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1992/03/27 第123回国会 参議院 参議院会議録情報 第123回国会 内閣委員会 第3号
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1992/03/27 第123回国会 参議院

参議院会議録情報 第123回国会 内閣委員会 第3号

#1
第123回国会 内閣委員会 第3号
平成四年三月二十七日(金曜日)
   午前十時一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月十三日
    辞任         補欠選任
     篠崎 年子君     小川 仁一君
 三月二十四日
    辞任         補欠選任
     深田  肇君     瀬谷 英行君
 三月二十六日
    辞任         補欠選任
     谷畑  孝君     吉田 達男君
 三月二十七日
    辞任         補欠選任
     吉田 達男君     谷畑  孝君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         梶原  清君
    理 事
                板垣  正君
                田村 秀昭君
                翫  正敏君
                吉川 春子君
    委 員         大島 友治君
                大城 眞順君
                岡田  広君
                永野 茂門君
                村上 正邦君
                小川 仁一君
                喜岡  淳君
                瀬谷 英行君
                谷畑  孝君
                三石 久江君
                太田 淳夫君
                磯村  修君
                田渕 哲也君
   国務大臣
       国 務 大 臣  岩崎 純三君
   政府委員
       人事院総裁    弥富啓之助君
       人事院事務総局  山崎宏一郎君
       総務庁長官官房
       審議官
       兼内閣審議官   小山 弘彦君
       総務庁人事局長  山田 馨司君
       総務庁行政管理  増島 俊之君
       総務庁行政監察  鈴木 昭雄君
       総務庁恩給局長  新野  博君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        菅野  清君
   説明員
       法務大臣官房審
       議官       山本 和昭君
       法務省人権擁護
       局総務課長    佐竹 靖幸君
       外務省国際連合
       局人権難民課長  吉澤  裕君
       文部省初等中等
       教育局小学校課
       長        近藤 信司君
       文部省教育助成
       局地方課長    崎谷 康文君
       文部省高等教育
       局医学教育課長  喜多 祥旁君
       厚生省保健医療
       局管理課長    真野  章君
       厚生省社会局生
       活課長      河村 博江君
       建設省住宅局住
       環境整備室長   浅野  宏君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○恩給法等の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別
 措置に関する法律の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○一般職の職員の給与等に関する法律及び行政機
 関の休日に関する法律の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(梶原清君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十三日、篠崎年子君が委員を辞任され、その補欠として小川仁一君が選任されました。
 また、去る二十四日、深田肇君が委員を辞任され、その補欠として瀬谷英行君が選任されました。
#3
○委員長(梶原清君) 恩給法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案に対する質疑は、去る三月十二日に終局しておりますので、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 恩給法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#4
○委員長(梶原清君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 翫君から発言を求められておりますので、これを許します。翫君。
#5
○翫正敏君 私は、ただいま可決されました恩給法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、連合参議院及び民社党・スポーツ・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    恩給法等の一部を改正する法律案に対す
    る附帯決議(案)
  政府は、次の事項について速やかに善処すべ
 きである。
 一 恩給年額の改定については、国家補償とし
  ての恩給の性格、恩給受給者の高齢化等に配
  煮し、今後とも現職公務員の給与水準との均
  街を維持するよう努めること。
 一 恩給の改定実施時期については、現職公務
  員の給与との遅れをなくすよう特段の配慮を
  すること、
 一 恩給の最低保障額については、引き続きそ
  の引上げ等を図るとともに扶助料について
  は、さらに給付水準の実質的向上を図ること。
 一 恩給受給者に対する老齢福祉年金の支給制
  隈を撤廃すること。
 一 外国特殊法人及び外国特殊機関の未指定分
  の件について、速やかに再検討を加え適切な
  措置を講ずること。
 一 恩給欠格者等の処遇について検討の上、適
  切な措置を講ずるよう努めること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
#6
○委員長(梶原清君) ただいま翫君から提出され
ました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#7
○委員長(梶原清君) 全会一致と認めます。よって、翫君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、岩崎総務庁長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。岩崎総務庁長官。
#8
○国務大臣(岩崎純三君) ただいまの附帯決議につきましては、今後慎重に検討してまいりたいと存じます。
#9
○委員長(梶原清君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○委員長(梶原清君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
#11
○委員長(梶原清君) 次に、地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案、一般職の職員の給与等に関する法律及び行政機関の休日に関する法律の一部を改正する法律案、以上両案を便宜一括して議題といたします。
 まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。岩崎総務庁長官。
#12
○国務大臣(岩崎純三君) ただいま議題となりました地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 顧みますと、同和対策事業特別措置法の制定以来、地域改善対策特別措置法及びそれに引き続く現行法の施行と、過去二十三年間にわたる関係諸施策の推進の結果、生活環境を初めとして対象地域の実態は相当改善され、その成果は全体的には着実に進展を見ております。
 現行の地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律は、昭和六十二年に一般対策への円滑な移行のための最終の特別法として制定されたものであり、本年三月末日をもって効力を失うことになっております。
 しかしながら、一部に事業の取り組みがなおおくれている地域が見られること等により、平成四年度以降の物的な事業量が相当程度見込まれ、また、啓発等非物的な事業の面においてもなお今後とも努力を続けていかなければならない状況にあります。
 政府としては、昨年十二月の地域改善対策協議会の意見具申を尊重し、このような問題の早期解決を図るためには、現行法の制定の趣旨を踏まえ、平成四年度以降においても、真に必要な事業に限って国の財政上の特別措置を講じ、その円滑かつ迅速な遂行を図ることが必要であり、このため、この法律案を提案することといたした次第であります。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 第一に、現行の地域改善対策特定事業のうち、平成四年度以降においても引き続き実施することが特に必要と認められるものを政令で定めるほか、特に円滑かつ迅速に遂行されることが見込まれる一部の事業については実施の時期を繰り上げることといたしております。
 第二に、事業に要する経費について、地方公共団体の財政負担を軽減するため国の財政上の特別措置を引き続き講ずることとし、現行法の有効期限を五年間延長するほか、所要の経過措置を設けることといたしております。
 今回の意見具申で指摘されたように、政府といたしましても、同和問題は憲法に保障された基本的人権の問題であり、二十一世紀に差別を残してはならないというかたい決意を持って、地方公共団体、国民と一体となった取り組みに全力を尽くしてまいる所存であります。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要でございます。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同くださるようお願いを申し上げます。
 次に、一般職の職員の給与等に関する法律及び行政機関の休日に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 昨年八月七日、週休二日制について人事院勧告が行われました。本法律案は、この人事院勧告を踏まえ、完全週休二日制を実施するため、一般職の職員の給与等に関する法律及び行政機関の休日に関する法律について所要の改正を行おうとするものであります。
 次に法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、一般職の職員の給与等に関する法律において、すべての土曜日は、勤務を要しない日とし、勤務時間は月曜日から金曜日までの五日間において割り振ることとしております。
 第二に、行政機関の休日に関する法律において、すべての土曜日は、行政機関の休日とし、行政機関の執務は、原則として行わないものとしております。
 以上のほか、附則において、この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとするとともに、関係法律について所要の改正を行うことといたしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要でございます。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
#13
○委員長(梶原清君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 それではこれより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#14
○谷畑孝君 最初に、地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案の審議に当たりまして一言申し上げたいと思います。
 一九六五年に部落問題の解決は国の責任である。そういうことを明記いたしました同和対策審議会の答申を受けまして、一九六九年に制定をされた同和対策事業特別措置法以来二十三年間にわたりまして、国、地方自治団体、国民の責務として部落差別の撤廃に向けた取り組みが行われてまいりました。ことしの三月、地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律が期限切れを迎えるに至り、今回の地対財特法の一部改正案が提案されたわけでございます。
 私自身、部落差別をなくすための民間組織の一員として、これまで部落差別の撤廃に向けて微力ながら活動をしてまいった者でございます。部落差別からの完全解放を目指す我々の立場からすれば、まだまだ不満の残る一部改正法案でございますが、この法案の国会提出と本日の審議に至るまでの過程におきまして、多くの与野党の国会議員の皆さん、また磯村会長を初めとする地域改善対策協議会の委員の皆さん、また、岩崎大臣を初めとする関係各省の皆さん、地方自治団体や多くの団体、市民の皆さんの多大なる御協力をいただきましたことにつきまして、心よりこの場をおかりいたしましてお礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。
 部落差別からの完全解放に向けた取り組みは、今後も政府、自治体、市民の共同の責任として進めていかなければならないと思っております。差別の完全撤廃に向け、今日を新たなスタートとしてともに取り組みを進めていくことをお誓いして審議に入ってまいりたいと思います。よろしくひとつお願いを申し上げます。
 まず、大臣にお伺いをしたいわけであります。
 昨年の十二月の十一日の地対協意見具申、十二月の二十日の政府大綱及び本年二月十四日の現行法五年延長の閣議決定を踏まえ、今後の同和行政に関する重要事項について総務庁長官の考えをお伺いしたいと思います。
 まず最初に、同和行政の性格について、答申は、同和行政は基本的には国の責任において当然行う
べき行政であって、過渡的な特殊行政でもなければ行政外の行政でもない。部落差別が現存する限りこの行政は積極的に推進をされなければならない。このようにうたっているわけでございます。この認識は、答申の基本的精神として、今日においてもさらに今後においても重要であると思うわけでありますが一大臣の所見をお伺いしたいと思います。
#15
○国務大臣(岩崎純三君) 同和対策審議会の答申において示されました同和問題は、人類普遍の原則である人間の自由と平等に関する問題でございまして、日本国憲法によって保障されました基本的人権にかかわる課題であるとの認識のもとに、政府は昭和四十四年以来三たびにわたる特別措置法に基づき、二十三年間にわたりまして各般の施策の推進に努め、相当の成果を上げてきたところでございます。しかしながら、一部に事業の取り組みがなおおくれている地域が見られることなどにょりまして、平成四年度以降の物的事業量が相当程度見込まれ、また就労対策、産業の振興、教育、啓発等非物的な事業の面におきましても、なお今後とも努力を続けていかなければならない状況にございます。
 政府といたしましては、昨年十二月の地域改善対策協議会の意見具申を尊重して取りまとめました「今後の地域改善対策に関する大綱」に則しまして、現行の地対財特法の制定の趣旨を踏まえ、真に必要な事業に限って財政上の特別措置を五年間延長することとし、地対財特法の一部改正法案を御審議いただいておるところでございます。
 政府といたしましては、同和問題を一日も早く解決をすべきであるという同対審答申の精神を受け継ぎつつ、この問題の早期解決に向けて今後とも積極的に取り組んでいきたいと考えております。
#16
○谷畑孝君 同対審答申の出された精神を踏まえて、さらに差別撤廃のために頑張っていく、こういうことだと思います。
 次に、一九六九年の同和対策事業特別措置法制定以降今日までの二十三年間、国、地方自治団体の多くの努力にょりまして、住環境を中心としてかなりの格差が解消されてきたことは事実でございます。しかし、同時に二十三年間の取り組みにもかかわらず、今日においてもなお差別が現存をしているという事実、この事実についての大臣の認識をお伺いしたいと思います。
#17
○国務大臣(岩崎純三君) 昭和四十四年以来、同和対策事業特別措置法、地域改善対策特別措置法、現行の地対財特法と三たびにわたる特別措置法に基づきまして、今日まで関係諸施策の総合的な推進に努め、その結果、昨年十二月の地域改善対策協議会の意見具申におきましても、同対審答申で指摘された同和地区の生活環境等の劣悪な実態は大きく改善を見、同和地区と一般地区との格差は全般的には相当程度是正され、また心理的差別につきましてもその解消が進み、その成果は全体的には着実に進展を見ていると評価をいただいておるところでございます。
 しかしながら、同意見具申では「心理的差別の解消は、同和関係者と一般住民との婚姻の増加がみられるなど改善の方向にあるものの、結婚や就職などに関連した差別事象が依然としてみられ、十分な状況とはいい難い。」としているように、その解消に向けて今後とも努力をしていかなきゃならない課題であると認識をいたしておるところでございます。
 今後とも、心理的差別の解消に向けて、啓発活動について改めて創意工夫を凝らしまして、より積極的に粘り強く推進をいたしていく所存でございます。
#18
○谷畑孝君 今の大臣の答弁にもありましたように、いわゆる地対財特法等を含めて部落の環境状況だとか、そういうものは非常に大きな成果も上がっておるわけでありますけれども、しかし、なお二十三年間の施策にもかかわらず心理的なさま。さまの、結婚差別であったり、さまざまのそういう差別事象というものは後を絶たない、こういう認識の中で、さらに意見具申におきましても、その点についてひとつ今後とも行政施策上も力点を置いていただきたい、こういうふうに趣旨を踏まえた中で意見具申がなされておる、このようにも思うわけであります。
 そこで、大臣にお伺いしておるわけですが、政府、とりわけ所管大臣である総務庁長官に真剣にひとつ考えていただきたいのは、どうすれば部落差別が撤廃できるのかということであると思います。
 確かに、同対審答申はそのための有効な方策を総合的に提案をしており、その基本的な精神は今日においてなお実効力を持っていることも事実であります。しかし、今日の社会の多様化、国際化という変化の中では、多少間尺に合わなくなっているところもあり、問題解決の全能者とは言えない面もあるかと思います。
 私どもも真剣に考え、模索しているのであります。その結論の一つとして、部落解放基本法案ということで提案をしてきたわけでございますが、これとて完全無欠のものではなく、大いに議論の余地はあろうかとも思います。
 いずれにしましても、部落差別撤廃の問題は党利党略的な見地から論じられるべき問題ではなく、国民的な課題、全人類的な課題として取り組み、それぞれの関係者が立場を超えて真剣に論議をし、一日も早い問題解決のための政策立案をする必要があるものでございます。この点について大臣の考えをお伺いいたします。
#19
○国務大臣(岩崎純三君) 同和問題を解決し部落差別をなくすためには、我が国の社会経済の発展、国民の意識の多様化、国際化の進展の中にございまして、この問題が国民的課題として普遍化していくことが重要であると認識いたしております。
 すなわち、国民一人一人が同和問題をみずからの課題として主体的に取り組み、国及び地方公共団体やこの問題にかかわりの深い人たちだけではなく、国民の各界各層において本問題解決のために、方策について自由濶達な議論が行われる必要があると考えております。これらの幅広い議論を通じて同和問題の解決の道筋をつけられるよう、各般の施策の推進について、私といたしましても一層の努力をいたしたいと考えております。
 総務庁といたしましては、二十一世紀に差別を残してはならないというかたい決意を持ちまして、同和問題の一日も早い解決に向けて関係省庁、地方公共団体、国民と一体となった取り組みに力を尽くしてまいる所存でございます。
#20
○谷畑孝君 今、大臣がおっしゃいましたように、二十一世紀まで部落差別を残してはならないという非常に力強い決意をいただいたわけでございます。
 今日、環境と人権というものが非常に大きなテーマにもなっておりますし、日本において今なお部落差別が残っておるということは、これから人権大国として進んでいこうとする日本にとりまして、私はそういうことはやっぱり許されるべきものではない、そういうように大臣の答弁を聞きながら今さらに決意を改め、確認をしておるところでございます。
 その意味でも、大臣にお願いをしておきたい。ことは、我々は物的事業が特別措置として永続化することを決して望んでいるわけではないということでございます。不必要になったものはやめればよいし、必要なものは大いにやっていこうという考えでございます。その意味では、同和対策にかかわる事業は物的、非物的を問わずすべて部落差別撤廃のための条件整備事業であり、部落差別が解消すれば当然なくなるべき性質のものであることは間違いのないところだと考えています。
 したがって、物的事業がかなり進捗したから一般対策へ移行云々とか、最終法云々とかということを結論として先行させるのではなく、差別をなくすためにはどうしたらよいのか、どうあるべきなのかという、国民も関係者も納得できる議論を十分行い、国民的コンセスサスを得ることのできる政策を打ち出すことにこそ重点が置かれるべきだと考えるわけでございます。
 さらに、もう一点重要なことは、部落差別の問
題は、基本的には差別される側に問題があるのではなく差別する人間に問題があり、そのような人間をつくり出す社会システムに問題があるということでございます。この点をしっかりと押さえると同時に、差別は許すことのできない社会悪であるという観点から差別撤廃への方策を考えなければならないと思うわけでございますけれども、これらの点について大臣の見解をお伺いいたします。
#21
○国務大臣(岩崎純三君) 政府といたしましても、物的、非物的な事業の両面にわたって事業の迅速な実施を行い、地域改善対策でできる限り早く目的を達成し、一般対策へ円滑に移行すべきとの認識のもとに各般の施策の積極的な推進に努め、同和問題の解決に努めてまいったところでございます。
 地域改善対策のあり方を検討するに際しまして、地域改善対策協議会においては幅広い議論が行われ、国民的コンセンサスを得ることができる意見具申の取りまとめに最大限の努力が払われてきたものと理解をいたしております。したがいまして、政府といたしましては、こうした同協議会の意見具申を貴重なものとして受けとめまして一これを尊重して具体的な施策を立案いたし推進してまいりました。このことは、昨年十二月の同協議会の意見具申を踏まえて政府として取りまとめた「今後の地域改善対策に関する大綱」においても同様でございます。今後とも同協議会におきましては残された課題について幅広く議論が行われ、今後の地域改善対策のあり方について御提言いただけるものと考えております。
 また、同意見具申が指摘をいたしておりまするように、同和問題の早期解決に向けて国民の一人一人が人権問題について一層理解を深め、みずからの意識を見詰め直すとともに、みずからを啓発していくことが。求められております。このため、政府といたしましては、改めて国民的課題として積極的な展開を広げ、地方公共団体、国民と一体となって粘り強く取り組んでまいる所存でございます。
#22
○谷畑孝君 ぜひひとつ一体となって頑張っていただきたい、このように思うわけです。
 さてそこで、「今後の地域改善対策について」とする地対協意見具申の中で提起されています審議する機関の問題について、今までの議論の経過を踏まえて具体的にひとつお尋ねをしたいと思います。
 まず最初に、全国的な規模の調査や「今後の地域改善対策の在り方について審議する機関が引き続き必要である」との指摘は、部落差別の解消のために、さらに本格的方策を審議する目的で審議機関が設置されるものだと考えますが、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
#23
○国務大臣(岩崎純三君) この問題につきましては今国会でいろいろと議論がございました。また、与野党間で熱心に御議論もされてきておるところでございます。私といたしましても、今後における重要な課題である、こうした認識のもとにこれまでの経過を重く受けとめまして、次のとおり考える次第でございます。
 平成三年十二月の地域改善対策協議会、この意見具申を踏まえまして、同和問題の早期解決に向けて、改めて国民的課題としての展開が重要であり、人権尊重の視点に立った取り組みが引き続き必要であることにかんがみまして、同協議会の中に心理的差別の解消に向けた啓発などのソフト面の推進、行政運営の適正化など、基本的な課題を審議するための仕組みが設けられまするように、特定の配慮が行われますることを同協議会に対しましてお願いをいたしてまいりたいと考えております。
#24
○谷畑孝君 それでは、この問題について大臣に最後にお伺いをしておきます。
 全国的規模の調査の問題でありますが、地対協意見具申は、「これまでの地域改善対策の効果を測定し、同和地区の実態や国民の意識等について把握することは重要である」、このように指摘しておるわけでございますが、そこで、この全国の実態調査については、今日の部落問題の精密な状況を把握するため、総合的かつ本格的な全国実態調査を早期に実施していただきたいと思うわけでございますが、この点について、大臣のお考えをお聞きしておきたいと思います。
#25
○国務大臣(岩崎純三君) 政府におきましては、最近では昭和五十年、昭和六十年、同和地区の実態の把握を行ってきております。昨年十二月の地域改善対策協議会の意見具申を尊重いたしまして、これまでの地域改善対策の効果を測定し、同和地区の実態や国民の意識等について把握するための全国的規模の調査をしかるべき時期に行うというのが政府の今日の方針でございます。
 調査を行うに当たりましては、同意見具申において指摘をされておりまするように、調査結果の客観性を保証できる実施体制、方法等について慎重に検討する必要がございます。したがいまして、検討に着手をしておらない現段階では、いつ調査を行うか、確たることは申し上げかねるわけでございますけれども、その検討に早期に着手をいたしまして、もろもろの条件整備をいたした上で、できるだけ早くしっかりした調査が実施できるように努力をいたしてまいりたい、かように考えております。
#26
○谷畑孝君 昨日、私もこの質問の準備にかかりながら、教育テレビの人権という番組を見ておったわけであります。水平社が結成されてちょうど七十年ということで、「人の世に熱あれ人間に光あれ」というテーマの朗読を交えながらの教育テレビでございました。
 その中で、日本の先住民族でもございますアイヌの皆さんの、自分の出自といいましょうか、生い立ちを語ることのできない苦しさがその映像に出ておったわけでありますけれども、その中から、自分の出生を語るということを覚えて人間性を取り戻してきた。そういうことで、自分たちの祖先が生きてきた知恵を、サケの料理の仕方を含めて、生き生きとしたシーンを、きのう私もこの質問の準備をしながら実は見ておったわけでございます。
 明治四年の太政官布告、いわゆる解放令、えた、非人の称を廃する、こういう解放令が出されたわけでございまして、そのときにちょうどこの未解放部落の人々に、いや、それは実は間違いであった、あの解放令は五万日の日延べになった、そういうことが言われて、これ非常に有名なことでありまして、この五万日を繰っていきますと二〇〇八年七月の二十日、こうなっておりまして、二十一世紀ということになろうかと思いますけれども、大臣の、二十一世紀にはこの部落差別を残さない、非常に軌を一にするものじゃないか、そんなことを実は思うわけであります。
 未解放部落に生まれた人たちが、自分の出生を常に誇りを持って語れないという、ここには大きな悲しさがあり、部落差別の持っている重さがある、こういうふうに思うわけでございまして、私は、ぜひひとつこの法律を手がかりに一日も早く部落差別や、そしてすべての差別がなくなっていくような、そういう社会になっていくことを、非常に決意を心新たに申し上げまして、私のこの地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案についての質疑を終わりたいと思います。本当にありがとうございました。
 それでは、私の持ち時間少しいただいておりますので、次の問題に入ってまいりたいと思います。
 次の問題は、そのことに関連する人種差別撤廃条約の批准についてということで、外務省と法務省に幾つか質問をして私の持ち時間を終わっていきたいと思っております。
 一九七八年、ちょっと少し間違っているかどうかわかりません。今から十四、五年前だと思うんですが、国連軍縮総会ということで私も非政府組織の一員というか、NGOとして初めてアメリカヘ被爆者の皆さんと一緒に訪れました。そのときに非常に感じたことがあるんですが、今まで私自身、西部劇というのは非常におもしろいですし、夢中になったり、そういうものを見ておったわけ
であります。アメリカに行ったときに、ちょうどアメリカの人たちによりまして、ポピーというアメリカのインディアン文化を守っておられる種族の村を訪れることができました。十五、六年前ですから、我々日本人がそこを訪れるということはなかったわけでありますけれども、私も初めてそのインディアンの居住の村を訪れまして、今まで私どもが見てきた西部劇だとか、そして、今日のアメリカの映画だとか、それと全く異質といいましょうか、地の果てと言われるような、ウランの出てくるようなところにあるわけですが、そこに居住区ということでインディアンの皆さんが住んでおられる。
 また、そこの長老との話し合いを、その種族の言葉を翻訳されて、また英語で語る、そういうことで会談をさせてもらったわけであります。そこの話の中で私も非常に考えさせられたことがあるわけなんでございまして、それは、メーフラワー号に乗ってイギリスから移民がやってきたそれ以前に我々はここに住んでおるんだ。しかも、我々はずっと歴史、伝統を守りながら、特に我々ポピーというのは平和を守る種族ということで暮らしてきたんだ。そして、やがて国ができて、その国に従えということで一我々は軍隊に徴兵された。我々はずっと祖先から平和を守るポピーという種族ということで誇りを持っておるんだ。ということで、それを拒否したということです。そうしたならば、牢獄に入れられた。そういうことを長老がずっと語ってくれたんです。これが一つ。
 それと、二つ目は、今四百ぐらいのインディアンの種族があるというんですが、我々は同化の中で全部英語化されたり、そういうことである。しかし、今ようやく我々は気がついてきたんだ。自分たちの種族の言葉を守ろう、自分たちの民族が培ってきたよき伝統を守っていくんだということを、我々は今まで多くの皆さんと一緒にその活動をしておるんだと、そういう発言でございました。
 もう一つは、我々の土地を取り返したいんだと。我々の土地を何らかの形で、どんどん狭められてしまって我々は土地がないんだと、我々はメーフラワー号が来た以前からここに住んでおるんだということで、全米のインディアンの皆さんと一緒にワシントンヘいわゆるデモ行進をやるんだと、そういう話でございました。
 私、十五年前に行って、インディアンといえば西部劇で見る、どんどん白人に鉄砲で撃たれていき、我々はそれで拍手をしていくようなことしか知らなかった。そこに行って本当に歴史を逆から見たものを教えられて帰ってきたわけでございます。私、それから以後はもう西部劇は余りおもしろくない、むしろもっと違った観点から表現があってもいいんじゃないか、そんなことを思いながら帰ってきたわけでございます。人種差別撤廃条約とも絡んで、そういう私の経験を語らせてもらったわけでございます。
 そこで、最近三つの大きな出来事が日本国内をにぎわしてきたと思うんです。
 その一つが、帰化人の弦念さんの当選ということです。湯河原町の町議選で初めて欧米人が四位で当選をして、青い目の外人さんが、帰化した弦念さんが町議選で四位で当選する、日本で初めてだと。私もこのニュースを見ておりましてやっぱり日本も変わってきたな、今まででいえば、あの第二次世界大戦のときでもそうですけれども、鬼畜米英というようなことで、やっぱり日本人という意識が非常に強い中で、弦念さんの当選というのは、僕はいろんなことを示唆しておるのではないか。そのときの町民の皆さんのインタビューいろいろ聞いておりましたら、やはり国際化の社会だから今までのような、既存のような閉鎖的なことじゃなくて、弦念さんによって大きな一つの刺激になったらいいと、もっとオープンされた町会になったらいい、もっと国際的なことを考える町会になったらいいと。そういうようなことがこの町会議員選挙でありまして、非常に国際化の波の中で我々もそういう時代に来たんだなということを、私も聞いて一つ感じたわけであります。
 もう一つは、これは大阪で春場所の相撲がございまして、これもう皆さん相撲の好きな方がたくさんおると思うんですが、大関小錦が優勝して相撲の世界も最近は非常に国際化してまいりました。この大関小錦も今度、横綱にということで国技館をにぎわしておるわけで、まあ私どもも非常に楽しませてもらっているような状況だと思います。また、モンゴルから六名、相撲を目指して入ってきた。モンゴルという国はもともと相撲の祖先だと言われているわけですけれども、六名、これまた楽しみでございます。
 このようにして、日本の社会もどうしても国際的な問題が避けられないような、また私どももそこに生活をしており、それでまた喜び、悲しむということになっておるという、こんなことを実は思うわけです。
 それともう一つは、違った観点の問題でございますけれども、例えばある雑誌で、イラン人が上野の山に相当たむろしている、もう常宿になってしまっているということで「イラン人゛大増殖゛で」と、こういうふうな言葉であったり、「イラン人はもういらん」ということで書かれたりしている。これは、とりわけ外国人労働者の問題あるいは不法就労の問題だとかさまざまな難しい問題、私どもがいろんな意味でいろんな角度からこれまた検討し考えなきゃならぬ、単にこうだと言うだけでは整理できないさまざまな難しい問題があるんですけれども、しかし、私はそういう問題は少し棚上げしまして、あえて問題と言えば、「イラン人はもういらん」という、こういう外国人に対する排斥といいましょうか、そういう問題も片方ではやっぱり出てくる。
 また、日本の古くて新しい問題で、一九一〇年の日韓併合ということ以来、強制連行の問題だとか、あるいは今日では従軍慰安婦の問題だとか、そういうさまざまの歴史的過程の中で、日本で住んでおられる外国人の皆さん、そこにおいてもまた就職の問題があったり、あるいはさまざまの問題が今日出てきている。そういう意味では、日本の社会の中においても非常に急スピードの中で、多岐多様にわたったそういう国際化といいましょうか、そういう問題があるのではないか。また片方では、私どもが外国に旅行しますと、どこへ行っても日本人がビジネスマンとして頑張っておられるし、また観光客もどこへ行っても、地の果てへ行っても日本人が一番多いということと同時に、日本の商品があふれておる。そういうことから見ても、やはり国際化の問題は私は非常に大事な問題だと、そういうように思うわけでございます。
 そこで、外務省、法務省にお聞きをするわけですが、まず私が今申し上げましたそういう国際化の中で、日本自身がそのことの事実をきちっと認識できるのかできないのか、私が今長々としゃべってきた中における基本認識について、外務省、法務省の方から一言ずつ、感想でも結構ですからお答えを願いたいと思います。
#27
○説明員(吉澤裕君) 外務省といたしましても、民族的な偏見とかあるいは民族的な憎悪というものの流布といったことが行われることは正当化されるべきことではないという基本的な認識を持っているところでございます。
#28
○説明員(山本和昭君) 先生御指摘のように、国際化の中にありまして民族的偏見とかあるいは民族的憎悪の流布というようなことが行われるべきでないという御指摘の趣旨は、まことにそのとおりであるというぐあいに思います。
#29
○谷畑孝君 日本の国もいわゆる単一民族とよく言われるわけですけれども、しかし、乱るるお話ししましたように、さまざまな歴史的過程の中で、先住民族もおられるということから見ても、やはりある特定の民族のみによって構成されているんだということだけに重点を置いた施策をすると、国際的な状況にやっぱりなかなかついていけないことになるんじゃないか、そういうことを私も申し上げたいわけでございます。そういう中で、民族的偏見とか民族的憎悪の流布というものについては、これは戒めるべきものだ、そういうふうに思っているわけでございます。
 そこで次に、過日のニュースの記事を見ておりますと、アルゼンチンでイスラエルの大使館が爆破されて非常にたくさんの死傷者を出しておる、そういうように言われているわけでございます。この新聞の報道によりますと、この事件はネオナチズムの犯行ではないかと実は言われておるわけでございます。今日、このようにしていわゆる民族における対立だとか民族における憎悪だとか、こういうことが国際的な紛争において非常に今顕著に出てきておると私は思うんです。ユーゴスラビアにおける民族の対立てあるとか、あるいは旧ソ連の崩壊の中でさまざまな民族が自分たちの主張を始めていく。こういうことで、一歩理解を間違えますとこれは戦争に発展をしていくという、そういうことが僕は非常に大きな問題になっておるんじゃないかなと思うんです。
 これは、私どもが国連ができた背景だとか、あるいは国際人権規約というものができた背景だとか、そういうものを少しひもといてみる必要も、きちんとその教訓として見ておく必要があるんじゃないかと思うんです。特に第二次世界大戦のときに、ドイツのナチのユダヤ狩りといいましょうか、ユダヤ人に対する偏見、憎悪というものによってヨーロッパにおける第二次世界大戦を引き起こしてきたと、そういう教訓の中で世界人権宣。言が出てきたと、このように思っているわけであります。
 私が言いたいのは、そういうものはもう過去のものじゃなくて、今日なお、また違った意味で大きく出てきておると、そういうことから見れば、この世界の安全保障という観点から見ても、私どもは理解をしていくことが非常に大事じゃないかと、そういうふうに思っているわけでありますが、その点についてもう一度、外務省なり法務省なり、民族間における偏見、憎悪というものは結局国際的にも、先ほど言いましたように、戦争に発展していく大きな一つの火種として今日ではクローズアップされてきている問題じゃないかという認識についてどうなのか、お伺いしたいと思います。
#30
○説明員(吉澤裕君) 先生御指摘のとおり、現在民族的対立、その場合には民族的憎悪というものが伴うこともあろうかと思いますけれども、そういった民族的対立ということが紛争の原因の大きな一つになっているということは御指摘のとおりだと思いますので。そうしたことは十分認識していかなければいけないのではないかというふうに思っております。
#31
○説明員(山本和昭君) 民族的偏見や民族的憎悪という問題が非常に重要な問題であるというふうに認識しております。
#32
○谷畑孝君 もうちょっといろいろと人間の顔が見えるような話を聞きたいところなんですけれども、非常に簡潔なお答えだと思います。
 そこで、具体的に人種差別撤廃条約の批准という問題ですね、これは本当に長いですよね。国連で提案されて、そしてほとんどの国がこれを批准している、こういうような、状況の中で日本が今なおそれを批准していない、こういう問題でありますけれども、さきの衆議院の予算委員会では、私どもの仲間の委員の質問によりまして、渡辺外務大臣が次期の国会にはひとつ結論を出したいと、こういうように今までから見ますと一歩前進的な発言をされておるわけですが、その後の取り組みの状況というのはどうなっておるでしょうか。ひとつお聞きしたいと思います。
#33
○説明員(吉澤裕君) 先生の御指摘のありました渡辺外務大臣の答弁というのは、私どももよく承知しているところでございまして、外務省といたしましても、政府の検討が進められるよう一層の努力をしていきたい、そのように考えております。
#34
○説明員(山本和昭君) 外務大臣の答弁につきましては私どもも承知しているところでございます。
 法務省としましても、関係当局と連絡をとりながら鋭意検討を進めていく所存でございます。諸外国の法整備の状況、内容、その運用の状況等の調査を続けているところでございますが、今後とも外務当局と協力しながら、諸外国の状況、関係各界の御意見も伺いながら所要の検討を進めていきたい、こういうぐあいに考えております。
#35
○谷畑孝君 外務大臣が次期国会には一つ何らかの結論を出したいと、こういうことですから、これ最近の話じゃないと思うんですね。とりわけ人種差別撤廃条約というのは、もう長い間の検討課題になっているわけです。私、そういう意味では、次の国会ということでありますから、相当その点について、従来こういうことを検討してきたけれども、この点についてクリアして、この人種差別撤廃条約の批准に向けて、次の国会はこう歩いていけるんだという話はあっていいと思いますよ。そこら辺のプロセスはどうなっているか、もう一回教えていただけますか、外務省と法務省。
#36
○説明員(山本和昭君) 人種差別撤廃条約におきましては、人種的優越または憎悪に基づくあらゆる思想の流布などを法律により処罰される犯罪であることを宣言することを求めておるものでございますが、その点につきましては、憲法十九条の思想及び良心の自由、憲法二十一条の集会、結社、表現の。自由あるいは憲法三十一条の要請する罪刑法定主義との関係などいろいろ検討しなければならない問題点がございまして、そういう問題点について現在検討を進めている、こういうことでございます。
#37
○説明員(吉澤裕君) ただいま法務省からお話のありました点が、この条約につきまして非常に大きな問題の一つとなっておりまして、この問題につきましては昨年来、例えば私どももいろいろな学者の先生方との検討等を法務省七一緒にやらせていただくなど、いろいろ研究しているところでございますけれども、そうした面についての検討を、外務大臣の答弁もあったことでございますし、一層進めてまいりたい、このように考えている次第でございます。
#38
○谷畑孝君 そうすると、外務省にとって、この条約の批准について一番大きなネックになっているのは、表現の自由というところと、もう一つ、この条約の柱になっているのはいわゆる憎悪、差別を扇動したり、あるいは人種差別を宣伝していくような、そういうことに対して刑罰といいましょうか、処罰といいましょうか、それを置くことがこの条約に明記されているということと、日本の憲法が保障している表現の自由ということとの整合性と含めて、日本の国内法との関係で大きなネックになっている、そういうことですね、一言で言えば。どうですか、外務省。」
#39
○説明員(吉澤裕君) 今までの検討の過程におきまして、その点を一層検討して、本当に問題がないかどうかということを含めてはっきりさせる必要があるということで課題として残っているということでございます。
#40
○谷畑孝君 そういうことですね。
 結局、外務省としては国際的な関係があり、ほとんどの国はもうこれ批准しておられるわけです。特に日本は国連中心主義どこれまでずっと言い続けてきておるわけですから、これは批准しなければならぬというのが外務省の私は立場だと思うんです。しかし、問題はやっぱり法務省が国内の法律との整合性の中でなかなか難しい問題があるということで、この批准ができないということだと思うんです。そこで外務大臣が次の国会ではその問題をクリアすると、こういうことだと思うんですが、どうですか、法務省の方。
#41
○説明員(山本和昭君) この問題につきましては、先ほど申しましたようないろいろの問題点がございますので、その点について鋭意検討しておるところでございますが、外務大臣が先般の国会におきまして答弁されたというような事情もございますので、より一層充実した検討を行っていきたいというぐあいに考えております。
#42
○谷畑孝君 そこで、僕は思うんです。表現の自由ということなんですが、これもやっぱり歴史的な状況によって私はいろいろととらえ方が変わってくると思うんです。
 例えば、戦前で言えば、軍部を中心として第二次世界大戦に突入していくに当たって、言論を弾圧する、表現の自由を抑えていく、戦争反対など
とは言わさない、こういうような状況の中で生まれたのがこれ憲法であり表現の自由だ、こう思うんですね。だから、少なくとも人権を擁護するということが基礎にあった表現の自由だと私は思うんです。
 そこで、私の経験で非常に矛盾しているなとつくづく思うのは、昨年、ある週刊のコミックといいましょうか漫画ですね、最近非常に漫画がはやっておりまして、もうほとんどが漫画を読むんです。この漫画に本当にひどいものがたくさんあるということで、そこで昨年の暮れに自治体労働者、とりわけ現業部門の皆さんですが、学校用務員の労働組合の皆さんが非常に抗議されました。
 それは用務員さん、学校教育の中では用務員さんなり学校の先生とかおられるわけですが、こういう場でありますから具体的な漫画の名前は避けた方がいいと思いますけれども、もうその用務員さんの職業的差別を執拗に貫いた漫画であったわけです。だれが見てもひどいということになったんです。そういうことで、用務員さんを中心とした自治体の労働組合の皆さんがこれに抗議するということになりまして、そしてそれを発売した雑誌社に対して抗議をしました。そして同時に、文部省と法務省に、これは私が立ち会いをしまして申し入れ等をさせてもらったわけなんです。
 そのときに、文部省と法務省が言うには、いや確かにこれはもうひどいものです、この雑誌は。それならば、これ人権についてはどうなんだと言ったら、いやもうこれは人権侵害だと。私は、ぜひひとつ文部省と法務省でこの雑誌社等を含めてきちっと行政的に指導しろと。いや、それはできませんとなるわけです。結論的に言うと、できませんということですよ。なぜかというと、表現の自由だというんですね。そこで、私は、ぜひひとつこの点について、私どもはもう一歩踏み出すために、一体表現の自由先ほども言いましたように、「イラン人はもういらん」という話も前段に言いましたように、日本の社会も国際化社会になってきておりましてたくさんの外国人と共生の時代に入ってきている、そういう状況の中で、さまざまの人種差別を扇動することだとか、あるいは人権を侵害することだとか、そういう表現の自由は本当にいいのかどうかということの議論を私はもっとやるべきだと思うんです。
 だから、そういう意味では、人種差別撤廃条約の批准に当たって、ただ単に外務省と法務省の部屋の中でやっているんじゃなくて、あの脳死臨調のように、人間が生き延びるに当たって、臓器を移植して、また新しくなっていこうじゃないかということで国民的な議論を巻き起こしたように、私はぜひひとつこの問題についても国民的な課題として議論を巻き起こしていく、そうする中で国民一人一人の啓蒙ができるし、国際社会の一員としての一人一人のやはり自覚が生まれてくるんじゃないか。そのために、一日も早くこの人種差別撤廃条約をまず批准することから始めて、それが宣言になっていくんじゃないか、そんなことを私は思うんですが、その点について、ひとつぜひ腹の入った回答をしていただきたいと思います。
 外務省と法務省にもう一度申し上げて、私の質問を終わります。
#43
○説明員(山本和昭君) 御指摘のように、人種差別撤廃条約におきます犯罪処罰の問題は非常に重要な問題でございます。と同時に、表現の自由等の基本的人権の保障との関係について慎重な検討が必要であると考えられますので、さまざまな分野の方々の御意見を伺って、いろいろな角度から検討を行うことが重要であると考えておりますので、可能な限り広い範囲の御意見、御議論を伺いながら検討を進めてまいりたい、こういうぐあいに考えております。
#44
○説明員(佐竹靖幸君) 先ほど委員から御指摘のありました漫画の本でありますけれども、これは委員御指摘のとおり、教師と対比させて学校用務員をべっ視している表現がなされているものでありまして、好ましくない内容のものであることには間違いないと私どもも認識しております。
#45
○谷畑孝君 これで質問を終わります。
#46
○喜岡淳君 社会党の喜岡です。長官によろしくお願いいたします。
 いろいろ質問通告しておったんですが、時間の関係で二十分しかございませんので、私は週休二日制の実施時期について、その件についてのみお伺いしたいというふうに思います。
 きょう提案されておりますように、公務員の完全週休二日制の実施については、この間十二月二十七日の閣議の決定がございました。それで各方面からも一体いつごろ行われるのだろうか、こういったことが今国民的な大きな関心になっておるかと思います。とりわけ大臣におきましても、例えば参議院の職員の皆さん方の雰囲気などについてもよくおわかりかというふうに思います。これはきのう衆議院で終わりました、きょうこの参議院の内閣委員会で行われるわけでありますが、成立した場合、これからどうなっていくんでしょうか、きょう成立してから、この後どういうふうに完全週休二日制の実施が進んでいくのか。今一番の関心事項は、じゃ、いつ実施されるのかということでございますが、この実施の時期についてお伺いしたいと思います。総務庁長官にお願いします。
#47
○国務大臣(岩崎純三君) 国家公務員の完全週休二日制につきましては、職員の勤務条件の改善という観点からも、また我が国の労働時間が先進諸国に比べまして大変長い、そういった立場からも、労働時間を短縮いたしまして国民生活にゆとりのある生活ができる、そういったものを実現するためにも私は基本的には本当に望ましい法律であろう、このように考えまして国会に法案を提出し、御審議をいただいておるところでございます。
 そこで、いつから実施するのかということでございますけれども、御案内のとおり関係省庁それぞれいろいろと業務が多様でございますし、それらの問題のチェックも必要でございます。また、国会職員、さらには裁判所等との協議も調える必要がございますし、そして法律が通った後は今度は国民に周知をする期間が必要でございます。周知するためにはどういう広報をしたらいいんだろうか、ラジオ、新聞、テレビあるいはポスター、こういった準備期間も必要でございますので、現在のところいつ行うのかということについては確定的なことを申し上げる状況には残念ながらございません。今、私の置かれている立場としては、そのようにお答えをするしかないところでございます。
 ただ、総務庁といたしましては、先生からお話のあったとおり、昨年十二月に閣議決定されたその中で平成四年度のできるだけ早い時期に実施をする、こういう方針で閣議決定がされておるわけでございますので、その趣旨を踏まえまして、総務庁もその立場に立って最大限の努力をしてまいりたい、こういう所存でおるところでございます。
#48
○喜岡淳君 平成四年度のできるだけ早い時期に、そういうことではいよいよ目前の四月一日が一番早い時期として迫ってきたわけであります。実際の話として、では四月一日の実施が可能なのか、それは事務的にも。不可能だろうというふうに思わざるを得ないわけです。しかし、五月実施なら可能じゃないかというふうに思いますが、五月実施の可能性について、大臣はどういうふうに御認識されますか、私は可能だと思います。
#49
○国務大臣(岩崎純三君) 今、私が法案成立後のいろいろな作業についてある程度具体的に申し上げたわけでございますが、さらにこういう作業があるんだということを、まず政府委員の方から答弁をさせていただきたいと思います。
#50
○政府委員(山田馨司君) ただいま大臣から詳しくお話がございましたので、余りつけ加えることはございませんけれども、従来国家公務員の週休二日制につきましては、四週五休制を導入したとき、また四週六休制を導入したとき、それからいわゆる土曜閉庁方式を導入したとき、いずれも行政機関だけでなくて、国会、裁判所等も同時に一体となってやろうという方針で来ておりますし、一地方自治体の地方公務員につきましても、できるだ
け国家公務員と均衡のとれる形で実施に入れるようにというようなことを配慮してきております。
 そういった点で、先ほど大臣からお話し申し上げましたように、いろいろな関係方面との協議といいますか、実施時期についての調整が必要であるということ。それと、一般国民にとってみますれば、これまで第一、第三、まあ第五がたまにありますけれども、そういった土曜日には役所はあいているということであったのが、これからは土曜日はいつも閉まるということになるわけでございますので、その辺国民の間によく周知徹底してから実施に入る必要があるというふうに考えておりまして、広く一般国民に周知するためには、マスコミを活用した広報が必要ではないかというふうに考えております。
 マスコミを利用した政府広報につきましては、総理府の広報室の方で各省庁の要望を受けまして、一、二カ月前から広報テーマを決めまして準備し、実施する、こういうシステムになっておりまして、そういった点で、広報に要する期間、並びにそういった広報関係につきましても、それぞれの関係機関との連絡、調整、準備、こういったことに時間がかかるわけでございまして、五月一日実施が可能かどうかということについて、今ここでお答えすることはできないということでございます。
#51
○喜岡淳君 今のお話、私は非常に疑問の多いお答えではないかと思います。
 この新聞は、コピーですが、一九八八年十二月二十七日付の読売新聞でございます。これには、「政府広報 総務庁」、ここに広告が出ております。「国の行政機関は来年一月から第二・第四土曜日が休みになります。」「来年一月」というのは一月一日、これが出ておるのは十二月二十七日付です。三日か四日先のことでしょう。先般の四週六休土曜閉庁を行った際、四週六休の土曜閉庁というのは、月四回ある土曜日のうちの二回の閉庁を決めたわけですね。今度問題になっておるのは残りの二日をやろうということです。同じ問題をやるんですよ、前回と今回と、特別に何か大げさなことをするようにおっしゃっていますけれども。
 前回、四週六休閉庁を決めたとき、確かにおっしゃったようにテレビ、新聞広報をやっておられます。例えば夕刊フジ、これは十二月二十七日に出しただけじゃないですか。テレビの宣伝をやったと言うけれども、十二月二十日から二十六日まで一週間しかやっていないじゃないですか。とにかく、四週六休をやったときには、法案が成立したのが十二月九日、参議院本会議で可決、実施されたのはそれから一カ月もたたない一月一日だったはずです。
 ですから、準備とか広報とかおっしゃいますけれども、やればできるじゃないですか、四回ある土曜日のうち二日はもうできているんですから。これが一カ月以内にやれたんですから、どうして残りの二日をするのが事務的な問題で一カ月以内にできないのか、ぜひそこをお答えください。大臣、お願いします。
#52
○政府委員(山田馨司君) 昭和六十三年のことだったと思いますので私も詳しくは存じませんけれども、あのときは秋の臨時国会に法案が提出されておりまして、その年度中に実施するという政府の方針がございました。一月から三月までの間には実施するということは決まっていたわけでございます。それと、臨時国会ということでございまして、各党の御賛成がいただける法案なので、恐らく臨時国会の会期末までには成立するであろうという見込みのもとに、十二月九日のあの法律の成立する前から広報等についていろいろ関係方面と連絡いたしまして、もし法律が成立した場合には直ちに広報ができるようにということで内々の準備を進めておったわけです。もちろん、その場合、もしだめになった場合はということで代替案も考えてあったわけですけれども、そういったことで、昭和六十三年の場合は十二月九日に法律が成立した後、一月一日実施が可能であったということでございます。
 今回の場合は、つい先日まで三月中にこの法案を処理していただけるかどうかということもわかっておらなかったわけでございまして、そういった面であらかじめ法案の成立を見込んでといいますか、予想を立てて広報活動等についての準備に入るということが全然できておらないわけでございまして、そういう準備をこれからすることになりますので、その点が土曜閉庁を導入したときと今回との違いであるというふうに考えております。
#53
○喜岡淳君 内々に準備をして年度中にやると決めていたから早かったんだというのは、全く説得力のない言葉だろうと思います。もう早くから、去年の夏から人事院は平成四年度の早いうちにやりなさいと、そういった勧告を出しておるんですから、準備ができていないと言う方が職務怠慢じゃないですか。それは、あなたたちが仕事を怠けたということの今のは証明になるんですよ。私はそう受けとめておきたいと思います。
 それで、この五月実施が私は可能だと思いますもう一つの根拠は、困難職場と言われてきたあの病院です。病院だって一カ月でやっているじゃないですか。
 これは平成三年三月二十八日の私が集めた新聞です。朝日新聞宮城版、毎日新聞宮城版、読売新聞仙台圏、産経新聞宮城版、この四紙を見ますと、東北大学医学部附属病院の土曜休診のいわゆるマスコミを通じた周知がついております。どの記事を読みましても、三月二十七日、東北大学医学部附属病院が来月の二十七日から土曜休診をすると発表した、こう書いてあるわけですね。つまり、あの困難職場だと言われてきた病院職場でさえ、土曜休診の問題で三月二十七日に新聞発表をして四月二十七日からは実施がされている。ですから、やろうと思えばこの困難職場の病院でさえ土曜休診を一カ月でできておるわけです。それがどうしてほかの官報の職場で長い間かかるのか、私はちょっと解せないわけです。
 そういう意味からも大臣にお尋ねをしたいと思うんですが、政治判断とか何かがあるのは、そんなものは全く別にして、事務的な問題として受けとめていただきたいと思います、今からの質疑は。
 事務上の処理として、もしきょうこの法案が成立をいたしますと、五月実施が事務的な上から言えば可能なのか不可能なのか、これをお答えいただきたいと思います。
#54
○国務大臣(岩崎純三君) 端的に申し上げますけれども、きょうもし法律が上がる、そして先ほど申し上げたような幾つかの手順があるということになりますると、そうした事務を預かる総務庁といたしましては、仮に五月からやりますと言って、手順が整わず周知も十分に行われず実施して国民生活の中に混乱を起こさせる、あるいは行政諸官庁の、もろもろのいろいろな業態を抱えておるわけでございますから、そういう中に混乱が起こってしまっては、これは好ましくないことでございますので、やはり従来から二カ月程度の期間が必要である、こういう考え方でこの問題に取り組んでまいったわけでございますので、現在のところいつ行うかということについては、申しわけございませんが、確たる日にちの決定については申し上げる状況にないと申し上げざるを得ないところでございます。
#55
○喜岡淳君 二カ月ということが今大臣の口から聞かれたわけですが、私はこの二カ月というのは事務的にいってどうしても理解できないわけです。
 時間の都合でお願いということになるかと思いますが、ぜひ検討していただきたと思うことがあります。
 一つは、各省庁は昨年十二月二十七日の閣議決定を受けてもう既に内部での準備態勢は終わっておると私は聞いております。
 二つ目に、四週六休土曜閉庁を実施した際、あのときは国会で法律が成立して一カ月以内の実施が行われております。つまり、月四回ある土曜日のうち二日の閉庁が一カ月以内でできておるわけです。問題は残りの二日をどうするか。今までにたくさんのポスターの経験もある、周知徹底、準
備の経験もあるのにもかかわらず、なぜ今度の土曜日二日分閉庁することが一カ月以内にできないのか。これは全く国民には理解のできない今の御説明だと思います。困難職場の病院でさえ一カ月でやり切っておる、こういった事実も踏まえるならば、私は事務的な手続としては間違いなく一カ月以内にできるだろうと思いますし、各省庁は既にその準備態勢が終わっておる。私の調べた範囲では確信を持っております。二カ月以内にやったからといって問題が起きる、そういう状況ではなくて、逆にいつやるのだ、いつやるのだと、これが今職員の士気に対しても大きなマイナス要素になっているということを大臣に申し上げまして、一言御見解をいただきたいと思います。私は実務上は五月実施が可能だと思います。
#56
○国務大臣(岩崎純三君) 結論から先に申し上げますると、先ほども申し上げましたとおり、閣議におきましても平成四年度のできるだけ早い機会に実施する、こういう決定をいたしておるわけでございますから、その線に沿って最大限の努力をいたしていきたい、こう思います。
 なお、先生、私の答弁に対しまして二カ月という言葉が出たがというお話があったわけでございますが、二カ月程度かかる、こういうことでございますので、重ねてこの点については答弁をさせていただきたい、かように思います。
#57
○喜岡淳君 勧告の制度の趣旨にもかかわってまいりますので、平成四年度の早いうちというのは四月でございます。それが無理ならばやはり五月にやっていただくことが、今職員の士気を高めること、年度末の仕事に忙殺されて、年度の初めの仕事でまた忙殺されて、まず、そういった職員に対する最大の国としての温かいプレゼントということも忘れてもらっては困ると思うわけです。さらに、日本じゅうの労働時間短縮に向けたこれが大きな先導役として、今、岩崎大臣に対しては日本じゅうの期待と関心が集まっておりますので、ひとつ間違いのないように五月実施を要望して私の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
#58
○三石久江君 三石です。
 私は、完全週休二日制問題について質問させていただきます。
 日本が国全体として労働時間の短縮、週休二日制を進めていく中で、特に国家公務員の完全週休二日制は、地方公務員や中小企業の完全週休二日制、労働時間短縮への社会機運を高めることにもなり、一日も早い実施を望むものであります。
 そこで、まず総務庁にお伺いいたします。
 完全週休二日制実施に伴い解決すべき課題が幾つかありますので、これらの中身について具体的にお伺いいたしますので、易しくわかりやすく真摯な答弁をお願いいたします。 一般職給与法及び人事院規則十五−一、職員の勤務時間等の基準ですね、これに基づく四週六休体制のもとでの国家公務員の一週間の勤務時間は週休土曜日のある週は四十時間、それ以外の週は四十四時間で、一交代制職場の職員については一週間当たり四十二時間と定められており、現在四週六休体制において平均四十二時間、船員等交代制職場の国家公務員は平均四十四時間となっております。
 そこで、総務庁にお伺いしますが、現行の四週六休体制における国家公務員の年間勤務日数、年間休日日数及び総労働時間は何時間となっておりますか、御説明ください。
#59
○政府委員(山田馨司君) 勤務日数等につきましては、祝日と土日が重なる場合とか、年末年始の休日と土日が重なる場合とかいろいろございますので、例えば平成四年の例をとって申し上げますと、現在の四週六休制のもとでは年間の勤務日数は二百七十一日になります。休日の数は九十五日でございまして、いわゆる所定勤務時間は二千六十四時間でございます。総労働時間につきましては、これにあと超過勤務時間が加わりますし、所定労働時間のうち年次休暇等の休暇をとった時間数は減りますので、今直ちにお答えできませんけれども、所定内の労働時間はそういうことでございます。
#60
○三石久江君 ただいまの御答弁によりますと、四週六休の現体制における年間勤務日数は二百七十一日、年間休日数は九十五日、そして法定勤務時間がこの資料によりますと二千二百時間、夏季休暇三圧を消化すれば千九百三十六時間となるということですか。
#61
○政府委員(山田馨司君) 法定勤務時間はたしか二千二百時間になると思います。それから、休日の勤務をしない日を引きまして年間の所定勤務時間が二千六十四時間、こういうことでございます。
#62
○三石久江君 では、完全週休二日制が実現すれば現行の年間勤務日数はどれだけ減少し、年間休日数はどれだけ増加し、勤務時間は何時間短縮されて、総労働時間は何時間になるのかお聞きしたいと思います。
#63
○政府委員(山田馨司君) これも平成四年の場合でお答えいたしますと、完全週休二日制になりますと勤務日数は二十六日減って二百四十五日になります。それから、年間の休日数はこれは二十六日ふえまして百二十一日になります。所定勤務時間は二千六十四時間から千九百六十時間へということで約百時間減ることになります。
#64
○三石久江君 ただいまの御答弁でありますけれども、今の答弁は公務員の目標は千八百時間ではありませんか。そのためには年次休暇二十日間を消化して初めて達成するものと思いますけれども、いかがですか。
#65
○政府委員(山田馨司君) この所定勤務時間から年次休暇二十日分の勤務時間を引きますと千八百時間ということになります。
#66
○三石久江君 今の答弁は公務員の勤務の実態を正確にあらわしたものではないと思うんです。なぜなら、この年休二十日消化というのは二十日間を完全に消化した場合という単なる試算でしかなく、公務員の年休消化の実態をあらわしたものではないはずです。
 そこで長官に伺いますが、完全週休二日制を実施した場合の年間所定内勤務時間の千八百時間の前提条件の一つに、年休の日数が二十日間となっておりますが、現在、公務員の年休の消化日数は何日となっておりますか。
#67
○政府委員(山田馨司君) これは人事院の調査でございますけれども、平成二年におきまして二十日の年次休暇のうち取得したのが十二・九日でございまして、使用率が六五%ということになっております。
#68
○三石久江君 現在の公務員の年休消化日数が十二・九、十三日ということをもとにして年間所定内勤務時間を出すと千八百五十六時間になり、夏季休暇の三日を完全に消化したとしても、年間所定内勤務時間は千八百三十二時間となります。一日八時間勤務でありますので、千八百五十六時間は七日、一週間分、千八百三十二時間は四日分の誤差が出ます。これは当然経済運営五カ年計画で目標としている千八百時間、また、ただいまの答弁にもあった千八百時間にはなりません。完全週休二日制実現にたいする評価は少し甘いのではないかと思うわけです。
 そこで改めて伺います。
 長官、真に公務員が千八百時間労働を確保するためにいかなる対策を実施しなければならないとお考えですか、お伺いいたします。
#69
○国務大臣(岩崎純三君) 完全週休二日制にあわせまして超過勤務時間の短縮、また年次有給休暇の計画的な使用、こういった問題について促進をし、今後さらに努力をいたしてまいりたい、かように考えております。
#70
○三石久江君 次に、総務庁にお伺いいたします。
 平成二年十二月二十五日付の人事院の職員局長名で「年次休暇及び夏季休暇の計画的使用の促進について」という通知が各省庁の官房長あてに出されております。これによれば、第一として、年休の使用を促進するため、業務の計画的遂行、応援体制の整備等により、年休を取りやすい環境づくりに努めよ。第二として、各職場において、個人別の年休使用計画表の作成、職場の実情に応じた年休まとめ取り期間の設定などの方法により、年間
を通じた年休の計画的使用の促進を図るよう努めること。こういうことが指示されております。簡単に言いますと、十分に二十日間取りなさいと言っているわけです。
 ところで、昨年十二月二十七日の「完全週休二日制の導入について」と題する閣議決定は「完全週休二日制の導入に当たっての留意点」として、「行政サービスを極力低下させないため、事務処理体制の整備に努めるとともに、緊急時の連絡体制の確保等の各般の工夫を行う。」また、「現行の予算・定員の範囲内で実施する。」といったことを挙げているのであります。昨日、総理大臣も本会議で我が党の質問に対して答弁をいたしております。
 人事院の職員局長通知は年休をなるべく消化しなさいという趣旨であるのに対し、閣議決定は休むについても、たとえ週休二日制になっても行政サービスの低下はしてはならない。また、現在の予算、定員の範囲内で実施せよというものであり、この二つは相反する内容のものと受けとれるのです。公務員の職場においては、まさに業務処理と年休消化というこの二つの矛盾があり、完全週休二日制を実施すれば混乱が生じることが予想されます。
 長官、業務処理と年休消化という矛盾の解決についてどのような解決策を持っておられるのか、お伺いいたします。
#71
○政府委員(山田馨司君) 今、人事院からの各省庁への通知のお話が出ましたけれども、総務庁といたしましても年次休暇の取得の促進ということについては、かねてから力を入れておりまして、毎年度、人事管理運営方針というものを各省庁の同意を得まして決定して、これに基づいて各省庁それぞれ人事管理運営を行っておるわけでございますけれども、その中の一つの項目として、労働時間短縮も重点項目の一つとして取り上げておりまして、「年次休暇の計画的使用の促進」についても書いております。ちょっと読み上げさせていただきますと、
 年次休暇の計画的使用の促進に努める。特に、
 夏季休暇の前後における年次休暇の使用、年間
 を通じて適切な時期における年次休暇のまとめ
 取り等を促進し、連続休暇の普及を図る。この
 ため、職場の実情に応じ計画を作成するととも
 に永年勤続表彰特等の機会をとらえて年次休暇
 を取得することを奨励するなど休暇を取得しや
 すい環境作りを一層積極的に推進する。と比較的具体的に詳しく書いておりまして、従来からこの年次休暇の使用率をもっと上げたいということで各省にもお願いしておりますし、各省それぞれ御努力いただいておるところでございます。
 したがいまして、今回の十二月二十七日の完全週休二日制実施に関する閣議決定の中にはこのことは入れてはおりませんけれども、従来から当然そういう年次休暇の取得の促進ということは進めなければならないというふうに考えております。
 ただ、超過勤務につきましては、土曜日が休みになった分超過勤務がふえるということでは勤務時間の短縮になりませんので、その点特に留意すべきだということで留意点の一つに、引き続き超過勤務の短縮に努めるということも規定しておるわけでございます。
#72
○三石久江君 るるお聞きいたしましたけれども、サービスの低下はさせない、予算増はない、定員増はないという三ない主義。しかし、週休二日制の完全実施になれば毎週土曜日、日曜日休めるので年休の消化が現在よりも少なくなって、千八百時間の達成は難しいのではないかと私は危惧いたしますが、いかがですか。
#73
○政府委員(山田馨司君) 公務員の週休二日制につきましては、従来から行政サービスを極力低下させないように工夫すると、それから予算、定員の増を行うことなく現行の予算、定員の範囲内で行うというようなこと、それから先ほど申し上げました超過勤務の短縮にも努める、こういったことを留意点として進めてまいったわけでございます。
 これは、基本的には民間における労働時間の短縮が厳しい合理化努力の中で行われているということ、それから行政改革についての国民的な要請があること等を踏まえまして、政府部内でいろいろ検討を行った結果、事務処理体制の整備、公務能率の向上によって勤務時間を短縮するのが適当であるという判断のもとに立てておる方針でございます。従来土曜日に年次休暇をとっておった方が、土曜日休みになったのでその分年次休暇をとる必要がなくなるので、年次休暇の取得率が落ちるのではないかというお話でございますけれども、これはそういうことのないように、先ほど申し上げましたように、年次休暇につきましてはこれを完全に使用するということが基本的な方針でございますので、その線に沿って引き続き努力してまいりたいというふうに考えております。
#74
○三石久江君 ちょっとわからないことがありますけれども、時間がありませんので次に超過勤務についてお伺いいたします。
 せっかく週休二日制になっても、超過勤務がふえたのでは週休二日制の意味がないと思います。完全週休二日制の実施に当たって、従来土曜日に処理していた業務を月曜日から金曜日のウイークデーに行うことによって超勤がふえるといったことが予想されます。現在、各省庁の平均の超勤時間は何時間になっておりますか。また、完全週休二日制実施に伴い、その超過勤務時間がどのように変化すると考えておられるのか、見通しの御説明をお願いいたします。
#75
○政府委員(山田馨司君) 超過勤務の時間数は職場によってかなり差がございまして一概に一言えないわけでございますけれども、中央省庁の場合は月約二十時間程度の超勤があるものと思っております。
 それから、ただいまの御質問でございますけれども、業務量が何も変化しないで休日がふえれば、当然平日の勤務時間数がふえなければ仕事は処理できないはずではないかと、こういう理屈になるわけでございますけれども、実際には役所の仕事というのも年々合理化といいますか、能率が上がってくるわけでございまして、例えば大ざっぱに言いまして、従来からやっている古い仕事と新しい仕事と、こうありますと、新しい仕事が次々にできてくるものを消化していくということで、古くからある仕事についてはできるだけ簡素化、合理化を図り、また機械化とかコンピューターを入れるとか、新しい技術を取り入れるとか、そういったことによって合理化が進んで、いわゆる民・間で言えば労働生産性といいますか、公務能率が上がっていくわけでございます。
 これまで、四週五休制から始めまして、これは四週五休制はたしか昭和五十六年から実施したと思いますが一次に四週六休制、今回完全週休二日制とい。くわけでございますけれども、そういった全体の期間の中で徐々に公務についての能率が上がり、従来よりも少ない勤務時間数で与えられた職務をこなしてきている、こういうことが実態ではないかというふうに考えております。
 そういったことで、今回の完全週休二日制につきましても、四週六休制を実施した後、いろいろな形で公務能率の向上を図り、特に一昨年からの交代制等職員については試行ということを行ったわけでございますけれども、そういった中で、いろいろ工夫を重ねながら従来の定員の範囲内でこの時間短縮をこなしていこう、こういうことで努力しておるわけでございます。
 そういった二とで、これまでも公務能率の向上によって勤務時間の短縮を実現してきましたし、今後もそういった方向で進まなくちゃならないと思っておりますし、特にこの完全週休二日制が導入されれば、それがまた一つのきっかけとなって公務能率の向上の努力を促進していくものになるというふうに期待しております。
#76
○三石久江君 今後もよく努力していただきたいと思いますが、完全週休二日制が実現したからといって、サービス低下を来さない方針のもとでは業務量が減少するわけではありません。逆に、月曜日から金曜日までに処理する一日当たりあるい
は一時間当たりの業務量が増加することは間違いないでしょう、だとすると、この業務量を処理するために超過勤務がふえるとか、非常勤職員の増員というご円とが起こってくることも考えられるのではないでしょうか。
 例えば、看護婦さんの週休二日制によって、一人二時間ずつ勤務時間が少なくなると二十名で四十時間、すなわち一名の補充が必要となりますが、長・官の御意見をお聞きしたいと思います。
#77
○政府委員(山田馨司君) 従来からの業務量が変わらず、公務能率も変わらないとすれば、お説のとおり勤務時間が減った分何らかの形で補わなくちゃいかぬということになるわけでございますけれども、ただいま御説明申し上げましたように、政府としては、そういうことにならないように合理化を図り、業務の簡素化を進め、機械化等も導入いたしまして、できるだけそういう形で超過勤務がふえるとか非常勤職員がふえるとかということにならないように対処してまいりたいというふうに考えております。
#78
○三石久江君 ちょっと今の御答弁は、何か気休めだな、甘いなというふうに感じておりますが、以上は定員内の職員についてでありました。
 総務庁にもう一つ、定員外の非常勤職員について伺います。
 現在の日々雇用とか非常勤職員は、週休二日制によって週二時間の給料が収入減になるわけです。この対策についてどうお考えでしょうか、総務庁一。
#79
○政府委員(山田馨司君) 非常勤職員のうち、委員、顧問、参与等の手当につきましては、一般職給与法第二十二条第一項等で日額の限度額等を規定しております。今般、完全週休二日制の導入をお願いしていることに伴いまして、この改正法案の中で同項を改正いたしまして、限度額を改正するようにお、願いしているところでございます。
 委員等以外の非常勤職員の給与につきましては、一般職給与法第二十二条の第二項によりまして、各省庁の長が常勤職員の給与との均衡を考慮し、予算の範囲内で支給することというふうにされております。したがいまして、各省庁において常勤職員との給与の均衡を考慮し、適切に対処していくものと考えております。
#80
○三石久江君 ただいまのお話を聞いておりますと、パート労働者、私が言うパート労働者といいますのは、いわゆる高額所得老ではなく日々パートに出ていらっしゃる女性の方、その方々のことを心配しているんですね。保障もないパート労働者にとっては生計上大変困ることになるわけです。パート労働者には、週二時間としても四回で一日分の収入がなくなるんです。不利にならないように、その点十分御配慮をお願いしたいと思います。
 次に、厚生省の方に国立病院・療養所の完全週休二日制についてお尋ねをいたします。 国立病院・療養所は、昨年の九月二十九日から十二月二十一日まで全国二百五十の国立病院・療養所の一割に当たる二十五の施設の医師、看護婦等約五万三千人が完全週休二日制、週四十時間の試行に入り、現在既に終わっているのでありますが、試行を終了した現在、厚生省はどのように評価されておりますか。
#81
○説明員(真野章君) 国立病院・療養所におきましては、先生御指摘のとおり、昨年九月二十九日から国立病院・療養所の一割でございます二十五の施設につきまして、昨年の十二月二十一日までの十二週間試行を行いました。そして、現在その後試行を継続いたしております。
 当初の十二週間の試行の状況の結果でございますが、試行期間中、試行の中断または打ち切りという事態は生じませんでしたが、従来土曜日に行っておりました検査機器等のメンテナンスまたは手術室の清掃というような業務を平日に行うということにいたしましたので、平日の業務量が増大をしている。それから、国立の療養所におきましては重症心身障害児病棟というのがございますが、そういうところの患者さんの食事の介助でございますとかおむつの交換、そういうものに要する時間がやはり増大をした。それから、若干でございますが、年次休暇の取得が困難になったり、突発的に休暇者が出た場合に代替者を確保するというようなことが難しくなったという状況の報告も受けております。
 しかしながら、今申し上げましたように、試行の中断、打ち切りというような事態は生じておりませんで、試行十二週間を経過いたしましたし、命御説明を申し上げましたように、二十五の施設では昨年の十二月の二十二日から現在なお引き続き試行いたしております。
 また、残りの二百二十五の施設につきましては、本年の一月十九日から三月の十四日までの八週間の期間の予定で試行に入りました。今申し上げましたのと同じような状況ではないか。ただ、試行の中断、打ち切りという事態は生じておりませんで、残りの二百二十五の施設につきましても三月十五日から引き続き試行をいたしておるわけでございます。したがいまして、現在二百五十の国立病院・療養所がそういう週四十時間制の試行を引き続き行っているという状況でございます。
#82
○三石久江君 評価は評価として、喜んで働ける職場体制づくりに今後も十分に励んでいただきたいと思います。
 次に、文部省にお伺いいたします。
 大学病院における週休二日制の試行結果、実施の計画について御説明いただきたいと思います。
#83
○説明員(喜多祥旁君) お答えいたします。
 国立大学病院の教職員につきましては、診療体制の見直しというのを行いまして、病棟部門と救急部門、これにつきましては土曜開庁、外来部門につきましては原則土曜閉庁ということで、昨年四月中旬から週四十時間勤務体制の試行を開始いたしまして、国立大学六十六病院全病院で試行を実施し、当初の実施期間終了後も引き続き週四十時間勤務体制の本格実施時期まで試行を継続いたしておるところでございます。
 今までのところ、試行中断に至るというふうな大きな問題はないというふうに承知をいたしております。
#84
○三石久江君 次に、二つお伺いいたします。
 学校教員の週四十時間の勤務時間についてはどのようになっていますか。
 また、本年九月から実施されるという小中高等学校における試行的な月一回の土曜休日と完全学校週五日制とでは問題は本質的に異なると考えます。試行的導入は、試行ということで当事者の特別の配慮を集めることができる。しかし丁それが完全週五日制として一般化したとき事態は大きく変わることになろうと思います。文部省としてはどのように移行するつもりなのか、お伺いいたします。
#85
○説明員(崎谷康文君) お答え申し上げます。
 国公立学校の学校週五日制につきましては、本年の九月から毎月一回、毎月の第二土曜日を子供だちの休業土曜日として実施をし、段階的に進めるということになっております。
 これに関しまして、教職員の勤務時間の取り扱いでございますが、毎月の第二土曜日につきましては、本年九月から勤務を要しない日とすることにしたいと考えております。
 なお、公務員全体につきまして週四十時間勤務制が実施されることになった場合には、国公立学校教員の勤務時間につきましても、基本的には一般の公務員と同様に週四十時間勤務制にする必要があると考えておりまして、その場合の教員の週四十時間勤務制の実施方法につきましては、これまでも児童生徒が登校する日に休みとするということは困難な状況でございますので、夏休み等の長期休業期間中に休む、いわゆるまとめどり方式によって実施をしておりました。そのまとめどり方式とあわせまして、先ほど申し上げました休業の土曜日を勤務を要しない日にする方法で対応したいと考えているところでございます。
#86
○三石久江君 次に、総務庁にお伺いします。
 平成四年度から第八次定員削減計画が始まります。国立病院・療養所の定員削減の実態はどのようになっておりますか。
#87
○政府委員(増島俊之君) 平成四年度から平成八年度にかけましての定員削減計画、新たな削減計画でございますが、第八次定員削減計画というものがスタートすることになっております。
 この国家公務員の定員管理の目的でございますけれども、これは歴代内閣といいますか、政府の強い方針として維持されてきているものでございますが、総数の膨張を抑制しまして、社会経済情勢の変化あるいは行政需要の動向に対応しまして、その適正配置を図ろうというものでございます。そして、定員削減計画といいますのは、そういうあらゆる行政部門、職種、非常に多くのいろんな職種がございますが、あらゆる職種を通じましてそういう努力を政府みずから行うという、そのための仕組みとして大変基本的な仕組みになっているものでございます。
 この定員削減計画自体をつくりますときには、いろんな職種別にいろいろ合理化あるいは効率化等によります定員削減の難易度、そういうものも勘案いたしまして決めているわけでございます。そういう積算の過程の中で、看護婦等の職務の性格上、合理化等の余地が相対的に小さい職種につきましては、いろいろ特段の配慮がなされているわけでございますが、この週休二日制の関係といいますか、週休二日制の導入そのものとして考慮されている、そういうものではございません。いわば並行して行われている仕組みであるということでございます。
 総括的に御説明しますと、大体そういうことでございます。
#88
○三石久江君 そこで、総務庁長官に申し上げておきますが、削減計画があるから何が何でもカットすればよいというものではないと思います。人員が必要な部門には適正な人員を確保するのも国民への行政サービスであると考えます。
 私は、現在過酷な労働を強いられている看護婦さんの皆さんが完全週休二日制を実現するためには、定員増も当然確保すべきであり、確保しなければならないと考えております。
 人事院は、一九六五年に二人以上の複数勤務で月八回という判定を出しておりますが、この複数、万八回勤務を実現するとすれば何名の定員増が必要か、正確な人数を明らかにしてもらいたいと思います。
#89
○政府委員(増島俊之君) これは毎年のことでございますけれども、国立病院あるいは療養所、国立大学病院におきます看護婦の定員につきましては、看護体制の充実を図るため等、特に重点的な増員措置が講じられてきておるところでございます。
 先ほど先生の御指摘にもありましたように、行政需要として非常に伸びているところ、必要なところ、そういうところにつきましては毎年度のいわば定員要求という形で出てきておりまして、そういうところに重点的に措置をするというのがこの基本の方針でございます。
 看護婦につきましては、当然その一つでございますので、今後とも各省庁の御要求に応じまして適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
#90
○三石久江君 今後とも適切にという誉言葉でございますけれども、努力をしていただきたいと思います。
 最後に、人事院にお伺いいたします。
 政府は、完全週休二日制を実施する前提として、行政サービスを低下させない、定員増は認めない、予算の増額は認めないという、いわゆる三ない主義の姿勢をとっております。
 一方、公務員の業務を見てみますと、行政事務の簡素・効率化などを推進する、公務能率の一層の向上を図ると閣議決定では言っておりますが、業務量の実態は増加こそすれ減少はしていないのではありませんか。私は、国民への行政サービスを現在よりも低下させないで行政事務を実施するということを考えると、OA化や簡素・効率化を進めても、簡素・効率化をできる限界があり、やはりマンパワーに頼らざるを得ないと思うのです。ですから、完全週休二日制実施には定員増、予算増は認めないといった姿勢は見直す必要があると考えますが、昨年の八月の人勧で完全週休二日制を国会、政府に勧告した人事院の総裁としてはどのような見解を持っておられるのか、お伺いいたします。
#91
○政府委員(弥富啓之助君) 公務の完全週休二日制を実施してまいりますためには、やはり何といいましても国民の理解と納得を得ることがこれは肝要でございます。
 翻って、先ほどからもお話がありましたように、民間企業におきましては、時短あるいは週休二日制を進めていく際には生産性向上のために懸命な努力をしておるところでございまして、こういうことを考慮いたしますと、公務におきましてもできる限りこれはやりくりを行い、定員、予算に影響を来さないような努力を行うことが必要であるというふうに考えております。したがって、導入に当たリましては、先ほど来お話がありますようにOA化もその一つでございましょう。事務執行体制あるいは執行方法の見直し、それから簡素化、事務委託の推進あるいは応援体制の拡充などを徹底させることによりまして一層公務の能率の向上に努め、業務執行体制の確立に努めることがこれは肝要ではないかというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、関係者におかれまして、国民の理解を得ながら完全週休二日制が円満に実施できるよう最大限の努力を傾注されているものと考えておる次第でございます。
#92
○三石久江君 時間が大変気になりまして、時計を見ながら舌足らずのところがありまして、まだ何か言い足りなかったとは思いますけれども、これで終わります。
#93
○委員長(梶原清君) 午後一時五分に再開することとし、これにて休憩いたします。
   午後零時二分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時五分開会
#94
○委員長(梶原清君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案、一般職の職員の給与等に関する法律及び行政機関の休日に関する法律の一部を改正する法律案、以上両案を便宜一括して議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#95
○太田淳夫君 現行法が失効する平成四年度以降、同和問題の解決に向けてどのように取り組むかという問題につきまして、地域改善対策協議会において一年にわたる精力的な御審議の結果、昨年十二月に意見具申として提出されたわけでございます。委員の先生方の御尽力は大変なものだったと深く敬意を表したいと思います。私は、この意見具申は大変画期的なものだと思っておりまして、政府は即座にこの提言の全面的な実施をすべきであると考えております。
 さて、政府は、国会での論戦の中でたびたび現行の失効後の方策については地域改善対策協議会の意見具申を最大限尊重して検討してまいります、こう答えておれるわけですが、まず、この意見具申を踏まえた政府の取り組みについてお伺いしたいと思います。
#96
○政府委員(小山弘彦君) 平成四年度以降の方策につきましては、政府としましては、昨年の十二月の地域改善対策協議会の意見具申を尊重して取りまとめた政府の基本方針でございます「今後の地域改善対策に関する大綱」に基づいて推進してまいりたい、このように思っております。
 具体的には、現行法制定の趣旨を踏まえ、真に必要な事業に絞って財政上の特別措置を五年間延長することとし、地対財特法の一部改正法案を国会に提出し、御審議いただいておるところでございます。これまでの地域改善対策の効果を測定し、同和地区の実態等について把握するため、しかるべき時期に全国規模の調査を行うこととし、その実施体制、方法等について慎重かつ早期に検討す
ることとしています。三番目には、今後の地域改善対策のあり方等について審議する機関として地域改善対策協議会を存続させることとしております。四番目には、今後、就労対策、産業の振興、教育、啓発等非物的な事業に重点を置いて施策を積極的に推進することとしております。五番目には、今後の地域改善対策を適正に推進するため、各種行政運営の適正化対策に一層積極的に取り組むこととしております。
 政府としましては、同和問題の一日も早い解決に向けまして、関係省庁、地方公共団体等とも緊密な連絡を図りつつ積極的に取り組んでまいる所存でございます。
#97
○太田淳夫君 本日、こうして審議を行っております改正法案は、昨年十二月の地域改善対策協議会の意見具申を尊重して講ずる法定措置であるという説明ですけれども、現行の地域改善対策特定事業のうち、平成四年度以降においても引き続き実施することが特に必要と認められる事業を五年間実施するとしております。
 確かに、二十三年間の同和対策の結果、深刻な差別が依然として後を絶たないものの、同和地区の生活環境も改善されてきており、したがって、事業の中には引き続き必要なものもあれば、また一般対策で十分対応できるものもあると思います。
 ただ、あくまで差別解消に必要な事業は今後も積極的に推進すべきだと思いますけれども、昨年末に行われました事業の見直しの考え方と内容について説明を願いたいと思います。
#98
○政府委員(小山弘彦君) 昨年末にいわゆる事業の見直しを行いましたが、これはやはり昨年十二月に地対協から出されました意見具申をもとにしているわけでございます。地対協の意見具申におきましては、二十三年間にわたる特別対策について、「国民に対する行政施策の公平な適用という原則からしても、できるかぎり早期に目的の達成が図られ、一般対策へ移行することが肝要である。」とした上で、「今後の対策の対象となる事業については、これまでの対策の成果として同和地区の実態が改善され一般地域との格差が相当程度是正されてきたこと等に鑑み、基本的な見直しを行い、真に必要な事業に限定して特別対策を実施すべきであり、見直しの具体的基準については六十一年意見具申を参考とすべきである。」という提言をいただいておるわけでございます。
 これに基づきまして、政府としては先ほど申しました大綱を定めております。その中におきまして、事業の見直しにつきましては、現行の地域改善対策特定事業につきまして、一つには、「可能な限り一般対策へ移行すること」、二つ目には、「既に事業目的を達成している事業やニーズの乏しい事業は、廃止又は整理合理化すること等の原則に従って基本的な見直しを行い、真に必要な事業に限定する。」ということとしたところでございます。
 この考え方に基づきまして、政府部内におきましては、現行の地域改善対策特定事業の見直し作業を行った結果、真に必要な事業としての現行五十五事業を四十五事業に限定したところでございます。さらに、この四十五事業のうち四事業は早期に実施が見込まれるものとして実施の時期を繰り上げて設定するとともに、二十六事業は今後とも継続して実施し、十五事業は事業の内容を整理する専修正した上で実施する、こういうことにいたしております。
#99
○太田淳夫君 次に、この意見具申では、「今日、物的事業が相当進捗し、これからは就労対策、産業の振興、教育、啓発等非物的な事業に重点をおいた施策の積極的な推進が重要な課題である」としております。私もこの差別の解消に向けてソフト面の対策の充実が不可欠だと思います。今後はこのソフト面の事業に力点を置いていくべきではないかと思うんですが、このソフト面の事業の充実にどのように取り組んでいかれる所存ですか。
#100
○政府委員(小山弘彦君) このソフト面に関しましても、意見具申におきましては、「今日、物的事業が相当進捗し、これからは就労対策、産業の振ていくという考えておりますが、総務庁といたしましては平成四年度予算におきまして啓発事業を積極的に推進するということとしております。総務庁関係の啓発予算につきましては、前年度に比べ一〇・九%増の七億七千三百万ほどを計上し、その充実に一層努めてまいりたい、こう思っております。
 具体的な方策といたしましては、総務庁では、地域改善対策の円滑な実施及び国民一般を対象とした差別意識の解消、これを図ることを目的としております。そして、事業としましては、大きく三つに分けますと、直轄事業として、国家公務員研修会、地方公共団体職員に対する指導者養成研修会、それから啓発地区会議の開催、啓発映画の企画制作など、それから二番目に、地方委託事業としましては、地方公共団体に対しまして講演会、研究会の開催、啓発資料の配付、テレビ、ビデオ、ラジオ、新聞という媒体を活用した一般国民を対象とする啓発活動を委託するということ、三つ目には、中央の委託事業といたしまして、中央の公益法人に対しまして啓発教材の作成配付、情報及び資料の収集、提供などを委託する、こういうことなどを意図しておりまして、関係省庁、地方公共団体等とも緊密な連絡を図りながら差別解消のために啓発活動に積極的に取り組んでまいりたい、このように思っております、
#101
○太田淳夫君 せんだっての衆議院の予算委員会の分科会等でも同僚委員から指摘をいたしておりましたけれども、福岡県などでは県の福祉事務所の職員が差別ビラをまいている、そういった重大な差別事件が発生しているわけですねしその他、総務庁としては、今年に入ってどういうような状況にあるか掌握されておりますか。
#102
○政府委員(小山弘彦君) 政府としましては、二十三年間にわたりまして、三たびの特別措置法に基づきまして生活環境等の改善あるいは心理的差別の解消、これに努めてまいったところでございます。これらの対策の推進により、差別の解消につきましても着実な進展を見ているところでござ
いますが、依然として差別事象の報に接することがあるのは私どもまことにやっぱり残念だと言うよりほかがないところでございます。
 総務庁といたしましては、従来から地域における啓発の推進に当たっての重要な役割を担う地方公共団体の職員に対する指導者養成研修会、これは先ほど申しましたけれども、具体的にはこれはもう十回開催いたしております。さらに、これは三泊四日の合宿の形で衰運は開催しております。いろんな講演やらそれから意見交換やらというようなプログラムも含めているところでございます。これまでに約二千四百人が受講しているという実績でございます。いろいろアイデアを凝らすということを実施しているわけでございます。また、国家公務員を対象とする研修につきましては、総務庁としては、中央省庁に勤務する課長以上クラスの幹部職員、それから一般職員分けまして、それぞれにふさわしい研修を毎年十二月の人権週間の期間中に実施してきているところでございますしその内容につきましても、講演会と啓発映画を組み合わせるなど創意工夫を凝らしているところでございます。
 本年度におきましては、幹部職員研修を二百人規模で、一般職員研修を千人規模でそれぞれ実施いたしました。今後とも広い意味で関係省庁との連絡を強化しながら同和問題に関するより効果的な研修を積極的にしてまいりたい。要は、やっぱり啓発にかかわる積極的な活動の充実、推進ということが大事であるとともに、研修もまた一つ大きな大事な要素であると思っております。
#103
○太田淳夫君 啓発活動を積極的に推進していくということで今いろいろとお話をされていましたけれども、私が申し上げましたのは、ことし福岡県でそういった事件があったですね、福祉事務所の職員が差別ビラをまいたということがあった、そういうような状況を総務庁としては、ほかにもいろいろと掌握をされていますかということをお聞きしているわけです。
#104
○政府委員(小山弘彦君) 差別が起きるということは私ども耳にしております。それが起きたときには、地方公共団体を通して報告があるものについては私どもは把握しております。できるだけいろんな全国的規模でも地方の実態というものを把握したい、こういうふうにふだんから思っておりますから、その情報があればぜひとも入れていただきたい、むしろお願いしているところでございます。
#105
○太田淳夫君 新聞報道によりますと、北九州市の約一千五百世帯の郵便受けに差別ビラがまかれていたり、あるいは佐賀市とか大分県にもそういうようなことがあるという報道がされているわけです。この二十三年間、いろんな面で啓発活動を積極的にやってきたとおっしゃるけれども、それでも後を絶たないというわけですから、相当この問題については深刻に考えていただいて、同和問題の解決の第一線に立つ公務員の皆さんでございますから、そういう方がやっているということは相当深刻に考えなければならない問題だと思いますし、どうか徹底した同和研修の強化というものを真剣に考え、取り組んでいただきたい、要望しておきます。総務庁長官、いかがですか。
#106
○国務大臣(岩崎純三君) 福岡の事件につきましては、先生のお話にございましたとおり、衆議院の予算委員会におきましても問題点として指摘をされたところでございます。
 国家公務員は国民全体の奉仕者であります。地方公務員はそれぞれの地裁の住民に対する全体の奉仕者でなければなりません。そうした立場にある者が行ってはならない、起きてはならない差別事件を起こしてしまったわけでございますから、極めて深刻な事件である、重大な事件である、このように私どもは受けとめております。
 地域改善対策協議会の意見具申における結びの言葉の中にも、二十一世紀に差別を残してはならない、また、国民一人一人がその問題を深刻に受けとめて取り組んでいかなければ心理的な差別の解消はできないと、かように提言をいたしておるところでございますので、その趣旨を踏まえまして、これからは特に啓発と申しましょうか、心理的差別、この点に重点を置いて同和問題解決のために努力をいたしてまいりたい、このように考えております。
#107
○太田淳夫君 総務庁長官の決意のほどをお話しいただきましたので、しっかり臨んでいただきたいということを再度申し上げておきます。
 この意見具申の中で、同和地区の実態や国民の意識等について把握するため、しかるべき時期に全国的規模の調査を行うと、こうされていますけれども、一体調査をいつごろ実施されるおつもりですか。
#108
○政府委員(小山弘彦君) 確かに、先生おっしゃいますように、昨年の意見具申におきましては、これまでの地域改善対策の効果を測定し、同和地区の実態や国民の意識等について把握するための全国的規模の調査をしかるべき時期に行うべきだと、こういうことを言われております。
 それを受けまして、私どもも大綱の中でも申し上げておりますように、調査は実施すると、そのための検討をしなければならない、こういうふうに考えております。
 それで、現段階におきましては、調査結果の客観性を保証できる実施体制、それから方法、それから内容等についてまず検討をしなければいけない、こういうふうに考えております。したがいまして、できるだけ早期に検討に着手するということがまず大事だと思います。客観性を担保できる実施体制と申しますのは、その中には地方公共団体の積極的な協力、それから民間団体の協力、双方向必要であります。そのような条件整備を行った上で実施の時期を定めていく、こういうことになろうかと思います。さらに、その実施をするためには費用が必要でございます。その費用の手当てもしなければならないということで、もろもろの条件を整えた上で実施の時期を確定してまいります。
 ただ、この種の調査は昭和五十年と昭和六十年に行われております。したがいまして十年というインターバルの期間を重視するなら昭和七十年相当の時期ということがありますが、私は、そういう十年インターバルという時期にとらわれる必要はないと思います。ある程度早い時期に実施できるように努力してまいりたい、こう思っております。
#109
○太田淳夫君 最後になりましたけれども、先ほど総務庁長官もおっしゃっておりました意見具申の中に、この「同和問題は憲法に保障された基本的人権の問題であり、二十一世紀に差別を残してはならないという固い決意をもってことありますが、総務庁長官、先ほどお話がありましたけれども、再度この同和問題の早期解決に向けての総務庁長官の決意をお伺いしたいと思います。
#110
○国務大臣(岩崎純三君) 同和問題は、我が国憲法によって保障されております基本的な人権にかかわる重要な問題である、このように認識をいたしておるところでございます。したがって、政府といたしましては、昭和四十四年以来二十三年にわたりまして特別措置法に基づいて関係諸施策を推進してまいったところでございます。
 その結果、生活環境の面やあるいは対象地域の実態等々につきましては相当な効果を上げてまいりました。そして、全体的にも大きな成果を上げておるところでございますけれども、残念ながらまだ幾つか取り残された事業も残っておるわけでございまして、平成四年度以降、物的事業につきましても引き続き取り組んでいかなきゃならぬし、また非物的な事業、先ほど申し上げたように今後ともさらに努力を続けていかなきゃならない、そうした事業があるところでございます。
 そのために、政府といたしましては、昨年十二月の地域改善対策協議会の意見具申を尊重いたしまして、現行の地対財特法の制定の趣旨を踏まえまして、真に必要な事業に限りまして財政上の特別措置法を五年間延長することといたし、地対財特法の一部改正法案を今御審議いただいておるところでございます。そして、先ほども申し上げましたとおり、当総務庁といたしましては、まさに
二十一世紀に差別を残してはいけないんだ、そうしたかたい決意を持ちまして関係行政機関並びに地方公共団体等々と連絡を密にしながら問題解決に向かって今後さらに一層努力をいたしてまいりたい、かように考えております。
#111
○太田淳夫君 今、春闘がいろいろと行われております。その中で時短の問題もいろいろと論議されているようでございます。今回のこの国家公務員の完全週休二日制のための法案は、単に国家公務員に完全週休二日制を導入することとしている点に意義があるばかりでなくて、そういった民間労働者を含めて我が国の労働時間短縮に一層の拍車をかけていこうとしている点に戦略的な意義を有しているものと思われるわけでございますが、そういった意味で、法案に完全週休二日制の実施時期を明記して、国民の関心をもっとこれは駆り立てるべきであったと思うんですが、その実施時期を公布の日から六カ月以内の政令で定める日としていることはまことに残念だと思います。
 しかしながら、成立を目前に控えておりますし、政府はこの法律が成立した後速やかに公布をして、昨年八月の人事院勧告の言う「平成四年度のできるだけ早い時期」の完全週休二日制の実施を期すべきではないか止思いますが、その決意のほどを総務庁長官にお示しいただきたいと思います。
#112
○国務大臣(岩崎純三君) 午前中の喜岡先生の御質問にお答えいたしましたとおりのいわば繰り返しの答弁になってしまいまして大変恐縮でございますけれども、国家公務員の完全週休二日制につきましては、一昨年八月、人事院から勧告を受けました。それを受けまして導入に向けて検討いたし、昨年十二月に、平成四年度のできるだけ早い時期に実施をする、そういった内容等を含めた方針のもとに閣議決定をいた。したところでございます。したがって、この閣議決定を踏まえまして、実施時期につきましては先ほどもお話しいたしたところでございますけれども、国会あるいは裁判所等との協議の整備を図りながら、国民への周知徹底という作業も踏まえつつ実施時期につきましては進めてまいりたい。今、まさにその法案の御審議をいただいておるさなかでございますので、確定日につきましては確かなことを申し上げる状況にはございません。
 しかし、総務庁といたしましては、まさに平成四年度のできるだけ早い機会に実施をしていきたい、こうした決意をもって取り組んでまいりたいと、このように考えております。
#113
○太田淳夫君 誠意をもって対処するということでございますけれども、ある程度の目標を決めてやりませんと、もう法律がきょう本会議あれば成立するわけですからね。腹の中というよりもちゃんともう総務庁としては計画つくってやっているんじゃないですか、スケジュール組んで。いろんな状況等もあろうと思いますけれども、もっと明確に言えませんか、どうですか。
#114
○政府委員(山田馨司君) 午前中もまだ準備してないというのは怠けているんじゃないかというふうにおしかりを受けましたけれども、この法案につきましては、きのう衆議院きょう参議院ということで御審議いただくということが決まったのがごく最近のことでございまして、そういった意味で、これまでいつこの法案が成立するかということについての見通しが立たないような状況にございました。したがいまして、総務庁としては、関係方面に対していつ成立するか見当もつかないのに準備だ準備だというわけにもなかなかまいりませんで、そういったことで、もし本日本会議で可決されまして、成立しましたときには速やかにそういった諸準備にとりかかりたいというふうに考えております。
#115
○太田淳夫君 局長の答弁もわかるわけですが、この問題は昨年からずっとこの委員会で論議されているあれを見ますと、もう四月一日から完全に実施しなさいよという要求が多かったわけですからね。もっとゆっくりでいいよなんという意見はないんですから。総務庁としてもそれなりに準備はしてまいっていらしたと思います。いろんな調整もあろうと思いますが、できるだけ早くこの問題については実施できるはうにお願いしたいと思います。
 これで終わります。
#116
○吉川春子君 まず、地対財特法について質問をいたします。
 現行法は五年前に、過去十八年間にわたる特別法に基づく対策の成果と反省を踏まえ、かつ国民的合意に立脚しつつ実施することとし、同和問題の真の解決に資するものとするために適正化措置を講じ、現行特別対策の一般対策への移行を円滑に進めるため、最終の特別法として五年の時限立法として制定されました。したがって、本法律は本来今年度をもって失効させるべきものであります。しかし、一部に事業の取り組みがなおおくれている地域が見られるなどとして、現行法の有効期間を五年間延長するため地対財特法の改正が行われるものです。
 そこで伺いますが、昭和六十二年、地対財特法制定当時予定した地域改善対策特定事業の事業量は六千四百四十二億ですが、それの平成三年度までの執行額及び平成四年度以降の事業量は幾らになりますか。
#117
○政府委員(小山弘彦君) 執行額は四千八百億円ぐらいになりまして、今後の残が三千二百六十七億円程度、こうなるわけであります。
#118
○吉川春子君 今の数字を単純に差し引きますと、千六百四十二億にしかならないわけです。しかし総務庁は、平成四年度以降の事業量を今のお答えで二倍に近い三千二百六十七億としています。五年で倍近い数値の誤差が出た理由はどういうところにあるんでしょうか。
#119
○政府委員(小山弘彦君) 結局、五年間現行法でやってまいりまして、私どもはやっぱり効果というものを把握した上でその後の行政を判断しなきゃいけない、こういうことになったわけでございます。したがいまして、昨年の秋の時点におきまして、関係各省庁、事業にかかわっている各省庁が地方公共団体を通して調査し精査した結果でございます。
 申し上げますと、地対財特法制定当時に予定していました事業量のうち、この五年間の執行額、これは見込みとして、現在も今年度ですから見込みとして四千八百億円、こういうことでございます。ただ、当初の六千四百四十二億円というのは、これは昭和六十一年度の価格で見積もった額、こういうことが一つはあります。それで、四千八百億円となったこの中には、その間の、五年間の間の建設単価の増、それから事業計画の変更、事業計画は当初あったものでありながらも、やはりきちっとするためにはこれもしなきゃならない、こういうこともしなきゃならないということが出てくる部分があるわけでございます。それに伴う事業費の増が含まれている、こういうことでございます。
 平成四年度以降に見込まれる三千二百六十七億円につきましては、これは今述べたような諸事情による変更もございますが、少し具体的に申しますと、予定事業が用地費の上昇等や建設単価の増など、事業計画の変更もあわせて事業費の増と、こういうふうになったというように聞いております。
#120
○吉川春子君 五年で二倍もの差が出てくること自体大変問題なんですが、続いて伺いますけれども、地対財特法制定当時予定した事業以外の平成三年度までの執行額、また来年度以降も事業量として予定している額は幾らになりますでしょうか。
#121
○政府委員(小山弘彦君) 当初予定した以外の事業ということでございますね。
#122
○吉川春子君 そうです。
#123
○政府委員(小山弘彦君) それにつきましては、平成四年度以降に六百二十一億円残っております。それから、平成三年度までの執行見込みは千五百九億円、こういうことでございます。
#124
○吉川春子君 六十二年に現行法ができたときに予定していないものまで執行されているということと、さらに残事業として認定したものが六百二
十一億もあるというのは、これは私は大変問題であるというふうに思います。残事業として行うべきものの範囲を明確にして、それで残事業についてはきちんとした基準に基づいてあいまいなものが残らないようにやるべきだと思います。どうですか。
#125
○政府委員(小山弘彦君) 私もそのとおりだと思います。
#126
○吉川春子君 私は、幾つかの自治体にこの問題で調査に入りました。滋賀県の日野町では、二十三年間の同和事業の成果を踏まえて、住民と自治体が一体になって感動的な同和事業の完了祭まで行っています。これは、あすに向かって豊田地区環境改善事業完了記念ということで、同和事業のおかげで地区は立派になったというそのときに記念として出されたもので、ビデオも拝見しましたけれども、町長に感謝状まで贈ったりしてなかなか感動的なものなんです。大津市でも同和対策課を今年度いっぱいで廃止して、ほとんどのものを一般行政に移行させるということにしております。
 一方、大阪、福岡、ここの自治体では残事業として国に報告している数値は大変大きいと聞いています。自治体によってこんなにも違う。この差は一体どういうところから出てくるんでしょうか。しかも残事業の数字、それだけの数字が出てくるという根拠はなぜそうなるとお考えなんでしょうか。私は、地方自治体の段階でも残事業をオープンにして不明朗さをなくして、国民にわかりやすくすることが必要だと考えますが、この問題についていかがですか。
#127
○政府委員(小山弘彦君) ただいま法律をお願いしているわけでございますが、結局、一部地域においては事業のおくれがある、これをどういう形で今後解決するかということで、私どもはこれはやはり地対協の意見具申の中にもありましたけれども、あの中では「法的措置を含め」と、こういう表現でございましたが、私たちはこの完結に向けて法的措置によりという認識でやるわけでございます。
 それは、やはり一部残事業の残っているところが多い。さらに残事業につきまして私どもが配慮しましたのば、これは地域改善対策としてまず実施することが真に必要であるかどうか、それから実施の見込みが明確であるかどうか、さらに、事業の実施によって周辺地域との均衡を失することがないかどうか、これらいろんな要素を、事業を持っている省庁が地方公共団体を通じて精査しながらまとめ上げたものでございまして、その方法並びに認識はそういうことで正しいんではないかと思っております。
#128
○吉川春子君 平成三年二月六日付で「地域改善対策の実施及び適正化について」という通達をお出しですね。その内容はどういう内容なんですか。特に地方自治体の事業運営の適正化に関する部分についてお示しいただきたいと思います。
#129
○政府委員(小山弘彦君) 先生おっしゃいました通達は、これは関係省庁の局長から地方自治体あてにお出ししたものでございます。これは大きく分けますと、関係施策の見直し、個人給付的事業の適正な運営、公的施設の運営、同和問題についての研修等の拡充という、大きく四つの柱で細部に……。
#130
○吉川春子君 事業の見直しだけでいいです。事業の見直しのところだけで結構です。
#131
○政府委員(小山弘彦君) 事業の見直し、これちょっと読ませていただいてよろしいですか。
 国においては、昭和六十一年度まで行っていた
 地域改善対策事業について見直しを行い、その
 結果、事業を一般対策へ移行、又は廃止するな
 として、昭和六十二年度から真に必要な事業に
 限定して実施しているところである。地方公共
 団体が独自に実施している関係施策について
 は、昭和六十一年度及び昭和六十二年度におい
 て事業の見直しを行わず、かつ、その予定のな
 いところが若干ではあるが見受けられる。地対
 財特法施行通達の趣旨に沿った事業の見直し及
 び事業運営の適正化に努められたい。こういうことでございます。
#132
○吉川春子君 国のそういった適正な指導が非常に求められていると思います。
 それで、先ほど来問題になっております調査の件でお伺いいたしますけれども、総務庁長官は、同和事業の効果などを認めるため全国的な調査を行いたいと言われました。それは意見具申にも書いてあります。調査対象地域についてですけれども、現行法は新たな地区指定は行わないことを法文に明記して、現在国が把握している同和地区は三十六府県、千百二十七市町村、四千六百三地区です。もし万一未指定地域を含めて総合的、抜本的な全国レベルの実態調査を行うということになれば、これは改正法の建前にも反しますし、かつ同和地区としての指定はしてほしくない住民たちの意向にも反することになるわけで、私どもはこういう調査を行うべきでないと考えますが、政府のお考えはいかがですか、その対象地区についてお答えください。
#133
○政府委員(小山弘彦君) 先生おっしゃいましたように、意見具申では、「これまでの地域改善対策の効果を測定」するということが一つ柱として書かれているわけで、私どもの大綱におきましても全く同じ認識でいるわけでございます。そのような観点で効果を測定ということでございますから、対象地域は指定地区と、こういうことになるわけでございます。
 かつ、この現行法におきましては、指定地区に対して存在するのは一般地域でございます。仮に、いわゆる未指定地区というものがあるとすれば、それは一般地区の範疇でございますから、対象にはならない、こういうことになるわけでございます。
#134
○吉川春子君 続きまして、ちょっと個別の問題でお伺いいたします。
 隣保館の使用問題なんですけれども、この隣保館というのは、大阪では解放会館というふうに呼ばれているわけですけれども、昨年十二月の地域改善対策協議会の意見具申、また、十二月の政府の今後の地域改善対策に関する大綱でも、行政の主体性の確立とともに、公正公平という観点から地域改善対策のあり方、その一つである公的施設の運営の適正化ということが指摘されています。これは八六年の意見具申でも、八七年の啓発指針でもたびたび指摘されていることです。政府は、八九年の一月に実施した地域改善対策実施状況の把握の結果をまとめておられますね。
 その内容についてお伺いしますが、その中で、八七年の隣保館の運営状況について、政令都市の場合、隣保館の一部には恒常的、ほぼ毎日の使用があるのが十二館、さらに市町村では、恒常的な使用が百九十五館となっている、こういう報告があります。そして、これは政府の文書で、政府からいただいたものですが、恒常的使用とは年間を通じて公益法人、民間運動団体、その他の民間団体が施設の一部を恒常的、ほぼ毎日使用していることであり、こういうふうになっているんですけれども、この恒常的利用が十二館あると指摘された政令都市というのはどこですか。
#135
○政府委員(小山弘彦君) これは確かに調査によって出てきた数字でございます。この数字は、いわゆる調査というものはある目的を持って数字をつくるためになされるケースが多いわけでございます。その結果、おっしゃいました数字が出ているわけでございますが、私どもはあくまで全国的な状況を把握するということを目的としておりますので、個々の府県や市町村名については公表することを考えておりません。
#136
○吉川春子君 長々とした答弁はいいんです。自治体の名前を言ってください、政府が調べているんだから。
#137
○政府委員(小山弘彦君) 今申しましたように、個々の名前についてはお控えさせていただきたいと存じます。
#138
○吉川春子君 何でそんなことを言えないんですか。じゃ、そういうふうにおっしゃるなら私の方から言わざるを得ませんね。これは大阪のことです。例えば高槻、吹田、荒本、蛇草、富田林、松原、
和泉、浪速、西成、こういう隣保館、解放会館について特定の団体がもう恒常的に、政府のあれに指摘されているように、恒常的に利用していてほかの団体には貸さないんですね。
 これは、大阪の全解連大阪市協議会議長の板東勝さんという方にあてた同和対策管理課長向井何がしさん、同和対策部連絡主幹足立何がしさんの判こを押した文書を持っているんですけれども、そこにはこう書いてあるんです。解放会館は同和問題を解決するためのセンターであり、目的に沿って住民が公正に使用するものであることは当然のことである。全解連が、市の主体性の不十分さもあり利用できないのは極めて不正常な状態であり、遺憾であると受けとめている。しかしながら、運動形態の違いなどから全解連と敵対する関係にある団体もある中で、市としては混乱が生ずると判断しており、今なお利用していただく状況にはない。
 こんなことが許されるんですか。厚生省、どうですか。
#139
○説明員(河村博江君) 隣保館の運営実態の詳細まで、大阪について十分承知しているわけではございませんけれども、かねてより先生の御指摘のような批判があるいうことは承知をいたしておるわけでございます。
 隣保館は公の施設でありますし、その設置目的に沿って、広く住民が公平に利用できるように中立公正な運営というのが確保されなければならないという観点から、厚生省はこの旨機会あるごとに指導してきております。その結果、例えば恒常的使用がなくなった事例であるとか、貸し館業務について条例改正を行い、適正化を図った事例であるとかあるいは関係団体を網羅した協議会を新たに組織した事例とか、個別的には幾つかの改善事例を聞いておるわけでございます。
 しかしながら、依然として一部の地域において運営が不適正であるという批判があることも事実でございますので、さらに指導の徹底を図っていきたいというふうに考えております。
#140
○吉川春子君 総務庁長官、お伺いいたします。
 今お聞きになったとおり、国の補助金も出して、公の団体である隣保館、解放会館の使用が、本当に変な話なんですけれども、認められないんです。私、大阪府の責任ある人にも聞いたんです。そうしたら混乱が起きるからですと言うんですね。じゃ、使用を申し込んでいる団体が混乱を起こすんですかと言つたら、いや、そうじゃありませんと言うんですよね。そういうわけで、一貫してというか、かなり長い期間使用できないところが多いわけで、これは行政の中立公正という立場からよくないことではないかと思うんですが、大臣もひとつこういう点について、きちんとした立場で同和行政の立場からおやりいただきたいと思いますが、いかがでしょう。ちはっと私時間がないから、大臣に。
#141
○政府委員(小山弘彦君) ちょっと事務的な側面がございますので、二言だけお話しさせていただきます。
 厚生省の方からもお話ありましたけれども、隣保館等の公的施設の運営に関しましては、先生先ほどおっしゃいました、昨年の二月に出しました指示におきましても、特に特定民間運動団体に独占的に使用されている等の批判を生じないよう公正な運営に努める等、適切な施設の管理運営を指導しているところでございます。ということだけ一言申し上げます。
#142
○国務大臣(岩崎純三君) 今、小山審議官からお答えを申し上げたとおり、行政の公平な適正化というものを旨にしながら行っておるわけでございますが、先生から御指摘のあったような問題があ。ったとすれば、それは極めて遺憾なことであると、まず冒頭に私の感じを申し上げさせていただきます。
 総務庁といたしましては、地域改善対策の実施をした事業についての実態把握の結果といたしまして、関係省庁の局長連名の通達で事業の見直しと事業運営の適正化につきまして、地方公共団体に対して通知をいたしました。その中で、隣保館等の公的施設の運営につきましては、特に特定の民間運動団体に独占的に使用されている等の批判が生じないよう公正な運営に努める等、適切な施設の管理運営を指導しておるというところでございます。
 今後の地域改善対策の適正化あるいは適正な推進を図っていくためには、幅広い国民的なコンセンサスを得ることが重要でございますので、行政施策の公平な適用の観点から主体性を持って行政運営を行うとともに、これまでに先生から御指摘のあったような問題点を是正していくことが必要であり、各種行政運営の適正化対策にさらに一層新たな、地対財特法の一部改正法案もきょうの御審議をいただいて成立ができましたならば、懸命に取り組ませていただきたい、いや取り組んでいかなければならないであろう、このように考えております。
#143
○吉川春子君 続いて、同和地域における改良住宅の入居問題について伺いますが、建設省お見えでしょうか。
 改良住宅の入居についても問題があります。住宅地区改良事業として行われた大阪市浪速区大国町の改良住宅の事例を取り上げて質問しますが、その地域にはこの事業で七十二戸の改良住宅が建設されました。事業目的からすれば、本来この住宅全戸に当該改良地区に住んでいない居住者が入るべきです。にもかかわらず、実際にその住民が入居できた戸数は、わずかに二戸にすぎないということが起こっています。入居を希望している住民が大変困っているんです。
 我が党の調査では、少なくとも七十二戸のうち十六戸は別の市営住宅からの入居になっています。もちろん空き家になっていれば構わないわけですよね。それはいいんです。しかし、入居すべき住民がいて、希望しているのにもかかわらず入れない、こういう事態を建設省は把握しておられますか、どのようにお考えですか。
#144
○説明員(浅野宏君) 改良住宅の入居につきましての御指摘でございますが、今御指摘ございましたように、小集落地区等改良事業におきましては、いわゆる面的整備事業という形で地区内の不良住宅をいわば買収除却をいたしまして、その際、そこにお住まいの方で、住宅に困窮する者を基本的には入居させるために建設をするという性格の住宅になってございます。
 ただいま御指摘の大阪市の事例でございますが、そのために建設をし入居させるということでございますので、基本的には改良住宅の入居者になるわけでございますが、ただ、いろんな事情がございまして、事業の進捗状況等個別の事情が地区によってございますが、その際に空き家といいましょうか、入居をしなくなった場合、こういう場合を想定いたしてございますが、その場合には、いわゆる公営住宅法の入居の規定を準用いたしまして、いわば当初予定いたしました方でない方を入居させることができるようになってございます。多分、今御指摘の点は、そういう方を入居させたのではないかというふうに推察いたしてございます。
#145
○吉川春子君 この実態をもうちょっと詳しくつかんでいただきたいと思うんです。今言っただけではっかみ切れないと思いますけれども、つかんで、もし不正常な形であれば是正してくれますね。どうですか。
#146
○説明員(浅野宏君) 大阪市におきましては、相当な大きな事業主体でございますので、毎年相当数の公営住宅関係の入居を実施されておるというふうに考えておりますが、従来より入居に関しましては、法律等の規定に従いまして厳正にやるように指導をしてきているところでございます。
 ただいま個別、具体のケースということで御指摘いただきましたので、ちょっと詳細承知しておりませんけれども、市の方に対し照会いたしまして実情を把握してみたいと思います。
#147
○吉川春子君 それから、入居基準なんですけれども、これも私直接聞いてきたんですが、改良住宅の入居手続について、大阪府下の市町村では住宅要求・受給者組合に入ることが一つの入居要件
になっています。そして、その組合に入ることによって同和事業の目的に賛同することを確認するとともに、解放運動への意識、意欲を涵養することにあるんだと、そういうものに熱意を持っているかどうかが入居基準なんだということを市の当局がはっきり私にもおっしゃるんですよね。公営住宅の入居基準として、こういうものを設けることについて建設省はいかがお考えですか。
#148
○説明員(浅野宏君) 公営住宅の入居者資格につきましては、少なくとも三つの要件が必要だということになってございます。一つは、原則的に同居親族があること、二点目は政令で定める収入があること、それから三点目は住宅に困窮していることというのが基本的な三要件ということで定めてございますし、特定目的公営住宅の場合につきましては、それ以外にその特定目的のための要件を満たす必要があるわけでございます。そういう意味で、そういう要件を踏まえまして、基本といたしまして各事業主体の方で具体的な入居の決定をするということになるわけでございますが、大阪市の例につきまして、御指摘のような内容の入居基準が定められているというふうには承知しておりません。
#149
○吉川春子君 じゃ、御承知なさってないんだったらば、そういうふうになっていますので調べていただきたいと思うんです。入居の申請も直接市に届かないで、いろいろな複雑な経緯をたどらないと届かないということにもなっていますので、そういう点について、建設省が今おっしゃったような入居基準になっているのかどうかきちっと調査をお願いします。一言でいいです。してくれますか。
#150
○説明員(浅野宏君) 市に照会いたしたいと思います。
#151
○吉川春子君 時間がなくなりました。あと週休二日制の問題についてお伺いしたいと思います。
 まず、二つまとめて聞きますので、大臣よろしくお願いします。
 一つは施行日についてなんですけれども、さっきからお話がありますように、いつから実施するかということは非常に重要だと思います。それで、前回の四週六休のときには、例えば成立日が昭和六十三年の十二月九日、公布日が同じく六十三年の十二月十三日、施行日が六十四年の一月一日。だから三週間足らずで実施にこぎつけているという状況があります。私、二月に岩崎長官に御都合つけていただいてお願いに伺ったときに、周知期間は最低一カ片かかるというふうにおっしゃいました。一カ月程度かかるというふうにおっしゃいました、いろんな話の途中でですね。それで、一カ月かかってない例もあるので、しかも時短ということとの兼ね合いもあり、できるだけ早く実施していただきたい、その周知期間の問題とあわせてお答えいただきたいと思います。
 そしてもう一つは、時間の関係で続けて質問しますが、交代制勤務の職場の完全週休二日制の実施というのは、本当に住民にも公務員労働者にもなかなか重大ですね。特に、運輸省の地方空港の航空管制所、気象庁の地方気象台、国立病院など大変なんですね。例えば、気象台は常時監視、観測、予報、注意報、警報の発表など二十四時間体制でやっていて、国民生活にとっても大変重要なものですが、これが三名四交代の体制になっているわけです。現在は四週六休だけれども、これを四週八休へ完全に移行すると職員に大きな労働を強いることになるわけですよね。勤務体制そのものを崩してしまうかもしれない、そうすると国民へのサービスという点にも問題が出てきます。政府は予算、定員の増員なしでかつサービスを低下させないという魔法みたいなことをやろうとしているんですが、それはもうとてもできないことで、とんでもないことだと思うんです。
 それで、大臣、職員、労働者の犠牲なしでやるには増員しかないんじゃないかと思うんです。当面可能な対処をするために関係の労働組合の意見、要求に十分耳を傾けて実施していただきたいというのが、第二点目の質問です。
#152
○国務大臣(岩崎純三君) たしか、東中先生と一緒にお見えになったかと思います。そのときいろいろと話をしておったその前後の言葉の中で、周知期間については約一カ月ほどかかる、周知期間の前、法律が上がった後、広報をするための準備期間が約一カ月必要でございます。大体二カ月ぐらいかかるんじゃないだろうか。こういうことは先ほど太田先生に御答弁申し上げた、喜岡先生にも御答弁申し上げた内容でございまして、その点について、あのとき時間も少のうございましたから説明があるいは不足の要素があったかと思いますので、そのように御理解をしていただきたい、かように思います。
 それから、交代制勤務職員、特に気象庁等々二十四時間体制である、増員なしにできるんだろうかどうかということでございますけれども、閣議におきましても、行政サービスを低下させない、しかも予算、増員を伴わない、そういう形で実施するという大綱の決定がされておるところでございますので、各省庁もそのために今日までいろいろ試行をいたしてまいった、その中で幾つかの問題点ございますけれども、これから勤務体制の整備あるいは定員配置の見直し、先ほども行政管理局長から答弁があったとおり、その行政需要に応じて、第八次定員削減計画の中では純減についてはそういう方向に向かって進んではまいりますけれども、行政需要の実態に応じて定員の配置については見直しを行いつつ人事管理を行っておる、こういうことでございますので、十分そういった趣旨を踏まえつつ各省の御協力がいただけるものではなかろうか、こう思っておるところでございます。
#153
○吉川春子君 ありがとうございました。
#154
○磯村修君 同和の問題は、これまでお話がありましたように、大変人間の基本的人権にかかわる大きな問題であるということでありまして、これまで四度立法措置がとられまして、過去二十三年間いろいろな特別事業が推進されてきた。先ほどの総務庁長官の御答弁にもありましたように、物的面での改善事業というのもそれなりに推進されて生活環境も相当改善されてきている、こういうお話がありました。その反面、非常にまだ非物的な面での差別という大きな問題が根底にありまして、これは一口では言えないような問題が底辺にあるわけですね。そういう意味において、これからも粘り強くこの事業に対する取り組みというものは必要であろうかと思うんです。先ほど来長官のお考えも示されているんですけれども、改めてこれからこうした大変重要な問題に対する長官としての決意をまずお伺いしたいと思います。
#155
○国務大臣(岩崎純三君) 先生御指摘のとおり、まさに同和問題は人類普遍の原則でございます。人間の自由と平等にかかわるいわば憲法にも保障されておる人権問題でございますので、そういう認識を根底に置きながら、特に啓発、ソフト面の事業でございましょうか、この件については、言うに言えないいろいろな問題が確かに内蔵されているであろうと思いますが、基本は人間の心の中の問題であろう、こう考えております。
 それだけに、確かに非物的な事業あるいは心理的な差別の問題、これを解消するということは大変な問題であろう。そのために本年はわずかではございますけれども、啓発関係の予算を増額いたし、今後、年を経るに従って、その啓発がどのように進んでおるのか、いずれ実態調査もあるわけでございますので、それらを踏まえながら十分に対応していきたい。そして結論としては、どんなことがあっても二十一世紀に差別を残してはいけないんだ、こういう気持ちを持って懸命の努力をいたしてまいりたい、かように考えております。
#156
○磯村修君 そこで、先ほど長官は、国民と一体となってこの問題に対応していきたい、そして、幅広い意見を聞きながら事業を推進したい、こういう趣旨の御発言もございました。
 そこで、一つお伺いしたいことは、この対策協議会というのがこれからも設置されていくと思うんですけれども、従来の対策協議会のメンバーをちょっと見ますと、学識経験者とかあるいは行政
御というメンバーで構成されているわけなんですね。そういう意味で、もう少し幅を広げていくという御趣旨であれば、しかも国民と一体となって幅広い意見を求めていきたいというのであれば、幅広い意味合いに沿えるように委員の人選というものも考えていかなきゃいけないんではないかと思うんですね。例えば、こういう同和問題に取り組んでいる民間の皆さんもいるでしょう。あるいは私どもの立場からいえば、野党連絡協議会というのもありますかね、例えばの話が。そういうふうにいろんな各方面の意見が吸い上げられるような、そうした中でもってこの問題を一緒に考えていく、解決していくという意味合いにおいての委員の選任ということを、これからの審議会なりあるいは協議会の設置、その委員の構成、そういうものをどういうふうに考えていらっしゃるか、先ほど来の答弁を聞きながらそんなことを思ったものですから、お伺いしたいと思うんです。
#157
○政府委員(小山弘彦君) 先生おっしゃいますように、地域改善対策協議会、これは今後存続すると、こういうふうに大綱においても決めたところでございます。
 この協議会の委員につきましては、これも先生おっしゃいましたように、学識経験のある者、それから関係行政機関の職員のうちから内閣総理大臣の任命ということになっております。学識経験委員及びその関係行政機関の職員につきましては、従来から地域改善対策を推進する上で見識を有する方々を幅広く選任してきております。これは実績でございます。今後ともそのような基本的な方針は続けてまいりたい、こう思っております。
 一方、委員の人選に当たりましては、関係方面から要望があれば、これは御要望はお聞きするということは私どもやぶさかではございません。ただ、最終的には任命権者が判断する、こういうことになっておりますので、そこのところは御理解いただきたいと思います。
#158
○磯村修君 今のお話ですと、なかなか理解しにくい面もあるんですけれども、とにかく、先ほど長官も政府側も幅広い意見ということを言っていらっしゃるわけですから、それなりに広く人材を求めて委員を構成して、そして対応していってほしい、こういうふうに強く要望しておきます。
 それから今、同和の例えば改善事業の対象地区というのが四千六百三カ所ですね、さらに指定されてないんだけれども、いろんな事情があって表に出ていない箇所もあるようでございます。ある団体の数字などを見ても、千カ所前後さらにあるんじゃないかというふうなことも推定されているようなんですけれども、もし、そうしたことを政府側が承知しているとすれば、これからの事業の中でもって、例えばこれは特別措置の中では、残事業ということが主たる仕事になっていくんでしょうけれども、そうした未指定地域の問題、もし承知しているとするならば一般事業の中でそれを確実に遂行してほしい、こういうふうな意見もあるわけなんですけれども、その辺の考えをひとつお伺いしたいと思います。
#159
○政府委員(小山弘彦君) 昭和四十四年の時点におきまして、同対審答申では、いわゆる特別措置法によって差別の解消を図る。それから、差別を解消していくに当たっては、同和対策推進協議会というようなものを設けて幅広くやっていくべきだと、こういう話が最初あったわけでございます。それに基づいて私どもは差別解消のための特別措置法をつくって差別の解消へ向かってきた、こういう実績で、そのときに、この特別措置法により事業を希望する地域につきましては遠慮なく手を挙げてくださいと門戸を開き始めたのが昭和四十四年でございます。それから三たびにわたる特別措置法、法律があったわけでございますけれども、この延長も含めましてですね。その間徐々に希望する地区の数はふえてきた。これはあくまでその地域の住民の合意、それと自治体の認知、こういうことがあって民意尊重という立場で開いてきたものでございます。
 その結果が、昭和六十二年三月末日、前の法律の最後のときでございますが、四千六百三という数字になっております。ただ、この四千六百三という数字は、その一年前の六十一年の三月末日で四千六百三、こういう数字になったわけでございます。その後の一年の間は希望の地域がゼロであった、こういうような民意尊重の立場を貫きながらやってきて、そこで門を閉じた、そういうことでございます。
 さて、それからは事業の完結、差別の解消へ向けていくんだ、こういうことで、現行の地対財特法のもとでその差別解消へ向けて物的面、それから心理的面の努力をしてまいったわけでございますが、先ほど来出ていますように、事ここへ来て、昨年の秋に調査しましたところ、かなりの残事業がある。これを何によって消化するか、一般対策でやるか、それともどうするか、こういうときに私たちはやはりこの法のもとで完結を目指したい、それが関係省庁及び地方公共団体の共通の目標にもなりますし、それからバックにもなります。そういうもとでということでございまして、十八年間の期間門戸を開いていたということと、そのときの最後のところでの手の挙げられ方ということを加味して、私どもは、出るものは特別措置法に関しましては出尽くしているというふうに考えております。
#160
○磯村修君 今回のこの法案が成立すれば、平成九年まで残事業が行われていくと言いますけれども、この問題、乱暴な聞き方かもわかりませんけれども、平成九年までに残事業完了すればもうこの同和の改善事業というのはすべて一〇〇%いいんだ一こういうお考えですか。
#161
○政府委員(小山弘彦君) この特別措置法に基づきます物的事業を中心とするものにつきましては、成立させていただきたいこの法律の期間中に完結させたいということです。しかし、残っているものほどいろんな事情の難しいものが残っている可能性はある。だから数字だけの割り算をすればそんな五年も期間要らないかもしれません。しかし、やはり難しいものが残っている、こういう事情も勘案して五年という期間を置いてあるわけでございますから、物的面を中心にこの機会に完結を目指したいということでございます。
 ただし、心にかかわる問題といいますのは、これはどうかわからないというような面がございます。そして、この心にかかわる問題につきましては、法があるかないかという問題とは全く別の次元でしなければならないことはしなければならない、こういう意識でございます。
#162
○磯村修君 もう一つお伺いしたいんですけれども、意見具申の中で、物的事業の実施に当たっては、進捗状況を的確に把握する必要があるので、そのための進行管理の方法について検討すべきであるというふうなことを書かれているんですけれども、進行管理の方法という意味、この中身はどういうことが考えられるんでしょうか。
#163
○政府委員(小山弘彦君) ただいま先生おっしゃいましたことが意見具申で一つ柱的に取り上げられております。私どももそれを受けまして、政府の大綱の中でも、残された物的事業を迅速かつ円滑に実施するために適切な進行管理を行わなければならない、こう意識しておりました。ただ、この具体的な進行管理の方法につきましては、はっきり申し上げますとこれから決めていく、こういうことでございます。というのは、そう簡単ではないということが一つあります。
 それから、いろんな場の方に協力していただかなければならないということがございます。事業ごとに事業実施の方法、それから性格などが異なりているということもございます。したがいまして、実効性のある進行管理、これができるように現在関係省庁とは詰めております。
 さらに、関係府県につきましては、進行管理が適切に行われるよう連絡調整なんかのやっぱり何か役割を担っていただかなければいけない、こういうこともございます。これらをあわせてこれから決めていかなきゃならないわけですが、現在、案を模索中、こういうことでございます。
#164
○磯村修君 それでは、時間の都合もございますので、週休二日制の問題につきましてお伺いした
いと思うんですけれども、先ほど長官は週休二日制の問題につきまして、ゆとりの実現という意味からいって望ましい法案である、実施の時期は関係省庁の意見調整といいましょうか、そういうことも必要になってくるというふうな趣旨のことを言われました。
 そこで、二カ月程度の準備期間を置いて実施したいというわけでありますけれども、年度内にこの法案が公布されれば六月ごろから実施できるんではなかろうか、こういう考えも先ほど来出ているわけですね。そしてまた、法案の成立の予測がなかなかできなかった、したがって隔週二日の法改正の場合の準備期間一カ月というふうな状況とは違うんだというふうな発言もありました。
 そこで、まず伺っておきたいことは、各省庁間の意見調整ということが言われているんですけれども、どういうことを意見調整するんですか、具体的には。
#165
○政府委員(山田馨司君) 先ほど大臣からお答えいたしましたように、各省調整のほかに国会とか裁判所とか他の国家公務員、行政機関以外の国家公務員についての問題もございます。
 各省調整について申し上げますと、各省それぞれいろいろ業務の実態が違っておりまして、例えば交代制の勤務職員が多いところとか、そういったところにつきましては、これから週四十二時間体制から週四十時間体制へということで交代制勤務を組みかえなくちゃいかぬわけですね。その辺をどういう区切りでやっていくのかというふうな問題を抱えているところもございます。
 それと、自治省は地方自治体について責任を負っておるわけでございまして、地方自治体もできるだけ国家公務員と足並みをそろえてやりたいという御希望もございますし、その辺、実際に法律が成立した後、地方はそれぞれ条例で定めて週休二日制を実施していくわけでございますけれども、その辺の準備状況がどうかとか、その辺については自治省を通じて地方自治体の状況について把握する必要がございます。
 それと国会は、国会の職員が完全週休二日制になりますと、国会の審議は別といたしまして、例えば議員会館が土曜日は閉まるとかいろいろな問題があると思いまして、この辺は衆参それぞれの議運で検討されることであると思いますけれども、その辺もまだこれから、行政機関だけいつやるかということじゃなくて、国会の職員もあわせて一緒にやろうということになりますと、国会とも御相談しながらやっていかなくちゃならぬ。それから、裁判所につきましても、土曜日裁判所が閉まるということになりますといろいろございますので、そういった点も調整が必要だと。
 そういうことでございまして、必ずしも行政機関内部だけの調整ということじゃございませんで、国会や裁判所、地方自治体、そういった関連についていつから実施しようかという相談をしなければならない、こういうことでございます。
#166
○磯村修君 今おっしゃられたように、いろんな手続あるいは意見調整というものがあるということなんですけれども、既に八月に勧告があったわけですね。ですから、今日に至るまで週休二日制になるんだということはもう全くそういう方向で進んでいるわけですから、この法案の公布をめぐって、成立をめぐっての、待って云々ではなくて、勧告のときから既に中央省庁ではそれなりの段階を踏んでおれば、成立と同時にいつからというふうな答えも出てくるはずだと思うんですよ。
 そういう意味合いにおいて、私はこの週休二日制の実施について、厳しい言葉で言えば怠慢じゃないか、こういうふうな感じがするんです。例えば、話は違いますけれども、PKO法案も成立していないのに防衛庁では既にPKOに貢献するスタッフをそろえた準備室をつくるとか、そういう既に先を見越したような形でもって動いているというふうなことも聞かれるわけですね。
 そういう意味合いから考えても、やはり公務員の週休二日制というのは大変社会に及ぼす影響も経済的な面からもいろんな面からも大きいわけです。しかも、こういうふうに景気が減速している状況については早く成立させた方がいいわけですから、実施した方がいいわけですから、そういう意味合いにおいても、やはり政府としても勧告と同時に、受けたと同時にその辺の準備段階に入ってやるべきではなかったか。そうすれば今になってああでもないこうでもない細かい説明を聞かなくても時間は省ける、こういうふうなことが考えられるんですね。
 そこで、例えば人事院勧告どおりに週休二日制を実施していく、そういう場合、時期としていつごろからやれば実際人事院勧告に沿う答えになるのか。あるいは政府が閣議でもってできるだけ早い時期、平成四年度のできるだけ早い時期と言っておりますけれども、そのできるだけ早い時期というのは、言ってみればいつから実施すればできるだけ早い時期に相当するのか、答えとなるのか、その辺のお考えを伺いたいと思います。
#167
○国務大臣(岩崎純三君) 大変判断に苦しむ、答弁に苦しむ御質問でございまして、今、みずからの心に言い聞かせながらただしていただいたわけでございますが、平成四年度のできるだけ早い時期、早いのか遅いのか、まず真ん中をとってその前にするのか後にするのかが、早いか遅いかという一つの物差しになるんではなかろうかと、こう考えております。それから、できるだけ早い時期というのは、やはり平成四年度を迎えた四月一日、これになるべく近い方が早い時期になるという物差しもあるだろうと、こう思っております。
 そういう中で、ただいま総務庁として、周知期間やあるいは広報等々でこれだけの時間がかかるというようなものを踏まえつつ、おのずからその中で答えが出てくるんではなかろうかなというように考えておるわけでございます。
 ただ、総務庁怠けておったんじゃないかと、こういうおしかりの言葉があったわけでございますけれども、八月に勧告が出されて十二月に閣議決定いたしたわけでございますが、その間では、総務庁はもちろんでございますが、各省庁にも関係団体の完全週休二日制についての意見の聴取をいたしたわけです。その大要が、先ほどいろいろ御意見の出たように、行政サービスを可能な限り低下させない、予算、定員の増を伴わない、しかも民間の労働時間の短縮が大変な合理化努力の中で実現した、だからお役所が単純に、完全週休二日制になったんだから甘えて予算もふやしてもいいよ、人員をふやしてもいいよ、サービスが低下しなきゃいいんだということではいかぬというようなことがございまして、かてて加えて、交代制等勤務職員の試行もしていかなきゃならない。
 それで、八月に御勧告いただいたわけでございますが、十二月に閣議決定せざるを得なかった。そういう作業もあったわけでございまして、決して私どもとしては怠けておったつもりはございません。
 以上でございます。
#168
○磯村修君 先ほど私、完全週休二日制というのは、今の経済の状況から見ても早期に実施すべきである、こういうふうに申し上げたつもりなんですけれども、例えば労働省の資料によりますと、完全週休二日制を導入すれば、内需の拡大効果というものが平成元年の例をとってみますと、五兆七千億円余りの内需拡大効果が出るんだというふうな数字が出ているんですね。したがいまして、こういう数字をもとにして計算してまいりますと、就業人口六千百万人のうちの全公務員が四百五十万人ということであって、完全週休二日制の実施が一カ月早まると、大体三百五十億くらいの内需拡大の効果が生じるんだというふうな数字にもなるようなんですけれども、そういう意味合いにおいて大変経済が減速、景気が減速している中で、大型補正予算も必要になってくるんではなかろうかというふうな考え方も出てくるわけな人ですけれども、それだけの内需拡大効果というものが生ずるには、大体公共事業の投資の場合、百七十億くらいの公共投資が必要になってくるということにもなるわけですね。言いかえてみれば、公務員の完全週休二日制の実施が早まれば早まるほどやはり効果がアップしてくる、こういうふうな
ことも考えられるわけです。
 そういう意味合いにおいて、経済、景気対策あるいは一方は貿易黒字という問題もございますね。そういう意味合いにおいても、内需の拡大というものが一層要請されてくる、そういう状況の中での週休二日制であるということを考えれば、やはり週休二日制というのを早く実施することによって、勤労者の皆さんが求めている、いわゆるゆとり、豊かさとか、あるいは景気対策、さらには国際的な貢献と申しましょうか、それにもこたえていける。こういういわば三つそろった効果を持つことができるんだということにもなるわけですから、ぜひ政府として早期実施の決意をもって臨んでほしい、こういうふうに思うわけです。
 そこで、最後に総務庁長官、その辺の決意、考えをお伺いしたいと思います。
#169
○国務大臣(岩崎純三君) 金額の問題はともかくといたしまして、完全週休二日制を実施することについての各方面に及ぼすいい意味での波及効果、先生まさにおっしゃるとおりでございまして、私も同感でございます。そのために何度も決意をここで表明いたしておるわけでございますが、平成四年度のできるだけ早い時期に実施をするよう最大限の努力をいたしていきたい、かように考えるわけであります。
#170
○磯村修君 終わります。
#171
○田渕哲也君 まず、週休二日制の問題でお伺いしたいと思います。
 最近の傾向として、日本人は働き過ぎである、労働時間が先進国に比べて長い、そういうことで民間においても時間短縮というのが大きな課題になっておるわけです。ことしの春闘を見ても極めて不況の中で厳しい状況といいながらも、時間短縮につきましては労使の交渉に比較的前進が見られだということも言われております。
 さらに、もう既に金融機関は大分前から週休二日制を実施しておりますし、それから民間でも大企業は週休二日制を実施しておるところが非常にふえてきております。そういう点からすると、公務員の週休二日制の実施もまさに時宜を得たというか、いい時期ではないかという気がしております。
 ただ、そういうムードだけで簡単にいいわいいわで決めるべき問題ではないと私は思うんです。やはり公務員の場合は、もう時間短縮にしてもやっぱり官民歩調を合わせてやるということが非常に重要である。それから、賃金の面でも公務員の賃金は民間準拠ということが非常に厳しく言われてきておるわけです。労働時間においても、その基本的な考え方は同じであろうと思います。
 ただ、この公務員の週休二日制に当たって、民間との労働時間との比較ということが私はどうもはっきりしないように思うんです。この点についてどのように考えておられるのか、まずお伺いをしたいと思います。
#172
○政府委員(山田馨司君) 公務員の完全週休二日制の推進につきましては、これまでもいわゆる民間準拠、社会一般の情勢に適応させるという国家公務員法の趣旨に沿いまして、民間での普及状況を人事院で調査されまして、その結果に基づいて相当多数の民間労働者の方々に普及してきているということから四週五休制に入り、四週六休制に入りしてきたわけでございます。
 昨年の四月時点での人事院の調査によりますと、これは給与なんかと同じように、企業規模百人以上の民間事業所について調べておるわけでございますけれども、従業員の割合で言いまして、五八%の労働者の方々が完全週休二日制のもとにあるというふうな調査結果もございまして、それと先ほど来出ておりますいろいろな国家的課題にこたえるという側面も考えまして、人事院においても、そろそろ公務員について完全週休二日制を実施しても、今の官民のバランスという点から見ても問題はないのではないかというふうに判断されて勧告があったものというふうに承知しております。
#173
○田渕哲也君 週休二日制そのものは、私も民間に比べても問題は何らないと思います。
 ただ、最近問題になっているのは、総労働時間だということが言われておるわけなんです。特に、日本の場合は所定労働時間もそうですけれども、特に所定外を含めた、いわゆる残業も含めた労働時間が非常に長いということが国際的にも問題になっております。したがって、公務員の場合、総労働時間について現状はどうなのか、あるいは週休二日制を行うことによって、それがどのように変化するのか、その辺がもしわかっておりましたらお聞かせいただきたいと思います。
#174
○政府委員(山田馨司君) 国家公務員の総労働時間につきましては、国家公務員全体についての平均をお示しするようなデータがございません。問題は超過勤務時間でございますけれども、中央省庁の場合、月約二十時間前後であろうと思います。年間に直しますと約二百五十時間前後の超過勤務時間でございます。したがいまして、所定内労働時間と合わせますと恐らく二千百時間ないし二千二百時間くらいは中央省庁の場合は働いているんじゃないかというふうに考えております。
 民間の場合は、労働省の調査で二千十六時間でしたか、昨年は。という調査結果がございますけれども、これは民間の場合は、いわゆるパートタイマーですね、常用の労働者ではありますけれども、パートタイマーの方も含んでいるということで、特にサービス業とか飲食店などではそういう方が多いので、二千十六ということになっておりますけれども、公務員の場合は、いわゆるそのパートタイム以外の、何といいますか、フルタイムの職員が大部分でございまして、したがいましてそれと直接には比較することはできないと思います。
 そういった意味で、大企業の労働者の残業も含めた労働時間と比べてみれば、現在の公務員の労働時間はほぼバランスしているんではないかというふうに私は思っております。
#175
○田渕哲也君 それから、週休二日制を実施するに当たって、いわゆる三ない主義で、定員をふやさない、予算をふやさない、行政サービスを低下させない、私はこの原則を堅持することは当然のことだと思います。しかしながら、これはあくまで原則であって、やっぱり必要なところには定員をふやさなければならないところもあるだろうし、あるいは超過勤務もふやさなければならないところも出てくるような気がするわけですね。銀行の場合でも、週休二日制を日本では早く取り入れたところですけれども、土曜休むがために、土曜日にやっておった仕事が平日に全部回って、非常に超過勤務時間がふえたということが報告されておりますけれども、それと同じような傾向がやはり出てくるのではないか。したがって、公務員の場合は時間外労働時間の統計が余りないんですけれども、私はやはり時間外の勤務時間というものもしっかり把握して、そして総労働時間が減ることにつながっていかなくては余り意味がないんではないかと思います。その点はいかがでしょうか。
#176
○政府委員(山田馨司君) 労働時間を短縮する上で、まず週休二日制の推進、特に完全週休二日制の実施が基本になるということがございますが、それと同時に、今御指摘のありました超過勤務時間の短縮、それから年次休暇の完全消化といいますか、年次休暇の取得率を上げるというような形で休日数をふやしていくと、この三つが勤務時間短縮の三本柱でございまして、そういった点から、今回この完全週休二日制が実現しました場合には、あとの二つであります超過勤務時間の短縮、それから年次休暇の取得率の向上、こういっ点に力を入れていかなければならないというふうに考えております。
#177
○田渕哲也君 それから、行政サービスの低下ということですけれども、私も土曜休日にしたから行政サービスが大きく低下するという要因は余りないのではないかと思っております。ただ一つ、役所へ一般の人が行く場合に、土曜日が閉まっておると不便だとかそういうことは出てくるだろう、これは避けられないことではないかと思いますね。
 したがって、例えば民間においても銀行はキャッシュサービスをするとかそういう方法をとっておる。現在自治体におきましては、住民票をカードで自動的に出るようなシステムも取り入れたところがある。私は、こういう点はやはりきめ細かく住民のニーズに応じて不便を、不便は全くないということはうそなんで、不便を最小限にするような方策をとっていただきたいと思いますけれども、この点についてどのような対策を考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
#178
○政府委員(山田馨司君) 行政サービスの面につきましては、昭和六十三年でございますが、ハード面での行政改革は一段落といいますか、一応めどがついたけれども、ソフト面での行政改革の必要がある。これは個々の国民の方々が行政サービスを受けるときに満足できているかどうかと、そういうふうな観点から行政サービスを見直すべきであるという議論がございまして、さわやか行政サービス運動というのをそのときから実施しておるわけでございます。キャッチフレーズといいますか、わかりやすい、便利な、迅速な、清潔な、丁寧な、安全な、人間性に配慮した行政サービスを提供するという七つの具体的な目標を掲げまして、全省庁にわたりまして、また、地方自治体や特殊法人等にも協力をお願いいたしまして、金政府的にこれに取り組んで、その結果どうなっているかということについても毎年調査いたしまして公表いたしております。
 年に一度行政サービスの総点検ということをいたしまして、今のような七つの観点から十分であるかどうかということを点検し、不十分な点があれば具体的に直していく、こういう運動を昭和六十三年以来続けておりまして、着実に成果が上がっているんではないかと、こういうふうに考えております。
#179
○田渕哲也君 では次に、地域改善対策の関係で若干質問いたします。
 昭和四十四年に同和対策事業特別措置法が制定されて以来、二十三年にわたりまして国として同和対策の総合的な事業を進めてきたわけですが、この間、国費では実に三兆円を超える多額である。地方自治体の負担分を含めると十兆円以上だろうと言われております。同和関係人口が百十七万と言われておりますから、一人当たりに実に一千万円程度の金が使われておるということになる。果たしてそれに見合った効果があったと判断されておるのか、お金をかけた割に効果はなかったと思われておるのか、その辺の評価をまず聞きたいと思います。
#180
○政府委員(小山弘彦君) 先生おっしゃいましたように、政府は昭和四十四年以来二十三年間にわたりまして特別措置法に基づき今日まで関係諸施策を推進してまいりました。その結果、昨年十二月の地対協意見具申におきましては、「同対審答申で指摘された同和地区の生活環境等の劣悪な実態は大きく改善をみ、同和地区と一般地域との格差は、全般的には相当程度是正され、また、心理的差別についてもその解消が進み、その成果は全体的には着実に進展をみている。」との評価をいただいたところであります。
 政府といたしましては、着実に成果を上げてきているものと考えております。今日、物的事業は。相当進捗しており、今後は就労対策、産業の振興、教育、啓発等非物的な事業において重点を加味し、施策の積極的な推進が必要と考えております、非物的な面はさらに必要だと、こういうことでございます。
#181
○田渕哲也君 この非物的な面というのが私は非常に大きな問題だと思います。心理的差別という言葉でも言われておりますけれども、その原因は一体どういうことからくるかということを正確に把握して対策を立て、しかもこれはかなり長期にわたる対策が必要だと思いますね。したがって、これはあと五年間延長して物的な面ではほぼ一応の目標を達成できるかもわかりませんけれども、非物的な面の解消というのはまだまだ長期間かかるのではないかと思。いますが、この点どう考えておられますか。
#182
○政府委員(小山弘彦君) 先生おっしゃいますように、物的な面を中心にこの法律によりかなり進ん、できましたし、それから完結いたしたいと、こういうことでございますが、おっしゃいますようにその心のかかわりに関しましては、年限を切ってこれでゼロになるのかと、こういうようなことというのは非常に難しいものだと思います。しかし、やはり差別を解消していくということで、ひとつ心の面は大きな問題でございます。
 したがいまして、これにつきましてはひとつ広い意味での啓発、これを一層充実するということでございます。そして、国民の一人一人が同和問題について一層理解を深めるとともに、みずからの意識を見詰め直すと、こういうようなことを意識していただくことがまた大事なことではなかろうか。しかし、心に関しては現段階ではまだ十分な状況に至っていないというところに、ひとつ先生が御質問に思っておられる原因があるのではないかということも思っております。
#183
○田渕哲也君 心の面というと、啓発活動というふうに言われやすいんですけれども、私は、啓発活動というものが本当に成果を上げておるのかどうか、疑問に思うわけですね。今回の意見具申におきましても、心理的差別解消のための啓発活動を重点課題の一つとして取り上げ、改めて創意工夫を凝らしてより積極的に推進する。これはやはり今までの活動が不十分であったということと同じ意味だと思いますね。この点についてはどう考えられますか。
#184
○政府委員(小山弘彦君) 読みますと、先生のおっしゃるような解釈も一面あるかと思います。ただ、私ども受けとめておりますのは、それは不十分な点はあったと思います、あったと思いますが、努力してきたことは事実でございますし、それから国の省庁並びに地方公共団体一体となってという場を大きく提供してきたこともありますし、そのような中で「改めて創意工夫を凝らして」、こういうような表現が意見具申で言われておりますことを私どもは、今までは今までとしてあってもいい、それはそれでやらなきゃいけないかもしれない、しかしやっぱり時代に合った形のメディアの使い方ということもあるでしょうし、それから場に応じた啓発の仕方ということもあるでしょうし、やはりそういう意味で、啓発に関しましてもたまたまマンネリに陥りやすい要素のあるところであります。
 費用対効果の測定のしにくいところでもございますから、この時期において「改めて創意工夫を凝らして」ということで、私たちにその啓発に関する認識の仕方をもう一度原点に戻って考えてみなさいよ、こういうふうに指摘されたものと受けとめております。
#185
○田渕哲也君 財団法人地域改善啓発センターが、総務庁の依頼で「人権と同和問題に関する意識調査」というのを昨年の三月提出をしております。これを見ますと、その中の一部に、「同和地区や同和問題周知の端緒」というところにこういうデータがあります。「家族から聞いた」、お父さん、お母さん、おじいさん、兄弟から聞いだというのが一番多くて三四・五%、「学校の授業で教わった」というのは一五・七%、テレビ、ラジオ、その他新聞等で知ったが二二・七%。やはり家族からこういう問題を聞いだというのが圧倒的に多いわけですね。家族から聞くということは、私は家族が本当に正しい意味で知識を与えておるかどうか非常にこれは疑問だと思いますね。むしろネガティブなイメージを与えることが多いのではないか。
 それからまた、いつ知ったかというのは、「小学生の時」というのが一番多くて三三・二%。小学生というのは余り物の判断が自分ではできない年代ですから、先入観としてこれが心にこびりついてしまう。この二つを結びつけるとやっぱり啓発活動についてはまだまだ問題点が多いように思いますが、いかがでしょうか。
#186
○政府委員(小山弘彦君) 確かに、啓発につきましてはいろいろ考えなければならない面があると思います。一つには、国民広く一般にこの問題に関して正しい認識を持ってもらい、正しく自分の
中に位置づける、こういうようなことが広い意味で必要だと思います。そのほか社会とのかかわりで大人の人が、あるいは学生でもいいですけれども、社会とのかかわりというような場で接しているところで、やはり啓発ということも考えられてしかるべきだ。これは企業であれば企業におけるこの問題の認識、それから学校であれば学校で、そのほかいろんな場があると思いますが、その場に応じたこの問題への認識にかかわる啓発が行われてしかるべきだと思います。
 いろいろ考えるとこういうことになります。したがいまして、家庭の中で知ったのが一番多いから、誤解をするような形で教えられているんではないかというようなことを一概に決めつけるわけにもいかぬと思いますし、いろんな場をやっぱり活用してやっていくということは、これは大事にしなきゃならないのじゃないか。要するに、家庭の場で非常に多いということであれば、やはり家庭の場でよく大人が理解するような形の対家庭向きの啓発ということがまた必要でありましょう。そういう統計的データと申しますのは、いろいろ多い多い多い、こうなってきたときには、その多いところに合ったやはり啓発の仕組みというようなことを考えるための一つのデータとして啓発をする側、あるいは行政の側が利用することもできるものである、こういうふうに思っております。
#187
○田渕哲也君 今のデータをさらに詳細に検討してみますと、家族から聞いたという答えは年配の人に多い、それから若い人では、学校から聞いだというのが多くなっておる。ということは、この同和対策の事業を始めてから学校での啓発がふえておるということもあらわしておるわけでございます。
 それほど政府を非難するあれでもないと思うんですけれども、問題は、さらに詳しく調べ。なければならないのは、家族から聞いた人がどういう感じを持っておるか、学校から聞いた人がどういう感じを持っておるか、それをやっぱり調査することが重要ではないかと思いますね。学校から聞いた人はそういう差別観念が少なくて、家族から聞いた人は差別観念が高いということならば、やっぱり学校での啓発活動をもっともっとふやすことが大事でしょうし、あるいはテレビやラジオで聞いた人の受け取り方がどうか、やはりそういうきめ細かな調査と対策とを結びつけていかないと心理的な問題はなかなか改善しないように思いますが、いかがでしょうか。
#188
○政府委員(小山弘彦君) おっしゃるとおりだと思います。その辺に、「改めて創意工夫を凝らして」というところに、そういうデータがあれば、先生おっしゃいますようなことで、その啓発というものを考え直すあるいは考えを充実させる、こういうことにもつながっていかなきゃいけない、こう思います。
#189
○田渕哲也君 それから、私は心理的な差別と物的な問題とは決して無関係ではないと思います。といいますのは、同和部落の人の昔の歴史とか、そんなものを知って差別をするという人は割に少ないんじゃないかと思います。よく知っている人も少ないと思いますけれども。むしろ現在の置かれておる地域の生活水準とか、住宅とかあるいは服装とか、衛生度合いとか、それからさらに学歴、教養の問題、そういう問題の差がなくなればやっぱり心理的な差別も必然的になくなっていくのではなかろうか。
 そういう意味で、物的な面の改善はかなり進んだわけですが、あと、これも大分改善をされつっ、ありますけれども、学歴、就学の問題ですね。高校進学率は大分改善されてきております。しかし大学の進学率は依然差が大きい。それから、高校の進学率は改善されたにしても高校の中退率が非常に高い。この原因はどこにあると考えておりますか、お伺いしたいと思います。
#190
○説明員(近藤信司君) お答えをいたします。
 先生御指摘の進学率の格差の問題でございますが、例えば高等学校の進学率で申し上げますと、平成三年度で全国平均が九五・四%に対しまして対象地域は九〇・二%、格差にして五・二%ほどでございます。大学進学率につきましては、ややこの格差が大きゅうございまして、全国平均が三一・六%に対しまして、対象地域が一九・九%ということで一一・七%ほどの格差がございますし、高等学校中退卒で申し上げますと、平成二年度の数字でございますが、全国平均が二・二%に対して対象地域四・二%。例えばこの高校の中退率、同和地区における高等学校の中退率が全国平均に比べて高いわけでございますけれども、この中途退学の原因を理由別に見てみますと、例えば進路変更でありますとか、学校生活あるいは学業に適応できない、学業不振、こういったものが高くなっておるわけでございまして、この傾向は大体全国平均と似たようなものでございます。
 いずれにいたしましても、こういった例えば中途退学を防ぐためには、やはり高等学校が魅力あるものとなるような学習指導の充実でありますとか、あるいは中学校の側での進路指導の充実などが肝要であろう、そういう観点に立ちまして、これまでもいろんな施策の推進に努めているわけでありますけれども、一層進路指導でありますとか生徒指導、教科指導の充実を図ってまいりたい。このように考えております。
#191
○田渕哲也君 それから、進学率の向上のために有効な制度として奨学金制度が挙げられております。特定事業の中の高等学校等進学奨励費補助事業、これは国立、私立それぞれ決まった金額が出るわけですけれども、今回の措置でこれが延長されるわけですけれども、ただ、その後一般対策へ移行した場合、この措置はどうなるわけですか、お伺いしたいと思います。
#192
○説明員(近藤信司君) 大変難しい御質問であろうかと思っておりますが、先ほど来申し上げておりますように、進学率等の格差があるということで、従来から文部省におきましては高等学校等進学奨励費補助事業の単価アップでありますとか、受給資格の基準の改善に努めてきたわけでございます。
 昨年の地域改善対策協議会の意見具申を踏まえまして、政府全体におきまして五十五事業の見直しを行ったわけであります。そして、この高等学校等進学奨励費補助事業につきましては当面継続をするということで、そういう形で全体の中での見直しか行われたと。したがいまして、今後の一般対策への円滑な移行という観点からの問題につきましては、引き続きまた政府全体におかれまして、この地対財特法の改正法案が成立をし、地域改善対策協議会を存続するということが政府大綱で定まっておるわけでありますけれども、また、その中で協議なされていくものと承っております。
#193
○田渕哲也君 終わります。
#194
○委員長(梶原清君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#195
○委員長(梶原清君) 御異議ないと認めます。
 地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案の修正について吉川君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。吉川春子君。
#196
○吉川春子君 私は、日本共産党を代表して、地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案に対し修正案を提出いたします。
 修正案はお手元に配付されておりますが、これよりその趣旨について御説明申し上げます。
 同和対策特別措置法以来二十三年間にわたって実施されてきた財政上の特別措置によって、同和地区の環境と同和地区住民の生活は大幅に改善され、今後は特に同和地区住民の自立並びに同和地区内外の融合を大きく前進させることが求められています。
 今日、重要なことは、特別対策である同和行政を一般行政へ早期に円滑に移行するとともに、一般行政のもとで同和地区住民の要求をいかに解決するかが求められています。さらに乱脈、不公正、
利権あさりなど、同和行政のさまざまなゆがみを是正することが特に求められています。
 今回の政府提出改正案は、最終の特別法であり時限法として、事業の一部廃止、縮小も予定されるなど、大枠では地域改善対策事業を一般行政に移行させる方向が示されております。
 しかし、引き続き行う地域改善対策事業、いわゆる残事業の定義を一九九二年以降においても真に必要な事業などといってあいまいにしていることや、多くの地域改善対策特例事業の一般行政への移行をそのまま五年間先送りしていること、また公正かつ民主的に事業を実施するという制度的保障が不十分であること、などを指摘せざるを得ません。
 我が党は、国民的融合を進め二十一世紀まで部落差別を残さないための重要な施策として、特別対策である地域改善対策事業を一般行政へ早期に円滑に移行させ、また事業を公正かつ民主的に実施しつつ、特別対策の終結を進める立場から修正案を提出するものであります。
 次に修正案の概要を申し上げます。
 第一は、引き続き行う地域改善対策特定事業の定義を、一九九一年度末までに認定、着手し継続している事業に限定します。
 第二は、何らかの理由でおくれているこれら事業を、確実に完了させるために法の期限を三年と限定します。
 第三は、不公正、乱脈な同和事業を一掃するために、国及び地方公共団体に対して、地域改善対策特定事業は適正にして公正かつ民主的に実施すべきであることを義務づけます。
 以上が我が党の修正案の提案理由とその概要であります。
 委員各位の御賛同をいただき、速やかに可決されますよう要望いたしまして修正案の趣旨説明を終わります。
#197
○委員長(梶原清君) それでは、これより両案並びに修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。
 まず、吉川君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#198
○委員長(梶原清君) 少数と認めます。よって、吉川君提出の修正案は否決されました。
 次に、原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#199
○委員長(梶原清君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 田村君から発言を求められておりますので、これを許します。田村君。
#200
○田村秀昭君 私は、ただいま可決されました地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院及び民社党・スポーツ・国民連合の各派共同提案による附帯議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について適切な措置を講ずるよう努力すべきである。
  地域改善対策協議会の意見具申を踏まえ、同和問題の早期解決に向けて、改めて国民的課題としての展開が重要であり、人権尊重の視点に立った取組みが引き続き必要であることにかんがみ、同協議会の中に、心理的差別の解消に向けた啓発等のソフト面の推進、行政運営の適正化等、基本的な課題を審議するための仕組みが設けられるよう、特段の配慮が行われるよう留意すること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#201
○委員長(梶原清君) ただいま田村君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#202
○委員長(梶原清君) 多数と認めます。よって、田村君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、岩崎総務庁長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。岩崎総務庁長官。
#203
○国務大臣(岩崎純三君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を踏まえて検討し、努力してまいりたいと存じます。
#204
○委員長(梶原清君) 次に、一般職の職員の給与等に関する法律及び行政機関の休日に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#205
○委員長(梶原清君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#206
○委員長(梶原清君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後三時十分散会
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ソース: 国立国会図書館
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