くにさくロゴ
1992/01/29 第123回国会 参議院 参議院会議録情報 第123回国会 本会議 第2号
姉妹サイト
 
1992/01/29 第123回国会 参議院

参議院会議録情報 第123回国会 本会議 第2号

#1
第123回国会 本会議 第2号
平成四年一月二十九日(水曜日)
   午前十時二分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二号
  平成四年一月二十九日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ―――――・―――――
#3
○議長(長田裕二君) これより会議を開きます。
 日程第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
 去る二十四日の国務大臣の演説に対し、これより順次質疑を許します。対馬孝且君。
   〔対馬孝且君登壇、拍手〕
#4
○対馬孝且君 私は、日本社会党・護憲共同を代表し、総理の施政方針を中心に質問いたしてまいります。
 今、世界は、総理自身が認識されているように、百年に一度あるかないかの大変革の渦中にありますが、同時に、本年地球サミットが開かれることに象徴されるように、人類がその生存にかかわる試練に立たされている時代でもあります。
 そして、我が国を直視したとき、国民の生活実態にはゆとりがなく、かつ、社会悪の典型である汚職や金融・証券不祥事その他企業犯罪が続発し、日本列島金まみれとも言うべき病理現象が蔓延しています。
 また、大量生産、大量消費、そして輸出大国で世界のGNPの一五%をも占める日本は、世界の資源をあさり、地球環境の悪化の元凶との批判を受けています。一方で人間疎外の一極集中が進み、他方で我が国経済と国民生活の安定に寄与してきた農林業は衰退し、石炭に至りては山そのものが壊滅し、過疎と疲弊の村や町が残されました。また、競争社会の悪弊を偏差値教育で持ち込んだ結果、高校までの中途退学者、小中学校における登校拒否の実態は極めて深刻であります。我が国自身のその生き方、そして価値観が根底から問われており、戦後約半世紀、幾多の苦難を乗り越えながらも、今日の厳しい現実に直面しています。
 したがって、現代に生きる私たちは、これまでの歴史の教訓を踏まえ勇断を持って改革に立ち向かい、あすを担う人々に対し心優しい平和な世界を引き継がなければなりません。こうした立場に立ち、以下、具体的に当面する諸課題について質問いたします。
 まず、政治倫理の確立について質問いたします。
 去る一月十三日、元宮澤派事務総長、元北海道開発庁長官だった阿部文男代議士が、大臣の地位を利用しての受託収賄容疑で逮捕されました。宮澤総理の登場でロッキード・リクルート汚職議員の復権、次いで阿部代議士逮捕、さらに佐川急便事件の政界波及必至の報道等、今や政治倫理は地中に埋没させられてしまったと言わなければなりません。
 阿部代議士は、鉄骨加工メーカーの共和から五億円余りと言われる金を受け取り、そのうち八千万円が、検察側が立証可能な受託収賄分とのことです。政治献金という名前さえつけば五億円という巨額の金が授受され、さらに宮澤派幹部の数名が共和から膨大な金を受け取ったとも報ぜられ、保守党の政治と金の関係は腐り切っているというのが国民の怒りの声であります。阿部元事務総長は宮澤政権の実現のために大きな役割を果たし、総理ど一体の立場にあったことは周知のとおりで、受託収賄の金が宮澤派の総裁工作に使われたのではないかと国民は疑いの眼で見ています。
 しかし、総理は、昨日我が党の田邊委員長の質問に、阿部個人の犯罪であり、目下司直の手で取り調べ中と答弁し、何か他人事でかかわりたくたい、トカゲのしっぽ切りで逃げたい態度でした。宮澤派は無関係を何で証明しますか。証明なしの答弁は無責任きわまり、断じて容認できません。阿部代議士の議員辞任は世論であります。総理・総裁、そして親しい友人として、宮澤さんは辞任させる責任を持つべきであります。
 さらに、総理自身の三点セットの真相究明は前国会からの継続課題であります。我が党は、政治倫理に関し、証人喚問をも含めすべての問題をこの国会で徹底究明し、国民の声にこたえていく決意であります。まず、総理の確たる答弁を求めます。
 加えて、今年の参議院選挙を控え、自民党比例区候補予定者が民生委員や自衛隊の組織を使って金集めに狂奔していることが報じられております。宮澤自民党総裁は直ちに中止させるべきではありませんか。なぜ見て見ぬふりをされるのか。それで政治倫理を口にすることができますか。総理の答弁を求めます。
 古くて新しいと言われる政治と金にまつわる倫理の確立に、総理はどう対処されますか。リクルート事件の反省を怠り小選挙区制の導入にすりかえた自民党の過ちが、今日ほど明確になったことはありません。我が党は、政治倫理の確立と政治資金規制の強化を最優先に行うべきことを主張してきましたし、前国会に野党四党共同提案で政治倫理法案をも提出いたしました。この点で、政治倫理の確立の手法で野党がいかに正しかったか、多言を要しません。
 私は、前国会の野党提出法案を受け入れて、選挙区制と切り離して政治倫理と金の問題を緊急に措置することを、総理にこの議場を通し国民にお約束いただきたい。
 さらに、政治倫理確立には、企業が提供する私設秘書や自動車、政治事務所等、金以外の物や人の規制を行わないとしり抜けになるというのが実態であります。この点をどうするお考えか、あわせて答弁を求めます。
 一九八九年五月にリクルート事件の反省として自民党が出した政治改革大綱は、国民の政治に対する信頼を回復するため、みずからの出血と犠牲を覚悟して、国民に政治家の良心と責任感を示すときであると宣言をしております。総理、よもやお忘れではないでしょう。今回の受託収賄容疑で逮捕された阿部文男代議士の共和疑惑事件は明らかに構造汚職であり、国民に対しての侮辱と裏切りであります。政治改革大綱は国民に対する政府・与党の公約であり、その実行の責任について宮澤総理の確たる答弁を求めます。
 次に、宮澤政権の政治姿勢について質問します。
 宮澤内閣発足当時の、本格政権とか、総理御自身のみずから決断し実行力ある内閣といったせりふが最近は色あせ、かつてあった宮澤政権待望論が失望へと変わった感があります。世論調査でも、発足当初は支持率五四%で田中内閣に次ぐ歴代二位の高い支持率を得ておりましだが、昨年末の調査では支持率と不支持率が三七%と相当ばするほど短期間で低下しております。これは、百二十二国会で、政治改革と国際貢献を宮澤内閣の二大政治課題と位置づけながら、憲法無視のPKO法案の強行採決、また政治改革には不熱心で片りんさえ示されず、発足早々、政権担当能力と実行力に国民が大きな失望を感じたからであります。
 宮澤総理の政治スタイルはリベラルで、政治信条は軍事より産業優先、そして民生重視でした。昨年の総理就任演説で、ベルリンの壁崩壊以降の変化を新しい時代の始まりと位置づけられましたが、PKO法案審議で、国際国家日本の役割に関連して総理の政治信条が不明確であり、時流に流され変節したのではとの不信感を国民が抱いたことは間違いありません。この点で、自民党小沢調査会が現憲法を改正せずに海外派兵を可能とした提言をどう判断し、どう扱うか、お答えいただきたい。
 なお、総理は、つい先ごろまで宏池会の領袖であり、世間で言われる保守本流の出身であります。保守本流の政治運営は、軽装備・経済重視の路線と言われてきました。総理は、この路線を世界の趨勢をにらんで新たな段階に進める御決意がございますか。それとも、軍事力を含め自衛隊の海外派遣等で、強大ではないがヘゲモニー的国家へ進もうとされるのか、総理の確たる答弁を求めます。
 次に、外交問題について質問いたします。
 ベルリンの壁崩壊からわずか二年二カ月の間に世界は今世紀最大の激動、激震を体験し、今日なお先行き不透明、不確実な、航海図なき展開が続いております。しかし、その中でも軍事的対立の解消と話し合いによる平和構築の努力が地球的広がりで進んでいることは、戦後世界史の一ページが開かれたと言えましょう。我が国は、これまで日米同盟偏重追随外交を行い、その結果、我が国外交は顔が見えない、外交哲学がないと国の内外から批判がありましたが、今日の国際情勢下、今こそ情性を排し、世界の動向を見据え、二十一世紀を展望した新構想で、我が国の国際的地位にふさわしい展開が求められております。戦後外交と一線を画するような新時代の日本外交のビジョンの力点をどこに置く考えか、答弁を求めます。
 冷戦終結後のソ連邦の消滅で、最近、ソ連よりも日本が脅威という声が米国で高まっています。さきの日米首脳会談で、日米両国は新たな時代を形成する特別の責任を受け入れるとの声明を出されましたが、新時代形成の特別な責任とは何か御答弁を願いたいのと、そのことを進めれば日米イコールパートナーが確立され、日本たたきの解消が図られると総理は判断しておられるかどうか、答弁を求めます。
 航海図なき時代は、一面で不安定、不確実ですが、他面で、金縛り状態の冷戦構造下と違って、自由に構想し実行できる時代でもあります。冷戦構造下で、政府は、多分に建前論で国連中心主義外交を掲げていた節がありますが、今こそ国連平和外交構築の絶好の機会であります。国際連盟以来七十余年、国際連合から四十余年、日本憲法と同様な崇高な目標を追い続けながら実現しなかった国際平和維持機構の完成に日本は全力投球すべきであります。人材や資金の拠出はもちろん、第二次大戦の残滓を取り除き、従来の五大国支配型の国連を、第三世界の多数加盟の実態を踏まえ、かつ、紛争の根底に貧富差や飢餓があることを考慮し、近未来を展望し、世界平和に役立つ機構に改める努力をすべきと考えますが、総理の答弁を求めます。
 また、今月末の国連安保理に総理は出席され、何を訴え、冷戦終結後の安全保障で各国首脳にどんな提案を行うのか、あわせて答弁を求めます。
 アジア外交については、何よりも、第二次大戦で軍靴で踏み荒らしたこれらの地域に十分な償いをしてきたか、深い反省から出発せねばたりません。また、片時もこの過ちを忘れることたく、教育の分野でも不十分だったことを改心せねばなりません。
 その中でも、植民地支配以来、朝鮮半島の人々の苦痛、殊に従軍慰安婦、強制連行、BC級戦犯と大変な迷惑をかけました。総理が訪韓で胸の痛む思いと謝罪された従軍慰安婦問題は、政府はもちろん、日本国民全体が負わねばならない蹟罪であります。特に、政府がひた隠しにし、事実を隠ぺいする答弁を国会で行ったことは厳しく指弾されなければなりません。今国会の四大臣演説で従軍慰安婦の言葉が一カ所もないのはなぜですか。早急に調査を進め、個人補償を行うべきです。今後の方針と対応について、総理大臣並びに外務大臣の答弁を求めます。
 今後、我が国は、アジア・太平洋地域の安定、発展に一層尽力すべきで、世界で最も成長が高くさらなる発展の可能性を秘めたこの地域の経済の発展を図り、共存共栄の実を上げ、貧困や飢餓の追放を目指すべきであります。環太平洋地域の経済発展と我が国の役割で、総理並びに外務大臣の答弁を求めます。
 ソ連邦の消滅と独立国家共同体CIS移行には、幾多の不安定要因が見え隠れしております。特に、膨大な核兵器管理の行方は世界の心配の的です。国際的な核査察機能を十分に活用し、万が一にも暴発することがないよう万全の対策が肝要であり、総理が出席する安全保障理事会で、核管理の提案、決定を特に要請しておきます。
 独立国家共同体の混乱を最小限度に食いとめCISの建設がスムーズに運ぶよう、可能な限りの援助を我が国は行うべきであります。総理並びに外務大臣の答弁を求めます。
 日ロ間の懸案である北方領土問題の解決は、CIS体制の推移を注視しなければなりませんが、エリツィン・ロシア共和国大統領は、国際社会に開かれた国家となるための第一の条件にこの解決を挙げております。また、中山前外相は対ロシア五原則を発表しております。したがって、北方領土の返還は、議論の段階ではなく解決の段階を迎えていると考えます。エリツィン大統領の訪日を早め、日ロ両首脳による解決を図るべきではないでしょうか。
 中山五原則では、ロシア共和国との間で多面的協力を飛躍的に拡充強化するとしています。よって、返還の相互理解と世論啓発のために、北海道と極東、サハリン州、北方四島を結ぶ空路、海路及び通信網等のネットワークづくりが大事と考えますが、いかがですか。
 さらに、昨年両国間で取り決めたビザなし渡航は、日本側は手続が煩雑過ぎること、ロシア側は外貨の取得交換等が容易でないことから、実績が上がっておりません。領土返還の世論啓発の立場から、渡航費用の予算化や手続の簡素化を図ることが必要です。
 以上の三点につき、総理並びに外務大臣の確たる答弁を求めます。
 次に、防衛問題について質問いたします。
 日米安保体制の脅威の対象が消滅し、核兵器及び通常兵力削減などで世界的軍縮が進んでいる今日、我が国の防衛費削減は当然であります。我が国の来年度防衛費は四兆五千五百十八億円、伸び率三・八%、増加額千六百五十八億円で、さらに将来の防衛費負担の要因である正面装備のツケ買いは八千六百億円余となっています。その中には新多連装ロケットシステム等の最新鋭攻撃兵器が含まれており、全くの時代逆行であります。
 総理、これが日本国民に贈る政府の「平和の配当」ですか。昨年の暮れ、野党党首の要請を受け中期防の繰り上げ見直しに着手したことは素直に評価をいたしますが、平成四年度防衛予算の国会修正に応ずる用意がございますか。また、防衛計画の大綱の見直しはもちろんですが、我がシャドーキャビネットは、四年度予算編成で陸上自衛隊三万人等の削減を求め、今後段階的削減を提案しましたが、総理に実行の決意がおありかどうか、確たる答弁を求めます。
 米国は、兵力の二五%削減を既に実施中であり、国防費を向こう五年間に五百億ドル以上削減すると報じられています。軍事力の削減で米国と同一歩調がとれない理由は何でしょうか。一部の論調は、米国の「平和の配当」の肩がわり論や、また、米国軍需産業救済に黒字大国日本が兵器購入の責任を負わされると言っていますが、いかがですか。確たる総理の答弁を求めます。
 次に、PKO法案について質問いたします。
 我が党は、非軍事・民生・文民の三原則でPKO法案作成を主張し、提案をしてきました。自衛隊海外派遣の政府案を撤回し、憲法遵守のPKO法案の提出を強く要求いたします。自衛隊削減見合いで国際貢献は容易になり、自民党の一部が画策した国際貢献税の増税は不必要であり、総理が訪韓で韓国大統領にくぎを刺された自衛隊派遣の政府のPKO法案の危険性をも除去でき、まさに一石三鳥であります。総理に明確な答弁を要求いたします。
 次に、財政・経済問題について質問いたします。
 バブル経済の崩壊と景気回復の低迷が重なってこの数年続いた巨額な自然増収が消え、四年度は大幅財源不足に見舞われました。予算編成の過程では、当初六兆円、最終段階では二兆円の財源不足が報じられ、結局七千三百億円余の増税が行われることになりました。納税者の声は、六兆円もの財源不足が三分の一に減らせる理由がわからないのと、それほど自在に圧縮できるなら増税なしでも予算編成は可能ではないかということです。国民の不信を買う予算編成は反省が必要ではありませんか。
 こそくな手を使いながら、初めに増税ありきというのが実態でありましたが、増税対象の法人臨時特別税、自動車消費税、地価税等は、いずれも政府の公約をほごにして実施しようとするものです。財源不足を理由に簡単に公約破棄が許されるでしょうか。さらに、平成四年度予算の財源不足対策でなぜ二年間にわたる増税を行うのか理解できません。総理並びに大蔵大臣の答弁を求めます。
 さらに、赤字国債の発行回避を最大目標に取り組み、形式的には実行したものの、地方交付税関係で八千五百億円の借金をしたことは実質的な赤字国債の発行であります。こうした視点に立ては、歳出の削減不徹底の責任は重大です。大蔵大臣の答弁を求めます。
 バブル経済による異常税収が消え平準化の税構造に戻る一方、歳出面では、ODAを初め国際貢献経費の増高、高齢化社会対策、社会資本投資の充実等がメジロ押しです。増税なき財政再建の旗を掲げて建設国債の計画的削減を図るとの第二段階財政再建の方針は守り切れるでしょうか。政府の公共投資基本計画の実行と財源の関係ですが、四百三十兆円のうちの国費相当分は建設国債で賄う以外なくなったと思います。私の推計では、計画達成時の公債残高は約二百三十兆円近くとなります。豊かさの実感できる生活大国の施策は借金と負担づきで後世代に送る、これが政府の方針でしょうか。総理並びに大蔵大臣の答弁を求めます。
 消費税創設に当たり、所得、消費、資産の税負担バランスをとるとのことでしたが、所得重課の実態は何ら変わっておりません。中長期的には消費税引き上げでバランスをとるという魂胆でしょうか。さらに、問題は、資産課税は全く不十分の一語に尽きます。また、総理は公正な社会づくりを提唱されましたが、税の面で公正な社会をどうつくるのですか。さらに、消費税の税率を上げないことはもちろん、自民党が選挙で公約した飲食料品の小売段階非課税の実施をいつ実行されるのか、あわせて総理の確たる答弁を求めます。
 政府の金融政策の失敗と土地政策の無策が招いたバブル経済の後遺症に日本経済は病んでいます。その上に景気循環の低成長期を迎え、産業経済界は先行き不安で、経済活動は萎縮傾向が強まっています。我々は既に昨年の本予算審議の際に景気の節目と流れの変化を警告したのに、政府は拡大過程での減速などと称し景気動向の判断を誤り、対応がおくれた責任は極めて重大であります。公定歩合の引き下げも、七月以降三回行われたもののいずれも時期おくれでアナウンスメント効果すら半減といった状態で、極めて場当たり的としか言えませんが、まず政府に、反省を込めた景気動向の判断で経企庁長官の答弁を求めます。
 来年度政府経済見通しの実質成長率は三・五%でありますが、民間の調査研究機関の大多数は三%そこそこで、政高民低、政府はブッシュ大統領の訪日で背伸びし過ぎというのが大方の見方ですが、達成は可能でしょうか。来年度経済見通しの分かれ目は、設備投資の独立投資の要因判断、住宅投資反転の可否、個人の消費の動向、それに景気回復の時期といった点であります。さらに、根底には、宮澤総理が蔵相時代に始めた空前の内需拡大策で日本経済は肥満化し、今日では企業も個人もストック調整を余儀なくされた経済停滞であり、この状態はそれほど短期間に終わるとは思えません。総理並びに経企庁長官の答弁を求めます。
 さらに、宮澤総理は新経済計画の策定を諮問されましたが、今後の日本経済の姿をどのように想定され、また、今日国民生活は豊かさとはほど遠い状況にありますが、新計画でどう解決されるお考えか、総理の基本姿勢について答弁を求めます。
 また、総理が提唱される生活大国について、施政方針で六項目が挙げられました。言い古された感の提言ですが、どう実行するのか国民には伝わってまいりません。そこで、現状の生活条件の何がどの程度変われば生活大国と言えるのか、その実現に政府と民間と分けでどのような政策が必要なのか、達成年次はおおむねいつごろか、総理の確たる答弁を求めます。
 次に、米の市場開放について質問します。
 昨年の十二月末、ガット・ウルグアイ・ラウンドでは農産物の例外なき関税化の包括提案が出され、また、先ごろ来日したブッシュ米国大統領も市場開放を迫るなど、米をめぐる環境は急速に厳しさを増しております。しかし、我が国農業は米づくりを基本に成り立っていること、また、米は日本国民の主食であることから米の国内完全自給体制は日本の国策の中心だ士考えますが、いかがですか。もし米市場を開放するようなことになれば、重大な政治課題が存在することを忘れてはなりません。各地方議会の九〇%以上が自由化反対の決議をしております。これこそ国民の声であることを強く申し上げておきます。
 最近、政府・与党の一部に関税化容認論が台頭していますが、全く言語道断であります。たび重なる米自由化反対の国会決議に反する行為は、議会制民主主義に弓を引く暴挙であります。また、食管法を改正せずに政省令改正で米の自由化を行えるとの考えも聞かれますが、これは議会の空洞化ねらいで、断じて許されるものではありません。宮澤総理の一点の曇りなき答弁を、日本国議会の名において強く要求いたします。
 今、日本の農業は存在そのものが危ぶまれる状況に陥っています。我が党は、今国会に地域農業振興法案等三法案を提案し、新農業プランの作成で農業の将来展望を切り開くことにしています。我が国農業の位置づけを明確にした総理並びに農水大臣の確たる答弁を求めます。
 次に、環境保全とエネルギーの安定供給について質問します。
 本年はアースイヤーであります。六月にブラジルで国連環境開発会議が開かれ、国際的規模で実行段階を迎えます。我が国は、地球環境保全型社会をつくり上げるために、一方で温暖化や汚染防止の行動と、他方で自然エネルギーの実用化を含め長期エネルギー需給見通し及び安定供給総合計画の策定が環境と経済の統合の見地から不可欠ではありませんか。
 また、地球環境サミット事務局は、地球環境保全に必要な資金を一年当たり千二百五十億ドルと提示しています。この調達が大きな課題です。
 以上の二点につき、総理の答弁を求めます。
 次に、社会保障について質問を行います。
 高齢化への対応では、年金、医療、介護、雇用、住宅の五つの保障が不可欠であります。しかし、現状はいずれも不十分で、先行き不安がつきまとっています。現行の縦割り行政の高齢化対策がこう薬張り的に行われても、高齢者の生きがいや人間としての尊厳を中心に据えた総合高齢化政策が欠落していることを厳しく指摘せざるを得ません。この弊害を是正し安心した老後を送れるために、宮澤内閣に、高齢化社会総合計画法を策定し、三年刻みくらいで到達度を織り込んだ計画をつくることを要請し、総理の答弁を求めます。
 その中でも緊急の政策課題は、マンパワー確保であります。来年度予算で政府がこの点に力を入れたことは承知しておりますが、たお不十分です。ホームヘルパーや看護職員の労働条件を改善し働きやすく魅力ある職場にしていくことは、当然であり、基本であります。それ以外に、高齢者相互の助け合い介護、ボランティア組織による介護、家族介護のための特別休暇制度等、新視点に立ってのマンパワー政策の制度化が必要ではありませんか。答弁を求めます。
 最近、民間有料老人ホームの入居者が寝たきりになると追い出されたり、高齢化時代で福祉を金もうけの対象にしたりといった事例が全国で起きています。高齢者が安心して生活が送れるように、緊急立法措置が必要ではないか。あわせて総理の答弁を求めます。
 次に、労働時間短縮について質問します。
 総理が公約された生活大国づくりを阻む大きな要因の一つが長時間労働であります。先進諸国にたい過労死の多発や時間外労働が当然の現状は、アンフェア日本の象徴です。
 政府は、四年前に策定した長期経済計画「世界とともに生きる日本」の中で、週四十時間労働制の実現、年間総労働時間千八百八十時間への短縮を掲げられ、今年が計画最終年次です。到達不可能な理由は何ですか。
 私どもは、完全週休二日制、週四十時間労働の実現等で、労働基準法を改正して実行することを主張してまいりました。先ごろの報道では、労働大臣も法律改正による措置を検討中とのことですが、一労働時間短縮を、口先だけではなく、実行、実現のために何をなされるか、総理の確たる答弁を求めます。
 さて、昨年は災害が多発しました。その中でも雲仙・普賢岳の爆発は、今日に至るも多くの住民の方々が避難を強いられ、心からお見舞い申し上げます。
 この間、政府の被災者救済対策はその場限りで、現地の皆さんの痛みや悩み、そして苦しみにこたえるものとはなっておりません。いま一度、ここで政府に特別立法の制定等抜本的対策を強く要求し、総理の答弁を求めます。
 最後に、品格ある国づくりについてですが、総理は、昨年十一月八日この議場で就任演説をされ、結びに、国民が誇りを感ずることができる品格ある国づくりに全力を傾けると言われました。
 品格ある国づくりの根本は、国民に信頼される政治だろうと思います。大臣のいすを利用して私腹を肥やしたり、派閥間の暗闘で重要な政策が巻き添えを食わされる自民党政治、また米の自由化も、外圧にかこつけて農民にうそを言い、裏切る方向に急角度で傾いている宮澤内閣、これで国民は信頼するでしょうか。
 衆議院議長が人種差別の発言を行い、総理自身も日米首脳会談の自動車問題取り決めを発表の前と後で違うととられるような発言をし、たまたま訪米中の外務大臣がとりなしに振り回されるようでは国際的信用を損なうばかりです。
 「信なくば立たず」が政治哲学です。国の内外で信用なき宮澤内閣は、品格ある国づくりの土台が崩れ落ち、その実現は無理と断ずるものであります。このことを総理に申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(宮澤喜一君) お答えを申し上げます。
 かつて国務大臣の職にありました同僚議員が収賄容疑で逮捕されたことは、まことに遺憾であります。この事件は目下司直の手によって究明が進められておりますが、このようなことが生じたことについて、国民の皆様に対し深くおわびを申し上げます。
 阿部議員の進退につきましては、基本的には阿部議員自身が判断をせられるべき問題と思います。現在、当局が事実関係を究明中でもあり、私の意見を申し述べることは差し控えさせていただきたいと思います。
 なお、私自身のことに関して御言及がありましたが、前国会において、かねて御要請のありました資料をすべて提示し、また私自身が誠意を持って答弁を申し上げたところであり、事実関係は明らかになっていると思っております。もとより、私自身反省の気持ちを決して忘れない決心でございます。内外の問題が山積しております現在、政治がこのようなことによって停滞することのないように、政治倫理の確立を期するとともに、政治改革の実現に全力を挙げて取り組まなければならないと考えております。
 なお、自民党の比例区の立候補予定者のことについてお触れになりましたが、立候補予定者にかかわる政治活動等が関係法規を遵守して行われなければならないことは当然のことでございます。現在のところ、民生委員法第十六条、これは職務上の地位の政治的利用の禁止の規定でございますが、に違反する事例があったとの報告は受けておりません。
 また、自衛隊が自民党参議院比例区立候補予定者の資金集めに組織ぐるみで協力したという事実はないと承知いたしております。
 政治と金をめぐる問題を解決するには、政治倫理の確立を図るとともに、金のかからない政治活動、政策を中心とした選挙が実現できますように、政治資金制度や選挙制度の改革のための具体的な方策を見出すことが必要であります。現在、政治改革協議会において鋭意検討されているところでございます。
 国会議員の資産公開等、政治倫理関係の問題につきましては、自民党では既に、政治倫理確立のための国会議員等の資産等の公開に関する法律案と、行為規範の実効性確保のための措置を議会制度協議会に提案しているところでございます。また、第百二十一国会に、野党共同で政治倫理法案が提出されたことも承知をいたしております。これらの問題については、今後各党間で十分論議を尽くしていただき、できるだけ早期に具体的な結論を出していただけるように念願いたします。
 次に、企業と私設秘書あるいは自動車、事務所の提供等々の問題についてお触れになりました。
 企業などの団体も社会的な存在として政治活動の自由を有するものでございますから、政治家の政治活動をいろいろな形で支援するということ自身は一概に否定すべきものではないと考えます。しかし、それにはやはり一つの限度がございまして、企業等団体からの支援が国民の批判を招くことのないように、これは節度を持って行わなければならない。非常に難しい問題でございますけれども、そのように考えております。
 政治改革大綱でございますが、自由民主党におきましては、政治改革大綱を取りまとめて以来その実現に全力を挙げてきたところでございます。この大綱の基本理念を踏まえまして、党内論議を重ねながら、政治改革実現に向けて党を挙げて取り組んでいただくようにお願いをいたしておりまして、私としても最大限り努力を払ってまいります。
 次に、国際社会における我が国の役割についてお尋ねがございました。
 今、国際社会は冷戦の時代から新しい世界平和の秩序を構築する時代を迎えておるというふうに申し上げました。この新しい秩序づくりに当たっては、世界とともに平和と自由、繁栄という目標を一体的に追求し、個人の尊厳が保たれ真の人間的価値が保障されるような、そういう平和の確立に努力することが肝要だと考えております。我が国は、このような考え方に基づきまして、憲法の基本理念である平和主義と国際協調主義のもとに、できる限りの国際貢献をしなければならないというふうに考えております。
 なお、自民党の中にございますいわゆる小沢調査会について御言及がございました。
 調査会が、国際社会における我が国の役割について、学識経験者等からも意見を聴取しつつ議論を行っていることをよく承知いたしております。私としては、タブーを置かずにいろいろな角度から問題を検討するということは有意義なことであると考えております。
 国際国家日本の役割につきまして、世界の大きな流れとしては平和を求める人類の願いがかなう方向に進みつつあると考えておりまして、新しい時代にふさわしい秩序をつくり出すために力を尽くしていくことこそ我が国の国際的な役割であると認識しております。このために、我が国としては、平和憲法のもと、専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国にならないという基本理念を堅持し、節度ある防衛力の整備に努めるとともに、持っております経済力、技術力などを積極的に活用して、新しい世界平和の秩序の構築に積極的に参画していく考えであります。
 次に、新しい時代の我が国の外交のビジョンあるいは力点についてお尋ねがございました。
 先ほども申しましたように、平和、自由、繁栄を世界の人々とともに追求すべき目標として、新しい世界平和の秩序を構築いたさなければならないと思います。
 具体的に申しますならば、国連の機能強化あるいは軍備管理・軍縮の促進を図り、また安全保障理事会非常任理事国になりましたので、地域問題などにも政治的役割を果たして世界の平和と安定に貢献してまいりたいと思います。同時に、国連平和維持活動に対して十分な人的貢献を行いたいと考えますので、いわゆるPKO法案の成立につきましてはぜひともお認めをお願いいたしたいと考えます。
 また、自由と民主主義が尊重され、市場経済の原理に基づく繁栄が享受される国際社会の構築のため、旧ソ連邦あるいは東欧への支援も行ってまいります。また、ウルグアイ・ラウンドの成功に向け引き続き努力をいたしまして、世界経済の一層の発展に寄与しようと思います。また、開発途上国の自助勢力に対する支援を通じ、いわゆる南北格差の問題にも努力をいたさなければならないと考えております。
 次に、先般のブッシュ大統領の訪日に関しまして、日米両国の特別の責任とは何かというお尋ねでございましたが、両国は申すまでもなく基本的た価値観を共有いたしております。自由と民主主義、基本的人権の尊重あるいは市場経済原理といったようなものでございますが、この両国で世界のGNPの大体四〇%近くを占めておりますから、新しい平和の構築のためにこの両国が協力することは極めて重要でございます。また、それは私どもの世界に対する責務であると考えます。このようなことを今回の東京宣言で我々の責任として宣言いたしたものでございます。
 今後、我が国は、この認識に基づきまして、主体的な姿勢で国際社会に対する務めを果たしていきたいと思っております。また、それによって日米間の信頼関係もさらに強化されていくものと考えております。
 国連というものが新しいこの時代にもっと世界平和に役立つような機構に改める努力をすべきではないかという御指摘がありまして、私もそれは同感でございます。
 このような大きな任務を担うようになりましたのはごくごく最近のことでございますので、従来そのようなものとして国連が十分に育っていなかったということは事実でございます。戦後の東西対立という国際社会の構造の中で、殊に大国の利害にかかわりますと国連が十分な意思決定が行われなかった事例はお互いに記憶がございます。しかしながら、こういう冷戦が終えんいたしまして、国連がそういう問題を通り抜けて新しい中心的役割を果たす時代になりました。そういう認識のもとに、国連に対して、平和の維持あるいは構築、さらには紛争の未然処理といったようなことについて機能を十分に発揮してもらいたいと考えております。今月末に、お許しを得まして国連の安保理事会の首脳会議に出かけてまいりますが、その際やはり、この冷戦の終えんといった時代を受けて、国連の平和と安全の分野における、殊に安保理事会の役割を中心に議論をいたしてまいりたい。平和維持、平和創造のための機能、あるいは紛争を未然に防ぐための機能、また、国連の有効性の向上の上に軍備管理・軍縮等についても私なりの意見を申し述べてまいりたいと考えております。
 いわゆる従軍慰安婦の問題についてお触れになりまして、これは関係者が体験された苦しみを思いますと胸の詰まる思いがいたします。防衛庁で発見された資料あるいは関係者の証言等々を見ますと、いわゆるこの人たちの募集あるいは慰安所の経営等について旧日本軍が何らかの形で関与していたということは否定できないところと思います。先般の韓国訪問の際に私が申し上げたことでありますが、これらの従軍慰安婦として筆舌に尽くしがたい辛苦をなめられた方々に対し、衷心よりおわびと反省の気持ちを重ねて申し上げます。
 また、こういう過ちを決して繰り返してはならないという反省と決意の上に立って、平和国家としての立場を堅持するとともに、日韓について申しますならば、未来に向けて新しい関係を構築すべく努力したいということを申し上げてまいりました。
 また、昨年末より関係省庁におきまして、いわゆるこの従軍慰安婦問題に政府がどのように関与していたかにつきまして調査を続けておりますが、今後とも引き続き誠心誠意調査を行っていきたいと考えております。
 この方々に対する補償についてお触れになりましたが、現在訴訟が提起されているところでございますので、その行方を見守ってまいりたいと思います。
 それから、環太平洋地域の経済発展と我が国の役割でございますが、環太平洋地域は現在世界で最も活力のある経済発展を続けております。この地域の持っております多様性が強みでございます。その多様性から生まれますダイナミズムというものを発展させていきたい、そのような認識のもとに、我が国としても域内各国と協力をしてまいりますとともに、APEC等の国際協力の場を通じて積極的な役割を担っていく所存でございます。
 それから、旧ソ連の核管理につきましてお尋ねがございました。
 冷戦後の国際秩序を考えます場合に、旧ソ連邦の動向はいろいろな意味で重大な影響を持っております。我が国としても、国際の平和と安全の確保という観点から、旧ソ連邦の各構成国が、特に核兵器の一元的かつ厳格な管理、武器輸出の面での厳格な管理を行うことを強く期待もし、また主張もいたしておるところでございます。また、我が国として、そのような輸出管理体制の整備強化に関しまして西欧諸国と協力しつつ積極的に対応してまいる考えでございます。
 この新しくできました独立国家共同体諸国の動向は、冷戦後の国際秩序の帰趨に重大な影響を持つものでございますので、これら諸国が内政、外交面にわたりまして改革路線を進めることは極めて大切なことでございます。その限りにおいて、我が国としても十分に協力をしてまいらなければならないと思います。したがいまして、先般、ワシントンで開催されました対旧ソ連邦支援調整国際会議にも、我が国は積極的に参画いたしたところであります。
 また、具体的な支援措置として総額二十五億ドルの支援を決定しておりますし、また、最近、六十五億円の拠出によりまして、食糧、医薬品等の支援を、できますならば我が国に一番近い地域に対して積極的に行ってまいりたいと考えておりまして、ただいま調査団を派遣しておるところでございます。
 北方領土問題でございますが、この新しいロシア共和国と我が国が従来の日ソ関係から抜本的に改善された関係に入りますためには、北方領土問題というのは避けて通れない問題でありますし、それによって平和条約が締結されることが不可欠であります。
 エリツィン大統領を初めロシア連邦の指導部は、これまで「法と正義」に基づく北方領土問題の早期解決への意図をたびたび表明しておられます。今こそ真剣に努力すべきときであると思いますし、また、かねて両国間に設けられておりました作業部会をこの二月十日過ぎには開きたいと考えております。ロシア側はクナーゼ次官でありますし、我が方は外務審議官でございますが、この作業部会で具体的な討論に入りたいというふうに考えております。
 エリツィン大統領が早期に訪日されますことも本問題の解決にとりまして大変に役に立つことであろうと考えておりまして、訪日をできるだけ早くお願いしたいというふうに考えております。
 なお、この返還のための相互理解あるいは世論啓発のために幾りかの御提案がございました。政府としても、いろいろなことにつきまして啓発、理解に努めたいと考えております。
 防衛予算につきましてお尋ねがございまして、平成四年度の防衛関係費は、中期防のもとに、財政事情あるいは中期防ができました後の国際関係の変化を加味いたしまして、極力抑制を図りつつ編成いたしました。したがいまして、現在御審議をいただ小ておりますこの予算そのものは私どもとして最善のものと考えておりますが、同時に、中期防は三年後には所要経費の総額の範囲内で必要に応じ修正を考えるということが書いてございます。策定後の国際情勢は、殊に最近のソ連の解体に見られますように激動をいたしておりますので、このような情勢の変化等を見きわめながら、今回、前広に所要の検討に着手したところでございます。
 なお、中期防のこの修正とは別に、自衛官定数を含む防衛力のあり方についても本来検討を行うということが中期防の中にございますが、現在、防衛庁の部内でそのような点も事務的に勉強を始めております。その結果いかんによりまして、大綱のいわゆる別表に変更があることはあり得ると考えておりますけれども、そのためにはかなりの検討の時間がかかるというふうに思っております。
 それから、PKO法案につきまして、撤回すべきではないかという御指摘でございました。
 湾岸危機に際しまして、国内にいろいろな議論がございました。財政的な貢献だけではなく、人的な貢献もできることはしなければならないのではないかという世論が強うございました。憲法のもとででき得る最大限の努力をいたしたい、こう考えましてPKO法案の御提出をいたし、御審議をお願いいたしておるところでございます。国際協調のもとに恒久の平和を希求する我が国として、この憲法の理念にも合致した考え方であると思っております。
 カンボジアにおきまして近く国連の本格的なPKO活動が始まる状況になっておりますけれども、我々としても、憲法の精神に合致したこのような平和活動についてできるだけ参画すべきではないかと考えておるところでございます。
 予算編成についてお話がございまして、詳しくは大蔵大臣がもお答えをされるかと思いますけれども、確かに税収動向は非常に悪うございました。歳出を徹底的に削減いたしまして、また税外収入を一生懸命探しましたし建設国債も精いっぱい発行いたしまして、この経済状態でございますので、それに即応するような予算の編成をいたしましたところであります。
 また、税制面で、法人特別税を創設し、普通乗用自動車に係る消費税の特例措置について対応するために新たに必要な措置をいたしました。これは既存の措置の延長とは事情が異なりまして、財政事情から御理解を得たいと考えているところでございます。今の財政の状況から申しますと、平成三年度の税の自然減、税収の減少というものが少なくとも四年度を越えて五年度まで尾を引くのではないかと考えましたので、この措置は二年間の措置とさせていただいたわけでございます。
 それから、公共投資基本計画等に沿いまして、今後とも生活関連分野に重点を置きまして社会資本の整備をしてまいりたいと思います。
 また、その財源を将来に向かってどうするのかというお尋ねでございましたが、具体的には、各年度の予算編成過程において歳入歳出両面における経済情勢等を総合的に検討いたしまして考えていく必要があると考えております。
 それから、消費税でございますが、消費税の税率三%、これを今どうかするということは私は一切考えておりません。飲食料品につきまして両院合同協議会において御協議がございましたが、昨年十月二十三日に一致を見られなかったという結論になりましたので、立法府における御議論の経緯、結果を踏まえまして法改正をいたしまして、これを円滑に施行してまいりたいと考えております。
 それから、経済の考え方、見通してございますが、今の現状は、住宅投資も減少いたしておりますし鉱工業生産も決して高い調子ではないというようなことから、拡大テンポは減速をしておると考えております。それが企業家の心理を冷え込まさせぬように十分配慮しなければなりません。
 人手不足という状況は、これはどこでもそのまま続いておりますので、企業としてはそれに対応する合理化投資、設備投資をしなければたらたいと考えておるわけでございますから、そのための環境を財政なり金融なりが整備をするということが大事であるというふうに考えておりまして、そういう努力を続けてまいります。ここに参りましてそのような投資意欲が少し出てまいりましたし、また住宅投資も、住宅ローンの金利が下がり始めておりますので、徐々に回復の兆しか出ておるというふうに判断をいたしております。
 それから、新経済計画の策定を諮問したということでございますが、ちょうど今年が新計画のスタートになりますので、生活大国の具体的内容等々につきまして諮問をいたしました。また、その中で、質の高い生活環境づくり、労働時間の短縮、自由時間の活用などを具体的に検討してもらうという、せんだっての施政方針で申し上げました六つの課題について検討願いたいと考えておりまして、夏ごろをめどに一つの方向を出していただきたいというふうに考えております。
 米の問題につきましては、政府は、国会決議等の趣旨を体し国内産で自給することを基本方針としてまいりました。昨年末にダンケル最終合意案が示されまして、交渉は最終段階を迎えておりますが、各国とも農業については大変難しい問題を抱えております。我が国としても、これまでの主張のもとに努力を継続するつもりでございます。
 我が国の最近の農業が、担い手不足あるいは高齢化、国際化などの進行によりまして大きな節目を迎えているということは十分に認識しております。農家の方々が将来を見通して誇りと希望を持って農業を営める環境をつくり上げることが大事だと考えております。
 それから、地球環境、アースイヤーということについても御言及がございました。
 地球温暖化対策につきましては、平成二年十月に政府として防止計画を策定いたしました。また、産業・エネルギー部門から都市構造あるいはライフスタイルに至る広範な対策を着実に実施してまいりたいと思っております。今年の六月のブラジルにおける会議には、もとより率先してこれに加わりまして、主導的な役割を果たしたいというふうに考えております。
 高齢化社会についての総合計画あるいは法律が必要ではないかという御指摘がございました。
 現在、長寿社会対策大綱に基づきまして、雇用・所得保障、健康・福祉、学習・社会参加、住宅・生活環境、研究開発の推進など諸施策を総合的に推進いたしております。今後とも、長寿社会対策大綱に示されました基本方向を踏まえ、二層の長寿社会対策の推進に努めてまいります。
 なお、高齢者が生きがいを持って暮らしていただきたい、そういう社会を構築していくことが私の生活大国の重要な柱の一つでございます。そういう関係からも、先ほど申しました経済審議会に五カ年計画の策定をお願いしておるところでございます。御指摘のように、二十一世紀の本格的な高齢社会におきましても適切な保健医療・福祉サービスが提供できるようにいたしますために、必要なマンパワーの確保を図らなければなりません。元気な高齢者が介護の必要な高齢者を支えていく、そういう社会システムをつくるということが重要な課題でありますし、そういう意味では、老人クラブ等々を中心とする高齢者の相互支援活動に対して必要た援助を行ってまいりたいと思います。
 民間有料老人ホームなどの民間老人福祉事業について緊急立法が必要ではないか。
 有料老人ホームにつきまして、老人福祉法の改正によりまして昨年四月から事前届け出制を導入するとともに、設置者への指導監督の強化を図るなど民間老人福祉事業の健全な育成に努めてまいったところでございます。今後とも、適切な指導の徹底を図り、この事業の健全な育成に努力いたしたいと考えております。
 労働時間につきまして、これは生活大国への前進を図る上で労働時間の短縮はぜひとも実現いたしたい国民的課題と思います。このためには、業種、地域ごとの労働時間の短縮に向けまして自主的努力を援助するための法的な整備が必要だと考えておりまして、今国会に提出して御審議を仰ごうと考えております。
 雲仙岳の噴火災害につきまして、非常災害対策本部を設置してやってまいりました。二十一分野九十項目にわたる対策を決定して、強力に推進しているところでございます。予想し得る事態への必要な対策をこれからも十分に考えてまいる所存でございます。
 なお、残余の質問につきましては関係大臣からお答えを申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣渡辺美智雄君登壇、拍手〕
#6
○国務大臣(渡辺美智雄君) お答えをいたします。
 まず第一は、従軍慰安婦の言葉が外交演説に入りていない、いかなるわけかという御趣旨でございますが、確かに入っておりませんでした。しかし、これは決して問題を軽視しておるものではありません。戦争は非常に悲惨なものでございまして、殺されたり、あるいは手足をなくしたり、あるいは今言ったような問題があったり、いろいろな悪の塊みたいなのが戦争でございます。このことにつきましては、我々は非常に胸を痛めて、二度と再びこういう問題は起こさないようにということでやってきているわけでございます。
 このことにつきましては、その一環としてこの慰安婦問題というのがあるわけでございますが、昨年末から内閣官房の調整のもとで各省庁においてどのような関与があったかということを目下調査中である、こういうようなこともありまして外交演説に入れることは差し控えさせていただきました。しかし、補償問題については、今提訴されて裁判中でございますので、その行方等も今後見守ってまいりたい、かように考えております。
 次は、環太平洋地域の経済発展と我が国の役割ということでございますが、これは御承知のとおり、総理からも既にお話がございまして、ともかくアジアは日本がえらい被害を与えた地域が大半でございまして、したがいまして我が国の経済協力というものは大半が、ここ何十年間アジア地域に向かって支出されておるわけでございます。したがって、日本としてはこの地域の発展を一番こよなくこいねがっておるところでございまして、非常に今、もちろんそういうものばかりではございませんが、多少役立つでおると私は思うんですね。
 そこで、今アジアは世界の中でも一番経済的にダイナミックな地域だと言われておって、二十一世紀に向かって一番期待されている地域であることは間違いありません。それをぜひ今後とも伸ばしていきたい、そういうことで、昨年十一月のAPECの閣僚会議にも渡部通産大臣ともども出席いたしまして、いろいろ協議してきたところでございます。
 それから、CIS、ロシア共同体、これらの問題につきましては、これは早く安定してもらわぬと非常に世界でも困るし、日本でも困るし、何とかまずロシア自身がはっきり安定した政権をつくってほしい。これは日本ばかりでなくて、我が自由陣営の西側は皆同じような気持ちを持っておるわけです。したがいまして、ソ連の再生といいますか、これが経済的にも非常にしっかりしたものになることは世界の経済にも影響がございますし、また大混乱に陥って逆戻りするようなことになったのでも困る。
 こういうような点から、今までゴルバチョフ時代から、例えばSTARTを初めいろんな核兵器等の縮減ということは着々と実行されておるし、エリツィン大統領になってからも、これはもう廃絶に向かって進もうというような決意が見られる。こういうようなことで、これは大いにバックアップしていこうということであります。したがって、核の扱いそのものはアメリカと特にロシアとの間で交渉が行われ、新聞でも御承知のとおり、アメリカ大統領はさらに核弾頭を減らす、これに対してエリツィン大統領は必ず何らかの反応を近いうちに示すことになるのだろう、私はそう思っておるわけであります。
 エリツィン大統領が会議に二日ばかり出なかったというような問題等につきましても、そういうものを含めて国内の差し迫った調整をしなければならないというようなことが当然に想像されるところでございます。想像といっても、これは全く根拠がなくて言っているわけじゃないですからね。したがって、ワシントンの対ソ支援調整会議には我々も積極的に参加いたしておりますし、今総理からお話があったように、極東地区への援助も準備中でありますし、一月十七日には六十五億円の無償供与も発表した。そして、これも末端まで届かなきゃだめですから、したがってそういうことは厳に注意をしてもらって準備を進めておるというところでございます。
 それから、北方領土の返還問題につきましては、これはもう総理からお話があったとおりでありまして、作業グループも近く発足させますし、それからロシアのコスイレフ外務大臣も三月になってなるべく早いうちに来てもらうということで話はつきました。その後でこちらでもう一回行くことになるでしょう。こういうようなことなどを含めましても、総理大臣とエリツィン大統領が近くお会いすることになっておりますので、引き続き話を詰めていただくことになると存じます。
 それから、ビザなし渡航の問題、これは手続が煩雑過ぎるとかどうとかこうとか、実際にいろいろあるのはあるんですが、これは向こうに問題があるんです。やはり住民の中でも反対が非常に多い。何で上だけで決めたんだ、我々に相談がないじゃないかというようなこともありまして、これは今ちゃんと、上意下達と言うちゃ語弊があるのかしらぬが、中央から末端に取り決めたことの趣旨等についてさらに説得工作をしてもらうということで話がつきましたから、やってくれるものと存じます。
 それから、その次は、北海道と極東、サハリン、北方四島を結ぶ空路、通信網、これを早くやれということであります。
 これは、実は今もそこで奥田大臣と話をしたんですが、運輸省としては、定期船についてはもう既に実務レベルの交渉中であると。それから空路の問題については、ローカル空港なら余裕があるからこれはひとつ前向きで検討すると、今相談したばかりですから、これは請う御期待だと私は思います。
 大体そういうことでして、本当に一生懸命にやっておりますので、ひとつよろしくお願い申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣羽田孜君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(羽田孜君) 四年度の財政事情につきまして大兆円の財源不足との御指摘がありたわけでございますけれども、この数字につきましては、ちょうど予算編成、これに臨むに当たりまして、財政の中期展望ですとか概算要求額、こういうものをもとにいたしまして機械的に計算を行ったいわば財政状況の説明に当たっての出発点という性格のものであるというふうに御理解いただきたいと思うわけであります。
 いずれにいたしましても、四年度の予算編成に当たりましては、ただいま総理からもお答え申し上げましたように、極めて厳しい税収動向あるいは財政事情に対応しまして、まず一般歳出について、その増加額を前年度より同額以下に抑えるなど歳出の徹底した節減合理化を行うとともに、税外収入の確保に努めるほか建設公債の発行額を増加させて、税制面におきましても所要の措置を講じたということでございまして、我々といたしましては、歳出歳入両面にわたりまして努力をした予算であるというふうに御理解をいただきたいと思うわけであります。
 なお、財源不足に関して、公約を破棄して増税を行うことに対してどう考えるのかということ、それから二年間にわたって増税をなぜ行うのかということでありますけれども、この点につきましても、先ほど総理からもお答えを申し上げましたけれども、法人臨時特別税及び石油臨時、また普通乗用自動車の消費税の六%の経過措置につきましては、適用期限が到来することに伴いまして、法律の規定に従って今年度限りで一応失効させたということであります。
 他方、当面の厳しい財政事情ということで、今申し上げましたような歳出等について、あるいは歳入等について我々は努力したわけでありますけれども、新たに必要最小限の措置といたしまして、法人特別税を創設し、また普通乗用自動車に関する消費税の税率の特例措置を租税特別措置として講ずることといたしております。この際、法人特別税の基礎控除額、これは三百万円を四百万円にいたしたところであり、これは法人臨時税よりは大きく、また消費税の特例税率は現行の経過措置より低いなど、負担の緩和にも配慮を行ったところでございます。
 このように、これらの措置は現行の負担の範囲内におきまして新たに必要最小限の措置として講ずるものでございまして、既存の措置を単に延長するというものと違うということについても御理解をいただければと存じます。
 また、二年間これをやりましたことにつきましては、平成三年度の急激かつ大幅な税収減による財政収支状況、この深刻な状態というのは、四年度のみならず少なくとも五年度ぐらいまで尾を引いていくものじゃないかということを考えたものであるわけでございます。
 いずれにいたしましても、私どもといたしまして、こういった新しい措置を国民の皆様にお訴えし御理解を得たいと思っておるところであります。
 なお、地方交付税につきましてでありますけれども、今回の地方交付税の特例措置は、地方財政収支見通しにおきまして地方の適切な歳入歳出を見込み所要の地方交付税総額を確保した上で、地方交付税法附則第三条に基づくいわゆる年度間調整として行ったもので、実質的な赤字公債発行という性格のものではないということを申し上げたいと存じます。
 また、増税なき財政再建の旗を掲げてというお話で、建設国債の計画的削減を図るとの第二段階財政再建の方針は守り切れるのかという御指摘でありますけれども、公債残高が今度の措置によりまして百七十四兆円ということになろうと思っております。そして、国債費が歳出予算の二二・八%ということで、依然として構造的な厳しさが続いております。加えて、多額の建設公債に依存する現在の財政構造は、今後の景気・税収動向によっては再び特例公債を発行せざるを得ない脆弱性を有しておろうと思っております。
 そういうことで、今後の中期的な財政運営につきましては、今総理からも申し上げましたように、急速に進展する人口の高齢化など今後の社会経済情勢に財政が弾力的に対応していくために、もう二度と赤字公債というものを発行しない、これを基本として、公債依存度の引き下げを図ることなどによりまして公債残高が累増しないような健全な財政体質をつくり上げていくことが必要であろうというふうに思っております。その意味で、私どもは、できる限り公債の発行を抑える、そして制度とか施策の見直しを行うということで引き続いて財政改革を推進していくという必要があろうと思っております。
 いずれにしましても、現在進めております中期的な財政運営の新努力目標、これを変えることはないということを申し上げたいと思います。
 終わりに、政府の公共投資基本計画の実行ということでございますけれども、これにつきましては、平成三年度以後十年間に公共投資の総額をおおむね四百三十兆円としたところでございまして、その中の中心的なものは、生活の質を高めようということで生活関連分野、ここを充実させようということで対応しております。
 なお、我が国の財政は、先ほどから申し上げておりますように公債残高というものを大変大きく抱えなければならないという極めて厳しい状況にあるということでありまして、いずれにしても、高齢化社会に大きなものを残さないように私どもは努めていかなければいけないのじゃなかろうかと思っております。そういう中にありまして、各年度の公共投資の水準ですとかあるいはその財源につきましては、財政改革を推進するという基本的な考え方のもとで、各年度の予算編成過程におきまして歳入歳出両面にわたる財政事情や経済情勢等を総合的に十分検討しながら私どもは対応していかなければいけない、かように考えております。
 以上であります。(拍手)
   〔国務大臣野田毅君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(野田毅君) 私に対する御質問は二点であろうかと思います。一つは景気動向判断に関する問題、それからいま一つは平成四年度の見通しの達成の問題であったかと思います。
 基本的には総理からの御答弁で申し上げておりますが、若干それをブレークダウンして申し上げてまいりますと、まず景気動向につきましては、現在我が国の経済の状態につきましては、需要面から見ますと、住宅建設については、減少傾向にありますけれども、このところ持ち家あるいは賃貸などでも下げどまりの動きが見られております。また、設備投資は、伸びが鈍化いたしておりますけれども、基本的には総じて省力化投資などにも強い意欲が見られるわけであります。個人消費については、基調としては堅調であります。
 産業面を見ますと、鉱工業生産は一進一退で推移いたしております。また、企業収益は、総じて減少はいたしております。しかし水準は依然として高い水準にある。一方で、雇用面を見ると、労働力の需給は引き締まりの基調で推移いたしております。
 このように、我が国経済はこれまでの拡大テンポがこのところ減速をいたしておりまして、インフレなき持続可能な成長経路に移行する調整過程にあると考えておるわけであります。こうした中で、企業や家計などの経済主体がインフレなき持続可能な成長経路を支える健全な企業行動あるいは堅実な消費への調整を進めておるわけでありまして、労働力需給が引き締まり基調で推移していることなどを考え合わせますと、直ちにこれがいわゆる景気後退を意味するものではないと考えておるわけであります。
 政府としましては、現在まで景気動向の的確な把握に努めてきたところでございますし、経済運・常の面でも、こうした景気動向に応じてきめ細かに対応してきたところであります。今後とも的確た経済運営に努めてまいりたいと考えております。
 平成四年度の経済見通しの問題でありますが、今申し上げましたように、我が国経済の現状がインフレなき持続可能な成長経路に移行する調整過程にはありますけれども、政府としては、その移行を円滑にするためにも、減速が企業家などの心理を大きく冷え込ませないように景気に十分配慮した施策を行う必要があると考えております。
 そこで、平成四年度の予算編成はこのような認識を踏まえて行われたわけでありまして、特に公共投資については、国、地方を通じ最大限の努力を払ったところであります。例えば、一般会計の一般歳出においては公共事業関係費五・三%増、あるいは財政投融資計画における公共事業実施機関については一〇・八%増、そして地方財政における地方単独事業については一一・五%増、このように思い切った拡充を図っておるわけであります。
 また、金融面では、昨年暮れに第三次の公定歩合の引き下げが実施されたわけでありまして、本年に入りましてから市場金利は、長期、短期ともに大幅な低下を見ておるわけであります。
 これらの財政、金融両面からの措置は、現下の要請に十分こたえるものとなっておるものと考えております。
 平成四年度の我が国経済について御指摘がございましたが、個人消費については、物価の安定やあるいは雇用者所得の堅調な伸びに支えられて堅調に増加をするものと考えられますし、また設備投資についても、先ほど申し上げましたいわゆる合理化・省力化投資あるいは研究開発投資を中心に総じて底がたく推移するであろうし、さらにこのところの市場金利の低下がこの点については非常に有利に作用するのではないか。あるいはまた、住宅投資につきましても、いわゆる住宅関連の金利がこのところ大幅に低下いたしてきております。これらから徐々に回復に向かうものと見込まれるわけであります。
 こうした民間の活力と今申し上げました政府の施策が相まって、四年度の我が国経済は引き続き内需中心のインフレなき持続可能な成長経路で推移するものと考えておりまして、いわゆる我々が見通しました三・五%の成長は十分に達成し得るものであるし、またそうしなければならぬ、このように考えておるわけであります。
 以上であります。(拍手)
   〔国務大臣田名部匡省君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(田名部匡省君) お答え申し上げます。
 基本的には我が国の農業は、御案内のとおりでありますが、食糧の安定供給のほか地域社会の活力の維持、国土・自然環境の保全等、多面的で重要な役割を果たしておるところであります。そうしたことで、我が国の経済社会の調和ある発展のためにはその健全な発展が不可欠であると考えております。
 一方、近年、我が国の農業、農村の実情、実態でありますが、見てみますと、まず農家戸数が減少いたしております。また、後継者の不足によって担い手の確保が大きな問題となっておるとともに、中山間地等での耕作放棄地の増加がございます。さらに、国際化の進展によって輸入農産物の増大等、厳しいものがあるわけてあります。
 そこで、これに対応して、現在農林水産省において、農業、農村の位置づけを明確にしつつ中長期的な展望に立って、多様な担い手の育成、土地利用型の農作物の新たな生産体制の確立、新しい地域政策の展開等の課題につき鋭意検討いたしておるところであります。精力的に進めたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#10
○議長(長田裕二君) 村上正邦君。
   〔村上正邦君登壇、拍手〕
#11
○村上正邦君 私は、自由民主党を代表して、新しい政治の方向を求めて質問をいたします。
 質問に入ります前に、一言申し上げます。
 本院は、与野党逆転、自来二年半、八国会を経たわけであります。この間、土地基本法、地方交付税法、育児休業法、老人保健法及び補正予算などに対する修正あるいは賛成の野党各位の現実的な対応をいただきましたことは、まさに健全野党としての政治的責任を分かち合ったものであり、心から敬意を表したいと存ずる次第であります。
 私は、今、与党の国会対策委員長の職にありますが、大先輩河野謙三元参議院議長の野党重視の七、三の構えは、国会運営の要請と心得ております。今日の保革逆転というねじれ現象は、いわば天が与えた試練であると受けとめております。与野党がともに、公党としての立場から、また良識の府参議院として、対話と協調により政治に対する負託と責任を果たすことは、成熟した議会制民主主義を確立する第一義のものであると確信するものであります。
 この通常国会におきましてもそうした意味で一層の成果を上げますことができますよう、野党各位の一層の御協力をまずもってお願いする次第であります。
 そこで、本論に入りますが、私は、参議院の衆議院に対する抑制と補完という役割を踏まえて、従来の与党の枠組みにとらわれず大所高所から、提案を含め、国家危急の重要問題に絞って質問をいたします。
 冒頭に共和事件を取り上げなければならないことは、総理、まことに残念なことでございます。阿部文男元北海道開発庁長官が収賄容疑で逮捕されましたことは、国民の皆様にまことに申しわけないことであり、遺憾のきわみであります。事件の真相は司直の手によって速やかに究明されるものと信じます。
 明治の先覚者、中江兆民先生をして、「日本人は利害の計算は得意だが、民主主義の根本を考えることは不得意なために、腐敗、堕落の社会ができ上がった」と悲嘆させた言葉が、今生ける人から聞かされるような思いがいたします。
 民主主義の根本は、国民の政治に対する信がなければなりません。私たち政治家は、厳しい倫理観に基づく政治道義を一日も早く確立するためにも、政治浄化の自浄能力を回復しなければならないと思います。総理、いかがお考えでございますか。
 我々は、昨年秋の第百二十一国会に、衆議院の選挙制度、政治資金、政党への公的助成等を柱としたいわゆる政治改革三法案を提案いたしましたが、審査未了となりました。この原因は、衆議院に小選挙区比例並立制を導入せんとしたことにより、野党はもとより、我が党内においても合意がなされなかったことによるものであります。舞台は今、各党間の政治改革協議会の場に移されていますが、事は急であります。総理は一年を目途に改革の方向が打ち出されることを期待していると申されていますが、果たしてそう簡単に事が運ぶでしょうか。
 御案内のように、政治改革には、選挙制度から政治資金、政党助成、国会改革、党改革等々、問題の分野が幅広い上に、それぞれが相互に関連を持って絡み合っており、個々一人一人の政治生命、各党の命運に影響するからであります。したがいまして、各党の共通認識を得るにはある程度の時間がかかると思います。
 そこで、理想は理想として将来の抜本改革を求めつつも、現実的には、与野党間で合意し得る点を速やかに見出し、できるものから順次実行していくべきだと考えます。道は近くとも、行かなければ到達いたしません。事は小さくとも、行わなければ成就しないのであります。総理は、現実を踏まえ、まず何から政治改革に着手するお考えであるか、その具体的手順と方法を示されたいのであります。
   〔議長退席、副議長着席〕
 私は、例えば現行の政治資金規正法については当面早急に、政治資金の公開基準、パーティー開催のあり方、罰則等について厳しい見直しを行って、まず今日の政治と資金の問題解決の第一歩を進めるべきだと考えます。いかがでしょうか。
 総理、いずれにしても、我が党の政治改革大綱の基本理念を踏まえ、政治に対する国民の信頼回復に不屈の信念でリーダーシップを発揮願いたいのであります。
 さて、時の流れは激しく動いております。日本の政治のもたつきを国民は許しません。世界は待ってはくれません。
 今、その世界は歴史的な大変革のさなかにあります。米ソ冷戦構造の解消から昨年末のソ連邦解体に至るまで、一体だれがこれほどの激動を予知し得たでありましょうか。ことしに入ってテレビ大河ドラマが、乱世の英雄、織田信長を取り上げておりますが、あの時代がそうであったように、世界は今まさに全地球的な乱世、疾風怒濤の時代から、新たな秩序を構築する時代に向かっております。我が国は、その巨大なうねりのただ中にあるのであります。こうした時代認識に立って、私たち政治家一人一人は、今こそこの歴史的変革に対応した新たな意識革命が求められているのであります。
 国際社会の平和と安定確保のために我が国の比重は年ごとに強まり、国際連合の役割もまた重視されてまいりました。そうした中で、自分中心主義、つまり一国平和主義とか一国繁栄主義とかは世界で通用するものではありません。日本は世界とともにあるという一体感こそが必要だと思うのであります。
 ことしはコロンブスが新大陸に到達してから五百年であります。さらに、あと五年すると、バスコ・ダ・ガマがアフリカ大陸南端の喜望峰を回ってインド洋に出てからやはり五百年になります。これと同じように、我が国の政治、経済、社会の万般も、今、喜望峰を回って国際社会の新しい大海に乗り出すときを迎えていると言えましょう。
 古今東西の歴史を顧みましたときに、時代はその時代にふさわしい人をトップリーダーに選んでまいりました。総理は、数世紀に一度という一大変革期にあって、その時代認識、役割をどのように考えておられるか、また、その時代認識に立ってみずからの使命をどう果たしていかれるのか、その御決意のほどを伺いたいと思います。
 湾岸戦争に際して、我が国は百三十億ドルに上る拠出を行い、さらに昨年四月には、ペルシャ湾へ海上自衛隊の掃海艇を派遣いたしました。掃海艇の派遣は、その時期がいささか遅きに失した感があるにせよ、我が国に対する国際的信頼を高めたことでは大きな意義を持ちました。この機会に私は、長期間にわたる隊員の労苦に対し心からなる敬意と感謝を表するものであります。
 湾岸戦争終結直後、クウエートはアメリカの主要新聞に三十カ国の国名を挙げて感謝広告を掲載しましたが、その中に我が国の名前が入っていなかったことは皆さん御承知のとおりであります。ところが、我が国が掃海部隊をペルシャ湾に派遣して実際に作業に着手するに及んで、湾岸諸国の我が国に対する態度は一変したのであります。
 この閣僚席にお座りの、当時、党の安全保障調査会長代理でありました山崎拓先生を団長として、私どもは掃海部隊の諸君を激励のためにペルシャ湾に参りました。その折に現地の日本人会の代表から、「今まで私たちはこの国で小さくなっていなければなりませんでしたが、掃海部隊が来てくださったおかげで、これで在留邦人はやっと堂々と胸を張って町を歩けるようになりました。我々企業の外国での活動の背景には国家が必要であるということを実感しました。」とのお話をお聞きしたのであります。事ほどさように、平和維持のためにはお金だけではだめなのであります。人も出し、汗もかかなければならないのであります。
 さきの国会に提出された、本院で継続審議となっておりますPKO協力法案は、自衛隊派遣を骨子に、平和目的のための国際協力の体制を整えるものとしてその意義が内外に大いに注目されているところでありました。
 近く国連カンボジア暫定行政機構UNTACが発足いたしますが、さきにカンボジアのプノンペンを訪れられた社会党の田邊委員長に対しシアヌーク殿下とテア・シム国会議長は、地雷の除去のために日本の自衛隊の協力をお願いしたいと求めたと伝えられています。また、国連暫定行政機構の最高責任者には、日本人の明石康国連事務次長が起用されました。我が国の果たすべき国際的役割に、事ほどさように全世界が期待しているのであります。
 私は、郷里福岡の大先輩である緒方竹虎先生がかつて政治の刷新を訴え、保守合同こそ爛頭の急務と言われたことを思い出します。今日、爛頭の急務とは何かといえば、私は、今国会ので音る限り早い時期にPKO法案を成立させることだと信ずるものであります。
 そこで、総理は、PKO法案の早期成立のためにこれからどのような政治的努力を傾けられる御決意であるか、この点をまずお尋ねしたいと思います。
 私たち参議院側としても、このPKO法案についてさらなる議論を重ねたいと思います。その上。で、自衛隊派遣という骨格を貫きつつ大局的立場からの再修正で各党間の合意がなされるならば、これは小異を残して大同につくというものだと考えます。総理はこの修正問題についてどうお考えになっているのか、具体的にお風がせ願いたいと存じます。
 なお、何かをしてやる、貴いでやるといった響きを持つ国際貢献という言葉は不適切ではないでしょうか。今、我が国にとって必要なことは、みずからの意思で果たしていくべき国際的な最低の義務であり、責任意識であり、仲間としての参加であります。このことを踏まえて、この際、国際貢献ではなく国際責務と言いかえるべきであると思うのでありますが、あわせて総理の御所見をお伺いいたします。
 次に、私は、世界に開かれた新しい外交という発想に立って、当面の外交案件について質問いたします。
 さきのブッシュ・アメリカ大統領訪日の最大の意義は、東京宣言にも示されたように、両国が確固とした友情関係を再確認し、世界の新しい平和秩序確立のためにあらゆる面で互いに協力し合うことを誓ったことだと思います。今回の訪日が、日米両国において、とかく自動車及びその部品の輸出入という問題に矮小化される傾向があることは、私は大きな誤りだと思います。これはと密接で巨大な日米の経済関係であれば、何かと摩擦が生ずるりは当然のことであります。だからこそ、今後とも互いの協調への努力が必要なのであります。
 三、四年前、ポール・ケネディ氏の「大国の興亡」という本がベストセラーになりましたが、人間個々人と同様に、国家もまた勢いの強いとき弱まるときと変遷を繰り返していく。アメリカもまたその例外ではないのでありましょうか。
 私は、アメリカの持つ底力の強さを率直に認めるものでありますが、世界運営の上で、今、アメリカはよきパートナーを求めております。私は、かつてあの敗戦に打ちひしかれていた我が国がアメリカの友情と助力によって今日まで発展してきたことに思いをいたし、今後は、我が国の方からできる限りの範囲でアメリカの回復に協力し、その果たしている世界的役割を支えていくべきだと信ずるものであります。そして、新しい時代にふさわしい世界の平和秩序をつくり出すために、具体的に誠実に手を携えていくことが重要だと思うのであります。
 宮澤総理は、五月にはワシントンを正式訪問して再び大統領との会談に臨むとのことでありますが、今後、政治、経済、安全保障などあらゆる面でどのような日米関係を築き上げ維持していくおつもりなのか、お尋ねをいたします。
 旧ソ連、今日の独立国家共同体との関係も、これまた外交上重要な課題であります。
 国内の政情がおさまってくれば、やがて北方領土の返還交渉問題も前面に大きく登場してくるでありましょう。旧ソ連への経済支援の問題も、我が国として大きく考慮の中に入れておかねばなりません。これらの問題にどう対処されるつもりか。
 また、我々の一番の危惧は、二万七千発に及ぶ旧ソ連の核兵器の安全管理、三万発近い核弾頭の解体、三千人以上と言われる核兵器技術者の海外への流出などであります。こうした問題への対応にもし失敗することがあれば、世界は新たな核の脅威に直面することとなるのであります。失敗は許されません。政府としても種々の対応をお考えのことと思いますが、核弾頭解体のための財政。技術的援助、安全管理のための国際的検証機関の設置、技術者の国際的な雇用促進なども考えたらどうでしょうか。政府は今の状況をどう見ているのか。世界において非核軍縮を進めている日本は、これらの問題を訴え積極的な提案を行う時期であると思いますが、どう対応するおつもりか、これまたお伺いしたい。
 渡辺外務大臣には、モスクワにおける中東和平会議からの早々の御帰国、朝食をもどる暇もなく本会議出席、大変御苦労さまであります。もう一日の延長ができず、せっかくのエリツィン・ロシア共和国大統領との会談は持たれませんでしたが、湾岸戦争後の中東和平をめぐる国際会議に我が国の閣僚として初めて出席されました。
 言うまでもなく、中東和平問題は現存する最大規模の国際紛争であり、その解決は久しく待ち望まれているところであります。我が国は中東和平プロセスに積極的に参加すべきであり、この会議に外務大臣が出席されたことは大きな意義があると思います。和平会議において協議された内容と、今後の方向についてどう認識されたか、あわせて、ロシア外相と会談され、北方領土返還、対日支援問題、さらにはエリツィン大統領の来日等について具体的にお話がおありであったことと思いますので、そうしたこと等について御報告を願いたいと思います。
 私は、これからの新しい日本外交の展開に当たっては、日米、日ロ関係はもとより、日本とアジア諸国との共通の価値観を見出していくことが大事なことだと考えます。宮澤総理の韓国訪問、渡辺副総理兼外務大臣の韓国、中国訪問などは、アジア重視のあらわれとして高く評価するものであります。
 アジアは、我が国に続く韓国、台湾、香港、シンガポールなどの発展、さらに中国やASEAN諸国等の大発展が確保されれば、二十一世紀には世界の中の主導役になるでありましょう。我が国は、あくまでもアジアに基軸を置いた日本として、アジアの諸国との信頼と協力関係の強化に努めるべきであります。総理はアジアに対する我が国の外交のあり方をどう考えているのか、お聞かせください。
 さきの宮澤総理の韓国訪問のときには、対馬社会党代表質問の中にもありましたが、従軍慰安婦の問題が韓国の人たちの過去の戦争の悲惨な思いを強く呼び起こしました。私は、この問題は、人間の一番大事にしなければならない心の奥底の問題、つまり人間の尊厳を傷つけた行為であり、胸の痛む思いでいっぱいであります。我々は日本人として一人一人が率直に謝罪しなければならないと思います。
 この問題に関する政府の答弁、談話をお聞きする限りでは、非常に冷たく、突き放したようにも聞こえるのであります。事柄からして人権にもかかおり、その経緯も複雑多岐な問題があることは万々承知しておりますものの、もっともっと誠意を持って対応すべきであります。お考えをお聞かせください。
 アジア外交を考えますとき、台湾、中華民国との関係は現状のままでいいのでしょうか。
 我が国と台湾との政治関係は、断絶されてから二十年が経過いたしました。中華人民共和国と中華民国、台湾との関係は、同じ中国人として互いに歴史と伝統と誇りを持ち、私たちが軽々に口を出すべきではないことは私も十分承知いたしております。しかし、日本民族が永遠に忘れてならないことは、蒋介石総統が、日本が戦争に敗れたときに、「怨みに報いるに徳をもってす」として、我が国に対して恩情あふれる立場をとった大恩人であるということであります。蒋総統の強い主張がなかったならば、戦後日本は、あるいは米、ソ、中による三分割占領の状況さえあり得たでありましょう。恩義に対してややもすると健忘症になるのが人間社会のとかくの常であります。
 中国と台湾との関係は、なお基本的な問題を残しつつも、昨年秋には台湾政府が内戦終結宣言を出すなど、同一民族としての歩み寄りと交流が盛んになりました。台湾はアジア・太平洋経済協力閣僚会議APECにも加わり、アジアの中ではとりわけ大きな経済的地位を占めております。こうした歴史的な経緯を考えましたときに、私は、今や台湾と我が国との間には、実務事項に関し、政、府公務員間の交流、さらには閣僚級の相互訪問ぐらいの関係維持に着手すべきときが来たと考えます。
 ちなみに、アメリカは、台湾関係法という法律を制定して両国関係の維持発展に努めてまいりました。私は決して中国との関係を軽視するものではありませんが、台湾との関係を一歩二歩と前進させる考えはありませんか。総理のお考えをお聞かせください。
 ところで、日本外交の積極的展開に当たって、私は、天皇、皇后両陛下による皇室外交に対して心から敬意を表します。両陛下の御労苦に深甚なる感謝の気持ちを申し上げるものであります。
 ことしは、秋に中国御訪問が検討されていると新聞報道にあります。アメリカや韓国などからも御訪問の御要請があると聞き及んでおります。ただ、皇室外交の展開は、一定の政治的なねらいを込めたものであってはならないのは当然であります。慎重に検討されたいと存じます。両陛下の御訪問先の国、日程等、具体的な検討が進められているならばお聞かせ願いたいと存じます。
 私は、両陛下におかれましては、ますますお健やかにて、皇室外交をお進めいただきたいと願うものであります。同時に、国民が今ひとしく待ち望んでいるのは皇太子殿下の御婚儀、一日も早く調いますことを心から願い、皇室のいやさかをお祈り申し上げたいと存じます。
 さて、六月にブラジルで開かれる地球環境サミットは、二十一世紀を展望した人類の生存、地球の将来にかかわる重要な会議であります。総理は、この会議にみずから出席し、地球全体の利益、いわば地球益の立場から持続可能な発展を目指し、我が国が持つ経済力、テクノロジー、情報、そして知識を最大限に活用する決意と貢献の具体的方法を明らかにすべきであります。
 そのためにも、政府は、環境に優しいライフスタイルヘの転換、二酸化炭素や硫黄酸化物の排出、熱帯林など森林の保護と再生の計画、年間一千二百五十億ドルとを言われる地球環境保全資金の国際的調達方法などについて早急に包括的な長期計画を策定し、これを内外に明らかにすべきであると思います。
 今日、外交は一日として休みのないものとなりました。首脳が第一線に立って世界に飛び出していく時代であります。我が国も、今般、政府専用の航空機を備えることになりましたが、私は、総理や外務大臣がそれこそ専用機をフルに使って空飛ぶ外交を展開して当然と思います。国会の審議日程は重要であります。最優先することは当然であります。しかし、国際国家日本にふさわしい首脳外交の展開が欠かせない場合が今後ますます多くなってくることでありましょう。
 こうした時代を迎え重要なことは、野党側の理解と協力を求めつつも、政府は国益に沿った機敏な外交に取り組んでいかなければなりません。そのために、政府としても新しい外交への対応がなければなりません。例えば、現在副総理と外務大臣が兼務していますが、これを分離し無任所の副総理が即応体制に備える方法、あるいは無任所の国務大臣を別途置くとか、さらに、最近は官房副長官に閣僚経験の大物が起用されております。その任に当たる者がその任に当たる方法は考えてもよろしいのではないかと思いますが、内閣としてどのような腹案をお持ちなのか、お聞かせ願いたいと思います。
 ところで、開かれた新しい外交は、あわせて開かれた新しい内政によって裏打ちされなければなりません。私は、今や内政もまた新しい観点から改革を進めていかねばならぬときだと信ずるものであります。
 鈴木内閣、中曽根内閣を通じてあれだけ叫ばれた行政改革は、今一体どこへ行ってしまったのでしょうか。我が国の行政組織は、国際化時代に対応するような仕組みにたっているでしょうか。相も変わらぬ縦割り組織の弊害が見られはしないでしょうか。
 ある統計では、政府の許認可数はこのところ年に百三十件ほどふえ、平成三年は一万七百十七件に達しているということであります。例えば、地方のバス停の位置をわずかに移動するのにも運輸省の許認可を得なければならないということは、悲劇というより喜劇でさえあります。こんな状況を引き続きほうっておくわけにはまいりません。
 また、政府関係機関等の役員には七十歳を超える方がおられます。つぶしかきくから各方面で求められ、渡り馬となるのでありましょうが、それにしても、週に数日の出勤で月百数十万円、国会議員よりも高い給与のほかに、その都度多額の退職金が支給されることは、どう考えても国民の理解は到底得られるものではありません。こうしたあり方を放置すべきではないと思います。
 また、私は国会の運営も同様だと思います。交通や通信手段が大発達した今、いつまでも国会は東京で開くものとこだわらなくてもいいと考えます。通常国会は東京で開くとしても、臨時国会は各地域持ち回りで開くぐらいの発想の転換があってしかるべきだと考えます。既に国会には、昨年八月、国会移転のための特別委員会が置かれました。東京への一点集中解消へのねらいからも、国会などの首都機能を東京の外に移す遷都あるいは重都などの構想がしきりに提案されています。東京以外で国会を開くことになれば、これは国会と国民を身近に結びつけ、地域社会全体を生き生きとさせることにもつながってくるのではないでしょうか。
 しかも、東京以外の地で開く国会の会期中は、行政関係職員の議会出席は原則として認めず、議員同士による議論、討論を中心にしたらどうでありましょうか。それこそ討論の府としての議会本来の機能の活性化につながり、あわせて行政職員の国会からの解放をも意味することにもなります。そのこともまた行政改革の一環だと言えましょう。このくらいの行政、国会を一体とした運営の改革を図るべきだと私は考えますが、総理のお考えはいかがでしょうか、お尋ねをいたします。
 ウルグアイ・ラウンドの交渉は、年が明けて最終段階を迎え、農業分野の交渉が各国間で大きな関心を集めております。米の市場開放につながる問題として、我が国もまた重大な岐路に立たされているのは言うをまちません。しかし、これからの進路を考えますならば、単に守りの論理だけではなく、自由貿易体制の維持強化に向けた努力もまた必要であります。
 もとより、我が国の水田農業は我が国古来の文化、伝統にかかわることであり、これを軽視してはなりません。水田が国土や自然環境の保護に大きな役割を果たしていることも忘れられません。
 食糧の自給安定や米の自由化反対をめぐっては、国会で過去三回の決議がなされていることは議員各位も広く御承知のとおりであります。主食の自給原則はどこの国でも農業政策の根幹であり、あわせて一国の広い意味での安全保障にもかかわる問題であります。特に、我が国は世界最大の食糧輸入国であること、カロリーベースの食糧自給率四八%は先進国で最低であること等を考えるたらば、今後とも米については国内産で自給するとの基本方針を堅持されたいのであります。最終妥結に向けて、農水大臣、これからも苦しい局面を迎えることと思いますが、総理及び農林水産大臣のお考えを求めます。
 次に、国内経済の運営についでお尋ねいたします。
 政府は、昨年末の平成四年度予算案編成に際し、来年度の経済見通しを実質三・五%成長に設定いたしました。この実現のために、予算案の内容を見ると、建設国債を目いっぱいの七兆二千八百億円発行し、なお財政投融資計画を前年度比一〇・九%増の四十兆八千二十二億円にまで積み上げるなど、景気回復を目指した措置をとっております。これは、政府が三・五%成長と景気回復へのかたい決意を示したものと高く評価してしかるべきであります。しかし、三・五%成長の約束は、単に国内向けになされたものだけではなく、世界経済の中で大きな比重を占めるに至った我が国が世界に公示したものでもあります。我が国だけが機関車のようになってひとり世界経済を引っ張っていけるものではありませんが、世界の期待感が強まっているのも事実であります。
 総理は、去る一月十四日に経済審議会に、九二年度を初年度とする新しい経済五カ年計画の策定を諮問されました。この新計画の内容は、労働時間の短縮、社会資本の充実などによる生活大国の実現を期すものになっているということであります。三・五%成長といい生活大国の実現といい、だれにも異存のない見事なスローガンでありますが、問題は、絵にかいたもちに終わらせてはなりません。内での約束は同時にまた外への明示でもあるとの観点から、経済運営のかじ取りをこれからどうとるのか、総理の青写真をお出しいただきたいと思います。
 関連して、財政問題でありますが、これまで毎年度自然増収を計上してきた我が国財政はバブル経済の終えんにより大幅減収に見舞われ、平成三年度の補正予算では、二兆八千億円に上る減額修正を行う一方、一兆三千八百七十億円の公債の追加発行を行いました。これにより平成七年度までに公債依存度を五%に抑制する目標は困難となりましたが、政府は緊縮財政時代の財政運営を今後どうするのか、あわせて新たな財政再建の方針を説明願いたいのであります。大蔵大臣の答弁を求めます。
 次に、外国人労働者問題についてお尋ねいたします。
 海外から我が国に来て働きたいという人々が年々ふえ、我が国の企業、特に中小企業も、人手不足解消の一助として外国人を雇いたいとの希望が強くなっております。
 しかし、彼らを単なる出稼ぎ者として扱ってはなりません。我が国の高い技術と技能を習得してもらい、再び母国に帰ってその国の産業基盤を支える集団となり得るような、きちっとした研修制度を根幹とした受け入れ体制を確立しなければならないと思います。従来の拒否と守りの論理から、開放へと方針を転換すべき時期に来ていると思います。そのために、外国人への医療、保険制度の適用等々を初め、国内の諸法令、諸制度を抜本的に見直すとともに、関係諸国政府と具体的な話し合いを早急に進めることを提案いたします。
 私は、休日や祝日に東京の上野公園や代々木公園などで中東地域からのたくさんの移入者がたむろしているさまを見るにつけ、こうした制度を一日も早くつくらなければならないと思うのであります。労働大臣の所見をお伺いします。
 一方、私は国内でふえ続ける外国人の犯罪についても大変危惧しているところであります。早急な対策が求められています。これは自治大臣にお尋ねするところでございますが、総理にお伺いをいたしておきます。
 私は、以上において、外交、内政とも我が国が新しい時代の展望に立った大改革をなすべきなどの趣旨を申し上げましたが、百数十年前の開国、維新のとき、そして、もう五十年近くも前になったあの敗戦直後のときに次いで、今日は第三の改革のときであると思います。しかし、そのときに際して一番重要なことは、すべてにタブーがあってはならないということであります。憲法もまた不磨の大典であってはいけません。時代の要請、国民の要望に沿って憲法を改正することはむしろ当然のことであり、我が国を除く諸外国では憲法改正に何のタブーもないのであります。
 時代の変遷とともに、我が国の憲法の諸規定の中にも制度疲労が多々生じております。憲法改正問題と私が申しますと、とかく憲法第九条のことのみに目が向きがちだと思いますが、決してそうではありません。九条を含めて、国民の権利義務のあり方、国連協力と憲法との関係、財産権の公共の福祉に適合するあり方等々、一条一条の全体について今は見直しの論議を進めるべきであります。
 そこで、私は、中曽根内閣で行革臨調が置かれたように、今度は宮澤内閣のもとで憲法臨調を発足させ全国民的論議を起こすべきだと提案申し上げますが、総理はいかがですか。
 私は、これまで、戦後四十六年間の延長線上ではもはや何事も解決し得ないところに来ていることを述べてまいりました。教育の問題もそうです。
 我が国が将来にわたって国際社会の中で信頼と敬愛を集めていく国づくりのもとになるのは、人づくりにあります。我が国は目覚ましい豊かさに到達いたしましたが、その一方で、宮沢賢治がかつてその詩の中でうたった「東二病気ノコドモアレバ行ツチ看病シテヤリ西ニツカレタ母アレバ行ツテソノ稲ノ束ヲ貧イ南二死ニソウナ人アレバ行ツテコワガラナクテモイイトイイ」といった日本人のあの優しさ、弱い人への思いやりというものは、今、日本の社会の中から失われつつあるのでありましょうか。
 教育の場において公への奉仕の心を養うことも、また大事なことであります。海外ボランティア協力隊を創設し、あるいは国内におけるボランティア活動を高校以上の卒業単位に加えるぐらいの工夫もあってしかるべぎだと思います。他人への思いやりや公への奉仕の心を養う教育を進めなければなりません。
 さらに、その国にはその国の歴史があり、誇るべき伝統と文化があります。教育の中で我が国の歴史と伝統と文化がしっかりと伝えられることも、また大事なことであります。
 私は、人間の実相は善であり、美であり、愛であり、慈悲の心があふれている存在だと思います。人間に宿る実相を引き出すことが教育の根本だと思います。総理、いかがでありましょうか。
 私たち政治の世界にある者が率先垂範して、日常の一つ一つの事柄の中にも、公的責任とはかくあるべしとの範例を積み重ねていく必要があろうかと思います。
 私は、かつてあの灼熱の中東から自衛隊の掃海部隊が帰国したときに、当時の海部総理に、隊員と長く留守を守っていた家族たちをともに首相官邸に招いてその労苦をねぎらってはどうかと提案したことがありました。また、湾岸戦争の際、生命の危険にさらされたクウエート在留邦人の身の安全を守るために、我が身の危険も顧みず不眠不体の精力的な活動を続けた片倉邦雄イラク大使、城田安紀夫クウエート公使ら数人の外交官が帰国した際にも同様の提案をいたしました。さらに、一九八九年末のフィリピンにおける軍事クーデターの際、戦闘地域に取り残された邦人一家を丸腰で、砲弾の中をかいくぐって救出した当時の防衛駐在官藤井泰司一等空佐を政府は表彰するように提言いたしました。しかし、いずれもその実現を見ませんでした。
 芸能人やスポーツ関係の人たちを官邸に招いて時に笑いさざめくことも、私は決して悪いことだとは申しません。しかし、なぜ、身の安全も顧みず公的な仕事に携わった人たちの労をねぎらわないのか。それほどの時間と経費がかかるわけではありません。官邸の昼食でよろしいと私は申し上げておるのであります。私は、公的な仕事で身の安全も顧みず尽くした行為には、制度以前の問題として、国や政府は深く敬意を表し、これに感謝の意をあらわすことぐらいがあってもいいと思うのであります。そうでなくして、広く一般国民の間に公的責務への認識がどうして高まるでしょうか。宮澤総理にはぜひ、以上のような公的貢献活動をする者への重視をお願いするとともに、総理のお考えをお聞かせ願いたいのであります。
 最近、お金目的の凶悪な殺人という犯罪が頻繁に起こっております。私は、この背景の一つには、法の名のもとに、年間の出生数百二十数万とほぼ同じ数の胎児を、合法的に、経済的理由をもってやみからやみへと葬っている厳然たる事実があると思います。物や金と人の生命をてんびんにかける風潮は、大量中絶の延長線上にあると私は思います。私たちが戦争を憎むのは、このとうとい生命が奪われるからにほかなりません。
 生命尊重の筋を通すために、人間の生命は受胎の瞬間から尊重されなければなりません。生命尊重とは、目に見えない生命をとうとぶところから始まると私は思います。宮澤内閣が生活大国の実現を内政の最重要課題に据え、豊かさが実感できる社会の創造を目指すたらば、国民一人一人の心の豊かさもまた重視しなければなりません。
 その際、最も大事なことは、一人一人の心の中に命を慈しむ心がはぐくまれることであると思います。家庭内にあって、経済的な理由で親が胎内に宿った我が子を抹殺しなければならないようなことでは、そうした心ははぐくみ育ちません。生活大国の実現の施策として、安心して産める環境、条件を整備することをぜひお進めいただきたいのであります。
 同時に、終戦直後の食べるに食なく住むに家なき時代に、いわば緊急避難的に制定された今の優生保護法を見直すときであると私は思います。総理の所見を伺います。
 最後に申し上げます。
 我が自由民主党は、国民の指し示すところには率直に耳を傾け、今後とも責任政党として国家国民のための政治の運営に全力を挙げて取り組まなければなりません。一過去において、我が党は、国民の幾多のおしかりを受けたがらも、国民の幅広い支持をいただき、精いっぱいに頑張って今日の我が国を築いてまいりました。そのことへの自負と誇りと涙もあります。
 ところが、まだ参議院選挙を戦いもしないうちから、政界再編成の名のもとに与野党内それぞれに、選挙後の与野党連立または連合を口にする向きがあるのはいかがかと思います。
 宮澤総理は、保守本流のトップリーダーとして、今後とも我が党が国民政党として、政権政党として国民の信を得られるよう、勇気を持って、朽ち果てた枝を切り払いながら、政治に高い道義と名誉をとうとぶ精神を取り戻すことこそ肝要であろうかと思うのであります。全身全霊でこのことに臨んでいただきたいのであります。参議院選挙を勝ち抜くために全力を尽くしてもらいたい。
 我が国は、今、歴史上初めて世界の新秩序づくりに積極的に参加すべきときを迎えております。総理にはその先頭に立っていただきたい。世界を駆けめぐって各国の首脳とさして話し合ってもらいたい。宮澤総理の高い教養と見識と、絶えず戦後政治の中枢に携わってこられた深い経験を、今こそ日本と世界のために役立たせるときであると思います。
 これからの政局に臨む総理の御決意のほどを伺って、私の代表質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま村上国対委員長から、具体的提案を交えての御質問をいただきました。殊にその中で、与野党がともに、公党としての立場から、対話と協調により政治に対する負託と責任を果たすべきであるという御意見を承りました。このような激動の時代にまことにふさわしい御提言として感銘いたしました。
 御質問の中に多くの御提案もございました。一つ一つお答えを申し上げたいと存じます。
 御指摘になりましたように、同僚議員が収賄容疑で逮捕されたことはまことに遺憾なことでございます。このようなことが生じたことについて、国民の皆様に深くおわびをいたします。そして、我々政治家がみずからを厳しく律し、政治浄化の自浄能力を確保しなければならないと考えております。
 おっしゃいますように、政治改革の実現には、まず何よりも政治倫理の確立を図ることが重要であります。あわせて、金のかからない政治活動や政策を中心とした選挙が実現できるように、政治資金制度や選挙制度改革のための具体的な方策を生み出すことが必要でございますし、また、投票価値の格差是正も急務と存じます。これらの問題については、御意見をいただいて、その進め方や手順の問題を含め各党間で十分御協議をいただき、できる限り早期に具体的な結論が得られることを念願しておりますし、私といたしましても、そのために最善を尽くして、政治改革の実現が図れるよう最大限の努力を払ってまいる覚悟であります。
 次に、この時代における時代認識についてお話がございましたが、共感するところが多うございまして、まことに適切な御指摘であったと思います。
 第二次大戦後の構図を大きく塗りかえるような歴史的な変化が起こっております。大きな流れとしましては平和を求める人類の願いがかなう方向に進みつつあると思いますし、また、我が国はその先頭に立ってこのような流れを促進していかなければならないと思います。
 具体的には、国連の機能強化であるとか、あるいは軍備管理・軍縮の促進、地域問題についての政治的な役割、殊に安保理事会の非常任理事国としての役割があろうと思います。また、同時に、後ほど御指摘になりましたが、国連の平和維持活動に対するPKO法案の成立も我が国のこのような役割を助けるものであるというふうに考えております。
 また、自由と民主主義が尊重され、市場経済の原理に基づく繁栄が享受されるような国際社会の構築のために、佃ソ連邦あるいは東欧への支援を行いますとともに、ウルグアイ・ラウンドの成功に向け引き続き努力をいたします。また、開発途上国の自助努力に対する支援を通じまして、南北格差の是正に努めなければならないと思います。
 PKO法案につきまして、爛頭の急務という、久しぶりにこの言葉を伺いました。かつて緒方竹虎翁が保守合同について言われたことを私も直接に記憶いたしておりますが、まさに我が国がこの新しい世界の流れの中で国標的な貢献、あるいは村上議員のお言葉では責務を果たすときに当たって、このPKOによる、いわば国連の持つノーベル賞を与えられたような平和維持活動、我が国がこれに直接参画できるかできないかということは非常に大事な問題であろうと思います。そういう意味で、この問題につきましての爛頭の急務という御指摘は私は共感いたします。
 カンボジアでも、そのような国連のいわゆるおっしゃいましたようなUNTACの活動がやがて始まろうとしておりますし、また、明石さんがその責任者になられたというようなことから国民の関心もいよいよ高まっておると存じますが、どうぞこの法案は一日も早く成立させていただきますように心からお願いを申し上げます。
 それにつきまして、この法案の再修正あるいは修正問題についてどう考えるかというお尋ねでございました。
 政府といたしましては、国会に御提案いたしました原案が最善と考えて提案いたしたものでございますけれども、もとより、その法案の取り扱い、修正につきましての立法府の御意見は、これは尊重しなければならないのは当然でございます。そういう心構えております。
 それから、この国際貢献あるいは国際責務という言葉について、これは我が国がみずからの意思で責任を果たしていくという積極的な意識を持たなければならないという意味では、やってやるという響きのあります貢献よりは責任、責務という言葉が適当ではないかという、まさしく我々がしなければならないことは責務でございます。
 アメリカのブッシュ大統領が見えましたときに、私といろいろ話しました。そのときにも地球的な責任というような言葉をお互いに使っておりまして、まさにそれは我々が当然なさなければならない一つの、みずからの意思で積極的に果たすべき責任であるというふうに考えております。
 次に、米国との関連でございますが、御指摘のように、両国は共通の価値観を持っております。そして、このような世界の大きな激動の中で、自由と民主主義、そしていわゆる市場経済による繁栄といったような基本的な価値観に立って、この世界の新しい流れをお互いにそれこそ責任をかけてリードしようではないかという、それが東京宣言の趣旨とするところでございますが、同時に、アメリカ自身も御指摘のように経済的にいろいろ難しい問題を持っております。長い間の友好関係でありますから、我々としても、必要なときの友人こそは真の友人であるという精神でこの問題に当たっていかなければならないというふうに考えております。
 北方領土問題につきましては、これは後ほど外務大臣も御答弁があろうかと思いますけれども、ロシア連邦の指導部が「法と正義」に基づいて解決をしようという意図を何度か表明しておられます。今こそ真剣に努力すべきときと考えておりますが、間もなく、二月の十日過ぎには、かねて両国間に設けられておりますこのための作業グループの会合を開く予定にいたしておりまして、具体的な議論に入っていけるものと期待いたしております。
 それから、旧ソ連邦の核管理の問題でございますが、我が国としても、国際の平和と安全という観点から、旧ソ連邦の構成諸国が特に核兵器の一元的かつ厳格な管理を行うことを強く期待いたしますし、また、その輸出管理体制の整備強化等について西側諸国とも協力しながら積極的に対応いたしたいと思います。
 我が国のアジア外交につきまして、外務大臣並びに私が最初の訪問国に中国あるいは韓国を選んだということについて評価をしていただきました。
 我が国が、今日、戦後ここまでまいりましたのは、やはり我々の存在のもとはアジアにございます。アジア諸国との友好、それから日米間の友好関係というのが基本的な枠組みであったと思います。アジアにおいては、過去に大変な迷惑をかけたということもございます。そういう正しい歴史認識も大事でございますが、そういう反省の上に立って、アジア地域の平和と繁栄を築いてまいりたいと考えておるところでございます。
 いわゆる従軍慰安婦の問題につきましてお話がございまして、まことにこれは、あの方々の体験された苦しみを思いますと胸の詰まる思いがいたします。先般、韓国訪問の際にもそのような気持ちを率直に申し上げまして、反省の趣旨をお伝えしたわけでございます。政府がこの朝鮮半島出身のいわゆる従軍慰安婦問題にどのように関与していたかということがまだ十分にわかっておりません。当面といたしましては、誠実に調査をいたしまして、まず事実関係をはっきりさせたいと考えております。
 台湾の問題について御指摘がございました。
 最近、中国と台湾の間の交流が活発化していることは、私は大変に喜ばしいことであると思います。また、よく御存じのように、先般のAPECの閣僚会議には、中国、香港とともに台湾が参加いたしました。このようなことは、アジア・太平洋地域全体の繁栄にとって極めて重要な要素と認識いたしております。
 他方で、日台関係は、一九七二年の日中共同声明に基づき、その基本的枠組みを遵守するという上に立っております。この点は台湾側ももとより理解をしておられるところでございますが、日台間の閣僚及び政府高官レベルの交流ということにつきまして、先般、APECの閣僚会議におきまして、通産大臣が行かれましてそういう意見交換があったことも大変に有益であったというふうに承知いたしております。御指摘の趣旨は十分に理解できるところでございます。
 それから、両陛下の外国御訪問についてお話がございましたが、今年の外国御訪問につきましてはただいまのところ正式にまだ決定いたしたものはございませんが、御指摘のように、これは専ら各国との友好親善関係の増進を図っていただく、そのために例外遊、外国御訪問をお願いすべきものと、このように考えております。御趣旨のとおりでございます。
 地球サミットにつきましては、六月に予定されております。この国際的な取り組みを集大成するものとして重要な会議と認識しておりまして、国会のお許しかあり、また諸般の事情が許しますならば前向きに出席を検討したいと考えておりますけれども、ただいまのところまだ終局的になっておりません。
 それから、このような国際化の時代にあって、閣僚が、あるいは私自身も外国に出張するということについていろいろ国会にお願いを申し上げる、国会としてもいろいろな御事情の中から御了解をいただいて、現に渡辺大臣もけさ帰ってこられたところでございますし、私もまた明日は出発をさせていただくということを考えておるわけでございますけれども、私どもとしても、国会の御審議の日程への支障をできるだけ最小限にとどめるように考えなければならないと思いづつ、その都度苦慮いたしておるところでございます。何か政府としても工夫がないものかとおっしゃいますことは、私どももいろいろ考えておりまして、いろんなことを考えてまいらなければならないと思っておるところでございます。
 行政改革の推進に積極的に取り組んでまいりますことはもとより当然でございますし、また、国会におきまして国会等の移転に関する決議がございました。国会が率先して東京一極集中是正のきっかけをつくっていただいておるものと理解をいたしております。首都機能移転問題を考える有識者会議を現在まで六回開催いたしておりますが、また、国会におきましても、昨年八月以来設けられました特別委員会において御議論が深められることを期待申し上げております。
 ウルグアイ・ラウンド交渉は最終段階を迎えておりますが、各国とも農業に関しましてそれぞれ困難な問題を煮詰まった段階で抱えておりまして、最大限の努力を傾注して交渉に臨んでいくことが必要でございますが、米につきましては、従来申し述べましたこれまでの基本方針のもとで対処してまいります。
 我が国の経済につきましては、後ほど各所管大臣からお答えがあろうかと思いますが、拡大のテンポがかなり減速をいたしておりますので、このたびの予算編成に当たりまして、また昨年末の公定歩合の引き下げ等々で企業家の心理が冷えませんように、そうして、人手不足でございますからそれに対応しての合理化投資、設備投資等が行われてまいりますように、財政、金融面から対処をいたさなければならないと思っております。
 在留外国人の犯罪につきましても御指摘がございまして、最近におきます不法就労者の増加、来日外国人による犯罪の急増、とりわけ凶悪犯罪が多く発生しますことを重大な事態と考えております。今後とも、入国管理当局その他の関係省庁と連携を図りつつ、捜査体制の整備強化、国際捜査協力の強化を核といたしました諸対策を積極的に推進してまいりたいと思います。
 憲法につきまして御指摘がございました。
 憲法の基本的原則であります民主主義、平和主義、あるいは国際協調主義、基本的人権の尊重の理念を高く評価し、この理念は将来にわたって堅持すべきものと考えております。もちろん、現行憲法はそれ自体に改正手続の規定を設けておりますから、法理的に永久不変のものという、そういう仕組みにはなっておりません。
 また、憲法をめぐるいろいろな問題について国民が関心を持ち議論をするということは、私は有益なことだと思います。そういうことをタブーというふうに私は考えておりません。むしろ、それによって憲法についての理解が深まる、あるいは我が国のあり方についてのいろいろな議論が行われるということはそれ自身有意義なことだと考えておりますので、いろいろな機会に議論が行われますことは有意義なことであるというふうに考えております。それから、教育におきまして、子供について一人一人のよさや可能性を見出し、伸ばしていくことが大事である、殊さら今の世の中を私はそういうふうに考えておりまして、子供たちの思いやりや公に対する奉仕の心を伸ばすことなど、教育内容の改善を今後とも図っていかなければならないと考えております。
 ペルシャ湾の掃海派遣部隊に対して功績をたたえ表彰をしたところでございますけれども、今後とも、国家、社会に対して顕著な功績のあった人々にそのような感謝の意を表するということについては適切に対処いたしますように、十分検討いたします。次に、もう一つ問題の御指摘がございましたのは、優生保護法の問題でございました。御指摘のとおり、我が国社会の将来を担う子供たちが健やかに生まれ育つ環境づくりを進めることは、生活大国を実現するためにも重要であると考えております。政府としては、こうした認識に立ちまして、内閣に関係省庁の連絡会議を設置し、家庭を築き子供を生み育てていくことに喜び、楽しみを感じることのできる社会づくりに取り組んでいるところでございますし、今後とも対策の推進に努めてまいりたいと存じます。
 優生保護法の改正につきまして、人工妊娠中絶が個々人の倫理観や宗教観とも密接に関連するものでありますことは申すまでもないことでございます。今、村上議員の御質問にございましたことは、一つの見識を示されたものと承りました。この問題については、国民各層にさまざまな意見もあることでございますので、国民の幅広い合意の形成が必要であろうというふうに考えております。
 ただいま五十分にわたる御質問の中で、平和と自由と繁栄のために、また外交、内政面にわたり我が国がやらなければならないことについてるる御指摘がございました。全力を挙げましてその実現に取り組む覚悟でございますし、また、来るべき参議院選挙におきましても、僭越ながら先頭に立ちまして政治理念、政策の方向等を訴えまして、国民の御支持に訴えてまいりたいと考えております。御激励をいただきまして、心から、ありがとうございました。
 残余の質問は関係閣僚からお答えを申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣渡辺美智雄君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(渡辺美智雄君) 簡潔に御回答いたします。
 中東和平会議の協議内容、今後の方向はどうかということでございますが、時間の関係もございますのでごく簡単に申し上げますが、御承知のとおり、これはもうイスラエルとパレスチナ及びそれを支援するアラブ諸国との長い長い間の内紛であります。目下世界最大の紛争地域と言っても差し支えないでしょう。それが、アメリカの非常に、ベーカー長官など八回も中東に参りまして、何とか戦争をやめさせたい、こういうことでやっとこの二国間の協議が行われるようになった、つまり、パレスチナとイスラエルとの二国間の協議が行われるようになって、三回やりました。なかなか遅々として進みませんが、それがテーブルに着いたということだけは画期的なわけですから、それをバックアップしようということで、ひとつ二国間で仲よくやってもらえないかと。
 国連の決議もあって、イスラエル側は占領した地域から撤退しなさい、とりあえず、占領地域の中にどんどん入ってくるイスラエル人を入植させるということになればますますけんかになるわけだから、それはやめなさいということも率直に申しておるわけであります。一方、パレスチナ及びアラブの方々には、イスラエルの生存権を認めないと言ったって、現実に四、五百万のイスラエル人がいるわけですから、その生きる権利を認めないということはこれはだめだ、それは認めなさいと。大きな骨子はその二つだと。
 そこで、そうすれば我々としては、その地域は水も足らない、開発もおくれている、環境も悪い、だからみんな世界じゅうで集まってその周辺整備のお手伝いはいたしましょうということで、二国間の仲直りを促進させるためにみんながお手伝いをする、その会議の第一歩である。
 初めて日本がこのパレスチナとイスラエルのけんかの仲裁――けんかの仲裁という言葉は俗っぽい話で申しわけないんですが、それに初めて積極的に乗り込んだということは私は非常によかった。今後もこれは続けてまいりたいし、その多国間の会議が今後進むようになれば日本でもこれはお引き受けしてもいいですよということを言ってまいりました。
 それから、その次はソ連の問題、これも話せば長いことながら簡潔に申し上げますが、基本的には、これは今まで政経不可分で、領土問題を解決しなけりゃもう応援しないということですよ、わかりやすく言えば。しかし、これを厳格にやったのではいつまでも平行線ですから、ぴた一文貸さないと言ったのでは。
 そこで、私としては、要するに領土は日本国有の領土でありますから返してもらうのは当たり前、そういう見解なんです。そのかわり、この点についてロシア側が全然折れないというんなら別ですが、執行部がかわって、そして、エリツィン大統領はかってはもう領土問題は解決済みと言っておったんですから。一九五六年の共同宣言、あれはもう時が遅い、チャンスを失ったとゴルバチョフ大統領は言っておったわけですから。それをエリツィン大統領になってから、それは「法と正義」に従って解決しましょうと。何ですか、この「法と正義」というのは。これは言うまでもなく国際法、あるいは正義は正義ですね。それで解決しましょうというんですから、これは私はいいことだと。そのとおりでいいんですからね、これは。
 だから、ソ連にも古文書もあるし、百年前の修好条約の条約文もあれば、千島、樺太の交換条約もあれば、そのときソ連の当時のロシア帝政時代に訓令を出して、択捉、国後はこれは日本のものよとはっきり書いてあるわけですから。だからそういうものを、ありのままのものを「法と正義」だから出しなさい、ソ連国民にPRをしてください、そうすればおのずから世論もできるんですから。
 そうすれば、この前私はここで言ったように、「魚心あれば水心」と、そういう言葉はロシアヘ行っては使わなかったが、そういうことですよ、簡単に言えば。だから支援会議にも出ましょうということで、去年の十月には、日本は合計二十五億ドルの緊急支援をやりますと。ところがまだ一円も引き出されていない。それは向こうのせいで、こっちのせいじゃないんですからね。だから、向こうで早く手続をとって国内体制を固めてくださいと。
 それから、今回は、手ぶらでも行けないから、特に大蔵大臣には無理を言って、大蔵大臣はかなり苦しんだらしいが、無理を言って六十五億円をこしらえてもらいまして、それで日本が無償供与もやりますということを言ってきたんですよ。そこで空気がかなり和らいできましてね、これは。そしてともかく、今総理がおっしゃったように、作業部会を第一回、発足させましょうと。
 それから、ひとつ外務大臣は、コズイレフさんはぜひ日本に来てください、大統領の来るためには下ごしらえが必要なんだから。いろいろ検討した結果、それじゃ、渡辺大臣も来てくれたことでもあるし、三月の下旬、下旬もちょっと早いころを一応目指しているんですが、それは約束ができまして、その後で今度はもう一回こちらから参って、今度ははっきりした会談をやって、それで――そこから先はちょっとやめておこう、いろいろまだ決まっていませんから。見通しはあるんですよ、見通しは。
 そういうことで、これは皆さんの御協力を得ながらどんどん進ませてまいりたいと、そう思っておるわけでございます。
 台湾の問題はもう総理大臣からお話がございまして、これは実務的関係をどんどん広げていきたい。これは、中国側の方はもう懐が深いですから、五原則に反しない限りはそれはもう結構、台湾の投資も結構、直接飛行機を飛ばすのも結構。そういうようなことで、そういう実務的関係は広がっていること、我々もこれは結構だと思います。大いに民間でやってください、民間にはお金も貸します、そういう姿勢でございます。
 以上であります。(拍手)
   〔国務大臣田名部匡省君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(田名部匡省君) お答え申し上げます。
 村上議員の御質問、全くそのとおりでございまして、申し上げるまでもないことでありますが、米は我々の主食であります。我が国の農業の基幹をなすものでもありますし、先生お話しのように、安全保障にもかかわる、あるいは国土や自然環境の保全、地域の経済上不可欠の役割を果たしてきておるわけでありますから、御質問のように、国会決議等の趣旨を体して、国内産で自給するという基本方針のもとで対処してまいるつもりでありますので、よろしくお願いいたします。(拍手)
   〔国務大臣羽田孜君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(羽田孜君) お話がございましたように、昨年中ごろから、やや高目であった成長、バブル経済なんていうことを言われたわけでありますけれども、この成長が鈍化したということで、特に不動産ですとかあるいは株の取引、これがずっと落ち込んできた、そのために税収というのは減ってきたという中で、実は厳しい予算編成というものに私たちは取り組まなければならなかったということであります。
 そういう中で、例の公債につきましての中期目標というものを持ちながらも、私どもまたこれを増発しなければならなかったということで、いわゆる国債費そのものも、今度の平成四年度の中で二二・八%というものを負担しなければいけないということであります一ですから、そういう意味で、確かに御指摘のございましたように、財政が厳しいからということで、赤字国債じゃなくても国債というものの発行を累増させるということになりますと、これはまさに将来の高齢化社会、こういった時代に対応できなくなってしまうであろうということを私たちは考えなければいけないというふうに思っております。
 その意味で、今後財政運営をするに当たりましても、国債の発行額というものを厳に抑えるということの中でやり得ることというのは、何といってもやっぱり支出、歳出の方というものを抑えることを考えなければいけないということで、目的というものを一応達したもの、例えば奨励金ですとかあるいは補助金、こういったものについてもともかく見直しながら縮減を図る、制度の見直しを図っていく、こういうことが財政改革を進めていく中にあって私どもはどうしても必要なことであろうというふうに思っております。
 いずれにしましても、二度といわゆる赤字国債、特例公債というものを発行しなくて済む体質、また建設国債といえどもある程度縮減する、こういったことを念頭に置きながら、私たちは中期的な財政運営の新努力目標、これを達成するために、さらにこれかもら腹に据えてこれに取り組んでいかなければいけないというつもりでおることを申し上げておきたいと存じます。
 以上であります。(拍手)
   〔国務大臣近藤鉄雄君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(近藤鉄雄君) 村上先生御指摘のとおり、開発途上国の経済発展を支える人材育成を図ることは、我が国の国際協力の観点からも極めて重要であると考えております。
 昨年十二月の第三次臨時行政改革推進審議会の第二次答申においても、技能実習制度の創設が提言されております。我が国の生きた産業技術を直接習得して帰国後はそれぞれの国の産業発展の中心になっていただけるよう、外国人研修生の受付入れを積極的に拡大するための具体的方策について、労働省としては、関係省庁と密接な協議を行い、早期にその実現が図られるよう努力してまいる所存であります。
 ただ、一方において、外国人の労働力に単に人手不足だからといって安易に依存することは厳に慎まなければならないと考えております。(拍手)
#17
○副議長(小山一平君) 質疑はなおございますが、これを次会に譲りたいと存じます。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○副議長(小山一平君) 御異議ないと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト