相談の上で幼稚園と小学校につきましてこの制度を今回具体的に財政措置をしたものでございます。中学校につきましては今後の課題ということでございましょうか、当面文部省の方から御要請のございましたのは幼稚園と小学校ということで私ども御要望いただきましたので、この点につきましては御要望どおり措置をさせていただいたものでございます。
#163
○神谷信之助君 そうすると文部省、中学校を外しているのはどういうことなんですか。
#164
○説明員(霜鳥秋則君) 学校五日制につきまして財政措置をお願いしておるのは、ただいまお話のありましたように幼稚園、小学校それから特殊教育の諸学校というところでございます。私ども実験校で何年間か実施をしてその成果を見てきたわけでございますが、その全体の中でやはり小さな子供たち、幼稚園、小学生それから特殊教育の学校の子供たちというところがやはりなかなか一人でうまく遊べないとかいうことがございました。中学生につきましてはだんだん大人になる過程でございましてある程度自分たちでそれなりに遊びを見出したり主体的な生活ができていくという判断もございまして、当面はお話のありましたような幼稚園、小学校それから特殊教育の諸学校というところにつきましてお願いをした次第でございます。
#165
○神谷信之助君 ちょっとおかしい、実態に合わないんじゃないかと思います。障害に応じた生活や集団の内容あるいは年齢に上限を置かない、障害児に対する対策としてはそういうことはひとつ原則として考えなきゃならない。中学生やあるいは高校生になっても障害の発達の度合いその他に応じて違ってくるわけでしょう。だから、勝手にちゃんと休みは自分で過ごせるわというだけではなしに、やっぱりそれだけ大きくなってもそうでない子供もおるわけですから、そない家でテレビばかり見てごろごろしたりというのでは親もたまったものじゃないでしょう。その辺はどうなんですか。
#166
○説明員(霜鳥秋則君) 先ほど申し上げましたのは一般の小学校、中学校の場合のケースの話でございまして、先生ただいまお話しの特殊教育の学校におきます幼稚部、小学部それから中学部、高等部につきましては私ども、ただいまの学校五日制の対応の措置をすべてお願いしておるところでございまして、一般の普通の、通常の中学校のケースにつきまして先ほど申し上げたような内容になっておるわけでございます。
#167
○神谷信之助君 僕が聞いておるのは障害児の問題を聞いておるんだから、一般の子供たちのことをきょうは質問しておるわけではないんだからごちゃまぜにせぬと答えてほしいんです。
 それから、スクールバスの運行委託費というのがありますが、これは自治省ですか、文部省でもいいんですが、一校に何台と見ていますか。
#168
○政府委員(湯浅利夫君) 標準団体ベースでございますが、標準団体で約十三台を予定いたしております。箇所数が十三カ所でございますから一カ所一台という積算になろうと思います。
#169
○神谷信之助君 一校当たり一台でしょう。だけど実際問題としてそんなものでは済まぬのじゃないかと思うんですよね。東京では大体七、八台持っているのが多いんじゃないかと思います。京都でいいますと、向日が丘養護学校では五台で運行しています、子供たちの地域が広いですからね。だから一台でぐるぐる回っておったんではどうにもこうにもならぬで、向日が丘の場合は、あそこは京都市の南部と宇治市と八幡市、あの地域を、乙訓はもちろんですけれども、五台で地域を分けて集めてくる、あるいは送っていく、こういう状況ですから、一校一台ということでは実際問題として実態に合わないのではないかなと思いますが、その辺、文部省どうなんですか。
#170
○説明員(霜鳥秋則君) お話しのように、スクールバスの件につきましては積算上一校一台という計算にしてございますが、考え方といたしましてはその参加、例えば学校で学校開放などによりまして子供たちが集まってくるというケースを考えますと、大体三〇%くらいの子供たちが集まってきていたという実績がございます。したがいまして、その割合からいきますと、何台も通常の場合は運行しているわけでございますが、普通の通学時と違いましてある程度計算上の一台を、でございまするが、それをうまく運用していただいて、都道府県と学校と御相談いただいて実態になるべく合うようにやっていただきたいというふうに考えておるところでございます。
#171
○神谷信之助君 それじゃ、実際にやってみて足らぬかったらちゃんと補てんはするんですか。
#172
○説明員(霜鳥秋則君) 実際のスクールバスの運営といいますのは、なかなか学校それぞれの実態によってケースが違いますので何とも難しいところでございますが、計算上は一台という形になっておりますので、その実態に合わせてその金額の中で運用していただければというふうに考えておるところでございます。
#173
○神谷信之助君 それじゃおかしいじゃないですか。今五台あるけれども、あなたのところは五台では多過ぎる、三台でやれ、そういう指導するというわけですか。実際に五台必要であってそれで子供たちを集めてやってきている川それについて、必要なんだから当然それに対する財源措置はするというのが当たり前の話だ。三台しか使ってないのに五台分よこせというわけじゃない。これは各府県の教育委員会は皆わかっているんだから隠しょうがないわけでしょう。ごまかしょうがないわけです。その辺はどうなんですか。
#174
○説明員(霜鳥秋則君) お話しのような実態といいますか、そういうことが想定されるかもわかりませんが、基本的にはふだん通学しておられるお子さんたちの数と比べまして学校開放等でお集まりになるケースの場合はその三分の一ぐらいの数ということがございます。したがいまして、それに合わせた積算の方法で計算をした場合に一台という計算になるわけでございますが、それぞれの都道府県と御相談を学校の方からしていただいて、なるべく支障がないような形でやっていただこうというふうに考えておるところでございます。
#175
○神谷信之助君 それじゃ五台全部使わぬと三台使うんだというのは、その実態に応じて各県の教育委員会で学校と相談をしてやってもらう、それについてちゃんと文部省も責任を持ちますよということやね。そうお聞きをしてよろしいな。
#176
○説明員(霜鳥秋則君) 最終的なことになりますれば地方公共団体の財政当局とのお話し合いということになろうかと思いますが、私どもといたしましても教育委員会を指導する立場にございますので、なるべく支障がないようにお話し合いをしていただきたいというふうに言っておるところでございまして、先般も関係の会議等がございましたが、そのような場でもなるべく五日制の円滑な実施というところにつきまして指導もしたところでございます。
#177
○神谷信之助君 この九月からこの制度は始まるわけですよ。今までの制度が続いていますと、超過負担があってもなかなが解消できない。だから、新しく制度をつくってやる場合に、そういう超過負担を生ずるようなことのないように実態に応じて最初にきちんとやっていかないと、なかなか将来直すわけにいかぬでしょう。だから私はやかましく言っているわけで、この辺をひとつはっきりしてもらいたいと思うんです。
 それから、寄宿舎の問題ですけれども、これはどのようにお考えなんですか。先生方が泊まらなきゃいかぬでしょう、それについては。
#178
○説明員(霜鳥秋則君) お話の寄宿舎というのは、特殊教青諸学校にあります児童、生徒が泊まっておる寄宿舎というふうに思いますが、そこにつきましては寮母さんが配置されておりまして、その子供たちにつきましてもかなり週末等家庭へお帰りになっておるわけでございますので、そういう場合の帰省費、おうちへ帰る交通費等、私どもの就学奨励費の中で措置をしてなるべく支障のないようにするという形でやっておるところでございます。
#179
○神谷信之助君 現在は、土曜日に寄宿舎の子は相当数帰ります、家へ。そして月曜日に出てくる。しかし、帰らない子供もいるわけです、京都府下全体から来ていますから。それで寮母さんが必要になるわけでしょう。今度は二日になるわけですよ。だから、金曜日の晩に来てくれはるんやろか、土曜日の朝に来てくれはるんやろか、この辺はまだわかりませんと現場の先生方は言っておりますが、いずれにしても土、日は帰る人もおる。しかし、寄宿舎におる人もある。そうすると、これ見んならぬわけですね。そこで、向日が丘養護学校の寄宿舎では二十五人の方が三交代でやって、一日七人泊まっておられるんです、普通の日は。国の基準は五人に一人だということになっておるんだけれども、そうはいかぬので七人が泊まっている。
 先ほどの一校十人程度の指導員配置というのは、これは寄宿舎の泊まる人、これも十人の中に入っておるのか、入っておらぬのか、別枠になるのか、それはどうなんですか。
#180
○説明員(霜鳥秋則君) 先ほど来お話のあります指導員につきましては、これは学校五日制の実施に伴いまして休業日となります土曜日に学校あるいは地域社会でいろいろな活動をする場合の指導員という考え方でございまして、寮の方とは直接関係がないということになっております。
#181
○神谷信之助君 登校拒否をする子供もおるわけで、だからそういう子供は帰すわけにいかぬということで寄宿舎におらしてやるし、それからもう一つは、現在でも土曜日に家へ帰らすと一日あくでしょう。そうすると、発達がまた戻ってしまう。そういう例もよくあるようです。今度は二日になるとこれは大変だ、だから、寮母さんもふやしてもらわぬとこれは大変だというのが現場の要望です。これをお伝えしておきますから、ひとつ検討してもらいたいと思います。
 現在でも、週一日の休みで子供が家でごろごろしている、テレビを見ている、無理を言う、そういう子供がいますね。そうすると、お母さんはもうどうにもこうにもならぬので、自分の率に乗せて当てもなく走り回る、そして静かにさせるといいますか、そういう苦労もなさっているという状況だし、現在やっぱり、地域で地域でと言うけれども、地域の児童館とか社会福祉会館とか、そういうところへ行っても、なかなか仲間に入れてもらえない、はじき出されるというのが現状で、そして学校しか行くところがない、学校ならええということになります。だから、現在でも下校時間といいますか、学校帰る時間が早いので、年長の子供というのは時間をもてあましている。親子密着型になってしまう。それが今度は一日さらにふえるわけですね。そういう点では母親の負担が非常にふえてくる、こういった問題が、お母さん方に集まってもらっていろいろ意見を聞くと、出てくるというわけです。これらに答えなきゃならぬわけです。
 文部省は、家庭や地域社会において主体的に生活することを基本とする、言葉としては非常にいいことを言っているんですが、地域社会での生活を受け入れる指導員の養成、それから社会教育、福祉施設の整備、これについてどういう処置をおとりになっているか、とりわけ、いよいよ今度、学校五日制を前にして、こういうことをやっている、あるいは新たにやらなきゃいかぬと考えているというようにお考えなのか、この辺を聞かせてもらいたい。
#182
○説明員(遠藤純一郎君) 私どもは、これは障害児ということに限らず全般的な話になりますけれども、この五日制を契機に子供たちに自然体験、社会体験、生活体験、いろんな活動を体験してもらうということが大事じゃないかというふうに考えておるわけでございます。もちろん、五日制、家庭でということが基本的ではあるわけでございますけれども、そういう活動をできるだけ多く体験できるように、いろんな形での機会、場をつくってほしいということで、都道府県の教育委員会あるいは青少年団体等にお願いしておるわけでございます。
 地域ということでございますので、地域地域で整備ということになりますとなかなか一〇〇%というわけにはまいらないわけでございますけれども、地域の学校の施設あるいは公民館というような施設の活用、あるいは青年の家、少年自然の家ということもございますし、図書館、美術館、博物館ということもございますので、そういったような施設を有効に活用して、子供たちにいろんな活動の機会を豊富にしたいというふうに考えておるわけでございます。
#183
○神谷信之助君 いや、話を聞いているといいように思うんだけれども、厚生省あるいは文部省の関係になりますか、児童館とか、それから社会福祉会館とか、そういった施設、そこで障害児が自由に遊べるような状況になっていますか、整備されていますか、いかがですか。
#184
○説明員(弓掛正倫君) 私ども、児童館、児童センターの方の所管でございますけれども、全国に三千九百館ぐらい児童館、児童センターございますが、そのうちどれだけが障害児に対応できる施設になっているかということについてはちょっと国として把握いたしておりませんが、最近新しくできる児童館、児童センターというところにつきましては、障害児に対応できるような施設もできているというように承知しているところでございます。
#185
○説明員(鬼島康宏君) 今、児童館等の厚生省関係のお話がありましたが、文部省としては、社会教育施設、公民館、図書館というものがあるわけでございますが、障害児に対してどういう対応がということでございますが、全国的なデータとしましては、三年ごとに社会教育調査というものを実施しておるわけでございます。
 六十二年度の調査におきまして、例えば図書館においてスロープを設けておるかどうか、車いすを用意しであるかどうか、あるいはまた拡大読書器などを備えつけてあるかどうかというような調査をしてございます。その状況で申し上げますと、例えばスロープでは四割、車いすを保有しているところは二割五分というような状況でございましたが、平成二年度におきまして図書館のみでなくて公民館や博物館あるいは青少年の施設関係なども含めまして調査を実施いたしたところでございまして、その集計はまだでございますが、その割合はアップしてきているというふうに考えております。
   〔委員長退席、理事野別隆俊君着席〕
 基本的には、障害児に対して積極的にそれらの施設が活用できるようにという姿勢で臨んでおりまして、各施設に補助金を出しておりますけれども、助成する場合にそういうものを必ずつけるようにという指導をいたしてきているところでございます。
#186
○神谷信之助君 大臣、今お聞きのように、文部省の施設も厚生省の施設も障害者に対して、特に障害児に対する施設の整備というのはやっぱり非常におくれている。全体の実態なんか文部省は今調査やって集計中のように言っていますけれども、厚生省の方はまだそれができていません。実態の把握をして早急にしないと、家庭や地域社会において主体的に生活することを基本とするという方針は出しても実際には進まぬということになります。だから、自治大臣は直接の関係ではありませんが、自治体自身が実際はやらないかぬこととなっていますから、関係の文部大臣や厚生大臣にも話をしてもらって、この辺のひとつ促進方をお願いしたいと思うんですが、いかがですか。
#187
○国務大臣(塩川正十郎君) 仰せのように、障害児関係は比較的私もなおざりにされておるような感じもいたします。それなりに自治体の方も努力はしておるんだろうと思うのでございますけれども、よく実態を調査いたしましてさらに一層の努力をさすようにいたします。
#188
○神谷信之助君 文部省に聞きますが、地域少年少女サークル活動促進事業というのがありますね。これは障害児もこの事業の対象者になっていますかということと、来年度はどんなことを実施する予定なのか、この点についてお伺いしたいと思います。
#189
○説明員(遠藤純一郎君) 御指摘の地域少年少女サークル活動促進事業でございますけれども、促進と名前がついてございますように個別の活動への補助ではございませんで、学校週五日制を契機として身近な地域における青少年のいろんな活動の全般的な振興を図るために、都道府県におきまして県内全域の学校外活動の振興の企画、指導を行う企画委員会の設置、あるいは学校外活動のモデル事業の開発、それから学校外活動に関する情報収集、提供、啓発、こういったようなことを都道府県が行う場合への補助事業ということになっておるわけでございます。
 なお、本事業を運用するに当たりまして、都道府県がその振興すべき活動の中には、地域における学校外活動の促進を図るに当たっては地域の実情に応じ関係団体、機関とも連携しつつ、障害者の活動参加への配慮に努めるよう都道府県に対し指導しているところでございます。
#190
○神谷信之助君 言葉としてはいいことを言うんだけれども、実際問題としてはなかなか大変なんです。これは盲学校、聾学校、肢体不自由校、それから精神薄弱校それぞれの学校のPTAのお母さん方、親御さんにアンケート調査をしたら、公共の施設や場所をもっとふやしてもらいたい、それから地域の活動の指導者に先生方をお願いしたい、そういう希望が六七・七%、約七割を占めています。
   〔理事野別隆俊君退席、委員長着席〕
 それからその施設ですが、何か欲しいかというのを三つ挙げてくれというと、盲学校ではプール教室、物づくり教室、散歩。聾学校はプール教室、スポーツ教室、遊びの教室。肢体不自由校ではプール教室とスポーツ教室、音楽教室。精神薄弱校ではプール教室、スポーツ教室、遊びの教室、こういうのがそれぞれ多いわけですが、プール教室はどこも皆要求されていますね。
 それで、学校が休みになると、夏は、近所のプールには入れてもらえないものだから、家からタクシーで学校へ行って学校のプールで泳ぐ、聞いてみるとこういう状態が京都でも圧倒的に多いです。だから、そういう状態を知った上でこの問題をひとつ考えてもらわないと、実際にはそういったことができない。口では言っていても、言葉としてはいっても、実際には進まないという状況があります。この辺について考慮して、文部省あるいは厚生省あたり考えてもらいたいと思いますが、どうですか。
#191
○説明員(遠藤純一郎君) 私どもは、今地域でのそういう障害児にも配慮した活動と、こう申し上げましたけれども、昨年、学校五日制の研究協力校が十七ございまして、その所在する市区町村で青少年の学校外活動に関する調査研究を委嘱してお願いしたわけでございますけれども、その報告に基づきまして現在活動事例集といったようなものをつくろうということで準備をしてございます。
 その活動例の中には、例えば養護学校の児童生徒を対象にして植物園で親子のヨガ教室をやったというようなこと、あるいは小中高等学校の生徒と重度心身障害者が一緒に海岸の清掃活動を行ったというような例も報告されておるわけでございます。都道府県、市町村でこういったような活動例を参考にして障害児を対象とした地域活動の実施に取り組んでいただきたい、こう考えておる次第でございます。
#192
○神谷信之助君 厚生省に聞きますが、現在放課後の児童対策補助金の制度があって、対象が二十人以上で市町村が実施主体、または委託であることが要件になっているような話を聞きましたが、京都でアンケートをとりますと、一番要望の多かったのが障害児の学童保育なんです。京都の7訓で障害児の学童保育をやっている、あれをやりたい、やれるようにしてほしいというのが多いんです。
 これはどういうやり方をやっているかというと、長期休暇ですね、夏休み、春休み、だから年間八十日間。これは実施している主体は向日市がやっています。長岡京、大山崎町からの人も参加をして約二十人です。主として自閉症児それから肢体不自由児であります。指導員はもう十年間やっているんですけれども、アルバイトで、向日市が年間六十万の補助金を出す、それからおととしから京都府が心身障害児季節療育事務補助として年間三十五万補助をしてくれるようになった。実際には、年間三、四百万円要ります。それで、母親たちは大体五万円でしたか、学童保育と同じだけの分を負担する。今は七十人ぐらいでしたか、大分ふえていますけれども、四百万ぐらいかかるんで、不足分は結局親が行商をやって、その利益で補てんをする、こういうことも行われています。
 この長期休暇の学童保育というのは、放課後児童対策補助金の対象にならないのかどうか。ならぬとすれば、こういった点は親たちにとっても障害児にとっても非常にいいことなんで、長期休暇に対する学童保育の制度というものを検討して、そして進めていくということを考えたらどうか、こういうふうに思いますが、いかがですか。
#193
○説明員(弓掛正倫君) 今おっしゃられました放課後児童対策事業、児童クラブでございますが、今先生おっしゃいましたように、この事業は昼間保護者のいない家庭の小学校低学年の児童の育成、指導に資するための、遊びを主とする健全育成活動を二十人ぐらいで年間を通じてやっていくというような形で実施しているものでございまして、その要件に該当すれば障害があるなしというものにかかわりなく対象となり得るものであると考えております。この放課後児童対策事業につきましては、昨年度から開始されたばかりの間もない事業でございまして、これにつきましても非常に全国の市町村から要望がたくさん参っているところでございますので、当面はこの現在の形での普及、拡充を図っていきたいというふうに考えているところでございます。
#194
○神谷信之助君 もう時間がありませんから一括して尋ねますが、大臣、今お聞きになったように、普通の子供たちについては放課後に児童クラブをつくって、それに対する補助制度をやっているわけですが、障害者の子供たちが集まって、日曜日、夏季休暇やら、そういう学童保育をやる、これはあかん、放課後と違うさかいにだめだと。だから、その制度は別に、それに入らなきゃ新しいそういう制度をつくればいい。何も本人が障害者になりたくて生まれてきたんじゃないんで、だから障害者に対する援護の措置というものは、政治の問題としては非常に重要な問題だというふうに思いますから、ひとつ厚生大臣あるいは文部大臣あたりとも相談してもらって、こういう措置をひとつ実現するために御努力をお願いしたいということと、それから、これは財政局長で結構ですが、五日制が今度始まって、交付税措置をとりあえず文部省が考えている範囲内でおやりになっている。しかし、実際にこれからやっていきますと、さらに財源の必要なところが生まれてくるであろう。そういう場合には、ひとつ自治省の方もそれについて文部省から要請があればこたえて交付税措置をして、この新しい制度で、特に障害者に対する対策というものを十分にやってもらうように努力をしてもらいたい。交付税率の引き下げをぎゃあぎゃあ大蔵省から言われぬでもいいように、必要なところにはどんどん交付税を措置していくというようにやってもらいたい。
 この二つの点をそれぞれお答えいただいて、終わりにしたいと思います。
#195
○委員長(山口哲夫君) 時間が過ぎておりますので、答弁は簡潔にお願いいたします。
#196
○国務大臣(塩川正十郎君) 御要望の点に関しましては、今後とも努力いたします。
#197
○政府委員(湯浅利夫君) これから具体的な問題が出てくると思いますので、よく関係省庁と調整を図りながら適切に対応してまいりたいと思います。
#198
○星川保松君 私は、総合保養地域整備法に基づくリゾート開発と自治体の関係について御質問をしてみたいと思います。
 いわゆるこのリゾート法というのが六十二年、第百八国会で成立をして五年を経過したわけでありますが、その開発計画が順調に進んでおれば問題はないと思うのでありますけれども、いろいろな障害に打ち当たっておるようであります。その実態が、これは五月五日の読売新聞でありますが、この全国調査によりますと、現在、法の適用を受けた三十五道府県のリゾート構想のうち、十九県の構想がピンチに陥っているということが報道されておるわけであります。この中には、バブル崩壊によるピンチに陥ったところを初め、自然保護の開発反対の住民運動等による行き詰まりというようなもの、あるいはバブルと反対運動の両方によるものといろいろあるようでございます。
 例えば、長野県の千曲川高原リゾートというのは、テーマパークとして英国村というのを計画しておるが、これを凍結した。三重サンベルトゾーンというのが、和風リゾート計画というのを凍結してしまった。島根中央地域リゾートというのが、海浜保養ゾーンの二期工事が実現が困難になった。大分の別府くじゅうリゾートというのが、ゴルフ場から日商岩井が撤退をしてしまった。宮城のリフレッシュリゾートオアシス21というのが、三菱地所が建設中のゴルフ場に漁協が反対をしておる。山形の蔵王月山地域リゾートの場合は、北蔵王のスキー場が構想の段階で除外せざるを得なくなった。栃木の日光・那須リゾートラインというのが、造成中のゴルフ場とスキー場で行政訴訟が行われておる。石川の南加賀白山麓総合保養地域整備というのは、河内村のゴルフ場計画が凍結された。ぐんまリフレッシュ高原リゾートというのが、ゴルフ場五カ所が立ち木トラストなどで難航しておる。
 それから、滋賀の琵琶湖リゾートネックレスというのが、十二の環境団体が連帯して構想見直しを決議した。愛知の三河湾地域リゾート整備というのが、渥美半島開発に日本野鳥の会などが反対をしておる。高知の土佐浜街道リゾートというのが、夜須町のマリーナ予定地の変更を余儀なくされた。福岡の玄海レク・リゾートというのが、芦屋町で開発反対派の町長が誕生して見直しをせざるを得なくなった。
 あるいは、山梨のハーベストリゾートというのが、ゴルフ場に反対運動が起きて、遊園地は資金ストップをしてしまった。香川の瀬戸内・サンリゾートというのが、これは坂出市のレジャーランド荘内半島開発を断念した。和歌山の燦黒潮リゾートというのが、田辺湾のマリーナ開発面積を四分の一に縮小させざるを得なくなった。北緯四十度シーズナルリゾートあきたというのが、田沢湖周辺開発の見直しをしなければならなくなった。千葉の房総リゾート地域整備が、ゴルフ場計画を断念した。兵庫の淡路島リゾートでは、県が三つのゴルフ場を削減して影響を受けたというようなこと、大変なピンチに立ち至っておるわけであります。
 それにその後、今度は五月二十五日の朝日新聞の報道によりますと、さらに加えて二十三の道県で問題が生じてきておるというようなことが報道されておるわけでございます。こういうことになってまいりますと、景気がなかなか回復しないような状況の中で、開発が勢いを取り戻すということはなかなか考えにくいのではないかと思われます。
 こういう状況を国土庁はどのようにとらえておられるか。それにまた、こうした大型開発というのに自治体も第三セクターとして出資して加わったり、第三セクターでなくとも何らかの形で協力したり連携したりしていると思うんですが、そういう実態を自治省としてはつかんでおられるものかどうか、両方からひとつお聞かせを願いたいと思います。
#199
○説明員(斉藤恒孝君) 総合保養地域整備法は、国民の余暇空間の整備と地域経済の活性化ということで昭和六十二年に立法されまして、その後昭和六十三年七月に県の基本構想を承認いたしましてからまだ日が浅いこともございまして、いろんなプロジェクトにつきまして地元との調整、用地の取得等の問題もございまして、全体としてはまだ緒についたところであるというふうに考えております。総合保養地域の整備というものにつきましては長い時間を要するものであり、現在各道府県とも全体としましては地域の実情に応じて整備に取り組んでいるというところでございます。
 このような中で、御指摘のように最近の経済情勢の変化等の中で、総合保養地域整備計画の基本構想に盛り込まれておりますリゾート計画の一部には、当初事業者が予定していた計画を変更したり、中止したりしている事例が生じていることは御指摘のとおりでございます。しかしながら、そもそも総合保養地域の整備というものは地域全体の整備の中で取り組むべきものでございまして、長い時間を要すると考えておりまして、当初の計画どおり進まない場合でありましても、経済情勢の変化や地域の要望等を踏まえて長い時間をかけてじっくりと地域づくりを進めていくことが重要ではないかというふうに考えておるわけでございます。
#200
○政府委員(滝実君) リゾートの概略につきましては、ただいま国土庁からお話があった点について、私どももそういうことは承知をいたしておるわけでございますけれども、ただいま先生からお尋ねありました地方団体の関与の状況あるいはこれに関連して第三セクターの実態把握はどうなっているか、こういうような御趣旨だったと思いますので、それに関連して申し上げたいと存じます。
 私どもも、このリゾートの三十五地域、三十五の道府県の基本構想につきましては、現在動いているわけでございますけれども、何分にも地域が広いし、それぞれの地域の中でもいろんな事業をやっておりますから、この全貌を把握するというのはなかなか徹底しないところもあるのでございますけれども、ただいま先生のお話の中から関連のある部分だけを私どもなりに申し上げておきますと、この総合保養地域整備法に基づく基本構想で事業主体となっている中で第三セクターとしてやっている部分、これは若干数字の動きがあるかもしれませんけれども、三十道府県で今のところ百三十その法人がある、こういうふうなことは承知をいたしております。その中で、特にこの法律ができてからできました法人が九十九ということでございますから、実質的にはこのリゾート法に基づいて設立されたものは九十九だと、こういうふうに簡単に理解をいたしているわけでございます。
 おっしゃいますように、この中でもいろんな形のものがありますから一概には言えないと思いますけれども、例えば出資だけをいたしまして形だけ地方団体が絡むものもございますし、また実質的にかなりの地方団体が力を入れているというものもあるわけでございまして一概には言えませんけれども、マスコミで報道されているような中にはこういう第三セクターの部分におきましてもかなり苦慮している、こういうような部分もあるようでございますし、また一部報道にもございますように、第三セクターに出資する前にその第三セクターそのものが不成立になっちゃったというものもあるわけでございまして、それなりに地域としてはこのリゾートにかなりの期待をかけている地域が多いわけでございますけれども、部分的には非常に苦労をしている、こういうようなことは承知をいたしているわけでございます。
#201
○星川保松君 この計画が、いわゆる発足前にやめてしまったという場合はさしたる実害はなかろうと思うんですけれども、かなりの段階まで進んでから、それからいわゆる民間の企業というのはこれは採算がとれなければ立ち行かないわけでありますから、撤退するのは当然だろうと思うんです。途中までやって、これはとても見込みがないということで撤退をしていった。しかし、それに協力をした、あるいは第三セクターとして出資をした自治体は、これは撤退のしょうがないわけです。どこにも行くところがないわけです。そうしますと、結局大型プロジェクトであればあるほど大きな後遺症をそこに残したまま、その地域の自治体だけが大変な損害をこうむるということになるわけです。
 それで、特にこのリゾート法のリゾート地域として指定をする場合の条件として、すぐれた自然環境の中で国民が滞在して行うスポーツ、レクリエーション、教養文化、休養等に資する総合的な機能を整備、こういうふうにうたっているわけです。つまり初めからこれはすぐれた自然環境しか対象にならないわけなんです。すぐれた自然環境を対象にして進めた仕事が途中でだめになってしまったということになったら、本当に自治体としては、地域としてはもう目も当てられない惨状を呈するということになるわけです。すぐれた自然環境というのは、いわゆるきれいな浜辺であり、きれいな山岳であり、すばらしい森林であり、また湖であり、川であるわけです。そういうところがざんざんな形にされて、それで途中で中断するというような大変な問題になってくると私は思うんです。そういうことで、これは自治体それから地域の立場から今後とも目の離せない極めて大きな問題だと思うんですよ。
 そういうことで、やはり自治省としてももっともっとその現状を把握して、そして万が一にもそういうような後遺症をその自治体だけがひっかぶるというようなことのないように対策を進めていっていただきたいと思うんですが、これについてひとつお答えいただきたいと思います。
#202
○説明員(斉藤恒孝君) 御指摘のように、リゾート地域の整備につきましては、すぐれた自然環境を大切にし、人と自然との触れ合いの場を整備するというのは大変基本的な大前提だと考えておるわけでございます。そのような中で、途中でプロジェクトが中断するというようなことは十分留意すべきでございまして、総合保養地域の地域全体のふさわしい土地利用という観点からも、そのようなことが生じないよう事前に十分な見きわめ、あるいは地域住民等のコンセンサスづくりをするということは非常に重要なことであると考えております。
 この総合保養地域整備法に基づく基本構想は、道府県が自主的に作成しまして、国が承認し、それを税制面、金融面等で支援して、計画の中身はいろんな事業主体あるわけでございますが、当該道府県が中心になって、総合的な見地から施策を推進するということになっておるわけでございます。昨年十一月にも道府県の関係課長会議を開催いたしまして、経済環境の変化の中で、また自然環境に対する憂慮の声も出ている中で、十分慎重な地域づくりを長期的観点に立って進めるようというようなことで協議を行ったところでございます。
#203
○政府委員(滝実君) リゾートにつきましては、多少当時の流行に乗って大分無理な計画を立てたりあるいは急いだ、こういうようなことがあったんだろうと思うのでございますけれども、経済状況が変化してまいりましたし、その中でやはり見直すべきものは見直す、こういうようなことをいたしながら、リゾート法に基づく本来の趣旨が貫徹できるようなそういうような整備を進めるべきものであろうかと思います。
 その中で、各地方団体がやはりこれはもともと地方団体の大きな期待を担ってスタートしたところが大半でございますから、この経済状況の中で苦労は伴うわけでございますけれども、私どもも、この際見直すものは見直す、こういう観点からひとつ個別に地方団体の御相談に対応してまいりたい、こういうふうに考えております。
#204
○星川保松君 自治省の意見のように、やはり見直すべきものは見直し、縮小すべきものは縮小して、地域に損害が残ってしまうというようなことのないようにしてもらわなければいけない、こう思います。
 これは「地方行政」という機関誌ですけれども、これの中に、いわゆる全国の知事で構成している大規模リゾート地域整備推進協議会というのがありまして、これがその大規模リゾート開発についていろいろ心配をしておるようなんです。それで、この機関誌に、「バブル経済の崩壊と環境保護運動の高まりというダブルパンチを受けて、各地のリゾート地域整備が難航。やむを得ず基本構想の変更を余儀なくされる自治体が増えている。ところが、この変更手続きに「時間がかかり過ぎて困る」と訴えている」と、こういうことが出ているわけです。「いざ基本構想を変更しようとなると、これが大変。国から変更承認を得る手続きに、相当な手間と時間がかかる」、こういうことを書いておるわけでありますけれども、やはりこういう問題には臨機応変に対応していくようにしなくちゃいけないと思うんです。
 六省庁がこれには関係をしておるわけですけれども、その六省庁の中でいわゆる国土庁が窓口になっているわけです。ですから国土庁が、こうした地域からの変更の要請などがあった場合、直ちにそれに応じられるようにしないと大変なことになっていくと思うんです。それで、この推進協議会が言っているように、大変な手間と暇がかかるというような状況にあるのかどうか、国土庁からひとつお答えをいただきたいと思います。
#205
○説明員(斉藤恒孝君) 経済情勢の変化等で、道府県から基本構想の見直しについての相談は受けておるところでございまして、その場合、関係省庁とも相談しながら適切な対応を図りたいと考えておるわけでございますが、六省庁それぞれ関係部局で事務的なチェックを行う、あるいは関係省庁とも協議するということで、若干国の手続に時間を要しているところは事実でございますので、今後基本構想の変更の承認手続が必要となる場合には、関係省庁の協力を得ながらできるだけ速やかに変更の承認ができるよう努めてまいりたいと考えております。
#206
○星川保松君 今までどのような変更の申請があって、どのような処理をなさっておられますか。
#207
○説明員(斉藤恒孝君) 昨年の秋からこれまでに、福島県、宮崎、新潟、広島、宮城の五県から変更の申請を受けておりまして、それぞれ既にことしの正月までに変更の承認をしておるところでございまして、五県について変更ができているという状況でございます。
#208
○星川保松君 とにかく素早く対応していけるような体制を常にとっていっていただきたい、こう思います。
 それから、先ほどから私申し上げましたバブル経済の崩壊ということと、あるいは自然保護運動の高まりというもののぼかに、どうも週休二日等を初めとする労働時間の短縮によるレジャーの需要というものが当初予測したような形には出てきていないのではないかというようなことが言われておりますが、その点についてはどのようなお考えですか。
#209
○説明員(斉藤恒孝君) 我が国のライフスタイルといいますか、国民の生活の中で余暇の占める割合が高くなるという国民の意向調査等もございまして、それに対応するための総合保養地域の整備ということで取り組んだわけでございますが、御指摘のようにリゾート需要全体につきましては、労働時間の短縮ですとかあるいは連続休暇がなかなか実現しにくいということとか、あるいは国民全体の中でなかなか長期的な滞在というものに対する志向がまだ熟していないということもございまして、当初考えられていたほどリゾートの国民の需要が生じてきていないというのは事実だと思われます。その中で国民が、働きがいと同時に、豊かな自然環境の中で総合保養地域等で多様な余暇を過ごせるというような環境整備に今後努めてまいりたいというふうに考えております。
#210
○星川保松君 それから、開発のそれぞれを見てみましても、ゴルフ場とかそれからマリーナとか、とにかく同じようなパターンがそろっておりまして、いわゆる金太郎あめみたいだというようなことから、競合が激しくなってきておるというような声がありますけれども、その点についてはどう考えていますか。
#211
○説明員(斉藤恒孝君) いろんな開発プロジェクトの中で、ゴルフ場ですとかマリーナですとか、とかく収益が容易に見込めるものが先行したという嫌いはございます。
 これは、一つには国民の余暇需要がどのような動向になるのかということに対する見きわめが十分ついていなかったというようなこともございます。今後国民の余暇需要がどのような動向になるのかということにつきまして、私ども役所の側もあるいは民間の側も注意深く考えまして、地についたいろんな自然環境、あるいは農村等を利用した地についたリゾート地域の整備が図られるよう、また関係道府県とも協議をしてまいりたいというふうに考えております。
#212
○星川保松君 それから、日本人のレジャーの楽しみ方と外国の方々の、ヨーロッパ、アメリカ等の方々の楽しみ方というものに、おのずからいろんな差があるのではないかというようなことも言われておりますし、それから、日本の場合は、一人一泊したら万の金がかかる。ところがフランスあたりでは何千円で済んでいるというような、これこそレジャーの内外価格差、そういうものを解消しないと、日本のレジャー需要、リゾート需要というものも思ったようにはふえないのではないかというような話もありますが、これについてはどう考えていますか。
#213
○説明員(斉藤恒孝君) 労働時間の短縮が長期的な課題とされている中で、フランスのように二カ月ぐらいのバカンスを楽しむというふうにはなかなかならないだろうということも言われております。また、これまではリゾート地域の利用につきまして、どちらかというと可処分所得の高い若い世代に焦点を合わせたプロジェクトが多かったわけですが、そのような中で、大衆的と申しますか、家族的なリゾート地域の整備というものについても今後十分取り組んでいく必要があるというふうに考えております。
#214
○星川保松君 いずれにいたしましても、私は、結果的にその開発がうまくいかなければ、自治体あるいはその地域が大変な後遺症を背負い込んで惨めな結果になるということを心配するものでありますから、ひとつ自治省もその点を十分踏まえて今後の対策をしていただきたいということを要望いたしまして、質問を終わります。
#215
○野田哲君 大蔵大臣、大変お忙しいところ、当委員会に御出席をいただきまして、ありがとうございます。
 今年度の地方交付税制度を審議をするに当たりましては、今回はどうしても大蔵大臣から直接考え方を伺っておかなければ審議が完結をしないように思いますので、御出席をいただきました。
 私ども、地方自治制度を議論をする場合には、きょうの午前中の審議でも、自治大臣と各委員とのやりとりの中で、地方自治の本旨という言葉が出てくるわけでございますが、憲法第八章は地方自治制度を定めておりまして、憲法九十二条では「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める」、こういうふうになっておりますし、そしてまた、地方自治法の第一条では「この法律は、地方自治の本旨に基いて、地方公共団体の区分並びに地方公共団体の組織及び運営に関する事項の大綱を定めこ、こういうふうになっています。
 さらに、今審議をしている地方交付税法におきましても、第一条で「この法律は、地方団体が自主的にその財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する機能をそこなわずに、その財源の均衡化を図り、及び地方交付税の交付の基準の設定を通じて地方行政の計画的な運営を保障することによって、地方自治の本旨の実現に資するとともに、地方団体の独立性を強化することを目的とする。」。そして、第三条「運営の基本」として、その中で「国は、交付税の交付に当っては、地方自治の本旨を尊重し、条件をつけ、又はその使途を制限してはならない。」、こういうふうに定めているわけであります。
 憲法、地方自治法、地方交付税法の各条文に「地方自治の本旨に基いて」とか、あるいは「地方自治の本旨の実現に資するとともに」とか、あるいは「地方自治の本旨を尊重し」、こういうふうに「地方自治の本旨」という言葉が要所要所で使われているわけであります。
 その地方自治の本旨とは一体どういう意味がということにつきましては、憲法学者の宮沢俊義先生の解説によりますと、一つは、国の領土内の一定の地域を基礎とする団体が、多かれ少なかれ国から独立な人格を有し、その公共事務を専ら自己の意思に基づいて行うこと、すなわち団体自治。こういう説とあわせて、もう一つは、国の領土内の一定の地域における公共事務が、主としてその地域の住民の意思に基づいて行われることをいう、これを住民自治と唱えられておりますが、こういうふうになっています。
 さらに、その事柄を実行的ならしめるために、その地方公共団体の財政的自主性を確保するように努めなくてはならない、このように説明をされておりますし、さらにこういう解説がされているわけであります。団体自治と住民自治の内容が一定の限度以下になった場合には、そのようなことを定める法律は憲法違反となり、無効たるべきもの、こういう説があるわけでございます。この地方自治の本旨に基づいて地方財政制度ができており、その根幹をなすものは地方税制度と地方交付税制度であると思います。
 その地方交付税法では、第一条で「地方交付税の交付の基準の設定を通じて地方行政の計画的な運営を保障することによって、地方自治の本旨の実現に資するとともに、地方団体の独立性を強化することを目的とする。」、このように定められております。さらに、第二条の一では「第六条の規定により算定した所得税、法人税、酒税、消費税及びたばこ税のそれぞれの一定割合の額で地方団体がひとしくその行うべき事務を遂行することができるように国が交付する税をいう。」、このように定められているわけであります。この規定から考えて、地方交付税というのは憲法と地方自治法に定められた地方自治の本旨に基づいて各地方団体の財源の均衡化を図り、地方行政の計画的な運営を保障するための財政制度であって、それは地方公共団体の固有の財源であると私どもは当然考えるわけでありますが、羽田大蔵大臣の見解を承りたいと思います。
#216
○国務大臣(羽田孜君) まず、ただいま御指摘のございました地方自治の本旨ということにつきまして、私どもといたしましてもここにいう地方自治の本旨につきましては、一般的にはその地方の公共事務が何よりもその地方の住民の意思に基づいて行われるようにとの意味というふうに理解をすべきであろうと考えます。また、今御指摘のございました地方交付税は地方団体の固有の財源というふうに考えるけれどもという御指摘でございますけれども、この点につきましては昭和四十四年の福田大蔵大臣の国会答弁以来歴代の大蔵大臣が御答弁を申し上げておりますように、地方交付税につきましては、特定の国税の税収の一定割合が国から地方に交付されることが決まっていることから、地方の権利のあるお金でありまして、そういう意味におきまして固有の財源と言っても差し支えないものであろうというふうに考えておることを申し上げたいと思います。
#217
○野田哲君 そういうふうにおっしゃいますともう一つ伺っておきたいわけでありますけれども、大蔵省の主計局と理財局から出されている「平成四年度予算及び財政投融資計画の説明」、これは予算案と一緒に配付されているわけでありますけれども、この中の三十一ページにこういうふうに説明をされているわけです。
 「四年度の地方財政については、臨時行政改革推進審議会の答申の趣旨に従い、極力経費の節減合理化に努め、総額の抑制を図る一方、地方投資単独事業において、昨年度を上回る高い伸びを見込むほか、高齢者福祉や社会資本整備のための所要の歳出を見込んでいる。」。ここからが問題です。「他方、歳入については、地方税及び地方譲与税が相当増加すると見込まれるため、元年度、二年度、三年度に引き続き、大幅な財源余剰(二兆三千六百二十五億円)となり、これを、(イ)「地方交付税法」に基づく特例措置として地方交付税を八千五百億円減額するこ、こういうふうに書かれているわけであります。国の財政は苦しいけれども地方公共団体の地方財政には余裕があるから八千五百億を差し引くんだ、こういうふうに記述されているわけですが、大蔵省や大蔵大臣がこういう認識を持たれて今回の措置をとられたとすれば、これは私どもとしては黙って見過ごすことができない重要な内容、意味を含んでいると思うわけであります。
 これはそうではなくて、やはり地方も苦しいわけなんですから、これは私どもの主張だけではなくて、地方六団体も昨年このことについては非常に強く知事会も市長会も町村会も各議長会も主張されていたわけでありますから、こういう記述は、もう予算も決まってしまった後の今の議論になっているわけですけれども、やはり表現を改めるべき内容ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#218
○国務大臣(羽田孜君) 国と地方は公経済を担う車の両輪だろうと思っております。両者が協力しながらバランスのとれた運営、これを行っていくことが必要なことは当然であろうと思います。
 そこで、平成四年度の予算編成におきましては、地方財政の円滑な運営に支障が生じないように所要の交付税総額を確保した上で、非常に厳しい国の予算編成状況のもとで公経済のバランスというものを勘案しつつ、関係者の御理解、御努力を得ながら、地方交付税法附則第三条に基づきまして地方交付税の特例措置というものを講じさせていただいたというところであることを申し上げたいと存じます。
#219
○野田哲君 来年はこういう減額措置があってはならないと私どもは思いますので、来年のことについては余り触れたくはないのでありますけれども、もし来年も引き続いて附則三条による減額措置がとられるとするならば、これはやはり来年の「予算の説明」については私どもが今議論しておるような主張を念頭に置いて考えていただきたいと思いますが、いかがですか。
#220
○国務大臣(羽田孜君) 来年度の「予算の説明」におきます説明ぶりにつきましては、ただいま野田委員の方から御指摘のございましたこの御審議を念頭に置きながら、私どもとしても研究をさせていただきたいというふうに思います。
#221
○野田哲君 基本的な問題は、今の大蔵大臣の答弁で私どもよくわかりました。
 そこで、これからの経済運営等について少し大蔵大臣の見解を伺っておきたいと思います。
 政府は、景気対策として公共事業の前倒し、これを上期で七五%という目標設定をして、そしてまた自治省におきましても、地方公共団体に対してこれと同様の措置をとるように通達を出されています。しかし、実際の現場においては用地の取得が非常に難しい、あるいはまた人手不足によって非常に困難があるという声が伝わってきております。各県の用地の担当者の方からも、非常に困難な事情が新聞等を通じて報道されております。特に用地について、各県ではストックがほとんどない、そして用地の確保については金で用地を取得するということは最近は特に難しくなっている、代替地を用意しなければとても難しい、ところが代替地のもうストックがない、こういうような状況が報告をされているわけであります。
 そしてもう一つは、資材費の値上がり、あるいはやっと鎮静化した土地が、余り公共事業の前倒しによって用地の取得をやろうとすればまた高騰の懸念が持たれる、こういうような状況がいろいろ伝わってくるわけでありますが、公共事業の前倒しについての達成の見込みについて大蔵大臣はどのように御判断をされているのか、また自治大臣は地方公共団体の公共事業の前倒しについてどのような状況を見込んでおられるのか、それぞれお答えいただきたいと思います。
#222
○国務大臣(羽田孜君) 前倒しの具体的な進捗率ということについてはまだ十分把握いたしておりませんけれども、まず四年度の公共事業等の施行につきましては、三月三十一日のいわゆる緊急経済対策などにありますように、上半期における契約済みの額の割合が全体として七五%を上回ることを目的といたしまして施行の促進を図ることといたしておるところでございます。この施行に当たりましては、現在この方針に沿って関係各省庁あるいは地方公共団体などの相互問で密接な連絡をとりまして、資材、特に今建設資材あるいは労務及び用地の各面にわたりまして需給あるいは価格の動向に細心の配慮を払いながら円滑に施行の促進が図られるよう努めておるところでございます。
 しかし実際に、今御指摘のございましたように、用地の問題、特にまた入手の問題、これらの問題で非常に苦労しているという話は私どもも地方に行きましたときに自治体のそれぞれの長の皆さん方からお聞きするところでございまして、そういったものにつきまして私どもとしてもいろいろと配慮しながら対応をお願いいたしておるというのが率直なところであります。
#223
○国務大臣(塩川正十郎君) 自治省関係では、公共事業並びに公共的事業とそれから単独事業と合わせまして総額で約三十一兆ぐらいになるんじゃないかと思っております。そのうちの単独事業につきまして、一応六月をめどに前倒し上半期七五%を指示いたしましたところ、現在は実は七八ないし七九%の申し入れがあるということでございまして、これで、七九あればいいじゃないかということじゃございませんで、私は、この単独事業は地方自治体の自主性そして主体性を発揮していく事業であるから率にかかわらず推進していきたい、こう思っておりますので、より一層の計画推進を申しておるところであります。
 おっしゃるように、土地不足を私らの方にも随分と言ってきております。そこで、私どもとしては公有地拡大法の規制を拡大するとかいろんな手段をもちまして公共用地の取得にも先手を打たして資金的措置をいたしたい、こう思っておりますし、また一つは国鉄の清算事業団が持っております国鉄用地、あれの均衡のとれた開発をするためにも話し合いをしながらこれの利用についても双方に利益になるように話を進めていきたい、こう思って努力しておるところであります。
#224
○野田哲君 今、自治大臣のおっしゃった国鉄清算事業団の用地、これは処分が全く進んでおりませんね、遅々として。
 ところで、大蔵大臣、今お話にありました景気対策、公共事業の前倒しで、本年度の経済成長率の達成の見込み、まだちょっと時期は早いので立ちにくいかと思いますけれども、当初の予定の成長率の達成の見込み、いかがですか。
#225
○国務大臣(羽田孜君) 私どもの方で今ずっと状況をつかむためにいろいろと調査をいたすわけでございますけれども、確かに、御指摘がございましたように、現在はまさに調整過程にあるということが言えようと思っております。乗用車など耐久消費財の消費及び製造業を中心といたしまして、設備投資などにつきまして過去数年間大変高い伸びを示した後のストック調整的な動きが見られるということでございまして、新たな投資というのがなかなか手控えられておるということが言えようと思っております。
 他方、労働力需給というのは依然引き締まり基調であるということでございまして、住宅建設は回復の兆しか見えてきておるということもございます。その意味での在庫調整もこれは順調に進展しているんじゃなかろうかと思っております。
 また、個人消費の方を見ますと、物価が相当安定しておるということがありますし、今度のいわゆる労賃、これも着実な伸びを示しておるという背景がございまして、確かに額の面では少し落ち込んでいる面がありますけれども、量の点ではほとんど横ばいで進んでおる、あるいは多くなっているものもあるという状況のようでございます。その面から底がたいということがあるんじゃなかろうかと思います。
 また、住宅投資ですとかあるいは省力化のための投資というものについても、やっぱり意欲というものが見られるということが金利の低下の中で言えるんじゃなかろうかと思っております。
 いずれにいたしましても、これまで景気に十分配慮いたしました施策、こういったものをずっと進めてまいったところでございまして、私どもといたしましては、こういった施策の効果というものが何とか発現されることを今願いながら、そういったものが順調に進むように、先ほど申し上げましたようにそれぞれの立場の皆様方とお話をいたしておるわけでありますけれども、何とかこの年度の半ばごろにいわゆる調整というものがおおむね一巡するのではないかというふうに考えておりまして、インフレなき持続可能な成長というものに移行をしてもらいたいというふうに考えております。
 そういう中で、私どもといたしましては、この成長率についても、いろんな議論がございますけれども、政府経済見通しの中で想定されております伸びになるのではないかということを考えておるところであります。
#226
○野田哲君 五月がもう大方終わりになってきているわけですが、平成三年度の税収がどういう状況であるか、まだ正確な数字は出ていないと思うんですけれども、状況として昨年度の税収の見込み、そろそろ見当がついてきた状況ではないかと思うんですが、その点はいかがですか。
#227
○政府委員(薄井信明君) 平成三年度の税収でございますが、補正後で五十八兆九千九百億円の税収を見込んでおるところでございますが、現在までに判明しております平成三年度三月末税収、これによりますと昨年の一・二%の伸びということでございます。また、対補正後の予算の進捗割合を調べてみますと七五・六%まで今達しているということでございます。三年度全体を通しての税収の伸びにつきましては、あと四分の一のウエートを占める四月分、五月分の税収が残っておりまして、特に法人税等につきましてはウエートの大きい三月期決算法人の申告が残されておりますものですから、今後の税収動向を十分注視してまいりたいと思っております。
#228
○野田哲君 先ほどの議論にありました公共事業の景気対策による七五%以上の上期への前倒し、こういうことで、そこで下期はどうするんですかと、こういう声が出ております。机上の計算でいけば下期は二五%しか残らない、これは一体どうするんですかと、こういう問題があると思うんです。
 けさの新聞見ると、これは共同通信の配信だろうと思うんですが、与党・自民党の方では「秋に大型補正予算」という大きな記事が出ております。自民党の方では政調会の正副会長、各部会長の会合でこれを決めた、こういうことなんです。ところが、皮肉なことに隣を見ると、すぐその記事の横に大蔵省の記事が載っているんです。来月にはシーリングを決定する、そして来年度も抑制基調を維持するということを政府筋が発表した、こういうことになっているんです。自民党の方では、シーリング方式というのは、これは一年前の執行された前年度予算を前提に編成をしていくことになるので、機動的な運営ができないので今日の激動する情勢には対応できない、だからシーリング制度そのものを検討する、こういうふうなことをお決めになった、こういうふうに報道されている。まことに二つ並んで、大蔵省の、政府筋の方はシーリング方式を堅持していくんだ、抑制基調でやるんだ、片一方、与党の方は秋には大型をやるんだ、こうなっているわけで、かなりこれは与党の方と政府の方が予算編成方針について大きな乖離があるんじゃないかというふうに思えるわけです。
 そこで、大蔵大臣は、この公共事業を上期に前倒しをして七五%以上をやっていくということなんですが、下期をどうされるのか、そのこととあわせて補正を考えておられるのかどうか、その構想があればお伺いしたいと思います。
#229
○国務大臣(羽田孜君) 先ほどもお話申し上げましたように、私どもといたしましては、緊急経済対策ということで対応すると同時に、公定歩合も四月一日の日にまた〇・七五%下げられたということでございまして、こういったものが一体どんなふうにその効果を発現してくるのかということを今見定めるときであろう、要するに今そういった効果というのを見詰めていくときであろうというふうに考えております。
 ですから、これはただいま前倒しによりまして、例えば四〇%が前契約で支払われていくということになりますと、資材等そういったものの生産というものは非常に活発になってくるであろうというふうに思っております。それと同時に、先ほど申し上げましたように、住宅なんかは回復の兆しかあるということ、あるいは公定歩合が引き下げられたということで、確かに減速感がある中で、コストを一時的に引き上げてしまうところの時間短縮等、あるいは人手不足を予測した設備投資というもの、これはやっぱり多少、今足踏みをしているところでありますけれども、しかしこの意欲というものもあるということでございますから、私どもは、こういったものもあわせて進んでくるということになったときに公共事業というものは多少ずれ込む、今お話がありましたように用地の問題なんかもあるということ、あるいはほかの事業が出てきますとずれ込んでいくということがあろうと思っております。
 そのあたりをよく見きわめて物事を対応すべきなんであって、今これをどうこうということをやってしまいますと、これは逆にその効果というものの発現というのはおくれてしまうということにもなるだろうし、あるいはやり方いかんによってはまた、先ほど先生の方からも御指摘がありましたように、これはインフレになるという可能性というものもないことはない。そのあたりも十得やっぱり私たち配慮しながら対応をしていくべきであろうと思っておりまして、現在はこれ以上の追加措置というものを今私どもは考えるべきじゃないというふうに考えております。
 また、シーリングにつきまして、確かにシーリング論については、私ももうシーリングというのは何か硬直化しているんじゃないかという言い方をいたしました。しかし、今度の予算編成の過程におきまして、各議員の皆様方からもシーリングを廃して、あるいはこれはシーリングの外にしなさい、例えば文教の中での科学技術あるいは基礎技術、こういった問題、あるいは高等教育なんかについて考えなさい、あるいは福祉の面でもこうこうこういうことについてはこれはシーリングの外へ置くべきであろう、また環境対策についてもこれは外に置くべきであろう、そんないろんな御議論をいただきました。
 それで私は、どことどことどこというのをメモをしながらやっておったんですけれども、これを見て、さて、このシーリングは外してそれを特別にやるとしたらどこからお金を持ってくることができるかなと思って、残った役所の関係をずっと見てみますと、もともと余り予算を持っておらないわけですね。ということになりますと、これはその役所の中で予算の、例えば八月なら八月から十二月までの間に優先順位をつけていただく、そういうことが重要なのかなと。
 やっぱりシーリングというのは、財政がもう大きく伸びてくるときだったら別ですけれども、非常に厳しいタイトのときであるという、しかも財政再建というのはまだ捨てることができない政策であろうと考えましたときに、これは容易に外すことはできないんだなということを実は私ども思っておるわけでございまして、いずれにいたしましても私ども、またこれからも与党とはよく議論をしていくべき問題であろうというふうに考えておることを申し上げたいと思います。
#230
○野田哲君 最後に、きのうきょうのことについて、自治大臣と大蔵大臣に見解を承っておきたいと思います。
 きのう、私どものところにも地方自治確立対策協議会という組織の代表の方がお見えになりまし
た。これは大蔵大臣には余りなじみのない団体ですけれども、全国知事会それから全国都道府県議会議長会、全国市長会、全国市議会議長会、全国町村会、全国町村議会議長会、いわゆる地方六団体と言われている地方自治を代表する方々の全国的な組織であります。その地方自治確立対策協議会から「廃棄物処理施設整備に対する財政措置の拡充強化等に関する緊急要望」、こういう要望がなされました。私のところにも直接お見えになりました。
 内容を私から読み上げますと、
    廃棄物処理施設整備に対する財政措置の拡充強化等に関する緊急要望
  この度、平成四年度「廃棄物処理施設整備費国庫補助金」の事業主体ごとの内示がなされたが、新規事業の着工率が七%と低く抑えられ、また、工期も一律に延伸されている。
  廃棄物処理施設の整備にあたっては、地元の理解と協力が欠かせないところであり、施設整備の決定の後は速やかに推進されることが重要である。また、既存施設の老朽化に伴う施設更新に対する住民の期待は大きく、快適な生活環境を守るためにも、その早期完成が達成されるべきである。
  よって国は、廃棄物処理施設整備の緊要性にかんがみ、所要の国庫補助金を確保するとともに、やむをえず地方単独事業として施設整備を行うものについては、適切な財政措置を講ぜられたい。
  以上、要望する。
こういう内容でございます。
 それで、一昨日私どもは、ここで地方交付税法の審議に当たっての参考人の御意見を承りました。これは、自治大臣の方には中身は伝わっているかどうか、私どもだけで伺ったわけでありますけれども、そのときに出席なさった町村長さんの代表、栃木県の国分寺町長さんでありますが、それから市長会を代表して、これは大蔵大臣の地元の長野県の上田市長さんが御出席になりました。やはり地方自治の第一線の仕事としてこの廃棄物の処理の困難性、そして負担の重さ、こういうものをこもごも訴えられたわけでございます。そういう点から、ぜひこの要望については十分な検討をいただきたいと思うんです。
 両大臣の前に、厚生省の方にもこれは行っていると思うんですが、厚生省の方は一体これはどういうふうにお考えになっているわけですか。
#231
○政府委員(小林康彦君) ただいまの協議会の要望につきましては、厚生大臣あての要望を昨日事務次官が受け取り、お聞きをしております。
 廃棄物処理施設につきましては、ごみの排出量の増加に加えまして、昭和四十年代後半に集中的に整備をされました施設が更新期を迎えたことから、近年施設整備の要望が集中をしておりまして、厚生省といたしましても整備財源の確保を予算要求の最重点事項として努力していたところでございます。また、平成三年度には、補助対象を中枢施設に重点化をいたしまして、建屋等を単独事業として地方財政措置が講じられることになったところでございます。
 今年度予算におきましては、対前年度比一四%を超える予算を確保したところでございますが、市町村からの要望はこれを上回っている状況でありましたため、廃棄物処理事業の実施に大きな影響が生じない程度に施設整備の工期を調整し、中期的に全体事業量の平準化を図る方針で臨んでいるところでございます。厚生省の見通しによりますと、施設整備の要望のピークは今後二、三年であると考えておりまして、市町村の理解を得ながら廃棄物処理事業の実施に重大な支障が生ずることがないよう予算執行に努めてまいりたいと考えております。
#232
○野田哲君 これは十分に、前向きに厚生省としても考えていただきたいと思います。
 それでは、その件について自治大臣、大蔵大臣、それぞれ御見解を承りたいと思います。
#233
○国務大臣(塩川正十郎君) 私もその要望を承りましたが、市長、市議会の方々なんかもなかなか悲憤慷慨しておりました。
 おっしゃるように、焼却場の問題はいわば汚い施設となっておりますので、住民の方の協力を得るというのは容易なことじゃないです。やっと話がまとまってきたら厚生省が予算つけてくれぬ、何だ、これはもう爆発するのは当然だと思うんです。厚生省の方も一生懸命やっておられるんですけれども、先ほどお話ございましたように、炉がかわりましたのは昭和三十年、油でたくという炉にかわったものですから、一斉に三十年代に設備しましたその焼却炉が、今全部修繕あるいは増設しなきゃならぬときで、今まさにどんとつけなきゃならぬ。ところが片方、大蔵省が事情を知らぬでシーリングなんて言っているからこんなことが起こるんです。シーリングはやむを得ないと思いますけれども、中身を見て、やっぱりシーリングの見直しは絶えずしてやる、こっちを下げたらこっちを伸ばすということをして、トータルのシーリングをやってくれないとこれはどうにもならぬと思うんですよ。
 そこで、これは厚生省もほかのところで金要るからようとらぬのだと思うんです。けれども、これだけの需要があるということがわかっておるんだから、そこで去年は何とかそれをカバーしようということで、先ほど部長が言いましたように、本体とそれから周辺整備とを分けてやったんです。そのときに自治、厚生の間で覚書があるんです。その覚書の四項のところに、ことしはこうするけれども、今後こんなことのないようにちゃっんと予算措置をしろよということで話し合いしておるんです、厚生、自治の間で。それをさっぱりきちっとしておらぬものだから、こっちの方もこれは一概に言えぬじゃないか、こう思っておるんです。
 しかし、自治体のことですし、私らは全面的にこれは何とか実現させなきゃいかぬと思います。そこへもってきて市長さんなんてそれは大変な苦労をしておる、私も経験ありますから。焼却場とか処理場とかいうのは、それはなかなかのことじゃない。やっとまとまってきたんですから、まとまったところで事業に入りたい、これは当然だと思うんです。だから事業にかかれるようにだけはしてやらないかぬ、こう患うておりまして、これはお隣の大蔵省の方が金どれだけ出してくれるかの話ですから、これからもやりますけれども、一生懸命にやって御期待に沿うようにしたい。これは何も私はどの市町村がどういうことじゃなしに、この事業そのものがやっぱり市民の生活に一番大事なことだから、これだけは完全に実現させていきたい、こう思っております。
#234
○国務大臣(羽田孜君) 今、自治大臣にもおしかりを受けちゃったんですけれども、いずれにしましても今度の公共事業関係費の伸びが四。六五という中にありまして一四・三%ということで、これは相当やれることをやったんですけれども、しかし、実際にそのニーズというのがさらにまた大きくなってきているというのが現状のように今承っております。今後とも関係省庁の皆さんとよく御相談申し上げていきたいというふうに申し上げたいと思います。
#235
○野田哲君 前向きにひとつ相談してください。いいですね。
 終わります。
#236
○常松克安君 率直に申し上げさせていただきます。大蔵大臣の御出席の委員会、やっぱり全体の雰囲気が違いますな、ぴんと緊張感があって。きょうの大蔵大臣の出席を一番喜んでいるのは自治大臣じゃないか、我々じゃなくて。自治大臣のさっきの張りのあるあの声、あの態度、いまだかつて当委員会であんな態度で答弁されたことは一回もないんです。それだけの元気があれば、八千五百億円のときにもうちょっとしっかりしてくれればこんなわざわざ来てもらうようなことはなかった。そして後のしりぬぐいは我々が大きな声で言わないかぬ、どうもこの辺のところは、こっちの方がだんだんすっきりしない。しかし、よく考えてみると、やはり大蔵大臣に来ていただくとこんなに雰囲気が違うものなら、これは毎年来てもらいたい、こういうふうに感じます。
 さて、十分しかありませんので、まず自治省にお伺いします。
 貸した金は返してもらう、これは法律で決まっておるんです。なぜ二年間の猶予期間を認めたのか、まずそれから。
#237
○政府委員(湯浅利夫君) 今回の八千五百億円につきましては結果的に二年据え置きの形でお返しいただくことになったわけでございますが、これまでに国に貸している分も含めましてできるだけ平成十三年度までに同じような金額で加算をしていただこう、こういうことを考えたものでございますので、従来からの加算分というものを加味いたしまして八千五百億につきましては平成六年度から加算をしていただく、こういうことにしたわけでございます。
#238
○常松克安君 じゃ、もう一つ申し上げますけれども、その何年間計画の返済でありますけれども、そのときに附則がついておって、これから先何が起こるかわからない政治、地方自治団体が大変な苦境のどん底に入った、それは年限を短くして、貸した金を返してもらう、こういうことになっておるんでしょうな。
#239
○政府委員(湯浅利夫君) 翌年度以降の交付税の総額に加算する額につきましては、今御審議の地方交付税法に各年度の加算額を決めていただいているところでございますので、この金額はぜひとも加算していただきたいと思っておるわけでございますが、後年度以降、どういう財政状況になるか、これはなかなか判断はできないところでございまして、今後地方財政がまた非常な不足になるというようなことになりますれば、そういう問題も含めまして御検討いただかなければならない時期もあろうかと思いますので、その節にはまたよろしくお願いを申し上げたいと思います。
#240
○常松克安君 大蔵大臣、声を大きくしてわあわあ言うのは、ここへいらっしゃるまでに自治省の人、局長のごときは、もしも返してもらえぬようなことがあったら首が飛ふぞ、ここまで言ってぎゃんぎゃんなんですよ、気の毒なくらい。八千五百億も巻き上げられて、何をのこのこ帰ってきたと言って、大臣も大臣だ、こんなんなっているんですよ。
 それで、大事なことは、先ほど申されましたあの上田市の永野市長さん、大蔵大臣の地元ということでちょっと気おくれしたんでしょうな、あれは。聞いてみると、ゴールドプランももうできる限り始末して始末して、いろんなこと節約をしていらっしゃる。もう頼むから交付税の御配慮を、こういうふうなおっしゃり方。私の地元の三重県の過疎なんかへ行きますと大変な現状なんです、これは。もう十万、二十万、百万ということを自治省へ陳情して、それをいただいて何とか住民福祉、そういうふうに思っておりましたら、今ペーパーをいろいろ読まれましたけれども、私もあきらめておるんです、あの睡眠預金以来。大蔵省の皆さんが物言うときは、箱の中に入った原稿用紙からもう絶対一歩も出ない、それは大臣がおっしゃっても、主計官がおっしゃっても、課長が来ても一緒のことをおっしゃるんですから見事なものですな、あれ。一字一句間違いない。自治省はちょこちょこ飛び出すんですけど、大蔵省は、絶対間違いない。
 もう時間が来ましたが、そのときにその需要額を、これが適当と大蔵省は認めた。冗談じゃない。平成元年が二兆、その次三兆、三兆、それだけの金が余っておるので剰余金と言われるんだ、それほど地方は豊かかと。その需要額の算定というものは一体何をしておるんだということで、もうぎゃんぎゃん、そればかり言っておるんです。ところが、大蔵省、出したときはそれなりに通してもらうんではなく、ちゃんとしたベースを広げてやれと。大臣はしびれ切らして、本年の第一の目標は需要額の見直しだ、こうおっしゃったんです。さあ、これがどこまでできるか、それは僕もわからぬ。楽しみにしておる。そういうふうな現状になっておる。
 大蔵省の立場もわかるんです。今回の問題は大蔵省も自治省も、どっちもどっちやと言っておるんです、私ははっきり言いまして。大蔵省にしてみれば、考えてみればお気の毒なところもある。五分の一は交付税でピンでしょう。あとの五分の一は国債返還でピンでしょう。あとの五分の一は各省庁の補助金でピンでしょう。あとの五分の二というのは衆参両議員の給料を含めて人件費でこれ皆いかれちゃう。そしてふっと振り返ってみたら、大蔵省は政策判断しようと思ってもするところあらせん。ちらっと横を見ると三二%ごっそり持っていきよる。ここへ目が打っちゃうわけだ。それも我が方は五万人から国税庁が汗水垂らして滞納金徴収してやっておる。ところが、そうして集めた金を、自治省が固有財源論だというようなことを言って三二パー。もうちょっと何とかせいよ、こういうふうなお気持ちもさることながら、大蔵省に物言うときは、私なんかは気が弱いのでびくびくしながら物を言っておるんです。後でしっぺ返しか三日のうちに来る、こう先輩が言いよるものですから、下手なことを大蔵省に言ったら、後えらいこっちゃと。
 ところが、きょうはもう勇気を持って言わぬことには、来年度同じことになったら、逆転国会の参議院であるということを絶対忘れてもらっては困るわけです、来年度はこのままでいったら大変なことになりますぞ。私も、自分の党内の部会でも猛反対したんだから、首切られてもいい、こんなもの認められるかと。最後に偉い先生から電話一本来て、はいと言って、こう来ておるんですから、その苦労をわかってもらわにゃ困るんだ。
 大蔵省の立場もわかるが、大蔵省の、おれたちがあすの日本を開くんだ、おれたちを説得するだけの材料を持ってこい、おれたちを説得してみる、説得できぬようだったら全部削る。こういうふうないたけだかな、私の一番不満とするところは、四十四年度の、あの二十年も前のあのことを金科玉条と繰り返す。時代はどんどん変わっておるんですよ。羽田大蔵大臣の新しい、交付税に対するものを何かびしっと出さぬことには、国民は納得しませんぞ。三千三百の自治団体の首長は納得できません、これは。そればっかりなんですよ。二十年前の暦も本年の暦も一緒ですが、二十年前の暦は現生活には使えないんです。
 そういうところで、私は時間来ましたのであれこれ言えません、もう時間いっぱいです。ですから、あと一言だけ言っておきますけれども、焦点は固有財源論が一つ問題。この中で、その他と、地方から見る、この字句を消さなあかん、これだけは消さなあかん。
 第二番目。公経済のバランス論。これの反論があるんです。公経済のフィードバック論という経済論があるんです。あくまでこれだけで両輪両輪。我々両輪と思っていない。親子みたいなもんですが、大蔵省の方がずっと上、偉いさん。自治省はその下。それほど謙虚な気持ちで物を申しているんですよ。いや、本当の話ですよ。でありますから、本当にかじ取りのことを考えられるなら、地方の豊かさというものがフィードバックして、それで公経済というのが位置づけがあるんです、今。こういうバランス論だけではもはや時代が通り越していかない。
 質問じゃなく、意見を具申して、勇気を持って述べたこと、これで終わり。
 大蔵大臣、どうか睡眠預金よろしく。
 以上、終わりました。
#241
○神谷信之助君 二点お尋ねします。
 第一の点は非常に簡単な問題です。毎年八月ごろから十月ぐらいにかけまして、年中行事のように交付税率の引き下げに関する報道があるわけですよ。例えば一、二例を挙げますと、昨年は八月十六日付の読売で、大蔵省は交付税率の引き下げを含め見直しを進めたい、こう言っておるという記事があります。それから十月五日の日経には、地方交付税を大幅圧縮、近く自治省との本格折衝を開始するという記事があります。それから十月十八日の自治日報を見ますと、これには、大蔵省、地方交付税を大幅圧縮へ、財政審第一特別部会で引き下げの検討を行う、こういう報道が出ております。
 そこで、自治省に聞きますけれども、昨年、正式に交付税の税率の引き下げの問題について、大蔵省の方から協議の申し入れがありましたか。
#242
○政府委員(湯浅利夫君) 昨年の秋からいろいろと予算折衝を事務的にいたしましたけれども、交付税率の引き下げという形でお話があったことはございませんでした。
#243
○神谷信之助君 大蔵省の方はどうでしょうか。公式に自治省に対して税率の引き下げの協議の申し入れをなさったことはありますか。
#244
○政府委員(田波耕治君) 地方財政収支見通しの策定や、それを踏まえました地方財政対策の決定に当たりましては、その過程で自治省とさまざまなお話し合いを行いましたけれども、大蔵省から具体的に地方交付税率の引き下げを自治省に求めたことはございません。
#245
○神谷信之助君 自治省も大蔵省も、正式に交付税率の引き下げの問題は協議したことはないと。ところが、新聞ではこれが報道されるわけです。それはやっぱり自治省か大蔵省が記者に何かリークでもせぬかったらこんなのは載らない。そんな協議もないものを、また事実、両方に聞きますと、今までそんなことを相談したことはないと。ところが、それが毎年のように八月ごろから十月ごろにかけてそういう報道がなされる。そんな事実でないことを報道するのはけしからぬ、事実無根やないかという抗議を、報道機関に対して自治省なりあるいは大蔵省はなさったことがありますか。
#246
○政府委員(湯浅利夫君) 新聞報道につきましてはいろいろな内容のものが報道されておりますが、確定的にそういうお話があったというような記事もございませんので、やはりこの報道は報道の記事として私どもは受け取っていたということで、特段そのことに対して抗議を申し込むというようなことはございませんでした。
    ―――――――――――――
#247
○委員長(山口哲夫君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、篠崎年子君及び青木幹雄君が委員を辞任され、その補欠として穐山篤君及び野村五男君が選任されました。
    ―――――――――――――
#248
○政府委員(田波耕治君) 私どもも自治省と同じような受けとめ方をしておるところでございます。
#249
○神谷信之助君 時間の関係がありますから先へ進めますが、交付税の問題というのは自治体にとっては重要な財源ですから、それがもう八月ごろから、あるいは秋にかけて予算編成の前にそういう報道がどんどんされるというようなことは、自治体に対して要らぬ不安やあるいはおどしをかける、こういうことは事実ないことはないと思うんです。そんなことは実際にやるならやるで堂々とやればいいんで、そういうふうにしてもらいたいということを申し上げておきます。
 第二の問題は超過負担問題ですが、先日参考人の意見陳述でも、超過負担の問題が自治体の財政にとって非常に重大な影響を与えているということが強調されました。当委員会でも、本当に毎年のようにこの問題は議論になっているんですけれども、一向にこれは解決をされない。
 それで、この超過負担、自治省にまず聞きますけれども、対象事業の内容あるいは事業量、単価などが実態とかけ離れてそして超過負担が生ずるということになるんだけれども、それは各省庁がやろうとする事業に対して、その事業費の算定について結局は各省のそういう予算要求といいますか、それが大蔵省で承認をされないで抑制をされる。それで事業そのものが、推進はするけれどもそれに必要な財源だけは削減されるから、したがってその分は自治体の方に補助金にしろ何にしろ少なくなる。あるいは交付税の算定も、実際の事業費より低い基準で算定をされる。だから二重に自治体の方で負担がふえる。こうやって超過負担問題というものが発生をし、それで自治体の財政がそれぞれ非常に困っているという状況にあると思うんだけれども、そういうように考えてよろしいですか、自治省。
#250
○政府委員(湯浅利夫君) 超過負担問題につきましては、これは予算編成の問題ということもさることながら、やはり国庫補助負担金の制度そのものの中にいろいろな要素があるかと思います。基本的には、国が求めている基準で仕事をしてもらいたいという基準と地方団体が実際に実施する仕事との間に差が出てくる。その差をすべて超過負担と言うわけにはまいらないわけでございまして、その中には自治体が独自にやはりやりたいという部分も含んでこようかと佃出います。
 そういうような中で、どこまでがいわゆる超過負担がそうでないかということは、地方の立場だけで言うということはいろいろとやはり一方的な話になりますので、私どもは、かねてからこの問題については、関係省庁が一緒に調査をして、そしてこの部分は国が求めている基準である、これ以外はこれは地方が独自におやりになる部分だ、ここのところを明確に区分をして、それでその結果で果たして超過負担が出ているかどうかということを決めた上で、その分ではっきりと超過負担が出た場合には、これは国庫の当局におきましてもきちんと予算措置をしてもらう。こういう形でここのところずっとこの調査を関係省庁の間でしながら一つ一つそれを詰めていく、こういう形でやっているのが現状でございます。
#251
○神谷信之助君 ちょっと前には当委員会でたびたびそれが問題になって、厚生省と自治省と大蔵省の三省の共同調査をやって改善されるということはちょいちょいあったんだけれども、最近は余りやっていないような感じですね。
 それで具体的にちょっと聞きますが、これは新潟県議会で我が党の福島県議会議員が指摘をして、新潟県の方で調査をしたんですけれども、いわゆる高齢者の福祉十カ年計画、これについて社会福祉施設ではどうかということで新潟県が調査をしたら、建設費の約四割が市町村や法人など設置者に対しての超過負担となっているということがわかったというわけです。
 具体的に言いますと、平成二年度の社会福祉施設建設費、この負担状況を見ますと、四十一カ所で総事業費が七十七億八千万円、それに対して国の補助基準額は四十三億六千万円、したがって三十四億円は超過負担だと、これは総事業費の四四%だという県の報告です。これは、湯浅局長が今言ったように、上乗せをしている部分もあるかもわかりません。それにしても相当の超過負担であるということがわかります。だから、これは少なくとも総事業費の四四%になっているんですから、これらの事業それぞれがそれぞれの制度に基づいて三分の一の国庫補助とか四分の一の国庫補助という、あるいは二分の一もあるかもしれない、そういうふうになっているわけです。設置者の方が三分の一、四分の一の負担をしている、二分の一の負担をしているという、それが大幅に上回った状況になっています。
 厚生省に聞きますが、この十カ年計画を厚生省が推進しておられるんだけれども、こういう超過負担が生じるあるいは生じているということ、これは厚生省は御存じなのかどうか。知っているならば、それに対してはどう対処されていますか。
#252
○説明員(松本省藏君) 特別養護老人ホームを初めといたしまして、社会福祉施設整備に当たっては国庫補助が出るわけでございます。その国庫補助の基準と現実の実勢の単価と申しますか、これとの間に昨今乖離が生じてきている、こういうことにつきましては私どもも承知をいたしております。ただ、国庫補助基準単価につきましては、従来より文部省の公立文教施設の単価の改定率に合わせまして引き上げを行っているわけでございまして、平成四年度におきましても三・四%の単価の引き上げを行ったところでございます。
 さらに、御承知のとおり、特に都市部において建築費の高騰が大変目立っておりまして、施設の建設が難しくなってきているということを考慮いたしまして、本年度、平成四年度の予算からでございますが、先生今御指摘の高齢者保健福祉推進十カ年戦略、いわゆるゴールドプランの……
#253
○神谷信之助君 時間がないからもういい。
#254
○説明員(松本省藏君) 対象施設などの施設の整備につきましては、補助基準単価について五%以内の都市部特例単価の割り増しというのを行うことにいたしておるわけでございます。
#255
○神谷信之助君 いやいや、もういいんだよ。超過負担あるのかないのか。
#256
○説明員(松本省藏君) さらに冷房設備等々補助対象の拡大等も行いまして、法人負担の軽減を図ってきているということでございます。
#257
○神谷信之助君 だらだら要らぬことを言わぬでええんや。超過負担あるのかないのか、それはわかっているから、一体、なくすためにどうしているのやというだけの話で。
 それで、もう時間ありませんから最後に大蔵大臣に聞きますが、制度上、設置者の負担が三分の一とか四分の一とかいうふうに決まっている、法律でもそう決まっている。もちろん実際の金はそれに若干上乗せしてつくったりしているかもわからぬ。しかし、少なくとも決まっている、ぜいたくなことをしているわけじゃない、その部分を削っても、外してみても超過負担があるということになると、これは今度逆に政府が制度を守らない、法律を守らない、そういうことを続けてきているということに私はなると思う。だから、超過負担が生ずるというのは、その面ではまさに政府が制度を守るか、法律を守っているのかという問題になるというふうに思うんです。
 したがって、大蔵大臣として、超過負担を解消するための努力をする、その決意をひとつはっきりさせてもらって、政府自身が法律を破ることのないようにちゃんとしてもらいたい、こういう点について。
#258
○国務大臣(羽田孜君) 補助金のいわゆる御指摘のございました超過負担問題につきましては、これは毎年度予算編成に際しまして、物価動向ですとか、あるいはその他の経済事情なんかを勘案いたしまして適正な補助単価の設定というものに努めてきたところでございまして、今後とも、今お話がありましたように、社会経済情勢の推移を見守りつつ適正な補助単価の設定に努めてまいりたいというふうに考えております。
#259
○神谷信之助君 以上で終わります。
#260
○星川保松君 大蔵大臣に確認をしておきたいのでありますが、本年度の予算編成に当たって、昨年の暮れにいろいろと大蔵省も御苦労なさったということが報道されておりまして、これは十二月四日の朝日新聞でありますが、「二十二日に予定される大蔵原案内示を前に九二年度予算編成が波乱含みになってきた。六兆円の要調整額(歳出見込みに対する歳入見込みの不足類)を埋める増税案には、財界と来年七月に参院選を控えた自民党が反発。」、それから、景気後退の問題があるということで、結局増税もなかなかできない。どうしてこの不足を埋めるかということで御苦労なさったようであります。
 その記事のちょうど隣に経済同友会が「地方交付税やり玉に」という見出しで内容が出ておるわけであります。「当初予算で十六兆円に上った地方交付税交付金がやり玉に上がった。」ということで、経済同友会の各幹部の皆さんのこれを削れ削れという歳出カットの議論が一斉に出てきたということが報道されておるわけであります。
 こういうことから始まって、それで結局、最初は地方交付税の税率を下げようと思ったんだけれども、これは別の時事通信の報道だったと思いますが、それには、参議院での逆転という状況があって交付税の税率を下げることについて反対の議員が多いのでそっちの方も難しいということで、まず最初は一兆円を交付額から削りたいという申し入れを自治省にして、それでいろいろ話し合った結果、一千五百億は別の方で何とかなった分を差し引いて八千五百億円というものを削減することになった、こういうことが報道されておるわけでありますが、そのとおりなんでしょうかどうか、ひとつお伺いしたいと思います。
#261
○国務大臣(羽田孜君) 平成四年度の地方財政につきましては、その円滑な運営に支障を生ずることのないようということを基本的に考え、歳入歳出、これを適切に見込みましたところ、地方財政対策を講ずる前の収支見通しにおきまして歳入が歳出を上回ったという状態にあったということであろうと思っております。
 国と地方は、先ほども申し上げましたように、公経済を担う車の両輪であろうということでありまして、両者が協力しながらバランスのとれた運営を行っていくことが必要なことは当然であります。
 そこで、平成四年度の予算編成につきましては、地方財政の円滑な運営に支障の生ずることのないように所要の交付税総額を確保した上で、私ども国の方の予算というものがこの編成に際しまして非常に厳しいというもとにおきまして、公経済のバランスを勘案しつつ関係者の御理解あるいは御努力を得ながら、地方交付税法の第三条に基づく地方交付税の特別措置を講じさせていただいたものであるというのが真実であります。
#262
○星川保松君 私は、公経済として地方が足りない場合は国が何とか都合してやる、国が足りない場合は地方の方で融通をするということをやっちゃいけないということは言わないつもりでありますけれども、ただ、私たちがどうも我慢ならないといいますか、それは、大蔵省がいわゆる余剰財源、財源余剰が生じたというその言葉を使って、そしてそれを国の方に回せというそのことなんです。これが本当に余剰財源なのか、財源余剰なのかということを私はこの前に財政局長に自治省の考えをお聞きしたのでありますけれども、自治省としてはとんでもない、余剰なんと言われる筋合いのものではないんだ、こう言っているわけです。
 それで、やはり国家財政がいろいろ足りないというようなときに、何とかしようとぐるっと見渡したときに、余剰というものがあれば真っ先にそこに目を向けるということになると思うんです。ですから、私は、自治省の方で大蔵省の余剰財源というその余剰という観念を取り払ってもらうようにしなくちゃ、いつでもそこをねらわれるんじゃないか、こういうことを言うたわけです。ですから、そこのところをきちんと理論構成をして、それで大蔵省の頭の中をひとつきれいに、余剰なんて言葉がないようにしてほしい、こういうことを言っておるわけでございますが、やはり余剰という言葉を今後とも使ってそういう観念でやっていくというおつもりですか。
#263
○政府委員(田波耕治君) 大臣がお答えになる前に簡単に申し上げたいと思います。
 毎年度地方財政対策を立てる場合でございますけれども、その場合におきましては、その前提となります地方財政収支見通しを策定いたしまして、その結果生じますところの財源の過不足に対して必要な措置をとる、こういうことをやるわけでございます。
 平成四年度においては、こうした地方財政対策を講じる前の収支見通しにおきまして、歳入が歳出を上回った状態になる、これをそういう言葉を使って御説明申し上げたところでございますけれども、今回の特例措置におきましても、こういった地方財政の状況を前提といたしまして所要の交付税総額を確保した上で、国の厳しい財政事情であるとかあるいは公経済のバランスをも勘案しながら講じた措置であるということを御理解いただきたいと思います。
#264
○星川保松君 国と地方の関係を親子というふうに自治大臣もよく例えられますけれども、私は親子ではまずいと思うんです。親子なんというのは、同じ財布に手を突っ込んで、貸し借りがあってもなさなかったり、非常にルーズなわけです。その親子のルーズな財布の中の融通を国と地方でやられたらたまったものじゃない、こう思うんです。むしろ、私は本家と分家というふうに考えていただきたいんです。それで、本家の方で金がどうも足らぬということで、分家の方に金借りに行くのは、それはいいです。ただ、そのときに、あんたのところで余っているからなんて余計なことを言ったんじゃそれは困ると思うんです。足りないから貸してくれというなら、それは素直に借りればいいのであって、それをあんたのところで、分家で余っているじゃないかなんというような余計なことを言うたんじゃ、それは分家の方も、その周辺の我々も我慢ならぬわけです。ですから、やっぱり余っているじゃないかなんて余計なことを言わないということで、私は今後一切余剰という言葉を大蔵省は使わないという約束をしていただきたい。これを最後にひとつ。
#265
○国務大臣(羽田孜君) 先ほど私からお答えした中でも、非常に厳しい国の予算状況の中で公経済のバランスを考えながら、実は関係者の御理解と御努力をいただきながらこの措置をとらせていただいたということを申し上げたわけでありますけれども、先ほど野田委員の方からも御指摘がございましたときに申し上げましたように、私どもも「予算の説明」における説明ぶりにつきましては、ただいま御議論があったこと、このことを念頭に置きつつ研究していきたいということをこの機会に申し上げたいと思います。
#266
○星川保松君 終わります。
#267
○委員長(山口哲夫君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#268
○諫山博君 私は、日本共産党を代表して、地方交付税法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 反対理由の第一は、昨年の四千五百億円の減額に引き続き、今度また新たに八千五百億円もの減額を予定していることです。地方財政の現状は、三千三百の地方自治体それぞれの財政事情も異なり、その多くが財政力の弱い団体であって、地方財政に余裕があるという状況ではありません。交付税が地方自治体の固有の財源であることも、疑問の余地がないことです。しかるに、なぜ全額を地方に配分しないのか、全く納得できません。一方、自治省は、地方自治体に必要な財源は、地方財政計画で確保していると言います。だとすれば、昨年減額された四千五百億円、今年減額される八千五百億円は、地方自治体にとって不必要な財源ということになるではありませんか。
 第二に、地方財政計画の圧縮に連動して、交付税の基準財政需要額の圧縮が行われていることです。臨調第一次答申が、地方財政計画の一般歳出の伸びを国の一般歳出と同程度に抑制することを求めて以来、その後の臨調答申あるいは行革審答申は、一貫して地方財政計画、地方財政関係経費の圧縮を求めてきました。こうした答申を受けて、自治省みずから地方財政計画の伸びを圧縮してきたのであります。地方財政計画の圧縮がそのまま交付税の基準財政需要額の圧縮につながることは、決算の一般財源充当額に対する交付税の基準財政需要額の割合が、一九八二年度八三・一%であったのに、年々低下して九〇年度決算では七五・九%となったことでも明らかであります。
 第三は、交付税法附則第四条による後年度加算額が年々増大し、九二年度末には地方へ配分される交付税総額の二割に達する三兆三千億円を超える巨額なものになるからであります。こうした交付税の先送りを、政府は年度間調整と説明しています。しかし、もともと当該年度の交付税は当該年度に配分することが原則です。地方固有の財源である交付税の二割を超える額を国が先送りすることは、交付税制度の空洞化をもたらすものと言わなければなりません。
 第四に、国保事務費や義務教育国庫負担金のうちの共済掛金の追加費用の一般財源化についてであります。財源措置を伴う一般財源化そのものを否定するものではありません。しかし、今回の措置は、大蔵省の交付税一兆円減額の要求に応じたものであり、容認できません。
 以上、本法案は、提案理由で言う地方財政の現状にかんがみたものではなく、国の財政事情によって提案されたものとしか考えられません。
 今後、地方自治体には、下水道、住宅、都市公園等、生活に密着した社会資本の整備が求められ、また高齢化社会に対応して、地域住民の新しいニーズに対応する行政需要の増大が予想されています。こうした財政需要にこたえて、財政需要を的確に算入する基準財政需要額の充実こそが求められているのであります。真に地方財政の事情にかんがみるのであれば、交付税の減額ではなく、地域住民の求める財政需要に充てることこそが求められているのであります。
 以上のことを指摘して、反対討論を終わります。
#269
○野別隆俊君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして賛成の討論を行います。
 今回の政府提案の地方交付税法等改正案におきましては、交付税特別会計借入金の繰り上げ償還と説明された昨年度の四千五百二億円の特例減額に引き続き、またもや附則第三条に基づく八千五百億円の特例減額が実施されております。これにつきまして自治省は、公経済のバランスに配慮して国に協力したと説明しておりましたが、地方団体共有の固有財源を減額することは、いかなる理由があるにせよ極めて大きな問題があり、遺憾であります。もちろん、特例減額分については、後年度に国から返済されるとされておりますが、構造的に国の財政難が続けば、一抹の不安を抱かざるを得ません。
 その上、大蔵省は、「予算及び財政投融資計画の説明」の中で、地方財政について引き続き大幅な財政余剰があるかのように記述したり、また地方交付税は地方の固有財源ではないかのような答弁を繰り返してまいりました。この点については、最終的に地方交付税の性格は地方の固有財源であるということ、そしてまた、減額の理由も公経済バランスによるものであるという答弁が、本日大蔵大臣からなされました。事実上、八千五百億円については、地財計画の積み上げ後生じた額を国に貸したものであり、何らの根拠を有する額ではないということを改めて確認するものであります。また、地方の財政余剰論についても、真剣に記述を検討するとのことであり、事実上の余剰論の撤回であると受けとめるものであります。これまでの当委員会における地方自治、地方財政を擁護し、その発展を目指してきた与野党共通した議論の経緯を踏まえ、これらの点はなおさらに明確にする必要があります。
 一方、政府案の中にも見るべき点がないわけではありません。
 その第一は、補助事業に頼ることなく自治体が自主的に取り組む事業を豊富化する地方単独事業の大幅な拡大であります。
 第二は、環境保全対策経費が創設され、一千七百億円が計上されたことであります。今後とも森林対策を含めまして、環境問題は大きな問題であり、一層の拡充が必要であります。
 第三は、社会福祉のための経費が二兆六千五百億円と大きく伸長されていることであります。こうした措置は、本格的な高齢化社会の到来を控え、地域福祉の推進、保健、福祉、医療マンパワーの確保等のため、さらなる充実を行っていくべきであります。
 また、国民健康保険の改善措置や、地域福祉基金、土地開発基金の拡充、国際交流費など、自治体の要望にこたえた措置につきましても、地財計画に盛り込まれております。
 日本社会党・護憲共同は、さきに指摘いたしました特例減額につきましては、政府の主張を容認するものではなく、あくまでも反対であります。しかし、交付税減額についての歯どめ措置を盛り込むとともに、来年度以降の地方財政について、地方団体の意見も尊重して、積極的かつ抜本的な改善が図られることを期待し、政府案が歳出面において一定の前進が見られていること、景気対策の必要性からも、地方団体から本改正案の早期成立の要請が強いこと等にかんがみ、大局的見地から本改正案については、単独決議を採択することをもって賛成するものであります。
 以上、政府案の問題点並びに評価する点、そして今後への期待について述べましたが、しかし、過日の参考人の質疑で明らかになりましたように、廃棄物の処理施設の財政措置の充実を初め、鉄くずリサイクルの推進による鉄くず引き取り代の負担、分別処理による経費増等、具体的なたくさんの課題が地方団体から訴えられました。このようにまだまだ地方財政の充実強化に対する要望には根強いものがあります。地方財政は地方団体のニーズから見るといまだ不十分と言わざるを得ません。今後も地方の時代を本当に実現していくために、これら地方団体の要望にこたえるべく、地方交付税制度の充実、地方財政計画の充実に努力していかなければなりません。
 最後に、このような特例減額が再び行われることのないよう強く訴えまして、私の賛成討論といたします。
 以上であります。
#270
○委員長(山口哲夫君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 地方交付税法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#271
○委員長(山口哲夫君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#272
○委員長(山口哲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#273
○委員長(山口哲夫君) 次に、地方行政の改革に関する調査を議題といたします。
 野別君から発言を求められておりますので、これを許します。野別君。
#274
○野別隆俊君 私は、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院の各派共同提案による地方行財政の拡充強化に関する決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
     地方行財政の拡充強化に関する決議
     (案)
  政府は、地方行財政の課題に的確に対応する
 とともに、地方行財政の長期的な安定と発展を
 図り、もって地域の振興と地域福祉の増進を図
 るため、左記の事項について善処すべきであ
 る。
 一、地方交付税が、国と地方の事務分担、経費
  負担区分に基づき、国と地方との税源配分の
  一環として設けられている地方団体の固有の
  財源であることにかんがみ、国の財政事情の
  都合によってその税率の変更等を厳に行わな
  いこと。
   また、地方交付税法附則第三条に基づく特
  例措置については、昭和五十九年度改正の経
  緯及び地方交付税制度の趣旨にかんがみ、地
  方交付税総額の安定的な確保に資する観点か
  ら、その慎重かつ適正な運用に努めること。
 二、地方財政計画の策定に際しては、地方団体
  の意見を反映させ、地方団体が必要としてい
  る財政需要について、長期的計画に伴うもの
  も含めその見直しに努め、これを的確に計上
  することとし、より地方の実態に即したもの
  としてその充実に努めること。
   また、地方交付税を国の一般会計を通すご
  となく、国税収納金整理資金から直接交付税
  及び譲与税配付金特別会計に繰り入れる制度
  を積極的に検討すること。
 三、自治・分権を推進し、地方行財政の自主性
  を高めるため、地方団体への権限移譲を進め
  るとともに、補助金等については一般財源化
  を含め、その一層の整理合理化に努めるこ
  と。なお、存続するものについては超過負担
  の解消を図るとともに、一般財源化に当たっ
  ては地方団体への負担転嫁にならないよう適
  切な財政措置を講ずること。
   また、公共事業に係る国庫補助負担率の暫
  定措置については、早急に総合的検討を進
  め、速やかに結論を得ること。
 四、高齢化社会に対応し、よりきめ細かな地域
  福祉を推進するため、地方団体が単独で行う
  社会福祉経費の拡充を図るとともに、地域福
  祉基金の充実を検討すること。また、国民健
  康保険事業における住民負担の現状にかんが
  み、国保財政の在り方についての抜本的な検
  計を進めるとともに、その改善を図ること。
 五、地域の実情に応じた生活環境、社会資本の
  整備を推進するため、地方単独事業に係る財
  源の充実を図るとともに、これまでの「地域
  づくり推進事業」の成果を踏まえ、自主的・
  主体的な地域づくりを更に推進するための財
  政支援措置を検討すること。地方団体による
  公有地取得を推進するための財政措置につい
  てもその充実に努めること。
   また、交通、上下水道、病院事業等の基幹
  的社会資本を担う地方公営企業については、
  一般会計からの繰出金の充実を図るととも
  に、一般会計と特別会計との関係の見直しを
  含め、その整備運営に関する財源措置の充実
  を検討すること。
 六、環境問題に対して地方団体が積極的かつ主
  体的に取り組めるよう、環境保全経費の充実
  を図るとともに、とりわけ森林を抱える地域
  の地方団体に対して、適切な財政支援措置を
  講ずること。
   また、地方団体の行う国際交流・海外支援
  事業の推進に対する財政措置を充実するとと
  もに、在留外国人等に関する新たな財政需要
  に対応するため、財政措置を検討すること。
 七、地方団体における完全週休二日制を推進
  し、住民サービスの向上を図るための財源措
  置を充実するとともに、地方財政計画におい
  て高齢者福祉、地方単独事業、環境保全等の
  推進のため、必要となる職員について適切な
  人員の確保を図りかつ十分な処遇を行うこ
  と。
 八、現下の経済状況にかんがみ、景気対策を適
  時適切に講ずるとともに、地方において今後
  必要がある場合は、財源措置を含め適切かつ
  十分な措置を講ずること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ皆さんの御賛同をお願い申し上げます。
#275
○委員長(山口哲夫君) ただいまの野別君提出の決議案の採決を行います。
 本決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#276
○委員長(山口哲夫君) 全会一致と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、塩川自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。塩川自治大臣。
#277
○国務大臣(塩川正十郎君) ただいま御決議ございました事項につきましては、その御趣旨を尊重し、善処してまいりたいと存じます。
 ありがとうございました。
#278
○委員長(山口哲夫君) 本日はこれにて散会いたします。
    午後五時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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